1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
けいおん!の唯と梓のはわほわカップルを全力支援するスレです
梓×唯も可
落ちてたので立てました
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l .l ら 本 .l _,-''´
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l .l れ l ::::l l
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\_ .l た l ::::l `''-,,,,,_
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--__ l .l ね l::// `''-_
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ヽ- ヽ
やれやれだぜ
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. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.\ 木ノ下りんごが
>>5ゲットだゾ
/:./:./:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.ト、:.:.:.:.:.:.:.',
. /:./:/:./:./:.i:.:.:.:i:.:.:.|:.:,::i "' 、:.:.〈_i',
i:./:.i:.:.i:.:i:.:イ:.:.:.:i:.:.:.:!:.|i:| 'くハ〉
|:i_,イ:.:!:.:i:.i |:.:.:.:i:.:.:/:.| i| V/|:i
|:.:./`T''二_ー-i__/i_|i リ _ レ::|:| ル>1ズ _ い、いきなりキスするなんて恥ずかしい!
|:.:.|´ミ ,ィtテミ- _,ィテチ、 !ヽ|:.! 赤>2きん _ いつもお気楽でいいわよね
|:.:.| 、'( ` 辷ソ` .辷ソ` /ノノ|:| >3ルモでポン _ 松竹とかいうナヨナヨ男がむかつくんだゾ!
|:.:.|ゝ、_, , ,'ノ:::|:| >4ャナ _ メロンパンばかり食べてると太っちゃうゾ
|:.i:|:,.-‐,ゝ、 _ .∠::::::::|:.! グレーテ>6 _ 裏最萌の雪辱はいつか果たすゾ!
';i:.| i ', 、. __ ,. ´, ヽー;|:.| リリカル>7のは _ あの白い悪魔、やばすぎだゾ!
/`'!. | ヽ / } i i ', !;| >8ガレン _ アルとかいうジャンクは消毒だゾ!
ノ .| \_ ,ノ | i. i >9ぎ宮理恵 _ お仕事がんばってね、応援してるゾ
く´ .| ,ィ´'∨´`ゝ レ' .ト 、 ぴた>10 _ 赤ずきんと声優かぶりすぎ!
. } /`- ´く`ー-‐ヘ,シ'`ー! }
.〈`ヽ,,._ノ ` '' ゛ .i /
. /`ー--/ ./ー-‐.´ノ
i i| .ハ`ー ´',
11-1000には、私の手作り肉じゃがをご馳走するゾ!
>>1 乙。
別荘に軽音部メンバーが増えてきたなぁ。
ここにまで荒らしきてたんだ
避難所と分散している分圧縮に注意して落とさないようにな
誘い受け唯×ヘタレ攻め梓
>>10 1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2009/07/19(日) 16:33:02 ID:ZEZeoBVn
けいおん!の唯と梓のはわほわカップルを全力支援するスレです
梓×唯も可
落ちてたので立てました
恥ずかしがるあずにゃんを唯が攻めまくるイメージーがあるけど
受攻交代するする時は>>9のような感じになりそうに思えるなぁ。
あずにゃんホイホイ
毎度おつです
脳汁が噴き出た
>>16 素晴らしい!
危うくムギの二の舞になるところでした
>>16 GJ
これからも楽しみにさせて貰いますよ。
おまいらオヌヌメのSSあるかな?
百合でもレズでも性描写有でもふたなりでも何でもいい
>>20 某所の投稿掲示板にあった短編連作が好きだなー
唯梓がデフォ設定みたいでストライク
鍵のかかった部屋で唯が普通に寝てたあれをアニメで見たい
2巻のカバー下かw
アニメだとみんなで雑魚寝になってるんだよね…
おかげで一個SSのネタが駆逐されたという
二期に期待
ほしゅがてらに添い寝?ゆいあずその2の続き
「はい、ここまでです…」
「え〜、まだ足りないよぉ…」
「時間ですから、仕方ないです」
ストップウォッチの表示を見せながら、私は出来るだけぴしゃりと断ち切れるように、少し厳しく行為を打ち切る。
唯先輩は不満そうな表情で、恨めしげにこちらを眺めてきたけど、仕方がない。
それに足りないのは私も一緒。本当ならもっともっとくっついていたい。だけど、仕方がないよ。
「この仕打ち、理不尽です!私、平沢唯は断固抗議します!」
「まったく理にかなってるじゃないですか。それに、先輩方に心配をかけたのは確かなんですし」
それは、先日の話。あの猛暑の中クーラーもつけずに抱き合って眠っていた私たちは、あわや熱中症かという状態に陥っていた。
実際、先輩方が来られるのがもう少し遅かったら、かなりやばかったらしい。
保健室でぐったりする私たちに先輩方から下された採決は…「暑さが和らぐまで、日中一日5分以上のハグ禁止」というものだった。
そんな!それじゃ唯先輩分が枯渇しちゃいます!と抗議を入れそうになったものの。
私のキャラじゃないということと、先輩方は本当に私たちを心配して言ってくれたということがわかってたから、何も言えなかった。
それに、私が自重し切れなかったせいで、唯先輩をあんな目にあわせてしまったことは確かだし…
と言うわけでその次の日からの私は、ストップウォッチを片手にすることが日課になっていた。言いつけはちゃんと守らないと、あんなに心配かけちゃったんだし。
それでも、この一日5分までと言うのは思ったよりもずっときつかった。
まだ一週間もたっていないというのに、私の唯先輩分不足は半端じゃない。禁断症状でどうにかなってしまいそう。
それは、唯先輩も同じみたいだった。当初は神妙にしてた唯先輩も―唯先輩だけのせいじゃないから、そこまで落ち込まれても困るんですけど
―今ではこうして、時間の短さに不満を口にするようになっていた。それでも、ちゃんとその一線は守ってくれてるんだけど。
…私としては、我慢しきれずに強引に押し倒してくれても、問題ないんだけ…いや、それは駄目。また同じ轍をふむことになることは目に見えているから。
それに、私だけならともかく…唯先輩まで具合を悪くしてしまうのは…やはり駄目だと思う。
でもでも、やっぱり…これだけしか触れられないのは…辛い。
「そうだよね…」
って、なんでわたしの心の声に返事してるんですか。…ひょっとして私、声に出してました?
「うん」
あっさりと頷いて見せた唯先輩の笑顔に、ぽんっと音を立てて私の頬は熱くなった。おそらくは、ううん間違いなく、私の顔は真っ赤になってることだろう。
「ほい、あずにゃん」
そんな私に、唯先輩はその笑顔のまま、ほいって右手を差し出してきた。な、なんだろ。ほっぺに触れるでも、頭を撫でるでもなく、私の前でぴたっと唯先輩の手は動きを止めている。
「手、つなご。今気付いたんだけど、別に接触禁止ってわけじゃないんだから、これくらいなら平気だよ」
「あ、そ、そうですね…」
言われてみると…確かにその通りだ。何かすっかりそのつもりになっていたけど、別に触れちゃ駄目ってわけじゃなかったんだ…
差し出された先輩の手に、手を伸ばす。一日5分、その制限を超えて触れるのは本当に久しぶりで。すっかり自分でそう決めてしまっていたから、なんか嬉しさと背徳感が混ざって、変な感じがする。
それに…今まで散々抱きつかれたりしてたけど…こうして手を繋ぐのは初めてじゃ無かったかな。
そうっと手のひらを合わせると、きゅっと唯先輩の手が私の手を握り締めてきた。
まるで心臓が止まったかのような衝撃。ううん、これ本当にとまってるんじゃないのかな。
きめ細かな唯先輩の肌は吸い付くような感触で、ぎゅっと握り締められ押し付けられた部分からは、普段のそれよりもずっと―もちろん普段のスキンシップがこれに劣るというわけではないけど―唯先輩のぬくもりを伝えてくる。
手のひらだけなのに、何故か全身を抱きしめられているような、そんな感覚。意識がうっとりと何か熱いものへと沈んでいく。
もし場所が場所だったら…このまま唯先輩と倒れこんでしまってもいいと思えるくらいに。
「だ、駄目です!」
そう、完全に傾倒してしまう前に、私はあわてて意識を立て直した。さすがにこんなところでそんなになってしまうのは、いろいろ問題がある。
それに、きっと絶対にもうどう取り繕いも無いタイミングになった時点で、ガチャリと扉が開いて誰か入ってきてしまうような、そんな予感もしている。
「あ、あずにゃん…いやだった?」
「へ?」
悲しそうな声に視線を戻すと、そこには今にも泣き出してしまいそうな唯先輩の顔が合った。
はっと気がつく。我に返った勢いで、私は唯先輩の手を振り払ってしまっていた。さーっと顔から血の気が引いていく。
「ち、違うんです!今のは、いやだったからとかじゃなくて…」
慌てて、そういうつもりじゃなかったことを伝えなきゃと思って、喋り出す。そしてそこで止まってしまった。何故なら、それ以上続けるということは、さっきの自分の心情を口にしないといけないってことで―それ、なんて羞恥プレイですか。
「じゃなくて…?」
私の否定に、唯先輩の顔はほっとした表情に。それでも私が言葉を途中で止めたことを怪訝に思ったのか、そう促してくる。ううん、ちょっと不安が混じってる。
やはり、続けないと駄目だよね…恥ずかしいのは確かだけど、それで唯先輩を傷つけるのはもっといやだから。
「いやだった…からではなくて、よすぎたからです」
「え?」
首を傾げられる。仕方なく、補足を入れる。…ああもう、恥ずかしいんですよ。
「ですから、唯先輩と手をつなぐのが…です」
「へ?」
唯先輩の首が、今度は反対側に傾ぐ。でも前回とは違って、じわじわとわかった!という表情に変わっていっていた。
「あずにゃ〜ん…!」
唯先輩は、更に表情をキューンとしたモノへと変化させ、ばっと腕を広げて近づいてきた。いつもの、抱きつく1秒前のポーズ。
反射的に受け入れそうになったけど、慌ててぴとっと先輩の額に手のひらを当てて、ストップをかける。
「わ、だ、駄目です!今日はもう5分経っちゃってます!」
「えへへ、そうだったね…それじゃ、また手をつなごうよ!」
そうして私の返答も待たずに、額の手を両手でパシッと捕獲する唯先輩。
密かに額の感触を堪能していた私は、再び訪れた唯先輩の手の感触に、びくっとなる。
さっきと同じ、柔らかで暖かな感触。でもさっきと同じじゃない。両手で包み込まれている私の右手は、さっきの2倍…ううん、相乗効果なのか3倍も唯先輩をしっかりと感じていた。
「はぅ…っ」
まさしく3倍速。体の芯があっという間にジンジンと熱くなっていく。顔なんてもう真っ赤になっているに違いない。
唯先輩はにこにこしながら私の顔を覗き込んでいて、真っ赤になった顔を見られちゃってるはずなのに、何故かいつもの羞恥心は沸いてこなかった。
そんなことより、今の私はもっと唯先輩を感じていたい、なんて思ってしまっている。抱きつきたい、すりすりしたい、体中をぴっとりくっつけて、もっともっと感じていたい。
熱でぼやけそうな視界の中、一生懸命微笑む先輩に焦点を合わせる。抱きつくのは駄目―でも、触れるのは大丈夫。だから、こうして私と唯先輩は手をつないでるのであって。
そう、触れるのは―大丈夫。ですよね、唯先輩?
「え?」
夢見心地の私の鼓膜を、先輩の甘い声がこつんとたたく。疑問の声、だけどそれすらも、今の私にとっては起爆剤。
開いてる左手をすいっと伸ばして、柔らかなほっぺに触れる。その感触もあまりに心地よくて、私の意識を吹き飛ばしそうになったけど、今はもっと前に進まなきゃ。
瞳を真っ直ぐに先輩の瞳に合わせて、ゆっくりとその距離を縮めていく。
その瞬間が待ち遠しくて、精一杯急いでるはずなのに、何故かスピードはゆっくり。まるで時間の流れが遅くなっているよう。ううん、きっとそうなんだろう。
その瞬間もそうだけど、それにいたるまでのこの甘くてとろけそうなマシュマロみたいな時間も、一秒でも長く感じていたい、感じていてほしいと、そう思ってしまってるから。
私の意図を察したのか、先輩は一瞬だけ目を小さく見開き、そして優しく微笑んでくれた。ほんわりとしたいつものものとは少し違った、私を優しく包んでくれようとする意思を持ったほわっとした笑顔。
私を何度も虜にしてくれた、その笑顔。
先輩の目がまたゆっくりと閉じて、唇がほんの少しだけとがって、ほんの少しだけ開いて。もう後僅かで触れ合ってしまえる私を、優しく受け入れてくれる形へと変わっていく。
それまでの感覚を全て飲み込んでしまうほどの嬉しさを私の中に湧き上がらせてくれたそれに応えようと、私は最後の1ミリをゼロにしようと―した。
ええ、したんですが。
「惜しかったね、あずにゃん」
耳元でこそこそっと囁かれる声に、私は気付かれないように小さくため息をつく。
つまりはその―結果として、私たちのファーストキスは未遂に終わってしまったということ。
もっとも、それを悔しくもしくは残念に思う暇も無く、ドアを開けた状態で固まってしまった先輩方を何とか解凍する努力に奔走させられたわけだけど。
「いいえ、あれでよかったんです。そもそも、学校であんなことをしようとしたことが間違ってたんですよ」
「うぅ…あずにゃんが冷たいよう。あずにゃんから―」
「ああ、もう、ストップです。終わりにしましょう…はい」
それでもまだ不満そうな唯先輩の口元に、私の口に入るはずだったケーキ付きフォークを差し出してみる。
反射的にぱくっと銜えた唯先輩の顔は、一瞬にしてほわっとしたものに変わる。
「…はっ、こんなのじゃ誤魔化されな―」
「はい」
「はむっ」
我に返ろうとする唯先輩に、その隙を与えず第二弾を投入。それに満足したのか、先輩はふにゃ〜とおとなしくなってくれた。
本当は、私もまだ残念。許されるのなら、今すぐにでもさっきの続きをしたい…ってそう思ってる。
でも、今は焦らなくていいかな、って思ってる。
「唯先輩」
「ふにゃ?」
何故なら、私はもうひとつの抜け道に気がついたから。課せられた制約、その抜け道は抱きつかなければ大丈夫、だけじゃなくて―つまり。
「今夜、うちに誰もいないんです。もしよかったら―」
日中じゃなければ、つまり、夜になってしまえばいくらでも―先輩と触れ合えるということですから。
ほしゅがてらにという長さじゃない…すみません
1レス以内と思っていたのですが、書いてるうちにどんどん
次から長くなるようなら、TXT上げかURL貼り付けにするようにします
乙GJ
ニヤニヤしたよ
また頼むぜ
>>29 やべぇwww
2828が止まらないwww
ちょっと気になったんだけど、添い寝シリーズって保管庫入んないのかな?
保管庫にも此処のスレ乗せて欲しいな…
>>29 さて、規制された二人のめくるめく夜の密会編はまだですか??いっそSSとしてまとめればおkかと。
唯と梓が付き合うことを発表した場合の周囲の反応を考えてみた
和・しっかりした娘だし、唯を任せても大丈夫そうね
憂・大好きなお姉ちゃんと大好きな梓ちゃんが一緒になるなんて幸せ二乗だよー
唯の両親・イェイ!
さわちゃん・ウェディングドレスは任せなさい!
さわちゃんの初恋の人・さわ子、やり過ぎ(色々と)
唯のクラスメート・唯〜、がんばってー!
純・軽音部まじヤバイ
生徒会長・澪さまハァハァ
ジャズ研に入った梓の友達・梓に先を越された!
聡・てか誰だよ?
聡の友人・知るわけないだろ。そんなことよりや ら な い か ?
近所のおばさん・あら唯ちゃん。早いのねぇ
幼稚園の先生・唯ちゃん上手ね(ナニが)
ファーストフード店の店員(ムギの先輩)・ご一緒に百合姫はいかがですか?
ムギ・ちょっと日本国憲法を変えて来ますね(同性婚的な意味で)
斎藤・お嬢様、永田町へロビイストを送り込んでございます
楽器店の店員・さすが琴吹家、やることパねぇな…
澪・あの二人ならお似合いだな。安心して見てられるよ(私もいつか律と…)
律・順当順当w幸せになれよ〜!(梓に澪取られなくて良かった…)
あずにゃん2号・にゃん(訳・ゆいあずは至高。異論は認めない)
確かに会長と聡にとっては他人事でしかないなw
2号の意見に同意だな。もっとやれ
これはムギを応援せざるおえない
唯の両親w
一番美味しいポジションにいるんだな憂め
原作だとあずにゃんは唯のギターに憧れて軽音部入ったってのはマジか?
高校入学前に演奏聞く機会があったのだろうか…気になる
明日書店回って原作買いに行くか…
>>39 新歓のときに演奏しててそれにほれたんじゃまいか
うん
でもコミック版は唯より澪に懐いてる感じ
アニメは唯に懐いてる感じ
>>41 でもいつも最後には出れてた。>原作
普段は澪先輩っていってるけど、本命は唯みたいな印象。
そっか、新歓か…
何故か高校入学前になんかのツテで音源手に入れて、繰り返し聞くあずにゃんとか妄想してたわw
このまま妄想が爆発する前に明日原作買いに行ってくる
良いもの拝ませてもらった
ただ貴方にありがとうの言葉を
>>45 GJ!!
おきててよかった……。
SSにしたいくらいだ。
>>48 あずにゃん攻めマジ半端ねぇw
あずゆいに完全に目覚めましたGJ!
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 08:56:03 ID:fL+lZ7vx
単行本の2巻の最初に追加してるカラーのコマで梓が初対面の憂に話し掛ける時に
去年のライブの録音を聞いて、ハートマークを出しながらギターの人に憧れてた事を言ってたからねぇ。
聞いて→聴いて
の間違いだった。
尼から届いたばかりの放課後ティータイム聞いたぜ
こんなの聞かされてはあずにゃんも唯に惚れざるをえない
>45
・・・やばい、なんか涙出てくる
いいもの見せてもらったよGJ!
>>48 いつも神がかった作品をありがとう、GJ!
放課後ティータイムは曲がいいだけでなく
ジャケで唯と梓が隣どおしでくっついてるってのも嬉しい
これからも唯梓絵がどんどん増えてほしいものだ
唯梓絵もそうだけど、唯梓のツインギター&ダブルボーカルをやってほしいねぇ。
2期で期待したいところ
iPS細胞とかいうので女同士でも子供が作れるらしいですよ唯先輩
産むのはどっちになるだろ
個人的な好みで申し訳ないが、梓がお父さん、唯がお母さんなイメージ
梓がお母さんだろ
先輩!先輩!先輩!先輩ぅぅうううわぁああああああ
ああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!
先輩先輩先輩ぅううぁわぁああああ!!!
あぁ!クンカクンカ!
スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!唯先輩の髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!凸モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
文化祭ライブの先輩かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
風邪治って良かったね先輩!あぁあああああ!かわいい!先輩!かわいい!あっああぁああ!
後ろから抱きつかれて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
>>66 こんな感じで暴走したあずにゃんが唯に抱きついてきたら
唯はどんな反応するんだろ
とりあえず落ち着かせるため得意の「いー子いー子」とすりすりでKO
そして我に返って自分の行動を振り返り、真っ赤になる梓を見て
今度は唯が暴走状態になるわけですね
>>72 ここ全年齢板だからR−18ならその注意書き入れたほうがいいよ
それとエロパロと百合萌えスレ用の保管庫に保管して大丈夫?
キャラ個別板LR(抜粋)
アニメキャラの話題のうち、単体キャラ/カップリング/グループ/キャラ対決など
特定のキャラ限定の話題を扱います
●エロ・下品な話題はPINKちゃんねるへ(18歳未満禁止)
>>72 新作乙です!
これは放課後もう1ラウンドくらいありそうですねw
唯梓はベッドに放り込むと、
攻守交替しながら延々といちゃいちゃしてそうだなあw
>>72 タイトルワラッタw
すさまじい萌えぶりです。
>>73 保管庫に保管した作品も百合まとめ欄に入れてたから大丈夫じゃないの?
唯がSであずにゃんがMですか
なんか唯なら、部室でもどこでもイチャイチャしそう
でも、あずにゃんは真面目だから…
「こんなトコで…だめですよ、唯先輩! 」
「あずにゃん…そんなに嫌?」
「えっ…い嫌ではないですけど…」
「なーんだぁよかった!!えいっ」
「ちょっ唯先輩!?…もぉ」
>>78 ゆいあずに触発された律と澪がイチャイチャチュパチュパ解禁し、それを眺めるムギがハァハァして、
さわちゃんはいけないオモチャを差し入れるわけですね!
BigHit!軽音部まじパねぇ!
>>72 エロに走るのもいい
しかしエロ抜きでのいちゃつきも素晴らしいことを忘れないでほしい
部活しろよw
あずにゃんを抱きかかえて
頭を撫でながらたいやきを食べさせてあげる唯
>>83 当然、その前に唯があずにゃんの頭の上に猫耳を取り付けていますよね
ガチャ
梓「こんにちは、ってあれ?誰もいないや。でも鍵は空いてたし荷物も置いてあるし、待ってたら来る、よね」
ガチャ
唯「ヤホ―、ってあれ?あずにゃん一人だけ?」
梓「あ、こんにちは唯先輩。そうなんですよ、ただ鍵も空いてましたし荷物も置いてあったんで
少し席を外されてるんだと思います」
唯「ふーん、そうなんだ。せっかくみんなのためにおやつ持ってきたのになあ」
梓「珍しいですね、唯先輩がお菓子持ってくるなんて」
唯「最近話題になってる鯛焼き持ってきたんだよ。少し並んだけど、みんなにも食べてもらいたくてさ」
梓「えっ、鯛焼きですか!?」
唯「おお、珍しくあずにゃんが食いついてきた。そういえばあずにゃんって鯛焼き好きなんだっけ?」
梓「はい!大好きです!」
唯「鯛焼き……、あずにゃん……、そうだ。いいこと思いついちゃった」
梓「何ですか、唯先輩」
唯「ねえ、あずにゃん。鯛焼きって魚の形してるよね」
梓「だから鯛焼きっていうんじゃないですか」
唯「そこであずにゃんにクイズです。魚が好きな動物っていったら何が思い浮かぶ?」
梓「えっと、猫ですか?」
唯「せいかーい!そしてここにその猫の耳がデザインされたカチューシャがあります」
梓「ま、まさか……」
唯「ねえ、あずにゃん。猫耳つけて鯛焼き食べてくれない?」
梓「い、いやですよ。なんでわざわざそんなことしないといけないんですか!」
唯「えー、いいじゃんいいじゃん。猫耳が似合うのはもう分かってるんだからさ、
猫耳着けたあずにゃんが魚に飛びつく猫みたいに鯛焼きを美味しそうに頬張る。
その光景だけでご飯三杯はいけちゃうよ」
梓「いけなくていいですよ!とにかく、私はやりませんからね」
唯「そんなこと言っちゃうんだー。それじゃあこの鯛焼きはお預けしちゃおうかなー」
梓「えっ……」
唯「ほらほらー、羞恥心なんか捨てちゃってさー、食欲に身をゆだねようよー」
梓「うぅ……」
唯「私相手に今更恥ずかしがることもないでしょー、ほらー、とっても美味しそうだよー」
梓「わ、わかりましたよ。着けますよ、着ければいいんですね」
唯「それじゃ、さっそく着けてくれるかな?」
梓(私、もしかして唯先輩に遊ばれてる?ああ、もうどうにでもなれ!)スチャッ
唯「おお!やっぱり似合うよあずにゃん」
梓「そ、そうですか」
唯「うん、すごい似合ってるよ。ニャーって言って、ニャーって」
梓「ニャ、ニャア……」
唯「ああ、もう可愛すぎる!それじゃ言うこと聞いてくれた可愛い子猫ちゃんにはご褒美をあげなきゃね。
ほら、お待ちかねの鯛焼きだよ」
梓「あ、ありがとうございます」
唯「ちょっと、ダメだよあずにゃん」
梓「え、何がですか?」
唯「今あずにゃんは子猫なんだよ、ニャーしか喋っちゃダメ!」
梓「そ、そんなこと言ってなかったじゃないですか!」
唯「じゃあ、あーげない」
梓「わ、わかりました。もうここまで来ちゃったんですから、やります、やりますから」
唯「はい、よく言えました。それじゃ改めて、子猫ちゃんにお待ちかねのご褒美だよー」
梓「ニャ、ニャア」モグモグ
唯「どう、美味しい?」
梓「ニャン♪」
唯(あずにゃんホント可愛いなあ、ホンモノの猫より可愛いよ。……そうだ!)
「あずにゃん、ちょっとこっち来てくれる?」
梓「ニャ?」トコトコ
唯「ここ、おいで?」
梓「ニャ!?ニャーニャー」
唯「いいからおいでって」グイッ
梓「えっ!?」
唯「えへへ、あずにゃん捕まえた」
梓「ちょっ、ちょっと唯先輩!?」
唯「こーら、あずにゃん」
梓「あ……、ニャ、ニャニャニャー」
唯「こらこら、そんなに暴れないの」
梓「ニャン……」
唯「あずにゃんが可愛すぎるからいけないんだよ、あんなの見せられたら誰だって一人占めしたくなっちゃうよ。
それにしてもホント可愛いなあ、このまま持って帰りたいよ」
梓「ニャニャ!?」
唯「もちろん冗談だよ。だからせめて今だけ、楽しませて、ね?」
梓「ニャア……、ニャン!」
唯「ありがと、あずにゃん」ナデナデ
梓「ニャア……」
唯「そうだ、鯛焼き多めに買ってきてたんだけど、もうひとつ食べる?」
梓「ニャン♪」
唯「それじゃ、あーんして」
梓「ニャー」パクッ
唯「えへ、美味しい?」
梓「ニャンニャン♪」
唯「それは良かったー」ナデナデ
梓「ニャア♪」
唯「さてと、いつまでもあずにゃんとこうしていたいけど、もうすぐみんなも来るだろうし、もうそろそろ終わりにしようか。
ゴメンねあずにゃん、私のわがままに付き合わせちゃって」
梓「ニャニャ、ニャーニャーニャー」
唯「アハハ、もう普通に喋っていいよ」
梓「あ、わかりました。いえ、そんなことないですよ。なんだかんだで私も楽しんでましたし」
唯「それなら良かったよ、じゃあ今度から定期的にやってもらおうかな?」
梓「そ、それは……」
唯「冗談だよ。やってもらいたいってのはホントだけどね、無理は言わないよ。
でも、今日はホントありがと、あずにゃんの新しい顔が見れた気がするよ」
ガチャ
律「お、唯と梓が来てたか。ゴメンゴメン、今日締め切りの書類出すの忘れててさ、急いで出しに行ってたんだよ。
……って、あれ?梓、どうしたんだ?」
梓「え、何ですか?」
律「いや、猫耳なんか着けちゃってさ」
梓「ニャッ!?」
おしまい
ニャアアアアアアッ!
やばいにゃああああああああああああっ!!!
>>86 GJ!!
たまらなく!可愛すぎるww
やっぱり猫耳あずにゃんに唯が抱きつきながら食べさせてあげる光景は絵になりますね!
多分、あなたは気づいてないと思うけど
私はちゃんと あの時
あなたに恋をしたんですよ? 先輩
文化祭のライブ 正直 あまり期待はしていなかった
曲が始まると 顔つきが変わって
汗をかきながら 一生懸命に だけど、誰よりも
嬉しそうで 笑顔だった。
音を間違えたり、歌詞を間違えたり ミスはたくさんあった。
でも、こんなに楽しそうなバンド始めてみた。
私も、一緒にこの人達とー!!
「あずにゃーん、鯛焼きあるけど食べるー?」
「いただきますっ…てほら、唯先輩練習しますよ!ここ軽音部でしょ?」
「えー…鯛焼き食べないと力が出ないー …あずにゃん、食べさせて?」
「何言ってるんですか、もう 自分で食べてください!」
まったく、私や澪先輩がいないとちっとも練習しないんだから…
「あずにゃん、私のコト…嫌い?」
「えっあっその…ち、違いますっ嫌いとかじゃなくてむしろ逆でー…」
「逆で?」 「……」 「 その続きは??」 「…スキ…ですけど」
「エー?ゴメン、キコエナカッタ、モウ一回イッテー?」
聞えてるくせに…
「もぉ!!唯先輩なんて知りませんっ」
ここで もう一度 スキなんて言ったら
…なんか負けたみたいで悔しいので
もぅ一生スキだなんていいません
「あずにゃん、あと一回!あともう一回言って!!」
…多分。
>>86>>90 甘い物ばっかりだと糖尿病になるんだよな…好きだけどw
>>92 泣けたよ俺……GJだよあんた…。
このスレも職人が増えて嬉しい限り…
>>92 切ねぇよぉ〜
でもGJ!
>>93 うむ、もっともっと職人さんが増えてくれればいいよなぁ〜
>>92 な、んな…切なくて俺が泣くわ…
13話見ると部活帰りは最初は5人→紬は電車、律澪と唯梓で別れて帰るんだな
唯梓あああああああ!!!
>>95 そうなんだよ!唯梓的に注目のシーンだった!
案外、家が近いのかもな。で、週末は殆どと言って良いほど平沢家にお泊まりするあずにゃん、と。
もちろん既にご両親には挨拶済みです。
さらっと流してたけど唯って梓の家知ってたんだな
しかしあの回の唯は梓に対してかっこよすぎだとおもうんだ
>唯って梓の家知ってた
憂が知ってたのかもしれないけどこれ重要だな〜
梓も徒歩通学なのね
帰り道、二人っきりの唯梓タイム!!
話してるうちに、平沢家へ
「ご飯食べてきなよ〜」と憂と唯の誘いを断れずいっしょに晩御飯。
「明日学校休みだし泊まってきなよ〜」とまたも憂と唯の誘いを断れずお泊まり。
やばいww妄想が止まらんwwwww誰か止めてくれ
唯のあずにゃん包囲網完成
>>101 やきもちをやく唯がこんなに可愛いものだとはおもわなかった。
しかもおちがwwたしかに唯は後輩とかにもてそうだ。
GJ!
>>102 乙
唯恐っww
嫉妬のあまり不安が解消するまでの間Sお姉さまに覚醒して
あずにゃんに迫って弄っちゃう光景もまたそれはそれで良いですね!
紬が意識を失いそうになるほど悶えてしまう気持ちが分かります。
ドSのやきもちとは斯くも恐ろしいものか…
106 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/26(日) 11:26:36 ID:+YxuFrx+
うわああああ!!
唯になって梓とイチャイチャしたいよおおおお!!
俺は梓になって唯とにゃんにゃんしたいな
律「それじゃあな、今日はお疲れ」澪「それじゃ、また明日」
唯「じゃあねー」梓「お疲れ様でした」
唯「ふいー、今日は疲れたねー」
梓「そうですね、今日は珍しくずっと真面目に練習しましたからね。
でも、真面目に練習ってのが珍しくていいんでしょうか?」
唯「毎日毎日肩肘張っちゃってるといざって時に疲れちゃって力出せないよ。
締めるときは締めて、抜くときは抜いて、楽しみながら上達できたら一番だと私は思うな」
梓「そうかもしれませんね」
唯「ねえ、ちょっとコンビニ寄っていい?」
梓「いいですよ、何買うんです?」
唯「今日は珍しくお茶の時間もとらずに練習したからさ、ちょっとお腹空いちゃったんだよね。
あずにゃんも何か買ってく?」
梓「いえ、大丈夫です。それじゃ私、外で待ってますね」
唯「じゃあ急いで買ってくるよ」
唯「お待たせー。それじゃあずにゃん、どっちか選んで」
梓「え、何ですか?」
唯「あずにゃんにもアイス買ってあげようと思ったんだけど、何が好きか分からなかったからさ、
二種類買ってきたんだ、といってもどっちもガリガリ君だけどね。さあ、好きなほう選んでいいよ」
梓「そんな、悪いですよ」
唯「いいっていいって、たまには私にも先輩らしいことさせてよ。それに、もう買っちゃったんだしさ」
梓「そう、ですね。それじゃお言葉に甘えさせてもらいます」
唯「う〜ん、冷たくて美味しいねえ」
梓「はい、美味しいです。でもホントすみません、奢ってもらっちゃって」
唯「んもう、私からやったことなんだからいいってば。
それにしても、そっちも美味しそうだね。ねえ、あずにゃん、一口ちょうだい?」
梓「いいですよ、どうぞ」
唯「ありがとー、それじゃいただきまーす。……うん、あずにゃんのも美味しいなあ。
それじゃあずにゃん、私のも一口食べていいよ」
梓「そんな、いいですよ」
唯「私だけ貰っちゃ不公平だよ。ほら、パクッといっちゃって」
梓「それじゃいただきます。……こっちも美味しいですね」
唯「結論、夏食べるアイスはやっぱり美味しい、だね」
梓「フフ、そうですね。あっ!?」
唯「ん?どうしたのあずにゃん?」
梓「当たりです!私、アイスの当たりって初めて見ました」
唯「おお、私って妙なところで運使っちゃってるよ」
梓「これ、あとで先輩にお返ししますね」
唯「いいよー、二つの中からあずにゃんが選んだやつが当たりだったんだから、それはあずにゃんのだよ」
梓「でも、いいんですか?」
唯「いいんだよ、グリーンだよー!」
梓「アハハ、何言ってるんですか、先輩。それじゃ、お言葉に甘えて貰っておきます。
では、私むこうですからここでお別れです」
唯「それじゃあまた明日ねー、バイバーイ」
梓「はい、お疲れ様でした。アイスありがとうございました」
梓(当たり買ってくるなんて、唯先輩、運強いなあ。
あ、でも、二つの中から当たりを選んだ私も運が強いのかな?
……だけど、交換しちゃうのはなんかもったいない気がするな。
うん、せっかくだし、記念に取っておこうっと)
↑おお後輩と先輩っていいなぁ
ほんわかしてて平和で。
キミを見てると いつもハート DOKI☆DOKI
揺れる思いは マシュマロみたいに ふわ☆ふわ
いつもがんばる (いつもがんばる)
キミの横顔 (キミの横顔)
ずっと見てたら 顔赤くなるよね
夢の中なら (夢の中なら)
二人の距離 縮められるのにな
あぁ カミサマお願い
二人だけの Dream Time ください☆
お気に入りの あずにゃん抱いて 今夜もオヤスミ♪
ふわふわタイム (ふわふわタイム)
ふわふわタイム (ふわふわタイム)
ふわふわタイム (ふわふわタイム)
ふとした仕草に 今日もハート ZUKI★ZUKI
さりげな笑顔を 深読みしすぎて over heat!
いつか目にした キミのマジ顔
瞳閉じても 浮かんでくるよ
夢でいいから 二人だけの Sweet time 欲しいの
あぁ カミサマどうして
好きになるほど Dream night せつないの
とっておきのくまちゃん 出したし 今夜は大丈夫かな?
もすこし勇気ふるって
自然にキス
何かが変わるのかな?
そんな気するけど
だけどそれが一番難しいのよ
キスのきっかけとかどうしよ
てか段取り考えてる時点で 全然 自然じゃないよね
あぁ もういいや 寝ちゃお 寝ちゃお 寝ちゃおーっ!
寝ちゃおーっ!!
あぁ カミサマお願い
一度だけの Miracle Time ください!
もしすんなり キスできれば その後はどうにかなるよね
ふわふわタイム (ふわふわタイム)
ふわふわタイム (ふわふわタイム)
ふわふわタイム (ふわふわタイム)
俺は…一体何を…
>>108 あれ??其処は間接キスとかってあずにゃん一人だけがドキドキして真っ赤になる展開は??
>>109 …気にするな…俺なんて仕事中も余裕だぜv
113 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/26(日) 17:29:58 ID:+YxuFrx+
>>110 これ歌ってるのが澪だったらマジで許さん
まぁまぁまぁまぁまぁまぁ
澪はあずにゃんとは呼ばないから安心しろ
>>111 希望に添えるかは分からないが
>>108の四段落目からの別バージョン
唯「う〜ん、冷たくて美味しいねえ」
梓「はい、美味しいです。でもホントすみません、奢ってもらっちゃって」
唯「んもう、私からやったことなんだからいいってば。
そうだ、せっかく二種類あるんだから食べ比べしてみようよ。
ほら、あずにゃん、私の食べていいよ」
梓「え!?」(そ、それって間接キス!?)
唯「そのかわり、あずにゃんのも食べさせてね、ってあずにゃんどうしたの?顔赤いよ」
梓「な、何でもないです」
唯「それじゃあずにゃん、はい、あーん」
梓(唯先輩と間接キス、しかもあーんまでしてもらって……。
この光景、憂が見たら羨むんだろうな)パクッ
唯「どう?美味しい?」
梓「はい、とっても美味しいです」
唯「でしょでしょー、それじゃあずにゃんのも食べていい?」
梓「もちろんいいですよ。はい、どうぞ」
唯「んもう、あずにゃん。あーんしてあげたんだから私にもあーんしてよ」
梓「ええっ!?そ、それは恥ずかしすぎますよ」
唯「えー、私にやらせといてあずにゃんはやってくれないのー?」
梓「そ、それは先輩が勝手に……」
唯「いいじゃーん、減るもんじゃないしさー」
梓「……分かりましたよ。それじゃ先輩、あーんしてください」
唯「ラジャー!あーん」パクッ
唯「う〜ん、あずにゃんに食べさせてもらって美味しさ倍増だよ」
梓「誰に食べさせてもらったって味は変わりませんよ」
唯「そんなことないよ。あずにゃんの愛がこもってるから、より美味しく感じるよ」
梓「な!?何言ってるんですか!?」
唯「えへへ」
梓「ホントにもう……」(その笑顔は反則です、その笑顔ひとつで全部許しちゃいますよ)
・暑いの苦手
・クーラーも苦手
・恥じらい?なにそれおいしいの?
・よさこい!!
以上の条件から、夏期に家で練習するときは唯は必ず水着、梓も強引に着せられて結局二人とも…
と思うんだがどうだろう
>>115 いいなぁいいなぁ
2人ともかわいいなぁ
もう保守する必要もないほど活気が出てきて嬉しいこの頃
添い寝ゆいあず合宿編
「やった、弾けたよあずにゃん!」
唯先輩はそういって、本当に嬉しそうな笑顔をこちら向けた。
見ているこっちのほうが嬉しくなってしまいそうな、満面の笑み。
一瞬それに見とれそうになって、慌ててこほんと咳払いをして、気を取り直す。
「さすがです、先輩。これで完璧ですね」
「ううん、あずにゃんのおかげだよ〜」
そういって唯先輩は、ふわって手を広げてきゅっと私を捕まえると、ギューっと抱きしめてくる。
この抱きつき癖はどうにかならないのかな、と思うものの、気がつけば苦笑を浮かべつつもそれを受け入れている自分がいた。
そしてそんな自分も悪くないと思っている自分もいたりして。
そうだ、たまにはこちらから抱き返してみるのもいいかも―更にはそんな風に思ったりもしちゃってる。
…きっともう夜遅いから、寝ぼけてきているから、ぼうっとした頭がそんなことを考えちゃってるのかもしれない。
「ゆいせんぱ―」
「それじゃ、あずにゃん、通して弾いてみようよ!」
私が手を広げたその瞬間、まるで狙ったかのようなタイミングで唯先輩はぱっと私から離れて、しゃきっとギターを構えて見せた。
「あずにゃん?それ何のポーズ?」
「…なんでもありません」
膨れそうになる頬を懸命に押しとどめて、こぼれそうになるため息も何とか押さえ込んで、私はぱたりと手を下ろした。
なに?と唯先輩は首を傾げて見せるものの―こんなこと、正直に弁明できるわけ無いじゃないですか。
「それより、合わせるんでしたよね?じゃあ、行きますよ」
「うぅ、あずにゃんが何か怒ってるよぅ…」
「別に怒ってません!」
そういう私の顔は、きっと少し怒った顔してるんだろうな、と思うものの、それくらいは許してください。
だって―やはり少しは、残念だって思ってしまってるから。―うん、もしまた同じ機会があったら、今度は少しだけ、素直になってみよう。
「それじゃ、いくよ、あずにゃん〜」
ほわっとした声、だけどもギターを構えた途端、唯先輩の顔は1人のギタリストの顔になる。
相変わらずふんわりほわっとしてるけど、ここって決めたときの先輩は、先輩の目はとても真剣だから。
「はい、いつでも」
私の目を一瞬だけ見つめ、先輩はきゅっと小さく、軽やかにピックを振り上げた。
「あずにゃん、もう一回いくよ〜」
これで何度目になるんだろうか。先輩は相変わらずにこにこと楽しそうにギターを抱えて、私を見つめてくる。
その演奏は回を追うごとにどんどん洗練されていって、おそらくは無意識だと思うんだけどアレンジもどんどん増えていって、私のほうは逆にそれに追いつくのに精一杯になっている。
「も、もう一回ですか?」
というよりは、正直なところ相当に疲れていた。日中海であんなに遊びまわった上に、バーベキューに肝試し、そして花火。楽しかったのは認めるけど、さすがに体力の限界が近づいている。
むしろ私よりはしゃぎまわっていたはずの先輩は、何故まだこんなに元気なんだろう。
「あずにゃん、もう疲れちゃった?」
「い、いえ、そんなことは…」
駄目駄目、せっかく先輩がその気になってくれてるんだから―私から水をさすなんてとてもできない。
それに―疲れてるのは確かだけど、先輩と一緒に練習できるこの時間はやはり私にとってとても充実してて、そして楽しい時間だから。
「駄目だよ、あずにゃん。無理はいけないって憂も言ってたよ」
そういうと先輩はあっさりギターを下ろすと、もうおしまいってにこっと笑って見せた。
「…すみません、せっかく練習に誘ってもらったのに…」
「いいんだよ〜。というよりね、私誰かに止められないと朝まで弾いちゃってるみたいだから」
「へ!?じゃ、じゃあいつ寝てるんですか」
「だから、いつもは憂がもう寝なきゃ駄目だよ、お姉ちゃんって止めてくれるんだ」
「なるほど…」
普段練習してないって思ってたけど、一度やり始めると…ってことなんだ。やりすぎなところは唯先輩らしいけど…でも少し見直したかも。
それにしても憂の物真似、何でそんなに無駄に上手なんですか。
「…って、もうこんな時間じゃないですか!」
ふと、チラッと目に入った時計の短針は、もう随分0をオーバーしていた。いくら合宿といっても、寝過ごしても咎める人がいないといっても、だからといってこんなに夜更かしをしてもいいというわけじゃない。
「わあ、すごい時間だね〜」
「すごい時間だね〜じゃありません。早く寝ないと…明日こそ皆でちゃんと練習できたらって思ってたのに…」
「そうだね、たっぷり寝て、たっぷり遊ばないとだもんね」
「違います!…もう」
ののほんと私の台詞をあっさり改変してくれた先輩に膨れて見せたものの、でも唯先輩が実はちゃんと練習してるってこともわかったし―私も皆で遊ぶのは楽しかったから、少しくらいはいいかも、と思ってしまってる。
澪先輩も、息抜きは必要って言ってたし。それに―ああいう風に過ごすことは、今まで知らなかった顔が見えたりして、もっとよく先輩方のことを知ることができて、バンドとしては必要なことなのかもしれない。
「…あれ〜?」
そんな私の思考に、唯先輩ののんびりした声が割り込んできた。
見ると、ギターをカバーにしまったまま、唯先輩はぺたりと座り込んだままだった。
私はというと、すでにギターを収納して肩にかけ、すぐにでも部屋に戻れる状態。
「どうしたんですか、早く戻りましょう」
「ええとね…」
少し困った、そんな唯先輩の笑顔。
「…もう眠くて、体に力が入らないみたい」
「ええ!?」
言われてみると、さっきギターを奏でていたときのどこからそんなエネルギーが沸いてきてるんだと思えるほどにピカピカ輝いていた唯先輩は、今はガス欠を起こした上にオイルも老朽化して動かない中古車のようにへなへなとしている。
「ええと、立てないんですか?」
私の声に、先輩はぐぐっと力をこめたものの、すぐにへなっとなってしまう。
「えへへ、動けないみたい。私はここで寝るからいいから、あずにゃんは戻りなよ」
あきらめ気味の声色で唯先輩はそう私に告げた。
「駄目です、そんなになるまで疲れてるんですから、こんなところで寝たら風邪を引いちゃいますよ」
「あぅ…そうかなあ」
そういう先輩はもうすっかりへたりこんでいて。そんな先輩を置いて、私だけが戻るなんてとてもできない。できるわけがない。
私はきゅっと唇をかむと、肩にかけていたギターを外し、唯先輩のギターを持つと、並べて壁に立てかけた。
そして、なにしてるのかな?とこちらを眺めている唯先輩に向き直ると、右手を差し出して見せた。
「…私につかまってください」
「え、で、でも」
「いいですから」
促すと、唯先輩は戸惑い気味に、それでもしっかりと私の手をつかんだ。少し腰を落として、ぎゅっと引き上げると、素直に私の腕にしがみついくる。
そのまま抱きかかえるようにして、先輩の体を抱えこんだ。先輩の体からは、先輩がそういったようにすっかり力が抜けてしまっていて、私の思うがままになってる。
ああ、考えてみるとさっき達成できなかったこと、これで叶ったのかも。そう思い、私はくすりと笑った。
尤も、そんな風に余裕を持てていたのは最初のうちだけだったけど。
もともと疲労も相当だったこともあり、先輩を抱えて歩くということは私にとってかなりの重労働のようだった。正直、いつ倒れこんでもおかしくないほどの。
人一人の体重というのは、思ったよりもずっと重いんだ、と私は実感させられていた。
「あ、あずにゃん…もういいよ、置いてっていいから」
「へ、平気です、これくらい」
プルプル震える腕と足に何とか力をこめて、私はずるずると引きずるようにして歩く。
私がこんなに小柄じゃなければ、ムギ先輩みたいに力持ちだったら、すんなり唯先輩を運べていたのに。
「あずにゃん…」
唯先輩に、こんなに心配そうな顔をさせることも無かったのに。
そう思うと、悔しくなってしまう。
「あずにゃん、いいから。私の部屋、遠いし…もう無理だよ」
唯先輩の言うとおりだ。悪いことに、唯先輩に割り当てられている部屋はさっきまでいた演奏スペースからは一番遠くて。私の現状から、そこまでたどり着けずにダウンしてしまうことは目に見えていた。
だけど、唯先輩を置いていくなんて、私にはやっぱりとてもできないことだったから。
「…私の部屋なら…すぐそこですから」
「え?」
「そこまでなら、何とかいけます」
疲労で朦朧とする意識の中、そう告げる。何かとんでもないことを口にしている気がするけど、今はそんなことより唯先輩を寝床まで運ぶことのほうが大事だった。
がちゃりとドアを開け、鍵を閉める。這いずる様にベッドまでたどり着き、ばたりとベッドに倒れこんだ。
「もう駄目です…動けません」
「あずにゃん、ごめんねえ…」
そういうや否や、私にしがみついていた唯先輩の体から完全に力が抜け、スースー寝息を立て始めた。
先輩が寝たんだから、私は別のところに行かないと。そう思うものの、私もここが限界のようだった。
言葉通り、指一本動かせそうにない。
そう、だから仕方がないんです。それだけですから、特別、なんですよ―先輩
そんなどう考えても裏腹とした思えない言葉だけを、最後の抵抗とばかりにポツリと浮かべ。
私はゆっくりと、支えてくれるベッドに沈み込ませるように、意識を手放した。
今夜はいい夢を見られそうかも、なんてそんなことを思いながら。
―お休みなさい、唯先輩
124 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/27(月) 05:26:40 ID:99Rx2t+p
もういいから早く式挙げろ
乙です
ハイペースの投稿ありがとう
もうタマリマセンワー
私は紬になりたい
紬の唯梓ビデオはどのくらいの量になるのだろう
結婚式ではぜひ上映すべきだな
>>129 おいおい結婚式に小さな子供とか来たら教育に悪いだろ
>>131 待て。
来たのが小さい女の子だったらむしろ英才教育じゃないか。
>>123 原作とアニメを上手く繋げてて感動したwwww
ガチなのもいいけど俺はこういうほわほわな二人が好きだ…
…とりあえず誰かこのはわほわバカップルの婚姻届出してくれ…
んで二人ともウエディングドレス着て公衆の面前で抱き合って誓いの口付けしちゃって……
>>121 添い寝が本気で保管庫にうpされる事希望w
そして
>>125は結婚してくr…いやして下さいそして今後も唯梓下さい♪
確かに添い寝氏のはこのまま捨て置くにはあまりにも惜しい
ほしゅがてらに添い寝ゆいあずおうち編
合宿編の続きを書こうと思ってたら、別ベクトルに妄想が―
「あずにゃ〜ん…」
先輩の甘くとろけるような声で、ぼんやりと意識が浮上してくる。
まるでまどろんでいるかのような感覚。でも先輩が呼んでるのなら、起きなきゃ。
そう思って、浮かび上がってきた意識をそのまま覚醒へと向かわせる。
「あずにゃんはかわいいねぇ」
まだぼんやりとした視界に映るのは、いつもの唯先輩の顔。柔らかくて優しくて暖かな笑顔。なんかほっとして、また眠りに落ちてしまいそうになる。
先輩はぎゅっとわたしの体を抱え込んでくれていて、私の頭を優しく撫でていてくれて、それが本当に気持ちよくて―
―あれ、なんでこんな状況になってるんですか…?
ふとした疑問。そう、なんでこんなことになっているんだろ。まどろんでいる、ということは私は今まで寝ていたと言うことで。
ね、寝起きでこんな…ことしてるなんて、まるで、そう、恋人同士のそれみたいじゃないですか―
「だめだよ、あずにゃん。あずにゃんは今猫なんだから、にゃー以外は禁止」
―な、なんですか、それは。
「ほら」
つーっと唯先輩が指で何かをなぞる。途端にゾクゾクと未知の感覚が体を駆け巡る。
何かと頭頂部に手を伸ばせば、そこにはふにゃっとした感触の何かが。そして同時に、ふにゃっと触られた感覚も伝わってくる。
「こんなにかわいい耳としっぽが付いてるんだよ。だから、あずにゃんはかわいい猫」
そんな唯先輩の台詞の直後に、きゅっと尾?骨を引っ張られるような、そんな感覚が伝わってくる。
「ニャッ…!」
「そうそう、う〜ん、かわいいよあずにゃん〜」
思わず口から漏れた悲鳴に、それが望んだ形であったことに満足したのか、唯先輩は私のその部分をさわさわといじってくる。
頭頂部にあるという耳とやらは見えないけど、しっぽの方は私も見ることが出来た。先輩に撫でられて、フルフル動くそれは、その猫のしっぽは間違いなく私のお尻から生えていた。
―嘘、本当だったんだ。
驚愕の言葉は、声にならなかった。代わりに私の口から出たのは、ニャアっていう猫みたいな鳴き声だけ。
先輩はそんな私をかわいいと思ったのか、しっぽを撫でる手を止めて、きゅーっと抱きしめてくる。
それがとても気持ちいい。普段は口にしたりはしないけど、先輩にきゅーっとされるのは、私はとても大好きだった。
びっくりしていた気持ちが次第に落ち着いてくる。だんだんそれが、どうでもいいことのように思えてくる。
気が付けば私の喉はゴロゴロとなり、甘えるように先輩の胸元に頭をこすり付けていた。
―ああ、これじゃ本当に猫みたいです、私。でも、先輩の猫にだったら、なってみてもいいです。
「うふふ、嬉しいよぉ〜あずにゃん」
迂闊に零れた台詞。唯先輩はそれにはちゃんと反応してくれた。さっきはにゃーじゃなきゃ駄目って言ってたのに。
先輩は、やっぱりずるい。
―そんなずるい先輩は、こうです。
そう言って、猫みたいにぺろぺろ先輩の首筋を舐める。ううん、猫みたい、じゃないか。今わたしは先輩の猫なんだから、そんな言い方はおかしいよね。
「もう〜くすぐったいよ、あずにゃん」
「ニャ〜…ゴロゴロ…」
喉を鳴らす私に、先輩は小さくくすりと笑うと、反撃とばかりに私をまた撫ではじめた。ぴくりと体が小さく跳ねる。
ぎゅーっとされるのも好きだけど、こうして撫でられるのも私は好きなんだ。ふにゃっと体から力が抜けて、私は行動を中断させられる。
「あ〜ずにゃんっ…ふふふ」
そんな私の様子に、先輩は調子に乗って、撫で回す範囲を更に広げていく。体全体、満遍なく先輩の手が触れて行く。その度に、私の体はぴくぴくと震えていく。
―せ…んぱい…もう、調子に…乗りすぎです。
「あずにゃん、にゃー、だよ?」
―もう。
「ニャ…ア」
心地よさに薄れていく意識の中、それでも最後に先輩の要望にこたえようと、私はそう小さく鳴いて。
ふわふわとした眠りの中に意識を落としていった。
「…はっ!」
気が付くと、私はガバっと身を起こしていた。あわててきょろきょろと周りを見回す。
ここは自室のリビングで、私はソファーの上。どうやらその上で眠ってしまっていたらしい。
私は自分の頭頂部に手を伸ばす。―無い。
次にお尻の方に手を伸ばす。―無い。
うん、無くて当たり前で、むしろあってくれたら色々困ることになってたんだけど。だけど、つまり、そうだということは。
「夢…?」
一瞬にして私の頬が沸騰する。ボッ、なんて音を立てちゃってる。
でも、無理は無い。だって、さっきまでの私は、あんな夢を見ちゃってたんだから。
穴があったら入りたい、とはまさにこんな気持ちなんだろう。
「んぅ…あずにゃ〜ん…?」
頭を抱えてソファーに自傷的ヘッドバンキングを試みてる私の耳に、唯先輩の声が聞こえてきた。
―え?
