1 :
まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :
2 :
まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2008/02/13(水) 04:00:55 ID:DQVk5nGK
【諸注意】
Q.ハルヒSSを投下するぞ!
A.「ちょっと待ちなさいあなた!ちゃんと原作を読んだ?キャラの特徴掴んでる?
ただキャラの名前を使っただけの原作無視したSSを投下したら死刑なんだからね!」
Q.よーし、SS以外でもコテつけて雑談するぞー^^
A.「あー悪いがここはコテが集う場所じゃないんでな。こういう所でコテをつけて雑談すると
出しゃばっているようにしか思えんからな。ハルヒじゃないんだから遠慮してくれ」
Q.「がんばれ、そして俺みたいになるなよ」「もう俺このスレ来ないことにするわ 」
A.「あのぉ…あなたは謙遜しているつもりかもしれないですが、
『そんな事は無い、お前は立派だ!』って言ってほしいようにも見えましゅ…
過度の謙遜はやめてくださいー」
Q.「SSを考えたんですが、誰か書き込みの許可をお願いします」
「皆さんに質問、俺は切腹したほうがいいか? SS完成させるべきか?」
A.「そのような責任転嫁とも言える行為は推奨しない。投下は飽く迄自分の責任。
他人の許可を取らなければ投下できないような場合は投下の自粛を推奨する」
Q.「貴重な意見をありがとうございました。今後の参考にしたいと思います」
A.「おいオメーさっきからうるせえぞ『参考にする』『参考にする』ってよォ〜〜〜〜
どういうつもりだてめー、そういう言葉はオレたちの世界には必要ねーんだぜ…
そんな人に媚売って厨房ぶりを許してもらおうなんて考える厨房の言葉はな…
『参考にします』…そんな言葉は使う必要がねーんだ。 なぜなら、このスレや他スレの書き手は
その言葉を頭の中に思い浮かべたときにはちゃんと原作を読んで自分の何が悪かったかを反省して周りを参考にして
もうすでに終わっちまってるからだ! だから使った事がねぇ。
お前もそうなるよな…書き手の一人ならな…オレの言ってる事が分かるな?え?
『前回の意見を参考にしたつもりです』なら使っていい」
3 :
まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2008/02/13(水) 04:10:34 ID:DQVk5nGK
第六弾スレ更新の件ですが、二月の後半に行う予定です。
第八弾が全盛期以上に盛り上がることを願います。
オチそうになったら定期的に保守しますw
乙です
>>3 まさか、管理人さんが立てるとは思わなかったです
乙です
即死回避
>>3 管理人さん
第五弾SSスレの「お姫様だっこ」が開いても話が出てきません
あとまだ、他にも第五弾のSSはあります
そこもやってくれたら幸いです
過疎だね
誰かいませんか?
,.イ ,イ \ヽ,\rv-,
ヾイ /{ { ヽ、ト、 \Y <ノノ\ さっさと食べなさいよ!
{ .ト{\ヽ', メ __\ } ⌒ヽ }へ
ゝ |"ひ) \ イびゞ \ ヽ- 、ノ // >=
ノ ト、"´,. ー ノ ///\/ / \
/. { ゝ / レ// } Y´ \
{ ヽ ヽ⌒> / レ´TTア⌒>、_ \
V{ \ └ ´ / ,.イ/ /ll | /≦__ }
V{ >ー┬|/ ! ,.イノ || | /  ̄ ̄ ̄ /
リヽイ| /:| l _|' '´ || | | _/
____...................____ /{{ | |===| || | __/
,, -ー" _,,.. _,,._ ,,.._ ,,.._ _,,.. ゙ ヽ、 . /し|| | |== / // | /,.イ
/ /,,r"i/ ,r"i/,,r"i/,,r"i/,,r"i 、 ヽ / ヽヽ l==| / / l
/ ./ /#; / /#.; / /#; / ,/#; / ,/#; / .," i . イ\ \=| /// 〃
i i. /#; / ,/#; ./ /#; / ,/#; / ,/#; / .,' / / / ミ ヾ| // ト
ヘ. |〃/ ,|〃/ ,|〃/ .,|〃/ , |〃/ .,"..;;/ / / \>∠、 /\
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:39:25 ID:VqXeZIIK
いじめSSを書こうと思うんだけどターゲットを誰にしようか迷うな
誰か書き込んでくれ〜!!
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 17:39:14 ID:4zFd2EZO
>>13 とりあえず、みくるは?
最近書かれてないみたいだし
>>15 おお、参考にしてみる
確かにみくるSS少ないな
みくるはリアルでハルヒに苛められてるからSS少ないのでは?
保守
19 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 00:45:17 ID:6JyJovNB
たまにはage
20 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:56:04 ID:ctvKk8ED
age
やれやれ
そろそろみくる主体のハルヒいじめ書くぜ。
wktk
tktk
wktkせざるを得ない
古泉いじめでも書こうかな
26 :
SOS団の終焉:2008/02/28(木) 01:32:16 ID:CNF/mQjt
そろそろみくる主体のハルヒいじめ始めます。
っていうか、先にネタバレすると某アニメのSSを更にSOS団風にアレンジした
だけだが・・・。とりあえず今日はプロローグだけで。
【プロローグ ハルヒ視点】
高校2年の秋。私たちの北高生活も半分を過ぎ、受験だ何だと慌しくなりだす時期。
みくるちゃんは3年だから5人揃ったSOS団はあと数ヶ月で終わる。
・・・って、もう関係ないか私たちにとっては。卒業とかそういうの抜きにして
SOS団は終わろうとしてるんだから。ううん、むしろ崩壊って言った方が適切ね。
本当はそろそろ文化祭だし『朝比奈ミクルの冒険』の続編の撮影とか
いろいろやるつもりだったんだけど、こんな状況で出来る訳無いしね。
窓の外を見る。夕方から雨が降っていたがいつの間にか本降りになってきた。
ぼんやりと眺めながら入学して間もない頃、キョンを強引に巻き込んで
SOS団を結成した頃を思い出す。有希、みくるちゃん、古泉君・・・。
5人でいろんなことやったなあ。中学校の時、友達がいなかった私にとっては夢のような楽しい日々。
だけど・・・もうあの楽しかった時には戻れない・・・。いつしか目から流れるものがあった。
視線をパソコンに戻す。私の部屋を照らすのはディスプレイの光だけ。
映し出されるのは数々の自殺サイト。
リストカットって思ってた程楽でもないみたいね。練炭自殺ってどうなのかしら?
今日は家に帰ってから一切部屋の外へ出ていない。一番楽に死ねる方法を捜し求めネットにべったり。
唯一の私の拠り所だったSOS団があんな状態になってるんだもん。
もう私が生きてる意味なんて無いんだ。
何でこんなことになっちゃったのかなあ?1週間前までいつも通りだったのに・・・。
やっぱり私が悪いんだよね。私が今まで身勝手なことばっかやってたツケなんだろう・・・。
再び視線を窓の外に向け、1週間前の件を思い浮かべた。
保守
やばいやばい
wkwktktk
wt
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 18:18:57 ID:+ZEmzW/5
wktk
ところで管理人さん更新まだかな?
31 :
SOS団の終焉:2008/03/02(日) 22:08:35 ID:WhoI/uVr
【キョン視点】
「うーっす」今日も今日とて放課後SOS団の巣食う文芸部室に顔を出す俺。
特に用事があるわけでも無いのに勝手に足が向かってしまう。日頃の癖というのは恐ろしい。
部室にはニヤケ顔で会釈する古泉と奥の椅子で本を読む長門、
そしてメイド服で出迎える我がエンジェル朝比奈さん。
ちなみに我等が団長様は用事があるとかで今日は不在だ。いつもと変わらぬSOS団の日常風景。
だったのだが、朝比奈さんの様子が妙だな。椅子に座り込み何やら顔を赤らめもじもじと。
「ああ、ちょうどいいところにいらっしゃいました。今朝比奈さんから相談を受けていたんです。」
何だって古泉?お前が朝比奈さんから相談だと?聞き捨てならんな。
マイスウィートエンジェルと2人きりで相談だと!?
「いえいえ、朝比奈さんはSOS団みんなに相談しようとなさってたんですよ。
たまたま僕が最初に部室にいたので話を聞いただけで。」
「あの・・・キョン君。キョン君も聞いてもらえますか?」
もちろんです!朝比奈さんのお悩みになることなら全身全霊をかけてお聞き致しますよ!
「(くすっ)ありがとうがざいます。実は・・・・・・」
長門(さっきから私の存在が空気扱いな件について)
32 :
SOS団の終焉:2008/03/02(日) 22:11:56 ID:WhoI/uVr
「なっ、なんですとおおおおお!!朝比奈さんに恋人が出来たですとお!??」
突如朝比奈さんから告げられた驚天動地の事実。俺は思わず大声で立ち上がってしまった。
「キョ・・・キョン君、声が大きいですよお。」
ああすみません。しかしこんな重大な事大声の一つでも出さずにはいられませんよ。
「それにまだ付き合ってる訳じゃないんです。私の片思いっていうか・・・。」
なんだ付き合ってるんじゃないのですね。
それにしても、我が校一のアイドルであらせられる朝比奈さんに恋心を抱かせるとは・・・なんという果報者だ!
北高中の男子から命を狙われかねんぞ?一体どこのどいつだ?古泉、お前の機関の関係者とかか?
「いえ機関は全く無関係です。これは純粋な朝比奈さんの初恋ですよ。」
「はい・・・。3年から同じクラスで隣の席になった人なんですけど、
優しくって勉強も分からないとことか教えてもらったりしたこともあって、
気付いたらその男性のことが頭から離れなくなっちゃったんです。
その・・・OKしてくれるか分からないですけど、思い切って告白しようと思うんです。」
はあ・・・何て羨ましい野郎だ。だが朝比奈さんの初恋とあらば全力をもって応援させて頂きますよ。
「僕も出来ることならご協力を惜しみませんよ。」
「私も。」
朝比奈さんは嬉しそうに礼をいってからふと表情を曇らせた。
「あの・・・でも、この件なんですけど、涼宮さんにはまだ黙っていて欲しいんです。」
「涼宮さんにですか?」と古泉。
「はい。言い方は悪いんですけど涼宮さんは・・・」
ああ、言わなくても分かりますよ朝比奈さん。空気読めないって事ですよね。
「キョン君もそう思いますか?」
まああいつが自己中でKYなのは昔からですけど、最近は暴走ぶりに拍車がかかってますからね。
「朝比奈みくるが高校にいる期間が残り少ないのも原因と思われる。」
「涼宮さんは悪い人ではないのですが、もう少し我々にも配慮してもらいたいと思う時はありますね。」
長門古泉も同意する。ここで朝比奈さんに彼氏が出来たら、SOS団に参加する機会は確実に減るだろう。
33 :
SOS団の終焉:2008/03/02(日) 22:13:13 ID:WhoI/uVr
ハルヒがそれを容認するかどうか。確かに今は黙っていた方が得策かもしれん。
分かりましたよ。とりあえず今度の文化祭が終了するまではハルヒには言わないでおきましょう。
「あ、ありがとうございますキョン君!」
その日は4人でまとまって下校した。
「しかし難しいかも知れませんね。朝比奈さんはご覧の通り内気な性格、
1人で告白出来るか微妙です。加えて涼宮さんに内緒ですから。」
顔が近いぞ古泉。だが確かに難関は多いな。ここは俺達も手伝った方が良さそうだな。
「作戦を練るなら私の部屋に来るといい。」
おっ、助かるぜ長門。
という訳で俺達は朝比奈さんの告白の段取りを決めるべく長門の部屋に赴いた。
続きwktk
35 :
SOS団の終焉:2008/03/03(月) 01:20:27 ID:Bu729B5H
【みくる視点】
いよいよ今日が告白の日です。今は放課後、私は人気の少ない図書館の裏にいます。
ここで彼に告白するの。う〜〜・・・駄目です、緊張して足が震えます・・・。
でもっ、キョン君達SOS団のみんながいろいろ協力してくれたんだし頑張らなくちゃ。
古泉君が機関の人脈を使って彼とコンタクトし、
長門さんと同じTEFIの喜緑えみりさんも協力して今日ここで彼に告白する段取りを作ってくれた。
問題の涼宮さんはキョン君が引き受けてくれました。
今日金曜日は涼宮さんとキョン君は掃除当番。
涼宮さんが掃除で部室に来るのが遅れるので、その間なら告白しても見つからないはず。
キョン君は万一涼宮さんが抜け出したりしない様に見ててくれるそうです。
みんなが私の初恋を押してくれている。
私の上司である未来人組織も私の告白を容認してくれました。
タイムパラドックスを防ぐ為に、本来なら別の時代の人間と恋愛は禁止なの。
でも今回は私が北校を卒業するまでの残り数ヶ月限定で特例で許可が下りました。
今まで涼宮さんの観察で大きく貢献したご褒美みたいなものですって。
絶対に告白成功させます!
キョン君、長門さん、古泉君、ありがとう。それから涼宮さん、隠したりしてごめんなさい・・・。
そうこうしてる内に彼との待ち合わせの時間になりました。
どきどきするよ。ちゃんと好きですって言えるかな・・・。
ザクッザクッ・・・
後ろから足音が。彼が来たんだ!そう思って振り向いた先には・・・
「みくるちゃん、こんなとこで何やってんのよ?」
どうして・・・・・・どうして涼宮さんがここに??
36 :
SOS団の終焉:2008/03/03(月) 01:41:53 ID:Bu729B5H
【ハルヒ視点】
ああむかつく!何であたしが掃除やんなきゃなんないのよ!?
キョンの奴、いつもは私が掃除抜け出しても何も言わないのに、
今日に限って掃除当番なんだからちゃんとやれですって。
ヒラ団員の癖に団長に掃除しろなんて無礼にも程があるわ!
おまけに頭にくるのは私とキョンと同じ今日掃除当番のはずのアホ谷口がサボって先に帰った事よ!
でもいっか、あのアホがいないから今日はキョンと2人きりで掃除。
ベ、別にキョンと一緒が嬉しい訳じゃないんだからね!
さてと、あとはこのゴミをゴミ捨て場に出せばいいだけね。キョン、私が捨ててくわ!
「おう悪いな。」
キョン(今日はハルヒを見張ってなきゃだめだが、
ゴミ捨て場と朝比奈さんの告白の場所は離れてるし大丈夫だろ。)
さあてゴミも捨て終わった事だし・・・ってあれは!教室に戻る途中私が見たのは・・・。
「ふ〜急に腹痛くなっちまって、急がねーと間に合わねーぞ。」
谷口!!掃除サボったと思ったらトイレにいたのね!オマケにチャック全開で!!
「ゲッ!涼宮・・・。」「このアホ谷口!私に掃除させて逃げるとはいい度胸ね!」
「ま、待ってくれ。今日はこの前ナンパに成功した女の子と初デートの約束なんだ。
急がねーと待ち合わせに遅れちまう!頼む、今回だけは見逃してくれ!」
はあ?デート?谷口の癖に生意気ね!
「見逃すわけ無いでしょ!さあ、とっとと教室戻るわよ!」「かんべんしてくれ〜」
あっ逃げた!こら待てー!!
37 :
SOS団の終焉:2008/03/03(月) 01:43:41 ID:Bu729B5H
学校中追い回したけど、結局谷口には逃げられた。
いつもなら余裕で捕まえられるんだけど、ゴミ箱かかえたまんまじゃ無理だったか・・・。
しょうがないわ、谷口に制裁加えるのは月曜にしよ。教室からだいぶ離れちゃったわね。
そして教室に戻ろうと廊下を歩いてると、窓の外に見えたのは・・・。
「あれ?みくるちゃん?」
図書館の外、人気の無い場所にみくるちゃんが1人たたずんでいる。
しかもそわそわと落ち着きが無い。あんなとこで何やってんのかしら?怪しいわね。
私は外に出るとみくるちゃんに声をかける。「みくるちゃん、こんなとこで何やってんのよ?」
普通に声かけたつもりだった。
なのにみくるちゃんは「ひっ・・・す・・・涼宮さん!」
露骨にびっくりして飛びのく。何よ??
「ど、どうしてここに・・・?」
「掃除当番でゴミ捨てに行ってたのよ。そしたらアホの谷口が・・・って、
そんなことよりみくるちゃんこそこんな人気のない校舎裏で何してんの?
まるで意中の男に告白する前みたいにモジモジして。」
告白という単語を私が口にした途端、みくるちゃんは見る見る顔が真っ赤になってガクガク震えだした。
「ち、ち、ち、違います・・・告白なんかしないでしゅ!片想いの男性に告白するんじゃないでしゅ・・・。」
「え?え?まさか・・・本当に告白すんの?みくるちゃんが!?」
私そんなの全然聞いてないよ。これはどういう・・・
「やあ朝比奈さんお待たせ!で、僕に用って・・・?」
不意に後ろからの声に振り向くと、そこには割とイケメソな男子がいた。
38 :
SOS団の終焉:2008/03/03(月) 01:45:06 ID:Bu729B5H
初めて見るわね。みくるちゃんのクラスメイトかしら?
もしかして!「みくるちゃん、こいつがみくるちゃんの彼氏になんの?」
「・・・・・・」みくるちゃんの顔が今度は青ざめてくる。
「え?彼氏??な、何を言ってんだ?」相手の男子は唖然としてる。
「何ってあんた達付き合うんでしょ?んで、これからデートでいちゃついて・・・」
「さっきから何訳の分からないこと言ってんだよ?君確か2年の涼宮さんだっけ?
SOS団とか言う変な団にいる。」
変な団って失礼な奴ね。ま、みくるちゃんの彼氏なんだしここは穏便にしてあげるか。
「そうよ。で、みくるちゃんはSOS団の専属メイドって訳。」
「はっ、そうかい!SOS団って怪しい活動してるって聞いたけど、
要は僕をおちょくる為にこんなとこに呼び出したって事かよ!
朝比奈さん、君とは隣同士の席だし仲良くやってきたけど、
それをいい事に告白のマネして僕をからかうのかよ。マジ頭にくるな。
もう話しかけないでくれ!」
そういうとそいつは去っていった。
「何よあいつ?勝手に1人で決めつけて。ねえみくるちゃ・・・」
「・・・最低っ」
声を震わせながら、搾り出すようなみくるちゃんの声。
「あ、あの〜みくるちゃん?私ひょっとしていたらまずかったとか・・・っつ!!」
私は思わず声をのんだ。みくるちゃんが今まで見たことも無いような物凄い形相でこっちを睨んだからだ。
「え?あ・・・みくるちゃん・・・その、ごめ」
ダッ!!
みくるちゃんは何も答えず走り去ってしまった。
私は追うことも出来ずに、ただゴミ箱をかかえて立ちすくむしかなかった。
39 :
SOS団の終焉:2008/03/03(月) 01:46:51 ID:Bu729B5H
続きはまた今度。思ったように進まない・・・。
次回からいよいよいじめに突入します。
お疲れー
楽しみにしてる!
wktk
42 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 11:23:28 ID:vE2fOXu2
コレは期待大w
さすがにみくるヤンギレ化しても仕方ないなこりゃw
44 :
SOS団の終焉:2008/03/03(月) 23:20:15 ID:Bu729B5H
【引き続きハルヒ視点】
すっかり辺りは暗くなり夜。私は学校から帰ってずっとベッドに転がったままだ。
普段なら予習とかするんだけど、今日はとてもそんな気になれない。
原因はもちろん放課後の一件。
状況からみて間違いなくみくるちゃんはあの男子に告白しようとしていた。そして・・・
私がそれをぶち壊した・・・・・・。
「何さ!元はと言えばみくるちゃんが今まで何にも私に伝えないからいけないんじゃないの!
片想いの男がいるなんて重大なこと、団長であるこの私に知らせないなんて背任行為だわ!
みくるちゃんこそすぐに私に謝るべきだわ!!」
私は部屋の壁に向かって1人まくし立てた。それはエコーとなって部屋にキンキンと虚しく響く。
口で幾ら自己弁護しても気休めにすらならないわ・・・。
誰がどうみてもあれは私が悪い。
気弱なみくるちゃんのことだから、きっと一生懸命勇気を振り絞っての告白だったんだろう。
きっとずっと溜め続けてた想いだったんだろう。
私の無神経な振る舞いがそれを全て台無しにした。
あの時のみくるちゃんの涙を浮かべた目・・・
普段おどおどしてるみくるちゃんからは創造も出来ない怒りがむき出しになってたな。
すごく怒ってたな、すごく悲しそうだったな・・・。
私のせいで・・・・・・。
謝ろう。みくるちゃんに心から悪かったって謝ろう。
電話を取ってみくるちゃんにかけようとした。
「・・・・・・。」
やめよう。電話なんかじゃ私の気持ちがきちんと伝わらない。
ちゃんとみくるちゃんに直接会って謝るのがすじだろう。
明日は土曜日。本来なら不思議探索の日だけど、
たまたま明日用事があった私は不思議探索は無しとこの前団員みんなに伝えたばかりだった。
本当に間が悪い。みくるちゃんに謝るのは月曜までおあずけか・・・。
1人で抱えるのは辛い。キョンに相談しようかな?
ううん、駄目ね!これは私とみくるちゃんだけの問題よ。
ヒラ団員のあいつを巻き込むのは悪いわよね。うん月曜までの我慢我慢!
後々私は後悔することになる。
あの時すぐキョンに相談していれば・・・
素直にキョンに全部打ち明けていれば・・・
ここまで問題はこじれなかっただろうに・・・・・・。
45 :
SOS団の終焉:2008/03/04(火) 00:06:29 ID:ClElKaai
月曜日。
私にとって憂鬱で長い土日が終わった。私はいつもより早く家を出ていた。
今日みくるちゃんに会ってしっかり謝ろう。その思いが私の足を否応にも速める。
周りの迷惑を省みないで行動してる自覚はある。団員にも迷惑は散々かけてきただろう。
今まではそれを気にした事など無かった。でもそれだけじゃ駄目なんだということを思い知らされた。
みくるちゃん、有希、古泉君、そしてキョン。みんな私の大切な仲間。
これからも、ずっと仲良くしていたい。
学校に着いた。下駄箱に行くと、そこにはちょうどみくるちゃんの姿があった。
よかった、すぐ会えた!早く謝って仲直りしよう。そして放課後にSOS団みんなでカラオケにでも行こう。
「み、みくるちゃん、おはよう・・・。その・・・この前は(ry」
もしかしたら、すぐに仲直りできるかもしれない。・・・という私の淡い期待は、
みくるちゃんが振り返った瞬間粉々に砕け散った。
「・・・・・・っ!」
金曜のあの時と全く変わらない表情。
私を見るその目は憎悪の固まりだった。
あのみくるちゃんにこんな恐ろしい顔が出来るのかと疑うくらいの・・・。
みくるちゃんはすぐに踵を返すと廊下を去っていった。
「やっぱり、相当怒ってるんだ。早く謝りたい。でもどうしたら・・・イタッ!!」
上履きに足を入れた瞬間、足の裏に鋭い痛みが走った。なんだろう?上履きの底を覗いて私は目を疑った。
なかには画鋲が入っていた。しかもテープで丁寧に固定されて。
私は震える手で画鋲を外し上履きを履きなおす。
「一体誰がこんなこと・・・。」教室に向かう足が重い・・・・・・。
46 :
SOS団の終焉:2008/03/04(火) 00:35:00 ID:ClElKaai
キョンが学校に来たのは私より30分以上も後。相変わらず遅刻ギリギリねこいつは。
団長であるこの私が悩んでるっていうのに!まあいいわキョンと話してれば少しは気分も晴れるかもね。
「ねえキョ・・・」「おっす谷口。金曜のデートどうだったんだ?」
「聞かねーでくれよキョン!あの女デートすっぽかしやがって・・・
おまけに携帯の番号繋がらねーんだよ!!ううっ。」
「やっぱりね、僕は最初から予想してたけどね。」「国木田!お前まで!」
ギャアギャア騒がしい3人。
谷口で思い出したわ!こいつが掃除さぼった件、早くとっちめてやらないと!
にしてもキョンの奴、団長である私への挨拶も無しに、谷口なんかと談笑とはいい度胸ね。
・・・私への挨拶も無しに?
私の頭に疑問が浮かんだ。おかしい。キョンは元気な日、ダレてる日とその日によって違いはあるけど、
いつも教室に入ったら必ず真っ先に私のとこにきて声をかけてたわ。
なのに今日は私に目も合わさず・・・。
たまたま谷口と先に話がしたかっただけなのだろうか?
何か嫌な予感がする・・・。
47 :
SOS団の終焉:2008/03/04(火) 00:36:39 ID:ClElKaai
中途半端だが今日はここまで。次回から本格的に黒みくるのいじめとなります。
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・)
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
wktktktk
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 20:07:33 ID:64vr6lOx
51 :
SOS団の終焉:2008/03/05(水) 01:39:51 ID:dkuqkJFs
授業中もキョンは1度も私の方を振り向かない。
いつもならシャーペンで背中つついたりするんだけど、何故か今日は出来ない。
キョンの背中が私に話しかけるなというオーラを発してるような、そんな錯覚に陥ってしまう。
休み時間になるとキョンはさっさと谷口や国木田の席に行ってしまう。
私がキョンに話しかけるタイミングが全く無い。
これはたまたまなの?それとも・・・。胸の奥がもやもやと嫌な痛みをともなう。
昼休み。キョンはやはり私に顔を合わせようともせず教室を出て行った。
弁当箱を持って。いつものあいつは教室で食べるのに・・・。
やっぱり何かキョンの様子がおかしい。
キョンの向かった方角、多分部室に向かう気ね。私は教室を飛び出し後を追った。
部室のドアから声が聞こえる。キョンだけじゃないみたいね。
ドアを開けるとそこには弁当を食べてるキョン以外に古泉君と有希、そして、みくるちゃんがいた。
「・・・・・・。」
私の姿を見た途端それまでの部室の喧騒が一瞬にして静まり返った。
みくるちゃんの変わらない嫌悪の視線と、キョン古泉君の冷たい視線。
有希は無表情だがそれさえも敵意があるように思えてしまう。
「や、やっほー、みんなそろってるのね・・・。えっと・・・みくるちゃん。少し話が・・・」
「そろそろ新しい紅茶買おうと思うんでしゅけど、みんなの希望も聞きたいから4人全員で
デパートに行きましぇんか?」
「いいですね!喜んでお供しますよ朝比奈さん。」
「僕も御同行致します。長門さんはどうなさいますか?」
「・・・行く。」
「ひゃーい、ありがとうごじゃいましゅ♪じゃあ今日4人全員で行きましょう!」
「・・・・・・!!」朝、キョンから感じた嫌な予感は確信に変わった。
私はハブられてる・・・・・・。
「ねえ、みくるちゃん!みんなも、話しを聞いてよ!お願い・・・謝りたい事があるから・・・」
「もうすぐ関西も紅葉が見頃になりますね。どうです?SOS団4人で紅葉ツアーといきませんか?」
「おお、いいな古泉。京都なんか良くねーか?」
「いいでしゅね!私とキョン君と長門さんと古泉君の4人で京都に紅葉観に行きましょう!」
みくるちゃんの口からは殊更に”4人”という部分が強調される。
「じゃあ今日は4人でデパートでしゅ。放課後校門に集合でしゅ。」
みんなはまるで私が存在しないかの様な振る舞いで部室を出て行った。
団長席の前で立ちすくんだままの私。心臓がキリキリする。
みくるちゃんが怒ってるのは分かる。けど何でキョン達まで私のこと無視しようとするの?
