涼宮ハルヒ【いじめSOS団】第三弾

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはSOS団(ハルヒシリーズ)の主にいじめが関係する小説
を投下するスレッドよッ!
苦手なジャンルの場合は観覧には注意しなさいッ!

まとめサイト
http://www.geocities.jp/izime_sos_dan/
・歴代スレ
涼宮ハルヒ【いじめSOS団】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1168500514/
涼宮ハルヒ【いじめSOS団】第二弾
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1173260017/
・微妙に関連のあるスレ
ハルヒ「いじめ、アナル、シュールのSSはここまで来なさい!」
http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1173022466/
まとめサイト
http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip

さぁキョン、ここでもどんどん我がSOS団の名を広めるからね、
キリキリ私にいじめられなさいッ!
2名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:26:32 ID:3bYLp1ta
>>1
次スレ立ててくれてd
3名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:31:52 ID:3bYLp1ta
埋めといて恐縮だが、続き書いてみる



朝倉は足から砂のようサラサラと消えていく。
まるであの時みたいだ……。
「それじゃあキョンくん、涼宮さんとお幸せに。じゃあね」
そう言い残して朝倉は消え去った。
てか朝倉、お前は俺とハルヒの情報を収集をするだけ収集して、あとはトンズラかよ。そりゃ無いぜ……。
お前とは地獄でも会いたくないね…。

燃えているように真っ赤な空を、俺は凍えながら家に帰った。
玄関のドアを開けると、俺の妹がそこに立っていた。
こいつは俺の帰りを待ち伏せているのだろうか。
そしてボケているのか素で言っているのかは知らんが、いつものように挨拶をしてきた。
「キョンくんただいま〜」
本来ならここで、「それを言うならおかえりでしょ。」と訂正のツッコミをしているのだが。

今はそれどころじゃない。
明日から始まるであろう無間地獄の事を考えると、そんな無駄なツッコミを入れる気にもなれない。
俺は妹の横を風のように素通りして、自室に向かった。
そして俺はベットの中に潜り込み、目を閉じた。

もう何もかもがつらかったんだよ。




「……きなさいよ!なにやってんのよ馬鹿キョン!はやく起きなさい!」
もうろうとする意識の中でハルヒの声が聞こえた。
俺は重たい瞼を押しのけ辺りを見回す。
部室だ。それも今まで通りの…。しかも部室にはハルヒしかいなかった。
「キョン!何寝てんのよ!今何時だと思ってんの!」
時計を見るため、さらに部室を見回した。何かしらんがパラパラうるさい。
俺はふと窓の外を見た。その雑音の主は雨だった。
畜生。傘持ってきてねぇよ…。
「もう、何グズグズしてるのよ!ほら、もう六時よ!はやく帰りましょ」
「あれ…他のやつらは?」
「皆はもう帰ったわよ」
そうか…。
「あのさハルヒ…。もう怒ってないのか?」
「何の話よ」
「いや、だから……」
もしかしてあれは夢だったのか?
てか常識的に考えてみれば夢だよな。死んだはずの朝倉が蘇るわけないし。
第一いろいろと筋が通らなさ過ぎる。
それにいくらなんでもハルヒや、長門や、朝比奈さんや、古泉や、鶴屋さんがあんな事するはずない。
何より俺がするはず無い。あるわけが無い。
俺はどうやら長くて下らん夢を見ていたらしい。。
「いや、なんでもない」
「ほら、あたし達も帰るわよ」
「だが、外は雨が降ってるぞ。俺、傘持って来て無いし…」
4名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:37:11 ID:3bYLp1ta
これからは折りたたみ傘を常備するよう心掛けるか…。
「……」
ハルヒは無言で、しかもそっぽを向いて傘を出してきた。
俺に傘を貸してくれるというのだろうか。
「ハルヒ、それ…貸してくれるのか?」
「何言ってるのよ!傘は一つしか無いわよ。あんた、団長であるこのあたしをずぶ濡れにして帰らせようって言うの?」
「いや、別にそんなんじゃ……」
なんだよ、相合い傘したいならそう言えよ。素直じゃないな。
「ほら、はやく行くわよ!晩御飯食べるの遅れるじゃない!」
「待てよ」

俺は今雨が降り注ぐ中を傘をさして歩いている。
もちろんハルヒと肩を寄せ合いながらな。
「もっと傘を寄せなさいよ!あたしが濡れるじゃない」
もうこれ以上どうやって寄せろってんだ…。
「わかったよ」
俺は肩を寄せるふりをして、少し傘をハルヒのほうに寄せてやった。
「まだよ。もっと寄せなさい!」
「これ以上無理だよ
俺だって肩がずぶ濡れなんだ…。我慢してくれよ」
「何よ!じゃあもう入れてあげない!」
ハルヒは傘を奪い走って行った。
やれやれ、なんてわがままな団長様だ…。
「おい、待てよハルヒ」
俺はハルヒを駆け足で追う。
はやく傘に入れてもらいたいものだ。

すると、ハルヒはこっちを向いた。

『キョンくん起きて〜』
何言ってんだハルヒ。俺は起きてるぞ。
って、え…?なぜ妹の声が?

その瞬間、俺の視界は様変わりし、突如俺の視界に妹が飛び込んできた。
「キョンくん朝だよ〜」
なぜだ?なぜ妹が俺の前に?
てか朝……?おい待てよ!
「もう、昨日帰ってきたと思ったら、ご飯も食べないですぐ寝ちゃうんだから!ご飯はちゃんと食べないといけません!」
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:38:45 ID:3bYLp1ta
俺は恐怖のあまりに声が出なかった……。
「どうしたのキョンくん?学校遅刻しちゃうよ〜」
俺は動かない口を無理矢理動かし、妹に訪ねた。
「今日は……何日だ?」
「どうしたのキョン君?今日は十八日だよ〜」
俺は身震いを覚えた。
「何月のだ?」
「十ニ月だよ。キョン君どうしたの〜?」
俺は身震いを通り越し、まったく動かなくなってしまった。
俺は妹を追いだし、油が切れた機械のようなぎこちない動きで身支度をした。

十ニ月十八日と言ったら…やっぱりそうだ…。
どうやら俺は、夢の中で夢を見ていたと錯覚しちまっていたらしい。
器用な奴だな、俺は……。

もういいさ、ハルヒ地獄だろうが無間地獄だろうが立ち向かってやる。なんでも来やがれ!

俺はそう決意し、家を飛び出した。

やれやれ。


END
6名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:47:09 ID:Mqi7xKsP
夢オチの夢オチかよ!流石の俺も予想外だったぜ…
7名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:49:31 ID:LZIndcDx
乙だっぜ!
面白かった
8名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:55:51 ID:q3i4go3p
>>1
スレ立て乙

夢オチかと思ってガックリしてたら。最後に驚かされたwwwwGJ!!!!!
すべて終わった事だし、題名を教えてくれ
9名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 00:00:53 ID:puiNxDH3
じゃあ「キョンの地獄」で
10名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 00:18:52 ID:fsMnwgxA
キョンは最初に朝倉の言う通りにしてたら良かったな。
罪悪感は残ったかもしれないが…
悪い方にはまっていく感じがなんとも言えなかった。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 03:00:31 ID:Neas6fZR
12月18日って事は消失につながるのか
キョンがエンターキー押すかどうかが気になるなw
面白かったGJ!
12名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 04:43:37 ID:8l3CF7dq
まさか三弾までできるとは
二弾のほうは埋めるのか?
13名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 06:28:53 ID:AE5CHCfO
スレ立てるの早すぎ
14朝倉涼子の殺人:2007/04/01(日) 08:58:24 ID:z/WPgQfb
第二弾は、512kbを超えている為書けないとかかれてた
15名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 08:59:58 ID:z/WPgQfb
>>14
につきましては
仕切りなおしで
12時頃にまた書きます
16朝倉涼子の殺人:2007/04/01(日) 11:26:51 ID:z/WPgQfb
では昨日の続きを・・・

朝倉は長門に手を出そうとした
しかしハルヒはそれを制止しこう言った
「有希に手を出したら許さない」
「だったらあなたを殺す」
朝倉は持っていたロープでハルヒの首を絞めた。
「がはっ・・・・・・うっ・・・」
ハルヒは苦しがっていた。
「ほらほら苦しみなさい」
朝倉は不気味な笑みを浮かべながらいった。
そんな朝倉を、ハルヒは突き飛ばした。
ハルヒは、長門をつれて部室から逃げた。
「チッ」朝倉は舌打ちすると、ハルヒたちを追いかけた。
途中でハルヒは、肉体的苦痛のせいで何度も転んだ。
下半身がアザだらけだ。
一方キョンは、古泉、国木田、谷口に、鉄パイプで殴られていた。
「がっ・・・・・・・うっ」
殴る音がこだまする。
何度も吐血した。
朝比奈はそれをみることしかできなかった。
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 11:28:36 ID:CV91QtLc
続きキター!
18朝倉涼子の殺人:2007/04/01(日) 11:39:18 ID:z/WPgQfb
「おいおい、もうくたばっちまったか〜?キョン」
国木田がいう。
「水かけろ谷口」
古泉が言う。
俺は何回血を吐いたのか分からない。
「おい、もうそろそろナイフで刺しちゃう?」
谷口が言う。
「じゃあ、もう刺せば?」
古泉は笑いながら言った。
そのとき、倒れこんでいる俺は、あることに直感した。
涼宮があぶないと・・・
俺は、立ち上がり、朝比奈さんを連れて公園から逃げ、
学校に向かった。
「おい、まてキョン!!」
おれは、古泉の言うことに耳を貸さない。
ハルヒが危ない 急がないと
俺はそのことで頭がいっぱいだった 
19名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 12:44:08 ID:z/WPgQfb
なお、>>16>>18
で、どこがおもしろくなかった、
つまらなかった、この表現は変だというところが
あれば教えてください
20名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 12:54:48 ID:Neas6fZR
>>19
とりあえず全部投下しろ。話はそれからだ
21名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 13:05:19 ID:G3ehGtGc
>>19
もう少し人物の感情とか細かい動作とかを入れてみたら?これはこれで
簡潔で読みやすいけど
22名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 13:40:42 ID:AE5CHCfO
わざわざ批評してもらう必要はないだろ
自分の考えた妄想をそのまま書けばいいんだよ
原作の設定とかも無視して気楽に書け
大体プロじゃないんだから文章なんて気になくていいじゃないか
書きたいように書けばいいんだよ
とりあえず、全部書かないことには何とも言えん
23名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 16:11:58 ID:z/WPgQfb
>>20-21
貴重な意見をありがとう
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 16:12:14 ID:HdeqPNKp
>>19
偉そうなこと言わせてもらえば、批評が恐くて途中で指摘どおりに文体や設定を変えていくつもりなら、
もうそれ中断してしまってくれないかと思う。
考えてあるストーリーのまま貫いてくれ。酷評されたなら次の作品に生かせばいいんじゃないかな。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 17:31:05 ID:z/WPgQfb
>>24
そうか
わかった
そこまで言うなら続けるよ
26朝倉涼子の殺人:2007/04/01(日) 17:48:14 ID:z/WPgQfb
ハルヒは必死に朝倉から逃げた。
息を切らしながら・・・。
「ハァ・・・ハァ・・・・・・」
しかし、2人が逃げたところは、行き止まりだった。
もう逃げる場所は無い。
そこに朝倉が来た。
「残念ね、涼宮さん、
もっと遊びたかったのに・・・
まあいいわ、楽にさせてあげる」
そういいながら、朝倉は、ポケットから拳銃をだした。
「あんた、それ・・・」
「ああ、コレ?
親が、護身用って私のプレゼントとして、買ってくれたの。
それが、今日役に立つとはね・・・
フフフ・・・」
朝倉は、拳銃を突きつけた。
「お願い、やめて・・・」
“チャキチャキ”
「あんたには、生きる価値なんてないわ。
死になさい」
そういうと、朝倉は、ハルヒに、1発の弾を撃った。
“パー―――――ン”
偶然にも、ハルヒの頬をかすった。
今のは、わざと外したけど、今度は本気で行くわ。
「た、・・・助けて・・・」
ハルヒは小声で言った。
「な〜に?聞こえな〜い」
“チャキチャキ”
朝倉が、2発目を撃とうとしたその時、
「やめろ―――!!」
「誰!?」
キョンだった。
朝比奈もいた。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 18:27:48 ID:A0oCll8l
      / ̄ ̄\
    /ノ( _ノ  \  
    | ⌒(( ●)(●)
    .|     (__人__) /⌒l 
     |     ` ⌒´ノ |`'''|   糞スレ立てんな ヴォケが!!
    / ⌒ヽ     }  |  |  てめーは精神障害かなんかかよ!
   /  へ  \   }__/ /             | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |(
 / / |      ノ   ノ           | | \      / | | |’, ・
( _ ノ    |      \´       _    | |   \ ノ(  /   | | | ,  ’
       |       \_,, -‐ ''"   ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ   | | | て
       .|                        __ ノ _| | | (
       ヽ           _,, -‐ ''" ̄|_ ̄_o o o___|_|r'"
28名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/02(月) 07:42:39 ID:sjQrliSy
続きキターーー
29朝倉涼子の殺人:2007/04/02(月) 08:04:59 ID:BeSX02CS
「ハルヒに手を出すな!!」
「動かないで!!動くと涼宮さんを撃つわよ」
「そんなに撃ちたきゃ、俺を殺せ!!」
朝倉は少し時間を置いて言った。
「いいわ。まずはあなたから殺すわ」
銃口はキョンに向けられた。
涼宮は強い口調で言う。
「キョン、あんたバカよ!!
なんでこんな私の・・・」
「好きだから・・・。」
「え?」
「お前が好きだから!!」
「・・・キョン・・・」
「キョン君、いい友達でいたかったのに・・・
もう、終ね・・・」
「さあ、早く俺を殺せ!!」
「もう余興は終わりよ!!」
“パ――――――ン”
一発の銃弾が、キョンの左胸に命中した。
「ぐあぁ!!・・・・・・・」
キョンの胸からは、大量の血が流れていた。
「キョ――――――――ン!!」
30名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/02(月) 09:25:31 ID:4IwWosDr
最近はどうも自演してるやつばかりに見えてしょうがない
ここはもうだめかもしれんな
31名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/02(月) 11:39:11 ID:sjQrliSy
そうかなー?
まだまだいけそうじゃん?
32朝倉涼子の殺人:2007/04/02(月) 12:13:59 ID:OUlQ0GNj
ハルヒはキョンの身体にしがみつき、泣きながら、
必死に、名前を呼び続けた。
「キョン、しっかりして!!
目を開けて!!」
すると、キョンは息をした。
「キョン!!」
「涼・・・・・・宮、なん・・・で、泣いて・・・いるん・・・だ?
お・・・・・・前・・・らし・・・・・く・・・ない・・・ぞ・・・」
「キョン・・・」
「たとえ・・・、俺・・・・が・・・死ん・・・・・・で・・・も、SOS・・・団は・・・成り・・・立・・・・・・・つ・・・だ・・・・ろう」
「そんな事無い!!有希、みくるちゃん、そして、キョンがいるから、
今のSOS団があるの!!1人がいなくなったら、SOS団は、・・・SOS団は・・・」
「わかっ・・・た、もし、俺・・・・が・・・・治っ・・・・・た・・・ら、また・・・いつも・・・・・・のお前・・・を・・・・・・見せて・・・くれ」
「うん」
「ありがと・・・な、ハ・・・・・・・ル・・・ヒ」
キョンは目を閉じた。
「キョン?ねえキョン?
しっかりして!!目を開けて!!
キョン!キョ―――――――――――ン!!!
うぇーーーーーん、キョーン」
33朝倉涼子の殺人:2007/04/02(月) 12:36:39 ID:OUlQ0GNj
「たかが、1人部員が死んだくらいで・・・」
ハルヒは、朝倉をにらみつけ、言った。
「あんた、許せない・・・
よくも、キョンを・・・」
ハルヒの怒りは頂点に・・・
「殺してやる!!」
ハルヒは、朝倉から拳銃を奪おうとした。
「ちょっと、何すんの
やめなさい」
「絶対許さない!
あなたを許さない!!」
そのとき、拳銃が暴発して、
“パ―――――――ン”
ハルヒのお腹を貫いた。
「がっ・・・・・・はっ・・・・・・」
ハルヒは吐血した。
しかし、ハルヒは立ち上がった。
「絶対許さない!!」
その一心で、ハルヒは朝倉から拳銃を奪い取った。
ハルヒは銃口を朝倉に向けた。
「お願い・・・やめて・・・」
「絶対許さない!!」
“パ――――――ン”
ハルヒが撃った弾は、朝倉の胸に命中した。
朝倉は倒れた。
撃ったところで、ハルヒは力尽き、撃たれたお腹をおさえながら倒れた。
ハルヒは死んだ。
そこに、国木田、谷口、古泉が現れた。
「おやおや、キョンが死んでるね〜」
古泉が言う。
長門は、倒れているハルヒから拳銃をとった。
「あなたたち、死になさい!」
「待て、長門!!俺が悪かった!!
頼む!!撃たないでくれ!!!」
古泉は、おびえるように言った。
「悪いけど、私が古泉君に受けた仕打ち、あなたたちがキョン君にやった仕打ち、今ここで、返して、
私も死ぬわ!!
34朝倉涼子の殺人:2007/04/02(月) 13:00:45 ID:OUlQ0GNj
長門は、古泉、国木田、谷口の胸を撃った。
「ぐあっ!」
3人は、死んだ。
長門は、自分の頭に拳銃を突き付け、自殺した。
朝比奈は、その時、警察に電話していた。
朝比奈が、現場に戻ると、とき既に遅し、
ハルヒたちは、死んでいた。
「キャ――――――!!!」
朝比奈は悲鳴をあげた。
現場は、血の海と化していた。
この日は雨だった。朝比奈は、上に向かって泣いていた。
雨で、涙が、隠れていた。

警察は、最初、朝比奈による単独犯行かと疑い、
朝比奈に取調べを行った。
しかし、拳銃に朝比奈の指紋が付いていないこと、ハルヒたちを殺す決定的な動機が
ないことを理由に釈放した。
朝比奈はその日、SOS団が使った部室に行った。
そこは、テーブル以外何も無かった。
しかし、そこで1人、朝比奈は声を押し殺して泣いていた。
何度も、何度も・・・
朝比奈の頬は、夕日みたいに赤くなっていた。

―完―
35朝倉涼子の殺人:2007/04/02(月) 13:03:40 ID:OUlQ0GNj
一応全部書きました
なお、どこかおかしいところ、
つまらなかったところとか
あれば教えてください
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 00:37:50 ID:0NIbiBjz
ここも今や立派なスレだなwww
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 00:43:29 ID:fx14f7xt
>>35
簡潔で悪くないんじゃない?。
そういう描き味があんたの文体なら、守るべきだと思うよ。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 02:17:26 ID:S1h+pXRb
>>35
まず全部書いてから投下していった方がいいと思う
読み手としても読みやすいし、なにより文章を直しやすいから
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 03:04:28 ID:qgcNKZSr
>>35
ノーコメント
言うことなし

あんたうまいよ
また書いてほしいね
40名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 07:06:57 ID:7QyWH19J
>>35
偉そうなこと言うようで悪いが
感想をくれとか変なとこがあったら教えてくれとか、そういうことは訊くな
今までの流れで気づけ
41名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 08:10:12 ID:PGZPA/yc
>>37-40
みんなすまない
ありがとう
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 08:36:41 ID:qgcNKZSr
>>41
ノープロブレム
また今度もお願いします
43名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 09:06:39 ID:0G+tOMgm
はっきり言おう

これはひどい
44名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 09:54:13 ID:LCBH8a1H
それにしても他の職人さんはどうしたのだろうな
たしか2、3作品が未完のままだが…
やっぱ作品がいっぺんに投稿されて、続きを書きにくくなったのが原因だったのかな
てか…正直言っていろんな作品が投下されすぎて、読んでてストーリーが何が何だかわからなかったな…
まぁ、俺だけかもしれんけど…

とにかく…職人さん達待ってます。
ぜひ続きを書いてください
できれば最初から載せてもらえると読みやすくてありがたいです
45名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:15:24 ID:jcQmZOK1
個人的には「涼宮ハルヒの追憶」だったかの続きを書いて欲しい
確か修学旅行の辺りで止まってたやつ
46名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:17:09 ID:qgcNKZSr
まだあるよ
全部投稿しようか?途中までのやつ
47名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:25:15 ID:qgcNKZSr
同意求む
48名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:32:24 ID:LCBH8a1H
>>47
お願いぜひします!あ、よければ最初から載せていただければありがたいです
49名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:35:30 ID:qgcNKZSr
>>48
了解。

それでは
黒古泉です。

今日はいつまで続くのだろうか…
もう何回殴られたかわからない…
口の中で出血している…血の味にもすっかりなれてしまった…
キョンとみくるちゃんが倒れている…
ごめんね、キョン、みくるちゃん…
それに有希、…本当に…ごめんなさい
私がSOS団なんて作らなければ、私があなた達を連れてこなければ…
こんなことにはならなかったのに…


50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:36:20 ID:qgcNKZSr
>>49の続きです

「何寝てるんですか?涼宮さん」
ぼんやりとした意識の中、髪の毛をひっぱられ無理やり立たせられるのがわかった
お願い……やめて…
「まったく何回言ってもわからない人ですねぇ。
気を失うなって何回言えばわかるんですか?
まだまだ、教育がたりないようですねぇ。
いいかげんにしてくださいよ?殴る方も結構痛いんですからね?」
そう言うと私の顔を殴った。私は床に倒れこんでしまった
「どうしたんですか?ちょっと前のあなたはもっと元気だったじゃないですか。
殴るたびにギャーギャー騒いで、僕を殴ろうとすらしたっていうのにねぇ」
なんとか立ち上がろうとするが、思い通りに行かない。
そんな私を見てあいつは笑みを浮かべている。
怖い……
「もう…やめて…」
必死に声を出そうとするがそれ以上は何も言えなかった
「あれ?どうしましたぁ?もうギブアップなんですか?
まだまだ時間はありますよ、涼宮さん」
下腹部を思いっきり蹴られ、再び私は床に倒れこんでしまった
倒れた私をあいつは何度も何度も蹴った
早く…終わって…夢なら覚めて…
いつものように私はそんなことを考えていた…
「…まぁいいでしょう。今日のところはこれぐらいにしておきましょう
次は気絶してはいけませんよ?涼宮さん。それでは…また明日」
あいつはドアの前で倒れていたキョンを蹴り飛ばし、
苦痛に顔を歪ませるキョンをニヤニヤしながらしばらく眺めた後、部屋を出ていった。
「キョン、みくるちゃん…大丈夫?」
私は倒れている二人に駆け寄った。
「あぁ…平気だ…。朝比奈さん…大丈夫ですか?」
「は…い…なんとか…」
キョンもみくるちゃんも傷だらけで痛々しかった。
特にキョンは私とみくるちゃんをかばって、
何度も殴られていたからかなり辛そう…
…本当にごめんなさい…私のせいでこんなことに…
「いてて…今日もひどい目にあったな…
あいつは…古泉はもう帰ったのか?」
「ええ…」
51名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:37:16 ID:qgcNKZSr
>>50の続きです

キョンと朝比奈さんが辛そうに立ち上がる。
私達はふらふらとした足取りで部室からでた
毎日来るのが楽しみだったこの部屋も、
いまでは苦痛でしかなくなっていた。
…やつと終わった。今日はまだ楽な方だったな…
俺とハルヒ、朝比奈さんは校門を疲れた足取りで出た。
「キョン、みくるちゃんごめんね…」
ここ最近、ハルヒはずっとこんな調子だ。俺と朝比奈さんに謝ってばかりいる
「ハルヒ、お前は何も悪くない。悪いのは古泉だ。あいつは…最低の人間だ」
俺は同意を求めるかのように朝比奈さんの方を見るが、朝比奈さんは同意するでもなく黙ったままだ。
聞こえてなかったのかもしれない。よほど疲れているのだろう…
俺達三人は黙々と家への帰り道を歩いた。
心の中ではすでに明日のことを考えていた
明日は何をされるのか、明日もこんなことが繰り返されるのか…
しかし、逃げるわけにはいかない…


もう朝か…
憂鬱な気分で起きるとのろのろと制服を着た。朝飯を食べるために居間にいく
黙々と飯を食べていると母さんが心配そうな顔をして俺を見てるのに気づいた
そりゃ、毎日のように傷をつけて帰ってくるんだ…変だと思わないわけがない…
俺は母さんの視線から避けるために急いで飯を食べ、家を出た。
母さん達を巻き込むわけにはいかない…
教室にはすでにハルヒがいた。疲れているのか眠っている
俺が席に座るとハルヒは顔を上げた。昨日殴られたあとが痛々しい…
「…はは、ちょっとはれちゃったみたい…酷い顔でしょ?」
ハルヒがつらそうに笑っている
「…大丈夫か?」
「うん…私は大丈夫。昨日はまだマシなほうだったから……」
ハルヒが心配そうに俺を見ている。
「なんだ、心配してるのか?平気、平気!
あれくらいなんともないさ、あんなんで俺はくたばらないよ!」
いつものように強がってみせる。本当は体のいたるところが悲鳴をあげている
「キョン…」
ハルヒは今にも泣きそうな顔をしている。そんな顔するなよ…
「毎日こんな目に合わせちゃってごめんね…私がSOS団なんか作らなければ…
私が全部悪いの…」
そんなことはないと言おうとしたとき、担任の岡部が入ってきた。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:38:56 ID:qgcNKZSr
>>51の続き

「みんな、おはよう。今日はお前達に伝えておくことがある。
一年六組の長門有希のことだ…今朝のテレビで報道されているのを見て
知っているものもいるだろうが…行方不明になって一ヶ月がたつ…
この間も言ったが、何かこのことに関係することがあれば言ってくれ
だいぶ前のことで記憶が曖昧かもしれないが、どんな些細なことでもいい
何か思い出したら先生か警察に言ってくれ。」
53名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:41:08 ID:qgcNKZSr
今度は黒長門です。

「情報結合の解除を申請する」


この時 ああこの二人は本当に人間じゃないみたいだなと 俺は思った



俺がクラスの委員長朝倉涼子に殺されかけるというトンでもハプニングな事件が
起こった翌々日のことである

「ああ退屈!」

いつになく不機嫌なハルヒはおなじみ団長専用机の上であぐらをかきながら誰に言うわけでもなく
ぼやいている
俺がハルヒの今の発言をスルーしようかどうかと迷っていると

「来る」

意外な人物がまた誰に言うわけでもなくぼやいた
長門有希だ
そして意外な人物の意外な一言に
普段はニコニコさわやかイケメンフェイスな
この男まで妙にシリアスな顔つきになっちまった

「まずいですね」

「なにがだ」

気づいたころには俺の顔面数センチのところまで顔をよせていた
シリアス顔のイケメンの甘い吐息がふきかかる
近いんだよこの野郎!!
いい加減にしないとATフィールド展開するぞ
ていうかさっきまで俺たちは向かい合ってオセロをしてたんじゃないのか?
どうやって長門の一言に気をとられていた俺の一瞬の刹那の隙をついて
俺の目の前にそのさわやかフェイスを置いているんだよ

「とにかくいったんここを出ましょう涼宮さんに聞かれてしまってはまずいので」


俺の隣の椅子に腰掛けた古泉がいつになく焦っているようにも見えた
古泉に俺が
「わかった」
の一言を音にして発するまえに

  ゴツ

という鈍い音と

54名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:42:43 ID:qgcNKZSr
>>53の続き

「きゃっ!?」
と朝比奈さんの悲鳴がそれをさえぎってしまった


なんとハルヒが糸の切れた人形のように床の上に倒れてしまった

「ハルヒ!?」
俺は倒れてしまったハルヒにかけよって叫んだ

「おいハルヒ!?おいしっかりしろ!」

貧血か?
そんな馬鹿な話しあるか!
こいつが机の上から貧血して転落なんて
笑い話にもならん!!
ありえん!

「無駄よ」

は?今のは誰の声だ?
俺はその声の発信元である
背後を振り返ると

そこには長門が

長門?

俺は驚愕のあまり声を出せなかった

何だよその表情は?

何だよその手に握り締めたナイフは?


「フフッ涼宮ハルヒはたった今死んだわ、悲しい?」

笑顔、長門のその笑顔は恐ろしく似合っていなかった
まるで長門ではない別の誰かの笑顔である

まるで朝倉涼子である。
「これからあなたにも死んでもらうんだけど、怖い?」

ちょっと考える時間をくれないか?
お前は誰だ?長門じゃないな
ハルヒが死んだ?冗談じゃない

「怖くて声も出ないのね、いいわすぐ楽にしてあげる」

そう言い終わると長門はナイフを握った自分の右腕を俺に振り下ろしてきた!
55名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:43:33 ID:qgcNKZSr
>>54の続き

と同時に

「ふんもっふ!!」

古泉が長門の右腕を止めた
その体にはなんか オーラ? みたいな赤い気体みたいなものを身にまとっている

「古泉!!」

「逃げてください、ここは私が何とか!」

ハルヒは?

「まだ死んでません!僕にはわかります
まずい状況ですが涼宮さんは僕が必ず守ります
あなたは朝比奈さんを連れて早く!」

クソ

急いで部室を出ようとする俺と朝比奈さんを

「無駄」

と長門が自分の腕を光の槍のように伸ばしてきたが途中でちぎれた


「させさせ させない!」

「やるじゃない♪それが件の神人退治の能力ね?何であなたがこの空間で使えるのかしら」

「さあ?ただひとつ言えるとすれば涼宮ハルヒがまだいきているから、とでもいいましょうか」

呆然と立ち尽くす俺我に返り朝比奈さんの手を引っ張って何とか部室を後にした

「頼んだぞ古泉」
「いいったいどうなってしまったんですかぁ?どうして涼宮さんが」

 俺が聞きたいくらいです

「!!」

俺と朝比奈さんは無我夢中で廊下を駆け抜けとりあえず校外へ出れば何とか
なるかもしれないと考え玄関に向かった

学校内で私服という妙な人達が前に現れた

「すみません少し聴いてもいいですか」

俺たちの動揺なんてお構いもしないでなんなんだこのひとたちは
56名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:45:36 ID:qgcNKZSr
>>55の続き

「いや、あの今俺たち急いでるんで」

急いでってどこに行けばいいのかもわかんないのですがね

「古泉一樹は今どこに」

「!何者だあんたら?」

「ご安心ください古泉一樹と同じ『機関』の者です」

話し出したのはこの謎の団体四人組のうち一人の若い女性だった。

57名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:47:22 ID:qgcNKZSr
さてお次は涼宮ハルヒの回想です。
お楽しみください。

『涼宮ハルヒの回想』

みんな遅いな…
今日は市内探索の日なのに…まぁ、私が早く来すぎたのがいけないんだけど…
まだ、待ち合わせの時間まで一時間あるわね
ずっと立って待ってるのも疲れるし…ベンチに座って待ってよ…
みんなちゃんと来てくれるかなぁ
はぁ…こうやってひとりでポツンと一人で座ってると中学時代を思い出すな…
私…いじめられてたっけ…



「ハルヒ、あなた変わった!」
「もう一緒にいたくない!」
「どうしてそんなことをするの!?」
「もう、話かけないで!」

中学に入ると同時に私は小学校からの友達にこんなことばかり言われた
自分を変えるため、面白いことを待ってるだけの女じゃないことを世界に訴えるため、
私はそのためにいろんなことをやっていた
そのことに集中するばかりに、まわりの人が私の行動をどう思ってるかなんて考えてもいなかった
小学校の友達はどんどん私から離れていった。
中学で初めて会った人も私の行動を見て、

「頭がおかしい」
「どうかしている」
「話かけないほうがいい」
「かかわらない方がいい」
58名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:47:36 ID:LCBH8a1H
ちょっと待てくれ!すまん!俺が早とちりした!
てっきり職人さんが完成させた作品を載せるのかと思ったから…

とにかく貼らなくて大丈夫だ!
すまんかった!
59名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:49:47 ID:qgcNKZSr
>>58
終わらせたやつのほうがよかった?
んじゃそのー
新しいスレ建てといてくれないか?そこに全部乗せるから
それともここに乗せていい?

>>60
許可を
60名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:53:26 ID:CYUxo+Tc
ええんちゃう?
61名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:55:02 ID:qgcNKZSr
>>60
わかりました
それではいきましょう。

俺はいつものように坂を登って学校を目指す。
なんでこう毎日こんなに疲れながら学校に行かなきゃならんのかねぇ・・・。
ふと前を見てみるとそこには谷口の後ろ姿があった。喋れば疲れも紛らわせるだろと思い、俺は話し掛けた。
すると谷口は不機嫌そうに挨拶をしてきた。こいつにしちゃノリが悪いな。
「どうした?なんか変なものでも食ったのか?」
「ちげぇよ、涼宮だよ。涼宮」
ん?ハルヒがどうにかしたのか
「それがよ、昨日帰ろうとしたらアイツに捕まって大変な目に会わされたんだよ
どうやら谷口の話によると、昨日の帰りのホームルームが終わったあと、ハルヒに屋上の階段の踊り場に呼び出されたらしい。
どうも昨日部室に来るのが遅いと思ったらそんなことやってたのか。
「なんだ?勧誘でもされたのか?」
はっきり言うと、これ以上団員はいらないんだがなぁ。
「ちげぇよ、手伝えって話しだ。ただでさえアイツに関わりたく無いのによ〜。何度断っても聞く耳持たねぇんだ。まいったぜ」
「で、何を手伝わされるんだ?」
「わからん。ただ明日てか今日か、今日手伝えと言われてそのままどっかに行っちまった。」
「時間は?」
「それもわからん」
そりゃご苦労なこった。と、俺が言うのもおかしいが、せいぜいハルヒのために頑張ってくれ。
俺はいつも通りにクラスに入ると、ハルヒの荷物は置いてあったが、当のハルヒの姿が無かった。
俺は席に座ってると予鈴ギリギリにハルヒがやってきた。
「どうしたハルヒ、どこ行ってたんだ?」
「うっさいわねバカキョン。ちょっと黙ってなさいよ!もう最悪」
鬼のような形相で怒鳴って椅子を蹴飛ばしてきやがった。
なんだよ、その態度はよ。
その日はハルヒと一言も喋らなかった。しかしハルヒはぶつぶつ何かをぼやいてた。独り言ならもっと小さい声で喋ってくれ。
その日の放課後、俺は部室には行かなかった。ハルヒにあんな風に扱われて誰が行ってやるかよ。
次の日、ハルヒは不機嫌そうな顔つきで教室に入ってきた。
「ちょっとキョン、あんたどうして昨日来なかったのよ!」
俺はあえて何も言わなかった。
「ちょっと聞いてるの!」
「・・・」
そんなでけぇ声出されたら、聞きたくなくても聞こえるっつーの。話したくねぇだけだよ。
「まあいいわ、今日来なかったらアンタほんとに死刑だからね!」
何が死刑だ、やれるもんならやってみろ。
その日も俺は部室に行かなかった。
携帯に何度も着信があったが無視し続けた。

そして次の日の昼休み、ハルヒが俺を無理矢理例の踊り場まで連れ出した。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:56:44 ID:qgcNKZSr
>>61の続き

「あんた一体どうしたのよ?ちゃんと説明しなさいよ!」
何をだよ。
大体コイツは人にモノを言うときに話をハショリすぎなんだ。聞くほうの身にもなれ。
なんかイライラしてきた。あ゛ームカつく。
「お前と話す事なんか何もねーよ」
「何よ!馬鹿キョンのクセに、団長である私に反抗する気!」
「ケッ、何が団長だ馬鹿馬鹿しい。それに触んなよ汚ねぇな」
俺はネクタイをギュッと掴んくでる手を強くはじき、階段を降りる。
「ちょっとキョン待ちなさいよ・・・まだ話しは終わってないわよ・・・」
口調は強気だったがトーンは弱気だった。俺は無視したまま階段を降り続ける。
どんな顔をしているか見てみたかったが、敢えて見ない事にした。
ここで振り向いて少しでも慈悲の心を見せたら、付け上がって威張り出すに違いない。
猿と同じだ。
午後はハルヒと一言も喋らなかった。
放課後、俺はそのまま帰ろうとクラスを出ようとした。しかしドアの前にはムカつくニヤケ面を晒した古泉がいた。
「なんだよ」
「今日も休むんですか?」
「何をだよ」
「質問しなくてもあなたは解っているはずですよ?」
ああ、解ってるとも。部活の事だろ。
しかし遠回しな奴だ。お前のこういう所が俺はムカつくんだ。
「あなたのここ二日間の身勝手な行動で閉鎖空間の出現回数は著しく増えてます。こちらは大忙しですよ」
お前が忙しかろうが忙しくなかろうが知ったことか。こっちにとっちゃいい迷惑なんだよ。
「だからなんだ?」
「あなたに戻って来て欲しいんです。我々の元へ」
気色悪い言い方だな。普通に、部活に顔を出せ。とでも言えばいいものを。
「それに、涼宮さんはもちろんのこと、朝比奈さんや長門さんもあなたが戻って来る事を望んでいます」
「知るか」
俺はわざと古泉の肩に自分の肩をぶつけ歩き出す。
俺も男だ、そう簡単に折れてたまるか。それになんでハルヒのわがままに付き合わされねばならんのだ。
俺はアイツのオモチャじゃないぞ。
俺は足速に学校を去った。その日はハルヒからの着信は無かった。
あんな事をしたんだから当たり前と言っちゃ当たり前だが。
ま、これでいつも通りの平和な日常が訪れたわけだ。

次の日、俺はいつも通りに登校しクラスの奴らの話しの輪に入る。
その日の昼休み、俺はハルヒに話し掛けられた。
「あんたいつまで来ないつもり・・」
弱めのトーンと口調で聞いてきた。
俺は当然無視した。
「ちょっと答えなさいよ!」
いつもの口調に戻りやがった。
「キョン、あんたいい加減にしなさいよ!」
63名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:57:53 ID:qgcNKZSr
>>62の続き

ったくうるさい女だ。
「そんなに来て欲しいなら行ってやるよ」
キョトンとしてやがる。俺の意外な返答に驚いたってか。
「そ、それでいいのよ」
どこまでも偉そうな奴め。

放課後、俺は部室に行かなかった。
その日は何度も着信があった。すっぽかしたんだから当然と言っちゃ当然だがな。
もちろん俺はすべての着信を無視した。
次の日、ハルヒはクラスに入ろうとするなり俺の胸倉を掴んできた。
予想はしていたから別に驚きはしなかった。
「ちょっとアンタ!昨日はどういう事よ!」
「何の事だ?」
わざとらしくとぼけてみた。
「何の事だ?じゃないわよ!アンタ来るって言ったじゃない!それに電話も無視して!何様のつもりよ!」
「記憶に無いな。俺はそんな事言ってないぞ。それに着信なんて無かったぞ」
「アンタ、この私を馬鹿にするのも大概にしなさいよ!」
ハルヒは今までに無いほど怒ってやがる。顔が真っ赤だ。
「そんなに怒ったら血管切れるぞ?」
「うるさい!・・まあいいわ、もう一度だけチャンスをあげる。今日こそは来なさい」
「わかったわかった。悪かったよ。行くから取りあえず手を離せ」
何がチャンスだ、偉そうにしやがって、そこまで言うなら行ってやろうじゃねぇか。
「よろしい、絶対来なさいよね。来なかったら今度こそ死刑だから」
ハルヒは満足そうに席に着いた。
その日の放課後、俺は久しぶりに部室へと足を運んだ。
部室にいたのは長門一人だけだった。
「よう、長門」
「・・・」
久しぶりに来てやったのに挨拶も無しかよ。
俺は長門の読んでいた本を取り上げ床に叩きつける。
長門は予想通り本を拾うために手を伸ばした。
俺は長門の手をおもいっきり踏み付け、長門が座っていたパイプ椅子を蹴り飛ばす。
長門は情けなく床に倒れ込む。
「足、退かして」
なんだこいつ、手を踏まれても平気なのか?
そうか、そういやこいつは体に棒が刺さっても大丈夫なんだっけ。
「うん、それ無理」
俺はそう言って長門の頭をおもいっきり蹴飛ばしてみた。
顔色一つ変えない。なんだか面白くなってきた。
俺は長門の顔を踏み付けてみる。まだ無表情のままだ。
次に腹を蹴飛ばしてみた。普通ならここを蹴られたら痛いどころの騒ぎでは無いぞ。
長門は無表情を保っていたが、咳をしながらよだれは垂らしていた。
一応は人間に近く作られてるんだな。
もう一発、腹に蹴りを入れてみた。
そんなことをやっているうちに朝比奈さんが部室に入ってきた。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:59:00 ID:qgcNKZSr
>>63の続き

「あれ?キョンくん久しぶり。何やって・・・ひゃああ〜」
朝比奈さんは悲鳴をあげて逃げ出した。
こりゃマズイ、追い掛けて口止めしなくては。
俺は急いで朝比奈さんを追い掛けた。
「朝比奈さーん!待ってください!」
どこへ行ったんだ?ま、朝比奈さんの運動神経ならそう遠くへは行ってないはずだ。
多分そこら辺で隠れてうずくまっているのであろう。
ほら、予想通りだ。階段裏の隅に隠れてる。スカートの裾が丸見えだ。
「朝比奈さん、そこにいるんでしょ?わかってますよ」
小さな悲鳴のような声が聞こえた。まったくわかりやすい人だな
「朝比奈さん、はやく出てきた方が身のためですよ」
「な、何もしないですか?」
「もちろんです。だから出て来て下さい」
「わかりましたぁ」
素直な人だな。
「ところで朝比奈さん、どうして逃げたんですか?」
俺は朝比奈さんの肩を強く握った。
「そ、それはぁ〜」
「まあいいでしょう。逃げたことは忘れてあげます。でも、あの一部始終を見られたからには、ただで返すわけにはいきませんね」
「さっき何もしないって言ったじゃないですかぁ〜」
ホントに純粋な人だな。「あれは嘘ですよ」
「そんなぁ〜ひどいですよぉ〜」
「安心してください。あなたは長門みたいにはしないですよ」
俺は朝比奈さんに、朝比奈さんがするべき事を伝えた。
朝比奈さんは返答を渋っている。このままこうしていても助かるわけでもないのにな。
「どうしたんですか?はっきりしてください。やるんですか?」
俺は朝比奈さんの髪を強く引っ張った。
「いっ、痛いですよぉ〜。」
「あなたが答えてくれないからですよ。やってくれるなら、あなたにはもう何もしないと約束します。やってくれるなら、ですがね」
俺は髪を引っ張る手に力を入れた。
「わかりましたぁ・・・やりますぅ〜だから引っ張らないでぇ・・・」
「最初からそう言えば、痛い目を見なくて済んだんですよ。さあ部室に戻りましょう」
朝比奈さんは俺の後ろをゆっくり付いてくる。
俺は部室のドアを開ける。
そこには、偉そうに団長席に踏ん反り返っているハルヒと、何事も無かったかのように席に座って本を読む長門がいた。
長門は本当に何しても死なないんじゃないのか。
「アンタ達どこ行ってたのよ?」
俺は適当な言い訳でごまかした。
朝比奈さんは着替えのために先に部室に入り、俺は着替えが終わるまで廊下で待つ。いつもの光景だ
朝比奈さんの着替えが終わり、俺は席に着く。
「ハルヒ、古泉はどうしたんだ?」
「古泉くんならバイトがあるとか言って帰っちゃたわ」
65名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 13:59:55 ID:qgcNKZSr
>>64の続き

「そうか」
チッ、なんだよ古泉の奴。肝心な時に休みやがって。
「最近忙しいらしいのよ。この前もバイトとか言って先に帰っちゃったし、もしかして彼女でもできたのかしら?」
多分お前のせいだよ。俺のせいでもあるがな。
朝比奈さんはいつものようにお茶を運んでくる。
しかし朝比奈さんはつまずいた拍子でハルヒに熱いお茶をこぼしてしまった。
そう、それでいいんですよ朝比奈さん。まったく従順な人だ。
ハルヒは悲鳴を上げ立ち上がった。
「あっつーい!ちょっと何やってるのよみくるちゃん!」
朝比奈さんは半ベソで謝りながら俺とハルヒを交互に見てくる。
そんな顔で見られても困りますよ。
「ちょっとはやく拭きなさいよ!」
朝比奈さんは泣きながら濡れた所を拭いている。
そんな姿も可愛いですよ、朝比奈さん。
「も〜みくるちゃん。そういうのはあたしじゃなくてキョンにやってよね」
「どういう意味だ!」
「当然でしょ、アンタ部活ずっと休んでたんだから、これぐらいの罰は当然よ。さあみくるちゃん、キョンにもやりなさい!」
「で、でもぉ・・・」
朝比奈さん、わかってますよね。やるのは構いませんが、あなたがどうなっても俺は知りませんよ。
「さあみくるちゃん、やりなさい。これは団長命令よ!」
「ふぇ〜そんなぁ・・・」
「おいおいハルヒ、朝比奈さんが困ってるじゃないか。無理な命令はするな。朝比奈さんがかわいそうだろ」
ハルヒは俺のほうを数秒睨みつけ、諦めたようにまた席に座った。
「みくるちゃん、はやく新しいお茶持ってきなさい」
「わかりましたぁ・・・」
朝比奈さんは新しいお茶をハルヒと俺に持ってくる。
そう、それでいいんですよ、朝比奈さん。
しかしまたハルヒがつっかかって来た。
「みくるちゃん、有希のぶんは?」
「ふえぇ・・・」
朝比奈さんは俺の顔を見てくる。
だから、そんな目で見られても困りますよ。
「すいませぇん・・・今持ってきます。」
「あたしに謝られても困るわよ、謝るなら有希に謝りなさいよ」
「長門さん、すいませぇん・・・」
「別に・・・」
朝比奈さんはお茶を急いで長門に出した。
ま、朝比奈さんじゃこれが限界か。
「朝比奈さん、おかわりくれますか?」
朝比奈さんに湯飲みを差し出す。朝比奈さんはせっせとおかわりを持って来た。
俺はその湯飲みを朝比奈さんの足に落とす。
「ふえぇ!あ、あついですぅ・・・」
66名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:01:23 ID:qgcNKZSr
>>65の続き

「すいません朝比奈さん。手が滑っちゃいました」
朝比奈さんは足を押さえながら他人に聞かれないように、小さな声で俺に言ってきた。
「キ、キョンくん・・・話が違いますよぉ、私にはもう何もしないって・・・」
「すいません。さっきのは本当に手が滑ったんですよ」
「そうなんですかぁ・・・」
「本当ですよ。信じてください。
「わかりましたぁ・・・」
朝比奈さん、そんなんだからあなたはすぐに騙されるんですよ。しかも二度も。
「とりあえず朝比奈さん、新しいお茶を持ってきて下さい」
「は、はい」
俺がお茶をこぼした件に関しては、さすがのハルヒも何も言ってこなかった。まあ、自業自得でしょ。とでも思っているのであろう。
朝比奈さんは、落ち込んだ様子で新しいお茶を用意しに行った。
朝比奈さんはビクビクしながら俺に新しいお茶を手渡す。
怖がる姿も可愛いですよ。
「どうしたんですか、朝比奈さん。具合いでも悪いんですか?」
「ひぃえっ!だ、大丈夫ですよぉ・・・」
「いえ、念のために一応保健室に行きましょう」
「でも、ほらっ!こんなに元気ですしぃ・・・」
朝比奈さんは準備運動のように体を動かして見せた。
「でも、さっきお茶こぼした所を火傷してるかもしれませんよ?」
「だっ、大丈夫ですよぉ、そんな大した事ないですぅ・・・」
「いえ、行きましょう。朝比奈さん」
「は、はい・・・」
「ちょっとキョン!なんでみくるちゃんは心配して、あたしは心配してくれないワケェ?不平等よ!仮にもあたしはSOS団の団長なのよ!少しは敬いなさいよ!」
「お前が火傷してるんだったら、そんなのんびりしてないで、すぐさま俺でも引っ張って保健室行くだろ?それに、これは俺のミスだし」
「それもそうだけど・・・まぁ、お茶がかかったのはほとんど制服だったし・・・ちょっとピリッっと来ただけだったし。でも、少しは団長を気遣いなさいよ!」
お茶がかかったのはほとんど制服ねぇ。
「悪かったハルヒ。今度からはもっと敬うようにするからさ、てなわけで俺は朝比奈さんとちょっと保健室に行ってくるぞ」
「わ、わかったわよ。でも、治療が終わったらすぐに帰ってくるのよ!」
わかってるよ。治療が終わったらすぐに帰ってくるさ、治療が終わったらな。
「じゃあ行きましょう。朝比奈さん」
「は、はい・・・」
「みくるちゃん!キョンに変な事されたらすぐに私に言いなさい。とっちめてあげるから!」
「わ、わかりましたぁ・・・」
俺は部室を出るなり急いで階段を降り、朝比奈さんを廊下の隅に追いやった。
「どういうことですか?朝比奈さん」
「え、なっ何がですかぁ・・・」
「何がですかぁ。じゃないですよ。あなた俺が言ったこと守らなかったですよね?」
「え・・・ち、ちゃんと守りましたよぉ・・・」
67名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:02:37 ID:qgcNKZSr
>>66の続き

朝比奈さんはかなり怯えて、目からは涙を滲ませている。
「じゃあ俺があなたに命じたことを、言ってみてください」
「え、あのぉ・・・涼宮さんにお茶をかけるのとぉ・・・長門さんに絶対にお茶を出さないのとぉ・・・」
「それですよ朝比奈さん。俺は長門に絶対にお茶を出すな。と言ったんです。なのに朝比奈さん、あなた長門さんに出しましたよね?お茶」
俺は問い詰めるような口調で迫った。
「でもぉ、あれは涼宮さんがぁ・・・」
「ハルヒは関係ありませんよ。俺は絶対に出すな。と言ったんです。それにハルヒにもお茶をかけてないですよねぇ。ハルヒは、お茶がかかったのはほとんど制服だったと言ってましたよ?」
「え、あ・・・それは・・・」
「俺はハルヒの制服にお茶をかけろなんて一言も言ってませんよ。俺はハルヒに、かけろと言ったんです」
「で、でもぉ・・・涼宮さんに・・・」
どもってしまって何を言ってるかよく聞こえない。
「ハルヒがなんですか?」
「で、でもぉ・・・ひくっ・・・ひくっ・・・」
朝比奈さんは泣き出してしまった。
「泣いていてもわかりませんよ。朝比奈さん」
なんか小学校の先生になったみたいな気分だな。
「す・・涼宮さんにそんな・・ひくっ・・・ひくっ・・・」
まったくじれったい人だ。あんまりここで無駄な時間を過ごしたくないのだが。
あんまり遅れたら、ハルヒへの言い訳を考えなければいけなくなる。
「朝比奈さん、あなた長門みたいになりたいんですか?なんなら今からでもしてあげますよ」
ここで朝比奈さんが気絶してもハルヒへの言い訳はいくらでもある。具合いが悪くなったので早退した。とでも言えばいい。
むしろこれ以上時間がかかるようなら、そっちのほうが好都合だ。
「どうしますか、朝比奈さん?」
俺は朝比奈さんの肩をギュッっと掴んだ。
「ひくっ・・・本当にごっ・・・ごめんなさい・・・うっ・・・だからそれだけは・・・」
「謝られても困りますよ。こっちにも時間が無いんです。俺はこのまま無駄な時間を過ごしたくないんですよ」
俺はさらに力を込めた。
「お願いですぅ・・・今度からはちゃんとやりますからぁ・・・」
「朝比奈さん、俺をあんまり困らせないで下さい。今度からなんて言葉信用できません」
「じゃ・・・じゃあ私はど、どうすればいいんですかぁ・・・ひくっ・・・」
どうすればいい?そんな事聞かれても困る。俺はただ朝比奈さんを追い詰めたいだけなんだからな。
それにもう選択肢は一つしか無い。
何事も上の者を待たせたり、上の者に反抗したりすると、状況は芳しくない方向へ向かうということだ。俺の経験上な。
「朝比奈さん、謝るのが少し遅かったですね」
「そ、そんなぁ・・・ねぇお願いキョンくん、何でもするから許してぇ・・・」
「本当に何でもしてくれるんですか?じゃあ素直に諦めて、俺に殴られてください」
俺は握り拳を振り上げた。
「そ、それだけは・・・」
「でもあなた、何でもするって言ったじゃないですか?」
「ほ、他の事なら何でもやりますぅ・・・」朝比奈さんは俺にすがり付いてきた。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:05:03 ID:qgcNKZSr
>>67の続き

仕方ないな。ま、俺だって鬼じゃない。慈悲の心ぐらいは自分にもあると思っている。
「今度こそ本当ですか?・・・じゃあ、鶴屋さんって何部ですか?」
「え・・あ・・・書道部ですぅ・・・」
「書道部はまだ活動してますか?」
「は、はい・・・多分・・・」
「じゃあ鶴屋さんを呼んでください」
「呼ぶだけ・・・ですか?」
朝比奈さんは気が楽になったのかほんのわずかだが、落ち着いた表情に戻った。
「もちろんです。これでさっきのミスの分は、帳消しにしてあげます」
「で、でも・・・鶴屋さんを」
俺は朝比奈さんのオドオドした話しに割り込んだ
「そろそろ時間だ。これ以上ハルヒを待たせると何言われるかわかったもんじゃ無い。俺は先に戻りますよ」
「あ、あのぉキョンくん・・・」
「安心してください。朝比奈さんは保健室で休んでる。ということにしときますから」
「そうじゃなくて・・・」
わかってるさ、鶴屋さんを呼んでどうするのか、と聞きたいんだろ。
「だからそのことや時間も考えて、鶴屋さんと来て下さいね。朝比奈さんは一応病人と言う事になってるんですから」
「だ、だから・・・そうじゃ・・・」
今教えるわけには行かない。大事な朝比奈さんの身代わりが来なくなってしまうからな。
「じゃあ朝比奈さん、お願いしますよ」
「あ・・・あのぉ・・・」
「安心してください。何もしませんから」
そう、朝比奈さんには何もしませんよ。
「本当ですか・・・?でもさっきみたいにまた嘘ついたり・・・」
「大丈夫ですよ」
「わ、わかりましたぁ」
扱うのが簡単な人だ。
部室に戻った途端ハルヒの声が響き渡った。
「二人とも遅いわよ!まったく何してたのよ!・・って、みくるちゃんは?」
「朝比奈さんなら、保健室で休んでるぞ」
「ふ〜ん、丁度いいわ!あたし、二人が戻って来たら帰ろうと思ってたの。用事があるのよ、用事が。団長も楽じゃないわ」
なんの用事だか。どうせまた下らん事でも考えているのであろう。いい加減巻き込まれるのはごめんだぞ。
「そうそう、アンタが弱ったみくるちゃんにイヤらしい事しないように監視係が必要ね。有希、暇でしょ?キョンと一緒にいてあげて」
長門はコクリとうなずいた。
まったく俺は盛りのついた犬かなんかか。
「じゃあ、あたしはみくるちゃんに挨拶して帰るとするわ」
そうかい・・・な、なんだってー!今、保健室に行かれるのは非常にマズイ。
俺はハルヒをなんとか説得し、そのまま帰らせるように促した。
ハルヒはムスッとしてすごく不機嫌そうに帰って行った。ま、保健室に行かれるよりはマシだろ。
しかしなんだ、こうなるんだったら早退したことにしておけばよかったな。
ハルヒにも見せてやりたかったが残念だな。いや、むしろいないほうがよかったのかもしれんな
また、長門と二人か・・・。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:07:07 ID:qgcNKZSr
>>68の続き