思わずきょとんとして、慌てて佇まいを整える。ここは私の家のリビングのはずで、それなら何故唯先輩の声がするんだろう。
声のしたほうに目を向けると、そこにはソファーの上、気持ちよさそうに寝息を立てる唯先輩の姿があった。
そして、その懐には私ではなくて―また預かることになったあずにゃん2号の姿。
「…あ」
そこでようやく、私の頭は全てを思い出した。ううん、ようやく目が覚めたというべきなのかな。
あずにゃん2号―本当の名前、なんだっけ―を再び預かることになって、それを聞きつけた唯先輩がうちに遊びに来るって言って。
先輩が一人でうちに来るのは初めてだったから、色々緊張したり、期待してたりしてたのに。
唯先輩はあずにゃん2号にかまいっぱなしで、私にはほとんどかまってくれなくて。
挙句にはあずにゃん2号を胸に抱きしめてすやすや眠ってしまったんだ。
私はそれにすっかり腐ってしまって、不貞寝気味に隣のソファーに横になって―
「…それで、だったんだ…」
二重に恥ずかしくなる。つまり私は、あずにゃん2号が羨ましくて、同じようにして欲しくて、あんな夢を見てしまったということなんだろう。
「…馬鹿ですね、私」
眠る先輩に声をかける。当然のことだけど、先輩は返事をしてくれない。だけどその代わりに、先輩は少しだけあずにゃん2号を抱く腕を広げてくれた。
―あずにゃんの分もあるよ。なんて、そう言わんばかりに。
「…本当に馬鹿です、私」
おそらくは私の勘違いだと思う。先輩はちょっと夢見心地に動いただけで、そんな意味は本当は無かったのかもしれない。それでも今は、その妄想を信じていたかった。
「あずにゃー…ん」
ああ、そう思ってしまったこと自体、私は先輩を見くびっていたのだろう。だって、先輩の腕は、寄り添った私のことをちゃんと抱きしめてくれたんだから。
「唯先輩…」
嬉しくなる。嬉しさが溢れて、弾けてしまいそうになる。先輩を力いっぱい抱き返したかったけど。
「にゃあ…」
先輩の胸の中で、私の胸の中で、あずにゃん2号が小さな声を上げる。そうして、私の胸元に甘えるように頭をこすり付ける。
「もう、あずにゃん2号…今だけだからね」
先輩と私の間、少しだけだけど、分けてあげるから。…そう、最初からそうしておけばよかったんだ。先輩と一緒になって、あずにゃん2号と遊んでいればよかった。
嫉妬なんて、必要なかった。だって先輩の腕は、今こうして私を抱いてくれているから。
先輩を抱き返そうと思っていた右手を、そっとあずにゃん2号に添えてあげる。応えるように、あずにゃん2号はくるりと背を丸めて、私の手のひらへその形を合わせた。
「起きたら…一杯遊んであげるからね…唯先輩と一緒に」
そう、一杯遊んであげよう。私と唯先輩の間に、あずにゃん2号がいる時間を楽しもう。それはきっと楽しいし、大切な思い出になるから。
「でも、唯先輩…」
あいていた左手を、そっと唯先輩のほっぺに当てる。んぅ、なんて可愛い反応が返ってきて、私は思わずくすりと笑ってしまう。
そしてこつんと額を当て、視界一杯に広がった唯先輩に、小さく囁いた。
「あずにゃん2号にわけた分、後でしっかり私に返してくださいね…」
それでもそう言ってしまう私は、きっと嫉妬深いってことなんだろうなと、もう一度くすりと小さく笑った。
以上となります。
それと、wikiへの勧誘ありがとうございます。
まとめwikiの方へは、元々添い寝は保守ネタだったということもあり、今のところはいいかな…と。
というより、編集したこと無いのでミスってえらいことになると怖いというのが一番だったりもします。
貯まってきたら、編集の仕方勉強するか、適当なスペースに一覧上げるかしようかと思います。
141 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/28(火) 15:57:41 ID:6O0tdYdf
あらあらまあまあまあまあ
はやく結婚しちまえ
だが、結婚するって言った時の憂の反応が気になる。
ヤンデレ化するか、しないか…見ものだな。
2月13日、明日は女の子の日。
「お姉ちゃん、できた〜?」
私は、憂に教えてもらってチョコを作っている。
「まだだよ〜」
自分で作るのは今回が初めてだから、上手くできない。
やっぱり無理なのかなぁ……。
「はぁ……」
隣を見ると、憂がお手本に作ってくれたチョコレート。
……憂は、本当に何でもできてうらやましいな……。
「お姉ちゃん?」
そんなことを考えて落ち込んでいると、憂に声をかけられた。
「ん……なに?」
自分の声に覇気が無いのがわかる。
「なんだか落ち込んでるみたいだけど、どうしたの?」
憂が心配そうに聞いてくれる。
……本当に、よくできた妹だなぁ……。
「なんだかね……」
「うん」
憂は静かに話を聞いてくれるから話しやすいな……。
「憂みたいに上手くできなくてね……」
「うんうん」
相槌も忘れないし。
「自分が嫌になってきちゃったの……」
「……」
私が話し終えると、憂は目を閉じて何かを考え出した。
「う、憂……?」
どうしたんだろうと思って声をかけると、憂は目を開いて、
「上手にできなくてもいいんだよ?」
と言った。
「へ?」
「味が変でも、形が不恰好でも、そこに気持ちがこもってたらそれでいいんだよ」
「そ、そうかなぁ……」
私だったらやっぱり嫌だと思うけど……。
「そうだよ!」
でも、憂は自信満々って顔でそう断言してくれた。
「ち、ちなみに……根拠とかあるの?」
憂のことだからあるに決まってるだろうけど……。
「お姉ちゃんだって、梓ちゃんから貰ったチョコなら、どれだけ味が変でも形が不恰好でも喜んで貰うでしょ?」
「そ、それはそうだけど……ってどうしてあずにゃん限定!?」
びっくりして確認すると、憂はあっけらかんと、
「だって、お姉ちゃん梓ちゃんのこと好きなんでしょ?」
そう言ってくれた。
「すすす好きぃ!?」
どきどき。
憂の突然の言葉に心臓の鼓動が速くなる。
「違うの?」
「ち、ちがうっていうか……どうしてそう思ったの?」
「だって、お姉ちゃん梓ちゃんのお話をするときが一番楽しそうなんだもん」
「そ、そうかな……?」
そんなつもりは無いんだけど。
「今作ってるチョコだって、梓ちゃんにあげるんでしょ?」
「そ、そうだけど……」
「だから、梓ちゃんのことが好きなのかなって」
「そうなんだ……」
憂は変なところで鋭いからなぁ……。隠し事ができないや。
「それで、実際はどうなの?」
「な、何が……?」
>>145 憂、ちょっと顔が怖いよ……。
「梓ちゃんのこと、好きなの?」
……ここまできたら、隠しても無駄だよね……。
「たぶん……好きなんだと思う……」
「……そう」
観念して打ち明けると、憂はようやく追究しなくなってきた。
「だったら、とにかく気持ちをこめて作れば梓ちゃんも喜ぶと思うよっ」
「そ、そうかな?」
「そうだよっ! ……あ、あとは作ってる間、梓ちゃんの喜ぶ顔を思い浮かべてるといいと思うよ?」
「あずにゃんの喜ぶ顔?」
「うんっ! お料理を作るときはね、そうするとおいしくなるんだっ」
「そ、そうなんだ」
「だから、お姉ちゃんもがんばってねっ」
「う、うん……。ありがと、憂」
素直に感謝すると、憂はそれじゃーねと言って二階へ上がってしまった。
……憂、泣いてた?
なんだか目から水が垂れてたけど……。
「――うんうんっ! 今はそれよりもチョコ作りに専念しよっ」
せっかく憂がアドバイスしてくれたんだもん。ちゃんと作らなきゃっ。
「――できたっ」
あれから何度も失敗を繰り返して、完成したのは結局2時ぐらいだった。
いつもなら寝ている時間帯だ。
「後はこれを冷蔵庫に入れてっと……」
明日の朝には固まってるよね?
「あずにゃん、よろこんでくれるかな〜」
憂は気持ちがこもってればそれでいいなんて言ってくれたけど……。
「――うん、憂を信じるっ」
心配してもなるようにしかならないんだし、今日はもう寝よう。
……おやすみなさい――
翌日、放課後。
「あ〜ずにゃ〜んっ」
だきっ。
「わわっ……どうしたんですか、唯先輩」
ティータイムの前に渡さないとっ。
「私ね、チョコ作ってきたの〜」
ぴくっ。
そう言った途端、あずにゃんが反応した。
「唯先輩が、チョコレートを……ですか?」
「うんっ」
「だ、誰にですか……?」
「あずにゃん、ちょっと目が怖いよ……?」
「答えてください、誰に作ってきたんですか?」
「それはもちろん、あずにゃんにだよっ」
答えると同時に、チョコの入った箱をあずにゃんに突きつける。
こうでもしないと恥ずかしさで死んじゃいそう。
「え……私に、ですか?」
「そうだよっ」
「……」
あれ、どうして無言……。
「あ、あずにゃ――」
「ありがとうございます、せんぱいっ」
「――わわわっ」
どうしたのかなと思って顔を覗き込もうとしたら、急にあずにゃんに抱き付かれた。
「あ、あずにゃん……?」
「私、嬉しいです。先輩からチョコレートをもらえるなんて」
「えっと……」
とりあえず、あずにゃんには喜んでもらえたんだよ……ね?
「そ、それはわかったから……とにかく、食べてくれないかな?」
「あ、そ、そうですね……せっかく先輩が作ってくれたチョコレートですし……」
「う、うん……初めて作ったから上手くできてるかどうかわからないけど……」
――ぱくっ。
「ど、どぉ……?」
「もきゅもきゅ……ちょっと、苦いですね……」
「や、やっぱり……」
分量間違えたのかな……。
「でも」
また落ち込みそうになったところで――
「先輩の気持ちがこもってるみたいで、なんだか胸がほわほわします」
――あずにゃんがそんなことを言ってくれた。
「うんっ! だいすきって気持ちをこめたよ!」
もうやけくそっ!
「せんぱい――」
「うん?」
「――わたしも、せんぱいのことが、だいすきですよ」
「――うんっ!」
Fin
お目汚し失礼した
それでは
149 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/28(火) 21:51:32 ID:uEIi7ZQ/
>>148 かわ唯な!GJ!
最近ss多くて嬉しい限り!
ある日唯は梓に呼び出された。
唯「え・・隊を辞めるって?」
梓「はい・・両親の病気が悪化して・・」
唯「・・・・わかった。あずにゃんはお父さんとお母さんの所にいってあげて」
梓「で・・でも・・」
唯「しょうがないよ。そういうことじゃ・・」
梓「本当にすいません」
梓が隊を去ったその日から・・・。
学校
ハ「ねえ?唯」
唯「・・・・・・・」
苺「おい、平沢」
魔「ちょっと唯・・」
枯「お〜い、唯ちゃ〜ん」
唯「・・・・・・・あずにゃん・・・」
任務(戦闘)中
敵「おい、あれ見ろよ」
敵「ああ」
敵「背中がガラ空きだぜ」
敵「死ね!!隊長格!!」
唯「あずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃん」
敵「なっ・・・」
敵「うぎゃあああああ!!」
敵「う・・うわあああああ!!」
敵「ゆ・・ゆるして・・・ぐえっ・・」
苺「おい、これ以上やるとまずいんじゃねえのか?」
ハ「確かに・・いつもの唯ちゃんじゃないわね」
枯「バンド練習にも身が入ってないようだったし・・唯ちゃん」
魔「もう、これくらいでやめようよ梓・・・」
隊長室
唯「さてと・・早くを終わらせないと・・」
唯はそう言い机の上を見る。そこには、積み上げられた書類の山があった。
普段なら、これを梓と二人で片付けるのだが・・・。
唯(そっか・・あずにゃんいないんだった。それにいつもこんなに手伝ってもらってたんだ。・・・隊長なのに・・・)
唯はそう思うと、地道に片づけていくことにした。しかし。
唯「あ・・何だか眠くなって・・・」
睡魔に勝てずに寝てしまった。
数時間後
?「起きてください、唯隊長」
唯「あと少し〜」
?「ダメです。こんな所で寝たら、風邪ひきますよ」
唯「・・・あ・・あれ・・あずにゃん?」
梓「はい、唯隊長」
唯「あ・・ああ・・あずにゃ〜〜〜ん!!」
梓「ちょっ・・唯隊長。苦しいです」
唯「ふぇえええ〜ん。よかったよかった」
梓「泣かないでください。唯隊長。それに・・・」
唯「ふぇ・・それに?」
梓「この書類の山を片づけちゃいましょう。手伝いますよ」
唯「うん」
翌日から、副隊長に引きずられていく情けない隊長の姿が、再度目撃されたという。
〜END〜
↑すいません、痛いオリジナル設定とか、けいおんじゃないキャラ(ハ、苺、枯、魔)とかだして。唯×梓のつもりで書きました。
ハ、苺、枯、魔ってのがどこの誰だか分からん
文化祭のライブがきっかけに可愛い後輩達になつかれるようになった唯を見て
嫉妬してしまうあずにゃんが見たいれす
>>153 同志発見!
「あのギターの先輩、カッコイイよね」
「今度はなしかけてみようかな」
なんて話してるクラスメイトを見て、普段の唯先輩を知らないから
なんて余裕を見せている梓だったけど、
紹介を頼まれて、それくらいならと紹介して、クラスメイトと楽しそうに話す唯を見て
なんかどよどよとした気持ちが生まれてきて戸惑ったり。
クラスメイトが帰って、嬉しそうにしている唯に、きつく当ってしまったり。
そしてすぐに後悔して、私なにやってるんだろと落ち込んだりして。
そのあとでこじらせるか、すぐ仲直りさせるかで短編か長編に分岐か…
妄想が膨らみますね!
>>153 「中野さん、ちょっといいかな?」
今日もクラスの子に声をかけられる。
「うん? 何か用?」
だいたいわかるけど……。
「その、軽音部に平沢先輩っているでしょ?」
やっぱり。
「唯先輩がどうかした?」
半ばテンプレとなった返事を返すと、その子は顔を赤らめながら、
「できたら、私のことを紹介してほしいなって……」
そんなことを言うのだった。
「はぁ……」
正直、今まで何度も繰り返してきたやり取りだから驚かないけど……。
――唯先輩、意外ともてるんだなぁ……。
確かに、かわいいのはわかるけど……。
後はしらん
ところでここって他のところで投下したのでもいいのか?
そのような不届き者は後でこっそり憂さんが穏便に始末します
「ごめんね、お姉ちゃんと梓ちゃんと私の邪魔をする人はどうしても許せなくて…」
黒いってレベルじゃねえな
>>155 (うぅ…気が重い…)
いつもは楽しみでしょうがない音楽室への足取りは今日はとてつもなくて重い…
押し切られたとは言え自分の好きな人に別の娘を紹介しなくちゃならないなんて、こんなにきつい話はない
なにより断り切れなかった自分にすごくイヤだ…
後ろではクラスの娘が唯先輩がどれだけカッコいいか、ずっと力説してるし…
(唯先輩がステキなのはもう十分知ってるよ…)
心の中でクラスメートに反撃しながら、私は音楽室のドアを開いた
「遅くなりましたー…」
「あ〜ずにゃ〜んっ」
…開いた瞬間には、もう唯先輩の顔が私の間近にまで迫っていて……って早ッ!
「まちくたびれてあずにゃん分が切れそうだったよ〜」
「きょ、今日は掃除当番だから遅くなるって言っといたじゃないですか」
「これでも我慢してたんだよ〜。あんまり寂しいから教室まで迎えに行こうかなって思っちゃったけど…」
「昨夜あんなにお話ししたじゃないてすか…」
「でもでも、あずにゃん、昨日は泊まってってくれなかったし…やっぱり寂しいよ〜…ぎゅ〜っ」
「も、もう、唯先輩ったら…」
「あれ〜?今日はお客さんと一緒なの?」
「へ?あ!」
いつも通りのスキンシップにのめり込んでて忘れそうになっちゃったけど、今日はクラスの娘と一緒だったっけ!
「初めまして、あずにゃんの嫁こと平沢唯ですっ!あ、でもでもあずにゃんも私の嫁なんだよね〜。
どっちも女の子の場合、なんて言うのがいいのかな?先輩だしメインギターだから私のほうが旦那様って名乗るべきかな?
どう思う?あずにゃん?」
「えぇっと………」
…引き受けた以上、最低限の責任は果たそうと考えてはいたんだけど。
紹介を始める前に私についてきたクラスメートは目を丸くしたまま固まってしまい、
続いて顔を真っ赤にして卒倒してしまった…
は、初めて見る人には刺激強かったかな…
慌てて彼女を抱き起こしたら「ゆいあず最高!」と言われちゃいました(しかも鼻血つきで)。
>>139 とりあえず添い寝は1から読み直したいのでうp願う。載ってれば誰かが保管庫に転載してくれるはずw
>>148 当然あずにゃんからのお返しも有りますよねv??
>>157 おk、待ってましたw
>>159 昨日はって事はしょっちゅう泊まりこんでるんですね、判ります。
…如何やら俺は『ゆいあず』と言う名の不治の病に陥ってるようだ。
決して終わらない、エンドレスユイアズです
外では蝉が元気いっぱい鳴いている夏休みのある日。
「えと、ここはこうやって、それからこう……。よし、出来た!」
「では忘れないうちにもう一度やってみましょうか」
音楽室にいるのは私と唯先輩の二人だけだった。
澪先輩は夏期講習が、律先輩とムギ先輩は朝に予定がそれぞれ入っていたために軽音部としての練習は午後からとなっていた。
だけど前の日に唯先輩が『みんなとの練習の前に教えてほしいとこがあるんだけどいいかな?』とのお願いをしてきたため、
断る理由もない私は朝から音楽室にこもって唯先輩と二人きりでギターの練習していた。
先輩に頼られて悪い気はしないし、私もいつか唯先輩と二人で練習したいと思っていたこともあって、この状況はとても嬉しかった、……んだけど、
「ふう、それにしても暑いねー」
「そうですね……」
この時すでに音楽室は想定外の暑さとなってしまっていた。
窓は開けてるけど残念なことにほぼ無風状態のため空気の流れがほとんどない。
そこへ夏の太陽の灼熱光線というダブルパンチで音楽室はまさに蒸し風呂状態となっていた。
静かにしてても汗はとめどなく流れるし、心なしか脈も速くなっている気がする。
「ホント、夏なんかなくなっちゃえばいいのに。あずにゃんもそう思わない?」
「……」
「あずにゃん?」
「……え、何です?」
唯先輩がどうしたの?と言わんばかりの表情で私の顔をうかがっている。無意識とはいえどうやら唯先輩を無視してしまったらしい。
これもきっと暑さのせいだ。暑さのせいで頭が回らなくなってきてるんだ。しっかりしなきゃ。
自分にそう言い聞かせ、唯先輩の言葉に反応できなかったことを自省する。
「あずにゃん大丈夫?少し休む?」
私の様子を見かねた唯先輩が心配して声をかけてくれた。唯先輩のこんなさりげない優しさに私は何度となく助けられてきた。
暑さに少しやられ気味だけど、優しい先輩にこれ以上心配をかけさせないためにもここは元気なところをアピールして安心させてあげなきゃ。
「ひえ、せんふぁい。だひじょうふれす」
唯先輩を安心させよう、その考えとは裏腹に呂律の回っていない言葉。それは私の異常事態を示すには十分だった。
「はれ?」
「あずにゃん!?どうしたの!?」
思いがけない私の舌足らずな返答に唯先輩は驚きを隠せず、より大きな声で私に呼び掛ける。
しかし私は唯先輩の呼び掛けに答えることすらできずに意識を闇へと落としてしまった。
「……ん」
目を覚ますと私は見知らぬ場所にいた。何か情報を求め、ふと横に目をやるとそこには両親と白衣を着た人が立っていた。
その白衣の人――お医者さんの話によれば、私は中度の熱中症だったらしく、音楽室で倒れてここに運ばれたそうだ。
ただ中度といっても侮ってはいけないようで、放置したり誤った処置をすれば命の危険もあったと聞かされ私は背筋の凍る思いがした。
念のため一日の入院措置がとられること、そしてすぐに対応してくれた人に感謝すること、その二点を告げて先生と両親は病室を出て行った。
一人になった病室で私は考える。
あの時一緒にいたのは……、ぼんやりとした記憶を必死で呼び戻すと一人の先輩の顔が浮かんできた。
「唯先輩だ……」
命の恩人といっても過言ではないその人は、私の中の想像にもかかわらず私に笑いかけてくれている。
その夏の太陽よりも明るい笑顔に私の胸は熱くなった。
「唯先輩……」
翌日、何事もなく退院を迎え病院を出るとそこには軽音部の先輩たちが待ってくれていた。
両親は私がすでに心配する状況でないこともあり、先に帰るから先輩たちと話してきなさいと言ってその場を去っていった。
「あっずにゃーん」
真っ先に唯先輩が抱きついてきて、想像ではない本物の笑顔をめいっぱい私の顔に擦り寄せてくる。
いつもなら少しばかり鬱陶しく感じることもあるこのスキンシップも、今はとても嬉しく思える。
そんな私たちの様子を見ながら澪先輩が私に話しかけてきた。
「梓、無事でよかったよ。それにしても昨日はかなりびっくりしたぞ。
授業中に突然唯がやってきて、『澪ちゃん大変、あずにゃんが倒れた』って言うもんだからさ。
先生もみんなも、もちろん私も呆気にとられてると『何してるの、早く行ってあげて。私は救急車呼ぶから』って」
「凄い行動力と決断力だったんだよな、普段からそれくらいやってくれりゃいいのに」
律先輩の皮肉交じりの褒め言葉に、唯先輩は私に抱きついたまま答える。
「だって大事な大事なあずにゃんが大変なことになっちゃったんだよ。そこには他に私しかいなかったんだし、当たり前のことをしただけだよ」
唯先輩は当たり前のことだと言ってるけど、緊急時に実際に行動できる人は少ないと聞く。
唯先輩が早急に行動を起こしていなかったら私は一体どうなっていたのか。それを考えると感謝の気持ちから涙が出てきた。
「唯先輩、グスッ、本当に、グスッ、ありがとうございました」
突然泣き出した私に唯先輩は戸惑いの表情を見せた。だけどすぐにニコリと微笑み私の頭を撫でながら優しく語りかけてくれた。
「あずにゃんが一番大変だったんだよね。ごめんね、私がもっと早く気付いてあげてたらこんな大変な思いさせずにすんだのにね」
――どうして唯先輩が謝るんですか?唯先輩のおかげで私は今こうしていられるんですよ――
溢れ出る気持ちを伝えようとするのに、涙のせいで全く言葉になってくれない。そんな自分が悔しくて、私は唯先輩の胸を借りて泣き続けた。
そんな私を唯先輩は何も言わずにずっと優しく抱きしめてくれていた。
どれだけ泣いただろう、私はゆっくりと唯先輩の胸から顔を離す。
「……すみません。みっともないとこ見せちゃいましたね」
「ううん、いろいろあったんだから泣きたいときは泣いていいんだよ。嬉しいことも辛いこともみんなで分け合おう」
唯先輩は相変わらず温かく、そして少し恥ずかしい言葉をかけてくれる。
……いつからだろう、そんな唯先輩に特別な想いを抱きだしたのは。
その答えは分からない。いや、分かる必要なんかないのかもしれない。今、この瞬間、唯先輩が好き。もうそれでいいじゃない。
この出来事は私の中でぼんやりとしていた唯先輩への想いをはっきりとしたものにさせるために神様が私に与えた試練でありプレゼントだったのかもしれない。
なら、その神様に対して私の答えを示さなくちゃ……。
「唯先輩、本当にありがとうございました。私、この出来事であることに気付いたんです。
いえ、気付いたというより、改めて気付かされたって言ったほうがいいのかもしれません。
それを唯先輩に言うべきか一晩かけて考えたんですけど、言うことにしました。聞いてくれますか?」
「なーに?あずにゃん」
純粋無垢な笑顔を私に向けて続きを待つ唯先輩。
もう何度となく見てきた笑顔なのに、そのおかげであの時とは違う理由で脈が速くなる。
高まる気持ちを抑えるために私は大きく深呼吸をし、覚悟を決めて唯先輩と正対する。
そして、心からの気持ちを精一杯言葉にして唯先輩にぶつけた。
「私、唯先輩のことが……」
>>164 あー、勝手に保管しといたんだけど大丈夫だった?
他にもいろいろ保管してるんだけど、だめなら言ってくれ
確認したら削除するから
とりあえずまとめてGJ
>>166 GJ!
その後の唯はあずちゃんの告白の返事間違いなしにしか思えないね!
>>167 多分、作者さんと管理人さんが容認してるなら大丈夫じゃないかな?
>>168 そうか
管理人は放任主義だし作者がどう思うかだな
しばらくは回答待ちしとくよ
170 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 22:00:59 ID:dm/Q7HXy
>>170 どういう意味で見れない?
文章が消えてる? リンクが繋がらない?
172 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 22:34:28 ID:dm/Q7HXy
>>171 URLがクリックできないし直接入力しても繋がらない
普通に繋がるけどな
やり方が悪いんでない?
まさかと思うがh抜き知らないとかじゃないよな
h抜きって何?
それくらいググれ
h抜きの意味が分かったしつながった!
協力してくれた方々本当にありがとう
みなさんお疲れ様です。
唯×梓×澪×美穂子(キャプテン)×ハルヒ×なのは×秋葉×苺×紬×サヴァリス×律
書けたらいいな。
↑おもらし×ドラ×ピンクも
期待してる
誰も突っ込まないんだなw
今年も合宿に行くとしたら必ず唯梓描写を出してほしいなぁ。
後、夏祭りを一緒に行くイベントもあったらいいなぁ、と思っている。
合宿では今年も一緒に寝てくれるさ
>>184 とりあえずムギは俺と変わってくれマジで
186 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 23:35:57 ID:KLq7T0mi
いい加減誰か唯と梓の結婚後の話書いてくれ
>>184 これは破壊力抜群!あずにゃんの表情がもうたまらん!
そう見える
>>184 唯と梓はお互いでいい表情をしながら一番おいしい位置にいるなw
片方の手で重ねあいつつ、もう片方のあずにゃんの手を唯が握ってて素晴らしい!
なんだこの唯梓画像はwwけしかrもっとやれ!!
ムギ、これからも後押しお願いします。
唯先輩からチョコレートをもらった後。
「おじゃましま〜す」
「はいどうぞ」
お返しを用意していなかった私は、唯先輩を家に招待することにした。
「今日は両親とかいないの?」
「はい、二人とも仕事で外に行ってて」
「そっか、じゃあ今は二人っきりだね」
ぴくっ。
二人っきりという何気ない言葉にどきりとする。
そうか……今、唯先輩と二人っきりなんだ……。
いまさらその事実を認識する。
「あずにゃん、どうしたの?」
「あ、いえ……なんでもないです」
内心のどきどきを悟られないように普段通り答える。
「そっか」
すると、唯先輩はあっさりと引いてくれた。
……ほぅっ。
「それじゃ、上がってください」
「うんっ」
心臓を落ち着けてから、唯先輩を家に上げる。
……こんなのでこの先大丈夫なのかな……。
「それにしても、あずにゃんから誘われるとは思わなかったよ〜」
廊下を歩きながら、隣で唯先輩がそんなことを言う。
「そりゃ……お返しがまだでしたから」
言いながら、もらったときの暴挙を思い出して赤面する。
気持ちが暴走しちゃったからなぁ……。
「お返しって……今から作るの?」
「はい」
気がつくと、リビングに着いていた。
「チョコ作るのってそんなに早くできるの?」
「まぁ、少し待っててください」
「わかった」
唯先輩にはリビングで待っててもらい、私は台所へと向かう。
「えっと、まず――」
牛乳150ccを電子レンジで1分間暖める。
「その間に……?」
買ってきたチョコレートを細かく砕いてカップに入れる。
「牛乳が温まったら――」
それを半分ぐらいカップに注いでよくかき混ぜ、チョコレートを溶かす。
「しっかりと溶けたら……?」
残りの牛乳を全部注いでよく混ぜ、マシュマロを浮かべる。
「最後に――」
マシュマロが膨らむまで電子レンジで暖める……と。
「――できたっ」
完成したものを持ってリビングへ向かうと、唯先輩は開口一番に――。
「待ちくたびれたよぉ〜」
――ぶーたれた。
「待たせてしまってすみません」
言いながら、左手に持ったカップを掲げると、
「それ、なぁに?」
途端に元気になる先輩。
「ホットチョコレートです」
「いいにお〜い」
「これが、私からのお返しです」
「わぁ〜い」
……どうしてこんなことをしたのかわからない。
「――え?」
喜んで伸ばされる唯先輩の手を寸前で避けると、目の前には不服そうな唯先輩の顔が。
そのまま左手を口に持っていく。
ごくごく。
「え、ちょ、それ私のじゃ――」
それ以上、唯先輩の言葉は続かなかった。
「んむ……」
「ん……」
私が、唯先輩の口を塞いだために。
舌で唯先輩の唇を割り、口内へと侵入する。
そして、チョコレートを口移ししながら唯先輩の舌を見つけ出し、私の舌を絡める。
……甘い。チョコレートの甘さもあるんだろうけど、唯先輩の舌はとても甘かった。
「んっ……んぐ……」
「ふ……ん、ぅ……」
唯先輩の腰に手を回す。
私は、唯先輩の舌の甘さを味わいながら目を閉じた――
「――ぷはっ」
それから何分経っただろうか。
軽く10分ほど唯先輩の口内を味わい尽くし、ようやく唇を離した。
「あっ……」
唯先輩はまだ満足してないとでも言いたげな顔でこちらを見てくる。
赤い顔に潤んだ眼がいやらしい。
「……これが、私からのお返しです」
「お返し……」
「満足ですか?」
そう言うと、唯先輩は恥ずかしそうに、
「まだ、満足してないかな……」
と、言った。
あぁもうどうにでもなれっ!
「それじゃ、続きは私の部屋で――」
勇気を出して自室に誘うと、唯先輩はますます顔を赤くしながら――
「うんっ」
――だけど、とびっきりの笑顔でそう返事をしてくれた。
Fin
本スレでおさるさん食らったためこちらに先に投下
行数制限忘れてて1つレスが増えて申し訳ない
転載と思われちゃかなんので酉を一応
お目汚し失礼した
それでは
197 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/31(金) 22:02:27 ID:5ySFbNZM
>>195 あれ?なんか鼻から赤い鼻水が・・・・・・
やばい・・・理性が・・・。
>>199 最高でした!
2人はもっと日常的にねこ耳おそろでいてもいいような気がしてきた
ギターひくときとか
「えーと、確かここら辺のはず……。あ、もうみなさん集まってる」
私が集合場所に到着すると、すでに先輩たちは集まっていた。
「すいません、お待たせしました」
「遅い!先輩を待たせるとはどういうことだ!」
律先輩のお怒りの言葉がとんでくる。
「おい律、梓だって集合時間より前に来たんだからそんなに怒るなよ」
澪先輩が助け舟を出してくれた。澪先輩の言うとおり、私がここに到着したのは集合時間の十分前だ。
十分前に着けば大丈夫、その考えが間違いだった。
何かイベントごととなったときの先輩――特に律先輩の行動力をすっかり忘れていた。
「まあ、そうだな。梓も遅れたわけじゃないし、気を取り直して行くとするか」
すぐに機嫌を取り戻した律先輩の号令で、私たちは花火大会会場に向けて出発した。
「今度の花火大会、みんなで行かない?」
律先輩の一言で軽音部のメンバーで花火大会へ行くことは半ば強制的に決定した。
「ちなみに、参加資格は浴衣を着てくることね」
そのとき提示された参加資格をちゃんと守って、当日は全員浴衣姿で集まった。
最初は正直面倒だと思ったけど、澪先輩の凛とした姿やムギ先輩のはんなりとした立ち居振る舞い、
そして唯先輩の普段とは違う可愛らしさが見られたのであのとき浴衣を着てくるように言ってくれた律先輩に心の中で感謝の言葉を述べた。
律先輩は、まあカッコよかったかな。
会場に到着してみるとすでに人で溢れかえっていた。
「みんな、はぐれるなよ。特に梓は小さいんだからより気をつけろよ」
「言われなくても気をつけますよ。あと身長のことは言わないでください。きっともう少し大きくなるはずです」
律先輩、心配してくれるのは嬉しいですけど、一言余計です。
「私は今のままのあずにゃんが好きだけどな。だってあずにゃん仔猫みたいで可愛いんだもん」
可愛いって小動物的可愛さですか。後半部分を少し残念に思っている自分がいた。
「でもこの人だかりだとホントにはぐれちゃうかもしれないね。あずにゃん、手、繋ぐ?」
「え、えと、すみません。それはさすがに……」
唯先輩の心遣いはとても嬉しいけど、人前でそれはさすがに恥ずかしい。
私が断ると唯先輩は少し残念そうに差し出した手を引っ込めた。
悪いことしたかな、とも思ったけど、改めて私から手を差し出す勇気はなかった。
律先輩が花火見物の穴場ポイント知っているというので全員でそこへ向かうこととなった。
私はお祭り名物の屋台を眺めながら先輩たちについていく。すると不意に何かとぶつかった。
何かと思って目をやると、見たところ小学校低学年ぐらいの男の子がキョトンとした表情で私を見ている。
推測するにお互いよそ見をしていて気づかずにぶつかってしまったようだ。
知ってる人とはぐれちゃダメだよ、そう注意して男の子と別れる。そのとき私はあることに気づいた。
――あれ?先輩?
そこにいるはずの先輩たちがいない。誰も私が立ち止まったことに気付かなかったのだろうか。
すぐ近くにいるだろうとしばらく先輩たちを探してみるけど、誰一人見つけられない。
早く見つけたい、そんな気持ちを無視して慣れない浴衣という格好、加えて夏の暑さが私の体力を容赦なく奪っていった。
しかたなく近くにあったベンチに座り込む。
何年振りだろう、私は迷子になっていた。言いようのない不安が私を包む。
高校生にもなって、と思われるかもしれないけど、やっぱり一人は心細い。
さっき律先輩に気をつけろと言われたばかりだったのに、さっき男の子に注意したばかりなのに、
そして、何故恥ずかしがらずに唯先輩の提案を受け入れておかなかったのか、後悔の念が私を襲う。
「……そうだ、携帯」
焦りが周りを見えなくさせていた。
なんで早く気付かなかったんだろうと自嘲して、私は浴衣に合わせて持ってきた小物入れの中から携帯を取り出そうとした。
「あれ?あれ?……ない!?」
家に忘れたのか、はたまたどこかで落としたのか、そんなことはどうでもよかった。
唯一の連絡手段であり頼みの綱であった携帯がない。その事実が私を奈落の底に突き落とす。
「どうしよう……」
一度安心してしまった反動で、不安は絶望へと変化してしまった。
冷静になって考えれば他の解決策が浮かんだのかもしれない。
しかし心理状況がそれを許してくれない。私は捨てられた仔猫のようにただただ震え、どうすることもできなかった。
――そのとき、
「あずにゃん!」
ざわめきの中から耳に届いた聞きなれた声、その人しか使わない私のあだ名。それは私を絶望の淵から救い出してくれた。
「唯先輩……」
汗をかき、息は上がっている。必死に私を探してくれていたことは容易に想像できた。
「ハア、ハア、良かったー。気付いたらいなくなっちゃってたからみんなで必死に探してたんだよ。
携帯にかけても繋がらないから澪ちゃんなんか『何か事件に巻き込まれたんじゃないか』って凄い心配しちゃってさ……」
唯先輩の言葉を全て聞くことなく、私は唯先輩に抱きついた。
「ほえっ!?あずにゃん?」
私の突然の行動に驚きの声を上げる唯先輩。しかしその声に答える余裕は私になかった。
「怖かったです……」
安心感から出る涙もあるんだと、このとき改めて実感した。
落ち着きを取り戻し、私はさっきまで一人で座っていたベンチに唯先輩と腰掛ける。
座り心地は変わらない。でも居心地は良かった。それはたぶん、隣に唯先輩がいるから。
「とりあえずみんなにあずにゃん無事捕獲完了の連絡はしといたほうがいいよね」
他の先輩たちに私を見つけたとの内容のメールを送信する唯先輩。
「よし、送信完了。それじゃもう少しここで休んでいい?。正直私も緊張しっぱなしだったから、少し疲れちゃったんだ」
「すみませんでした、ご心配とご迷惑をお掛けしてしまって」
「ううん、私たちも気づかなくてごめんね。気づいたらあずにゃんがいない、ってみんな慌てちゃって……」
唯先輩は私がいなくなったあとの先輩たちの様子を詳しく話してくれた。
涙ながらに心配してくれた澪先輩、そんな澪先輩を励ましながらみなさんに的確に指示を出して私を見つけようとしてくれた律先輩、
ムギ先輩は人海戦術をしたらどうかと斉藤さん、だったかな、をはじめ何人かに声をかけてくれてたらしい。
そして息が切れるほど必死になって探し出してくれた唯先輩。
そんな先輩たちの温かさに胸が熱くなった。
「それじゃそろそろ行こうか、花火始まる前にみんなと合流しよ」
体力も回復し、スクッと立ち上がった唯先輩に私はひとつのお願いをしようと声をかける。
「あ、あの、唯先輩。またはぐれちゃうといけないんで、手、繋いでもらっていいですか?」
ついさっき自分から断った手前、私は恐る恐る右手を差し出す。
「もちろんいいよ」
私の気持ちを知ってか知らずか、唯先輩はためらいなくその手をぎゅっと握り返してくれた。
その繋がれた手を照らすように突然空が明るくなる。
それは私が唯先輩の温かさを感じるのと同じタイミングで夜空に咲いた一輪の花。
私たちはお互いの手を握ったまま、夜空に儚く散る花に見とれていた。
「うわあ、綺麗だね」
「はい……」
「……って、いけない!花火始まっちゃったよ。早くみんなのところ行かなきゃ」
――私は、二人きりでもいいです。
口をついて出そうになったセリフを私は必死に飲み込む。みなさんに散々心配かけたんだから、ここでわがままなんて言えません。
「そうですね、急ぎましょう」
――今さっきのセリフ、いつかきっと使うから。
私は私自身と約束して、手を引く唯先輩に身を委ねる。
そのとき夜空に現れたのは、ハートマークの花火だった。
207 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/01(土) 16:46:17 ID:ZyDhKyGP
猫ちゃん!!猫ちゃんハァハァ!!良かったね唯ちゃん!!可愛い嫁がいて!
「ほら唯、起きてってば」
「ん……あと10分……」
「それさっきも言ってたよ?」
せっかく今日は二人でゆっくりできるのに、唯は一向に起きようとしない。
しょうがないから奥の手を使おうかな……。
「ほら、唯先輩、起きてくださいよ」
ぴくっ。
まだ付き合う前の呼び方で唯に声をかけると、唯はぴくりと反応した。
「んぅ……あずにゃん……」
と、こちらは付き合っても変わらない呼び方で返事をしてきた。
「さ、起きてください」
反応したことに気をよくして、唯先輩の体に手を回すと、
「あずにゃんも一緒に寝ようよ〜」
逆に唯先輩の布団に引き込まれた。
「わわっ」
油断していた私は、大した抵抗もできずに唯先輩の布団へと納まってしまった。
「ん〜あずにゃんあったか〜い」
すりすり。
そのまま唯に抱き抱えられ、頬ずりをされる。
「ちょ、ちょっと唯……」
久しぶりの感触がくすぐったい。
「それじゃおやすみ〜」
と、そんなことを考えていると、唯はいつの間にか私を抱き枕にしてすやすやと寝息を立てていた。
「ちょ、ちょっと、唯?」
言葉をかけても帰ってくるのは穏やかな寝息だけ。
おまけに後ろから抱きしめられているから抜け出すこともできない。
「……はぁ」
また、唯のペースに乗せられちゃったな……。
だけどそれが心地良い。
……背中に唯の体温を感じながら、私ももう一眠りすることにする。
「――おやすみなさい」
Fin
昨日同様
未婚者の俺には書けないネタだったので誰か他の人が書いてくれるのも見たい
お目汚し失礼した
それでは
211 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/01(土) 22:34:15 ID:NhybWH2X
みなさんすごいな。
僕じゃ書けないよ。
どうすればエロパロ書けるのかな?
212 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/01(土) 23:17:58 ID:ZyDhKyGP
>>209 やっぱり結婚後も最高でした
俺はもうだめかもしれません
本読んでたくさん話をかくといいよ。
>>215 光速で保存余裕でした
二人とも可愛すぎだろ
>>215 もう余計なことはいわないこれだけ言っておく
萌えた、ありがとう
>>215 な、なんだ、これは…
萌ええええええええええええええ
>>219 毎度毎度マジでお疲れ様です
ぐおおお後編早くきてくれええええええ!!!
>>220 後編を・・・後編をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
>>215 いい…実にいい…
>>219 朝っぱらから乙
>糖分ばかりだと胸焼けしますので・・・・。
うん、気持ちは分かる
>>215 冒頭のカラー漫画はもちろん、裏表紙とカバー裏も凄まじかったよね!
自分も唯は犬っぽいイメージ-がありますが、この絵可愛すぎるww
原作とアニメで逆にされてた唯にカウンターでお返しされた感じに見えます。
>>219 やっぱり夢オチだったんですね。
続きがもの凄く気になるううう!
>>223 って、お返しされた→お返しした、の間違いだった。
R-18
「そ、それじゃ……」
「うん……」
唯先輩の期待のこもった潤んだ瞳で見つめられながら、唯先輩の太腿の間に右足を差し込む。
「はぅ……」
勢い少しパジャマに触れただけで、唯先輩の口から小さく吐息が漏れた。
唯先輩の両足首を固定しながら、足のつま先を唯先輩のあそこに入れてみる。
「いたっ」
「あ、ご、ごめんなさい」
……けど、まだ少しも濡れていないせいで入らなかった。
「あずにゃん、それはもう少ししてからだよぉ……」
「す、すみません……」
やっぱり初めてだとよくわからない。
「んっ……もう少し上のほうをお願い」
唯先輩の指示に従って足を少しずらす。
「こ……こうですか?」
「うん、それで……っん」
唯先輩のクリトリスの上を、揉み続ける。
「先輩、もう少し強くしますよ?」
「ん、うん? ひゃっ」
唯先輩の反応がよくなったことに嬉しくなり、さらに足を強く動かす。
「あ、あずにゃん……んくっ」
「先輩は、ここが一番気持ちいいんですね」
ようやく見つけた先輩の弱点を重点的に責める。
すると、見る間に唯先輩のあそこがぐちょぐちょになってきた。
「あ、あずにゃ……ちょっと、強すぎ……んくぅっ」
そう言いながらも、唯先輩は与えられる快感を逃さないように私の右足をしっかりと挟んでいる。
……かわいい。
「ごめんなさい、無理です」
「んぁっ……ひゃっ……あずにゃぁ……んっ」
唯先輩はイヤイヤをするように首を振っている。
……だけど、もう止まらない。
すっかり火のついてしまった私はさらに足を激しく動かす。
「唯先輩って淫乱だったんですね」
さらに言葉責めまでしてみると――
「いや……お願いだから……んっ、そんなこと……言わないで……はぅっ」
――唯先輩は泣きながら私に懇願してきた。
そんな唯先輩の表情を見た私は、どこからかプチンという音が聞こえた。
「そんなことを言いながら、ここはもうぐちょぐちょですよ?」
「い、いや……言わないで……」
「そんなこと言いながら、また増えてきましたよ? 唯先輩ってドMだったんですね」
冷酷に言い放ち、さらに足を激しく動かす。
「だ、だめぇ……そんなこと……言わないでぇ!」
唯先輩はわんわんと泣きながら首を横に振り続けている。
「我慢する必要は無いんですよ?」
強情な先輩を堕とすために、唯先輩の耳元で甘く囁く。
「はぅ……もうだめっ……ひゃああぁっ」
すると、唯先輩の喘ぎ声の感覚が一気に短くなった。
……そろそろかな……。
「も、だめ……いっちゃ……いっちゃうよ……ああんっ!」
「いっちゃっていいんですよ? ……唯」
とどめに、耳元で名前を囁いてあげると――
「だめ! いっちゃう! ……ふぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
――唯先輩はびくびくと身体を震わせ、叫び声をあげながら、絶頂に達した。
Fin
お目汚し失礼した
それでは
>>226 乙
モノがモノだけに一応場所は考えた方が宜しかろう
右足を中につっこんで動かしてるのかとオモタよ
>>230 さすがにグロ鬼畜すぎるだろ…使い物にならなくなっちまう(((( ;゚Д゚)))
>>233乙
( ;∀;)イイハナシダナー とりあえず不安はなくなったよ。
これで後編はまったり待つことができる
「あ・・・降ってきちゃった・・・。」
部室に1人残って練習をしていた私はギターを下ろし、窓に近づいた。さっきまでぐずついていた空はついにこらえきれなくなった様に大粒の雨を降らせている。
「ハア〜、参ったなあ〜。今日傘持って無いよ・・・。」
そうつぶやいた途端音楽室のドアが勢い良く開いた。反射的に振り返ると先に帰った筈の唯先輩が立っていた。
「あずにゃんまだいたんだあ〜♪」
唯先輩が早速飛びついてきた。正直言ってこんなに蒸し暑い日にはあまりくっつかないで欲しい物だ。
私は先輩を素早く避けた。
「ブウ〜!あずにゃんのいじわるう〜。」
唯先輩は膨れっ面で私に抗議してきた。
「所であずにゃん何してたのお〜?」
「私はギターの練習です。せ、先輩こそ何してたんですか?
先に帰った筈じゃあ・・・。」
「私は追試だよ〜。この前のテストで赤点取っちゃって・・・。テヘッ♪」
「・・・テヘッ♪じゃ無いですよ先輩。受かったんですか?」
私が半ば呆れ加減で聞くと唯先輩は待ってましたとばかりにカバンの中から回答を取り出した。
「私が本気を出せばこんなモンですよお〜!」
確かに回答にはマルがびっしり書かれている。
「澪先輩に教わったんですね・・・?」
「ギクリ!あずにゃん何でわかったの?まさかストーカー・・・?」
「ち、ち、違いますよお〜!」
「ふふふ。あずにゃんかあいい〜♪
一緒に帰ろっか!」
唯先輩は私に飛びっきりの笑顔を投げかた。
「・・・ヒキョウです・・・。」
笑顔に思わずそんな言葉が漏れる。何時からか唯先輩を特に気にかける様になったのは・・・。
「んん〜?あずにゃん傘無いの?なら入れてってあげるよ〜♪」
「!!!い、良いですよ!そ、そんな先輩に悪いですし・・・。」
「ダメだよあずにゃんが風邪引いちゃうよ〜!」
何故かドキドキと高鳴る心臓・・・一体どうしたんだろう?
「そ、それじゃあお言葉に甘えて・・・。」
「らじゃあ〜お言葉に甘えられます!」
唯先輩はそう言ってピンクで花柄の傘をさした。先輩の可愛い物コレクションの一つだろう。私は先輩の隣にいそいそと入り込んだ。
「ではあずにゃん家に出発〜。」
「お、お願いします・・・。」
だれかこの続きをたのむ
>>236 「でね〜」
「そうですか……」
それから5分ほど。唯先輩はずっと喋ってくれてるけど、私は生返事しか返せない。
なぜなら、胸の動悸を抑えるのに必死で唯先輩の言葉に耳を向けられないからだ。
「あずにゃん、どうしたの?」
「へ?」
気がつくと、唯先輩が足を止めて私の顔を覗き込んでいた。
「なんだかぼーっとしてたよ?」
「それは……」
言えない。唯先輩には絶対に。
「それは?」
「な、なんでもないです。さ、行きましょう」
「う、うん……」
そして、また二人で歩き出す。
「憂がこの前ね〜」
「憂らしいですね」
それからしばらくすると、ようやく会話ができる程度までには治まった。
「でね――あっ」
突然、唯先輩が足を止めた。
「どうしたんですか?」
「雨、止んでるよ」
唯先輩はそう言って傘を畳む。
すると――
「わぁ……」
――雲の隙間から太陽が顔を出していた。
「すっかり晴れですね」
「そうだね〜」
「それじゃ、行こっか」
言いながら右手で私の左手を掴まれる。
「あ、あの……」
「うん? なぁに?」
「この手はいったい……」
「手を繋いだほうが楽しいよ〜」
答えにならない答えを返して、唯先輩は繋いだ手を上下に振り出した。
「子どもですか……」
「さぁ! あずにゃんちにれっつご〜っ!」
「……はぁ」
――結局、家に着くまでまた胸の動悸を抑えることになった。
Fin
……申し訳ない
>>237 ありがと
なるほど、こうやって作るのか
全くどいつもこいつも素晴らしいわ
うはwww完全に唯×梓
だれかこのネタでSS書いてくれ
>>240 猫耳を装着してもっと素直にあずにゃんの可愛さをアピールすれば本物の猫に負けずに唯は振り向き返してくれるはず
がんばれあずにゃん!
>>242 GJ!!!!!
やばい、最高すぎる…あまりにも悶えすぎて意識失いそうに……
>>244
GJ!
GJだがメ欄にはsageと入れた方がいい
GJだがmailはsageがお勧め。
最後から二つ目が由比先輩になってるので推敲推奨。
お前達なんでこんなにGJすぎるんだ・・・
…やべぇ…これだから唯梓は止められない…GJだお前ら…
>>246 GJ!いつも乙
>感動で涙と勃起が止まらない…貴方にはこれからもゆいあずで書いてほしいです…。
>ほかのカプに浮気しないでください…お願いします…。
>貴方のような神にゆいあず以外のカプを書かれては悔しい気持ちで夜寝れなくなってしまいますから…
>あと下の唯憂派の方はどうぞ回線を切って首でも吊って死んでいて下さいね^^
>あ、それとここに書き込むのもやめてくださいね。汚れちゃいますから^^;
保管庫でこういうマナー悪い書き込みすんの止めろよ
GJがとらまない。
あずにゃんかわいいよあずにゃん!
253 :
嫉妬あずゆい:2009/08/04(火) 10:24:12 ID:FmSaJjPA
先を越された!超GJです!
折角なので、一応置いておきます。
>>240発祥、あまあまにしようとしたはずが若干シリアス気味に。
嫉妬あずゆい
「あ〜ずにゃん!」
「わっ…もう、またですか」
今日も今日はで唯先輩は私に抱きついてくる。
それはもう日常と呼べるくらい、いつものことになってしまった光景で。
違うことといえば、抱きつくときの「あずにゃん」のアクセントくらいなもの。
はぁとため息で返しはするものの、先輩に抱きつかれるのは別に嫌ってわけじゃない。
やわらかくてあったかくて、なんだかほわっとするから。
だけど、やっぱりこうも癖になってしまってるのは駄目だと思う。
音楽室内だけならまだいいけど、このままどんどん調子に乗られて教室とか街中とか、あまつさえライブ中とかにされたらさすがにたまらない。
ここはやはりびしっと注意すべきだろうと思う。
「あずにゃ〜ん、よしよし」
「はわ…」
…うぅ、折角びしっと行こうと思ったのに―頭なでるのは反則です、先輩。
―仕方ないですね、もう少しこのままでいさせてあげます。
「…え?」
そう思った矢先、ふいっと唯先輩が私から離れた。もうしばらくはその感触の中にいられると思った私は、つい怪訝げな声をあげてしまう。
しまったと思って慌てて口を塞いだけど、こんな残念そうな顔をしていたら私がこの一連の行為を悪くなく思っていることが唯先輩に知られてしまうって慌てたけど。
―そんな必要もなく、すでに唯先輩の瞳には私は映ってはいなかった。
「わあ、ムギちゃんその子どうしたの?」
「うふふ、そこを歩いてたの。なでてあげたらなついちゃって、連れてきちゃった」
その視線の先にはムギ先輩―正確には、その腕の中に抱かれる黒くて小さな子猫がいた。
唯先輩はその子をじーっと眺めつつ、ほわっとした笑顔を浮かべている。
それを目にしたとき、ぎゅっと胸が痛んだ。
だって…いつもなら、先輩がその表情を浮かべるときには、その瞳に映っているのは私のはずなのに。
「ねね、私も抱いていいかな?」
「もちろんよ。はい、唯ちゃん」
「ありがとう、ムギちゃん!」
ムギ先輩に子猫を渡してもらった唯先輩は、その子を腕に抱いて更にほわっとした笑顔を浮かべていた。
それは、私を抱きしめるときのいつもの笑顔より、もっとずっと輝いて見えて。
ぎゅっと締め付けられるような胸の痛みは、いつの間にか抉られるようなものに変わっていた。
―何で、何でそんな風に笑うんですか。私はここにいるのに。先輩の腕の中にいるのは私じゃないのに。
「うふふ、かわいいよね〜」
「そうね、うふふ」
やだ、いやだよ―私以外に、そんな言葉使っちゃ―いやだ。
くらりと意識が揺らぐ。胸の痛みに、その一瞬だけ私の意識は途切れていた。
「フー!」
「え?」
「…あ」
気がつくと私はまるで猫みたいに、先輩の腕の中で居心地良さそうにしていた子猫を威嚇していた。
子猫はびっくりして、ふいっと先輩の腕を逃げ出す。私はといえば、私のいるべきそこから、その子を追い出すことができたことに一瞬だけ満足して。
そしてその一瞬後、どうしようもないほどの後悔が湧き出してきた。
私はいったい何をしてるんだろう、と。
「あずにゃん!もう、なにしてるの!」
同時に、先輩の怒った声が降りかかってきて、私はびくっと体を振るわせる。
そう、先輩が怒るのも無理はない。折角先輩が可愛い子猫と戯れていた楽しいはずの時間を、私は邪魔をしてしまったんだ。
―ただ、私が―そう、さびしくてその子が羨ましかったからという理由だけで。
ちらりとその姿を追うと、子猫はムギ先輩の腕の中でなだめられていた。そのおびえた様子は、私のせいに他ならない。
それをぎゅっと焼き付けられているようで、その熱に耐えかねて、私は目をそらした。
だけど、こちらを見ているはずの唯先輩と目を合わせられない。そうしてしまうときっと怒った顔と出会ってしまうから。
だから、地面に視線を落とした。俯いた私の視界には、木張りの床と微かに震える私の膝下だけが映っている。
顔を上げなきゃいけないのに、顔を上げられない。私はぎゅっと唇を噛んで、それを見つめ続けている。
怒られて当然のことをしたのに、そうされるべきだと思うのに、それでも私はそれから逃げようとしている。
私はただ、唯先輩にぎゅっとされて、可愛がられて、微笑みかけられて―そうして欲しかっただけなのに。
私は悪くない。悪いのは、私にかまってくれなかった先輩と、私の場所を奪ってしまったあの子なんだ。
そんな自己弁護みたいなものまで沸いてきている。ちょっと気を抜けば、そんな独りよがりな理由が自分を埋め尽くそうとしまっていて。
それを、先輩には見せたくなかった。読み取らせたくなかった。
そんな汚い自分を、何とか取り繕っていたかった。
その浅ましさが余計に悲しかった。―こんな自分は、先輩の傍にいちゃいけないんじゃないかと思えるほどに。
「…ぇぐっ…」
じわりと、熱い何かがあふれ出しそうになる。それが何か気がついて、慌てて止めようとしたけど、それは全然止まってくれなかった。
不用意に浮かべたそのフレーズが、いけなかったらしい。そんなの、思っちゃいけなかったことなのに。
そんなこと、絶対に許容できないことだから。それを、そのシーンを思い浮かべるだけで、胸が張り裂けてしまうほどに痛くなってしまうから。
「…あずにゃん?」
先輩の声に疑問が混じる。駄目だ、こんなの、見せちゃいけない。気付かれないようにしなきゃ。気付かれない間に、止めてしまわないといけない。
自分がこんなに弱くて浅ましい人間だと、先輩にだけは見せたくない。見せちゃいけない。そうしたらきっと先輩は―
「…な、泣いてるの?」
なのになんで、これは止まってくれないんだろう。それどころか、どんどん勢いを増していくんだろう。
下を向いた私の足元には、ぽたぽたと水滴が生まれている。頬を伝い、あごをなでていく感触。
まるで漫画みたいな量。このままほうっておいたら、水たまりができてしまうんじゃないかと思うくらいに。
駄目、そんなの。先輩に気付かれちゃう。その前に、逃げなきゃ。
私の目の前には、先輩の気配。いつものほんわりとある意味泰然としたそれじゃなくて、戸惑いを含んだ気配。
今なら、逃げられる。素早く走り去ってしまえば、呼び止められることなく音楽室を飛び出せる。
その後どうしようかなんて全然思いつかなかったけど―今は逃げなきゃ。逃げて、逃げて、無かったことにしなきゃいけない。
「にゃあ」
「…!」
そうきびすを返そうとした私の足元に、今のわたしの唯一の視界に、ふいっとその子が現れた。
思わず足を止められた私を、じっと見上げてくる。
―まるで、逃げちゃ駄目、と私にお説教をしているかのように。
「にゃあ」
もう一度無く。そうだよ、と答えるかのように。
なんで、そんな。逃げちゃ駄目なら、私はどうしたらいいっていうの。
それには、その子は答えてくれなかった。ただじっと私を見上げ続けている。その視線が私をぐいっと押していく。
それに押されて、少しだけ視界が上がった。そして視界の上の端のほうに、先輩の顔がちょっとだけ映った。
私を心配そうに見つめていて、それでもどうしたらいいかわからずおろおろする先輩の顔が。
それはいつもの見慣れた表情じゃなくて―ああ、私は先輩にこんな表情をさせてしまってたんですね。
瞬間、何かが決壊した。あふれてくるものすべてが完全に止められなくなって、何もわからなくなって、ただその胸にしがみついた。
そうしていないと、自分がどうにかなってしまいそうだったから。
自分の泣き声が、何処か遠くで誰か違う人間が上げているもののように聞こえる。そんなはずは無いのに、それは間違いなく自分のもののはずなのに。
全てを吐き出すように、ぶつけるように、それでいてそれを受け止めて欲しいなんて願うように、その声は響いてる。
そう、逃げることができないのなら、そうするしかない。
だけどそれは、あまりにみっともなくて、どうしようもない願い。そんなのを表に出したら、間違いなく幻滅されてしまう。それなのに、その声はまだ私の鼓膜を揺さぶっている。
まるでこれこそが正しいことなんだって、私に突きつけるように。
いやだ、もうやめてよ。今ならきっとまだ間に合う。無かったことにして―いつもの私に戻って。
―そうして、嘘の自分を続けるの?