・・・・・・みくるちゃんがみんなに根回ししたんじゃないか?
52 :
SOS団の終焉:2008/03/05(水) 01:43:12 ID:dkuqkJFs
教室に戻ったのは午後の授業が始まる直前。
このまま授業さぼって部室に残ってようかとも考えたけどね。まるで逃げてるみたいだから戻ってきた。
真正面から向き合わなきゃいつまで経ってもみんなと仲直りなんて出来ない。
次の授業は英語だったわね。教科書・・・あれ?無い?
机の横にかけてあった私の鞄が無くなっていた。
そんなはずないわ!昼休み部室に行く前、確かに鞄に触れていた。
私が部室に行ってた1時間弱の間に消えた?鞄が勝手に無くなる訳が無い。
誰かが持ち去ったとしか考えられない。でも一体誰が?
そこで私はハッと前の席に視線を移す。相変わらず私を見ようとしないキョン。
キョンやみくるちゃんが部室を出たのは私が戻る30分以上前。
その間に・・・まさか・・・・・・。
授業が終わって私は鞄を探しに教室を出た。前に座ってるキョンを問い詰めるのは簡単。
けど出来なかった。怖かった。キョンの反応が。
俺がやったなんてキョンが言ったらと想像すると震えが止まらない。
SOS団のみんなが嫌がらせで私の鞄を盗ったなんて信じたくない・・・。
1時間校舎を探し回って見つけたのは、ゴミ捨て場の中だった。
鞄はあちこち傷だらけになっていた。カッターか何かで切りつけたのだろう。
中には私の教科書やノートが入っていた。盗まれた物は無かった。
けど・・・私の教科書やノートにはマジックの落書きが大量に書かれていた。
「死ね」「生ゴミ」「むかつく」「電波女」
胃の中から熱いものがこみ上げてくる。口の中が酸っぱい。
この手の嫌がらせは中学時代にも1・2回経験している。
その時はどうせ下らない馬鹿の愚行程度にしか思わなかった。けど、今回は違う。
それが私の最も信頼していた身近な人間の犯行であることを落書きの筆跡が証明していた。
SOS団の会議で私が案を出してる時、隣で黒板に一生懸命書き込んでいた人の字。
そう、これは間違いなくみくるちゃんの字だった。
これは別の人間の仕業だ!という私の最後の望みを打ち砕いたのはこの落書き。
「何が映画撮影だ池沼」
文化祭で再び映画撮影をするのを知っているのはSOS団のメンバーだけ・・・。
「うっ・・・ううう・・・。」
耐え切れず流れ出る涙は頬を伝い落書きだらけのノートに跡をつくる。
「どうして、どうして・・・キョン・・・みくるちゃん・・・
わたし、わたしどうしたらいいの・・・」
いじめられたから悲しいんじゃない。
それが私の大切な仲間だったSOS団のみんなという事実が私の胸を引き裂く。
みくるちゃんの恋心を傷つけた私が悪いのは分かってる。
でも・・・何でこんなことされなきゃいけないの?
「酷いよ・・・酷いよ・・・うああああああああ!!!!」
53 :
SOS団の終焉:2008/03/05(水) 01:44:46 ID:dkuqkJFs
【キョン視点】
「あの・・・朝比奈さん。もう止めにしませんか?」
デパートで大量の紅茶を買った帰り、北口で古泉長門と別れてから俺は朝比奈さんにきりだした。
「ふえ?何の事でしゅか?」朝比奈さんは可愛らしい笑顔で振り返る。
しかしその目は、俺が何について止めようと言ったのか既にお察しの様だ。
「いやですからハルヒへのシカトですよ。もう許してやりましょうよ。明日からまた普通に接しましょう。」
「何言ってるんでしゅかキョン君?無視は今週いっぱいって話しだったでしょ。」
「そうでしたけど・・・俺今日1日中とてもハルヒの顔見られませんでしたよ。
ちょっとこれはやりすぎです。」
金曜日、ハルヒは朝比奈さんの告白をぶち壊した。
その日の晩、朝比奈さん本人からこの事実を聞いた時、俺は憤慨した。
ハルヒよ、いくらなんでもやっていい事と悪いことがあるだろうと。
翌日俺達はハルヒ抜きで集合して朝比奈さんを慰めた。同時にハルヒは少し懲らしめた方がいいと。
その結果として出た結論が「1週間ハルヒを無視する」という案だった。
言い出したのは朝比奈さんだった。もちろん最初俺達は反対した。けれど
「このままでは涼宮さんは他人への配慮を知らない最低な人間になってしまいます。
それは涼宮さん自身にもこの世界の安定にも絶対に良くないです。
友達の絆の大切さを教える為にも、一度涼宮さんを突き放す事も必要だと思います!」
という朝比奈さんの説得で実行することとなった。
古泉は閉鎖空間を生み出す危険が大きいと最後まで難色を示してたが。
54 :
SOS団の終焉:2008/03/05(水) 01:47:38 ID:dkuqkJFs
俺自身、この作戦を深く考えてなかった気がする。初日はてっきり
「何よ、団長を無視するなんていい根性してんじゃないの!」
とか言ってアヒル顔して拗ねる程度だと思った。
しかし昼休みの部室で無視した時のハルヒの表情にはショックを覚えた。
今まで見たことの無い戸惑い、不安、怯えがはっきり見て取れたのだから。
これじゃただのいじめじゃないか!いくら懲らしめる為だからってここまで傷つけていいはずは無い。
朝比奈さんもそろそろ許してやるべきだ。
「キョン君だって前に言ったじゃないでしゅか。涼宮さんは最近は暴走ぶりに拍車がかかってるって。
それに、私がどんな酷いことされたか・・・。」
「それはそうなんですが・・・。」
「私、生まれて初めて好きな人に告白しようとしたのに・・・それを涼宮さんが全て壊した。
絶対に許せない!キョン君は私の味方でしゅよね?」
「いやもちろん朝比奈さんの見方ですけど(ry」
「そ・れ・に♪」
不意に朝比奈さんの顔が俺の耳元に近づいた。
「私が告白した時、キョン君が涼宮さんをちゃんと見張ってれば・・・
こんなことにはならなかったですよね♪」
耳元にかかる甘い吐息、目の前にある可愛らしい笑顔。普段ならヘロヘロになる場面だが・・・
その笑顔には有無を言わせない圧力を感じた。
『私の告白が失敗して、大きな傷を負ったのはキョン君せいでもあるんですよ。』
朝比奈さんの笑顔はそう言って俺を責めてる様にも見えた。いや実際そうなんだろう。
確かにあれは俺の油断だった。俺は何も言い返せなかった。
「ふふっ・・・キョン君は私の味方になってくれますよね♪」
「・・・・・・分かりました。」
「ありがとうがざいます!やっぱりキョン君は優しいなあ。」
朝比奈さんの顔がすっと下がる。
「じゃあまた明日ね。明日以降もお願いしましゅよ。」
笑顔のまま朝比奈さんは去っていった。俺は何も言えず、駅前を立ちすくんだままだった。
おいそこ!ネットごしに俺のことヘタレとか言ってる奴!ああ悪かったなどうせヘタレだよ。
俺には・・・朝比奈さんは止められないんだよ・・・・・・。
あの可愛らしいエンジェルの朝比奈さんにこんな強情な一面が、
そしてこんな残酷な一面があった。その事実が俺を立ちすくませていた。
55 :
SOS団の終焉:2008/03/05(水) 01:52:18 ID:dkuqkJFs
本当はもう2レス投下する予定だったが、原本コピペしようとして間違えて削除しちゃった。
どうしよう・・・・・・。
そこをなんとか
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 07:50:09 ID:XyAXTcN6
>>55 いつでも待ってますので
次にやってください
wktk
GJ
復元ソフト使えば何とかならないかねぇ。
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 20:01:24 ID:vDOKvtFN
保守
鬱ハルヒいいよぉー
どうしてもみくるのでしゅましゅ調に違和感がありまくりなんだが…
よくギャグSSだとでしゅましゅ調によくされてるんだよな
鬱展開の最後にどんでん返しがあるんじゃないかと心配しているw
あと因果応報型の話なんで鬱な中にも微妙な爽快感があるね。
63 :
SOS団の終焉:2008/03/08(土) 00:27:41 ID:mj2h5+pe
記憶を頼りに削除してしまった部分を何とか書き直した。
消えたのが20行程度だったので、大体元の文章にもどったと思う。
>>61>>62 みくるのでしゅましゅ調は黒いみくる限定にしている。
本来のみくると区別しようとやったが、やはり不自然だったか・・・。
64 :
SOS団の終焉:2008/03/08(土) 00:30:12 ID:mj2h5+pe
【古泉視点】
家に帰り、風呂からあがっても気分は晴れないままだった。
原因は何か?勿論涼宮さんの件です。
僕は生まれて初めていじめというものに加担しました。最悪な気分です。
どうしてこの様な最低な行為を好き好んで行う人間が世の中には大勢いるのでしょうか?
朝比奈さんには失望しました。
「一度涼宮さんを突き放す事も必要だと思います!」というのが無視する理由だそうですが、
それが朝比奈さんの本心とは思えません。明らかに涼宮さんへのいじめを彼女は楽しんでいます。
長門さんもそれは気付いてるでしょう。朝比奈さんにはいつも甘い彼はどうでしょうね?
告白の一件以来朝比奈さんの表情には常に邪悪な影が付きまとうようになりました。
普段のおっとりした正確が完全な演技とは言いませんが、
何かこう今まで隠れてた潜在的な負の心が表面に出るようになったとでも申しましょうか。
現に朝比奈さんは涼宮さんへの懲らしめの件で2つ僕らに嘘をついてる事が分かりました。
まず告白時の涼宮さんについて。
先日僕らが朝比奈さんから聞いた話では、涼宮さんは告白相手の男子に
「あんた何うちのマスコットキャラ誑かしてんのよ!?とっとと失せなさい!
今度みくるちゃんに近づいたら死刑だからね!!」等、
恫喝や罵声を飛ばし追い出したという事でした。
ところが今日機関所属の3年生をつてに当の男子生徒とコンタクトを取れたのですが、
「涼宮さんが一緒で何か企んでるかと思ったから帰った。罵声?それは無かった。」と言いました。
朝比奈さんの主張と全く異なりますが、状況から察するに涼宮さんを完全な悪者にする為に
朝比奈さんが嘘を言った可能性が高いです。
もう1つの嘘は更に深刻です。
65 :
SOS団の終焉:2008/03/08(土) 00:32:37 ID:mj2h5+pe
これは長門さんから聞いた事実なのですが、朝比奈さんはどうも僕達のいない時に
涼宮さんの上履きに画鋲を入れたり、鞄や教科書を盗んで落書きしたりしてるそうです。
当初の約束では涼宮さんへの懲らしめは1週間の無視だけに留めるはずだったのに・・・。
幾らなんでもこれは度が過ぎてます。早く止めないと涼宮さんが不安です。
しかし僕が口で言ったとこで朝比奈さんが止めるとは思えません。
僕達SOS団の仲間を騙すくらいですから。
となると、残る手段は機関の力を借りて強引に止めるしか無い。
ところが先程電話で森さんにこの件を話したのですが、
機関は手助けできないという冷たい回答が返ってきました。
朝比奈さんに下手に機関が手を出すと朝比奈さんの背後の未来人組織と
敵対してしまう可能性が捨て切れない。今機関が存続するには未来人組織は外せない。
だから涼宮さんが閉鎖空間を出さない内は一切朝比奈さんに手は出さない・・・だそうです。
涼宮さんという神を守り観察するのが機関の役目のはずなのに、
その涼宮さんが傷ついていくのを黙ってみてろという。
「ふんもっふ!!」ガンッ!!
失礼。思わず壁を殴ってしまいました。そうでもしないとこの理不尽さに耐え切れません。
もしかした朝比奈さんは機関が手を出さないことまで計算していじめてるのでは?
そんな疑念も起こります。それほどまでに朝比奈さんは変わってしまった。
かつて僕は彼に朝比奈さんを信用しすぎない方がと忠告した事がありました(陰謀で)。
しかし彼女の内面の黒い部分がここまでとはさすがに予想出来ませんでした。
一体SOS団はどうなるのでしょうか?
66 :
SOS団の終焉:2008/03/08(土) 00:33:43 ID:mj2h5+pe
今日はここまで。明日から大量に投下・・・したい。
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 08:11:10 ID:4bnXIfGC
乙です!
続きが気になります^^
ふんもっふw
おつかれー
乙ww
みくるUZEEEEEeeeeee
72 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 17:41:22 ID:PlcNqmyd
乙!
やっぱハルヒがしょんぼりしてるのは萌える
シリアスな感じだったのでまじめに読んでたら突然ふんもっふで笑ったw
74 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 18:27:55 ID:Qg8ravtH
乙。
文章力、というか表現力だろうな、それの高さに感動した
続きをかなり期待して待ってる、楽しみだわ
76 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 22:20:48 ID:4bnXIfGC
>>76 保管庫に行けば大量にそのジャンルのSSがあるぞ
78 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:33:32 ID:laTbAErR
続き期待
79 :
SOS団の終焉:2008/03/10(月) 01:50:09 ID:66DBd8cT
応援ありがとう。そろそろ続きを。
80 :
SOS団の終焉:2008/03/10(月) 01:52:02 ID:66DBd8cT
【ハルヒ視点】
金曜の授業を終えて、今日も部室に寄らず家に帰ってきた私。ただいまの挨拶も無しにベッドに横たわる。
みくるちゃんによるいじめが始まって1週間が経とうとしている。
私にとってはとんでもなく長く重い一週間だった。
みくるちゃんは執拗にいじめを続けてくる。それは収まるどころか日に日に酷くなっていく。
初日にあった無視、画鋲、落書きのいじめの定番は毎日の様に受ける。
持ち物は私がちょっと目を離した隙に無くなったりする。
この前はトイレに入ってたらいきなりホースで水をかけられた。
「やめて!!」思いっきり叫んだら
「キャー」なんてはしゃぎ声がしてかけた主がトイレから飛び出す音がした。
あの声は間違いなくみくるちゃんだった。私の大声にびっくりして思わず出たのか?
あるいは自分が嫌がらせしてるとアピールする為にわざと叫んだのだろうか?
学校では誰とも会話しない。一人で勉強し、一人でお弁当を食べ、一人で帰る。
部室にはSOS団のみんながいる。けど怖くて行けない。
私の大切な仲間達に話しかけても空気のように無視される。そんな現実に耐えられる程私は強くない。
考えてみれば、私SOS団のみんな以外に親しい人っていないんだ・・・。
中学校の頃の孤独な毎日がフラッシュバックし始めた。
授業中に何度も泣き叫びまくって暴れたくなる衝動に駆られただろう。
最近じゃ食べ物を食べても味がしなくなったわ。それどころか吐きそうになる時だってある。
私はもう精神的にボロボロ。もう・・・限界だわ・・・・・・。
81 :
SOS団の終焉:2008/03/10(月) 01:55:04 ID:66DBd8cT
けれどまだ希望は残っている。それはみくるちゃん以外の3人。連日私は陰湿ないじめに晒されているけど、
やってるのはみくるちゃん1人だけみたいだと最近になって気付いた。
他のみんなも私を無視してはいるけど、それ以上は何もしてこない。
それだけじゃなく、日を追うにつれて罰のわるそうな顔になってるわ。
特にキョンを見てるとそれが分かる。
最初私はキョンが私に顔を合わせようとしないのは怒ってるからだとばかり思ってた。
でも昨日キョンが私にそっぽを向いた時、初めてその表情に気付いた。
キョンの顔に出ているのは罪悪感と悲しみ。私を見るのが辛い。そんな表情だったわ。
それは古泉君にも当てはまる。
この前、廊下で偶然古泉君に会った。その時彼はそっぽを向いて無視したけど、
何か申し訳なさそうな雰囲気が感じられたの。
有希とは月曜日部室で無視されてから1度も会っていない。
けど考えてみればあの娘は元から無口。有希も私を無視してたのかどうか、あれだけじゃ分からない。
「もしかしたら、みくるちゃん以外は本当は嫌がってるんじゃないのかしら?
私を好きでいじめてるんじゃない。ただみくるちゃんに言いくるめられて、
あるいは何か脅されて仕方なくやってるんじゃ?」
急にそんな考えが頭をよぎる。幾らなんでも楽観的過ぎるかな?
でもみんなの表情見てるとそれしか考えられないよ。
私は決心した。もう1回だけ話し合おうと。
学校じゃどこにみくるちゃんの目があるか分からないから話しかけられない。
話すなら今、電話で伝えるしかない!
私は受話器を取った。こんな時まっ先に話せるのはあいつしかいない。
プルルルルル・・・
『はい。』
「キョン、私。ごめんね、夜遅くに・・・今いいかな?」
『ハルヒ・・・・・・。』
「今から会えないかな?ちゃんと話をしたいの、みくるちゃんの事。」
沈黙が流れる。怖い。無視されるのが怖い。拒絶されるのが怖い。
「お願いキョン!一度だけでいいから・・・会って。お願い・・・・・・。」
『・・・わかった。何処で会えばいい?』
良かった!今私をどう思ってるかははっきり分からないけど、話だけは聞いてくれる。
たったそれだけの返答で私の不安が薄れていくのが自分でも分かる。
私はキョンに待ち合わせ場所を伝えて電話を切るとすぐに家を出た。
ほんの少しだけ希望の光が見えてきた。キョンに全て説明すればSOS団のみんなと
・・・みくるちゃんとも仲直り出来るかも知れない。
82 :
SOS団の終焉:2008/03/10(月) 01:56:54 ID:66DBd8cT
待ち合わせ場所は甲陽園駅の近くにある大きな池のある公園。木の下にあるベンチでキョンを待つ。
キョンが会ってくれると言った時は本当に嬉しかった。
けど同時に思う。みくるちゃんが告白し、それを私が邪魔したあの日。
あの後すぐにキョンに相談してればこんな辛い思いしないで済んだのかなあ・・・。
キョンはまだ来ない。私が着いてから10分も経ってないのに怖くなる。
来るって言ったのに来なかったらどうしよう?
キョンにまで見放されたら、私はもう誰も味方がいなくなる。
私のいられる場所はどこにも無くなる。怖い。独りで待つのが怖い・・・・・・。
「すまん待たせたな。」
突然後ろからした声に振り向くと、
そこには自転車から降りてこっちに駆け足でやってくるキョンがいた。
両手に缶コーヒーを二本持って。
「遅いよ・・・団長を待たせるなんて、許されると思ってるの?」
違う!私が言いたいのはそうじゃない!キョンが来たのが嬉しいはずなのにいつもの憎まれ口が出てしまう。
「悪い悪い。コンビニでコーヒー買ってて遅れちまって。寒かっただろ?あったかいぞ、ほら。」
熱い缶コーヒーが手に乗る。冷えた私の身体と心が温められる感覚。
私の為に買ってきてくれた。私を心配してくれる人がまだいる・・・。
なのに心と裏腹に口から出るのは文句ばかり。
「何よ・・・遅刻は罰金だって言ってるでしょ?こんな缶コーヒー1つじゃ許さないんだから・・・。」
何でこんな言葉が出るの?駄目、もう涙が止まらない。
「あんたはいつもそう・・・いつもいっつも遅れてばかりで・・・このバカァァァ!!」
私はキョンの胸に飛び込んで泣いた。今まで我慢してきた苦しさ悲しさが一気にあふれ出る。
キョンは何も言わず私を抱きしめた。
83 :
SOS団の終焉:2008/03/10(月) 01:58:41 ID:66DBd8cT
【キョン視点】
コンビニで缶コーヒーを買ってハルヒとの待ち合わせ場所にチャリで向かう。
場所は以前長門に呼び出された時に行ってたあの公園。
電話で聞いたハルヒの声はもうSOS団団長様の尊大さはどこにも無かった。
ただひたすら何かに怯えるか細い声。
「ごめんね、夜遅くに・・・今いいかな?」
今までのハルヒなら死んでも言わない台詞。それだけあいつは追い詰められてたんだろう。
今まで気付いてやれないなんてな。
いや、そんな言い訳してどうする俺!?
ハルヒが追い詰められて弱ってたのは知っていた。ただ知らぬ振りをしてきただけじゃねーか!
朝比奈さんへの負い目から何もしなかっただけだ馬鹿野郎!!
公園についた。ベンチに座ってるハルヒはあまりにも小さく見えた。
「遅いよ・・・団長を待たせるなんて、許されると思ってるの?」
いつもの威勢の良い罵声なんかじゃない。怯えた声、そして表情。
缶コーヒーを差し出すと、ハルヒは泣きながら俺に飛びついてきた。
ハルヒが泣く。俺は初めてこいつの泣くのを見た。いや、北高の誰も見たこと無いだろうな。
今までハルヒは怖いもの知らずの唯我独尊の団長様とばかり思っていた。
しかし、こいつはやっぱり女の子だと胸の中で泣きじゃくるハルヒを抱きしめて感じる。
本当に怖かったんだろう。俺や朝比奈さんや長門や古泉から見放されるのが。
俺はこの1週間自分のした事を振り返る。
ただ相手にしない、いじめる側からすればそれだけでもされる相手がどれだけ傷つくか。
俺達は最低のことをやったんだ。
「ハルヒ・・・ハルヒ・・・許してくれ。こんなに苦しむなんて思わなくて・・・。」
涙を流し、震えが止まらないハルヒの体を、俺は強く抱きしめた。
84 :
SOS団の終焉:2008/03/10(月) 02:01:00 ID:66DBd8cT
ようやくハルヒの震えが収まって、俺はハルヒから全ての経緯を聞いた。俺は愕然とした。
ハルヒが教科書に落書きされたりトイレで水かけられたり?俺はそんなの初めて聞いたぞ?
恐らく全部朝比奈さんの仕業だろう。それだけ告白の件の怒りが大きいという事か。
だけどこれは無いだろ?何でここまでやらなきゃいけないんだよ?ハルヒの存在全て否定するみたじゃねーか!
いや、悪いのは朝比奈さんだけじゃない。無視だけとは言え、俺たちも加担したんだからな。
「俺たちみんなどうかしちまってたんだ・・・。みんな長所短所あるのに、
お前だけ全部悪いみたく決めつけて・・・。本当にすまなかった!」
「ううん、いいよ。やっぱり私が悪いよ。今までみんなの迷惑省みないで、いっぱい好き勝手やっちゃったなあって・・・。
特にみくるちゃんは一生の思い出になるはずの初恋だったのに私がぶち壊しちゃったもん。
こんな目に遭っても仕方ないよ。」
力なく笑うハルヒ。こいつはこんなにも自分のことを反省してる。
なのにこれ以上ハルヒを突き放していい事なんか1つも無い。
「ねえキョン。月曜に私みくるちゃんにちゃんと謝ろうと思うんだ。
私仲直りしたい、元のSOS団に戻りたい。私も悪いとこ直すから・・・。
だから・・・謝るとき一緒についてくれるかな?」
「当たり前だ。お前が元通り仲良くなりたいなら喜んで協力するさ。
朝比奈さんもきっと分かってくれる。また5人で楽しくやろう!」
「キョン、ありがとう。ウウッ・・・」
ハルヒからまた涙が溢れる。俺はもう1度ハルヒの身体を抱きしめた。
「古泉と長門には今日中に言っとく。あいつらも本心じゃこんないじめ望んでるはず無いからな。
朝比奈さんには・・・月曜みんなで説得しようぜ。」
帰り際俺はハルヒにそう言った。
「ありがとう。キョンがいて助かったわ・・・。アンタに相談して良かった。」
「ま、何の取り得も無い雑用だがな。こんな時くらい団長様のお役に立てるなら幸いだぜ。」
俺の軽口にハルヒは笑う。こいつの笑う顔見たのはいつ以来だ?
やっぱりお前には笑顔が一番似合うぞハルヒ。
「・・・ふふっ、バーカ」
その時俺は全く気付いてなかった。
俺達が話をしてるベンチの後の茂みに、
ピンクの髪の小柄な影がじっと聞いていたのを・・・・・・。
85 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 08:09:12 ID:5fs1ulWn
wktk
なんか最近怖いもの見たさにこのスレを開いてる気がする。
支援
wkwktktk
>>83-84乙
ただ気になるのは「ピンクの髪」という部分で
ハルヒキャラにはそんな奴いなかったような…
ちなみに訂正するなら
みくるは栗色だ。
みwikiと勘違いしたんじゃないか?
だとしたらみくる無惨w
92 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 21:37:14 ID:DQp/gb8q
あらら
93 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 08:25:23 ID:XR3pQLfa
続きはまだなのか?
94 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:24:17 ID:gdu3zGNn
更新もまだだね…
>>84 乙!毎回楽しみにしてるz。
下手な小説なんかよりずっと良い!
