「泉こなたを自殺させる方法」を考える29

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1名無しさん@お腹いっぱい。

■前スレ
「泉こなたを自殺させる方法」を考える28
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1227280409/

■保管庫等
こなた自殺Wiki
http://www34.atwiki.jp/konataowata/

つかさビッチWiki
http://www10.atwiki.jp/tsukasa-bocchi-owata/

VIPのらきすたSSまとめ
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/

らきすた呼称リスト
http://www.syu-ta.com/luckystar/luckystar-namecalled.shtm
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 02:25:19 ID:5BezqtfS
         / /         |    ヽ   /      , ´
 楽 楽 は 弋´  /     ___| \  〉-/_,. -‐     /
 し  し  ぁ   .> /   /――-ヽ__Y^y      /
 い い は  (_ /   /-―- ./ /   爪     /
  l !! っ  (/   /´ // /`/  /://:::|`―< ヽ
 よ    は   \ /  //_∠__/  /://::::,' |l \〉 .ハ
  l     っ /⌒ 7 /ィ≠''''ニミヽ/:://::::/ /l l:| |‖ |
!!      |   //_イ/ /  ', }}::::::〃::::/./:/ヽl:| | l| |
         弋 //::::  /  / / ::::/::::::/厶〈 ハ | | ‖
         /⌒,/:::::::  l   /.::::::::::::::::/,イΞミ〈// 人_人||人_ノ
ヽ/⌒ヽ(⌒Y  /:::::::::::ヽ _ー::::::::::::::::::::::::: / } |l<
   | .|| | |l  |       ::::::::::::::::::::: / / / jj::::::} は は あ
   ヽ|| | |l ∧   ト⌒\   ::::::::: し _〃:<  は は っ
     ヽ从ハ | ヽ   |  \ ` 、 ′ ヽ..::::::::::/  ) ぁ. は は
   _ /ヘ| \ ヽ   `ヽ、__フ   :::::::/<   l   は は
         |   \   _)/      / / ヽ !! は は
            l:::>  __,   -‐ ´ /_ノ     は は
            l:/ =ニ二三≠イ //  `ヽ
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 07:33:36 ID:Y4LAZGso
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           ___>` ー---|`ー -- 、
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         .': : { : : |:./ /・\  /・\ ヽ!:.:: :.|:.:|ィ´
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        日  フ 口  メ   __|__  フ |┬   |  |   ‐┼‐  d
  (__   .六  ↑ .田  (___  (丿 ) ↑.ノ│  ノ  ヽ__ノ (丿\ ノ
4JEDI_tkms1984:2009/01/28(水) 21:17:39 ID:lOWelDwo
 前スレが埋まってしまいましたので、その続きをこちらに投下します。
5閻しき貴女よ27:2009/01/28(水) 21:18:47 ID:lOWelDwo
「これ以上引き留めるわけにはいかない。風邪をひいたらいけないしね」
そうじろうが一歩前に出てくる。
「さあ、もうそろそろ帰ったほうがいい。風が強くなってきた」
「はい、あの……おじ様……本当にありがとうございました」
みゆきが恭しく頭を下げる。
「お礼を言うのは俺のほうだよ。こなたのこと、憶えていてくれてありがとう」
ひどく悲しげに彼は言った。
別れ際、つかさは何気なく振り返った。
そうじろうが力なく手を振って見送ってくれている。
つかさはペコリと頭を下げた。


 凍えるような冷たい風が吹きつけたが、3人の心はどこか温かかった。
まるで自分たちひとりひとりの中に、こなたの魂が等しく宿っているような。
奇妙な昂揚感があった。
「こなた…………」
かがみが天を仰ぐ。
冬特有の曇天の中、雲の隙間をスリットにして陽光が差し込んでいる。
自然が作り出す雄大な美にかがみは目を奪われた。
小さい頃、あの雲の隙間から差し込む光のカーテンは天使が降りて来るための道だと母親に教えられた。
つかさは目を輝かせてその話を信じていたが、かがみは半信半疑だった。
後になって、可哀そうな少年と犬がルーベンスの画を前に息絶えた時、アルプスの少女によく似た天使が光とともに降りてくるという
アニメのワンシーンを観てようやく彼女も信じるようになったほどだ。
あれが本当に天使の通り道なら。
こなたはあの一筋の光をつたって降りてきたのだろうか。
「ありがと……それと……ごめんなさい……………」
4年越しにかがみは謝罪と感謝の言葉を口にした。
ありふれた陳腐な表現ではあったが、今ならこの想いもこなたに伝わる。
かがみは思った。


しばらく宙を歩いているような感覚にみゆきは酔った。
現実を受け止めはしたが、まだ受け容れられる段階ではなかった。
自分はずっと逃げていたのかもしれないと考える。
親元から学校に通っていたつかさは毎年、墓前で手を合わせていた。
自分はどうだっただろうか。
学業に忙しいという理由で、追悼は遠く離れた寮からですませていた。
言い訳としては成り立たないでもないが、それこそが逃げだとみゆきは思いなおす。
忙しいと言っても年末年始は欠かさず帰省していたではないか。
その折に墓参りに行くこともできたし、今日のように直接こなたの家に行くことだってできたハズだ。
それをしなかったのは――。
できるハズのことを何ひとつしなかったのは――。
意識的にか無意識的にかは関係なく、そうすることを避けていたのだと思い至る。
こなたを蔑ろにしてきた自責の念がある。
だがそれを自覚したくなかったのだ。
みゆきがどこまでも冷徹でこなたの死に些かの憐憫の情も抱かない性格だったら、かがみたちの手前、表面上は悼む振りをして、
形式だけの追悼をすればよかった。
しかし心根の優しい彼女にそれはできない。
そうじろうに真実を聞かされた今でも、こなたを自殺に追い込んだ責任は自分にもあると思っている。
実際は短命に耐えきれず、自ら死を選んだというのに。
その最期を楽しいものにしてやれなかった、という別の想いがみゆきをやはり苦しめる。
(………………)
不意に見上げた空、雲の隙間に光を見たみゆきは、
「こなたさん…………」
性ではなく名で呼んだ。
自分にとって特別な存在であると意識できるように、彼女は敢えて名で呼んだ。


6閻しき貴女よ28:2009/01/28(水) 21:19:41 ID:lOWelDwo
姉と違って不可思議なものでもすんなり受け容れるつかさは、多少の逡巡こそしたがこなたからの手紙を心に受け取った。
罪の意識がどうこうよりも、4年ぶりにこなたに再会できた感動が大きかった。
彼女は生きている、傍にいてくれた。
そう実感できただけで幸せだった。
もちろん自分が冷たく突き放してしまった悔いは、この先どうやっても拭いきれるものではない。
もしあの時、こなたの寿命が2年にも満たないことを知っていれば、決してあんな辛辣な言葉は投げなかったハズだ。
その意味での後悔はある。
冷静に考えれば事実を今日まで知らなかったのだから、つかさは何も後ろめたさを感じる必要はない。
突き放したとはいえ悪意からではなく、こなたのためを想っての発言であるから恥じることもない。
(こなちゃんは……幸せだったのかな…………)
ふとそんな考えがよぎる。
たった18年の生涯の中で、幸せとは何かに気づく暇さえなくこなたは逝った。
知ったのは己の短命だけだ。
何のために彼女は生まれたのだろう。
何のために彼女の母は彼女を産んだのだろう。
何のためにそうじろうだけが残されたのだろう。
(……こなちゃん…………)
実りのある人生をこなたが送れたとは思えない。
付き合いは陵桜に入ってからのわずか3年間だけだったが、彼女の人生に華を添えた憶えは一度もなかった。
ましてやあんな最期を迎えられては、仮につかさがどれだけこなたを慕っても痼が残ったに違いない。
見た目に反して健康であることだけが取り柄の彼女は今、自分が重い病に冒された経験がないことを疎みに思った。
自分も余命数年と宣告されるくらいの病に罹ればいいのに。
そうすればせめてこなたと同じ気持ちになれるか、そうでなくともこなたに近づくことができるのに。
こなたは独りで逝った。
自分たちだけがこの地上に取り残されたような気がして、つかさは天を仰いだ。
あの光を昇っていけば、こなたの居る場所にたどり着けるのだろうか。
「ごめんね…こなちゃん…………私たちだけ生きて…………」
この声が届くことを信じてつかさは呟いた。
もう一度だけ天を仰ぐ。
(あ…れ…………?)
雲の隙間からは依然として光が注いでいる。
が、つかさは確かに見た。
一筋の光が上からではなく、下から伸びる瞬間を――。
(なんだろう?)
しばらく考えたが、彼女には分からなかった。


 慈悲深い少女たちの後ろ姿を見送ったそうじろうは、久しぶりに他人と会話した喜びに酔った。
これまで彼が接してきたのは担当編集者か、忘れた頃にやってくるゆきやゆいくらいだった。
どちらも望ましい客ではない。
生活がかかっているから編集者とは厭でも顔を合わせなければならない。
ゆきは今や数少ない身内のひとりだが、だからといって明るい話題で気を紛らしてくれるわけではない。
彼女を見ると、どうしてもゆたかを思い出す。
互いに慰め合うつもりで訪ねてきている素振りこそするが、そうじろうは分かっていた。
ゆきは遠回しに自分を責めているのだ。
陵桜学園に通う際に通学時間の関係で泉家に住んでいたゆたかは、大学生になっても引き続いて留まった。
たまたまゆたかが選んだ大学がここから近かったからだ。
病弱な彼女は通学に長時間かけるとそれだけで体調を崩しかねない。
ゆきや彼女の夫とも相談した結果、卒業まで面倒をみることになったのだ。
娘が世話になっているということで小早川からは月5万程度の入金があった。
衣食住をこれで充ててほしいとの事だったが、家計を預かるそうじろうはこれでは足りないと知っていた。
小柄な分、衣服にはほとんどお金は使わずに済んだ。
買い替えても特にブランド志向ではないから安くつく。
学費に関してはこの5万円とは別に小早川が出しているから――当たり前だが――その点の心配もなかったが。
ゆたかはとかく医療費がかかる。
すぐに熱を出して寝込んだり吐き気を催したりと、病に臥せることが多いのだ。
デリケートなゆたかの症状は市販の解熱剤や鎮痛剤では効果が薄い。
7閻しき貴女よ29:2009/01/28(水) 21:20:47 ID:lOWelDwo
結局、頼るのは医院ということになるのだが、診察代やら薬代やらがかさんでしまう。
彼女の場合は食費より医療費のほうが高いのだ。
ゆきも夫も――ゆたかにかかる費用の詳細を知らない。
毎月5万程度を振り込んで、あとは面倒を見てくれとなかば投げ出した形でゆたかを預けてきた。
それを引き受けたそうじろうには管理する義務が生まれる。
しかしゆたかは病死した。
「勝手な話だよな……」
居間の柱に背を預けて彼は呟いた。
ゆたか死亡の報せを聞くや、彼女の父親は鬼の形相で泉家の戸を叩いた。
この人殺し、と近所にも聞こえるくらいの大声を張り上げもした。
そうじろうがついていながら、なぜゆたかは病院にも行けずに亡くなったのだ、と烈(はげ)しく罵った。
病院をたらい回しにされた事実を伝えても、彼はそれもお前が悪いと言を曲げない。
もっと早く手を打っていれば引受先の病院が見つかったかもしれないのに。
すぐに救急車を呼ばなかったお前の怠慢が引き起こした悲劇だ、とも。
挙句には、
『娘が自殺したから、うちのゆたかが憎くなって殺した』
とまで喚くようになった。
普段、ほとんど交誼のなかった男が娘を奪われた原因をそうじろうただ1人に押し付けた恰好だ。
「自分はゆーちゃんの面倒なんてこれっぽっちも見なかったくせにな……」
たった5万円出しただけで責任一切をなすりつけるやり方が気に入らなかった。
悪口雑言をまくし立てるゆたかの父親に、これまでかかった医療費を請求してやろうかとも思った。
「ゆきにしても――」
直情的な彼とは逆に、ゆきはやけに大人しかった。
ゆたかを喪ったショックが大きかったのかとそうじろうは最初思ったが、どうもそうではないらしい。
彼女は彼女で、夫とは違う方法で自分を責めようとしているのだと後になって気付く。
表向き、こなたに先立たれた自分を労わるような言葉をかけてはくれるが、二言目にはゆたかが、ゆたかがと呟く。
あんたの所為でゆたかは死んだ、という意味のメッセージを巧みに濁して叩きつけてくる。
こうなると兄妹はもはや他人も同然だ。
いい加減うんざりしていたが、ゆたかの死の間際に傍にいたのは誰あろう自分なのでそこは言い返せない。
居候を引き受けてもいるから責任は悉く自分にあるという自覚も持っていた。
(………………)
だが、この2人から代わる代わるに責め苦を受け、そうじろうの心は一時も休まることはなかった。
だからこそ、昔と変わらない表情でこなたに逢いに来てくれたかがみたちを見た時、彼は久しぶりに心から喜べた。
「………………」
彼はふぅっと息を吐くと、抽斗(ひきだし)から真新しい原稿用紙を取り出した。
パソコンを使うようになってからはすっかり役目を終えた罫紙だ。
「もうすぐ行くからな……」
愛用の万年筆を手に、ペン先を滑らせる。
はらり、と一枚の紙がそうじろうの目の前に落ちてきた。


『だめだよ おとうさん』


急いで書いたらしく、字と字がつながっている。
「おいおい……ルール違反じゃなかったのか?」
そうじろうは口の端を歪めて笑った。
「お前たちがいなくなってな、残された俺はずっと寂しかったんだよ。なんていうかな、生きる甲斐がないんだよ。
何のために生きてるか分からないんだ。分かるだろ……いや、分からないか…………」
筆を収め、目を閉じて深呼吸する。
「黙ってたって俺も歳をとるさ。放っておいてもいずれはお前たちのところに逝く。でもな、待てないんだ。
30年先か40年先か分からない。たった独りでそんな永い間を生きていくことに意味がないんだよ。
お前たちがいない世界で生きようなんて思えないんだよ」
再び便箋が落ちてきた。
目を開け、それを確認した彼はまた自分を嘲る。
8閻しき貴女よ30:2009/01/28(水) 21:23:24 ID:lOWelDwo


『そんなの誰のためにもならないわ おねがい そう君、考えなおして』


(今度はかなたか――)
自分の呟きがこなたにもかなたにも届いているのだと彼は知った。
「かがみちゃんたちが来てくれたおかげで、俺は久しぶりにお前たちに逢えた――。
こなたの手紙を読んだ時、急にお前たちに逢いたくなったんだよ……今まで我慢してたのかもしれないな。
意味もない生に縋りついて寂しい想いをする必要はないんだってやっと分かったよ」
彼はふらりと立ち上がり、亡きかなたの遺品である鏡台に手を伸ばす。
カミソリが入っていた。
「ようやく決心がついた……あの娘たちに感謝しないといけないな……」
ぎらりと銀色に光る刃先を首筋にあてがう。
彼は虚ろな眼を下に向けた。
テーブルの真ん中に不自然に置いた1枚の原稿用紙。
罫線を無視してそこにはたった1行、



『 もうしわけございませんでした 』



謝罪の言葉が丁寧な字体で書かれてある。
何に対して、誰に対して謝っているのか、書いた本人も分かっていない。
死ぬ前に何か書き残そうとしたのは、彼が生粋の作家だからだろうか。
しかし気の利いた文面は思い浮かばず、結局は誰にでも書けそうなこの一文のみが残った。
「情けないよな…………」
全てを諦観しきったそうじろうが吐くからこそ、この言葉は残酷なほどの皮肉を持って打ち響く。
「お前たちと同じ”逝き方”ができないのは残念だが――同じところには逝けるからな…………」
瞳に様々な感情を宿らせて、彼は一気に刃を滑らせた。
血液が放物線を描いて勢いよく噴き出す。
同時に白い紙がひらひらと舞い降りたが、赤とも黒ともつかない血溜まりの中に落ち、彼の遺書ともども深い闇の中に沈んだ。
真っ白だった2枚の紙が血を吸って赤く染まり、やがて黒に変わった。









   終



9JEDI_tkms1984:2009/01/28(水) 21:30:51 ID:lOWelDwo
 以上で終わりです。
こなたというより、そうじろう自殺SSのようになってしまいました。
いじめを苦に……といういつもの手が使えないのでやや苦労しました。

改めてスレを立てて下さった方に感謝を。
そしてお読み下さりありがとうございました。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 22:03:46 ID:cWdB2Vj0
授業中、突然背中から鋭い痛みがはしった。
コンパスの針で背中を刺されたのだ。
あまりの痛さにこなたは声をあげた。

こなた「痛っ!」

先生「こら、泉。五月蝿いぞ。」

こなた「先生、さっき背中を刺されて・・」

こなたの悲痛な叫びを先生は遮り、説教をした。
周りではクスクスと笑いが起こり、立たされたこなたは目に涙を浮かべている。

先生「お前はいつもすぐに嘘をつくからな。第一クラスにそんなやつはおらん」
こなた「本当です!わたし嘘つきません!」

先生「五月蝿いなぁ。もういい。泉、廊下で頭を冷やしてこい!」

これ以上何を言っても無駄と悟ったこなたは、
「はい」と呟き、廊下にでて、その足で屋上へ向かった。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 23:00:54 ID:WbzzPf8O
>>9
今回のお話、凄く素敵でした
綺麗にまとまっていてそれでいて切ないというか…
とにかく乙です
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/29(木) 01:27:06 ID:JlVr+kMA
>>9
乙です。熱い感情が瞳に込み上げてきました。
本当にこちらの心に訴えかけてくる文章を書かれますね。
今後も期待してます。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/29(木) 02:27:48 ID:ITsUp2RE
>>9
乙。

つかさが空へ伸びる光を見たのとそうじろうが自殺したのは同時刻と考えていいのだろうか?

14名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/29(木) 12:51:19 ID:T1xgCJrI
まとめのJEDIさんのSS、なんかおかしくない?
15名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/29(木) 17:50:40 ID:9dtSQWd5
何処が?
16名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/29(木) 20:53:52 ID:dgogIhp9
17JEDI_tkms1984:2009/01/29(木) 23:24:50 ID:Xf6qWPRq
 お読みいただきありがとうございます。
早くもwikiに上げて下さったことにも感謝しつつレスを。

>>11

いじめネタが唯一の十八番である僕にとっては、投下に勇気のいるSSでした。
自殺にも様々な動機がある。
書いていて今さらながらにそう思ったものです。

>>12

本来、感動物というのは苦手なのですが今回は敢えてそれに挑戦。
読み手の心を打ったとあればこれは成功ですね。
次回も頑張ります。

>>13

お察しのとおり、昇る光はそうじろうが天に召された時のものです。
つかさだけは最初から他の2人と区別して書いています。


18名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 01:58:19 ID:3cYEqOsj
>>10
久々に小ネタみたわ
19名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 06:58:16 ID:SCCVVs45
なんとなく引っ張ってみる
>>10

こなたが階段を一段一段と踏みしめる度に、辺りにはこつり、こつりと無機質な音が響き渡る。
屋上へと至る踊り場は普段から人気がないせいか、陰鬱な空気で淀んでいた。
ましてや今は授業中。それなりに出来た生徒が多いこの学校では、授業を抜けてまで出歩く輩など無きに等しい。
その中休みの喧騒などとは程遠い静かに張った空気が、同じく沈み切っていたこなたの心を余計に暗へと手招いたのだろう。
こなたは誘われるように屋上へと注ぐ日差しの下に身を晒すと、一歩、二歩と屋上フェンスに歩み寄って行った。

「いっそ、飛び降りてしまおうかな」

こなたの自嘲めいた呟きが、屋上を吹き抜けていく風のなかに溶けては消えた。
遺言めいた呟きを聴き取ってくれる者など、この場にはいない。
むしろ、こなたが通っている教室で呟いてみせたとしても、クラスメイト達は揃って聴こえないフリを決め込むのだろう。
いや、どちらかというと嘲笑を浴びせ掛けてくるに違いない。
そうなのだ、既にそれだけの地盤が固められており、ひっくり返しようがないほどにこなたの立場は追いやられているのだ。
その事実はこなた自身にも良くわかっていたので、先の独白のせいで尚更、空虚な情趣に身を委ねるだけの結果となった。
けれども、ただ一つだけ。
ギシリと、まるで返事をするかのように軋んでくれたフェンスに対し、こなたは妙な親近感を抱いたのだ。
だから撫でた。
人通りの少ない場所で、来る日も来る日も雨と風に吹かれ、塗装が剥げ落ち、
忘れさられたように補修も施されず、しかし落下事故を防ぐ為だけに今この瞬間もその身を保ち、くたびれてしまった赤茶の網を。
そして、何度も何度も自分を見送り、最期を看取ってくれていたこのフェンスを。
こなたは、優しく撫でた。
冷たさを孕んだ風は、相も変わらずこなたと、そしてフェンスを攫っていく。
長居をしていると身体の芯から冷え切ってしまいそうだというのに、こなたはその場を一向に離れようとはしなかった。
何故なら、こなたの中にはある感情が芽生え始めており、それが元でこの場を離れるに離れられないでいたからである。

怨みだ。

理由はわからない。なぜ、私がこういった状況にあるのか。その説明は付けられない。
だけども、私の中には歴とした記憶があるのだ。
信じていた人達から騙され、裏切られ、欺かれ、叩き落とされてきた記憶が。
どうしてなのかはわからないが、実体験としてこの身に刻まれているのだ。
それこそ、この赤茶けたフェンスで囲まれた場所から、遥か眼下で構えているコンクリート目掛けて飛び降りた記憶だって……。

「いっそ、飛び降りてしまおうかな」

こなたの呟きが、再び風の中へと溶けていった。
しかしその声音には一度目の時よりも多くの迷いの念が含まれていた。
どうしてこなたが思い悩んでいるのか。それは、選ぶべき二つの結末を前にしているからである。

ひとつ、このまま飛び降りて終わりとするか。
ひとつ、やはり飛び降りるのは止めとするか。

だが、この選択は最早、単純にこなたが飛び降りるか否かの問題ではなくなってしまっている。
こなたには、もし自分が後者の道を選んでしまえば、自分自身が復讐鬼に成り果ててしまうという確信があるのだ。
この寒空の下に居るというのに熱く煮え滾るほどに身体を逸らせたてる復讐心。これはどうにも消せそうにない。
そうなれば自身が生きている限り、この残虐な感情を他者へとぶつけてしまうことになるのは避けようがない。
それはあまりにも非道だ、と。
だからこそ、こなたは迷っているのだ。
何度も叩き落とされてきた自分だからこそ、その道を選んではならないのだと言い聞かせているのだ。
けれども選ばないということは認められない。
こなたは様々な思惑によって震えそうになる身体をきつく抱きとめ、心地の悪い思惟に耽り。

やがては、その意を決めた。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 12:01:01 ID:n4U3CuOE
>>14
俺も可笑しいと思う。
2でいきなり27からのスタートになってる…。
こなたからの手紙の部分とかが書かれた中間がごっそり抜けてる…。
もう一度補完宜しく。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 13:24:25 ID:RAbuFiyG
このスレの奴頭いかれてるだろ
お前らが自殺しろよ
22名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 15:49:28 ID:agHV51Qw
閻しき貴女直しといた。
指摘サンクス
>>19
中尉?
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 17:18:41 ID:UO4jyptX
>>19
続き! 続き!
24JEDI_tkms1984:2009/01/30(金) 20:38:46 ID:NL7Pvt8W
 「閻しき貴女よ」wikiにあげてくださりありがとうございます。
さしでがましいお願いではありますが再度、1の方の本文追加をお願いできませんでしょうか。
59行目あたりから本文が一気に飛んでしまっているようです。
自分で編集できればよいのですが拒否リストに入っているなので、どなたかお願い致します。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 21:23:32 ID:linG0q1F
あれ?
>>22が直したって言ってるけど直ってないの?
26JEDI_tkms1984:2009/01/30(金) 22:02:11 ID:NL7Pvt8W
 >>22の方に修正戴いた部分とはまた別のところでして。
お手数おかけする申し出で恐縮です。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 22:24:09 ID:Wbz83GXN
修正完了。何かおかしなところあったら指摘下さいな。
今回不完全だったなら、次は全て1から編集しなおします。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 22:32:18 ID:oANFHcdy
>>19
俺の20倍は文才ある
29名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 22:44:44 ID:j/afOMpm
>>19
>>10のは中学生時代の設定で考えたんだけど、
ここまで引っ張れるなんてすごい
30JEDI_tkms1984:2009/01/30(金) 22:51:50 ID:NL7Pvt8W
>>27

 ありがとうございます。
お陰様で本文全て収まりました。
お手数おかけしました。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 07:47:53 ID:9rAraIwg
>>19

「あ……おかえり。その、大丈夫?」

昼休みが訪れ、色めきだった教室の敷居を跨ぐなり、つかさが労いの句を掛けてきた。
その内情を包み隠そうともしない表情からは、彼女の純真さが窺えそうでもあるが。

「大丈夫、いつものことだから」

こなたは教室内の誰ともなくを睨むように見回し、それから笑顔を作った。
尤も、これが本心から来る笑顔でないことくらいは説明するまでもないだろう。
こなた自身もそれを理解したうえで笑い掛けてみせたのだ。
一体全体、今回は誰が首謀者、或いは共謀者なのか。
少なくとも今までのパターンから考えるに、仲間ヅラをした人間達がこうやって心配気なフリをしておき、
最後の最後で本性を表しては私をどん底へと突き落とす。
これが主たる手立てだったはずだ。
このような仕打ちを幾度となく繰り返されれば、その可能性を持っている相手を信用なんてできるはずもない。
ましてや、誰が首謀者なのかが現時点では不明。
つかさか、かがみか、みゆきか、それとも……私自身の家族や、それ以外の身近な人物か。
いずれにせよ、私の方から不審な動きをみせる訳にもいかない。
下手な動きを悟られてしまえば、きっと相手は私の虚を衝くような策を以って追い込みを掛けてくるに違いない。
故に、私が記憶を持っているというアドバンテージを失う訳にはいかない。
現時点では、敵がいることが判っているだけでも遥かに有利なのだから。
そのような要素が複雑に絡まっていたので、こなたは笑顔を作ったのだ。
すべては先を見据えた計算の上で、である。
そう、こなたは決めたのだ。
自身が辿るべき結末は、あの時点で飛び降りることではないと言い聞かせたのだ。