ぐらりと何かが揺らいで、そして、何かに支えられた。
ぴたりと声がやむ。私の鼓膜を揺らしていた、私の声が消えている。
一瞬呆けて、そしてすぐにそれに気がつく。ぎゅっといつものように、ううん、いつもよりもずっと優しく私を抱きしめているあたたかな腕に。
それが止めてくれた。それだけで、永遠に止まらないかと思っていたそれは、あっさりと止まってくれた。
「ごめんね、あずにゃん」
先輩はそのまま、優しく私の頭をなでる。それに負けないくらいの優しい声が聞こえてくる。
あんな姿を見せた私なのに、それでも先輩はいつものように、抱きしめてくれている。
私のそれを知られてしまったのに、それでもぎゅっと抱きしめてくれてる。
私を、受け止めてくれようとしている。
「…なんで…先輩が謝るんですか」
かすれる声を絞り上げるように、そう答えた。無理にでも口を動かさないと、また泣いてしまいそうだったから。
悲しいからじゃなくて、それとは正反対の理由で。
それは、まるで胸にびっしり張り付いていた氷を溶かすように、私を苛んでいたもの全てを消してくれた。
「ごめんね、私バカだから…あずにゃんの気持ちに気がつかなかった」
先輩の腕が、より強く私を胸に押し付ける。それが嬉しくて―そう、嬉しくてまた涙があふれそうになる。
「違います、バカなのは、私のほうです」
いけないのに。いっぱい迷惑かけたから、嬉しくなるより先に謝らないといけないのに。
だけど、そうしようとすると、先輩はそうさせないようにぎゅっと私の頭を胸に押し付ける。 謝っていいのは私だけだよって、そう言わんばかりに。
だから私は、むぎゅっとしか喋れなくなって、やがてそれを断念させられることになった。
―ごめんなさい。そして、ありがとうございます、唯先輩。
だから、その気持ちだけでも伝えようと、唯先輩に負けないくらい強く、その背中に手を回し、抱きしめた。
どれくらい時間がたったのだろう。気が付けば私は先輩の胸の中で、いつものほわっとした気分に身を委ねていた。
力が抜けてふにゃっとなった私に、先輩もまたふわっとした笑顔を見せてくれている。それは、さっきの子猫に見せた笑顔よりずっと優しく、暖かくて。
ううん、そんな比較なんていらない。これは、私だけの先輩の笑顔。それだけでいいんだと思う。
その傍にずっといられるように、置いていかれないように、私も前にすすまないと。
きゅっと意思を込めて、先輩の瞳に目を合わせた。
「先輩、学園祭のライブの前のこと、覚えてますか?」
「…え?えーっと、なんだっけ?」
唐突な私の質問に、先輩はきょとんとした顔を見せる。
ふふ、すきだらけですよ、先輩。
「仲直りのちゅー、です」
そう言って、無造作に唇を寄せる。あの時とは逆のシチュエーション。
その動作にはわわっと驚いた先輩の表情に、小さくくすりと笑うと、私はそうっと唇を合わせた。
以上となります。
途中でムギが空気になっていますが…
彼女は唯にあずにゃんがどうして泣いているのかブロックサインを送っていたり、
最後のシーンのあと鼻血を吹いて倒れたりしているということでひとつ。
>>256 ふおおおお萌えた!!
なんだこの二人、いいなあ。
嫉妬するあずにゃんはとても可愛いとおもう
嫉妬する唯は怖いけどね・・・。
というかsageた方がいいっていわれたろ
>>259
おりょ?さげsageられてない・・・?
264 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/04(火) 14:07:43 ID:Q94Mm05E
コスプレイヤー、マニア、おたく、占い師 募集!
ライブチャット「マニアカデミー」
夏だなぁ
2chなんて全くやった事無かったんで・・・。不快な気分にさせてしまったらすみません。
>>246 一応「中野」さんな
あずにゃんがキレるぞ
あ、普通の中野だったのか。
原作で読んでても仲野だと勘違いしてたわ。
思い込みって怖いね・・・。
と、言うか皆結構細かい所見てくるな。
昨日の夜遅くに書いた物なんで細かいミスはあると思うが勘弁してくれ
書く側は話が頭に入ってるから気づかない&気にならない部分でも
読む側は内容知らないし初見だから細かい所までしっかり読む
書いてるうちにだんだん見えにくくなるから
うpする前に半日ぐらい寝かせて再チェックするのが吉
>>271 そうだな
良い忠告を有り難う
あれだな、中二の時に書いた小説を読んで死にたくなる的な・・・。
ほしゅがてらに。
あずにゃんに首ったけ逸話的な何か。
「まったく…もう」
階段の隅にちょこんと腰を下ろして、大きく溜息をつく。
その理由は、なんて説明するまでもない。私の溜息の理由の大半は、あの人発祥だから。
勿論、その逆もそうなんだけど―なんて反射的にフォローを入れてしまう自分が憎い。
なんだかんだ言いつつも、私はあの人のことが嫌いではないのだろう。
「でも、あれはあんまりですよ、先輩」
新曲を合わせてみようって言われて、先輩が練習熱心なのが嬉しくて即座にOKしたのはほんの数分前。
でも、あれ、なんか歌詞が違うなって思ったときにはもう遅くて。それが、その言葉が嬉しく無かったわけじゃない。
だけど、皆の前で「あずにゃんにもう首ったけ♪」なんて歌われた私の身にもなって欲しいと思う。
顔から火が出る、って比喩じゃなかったんだ、なんて実感させられる日が来るとは思わなかった。
だけど、それとは正反対に、唯先輩は平然と―ううん、いつもより少しだけ真剣な表情で私を見つめていた。
その私の中の何かを溶かしてしまいそうな眼差しに、更に私の頬は熱さをましてしまう。
おそらくは防衛本能。それが決定的に私をおかしくしてしまう前に、私の脚は勝手に私の体を音楽室から飛び出させていた。
そして今ここに座ってる。ギターを置く間も無かったから、私のムスタング―むったんを肩に下げたまま。
「皆心配してるかな…突然飛び出しちゃったから」
そう考えると申し訳ない気分になる。何より、唯先輩に何も返せずに、飛び出してしまったことに関しては後悔しか浮かんでこない。
だけど、もう少しだけ時間が欲しかった。ちゃんと私のままで、先輩と向き合えるまでの冷却時間を置きたかった。
じゃないと、熱に浮かされた私は、それこそとんでもないことをしてしまいそうだったから。
クールダウンが必要。でもどうしよう。般若心経でも唱えようかな。もしくは素数でも数えた方がいいのかな。
そんなもので、今にも私を暴走させてしまいそうなこの熱が収まるとはとても思えなかったけど。
ふと、沈静に集中する思考に、なんかが割り込んできているのに気がついた。それは、聞き覚えのあるギターリフ。
発生源はむったんで、奏でてるのは私の指。…ああ、思考に置いていかれて文字通り手持ち無沙汰だった指先が、勝手に動いちゃったんだ。
でもよりによってこれはないよ。これって、さっきのあの曲じゃない。こんなの聞いてたら、落ち着けるはずないよ。
今はそれから思考を離さないといけないのに。
「あずにゃんに首ったけ…か」
けれども、そう呟いた自分の声は、驚くほど落ち着いたものだった。それを聞いた自分は意外に思うでもなく、ただ自然と笑みを浮べていた。
旋律は続いていく。音の中、浮かんでくるのはやっぱり唯先輩の姿。
歌ってた先輩は本当にいい顔をしていて。私の大好きな笑顔を浮かべていて。
私のことを大好きだって、そんな笑顔を浮かべてくれていた。
そしてそれは、最後のあの眼差しへとつながっていく。
先程目にした、私をおかしくしてしまいそうになった、あの一連の光景。
それが、今の私の心を驚くほど落ち着けてくれていた。何故だろう、それは決して冷やしてくれる類のものじゃないのに。
どちらかといえば、更に熱するもの。それはぐんぐん私の温度を上げて、その限界まで上げきってしまって。
そして、そこで安定させてくれていた。
最高点まで熱くなった、私の心の形。それをちゃんと見据えて、掴まえて、確かな形で認めてしまえばいいだけだった。
「私のほうこそ、先輩に首ったけ、ですよ」
ポツリと呟きが零れる。そう、それが答え。
さてと―私は、腰を上げ、きゅっと音楽室のほうへと目を向ける。
答えは見つかった。だからあとは、先輩にそれを伝えるだけ。だけども、私の脚はまだ動こうとはしてくれない。
だって、考えないといけませんから。あんな方法で思いを伝えてくれた先輩に、ちゃんと仕返しできるような―大好きの伝え方を。
もし二人の間に子供ができたら、その名前は椎なんてどうだろう
なるほど、呼び方はしぃにゃんかしぃちゃんか? 女の子前提で言ってるが
だいたいそんな感じ
名前の由来はわかるよね?
親の染色体が両方ともXXだから当然女の子
名前は他にも「ゆず」とかどうかな?
…ムカつく…
今の気持ちを言葉に表すとこんなカンジ…かな
私は自分の部屋のベットに寝転がった。
なんで…なんでこんな事にになっちゃたんだろう…
深くため息をついた。このため息の理由はー…
・一時間前・
部活が終わった放課後、唯先輩に誘われムギ先輩と私で
唯先輩の家に練習をしに行った。
みんな唯先輩の部屋で練習をしていた
「あずにゃーん、ここはどうやるのー??」
「えっと、ここはですね…」
「唯ちゃん、梓ちゃんちょっと私のキーボード聞いてくれる?」
「あっはいー…」 その時ガチャという音がして、
「ただいまー…」という自信が無さそうな元気のない憂の声が聞えた。
「憂、おかえりー!」と唯先輩が憂を励ますように部屋を出て行った。
私たちもつられて部屋からでた。すると…「にゃあ」と言う声が聞えた。
一瞬、時間が止まった
「え…?」私は思わず声を出した。むぎ先輩も
「あら?猫…??」と呟いた
「ええええ!?」階段の下の方から唯先輩の大声が響いた。
…何があったんだろう…
パタパタ…と唯先輩が階段を上がってきた。
「どうしたの?唯ちゃん」ムギ先輩が尋ねる
「あっあのね憂が子猫拾ってきちゃったの!!」
そう言った唯先輩の腕の中には小さな黒猫が丸くなっていた。
もうすでにやってる人いたけど、ノリでやってみた。
誰か…誰か続きを…!!
「でも可愛いわね。この猫ちゃん。」
ムギ先輩が唯先輩の抱いている猫を受け取りなでる。猫は気持ち良さそうにゴロゴロと喉をならした。
「ですよね〜。かわいそうでついつい拾ってきちゃったの。」
部屋に飲み物を持って上がってきた憂が言う。
「これじゃあ私でも拾ってきちゃったと思うよ〜。
クロちゃん可愛いねえ〜♪」
「お姉ちゃん早速名前着けちゃったの・・・。」
憂が苦笑いをする。
「先輩、練習はどうしたんですか!」
子猫の登場に何故かムッとした私はちょっと怒り気味に先輩方に言った。
「ええ〜。こんな可愛いクロちゃんをほっといて練習なんて駄目だよ〜。」
唯先輩が満面の笑顔で答えた。ムギ先輩も練習を再開する気はないようだ。私は憂が持ってきてくれたジュースを飲みながら唯先輩達が子猫をかわいがっているのを眺めていた。
「あずにゃんもナデナデしなよ〜。可愛いよ〜♪」
私が一人でむくれているのを見た唯先輩が私に子猫を差し出してきた。子猫はうれしそうに私に近寄ってくる。
その時私の中で何かが崩れた。無意識のうちに私の膝の上にいる猫をはねのけ、唯先輩の部屋から飛び出した。
・・・正直言って自分でも何をしているのか分からなかった。私を呼び止める声を聞こえない振りをしてそのまま逃げる様に唯先輩の家を飛び出した。
そんなこんなで私は今猛烈に後悔している。家への途中で何回か足を止めて唯先輩達に謝ろうかと思ったけど、その時のやるせなさを思うとどうしても足が動かなかった。
「はあ・・・。」
唯先輩の事を思うと本日何度目か分からないため息が自然に出た。
疲れたのでこの先は誰か頼む・・・。
頑張れ〜!
>>281続き。頑張る。頑張った。
――ふと、聞きなれた電子音が耳に入った。
伏せていた顔を上げる。携帯の着信音だ。
正直、誰かと話をする気にはなれなかったし、メールだとしても、返す気にはなれない。
けれど、なんとなく、取らなければいけないような気がして、携帯に手を伸ばした。
『着信 唯センパイ』
どきり、とした。
たった数文字で、こんなにも動悸が激しくなるものなのだろうか、というほどだった。
今日何度目かの溜息の理由。その原因。私の行為。猫の声。全てが頭で再生される。
どうしよう。
どうしよう。先輩。私悪い子です。だから、きっと先輩怒ってますよね。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
その言葉達を、電話機の向こうのあの人に言うべきなのに、指が通話ボタンを押さない。
胸が、痛い。
――と、電子音が途切れた。
瞬間、私は何かに解放されたように、起こしていた体をドサリとベッドに預ける。
何やってんだろう、私。
こんなんじゃ、ホントに唯先輩に――
携帯の画面見る。軽音部の皆さんの集合写真。その待ち受け。
画面の唯先輩は、笑っている。
先輩。
話したいです、先輩。
謝りたいです、先輩。
唯先ぱ――
ピリリリリリ♪
携帯が、鳴った。
私は、先ほどの私とは打って変わったように、即座に通話ボタンを押した。
『あずにゃん!?』
電話機の向こうのあの人は、予想に反して、ものすごく嬉しそうに、かつ、ホッとしたように、私のあだ名を呼んでくれた。
その声だけで、なぜだろうか、ひとつの雫がポトリと、私の瞳から零れ落ちた。
『よかったぁ〜。あずにゃん、今日急にいなくなっちゃうし、電話にも出てくんないしで、私、完全に嫌われちゃったのかと思ったよ〜』
唯先輩の、えへへと苦笑交じりの表情が浮かび上がる。
「そ、そんなことありません!!」
私は、自分でも気づかないうちに大きく否定していた。
『え?』と先輩は不思議そうに呟く。もういい。今日は私のせいで迷惑をかけた。私のせいで唯先輩にも、ムギ先輩にも、憂にも、そしてあの猫にも迷惑をかけたのだ。
なにより、私は唯先輩に「嫌われた」と思わせてしまった。
なら、今ここで、全部言ってしまおう。
さっき、自分の中にしまってしまった言葉達を。
「わた、私は、唯先輩を嫌いだなんて、そんなこと思ったの、一度もありません!!
ただ、ただ私は、唯先輩のこと取られちゃうって……、ネコさん相手に、思っちゃっただけです!!
本当に、本当にごめんなさい!!わ、私、やです。取られちゃうことよりも、何よりも、唯先輩に嫌われることが、一番嫌です!!
なのに、なのにあんなこと……。グスッ、す、すいません。自分でも何言ってるのか……。と、とにかく、ごめんなさい。ムギ先輩達にも……、ごめんなさいって、あの」
『あずにゃん』
電子音交じりの、だけれど、変わらずあたたかい唯先輩の言葉が、私の言葉を遮った。
私は、いつの間にか涙でボロボロな顔を戻すため、ゴシゴシと顔を手で拭って、聞き返した。
「なんですか?」
気付かない内に、声は涙声だ。
『私はね、あずにゃんのこと、嫌いになったことなんて、一度もないよ』
それなのに、唯先輩は、
『確かに、今日のことは、びっくりしたけど……。でも、ちゃんと理由、分かったもんね。やきもちだって。私、あずにゃんに、嫌われた訳じゃないって。それだけで、十分だよ』
いつもと変わらない声で――見えないけど――表情で。
『私もごめんね、あずにゃん。あと、やきもち焼いてくれて、ありがとう。なんか、嬉しかったよ。えへへ』
私のことを、優しく、包んでくれた。
通話を終え、画面を見ると、私の隣で唯先輩が、優しく笑っていた。
翌日。
まず、私がおずおずと部室に入ると、唯先輩が私に愛情表現という名の抱きつきをお見舞いしてくれた。
続いて、ムギ先輩が、昨日の子猫は家で飼うことにした、との報告を変わらぬ笑顔でしてくれた。
私は、どうしよもなく申し訳なく、かつ恥ずかしくなって、ごめんなさい!、とムギ先輩に大声で謝ってしまった。
部室に響くその声は、律先輩、澪先輩の興味を不本意にも注いでしまったらしく、私はその2人から怒涛の質問攻めを食らうことと相成った。
ムギ先輩は、まぁまぁ、といつものようになだめモード(両手にティーセット)。
律先輩は、うるさい……、こほん、騒がしいほどに一方的なインタビュー。
澪先輩は、そんな律先輩の唯一の止め役という名のオアシス。
そして、唯先輩は、私のことを苦しいくらいに、けれど、嬉しいくらいに、抱きしめて、微笑んでくれる。
そんな、日常の風景。
おわり
すいません、予想よりはるかに長くなりました……。
おつかれさま&GJ!
やはり嫉妬ネタは萌えますね…!
288 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/06(木) 04:15:21 ID:xa4c+yFd
なんだこの統制されたスレは
289 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/06(木) 07:42:28 ID:lRh8Yljz
唯「卍解!!」
梓「ゆ・・・唯先輩それは?」
唯「私の卍解・・・『大聖堂雲丹(カテドラルウンタン)』だよ」
梓「卍解?」
おはあずにゃん てか何このまともなSS
このスレ的にありえんだろがw
まさか本物の紳士降臨か・・・・
誤爆
あずにゃんスレかとおもてた
>>290 おはあずにゃんという挨拶から
挨拶に「おはあずにゃん」を使い始めた唯に、最初は恥ずかしくて止めたものの結局受け入れることになった梓が
対抗して「おはゆいにゃん」と言い始めて
そうして顔をあわせるたびににゃんにゃん言い合うようになった二人を見て
もう甘いのはおなか一杯ですという律澪と鼻血を吹き続けるムギの姿が浮かんだのは
このスレ的には正しいのかな…
>>293 え、PCに唯梓SSが大量保存されてる俺に比べればまだまだ・・・。
妄想が止まりませぬ・・・。
「憂、おっはよー!」
「お姉ちゃん珍しく早起きだねっ」
憂と私は椅子に座り朝食を食べ始めた
「…………」
ふと気がつくと、憂は私の顔をじっーと見ていた
「あの…憂?」
「お姉ちゃん、何か良いことあった?」
「えっ!?」
「なんだか、いつも以上ににこにこしてて楽しそう」
「そっそう…かな?」
同じ屋根の下で暮らしている妹の憂が言うのだから私は
本当ににこにこしていたんだ…そう思うと、なんだか恥ずかしくなる
だって…しょうがないよね?だって今日はあずにゃんが私の家に
遊びに来てくれるんだもん!!
憂は他の友達と買い物行くって言ってるし、久しぶりに二人っきり♪
思いっきりイチャイチャできるっ!
実はこの前までは、私とあずにゃんは部室でイチャイチャしてたんだけど…
むぎちゃんがビデオカメラ片手に出血多量で救急車に運ばれていって
それ以来、澪ちゃん達に注意されて部室ではイチャイチャ禁止だったんだよね
私はさっさと朝食を食べ終わらせ、憂を送り出した
それから少し経つとピンポーンと音がした
「あずにゃんだぁ!」
私は全力疾走で玄関まで行きドアを開けた
そこには見慣れた黒いツインテールのかわいい女の子が立っていた
「あずにゃんっ!」
私は勢いよくあずにゃんに抱きついた
「わっ唯先輩!?」
こうしてあずにゃんに抱きつくのは何日ぶりだろう
あずにゃんは見掛けよりも細くて、小さくて本物の子猫みたいに可愛い
「唯先輩、やめてくださいっ」
気がつくとあずにゃんの顔は真っ赤かだった
私はこのあずにゃんの顔に弱いんだよなぁ〜
「あはは、ごめんね〜」
と言ってあずにゃんを家の中に入れた
「あのね、あずにゃん今日家には私達しかいないんだよ?
久しぶりに二人っきりだね、あずにゃん♪」
そうあずにゃんの耳元で囁く
「なっ何言ってるんですか!!もぅ」
あずにゃんは相変わらず耳が弱いみたい
ごめんなさい、誰か続きを…
なんかバトンが流行ってるな
夏休みだからね
だが、個人的には大歓迎だ
みなさんさすがベテランです。
>10
>295 続き思いついたんで自分で書きますねー
「さっあずにゃん、私の部屋で待ってて!ジュース入れてくるね」
「あっはい!」
あずにゃんは階段を上がっていった
私は冷蔵庫を開けてじーっと考え込んだ
どうしようかなー、りんごジュースかオレンジジュースか
あずにゃんどっちがスキかなぁ?
…あっそうだ!
…唯の部屋…
「先輩まだかなぁ…」
「おまたせっあずにゃん!」
「わっびっくりしたぁ…唯先輩、
遅かったですね何かあったんですか?」
「ふっふっふっよくぞ聞いてくれたね!あずにゃん!!
実は私特製のジュースを作ってたんだよっ」
「唯先輩の…特製のジュース!?」
あずにゃんは、私が持っている二つのジュースをじーっと見つめている、疑いの目で。
まぁ、無理も無いかも なんか変な色に濁ってるし。ダメもとでもこんな事するんじゃなかったなぁ
私はあずにゃんに分からない様に小さなため息をついた
あずにゃんは、ゆっくり私からジュースを受け取りごくっと唾を飲んだ
「あっあずにゃん、無理…しなくていいよ?」
「いっいいんです!せっかく、先輩が私のために作ってくれたんだもん…!えいっ」
「あっ」あずにゃんはごくっとジュースを一口飲んだ
「あずにゃん、大丈夫!?」
「…い」
「え?」
「おいしい…!!」
「えええええええええ!!?嘘っ」
「嘘じゃないですよっ先輩も飲んでみてください!!」
私は信じられなくてごくっとジュースを飲んだ
「……意外と飲める、かも」
「先輩、このジュースどうやって作ったんですか?」
「え〜と…」
たしか…
オレンジジュース いっぱい
りんごジュース たっぷり
牛乳 ちょっぴり
赤ワイン どばっと
麦茶 すこし
憂特製の調味料 どっさり
…ダメだこりゃ
てゆーか、ジュースが美味しかったのって…憂の特製調味料のおかげ?
「唯先輩!どうしたんですか?ぼーっとして」
「あっごめん、いやちょっと憂はすごいなーって思って」
「?」
疲れた…ちょこっと休憩します
続き書けるひとがいたら自由に書いちゃってください。
私は思いついたら書きますね♪
なんというニヤニヤ
わっふるわっふる!
スタッフブログの監督ふかふかしてる唯ママにひっついてる子あずにゃん超かわええ
監督なにやってんだw
ああ、SS書きたいけど恋愛経験0
andそういう類いの本とか読まない俺にはシチュエーションが思い浮かばないよ・・・。
誰かhelp!
あずにゃん視点が多いな
ま、その方が書きやすそうですね
ショートショート以下だと明らかに書きやすいですねー
ツンデレ属性め。
波が出しやすい!
唯だと、少しギミックが欲しくなってしまうので長くなりがちです。
そのうち長いのも落としたいところですね。
なんだろう、この気持ち。
ふわふわってして、ぬくぬくってして、ぽかぽかするの。
いつも、そんな気持ちに任せてぎゅーってしてるんだけど。
それだけでよかったはずなんだけど。
最近、なんだろうなって気持ちが浮かんできたりしてる。
ふわふわってして、ぬくぬくってして、ぽかぽかしてるのに。
ときどきちくっとするものがあるんだ。
それはだんだん、少しずつだけど大きくなって行ってて。
ときどきだけど、ふわふわだけじゃいられないときがあるの。
今もそう、胸がきゅっとなって…なんだか苦しい。
―ねえ、あずにゃん。これ、なんなのかな。
どうすれば、治るのかな。このままだと私、あずにゃんと一緒にいられなくなっちゃうのかな。
それは嫌。それだけは絶対に嫌。
だから、考えよう。この気持ちがなんなのか。どうすればいいのか。
私、一生懸命考えるよ。
だって、もっとずっとあずにゃんの傍にいたいから。もっと近くにいたいから。
そうだ、私も詩書いてみようかな。
澪ちゃんも、何か悩みがあるときは詩を書いてみるといい、って言ってたし。
うん、そうしよ。今ならなんかいいのがかけそうな気がするよ。
うふふ、かけたら、ムギちゃんに曲をつけてもらお。
何か、気分が乗ってきたよ。よし、書くぞ〜
タイトルは…そうだね、こんなのどうかな。
『あずにゃんに首ったけ』
うん、これで行ってみよう!
これから1000円期間の高速道路に乗り出すというのに何やってるんだか。
とりあえず書いてみた!
12話で梓の「唯先輩はだらしなさ過ぎです!」のセリフとその後のくだりに底知れないゆいあずを感じた
ほぼ○クシブの絵な件
>>317 唯梓、律澪がムギちゃんのオススメセットということか
朝。
「おはようございます」
部室の扉を開けて先輩たちにあいさつをして、さあ今日も頑張ろうと思い――
「おはあずにゃん!」
いきなり唯先輩に出端を挫かれた。
「なんですかおはあずにゃんって」
いつもどおり、抱きついてこようとする唯先輩をかわしながらそう訊ねる。
「あずにゃん専用の朝のあいさつだよっ」
唯先輩は少し残念そうに、だけど笑顔でそう答えた。
そんな顔をしても抱きつかれるのは恥ずかしいから嫌ですよ。てか専用ってなんですか。
「専用は専用だよ〜。おはあずにゃん!」
「恥ずかしいからやめてください」
「え〜? かわいいのに〜」
「どこがですか」
まったく……唯先輩のスキンシップは全部恥ずかしいから苦手だ。
……いや、まあ、嫌な訳じゃなくてむしろ嬉しいんだけど……。
「とにかく、やめてくださいよ」
「やだよ〜。あいさつはおはあずにゃんで決まったもん!」
「……はぁ」
こうなった唯先輩は止まらないから、結局私が折れるしかない。
それに、専用と言われて悪い気はしないし……。
「わかりました。もうあいさつはそれでいいです」
「ほんと? やったぁ〜」
「わぁっ!?」
まさかこのタイミングで抱きついてくるとは思わなかった。
「ちょ、先輩、抱きつかないでくださいよ」
「だってあずにゃん気持ちいいんだもん〜」
唯先輩はそう言ってさらに体を摺り寄せてくる。
「そんな理由で――ひゃっ」
引き離そうとしたら、唯先輩がさらにぎゅっと抱きついてきて思わず声を上げてしまった。
「唯先輩、とにかく離れてくださいっ」
「どうして?」
「どうしてもです!」
少し強めに言うと、唯先輩はしぶしぶながらも私から離れてくれた。
……危なかった。これ以上抱きしめられてたら心臓がおかしくなってしまう。
今のうちに深呼吸をして、唯先輩にかき乱された心を落ち着ける。
……よし。
「でも、それだと不公平ですよね」
「なにが?」
「あいさつです。唯先輩からは『おはあずにゃん』なんて恥ずかしいことを言われるんですから」
「確かに不公平だね〜。でも、どうするの?」
首を傾けながらそう聞いてくる唯先輩に、私は自身を持って言い切る。
「私から唯先輩へのあいさつは『おはゆいにゃん』にします!」
「おはゆいにゃん? なんだかかわいいね〜」
「そう……ですか?」
「うん! もっと言って!」
「嫌ですよそんな」
何度も使うものじゃないでしょう。
「うぅ〜。……おはあずにゃん!」
「む……。おはゆいにゃん!」
「おはあずにゃん!」
「おはゆいにゃん!」
二人がにゃんにゃんと言い合っている頃。
律と澪はもう甘いのはおなかいっぱいですと口から砂糖を吐き続け、紬は鼻血を吹き続けていた。
Fin
お目汚し失礼した
それでは
もっとにゃんにゃんしたらムギみたいになっちゃいそうだ
>>317 見にくいのが残念だけど、ようやく雑誌で唯梓(と律澪)カップルを推進してくれた訳か…
ちなみにその本の名前はメガミマガジンなんだろうか??
今月のきららだが、
二人揃ってさわ子に怒られ
二人並んで演奏に魅入り
日焼けした梓に抱きついたシーンの背景が雰囲気たっぷり
夜こっそり抜け出した唯に近寄る梓
両腕にしていた虫除けバンドを片方梓に分けてあげる唯
「こんなところで内緒の話?」との律のツッコミに顔を赤らめて反論する梓
素っ頓狂な唯の意見に同意する梓
唯梓は最早鉄板
iPS実用化マダー
>>327 きらら読んだがなんという唯梓・・・
付録のアンソロも良かった
>>327 うちの方ではまだ発売してないからまだ見てないけど
これまで以上に期待できそうだ!今月のきらら絶対に買うよ!
原作の方も唯梓を推進してくれる事を信じてよかった…。
予約しとけばよかった
今回のあずゆい分はかなり
特に最後のページは独壇場状態
ラストの二コマ目の表情とか、個人的にかなり来ました
ネタとして妄想してたのが本編で来るとはw
原作の梓は唯よりも澪にべったりと聞いていたが、買ってみようかな
澪は律にべったりだからなぁ
左利きのギター奏者を見つけて大興奮
↓
飯の買出しそっちのけでそのバンドのTシャツ購入
↓
早速着替え、律にも勧める
↓
夜、早速お揃いで現れる二人
律澪も言わずもがなの鉄板ぶり
唯梓が新婚夫婦だとすればこっちは酸いも甘いも知り尽くした熟年夫婦だが
336 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/10(月) 00:19:26 ID:S7W+0cIJ
唯×梓
律×澪
紬<ハァハァ
でいいよもう
……ムギちゃんが幸せなら、それで……
ムギちゃんにはさわ子先生がいるさ
>>337 俺たちが幸せなように、我等の代表である紬様も幸せなのさ
ふむ…とりあえず今からメイト行って買ってくるよ。
BD見て思った事…OPはやっぱギー太とむったんのツインじゃなきゃダメだよな??
ギー太×むったん
___
., -‐ '"::::::::::::::::::::::`> 、
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:::::::::::::::::::::::ィ:::::::::::::::::::l::::::::::::: \ , --‐‐-..,
,':::::::::l:::::::::::::/|:ト,:::::::::::::: ト,::::::::::::::::`ヽ‐- / / ヽ
イ::::::!:::|:::::::l ム+!-、:::::::::::| V::::|:::::::::::::トゝト/ / ヽ
/:::::::::: |:: |:::::::!/ _L 、::::イ厂l::/:::::::.:::::} ゙.-〈__r,'、 ヽ_
. /::::::::ハ::: !:::lハ::::レ'朽.ヾ ヽ/,チモミ〈|::::::::::::/ ゙‐ヽ、_,, /l
. /::::::::/ .ヽ }::::::::ヽト弋_ソ ト' リ 〉l:::::::,イ .,//゙l //\ お前らココおかしいんじゃねえか?
/::::::::/ Y::::::::: | ,,,,,, , `´ イ レ':∧ |l // }
::::::::/ l:::::::::::| __ "" j: |l::::::: | |,l // l
:::: / !::::::::::| ヽ...ノ ノ::::|ハ:::::: | .___l ヽ // |
::./ l:::::::::|>、 イ:::::::::ハ::::: !___./ | ∨/ ,}
' 入:::: l`ヽ、`' ‐r< |:::::::/ l:::::::! .,| ,l
, -< |ヽゝ ,ィV,、 ト、_lイ/ !::::::l\ /
/ | ト / 〉仆、j l>、_ !:::::} ヽ /j
. / \ ヽ' //l!!ト、v |;;;| >、 .!:::::l
. { く V〈/.ハl } | |;;;| } !::: |
誤爆
あずにゃんスレに帰りなさいこの変態紳士
いつも通りのスキンシップ→澪にからかわれる→あずにゃんが慌てて唯を振りほどく→唯先輩とはそんなんじゃありません(必死に弁解)→あずにゃんの一番は澪ちゃんなのかな…→笑顔の裏でどん底に落ち込む唯
という電波を受信したのでこれから書きます
wktkしながら待ってます
ニヤニヤしながら待ってます
>>346 前途中まで書いてた内容とかぶっててびっくりしたww
頑張ってください。待ってます
・姉にするなら澪
・結婚するなら唯
本音はこれだろ
>>351 >>351 俺もアニメだけでなく原作もそんな感じだと思ってた。
特に最近は相変わらず梓は唯に対してはツンデレなとこがあるけど
以前に比べて素直な表情でなおかつ本当に気になるのは唯に見える態度で唯に接してきてたし
唯も最近は以前に増して梓にメロメロな表情を見せながら抱きつくシーンが幾度かあったから
唯梓推進になってきてるじゃないかと思ってたけど、今月の話とミニアンソロジーを見てそれが間違いないのが確信した。
>>352 って、ミスって二重アンカーしてしまった…
それと、ミニアンソロジー見て→ミニアンソロジーの最後のページの絵を見て
に訂正。
アニメから逆輸入してる感じがしないでもない
2巻は澪梓の気が強いし
俺としてはこの調子でいい、この調子がいい
>>351 確かに言うとおりかも
憧れてるのは澪
特別なのは唯
これもかな
356 :
拒絶1:2009/08/12(水) 09:21:49 ID:f5Xd+4O7
「あーずにゃ〜ん」
「も、もう…唯先輩ったら…」
最近、あずにゃんを抱き締めるのが楽しくてしょうがない。
楽しいのとはちょっと違うのかな。
嬉しくて、あったかい。
最初のうちは嫌がられることもあったんだけど、今では抱き付いても受け入れてくれてる感じがするんだ〜。
ふっふっふ〜、あずにゃんのハートは私が射止めたのだ〜。
…本当は私のほうが射止められちゃったんだけどね。
最近はもうあずにゃんを見つけると反射的に手が伸びちゃってる。
一秒でも長くあずにゃんに触れていたくて、ずっとあずにゃんの一番近くにいたくて…。
うーん…私って独占欲強いのかも。
「今日はみんなで合わせるって決めてたじゃないですか。みっちり練習しましょうよ」
「もちろん!あずにゃんの為にもがんばっちゃうよ〜。でもそれにはあずにゃん分を補給しないとね」
「そ、そう言うことなら…特別に…いいですよ」
あー、もうずるいくらいキュートだよぅ。
ほんのりほっぺを赤くしてね、ウルウルした目で見つめられたら、私、もう…っ!
「あずにゃ〜ん、むちゅちゃ〜」
「そ、それはさすがにダメですっ!ダメですって!まだ心の準備がぁ〜っ!」
357 :
拒絶2:2009/08/12(水) 09:23:20 ID:f5Xd+4O7
むむむ、チュ〜はNGかぁ。
でも、あずにゃん、「まだ心の準備が」って言ってたよね、今。
それっていつかはOK…ってことなのかな。
心の準備ができたら私と…。
「唯先輩?どうかしたんですか?」
「ふぇっ?な、なにが?」
「顔真っ赤ですよ。…もしかしてまた風邪引いたんじゃ…」
「だ、大丈夫っ。私は元気いっぱいだよ。あずにゃん分も補給してるし。…でも、もっとあずにゃん分補給できたらもっと元気になるかも」
「それだったら…その…満タンになるまで補給してもいいですよ。ち、チュ〜はダメですけどっ!」
えーーーっと、無理です(断言)。
こんな可愛いこと言われちゃったら我慢なんて絶対無理っ!
澪ちゃんに欲情したりっちゃん(リバースも有り)が誰にも止められないように
あずにゃんにときめいた平沢唯を止めることは誰にもできないのですっ!
「仲良しなのはいいけど、もう少しTPOを考えてくれよ。目のやり場に困るよ」
チュ〜しようとしてたら澪ちゃんに呆れられちった。
澪ちゃんなら私の気持ちがわかると思ったのになぁ。
澪ちゃんは気付いてないけど、りっちゃんとふたりで何してるか、もうバレバレなんだぞ〜。
358 :
拒絶3:2009/08/12(水) 09:24:30 ID:f5Xd+4O7
こないだだって腕組んで帰ってたし、部室でも膝枕してたし、トイレの個室で「りつー」「みおー」ってなんか叫び合ってたし。
…あ、バレバレ以前に隠す気がないのか。
さすがりっちゃんあんど澪ちゃん!年季が違うね!
「ま、待ってください、澪先輩!私と唯先輩はそんなんじゃありませんっ!」
澪ちゃんたちの熟年夫婦っぷりをあずにゃんとの新婚生活の参考にさせてもらお。
…そんな風に考えてたとき、あずにゃんが私の腕を振りほどいた。
今までどんなに嫌がっても振りほどくことはしなかったのに。
私を受け入れてくれてるんだって自信もあったのに。
…初めてあずにゃんに拒絶された。
(続きます)
(・∀・)イイヨイイヨー
361 :
346:2009/08/12(水) 21:36:17 ID:f5Xd+4O7
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・)
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
箸安め代わりに、ちょこっとした奴を。
タイトルが付けにくい…ちょっとした日常の一コマあずゆい…とかで
ぷちん、と軽く小さな音と共に、手の甲に刺すような痛みが走った。
反射的に手を引っ込めると、今まさに纏めようとしていた髪がばさりと広がる。
やり直しか、と小さくため息をついて、そして私は初めて床に落ちる切れたヘアゴムに気がついた。
「…そっか、切れちゃったんだ」
実際、いつもの形に髪を纏め上げるなんて毎日繰り返していることであり、傍から見るよりずっとたやすいことだ。
だから、そういうアクシデントでも起こらない限り、ミスを起こしてしまうなんてことはまずない。
つまりは、最初からその可能性に思い当たるべきだったはずなのに。
「お気に入り、だったんだけどな」
別に特別なもの、というわけではなく、中学のころからずっと使っていたというだけの理由だけど。
そろそろそれが寿命を迎えることもわかっていたし、だからあらかじめ替えのゴムを用意していたりもしている。
そういうドライな自分にほんの僅かな嫌悪感を感じたりしたものの、適切な行為であることもまた確かで。
そう結論付けてしまうということは、その程度のお気に入りだったということなのだろう。
引き出しからそれを取り出して、髪を両側で結い上げる。
いつもよりも少し固めのそれは、私の髪型をいつもの形に固定してくれた。
「…そろそろ行こう。遅刻しちゃうし」
かばんを持ち、立ち上がる。最後にもう一度だけ振り返った、鏡の中の私は、いつもと変わらぬ姿で、それでも何処かやはり違って見えた。
放課後、私はいつもどおり音楽室へと向かって、廊下を歩く。
窓から差し込む光は、私の影を床に作り上げる。私の歩みに合わせて、ふわふわ動く黒い影。
丁度頭の部分の両側で、二本の尻尾がゆらゆら揺れている。
この髪形の私だからこそできる、いつものことだけど、少しだけ楽しく思えてしまう光景。
そっと、私の影をその形にしている二本のヘアゴムに触れる。
今朝下ろしたての、新しいヘアゴム。だけど、作る形は昨日までと同じ。
じっと見比べてみても、それをいつも見慣れてる私の目を持ってしても、その違いを見出すことはできない。
だけども、確かに昨日とは違うはずのそれ。
「誰も気付かなかった…な」
当たり前だけど。たとえばこれがきらきら光ってたり、特徴的な飾りでも付いていれば話は違ったのだろうけど。
少しだけ色が違うけど、それはもともと同じ色だったものの経年変化という些細なもので。
そう、スペアとして用意していたのは同じ種類のゴムだった。別に違うのでもよかったけど、そうしてしまう程度にはお気に入りだったということ。
そして、スペアになってしまったこのゴムは、私がお気に入りだと思っていたものと同じだけど違うものだということ。
―違いといえるものは、その程度のことで。むしろ、気づくほうがおかしい、というべきなんだろう。
私でさえも、もし昨日の私と今の私をひょいっと置き換えてみたとしたら―今朝の記憶のない私を持ってきたとしたら―きっとこの変化には気付くことはないのだろうと思える。
それは何か、変な気分だった。何かもやもやしたような、そんなものが胸の底のあたりにたまっている。
だけど、それが何なのかはわからない。何かすっきりしないとしか言いようがなくて、その対処法なんてかけらも浮かんでこなかった。
仕方がない、とため息でそれを打ち消そうとして―そこで初めて私はその気配に気がついた。
今にも私を包み込もうとする、暖かくて柔らかくて、優しいものに。
「あずにゃんっ!」
耳を打つその声は、何故かいつもよりもずっと心地よく私に響いていた。
同時にぎゅっと抱きしめられる感覚。直前にそれに気がついていたこともあったけど、私の体はまるでそれを、その感触を待ち望んでいたかのように、ようやく与えられたそれに小さく震えをあげる。
細胞の一つ一つがそれを最大に感じようと、ふわりと開いていくような、そんな気持ち。
「あれ、あんまり驚いてない…?おかしいなあ」
「…びっくりさせようとしてたんですか」
唯先輩らしい言動に、思わずくすりと笑みが漏れる。本当に子供っぽい理由。耳元でえへへ、なんて笑ってる顔もきっとそんな表情なんだろう。
その全てが、不思議なほど暖かく感じていた。いつもなら恥ずかしがって逃げてしまうのに、今この瞬間は自分でも驚くほど素直になっている。
同時に、胸の奥のもやもやが、いつの間にかすうって薄まっていくを感じていた。あんなに離れてくれなかったのに、こんなにもあっさりと。
まるで魔法みたい、なんてそんな感想がぼんやりと浮かんできた。ああでも、とすぐにそれは訂正される。
いつだってこの人は―唯先輩は、私にとって魔法みたいなことを何事でもない顔をしてたやすくやってのけてくれていたのだから。
それに身を委ねるように、全身の力を抜いて唯先輩にもたれかかった。
唯先輩は突然の重みによろけて、それでも私を離したりしなかった。それはわかっていたことだったけど。
今はそれを確かな形として感じたかった。
「わっ…とっ…よいしょ」
ふわりとゆれた私の体が、きゅっと確かなものに支えられる。
先輩は私を抱えたまま、何とか体勢を整えると、とすんと音を立てて廊下の壁にもたれかかった。
「どうしたの、あずにゃん?」
私の重みを支えたまま、唯先輩はそう問いかけてくる。笑顔交じりの優しい声。
私の唐突な―私を受け止めてくれようとする先輩の形を感じたいと思うただそれだけの理由で行われた、我侭な行動にも先輩は変わらない。
それに気付いているのかそうでないのか、そんなもの全てを包み込んでしまっている。
「…なんでもありません」
だから私は、今このときだけはと言い訳をつけて、それに甘えることにした。
それ以上言葉を続けず、だけど退く気配も見せず、私は先輩にもたれかかった。
小さく小首を傾げる気配と、その一瞬後に伝わる、より強く私を抱きしめてる感覚。
壁に身を預けているせいでそれに集中できるのか、いつもより深く、私は先輩に包み込まれていた。
「あれ?あずにゃん、髪留め変えた?」
「…え?」
唯先輩分の吸収に集中していた私は、ふいっと投げかけられた言葉にきょとんとさせられる。
「うん、何かいつもと違うなーって思ってたんだけど、ほら、やっぱり新しいゴム使ってる」
私を抱いていた先輩の手がひょいっと離れ、くいっと私の髪を持ち上げた。
「あ、はい…今朝切れてしまったので」
「そっかぁ…」
ぱさりと私の髪が肩を打つ。先輩がそれを離したのだろう。そう思うのと同時に、私はさっきよりも強い力でぎゅーっと先輩から抱きしめられていた。
それにびっくりして、私は思わず首だけで後ろを振り返ろうとする。そんな私の頬に、ぴたっと先輩の頬が合わせられた。
「だから、あずにゃんは寂しそうにしてたんだね…」
「え…?」
ほっぺの感触にとろんと溶けそうになった私の思考に、先輩の言葉がとくんと響く。
「あずにゃんずっと同じヘアゴムだったもん。お気に入りだったんだよね?」
「ええ…そうです」
まるでそれは答え合わせのよう。そしてそういう時、先輩はいつも…満点を取ってしまうんだ。
「私の胸で泣いていいんだよ〜」
「もう…そこまでじゃありませんから」
多分、それは嘘だったんだと思う。本当なら、私はきっと泣いてしまいたかったんだろう。
だけど、それくらいでそうしてしまうなんてとか、そんな思いが私を押しとどめていて。
だからどこにも行けなくなってしまった気持ちが私の中でもやもやを作り出してたんだと思う。
でも、今はもうそんな気持ちはなくなってしまっていた。先輩にぎゅっとされて、それでほとんどは解消されていたんだけど。
―今こうしてそれに気がついてもらえたところで、もうそれは完全に無くなってしまったみたい。
そう、正しくはきっと、私がそういう気持ちになっているということに気がついて欲しかったんだろう。泣いてしまいたかったのは、きっとそういうことで。
そして今、一番気が付いてほしかった人は、こんなにあっさりとそれを私に投げかけてくれた。
誰にも気付かれないはずの、そして私ですらすぐに忘れてしまいそうなそれを、唯先輩はちゃんと拾い上げてくれたから。
「もー、そんなこといって。無理しちゃ駄目だよ」
「無理してませんよ…それはもう大丈夫です」
そう、それはもう本当に大丈夫で。今じわりと溢れ出てくるものは、それとは違う理由によるもの。
唯先輩の手が、それをぬぐおうと私の目元に伸び―その隙に私はくるりと体を反転させると、きゅっとその胸にしがみついた。
「これは…ただ嬉しかったから、です」
「そっかぁ…えへへ」
少し驚かせようという思いはあったけど、唯先輩にはやはり効かなかった。突然の行動にも動揺することなく、そうっと今度は優しく私の頭を抱え込んでくれた。
ひょっとしたら読まれてたのかも、そう思うと少し悔しくもあったけど。
だけどそれ以上に嬉しかったから、私は甘える子猫のように、先輩の胸に顔を擦りつけた。
「あずにゃん」
「…なんですか?」
「新しいのも、似合ってるよ」
「…もう」
先輩はやはり、魔法使いだと思う。そうじゃないと、こんなに私を嬉しくさせてしまえることに、理由が付かないから。
―だから、唯先輩。きっと魔法にかけられた私は、ずうっと先輩の虜なんですよ。
口にはしたりしないけど、そんな想いを精一杯こめて、先輩を抱きしめる。先輩はそんな私の頭を優しくなでてくれていて。
それはとても気持ちよくて、そして愛おしい。
だからいつか、と思う。そんな想いを一杯こめて、私も先輩に魔法をかけられたらいいな、と。
そう思いながら、先輩の胸の中、今はまだ伝えきれない言葉を小さく囁いた。
今夜はいい夢が見れそうだ
いいよいいよ〜
俺にも甘い魔法がかけられた
ナイスGJ
おは唯にゃん、おはあずにゃん
GJ
タイトルは「My favorit」とかが良いんじゃ無い?
>>372 はっ!
気がつかなかった・・・ありがとう。
コミケで唯梓本あるといいなあ
あるといいねえ、いや、きっとあるはずだ
…行けないけど
とりあえず1日目
律澪と梓澪ゲット
3日目は陵辱エロばっかな感じだが、百合あるかなぁ
すまん百合スレと間違えたorz
唯梓も手に入るといいな
378 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/14(金) 18:52:16 ID:04iMIkzP
今日は唯憂梓の健全、前半さわ澪・後半唯梓のエロなど5冊ほど確保した
3日目は2つ目をつけてるところがある
そこは何とか抑えたい
唯梓本は全てほしいけどコミケに行けないから、後でとらの穴の通販で買う予定。
唯梓本全て寄託してくれればいいんだけど…
380 :
拒絶4:2009/08/15(土) 00:52:22 ID:tVw133MS
振りほどかれた手が反射的にあずにゃんを追おうとしたけど、もう手遅れだった。
私の腕をすり抜けたあずにゃんは、もう澪ちゃんしか見ていない。
私のことなんか、もう振り返りもしない…。
「………………」
私、今どんな顔してるんだろう。
「唯先輩が勝手に抱き付いて来るだけですから」って澪ちゃんに弁解してるあずにゃんは
さっきよりずっと顔が赤くなってる。ずっとずっと赤く染まってる。
………じゃあ、私は?
ガラス窓に映った顔はギリギリなんとか笑えてた。
いつもと変わらない顔、だと思う。
けど、私にはそれが不思議でしょうがなかった。
381 :
拒絶5:2009/08/15(土) 00:53:23 ID:tVw133MS
自分の顔なのに自分の顔じゃないみたい。
だって………こんなに哀しくて苦しいのに笑ってられるなんて絶対おかしいもん。
心と切り離されちゃったみたいな自分の笑顔が私にはなんだかとても怖かった。
「…………………………」
でも、もっと怖くて、ずっとイヤだったのは………
「わかった、わかったよ。梓が大変だったのはわかったから、少し落ち着きなさい」
「す、すみません、私…興奮してしまって…」
「私こそ悪かったな。変な誤解をしちゃってさ」
「い、いえ。私はその…澪先輩の誤解が解けたらそれで……」
あずにゃんの一番が私じゃなかったって気付かされたことで………。
(バカだな…私………)
…憂も言ってたじゃん。
澪ちゃんがお姉ちゃんだったら良かったのにってあずにゃん話してたって。
…いつも見てたじゃん。
あずにゃんが澪ちゃんのこと、すごく尊敬して慕ってるって。
なのに自分があずにゃんの一番なのかもって勘違いしちゃうなんて、
我ながらどうしようもないよ。
382 :
拒絶6:2009/08/15(土) 00:55:33 ID:tVw133MS
練習付き合って貰えたり、ちょっと仲良しになれたからって調子に乗っちゃって。
私の気持ちを受け入れてくれてるんだって勘違いしちゃうなんてね………。
いつもいつもみんなに迷惑かけて、その度落ち込むけど、今日ほど辛かった日はない、かな…
でも………
(………あずにゃん………)
あずにゃんの気持ちを考えずにいつもヒドいことしてた………それが一番哀しくて。
………本当に自分がイヤになった………
383 :
346:2009/08/15(土) 00:58:01 ID:tVw133MS
冗長になってすみません。もうちょっとだけ続きます。
期待してるよー
まったり書いていけばいいさ
待ってるよ、がんばれ
うおー続きが気になるぅーー!!
GJです、続きも期待してます
388 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/15(土) 18:25:00 ID:AaMgXKdq
なにこれ、レズ・・・・?
>>346 唯が落ち込むところまでは着たか
さてここからどう巻き返すかな
今日は某企業ブースで唯梓扇子なるものを買ってきた
ネコミミ付けた唯が梓にネコミミ被せようとしてるイラストが描かれてる
値段はともかくわざわざこのカップルを推してくれたのでありがたく買わせていただいた
これ、扇げば扇ぐほど「熱く」なるんだが、実に不思議な扇子だ
レズでなくて百合です。
唯梓は至高
梓唯は究極
>>386 何故自分はそれを買ってないのか orz
無理してでも行ってればよかった…
>>346 続き、期待してます!
無理せずマイペースに頑張ってください
>>395 ちょっと読みにくいな
清書して、あと話の展開がわかるように最初から最後まで描いて投稿してくれ
>>395 おお、いつもの人か!
攻め梓はたまらんぜ
今日も唯梓本を色々見てきて買ったり止めたりしたが、3箇所連続で生えてたのには参った
絵は好み、話もいい感じ…と思ったら付いちゃってるよ!ってのがまあ多いこと
梓単独の本でも「先輩」が唯や澪ではなく何故か男なのもまたやたら多い
「ふたなり上等」とか「梓は俺の嫁」な人なら問題ないだろうが、そうでない人は重々ご検討の上、購入するのが吉かと
>>395 新刊発行はいつですか?
ふたなり上等だけど梓は唯の嫁or婿だろこのスレ的に
400 :
拒絶7:2009/08/16(日) 17:49:30 ID:pxKoMkeZ
辛いときは何かに集中して気を紛らわせるってよく言うけど、あれ本当だと思う。
偶然なんだけど、今日は珍しく練習に熱が入ったから私も余計なこと考えずに済んだ。
なんかすごい張り切ってたりっちゃんのお陰かな。
張り切り過ぎで一人だけ走っちゃって、澪ちゃんに怒られてたけど。
…ひたすらギー太を弾いて弾いて、いっぱい弾いてるうちに下校時間になって………気付いたら自分の部屋にいた。
練習中はギー太やみんなと合わせることだけ考えて。
……終わったあとは、今日の練習に振り返って話し込むあずにゃんと澪ちゃんの姿だけが頭の中をぐるぐるループして………。
だから、みんなと別れてから家に着くまでのことはあんまり覚えてない。
あんまり、じゃかいかな。全然覚えてないや。
いつもならみんなとバイバイする交差点からあずにゃんと二人で帰るんだけど、さすがに今日は一緒にいられなくて。
本当は一緒にいたいんだけど。誰よりもあずにゃんの近くにいたいんだけど。
…でも、一緒にはいられない。いられないんじゃなくて、いちゃいけない。
401 :
拒絶8:2009/08/16(日) 17:50:47 ID:pxKoMkeZ
だから、憂に買い物頼まれてたんだって急に思いだしたみたいに話して。
いつもの交差点で、いつもと違うお別れをして、いつもより時間をかけて家に帰った。
…いつも一緒だったあずにゃんと少しでも離れたくて、いつもじゃ考えないようなことしてたな。
いつも以上に頭回ってなかったから、どんな道通ったのかなんて覚えてないけどね。
ごめんね、憂。駄目なお姉ちゃんの嘘に巻き込んじゃって。
(こんなとこ和ちゃんに見られたら、またニート扱いされちゃうかも…)
憂が晩ご飯作ってる間、いつもならギー太の練習して待ってるんだけど、今日はそんな気起こらなくて。
久し振りにボケーッとベッドに寝転がってたら不意に携帯が鳴った。
「ムギちゃん?」
ムギちゃんからメールだ。
明日のおやつはフォンダンショコラとか、りっちゃんと澪ちゃんにはぜひ人前(じんぜん)式で結婚式を挙げて欲しいとか、
そんな感じのいつもながらのおしゃべりメール。
でも、最後のとこだけいつもとちょっぴり違ってた。
『悩みごとがあるならなんでも言ってね?』
………そっか、やっちゃったかな、私。
てかなんで同人本てやたらと無意味に汁塗れにしたがるのか理解できん
403 :
拒絶9:2009/08/16(日) 17:52:12 ID:pxKoMkeZ
顔には出てないって自信があったんだけど、どうやら隠しきれてなかったみたい。
それからりっちゃんと澪ちゃんからも立て続けにメールが来て、やっぱり最後に心配されちゃった。
(…私ひとりだけダメダメだね、本当…)
みんなの優しさが心に染みていって、ポカポカあったかくなっていく。
みんなにこれ以上迷惑かけないようにしなきゃって考えてたけど、
本当に部室に行けるか心配だったけど、大丈夫。きっと大丈夫。
本音はちょっぴり怖いけど、明日からはいつもとおんなじ笑顔に戻れるよ。
だから、ありがとって返しておいた。いつも私を助けてくれてありがとって。
あとムギちゃんには鼻血の出し過ぎには気をつけてって。
「………吹っ切らなきゃダメだよね、うん」
ひょっとしたらあずにゃんからもメール来るかな…って期待しちゃうあたり、
全然吹っ切れてないんだけど、でも明日のために気持ちだけは整理しなくちゃね。
「ごめん、憂。ちょっとお散歩行って来るね」
台所からかけられた「気をつけてね」って返事を背中で受けながら、私はスニーカーの靴紐を結んだ。
404 :
346:2009/08/16(日) 17:56:20 ID:pxKoMkeZ
またまた長文失礼しました。次でたぶんラストになるかと思います。
>>395 すばらしすぎます!
ですよね、やっぱり唯がいけないんですよねw
梓的にはもう責任取ってください、いえむしろ私が取りますって感じでしょうね
>>404 いつもGJ
どうでもいい話で割り込みレスしてごめんよ
>>346 正座して待ってました!
唯が切なくて、こうぐぐっときます…!
>>395 寝ようとしてたのに、おかげで妄想がw
GJです!
以下妄想の垂れ流しを…
押し倒しゆいあず…とか?
限界というのはなんにでもある。世界に永遠も無限も求めるべくがないように、どこにだって限界というのは存在する。
例えばどんなに立派で大きなダムだって、限界水量を超えて水を注がれ続けていたら、溢れ出してしまうだろう。
ふと浮べたその例えはまさに、今の私の状態を的確に表しているようだった。
「あず…にゃん?」
私の下で、先輩がきょとんとした声を上げる。その表情も、まさにそんな声を上げるに相応しい、きょとんとしたもの。
今何が起こってるかわからない、そんな表情。柔らかなクッションの上に身を横たえ、無防備な瞳で私を見上げていた。
それに、とくんと私の胸は高鳴った。でもそれはきっと気のせいなのだろう。
だって、私の鼓動はさっきからずっと、心臓がはじけてしまうんじゃないかと言う勢いで鳴り続けているのだから。
先輩の腕を掴んだ手に、きゅっと力を込める。先輩が逃げてしまわないように。
逃げてしまわないようにして―このまま先輩を捕まえて―私は何をしようとしているんだろう。
そう、わかってる。ついさっきまで私に向けられていた笑顔を、私のものにしてしまおうとしてるんだ。
私以外にもあっさりと向けられてしまうそれを、私だけって、そんな形に閉じ込めておきたいって。
こんなのいけないことだって分かってる。無理矢理にこんなことをしてしまうなんて、駄目だってことわかりきってる。
だけど、もう自分を止められそうにない。そう、限界を超えて注がれ続けていたそれはもう既にあふれ出してしまったから。
先輩が好きで好きで好きで―どうしようもなく大好きだってことが。
「…先輩がいけないんですよ」
だから、これは先輩が悪い。思わせぶりな態度をずっと続けていて、それでも最後の一線は絶対に超えてくれなくて。
私を翻弄し続けていた先輩が、全部悪いんだ。
―そんなわけないのに。
冷めた自分の声が、頭に響く。それを振り払うように、何処か留まろうとする自分を無理矢理押し付のけるように―
私に押さえつけられて、身動きのとれない先輩に唇を合わせた。
「…っ」
先輩の体がビクッと震える。触れ合う部分から、それが伝わってくる。
それが湧き上がらせたのは、どうしようもなく深い後悔だった。
慌てて身を離す。すぐにそうしてしまえば、今の出来事は無かったことに出来ると妄信するかのように。
それでも唇にはまだ先輩の柔らかな感触が残っていて、それはまるで烙印のように、自分が今してしまった事実を押し付けてきた。
「…あ…ぅ」
それは、もうどうしようもないほどに甘いものだと、ずっとそう想像していた。いつも夢に見ていたそれは、その中では常にそう再生されていて。
けれども、今のこれはただひたすらに熱く鋭く尖っていて、私を苛むものでしかなかった。
でも、それをそうしてしまったのは、他ならない自分自身だと。罪と罰の正当な因果関係だと。それに、どういい逃れようのしようもなかった。
私は今、無理矢理先輩を押し倒して、その唇まで奪ってしまったんだ。
先輩の了承も得ず、それどころかその行為を先輩のせいにまでして。踏み込んではいけない領域に、土足で踏み込むようなそんな真似をしてしまったんだ。
―最低だ。
そんな言葉しか浮かんでこない。そう、先輩は何も悪くない。私が勝手に思いつめて、思い悩んだつもりになって、挙句劣情を暴走させて。
それを先輩にぶつけてしまった。きっと、傷付けてしまった。
こんなの、許されるわけがない。許してもらえるわけがない。許されて、いいはずがない。
でも、そうしたら―許されなかった私は、もう二度と先輩の傍にいることは出来ないの…?