俺は誰も座ってない団長席に座る。長門は平然と本を読み続けている。
さっき俺にあんなことされたのに、よく平気で本を読んでいられるな。
こうしているのも暇だな。
「おい、長門」
「・・・何?」
あんな事されたのに言葉を返してくれるよ。本当にこいつには感情なんて無いんじゃないのか?
「さっきの大丈夫か?」
「まだ少し痛む」
「そうかよ」
俺は目の前にあったディスプレイを長門向かって投げつけた。
ディスプレイは長門の額にクリーンヒット。長門は衝撃で椅子ごと倒れる。
長門はゆっくり起き上がろうとする。俺はすかさず下から蹴り上げた。
思いの外、長門は勢いよく飛んだ。
壁にもたれ、ぐったりしている。
長門が読んでいた本を手に取り、力任せに破き。長門の上に落とす。
そしてコンピ研の連中から頂戴したノートPC1台を取り出し、長門の体に目掛けおもいっきり投げつけてやった。
ノートPCは長門の腹に命中。またゲホゲホ言ってやがる。
ぐったりする長門に
「長門、ゴミぐらい片付けろ」
俺は長門の本棚を指差し言った。
「ゴミではない・・・本」
「どっちでも同じだよ。ゴミはゴミ箱に捨てないとダメだろ」
俺は本棚の本をいくつか長門に投げつけた。
そして長門のバッグをひっくり返し、中の荷物を頭の上から落としてやった。
「いつかのお礼だ」
俺は長門の頬に膝蹴りを食らわした。
長門は勢いよく掃除用具入れと激突する。うるさい金属音が鳴り響いた。
ふと、外を見ると朝比奈さんと鶴屋さんが渡り廊下を歩いて来ていた。
この状態で部室に入られても逃げ出されることは明確なので、俺は渡り廊下まで急いで走って行った。
なんとか間に合った。
「あれ?キョンくんじゃないかっ!お久しぶりにょろ」
相変わらずうるさい声とムカつく口調だ。その「にょろ」とか言うのはわざとやっているのか?
まあどっちにしろ死んだ方がいい。
「お久しぶりですね。鶴屋さん」
「なんかみくるに呼び出されてさっ!キョンくん話があるんだって?悩みがあるなら相談に乗るよっ!」
「そうですね。相談と言えば相談ですかね」
俺は朝比奈さんに視線を向けた。しかし朝比奈さんはすぐに視線を下に落とした。
何もしないと言ったのに何を怖がっているのだろうか。朝比奈さんは見ているだけでいいのに
「鶴屋さん、今日あなた呼んだのは、朝比奈さんの身代わりになってもらうためです」
70名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:08:57 ID:qgcNKZSr
>>69の続き

そう言い俺は鶴屋さんの腹をおもいっきり殴った。
「うっ、ゲホゲホ・・・キョ・・ン・くんど・・・ゲホゲホ・・・」
「鶴屋さん、何言ってるんですか?よく聞き取れませんよ」
俺は痛そうに腹を抑える鶴屋さんの背中に手を叩き付けた。
「鶴屋さんは廊下に倒れ込む」
「キ、キ、キョンくん・・・な、な、な、何もしないってぇ・・・」
呂律の回らない声で言ったのは朝比奈さんだ。
「俺はあなたには何もしないと言ったんですよ」
地面に倒れ込んだ鶴屋さんに足蹴りを食らわす
鶴屋さんは倒れたまま何も喋らない。
俺は朝比奈さんのほうを見た
「俺だって鶴屋さんにこんな事はしたくないですよ」
「なら、もうやめて・・・」
「朝比奈さん、あなた何もわかってないでしょ?これは本来あなたが受けるべき罰なんですよ?」
「で、でもぉ・・・つ、鶴屋さんが、死んじゃいますよぉ・・・」
「よく言いますね。こんな状況にしたのはあなたなんですよ?自分の罪を鶴屋さんに着せた、あなたのせいなんですよ?」
「で、でもぉ・・・本当に・・・死んじゃいますよぉ・・・」
まったくうるさい人だな。
じゃあ直接聞いてみようじゃないか。
俺は鶴屋さんの長い髪を引っ張ってたぐり寄せ、顔に数発ビンタを食らわせた。
「う・・ゲホ・・・」
ほら、生きてるだろ。人間そんな簡単には死なねぇよ
鶴屋さんはしきりに何を呟いている。
「お願い・・・キョンくん・・・離して下さい・・・」
いつもの馬鹿みたいな口癖はどうしたんだ。使える余裕も無いのか?
俺は素直に離してあけだ。何度も言うが、俺は鬼じゃないからな。
鶴屋さんは廊下に倒れたまま手を伸ばして、朝比奈さんに助けを求めている。
「朝比奈さん、助けるのは自由ですが、どうなるかわかってますよね?」
「・・・」
朝比奈さんは下を向いたまま黙りこくった。
やっぱり人間、いざとなったら自分が1番大切なのさ。
「というわけで鶴屋さん、諦めて下さい」
俺は朝比奈さんに向かって伸びる手を踏み潰した。
「きゃあっ!・・・み、みくる・・・」
「だから、呼んでも無駄ですよ。朝比奈さんはあなたより、自分の体の方が大切なんですから。ですよね朝比奈さん?」
朝比奈さんは下を向いたまま喋らない。
そろそろいい時間だな。今日はこれぐらいにしておくか。
俺は二人を置いて部室に戻った。
そこには長門が一人こちらを向いて立ち尽くしていた。部室も綺麗になっていた。
「あなたには重大なエラーが発生した。」
何を言ってやがる。エラー?ふざけんな。俺は機械じゃねぇ。お前と同じにするな。
「なんの事だ?」
「修正を施す・・・」
修正?わけがわからねぇ。何を言ってやがるんだコイツ。
「・・・あなたの情報結合を、解除する・・・」
「おい、待て!」
「情報結合解除開始・・・」
「長門!」
「・・・」
逆光で長門の表情はよくわからなかった。でも心なしか俺には淋しげに見えた・・・。
たぶん気のせいだ。


fin
71名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:10:46 ID:qgcNKZSr
お次は
いじめカッコ悪いさんの傑作です。
どうぞお楽しみください。

俺の後ろの席には涼宮ハルヒが座っている。
そしてその周りを取り囲む女子達、ハルヒに浴びせられる罵詈雑言、聞こえないフリをするハルヒ……
五回堕ろした、汚い、ヤリマン、売春婦、ブス、図に乗るな、害児etc...
よくもまぁこれだけ汚い言葉がでるものだ。



なぜこんな状況になってるかと言えば、それはもうハルヒに原因がある。
ワケの分からん自己紹介をしたうえ、奇狂な振る舞いをし、挙げ句わざわざ話しかけてくれる女子に不遜な態度をとれば、どんな結果になるかなんて目に見えてる。これでいじめられないほうがオカシイ。
男子はともかく、女子は完全にこいつを外している。
さすがにハルヒも一人ぼっちは嫌だったらしく、様々な部活に入ってみたようだ。だが、恐らく女子特有の情報網というやつだろう、どの部活でもハルヒは嫌われもののようで一日所属しただけで全ての部活を辞めていた。



そんなこんなでゴールデンウィークが空けた一日目、俺は教室に入るなり女子に話しかけられた。
誰だっけ?確か朝倉?
「ねぇ涼宮さんて頭おかしいわよね、そう思わない?」
さすが委員長、おっしゃる通り。かなりオカシイですよ。
「でね、女子の間でもスゴイ嫌われてるわけ。もう正直転校しちゃって欲しいのよ。」
こいつ黒いな。
いつもハルヒに優しく話しかけてたの、ありゃなんだ?
「委員長だし、立場ってものがあるじゃない?ホントは話しかけたくないの。そこでお願い、ちょっと今から涼宮さんに話しかけてくれない?大丈夫、あとはみんなで上手くやるからさ」
そういうと、いつの間に集まったやら五組の女子の中でもとりわけ目立つ奴らがニヤニヤ笑っていた。
女ってやつは怖いね、逆らわないほうがよさそうだ。
「わかったよ、話しかけてみる。」
しかし、何を話しかければいいんだ?こんな頭のおかしな奴にはなすことなどないぞ……仕方ない食い付きそうなネタで適当に
「曜日によって髪型変えるのは宇宙人対策か?」
涼宮ハルヒに話しかけてみた。
「いつ気付いたの?」
「んーちょっと前だ。」
その後何を話したのかよく覚えてない。なんか知らんが妙に嬉しそうだったな。やっぱ寂しかったのか?


休み時間に谷口と国木田が話しかけてきた。
「おい、キョン!!どーいうことだ?なんで涼宮なんかと話してるんだよ?」
72名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:12:27 ID:qgcNKZSr
>>71の続き

「昔からキョンは変な女が好きだからねぇ」
「誤解を招くようなことを言うな」
俺までいじめられたら堪らん……。と、朝倉が近付いてきた。
「私も聞きたいな。私が話しかけても何も話してくれない涼宮さんが、どうやったら話すようになるのか、コツでもあるの?」
コツなんか知るか、大体お前が頼んだんだろぅが。なーんて言ったら標的決定だからな、適当に相槌うっとくか
「分からん」
「でも、よかった。涼宮さんいつまでもクラスで孤立したままじゃ困るもんね。一人でも友達が出来たのはいいことよね。」
「友達ねぇ……」
「これから何か伝えることがあったら、貴方から伝えてもらうようにするから」
おいおい勘弁してくれ。何考えてんだ?さっきも上手くやるとか言って何もしてくれなかったじゃねぇか。
「だが、ちょっと待てよ。俺はアイツのスポークスマンでも何でもないぞ!!」
「お願い」
そう言って眩しいばかりの笑顔を俺に向けてきた。ハッキリ言ってメチャクチャ可愛いが、黒さを知ってる俺には恐怖以外の何者でもない。
チャイムが鳴り、谷口や国木田が席に戻った後に朝倉が耳元で囁いた


「今日、放課後教室に残っててね。」


何があるんだよ。
ホントはさっさと帰りたかったのだが、さすがに朝倉に逆らうのは怖いね。おとなしく教室に残っていた。
時間が経つにつれ教室に残ってる人間は俺と朝倉、それと今朝の数人だけになっていった。
その数人と朝倉は俺の周りの席に腰かけ、話しかけてきた。
「ねぇ、涼宮さんとは仲良くなれそう?」
「仲良く?」
「そ、仲良く。彼女と仲良くなって欲しいのよ。うーんと」
「なぜだ?」
こいつら何を企んでるんだ?俺が涼宮と仲良くなったら、仲間ができて転校しなくなっちまうぞ?
「仲良くなって終わりじゃないのよ。」
今まで黙って聞いていた女がニヤニヤしながら口を開いた。これは……誰?やたら活発そうな奴だ。
「仲良くなって、裏切ってやってよ。」
そう言って、その女子は周りの女子とクスクス笑いあった。こいつら皆どれだけ黒いんだ、ホント怖いね…。
「実は他の男子にも頼んでみたんだけどね、話が続いたのは貴方だけなの。だから貴方が頑張って。」
そう言って朝倉は俺に笑いかけた。こいつ、とんでもない委員長だな……まいっちまうよ。
断るわけにはいかないんだろうなぁ。
「わかったよ。でも保証はできんぞ。」
「いいわ。でも出来る限りの頑張りを期待してる。
一応私のアド教えておくから、毎日報告してね。こっちの要望もメールで伝えるわ。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:13:50 ID:qgcNKZSr
>>72の続きであります

じゃ、今日はありがと♪また明日ね」
そう言うと朝倉、他数名はキャッキャッと笑いながら帰っていった。まったくいくらなんでもやりすぎだろ……。
明日からどうなるんだかなぁ
次の日から、ホームルーム前に涼宮ハルヒに話しかけるのが日課になっていた。それとは逆にハルヒに対する目に見えるイジメはなくなっていた。
朝倉がメールで作戦がとか言ってたのと関係があるのかもな。
やれやれ、なんで俺が。
しかし攻撃目標になるのは勘弁だ。いじめに立ち向かうようなバカは道徳の教科書中の人間だけだ。



そんなある日のこと。俺はいつものようにハルヒと話していた。
前はハッキリ喋らなかったハルヒだったが徐々に打ち解け、今では俺と談笑している。意外と可愛いなコイツ……
だが、そんな俺らに近付いてくる女子が数名。
あの日の教室にいた、朝倉以外の女子生徒だ。何か企んでいるのは明らかだった。
「ちょっと、このヤリマン!!何キョン君に話しかけててるのよ?」
「誘ってんじゃないわよ!!」
「あんたみたいな淫売がクラスにいたら恥なんだけどー」
以前は一言二言で済ませてたのに今日はしつこいな。それにハルヒもいつになく辛そうな顔をしている。前は平気な顔してたのにな。
「キョン君、こんな淫売ほっといてアッチで話そうよー。」
「そうそう、性病うつされちゃうよ。クラミジアー」
「キャハハハ……」
そう言って、俺の手を引いた。
「ほらほら、行こうよー」
手を引かれ立ち上がった俺は、ハルヒの方に目をやった。頬杖をついたままずっと窓の外を見ている……
「ねぇ、クラミジアは誰にうつされたの〜?あ、誰か分かんないよね〜ごっめ〜ん」
「なんでシカト〜私のこと嫌い〜?」
俺の手を引く女子以外は未だにハルヒに絡んでる。今日はホントに徹底的にやってやがる……っつかハルヒもよくシカトを続けられるな。辛そうだが。
「そぉだ、私達と話したくないならキョン君に聞いてもらおうかぁ〜」
「ねぇ、キョン君。誰にクラミジアもらったか聞いてよ〜キャハハ…」
いくらなんでも言えるかよ。冗談じゃない。
「いや、俺は……」
「言わない気?朝倉さんに言いつけちゃおうかなぁ……」
!!
耳元で手を引いていた女が囁いた。こいつら、最初からその気だったのか。
俺は覚悟を決めてハルヒに聞いた。
「だ、誰にうつされたんだ?クラミジア」

ガタッ
涼宮ハルヒはうつ向いたまま立ち上がり教室を飛び出していった。
「キャハハハ、みたアレ〜」馬鹿笑いする女子に囲まれ、俺はハルヒの後ろ姿が消えていった廊下の方を見つめていた。
クラスは何事もなかったようだ。誰もハルヒなんか気にしていないのか?
授業が始まり、英語の教師が教室に入ってきた。
「あら涼宮さんは休み?」
さすがに教師は気付いたようで、誰とも知れず問掛けてくる。
「先生、涼宮さんは朝から気分が優れなかったみたいですから保健室かもしれません。」
「あら、そうなの。ありがとう朝倉さん。では授業を始めます。」
さすが委員長。担任以外からの信頼も厚いね。しかしよくもまぁ口から出任せをそこまで列ねられるもんだね。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:14:44 ID:qgcNKZSr
>>73の続き

ん?

感心しながら朝倉をみてると、当の本人からメールがきたようだ。
『お願い☆』と題されたメールに書いてあったことは以下のようなものである。
【みんなから聞いたよ。ご苦労様。で、お願いなんだけど涼宮さんを探して、仲直りしてきて♪追い込み足りないしさ。お願いね☆】

簡単に言うなぁ、おい。っつかまだ俺を巻き込む気かよ。
ま、逆らうのは得策じゃねーし従うしかないけどさ。俺は平和に過ごしたいしな。しかし、いつ探しに行けばいいんだ?場所も分からないのに。
と、朝倉から二通目のメールが来てやがる。
【さっき一組の女子から涼宮さんが屋上に行ったって情報がきたから、屋上探してみて。
それから五十分になったら前の席の子が部屋から出られるように細工してくれるから、すぐに探しに行ってね☆】
細工?なんだそりゃ

「先生!!」
そう言って手を挙げた前に座る女子は、俺が気分が悪そうだと先生に告げた。
成程ね。
まぁこうなれば俺は自由に探しにいけるわけだ。
しかし前の席の子は、あの日教室にいたメンバーには含まれてない、おまけに一組の女子…か。
どうやら朝倉に逆らうのは一年全員を敵に回すことになるみたいだな。



そんなことを考えながら、俺はハルヒを探すため屋上に足を向けた。
屋上にあがったとこにある踊り場に、涼宮ハルヒはいた。少しうつ向き加減で落ち込んでいるようだ。
俺に気付いたのか、目に溜っていたものを拭いこちらを睨んだ。泣いてたのか?
「何しに来たのよ!?授業中でしょ?まだ馬鹿にし足りないわけッ!?」
やれやれ怖い怖い。触らぬ神になんとやらだが、この神様に触らないと、もう一人の神様とその周りにいる堕天使共の餌食にされちまうからな。
しかし俺への「お願い☆」という名の指令はなんだったか?確かこいつと仲直りしろ、だったか。やれやれ
「さっきは悪かったな。」
「えっ?」
ハルヒはキョトンとした顔を見せた。
「だから悪かったって。俺もアイツらに弱味握られててさ、逆らえないんだ。」
まぁ脅されてるのは事実だし、嘘にはならんだろ。ハルヒが信じてくれればいいんだけどな。
「やっぱり。ううん、私こそさっきは悪かったわね。」
おやおや意外と単純なバカみたいだな。こーゆーとこはホント可愛いな。
「でも、授業はいいの?」
「いいんだ、一秒でも早く謝りたくて抜けてきた。」
そういうと、ハルヒの顔は初めて見るライオンに感動したようにキラキラ輝いた。おめでたい女だな。だからイジメられんだよ……。
コイツの顔がキラキラ輝いたのは一瞬で、すぐにまぁなんというか複雑な顔になった。
「ふーん、わざわざ授業サボってまでご苦労様。でも一応あんなこと言ったんだから、謝るのは当然よね」
「そうだな。」
そんなこと言ってるからイジメにあうんだよ、このアホ。
「そぅねぇ、じゃあアナタにさっきの罰を与えるわ」
まだ言うか、この馬鹿女は……
「なんだよ、罰って」
何を言うつもりなのかはしらないが、俺にはお前の探してる宇宙人やら未来人やら超能力者を連れてきたりはできないぜ。
「そんなんじゃないわよ!!」
そう強く言った後ハルヒは、少し寂しそうに顔を赤らめて言った。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:15:52 ID:LCBH8a1H
>>59
いや、完成した作品はまとめサイトの方があるから載せなくて大丈夫だ!


俺は >>46を見て、未完のままの作品の作者のうちの誰かだと思ったんだ
だから、できれば最初から載せてくれれば読みやすくてありがたいと言ったんだよ
とにかく誤解を招いてすまん


とりあえず、まとめサイトあるから完成した作品を貼らなくていいよ!


76名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:16:50 ID:qgcNKZSr
>>74の続き

「次の時間がはじまるまで、ここで一緒にいなさい。」
やっぱ寂しかったのかな、こいつ。すげぇ楽しそうに話しやがる。
いじめられんのは自業自得として、こうしてると可哀想になってくるな。
と、授業終了のチャイムだ。
「ほれ、次の授業が始まるまでに帰ろうぜ。次は現国だろ?先生厳しいしよ…」
「帰りたくない。ここにいたい。一緒に…いなさい。」
無茶言いやがる。
「そう言うなよ。戻るしかないだろ。」
「……そうね。」
そう言って、無理に笑ったハルヒは先に階段を降りていった。
「あんた、思ったよりイイ奴ね!!」


一度振り返り、そう言って元気に走っておりてゆくハルヒを見送る俺に、朝倉からのメールが届いた……。

【涼宮さんより、後に教室に帰ってきてね☆それから貴方が教室に帰ってきたとき、私がする質問には、私の言うとおりに答えてね♪】


筋書きは出来上がってるわけか。
俺は朝倉のメールに恐怖しながら重々しい足取りで教室へかえっていった。


今度は何が待ってるんだろうね。
教室に戻るともう授業が始まっていた。先生に謝辞を告げつつ席につく俺を微笑みながら見るハルヒ……
誰のせいだと思ってやがる、忌々しい。
ま、さすがに朝倉達も授業中にハルヒイジメはやらないようだ。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:19:28 ID:qgcNKZSr
>>75
ですが>>60から
ええんちゃう?っというお言葉をもらいましたし。。。
自分としては一回やったからには全部載せるときがすまないですね。
78名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:24:23 ID:LCBH8a1H
>>77
俺が早とちりしたのがそもそも悪かったのだけど…

なぜ…載せるんだ?
まとめサイトあるんだから載せなくていいじゃないか…
職人さんだってあまり嬉しいとは思わないんじゃないか?
79名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 14:29:27 ID:qgcNKZSr
そうすね。
まー一応は
僕のアレは役に立ったんですかね?
セーブしてよっかったですね。

ところで途中まで書いた人たちは
どこに言ってしまわれたんでしょうかねー?
誰か続き書いてくれませんかねー?
80名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 15:31:46 ID:PGZPA/yc
私、火曜サスペンス劇場風の涼宮ハルヒの
いじめの話を考えたのですが・・・

次に書きます。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 15:52:01 ID:0G+tOMgm
>>80
全部書いてあるなら投下しちゃえば?
82名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 17:25:48 ID:PGZPA/yc
>>81
>>80は明日か明後日に延期
83名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 17:29:37 ID:p/fSD+N/
>>79
おまえは役に立とうとしなくていいから、2年ぐらいROMってなよ
もし2年も待てないようなら、もう来なくてもいいよ^^
84名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 21:22:44 ID:rHhjovfy
多分、前スレにも来てた子だろ…レスの特徴的に
とりあえず初心者板池
85名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 22:25:30 ID:S1h+pXRb
>>79
無駄な事に容量を使うな
86名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 03:48:56 ID:mTAecuPR
何で終わったやつをまた載せてるんだ?
無駄に容量減るぞ?
87名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 11:10:02 ID:cmjPXrQf
また載せるとかw

勘違いしすぎのアホww
88名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 14:47:30 ID:JcBO2fGN
>>45
あの作品を書いてた者です
もうちょいで全部書き終わりそうなので完成したら投下します
89名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 15:12:27 ID:kFSsFoBU
>>88
wktk
90 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/04(水) 15:48:52 ID:H9m6eQze
では、書きます
でも、いじめからかけ離れてるかも・・・
タイトルは「SOS団殺人事件」
91 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/04(水) 15:54:29 ID:H9m6eQze
>>90は訂正

タイトルはまだ決めていない
92名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 16:44:53 ID:7PeQPkQc
はやく書けよクズ
93名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 17:23:48 ID:m8SCL1O6
>>92
なんて事を言うんだ
94名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 20:35:29 ID:uxT+M7gj
なんかレベルの低下が著しいな
95名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 20:49:28 ID:j/nKFGse
最初のスレに戻った感じだな
96名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 22:01:00 ID:sangfLzc
香ばしい新人さんがあらわれちゃったからな
97名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 03:02:57 ID:cDfnndwU
まー
にぎやかでいいじゃないですか
98名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 03:52:11 ID:rRpD5vtg
前スレの終わり頃から顕著にレベル落ちてる
眉根寄せっぱなしで顔攣りそう
99名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 04:27:42 ID:v/IeG9NZ
てか厨が湧き杉
前スレの最後のほうなんか目も当てられん
100名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 08:33:39 ID:SMNdASso
朝倉さん溺愛してる人のが読めればそれでいい
TKさんは消えちゃったし
あと短いデレデレハルヒ書いてた人
それから朝倉にキョンをとられて狂ったハルヒ書いてた人←これTKさんだっけ?
俺の歪んだアンテナが反応したのはこれくらいかな
他にもあったけどちょっと思い出せない
101名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 10:28:29 ID:jNSex7JH
春休みなんだからスレの低年齢化はしようがない
一時的だから気にすんな。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 10:39:45 ID:RtlGvCGu
俺は消失長門の憂欝ってやつと小指でぎゅっってやつがお気に入り
ただの宇宙人萌えなのかもしれんが
なんかこう暴力じゃなくて精神面にじわじわ来るようなやつがいい
103名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 10:44:22 ID:cDfnndwU
いじめってどうやって解決したほうがいいの?
104名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 10:48:15 ID:SMNdASso
それはリアルでの話か?
作劇上の技術の話か?
どちらにしろ自分の思うようにとしか言えないかな
105名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 10:54:21 ID:cDfnndwU
>>104
リアルで
その子もうちょっとで
自殺しそうだし
106名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 10:59:46 ID:aRUMNSur
>>105
警察
107名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 11:00:43 ID:10tRdC+m
>>105
また、お前か。ROMってろと言われたばかりだろ
それにそういう話をしたいなら、他のところで話せ
108名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 11:11:56 ID:uoWJHpyC
>>105
状況による
というかこんな場所でアドバイス受けてる場合じゃない
それくらいわかってくれ
109名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 11:27:55 ID:X5K6MQ22
>>105
人生相談は人生相談板へ
新参は初心者板へ
かまってチャンはVIPへ
110 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 11:39:59 ID:hozOjSAD
>>90
タイトル変更します
タイトルは「爆弾」です。
111 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 16:01:28 ID:hozOjSAD
俺は、昨日も国木田、谷口にいじめられて、
何回血を吐いたか・・・
「はぁ・・・」
ため息をした。
「まあいいや。国木田も谷口も今日はいないみたいだし・・・」
その時、俺にある事が浮かんだ。
この日、俺はSOS団には行かず、そそくさ、家の近くのホームセンターに行き、
ひもや、火薬、ナイフなどを買い、家へ帰った。
出迎えたのは、妹だった。
「キョン君、ただいま〜」
それをいうなら、おかえりだろう。
いい加減、わかってくれ、妹よ。
俺は、自分の部屋に入り、爆弾を作りはじめた。
あんまり手先は器用じゃなかったが、パソコンのサイトを見ながら、見よう見真似で作っていた。
その時だ。
「あれ〜?キョン君何してるの〜?」
妹だった。
「いや、なんでもない。」
「ふぅん・・・」
どうしよう、見られた。見られたからには生かしてはおけない。
俺は、台所に行き、妹にこう言った。
「妹よ、ジュース飲むか?」
「うん。」
妹はテレビを見ていた。
その隙に俺は、ジュースに粉状の睡眠薬を入れた。
「妹、ジュースだ」
112 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 16:25:18 ID:hozOjSAD
「ありがとう」
俺には罪悪感は無かった。あるのは、爆弾を作っているのをばれないようにしなければ、
その気持ちが強かった。
「おいしいか?」
「うん、お・・・い・・・・・・・しい・・・・・・・・・・・・よ」
妹は眠るようにソファで倒れた。
これで、3日間は寝るだろう。
幸い、親は、3日間仕事でいないみたいだし、学校も休みだ。
俺は、妹の部屋に妹を寝かせ、自分の部屋で再び、爆弾を作った。
俺は、爆弾作りに夢中になり、3日間朝、昼、夜の飯を食べるのも忘れてしまった。
あれこれして、爆弾は完成した。
時限爆弾だ。保障は出来ないがな〜。
妹は、3日目にしてやっと起きた。
「あれ、キョン君、おはよう」
きっと、三日もすれば、爆弾作りのことも忘れてるだろう。
おれは、そう思い学校に登校した。
爆弾とナイフを持って。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 16:44:16 ID:aRUMNSur
新作ktkr
114 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 17:06:32 ID:hozOjSAD
ハルヒは、みんなにいじめられていた。
「がはっ!!・・・・・・・・・・・・・・うっ!!・・・・・・」
腹を何度も、蹴られていた。
何度も吐血し、左目からも血が出ていた。
ハルヒは、声にならない声で、殴っているやつの胸を、ナイフで刺した。
そいつは、心臓に達する大きな傷だろう。
血が止まらない。死んだ。
ハルヒは教室から逃げた。
一方、長門も同じくいじめられていた。歩いていたら、わざと1人の女子生徒に転ばされた。
「あっ、ご〜め〜〜〜ん」どう見てもわざとだ。
長門は、転んだ拍子に、ひざをすりむいた。
またあるやつは、長門に、転んでいたとき、思いっきり、かかとにカッターナイフの刃をつけた上履きで、
背中にかかとおとしをした。
長門は、血を吐き気絶した。
先生は、長門を見ても何も言わなかった。
学校が終わるまで、長門は、息をすることはなかった。
そんなこんなで、夕方、部室に行ったら、涼宮だけがいた。
「ちょっと、キョン、木曜日、なんで部室に来なかったの!?」
木曜日といったら、ホームセンターに行ったころだろ〜。
「あんた、何様のつもり!?それでも、SOS団の一員なの!?」
あ〜、うるせぇ。
「黙ってろ。」
「はぁ?」
「黙ってろって言ってんだよ、このやろ―――――!!!」
おれは、そこにある花瓶でハルヒを殴った。
「痛いわね〜、何すんのよ!!」
まだ立ってやがる。俺は、涼宮の顔をカッターで切りつけ、
ハルヒが顔をおさえているすきに、何度も背中に肘うちをし、
こういう体制の時→OTL は思いっきりかかとおとしを何度もし、
とどめに、ナイフで涼宮の背中を刺した。
それを、偶然に朝比奈さんに見られた。
朝比奈さんは逃げた。しかし、制服の裾が見えていた。
「朝比奈さん、いるのは分かってるんです。出てきてください。」
「キョ、・・・キョン君・・・・・・・何する気・・・・・・?」
「悪いですけど、見られたからには、殺すしかないですね」
115 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 17:29:38 ID:hozOjSAD
「え、・・・・そ・・・そんな・・・・・・・」
俺は、涼宮ハルヒに刺しているナイフを抜いた。
「大丈夫ですよ。すぐにあなたを天国に行かせてあげますし、
痛みなんて、死んだらすぐに消えますよ」
俺は朝比奈さんに詰め寄る。
「お願い、キョン君、・・・・・・・やめて・・・・・・」
「残念ですけど、死んでください」
そういうと、俺は朝比奈さんの腹に、
“ザクッ”
「うっ・・・・・・・・・・あっ・・・・・・・・・・・・」
床に、一滴、また一滴と、血の雫が落ちてきた。
朝比奈さんは、吐血した。
「がはっ・・・・・・・」
倒れた。床が血に染まった。
朝比奈さんは、コヒュー、コヒューと小さく息をしながら死んだ。
俺は、何事も無かったかのように、爆弾を持ったカバンをしょって、
部室を後にした。
校門をでようとした時、
「おい、待てよキョン」
国木田と谷口だった。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 18:36:22 ID:+4FhSEye
これは酷い
117 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 18:43:02 ID:hozOjSAD
>>116
すまん。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 18:50:17 ID:v/IeG9NZ
文章表現が甘い、内容の台詞回しも緊張感も甘い
だから私に酷評を受ける。批判を許す
119名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 18:52:16 ID:SMNdASso
続けるのは勝手だが読む気はしないとだけ
グロが駄目とかじゃなく対象に愛がない文章はね
120 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 18:54:46 ID:hozOjSAD
>>118-119
みんなほんとに
すまない
121名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 18:56:54 ID:QGWbJ8AP
まぁ酷いけど自分が書きたかったらいいんじゃないか?自由なスレだし












俺は読まないけど
122名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 18:59:07 ID:SMNdASso
歪んでてもいいんだよ
ただあなたのモチベーションが感じられない
極端な話、性欲でもいいんだ
愛があればもっと文章練れてくると思うんだけどな
偉そうにごめんね
123 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 18:59:13 ID:hozOjSAD
やっぱ失敗作かな〜

自分の奴
124 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 19:04:56 ID:hozOjSAD
朝倉涼子の殺人作ったのも
自分なんだが、
アレだけじゃ愛はないと、
作った自分でも思った
125ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:22:09 ID:LsjpG8rk
『涼宮ハルヒの回想』

みんな遅いな…
今日は市内探索の日なのに…まぁ、私が早く来すぎたのがいけないんだけど…
まだ、待ち合わせの時間まで一時間あるわね
ずっと立って待ってるのも疲れるし…ベンチに座って待ってよ…
みんなちゃんと来てくれるかなぁ
はぁ…こうやってひとりでぽつんと座ってると中学時代を思い出すな…
私…いじめられてたっけ…




「ハルヒ、あなた変わった!」
「もう一緒にいたくない!」
「どうしてそんなことをするの!?」
「もう、話かけないで!」

中学に入ると同時に私は小学校からの友達にこんなことばかり言われた
自分を変えるため、面白いことを待ってるだけの女じゃないことを世界に訴えるため、
私はそのためにいろんなことをやっていた
そのことに集中するばかりに、まわりの人が私の行動をどう思ってるかなんて考えてもいなかった
小学校の友達はどんどん私から離れていった。
中学で初めて会った人もそんな私の行動を見て、
「頭がおかしい」
「どうかしている」
「話かけないほうがいい」
「かかわらない方がいい」
私がまるで、何か危険な病気を持っているかのように避けられた
なかには私のことを身体障害者なんじゃないか、と言う人もいた
私は中学に入学して3、4ヶ月もするとクラスでいじめられるようになった
筆箱がなくなったり、教科書がなくなったり…机に「死ね」と書かれてたこともあった
一年生の間はそんなことばかり
けど、私は何を言われても、なにをされても別にかまわないと思っていた
…何かを変えてやるんだ。待ってるだけの女じゃないことを世界に訴えるんだ…
そのためならバカにされてもなんと言われてもかまわない
私は絶対に耐えてみせる、そう思ってた…
126ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:23:16 ID:LsjpG8rk
だけど…あるとき、私はその意志が崩れていくのを感じた
それはクラスの人達に無視されるようになったとき
私がクラスに存在しているのに…私はクラスにいるのに…
私がそこにいないかのようにみんなにふるまわれたとき…
たしか二年の頃からだったかな…
ある日突然、私が何をしても誰も気にしない、見向きもしない…バカにすらしない…
私とぶつかっても見えない壁にぶつかったかのような反応をされるようになった…
たぶん、いつも私をバカにしていたリーダー格の子が、私のことをみんなに無視しろと言ったのだと思う

最初の頃はものが無くなったりすることより、全然マシだと思ってた
負けず嫌いだった私は、バカにされたり、ものが無くなったりすることには、
「負けてたまるか!」という気持ちでなんとかいじめに耐えていた
もちろん辛かったけど、私はなんとか反発する気持ちを支えにして頑張っていた
だから、無視されるようになったときは「もう頑張らなくていいんだ」と思って楽になった気がしてた…
だけど、しばらくして気づいた…それは間違いだったって…
私はあまりの孤独感にだんだんと耐えられなくなった
もちろん、最初はその孤独感にも耐えようしてみた
だけど…私はそんなに強い人間じゃなかった…
私という存在がこの世から無くなった気がして…とても耐えられるものじゃなかった…


私はそのときから以前よりも目立つ行動をとった
夜中に学校に忍び込んで校庭に大きな絵文字を書いたり、クラスの机を全部廊下にだしたり…
特に何か意味があったわけじゃない。
変なやつ、頭がおかしいやつだとバカにされてもいい
なんでもいいから何か反応を示して欲しい…ただそれだけの理由…
だけど、結局誰も私に反応を示してくれる人はいなかった…
私は毎日無視された
そのときから私は本当にひとりぼっちになった気がした…
127ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:25:12 ID:LsjpG8rk
一番辛かったのは昼休みだったかな…
四時間目が終わるのが近づくと、いつも憂鬱な気分だった…
なぜか私は席替えすると後ろの方になることが多くて、クラスを見渡せる位置にいた
クラスメートが楽しそうにおしゃべりをしながらお弁当を食べている…そんな風景を見ていると…
いつも一人でお弁当を食べていた私は…無性に泣きたくなって…辛かった…

お弁当を食べ終わると、私は寝てるふりばかりしていた
無視され始めて最初の頃はおかしな行動をして、みんなの気を引こうとしたりもしていた
だけど、そのうち何をしても相手にしてもらえないことがわかると、
何もする気がおきなくなって、寝てるふりばかりするようになった
クラスメートの楽しそうに笑ってる顔を見たくなかったし…
なにより私の泣き顔を見られたくなかったから…
昼休みの間ずっと、トイレにこもって泣いたこともあったっけ…
すごく臭いトイレだったな…今でもはっきりと覚えてる…

そういえば…班を決めて何か作業をやる授業も大嫌いだったな…
みんな誰かしらパートナーや班を組む人がいたのに…私だけひとり余ってた
私はいつもポツンと教室の隅にとり残されてた
みんなは作業を始めてるのに、私だけ何もできなかった
そりゃ、そうだよね…みんなで意見を言い合って、まとめていく作業だもん…
一人でできわけないよ…誰も相手がいないんだから…
それに先生達も私がよく妙な行動をとっていることを知っていたから、
私が一人でも別に気にするでもなくそのまま授業を進めたんだよね…
私は一人で作業をしながら…いや、何もできなかったのだけど…必死で涙をこらえてた…
…誰でもいい、誰か私に話しかけて……
私は心の中でずっとそんなことをつぶやいていた
寂しくて、悲しくて…どうしようもない気持ち…
こんな気持ち…なければいいのに、って思った…
けど、結局誰も話しかけてくれる人はいなくて、班で作業をするときは
ただひたすら一人で泣くのを我慢するしかなかった…

もちろん…誰かと班を組まなければいけないときは何度かあった
列で班を組むときとか、近くの席の人と組むとき…そのくらいだったかな…
そのたびに私は話かけるチャンスだと思って頑張ってみたのだけど、結果は予想どおり…
私はどんなときでも一人ぼっち…授業の合間の休憩時間、昼休み、授業のとき…
学校から家に帰るのも一人…いつも泣きながら帰ったっけ…
128ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:26:16 ID:LsjpG8rk
…そんな生活をずっとしてる間に、いつのまにか私は三年生になってた…
私のことは同じ学年の人には知れ渡っていたのでクラス替えをしても状況は何も変わらない…
二年に進級したときとまったく同じ…
私を無視するように指示したリーダー格の子とも、同じクラスになってしまって…
また、一年間あんな生活をするのかと思うと辛くてしょうがなかった…
あぁ…そういえば、三年生と言えば修学旅行のときを思い出すな…たしか六月頃に行ったんだよね…
あれは本当に辛かった…


修学旅行で行動する班決めは、好きなもの同士で自由に固まることになった
ほとんどの班がちょうどいい具合に4、5人のグループになったので問題は無かった
もちろん…私だけはいつものように取り残されてた…
さすがに先生も修学旅行で一人で行動させるわけにはいかないと思ったのか
人数の一番少なかった班に私が入ることになった

正直…私は修学旅行になんて行きたくなかった
けど、そんなことをすればお母さんとお父さんが心配するとわかっていたので、できるわけなかった
それに…私は心の奥底のどこかで期待をしていた。
修学旅行なら…もしかしたら誰かが私と話をしてくれるかも…
私はそんな淡い期待をしていた
129ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:27:28 ID:LsjpG8rk
修学旅行一日目。私達はバスで旅館に向かう途中、パーキングエリアに休憩のために立ち寄った。
休憩時間の間、私は同じ班の人に話かけてみようと思った。
なにか話しかけるきっかけが欲しかった私は、売店でアイスクリームを買うことにした
私は一番おいしそうで、大きなアイスを選んだ。班の人たちに喜んでもらうために。
私の班は私を入れて四人。大きなアイスだったから四人分をもつのはすごく大変だった
そんな私を見て売店のおばちゃんが心配そうに声をかけてくれた。
「大丈夫?持っていける?」
私は自分にできる限りのとびっきりの笑顔を作っておばちゃんに言ってあげた
「うん、平気!これぐらい持っていける!」
私はそのとき、すごくささいなことだったけど、私のことを心配してくれたことがすごく嬉しかった
おばちゃんもそんな私に笑顔で答えてくれて、私は余計に嬉しくなった
私はそのあと、ニコニコしながら班の人たちを探した
もともと仲のいい人同士で集まった班だったから見つけるのは簡単だった
私は一歩づつ班の人達に近づいた。

(こんなに大きくておいしそうなアイスクリームを買ってきたんだもん…
もしかしたら何かしゃべってくれるかも…)

売店でのこともあって、私は期待で胸がいっぱいだった
けど…そんな私の期待は裏切られた。
アイスを渡そうとしても、誰も私に反応してくれる人は誰もいなく、結局いつものように無視された
まるで…私が見えていないみたいだった
130名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 19:27:50 ID:aRUMNSur
完結しないうちからあんまり言うのもどうかと思うが…
131ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:28:34 ID:LsjpG8rk
(なんで受け取ってくれないの?私は透明人間なんかじゃない…私はここにいるの…存在してるの…
だから、アイスを受け取って…ほら、こんなにおいしそうなアイスなんだよ?
お願いだから…取ってよ…)

私はなんとかしてアイスを渡そうとするのだけど、誰も取ろうとしてくれない
そうしている間に…だんだんとアイスが溶けてきた
暑い日だったので溶けるのはあっという間で、すぐに手がベトベトになった
私は渡すのを諦めた。
売店のおばちゃんに悪いと思って溶けていくアイスを捨てることもできず、
私は四人分のアイスをなんとか食べようとした
あっというまに私の手はアイスまみれになり、口の周りもベタベタしてきた

「うわっ!汚ねぇ…」
「なにあの子…意地汚いわねぇ…」

だんだんと私の周りからこんな言葉が聞こえてきた
私はアイスを食べるのを諦めた。周りの人の容赦ない言葉に耐えられなくなっていた…
しかたなく私はアイスをゴミ箱に捨て、顔を洗いにトイレに行き、そのあとバスに戻った
バスの中は静まり返っていて、シーンとしていた。私のほかにバスに戻ってる人は誰もいない
私は自分の席に座り、ボーっと窓の外で楽しそうにしている人達を見ていた
132ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:29:25 ID:LsjpG8rk
その日のお昼の時間。先生が移動するバスの中でおにぎりを配り始めた
私は家でお母さんにおにぎりを作ってもらっていたので遠慮した。
お母さんには先生がおにぎりをお昼に配ってくれるから、いらないと言ったのだけれど、
「いいから持っていきなさい」と言ってほぼ無理矢理、リュックにおにぎりを詰めてくれた
本当はちゃんとした弁当を作る気だったみたいだったけど…
私がみんなと同じものを食べたいだろうと思ったのか、お母さんはおにぎりにしてくれた
そういえば、昔からお母さんは私がどこかに行くと聞くとなにかしら作らないと気がすまない人だったっけ…
私はそんなことを考えながら、おにぎりを食べるため隣の席に置いていたリュックに手をのばした。
隣の席に荷物を置いているのは私しかいない
みんな誰かしら隣には一緒に座る人がいたから、荷物を置くスペースなんてなかった
だけど、みんな隣の人と楽しそうに話をしていて笑いが絶えることはなかった…
みんなお菓子や飲み物ぐらいしかバスの中には持ってきてないみたいだった
残りの荷物は全部バスの倉庫に入れてあるのだろう。私も着替えやバスタオルなんかは倉庫に入れていた
私がリュックをバスにまで持ってきたのは…隣に誰もいなくてむなしくなる気がして
何かごまかせるものが欲しかったから…
でも、結局は逆効果だったみたい…余計に悲しくなってきたな…
私はみんなの楽しそうに笑う声を聞きながら、リュックからおにぎりを取り出した
おにぎりの中には私の好きな梅干が入っていた。
パクッ…しょっぱい…
お母さんが今の私のことを知ったらどう思うだろ…きっと心配するに違いない…
私はもう一口おにぎりを口に入れた。お母さんが私のことを想って作ってくれたおにぎり…
そう思うと…私は自然と目から涙がこぼれ落ちるのを感じた
修学旅行中の三日間は私を想ってくれる人は誰もいない…
私はお母さんに会いたくなってしょうがなくなった
私はボロボロ涙を流しながらおにぎりを食べた
133ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:30:10 ID:LsjpG8rk
その夜、私はクラスの女の子達と同じ部屋で寝ることになった
だけど、みんな他の部屋に行ってしまった。きっと、朝まで戻ってこないだろう
トランプをしたり、恋愛話をしたりして夜更かしをするに違いない
小学校のときは私もそんなふうにしてすごしたから、なんとなくわかった
私は誰もいなくなった部屋で布団の中にこもりながらずっと考えていた
なんでみんな私のことを無視するのだろう…
私がごくありふれた普通の人間だからなの?
何かを変えたくて妙な行動をとっているだけの普通の人間…
だから私は無視されるのかな?
特別な人間なら…きっと無視されることはない
だけど…それなら小学校のときの自分は特別な人間だったのだろうか
私は小学校のとき、自分がどこか特別な人間だと思ってた
あのころは無視されることも無かったし、毎日が楽しかった
私は一体どういう人間なんだろう…普通の人間なの?それとも…特別な人間なの?
わからない…
私は眠りにつくまでずっとそんなことを考えていた
134 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 19:33:30 ID:hozOjSAD
>>133
だめだ自分
>>133さんみたいなすばらしい作品は書けない
135ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:34:13 ID:LsjpG8rk
修学旅行二日目。その日は班行動でスタンプラリーをすることになっていた。
町の中を回って決められたポイントに決められた時間までに着き、そこにいる先生にスタンプを押してもらうといものだ。
私は二日目も班の人達と話をしてみようと努力してみたが、結局誰も相手にしてくれなかった。
そうしてあっというまに時間がたち、いつのまにか夜になっていた。
その日も私は一人で部屋にいた。ふとんにくるまって昨日と同じことをずっと考えていた
そうしていると突然、部屋をノックする音が聞こえた。
誰だろう?
私はドアを開けた。そこには男の子が立っていた

「あ、涼宮。ちょっとこっち来てもらってもいいかな?」

見たことの無い顔だったので他のクラスの男の子だろう。
やることもなかったし、それに久しぶりに話しかけられて嬉しかったので特に気にするでもなく私はついていった。
ついた場所は旅館の裏にあった林の中だった。人気のない場所で、六月だというのに
ひどく寒気がする場所だった。
上着を着てくれば良かったと私は後悔した。
私が寒さで震えていると、突然男の子がしゃべりだした

「涼宮、付き合ってくれないか?」
「……え?」

私はいきなり言われたので恥ずかしかった。
急に男の子の方を見れなくなって、思わず地面の方に目がいってしまった
それまでにも告白されたことは何度かあった。
だけど…やっぱりこういうのは恥ずかしい…
無視されるようになってからはずっと告白されるなんてことはずっと無かったから、余計に恥ずかしく感じた。
だけど私はすぐにこの男の子と付き合ってみようと思った。
好みの相手だったとかではなく、家族以外に私を想ってくれる人がいると思うと嬉しかったから…
私は笑顔を作って「いいよ!」と言おうと、顔を上げて男の子の方を見た
そのとき…私は気づいた。
男の子の後ろのちょっと先の暗闇の中に、いくつもの目が私を見ている
四、五人ほどだろうか、目を凝らすとはっきりわかった。たぶん学校の生徒だろう…
私の全身を…舐めまわすように見ている…
目の前の男の子もいつのまにか目つきが変わっていた
私は怖くなって自分の部屋まで逃げた。誰も追いかける人はいないようだったが、必死に部屋まで走った
部屋には出る前と同じで誰もいなかった。
私は部屋のドアを閉めると、自分の頭から足のつま先まですっぽり布団の中にくるまった。
騙されたショックも大きかったけど、恐怖で私は布団の中で震えていた
136名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 19:34:39 ID:aYHa0wFb
まとめサイトがとめった…
137ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:35:01 ID:LsjpG8rk
きっと…あの人達は私になら何をしてもいいと思ったんだ…
いつも私はクラスから仲間はずれにされていたし、先生にも見放されていた
このことを先生に言っても、また私が妙な行動をしていると思ってきっと信じてくれないに違いない…
それにしても…すぐに逃げて良かった…
もし…あのまま逃げていなかったら………

それ以上、私は何も考えたくなかった
私は気持ちを落ち着かせるためにお守り代わりに首にぶらさげていた小石を握り締めた。
光に当てると綺麗に輝く透明な不思議な石…
丸くて小さくて手触りがよくて、首にかけていてもまったく違和感はない
この石には誰かに付けてくれと言わんばかりに穴が開いていて、そこから紐を通すことができた
たぶん…この石はどこにでもある普通の石なのだと思う。どこかの海岸でたまたま拾ったと聞いたし…
だけど、私にとってはすごく大切な石。大事な人からもらった大切なもの…
何かあったときにこれを握ると自然と心が安らぐ…
小学校のときはいつも肌身離さず身に付けていた。
中学に入っていじめられるようになって、物がなくなるようになってからは持ってこれなかったけど…
学校が休みの日にはかならず身に付けてた
修学旅行にはお父さんとお母さんに会えなくて寂しくなると思ってなんとなく持ってきていた
ホントに持ってきて良かったな…
私はだんだんと気持ちが落ち着いてくるのがわかった。
さっきまでの怖い体験もすっかり忘れ、私はいつのまにか眠っていた
暖かくて、心地よい眠りに…
138名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 19:36:04 ID:aRUMNSur
投下中だったのか…リロードしてなかったよ、スマン
139ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:38:40 ID:LsjpG8rk
修学旅行三日目。
私達はその日、神社やお寺などいろいろな場所をまわる計画になっていた
朝ごはんを食べ終わると、私達はすぐに出かけた。
もちろん、私の相手をしてくれる人はいなかったし、出発するときですら私だけ置いていかれそうになった
私達は神社やお寺に寄る途中でお土産屋に寄った。
私はお母さんとお父さんのためにキーホルダーなど移動するのにじゃまにならない軽い物を買った。
ホントはもっといろいろなものを買いたかったのだけど…
朝のように置いていかれそうだったので我慢するしかなかった


お昼を食べ、午後になり、私達の班は公園のベンチに座って休憩していた
私はある問題に直面していた。
トイレに行きたくなってしまったのだ。その日は朝から一度もトイレに行ってなかった。
それにトイレに行ってる間にみんなに置いていかれそうだったので、ずっと我慢していた。
私は班の人達に話しかけた。
「あ、あの…トイレに行きたくなっちゃったから…ちょっと待っててくれる?」
班の人達は私の方を見向きもしない。ただ、ベンチに座って三人で楽しそうに話をしている。
昨日とまったく同じで、私が見えてないかのようだ
「待っててね!お願いだからね!」
私はわざと大きな声でしゃべり、急いでトイレに駆け込んだ。

(大丈夫…午前中は歩きっぱなしで疲れてるから、しばらくはどこも行かないよね…
それにさっき、10分くらい休憩しようって言ってたから…どこにも行かないはず…)

私の考えは甘かった
トイレから出てみると…班の人達はいなくなっていた。
私は不安になり、必死で班の人の名前を呼んだ。だけど、返答はかえってこない

(どうして?どうして?…あんなに大きな声でしゃべったんだから
聞こえないはずはないのに…ひどいよ…ひどいよ…うっ…うっ…)
140ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:40:32 ID:LsjpG8rk
私は涙をこらえきれなくなった。さっきまで班の人が座っていたベンチに座って泣きだしてしまった
ベンチにはまだ温もりが残っていた。もしかしたらすぐに探せば見つけることができるかもしれない
だけど、私はベンチから動くことができない
孤独と悲しみで、私はただ泣くことしかできなかった…
周りにはたくさんの人がいたけど、泣いている私に反応するでもなく、ただ私の前を通り過ぎていく
何十人…いや、何百人という人が私の前を通りすぎたのかもしれない
私は突然…あのときのことを思い出した。家族で野球を見に行ったときのこと…
あのときから自分がどこにでもいる普通の人間だと感じて、必死に何かを変えたくなって…
だけど、今は違う。普通の人間か特別な人間かなんてどうでもいい…
私はただ、昔に戻りたいだけ…
私はこんな孤独に耐えられない。あのころに戻りたい。楽しかった小学校の頃に…
私は声を上げて泣いていた
周りの人はあいかわらず誰も私に反応せず、ただ私の前を通り過ぎていく。
まるで歩くことに命をかけているかのようだ
私は誰でもいいから声をかけて欲しかった
目からさらに涙がぼろぼろ流れ出てくるのを感じた。
日本だけでも一億人以上の人間がいるのに…私を見てくれる人は二人しかいない…
お父さんとお母さん…昔は…もう二人いた。私のおじいちゃんとおばあちゃん…
もう二人のおじいちゃんとおばあちゃんは私が生まれる前に亡くなってた
141ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 19:43:17 ID:LsjpG8rk
続きはあとで全部投下する。すまん
142名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 19:53:28 ID:aRUMNSur
>>134
今はどんなふうに書いてる?
書きながら投下してるのか?
143ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 20:01:14 ID:LsjpG8rk
>>142
いや、飯を食ってただけだ。



私はまた、昔のことを思い出した。私がすごく小さかったときのこと
確か五歳くらいのとき…
両親とおじいちゃんとおばあちゃんとでデパートに行った。
そこで私は迷子になってしまった。私は今と同じように一人で泣きながら椅子に座ってた
私が一人で泣いていると店員の人が話しかけてくれた。
「どうしたの?迷子になっちゃったの?」
「…うん…」
「お父さんとお母さんは?」
私は首をブンブン振りながら答えた
「わかんない…」
「そう…じゃあ…ちょっと迷子センターに行こうか?そこならお父さん達ともすぐに会えるわ」
店員の人の声はすごく優しくて、私は気持ちがやすらぐのを感じた
「だけど…知らないひとについて行っちゃだめだって…おかあさんに…」
「大丈夫よ!お姉さんを信じて!ね?」
そのあと店員の人が私の手をしっかりと握って迷子センターまで連れてってくれた
しばらくすると両親とおじいちゃんとおばあちゃんがやってきた
「おじいちゃん!おばあちゃん!それに、おかあさん、おとうさん!」
私は走りよっておじいちゃんに抱きついた
「ハルヒ!心配したぞぉ!」
「そうよ、ハルちゃん…おばあちゃんも心配したんだから…」
おじいちゃんもおばあちゃんも目が潤んでいた。お父さんとお母さんも私を見て笑っている。
店員の人もその光景を見て優しく微笑んでいた
そのあと私は泣き疲れていたのか、おじいちゃんの背中で眠った
おじいちゃんの背中は暖かくて、心地よかった…