ピンクの髪・・・みwikiかヒナギクだな・・・。
ハマーン
98 :
SOS団の終焉:2008/03/15(土) 01:36:03 ID:5LQDBRvb
最後の影の描写について。
はい朝比奈さんです。栗色とピンクの区別もつかないアホな俺を笑ってくれスマソ・・・。
最近集中が途切れてきたのとやや忙しかったので話が進まなくなってきたorz
とりあえず書き上げたとこだけ投下。
99 :
SOS団の終焉:2008/03/15(土) 01:40:13 ID:5LQDBRvb
【引き続きキョン視点】
ハルヒと別れ帰宅してからすぐに、俺はすぐに電話をかけることにした。善は急げってやつだ。
まずは万能宇宙人から電話することにした。
「てな訳でだ長門。朝比奈さんにもうハルヒを許してやろうとみんなで説得しようと思うんだ。
月曜の昼休みにでも朝比奈さんを全員で説得したいから、お前もその時来てくれないか?」
「わかった。」
いつも通り簡潔な返事で了承する長門。
そういや、こいつはいじめには関与しようとしてないが、止めようともしてないな。
長門までハルヒを憎んでるとは思えないのだが、
ひょっとして親玉の情報なんたらに何か言われてるのか?
「なあ長門。思ったんだが、お前の主の情報なんたらはこの状況をどう思ってるんだ?
お前達の鍵であるハルヒが苦しんでるのに助けようとか思わないのか?」
「情報統合思念体は今回の事態に対し静観を通している。」
静観だと?ハルヒが苦しんでるのを知ってて傍観を決め込むのか!?
「涼宮ハルヒはいじめと呼ばれる排外的行為を親しい人間から受け、
精神面で大きな苦痛を負っている。彼女にこれほどの揺らぎは今まで観測されなかった。
これは永い間探求し続けた進化の可能性に繋がる可能性もあると情報統合思念体は結論付けた。
私たちインターフェイスが受けた役割は、涼宮ハルヒがいじめを受け
どの様に変化するのか観察する事のみ。いじめの阻止は現在許可されていない。」
つくづく情報なんたらの非道さを思い知らされる。
要はハルヒがいじめられて傷つく様をよく見とけって意味だろ?それでも人間か!?
と怒鳴りたいのだが、実際人間じゃないしな。
長門の親玉にはそもそも喜怒哀楽という感情すら無いみたいだし。
「・・・・・・。」
それに怒鳴ったら長門が可哀想だ。こいつは親玉と違い感情がある。
多分俺にしか分からないだろうがな。長門だって本心ではハルヒを助けたいに決まってるんだ!
上からハルヒがいじめられるのを止めるなって命令されて、
逆らえずに傍観してるだけなんだ。長門もきっと苦しんでるはずだ。
あまり過大な協力は求めない方がいいな・・・。
「わかった、お前には無理強いしないよ。お前の立場じゃ何もしないのが限度だろうし・・・。
ただ、朝比奈さんに俺達が説得する時に一緒にいて欲しいんだ。
お前がいるだけでハルヒも安心するだろうし、SOS団全員でそろって朝比奈さんに訴えたいんだ。」
「・・・わかった。」
「そうか、ありがとな長門。助かるぜ。」
「いい。」
本当はハルヒをいじめから助ける場面に同行するだけでも、
情報なんたらへの背任になる可能性だってあるのに長門は協力してくれた。
それだけでも感謝しよう。
「大丈夫だ。朝比奈さんもきっと分かってくれるさ。」
「気をつけて。」
「何がだ?」
「朝比奈みくるは貴方が思ってる以上に狡猾で冷酷。中途半端な説得では失敗する可能性が高い。」
長門との電話を切ってから俺は溜息をついた。やれやれ・・・狡猾で冷酷ねえ。
確かにあんな非道な一面が朝比奈さんにあったなんて未だに信じがたい位なんだが、
それは言い過ぎってもんじゃないか長門よ。
所属してる立場は宇宙人に未来人と全く異なるが、それでもSOS団という同じ釜の飯を食ってきた仲だろ。
もう少し朝比奈さんを信じてやれ。とりあえず長門が参加してくれて良かった。
さて、次は超能力者にかけるとするか。
100get
【みくる視点】
「ミッ♪ミッ♪ミラクル♪みっくるんるん♪」
鼻歌交じりに自宅に戻る私。
コンビニで買い物した帰り道、面白いもの見せて貰っちゃいました。
キョン君が自転車で近くの公園に走っていったの。
何だろうと思って公園のしげみからのぞたら誰かと話してる。
よく見たらそれ、私の最も忌み嫌う女、涼宮ハルヒだったんです。
最後まで全部見ちゃいました。涼宮がキモ面してギャアギャア泣き叫んでたっけ♪
さすがの電波女も相当私のいじめが堪えたみたいです。ふふふっ、嬉しいなあ。
けどキョン君ったら可愛い♪涼宮を抱きしめて「朝比奈さんをみんなで説得しよう!」だって。
熱血丸出しなんて今時流行らないですよ。
けど、やっぱり最初に私を裏切って涼宮に肩入れしたのはキョン君だったなあ。
キョン君は何だかんだ言って涼宮が好きだもんね。傍目から見ればバレバレw
私は部屋の押入れを漁る。今頃キョン君は古泉君や長門さんに電話してるはず。
SOS団全員で私にいじめを止めさせる為に。けど・・・
「ふふふ・・・そうはさせませんよキョン君♪涼宮ハルヒには徹底的に地獄を味合わせるんですから・・・・・・。」
私は押入れの奥にあった金属バットを取り出して1人笑った。
うわー、この展開、何だか凄いな。
wktk
103 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 12:38:12 ID:8Olt3D+p
あれ?
続きをお願いします。
落ちませんように
続き希望
108 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 16:19:01 ID:2NL278S7
涼宮ハルヒ消失までしか読んでなくても
SS書いていいですか?
110 :
俺バージョン:2008/03/17(月) 18:44:53 ID:cNCebrQP
【みくる視点】
バットを手に持つがふと閃く
「涼宮さん、今までとても辛かっただろうし、もうやめにしようかな…」
とみくるは言い自宅を出た。
どこに行ったかと思えば、着いた先は………ホームセンターだった。
早速、店内に入り品定めをする。
「ん〜、これは高いな〜。ん〜諦めよう…」
「そうだ!これにしよう♪」
手に取ったのは…
鉈だった。
(ちなみに最初に見てたのはチェーンソー)
「5980円になります。ありがとございました」
店員からお釣りを受け取ると、店を出て帰宅する。
「えへへ、ちょっと高いけどいろいろ割引してたから定価より安く買えちゃった〜♪」
帰り道はルンルンだった。鉈を持ちながら鼻歌を奏でる。はたからみればかなり狂乱している様にみえる。
シャッシャッシャ…
家に着くなり、研石と水を用意し買ってきた鉈を研ぐ。
「涼宮さん私が全部終らせてあげる。あなたの人生を(ニヤリ)」
みっみみらくるみ〜くるんるん♪と言う歌と共に研ぐ音がこだまする不思議な夜だった。
どうでしょうか?かなりベタベタな展開です。批判の嵐が来る事は覚悟してます。
なんかギャグSSみたいなフレーズがたまに入るけど、
笑顔のまま狂ってく演出として秀逸だとおもう
他の未来人たちは何やってるんだよw
どうも》110です(^-^)/
ここに来てからまだ三日なのでSSとはなんですか?
》111さん
ありがとう。
》113さん
全くの別人だよ。見比べる時は俺の方が改行が多い所を注意して見てね。(携帯から投稿してるからPCでどう表示されてるかわかりませんが…)
スク○ズの言○とひぐ○しの○ナを足して2で割った感じに仕上がりましたね…ほ〜んとベタベタ…
俺が投稿したのは、あくまで
アニメでいうとOVA的な物です
(本編と関係無いっていうか、パラレル的な)
好評だったらまた更新したいと思います。
115 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/18(火) 00:40:22 ID:rr2Y3UqS
どうも》110です(^-^)/
ここに来てからまだ三日なのでSSとはなんですか?
》111さん
ありがとう。
》113さん
全くの別人だよ。見比べる時は俺の方が改行が多い所を注意して見てね。(携帯から投稿してるからPCでどう表示されてるかわかりませんが…)
スク○ズの言○とひぐ○しの○ナを足して2で割った感じに仕上がりましたね…ほ〜んとベタベタ…
俺が投稿したのは、あくまで
アニメでいうとOVA的な物です
(本編と関係無いっていうか、パラレル的な)
好評だったらまた更新したいと思います。
人の書きかけの作品勝手に続き書いて台無しにすんな、アホ。
過疎ってる手前、人はどんどん来て欲しい所だけど、お前みたいなのが来ると
なると考え物だし、何だか悲しくなるな…
わざとやってるにしても、本気でやってるにしても、幾ら何でも酷すぎだろ…
出来れば前者である事を願う。
とにかく貴様はこのスレに二度と書き込みをしないでくれ。お願いだから。
110です(^-^)/
》116 お前俺のレス見たか?
「あくまでパラレル的な物」って書いたよな?
まぁ俺が書いた奴なら誰でも書けるけどな。
まぁ後は来ねぇからなんとでも言えるけど…
まさか「荒らし」って、叩かれるかねぇ〜別にいいけど
》117 わかった。二度と書き込みしません(^-^)/
病んでるスレだな・・・
おいおい…
121 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/18(火) 08:35:35 ID:vtwlxTc/
何かこのスレ空気悪い
>>118 貴方は2ちゃん自体初めてかい?
出来れば
>>2をよく読んでから来てほしかった所だが。
SS投稿のマナーや、基本事項は、ぐぐれば必ず出てくるはずなのでそこを見ておくれ。
他人の作品を引用して書く場合、書き手の許可を得てからやるもんなんだよ。
勝手にヘソ曲げてるようだが、「批判を覚悟してます」って自分で言うてるじゃないか・・・。
それからアンカーレスは 》じゃなくて、>> ね。
当初執筆していた人はどうしたの?
いつからここは住人が勝手に続きを更新しあっていいスレになったんだかw
元の投稿者がきちんと話をまとめてから一気に書いてくれればこうはならんのに。つうかそれが出来ないなら投稿すんな。
閉鎖空間が発生したようですね
投下中?まだ未完のものがあるみたいだけど投下大丈夫か。
長門いじめの書いたんだけどさ。
127 :
長門いじめ:2008/03/18(火) 23:31:37 ID:tBlV9V/J
迷ったんだが、いーや。投下するぞ。
初めてだったんでちょっと甘いかもな。機会があったら救いのない奴が書きたい
放課後、普段のわたしなら真っ直ぐに部活に向かう所をお手洗いへと足を運んだ。情報総合思念体のわたしには必要ないものだけれど、ヒューマノイド・インターフェースであるわたしの体は生理的にそれを訴えていた。
用を足し終え、扉を開こうをすると、扉が開かない。壊れた訳ではない、とわたしは推測する。
扉のノブを掴むがガチャガチャと鳴るだけで、開かないのは人為的な理由に拠ることが分かったから。扉の向こうでは人の手によって扉が開かないようにノブが固定されている。また、『いじめ』というものかとわたしは悟る。
128 :
長門いじめ:2008/03/18(火) 23:32:35 ID:tBlV9V/J
またかと言うのはこれが初めてではなく、前にもこういった事を認識しているから。
初めは学校に登校すると、机の中にぎっしりとゴミが詰まっていた。休み時間に席を外すと鞄の中にしまってあった筈のノートや教科書に「根暗」、「調子に乗ってるんじゃねーよSOS団」とマジックペンででかでかと書かれていた。
授業中、消しゴム等の小さな獲物がわたしの頭を目掛けて飛んでくる。飛ばした相手へと視線を向けると、クラスメートの女子達がにやにやと笑って「本当にうざいよね、SOS団。特に涼宮!」と陰口を小声で叩いていた。
わたしは、推測する。彼女達はSOS団、特に涼宮ハルヒに不満を持っているものも本人には言えず、比較的大人しく見える外見をしているわたしをいじめのターゲットにしたもよう。
しかし、そう推測したものも彼女達を理解は出来なかった。何故SOS団や涼宮ハルヒを気に入らないのか、そしてその結果わたしをいじめようと思ったのか。涼宮ハルヒに直接手を下さないのは分かる。報復が怖いからだ。
けれどいじめというのは相手に嫌悪の情を抱いたりして、発生するものだとわたしは認識している。 わたしは彼女達に何もしていない。それなのに彼女達はわたしをいじめる。預かり知れぬ所でわたしが彼女達に危害を加えたというのか。
そんな風に色々と推測を立てる事も出来るけれど、わたしは彼女達の事を理解しようとは思わなくなった。それは情報総合思念体としてのわたしじゃなく、わたしという個体が拒否しているからだ。理由はこれもまた不明。
129 :
長門いじめ:2008/03/18(火) 23:36:04 ID:tBlV9V/J
ばしゃり。
その音ともに頭上から大量の水が降ってきた。バケツいっぱいに満たされた水を向こう側から掛けられたのだ。
一回で終わる事もなく、合計六回ほど水浴びをした。そしてわたしは濡れ鼠となる。セーラー服はたっぷりと水を吸って重くなり、下着までもその被害にあいびしょびしょとなった。
ようやく開放された扉を出るともう彼女達は出て行った後で、わたしも同様にお手洗いから外に出る。すると廊下には水が滴って私が歩いた跡が出来る。
出来た小道を眺めがらわたしは予定通りに部室に行くかを悩む。
今までのいじめはわたしひとりで対処(例えばごみはゴミ箱に投じ、教科書の落書きは消せるものは消しゴムをかけて)をしてきたからSOS団のメンバー達に知られることもなかった。わたしには友達というものもなかったので他のクラスに伝わることもなかったのだ。
しかし、今のずぶ濡れのわたしを見たら何かしら気付かれるに違いない。鋭い涼宮ハルヒはいじめを察するかもしれないし、それに、あなたに気付かれたりしたら。わたしは、何を、とは言えないが説明が出来ない。
130 :
長門いじめ:2008/03/18(火) 23:37:52 ID:tBlV9V/J
その時、丁度、わたしの目の前にあなたが現れた。わたしが使ったお手洗いは部室に行くまでの途中にあるものだったから、部室に行こうとしたあなたは此処を通る。よぉとあなたはわたしに挨拶をして、直ぐにわたしの異変に気が付いて慌てて駆け寄ってきた。
「どうしたんだ!?長門」何もない「何もないじゃないだろう!さ、寒くはないのか」(そう言われれば寒いかも知れなかった。今の季節は冬というもの。廊下を通り抜ける北風が私の身体に鞭を打つ)平気。問題ない。
「そんな訳ないだろう!」
真剣に怒るあなたを目の前に見るのは久しぶりの事だった。本当に私は平気で、そう言ってるのに、わたしはあなたに怒られてしまった。
「とにかく寒いだろ。今日はお前、帰れ」
わたしが言うことに耳を傾けず無理矢理手を掴んで来た道を戻ろうとする。それはわたしの意志を聞かんとするものだったが、わたしは抵抗しない。
あなたが何故肩を震わす程に怒っているのか、それもまた未知なことだったのだが不思議と彼女たちの事とは違い、理解したいと思ったから。
あなたの手のひらが特別にあたたかく感じる理由をわたしは知りたい。
終わり
タイトル「虫歯」
ハルヒ「痛っ、痛たたたっ!!」
キョン「?、どうしたんだ?、ハルヒ」
ハルヒ「うん、左の奥歯のほうが痛いの。虫歯かな…」
キョン「だったら、その虫歯、歯医者に行かずに、俺が治してやるぜ!!」
ハルヒ「え?ほんと!?」
キョン「あぁ、まかせと・け!!」バキッ!!
キョンはハルヒの顔の左の奥のほうにアッパーカット。
その衝撃にハルヒはテーブルの角に頭をぶつけて倒れ、また、左の歯が3本ほど飛んだ。
ドサッ
倒れた直後、キョンは飛んでいった歯のほうにいった
そこで1本の穴のあいた歯を見つけこう言った。
キョン「ハルヒ、良かったな!!虫歯が取れたぜ!!」
しかし、ハルヒの返事はない。
キョン「おい、何寝たふりしてんだよ!!」
何度揺さぶってもハルヒは起きない
キョン「ウ…、ウソだろ?俺がハルヒを殺したっていうのか?
う、う……、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
キョンは部室から飛び出して逃げていった
BAD END
みんなも虫歯には気をつけような〜
落ちが思い浮かばない
わけわからんw
え〜・・・しばらくぶりに来たら荒れ気味だが申し訳ないです・・・。
文章表現に神経使いすぎて思うように進まなかったので。
今日は一気に投下します。
その前に
>>130>>132乙です。
【古泉視点】
「そうですね。では月曜日の昼休みに屋上で集合しましょう。
念の為、当日朝打ちあわせしてもいいかも知れませんね。はい、では。」
彼からの電話を切る。内容は無論涼宮さんへのいじめの件。
SOS団みんなで朝比奈さんを説得しようという彼の提案には僕も賛成です。
もっとも、もう少し早く決断して頂きたかった気もしますが。
僕も長門さんも朝比奈さんに口をはさめないので、
彼に先頭に立って説得してもらうより他手段は無かったのですから。
何はともあれ、この1週間続いた涼宮さんへのいじめにピリオドが打てそうです。
素直に嬉しいです。機関の一員としてではなく、SOS団副団長として。
北校に転校してSOS団に入った当初はあくまで機関から派遣された監視役でした。
しかしそれからすごした1年半の歳月はSOS団を僕にとって機関以上の大切な存在に変えていました。
そのSOS団が今崩壊の危機にあります。何としてもそれは避けたい、いえ避けなければなりません。
僕や長門さんと違いごく一般人の彼に頼ってばかりなのは心苦しいのですが、
これでSOS団も涼宮さんも救われると僕は信じています。
そう考えると、この1週間溜まっていた憂鬱な気分が解消されるのが分かります。
明日土曜日に行く予定だったデート、こんな時に行くのは不謹慎と彼女に断っていたのですが、
事態が解決に向かいだした以上行ってみるのもいいかも知れませんね。
おっと、すみません。みなさんに今まで伝えていませんでしたね。
実は僕はつい最近恋人が出来ました。
誤解なさらないで下さいね。男性同士ハッテン場に出掛けるわけではありませんので。
ちゃんとした女性ですよ。
近頃掲示板でも動画でも僕がガチホモだというのが定説となっていますが、
勘違いも甚だしいと申し上げておきます。
僕は確かに超能力者ですが、それ以外はごく普通の健全な男子高校生です。
恋愛の1つくらいしますよ。
さて、というわけで彼女に改めて土曜日デートの申込みをしましょう。
【ハルヒ視点】
土日が過ぎてまた月曜日。私は1人家を出る。正直まだ怖い。
土曜日キョンが電話で有希も古泉君も仲直りしたがってると聞いたわ。
みんなでみくるちゃんを説得していじめを止めようって。
これまでの様な酷い仕打ちが無くなるのは嬉しい。
でも、いじめが無くなったとしても、SOS団のみんなと元通りやっていけるのかしら?
特にみくるちゃん。卒業まで後半年で忙しくなる時期なのに仲直りできるのか心配。
他の団員にしても、今回のことが尾を引いてぎこちなくなるかも・・・。
そんなの嫌だ!
「ようハルヒ」
学校への坂道にさしかかる手前で声がした。振り返るとそこにキョンがいた。
「あ、あんた随分早いわね。」いつものこいつなら遅刻ギリギリ。
私と同じ時間に登校することは無かったのに?
「い、いや。たまたま早起きしちまってな。家にいてもすること無いからこんな早く出ちまったよ。
んで坂道でお前の後姿が見えたから、なんとなーく声かけた、と。」
やけにあたふたとするキョン。何赤くなってんのよ?大体早起きしたって言う割には寝癖残ってるし、
制服も慌てて着たって感じがする。しかも坂道の手前でまるで待ち構えてた様に声かけて・・・ん?
待ち構えて?もしかして・・・・・・。
「えーっとだ、朝早くいきなりお前のやかましさに付き合わされるのも癪だが、
会っちまった以上仕方ない。一緒に行くか?」
キョン・・・私が1人でいるのが不安なの分かってこんな早くに待ってた?
「何よやかましいって!団長に対して無礼の極みだわ!しょうがないわね、お供させてやるわ!!」
「へいへい団長様。」 ありがとう・・・キョン・・・。
1時間目の授業が終わるとキョンが振り返り話しかける。
こんな今まで当たり前だった日常すら久しぶりだ。
「ハルヒ。古泉に朝比奈さんを呼び出すときの打ち合わせとかしたいから、ちょっと古泉の教室に行ってくる。」
「あ、私も行く。」
「いやお前はいいよ。2人で話がしたいからな。」
そう言ってキョンは教室を出て行った。
普段の私なら団長に隠し事なんてと怒るんだけど、今はキョンに任せておこう。
【キョン視点】
俺は今朝普段より1時間早く家を出て坂道でハルヒを待っていた。もうハルヒを1人にしないと決めたからな。
あいつ会った瞬間安心しきった顔してたな。やっぱり今まで1人でいたのが相当心細かったんだろう。
その癖、口では「お供させてやる」なんてえばり散らしてたがな。もう少し素直になれないものかハルヒよ。
もっともあいつはあの位偉そうなのが丁度いいのだが。
今俺は古泉の教室の前にいる。今日ハルヒと朝比奈さんを和解させるんだが、
朝比奈さんの怒りは相当なものだろうから念を入れて打ち合わせたい。
ハルヒを連れて来なかったのは閉鎖空間の話題とか本人に聞かれたらまずい内容もあるからだ。
しかし・・・古泉の席ってどこだ?あいつの姿が全く見えないんだがトイレか?
「すみません、古泉に会いたいんだけど席どこかな?」
たまたま近くにいた女子生徒に聞いてみる。
「古泉君?今日は来てないわよ?」
え・・・?古泉がいない??
馬鹿な!あいつ金曜電話した時は必ず参加するみたいなこと言ってたぞ。
「今朝先生が欠席って言ってたわ。本人から連絡なかったみたいだけど・・・」
学校にも言わずに?どういう事だ?何か緊急事態でも発生したのか?閉鎖空間とか?
いやしかし、今のハルヒはいじめから開放されて心底安心しきってるはず。
大体何か起きたのなら俺に電話の1つでもくれていいはず。
俺はとっさに携帯を取り出し古泉に電話する。
プルルルルル・・・プルルルルル・・・
出ない。電波が届いてるから閉鎖空間ではない。しかし待っても古泉は出ない。
仕方なく俺は電話を切りハルヒの待つ教室に戻っていった。
「キョン、古泉君何だって?」「今日あいつは欠席だと。」
俺は簡略に答えて話しを打ち切る。後で「休み?なんで風邪?」と聞いてくる声がしたが
答える気にはならなかった。またハルヒを不安にさせ兼ねんが、俺自身が動揺していたからだ。
古泉、一体どうしたんだよ・・・・・・。
ハルヒと普通に話せるようになった最初の日。良かった事と悪かった事が1つずつあった。
まず良かった事。今日1日朝比奈さんによるハルヒへのいじめは無かった。
今までの様な上履きに画鋲だの教科書に落書きだのは一切無かった。
これは朝比奈さんの方もいい加減ハルヒと仲直りしたいという意思の表れか、
それとも単に俺がずっとハルヒのそばにいるので手を出さなかったのか?
楽観的に前者だと思いたいのだが、これまでの朝比奈さんの冷徹さからして多分後者だろう。
だとしても、ハルヒに一切害が及ばなかったのは幸いである。
おかげでハルヒにもわずかだが笑顔が見られるようになった。
次に悪い事、と言うべきだろう。古泉と連絡がつかない。
あれから何度も電話してるのに1度も出ない。着信はしてるんだから気付いてるはずなんだが、
返事さえよこさないってのは幾らなんでも変じゃないか?
あいつの身に何かあったのではと不安になる。とにかく、朝比奈さんにはSOS団全員で説得しようという話だったので、
古泉がいない以上明日以降に説得はお預けとなった。
仕方ない。今日は帰ろう。
下校もハルヒと一緒だ。朝比奈さんと仲直りするまでは出来るだけハルヒのそばにいることにしたからな。
本当は久々に部室にも寄りたかったが、朝比奈さんがいるかも知れない今ハルヒを連れていかない方がいい。
「ねえキョン、古泉君どうしちゃったんだろうね。」
不意にハルヒが口を開く。
「今まで無断欠席なんて一度も無かったのにね。SOS団のミーティングや不思議探索でも、
あんたと違って1度も遅刻しなかったのに・・・心配だよ。」
一言余計だが、ハルヒの顔に再び不安が浮かぶ。
「大丈夫だ。明日になればきっと古泉も来るよ。」
確証は何も無いが、ハルヒを元気付けてやる。
「早くみんなと仲直りしたいのに・・・。」
やれやれ古泉よ。ハルヒがこんなに不安そうなのにお前は一体何をやってんだ?おい。
その晩もう1度だけ古泉にかけた。やはり返事は無かった。
火曜日。1時間目が実験なので教室を移動した。その帰り道の事だった。
「ねえキョン、今日も古泉君来てないのかしら?」
「わからん。次の授業が終わったらまた古泉の教室に・・・」「キョン!あれって!」
突然ハルヒが指差した方向。そこには廊下を1人歩く古泉の後姿があった!
「古泉君!」ハルヒが駆け寄る。俺も後に続く。
あの野郎、全然連絡取れないから何があったのかと心配したじゃねーか!
古泉が俺たちに気付き振り向く。「おい古泉、昨日なんで電話に・・・」次の瞬間、
ドカッ!!「キャッ!」
ハルヒが勢い良く倒れる。あまりの出来事に俺は息を呑んだ。
古泉が思い切りハルヒの腹に蹴りを入れたのだ。
いきなり蹴りを食らったハルヒは腹を押さえて倒れこむ。辺りが静まり返る。
「お、おい古泉!何を!?」
そう言って古泉を見て俺はギョッとした。倒れたハルヒを見下ろす古泉の目。
いつものさわやかスマイルは消えて、そこには怒りに満ちた表情があった。
「・・・・・・。」
古泉は俺に一瞥くれると何も言わず立ち去っていく。追いかけようと思ったがやめる。まずはハルヒだ。
大の男に、しかも仮にも超能力者野郎に全力で蹴りを入れられたハルヒは倒れたまま咳き込んでいる。
「ハルヒ!大丈夫か?」
「な・・・なにこれ・・・何で古泉君が私を蹴るの?何がどうなってるのよ・・・?」
分からん、分からねえ!こっちが聞きたいくらいだ!