そこで、私は再び愕然とする。私に浮かんだ後悔は、先輩への罪の意識ではなく、突き詰めればそんな自分本位のものだったから。
なんて私は―駄目、本当に、こんな私が先輩の傍になんかいちゃ―
「あずにゃん!」
身を翻し、とにかくその場から逃げ出そうとした私を、何かがぎゅっと捕まえた。
考えるまでもなくわかる。この暖かさも、柔らかさも、匂いも、私をふわりとさせるこの全ての要素は、それが唯先輩であることを示している。
―駄目です、先輩。こんな私なんかに触れちゃいけないんです。先輩は優しいから、こんな私でも許してくれようとするんでしょうけど。
―私はこんなにも汚いから、それが先輩を汚してしまうのが嫌なんです。さっきだって、私は―!
私は、とにかく先輩から逃れようと、ばたばた暴れた。そのつもりは無かったけど、何回かぶつような形にもなってしまったと思う。
だけど、先輩は私を離さなかった。それどころか、ぎゅっと力を込めると。ぐいっと私の体を引き倒す。
体格で劣る私は、それから逃れることが出来ず、どさりと倒れこんだ。ふかふかのクッションで怪我はないけど、衝撃に一瞬だけ動きが止まってしまう。
それでも何とかもがき続けようと、急いで取り戻した視界に映ったのは、それを埋め尽くそうとする先輩の顔だった。
「え…?」
一瞬後、唇に生まれた感触は、さっきとまるで同じもので―それでいて決定的に違う何かで。
それを私はどう理解すればいいのだろう。
混乱した頭は、体の制御を忘れ、もがこうとしていた私の腕はパタリとクッションの上に落ちる。
それをぎゅっと先輩の腕が掴んだ。私が逃げられないように、逃げてしまわないようにと。
―そこでようやく、私はこのシーンが先程の焼き直しだということに気が付いた。ただ違うのは、組み敷いているのが唯先輩で、組み敷かれているのが私ということ。
「…んぅ…っ」
そして、先輩は私のように直後身を離してなんてくれなかったということ。つかんだ腕も、あわせた体も、重ねた唇も、離してくれる気配すらない。
伝えられるのは、いつも感じている柔らかくて暖かくて優しい先輩。
ただ、それはいつもよりずっと熱くて、それが私の思考をとろとろに溶かしてしまうまで、先輩は許してくれなかった。
「…は…ぅ」
へなり、と私の体から力が抜ける。まるで糸を抜かれた操り人形のように、体に力が入らない。そのくせに、感覚だけはやたら鋭敏で。
ただひたすらに唯先輩のことを感じていようと、その方向だけに意識が開かれているようだった。
そこでようやく、先輩は私の唇を解放してくれた。少し距離が開いて、初めて読み取れた表情は、今まで見たこともないほど優しく暖かな笑顔だった。
それが、きゅっと私を抱きしめる。
「…ごめんね、あずにゃん」
「な、なんで…」
先輩が謝るんですか、とは言わせてもらえなかった。
再び合わせられた唇を離すと、先輩はすまなそうな笑みを浮かべる。
「…私ね、あずにゃんの気持ち、気が付いてたんだ」
「え…?」
思いもよらなかった言葉に、私はきょとんとさせられる。
「でもね、怖かったんだ。それを信じて踏み込んでいいのかって。だって、もしそれが間違ってたら…きっとあずにゃんは私を嫌いになっちゃうから」
「唯先輩…それは」
先輩の声に混じるのは、明らかな謝罪の意。だけど、私はそれよりも、それが意味するところのほうに気を取られていた。
それはつまり、唯先輩のほうも私の方を―そう思ってくれてたということでいいんですよね。
「でも、それがあずにゃんをずっと傷付けていたんだね…ごめんね、私…私がもっとしっかりしてたら、あずにゃんを泣かせたりしなかったのに」
そういうと、唯先輩はじわりと目じりに涙を浮かばせた。
私は慌てて手を伸ばすと、そうっとそれを拭い取る。先輩が泣くことなんてない。
だって本当にそうだったとしたら、踏み出せなかったのは先輩だけじゃない。待っているだけの私もそうだったんだから。
「あずにゃん…?」
それに、今するべきは謝りあうこととかそんなのじゃなくて。
「先輩、聞いて欲しいことがあるんです…こんなことして、本当に今更なんですけど」
きっと、今ようやく形になったそれを、ちゃんと言葉にして伝えることだと思うから。
「…うん、聞かせて」
私の上で、先輩がきゅっと表情を引き締める。
その腕は私を抱きしめたままで、私の腕もまた、先輩の背中に回されていて。
お互いの顔は触れ合ってしまうほどの距離。実際、何度か触れ合った唇は疼くような熱を帯びていて。
―本当にこんな状態で、何を今更という感じですけど。
くすりと一度小さく笑みを浮かべる。それに釣られて、先輩がにこりと笑みを浮かべたそのときに。
私に触れる全て、それが私の中に生み出すもの、その全ての思いをこめて、その言葉を小さく囁いた。
皆超乙!!
>>404 GJ!
続きに更にwktkが止まらないぜ
>>407 ちょ、素晴らしすぎるあなたが神かw
ゆいあずは全くもっていいものだ…たまらん!
もうみんなGJなんだぜ
なんか浮かんだので…
膝枕ゆいあず…
「あずにゃ〜ん、ひざ〜」
「またですか…もう」
そんな台詞と共に、唯先輩はどさっと私の膝の上に倒れこんできた。
正確には太腿の上だけど。先輩は私の太腿にぴたっとほっぺを当てて、ふにゃふにゃと気持ちよさそうな声を上げてる。
「もう、いい加減にしてください」
「だって〜あずにゃんの膝枕、気持ちいいんだもん。やめられないよ〜」
唯先輩は頭を太腿の上に乗っけたまま、私の腰に手を回し、きゅっとしてくる。
正直なところ、気持ちいい。元から先輩にきゅっとされるのはなんだか心地よくて好きだったんだけど、この姿勢もやっぱり悪くないと感じてる。
ティータイムの後のこれが日常になったのは、一体いつからだったのだろう。私は無意識に先輩の頭を撫でたりしつつ、その日のことを思い返していた。
満腹になった先輩が、私の膝に倒れこんできてふんにゃりしてて…それがあまりに可愛かったものだから、そうっと撫でたりしていたら寝付いちゃって。
結局部活時間が終わるころようやく目を覚ましてくれて、ぐっすり眠れたよ、ありがとうあずにゃん、ってにっこり笑って。
それがいけなかったのか、すっかり先輩は味を占めてしまい、すっかりこれを当たり前と思い込んでしまって…
―今日こそは、それをやめてもらおうと思ってたのに、なんで私はまた、先輩を跳ね除けたりせず、こうして頭を撫でたりしてるのか。
はあ、と溜息をつく。実際のところ、それが難しいことだとはわかっていた。こんな幸せそうな顔をしている先輩に、お預け!と告げるのはあまりに難しい。
「あーずにゃ〜ん…」
ごろごろと膝の上で丸くなろうとする―実際はサイズ的に不可能だから、あくまでそういう真似をするだけだけど―唯先輩は、本当に上機嫌そのものの表情。
そんなに気持ちいいのかな、と私はふと思ってしまう。
自信の発育の悪さは不本意ながら自覚するところで、別にそこまで気にしたことは無かったけど―そう、唯先輩くらいにふっくらした太腿ならともかく、私の貧相な太腿で本当に気持ちいいのかな、と疑問に思ったりもする。
唯先輩くらいのふっくらした―そこでちらりと私の視線は動いた。黒タイツに包まれた、柔らかそうな太もも。あれに頬を埋められたら、どんなに気持ちいいことだろう―
―って、私は何を考えてるんですか。
ぶんぶんと首を振る。そもそも、先輩がこんなことしてくるから、私まで変なこと考えちゃうんです。
やっぱり今日言おう。そうだ、ただでさえティータイムで圧迫されてる練習時間が、これのおかげで更に短くなってるんだ。
もうやめてください、って言わなきゃ。
「唯先輩!」
「ひゃ、な、なに?あずにゃん」
ぴしっと、そういってやらなきゃ。突然声を上げた私に、びっくりした表情の唯先輩に、私は容赦なく続ける。
「私にも膝枕してください!」
「へ…?う、うん、いいけど…?」
びっくりからきょとんに表情を変えて、唯先輩はむくりと私の膝から顔を上げた。ようやくやめてくれた、と私は残念さと達成感を織り交ぜた溜息をついて―
「はい、あずにゃん」
と、にっこり笑いながらぽんぽんと太腿を叩いて見せた唯先輩に、首を傾げることになった。
―いや、というより、私はさっきなんて言ったのだろう。
記憶を再生し、それにたどり着いたところで、私の頬はぽんっと蒸気をあげた。
―何を言ってくれてやがるんですか、私!
「ち、違うんです、唯先輩、さっきのは…!」
「そうだよねー私も思ってたんだ。いつもしてもらってばっかりじゃ悪いから、あずにゃんにもしてあげよって」
「い、いえ、ですから―!」
「もー、今更恥ずかしがらなくっていいんだよ、ほら」
唯先輩の腕がすいっと伸びて、私をぎゅっと捕まえると、そのまま抱え込むように太腿の上へと倒しこんでしまう。
抵抗しようにも、唯先輩の頭の中ではすっかりそういうことになっているらしくて―もうこうなったら、私の言い分なんて聞いてくれそうにない。
それに実際―私もそうしたいって思ってしまってたわけだし。でもでも、まさか本当にそうなってしまうなんて思いもしなくて。
「ひゃ…」
その瞬間、思わずそんな声が漏れていた。声、というかびっくりした肺から絞り出されたような、そんな音。
「あ、あずにゃん?」
ぴたっと動きを止めてしまった私に、唯先輩が心配そうな声を上げる。だけど、今の私にそれに答えるような余裕なんて欠片も存在しなかった。
いつだったか、確か憂が言ってたっけ―お姉ちゃんの膝枕、すごいんだよ。天国ってあんな感じかなって思えるくらい―確かそう微笑みながら話してくれた。
そのときの私はいつもの憂フィルターだと思って、笑い流していたんだけど―今それが大げさでもなんでもなく、ただ事実を述べていただけだと思い知らされた。
―何これ…私、こんなの知らない…
ふわりと、まるでマシュマロみたいな柔らかさと暖かさ。タイツ越しとは思えないほどの、しっとりとした心地よい肌触り。ふんわりと鼻腔をくすぐる優しい匂い。
その全てが私の意識を溶かそうと包み込んでくる。包み込まれて、絡め取られて、もう一歩たりとも逃げられなくなってる。
むしろ、自らその中に飛び込んでしまおうとしているような―ううん、そのままなんだろう。
私の手は知らない間にぎゅっと唯先輩の腰に回されていて、僅かな距離さえもその間に許さないようにってぎゅっとしがみついている。
「ふふ、あずにゃ〜ん…」
先輩の甘い声が、鼓膜を撫でる。とんと背中に手を当てられて、体がぴくりと震える。何だか、すごく敏感になってる。
ふいっと、頭頂部に近付く気配。先輩の手だ。いつも私がそうしているように、私の頭を撫でようとしているのか。
駄目、今そんなことまでされたら―私。
内心、必死に嘆願するものの、先輩の手は止まってくれるはずもなく、それどころか私の体も動いてくれなくて。
ふわりと優しく、先輩の手が私の頭に触れた。
「にゃ…あ…」
耐え切れず、そんな声が漏れる。まるで猫みたいな声。
「ふふ、あずにゃん、猫さんだね〜」
なでりなでりと、先輩の手が私の髪を撫でていく。既に私はどうにかなってしまっていたけど、それは更に上へ上へと私を導いていくようで。
「にゃあ…」
また声が漏れる。私の意志に関わらず…ううん、ひょっとしたら私の気付かないその意志に沿うように。
猫みたいな声、ううんきっとそうなんだろう。こうしている私は、もうとっくに先輩の猫に、なってしまってるんだから。
そう、私は先輩の猫。ゴロゴロと喉を鳴らして、先輩の懐の中、頭をこすり付けて甘える猫。
―だから先輩、もっともっと可愛がってくださいね。
そうして私はもう一度、甘えるように小さな鳴き声を上げた。
ぽかんとこちらを眺めていた三人の視線に気が付き、死ぬほど後悔させられたのは余談ということにしておくけど。
ああもう、全部唯先輩が悪いんですからね!
なんなんだこのssラッシュは、GJすぎるじゃまいか!
2828が止まらないwww
相変わらずGJすぎるぜ、ここのSS職人は…
自分は文才がないだけに、職人さんには心底尊敬する。
こんにちは、中野梓です。暑い日が続いてますね。軽音部もだらけモードが続いていています。特に唯先輩のだらけてる姿が可愛くて・・・いやいや!
唯先輩困ってます!ハア・・・最近憂ちゃんに影響されてるのかな・・・?前回の子猫ちゃんの事件で唯先輩との距離はだいぶ縮まったけど、モヤモヤしてるのは私だけという状況は変わらずです・・・。
「おはよーあずにゃん。あづいねえ〜。」
噂をすればなんとやら・・・。相変わらず気の抜けた声で唯先輩が登場しました。
「おはようございます。」
「あずにゃんはこんなに暑いのに元気だねえ〜。」
「別に私だって暑いですよ。唯先輩がだらけすぎなだけです。」
「んん〜あずにゃん分補給〜!」
突然唯先輩が私に飛びついてきた。さっきまで暑い暑いと言っていたのにあきれてしまう。まあ、そんな唯先輩の事が私は好き何だけどね・・・。
「ちょ、唯先輩!こんなに暑いのにくっついてたらよけい暑いですよ!」
「あずにゃんと一緒なら平気だよ〜。」
これだから唯先輩は侮れない。油断していると時々どきりとする事を言ってくる。思わず顔を背けてしまった。
「あ、あれ?あずにゃん嫌だった?ご、ごめんね。」
それを見た唯先輩がパッと手を離した。
「ち、違います!そういう訳じゃありません!」
「じゃあ、なんで?」
ううう・・・顔が赤くなるのを見られたく無かったなんて言えるわけないよ・・・。
「そ、それはその・・・。」
しどろもどろしていると唯先輩が心配そうに私の顔を覗き込んで来た。
「あずにゃんどうしたの?顔、赤いよ〜?」
「そ、それは・・・あ、暑いからです!」
「そっか〜♪そんなあずにゃんに良い物があります!」
と、唯先輩がコンビニのビニール袋からパックのジュースを取り出し、私の前に差し出した。
「これ、あすにゃんにあげるよ〜♪」
「ええ〜!い、いいですよそんな・・・唯先輩に悪いですし。」
「そっか〜・・・じゃあ半分こしようか。ストローも二本ある事だし!」
と、という事は・・・。
唯先輩がジュースにストローを二本さし、私に差し出してきた。
「ほ〜ら、こうすれば2人で飲めるよー♪私って頭良い〜♪」
やっぱりだー!それって唯先輩と間接キッスと言う事ですよね!!!それはそれでいいかm(ry・・・いやいやいや、それはまずいでしょ!
私が真っ赤な顔で考えている間に体が勝手にストローをくわえて爽やかなオレンジジュースを飲み始めていた。私って意思薄弱・・・。
いつの間にか唯先輩もストローでジュースをすすっていた。
「なんかさあ〜こういうのって恋人みたいだよねえ〜♪」
突然の唯先輩の発言に私は思わず口に含んだジュースを吹き出した。
「わわわっ!ど、どうしたのあずにゃん!?
続く・・・かも・・・。
おまえらGJすぎんだよ……
もっとやれ
現在、唯先輩の部屋で唯先輩と一緒にギターの練習をしている。
……のだけれど。
「唯先輩?」
だんだんと唯先輩の演奏が下手になってる気がする。これならまだ部活でやってたほうが上手だ。
不審に思って唯先輩の顔を覗き込んでみると――
「んぅ……」
瞳が虚ろだった。
「ちょ、唯先輩?」
よく見てみると、顔も少し赤くなってて、上半身もなんだかふらふらしている。
私の呼びかけにも気付いていないみたいだしこれは……。
「ちょっと失礼しますよ」
「んぁ?」
ずい、と顔を唯先輩に近付けると、唯先輩はようやく私に気付いたみたい。
少し驚いた風に体を捩って、私から離れようとする。
私はそれを許さずに、唯先輩を掴もうと腕を伸ばし――
『ガンッ』
「っ……!」
「きゃっ!」
足元の荷物に足を引っ掛けてしまい、二人して唯先輩の後ろのベッドに倒れこんでしまった。
両腕を支えにしてどうにか唯先輩を下敷きにしないようにはできたけど……。
「うぅ……」
「……」
視線の先には、小動物のように体を震わせている唯先輩。頬を紅潮させ、潤んだ瞳で私を見ている。
「あずにゃん……」
小さく震える唇から私の名前を呼ばれる。
頬を更に赤く染めて、瞳を閉じ、何かを期待するように唇を突き出している。
「ゆい、せんぱい……」
私は、それに応えるために唯先輩の唇に自分の――
「――って、ちがあああああああああああああああああああああああああああう!!!!!」
「うひゃあ!?」
わた、私は何を……! い、いきなり唯先輩にききき、キスしようなんて……。
いくらなんでも唐突過ぎる! 初めてはもっといい雰囲気のときに――ってまた何考えてるの!?
どきどき。
胸の鼓動が速くなる。きっと今の私の顔はすっごく赤くなってるんだろうな……。
「あずにゃん、急にどうしたの……?」
と、気付かれないように何度も小さく深呼吸をしていると、唯先輩に後ろから声をかけられた。
最後にもう一度深呼吸をして、もう大丈夫だということを確認してから唯先輩に振り返る。
「どうしたもこうしたも……」
ありませんよと続けようとして、唯先輩の様子に、はっとする。
顔は相変わらず赤いままだし、焦点も合ってない。息も少し荒いし、これはやっぱり……。
「唯先輩、動かないで下さいね」
今度は先にそう断ってから、唯先輩に顔を近付ける。
……さっきみたいなことがまた起こるかもしれないから。
思い出してまた赤面しそうになるのを堪えながら、唯先輩のおでこと私のおでこをくっつける。
『ぴと』
……うん、やっぱり熱い。
これは間違いなく風邪を引いちゃったのかな。どうせまたクーラーをガンガンに付けて寝たんだろうけど。
お互いのおでこを引っ付けたまま唯先輩に声をかける。
「先輩、やっぱり熱が――」
それ以上言葉を紡げなかった。
なぜなら――
「えへへ、キスしちゃった」
唯先輩に唇を塞がれてしまったから。
「な、ななな何してるんですか!?」
びっくりして唯先輩から飛び退く。
そんな、いきなりだなんて……。心の準備ってものがあるでしょう。
「だって、さっきあずにゃんがしてくれなかったんだもん」
「あ、あれは――」
だめだ、心臓がものすごい勢いで鼓動して、体温が急上昇してる。
たぶん今の私の顔は茹蛸状態になってると思う。
顔から火を噴くなんてレベルじゃない。もう顔が火になってる。
こんなに恥ずかしいのは初めてだ。
そのくせ唯先輩はあんまり恥ずかしく思ってなさそうなのが腹立たしい。
私にこんな恥ずかしい思いをさせておきながら自分は平然と笑ってるなんて……唯先輩らしいか。
「嫌だった?」
「嫌とかそういう問題じゃ――ああもう!」
このままじゃずっと唯先輩のペースだ。何か誤魔化せるものは……。
探していたものは目の前にいた。そもそもこんなことになったのもこれが原因だ。
「唯先輩、風邪引いてるんですからベッドで横になってたほうがいいですよ」
「ん……そういえば、なんだかぼーっとするね……」
と、今更風邪を引いていることに気付いたような唯先輩。
ふらふらとしながらベッドへと歩いていく。
見ていて危なっかしいから私も手伝ってあげることにした。
「ほら、唯先輩こっちですよ」
「ん〜」
唯先輩の手をぎゅっと握って、ベッドまで連れて行き、そのまま横に寝かせてあげる。
「い〜つもすまないねぇ」
「それは言わない約束でしょ」
布団をかけて、唯先輩の頭が枕に乗ったのを確認してから、ベッドから離れる。
「あずにゃん、私とのキスどうだった?」
「さあ、どうでしょうか」
「え〜? 教えてよ〜」
「はいはい。元気になったら教えてあげますよ」
最後に唯先輩の髪の毛を軽く撫でてから、氷を取りに台所へと向かう。
道中、まだ少し唯先輩の感触が残っている唇を、人差し指でなぞってみる。
……今度は、私から――
Fin
永久規制食らったからついかっとなってやった反省はしていない公開はした
お目汚し失礼した
それでは
ここはオアシスかなにかですか?
ふでぺん聞いてると合宿のあずゆいを思い出してニヤニヤ
唯ver.の「いいとこ見せたくなる」相手はあずにゃんだな
澪ver.は律で
428 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 01:07:44 ID:eZBhVwxR
gj
今日は唯先輩の家にお泊まり。と言ってもパジャマパーティーとかじゃなくて。
次のライヴに向けてギター二人で特訓中です。
昼間は特別講師としてさわ子先生にも来て貰いましたが、…ちょっと失敗だったかもしれません(理由は察してください)。
唯先輩はいつにも増して気合いが入ってます。
文化祭のときに出来なかった「ふでペン〜ボールペン」を次こそは歌いたいって特訓中ずっと言っています。
「だってあずにゃんにいいとこ見せたいんだもん。澪ちゃんの作ってくれた詞みたいにね」
理由を尋ねたのはさわ子先生を呼んだのと同じくらい失敗だったかもしれません。
(もう…反則ですよ、唯先輩…)
ピースしながらそう言う唯先輩がたまらなく愛しくなって…。
さわ子先生がいたときとは別の意味で集中できなくなっちゃった…。
「そんなことしなくても私はいつでも笑顔ですよ?」
「ん?」
「…だって唯先輩のいいところ、いつも一番近くで見てますから」
良い、ディ・モールト良い
GJなんだが、さわちゃんずいぶん暇なんだな
いつか誰かが「甘い物ばっかりだと糖尿病になる」って言ってたので、毛色の違うやつ置いていきます。
美味しいお寿司の合間にガリをつまむ、そんな広い心で読んでいただければ。
「あ〜ずにゃん」
音楽室へと向かう私の後ろから耳に届くその人専用の私のあだ名。直後、周りの目を気にすることなく私を優しく抱きしめる。
それはいつもと変わらない唯先輩のスキンシップ、……と思ったらいつもと違うところがひとつだけ。
「何ですか、その紙?」
唯先輩の手には一枚の紙が握られていた。
「あ、これ?まあ読んでみて」
私は促されるままに唯先輩から渡された紙に目を通す。
「えーと……、
『小さいからって見くびるな!なめてかかるとケガするぜ!ツインテールをなびかせながら、じゃじゃ馬だって乗りこなす。
ネコミミつけたらたちまちみんながメロメロに!軽音部の小さなアイドル!ギター、あずにゃん!』
……何ですかこれ?」
「ライブのときのメンバー紹介に使えないかな、と思って考えたんだけど」
唯先輩は、どうだと言わんばかりの表情で私を見ている。
「あの……、保留でお願いします」
「えー、ダメだったー?」
ついさっきまでの自信満々の表情とはうってかわって、唯先輩は不満そうな顔を私に向ける。
「いや、ダメっていうわけじゃないんですけど……。こればっかりはライブでやることなので他の先輩の意見も聞いてみないといけませんし」
「そっか、そうだよね。じゃあみんなにも提案してみるよ」
たぶん律先輩が一蹴しちゃうんだろうなあ、そう思ったけど言わぬが仏、私はダンマリを決め込んだ。
「そうだあずにゃん。私のも考えてみてよ。あずにゃんならどんなふうに私を紹介してくれるのかな?」
唯先輩の突然の注文に、私は普段の、そしてライブのときの唯先輩を思い浮かべながら考える。
「うーん、そうですね……
『いつもはふわふわ癒し系。でもやるときはやるんです。愛しのギー太を抱えれば、ミュージシャンへと大変身。
音楽の楽しさを知った私を止めることは誰にもできない!それじゃあ今日もいっちゃうよー!
ボーカル&ギター、平沢唯!』
こんな感じでどうでしょうか?」
「おおっ、あずにゃん凄い!すぐに思いつくなんて。私なんか、さっきのつくるのに二時間近くかかったのに」
――私のことを考えてくれてたのはうれしいですけど、せっかくだからその時間、ギター練習にあてましょうよ……
もちろんそんなこと言えるはずもなく、ありがとうございますとだけ答えて私はその場をやり過ごす。
そんなやり取りを交わしながら音楽室に到着すると、すでに他のみなさんはティータイムを楽しんでいた。
「よっ!悪いけど先にお茶してたぞ」
「りっちゃん、これ見て。今度のライブのメンバー紹介のときに使えないかなと思って考えてきたんだけど」
律先輩の形だけの謝罪の言葉を無視して唯先輩はついさっき私に見せた紙を律先輩に渡す。
早く自作のメンバー紹介文、というより私の紹介文を見てほしくて仕方ないようだった。
私は心配しながらその様子を眺める。
――律先輩、あまり強く否定してあげないでくださいよ。唯先輩の悲しむ顔は見たくありませんから。
「ん?なになに……、おお、結構面白いじゃないか!」
「ええっ!?」
その日、音楽室に最初に響いたのは律先輩のドラムでも唯先輩のギターでもなく、私の驚きの声だった。
>>417 扉の外ではムギが絶賛録画中なんですね、わかります
そして続き、まってます!
>>420 スイートすぎて何もいえない…!
こんなに甘いのに爽やかとは…!
>>429 さわちゃん先生ww邪魔者扱いww
すごく…続きが気になります…
>>432 あずにゃんの紹介文を2時間も考える唯と
唯の紹介文をさくっと作っちゃう梓との
コントラストと本質的な合致が面白い…!
というか紹介文におなか抱えて笑いました!
超GJです!
みんなGJ過ぎますよ…!
>>432 ガリなんていうからそんな味の内容なのかと思ったら
普通に美味しいじゃないか
>>431 メインキャラでさわちゃんほど暇な人はいない(独り身的、ぼっち的に)
∧_∧ ________ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`)/ ̄/ ̄/ < このスレの満足度…星5つです!!
( 二二二つ / と) \_________
| / / /
|  ̄| ̄ ̄
* + 巛 ヽ
〒 ! + 。 + 。 * 。
+ 。 | |
* + / / イヤッッホォォォオオォオウ!
∧_∧ / /
(´∀` / / + 。 + 。 * 。
,- f
/ ュヘ | * + 。 + 。 +
〈_} ) |
/ ! + 。 + + *
./ ,ヘ |
ガタン ||| j / | | |||
――――――――――――
そうか、ここが天国だったんだ
天に召されそうだ
分からない この気持ち
なんだかわたしは最近、すごく変
あずにゃんと一緒にいると胸がドキドキして
あずにゃんが他の人と話しているのをみると…
こんな気持ち 始めて
ムギちゃん達とは違う
特別な感情
「かわんないよ…あずにゃん」
「お姉ちゃん?」ガチャ
「うっ憂?どしたの?」
憂がわたしの部屋のドアを開け入ってきた
いつもは聞えるノックが今日はなかった…どうしたんだろ?
憂わたしの前に座った
「…お姉ちゃん、何か悩みとか…あるの?」
「えっ」
思いがけない言葉が憂の口から出た
「…だって、なんか最近話してても上の空だし、夕食前にアイスだってねだらないし…」
驚いているわたしに憂が説明するように言った
「ねぇお姉ちゃん、悩みがあるのなら…相談にのるよ?」
…確かに、一人で悩むよりは憂に相談してみた方が
いいかもしれない。憂、頭いいし
「あのね…憂…」
「…そんなカンジなんだけど…憂、分かる?」
「お姉ちゃん、それって…」
「分かったの!?憂!」
憂が真剣な瞳をして深呼吸をした
「落ち着いて聞いてね、お姉ちゃん」
「うんっ」
「…多分、お姉ちゃんは梓ちゃんに「恋」…しちゃったんだと思うよ」
憂が顔を赤くして言った
わたしは驚いて開いた口を塞ぐことが出来なかった
「恋」 それはなんの実感のない言葉だった
「ちょっちょっと待って、憂!こいって鯉?」
「そっちの鯉じゃなくって、こっちの恋だよ〜」
「……」
わたしが…あずにゃんに恋…
「そう…なのかな」
「えっ?」
「わたしは「恋」…した事なかったから、分からなかったけど
多分、あずにゃんに…「恋」してるんだと思う」
だって…、気がつくといつもあずにゃんの事考えてるし
そのせいで、ぼーっとして新しい曲がなかなかひけないし…
「それでお姉ちゃん、梓ちゃんに告白…するの?」
「えええええっむっ無理だよ〜そんなのだっだって
わたしまだ自分の気持ちも良くわかんないのにそれをあずにゃんに伝える、なんて…」
「それなら…お姉ちゃんその気持ち、書いてみたら?」
「へっ」
「まだ良く分かんないっていうお姉ちゃんの気持ち
びんせんに書いてみたら?そうゆう気持ちをまとめて
梓ちゃんに告白すればいいんじゃない?」
「おっおおお…」
「ね?」
「うんっ憂ありがとう、こんな賢い妹もってお姉ちゃんは幸せ者だねっ」
「じゃあ、夕食の準備があるから…」
憂はそう言って急いでわたしの部屋から出て行った
「…えっ〜とたしかここに…あった!」
わたしは一枚のびんせんを取り出した
…今日一日で何枚書いたんだろう?
数えるのもめんどうくさくなるくらい書いた
あずにゃんにこの想いが届きますように…って願いをこめて
書いている途中、もしかしてこの想いが気まぐれかもしれない…
ってなんども不安になった…けど枚数だけ増えていったんだよ?あずにゃん
始まりは 軽いノリだったのに
知らないうちに 熱くなってた
もう、あずにゃんへの想いをびんせんに書き始めて
今日で丁度一週間。…どうしようかなこの手紙
読み返すの…はずかしいよ〜
書いてる途中は、ついつい夢中になって…
もぅゴミ箱に捨てちゃおうかな、全部。
…この気持ちも、想いも気まぐれかもしれないし
でも、この一週間の気持ちごと全部ゴミ箱行きじゃ
なんだか、この胸が切ないから…もってようかなぁ
わたしは最近あずにゃんによくくっつくようになっていた
肌をとおしてこの気持ち、あずにゃんに伝わればいいのにね
「もぉ、唯先輩っくっつかないでくださいっ!」
「えへへ、あずにゃん暖かいね〜」
こうして、あずにゃんにくっついていられる時間はとても幸せ
このまま時間が止まっちゃえばいいのに…
その時、あずにゃんの鞄のポケットから白い封筒が落ちた
落ちた時の衝撃でその白い封筒から中のびんせん出ていた
「あずにゃん、落ちたよ〜」
そう言ってわたしは封筒とびんせんを拾った
わたしはなんとなく二つ折りのびんせんをひろげてみた
「あっ…だめですっ!先輩!!」
そこに書いてあった文字は…
「中野梓さんへ、好きです付き合ってください。」
わたしは固まってしまった
わたしは心の中では分かっていた
こうゆう時、友達なら「おめでとう」って
言ってあげなきゃダメだって事…
だけどね、あずにゃん…ごめんね
涙が止まらないよ
ポタ…ポタ…
わたしは大粒の涙を流してしまった
あずにゃんの目の前で
「唯…先輩?」
わたしは、逃げるように軽音部のドアを開け
全力で走って行った
「唯先輩っ待ってください!!」
あずにゃんの声が背中の後の方から聞えた
ごめんね、あずにゃん
ごめんね…
気がつくと、わたしは屋上へ来ていた
部活動の時間だから誰一人屋上にはいなかった
ハァハァ…と呼吸を整えた
帰らなくちゃ、あずにゃんが心配してる…
でも…
「どんな顔して、会えばいいのか分かんないよ〜」
また目から大粒の涙が溢れてくる
「…笑顔で会えば、いいんじゃないのかな?」
ぎゅっ… そう言って誰かがわたしを後から抱きしめる
「あずにゃん…?」
「もぉ離しませんよっ唯先輩」
「あずにゃん…ごめんねぇ」
「いい加減、泣き止んでください」
あずにゃんは、そう言って桃色のハンカチを差し出した
「…で、どうしていきなり泣き出したりしたんですか?」
「それは…」
パンパン!!
わたしは自分の頬を思いっきり叩いた
「唯先輩…?」
わたしは立ち上がって
「中野梓さん」
「はっはいっ」
あずにゃんもつられて立ち上がった
わたしが一週間、悩みまくって出した答え――
それは
「あなたが好きです。誰よりもあなたの事を強く想っています」
この想いが伝わらないかもしれないけど、
あなたを想う気持ちは誰にも負けない――
「なっ…」
あずにゃんの顔がどんどん赤く染まっていった
「あずにゃん!?大丈夫!?」
「ゆっ唯先輩のバカ!!何わたしが言おうとした事
さきに言っちゃうんですかぁ!!」
「へっ…嘘ッあずにゃ…
その瞬間、あずにゃんは背伸びをして
わたしの唇とあずにゃんの唇を重ね合わせた
「んっ…!」
驚いて、凄く幸せで、気絶してしまいそうだった
背伸びをしたあずにゃんの足は震えていた
――私達はまだ不安定なキスをした――
長文書き込み失礼しました
一応最初のほうは「わたしの恋はホッチキス」
の歌詞に当てまめて書いてみました
>>440 俺はお前に出逢う為に1万数千年もさまよってたのかもしれぬ・・・
GJ
>「かわんないよ…あずにゃん」
ここはわかんないよじゃないのか?
違ってたらすまん
微妙に「EngageRing」臭がするのは気のせいか
あーどっかで読んだことあるような気がしたんだが
そういえば何となく似てるような
だがおれは一向にかまわない!
キョン「よくある事さ・・・デジャブなんて」
ゆいあずシリーズが最近ないのがちょっと寂しいな
>>448 臭どころかモロだが気にするなw
別パターンだと思えばいいさ
作者は同じなのか?
貼られる絵が予想通りすぎて自分で吹いてしまった
俺もだいぶゆいあず極まってきたな
さすが全年齢向けスレは違うな
原作のあずにゃん
最初は唯のこと苦手そうだったのに
最近どんどん懐いてきてるな。
唯に落とされるまでもう少し
流石は唯
落とし神と言われただけあるなw
唯は年下に特に強そうだな
普段のだらしない中に一瞬垣間見える
かっこよさというか頼り強さというか
頼り強さって何だよ…
頼もしさだ
先輩になってからの唯にころりと落とされた私には
あずにゃんの気持ちがよくわかるぜ…
アニメは特に唯の成長がわかりやすいよね
あのまま行けば順当に、っていうか既に落とされてるようなw
とらの通販で適当に唯×梓っぽいなと思ったエロ同人を五冊ほど買ったんだ
うち一冊に澪が乱入してくるやつがあったんだけど
唯が澪にフィストファックかましててドン引きした
今月のきららの最後の4コマ、唯の発言に力強く同意してるんだが、
今までの梓なら「何言ってるんですか」くらいに流してただろう
唯の「オーラ」がそうさせたのか何なのか…
>>467 ムギフィルター的にはゆいあずっぽいシーンだが、あそこはHTTのバンドとしての結束力がますます高まってると俺は解釈した
>>437 あれは私的には、梓が常に思ってた個々では欠点があっても皆そろうといい演奏をするってのと
唯が同じ気持ちでいてくれたことに感動して、同意に回ったんじゃないかと妄想した
そして気持ちが通じ合ったと思った梓は、唯への積極的なアプローチを開始する的な二重妄想
>>470 俺達凡人には感じることの出来ない何かであることは間違いない
472 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/21(金) 16:08:57 ID:o/bdUAz9
>>470 これはwww
すみません!単なる間違いです!
自分で大笑いしましたw
>>467に脳内補正お願いします orz
そろそろ夏も終わりかなってことで、ゆいあず夏の陣を置いてきます。
「暑いですね・・・」
「うん・・・あいす食べたい・・・」
まだまだ暑い日が続く夏の日、私と唯先輩は二人、先輩の部屋で熔けていた。
唯先輩から誘われて遊びに来ていたんだけど、あまりの暑さに何もやる気がおきない――なぜなら今日の最高気温は今年最高の暑さなんだそうだ。
せっかく一緒にギターの練習でもしようと思ってたのに・・・それに他にもいろいろ・・・。
「アイスですか・・・食べたいですね・・・」
「あずにゃ〜ん・・・あいす持ってきて〜、冷蔵庫に入ってるから〜・・・」
「ええっ・・・い、嫌ですよ・・・そんな」
自分の家ならまだしも、人の家の冷蔵庫を勝手に空けるのは抵抗があります。
「お〜ね〜が〜い〜、あ〜い〜す〜」
唯先輩は駄々をこねながら、床を転がり始める。
(うう・・・か、可愛い・・・って言うかパンツ見えてますよ、唯先輩!)
この暑さのせいか唯先輩の格好は薄いTシャツ一枚にミニスカートという超薄着なのだ。
そんな格好で転がったらスカートだってめくれ上がってしまう。
(ぴんく・・・ごくりっ)
私は別の意味で頭が沸騰しそうだった。
暑さのせいか理性が熔けていくのもいつもより早くて――さすがに真昼間から唯先輩を襲ってしまうわけにはいかない。
は、初めてくらいはもっと雰囲気というものを――って、べ、別に唯先輩とはそんな関係じゃっ!
(って、私何考えてるの!)
いけないことを想像しそうになる頭をブンブンとふって私はバッと立ち上がる。
「わ、わかりました。あ、アイスとってきますから転がるの止めてください!」
「わ〜い♪ ありがとー、あずにゃん!」
少し頭冷やさないとね・・・うん。
***
アイスを持ってきた私は、唯先輩と一緒にアイスを食べていた。アイスの冷たいのが火照った頭にちょうどいいです。
さっきの状態では何をしでかしていたか分かりませんからね。どうやら唯先輩もアイスを食べて元気が出てきたみたいです。
「う〜ん♪ 冷たくておいしーよー」
「そうですね・・・あ、唯先輩アイス溶けてますよ」
「え?・・・・あ、ホントだ!」
唯先輩のアイスはすでに溶け始め、ポタポタと唯先輩のTシャツを濡らしていた。
「わ、シャツに付いちゃったよ! あずにゃ〜ん・・・」
唯先輩は目をウルウルさせながら、私を見つめてくる。
「ほ、ほら早く拭かないと・・・」
私は、ティッシュを2、3枚取ると、唯先輩の胸のところに手を当てた。
ふにゅっ
「あんっ!」
(って、私は何をやって・・・)
唯先輩もいきなり胸を触られたからか、甲高い声を上げる。
ていうか私はそれどころじゃなかった。唯先輩の胸の感触にさっきようやく冷めてきた頭が再沸騰を始めた。
ふにふに
「ひゃっ・・・ん・・・あ、あずにゃん・・・だ、だめだよう」
(はっ!わ、私はいったい何を!?)
どうやら意識が飛んでいたようだ。自分でも気付かないうちに先輩の胸を揉んでしまっていた。
「ご、ごごご、ごめんなさい! 唯先輩、こ、これは・・・その・・・」
私は慌てて手を離し、唯先輩に謝った。
「も、もう・・・あずにゃんのえっち」
唯先輩は真っ赤な顔をしながら、俯いてしまった。
(それにしても・・・唯先輩のおっぱい、柔らかかったな・・・)
大きいわけじゃないし、だからといって小さすぎるわけでもない。手のひらサイズっていうのはああいうのを言うのかな?
私はさっきの感触を思い出し、手をわきわき動かしながらそんなことを考えていると――
「あぅ・・・あずにゃん、またあいす零しちゃった・・・」
「え・・・?」
イケナイ妄想に浸っていた私は、唯先輩の言葉で我に帰る。
そして唯先輩に目を向けると、そこにはさっきみたいに胸のところにアイスを零した唯先輩が、何かを期待するような目で私を見つめていた。
――瞳をウルウルさせて、顔は茹蛸のように真っ赤かだ。
(あの・・・それって・・・つまり)
「あの・・・あずにゃん・・・・拭いて?」
「え、ええぇ!?」
唯先輩は恥ずかしそうに、私にお願いする。一瞬私の中の何かが切れそうになったけど、なけなしの理性でなんとか持ちこたえる。
「ああ、あのっ・・・そのっ・・・あ、そ、そうだ・・・わ、私ちょっとトイレいってきますね?」
「え?」
「そ、それじゃいってきます! 唯先輩も早くアイス拭いてくださいね! そ、それじゃっ!」
私はそれだけ言い残すと、逃げ出すように部屋を後にした。あのまま部屋にいたら、間違いなく今度こそ唯先輩を―――
「あっ・・・・・・もう・・・あずにゃんのいくじなし・・・」
部屋を出る前そんな唯先輩の言葉が聞こえたような気がしたけど、気のせいだよね?
END
>>475 GJ
唯のおばあちゃんぷりがいいな
で、梓はトイレでどうする気だw
もちろんゆいにーだ。
479 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/21(金) 22:31:30 ID:PTsFj4Ey
主GJ!
次回作もがんばれ
ゆいあずシリーズの人はどこへ行ってしまったのだろうか・・・
>>480 ごめんなさい、ちゃんと生きてます。
最近ちょっと忙しすぎて書いてる暇がなくってorz
暇になるまでは短編でがんばろうかと・・・・とりあえず、
>>474>>475は自分です。
短編なら20、30分くらいで出来るので・・・・ネタがあればですけどね。
>>481 無事でよかった^^
楽しみにまってます
483 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 00:44:19 ID:LouLtlYC
寝る前に投下…眠いから内容がカオスかも。
嫁ゆいあず…とかで。律澪要素アリ
「澪は私の嫁!」
「違うだろ、律が私の嫁だ!」
放課後、いつものように音楽室の扉を開けた私を出迎えてくれたのは、そんな二つの台詞だった。
―なんですか、これは。
思わず脳内で突っ込みを入れつつ、後手に扉を閉める。
ちらりと横に視線を動かすと、予想通り傍観者に徹しているムギ先輩が目に入る。
とりあえず、ヒートしている二人は置いておいて―どうせ話しかけても私なんか目に入らなさそうだし―そっちに歩み寄った。
「ムギ先輩、とりあえずよだれは拭いた方が。カメラに落ちちゃいそうですよ」
「はっ…ありがとう、つい熱中しちゃってたわ」
「いいえ、それより、何があったんですか。あ、いつものことなのは分かりますけど」
「それがね…」
―つまり、ムギ先輩曰く。
律先輩が二人のどっちが嫁かなとか言い出して、双方共に相手を嫁指定してしまって、お互い譲らず今の状態にあるということらしい。
うん、全くもって、いつものことだと言うことがわかった。
「いつものこととは言え、本当に仲がいいですね」
「ふふ、そうね。でも唯ちゃんと梓ちゃんも仲がいいじゃない」
不意に唯先輩とのことを引き合いに出され、私は慌てる。
「べ、別に唯先輩とはそんなに…」
と言いつつも、目の前の光景、二人の言い合いを自分と唯先輩に置き換えてしまったりしてる。
―あずにゃんは私の嫁です!―なんて言いながら、ぎゅっと私を抱きしめる唯先輩―
…いいかも…じゃなくて!何考えてるんだろ、私。
「いいと思うわ…」
「また人の心を読まないで下さい!」
ムギ先輩は普段はいい先輩なんだけど、ちょっと油断をするとこれだから。もう。
―でも、そっか。先輩と私、どっちが嫁かって考えたら…やっぱり私の方なのかな。
普段はぽけーっとしてるけど、ここぞって時には頼りになるし…やっぱりそういうときの唯先輩はすごいって思うから。
そうすると、結婚式だと先輩のほうが新郎役で、私が新婦ってことかな。
純白のドレスに身を包む私を、タキシードに身を包んだ唯先輩が優しく手を引いてくれて―
妄想が悪化してる!悪化してるから、私!
ぶんぶんと首を振ってそれを振り払う。おそらく私の顔は真っ赤になってることだろう。
うぅ、今唯先輩に来られたら、どんな顔すればいいかわからないよ。
そう思って頭を抱えてると、突然ンぐいっと私の手が引かれた。
びっくりして、体勢を立て直す間もなく私の体はどこかに引き寄せられてて、気が付くと律先輩に抱えられていた。
「な、梓を引っ張り出してどういうつもりだ、律!」
どうやら私は律先輩と澪先輩の痴話喧嘩に巻き込まれてしまったみたい。
睨み合う二人の間に、私は引っ張り込まれた形だった。
―何で私を。…というかこんなところに連れ込まれても、本気で困るんですけど
身をよじって律先輩から逃れようとするものの、律先輩はなかなか離してくれない。
私を挟んで喧々囂々。ああもう、いい加減にしてください!
そろそろ怒ろうかと、そう思った矢先、律先輩がとんでもないことを口にした。
「もういいよ、そんなに私の嫁がいやなら、今から梓が私の嫁だ!」
「な、な…!」
「そ、そんなの駄目です!」
そして真っ先に反応したのは、口篭る澪先輩のほうではなくて、私の方だった。
それは思ったよりもずっと大音響だったようで、騒がしかった室内が一気にシーンとなる。
―あ、あれ?
きょろきょろと辺りを見回すと、律先輩も澪先輩も、ムギ先輩までもぽかーんと私のほうを見ている。
うん、これは、私のせいだよね。な、なんとかしなきゃ。
とりあえずこのいたたまれない空気を変える台詞を一生懸命考える。というか、咄嗟とはいえなんで私はこんなに過剰反応しちゃったんだろう。
混乱している頭がぐるぐる回りだす。
「わ、私は律先輩の嫁じゃないです!」
口をついて出る言葉。うん、当たり前だ。知らない間に婚姻届でも出されてない限りは、そんな事実はない。
わざわざ言うまでもない台詞を、なんで私は口にしてるんだろう。
―ああ、そうだ。それ以前の問題で、私は律先輩の嫁になれるはずがないんだ。だって私は、私は―
ふわりと風景が切り替わる。さっき思い浮かべた、想像の中の光景がふわりと私を包み込む。
そう、そのバージンロードの上では、私は純白のウェディングドレスを纏っていて、その隣を歩くのは凛々しくタキシードに身を包んだ―
「わ、私は唯先輩の嫁ですから!」
「やっほ〜」
私がそう叫び終えるのと同時に、扉の方からそんな声が聞こえてきた。
瞬間、我に帰る。それも、ザパーンと頭からバケツいっぱいの氷水を浴びせられたような勢いで。
しゅばっと動いた視線が捉えたのは、扉を開けてぴしっと片手を上げている唯先輩の姿。
それはまさしく予想通りの光景。どう聞いても今のは唯先輩の声だったし、時間的にもそろそろ来てもおかしくは無かった。
だけど、なんで、よりによってこんなタイミングを選んでやってくるんですか。
「あーずにゃんっ!」
いつもの一連のプロセスを全部破棄して、唯先輩は真っ直ぐ一直線、ぎゅーっと私に抱きついてきた。
「あずにゃんは私のよめだったんだね〜」
そしてそんな絶望的な台詞を口にしながら、すりすりと頬擦りしてくる。
状況的にそう望むのは不可能だとわかっていたけど―やっぱり聞かれてたんだ。
どうしよう、どうフォローしよう。このままじゃ私は自他共に認める唯先輩の嫁ってことになってしまう。
それは―散々妄想してたことだし、嫌ってわけじゃないけど…こう、なんというか、心の準備というものがほしい。
まさかそんなの全て飛ばして、こんなことになるなんて思いもよらなかったから。
―ああもう、外野の三人、ニコニコ笑いながら拍手しないで下さい!
さっきまで喧嘩していたのが嘘みたいに、律先輩と澪先輩と、そしてムギ先輩は並んで生暖かい眼差しをこちらに向けている。
見事なまでに祝福モード。きっと睨んでも、解除される様子すらない。
そして嬉しそうに私を抱きしめる唯先輩。
―この完全な包囲網はなんなんですか。
そもそも、きゅーってしてくる唯先輩は反則としか言いようが無い。柔らかくて暖かくて、いい匂いがするから、私の思考はすぐにとろんと溶かされてしまう。
実際、その中にいる私は、それに抵抗しようとする気がどんどん無くなって行ってる。
―もう、いいです。認めればいいんでしょう、認めれば。
「そうですよ、私は先輩の嫁です」
開き直って、ぎゅっと逆に先輩を抱きしめ返す。
「「「おー…」」」
と上がる三つの歓声。うるさいです、もうどうでもよくなったんですから。嫁になったからには、もう目一杯いちゃいちゃしてやります。
「あずにゃん、積極的〜」
「嫁ですから、いいんです!」
「そっかぁ…」
先輩の胸に顔を埋める私の頭上で、ほんにゃりと笑う気配。その直後、私はいつもよりずっと深く、先輩に抱きしめられてた。
私からも抱きついているから、当然といえばそうなんだけど、その感触はなんとも例えようもないほど―心地よかった。
まるで全身をくまなく包まれているよう。包まれて捉えられて、全身くまなく先輩に染め上げられてしまうようなそんな感覚。
「はぅ…」
思わず気が遠くなる。先輩の嫁になってよかった。こんなに気持ちよくなれるなら、もっと早くこうなっておけばよかった―
「ねね、ところでさ」
夢見心地の私に、そんな先輩の声が聞こえてくる。なんだろうと、ほんわりとした意識の中、耳を澄ます。
そう、そのときの私はまさかそんな台詞を耳にするなんて、文字通り夢にも思わなくて―
「さっきから言ってる"よめ"ってなあに?」
―ぎゅうっと抱きしめられたままずっこけるなんて器用な真似をすることになった。
その後、先輩にきちっと嫁とは何か教育を施し、改めて夫婦としての門出を誓ったことは言うまでもない。
何か根本的に色々と間違えてる気がするけど、きっと突っ込んだら負けなんだと思う。
ここまでです。
配分間違えて3レスも…すみません。
布団の中で反省して来ます…
>>484-
>>486 あずにゃん自爆おおいなーw
GJでした!
だが、そこがいい・・・・GJ!
>>486 GJ
唯梓も律澪も好きな自分にはどストライクでした
>>486 GJ
なにはともあれ、唯とあずにゃんが幸せに結ばれてばそれで良しw
>ぎゅうっと抱きしめられたままずっこけるなんて
つまり、抱きしめられたまま押し倒すか押し倒された状態になってるって事だよね
そういえば拒絶の人はどうなったんだろうか
気になって仕方ないんだが
拒絶の人です。
最近つとに仕事が忙しくなってなかなかまとまった時間が作れなくて..
もうちょっとで落ち着くのですこしお待ちください
493 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 14:48:58 ID:KDXIvlxq
4巻澪麦ポッキーゲームでこの威力なら
あずにゃん登場巻の唯梓なら一体
ど・う・な・っ・て・し・ま・う・ん・だ!
>>494 ものすごくドキドキしてるあずにゃんを尻目に、唯は遠慮なくポッキーをパクパク食べて、そのままあずにゃんの唇を奪ってたでしょうね。
書きたいけどぶっちゃけネタがないorz
>>486 >ぎゅうっと抱きしめられたままずっこけるなんて
>>その後、先輩にきちっと嫁とは何か教育を施し、改めて夫婦としての門出を誓ったことは言うまでもない。
つまり
>>490から考えられるのは部室でそのまま公開嫁調教か夜中にどちらかの家で密会ですよね、判ります。
さて…その密会が描かれた続きはまだですk(ry
>>492 おお、無事でしたか^^
気長に待っています
ゆいあず、風邪ネタでちょいと失礼
朝、起きると、まず体がグラリとした。
なんかおかしいなー、と思った矢先に、頭に痛みがズキズキとあるのに気づいた。
なんかやっぱ変だと思って、ちょうど憂が部屋に来たので、私は体の不調を柔らかく訴えてみた。
急に憂がこの世の終わりみたいな顔をしたかと思うと、マッハで部屋を出て、マッハで手に体温計を持って部屋に戻ってきた。
そんなことはないと否定する私を一喝して、憂は私の体温を測って、体温計の液晶を見て憂が出した答えが、
「今日は学校休みなさい!!」
そんなぁ。
――――と、いうのが今朝の話。
……あ、携帯震えてる。メールかな。
只今の時間、午後6時ちょっと過ぎ。平日。学校は、部活……もう終わったのかな。流石に。
ボーッとする視界を振り切り、携帯に手を伸ばす。送り主は澪ちゃんなのに、『軽音部面々より』と、メールの文頭には書いてある。
読んでみると、『今日は学校休んで残念だ』、とか『あんま心配させるなよ』とか、メールに書いてある。
その優しさにポワポワしてると、最後のほうに、何やら意味深な二文が。
『ちなみに、私たち先輩3人で相談した結果、そちらに使いを送ることにした。見舞いには行かないが、明日は学校に来いよ』
見舞いに来てくんないだなんて!!そんな!!裏切られた気分!!ショック!!!
りっちゃんの時には来てくれてたじゃん……、とか熱ってる頭でボーッと考えていると、ふと思考を止まらせる。
『使い』って何?
そう思った瞬間、その疑問を遮断させるように、部屋のドアがコンコン、と鳴った。
返事をする元気はあまりない。でもとりあえず生きてるよと暗示させるために小さく「あーい……」と返事してみた。
多分憂だろうなー、ごはんかなー。おなかすい……
「し、失礼します」
「たぁぁぁああぁぁあずにゃああああん!!??」
「うわぁ、なななななんですかーーーー!!??」
なんとなんと、部屋に申し訳なさそうに入ってきたのは愛しのあずにゃんではないですか!!
わああすごい。夢かな?夢?痛い?痛くない!!
「ちょ、唯先輩、何自分のほっぺなんてつねってんですか。大丈夫ですか?」
「えっ!?あ、うん!へいきへいき。だいじょーぶだよー」
どうやら無意識のうちにやっちゃってたらしい、確認。
もー、とあずにゃんは怒ってるようだけど、ドアの閉め方はすごく丁寧なところを見ると、あんま怒ってないみたい。
ベッドで横になってる私に近づくと、あずにゃんは、ずい、と持っていた紙袋を目の前に差し出した。
「これ、軽音部のみなさんからです。って、まぁ、今日のティータイムのお菓子なんですけど……」
「お菓子!本当!?わ〜今日食べられないって思っててすっごく残念だったんだ〜。ありがとうっ」
袋を受け取り中を見る。ケーキ屋さんみたいな入れ物に入ってるから、ケーキかなぁ。まぁ、今は食べる元気なんてないけどね……、残念。
「……唯先輩、ホントに熱あるんですか?なんか、すごい元気ですけど」
「えっ。やだな、ホントだよぅ。ああ〜頭が痛い〜っ」
「今更ですかっ。……まぁ、唯先輩らしいですね。ふふっ」
猫みたいに笑うあずにゃんは、なんというか、やっぱりかわいい。
おっと、いけない。こんなこと思ってたらまたあずにゃんになんか言われるね、顔に出ちゃうから。危ない危ない。
「でも、その調子だと、あんま悪くなさそうで安心しました。今朝、憂すっごく暗かったんで、なんかすごく大変な状態なのかと」
「憂は大袈裟だからね〜。仕方ないよ」
私も、今朝の憂の慌てぶりを思い出し、少し苦笑する。
それを見たあずにゃんが、おんなじように苦笑して、私のそばに座る。
「やっぱ、顔赤いですね、唯先輩」
「え!?そ、そう?」
あずにゃんの顔が近いれす!!ヤバい!!なんで近づけるの!!?うっひょうなんか変なテンションになってきたよう……!!