そういえば、あの頃はいろんな人が私のことを心配してくれたな…
今とはまったく違ってた…
144ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 20:02:11 ID:LsjpG8rk
その次の日。おじいちゃんとおばあちゃんは田舎に帰ることになった
「おじいちゃん、おばあちゃん…帰らないで…ずっと私の家にいてよ…」
「ハルヒ、そういうわけにはいかないんだよ。おじいちゃんとおばあちゃんにも
いろいろやらなきゃいけないことがあるんだから。」
「そうよ、ハルヒ。それにおじいちゃんとおばあちゃんならまた来てくれるわよ」
お父さんとお母さんが私に優しく語りかける
「…また…来てくれるの?…ぜ…絶対だよ…うっうっ……」
私は二人と別れるのが嫌で泣き出してしまった。そんな私をおじいちゃんは優しく抱きかかえてくれた
「大丈夫だよ、ハルヒ。おじいちゃんとおばあちゃんはかならず、またハルヒに会いに行くよ」
「ホントに?…絶対だよ…絶対だからね!」
「ええ、おばあちゃんも絶対戻ってくる。だから泣かないで…ね?」
おばあちゃんはハンカチで私の涙を拭いてくれた。
「…うん…わかった。もう泣かない………だから…絶対に来てね!約束だよ!」
「ああ、おじいちゃんもかならず来るよ。…そうだ、ハルヒ。指切りをしよう。絶対にまた来る約束だ」
私はおじいちゃんとおばあんちゃんと小指をつないで歌った

ゆびきりげんまん、うそついたら針千本の〜ます!指切った!
145ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 20:03:06 ID:LsjpG8rk
「これでいいかい?ハルヒ」
私は笑顔で二人に答えた。
「うん!ありがと! 」
そのあとおじいちゃんはそっと私をおろしてくれた。
「おっと、そうだ。帰る前にハルヒに渡しておこうと思ってたものがあるんだよ」
そう言うとおじいちゃんはポケットから紐にぶら下がった綺麗に輝く石を取り出した
「どうだ?きれいだろ?おじいちゃんとおばあちゃんが若いときに一緒に海岸を歩いてたときに偶然見つけたんだ。
それに誰かに付けてくれと言わんばかりに小さく穴が開いてるだろ?ここから紐を通すことができたんだよ
きっと、誰かに身に付けて欲しくてしょうがなかったんだな」
「もしかしたらどこかのお店で買ったものを誰かが落としたのかもしれない…
けど、とにかくおばあちゃんとおじいちゃんはこの石が気にいって持って帰ることにしたの。少し悪い気もしたけど…」
「ふ〜ん…そんな話、初めて聞いたな。お父さん達どうして私には話してくれなかったの?」
お母さんがむすっとした顔をしている
「なんだ、お前…高校生のときによくしてたような顔なんかして…
そういえば確か…お前の部屋に入ろうとしたときなんかはいつもそんな顔してたな」
「ええ。無断で部屋に入ろうとすると、『勝手に私の部屋に入らないでよ!勝手に入ったら死刑だからね!』って、よく言ってたわね。
それにあなたにこの石のことなんて話したら学校にでも持ってて、すぐに無くすでしょ?」
「う、うるさい!いいから、さっさと家に帰りなさいよ!!」
「まったく…お前はいつまでたっても子供のままだなぁ…
まぁ、そんなことより…ハルヒ。この石は…気にいってもらえたかい?
やっぱり…昨日デパートで買ったおもちゃの方が良かったかな?」
おじいちゃんとおばあちゃんが不安そうに私の顔色をうかがっている
「そんなことない!私、この石の方がいい!だって今までこんなきれいな物見たことないもん!」
私は首にかけると、満面に笑顔を浮かべて二人に答えた
「本当か?そうか…それは良かった!持ってきて本当に良かったよ!」
「ええ!おばあちゃんもハルちゃんに喜んでもらえて嬉しい!」
二人とも私の笑顔を見て、本当に嬉しそうだった
「それじゃ、ハルヒに喜んでもらえたようだし…そろそろ帰るよ。
それに早く帰らないと、またお前のお母さんに怒られちゃうからな」
「いちいちうるさい!」
「まったく、結婚して少しは大人しくなるかと思ったんだがなぁ…まぁ、いいか
さて…そろそろ帰ろうかな。
…そうだ、ハルヒ。今度はおじいちゃん達の家に来い!お前の好きな食べ物用意して待ってるからな!」
「ええ、そうね。おばあちゃんも楽しみに待ってる!」
「うん!絶対に行く!!それじゃ…またね!おじいちゃん、おばあちゃん!二人も私の家にまた来てね!」
私はおじいちゃんとおばあちゃんの姿が見えなくなるまでずっと手を振った
おじいちゃんとおばあちゃんも笑みを浮かべながら私に手を振ってくれた
それが…私が見た最後の二人の姿…
その日の帰り道、おじいちゃんとおばあちゃんは交通事故にあって
帰らぬ人になってしまった…
146ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 20:04:08 ID:LsjpG8rk
あのとき…もしかしたら私がずっと一緒にいたらおじいちゃんとおばあちゃんは交通事故なんてあわなかったかもしれない…
もっと一緒にいたかったのに…一緒にいればあんなことには…
私はだんだんと不安な気持ちになってきた。
もしかしたら、お父さんとお母さんもなにかの事故でもうこの世からいなくなってるんじゃないだろうか
ちょっとでも離れたらおじいちゃんとおばあちゃんのように…
二人がいなくなったら私はどうなるの?お父さんとお母さんしか私を想ってくれる人はいないのに…
二人がいなくなったら私という存在はなくなってしまう気がする。私を見てくれる人は誰もいなくなる…
早く家に帰りたい。二人の無事な姿をみたい…ずっと、一緒にいたい…

私はそのあともしばらくぽつんと一人でベンチに座って泣いていた
147ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 20:05:15 ID:LsjpG8rk
そう…今の私のように公園でぽつんと一人でベンチに座ってた…
私はあたりを見回した。まだ、キョン達は来てないみたいだった。
あのあと、私は持っていた地図を頼りになんとか旅館に着くことができた
本当はすぐにでも帰ってお母さんとお父さんに会いたかったのだけれど、そんなことしたら二人が心配するだろうし、
そもそも帰り方がわからなかったからどうしようもなかった…
修学旅行が終わってからも中学を卒業するまで私はずっといじめられていた
目立つ行動を何度もしてみたけど、ずっと私は無視された
私と話しをしてくれる人は結局だれもいなかった…

そして、私はなんとか中学校を卒業して高校に入学した
高校に入学して…私はいきなり中学のときと同じことを繰り返してしまった
いや…私はもうわからなくなっていたのかも…中学のときずっとそうやってたから…
目立つことをすることでしか自分を表現できなくなっていたのかもしれない…
私はすぐに高校でもクラスから浮いてしまい、すぐに一人になってしまった
また中学校のときに戻った気がして、私は人気のないところでよく泣いていた
けど…入学して一ヶ月ほどすると、キョンが私に話しかけてくれた
本当に嬉しかった…。
だけど、嬉しすぎて……私はまた、回りが見えなくなっていたかもしれない…
私は自分が作った部活にみんなを強引に入部させ、文芸部の教室まで乗っ取るようなことをして…
それに無理難題なことばかり言ってみんなを困らせてしいたかもしれない…
今日の市内探索だって私が思いつきで考えたもの…
私は携帯で時間を確認した。約束の時間からもう一時間以上経ってる
もしかしたら来てくれないのかもしれない…今までずっと自分勝手なことばかりしてた…
また、私は一人ぼっちになるのかな…中学のときと同じように…


………


148ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 20:06:27 ID:LsjpG8rk
「あ、涼宮さん!待たせてすいません!電車が事故で遅れてしまったようで…
朝比奈さんと長門さんとは駅でちょうどお会いしたのですが同様の理由で遅れたそうです…
おや……どうしました?泣いて…いるんですか?」
三人が心配そうな顔で私を見ている。
「すまん。寝坊し…ってハルヒどうした?泣いてるのか?何かあったのか?」
キョンも来てくれた…みんな来てくれた…良かった…
「うっ、うっ…なんでもない……本当にありがとう……来てくれて…ありがとう、みんな…」
「一体どうしたんだ?ハルヒが泣いてるなんて…古泉、俺が来る前に何かあったのか?」
「いえ、僕達が来た頃には…」
四人とも不思議そうに私を見ていた。
「みんな、今までごめんなさい。私、不器用だから…みんなとあんな接し方しかできなかった…
だけど…お願い…これからもずっと一緒にいて…私を一人にしないで…お願い…」
私の目からは涙がぼろぼろこぼれ落ちた。だけど、中学のときのような悲しい涙じゃない
心がぽかぽかして、なにか温かく感じた
「涼宮さん。私達はずっと一緒にいますよ。だから…泣かないで」
みくるちゃん…
「どうして泣いてるのか、私にはわからないけど…あなたに泣き顔は似合わない気がする。今、涙を拭き取る」
有希はハンカチを取り出すと私の涙を拭き取ってくれた。けど、私は余計に涙が止まらなくなった。
そういえば…亡くなったおばあちゃんも同じようにハンカチで涙を拭いてくれた…
149ID:DPV5ODEB:2007/04/05(木) 20:08:24 ID:LsjpG8rk
「そうですよ、涼宮さん。あなたに泣き顔は似合いません。ほら、これでも見て気分を晴らしてください



…どうです?さきほどそこで拾ったスーパーボールです。よく跳ねますよ?遊んでみますか?」
「古泉、お前は黙ってろ!!」
「ん〜…そうですか?…残念です…」
二人の会話を聞いていて、自然と私は笑ってしまった。変な人達…だけどなんか面白いな…
「あれ、涼宮さん…首にかけてるのは何ですかぁ?学校にいるときはいつも何も付けてませんでしたよね?」
「あ、みくるちゃん。これはね…私の大事なお守りなの…」
私はそっと首からさげていたお守りの石をとって、みんなに見せた。太陽の下で光輝いている
「わぁ!すっごくきれいです〜」
「…きれい」
「へへ…すごいでしょ。これは私の宝物。私の大好きな人からもらったものなんだ」
私は石のことを褒められたのが嬉しくて、つい自慢していた
「だ、大好きな人だと!?ま、まさか…それは…」
キョンが驚いたような声を上げた
「あ…ち、違うわよ…別に恋人とかじゃ……」
「まぁ…そういうことですよ、キョン君。涼宮さんほどの人です。彼氏の一人や珍しいことではありません
でも、大丈夫ですよ。キョン君には僕がいま…」
「顔が近い!気持ち悪い!古泉、お前は黙ってろ!」
「はは、冗談ですよ。僕はホモなんかじゃありません」
「お前のは冗談かどうかわからん!それにしても…ハルヒ、それは一体誰からもらったんだ?」
キョンが真剣な顔して私に話しかける。いつもはかったるそうな顔してるくせに…
「ふふ…なんかキョン君、気になってしょうがないみたい」
「嫉妬は醜い」
「な…!朝比奈さんと長門まで俺をからかうなんて…それに、別に俺は嫉妬なんかしてないぞ!」
「そんなこと言って、気になってしょうがないんじゃないですか?」
「古泉黙れ!あ〜もうこの話しは終わりだ、終わり!そ、そうだ歌でも歌おうじゃないか!」
「なんかごまかしてません?」
「うるさい!とにかく俺は一人でも歌うぞ!!」
あたりにキョンの歌声が響く。キョンが歌うと、どんな歌もやる気の無いひどい歌に聞こえた
なにしろ曲の合間に学校の先生の愚痴なんかを言うものだから、ひどくなるのはしょうがない
私はいつのまにか泣くのを忘れて笑っていた。
他のみんなも笑っている。
まわりにいた人達も楽しそうにしている私達を見て、笑っているように見えた

…私はもう中学のときみたいに一人じゃないんだ。
もう泣くことなんてきっとない。
これからはきっと…楽しいことがいっぱい待ってる
仲間と一緒にいろんなことを体験するんだ
泣いてる暇なんてない!


…お守りの石が太陽に照らされ、いつにもましてきらきら輝いていた…


終わり
150名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 20:11:35 ID:aRUMNSur
乙なんだぜ!
泣かせるじゃないか
151 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 21:47:50 ID:hozOjSAD
>>149
いい話だった
152 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/05(木) 21:50:59 ID:hozOjSAD
>>111-112>>114-115
は失敗作でした。
不快な思いをされたかたは、申し訳ございません。
もっと、人情とかそんなのが必要だと思いました
反省します
153名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 22:06:12 ID:SMNdASso
>>152
いや違うってw
人情じゃないよ
泣かせろって言ってんじゃないし
例えばだよ、あなたがこの世で一番嫌いな人を文章化したら、どんな文が書けるかって話
その逆もまたしかりだよ
154名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 22:15:57 ID:54ixRCx7
いい話だった、ただ
>●
古泉自重しろ
155名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 22:32:34 ID:AAswwu+b
感動した。ただし古泉、お前は空気読め
156名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 23:18:14 ID:v/IeG9NZ
>>149
俺の中でハルヒの好感度が上がっちまったぜ

>>152
お前は人情とか以前の問題だ
なんかお前は、坦々とあるものをあるように書いているようにしか見えない
なんつーか、比喩とかを使え。>>3-5(タイトルわからん)の職人さんみたいに
157名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 23:22:24 ID:Dv/SFzLF
>>150
なんかだめだ…ハルヒは傲慢で多少むかついてもえらそうなほうがいい…。
いじめられてるハルヒは不憫すぎる…。つか秀作乙。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/05(木) 23:36:57 ID:SMNdASso
ハルヒに泣かれるとオロオロしちゃうよな
四つんばいになれば笑顔を取り戻してくれるんですね?とかやっちゃうかも俺
159名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 08:48:31 ID:fujwBSQK
他の作品もカモーン!
ついでに期待age

160名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 10:19:02 ID:5CJrEQxe
保管庫更新マダー
161 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/06(金) 10:25:48 ID:VwJi2xLo
>>156
比喩ね〜。
162 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/06(金) 10:53:49 ID:VwJi2xLo
一応続き書きます


公園に連れて行かされた。
「ほら、キョン、行くぞー!」
“ゴフッ”“バキッ”“ドスッ”
「ぐあっ!」
「ほら、どうしたキョン立てよ!」
ぐっ、駄目だ!!目が霞んで見えない。
どうすれば・・・
俺は、かばんにある、爆弾の時間を五分にセットした。
「なにしてんだよキョン!!
ほらよ!!!」
“バキッ”
「うわっ!!!」
思いっきり蹴られた。
俺は急いでかばんから、爆弾を取り出した。カバンは、遠くへ放り投げた。
「動くな!!!!」
「何だこれ、おもちゃか!?」
「おもちゃじゃない、爆弾だ!!」
まあ、おもちゃといわれても、しょうがないけどな・・・・・・。
やべぇ、時間があと、30秒しかねぇ!!
俺は、2人に爆弾を投げた。
「お遊びに構ってる暇は、ねぇんだよ!!! キョン!!!
死ね―――――!!」
5・・・・・・・4・・・・・・・3・・・・・・・2・・・・・・・1
ドカ―――――――ン
まさか、爆発するなんて、思わなかった。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 10:55:33 ID:/OStE0nJ
>>153>>156
もう厨はほっとけよ
ここはSS投下するスレであって、指南するスレじゃないんだからさ
スルーしてりゃそのうち消えるでしょ
164 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/06(金) 11:10:00 ID:VwJi2xLo
おい、冗談だろ?
死ぬなんて・・・・・・
しかし、2人は死んでいた。

数日後、授業時間に、
「キョン君・・・・・・だね?」
「そうですが・・・・・・・」
警官だった。
「君を、涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、谷口、国木田殺害容疑で、逮捕する!!」
“カチャ”
手錠がはめられた。
「さあ、来るんだ」
俺は、パトカーに乗せられ、学校をあとにした。
パトカーに乗っているとき、俺は、初めて後悔した。
なぜ、人殺しをしてしまったのかと。
俺は、裁判にかけられ、執行猶予つきの懲役刑が科せられた。
この判決を聞いた時、俺はもう、いじめはやめよう
そう心に誓い、刑務所から出た。
今、俺の思っていることは、
朝比奈さんだけでもいい、謝りたい。
心から・・・・・・・。
165 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/06(金) 11:12:41 ID:VwJi2xLo
もう、無理だな
スルーされるタイプだし、
いい作品もかけないし・・・・・・
やめた
166 ◆d58ZPgKEsE :2007/04/06(金) 11:14:51 ID:VwJi2xLo
でも、これからも、
みんなの作品を
参考にしたい
167名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 11:49:38 ID:fujwBSQK
>>160
そういや管理人さんはどうしたんだろうな・・・
最近更新してないみたいだが・・・
168名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 12:37:14 ID:VwJi2xLo
>>167
そうだね
169名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 12:57:22 ID:wnTTSPP0
>>166
あんたのSSは、

「涼宮ハルヒの憂鬱」に出てくる登場人物の名前で殴り合いさせてるだけ
170名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 13:02:25 ID:VwJi2xLo
>>169
たしかにそうだね

自分、いじめって
殴り合いとかそんな風にしか
頭になかった
171名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 13:04:17 ID:VwJi2xLo
自分ばかだな
172名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 13:41:11 ID:XOC2QqpI
おい!まとめサイトが大幅更新されたぞ!
たった一時間でこんなに更新されるなんて…
管理人さんは所々で突然神化するな
173名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 13:58:53 ID:VwJi2xLo
まさか、自分が書いたやつ
ほんとに載るとは思わなかった
あんな失敗作。。。orz
174名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 15:37:49 ID:v/RW0vG8
何か最近殺人系多いなw
175名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 16:30:38 ID:U9sXHdjR
多分それはいじめ=殺人
という形式ができているからではないかと
176名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 16:59:42 ID:VwJi2xLo
もう、自分はこれからは、
脱・殺人という感じで、
いじめの殺人はほとんど書かないことにします
177名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 17:23:01 ID:OjBmWWIl
てか単純に
死=鬱展開
って感じだからじゃないの?
178名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 17:25:20 ID:vKfEzdje
殺人でも文章力があれば全然OK
それ以前の問題
179名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 17:45:23 ID:U9sXHdjR
サスペンス物って
なんかいいよね。
ドラマもそうだけど。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 17:50:20 ID:/J9n+gFb
俺としては、ちょっとからかうだけの話とかもここに投下していいと思うんだけどなぁ
それに殺人系、暴力系、欝系ばっかの話しだとやっぱ読んでてつらくなるしww
とりあえず、なんでもいいんじゃないかと思うんだが…
181名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 18:42:32 ID:apKwLCbC
ハルヒめちゃくちゃいじめられてる→でもへこたれないで不思議探し→高校でキョンたちと出会う。

この流れが単純だけど一番好き。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 20:13:44 ID:6mrMQlpS
ハルヒをいじめて凹ますのは難しそうだな。
ある日、俺は何故かそう考えた。
しかし、一度、徹底的に追い詰めてみたらどうだろう?
それでもあの整ったハルヒの顔が、絶望に歪む瞬間なんてありえるだろうか?
そう考えだすと妄想は止まらなくなった。
あの根拠のない、自信に満ちた笑顔を壊してみたい。
恥も外聞もなくワンワン泣いてる姿を見てみたい。
そう――俺は彼女を自分の支配下に置いてみたいのだ。
彼女のすべてを自分の思い通りにさせてみたい――
このどす黒い欲望がいつしか俺の心を捉えはじめ、
やがて押さえきれなくなる日がやってきた。


その日の放課後、俺はハルヒに言った。
「おい、ハルヒ!」
「何よキョン、大きな声で。あたし今日は生理なんだから、イライラさせないでよねっ。」
「え。あ///、そうか・・・悪かった・・・その・・・大丈夫か?」


くそっ、やっぱ駄目だ俺・・・。


END
183名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 20:19:41 ID:p50RPugT
いっそ絵の練習をして絵師になるという手もあるぞ
丁度、お絵かき掲示板があるのに誰も書いてないし
184名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 20:57:21 ID:EksP+1Qj
古泉の悲惨な中学生活もネタにできそうだな
原作に「以外に字が雑」っていう描写なかったっけか
185名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 21:25:26 ID:4rboDEoL
あったな
186名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 21:55:09 ID:+DCUFDwX
さぁ息抜きにアンケートをとろうか

第一段からこのスレまでのなかで自分が読んで最高傑作だと思ったSSはどれ?
できたら作者さんの名前と作品名をあげて
1番から3番までランクづけしてもよし
187名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:02:12 ID:p50RPugT
>>186
ランキングは荒れる元になりかねんから自重した方がいい
後、sageような
188名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:05:33 ID:/J9n+gFb
 >>186
やる必要なし。新らしい職人さんが投下しにくくなる
それにこういうのは荒れる元になる
189名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:08:33 ID:hqzcqjse
新キャラ登場で、少しは投下増えるかねぇ
190名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:27:10 ID:+DCUFDwX
ごっ、ご免なさい。 確かに荒れる原因になりますねorz
そこまで考えてなかったです。本当にすいませんでした


しかしハルヒは許してくれなかった。
謝りながら半泣きの俺を無理やり引っ張り壁に激突させたあと微笑を浮かべながらこう言った。
「そんなんで許されると本気で思った?アンタ馬鹿じゃないの。こんな失言したからにはそれ相応の罰を受けてもらうわよ」
「そ、そんなぁ・・」
「アンタは今日この瞬間からアタシの忠実な奴隷になること。当然洗濯物からアタシの背中を流す事までアンタの仕事になるわけ、うさばらしのサンドバック役も兼用よ。拒否したら一晩中鎖につないでくすぐりの計なんだから!」

黒いハイソックスを履いたハルヒの足に顔を踏まれながらこれから地獄が始まる事を確信した

BADEND

ってなに書いてんだ俺。またハルヒに叱られちまうorz
191名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:43:27 ID:Too4DTEM
古泉「かかったなアホが!!」 バリバリバリ

なんとハルヒのしょうたいはこいずみだった

古泉「サンダースプリットクロスふんもっふ!!」
>>186「アーッ!」

翌日>>186は薬局にボラギノー●を買いに行くことになった。


END


これで勘弁しておく。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:45:07 ID:u7nToIZE
………………………
193名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:51:54 ID:hqzcqjse
●自重しろwwwwwww
194名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:53:01 ID:OjBmWWIl
これはひどい
195名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/06(金) 22:59:26 ID:fujwBSQK
これまたひどい・・・
196名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 01:18:07 ID:c0kFrLrB
なんか馴れ合い所
見たくなってる
職人さんはどこ?
そー言えば
いじめかっこ悪いサンはどうなった?
見なくなったな
197名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 01:38:57 ID:QGOIGl18
そういえばそうだな
あと、◆OU1AKr4Yywさんも消えたな。この人の作品結構好きだったんだが
まあ、新たな職人さんに期待
198名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 01:47:33 ID:ynmFPJnT
だがこうゆうスレはネタがなくなったら落ちるしかないからな。
そのうちスレタイ変えて総合板の方に転移しなければいけないかもな。
199名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 01:58:50 ID:VKD/HsWp
>>166
・ハルヒシリーズをちゃんと読め
・設定をしっかり活かせ
・意味の分からない、全く必要無いシーンを入れてどうする
・ハルヒで無くてもいいSS書いてんじゃねぇ
・謝るくらいだったら書くな
・他人に媚うりゃあ許されると勘違いするな
・他職人の作品ベタ褒めすれば認められると思うな
・当分ここでは書くな
・死ね
200名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 01:59:08 ID:bESZbT8N
新作作ってみたんで投下してみる

今回は題名先に考えといた
『キョンの溜息』
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:01:02 ID:bESZbT8N
それはまだ、夏の蒸し暑さが残る九月の放課後の事。
俺達は、相も変わらず部室に集結していた。
「あー、暇ね」
そう机に踏ん反り返りながら口を開いたのは、SOS団の創始者であるハルヒだ。
「ねーキョン、あんたなんかやりなさいよ」
いつもこうだ。暇がありゃ何かにつけて俺にネタ振りしてくる。
だから俺はいつものように言葉を返すだけだ。
「何か。って何だよ」
「決まってるでしょ。あたしを楽しませるのよ」
「だからどうやって」
「それをあんたが考えるんでしょ」
俺達は発声機能付きのぬいぐるみみたいに、飽きもせずこんなやり取りを繰り返している。
もう何回目だか覚えてない。数える気も無いが。
いつもならここで、ハルヒがお得意のアヒル口をかましてパソコンのディスプレイとにらめっこを始めるのだが、今日は違った。
「つまんない。あたしもう帰る」
ハルヒは席を立ち、スタスタと部室を出ていってしまった。
もちろんこんな事になったら、古泉が黙っているハズがない。
「では、僕もここらへんで失礼します。どうやらバイトが入ったようなので…」
憎たらしいほどのハンサムスマイルと、目が潰れるくらい眩しい白い歯をチラつかせ、ハルヒに続き部室を後にした。
本当にご苦労なこった。まあ、知ったこっちゃないがな。せいぜい世界のために頑張ってくれ。
で、今俺が置かれているこの状況はまさしく楽園なわけなんだが。
言わなくてもわかるだろうが、一応伝える。
部室にはカラスみたいにやかましい団長と、絵に書いたようなイケメンニヤケ面の超能力者はもういない。
と言うことは、ここに残っているのは部室限定の妖精にして、俺のマイエンジェルこと、朝比奈さんと俺だけだと言う事だ。
何々、誰か一人忘れてるって?
いいんだよ。長門は部室の付属品、言わばオブジェみたいなもんなんだから。
「朝比奈さん。どうしましょうか?」
「あ、あのぉ〜わたしはこれからお友達と宿題をやらなきゃならないのでぇ、もうそろそろ帰りますぅ〜」
何!?それは聞いてないぞ。どういうことですか朝比奈さん……。
もしかしてそのお友達とは男じゃないでしょうね?
だとしたら、俺が朝比奈さんとの交際を許さないぞ。
俺の精神安定剤であり抗欝剤であり、世界にたった一つ遺された貴重な聖マリア像を誰かに汚されるわけにはいかないからな。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:02:53 ID:bESZbT8N
「あ、大丈夫ですよぉ。鶴屋さん達ですからぁ」
ほう、それはよかった。
てっきり、どっかのヤサ男だと心配してしまったではないですか。
「あ、そろそろ時間だぁ〜。わたし帰りますぅ〜、だから…」
わかっていますよ朝比奈さん。
本当はこの眼にしかと焼き付けておきたいですが、あなたのお望みとあらば部室から退避しますよ。

部室より廊下のほうが涼しいとは納得が行かないな。
せめて部室に扇風機くらい取り付けてほしいものだ。
「お待たせしましたぁ〜」
突如、廊下に教会の鐘が鳴り響いた。
「それじゃキョンくん、また明日ぁ〜」
そう言って朝比奈さんは輝く笑顔を俺に向け、手を振って去って行った。
さて、どうするか。
せっかくだから久々に長門と喋ってみるとするか。
「よう、長門。何読んでんだ?」
お決まりとか言うなよ。それ以外に話の切り出し方を俺は知らないんだ。
「……これ」
なんだか宇宙を思わせるような小難しい漢字が羅列している題名だ。
さすが宇宙人。やっぱりそういうのは気になるのか。
「どんな内容なんだ」と聞こうと思ったがやっぱり止めておこう。頭がオーバーヒートしちまいそうだ。
「長門、まだ帰らないのか?」
「……」
長門は無言で長門の専用パイプ椅子から紙のような軽やかな身のこなしで席を立ち、俺のほうに足音もなく迫ってきた。
何か気に障る事言っちまったかな、俺…。
「違う…。これ、貸すから…読んで」
そう言って長門はさっきまで読んでいためまいが起きそうな程小難しい題名の本を俺に差し出してきた。
お前は、俺の頭を破壊する気なのか…?
まあ、長門の好意を素直に受け取るか。と、思ったのだが…。俺はふとあの日の事を思いだしちまった。
そう、延々と電波話を聞かされたあの日の事を。
あの時はミジンコ程も長門の話を信用してはいなかった。
まさかあんな事になるとは思いも寄らなかったぜ。
しかし、今回はそんな事無いだろ。ただ単に長門は、馬鹿な俺のために気遣いをしてくれたのさ…。きっと。
素直に喜べないがな…。

そんなわけで俺は今、自室で長門が貸してくれた本を読んでいるわけなんだが…。
さっぱり内容がわからん。
このまま読んでいたら、脳みそが溶鉱炉にブチ込まれた液体金属ロボみたいに融解しそうだ。
記号の羅列に飲み込まれるとはまさにこの事だな。
今の俺に出来ることは、パラパラ漫画みたいにページを弾くことくらいだぜ…。
そんな時だった。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:04:28 ID:bESZbT8N
コンクリートブロックみたいに分厚い本から、何やらワープロで打ち込んだような文字が刻まれているしおりが俺の足下に落ちてきた。
その時俺は、悟りを開いた…。
間違いない、これはまた呼び出しだ。しかもあの場所に来いとの。
俺は作業的な感じでしおりを拾い、内容を見た。
やっぱりだ…。しかもまったく同じ内容。
長門はこれのコピーを何枚も保管しているのだろうか…。
俺は時計を見てみた。時計は十八時二十分を指していた。
どうやら今回は間に合いそうだぜ。
俺は執拗に行き先を聞いてくる妹の検問を強行突破し、チャリにまたがった。
出発して五分ぐらいが経過した頃、突然雨が降ってきやがった。しかもドシャ降り。
夕立ちか?ついてないぜ…。
俺はチャリをこれでもかと言うぐらいにかっ飛ばした。
雨がまるで石みたいに俺の体中を強打する。
雨の奴、空気読めよ。せめて俺が長門のマンションに辿り着いてから降ってくれ。
俺は何度かドライバーに命を奪われかけながらも、やっとの思いで待ち合わせの場所、駅前の公園に到着した…。
やれやれ。
俺は公園を見回した。
雨の激しい轟音が鳴り響く人気の無い公園の片隅に、長門が立ち尽くしていた。しかもちゃっかり傘までさしてやがる。
長門も俺の存在に気付いたのか、こっちに歩み寄ってきた。
なんだか少し恐いな…。
「…」
長門は無言で俺の頭上を傘で覆ってくれた。
「長門、俺が持ってやろうか?」
俺だって男だ。これぐらいの気配りは出来るのさ。
長門は数ミクロン単位で首を縦に振り、俺に傘を渡してきた。
すまん雨。お前は最高に空気読める奴だよ。なんせ相合い傘ができるんだからな。
俺達は無言のまま長門のマンションへ向かった。
雨の音が耳をつんざくぐらいにうるさい。難聴にならん事を祈るしかないな。

俺はまた長門に案内されるがまま、再び長門の家に招かれた。
長門のマンションには行き慣れていたが、今日はなんとなくエスコートされたい気分だった。
俺は長門の部屋に招かれた直後、長門から驚愕の一言を浴びせられた。それは何かというと。
「シャワー…浴びる?」
ずぶ濡れの俺を見て長門がそう言った。
お前の口からは絶対に聞けない一言だと思っていたのに。
孤島に行ったときの『大好き』以上の衝撃だぜ。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:06:06 ID:bESZbT8N
しかしこれも、長門らしくセリフをまんま音読したような関東平野並の平坦な声だったから、うれしさ三割減だがな…。
「いや、止めとく。シャワーなんか浴びて、石鹸の匂い漂わせながら帰ったら親に変な目で見られちまうからよ」
「…そう」
何故か知らんが長門は寂しそうな表情を浮かべているように見えた。
俺の目にフィルターがかかっているせいかもしれんが…。
雨よ、こうなるのなら大歓迎だよ。これからも遠慮せずに降り注いでくれ。
「ところでさ、長門…。話って…何だ?」
なんとか気を紛らわせないとどうにかなっちまいそうだ…。
「こっちに来て」
「でも俺、びしょ濡れだぜ?」
「…」
長門はタオルを持ってきて、俺に渡してくれた。
長門さん?一体これでどうしろと言うのですか?
これじゃ俺の服に浸透しきった水分は拭いきれないぞ。
「…いい」
全然よく無いだろ…。
と思いつつも、俺は前と変わらぬ殺風景な居間に招待されてしまった。
俺は遠慮がちにこたつの中に足を忍ばせた。
そして恒例の長門特製煎茶をすする。前のように何度も減っては継ぎ、減っては継ぎを繰り返される。
わんこそばならぬわんこ茶だな、こりゃ。
そろそろ話を切り出さねば、飲んだものがオマケ付きで逆流しかねない。
「長門、今回はなんで俺を呼んだんだ?」
「特に理由は無い…」
なんだそりゃ、じゃああれだけびしょ濡れになってここまで来た意味が無いぞ…。
「一緒にいたいだけ…」
その時、俺の時間が止まった…。
長門の発言をどう受け取るか。の審査結果のために、俺の脳が必死に結論を弾き出していたからだ。
いつの間にか、雨も止んでいた。ただ沈黙だけがこの殺風景な部屋を支配する。
まさしく、音も無い世界だ…。
そして結論は次のように至った。
『長門は俺に恋心を抱いている』と。
きっと長門は、俺との思い出を本にして窓辺で読みたいんだ。そうに違いない。
俺は長門に一応、本心を聞き出そうとした。
「長門、それってどういう意味だ…?」
「………」
ダメだ。俺の頭も眼も、どっちもイカれちまってる…。俺の視野の四隅にはハートマークが浮遊していやがる。
誰か、俺を修理してくれ…。
このままでは行く所までいっちまいそうだ。
俺は消え去りそうな自制心を限界まで増殖させた。
「長門…俺、もう帰るわ…」
「そう」
以外とあっさりしているな…。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:07:53 ID:bESZbT8N
しかし待てよ、もしかしてこれは長門も俺と同じ事を…。
いかん、煩悩に流されるな…俺。
俺は自分の意志と反して岩のように動かない足を理性で砕き、その場を去った。

次の日の放課後。
俺は一目散に部室に向かった。長門にいち早く会いたかったからだ。
ハルヒ?そんな奴知るか。今は長門が最優先だ。
俺は、中に希望が満ち溢れている部室のドアをゆっくり開ける。
やはりいた。現代に蘇った完全版ミロのヴィーナス、そう長門有希。
「よう」
いつものように挨拶を交わす。
長門は俺をわずかに見た後、再び視線を本に向けた。
どうしたのだろうか…。長門、お前はもしかして照れてるのか?
照れる事は無いぞ長門。今、俺がお前をやさしく包み込んでやるからな。
俺は隅っこに座る長門のほうへ向かい、長門の肩に俺の手をやさしく乗せた。
長門が俺を凝視する。長門の頬は徐々に赤みを帯びてきていた。
俺のビジョンには確かにそう映っていた。気がする…。
そして長門の肩は、とても暖かかった…。
「長門、昨日はありがとな」
俺は今までに無いくらい顔を作り、声に渋味を加えた。
そして顔を傾け、ゆっくり近づける。
「おや、何をやっているのですか?」
背筋が一瞬で凍りついた…。
俺はゆっくりと、そして恐る恐る視線をドアの方に向ける。
「よう…、古泉……」
古泉は今までに無いほどのニヤケ面を俺に晒していやがった……。
「あなたも以外とお盛んな人だったのですね」
「何を言ってんだ古泉…。そんな事あるわけないだろ……」
「これは涼宮さんにご報告しておいたほうがよろしいでしょうか」
おい待て古泉、血迷うな。てか人の話を聞けよ!
もしハルヒにこれが知られたら閉鎖空間が大量発生しちまうぞ…。
「ご心配いりません。そこは上手くやります」
それはありがたい。って全然ありがたくねぇ。
「古泉頼む。ハルヒにだけは言わないでくれ。あと朝比奈さんにも」
ハルヒに殺されるのはごめんだ。
「と、言われましても困ります。僕はあなたの行おうとしていた事を涼宮さんに報告せねばなりません。副団長として」
「頼む、この通りだ」
俺は旱魃地帯の農民が雨乞いをするかの如くに古泉に土下座をした。
「う〜ん……では、これから僕の命令には必ず従ってください」
最初に喉を鳴らしたのは演技だろが。最初からこれを狙っていやがったんだろ古泉。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:09:40 ID:bESZbT8N
「ああ、わかったよ……」
ハルヒに殺されるよりはマシだ。
「では、先ず最初に……」
ここは朝比奈さんの言葉を借りれば禁則事項だ。少しぐらいワクワクしてみてくれ。
「おい、古泉…お前それマジで言ってんのか…?」
「えらくマジです」
俺は知らないぞ…。


部室にようやくハルヒがやってきた。しかもすごい仏頂面で……。
「キョン、あんたあたしを置いて行くなんて結構な度胸じゃない」
そう言いながらハルヒは団長席に腰を降ろした。
まさにその時。
「いったーい!」
ハルヒの雄叫びが旧館を揺るがした。
「ちょっと誰よ!椅子の上に画鋲置いたの!?」
「まったくだ。一体誰がやったんだ?」
なんてな。俺がやったんだよ俺が。
しかしこれは古泉の命令だからな。責めるなら古泉を責めてくれよ。
「涼宮さん、そういえば先ほど彼が椅子に何かをしていましたよ」
古泉!貴様何を言ってやがる。確かに俺が仕掛けた。だがそれはお前が命令したんだろ!
「キョン、あんたがやったの?」
ハルヒが机から身を乗り出し、俺を凝視しながら聞いてきた。
俺はその視線に耐えきれず、古泉のほうへ目を反らした。
ニヤケ面だが何かすごいオーラを放ってやがる。
「は…、はい……。俺がやったんです……」
俺は古泉のオーラに負けてしまった…。
あのオーラは尋常じゃない。まさに殺人鬼を彷彿とさせるオーラだ。
古泉、お前まさかアブない稼業に手を染めてないだろうな?
「涼宮さん、これは一大事ですよ。これは是非罰を与えてあげなければ」
おい、てめぇなんて助言をしてやがる。俺はお前に何かやったか?
裏切りでもしたか?
「古泉くんナイス!キョン、あんたは罰としてこれからあたしの言うことなんでも聞きなさい!」
ハルヒまでそれかよ…。
「あたしの言うことが聞けないっていうの?」
「はい……わかりました…」
やれやれ、一体どうなっちまうんだ俺は……。

「キョン、コーラ買ってきなさい」
「僕はレモンティーで」
「はいはい、わかりましたよ」
「はい。は一回!」
「はい……」
畜生、これじゃパシリじゃねぇか。
「長門、お前は何かいらないのか…?」
このボンクラ共の頼みだけ聞いて、長門の言うことを聞かないというのは俺の志に反するからな…。
「……お茶」
「おう…わかったよ」
てか、長門も困っている俺を少しは庇ってくれてもいいと思うんだが…。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:11:25 ID:bESZbT8N
長門。もしかしてお前は照れてるのか?
お前はあまり異性と交流した事なさそうだしな。
悪かったな長門。俺、少し焦り過ぎてたよ…。
「はやく行きなさいよバカキョン!!」
やれやれ。

俺は渋々自販機まで向かい、頼まれた品を買った。
忌々しい。確かに悪いのは俺だ。だからってこんな目に会う程の悪事ではないだろ。
むしろ長門は喜んでいたじゃないか。俺の目にはフィルターが付いていたのかも知れんが……。
俺はせめてもの仕返しと思い、ハルヒのコーラをコーンポタージュの入った缶のようにシェイクし、
古泉のレモンティーは地面に叩きつけてやった。ペットボトルの底が少し変形してしまったが、まあいいか。
俺は旧館に戻り、階段を上った。その間もコーラを軽くシェイクし続ける。
コーラの缶は、コンプレッサーで無理矢理空気を送り込まれ、破裂寸前の状態になってしまった風船みたいにパンパンになっていた。
ハルヒの驚く顔が見てみたいぜ。
あれ?廊下に古泉がいる…。ってことは女神様が降臨したのか。
ありがたや、ありがたや。
「おう古泉。ほらよ、買ってきてやったぞ」
俺はレモンティーを古泉に渡した。
「ありがとうございます」
てっきりペットボトルのことでツッコミを入れられると思っていたのだが…。
まあいいか。
俺は古泉と少し距離を置いて壁に寄り掛かり、自分のために買ってきたジンジャーエールに口をつける。
「では、あなたにもう一つ命令があります」
「…なんだ?」
もう、さっきみたいのは勘弁だからな…。
「今から、部室に入って下さい」
そんなのでいいのか?俺は大歓迎だぞ。
って、俺は何を思ってんだ…。それに古泉、いくらなんでもそんな事出来るわけないだろ!
「どうしたのですか?やってもらわねば困りますよ?」
「待ってくれ古泉。部室には鍵がかかってるんじゃないのか…?」
「それならご心配いりません。涼宮さんに鍵を開けたままにするよう言ってあるので」
古泉、お前はいつからハルヒを掌握出来るような権力を手に入れたんだ?
ぜひその秘訣をご享受願いたい。
俺は日本海溝の底みたいに暗くて深くずっしり重たいオーラを、ケルブと化している古泉に浴びせられつつ、ドアを開けた。
そう、ゆっくりと。
しかし俺は後ろから古泉に背中を押され、勢いよく部室に突入してしまった。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:13:29 ID:bESZbT8N
俺の視界に飛び込んできたのは、まさに楽園。そうエデンの園。
イヴこと、朝比奈さんは下着を身につけただけの状態という、とてもけしからなく、そしてあられも無い姿だった。
朝比奈さんは俺を見て固まったまま目に涙を浮かべていた。
ガブリエルこと長門は、さすがに驚いたのか、三秒程俺を見て、再び本へと愛を向けた。
そして本来なら居てはイケないはずのルシファーがそこにいた。そう、ハルヒだ。
ハルヒは、待っていました。とばかりの邪悪な笑顔でこっちを見ていやがる…。

異様な空気が部室を立ち込めた。
当たり前だ。男子禁制の楽園に、その男子が入ってきちまったんだからな…。どうやらアダムはお呼びでないらしい。
「ひゃ〜〜〜〜!!!!」
悲鳴をあげたのは、当然だろうが朝比奈さんだ。
「あんた。ちょっと何入ってきてんのよ!」
お前らが仕組んだんだろうが。
「すいません!」
俺はそう言い、ドアノブに手をかけた。
あれ、開かない…。なぜだ?古泉がドアに寄り掛かっているのか?
いや、そんなはずは無い。これは俺側から見れば引かなければ開かないんだ。
もしかして古泉はドアを引っ張ってんのか?
こんなに体重かけても開かないってのに…。古泉、お前は一体どんな力の持ち主なんだ…。
「キョン、あんた何ふざけてんのよ、はやく出ていきなさいよ」
このハルヒの顔は絶対に知ってる。俺が外に出られないという事を…。
その証拠に、表情は一見怒っているようだが口元が緩んでやがる。
「開けられないんだよ!」
「はは〜ん…わかったわ。キョン、あんたも変態なのね。そんな小芝居しなくても、見たいならみくるちゃんに直接言えばいいじゃないのよ。困った男だわ」
どうでもいいけど、そのアバズレ女みたいな口調はどうしたんだよ一体。
「ちげーよ。本当に開かないんだって!古泉の奴が引っ張ってるんだ。おい、古泉!開けろよ!」
俺はそう叫びながら、下着姿で泣きじゃくる朝比奈さんを静めるべく、必死にドアを引っ張った。
しかし、いくら頑張ってもドアは開かない。古泉は筋肉増強能力でも持っているのだろうか。
だとしたら今は何%なんだ?
「もう、みくるちゃんがかわいそうでしょ!ふざけてんじゃないわよ。貸しなさい」
見るに見兼ねたわよ。みたいな表情を演出しながらハルヒが近寄ってきた。俺はドアノブから手を離す。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:14:58 ID:bESZbT8N
てか、このドアノブも結構な耐久性があるんだな。あんなに引っ張ったのに、びくともしない。見た目はボロいがつくづく感心するぜ。
そんな事を考えているうちにハルヒがドアノブに手をかけ、ドアを二回ノックし、三秒程経ってからドアを開けた。
「ほら、こんな簡単に開くじゃない?キョン、あんたやっぱり…」
「おい待てハルヒ。なんでノックしたんだ?」
「何よ。ノックしちゃ悪いっていうの?」
ハルヒは怖じける気もなく反論してきた。
「ああ、悪いね。お前、それ古泉との合図にしてんだろ?古泉にドアから離れるように…。最悪な奴だなお前は!」
「女の子の着替えを覗くどころか、着替え中の部屋に飛び込んでくるあんたに、最悪だなんて言われたくないわよ!このエロキョン!」
「待て、それはお前達が仕組んだんだろが!」
そうだ、これはすべて古泉とハルヒの陰謀なんだ。
お前達の目的は一体なんだ。
「キョンくん……もういいですよぉ…怒ってませんからぁ……」

「朝比奈さん…。俺は本当の事を言ってるんですよ…。信じてください……」
ハルヒが朝比奈さんに擦り寄り頭を撫でた。
「みくるちゃんかわいそうに……」
俺を横目に見て白々しく朝比奈さんを慰めてやがる。
「いつまでそこにいんのよ!みくるちゃんがかわいそうでしょ。はやく出ていきなさいよ変態!」
俺はハルヒの視線に押されるように、渋々部室を出た。
ハルヒ…。尻の痛みと心の痛みは違うんだぜ…。尻の痛みはすぐ消えても、心の痛みはずっと残るんだぜ…。
廊下に出ると、古泉がいつもとは違うニヤケ面で俺を出迎えてくれた。
「大変でしたね」
こいつは俺を明らかに卑下してやがる。普通に罵倒されるよりムカつくぜ。
俺のポケットにナイフがあったら、確実にこいつを刺しているだろう。
運がよかったな古泉、ポケットの中に入っているのが携帯と財布とジュースだけで。
朝比奈さんの着替え中、古泉は俺にいつものように話し掛けてきたが、俺はことごとくスルーした。
こいつと今喋ってしまうと、この学校がワイドショーで紹介される事になってしまうかもしれないからな。

待つこと二分くらい、朝比奈さんの着替えがやっと終わり、俺達は部室の中に入っていった。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:16:23 ID:bESZbT8N
俺を軽蔑する朝比奈さんの視線が、針で体中を刺されるくらい痛い。
勘違いしないで下さい。俺は朝比奈さんが思っているほど不埒な人間じゃありませんよ…。
「キョン、ジュースは?」
ハルヒが氷のように冷たい声で聞いてきた。
俺はポケットに押し込んだジュースをまず、席がたまたま近かった長門に渡した。
「ほら、長門」
俺はお茶を差し出す。
「……」
長門は俺をわずかに見て、音も無くゆっくりとお茶の缶を受け取った。
長門の目は、どことなく俺を軽蔑していたような気がした。
幻覚だったと祈るしか無いな…。
そしてお次はハルヒにコーラを渡しに行く。そう、これこそが今日のメインイベントだ。
とくと全身でコーラを味わうがいい。
「ほらよ、買ってきてやったぞ」
俺は良心を前面に押し出した顔でハルヒの特等席にコーラを置いてやった。
「ありがと」
ハルヒは笑顔でそう言ってきた。
褒められて悪い気はしない。
だがなハルヒ、これから起こるであろう惨劇にお前の心はズタズタに引き裂かれることになる。
せいぜい俺の苦しみを味わえ。
「みくるちゃ〜ん。これあげるわ」
ハルヒはそう言って、朝比奈さんのほうにコーラを持ちながらわざわざ出向きやがった。
これはまずい。これでは朝比奈さんが大変な事になってしまう…。
「おいハルヒ、せっかく俺が買ってきてやったんだからお前が飲めよ」
「何よ、あんたみくるちゃんを仲間外れにする気なの?ホントにあんた最低ね。みくるちゃんをいじめてそんなに楽しい?」
おいおい、そのお言葉、そのまんまお前に返してやりたいね。あと古泉にもだ。
「そんなんじゃねーよ…。ただ、俺がお前のために買ってきたんだから、お前が飲めよ」
「やっぱり最低…。あんた、みくるちゃんをどれだけいじめれば気が済むのよ」
だからそれはお前だろ。俺をまるで悪党扱いしやがって。
お前はどれだけ俺の硝子細工の心にヒビを入れれば気が済むんだ。
このままでは砕けてしまうぞ…。
「みくるちゃん、心が汚れきったキョンが買ってきたコーラだけど、飲んで」
「ふぇ〜…でもぉ…いらないですぅ……」
朝比奈さん、そんなあからさまに拒否しないで下さい…。
貰うのを拒否してくれたのはうれしいんですが。
「いいから、飲みなさい」
ハルヒは無理矢理朝比奈さんにコーラを渡し、すたすたと席に戻っていきやがった。
211名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:17:40 ID:bESZbT8N
「じゃ、じゃあ……。ありがとうございますぅ…」
朝比奈さんは俺とハルヒを交互に見てそう言った。
しかし朝比奈さんの俺を見る目は、明らかにケダモノ扱いだった……。
って、落ち込んでいる場合では無い。これでは朝比奈さんがコーラの餌食になってしまう。
朝比奈さんが開封をする前にコーラを奪おうと席を立ったその瞬間。

作戦失敗だ…。

『プシュー!』
ジェット噴射のような音が部室に響き渡ったと同時に、茶色い液体が天に向かって輝きながら飛散し、
それから一秒程後に、その液体は朝比奈さんの体に降り注いだ。
朝比奈さんは口をあんぐり開けたまま呆然としている。
どうやら今起きた事が把握出来ていない様子らしい。無理も無いだろう。
古泉は「おやおや」って感じの表情を浮かべている。
長門は一瞬朝比奈さんのほうへ頭を動かし、また定位置に頭を戻した。
さすがの長門も少し驚いたらしい。
もちろん俺だって驚いている。
そんな中、平然とした様子で、両肘を机に付き、手で口を覆い隠すように組んでいる奴がいた。
そう、ハルヒだ。
あいつの口元は手で隠れて見えなかったが、絶対に笑っているに違いない。
腹の中はもうよじれているはずだ。俺にはわかる。
そしてハルヒはおもむろに口を開いた。
「キョン、これはどういう事かしら?」
やけに芝居がかった口調で尋ねてきやがった。
聞かなくてもわかるだろが…。お前に仕返ししようとしたんだよ。
なんて、言えるわけないがな。
「あんた、何ボケッとしてるのよ。みくるちゃんの体拭いてあげなさいよ」
ハルヒは呆れたような口調で言ってきた。しかし声はわずかに震えていた。
「わかったよ…。すいません朝比奈さん」
「いいですぅ…自分で拭きますからぁ……」
朝比奈さんは席を立ち、後ずさりした。
「遠慮しなくていいですよ……」
「遠慮とかじゃなくて…今はキョンくんに触られたくないですぅ…」
そ、そんな……。朝比奈さん、いくらなんでもそれは無いですよ……。
俺はハルヒをチラ見した。
肩が小刻みに揺れていやがった。しかも涙まで流してる。
あれは確実に笑ってる。
普通だったら床にねっころがって腹を抱えながら足をバタつかせているに違いない。
俺は椅子に座った。
底知れぬ恐怖が俺を襲う。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:20:34 ID:bESZbT8N
続きはまた後日投下しますorz
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:26:04 ID:ynmFPJnT
うんwktkできるガンガーレw
214名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 02:31:01 ID:QGOIGl18
おまいはまさかバーサーカーキョンの職人さんか?
てかキョンがかわいそ過ぎるww
続きwktk
215 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 09:17:21 ID:MZzpcwob
test
216 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 09:18:15 ID:MZzpcwob
自分話考えたのですが・・・
217 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 09:22:04 ID:MZzpcwob
一応、自分死ぬとかそんな言葉嫌いなので、
話書くにしても、1人犠牲者出すだけで
配慮したいです
218 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 10:48:50 ID:MZzpcwob
それでは、書きます
タイトルは「仕掛け-トラップ-」です。
219 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 11:10:04 ID:MZzpcwob
最近、北高の周辺で、隣町の高校の奴らが暴れまわってる。
それで、1人、うちの高校の生徒が死んだ。
そのことで、体育館で、全体集会が行われた。
校長の話だ。
「ウォッホン、現在、隣町の高校の生徒が、北高周辺を荒らしまわってる。
それで1人、うちの生徒が殺された。
いいですか?君達、下校の時、特に、部活が終わった時は、十分に注意しながら帰るように。
それでは、早速、死んだ生徒に黙祷する」
―――――――
今日の放課後
俺と、古泉と、朝比奈さん、長門共々SOS団の緊急集会が行われた。
「んで?ハルヒ、何のようだ?」
「キョン、私、考えたの!!」
「何を???」
「SOS団の力で、犯人を捕まえるの!!」
「お前正気か!!!?」
「私はいつでも正気よ!!
いい!?あんたたち、犯人を捕まえる作戦を、明日までに練ってきなさい!!
私も考えるから・・・
でないと、みんな死刑よ!!」
「まかせてください、ハルヒさん。」
「古泉、お前大丈夫か!?」
「大丈夫ですよ、僕は、明日までにプランを立てますから!!・・・・」
大丈夫かこいつ・・・・
220 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 11:23:58 ID:MZzpcwob
「んじゃ〜、解散!!」
おいおい、マジやんのかよ〜、ハルヒ。
「キョンくん」
朝比奈さんだった。
「また明日ね・・・」
微笑みながら言った。
「あ、ああ・・・」
気が付けば、もう、辺りは暗くなっていた。
朝比奈さんは1人、歩いて帰っていた。
後ろを警戒しながら・・・
その時、
「おい、待てよ」
隣町の生徒が、朝比奈さんを襲ってきた。
4人いた。
後ろにいた1人の奴は、朝比奈の口を押さえ、包丁を突き付け、こう言った。
「俺たちに従えば、命だけは助けてやる」
朝比奈さんは、怖いという気持ちで、何が何なのかわかんなくなり、後ろの男にひじうちをした。
「痛てぇ!!」
朝比奈さんは必死に逃げた。
「待てこら!!」
4人は、朝比奈さんを追いかけた。
朝比奈さんは必死な思いで逃げた。
家まで必死に逃げ、ドアに入り、鍵を閉めた。
朝比奈さんは、ショックで泣いてしまった。
221 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 11:40:25 ID:MZzpcwob
翌日

SOS団の部室。
ハルヒに呼び出された俺たち。
「え〜〜!?みくるちゃん、襲われた!??」
「は、はい・・・・・・」
「大丈夫だった?」
「うん」
ハルヒは朝比奈さんに詰め寄った。
「許せない、絶対許せない!!」
「何人だった?」
「4人」


「ところで、犯人をやっつける方法、思いついた?」
「ええ、もちろんですよ。
プランはこちらです」
古泉はハルヒにプランを渡した。
「これはいいわ!!採用!」
「おい、古泉、何を見せたんだ??」
「別に、対したものじゃありませんよ」
「じゃあ、つぎキョン」
「俺は、釣り糸とか、タバスコ、ハバネロ(通常のとうがらし)、
パンチングマシンをもって来たんだが・・・」
「採用」
「おい、なんで!?なんで採用!?」
「次に有希は??」
「私はその時考える・・・」
「今考えなさい!!!」
「その時になってわかる・・・・」
何を考えているんだ長門・・・
222 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 11:45:34 ID:MZzpcwob
「みくるちゃんはいい。
きっとこわくて作戦立てなかったでしょ??」
「あの」
「何??」
「金槌、バッテリー、延長コードとか持ってきたんですけど」
「これは使えそうだわ」
「私も犯人許せないから・・・」
「よし、作戦決行は明日!!
徹底的に追いつめるわよ!!」
エイエイオー!!
ってそれでいいのか??
223 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 11:57:47 ID:MZzpcwob
「早速準備よ!!」
俺たちは、準備に取り掛かった。
明日は学校は休みだ。
部活の奴ら以外誰も来ないだろ。
そんなこんなで準備は終わった。
ハルヒが言った。
「いい、まずは私がおとりになるから。
あなたたちは、あいつらが来たら誘導して」
「うん、わかった。」