一緒にいじめを止めて元のSOS団に戻ろうと話してた古泉が何故?
1つだけ分かること。金曜の晩最後に古泉に電話してから今日までの間に何かあったのだ。
それも俺達にとって良くない何かが・・・。
【ハルヒ視点】
昼休みになってもお腹の痛みが残る。蹴られた行為そのものよりも、
蹴った相手が古泉君だという事実が私を苦しめてる。
どうして?古泉君はいじめには反対してたって、
みくるちゃんと仲直りすることにも協力してくれるってキョンが言ってたじゃない!
当のキョン自身も古泉君の豹変に動揺してる。もう訳が分からない!
私が教室でうずくまってるとキョンが教室に戻ってきた。
「ハルヒ、今廊下で朝比奈さんに出くわした。いや多分俺を待ち伏せしてたんだろう。
ハルヒと一緒に屋上に来てって言ってた。」
「みくるちゃんが?どういう事?」
「俺にも分からん。とにかく行こう。古泉の件も何か知ってるのかも知れないし。」
行きたくない。こんな時に向こうから呼び出すんだ。絶対何かみくるちゃんは企んでる。
でも行かなきゃ。これをのり越えなくちゃSOS団は元にもどらないから・・・。
屋上にはみくるちゃんだけでなく古泉君も有希も、SOS団全員がそろっていた。
かつて親友の絆で結ばれていた5人が今睨み合っている。
みくるちゃんだけは薄笑いを 浮かべているけど・・・。
「どういう事だ古泉!?お前もハルヒと仲直りしたいって言ってたじゃねーか!!」
キョンが激しくまくしたてる。
「ええ確かに電話した時はそのつもりでしたが、気が変わりました。僕は朝比奈さんを支持します。
いえ、言い方が悪いですね。正確にはここにいる最低な女、涼宮ハルヒを僕は絶対に許さないということです!」
そういう古泉君の表情はさっきと変わらない怒りが露になったまま。
「そんな・・・なんでだよ?何で急に!?はっきり説明しろ!」
みくるちゃんだけでなく古泉君まで私に敵意をむき出す状況に1人必死で食い下がるキョン。
私はそんなキョンが可哀想に思えてくる。私の為に・・・。
「そこまでおっしゃるのなら御説明しましょう。この女は・・・
僕の・・・僕の彼女に暴行を加えたんですよ!それも金属バットで!!」
えっ・・・・・・?
「あの日、と言えば勿論貴方も分かりますよね?金曜の晩に貴方が僕に電話した日です。
その日の夜、涼宮ハルヒは僕の彼女を人気の無いところに誘い込んでバットで殴打しました。
彼女は手足と肋骨を折る重傷です。」
何それ・・・私そんなことやってない!大体古泉君に彼女がいたこと自体初めて聞いたわよ。
それにその日の夜なら私・・・。
「何言ってんだ古泉!ハルヒがそんな酷いことするはず無いだろ!だいいち金曜の晩、ハルヒは俺と会って・・・あっ」
キョンはそこまで言ってからしまったと言うように口をつぐむ。
それを聞いてみくるちゃんが冷たい笑みを浮かべた。
「へえ〜・・・キョン君、私に隠れて勝手にその女に会ってたんでしゅね〜♪」
「違うよ!古泉君、私そんなことしてないよ!」
これは絶対罠よ。私を陥れる目的で・・・。
けれどかつて無い怒りが全面に押し出された顔の古泉君は聞く耳を持ってくれない。
「だまれ!!僕がただの憶測で言ってると思ってるんですか!?
僕は彼女自身から貴方の犯行だと聞いたんです!」
彼女自身?誰なのそれって??
「意識を取り戻した彼女から全て聞きましたよ。11時頃に予備校からの帰りで夙川の土手沿いを歩いてたら
涼宮ハルヒに出会った。話があるからと土手の人気の無い場所に連れてこられて、
いきなり背後からバットで足を殴られた。倒れたところへ更にバットで身体を何度も殴打され動けなくなった。
そしてこの女は最後にこう言ったそうですよ。『あんたの彼氏の古泉君に私はいじめられている。
これはその復讐よ。SOS団団長に逆らった見せしめ。恨むなら古泉君を恨みなさい。』ってね!
彼女は涼宮ハルヒをよく知ってる人物です。間違いはありませんね。」
最後に古泉君は私をはっきりと睨みつけて言った。
「確かにこの1週間貴方を無視したのは悪いです。
しかし・・・だからといって無関係の僕の彼女に手をかけるなんて・・・貴方はそれでも人間なのか!!」
頭の中がぐるぐる回る。のどの奥がピリピリする。みんなの顔が歪んで見える。
まともに立ってられない・・・。
何もかも狂ってる。今まで聞かされてる事は全て見に覚えの無い事ばかり。
なのに、あたかもそれが真実であるかのような雰囲気。
もう私には反論する力も消えていた。そんな私をただ1人かばい続けるキョン。
「ま、待て。何て言うか・・・その話おかしくないか?
大体、ハルヒを良く知ってるって、お前の彼女って誰・・・」
「そんなことどうでもいいでしょう!
それより貴方はさっき涼宮ハルヒに当日の晩に会ったとおっしゃいましたよね?」
「それがどうした?」
「貴方が僕に電話したのが9時でしたから、涼宮に会ったのはそれより前、
つまり事件より2時間以上前になる。涼宮ハルヒにアリバイはありませんよ。」
キョンも言い返せなくなっていた。横でやり取りを聞いてたみくるちゃんがクスクス笑う。
「本当に酷い人でしゅね涼宮さんは♪私達への仕返しに何の関係も無い女の子に暴力振るって
見せしめなんて♪私の告白相手には罵声を浴びせて追い出すし、人間として最低の種類でしゅね♪
こんな屑人間、生きてる価値ないと思いまーしゅ♪」
「全くですね。僕はこの女は絶対許しません。SOS団の副団長は今日限りで辞任します。
いえ、そんなもん最初から無しにしたいくらいですよ。」
私は屋上のフェンスにもたれかかる。今朝まではやっとみんなと仲直りできると信じていたのに・・・
結果はより悪く、最悪の方向に向かってるじゃないの・・・。キョンが私に駆け寄る。
「ハルヒ・・・」
「私じゃないよ・・・私そんなことやってないよ・・・。」
「分かってる!俺はお前を信じてる。」
そう言ってるキョンだけど、明らかに動揺を隠せないでいる。
キーンコーンカーンコーン♪チャイムが屋上にも鳴り響く。
「みなさん、そろそろお昼休み終わりでしゅよ、教室に帰らなきゃ♪」
笑顔のみくるちゃんはスキップしながら去っていった。
「それでは僕もこれで失礼します。ああ、それと最後に・・・」
そう言うと古泉君はキョンの胸倉をつかんだ。
「これ以上涼宮ハルヒの肩を持つなら、貴方も僕の敵として扱います。それでは。」
【キョン視点】
俺は何も言い返せなかった。有り得ないハルヒの暴力。それが真実かの様に振舞う朝比奈さんと古泉。
古泉は乱暴に手を離すと階段を降りていった。
胸倉をつかんでだあいつの目、あれはハルヒに向けていた目と全く同じだった。
憎しみだけに支配された目。ハルヒは座り込んだままだった。
「ハルヒ、大丈夫だ!俺が絶対誤解を解くから!な!」「もういいよキョン・・・。」
そう呟いたハルヒの目を見て愕然とした。今までの悲しみや寂しさといった感情が消えたうつろな目。
それは全てに絶望した目だった。立ち尽くす俺を横目にハルヒは階段を降りていった。
くそっ!どうして、どうしてこんなことに!?屋上に残ってるのは長門だけ。
「長門!俺にはもう訳が分からねえ!何がどうなってるんだ!?」
「私は忠告した。朝比奈みくるに中途半端な説得では失敗する可能性が高いと。」
「説得すら出来なかったじゃねーか!何で古泉までが敵対するんだ?」
「・・・・・・。」長門は答えない。
そういや、こいつも親玉に手を貸すなと言われてたな。だがこのままではハルヒが危ない。
SOS団の存続どころか、ハルヒ自身が自殺しかねない。助けられるのはもう俺しかいないんだ!
だが、俺には分からないことだらけだ。こいつは俺の知らない事も知ってるはずだ。
「長門・・・最後の頼みだ。ハルヒを助けるのを急力しろとは言わない。
せめて、今回の事件の正体だけでいい、教えてくれ!」
しばらくの沈黙の後、長門は静かに頷いた。
手は貸せないが、こいつも本心ではハルヒを助けたいのだろう。それから長門は事件の真相を語り始めた。
「今回の事件は全て朝比奈みくるが仕組んだもの・・・。」
【古泉視点】
事実上のSOS団脱退宣言をした僕は、帰り道まっすぐに病院に向かいました。
面会した時、丁度彼女は眠っていました。起こすのも可哀想なので傍らに腰掛け寝顔を眺めます。
僕の最愛の女性、橘京子を・・・。
彼女と初めて会ったのはいつだったでしょう?初めは敵同士でした。いや、厳密には今もそうなのですが。
僕は涼宮ハルヒを世界の神とする機関、彼女は佐々木という女性を神とする組織に所属。
両組織は互いに相反しており、全く相手の主張を受け入れない冷戦状態が続いています。
そんな敵対組織の幹部の中で唯一と言っていい話が通じる相手が京子でした。
僕は何度か敵対組織との交渉役として派遣され京子と対話しましたが、
彼女は他の幹部と違い、いつもこちらの主張を丁寧に聞いてくれていました。
双方の溝が埋まる事はありませんでしたが、そんな彼女の優しさに次第に僕の心は揺り動かされました。
まあ、その彼女の優しさが天蓋領域やポンジーをまとめられない一因とも言えるのですが・・・。
そして何度か会うにつれお互い惹かれあうようになり、今年の夏頃に交際する様になりました。
SOS団にも機関にも秘密で。それからの数ヶ月間僕は幸せの頂点だった。
それなのに・・・・・・あの女、涼宮ハルヒがそれを壊した。
脳裏に金曜の事件の事が蘇る。
あの晩、彼との電話を終えてから京子にデートの電話をした僕。
その時出た彼女の消え入りそうな悲痛な声が今も耳に残る。
『苦しい・・・助けて・・・。夙川の土手にいるの・・・動けない・・・。』
僕が取るものもとりあえず家を飛び出し夙川に着いた時、京子は全身傷だらけで意識を失っていた。
敵対組織の幹部という彼女の立場も忘れ僕は機関所属の病院に彼女を運んでいった。
当然両組織に僕達の交際はばれた。
機関は敵対組織に治療費は全面こちらで工面するかわりに一切警察には口外しないという条件で折り合いをつけた。
警察が関わると互いの組織の事まで調べられる恐れがあったからだ。
敵対組織の中には闇討ちしたのは機関じゃないかと疑う者もいて、機関とは緊張関係が続く。
「貴方も辛いでしょうけど、橘さんはきっと助かるわ。」
森さんの一言にどれだけ救われたか・・・。元は僕達が隠れて交際したのが原因だ。
機関の立場を危うくしたと怒られても仕方ないのに、僕の事を気遣ってくれたのだ。
一晩の集中治療でようやく京子は意識をとりもどした。
当分入院が必要だが、命には問題ないと聞き涙が流れた。
しかし翌朝目を覚ました彼女から聞いた事実はショック以外の何物でもなかった。
襲ったのは涼宮ハルヒ、原因は僕のいじめに対する報復。
普通なら信じられない。しかしかつて機関の調査の際、涼宮も調べ顔を良く知ってる京子が見間違えるはずはない。
何より僕の最愛の女性が嘘をつくはずもない。
考えたくも無い現実が僕を襲う。
京子に重傷を負わせたのは涼宮ハルヒ。
確かに僕は彼女を無視した。しかしだからといって無関係な京子をこんな目に遭わせるのが許されるのか?
僕はこんな最低な女の下で楽しんでいたのか?SOS団の副団長として過ごした結末がこれか?
そう考えるとSOS団でのうのうとしてた自分自身にも怒りが湧く。
その夜、僕は自室で1人酒を食らった。
土日が過ぎ月曜になったが、学校に行く気にはならず1日病院で過ごした。
全身包帯の京子はそれでも優しく微笑み「またデート行きたいね」と言ってくれた。
僕らSOS団が原因でこうなったのに、僕を責める素振りは全く見られなかった。
夜気付いたら、携帯に彼の着信が散々あった。
どうせ今日来なかった事と涼宮ハルヒの件だろう。
知ったことか。もうSOS団などどうでもいい。いや、むしろ関わりたくもない。
僕の京子をこんなにした元凶。そうだ明日はっきり脱退すると伝えよう。
涼宮の監視が出来なくなるが、それは他の北校にいる機関の人間で十分だ。
脱退の際、涼宮に一発蹴りくらいはいれてやろう・・・。
延々続いたが、次回で最終回。土曜日までに必ず投下します。
>146
乙。
リアルタイムで読めて嬉しいな。とても良かった。
金属バットをこう使ってくると思わんで、良い意味で期待裏切られたw
まだ気になることもあるし、最終楽しみにしてる
>>146 乙
まさか古泉がここまで豹変するとは。
予想外でキャラがたくさん出て来たし
それにしても、弱々しいハルヒがここまで萌えるもんだとは思わなかった・・・。
古泉(というか橘)をどうやって騙したんだろ?
続きが気になって仕方が無いぜ!
乙!
泉こなたがバットで殴打したんじゃね?
声で判ったとか
(≡ω≡.)あんたの彼氏の古泉君に私はいじめられている。
これはその復讐よ。SOS団団長に逆らった見せしめ。
恨むなら古泉君を恨みなさい。
>>155 春日部からご苦労です
電車賃かさんだでしょう
ラストは、ぶち切れたキョンが朝比奈さんをバットで殴り倒すんだけど、
なぜか間違えてハルヒを殴ってしまい、ハルヒ死亡。キョン少年院行きぐらいの奴で頼むね。
久々に来てみた。というわけで作品投下してみる
一気に投下するわけじゃないから、気長に待って暇つぶし程度に読んでくれると嬉しい
じゃ、始めるわ
あぁ、めんどくせぇ。ったくやってられっかよ。
俺は今、誰もいない放課後の教室で一人黄昏ている。普段ならSOS団本部もとい文芸部室へ赴かなければならないのだ
が、とてもそんな気にはなれなかった。部室に行ったとしてもロクな事が無いしな。あいつに話してつくづく身に染みたぜ。
良い事と言ったらただ一つ。朝比奈さんのメイドコス姿ぐらいだ。こんな所で自分の性癖を語るのも変なのだが、どうや
ら俺はポニーテール萌えだけでは無く、メイド萌えの気もあるらしい。恐らくメイド萌えは後天的なものだ。朝比奈さんの
あんなに可愛らしいメイド姿を目の当たりにして、メイド属性が付加されないハズがない。
今日も俺の荒みきったこの心に潤いを与えたいのだが、その潤いも僅かな時間しか得られない。なぜなら文芸部室にはSOS
団の団長様こと、涼宮ハルヒがいるからだ。ハルヒの手に掛かれば、朝比奈さんから得た聖水も、瞬時にヘドロと化してし
まうからな。
まったく、俺はいつまでハルヒの放埒に付き合わされねばならんのだ。大体こういう役目は谷口が受け持つべきなんだ。
本来なら俺はこんなマヌケじゃなくて、もっとこうクールでニヒルなキャラのハズなのだが…。
「やっと見つけたわ! あんたここで何油売ってんのよ。はやくきなさい! 今日は大事な会議があるって事を忘れたの!?」
噂をすれば何とやらという奴か。畜生、俺には安らぎの時間も与えちゃくれないと言うのか。
「ちょっとアンタ聞いてるの! 馬鹿みたいにぼけっとしてないで、こっちにきなさいよ!」
ったく偉そうにしやがって。俺をあんまり見くびるなよ。いくら俺が仏のキョンと呼ばれていたりいなかったりするから
と言って思い上がりやがって、さすがに今回は堪忍袋の尾が切れたぞ。
「うるせーんだよ! あんまり俺を怒らせんじゃねぇ!」
俺だって言うときゃ言うんだ。いつまでもハルヒのオモチャじゃない。馬鹿にされちゃ困る。
「誰に向かってそんな口利いてんのよ」
当然のことだがハルヒはこれでもかと言うぐらいに目をつり上げ雄叫びを上げた。
「は? お前は自分の名前もわかんねぇのかよ! ハルヒだよハルヒ、涼宮ハルヒ様に言ってんだよ!」
「そんなこと聞いてんじゃないわよ! アンタ、SOS団の団長であるこのあたしにそんな偉そうな口利いていいの? って聞いてるのよ!」
顔全体を真っ赤にしてハルヒが反論する。
「だったら最初からそう言えよ。そんな遠回しに言われても困る。第一、SOS団なんていうお遊びクラブの団長にそんな権力あるわけねーだろ。
つけあがるのも大概にしろ!」
「ちょっと何よ! キョンのクセに!」
ハルヒは手の先まで真っ赤にしてヤカンみたいな声を出した。
なんか知らんが気分がいい。やはり不満を貯めておくのは体に良くないな。
「とにかくだ。俺はもうこんな下らん部活は二度と行かないからな! なんなら退部届だって出してやってもいいぞ」
「待ちなさい。アンタは大事な雑用係りなの! SOS団を止めることはこのあたしが許さないわ!」
ハルヒの口調はいつも通りの威勢の良さだったが、表情は微かに不安げだった。
「許してくれなくて結構だ」
俺はそう言い放ち、教室を立ち去ろうとハルヒから身を翻しドアへ歩み出す。
ハルヒの罵声が背中に突き刺さる。しかし俺は振り返らなかった。ここで振り返ったらハルヒの思う壷だ。あいつもガキ
と一緒だ。放っておけばそのうち静かになるさ。
と、その時だった。俺の袖が急に鉄アレイをくくりつけられたかのように荷重が加えられた。さすがの俺もなんだとばか
りに後ろを振り向いた。
「待ちなさいよ…」
その荷重と声の主は無論ハルヒだった。しかも目には涙を溜めてやがる。
俺は敢えて沈黙を保ち、前を向き直した。泣き脅しなんか通用するものか、俺は今までこいつに散々な目に遭わされたん
だ。もう二度とあんな思いはしたくない。毎日毎日奴隷のように扱いやがって。俺が生徒会長になったら、まず第一にする
事は奴隷解放宣言だ。って、そんな必要はもう無いな。ここで俺がハルヒに掴まれた袖を思いっきり振りほどき、再び歩き
出せばけば、晴れて自由の身だ。このご様子だと、そんな事をされたら、いくらこの猪突猛進唯我独尊女だろうと、俺を追
いかけることは出来ないだろう。
よし、これほど脳内で次に行うべき行動を吟味したんだ。後は行動に移すだけさ。
俺は前述通りに袖を思いっきり振りほどき、さっきの歩調を崩さぬような歩き出した。
どうやらハルヒもここまでされたら追ってこないらしいな。
俺は階段を登り、屋上まで向かった。なぜ屋上に行くのか。と言えばあいつに会うためだ。そう、俺のSOS団への不満
を親身になって聞いてくれたあいつに会うためにな。
俺はいつもなら鍵が掛かって開くことが無い屋上へ繋がるドアを開けた。
「どうだった?」
端正なその顔に澄ました笑顔を浮かべて佇む少女が、透き通るような声で屋上の床と共に夕映えに照らされながらそう聞いてきた。
「一応、あいつらからは離れられそうだ。だが、ハルヒの事だから明日になったらコロッと態度が変わってまたしつこく、
部活に来い。とか言われるかもしれん…」
しかも今日よりドギツイ説得が待っている事だろう…。
「そっか…。でも良かった。いつまでも苦労してばかりじゃ、キョンくんが可哀想だもんね」
「ありがとよ。朝倉」
と、ここで疑問が浮かぶであろう。なぜ長門によって消されてしまった朝倉がここにいるのか。それに俺がなぜ朝倉に恐
怖せず会話が出来るのか。なぜ俺を殺そうとした朝倉と、朝倉に殺されそうになった俺が共にいるのか。という疑問が。
その疑問を解決するのには昨日に遡らなければならない。そう、俺が朝倉と再会した昨日。日曜日に。
では、しばし記憶遡航の旅を満喫してみてくれ。
………
……
…
SOS団恒例行事の終日市内散策ツアーを終え、身も心もクタクタになりながら、まるでサービス残業に明け暮れるリス
トラ寸前の窓際サラリーマンのように、夕焼けが地面を赤く照らす黄昏の街をノロノロとチャリを押して歩きながら帰路に
ついていた。チャリに跨る気力さえない。
しかし今日も大変だった。どんな神のいたずらか知らんが、午前の部も午後の部もなぜかハルヒとペアで市内を巡る事に
なってしまったからだ。しかもハルヒはここぞとばかりに俺に無理難題を押しつけて来やがる。今日ほど両手に華を抱えて
楽しそうに市内散策をしていたであろう古泉に殺意を芽生えさせたこともない。ナイフを所持していたなら切りかかってい
た所だぜ。良かったな古泉、俺が急進派のヒューマノイドインターフェースじゃなくて。
それにつけてもハルヒには人を思いやる気持ちは無いのだろうか。普通の人間なら、12000円もする商品を120円にまでまけ
るよう店員に頼め。だの、マンホールをこじ開けて下水道の中に何か不思議は無いか調べて来い。だの言わないはずだ。あ
いつは世の中の不思議を探す前に、自分から欠落した思いやりの気持ちを探してもらいたい。
いつまで俺はこんな生活を送らにゃならんのだ。朝比奈さんのいれてくれるお茶だけでは割に合わんぞ。
「じゃあ、わたしがいれてあげようか?」
突如背中に聞き覚えのある声が突き刺さった。それと同時に俺の体は激しい拒否反応を起こし、歩く事が出来なくなった。
恐怖から来るものか、そいつが何かしたのか知らんが体、主に足が異様に重たい。それに全身をロウで固められたみたいに動かない。これじゃあ平伏す事だって出来ないじゃないか…。
「ねぇ、聞いてるの?」
再び背後から音声の追い討ちがかかった。
聞こえているに決まってる。今の俺はお前のせいで逃げる事すら出来ないんだよ。
「キョンくん?」
俺の名を呼んだと同時に、そいつの顔がいきなり俺の前に現れた。そう、俺を恐怖のどん底に陥れてくれた忘れもしない
あいつの顔が。
「なんで、お前が…」
そう、こいつは長門に倒され光になったはずだろ? どうしてここにいるんだよ…。
「知りたい? じゃあ、簡単に教えてあげる。わたしはあの時長門さんに情報連結を解除されてチリみたいに消えちゃった
んだけど、わたしは情報統合思念体にそのチリを集められて再構成されたの。簡単に言えば復活したって言うこと」
非常に簡単なご説明ありがとう。ちっ、結合思念体も余計な事をしてくれるな…。
「で、また俺を殺しにきたのか…」
朝倉は後ろ手に組み俺をのぞき込むように、
「そんな事しないわよ。わたしはあなたに罪滅ぼしをしにきたの」
「別に罪滅ぼしなんかしてくれなくても構わん。だから悪いが帰ってくれ…」
たとえこいつに罪滅ぼしをされたとしても、俺の体はこいつがそばにいるだけで麻薬中毒者の禁断症状に近い状態に陥っ
てしまうんだ…。だから何もしてくれなくていい。ただ俺の前から姿を消してくれるだけでいいんだ。
「そういうわけにはいかないわよ。とにかくこっちに来て」
朝倉はそう言い、俺の袖を掴んでどこかへ歩き始めた。
ガシャンと自転車が倒れる音を背中に浴びて、俺は為す術も無く連行される。
盗難被害に遭わないことを願おう。
俺が連れて行かれた場所は、よりにもよって、いつもSOS団が根城としている喫茶店だった。
「で、こんなところに連れ込んできてどうするつもりなんだ?」
こっちは今すぐにでも家に帰って、愛しのベッドに心も体も癒されたいんだ。
こんな苦しみしか無い空間に俺はいたくない。
「どうするもこうするも無いわよ。わたしはただ、あなたに罪滅ぼしがしたいだけなの」
だから、その罪滅ぼしとやらで俺をどんな目に合わせてくれるんだ?
「あなた、最近悩みがあるでしょ?」
朝倉は少し首を曲げ、何でもお見通しですよ。と言いたげな眼差しを俺に向けた。
「あ、ああ確かにな。だが、お前にその悩みを打ち明ける気は無いね」
少し困ったような表情を浮かべる朝倉。しかし朝倉はすぐ、いつものように人当たりの良さMAXの微笑みを俺に向けて
こう続けた。
「でも、一人で悩みを抱えるより誰かに打ち明けたほうが気が楽になると思うの。だから、ね?」
なんなんだ一体、メンタルカウンセラーにでもなったつもりのか?