「よろしければ、中庭にでも参りませんか?」

みゆきがこなたの席から運んできた弁当を手渡し、同時に提案を投げかけてきた。
彼女の隣には今し方、隣のクラスからやってきたばかりである柊かがみが、心配気な面持ちで眺めている。
みゆきの提案は、こなたの事を考えた上での気遣いなのだろう。
こなたにしてもこれを断る理由は特に無い。敵意を感じる教室内より、外の方が落ち着けるというのもその理由のうちの一つだ。

「うん」

だから乗った。
その際、如何にもなと思える沈鬱とした表情を作ることを、こなたは忘れはしなかった。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 07:49:20 ID:9rAraIwg
季節がら、抜けている空からの日差しがあっても、身が竦みそうなほどの寒さは払えない。
こんな状態だというのに、わざわざ風が吹き抜ける中庭まで出向くとは酔狂なものだな。
と、こなたは思いつつ、気温を恨むように空を睨んだ。

「あんたさ、誰にやられたのよ?」

手頃な場所に腰掛けるなり、かがみが切り出してきた。
彼女の語調からは、こなたに対する心配を通り越し、見えない誰かに対する仄かな怒りが見受けられる。
当のこなたはというと溜息を交じえつつ、いつも通りの返答をすることとした。

「あれはきっと、私の気のせいだったんだと思う」

下手な波風は立てたくない。
その一心で、こなたは現在に至るまでの様々な出来事をも隠し続けてきていた。
いや、波風を立てたくないというよりも、下手に誰かを信用したところで意味がない。
ましてや後々には痛烈な裏切りが待っているだけだ。
という諦観に基づいた、一種の自己防衛ゆえの行動なのである。
しかし、こなたのような”経験”が無いかがみは、食い下がろうとはしなかった。

「そんなにあたしが信用できないの?」

今度の怒りは、釈然としないこなたに向けられているようにさえ思えた。
しかし、こなたにとってはかがみの『信用』という言葉がどうにも滑稽に思えてならなかった。
それこそ、信用を失わせる行為を度々繰り返してきた相手が口にしていれば、滑稽さにもより拍車がかかるというものだ。
等々の自分を縛っている事情は当然、こなたは表沙汰にしない。こなたは相反する感情を抑えこみ、辛辣そうな面持ちで述べた。

「信用はしているよ。かがみ達とは付き合い長いんだしさ。でも、あれは私の気のせいだったんだから仕方がないよ」
「でも、つかさの話じゃ、あんたが授業中に声をあげたって……」
「知っているでしょ、私の中学の頃の話。私ね、昨日遅寝だったから授業中にウトウトしちゃって。
 お陰で、授業中に寝ぼけたまま昔の夢を思い出してて……これってフラッシュバックってやつなのかな?
 そんなことより、ほらほら、先にお昼を食べようよ、ね?」

こなたが曖昧に笑うと、かがみは何か言いたげなまま押し黙った。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 07:50:27 ID:9rAraIwg
こなたが中学生の頃の話。
それを端的に言うなれば、こなたは虐められていた。
その理由は極めて有触れたもので、こなたにはどうしようもないものでもあった。

幼い頃に母親と死別し、授業参観には父親が来ている。
こなたの容姿は同世代に比べて遥かに幼く、体格も小さい。
母親の面影を思わせる髪。それが、周りの目を引いてしまうほどに長い。

虐めへと繋がった要因すべてを挙げていくならばキリがない。
そもそも、年齢的に幼く、精神的にも未熟な時期にある中学生にとっては、虐める為の理由なんてものは何だって構わないのだから。
一般的に考えてみても、家が貧乏だとか、声変わりが早いだとか、足が遅いだとか、名前が変だとか……。
それこそどうしようもない理由が元となって、難癖をつけられるのは御多分に漏れずだ。
ただ、その標的として選ばれたのが泉こなたであった。
周りにとってはそれだけのことに過ぎない。
むしろ、共通の敵を叩く事で、周りはその仲間意識をより強めることになり、
逆に自身が標的になる事を恐れるあまり、敵を潰すという行為がエスカレートしていくことは免れない。
いわば、虐められる人間は多数派の人間関係を円滑に進めていく為の人身御供だとも言える。
こうして一旦、虐めが始まってしまえば、それを解決するのは至難の業だ。
例え教師なりの協力を得て力任せに止めさせたとしても、表面的な部位が消え失せてしまうだけで、
内面的な部位は何ら解決してはおらず、むしろ”他者へと縋った”という事実は余計に実行犯らの悪心を刺激してしまう。
だから大抵の場合は本人だけで抱え込んでしまう。
加えて、こなたは父親にだけには心配をかけたくないと切に願っていた。
自身が虐められているという事実が露呈してしまうことを大いに恐れた。
やがて、何も対策をとらなかったことが災いし、こなたに課せられる行為は苛烈を極めていき……。

結果、現在のこなたがある。

少しでも偏差値の高い学校へと進学すれば、濁った連中とは手を切れるに違いない。
少しでも早い段階で仲間を作っておけば、自身の身を守れるに違いない。
少しでも明るく振る舞えれば、少しでも口数を増やせれば、少しでも……。
そのような希望的観測と自己実現の努力の末、陵桜学園へと進学し、こなたはかがみ達と知り合ったのだ。
こなたが俗にいうオタクなのも、インドアな趣味が多いのも、すべては鬱々とした中学時代によって象られた性格である。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 07:51:55 ID:9rAraIwg

「ごちそうさまでした」

味など感じられない昼食は、早々に切り上げとなった。
食事の途中で、誰ひとりとして「寒い」などと零さなかったのは、各々なりの思惑があってのことなのだろう。

「それじゃ、教室に戻る?」

つかさが遠慮がちにも同意を求めるように見回す。
その視線を受けたみゆきやかがみは、同様にこなたの方を窺った。
判断は当事者に委ねる、という呈であろう。

「そうだね、そうしよっか」

こなたは明るく振る舞う。
それにつられるように、三人も遠慮がちではあるが微笑んだ。

とてもぎこちない笑みだった。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 07:53:21 ID:9rAraIwg
「あ、みゆきとつかさは先に戻っててよ。ついでで悪いけど、あたし達の弁当箱を頼むわね」

教室へ戻る途中で、かがみがこなたの腕をとった。
それから声を顰めて続ける。

「ちょっとだけでも言いから、話を聞かせて」

仕草だけで、かがみの意志が固いものであることが、こなたには分かった。
そのため、こなたは静かに頷き、つかさ、みゆきの両名へ向けて「じゃあ、後でね」と伝えるほかなかった。
二人と別れると、かがみはこなたを人通りが少ない場所へと先導していき、
やがて辺りに人影が無いことを確かめると真に迫った貌でこなたへと向き直った。
思わず、こなたは身構える。
『ここで本性を現すのか?』
という疑念によって、言い知れない緊張感に襲われた。
だが、かがみの言葉はそれとは相容れない、優しい口調のもとに紡ぎ出された。

「その、夢だっけ? なんでもいいけど、どういう風なことをされたのか教えてよ」

何を目的としているのだろう。
こなたは不審に思いながらも、その問いに答える。

「えっと、コンパスで背中を刺される夢だけど」
「コンパスで? 授業中に?」
「うん……」
「ちょっと背中を見せて」
「えっ?」

こなたは迷った。
せっかく夢であると誤魔化したのに、その証拠を気取られるのは如何なものか。
とはいえここで断るのも却って怪しいというもの。
幸い、季節がら着込んでいるので制服にまで出血は届いていないだろうし、コンパスの針ならば衣服の傷も目立たないはず。
こなたはそう考え、かがみに背中を見せた。

「何もないわね」
「だから夢だって言ったじゃん。アレは勘違いだって」
「ちょっとセーラーを脱いでみて」

一瞬、校舎全体が沈黙したかに思われた。
真顔でかがみが口にした指示を理解することに追われ、こなたは混乱したからだ。
数瞬の後、ようやく意図を理解したこなたは口早に繕った。

「やっ、やだよ、こんな所で脱ぐなんて。恥ずかしいし、それにホラ、制服に傷も無かったんだし、だいたいアレは夢なんだし」

こなたは提案を拒む理由として明言しなかったが、ここで自分が脱げばそれを元に何らかの事態へと発展してしまう――例えば。
私が脱いだ直後にかがみが、「なにやってんのよ、こなたー!」という具合でギャラリーを呼び寄せるのではないか、という懸念。
それが考えられたからこそ、先の返答は忌むべく事態を避ける為の事前対策として宣ったのだ。
現に、それに似た体験は中学生の頃に味わわされたこともあった。
人間、経験を積まされれば、自然と危険を回避するように体は順応していくものらしい。と、こなたは自認した。

「だから、ね?」
「でも、コンパスで刺されたんなら傷も小さいだろうし、脱がなきゃわかんないじゃないの」
「だからアレは夢だって。寝ぼけてただけだって。それとも……私のことが信用できない?」

かがみの言葉をそっくりそのまま返す。
すると、かがみは何も言えずに黙り込んでしまった。ただ、

「わかったわ」

普段とは一線を画し、こなたが言い知れぬ不安を感じるほどの低い声で静かに呟いてみせると、
「教室へ戻りましょ」と打って変わっての優しい声でこなたの手を引いたのだった。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 07:56:04 ID:9rAraIwg

二回目となる不定期更新はこれで終了です
一応オチまで考えているつもりだけど、誰かが引き継いでくれるのであれば任せます
あんまり時間が取れそうにないので
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 10:14:23 ID:DRiPtHoc
乙。こなたのこの鬱々とした感情が爆発したらすごいことになりそう
運動神経は学校内トップレベルだし、合気道系の武術も心得ているし
その気になれば破壊神になれる
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 12:03:02 ID:Nkvwu8gQ
(U≡ω≡.)
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 12:28:15 ID:s2jWAGJi
>>36
俺の20倍どころか50倍は文才ある
40JEDI_tkms1984:2009/01/31(土) 12:32:35 ID:AVQ3Esa5
>>36

 非常に続きが楽しみな作品です。
こういう役どころはやはりかがみが適任なのでしょうか。
こなたの気持ちはすごくよく分かります。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 16:07:11 ID:D6becI/C
>>36
俺の50倍どころか100倍は文才ある


しっかしアレだ、中尉氏でもJEDI氏でもないのか
まだまだ居るもんだな、凄い人
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 00:56:55 ID:PWFE4DjP
クオリティがパネェwwwwwwwwww
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 12:58:28 ID:QxI3SJf9
>>36
続きよろ!
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 14:50:27 ID:1F+BjJRO
>>32
「しかし、こなたのような”経験”が無いかがみは、食い下がろうとはしなかった。」って、もしかして「引き下がろうとしなかった」の間違い?
野暮かも知れないけどせっかく面白いので指摘しておく。
45グレゴリー:2009/02/01(日) 16:40:18 ID:oJBe68Xx
>>9
自ら死を選択するのも人間性のなせる技で尊いものだという哲学が
垣間見れた作品でした。
ハートフルな作品をありがとう。

今、私が書いている作品は、憎悪と汚らわしさとグロに満ち溢れていますが
そういう作品しかかけない私はひたすら羨望するばかりでございます。
風俗に金をかけるのはもったいないんで、オナホールを買ったものの、締りが
きつすぎてチン○がヒリヒリしながらも、これで1ヶ月を過ごさなければならない
のか!という怒りもまた、作品に憎悪を追加するエッセンスとなっている
自分が情けないのでございます。
46グレゴリー:2009/02/01(日) 18:11:28 ID:oJBe68Xx
私が風俗嫌いになった理由は、ある日、風俗嬢がぶちきれて口論になった
からであります。そのビッチいわく、「自分は人形じゃない!人間として
扱って欲しい」俺はぶちきれましたよ!
テメエは人形だろうがボケが!腐ったビッチのくせに金を払っている俺に
人間扱いして欲しいとか抜かしてんじゃねーよカスが!
あんまり揉めると、裏から怖いお兄さんが出てきそうなので、自分が折れましたが
、中国女のインチキマッサージに引っかかったときもぶちきれましたワイ。
高い金払ってヌキ無しなんですよ?俺はその中国女の目の前でチン○を出して
自分でしごいてやりましたわい。そしたら、そのビッチチャイナガールいわく
「すぐにトイレットペーパー持ってくるから、今、出しちゃだめアル。ここで
ぶちまけたらダメアル。ちょっとイクのを我慢するアル」
私は射精して、逃げるように店を脱出しましたワイ。
男の性欲をおもちゃにして、俺の少ない稼ぎから搾り取ろうとするゴミどもの
蔓延に私は怒りを感じてます。この狂った世の中に少しでも抵抗を見せたたい!
私のこの熱い思いが作品に投影されています。
私に対して嫌悪を抱かれる方は私の作品を無視していただくようにお願いします。

47グレゴリー:2009/02/02(月) 00:15:30 ID:DFPWaKf5
それでは、ひっそりと投稿します。
前半部分ができあがったので。後半はまた後日に。
グロくて汚らわしい作品ですが、そういうのが苦手な方は
スルーしてください
48ヴァレンシュタイン.デイ:2009/02/02(月) 00:16:04 ID:DFPWaKf5
「ヴァレンシュタイン.デイ」

2月14日。それは世にも不可思議な日だった。
こなたは一度、みゆきにこの日の由来を聞いたことがある。

「17世紀に神聖ローマ帝国、つまり今のドイツ、チェコ、オーストリアなどの中欧で起きた30年戦争と呼ばれる宗教戦争なのですが、
その戦争で活躍した傭兵隊長でヴァレンシュタインという人物が由来です。
というのも、とある戦いでヴァレンシュタインは敵軍に勝利したのですが、それは武力によってではなく、なんと敵軍を買収して
勝利を収めたのですよ。それ以来、彼にちなんで愛する人をプレゼントなどの金品によって買収..いや、振り向かせる
という習慣ができたのです」

歩く生け字引のようなみゆきの説明にこなたは感心した。
なるほど。だから、ヴァレンシュタインデイにはチョコレートによって任意の相手を買収、いや、振り向かせるのか。
こなたは買収という言葉に一抹の魅力を感じた。

こなたは改めてみゆきを見つめた。なぜ、このような人が自分のような人間と仲良くしてくれるのだろう?
非の打ち所のない美しさだった。
彼女を見つめるだけでこなたの目頭は熱くなる。みゆきと親しくしているだけで自分が特別な人間になれたような気がする。
思いを秘めながらも、こなたはそれを遂げられずにいた。
どうあがいても自分はみゆきにふさわしい人間にはなれない。だが、こなたの心に芽生えた黒々とした陰謀は
すでに彼女のすべてを覆いつくそうとしていたのだった。

買収....そう、買収だ。こなたの特性として、一度定めた目標に対しては恐るべき知性と集中力、そして執念をもって
整然と取り掛かることができた。
2月14日のヴァレンシュタインデイ、その日だけは、買収という行為が容認される。
こなたはヴァレンシュタインデイにすべてを賭けるつもりだった。


メイドカフェの舞台でハルヒダンスを踊りながら、こなたは客を品定めしていた。性欲をもてあまし、金をもってそうで
そして単身で来ている者。あんまりキモイのはかんべんだ。
踊り終えると、こなたは狙いを定めた客のほうへ向かう。気が弱そうなメガネだが、身なりもスーツ姿でしっかりとしており
清潔そうな青年だった。こなたはその青年にそっと耳打ちをすると、青年は顔を真っ赤にして驚愕の視線でこなたを見つめた。
やがて、彼はうなずくと、こなたと共に奥のトイレへと消えていった。
ヴァレンシュタインデイまでに買収のための資金を作る必要がある。こなたはそう自分に言い聞かせて
服ごしにごそごそと触られたり、口の中に勢い良く射出されたザーメンを我慢したのだった。
49ヴァレンシュタイン.デイ2:2009/02/02(月) 00:17:35 ID:DFPWaKf5
そしてついに2月14日が訪れた。
椅子に座って手を頭の後ろに組みながら、かがみがため息をつく

「なんでこの日って、なんかこう、男女ともいかにも色めき立っているのかねえ」

こなたは机の上に上半身を寝そべらせて、両手であごを支えながら笑顔を作っていた。

「いいんじゃないの〜、かがみは男に渡す予定でもあんの?」

かがみはいつものオーバーリアクションで顔を真っ赤にして否定した

「そんなのあるわけないじゃない!あんたこそどうなのよ」

しかし、こなたはにんまりとすると、下からごそごそと大きな袋を取り出した。
かがみ、つかさ、みゆきの目の前で、その大きな袋をドスンと机の上に置く。
かがみはびっくりして言った。

「あんた、もしかして、バレンタインデイのチョコを作ってきたの?」

こなたは袋をごそごそとしながら答えた。

「うん。”ヴァレンシュタインデイ”のためにね、昨日、一生懸命みんなの分を作ってきたんだよ」

”バレンタインデイ”のイントロネーションが少しおかしかったのが一瞬気になったが、かがみは
驚きのまなざしをこなたに投げた。
こなたはごそごそとしていた手を止めると、袋の中から小さな箱を取り出してかがみの前に突き出した。
その箱には丁寧にも「かがみ」 と書いてあった。

「あ、ありがとう」

あっけにとられながらもかがみは突き出された箱を受け取り、一応、礼を言う。
こなたはまた袋の中を探って、今度は 「つかさ」 と書かれた箱を取り出してつかさに渡した。

「こなちゃん、もしかして一つ一つ、別々に作ったの?」

かがみと自分の箱の形と包装が違うのに気がついたつかさがたずねた。

「当たり前じゃん!みんなのために一つ一つ、それぞれのキャラに合わせて作ったんだよ」

つかさとかがみはポカーンとしてこなたを見つめた。彼女たちにとって
泉こなたという友人は、おおよそそういうこととは無縁な性格のはずだった。
ふと、教室の隣の廊下を歩いていく人物に気がついたこなたは、席を立つと片手にチョコレートの箱を
もって走っていった。
50ヴァレンシュタイン.デイ3:2009/02/02(月) 00:20:06 ID:DFPWaKf5
帰り道、4人はいつもどうり並んで歩いていた。
ふと、かがみが思いついたようにこなたに話しかけた。

「ねえ、そういえばあんたさ、みゆきにチョコを渡した?」

つかさとみゆきはハッとした顔になった。

「そういえばゆきちゃん、チョコを貰ってなかったよね」

つかさの言葉に、みゆきは笑顔で返した

「そういえばそうですねえ。でも、お気になさらずに。私も今、気がついた次第ですので」

こなたは大仰にあわてて見せた。

「ごめーん。マジでごめん!みゆきさんの分、作るの忘れちゃった!!」

かがみはハアーとため息交じりに悪態をつきはじめる。
しかし、こなたは熱っぽい目でみゆきを見つめていた。
みゆきはこなたと目を見合わせると、所在無げにもぞもぞとしていたが

「はい、なんでしょう?」と顔を赤らめながらこなたに問いただす。

「みゆきさん。この埋め合わせは絶対にするからさ!ね、許してくれる?」

こなたは真摯な目でみゆきを見つめている。
後ろからその風景を眺めながら、つかさとかがみは特に不思議なものは感じなかった。
こなたは時々、面白半分に大げさなリアクションをするからだ。
みゆきはにっこりと微笑んだ。

「お気になさらないでください。そのお気持ちだけで十分ですよ」

こなたは頬を紅潮させた。やはりみゆきは最高だ。そして、計画は始動した。
かがみが後ろでなにやら話していたが、こなたの耳には入っていなかった。
ただ、みゆきだけを見つめてた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////

家に帰り着くと、丁度、おなかがすいていた。
ふと、こなたに貰ったチョコを思い出すと、包装を開けてみる。
大きな筒のような形をしたチョコだった。
木の幹をイメージしたのだろうか?そういう風な意匠が凝らしてあった。
以外と器用なこなたに感心しながら、そのチョコを口に運んでみる。
中は空洞みたいだ。大きさの割りには軽かった。
そして、チョコをひと齧りしてみた。

ふと、感触に違和感を感じた。
割れて空洞があらわになったチョコを調べてみると、空洞の中に
ぎっしりと丸まった1万円札が入っていた。
震える手でその1万円札を数えてみる。
かつて自分が手にしたことのないほどの大金だった。
彼女は、振るえながら独り言を言った。

「私に....一体、何をしろっていうの?」

こなたの指示書は箱を調べてみるとすぐに見つかった...
こうして、2月14日、買収の日は過ぎ去った。

//////////////////////////////////////////////////////////////////
51ヴァレンシュタイン.デイ4:2009/02/02(月) 00:22:51 ID:DFPWaKf5
翌日、また、いつものとおり、かがみはB組の3人の元へやってきた。
机を囲んで談笑している、つかさとみゆき、こなたの元へ歩み寄っていく。
しかしかがみは明らかにおかしい様子に気がついた。
なにやらみゆきの様子がおかしい。
椅子に座りうなだれるみゆきを、つかさとこなたが慰めているように見えた。

「ちょっと、どうしたの?」

心配そうに駆け寄ってくるかがみに気がついたつかさは、神妙な顔でかがみに説明した。

「お姉ちゃん。今日ね、ゆきちゃんの下駄箱の中にこんな手紙が」

つかさから手渡された手紙を読んでみる。
かがみの顔はみるみる青ざめていった。

「な...なにこれ」

その手紙はあまりにもおぞましく呪われたものだった。
かがみは文面を読んでいくうちに吐き気を催したくらいだ。
あまりにも力が入りすぎた筆跡は、ところどころインクが滲み、紙にペン先の穴すら開いている箇所があった。

....高良みゆきさん。僕はあなたを思うにあなたは非常に稀なほどのすばらしい
  肉質をお持ちでございます。僕はかつて肉親を食べておかげで
  病院に送られましたが、今やその事件は許されて学校に通わせてもらって
  ます。でも、おかげで僕はその人を見るだけで肉質と味が分かるのです。 
  僕は人を食べるのは悪いことだとずっと教えられたので高良さんを食べるつもり
  は全然ないのですが、僕は人を見ただけで肉質と味がわかるのです。
  つまり、おいしそうな人は僕にとって心が清くそして神聖な人物であるわけです。
  僕が愛する肉親を食べたのは、それは僕にとって大切で清くすばらしいかったからです。
  食べることによって僕はその人を永遠に僕の中に取り入れてずっと一緒になります。
  僕はだからと言って、高良さんを食べるつもりは全然ないのですが
  あなたは僕が食べたいと思えるほどすばらしい方だということを言いたいのです。
  僕はこれほどすばらしいあなたとお友達になりたい。だから、この手紙をしたためました。
  僕を怖がらないでください。僕は人を食べるのは悪いことだとずっと病院で治療を続けて
  きて、病院の先生も僕を大丈夫だと言ってくれてます。
  だから、安心してお友達になりましょう。返事を待っています。
 
 2年B組 グレゴリー


「これって、あのグレゴリー?」

かがみは震えながらたずねる。だが、あのグレゴリーであることは確かだった。
彼は中学3年のときに実の両親を食べた。
そして、精神病院に送られ治療を受けていた。治療は成人してからも続けられた。
だが、人権団体がグレゴリーの処遇について苦情を申し立てたのだ。
彼に立ち直らせるチャンスを与えるべきだ。
中学で終わった彼の学歴を、彼が望むのであればそれ以上与えるべきだと。
そして、私立稜桜学園に白羽の矢が立てられたのだった。

この学園は進学校であるので、生徒たちのモラルもある程度は保障できる。
そして、志のある人間には立ち直らせるチャンスを与えるという宣伝もできる。
なによりも、人権団体の圧力があった。

グレゴリーは、たゆまぬ努力の結果(ということになっている)
稜桜の入学試験に合格し、すでに成人男性でありながらも高校入学を果たしたのだった。
彼は失われた青春時代を取り戻そうとしていた。
生徒たちはそんな彼の姿に共感し、学友として彼を受け入れている....ということにされていた。
52ヴァレンシュタイン.デイ5:2009/02/02(月) 00:26:33 ID:DFPWaKf5
表向きにはそういう宣伝がなされていたが、すべての生徒が彼を恐れていることは明確だった。
彼のやったことは何をどうやっても消えてなくなることはない。
グレゴリーはカニバリズムを行ったのだ。

そして、グレゴリーはB組。 そう、つかさ、こなた、みゆき、と同じクラスなのだった。
今、B組にはグレゴリーの姿はない。彼はいつも、早朝に精神病の薬を飲むことになっているので、
朝は保健室にいる。


「すぐに黒井先生に知らせないと!こんな気持ち悪い手紙を、よりによってグレゴリーから受け取る
なんて!みゆきの身に何か起こってからでは遅いわよ」

だが、かがみの言葉をさえぎったのはよりによってこなただった。

「かがみ、そんなことをするなんてグレゴリーに悪いと思わない?」

「はあ?なにいってんの!あんた、グレゴリーがやったことを知ってるでしょ?彼は
 自分の両親を食べたのよ。そして、この手紙で、みゆきを...みゆきを食べたいって書いてる」

冷静さを失ったかがみに対して、こなたはあくまで冷静にかがみを諭す。

「グレゴリーは一言もみゆきさんを食べるなんて書いてないじゃない。
 人間を食べたことのある自分の経験から照らし合わせているだけで..
 それに、自分は治療を受けていて人間を食べることはないって明言してるでしょ!
 だから、だから...」

こなたはうつむいた。つかさとみゆき、そしてかがみはそんなこなたを怪訝そうな目で見つめている。
しかし、以外なことにこなたの肩を持ったのはつかさだった。

「そ、そうだよ。こなちゃんの言うとおり、黒井先生に言うのはやりすぎじゃないかな。
 グレゴリーさんにとっては真剣な手紙かも知れないし、偏見だけで危険だと決め付けるのは
 よくないよ。それに、グレゴリーさんはちゃんと治療を続けているし。
 だから、過去に行った事件だけで彼を判断するのは偏見じゃないかな?」

つかさの助け舟に勢いを得たこなたは力説する。

「そうだよ。グレゴリーは真剣な好意をみゆきさんに伝えたかっただけだとしたら?
 それに、生徒間のそういう問題を担任に知らせるなんて無粋な行為だよね。
 だから、私たちで協力しあって一応、様子を見てみようよ。
 ねえ、みゆきさんはどう思うの?」

みゆきはうつむいていた顔をあげると力なさげに答えた。

「え、ええ。確かに、黒井先生に知らせるのはグレゴリーさんがかわいそうな気がします。
 本来、こういう問題は担任が間に入るものでもありませんし」

こなたとつかさは顔を見合わせた。
かがみは心配そうな表情でみゆきを見つめていた。
53ヴァレンシュタイン.デイ6:2009/02/02(月) 00:28:29 ID:DFPWaKf5
グレゴリーの運用は、こなたにとって核兵器の運用のようなものだった。
素直に買収に応じた点は、やはりグレゴリーも金が欲しい
普通の人々だった。
こなたの指示と厳密な注意の元、彼がしたためた手紙は
こなたを含めた4人を驚愕させるに十分だった。
かがみはグレゴリーに対して絶対的な拒絶を示しているが、
その点に関してはこなたもかがみに大いに賛同している。
当たり前だ。グレゴリーは人間じゃない。こんな怪物に純粋な好意など
ひとかけらもあるはずがない。もしも、これが自分自身の指示で
なかったのなら、こなたは真っ先にかがみと共に、黒井先生や
親たちに相談し、グレゴリーを隔離してもらうように働きかけただろう。
だが、金の力はグレゴリーのような怪物さえも自分の意のままに操れる。
そして.....