また翌日

放課後。
辺りは暗くなっていた。
作戦決行だ!!
涼宮は、警戒した。その時
「おい、待てよ」
ナイフを突き付けた。
「おとなしくしていりゃ、悪いことはしねぇ」
“シュ―――――”
ハルヒは催涙スプレーをかけた。
「ば〜か、悔しかったらここまでおいで!!」
アッカンベー
224名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 12:38:02 ID:2cUzG1sz
>>◆TAKwD8jsYQ

・ここでtestするな

・古泉は「ハルヒさん」とは呼ばない

・キョン視点なのかわかりにくい
225 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 12:50:33 ID:MZzpcwob
「ハルヒ、こっちだ」
キョンはハルヒを呼んだ。
「おまえら、待て!!!」
追いかけてきた
しかし、1人が、糸を踏んだ。
一つ目のワナが始まる。
糸を踏んだら植木鉢が2個落ちてきた。
「う、うわ――――――!!」
隣町の高校の生徒の2人に当たった。
「これは痛い痛い」
ハルヒは笑いながら言った。
ハルヒたちは、3階に逃げた。
「大丈夫か?」
「ああ、・・・大丈夫だ・・・」
2人は立ち上がった。
「3階に逃げたぞ!!追え!!!」
4人は相談した。
「俺たち2人は三階、あと2人は2階へ行け!!」
早速、二手に別れ、3階と2階に行った。
すると、3階に行ってるやつの1人が、
「ココだよ」と書かれた貼り紙を見つけた。
「おい、ここにいるかもしれねえ」
「気をつけろよ」
「ああ」
しかし、開けると・・・
226 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 12:51:20 ID:MZzpcwob
>>224
ああ、すまない
以後訂正する
227 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 13:05:59 ID:MZzpcwob
>>224
自分初心者だからわかんなくて・・・
本当すまない

続き
中には、天井にぶらさがった大きな鉄球を持ったハルヒがいた。
「はい、さようなら・・・」
ハルヒは鉄球から手を離した。
それが、1人に当たった。
「ぐわっ!!」
“ズシャ――――”
1人倒れた。
「こいつ!!」
3階にいたもう1人の奴が涼宮に詰め寄る。
しかし、その涼宮は人形だった。
「に、人形!?」
「鬼さん、こっちよ!!」
「なっ!?」
ハルヒは生徒会室にいた
「こっちよこっち!!」
ハルヒは中に入った。
3階組の1人のやつは早速、生徒会室に行った。
中に入ると、
「いらっしゃ〜い」
ハルヒとみくるがいた。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 13:10:43 ID:XMfuYVdJ
書きながら投下してんのか?
229 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 13:16:25 ID:MZzpcwob
か、かわいい・・・
ハルヒと朝比奈さんは、メイド服の格好をしていた。
朝比奈さんが、この男に注文内容を聞く。
「ご主人様、ご注文は何になさいますか?」
「じゃ、じゃあ、コーヒーを…」
「畏まりました」
「どうぞ、コーヒーです」
朝比奈さんが渡した。
「ど、・・・・・・・どうも・・・・・・・」
しかし、それは・・・
「!?」
「か・・・、辛――――――――い!!」
タバスコとハバネロ入りコーヒーだった。
「あらら、申し訳ありません。ご主人様、
お口直しにお水でもどうぞ!!」
ハルヒは、顔にコップ一杯の50度のお湯をかけた。
「熱っちいぃ―――――――!!」
こいつは顔にやけどをした。
「さぁ、みくるちゃん逃げるわよ!!」
230名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 13:18:50 ID:d6YMLmCP
これはひどい
231 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 13:31:17 ID:MZzpcwob
ハルヒは朝比奈さんと共に、トイレへ逃げた。
「くそ、待て!!」
ハルヒは
「悔しかったらかかっておいで!!」
と笑いながら言った。
「何やってんだ、ハルヒ」
キョンはあいつらに文句を言ってるハルヒの手を引っ張り、トイレへ逃げた。
と、ここで、2階組と3階組が合流した。
「あいつらは!!?」
「あの中だ」
「よし、入るぞ!!」
しかし、入ったところは、何もない砂漠だった。
「な、何で!?ここトイレだったはず・・・
なんで砂漠なんだ!?」
無論、長門がみせた、幻である。
「お、おい、逃げるぞ」
「あ、ああ・・・」
しかし、トイレから出たら、狭い通路しかなく真下は火山口だった。
もちろん、長門がみせた幻だ。
「ど、どうなってんだよ これ!!!」
4人は壁に捕まり、3階から2階へ行く階段まで行った。
232 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 13:42:42 ID:MZzpcwob
しかし、この階段は、崩れていた。
っといっても、これも、
長門が見せた幻だ。
4人は、1人ずつジャンプをした。
幻と知らず・・・・。
ああ、なんというおめでたい頭なんだ。
やれやれ・・・。
4人は無事に階段から降りた時、
“キンコンカンコン”
放送がながれた。
「さぁ、あなたたち、バカ諸君、
私たちは、放送室にいるわ。かかってきなさい」
「くっ、もう我慢ならねぇ、あいつらぶっ飛ばす!!」
4人の怒りは頂点に・・・
しかし、放送室へ、行くには、一本通路を通らなければならない。
また、長門は、どういう幻を見せてくれるか・・・
頼むぜ長門・・・。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 13:50:44 ID:VcleY4TR
全然直ってもいないしクソつまんね。初心者だからって問題じゃねーよ
バカか?
234 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 13:54:22 ID:MZzpcwob
4人は、一本通路を渡ろうとした。
しかし、通路は崩れ、下には溶岩が、・・・
ってこれも幻。
4人は、一気にジャンプし、放送室に向かった。
「ココだな、よしはいるぞ」
4人は中に入った。
すると、1人がある一本のロープを見つけた。
それを引っ張った。
でも、これは、
“ゴ――――――ン”
大きなたらいが落ちてくるロープだった。
「ギャ――――!!」
普通不自然だなと気付くだろ。
俺は思った。
「やったー!!大成功!!まさか、こんな手に引っかかるなんてあんたたちほんっとバカね」
ハルヒは笑っていた。
俺たちは、こいつらを踏んで逃げた。
235 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 13:55:16 ID:MZzpcwob
あちゃーー
失敗した
236 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 13:57:41 ID:MZzpcwob
もう一度構想を練ってきます
237名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 13:59:58 ID:c0kFrLrB
>>236
今度は全部書いてから
投稿して
238 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 14:03:34 ID:MZzpcwob
>>237

悪かった
すまん
239名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 14:05:14 ID:c0kFrLrB
>>238
いいよ
経験が浅いだけだ
もっと練習して戻ってきてください。
期待してます
240 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 14:52:20 ID:MZzpcwob
>>239
じゃあまた一週間後・・・
241名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 14:54:08 ID:c0kFrLrB
>>240
修行がんばってください
242谷口人生最悪の一日:2007/04/07(土) 15:35:11 ID:NWUh8dU1
暇潰しに駄作を投下してみます
イジメシーンはあんまないけど

突然だが俺はもっとモテてもいいと思うんだ
ああ、本当に突然で自己紹介が遅れたな
俺はWAWAWAで同じみの谷口だ
正直俺は何故自分がこうもモテないのか不思議でならねえ
どう見たってキョンの野郎よりイカしてるし失敗ばかりだが経験だって豊富だ
なのに何故キョンばっかあんないい思いを…
と、キョンと涼宮の痴話喧嘩を聞いていて思った訳よ
誤解のないように言っておくが、俺は涼宮はゴメンだ
確かに奴は面だけは特Aクラスだし、話さえ通じれば意外に面白いのかも知れない
だからその事で0.001gくらいはキョンを羨む気持ちはあるのかも知れない、それは認めてやろう
だがな!
奴はそれだけでなく、同じ特Aクラスの朝比奈さんやAマイナーの長門有希の半径3メートル以内に毎日それが当たり前のように存在していられるんだぞ!?
そんなキョンの羨ましい境遇を考えると……
キョンが友達じゃなけりゃ、とっくに闇討ちにして東京湾辺りに沈めていただろう
ったく、少しは感謝しろよ―、キョン。
243 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 15:43:45 ID:MZzpcwob
>>241
でも、正直
いじめとかそんなの書きたくなかった。
だから、コメディ風に書いたんだが・・・
244名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 15:45:33 ID:c0kFrLrB
マー才能だからね
君は向いてないと思うよ
いじめは
245谷口人生最悪の一日:2007/04/07(土) 16:05:06 ID:NWUh8dU1
にしても、あいつばっかあんないい思いを出来るのにはなにかあるのかもな…
一度調査する必要があるんじゃねーか?
いや、あれだ。
もし万が一キョンにあって俺にないものが分かれば俺にも彼女の一人出来るかもしれないし………
え?古泉?
あいつは規格外だ
分かるだろ?あいつにモテる秘訣を聞いたところでこっちが虚しくなるだけだし、
なによりあのニヤケ面は見ていてイライラする…というか目に毒だ

てな訳で俺は今こうして涼宮たちの根城である文芸部室を双眼鏡で見張ってるわけだ
国木田のヤローは誘ったのに無視しやがった
あとで羨ましがっても無視してやるからな!!

……にしても来るの早過ぎたかな?
部室では長門有希が一人寂しく本を読んでるだけだ
因みに今は放課後で俺は屋上から部室を見張ってる
まぁ、こんな時間にこんな場所に来るのはよほどの暇人、もしくは変人ぐらい……………ひょっとして俺もそれに当てはまるのか?
覗きなんてやってる俺は変態なのか??
いや!違う!!
これは単なる“知的好奇心”だ!
そうだ、そうだよな…
さっきのは気付かなかった事に……
おっ!!あれはミス北高、特Aクラスの朝比奈みくる様だ!
246谷口人生最悪の一日:2007/04/07(土) 16:23:42 ID:NWUh8dU1
いや〜、良い眺めだ…
日頃の荒んだ心が癒される〜
とぉ!誤解のないように言っておくが、俺はあくまでキョンを見張る為にこうしてるんだからな!
決してやましい……
えっ?おいおい、朝比奈さんが有り得ない行動をとっているぞ…
さなぎが蝶に羽化するが如くの神々しさで……
あぁ〜!しゃらくせぇ!
端的にいうと、我らが愛すべき先輩、朝比奈女史はなんと着替えを始められた…
待てよ、これってちょっと………いや、かなりヤバいんじゃねーの?
でも…健全な男子高校生なら湧き上がるムラムラに対抗出来る術なんざ、持ち合わせちゃいねーよな?
俺の脳内リングでの天使VS悪魔は僅か、コンマ一秒で勝負は決し、天使は見るも無惨な敗北をきっした
恨むならキョンの野郎を恨めよ
双眼鏡から目を離す事一秒、俺は再び双眼鏡に目をつけ、この世のパラダイスをおがむ事にした…
うっひょ〜!!!
247名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 16:25:55 ID:d6YMLmCP
>>243
書きたくないのなら無理して書くな。文才が無い上コメディにもいじめにもなっていない。無駄にスレ消費するだけだカス
お前みたいな春厨はこのスレにSS投稿しない方が無難だと思う。投下するとこうやって酷評されるだけだ

そして本当にうざい。
248谷口人生最悪の一日:2007/04/07(土) 16:32:53 ID:NWUh8dU1
うっひょ〜、あのプロポーションは反則だろ!
幼さの中にバストがドーンて…
下手なグラビアアイドルなんざ目じゃねぇ!
ああ、俺もういつ死んでも……
249名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 16:33:22 ID:gG4tMhNL
>>246
そういや谷口の話しは今までなかったなぁ。
期待しとりますぜ!どんどん投下してください!
250谷口人生最悪の一日:2007/04/07(土) 16:43:35 ID:NWUh8dU1
うっひょ〜、あのプロポーションは反則だろ!
幼さの中にバストがドーンて…
下手なグラビアアイドルなんざ目じゃねぇ!
あのアンバランスさはもはや凶器だろ?
某バトル漫画のスカウターで測れば萌え度530000なんてもんじゃねぇ…
フリーザ様もきっとお認めになるだろう…
ああ、俺もういつ死んでも……って今は駄目だ
この光景を一刻も早く脳内画像に保存せねば…と俺が脳内で画像を保存しているまさにその時、座って本を読んでいた長門有希が立ち上がり、数歩歩いて立ちながら読書を始めた
251谷口人生最悪の一日:2007/04/07(土) 17:02:11 ID:NWUh8dU1
あの―、長門さん?
そんなとこに立たれたら見えないんですが?
まだダウンロード完了してねぇつーの!
くっそ〜、あのAマイナーの分際でぇ…
明日からBメジャーに格下げしてやるからな!
まぁ、眼鏡外した時点で俺の中ではとうの昔にBクラスだったんだが…
まぁ、そんな事はどうでもいい
そんな事よりそんなとこで立ったまま読書するなよ!!
お前あれか?結構変人か?
俺が長門に焦点を合わせると長門が本から目線を上げた
やべ!Bメジャーと目が合っちまった!
バレたか!?
焦りまくる俺を尻目に長門は何事も無かったかのように再び椅子に座って読書を始めた
くそっ!ビビらせやがって!!
そうだ!着替えは!?
………………あーあ、朝比奈さんの着替え終わっちゃった…
覚えてろよ、Bメジャー……
それにしても朝比奈さんはなんとメイドに変身していた…
何故だ?あの人の趣味か?
ああ、メイドプレイか…
くっそ―!キョンの奴今度会ったらギタギタにしてやる!

結果からいうとギタギタにされたのは俺の方だった
前方に神経を集中し過ぎてたせいで背後から忍び寄る存在に気付かなかった
「おやおや、こんな所で何をされてるんです?^^」
252 ◆TAKwD8jsYQ :2007/04/07(土) 17:21:29 ID:MZzpcwob
>>247
いじめとかどうでもいい
253名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 17:22:50 ID:MZzpcwob
>>249
同意
254名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 17:24:39 ID:MZzpcwob
確かに自分の作った奴
失敗作だ

1から出直そう
255名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 17:26:37 ID:zFF8csyj
>>252
●<ならばご自重願いたいものです
256名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 17:36:40 ID:QGOIGl18
ID:MZzpcwob
連投とかマジでウザい。書きたいことをまとめてから一回で書き込めよ
しかもイジメとかどうでもいいならもうここに来んなよ。マジウザい
それに、批判買ったらすぐに失敗作とかほざいて逃げてんじゃねぇよ
てめぇは初心者板か厨チャットで喜んでろクズ
257名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 18:10:34 ID:MZzpcwob
>>256
だから、言われなくても来ねーよ

安心しろ
あんたの言う通り撤退するから・・・
258名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 19:02:12 ID:VKD/HsWp
二度とレスするんじゃねぇぞこのクズ
259名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 19:21:10 ID:VcleY4TR
>>257
お前◆d58ZPgKEsE だろ
わざわざトリ変えてまで粘着してんじゃねーよ。前ので散々な評価受けたんだからとっとと撤退しろ春厨
260名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 19:59:13 ID:VKD/HsWp
>>251
逃げて!谷口逃げて!!
261名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 20:15:56 ID:TkNxN6Ud
いつから春厨をいじめるスレに?
262名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 23:50:24 ID:WW1TQdIN
もう春休みも終わりだろうし放置しておこうよ
また来てもレスが悪い意味で個性的だからすぐわかるし
せっかく別の人がSS投下してるだからさ
263名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 23:53:06 ID:ua5UDbln
いじめはSSの中だけにしてくれ
264谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 00:13:28 ID:fA98B6LZ
>>251から

!!!!!
俺は慌てて振り返った
紛れもなくそこには例のニヤケ面を浮かべたイケメン
そう、涼宮の最も忠実な下僕である古泉が立っていた…
「覗きとはあまりいい趣味だとは言えませんねぇ^^」
やべぇ…よりによってこいつかよ…
「ち、違うんだ!これは事故だ!不可抗力だ!頼む!見逃してくれ!!!」
そんな俺の懇願を聞いた古泉はニヤニヤを5割増にして
「僕としてはそのお話を信じて差し上げてもいいのですが、涼宮さん達はどうでしょうかね?^^」
など言いながらおもむろに携帯を取り出しやがった!
って、チクる気満々じゃねぇか!!!
くそ、なんとしてもこいつが電話を掛けるのを阻止せねば…
悪く思うなよ…
「倒れろ!!!古泉!!!!」
265谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 00:22:28 ID:fA98B6LZ
が、俺の放った渾身の谷口タックルは無情にもひらりとかわされ、
「残念ですね、あなたのような人間にでもゴマ粒大の良心くらいはあると思っていたのですが………」
ピポパポ……
ああ…破滅の音が聞こえるぜ…
「僕を恨まないで下さいね。よい暇つぶしになりそうなものでしたから…とにかく頑張って逃げて下さい^^」
今すぐここから逃げろと俺の全神経がそう告げている
マジで死ぬかも……
266谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 00:33:24 ID:fA98B6LZ
俺は全速力で階段を駆け降り、玄関へ向かった
今ならまだ逃げ切れるかも知んねぇだろ?
いくら北高一のエキセントリック涼宮といえど瞬間移動出来る訳じゃあるめーし
「谷口の分際でうちの団員の着替えを覗くなんていい度胸してるじゃない?」
………前言撤回
玄関に辿り着くと、目の前には両目に紅蓮の炎を燃え上がらせる涼宮が立ちはだかっていた…
甘かった…まさか待ち伏せとはな、頭の良い俺でもそこまでは気が付かなかったぜ…
「選ばせてあげるわ。今死ぬか、後で死ぬか、どっち?」
267名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 03:46:26 ID:UpSLXRMO
268名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 05:49:25 ID:5oTVSDck
>>267
通訳めちゃくちゃだな。
全部間違ってるし。。。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 06:36:35 ID:KEHJGdQl
投下します。いじめ描写なし。

気に入らなかったら荒れない程度に叩いてくれればいい。
270涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:37:37 ID:KEHJGdQl
「もうしわけありませんが、その手は待ってくれませんか?」
「いいや、もう待たん」
「うわぁ、キョン君つよーい」
いやいや古泉のヤローが異常に弱いんですよ、朝比奈さん。

至って穏やかな、普通の時間である。
俺と古泉は長机でゲームをし、朝比奈さんは時にオーバーリアクションを含めてその様子を見守って下さっている。
長門に視線を送ると、相変わらず分厚いハードカバーに目を落としている。
さっきからページをめくる音が聞こえてこないのは、居眠りでもしてるんだろうか?長門が居眠りなんて珍しいな。
ハルヒ?ハルヒは職員室に呼ばれてここにはいない、だから俺は穏やかだと述べたのさ。
ハルヒが来れば、穏やかな空気はネズミを見つけたドラえもんのごとく、叫び声をあげて逃げていくだろう。

だがしかし最近は、ハルヒがおかしな思い付きをする事もなく、宇宙的未来的なトラブルも無い。
放課後は気の許せる奴らとダラダラと過ごす。なんという普通の青春だろうか。素晴らしい。
まあそんな平和が永遠に続くなんて事がありえないのもわかっているわけだけどな。

そしてそれを証明するかのように、部室のドアが静かに開かれた。

ドアを開けたのは誰か?ハルヒはいつも乱暴に開け放つのでありえない。いつかドアに謝罪と賠償を求められる事だろう。
鶴屋さんの場合は、ドアを開けると同時に元気な声が聞こえてくる。しかし聞こえてきたのは暗く沈んだ声。

271涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:39:22 ID:KEHJGdQl
「あの……ここがSOS団ですか」
どうやら鶴屋さんでもないようだ。わざわざこの珍妙な集団を訪れる物好きの顔を見てやろうと顔を向けると、
そこには『気の弱そうな少年』を絵に描いたような少年が立っていた。どこの学校だろうか、学ランを着ている。
よその学生がこんな所に何の用だ?俺がその疑問を口にする前に、古泉が応対する。

「いかにもここがSOS団の部室ですが……何か御用でしょうか?」
コイツの方がこういう応対は向いているだろう、俺は黙って成り行きを見守る事にした。
朝比奈さんは椅子を少年に譲り、お茶を淹れにポットへ向かう。朝比奈さんの座ってた椅子に座れるなんて羨ましい奴だ。
少年はメイド服の朝比奈さんに大した反応もせずに椅子に座り、こう切り出した。

「助けてほしいんです、僕、いじめられてて」
ポカンとしている古泉は初めて見た。きっと俺も同じ顔をしている事だろう。
そういうのは、いじめホットラインにでも相談すべきじゃないのか?

「申し訳ありませんが、もう少し詳しく説明願えませんか?そのいじめに、我々が関与しているような事があるのでしょうか?」
さすがに古泉も話が読めないらしい。いつものスマイルに困惑が混ざっている。

「え?ここSOS団ていうんですよね?助けてくれるんじゃないんですか?」
SOS団だから誰かを助ける集まりだと思ったわけか?生憎だがここにはそんな善意の集団ではない。
少年の勘違いで微妙な空気になっているところに、朝比奈さんがお茶を淹れて来てくださった。
俺と古泉に新しいお茶を注ぎ、そして少年の前に湯のみを置きながら、天使様はこう仰った。

「あ、あの……話だけでも聞いてもらうと楽になるって言いますし、聞いてあげるといいと思うんですけど……」
ああ、心が洗われた様だ。なんという澄んだ心の持ち主なのだろうか。こんな見ず知らずの少年のいじめ体験を聞いてやるだなんて。
今の朝比奈さんにはシスターのコスプレがぴったりだろう。今度ハルヒに提案してみよう。

272涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:40:23 ID:KEHJGdQl
「そうですね……わかりました。しかし、我々はそういう専門職ではありません。ですから的確な助言はできないかもしれません。
 それでもよければ聞かせてもらいましょう」
古泉も心を洗われたのだろうか、あっさりと了承する。

「あ、ありがとうございます……」
おどおどした感じで頭を下げる少年。いかにもいじめられそうな奴だ。あまりにも典型的いじめられキャラすぎる。
俺がクラスメイトなら、いじめる気になんか逆にならんな。

「とりあえず、今日された事を話します……授業中にいつも邪魔をされるんです。
 後ろからシャーペンで突付かれたり、服を引っ張られたり。それで集中ができなくて、元々悪い成績がガタ落ちしちゃって」
うむ、それはつらいな。特に眠い時にそれをやられると困る。

「僕も初めは文句を言ってたんですけど、そうするとすぐに物が飛んできたり殴られたりして」
世の中にはひどい野郎がいるものだ。これならいつの間にか文句も言えないようになってしまうのも無理はない。

「休み時間も首根っこを掴まれて引きずり回されて。そうそう、せっかく休みの日も急に呼び出されたりして、
 指定された時間の前に着いても、遅刻だとか言われておごらされるんです」
休みの日ぐらいゆっくりさせろってんだよな。おかげで地球温暖化の中、財布は極寒状態なわけだ。

「そいつだけじゃないんです。そいつの取り巻きがいて、そいつの為だとか言われてワケのわからないところに連れて行かれて……
 何度も殺されそうになりました」
おいおい、そいつは尋常じゃないな。俺はだんだんとこの少年が気の毒に思えてきた。
相当つらかったんだろう、でなけりゃ『SOS』が付いただけのワケのわからん団体に助けを求めるはずがない。
ふと少年の方を見やると、少年と目が合った。真顔で俺を見つめている。俺は奇妙な感覚に陥り、そして少年こう言い放った。

273涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:41:15 ID:KEHJGdQl
「僕にはわからないんです。ここまでされてここに居続けるあなたが」
!!なんなんだこいつ!おいどういうワケだ、古泉説明しろ。

「あなたは何者なんですか。どうやってここに入り込んだんですか」
どうやら古泉も今回は仕掛け人側ではないようだ。立ち上がって少年に問うその顔には、いつものスマイルはない。
それにしても古泉のいう通りだ。ここには長門がいる。不審者は入れないはずだが……長門?そういえばさっきから長門は……

「長門さんにはしばらく眠ってもらっています。とある人の力を借りてね。
 そして僕は、あなた方の知っている言い方で言うと、急進派というヤツです」
道理で長門が居眠りなんてするはずがないと思ってたんだ。で、万全を期して俺を殺そうってのか。

「急進派の事は知っています。また彼の命を狙うつもりなんですか」
古泉が俺と少年の間に立ちはだかる。

「そこまでは許可されていません。僕は涼宮ハルヒに刺激を与えるために、
 まずはあなたにはSOS団から身を引いてもらおうと、説得にきたんですよ」
説得だと?

「あなたはどう考えてもいじめられている。なのに涼宮ハルヒから離れようとしない。
 何か弱みでも握られているのでしょう?でないと理解ができない。そしてあなたが近くにいる限り、涼宮ハルヒは極端な変化を望まない。
 あなたが僕に従って涼宮ハルヒから離れてくれれば、僕もスッキリするし、再び涼宮ハルヒも動き出す。一石二鳥というワケです」
少年は座ったまま、身動きひとつせずに長々と説明をしてくれた。ありがとよ、俺もスッキリしたぜ。
俺はかばってくれていた古泉の前に出て、こう言ってやる。

274涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:42:06 ID:KEHJGdQl
「残念だが俺はここにいたくてここにいるんだ、ハルヒに弱みを握られているわけでも、強制されているわけでもなくな!」
「!!何故です!僕がさっき言ったことは紛れもない事実のはず。あれはどう見てもいじめでしょう」
ああ確かにそうさ。傍目から見ればそう映ってもおかしかないだろう。現に俺はこの少年がやられていると仮定して、同情をしていたわけだしな。
でも違うんだ。俺とハルヒの場合は。

「す、涼宮さんはキョン君をいじめてなんかいません!」
突如としてエンジェリックボイスが部室の空気を振るわせる。その声の持ち主は長門のそばに立ち、自身も震えていた。
しかし、お盆を胸に抱きしめながらもその表情は真剣そのもので、俺はしばらく見惚れてしまった。

「朝比奈みくる、あなたも種類の違いこそあれ、いじめられていると言っても過言ではないでしょう?
 なぜ涼宮ハルヒをかばうのです?監視対象だから?」
そう問われて朝比奈さんは一瞬ひるんだが、意を決したように少年に向かって叫んだ。

「それもあるけど…それもあるけど、あたしは、あたしは涼宮さんが好きだからです!
 あれは涼宮さんのコミュニケーションだって、わかってるから……その時はイヤだけど……でもイヤじゃなくて……」
そこまで言うと朝比奈さんは俺に視線を向けてきた。明らかに助けてくれという顔をしている。
この愛らしい顔で頼まれて、バトンを受け取らない男がこの世にいるだろうか。いたらそいつを小一時間問い詰めたい。
俺は偉そうに人に生きる道を教えられる人間ではないが、朝比奈さんのパスを無駄にはできない。

「そういう事だ。俺も朝比奈さんもそんな被害妄想は持ち合わせていないし、これからも持たない。
 さっきの君の相談にアドバイスをしてやる。人生は楽しむべきだってな。つらいつらいばっかりじゃ、その通りの人生になっちまうぞ。
 考え方を変えるなり、他に楽しみを見つけるなりした方がいい」
こんなセリフ二度と言わん。
だが俺の色々痛いセリフを聞いた少年は立ち上がり、久しぶりに顔をあげた。

275涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:43:04 ID:KEHJGdQl
「後悔、しないんですね?」
俺は直に頷く。

「わかりました。出直します。」
そう言うと、少年の手が光り、粒になって消えていく。いつかの朝倉の時に見たやつだ。
なんだ?自分で情報結合を解いてるのか?俺の疑問に答える事無く、少年は消えうせた。



「どうも、お騒がせしました」
少年が消えた後、しばらく呆然としていると、いつの間にか部室の入り口には喜緑さんが立っていた。もしかして、これって

「あなたが黒幕、というわけですか」
横の古泉が代弁してくれた。喜緑さんは苦笑しながら

「わたしも上の命令に従ってるだけですから。ごめんなさい」
ぺこりと頭は下げたが、悪びれる様子はない。長門と違って、この人の考えは全く読めない。

「そうそう、もういいですよ、長門さん」
喜緑さんが何やら合図をしたので長門の方を見てみると、長門はいつのまにやら動いていて、お茶を飲んでいた。

「大丈夫ですかぁ?お茶、淹れましょうか?」
「平気」
長門に一言で返されて困惑している朝比奈さん。どちらの意味で平気と言ったのかわからないのだろう。いちいち可愛いお人だ。

「長門さんには何をしていたんですか?」
古泉が喜緑さんに聞いた。探究心旺盛な奴だ。

「別に何もしていませんよ?じっとしていて下さいとはお願いしましたけど」
しれっと答える喜緑さん。あれはじっとしていて下さいのレベルじゃなかったような気がする。微動だにしなかったからな。
まあ、長門ならそれも可能かもしれないが。

276涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:44:03 ID:KEHJGdQl
「どうしてこんな事を?」
まだ質問を続ける古泉。確かにそれは俺も聞きたい。

「さっきも言ったように、私は上にこうしてくれと言われただけなんです。あなたとあなたに選択肢を与えろって」
俺と朝比奈さんにか?喜緑さんは続ける。

「もし涼宮ハルヒにされた事を気に病んでいるようなら、このSOS団を出ていくように促せってね」
「ははぁ、なるほど」
古泉が訳知り顔で頷いた。おい、どういう事だ。

「これはあくまで推測ですが……涼宮さんは心のどこかで、あなたや朝比奈さんにしてきた事に対して、
 後ろめたさを感じていたのではないでしょうか」
バカな。ハルヒにそんな良心の呵責があるものか。

「しかしあなたも朝比奈さんも気になどしていないという事が聞けて、尚且つ好きだと言われ……涼宮さんにとっては最高の結果ですね」
おい、誤解を与えるような言い方はよせ。俺は好きだなんて言ってはいない。

「ええ、僕はそんな事、一言もいっていませんよ?やけに敏感なんですね」
…クソ、古泉の奴覚えてやがれ、またゲームでボコボコにしてやる。
277涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:44:47 ID:KEHJGdQl

「クス、ひょっとしたらその推測どおりなのかも知れませんね。それにわたしも不可解です。あれだけの事をされて気にしないなんて、
 よっぽど好意を持っているか、Mなんでしょうね」
喜緑さんの大人しい笑顔に似つかわしくない『M』という単語に俺はびっくりした。
しかしさらに驚くべき発言が朝比奈さんから飛び出す。

「M?うーん、あっ、あたしはMですね……あれ?でもキョン君もMなんですか?」
SOS団癒し系キャラの、いきなりの下ネタOKカミングアウトに俺と古泉は固まってしまった。ここは世の男子なら同情してほしい。
あの北高の女神、SOS団の天使等のあだ名を持つ(主に使っているのは俺だが、)朝比奈さんの口から、しかも笑顔で『M』発言が飛び出したのだから。

「え?あれ?どうしちゃったんですか?イニシャルの話じゃないんですかぁ?」
OK。俺も古泉も復活する。いつもの朝比奈さんの天然だったのだ。今回は破壊力が大きかったが。

「そう考えると、涼宮さんはSなんですね?」
そうだな。それがどうした。いちいちこっちを見るな。いつになく不気味なスマイルを浮かべる古泉から離れて、俺は椅子に座りなおした。
やれやれ、今日は大変だったな。
しかし古泉の推測が当たっているとするなら、俺はハルヒに気にするなと言ってやらなければいけない。
そして、俺から何か面白いことを提案してやろう。ここ最近大人しかったのは事実だからな。
ハルヒ程穏やかな空気が似合わない奴はいないのだ。
そして、これは一生口に出すつもりはないが、俺だってそんなハルヒが好きなんだから。


おわり
278涼宮ハルヒの反省:2007/04/08(日) 06:45:40 ID:KEHJGdQl
以上。
279名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 06:49:52 ID:5oTVSDck
>>287
技術はいいよ
今度はいじめ中心に書いてください
280名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 07:11:38 ID:rn5TowJh
>>277
文描写とかは上手いと思うけどいじめが足りない気がす。でも乙。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 07:18:38 ID:Dua7wW/Z
どうでもいいが無理やりこじつけたせいでイニシャル
おかしいがw
282名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 08:13:00 ID:w1V+UlxQ
>>256
痛い厨房は無視しろ
283名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 09:50:54 ID:XFZUS3cV
>>266
普通に楽しく読めたよw
284名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 10:16:17 ID:czIA9RGV
>>268
そりゃあロボコップのワンシーンから日本語字幕付け足しただけの
パロディだし
285名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 11:41:54 ID:JQ71hkLk
いつからここは技術がいいだの偉そうなことを評価するところになったんだ・・・


>>278
いじめ少なくてもちょっとでも関連してれば俺的にはOK!
てか、面白かったよ!GJ!
286名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 11:52:47 ID:5oTVSDck
誰か長いのやってくれないかなー。
いじめかっこ悪いサン並みの
あれワードにセーブしたら48ページになった
287谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 12:19:59 ID:fA98B6LZ
>>266からの続き


「えーと、後で…」当然Uターン&全力ダッシュしたね
所詮は女の体力だ、俺が本気で走れば追い付かれる訳…
「待ちなさい!待っても情状酌量はしないけど」
足早っ!やべぇ…マジで捕まるぞ…これ
だが神は俺の味方だった
俺の行く末には男子トイレが!
勿論、速攻で飛び込んだね!
やっぱ俺って天才だな、流石の涼宮も男子トイレまでは追って…
「星になりなさい!」
来やがった!!
俺のアホ!これくらい予想しとけ!!
窓から逃げるしかないか…ここ一階だしな
「そこまでだ、谷口」
俺の前には予想外の人物が立ちふさがっていた
なんと、我が友キョンだ!
ひょっとして助かったのか?俺
288谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 13:49:11 ID:fA98B6LZ
「キョンか?助けてくれ!このままじゃ涼宮に殺されちまう!」
「なぁ、谷口。俺は朝比奈さんの着替えを覗いたお前をただで帰す程お人好しじゃないんだよ」
…ん?コイツ目が座ってるぞ…キレてやがるのか?
「今から部室に来てもらうわ。キョン、コイツを縛っちゃって」
お、おい、マジかよ!?キョン…シャレになってね――って!!
「諦めろ、谷口。逃げたら俺が許さんぞ」
げ…コイツ、こんなに恐い奴だったか?
結局俺は成す術もなくSOS団の部室に連行された…
もう知らん。どうにどもなりやがれ…
にしても、短い人生だったな…
289名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 14:29:48 ID:w+deUDtq
>>286
素人だし、ワードで48ページに及ぶ作品を書くのは普通無理じゃないかな?
いじ悪さんは、少しずつ考えながら書いてたらしいしから48ページも書けたんだと思う。
ただ最近、住人から連投ウザイ!!とか、全部書いてから書き込め!!とか言われるから職人さん達が萎縮してる感じなんじゃないかな?もしくは、だったら書かねーよみたいな。
まぁ厨っぽいのが増えてきたのも一因かもしれないけど……
290名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 14:31:48 ID:5oTVSDck
>>289
そーか。
そりゃーそうだよな。
291名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 14:43:20 ID:90SwuiQ/
全部書かなくてもいいけど
次の投下まで間が空くんならその、一言あってもいいと思うがね。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 15:21:37 ID:RAxfy/BZ
いやならまとめサイトをみるとかさ
293名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 15:41:27 ID:SwylPit9
てかキョンの溜息の作者はどこ行ったんだ?続きが読みたいんだが
書くのが遅れるなら是非>>291の言うように御一報願いたい

あと、厨が書き込んでも、叩かないでスルーしてほしい。空気が悪くなる
294名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 15:47:39 ID:5oTVSDck
途中までのやつ
誰か代わって書けばいいんじゃね?
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 16:06:46 ID:1w56MwDO
>>294 よし頑張れよ期待してる
296イソローク:2007/04/08(日) 16:08:46 ID:r5Kq3s+I
>>294

黒ハイテンションユッキーの続きを勝手にひっそりと書いている房だが……

載せようか?
297谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 16:11:09 ID:fA98B6LZ
>>288の続き


ぐるぐる巻きにされたままSOS団部室に連行された俺は正にまな板の上の鯉状態だった
正面では朝比奈みくるが泣きそうな顔で俺を見てるし、その隣ではゴキブリの死骸を見るような無感動の表情で俺を見つめる長門有希
そして殺意を伴った目で俺を睨み付けるキョンと涼宮
あと楽しげな表情でこっちを見ている古泉
見せ物じゃねーぞ古泉の野郎
「朝比奈さん、さっきお話した事で大体あってますが、今から詳しくお話致しましょう」
古泉が詳しい事情を話し出すと朝比奈先輩は小さく震えだした
「ひ、酷いです……………」
うっ…朝比奈先輩泣きそうな表情で見ていると、ちょっと罪悪感感じるよな…
だが死んでも認める訳にはいかん
今は命が懸かってるんだからな!
298名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 16:12:46 ID:5oTVSDck
>>296
ああお願いしてもいいか?
299名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 16:21:30 ID:w1V+UlxQ
>>298に同意
300谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 16:23:54 ID:fA98B6LZ
「あれだ!最近バードウォッチングにハマってんだよ!別に覗きをしてた訳じゃねーし早く放してくれ」
「嘘言っても無駄よ!古泉君がしっかり見てるのよ!」
「知らねーよ!鳥がたまたまそっちの方に飛んで言って部室に飛び込んだんで鳥を探して…」
やべぇ、言ってる事が無茶苦茶になってきた
いや、負けんぞ!
シラを切り通してやる!
だが、とっくに神は俺を見放してたみてーだ…
俺に止めを刺したのは長門有希だった
「あなたが向かいの校舎から覗きをしてたのは知っている。目が合ったから。あと私がBメジャーとはどういう事?」
やっぱり気付いていやがったのか…
てかなんで心の声まで読まれてんだよ!?
気のせいか?キョンの顔が長門のBメジャー発言で一層険しくなったぞ?
腹を括ろう…
謝り倒したら命くらいは助かるかも知れぬーし……

301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 16:31:43 ID:JQ71hkLk
>>293
続きはまた後日あらためて投下しますって書いてあるぞ
たぶん、続きはある程度まとめてから投下するんじゃないかな?
まあ、のんびり待っていようじゃないか


>>296
お願いします。
できれば最初から載せてもらえると物語が頭に入りやすくてありがたいです
302谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 16:32:19 ID:fA98B6LZ
「…すみません。やりました」
涼宮の眉毛はV字につり上がり、朝比奈先輩も「ひぃっ!」とか言いながら俺から離れた
「裁きを申し渡すわ。死刑!!控訴は認めないわ。さぁ、祈りなさい。地獄の代わりに煉獄逝きで済むようにね」
…やっぱちょっと待て、なんか言わせてくれ頼むから
「ち、ちょっと…」
だが俺の自己弁護は長門有希によって遮られた
「当然の報い、自業自得」
303イソローク:2007/04/08(日) 16:32:54 ID:r5Kq3s+I
>>298
>>299

分かった、載せるよ、載せるけど……wktkしないでくれ
304谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 16:40:16 ID:fA98B6LZ
……それから何があったかは思い出したくもねぇ…
はっきり言って死んだほーがまだマシだったぜ
俺は団員達に(主に涼宮に)ボロボロにされた挙げ句、校門の前に放置された
こんな看板の隣にな
『告・この男は朝比奈みくるの着替えを覗きました。通りかかった人は前に置いてある金槌で一発ずつ殴ってから帰りなさい。写真撮影は自由にどうぞ・SOS団』

生まれてきてすんません
もうしません、マジで

305谷口人生最悪の一日:2007/04/08(日) 16:48:16 ID:fA98B6LZ
エピローグ

当たり前っちゃ当たり前だが、この事件は瞬く間に全校中に知れ渡り、モテるどころか今まで「おはよう」と挨拶してくれたクラスの女子さえ俺を無視するようになっちまった…
泣きそうだ……
おまけに翌日に朝比奈みくる親衛隊にボコボコにされて死ぬかと思った…いや、実際死にかけた
さらに追い討ちを駆けるかのように国木田にこんな事を言われた
「モテる人は覗きなんてしないよね、ていうか人として駄目なんじゃないかな?」
…俺には帰す言葉が無かった
全世界の朝比奈みくるファンの皆さん、ごめんなさい…

fin.
306イソローク:2007/04/08(日) 17:41:59 ID:r5Kq3s+I
では最初から行きます


前回までのあらすじ:
涼宮ハルヒの暴走にての15000回繰り返した8月、
その500年以上の積み重ねられた記憶は
『彼女』を大きく変えてしまった…
それも 思 い っ き り ヤバイ方向へと…
そう、エロパロ板駐在者ならタイトルからご存知であろう、常人なら発狂していたであろう
リピート再生はただでさえ無口無表情暗闇少女だった
長門有希をハッキリ言ってハルヒ以上の暴走おバカへと変えてしまった!






こんにちわー。
今何か情報操作が行われた事は気にしないでね

というわけで改めてやっほー、元気かなみんな
ただ今の私は今日もいつも通り観察対象の『ゴーマイウェイ女』ことハルにゃんの設立した
SOS団で恋愛小説を読んだりしてまーす
勿論別のカバーを上から被せて偽装工作も万全、
だからキョン君にもいっちーにもみくるんにも私の文学少女の
印象は崩れないと言うまさに完璧な作戦

え?誰だお前だって? も〜とぼけちゃって知ってる癖にぃ〜。
いつもキョン君に一番頼りにされる未来から来たネコ型ロボ…冗談です冗談オホン、
もとい宇宙からハルにゃんの面白〜い情報を集めるために
派遣された美少女インターフェース長門有希だよ〜ん。

「〜♪ みくるちゃーーん、お茶ーーー」
「あ、はーい。キョン君と小泉君にも入れますねー」
さっきも言ったとおりに、今日も部活は平穏そのもの
ハルにゃんは机に向かってネットサーフィン、多分また面白行事でも考えているのか
生き生きした顔付
いっちーは愛しのキョン君とオセロ、ちゃんと情報操作してキョン君を手助けしているので
今日もキョン君の圧勝確定
コスプレ乳デカポンコツ女…もといみくるんは空になったハルにゃんとキョン君達の
湯のみにお茶を入れ
私は3秒1回ページを捲りその間0.1秒にどれだけ見ても飽きないキョン君の
お顔を覗き見


307イソローク:2007/04/08(日) 17:43:05 ID:r5Kq3s+I
「ありがとうございます朝比奈さん。
オイオイ、もう8割は俺の軍に占領されちまったぞ。
早い所平和交渉に出た方がいいんじゃないか?」
「ハハ…相変わらず手加減は無しですか…」

嗚呼キョン君…ホントにカッコイイ…
私もこの小説みたいな事をキョン君としたいよぉ
嗚呼3秒も待てないよぉ
このままずっとキョン君をゲイズしていたいよぉ
嗚呼キョン君キョン君キョン君キョン君キョン君キョン君…

「ん?どうした長門?」
キョンく…ゲッ!しまった!
「別に…」
「おお、お前もお茶が切れたのか」
「あ、すいませんね気づかなくて。今すぐ入れますね長門さん」
ふぅー危ない所だったよ。どうやら私の視線の意味を勘違いしてくれたみたい。

「はい、どうぞです」
「………」
某ミステリーサウンドノベルゲームで疑惑の視線を砂糖が欲しいんだと勘違いされた
主人公を思い出しながら私は新しく注がれたお茶に口をつける
相変わらずホント美味しい… みくるんの癖に生意気だぞ
あんたなんてハルにゃんに乳もまれてればいいんだもん!
そしてその馬鹿でかい脂肪の塊をもっと大きくしちゃえば…止めよう…ハァ

あ、ちょっとみくるん!
あんたお茶もう入れたんだからハルにゃんといっちー相手にドジメイドの
実践でもしなさいよ〜
キョン君といっちーのオセロ観戦ならまだしも何でキョン君によって行くかな…
私もできるだけキョン君の近くまで行きたいのに〜。
キョン君もキョン君で『貴方の入れた物であれば例えヘドロでも極上のワイン
より優れた飲み物になりますよ』って顔してるし。

みくるんあれは挑発してるね、自分の立場利用してるね、このユッキーに対する当て付けね。
うん、決定。


みくるんめ、いっちーより役立たず、むしろハルにゃんの次にキョン君にトラブルを
持ち込む存在の癖に胸でキョン君を寝取ろうと目論むとは、許すまじ。
え? 消失?12月18日? なんのことでしょー。
というわけでちょっとオシオキが必要ね。


308名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 17:43:29 ID:KEHJGdQl
sageないのは何か理由があるのか
309イソローク:2007/04/08(日) 17:43:57 ID:r5Kq3s+I
さて、どうしてやろうか…お、頭のいいユッキーちゃんはナイスなアイデアを
閃きました。
ではお茶をもう一口飲み早速実践。

ツツ…




何も言わずに口から血を流す私
そのままもう一度読書に移る
あ、ページに血が垂れた…想像より痛いのもあったから
思わず口を押さえる

ポタッ…
「? お、おい長門…どうし…たんだそれ!大丈夫か!」
雫の落ちる音に最初に気づいてくれたのはキョン君だった。
う〜ん、私の所へかけつけてくれる優しいキョン君。
「ちょっと有希、どうしたのよそれ!」
「───!」
「血! 大丈夫ですか長門さん」
いっちー、ハルにゃん。
空気読め。
みくるん…こんな心配している顔をされてちょっと罪悪感…
でもいいか、お仕置きだもの。

「大丈夫、この血液は内臓…食道、器官の損傷によるものでは無い。
あくまで口腔内及び唇の損傷による軽いもの」
キョン君、大丈夫じゃないから舐めて消毒して…ってのは今はダメか。
「口の中を…とにかく口を開けてみろ」
だって…
ペッ
「─────ッ!」
キョン君だけでは無く、床に落ちたものを見て他のみんなも絶句する。
「ちょっと、キョンどきなさい! 早くティッシュ持ってきなさい!
有希大丈夫? 早く保健室に…!」
「必要無い。舌などに損傷は無いから」
お得意の情報操作で口に中に剃刀製作♪
「これは…ッ」
ついでに勘の鋭いいっちーがのぞいている湯のみの中にも裁縫針♪
「み、みくるちゃん…?」
「そんな…違います!私…私知りません!!」
信じられないと言う顔のハルにゃん。そりゃ実際無実だからねー。
でもキョン君のハートを奪った事は事実なんだからね、そこは有罪。
映画撮影の時キョン君を殺しかけた事も含めてしっかり償ってもらわないと。
「お願いみくるちゃん、正直に言って。
正直に理由を話して…そして有希に謝ってさえくれれば…きっと許してくれると思うから」
「そんな…私…ホントに…」 
そのまま顔を抑え涙をボロボロとこぼすみくるんはその場に座り込んでしまった
フ…天罰覿面。

でもみくるんも可哀想。ハルにゃんいくらなんでも決め付けすぎだよー
「ホントに…グスッ…知らないんです…ウェ…やってないですぅ…」
「そう…そうよね、みくるちゃんに限って…。
ゴメンみくるちゃん疑っちゃって!ホラ泣かないで!」
ちっ。もうちょっと疑えっつーのハルにゃん。

310イソローク:2007/04/08(日) 17:45:10 ID:r5Kq3s+I
まぁいいや、少なくとも効果はあるみたいだし。
「口を洗いに行く」
私は立ち上がり部室の扉へ向かう。
その途中、私はいっちーとキョン君にだけ聞こえるように言った。
いつもの私の声で、抑制を付けず事務的に一言。










     『気をつけて』









バタン

部室の扉を後ろ手に閉める。
しかし毎日ハルにゃんに乱暴されながらも頑張ってるよねこの扉
二人の表情を見る事はしなかったが、どんな顔かは想像が付く。
でももし二人が頭からみくるんを信じたり、私の自作自演と気づいていたら…
まぁいいや。そん時はそん時考えよ。人生前向き。


フフ…ちょっとだけお仕置きするつもりだったけど…
ゴメンねみくるん。あんたの顔を見てたらもっとやりたくなっちゃった…。
そうね、朝倉と違ってキョン君やハルにゃんにちょっかいを仕掛ける訳でも無い…
折角だからあれもこれも償ってもらおっと
みくるん…フフ…。

あ! よく考えたらキョン君だけを一緒に連れて行く事もできたのに!
あーもう私のバカー!
キョン君だって自分から私を保健室へ付き添うのに立候補してくれたって良かったじゃんよー

『いや、長門。そういう傷でもちゃんと保健室で見てもらった方がいい
俺が付き添うから』
『でもキョン君…ホントたいした事ないから…』
『ダメだ、あんな乳女の卑劣な策略なためにもしお前に万一の事があったら…』
『うん分かった。でも態々付き添ってもらわなくても私一人でも大丈夫…』
『有希…俺はお前が心配なんだ…たのむ、付き添わせてくれ…』
『キョン君…』
『有希…』

キャ─────もうキョン君のバカバカバカバカバカバカーーーーーー

311イソローク:2007/04/08(日) 17:46:24 ID:r5Kq3s+I
こっから自作




「な……長門?……」
!!、まさか!その何時聞いても私の心をリンリンさせる声の主は!

                  _,ィ'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.``丶、
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、
              ,.イ´:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
              r'´.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.,イ:.,イ:../i:.:.l:.:.:ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ、
             /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!/ !:./.|:./ |:./ !:.:..ハ:.:.,|:.:.:.:.ト-、ゝ
            ,イ.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/ !ナ-、_レ'  |ノ レ'ヽ:.ノ!:.!
              !:.:.:r‐i:.:.il:.:.:..!  こヒr`i`´  _ュ=-.,リ .リ
            |,イ !i^)レ'l:.:.:./    ´    l´ヒr /:.:.ノ
            ! !:ヤヽ、.ヽ/  u       ヽ  l:.:./
              k.l,`-ァi           '´  /∨  「どうしたんだ?長門、今、
               k_N.l     r'´ ̄`ア  /
              _,イj  ヽ     ヽ-―┘./          とてもお前らしからぬ動きを見た気がするのだが………」
            /´r'´\   \.    `´ /
        _,.ィ=''7´;;;;;;;|   \   `ー-ェ-‐'´
    _,.ィ='''´;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;!    \   ノ \
-‐'''"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;:;:!    /トュ  ヤ Zト、
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OH!MY!!GOD!!!愛しのキョン君!ヤバス、ヤバス!テラヤバス!!これはバレたのバレちゃったの!!?どうする!?私!?どうなっちゃうの!?………そだ!こういう時には脳内ライフカードを使うべし。
   脳内ライフカード!COME HERE!!



  「ごまかし」
  「暴露」
  「暴走」

………「ごまかし」しかないね、こりゃ
「気のせい」
「そ、そうか……」
「そう」
ギリセーフ、いやホントにやばかったねあれは。てか
「なぜここに?」
「ん?まあ、あれだ、ハルヒの命令だ、それと」
それと?何?何?もしや、もしや!もしかしてもしかしてもしかしてええぇぇぇぇぇ!!!
「さっきのことで、聞きたい事があるからな」
………うん、あれだ、私………落ち着けよ…
「長門、正直に答えてくれ」
「何?」
「さっきのあれ、お前の自作自演か?」
312名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 17:46:44 ID:SwylPit9
投下してくれるのは嬉しいのだが、出来ればsageてくれ
313 ◆wSaCDPDEl2 :2007/04/08(日) 18:17:56 ID:czIA9RGV
>>311
私も期待してますよ
こっちも鈍筆ながらコツコツとやりますんで
314名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 21:11:28 ID:egb3ySKo
自演乙w
315名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 21:53:36 ID:w1V+UlxQ
>>314
???
316DPV5ODEB:2007/04/08(日) 22:22:55 ID:DcnzB0ci
『大好き!』


はぁ…やっぱりやめようかな…どうしよう…手渡しは恥ずかしいし…
でもせっかく作ったんだから…
そうよ、せっかく作ったんだから机の中にでもいれておこっと…
よいしょっと。ここならキョンもすぐに気づくかな?まぁ、これでいっか…
ふぅ…疲れた…
それにしても、なんでチョコを渡すだけなのにこんなに疲れなきゃいけないのかしら…
後はキョンを待つだけ…か。あ〜それにしても落ち着かない!
早く来なさいよ!バカキョン!さっさと渡して楽になりたいのにぃ!
………
……

あぁ…でも…やっぱ…やめとこかな?私こんなことするキャラじゃないし…
うん…やめとこ。バカにされるのがオチよ、きっと…
って…やば!キョンが来ちゃった!


「なんだ、もう来てたのか?今日はずいぶん早いな…俺も早く来たほうなんだが…
てか、まだ八時にもなってないぞ?」
「え、ええ…ちょっと早起きしちゃったから…キョ、キョンはどうしたの?」
「あぁ、俺は今日までに提出しなきゃいけない宿題を教室に忘れちまってな。
早く来て、学校でやろうと思ったんだ。たしか机の中にプリントが…」
…なんで今日に限って宿題忘れんのよ!登校するの早すぎよ、このバカキョン!チョコ取り出せなかったじゃない!

……ん?机の中にプリント…?
あわわわわ…ちょ、ちょっとまだ心の準備が…

「ん?どうした?」
「な、なんでもないわよ!バカキョン!こ、こっち見てんじゃないわよ!」
「…本当にお前は朝から元気だな。たいした奴だよ。俺なんか朝はかったるくてしょうがないって言うのに…
ん?あ〜俺ってバカだなぁ。机の上にプリント置きっぱなしにしてるなんてな…」

…助かった…

「…なぁ、ハルヒ…今日はどうしたんだ?やたらと早く登校してるし、オドオドしたかと思ったら、どなるし…
どなったかと思ったらほっとした顔するし…今日はなんか変だぞ?まあ、いつも変だけどな」
「う、うるさい!あんたはさっさと宿題やればいいのよ!今日中に提出しなきゃいけないんでしょ!?
手伝ってあげるからさっさとやりなさい!」
「いえいえ、結構ですよ、団長様。一人でできますので……やれやれ…」
317DPV5ODEB:2007/04/08(日) 22:24:55 ID:DcnzB0ci
あ〜〜もう、バカキョン!あんた目玉ついてんの?今何時間目だと思ってんのよ!
四時間目よ、四時間目!なんで机の中見ないのよ!もしくはトイレにでも行きなさいよ!
チョコは取り出せないし、あんたは気づかないし…ホント腹立つ!
…まぁ、いいわ。次は昼休みだし。取り出すチャンスはいくらでもあるわね…
あ、チャイムが鳴った!ほら、さっさとアホの谷口のところに行きなさいよ!