「熱、何度くらいですか?」
「え?う、う〜ん……。39、とか?」
「高っ!!ちょ、大変じゃないですか!!」
えっ、なんか今テキトーに頭に出た数字言っただけなんだけど……。
てゆうか、何度とか、そんなの一回寝たら覚えてないよう……。
「だ、だめです!ちゃんと寝てないと!!ほら、布団ちゃんとかぶって!!」
「うにゃ、あずにゃん、大袈裟だよ〜」
「大袈裟なんかじゃないです!唯先輩が、もしいなくなっちゃったりしたら……」
「したら?」
あっ、と小さく呟いて、口元をおさえる。
すると、あずにゃんの顔がみるみる赤くなっていく……、わぁすごい。なんで赤くなってるんだろう。かわいいけど。
「ななな、なんでもないです!!とにかく、寝るんです!!」
「あわわ、分かったって、あずにゃ〜ん」
あんまりにも必死に私を寝かそうとするので、仕方なくそれに応じる。
でも、あずにゃんが折角来てくれたのに、ゆっくり寝ちゃうなんて、そんなの勿体ないよね……。
「ところであずにゃん、今日はなんであずにゃんだけなの?」
なので、あずにゃんとお話タイムにすることにします。
「へ?あ、ええと。なんか、他の先輩方が、そのほうがいいって……」
「他って、軽音部の?」
「はい。私は、皆さんとで行ったほうがいいと思ったんですが、なんか、私一人だけのほうが唯先輩が喜ぶって……」
はぁ、なるほど。流石澪ちゃんたち。私の好みを知ってるなぁ。
でもなんか、事を率先して決めたのがムギちゃんなような気もするけど。はて、なぜだろう。風邪で変になっちゃったのかな?私。
まぁ、嬉しいことには変わりないけどねっ。
「で、あのう、先輩……」
「んぅ?なに?」
あずにゃんが改まってもじもじとしながら、言葉を選んでいる。
女の子座りで、手をもじもじとさせるのは、ずるいと思うんだ、あずにゃん。
「わ、私だけで、良かったのでしょうか?」
「ん?なにが?」
「だ、だから、そのぅ。……お見舞い……」
ああ、なんだ、そんなことかぁ。
流石にまだ体がダルいので、手だけあずにゃんのほうに伸ばして、やや下を向いているツインテールな頭の中心部をなでなでしてあげる。
「うん。あずにゃんが来てくれて、あずにゃんとお話しできて、すっごく嬉しいよ」
だってあずにゃんの表情は誰よりも心配そうで、
私がそれほど体調が悪くないと分かると、ものすごく安心した顔をしてくれて、
そんなあずにゃんに、来てほしくなかったなんて、心にもないこと、言える訳がない。言う必要もないしね。
するとあずにゃんは、一瞬驚いたような顔をして、かと思うと、またいつものような、
「はいっ!」
とかわいい笑顔を、私に見せてくれるのでした。
うん、やっぱあずにゃんが来てくれて、よかった。皆に感謝しないとなぁ。
でも、あんまり嬉しいから、やっぱり愛の抱擁をやろうと思ったのに、拒むのはなんでだい、あずにゃん。
あ、私がまだ風邪治ってないからか……。あうう。
「早く風邪治してくださいね、唯先輩」
「あーい……」
「待ってますから」
ん?誰が?何を?……あれ、あずにゃん、どこ行くの?え?憂と話してくる?ああ、そう……。
…………なんであずにゃん、顔赤かったんだろう。風邪うつっちゃたかなぁ。いやいや、ううん……。
……早く風邪治そう、私。あずにゃんのために、ね。
おわり
……長くなりました。失礼致しました
GJ!
なんかこういう日常の距離感とか、いいよね!
GJ!
あずにゃんを想うあまり密かに暴走気味な思考になってる唯が素敵だw
>>503 GJ
梓、しばらくして戻ってくる
↓
寝ちゃった唯、寝言で「う〜い〜、おみず〜…すぴー」
↓
梓、憂を呼ぼうとするが水の入ったコップを見つけ、ふと思いとどまる
↓
梓、水を一口含む
↓
(ry
…なんて展開まで想定した上で梓投入を律に進言した沢庵様にも感謝したい
風邪うつって次は唯が使いにでるんですね、分かります。
こんにちは、中野梓です。暑い日が続いてますね。軽音部もだらけモードが続いていています。特に唯先輩のだらけてる姿が可愛くて・・・いやいや!唯先輩困ってます!ハア・・・最近憂ちゃんに影響されてるのかな・・・?
前回の子猫ちゃんの事件で唯先輩との距離はだいぶ縮まったけど、モヤモヤしてるのは私だけという状況は変わらずです・・・。
「おはよーあずにゃん。あづいねえ〜。」
噂をすればなんとやら・・・。相変わらず気の抜けた声で唯先輩が登場しました。
「おはようございます。」
「あずにゃんはこんなに暑いのに元気だねえ〜。」
「別に私だって暑いですよ。唯先輩がだらけすぎなだけです。」
「んん〜あずにゃん分補給〜!」
突然唯先輩が私に飛びついてきた。さっきまで暑い暑いと言っていたのにあきれてしまう。
まあ、そんな唯先輩の事が私は好き何だけどね・・・。
「ちょ、唯先輩!こんなに暑いのにくっついてたらよけい暑いですよ!」
「あずにゃんと一緒なら平気だよ〜。」
これだから唯先輩は侮れない。油断していると時々どきりとする事を言ってくる。思わず顔を背けてしまった。
「あ、あれ?あずにゃん嫌だった?ご、ごめんね。」
それを見た唯先輩がパッと手を離した。
「ち、違います!そういう訳じゃありません!」
「じゃあ、なんで?」
ううう・・・顔が赤くなるのを見られたく無かったなんて言えるわけないよ・・・。
「そ、それはその・・・。」
しどろもどろしていると唯先輩が心配そうに私の顔を覗き込んで来た。
「あずにゃんどうしたの?顔、赤いよ〜?」
「そ、それは・・・あ、暑いからです!」
「そっか〜♪そんなあずにゃんに良い物があります!」
と、唯先輩がコンビニのビニール袋からパックのジュースを取り出し、私の前に差し出した。
「これ、あすにゃんにあげるよ〜♪」
「ええ〜!い、いいですよそんな・・・唯先輩に悪いですし。」
「そっか〜・・・じゃあ半分こしようか。ストローも二本ある事だし!」
と、という事は・・・。
唯先輩がジュースにストローを二本さし、私に差し出してきた。
「ほ〜ら、こうすれば2人で飲めるよー♪私って頭良い〜♪」
やっぱりだー!それって唯先輩と間接キッスと言う事ですよね!!!それはそれでいいかm(ry・・・いやいやいや、それはまずいでしょ!
私が真っ赤な顔で考えている間に体が勝手にストローをくわえて爽やかなオレンジジュースを飲み始めていた。私って意思薄弱・・・。
いつの間にか唯先輩もストローでジュースをすすっていた。
「なんかさあ〜こういうのって恋人みたいだよねえ〜♪」
突然の唯先輩の発言に私は思わず口に含んだジュースを吹き出した。
「わわわっ!ど、どうしたのあずにゃん!?」
唯先輩が驚いて。まったく・・・誰のせいだと思ってるんですか・・・。
「な、何でも無いです!」
「そ、それなら良いんだけど。あっ、あずにゃんジュースが口の周りに・・・。」
なるほど、さっき盛大にジュースを吹いた時に付いたらしい。
唯先輩がポケットからハンカチを取り出して私の口をふき始めた。唯先輩の匂いが鼻孔をくすぐる。
「ん〜、よし!」
そういって先輩はハンカチをポケットに戻した。
が、そのときの行動には私も油断していました・・・。
何の前触れも無く頬にキスをしてきたんです。
「ッッッ!」
思わぬ事態に言葉を失う私。今、頭の上にヤカンをのせたらすぐにお湯が沸くだろう・・・。
「えへへ〜♪隙あり!」
先輩がいたずらっぽく笑う。ああもう!普段ムンムンしてるこっちの気持ちも知らないで!
もう知りません!こっちもヤッてやるです!なるようになれえ〜!
私は唯先輩の唇に強引に自分の唇を重ねた。先輩は一瞬驚いて体をこわばらせたが、すぐに私を受け入れてくれた。
まあ、この一連の行動は音楽室の前で見物していた先輩方にしっかり見られてたんですけどね・・・。むぎ先輩の鼻血の後始末が大変でした・・・。
ども、続きが異常に短かかったので再うpです
俺の文章力のなさがよく分かるorz
ああ、何の続きでどこからの再うpなのかはわからないが
とにかくいい仕事だ
511 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 03:09:19 ID:GeTy2WSe
良いよ・・・もって書けよ自信持てよ・・・
>>508 この前見た時以上に唯梓萌え度が増してGJ
>>510 どこからの再うpもなにも…ここのスレの>417で書いてあったんだけど…
「ちょっとだけって言ったのに……」
私に体を預け、静かに寝息を立てる唯先輩をちらりと見て、私はため息をひとつ吐いた。
〜
時は放課後。珍しく、他の先輩方は個々の用事で欠席するとのことだった。仕方ないので、残った唯先輩と私で
ギターの練習をすることにした……けど、先輩の集中力がそう続くはずもなく、30分も経たず、私に抱きついて休憩を訴えた。
「あずにゃーん、ちょっとだけ! ちょっとだけ休憩したらぎゅいんぎゅいん弾くから!」
「……本当ですか? じゃあ、ちょっとだけですよ?」
「うん! いやっほーぅ!」
ということで、ソファにふたり座って、軽く息抜きをする……はずだったのに、唯先輩はいつのまにか眠りに落ちていた。
そのうえ、私に寄りかかってきたものだから、私まで身動きがとれなくなってしまっている。背丈的には逆の立場であるべきじゃないんだろうか……
とはいえ、気持ちよく寝ているところを無理に起こすのもためらわれる。結局のところ、私は先輩の体を受け止めるしかなかった。
「もう……」
相変わらず、呆れるひとだと思った。でも、もしかすると、このとき私は笑顔を浮かべていたのかもしれない。確かめようはないけれど、なんとなくそんな気がした。
右を向く。唯先輩の頭がすぐ目前にある。軽く茶色がかった、軟らかそうな髪の毛が私の肩に流れている。
なんとなく少しだけ近づいてみる。
薄いけれど、とても甘い香りがした。少なくとも私にとってはそうだった。
これが先輩の匂いなんだと思うと、どうしてかいっそういいものに感じる。
「どんなシャンプー使ってるんだろ……」
いつのまにか、私は先輩の髪に顔を埋めるほどに接近してしまっていた。眼を閉じて、その香りに集中する。もっと嗅ぎたい。
……そういえば、唯先輩のお家には行ったことがあるけど、部屋にはお邪魔したことがなかったような気がする。
部屋の中もこんな匂いで満たされているんだろうか。だとしたら、ベッドなんてすごく良い香りがしそうだ。
もし泊まりになんか行ったら、強引な先輩のことだ、きっと「一緒にお風呂入ろうよ!」なんて、気軽に誘ってくるんだろう。
そうして、お風呂で香りがより強まったあと、同じように「一緒に寝ようよ!」と無邪気に言って腕を引っ張られるのが容易に想像できる。
そうなれば、私は一晩中先輩の匂いに包まれることになる。私の全身にそれが移ってしまうかもしれない。ふたりで同じ匂いになるんだ。
ふたりで寝るのは少し暑いかもしれないけど、唯先輩はきっと汗の匂いも甘いに違いない。
「んー……は、ふー……っ!?」
思わず大きくなってしまっていた自分の息遣いを自覚して、私は急速に正気を取り戻した。
(う、うわぁ……私、なに想像して……)
血が上って、顔が熱を持っていくのがわかる。きっと真っ赤になっているだろう。いまさらになって羞恥心がこみ上げてきた。
匂いがどうこうなんて、まるで変態みたいなことを……
これ以上匂いを嗅ぐのはまずい!
「すいませんっ」
私は先輩の頭を持ち上げて、自分の太腿にゆっくりと落としこんだ。膝枕というやつだ。これはこれで恥ずかしいけど、さっきまでの状況よりは
いくらかマシになったはずだ。
「もう、先輩が悪いんですからね」
たまに先輩がやっているように、びし、と指先を突きつける。先輩はいまだ目を覚ますことなく、むしろ快眠状態にある。
私がこんなに苦労しているというのに、なんでこのひとはこんなに気楽なんだろう。
「……」
指の先には、唯先輩の柔らかそうなほっぺたがある。やはりなんとなく、私はそれを軽く突っついた。
まるで餅のように、私の指は先輩の頬に沈む。ほどよく水分を含んでいて、吸い付くようだった。
「わぁ」
普段を適当に過ごしているような先輩も、やっぱりこうした女の子らしいケアはきちんとしているのだろう。すごく綺麗な肌だ。
あらためて見ると、鼻も高くはないけれど小さく整っているし、睫毛もわりと長い。
……いつも私のことをかわいいかわいいと言うけど、このひとが一番かわいいのではないだろうか。
少なくとも私が男の子だったら、放っておかないような気がする。
「……って、またなにを考えて……わ」
そのとき、先輩が軽く頭を動かした。唇が私の指のすぐそばに来ている。
リップをこまめに塗っているのか、カサつきのまったくない、滑らかで柔らかそうな、小さな唇だった。少し開いていて、空気が出入りしている。
その様子は、同性の私にとっても魅力的で、思わず唾を飲み込んでしまった。
「……ごく」
意識的か無意識的かは、もう自分でもわからなかった。
辛い体勢だけど、少しずつ顔を近づけていく。あるところで、吐息が私をくすぐるようになる。
やっぱりいい匂いだった。唯先輩はなんでも甘い匂いがする。
先輩との距離は何センチもない。あとほんのちょっと顔を落とせば……
(……落とせば?)
そこで、私は動きを止めた。私はなにをするつもりだったのだろう?
決まっている。こんな体勢で思い浮かぶことなんてひとつしかない。もし自覚的でなかったにしろ、私はキスをしようとしていたのだ。
しかも寝ているひとにだ。あまつさえ同性にだ。
でも、不思議と抵抗感はなかった。それは私がそういった趣味を持つからではない。
そうだ、やっぱり唯先輩が悪いんだ。こんなにかわいい寝顔を見せられたら、こんなにいい匂いがしたら、だれだってそうなってしまうはずだ。
私は悪くない。こんなにかわいい唯先輩が悪いんだ。
音楽用語もろくに知らないくせに。練習さぼってばっかりいるくせに。だけど、いざというときは頼りになる。
こんな馬鹿なひと、だれだって好きになるに決まってる。
(うぅ……)
しばらく固まってしまう。私の脳内を見られたとしたら、きっと欲と罪悪感が天秤にかかっていることだろう。
顔を近づけはじめてから、もう何秒経ったか何分経ったかわからない。
そのとき、
「んー、んぅ……」
唯先輩がうめくような声をあげて、同時、私の後頭に負荷がかかった。それが先輩の手によるものだということに気付くには、1秒もかからなかった。
「へ?」
そのまま、ぐい、と力がこめられる。
……なににおいても、終わりはあっけないものだという。
経験のない音が小さく鳴って、私はこれ以上ないくらい赤面した。
〜
「んーっ、よく寝たー! あずにゃん、膝枕ありがとー!」
「せ、責任とってくださいっ!」
「なんの!?」
案の定というべきか、先輩にはさっきの覚えがないようだった。……ほんとうに、このひとは能天気だ。
でも、そんな先輩が、私はだれよりも大好きなのだろう。
これから、ゆっくりと責任をとっていってもらおう。時間はある。
とりあえずとして、私は今度の休みに唯先輩の家へ泊まりに行くことを決めた。
「ね、あずにゃん」
「は、はい?」
突然、先輩が私の後ろから抱き着いてきた。耳元に口が寄せられる。甘えるような声がした。
「……あれ、わたしのはじめてだよ? へへ」
「え!?」
「よーし、練習するぞーう!」
え、ちょっと、まって、どういうこと? あれ? ええ!?
以上。ちょっと匂いフェチ気味あずにゃん。
GJ
俺以外にも三点リーダなり文頭スペース空ける人がいて安心した
確信犯唯w
GJです!
いつもどおりの帰り道。唯先輩と二人、肩を並べて道を歩く。
「唯先輩、最近上手になってきましたね」
「そう?」
「はい。最初の頃と比べたら段違いです」
「そっかぁ……」
褒めてあげると、素直に頬をほころばせる唯先輩。
「でも、それはあずにゃんが教えてくれてるからだと思うよ?」
「へ?」
「私がわからないところをあずにゃんが手取り足取り教えてくれるから、私も覚えられるんだよ〜」
「手取り足取りって……ただ押さえ方を教えてるだけじゃないですか」
それのどこが手取り足取りなんだろうか?
「だって、あずにゃん私の指を持って教えてくれるでしょ」
「そうですね」
「だから、手取り足取りなんだよ」
「???」
どうやら、唯先輩の考え方では、体を触れ合って教える=手取り足取りみたいだ。
いや、まぁ意味としてはそうなんだろうけど、どうにも納得できない……。
「とにかく、あずにゃんが教えてくれるから私も上達してるんだよ。あずにゃん、ありがと〜」
「いえ、そんな……」
面と向かってお礼を言われるとなんだか気恥ずかしい。
だから、ついついごまかしてしまう。
「べ、別に私限定じゃなくて、澪先輩やさわ子先生に教えてもらっても唯先輩は上手になると思いますよ?」
その場しのぎで言ってみただけだけど、これは普通にあり得る話かもしれない。
だって、唯先輩は一度教えただけで、ほぼ完璧に弾けるようになるような人なんだから。
誰が教えたって変わらないんじゃないかな……。
「それは無いと思うけどな〜」
「どうしてですか?」
「そうだね……。その前に、ジュース買わない?」
「ジュースですか? 実は私、お金が無くて……」
「それぐらいなら奢ってあげるよ」
「そ、そんな、悪いですよ」
「いいのいいの。先輩の厚意は素直に受け取っておくものだよ?」
「それじゃ、お言葉に甘えて……」
「任せなさい!」
ポンと胸を叩く唯先輩と一緒に、道路脇の自販機に歩み寄る。
「それじゃ、どれがいい?」
私にそう尋ねながら、財布をがさごそする唯先輩。
そうですねぇと私が考え始めると、「あ」と呟いてその動作がストップしてしまった。
「どうしたんですか?」
「ご、ごめんあずにゃん……。私もお金持ってなかったよ……」
そう言って財布の中身を見せてくる先輩。全部あわせてもジュース一本すら買えない。
唯先輩らしいなぁと思わず頬を緩めると、唯先輩はあたふたとし始めた。
「あ、あずにゃん。今私のこと馬鹿にしたでしょ?」
「してませんよ」
「うそっ。絶対馬鹿にしたよっ」
ぷくぅと頬を膨らませながら怒る仕草は、まるで子供みたいだ。
どうやって宥めようかと考えて、ひとついい方法を思いついた。
財布を確認してみる……うん、よし、大丈夫。
「それじゃ、ワリカンでどうですか?」
「ワリカン?」
「はい。唯先輩のと私のを足せば一本ぐらいは買えますよ?」
言いながら小銭を数枚差し出す。
「で、でも……」
「二人で半分ずつ出してそれを二人で飲めば誰も損しませんよ?」
あくまで強気でそう言うと、唯先輩は少し考えてるみたい。
「でも、私が奢るって言ったのに」
「それなら、気にしませんよ。感謝の気持ちですから」
私がそう言うと、唯先輩は目をまんまるくして、あははと笑い出した。
「それもそうだね、それじゃワリカンにしよっか」
「はい」
唯先輩に小銭を渡す。それを受け取って、自販機に自分の分も一緒に投入する唯先輩。
「それにする?」
「先輩の選んでものでいいですよ」
「それじゃ、これかな」
唯先輩がボタンを押して、私は出てきたペットボトルを取り出す。
「どうぞ」
「ありがと〜」
蓋を開けてから、唯先輩に渡す。こういうのはやっぱり先輩からだよね?
「ごくごく……それで、何の話だったっけ?」
「ごくごく……私が教えるのと、澪先輩やさわ子先生に教えられるのでは違うって話です」
「お、そうだったね〜」
最後に一口含んでから、唯先輩は語り始める。
「やっぱり、教える人によって癖が違うんだよね」
「癖……ですか」
「そう、癖。例えば澪ちゃんだったら、弦の弾き方に力を入れて教えてくれるけど、さわちゃんだと速く弾くコツを教えてくれるんだ」
「そうですか。それじゃ、私はどうですか?」
ごくごくと飲みながら、気になるところを質問してみる。
「う〜んと……わかんないや」
「って、何ですかそれ」
思わず突っ込んでしまう。
「よくわかんないけど、なんだか私に合ってる気がするんだ」
「はぁ……そうですか」
最後に一口飲んでから、残りを先輩に渡す。
「でも、でもね? ひとつだけ確かな理由があるんだよ?」
「何ですか?」
少し考え込んでいる唯先輩。残りのジュースを喉に流し込んで、口を開く。
「それはね……。好きな人が教えてくれるから、だよっ」
「――へ?」
唯先輩はえへへと照れくさそうに笑っている。
……もう、唯先輩はずるすぎますよ……。
Fin
最近ゆいあず書いてなかったからなんだか変な感じがするな……
お目汚し失礼した
それでは
やはりここは天国なんだね・・・
みんなGJすぎて涙が・・・
>>520 GJ
話の状況を見る限りだと既に二人は恋人同士になってるみたいだから
当然、既に直接キスとかなどして間接キス以上の事はしていそうに思える。
だからそこ、同じボトルのジュースで飲みあいぐらいなら免疫がついてるんだと解釈しました。
523 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 10:49:56 ID:WZvhGT4y
524 :
拒絶10:2009/08/23(日) 11:44:33 ID:z9PfIYLW
ひとりきりで歩く、歩く、歩く。
いつもの通学路、よく立ち寄るコンビニの近く、みんなとバイバイする交差点…いろんなとこをあてどもなく歩く。
難しい言葉を使ってみたけど、こう言うときってあてどもなく、でいいのかな?
でも、やることを決めて散歩してるんだから、やっぱり当てはあるのかな。今のは違うかな。
(………でも、学校の近くまで来ちゃったのは失敗だったかも………)
もっと言えばいつもの通学路を辿ったのが失敗だった。
いつもの通学路にも、よく立ち寄るコンビニにも、みんなとバイバイする交差点にも…あずにゃんとの想い出がいっぱいいっぱいあるから。
「いっぱい」なんて数え方じゃ括れないくらい、あずにゃんと過ごした時間がそこにはあった。
歩く道、曲がり角、見る風景…全部の場所にあずにゃんの幻が重なる。ふたりで歩いた想い出が浮かんでくる。
改めて気付いたけど。
本当にあずにゃんが傍にいるのが当たり前になってたんだね。
525 :
拒絶11:2009/08/23(日) 11:45:31 ID:z9PfIYLW
いつでも私の隣にいてくれて。
手を繋いだり腕組んだり、ぎゅーってすると、ちょっとだけ困った顔をして。
けれど、絶対に拒絶だけはしなくって。
はじめの困り顔からだんだん緩んでいって、最後には「特別ですよ」ってはにかんでくれて………
(…でも、もういけないんだよね。あずにゃんの本当の特別は私じゃないからね………)
あずにゃんが許してくれてた「特別」って言葉にはもう甘えられない。
振りほどかれた手は、きっともう二度と繋がらないから。
拒絶されたこの気持ちは、あずにゃんには届かないから。
………ううん、届けちゃいけないんだから………
「うんうん!これからは頼れる先輩にならなくちゃ!恋のキューピッドにだってなっちゃうよぉ!」
誰に聞かせるでもなく宣言した私は、今、どんな顔してるかな?
鏡がないから自分じゃ見れないけど、きっと笑ってはいないよね。
ほっぺがこんなに濡れてるのは、きっと嬉し涙とかそーゆーんじゃないよね。
………本当にあずにゃんの恋を応援しようって張り切れてたら…こんなに…苦しいわけないよ…ね………
「あず…にゃん………」
気持ちを整理したくて、ひとりになりたくて散歩に出たのに………
さっきよりもっと悪くなっちゃったよ………
あずにゃんの笑顔が…私が一番大好きで…だけどもう離れなきゃいけないあの笑顔が―――
526 :
拒絶12:2009/08/23(日) 11:47:04 ID:z9PfIYLW
「唯先輩っ!」
「え………っ?」
………反射的に顔をあげたけど、きっとそれは自分に都合のいい幻聴だと思った。
メールが来るんじゃないかって期待したのとおんなじ自分勝手な妄想だって。
「………あずにゃん………」
それじゃ私を包み込んだこの暖かさも私の妄想なのかな…
ぶつかるみたいに飛び込んで来て、子猫みたいに震えてる小さな肩も幻なのかな…
(夢…じゃないよね…?)
もう二度と抱き締められないって思ってた大好きな…世界で一番愛しい体温を
当たり前だった距離に…一番近くに感じられて。
「ゆ…い…先輩ぃ………」
心の一番軟らかい場所に触れてくれるその声を聴いて。
私はこれが夢でも幻でもないって確信できたんだ。
(続きます)
結局また次に続いてしまいました..構成力がないなぁ自分..orz
もう少しだけ書かせてくださいませ
GJ
がんばれ!
GJ
ずっと待ってるぜ!
進んでる?何をバカな
とっくに唯の物でいちゃいちゃしてるんだよ
532 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/24(月) 02:51:18 ID:i0CknEMk
しかし水着が地味だな
でも、唯梓が表紙になってるのは嬉しいなぁ。
そういえば、この前唯と梓が同じジュースをストローで一緒に飲んでた絵はアニメディア(数十年ぶりに見たけど)で掲載されてたんだね。
公式ムック早くでないかな
さすがに雑誌全部は追えない…
密林でけいおん!和書検索すると芭蕉全集が引っかかるのは何故か気になる
>>533 まじすか!澪命と良いDVDのパッケージと良い最近公式が病気すぎますなw続けて!
これ、メモとかもこのスレみたいなこと書いてあるんだよねw
>>533 うん、それそれ
この前もここのスレでその絵が貼ってあったけど、すぐに見れなくなったんだよね…
今月に載ってあったから、まだ本屋に残ってると思うよ
そのうち唯梓デュエットソングCDが出てもいいほど
今の公式病気状態の現状、やりかねない
無論、大歓迎だがね
どこで聴いたかは訊かないでほしいんだが、
あずにゃんキャラソンで唯梓っぽい歌詞が
キャラソン、明日店頭ですか…
早速買わねば
唯キャラソンを元にしたのを、今更ながら。
またタイトル付けにくい…ギー太とゆいあず…とかで。
最近澪先輩と唯先輩が上機嫌だ。
多分、というよりは確実にそうなんだろうけど、やはり自分の歌ができたからなんだろう。
澪先輩はといえば、今鼻歌を歌いながらベースを弾いている。勿論聞こえてくるハミングは「Heart goes boom」
腕はいいのに、恥ずかしがりやな性格で損をしている先輩には、いい歌だと思う。本当なら、もっと自信過剰になるくらいでもいい人なんだから。
今聞こえてくる音色が、以前のものよりもずっと深く重く、そして澄んで聞こえることがその証明。
唯先輩はといえば、同じく鼻歌を歌いながらキュッキュッとギターを磨いていた。ニコニコしながら、楽しそうに行為を繰り返してる。
その分練習に当ててくれれば、と思わなくもないけど、そうしてギターと触れ合うのもやはり大事なことなんだろうと先輩を見てると思えてくる。
唯先輩の歌―「ギー太に首ったけ」
聞くだけで、本当に大事にしてて大好きなんだってことが伝わってくる、そんな歌。
―そんな唯先輩を眺めながら、ふととある疑問が頭に浮かんだ。
少しボーっとしていたせいだろうか。私はそれを吟味することもなく、あっさりと口にしてしまっていた。
「ギー太って、男の人なんですか?」
口にしてから、何で私はこんなことを聞いたんだろうと激しく後悔した。ギターはギターだし、そもそも無機物だし。
どこから男の人なんて発想が出てきたんだろう。それは、確かに「太」という妙に男らしい名前がつけられているからなんだろうけど。
でも、頭の中でちらりと浮かばせるくらいならともかく、こうして口にしてしまうなんて。
唯先輩もギターを磨いていた手を止めて、え?と書かれた顔をこっちに向けていた。不意をつかれた、そんな顔。
「ええと、ギー「太」って名前じゃないですか」
とりあえずそう続けてみる。その直後、なんでもなかった振りをして話題を打ち切ってしまえばよかったと再び後悔した。
ううん、今からでも遅くはない。何か別の話題を振って、打ち切ってしまえばいい。
それなのにそうしないということは、ひょっとしたら私は本気でその答えを聞きたいと思っているのかもしれない。
まさか。でも、それを否定しきる材料はみつからない。なら、もしそうだとしたら、私は何を理由にしてそんな行動に出ているのだろう。
唯先輩はというと、しばらくきょとんとした顔でこちらを見つめていた。釣り眼がちの私がときに羨ましく思うくるりとした大きい瞳に、惜しげもなく私を映しながら。
ふいっと、何の前触れも無く唯先輩の視線が落ちる。釣られて、私の視線も下へと落ちる。
そして「ギー太」とぶつかった。
直前まで磨かれていたボディはいつもよりも心なしか輝きを増して見える。
一生懸命にそして本当に大事そうに磨いていたさっきまでの唯先輩の姿を見ていた私には、それがたっぷりに注がれている愛情の結晶のように見えていた。
ううん、実際にそのとおりなんだ。そうでなければ、先輩はあんな歌を作ったりしないだろうから。そして、あの歌を聴けば唯先輩がいかにこのギターを、「ギー太」が大好きかってこと、誰にだってわかる。
そんなのずっと前からわかってた。一度お店にメンテナンスに持ち込むような事態にはなったものの、それはただその知識が無かったせいだし。
それまでも、先輩なりにずっと大事にしてきたことはわかっていた。服を着せたり、添い寝をしたり―方向性はおかしいけど。
そもそも、そうでない人にはあんな演奏はできないだろうから。
あの時、ううん、結局は今でも私を虜にしているあの音色を出すなんてできないはずだから。
それは、私が唯先輩を尊敬している部分のひとつで。私はそれを感じることに微笑ましさを覚えていたはずなのに。
何故だろう、今この瞬間の私は―それをなぜか疎ましく思ってしまっていた。
「そっかぁ〜ギー太、君は男の子だったんだねっ」
その理由を探り始めるより早く、下を向いていた唯先輩の顔がほわっとほころんだ。
「決めてなかったんですか」
とりあえず、反射的に突っ込みを入れる。冷静に考えれば、それは当たり前のことなんだけど。
そう、唯先輩にもそれは当たり前だったんだ。なのに何故私はそんなことを気にしてしまったのか。
「ギー太〜」
別に唐突ということは無かった。構えていたギターを、ひょいっと立ててぎゅーっと抱きしめる。
予備動作から本動作まで、そこに私が驚くような要素は何一つない。緩慢とも柔らかともいえるその動作は、それがなされる前からそれが何か簡単に想定できるものだったから。
けれども、私はそれにどうしようもないほどの衝撃を受けていた。
「大好きだよ〜」
ぎゅーっとギー太を抱きしめ続ける唯先輩は、そんなことまで口にしている。うっとりと浮かべられる笑みは、私を抱きしめているときの表情と同じか―ひょっとしたらそれ以上。
もともと表裏のない人だから、その言葉に嘘なんてあるはずがない。その仕草全てがそれを示していて、でも今この瞬間だけは、それが覆されればいいなんて私は思っていた。
「お、唯、ラブラブだなー」
「へへー、そうだよ〜」
横から投げかけられる声。唯先輩に触発されたのか、チューニングキーと六角レンチを手にドラムセットのメンテナンスをしていた律先輩が、ひょいっと顔をこちらに向けている。
何の変哲もない、いつもの律先輩の声なのに。その言葉は思ったよりも勢いよく私の側頭部にぶつかってきた。
「…ラブラブ…」
ぼそりと繰り返す。ラブラブ…それは、つまり。
「ギー太は私の恋人だもんっ」
そして更に決定的なフレーズが、逆側からもはや決定的な一撃を私のこめかみにヒットさせた。
「こ、ここここっこっ…」
「なんだぁ、梓。鶏のまねか…?」
あまりの衝撃に舌が回らない。だから私の口はそんな音を紡いでるわけで、決して律先輩の言うような特技を身に着けたわけじゃない。
というか、こんな状況でそんな真似をする余裕があるわけ無いじゃないですか―というか、こんな状況って何だろう。
何で私は、こんなにも動揺してるんだろう。
「いい心がけだと思うぞ。ギタリストにとって自分のギターは、それくらいに思って丁度いいくらいだしな」
いつの間にか演奏を終えていた澪先輩が背後から現れる。そう、まったくその通りだ。澪先輩はいつも正しいことを言ってくれる。
だけど、今の私は何故かそれに―何とか反論できるところを見つけようと―必死になって反発しようとしていた。
「ふふ〜ギー太ぁ」
だけどそんな言葉なんて見つからない。私が何もいえないでいると、唯先輩は今度はギー太に頬ずりなんかはじめてて。
それは、いつも私がしてもらってることなのに。ぎゅーっと抱きしめられて、頬ずりして、あずにゃんはかわいいねって言ってくれて。
―だけど、今の先輩の目にはわたしなんて入ってなくて。ギー太だけを映してる。
ううん、それでいいのに。ギターを大事にしてくださいね、なんていったのは私で。そもそも先輩がギー太を大好きなんてこと前から知っていたことで。
なのに、そうだ―それを恋人と、自分の一番の存在だよって先輩があっさり言ってしまったことが―
ぎりぎりと胸が締め付けられる―なんで、私はこんなになってるのかな。
―…まさか、まさかだと思うんだけど、私ひょっとして
―唯先輩のギターに、ギー太に…嫉妬してるの?
まさか、そんな馬鹿なことあるわけない。だいたい、ギターに嫉妬なんて―ありえないです。
そもそも、唯先輩に嫉妬するほど―そんな感情、抱いてるなんて―なんて。
―なんて?
なんで、そこで疑問系になるんだろう。断定してしまえばいいのに、それが出来ない。
ぐるりと思考が回転を始め、私の頭が混乱する。それが、とある答えにたどり着く前に
「…あずにゃん?」
そんな唯先輩の声が、私を現実に引き戻してくれた。
引き戻された私の視界には、いっぱいに広がる唯先輩の顔。
「へ…ひゃっ!!」
慌てて飛びのく。すると、いつもの大きさに戻った唯先輩が残念そうな顔をする。
「何で逃げるかなぁ」
そんな気の抜けた声と共に、ぐいっと先輩の顔がまた近付く。私の懐にきゅっと踏み込んで、すいっと手を伸ばして、あっさりと私を捕まえてしまった。
「あずにゃん、捕獲ぅ!」
何で唯先輩は、こんなに私の隙を付くのが上手いのだろう。迅速ってわけじゃないのに、気が付けば私はいつも捕まえられてしまっている。
「な、なんですか…!」
そう言い返しつつ、私はどこかほっとしていた。元々―内緒だけど―先輩に抱きつかれるのは嫌いじゃない。
そのぬくもりも柔らかさも安心感も、私はこっそり楽しみにしていたりした。それがない日は、何だか落ち着かなく思ってしまうくらいに。
だけど、今はそれだけじゃない。きっと、さっきはギー太を抱きしめていた腕がそこから離れて、今は私を抱きしめていることに嬉しくなってしまったんだろう。
―だから、なんで私は―うぅ、もう、これじゃ本当に!
「なんですかじゃないよぉ〜どうしたの、あずにゃん?」
「…ど、どうしたのって、なにがですか…?」
「今。ぼーっとして変だったもん」
「へ…?あ…べ、別に何でも…ないです」
誤魔化そうと先輩から顔を背けようとしたけど、先輩はそれを許してくれなかった。大きな瞳に、きゅっと真剣な光を灯して、私をじっと見つめている。
それは、本当に私を心配してるんだよって気持ちがいっぱいに伝わってきて、私はつい、正直に自分の気持ちを打ち明けてしまいそうになる。
そんなわけに行かないけど。だって、言える筈がない。ギー太に嫉妬してましたなんて。
無機物に嫉妬してたことが露呈するのはまだいい。あまりよくないけど。だけどそれは、それを告げてしまうことは、つまりは裏返すとそれだけ先輩のことが―ということになってしまうから。
―そんなの、そんなこと、言えるはずがありません!
だから私はきゅっと口を閉めて、黙秘を通そうとしてたのに。
「なんだぁ、梓。ひょっとして唯のギターに嫉妬でもしてたのかー?」
「何で律先輩はそんなあっさり言っちゃうんですか!!」
反射的に怒鳴り返して、私はハッと我に帰った。
見回すと、私を抱きしめたままきょとんとしてる唯先輩と、後頭で手を組んだポーズでぽかんとしてる律先輩、同じくぽかんとしている澪先輩と、ビデオカメラを片手にこちらを撮影しているムギ先輩が目に入る。
―最後なんか不穏な行動が見えた気がするけど、それは置いておいて―
これは、今の私の発言は…つまり
「いやー…わりぃわりぃ、まさかマジだとは思わなくってさー」
自分から、隠し通そうとしていたことを自白してしまったってことだ。
―もういいです…律先輩なんて知りません。ごめんなーと手をあわせる律先輩からぷいっと視線をそらして、唯先輩に視線を戻す。
するとそこには私の予想通り、キラキラ目を輝かせて私を見つめる唯先輩の顔があった。
「あずにゃん〜〜〜…!!」
ぎゅーっと抱きしめられる。ほお擦りされる。更には私を抱きしめたままくるくる回りだす。
唯先輩はとっても嬉しそう―だって私はつまり、ギターに嫉妬してしまうくらい唯先輩のことが大好きです、なんて告白してしまったようなものだから。
―ああもう、好きにしてください。もう…
そう言いつつ、私は何故か変に落ち着いた気分だった。先輩たちの前でこんな宣言させられて、あまつさえ唯先輩にそれを知られてしまって、そういうことだって思われてしまって。
いわば、本来の私だったら顔を真っ赤にして否定しているはずなのに。
そのことを先輩が嬉しそうにしているのが―なんだかとても心地よかったから。
「大丈夫だよ、あずにゃーん」
私をぶんぶん振り回しながら、唯先輩は言う。―私は目が回りそうで、あまり大丈夫ではないですけど。
その気配を察してくれたのか、先輩はトンっと私を地面に降ろした。突然軸を戻された体が、ふらりと揺らめき、唯先輩の手がそれを支えてくれる。
「私、ギー太と同じくらい、あずにゃんのこと好きだから」
かくりと私の頭が落ちた。―ギターと同列扱いですか、いえ、別にいいんですけど。
―あれ?
ふと、疑問が持ち上がる。ギターと、ギー太と同じくらい、好き?そこが何故か引っかかる。
だって、さっき先輩は確かにそう言っていたはずだから。
そう、確か、ギー太は唯先輩の―それと同じと言うことはつまり、私は―唯先輩と私は―
―恋人?
ぽんっと私の頭が沸騰する。
確かに、私は今ほとんど先輩に大好きって告げたようなものだし、それを受けた先輩は私のことを好きと―ギー太と同じ、恋人として好きだって言ってくれたから。
つまりは、そういう意味で取るならカップル成立というか、恋人同士って言っても間違ってるってわけじゃない。
―いやいや、私の思考暴走しすぎだから。でもなんでか、もうそういうことにしちゃおうっていうか、そうなっても言いやって方向に勝手に思考が流れようとしてる。
駄目駄目、冷静にならなきゃ。唯先輩のことだもの。きっと、いつものじゃれあい的な…そんな―
「ふふ、あーずにゃん…」
「へ…?」
「むちゅ〜」
「…!?!?」
そんな―って表情のまま、接近する唯先輩をよける術もなく、私の唇はあっさりと奪われていた。
はむっと私の下唇を挟み込んで、甘噛みするように動かすと、先輩はまたあっさりと離れる。
「な、な、なにを…」
言葉にならない。だって、先輩の唇が、私の唇に触れて―その箇所が焼け付くように熱くて、上手く動かない。
唯先輩にキスされた、ってその事実が上手く巡ってくれなくて、まるで焼け付くマグマのように私を溶かそうとしてしまってる。
それはつまり、証明だ。仮定として私の中に浮かんだ、恋人同士という関係。それをあっさりと、何よりも明確に唯先輩は明らかなものにしてしまった。
ううん、客観的な事実としてだけじゃない。私の中にあったそれ、その形をもう言い逃れのしようもないくらいに、はっきりを私に突きつけてくれた。
それはずっと、私が望んでいたことだということを。
―何でそんなにあっさりと、そんなことをしてしまえるんですか。
「えへへ、あずにゃん、大好き」
―そんな台詞を、そんなに簡単に口にしてしまえるんですか。
先輩の顔はいつもどおりの笑顔のようで、でも少しだけ頬が赤く染まっていた。
―ああもう、その顔は反則です。
ぷしゅーと私の頭が蒸気を上げる。そりゃもう、こんな熱に当てられたら、私の沸点なんてあっさりと超えてしまってもおかしくない。
意識を保つのも精一杯。ううん、きっとあと数秒も持たずに、私は倒れこんでしまうことだろう。
そんな冷静な自分の忠告に、私はきゅっと唇を噛む。
目が覚めてからじゃ、ちょっと遅い。今この瞬間に、先輩に返さないといけない言葉がある。
―そう、お返しです。こんなにされたんですから、先輩にも多少は同じようになってもらわないと、割に合いませんから。
一生懸命手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめる。いつもは胸に埋める顔をとんと肩に乗せて、まるでキスをするように先輩の耳に唇を寄せた。
「私も大好きです―えっと、愛してます、唯先輩」
記憶はそこまで。自分の台詞が止めになったのか、私の意識はすうっと純白の中に溶け込んで行った。
―追記。
後で聞いた話―私の企みはどうやら成功していたみたい。
意識を失った私を支える形になった唯先輩は、そのあと私と同様ぷしゅーとオーバーヒートしてしまったとか。
あとあと保健室で同時に目を覚ましたときは―それを確認する余裕なんて欠片もなかったけど。
翌日その話を律先輩と澪先輩から聞かされて、恥ずかしがる唯先輩に私はこっそり勝ち誇ったりしてた。
そのあとムギ先輩の「ゆいあずメモリアル」ムービー上映が始まるまでは、の話だったけど。
―ええ、そういえば撮影してましたね、本当に迂闊としか言いようがないです。
―大ダメージですよ…冷静さを欠いた自分を客観的に見るのがこんなに痛いなんて。…なんで唯先輩、そんなに嬉しそうなんですか。
―ちょ…保健室の映像は駄目です!修正いれ…というか見ちゃ駄目です!もう、なんでこんなのまで撮ってるんですか、ムギ先輩!
(終わり)
こんな時間に、一体何を…
ギー太を聞いたときにぼんやり書き始めたネタですが、何とか形に。
次のキャラソン出るまでにと思ってたら、ギリギリで焦りました。
>>550 朝からいいものを見せていただけました
今日はいい日になりそうですGJ
>>550 某SSでギターの別名は女体って聞いたからギー太は女だと…
って、自分も無機物相手に何言ってるんだ…
まぁ、いずれにしても唯が本当の意味で愛情を向けてるはあずにゃんなのは間違いないですね!
GJ!
キャラソン買ってきた
あずにゃん2曲目は直球ストライクでゆいあずソングすぎる
良い唯梓ソングだった
しかし二曲目は中毒性高いなw
『あずにゃんに首ったけ』って曲が有るなら『唯にゃんに首ったけ』って曲が有っても良いと思うんだ、梓作詞で。
歌い方は梓っぽくないけど…詩は間違いなく唯梓でした、ご馳走様です。
…今度はツインボーカルで出して欲しいとか切に願ってるのは俺だけじゃないはずだ。
むしろコーラスが唯に聞こえてしまった俺は末期
梓スレ見てたら大分微妙な評価なんだが…
とりあえず聞いてみてからか
教えてくれ、続きを読むには何処に行けばいい?
ムギは俺に何も教えてくれない・・・
>>561 なんだいこれは
脳からたいやきが出るぞくそぅ
サークル名:バルバロッサ
書名:BUTTERFLIES
>>561は3部構成の2本目のマンガの冒頭
大人のお兄さん向けなので注意
おひげの生えたあずにゃんまじかわいい
>>561 持ってるw
ましゅまろにゃん(ryと合わせて、殿堂入りを果たしてますw
あずにゃんキャラソン買って来ました。
歌詞読んで噴出しました。
改変しようかと思ってましたが…改変の余地がねえw
どう見てもあずゆいソングです。本当に(ry的な
曲的には不評なのもちょっと頷けるかな…とか。
悪いというわけではないのですが、キャラソンとしてはどうなんだろ
でも2曲目はなんか中毒性ありますねw
暫くエンドレスリピートかも
日なたみたいな体温が好きです
ってあずにゃんお前
>>564 その本激しくほしいけど調べてみたら売り切れてたのか…orz
唯「あずにゃんが妹だったらよかったのにー♪」梓「んもうっ」スレに投下しようと思ったらスレ自体が落ちてたでござるの巻
梓「先輩には憂がいるじゃないですか。私は妹なんてごめんです」
唯「がーん…あずにゃんに嫌われちった…」
梓「き、嫌いだなんて言ってないじゃないですか。唯先輩の妹になりたくないってだけです」
唯「え?え?」
梓「わ、私は唯先輩のお嫁さんになりたいんですっ」
唯「あ、あずにゃ〜んっ」
それからとんとん拍子に話が進んで…
梓「早く起きてください。仕事、遅れちゃいますよ?」
唯「ん〜…あと五分〜」
梓「…いいんですか?私と過ごす時間が五分も減っちゃって」
唯「んぉっ!?それはだめだね!もったいなさすぎるよ!」
梓「ふふっ…おはようございます、唯」
唯「えへへ…おはよ、梓」
私、中野梓改め平沢梓は妹じゃなくてお嫁さんやってます♪
とんとん進みすぎw
だがそれがいい…GJ!
こっそり続きを待ってます!
つき合いが長くなってお互い呼び捨てで呼ぶようになっても
相変わらず敬語使っちゃう梓ってのはなかなかいいかもしれない
名前の呼び方も時と場所によって使い分けたりするとおいしい
呼び捨てにするならタメ口が良いな。
二人っきりのときは呼び捨て・タメ口
みんなの前では唯先輩・敬語
単行本の3巻まだあ〜?
早く唯梓を読みたいよお〜。
新婚ネタは良い心が洗われる
眠い頭でキャラソンエンドレスリピートしてたらなんか浮かんで…
なんとなくあずゆい。
―優しいぬくもりは、まるでマシュマロです。
ふわふわでふんわりしてて、ほわっと私を包み込んでくれるんです。
36度のほんわりした暖かさは、まるで陽だまりの中みたいです。
その中に、ぎゅっと顔を埋めて、思い切り息を吸い込むんです。
甘い匂いで胸をいっぱいにしちゃうんです。
―それは、私をとろりと溶かしちゃうんです。
触れるものはそれしかなくて、触れられるのもそれしかなくて。
全てを溶かして、体中に満遍なく溶け込んで、私の一つ一つが作り直されちゃうんです。
それに全てを委ねて、平衡感覚なんてどこかに放り投げちゃって。
私の体はどこまでも落ちて、どこまでも登っていくんです。
―つまりはそれは、幸せと言うことなんです。
本当は、もっとそれは貴重であるべきだと思うのです。
一生懸命頑張って、それでもって沢山の幸運に恵まれて初めてめぐり合えるもののはずなのです。
それなのに、先輩はそれをあっさりと、はいって本当になんでもないことのように私に差し出してくれるから。
―仕方ないんです。こうなっちゃうのは、もうどうしようもないんです。
ぎゅうっと私を抱きしめる腕。優しく、ときには激しくすり寄せられるほっぺ。
さわさわと頭を撫でる手は、ときどき悪戯っぽく私の髪を弄んだりして。
まだ頬と額までしか教えてくれない、柔らかな唇。
制服越しに押し当てられるのは、見た目よりもそして私よりもちょっぴり上なふくよかさ。
ぽふんってクッションの上に倒れこんで初めて絡められる、しっとりと吸い付くような心地よさ。
鼓膜を甘く優しくくすぐるようにとんとん叩く、優しい声。
そして、先輩が今この瞬間私を抱きしめてくれているということ。
―そのどれを取っても、私の満点を取っちゃうんです。
きゅっと抱きしめ返すと、嬉しそうにふふって笑って。
首元に頭をこすり付けると、くすぐったそうにふふって笑って。
むすっと困った顔を作って見せても、お見通しだよってふふって笑ってくれます。
私がどんなところにいても、どんなものを背負い込んでいても、どんな思いを抱いていたとしても。
あっさりと私というものを、私以上に私に教えてくれるんです。
「ここだよ」って。
「ここにいていいんだよ」って。
その続きは先輩は言ってくれないですけど。
「ここにいて欲しい」って言ってくれれば。
私はいつまでもそこで丸くなっているのに。
―先輩、知ってますか?
くるりと転がれば、攻守反転なんです。
いつも上にいる先輩は、私の体の下。
きっと、きょとんとした瞳で私を見上げてくるんです。
それを逃げられないようにきゅっと抑え込んで―
―あ、いいかも。
猫だって反撃しちゃうんですよ。
ぺろぺろと舐めまくって、肉球でぷにーっと抑え込んで。
いっぱいいっぱい甘い鳴き声を、耳元で聞かせてやるんです。
この想いの趣くまま、いっぱいいっぱい楽しんでやるんです。
先輩が降参だよって言っても、許してなんてあげないんです。
―でもまだ、もうちょっとだけ待ってあげます。
だって、私は猫ですから。
先輩の猫にさせられちゃったんですから。
こんなにも私を、好きにさせてしまったんですから。
―だから、先輩は責任を取らないと駄目です。
もっと可愛がってくれなきゃやです。もっともっと甘えさせてくれなきゃやです。
私のことをもっともっと、ずうっと好きでいてくれなきゃやです。
優しく抱きしめて、優しくキスをして、その言葉を言ってくれる日を夢に見てるんです。
―早くしてくださいね?じゃないと―
―ホントに襲っちゃいますよ?
GJなんだけど
ぺろぺろで思わず噴き出してしまったwww
梓「唯先輩ペロペロ」
GJなあずにゃんだ〜…、あまい〜…、あますぎてとけちまう〜…。
自分は文才無いから、みなさんが書くSSを楽しみにしてます♪
それにしてもこのスレのせい?で、ゆいあずがガチになってしまった・・・www
唯に一目惚れするあずにゃんとかどう?
猫みたいに唯にスリスリするあずにゃん
ある意味一目惚れだったがちょっと違うな
一目惚れの後ちょっと幻滅して
スキンシップうぜーみたいな感じで、
あまつさえ澪スキーだったのに
最近では唯に抱きつかれても無抵抗なあずにゃん
でもりっちゃんに、おや?お二人さん2828ってされると
真っ赤になって否定するあずにゃん可愛い
今後が楽しみ
2曲目を延々と聞いてると、
唯先輩が好きで好きで仕方がないんです歌に聞こえてきたけど、
対する唯はゴロゴロソングという。
ムカついた梓がそれじゃ一緒になってゴロゴロするです!
とか言って隣でゴロゴロしだして、
唯のほわ〜が移ってこれはこれで幸せかもと思っていたところに、
お茶を持ってきた憂になにしてるの?と呆れられる図が浮かんだ。
憂は呆れながらも「ふたりとも可愛い〜」って思ってそうに思える。
唯と梓が結婚したら梓と憂は姉妹になる訳だし
>>586 むしろ自分は唯のことをいっぱい攻めたいのに押されっぱなしで悶々とする歌に聞こえてきたぞ
唯が梓にロザリオを渡すのはいつですか
「ええと、それが今回の私の歌詞なんですけど…ど、どうですか…?」
「ふんふん…つまりあずにゃんは…」
「…ドキドキ」
「実は甘えんぼさんなんだね!」
「何でその結論なんですか!」
「ええ!?…ち、ちがったかなぁ?」
「…まあ、違うとは言いませんけど…対象は限定されるんですよ…」
「え?何か言った?」
「なんでもありません…!」
「それじゃ、次は私のだね!はい!」
「読ませていただきます(唯先輩の歌詞…私のことかいてあるかな」
「頑張って書いたんだよぉ〜…」
「…って、ゴロゴロしてるだけじゃないですか!」
「ええ、ゴロゴロ気持ちいいのに!」
「…唯先輩に期待した私が馬鹿でした…ぐす…」
「じゃあ、あずにゃんも試してみようよ、ほら!」
「え、いきなり寝転がってどうしたんで…きゃっ!」
「えへへ、あずにゃん捕獲ぅ〜」
「や、そんな…ぎゅっとしないでください…にゃうぅ…」
「ほら、一緒にゴロゴロ〜…気持ちいいでしょ?」
「気持ちいいですぅ…ふにゃ…」
「あれ、今日のあずにゃんは素直だねぇ〜…ご褒美にもっとぎゅっとしてあげよう!」
「も、もうだめ…きゅう…」
「あれ、あずにゃん寝ちゃった?」
「…きゅう…」
「…寝てるあずにゃんもかわいいなぁ…ちゅっ」
「…これはどういう状況なんだ?」
「唯と梓が抱き合って眠ってる…でいいんじゃねーの?」
「見たまんま言っただけだよな、それ」
「にしてもこの二人、ホントに仲がいいよな〜」
「そうだな…しかし、これじゃ練習出来ないぞ…」
「なあ、私らも一緒に寝てみるか?ムギの奴きっとびっくりするぜ」
「な、何バカなこと言ってるんだ!」
「あはは、冗談だよ〜…ちぇっ」
「まあ、律がどうしてもっていうなら、ちょっとくらいなら…」
「…え?」
「くっ…これは…私を出血多量にさせようという陰謀ね…!」
「でも…本望…パタリ」
ちょっと舞台を変えて、シチュを変えて形にして見た…
唯の部屋編は制限入りそうなので脳内補完でお願いします。
>>586 攻め願望梓…!
確かにそういう風に読むと面白いかも
そして、誘い受けモードにシフトした唯に迎撃されるわけですね、わかります
>>589 唯にマリみて見せれば、次の日にはかけに行ってそうw
タマリマセンワー
ところでここのSS達は何処に保管されてるんだ?
エロパロ保管庫か?
今月のキャラットは唯が出てこなかったけど唯梓分は申し分ないな。
でも本誌の夏フェスといい今回といい作品自体が完結に向かってるなぁ……
>>594 P87左の4コマな
唯の話題を振られて力強く答え、さらに一押ししたところでちょっと落とすという高度なデレを見せている
それにしても梓の水着、まさかあれしか持ってないってことは…ないよな?
597 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 02:01:24 ID:Fzr+HI+x
ええい画像はまだか
くっ、明日買って来ないと
よし!今だ!五分あずにゃん!
>>599 梓「唯先輩ったら…そんなことしなくても私は先輩のものですよ♪」
>>601 色からするとオーシャン(はぁと)かな?
Tシャツから膨らんだ妄想を、自重せずに投下…
Tシャツゆいあず…とかで
「前々から思ってはいたんですが…」
ベッドサイド、ふかっとするマットレスに頬杖をつきながら、私は相も変わらずゴロゴロし続ける唯先輩を眺めつつ、そう声をかけた。
折角の日曜日、お呼ばれして遊びに来た人を前にゴロゴロし続けるのはどうなんだろう、と思わなくもないけど、唯先輩だから仕方がない。
「んぅ…?なあに、あずにゃん?」
唯先輩はゴロゴロを一時中断。ひょこっと首を上げると、ふにゃりとした瞳を私に向ける。
幸せそうに溶けきった表情が可愛いというか、愛らしいというか、食べちゃいたいというか―とにかく、いい。
初めのころはギャップを感じていた憂の感性に、今の私なら全力で同意できる。
「あずにゃーん?」
「…はっ、すみません…ぼーっとしてました」
話しかけておいて呆けるなんて―それは、あんな先輩を目にしたら仕方がないことなんですけど。
首だけ上げて私に応えていたはずの先輩は、私の反応がないことを怪訝に思ったのか、今は完全に身を起こしベッドの上に座り込んでいる。
「それで、どうしたの?」
「えーっと」
先輩のその体勢は、まさに私が話題にしようとしていたものを、思い切り私に突きつけるもので。
思わずそれをマジマジと凝視してしまう。
「…あずにゃん、なんか目がエッチだよう…」
「…へ?」
気が付くと、唯先輩は少し頬を染めて、僅かな上目遣いの視線を私に向けていた。
「でも…あずにゃんが望むなら…私、脱ぎます!」
「だ、だだだ、だめです!」
ぐいっとTシャツのすそに手をかけたその仕草に、私は瞬時にその先の行動を察し、あわてて唯先輩を制止する。
―私を出血多量で殺す気ですか!