「あ、あんたたち、ほんとうにそれでいいの?私は絶対に反対だけど。
 グレゴリーに何をされるか心配じゃないの?」

かがみは頑としてグレゴリーを拒絶している。つかさは姉と真っ向から対立した。

「お姉ちゃん。私たちがゆきちゃんのそばにいるから大丈夫だよ。
 それに、グレゴリーさんはこの学校のれっきとした生徒だよ。
 私とこなちゃんとゆきちゃんにとってはクラスメイトでもあるのよ。
 お姉ちゃんこそ、ちょっとひどいよ」

かがみは妹を見つめた。つかさ..あんたってどこまでお人よしなのよ...
つかさの優しさはよく知っている。だが、クールでシビアな自分に
対して、妹はちょっと警戒感が足りずに、不必要に他人を信用してしまう
傾向がある。
つかさとみゆきは優しく思いやりがありそれが魅力でもあった。
彼女たちがグレゴリーの肩を持つのは少しは理解できる。
だが、こなたの言動がどうもかがみは引っかかっていた。

こなたなら、絶対に自分と同じ考えにいたるはずだった。
どちらかというと、こなたは自分と同じく現実的で
シビアな思考を持っている。
優しさや思いやりに流されない冷淡な視線で物事を考えるたちだ。
だが、現実、自分だけが他の3人に反対していた。

かがみは飲み込めないものを感じ、授業のためB組を後にしたのだった。
授業が終わり再びB組にやってきたかがみは、グレゴリーを囲む3人を見つけた。

教室の端っこの机に座っているグレゴリーを、まるでみゆきの左右を護衛するように
つかさとこなたが位置し、みゆきは頭をうなだれたまま、グレゴリーと対面していた。

かがみはグレゴリーの顔を見つめる。だが、耐え切れなくなってすぐに視線を外してしまった。
とても直視できそうになかった。
本来、彼は一生を精神病院の病室に閉じ込められて過ごすべき男だった。

年齢は30くらいだろうか。
悪気はないのだろうが、左右の目の玉があべこべの方向を向いていて、頭髪は短く刈り込んでいる
ものの、ところどころにハゲが出来ており、薬の副作用なのか常に鼻からは鼻血がたれており、
口の周りによだれの跡のような黄色い粉がついている。
54ヴァレンシュタイン.デイ7:2009/02/02(月) 00:30:25 ID:DFPWaKf5
クラスの他の生徒たちも、チラチラとグレゴリーと3人のほうへ目をやり気にしている。
かがみはグレゴリーに対する生理的な嫌悪が我慢できなくなり、結局、そのままきびすを返して
B組を後にしてしまった..

自分のクラスに戻り、1人、机に座ってモヤモヤした感情と戦っていたかがみの元に、
あやのとみさおの二人がやってきた。

「よう柊〜、今日はB組に行かねえのか?」

頭の悪そうないつものしゃべりかたで、みさおがかがみの机の上に肘をついて彼女の顔を覗き込む。
かがみは二人を見つめる。

「どうかしたの?なんだか悩んでいるみたいだけど」

あやのが心配してくれている。かがみは、一瞬ためらったが、グレゴリーのことを二人に話しはじめた。

「うーん、そうだなー難しい問題だなー。先生に知らせたらさー問題が不必要に大きくなるかもしんねーし、
だからといってグレゴリーの過去のことを考えると、かがみが心配するのも分かるしなー」

みさおはどっちつかずの意見だった。

「妹ちゃんと高良さんは優しいもんね。グレゴリーの好意が純粋なものなら、それを邪険にするのもかわいそうだってのは
分かるわ。泉さんも意外と優しい面があったのね。
でもね、これは当事者である高良さんが判断する問題じゃないかしら?
私たちが一方的に違うと決め付けるのもよくないわよ。そりゃ、グレゴリーが危険だって考えるかがみの気持ちも分かるけどね」

あやのはあくまで当事者であるみゆきの判断にゆだねるという意見だった。
かがみはみゆきがグレゴリーの好意に応えるとはとうてい思わなかったが、もしもみゆきがグレゴリーを拒否した場合の
ことも考えると、簡単にグレゴリーを受け入れることはできそうになかった。
なんにしろ、自分の悩みに対して真摯に応えてくれる友人二人にかがみは感謝した。
いつもB組に行って、彼女たちをないがしろにしてきたが、それでいてなお、自分を力づけてくれる
あやのとみさおをとても大切な存在に思えた。

休み時間、再びB組に訪れたかがみは、グレゴリーを囲んでおだやかに談笑している3人を見て、再び
自分のクラスに帰っていった。
あやのとみさおが彼女を待っていた。

こなたは、グレゴリーの見せる以外な一面に驚いていた。
つかさとみゆきは少しずつ、グレゴリーに心を開いていた。
グレゴリーは、なんというか、中学3年から心の成長を止められてしまっているように感じた。
見た目は三十路近いおっさんなのだが、彼の精神は少年のままだった。
彼の人生は、中学3年以来、ずっと精神病院の無機質な一部屋だった。
そこでの薬物治療と単調な生活によって、彼の時間は止められていた。

おそらく稜桜の生徒で、こなたとつかさとみゆきだけが結ういつ、自分に話かけてきてくれた生徒なのだろう。
彼のいじらしいほどの必死さは心優しいみゆきとつかさの心を打った。
55ヴァレンシュタイン.デイ8:2009/02/02(月) 00:31:34 ID:DFPWaKf5
こなたやつかさ、みゆきの言葉に、グレゴリーは大げさに反応し、笑い、手を叩き、喜んでいた。

つかさは自分の携帯をグレゴリーに見せながら説明している。

「これはね、最新型の携帯電話なんだよ。ちょっと値段は高いけど、ネットも見れるし、TVも見れる。
 クリアーな動画も撮れるし、多分、今出回っている携帯の中で一番高性能かもよ」

そのピカピカでいかにも高価そうな携帯をグレゴリーは畏敬の念をこめて見ている。

「すんげーすんげーよ。おいらが中学生の頃はそんなもの漫画の世界だったよ。こんなに小さい機械が
 こんなにすんげー性能を持ってるなんて、すんげーよ。すんげー」

グレゴリーは全身を駆使して感動を表現していた。いきなり立ち上がると体をくねらせジャンプする。
勢いよく飛び上がる行動を何度も繰り返し、グレゴリーは感動を表現していた。

みゆきはそんなグレゴリーに対して笑みを浮かべながら、つかさの携帯についてちょっとした疑問を口にした。

「でも、つかささん。この携帯電話、見るからに高そうですけどよく買えましたねえ」

つかさはギョッとしたような顔になった。もしも、みゆきが注意深くこなたを観察していれば、こなたも同じような
表情をしていたのに気が付いただろう。

「ま、まあ、お小遣いとかお年玉とか貯金してたからね」

もじもししながら、つかさは答えた。
グレゴリーは感動に声を詰まらせながらつかさを褒め称えた。

「こんなすげえ携帯電話を持ってるなんて、柊さんすげーよ。おいらは存在すら知らなかったよ」

こなたはグレゴリーの反応に苦笑いした

「ま、まあ、携帯電話はすごいかもしれないけど、決して、それを持ってるつかさが凄いわけじゃないから」

「こなちゃんのくせにぃ」

つかさは頬を膨らまして遺憾の意を表現する。その姿にグレゴリーとみゆきは大笑いした。

この奇妙だがすばらしい友好関係はあくまでもこなたの策略のひとつだった。
こなたの金がなければ決して実現しなかった関係なのだ。
だが、傍目にはこれは、過去の事件により偏見の目を持たれて孤立していたグレゴリーを
3人の心優しい少女が救い、グレゴリーに本来あるべき学生生活のすばらしさを体験させてあげている
善行以外の何者でもなかった。
だが、繰り返す。コレは、あくまでもこなたの策略、こなたの金があってこそはじめて実現した
薄汚れた陰謀の中のひとつでしかなかったのだ。

56グレゴリー:2009/02/02(月) 00:33:03 ID:DFPWaKf5
前半部分の投稿終了します。これ以上やると規制かかっちまいそうなので。
では、おやすみなさいノシ
57名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/02(月) 02:32:24 ID:a6HYJuKC
>>46
>私に対して嫌悪を抱かれる方は私の作品を無視していただくようにお願いします
ご安心を。作品と作者の人格は切り離して考えています故。
喩え連続殺人犯が書いた絵画であっても、
それが素晴らしいものであれば心を打たれてしまいます。
事実グレゴリーさんは
>>48-55のように、素晴らしいSSを仕上げておいでだ。
無視などできやしない。
決して無視させないクオリティが、私の頭を掴んで文字に釘付けにしてしまう。
天才って恐ろしいですね。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/02(月) 18:57:39 ID:UNkmKKXo
もしも、ハッピーエンドで叩かれていた「こなたの恐怖」を絵師のアラバマと
神奈川が合作でリメイクしたらすごい面白い作品になっていたかもしれない。
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/02(月) 20:55:25 ID:YeAcllUN
こなたの恐怖の続編は単独で見るとさすがに報われなさすぎな気がするけど
こなたの恐怖本編と続けて読むとこなた以外にはあんまり同情しなくなるんだよな・・
60グレゴリー:2009/02/03(火) 23:00:12 ID:JJ67CkdI
とりあえず、ベロンベロンに酔っ払ってますが続きを投稿します。
無事に出来ることを願う。
61ヴァレンシュタイン.デイ9:2009/02/03(火) 23:06:54 ID:JJ67CkdI
>>55
の続きです。

///////////////////////////////////////////////////////////////////

かがみはすでに、B組に足を運ぶのを辞めていた。
アレから数日の間、グレゴリーと3人との友好関係はますます深くなり、
そして自分だけが取り残されていた。

どうしてもグレゴリーに耐えられない。生理的嫌悪はどうすることもできなかった。
そのかわり、自分のクラスに残るかがみに、急速に古くからの友人である
あやのとみさおが接近してきた。

今も、かがみの机をあやのとみさおが囲んで雑談をしている。
みさおは急にあやのとかがみに真剣なまなざしを投げた。

「負けたくないんだよ。M高の中島に」

みさおのいきなりの一言に二人はポカンとした。

「あ、あの、なんの話?」

苦笑いを浮かべてあやのはみさおを促す。

「私さぁー陸上部だろ?来月にインターハイに出場することになってんだけどさー、M高の中島って奴が
すげー強豪でさ。あいつに勝つことができれば、優勝できるんだよなぁ」

そういえばみさおは陸上部のエースだった。あやのとかがみに比べて、成績も上位ではないみさおにとって
得意な運動に熱を上げるのは理解できる。
かがみは今までそういうことに興味も示さなかった自分を恥ずかしく思った。

「ねえ、提案があるんだけどね、私たちでみさちゃんのトレーニングを手伝ってあげようよ」

あやのが提案する。かがみは帰宅部なので、放課後、少しの手伝いくらいはできる。
何よりも、困難な目標に立ち向かう友人をほうっておくことはできなかった。

「え、ええ。いいわよ。みさおのためならやるわよ」

かがみは同意した。みさおは体育会系らしい直情的な感動をあらわにして、二人に抱きついた。

「おまえら最高だよ!最高の友達だあぁ!絶対に優勝して、その勝利をおまえらにささげるよ」

なんとなく、みさおの熱意に流されながらかがみは感動していた。
こうして、放課後、かがみはタイムウォッチを片手に、みさおのトレーニングを手伝うことになり、
いつものように、つかさ、こなた、みゆきと一緒に帰宅することもなくなった。

一方、
こなたとつかさとみゆきの行動は、少しずつ、クラスのみんなを変えていった。
3人以外にも、グレゴリーに話しかけてくるB組の生徒が増えていったのだ。
ある日、いつものようにグレゴリーを囲んで雑談をしていると、こなたの背後にそっと黒井先生が
立っていた。黒井先生はこなたにしか聞こえないような小声でこう言った。

「泉、ありがとうな」

そしてそっと去っていった。
こなたは黒井先生の言葉に対し、少し心が痛んだ。
62ヴァレンシュタイン.デイ10:2009/02/03(火) 23:09:13 ID:JJ67CkdI
他の生徒にしろ、黒井先生にしろ、自分のことを善行を行った立派な人物として評価しているに違いない。
だが、動機はまったく逆だった。善意のかけらもなかった。
こなたにとって、それは売春に対する見返りとしての買収だった。もう後戻りはできない。

(先生、私はマジなんですよ。あなたの期待を裏切ることになりますが、そのために私自身も対価を払ってきた。
 好きでもない男のモノをしゃぶり、値段によっては一夜をともにしたこともあるのです。
 もう、私は後戻りできないんですよ)

自分の背徳的な行為によって生まれた、表面的には感動的とも思える現象。偏見によって孤立していた
哀れな男がクラスの一員として溶け込むきっかけを作った自分たちの行動。
その皮肉ぶりにこなたは心の中で笑った。
だが、売春によって受けた屈辱と、みゆきに対する熱い想いは、こなたを前へと進ませる原動力を生み出していた。
まずは、この汚らわしいグレゴリーをとっとと退場させなければならない。

こなたはグレゴリーを裏庭に呼び出した。

「ねえ、アレ、ちゃんと持ってきた?」

グレゴリーはポケットから手紙を出してこなたに渡す。
それは、バレンタインチョコと一緒に入っていた、こなたからの指示書である。
こなたはその指示書を、そばで赤々と燃えている焼却炉の中に放り込む。

「グレゴリー、あなたは私との売買契約をきちんと守ったわ。
 この瞬間からあなたは契約に縛られないフリーな人間になるのよ」

普段、友人たちに見せない淡々とした口調だった。
グレゴリーは悲しげにつぶやいた。

「そんじゃあ、もう、おいらと君たちの友情は終わるんだね...」

しかし、こなたは彼に向かってにっこりと微笑む。

「そんなことないわ、あなたは自由なのよ。それを決めるのはあなた自身。
 今ではもう、友人という立場からあなたに意見を言わせてもらうけど、
 そろそろみゆきさんにアタックしたらどう?」

グレゴリーは顔を赤らめた。以外な展開だった。
目の前でイタズラっぽく笑うこの青い長髪の小柄な少女が、まるで天使のように思えてきた。
実際に、この天使は孤独にさいなまれていた自分を救ってくれた。
それが、買収という利用目的であり、契約が切れたらそれで終わりだということも分かっていた。
また再び、孤独に戻ってしまうと思っていた。
しかし違った。グレゴリーはこなたを見つめた。まさに天使の姿がそこにあった。
63ヴァレンシュタイン.デイ11:2009/02/03(火) 23:11:50 ID:JJ67CkdI
その日の放課後、かがみはタイムウォッチを片手にグラウンドの向こうを注視していた。
ずっと向こうには、みさおがトレーニングウェアでスタートを待っている。
みさおのそばに立つあやのの手が挙がった。かがみはタイムウォッチを作動させた。
すさまじい勢いでみさおがかがみに迫ってくる。
白線を越えたと同時にかがみはタイムウォッチをストップさせた。

タイムはどんどん縮まってきている。かがみはみさおの能力に舌を巻いた。
勉学以外にこういう努力もあるということを、みさおは教えてくれた。

シャツからむき出しになっている肩と腕は日に焼け、短パンから伸びたすらりとした足は
まるで鹿のようにしなやかで力強い。
みさおはかがみからタイムを聞くと、歓喜してかがみに抱きついた。

「よっしゃあああー、かがみ、今すぐにチャリに乗れよ。今から川原までジョギングだあ」

さらに自らを向上させようという気概に満ち溢れたみさおを見て、かがみはなんとなしに笑みを浮かべていた。
身体能力に恵まれているものの、それをまったく向上させようともしない誰かさんのことがふと頭に浮かんだが、
みさおに促され、かがみは急いで走っていった。そのとき、学校内に突如として起きた喧騒に、彼女たちは気がつく
ことはなかった。

つかさがみゆきを連れて指定された家庭科室に入っていったとき、目にしたのは
血を流して倒れているこなたと、ナイフを持って震えているグレゴリーの姿だった。
つかさの悲鳴に、校内に残っていた者たちが急いで駆けつける。

数人の教師がグレゴリーをなんとか取り押さえると、つかさとみゆきは倒れているこなたの元に
走っていった。
こなたは手でわき腹の部分を押さえ、苦しそうに息をしていた。
みゆきの姿に気がついたこなたは、みゆきの手を握り締めた。

「こなたさん、こなたさん、しっかりしてください。なんで!どうしてこんなことに」

みゆきが取り乱している姿を見るのは初めてだなとこなたは思った。
みゆきの手を握り締めることで、痛みを忘れることができそうだった。

「みゆきさんじゃなくて、私で済んでよかったよ...ごめんね。あの時、私が黒井先生に
すぐに知らせていれば、こんなことには」

こなたの意識は遠のいていき、目の前を闇が襲った。
幸い、こなたの傷は急所を外れており、比較的軽傷だった。
すぐに警察の取調べがあったが、こなたは頑として
「あれは単なる事故だ」
と主張していた。

しかし、グレゴリーがみゆきに宛てた手紙や、家庭科室に来るはずだった
みゆきが学級委員で来れず、代わりにこなたがそれを知らせに家庭科室に行ったこと
、さらにグレゴリーの過去のカニバリズム事件、なによりも彼が精神病の治療中だったという
事実から、皆、あれが事故であるとは思っていなかった。
64ヴァレンシュタイン.デイ12:2009/02/03(火) 23:13:32 ID:JJ67CkdI
そして、グレゴリーはかたくなに買収の事実を隠していた。まあ、金を風俗で使い果たし、
買収に関してなんの証拠ももたないグレゴリーが、こなたからの買収のことを話しても
誰も信じないだろう。

グレゴリーは再び、精神病院に戻っていった。
事故であろうが故意であろうが、他人を傷つけたのだ。
精神病患者に対する処置としては適切だろうと世間は納得していた。

日曜日、入院しているこなたの元に、つかさとみゆきが訪れた。
ベッドで寝ているこなたは元気そうだった。

つかさとみゆきは安堵して、グレゴリーの話題を慎重に避けながら、
たわいもない会話を続けていた。
しかし、こなたとみゆきの様子を察したつかさは、いきなり立ち上がった。

「ええっと、とりあえず、コンビニでなにかおやつでも買ってこようか?」

そういうと、つかさは出て行った。こなたとみゆきは二人きりになった。

「あ、あの...」

みゆきはこなたに話しかけて思いとどまった。
あの時のセリフが気になるのだ。

...みゆきさんじゃなくて、私で済んでよかったよ....

こなたが自分が刺されたことをあくまでも事故だと主張しているのは
グレゴリーを庇っているからだろうか?
でも、こなたにとってあの事件は悪夢のような出来事だろう。今、掘り返して聞くのは
ためらわれた。

こなたはそんなみゆきに言った。

「やっぱり、かがみが正しかったんだね。グレゴリーとは関わりあいにならなければよかったのかも。
でも、でもね...放っておけなくて。みゆきさんとつかさなら分かってくれる気がした」

みゆきは頬を流れる涙をぬぐおうともせずに、こなたの手をしっかりと握る。
事件の詳細はまた、後日聞けばいいだろう。
二人きりになった今、抑えていた感情が堰を切ったかのようにみゆきの中を満たしていった。

「いいえ、こなたさん。あなたのやったことは正しかったと思います。私はあなたの行動を見て
 思い知らされました。もしも、私ならあなたほどグレゴリーさんに親身にはできなかったかもしれないと。
 あなたと一緒にいて、あなたがこれほど優しくすばらしい心の持ち主であったのを今まで気がつかなかった
 ことが、恥ずかしくてなりません」
65ヴァレンシュタイン.デイ13:2009/02/03(火) 23:16:45 ID:JJ67CkdI

こなたは涙するみゆきを見て、いつのまにか自分の頬も濡れていることに気がついた。

「ありがとう。あんなことになったけど、でも、みゆきさんにそう言ってもらえたら私」

こなたはみゆきの目の前で、まるで泣いている自分を恥じているかのように
窓のほうへ顔を背けながらたずねた。

「そういえば、かがみは来てないのかな?」

みゆきは残念そうに答えた。

「かがみさんは、日下部さんのインターハイの試合についていって来れないそうです。
 私たちがグレゴリーさんと仲良くしている間、かがみさんはずっと自分のクラスに居ましたからね。
 グレゴリーさんをあからさまに嫌悪していましたし」

だが、かがみの話題をさえぎるように、こなたはそっと、みゆきの肩に手を置いた。
みゆきはこなたを見つめた。気弱そうな笑みを浮かべている。

「ねえ、みゆきさん。ちょっとわがままを聞いてもらっていいかな?あの事件の恐怖の記憶が未だに生々しくてさ、その..」

気がつくと、肩に置いたこなたの手が震えていた。

病室のドアの曇りガラスごしに、つかさはそっと二人の様子をのぞいていた。すると、
ぼんやりとした二つのシルエットが一つになり、そのまま動かなくなった。
つかさは顔を赤らめていそいで背を向けると、そのままへたりこんでしまった。

(モフモフなゆきちゃんに抱っこされたら気持ちいいだろうな〜)

つかさは頭をブンブン振ると、とりあえず病院を出て、コンビニに行こうとしていたのを
思い出して、急いで歩いていった。





66グレゴリー:2009/02/03(火) 23:20:21 ID:JJ67CkdI
とりあえず、切りのいいところでここまでということで。
ご期待に添えず、グロシーンはまだないのですが、約束します。
絶対に目を背けたくなるほどのグロを皆様に提供いたします。
私を見捨てないでください。限界ですので寝まっすノシ
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 01:22:17 ID:4+w0iSP5
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 06:15:12 ID:ZRDJ7thy
63が何かNGワードに引っ掛かったらしく読めないw
wiki待ち…
69(≡ω≡.)神奈川:2009/02/04(水) 11:48:49 ID:0W7TmywS
新作です。リハビリ程度ですが。


みwiki「では、こちらが約束の400万円の小切手になります。」
そうじろう「いやはや助かったよ。最近は小説も売れなくてね…… そのくせ馬鹿みたいに食う奴が家に居るからまいるよ。」
みwiki「それはそれは。では、泉さんは大学には? 」
そうじろう「最初は行ってたんだけどね。半年もしない内にサボり初めて、そのまま単位取れずに留年。そして退学だよ。」
そうじろう「まったく、行きたいって駄々こねるから大学にまで行かせてやったのに…… 誰の金だと思ってやがるんだ。」
みwiki「そうでしたか。このお金が少しでも足しになれば幸いです。」
そうじろう「そうもいかないんだわ。」
みwiki「?」
そうじろう「本が売れなくなったからデイトレードを始めてみたんだけどね、最初はビギナーズラックもあって勝ったりしたんだが、この不況で…… 」
そうじろう「住んでる家も借金のカタにしちまったし、この400万も直ぐに返済に回すよ。」
そうじろう「まっ、一番のお荷物もなくなったし、自己破産して生活保護でも受けようかね。ハハハ…… 」
みwiki「(まったく、この親あっての泉さんですね。揃いも揃ってバカなこと)」
70(≡ω≡.)神奈川:2009/02/04(水) 12:03:51 ID:0W7TmywS

「みゆきさ〜ん。久しぶり。今日は呼んでくれてありがとう。 ヽ(≡ω≡.)ノ」
みwiki「いえいえ、こちらこそ。何年ぶりでしたっけ? 」
「最後に会ったのは3年前じゃない? あれ以来みゆきさん忙しいらしくて全然会えないんだもん。 (≡ε≡.)」
みwiki「そうでしたっけ。まあ、積もる話は食事しながらにでも。」
「うひょ! みwikiさん家の豪華ディナー食べれるから今日は朝から何も食べてないよ! (≡∀≡.)♪」

「ムシャムシャ ふ〜ん クチャクチャ それじゃ、今は ズズズ〜 大学院に行ってるんだ。 (≡〜≡.)」
みwiki「え、ええ…… 泉さんは今はどうなされてるんですか? 」
「ペロペロ えっ? 私? モグモグ そうだね〜 バイトして、クチャクチャ ネトゲして、偶にイベントとか参加してる毎日。 (≡π≡.)」
みwiki「就職とかなされないんですか? 」
「あはは! みwikiさん古いな〜 今は家にいても結構稼げるんだよ? ┐(≡ω≡.)┌」
「ネトゲのRMTとかオークションで限定品売るとかさ。1回で何十万とか儲かるし、せこせこ働くとかアホらし。 (≡ω≡.)」
みwiki「はぁ…… それは存じ上げませんでした。」
「何て言うか、みんな考えなさすぎ。楽してお金稼ぐ方法なんていくらでもあるのにね。ところでみwikiさん…… (≡ω≡.)」
みwiki「なんでしょう? 」
「これ…… お変わり頂戴? ヽ(≡∀≡.)♪」
71(≡ω≡.)神奈川:2009/02/04(水) 12:10:41 ID:0W7TmywS

「いや〜 食った食った。毎日お父さんの料理で飽きてたんだ。 (≡ε≡.)」
みwiki「あら? 泉さんは作られてないんですか? 以前お聞きしたときは持ち回りと聴きましたけど。」
「う〜ん、作りたいんだけどね。ネトゲやってると時間そう取れなくて。ゆーちゃん居た頃は3人でだったけど、もう2人だとめんどくさくなってね。 (≡д≡.)」
みwiki「それでは、今はお父様がお作りになられているのですか?」
「ううん。お互い食べたい時に食べるようにしてるの。知ってる? 最近のネトゲってゲームの中からピザとか頼めるんだよ? 超便利なんだ。 Σd(≡ω≡.)」
みwiki「そうですか…… 泉さん。夕食の後のコーヒーはいかがですか? 」
「いいねぇ。頂戴。みwikiさんの家お金持ちだからブルマンあるよね? ブルマン頂戴。 ヽ(≡∀≡.)ノ♪」
みwiki「わかりました。ブルマンですね。」

みwiki「お待たせしました。はい、どうぞ。」
「いや〜 一度飲んでみたかったんだよね。 ゴクゴク なんか、苦くない? (≡ω≡.)?」
みwiki「あらあら、これが美味しいのですよ? 」
「なんだろ、なんかこう…… 身体が…… あれ? おかしいよ。 みゆきさん。 あれれ? (@ω@.)?」

ドサッ!