「なぁ、ハルヒ…今日は一緒に弁当食わないか?」
はぁあ??
「いや、今日は谷口達用事があるらしいんだ。だから…まぁ、たまにはいいだろ?」
「ま、まぁいいけど…」
…何よ、急にやさしくなっちゃって。ひょっとして…実はもう気づいてるの?
「なんだ?俺の顔になんかついてんのか?」
「い、いや…なんでもないわよ…」
「あいかわらず変な奴だな…ところで。お前の弁当うまそうだな。
最近は学食を辞めて、確か毎日自分で作ってるんだよな?」
「そうよ。で…なに?食べたいの?あげないわよ!」
「…やれやれ…」
318DPV5ODEB:2007/04/08(日) 22:27:53 ID:DcnzB0ci
はぁ…結局気づいてなかったのかしらね。もう六時限目…
まぁ、いいか…
最初から渡すつもりなんてなかったし…キョンが部室に行ったら、とりだそっと…
あ、チャイムが鳴った…はぁ…

「さて…今日は小泉となんのゲームをするかな…
あいつ何やっても弱くて張り合いがないんだよなぁ。そうだ、ハルヒもやってみないか?」
「いい…遠慮しとくわ…」
「そうか…まぁ、気が向いたらでかまわないさ。さて、部室に…
おっと、今日は教科書もって帰らなきゃな。また忘れるところだったな
今度はレポート提出か…やれやれ…」

ポト
あ!チョコが…ちょっと、キョン!落ちたわよ!…なんで気づかないのよ、バカ!

「なんだハルヒ。部室に行かないのか?俺はさきに行ってるぞ?よいしょっと…」

あ…
グシャ!パキパキ…

「なんだ?何か踏んだな…。なんだこれ?箱?…ん?なんだろこの黒いの…ポロポロ出てくるけど…」

あぁ…そんな…せっかく昨日一生懸命作ったのに…粉々になってる…

「チョコ…?あ、そういや今日はバレンタインデーだったな…誰がくれたんだろ、これ?」

私よ、バカキョン…

「こんなことをするのは…朝比奈さんあたりかな?…意外と長門だったりして…」

あたしよ!!この、バカ!!

「はぁ、冗談はさておき…それにしても悪いことしたなぁ……って、やべ!岡部だ!
チョコが床に散らかってるのなんて見られたらガミガミ言われるに決まってる…
…しょうがないか…。ハルヒ、悪いがちょっと後ろにある箒とちりとりを…こっそり…
あ!どこ行くんだよ、ハルヒ!おい!
319DPV5ODEB:2007/04/08(日) 22:30:38 ID:DcnzB0ci
何よ!なんで私の名前が出てこないのよ!
それに、私がどんだけ苦労して作ったと思ってんのよ…キョンのバカ!!
………
あ〜あ……こんなふうになるんだったら…作るんじゃなかった…ん?

「ハルヒ…いるのか?入るぞ?」
いやよ、来ないでよ…あ、ちょっと!
入っていいなんて言ってないわよ!ここは私の部室なの!私が団長なの!!
何勝手にドア開けてんのよ!

「あ、やっぱり部室にいたのか…さっきはごめんな…俺、お前がくれたものだとは思わなくて…」

ふん…何よ、どうやって私のだってわかったのよ…
あぁ…そういえば私手紙書いてあの中にいれたんだっけ…
書くんじゃなかった…

「本当に悪かった…だけどこのチョコたいしたものじゃ…ないんだろ?ほら、この紙にも
『なんだかんだで今まで迷惑かけて、ごめんなさい。でも、これからもよろしく! SOS団団長 涼宮ハルヒ!!』
って、書いてあるし。てか、お前…意外と…なんだ…義理堅い人間なんだな」

私がその文考えるのに何時間かけたと思ってるのよ…
本当の気持ち書く勇気なんてあるわけないし……それに義理なんかじゃないわよ…

「でも、良かったよ…お前以外の人のだったらなんて謝ったらいいか、わからなかったからな。
お前なら、気楽に謝れるし………って、おい!今度はどこ行くんだよ!」
「帰る」
「帰る!?じゃあ、今日の活動はどうするんだよ!…ってまぁ、どっちにしろやることないか…」
「うるさい!勝手に古泉くんとチェスでもオセロでもやってればいいじゃない!バカ!」
「お、おい…ハルヒ…」

バン!!

「きゃっ!!」
「なによ、あんた…危ないわね!ドアの前で突っ立てんじゃないないわよ!邪魔よ!どきなさい!」
「ご、ごめん…」
「ふん!」


何よ、キョンのやつ!!少しは私の気持ちを考えてよ!
何がお前なら気楽に謝れるよ!うすのろ!鈍感!!
ばか!ばか!ばか…ばか……キョンのばか……
………
あ〜…なんで涙がでてくるんだろ…はは…意味わかんない……
320DPV5ODEB:2007/04/08(日) 22:36:53 ID:DcnzB0ci
次の日

はぁ…教室行くのやだなぁ…なんでこんなことになったんだろ…
…それにしてもなんで私の気持ち気づいてくれないのかな、キョンのやつ…
それとな〜く、気持ち伝えてたつもりなのにな…やっぱり私のしゃべり方がいけないのかな…いつも威張ってるからなぁ、私…
やっぱ、みくるちゃんみたいなしゃべり方が男には受けるのかしら…
キョンもみくるちゃんにはデレデレしちゃってるみたいに見えるし……ん?

「あ、す、涼宮さん…おはようございま…な、なんですかぁ〜、なんで私のことそんなに睨むんですかぁ…」
「ふん!なんでもないわよ!」
「…き、昨日はどうしたんですか?部室に来てなかったみたいですけど…風邪…ですか?」
「別に…あ、昨日キョンはどんな感じだった?」
「ど、どんな感じって言われても…」
「だから、元気だったとか元気がなかったとか…そうね、何かを気にしてるような顔してなかった?」
「えっと、そうですね…ため息ばかりついてた気がします。そう言われてみれば何か気にしてるみたいでした…」
「ホ、ホント!?」
「は、はい…それがなにか…」
「そう!キョンが気にしてたのぉ!わかったわ、みくるちゃん!ありがとう!
あ、そういえば昨日はバレンタインデーだったけど、みくるちゃんは誰かに渡したの?」
「えっと、キョンくんと…ひゃ!す、涼宮さん、何するんですかぁ〜鼻をいじるのやめてください〜」
「うるさい!!このかわいい顔を豚みたいにしてやるわ!ほら、ブヒっていいなさいよ、ブヒって!」
「ま、まってください〜〜私が渡したのはキョン君、古泉君、長門さんに渡したんです
それに、涼宮さんの分も昨日渡せなかったから今日持ってきてるんです〜〜」

へ?それって全員分じゃない…それに有希と私にもあげるつもりだったの?なんで?

「べ、別に女の子にあげるのって普通だと思…ふぎ!ほっぺをいじるのもやめてくださぃ〜」
「な〜んか今日のみくるちゃんムカツクわねぇ…私に意見するなんて…」

でも…そういえば昨日うちのクラスにも女同士で渡してる子がいたわね
日頃の感謝を込めるって意味なのかしら…ふ〜ん、そういうの流行ってるのかな…

「流行ってるっていうか普通…ふぐ!だ、だから顔をいじるのやめてください〜」
「何よぉ、みくるちゃん先輩面しちゃって!」
「い、一応、先輩です…」

あ、そういえばみくるちゃんって年上だったわね。そうだ、昨日のこと相談してみようかな…
ま、いっか!たぶん、キョンが今日謝って来るだろうし
すまないって思ってるのなら…許してやってもいいわね!それにチョコなら来年また渡せるし…

「ま、とにかくありがとう!じゃあ、また放課後ね!」
「は、はぁ…あ、あの涼宮さん、このチョコを…」
「あ、今日持ってきてくれたって言ってたやつね!ありがと!じゃあね!」
321DPV5ODEB:2007/04/08(日) 22:41:54 ID:DcnzB0ci
(そうね、昨日のことは許してやるわ!私の慈悲に感謝しなさい、バカキョン!)
ん〜〜これじゃ、いまいちね…
(私…昨日のことですごく傷ついたんだから…責任とってよね…)
これじゃ私じゃないわね。なにかいい言葉は…みくるちゃんの口調で言おうかしら…あ!
(いい?キョン!今回のことは許してやるわ!だから、ホワイトデーは百倍返しよ!百倍返し!)
うん!これがいいわね!すごくいい!いかにも「私」って感じだし、
なによりホワイトデーにキョンからなにか渡してもらえるシチュエーションがいいわね!
よし、キョンが謝ってきたらこの言葉を使おう!
………
へへっ!キョンのやつホワイトデーに何くれるかしらね〜クッキーとかキャンディかな…

「…涼宮さん。ねぇ、涼宮さん」

…意外とぬいぐるみとかくれるかも…プーさんとか可愛いくていいな…

「ねぇ!涼宮さんてば!!」
あ?何よ…せっかく人が甘〜い思考に浸ってるってときに…邪魔しないでよ…
てか、あんた誰?
「く、クラスメートでしょ!もうすぐクラス変わるのに名前も覚えてないの!?」
別に、興味ないし…私が覚えてるのはキョンとアホの谷口と国木田と、朝……朝…
「…まぁいいわ…ところで昨日は大変だったわね、キョン君とのこと。部室であんなにどなりちらしちゃって…」
そうね…昨日は大変だった。せっかく作ってきたチョコは踏み潰されるし………って…
「な、なんでそのこと知ってるの?」
昨日のことはキョンと私しか知らないはず…どうしてこの子が知ってるの?
「ん?……ってことは…覚えてないの?」
なんのこと?何のことを言ってるの?
「…そう、本当に覚えてないみたいね…」
「なんなのよ!さっさと言いなさいよ!なんで昨日のこと知ってるのよ!」
「……さぁ、なんでかしらね?…でも、これだけは言っといてあげる…
昨日のことは涼宮さんが悪いと思うわ
あんな回りくどい態度されて、困ったと思うけどなぁ〜、キョン君
それにキョン君も涼宮さんのことうっとおしいって思ってたんじゃない?
ていうか…全部キョン君が言ってたことなのよね〜、これ
あ、実は私…キョン君とは仲がいいんだよ?本当のこと言うとキョン君から全部聞いたの!
あ、そろそろホームルームね。じゃあ…そうね、また昼休みにでもお話しましょ!」

………
……
322名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 23:19:40 ID:kc+yVRdR
wktkwktk
323名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 09:52:06 ID:YtZx8MwH
>>311
人のSSの設定を用いる時には作者に許可とるなり、
無許可でやるなら何か一言言いなさいよ…
324名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 13:25:00 ID:YZVLB/Z4
>>314
あっ、そういうこと
325名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 17:20:57 ID:rYI4MSjt
TEST
326名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 17:22:27 ID:rYI4MSjt
バレてねぇと思ってんのはお前だけだよ>>312
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 17:25:22 ID:rYI4MSjt
何で↑で頑張って修行すると宣言した一人を春厨扱いして長門のキャラを間違えたSSは許される訳?
328名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 17:27:12 ID:rYI4MSjt
>>324 禿同です。 自演が見え見えですよね
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 17:31:07 ID:t3qx8aqC
以下、春厨と荒らしはスルーでお願いします
330名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 18:16:48 ID:uFT4n36h
>>315
いや、長門にw
331名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 18:47:36 ID:CTQUbXB5
これは酷いwww
332名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 18:50:32 ID:YZVLB/Z4
>>330
なんだ、
そういうことだったの・・・
333名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 19:00:56 ID:2NXZ/lGq
荒らすなら叩かれたその日に荒らせばいいのに
334名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 19:03:07 ID:YZVLB/Z4
>>333
え?
335名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 19:43:17 ID:+kx2o0zA
>>333
その日でもダメだってーの
336名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 21:26:19 ID:uFT4n36h
荒れてきたw
337名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 22:27:41 ID:YZVLB/Z4
だんだんわけがわからなくなった
338名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/09(月) 23:12:53 ID:CTQUbXB5
>>337
おまえさっきから一人でファビョり杉だろwwww
少しもちつけ
339名古屋JIN:2007/04/09(月) 23:14:14 ID:yN2psT7Z
待ちたまえ君たち!ここはなごやんでも食べて落ち着こう。
340名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 01:04:55 ID:/Ykgz7XQ
無駄レスは自粛汁
341名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 07:02:06 ID:C+vQMHZJ
ここは将来有能な作家を送り出すところだ
荒らすんだったら
いじめものを書いてから
荒らしたまえ
続きに期待を
342名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 07:45:59 ID:/08T4c4P
>>338
これはすまん
343名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 07:48:11 ID:C+vQMHZJ
続きお願いしまーーーす
344名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 08:53:29 ID:HQsNBLVM
>>341
荒らしは駄目だって
とにかく職人さん達待ってます
345名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 12:59:37 ID:AjFkVZ9X
厨はほっとけ
346名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:02:48 ID:etftvy3s
       ,ィ´ ̄ ̄ ̄``ヽ
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    厶 -…ー─‐--、:::::::::::|
  ∠___,ィ´ ̄ ̄ ̄`ヽ、\_}
     | <●) /、(●>、 ||||    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     |  ,, <、_,> ヽ、,   |  < 支点、力点、てれって〜♪
     |   ト‐=‐ァ'   .::::|    \_____
     \  `ニニ´  .:::/
       /⌒`ー||〈!//r- ヽ
      i     iーくニiヽr ' \
     │   _l  |::|  l    i、
      } / `)ヽ\ ト、__,ノ }
      i/, /´ \ト:::\ニ__ノ
       ハ、 {、   ',::l\::`ー、
       ハ.  ̄ \.  ヽ\\::::\
     ゝ `__∠r=ヽ \;;ゝ` ̄
     i::: ̄:::: ̄`丁:}  i´!
      !:::::::::::::::`::::l::lrソj リ:::ヽ
     l:::::::::::::::::::::::l::!‘ィ/':::::::\
    l::::::::::::::::::::::::::':::::::::::::::::::::::丶
.    l::::::::::::::::::::/ \:::::::::::::::::::::::ヽ
    j:::::::::::::::::/     \:::::::::::::::::::::}
   /:::゙‐::::::::::/      `i:::::::::::::::::l
347名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:14:40 ID:C+vQMHZJ
職人さんいないのかなー
続き気になって寝れねー
348名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:22:18 ID:T3tDuwoi
あれほど全部書きおわってから投稿してくれと言われてたのに、そんなにWktkレスが欲しいんだろうか
349名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:30:32 ID:C+vQMHZJ
ほしい!!!
読みたい
もっと読みたい
読者の気持ちわかるか?
全部書き終わってからじゃないといけない理由は
続きが気になって勉強に集中できねーからだ!!
350名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:43:02 ID:nnRRw3Oi
大人しく待ってろよカス
351名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:48:27 ID:C+vQMHZJ
へーい
わかりあした
352名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:51:01 ID:T3tDuwoi
>>349
? おたくじゃなく、投げっぱなし職人に言ったんだぞw
353名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 13:56:19 ID:C+vQMHZJ
>>352
あーーそういうことね
投げっぱなしは誰か違う人に
続き書いてもらえばいいんじゃね?
354名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 14:03:18 ID:r+lAxREt
>>353
続き書いてるかもしれねーだろ
他人の書いた文章に乗っかっても碌な事にならん
いいから回線切って勉強何でもしてろ
355名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 14:06:48 ID:C+vQMHZJ
>>354
そうだよな。でもかなり古いやつは
ゼッテー放り投げてるって思うんだけど

勉強の話はやめてくれ
お前俺の親父みたいな言い方するな
わかったやるよ。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 14:13:47 ID:AjFkVZ9X
だから厨はほっとけって
どうみてもこの前叩かれまくってた奴だぞ
357名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 17:55:10 ID:/08T4c4P
あらあら・・・
358名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 18:08:06 ID:/MiIjQZ8
馴れ合い自重
359名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 08:51:56 ID:JspBY+zh
とりあえずハルヒをズダボロにいじめてくれ
そんでもって涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔にキスして背骨が折れるくらいに抱き締めてあげたい
そんで君だけだよ愛しているよと耳元でささやいてハルヒを骨抜きにしたい
ふたりで居るときは恥ずかしくなるようなセリフと行動で赤面させておいて
それ以外では全然気のないふりしてハルヒを苦しめたい
わかるかなこのおいらの純粋な気持ちを?
360名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 09:22:49 ID:lq6KPzR/
とりあえず俺はズタボロにいじめられたキョンが徹底的にキレて、
全員皆殺しにしたり犯したりするのが…
361名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 09:26:19 ID:JspBY+zh
>>360
またお前か
362名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 10:00:42 ID:x1Nith2h
>>360
全員皆殺し
とか言ってる時点で期待できそうにないな
363名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 10:06:35 ID:dDr/ydlq
>>359
すごく・・・腹黒いです
364名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 10:39:06 ID:lq6KPzR/
>>361-362
読んでみたい、てだけで書きたいって訳では無いんだが…
365名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 15:09:05 ID:+lzlvX5e
>>359
お前とは気が合いそうだ
366名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 16:49:58 ID:VX/IZsUC
>>365に同意
367名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 17:11:18 ID:SXpVwRLc
ハルヒより毎度毎度ウザイくらいテンション高い
鶴屋さんを泣いたり笑ったりできなくなるくらい
追い詰めたい
368名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 17:36:43 ID:O5cffNn9
>>359
キモイ、・・・と
369名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 18:47:51 ID:VX/IZsUC
>>367
案外おもしろそう
370名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 19:20:20 ID:c+/7bbRA
>>369
「その気持ち悪いしゃべり方やめてくれませんか?」
とか言いまくれば落ち込みそうだなw
371名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 20:59:00 ID:Mw4LKQOJ
つーか鶴屋さんの喋り方を矯正させるネタは鶴屋いじめSSの基本でしょw
前スレでいくつかあった。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 22:08:48 ID:up3J5JiI
意外とあっさり矯正できるんだよな
もっと粘る鶴屋さんを見てみたい
373名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 22:24:36 ID:VX/IZsUC
>>370-371
なるほど。
374名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 22:50:54 ID:c+/7bbRA
>>372
「いたいにょろ〜やめてほしいにょろ〜」
とか延々とやめない鶴屋さんw そしてそれを締め上げ続けるキョンw
375名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 04:54:48 ID:Lnhlyzqh
ヒィ〜こわいよぉ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 10:25:33 ID:U9AxW/KI
キョンをいじめたい

性的な意味で
377名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 11:59:41 ID:iQ0gGAi7
性的なら古泉を使うべし
378名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 13:28:52 ID:E4YSpkzc
ゲイをお笑いのネタとして落としめるならそれ相応の報いを受けてもらう
絶対に許さない
379まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/12(木) 14:06:12 ID:27s3QZVm
過疎ってる今こそ投下の時期と判断www
神が来るまでの暇つぶし作品の予定なのでつまらないと思いますが、
読んで頂ければ幸いです。
ちなみにつまらなかったらどんどん叩いて頂いて結構です。
題名は特に考えてません。スマソ
380まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/12(木) 14:09:41 ID:27s3QZVm
何度財布の中を見ても結果は同じ。
どうやら、俺は来月分までの定期を解約しなければ
ならないみたいだ。

どういうわけか、ハルヒの奴は今月に入ってからというもの、
やけにSOS団の市内探索ばかり開催している。
当然の如く俺が集合場所に着くと、SOS団団員
諸君は律儀に全員集まっている状態であり、極当然の流れから
毎回俺は”罰金”の宣告を受けている。

喫茶店代五人分なんて、一回奢らされるだけでも
相当堪える金額なのだが、こう何回も奢りが続けば
目も当てられない様な事態になるのは一目瞭然だろう。

しかも、最近はハルヒが調子に乗り出してきたようで、
俺の罰金は喫茶店代だけでは済まなくなってきている。
電車代も飲み物代も何もかもが”罰金”だ。
正直やってられない…。




「それが嫌なら、今すぐ辞めちまえばいーじゃねーか。
涼宮の一味なんかよぉ」
谷口がもっともな事を言いながら、箸で俺の事を指す。

「確かに、僕はキョンみたいにやっていける自信は無いなぁ」
と、国木田。

流石に今度という今度は頭にきてるぜ、俺だって。
でも俺にはSOS団を辞められない理由があるんだよ。
381名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 14:11:37 ID:Uk7V+7uB
wktk
382まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/12(木) 14:12:36 ID:27s3QZVm
どうせ俺が「SOS団を辞める」 なんて言い出したら
古泉の野郎が忙しくなることは間違いないだろうし、
下手をすれば、再びハルヒと俺が一緒に夜の学校に居る、
あの悪夢を見ないで済むという保証は何処にもない。

内心、色々と考えながら肩をすくめ俺は二人に言った。
「まぁ、色々あって、あの団を辞める訳にはいかんのだが、
流石に最近のハルヒの俺に対する扱いにはもうんざりだ。
金の事だけじゃないんだぜ? 雑用とか言って下らない
事を俺に幾らでも押し付けて・・・・・・・。」

気がつけば、俺はここ最近の不満を谷口と国木田に
一気に吐き出すように永遠と愚痴り続けていた。
愚痴、と言っても殆どはハルヒへの悪口だったがな。

昼休みの終了を告げるチャイムで我に帰ったものの、
それが無ければいつまで話し続けていたのか
分からん位に夢中で話していたんだから驚きだ。


最後に弁当箱をしまいながら谷口が言う。


色々とお前も大変みたいだがな…。
お前はあの朝比奈さんと毎日会えるんだろ?
あのお方に御近付きになれるんなら、それぐらい安いもんさ。」

「まぁ、確かにな。」

無感動に答えながら、俺は気付いた。
そうだ。俺には朝比奈さんが居たんだっけ。
あの様な素晴らしいお方に、毎日お茶を貰い
尚且つ一緒にお喋りができるんだから、この位の金は
むしろ払っておかなければ罰が当たるかもしれんな。
こんな事で文句を言っているのは我侭というものだろう。
このアホの谷口もたまには良い事を言うな。

俺の心は先程とは比べ物にならない程明るくなっていた。
無論、ハルヒに対する先程までの怒りも消えている。


消えていたのに。


まさかこんな事になるなんて、俺はこの時点で予想もしていなかった。
383まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/12(木) 14:17:40 ID:27s3QZVm
放課後、俺はいつも通りにSOS団の部室へと足を運んで
いる途中に古泉と出会った。

「やぁ、丁度良かったです。今日の活動はお休みだと、
涼宮さんがおっしゃっていましたよ。聞いておられましたか?」

例によって例の如く、俺にはそんな事全く聞かされておらん。

「そうですか。 所で、たった今機関から連絡が入りましてね。
例の閉鎖空間が発生したそうです。…何か心当たりはありませんか?」

知る訳無いだろう。
ハルヒの精神状態分析はお前の専門分野じゃなかったのか。

「いえいえ、僕としてはいつでもこの役職をあなたに…
と。冗談を言っている余裕は無いんでしたね。
正直、今日はSOS団の活動が休みになって助かりましたよ。
では。」

例え演技だとしても全くそれを感じさせない、完璧な
笑顔と会釈を俺に向け、古泉は足早に立ち去っていった。

じゃあ俺も帰るか。
部室には寄らずに、そのまま俺は家路に着く事にした。

しかし今日は季節にそぐわんくらいに暑いな。
体から滲み出る汗が、シャツと体の接着剤へと化していく。
まだ春だってのに、この帰り道の坂を歩くだけでへとへとだ。
いよいよもって地球環境は終焉を迎えている様だ。
喉の渇きを癒す為、俺はその坂を下り終えた所にあるコンビニに寄った。


飲み物を買い、外で腰を下ろしていると坂の上から
朝比奈さんとハルヒがこちらに向ってくるのが見えた。
ハルヒはともかく、朝比奈さんと会えるとはなんというラッキー。
二人も俺が居る事に気が付いたようだ。
しばらく此処に居れば二人と合流できると考えた俺は、
その場で待っていることにした。

が、しかし。
何故か朝比奈さん達はコンビニ前の路地に入って行ってしまった。

駅に行くためには、このコンビニの前を通るのが一番の
近道だってのに、何で二人は路地に入って行っちまうんだよ?
さっき目が合ったっから俺が居る事には気付いているだろうに…。
まさか嫌われちまったのか、俺?

俺は二人を追いかけようと、その路地に向かい走り出した。
30メートルも離れてないし、すぐに追いつけるだろう。


しかし、俺が路地に着いたときには既に誰の姿も無かった。
おかしいな?確かにこの路地に二人は入っていったはずなんだが?
結局、俺は路地から小走りで駅に向かったが朝比奈さん達に会うことは
できず一人で帰る羽目になった。

…やれやれ、不思議なこともあるもんだね。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 14:26:35 ID:ECF2z4bm
これはかなりクオリティが高い予感。
管理人さんのSSは見物だな。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 14:27:17 ID:iQ0gGAi7
タイトル何すか?
386まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/12(木) 14:35:07 ID:27s3QZVm
>>385
ごめんなさい、題名は特に考えてません…。
以下続き



翌日。
何だか今日は朝から快適に過ごせているような気がするな。
なんていうか…上手く言えないが、普段に比べて気苦労が
少ない、ってな感じだ。 まぁ気のせいだろうけどな。

そんなこんなで、俺は珍しく機嫌の良いまま部室へ向かった。
少し遅くなってしまったな。もう全員部室に集まってる頃合だろう。

わりぃ遅れた、と言いながら俺は部室の扉を開ける。
長門が読んでいた本から顔を上げ俺の方を少しだけ見た。
いつも通り、これがこいつなりの会釈だな。

って、ん…?
何か静かだな?
ハルヒの奴がここいらで「遅いのよ!キョン!!」とか大声を
あげるのが当然の事なんだが。
それどころか、俺を無視しているような具合だ。
朝比奈さんも異変に気づいたのかハルヒを見ながら困惑顔をしていた。
折しも真剣に俺が思案している最中に間抜け面引っさげて
話しかけてきた奴が居やがった。
言わんでも分かるだろう、古泉だ。
相変わらず、聞いたことも無いマニアックなボードゲームを
持ってきた様で、俺を誘ってやがる。
…まぁ、断る理由もないし付き合ってやるか。

ゲームが変わっても、古泉の弱さは変わらなかった。
勝敗表の俺の空欄にまた一つ丸を書き足したこの時になって、
ようやく俺は何かに気付き始めた。
部室に入ってから、ずっと漂っていたこの違和感。
最初は気のせいだと思っていたが…間違いないだろう。

どうやら、俺はある人物に避けられているみたいだ。
声も掛けられんし、見向きもされない。
存在を無理矢理無視されているような雰囲気まである。
…だが、理由が分からん。
何故俺が避けられなくちゃならんのだ?
と、考えた瞬間、気がついた。
387まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/12(木) 15:09:03 ID:27s3QZVm
すみません、続き紛失。
探しますので少々お時間を。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 15:33:57 ID:U9AxW/KI
な、生殺しや…
389名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 15:58:32 ID:I6P/r4DP
wktkwktk
やっぱりクオリティ高いな…
390名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 18:08:22 ID:QxyQKdQV
>>386
イケる
391名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 20:34:59 ID:ATi9WCHw
神スレ
392涼宮ハルヒの横暴:2007/04/12(木) 22:30:24 ID:16LFB8Km
自分も良作待ちの間の暇潰しを、


「邪魔するわよ!」
篭城事件に突入する警官隊のような勢いで文芸部室のドアが開かれた。
「ふふーん、どうやら文芸部は部員ゼロで廃部って情報は本当だったようね。小汚くて殺風景だけど、まあ悪くないわ。この部室はわたしが貰うわ」
だが部員ゼロではない、窓際で本を広げているメガネの少女はあきらかに文芸部員だ。
長門有希、気弱そうな外見同様、内公的な性格で本だけが友達の一年生だった。
「あんた新入部員? 今度からここあたしが使うから、本読むならどっか他でして。お願いね」
「そんな……」
「なによ? なんか文句あるわけ?」
あるに決まってる。いきなり乗り込んで部室よこして出て行けだ、これではいそうですかと従う人間がいたらそっちのほうがおかしい。
「ふーん…………この本棚にある本、全部文芸部の?」
「……そうだけど……」
直後、轟音が鳴り響いた。
本棚が倒れた、いや、ハルヒが本棚を引っ張って倒したのだ。
「あ、ごめんごめん。うっかり本棚倒しちゃったわ。危ないわね、地震とか来たら下敷きになっちゃうところよ」
全く悪びれる様子もなくハルヒは言った。
有希は目を丸くしたまま固まっている。
「あ、あんたのその本。人気シリーズの新刊じゃない。ちょっと見せてよ」
有希が返事をする間もなく、ハルヒは本をぶんどった。
そして、そのままプロレスラーよろしく縦に引き裂いた。
有希は口を開いて短くあっとだけ漏らしたが、あまりの事態に声も出なかった。
「ん? なにしてるの。あたしは本読むならどっかよそでしなさいって言ったわよね? はいこれ、返すから好きなところで読書してなさい」
393涼宮ハルヒの横暴:2007/04/12(木) 22:32:10 ID:16LFB8Km
ハルヒによって乱暴に裂かれた痛々しい本が有希の手元に投げ返された。
有希は泣くこともできず、ただその破かれた紙の束を両手に持って立ち尽くした。
「なにボーっと突っ立ってんのよ。馬鹿じゃないの。とっとと出て行かないともっとひどいことになっても知らないわよ」
しかし有希はその場を動かない、涙を溜めて目を伏しているが、あまりの理不尽に無言の抵抗を見せていた。
「ちっ、なめてんじゃないわよこの根暗女!」
怒気のこもった口調言って、ハルヒは足を振り上げて有希の足を蹴飛ばした。
さらにハルヒは、その場に倒れた有希をゲシゲシと踏みつけた。
「や……やめてっ……!」
「うっさい。このあたしに対して生意気な態度とるからよ」
ハルヒのローファーの靴底が容赦なく有希の小柄な体を痛めつけた。
床に転がされた有希は、丸まって頭だけを庇っていた。その背中にハルヒの足蹴りが何度も降りつけ、その度に有希の口からは肺から漏れた空気が出て、短い悲鳴のようなくぐもった音を立てた。

「……ひぐっ……ひっ……ぐすっ…………うぅっ…………」
「ふん、まあいいわ。あたし生憎、あんたみたいなのと遊んでる場合じゃないのよ。これから部員を集めなきゃいけないから。」
そこでハルヒはなにかひらめいた様子で手を叩いた。
「あ、でも丁度いいわ、あんたとりあえず人数あわせにあたしの部に入っときなさい。ちゃんと人数あつまったら出てってもらうけど、それまでそこで適当に本でも読んで、地蔵みたいに黙って座っときなさい」
「そ、そんな…………」
「あと、うるさいのがあんたに迷惑じゃないかって聞いたら、別に構わないから、何してもどうぞご自由にって感じにしときなさいよ」
拒否権は無かった。彼女を怒らせたらまたひどい目に遭わされるから、有希はうつむいたまま無言で肯定した。


394名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 22:45:12 ID:6h9uyIK/
神来たw
wktk
395名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 23:23:28 ID:Ez+Yv5/i
>>393とりあえず乙
まとめ管理人さん続きはまだですか?
396名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 23:30:10 ID:E4YSpkzc
>>392
これはいい
いや俺はハルヒが大好きなんですけどね
だがこれはいい・・・
397名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/12(木) 23:59:03 ID:E4YSpkzc
>>392
いやこれ続きを書いてくれまいか
消失長門だろ?これ
超越的な抵抗手段をもたない長門がどうなるのか行く末を知りたい
弱っちい長門は新鮮でいい・・ハルヒのサドぶりがたまらん
398名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 06:47:27 ID:rBaluz+L
>>396
同意
>>392
何もいうことはない
すばらしい
399名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 08:36:07 ID:5RkS6VOi
何かこのスレのレベルも下がってきたなと最近思う。

自演とかバレバレ
400名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 08:43:31 ID:iseSE8/i
確かにいぢめたくなるなこの長門さんは
可愛すぎるんだもん
安易に救済せずにねちねち楽しみたくなる
管理人さんの続きも激しく気になるなあ
401名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 08:50:21 ID:iseSE8/i
>>399
君が気に入ったSSを挙げてみてくれ
でないと俺は納得しないね
前から面白くないのは俺はレスしてないし、君と感性が違うのならああ仕方ないねとしか
402名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 10:33:52 ID:AhSRoSOy
>>401
399ではないが、俺は長門に推理小説のオチを教えたら、ハルヒの代わりに朝倉がいた。
って話が好きだったなぁ…
403名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 10:49:06 ID:5RkS6VOi
気に入ったSSを挙げると荒れる元になるからあえてスルーしていたんだが

それより管理人さん続きはあるんですか?あまりじらしたらごちゃごちゃになりそうですが
404名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 10:56:20 ID:AhSRoSOy
>>403
最初のころに一時期
誰が好き〜みたいな話し合ったよ。
たしかまとめサイトができるときくらいかな?

あの頃はイチイチ過剰に反応したり、仕切ろうとするのがいなかったからね。
すごいマターリしてた(*´ー`*)
405名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 13:20:16 ID:tAM5AHK7
>>397
俺も目茶苦茶気になる
406名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 16:51:37 ID:rBaluz+L
>>405に同意
407涼宮ハルヒの横暴U:2007/04/13(金) 20:03:47 ID:deba2iks
続き書くつもりはなかったのだが、思いのほか好評のようなので暇潰し編第2弾投下します。


「おっじゃましまーっす!」
ハルヒは上級生の教室の扉を勢いよく開けた。通常の作法に則ったあいさつをしたハルヒだがノックはしていなかった。
残っていた生徒はいっせいに突如ちん入してきた謎の下級生のほうを向いた。
ハルヒはその教室の中で、栗色の髪をした気の弱そうな女子生徒に目を向けた。
「いたいた。あんた朝比奈みくるちゃんね、ちょっと来なさい」
「ふえ? な、なんですかっ……!」
座っていたみくるの腕を掴んで、無理やりに立ち上がらせて、ハルヒはそのまま歩き出した。
「い、痛いですっ!」
「ちょいと、なにしてるんだいキミ!? みくるをいじめちゃいけないよっ!」
髪の長い女子生徒がハルヒを制したが、そんなことは聞いちゃいない様子のハルヒだった。
「ちょっと借りてくだけよ。別に取って食べたりしないから。」
「駄目だよ。みくるはモノじゃないんだからさ。」
「ふえぇ、助けてください鶴屋さん」
「とにかく、キミが誰だか知らないけど、その手を離して大人しく帰ってもらおうかな。じゃないとお姉さん少し怒るよっ!」
鶴屋さんと呼ばれたその生徒はハルヒの前に立ちふさがって目を細めた。
ハルヒはそれを見て、少し動きを止めて黙っていたが、やがてため息をついて言った。
「仕方ないわね。ほら、返すわよ」
ひゃっ、と短い悲鳴をあげて、みくるは鶴屋さんの前に押し飛ばされた。
「おっと。大丈夫かいみく……ぐっ!!?」
408涼宮ハルヒの横暴U:2007/04/13(金) 20:05:19 ID:deba2iks
肉を打つ鈍い音が鳴った。
みくるが口元に手を当てて震えていた。
ハルヒの拳が、鶴屋さんのみぞおちに突き刺さっていた。
「ぅげ……っ! げほっ……」
さらにハルヒは返す動作で鶴屋さんの顔面を横から殴り飛ばした。
容赦なく連続で打撃を叩き込むハルヒ、鶴屋さんは耐え切れずに腰が折れてその場にしゃがみこんだ。
「ごほっ……! が……はっ……!」
額が切れて血が流れていた、倒れたまま咳き込んだ鶴屋さん、その腹をさらにハルヒはサッカーボールのように蹴飛ばした。
鶴屋さんの体がその場で横に転がって一回転した。あまりの衝撃に鶴屋さんの口から、逆流してきた胃液が床に吐き出された。
二、三度けいれんした後に、鶴屋さんの体は手足を投げ出したまま床に転がり動かなくなった。
「さて、これでジャマものは消えたわね。じゃ、行きましょうかみくるちゃん?」
「ど……どうして、こんなひどいことを…………鶴屋さん、しっかりしてくださ……あうぅ!?」
ハルヒは、倒れた鶴屋さんに駆け寄ろうとするみくるの髪の毛を掴んで引っ張った。
「うるさいのよ。あんたも同じ目に遭わされたくなきゃ、黙ってついてきなさい」
「ひぎぃっ…! い、痛いぃぃ……!」
「ま、あんたはうちのマスコットにするつもりだから手荒なことはしないけど、抵抗するならそっちの長髪ちゃんを病院送りになるまで痛めつけるわよ。いいの?」
みくるは髪を引っ張られて涙目になりながらも、必死で首を横に振った。
それを見てハルヒは満足そうに鼻を鳴らした。



409名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 20:17:58 ID:tAM5AHK7
うわあああああ鶴屋さんがああああああ!!!
テラGJ
是非部員全員集めてSOS団に集合するとこまでやってほしい
410名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 20:24:31 ID:D/bVbIC7
>>408
これ野球大会に鶴屋さん来なくなるんじゃないか
と思ったが脅して強制参加させるだろうなこのハルヒなら
411名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 20:57:44 ID:FhP7eOd2
このハルヒ基準だと、キョンの前では精一杯ぶりっ子している事になるなぁw
412名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 21:37:59 ID:iseSE8/i
うーん、いじめって全員を敵に回すことはしないからねえ
いじめる対象を孤立化させて自分の絶対安全な位置を確保してからやるもんだし
単なる暴力的な恐怖支配とはまた違うと思うな
413名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 22:02:28 ID:D/bVbIC7
>>412
ジャイアンを見てみろ
力で有無を言わせず征服してるだろ?
ガキ大将を酷くしたと思えばいいんじゃない?
414名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/13(金) 22:47:52 ID:cGR2XNcY
>>408 古泉verも書け!!
ただ古泉がドMというのは止めてくれ
415魔根金:2007/04/14(土) 00:40:12 ID:pc5EIHO3
SSを書いたので投下する。
タイトルは「長門有希のエラー」。
不快な表現はなるべく抑える予定だったが
あらためて完成品を読み返してみると
まったく抑えられていなかったため
そーゆーのが苦手な人は見ないほうがいいかも。
416魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:41:22 ID:pc5EIHO3
 「好き」
勇気を出して搾り出した言葉に、彼が答えてくれたことがうれしかった。
そっと重ね合わせた唇の感触は、一生忘れないだろう。
だから、その時の一連の記憶も一生忘れない。
わたしが手紙で彼を部室に呼び出したこと。
わたしが、言い出せない告白の代わりに涙さえ流してしまったこと。
そんなわたしを優しく慰めてくれた彼のおかげで、彼に想いを伝えることができたということ。

「おい長門?」

 わたしを現実に引き戻したこの男性が、彼だった。
今日はSOS団の市内探索の日。
そして今日も情報操作でグループ分けのクジを操作し、わたしは今彼と二人きりで図書館に来ている。
わたしが本に集中するよう気を利かせてくれたのか、彼はわたしと別行動をとった。
ポツンと取り残されたわたしは、巨大な本棚の中の一冊を取り出し、広げた。
これは以前読んでいた本の下巻。ぜひ読みたいと思っていた。
だけど、今は本を読むこと自体が面白いと思えなかった。
本を読む時間なんかより、彼と二人でいる時間のほうがもっと面白い。
こんな表情の無い本なんかよりも、笑ったりしている彼を見ていたほうが、ずっと楽しい。
彼が笑顔を見せてくれるから、いつからか、あれほど苦手だった笑顔作りを
わたしは自然にできるようになっていたのだ。

「おい長門。」

 すぐ隣から彼の声。
わたしは、広げてみたものの一ページも読んでいない本を本棚にしまう。

「何。」

「ハルヒから電話だ。喫茶店に集合だと。」

 本来の集合時間よりも30分も早い。
まるで、涼宮ハルヒの電話がわたしと彼の時間を邪魔しているかのようだった。

「・・・わかった。」

 しかし、ここは妥協しよう。
わたしは彼から20センチ離れた隣で、彼の広い歩幅に合わせようと
一生懸命歩行スピードを速くしようと努力していた。
彼と手をつなぐわけではない。
彼と腕を組むわけではない。
それをすることはできない。この20センチがわたしと彼との間の距離。
これ以上近づくことはできないし、離れることはしなかった。
たとえ20センチの隙間があっても、できるだけ彼の近くにいたい。
そして、感情の無いインターフェースのわたしに
これまでしてくれたように、もっと感情を与えて欲しい。
「好き」だという気持ち
「楽しい」という気持ち
それらを与えてくれたのはすべて彼。
きっとこれからも、彼はわたしを「楽しく」させてくれると、ずっと信じていた。
417魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:43:01 ID:pc5EIHO3
 次の日の放課後
わたしはいつも通り一番に部室に来た。
二番目に部室に来るのは、十中八九彼だ。
次に朝比奈みくるが来るまでの数分、いや、数秒の間だけでも
彼と二人っきりになりたかった。
わたしは一人きりの部室で、座して本を読みながら彼を待つ気にはなれなかった。
落ち着かなかった。
なにもない部室の中を右往左往してみたり、意味も無く棚の中を漁ってみたり。
そんなことをしているうちに、部室の扉は開けられた。

「・・・。」

 わたしも無言、扉から入ってきた彼も無言。
だけど、わたしの予想通り、扉から入ってきたのが彼であったということが
わたしはうれしかった。

「・・・長門。」

 横目でしか見えていなかった彼に突然話しかけられ、わたしは彼の方向に振り向く。
その時、首をひねって痛かったことなんて、全く気にならなかった。
それはたとえるなら、1ヶ月音沙汰無しのオブジェも同然だった自分の携帯電話に
突然友達からメールが来た。
・・・そんな感じだった。
その内容は、宿題を教えて欲しいだとかアドレスを変更しただとか
そんな変哲もないものである確率がほとんど。
だけど、わたしがそんなメールを心臓を跳ね上がらせながら見るのと同じようにして
わたしは今、彼の半開きの口からどんな言葉が出てくるのか、待っていた。

「あ・・・あのな、今度の日曜日、暇か?」

 心臓の跳躍力が倍になったことを全身で感じる。

「・・・暇。」

 わたしは、即答した。

「そ・・・そうか、じゃあ・・・」

 彼は、ところどころでセリフをつっかえながら、わたしを買い物に誘う言葉を一生懸命
喋ってくれた。
わたしはそれらを、一言一句聞き逃さず、真剣に聞いた。
あの時、涙を流しながらのわたしの告白を聞いてくれた彼のように。

「・・・うれしい。」

 彼の言葉を聞き終え、わたしの口から出た言葉に、彼はもちろん、言葉を発したわたしさえ唖然とする。
上手く言語化することができなかった感情を、一言で表すとこうなった。
それだけのことだった。

「・・・そうか。」

 軽く赤くなっている彼の横顔を、いつまでも見ていたかった。
だけど、そんなわたしに横槍を入れるかのように割り込んできたのは
誰かの気配だった。
418魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:45:42 ID:pc5EIHO3
わたしは、ずっと眺めていたい彼の顔から視線を引っぺがし、それを部室の扉へと向ける。
そこにあったのは、人が目を覗かせるには充分すぎるくらいの隙間が開いた扉だけだった。
聞こえるのは、誰かの走るような足音。
足音はだんだんと小さくなり、消えてしまった。

「・・・長門・・・?」

 わたしの尋常でない様子を悟ったのか、彼はそう聞いた。

「・・・なんでもない。」

 気のせいだと思いたい。
いや、気のせいのはずはない。
だけど、気のせいだと思うしかなかった。

 しばらくすると、朝比奈みくるが来て、古泉一樹が来た(彼はバイトがあると告げた後、部室から去った)。
それからはいつも通りの日常だった。
ただ、涼宮ハルヒが部室に来なかったこと以外は
419魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:46:31 ID:pc5EIHO3
 次の日からは、涼宮ハルヒは部室に来た。
昨日の欠席理由を問いただす彼に涼宮ハルヒは、「うっさいわね、なんであたしのプライヴェイトを
あんたに教えなきゃなんないのよ。」と、睨みつけながら答えた。
よく考えれば、この時点でわたしは気づくことができたのだ。
いや、もしかすると気づいていたのかもしれない。
だけど、わたしはたとえ目を潰してでも
その真実から目を背けたかったのだ。


 一週間後の日曜日
今日は彼と二人で買い物に行く日だった。
朝食は家で食べて、その後に合流するとの話だった。
一緒に朝食をとることもできない。
だけど、これがわたしと彼の距離なのだから、仕方がないとあきらめ続け
今ではもうその感情もほぼ無痛化していた。
わたしは、買い置きの缶カレーを鍋に開け、火にかけた。
そしてそれが完成するまでの間、本でも読もうかとそれを手にとったときだった。
突然わたしの携帯が鳴り始めた。
彼からだろうか、ひょっとして、用事ができて今日の買い物をキャンセルするという連絡だろうか。
そう考えるだけで、わたしの心臓は鎖で締め付けられるような感覚に陥った。
もしそうだったなら、もし受話器から聞こえてきたのが彼の声で、もし謝られたりしたのなら。
そう、たとえるならそれは積み木。
一週間、積み上げ続けた積み木を、足元から崩されるような気分になるに違いない。
わたしはおそるおそる携帯をとり、震える指で通話ボタンを押した。

「もしもし?」

 通話相手の声が、静寂の中に小さく響いた。
420魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:47:58 ID:pc5EIHO3
「・・・。」

 わたしは、いつもそうするように、電話の相手に対して無言で答える。
今はその人物と、あまり話をしたい気分ではなかった。

「ねえ有希、聞いてる?」

「・・・聞いている。」

 仕方がないので、わたしは電話の向こうからの涼宮ハルヒの声に応えた。

「よかったぁ〜、いや、もうあんた家出ちゃったのかと思ってさぁ。」

 それならそもそも通話に応じることができるはずがないだろう。
なにを言っているんだ?
そう思った次の瞬間。
全身に脳内物質が分泌されたような感覚に陥った。
急な無重力感。寝ている時に時々起こる落下の感覚のそれに似ていた。

 そして、再びわたしは現状の異常さをあらためて察した。
どうして、涼宮ハルヒはわたしが「家を出ちゃったのかと思った」のだ?
どうして?どうして?どうして?どうして?ドウシテ?
421魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:49:47 ID:pc5EIHO3
だって、わたしが今日の朝出かけることは、わたしと彼しか知らない。
彼が涼宮ハルヒに教えたというのは考えられない。
だって、買い物に行く約束をした日、彼は言った。
「このことは誰にも内緒」だと。
なら、どうして涼宮ハルヒは・・・。

「ねえ有希。実は来週ね、野球大会に出ようと思うのよ。SOS団で。」

「・・・そう。」

 わたしは無愛想な返事を返しながら、頭の中を精一杯整理していた。
そういえば、不審な点はあったのだ。
わたしが彼と買い物の約束をしたときから、古泉一樹は毎日のようにバイトに行っていた。
そしてそのバイトの内容を、わたしは知っている。
あの日、彼と二人きりの部室の外にあった、一つの気配も正体も・・・。

「で、その練習をするから、今から高校のグラウンド集合ね。」

「で・・・でも・・・。」

 わたしは口ごもる。
その瞬間だった。

「ああ、そう言うと思って、実はあたし」

 その後に続く言葉は、永遠と比較しても引けをとらないくらいの間
わたしの時間を凍らせた。

「もうあんたの部屋の前、来てるから。」
422魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:51:31 ID:pc5EIHO3
 その瞬間通話が切られ、怒気に覆われた涼宮ハルヒの声が聞こえなくなると同時に
わたしの家のインターフォンが鳴った。
ピンポーン
わたしは、それに対応しようかどうか迷う。
ピンポーン
二度目のインターフォンは、まるでわたしの判断をせかすかのようなものだった。
ピンポーン
三度目のインターフォン。
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン

「い・・・嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

 自分の口からこんな声が出たのが信じられなかったが、それもうなづける。
自宅のインターフォンがここまで不快な音に聞こえたのは、初めてだった。
もうやめて、その音をやめて。
そんなわたしの想いを裏切るように、インターフォンは鳴り続ける。
わたしはついに妥協し、糸の半分切れた操り人形のように
ふらふらと玄関にむかい、鍵を開けた。

 瞬間、扉は乱暴に開かれ、その向こうには
金属バットを片手に持った涼宮ハルヒが立っていた。

「さ、有希。野球やろうか?」

 ライオンに優しくあやされる小動物の気分だった。

423魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:53:23 ID:pc5EIHO3
 髪の毛を乱暴につかまれ、わたしは家から連れ出された。
服だけは着替えていたが、携帯も持たずに、家に鍵もかけずに、コンロ火も消さずに
わたしは涼宮ハルヒに引きずられるように連れて行かれた。
すぐに到着した。そこは、高校のグラウンドだった。

「さ、始めるわよ。はいグローブ。」

 涼宮ハルヒがわたしに投げた黒い物は、野球で使うグローブだ。
はめ方もわからない。ただ、手袋のように手にはめるということだけは知っている。

「始めようか、まずはノックね。」

 言いながら涼宮ハルヒはボールを軽く真横に放った。
それは、寸分狂わず涼宮ハルヒのバットによって捕らえられ
まだグローブもつけていないわたしの足を直撃した。

「・・・ッ!」

 思わず声が漏れ、わたしはヒザを襲う激痛をかばうようにそこを抑える。
すると、すかさず聞こえてきた豪快な金属音と同時に、ホールが今度はわたしの
頭に当たった。

「ほらほら!ちゃんと捕りなさいよ!
 言っとくけど、ちゃんと捕るまで帰らせないからね!」

 言いながらまた涼宮ハルヒはボールを投げ、わたしめがけてバットで打った。

「ぐっ!・・・ぅ・・・!」

 今度はお腹。
ミゾオチを叩かれた時特有の呼吸困難がわたしを襲う中、また金属音が。
それが何度も何度も繰り返され、もう何度それをやったかもわからなかった。

「あ〜あ、もうボールなくなっちゃったわよ。
 有希ったら案外どんくさいのね。
 ほら、そこら中に落ちてるボールさっさと拾いなさい。」

 ボールはすべてわたしの体に当たり、跳ね返ったため
わたしの近くに落ちていた。拾うのは楽だったが、それ以上に気になることがあった。
腕時計も携帯も持たずに出かけたわたしが時間を知る手段は少なかった。

「今・・・何時?」

 わたしは、涼宮ハルヒに小声で聞いた。
思えば、この距離からこんな小声が涼宮ハルヒまで届くとは思えないのだが
なぜかそれはちゃんと涼宮ハルヒに聞こえていたようで、その時の鬼のような凝相の涼宮ハルヒを
わたしは忘れることができるのだろうか。

「なんでそんなことが気になんの?」

 あきらかに不愉快そうに涼宮ハルヒは言う。
424魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 00:54:31 ID:pc5EIHO3
だが、すぐに言葉をつなげた。

「あ、キョンとのデートか。
 そっかぁ、キョンを待たせちゃあ悪いもんね。
 あはは、優しいんだ、有希。」

 そのことを涼宮ハルヒが知っていたということに、わたしは今更驚かない。
わたしは、落ちているボールの一つを涼宮ハルヒにむかって放った。

「キョンは幸せよねー、アンタみたいな娘に好かれ・・・て!」

 同時に聞こえる金属音は、もう聞き飽きたものだったが
わたしの体を襲う激痛は、何度味わっても慣れるものではなかった。

「ほらほら!手が止まってるわよ!さっさとボール拾いなさいよ!」

 言われるがままに、わたしは落ちているボールを涼宮ハルヒに投げた。
なんどもその作業を繰り返し、また涼宮ハルヒの手元にボールがたまったとき

「で、今日、服買いに行く予定だったんだって?
 うらやましいわねー、あたしにも、おこぼれでもわけてもらいたいわ・・・ね!」

 ガスッ
わたしの頭をかすったボールは、かなり遠くまで飛んでいった。

「何事かと思ったわよ。
 キョンがあたしと出かける予定、いきなりキャンセルした時は!
 それでその放課後、あんたとキョンが部室でまたお買い物の約束だもんね!!
 良い身分ねえ、あんたも、キョンも!!」

 いつもの涼宮ハルヒからは想像もつかないような表情と声で
わたしをがなりたてながら、涼宮ハルヒはわたしにボールを飛ばした。

「あんたが今日約束すっぽかしてもねえ!
 どーせキョンは「代わり」なんていくらでも用意してんのよ!!
 かわいそうよね、あたしも、あんたも!
 アイツに裏切られた、いわゆる犠牲者なんだから・・・さ!!」

「・・・違う。」
425魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 01:02:41 ID:pc5EIHO3
涼宮ハルヒの打った球が額に当たり、うずくまりながらわたしは言った。

「あ?なにが違うってのよ。」

 涼宮ハルヒは、ボールを打つ作業をやめ、わたしに聞き返す。

「わたしはあなたなんかの代用品ではないし
 ましてやわたしの代わりなんて絶対にいるはずがない。
 わたしとあなたは違う。」

 わたしのセリフを聞いていくうちに、涼宮ハルヒはだんだんと表情を
不愉快なものに変えていく。

「どう違うってのよ?
 おんなじでしょ?あたしもあんたも、同じニンゲンなんだからさ。」

「違う!!!」

 わたしは、地面を強く踏みつけながら立ち上がり、叫んだ。
それは、少なからず涼宮ハルヒにいくつかの威嚇効果があったようだった。
わたしは、迷わず言葉の続きを、強く叫んだ。

「だって、わたしと彼は付き合っているんだから!!!!」

 わたしがそう叫んだ瞬間、突然涼宮ハルヒの表情から脱力が読み取れた。
もう言い返してこない。
完全に腑抜けた彼女の口から出た言葉は

「嘘・・・でしょ・・・?」

 常套句だった。

「嘘ではない。だからわたしと彼は、あなたなんかとは比べ物にならないくらいの強さで
 結ばれている。
 あなたなんかとの安っぽい仲と、一緒にするなぁぁぁぁあ!!!!!」

「嘘だぁああああああああ!!!!!!!!!!」

 たった今までの無気力な表情とは比べ物にならないくらいの
鬼の表情を灯した涼宮ハルヒは、再び金属バットを持ち上げた。
またボールを打ってくるのだろうか。
そのわたしの考えは、この結果が裏切った。
涼宮ハルヒが、金属バットを持ってわたしに襲い掛かってくるという結果が。

「うああああああああああああああ!!!!!!!」
426魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 01:03:33 ID:pc5EIHO3
 怒りで我を忘れ、突進してくる涼宮ハルヒの攻撃は単調なものだった。
まず、あらかじめバットを振り上げているということは、そこから繰り出されるのは
それを振り下ろす攻撃。
わたしは逃げず、その攻撃を左腕でとめた。
どんな木をへし折っても鳴りそうに無いような不愉快で鈍い音が、わたしの音を発生源として
辺りに響いた。
痛いけど、それを気にしている場合ではない。
わたしは、あらかじめ振りかぶっておいた余った右腕で
涼宮ハルヒのお腹を殴った。

「ぅ!・・・がばっ!・・・ぅえ・・・!」

 柔らかいその感触と同時に、涼宮ハルヒの体が「く」の字に曲がる。
その瞬間をわたしは見逃さなかった。
涼宮ハルヒのお腹にめり込んだ拳を引き抜き、涼宮ハルヒのバットを奪った。

「ぅ・・・ゆ・・・き・・・!ご・・・べんな・・・ざい・・・。」

 うるさい。
うるさいウルサイ五月蝿いウルサイ五月蝿い
その声でしゃべるな。
その声を発するな。
その声を出すのは誰だ。
このバットで、それを封じてやる。

「うああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 片腕だけで振ったとはいえ、思いっきり振りかぶって遠心力たっぷりの一撃を
涼宮ハルヒの頭にお見舞いした。

「ゆ・・・有希・・・ユキぃ・・・!」

 何度も何度も殴った。
この耳障りな声がきこえなくなるまで、頭を。
それをかばう気力さえなかったらしい涼宮ハルヒが動かなくなったのは
約5秒くらい後のことだった。
終わってみれば案外短い時間だったが、執行中のわたしは
その時間が何分にも感じられた。
どちらにしても、長い時間でなかったことに違いはない。

 叩き割られた涼宮ハルヒの腕時計は、1時30分を指していた。
彼との集合時間を2時間もオーバーしている。
きっと彼は、怒るかあきれるかして帰ってしまっただろう。
わたしも、もう疲れた。
今日は帰って寝よう。
明日は月曜日。
彼には謝っておこう。きっと笑って許してくれる。
そして、また幸せな日常が始まるんだ。

427魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 01:05:06 ID:pc5EIHO3
 次の日の放課後、わたしは一番に部室に到着し
彼の到着を待っていた。

「よぉ、長門。」

 扉から入ってきたのはやはり彼だった。

「・・・!?長門、どうしたんだ!?それ!」

 そういえば、今日担任の教師にも聞かれた。
昨日の涼宮ハルヒの虐待ノックによってできた手足のアザだ。
教師だけではなく、クラスメイト達にも「転んだ」と説明した。
だけど

「あなたには、本当のことを言いたい。」

 わたしはそう答えた 
そして

「わたしとあなたが買い物に行く約束をした日、あなたは涼宮ハルヒとの約束を破棄した。」

 質問した。
彼は、どうしてわたしがそんなことを知っているのかを不思議に思うかのような仕草を見せた。
だけど、すぐに返事を返した。

「・・・ああ。」

 こんな状況でも嘘をつかない彼が、わたしは好きだった。
だから、わたしも嘘をつかない。

「これは、その時のことを逆恨みした涼宮ハルヒにいじめられてできたアザ。」

 わたしは本当のことを話した。
すると、彼はまったく疑わずわたしのことを信じてくれた。
「なんて酷い野郎だ」と、本気で怒ってくれた。
彼がわたしのために感情を動かしてくれることだけでも、わたしは嬉しかった。
そして、彼は続けて言った。

「でも・・・ハルヒの奴・・・」

 その彼の言葉の続きは、わたしが言った。

「学校に来ていない。」

 彼は首を縦に振った。

「真剣な話をしたい。茶化さないで、落ち着いて聞いて欲しい。」

 わたしが言うと、すぐに彼はわたしの話を聞く体勢を整えてくれた。

「彼女は・・・涼宮ハルヒは・・・。」

 わたしと彼は、同時に唾を飲み込んだ。
彼は、わたしの次のセリフを、あのときのわたしと同じように
心臓を飛び跳ねさせながら待っているだろう。
だから、そんな彼のために、わたしは・・・

「わたしが・・・殺した。」
428魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 01:06:21 ID:pc5EIHO3
 涼宮ハルヒの殺害を告白した。
以前彼にした愛の告白の時ほど緊張はしなかった。
だけど、その言葉を聞いた彼の反応を、できれば見たくなかったが、それは不可能だった。

「ほ・・・本当・・・なのか・・・!?」

 わたしは小さく首を縦に振った。

「な・・・なんで!どうして!!」

 さっきまでの様子が嘘だったかのように、彼はわたしに駆け寄り
わたしの肩を乱暴につかんだ。
そこにもアザがあって、彼の手がそれを握り締めると痛い。
だけどそんなこともお構い無しに、彼はわたしに聞いた。

「なんで相談しなかったんだ!なんでそうなったんだ!!」

 わたしは、彼の真剣なまなざしに目を合わせる自信がなかった。
ただ、わたしの肩にある彼の手を指差して

「肩・・・痛い・・・離して。」

「ふざけるな!!」

 わたしの声を掻き消すように、すごい剣幕で彼は叫んだ。
優しかった彼はどこに行ってしまったんだろう。
なにが失敗だったんだろう。
あの優しかった彼を変えてしまった原因は何処?誰?