「だから、なんでお前にその悩みを打ち明けなきゃならないんだよ。お前に打ち明けるくらいだったら、猫にでも打ち明け
た方がまだマシだ。とにかく、俺はもう帰らせてもらうぞ…」
さすがに言い過ぎたかな。心なしか朝倉が寂しげな表情を浮かべているように見える。
だが、こいつは俺を殺そうとしたんだ。こんな奴に慈悲など無用。今更謝られても許してやれるものか。しかも何が悩み
相談だ。ふざけるのも対外にしてもらいたい。
俺は自分が頼んだアイスティーを一気に飲み干し席を立った。
背後から朝倉が俺を呼び止める声が聞こえる。正直止めてほしい。他の客やら店員やらが俺を冷たい目で見ているような
気すら起きる。これじゃまるで俺が悪者のみたいじゃないか、確かに今回は俺が悪者なのかもしれないが…。
ここまで第三者に恐怖したのは初めてだぜ。早いとこ店を出よう。
会計ぐらい払ってやればよかったかな…。
店を出た俺は、星空を見上げ溜め息を漏らした。
今思えばあんな冷たく当たらなくても良かったのかもしれない。あいつだって一応反省していたみたいだし、少しは悩み
を打ち明けても良かったのではなかろうか。
どうして人間は一人になると、こう色々と弱気になったり後悔したりしてしまうのだろうか。それとも他の誰かがいると
強気になってしまうだけなのであろうか、しかしもうすべて終わってしまったことだ。今更悔やんでも仕方がない。今はこ
の言葉ですべて片付けよう。それでいいんだ。
「やれやれ」
「待ってよ、キョンくん」
遠くのほうで声が聞こえた。朝倉の声だ。
あいつも律儀な奴だな。ここまでしつこく構ってくるなんて、まさに委員長という肩書きが似合う性格をしている。
俺は後ろを振り向かず。近づいてくる駆け足の音を耳でよく捉え、少しずつ歩む速度を落としていく。
「ねぇ、待ってよ」
服の裾に重みが加わった。
驚いた俺はつい後ろを振り向く。
そこには俺の裾を掴み、少しかがみ具合に、荒げる息を胸に手を当て落ち着かせようとしている朝倉がいた。
ここまでされるとさすがの俺でも勘違いしてしまうじゃないか…。
「な、なんだよ…」
朝倉は息を落ち着けながら、
「まだ話は終わってないよ。悩み事があるならわたしにもわけてよ…ね?」
上目遣いにそう言ってくる朝倉の頼みを、俺は断る事が出来なかった。
「ああ、わかったよ…。話せばいいんだろ、話せば…」
その言葉を聞いた朝倉は、満面の笑顔を俺に向けこう言った。
「ありがとう。キョンくん」
この時からかもしれない、俺の心にある変化が起きたのは。
俺は正直に悩みを打ち明けた。大体はSOS団というかハルヒへの不満。その他は特に語るような事もない下らない悩み
ばかり。というか、ハルヒへの不満に比べたら、他のことなんか雛鳥のように可愛い不満ばかりだからな。まあ、その不満
はここでは自粛させて貰う。好きに想像してくれ。
朝倉は俺の悩みを真摯に聞いてくれた。今なら朝倉に対する愚行の数々を詫びる代わりに刺されたっていい。
朝倉と会話する中で、俺は一つの答えを導き出した。
SOS団との縁を断ち切ろう、と。
世界の破滅なんか知るか。大体俺は、古泉が以前言ってたように、普通の高校生であり人間だ。朝比奈さんや長門や古泉
のような特殊な人間ならまだわかる。だが、俺はあくまでただの人間、そう普遍的な凡人なんだ。なのに、どうして世界の
崩壊を防ぐなんて重たい指命を背負いこまされねばならんのだ。それも強制的に、だ。こんな理不尽な事があってたまるか。
今ならまだ引き返せるはずさ。俺はまだきっと片足首までを底無し沼に沈めたぐらいに過ぎないハズだ。いや、もっとかも
しれない…。だが、まだ助かる。てか、助からなきゃ困る。助かるさ。きっと。俺だってそこらにいる高校生みたい自由に
暮らしたいし、自由に生きたいんだよ。この支配から卒業したいんだ。
ただそれだけなんだ。
「ねぇ、キョンくん。キョンくんってば…」
「あ、わりぃ朝倉、なんだ?」
「あのね。わたし、明日から学校に戻ろうと思うの。だから、よかったら明日も話してくれない?」
「ああ、もちろんだよ」
その返事を聞いた朝倉は小指を出し、
「じゃあ、ちゃんと約束。指きりして?」
「わかった」
俺もすかさず小指を出し、朝倉の小指を俺の小指に絡めた。
この時、俺の心に恐怖はまったく無かった。あるのは安堵感、ただそれだけだった。
…
……
………
とまあこんな感じだ。笑いたいなら笑ってくれ。
「キョンくん。じゃあ、帰ろっか」
それもそうだな。今日もいろいろと疲れたし、それにあいつらともあまり会いたい気分じゃないからな。あいつらが活動
を終える前にさっさと学校をふけるとするか。
しかし、今日は大変だったな。さっきのSOS団の件はもちろんだが、朝倉が戻ってきた時のハルヒときたら「これは事
件だわ。今日の放課後は会議よ!」とか言って張り切りやがって。まあ結局俺は会議などには参加せずに、こうやって朝倉
と肩を並べて帰っているのだが、今頃あいつらはハルヒの下らん戯れ事に付き合わされているんだろうな。つくづく可哀相
だ。まあ、それがあいつらの任務だから別にとやかく言う気は無いが。
ちょっと小腹が空いた俺は、朝倉を誘ってコンビニに寄ることにした。
今になって思う。素直に帰っておけばよかったと。
「キョンくん。そんなに食べちゃうと、晩御飯食べられなくなっちゃうよ?」
ウチの親が妹へ口癖のように言ってるような事を言う奴である。
カレーパンとソーセージサンドぐらいじゃ、俺の腹の容量は微動だにしないのさ。
「朝倉は何か買わないのか?」
「ううん、わたしはいい」
「悪いな。付き合わせちまって」
お詫びとしてジュースの一本ぐらい買ってやろうと思ったのだが、今の懐のぬくもりではそれをしてやる事すら困難だ。
+
+
∧_∧ +
+ (。0´∀`)
(0゚つと ) +
+ と__)__)
>>163 どうみてもプロの(ry
さーて、次はいつ投下してくれるんだ?教えてもらおうじゃないか
やっとエピローグまで終わった。
では最後になります。
【みくる視点】
「うふふ、面白かったあ。こんなに上手くいくとは思わなかったわ。」
その夜、家に帰ってもついつい笑みが出てしまう。
涼宮ハルヒをどん底まで追い詰める作戦は大成功でした。
「それにしても・・・」テーブルに置かれたカチューシャとカツラを見る。
我ながら良く見つけたものね、涼宮にそっくりなカツラなんて。
これをかぶって、禁則事項で涼宮と同じ声にしただけで引っ掛かるなんて、機関も案外抜けてますね♪
原始人の集まりなんてちょろいものw
古泉君もこれで完全に涼宮ハルヒと決別するだろう。古泉君の彼女には気の毒ですが。
あ、でもあの橘って女、以前私を車で誘拐した犯人でしたよね?
ふふふ・・・じゃあ自業自得ですね♪
土手で待ち伏せして涼宮の声で「古泉君の事で相談があるの。」って言ったら
「はい、分かったのです。」なんて間の抜けた返事しちゃって。
バットでフルボッコにした時の「痛いのです!死んじゃうのです!」という悲鳴も爽快だった。
最後に古泉君がいじめた報復と思わせる台詞残したらまんまとはまってくれたし。
けど古泉君も馬鹿ですよね。大人しくガチホモに甘んじていれば良かったのに、
彼女作るからこういう目にあうんですよ・・・。
凶器に使用した金属バットは、翌日映画撮影で行った森林公園の山中に埋めてきました。
機関が警察に依頼することは無いと思うけど念のためです。証拠はみんな隠蔽です♪
この変装セットも早めに焼却処分した方がいいかな。
ともあれ、これで涼宮ハルヒは完全に追い詰めました。私の初恋を台無しにした女・・・
私を今まで散々おもちゃにした女・・・絶対に許さないんだから!
キンコーン
突然家のチャイムが鳴った。何だろう、こんな時間に?
集金ならこの前払ったばかりだし・・・。
「ひゃーい♪」とりあえず返事してドアを開ける。そこにいたのは・・・
「キョン君?」
そこには傘をさし、暗い表情のキョン君がいた。いつの間にか外は雨になっていた。
どうしてキョン君がいるの?彼は私の家は知らないはずなのに・・・。
「あれ〜キョン君どうしたんですか?こんな夜遅くに。
1人暮らしの女の子の家に突然来ちゃ駄目ですよ♪」
つとめて冷静を装ってみる。
「朝比奈さん・・・。」キョン君が厳しい顔で詰め寄る。
「全部貴方の仕業だったんですね・・・。」
な、なんでそれを?
「え〜、何の話ですかあ?それよりお茶でも飲みませんか?今入れてあげ・・・」
「とぼけないで下さい!長門から全部聞きましたよ!
古泉をハルヒと決別させる目的で橘を襲ったんでしょう。証拠品も見つけましたよ!!」
キョン君が突き出したもの。それは橘京子を殴打したあの金属バット。
嘘、ちゃんと埋めたのに・・・。
「埋めた場所も長門が正確に教えてくれましたよ。動かぬ証拠です。」
あの根暗宇宙人、余計な事をキョン君にたらし込んだな!最初に長門さんを何とかするんだった!
もう誤魔化しはきかない・・・。
「朝比奈さん、貴方は狂っていますよ!ハルヒが朝比奈さんを傷つけたのは悪いです。
けどだからってここまでやるなんて・・・こんな事して何になるっていうんですか!!」
「・・・キョン君が悪いんですよ。そうやっていつも涼宮さんの味方ばっかりするから。」
「朝比奈さん・・・。」
「いっつもキョン君は私が涼宮さんにいじめられてる時、表面上は私に同情しといて、
必ずあの女の言いなりになってきたじゃないですか!」
今まで溜めてきた不満をキョン君に向けて叫びに変える。
「私もうあの女と一緒にSOS団にいりなんて我慢できないの!あいつを抹殺したい!
キョン君は私を助けてくれますよね?」
「・・・・・・。」
「キョン君が仲間になればあの女は孤立して自殺でもしてくれますよ。ね、キョン君。
キョン君は優しいもんね♪私を助けてくれますよね♪」
私はキョン君に抱きつき身体をすりつける。私の胸にいつも欲情してるキョン君ならイチコロ・・・
ドンッ!
信じられない反応。思い切り私は突き飛ばされ壁に叩きつけられる。
いつもの優しいキョン君では無かった。キョン君が私をはっきり拒絶している。
「朝比奈さん。貴方は最低だ。もう貴方には何を言っても無駄みたいですね。
そういう事なら俺も最後の手段に出ます。」そう言うとキョン君は踵を返した。
「ど、どこに行くの!?」
「警察です。朝比奈さんが暴力行為をしたのを全部言います!
このバットは証拠品として提出します。さようなら!」
キョン君は部屋を出て行く。どうして私の邪魔をするの?悪いのはあいつじゃない・・・。
私が狂ってる?狂ってるのはあの女の方なのに・・・。私を敵視するキョン君が涼宮本人に思えてきた。
憎い、憎い、憎い・・・。
私は走り出すと、キョン君の背中に思い切り体当たりした。
不意をつかれてキョン君が倒れ、持っていたバットが足元に転がる。
涼宮ハルヒは私の敵。それを助ける貴方も敵。
気がついたら私は金属バットでキョン君の頭を殴りつけていた。キョン君は一撃で気を失った。
許せない涼宮ハルヒ・・・コロシテヤル!
【ハルヒ視点】
みくるちゃんだけでなく古泉君にまで拒絶された。
頭の中は真っ白になって、昼休みからのことは何も記憶に無い。
気がついたら自分の部屋でパソコンの前に座っていた。
私はこの1週間余りで大切な人に裏切られる痛さを嫌というほど味合わされた。
SOS団のマスコットキャラみくるちゃん、何でも私の要望を叶えてくれる副団長の古泉君。
私の大切な仲間が2人も私と決別した。有希は何も言わないけど、
あの娘だって内心では私に不満を溜めてたはずだわ。
私の思い出、ううん、私の存在そのものだったSOS団は今崩壊しようとしている。
元はと言えば私のせいだ。誰も責められない・・・。
昼間、キョンだけは最後まで私をかばってくれてた。
思えばわたしはあいつに一番むちゃくちゃ言ってきた。私はキョンに甘えてきた。
キョンが好きだったのよ。今だから分かる。でも・・・だからこそ今のままじゃいけない。
きっとみくるちゃんと古泉君はこれからも私をいじめる。キョンはきっと1人で私をかばうわ。
集団のいじめを1人で止める人の結末は大体決まっている。
巻き添え・・・。古泉君の昼休みの言葉が浮かぶ。
『これ以上涼宮ハルヒの肩を持つなら、貴方も僕の敵として扱います。』
下手をすればいじめの矛先は私からキョンに移る。それだけは嫌!
私の最愛の人がいじめられるのを見るのは私自身がいじめられるより嫌。
キョンを助けるには・・・私自身がこの世から消えるしかない・・・。
私は今自殺サイトを巡っている。もうこれ以上キョンを巻き込みたくない。
SOS団が消えたら生きてる意味が無い。
もういい。疲れた・・・・・・。外の土砂降りは今の私の心そのもの。
突然雨の音を破って携帯が鳴り響いた。携帯を取る。
なぜだろう。私はディスプレイを見る前から誰の電話か直感的に気付いた。
「・・・もしもし。」
「遅いなぁ。さっさと出なよ電波女。」
「みくるちゃん・・・・・・。」その声からはかつての愛らしい響きは消え失せていた。
「あのさあ、話があるんだけど今から会わない?今までの事、全部清算しちゃいんです。」
「いい・・・もう私に関わらないで。」
「へえ、いいんですか?そんなこと言ってキョン君がどうなっても知りませんよ?」
キョンが!?どうして??
「みくるちゃん!キョンに何したの!?」
「さあ・・・来れば分かりますよ。すぐ来てくださいね♪新池で待ってます。」
「分かったわ、今から行く!だからお願い、キョンには手を出さないで!」
「偉そうな口聞いてんじゃねぇよ、さっさと来い電波女!!」そこで電話は切れた。
行きたくない。でもキョンが危ない!
私は両親に気付かれない様にドアを開けると土砂降りの中、傘も持たずに飛び出していった。
家から走って5分程の所にある待ち合わせの池。
ここは1年前、SOS団の映画撮影会でロケしたあの池だ。
撮影したのは池にあった桟橋みたいな場所。そこを見ると桟橋の上に1人の傘をさした人影が見える。
あれね、間違い無いわ。私は桟橋に走っていく。
「みくるちゃん!」
「どれだけ待たすのよ?おかげでハイネケン二缶開けちゃったよぉ♪」
みくるちゃんはそう言って、持っていた空缶を池に投げ捨てた。
傘もささずに走ってきた私は身体も服もずぶ濡れになっていた。
「みくるちゃん!キョンは?キョンは何処よ!?」
「そんなに焦らなくても、私の後ろにいるでしょ。」
みくるちゃんが後を指した先、桟橋の先端の広い部分に人が1人横たわっていた。
「キョン!!」
「大丈夫、バットで頭殴ったけど、気を失ってるだけよ。
もっとも、私がちょっと押して池に落とせば死ぬわねフフ・・・。」
「止めて!キョンを助けて!」「それは貴方次第ですよ。」
キョンを人質にして私を呼び寄せたみくるちゃん。用件はもう分かっていた。
「ねえ、この池覚えてるわよね?貴方は映画撮影の時、その場の思いつきだけで私を池に放り込んだわ。
この薄汚い池にね!その時どれだけ私が身体と心に傷をおったかしら。」
そうだったわね。今にして思えば私って本当に酷いことばかりしてた気がする。
「あの映画のロケでどれだけ傷心したか・・・。
それ以外にも、キモいコスプレさせたり、マスコットにされたり、
お前のいいおもちゃにされたわ。SOS団に入ってから私には地獄の毎日だった・・・。」
「みくるちゃん・・・謝る、謝るよ・・・。私どうしようもない女だよね。
許してもらえるなんて思ってないわ。だからせめてキョンだけは助けて・・・。
こんな酷いことするなんてみくるちゃんじゃ・・・」
「うるさい!!」みくるちゃんの叫びが雨の中をつんざく。
「そうやっていつもいつも、私をこういうキャラだってお前の思い込みだけで決めつけて!!
そういうとこが一番嫌いなんだよ!!」みくるちゃん・・・。
「お前はいつもそうやって自己中してる癖に、人をおもちゃにしてるくせに、
勉強が出来て運動も出来て行動力があって。私、何にも勝てなかった。
お前みたいな奴に・・・!何でも出来るお前が羨ましかった!
そんな奴にコンプレックス持つ何も出来ない駄目な自分が嫌いだった!
だから自分を変えようと努力したのに・・・やっと好きな男性が出来て、
これでやっと変われると思ったのに・・・。それをまたお前が邪魔して・・・
うっ、うう・・・。」
みくるちゃんの顔が濡れてるのは雨のせいだけじゃ無かった。
「許せない!許せない許せない許せない!!お前さえいなければ!!」
ガンッ!みくるちゃんが傘を足元に叩きつける。
「・・・死んでよ。」そう言って懐から取り出したのはサバイバルナイフ・・・。
「お前が生きてる限り私は不幸なのよ。お前さえ死ねば私は変われるんだ!」
みくるちゃんはナイフを振り上げるとこっちに突進してきた。
「わあああああああああ!!」ドスッ・・・
【みくる視点】
自分でも訳が分からなくなって、めちゃくちゃにナイフを振り回す。
激しい雨の中、私と涼宮ハルヒはくっついたまま動かない。
「・・・どうして・・・どうして避けなかったの・・・」
ナイフは彼女の胸に深々と突き刺さっていた。
涼宮ハルヒの服が見る見る赤く染め、ナイフを伝って私の手も染めた。
「お前なら、簡単に避けられたはずなのに・・・。」
「・・・かもね・・・。でも、もう終わりにしたかった・・・くっ」
胸を押さえてその場に膝をつく。
「み、みくるちゃんは・・・私と・・・一緒、だったんだよ・・・。」
な、何を分からない事を?「どうして私がお前と?」
「私は・・・みくるちゃんが羨ましかったの・・・。みんなから優しくされて・・・
心配してもらって・・・周りから変人扱いばかり・・・されてた・・・
私には・・・みくるちゃんが羨ましかった。」
そんな・・・涼宮さん。
「キョンもそう。私には文句ばかりの癖に・・・みくるちゃんにだけ優しくって・・・
私は悔しかった・・・。」
「涼宮・・・さん。」
「アハハ・・・久しぶりに・・・普通に呼んでくれたね・・・。嬉しい・・・・・・。
私・・・楽しかったよ・・・高校に入って最高の仲間に会えて・・・。」
そう言うと涼宮さんは力を失い倒れました。
「もう止めて!涼宮さん死んじゃいます!」
「いいの・・・これ以上私の思うままに生きてても・・・みんなに迷惑が・・・。
痛いよ・・・苦しいよ。でも・・・みくるちゃんも苦しんでたもんね・・・。
最後のお願い・・・。私が死んでも・・・それは全て受け止めて、乗り越えて・・・!
そうすれば・・・みくるちゃんは変われる・・・。誰よりも優しい人に・・・。」
「分かったから!分かりましたから!死なないで下さい、涼宮さん!!」
息も途切れ途切れ・・・もう喋らないで!
「みくるちゃん・・・自信を持って・・・。みくるちゃんは・・・
本当は誰よりも・・・強くて優しい娘・・・・・・。」
・・・・・・。嘘・・・でしょ?
「涼宮さん!目を開けて!死なないで下さい!!」
けれど涼宮さんはもう答えなかった・・・。
「涼宮さん!涼宮さん!」
降りしきる雨の中、こんなに呼んでるのに・・・私のそばにいるのに・・・。
「涼宮さん!いやあああああああああああ!!」完
177 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/22(土) 23:22:33 ID:legLL7E/
・・・なかなかなEND・・・なのか?
結構楽しめました
【エピローグ 長門視点】
もうすぐ年越しと呼ばれる時期になる。涼宮ハルヒが死んで1ヶ月が経つ。
彼女が刺された時、私はマンションの自室で事態を全て把握していた。何も出来ずに。
その時、私は初めて涙と言うものを流した。
偽りの生命なはずの私に悲しみという感情があったのか・・・。
私は最後まで何1つ手出しすることを許可されなかった。
涼宮ハルヒの観察という任務をこれほど邪魔に感じたことはない。
そして、そうまでして涼宮ハルヒの情報爆発による進化の過程のヒントを求めていた
情報統合思念体の期待と裏腹に、涼宮ハルヒが死んでも世界は何も変化が起こらなかった。
4年前に観測されたあの情報爆発は一体何だったのか?
回答を見出せないまま失望した情報統合思念体は、観測価値を失った地球を去っていった。
そのため地球に駐在していたインターフェイスも皆消去され情報生命体に戻った。
私も他のインターフェイス同様に消去される予定だった。
しかし私はあえてそれを拒否した。
この身体のまま地球に残ると申請し、条件付きで残ることが許された。
他の元SOS団員のその後にも触れておく。
朝比奈みくるはあの後警察署に行き、全てを自首した。現在も服役中。
TPDDを使用すればすぐに未来に逃げられるはずだが、彼女はあえて刑期を終えるまで服役するそうだ。
未来に帰れば更に命令違反の重罪で厳罰が下るだろうが、彼女はそれも全て受ける覚悟でいる。
あの朝比奈みくるの異時間同位体は全ての罰を乗り越えた姿なのだろう。
古泉一樹は事件の数日後に転校した。橘京子闇打ち事件は涼宮ハルヒの仕業では無かった。
更に謝るべき相手の涼宮ハルヒはこの世にいない。
そうした事実に古泉一樹の精神は限界に達したのだと思われる。
誰にも告げずにこの街を去っていった。もう2度と私達の前に姿を見せることは無いだろう。
こうして涼宮ハルヒの作り上げたSOS団は涼宮ハルヒの死によって終焉を迎えた。
『宇宙人未来人超能力者と遊びたい』涼宮ハルヒの願望が具現化されたSOS団。
しかし固いと思われた絆はあっけなく崩壊した。私達の友情は危ういバランスの上にあったのだ。
ふとしたきっかけで、すぐに崩れ去ってしまう・・・。
けれど1つだけまだ残された絆がある。一見最も薄そうでいて最も厚かった絆が・・・。
昼休み、私は今学校の中庭にいる。中庭にある木の下。そこに今日も彼はいた。
「・・・なんだ長門か。・・・いつ以来だお前の顔見るの?」「139時間ぶり。」
「お前の説明は相変わらず分かり辛いな・・・。」興味無さそうにそっぽを向く彼。
涼宮ハルヒの死以降、彼は変わってしまった。
涼宮ハルヒが殺された時、一番近くにいながら気を失っていたせいで助けられなかった。
その罪悪感から彼は塞ぎこみ、他人との接触を一切拒むようになってしまった。
クラスメイトとさえ最近は全く会話していない様だ。学校に来ない日も珍しくない。
このままでは遠からず彼は駄目になる。私が情報統合思念体に地球に残ると要請した理由がこれだ。
彼を助けたい。彼は何度も私の危機を救った。今度は私が彼を助ける。
「・・・・・・。」「な、なんだよ長門?」
気付いたら私は彼を抱きしめていた。今の私にはこれしかしてあげる事が無いから・・・。
地球に残るにあたり情報統合思念体が提示した条件、
それはインターフェイスとしての能力を全て排除する事。
地球を捨てる以上、インターフェイス等置いても意味が無いからだ。
つまり今の私は特殊な能力の無くなったただの女子高生。
構わない。むしろ私の望む結果と言える。
やっと人間として彼に接することが出来るのだから・・・。
私は彼を愛していた。けれど涼宮ハルヒも彼を愛してるのを知ってる以上彼に想いは伝えられない。
そもそも人間でない私にそれを言う資格などない。けれど今は涼宮ハルヒはいない。
彼を救える人間も誰もいない。もう私の想いを妨げる要素は一切無かった。
涼宮ハルヒの死に涙したと言いながら、反面で満足している自分が嫌いになる時もある。
涼宮ハルヒの死も、SOS団の終焉も全部私の望んだ結果では無かったのか?
私は人間としては恐らく最低な部類に属するだろう。
けれどそれでもいい。彼のそばにいられるのなら。
だから私は言わずにいられなかった。
「貴方を・・・・・・愛してる・・・。誰よりも・・・・・・。」
長々と書き続けてきたがこれで終わりです。
最後の長門のエンディングは蛇足だった気もするが。
今後はしばらく読む側に回って楽しみたい。
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/22(土) 23:33:56 ID:legLL7E/
お疲れ様でしたm(__)m
>>181 乙
んじゃ、
>>163氏の続きが投下されるまでのツナギとして俺の作品でも読んでみてください
題名【谷口テクニック】
よう、みんな。俺だよ俺。天下のナンパ師谷口だよ。
今日はな、天からのお告げだか虫の知らせなのかは知らんが、俺の脳みそはある電波を受信しちまった。
そう、それは何かと言うと
『お前は教室に忘れ物をした』
という電波だ。そしてさらにオマケで
『今のタイミングで戻れば貴重な体験。そしていいおもいも出来る』
という電波も受信しちまったわけだ。
この俺が受信した電波だ。間違いなどあるはずがない。
きっとAAランクプラスの朝倉、もしくはAランクマイナーの長門あたりが教室にいて、
『谷口くん、私ずっとあなたのことが…』
ほっほーい!ちょ俺自重
てな事になるに違いない。
男谷口。据え膳食わぬ訳にはいかない。
という事で、だ。俺は閉められた教室のドアを勢いよく開けることにした。
ついでに女をイチコロにする俺自慢の鼻歌も忘れはしない。
よし、入るか。
俺、参上。
「WAWAWA忘れ物」
ぬぉわ!ちょっと待てよ!話が違うぜ…。
オイオイ…なんで朝倉や長門じゃないんだ…。最低でも涼宮ぐらいにしておいてくれよ…。
つかなんでキョンと、あれは確か最近涼宮が作った変な部活に入部してた転校生の古泉とかいったな。で、その二人がこんな所で…、しかもこんな事を…。
見損なったぜキョン。お前はそういう趣味があったのか…。
変なことされる前に俺は退散するか…。
「すまん、ごゆっくり〜!」
へっへ〜ん。逃げるが勝ちってな。
ここまでくればもう安全だろ。しかし今日は嫌なモン見ちまった。
よりにもよってあんな濃厚な…オエッ…考えただけでも反吐が出そうだぜ。
今日ははやく帰って寝るとするか。
はぁ、今日も下駄箱には何にもなしかよ…。いい加減俺の魅力に気付いてくれる女子はいないのかよ…
ってキョン!なんでお前がここに!?
オイ待て、話せばわかるって…。だからこれ以上近付くな…。
うわあっ!テメェ一体俺をドコへ連れて行きやがるつもりだ!
視聴覚室?
テメェこんな所で一体何を!
いてぇな…。そんな勢いよく放り込む事ねぇだろ。
しかも薄暗くて何も見えねぇ… 。
うおっ、まぶしっ!
電気付けるなら俺を放り込む前に付けやがれ。
って古泉。お前なんでこんな所に!?
いるんだったら電気ぐらい付けとけよ。まったくコイツも悪趣味な奴だ。さすが涼宮に勧誘されるだけあるぜ。
ん?背後から殺気が!