みwiki「……ふっ、やっと寝ましたか。」
みwiki「ったく、ガツガツと豚みたいに食い散らかして…… まぁ、良いですわ。これが泉さんの最後の食事になるんですからね。」
72(≡ω≡.)神奈川:2009/02/04(水) 12:16:15 ID:0W7TmywS


「ふぅあ…… やばっ! 寝ちゃったのか。みゆきさんに悪いことしちゃったな。謝って帰らないと…… (≡ω≡.;)」

ジャラ……

「えっ? 何? 鎖? どうして? 嘘? 動けない。ちょっと! みゆきさ〜ん!! (≡д≡.;)」
みwiki「おや、やっと起きましたか。まったく、二十歳過ぎても寝坊するんですね。」
「みゆきさん! 悪ふざけにも程があるよ。早く外して! (≡皿≡.)」
みwiki「いいえ外しません。飼い主がペットを鎖で繋ぐ。さも当然の事です。」
「ペット? どういう事? Σ(≡д≡.)!」
みwiki「こう言う事です。」
「なに? 紙? ……『私、泉そうじろうは娘こなたを下記の金額で高良みゆき様にお譲りすることを了承します。』 (≡д≡.;)」
「嘘、何これ? 冗談でも怒るよ! Σ(≡皿≡.#)!」
みwiki「私、冗談は嫌いです。正真正銘の誓約書。泉さん。あなた、売られたんです。400万円という値段で。」
みwiki「もっとも、あなたみたいなゴミニートにしては破格の値段だとは思いますけどね。」
「ふざけるな! 何が400万だ! 離せ! はなせ!! Σ(≡皿≡.#)!」
みwiki「はぁ…… そうじろうさんもお辛かったでしょうね。この様な駄目人間をお一人でここまで育て上げたのですから。尊敬の念すら感じざる得ませんわね。」
みwiki「とりあえず、この状況を理解するまでは大人しくしていてください。大丈夫、そこの点滴で栄養は与えますので死にはしません。それでは。」
「ちょっと、待って! みゆきさん! お願い! 助けて! みゆきさん! ヽ(≡д≡.)ノ」
「…… (つω≡.)」


「嘘だよね? お父さん…… (≡ω≡.)」
73(≡ω≡.)神奈川:2009/02/04(水) 12:22:53 ID:0W7TmywS


「…… (≡д≡.;)」
みwiki「あれから1週間。いい加減理解できましたか? 」
「それで。 (≡ω≡.;)」
みwiki「はい? 」
「それで私をどうするっていうのさ。このままペットにでもして、裸で庭にでも放すの? (≡ω≡.;)?」
みwiki「残念ながら、私にその様な趣味はございません。私は医学の進歩にしか興味がございません。」
「医学? (≡ω≡.;)?」
みwiki「泉さん。『俘囚』という文学作品をご存知ですか? 」
「…… (≡ω≡.;)」
みwiki「漫画とアニメしか見ないお馬鹿さんには厳しい質問でしたね。」
みwiki「あらすじは説明しませんが、その中の登場人物がこの様な事を言っています。」

『―― 二つある肺は一つにし、胃袋は取り去って腸(ちょう)に接ぐという風に、極度の肉体整理を行ったものです。こうすれば、頭脳は普通の人間の二十倍もの働きをすることになる ――』

みwiki「大学の研究で行き詰った私が、図書館で何気なく取った本に書かれていた一文。これを読んだ瞬間、頭の中で閃いたのです。」
みwiki「『これだ。これなんだ! 』と。」
みwiki「しかし、人道上この実験を行うのは不可能。大学だって許してはくれません。」
みwiki「医学の発展への重要な実験。どうしても諦めきれませんでした。その時、街で見かけたのです。」
「何を? (≡ω≡.;)?」
みwiki「ふふふ…… 」
みwiki「知性の欠片も無い顔して歩いている、泉さん、あなたです。」
みwiki「すぐにあなたについて調べそして、確信しました。」

みwiki「あなたが居なくなっても、誰一人困らない。と。」

みwiki「泉さん。あなたは誇っても良いのですよ。あなたの犠牲が医学の発展に繋がるのですから。」
「……ってる。 (≡ω≡.)」
「みゆきさん。あんた、狂ってるよ! Σ(≡皿≡.)!」
みwiki「馬鹿にはそう見えるかもしれません。ですが、古来より天才と狂人は紙一重なのです。」
みwiki「私は、天才のほうです。」
「ふん、どうだか。 (≡ε≡.)」
みwiki「Fラン大学もろくに卒業できない泉さんには言われたくありませんね。まぁ、おかげで実験結果の検証も楽になります。」
みwiki「この実験が成功した暁には、泉さん、あなたは東大クラスの秀才になれるのですから。」
みwiki「うふふ…… あはは…… アハハハハハ…… 」
「…… (≡ω≡.)」
みwiki「さて、無駄話もこの辺にして、手術を始めますよ。」
「お願い。考え直して! みゆきさん。友達でしょ! ヽ(≡д≡.)ノ」
みwiki「残念ですが、私は泉さんを…… 」


みwiki「一度も友達と思ったことはありませんわ。」
74(≡ω≡.)神奈川:2009/02/04(水) 12:26:05 ID:0W7TmywS
前半終了。みwiki祭りだ(w

しかし、少し見ない間に名作ばかりで気兼ねしますね。頑張ろう。
75JEDI_tkms1984:2009/02/04(水) 12:54:50 ID:oqps78fr
>>66

 グレゴリー(作中のほうの)とみさおに僕が厭うジョックの香りを感じています。
つかさを妙に可愛いと思うのはなぜでしょうか。

>>74

 知性的なみゆきが良いですね。
このように知識と知恵を武器にねちっこくこなたを嘲弄するみゆきが大好きです。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 22:29:29 ID:qjaJFGqq
アルジャーノンに花束を

いや、あの神奈川に限って感動物になるとは思えん
wktk
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/05(木) 01:13:46 ID:RhLHFnlW
神奈川とか久々に見たわw
>>58
その二人が手を組んだら、どれリメイクしても面白くなるだろカカ
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/05(木) 19:10:55 ID:nIJChNpR
>>77
アラバマはこながか物で有名な絵師の一人だしな。
結構、彼の作品はニコニコ動画で貼られる。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/06(金) 17:39:56 ID:W3J3/t1t
wktk
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 02:10:22 ID:jO9IYslE
アラバマとか懐かしいなおい
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 02:21:05 ID:u/dKE2Sq
アラバマ氏は本当の意味での虐待やグロ作品には触れていなかったな
こなかが愛が根底にあるからかな
2ちゃんからは離れ他場所だけれど新作を書かれているのはうれしい
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 14:28:30 ID:lLeYxw8A
アラバマ氏といえば、これの続きはやらないのか?
http://www34.atwiki.jp/konataowata/pages/115.html
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 22:49:30 ID:MuA3Mi71
ああくそっ、色々と切羽詰まってきやがった…
84名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 01:25:10 ID:rueYq8vh
>>68
ポップアップなら見れんじゃね?
>>63
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 23:34:20 ID:u3gmPQfx
一度も友達と思ったことないワロタw
こながわトコトン鈍感だなおい
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 01:09:34 ID:i1Sf5Ibt
qw
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 01:55:04 ID:h6HHJXC0
そんな事よりデュルケム読もうぜ^^
88名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 11:54:58 ID:7T+Vsaie
アノミー
89こなた狩り2:2009/02/09(月) 16:49:16 ID:KxErY4gj
「あーあ、ゆきちゃん、こなちゃん自殺しちゃったよ。ちょっといじめてあげたくらいで自殺するなんて、とんだ弱虫さんだよねwww」
「本当ですね。しかもわざわざ遺書まで残したりして。どうせ高良家の力でもみ消しますのにwww」
http://www34.atwiki.jp/konataowata/?cmd=upload&act=open&page=%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&file=1217511672677.jpg
「ねえゆきちゃん、このゴミどうしよっかwww」
「そうですね、せっかくですから私が医者になった時の為に解剖のサンプルにでもしましょうかwww」
「じゃあ、私血抜きしてあげるね。こんなのの血でゆきちゃんが汚れたらかわいそうだし」
「つかささん、ありがとうございます。それではよろしくお願いします」
「まかせて、ゆきちゃん。えーいっ」
ザシュッ!!ブシューッ!!
http://imepita.jp:80/20090209/597470
「あはははははwww楽しいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっwww」
「つかささんが楽しんで下さったのなら、私も嬉しいです」
「えへへ、ゆきちゃん、これからも仲良くしようね♪」
「勿論です。これからもよろしくお願いしますね、つかささん♪」
90名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 18:19:43 ID:DDEGe+Ct
gj!
いいなコレ
91名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 20:39:04 ID:rkjBonFr
>>89
つかさが持ってるのは燦ちゃんの長ドス?
92名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 21:01:09 ID:KxErY4gj
そうだよ
手首も燦ちゃんの
93名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 01:55:00 ID:nPiCLxr1
おお、久々の3Dだ
94名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 22:48:55 ID:WXlBq9uS
以前の絵師はことごとく去っていってしまったな
95名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 00:28:49 ID:U8Hu7Wx+
かがみ「こなた…はい。バレンタインのチョコよ」
こなた「うぉ?!もしかして本命かな?」
かがみ「う…うん」
こなた「うれしいな。私にも春が来たね!早速いただきまーぐぼぅぇぇぇー」
つかさ「どうしたの?」
こなた「チョコにバレンが入ってるよう…」
かがみ「ざまあみろ。いい気味だわ」
みゆき「バレンなんて版画のとき以来ですね」
こなた「ひどいよう…謝るまでハンガーストライキしてやるう」

次の日
こなた「謝ってよ」
かがみ「やなこった」

3日後
こなた「そろそろ謝らない?」
かがみ「断る」

一週間後
こなた「謝ってください…ひもじくて…もう…」
つかさ「わあ♪大変だあこなちゃんが倒れたあ大変大変♪」
みゆき「最後まで意志を貫き通して…立派です。ププッ」
96名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 01:51:34 ID:mEOyBEye

かがみマジ鬼畜wwwwwww
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 02:00:05 ID:mOV0tASg
バレンワロタ
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 11:55:25 ID:/d+oKKbm
>>95
バレンタインのチョコというからには「タイン」も入ってるんだろう?
どんな物体なのか気になって眠れん。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 15:20:32 ID:U8Hu7Wx+
>>98
多淫なつかさの愛シ夜が入っ(ry
100グレゴリー:2009/02/11(水) 22:47:24 ID:VsEzEKrM
いや、ほんま、ちょっと待っててください。
文章は出来上がってるんですが、推敲がまだなんです。
ですが、酔っ払ってて、出来そうもねえっつ!
なんとかバレンタインデーには間に合わせます故。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 13:45:14 ID:L7xAwL4w
後二日以内にはスプラッタショーを拝めるということか
wktk
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 21:14:54 ID:GZNRwCvI
期待してみるテスト
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 21:59:40 ID:2Bs35MeC
かがみ「こなた、私の気持ち受け取って…」
こなた「かがみんが私にチョコレイトをくれるなんて!両思い確定だぁ♪」
かがみ「テグスを首に巻くわね」
こなた「ちょ…これ…糸…」
かがみ「何のためらいもなく引っ張って」
こなた「愛の酷薄だね」
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:39:15 ID:3DTwNdRf
ピーン
かがみ「かっは!?」
つかさ「ふふ、お姉ちゃんあまいよw」
こなた「か、かがみ!?」
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 02:42:13 ID:CvAytQ5c
こなた「生まれ生まれ生まれ生まれ生の始めに暗く
     死に死に死に死んで死の終わりに冥し」
みゆき「えっと、空海の言葉でしたっけ?
     その言葉の意味、何度死んで幾度生まれ変わっても
     人は真理に到達できない、という事だったと思います」
つかさ「何それ。人って一回死んだら終わりでしょ?
    輪廻転生があったとしても、記憶持ち越せないんだから
    何度生まれ変わっても意味ないよね」
かがみ「ていうか、その無常さを謳った言葉じゃないか?
     繰り返される生と死に意味は無い、って意味だったような気がするけど」
みゆき「あ、そういう解釈もありでしょうね」
こなた「違う。私にとって真理なんてどうでもいい。
     それと…私の生と死には意味がある。
     嘔吐を催させる類の意義なんだけどね」
つかさ「ど、どうしたのこなちゃん」
こなた「私はね、実際何度も生まれて死んでを繰り返したんだよ。
     唐突に記憶が蘇った」
かがみ「ホントかどうかはともかく、羨ましいわね。
     幾たびも人生楽しめるなんて」
こなた「そう思う?私の人生はね、大抵高校時代で終わってる。
    大学まで命が持つ事もあったけど」
かがみ「ってそれ、ますます羨ましいじゃない。
     青春だけ繰り返せるなんて」
こなた「どす黒い青春だけどね。ああ、そうだ。
     生と死は繰り返してきたけど、生まれ変わってるというわけじゃないよ。
     幾たびも泉こなたとしての生を生き、死んでいった」
みゆき「ニーチェの永劫回帰思想、みたいなものでしょうか」
こなた「違うよ。私が繰り返してきた生は、全て違うものだった。
     登場人物も、場所も同じだけど、内容は違ってた」
かがみ「ふーん。でも、意味は見出せたんでしょ?
     生に意味はあったって、分かったんでしょ」
こなた「ふん、私の人生を観測している人間が居るのさ。
     そいつらに娯楽を提供するのが、私が見つけた意味だよ。
     そいつらは自殺ネタが大好きなのさ。
     嘔吐が込み上げてくるでしょ?
     その為に何度も生き死にを繰り返すんだから」
つかさ「冗談でしょ?こなちゃん」
かがみ「そろそろ悪ふざけも大概にしなさいよ。悪質よ」
こなた「嘘だと思うなら、それでいいよ。
     ああそうだ、次に自殺する時は言ってやる。
     これが生だったのか。よし、もう一度だ。
     そう言ってやる。皮肉を込めて聞かせてやる。
     私は何度自殺させられてもヘコたれないって、宣言してやる」
みゆき「い、泉さん」
かがみ「相手にすんの疲れてきたわ。狂ってる」
こなた「生まれ生まれ生まれ生まれ生の始めに暗く
     死に死に死に死んで死の終わりに冥し。
     実際に暗いよ、暗黒だ。
     自殺すると分かって生まれ、死の間際にまた似たような人生歩むと分かってしまうのは」
つかさ「こ、こなちゃん…」
こなた「そしてそれは、全て誰かを楽しませる為の輪廻。
     私はね、命をかけて誰かを愉しませる役割が与えられてるんだ。
     死にたくなる程の苦痛を受ける役割をね。
     私の人生なんて、所詮誰かの玩具」
かがみ「妄想もここまで来ると病気ね」
こなた「妄想だったらどれだけ良かったか」
106JEDI_tkms1984:2009/02/13(金) 12:55:37 ID:SNPolZqu
>>105

 僕がいま書いているSSと内容が同じなので吃驚。
ニーチェとか永劫回帰思想のような小難しいことは出てきませんが。
107グレゴリー:2009/02/13(金) 21:47:24 ID:lf8mdM2H
ども。ひどく酔っ払ってますが、投稿します。
私のオナニーのような作品ですが、私の射出したザーメンを
無価値だと思う方はスルーしてくださひ。
とにかく酔っ払ってフラフラですがなんとかなるさ
108ヴァレンシュタイン.デイ14:2009/02/13(金) 21:51:28 ID:lf8mdM2H
>>65
の続き

風呂上り、つかさは携帯でメールを打ちながらリビングのソファに座った。
向こうではかがみがなにげなくTVを見ている。
かがみがこちらに気が付く。

「ねえ、こなたの様子はどうだった?」

つかさはメールを打ちながら答える。

「うん、元気そうだったよ。そういえば日下部さんのインターハイはどうだった?」

「え、ええ、まあ、優勝したわよ。みさお、がんばってたからね」

横目でかがみを見ると、なんとなく、後ろめたそうな顔だった。
つかさはそんな姉を放ってメールに集中していた。

「ねえ、さっきから誰にメールを....あれ、この携帯?」

かがみは突然、つかさのそばにやってきた。

「あんた、この携帯いつの間に買ったの?」

かがみはつかさの手から携帯を取り上げると、しげしげとそれを見つめる。

「この携帯、この前出た最新機種じゃないの!それも思いっきり高価な!
 なんであんたがそんなの持ってるのよ」

つかさは急いで携帯を取り戻すと姉をにらんだ

「関係ないじゃない!お年玉とかお小遣いとか貯金してたんだよ」

だが、かがみは執拗に追求してきた。

「あんたが貯金してたわけないじゃないの。一緒にいたから分かるわよ。あんた
 貰ったその日から使い果たしてたし」

「どうだっていいじゃない!なんでいつもいつも干渉してくるの?
 私が何を買おうが、それがお姉ちゃんにとってなんなのよ」

つかさの口調が強くなる。本気でこの件には干渉されたくなかった。
そもそも、自分は子供ではない。
姉だからといって、なぜ追求されなければならないのか。

「よくないわよ。この携帯、バカみたいに高いのよ。そのお金どこから出てきたの」

かがみの顔がつかさの前に迫ってくる。
まるで妹が姉にすべてを打ち明けるのが当然だといわんばかりの表情だ。
そして、つかさはついにぶちきれた。

バチン!!!!

かがみの上体は仰け反って、後ろざまに倒れた。
つかさはかがみの頬をぶったその姿勢のまま、しばらく固まっていた。
その目からは涙があふれ出ていた。
109ヴァレンシュタイン.デイ15:2009/02/13(金) 21:53:46 ID:lf8mdM2H
「お姉ちゃんは、いつも私が思い通りの妹じゃないと嫌なんだね。
 こなちゃんにしても、ゆきちゃんにしても、いつも自分の思い通りに振舞ってくれないと
 嫌なんでしょ。だからこなちゃんは.....」

かがみは上半身を起こすと、つかさを見つめた。

「こ、こなたが....なんなのよ」

やっと言葉を吐いた。
しかし、つかさはそんなかがみを見ながら泣いていた。

「こ、こなちゃんはね。多分、お姉ちゃんが反対するのを分かってグレゴリーさんの肩を持ったんだと
 思う。お姉ちゃんがいちいち干渉してきてあれこれ言われるのがもうたまらなかったんじゃない
 かな」

それだけ言うと、つかさは立ち上がり、涙をぬぐいながら自分の部屋へと駆け上がっていった。
かがみはそんなつかさの姿を呆然と見守っていた...
かがみは騒然とする気持ちを必死におさえ、冷静に考える。
どこからおかしくなったのだろう?
記憶をさかのぼり、原因を突き止めていく。

そう、あの日、2月14日。バレンタインデイからだ。
かがみはぶたれた頬を手で押さえながら、しばらく身動きができなかった。

翌日、久しぶりに4人揃っての登校だった。
こなたは昨日のうちにすでに退院し、全快していた。
そして、前を歩くこなたとみゆき、そしてちょっと後ろをついてくるかがみとつかさの
この二組のかもし出すオーラは明らかに違っていた。あまりにも極端だった。

こなたとみゆきの距離は明らかに近すぎ、その笑顔と笑い声は輝かんばかりだった。
その後ろをどんよりとした空気をかもし出したつかさとかがみがついてきているのだ。

「ねえ、二人ともそう思わない?」

笑顔とともに、こなたが振り向く。

「いやですわ。そんなことありませんよ」

みゆきも後ろの二人に同意を求めるかのように振り向いた。

だが、そこにあったのは凶悪でかつ、疲れきったようなつかさとかがみの顔だった。

「あ...あれ?」

こなたは出鼻をくじかれたような声をあげた。みゆきも眉をひそめる。
つかさはかがみから顔を背けるようにあさっての方向を向き、口をつぐんでいる。
そして、かがみはこなたに気が付くと、その目を見据えた。
こなたは小声でみゆきにそっとつぶやく
110ヴァレンシュタイン.デイ16:2009/02/13(金) 21:56:21 ID:lf8mdM2H
「ねえ、どうしちゃったんだろ?昨夜、姉妹喧嘩でもしたのかな」

みゆきは同じくそっと返してきた。

「そんな感じですね。こういう場合、私たちはどうすれば...」

こなたはみゆきのわき腹を突然つついた。

「あっ」

みゆきは突然の感触に飛びあがった。
こなたはみゆきの腕を両手で包むようにしてつかむと、早足でみゆきを引っ張っていき、
少し二人から離れた。

「こういう場合はね、みゆきさん。冷却するまでそっとしておいたほうがいいんだよ」

両手で包んだみゆきの腕を離すこともないまま、自分の目の前でなにやらコソコソと話している
こなたと、そんなこなたを喜んで受け入れているようなみゆきを、かがみは
じっと見据えていた。
やがて目の前の二人は、再び、自分たちだけのめくるめくロマンスワールドに戻っていった。
横を歩くつかさは、相変らず、自分のほうから顔を背けていた。

自分のクラスにたどり着いたかがみに、みさおとあやのが寄ってくる。

「よう、オハオハ。昨日はありがとうな柊!優勝できたのは柊とあやののおかげだよ」

みさおは得意の絶頂にいる。隣にはあやのがにこやかな笑みを浮かべていた。
今日でも、みさおは全校生徒の前で表彰されるのだろう。
だが、かがみは昨夜からの疑問を口にした。

「ねえ、二人ともさ、バレンタインデイにこなたからチョコ貰った?」

二人の表情がこわばったように感じた。

「お、おう、貰ったけどさ、それがどうしたんだ」

まるで、今は栄誉と賞賛だけに包まれるべく自分にたいして、なぜそのような
話題を投げつけるのかというような心外な表情だな、とかがみは思った。

「いや、なんでもない。ちょっと、B組に行くね」

かがみは二人を後にした。

幸運にもみゆきは1人だった。かがみはみゆきのほうへ向かうと、それとなしに
バレンタインの話題を振る。

「そういえばみゆき、バレンタインデイにチョコ貰わなかったよね。その埋め合わせを
するとかなんとかこなたが言ってたけど、どうなった?」

みゆきは少し顔をあからめて答えた。

「ヴァレンシュタインデイですね。埋め合わせなどとおっしゃっていましたが、別に私は
そのようなものを求めてもいませんし」

かがみはみゆきの”バレンタインデイ”のイントロネーションにハッとなった。
111ヴァレンシュタイン.デイ17:2009/02/13(金) 21:57:48 ID:lf8mdM2H
「みゆき、今、バレンタインデイのことをなんて言った?」

「え、ヴァレンシュタインデイじゃないんですか?」

かがみはその名前に覚えがあった。
世界史が得意なかがみは、頭の中の知識をめくっていき、思い出した。

「ヴァレンシュタインって30年戦争の傭兵隊長じゃない。
 3世紀にローマ帝国のキリスト教迫害で殉教した聖バレンタインと全く関係ないわよ」


みゆきはハッとなって口元を手で押さえた。

「そ、そうでしたね。私、ちょっと勘違いしてました。ヴァレンシュタインがボヘミアで
 ザクセン軍を買収した事件が起源で、よって、現代でもチョコレートやプレゼントで
 親しい人間を買収という手段で歓心を買うということが許される日なのだと...
こなたさんにもそう説明してしまいました」

かがみはみゆきの説明に唖然となった。
怖がるみゆきに詰め寄って怒鳴り散らす。

「ザクセン軍なんて、ブライテンフェルトの会戦で、勝ち戦だったにも関わらず、
 戦線離脱したへタレじゃない!スウェーデン王、グスタフ=アドルフも空いた口が塞がらないわよボケえ!
 そりゃあ、皇帝軍のテルシオに対してスウェーデンの三兵戦術は圧倒的に勝ったけど
 同盟軍だったザクセン軍は、戦線離脱するわ、買収されるわとんでもないカスよ!」

かがみはみゆきの天然ぶりに愕然とした。
そして、ようやく理解した。
.....買収......