「やっぱり、あなたはわたしより涼宮ハルヒのほうが大事なんだ・・・。」

 いつもの彼なら、「何言ってるんだ」と、優しくわたしを慰めてくれた。
こんな風にいじけたわたしを、彼は放っておかなかった。
だけど、今目の前にいる彼は、わたしの知っている彼ではないのだ。

「ハルヒをどうしたんだ!ハルヒは何処だ!!」

 だから、彼がわたしをがなりたてても、わたしの心はまったく傷つかなかった。
そして、今そうしているように、あらかじめ用意しておいたフォークで
彼の喉を刺しても、同様に心は傷つかなかった。
429魔根金  長門有希のエラー:2007/04/14(土) 01:07:09 ID:pc5EIHO3
ギ・・・ゥガァァアアア!!!!」

 たまに食べるステーキなんかよりも、ずっと柔らかかった。
そして、そこから発される異常な悲鳴。
喉が潰されて、まともな声も出せないのだろう。
せめて彼だった人間だ、楽に死なせてあげよう。
そう考えて、わたしはフォークを彼の喉から引き抜いた。
このフォークは、わたしがさっき昼ごはんを食べたときに使ったものだ。
これなら携帯しても、誰に見つかっても凶器として不審がられることはない。

 そして、さようなら。
今なら、アノ時の涼宮ハルヒの気持ちが分かる気がする。
わたしにとってはあのときの彼が彼で、涼宮ハルヒにとっては
今の彼が彼なんだ。
そっか、つまり、もうわたしは
彼が好きじゃあないんだ。

「ゥグエ!!!」

 だから、喉元にもう一度フォークを突き立てることに、罪悪感などなかった。
そして、部室にはもうだれも来ない。
涼宮ハルヒの死亡と同時に、朝比奈みくるも未来に帰っただろう。
古泉一樹はどうなったのだろうか。
そして、わたしはどうなってしまうのだろうか。

 後者は興味が無い。
だって、わたしにこれ以上墜ちる場所なんて無いのだから。
あるわけがない。だって、これ以上失う物なんてない。
これ以上深い心の傷なんて、つくはずがないのだから。

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その言葉だけが、わたしの脳内で何度も繰り返され、ついに口からもこぼれ出始めた。

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430まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/14(土) 01:08:55 ID:xaziSBsT
神決定。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 01:09:40 ID:T4w6MHai
……恐っ!
432名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 01:14:29 ID:PMUNUTn/
>>430
良いからテメェは早くSSの続き投下しろよ
433名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 08:15:13 ID:vj4enyw7
長門……(´;ω;`)ブワッ
434名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 09:14:21 ID:bJUvB/H1
>>430
続きお願いします。
マジで。続き気になって気になって。。。
435山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 09:59:44 ID:v3jP2gYo
 プロローグ

 突然だがキミには毎週愛読している本はあるかい? 少年誌でも青年誌でも少女マンガ雑誌でも
何でもいい。おそらく殆どの人は、そういう日頃の楽しみは持っているはずだ。

 でも、もしその雑誌が急に廃刊になって好きな作品が打ち切りになったら?今まで楽しみにしてた
ものが、何の前触れもなく無くなったらキミはどうする?
 
 まぁ普通ならがっかりしてあきらめるよね、仕方のない事だって納得して。当然僕だってそうさ。

 
 でも今回はちょっと厳しいかな……。


436山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:00:54 ID:v3jP2gYo
 第一章
 
 さぁ今日も一日がはじまった。
 いつものように始業ベル20分前についた僕は何て優等生なんだろうか。チャイムギリギリまでこな
い奴の気がしれないよ。まったく。
 あっ、自己紹介がまだだったね。僕はクールな眼鏡美男子、山根だ。覚えておいて損はないはずさ。

 しかし朝倉さん遅いなぁ、いつもなら教室に着いてる時間帯なのに。早く麗しのお姿を網膜に焼き付
けながら、いつもの匂いを嗅ぎたいよ。それが僕の唯一の楽しみなのさっ。

 だが始業ベルが鳴っても朝倉さんは教室に来なかった。風邪でも引いたのかなぁ、残念。僕が小さな
ため息をついたその時、担任の口から驚きの言葉が発せられた。

 「あー、朝倉くんだがー、お父さんの仕事の都合で、急なことだと先生も思う、転校することになった」
 
 な、何だって? 転校? 朝倉さんが? ふ、ふざけるな、僕の楽しみはどうなる?朝倉さんのお父さん、い
や未来のお義父さん、あなたの都合ですぐに転校させるなんてあんまりじゃないですか?
 
 「皆ざわざわするな。朝倉のことは残念だが、家の都合なら仕方ない。とりあえずもうこの話は終わりだ、
早く一時間目の用意をするように」

終わりじゃねえよアホ教師! 朝倉さんの代わりにお前が消えちまえ! ……おっとキャラが崩壊してしま
ったな、落ち着くんだ僕ちゃん。
 はぁ、僕の唯一の癒しが……。これから何を楽しみに学校へくればいいんだよ……。休み時間にうなだれ
ているとクラスメイトの女子が話しかけに来た。
437山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:01:55 ID:v3jP2gYo
 「山根君どうしたの? すごい落ち込みようだけど。やっぱり朝倉さんの事だよね、私も寂しいなぁ」
 
 「…………」
 
 「無視しなくてもいいじゃない。ねぇ山根君?」
 
 「……うるさいなぁ、キミに構ってる暇はないんだ。ほっといてくれ」
 匂いランクD以下の貴様なんぞに僕ちゃんの気持ちがわかるもんか。

 「せっかく人が心配してあげたのに。もういいわ!」

 そういうと他の女子の群れに混じっていった。女子どもはチラチラとこっちを見ながら何か言ってやがる。なんだ
その汚い物を見るような目は?
  
 「ほらぁ、やっぱり山根と喋らないほうがいいって。気持ち悪いもん」

 「落ち込んでたから同情しただけよ。私だって本当は嫌よ、あんなのと喋るのは」

 「顔とかキモすぎるよね。よく朝倉さんみてニヤニヤ笑ってたし」

 「そうそう体育の時間とかニヤけっぱなしだったのね。あたしも山根君は嫌い、うん存在が無理なのね」

 聞こえてるんだよ馬鹿女どもが!ニヤニヤして悪いか? 笑顔は癖のようなかんじなんだよ。それと坂中、僕の
存在が無理ってどういう意味だ? まったくお前には失望したよ、甘い匂いがするからBランク上位にしておいてや
ったのに。もうランク外だ、むしろお前はマキバオーだ。うんこたれ蔵と改名しろ。
438山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:02:55 ID:v3jP2gYo
 「なんかブツブツ言ってるわ。本当に気持ちわるっ」

 「なんかいつも以上にやばいよね」

 「朝倉さんじゃなく山根が転校すればよかったのに」

 「これはもう駄目かもしれないのね。末期なのね」

 プヒッ、おお〜言いたいこと言ってくれるねぇ。さすがの僕ちゃんでもぷっちんときちゃうよ? プリンの比じゃないよ、い
いのかいそれでも?

 「まだ何か言ってるわ。もうあっちにいきましょ」

 「ほんと終わってるよね。あぁはなりたくないわ」

 「うわっ夢にでてきそう〜」

 「早く向こうへいくのね。ここにいたら山根君がうつるのね」

 ふん、さっさと消えろ。所詮お前等のような低知能生命体には僕ちゃんの良さがわかるはずがない。いやわかって
たまるものか、僕の魅力は朝倉さんにしかわかるはずがない。はっ、いつものあのフェロモンは僕を誘っていたのか
も……うん、きっとそうだ。くそっ鈍感ってのは罪だな。

 しかしこの女共に好き勝手言われて黙ってるってのも癪だ。何を我慢しているだ僕は? いっそ吹っ切れちゃおうか?
 だがそんな事したらもう学校へはこれないしな。
 
 いや、やらなくて後悔するよりやって後悔するほうがいいって昔から言うじゃないか。朝倉さんがいたらきっとそう
助言してくれるはずだよね。もうやっちまおう、乱闘パーティーだ。

 
 山根伝説ここに始まる。どうだい痺れないかい?




 なんてな。そんな事したら警察沙汰になっちゃうからできないよなぁ、はは。現実はそう甘くないって事だね。
 細々としか生きていく事しかできないのかな僕は。
439山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:03:50 ID:v3jP2gYo
 第二章
 
 それから数日、僕は炭酸の抜けたコーラのような状態になっていた。何をしているんだろう、くよくよ
してても仕方ないのはわかっている。でも、元気がでないんだよなぁ。

 「キョン、日曜日に合コンへいこうぜ。一人メンバーが足りないんだよ」

 「断る。そういうのは苦手なんだ、他をあたってくれ」

 「そう言うなよ、Aランク揃いがくるんだぜ。コレを逃したら後悔するぞ」

 頭の悪そうな会話が耳に入ってきた。何がAランクだ、僕の真似をするんじゃない。まったく、そういう会話を
教室で堂々とするなんて馬鹿の極みだな谷口君。キミは一回悟りを開いて自分のしてきた事を後悔したほう
がいい。
 まぁ僕だってアイドルとか好きだけど、それは僕だから許されることだからいいんだ。
 
 「ちっ、キョンも駄目かぁ。後、暇そうなのはそうだなぁ……」
 俗物があたりを見回している。一瞬僕と目が合うと、失礼にも大きくため息をついた。

 「山根なんか誘っても女の子が逃げるだけだな。ちょっと負のオーラがでてるし」

 「おい、そんな言い方をしてやるな谷口」
 
 「あぁ今のは言い過ぎたな。スマン」

 「いいのよ、谷口君。もっと言っちゃって」
 
 女子が急にキョン君達の会話に割り込んできた。くそ女共はわざと聞こえるくらいの声で僕の悪口を言い
始め、次第にヒートアップ。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 10:04:10 ID:bJUvB/H1
伝説のT.K.氏?
まさか。。。。。
441山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:04:37 ID:v3jP2gYo
 「大体あの眼鏡が駄目なのよね。ださいし」

 「そうそう、たまに逆光でテカるからキモくてキモくて。口癖がバーローの探偵じゃあるまいし」

 「もう山根君はいなくなって欲しいのね」
 
 「おいお前等言いすぎだ。ちょっと落ち着け」

 キョン君が止めてるにも関わらず、女子どもはまだ続ける。耐えるんだ僕ちゃん、我慢だプヒィ。
 その時教室に入ってきた涼宮さんが意外にも女子どもを黙らせてくれた。

 「アンタ達くだらない事ばかり言ってんじゃないわよ。そこどいて、アタシの席だから。邪魔」

 「で、でも涼宮さん、山根の事嫌いじゃないの?」

 「別に好きも嫌いもないわ。アタシに関係ないし。でもそういう集団でネチネチ言うほうが嫌いなの。
まったく何が楽しいのかしら? いいからさっさとどきなさい」

 「うぅ……」
 涼宮さんのプレッシャーに押され、暴言を吐いてた女連中は戻っていった。正直意外だ、涼宮さんが僕
を助けてくれるなんて。
442山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:05:35 ID:v3jP2gYo
 「おい涼宮、お前もいい所あるんだな。見直したぞ」

 「別にアタシは何もしてないわよ。で、山根って誰?」
 
 「誰って、知らないのか? クラスメイトの顔くらい覚えてやれよ」
 
 キョン君が呆れた声で言う。あぁ僕の存在ってのはそんなに小さいものなのか。もっと絶対的なものだ
と自負していたんだけどな。

 「そんなのいちいち覚えてたらキリがないわ。それよりキョン、今日は会議の日だから必ず来るのよ!」
 
 「やれやれ、わかったよ」

 「そろそろ新団員が欲しいところね。今のSOS団にいない人材が」

 「……これ以上厄介ごとはごめんだぜ」

 いいなぁキョン君達は。なんとか団ってのを作ったのは聞いてるけど楽しいのかなそれって。アイドル研は
あまり活動しないから正直面白くないんだよね。みんなそれぞれの思惑とちょっぴりの好奇心で成り立って
いるような所だから仕方ないか。.

 その日、学校からの帰り道に何気なく思った。
 
 本当に何やってるんだろうね僕ちゃんは、と。
443山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:06:27 ID:v3jP2gYo
 第三章

 翌日、いつものボロボロ靴を履いて玄関を出た。言い忘れていたが僕の家は貧乏だ。父親の勤めている
会社の給料が低い事と、さらに僕の下には5人の弟妹がいる事でさらに家計が厳しいらしい。母親は夜から
朝までパートに出かけていて、それで何とか生活をしている感じになっているんだ。
 
 当然僕だって月2回のアイドル研の活動以外の日はすべてバイトで埋め尽くされている。親は心配するな
と言ってくれるがそうはいかないだろう、僕だって長男だからな。

 家を後にするとき父さんの表情が曇っていた。会社で何かあったのか?
 まぁ浮かない顔なのは僕も同じだけどさ。朝倉さんのいない学校なんて面白くないし。

 教室に着くと僕より先に数人の女子が待ち構えていた。なんだこいつらは、僕ちゃんになんか用? よく
見ると昨日の暴言女集団だ。
 
 「ねぇ山根君。昨日はあなたのせいで涼宮さんに嫌われたのね。あたしショックなのね」
 女マキバオーが冷たい目つきで睨み付けて言う。

 「そ、そんな僕のせいじゃないだろ! 昨日は僕、何も言ってないよ」
 ただ黙って聞いてただけなのにあんまりだぞそれは。むしろ怒るのは僕の方なのに!
 
 「うるさいのね! とにかくあなたのせいなの、腹立つのね!」

 そう叫ぶといきなり僕の胸倉をつかみ、顔に平手打ちを加えた。ジーンとした痛みがこみ上げてくる。
 ってかなんで僕が殴られないといけないんだ?
444山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:08:21 ID:v3jP2gYo
 「とりあえずすっきりしたのね。今は一発で許してあげる」
 
 「あっ涼宮さんがきたわよ。早く戻りましょう」

 「こんなの見られたら厄介だしね」

 そう言うと何食わぬ顔で教室の隅へ行き、談笑し始めた。
 今更だけど僕って嫌われてたんだね。知らなかったよ。むしろ完璧優等生として人気があると思って
たんだけど、それは自惚れだったのか。

 女子達の僕に対する悪口は更に度を増し、授業中でも言うようになっていた。しかも涼宮さんの寝てい
る時に限ってこそこそ言いやがる。

 「さっさと死んでくれないかな山根の奴。心臓麻痺あたりで」

 「アハハ、そんなに漫画みたいにいかないって。それに死ぬならいっそ木っ端微塵になってこの世から
消滅するくらいじゃないと♪」

 「それこそありえない話だって。あぁ〜せめて転校してほしいな、同じ日本じゃ嫌だから外国に」

 本当、ひどい事を平気で言えるもんだ。そんなに僕が嫌いならお前らが消えればいいのに。
 涼宮さんが起きると悪口はピタリと止まり、授業に集中している振りをかます。
445山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:09:45 ID:v3jP2gYo
 その日はずっとそんなペースだった。放課後バイトがあったが今日は気力がないので休むことにしようか、
たまにはいいよね。
 すぐさま足早に帰宅すると、居間に母親と父親が陰鬱な様子で座っていた。あれ、仕事は? 父さん。

 「……実はな、お父さんリストラされたんだ」
 
 「えっ?」 

父さんの話によると、もともと経営が苦しかった会社らしく少人数が首を切られたらしい。候補は前々から発表
されており、父さんもそのうちの一人だったみたいだ。
 
 「で、でもどうするのこれから? この家も借家だし家賃とか……」

 「大丈夫だ、お前は心配しなくてもいい。父さんすぐに仕事見つけるから」

 笑顔で言っているが、そんなに簡単に仕事が見つかるはず無いということは嫌でもわかる。この不景気に
50近い人間を雇ってくれる所なんてそうそうないだろう。まして、これといったアビリティも父さんは持ち合わ
せていないし。
 その日の夜、何も知らない下の子たちを寝かした後、一人考え事にふけった。ちょっと気晴らしに外に出よう
か。家の中は少し蒸し暑いからね。

 
 夜の空を見上げると、自分の存在がいかにちっぽけであるかという事を思い知らされた。

 
446山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 10:10:59 ID:v3jP2gYo
 第四章

 父さんのリストラ宣告を聞いたせいで、昨日はなかなか眠れなかったな。いっそ聞きたくなかったかも。
 パートから帰って疲れているはずの母さんが作ってくれた弁当を持ち、行きたくない学校へと足を運び、これまた
入りたくない教室へと向かった。

 なんだろうな、前はこんなに嫌じゃなかったのに。この間までの元気はどこにいったんだろうか……。
 いつのまにか朝倉さんの事は諦めて、ずっと家の事と学校の事を考えるようになっていた。駄目だな、このまま
じゃ鬱になりそうだよ。粘り強くが僕のモットーだったじゃないか。

 「うわっ、山根今日もやばくない?」

 「ほんとほんと♪ 山根臭もするし」

 女子は今日も懲りずに中傷し続ける。くそっ、机にまで落書きしやがって。なにが、山根にシュシュッとファブ○−ズ
だよ、くだらない。お前等の脳みそにでもふりかけておけばいい。

 午前の授業が終わって昼休み、僕は弁当を持ち、逃げるように教室を後にした。屋上へいって食べようか、基本的に
立ち入り禁止だから誰もいないし。
 案の定、僕一人きりで先客は来ていなかった。広い場所なのについ隅っこにちょこんと座ってしまうのは僕の性分な
のかな、パカっと弁当箱を開けながら苦笑する。

 しかしバイトも増やさないといけないな。今まで以上に僕が頑張らなくちゃ、アイドル研も辞めないと。まぁ統一性のかけら
も皆無の所だったからそんなに名残はないけどさ。

 パクリと卵焼きを口に入れたその時、階段の方から足跡が近づいてくるのを感じた。だ、だれか屋上に近づいてきている、
もしかしてアホ女たちか? 冗談じゃない、昼休みくらいは勘弁してくれよ。
 すぐに弁当をしまって立ち上がり、身構えた。いつでも逃げれる体制にしておかなくてはね。
 ガチャリとドアが開くと同時に僕もゴクッと唾を飲み込む。心臓がバクバクいって今にも張り裂けそうな勢いだよ。
447名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 10:48:25 ID:AtyCltHK
新作ktkr
448山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:02:32 ID:v3jP2gYo
 しかし登場したのは女子ではなかった。その人物は僕の存在に気がつくとゆっくり歩み寄ってきながら、

 「山根じゃないか、どうしたこんな所で?」
 クラスメイトのキョン君だ。これは予想しなかったな、あっ早く返答しないと。

 「ぼ、僕はえーと、キョ、キョン君こそなんで屋上に?」
 質問を質問で返すなんて馬鹿か僕は?それに親しくないのにあだ名で呼ぶなんて……みんなの癖だな。
 だがキョン君は別に気にする様子も無く答えてくれた。

 「あぁ教室で弁当を食べると涼宮に横取りされるもんでな。たまに一人でここで食うんだ」
 
 「そ、そうなんだ。じゃ、じゃあ僕はこれで……」

 「ん? お前も弁当持ってるじゃないか。せっかくだから、一緒にどうだ?」

 「えっ、あ、……うん」
 僕はまた弁当を広げることにした。思えば誰かと一緒に昼飯を食べるのは久しぶりだなぁ、中学生以来だったかな。
 
 5分くらいキョン君と特に会話をすることもなく、黙々と箸を進めることしかできなかった。何か話題を振った方がいい
と思うんだけど何を言えばいいんだ? キョン君はアイドルに興味なさそうなタイプだし。
449山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:04:09 ID:v3jP2gYo
 「なぁ山根」

 突然キョン君が沈黙を破った。つい反射的にびくっとした自分がたまらなく恥ずかしい。
 できるだけ冷静になるんだ僕ちゃん。Be CooL、Be CooL

 「な、何? キョン君」

 「その、なんだ、あまり女子の言うこと気にするなよ」

 「だ、大丈夫だよ。別に何とも思ってないし」
 本当は思ってるけど。
 
 「そうか、それならいいんだ。悩んでるような顔だったからな」
 
 「あぁ……朝倉さんが転校して寂しくなったなと思っただけだよ。彼女は僕にも優しかったからね。いき
なりいなくなってびっくりだよ」

 「……すまん」

 なんでキミが謝るんだ? まぁいっか。
 でも正直今は朝倉さんの事は考えてないけどね。確かにキョン君の言うとおりあまり奴らを気にしても仕方な
いか。
 もう言葉の暴力にも慣れたよ、ははっ。

 
 そう、全然平気さ僕は……。


450山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:05:17 ID:v3jP2gYo
 第五章
 
 その後教室に戻り自分の机を見ると、何か置かれているのに気づいた。どうやらトイレの消臭剤みたいだな、し
かし女という生き物はどうしてこう陰湿なんだろうね。今まで僕は女性というものを過大評価しすぎていた
のかも。
 数人のクスクスといった笑い声が僕の鼓膜を揺さぶる。ちらっと見るとやはり例の集団だ。腹が立つのを
通り越して呆れるよまったく。げっ教科書ないじゃん。僕の教科書消えたよ? またお前等か? お前等なんだ
な? もう本当に死んでくれ、消えてくれ。

 「またなんかブツブツ言ってるぅ、頭おかしいんじゃないの?」

 「まぁ元々だと思うけどね♪」
 馬鹿みたいに笑いながら言いやがって。エルモか貴様は!

 その日、午後の授業は寝たフリをして過ごした。なんで僕がこんなみじめな思いをしなくならないんだよ、お
かしいだろ。もうこりごりだ。

 そして、掃除を済ませ帰ろうとカバンを持ったとき初めて無数の足跡がついてるのを発見する。人の大切
なカバンを踏んづけやがったな。うわ、チャックのところが壊れているじゃないか、弁償しろ。3千円だ。

 いや我慢だ我慢。こんな事気にするな。
 
 ぐっと唇をかみしめ教室を後にすると知らない男子上級生に声をかけられた。何ですか一体?

 「お前が山根か、ちょっとついてこいや」

 「えっ?」
 なんで僕がこんな怖そうな人に呼ばれるんだよ。だがとても断れる雰囲気じゃないのでとりあえずついて
行くことにした。
 しかしどこまで歩くんです? もう別校舎ですよここは。

 「きたきた♪」
 聞き覚えのある下品な女の声が僕と上級生を出迎えた。またお前かよ。上級生が僕の方を振り返り、

 「お前がうざいってこいつがうるさいんだよ。みんなお前に迷惑しているらしいじゃないか」

 「山根、この人私の彼氏なんだよ。すんごく強いんだから」

 「悪いけどほんのちょっと痛い目にあってもらうぞ。当分学校来るなよ」
451山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:06:08 ID:v3jP2gYo
 なるほどね、すごい言いがかりをつけられたものだ。女が馬鹿ならその彼氏も馬鹿という事でOK? うん
OKだ。 
 
 「ごちゃごちゃうるせえよ」
 
 振り下ろしの拳が僕の頭をかすめた。おもわずひぃっと声が漏れる。
 駄目だ、怖い。誰か助けてくれ。
 
 「こんな別校舎に誰もこないって。あはは♪」
 
 くそっうるさい女だ。
 すぐに僕は全速力で逃走していた。こう見えて足は速いほうなんだよ。
 どこか隠れる所はないかしらみつぶしにドアノブを回したが、どれも鍵がかかって開かなかった。無理もないか
殆ど使ってない部屋ばかりだからなぁ。

 「どこにいったんだ!」
 やばい近づいてきている。早く隠れないと、あっ、あの部屋はどうだ?
 わらにもすがるつもりでドアを開けた。よかった、鍵はかかってないみたいだ。すぐに部屋に入り扉を閉めた。

 ふぅセーフ、間一髪だったよ。

「や、山根?」

 「えっ?」
 
 呼ばれた方向に顔を向けると、キョン君が呆然とした表情でこちらを見ていた。キョン君だけじゃない、他にも
涼宮さんや、名前は知らないけどたまに見かけた他のクラスの人もいる。

 「あっ、あの〜どちらさまでしょうか?」
 美しいメイド服姿の女性がおずおずと尋ねてきた。というか何でそんな姿なんだろう?
 
 「アンタ、ノックもせず部室に乗り込むなんていい度胸じゃない。受けて経つわ」

 「何を受けるんだよ涼宮。……それより山根どうした? 息を切らせながら急に入ってきて」
 
 「あっ、えーと」
 な、なんて言えばいいんだ? 追っかけられて適当にとか何とか。
452山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:07:14 ID:v3jP2gYo
 「おいっ、どこにいった!」
 
 部屋の外から上級生が吠える声が響いた。ど、ど、どうしよう、開けられたらバレるって。
 
 「! ……そういう事か山根」

 おろおろしているとキョン君がいきなり僕の服の襟をつかみ掃除箱に押し込んだ。へぇ一人くらいなら
窮屈だけど何とか入れるスペースだ。いや、そんな事考えてる場合じゃない。

 「な、何で?」

 「いいから黙ってろ。大体事情は読める、何も喋るなよ」
 そう言うとキョン君はバタンと掃除用具入れの蓋を閉めた。光が差し込むので真っ暗では無いな。
 それと同時に、部屋の扉が乱暴に開く音がしたので目の前にあるスリットから覗くとやはり先ほどの上級生が
入ってきた。
 そのしぶとさを他の事に費やせばいいのに、まったく。

 「なんだぁこの集まりは?」

 「SOS団よ! アンタ何か用? 邪魔するならさっさと帰りなさい」
 
 「涼宮、見たところ先輩に向かってため口をいうな」

 「うるさいわねアホキョン! いきなり入ってくる無礼者にはこれで十分なの!」

 「わかったから静かにしろ。……それで先輩、何の用でしょうか?」 
 うわぁ凄いなキョン君は、あの涼宮さんに注意するなんて。ははっ涼宮さんスネて口を尖がらせているよ。
 
 「ふん、おい今眼鏡かけた奴がこなかったか?」
 
 「いや、来てませんね。すいません」
 
 「ちっ!」
 舌打ちした上級生は廊下に出て足で扉を閉めた後、どこかへ行ってしまった。足音が遠ざかるのを聞く限り諦めた
みたいだね。とりあえずは助かったみたいだ。
 
 「もういいぞ。山根」
 キョン君の声とともにすぐ掃除用具入れから脱出する。直後におもわず床にへたり込んでしまった。
 
 
 
 なんかすごく自分が惨めに感じるよ、本当に。


453山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:11:39 ID:v3jP2gYo
 第六章

 「大丈夫か山根? 朝比奈さんすいませんがお茶を一杯淹れてくれますか?」
 
 「えっ? あっ、はぁい」
 メイド服姿の人はパタパタと走って湯呑みを取り出し、緑茶を差し出してくれた。
 
 「どぉぞ」
 ゴクリと一口飲む。そりゃもう今まで味わったことのないくらい美味な味がしたさ。
 もうここに居座りたいくらいだったけどそうはいかないよね。早く帰らないと。
 とりあえず簡単に経緯を話した後、

 「あのキョン君、さっきはありがとう。そ、それじゃあ」
 チャックの壊れたカバンを持って立ち上がり、部屋から出ようとした。すると涼宮さんが、

 「ちょっと待ちなさい、アンタ助けてもらっておいてそのまま帰るつもり?」

 「そんな……」
 どうしろっていうんだよ。やっぱり涼宮さんは訳がわからない人だ、困らせないでくれ。
 それを見かねたキョン君が助け舟を出してくれた。
 
 「涼宮お前は何もしていないだろう」

 「ここはアタシの部屋よ。ここに逃げて助かったんだからアタシのおかげなの」
 
 「アホ、この部屋は文芸部室だ。それだったら長門のおかげになるはずだ」
 
 「うるさいわね! どうでもいいわよそんなこと。それより山根だったっけ?」
 不敵な笑みで涼宮さんが僕の目の前まで近づいてくる。そしてじろじろとこっちを観察した後、

 「うん! アンタSOS団に入りなさい。アタシが特別に許可するわ」
 
 5秒くらい口を開けポカーンとしてしまった。目線を部屋中に行き渡らせて見ると、どうやら僕だけじゃなくキョン君
やメイド服姿の女の人も同じようにあんぐりとしている。もう一人のイケメン男子は苦笑いをうかべて一言、

 「これはちょっとしたスペクタクルですね」
 意味がわからないよキミ。
 窓際に座っている女生徒は一瞬こっちに顔を上げた後すぐにうつむき本を読み始めた。
454山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:12:38 ID:v3jP2gYo
 「お、おい涼宮いきなり何を言い出すんだ? なんで山根を新団員に?」
 キョン君の質問に、涼宮さんは肘をL字にして細い人差し指をあごにつけながら答える。
 
 「丁度眼鏡団員が欲しかった所なのよ。有希はいつの間にか眼鏡つけなくなってるし。それにみくるちゃんという
萌えキャラがいるならその逆のオタクキャラがいてもおかしくないわ、むしろ必要不可欠よ」

 「な、なんだそりゃ。無茶苦茶だなオイ」

 「文句あるのキョン?」

 「いや、俺は別にどうでもいいがまず本人の意見を聞けよ。話はそれからだ」
 
 「それもそうね。アンタ、当然入団するでしょ?」
 涼宮さんの大きな瞳が僕の目を凝視する。なんだろう、この眼鏡ごしからでも伝わる圧力感は。
 でも駄目だ、家の事もあるし。
 
 「あっ僕は、その……」
 
 「まぁアンタに拒否権はないけどね。もう団員になることは決定事項なの、どんな裁判でも覆せないわ」
 噂以上に強引だ、この人。ジャイアンも涼宮さんの前では真っ青だよ。

 「そうだ、アタシの団員5人目記念として明日はお祝いをしましょう! みくるちゃん、有希、今から買出し
に行くわよ。男グループは今のうちに親交を深めておきなさい」
 そういい残すと涼宮さんは二人の女子の手をひっぱりピューと走っていってしまった。あのメイド服姿の人その
まま連れて行かれちゃったよ、かわいそうに。
455山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:16:34 ID:v3jP2gYo
 「まぁ山根諦めろ。アイツがお前を入団させると言った以上もうそれはどうにもならないことだからな」
 キョン君が僕の右肩に手をポンと置いて言った。お前もついにこっちの世界に来てしまったかといわんばかりの
表情に見える。
 
 「でも僕はちょっと事情があって無理なんだ……」

 「事情?」
 
 恥ずかしながらキョン君ともう一人の男子同級生に家の悩みを話した。こんな事普通は言うべきじゃないと思うけど
ちゃんと訳を言わないとそのまま団員にされかれないからだ。
 
 「なるほど、リストラですか。それは大変ですね」
 と、もう一人の男子。
 
 「まぁそういう事なら仕方ないな。よし山根、俺からアイツにうまく断りを入れておいてやるよ」
 
 「ありがとうキョン君。……それじゃあお願いするね」
 僕も本当はこの集まりに加わりたかったな。あのメイド服姿の人もかわいかったし。
 でも今はバイト優先だから諦めないと。

 「ちょっと待ってください」
 突然イケメン君がキョン君を軽く引っ張り小声で話しだした。
 
 「何だよ古泉」
 
 「いいんですか? 涼宮さんの機嫌を損ねても。せっかく新団員が入ると張り切っていましたが」

 「お前も聞いただろう。山根の家は今それどころじゃないって」
 一体何をはなしているんだろう? ちょっと離れていったから聞こえずらいな、こっちをちらちら見てるし。
 
 「……わかりました。なら、僕ができる限りのお手伝いをさせていただきますよ」
 キョン君よりも背の高い彼はふっと笑顔になり僕の方へ歩み寄ってきた。

 「山根君、できれば一日考えていただけませんか? それでもし無理だったら僕からも涼宮さんに
お詫びをさせていただきますから」

 「はぁ」
 考えろと言っても無理なものは変わらないよ。
 とにかくその場は帰らせてもらうことにした。もういろいろありすぎてくたくただから早く寝たい気分だな。
 なんか今日は長い一日に思える。
456山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:19:51 ID:v3jP2gYo
 最終章
 
 よろよろと家に帰りただいま〜と言いつつカバンを置くと弟達が元気よく出迎えてくれた。いいね、ガキは
幸せそうで。頼むから僕とかわってくれよ。

 「父さんは? 出かけてるの?」
 チビ達にそう聞くとうんっと大きくうなづいた。ハローワークへでも行ったんだろうか、仕事が見つかるといいん
だけどね。

 しかし今日みたいな酷い目にあうのなら明日学校へ行きたくないなぁ。いっそ辞めちゃおうか,でもせっかく
入学したんだし……。あ〜頭痛い、死ねくそ女ども。

 二時間ほどごろごろと寝て玄関が開いた音とともに起き上がる。あぁ遅かったね父さん。

 「お父さんやったぞ! 聞いてくれ」
 歓喜の声を上げ我が家の大黒柱が喋りだした。いい年して抱きつくのは気持ち悪いよ。

 父さんの話によると、職安で仕事が見つからず家に帰ろうとした途中、スーツ姿の人に勧誘されたらしい。ほい
ほいついていった父さんはそのまま面接、そして合格になったらしい。

 そんな馬鹿な。何でどこの誰かもわからない人が父さんを雇うんだ? それにそんな変な所にいく父さんも
父さんだよ。大体どんな仕事? 危険な事させられるんじゃないのか。

 「その点は大丈夫だ。何でも事務的な仕事らしい、前の会社でも同じようなことしてたしな。給料を聞いて
おどろくなよ?」
父さんが耳元でボソッと月給の額を言った。それを聞いて僕はさらに心配になる、そこらの公務員以上の金額だった
から当然だろう。
 
 「まぁこれで何とか我が家は安心だな。お前もバイトなんか辞めて好きな事に励めばいいぞ、部活動とかどうだ?」
 
 「そうだね、考えておくよ……ははは」
 嬉しそうにビールを飲む父さんを見ていると何かすっきりした。というか気が抜けたといったほうが正しいのかもし 
れないな。うん、多分後者であっていると思う。

 次の日、学校へ行くとこれまた驚きの展開が待っていた。
 昨日まで僕に浴びせられていた誹謗の嵐が聞こえなくなり、更に無くなった教科書が新品になって女どもから返却
されるという僕としてもイレギュラーな現象が起こってしまったのだ。
457山根スペクタクル T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/04/14(土) 11:21:10 ID:v3jP2gYo
 「や、山根くん、ごめんなさい! 許して」
 そう言ったのは昨日僕をリンチしようとした女子である。正直気味が悪い、もともとすかすかの頭を打ち付けて正常
にでもなったんだろうか? それは喜ばしい事だ。 

 放課後までやはり何もなく、ただ平和な時間が流れていった。さわやかに言うならば澄み切った川のせせらぎ
のように流れていったさ。
 
 「山根良かったな、女子が大人しくなったみたいで」
 教科書を整理してカバンにいれようとしたときキョン君が話しかけてきた。
 
 「うん。あっ、もしかしてキョン君のおかげ?」
 
 「いや、俺じゃない。……まぁ大体誰がそうしたのかは予測できるがな。それより山根、SOS団に入れそうか?」
 
 「う、うん」
 渡り廊下を歩きながら昨日の父さんの事を説明した。一応言っておかないとね。
 そうこう話をしている間に部室が見えてきた。うん? 部屋の前にいるのは昨日の……
 
 「よぉ古泉。お前の仕業だろう」
 あぁ古泉君だっけ。キョン君の尋ねにまた僕から距離をとり小声で話し出した。
 
 「お察しの通りです。貴方には言っていませんでしたがこの学校の生徒会には僕の仲間がいましてね。それ
を通じて山根君をいじめていた人を少しばかり注意しただけです。そうほんのちょっぴり、ふふ」

 「まぁあえてどんな脅し、いや注意をしたかは聞かない事にしておく。……仕事の手回しをしたのも機関か?」
 
 「ご名答。あぁ安心してください、ほんのエクセルやワードを使うくらいの簡単な作業ですから。至って普通
のお仕事です」
 
 何をいっているのかはよくわからなかったが、キョン君が後で古泉君のおかげと教えてくれたのでお礼の言葉
を述べることにした。いや言葉なんかじゃ言い表せないけど

 「いえいえ結構ですよ。でもこれで入団してくれますね」
 当然じゃないか。断る理由が見つからないよ。

 そして一歩、部室の中に入ると今までにない世界が広がっていく気がした。これからここが僕の居場所かぁ。
 
 「それにしても古泉。山根の為にえらい尽くしたものだな。まぁ涼宮の機嫌とりか」
 部室の外でまたキョン君と古泉君が語りだした。仲いいね、キミたち。
 
 「それもありますが、個人的に僕が彼を気に入っただけです。変な意味じゃないですよ。……ふふ、山根君
やまね君……ヤッマーネ……なんてね」
 古泉君がこちらを見て微笑んでる、つられて僕も微妙な笑い方で返した。

 それからの日々は楽しく、今まで体験したことのないものばかりで幸せさ。みんなは優しいし。でもたまに涼宮
さんは怖いけど。ははっ
 
 
 最後に朝倉さんへ、今日も僕は元気です。


                     おわり
458名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 11:24:10 ID:AtyCltHK
良かった、山根が元気になって本当に良かった
459名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 11:25:47 ID:E8np0rx4
いいねぇこういうのも 文章力もある
460名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 11:27:04 ID:vj4enyw7
リアルタイムで見てたw
山根よかったよ山根
461名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 11:29:02 ID:K5xTYVvp
>>457
君すばらしい
462まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/14(土) 11:58:00 ID:xaziSBsT
伝説の神T.K氏再来ktkr!!

>>432
>>434
どうやら続き紛失してしまったようです。すみません。
書きながら投下しますのでご容赦を。
463イソローク(なんの前触れ無しに投下):2007/04/14(土) 12:06:51 ID:YcbtJOt4
 今更思うのもなんだかなぁと思うのだが、このSOS団に入ろうとする奴はいないのだろうかと俺は思っている。
 いや、別に長門以外の宇宙人とかそう言う奴じゃなくてもっと普通な奴が来て欲しいく、俺の苦労を誰か分かち合えるような人間が入ってきて欲しいんだ。詰まる所SOS団雑用係2号だ。
 なるべくなら俺よりも市内探索の時間に遅く到着してどんな奴よりもお人好しで古泉よりもハルヒの面倒見がよくてそれでいてハルヒが望むような属性がついてない奴が理想。
 なのだがそんな奴がこの世にいるはずは無く、いたとしてもハルヒの目にかなうような奴ではないのは百も承知だ、何を馬鹿な事を考えているんだよ俺、現実を見ろ、そんな奴はいない。


   と思っていたのだが、まことに嬉しい事にそいつは存在して、SOS団に入ろうとしていた
      ちなみに今は秋であり、文化祭が終了し、コンピ研からノートパソコンを4台巻き上げた直後の話である
464イソローク:2007/04/14(土) 12:30:45 ID:YcbtJOt4
「キョン、まだ掃除終わんないの?早くしなさい」
今俺は何をしているかというと、このハルヒの発言で分かるように、教室の掃除である
「そんなに早く部室に行きたいんだったらさっさと行ったらどうだ」
全くだ、なんだってコイツはいま俺を待っているんだ?
「別にいいじゃない、気分よ気分」
一体全体何の気分でいまどういった感慨を持っているのだろうか、なんだか今日のハルヒは少し変な気がする、いや、変なのはもとからなのだが……やっぱり長門が準コンピ研部員になったの事に対して遺憾を感じているのだろうか。
 いやいや、落ち着け俺、何故俺が今この脳内花畑女こと涼宮ハルヒの心境について考えなきゃならんのだ、そんなの古泉辺りに考えさせればいいことだ、今はこのくそ面倒な掃除を終わらせる事に専念しよう。
 そして俺はせかすハルヒを無視して黙々と掃除をし、その後、半ばハルヒに引っ張られるように部室に出向き
 

  中から聞こえる声に俺とハルヒは少々驚きを隠せなかった


465イソローク:2007/04/14(土) 13:06:45 ID:YcbtJOt4
「有希り〜ん、お願いしますよ〜」
「…………」
部室からは、聞いた事ない女の声が聞こえた
「キョン、部室に誰かいる」
ハルヒが耳元で囁いた、んなこと分かるわ、いまこの声が俺の知っている奴の中にいるのか模索してる途中だ
「誰かしら、もしかしたら新たな刺客、もしくは異世界人の末端かしら、それとも―――」
横でハルヒがなにやら訳のわからねえことをぶつぶつ言っているうちにこの声が誰なのかの模索は終了、結果は知らない奴だ
「ねえ有希り〜ん」
「…………」
【有希りん】てのは恐らく長門のことだろう、ということは長門がいま部室にいるということだ、そして勝手な推測だがこの女と長門は何らかの関係があるようだ、でないと長門の事をそんな慣れ慣れしく言うはずがない
「こうなったら強行突破しかないわね」
ハルヒがなにやら訳のわからん事を言い出しバンッとトビラを突き破るように開けて部室に入った。
 そこには予想通り長門がいて、長テーブルに椅子を寄せて黙々と読書をしていた。そしてその向かい側には女子ではなく、ブレザーを着た奴がつくえに突っ伏していた。
「お願い有希りん、入団さして、てかなんか喋って」
ブレザーを着た奴は突っ伏したまま言う
「入団は出来ない」
長門即答
「お願い、そこを何とか」
突っ伏したまま奴は合掌する
「却下」
長門は本から目を離さず、顔も一度たりとも上げない
「た〜の〜む〜よ〜」
奴は机をバンバン叩きながら駄々をこねる
「…………」
ちなみにこの間俺とハルヒは女子が来ているとばかり思っていて、いざみてみるとこの有様だったので二人仲良く唖然していた
「無視ですか……」
突っ伏していた奴はゴロンと顔を俺たちの方へと向ける。その容姿はとても変わっていた

466名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 13:15:42 ID:K5xTYVvp
すいません
1ページでおわるSS考えたのですが、

誰か、書き込みの許可をお願いします。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 13:17:37 ID:W55joh4W
よし、やっちまえ!
468イソローク:2007/04/14(土) 13:20:01 ID:YcbtJOt4
やっちまえ!
469名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 13:32:42 ID:K5xTYVvp
>>467-468
いいんですか??
いいんですね??
470名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 13:41:16 ID:bJUvB/H1
いいよ
責任は俺が持つ
さて切腹の用意をするとしようか
471イソローク:2007/04/14(土) 13:41:32 ID:YcbtJOt4
>>469
俺は勝手に書き込んでるんだからいいですよ

>>このスレにいる人
俺にはやっぱSS書く才能無い?
472名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 14:01:24 ID:AtyCltHK
>>471
とりあえず全部投下してみないと。
473名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 14:40:53 ID:K5xTYVvp
>>470-471
それじゃ、書きます
でも、まだ、タイトルは決まっておりませんので
無題とさせていただきます
474名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 15:22:26 ID:K5xTYVvp
放課後、俺(キョン)は、涼宮ハルヒに部室に呼び出された。
“ガチャ”
部室のドアを開けた。
見るとそこには涼宮以外、誰もいなかった。
涼宮は、窓の方向でテーブルに座っていた。
俺が来た瞬間、あいつは立ち、俺の所にきた。
俺は涼宮に問いただした。
「何の用だ?涼み・・・」
“ゴフッ”
涼宮は、いきなり俺の腹を拳で殴った。
「がはっ・・・・」
俺は倒れて気絶した。

「う・・・・・・ん・・・?」
俺は気が付いた。
ここはSOS団の部室の中だ。
「な!?」
俺は驚いた。
俺は、十字架に両足と両腕をロープで縛られていた。
身動きさえとれない。
もう1つ驚いたのは、床が血の海だ。
部室の中で、朝比奈さん、長門、古泉が殺されていた。
朝比奈さんは、背中にナイフが刺さったままだった。
そこにハルヒが現れた。
「気が付いたようね・・・」
「ハルヒ、全てお前がやったのか!?」
「ええ、そうよ」
「何でだ!!なんであいつらを殺した!?」
「正直ウザかったのよ・・・だから殺した」
「そんなことで、こいつらを殺したのか!?」
「ええ。」
涼宮はそういうと、朝比奈さんに刺さっていたナイフを抜いた。
そして、ナイフについた血をなめ、こういった。
「次はあなたの番よ、キョン」
「やめろ、ハルヒ!!やめろ!!」
ハルヒは俺の肩を包丁で刺した。
“ザクッ”
「うわぁぁぁぁっ!!」
あまりの痛さに俺は悲鳴をあげた。
涼宮は、刺した途端こうつぶやいた。
「気が変わったわ、やっぱり、首を絞めて殺してあげる」
涼宮は俺の首を絞めた。
“ギュ―――――”
「ぐっ・・・・・・・あっ・・・・・・や、・・・・・や・・・・め・・・ろ・・・・・・」
だめだ。身動きがとれない。
俺、死んじゃうのか??