「えー?」
―何でそこで不満そうな顔なんですか!…うぅ、頑張れ私の毛細血管…ここで鼻血出したら、ムギ先輩二号です。
「それに、誤解ですから」
つまり先輩は、私の視線、その意味を取り違えたんだろう。半分は正解だけど、今の本題はそれじゃない。
「ごかい?」
ふにっと先輩が首を傾げて見せる。
「見てたのは、そのTシャツですよ」
「あ〜、これ可愛いでしょ!」
私の言葉に、ピンっと胸を張って見せる唯先輩。ええ、確かに少し控えめですけど形がよくて可愛い―じゃなくて。
危うく脳内で構成されそうになった3D映像を振り払う。
今の話題はそれじゃなくって。ぐいっと無理矢理にその起伏から、プリント文字へと焦点を切り替える。
「えっと…私はちょっと…変かなと…」
可愛いと思うより先に、何故そのフレーズ?と普通の人なら首を傾げるところだと思う。
―そもそもなんですか「ラブハンター」って。
その脈絡のなさが唯先輩らしいとは思うけど―確かにトータルで見たら可愛いとは思うけど。
それ単体にだけ言及すれば、やっぱり変だと思う。
「ええ〜可愛いのにー…」
「あ、ええと…そ、そうですね、そう思わないこともないですけど…」
ぷうっと膨れた先輩に、私は慌ててフォローの言葉を探す。
さすがに完全同意というわけには行かないから、言葉を濁す形にはなっちゃうけど。
そんな態度で、唯先輩が納得してくれるはずもない。
「むー…そうだ!」
膨れ続けていた先輩の頭上に、突然ぴかーっと電球が輝いた。疑問の余地もない、唯先輩的閃きの表現。
先輩のことだから、ろくでもないことだと思うんだけど―
「あずにゃんも着てみようよ!そうすればきっとこの可愛さがわかると思うんだ!」
―ほら、予想通り。
先輩は私の返答なんて待とうともせず、素早くベッドから飛び上がると、箪笥に一閃。
一瞬後、どさっとベッドの上にTシャツの山が出来上がる。
「好きなの選んでね〜」
「…これ、全部そんなのなんですか?」
「うん!」
先輩はいい笑顔を返してくる。そのどこを探っても、拒否権なんてないよ!って書いてある。
こうなったら…もう着るしかない。というかこんなにいっぱい、一体どこで買って来てるんだろう。
「はやくはやくぅ…」
―何でそんなにワクワクしてるんですか。
ええと…「ミルクガール」…意味がわからない。「アイス」…唯先輩らしいけど、パス。「チャンピオン」…なんの?
やばい、あまりにカオス過ぎて選択基準が見出せない。なんでもいいや、とかすると、先輩そういうのには変に目ざといから、突っ込まれそうだし…
「先輩は、どうやって選んでるんですか?」
「選ぶ?」
「ええと、いろんな言葉が書いてあるじゃないですか」
「ん〜そうだなぁ…気分!」
「気分、ですか」
「そう、気分だよ、気分!」
―気分って言われちゃいましたよ。つまりフィーリング―ああ、もうとりあえず片っ端から見ていって、何かピンと来るのを―
「あ」
わさわさコットンの山をかき分けていた私の手がぴたりと止まる。
「決まった?」
すかさず向けられる、キラーンとした先輩の笑顔。
「え、えっと…」
決まった、というか気になった、というか。確かにピンと来るもの、今の気分―気持ちという意味ならこれはぴったり当てはまる。
ううん、今のって意味だけじゃなくて、それに気付いてから、おそらくはそれに気付く前もずっと胸に抱いていたもの。
だけど、この流れでこれを着てしまえば―つまりはそういう意味になってしまうということで。
「ん〜?」
逡巡する私に、先輩はにこっと笑う。優しくて柔らかな笑顔。裏表のない、真っ直ぐで―好意をそのまま差し出してくるような、そんな笑顔。
いつもそんなのを向けられてるから、私は気付けばそうなっていた。それを、期待してしまうようになっていた。
そんな想いを、胸に抱くようになっていた。
それを表に出せる為の勇気なんて、私にはきっと持ち得ないと思っていたけど―だって、そうして、それが受け入れられなかったら―私は。
―だけど、これはチャンスだ。読み取られて、受け入れられれば儲けもの。そうでなくても、その反応で今後の指針が立てられる。
ずるくて、後ろ向きな発想だけど…今の私にはそれが精一杯。
「じゃあ、これで…」
山からそのTシャツを抜き出す。ピンと広げ、形を整え、その胸にかかれた文字へと目を落とした。
「なんて書いてあるの?」
先輩はのそのそこちらに近付いてきて、それを覗き込もうとする。その距離に応じて、きゅうっと体が硬くなっていく。
実行って決めたのに、やはりそれが実際に形になろうとすると―怖い。
今なら、やっぱり違うのにしますって山に戻してしまえば―誤魔化せるけど―でも。
「アイラブユー?」
「は、はい」
先輩の声が、私の手にした文字を読み上げた。
どくどくと私の胸が高鳴る。賽は投げられた。もう後戻りは出来ない。
先輩は今どんな顔をしてるんだろう。視線が上げられない、上げてしまえば、それに出会ってしまうから。
でも、それを知るために、私はこれを手に取ったんだから―もう少し、頑張らないと。
頑張れ、自分。
きゅっと唇を噛んで、その感覚で奮い立たせるように、私は顔を上げた。
「あずにゃんは今、そんな気分なんだねぇ」
そこには、いつもどおりのふんわりした先輩の笑顔があった。
そう、本当にいつもどおりの―何らかのリアクションを読み取ることが出来ない―
―やっぱり、そうですよね。
かくんと頭が下がりそうになって、すんでのところでそれを押し留めた。
つまりこの反応は―脈無しってことなんだろう。
―でも、マイナスじゃ無かっただけ、よかったです。
例えれば「もっと頑張りましょう」の印をぺたりと押された感じ。
実際その通りだと思った。だって私は、まだ全然頑張れてない。今も、こんな消極的なアピールをとるのに、こんなに精一杯になって。
これで振り向いてもらおうと、気付いてもらおうと―振り出し付近からいきなりゴールにいっちゃおうなんて、そんな都合のいいことを期待して。
―もっと頑張らなきゃ駄目ですね。
「あずにゃ〜ん…」
「あ、はい?」
呼びかけに、意識を視界に戻すと、またゴロゴロモードになった唯先輩がベッドの上にいた。
「またゴロゴロですか…」
「ゴロゴロ、気持ちいいんだよぅ…ほら」
ふいっと、先輩の手がこちらに伸ばされる。私も一緒に、ということなんだろう。
いつもの自分なら―私はいいです、それよりそろそろしゃんとしてください―とでも返すところなんだけど。
「わかりました、お邪魔します」
今はそれに応えようと思う。もちろん、暫くしたら引っ張り上げて、きちんとした日曜を過ごしてもらおうとは思うけど。
少しくらいなら、一緒にゴロゴロ時間を過ごすのも、きっと先輩に近付く為に必要なことだと思うから。
―それに、さっきから我慢していたことでもありますし。
ぽすんとベッドに身を横たえると、予想通りきゅうっと唯先輩が抱きついてきた。
これじゃゴロゴロじゃなくてギュウッですよと突込みが浮かんだけど、いつものことだし、それに心地いいのは確かだから、敢えて口にしたりしない。
「先輩はあったかいですね」
代わりに、いつもは絶対に口にしない、そんなちょっぴり素直な感想を呟いてみたりした。
「えへへ、そうかなぁ」
ふんわりとした、少し嬉しそうな先輩の声が返ってくる。
そして、ぎゅうっといつもより少し強い力で、先輩が私を抱きしめて―押し付けられる先輩の全てに、頭がぼうっと溶かされていく。
そのまま、ふんわりとしたものに意識が溶け込んで行って―
―あれ?
不意に、何か違和感を感じた。ぎゅっと先輩に抱きしめられて、それはいつものことなんだけど。―何かが違う。
寝転んでるせいかな―いつもは立った状態でだし。脚まで絡められてるから、そんな風に思うのかも。
―それにしても、先輩の太腿、やわらかくてあったかくて、気持ちいいな。
「あれ?」
ふと視界の端っこに何かが映る。寝転ぶ私たちのすぐ横、ぽんと置かれた見覚えのあるもの。うん、見覚えがあって当たり前。
だってそれは―私が今まで着ていた筈のシャツで―
「えええ!?」
慌てて自分の上半身を確認する。とはいえ、ぎゅうっと覆いかぶさる先輩に体のほとんどは隠れているから、見えるのは少しだけだけど。
いつの間にか私が着てたのは、さっき手にしていた「アイラブユー」Tシャツ。
「えへへ、着せてあげたよ〜」
「な、な…?」
得意げに笑う唯先輩。つまり私はいつの間にか先輩にシャツを脱がされ、そしていつの間にかさっきのTシャツを着せられていた―
つまり、ええと、見られた―っていうか、本当にいつのまに!!??
真っ赤になればいいのか、驚けばいいのか―もう、私はどうすればいいんですか!
「ねえ、あずにゃん」
混乱する私に、唯先輩の声が降ってくる。気付けばちょこっとだけ腕を立てて、少しだけ距離が開いた先輩の顔が私を見下ろしている。
「そういうことで、いいんだよね?」
そういう先輩の笑顔は―瞳は、いつものふんわりしたものじゃなくて、確かな熱のようなものが篭ったもの。
それは、それを見せた瞬間私が返して欲しかった表情。つまりは、スタート直後の私を、一気にゴール寸前までワープさせてくれるすごろくのコマ。
それが不意に目の前に差し出されたものだから、私の思考は全然それに追いついてくれない。混乱は加速するばかり。
ただわかるのは、私の返事も待たずに近付いてくる先輩の顔だけ。だけどそれは、更に私の思考を溶かしてくれて―もうどうしようもなくなる。
―そこでふと、先輩のTシャツ、その胸の言葉が浮かんだ。今なら、その意味がわかる。だって私は、こうして狩られてしまったのだから。
出来ればそれは私限定にして欲しいけど。うん、今度上に「あずにゃん専用」と書いておかないといけない。
ひょっとしたら、最初からそのつもりだったのかな?なんてそんな疑問が浮かぶ。だとしたら鈍かったのは私ということになるけど。
―でももう、そんなことはどうでもいいです。
今の私は、そういう意味でちゃんと先輩に抱かれているから。そしてもうすぐ、そのゴールへとたどり着けそう。
それを待ちきれず、私はきゅっと先輩を抱き返した。その弾みで、もう少しかかるはずだったその距離が、一気にゼロになる。
先輩は少しびっくりしていたけど―最後まで先輩におんぶに抱っこで楽したままじゃ、なんか嫌だから。その距離くらいは、踏み出させて欲しいと思う。
その瞬間から、そんなことを考える余裕なんてなくなってしまったけど。
―次は「ハネムーン」ですね。ああ、「ウェディング」の方が先ですか。なかったら、買ってこなきゃですね。
そんなことを思いながら、私はぼうっと私を溶かそうとするその想いのまま、意識から―理性と名の付く何かからぱっと手を離した。
(終わり)
途中で分母が増えたのは配分ミスです、すみません…
>>606 超乙
唯が「チャレンジ」を着て、「おやつ」を着た梓が食われる話マダー?
素晴らしいね
>>606 GJ
梓は「ウェディング」の前に「アイラブユー」のTシャツの「ー」を「イ」に変えないとかないとな
「はい、剥けましたよ」
「ありがと〜」
コタツに脚を入れてぼけーっとしている唯先輩に、たった今剥いたばかりのみかんを手渡す。
すると、唯先輩はあ〜んなんて言って口を大きく開けた。
「……何ですか、それ」
「あずにゃん、食べさせて〜」
大体解ってたけど、口に出して言われるとやっぱりため息を吐いてしまう。
はぁ……。
「あずにゃんどうしたの?」
「いえ、別に……」
唯先輩はこういうことを当たり前のようにするから困る。
二人で喫茶店に行ったときも、ひとつのグラスにストローが2本刺さっている飲み物を頼んで、周りの人の注目を集めてしまった。
あの時は本当に恥ずかしくて、すぐに取り下げようと思ったけど、唯先輩の幸せそうな顔を見て何も言えなくなってしまった。
何だかんだいって、やっぱり先輩には甘いなぁ……。そのうち、あの顔を見るために何でも許してしまいそうで怖い。
いや、もしかしたらもう手遅れかもしれない。現に今だって、唯先輩のわがままを受け入れようとしているわけだし……。
駄目だと思っても、体は勝手に動いてしまう。
剥き終わったみかんを一房、人差し指と親指で挟み、それを唯先輩の口へと持っていく。
「はい、あ〜ん」
「あ〜ん」
ぱくり、と唯先輩の口がそれを銜えるのを確認して、新しくもう一房、同じように指で摘まんで持ってくる。
それを繰り返して、全部無くなったらまた新しいみかんを剥き始める。
この作業を何度か繰り返すと、指がだんだんと黄色くなってきた。
ちょうど、唯先輩もおなかが膨れた頃だろうし、手を洗うために立ち上がる。
「あずにゃん、どこ行くの?」
「ちょっと、手を洗いに」
そう言いながら、ずっとみかんの皮を剥き続けていた指をよく見えるように差し出す。
すると、唯先輩はあろうことかその指を自分の舌で舐め始めた。
「ぺろぺろ」
「ちょ、唯先輩!?」
もちろん、そんなことをされたらびっくりしてしまう。
思わず体を引きながら、唯先輩に尋ねる。
「何してるんですか」
「なにが?」
「どうして、私の指を舐めたりしたんですか?」
「どうしてって……あずにゃんの指がおいしそうだったからだよ?」
「どんな理由ですか……」
「だ、だって、洗い流しちゃったらみかんの味がなくなっちゃうもんっ」
「――はぁ?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまう。
「ど、どういうことですか?」
そして、おずおずとそう尋ねる。言ってることがよく解らない。
「んと、あずにゃんは今までその指でみかんを剥いてくれたよね?」
「そうです」
だからどうだというのだろうか。気になったけど、とりあえず唯先輩の言葉を待つ。
「ということは、その指にはみかんの味が染み付いてることになるよね?」
「まぁ……確かに」
この黄色いのはみかんの果汁とかそんなのだろうし。――って!
「ま、まさかこれがもったいないとか言うつもりなんですか!?」
「うん、そうだよ」
どうして私が驚いているのか解らないといった顔で、唯先輩は首を縦に振った。
「それじゃ、納得したよね?」
「え、えぇ……はぁ、まぁ……」
有無を言わさない口調だったから、特に考えもなしに頷いてしまった。
――それが、私の失敗。
「あずにゃんが納得したことだし、仕切りなおし〜っ」
「……って、え!?」
勢いよく飛びついてくる唯先輩を止めようと、両手を突き出したのが不味かった。
確かに唯先輩を止める事は出来たけど、その代償に私の手首をがっちりと掴まれて、またしてもさっきと同じように指を舐められてしまう。
唯先輩に舐められている指先が熱くなって、次第にその熱が体全体に回ってきた。
「や、止めてくださいよ……」
「え〜? おいしいのに〜」
「どこがですか……、ただ汚いだけでしょう」
「いやいや、あずにゃんの味がしておいしいよ?」
「――へ?」
唯先輩の思わぬ言葉に、一瞬、抵抗する力が無くなってしまった。その一瞬の隙を突いて、唯先輩は更にとんでもないことをした。
「あ〜ん」
ぱくっ、という擬音が聞こえたと同時に、指先にさっきとは比べ物にならないほどの熱を感じた。
見てみると、私の指が完全に唯先輩の口の内に入ってしまっている。
「ゆゆゆゆゆゆゆゆっ!!!!?」
驚きのあまり呂律が回らない。
唯先輩は私の声に小首を傾げてどうしたの、と一言。
「どうしたのじゃありませんよ! 何で私の指を口に銜えてるんですか!!!」
さっきから怒鳴ってばっかりだけど、これは仕方がないと思う。だって、いきなりこんなことをされたら誰だって驚くはずだし。
いや、だからといって別に嫌ってわけじゃないんだけど……、ね。
むしろ歓迎というか何というか……、タイミングさえ考えてくれれば私は……。
と、ここまで考えて、私は自分の考えに愕然とした。まさかこんなことまで受け入れようとしているのか、と。
視線の先には、相変わらずおいしそうに私の指をしゃぶっている唯先輩。
この状況、まるで私と先輩がイケナイことをしてるみたい……。そう思うと、自然に喉が鳴ってしまう。
――って、何考えてるんですか、私っ!
頭をぶんぶんと振って、イケナイ考えを外に逃がす。そして、やっぱり止めさせようと、口を開く。
「ちゅうぅぅぅ……れろ……」
「あぅ……ぁ……」
――だけど、唯先輩の口で指を吸われて、あまつさえそのまま指に舌が絡み付いてきたものだから、開いた口から思わず情けない声を出してしまう。
……先輩、さすがにこれは……危ないですよ……。
いつものスキンシップぐらいなら、まだ受け入れられる範囲だけど、こんな……指ちゅぱ、なんて……。
明らかにスキンシップの度合いを超えている。こんなことをされたら頭が沸騰しちゃうよ……。
「ちゅぱ……ぺろ……」
「うぅ……ぁ……」
――体が、熱い。指先がジンジンする。なんだか胸もドキドキしてきたし、どうしちゃったんだろ……。
体の異常に思考が追いつかない。本当は解ってるはずなのに……。
「あずにゃん、おいしい〜」
「な、何言って……」
体は熱いのに、頭はほわほわと浮いているみたい。言葉が脳を通さずに出てくる。
もうこのまま唯先輩のされるがままになってもいいんじゃないかという考えも出てきて――
だめっ!
すんでのところで理性を取り戻し、すぐに唯先輩の口から指を引き抜く。
そしてそのまま一気にまくし立てる。
「す、すみません! 私、ちょっとトイレに行ってきますっ」
「あっ、あずにゃ……」
後ろから唯先輩の声が聞こえたけど、それを振り払うようにして一気にトイレまで走る。
バタン、とドアを閉めて、ほっと一息吐く。
そして、さっきまで唯先輩が舐めていた指を、掲げてみる。
「……」
ゴクリ、と喉が鳴った。
「だ、大丈夫だよね……」
止めようと思ったのに、体が勝手に動いてしまった。
未だにジンジンと熱を帯びているその部分を、舌でぺろりと舐めてみる。
――なんだか、とっても甘い味がした。
Fin
最近他のCPのほうが多く書いてるな……
それに伴ってゆいあずの出来がどんどん下がってる気がする
お目汚し失礼した
それでは
>>613 GJ
ゆいあずシリーズの方も楽しみだけど、焦らずがんばってください
GJ!
こちらも頑張らねば!
617 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/30(日) 21:05:14 ID:IU6kxUDL
k-onvipで面白いの来てるな
茶5回くらい吹いたわ
多分アレのことかな…リアルタイムで見てたわw
ああいうユーモアいいなあ
>>621 いや、場所は解るんだけどどの作品のことなのかが解らないんだよ
レインコートか?
>>622 多分、梓が唯に何気に告白みたいなセリフがタイトルの作品じゃないだろうか?
>>623 昨日まとめたやつか
本編よりオマケの方が面白かったというね
流れワロスww
あずにゃんの方から唯をにゃんにゃんする話はまだかいのう
>>618 梓「唯先輩の馬鹿!大好き!!」みたいな感じの奴か?
勉強会編もクソワロタが、憂のキャラが一番ツボだった
ポーション高杉とかマジ誰だよwww
>>624 本編の唯梓はどことなく物足りなさを感じてしまいながらも、ふたりのやりとりのシーンの方が好きだったけど
ギャグとしてはおまけの方が面白かっただろうね。
Tシャツ小ネタ
先輩の家に初めて一人で遊びに行った。
―先輩は「アイラブユー」と胸に書かれたシャツを着ていた。
…うん、たまたまですよね。
また先輩の家に招待された。
―先輩は「うぉんちゅー」と胸に書かれたシャツを着ていた。
…先輩のことだから、きっと意味はないんですよね?
またまた先輩の家に呼ばれた。
―先輩は「マリーミー」と胸に書かれたシャツを着ていた。
…ちょ、話飛躍しすぎ…なんですけど。
またまたまた先輩の部屋に―
―先輩は「ウェディング!」とかかれたシャツをー
とんとん話が進んでいる…
部屋で、二人で―
―先輩は「ハネムーン」と書かれたシャツを―
うん、海外とかもいいですよね。
―先輩は「ファーストナイト」と書かれた―
ええ、わかってますよ先輩―…
あずにゃんが私の部屋に遊びに来た。
「私もです」って答えてくれた。
またあずにゃんが私の部屋に遊びに来た。
「…私もです」って答えてくれた。
またあずにゃんが私の部屋に来てくれた。
「いいですよ」って答えてくれた。
またまたあずにゃんと私の部屋で一緒にいる。
「そろそろ考えるべきですね」と答えてくれた。
また私の―二人の部屋であずにゃんと一緒。
―あずにゃんは海外派かぁ…
今夜は―えっと、これ以上はあずにゃんと二人だけの秘密だから、だめっ
なんか萌えた
-‐..::::  ̄ ̄ ::::::......、、
/:::::::::/::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ヽ、
r'´:/:::::::,イ:::::::::: |::jハ;:::::::::ヽ:::::::::::\
|::/::::::::/│::::::::::|::| |::::ヽ:: ',:::::|:::::::..',
!:l:::::::/ ̄|::::::::::// ̄|:::从:: |:::::|::::::::::rヘ
ノ:|::::/ ___レヘ:::::/ ___V ';::|:::::|::::::::::|:::::.i
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/:::::::::リ ヒソ ヒソ /::::::/::::::/:::::::::|
|:::::::: ′ /:::::::「`)イ::::::::::::|
|:::::::小、 ___, /::::::::::r'´ |:::::::::::::|
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l| V !:::::::::|rュr勹 フ::::/V |:::::::::::::|
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|::/ r')ヘ んr'´ノ´ ヽ ::::::::::::|
l;' / `⌒´ ( {、 |:::::::::::::|
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ }! |:::::::::::::|
あああずにゃんかわいいよあずにゃああああああああああああああんんんん
先輩、落ち着いてください。
っていうか、そんなにくっつかないで…もう、今日だけ特別ですよ?
>>634 合体展示だと・・・?
最近唯あずプッシュが凄い件
欲しいなぁ是非欲しい
「君を見てると〜いつもハートドキドキ♪」ギュッ
「ちょっ、いきなりなんですか!?」
そう、いきなりそんなこと言われたら、心の準備が…って何言ってるんだ私。
こんにちは、中野梓です。今日の部室はなんだかいつもとは違う雰囲気。皆さんテンションが低いような…?
斯く言う私も今度の日曜日に友達のねこを預かる約束をしてしまい、気が重い。そんな中―
「そうだ、日曜日、家で鍋しようよ!あずにゃん!」
私にひっついたままいつもと変わらないテンションで唯先輩は言う。
「私ちょっとその日は…家から出られそうにないんです。」
「ええ〜そんなぁ」
先輩方にも断られ、子供のように残念がる唯先輩。小学生か!なんて思っちゃうこともしばしば。そんなところが唯先輩の魅力なんだろうな。
私だって本当は、行きたいんですよ?
―日曜日―
「こんな時におかしなメールよこさないでくださいっ!」
あまりにも能天気な唯先輩からのメールに、思わず声を張り上げてしまう。でも、私は反射的に電話をしていた。
「…どんな時?」
「ねこです!友達から預かったこねこが…」
「どうしたの?」
「わからないんですけど、具合が悪そうで…でも、今家に誰もいなくて――私、どうしたらいいか…」
「わかった!あずにゃん落ち着いて、すぐ行くからね!」
いつもとは違う力強い声が、不安で押しつぶされそうな心に響く。
唯先輩……唯先輩、早く来て…
――ピンポーン
「ハァ、ハァ…あ、あずにゃん、来たよ!」
「うぅ…唯先輩、あずにゃん2号が、あずにゃん2号がぁ!」
「あ、あずにゃん2号!?」
「はい…グスッ…あずにゃん2号が…苦しそうで…私…ヒクッ…」
「大丈夫だよ、私も一緒にいるから、ね?」
そう言って私の手をキュッと握ってくれた。手の体温が伝わる。
外は寒いのにこんなに暖まるまで、息を切らせて走って来てくれたんだ、唯先輩…。
「すみません、お騒がせして…」
「ううん。よかったね、あずにゃん2号なんでもなくて」
「ねこが毛玉吐くなんて知らなかったもので…」
本当、お騒がせだ。わざわざ急いで来てもらったのに…。はぁ、迷惑かけちゃったな……。
溜息が何度も漏れる。すると――
「あーん♪」
「え…」
「ほい!あずにゃん」
そう言ってマシュマロを差し出す唯先輩。暖かい笑顔をこちらに向けて、気にするなよ、と言わんばかりに……
もぅ、どこのイケメンですか。
―パクッ
「やっぱりこのまま食べたほうがおいしいかもねっ」
「あたりまえ…でふよぉ…えぐっ…」
マシュマロを頬張りながら出たのは憎まれ口。それでも私は安堵の気持ちから思わず涙ぐんでしまった。
そんな私を唯先輩はそっと抱き締めてくれた。いつもよりさらに優しく、柔らかく。
「…あずにゃん、怖かったよね、不安だったよね。私も一緒にこねこの世話するから、もう大丈夫だよ?」
そう言って先輩は私の頭を撫でる。
これだから唯先輩は困る。だらしなくて、子供みたいで、なのにここぞって時は本当に頼りになる先輩。
困る。ここまでされたら、私の気持ちが抑えきれません。
「グスッ…唯先輩、今度は……私の面倒も見てくださいね?」
揺れる思いはマシュマロみたいにふわふわ―か。澪先輩、今ならこの歌詞の意味分かります。
「大好きです、唯先輩」
「……えへへ、私も」
私達はそっと唇を重ねた。
「ところであずにゃん」
「へ?」
「あずにゃん2号って名前…」
「そっそそれは、あ、あのですね、こ言葉のあやって言うかくぁwせdrftgyふじこ」
「かーわいい♪」
おしまい
素晴らしゅうございました
>>640 その妄想はした
脳内だとあやふやだったが、文章でみるとこれほどもえるとは・・・!
GJ
>>634をみてかっとなってやった、的な…
こんな時間に本気で何やってるんだろ…
「あずにゃーん、にゅーすにゅーす!」
音楽室に入るなり、そういいながら唯先輩が抱きついてきた。
いつもなら一応ワンテンポ置いてからなのに、いきなりこう来るということは何かいいことがあったという事ですか。
「そうだよ〜りっちゃん!」
「おう!ええとだな…この記事によると」
ああ、確かまた私たちのグッズが出るとか…まだ話しか聞いてませんけど。それに載ってたんですか。
「どうやら唯と梓が合体するらしいぞー」
「がったい!」
そうですか、唯先輩と合体ですか―
―え?
ちょままままままま、待ってください!な、なんていいました?
「…?いやだから、唯と梓が合体―」
―なななな、何考えてるんですかっ!破廉恥にも程があります!
大体けいおん!は全年齢対象のはずで―
「…いや、ヒートしてるとこ悪いんだが…」
ばさっと律先輩が、私のほうに雑誌を放ってくる。
だ、駄目ですよ!見ませんからね!そもそも私はまだ18歳以下ですし…でもそういうのに興味のあるお年頃でもあるんです。
―唯先輩と私の合体…ドキドキ。
「…って!そういう意味ですか!もう、勘違いさせないでくださいよ!」
「何で勝手に勘違いされて怒られなきゃいけないんだよ…」
「あ、す、すいません」
確かに律先輩は何も悪くない。私が勝手に―でも、あんなこと言われたら、私がそう勘違いしてしまうなんてわかりそうなものじゃないですか―
―って、それもない。というか冷静になったら、私なんて勘違いして―
「あーずにゃんっ」
「にゃあうっ!」
不意に私に抱きついていた先輩が、ぎゅっとその力を強めてくる。
―駄目、駄目です!今そんなことされたら―そっち方面に動いちゃった思考のまま、先輩に―
「えへへ〜あずにゃん、合体だよぉ」
「う…あぅ…」
こんなにもぎゅっとされたら―駄目、もう意識が―
「何か今日のあずにゃん、反応よくて可愛いよぅ…すりすり〜」
―それは、止めのつもり…ですか…きゅう…
「あれ。あずにゃん?あずにゃーん!」
唯先輩の少し慌てたような声と共に、私の意識はゆっくりと薄れて行った。
目を開けると、鼻先に唯先輩の顔があった。
「な…むぎゅ」
「駄目だよー保健室だから、静かにしなきゃ」
思わず大声を上げようとして、むぎゅっと胸を顔に押し付けられて妨げられた。
おそらくはベッドに寝転ぶ私をぎゅーと先輩が抱きしめている形。
―いったいどうしてこんな状況に…?。
「急に気を失ったから、保健室まで運んできたんだよ」
「ああ…そういえば。先輩が運んできてくれたんですか?すみません、お手数おかけして」
「いいよ〜そんなの。それより、目が覚めてよかったよぉ。ずっと目を覚まさなかったから、心配したんだよ?」
「あ…すみません」
ちらりと時計に目を走らせると、私が気を失った時間から既に一時間以上は経過しているようだった。
―ひょっとして、唯先輩はずっと私に着いてくれていたんですか?
「うん〜」
「ありがとうございます…」
―ときに、いつになったら放してもらえるんですか?
こうして会話しながらも、唯先輩はずっと私を抱きしめたままだった。声を出せるくらいの隙間は空けてもらってるけど。
「?何で放すの?」
―へ?
どうしてそこで疑問で返されないといけないんだろう。そういえば、さっきの先輩の返答、この状況については説明してない。
―ええと、看てくれていたことは嬉しいんですけど…どうして抱きついているんですか?
抱きつくというか、仰向けに寝転んでいる私の上に先輩がいるから―つまり押し倒されているような。
「だってあずにゃん、さっき言ってたよね?」
―え?何を…?
そういった瞬間、とあるフレーズが頭に蘇ってきた。いやでも、だってあれは―まさか唯先輩が、そんな―
「私と合体、したいんだよね?」
―嘘、先輩、本気…?だって唯先輩はさっき、その意味を知らない素振りで―
だけど唯先輩の眼差しは真剣。真っ直ぐと私を見つめている。そこから読み取れるのは―それしかない。
ドキドキと心臓が鼓動を早める。だって、こんないきなり―こうなるなんて思わない。
「ここなら大丈夫だよ…今誰もいないし。保険の先生も、あと一時間は戻ってこないんだって」
外堀も、ちゃっかり固められてる。元々私の腕も脚も先輩にがっちりはさみ困れてて…逃げようがない。
―ううん、そもそも私、逃げようなんて…思ってない?
そう、そもそも最初に勘違いしたのは私の方だし―つまりは、私も先輩と―…
「大丈夫だよ、あずにゃん。何も言わなくても…私のせいにしちゃっていいから」
―駄目です、その優しさは…ずるいです。そう言われると―
「…したいです。先輩と…合体」
―こう言わざるを、得ないじゃないですか。
先輩は、にこりと笑う。予想通りって笑顔。先輩は何も知らない顔をして、こういうところはすごく策士だと思う。
「じゃあ、するよ?」
私をぎゅっとしていた腕を解いて、先輩の手が私の頬に触れる。ふんわり暖かいはずのそれが、今はとても熱い。
ああ、いよいよなんだ。私はきゅっと目を閉じて、その瞬間を待つ。瞼の向こう、先輩の気配が少しずつ近付いてくる。
そして、そうっと私の唇に触れた。
それはまだ少し強張っていた私の緊張をあっさり解いて―
これから始まる時間を一瞬でも逃さぬようにと、体中の細胞が開いていくような感覚がゆっくりと、だけど確実に私を包み込んで行った。
「はい、おしまい!」
―へ?
「どうだった、あずにゃん〜」
あっけらかんと笑う先輩は、あっという間にいつもの先輩になってた。
いや、いつものでも可愛くてかっこいいんですけど―いやいや、それは置いておいて。
―今、なんていいました?
「へ?どうだったって」
―その前です。
「おしまい?」
―ええ、それです。
「おしまいはおしまいだよ〜ちゃんと合体したし。ちゅって」
―ん?
ちゅって…って。ひょっとして、先輩が言う合体って…キスのこと?
「あ、あずにゃん?ど、どうしたの?」
―ええ、どうもしてませんよ。ただこの溢れる憤りをどう発散したものかと。
「え、ええと…そ、それじゃ私そろそろ帰るねっ?」
ひょいっと逃げようとする先輩を、がしっと捕まえる。
「ひゃうっ」
―ええ、確か後一時間は保険の先生帰ってこないんですよね?
「ひゃう…そうだけどぉ…」
―オッケーです。それだけあれば十分です。
折角の機会ですし―た〜っぷり教え込んであげます!
―あ、こっから先はカメラ立ち入り禁止ですから。悪く思わないでくださいね?
(終わり)
分数がおかしい…2/3と3/3です…寝惚けてますね
>>640 やばい、これはかわいすぎ!
いいなあ…
>>608からインスピレーションを得て。
何か最近こんなネタばっかりだけど…
…アイスゆいあず
「うい〜アイス〜」
唯先輩の部屋の方から、間延びした声が聞こえてくる。
ようやく起きたんだ、と談笑していた私と憂は顔を見合わせる。
「はーい、ちょっと待って〜」
憂は、そっちに顔を向けて返事をすると、しょうがないなあという笑みを浮べて見せた。
「憂も大変だね」
「そうでもないよ、アイス持って行ったときのお姉ちゃんの顔、ホントに可愛いんだから」
あー、それはそうかも、と浮かんできた唯先輩スマイルビジョンに私は納得する。
「…梓ちゃんも、随分お姉ちゃんに素直になってきたね」
そんな私の様子を見て、憂がくすっと笑った。
「な、ちがっ!別に今のは、唯先輩のことを可愛いと思ったわけじゃなくて―なくて、ええと…」
「はいはい」
憂は私の抗議を笑い流すと、席を立って台所へと向かって行った。
「もう…」
抗議する相手もいなくなり、私はせめてもと溜息をついてその代わりにしてみる。
確かに―ちょっとは可愛いかなーと思わなかったわけじゃないけど―でも別にそんなあっさり読み取られるほど露骨には思っていなかったはず。
でも、私がそう思ってただけで別にそうでも無かったのかな。
「あーもう、いいけど、別に」
大きく伸びをして、思考を振り払う。振り払ったところで、どうせ消えてくれないんだけど。
それより、話し相手がいなくなったせいで、何となく暇になってしまった。
さすがに台所まで着いて行くのは失礼だし、暇つぶしにと勝手に部屋を漁るのはもっと失礼だし。
そういえば憂のことだし、アイスを持っていったら、なんだかんだで暫く向こうにいついちゃいそう。
ううん、というより唯先輩が起きてきたからには、三人ってことになるだろうし。
先に唯先輩の部屋に行っておこうかな。今日はまだ全然話せてないから―
―確かに憂と遊びに来たって名目だったけど、まさか寝てるとは思わなかったから―なんか物足りない。
―いや、別に禁断症状とかじゃないですよ。
聞こえもしない突っ込みにそう返して、私は溜息をつく。ひょっとしたら本当にそうなのかもしれない。このなんともいえない感覚は、そういってしまえばあっさり説明が付く。
「そうしよう…」
席を立ち、憂の部屋を後にする。勝手知ったる他人の家、唯先輩の部屋は確かこっちだ。時間的に、憂ももう着いている頃だろうから、向こうで合流しよう。
「うーん」
そんなとき、不意に憂の声が聞こえた。発生源は台所の方。おかしいな、まだそんなところにいるなんて。
「どうしたの、憂?」
ひょいっと首だけ突っ込んで、尋ねる。見ると憂は冷蔵庫の前、お盆にグラスを載せたままうーんと唸っていた。
「うん…アイス切らしちゃってたの忘れてて…どうしようかなって」
「そうなんだ…」
冷凍庫の前で思案気な顔の憂。うんうん悩んでる。だって、アイスがないと知ったときの唯先輩は、それこそ悲しそうな顔をするに違いない。
それを目にするのは、唯先輩スキーな憂にはとても辛いことだろうから。
―私も、それはちょっと嫌かも。
出来れば先輩には笑っていてほしいし―って、だんだん思考が憂に侵されているなあ…
「あ!」
不意に声を上げる憂。なんだろう、何かいい案でも浮かんだのかな。
そう思って憂に目を向けた瞬間、びしゃりと何かが私の服を濡らした。
―え?なにこれ…水?
「ご、ごめん梓ちゃん!つまずいちゃって!」
謝られて、何ごとかと思ったら、どうやら憂が手にしてたお盆のコップが倒れて、その中身私に向かってきたと言うことらしい。
お茶とかだとまずかったかもだけど、どうやらただの水だし、少し冷たいけれど、これくらいなら問題ない。
「いいよ、気にしないで―」
「本当にごめん!すぐ洗うから…これに着替えて?」
そういうと憂はてきぱきと向こうからシャツを持ってきて、私に手渡す。
さすがにそこまではと思ったものの、そのてきぱきに押され、私は言われるままシャツを脱ぐと憂に渡した。
憂は何度も私にごめんね、といいながら洗濯機の方に去っていく。
―あんなに謝らなくてもいいのに。でも、憂があんな失敗するなんて珍しいな。少しだけ、貴重な体験だったのかも。
とりあえず、上半身下着姿のままじゃあれだし、と私は憂に渡されたシャツに袖を通した。
ん…これ、憂のじゃない。唯先輩のシャツだ。何か、唯先輩の匂いがする―
―って何で匂いで判別付けてるのかな、私!
「はあ…とりあえず唯先輩のところに行こ…アイスがないことも伝えないとだし」
一人で考えていると、なんか変な方向に思考が進んでいきそうだし。
私はてくてくと唯先輩の部屋に向かった。
とんとんとドアをノックすると、「アイス〜」と声が返ってきた。それは挨拶か何かのつもりなんですか。
ドアを開けると、ベッドの上でゴロゴロしている唯先輩が出迎えてくれた。
相変わらずだ。本当にこの人は。でも、なんか今、ほっとした。
「あ〜あずにゃん〜」
私の姿を認めて、むくりとベッドの上で上体を起こす唯先輩。
「来てたんだ〜おはよう!」
「おはようございます…もう昼ですけどね」
にっこりとした笑顔をむけてくる唯先輩。
寝起きのせいか、ふら〜と今にもまた倒れこみそうに揺れている唯先輩。
「…かわいい…」
「え?」
「な、なんでもないです!」
もう、口に出てたよ。やばい、すっかり憂が移ってる、これ。
何とか気を取り直さないと―そうそう、そうだ。アイスがないこと伝えないといけなかったんだ。
それで何とか話題を広げて、体勢を立て直そう。
「あーえっと、そうでした。アイス切れていて、もうないそうです」
「えーーー!!」
そう伝えると、全く予想通りのレスポンスが帰ってきた。まるで世界の終わりを迎えたかのような、愕然とした表情の唯先輩。
ああ、憂だと真っ先にごめんねお姉ちゃんと泣きついちゃいそうな様子だ。
私は―アイスくらいでなんですか、という常識的な思考のおかげで、まだ耐えることが出来てるけど。
「うぅ…アイスぅ…」
唯先輩はパタリとベッドに倒れこむ。大げさだと思わなくもないけど、唯先輩の場合、これが本気だから。
「はい、元気出してください、先輩」
「うぅ、あずにゃん…」
ベッドにうずくまる唯先輩の隣に腰を下ろし、よしよしと頭を撫でてあげる。唯先輩はひょこりと顔を上げ、のそのそこちらに近付くと、ぺたりと私の膝の上におさまった。
大体、想定の範囲内の行動。だから驚いたりはしない。なんか、私もなれてきたな、って思う。
そのままよしよしは継続。やがて、先輩はゴロゴロ私の膝の上で喉を鳴らし始めた。
「機嫌直りましたか?」
「…うん〜ありがとう、あずにゃん」
のそりと小さく首だけ上げて答える唯先輩。その表情には、随分と安らかさが戻ってきていて、私はほっとする。
そのまま、いつもの唯先輩に戻るれるように、再びその頭を撫でようと手を伸ばして―
ふと、その様子がおかしいことに気がついた。先輩は少し首を上げた姿勢のまま、ぴたりとその動きを止めている。
私の予想だと、またふにゃりと私の膝の上に崩れると思ったのに。
「見つけたぁ…」
あれ?と口にしようとした私の耳には、そんな先輩の声。見つけたって、何を?にこーっと笑顔になった先輩の視線は、真っ直ぐ私の胸元へ向かっている。
「アイスぅ…」
アイス?それでなんで私の方を見て…?
そこで私は初めてその文字に気が付いた。私の胸元、正確には私の着ているシャツに書いてある「アイス」の文字に。
―ええ、確かにアイスって書いてありますけど―書いてあるからって別に私がアイスを持ってるって…わわわっ!?
「アイス〜!」
突然、先輩はガバっと身を起こすと、がしっと私に抱きついてきた。不意を突かれた私は、その勢いのままもつれ合うようにベッドに倒れこんでしまう。
違う、勢いなんかじゃなくて、これは。偶然なんかじゃなくて、唯先輩は確かな意思を持って―私を押し倒した?
―何か、やばい気が。そう、早くここから抜け出さないと―とんでもないことになってしまいそうな。
抜け出そうと、ずりずりと唯先輩の下で動く。だけど、そんな私の動きに合わせて、唯先輩は巧みに重心を変え、逃がしてくれない。
仮定が、確定に変わっていく。やはり唯先輩は確信犯的に私を押し倒していて―でもだとしたら、何のために?
疑問が浮んで、だけどそれはじわじわと薄れていく。思考に白い靄のようなものがかかっていくように、ゆっくりとでも確実に溶かされていく。
だって、仕方がない。こんな風に先輩に抱きつかれて、それもベッドと先輩の間に挟まれて、体中を隙間泣く先輩のぬくもりに包まれて、こんな状態で―
―私が正気を保てるわけないじゃないですか…
正直、この瞬間昏倒してないだけでも奇跡に近い。でも、それも時間の問題―だってもう、何も考えずこのままこうして身を委ねていたいなんて思ってしまってるから。
そう、それも悪くな―
「はんむっ」
「ひゃあっ!?」
ゾクゾクと全身の神経を走り抜けた刺激に、私は思わず声を上げた。
自分のあげた声の滑稽さが気になったけど、それを悔やんでいる余裕なんてなかった。
だって、それはいまだ絶賛継続中。発生源は―ええと首筋で…丁度唯先輩がはむっと甘噛みのようなことをしてるところで―
「―ってぇ!何してるんですか、唯先輩!」
「え?なにって―」
ひょいっと顔を上げて、答えてくる唯先輩。その感覚から開放されて、一瞬ほっとしたのも束の間。
「…!?」
まるで神経を直接なで上げられたような感触に、声にならない声が上がる。ばちばちっと頭の中でスパークが走り、びくびくと体が震える。
「ニャ、にゃに…を…っ」
それでも何とか意識を繋いで、おそらくはその犯人に目を向けると、唯先輩は満面の笑みでぺろりと舌なめずりをして見せた。
発祥は鎖骨のちょっと上辺りから耳の付け根辺りまで。今はひんやりとした感覚が走るそこ。
―気化熱、ということはそこに水分が乗せられているということで、現状それに該当するのは一つしかない。
眼に出来なかったその光景が、何故か頭の中で鮮明に再生され、ぼっと私の頬を熱くする。
「アイスを舐めてるだけだよ〜♪」
「へ?」
―ひょっとしてまさか、アイスってかかれたシャツを着てるから―ってこと?
「いやいやいやいや、違います、違いますから!ただシャツにアイスって書いてあるだけで、私はアイスじゃないです!」
「うそだぁ〜」
「んにゃっ!?」
私の正当な抗議をあっさり否定してくれた先輩は、またぺろぺろと私を舐め始める。
「ま、まって…ふにゃ…ぁ」
私の抗議なんて何処ふく風と、
まるで猫みたいにぺろぺろと、私に先輩の跡を残していく。
ひんやりと冷まされるはずのそこは、何故か焼け付くように熱くなって、それはどんどんと増えて行き、私と言うものを溶かしていこうとする。
「だって、こんなにおいしいんだもん。これがアイスじゃないはずないよ〜」
先輩の声。それを耳にした私は―もう溶解寸前で、まともに反応を返すことも出来ない。
美味しそうに―本当にそうなんじゃないかって勘違いしてしまいそうなそんな仕草で、唯先輩は舌を動かし続けてるから。
先輩にそんなにされて、いまだ限界が来てないって方がおかしいくらいだ。むしろ、とっくに限界なんて過ぎているはずなのに。
「…ねえ?」
私を繋ぎとめてるのは、私の目をじっと見つめ続ける先輩の眼差し。
こんなふざけた悪戯じみた行為をしているのに、先輩の目はびっくりするほど真っ直ぐで、そして―熱い。
それは私を溶かすものではあるけど、また同時に強くひきつけるもので―私はそこから逃げられないまま、とろとろに溶かされていく。
しっかりと掴まえられ、絡め取られたまま、とろとろに―本当にもう、どうしようもないくらいに。
「…食べちゃってもいいよね?」
先輩が確認してくる。どうせ、いやって言ってもやめる気なんてないくせに―私がいやなんていえないことを知ってるくせに。
「…いいですよ、私は先輩のアイスですから」
折角だから、それを言い訳にしてみよう。
―そんな理由がなくても、私はきっと食べられていたけど。
「ふふっ、それじゃいただくね…―あずにゃん」
そんなの全てお見通しだよって先輩は笑って―だから私は細かいことは全部置いておいて、ふいっと体の力を抜いた。
>>654 GJ!
最近仕事が増えてきて嬉しい限り
早速まとめるおっおっ
―少女は、すっと扉から身を離す。
それまでの振る舞いとは打って変わった無造作なもの。
何故なら彼女は知っているから。多少気配を振りまこうとも―もう扉の向こうの二人にそれが気づかれることはないということを。
「―計画通り、かな」
少女は小さく笑い、扉に背を向けてトンと足を踏み出すと、一度だけ肩越しに振り返った。
「それじゃ、今のうちにアイス買いに行ってくるね」
尤も、もう要らないかもしれないけど―だって、それを欲しがっていた人物はそれよりももっと甘いモノを口にしているだろうから。
ううん、でもきっと二人ともすごく熱くなってるだろから―冷たいものは必要だろうと考え直す。
くすくすと笑う。本当に嬉しそうに、くすくすと。
親友の姉への想い、姉の親友の想い、どちらにも気付いていた少女にとって、それを叶えることは喜び以外の何者でも無かったから。
そしてまた、二人が仲睦まじくなることは、少女にとってとても都合のいいことだったから。
「…これで梓ちゃんとも姉妹になれる日も近いかな」
いつか表札に、平沢の苗字の跡に三人の名前を並べられるように―それが少女の夢だったから。
(終わり)
最後無くてもいいかと迷ったけど、一応…
なんとなく唯梓憂的な何かを入れたかったという。
そしてイーモバ規制解除万歳
これで出先でも書き込めます
>>656 今度こそ乙
早とちりしてすみませんでした
憂唯梓スキーなんでもっとやr……やってください
>>656 GJおつ〜
アイスのくだりだけでニヤニヤしてたのに
最後の憂の一言でニヤニヤがさらに加速しました
3人のイチャイチャはどんな感じになるのかな〜…とこれはスレ違いでしたね、失礼
ある日の放課後。
ついついクラスの子とのお話が長くなってしまって、気が付いたらもうとっくに練習が始まってる時間だった。
……どうして楽しいときは時間が経つのが早いんだろう? もっと遅くしてほしいのに、神様のばか!
少しおどおどしながら音楽室の扉を開ける。多分真っ先に飛んでくるのはあずにゃんの怒った声かなぁ。
「遅れてごめんね〜」
「ゆいせんぱ〜いっ」
「わぁっ!?」
――と思っていたのに、飛び込んできたのはあずにゃん本体だった。これには私もびっくりして、思わず数歩後退りをしてしまう。
いや、あずにゃんに触れるのが嫌だからじゃないよ? むしろ大歓迎だし……ほんとだってば!
「むぅ……」
あずにゃんは、私が後ろに下がったのを見て少し不満そう。嫌がってるように思ったのかな? そんなことないのに……。
もし本当に誤解されてたらあずにゃんに嫌われちゃうかもしれない。それは絶対やだ!
「あの、違うんだよ? あずにゃ――」
「唯先輩捕獲〜っ」
「ひゃぁっ!」
だから、あずにゃんの誤解を解こうと思って口を開いたんだけど、急にあずにゃんが私に抱きついてきたから驚いちゃった。
不意を突かれたっていうのもそうだけど、まさかあずにゃんの方から私に抱きついてくるなんて思わなかったからね〜。
もちろん嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいや……。部室の中ならまだしも、ここは廊下の真ん中だから他の人の視線が気になっちゃう。
なんだか生暖かい目で私たちを祝福してる人や、きゃーきゃー言いながら写真を撮ってる人もいる。見世物じゃないんだよっ?
そんな私の気持ちを知ってか知らずか――多分知らないだろうけど、あずにゃんは更に頬擦り攻撃まで始めてきた。
「唯先輩のほっぺたすりすり〜」
「ふにゃぁ……」
あまりの気持ちよさに、猫みたいな鳴き声を出しちゃった。もしかしたら、あずにゃんより私のほうが猫っぽいのかなぁ。
いや、そんなことはないよね。あずにゃんにすりすりされたら誰だってこうなるもん。されてみれば解るよ。
でも、あずにゃんが他の人にすりすりするのはやだな……、もう私が猫ってことでいいや。あずにゃんは私だけのものだもんっ。
私が抵抗しないからって調子に乗って、あずにゃんの攻撃がまたまた強くなってきた。今度は私のほっぺをぺろぺろと舐めてくる。
「唯先輩の味だ〜」
「味なんてしないと思う、よ?」
あるとしても汗の味ぐらいだろうし、しょっぱいだけじゃないのかな? というか汗を舐められるのは結構嫌だなぁ。
最近手入れをあんまりしてないし、臭かったりしてあずにゃんに幻滅されたらどうしよう……。
「あ、あずにゃん……そろそろ止めてくれないかなぁ?」
「ろうしてれすか? ぺろぺろ」
「いや、その……、臭ったりしたら嫌だし……」
言おうかどうか迷ったけど、思い切って言ってみる。というか、ぺろぺろしながら喋るって凄いね、あずにゃん。
あずにゃんは私の言葉に一瞬だけきょとんとして舐める口を止めたけど、しばらくしてからまたぺろぺろを再開した――えっ。
「ちょちょちょちょっと、あずにゃん!?」
「何ですか?」
「どうしてまたぺろぺろするの?」
「おいしいからに決まってるじゃないですか」
「そういうことじゃ……、おいしいの?」
「はい、なんだか甘い味がしてとってもおいしいですよ」
「そ、そうなんだ……」
な、なら大丈夫かな? もしかしたらあずにゃんが私を傷付けないように言ってくれただけかもしれないけど、どうでもいいや。
だって、本当においしそうに舐めてるんだもん。これならホイップクリームとか毎日塗っておいたほうがよかったかなぁ。
「女体盛りですか!?」
「へ?」
まさか聞こえてるとは思わなかったから、変な声を上げてしまった。そこ、いつものことでしょなんて言わないで、傷付いちゃうよっ!
「女体盛りって何?」
とりあえずそこだけは訊いてみる。何のことなのかな?
「唯先輩、知らないんですか?」
「うん」
名前の響き的になんとなく食べ物っぽい感じがするんだけど……。
「食べ物、正解ですよ」
「正解ですか!」
ぱんぱかぱーん。賞金一千万円獲得っ。
……うん、違うね。
「まぁ食べるのは表面だけなんですけどね」
「表面?」
どういうことだろ? お魚の皮だけ食べるみたいな感じ?
「ちょっと違いますね」
「そっか〜」
残念賞は貰えるのかな?
「説明するには実際にやってみるのが手っ取り早いんですけど……、どうします?」
「もちろんやるよ! このままだと気になって夜も眠れなくなっちゃうもん」
「それじゃ今夜、私がみっちり教えてあげますよ」
「うん、よろしくね!」
――その後、文字通り私があずにゃんに飼い馴らされてしまったのはここだけの秘密、だよ?
Fin
本当は風邪を治してから書くつもりでしたが
>>656に触発されて勢いで書いてしまいました
>>625を意識しましたが全然違う話に
お目汚し失礼した
それでは
おいおい何だこのSSラッシュもっとやれよ
GJ!
あずにゃんいつになくはっちゃけてていいw
最近のSSラッシュでにやにやが止まらない
どのSSも素晴らしすぎる…GJ!
>>660 ゆっくりと休んで早く風邪を治るといいね
ふむ…唯と梓が結婚したら梓と憂は姉妹か……
「梓お姉ちゃん♪」
「憂♪」
とか二人でイチャイチャ→当然唯嫉妬。
「あずにゃんは私のものだよ!!」
@憂「私だって梓お姉ちゃんが欲しい!!」
結果、唯憂に食べられる梓
A梓「三人で仲良くしましょう!!」
結果、そのまま三人でくんずほぐれつキャッキャニャンニャンウフウフ。
B憂、梓「何言ってるの(ですか)」
唯「ほえ??」
憂、梓「唯お姉ちゃん(先輩)は私のもの!!」
結果、憂と梓に食われる唯。
スレチぽいけどこうですか、判りまs(ry
3を希望します
>>664 なんとなく
4.お風呂で唯梓に食べられる憂
なんてのもありそうで困る、カラダの育ち的な意味で
…スレチか
>>664 1と2を想像したら、唯に変装した状態の憂でしか浮かばなかった
>>659 GJです!
こういう梓、いいなあ…
そして、風邪お大事にです。
唯梓憂でギタートリオという妄想をしたことが。
音感の唯!
技術の梓!
リズム感の憂!
HTTの活動の傍ら、たまに登場する的な感じで
でも憂は参加するならマネージメントとかに集中しそうだなあ…
そういえば、バンドしようぜ!買ってきたんですが
Cagayake5人Ver.ちゃんとあずにゃん名前呼ばれてた!
「アズニャン!」かとおもったら、「あずさぁっ!」って感じでちょっとびっくり。
演奏後また「あずにゃん」呼称に戻った唯に、もう一度「梓」って呼んでくださいと
おねだりする梓まで妄想。
それじゃ私のことも唯って呼んでよ、もう先輩じゃないんだし、と唯に言われて
真っ赤になりつつ「ゆ、ゆゆゆi…や、やっぱり無理です、唯先輩!」
なんていう梓まで妄想が発展。
>>669 キミの妄想は確か保管庫の「呼び方」とかって作品になって現実に。
梓も加わった5人Verか…
初期の4人Verの時の曲を聴いて「あの曲も唯先輩と一緒に演奏したかった…」とか上目遣いでねだる梓を妄想してみた。
>>669 ありがとう、見てくる!
そして名前間違えてた…「バンドやろーよ!!」でした
先入観って恐ろしい…
今更なんだがSSのオチがこれからHしますねーばっかりってどういうこった
>>671 別にそればっかりじゃないってか俺は健全な方が多く書いてるぜ
昨日はあずにゃんをはっちゃけさせすぎただけだ
673 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/02(水) 15:22:27 ID:5VqUNV8X
最近SSスレでは憂梓、同人誌では澪梓ばかりで毎日胸が締めつけられるような気持ちになるから、このスレのSSでは凄く癒される
澪とかが相手だとどうしても違和感を感じる・・・
俺の頭が唯梓一色だからか?
一応報告・・・
ゆいあずシリーズss書いてたものですけど
ブログ開設したんで、これからはそっちに上げてこうかと
>675
なんてググったらいい?
2chにアドレス晒して大丈夫か?