こなたは自分の目的を達成するために...それはおそらくみゆきと昵懇になることだろう....周りの人間を
買収したのだろう。
2月14日はそれが許される日だと勘違いして。
かがみは怒りをこらえてみゆきに尋ねる。

「ねえ、こなたとつかさはどこに行ったの?」

みゆきはかがみの怒りにしり込みしながら答えた。

「さっき、お二人でどこかに行かれましたが、場所は分かりません」

かがみはみゆきから離れ、走っていった。
昨夜、つかさが涙ながらに言った言葉が思い出された。

「お姉ちゃんがいちいち干渉してくるのがたまらなかったんじゃないかな」

そうですか私は邪魔者だったわけですか...
あのガキ、まじでぶっ殺す。
こなただけでなく、つかさやみさお、あやのに弄ばれたという屈辱がかがみを更に熱くした。
とりあえず、こなたとつかさが居そうな場所を探さなければ。
112ヴァレンシュタイン.デイ18:2009/02/13(金) 22:00:33 ID:lf8mdM2H
しかし、丁度そのとき、こなたはかがみを探していた。
つかさの言うには、おそらく自分が買収されたことを姉は嗅ぎ取ったらしい。
つかさは買収されたということを口外してはいないが、あの
やけにしつこいかがみのことだ。そのうち、自分の行った買収の事実を暴くだろう。
かがみを疎外したことはちょっと後ろめたさがあったが、買収自体は悪いことではない。
ヴァレンシュタインデイではそれが公に許されるのだから。
とにかく、みゆきと近づくにはかがみは邪魔だった。
つかさは簡単に買収できそうだったが、かがみはこなたからの金をつき返していただろう。
プライドが高く、バカみたいに正直者で、自分の価値観を他人に押し付け、
空気が読めない。
これがこなたのかがみに対する評価だった。
なによりも、かがみは優等生ということで、一番、みゆきの近くにいた。
こなたはそれが許せなかった。
みゆきに、かがみよりぬきんでたものを見せる必要があった。
それがグレゴリーに対する思いやりと優しさだった。
とりあえず、かがみと一戦交える覚悟は出来ている。
もう今更、引くわけにはいかない。みゆきは誰にも渡さない。

結局、かがみは見つからなかった。授業が始まるので、こなたは仕方なく
教室に戻った。
しかし、教室の異変にすぐにこなたは気がついた。
生徒たちが何者かを取り囲んでいる。
女子生徒の1人が輪の中から飛び出して、その場で嘔吐した。
こなたは呆然と、自分の目の前で床にむけて吐き散らす女子生徒を見つめた。
だが、他の生徒たちはそんなことまったく気にしていないみたいだ。
ただ、ひたすら何かを見つめている。
その表情は、ショックのあまり凍りついたまま動けないような印象だった。
さらに、もう1人の女子生徒がその場に失神して倒れた。
こなたは生徒たちの輪の中に入っていった。

教室の隅の机に座って、グレゴリーが何かを食べていた。
グレゴリーの周りは、おびただしい血が辺りを染めている。
彼の服装は、精神病院から脱走してきたままの、病衣だった。
教室の外ですさまじい悲鳴と喧騒が聞こえてくる。
こなたの心臓がバクバクと脈打つ。息をするのも苦しくなるくらいに..
こなたは生徒たちを掻き分け、グレゴリーの元に近づいていった。
グレゴリーは泣いていた。
泣きながらおだやかな笑みをうかべ、ひたすらなにかを食べている。
グレゴリーが手にしているのは、こなたが目にしたこともない
おぞましい物体だった。
血で染まっているものの、それは水水しく、所々に黄色っぽいぶよぶよとした
粒のようなものがあった。
だが、グレゴリーが座っている机の向こう側に、誰かが倒れているのが分かった。

血まみれで手足がぐにょりと曲がり、それはまるで廃棄された人形のよう。
引き裂かれた腹部からは、ぐにゃりとした臓器が露出している。
その顔は、血でまみれており、むき出しの歯茎と飛び出した目玉が確認できた。
長く、ゆるやかなウェーブがかかったその美しい髪は、やわらかなピンク色。
顔からずれたメガネは割れて、かろうじて破壊された頭部にぶらさがっている。
こなたの頭は真っ白になり、意識はかなたへ飛んでいった。
113ヴァレンシュタイン.デイ19:2009/02/13(金) 22:02:56 ID:lf8mdM2H
...............
...............
...............

「ねえ、集めた花々はそれはそれでいいんだけどさ、とりあえず、それを綺麗に束ねて
 花束を作ればいいんじゃない?」

こなたはグレゴリーにアドバイスをした。

「この家庭科室なら、花を束ねるラッピング用の紙はあると思うよ。私が探してあげるんで、
 グレゴリーはそこの棚に入ってる料理用ナイフで、花の長さを均一に切りそろえてくれない?」

グレゴリーは自分が集めた花々を切りそろえるために、棚からナイフを取り出した。

みゆきに告白するために、こなたの意見に従って、校庭から花を摘み取ってきた。
どうやら学級委員があるみたいで、みゆきは遅れて来るみたいだ。
そのかわり、仲介役のこなたがその間いろいろと準備をしてくれる。

グレゴリーは作業に取り掛かった。

「ねえ?グレゴリー」

グレゴリーはすぐ隣で聞こえてきたこなたの声に、体ごと振り向く。

こなたはグレゴリーのすぐそばに居た。そして、まるでグレゴリーに抱きつくかのように
彼の懐に飛び込んでいった。
ふいにグレゴリーはこなたの抱擁を受け止めた。
何が起きたか分からなかったが、ただ、こなたを抱きしめているという
現実だけがあった。
誰も居ない家庭科室に、ただ、抱き合う二人の姿があった。

しかし、ナイフを持つ手に、強く押された感触があった。
こなたの手から、ラッピング用の紙とテープが落ちた。そして、彼女はよろよろとグレゴリーから
離れると、そのまま壁によりかかって倒れていった。
分けが分からないまま硬直していると、後ろからつかさの悲鳴が聞こえた。


.........................................

グレゴリーの頭の中では、学校で過ごした楽しい時間の記憶がひたすらループしていた。
最後のシーンにたどりついたグレゴリーは、再び初めのシーンから記憶を再生した。

目の前のこなたに気がついたグレゴリーは、記憶のループを止めて、彼女を見上げた。
その目には、意識の輝きはなく、ただ、その小さな体から溢れ出んばかりの怒りだけが
宿っていた。

「柊つかささんと高良みゆきさんはずっと僕の中で生き続ける。あんたと違って
 二人は清い神聖な人間だからね」

グレゴリーは涙を流しながらこなたに告げた。

「うおおおおおおおおおあああああああああああああああ」

こなたは叫ぶと、グレゴリーに襲い掛かった。
グレゴリーは席を立つと、窓から飛び降りた。
それを追って、こなたも飛び降りた。
114ヴァレンシュタイン.デイ20:2009/02/13(金) 22:05:00 ID:lf8mdM2H
生徒たちは窓から身を乗り出し、下を見ると、3階下の地上に二人の姿はなかった。
真下の花壇の植物が潰れているところを見ると、二人はそれをクッションにして
助かり、そして、おそらくこなたはグレゴリーを追っていったのだろう。

遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。

やがて、先生や他のクラスの生徒たちが駆けつけてきたが、ぐちゃぐちゃになった
高良みゆきの姿を見て、何人かが嘔吐し、失神した。

家庭科室の隣にある倉庫で二人は対峙していた。

倉庫には2体の死体があった。
それはつかさとかがみだった。

家庭科室で、こなたがつかさと別れてかがみを探しに行った後、
グレゴリーはつかさを殺して倉庫に引きずり込み
そして食べたのだ。
かがみを殺したのは、グレゴリーがつかさを食べているときに
そこにやってきたからだ。
つかさを探していたのだろう。みゆきを食べる前に騒がれるとこまるので
仕方なく殺した。

かがみは首の骨を折られ殺されていたが、つかさは腹部を割られ、心臓と臓器を
食べられていた。
折り重なるように倒れている二人の死体は、青ざめた顔に、その目はうつろで
虚空を恨むように見ていた。

こなたの片腕と片足は落下の衝撃で使い物になりそうになかった。
グレゴリーと対峙しているものの、勝ち目はないだろう。
しかしその目は、しっかりとグレゴリーを見据えていた。
負傷した片足が体重を支えきれなくなり、こなたはグラグラと揺れはじめた。

「なんで、こんなことを」

急にこなたの顔から怒りが消え、感情すら消えた空虚な表情になった。

「なんで、こんなことを」

グレゴリーは泣いていた。

「ずっと孤独だったほうがよかったんだ。でも、僕は、君たちのおかげで
 孤独に負けてしまった」

こなたはその場にへたりこんだ。片腕と片足の感覚が消えていた。

怒りは消え去り、そして消失感だけが残った。
失ったものはあまりにも大きすぎた。
こなたは座り込みながら独り言をつぶやいていた。

「あやまらなきゃ。かがみに、あやまらなきゃ。私があんなことをしなければ...
 なんでかがみを邪魔だと思ったんだろう。
 つかさ...守ってあげられなくてごめん。どうしたら許してくれるの?
 みゆきさん。どんなに好きだったか。ずっと二人の時間を過ごしたかった。
 私は一体、どうすれば」
115ヴァレンシュタイン.デイ21:2009/02/13(金) 22:06:44 ID:lf8mdM2H
こなたは呆然と、虚空にむかって話しかけていた。
もはやこなたの精神は崩壊していた。

だが、こなたの中に一筋の希望が生まれた。
また、3人と一緒になれるかもしれない。

グレゴリーに顔を向けたこなたの表情は、一転して輝きを増した。

「ねえ、グレゴリーさぁ。たしか、その人を食べたら、永遠に一緒になるとかなんとか手紙に書いてたよね」

グレゴリーはこなたの変化にたじろぎながらも応えた。

「あ、ああ、そうだよ。僕は人間を食べることによって、その人を取り入れ、永遠にすることができるんだ」

こなたはグレゴリーに詰め寄った。片足を引きずり、片腕をだらりと下げたまま、フラフラとグレゴリーに
詰め寄っていく。

「ねえ、グレゴリー、私を食べてよ。そこのかがみも一緒にね。そしたら、かがみとつかさとみゆきさんと
ずっと、ずっと一緒でいられるんだ!まず、3人に会ってあやまらないと。もう一回、一からやりなおさないと」

こなたは興奮して、グレゴリーに背を向けると、フラフラと倉庫のドアのところに行き、
床に置いてあった角材をドアに立てかけた。

「これで、しばらく皆はこの部屋に入って来れないと思うよ。その間、私とかがみを食べるのよ」

パトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
グレゴリーはこなたを見つめた。その姿は純粋で穢れがなかった。
邪気はすべて消え去り、あのとき、こなたに見た天使が再び舞い戻ってきたようだ。

結局、グレゴリーはこなたを愛していたことに気がついた。

自分を孤独から救ってくれたものたちの中で、一番、彼女を愛していたのだった。
今、目の前にいる天使。穢れなき純粋な精神に満ち溢れたその少女を食べたいと感じる。
自分が食べることによって、こなたは永遠にそのままでいられる。

「わかった。約束する。君とそこの柊かがみさんを食べるよ」

グレゴリーはこなたの体をつかむと、服をまくりあげ、腹部をむき出しにした。
116ヴァレンシュタイン.デイ22:2009/02/13(金) 22:08:04 ID:lf8mdM2H
こなたは目を閉じていると、へその中にグレゴリーの指が押し込まれていくのを感じた。
一瞬、こそばゆさに体が反応したが、それはすさまじいまでの痛みに変わっていった。

グレゴリーはへその中に両手の人差し指を入れると、そのまま横に引き裂いた。

すさまじい力によってこなたの腹部は割れていった。


「ぁぎゃああがががああああああああぎゃああああああああ」

人間のものとは思えないほどの叫び声をこなたは上げた。
眼球は上をむき、体中が痙攣してくる。

やがて、喉から逆流してきたよどんだ血が、こなたの叫びを消した。

こなたの割られた腹から腸が飛び出してくる。
グレゴリーはこなたの腹におもいっきり手をいれると
腸をかきわけ、横隔膜を破り、肺をかきわけ、心臓を手にとった。
ブチブチと心臓につながる脈を引きちぎり、グレゴリーはこなたの
心臓を取り出した。手にまとわりついてくるのは黄色っぽく、小さなツブのついた
ブヨブヨした脂肪だった。

そして、弱弱しく鼓動を続けるその心臓を食べた。
その後、かたわらのかがみの死体も食べたのだった。

パトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
ドアをガンガンと破壊する音が聞こえてきた。


グレゴリーの罪状のあまりもの残虐性から、彼が精神異常だという要素も陪審員たちの怒り
をやわらげることはなかった。

まだ始められて間もない一般人から募集された陪審員制度での判決は、
全員一致で死刑だった。

だが、彼の中には4人が永遠に生きている。
そして、独房の中で、グレゴリーは永遠に思い出をループさせ続けるのだろう。
首を絞める縄が彼の命を絶つ、その瞬間まで。




117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 23:00:16 ID:MGZXwlE/
乙です
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 02:49:47 ID:EpgLIa2r
乙っておくよ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 02:56:46 ID:9a00iLrM
おぞましや・・・おぞましやぁ・・・
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 09:54:45 ID:WT/Oc36s
テキストの「もしも」のつづきを知りたいのは、僕だけ?
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 17:08:27 ID:HJXD6bgr
あー、怖かった
122お漏らし中尉:2009/02/14(土) 21:45:31 ID:P9Vt5TNC
【バレンタイン・リボン】

『私を見つけたらプレゼントをあげるよ』

こなたの残したその言葉がひどく気になる
泉こなたが柊かがみに残した最後の言葉

やっと世界が暖かさを取り戻したこの季節
2月14日の事だった
学校を終えてその言葉を残した彼女はひどく美しく
そして切ない眼差しで私を睨む


「どうして私に優しくしたの?」


小さなさくらが香りを放つ
12月のあの寒空など、まるで嘘だったかのように
彼女は私の世界を春に変えた


「だって、それが私とあんたの関係だからでしょ?」


その言葉を聞いた彼女は少し嬉しそうに
そして、とても悲しそうに私の頬に手を添える


「かがみんはどうして女の子なの?」
「・・・・」


私は彼女の心をなんとなくだが知っていた
それでも私たちは友達でいるのが懸命・・・・・

いくら世間が囃し立てても

創造主がその禁断の関係を許しても

私たちの心に折り合いはつかない


夕暮れ時の学校で
大きな木の下に佇んだままの私は息を弾ませて、彼女を探す

3階のいつもの教室

右から二番目の窓に薄っすらと揺れる彼女は
大きなリボンを首にかけ、私に微笑みかけている
いつかのつかさの言葉を思い出す

『目を細めると、憂いを帯びた眼差しになる』
123お漏らし中尉:2009/02/14(土) 21:48:00 ID:P9Vt5TNC
いまの彼女の瞳はまさに哀愁を帯び
私は泉こなたに恋をしていた事に気が付いた


私はやっと見つけたその恋を求めて

見えない扉を開き、その先へと駆け上がる

その風景は広大で・・それでいてちっぽけなロマンスの空間
いつもの光景がまばゆく輝き


空気が光を放って私を包んだ
胸の高鳴りを抑えたまま一段一段上る階段は
軽やかな靴音を鳴らし

グリーンの廊下も草原のように波打つ
雫が私の瞳から朝露のように垂れ、幾多もの霧と化していく
真っ白な扉の向こうに

私の求めた彼女がいる

やっと見つけた始まりの瞬間
私は彼女を求めていたのだ


「セイント・バレンタイン」


そう呪文の様に呟いて、私は扉を開く


そこに佇むのは女神・・・・


抜け殻


彼女は首から真紅のリボンをたらし

憂いを帯びたその眼差しが、無感動に私を射抜く

残された、私への贈り物
たった一枚のメッセージカード
そこに可愛い文字で書かれたたった一行のラブコール・・・・



『私はかがみが好きだった』


私は光を失った・・・・・



ハッピーバレンタイン
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 22:08:58 ID:AXWNCteN
>>116
うっは、相変わらず飛ばしてンなぁ
グロテスクな描写なのに、最後を綺麗にまとめる所はやっぱりグレゴリー様ならでは
頑張ってくだちぃ

>>123
いつ見ても綺麗な文章だ
惚れ惚れ見惚れちゃう
125JEDI_tkms1984:2009/02/15(日) 22:31:38 ID:Le58i/T4
>>116

 血塗ろの惨劇、此処に極まれりといったところでしょうか。
食べられた者たちの御霊は彼の中で行き続ける……美しいラストですね。
人が人を食べる時、どのような理由・目的でそれを行うのか。
それを考えていたら僕もカニバリズムSSをひとつ思いつきました。


>>123

 短いながらに様々な情景を想起させるすばらしい構成ですね。
夢の中で読んでいるような気分になりました。
メタファーが美しすぎます。
ちなみに14日に貰ったチョコはよく行く文房具屋さんの店員さんからのみです。
もちろんお店がそういうサービスをしていたから義理ですらありませんが。

126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/16(月) 02:05:39 ID:s/Hqx72y
まさかグレゴリー×中尉のブラッディ・コンビネーションを拝めるとは…
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/16(月) 20:08:19 ID:F8hRT2ho
かなた「久しぶりに、こなたの様子を見にきたわ」
こなた「ふう…今月もお父さんのクレカ使い込んじゃった」
かなた「以前にも増してダメになってるわ…そうか、私がお金をケチって
    中国産の粉ミルクや中国産の離乳食ばかり与えたから、アホにな
    ったのね」
こなた「バレンタインにお父さんから逆チョコ貰ったけどおいしくないや
    アーモンドが入っているのがよかったなあ」
かなた「そうだわ、おいしいアーモンドを食べさせれば心が豊かになるかも
    ここは母として一肌脱ぐとしましょう」


かなた「こなた、粉末アーモンドを持ってきたわよ」
こなた「お母さんの声が聞こえたような…あれ、アーモンドの匂いだ」
かなた「母の本懐ここに有りね」
こなた「いただきまーす!うーんマンダム、水沼ダム…ぐぼうぇあ〜」
かなた「?。死んじゃったわ…あらこれ青酸カリね」


こなた「お母さんが見える。…ってことは私死んだの?」
かなた「あ…あらあらまあまあ。こなた、自殺なんかしちゃダメじゃない」
こなた「いや、そんな積もりなかったんだけどなぁ…変だなあ…??」
かなた「やってしまった事は仕方ないわよ。天国へ案内するわ」

めでたし めでたし
128名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/16(月) 21:54:52 ID:YlJeIUDH
gj
129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 02:23:54 ID:E8UNsABL
>>120
神奈川が後半アレンジして悲惨な続き書いてたはず
wikiにある
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 14:01:25 ID:N3dImMIr
別の「もしも」が見たいから。
131JEDI_tkms1984:2009/02/17(火) 16:03:03 ID:O6k+LdQk
>>125

「想起」ではなく「想像」の誤りでございました。
ここに訂正を。
132グレゴリー:2009/02/18(水) 01:11:57 ID:E5LQRTl3
>>105
死んでも何度でもよみがえり、悲劇の人生を繰り返すこなた。
でも、それはそれを望む人間にとっては役に立ってるじゃねえか!
>>123
一瞬、詩を掲載されたのかと思いましたよw
新しすぎる!ついに中尉も羽化したか!と興奮しました。
>>125
ぜひ、カニバリズム作品を!
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 01:51:02 ID:bw62op3m
もっと他殺じゃない自殺のオンパレード。
134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 03:27:56 ID:KGX7D/UF
【関連スレ】

ボッスンの過去を予想するスレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1231401446/
135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 03:21:52 ID:itDpz6G8
もっと
136名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 17:41:05 ID:f2pBqODo
みゆき「こなたさん、画鋲をとめて貰えませんか?」
こなた「いいよ」

かがみ「こなたの家にとめて貰えない?」
こなた「いいよ」

つかさ「こなちゃんの心臓とめてもらえない?」
こなた「いいよ」

三人「あ、死んじゃった」
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 02:03:49 ID:+cvJCq/a
不随意筋止められるなんて、さすがは自殺のプロですねっ^^
死に慣れてやがる
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 16:33:26 ID:qS67BlKW
つかさ「こなちゃんって、トイレに行く度に髪の毛の先が濡れてるよね」
みゆき「髪が長すぎるから便器に浸かってしまうそうですよ」
かがみ「うわっ汚ねぇ」
みゆき「今度から泉さんの事は、『T19』と呼びましょう」

こなた「T19って何?」
みゆき「東西線南行徳駅の事です」
こなた「それと私とどういう関係があるの?」
かがみ「東西南、北がないわね」
つかさ「そっかあ、汚いって事だね♪」
こなた「皆ひどいよ!死んでやるう!!」

こなたは驚異的なジャンプ力で飛び上がり、天井に頭をぶつけた。

つかさ「こなちゃん死んじゃったね」
みゆき「天井に頭をぶつけたときに、激しい脳挫傷を起こしたようですね」
かがみ「人類初の飛び昇り自殺を達成するなんて、尊敬するわ」
つかさ「今日も平和だね」
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 18:16:24 ID:FTqOXXqV
>>138
これは?

(前略)
みゆき「今度から泉さんの事は、『T26』と呼びましょう」

こなた「T26って何?」
みゆき「東西線西船橋駅(T-23)から東葉高速線まで駅番号を続けた場合の北習志野駅です」
こなた「それと私とどういう関係があるの?」
かがみ「北習志野→汚らしいの」
つかさ「そっかあ、汚いって事だね♪」
こなた「皆ひどいよ!死んでやるう!!」
(以下同)
140JEDI_tkms1984:2009/02/22(日) 21:43:09 ID:XjWovOnB
 文芸賞に応募する作品が出来上がったらSSを1本投下したいと思います。
3月上旬頃になると思いますが、その切にはよろしくお願いします。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:30:14 ID:qS67BlKW
>>139
「北」まで使いこなすとはお見事です!
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:33:06 ID:FTqOXXqV
>>141
あ、どうも
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:35:00 ID:uwEh0Fjw
何このやりとりwワロタw
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 14:44:13 ID:EE9uvh+g
↓よう、T26
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 21:41:36 ID:ubRJYfVg
↑うるせー、T19
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 22:06:16 ID:To7iPU+v
こなた「真の敵はT34だよ!」
つかさ「はい、鉄兜」
かがみ「はい、対戦車地雷」
みゆき「はい、水盃」
こなた「え?えーっと…突喊…」

戦死一名
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 23:42:23 ID:HRWvheeG
>>138>>139
既出の駅名を作中に登場させるとしたら(案)
南行徳→南行得
西船橋→西鮒橋
北習志野→北楢志野

運営は糖京メトロと糖葉高速鉄道
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 02:14:01 ID:GBJ9tGzK
こなた「時代は今、井之頭線だよ!」
かがみ「唐突に何を言いだすんだ…」
こなた「神泉駅に行けば泉さんは神!我を崇めよ〜!」
かがみ「こなたがラリってるわ」
つかさ「こなちゃんのポケットから大麻が出てるよ」

こなた「違うよ」
みゆき「いえ、どう見ても大麻ですね」
こなた「違うってば。これは若葉台駅に生えていた若葉だい!」
みゆき「通報した方がいいですね」
こなた「この前橋本駅で箸を食べたんだ。食べれば食べるほど欲しくなって、箸もっと!箸もっと!」
かがみ「完全に壊れているわね」

こなた「多磨霊園駅では猫のタマ0円で売ってます」
こなた「芦花公園駅でロッカー公演」
こなた「調布駅は超古い」
こなた「中河原駅の中がワラで出来ている」
こなた「南大沢駅でみなみをお触り」
こなた「北野に来たの」
こなた「国領駅でコック料理」
こなた「新宿で死んじゅく!」

つかさ「ああ…こなちゃんが急行新宿行きに…」
みゆき「新宿で自殺する積もりですね」
かがみ「こなた…?…方向幕に悪戯しているわ」
つかさ「急行を急逝に書きなおしてる…」
みゆき「吊り輪で首を釣りましたね」

かがみ「こなたの遺書と五百円だわ…『切符代立替えてもらってたから、お金返すね。吊り輪要るけど釣りは要らないよ』…」
つかさ「こなちゃん、息止まったね」
みゆき「めでたしめでたしですね」
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 04:04:30 ID:eTDXwR2o
聖蹟桜ヶ丘飛ばすな^^
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 14:14:01 ID:E7TheKUz
最近小ネタが盛り上がってきたな^^
いい傾向だ
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 20:09:40 ID:H99Cpoh5
こなた「ファミチキ二つ」



こなた「あ、こっちのファミチキで」
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 20:12:38 ID:di4S24sO
         / ̄ ̄ ̄ ̄\
      //・\ /・\ \     ご
      |   ̄ ̄   ̄ ̄  |
      |    (_人_)    |
      \     \_|    /     冥
      /  /・\ /・\
      |     ̄ ̄   ̄ ̄|
      |      (_人_)  |     福
      \       \_|  /
      /     /・\ \
      |        ̄ ̄  |     を
      |         (_人_)
      \          \_|
      /         \    お
      |            |
      |            |
      \            /    祈
      //・\      \
      |   ̄ ̄        |
     (_人_)          |     り
      \_|          /
      /・\ /・\  \
      | ̄ ̄   ̄ ̄    |     し
      |   (_人_)      |
      \   \_|      /
      //・\ /・\ \     ま
      |   ̄ ̄   ̄ ̄  |
      |    (_人_)    |
      \     \_|    /    す
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 23:56:38 ID:GBJ9tGzK
こなた「このクラスで一番成績悪いのは、つかさだよね!」
みゆき「いくら何でも失礼ですね」
つかさ「こなちゃんのくせに…」
ななこ「何や泉、誰が成績悪いか知りたいんか?」
こなた「つかさでしょ?」
ななこ「いんや泉、お前の成績が最低や」
こなた「ガーン…」