“ハッ”
ここは、俺の部屋だ。
「良かった、夢で・・・」
俺の首に左手が・・・・
自分で自分の首を絞めていた。
気が付いたら、自分の腹に、辞書が落ちていた。
これは、夢で涼宮が俺の腹を殴った時だと確信した
深夜なのに、俺の家の近くで町内放送が流れた。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 15:23:49 ID:K5xTYVvp
すいません
1ページっていっておきながら、
都合で、全部書ききれなかったので、
2ページにわけてかきます。
476名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 15:48:56 ID:K5xTYVvp
「ただいま、震度5弱の地震が発生しました。
皆様、落ち着いて避難して下さい」
辞書は、地震の時に落ちてきたものだった。
おいおい、地震かよ
起き上がろうとしたその時、
「ぐぁっ!!」
俺の伸ばした右腕に、本棚がたおれていた。
これは、夢で、涼宮が肩をナイフで刺した時のやつだ。
腕を本棚から離そうとしても、だめだ。右腕に力が入らない。
きっと本棚が倒れたときに俺の右腕が折れたんだ。


左腕は動いていたが、身体がこわばって、自分で、本棚を起こすことが出来なかった。

俺は救急車で病院に運ばれた。
俺の予想は的中した。

右腕が折れていた。

はぁ・・・

俺はため息をした。
この日は俺は、骨折のほかに何度も災難に遭った。
「なんで、俺ってこんなについてないんだろ」
はぁ・・・・
俺は再びため息をした
477名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 15:49:54 ID:K5xTYVvp
なんとか全部書きました

おかしい箇所とかありましたら、
教えてください
478名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 16:07:21 ID:GWKaPpjr
>>471
才能云々の前にsageようね
479名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 16:52:22 ID:b5dEab4D
長門のエラーいいなあ
嫉妬に狂うハルヒが好きなんで長門にあっさりやられちゃうのはアレですが
TKさんはやっぱ読ませるね。管理人さんも投下途中のひとも楽しみにしてますよー
あとね、これはひとりごとだけど、好きで書いたなら気楽に投下してほしいなあ
ウケねらいとか無理でしょ、プロじゃないんだから。
逆に、好きじゃないなら書いても意味ないと思うな
480名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 16:55:27 ID:K5xTYVvp
>>479
まあ、そうだね
481名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 17:08:59 ID:b5dEab4D
あと、いじめとはどうのとか俺が偉そうにケチつけたSSはちゃんと読ませる文章だと思ったから
思わず引き込まれて展開に文句言っちゃったのさ、すまんこってす
俺TKさんにも以前文句言ってたような気がするなw
482名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 18:15:26 ID:GWKaPpjr
乙GJも嬉しいけどちゃんと読んでくれてるのがわかる批評も嬉しいよ
書き手にもよるんだろうけど、俺はそうだ
483涼宮ハルヒの横暴V:2007/04/14(土) 20:58:14 ID:VObK/WHS
>>392>>497の続き。


「ひぐっ……うぎゅっ……へぐぅ……」
文芸部室、なぜかバニーのコスプレをした朝比奈みくるがしゃくり上げながら、目から大粒の涙をぼろぼろ零していた。
「まったくいい加減に泣き止みなさいよ。たかがバニーの衣装着てチラシ配ってきただけじゃないの」
なにがたかがなものか、下着のような格好で学校中を練り歩かされて、みくるは恥ずかしくて死にそうなほどだった。
「まったくしょうがないわね。まあいいわ、これからパソコン貰いに行くから、丁度いいわ、みくるちゃんその格好のまま付いて来なさい」
泣きじゃくるみくるを無理やり立ち上がらせて、ハルヒは文芸部室を後にしようとしたが、ドアに手をかけたところで、立ち止まって振り向いた。
ハルヒは窓際に所在無さげに座っていた少女を一瞥してから言った。
「あとアンタ、そこの倒れた本棚ちゃんと片付けときなさいよ。あたしが帰ってくるまでにね。終わってなかったらそこの本全部燃やすわよ、いいわね」
有希は目を伏せたまま、首を小さく縦に動かした。

そして出て行ったハルヒは、いったいどんな手品を使ったのか、数分後に最新型のパソコンを抱えて帰ってきた。
さらにその後、ネット環境を整えるためにとなりのコンピューター研究部から連れてきた部員たちに廊下からケーブルを通させていた。
そのときのコンピューター研の部長の泣き出しそうなほどに消沈した顔を見て、有希は状況を理解できた。
なんとかしないといけない、このまま彼女の暴走を許していたらまた悲しむ人が出てくる。
有希は悩んだ末、ひとりの友人に相談することにした。

484涼宮ハルヒの横暴V:2007/04/14(土) 20:59:42 ID:VObK/WHS

「涼宮さん、あなた最近、放課後にどこで何をしてるのかしら?」
次の日、教室でハルヒに話しかけたのは、委員長の朝倉涼子だった。
朝倉の表情は朗らかな笑顔のようだったが、目が笑っていない。
ハルヒは朝倉の様子からだいたいの事態を察して、小さく舌打ちをした。
「なによ? あたしが何しようとあたしの勝手でしょ」
「迷惑してるんですって。長門さんも、他にもいっぱいの人が」
朝倉は毅然としてハルヒの言葉を断絶した。
そして、机の上に見覚えのある破れた本を置いて、ハルヒの目を見つめてはっきりと言った。
「いい加減にしなさいよ。これ以上自分勝手に人を傷付けるのは、わたしが許さないわ」
静かに、しかし怒りのこもった口調でそれだけ言って、朝倉はハルヒに背中を向けて去っていった。
ハルヒは細めた目でその背中を見送った。それから机の上に置かれた物を見た、これは昨日自分が破いた長門有希の本だ、だとしたら朝倉に告げ口したのは彼女で間違いない。
「チッ……なめた真似してくれるじゃない……!」


家に帰って、朝倉は部屋の電気を点けた。沈みかけた夕日に照らされた暗がりの部屋が明るくなった。
部屋には他にだれもいない、一人暮らしだ。
朝倉は制服を着替えて、台所のガスコンロに置かれた鍋に火をかけた。
しばらくして、作り置きのおでんがコトコト煮立ちはじめた。
女の子がひとりで食べるには多すぎる量だ、朝倉はその鍋を持って、部屋のドアを開け外に出た。
「長門さん、もう帰ってる時間よね……涼宮さんのことについてもっとちゃんと話しておかないと……」
朝倉は階段を昇って、すぐに同じマンションに住んでいる友人の部屋の前まで辿り着いた。
鍋を抱えたまま器用に肘でインターホンを押した。
「…………有希?」
返事はない。彼女はいつもこの時間には家に帰ってきているはずなのに。
朝倉はコンクリートの床に鍋を置いて、今度はドアを直接ノックした、だが中から反応は一切ない。
485涼宮ハルヒの横暴V:2007/04/14(土) 21:00:56 ID:VObK/WHS
「有希? いないの?」
様子がおかしい、本当に有希は帰ってきていないのだろうか。
朝倉はドアの横にある電気やガスの計器が入った小窓を開いて、中にある電気の使用を示すメーターを見た。
メーターはす速くくるくる回っていた、間違いない、彼女は帰ってきて中にいる。
朝倉は強く扉を叩いた。
「有希! いるのはわかってるわ。どうして出てきてくれないの!?」
少し取り乱した様子で朝倉はドアをドンドン叩いた。
やがて、内側からカチャリと施錠を外す音が聞こえた。
そして開かれた扉の向こうから現れた長門有希の顔を見て、朝倉は愕然とした。
「……有希…………!?」
うつむいたまま立っている有希の顔は、頬が青黒く腫れ、目じりが切れて赤くなっていた。
それ以外にも細かい外傷が多数、部屋の机の上には割れた、いや恐らく割られたと思われる眼鏡が置かれていた。
「……涼宮さんね……彼女がやったんでしょ……?」
朝倉がそう聞くと、有希は目をつぶってふるふると首を横に振った。
「嘘つかないでっ! 有希、わたしを信じて、本当のことを教えて!」
朝倉は長門の肩を両手で掴んで、彼女の目を見ながら言った。
有希は体を震わせて押し黙っていたが、やがて堰を切ったように涙を流して、朝倉の胸元に顔をうずめて泣き出した。
「有希……ごめんなさい。まさか彼女がここまでひどい人だなんて思ってなかった。もう許さない、明日学校でこのことを全部先生に伝える。もう彼女を絶対あなたに近づけさせないから」
だが有希は激しく首を横に振って、頑なにそれを拒んだ。
「だめ……もしそんなことしたら……涼子ちゃんが…………」
いじめを助けようとすれば、お定まりのパターンだ、助けようとした人がいじめられる。
もし先生に告げ口でもすれば、怒り狂った涼宮ハルヒが朝倉や有希に何をするかは容易に想像できる。
しかし朝倉ははっきり首を横に振って、有希の体を強く抱きしめた。
「わたしのことは心配しないで。……安心して、有希はわたしが守るから……」
486涼宮ハルヒの横暴V:2007/04/14(土) 21:04:37 ID:VObK/WHS
続きます。

良作SS大量に出だして、もう暇潰しでもなんでもないですが、一応最後まで書いて投下するつもりです。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 21:25:04 ID:AtyCltHK
>>486
wktkして待ってる
488名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 21:50:33 ID:b5dEab4D
ハルヒ頑張れ
何があろうと俺だけは君のry
てか目を細める黒ハルヒを想像するとゾクゾクしちゃうな
489名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/14(土) 22:46:37 ID:K5xTYVvp
>>488
それっておもしろそう
490イソローク:2007/04/15(日) 09:38:28 ID:Ruev7j1t
すいませんでした、今度からsageます


髪型は長門よりも美容室に無縁でひどい寝癖&ボサボサ、容姿は谷口が言うAランクの女子と童顔の男子を足して2で割ったような感じで、さらに現在怪我をしているのだろうか顔の左半分にでかいガーゼをつけていた。なんとも第一印象の濃い奴がいたもんだ
「あんた、何者?」
ハルヒがいつの間にか復活していた
「SOS団入団希望者です……が、何か?」
なんと、こんな中途半端な時期に入団希望者が現れるとは、流石に意表をついた答えにハルヒも驚いていた
「フ、フン、入団希望者ね、でも残念ね、今SOS団は部員は募集してないわ」
驚いた表情をいつもの顔に戻してそう言い放った、当初はあんなに部員が欲しいっていてた癖して今はいらないのかよ
「と、言いたいところだけど」
どっちなんだよ
「あんた、なかなか面白そうなやつだし、今更入団を希望するとは見上げた度胸ね」
見下げ果てた所業の間違いではないか?
「いいわ、今から入団試験を開始するからちょっとそこで待ってなさい」
入団試験?何時そんなもの作ったんだ?こいつは、てか一体SOS団にはいるには何がどれだけ必要なのだろうか、そして俺はそれに合格しているのだろうか、気にはなるがどうせろくでもないもんだろうから知らなくていい


入団試験の内容は、試験というよりも面接のような物で、ハルヒの質問にアイツが答えるだけという実にシンプルな物だった

491イソローク:2007/04/15(日) 10:10:54 ID:Ruev7j1t

Q、「なぜSOS団に入ろうと思ったわけ?」
A、「いやーなんていうか、おもしろそうだから」

Q、「活動内容は分かってるんでしょうね?」
A、「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶ事」

Q、「あんたは宇宙人とかそういう奴なの?」
A、「だったとしても自分から自白はしないよ」

Q、「突然で悪いんだけど、さっき有希のことを【有希りん】って呼んでたけど、有希とどういった関係?」
A、「図書館で偶然知り合った関係」

Q、「偶然知り合った関係にしてはちょっと慣れ慣れし過ぎない?」
A、「それからある程度仲良くなったので」

Q、「そうなの?有希」
A(長門)、「…………(一回首を縦に振る)」

Q、「ふーん、そういえばあんた、その顔に張ってあるガーゼは何?」
A、「ガキん頃に馬鹿して負った怪我」

Q、「ちょっと見せなさい」
A、「嫌だ」

Q、「どうして?」
A、「誰にだって隠したい物はあるさ」

「…………。」
なんだか、面接ともいえないなこれは、ハルヒもなんだか半ば飽きたような感じだし、悪いが入団希望者君、ここは大人しくひいたほうがいいぞ
「じゃあ最後の質問、あんたの名前は?」
そんなもの聞いてどうする、どうせ聞いた所で入団は許可しないんだろ、それにそういうのは最初に聞いておくものだ
「卜部 井草」
これまた随分と吹っ飛んだ名前だな、長門の親玉である所の情報統合思念体が400人目のインターフェースに付けそうな名前だ
「採用、あんた中々の素質を持っているわ」
さっきまで飽きたような顔をしていたハルヒは、見違えるほどに元気になり、でかい目をキラキラ輝かせていた。名前で決めやがったよコイツ

492イソローク:2007/04/15(日) 11:06:10 ID:Ruev7j1t
「え、マジで?」
突然の合格通知に卜部 井草とやらは随分と間抜けな顔&声で言った
「あたしはいつでも大マジよ、何?やっぱ入団するのやめた〜なんて言う訳?それは許さないわよ、一度SOS団に入った人間はたとえ本人の意思でやめるなんていってもこのあたしが認めないわよ」
認めてやれよそんくらい、まあ俺はなんだかんだ言いながらも抜ける気は無いけどな
「いや、そういうわけじゃないけど、なんか随分とあっさりしているなと思って」
あっさりっていうかいい加減だろ、名前で入団の有無を決めるなんて視聴率が取れないTV番組にイロモノを出す事ぐらいいい加減な判断だろう
「することなすこと全部こういう風にあっさりと決めといたほうがいいの、ところであんた、我がSOS団の団員は全員知っているわけ?知らなくても団長が誰なのかわかってるでしょうね」
そりゃ団長ぐらいは分かるだろう、なあ卜部とやら
「…………??」
眉をひそめやがった、ひょっとして知らないのか
「あたしが団長の涼宮ハルヒ!!憶えなさいよそんくらい!で、そいつがキョン、有希は紹介する必要が無いわね、で、ここにいないけどあと二人団員がいて、ちっこくて可愛いのがみくるちゃん、かっこいいのが古泉くん、いい?分かったわね!」
「イ、イエッサー……」
少々怒気のこもったハルヒの言葉にビビッたのか、卜部は何故か敬礼をした。面白い奴だ。
「あの、すいません、ちょっと用事があって遅れちゃいました」
なんともグッドなのか微妙なのか分かりづらいタイミングで朝比奈さん登場、そして
「僕も同等の理由で遅れました」
朝比奈さんに続いて古泉が相変わらず無駄に爽やかなスマイルで来た。
493イソローク:2007/04/15(日) 11:55:39 ID:Ruev7j1t
「あれ?」「おや?」
朝比奈さんと古泉が卜部を見るなり少々驚いた顔をした
「井草君?」「卜部さんじゃありませんか」
二回連続でハモるな、双子じゃないんだし
「?、古泉君、みくるちゃん、井草のこと知ってるの?」
「「ええ」」
だからハモるなって
「え?団長、まさか古泉君とみくるちゃんってこの二人の事?」
なんだ?こいつ、この二人とも何らかの接点を持ってるのか?
「そうよ、この二人の事よ、やっぱりあんた達はお互いを知ってるの?」
「ええ、中学時代の友人です」と古泉
「はい、家が隣同士でよくお話するんです」と朝比奈さん
「まあ、二人の言ってる通りだ団長」と卜部
なんとまあ、偶然ってのは凄いもんだ、まさかこの三人と知り合い以上の接点を持つ人間が俺とハルヒ以外にいて、そいつがこのSOS団に入団するなんて一体誰が予想できただろう、誰も出来るはずがない、意表をつき過ぎている、預言者もビックリだ
「ふーんめぐり合わせはあるものなのね、ま、そういうわけだから、皆仲良くね」
今更ながらなのだが、こいつしめる時はいつも『そういうわけだから』というが、いまいちどういう訳かわからんなあ。
 まそんなことはどうでもいいし、団員が一人増えようがSOS団はSOS団だ、何も変わりはしないさ

と、思っていたのだが、この一ヵ月後にSOS団はとんでもない事になってしまった


長々と書いてすまん、こっからいじめを始めるつもりなのである程度長い目でみていてくれ
494名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 12:18:24 ID:7XQ/J0oh
これはwktkだな
495名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 17:16:04 ID:P4Us1hn7
続きwktk!
496名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 18:02:23 ID:cE+HA7mm
>>495
同意
>>493
もっと書いて
497涼宮ハルヒの横暴W:2007/04/15(日) 20:12:52 ID:pVhcu9NY
>>485から続き。


「わかった、そのことについてはそのうちちゃんと先生のほうで調べるから……」
「岡部先生! そのうちなんて流暢な事を言っている場合じゃないんです!」
ばしんと机を叩く、驚いて職員室中の先生が何事かと朝倉の方を向いたが、気にも留めず朝倉は続けた。
「長門さんはもう二度も暴行を受けているんです! 彼女の顔を見ればわかります、彼女は教室にいるはずですから、放課後にでも一緒に来てください!」
「し、しかしだな朝倉……、それを涼宮がやったなんて証拠はどこにも無い訳だし、3組の担任によると、あの傷は階段から落ちたときに付いたと、長門自身がそう言っていたそうだ……それに、長門有希はむしろ協力的に涼宮のクラブ作りに付き合っていると……」
駄目だ、岡部は到底朝倉の言うことを信じていない様子だ。朝倉は担任の岡部の協力はあきらめて、職員室を後にした。

涼宮ハルヒは優等生だ、成績も優秀で表向きは暴力事件なんか起こすような人間にはとても見えないだろう。教師に限らず、人間という生き物はどうしても他人をレッテルで判断してしまうものだ。
事実朝倉自身も有希から最初にハルヒのことについて聞かされたときは、彼女がそんなことをするなんてとても信じられなかった。
でも、このまま放っておいたら状況はどんどん悪い方向に進んでしまう。
朝倉は悩んだ。確固たる証拠が無ければ彼女を有希から遠ざけることはできない。
それにこうやってわたしが教師たちに呼びかけていることが涼宮さんにバレたら、また有希がひどい目に遭わされるかもしれない。
昨日、涼宮さんが有希に加えた暴行はおそらく警告を意図していた。余計なことをすれば、こうやって有希を傷付けるぞと伝えたかったのだろう。

どうにも仕方が無い。とにかく今は彼女を有希に近づかせないようにするのが先だ。
朝倉はそう考え、一枚の封筒をかばんから取り出した。
498涼宮ハルヒの横暴W:2007/04/15(日) 20:14:00 ID:pVhcu9NY

「では帰りのホームルームを終わる。気をつけて帰れよ」
担任の岡部がそう告げると、クラスの生徒たちはそれぞれ仲の良い友達と一緒に話しながら教室を出て行った。
涼宮ハルヒも鞄を抱えて、文芸部室へと向かおうとしたが、担任の岡部が彼女を呼び止めた。
「涼宮、これお前の落し物だ、さっき生徒が届けに来たぞ」
軽くそう言い、机の上にぽんと封筒を置いて岡部は去って行った。
それを見て、朝倉は溜めた息をふう、と下した。
ハルヒはまゆを寄せてその封筒を眺めていたが、やがて封を切って、中身を読み始めた。
中身は一枚のワープロ書きの手紙だ。確かに封筒には『涼宮ハルヒより……さん宛て』と書かれているが、それは涼宮ハルヒの落し物などではなく、朝倉涼子が書いた手紙だった。
ハルヒは中にたたまれて入っていた一枚の紙を広げて目を通していた。


『涼宮へ、担任の岡部より。』

まずこの手紙は一人で読んでもらいたい。涼宮自身、あまり人に知られたくない内容だと思うからだ。
お前が最近、放課後に行っているクラブ作り、及び文芸部室を使った活動について、けっこうな数の苦情が寄せられていた。
そのことについて、先生と他に教師数人でいろいろ調べて回ったところ、涼宮が何人かの生徒に暴力行為をしたこと、さらにコンピュータ研究部から恐喝まがいの方法でパソコンを強奪したことがわかった。
先生もはっきり言って信じられない。しかし事実は事実として受け止めていかないと仕方が無い。
ついてはこの件に関して、保護者も交えて話し合っていかなければいけない、涼宮ももう高校生なんだからそのくらいわかるだろう。お前がやったことはれっきとした犯罪行為だからだ。
499涼宮ハルヒの横暴W:2007/04/15(日) 20:15:41 ID:pVhcu9NY
職員会議では、このことについて、涼宮の両親を呼んで全て話して、場合によっては警察の介入も考えて、早急に事態を解決したいと考えているが、先生としてはまずお前から謝りに来てほしいと思っている。
他の先生たちにしても、お前からちゃんと反省の態度を示せば、あまり厳しい処置はとらないと思う。
だから1週間やるから、よく考えて行動してくれ。自分で悪い事をしたと思ったら、来週までに先生のところに謝りに来てほしい。
ことわっておくが先生は別に怒ってるわけじゃない、ちゃんと謝りにきてくれれば、俺はできるだけ涼宮の味方をしてやるつもりだ。

 ○月×日、担任の岡部より



朝倉の記憶に間違いが無ければ、手紙にはワープロで打った文字でそう書かれているはずだ。昨日のうちに朝倉が用意したニセモノの警告文章。
だがハルヒから見れば、あたかも他の生徒の目に気を使った岡部が、自分に宛てた手紙を落し物と偽って届けたかのように感じるだろう。
ハルヒはその手紙を読み終えて、封筒ごと手紙をかばんに押し込み教室を後にした。
それを横目に見届けて、朝倉はもう一度深く息を吐き出した。


理想はあのブラフの手紙を本物だと信じた涼宮ハルヒが、自分から全てを話してしまうことだ。
担任の岡部には今朝職員室で全て話してある。全く信じていない様子だったが、涼宮ハルヒが自分から供述すればさすがに朝倉の話が事実であったと信じざるを得ないだろう。
しかし切れ者の涼宮ハルヒがそう簡単に騙されてくれるとは朝倉も思っていない。もしかしたら、彼女はもうすでに手紙を誰かの策略だと見抜いているかもしれない、その可能性も無くはない。
500涼宮ハルヒの横暴W:2007/04/15(日) 20:17:17 ID:pVhcu9NY
少なくとも彼女があの手紙を全く疑っていないと考えるのは、あまりに楽観的というものだ。
しかし取り敢えずこれで、彼女も念のためしばらくは有希に近づくことをしないだろう。
あくまで手紙の目的は時間稼ぎだ。
その間に彼女が有希をいじめていたということを、岡部先生や他の教師たちに知らせていけばいい。
そのためには、彼女が自分のしたことについて話しているところをビデオにでも撮ってしまうのが一番わかりやすい。
朝倉はそう考えて、鞄にデジタルビデオカメラを忍ばせていた。
汚いやりかただとは思うが、朝倉は彼女が自分と有希のいじめについて話しているところ、場合によっては自分に暴行を加えている映像を密かに撮影して証拠にするつもりだった。
有希の顔の傷、そして涼宮ハルヒ自身が自分の行為を暴露しているところを押さえた映像があれば、もう言い逃れは出来ない。
それに、そこまで行けば、彼女に弱みを握られているというコンピュータ研の部員達も、涼宮ハルヒのパソコン強奪の件について真実を語ってくれるだろう。
「有希はわたしが守る……涼宮さん、あなたは絶対に許さない……!」
朝倉はただ彼女への怒りを燃料に、瞳に黒い炎を灯してそう呟いた。
正義のヒーローを気取るつもりはない。ただ彼女が親友にした行為が許せない、それだけだった。



続く
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 20:32:52 ID:EPS7LxwL
頭脳戦イイネ
502名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 20:41:38 ID:Rmvy8ZYh
うおぉ朝倉さんかっこええ!!!
頑張れ朝倉さん!!
503涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:13:51 ID:pVhcu9NY
後日投下する予定だったが、最後まで書き上がったので続き連投します。

>>500からの続き、今回最終話です。
504涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:14:41 ID:pVhcu9NY

内部からの密告が一番手っ取り早い。
企業や省庁の不祥事の発覚、そのほとんどもやはり内部告発だったように。
涼宮ハルヒの有希や他の人たちへの暴力、恐喝行為について、被害者である有希以外の誰かが告白してくれることで、教師たちを説得する決め手になる。
ビデオカメラによる隠し撮りを使った方法はいわば最終手段だ。有希のためならどんなダーティーな手段もいとわないつもりだが、やはり朝倉自身そうした方法を取ることに抵抗があった。
「一番近づきやすいのは、同じクラスのキョンくんだけど……」
確かに彼は誰よりも涼宮ハルヒの近くにいる人物だ。彼ならば有希たちがどんな目に遭ってきたか、その全てを知っている可能性が高い。
しかし同時に、いざというときに彼は涼宮ハルヒの側に付くかもしれない。そんな悪人には見えないが、彼だって涼宮ハルヒの仲間だと考えれば、その可能性も否定できない。
もっと、彼女との関係がまだ浅い人間が望ましい。
そう考えた朝倉涼子は、放課後の教室でひとりの生徒を待っていた。
夕焼けで外の景色が赤く染まっている。
遅い、もしかしてすっぽかされたかもしれないなどと朝倉が考えていると、教室のドアが開かれ、呼び出した生徒がそこに立っていた。
「遅いよ」
「なんの用ですか? 手紙で呼び出しとは」
古泉一樹、ついこのあいだに転校してきたばかりの生徒だが、ハルヒによってすでにSOS団の団員とされている。
朝倉は彼が、SOS団に内部接触する入り口として最も好ましいと考えた。
いかにも人の良さそうなキョンと違い、どこか油断ならぬ雰囲気を漂わせている古泉だが、転校してきたばかりで日が浅い彼ならば、絶対的に涼宮ハルヒの味方をするような真似はしないだろう。
話を通して、おいおいこちら側につくように仕向けていけば、いずれハルヒのいじめについて追及するとき、証人として心強い味方になってくれるかもしれない。
古泉を本当に信頼していいものかと少し戸惑ったが、他に適任者がいない以上、朝倉は彼に頼るしかないと思い口を開いた。
505涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:15:48 ID:pVhcu9NY
「用があるのは確かなんだけどね……涼宮さんの事、どう思ってる?」
そう聞くのが一番妥当だと考え、朝倉は尋ねた。
彼女のしていることを知っているのか?
もしそうなら、そのことをどう思ってるのか?
そう聞きたかったから。
「涼宮さんの事ですか? とても魅力的な女性だと思いますよ」
そうじゃない。
もどかしい気持ちがつい朝倉の言動を先走らせてしまった。
「わたしの友達が涼宮さんにいじめられて、昨日ひどいケガを負わされてたわ。そのことを知ってて、彼女の仲間をしているの?」
思わず考えていたことをそのまま口走ってしまった朝倉、しまったと思ったときにはもう遅い。
古泉はそれを聞いても、やはり微動だにしない笑顔のままだ。
やはり知っていたのか?
だとしたら彼もまた涼宮ハルヒの味方なのかもしれない。
「ええ、お察しの通り、僕は全て知っていますよ。涼宮さんが自分の私利私欲のために色々な人たちを傷付けて、至極自分勝手な振る舞いをしていらっしゃることをね」
右手をポケットに突っ込み、斜に構えたような格好をして古泉は言った。
「しかし断っておきますが僕はあくまで傍観者です。彼女の行為に積極的に協力したいとは思っていません。まあ、とは言え消極的な形で手を貸してることになるのでしょうが」
古泉は罪の告白をするように、少し顔を下に傾け気味にしていた。
朝倉はいざとなったら騙してでも彼女の行為について聞き出したいと考えていたのだが、古泉がもし中立的な傍観者の立場を取っているのならばそれが一番朝倉にとって都合がいい。
だったら涼宮さんによって虐げられてる人たちのために、こっそりわたしに協力してほしい。朝倉はそう告げた。
だが古泉は朝倉の言葉を聞いて、少し暗い顔をしながら答えた。
「そのことについての僕の返事は、はっきり『イエス』とは言いかねるところですね……」
「そんな、どうして!? 彼女がやってることを許せないと思う気持ちは無いの!?」
有希がどうなってもいいって言うの?
506涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:17:30 ID:pVhcu9NY
朝倉がそう伝えようと口を開きかけたところで、開きっぱなしだった教室のドアの向こうから一人の生徒が現れた。
「古泉、お前なに言ってやがる」
同じくらすの男子生徒、キョンだった。彼はいつの間にかそこにいて、朝倉たちの会話を聞いていたのだ。
「キョンくん……聞いてたの?」
「……おや? どうして、あなたがここに……?」
「そんなことはどうでもいい。ハルヒがそんなことをしてたなんて俺は今初めて聞いたぞ、何で黙ってやがった? それと朝倉に協力しないってのはどういう訳だ」
キョンは古泉に掴みかからんばかりの勢いでまくし立てた。
「俺はお前に幻滅したぜ、ハルヒもお前も最低だ。いじめなんて許せることじゃない、俺は朝倉にできるだけのことをしてやる、ハルヒを二度と学校に来れないようにしてやるさ」
「キョンくん……」
朝倉は、少しでも彼の事を疑った自分の心を恥じた。
やっぱりキョンくんはいい人だ、きっと彼なら有希やわたしを助けてくれる。
そう思った朝倉は、思わず涙ぐみそうになった。
よかった、一番当事者の側にいた彼が涼宮さんについて証言してくれれば先生も聞き入れてくれるだろう。これでこの事件も解決する。朝倉はそう思った。
キョンは朝倉の方を振り返り、その両肩に手を乗せて力強く言った。
「俺はお前に協力する。長門がハルヒにいじめられてるのをかわいそうだと思う気持ちはお前と一緒だ、なにか俺にできることがあったら何でも言ってくれ」

え……??

朝倉は目を丸くした。立ったまま意識を喪失しそうになった。

今、彼はなんと言った…………?

『長門がハルヒにいじめられてるのを…………』
507涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:18:56 ID:pVhcu9NY

どうして彼は『有希がいじめられていた』ということを知っているのか?

朝倉も古泉も、この教室で一度も長門有希の名前を出してはいない。
朝倉が『わたしの友達』と言ったが、彼は朝倉と有希の関係について全く知らないはずだ。
もし彼が本当に今ここではじめて涼宮ハルヒの暴力行為について聞かされたならば、なぜいじめられているのが有希だとわかったのか?


「……ククク…………アッハハハハハ!!!! なんだよ朝倉、素っ頓狂な顔して、幽霊でも見たような表情してるぜ!」
キョンはいきなりからからと笑い出した。
朝倉は真っ青な顔で震えていた。
目の前にいるのは誰だ? 今一体なにが起きているのか?
ひたすら混乱を沈めようとする朝倉に、さらに聞きなれた女の声が届いた。
「全くこのバカキョン、もうちょっと上手く演技しなさいよね。せっかく適当に泳がせてから遊んでやろうと思ってたのに」
教室の扉の影からハルヒが顔を出していた。
しかも、ハルヒは腕の先に、意識を失ってぐったりとした女子生徒の襟首を掴んで、引きずるようにして持っている。朝倉はその生徒の顔を見て、驚愕に目を見開いて叫んだ。
「有希っ!!」
長門有希は衣服がひどく乱れ、顔は見た目にも只事で無いほどの怪我を負っている、気を失って倒れているようだった。
「おもしろかったわよ、『アンタの書いた』あの手紙。内心けっこう焦ったりしたわ、本当にバレてんの? ヤッバーみたいな! 一瞬マジで自首しようかと思ったわよ」
バレてる。そんな、どうして?
ミスはなかったはずだ。朝倉自身もいつか露見するかもしれないとは覚悟していたが、いくらなんでも早すぎる。
「でもね、あんたみたいなよい子ちゃんにはわからないでしょうけど、教師なんて問題ごとは全部見みぬふりする生き物なのよ。自分のクラスで問題起きて給料引かれんのは自分だからねー」
508涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:20:19 ID:pVhcu9NY
ハルヒはそう言って、有希の体を朝倉の足元に放り投げた。
ごろりと床に転がった有希の体は、散々に殴られ、蹴られた跡が残されていた。
「いいサンドバッグだったわよ。椅子に縛り付けて、誰にチクったか答えなさいって聞きながらバシンバシン叩いてやったのよ、いい運動になったわ」
ハルヒはボクサーの真似のような動きをしていた。
「有希ったらすごいのよ、散々殴ってやって、ぐずぐず泣くんだけど、最初のうちは絶対に口割らなかったの。まあたぶん朝倉だろうとは思ってたけど案の定だったわね」
有希は気を失っているが、よほど怖い目にあったのだろう、意識を失っても蒼白の顔をしたまま、体を小刻みに震わせていた。
「知ってる? 頭に皮袋かぶせて殴る拷問ってのがあってさ、目が見えない状態でいつ殴られるか分からないのがすっごい怖いんだって。いつまで経っても口割らないから、有希にも目隠ししてから殴ってやったのよ」
涼宮ハルヒは心底おもしろそうに笑い声をもらしていた。
「そしたらどうよ。それまでぐずってた有希がおかしくなっちゃたかと思うくらい大声でワンワン泣きながら、昨日朝倉に告げ口したって教えてくれたわ。ああー面白かったわ、あんたにも見せてやりたかったわよ」
なんてひどい、だが朝倉は涼宮ハルヒに対する怒りよりも、有希の身を案じる気持ちで頭がいっぱいだった。
「まあそれでピンと来たわ。昨日有希が朝倉にチクって、それで今日このワープロ書きの手紙だもん。ああなるほどねって感じよ」
朝倉の目論見は全くの逆効果だった。彼女を有希に近づかせないつもりが、結果的により有希を傷付けることになってしまった。
朝倉は下唇を噛んで涙を落とした。
悪いのは自分だ、自分のせいで有希がこんなことになってしまったんだ。そう心で繰り返し、朝倉は自分を責めた。
「ん? どうしたの朝倉、聞こえてる? ああ、たぶん死んでは無いわよ有希、まあ途中で腕が疲れてモップで叩いたから、ひょっとして死ぬかもなんて思ったりしたけどね、あははははは!」
朝倉は頭の中の線が切れる音を聞いた気がした。
自分のせいで有希は傷ついた。
509涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:21:37 ID:pVhcu9NY
だが有希を直接傷付けたのは、一番悪いのは、紛れも無く目の前で不快な笑い声を立てて、醜く顔を歪めているこの女だ。
涼宮ハルヒのけらけらとした笑い声がたまらなく不快に感じられた。
瞬間、朝倉は床を蹴ってハルヒに飛び掛かった。
「うあああああっ!!!」
咆哮とも悲鳴ともつかない絶叫とともに、朝倉は体ごとハルヒにぶつかった。
ハルヒは不意をつかれて、そのまま教室の床に背中から衝突した。
「許さない!! あなたなんて人間じゃない! 有希に……! 有希に謝りなさい!」
朝倉は腕を振り下ろして、平手でハルヒの顔面を打った。
ばちんと激しい音が鳴った。
さらに腕を振りかぶる朝倉、それをキョンが肩を掴んで止めた。
「おい、よせよ朝倉……」
「うるさいっ!! あなただって、親しいふりしてわたしのことを騙そうとして! 許せない! 絶対に許さないんだから!!」
目に涙を浮かべて、朝倉は腕を激しく振ってキョンの制止を振りほどいた。
後ろ向きに倒れるように机にぶつかったキョン、そのとき、床になにかが落ちてかちゃりと音を立てた。
それは机の上にでもあったのだろうか、床に落ちた物が朝倉の目に止まった。
そして吸い込まれるようにして朝倉はそれを手に取っていた。

カッターナイフ。

朝倉は怒りで目の前が赤く染まるのを感じていた。雪崩のような感情の本流が全ての理性を押し流してしまっていた。朝倉の頭の中にあるのはただ目の前の敵に対する憎しみだけだった。
「ちょ、ちょっと何する気よ朝倉っ!! そんなんで刺したら死んじゃうわよ!」
倒れたまま腰を浮かせたハルヒが後ずさりをするように床を這いながら言った。
そうだ、死ぬ、今この腕を振り下ろすだけで涼宮ハルヒが、有希の体と心を傷付けた悪魔が、死ぬ。
朝倉は涙を浮かべながら瞳を吊り上げ、さながら復讐鬼の如き表情を涼宮ハルヒに向けた。
510涼宮ハルヒの横暴X:2007/04/15(日) 21:22:46 ID:pVhcu9NY

「駄目です! やめてください朝倉さ……!」
「うるさいっ!」
古泉の制止を無視して、朝倉は上半身だけを立てて床に座ったままのハルヒに襲い掛かった。
殺すつもりだった。少なくとも怒りの感情に身を任せた朝倉に、躊躇いはなかった。
だが、その刃がハルヒの体に触れることはなかった。
ベキ、太い枝をへし折ったような鈍い音が鳴った、直後、朝倉は体を折るようにして床に倒れこんだ。
「はいカーット。キョン、ちゃんと撮れた? タイトルはイマドキのキレる十代、カッターナイフで同級生殺害未遂ってところね」
朝倉は足首を押さえて、悲鳴にもならないくぐもった声を口から漏らした。
ハルヒの手には、長い鉄の棒のようなものが握られている。
伸縮性の特殊警棒だ。それで朝倉の足首を思いっきり打ったのだった。
朝倉の足首は鉄の棒による容赦ない打撃によって、骨幹部から折れている。
激痛でのたうって床に丸くなった朝倉、その口から荒い息を吐き続けていた。
「ひぎッ……ッ! 痛いっ……ッ! ……痛い……!」
朝倉は床に這い蹲って激痛に咽び泣いていた。
その様子をキョンは、ビデオカメラ片手に撮影していた、朝倉がカッターナイフを拾ったときから、ずっとだ。
彼が手にしていたのは朝倉の持ってきたカメラだった。
「言っとくけどあたしが反撃したとこはカットよ、さすがに警棒はまずいから、椅子かなんかで叩いたことにしときなさい」
ハルヒは警棒で肩をトントン叩きながら、面白そうに言った。
ミイラ取りがミイラになるとはこのことだ。結局、次の日の職員会議で、教師一同の目に映った映像は、朝倉涼子がカッターナイフを持ってハルヒの殺害に及ぼうとしているものだった。


その日、教室に朝倉涼子の姿は無かった。
緊急の全校集会が開かれて、生徒たちには1年のある生徒が刺殺未遂事件を起こして警察に捕まった、とだけ説明された。
証拠のビデオ映像に加え、その場にいた3人の生徒が全員口を揃えて『朝倉涼子が涼宮ハルヒに一方的に切りかかった』と証言した。誰も朝倉の凶行を疑うことはしなかった。
511涼宮ハルヒの横暴 エピローグ:2007/04/15(日) 21:25:15 ID:pVhcu9NY

エピローグ


「全くちょろいモンだったわね。いい暇潰しになったわ、朝倉にしちゃ上出来よ」
ハルヒは廊下を歩きながら、隣を歩くキョンに言った。
「でも朝倉もバカよねぇー、まさかちょっと警察の厄介になったからって死ぬことないじゃない。人気の無い場所で手首切ってて、発見したときには死んでたんだってさ」
まるで手柄のように面白そうに話すハルヒ、キョンは肩をすくめてみせた。
「やれやれ、怖い女だぜお前は。まあ俺はお前のそういうところも好きなんだがな」
「もう、キョンったら。あ、着いた着いた、ちゃんと来てるかしらあの子、まあ居なかったらその時は家まで追い込みに行ってまたボコボコにしてやるけど」
ハルヒは文芸部室、いや、このたび最後の文芸部員が退部願いを提出したことによって、晴れて空き部屋となった部室の扉を開いた。
その中にいた一人の女子生徒が、ハルヒたちを見てビクっと体を硬直させた。
「さて、じゃあ今日は何して遊びましょうか? また有希でプロレス技の練習でもしようかしら?」
「それより、この前長門の生下着を写真つきで売った店からまた買い取りたいってメールが来たぞ。そろそろ金欠だから、また長門使って金儲けしようぜ」
閉ざされた扉の中、悪魔の子供たちがげらげらと笑い声を立てていた。
有希はただ下を向いて、彼等の言葉を耳に入れ震えているだけだった。
やがて、ハルヒはビデオカメラ片手に有希の側に寄ってきた。
有希の耳に、彼等の会話の「有希を撮影」「ネットで配信」などの言葉が遠く聞こえた。
有希の顔には希望も悲しみも見えない、彼女は唯一無二の親友と一緒に、感情の全てをも失ってしまったようだった。

512涼宮ハルヒの横暴 エピローグ:2007/04/15(日) 21:26:42 ID:pVhcu9NY

有希は家に帰った、だが部屋には誰もいない。
そして、もう誰も尋ねてくることはない。
ふと、有希はもう3日間なにも食べ物を口に入れていなかったことを思い出した。
食欲は無い。食べることも、歩くことも、何もかもとても面倒に感じた。
こんなとき、いつも夕食を持ってきてくれた、母親のようだった、姉のようだった、何者にも掛け替えの出来無かった親友は、もうどこにもいない。

疲れた。

死んだ魚のような輝きを失った瞳で、有希はただ窓の外を眺めた。
一群の鳥たちが遠くの空を舞うように羽ばたいていた。
窓を開けた、涼しい風がびゅうと吹き込んで、有希の前髪を揺らした。
有希の瞳には、どこまでも透き通った青い空と、白い雲だけが映っていた。
もしかしたらあそこには、あの空の上には今よりもずっと幸せな世界と、失ってしまった親友が、自分を待ってくれているかもしれない、そう思った。
有希は窓枠によじ登った。風がまた吹いた、服の裾をふわりとなびかせた。

翼の無い少女は、静かに目を閉じて考えるのをやめた。

有希の体は空の上へ向かって、真っ逆さまに落ちていった。

数瞬後、灰色の冷たいコンクリートの地面に、大きな赤い花が咲いていた。




『涼宮ハルヒの横暴』 完
513名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 21:30:59 ID:7XQ/J0oh
なんと救いの無い話。。。orz
乙なんだぜ!

朝倉が先生使って手紙渡すところとかいいと思った
514名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 21:35:51 ID:EPS7LxwL
小動物のように可憐な長門を守ってやりたいと思った
正義感あふれる朝倉さんに惚れた
だが俺はこの黒ハルヒに服従したい・・・だってハルヒだもの
マジお疲れ
引き込まれたよ
515名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 21:47:25 ID:9zODsQUI
やはり手紙は朝倉への死亡フラグだったかorz

まさかキョンも古泉もグルだったとは。
救いようのないところがよかったよ。
作者乙。
516名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 22:59:57 ID:ojr26J4y
>>512
ウホ、やな女!
517名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 01:11:05 ID:Z7WpGMY1
このスレのSS集めて同人誌とか作ったら凄く売れるんじゃない?

まぁ、管理人さんや職人さんが許可してくれたらの話だけど。
518名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 01:21:06 ID:r9X18cDC
同人誌って……
そんなにグロい絵が見たいのか?
みんな流石に引くだろ
519名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 01:24:44 ID:Z7WpGMY1
>>518
いやいや、漫画じゃなくて文章(小説)形式でさ。

文だけなら、有志が少し集まれば比較的簡単に発行できるんじゃね?とか考えてる。
520名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 01:42:55 ID:r9X18cDC
>>519
悪い、そっちだったか。
まあVIPのアナル住人は買うだろうね
521名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 01:50:12 ID:E102ZAQG
>>519
面白そうだなそれ。マジでやってみたい。
でも書いてある通り、職人さんと管理人さんがおk出してくれるかが問題だな。

職人さん&管理人さんはどう思いますか?
522クレイジー・ザ・キョン:2007/04/16(月) 03:05:55 ID:Bn3dkUV/
いじめとは程遠いが、暇潰しにどうぞ。

夏が過ぎ、もう涼しくなってもいい筈なのだが、未だ残暑が厳しい秋の昼下がり。
 週末恒例の市街探索を個人的理由でボイコットした俺は、一人で何をするでもなく、近所の商店街をブラブラしていた。

何?何でボイコットしたのかって?
 特に理由何て無いさ。なーに、いつもいつも貴重な休息時間を、あんな変人の日本代表みたいな連中のために費やすのが馬鹿らしくなっただけの事だよ。
 たまにはこうやってのんびり一人で羽根を伸ばすのも悪くは無い。いや、むしろこれが本来の休日のあるべき姿なんだ、休みの日は休むためにあるのだよ。

それをあんな非常識が人を型どった様な女の為に毎回費やすなんざ愚の骨頂よ。お前らもそう思うだろ?

そんなこんなで久方ぶりの一人きりの休日を満喫しているのだが・・・
 平和な時間というのは長くは続かないものだ。

「やあ、こんな所で会うなんて珍しいね。何をしているんだい?」

カーネルおじさんの眼鏡をマジックで黒く塗る作業に没頭していた時、ふと後ろから声がした。

誰だ?人がたまの休日を有意義に過ごしているというのに。無粋な奴もいたものだ。

「あぁん?」

不機嫌オーラ全開で振り向くと、そこには意外な人物がいた。

「落書きは軽犯罪だよ。20万円以上、30万円以下の罰金だ。分かっているのかい?」

・・・・・誰だっけ?

振り向いた先に立っていたいたのは確かに意外な人物だった。だが思い出せん。誰だコイツは?

「えーと・・・・」

俺は思考を巡らせた。見覚えはある。初対面では無い、それは分かる。
 だが誰かというのが思い出せない。え〜と・・・・

あぁ!そうだ!確かENOZの右から三番目の人だ!名前は確か・・・中西さん・・・だっけ?

「やあ中西さん、奇遇ですね。買い物ですか?」

「佐々木だ。」

やべっ、間違えた!中西じゃねーよ!素で間違えちやったよ。
 つーか佐々木かよ、ビビらせんなよ。何してんだよこんな所で?お前の家はこっから随分離れてる筈じゃなかったか?

「悪い、佐々木だったか。何してんの?こんなトコで」

俺は当然の質問を投げ掛けた。佐々木とは中学時代に仲の良かったいわゆる親友で、通っていた塾も同じだった。
 そのため、塾の行き帰りはよくコイツを自転車の荷台に乗せて送ってやったりしていた。

だが中学を卒業して以来、一切連絡を取ることなく、殆ど音信不通だったために、顔も名前も記憶から完全に消えていたのだ。
523クレイジー・ザ・キョン:2007/04/16(月) 03:10:43 ID:Bn3dkUV/
「僕がどうしてここにいるのかって?クククッ、知りたいのかい?知った所で君が期待する様な結果は得られないと思うがね。
人間というのは奇妙な生き物でね、習慣と言えるぐらいに散々繰り返してきた事でも、ふとした気紛れでそのパターン化したリズムから逸脱してしまう事がある。それはまるで・・・」

「そりゃよかったな。」

意味が分からん上に興味も無い。正直聞くに耐えん。

昔から変な奴だったが、暫く会わない間に変人ぶりに磨きがかかった様だな。
 こういう時は華麗にスルーが一番だ。まともに付き合っていたらこっちの身が保たん。

佐々木の無駄に長いく、下らない事この上ない前口上をキュウリの様にスパッと切ると、俺は左のレンズだけ黒く染まったカーネルおじさんに別れを告げ、その場を立ち去ろうとした。

だが・・・

「待ってくれ、つまり何が言いたいかというと・・・」

「いーよ、どうせつまんねーんだろ?変態に構ってる暇はねーんだよ。」

「無礼な男だな君は、そういう所はまるで変わってないな。まぁいい、ところでもう昼だ。こんな所で会ったのも何かの縁だ、食事でも一緒にどうだい?」

もうそんな時間か・・・確かに腹の虫が鳴ってるいるな。だが、だからと言ってお前と飯を食う理由は無い。
 鬱陶しいんだよお前は。お前なんぞと貴重な休日に飯を食うぐらいなら古泉と裸の付き合いをした方がマシだ。最も、同じ裸の付き合いでも朝比奈さんなら大歓迎だけどな。

「悪いがお前と飯を食うつもりは無い。他を当たってくれ。」

「・・・・・そうか・・・・仕方ないね。」

明らさまに残念そうな顔をするな。まるで俺が悪者みたいじゃないか。
 このままではバツが悪い。仕方ないの奴め、今回だけだぞ。

「分かったよ、付き合ってやるよ」

そう言うとまるで親でも死んだかの様に意気消沈していた佐々木の顔が、眩しいくらいの満面の笑みに様変わりした。やれやれ、現金な奴だな。
 この様子じゃ、食うのは飯だけだと思ってるなコイツは?甘いな、飯の後に自分自身が食われる事になるというのに。
524クレイジー・ザ・キョン:2007/04/16(月) 03:16:15 ID:Bn3dkUV/
それから俺は「行き付けの店がある」という佐々木の言葉を無視し、商店街を哀川翔の様にズンドコと進みながら公園を目指した。
 途中、焼き鳥の屋台を見つけたので、佐々木から奪い取った財布でつくねを二本購入し、そのまま佐々木にプレゼントしてやった。

何て優しい男なんだろうね、俺は。

道中、佐々木は終始無言だったが気にしない。どうせ口を開いても意味不明な御託を並べるだけでイライラするだけだ。それならいっそのこと黙って貰った方がいい。

壮行している内に公園に到着した俺達は、空いているベンチに適当に腰を降ろす事にした。

「結構空いてるな」

そういう俺に対して佐々木は

「そうだね」

などと捻りも糞もない返答をしてきた。全く、せっかく話し掛けてやったというのに何て野郎だよ。相変わらず腹の立つ女だ。

「前から思っていたんだが・・・」

「なんだ?」

「君は僕と話す時は絶対に僕の顔を見ないね。ずっと気になっていたんだが・・・何故なんだい?」

・・・・ふむ、確かにそうだ。中学の時からコイツとは同じクラスメイトの国木田以上によく話していたが、まともに顔を見て話した事は一度も無い。

何故かって?答えは簡単だ。

俺はコイツの事は首から下にしか興味が無いからだ。
だがそんな事を言ったらさすがに傷つくだろうから俺はやんわりとこう言った。

「不細工だからだ。」

「・・・・・・・」

佐々木は黙り込んでしまった。何か不味い事を言ったのだろうか?俺なりにフォローしたつもりだったんだが。
525クレイジー・ザ・キョン:2007/04/16(月) 03:21:30 ID:Bn3dkUV/
下を向いたまま黙り込んでしまった佐々木を放っておいて、俺は鞄から昼に食べようと思って持ってきた丼を取り出した。

丼の蓋を開けると真っ白な白米達が待ってましたと言わんばかりに大歓声で俺を迎えてくれた・・・様に見えた。
 蓋はどうしようか・・・・佐々木の頭に乗せておこう。ベンチに置いといたら汚れちゃうからな。

「・・・・・」

頭に蓋を乗せられたにも関わらず、佐々木は無言だった。つまらん奴だな。
 無口キャラは長門の専売特許だぞ?お前がやっても腹が立つだけだ。

まぁいい、気持ちを切り替えて俺は再び鞄の中に手を伸ばし、生卵を取り出すと、それを佐々木のデコで軽く叩き、丼飯の上まで移動させる。

"パカッ"というお馴染みの音とともに殻という名の牢獄から解放された黄身と白身が、
 これまた"ポチャ"という音を立てて白米へと落下していく。

ご飯に落下した衝撃で黄身がプルンッと揺れる瞬間が俺は堪らなく好きだ。もはや依存性と言ってもいいだろう。ま、常人には理解出来ない感性だろうがね。

ふと佐々木の方に目をやると、額に卵の殻が若干こびり付いていた。しかも佐々木自身もプルプルと震えていた。右手には先程買ってやったつくねが握られている。

まぁ、特に気にする必要も無いのでスルーしておこう。

俺は懐からMy醤油を取り出すと、円を書きながら黄身が乗っかった白米へと醤油をまんべんなくふりかけた。

さて、準備は万端だ。後はメインイベントを残すのみだ。

そこで俺はある事に気が付いた。

「箸が無い・・・」

何という事だ!よりにもよって一番忘れてはいけない物を忘れて来てしまったのだ!
 箸が無くてはご飯を食べるどころかまぜる事すら出来ないじゃないか!!このままでは今までの努力が全て無駄になってしまう・・・それだけは何としても阻止せねば!

悩み抜いた結果、俺はある事を思いついた。

「佐々木、ちょっと借りるぞ」

「え?うわっ!?」

俺はおもむろに佐々木の右手を掴むと、そのまま丼の中に佐々木の右手を突っ込んだ。
 "ヌチャ"っという音と同時に丼の中で佐々木の右手を時計回りに3〜4回程 かき回すと、"グチャグチャ"という音を立てながら、米と卵が規則正しく交ざり合っていく

それからさらに3回程かき混ぜて、ご飯と卵が程よく絡み合った所でようやく佐々木の右手を丼から引き抜いた。
 佐々木の右手はご飯と卵がこびり付いてグチャグチャになっているが、そんな些細な事はどうでもいい。
526クレイジー・ザ・キョン:2007/04/16(月) 03:29:05 ID:Bn3dkUV/
見よ!この黄金に輝く丼飯を!!余程高貴な生まれで無い限り誰もが口にした事があるであろう崇高にして究極の即席料理・・・
 そう!これこそが万人に愛される至高の一品、「卵掛けご飯」だ!