オイキョン!パイプ椅子なんか振り上げて一体何しようってんだよ。まさかソイツで俺の頭を…ぬぉわ!
………
……
…
いってぇ…。頭がジンジンしやがる。しかも電気まで消しやがって…。畜生。キョンのヤロウ覚えてろよ…。
ん?なんだ?手足の自由が利かねぇぞ。って待てよ!一体なんだこりゃ!
なんで俺がロープで机に貼り付けにされてんだ!?
畜生、しかもよりによってこんな格好で…。
あ?俺がどんな格好で貼り付けにされてるか知りたいだと?
仕方ねぇな教えてやるよ。
俺は今まさに普通のどこにでも教室の机に仰向けに載せられ、机から伸びる足にそれぞれの四肢を一本づつ荒縄でくくり付けられてやがる。
簡単に言えば逆コの字の体制だ。俺って意外と体が柔らかかったんだな。
くそぉ…しかし情けねぇ…。せめてこのおっぴろげられた股を閉じたいぜ。
そうだ。そういえば奴らはどこに行った?
暗くて何も見えねえ…。
クソ、今日ははやく帰りてぇのによ。マジアイツら許さねぇからな。
「ぬぉわ!」
突如視聴覚室の扉が開き、横から強烈な光が俺を照らしやがった。
畜生驚かせやがって!
「おい!テメェら一体俺をどうするつもりだ!!」
………。
あれ?なんか様子がおかしいぞ。
俺は首を思いっきりひん曲げて光が射すほうを見てみた。
ん?待てよ。なんで岡部が!?
「おい谷口。お前こんなとこで何やってんだ!」
「待って下さい!これには深い事情が」
「言い訳はいい、お前何時だと思ってんだ!もう夜の10時だぞ!」
何!?アイツら俺を放置して帰りやがったってのか!?
「ほら、何してる!さっさと帰れ!」
オイオイ無茶言うなよ。こんな状態なのに帰れるわけねーだろ。
俺は岡部に縄を解いてもらい、ようやく愛しの帰路についた。
岡部がたまたま学校の見回りをしてくれていて助かったぜ。
乙です。
もしかしてらき☆すたのSSも書いてた人かな?
こなたが死ぬやつなんだけど。
で、次の日。
昨日あんなことあったし学校を休みたかった所だが。俺は母親につまみ出されるように学校に行かされる羽目になっちまった。
しかし胸糞悪い。何がだって?決まってるだろ。キョンだよキョン。あの野郎。昨日はあんな事した挙げ句放置プレイまでしやがって。
しかも今日は何だ。昨日の出来事はどこ吹く風でいきなり朝俺に挨拶までしてきやがった。
そして今は昼休み。俺達はいつもの三人で仲良くランチタイムって奴だ。
おい国木田。騙されんなよ。コイツは今だからこそ普通にお前と喋ってはいるが、とてつもなく恐ろしい奴なんだぞ?
これは嘘じゃねぇ。俺の実体験をもとにしているんだ。
コイツがいなけりゃ今にでも国木田、お前に教えてるとこだぜ。
で、放課後だ。
俺は今昨日と同じ視聴覚室にいる。
授業が終わるなりキョンの野郎がいきなり俺をここに引っ張り出しやがった。
「キョン。もういい加減にしてくれ。昨日あった事は誰にも言ったりしねぇよ。だからさ…」
クソ、古泉と一緒になってニタニタしやがって。俺の話は無視かよ。
オイ何だよ!いきなり張り倒す事ねえだろ…。
ん、なんだって?助けてもいいが朝比奈さんを…。そ、そんな事出来るわけねーだろ!
ふざけんのも大概に…うわっ!いってぇ。ムチで叩く事ねぇだろ…。てかそのムチどこから…。
オイ次は何だ!?古泉、止めてくれ!ロープでまた俺の手足を縛ろうってのか!頼む。勘弁してくれ!
わかった!わかったやるよ!やればいいんだろ!
というわけで俺は今、学校の門の前で朝比奈さんを襲撃する準備をしているんだが、一向に来る気配がねぇ。
もう夜の9時だぜ?いくら明日が休みだからって涼宮達はこんな時間まで残ってるのか?
それにそろそろ用も足したくなってきたし…。
「なあキョン。もう俺帰っていいか?頼むよ。来週の月曜に絶対やるからさ…」
何だよキョン。ニヤニヤしながら近づいてきてよ…。
え?
「 や ら な い か 」
キョン。やらないかって何をだよ…。
ちょっ!古泉。いきなり手を引っ張るなよ!
オイオイ、俺は一体どこに連れていかれちまうんだ…?
………
……
…
そうして、俺がキョン達に連れて行かれたのは、近所でも有名なハッテン場のトイレだった。
トイレに入るなり、俺はキョン達に素裸に剥かれちまった。
「キョン。一体ここで何を…」
「よかったのか、ホイホイ付いて来て」
てめぇらが勝手に連れてきたんだろうが。
「僕たちはノンケでも構わず食べてしまう人間なんですよ?」
知らねぇよ。頼むから今日は返してくれよ。
「わかったからさぁ、さっきも言ったが朝比奈さんの件は月曜日に…」
「嬉しいことを言ってくれるではないですか」
だから人の話を聞けって!
ぬぅわ!
「それじゃあ、とことん喜ばせてやるか」
言葉通りに、キョンはすばらしいテクニシャンだった。
俺はというと、精神に与えられる恐怖の波に身を震わせて悶えていた。
しかしその時、予期せぬ出来事が…
「うっ……出そう……」
「ん。もうか?意外に早いんだな」
「ち、違う。実はさっきから小便がしたかったんだ…。帰ろうとしたのもそのためで…」
「そうか…。いい事思いついた。お前、俺のケツの中でションベンしろ」
「えーっ!ケツの中にか!?」
「男は度胸!何でも試してみるものさ。きっといい気持ちだぜ。ほら、遠慮しないで入れてみろ」
キョンはそう言うと、素肌にまとった制服を脱ぎ捨て、たくましい尻を俺の前に突き出しやがった。
自分の肛門の中に小便をさせるなんて、なんて野郎だ。
しかし、キョンの鬼のような形相を見た俺は、死にたくないという生存本能が…。
「それじゃ…やるよ……」
ズズッ
ズッ
「は、入ったぜ…」
「ああ、次はションベンだ」
「それじゃ、出すぜ……」
シャーッ
チュチューッ
「いいぞ、腹の中にどんどん入ってくるのがわかるよ」
チューッ
「しっかり、ケツの穴を閉めとかないとな」
「くうっ……」
この初めての体験は、今までには計り知れない恐怖と絶望感を俺にもたらした。
あまりに激しい恐怖に、小便を出し切ったと同時に俺のペニスは、肛門の尿の海にあっけなく果てちまった。
「この分だと相当我慢してたみたいだな。腹ん中がパンパンだぜ」
はぁ……。
「どうした?」
「あ、あまりに気持ちよくてな……。こ、こんな事したの初めてだからよ………」
「だろうな。俺もお前とは初めてだ」
「ところで、僕のキンタマを見て下さい。コレをどう思いますか?」
なんだよ古泉いきなり…。
「すごく…大きいな……」
これでいいだろ。だからもう帰してくれ…。
「デカいのはいいですから、二人の行為を見てしまっては、僕も収まりがつかないんですよ」
「ああっ……!?」
「今度は僕の番ですよ」
もう、やめてくれ…。
「いいですね。よく閉まって吸い付いてきますよ」
「で、出ちまう……」
「どうしたのです?先程出したばかりなのに、もう出てしまうというのですか?性欲絶倫なんですね」
「ち、ちげぇよ……」
「何です!?今度はウンコですか!?あなた、僕をバキュームカーか何かと勘違いしてるのでは?」
「しーましェーん!!」
「仕方ないですね。いいですよ。僕が栓をしておきますから、このままどうぞ?」
「ああ、クソまみれでやるのもいいかもしれないな」
「えーっ!?」
と、こんなわけで俺の初めてのイジメ(ハッテン場)体験はくそみそな結果に終わっちまった…。
fin
夜中に笑わすなwwwwww
面白かった。乙
なんといういじめ
性的いじめwwwwwwwwwww
口直しってレベルじゃねーぞ!
いじめっていうから相当酷いことやってんのかなって
思ってこのスレ開いたけどそうでもなかった
SOS団の終焉に限ってはね。
ハルヒ関連のSSでこんなに感動したのはこれが始めてだ。
ただ、あのあとハルヒを病院にみくるが連れて行って
奇跡的に助かったっていうほうが良かったかも。
涙からネタまで提供してくれる、何だこのスレは(w
>>181 乙でした。
これは予想外の結末だった。
みくるがここまで策謀を巡らすなんて・・・。
ちょっとした推理ものの気分で楽しめました。
>>181 不覚ながら感動した
ギャグSSでよく見るネタがたまに混じるのが今まで楽しく過ごしてたんだなぁ、と
感慨を感じると共に鬱展開のギャップが際立つね。
実はみくるいじめに転換するのかと予想してた、罪を背負って生きるのもハルヒかと。
あとキャラが下衆ではなくて狂ってはいるが根はわりとまともなのが切ないね。
でも長門はヤンデレになるのかな?
>>189 不覚ながら吹いたw
でもホモに迫られるのって普通の男にとっちゃいじめより怖いよなw
テラくそみそwww
では、こっそり
>>163からの続き投下してみる
ますますやるせないぜ…。
まあ朝倉が笑顔で「大丈夫だよ」って言ってくれたし、そのお言葉を有り難く頂戴しておくか。
そういや昨日の喫茶店代も払ってないじゃないか…。小遣いが入り次第至急返金しよう。
店員にやる気の無いお送りの常套句を聞かされ店を出た俺は、一気に血の気が引いた。まるで親に見られたくないものを見つけられてしまった時と感覚が似ている。
そう、何を隠そう俺の目と鼻の先には、いつもの四人組がいたからである。
さらに、あろう事かハルヒは仁王立ちを決め込み、俺のほうをサバンナで獲物を捕らえようとしているライオンがごとき
鋭い眼差しで睨みを利かせている。長門と古泉はいつもの表情そのものだったが、どこか威圧的で軽蔑的なオーラを放って
いるようにさえ感じる。これが俺の思い込みなのか否かは定かではない。朝比奈さんは相変わらずだな。ハルヒと俺の顔を
交互に見てオドオドしている。いやー、この人はいつもお決まりの反応をしてくれるので実に助かる。やっぱり自分の予測
範囲内で行動してくれる人間が一人ぐらい居てくれないとな。
なんて、考えている場合では無さそうだ。ハルヒが腕を組んだまま、俺たちの方ににじり寄ってきた。
ハルヒに何を言われるか予想し、それにどう抵抗するかをオーバーレブ寸前に脳みそをフル回転させていたまさにその時。
「アンタ、一体どういうつもりなの?!」
ハルヒの怒号が俺の左横に飛んで行った。
そう、朝倉の方向にである。
「へ?」
すっかり拍子抜けしてしまった俺の口から間抜けな声が飛び出る。
その声を聞いたのか聞いてないのかは知らんが、ハルヒは俺に一別をくれて再び朝倉に厳つい視線を浴びせる。
「どういうつもり…って、一体何が?」
朝倉はいつもと変わらぬ笑みを浮かべ返した。
するとハルヒはもう一度俺に視線の照準を合わせ、
「何がじゃないでしょ。どうしてアンタがこいつと一緒にいるのよ」
隣から、
「だって、今日はわたしと一緒に帰ろう。ってわたしが誘ったんだもの」
と、いつも通りの朝倉の爽やかな声が飛ぶ。
俺はハルヒの鬼のような眼光から目を背けそっぽを向いた。仕方ないだろ、あんな殺気に満ちあふれた形相をしている奴とにらめっこ出来る奴がいるなら、是非
名乗り出てほしいものだ。まあ居るはずないだろうが。
ハルヒは俺がそっぽを向いてから一、二呼吸置きぐらいした後にわざとらしく大きな溜め息をつき、
「あっそう。もういいわよ」
振り返りざまにそう言い残し、SOS団の連中の元へ戻って行き、いつものやかましい声で、
「みんな! 帰るわよ!」
という言葉を俺の耳に残し、ハルヒ達の背中は街の喧騒に消えた。
あいつらの姿が完全に見えなくなってから、俺も朝倉と別れ家路についた。
帰り際に朝倉が言ってくれた、
「よかったね。涼宮さん達から離れることが出来て」
という言葉に、何故かわからなかったが俺は素直に喜ぶことが出来なかった。
俺の心には、まるで喉につっかえた魚の骨みたいに胸糞悪いものが残った感覚がした。
そして次の日の朝、なんだか目覚めがすごく悪い。いつものように妹から無理矢理起こされたから、というのもあるのだが…。やはり夜更かしはよくないな。
しかし、俺だって好きで夜更かしなどしていたわけじゃない。喉につっかえた魚の骨が、いくら水を飲んでも取れなかったせいだ。
それに喉に骨がつっかえてる感覚が未だにする。これ程に調子の悪い朝は生まれて初めてだ。
石のように重たい体をなんとか起こし、重労働かのような朝の支度を済ませて学校へ向かっている最中、いつものアイツが話しかけてきた。
「よう、キョン」
今のグロッキーな状態でこいつと肩を並べて歩くのは非常に過酷だ。出来れば一人にしていただきたい。
しかし、こいつはそんな切なる願いを無視し、いつもの谷口節を利かせて延々と喋ってやがる。
俺はというと、ひたすらこいつの演説に適当な相槌を打つだけである。
「オイ聞いてんのかキョン?」
「ああ、聞いてるよ。昨日言ってた女子の話だろ?」
こいつの言いたいことなんざ聞いてなくてもわかるさ。女の話、次点に涼宮の数知れぬ蛮行に対する愚痴と陰口、そして先生への不満。こんなところだろう。
「ちげーよ、その話はさっき終わった。涼宮だよ涼宮」
そんなにハルヒが好きならSOS団にでも入団すればいいじゃないか、きっと仲良くなれるぞ。嫌気がさすぐらいにな。
谷口との無意味な話、というか演説を聞かされ教室に行くと、朝倉が笑顔で出迎えてくれた。
「おはよう」
俺も軽くおはようと返し、自分の席へと足を進める。
そう、いつもハルヒが後ろで待ち構えている俺の席に。
しかし今日はいつもと違っていた。そう、カバンはあるがハルヒの姿が無い。それどころか机の様子もおかしい。
どうしてハルヒの席にクシャクシャになった紙が乗せられているのだろうか。
まあ、あいつの事だ。なんか下らない考察でもまとめていたのだろう。そして没になった考察をクシャクシャにして机の上にでも放置しているのだろう。
それに今あいつがいないのは、紙を全部使い果たして印刷室にでも用紙をかっさらいに行ってるのか、完成した考察をあいつらに渡すためにコピーしに行ってるのか。のどっちかだろうな。
って、俺は何考えてるのだろうか、あいつとはもう何も関係無いというのに…。
谷口や国木田の話しをしながら始業のベルを待っていると、始業のベルと同時にハルヒが教室に入ってきた。
それと同時に、谷口も国木田に誘われるように自分の席へ戻っていく。
先生が教室に来たのもそれからまもなくしてだった。
それまで、俺とハルヒの間に会話は無かった。
無論会話したくないが故にハルヒが後ろで何をしていたか、どんな体制で先生を待ち構えているのか、知る由もない。
朝のホームルームの最中、先生はある提案を出してきた。それは何かと言うと、
「最近、授業中にも関わらずお前達がうるさいといろいろな先生から苦情があってな」
あからさまにこっちのほうを見て言わないで頂きたい。
「せっかく朝倉も戻ってきたことだし、席替えでもするか。心機一転。これでお前達も心を入れ替え、真面目に授業を受けるんだぞ」
まあこっちとしても都合がいいな。もしや後ろの奴とも離れられるチャンスだし。
というわけで席替えをしたのだが、どういう訳かハルヒはいつものポールポジションを外さない。さすが神様、進化の可能性、時空の歪みと言った所だ。
でもって俺はというと、どういう訳かハルヒとは一番離れた席。つまり廊下側の一番前の席に選ばれた。
これで今度こそ、さらばハルヒ、フォーエバーと言ったやつだ。
しかし俺はまだこの時、この居慣れたクラスが今まで俺が知っていたクラスとはまったく別のクラスになっていた事にまったく気付いてなかった。
俺が異変に気付き始めたのは昼休みになってからである。
谷口や国木田と机を囲みながらご飯を食べていた時の事である。
いつもなら学食に行っているであろうハルヒが教室にいた。しかも机に頭を突っ伏せている。
珍しい事もあったものだ。財布を持ってくるのでも忘れたのだろうか。
そんな時だった。数人の女子がハルヒに話しかけた。ここからじゃ話の内容はよく聞き取れなかったが、なんかハルヒの事を心配している様子だ。
どうしたんだ。今まではハルヒなんかと話そうとする奴も居なかったのに。それにこういうのは朝倉の役目じゃなかったのか。
俺は教室を少し見渡し、朝倉たちが仲睦まじくお弁当を並べているグループに目をやった。
朝倉は俺の視線を感じ取ったのか、こっちのほうを向いて微笑みを返す。
なんだか隣がやかましい。そう谷口だ。谷口は朝倉の笑顔を見るなり
「やっぱいいよな朝倉。前にも言ったがアイツはAAランク+の…」
また始まったよ。女評論と恋愛指南をするのはいいが、それを少しは実践で役立てたらどうだ。
俺は谷口の話に耳を傾けるふりをしながらハルヒが居る席のほうに今一度目をやった。
しかし、さっきまでいたハルヒと女子達の姿は消えていた。どこへ行ってしまったのだろうか。ハルヒの事だろうから、
恐らく「あんた達、あたしに学食の一つや二つおごりなさいよ!」とでも脅して飯を奢らせているのだろう。
さっきの女子達気が弱そうな連中しか居なかったからな。ほら見ろ、ハルヒと関わるとロクな事がないんだよ。
すると、いきなり心地のいい透き通った声が上から降ってきた。
「どうしたの。わたしの話してるみたいだけど?」
振り向くと当然ながら朝倉がそこにいた。
俺の方を見てそんな事言われても困る。お前の話をしていたのは、今俺の前ですっかり黙り込んでだらしない馬鹿面を浮かべている谷口であって、俺じゃないんだからな。
「いったいどんな噂話してたの。教えてよ」
だから俺に言われても困る。
「いや、お前の噂話をしていたのは谷口であって俺じゃない。聞くなら谷口に聞いてくれ」
それを聞くなり谷口は、
「あのーっ…変な話じゃなくて! あのですね。朝倉さんは可愛いなって話をですね…。な、国木田?」
オイオイ、さっきまでの威勢はどうした。偉そうに恋愛講座を開講してたのはドコの誰だよ。
「え? 僕に振られても困るよ」
ほら、無茶振りするから国木田も困ってるだろ。やれやれ
「まあ、ともかく変な話じゃないから安心してくれ。あそこの女子達も待ってるぞ。だから戻ってくれ」
朝倉は少し悩ましい表情をした後すぐ笑顔に戻り、
「うん、わかった。あっ、それとキョンくん。今日、一緒に帰ろう?」
まあ、これから俺は晴れて自由の身だしな。まあ別にいいだろう。
俺は朝倉に快くオーケーの返事を出した。
すると朝倉は、
「ありがとう」
と言いながら首を少し横に傾げてウインクをして、朝倉を待つ女子の元へ、その流れるようなロングヘアーをなびかせ戻っていった。
この時、俺が底知れぬ優越感に浸ったのは言うまでも無い。
「俺たち、友達だよな!
無論、このセリフを吐いたのは谷口である。
やっぱこいつはアホだ。
しばらくして、涼宮に話しかけていた女子達が戻ってきたのだが、そこに涼宮の姿は無かった。
まあ差し詰め、金を渡すなり、「あんた達の役目は終わったわ! さっさと帰りなさい!」とでも言われて追い返されたのだろう。
何故かあいつらが笑っているのは気掛かりだが…。まあ、ハルヒの陰口にすっかり花が咲いて盛り上がりでもしていたのだろうか…。
まあいい、考えるだけ無駄だ。ハルヒと俺はもう無関係。赤の他人なんだからな。
結局ハルヒは放課後まで戻ってこなかった。部活動に熱心なのはいいが、少しは社会のマナーというのを考えたらどうだ。
ていうかあいつがSOS団の活動をしていたと決まったわけではないが、きっとあいつなら恐らくそうに違いない。
それより先生、不良高校生を取り締まるそぶりを少しは見せたらどうです? 確かにあいつは言って聞くような人間じゃ無いけど、カバンはあるのに生徒がいないという
謎の机の存在を、少しは指摘してもいいとは思うんですが…。
で、放課後である。俺は今、約束通り朝倉と肩を並べて下校をしているわけなのだが。何故か嬉しくない。それは、と言うと谷口や国木田までもがいるからだ。
特に谷口。お前は何だ。本来俺の役割である朝倉との会話を奪いやがって。
何が「朝倉さんて本当に頭がいいんスね」だよ。以前お前が偉そうに述べていた。
女は一気にガツンと落とすのが鉄則。
という教えはどうしたんだ。忘れたとは言わさんぞ。
まあ仕方ない、俺は国木田と話すか。そういやこいつらと一緒に帰るのも久々だしな。
そんな時だった。前方目測約10m付近に、見覚えのある栗毛のふわふわロングヘアーと、深緑のベリーベリーロングヘアーの二人がユサユサと髪をなびかせながら歩いているじゃないか。
一瞬話しかけようとも思ったが、何せ間合いがありすぎるし、第一俺もう、あの二人とは無関係の人間なんだ。
もう一度言うが、俺はSOS団とは無関係、赤の他人なんだからな。
あの美味しいお茶を飲めなくなるのと、可愛らしいメイド姿を拝見出来なくなるのは残念だが…。これから普通の高校生としての人生を贈ることが出来るなら、
それぐらいのリスクも仕方ないだろうし、我慢も出来る。
しかし、鶴屋さんはいいとして、どうして朝比奈さんもこんな早い時間に帰ってしまっているのだろう。ハルヒの気まぐれで本日は休部にでもなったのか?
まあいい。しつこいようだが、もう一度言わせてもらう。
俺とSOS団は無関係、全くもって赤の他人だ。
wktk
なんという生殺し
しかしキョン。これはいいツンデレww
頼む、はやく続きを投下してくれ
206 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/24(月) 17:30:01 ID:C0Wjo664
流石……。
消失世界みたいな・・・。
なかなか完結しないし投稿遅くてすまん
では
>>202からの続きをちっと
そして次の朝。俺はいつもより早い時間に学校へ向かった。それは何故かと言うと。
俺の憂鬱な朝は妹の顔を見て始まる。しかし今日は違っていた。
俺を夢から現実に引き戻してくれたのは、ウチのペットであり妹の友達でもある猫のシャミセンだった。
あろう事かシャミセンは俺の顔を寝床にしようとしていたのだ。吸入口を塞がれた俺は、呼吸困難のお陰で夢から醒め、
6時30分という何とも微妙な時間に起きた。いや起こされた俺は、このまま再び床に就いたら寝過ごしてしまうだろうと踏んでそのまま起きていたのである。
まあ、俺を起こそうと部屋に入ったのであろう妹の驚いた表情を見れたのでまあいいとしよう。
とりあえず俺のどうでもいい朝の出来事を語るのはこれぐらいにして、先程も述べたが、俺は今いつもより早く学校へ向かっている。
そんな時だった。俺のすぐ前をまたもや栗毛色のロングヘアーが、ひょこひょこと可愛い歩調で歩いているでは無いか。
何を血迷ったか、ついつい俺は、その栗毛色のロングヘアーの持ち主もとい朝比奈さんに話し掛けてしまっていた。
「お、おはようございます朝比奈さん」
少し控えめな感じで、軽く会釈までする俺。
朝比奈さんは立ち止まり、ちょっとキョトンとした表情を浮かべ、
「あ、はあ…。おはようございます…」
こちらも俺と同じように少し控えめな感じで、さらに会釈を返し、何事も無かったかのようにまた前を向いて歩き出してしまった。
さっきまでの歩調より少し速いのは気のせいだろうか。
しかし今の反応は気掛かりだ。普段なら「あ、キョンくんおはようございましゅ〜」などとエンジェルボイスとキューティースマイルを俺に向けてくれるはずなのに。
もしやハルヒの奴、朝比奈さんに俺を無視するように吹き込んだか…。
だとしたら許す事は出来ないな。朝比奈みくるファンクラブがあったとしたら、会員NO.00番になりたいぐらい慕っているこの俺に、こんな仕打ちをするとは。
「よう、キョン」
あ? なんだ谷口か。
「どうしたよキョン。こんな所で馬鹿みたいに立ち止まってよ」
どうでもいいだろ。てかお前にだけは馬鹿とは言われたくないぞ。
しかし、いつもより15分は早く来ているというのに、なんでお前がこんな時間に登校してるんだ?
「それがよ〜キョン聞いてくれよ。俺はいつもみてぇに目覚まし時計に起こされたんだよ。だがな。何故かいつもの時間とちげーんだ。だから早く来たってわけさ」
つまりなんだ。目覚ましのタイマー設定を間違えて、せっかく早起きしたから、学校にも早く来たって訳だな。
こいつらしいと言ったらこいつらしい理由だ。
「そういやお前も早いよな。どうしたんだ?」
なんとなくこいつには朝の出来事を話したくなかった俺は、適当に。
「たまにはな」
と返しておくとしよう。
「なんだキョン。実は言えない理由でもあるんだろ?」
まったく面倒くさい奴だ。
「ねーよ」
「隠すなよ」
こんな下らない掛け合いをしているうちに教室についた俺は、新しい席と今までの席を間違えぬよう注意し、新しい我が席に腰を下ろした。
しばらくすると、ほかのクラスメイトたちも順々にわらわらと入って来た。
その中の女子の団体様の中から
「おはよう」
という声が。そう、谷口の大好物こと朝倉である。
挨拶と同時にこっちに笑顔を向けてくれたのは気のせいなどではないと信じたい。
朝倉は自分の席にカバンを置くなり、すぐに他の仲間たちが恋しそうに待つ女子達の輪の中に埋もれていった。
それからまもなくして、ハルヒも教室へと入ってきた。しかも他の女子達と一緒にである。さらに驚いたことに、昨日話し掛けられていた女子達とはまた別の女子達とである。
さらに驚くのはこれだけではない。ハルヒのトレードマークとも言うべきリボン付きカチューシャがあいつの頭には装着されていなかった。
そう、まさに何も乗っていないまんま素の状態だったのである。
あいつカチューシャ取るとあんな感じだったんだな。って、俺は何を考えているのだろうか。ハルヒがカチューシャを取ろうが取るまいが関係無いじゃないか。
って、またまた論点が違う。カチューシャがどうとか以前に、いつの間にあいつは様々な女子と交流を持つような社交的な性格に変貌してしまったんだ?