つかさ「こなちゃんが駅に走っていくよ!」
みゆき「成績が最低なのがショックで、聖蹟桜ケ丘駅で自殺する積もりですね」
かがみ「まあ、止めにいくか」

こなた「かがみん達が追っ掛けてきたし、電車も来たね。しめしめ。この駅は各停から
    特急まで停まるから、ホーム先端から飛び込めば、絶対にひかれないんだ」

かがみ「こなたー」
つかさ「こなちゃん死なないでえ」
みゆき「つかささん、棒読みになってますよ」

こなた「みんな…私生きるのに疲れたよ。じゃあね」
かがみ「うわ…本当に飛び込んだわ!」
つかさ「え?え?!」
みゆき「本気だったとは…ああ…」

こなた「どうせ元々停車するんだし、非常制動掛ければ余裕で止ま…らな…回送列車だ…」

かがみ「あーあ」
つかさ「ひかれちゃった…」
みゆき「めでたしめでたし」
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 00:58:30 ID:T2wEZ626
       /_ノ  ヽ、_\      ( 
.     / (● ) (● )\   (   好きな人ができました
    /    (__人__)   \   ◯   
    |              | 。O   ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄
     \           /
    ノ            \
  /´               ヽ
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 01:54:30 ID:THt3wEcB
>>153
場所が聖蹟桜ヶ丘で、自殺原因が成績不振…
なんだ、帝○行きのバスに乗れば良かったのに。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 10:04:58 ID:o8IW5cp+
高幡不動はー?ww
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 15:35:16 ID:mK0exdHV
鉄ネタワロタ
158グレゴリー:2009/02/25(水) 21:16:35 ID:V5RN1h7k
鉄道といえば、昔、あえてローカル線でひたすら飲酒旅行をして、気がついたら筑豊の公園で
寝ていたのを思い出します。車両とかに詳しければより楽しめるのだろう。
>>140
文芸賞とは?一体、何をたくらんでおられるのか?
159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 21:36:58 ID:U+HBbE6M
かがみ「こなたぁ、一緒に帰ろう」
こなた「ごめんねかがみん、高幡不動に行くんだ」
かがみ「またかよ…」
つかさ「不動と言えば、こんなチラシが入ってたよ」
みゆき「不動車買取センターですね」

つかさ「動かない車を買い取って、お金が儲かるのかなあ?」
みゆき「日本車は、東南アジアや中南米で部品の需要があるそうです」
こなた「それで経営が成り立つんだね」

みゆき「ところで、私の知り合いがこういう事業を営んでいるんですよ」
つかさ「不動者買取センター??」
みゆき「日本者は、某国で部品の需要があるそうです」
かがみ「本当に買い取ってくれるのかしら…」

みゆき「聞いてみましょう…もしもし、いつもお世話になっております」
こなた「いつも?」
みゆき「ええ…また買取を。18年落ちで程度はあまり良くないですね。アホ毛もありますし」
こなた「!」

みゆき「持ち込みなら7千円で買い取って下さるそうです」
こなた「私は不動じゃないよ!失礼だよ!」
みゆき「可動者ですがよろしいですか?はい…ジャンク扱いで6千円ですね」
かがみ「食事代にはなるわね」
つかさ「早速売りにいこうよ♪」
こなた「ひえーー!」

こうしてこなたは、2千円のランチ×3に化けて消えてしまいましたとさ。

めでたし めでたし
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 23:48:19 ID:Fm1psRco
20xx年某日(日曜日)のこと

サザエ「さーて、来週のサザエさんは?」
マスオ「マスオです」
こなた「ちょっと待ったぁぁぁ!」
マスオ「何だい君?君みたいなただのヲタクには興味(ry」
こなた(殴る)
マスオ「びゃあ゛い゛たぃ゛ぃ゛ぃ゛」
こなた「スタート!」
白石「さーて、次回のらき☆すたは?」
こなた「こなたです。最近黒井先生に成績最低と言われるし、
    お父さんは盗撮で逮捕されるし、もう人生に疲れてきちゃって。。。
    もうPCを起動する気にもなれない。。。
    というわけで、明日糖武日光線幸手駅で人身事故起こ
    して自殺します!!
    利用者の方にはご迷惑をおかけします。すみません。
    次回『泉こなた追悼スペシャル』」
白石「お楽しみに!」
サザエ「まあ大変なこと。まあいいか。
     再来週からまた見てくださいね〜ジャンケンポン!うふふふふ」


翌日
「東京メトロからのお知らせ」電光掲示板
【直通運転中止:半蔵門線 x時xx分頃、
糖武日光線幸手駅で人身事故のため、
糖武線との直通運転中止】

その頃糖急田園都市線、半蔵門線、
糖武伊勢崎線・日光線の2chスレでは
「また半直中止かよ」
「今回は車両故障ではなく人身事故みたいね」
「ニュース見てたけど、事故で死んだのは
1日前から行方不明になっていたあの女子高校生みたいよ」
「友人の聞き込みで『彼女はヲタクでした』ていってたような希ガス」
「世間を騒がすアニヲタは死ねよ」
「アニヲタが世間を騒がすんじゃなくて、
アニヲタの中にそういうのがいるだけだよ」
(中略)
「板違いだ消えろカス」
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 01:33:48 ID:3kJn4vxm
>>139
汚らし野ww
てかテラ地元ww
162グレゴリー:2009/02/26(木) 10:42:13 ID:gdLld5RJ
グレゴリー「金無くてよ。国産安ウイスキーはカラメルの味が酷すぎるんで、いっそ、ラム酒の1リッター瓶を飲むわい」
こなた「負け組は哀れだね。私なんて女子高生でロリ顔ってだけでいい金稼げるからこんなん飲めるわよ」

そういうと、こなたはマーテルXOのクリスタルボトルを傾けグラスに芳醇な香り漂うブランデーを注いだ。
グレゴリー「なんという勝ち組!」
こなた「そんなに欲しけりゃやるよ」

こなたはグラスのブランデーをグレゴリーの頭上に持っていくと、おもむろにぶっかけた。頭をひんやりとしたブランデーが滴り落ちるのを感じながら、グレゴリーは屈辱に震えるのだった。 ...続く
163グレゴリー:2009/02/26(木) 11:39:17 ID:gdLld5RJ
こなたは上機嫌に酔っ払っていた。しかし、グレゴリーは密かにマーテルXOの中身をバランタイン12年という、ナロウなスコッチと入れ替えた。こなたは気が付かずに飲んでいたが、そのナロウなピートフレーバーはすぐにこなたの精神を侵食した。
こなたは泣きはじめた。 こなた「でも、私が高校を卒業して数年も立ってしまったら私は単なるチビで童顔のオバハンだね」
グレゴリー「過去に輝いていたことのある奴は大変だな。オレみたいに一切、輝いたことのないクズのほうが人生が楽だわ。ジョックが卒業後もOBと名乗って未練がましく母校に出入りしたり、誰も参加しようとしない同窓会を開こうと必死になるようなものだね」
164グレゴリー:2009/02/26(木) 12:04:05 ID:gdLld5RJ
こなた「ようやく気がついた。私は女子高生ってだけで皆から持ち上げられてただけなんだ。20過ぎて加齢臭漂う単なるダメ人間になる姿なんて考えたくない」
そういうと、こなたは窓から身を乗り出し、そのまま飛び降りた。グレゴリーはこなたから奪ったコニャックを楽しみながら、小さく手を振ってこなたを送った。今なら、ラム酒ですらコニャックのように味わえるだろう。凛や膳、ボストンクラブではさすがに無理だが。

165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 13:33:28 ID:vQSnp0GA
>>159
ありがとうw
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 20:22:23 ID:DjICjU7r
>>160
こんなこと書いてたら
本当に一ノ割で人身事故起こっちゃったじゃないか
167JEDI_tkms1984:2009/02/26(木) 22:49:07 ID:hd111h9+
>>158

 分際も弁えずに作家になりたいなどと愚かな夢を抱いているだけですよ。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 02:03:59 ID:ou7Tyh3X
府中や八王子、多摩センターはともかく、吉祥寺や渋谷が出てないのが驚き
169名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 14:13:30 ID:kA7u13hU
>>168
京王本線&相模原線対象で井の頭線を除外してるからじゃね?
(軌間違うから直通出来ないし)
170名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 19:15:36 ID:MYKLgpL/
>>164
天才も
二十歳過ぎれば
ただの人

ってか。
まぁ実際には、女子高生といえども若さを武器にはできなかったりする。
彼女の周囲の人間も皆、女子高生なんだから。
健常者に向かって「お前傷害ないんだから、それだけで幸せ」とか言ったり、
「お前日本に生まれただけでも幸運」と言う様なものだね。
一見有利に見えるステータスも、その人間の置かれている環境下では
平等に有しているステータスに過ぎない。

その点、グレゴリー様は一味違う。
我々平凡な人間には超える事ができない一線を、堂々と越えてしまう強さを持っていらっしゃる。
その強烈な個性を前にした私達は、なす術もなく超えてゆく背を見送る事しかできない。
言葉さえ出ない。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 22:23:28 ID:PfkLCR8f
ハードルが高くなってゆく。。。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 00:13:29 ID:n0kXFE58
こなた「はあ…ドルが高くなって行く…」
かがみ「いきなり何を言い出すんだ?」
こなた「経済だよ、け・い・ざ・い」
みゆき「泉さんが経済なんて、道理で今日雪が…」

こなた「失礼だね!へっ、低レベルな人には付き合いきれないや。渋谷行こ」
かがみ「こなたが新聞屋行こうなんて…経済新聞かしら?」
みゆき「後をつけてみましょう」

こなた「やっぱり準特急は速いね、あっという間に明大前だよ。えっと井之頭線は」
みゆき「新聞屋ではなくて渋谷に行くみたいですね」
かがみ「うっかりミスだわ」
つかさ「6000系が来たよ。乗らなくちゃ」

かがみ「そんな事してたらこなたが行っちゃうわよ」
みゆき「どんなに否定しても、6000系が界磁チョッパである事は変わりません」
つかさ「違…サイリスタチョッパ…」
かがみ「わからない子ね!界磁チョップ!!」
つかさ「ぐはぁ…がくっ…」

こなた「えっと渋谷行きは、っと」
通行人「カラスの襲撃だあ!退避っ退避ー!」
こなた「うわっカラスが!やめて、目は突かないで!」
通行人「女の子が目を突かれたぞ、大変だ」

こなた「目痛い、目いだい前…見えないよぅ」

みゆき「こなたさんが、吉祥寺方面のホームに降りてしまいました」
かがみ「仕方ないわね。こなたぁー、渋谷行きはこっちよ」

こなた「その声はかがみん!助けて…今そっちに行くから。うわぁぁ」
みゆき「線路に落ちましたね」
かがみ「急行吉祥寺行きも来たわ。でも止ま…り切れなかったわね」

こなたはいいとして、つかさはその後吉祥寺へ行き、201系を待ち続けました。
寒さの中何時間も待ち続け唇が紫色になる程でしたが、チョッパ音で身も心も暖まりました。

めでたしめでたし
173名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 00:23:18 ID:n0kXFE58
こなた「決めた!宇宙飛行士になる」
かがみ「無理」
つかさ「え…でも頑張れば…」
みゆき「無理です」
こなた「まあ、今に見てなよ」

10年後

こなた「結局無理だった」
みゆき「分不相応でしたから」
こなた「いいよいいよ馬鹿にして…府中駅から飛び降りてやる!」

こなた「じゃあ飛び降りるよ。止めないでね」
かがみ「こなたの意志を尊重するわ」
こなた「…………えいっ」

みゆき「宇宙飛行士にはなれなかったけど、府中飛行死にはなれましたね」
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 00:49:57 ID:rtTEs5Wl
>>172-173
テラワロwwwwwww
何気に>>171とも繋がってるね
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 11:53:08 ID:n0kXFE58
かがみ「みんな成人したし、初飲酒といきますか!」
つかさ「わーい♪お酒!お酒!」
みゆき「ビールとワイン、焼酎がありますよ」
こなた「ふっふっふ…これを見よ!」

つかさ「これって…」
みゆき「某レスで仰っていた、“マーテルXO”ですね」
かがみ「すげぇこんな物…」

こなた「なけなしの小遣いで買ったんだよ。最初はこれで乾杯しようよ」
かがみ「かんぱーい」
つかさ「かんぱーい」
みゆき「かんぱーい」

こなた「ぐぶぉうぇ!」
かがみ「…何よこれ!」
つかさ「口がああぁぁ」
みゆき「死にそうです」

こなた「おかしいなあ…高級酒なのに」
つかさ「それ、“マーテルXO”じゃなくて“メーテルX脚”だよ…」
かがみ「本当だわ」
みゆき「偽物を買わされたんですね」

こなた「ええーこんな小さい瓶で6万円もしたのにぃ…」
かがみ「本物より高くないか?」
こなた「もういいよ。自殺するよ」

かがみ「180度の油を用意してどうするんだ?」
こなた「油で顔を揚げて自殺するんだよ」
つかさ「熱そうだね」

こなた「さあ逝くんだーその顔をー揚げてー」

かがみ「動かなくなったわね」
みゆき「こなたさん、生命保険の受け取りを、私達にしてくれてました」
つかさ「こなちゃん、999!」
176名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 16:00:44 ID:P9ckeJhR
これは…
177名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 22:07:33 ID:O1ka6DfK
こなた「武蔵野台駅で戦艦の模型を拾ったよ」
かがみ「大和ね」
つかさ「大和だね」
やまと「呼んだ?」

こなた「違うよ!武蔵のだい!」
みゆき「いえ、改装後の武蔵は高角砲が12門、大和は24門です」
かがみ「やっぱり大和ね」
つかさ「こなちゃんのしったか〜」
やまと「ねえ、呼んだ?」

こなた「うぐうっ…自殺したくなってきた。むっさ死のうdie」
つかさ「やっぱり自殺したね」
やまと「ねえってば!」
178グレゴリー:2009/03/02(月) 00:10:11 ID:e3t1h/4o
酒を飲んだ勢いで書いた超短編作品ですが投稿します。
おそらく、新時代の宗教は神からの解放が目的となるだろう!

179グレゴリー:2009/03/02(月) 00:12:20 ID:e3t1h/4o
こなたは川を渡る一群の人々の中の1人だった。
そして、隣で待っている男をさっきからちらちらと見ていた。

赤い布を頭に巻いており、くどいほどの髭が顔を覆っている。
しかし、その頭部は半分崩壊しており、半壊した口の中から
だらりと舌がたれていた。

赤い布の男は、こなたの視線に気がつくと、陽気に話しかけてきた。

「やあ、おじょうさん。あんた、一体何をしてこんなところに来たんだい?」

明らかに外国人なのに流暢な日本語に聞こえた。ここではデフォルトらしい。
テメエみたいな自爆テロのイスラムのゴミとは違うよ。と内心思ったし、
いっそ、口にしてやろうかと思ったが、こなたは辞めた。

「おじさんと同じだよ。自殺したんだよ」

赤い布のイスラムのゴミは、大仰に目を見開いた。

「日本みたいな平和で豊かな国でも、こんな小さい子が自殺することなんてあるんだなあ」

テメエのところみたいななんの価値もない単純で馬鹿な国とちがって自分の祖国はちょっと複雑なんだよ。
とこなたは言いかけて辞めた。

「ねえ、おじさんの国では、自爆テロをしたら天国に行けるんじゃなかったの?」

こなたは皮肉たっぷりにイスラムのゴミに言った。
そのゴミは泣きそうな顔になると、こなたからそそくさと離れていった。

やがて、お迎えの船が来た。
地獄へと向かうその船には、1人の船頭が乗っていた。

「俺の名はグレゴリーだ。地獄へようこそ諸君!お前らが悪人だったのか、それとも自殺して、神から与えられた
命という恩寵を踏みにじるという冒涜を犯したのか...」

こなたは我慢できなくなって、グレゴリーに詰め寄った。

「神なんて糞くらえだよ!神が私たちに何かしてくれた?苦悩ばかり与えて私たちに何もしてくれず、
それでいて死後に人を裁いて、善だの悪だの区分けしてさ。
勝手に神の持ち物にされた私たちの気持ちを一度でも考えたことがあるの?
ケツを蹴り飛ばしてやりたいわ」

帽子を深く被ったグレゴリーの表情は読み取れなかったが、彼は肩をすくめた。
180グレゴリー:2009/03/02(月) 00:13:30 ID:e3t1h/4o
「まあ、あんたみたいなことを言う奴が最近増えてきたが、仕方ないんだよ。人間は神が作り出した。
故に、神が何をしたってそりゃあ自由さ。あんたはさっきあんたが言ったように、神の所有物なんだからな」

船に乗せられた人間は必然的に老人が多かった。
自分より小さい子供たちはおそらく、例外なく天国に行くだろうし、
この連中の中で自分が最年少っぽいのは仕方あるまい。

大方の連中がおとなしいのは、その長い人生で、自分が地獄に落ちるのは当然の結果だと諦観してるからだろう。
しかし、こなたとイスラムのゴミは違った。

イスラムのゴミは自分は天国に行けるという周囲の吹き込みで自爆テロを行ったわけだ。
無関係な人々を殺し、文明社会の秩序を乱すだけのそのおろかな行為がどうして
天国に行けるだけの価値があるのか。それはこなたですら分かることだ。

それに、そのゴミ野朗にとって我慢ならないのは、戦死したアメリカ兵のほとんどが天に召されていることだろう。


「お母さん、ごめんね。死んだら会えると思ってたけど、行く方向が逆じゃあどうしようもないね」

こなたは独り言をつぶやいていたが、グレゴリーはこなたのほうを振り返ると話しかけてきた。

「まあ、自殺じゃあしょうがねえよ。最近は、神も緩くなってきてさ、よっぽどの悪事を行わないと
地獄には行けないんだがね。というのも、かつてあまりにも基準を厳しくしたんで、地獄が満員になったことが
あってな。でも、安心しな。地獄で刑期を終えたら、お前さんはちゃんと天国に行けるからさ。
それまでの辛抱だ」


こなたはグレゴリーにたずねた。

「ねえ、地獄ってどんなことさせられるの。いつも見てるんでしょ、教えてよ」


グレゴリーは口の端をにやりとつりあげると、深くかぶった帽子をあげ、はじめて目を見せた。
しかし、こなたは唖然として、グレゴリーの顔を見つめた。
グレゴリーの目は深くえぐった跡があり、その眼窩にはむなしい空洞があるだけだったのだ。

「俺は地獄の惨状に我慢ならなくなって、自分で自分の目をえぐった。だから最近は知らねえ」


川を渡り終えると、そこに居たのは筋肉モリモリの鬼たちだった。
船から降りた人々を鬼たちは区分けしていき、そして、1人の鬼がこなたのほうに向かってきた。

「あんたはこっちだ」

そして、こなたは1人だけ連れて行かれた。

連れて行かれた先は、なんと神の御殿だった。

そこでこなたは見た。母親のかなたが神のそそりたつ巨根を必死にしごいているのを。

鬼はこなたにそっとつぶやいた。

「神が、親子どんぶりがやりたいって言い出したんでな。まあ、がんばれよ」



181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 01:27:52 ID:2EcOkFJa
まあ、人間が神という言い訳をわざわざ作って、それに全てを責任転嫁してるだけなんですがね
合格祈願の絵馬とかも建前は「○○に受かりますように」ですが、
結局「受からなかったらお前のせいだからな」と神に保険を作ってるのと同じようなものです
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 03:19:10 ID:XAY0ff4w
すっげwwwwwwww放送禁止用語連発wwwwwwwwwww
ホント躊躇わない漢だなwwwwwwwww
183名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 06:46:01 ID:CJ/A7KqL
>>175
こなた「いやいやいや、顔熱かったよ」
つかさ「うわ!こなちゃんが復活してる」
こなた「しばらく自殺は控えようと思うんだ」
みゆき「そんなこなたさんに会わせたい人がいます」

こなた「へえ…どんな人?」
みゆき「メー○ルさん、こちらへ」
メ-○ル 「ええ…」
こなた「あ…あなたは」
メ-○ル 「貴女に食べさせたい物があって来ました」

こなた「ふうん。一体何?」
メ-○ル 「これよ」
こなた「青いかき氷だね。おいしそうじゃない」
つかさ「わ♪ブルーハワイだ。私にも一口ちょうだい」

メ-○ル 「汚らわしいメス犬め!」
つかさ「な…なによう!睫毛が長いからって。サイリスタチョ…」
メ-○ル 「蒸気機関車にチョッパ制御は通用しないわ」
つかさ「ぐぅ……」

メ-○ル 「さぁ。このブルーハワイは選ばれた貴女だけの物」
こなた「いやいや、見る目あるねえ!私こそ選ばれた女だね!うんうん」
つかさ「こなちゃんのくせに…」

こなた「いただきまーす♪おや?お酒入ってる?アルコールの感じが…」
メ-○ル 「貴女は味のわかる大人の女ね。この原液も飲んでくださる?」
こなた「もっちろん♪原液っていうかこの酒サイコー!!」

みゆき「こなたさん、ぐいっと」
こなた「ぷはーもう一杯。…………………。あれ?体が…メ○テルさん?」

メ-○ル 「私はメ○テルではありません。メーチルです。その青いお酒はウインドウォッシャ液」
こなた「メーチル?それとウインドウォッシャと何の関係が?とにかく体がおかしいよ」
メ-○ル 「ウインドウォッシャ液のアルコールは、メチルアルコールだからです」

こなた「………。ヴぉぼげあぁあぁあぁ!」
みゆき「うまく行きました」
こなた「そんなぁ…それじゃ私は…」
みゆき「死ぬか、良くて失明ですね」
こなた「がくっ」

ななこ「何や?泉の奴、また自殺したんか?」
みゆき「必死に止めたのですが…」
ななこ「しゃあない。小早川に遺体持って帰るよう言うとけなぁ」
みゆき「はーい」

めでたしめでたし
184グレゴリー:2009/03/03(火) 19:04:43 ID:1XhVFy/3
>>170
いや、単に私は失うものも夢も希望もないからヤケクソな作品が作れるって
だけですw
>>171
むしろハードルは低くなっている
>>182
私がもっとも嫌うのは、神の名の下に人殺しを正当化してる連中です。
まだ、自分がやっていることを分かっている殺人鬼のほうがマシです
ほんとうに。
>>183
愚かなことは愚かだとみんな声を大にして言えばいいんですよ
185JEDI_tkms1984:2009/03/04(水) 12:15:01 ID:eSNwqI2C
 どなたもご予定がないようでしたら金曜日よりSSを投下いたします。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 15:42:03 ID:IB6VpgHH
こなた「さっき間違って4速発進したけど大丈夫だったよ。軽はギヤ比きついからいいね!」
つかさ「こなちゃんは間抜けだね」
みゆき「私はATしか…」
こなた「みゆきさんはどっちにしろ無理だよ。4速というより豚足だもんね」
かがみ「ひでぇ…」
みゆき「ガーン…」
こなた「なんだったら温水プール行ってシンクロでもやれば?少しましになるかもよ」

こなた「さあて帰るか。ここで高速に…電話だ」
みゆき「こなたさん…?」
こなた「今本線に合流するところなんだ。あれ?あれぇ?シフトチェンジできない!」
みゆき「こなたさんの仰る通り、シンクロを殺っておきました」
こなた「シンクロってシンクロナイザ?困るよ後続車きてるのに加速がぁ!」
みゆき「ダブルクラッチでも踏んだらいいじゃないですか…御機嫌よう…」

こなた「タンクローリーが…アアーッ」

めでたしめでたし
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 16:37:46 ID:BpjIr/oN
>>186
半分以上分からなかった
188脚本家・泉こなた:2009/03/05(木) 20:01:58 ID:/XmvRRxJ
「私は大学卒業後、ニートしていたが、昔書いた短編小説がテレビ局の目にとまり、テレビドラマの
 脚本を書く羽目になった・・・(≡ω≡.)
 まぁいいさ、大金持ちになるまで頑張ろう!ヽ(≡ω≡.)ノ」

「とはいっても・・・高校生の純愛ドラマの続編を任されても、好きなことがかけないし・・・・(≡ω≡.;)
 そうだ!前作の雰囲気や流れをぶち壊して新しくストーリーを作ろう!私って頭いい!ヽ(≡∀≡.)ノ
 まずヒロインと相手役がヒロインが転校して別れるんだったけな、その1年後、ヒロインが戻って
 来るんだよ。しかし、相手役はタカビ―女と付き合っていて、ヒロインをあっさり振る(≡ω≡.)
 ヒロインはアニメオタクの同級生と結ばれるのであった。清楚な女性から私みたいなオタクになって・・・
 いいね、いいねヽ(≡∀≡.)ノ」
テレビ「正午、秋葉原で殺傷事件が発生しました」
「そうだ!最後はこうしょう、実はオタクの同級生に遊ばれていて最後は捨てられ、最後は秋葉原で
 大量殺戮を行って自決するのであった・・・いや〜私って天才だな〜(≡∀≡.)」

プロデューサー「こなちゃん凄いね〜まるで書いている脚本が山崎淳也みたいだよ!」
「照れるな〜(≡∀≡.)」

その後、平均視聴率17%のヒット作品になった。いっぽう、2ちゃんねるでは

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/06(金) 17:39:56 ID:W3J3/t1t
これ完璧、前作好きな人を馬鹿にしている内容じゃないか!しかし、主人公、オタクに変貌させて
いるし、純愛どころかギャグだよ、ギャグ!