>>678 そこまで考えてなかった・・・orz
だいじょぶだと信じよう・・・
>>677 更新たのしみにしてる
まあさっさとスレ消化して落とすしかないなw
blogと同じ内容でもいいからこっちにも書いて欲すぃ・・・
>>677 とりあえずGJ
まあここには荒らしとかはきそうじゃないから大丈夫かと
>>673 まぁ、表紙は澪と梓だけど中身は唯梓の本もあったけどな。
「ふわふわ☆アンサンブル」とか「K-an!けいおん!」がそんな感じ
>>675 楽しみにしてます。
ぺろ
>>685 確かにブログ名見ただけでニヤニヤできるな
最近日常でもたい焼きとかアイスとか聞くと唯梓が浮かんでしまう
ゆいあず、たいやきネタ
「あっずにゃーん、たいやき食べなーい?」
部室に二番目に入ってきた唯先輩は、突然に、しかも笑顔でそんな事を言うのであった。
「た、たいやき、ですか?」
そして、部室に一番乗りで入った私は、部活なのだから練習!と言おうと思ったのに、『たいやき』という言葉に乗せられて、つい食欲を優先させてしまった。
「そー。今朝買ってきてね〜、カバンにずっと入れてたの。でも、まだあったかいし、きっとおいしいよ〜」
いやいや、何朝っぱらから買ってきてんですか。てゆうか、よくお店開いてましたね。てゆうか、まだあったかいって、もう6時間以上は経ってるでしょう?てゆうか……。
「そんなこといいじゃ〜ん。ほら」
唯先輩はいつの間にか片手にたいやきを装備していて、それを私の口元まで寄せてくる。
美味しそうなたいやきが、じっとこちらを見ている……、気がする。それこそ、食べて食べてー、と。
いや、違う。そんなことはない。大体他の先輩方もまだ来てないし、なのに私が、後輩の私だけが先に放課後ティータイムなんて……。
「いらないの?あずにゃん」
たいやきが一瞬遠ざかる。
「いります!!」
ああ、私は今一体どんな顔をしてるんだろう、こんなこと大声で言っちゃって。多分、顔には『たいやきー!!』なんて書いてるかも。あうう。
「ん〜、じゃあ、はいっ」
パクッ
口がたいやきの頭で占領される。
そのまま歯で挟むと同時に、餡子のどっしりとした重量感が伝わって、和風独特の味が、私の口一杯に広がる。
何が言いたいかっていうと、おいしい。
「ふふふ、ここのたいやきは、私のおすすめだからね。帰りに場所教えてあげるよ」
ぜひに、と言葉で言う代わりに首を縦にブンブン振る。そのままたいやき(一部)を、ゴクンと胃の中に招いてあげる。
もう一口……、と言いたいが、私の食べかけたいやきは現在唯先輩の手の中。
「あ、あの〜先輩……」
「んぅ?なに?」
「も、もう一口……」
出来ることなら、たいやきを私の手元に置いて堪能したい。でも、唯先輩が頭をなくしたたいやきを手に持っている。これでは、私の願いは叶わない。
「い〜よ、はいっ」
っと向けられたのは、先ほどのたいやき。
どうやら先輩は、どうしても私に「あ〜ん」をやりたいらしい。
けど私は、できるだけならそんな子供っぽい、しかも恥ずかしいことなんてやりたくない。第一、なんか、恋人同士みたいで……いや、なんでもないです。
「なぁに、あずにゃん。顔真っ赤だけど」
「え!?あ、いえ、別に。て、ゆうか、たいやきぐらい、自分で食べさせてくださいよ」
「だぁめ!!このたいやきは、私が買ってきたの!だから、私があずにゃんに『あ〜ん』ってさせなきゃだめなの!てゆうかしたいの!!」
えええ何ですかその等価交換。割に合いませんよ。いや、でもこのたいやきは唯先輩のお金で買ったんだし……、理には適ってる、かも?
「だから、あ〜ん」
二度目のたいやき。
……ううう仕方ない。他の人なら恥ずかしいけど、唯先輩相手ならいいか……。
「あ〜ん」
パクッ
「えへへ、おいしい?」
「おいしいですよ。てゆうか、さっきも言ったでしょう?」
「うふふ〜、たいやき食べてるあずにゃんかわいいな〜。はい、あ〜ん」
「あ〜ん」
………………。
結局、私たちは、私の分のたいやきが、私の胃の中に全て収まるまで「あ〜ん」をし、その度に「おいしい?」「おいしいです」を繰り返していたのです。
最後らへんになると、恥ずかしいのも、どこかへ行っちゃう感じです。不思議ですねぇ。
「およ。あずにゃん、口元に餡子付いてるよ〜」
「ふぇ!?ど、どこですか?ここ?」
ゴシゴシ
「違うよ〜、こっち」
ペロッ
…………ペロッ?
「はい、とれた〜」
目の前に広がるのは、唯先輩のいつも通りの……、それこそ、今日この部室に入ったときと変わらぬ、笑顔。
――――つまり、あれですか?
私の口元に付いてた餡子を、唯先輩が、唯先輩の舌で、取っちゃったってことですか?ですね?
「うんうん、たいやきもいいもんだね〜」
「――――っ!!!!!!」
その瞬間、急激に私の毛細血管という血管が、顔全体を集中的に巡っていき、目の前が霞んで、ショートして、頭がくらくらして……。
……そのまま体を支えきれず、後方に倒れてゆきました。
ちなみに。
気絶した私が、目を覚ました数分後に、唯先輩はこんなことを言うのです。
「なんか、みんなが『あんまイチャイチャするな』って言うんだよね〜。イチャイチャなんて私たち、いつしたっけ?」
ははは、何言ってるんですか唯先輩。「あ〜ん」と「ペロッ」は、明らかにイチャイチャですよ。
……「あちゃー」という律先輩の声と共に、私はもう一度眠りにつきました。
余談ですが、目の端っこで見たムギ先輩の表情は、大変神々しいものでした。
おわり
失礼致しました
たいやきアイスって凄い語呂いいな
>>668から5人Ver.cagayake小ネタ
(5人Ver.演奏中)
「唯!」
「あずにゃん!」
「み…って、唯先輩、またあずにゃんになってます!」
「え、…私、またやっちゃってた?」
「唯ー、もう何回目だよ…」
「まあ、普段呼んでる方になりやすいってのは分かるけどな…」
「むぅ〜だって、これ4拍子だし…三文字って言いにくいんだよぅ」
「じゃあ、母音伸ばしてあずさあって感じにすればいいじゃないですか」
「それなら、あずにゃん!でもいいじゃん〜」
「だめですっ!そんな変なあだ名で呼ばれる方の身にもなってください!」
「…え?」
「あれ?どうしました、唯先輩」
「…ひょっとして、あずにゃん…このあだ名で呼ばれるのいやだった?」
「え?」
「だって、今、変なあだなって…」
「あああ、ちがいます、今のは言葉の綾っていうか、そういうんじゃ…」
「ごめんね…気付かなくて、これからはやめるから…」
「だから、違います!」
「え?」
「本当は好きなんです…先輩に、あずにゃんって呼ばれるの…先輩の声で、そう呼ばれるのが、大好きなんです」
「あずにゃん…」
「でも、でも、それは先輩だけなんです。先輩があずにゃんって呼んでくれるのが好きなんです…でも、このあだ名が広まっちゃったら…」
「他の人にもあずにゃん…って呼ばれちゃうのが嫌だったんだ…」
「はい…すみません、素直にいえなくて―先輩に嫌な思いを」
「ううん、気にしなくていいんだよ。…あずにゃん」
「それと…これは我ままなんですけど…先輩に一回梓って呼び捨てで読んで欲しかったんです」
「え?どうして?」
「なんとなく、ですけど…先輩の声でそう呼ばれること無かったですから、どんなのかなって」
「そっかぁ…よくわからないけど…わかったよ、あずにゃ…じゃなくて、ええと…梓」
「…っ!」
「んぅ?どうしたの、梓?」
「…あれです、思ったより高威力でした…」
「そうなんだ…」
「…」
「…ねえ、梓。私のことも唯…って呼んでみて?」
「えええ!?そ、そんなことできませんよ…先輩を呼び捨てにだなんて」
「む〜私には呼び捨てお願いしたくせに〜」
「それとこれとは…うぅ、わかりました、一回だけですよ?」
「うん、じゃあ、私が梓って呼ぶから、続けてお願いね」
「わかりました」
「じゃあ…梓」
「…唯」
「「…」」
「これは…来ますね…」
「なんだか、新婚さんみたいだね〜」
「ちょ、な…!なんて例えしてるんですか…!」
「えへへ〜でも、あずにゃんもそう思わなかった?」
「そ、それは…もう、意地悪です、唯先輩」
「なあ、練習の真っ最中ってことすっかり忘れてるよな、あいつら…」
「…素晴らしいわ…」
「ムギ…こっちまで鼻血が流れてきてるんだが…大丈夫か?」
開設してもただの保管庫になっている俺から言えることは
ちゃんと更新しろよ!
698 :
692:2009/09/03(木) 17:26:31 ID:FdjQ8u18
>>698 ここで直接ブログを貼るのはちょっと心配だけど…
開設おめでとう
って、最初のSSの中野梓と唯先輩の漢字が間違ったままなんだけどw
>>677>>698 良くやった、勇者に幸有れ。
…ちゃんとURLにyuiazuが入ってて感激したのは秘密。
どうでもいいけど、冷やしたい焼きって旨いよな
アメ横行くといつも買って食ってるんだけど
何か書き込みがない…久々に
ほしゅがてらに添い寝あずゆいお部屋編
「あずにゃ〜ん」
「もう、先輩、くっつきすぎですよ」
唯先輩は今日も相変わらずだ。ぎゅーっと後から私を抱きしめて、離そうとしない。
違うことと言えば、ここは音楽室ではなくて、唯先輩の部屋だということ。
お呼ばれして、遊びに来て、部屋に入った途端この調子。
舞台が変わっても、唯先輩は変わらないなあ…と思う。
「今日は一日中ぎゅーっとしちゃうんだ〜」
「それはちょっと…さすがに駄目です」
一瞬それもいいかも、と思ってしまったけど、さすがにそれは色々と問題があると思う。
それにオッケーを出してしまえば、先輩は間違いなく私を抱え込んだままベッドに倒れこんでしまうだろう。
ゴロゴロ好きな先輩のことだから、間違いない。そうなるときっと先輩だけじゃなくて、私も寝入ってしまうだろうから。
―折角のお休み、それはもったいないじゃないですか。
「え〜」
不満そうな先輩の声。おそらくはその声どおりの表情をしているのだろう。
「はあ、でも、もう少し位ならいいですよ」
「やったぁ♪」
少し譲歩してみせると、先輩の声は嬉しそうなものに変わる。
そしてきゅうっと私を抱きしめる腕に力を込めるものだから、その感触に一瞬だけくらりとしてしまう。
いけないいけない、あまり傾倒してしまうと―先輩に流されちゃう。
これはきっと先輩の策略。きゅうっとしてとろーんと私を無抵抗にさせて、なし崩し的にゴロゴロしようってことなんだ。
「はい、ここまでです」
「え〜はやいよぅ…」
ピシッと区切ると、先輩は意外と素直に私を解放してくれた。声は残念そうだけど…でももう少し粘るかなって思っていた私は、少し寂しく感じてしまう。
―でも、折角先輩と二人きりのお休みなんだから、もっといろんなことしてみたいです。例えば、何処かにお出かけとか…
うーんと考えを巡らせる。水族館でも動物園でも、レジャーランドでも、もしくは公園とかでもいい。先輩と並んで―手を繋いだりして―二人で歩くの。
それはきっと楽しいに違いない。きっと楽しい思い出になる。
―でも、それってつまり…先輩とデート…ってことですよね。
いやいや、ないない。部活の先輩と後輩が二人で遊びに行くだけなのに、なんでデートと言う言葉が出てくるのか。
それは、そんな関係になれたらいいな、って思わなくはないですけど―て何を言ってるのか、私は。
「うん、いいよ〜デートしよっ」
「だからデートじゃ…って、あれ?」
不意に私の心の声に割り込んできた唯先輩の声に、私はきょとんとさせられる。
私の記憶の限り、先輩はテレパシスト的な能力は保有していない。というか、そうだったら困るし。
つまりは―
「私、口に出してました?」
「うん?一緒にお出かけしたいんだよね、あずにゃん」
そういうこと。自分が思っているより、私はうかつなのかもしれない。
実際その通りだったから否定も出来ず、でも積極的に肯定に回るのも気恥ずかしくて、私はおそらくは赤くなってる頬を見つけられないように俯く。
「あれ?あずにゃん、顔が赤いよ?どうしたの?」
―ええ、無駄な努力だとはわかっていましたけど。
「なんでもありません…あれ?」
何とか話題をそらそうと、そんな材料はないかと辺りを見回して、ふと本棚の一角に目が留まる。
「『けいおん!』…?」
「あ、アルバムだよそれ〜」
私の視線を目ざとく察した唯先輩は、ふいっと立ち上がると本棚に歩み寄り、その本―アルバムをすいっと抜き出した。
パタリと開くと、先輩の笑顔に懐かしむような色が混じる。
「うわあ、懐かしい…私が一年のころのだよ、これ」
「へぇ…私にも見せてもらっていいですか?」
「あ。うん、いいよ〜」
おそらくはそのころの思い出に浸ってたのか、先輩は私の声に一瞬ピクっと体を震わせると、にこっと笑って私にアルバムを差し出してきた。
過去から現在へとシフトした、そんな笑顔。きっとそれは私の錯覚なんだろうけど。
それを先輩に読み取らせないように、ありがとうございますとお礼を言いつつ、私はアルバムを受け取った。
最初のページをぱらりと捲る。予想していたことだけど、そこには今より少しだけ幼さを帯びた先輩たちの姿が映っていた。
「唯先輩、なんか可愛いですね」
「む〜そんなことないよ、かっこいいでしょ!」
「それはないですね」
くすくす笑いながら、ページをめくっていく。
「すごい!唯先輩100点取ったんですか!」
「うん、追試でね!」
「…なんで本番でその点数取らないんですか…」
ぱらりと捲る。
「これは合宿のときのだねぇ」
「あはは、これなんですか!先輩が地上絵になってます!」
「あーこれひどいんだよ、みんな何書いてるか教えてくれなかったの」
ぱらりと捲る。
「へえ…これが一年のときの…」
「うん、桜高祭のライブ…終わった後かな、これは」
「知ってました?私が軽音部に入ったの、このときのテープがきっかけなんですよ」
「そうだったんだぁ…」
ぱらりと捲る。
「へえ、クリスマス会この年もやってたんですね」
「うん、皆で初詣も行ったんだよ」
「本当に仲良いですよね…」
ぱらりと捲る。
どのページを見ても先輩は楽しそうに笑っている。見てるこちらのほうが微笑んでしまいそうな、そんな笑顔。
先輩の笑顔を見れば、いつだって私の心はほわっと暖かくなってくれたはずなのに。
今の私は少しだけ、ほんの少しだけだけど寂しさを覚えてしまっていた。
最後まで捲ってしまったページをまた最初に戻してパラパラと捲る。何か見落としがないか、探すように。
そんなのあるはずがない、分かっているはずなのに。
だって、私が先輩に出会ったのは、私が高校に入学した後、先輩が高校二年になったあとなんだから。
―そこに私が映っているはずがない。
だけど、私がいなくても、先輩は変わらない笑顔を浮かべている。本当に楽しそうに、柔らかな笑顔を。
私はもう、先輩と一緒じゃなきゃ、そんな笑顔を浮かべることは出来ないのに―
どうして私はそこにいないんですか、なんて考えても仕方がないようなことを思い浮かべてしまっていた。
「あずにゃん」
気がつくと私はきゅっと先輩に抱きしめられていた。
いつものスキンシップとはちょっと違う、あのライブの日抱きしめられたときのような、慰めるような慈しむような、そんなハグ。
先輩は、こんなことをあっさりしてしまえるから、性質が悪いと思う。
「…ひょっとして、また口に出してました?」
「ううん。でも、わかるよ」
あっさりとそう言ってのける。それもいつものこと。そしてそれは、とても簡単に私の正解を引き当ててしまう。
「大丈夫だよ、あずにゃん。人間の一生は長いんだよ。これからそんなの気にならないくらい、一緒にたくさんの思い出作っていこうね」
「…はい」
きゅうっと、より強く抱きしめられる。私を安心させようとする、先輩の仕草。
とても暖かくて、とても簡単に私を溶かしてしまおうとする。私の寂しさとか不安とか、そんなものをあっさりと溶かして消し去ってくれる。
だけど、溶かされっぱなしなのは、ちょっとだけ悔しいから。
「一生、一緒にいてくれるんですよね」
そう言い返してみる。ちょっとした悪戯心。一生なんて言葉、簡単に使ってくれる先輩への。
―プロポーズ的な何かと勘違いしちゃうじゃないですか、もう。先輩も少し困るといいんです。
だけど、やはり先輩のほうが上手だった。ああ、そんなのわかっていたはずなのに。
「うん、ずっと、死ぬまで一緒だよ」
そんな台詞をあっさり口にしてくれて、頬に口付けなんてしてくれるものだから―私は本当にどうしようもなくとろとろに溶かされて、ふにゃりと先輩にもたれかかっていた。
―先輩は、やっぱりずるいです。
「ふふ、あずにゃん〜」
先輩はふにゃっとなった私を抱えたまま、ごろりと横になる。このままじゃ先輩の思惑通り、ゴロゴロして過ごすことになっちゃう。
だけどもう限界だし―先輩の胸の中はやっぱり暖かくて柔らかくていい匂いだし―そしてきっとこの瞬間も私の大切な思い出の一つになるから。
「ちょっとだけですよ…」
なんて言い訳を小さく口にして、私を包み込む穏やかな睡魔へと身を委ねることにした。
勿論、目が覚めたらあちこち連れて行って貰いますけど。
一緒に行きたいところ、いっぱいあるんですから。
以前書いたネタメモをみつけて。
今回はこれからHしますね的オチを回避。
というか、指摘されてそればっかりだったことに気付いて吹きましたw
>>707 乙
最近、ここのSSがWikiにまとめられてないみたいだけど、どうしたのかな?
>>707 目からギー太が溢れてくるよ・・・
GJ!
梓「はぁ、今日は部活疲れた…なんか喉渇いちゃいました」
唯「あずにゃん、飲みかけだけどお茶飲む?」
梓「え?いいんですか?じゃあ遠慮なく…」
梓(唯先輩の飲みかけ…てことは間接…キ…)カァァァァ…
梓「や、やっぱりいらないです!自分で買います!」
唯「えー?別に遠慮なんてしなくていいんだよ?ほら口開けて?あーん」
梓「ちょ、せんぱ…や…むぐ…ゴクゴクゴク…ブハッ!」
唯「あ、吹いちゃった?ごめーん」
梓「んもう!!なにするんですか先輩!!」
唯「やーん、あずにゃんが怒った〜♪」
梓「まったく…あ、普通に飲んじゃった…」カァァァァ
唯「ありゃ?あずにゃん、どうして顔真っ赤なの?」
梓「べべ別に!唯先輩が無理に飲ませるから息ができなかっただけです!」
唯「そうなの?まぁいいや、一緒に帰ろ、あずにゃん!」
梓「…まぁ、別にいいですけど」
>>711 GJ
間接キスネタはいいですよね〜
来週きらら最新刊発売ですか。
今回はどんなネタで来るんだろう。
715 :
698:2009/09/05(土) 20:21:39 ID:JcuFA056
10月下旬ごろに唯&梓のスリーブの発売か
自分はカード系やってないけど買っちましそうだ
>>718 唯の首がないけどNice boat. じゃないよな?
そう思って見たらKOEEEEE
「唯先輩…首だけになっちゃいましたね」
「でも、安心してください。先輩がどんな姿になっても、私は…」
「…行きましょう。もう邪魔する人は、誰もいませんから」
的な…?
唯の首がゴロゴロ転がってにっこり
萎える…っていうか恐いからそう思いたくないよ
普通に梓が椅子に座ってる唯にキスをしようとしてるんじゃないかと思える。
唯「見て見て、梓ぁ〜。首だけ人間〜」(←入浴剤で白濁した湯船から頭だけ出してる)
梓「小学生ですか、唯は…」
唯「たとえお化けになっても私は梓を愛し続けるぞ〜」(力士のモノマネ風のあの声で)
梓「そ、そんなこと言わないでください!…私、泣いちゃいますよ…唯がお化けになるなんて……」
唯「梓…!心配しなくて大丈夫だよ、梓も一緒に連れてくから!」
梓「だからって道連れにしないでください!」
唯「ほらほら〜、梓も首だけ人間の仲間入りしようよ〜」
梓「はぁ…じゃあ、身体洗い終わるまで待っててください」
唯「はぁ〜い(ニコニコ)」
という新婚ゆいあず。
梓も唯も普段呼び捨てで呼んでないのが良い
だからお互い名前で呼び合ってるの想像すると凄く萌える
>>725 皆に秘密で付き合ってて二人っきりの時こっそり名前で呼び合う呼び合う二人。
なのにどちらかがうっかりと他人の前で名前で呼んじゃって〜
まで妄想した。
こもスレの住人は妄想力がたくましいなw
けしからんもっとや(ry
「ねぇねぇ」
「はい?」
いつもどおり唯先輩が私の部屋に遊びに来て、二人でごろごろしていると、不意に唯先輩が何かを思いついたように話しかけてきた。
どうせまたどうでもいいことを思いついたんだろうなぁ……。相手にするなとは思うんだけど、なぜか反応してしまう。どうしてだろ?
それだけ、この人のことが気になってるってことか。認めたくはないけど。
そんなことを考えながら、唯先輩の言葉に耳を傾ける。何だかんだいっても、やっぱり気になるものは気になる。
「あずにゃんの初恋ってどんなのだった〜?」
「…………へ?」
一瞬、何を言われたのか理解できなくて、間の抜けた声を出してしまう。この人は、突然何を……。
「だから、初恋だよ〜」
「初恋、ですか……」
初恋話。今時の女の子なら誰もが嬉々として食いついてくる話だ。唯先輩もやっぱりこういう話が好きなのだろう。瞳の耀き具合でそれが解ってしまう。
だけど、私は……。
初恋話をしている人に、みんな共通していることがある。初恋が成就したか、もしくは振られたけど吹っ切れたか。
そういう人は、自分が辛くならないから、喜んで参加してくる。思い出に昇華できたらそれは立派な話の種だ。
私は違う。
そもそも成就なんかしてないし、もちろん告白する勇気も無いから吹っ切れることもできない。きっと、この初恋はずっと胸の中に残ってるんだろうな……。
「うん。あずにゃんの初恋ってどんなのだったの?」
そして過去形。
唯先輩は、私の初恋がすでに終わってると思い込んでるんだろうな……。元凶にそう言われるのは、やっぱりちょっと辛い。
「私の初恋は、まだ終わってませんよ?」
「あ、そうなの?」
思い切ってそう告げると、唯先輩は意外そうな顔。やっぱり、この年で初恋が終わってないのは珍しいのかな……。でも、それはしょうがない。
小さい頃から音楽に打ち込んできて、恋愛に感けてる暇が無かったから。高校生になって、ようやく恋がどういうものなのかを理解できた。
――その相手が、これだ。
目の前には、肩透かしを食らわされたよ〜、と悲しそうに泣いている唯先輩。
こんなので泣かないでくださいよとは思うけど、これもまたこの人の魅力、か。
「そうだ!」
「きゃっ」
突然、大きな声を上げて立ち上がる唯先輩。その際、ガタンという音がしたから、びっくりして不覚にも悲鳴を上げてしまった。物が落ちてきたぐらいで、恥ずかしい……。
「どうしたんですか急に」
さっきの悲鳴を取り繕うようにしてそう尋ねる。これでまたくだらないことを言われたら、さすがに怒りますよ?
そんな私の視線に気付かずに、唯先輩はこれまた笑顔で、床に座り込みながら私に話しかけてくる。相変わらず立ち直りが早いんだから……。というか、どうして立ち上がったりしたんですか。
「それじゃ、あずにゃんの初恋を教えてよっ」
「だから、まだ終わってないと」
「違うの! その終わってない初恋を教えてってことっ!」
「はぁ!?」
この人は何を考えてるんだ……。終わってない初恋を人に話すなんて普通はしないでしょ……。あなたには常識が無いんですか?
唯先輩の発言にびっくりして――というか呆れて、ついつい失礼な言葉をたくさん言ってしまった。
だけど、唯先輩はずっと笑顔で私を見つめている。こういうところでの精神力の強さはある意味尊敬できるけど、少しは堪えてほしかったな……。
「ね、ね、いいでしょ?」
「いやですよっ」
「どうして?」
「どうしてもですっ!」
私の言葉に、唯先輩はほっぺたをぷくぅと膨らませる。その膨れ具合がまたかわいい……って、何考えてるんだろ、私。
恥ずかしい気がして、思わず赤面してしまった。気を紛らわせるために、まだ膨れている唯先輩を宥めてみる。
「まぁまぁ。他のことならいくらでも話してあげますから」
「やだっ」
「やだって……」
そして断念。
今の唯先輩は駄々っ子と変わらない、というか駄々っ子より質が悪いかもしれない。
駄々っ子なら餌をあげると機嫌を直してくれるけど、この人は餌、つまりは他の話をあげても機嫌がよくならない。
ややこしい、面倒臭い。
この人の性格もそうだけど、それよりも未だに私が唯先輩と一緒にいる理由が解らない。
こうまでしてご機嫌取りをする必要がどこにあるの? 今日はもう失礼しますと言って家に帰ればいいじゃない。
そう何度も自分に言い聞かせてるけど、どうしても帰ろうと思えない。この人から離れたくない。一緒にいたい。
これは重症だなぁ……と思いながら、最終手段に出る。
「それじゃ、等価交換ということで」
「とうかこうかん?」
「そうです、等価交換。私の初恋話を聞きたいのなら、唯先輩の初恋話も聞かせてください」
「私の?」
「はい。そうすれば、お互い初恋話をしたから、どちらが損とか得とかできなくなりますよね?」
「そうだね〜」
できればこの時点で拒否してもらいたかったけど、そこは駄々っ子以上の唯先輩。私の話を聞くためならどんなことでもやるみたいだ。
……仕方ない、か。私も唯先輩の初恋話には興味があるし、本当に等価交換になりそうだなぁ。
「それじゃ、どっちから先に話す?」
「唯先輩からどうぞ」
さすがにこれを先に話す勇気は、私には無い。
唯先輩は先に話すことを何とも思ってないのか、いつもと変わらないほわほわとした雰囲気のまま、語り始める。
「私の初恋は――」
「はい」
ついつい身を乗り出してしまう。……いや、だって気になりますし、しょうがないじゃないですか。そんな目で見ないでくださいよ。
だけど、唯先輩は中々話し出してくれない。閉じた口をもごもごさせて、言おうかどうか迷ってるみたい。……あぁもうじれったい!
「唯先輩」
「な、何?」
「早く話してくださいよ」
「う、うん……」
頷いたものの、唯先輩はまだ迷っている感じだ。思い切って口を開こうとしても、結局は首を振ってまた口を閉じてしまう。これの繰り返し。
そんなに悩むのなら初恋話なんて止めましょうよ、と提案してみたけど、唯先輩は頑として首を縦に振らない。そこまでして私の初恋が知りたいんですか……。
というか、最初の勢いはどこに消えちゃったんですか。今更話すのを躊躇うなんて、先輩らしくないですよ。言うのなら早くしてください。
そんな私の心の声が聞こえた訳では無いだろうけど、唯先輩はようやく意を決したように口を開く。――真っ直ぐに私を見据えながら。
「私の初恋はね」
「はい」
……ゴクリ。自然と、喉が鳴る。唯先輩の瞳を見つめていると、何だか吸い込まれそうな感じだ。
唯先輩はまた数秒間逡巡している様子だけど、その間も私から視線を外さない。……ちょっと、いや、かなり恥ずかしい。
居た堪れなくなって、私が目を逸らそうと思ったら、そのタイミングで唯先輩が口を開き、ようやく言葉を発した。
「私の初恋のひとはね――あずにゃん、だよ」
「……………………へ?」
たっぷり、秒針が数回動く間、私は呆けてしまっていた。この人は、今、何と言った? 初恋が、私?
一気に頬が上気して、心臓もフル稼働する。まともに唯先輩の顔が見れない。思考がぐるぐると回転する。何も考えられない。
堪らなくなって目を逸らすと、唯先輩はそれを追いかけてまた私と目線を合わせてくる。その様は、まるで捕食する肉食獣みたい。
尤も、食べられるのは肉体じゃなくて、精神――心なのだけれど。
逃げても逃げても追いかけてくる唯先輩。今の私はサバンナでチーターに食べられる直前のガゼルだ。もうどうにでもなれ。
えへへ、と頬を桜色に染めながら照れくさそうに笑っている先輩。私としっかり目が合ったことに安堵した様子で、続きを話し始める。
「一目惚れ、だったんだ」
唯先輩は、つっかえつっかえ、言葉を選びながら語り続ける。必死に、自分の気持ちを伝えるために。
「最初に部室で出会ったときかな? 私って、自分で言うのも何だけど、かわいいものを見抜く目はあるんだ」
「そうみたいですね」
ときどき、独特なセンスで理解できないものがあるけど、その他は私もかわいいと思えるものばかりだし。
「最初にあずにゃんを見たとき――部室に入ってきたときだけど、この子が軽音部に入ったら、みんなのアイドルになるんだろうなって思ったんだ」
「そんなに最初からですか」
「うん。だけど、実際そうなったよね。りっちゃんも、ムギちゃんも――さわちゃんだってあずにゃんのことを猫可愛がりしてるもん」
もちろん私もだけどね、と最後に一言付け加えて、一旦言葉を切る。
思い返してみれば、確かに皆さん――先生も含めて、やたらと私を気にかけてくれているような気がする。唯先輩のスキンシップが印象に残りすぎて気付かなかったけど……。
――そうか、私、愛されてたんだ……。
その事実を教えられて、胸がほわほわと暖かくなった。嬉し涙を少しだけ滲ませて、自然と頬が緩んでしまう。
唯先輩は、そんな私を見てにっこりと笑う。その様子に何だか気恥ずかしくなり、ついつい俯いてしまった。顔が見えなくても、唯先輩が笑っているのを気配で感じる。
秒針が数回回る間、そんな時間を過ごしていると、不意に唯先輩がさっきまでとは打って変わって、沈んだ声を出した。
「だけど、そのうち、みんなのことが疎ましくなってきたんだ……」
唯先輩がこんな声を出すなんて初めてだから、不思議に思って顔を上げると、目の前には、今にも泣きだしそうな唯先輩の顔。
「あずにゃんを可愛がるのは私だけでいいって……、そんな風に考えちゃって……」
ぽろぽろと、大きな瞳から大粒の涙が零れる。堰を切ったように次々と、止め処なく溢れてくる。
「最低だよね、私。こんなの、先輩失格だよ……」
一旦泣き出すと、感情の制御ができなくなるらしい。普段のおちゃらけた雰囲気は鳴りを潜め、周囲の人――私まで悲しくなるぐらいに、沈んでいる。
そんなことないですよ、そう言葉をかけてみても、ネガティブ思考に嵌ってしまった唯先輩には届かない。
どうしたらいいんだろう……と、私が考えあぐねていると、この人は更にとんでもないことを言い出した。
「こんな私なんかが……、あずにゃんと一緒にいちゃ、だめだよね……」
「――はぁ?」
何を言われたのか理解できなくて、唯先輩を問い質そうとすると、唯先輩はそそくさと帰り支度をし始めた。
「ちょ、ちょっと……、唯先輩?」
「ごめんね? 私、もう抱きついたりとかしないから」
――だから、バイバイ……梓ちゃん。
「……へ?」
我に返ったときには、すでに唯先輩の姿は部屋から消えていて、そして、耳には唯先輩の最後の言葉が残っていて――!
「唯先輩!?」
慌てて叫んでみても、返ってくるのは静寂だけ。先輩の声は、聞こえない。あのふわふわとした、独特な声は、もう……。
そう考えると、全身の力が一気に抜けて、そのまま床にへたり込んでしまう。
「ゆい、せんぱい……」
自然と、涙が出てくる。さっき流していたものとは真逆の、悲しい涙。しょっぱい涙。
だけどきっと、あのひとはもっとしょっぱい涙を流していたはずだ。だって、あんなに悲しそうな顔をしていたのだから。
……今となっては、もう過去のことだけど。
そう、過去なんだ。もう、今までの唯先輩とは会えない。去り際に残したひとつの言葉が、脳裏に浮かんでくる。
――バイバイ。梓ちゃん。
その言葉は、つまりそういうことなのだ。もう今までのようにベタベタしてこないし、呼び名も変えるという意味なのだろう。
「いやだなぁ……。寂しいよ……」
自然と、そんな言葉が漏れる。『唯先輩』がいなくなって、寂しい。
うっとうしく感じることもあったけど、それが無くなると、やっぱり寂しい。体が、あのひとの体温を求めている。以前のように、ぎゅっと抱きしめてほしい。
それは、私の我侭だ。何度も何度も止めてくださいと言っておきながら――しかも、それが原因で唯先輩を傷付けておきながら、なんて自分勝手なんだろう。
傷付けた。そう、私が先輩を傷付けたんだ。私がもう少し素直に接していたら、こんなことにはならなかった。唯先輩がいなくなるという、最悪のシナリオは生まれなかったはずだ。
「最悪だ、私」
そう呟いて、私は独り、涙が枯れるまで泣き続けた。
何分ぐらい経っただろうか。時計を見ようと思い横を見ると、小さなケースが視界に入った。
手にとってみると、見覚えのある物だった。確か、大切な物をしまい込んで、そのまま無くしたと思っていたもの。
……恐らく、唯先輩が立ち上がった拍子に、どこかから落ちてきたのだろう。そう思いながら蓋を開けてみる。
そして、その中に入っていた写真を手にとって、そこに写っているひとを見て――
「唯先輩っ!」
ひとつ、大きく名前を呼んで私は立ち上がった。返事はもちろん無いが、脳裏に唯先輩の声が聞こえた気がする。
その声をもう一度実際に聞くために、私は走り出す。まだ、間に合う。いや、絶対にそうしないとだめだ。なぜなら……。
なぜなら――写真に写っていたのは、笑顔で私に抱きついている唯先輩と、嫌々ながらも頬が緩んでいる私だったのだから。
「ハッ、ハッ、ハッ」
私は走っている。目的地を知らずに。ただただ、唯先輩を見つけるためだけに全力で走っている。
とっくに全身が悲鳴を上げているが、それでも足の動きは緩めない。
――きっと、今一番辛いのはあのひとなのだから。
そうして、いつもの通学路を走り続けていると、やがて見慣れた後ろ姿が見えてくる。
「唯先輩!!!」
息を切らせながらも、ありったけの声で名前を呼ぶ。と、唯先輩は一瞬びくっとして、後ろを振り返り、そして私の姿を認めると、びっくりした様子で、歩くスピードを速める。
「唯先輩!!!!」
更に大きな声で名前を呼んで、私も走る速度を上げる。絶対に、逃がしませんから!
気分はまるで捕食者だ。サバンナで逃げ惑う獲物を捕まえるために根気強く追い続ける。そうしていると、やがて標的との距離が縮まって、最後には――
「唯先輩!!!!!!!」
両腕を大きく拡げて、唯先輩に飛び掛る。体に、唯先輩の体温を感じる。
「あ、あずにゃ……梓ちゃん?」
まだその呼び方ですか、止めてくださいよ、と言いたかったのに、疲れで声が出ない。唯先輩の肩にもたれながら、ゼーハーと荒い呼吸を繰り返す。
「ど、どうして追いかけてきたの? な、何で私なんか――」
声が出ないし、何より先輩のネガティブ思考が煩わしくなって、私は唯先輩を優しく、ぎゅっと抱きしめた。いつも先輩が私にしてくれるように。
往来のど真ん中で、人々の注目を浴びているけど、気にしない。こんなの、唯先輩を失うことに比べたら屁でもないのだから。
「いいですか? 唯先輩」
ようやく言葉を発すると、腕の中で唯先輩がぴくりと動いたのが解る。なに……? と、小さな、か細い声で呟いた。
「一回しか言いませんから、よぉく聴いててくださいね」
腕の中で首だけを縦に振る唯先輩。何を言うのだろうと私を見つめてくる。少し、赤くなった瞳で見つめられて、私の決意は早くも挫けそうになる。
……だけど、逃げちゃだめだ。ちゃんと言わなきゃ、唯先輩は戻ってこない。先輩を傷付けたのは私なんだから、これぐらいの罰は受けなきゃだめなんだ。
腕の中のだいすきなひとの笑顔を取り戻すために、私は口を開く。
「私の初恋は――」
Fin
クスリの作用で不安定なテンションのまま書いた結果がこれだよ
疲れてるけど今からSSまとめるか……
みんなブログ晒してるみたいだし、俺も晒してみようかな?
お目汚し失礼した
それでは
>>730-733 GJ
SSスレで見た時は6分割だったはずだけど、こっちのが制限字数多い?
教えてエロい人
>>734 ウチも見ててくれたのか
こっちの字数制限は向こうの2倍で60行
だけどバイト数は同じだから4レス使ってしまいました……
申し訳ない
>>735 なるほど二倍なのか。トンクス
謝る必要性とか皆無だぜw
GJ
こんにちは、中野梓です。秋が近づいてきましたね。暑いのが苦手な唯先輩は涼しくなってきて絶好調です。
「あずにゃん〜。そろそろ秋だねえ〜。」
がらんとした音楽室は唯先輩と私の二人っきりだ。
「まだ夏休みは終わってませんよ。宿題は終わりましたか?」
そういいながらも私はダラダしてる唯先輩もいいなあ〜、と思ってしまった。今なら憂の言う事も分からなくもない。
「もちろん終わったよー。憂と一緒にやったから〜。」
「憂が一人で一生懸命やってる姿が目に浮かびます・・・。」
「えー酷いあずにゃん、ちゃんと私もやったよー!」
唯先輩が膨れっ面で私を睨む。うわあ、なんですかこの可愛い生き物は。リセイガ・・・。
「ところであずにゃん。」
顔を真っ赤にして妄想も世界に入っていた私を唯先輩が現実世界に引き戻す。私はどぎまぎしながら何とか答えた。
「な、なんですか?」
「秋と言えば食欲の秋だねえ〜。」
「そうですね。あんまりお菓子に夢中にならずに練習もして下さいよ。芸術の秋でもあるんですから。」
一応私は真面目に答えておいた。釘を刺しておかないと後で大変な事になる。するといつもならシュンとなるはずの先輩が珍しく強気にニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「ほほう〜、と、言う事はあずにゃんはこれはいらないんだね?」
そういって唯先輩は鞄の中からタイヤキを取り出した。
「いただきます!」
即答しました。だって最近は食べてなかったから・・・。先輩から1つ頂いて早速食べ始めた。
「先輩甘いものばっかり食べると太りますよ。」
「大丈夫〜私は太らない体質だからねえ〜。そういうあずにゃんはどうなのかな?」
不意に唯先輩が私の横腹をつついた。思わずタイヤキを喉に詰まらせてむせる。
「な、何するんですか!?」
「おお〜あずにゃんの横腹プニプニ〜♪」
唯先輩は攻撃の手を緩めずに突っつく。それだけでも私の理性が飛びそうになるのに大胆にも制服の下に手を入れて直接脇腹をもみ始めた。
「ちょ!ゆ、唯先輩!」
「うふふ♪」
「や、やめ・・・ひゃうっ!」
思わず変な声が漏れる。それを見た唯先輩がまたまた不敵に笑った。
「おお!あずにゃん意外と感じやすいんだねえ。そんな声出されるともっといじめたくなっちゃうよ〜♪」
と、いって私の制服の前ボタンに手をかける。ちょっ、先輩これ一線超えちゃいますよ!
頭ではやめなければいけない事は分かっているが、体が言う事を聞いてくれない。ふにゃ・・・もう駄目です・・・。好きにして下さい・・・。
唯先輩は忘れていた。まだ他の先輩方が来ていないのを・・・。
「オ〜!遅れてごめ・・・。」
律先輩と澪先輩が入り口で凍り付いた。そりゃそうですよ唯先輩は私を下着姿にしてるし私は私で恍惚とした表情でいますし・・・。
「い・・・イヤアアアアア!」
私の叫び声が部室にこだました。
ども、ブログにもあげましたが一応こちらにも・・・。
お目汚しすみません・・・。
>>738 GJ
辞めちゃったのかと思ったから、続けててよかったよ♪
これからもがんばってください♪♪
>>735=
>>733でアンカ合ってるよな??
続きマダー?ブログ公開マd(ry
職人も多いし此処は最早天国だな…これで何時でも逝けるよ。
此処が天国なら、逝く必要はあるまいて
唯「ぐ〜…」
梓「唯先輩起きてください!皆帰っちゃいましたよ!?」
唯「う〜ん、もう一杯…」
梓「なんの夢見てるんですか…?かわいい寝顔しちゃってもう…」
梓(…そういえば唯先輩って、今まで彼氏とかいたことあるのかな?もしいたら…なんか、やだな…)
梓「あの…先輩は誰かと、き、キスとか、したことあるんですか?」
唯「ぐ〜」
梓「もしないなら…わ、私がしちゃってもいいですよね?怒らないでくださいよ?」
唯「ぐ〜」
梓「し…失礼します!!!」
唯「うぅ〜ん…あずにゃん…」
梓「せ、先輩!?な、ななな何でもないんです!!は、早く帰りましょう!」
唯「うん…」
梓(唯先輩、気付いてないみたいでよかった…でも、ちょっと残念…かも…)
唯「ねえあずにゃん」
梓「は、はい?」
唯「ちゅー」
チュッ
梓「な…ちょ…」
唯「さっきの質問の答えはね?あずにゃんが初めて、だよ♪」
梓「ゆ、唯先輩…起きてたんですか!?」
唯「ふっふっふ、唯先輩に死角はないのです!」
梓「あ…え、あ、えっと…」
唯「ねえねえ、あずにゃんはキスしたことあるの?」
梓「あるわけないじゃないですか!!今のが初め
切れてもたorz
梓「あるわけないじゃないですか!!今のが初めてです!」
唯「そうなんだー!じゃあ一緒だね!」
梓「そ、そうですね…」
唯「じゃあ帰ろっか、あずにゃん♪そうだ、帰りにアイス食べてこうよ!」
梓「…いいですけど、もちろん先輩のおごりですよね」
唯「んもー、特別だからねー?」
梓「…はい♪」
みんなGJ!
よかった…最近活気が無かったから心配してた…
これで今週も頑張れる!
みんながオラに力を分けてくれるから月曜なんて怖くねぇぞ
そろそろ文化祭の季節です。
…が、体育祭の季節でもありますね……
唯と一緒に文化祭をまわるあずにゃん
文化祭はライブじゃないの?
文化祭でのライブだって、1日ずっとやるわけじゃないし
他のクラスを見に行ったり、後夜祭でダンスあったりとか…?
ライブ後みんなにナイショで二人きり
そしてにゃんにゃん・・・
みんながキャンプファイヤーでダンスしてる輪から外れて
茂みの影で…って話ですね
しかし誰かに見られているとは二人は知る由もなかった…
翌日、全校生徒公認のカップルに…
と、言うSSをこれから書いてくるわ^^
ブログで書いてる方、うpしたら、
ここに張らなくてもいいんで報告してもらえると助かります。
「唯先輩、そろそろ帰りましょう」
「ほぇ?」
外も暗くなってきたし、そろそろ帰ろうと思って彼女に声をかけると、よっぽど集中していたのだろう、彼女はギターを弾く手を止めて、間の抜けた声を上げながら顔を私に向ける。
その純真無垢な瞳に見つめられて、少しくすぐったくなる。
「頑張るのはいいことですけど、門限も近いですし、そろそろ帰らないと」
「んー、そうだねー」
返ってくるのは気の無い返事だけ。
どうしたんだろう。
「唯先輩?」
「なにー?」
「どうかしたんですか?」
「べつにー?」
「そうですか」
どうもしてないとは思えないけど、彼女が言うのならきっとそうなのだろう。
深く考えないで、自分の分の荷物をまとめて帰り支度を始める。
冬は門限が早いからいやだなぁ。
「さ、帰りますよ」
「もうちょっと待ってー」
ようやく自分の荷物をまとめ終えて、彼女に声をかけると、彼女はまだギターを抱えたままだった。
しかし何かを練習しているわけでもなく、ぼぉっと虚空を眺めているだけ。
これはいよいよおかしい。
「唯先輩、どうしたんですか?」
「なにもないよー」
「それなら、どうしてそんな寂しそうな顔をしてるんですか」
そう。
さっきから気になっていたことだけど、彼女の横顔はどこか寂しそうだったのだ。
まるで何かと離れるのを嘆いているような、そんな感じ。
「さびしそう……?」
「はい、とっても寂しそうですよ」
見ているこっちが悲しくなるぐらいに。
「さびしい……、そっか、私、さびしかったんだ」
「自己完結しないでください」
勝手に納得されても私にはさっぱりだ。
そんな視線を感じたからか、彼女は何を寂しがっていたのか説明してくれた。
「私はね、あずにゃんと離れるのがさびしかったんだ」
「私と……?」
「うん」
「そうですか」
明日になればまた会えるでしょうとは言えなかった。
だって、私も同じ気持ちだったから。
だから、私は。
「それじゃ、もう少しだけ練習しましょうか」
「うんっ」
――結局、門限を過ぎても下校しなかったから、二人仲良く先生に叱られてしまった。
Fin
blogは行数制限が無いから良い
なんというか雰囲気が変わってしまって申し訳ない
お目汚し失礼した
それでは
>>764 GJだな。
『あずきアイス』の字面を見てると仕事中でも『あずさアイス』に変換されて此処のSSを思い出してニヤニヤしてる。
梓のキャラソン2曲目、『ハグされたら』の部分が『愛されたら』とか『押し倒されたら』とかに聴こえる。
そんな俺は至って正常だとか言ってみる。
ああ、正常だな
ぴくしぶに物凄い新婚唯梓絵が
>>769 にゃああああああああああああああああん
梓(今日も先輩に抱きつかれるのかな?やれやれ)
梓「こんにちはー」
唯「おっすあずにゃん!ねえねえりっちゃん、お菓子分けてよ〜」
律「だーめ!これは私が買ったの!」
梓(あれ…今日は律先輩にくっついてる…)
唯「りっちゃーん」
梓(いつもは私のとこに真っ先にくるのに…)
唯「りっちゃんたらー」
梓(…なんだろ、この気持ち…)
唯「りっちゃん〜」
律「あーもうわかったよ!あーん!」
梓「あ…」
唯「あーん♪ん、おいひー♪」
梓「……」
律「ったく…ん?どうした梓」
梓「な、なんでもないです!さあ早く練習しなきゃ!」
梓(バカ…唯先輩の、バカ)
唯「あーずにゃーん♪」ギュッ
梓「……!」
唯「どしたのー?なんかご機嫌ななめだね?」
梓「べ、別に悪くなんて…」
唯「そう?でも怒ったあずにゃんもかわいいけどね!」
梓「…あの先輩、あまり他の皆さんには抱きつかないでください」
唯「なんで?」
梓「なんでもです!」
唯「うん、あずにゃんが言うならわかったよ!てことでぎゅー♪」
梓「せ、先輩苦しいです…」
唯「いいじゃーん♪ぎゅー♪」
梓「もう先輩たら…えへへ…」
>>772 GJ
このスレに来るといつもハイになってしまう
最近のSS投下ラッシュに自分も乗っかってみたが、あえなく撃沈した。携帯からでスマン。
片想いあずにゃん
「はぁ…」
最近、こうやって溜め息をつくことが多くなった気がする。
違う。紛れもなく多くなった。
そのせいか、この頃はまともに寝ていない。
自分の感情に違和感を感じたのが少し前。違和感の正体に気付いたのが、つい最近。
自覚をしてしまえば、答えはあっけないほどに簡単で、
けれど、それをあっさりと認めてしまえるほど私は器用な人間じゃない。
「どしたの、あずにゃん。なんか悩み事?」
「いえ、今日はちょっと寝不足で…」
先輩方に気付かれないよう溜め息をついたつもりだったけど、目の前には私をこんな風にした原因がいて、
しかも、顔が近いんですけど…
突然のことで身構える余裕のなかった私は自分が思っている以上に挙動不審なのだろう。
「だったら、私が膝枕をしてあげるよ〜」
「け、結構です!」
「もう、あずにゃんったら恥ずかしがり屋さんなんだから」
一瞬でも諦めてくれたと思ったのが間違いだった。
「ひゃうっ!」
膝枕を諦めたかと思えば、今度は急に私に抱きついてきた。
助けを求めようと回りを見ても、皆さんこれをいつもと同じ唯先輩のスキンシップと捉えたようだ。
澪先輩はこちらに向けた視線を再び雑誌へと移し、ムギ先輩はただニコニコと笑っているだけ。
律先輩にいたっては「なんだかんだ行って、今日は素直なんだな、梓」と無責任なことを言っている。
…全然、素直なんかじゃないですよ。
素直になりたい自分と天邪鬼な自分とを天秤にかけてしまえば勝のは後者で、
素直になれない無器用な私はこうやって先輩を怒鳴る振りをして心の均衡を図るしかないのだ。
「ふふ、なんなら私の胸で寝てもいーんだよ」
唯先輩はずるい。
辛うじて平静さを保っていたのに、甘い声でそんな言葉を囁かれたら、おかしくなっちゃうじゃないですか。
振り払おうにも耳の奥で焼き付いてしまったそれは私の中で何度もリフレインする。
あぁ、きっと今夜も眠れない。
容易に想像できる情けない自分の姿に、また溜め息がこぼれた。
780 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/09(水) 23:55:46 ID:SPGhwaeS
今回のきららは唯と憂の姉妹のお話でした
本当に仲がいいなあ…
あと冒頭のハイテンションあずにゃんに結構笑いました
次は遂に最後の学園祭ですかー…
そういわれると何か寂しい…
782 :
1/5:2009/09/10(木) 02:44:21 ID:ZaeDs5pF
ある放課後の部室、私と唯先輩は二人きりで、他の先輩たちが来るのを待っていた。
唯「はぁ…」
唯先輩がため息をついて物思いにふけっている。珍しいこともあるものだ。
梓「どうしたんですか先輩?ため息なんてついて」
唯「…ねぇ、あずにゃんってさ、彼氏いる?」
梓「え?い、いませんけど…」
唯「ホント?じゃあ今までいたことある?」
梓「ないです!ていうかなんでそんなこと聞くんですか?」
唯「うん…今日クラスの子と色々話してたんだけど、皆普通に付き合ったことあるらしいの」
梓「はぁ、そう…なんですか」
私は正直驚いていた。
いつもはお菓子を食べてぼんやりしている唯先輩も、恋愛について悩むことがあるのだ。
唯「私っておかしいのかな…この年で一度も付き合ったことがないなんて」
そりゃ健全な女子高生なら彼氏の一人や二人、いてもおかしくはないだろう。でも…
783 :
2/5:2009/09/10(木) 02:45:27 ID:ZaeDs5pF
梓「…先輩は、男の人と付き合うのはやめた方がいいと思います」
唯「え?どうして?」
梓「その…軽音部のこともあるし…それに皆とお茶飲んだりしてる方が楽しいですよ」
唯「そうかなあ…」
自分でもなんでこんなことを言っているのかよく分からなかった。
でも確かに言えるのは、唯先輩が誰かと付き合って、私から離れていくのは嫌だ、ということだ。
梓「そうなんです!だからそういうことは考えないで練習を」
唯「でもやっぱり高校生なんだし、一回くらいは恋してみたいよねえ」
梓「先輩…」
この気持ちはなんだろうか。焦りと不安が入り交じったようなモヤモヤした気持ち。
唯先輩の容姿を考えれば、作ろうと思えば彼氏なんてすぐに出来てしまうだろう。そんなのは嫌だ。
梓「じゃあ…」
唯「ん?」
梓「じゃあ、私と付き合ってみませんか?」
784 :
3/5:2009/09/10(木) 02:47:05 ID:ZaeDs5pF
私はなにを言っているんだろうか。今すぐにでも逃げ出したい衝動に駆られる。
でも唯先輩への想いが、それを許さなかった。
唯「え?あずにゃんと付き合う?私が?なんで?」
梓「その…何も付き合うのは男じゃいけないってわけでもないですし」
唯「でも女同士だよ?そんなの変だよー」
ごもっともな意見だ。でも私の脳裏に引き下がるという選択肢はなかった。
梓「付き合うって言っても、一緒に遊びに行ったりおしゃべりしたりするくらいですよ。
こういうのは気分なんです」
唯「そ、そうなのかなあ」
梓「そうですよ!私と付き合いましょう唯先輩!きっといい経験になります!」
唯「そう…だね、いきなり男の人と付き合うのも不安だし、
まずはあずにゃんで慣れるってのも悪くないかあ」
我ながらかなり無理のある理論だが、唯先輩は納得したようだった。
こういうところもまた、魅力の一つなのだろうか。
785 :
4/5:2009/09/10(木) 02:48:02 ID:ZaeDs5pF
梓「じゃあ…よろしくお願いします。唯先輩」
唯「ねえねえ、一応恋人なんだから唯先輩じゃなくて唯って呼んで?」
梓「え…でも…」
唯「いいからいいから!恋人は年上でも名前で呼ぶものでしょ?」
まったくなんの少女漫画の受け売りだろう。私は困惑しながらもおずおずと言った。
梓「ゆ…唯…よろしく…」
唯「もっと大きな声でー!」
梓「唯、よろしく!」
唯「よろしい!じゃありっちゃんたちが来たら恋人宣言しよっか!」
梓「ええ!?別に内緒でも…」
唯「だーめ!軽音部公認のカップルとして皆にも知らせるの!
」
梓「ええー…」
なんだかんだでノリノリである。でも、こうして一緒にいられるのなら悪くはない。
どうせならもっと積極的になってみようか。
786 :
5/5:2009/09/10(木) 02:49:48 ID:ZaeDs5pF
梓「あの…」
唯「ん?なあに?」
梓「…手、つなぎましょう」
唯「ああ、そだね!やっぱり恋人ときたらこれだよね!」
ギュッ
いつもと変わらない、唯の手。温かくて、少し湿った指が私の指と絡む。
唯「えへへ、あったかいね、あずにゃん♪」
梓「はい、唯せんぱ…唯」
私は唯のことが好きなんだろうか。この感情の正体は正直分からない。でも
梓「あの、唯?」
唯「なあに?」
梓「ずっと、私から離れないでくださいね?」
唯「うん、ずっと一緒にいようね!あ、足跡だ…皆くるよ!」
梓「はい♪」
ただ一つ言えることは、私は唯から離れたくないということだ。
だからこの手は絶対に離さない。
手をつなぐ私たち二人をぽかんと眺める律先輩たちを見つめながら、私はそう心に決めた。
おわり
細かく分けちゃってごめん
「軽音部ってレズが流行ってるの?」
藪から棒にとんでもないことを言い出したのは親友のひとり、鈴木純だ。
今日は久し振りに純と憂と三人でお出かけしたんだけど、さっきまでの浮かれ気分は
これで見事に吹っ飛んでしまった。
バーガーショップに入ってるときじゃなかったらもっともっと大変なことになってたよ。
人通りの激しい場所であんな発言しようものならどんな目に遭ったかわかったもんじゃない。
…まぁ、人数減っただけでレズ発言に反応した周りのお客さんから向けられる視線が
痛いのに変わりはないんだけどね。
しかもオレンジジュース飲んでるときだったから吹き出した拍子に鼻から逆流しかけたじゃない。
ぽかんとしたまま動かない私の様子に慌てたのか、純は「いや、女の子同士も素敵だと思うよ」と
すぐにフォローを入れてくれた。いや、全然フォローになってないんだけど。
憂まで困ったように眉毛を八の字にしてるんだもん。そりゃ純もバツが悪いか。
「別に偏見とかじゃないよ。好きになったら周りなんか関係ないもんね」
「それはわかったけど…どうして急にそんな話になるの?」
「いや、さぁー…」
顔中に困惑を張り付けた純は「ちょっとねぇ…」と歯切れ悪く言いつつバッグから何枚かのCDを取り出した。
それは私たち放課後ティータイムのメンバーがソロで出したシングルだった。
さわ子先生のも含めて発売中のものは全部揃ってる。
(全員分買ってくれたんだぁ…)
胸がぽわっと温かくなる。
KYっぽかったりちょっとトラブルメーカーなとこもあるけど、実はすごく友達思いで優しい子。
純もやっぱり私の大好きな親友だ。
…まぁ、放課後ティータイムの関係者ってことで憂や和先輩にCDデビューのオファーがあったときは
「そっすか、私だけハブっすか」とか「諦めたら試合終了? 諦める以前に体育館にも入れて貰えんかったわ!」とか
めちゃくちゃ荒れたけど(※後に「鈴木純の乱」として桜高の歩みにも掲載される学校占拠事件)。
駆け付けた機動隊すら一網打尽にした純の武勇伝はともかく…
「私たちのCDがどうかしたの?」
「秋山先輩と田井中先輩のCDなんだけどさ、B面の曲、続けて聴いてみてよ」
「どうでも良いけど今B面って言い方あんまりしないよね」
「う、うっさいなぁ。やめてよ、そのニヤけ顔…憂も噴き出すなぁっ」
嗚呼、やっぱり純も気付きましたか。お気付きになりましたか。
放課後ティータイムの、えと…ファンの人たちの中でも特に鍛えられた玄人はみんな純と同じことを言う。
澪先輩の「hello little girl」を聴いてから律先輩の「目指せハッピー100%」を聴くと
破壊力は倍率ドン! 更に倍だって。
うん、確かにね、澪先輩の遠回しな告白に律先輩が答えてるって風に聞こえるんだよね。
…答えてる風って言うか、実際、その通りなんだけど。
歌詞書いてるときからしてねぇ………
澪先輩、チラチラチラチラ律先輩のこと気にしてたし、先に出来上がった澪先輩の歌詞を見た律先輩、
一気に自分のを書き上げたんだよね。それで二人してロッカーん中に閉じこもって
「りつー」「みおー」の大連呼+衣擦れ音。
なんて言うかな、ムギ先輩の身にもなってあげてください! …って感じだった。
(※鼻からの出血性ショックでレスキューヘリを呼ぶ事態になった)
「律さんと澪さん、仲良しだよね〜。私たちもあんな風になれたらいいね〜」
憂は朗らかに笑うけど、あの二人の場合は友情とはちょっと次元が違うからなぁ。
とりあえず純の質問には、生暖かい薄ら笑いを返しておいた。純も私の言いたかったことに気付いてくれたらしく、
これまた生暖かい薄ら笑いで頷いている。
「こう言っちゃなんだけど、梓のも結構アレよね」
ところが純の話は桜高きってのバカップルだけでは終わらなかっ―――って、私ぃっ!?