そんな事を考えているうちにハルヒは、さっきの女子達と昨日同様どこかへ去って行ってしまった。
しかし、いくら社交的になっても、あいつのぶっきらぼうな面は変わらないんだな。
「おはよう、今日は二人とも早いんだね」
そう話し掛けてきたのは国木田である。
「ああ、たまにはな」
国木田になら朝の出来事を話してもいいと思ったが、谷口がいたのでやはり黙っておこう。
谷口は谷口で自慢げに今朝の事を話してるし、まあ黙って聞いておくか。
まあそんなこんなをしているうちに始業のベルが鳴り、先生も教室に入ってきたので、それぞれは黒板の方を向いた。
そういやハルヒがまだ来てないな。さっき一緒に出掛けた女子達はいつの間にか帰ってきてるというのに。しかもまた先生は無視してホームルーム続けてやがるし。
こうして、結局ハルヒが教室に戻ってきたのは俺達が昼飯を食べ終え、さっき俺達三人の話の輪に交じってきた朝倉等と会話をしているときである。
しかしあいつは午前中何をしてたんだ? 制服をあんなに汚して。しかもどこか湿っている気もする。
おっ、そうか。これで線が一本につながったぞ。俺の考察はこうだ。
朝。ハルヒは数名の女子を連れ出し、裏山の森かどこかへ行き、「あんた達も一緒に不思議を探すわよ!」などとがやり付け、ハルヒは先陣を切って不思議を探しに行った。
ハルヒの蛮行を見た女子達は、呆れかえって帰ってきてしまった。しかしハルヒはそんな事とはつゆ知らず、一人で不思議を探していた。
と、こんな感じであろう多分。
しかし気の毒だなハルヒ。他の奴らが帰ってしまったのにも関わらず一人で探していたなんてな。まあせいぜい不思議探しでも頑張るがいいさ。
「どうしたのキョンくん? ぼーっとしちゃって」
いや、別にぼーっとしていたわけではないのだが。
「いや、ちょっと考え事しててな」
「考え事って何だよ? 教えてろよ」
谷口、またお前は一々。
「僕も知りたいな。キョン、どんな考え事してたんだい?」
国木田、お前もか。
どうして同じ事を聞かれているのに谷口だと苛立ちを感じるのだろうか。これはきっと聞き方以外に、何か他の原因があるに違いない。
「大したことじゃない。あ、そういや次の授業って何だっけ?」
とりあえずこの台詞でごまかしておこう。
「えっ? う〜ん…。次の授業は国語だよ」
「国語かよ…。俺はどうもあいつの授業はニガテなんだよなぁ」
俺の気持ちを察してくれたのか、単に次の授業は何か思い出していたのかは知らないけど、朝倉が助け舟を渡してくれた。
ま、朝倉の事だから前者だと思うが。
すると、丁度いいタイミングで予鈴が鳴ってくれた。
ひとまずはこれで安心だ。
俺は、今のハルヒの事を他の誰かに喋りたくなかった。自分の中だけに留めておきたい不安が、現実になってしまいそうで…。表面的にはアイツの存在を消していたのかもしれない。
………
……
…
SOS団とは無縁の生活を始め、大体二週間が経過した頃である。
その頃になると、下校時は朝倉達のグループと俺達のグループは一緒になって帰るようになっていた。
続きwktk
>>210 続き書いてくれ
気になって眠れなさそう
いじめ描写少なすぎてすまん
とりあえず完結したんで全部投稿してみる
では
>>210からの続き
そんな時である。朝倉がこっそりと俺に耳打ちをしてきたと。その内容は何かと言うと。
(明日の放課後、時間大丈夫?)
と言った内容である。
一瞬俺の脳裏にすごく嫌な思い出がよぎったが、俺は快く(オッケー)と(何か俺に用でもあるのか?)と朝倉に耳打ちし返した。
すると朝倉は、(秘密。ここじゃ恥ずかしいもん。だから、この手紙読んで)と、ソフトクリームのような返事を返してきたと同時にポケットに恐らく手紙を入れられた。
ん? タバスコと刃物の間違いだって? いやいや御冗談を。今の朝倉は俺の踏む限り全く一般的な女子高生だ。まさか、いきなりナイフを向けるなんて事。
「なんだよ二人でコソコソ。俺にも教えろよ」
さすがは谷口だ。俺と朝倉の不振な掛け合いを見て黙っているハズが無い。
谷口。言っておくが、こういう場合は空気というものを読んだ方がいいぞ。
ほらみろ。他の連中も便乗してきたじゃないか。
しかし、こういうのもたまにはいいかもしれんな。俺が望む高校生活って言うのは、変な灰色空間で巨人に襲われるのでもなければ、害虫に襲われるのでもない、
ましてや終わらない夏休みを延々と繰り返す事じゃない。こういうものだったんだ。俺だって一人の男であり高校生。
なんかこう、甘酸っぱい青春に胸を踊らせたいと思ったりもするのさ。
まあとりあえず明日までに、上手く国木田他を撒く上手い口実を考えておかねば。
というわけで次の日の放課後。
何とか谷口達を撒いた俺は、教室に誰もいなくなると予想される時間までブラブラと校舎をさまようことにした。
さっき少々ネタバレしてしまったが、皆さんも気になるであろうから手紙の内容を公開しよう。
『放課後、あなたにだけの用があるので教室で待ってます。 朝倉』
一々手紙にするほどの事でも無いと思うのだが。
それに、せっかくなら人っけの無いところで要件を済ませればいいのでは? とも思ったが、この無駄に高鳴る鼓動を維持し続けるのもいい。
「はあ……」
この溜め息は俺のこの昴ぶる気持ちから来たものでは無い。そう、気付くと俺は旧館もといSOS団の部室があるであろう部室棟の入り口に、足を踏み入れようとしていたのである。
何やってんだ俺は…。今更あいつらの所へ行ったとて、何言われるか解らんし、合わせる顔もない。それにもしかしたらSOS団なんかもう…。
俺は振り返り元来た軌跡を辿ろうとしたその時である。
俺の視界に、今一番会いたくない奴の姿が飛び込んできた。
そうハルヒである。さらにあろう事か視線まで会ってしまっている。
どうやらハルヒは中庭から校舎に戻ろうとしたらしい。
最近では見慣れてしまったハルヒの体操着姿。
今日もやられたのか。
「何……?」
ハルヒが話し掛けてきた。しかしほんの二、三週間前とは打って変わって顔と言葉に覇気はない。そりゃそうだよな…。
「い、いや別に…」
俺はそっぽを向いてそう返事をする。
「そう……」
ハルヒが俺から視線を外し、下駄箱のほうへ目をやった。
「涼宮…!」
そう放ったのは俺である。
ハルヒは再び俺のほうを向いた。
しかし俺は、言葉を続ける事が出来なかった。今の俺には、こんな事言える資格は無いのかもしれない。と思ったからだ。
数秒の沈黙の後、ハルヒは下駄箱のほうへ向かって歩いて行った。
情けない。つくづく毒な男だな、俺は。
俺とハルヒのやり取りを見ていたのか、数名の女子達が俺に歩み寄ってきて、そのうちの女子一人が。
「何? キョンくんってあんな奴と仲良かったの?」
そう、ハルヒはいじめられてるんだ。
「いやそんなんじゃないって、アイツが勝手に話し掛けてきたんだよ。俺だってあんな奴と話したくもねーよ」
こんな言葉を返すことしかできない俺。
「だよねー」
この意味のわからない掛け合いにも慣れた。
あえて誰にも言わなかったが、確実に世界は変わってしまっている。俺がSOS団を抜けた時から。
長門や古泉、特に長門に話せば真相を掴む事が出来るのかもしれないが、俺には出来なかった。別に長門がこの世界にいないというわけではない。長門の姿は廊下で数回見た。
ただ聞けなかっただけさ。もちろん朝比奈さんの時みたいな態度を取られるんじゃないか。という心配はあったが、何より俺は甘えたかったんだ。
この普通の学生生活に。誰がこんな事しでかしたのかはわからない、というより確証が無いのでアイツがやったと認めたくないし、そう信じたくも無かった。
そう、俺はこの生活にまだ浸っていたかった。そんな事を考えてしまう俺がつくづく嫌になる。
ほら、また嫌なもん見ちまった。
さっきの女子達がハルヒをどこかに連れだそうとしてやがる。もういいと思うんだがな。アイツ、もう着替えの服無いと思うし。
最初の一週間だな。ハルヒはいじめられていないと自分を誤魔化せたのは。
まだ隠れたいじめだったし。でも、それ以降は流石に誤魔化す事が出来なかった。
教室外から教室内のいじめに変わったからな。
おかげで机が蹴られる音にも慣れてしまった。
大体ハルヒが下校する時は体操着姿だ。どうせ便所の水でもかけられているのだろう。
毎日毎日、死ぬとかブタとか臭いとか肉便器とか言われてよく黙っていられたものだ。俺だったら怒って殴りかかってるぞ。
とまあ偉そうな事言っときながら、俺達は俺達で、何もない、まるでアイツらとは別の世界にいるような感じでのうのうと雑談を楽しんでいたんだがな。
おかげで谷口もあんなに好きだった涼宮話も全くしないようになり。変わりに、朝倉話をよくするようになった。
畜生。
さて、アイツらどうせ教室でハルヒに何かするんだろうし、もう少し校舎をほっつき歩くか、と思ったその時、見慣れた顔の男が下駄箱の方へ向かって行くのが見えた。
そう古泉だ。
俺は古泉がいる下駄箱のほうへ急いで向かった。
「古泉! 一樹君ですか…?」
こいつに敬語を喋るのは何だかムカつくが、致し方ない。
「はい、そうですが。一体どなたでしょうか?」
やっぱり世界は変わっちまってたんだな…。でも、俺にはどうしても知りたいことがあるんだ。俺は自分の名を名乗りこう続けた。
「いきなり初対面でんな事言って、変な奴だと思われるかもしれないが…。SOS団って知って…ますか?」
予想通り古泉は驚いたような表情をし、少し考え込み。
「いえ、ご存知無いです。何かのドラマの架空組織でしょうか?」
やっぱりな。でも、久々にお前と話せてよかったよ。
俺は、
「わかりました。すいません変な事聞いて」
そう言い、一目散に部室棟へ向かった。もちろん長門に会いに行くため、そして今は無きSOS団の本部へ行くため。
もう自分を騙して生きていくのはいい加減ウンザリだ。確かに今の生活はすごく充実していて楽しい。でも、ハルヒの苦しむ顔は見たくない。何よりアイツの笑顔に心から喜べない。
前の世界には、そりゃもう腐る程の不満はあった。その不満の原因の内訳は、今地獄のような苦しみを受けてるハルヒへの不満が大多数を占めてる。
でも、俺はハルヒが苦しんでる顔より笑ってる顔が見たい。元気過ぎてうるさいぐらいの声が聞きたい。ハルヒ、いやSOS団の連中ともっと沢山話がしたい。
「長門!」
部室のドアを開けるなり俺はそう言い放った。もちろん長門が居る保証は無い。でも、俺はここに長門が居ると信じて疑わなかった。
「……何?」
やっぱり長門は居てくれた。
俺は長門が座るパイプ椅子のほうへ向かい。
「長門、俺の事覚えてるか?」
数秒の沈黙の後、首が僅かに縦に揺れた。
「なら話は早い。誰なんだ。こんな事をした奴は?」
「……わからない。情報統合思念体との通信が遮断されている」
どういう事だ?
「いつから?」
「この世界が構築された時から…」
となるとあの火曜か…。
「私がわかるのは、今の涼宮ハルヒからはもう、進化の可能性は見いだせない。という事だけ」
それぐらい俺だってわかる。ハルヒがこんな世界望むわけが無い。
「わかった。ありがとう」
畜生。あの長門でもダメだったのか。疑いたくないが…。やっぱりあいつに聞くしか…。
俺は部室を飛び出し、教室へ向かった。空はすっかり赤に染まっている。まるであの時みたいだ。
俺はあいつの前ではハルヒの話をするのはあえて避けてきた。ずっとあの時の事が気になっていたからだ。
突如俺の前に現れた朝倉、朝倉に打ち明けたハルヒへの不満、「罪滅ぼしがしたい」、「よかったね。涼宮さん達から離れる事が出来て」
さらに、他の奴らの記憶は消えてしまったのに、俺だけ記憶が残っている。さらにさっき知った長門と情報統合思念体との通信遮断。
これらの事を考えるとやっぱりあいつの顔しか思い浮かばない。
なあ、朝倉。やっぱりお前なのか…。
とりあえず考えていても仕方がない。教室に入って朝倉に話を付けよう。
俺は、いつも開け慣れた教室のドアを、今までに無いくらい慎重に、そしてゆっくり開けた。
「遅いよ」
「あぁ、すまん」
「あんまり遅いから帰っちゃったのかと思った」
そう言いながら朝倉は、後ろ手を組んでゆっくりとこっちへ向かってくる。
「ほんとすまん。待たせちまって…」
「いいよ、だってキョンくん来てくれたもの」
朝倉はいつもと変わらぬ優しい笑顔でそう返す。
「そうか、サンキューな。ところで朝倉、俺に用ってなんだ?」
「う〜ん。用っていうかお話なんだけどね…。あのね…」
朝倉は、後ろに組んでいた手を前に組み、上目遣いでモジモジしはじめる。
俺は甘えを拭うために切り出した。
「実は俺も話があるんだ」
朝倉は一瞬驚いたような表情をして顔を上げ、「うん…。キョンくんから話していいよ」
そう言い、再び上目遣いに戻る。
「じゃ、じゃあ…。あのさ、あの時お前が言った言葉覚えてるか?」
「あの時…っていつ?」
朝倉は、上目遣いながらも不思議そうな顔をする。
「あの日の夜、喫茶店でだよ」
朝倉はさらに不思議そうな顔をする。
「もしかして、覚えてないのか…?」
「ごめんなさい…」
どういう事だ。朝倉の仕業じゃないのか?
「じゃあ、涼宮が作ったSOS団も、俺がお前に涼宮の悩みを話した事も…覚えてないのか?」
わずかな時間、沈黙が教室を支配した。
「やっぱり…。そうだったんだ…」
その沈黙を破り捨てたのは朝倉だった。
「薄々そうじゃないかって気付いてたんだ…。キョンくん、涼宮さんの事ばっかり見てたもんね…」
やはり気付かれていたのか…。
「本当はね…、キョンくんの事好きです。って言おうと思ったけど…。やっぱり止めた。キョンくんがその気じゃないならしょうがないもんね…」
「あぁ…」
数秒間の沈黙。
「ほら、キョンくん。涼宮さんの所に行ってあげなよ。さっき、校庭に居るの見たから…」
考えていても仕方ない。
「そうか、ありがとな。朝倉」
そう言って教室を出ようとしたその時、
「キョンくん…。今までまとわりついててごめんね…」
朝倉は床を向いたままそう言った。
「まとわりつくだなんてそんな…。お前といろいろ話してる時、すごい楽しかったぜ。だから変な事言うなよ」
朝倉は依然と下を向いたまま。
「だからさ、これからも…」
「ほ〜ら、あんまりモタモタしてると涼宮さん、またどこかに行っちゃうよ?」
俺の話を中断するように、朝倉がそう切り出した。
「あ、ああ…、そうだな。またな朝倉」
「ううん、キョンくん。じゃあね!」
そう言い残した朝倉の顔は、一見いつもの笑顔であったが、どこか悲しそうでもあった…。
校庭に到着した俺は、とりあえずハルヒを探すことにした。しかし、どうしてうちの高校の校庭は無駄にだだっ広いのだろうか。
校庭を見渡していると、野球部のベンチに人影があった。髪型から解るが、明らかに野球部員では無い。そうハルヒである。
一体何をやってるのだろうか。俺はハルヒがいる野球部のベンチへ向かって走った。
ハルヒはまた、さっきの体操着姿から制服姿に着替えていた。
「よ、よう涼宮…」
その声が聞こえたのか、ハルヒの肩がピクッと持ち上がった。
本当にどうしちまったんだよ…。今までのお前なら、そんなビクビクしないだろ…。
俺が話し掛けてから数秒後、ゆっくりとハルヒがこっちを向き、
「何?」
と、相変わらず覇気のない声で返す。
「い、いや…。こんな所で何やってるのかと思ってさ…」
ハルヒの後方のベンチを見たところ、背もたれに体操着がかかっていた。
オイオイ。もう夕方というかほぼ夜に近いぞ、星だって見え始めてるし…。今から乾かそうとしたって…。
「そっちもこんな所に居ていいの? 朝倉を待たせてるんでしょ…」
「え?」
「さっきあんたと会った後、教室行ったら朝倉がいたからさ…」
やっぱり教室に連れて行かれたのか…。
「いや、あの件はもう済んだんだ。だからここに来た」
「あっそ…」
俺はゆっくりとハルヒとの間合いを、距離を縮めた。
「あのさ…。信じてもらえないかもしれないが、俺とお前はほんの二、三週間前まではSOS団っていう部活に所属しててさ…。そこでお前は団長やってたんだ…」
「ふざけないでよ! 馬鹿にしに来たならもう帰って…」
久し振りにハルヒの怒鳴り声を聞いた気がする。
「ふざけてなんかいねぇよ! 団長の時のお前は今とは違って、声も一々うるさくて、無駄に偉そうで、意味もなく感情の起伏が激しくて…」
「お願いだから帰ってよ!」
ハルヒの泣いてる顔を見るのは二度目か…。
「帰らねえよ!」
俺はさらに間合いを積める。
「俺はお前が好きだ! いや、お前だけじゃない。前の世界にいた連中皆が好きだ!」
「何言ってんのよ…」
「俺はもう、お前が苦しむ姿なんか見たくないんだよ!」
怯えるハルヒを、俺は 強引に抱き寄せた。制服が少々湿っぽいが構いやしない。
「ちょっと…止めて…。止めなさいよ! バカ…」
口ではそう言っているが、抵抗はしてこなかった。
「涼宮…、いやハルヒ。あっちの世界に戻ったら、さっき言えなかった事言うよ」
「え…?」
俺のセリフに疑問を覚えたのかどうかは知らないが、ハルヒは顔を上げた。
暗くてよく確認は出来なかったが、頬はどこか紅潮していたような気がする。
俺はすかさず、桃色に煌めくハルヒの唇に、自分の唇を乗せた。
俺が出来る事はもうそれ以外に無い。それ以外の手段が見つからない。
すると次の瞬間。周りが一瞬これでもかと言うぐらいに光った気がした。何ゆえ、目を閉じていたので周りの景色がどうなっているのか解らなかった。
もちろんハルヒがどんな顔をしているかもわからない。
すると、頭が急にドシンと重くなったと同時に、腹にも荷重が加わった。
さらにほのかに眩しい。そして聞き覚えのあるノイズが…
「キョンくん、起きて〜」
その声を聞き、俺はベッドから飛び起きた。
「あっ、キョンくん起きた〜」
もしかして、俺は戻って来れたのか?
………
……
…
俺は今、放課後の部室にいる。もちろんSOS団のな。
そして、古泉とゲームをしながら朝比奈さんの美味しいお茶に心ときめかせ、俺が体験した摩訶不思議な出来事を、連中に説明しながら団長様であるハルヒを待っている所である。
「なあ長門、ほんとに知らないのか?」
「そう」
しかし、不思議なことが多すぎる。長門は俺が別の世界に飛ばされていた事を知らないらしいし、情報を操作された記録も無いという。
それに、古泉の話によると、そんな大規模な閉鎖空間は発生していなかったという。
「古泉。本当に何も知らないのか?」
「ええ、そうですよ。それに、そのような事態が実際にあったと仮定しましょう。だとして、彼女がそんな自分に不都合な事しか無い世界を望むでしょうか?」
「確かにそうだが…」
しかも俺が登校した時、朝倉は学校にはいなかった。さらにあろう事か、一度転校して以来学校には戻ってきて無いという。
朝倉の件を長門に話してもみたところ。朝倉が復活した記録はやはり無いと言っていた。
さらに朝比奈さんの話によると、
「時間の歪みを検出したという情報は入って来てないですぅ…」
「そうですか…」
じゃあ約三週間前。いや修正後、というか実際の時間軸だと、おとといか。あの出来事は何だったのであろうか。それにあの約三週間の日々も一体…。
さらに、俺がハルヒに吐いた数々の暴言も、まるでなかった事になっている。
その証拠に今日の朝っぱら、ハルヒはいつもと変わらぬ様子。いや、いつもよりハイなテンションで「今日は会議だからね! 絶対に遅刻しちゃダメよ!」
等と眩しいくらいの笑顔を俺に向けてくれた。
やはりみんなの俺はとても長い夢を見ていたのだろうか…。
いや、そんなハズは無い。
だって、俺のポケットの中には、朝倉から貰った手紙がまだ入ってるからな。
あの三週間の体験は夢でもなければ幻でもない。現実にあった事なんだ。
そうだよな? 朝倉。
ガシャン!
懐かしいこの響き。そう、我らが団長涼宮ハルヒがようやく登場だ。
「さあて、みんな集まってるわね!」
いつもの甲高い声。
「なあ、一つ言わせてくれ…」
「何よキョン。これから大事な会議よ。私語は慎みなさい!」
さて、あの時言えなかったこいつとの約束を果たすか。
「なあハルヒ。俺はいつまでも、お前の味方だ」
END
ああ、泣きそうだ。GJです。
乙そしてGJ!!!
>>218 おまえは神なのか?
ハッピーエンドで俺の涙まで持って行きやがって、どう責任を取ってくれるんだ
そういやタイトル何?
乙です。盛り上がってまいりました。
>>218 原因不明でエンドというのも、どこかヒッチコック的な不気味さがあって面白いな。しかもハッピーエンド(元に戻っただけ?)ってのもいいw
先日までの過疎っぷりがウソのような投下ラッシュでうれしいよ
>>223 うん。こういう終わり方ができるのはSFの要素を含んでいるハルヒならでは。
それにしてもここのSSはクオリティが高い
ただのいじめで終わらないところも好感が持てる
なるほど
誰も来ないね
人が来ないのは微妙にスレ違いなのも1つじゃね?
次スレからは文芸サロンに移転しないか?
そう文芸板に押し込めなくてもいいじゃん。佐々木や橘は殆ど出てこないし、特殊な指向のネタSS提供の場と思えば。
当初は自分もVIP向きのスレかとも思ったが。
ここでひっそりやるのも別に俺は悪くないと思う
>>229 一応VIPにもその系統のスレはあるんだけどね
あれ?
過疎ですね…
234 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/02(水) 21:55:51 ID:mF28o2uz
「長門に重大なエラーが発生しました。」
近日公開!
…
236 :
朝比奈いじめ:2008/04/03(木) 22:16:32 ID:kVRZ700D
朝比奈さんは今日もハルヒにいじめられていた
まず放課後SOS団の部室に俺が来た時からハルヒのいじめは始まっていた
部室の扉を開けて信じられない光景を見た
なんと全裸の朝比奈さんがロープに縛られていたのだ
俺は鼻血を出した
ハルヒ「あ・・キョンいいところに来たわね みくるちゃんの体触っていいわよ」
俺「ハルヒ いい加減にしろ」
俺は切れた
だがハルヒは俺の手をつかんで朝比奈さんの胸に当てた
柔らかい マシュマロみたいだ
俺「うおおおおおおおお もう我慢できねえ」
俺は理性を失って朝比奈さんの胸を触りまくった
そして俺は朝比奈さんのあそこにチンぽを突っ込んだ
朝比奈「キャーーー痛い・・痛いよーー」
朝比奈さんは悲鳴をあげた
でもそんなの関係ねー 俺は大量の精子を出し倒れた
俺が倒れた後朝比奈さんは裸のまま走って逃げだした
そして俺は数分後にめを覚ました
そしてすぐに状況をハルヒに知らされて俺はショックをうけた
俺「ああ・・俺はなんて事をしてしまったんだ・・でもそんなの関係ね〜」
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しらけてしまった
俺はその後服を着て家に帰って行った
完
SS更新まだみたいだね
厶:::::::.:/:/,.. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ  ̄ _ --‐‐
__ /r〃:.::.:ぃ:.:.-__;;.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:} __ --‐‐  ̄
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--‐‐  ̄ _ '._ j } }_:.:.:.ゝ-vリ-_ニ二¨¨`ー¬
__ --‐‐  ̄ }‐t: ; ^ニ__‐-、 ´Vr'^ }ム´-::.<´ - 、 }
__ --‐‐  ̄ _,.! / ´└'` ヘ>、 ハ:::::::::.:.ヘ` ^ヘ-―… "¨´ ̄
,. '´ .', { _ 广´ ヽ:::いヽミ...... ヽ
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いじめカッコ悪いさんのSSをもう一度みたいな
IKAOHさんもいないし
管理人さんもいないし
↑こういう懐古厨が一番嫌われる
クレイジー・ザ・キョンもね
俺はマッガーレ氏のが読んでみたいな
個人的に小指でぎゅっが良作だった。ただ俺が朝倉さん萌えだからかもしれんが
てかこんなに語っといて俺が言えた義理じゃないんだが
あんまこういう話しはしないほうがいいのかもな
なんつーか投稿しづらい感じになると、以前もこのスレで問題になったし
とりあえず、誰か投稿してくれ!俺は飢えに飢えてるぞ!
誰かいませんか?