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 02:10:22 ID:jO9IYslE
このドラマ作った脚本家はどんな奴か知りたい、前作が良かったのに今回は目茶苦茶な作品になっとるし

「私の素晴らしい脚本に文句いう奴はロクなやつじゃないな、ドラマは質より視聴率優先なんだよ(≡ε≡.)」
189脚本家・泉こなた:2009/03/05(木) 20:03:14 ID:/XmvRRxJ
半年後、
プロデューサー「こなちゃんは「みなみけ」って知っているかい?」
「知っていますけど(≡ω≡.)」
プロデューサー「実はそれをドラマ化するんだよ、脚本書いてくれないかな?」

「うーん、これは悩むなぁ〜「みなみけ」は「おかわり」が面白いと思っていたけど人気ないからな〜
 原作ファンから酷評されかねないな(≡д≡.;)
 そうだ!逆点の発想で明るい「みなみけ」を暗くドロドロとした「みなみけ」にしょう!ヽ(≡∀≡.)ノ
 フユキを巡って三姉妹が大喧嘩になる!そして殺人事件に発展する、レイプやいじめ何でもあり!
 さーて、仕事に入る前につかさから貰ったシャブでも打つか・・・ヽ(≡∀≡.)ノ」

その後、平均視聴率29%のヒット作品になった。いっぽう、2ちゃんねるでは

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/06(金) 17:39:56 ID:W3J3/t1t
脚本家はみなみけ読んでいないで書いているだろ・・・マジドラマ版最悪だった。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 02:10:22 ID:jO9IYslE
同意、あんな昼メロ並みにドロドロしたの、みなみけじゃないし、脚本家は馬鹿かアホだろ
ドロドロがやりたいなら昼メロの脚本でも書いていろ

「アンチの言い分なんか無視無視、視聴率さえ良けりゃいいの(≡ε≡.)」
190脚本家・泉こなた:2009/03/05(木) 20:04:30 ID:/XmvRRxJ
数ヶ月後
映画プロデューサー「アナ―タが泉こなたさんね?ワターシ、ハリウッドのユニファーサルで働いている
          Aデース。アナ―タに脚本書いて欲しいのデース」
「どんな映画ですか?(≡ω≡.;)」
映画プロデューサー「ジェームス・ロメールのゾンビ映画の最新作デース」
「わかりましたやりましょう!ついにハリウッドデビューか・・・くふふふふヽ(≡∀≡.)ノ」

「よーし羽目外してやるぞ!シャブ決めてギンギンだぜ!ヽ(≡∀≡.)ノまずゾンビに支配された秋葉原が舞台で
 エロゲー、DVDを手に入れるオタクたちが仲間を犠牲にしながらもグッズをかき集める!メイドが
 機関銃を撃ち、オタクやメイドたちがゾンビがうじゃうじゃいる中で晴れ晴れダンスを踊る!そして全員食われて
 死ぬ!イエーイ!書いていて一番最高なストーリー書いているなぁ〜私ヽ(≡∀≡.)ノ」

劇場公開後、映画は大ゴケ、DVDも大ゴケの上、すぐワゴンセール行き、ロメール監督はショック死。
映画会社ユニファーサル倒産。そして、映画の内容があまりにも糞過ぎた。そしてこなたは・・・

「映画がコケたせいで脚本の仕事が来なくなった・・・(≡д≡.;)
 家には脅迫電話と嫌がらせのメール・・・そして、溜まりに溜まった借金・・・(≡ω≡.;)
 もうシャブきめて現実逃避するしかないな・・・ヽ(≡д≡.)ノ」

ドンドン!

警察「開けろ警察だ!麻薬所持の罪で逮捕する!」
「そっそんな・・・どこまでついていないんだ〜Σ(≡皿≡.)!
 うわぁぁぁぁんヽ(T皿T.)ノ」

ドンガラガッシャーン!

テレビ「昨夜8時頃、脚本家の泉こなたさんがマンションから飛び降り自殺をしました、ざまぁ!」

めでたし めでたし
191名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/06(金) 01:20:24 ID:N/ZynwYl
>>187
どうもすいません。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/06(金) 01:21:10 ID:N/ZynwYl
こなたは、某テレビ局のスタジオで番組が始まるのを待っていた。
ある心理的ショックから欝状態に陥っていたつかさが回復し、とある切っ掛けから通販番組の司会を努める
ことになった。その番組にゲストとして出演することになったからだ。
やがて放送時間が来ると、眩しいばかりの照明がこなたたちを包み込んだ。

「つかさのサイリスタチョッピング!」

つかさとかがみが番組のタイトルを読み上げる。万雷の拍手の後、かがみがマイクを手に取った。
「はじめまして。私は司会者柊つかさの姉、柊かがみです。つかさは、6000系がサイリスタチョッパで
はなく界磁チョッパだったことがショックで、長らく鬱状態にありました。しかし、つかさは困難を乗り越
え鬱から立ち直るると共に、界磁チョッパをも受け入れることができました」

観客席からは再び拍手が送られ、ある者は涙し、またある者は“YES CHOPPER・NO MORE 
VVVF”と書かれた横断幕を掲げてつかさを励ました。つかさは観客に頭を下げ、語りだす。

「今日お集まりいただいた方々には、心から感謝しています。感謝の印に、私の必殺技を披露しますね」
いつの間にか、テーブルの上に小さい201系と6000が置かれている。つかさは橙色の201系を手に
取ると、こなたに向き直った。
「サイリスタチョップ!」
言うが早いか、こなたの頭に201系を振り下ろした。こなたは一瞬目を見開き、その場にうずくまる。
「く…くおお…つかさ…何を…」
「さあ、つかさ。完成された技を見せるのよ!」
かがみがつかさに6000系を渡す。つかさが小さく頷くと、観客達は固唾を飲んで見守った。

「6000系…これでこそこの台詞を言えるね。高尾とめじろ台の狭間に引きずり込んであげる。界磁チョップ!!」
よろめきながら立ち上がったこなたのアホ毛に6000系が命中すると、こなたはもんどり打ってリノリウ
ムの床に叩きつけられた。

「KO!KOooo−!」
飛び上がって喜ぶつかさに、惜しげなく拍手が送られ続けた。その日の通販は記録的な売り上げだった。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/06(金) 01:21:51 ID:N/ZynwYl
あれから数週間が過ぎた。こなたのアホ毛は後遺症が残り、萎びたセロリのようになっている。
医師の診察によれば、回復する見込みはないとのことだった。
こなたはテレビ局に損害賠償を請求したが、放送中の事故として僅かな見舞い金が支払われただけであった。

だが落ち込んではいられない。あの日以来、つかさの番組では高いレベルの売り上げが続いている。
「私も通販番組で一儲けしよう」
一念発起したこなたは多額の借金をし、仕入れとテレビ局との交渉に明け暮れた。
そしてようやく、ローカル局で特別番組の枠を使わせてもらえることになったのだった。2回目以降は1回
目の視聴率・売り上げ次第というのが条件なので、今回の番組は、正にこなたの生命線である。

会場は野外に特設会場を設けることにした。当初は南平駅を予定していたが、駅前ロータリーがないことと
ゆたかと共に出演してくれる、彼女の岩崎みなみに対する配慮から隣の平山城址公園駅に変更した。

会場は、まあまあの人出だった。
「うん。いけそうだ」
「緊張しちゃうね…みなみちゃん」
「ゆたか、大丈夫」
抱き合う二人を忌々しげに見つめてから、こなたが番組開始を宣言した。

「通販の、日本網こなた!」
会場が静まり返った後、数人が失笑した。こなたは眉間に皺を寄せながらも商品紹介を始める。
「まずは新開発、“金のエンゲルと銀のエンゲル”です!」
こなたが箱を開けると、手のひらサイズの天使が二人、飛んで出た。
それぞれ全身を金色と銀色に染めているが、顔はバタ臭く歯を剥き出しにして笑っている。

「HAHAHAHAHA…」
二人の天使は、不気味に笑いながらゆたかの頭上を飛び回った。
怯えていたゆたかは我にかえると、携帯電話の家計簿機能を立ち上げる。
「うわーん!エンゲル係数があぁぁぁ…家計がぁ」
床に座り込むゆたかに、みなみが駆け寄ろうとする。こなたは次の商品を紹介し、それを制した。
「えーでは次の商品です。みなみちゃん」
みなみはゆたかを心配しながらも、こなたの元へ戻った。こなたの手にしているのは、腹筋を鍛えるための
振動するベルトであった。

「このベルトは、筋肉増強に高い効果があることが実証されています。さあ、みなみちゃんに装着するよ」
不承不承に応じるみなみに、こなたはベルトを装着した。
「なぜ…ここに…」

こなたはみなみの胸にベルトを装着していた。
「みなみちゃんの胸って平山でしょ。筋肉をつければ、少しはあるように見えると思ってさ」
たちまち、みなみの両目の下にクマができる…みなみが両腕に気合を入れると、筋肉で袖が破けた。
「みなみちゃんが、岩裂きみなみに変身だぁ」
ゆたかがナレーションを入れ、彼女としての責務を果たした。
「イワサキックみなみ野行き!!!!!」
みなみに渾身の力で蹴り上げられたこなたは、遥か横浜線の方角へと飛ばされて行った。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/06(金) 01:22:27 ID:N/ZynwYl
ここは八王子みなみ野。今だ開発途上の新興住宅街の中心が、八王子みなみ野駅である。
そんな駅に、横浜線の一編成が停車しようとしていた。
「世間はVVVFだのチョッパだの騒がしいですが、界磁添加励磁制御が一番です」

高良みゆきは、205系の運転に明け暮れていた。
「当り障り無いのが一番ですよ。おっと、八王子みなみ野駅停車」
みゆきがブレーキレバーを引くと、右前方の空から見覚えのある少女が飛んできた。それは見る見るうちに
近接し、205系の正面に激突する。

「あーーーーっ・・ぼぐぉっ・がべべべべべべ」
こなたは205系へ派手に衝突すると、プラットホームを顔で滑って行った。
所定の位置に停車したみゆきが、こなたに話しかける。
「こなたさん、いい顔面スライドでしたよ」
「みゆきさん助けて…顔が腫れて…力が出ない」

みゆきは答えず、静かに主幹制御器ハンドルを引いて片倉駅へ向かって行く。
後には、乗車券も財布も持たないこなたが途方に暮れて立ち尽くしていた。

その後…当然ながらこなたの番組は失敗に終わり、多額の借金だけが残された。
凍て付く寒さの朝、こなたは浅川に飛込み、自殺した。

辞世「浅はかに 背負いし負債 深過ぎて 浅川の波に 深く眠らん」
195名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/06(金) 11:50:56 ID:f+ffF812
>>188
>「私の素晴らしい脚本に文句いう奴はロクなやつじゃないな、ドラマは質より視聴率優先なんだよ(≡ε≡.)」
>「アンチの言い分なんか無視無視、視聴率さえ良けりゃいいの(≡ε≡.)」
作品の質より視聴率優先とは現実のテレビ局が考えていそうなことだな。
あと話題性を呼ぶため、作品を改悪するのもよくあることだな、と思った。
196凶ウニ崩壊の歴史:2009/03/07(土) 17:04:40 ID:ElHlltfU
2012年6月、有名アニメスタジオ、凶吐ウニメーションが倒産した。倒産の原因は
社長、泉こなた(23歳)によるワンマン体制ぶりからである。泉氏が凶ウニに入社
したのは2009年4月であった。

「ここか・・・憧れの凶ウニで仕事ができるなんて死んでもいいよ(≡ω≡.)
 今日からよろしくお願いしまーす!ヽ(≡∀≡.)ノ」

泉氏は最初、動画担当から始めたが1ヶ月で

「私が考えた作品をやれば凶ウニはトップ企業に躍り出れるんだ!(≡皿≡.)」
前社長「しかしねぇ、君、今はそれをやれる体制じゃないんだよ、作品二本も
    制作中だしねぇ」
「・・・(≡ω≡.;) 」
「これじゃあ私が凶ウニに入社した意味がないなぁ、あっ駅の辺に外国人労働者が
 いっぱいいる・・・おまけに失業者らしい外人もいるし・・・嫌だなぁ〜(≡ω≡.;)
 まてよ・・・思いついた!ヽ(≡∀≡.)ノ」

泉氏が思いついたのは日本で職のない外国人労働者をアニメーターとして使うことだった。
さっそく泉氏は多額の借金をし、その金で凶吐ウニメーション第三スタジオを立ち上げた。
2009年5月、泉氏、監督、脚本、キャラデザのアニメ「秋葉男」の制作を開始した。
アニメーターや脚本家はズブのド素人ばかりで作画崩壊を繰り返しながらも、制作を続けた。
そして、2009年7月に「秋葉男」がUHF系列で放送開始された。
当初は作画崩壊の連続で「本当に凶吐ウニメーションのアニメか?」と疑うぐらいの出来で
あったが、徐々に主人公が秋葉原で「自分だけのハーレムを作り上げる」というぶっ飛んだ
ストーリーが受け入れられ、大ヒットしたという。その著作権で借金を全額返済した。
それだけでなく、高級マンションにフェラーリにポルシェ、ランボルギーニといった
スーパーカー三台買ったという。しかもハルヒの痛車仕様に改造してである。
197凶ウニ崩壊の歴史:2009/03/07(土) 17:05:53 ID:ElHlltfU
調子に乗った泉氏は2010年1月、凶ウニが制作しているギャルゲー会社「ケイ」の処女作
「輝きの季節」の制作を乗り出した。今回も泉氏が監督、脚本、キャラデザを担当し、
ズブのド素人たちで構成された第3スタジオのスタッフたちと共に制作に乗り出した。
「輝きの季節」は2010年1月にUHF系列で放送され、人気を博した。しかし、アニメオタクや
アニメ雑誌の記者たちは「凶ウニ、とくに泉氏制作作品のクオリティの低さ」を酷評した。
2010年3月、「輝きの季節」を正当に評価しなかったとして「ニュータイプ」編集部に

「なぜ、人が汗水たらして作った作品を評価しない!Σ(≡皿≡.)
 アニメーターに対する冒涜だ!もう2度と角川のアニメは制作しないよ!ヽ(≡皿≡.)ノ」

という抗議文を叩きつけた。泉氏は、公式サイトの掲示板、そしてアニメ専門誌へ頻繁に
「業界の地位向上」「アニメーターの給料向上」のフレーズを掲げたり、その旨を含んだ
広告やコラムを載せ続けるなどの行為を行った。しかし・・・

アニメーターA「あの新入り、デカイ顔してねーか?」
アニメーターB「そう思っていたところだよ」
アニメーターA「俺たち新入り共と仕事したくないから俺達で会社作ろうぜ」
アニメーター達「そうしよ、そうしよ」

以上のことにより、第3スタジオと別の凶ウニスタッフの中には凶ウニを見限り早々に離反する
アニメーターや、それまで視聴を続けていたアニメオタクの中にも視聴を止める者が現れ始めた。
198凶ウニ崩壊の歴史:2009/03/07(土) 17:07:11 ID:ElHlltfU
2010年5月、とあるアダルトゲーム会社からアニメ制作の依頼があった。

ゲーム会社社長「実はおたくで「W触区」をアニメ化してほしいのですわ」
「「W触区」って某アニメにキャラがそっくりのあれ?(≡ω≡.;)」
ゲーム会社社長「是非、凶ウニ所属の人気アニメーターの方々に作ってほしいんですわ」
「いや・・・ほとんどの人が辞めっていって第3スタジオの人たちしかいないし(≡ω≡.;)」
ゲーム会社社長「謝礼は払いますわ。あなたの懐に五百万ほど・・・」
「わかりました!やりましょう!ヽ(≡∀≡.)ノ」

しかし、夏のアニメフェスタにて広報強化策としてアメリカのポルノ女優にアニメキャラの
コスプレをさせて、登場させたが、欲情した凶ウニスタッフが会場まっただ中でやり始めて
会場にいた人たちをドン引きさせてしまった。また、2010年7月、放送開始された「W触区」の
第1話で無修正のセックスシーンを登場させて、アニメオタクたちをドン引きさせた。
後者の件に関しては泉氏はアニメ制作にノータッチであり、これは作画監督が独断でやって
しまったためである。

以上の失態が大きな痛手となり、業界やアニメオタクからの信頼を完全に失った凶ウニは
下降線へと転じる。凶ウニスタジオは舞鶴のボロアパートへの移転、アニメオタクからの
苦情やそれに乗じた悪戯が絶えなくなった公式掲示板はそれぞれ閉鎖へと追い込まれた上
離反したアニメーター達が「新凶吐ウニメーション」を設立し、古くからの凶ウニファンは
新凶ウニへと流れて行った。しかし、泉氏は

「まぁなんとかなるさ、失敗しても這いあがれるチャンスがある!ヽ(≡∀≡.)ノ」

とコメントした。そんな中、2011年にはギャルゲー会社「ケイ」の凶ウニ制作アニメを
アダルトアニメ化したが、作画崩壊の連発や脚本家のSM、スカトロ、レイプ嗜好が災い
して、状況を好転させることは叶わなかった。さらには「ケイ」側は
「もう2度と凶ウニとはアニメを作らない」
と通達した。そして最悪な事件が起こった。2012年1月のことである。
199凶ウニ崩壊の歴史:2009/03/07(土) 17:08:56 ID:ElHlltfU
「おーい、みんな!民放のゴールデンタイムの仕事ゲットしたぜ!ヽ(≡∀≡.)ノ」
韓国人アニメーター「すげえニダ!さっそく制作会議ニダ!」
「これで凶ウニは持ち直せるな・・・うぷぷぷ(≡∀≡.)」

ドンドン

警察「警察だ!不法滞在と不法就労の罪で全員逮捕する!」
「えっ!そんな!Σ(≡皿≡.)」

この事件で所属していた泉氏を除く外国人アニメーター全員逮捕でアニメ制作が不可能になって
しまった。しかし、泉氏は機転を利かせて

「そうだ、この前見た同人アニメは良かったな〜たしか「大阪芸術院」というところだったっけ?(≡ω≡.)
 そこに頼もう!ヽ(≡∀≡.)ノ」

そこのサークルにアニメ制作を任せたのが凶ウニ崩壊のスタートであった。そのサークルはアニメ制作より
暗黒舞踏、アングラ演劇に傾け始めていた。原画や動画担当は代々木アニメーション学院の学生ばかりを
かき集めて制作を開始した。
2012年4月、凶ウニ制作のロボットアニメ「大巨人コナターン5」が放送開始。

第1話で登場人物が暗黒舞踏を踊るだけで終わり、視聴率は過去最低0%を記録。
第2話で登場人物が吉野家で食べるだけで終わり、スポンサーやテレビ局が見限りはじめた。
第3話で登場人物がラインダンスを踊るだけで終わり、今回で打ち切られた。

あまりのショックを受けた泉氏は世界遺産の一つ、金閣寺に火をつけてそのまま焼身自殺した。

200名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/08(日) 19:02:37 ID:9fQD5Qnk
就職難に喘いでいたこなたは、みゆきが経営する酒造会社に雇ってもらえた。
契約社員扱いで手取り13万円だが、十数ヶ所で採用されなかったこなたには有り難い話だ。
「みゆきさん…じゃなかった。高良社長、今日からよろしくお願いします」
「どうか楽になさってください。こなたさんと一緒に働けることを、うれしく思っています。」
緊張して挨拶するこなたに、みゆきがやさしく答えた。
社員は他に、かがみとつかさだけだった。
「さあ、初仕事と行きましょう。つかささん、こなたさんを工場へ案内してください」

みゆきの指示を受け、つかさが米の貯蔵庫へこなたを連れていった。
「さあこなちゃん、台車にお米を載せてラインへ運ぶよ」
つかさと一緒に米の入った袋を台車に載せたが、妙にかび臭かった。
不審に思いながらも生産ラインへ米を運び込むと、みゆきとかがみが薬品を持って待っていた。

「さあこなた、この薬品で米に生えたかびを落とすのよ」
かがみに言われて思わず、わかった、と言いそうになったが口元で止めた。
「かがみん…これって事故米じゃぁ…?」
こなたの言葉を聞いたみゆきは、瞬時に座り込み泣き始めた。
「事故米だなんて…なんという誹謗中傷でしょうか…」
「ゆきちゃん大丈夫?」
「こなた!みゆきに謝れ!」
つかさもかがみも、みゆきの心配をしている。
正論を言ったはずなのに悪者扱いされ、表情を曇らせるこなたにみゆきが言う。

「これは、事故米ではありません」
「…?みゆきさん?事故米じゃなければ何なのさ」
「故障米です」
聞いたことのない言葉に、こなたは呆気に取られている。
みゆきが言うには、故障米というのはかびの程度が軽く、修理すれば使える状態の米らしい。
「安くて良い物をお客さんに提供したくて…うぅ…」
みゆきは再び泣き崩れる。
このままでは、完全にこなたが悪人である。

「みゆきさん、私やるよ!」
みゆきは一瞬虚を突かれたような顔だったが、すぐに何時も通りのやさしい表情に戻った。
「こなたさん、わかってくれてうれしいです。共に安価良品を生産しましょう」
「こなちゃんなら、わかってくれると思ってたよ。はい薬品」
「私たちは、みゆきを休ませてくるわ」

かがみとつかさは、みゆきに肩を貸し社長室へ向かっていった。
こなたは大量の“故障米”を開封し、薬品を掛けていく。
「おっ…黒ずんだ米が白くなっていくね。凄いすご…い…」
こなたは、コーヒーにミルクを注いだように視界が捻れていくのを感じたが、それもわからなくなった。

「こなちゃん倒れたよ」
防毒面を着けたつかさが、工場から戻ってきた。
「米に塗っておいた毒と、掛けた薬品が反応したのね」
「会社はペーパーカンパニーですし、密造酒を造ろうとして事故死したとしか見えないでしょう」
「それではこなちゃん『楽になさってください』!!」

三人は、呵々と笑い転げた。最初に異変に気付いたのはつかさだった。
「ね…ゆきちゃん、お姉ちゃん、気分悪くない?」
「視界が歪むわね。みゆき…?」
「さっさと逃げなかったから、こちら迄有毒ガスが…」

人を呪わば。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/08(日) 21:47:40 ID:yIrCcJN0
こなたに彼氏が出来て恋愛の末結婚
彼氏が婿養子になって親父と三人で幸せに暮らす日々
三人で車で外食に出かけた帰り道、飲酒運転の車に追突されて旦那と親父死亡
愛する男と父親を一度に亡くしてこなた半狂乱
葬式で取り乱して泣き喚くこなたの姿にかがみ達も涙
心配してちょくちょく様子を見に行くかがみ達
こなたが風呂場でリストカットしてる
病院に運ばれ一命を取り留めたこなたにかがみ達が友情のビンタと説教
こなた改心し実は妊娠してた事が発覚
子供と共に強く生きて行く事を決意するこなた
財布に最後に三人で撮った写真を入れて持ち歩くこなた
買い物の帰り道、DQNにひったくりをされる
写真の入った財布を奪われまいと必死に抵抗するこなた
しつこいこなたに腹を立てたDQNがこなたの腹に強烈なケンカキックをお見舞いしてバッグを奪い去って行く
腹を押さえて苦しむこなたを通行人が発見し病院へ
こなたが流産して一生子供の産めない体になる
こなた病院の屋上から飛び降り自殺
202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/09(月) 00:03:15 ID:9fQD5Qnk
パティ「ジーザス!」
こなた「自ー殺?」
パティ「コナタガ首吊ッタデース」
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/09(月) 00:22:33 ID:Ld98RyfH
こなた「かがみん達が私を愛してる証拠を見せてほしいな」
みゆき「では私のティーバッグの出がらしと」
かがみ「私のと」
つかさ「私のも入れてこなちゃん一人分♪」

こなたは泣きながら薄い紅茶を飲み干しましたとさ

めでたしめでたし
204お漏らし中尉:2009/03/09(月) 00:59:48 ID:2teIR59q
お邪魔じゃなければ投稿します

いつぞやのグロSSの続き
205お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:01:23 ID:2teIR59q
夕暮れの縁

町並みに変化は無い・・・・かの様に見えたのだが
時折カラスの声に混じって断末魔が聞こえてくる
あれから、ゆたかの死を目前にしてから後の記憶が殆ど無い
おそらくそれ程に取り乱したのだろう
覚えているのはそうじろうを突き飛ばして家から逃げ出した事くらいである
気が付けばある方向を目指して駆けるばかり

「はあ、はあ、はあ・・・・・」

駆けていく少女が目を伏せながら進むその道なりが深紅に染まっているのは
きっと夕焼けだけのせいではない

散りばめられた臓物と哀しげなで哀れなその肉塊
喪失感と達成感に恍惚たる表情を浮かべて、愛しかった者の肉を喰らう者
事切れた肉親の亡骸に性的な虐待を容赦なく加える者
様々な者達が待ちの中を埋め尽くしたいる

その光景はすでにこなたが知っている日本では無かった
こなたは目を伏せて走る
向かう先は・・・・・鷲宮神社だ・・・


神社に・・・柊家に行けばきっと皆が助けてくれる
お父さんがおかしくなったって言えばかがみとつかさが私を助けてくれる
お姉さん達も私をかくまってくれるに違いない

おじさんやおばさんもこの悪い冗談なんかに加担するような人じゃないんだ
だっておじさんは神主でおばさんはその妻・・・・

きっと、きっと・・・・

こなたは走った

決して近くないその距離をバスも電車も使うことを忘れて走った
足には自信がある
しかし、流石にこの距離は遠すぎた・・・

時刻は・・・・今、何時だろうか?
ふと携帯電話を見る・・・

『不在着信 1件』

「・・・・」

こなたは恐る恐る携帯を操作する
着信は柊かがみからのものだった

急いでかがみに電話する・・・・が繋がらない
呼び出し音だけが延々と鳴り続ける
こなたの全身の芯に氷点下を超えた寒気が駆け巡った
朱色の夕暮れが、街中をまるで戦慄の赤の様に染め上げるこの空間
あの角を曲がれば、そこは鷲宮神社・・・・

こなたはかがみ、つかさの無事を祈って駆けた
206お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:01:57 ID:2teIR59q
ドンドンドン!!ピンポーン・・・・ピンッポーン!ドンドンドン!!