「じゃ、「じゃじゃ馬way to go」は割と自信作だったんだけど…」
「そっちのじゃなくて。いや、曲はどっちもすごい良かったよ」
「うんうんっ! 私も毎日聴いてるよー」
そこまで言われたら照れちゃうけど…じゃあどこが引っ掛かったのかな。
確か純は「じゃじゃ馬way to go」じゃない方のがどうとか言ってたけど………
「「私は私の道を行く」のことかな? あれがどうかしたの?」
「どうかも何も、あれって、そのぅ…憂のお姉さんにさ…」
「唯先輩に?」
「う、うん…平沢先輩へのラブソングだよね?」
「………………」
えーっと…このコは一体何を言い出すんだろう。
ラブソング? 誰が? 誰に? B面(笑)が? 私が? 唯先輩宛てに?
「やだなぁ、純、それはとんだ誤解だよ。そんな風に受け取るなんて脳味噌腐ってるよ、爛れてるよ」
「人をゾンビみたいに言うなっ! …え? 違うの? 秋山先輩みたいに告白ソングじゃないの?」
「あれは軽音部のゆるゆるな空気にも負けずにギタリストの道を行きたいっていう私なりの決意表明ね」
「おぉー、そうだったのかー」
せっかくの決意表明をラブソングと間違われたのは心外だったけど、わかってもらえたからいいか。
そうですっ! 私、中野梓はあの曲に孤高のギタリストとして生きる決意を込めたのですっ!
「梓ちゃん、カッコいいよー」
「うん、梓らしいね、そう言うの」
えへへ…拍手喝采(って言っても憂と純のふたりだけど)貰っちゃって、なんか照れくさいな。
「でも、普段からそんなにゆるゆるなの? 前に憂と行ったときはそこまでゆるくなかったけど。
…コスプレはしてたけど」
「ちゃんと演奏もしてたもんね」
「抜き打ちで見学に来たらわかるよ。ゆるゆるって言うか………
唯先輩ったら歌詞にしたようなことばっかりやってて全然練習しないんだから」
「………は?」
あ、あれれ…? 部活中のゆるゆるな状況を説明し始めた途端、
なぜだか純はビシッと固まってしまった。
「アズササンイマナンテオッシャイマシタ?」
「ん? だから唯先輩のスキンシップがあの曲のまんまだって」
「………………」
「あ、でも書いてないのもたくさんあるよ。代わり番こで膝枕したり、お菓子食べさせ合ったり―――」
いわゆるあずにゃん分補給ってやつだ。
ハグとかあ〜んしてとか比較的ライトなやつは歌詞に使わせて貰ったけど、
さすがにむちゅちゅ〜とか恥ずかしい系は無理だったなぁ。
そ、それにむちゅちゅ〜とか日常茶飯時になってるなんて知られたら
クールなギタリストのイメージが壊れちゃうし!
「そうそう! この間、「kagayake!girls」を五人編成で収録したんだけど、
そのときに唯先輩が私のことを梓って名前で呼ぶ箇所があったんだよ」
今までにリリースされたCDのバージョンだとメンバーの呼び掛けに私だけいなかったんだよね。
唯先輩に「あずさぁ!」って呼んで貰えたときはやっと仲間入りできたみたいで嬉しかったなぁ。
「それ以来、梓って呼び方が気に入っちゃったらしくて。一緒にいると梓、梓って呼んで来るんだ」
「え? でも昨日とか梓を迎えに教室来たときは普通にあだ名で呼んでたじゃん。あずにゃんって」
「それは本当に二人きりのとき限定の呼び方なんだよね、梓ちゃん」
「も、もう憂ったら言わないでよ〜」
「先週うちに泊まったときなんか可愛かったんだよ〜。
お姉ちゃんてば梓ちゃんにも自分のこと唯って呼び捨てにして欲しかったみたいでね」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って! ストップ! もうどこから突っ込めばいいのかわかんないから!」
ど、どうしちゃったんだろ、純………。なんか顔真っ赤にして腕ぶんぶん振り回してるし。
「えーっと…梓、普通に平沢家にお泊まりしてるの?」
「あ、毎週じゃないよ。唯先輩が私の家に泊まることも多いし。大体一週ごとローテーションする感じかな」
「それでふたりきりになったら唯、梓って呼び合うんだよねっ」
「うぅ…やっぱり蒸し返されたぁ。だ、大体、憂もノックなしで部屋に入って来るなんて卑怯だよぉ」
「アワアワしてるお姉ちゃんと梓ちゃん、すっごく可愛かったよ〜」
憂の不意打ちにも、「梓、梓」ってハグしてくる唯先輩にも困るけど、
なんだかんだ言って平沢家のお泊まりはクセになっちゃうんだよね。
憂の美味しいご飯は最高だし、集中して唯先輩とギターの練習もできるし。
逆に私の家だとあんまり集中出来ないかなぁ。ハグしたまま寝ちゃうこともあったりして全然練習にならないんだ。
うちの家族も唯先輩のこと大好きだし、リードしなきゃいけないはずの私が、
我が家ってことで油断しちゃうんだよねぇ。
………お日様みたいな体温で抱き締められて、「あーずさ〜」なんて囁かれたら無条件で力抜けちゃうし。
本当、人体は不思議だよ。
「一応、流れで聴くんだけどさ…一緒に寝てるなんてことはないよね?」
「………? えと、なにか変…かな?」
「………………」
あ、あれー……?純ってばなんか本格的に黙りこくっちゃったよ……なんだか肩ぷるぷるさせてるし。
(こ、これはもしや「鈴木純の乱」の再現!?)
途端に全身に緊張が走る。間違ない。これは機動隊二百人を再起不能にしたあの発作の前兆だ!
あのときは最終形態を復活させたさわ子先生が止めてくれたから良かったけど、
今は頼みの綱のさわ子先生もいない…!
(ど、どうしよう…どうしたら……助けて……ゆ、唯っ……!)
命の危険を感じて身構えていたところ、フッと純の肩から力が抜けた。
よ、良かった…例の発作じゃなかったんだ。
「…つまり梓は平沢先輩との日常をそのまま歌詞にしちゃったと」
「ゆるゆるな空気の象徴みたいな感じにしてね」
「思ったままを書きなぐったと」
「そだよ。私なりの決意表明だもん」
「………………」
ニコニコニコニコとろけるような顔で笑う憂と対照的に純はなんだかお疲れのご様子だ。
一体、今日はどうしたんだろう―――と心配していたら、ビシッと指さされて言われてしまった。
「………まさに私は私の道を行くって感じね」
以上です。以前に拒絶シリーズを書いていた人間です。
ちょっと腫瘍の手術で入院していました。今回のはリハビリです。
もう少ししたら拒絶を再開させますので。
あずにゃんはもう唯先輩の魅力に溺れるがいいよ!
良いね
しかし唯梓はたくさんの人達にSS書いてもらってホント皆にに愛されてるなぁ
>>792 GJ
何気に唯との関係を自覚ナシに表明しちゃってる梓に笑ったw
本当にご馳走様なおふたりさんだ
入院してたのですか…早くよくなるといいですね。
気長に待ちながら拒絶の続きを期待してます。
あずゅい
ゆいあずは最高
ゆいあずは生きがい
唯先輩ペロペロ
最近時間がなくて書けない…
でも妄想は忘れない
今月のきららの唯梓な点はどこだろう
扉絵だな
純「梓ってさぁ、唯先輩のこと好きなの?」
梓「え?な、なに言ってるの?」
純「だってよく先輩のこと話してるじゃん?ギター上手くなったとかいつも抱きついてくるとか」
梓「だ、だからって好きっていうのはおかしいでしょ!あり得ないから!」
梓(そうだよ、あり得ない、絶対…あり得ない…)
純「そっかー!よかったー」
梓「え?どういうこと?」
純「うん…実は最近、唯先輩結構いいなーって思ってるんだ」
梓「え…」
梓「かわいいし、一緒にいたら楽しそうだし!今度遊びに誘ってみようかなって」
梓「へぇ…」
純「梓は応援してくれるよね!?」
梓「うん…」
梓(なんだろう、このムカムカする気持ち…純にこんな気持ちになっちゃ、ダメ…)
唯「おーい!あずにゃーん!部室行こうよー!」
梓「先輩…」
純「あ!先輩!ちょっとお話があるんですけど!」
唯「なあに?純ちゃん」
梓(やめてよ。そんな風に話しかけないでよ。先輩も純にそんな笑顔向けないでよ…)
純「あの、唯先輩って、彼氏とかいるんですか?」
唯「え?いないけど」
梓(純はそういうこと、そんな簡単に聞くんだ。私はずっと聞けなかったのに)
純「じゃあ、その…私と今度デートしませんか?映画行ったり買い物したり!」
唯「デートかぁ…おもしろいかも!うん、いいよ!」
梓(OK…するんだ。そんな簡単に…やだよ…やめてよ…行くなんて言わないでよ…)
純「じゃあー、まずはこれからお茶でも飲みに行きません?」
唯「え、でも部活…」
純「一日くらい大丈夫ですよ!ねえ梓、大丈夫だよね!」
梓「…め」
純「え?」
梓「今日はだめ、だから…唯先輩、行きましょう」
唯「うえ?わ、ちょ」
純「ちょっと梓!なによもう…」
部室前の階段
唯「ちょっとあずにゃん、手痛いよ、離してよぉ」
梓「あ…ごめんなさい…」
唯「どうしたのあずにゃん?なんか泣きそうな顔してるよ?」
梓「唯先輩は、純のことどう思ってるんですか」
唯「え?そうだなあ、かわいい子だとは思うね!」
梓「そう、ですか。そうですよね、愛想いいし、色々流行りのこと知ってるし…」
唯「…あずにゃん?」
唯「あずにゃん、泣いてるの?」
梓「な、泣いていません!邪魔してごめんなさい、純のとこに行ってください」
唯「…行かないよ」
梓「え…」
ギュッ
唯「今はあずにゃんと一緒にいたいから、行かない」
梓「せ…先輩…」
唯「ねえ、なんでそんな顔してるの?」
梓「わっ…私…先輩が、取られちゃうって思って…そしたら、なんか…うぇぇ…」
唯「よしよし、私はあずにゃんのこと大好きだよ?絶対離さないよ」
梓「グスっ…私も先輩のこと、大好きです。純や他の先輩や、憂にだって負けないくらい、大好き」
唯「ありがとうあずにゃん♪そうだお礼に…ちゅっ♪」
梓「っ…!な、ななな何を!?」
唯「えへへ、あずにゃんの唇って柔らかいね♪」
梓「あ、うう…初めて、だったのに…先輩のばか!」
唯「あう、ごめんねあずにゃん、怒ってる?」
梓「はい、怒ってます」
唯「ご、ごめん…許してー?」
梓「じゃあ…もう一回してください。そしたら許してあげます」
唯「んもー、あずにゃんたら欲張りなんだからー♪じゃあ、こっち向いて?」
梓「…はい」
梓(純、ごめん。嘘ついてた…私やっぱり唯先輩のこと、大好きだ)
チュッ…
以上です
失礼しました
これが見たかった
808 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 13:35:01 ID:E9gFHiy1
素晴らしい
純ちゃんは優しい子なんや
純ちゃんはいい引き立て役ですな
純ちゃんったら…
純チャンタったら…
純たらちゃんったら…
814 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 02:19:00 ID:f+CnZjGo
純cっったら…
なんか急にこのスレの影響かで×のスレが増えてきたけどやっぱり唯×梓が一番だよ
唯×梓は個人的に初々しいカップルのイメージが強い
主に梓の反応とか。たまに唯がはずかしがったりするし
慣れてない印象があるから、すれ違いとかやりすぎも
書きやすいのかなって。最後は仲直りするし
何が言いたいかって唯×梓おいしいです
天然×ツンデレは至高!
>>738のかふぇいんです。
ブログ更新しときました〜。
長らくお待たせしてすみません・・・。
進展した後のSSとかで見かける梓の呼び捨て&敬語がすっげぇいい
やっぱ唯梓は至高だわ〜
>>821 とある誰かのSSに有ったゆいにゃんが襲われる展開ですね、判りまs(ry
>>824 このスレちょっと遡った所でブログ晒してる人ですね、判りまs(ry
>>823 このカットは見るたびににやけてしまう。
素直になったあずにゃんw
唯「うむむ…」
梓「先輩、何を悩んでるんですか?」
唯「あ、あずにゃん!さっきりっちゃんが言ってたんだけどね?」
梓「はぁ」
唯「女はおっぱい大きい方がなにかとお得なんだって!」
梓「またあの人、変なことを…」
唯「だからあずにゃん…私のおっぱい揉んで!」
梓「んな!?な、なにを!?」
唯「りっちゃんが、おっぱい大きくするには誰かに揉んでもらうのが一番だって」
梓「だ、だからそんなバカなことを真に受けちゃダメです!」
唯「ねーえ、おねがーい…」
梓「う…」
唯「こんなこと頼めるのはあずにゃんだけなの…他の皆には言えないんだよ」
梓(そ、そんな目で見られたら私…断れないよ…)
梓「わ…分かりました…す、少しだけ、ですからね?」
唯「うん♪ありがとう!」
30分後
唯「はぁ、はぁ…あずにゃん、もういいでしょー?」
梓「も、もう少しです!」
唯「ひゃうっ…あっ…あずっ…にゃ…ちから、強すぎるよぉ…」
梓「あ!唯先輩の胸、なんだか大きくなった気がしますよ!」
唯「え?ホント?やったぁ…」
梓「だからもう少しだけ…」
唯「もう勘弁してよぉ!…あぅぅっ…」
カッとなって書
途中になったw
最初は純愛ものにしようと思ったんです!でもついカッとなって…
反省はしていません
>>827 けしからん実にけしからん
もっと書いてください
>>828 ああそうだ反省なんて必要ない。
もっと書いてください
梓「唯先輩は、いつもいつも私に抱きついてきますけど、どうしてですか?」
唯「もちろん、かわいいからだよ」
梓「か……、そんなことないですよ」
唯「そんなことあるよ」
梓「……そうですか、ありがとうございます」
唯「それとね、抱きつくといい匂いがするから」
梓「シャンプーの匂いでしょう」
唯「それとね、ふわふわとしてましゅまろみたいな感じになるから」
梓「昔から体は柔らかかったですから」
唯「一番の理由はね」
梓「なんですか?」
唯「あずにゃんがだいすきだから」
梓「なっ……!」
唯「すきなひとには抱きついてみたり触れ合いたいと思わない?」
梓「それは、その……思いますけど」
唯「あ、じゃあ、あずにゃんにもすきなひといるんだ」
梓「あ」
唯「ねぇねぇ誰なの?」
梓「……唯先輩、ですよ」
唯「ほんと?」
梓「こんなところで嘘吐いてどうするんですか」
唯「嬉しい〜っ」
梓「わ、いきなり抱きついてこないでください!」
唯「触れ合いたいんでしょ?」
梓「う、まぁ、そうですけど……」
唯「ならいいじゃん♪」
梓「それとこれは話が別……って話を聞いてくださいよ」
唯「聞こえな〜い」
梓「……はぁ、ちょっとだけですよ」
唯「うんっ」
Fin
.ィ
( ノィ'⌒丶、
.. -=≠=- .`丶、 \
. : ´ ` . 、一
≡ / ヽ ヘ
, ' Vハ
≡ ノ' //∧ ヽ }iく
 ̄' /| / ヽヽ //:{⌒
≡ i /^l,′ ヘ V V//:j ≡
i| i:. { / { }ハ V.:,
__,、 i| i:::. Vxテミ テミxV ! }/
〃ニ;;::`lヽ,,_ | i:::::i 《 r'.:::i r'.::::} 》从/ }
〈 (lll!! テ-;;;;゙fn __,,--j∧:::iN ゞ-゚ , ゞ-゚' ノ
/ヽ-〃;;;;;;;llllll7,,__/" \ ∨ ii '' '' j´
>>832乙
>、/:::/<;;;lllメ \ヾ、 ヽTf=ヽ ヽ フ .イ
j,, ヾて)r=- | ヾ: :ヽ;;: | l | l`iト . .イ } ト、
,イ ヽ二)l(_,>" l| ::\;:: | | | ヽ,,-‐、i' /
i、ヽ--イll"/ ,, ,//,, :;; l // l く> /::l"'i::lll1-=:::: ̄\
ヾ==:"::^::;;:::/;;;;;;;;;:::::::::::::: :::::ゞ ノ/ L/〈:::t_イ::/ll|─-== ヾ
\__::::::::/::::::::::::_;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ ヘ >(゙ )l:::l-┴ヾ、ヽ )
 ̄~~ ̄ ̄/ :::|T==--::::: // / ト=-|:|-─ ( l /
/ :: ::l l::::::::::::::::::/ /:::::::::::/:::::(ヽ--─ / | /
ヽ_=--"⌒ ゙゙̄ヾ:/ /:::::::/:::::::::`<==-- ノ / /
>>834 止めるつもりが、いつの間にか二人がかりで唯に(ry
アニメ終わってしばらく経つけどまだこのCP大好きだ
>>836 さあ、そのシチュでSSを書く作業に戻るんだ
839 :
1/2:2009/09/14(月) 22:45:40 ID:wrfaQqL5
唯「はぁ、ふぅ…も、もうやめてよあずにゃん…」
梓「だ、ダメです!まだまだ小さいままですよ!」
ガチャ
憂「お姉ちゃん一緒に帰らない?…って梓ちゃん!なにやってるの!?」
唯「あ、ういー…」
憂「なんで上半身裸なの?な、なんで胸を梓ちゃんがわしづかみにしてるの!?」
梓「こ、これはその…」
憂「とにかくお姉ちゃん!早く服を着て…」
梓(ま、まずい…!)
梓「憂!聞いて!」
憂「な、なに?」
梓「実は…唯先輩は真剣に悩んでるの!」
憂「悩んでる?」
梓「そう!胸が小さいことがコンプレックスで夜も眠れないのよ!そうですよね先輩!」
唯「え、そこまでじゃ…」
梓「悩みぬいた先輩は信頼できる私に相談して胸を大きくするよう頼ったの…」
憂「お姉ちゃんがそんな…でもやっぱり私許せないよ…!」
梓「唯先輩を怒らないで憂!ここは私に任せて…」
憂「お姉ちゃん、どうして私に相談してくれないの!?」
梓「え?」
840 :
2/2:2009/09/14(月) 22:48:35 ID:wrfaQqL5
唯「だ、だって…こういうことは姉妹同士じゃ恥ずかしいし」
憂「なに言ってるの!私たちは血を分けた姉妹じゃない!」
梓「あ、あの…憂?」
憂「だから私がお姉ちゃんの胸を大きくしてあげる!梓ちゃんはもう帰っていいよ」
梓「ちょ、ちょっと待ってよ!頼まれたのは私なんだけど!」
憂「梓ちゃんには愛情がこもってないから無理だよ…」
梓「そんなことないもん!いいからどいて!」
憂「やめてよ、お姉ちゃんは私のお姉ちゃんなんだから!」
唯「あ、あの…」
梓「もう、どうすれば…あ!いいこと思い付いた!二人で揉めばいいんだよ!」
憂「そっか、確かにその方が手間も省けていいかも…梓ちゃん名案!じゃあ私が右ね?」
梓「じゃあ私は左を…」
唯「ちょ、ちょっと二人とも…目が怖いよ…」
梓「じゃあ、いきますよ先輩…」
憂「お姉ちゃん、悩み事は今日で解決だよ♪」
唯「二人ともや、やめ…きゃ、あうっ…ひゃん!や、やーめーてーーーーーー…」
完
反省はしていません
>>840GJ
百合SSに自重・反省はいらない、後悔はもっといらない
ドア「ガチャ」
憂「お姉ちゃん、梓ちゃん、ジュース持って来たよ〜…って、えぇ!? 梓ちゃん!何してるの!?」
梓「あ、憂!何って…唯先輩の胸をマッサージしてるんだけど?」ハァハァ
憂「なっ…ほ、ほら、お姉ちゃん嫌がってるよ!早く離しなよ!」
梓「でも、最初に頼んで来たのは唯先輩だし…それに唯先輩だって気持ち良さそうにしてるじゃん!」
憂「むっ…!私の方が…私の方が上手くお姉ちゃんをマッサージ出来るもん!!」
梓「…!!いいよ…なら勝負しようじゃん…憂」
憂「お姉ちゃんを一番気持ち良く出来た方の勝ちって訳…分かった。絶対負けないからね!」
梓「ふふふ…じゃあ私はこっち側を…(絶対負けない…やってやるです!)」
憂「じゃあ私はこっちね梓ちゃん(お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん)」
唯「…えーっと、あの〜…二人とも目が怖いんですけd…ひゃうっ!!」
梓「唯先輩…」ハァハァ
憂「お姉ちゃん…」ハァハァ
fin
>>838 こうですか、分かりません
>>839-840 携帯でのんびり打ってる間に先越されてたw
しかも内容もろかぶりorz
俺の駄文より数段gjです
憂ノリ良すぎww
乙
今度は、唯が逆襲するか…憂と二人がかりで梓の胸を揉む展開を希望
梓が唯に対して胸が小さいことがコンプレックス…って言ってたけど
実際は言った本人の方がの方が小さい訳だし
>>850 ごめん…余計な文字を入れてしまった
方がの方→方が
たい焼きAの人ですけど
ブログにss一つうpしたんで
一応ご報告・・・
>>852 ずっと待ってた♪
おk、紬様がトップになったら俺は全力で支援する、勿論ゆいあず的な意味d(ry
>>777の続きが書けたので投下
続、片想いあずにゃん
どうして、あんな人を好きになってしまったんだろう。
人に変なあだ名はつけるし、特に練習熱心というわけでもない。
そのくせスキンシップと称しては抱きついてくる。おまけに人の反応を見て遊んでいる節すらある。
その姿に入学するまで憧れを抱いていた私の幻想は一瞬のうちに砕かれた。
それこそ、毎日あんなにライブの録音を聞いていた自分が馬鹿みたいに思えるほどに。
「やっぱりムギちゃんの持ってくるケーキは最高だね!」
「唯ちゃんはとっても美味しそうに食べてくれるから、私も嬉しいわ」
上機嫌でケーキを頬張る唯先輩はまるで子供だ。
そんな唯先輩に気を良くしたのか、ムギ先輩は自分のケーキを小さく切り分け、フォークに突き刺すとそれを唯先輩の前に差し出した。
やめて、そんなことしないで…
「よかったら、これもどうぞ」
「ほんとに!ムギちゃん太っ腹だね!」
いくら私が祈っても願いが通じることはなくて、唯先輩は幸せそうな顔でケーキを口にする。
「唯ばっかりずるいぞ!てりゃー!」
「あー!りっちゃんずるーい!」
「何やってんだか…」
すると律先輩が唯先輩のケーキにフォークを突き刺し自分の口へと運ぶ。
すかさず唯先輩が抗議の声を上げ、二人のじゃれ合いが始まった。
澪先輩も仕方がないといった具合いに二人を見つめている。
何ひとつ変わらない部活の光景。
なのに、どうして私はこんなにも苦しいんだろう。
何か鋭利なものが胸を突き刺すような、そんな感触。
ズキズキと鈍い痛みがゆっくりと私の中を廻っていく。
楽しげな先輩方を見て泣きたくなるなんて、ちっともまともじゃない。
母親が子供にしてあげるように、ケーキを食べさせてあげるムギ先輩に嫉妬して
仲の良い姉妹みたいにじゃれ合う律先輩に嫉妬して
そんな二人にからかわれて困っている澪先輩に嫉妬して
今だけじゃない。私は唯先輩と関わる全てのものに嫉妬している。
気を紛らわそうとケーキを口にしても広がるのはチョコレートの苦味だけ。
ムギ先輩が持って来たのだから、これもすごく美味しい…はず。
なぜか今日はそれが喉元を通らず、フォークを持った手が進まない。
「あれ?あずにゃん、食べないの?」
全然フォークが進まない私に唯先輩が目を輝かせて尋ねる。
あれだけ食べたのにまだ食べ足りないらしい。
「ええ、今日はちょっと食欲が湧かなくて…」
「えー!あずにゃん、具合いでも悪いの?」
一転して心配そうな唯先輩。
心なしか顔色が青くなっているように見える。
「大丈夫ですよ。全然、気にしないでください」
「でも梓、調子悪いみたいだし、あまり無理しないほうがいいんじゃないか?」
「そんなこと、ないですけど…」
心配をかけまいと何でもないよう振る舞ってみても、澪先輩が私の嘘を簡単に見抜いてしまう。
それに続くかのように、次々と優しい言葉をかけてくれる先輩方。
「とりあえず今日は帰って休め。これは部長命令だからな!」
「そうだよ。あずにゃんの体が一番大事なんだから」
「元気になったら梓ちゃんの大好きなたい焼きを持ってくるわね」
「梓、もし悩み事があるなら、いつでも相談に乗るからな?」
律先輩も、ムギ先輩も、澪先輩も、それに唯先輩も私をこんなに心配してくれる。
それなのに私は唯先輩が他の先輩と楽しそうにしているのが嫌で…
優しい先輩方に醜く嫉妬しているなんて、なんて嫌な後輩なんだろう。
最低だ、私…
「あ、あずにゃん、どうしたの?急に具合い悪くなっちゃった?」
急におろおろと慌てる唯先輩。けれど、その姿はどこか歪んでいて…
もしかして、私、泣いているの?
一番それに気付いてしまえば、もう我慢するこてなんて出来なくて、私は堰を切らしたかのようにただ泣きじゃくる。
唯先輩は私の体を優しく抱きしめ、子供をあやすように何度も頭を撫でてくれた。
あれから唯先輩の胸で散々泣いた私は、気が付くとベッドの中で眠っていたようだ。
ここ数日、眠れない日が続いていたため肉体的も精神的も限界だったのかもしれない。
目を開けば真っ先に映る真っ白な天井。そして私の髪に触れる柔らかな掌の感触。
「あ、あずにゃん起きたんだね?」
「…ここは?」
「保健室だよ。泣きやんだら急に倒れちゃうんだもん、心配したよ?」
でも、大したことがなくてよかったと微笑む唯先輩。
辺りを見回しても他の先輩はいない。
「ご迷惑をお掛してすみませんでした」
「全然、気にしなくていいよ。あっ、でも…」
私の頭を撫でながら、唯先輩が優しい口調で言う。
「今日みたいに何か悩み事があるなら相談してほしいな。あ、でも私じゃ頼りない…かな?」
照れ臭いのか、自分の頬を指でかく唯先輩。
思うように言葉が出てこない。代わりに私は首を横に振る。
そうだ。こんなにも簡単なことだったじゃない。
すぐコードは忘れるし、練習よりもティータイムやゴロゴロすることを優先するし、でも、それだけじゃないんだ。
誰よりも真っ直ぐで、優しい、そんな人だったから、私は唯先輩のことを好きになったんだ。
「…あずにゃん?」
「………が……き、です…」
聞こえないといった表情の唯先輩。
先輩の体に抱きつく形で私はもう一度同じ言葉を口にする。
「私、唯先輩のことが、好きです…」
ずっと伝えることはないと思っていたのに、声に出して言ってしまった。
だけど不思議と後悔はなかった。
唯先輩は何も言わない。
私は先輩が耳を傾けてくれると信じて、ゆっくりと自分の素直な気持ちを言葉にしていく。
「嫉妬…していたんです。先輩方に。唯先輩が他の人と楽しそうにしているのが辛くて…」
「……………」
「学校でも、家でも、そんなことばかり考えてしまって…ずっと…眠れなくて…」
そこまで話して言葉が詰まる。
目頭が熱くなる。だけど泣いちゃ駄目。最後まで自分の気持ちを伝えなきゃ…
「好きになってごめんなさい…でも、自分じゃどうしようも出来なくて…」
ギュッと目を瞑って、唯先輩の返事を待った。
やがて、ゆっくりと体を離す先輩に私は身を固くする。
「顔上げてこっち向いて、あずにゃん」
「唯、せんぱ…」
顔を上げると同時に、ちゅっと軽く湿った音と共に柔らかな感触が唇に伝わる。
涙でぼやけた視界の先には真っ直ぐな瞳で私を見つめる唯先輩。
「いっぱい辛い思いをさせてごめんね。私も、あずにゃんのことが好きだよ」
耳元で甘く囁きながら抱きしめられる。
密着した体から伝わる先輩の鼓動。鼻孔をかすめる先輩の匂い。
それだけで私の体温は上がり、熱くなった頭が少しずつ理性を溶かしていく。
唯先輩の手が私の腰へと回り、それに応えるように私も先輩の首に手を回す。
そして、互いの気持ちを確かめるかのように何度も口付けを交した。
一方、蚊帳の外
律「心配して様子を見に来たら、こんな展開かよ…」
澪「ひゃっ…あ、あんなこと…」
紬「……………」
律「んー。ムギどうした?さっきから何も言わないけど…って、立ったまま気絶してる!?」
澪「た、大変だ!保健室に連れて行かなきゃ!」
律「澪、落ち着け!保健室は目の前だ!」
澪「そうだった…でも、二人があんなんじゃ入っていけないよ…」
律「ムギ起きろ!うわっ、ムギから大量の鼻血が!?」
澪「血怖い。血怖い。血怖い。血怖い。血怖い…」
律「澪しっかりしろー!あいつらー後でたっぷり文句言ってやるからな!」
紬「ゆいあず…すごく、美味しいです…」
リアルタイム遭遇するとは……
GJ!
GJ
ゆいあず・・・すごく、美味しいです・・・
どうでもいいが、なんかIDが変わっていってるなww
てかそろそろ次スレのタイトルでも考えてみるかね
【けいおん!】唯×梓 3【たい焼きアイス】
>>863 PCが壊れて携帯から投下してるせいかID変わってしまうんだ
ここはID末尾チェックなしの板だから末尾Oは携帯ではないよ。
>>868 いや、書いた本人が携帯って言ってるんだよ
>>868 すみません。
書き込んだのはWILLCOMからなんです。
>>1606 ああ、すまん
なんかバグってレスを二重に読み込んでるみたい・・・。
>>861 ちょwwwむぎちゃんwww
ともかくGJ。
また非常に良い唯梓見せて貰った。
ゆりゆりなんとかの人間だけど
SSS更新したんでよかったらどうぞ
>>873 向こうのブログはタイヤキアイスのリンクから移動した時に初めて知ったけど
今回のポッキーゲームもGJ!
ゆいあず、あったかネタ
「さぁむい〜!!」
帰り道、他の軽音メンバー達と別れた後、私はあずにゃんにそんな感想を連発していた。
季節はまだ秋だというのに、なんでこんなに寒いんだろう。地球温暖化はどこに行ったの?
「先輩は、寒がりなんですよ」
やれやれ、といちいちツッコんでくれるあずにゃんはやっぱり優しい。
「そんなことないよ!寒いもんは寒い!!」
「九月にマフラー巻いてる人初めて見ました」
「だって、寒いじゃん!!」
「そうですか」
ぬぬぅ、これは軽くバカにされている!マフラー巻いて悪いですか!?だって、セーター探してもないんだもん!!
マフラーなら首の隙間から風入ってこないし、あったかいし、あったかいしで、なんか、いいじゃん!!
「で、寒くないんですか?」
「寒いです!!」
あ!はぁ〜、と大きなため息吐かされましたよ!!うわぁい!!あずにゃんひどい!!
「あずにゃんは、寒くないの!?」
私より背の低い後輩を、やや見下ろしながら訊いてみる。
「ええ、寒くないですよ」
そんな見下ろしも、あずにゃんはさらりとかわす。
相変わらず、何の表情も変えずにスタスタ歩いている。そんなあずにゃんの姿を見て、私の胸に何かモヤモヤとしたものが浮かび上がる。
――あずにゃんに、「寒い!」って言わせたい!――
「うりゃああ!!」
そう思ったら一直前進!!私の冷たい手をあずにゃんのプニプニ両頬にドーン!!
「うひゃああああ!!!??」
命中!あずにゃんのライフをえ〜と……、120くらい減少成功!!
ついでに、そのままあずにゃんのほっぺをプニプニ揉みます。
「ち、ちょ、な、な、何するんへすか!!むっ……、にゅぅ……」
「はぁ……、あずにゃんのほっぺ、柔らかあったか〜い……」
「も、先輩……!!……っ」
……あれ、なんかあずにゃんの頭、ふるふる震えてる?
後ろからプニプニしたから、顔までは分かんないけど……。
…………もしかして、泣いてる?
「あ、ああ、あずにゃん、ごめん!私、そんなつもりじゃ……」
と、あずにゃんの正面に慌てて回る。手は、もちろん離して。
……って、
「はい、隙あり!」
むにぃ ふにふに
…………!?私の頬に手!?
「お返しです!」
むにむに ぷにぷに むにゅ
あうう、なんか、好き放題やられてます、私。
でもね、あずにゃんの手、柔らかくて、あったかくて、気持ちいいの。……だけど、あずにゃんがそれを聞いたら、多分怒るだろうなぁ。
……だから。
「あうう〜、あずにゃん、やめて〜」
とりあえず、さっきのあずにゃんと同じような反応をする。唯、悪い子。
「えへへ〜、ぷにぷに〜」
でも、あずにゃんはご満悦みたいです。良かった良かった。
……しばらくの間、私はぷにぷにされ、気がすんだのか、あずにゃんは手を離す。
ちょっと、残念。
「……先輩」
「ん?」
あずにゃんは、なぜか申し訳なさそうに下を向く。
「すいません、ちょっと調子乗りすぎました……」
しゅん、という効果音がまさに似合うほど、あずにゃんはかなり落ち込んでいる様子。
そんなこと、全然いいのに。むしろ、もっとやってなのに。あったかかったのに。
「……あったかかった、ですか?」
うん、だから、もっかい。
「もう一回は、なしです」
「ええ〜、あずにゃんのケチ〜」
「でも……」
不意に、両手に小さな温もりが、ふたつ。
それは、さっきまで私の両頬をいじっていた、小悪魔で、天使な手。
「違うあったかを、あげます」
ぎゅ、と握られた手に、私は微笑んで、ぎゅっと握り返した。
えへへ、と笑うあずにゃんは、秋の夕日の効果もあってか、より一層かわいく、神秘的に見えた。
……うん、たまには寒いのもいい。
おわり
失礼致しました
>>879 GJ!!すごくええわハァ━━━*´Д`━━━ン
>>879 GJ!
梓のほっぺを触ったり、わざと嫌がるふりしながら梓の手で触られて喜んでる唯も天使であり小悪魔な感じがしますなw
ピンポーン
憂「いらっしゃい梓ちゃん、あがって?」
梓「おじゃまします…」
ある平日の夕方、私は平沢家を訪れていた。といっても、遊びに来たというわけではない。
梓「それで、先輩の具合は?」
憂「まだ辛そうなの…熱がなかなか下がらなくて」
そう、お見舞いに来たのだ。唯先輩は学園祭以来の風邪をひき、学校を休んでいた。
梓「これ、ムギ先輩から…律先輩も澪先輩も用事で来れないけど、お大事にだって」
憂「ありがとう…お姉ちゃん、早く良くなるといいけど…」
憂の表情を見て、朝から胸に抱いていた不安感が大きくなる。そんなに具合が悪いのだろうか。
唯の部屋
憂「お姉ちゃん?梓ちゃんがお見舞いに来てくれたよ?」
梓「こんにちは…」
おでこに湿布を貼ってベッドに横たわる唯先輩は、想像以上に辛そうだった。
顔は真っ赤で、息も荒い。まさかここまでとは。
唯「あ…あずにゃんだ…いらっひゃーい…」
梓「先輩…」
唯「ところでうい、あいしゅ…まだ…?」
憂「うん、今買いに行くよ!梓ちゃん、ちょっとお姉ちゃん見てて?私アイス買ってくるから」
梓「うん、まかせて」
あわてて出ていく憂を見送ると、私は唯先輩を見つめる。
その姿に、昨日までの元気はどこにもなかった。
唯「あず…にゃん…きてくれて…ありがとね…」
梓「先輩…大丈夫ですか?」
唯「えへへ…ちょっと…きついかも…」
梓「先輩…」
普段私と話す時は笑顔を絶やさない唯先輩が、本当に辛そうだった。
そんな先輩を見ていると、言い様のない悲しみでたまらなくなる。
梓「先輩…私…」
唯「あずにゃん…もう、部屋出た方がいいよ…風邪、移っちゃう…」
辛そうなのに、頭も持ち上げられないほどに弱っているのに、唯先輩は私の心配をしていた。
そんな先輩が、たまらなくいとおしくなる。私は気付くと、先輩の頬に触れていた。
唯「あず…にゃん?」
梓「私なら…大丈夫ですから…だから、傍にいさせてください」
唯「でも…」
梓「いさせてください」
やや強い口調で言うと、私はそのまま唯先輩の頭を撫でる。先輩は観念したかのように口を閉じた。
それから5分ほど沈黙が続いた後、唯先輩はおずおずと言った。
唯「…あずにゃん」
梓「はい?」
唯「ぎゅって…して?」
梓「ええ?」
唯「いつも私がするみたいに…ぎゅって、して」
突然の頼みに一瞬面食らうものの、私はすぐにそれを聞き入れることにした。
梓「わかりました。制服ですいませんけど…失礼します」
唯「うん」
私はベッドに潜り込むと、唯先輩を静かに抱きしめる。
熱で火照り、汗で湿った体は、少し力を込めれば簡単に壊れてしまいそうなほどに弱々しかった。
梓「苦しく…ないですか?」
唯「大…丈夫だよ…うっ…うえ…グス…」
梓「せっ先輩!?」
唯「ごめん…ごめんねあずにゃん…私、ダメな先輩で…うぇぇぇ…」
そうか、そうなんだ。泣きじゃくる先輩を抱きしめて、私は自分の本当の気持ちに気付く。
私は――私はこの人のことが、大好きなんだ。
梓「先輩…泣かないで?」
唯「グスっ…うぅ…あずにゃん…」
梓「確かに先輩はダメなところもあるけど…それでも先輩は、私の立派な先輩なんですよ」
唯「あずにゃん…」
梓「それに…私は、ダメなところもひっくるめて、唯先輩のことが大好きだから」
唯「え…」
なにかを言おうとする先輩に、私はそっと唇を重ねる。先輩の唇は、とても柔らかかった。
唯「…あず…」
梓「先輩、早く、元気になってくださいね?元気になったら、改めて私の気持ち、伝えたいから」
唯「…うん…あ、ねえあずにゃん?」
梓「はい?」
唯「ありがとう…私も、あずにゃんのこと、大好きだから」
梓「…はい♪」
おいおいなんだこのSSラッシュもっとやれよ
そんな重体でもアイスを食おうとする唯w
890 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 00:09:39 ID:Ee5VeLP3
先輩後輩とりかえばやターイム
もし梓が先輩で唯が後輩だったらどうなってただろう
立場変わってもこの二人はくっついてるような気もするけど
澪×梓スレを見てショックを受けた
あいつらは唯が死ねばいいとか自分勝手なことしか主張できないのか
俺はけいおんのキャラはみんな好きだ
>>892 梓は去年の学際の録音で唯のギターに憧れてたのと、新歓のライブを聞いて感動したからこそ入部してた事を考えると
梓が先輩だった場合下手をすると入部してなかったかもしれないけど
もし、仮に梓が軽音に入部するような展開に進めて…
それから一年経った後に新歓で軽音のライブに聞き惚れれた唯がギターの人の腕前が特に凄くて
外見も可愛いくて唯好みである事から梓に憧れて、その勢いで入部する展開も面白いかもしれないな
はっきりとした目的ありで入部することになるから唯の演奏技術すごい上がるんじゃね
で、梓が嫉妬して。でも好き。から歪んだ愛ルートと師弟ルートに別れる
897 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 13:19:34 ID:b7krhZE9
>>893 見て無いからよく分からないけど、
唯は排除しないと成り立たないくらい根を張ってるキャラってことなのかもね。逆に。
最近は原作でも唯あずプッシュ気味だし。
唯×梓みてニヤニヤできればそれでいいわ
>>894-895 その設定で書くとしたら結構な大作になりそうだなw
ブログかvip辺りでやった方が良さそう
誰か書いてくれるのを期待してます
>>893>>897 あれはただのアンチだからスルー推奨
唯「せんぱ〜〜〜いっ!」ダキッ
梓「あっ・・・もう唯ったら、このままじゃいつまでたっても練習にならないよ?」
唯「だって先輩がちっちゃくて可愛いんだもん!」
紬「あらあら♪」
律「唯ちゃんは今日も元気だねぇ〜♪」
澪「すっかり梓になついてるな」
憂「唯、梓ちゃんが困ってるからそろそろやめてあげなよ」
唯「お姉ちゃんもそんなこと言ってないで一緒に抱きつこうよ!先輩ってすっっっごくやわらかいんだよ!」
和「やれやれね・・・(ああ中野先輩・・・本当は私も先輩に抱きついてにゃんにゃんしたいよぉ・・・・・・!)
梓入部前
梓「ジャーン…っと」
澪律紬「…すごー」
=================
学園祭ライブのビデオ
憂「すごかったんだよー、この真ん中の…」
唯「…か、かっこいい…!」
唯「私も、桜ヶ丘高校に入る!!」
憂「え!?でも…けっこう大変だよ?」
唯「がんばるから!」
=================
新歓ライブ
和「へぇ〜…あの人がそうなの?」
唯「うん!すっごくかっこいいし可愛いし…」
和「なんにせよ、何かやる気になってくれてよかったわ」
=================
入部
唯「皆さんすごく楽しそうで…私もやってみたいって思いました!」
唯「この部に入部させてください!」
梓「(なんかぽわーっとした子だなー…)」
律「よっしゃー!部員一人ゲット!!ちなみに楽器は?」
唯「えぇーっと…ギターをやりたいなって思ってて…」
梓「え?じゃあ…」
唯「まだ触ったことないんです…ギター」
=================
なんかちがうなー・・
>>902 構わん
続けろ
いや、続けて下さいお願いします
>>900 いいよいいよ〜(´Д`)ハァハァ
ただ、律は普通に呼び捨てる気がする
梓も呼び捨てだしな
あずにゃんが先だったらティータイムは毎週水曜日だけ
とかになってそうだ
唯が元々音楽に興味無かったから年齢逆は厳しいんじゃないかと思ってたが…そんな事全然無かったな。
GJだよお前らw
唯梓って梓が少しずつ唯に惹かれていくのが良いよな。
>>902や原作やアニメみたいに最初は唯の事を得にどうとかは思ってないんだけど、
一緒に居る内に梓が唯の良さに気付いてどんどん好きになっちゃってる感じが。
同感だ!
梓は最初は唯のことよく知らなくて慕ってる感じだったけど
ダメなところいっぱい見てそこからだんだん、って感じだったなぁ
唯は初対面でもいつものペースでそこからさらにベタベタ
くっついて離れないイメージ 梓もまんざらでもなかったみたいだし
これが逆になると、唯は先入観とほとんど同じ印象で梓に
ベッタリなんだろうけど、梓が不安定になったときに受け止め役になるのかな
梓はベタベタしてくる後輩を先輩という立場で練習いっしょにしつつ
一生懸命な唯とだらだらーっとしてる唯のギャップに惹かれる感じ?
あれ、なんかどっちが先でも結局大して変わらないんじゃね
梓「みなさんどうか軽音楽部に〜・・・」
梓「はあ・・・みんな何考えてるんだろ・・・」
梓「そもそもこんな格好じゃ音楽の部活とすら思われないよね・・・」
?「ドドド・・・」
梓「・・・・ん?」
?「ネコちゃあああああああああああん!!!!」ガバッ
梓「ゴフゥ!」
??「こら唯!いきなり人に体当たりなんてしたらだめでしょ!」
唯「だってぇ〜」スリスリ
??「本当にすみません!ケガはしてないですか!?」
梓「あはは、大丈夫ですよこれくらい・・・」
??「あれ、その声って・・・もしかして中野さん?」
梓「あ、平沢さん・・・じゃあこの子って・・・」
――――
梓「そういえば、平沢さんとまともに話したことって、なかったね」
憂「憂でいいよ。それに今年も一緒のクラスだし、よければその・・・これからはもっと一緒に話していこうよ」
梓「う、うん」
憂「やった!それに去年の学園祭のライブ覚えてるよー。梓ちゃんすごく上手だったね!」
梓「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ」
憂「あと、『アレ』も・・・すごかったね」
梓「ハハハ・・・・」
憂「ところで梓ちゃん、その着ぐるみずっと着てて大丈夫なの?
梓「え?ああ、そういえばもう脱いでもいいんだよね」
梓「ふぅ〜・・・熱すぎるよこの着ぐるみ・・・って」
唯「・・・・・・」
梓(あっ・・・これはもしかして夢を壊してしまった!?)
梓「こ、これはその・・・」
唯「おっきなネコちゃんからちっちゃなネコちゃんが!!」
梓「!?」
唯「かわいいー!」ガバッ
梓「へぐぅ!」
カフェインですが
流れを壊すようですみませんがブログ更新しときました〜。
そんなこんなであずにゃん達のライブを見た唯は
たちまち軽音部への入部届を握り締め、音楽室へと足を運ぶのでした。
唯「そ、その、新入生のひらしゃわゆいでしゅっ!ふつつかものですがよろしくおねがいしますっ!」
澪「結局入ったのは一人だけか・・・」
紬「でもいいじゃない。だってとっても元気のありそうな子なんだもの」
澪「そうだな。こいつとなら上手くやっていけそうな気がするよ」
律「ふむ・・・意気込みは良し!しかし我が軽音部の道は修羅の道だ!それでもついてこれるか、唯よ!」
唯「イエッサーですデコ先輩!」
律「デコ言うなァーッ!」
唯「えへへ・・・私はまだまだ楽器になれてませんけど、これからどうかよろしくおねがいします、ええと・・・」
梓「私は中野梓だよ。これからよろしくね、唯」
唯「は、はいっ!」
〜とりあえずおわり〜
がくねんのほうそくがみだれる!
GJ!
昨日の新鮮なネタから盛り上がってるなw
>>911 唯視点の唯梓中々良かったw
唯梓Ifの続きも期待してるよ
>>912 ライブを見て、さっきまで猛烈アタックで抱きついてた小さな先輩に憧れた勢いで入部したみたいだな
そして、
>>912の後にしばらく経って
>>900の状況になる訳かw
みんなGJ!
久しぶりに着たら相変わらずで安心した!
そしてそろそろ容量がやばいかも。
次スレの時期か…
次スレは
>>970 タイトルはそのまま
【けいおん!】唯×梓スレ3
これでおk?
容量オーバーしなければね
919 :
テンプレ案:2009/09/19(土) 15:46:20 ID:7avK4tzK
920 :
テンプレ案:2009/09/19(土) 15:49:27 ID:7avK4tzK
490KBをこえてますので立ててみてよろしいでしょうか
>>920 任せた
そう言われれば、確かにss投下多い分容量キツいんだよな
キツい所かあと10kbも無い
923 :
テンプレ案:2009/09/19(土) 16:40:55 ID:7avK4tzK
行ってくる
924 :
テンプレ案:2009/09/19(土) 16:45:27 ID:7avK4tzK
925 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 16:46:44 ID:+8zCcfd8
容量落ちなんてAAスレだけかと思ってたわ
って、ごめん!ageてしまった…
テンプレに使えるAAがあればいいな
唯「次スレおめでとー」
梓「おめでとうございます」
唯「次スレでも私たちのらぶらぶなSSが読めるんだねっ」
梓「ちょ、なんですからぶらぶって……、そんなの嫌ですよ」
唯「らぶらぶはらぶらぶだよ。このスレを読み返してみて?」
梓「黙読中」
唯「どう?」
梓「な、な、な……」
唯「どうしたの?」
梓「なんですかこのいちゃつき具合は! こんなのフィクションにも程があります!」
唯「そうかなぁ」
梓「そうですよ! 大体、私と唯先輩がキス……なんて、そんなのあり得ません!」
唯「え〜? そんなことないよ〜」
梓「そんなことあります! だ、大体心の準備もなしに」
唯「あずにゃんうるさい〜」
梓「ひゃっ! な、何するんですか先輩!」
唯「あずにゃんがうるさいから抱きついてみた〜」
梓「そ、それだけの理由で……」
唯「まだうるさいね〜」
梓「こ、今度は何を……」
唯「次うるさくしたら耳をはみはみするよ?」
梓「み、耳はみ……」
唯「あれ? どうしたのあずにゃん? 顔が真っ赤だよ?」
梓「ななな何でもありません! 気にしないでください!」
唯「そっか」
梓「……」
唯「あずにゃんはちっちゃくてかわいいね〜」
梓(耳はみ……してくれないのかな?)
唯「あずにゃ〜ん」
梓(大きな声を出せばしてもらえる、よね?)
唯「あずにゃん?」
梓「あ、あの! 先輩!」
唯「な、なに?」
梓「……あれ?」
唯「どうしたの? あずにゃん」
梓「耳はみ、しないんですか?」
唯「耳はみ?」
梓「うるさくしたらするって……」
唯「ああ、そんなこと言ったね〜」
梓「うるさくしましたけど……」
唯「して欲しかったの? あずにゃん」
梓[んなっ!? そ、そんな訳ある訳ないじゃないですか!」
唯「二回も訳って使った〜」
梓「う、うるさいです!」
唯「む〜、あずにゃんうるさい」
梓「ひゃぁっ! いきなり何するんですか!」
唯「あずにゃんがうるさくしたからだよ〜」
梓「だ、だからって」
唯「はみはみ」
梓「ちょ、先輩、止めてくださいよ……」
唯「どうして?」
梓「どうしてってそりゃ……」
唯「?」
梓「スイッチ入っちゃいますから」
唯「ほぇ? ……あ、あずにゃん? 目が怖いよ?」
梓「唯先輩が悪いんですよ? 覚悟してください」
唯「お、落ち着こうあずにゃん。私が悪かったから!」
梓「落ち着く? 何を言ってるんですか。私はこれまでにないぐらい冷静ですよ」
唯「どこをどう見てもおかしいよ――にゃあああああああああああぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!!」
梓「ふふ……、夜はまだまだこれからですよ……」
>>932 GJです
小柄なあずにゃんが唯の上にのってぺろぺろ猫みたいに攻めてる続きの映像が浮かびました
>>929-930 って、普通にsageってたのに自分の入れたレスを錯覚していた…orz
>>932 GJ!
梓の「あり得ません!」のセリフは説得力ありませんな
935 :
ウメネタ:2009/09/19(土) 17:45:17 ID:jDoV5kQw
気付かなければよかったのかな。
もしそうなら、こんな思いをすることも無かったのに。
ちっちゃくって可愛い子、というのが出会ったときの感想だった。
本当に可愛くって、ぎゅーっとしたいなーなんて思ったりして。
気が付けばそうすることが日課になったりしていた。
抱きしめると柔らかくて暖かくて、胸にすっぽり収まって。
しょうがないですね、なんて少し困ったような笑顔を向けてくれて。
長いティータイムにはときに不満げな顔を見せたりしていて。
ほいっとケーキをさしたフォークを差し出すとほわっと笑顔を見せてくれて。
真面目に練習すると、とても嬉しそうな顔をしてくれて。
ここ難しいなーって悩んでると、丁寧に教えてくれたりして。
弾けるようになると、まるで自分のことのように嬉しそうに笑ってくれて。
色んなキミが少しずつ私の中に積み重なってきて。
それは全て私の全部大好きなものだった。
そう、大好きになってた。
平沢唯は中野梓のことが大好き―なんて。
それが自分の中にあったのは、いつからだったんだろ。
それは初めてあの子を見たその瞬間かもしれないし。
もしくは初めてあの子に抱きついたそのときかもしれないし。
ひょっとしたら、初めてあの子の奏でる音を聞いたときかもしれない。
わからないけど、でも。
今それがここにあるということだけは、確か。
だって今も、こんなにも胸が苦しいから。
可愛いものが大好きで。
美味しいものが大好きで。
友達が大好きで。
妹が大好きで。
家族が大好きで―
私に触れるもの、みんな大好き。
そんな風にずっと大好きを振りまいてきて、ずっとそうして生きていくんだと思っていた。
一番なんてない。みんな大好き。どれかを選べなんていわれても、わかりません、なんて。
当たり前と気が付かないほどに、それが私だったはずなのに。
先輩―ってあの子は私を呼ぶ。
彼女の上の学年であるという条件、その数多の中の一人が私。
唯先輩―ってあの子は私を呼ぶ。
同じ部活の仲間という意味で、他の人よりも親しいとは思うけど。
そう言って、向けられる笑顔は私にそれを信じさせてくれるけど。
だけど、それは私が望むものと、望んでしまっているものとはきっととても遠いもの。
だから、それを向けられる度に、私の胸はきゅうって苦しくなる。
澪先輩―ってあの子は口にする。
篭められているのは、羨望。私には向けられることのないもの。
いつか憂が言ってた。お姉ちゃんにするなら澪先輩がいいって、そう話してくれたことを。
少しだけちくりと胸が痛んだけど、しょうがないことだって思う。
怖がりで恥ずかしがりやではあるけど、澪ちゃんはしっかりしてて、頼れる人だから。
あの子が慕うのも、無理がないことだと思う。
あずにゃん―
そう呼ぶと、あの子はくるりと振り向いて。
どうしたんですか、と優しい笑みを浮かべこちらに近付いて来てくれる。
ぎゅうっと抱きしめれば、きっと最初少しだけ驚いて、しょうがないなって笑顔をまた見せてくれるんだろう。
ねえ、もし私が―
そう、例えばきゅうっと抱きしめて捕まえてしまって、そのまま誰の手にも届かないところまで逃げてしまったら。
キミはどう思うのかな。
キミは私の一番で、キミの一番を私にして、なんて口にしたら、どういう顔を見せてくれるのかな。
―そんなこと、できるはずがないけど。
私は先輩。キミの先輩。そのうちの一人。
少しだらしなくて、抱きつき癖があって、頼りがいのない先輩。
きっとそれ以上にはなれない。私がどんなに想いを募らせても、胸の痛みが強くなっていくだけ。
何処まで強くなっても、私が私でいられなくなるほどになっても、きっとそれは変わらない。
やめてしまえばいいなんて思うこともあるけど。
でも、それもきっと無理。だって、どうすればいいかわかんないし、そもそもそんなつもりなんて欠片もない。
だって、私は何処まで言っても、キミを大好きな唯先輩ですから。うん、それだけは絶対に、変えたくない。
肩にかかる重み、それを確かめるようにピックを振り下ろす。
応えてくれるのは、いつもの音色。いつもの私の音。私の指が、私の音を奏でていく。
目の前のあの子は、少しだけ目を丸くして、でもやっぱり、優しく笑ってくれた。
音が重なる。キミの音と私の音、今この瞬間は一つの音になる。
それでいい。それだけでいい。それだから―
私は今こんなにも幸せだと思えるから。
だけどね、やっぱり思ってしまう。
この音のように、私の思いも、私たちの思いも一つになってしまえばいいのにって。
そんな奇跡が起きてくれればいいのにって。
なんて、無理だよね。あずにゃん?