落ちませんように…
246 :
イソローク:2008/04/07(月) 18:09:32 ID:RMOqQcAz
久々に見てスレ伸びてると思ったら回顧厨ばかり・・・。
少しは自分でSS書けよ。
247 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/07(月) 18:19:56 ID:6XE8sthg
>>1 他のアニメとかアニメキャラクターとか使っていいにしたら、書きやすいんじゃないかな
取り敢えず楽しくマッタリやればいいよ
>>247 ほかのキャラクターを使う時点でこのスレ終わり
もっと神を越えたSS職人はいないものか
SSをまたひっそりと投下させてもらうか
今回も例によって完成してないので、途中までの投下だけど、神が現れるまでの暇潰しにでも読んでみてくれ
あと今回はちゃんとタイトル考えといた
ぐだぐだ書くのもあれなんでさっそく投下してみる
タイトル『エス・オーエス・ハイスクール』
「失礼しました」
はあ…、また明日も補習かよ。
今日だって散々やらされたってのに。いい加減この勉強地獄から解放されたいぜ…。
何故俺がこんなに憂鬱で、補習漬けなのかというと。それは今回の中間テストにおいて、ほとんどの教科で赤点を貰ってしまったからだ。
おかげで親は学校に呼び出され、放課後は毎日のように補習。
それもこれもアイツのせいだ。テスト期間だというのに、毎日毎日夜遅くまで部活動をさせやがるし。
しかも夜遅くまで何をやっているのかと言うと、不良ドラマのビデオ鑑賞である。
そのお陰でテスト勉強すら出来なかった。まあそうなると普段から予習復習をしておけという話になるのだが、当然SOS団の活動は年中無休なので、そんな事をする時間的余裕はすべからくして無い。
そもそも、どうしてハルヒが不良ドラマにハマり出したのかと言うと、一ヶ月ほど前にテレビでやっていたビーなんとかハイスクールとかいうドラマのせいである。
そのドラマを見たハルヒは、すっかり不良ドラマの虜になってしまい。「不良ドラマ、フルコンプするわよ!」
等と宣言し、それ以来毎週のようにビデオレンタル店に行っては、その手のドラマやら映画やらを借りまくっているのである。
お陰で俺の財布は悲鳴を上げる始末だ。
まあその話はこれぐらいにして、どうして俺以外の団員はこうもいい成績を残せるのだろうか。是非上手い時間の使い方をご教示賜りたいものだ。
特にハルヒ、お前は何だ。授業という授業はほとんどと言っていいほど昼寝、もしくは俺の妨害しかしていない癖に、すべての教科で90点以上を獲得しやがって。
こんな理不尽な事を許してる奴誰だ。出てきやがれ。
畜生…。
なんだかすこぶる機嫌が悪い。しかもこれからさらに説教が待っている。そう、ハルヒからだ。大体、ハルヒが原因で赤点を取ってしまったというのに、何故ハルヒから説教を受けねばならんのだ。
等とハルヒへの募る不満を脳内レポート用紙に書き足しながら、渋々部室へ足を運んでいる時の事である。
「イッテェ!」
誰かと肩がぶつかった。
何がイッテェだ。肩がぶつかったくらいで叫びやがって。
「オイ、肩がぶつかったんだよ! シカトしてんじゃねーぞ!」
ったくなんなんだよ、それぐらいで。
「うるせーな」
怒りに任せてそう呟く俺。さらにそれだけでは怒りが収まらなかった俺は、肩がぶつかったぐらいでガタガタ騒ぐ貧弱モヤシ野郎の顔を見てやろうと振り返りながら
「肩がぶつかったぐらいでな…」
んだよ。と続けようとした時、俺の視界にはとんでもない光景が飛び込んで来やがった。
それと同時に、背筋に液体窒素でもかけられたかのような身も砕かれる程の寒気が走る。
「あ? 何だテメェ? もう一回言って見ろやオイ!」
皆さんおわかりだろうが、敢えて状況説明をさせてもらう。
俺と肩をぶつけたのは、この異常な絡み方と、いかにもな容姿と口調からして、この学校ではハルヒに次いで在校生ならその名を知らないと言っていいぐらいの有名人、
そして学校一のヤンキーと言っても過言では無い程の不良学生が仕切る、二年の不良グループである。ビデオではこのような光景すっかり見慣れてしまったが、
実際に体験するとなると底知れぬ恐怖を感じる…。
むしろドラマを見てしまったせいかも知れない…。次に何をされるのかが予想できてしまう。どんなにルートを変えて考えてもボコボコにされるフラグしか立たない…。
「オイテメェ、シカトコいてんじゃねぇぞ!」
そう言って俺のネクタイを掴んで無理矢理引っ張って来やがった。
「オマエよぉ〜、山田さんに肩ぶつけといてタダで済むと思うなよ」
そして、今まさに俺はその不良グループに絡まれてるのである。名前は山田と…。まあ、その取り巻き達。噂によるとコイツらは、最近三年が進路活動で大人しくなったのをいい事に、
突如我が物顔で学校を闊歩し始めた全く持ってタチの悪い連中なのである。
さらに理不尽な事に、コイツらは下級生に無理矢理因縁を付けては、金を巻き上げたり、手足のようにコキ使わせたり、万引きやらひったくりやらを強要させたりと、
まさに下劣極まりない下衆野郎共の吹き溜まりみたいな集団なのである。
そういやついこの間、俺のクラスメイトである山根も、コイツらに絡まれて困ってたっけ。まったく、ちゃんと注意して生活して無いからそうなるんだ。
まあ、かく言う俺も今まさにコイツらに絡まれてネクタイを引っ張り上げられ、軽い呼吸困難に陥ってる所なんだが…。って、そうだよ。こんな悠長に状況説明+人物紹介をしている場合じゃない。
俺は今、とてつもなく最悪な状況に身を置かれてるんじゃないか? ああそうだ、そうに違いない…。
「オイ! テメェ聞いてんのかオラ!」
そう言って掴んだネクタイをさらに引っ張り上げる取り巻き。
頼むからそれ以上締め上げないでくれ…。
「オマエさ、山田さんをあんま怒らせない方がいいぜ?」
と、さらに取り巻きの一人が俺の顔を馬鹿にしたように見下ろす。
「ああ、山田さんをマジで怒らせっと死ぬぜ。オマエ? はやいとこ謝っとけよ」
と、もう一人の取り巻きも便乗。
「す…、すいま…せん…」
首がネクタイに絞められて上手く声が出せねぇし呼吸もできねぇ…。
「あ? よく聞こえねーぞオラ!」
だったら、今その手に掴んでるネクタイを離してくれ。いくらでも謝ってやるから…。
と、その時である。
「それぐらいにしといてやれ」
なんと、俺と肩がぶつかった山田の取り巻きから救いの言葉が。
「コイツだってワザとオレにぶつかって来た訳じゃ無さそうだしな」
あれ? 噂と違うぞ…。
「山田さんがそう言うなら…」
はあ…。助かった。ってあれ? 俺と肩がぶつかった奴が山田だったのか。てっきりさっきまで俺のネクタイを力任せに引っ張ってた奴が山田なのかと思っていたぜ。
まあそんな事はどうでもいい。なんだ、山田って全然いい人じゃないか。やっぱ噂は所詮噂だな。
よし、じゃあ速いとこ謝って部室へと向かうか。
「ありがとうございます。今度から気を付けますんで…。本当にすいませんでした…」
「何を勘違いしている。俺の話はまだ終わってないぞ」
え?
「謝って済むなら警察はいらないんだよ。この落とし前はちゃんと付けてもらうぞ。そうだ、お前。今からジュースをここにいる全員分買ってこい」
前言撤回。やっぱ最低だコイツ。
「オラ! はやく買ってこいやオラ!」
さっきからオラオラうるせーなコイツは。買ってくればいいんだろ。買ってくれば…。
「わかりました…。じゃあ、皆さんは何が飲みたいんですか?」
「日本酒」
「ビールだオラ」
「焼酎」
「ウィスキー」
「……ウォッカ」
えっと、五人分か…。今の財政状況じゃ痛い出費だ…。ただでさえビデオレンタル代でお手上げだと言うのに。
って、ちょっと待てよ。それはジュースじゃなく酒だろ…。それにお前らは未成年じゃないのか? って、不良にそのツッコミはナンセンスか…。
てかその前に、そんなもん買ってこられる訳ねーだろ。当然ながら俺だって未成年なんだし。
「あのー…。俺未成年なんですけど…」
すると山田が。
「それぐらいわかっている。誰がお前に飲ませると言った?」
そうじゃねーよ。
「それはわかってます。ですから…。俺、未成年なんで…。そう言うのは買えないんですけど…」
それを聞いて、さっきからオラオラうるさい取り巻きが声を荒げながら。
「あ? 未成年? なんだそりゃ? 俺らはもう心は成人してんだよオラ!」
だから何だよ。こっちはお前の精神状態なんか聞いちゃいねーよ。
すると、さっきまでずっと黙り込んで、俺が絡まれてから「ウォッカ」としか口にしなかった取り巻きが、
「……俺が付いて行ってやる。それなら買えるだろ」
確かに。って、何故俺が納得してしまったのかと言うと、どう見てもコイツはオッサンにしか見えなかったからだ。制服がスーツに見えてしまう程にブレザー姿が似合っている。
これで制服の上下が同色だったら完璧にスーツにしか見えんだろう。
「わ、わかりました…。ありがとうございます…」
って、俺は何承諾しちまってんだか…。
そんなこんなで俺は、地獄の坂を下っている最中なのだが、ものすごく気まずい…。ただでさえ、今日知り合った上級生と肩を並べて歩くのだって気まずいってのに、
さらにその上級生は不良と来たもんだ。オマケに何も喋らないし。まだあのオラオラ言ってる奴が同伴の方が良かったかも知れないぜ…。
結局お互い無言のまま、学校から一番近くというか無口な不良に無言で道を案内されるまま酒屋に来てしまった。
俺は早いとこ買って戻ろうと思い、店に入ろうとしたその時である。
「…オイ、お前は外にいろ」
いきなり口を開いたかと思ったらそんな事を言いやがった。
もしかして代わりに買ってきてくれるのだろうか。だとしたら非常にありがたい。
俺はお言葉に甘えて外で待つことにした。
暇なので店の外から中の様子を見ることにした。すると、とんでもない光景が飛び込んできた。なんと、カゴにお酒を入れたかと思ったら、なんとそのまま店を出てきてしまったのである。
そう、いわゆるカゴだしである。さらに驚いたのは店員の対応である。「またかよ」みたいな目で見つめているだけ。さすがは不良、地元住民はもう恐怖してしまって何も出来ないらしい。
しかしこれはあまりにもマズいだろ…。カゴの中をざっと見ただけでも5000円分ぐらいはあるぞ…。やっぱりここは注意を促して置かないと。
「あ、あの…。さすがにこれはマズいんじゃないですか…?」
五秒程の間が空き。
「……お前に酒の味がわかるのか?」
そうじゃなくって…。コイツには罪悪感の欠片も無いのか…。
「いや、さすがにお金ぐらい払っておかないと…」
また五秒程の間が空き。
「…この店は俺ん家が経営している。だからいいんだ」
結局は自分の首を自分で絞めているのだから、そういう問題じゃないと思うんだが…。
「でも、やっぱり…。品物は品物なんですし…」
またもや五秒程の間が空き。
「…だったらお前が支払うか? せっかく今回は特別に奢ってやろうと思ったんだがな」
そこまで言われては仕方ない。
「いっ、いえ…。ゴチャゴチャ言ってすいませんでした…」
まあそんなこんなで、学校に戻ってきたのだが…。時刻はすっかり夜の七時を過ぎてしまっていた。
ハルヒの事だからまだ学校に残って不良ドラマのビデオを見ているのだろうが、今から行ったら何言われるかわからん…。かと言って行かない訳には行かない。明日何言われるかわからんし…。
まあ、今日行くしかないのだろうな。仕方ない、ある程度の覚悟はしておくか…。
「じゃあ先輩方、俺はこれで帰りますんで…。色々と用事もあるし…」
そう言って背を向け、部室に向かおうとした時、肩に凄まじい荷重が加わった。
「な、なんすか…」
恐る恐る振り向く俺。
「貴様、誰が帰っていいと言った?」
山田である。山田は俺の肩をがっしりと掴んで離そうとしない。
「いや、でもこんな時間だし…」
すると取り巻きの一人が。
「馬鹿かお前は、これから楽しくなる時間だろが」
いいよ別に、興味ないし。はやく自由にしてくれ。
「…お前も飲みに付き合え」
と、万引き犯。
俺は一体どうなっちまうんだ…。
と言うわけで俺は今、二年の教室で不良達に混ざって飲み会とやらをしているのだが、当然のように俺はお酒などには一口も手を付けてはいない。
酒の怖さは夏休みの合宿で十分思い知らされたからな。
しかし、コイツらも可愛い奴らである。飲み会の準備をしろ。等と俺に言い、何をするのかと思いきや、小学校でよくある六人班の形に机を並べろ。と言い出した。
しかも俺は何故か真ん中。しかも向かいの席は山田というなんとも嫌な席に座らされてしまった。
俺はどうすりゃいいんだ? まさかこのまま、コイツらのバカ騒ぎを見物してなきゃいけないのだろうか…。だとしたら、まだドラマを見ていた方がマシだぞ…。
ドラマなら絡まれる心配は無いし、タバコの煙たさも、酒の匂いも伝わって来ないからな。
「おいお前、なんか芸やってみろ」
言わんこっちゃない…。
「そう言われましても、俺そういうのはちょっと…」
残念だが、俺は人前に出せるような芸を持っちゃいないし、考えたこともないぞ。
「あんだとオラ! 何でもいいからやれって言ってんだよオラ!」
うるさい奴だな。こんな所で醜態は晒したくないんだよ。
「はやくやれよ」
「ほら、こっちは時間ねーんだよ」
ったく、野次るなよ。やりたくないもんはやりたくないんだ。
「だから…。そういうのはあんまり…」
と、俺がひけ腰にぺこぺこしながら否定の意を表してるとき、山田が口を開いた。
「お前、何組だ?」
いきなりなんだよ…。
「一年五組…。ですけど…」
クラスなんか知ってどうするつもりなんだ?
「そうか五組か…」
どうしたんだ? 黙り込んで。
すると山田は取り巻きの一人に。
「そうだ。おい、アイツ呼びだせ」
ん、アイツって誰だ?
「わかりました。アイツっすね」
そう言って教室を後にする取り巻きの一人。というか、よくアイツという言葉一つで誰だかわかったな。
教室を沈黙が包む。
廊下からかすかに声が聞こえる。
なんだか、麻雀だのタバコだのはやく来いだの殺すぞだの聞こえる。
どうやら俺と同じ運命を辿った哀れな仲間を呼び出しているらしい。
すると声が止み、取り巻きの一人が教室に戻ってきた。そして山田の所へ近づき、
「すぐに来るそうですぜ」
そう言い、定位置に戻った。
すると山田が、
「今、お前の兄弟を呼んでやったぞ。お前もこれから来る兄弟の態度を見て、自分がどうするべきかよく考えるんだな」
そう言い、山田は酒瓶を片手でかざし、
「よし、続きでもするか」
と威勢のいい声を上げ、飲み会は再開された。
俺の兄弟と言われても、妹しかいないんだが…。って、そんな無粋なツッコミはどうだっていい。てか俺はもうコイツらの舎弟になってしまったのか…。一体誰が来るのだろうか。
やれやれ。
wktk
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>>254からの続き
不良共に理不尽な絡まれ方や要求をされながら待つこと約三十分。やっと俺の兄弟とやらは現れた。
そいつの顔を見て俺はつい声を漏らした。
「山根…」
そういや山根もコイツらに絡まれて困ってたっけ。
すると山根は。
「や、やあ…。キョン君…君もいたのか…」
走ってここまできたのかは知らないがずいぶんと息が荒い。それに、結構な荷物も抱えている。
「よう、山根…」
状況が状況なので、すごく気まずい。なんだか、お互い見られたくないものを見られてしまった感じで。
まあなんだ。とりあえず、そのズレた眼鏡直せ。
山根が来るなり、あのうるさい不良が。
「オイ山根オラ! お前の十八番コイツに見せてやれよオラ」
と、俺を顎で指す。
「い、今からですか…」
と、弱気な口調で山根。
「そうだよ! はやくやれやオラ!」
「は、はい…」
どうやら山根は、何か芸を見せてくれるらしい。嫌なら断ればいいのにね…。
すると山根は教卓の上に立ち、
「こ、これから…げ、芸やります…」
と、声を震わせながら言い放ち、芸をはじめた。
正直、見るに耐えない。山根はベソをかきながら必死に芸をしている。それとは裏腹に、この不良達は嘲笑しながら
「つまんねーんだよ。バーカ」
「もっと面白い事やってみろや!」
「オイどうした? 仲間が見てんぞ、仲間が?」
などと罵声を浴びせている。
さすがにコイツらには殺意が湧いた。やらせといてその言いぐさはあんまりだろ。しかも十八番等と墨も付けといて。
それと同時に山根にも対しても怒りがこみ上げてくる。
泣きながらやるくらいなら断れよ。断ったら何されるかわからないって恐怖があるから断れないのだろうが…。
と、取り巻きの一人が席を立ち、山根が芸をしている教卓へ向かった。
嫌な予感を脳裏に過ぎらせながら見ていると。
「いい加減つまんねーんだよ」
そう言って教卓を思いっきり蹴飛ばしやがった。
嫌な予感的中だ…。
教室に響く、けたたましい金属音と鈍い音。そう、山根は教卓から落下し床に頭をぶつけてしまったのだ。
山根はピクリとも動かない。そんな山根を見て大笑いする不良連中。
さらに教卓を蹴飛ばした取り巻きは、倒れてぐったりする山根の後ろ襟を掴んで持ち上げ、
「オイ、倒れてんじゃねーぞ。はやく芸の続きやれよ!」
等と言いながら山根を床に叩きつけた。
さらにあのうるさい取り巻きも山根のほうへ向かい、
「寝てんじゃねーぞオラ!」
と叫びながら山根の腹を思いっきり蹴り上げた。
当然ながら咳き込む山根。
さらにもう一人の取り巻きも席を立って山根のほうへ向かい、
「オイ、そっちの肩もってくれ」
そう言って、ぐったりする山根の上半身を持ち上げた。
すると取り巻きの一人が。
「山田さんもコイツに喝入れてやって下さいよ」
等と言い出しやがった。
すると山田は。
「おう、丁度この拳も鈍ってたしな」
そう指をコキコキ鳴らしながらゆっくり席を立ち、山根のほうへ向かい、右手を思いっきり振りかぶって山根の腹にパンチを食らわせた。
声にもなってない声を上げる山根。
そんな山根をお構いなしに何度も殴り付ける山田。
いくら酒が入ってるからってこれはやり過ぎだろ…。
これじゃ山根があんまりだ。
俺が耐えきれず席を立とうとした瞬間、片手にずっしりと重みが加わった。
その重みの正体は万引き犯のオヤジであった。
数秒目が合い、
「…やめておけ」
と、小さめの音量で言ってきた。
「で、でも…」
クラスメイトがこんな事されてるのに、黙って見てられるか…。
「…今行ったら、お前もやられるぞ。それでもいいのか?」
俺は渋々席に着いた。
結局は己の体を大事にしてしまう自分に嫌悪感を抱きながら。
しかし、何故コイツは俺をかばってくれたのだろうか。さっきから少々気になっていたが、コイツらは他の奴らとは違うオーラを感じる。
するといきなり山田が、
「オイ、お前もやってみろ」
そう言って俺を呼び出した。
何故か起立する俺。
「な、なんでですか」
当然ながら反論する。
「だらしない兄弟に、お前も喝を入れてやれ」
そんな事言われたって…。
「い、いや…」
出来ません。と言おうとしたとき、再び片手に荷重が加わる。
そう、万引き犯のオヤジだ。
「…今は言う事を聞け」
そう俺に小声で助言する。
「は、はい…」
俺は仕方なく承諾した…。
しかし、コイツらもひどい奴らだ。山根は口の隙間から血をにじませてるというのに…。って、これから殴ろうとしてる俺が言えた事じゃないな…。
「すまん山根…」
俺は小声でそう詫びを入れ、軽く腹を殴った。
「ウッ…」
山根の苦しむ声がかすかに聞こえた。
激しい罪悪感が俺を襲い、心臓が潰れちまいそうになる。
「なんだ? まだ喝が足りてないらしいな。ほら、もっとやってやれ」
無論、そう口にしたのは山田である。
しかし、これ以上やると山根も俺もどうにかなっちまう…。
「もういいじゃないですか…。山根も十分喝入れられたと思いますし…」
俺はやんわりと抵抗してみた。
だが、山田は俺の言う事をまったく聞こうともせず、なら次はお前が殴られてみるか? と言わんばかりの目で俺を睨みつける。
ヤバい、マジでくたばる五秒前…。
するとその時である。真っ当な生き方をしている俺を、天は見放さなかった。
「…なあ山田、そいつをオモチャにするのはそこまでにして、飲みを続けようじゃねーか。俺はまだ飲み足りないんでな」
と、ドスの利いた声を発したのは、もちろん万引き犯のオヤジである。この人には本当に助けられた。こんな呼び方もあれだし、この飲み会が終わったら名前を聞いておこう。
まあ、ワガママを一つ言わせてもらえるのであったとしたら、俺が呼び出された時にそう言ってもらいたかった。
何はともあれ、俺はあれ以上山根を殴らずに済んだ。これでひとまずは安心だ。
というわけで飲み会は再開された。
山田達は山田達で、山根が持ってきた麻雀セットで、これまた山根に買わせてきたタバコをふかしながら、麻雀をジャラジャラと騒音を立ててやっている。
しかも山根は、さっきのが十分効いたのか、教卓に背をもたれたままうんともすんとも言わない。
まあ、隣の騒音が止まないうちは安全だろう。さすがに山田達も麻雀で勝つことに夢中になってて、山根の事は眼中にないからな。
で。俺は今、万引き犯とちょっとした会話をしている所だ。
飲み会が終わったら聞こうと思っていたんだが、まあせっかくだし今名前を聞いておくか。
「あの…そういや名前はなんでしたっけ?」
約三秒の間の後。
「…鮫島だ」
鮫島っていうのか。下の名前は…。まあいいか。
「あの鮫島さん、どうしてあなたみたいな人が、こいつらとつるんでるんです?」
周りに聞こえたらちょっと面倒な事になりそうなので、少し声のボリュームを下げて問いかけてみた。
今度は八秒程の間が空き、
「…そんな事はどうだっていいだろ。さあ、お前も飲め」
そう言って、俺に缶ビールを手渡そうとし、こう続けた。
「俺はめったにこうやって他人には酒を勧めないぞ」
なんだか上手くはぐらかされた気もしないでもない…。
それに俺はもう酒は飲まないと心に誓ったのだ。でもまあ、こんな事言われたら仕方がない。一本ぐらいなら問題無いであろう。
そう思って悪魔の囁きに耳を貸し、まんまと飲んでしまったのが運の尽きであった。
無論、空けた缶の本数は一本だけに留まらなかった。
まあ結論から言うと、俺がシラフに戻ったのは日が出てからである。どうやら俺は酔いつぶれてそのまま寝てしまったらしい。
ふと携帯を見てみた。
朝の六時…。しかも親とハルヒ、その他SOS団員から何件も着信が来ている…。
一体何言われるやら…。まあ、親が血迷って警察に捜索願を出していないこと祈ろう。
でもって、俺は辺りを見渡してみた。もちろんの事、山田達も机に突っ伏している。それに何故か山根が全裸で床に倒れて寝ている。
そういえば、よく記憶には残っていないが、山田達は山根をこんな姿にして、いかがわしい事をやるよう強要していたような…。
止められなかったのは俺の責任でもあるかもしれないし、山根には後で謝っておこう…。
まずはこいつらを起こさねば…。とも思ったのだが、今起こしたとして、寝起きの悪そうコイツらは何をしでかすかわからん…。
なんか足りない気もしたのだが、とりあえず山根から起こそう。
山根から剥かれた制服を、山根の大切な場所にかぶせ、
「おい、山根…。起きろ、朝だ」
体を軽く揺すってやる。
何回か揺すってやると、山根は顔を隠すように片手を被せ、
「うぅん……。何ママ? もう朝? 僕まだ眠いよ…」
…。今のは聞かなかったことにしよう…。
「山根、しっかりしろ。ここは家じゃない、学校だ」
すると山根は。寝ぼけ眼を擦りながら、
「……え? あれ? あっ! キ、キョンくん!?」
俺の顔を見るなり、完全に夢から醒めたらしく、いきなり飛び上がったかと思ったら、床に思いっきり尻餅をついた。
しかしこの驚きぶりは異常だろ…。確かに、自分起き場所が学校で、さらには全裸、極めつけに自分の赤裸々なプライベート生活を、少々暴露してしまったのだから仕方ないとは思うのだが…。
こいつは酒を飲んでいなかったのだからそれぐらいの状況判断力はちゃんと身につけて置いてほしいものだ。
いや…待てよ…。そういえばこいつも山田達に無理矢理酒を飲まされていたような…。うろ覚えなのでどうとも言えんが…。
「どどど、どうして僕が…。こんな所に…」
やっぱり飲まされたのか…。こいつも飲んでしまうと記憶が吹っ飛ぶタイプの人間なのか。というか…。
「わかったから、とりあえず服を着てくれ…。まあなんだ、その…丸見えだぞ?」
それを聞くなり、
「ひゃああああ!」のようなわけのわからん悲鳴を上げ、服を持って廊下へと出て行った。
まったく、さっきの悲鳴でコイツらが起きてしまったらどうするんだ…。こっちは完全に眠気が醒めたぞ。
と、もう一度山田達のほうへ目をやる。
よく見るとアイツがいない…。そう、鮫島である。俺は不覚にもこの中では重要人物とも言える 鮫島の存在を寝ぼけて忘れてしまっていたとは…。
しかし鮫島も気の利かない奴だ。帰るのであれば、俺達を起こしてくれれば良かったのに…。
みんなには申し訳ないけど、投下の頻度が遅れるかもしれない…orz
でも完成はさせるので気長に待っててくれたら嬉しいです…
あらあら
>>261 いつでも待ってますので
続きお願いします
まだ団員に対する本格的なイジメが始まっていないのに盛り上がる内容だなw
期待してんぜ
これが伝説の鮫島事件なのか。
wktk
wktk
某所の朝倉も余計混乱する情報を与えてくれおったが
結局鮫島事件ってなんなんだ
知らなくていいこと
…
そうか、鮫島事件の張本人がこいつかw
で、キョンも鮫島事件に巻き込まれ・・・。