「こんにちは、こなたです!泉です!かがみ、つかさ!いないの?開けて!!」

神社の境内は薄暗く、そして不気味・・・・
柊家の二階も真っ暗で何となく不吉な空気が漂っていた
その焦りからか、こなたの声もドアを叩く音も自然と大きくなってしまう

返事の無い扉の向こう側
こなたは執拗に声を張り上げる

ドンドンドン!ドンドンドン!ピンポーン!ピンポーン!

「かがみん!つかさ!!」

タッ・・・タッ・・・タ・・・

「!?」

微かだが、家の中から小さな足跡が聞こえた気がする
こなたはやや緊張した様子でドアから離れた

危険の臭い・・第六感がその臭いをおぼろげに嗅ぎ付けたとでも言おうか
足音はドアのすぐ前で立ち止まる

「・・・・誰・・?」

こなたの面持ちとは裏腹にそのドアはやけに軽快に開いた

「こんばんわ♪さっき振りね〜こなたちゃん」
「・・・・おばさん・・・・?」

ドアを開けたのは予想外にもみきだった

「やーね、おばさんだなんて・・・みきお姉さんって呼んでよね・・」
「・・・おば・・・・お姉さん・・・」

さっきまでの緊張感が嘘だったかのようにみきの空気に呑まれるこなた
しかし、はっと目的を思い出しそれを言葉へと変えた

「そうだ、かがみとつかさは!?」
「・・・・ふふ・・・」

みきは静かに笑うと「もう寝たわよ?」とにこやかに返事をする
もう?こんなに早く?のんびり屋のつかさならまだしもかがみまで眠るだろうか?
かがみは毎日夜遅くまで勉強している・・・・
いつも12時過ぎまでメールの返事が返ってくるのだ、間違いない
しかし・・・・もしかしたら
こなたは怪訝そうな表情を出来るだけ明るいものへと変えて相槌を打った
207お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:02:29 ID:2teIR59q
「そ、そうか〜参ったな・・・・」
「・・・・なんの様だったのかしら?なんなら起こして来ましょうか?」

「え?」
「ふふ・・・・」

こなたからすれば今のみきの言葉は意表を突く言葉だった
起こして来るということは二人はまだここにいるということだ
きっとここは『まだ』安全なのだろう
しかし、安心は出来ない・・・一刻も早くこの事を二人に伝えてこの奇妙な空間から逃げなければ
ここは『もうすぐ』安全じゃなくなりそうだから

「お願いします・・・」
「解ったわ、少し待っててね♪」

こなたは考えたここから先、どこが安全そうだろうか?
自宅も危険だし、ここも神社もなんとなく嫌な予感がする
ひとまずみゆきさんの家に非難して・・
と、思いかけた矢先にゆかりの・・・みゆきの母の言葉がこなたの頭に蘇った
・・・あんな言葉を口にする人間を信用することなんか出来ない
学校・・・・学校なら安全かもしれない、それに明日になれば黒井先生が助けてくれるかも知れないし

こなたは、一応の策として学校に避難する事にした
ひと思案終えた頃、ドア超しに足音が聞こえた

「こなたちゃん・・・お待たせ♪かがみはちょっと電話中で出られないのよ・・・・」
「・・・・そうですか・・」

こなたは眉をひそめる
かがみが、電話中・・・?
そんな筈無い・・・だってさっき電話して、話中なんかじゃなかった筈だ
まさか、もう

「かわりにね、つかさだけ連れて来たわよ・・・ゆっくり話してね♪」
「え・・・あ、はい」

ひょっこりとドアから顔を出すつかさ、寝起きなのだろう目は薄っすらと眼を垂れて
涎も零れっぱなしだった
まったくつかさは仕方の無いお子様である

「こなちゃん、なあに?」
「あ、つかさ・・・・」
208お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:09:29 ID:2teIR59q
カクン・・・
そう頭に音が響いた気がした
気が付けば膝を地面に付き、口から吐瀉物が溢れ出す

「う・・・ヴェエエエ!・・ゲエエ!?・・・」
「ふふ・・・どうしたの?こなちゃん?」

ドン・・・と音を立ててつかさがこなたの横に転がった
つかさのたった10%程の部分
しかし、つかさ本人のものだと十分すぎるほど認識できるソレは切断面から
どろりとした真っ赤なゼリーを流し、朽ち果てていた

「ふふ・・きゃははは♪さあ、お話してあげて☆つかさ、こなちゃんに挨拶は?あははは♪」
「つかさ・・・う・・・・」

こなたはつかさの生首に目を向けて体を抱いた
みきの笑い声も手伝って、おぞましい程の悪寒がこなたを包む

「あ・・あうう・・・・・・ひ・・・・」
「どうしたの、こなちゃん?」

みきは転がったつかさの首を拾うや否や、こなたの顔につかさの顔を近づける

「『コナチャン、ナニヲコワガッテルノカナ、カナ?』なか?うふふ♪」
「いひいっやあ!?」

「ほらほら、どんな気持ち?ねえ、私が殺したのよ?あはは☆」
「ひい・・・」

後ずさるこなた、知らない内に壁を背負ってしまい逃げ場が無い
みきはつかさをこなたに向かってポイッと投げ捨てると
ちょうど、こなたに膝枕されるようにしてつかさが落ちてきた

「いひゃあああああ!!」

こなたは、かつての友達を力いっぱい払いのけると下着がジワジワと濡れていくのが解った
恐怖の余り、尿道の筋肉が緩み尿意の制御が出来なくなってしまったのだ・・・
つまり、失禁したのだ
みるみるスカートを濡らし、柊家の石畳を臭わせる尿・・・・
こなたは生暖かい小便に両足を浸らせながらも恥ずかしげも無く尚、体を震わせていた
209お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:13:55 ID:2teIR59q
振り払ったつかさの顔は、床にぶつかった拍子に鼻や口元が曲がり
あの可愛かった顔が、原型を留めぬほど変形し変色している
やがて、そのサラサラした髪の毛もこなたの小便によって汚れてしまった

「あら、うちの子に随分なあつかいじゃない?」
「うう・・・どうしてこんな事・・・・」

こなたは吐き出した胃液のネバを引いた口でみきを責める
が、返ってきたのは聞きたくも無い言葉・・・

「つかさったら、可愛いのよ♪『おかあさん助けて〜!死にたくないよ!お姉ちゃん!』ですって・・」

彼女は大袈裟な身振り手振りで嬉しそうに語る

「最初はね手足をハサミでユックリ斬っていったの、ちゃんと根元は止血してたから出血多量にはならなかったけど・・・・」

自分が腹を痛めて産んだ娘を殺した女はその手で笑う口を隠していた

「何度も失神しながらもがいてたのよ〜☆あ、『こなちゃん助けて!』とかも言ってたわよ♪」

ゆっくりとこなたに歩み寄る足音、手には何時の間にか大きな斧が握られている

「この斧で二人の首を切り下としたのよ・・・聞かせかったわ〜、あの断末魔♪」

こなたの脳裏にかがみとつかさの悲痛の顔が浮かび上がる
きっと痛かった、きっと恐ろしかった・・・愛する人たちに殺されるのは恐ろしく哀しいに決まっている

「そうじろうさんには悪いけど・・・娘へのはなむけにその首貰うわよ☆」
「ひ・・・・」

『私・・・ここで死ぬ・・・』
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/09(月) 01:18:38 ID:Ld98RyfH
支援
211お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:43:36 ID:2teIR59q
こなたは思い切り目を瞑った・・・
思い出される楽しかった日々、お祭りや海に行ったあの思い出
走馬灯・・・これがあの走馬灯なのだろうか?
人間が死ぬ瞬間に見る今までの過去
美しかった過去、そうでなかった過去、様々な光景がこなたの頭を過ぎった

「こなた〜、まちなさいよ!」
「こなちゃん〜♪」
「こなたさん☆」

思い返せばなんと素敵な友人達だったのだろうか
もっとかがみに優しくしておけば良かった
つかさとも沢山会話をしたかった
みゆきさんにもっと色々教えて欲しかった

素敵な友人、素敵な父親にゆたか、ゆい・・・贅沢すぎるほどの環境
そうじろうはどうしてあんな事になってしまったのだろう
でも、きっと元に戻る
そしたら罪を償って、また幸せになってほしい

今までの人生、ここで死んでしまってもきっと十分すぎるほど幸せだったに違いない

みんなさようなら・・・・

・・・・・

長い、長い沈黙
みきの放った斧が自分の首に達するには長すぎる時間が経過した
もしかしたら、自分は既に死んでいるのかもしれない
そんな恐ろしい事を考えながらそっと目を開けてみると
なにかがみきの体を羽交い絞めにしていた

「離しなさい・・・・!?」
「?」
212お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:44:10 ID:2teIR59q
あの身長・・・あの背格好

「こなたちゃん、早く逃げて!!」
「まつり、どういうつもりなの!?離しなさい!!」

確か、かがみとつかさの姉だ
一瞬かがみに見えてしまったのはきっと心の中の光景がそのまま瞳に映し出されたからだろう
こなたは大きく息を吸う

「でも・・・」
「いいから早く!早くしないと手遅れになっちゃう!!」
「まつり、アンタから殺すわよ!離しなさい!」

「・・・・・」
「だめ!姉さんやかがみ達に手を上げて、こなたちゃんまで殺したら本当の殺人鬼じゃない!?」
「母さんに逆らうの!?」

「こなちゃん、逃げて、はやく!!」
「でも・・・そしたら、お姉さんが・・・」
「まったく、まつりは悪い子だなあ・・・・」

ザシュ!

「あ・・・・」

鮮血が地面を染める
いつの間にか現れた長身の男は優しい笑顔を血で染めて
愛娘の首筋に出刃包丁を突き立てていた
包丁が引き抜かれたと同時にまつりはずるずると倒れこんだ

「ただおさん、遅いじゃないの・・・・もう」
「いやあ、思ったより手間取ってね・・結局・・・おや?」

柊家の健気な次女は、体を真っ赤に染めながらも賢明に起き上がり
二人の足を掴んでいた

「は・・やく・・・逃げ・・・て」
「・・・・・・まったく、柊家の女の子は強いな〜、みきの血が濃いのかな?」
「ふふ、女は逞しくないとね☆だけど・・・」
213お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:53:22 ID:2teIR59q

「こな・・・た・・ちゃん、は、はや・・く!!」
「あ・・あ・・・・・」

みきは嬉しそうに斧を振り上げる

「慎ましさもかね揃えなきゃね・・・・」

ザク!

「いいいいいい!!!」
「ああ・・・・」

まつりの左肩が体から分離した
血しぶきがこなたの頬にまで達し、悲鳴が鼓膜に突き刺さった

「いいいいい・・・いひいい・・・」

しかし、まつりの瞳は未だこなたに向けられている
そして『はやく逃げろ』とメッセージを送っているのだ
まつりは残った右手でみきの両足を掴み、賢明に足止めをしていた

「しつこいわね、まったく誰に似たのかしら?」
「はは、君に決まってるだろ?」

和やかに笑うただおもまつりの背中を足で踏みつけて、頭を固定した
今一度振り上げられるみきの斧、今度の標的はまつりの頭だ

こなたは何とか足を動かす
まつりを助けなければ・・・・
が、まつりは首をユックリ横に振るとその唇が動いた
大人の色香を光らせる唇がこなたに放つ言葉は『に・げ・て』の三文字
こなたは涙で瞳が見えなくなる前に道路に向かって立ち上がる
だが、足に力が入らない
このままではまつりの行動を無駄にしてしまいかねない

まつりはその背中にほっと安堵しながら大きく酸素を吸い込んだ

「走って!!」
「・・・う、うううわあああああああああ!」
「まつり、悪い子ね・・・・!!」

まつりの一喝にこなたの足が唸る
一瞬だがかがみの声と錯覚してしまう程のその声は
間違い無くかがみの姉に相応しい気迫が込められていた
214お漏らし中尉:2009/03/09(月) 01:54:07 ID:2teIR59q

『まつりお姉ちゃんはかがみお姉ちゃんと似ててね気が強いんだ、それでいっつもケンかになっちゃうの』
『そうなんだ、かがみが二人なんて大変だね☆』

『でもね、いざと言う時に二人とも頼りになるんだよ?』
『例えば、どんな時?』

『例えばね・・・・』

どうしようもなく怖いときに勇気をくれるんだ

地面を踏みしめるこなたに、つかさの声が後ろから聞こえた様だった

こなたは小さく「ほんと、ソックリだよね」と笑うと涙を拭いながら髪をなびかせ
柊家の敷居を越えた

それとほぼ同時に聞こえたざくろが割れる音
おびただしい量の脳漿が地面に零れたであろう音に振り向くことも無く
いや、振り向く事を恐れてこなたは柊家から逃げ出した

聞こえてくるのは、息の根の止まった愛娘にさらに非道を重ねるただおの声と
みきの不愉快で恐ろしい笑い声だけだった

既に幾多の友人を失ったこなたは・・・残された親友みゆきの家に向かった



一旦終わります
215お漏らし中尉:2009/03/09(月) 05:56:28 ID:2teIR59q
再開

みゆきの家に向かう途中
空を見上げたこなたにむかって雲が夜だと告げてくれた
見渡せば、周囲にはサラリーマンやOLに学生、子供連れの親子もいる

ここにいる人間達はまともなのだろうか?
それとも以上だがまともな振りをしているのだろうか?
一体どんな条件で、どんなルールでこんな惨事が起きているのか
まったく規則性も無く、またある種の規則性を感じさせた
きっと何かしらのキーワードが存在するのだろう・・・

だが、そんな事はどうでも良かった

春日部のあの駅でこなたに届いた一通のメール・・・
みゆきから届いた余りにも短く、そしてその一行で全てが伝わってきそうな内容

『こなたさん、今までお世話になりました』

きっと自分の母親に襲われ、恐怖しているにも関わらず送られてきたこの内容は
いつものみゆきらしくもあり、そうで無いような気もした

死に際を悟った今ですら、彼女は清楚なままでいようというのだろう
わきまえた人間でいようとする姿勢は確かに立派だと思う
しかし、こんな時だからこそ頼って欲しいと思うのが、こなたの本当の気持ちだ

風邪になびいた水濡れのスカートとその中身が若干冷たく現実味を帯びている
張り付いたスカートを膝上までまくると人目もはばからず肩結びで太股の中央までたくし上げ
『ヨーイドン!』でみゆきの家まで駆け始めた

今日は良く走る日だ、すでに10キロ以上は走っているのではないだろうか?
気が付けば体もだるく、息も先ほどと比べ物にならない位に荒くなっている
全身が酸素を欲して、心臓が主に逆らうように鼓動を早める

それでもこなたは走った、残されたみゆきの為に
これ以上誰も失いたくない

「はあ・・はあ・・・みゆきさん・・・待っててね」

みゆきの家は駅からそれ程遠くない
あの花火大会の夜に皆で高良家にお邪魔したのを思い出す
大きく立派なお屋敷で、あの場所はお金持ちに家が連なる一等地
交通の便も良く、もう少し進めばすぐに見えてくる
216お漏らし中尉:2009/03/09(月) 05:57:39 ID:2teIR59q
薄暗くなった歩道を、こなたは懸命に走った
ふと目に入る見知ったソレ
外灯に照らされるその犬は、たしかみなみが飼っているチェリーだ
人見知りで、食い意地のはったあの愛らしい犬がそこに佇んでいた

こなたは立ち止まりゆっくりと歩を進めることにした
チェリーがいる、ただそれだけで忘れかけた日常を取り戻した気がしたからだ
立ち止まった事で、こなたの全身から汗が噴出す
そして、やや安心したせいだろう節々の関節が悲鳴を上げているのに気が付いた
こなたは大きく深呼吸を二、三度すると外灯の影に佇むチェリーに向かって挨拶をする

「はあ・・・はあ・・・チェリーはいつもと変わらないんだね?」
「・・・わふ・・・・」

「あはは・・・・」

普段はなれた人間以外には殆ど無反応なあの犬が返事に応じるなんて、よっぽどご機嫌なのだろう
クッキーでも拾ったのだろうか?
こなたがチェリーの頭を撫でようと近づくと、すぐにその理由が解った

チェリーは食い意地の張った犬だ、何でも食べる
こなたはチェリーの頭にぽんと手を置くと恨めしそうに呟いた

「チェリー・・・いくらお腹がすいたからって・・・・」

チェリーはそんな事気にも留めずに食事を堪能している
その食事の光景は散々たるものだ

「みなみちゃん食べちゃ駄目じゃん・・・」

チェリーの口の周りは真っ赤に染まり、緑色の髪の少女は見る影も無く
全身のいたるところから中身を覗かせている
頬や耳、首筋、腹部・・・・加えて太股や臀部、生殖器などは比較的柔らかく食べやすいのだろう
そこらじゅうに食いちぎられた後が見られてその長身と髪が無ければ本人と解らないほどに原型を留めていない
あの凛々しかった眼と鼻は既に眼球や軟骨に至るまで綺麗に外されてしまい
致命傷を思わせる頭部への一線で脳がはみ出したまま、とめどなく体液が流れ出ていた

「ゆーちゃん・・・・・・みなみんまで・・・・やられちゃったよ」

恐らくみなみを殺めたのはみなみの母だろう
愛犬はみなみちゃんの匂いのするコレを餌だと思い、それにがっついているに違いない
ひょっとしたらみなみと知って食べているかもしれない・・・
これがチェリーなりの弔いなのだろうか?
こなたは勝手な想像を都合よく解釈し、せめてみなみが救われるようにと祈った

チェリーは大型犬だ、きっと残さずみなみを平らげてしまうことだろう
きっとみなみも・・・・・・

こなたはそのままチェリーを殴り倒してしまいたい気持ちを抑えながら、みなみの愛犬の頭をそっと撫でた

「わふ」と小さく吼えたチェリーの瞳が泣いている様に見えたのは、外灯のせいだろうか?
それを目端に再び走り始める少女、彼女に落ち込んでいる暇など無い
目的地まで、あとほんの数十メートルだ
217お漏らし中尉:2009/03/09(月) 05:58:46 ID:2teIR59q
「みゆきさん・・・間に合って!」

電信柱が十数本、見慣れた家屋が数件、角を曲がらずに真っ直ぐ突き進んですぐ左
『TAKARA』と書かれた表札を視覚で認識し、五感の全てをフル稼働させながら
高良家の庭に突っ込むこなた

「みゆきさーん!!」

「泉さん!?」
「余所見なんかしてる場合じゃないでしょ?」

シュン!

「うう!?」

まるで音速の何かがみゆきを襲う
今の一撃で右肩を何かが掠めたのだろう、その柔肌に深紅の一閃
すでに制服やストッキングもところどころ破れ、未熟なグラマラスさを誇るみゆきの体が
なんの遠慮もなくほぼむき出しになってしまっている
が、異様なのはその妖艶な体には自らの血のりで不均等な化粧がされている事だった
その原因は・・・・

「んもう、コレが最後の一本だったのにぃ〜」

ゆかりは左手に持っていたボーガンを悔しそうに地面に捨て、ブーブー言っている
こなたはその隙にみゆきに駆け寄った

「みゆきさん、助けに来たよ!」
「泉さん、どうして・・・」

「どうしてって」
「私は・・・私はこんな所見られたくなかったです・・」

思わぬ言葉にこなたは戸惑いを隠せなかった
そうか、彼女は未だに母親を慕っているのだ、こなたはそうじろうを許したいのと同じように
だから、自分を殺そうとするゆかりの姿を親友のこなたには見せたくなかったのだ
それであんな内容のメールをこなたに送ったのだろう

「ごめん、みゆきさん」
「・・・・あ、いえ、私ったら」

深刻そうなこなたの顔に、みゆきは自分の発してしまった言葉を恥じ、改めて友人に向き直る

「私のほうこそ、申し訳ありません・・・その、ありがとうございます」

危険を承知でここまで助けに来てくれた友人に、少しでも当たった自分が恥ずかしかった
こなたもみゆきのその言葉が嬉しく、こんな場所にも関わらず涙が頬を伝う
今、この残酷な世界の中にも友情が存在する
その事に二人は感謝した
218お漏らし中尉:2009/03/09(月) 05:59:51 ID:2teIR59q
見ればゆかりもハンカチを片手に「うんうん、みゆきはいい友達を持ったわね」と涙ながらに二人の様子を伺っている
どうやら暫くは時間稼ぎが出来そうである
それにしても、普段と殆ど変わらないあのゆかりが娘を殺しにかかるなど
もしかしたらゆかりには快楽殺人者の素質が有るのでは無いだろうか?
そう言えば過去にそういった類のよた話を見た事がある気がした

「こなたさん・・・・」

とんでもない事を考えていると、みゆきがこなたに話しかけてきた
こなたは心の中を読まれた様な気がして少しバツが悪そうに耳を傾ける

「かがみさんとつかささんは・・・?」
「・・・」

痛い質問だ、がみゆきらしい質問だった
こなたは黙って首を横に振る

「ゆーちゃんもお父さんにやられて、みなみんも通りに倒れてたよ」
「・・・そうですか」

「一体、なんでこんな事になっちゃったのかね?」
「ほんと、一体どうして・・・・」

「本当にね・・・ぐす・・・」

気が付けばこなたのすぐ後ろにゆかりが立っている
しかし、攻撃してくる様子も無く泣き顔のままハンカチで鼻をかんでいた
柊家のみきとは偉い違いだ

「おばさん・・・」
「お母様・・・」

「でもね、仕方ないのよ・・・だって決まってることなんだもん」

ゆかりの言葉はなんとも不可思議だが、真実味を帯びていた

「どーいうこと・・・?」
「決まってる事って・・・・そんな」

「二人とも、本当に良い子なのに残念ね・・・・こんな若さで死んじゃうなんて」

ゆかりは自分のスカートをたくし上げると太股に隠していたデリンジャーを取り出した
しかし、取り出したのは二丁・・・

「はい、アナタの分よ♪」
219お漏らし中尉:2009/03/09(月) 06:00:38 ID:2teIR59q
ゆかりはデリンジャーをみゆきの目の前に投げる

「デリンジャー・・・・フィラデルフィア・パーカッションスタイルですか」

みゆきはその小型拳銃を手に取ると、そう呟いた
みゆきの博識は本や科学の事ばかりではない
こなたは少し驚いた、もちろんゆかりも例外ではない

「流石みゆきね、ご名答♪ついでに言えばこれはダブルデリンジャー・・・一人二発うてるのよ★」
「もちろん、モデルガンではなさそうですね・・・」
「そんな、馬鹿な・・・本物なんてこのご時勢」

チューン!チューン!

「いい!?」

ゆかりはこなたの足元目掛けて銃弾を発射した
こなたの足元には弾丸が減り込み、中から硝煙が立ち上る
ゆかりは銃を地面に捨てると、今度は胸元からもう一丁のデリンジャーを持ち出した

「ふふ、高良財閥をなめたら痛い目みちゃうぞ♪」
「・・・・・」
「こなたさん、先に行ってて下さい」

「え、でも・・・」
「後で私も合流します、そしたらもう一度花火大会に行きたいですね★」

みゆきの精一杯の笑みがこなたの胸を熱くする
ゆかりも再びハンカチで涙を拭っていた
多くの友を失ったこなた、ここを離れるのは心苦しいが
みゆきはきっと自分なりのけじめを付けようとしているのだろう
こなたにはソレを妨げる権利など無い
ただ、友人としてソレを応援する義務が有る事だけは解った
例え助からなくても、みゆきは後悔しないだろう

「さあ、早く行って下さい!!」
「みゆきさん、きっとだよ!花火大会行くんだからね!!」

少女はそう言って高良家を後にした

220お漏らし中尉:2009/03/09(月) 06:01:11 ID:2teIR59q
「ええ・・・、きっと」

見えなくなった背中を目で追って、呟くみゆき
そして、ゆかりもまた「こなたちゃん、頑張ってね」と涙を流しながら見送った
みゆきは我が親ながら誇らしいような、情けないような不思議な気持ちで苦笑いがこみ上げてくる

そんな中お互い、親子であるにも関わらず銃口を向け合う二人
みゆきは眼鏡の奥で瞳をトリガーに向けて集中している

「お母様、聞いても良いですか?」
「なあに?みゆき」

ゆかりもまたタイトに構え、みゆきの頭部に照準を定めたまま答えた

「何故、私に銃を?」

娘の素っ頓狂な質問に母親は笑って答える

「あら、みゆき・・・・」
「・・・?」

「それ、空なのよ?」
「・・・・え」

みゆきが引き金を引くがカシャ、と隙鉄の音が木霊する

「お母さ・・・・」

チューン!チューン!

静かな空間に二発の銃声、色とりどりのコスモスは深紅に染まり
大空を哀しく見つめる少女を彩る
かつての愛娘をその手にかけた母親は、その亡骸の頬をハンカチで拭い薄く笑った

「ふふ・・・みゆきのおばかさん♪」

みゆきは死して尚、美しかった



 つづく
221名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/09(月) 06:53:13 ID:XLPKt1oD
こえーよw
222名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/09(月) 08:54:41 ID:G1LZJ2EG
なんか泣けてきたw
223グレゴリー
>>220
1リッターのラム酒でグデングデンに酔っ払っていてまともなことがいえる自信が
ないけど言わせてくれ。
狂気の中にせつなさを漂わせていて泣ける!
中尉の語彙の豊富さと美しい文章のひとかけらでも俺にあったら
おいらはもっと伝えたいことを皆に伝えられるのにと思います。
あと、シラフならもっといい文章が描ける気がするがそれは無理だす。