俺もガキの頃から何度となく食べてきたが、まー飽きないね、これだけは。
 どこの誰かは知らないが、これを最初に作った奴を俺は心から尊敬する。

アンタは天才だ。アインシュタインが100人いてもアンタには適わないだろうよ。

とりあえずせっかく完成したんだ、早速戴くとしよう。無論、箸が無いので佐々木の右手を使って食べる。

佐々木の右手をスプーン状にして黄金飯をかきこむと、口の中に馴れ親しんだ味わいが広がる

米と卵と醤油が絶妙に絡み合い、それぞれが出すぎる事なく、それでいて引きすぎる事なく、それぞれの短所を補い、そして長所を伸ばしながら微妙なバランスで、これまた絶妙なハーモニーを奏でている。

まさに黄金郷だ。鶴屋さんや阪中みたいな金持ちはきっとこんなもの食べた事無いんだろうな。全く嘆かわしい、人生の半分は損してるよ。

そんな思いを巡らせながら、俺は佐々木の右手を使って黄金飯を次々とかきこんでいく。

5分程たって、程なく丼は空っぽになった。「ふー」っと言って腹を擦る俺を佐々木はかつて見たことが無いぐらいの冷やかな目で見ていた。
右手はグチャグチャ、左手には相変わらず二本のつくねが握られていた。

「どうかしたか?」

尋ねた俺に対して佐々木は無言のプレッシャーを与えてくるだけだった。シベリアの永久凍土を思わせるかのような冷たい目付きでひたすら睨み付けてくる。

だが俺はへこたれない。何故なら俺はコイツの事は首から下にしか興味が無いからだ。

「よし、飯も食ったし。腹ごしらえにホテルで運動しないか?主に下半身中心の運動だが」

「断固拒否する。」

「そうか、そりゃ残念だ。じゃまたな!」

ホントに残念だ。だが嫌なものを無理矢理ヤる訳にはいかない、俺はフェミニストじゃないからな。それぐらいの良識はあるさ。

未だ氷のような眼で睨み付けてくる佐々木を公園に残し、俺は家路に着くことにした。
527クレイジー・ザ・キョン:2007/04/16(月) 03:35:56 ID:Bn3dkUV/
家に向かう道の途中で俺はある違和感に気が付く。
 なんだ?俺はその場に立ち止まり、体中をまさぐり始めた。

すると、尻のポケットから見慣れないピンクの財布が出てきたではないか。

「なんだこりゃ?」

俺は再び思考を巡らせる。そして・・・

「あ!」

思慮モードに入ってからものの10秒足らずで気が付いた。これは佐々木の財布だ。
公園へ行く途中で焼き鳥を買うために俺が奪い取ったものだ。返すの忘れてた。

「・・・まいっか。」

ポジティブシンキングでは他の追随を許さない俺はそのまま佐々木の財布を有り難く頂く事にした。

そこで起こすアクションとしては当然一つしかないだろう。財布の中身だ。
 焼き鳥を買う時は小銭入れしか開けなかったから財布にどれだけ入っているのかは分からなかった。すぐに返すつもりだったしな。マジだからな。

「いくら入ってんだ?」

そう言うと俺はおもむろに財布を開けてみた。言っても高校生の財布だ、そんなに大した額入ってないだろうと鷹を括っていたのだが・・・・甘かった。

佐々木の財布には5万円という普通の高校生ではまず考えられない様な金額が入っていたのだ。チッ、無駄にリッチな野郎だな。

俺は毒を吐きながらも五人の諭吉をピンクの財布から抜き取り、自分の財布へと移し替え、次にカードを手に取った。

佐々木の財布にはカードが一枚しか入っていなかった。
ビデオ屋の会員カードや、病院の診察券、どこぞのディスカウントショップのポイントカードのようなありふれたものは一切無く、ただ一枚のカードだけがポツンとカード入れに納まっているだけだった。

佐々木の財布に収納されていたたった一枚のカード、それは・・・

「郵便局のカードか。」

ま、これはこれでありふれたものさ。さすが佐々木だ、面白くも何とも無い。
かく言う俺も持ってるんだけどね。

とはいえカードだけあっても仕方が無い。暗証番号が分からなければ・・・・

「そうだ!アイツに頼もう!」

思い立ったが吉日と言わんばかりに俺は携帯を取出し、ある人物に電話を掛けた。
誰かって?そんなの一人しかいないだろ。
528クレイジー・ザ・キョン:2007/04/16(月) 03:40:25 ID:Bn3dkUV/
プルル・・プルル・・

ガチャ

何度目かのコールでようやく電話が繋がった。

「もしもし?」

「・・・・・・・・・・」

数秒間の沈黙の後、ようやく携帯の向こうから声がした。蚊の鳴くような小さな声で

「・・・・・何?」

もはや説明は不要だろう。わがSOS団の愛すべき宇宙的無口少女、長門有希だ。

「すまん長門、いきなり電話なんかして、実は頼みたい事があるんだ。」

「・・・・・どうしたの?」

長門相手に下手な嘘を言っても無意味なので、俺は事の経緯を簡単かつ正直に話した。すると長門は・・・

「・・・・分かった。」

「悪いな、恩に着るよ。」

「・・・・・・いい。」

そんなこんなで長門の宇宙的パワーで暗証番号をあっさりゲットした俺は、一目散に近場の郵便局へと赴き、
恐らく佐々木の全財産であろう35万円を全額引き落とし、そのまま自分の口座へと高笑いを浮かべながら何の躊躇もなく振り込んだ。

なんて清々しい気分なんだ、これでしばらくは小遣いに困る事は無いな。

佐々木のカードだが、金を引き落とした今となってはもう用済みだ。だがただ捨てるのも味気ない、そこで俺は境正章も真っ青なぐらいに華麗にカードを投げた。

投げたカードはクルクルと弧を描き、窓口のお姉さんの額へと一直線に突き刺さった。
 お姉さんが鬼の形相でこっちを睨んでいる。

そんなに怒りなさんな、長く生きてりゃそんな事もあるさ。

怒気に満ち溢れたお姉さんに手を振り、今まで味わった事の無い様な達成感と充実感に浸りながら、俺は郵便局を後にした。

やっぱり休日は休むに限るな。今日は市街探索をサボって正解だった。おかげで思わぬ収穫もあったし。
 長門や朝比奈さんにも言っておかないとな、毎週毎週律儀に付き合う必要は無いと、自分の時間は自分のために使えと。

その結果閉鎖空間が発生しても、どうせ困るのは古泉だ。知ったこっちゃねーよ。

今日は実にいい一日だった。こんなに充実した休日を送ったのは久し振りだ。まだブラブラしていたい気分だが、明日からはまた怒髪天の申し子の相手をせにゃならんからな。

さて、そろそろ帰るか、今のうちに英気を養っておかなければな。明日からはまたクソ忙しい一週間の始まりだ、やれやれ、考えただけでも鬱になるぜ。

この時の俺はまだ知る由もなかった。この休日での出来事が、よもやあんな事態を引き起こす事になるなどとは・・・・

それを語るのはまた次の機会という事で。いつになるかは知らんがな。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 07:37:05 ID:YgmvTUjm
ここはもはや良スレだな
530名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 09:13:09 ID:3iji2p/Z
ほう、『中学時代の変な彼女』か

wktkだな
531名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 09:25:50 ID:+mwe2uTB
これだけやらかしておいて
「よもやあんな事態を引き起こすことになろうとは」っておまえwwwwww
532名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 11:35:53 ID:4snB5YPl
>>522
十分いじめwww
533名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 14:02:00 ID:d8EdSVg+
佐々木無抵抗過ぎだろww
佐々木アンチの俺ですら同情したwwwww
534名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 14:04:46 ID:OCeWbih+
よほどショックなのであろう。
わかるぞ。
535イソローク:2007/04/16(月) 16:20:29 ID:yF/NSbkD
>>493

バンッ
俺はチョイとばかし乱暴に文芸部室のドアを開けた、そこにはハルヒを除く全員が既に来ていた
「あらら、どーしちゃったのさ、キョンさん」
「何でもねーよ」
俺より先に来ていた卜部に対しては投げやりな態度で接した。
「なんでもないようには見えないけど、どした、嫌な事でもあったのかい?」
「お前には関係ねえ事だ」
「そうかい」
「そうだ」

 今何故俺はこんなにらしくない態度を取っているのかと言うと、ここに来る前に一騒動あったんだよね。
 何があったのかといえまあ他愛も無ければ内容を覚えてられない程下らない喧嘩をハルヒとしていたのさ。あの暴走女、卜部の事を異世界人かなんかだと思っているらしく
「井草がSOS団に入団して一ヵ月が経つっていうのに、まだ異世界人らしい行動を取ってないのはおかしいと思わない」
とか俺にほざいてきたのが喧嘩の原因で
「だからアイツは異世界人なんかじゃないって、そろそろ現実を見ろ」
と、俺が返答したらなんだ、あいつは
「ハア?あんた馬鹿じゃないの?そんなつまんない人の見方しか出来ないからいつまで経ってもアホもしくは馬鹿でしかないのよ」
とか言ってきやがってそっから延々と口喧嘩をしてしまったのである。
 いつもの俺だったら軽く受け流すのだが、ハルヒに会ってからろくな目に遭ってないからな、ストレスが知らんうちに溜まりまくってたんだろう、仕方ないとはいえ古泉に久々にバイトが入ることだろう、健闘を祈る。

「ハハーン、さてはハルハルと喧嘩したな」
卜部が回想中にいきなり話しかけてきた、中々察しがいい奴だ。ちなみに【ハルハル】ってのは卜部のハルヒに対する呼び名で、朝比奈さんは【みくるちゃん】で古泉は【古泉さん】、そして俺は【キョンさん】だ。鶴屋さんでもないのにハルヒをあだ名で呼ぶとはたいした奴だ
「そうだよ、文句あるか?」
「ええ!?」
「!」
「…………」
朝比奈さんが無駄にデカイリアクションを取り、古泉のいつもの笑顔が少し強張り、長門は顔を上げた
「キョン君大丈夫でしたか〜?」
どうして朝比奈さんの頭の中では喧嘩=暴力になっているのかな?気になる
「いえ、口喧嘩でしたから」
それにハルヒと殴り合いなんてしたらやってる途中で新世界を作る可能性が高いからな、そんな下らない理由で世界を作り変えてもらっては困る
「フーム、キョンさんはだーいぶハルハルに対するストレスが溜まってるようだね」
卜部がニヤリと笑いながらたずねてきた
「当たり前だろう、アイツのすぐそばにいてストレスが溜まんないわけ無いだろう、だいだい―――」
どうやら俺は予想以上にイライラしていたらしく、その後もハルヒの悪口交じりの今まで散々味わった不思議な出来事の愚痴を十分くらい言い続けた。



「ち、ちょっとキョン君、キョン君!」
ふと朝比奈さんの言葉によって我に返る、どうしました?朝比奈さん
「ちょっとそれはいくらなんでも涼宮さんがかわいそうです〜、それに………」
たしかにそうでした、すいません。それに……なんです?
「ここには井草君が………」
卜部の方を朝比奈さんが見るので俺も見る、卜部は俺の方を見てキョトンとしていた、どうしたんだ?卜部?俺の顔になんかついて……!!
「あ!」
思わず声を上げてしまった、そうだしまった、ここには卜部がいる、卜部は俺と同じ100%純粋な人間で長門、古泉、朝比奈さんと接点を持ってはいるがその正体を知らないのをすっかり忘れていた



ごめん、まだ長引くわ、これ
536名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 17:00:10 ID:YgmvTUjm
>>535
まいった
537名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 17:49:37 ID:3Sg26wN1
長引くのなら完成してから投下ししろボケ
でないととびとびで飽きてくるからな、そのくらい考えろカス

でも結構この話面白いと思うから頑張れ 期待してる
538名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 18:01:42 ID:7BgDbXDB
>>537
なにこのツンデレ
539名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 19:00:58 ID:YgmvTUjm
>>538
まあ、いいじゃないか
540名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 22:11:14 ID:8ZGfDWTD
>>521
同人誌化とか本当にできたら面白そうだ。

ただこのスレ、作家はいるが絵を描ける人が全く居ない気がする、
いつまでもまとめのお絵かき板の絵も増えないし。
誰か挿絵を担当してくれる職人は現れないだろうか。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 22:46:57 ID:Fm1O5KzP
こんな陰惨陰欝な話を好んで漫画化してくれる絵師さんなど無かろうて
よし、小学生時代に西小のピカソと呼ばれた俺が、再び筆を握るときが来たようだな!
・・・しかしマウスじゃどうにもならないよ
542名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 23:01:39 ID:4VT1sC54
>>511
極悪すぎる…ハルヒ市ね。職人さんGJ。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 23:48:08 ID:9+IQyggm
>>540
じゃあ俺やる
544まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/17(火) 00:00:20 ID:uRq0Qkzj
>>スレ同人誌化計画について

ぶっちゃけます。
それ昔から本当にやりたかった。有志集めてマジでサークル出したい…。
こんな凄いSS達がこのスレで眠っているのは本当に勿体無いと思います。

ただ、自分はまとめサイトの管理人なだけであって、このスレにおいては
全く権限がありません。
だから、職人さん方がSSの同人誌化に許可を出して頂かなければ何にも出来ませんよね。
…職人さん、良かったら許可下さい…。

何か勝手に熱くなってしまってすみません。
自分と同じ考えを持っていた人が居たので興奮してしまって。
ただ、反対の方が居ましたら容赦無く言ってください。

あ、SSの続きはもう少し待っててください…。
投下する側って楽じゃない…。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 00:31:36 ID:Jsz3M/tG
>>544
是非やっちゃってください。
だけど、いざやるとなったら本当に色々と大変そう。
546逆襲のクマー:2007/04/17(火) 00:45:21 ID:5KKTPrp8
もし同人化するなら、私も再び表舞台に立ちたいものだ………クマー
547名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 00:45:29 ID:bg0550+O
漫画なら読みたいかな
サイトで読めるから小説だけならちょっとね
548名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 01:09:21 ID:imN3U4lB
俺は別にこのままでいいと思うな
てか、いじめなんてジャンルじゃ失敗するのがオチだろ
549名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 01:24:03 ID:bg0550+O
失敗するしないってそりゃ売り上げとかの話か
同人なんて止むに止まれない情熱で作ってんじゃないのか?
よく知らないけどな
550名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 01:42:43 ID:PGxpDjuk
俺も現状維持でいいと思う。ヘタに幅広げないでネットの片隅でシコシコするのがいい
もういいや、本音を言わせてもらう
サークルとか痛いだろ・・・
551まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/17(火) 03:08:13 ID:3aWr/Ten
うはwwwですよね…自重しますwww
だけど、いつかこっそりいじめ漫画描くかも。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 06:35:13 ID:63ajHUBX
漫画ならともかく小説本はあまり売れない。
元ネタが小説だとしてもこれは鉄則なんだ。
だからスレに投稿されたSSを出版とかは辞めた方が無難。

つか言い出したヤツは同人やったことがあんのか?
553名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 07:30:11 ID:d4bTZ4bA
>>545の意見に同意
554名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 08:17:54 ID:Z7kaSE01
『朝倉涼子を偏愛してるあの人』と呼ばれてる者だが、
とりあえず自分の書いたSSは好きに使ってくれて構わない。

別にいらないよと言われるかもしれないが、
前スレでの『朝倉涼子の沈鬱』と『喜緑江美里の憂鬱』。
あと現スレでの『涼宮ハルヒの横暴』。

やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいいって言うし、
とりあえず何か行動を起こしてみたら面白いことになるかもしれないと思ったりもしてる。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 17:10:34 ID:d4bTZ4bA
>>554
なるほど。
556イソローク:2007/04/17(火) 18:11:47 ID:yf1q1lVg
>>537
そうするわ、完成させてから投下するよ、まともなツッコミありがとう、
いや、何分ガチでやってたから飛び飛びなんよ

>>554
禿胴
557名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 18:42:59 ID:274kcFUi
>>522
小説を知らないとワケワカメだが
佐々木さんを知って読み直すと「来る」なこれ
正直ハルヒへの忠誠心が揺らぎそう俺
いやいやいや
・・・俺にはハルヒしかいねえんだ
558名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 19:40:41 ID:V+TErQXl
携帯から並びにこんな時間帯にpic.toでごめん
涼宮ハルヒの横暴読んで落書き程度だけど朝倉さんと長門さん描いてみたから投下してみる
お目汚し&無断レスもごめん
559名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 19:43:24 ID:V+TErQXl
>558貼り忘れorz
http://f.pic.to/akyo7
560名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 22:00:54 ID:uz4BCLTY
>>559
いじめられてる感が出とるね
561名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 22:27:54 ID:yf1q1lVg
>>556
ガチって・・・・・・お前・・・
562名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 22:56:48 ID:VJ6mHIKO
どうも、絵板で泣いてるハルヒ描いてたものです。
もし皆が良ければこのスレのいずれかのSSを漫画にしてみたいと思っている。
画力とかに問題あれば出直してきます。何か意見とか無いかな?
563名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 22:59:11 ID:nHZBR+hn
神だ!やっと神と!
564名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 01:34:18 ID:EnrcQF8D
わ〜いわ〜い
565名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 01:48:03 ID:fDvMy8An
>>562
顎がちょっと尖り過ぎなのが気になるけど
どんどんやっちゃっていいと思う
566名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 16:13:47 ID:lj2JpMWN
>>565
に同意
567名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 19:47:04 ID:dGQsa8eZ
銃弾は義雄の頭を貫いた。直後に身体が吹っ飛び、水路に落ちた。
ドッポーーーーーーーーーーン・・・・・・・
義雄の死体が水路に浮かび上がり、水路は、血の海と化していた。
「・・・・こちらジューダス、容疑者の死亡を確認、繰り返す・・容疑者の死亡を確認」
「そうか・・・仕事はお終いだ、撤収!!」
 政府の人たちはどこかへ行ってしまった。そこには一人の少女が取り残されていた。
「おじさん・・・・・ぐす・・・」
 そのころゴンドラ協会では。
「やはり死んだか・・・・当然のことだろう」
「当然のこと?」
「何年もアクアの犯罪発生率が0%に近い理由はわかっているか?この星での
 法律の刑法では、器物損害や他人への暴行は監獄島で無期懲役の刑を受けるのだ
 警察の場から逃げ出した際は現場射殺の許可を得られる。それほどの重い刑
 を出したら国民だって恐れて犯罪を恐れるだろ?」
「はい、さようで・・・・・」
 ネオ・ヴェネツィアに再び静けさが戻った。灯里はその日、ARIAカンパニーにいた。
 そこは、かつて人生を共にしたオールが無かった。そこで1人、灯里は声を押し殺して泣いていた。
 初めて感じた人の死、どうして人通しが争わなきゃならないのか?なぜこんな目に会わきゃならないのか?
 目の前で見た人の死、今まで感じなかった孤独、灯里にはそれらがキツすがたのかもしれない。
 何度も、何度も・・・灯里の頬は、目の前の夕日みたいに赤くなっていた。

  ―完―
568名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 20:08:06 ID:Ngcwizez
これはいい誤爆ですね
569名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 21:19:47 ID:lj2JpMWN
>>567
???
570名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:00:32 ID:OmHXCenz
SSを投下します。タイトルは『明日のプリズム』

中学時代のハルヒが主役のいじめです。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:01:57 ID:OmHXCenz

序章

今日もあたしは『普通の日常』という、退屈な牢獄の中にいた。
日常が牢獄ならばさしずめ学校は刑務所と言ったところだろうか。服役期間はあと1年だ。
しかし出所しても進む先は、高校と名前を変えただけの同じ監獄に過ぎない。
回りは昨日となにも変わらない。普通のクラスメイトたちが、動物園の動物みたいに、昨日と同じような行動を繰り返しているだけだ。
なんの変化もない退屈なはずの毎日を、嫌な顔一つせずに、律儀に淡々と機械のように繰り返して、笑ったり喜んだりしているクラスメイトたちが、あたしにはひどく無機質なものに感じられてしまう。
だから、普段、あたしの周りで彼等が何を話して、どんなことをしていようと、それはまるでテレビの向こう側のニュースの世界と同じだった。
どんな大仰な出来事があっても、あたしにとって全く関係の無い事だった。

しかし、今日は少し昨日と様子が違うことがあった。
いつも通り、嫌でも耳に入ってくるクラスメイトたちのつまらない談笑を机に突っ伏したまま聞き流していたあたしの耳に、真冬のゴミ捨て場に捨てられた猫みたいな、震えた声が届いた。
「ねえ……わたしのお財布、どこに行ったか知らないかな……?」
おどおどとした女の子の声が、誰かに物を尋ねていた。
「ハア? なんでアタシがあんたのサイフのこと知ってんの? どういう意味よソレ?」
威圧的な女子生徒の声が聞こえた。

少し顔を上げて見ると、教室の端で、やたらちっちゃいメガネの女の子が自分よりだいぶ大きい女子生徒と向かい合っていた。
向かい合うと言っても、その小柄なメガネっ娘は俯いたまま小刻みに体を震わせている。まるでクラリネットを壊してしまった子供が父親にそのことを告白しているような様子だった。
「ちょっとぉ、黙ってないで何とか言いなさいよ!? アンタまさかアタシが盗んだって言いたいの!」
ばんと机を叩いて、その体格同様に態度までデカイ女が、叫ぶような甲高い声を出した。
メガネっ娘は息を呑んでびくっと体を縮めるように下を向いた。
「どしたのカズミー? 大声出して、ひょっとして生理?」
「違うわよ、このコがねー! アタシが自分のサイフ盗んだとか言いがかりつけてくんのよ!」
572名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:03:51 ID:OmHXCenz
「えーなにそれ! ちょっとアンタ、いい加減なこと言ってんじゃないわよ!」
カズミと呼ばれたガラの悪い生徒の周りに、これまたガラと頭の悪そうな女子生徒がわらわら集って、たちまちメガネっ娘の回りに人垣を作っていた。
いずれも自分より頭一つは大きい5人の生徒に囲まれて、メガネっ娘は泣き出しそうな顔で、その場で立ち尽くしたまま小刻みに震えていた。
「だ……だって……あなたがわたしのお財布をカバンから取っていくのを……見たって人が…………!」
「なにソレ!? 言いがかりはやめてよね? 迷惑なのよ!」
ヒステリーを起こしたような甲高い声が嫌でも耳に障る。
サルみたいにキーキー吠えながら、ガラの悪い生徒たちが5人がかりで、そのメガネっ娘から油を搾り取るように罵声を浴びせ続けていた。
「ひっ……ご……ごめん……うぅ……っ! ぐす……ごめんなさい……許して……」
間もなくメガネっ娘は泣き出してしまった。
それを見て、あたりを取り囲んでいた女子生徒が満足そうに鼻を鳴らしていた。
その様子をあたしはずっと机に座ったまま、なんの感傷もなくただ眺めていた。

いじめか――

そういえばあのちっちゃいメガネっ娘は、以前からクラスの女子のあぶれ者だった。まああたしが言うのもアレだけど、いつも一人ぼっちで本読んだり、休み時間なのに机に着いて教科書広げて勉強してたりした。
でも彼女は別に容姿や性格が特に悪いわけじゃなかった、それどころか、この前ボランティア部の活動について全校集会で表彰されたほどの優秀な生徒だ。
成績もクラスどころか学年でトップを争うほどの優等生だと聞いたことがあった。本来、嫌われる要素など皆無に等しい存在だと思われる。

しかし、そういう目の上のタンコブのような存在こそが、案外『いじめ』のターゲットになりやすいものなのだ。
出るクイは打たれるという言葉通り、あの小柄なメガネの女の子をうとましく思う人間は何人もいただろう。
特にあのカズミと呼ばれた生徒や、その取り巻きたちみたいな、いわゆる不良生徒にとって、彼女のような生徒は最も気にいらないの種類の人間だろう。
その上、彼女の気弱な性格はまるで無菌培養で育った植物のように、外部への抵抗力を持ち合わせていなかった。
いつの間にでもなく、彼女がああいうふうに物を盗られたり隠されたりといういじめを受けるようになっていったのは、必然的に導かれた結果だと言える。
573名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:05:51 ID:OmHXCenz

全くくだらないわ。あたしは溜めた息を吐き出した。
助けてあげようと思う気持ちはこれっぽっちも無かった。
同情する気持ちが無いわけではなかったけど、結局全て彼女自身の問題だ。
それになにより彼女がいじめられて、どういうことになろうと興味が無かった。
多分、彼女たちの様子を遠巻きに眺めて、見てみぬ振りをしているクラスメイトたちも同じだろう。
極論知ったこっちゃないのよ、みんな他人がどうなろうとね。

…………でも、そんな風に興味が無いって言って放っておくのは、結局あたしも他のクラスメイトと同じことをしているということになるんじゃあないか……。

女子は気の毒そうにソレを眺めているが、みんなくわばらくわばらと言わんばかりに目を逸らしていた。いそいそ教室から去っていく生徒もいた。
……なによ! かわいそうだと思うんならビビってないで助けてあげりゃいいじゃない!


「ぐす……う……ひっく……ごめんなさい……ごめんなさいっ……!」
メガネっ娘は泣きっぱなしで、ぐじゅぐじゅと鼻を鳴らしながら震えていた。
それを見て、周りを取り囲んだ女子生徒たちは嫌らしい顔でニヤニヤしている。
「泣いて許してもらえると思ってんじゃないよ! ほら、カズミにもっとちゃんと謝りなさいよっ。」
とてもじゃないが、見ていられない。
取り巻きの生徒がただでさえ汚らしいその顔をさらに醜く歪めてメガネっ娘の背中をどんと突いた。
衝撃でよろけた小柄なメガネっ娘が床に膝を着いた。
リーダー格の女子生徒、カズミと呼ばれていた金髪ロングの女がそれを見てご機嫌そうに笑って口を開いた。
「てゆーか土下座してよ? 床に頭こすり付けて謝ったら許してあげるから」
しんと静まったクラスの中、取り巻きの女子生徒の下劣な笑い声がはやしたてるように響き渡った。
いくら何でも、やりすぎだ。
だが、誰も彼女たちを止めようとはしない。
メガネっ娘の両手が教室の床にぺたんと着いた、こぼれた涙が床を濡らした。

574名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:07:48 ID:OmHXCenz

「ちょっとあんた、いい加減にしなさい」
静まり返った教室にあたしの声がよく通って響いた。
別にこの子を助ける義理も無いが、こいつらのやってることがむかつくを、わざわざ我慢する理由も無い。
席から立ち上がったあたしはそのカズミとか言う生徒たちの側に寄って行った。
「な……なによ涼宮さん……? あなたには関係ないでしょ……」
弱い者にはとことんまで強気だったクセに、あたしに対しては目も見ずに小さな声で呟いた。
あたしはそのカズミと呼ばれた金髪女の、机横にぶら下がっていた通学カバンに手を突っ込んだ。ちょっとやめてよ、と止められたが無視して中身を探ると、小さなピンク色のサイフが出てきた。
「これ、ひょっとしてそこのメガネっ娘の物じゃないのかしら?」
あたしが手で持ってサイフをひらひらさせながらそう尋ねると、さっきまで威丈高だった金髪が塩でも振られたみたいにしゅんと俯いた。
あたしはまだ床に這うように両手を付いたままでいたメガネっ娘の手元にそのサイフを放って、自分の席に戻った。背中から、ためらいがちな小さな声でありがとうと聞こえたが返事はしなかった。
別にその子のために助けてやったわけじゃない、ただあいつらがバカみたいに威張ってるのがムカツクから黙ってほしかっただけよ。



第一章


次の日、朝登校した時だった、あたしの下駄箱に異変があった。
「どうして、あたしの上履きが無いのよ……?」
声に出して、誰にでもなく聞いてみたが、心当たりはあった。
というか間違いないだろう。昨日の連中が隠したに決まっている。
こんな陰湿な仕返しを受けたのは初めてだ。子供じゃあるまいし、こんな方法でこそこそ満足してるなんて、どれだけ嫌らしい連中なのだろうか。
憤慨やる瀬無い気持ちで、あたしは靴下のまま教室まで早足で歩いて行った。
そして、教室に入って自分の席に着くよりも先に、例の金髪女の席を上から思いっきりぶったたいて叫んだ。
「なんのつもりよアンタ! あたしの上履きどこにやったか答えなさい、答えないとコロすわよ!」
水を打ったように教室が静まり返った。
しかし、目の前の金髪女は平然そのものの様子でいた。
「上履きぃ? なんのことかわからないんだけど?」
あたしから見れば、すっとぼけているのは目に見えるくらいに明らかだった。
「ふざけんじゃないわよ! 昨日の腹いせにあたしの上履きをあんたが隠したんでしょうが! こんな陰険な手で仕返ししようなんて最低のクズのやることよ!!」
だが、一向に金髪はひるむことなく、開き直ったようににやけた面を横にかしげている。

あたしの頭のセンがぷつんと音を立てて切れた。
ぴしゃり、金髪の頬とあたしの手から軽い音が鳴った。
平手で頬を打たれた目の前の金髪の顔は、なにがおかしいのか、それでもうれしそうにニヤニヤと唇を吊り上げていた。
もう腹立った。その腐った性根に修正を加えてあげるわ、歯を食いしばりなさい。
「おい! よせ涼宮!」
振り上げたあたしの腕を谷口が掴んで止めた。
離しなさいよ谷口! このアホだけは泣くまで殴るのを止めてあげないんだから!
「う……え……うえええええん!!!」
……ってあれ?
さっきまでムカツク微笑を浮かべてた金髪が、癇癪を起こしたみたいに泣き出した。
遠巻きに様子を伺ってた女子生徒が、机にうずくまってえんえん泣き声をあげる金髪に駆け寄ってきた。
「ど、どうしたの? 大丈夫?」
「どこか痛いの、平気?」
どこか芝居がかった口調でひたすら金髪の身を案じる女子たち。
そして、金髪の叩かれてもない背中を優しそうにさすって、きっとあたしに鋭い目を向けて怒気を含んだ口調で叫んだ。
「ひどいわ涼宮さん! 何があったか知らないけど、いきなり殴ることないじゃない!」
「そうよ! 前から怖い人だと思ってたけど、こんな暴力振るうような人だったなんて!」
口々にがなり立ててあたしに詰め寄る女子生徒、そいつらは全員昨日の金髪の取り巻きたちだった。
とんだ三文芝居を見せ付けられて、あたしは顔が引きつる感覚すら覚えた。大方金髪も泣きまねしながら、伏せた顔はさっきの汚いニヤケ面のままだろう。
あたしは目の前の大根役者どもの顔をひっぱたいてやりたい衝動で、横に立ってあたしの右手を掴んでいた邪魔な谷口を思いっきり突き飛ばした。
「おわあっ?!」
575名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:09:31 ID:OmHXCenz
ごつんとすごい音を立て、机のカドに頭をぶつけた谷口がギャッと悲鳴を上げた。
それを見て、またキャーキャー騒ぎ出す女子たち、つられたように関係の無い生徒まで騒ぎ出していた。
「どうした!? 一体なんだこの騒ぎは?」
教室の扉が開かれて、何事かと目を丸くして担任の教師が現れた。
その姿を確認して、さっきまで金髪の身を案じていた女子たちが、ポールを巻いたホームランの打球をファールと宣告されたときの野球監督のような勢いで担任の方に走って詰め寄った。
「ひどいんです! 涼宮さんが、カズミがなにもしてないのにいきなりぶってきたんです!」
「そうです! 止めに入った谷口くんにも暴力を振るったんです!」


やられた、そう思ったときには、あたしはその女子生徒(と谷口)に向かって、担任に押さえつけられるように無理やり頭を下げさせられていた。
もちろんあたしは弁解した。しかし、いかんせん状況がマズ過ぎた、上履きをその女子生徒たちが隠したという証拠があるわけでもなかった。

結局、その場は仕方なく、あたしは不承不承に謝罪の言葉を慇懃丁寧に進呈してやった。
その間も、金髪は軽く張られただけの頬を涙目で後生痛そうにさすっていて、取り巻きのバカ女たちはぴーちくぱーちく金髪に痛くないか痛くないかと尋ね続けた。
どう考えても重傷なのは、頭にデカいたんこぶ作って保健室に直行した谷口の方で、真剣にクラスメートの身を案じるならあっちの心配をしてやるべきじゃないのかと思う。
まああたしも別にあいつの心配なんかしちゃいないけど。
「とにかく涼宮、何があったかは知らんが、暴力はいかんぞ。わかったな?」
「……ハイ、もうしません」
無駄に意地を張っても仕方が無い。あたしは素直なフリをしてそう謝っておいた。
担任の背中越しに舌を出して笑う女子生徒たちが見えたが、そんな見え見えの挑発に乗るほどあたしもアホじゃない。
勝手にしてればいいわよ。上履きなんてまた買えばいいんだから。

結局、その日あたしは上履きなしで過ごすことになった。
足の裏に伝わってくる冷たい床の感触が、あたしをとてもみじめな気分にさせた。

だけど、彼女たちからあたしへの嫌がらせはそれで終わりではなかった。
理科の時間、授業が始まって筆記用具と教科書を取り出そうとしたが、カバンに教科書とノートが入っていなかった。
あたしは眉を寄せた。おかしい。今朝間違いなく教科書はカバンに入れてきたはずなのに。
そこであたしは、はっとして顔を上げた、さっきの休み時間にトイレに行ってきた。まさかその時に……!
あたしはそう考えて席を立ち上がり、あのいまいましい金髪女の方を向いたが、そこで立ち止まった。
駄目だ。またさっきの二の舞を踏むに決まってる。
証拠が無いんだ。あたしは歯で唇を噛んで椅子に腰を落とした。
その様子を見て、例の女子生徒5人組みがくすくすと小さな笑い声を漏らしたのが聞こえた。

「どうした涼宮? 教科書忘れたのか?」
理科の教師がそう聞いた。あたしは小さな声で、ハイと返事をした。
自分でも驚くくらいの、搾り出すような声しか出なかった。
悔しさや腹立たしさよりも、惨めな感情の方がはるかに勝っていた。
「宿題のノートも忘れたのか? 困ったな、どうするんだ涼宮?」
どうするんだって、どうすりゃいいのかこっちが聞きたいわよ。
「涼宮さん、宿題やるの忘れたから、誤魔化そうとしてノート忘れたフリしてるんじゃないの?」
大方事情を知ってて言ってるのだろう、悪意に満ちたその言葉に同調して、数人の女子がけらけらと笑い声を立てた。
「涼宮さ〜ん。アタシが教科書見せてあげようか〜?」
笑っていた女子生徒の一人がそう言った。
あたしは泣きそうになるのを必死で堪えて目を閉じて、いい、と断って座った。
それを見て、またおかしそうにクスクス笑う女子たち。
結局、教科書は事情を察した谷口が遠くの席からわざわざとなりに来て見せてくれた。
だけど授業の内容なんて頭に入ってこなかった、ただ涙がこぼれそうになるのを我慢するだけで精一杯だった。
「涼宮…………」
谷口が心配そうな声で小さくそう言った。
うっさいのよバカ! あんたなんかに心配されたくないわ! ほっといて! 殴るわよ!
こんなの全然たいしたことじゃないわ、あたしはちょっとバカにされたくらいでへこたれるような弱虫じゃないんだからっ……!
あたしは口には出さずに心の中で激し続けた。
そうでもしてないと、みじめな気持ちに押しつぶされて、涙が止まらなくなってしまいそうだったから……。
576名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:11:27 ID:OmHXCenz


第二章


翌日の朝、学校に来てみると、机の上にチョークで落書きされていた。
『学校来るな』『死ね』あたしの机に、様々な汚い言葉が書きなぐられている。
あたしは悔しい気持ちを噛み潰すように歯を食いしばった。
黙って掃除道具入れから雑巾を取り出して、それで机を拭いた。
教師に言いつけても無駄なことはわかっている、あたし一人だけが訴えかけても彼女らが集団でそれを否定すればどうしようもない。
誰がやったという証拠があるわけでもない、またみじめな思いをさせられた末に雲隠れされるのが関の山だ。
雑巾で机の上を拭いているあたしを見て、いつも朝の時間は談笑していたクラスの生徒たちが、話もなにもせずにただ静かにしていた。
その痛々しい沈黙があたしにはたまらなく息苦しかった。
落書きはすぐに消えた。でも、あたしの心には刻み込まれたように口汚い落書きが残ったままだった。
負けるもんか……!
こんな陰湿な嫌がらせに、絶対に屈するものか……!
あたしはあんなやつらに死んでも負けない、そう思って椅子に腰を落とした時だった。
「痛ぁああ!!!」
あたしは悲鳴をあげて飛び上がった。
突然お尻を何かで刺されたような鋭い痛みの感覚があったからだ。
手を当てると、刺さっていた画びょうがぽろりと床に落ちた。
椅子の上に仕掛けてあったのだろう、あたしは気づかずにそのまま腰を落としてしまっただ。
クラス中が静まり返って、みんなが目を丸くしてあたしを見ていた。
下手人の金髪たちは、おかしくてたまらない様子で、必死に笑いをこらえていた。
「……っう……!」
あたしは何か言ってやろうと思って、声を出そうとしたが、喉からは短い嗚咽が漏れただけだった。
頬を冷たい物がつたう感触があった。
あたしの目からこぼれた涙がぽたりと床に落ちた。
もう止められない。
あたしは目からぼろぼろ涙をこぼして、声も出せずに震えていた。
そんなあたしを見て、金髪と取り巻きが堪らなくなったように大笑いしだした。
「……うっ……ひぐっ……ッ!!」
あたしは必死に目を吊り上げて、怒りを込めて金髪を睨み付けた。
だけど、涙をぼろぼろ流しながら歯を食いしばったあたしの顔はよほど滑稽だったのだろう、金髪たちはひるむどころかさらに声を大きくして笑い出した。
「おい涼宮……一体どうし……うわあっ!!」
あたしは心配そうな顔で寄ってきた谷口を突き飛ばして、走って教室を飛び出した。
もう嫌だ。
耐えられないよ、こんなの。
すれ違う生徒たちはみんなあたしを振り返った。
大声で泣きわめきたい衝動を必死に抑えて、あたしは靴も履かずに校舎を飛び出した。



続く。
577名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 23:17:33 ID:OmHXCenz
続きます。まだ途中までしか書いてないので申し訳ない。

最後のシーンの、教室で涙を流しながら歯を食いしばるハルヒは>>562さんの絵を挿絵にイメージしてます。
勝手に作品引用してすみません。漫画化とか期待してるんで頑張ってください。

続きはまたそのうち。
578名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 01:33:08 ID:WBhO9f8F
579名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 03:33:57 ID:JyHY+tQZ
朝倉さんの表情がかなりいいね
ハルヒの後ろ姿はもうちょい、ていうかこの朝倉さんだけをさらに磨いてみては
>>577
いま佐々木に浮気してる俺にはなんだかキツイな・・・
ハルヒ泣かないでくれ泣くなら俺だけのためry   ・・・・・・刺されて死んできます
580名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 06:37:16 ID:aeQ8WMPK
ネタ募集

>>583
581名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 06:50:14 ID:1v5baXbp
どいつもこいつも
力作ばかりだ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 09:15:36 ID:r5S0axKY
久しぶりに北

>>576
たにぐちぃいいいぃい!!
583名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 10:16:31 ID:zx0T2qXa
谷口に期待wktk
584イソローク:2007/04/19(木) 20:40:02 ID:LF6gxiX1
     _
   , ~  ′ヽ
  イ fノノリ)レ
   ハ(l|゚-□ノト
  《ハ《|†|》)
  .ヽィ_八_,ゝ
    |__|__|
585イソローク:2007/04/19(木) 20:43:14 ID:LF6gxiX1
「……ごめんキョンさん、はっきり言おう、あんたが何を言ってるのかさっぱり分からん」
そりゃそうだ、理解できるはずが無い。どうする、本当のことを言うか?言うしかないな
「あー、なんというか…すまんが卜部、今から話す内容は頭がおかしい病人の戯言だとおも―――」

バンッ!

「…………」
蹴破るような音が扉から聞こえた、何事かと思いその方へと向いてみれば、例によって例の如しと言うかなんと言うか、まあこんな乱暴な音と共に部室に入ってくる人間はやつしかいない
「あ、遅かったねハルハル」
ハルヒだ、まー程よくバットなタイミングに来てくれたもんだ、そして気分は最悪らしくこっちはこっちで散々見飽きたアヒルみたいな口をしていた
「…………」
卜部を完全に無視して団長席にドカッとSEを立てて座り不機嫌オーラ満載の表情で頬杖をつき俺に嫌〜な視線を送っていた。こころなしか朝比奈さんのお茶が美味しく感じられない、何故だ、薬みたいな風味がする
「涼宮さん、あまり気がよろしくないようですね」
朝比奈ティーの味に眉をひそめる俺に古泉が小声で話しかけてきた、今日は珍しく顔が近くない
「謝った方がいいんじゃな〜い?」
古泉に続いて卜部も言ってきた、何だお前らは、言われなくてもそうするさ……出来ればな
「早急にお願いします、閉鎖空間はまだ発生していませんのでなるべくなら発生する前にそうして欲しいです」
そうだな、お前のバイトもどうせノーギャラなんだろうし、古泉だってサボりたくなってくるだろう
「分かってるよ」
しかしどうしようか、早急にと言われてもなあ、今現在謝るような空気じゃないから言い出しにくいが今はそんなこと言ってられないか
「ハル――」
「キョン、あんたあたしに何か言う事があるんじゃない?」
今言おうとしてんじゃねえか
「……ああ、さっきのは悪かったな、謝るよ」
さあこれで満足か?ハルヒを含めるSOS団団員達よ
「わかってるじゃない」
そりゃ誰だってわかるさ、お前にそんな顔で『何か言う事あるんじゃない?』などといわれたら謝罪以外の何が思い当たるのか知りたいね
「もしあんたが謝んなかったら土曜にどんな罰を与えようか考えていたところだったけど、その必要は無かったようね」
土曜?一体何があるんだ?
「そういえば言ってなかったわね、今週の土曜は不思議探索パトロールをしようと思うの、反論はある?まああったとしてもあたしは受け入れないわ」
じゃあ聞くな
586イソローク:2007/04/19(木) 20:47:46 ID:LF6gxiX1
「ハルハル、質問OK?」
「何?井草」
「不思議探索パトロールって何よ?」
卜部がいつの間にかはがれそうになっていたガーゼを抑えながら質問した
「そういえばあんたは正式なSOS団の活動をしたこと無かったわね、いいわ、教えてあげる―――」
とハルヒは得意げにあれの内容、ルール、エトセトラをホワイトボードに書き始め、指示棒でバシバシ叩きながら卜部に対してのみ説明していた。
 そういえばあの頃のハルヒに比べて随分とあいつも丸くなったな、もしハルヒがあの頃のままだったら今日みたいに喧嘩なんてやったら今頃この世界はなくなっていることだろう、ハルヒも少しは精神的な成長もするんだな
「ということで今週の土曜は9時に駅前集合よ、わかったわね」
「おいっす」
どうやら説明は終わったらしく、待ち合わせの時間を言うハルヒと女の声では聞いたこと無い返事をした卜部はゆるゆると椅子に腰を下ろした。
 今更で悪い&もう既に知っていると思うが卜部は声が女で容姿が(都合により略)なのだが、一様男である。蛇足だが一人称が【自分】、体型は細身で身長はハルヒと全く同じだった。
「朝9時ね………まいったな〜自分朝弱いのに」
そりゃ好都合だ、俺が一番最後にならないかもしれん、悪いな卜部、俺は土曜の市街探索でお前が俺より後に来ることを祈っているぞ。
 そしてそのときになったら長門達のことを俺の知っている限り教えてやろう。
587イソローク:2007/04/19(木) 20:48:38 ID:LF6gxiX1


 そしてやって来た土曜、俺は待ち合わせの時間十分前に来ていて、ハルヒ、古泉、朝比奈さん、長門は既に来ていた。
 四人の服装はまあそれぞれらしさを物語っていて、ハルヒはパーカーみたいなベストの下に長袖の服、そしてGパンを穿いていた。
 朝比奈さんはブラウスにセーターを着てチェックのスカートと言うなんともいい感じな服装。
 古泉は半ば説明する必要も無く、記念すべき第1回目の市街探索に着てきたものと酷似していて、長門に関しては当たり前だが北校の制服を着ていた。
「あれ、卜部は?」
もしかして…
「井草はまだ来てないわよ、フン、良かったわねキョン、今日は井草がおごりで」
ああ良かったとも、これで今日は金の無駄遣いをしなくて済みそうだ
「何その顔、あからさまに嬉しそうね」
当たり前だ、嬉しい事が起きたときに喜ばなくて何時喜ぶんだ?んん?
「フン、たとえビリは免れたとしても団長より後に来ることに変わりは無いわ、あんたいい加減団員としての―――」
悪いがタメに説教されたってどうとも思わないしSOS団に対する忠誠云々だったらなおさらなので俺はこの先の説教は全て右から左へ受け流した。
「それにしても井草君、どうしちゃったんでしょうか」
朝比奈さんが心配そうな面持ちで言った、今何時かと思い駅の時計を見ればもう9時だった
「あ!もう9時じゃない!井草ったら何してんのかしら全く、来たら罰ゲームの宣告が必要ね」
ハルヒが不機嫌そうに言った、すると
「まだ9時ではない」
ボーっと立っていた長門がいきなり喋った
「今は8時59分30秒」
「30秒くらいじゃ来ないわよ、人ってもんは大体そうなのよ有希」
それって俺の事としては言ってないよな
「6…5…4…3…来た」
何が?
「うん、来たよ」
いきなり後ろから声が聞こえる、俺たちSOS団団員は長門の方を向いていたので一瞬ビクッとしながらも振り向いた




もう俺このスレ来ないことにするわ
588名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 20:53:34 ID:RavbwdiM
BS世界のドキュメンタリー シリーズ「欧米の教育現場から」
http://www.nhk.or.jp/ugoku/newprogram/program_bs1_29.html

「イギリス なぜいじめはなくならないのか」

 * 5月3日(木)午前10時10分〜(再放送)
 * 5月11日(金)午前0時10分〜(再放送)

「カナダ いじめ撲滅プロジェクトの1年」

 * 5月4日(金)午前10時10分〜(再放送)
 * 5月12日(土)午前0時10分〜(再放送)

「イギリス ある幼稚園の取り組み」

 * 5月8日(火)午前0時10分〜(再放送)

「イギリス 感情をどうコントロールするか」

 * 5月9日(水)午前0時10分〜(再放送)

「スペイン 違いをどう受け入れるか」

 * 5月10日(木)午前0時10分〜(再放送)
589名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 21:14:45 ID:zx0T2qXa
>>587
なんで?
590A:2007/04/19(木) 21:42:45 ID:2vBouxlt
>>565-566
あの絵の顎はちょっとやりすぎでしたねwすみません
やっちゃっていいとのことなのでやっちゃいます

>>577
自分の絵を元に物語を描いてもらえたなんて感動です。ありがとうございます!
すごく面白いっすよ 応援してます

まだ何を描こうか悩み中・・・どれも名作すぎて困ってしまいます
591イソローク:2007/04/19(木) 21:52:59 ID:LF6gxiX1
>>589
いや、俺の書いてるやつ、つまんないだろ?
無駄に長ったらしいし誰もいじめられる兆候が無いだろ?
一様標的は決まってるんだけどさ、
こんなの書いていったってみんな飽きるだけだろ?

     _
   , ~  ′ヽ
  イ fノノリ)レ
   ハ(l|゚-□ノト  ダカラオレハサルノサ・・・・・・
  《ハ《|†|》)
  .ヽィ_八_,ゝ
    |__|__|
592名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 22:13:43 ID:JyHY+tQZ
>>591
俺は楽しんで読んでるよ?続きを知りたい
長くなったって誰も困らないし、のんびり書けばいいんじゃないかなあ
593名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 22:15:25 ID:kF7CSeeb
>>592
つヒント

かまってちゃん
594名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 22:29:13 ID:1rrwwEe7
なるほど、それで以前ageてたのか・・・
595名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 22:34:00 ID:y1cmcgN4
誘い受けうざいな。
去るなら黙って去れば。
ってか、一様ってそれもしかして一応って言いたいの?
596イソローク:2007/04/19(木) 22:36:04 ID:LF6gxiX1
皆さんに質問、俺は切腹したほうがいいか?
それともSS完成させたほうがいいか?
なるべく早急に頼む
597名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 22:39:20 ID:OzaUhfGN
>>596
聞くまでもないだろ
SSを完成させろよ
598イソローク:2007/04/19(木) 22:50:13 ID:LF6gxiX1

じゃあ1週間ぐらい待っててくれ、俺は鈍筆+他の作品を書いているんだ
599名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 22:56:56 ID:1v5baXbp
>>597に同意
>>598
がんばって
600名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 23:11:40 ID:OzaUhfGN
>>598
遅くなっても構わない
元々締め切りがあるわけでもないから
投下楽しみにしてるよ
601名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 23:23:38 ID:sX6QpKdL
どんだけかまってほしいんだコイツは なんか見ててイライラする
もともとの駄文が作者のうざさのせいで更に糞化している もう来るな、そして氏ね
602名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 23:26:36 ID:JyHY+tQZ
話は変わるが佐々木ネタがまた読みたい
いやほんの独り言です
603名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 23:28:49 ID:9TkV348l
確かにしつこい奴はうざいが、本当にこのスレに不要なのは>>601みたいな露骨な職人叩き厨だな。こういうクズがいるとSS書きが来づらくなってスレが過疎化する。
604名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 00:08:10 ID:umaIDcpk
まあ、構ってちゃんがウザいのは事実だがな

>>595に同意だわ
605名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 06:55:35 ID:4p1v/yRw
>>604
まあもちつけ
606名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 07:22:40 ID:Exe4uIVF
イソローク
去らないでくれ。
俺は君の作品が好きだ
そしてもっと読みたい。
人の意見気にするな。な?
俺は楽しみにしてるぞ。
遅くなっても気にしない
だから書いてくれ頼む。
607名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 09:08:34 ID:xzozCico
やる気のない作者のSSを読んでも面白くないよ だから去るなら去ってほしい
何か上のレスとか自演っぽいし
608名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 09:27:02 ID:Exe4uIVF
>>607みたいなやつがいるから
ここが荒れる
去るならこういうやつだな。。。うん
そして俺はイソロークでは無い。バーか
609名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 09:41:35 ID:xzozCico
何かもう最後の文とか厨丸出しだな それに荒れるとかいうから余計悪化するのがわからないのか?

作者が去るっていってんだからほっとけばいいのに
610名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 10:22:48 ID:+iPRbVg6
くっくっ、ひとつ、流れを変える方向に努力をしてみるのも悪くないと思わないかい?
キミのレスのもたらす影響が、キミ自身の思惑とはかけ離れた結果を導きかねないことぐらいは、
僕と合意することのできる数少ない貴重な一点だと考えるのだが。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 12:57:56 ID:M6oLtuO0
読みたくないならスルーすればいい
とりあえず最後まで書けイソローク
612イソローク:2007/04/20(金) 14:10:43 ID:yQ5KmY52
>>600 >>606 >>611
了解、書きます
それと皆俺のコメントウザがってるので発言は極度に控えるよ
613名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 16:44:30 ID:4p1v/yRw
>>612
楽しみに待ってます
614名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 20:23:21 ID:vJRXJtbn
 /^ヘ、      ヽ :::}  プ                  <  言  あ  そ         下  待
./ _、 `≠=-‐‐ '" ル _.. -‐ 、           ノ  う  な  |         さ   っ
′⌒ / {  プ    /´;;::    ヽ            `ヽ 通  た   で  /⌒}  い  て
  .:: /    ル   r=〜二⌒'ー¬}           ノ り の   す(   /   !!!!
 .:::: :j} ’     ∠三≠==ミミ三ミ=、        ∠、で       _(⌒ o ⌒ヽ
-‐≦ } ;     /三アノ( u ヽ、ー `~ヽ         す⌒Y^Y´  °   o  ⌒Y⌒Y^Y
二ニ=ノ   ,   厶=ア;;⌒〃⌒ヾ`二´ # !              _≧ミヽ\ }ヽハ
-‐¬⌒} ’   /二Y;;;   {{  0 }`7´, -‐vi               ノ´      `  ノノ
//:| /^ト、  { 了!i;; Jミ≧=ァ'::{;;/ O jl       c    /´//, //     彡、
/〃:/:::/;;;:ヽ }fr !||iilfr,,_..-‐(_  .:)=彡;!           { /〃/// ///  し   '⌒ヽ
/ /;;;/;;;; ijfr{ |;;/;;/ //^\ UーJ u:::;′o    c  ° /{{ー≦{ {{{  /  u  ヽ} 、_ノ{_/{
;;;....  :;;;  i|i川ハ{ {::{ { 7rH-x`¬! ;;;://     。 rff^h// 彡ノ!{_j   ニ ヽ{ Y    } }
\;;;;/;;;  ijj川ilハ{ ヽ`} アニヽ.`7};;;::; '   _)     {/⌒jっノ{" _'_  {_丿,ハ j }    リ<  そ 私
  ∨;;  ljjj |l|l!;;;ヽ、 (_厂二 `U';;;:く J      {  rー'´ ̄`\{  `) ーJ ハリ从从リ′ ) | も
.   };;  ;;!l|  !!ll!;;;::|| `ー= .;;;;::ノノイ/::ヽ、   c ヽ {_`ヽ\ `ーu∩/)、};;;;;;;;;;;/  <  思
.  /;;  ;;ll|  il|l|:;;;::||  ::// /;;;;::::/ \      〉{  \ハ \  {  ´彡ノノノノ   ノ  い
/;;::  ;;l|l  jl!l|l;;;:::ll:::// xヘ、;;;;〃::::ノノ>ー-/  ` =/ ヽ ヽ   ハ  イ、       ∠   ま
/;;::::  ;;;;l|! l||!::;;;;::// /  /フ7////ア    -/  ト、\ {∧  }ハ'⌒7     )   す
615名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 22:06:46 ID:4p1v/yRw
何なんだ・・・
616名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/20(金) 22:25:52 ID:gATUo24T
せっかく途中まで書いたんだから、最後まで書けよ

俺は読まないけどな
617名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 09:47:40 ID:2cBywm0i
>>616 そんな事言ってやるなよ どんな作品でも好き嫌いせずに見ないと朝比奈さんみたいになれないぞ


まぁ俺もこの作品は読まないが
618名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 09:59:24 ID:F3iuclr4
自演www
619名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 10:24:27 ID:Sc8rbkfT
自演してまで読んでほしいのか
この作者は
620名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 11:32:45 ID:Bu8IQra5
>>618
え??
621名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 11:35:55 ID:zt/MDlEu
よくできてるよ これ↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=7qO1ORdw8AE
622名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 12:51:05 ID:Bu8IQra5
>>621
ワロたwwww
623名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 13:59:25 ID:LFLPCphO
凄い勢いで盛り上がってますね
624名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 15:35:07 ID:pA76b5Bj
>>621
クオリティー高いよねそれ
625名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 16:04:35 ID:Bu8IQra5
私、話考えました

誰か書き込みの許可をお願いします
626名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 16:12:55 ID:cxWQ+KMi
>>625
どうぞどうぞ
627クレイジー・ザ・キョンA:2007/04/21(土) 16:14:12 ID:0UgcCBLg
>>625許可する。が、先に投下させてもらう。

いつぞやの続き


「お世話になります〜う〜♪ただいま〜」

郵便局を出て、ユースケ・サンタマリアの名曲、
「お世話になります」を口ずさみながら帰宅した俺を出迎えたのは脳の発達が日経平均株価よりも急降下している妹だった。

「キョン君おかえり〜」

「あぁ、ただいま」

笑顔で擦り寄ってくる妹の頭を乱暴気味にワシャワシャと撫で回すと、妹は「にはは」と、どこかの病弱な金髪少女の様に小っ恥ずかしそうな微笑みを浮かべる。

普段は鬱陶しい事この上ない妹だが、やはり血の繋がった兄妹、何だかんだ言っても可愛いものだ。歳が離れているだけに余計にそう感じる。


「なぁ、何か欲しい物はあるか?」

「なんでー?」

俺はこの将来はすこぶる不安だが目に入れても痛くない可愛い妹に、兄として何かプレゼントをしてやろうと考えた。
 別に今日は誕生日でもなければクリスマスでもない。理由なんて無いさ、ただ喜ぶ顔が見たい・・・・それだけだ。
丁度金もある事だしな。

「ただの気まぐれだ。ちょっと臨時収入があってな、金が余ってるんだよ。」

「ぴーちぎゅうにゅうー?」
「臨時収入だ。何だよピーチ牛乳って?ちょっとうまそうじゃねーかよ。」

「てへっ♪」

畜生、憎たらしいぐらい可愛いな。まぁ、まだまだ朝比奈さんには遠く及ばないけどな。

「それより、何か欲しい物ないのか?何でも買ってやるぞ、30万以内ならな。」
俺の催促に対して、妹は首を右に左にと、交互に傾げながら数分間考えた後

「う〜んとね、え〜っとね、トンファー♪」

と満面の笑みで答えた。

「トンファーが欲しいのか?」

「うん!」

「よし、じゃあ明日学校帰りに買ってくるから、楽しみにしてろよ」

「やったぁ♪」

目の前でピョンピョン跳ねる妹の頭を再びワシャワシャと撫で回し、後5分程で始まるドラゴンボールの再放送を見るべく居間へと足を進めた。

「キョン君だいすき〜♪」

「そうか、俺は朝比奈さんが大好きだ。ハハハッ!!」

そんな心暖まる会話を交えながら・・・
628クレイジー・ザ・キョンA:2007/04/21(土) 16:18:20 ID:0UgcCBLg
 ヤムチャがサイバイマンに爆死させられたシーンで大爆笑し、
思いっきりカレーの匂いがしていたのにも関わらず出てきたのが焼き鳥の盛り合わせだった事にかつてない不満と落胆を感じながらも一本20円の焼き鳥を胃袋に流し込んだ後、
一日の汗と垢を流すため、今日は妹が沸かしたというクソッタレにぬるい風呂に入り、シャンプーをする前にリンスをしてしまった自分に人生最大の憤りを覚えつつも、持ち前のポジティブシンキングであっさり立ち直ると、俺は文字通りの命の洗濯に勤しんだ。

「ふぅ」

風呂から上がり、自室のベッドに腰掛けると、携帯が光っているのに気が付いた。

「なんだ?」

携帯を手に取り、開いてみると、「着信アリ」の文字がディスプレイに映し出されていた。

「誰だ?ハルヒか?」

不思議探索をサボった事に激怒したハルヒが怒りの電話を掛けてものかと思っていたが、着信履歴を開いた俺の目に映ったのは意外な人物の名前だった

「・・・・佐々木?」

謎の着信の正体はハルヒではなく佐々木だった。
見てみると、俺が風呂に入っている間に掛かってきた様だ。それも16件も。

ちっ、忌々しい奴め、何の用かは知らんがこっちはお前と話す事なんざ何もねーんだよ。風呂上がりのスッキリした気分が台無しじゃねーか。

ムシャクシャした俺は着信履歴を全て削除すると、佐々木の番号を着信拒否に設定し、朝比奈さんのパンチラ画像を待ち受け画面にしている携帯を枕元に放り投げた

これでもう佐々木から電話が掛かってくる事ないだろう。ふん、いい気味だ。

それから特にやる事が無くなった俺は、寝るまでの時間をポスト浅田真央を目指してトリプルアクセルの練習に費やし、行く先はオリンピックか世界選手権かと思っていたのだが
 一時間も経たない内に身体中の間接が悲鳴を上げたため、激痛にのた打ち回りながらも明日に備えて床に就く事にした。
629クレイジー・ザ・キョンA:2007/04/21(土) 16:22:45 ID:0UgcCBLg
コン・・コン・・

どれぐらいの時間が経っただろうか・・・トリプルアクセルによる極度の間接疲労から強制睡眠を余儀なくされてからかなりの時間が経過していた。

家中の人間が夢の世界の住人になっている時間・・・

それは夢の中で朝比奈さんとの新婚生活を楽しんでいる時に起こった

コン・・コン・・

「朝比奈さ〜ん・・・もう無理っスよぉ・・・もう勃たないっスよぉ・・・」

コン・・コン・・

「マジヤバイっスよ・・・五回はキツイって・・・んあ?」

ガラスに固い物がぶつかる様な音で目を覚ました俺は、枕元の携帯を手に取り、半開きの目で時間を確認する

時刻は午前三時・・・まだ真夜中だ。
 何でこんな時間に起きちまったんだ・・・寝起きでうまく思考が働かない中、ベッドの上でしばらく惚けていると

コン・・コン・・

何やら音がする・・・そうだ、この音で目を覚ましたんだ。
 音は窓の方からしていた。どうやら誰かが俺の部屋の窓に小石をぶつけているようだ。

「誰だ?こんな時間に?ったく!」

中途半端な所で睡眠を妨げられ、頭に血が昇った俺は、痛みが残る体を引きずって窓へと歩み寄ると

ガラッ!

と、乱暴に窓を開け、睨みを利かせながら周囲を見渡す。
 すると、暗がりでよく見えないが下の方に人が立っていた。こいつか?俺と朝比奈さんの新婚生活を邪魔した下郎は

「お前か!窓に石投げてきた奴は!」

「・・・・・」

俺の怒声混じりの問い掛けに答える事なく、ただ立ち尽くすだけの不審者。夜の闇に隠れ、顔は見えない。

「答えろ、事と次第によっちゃ、ただじゃ済まないぞ」

「・・・・・」

何も答えない不審者。業を煮やして警察を呼ぼうと携帯を手にすると、今まで雲に隠れて見えなかった月がようやく姿を現した。

月明かりが辺りを照らす・・・それにより徐々に不審者の姿が見えてきた

意外と細身だな、女か?まさかハルヒじゃねーだろーな。

俺の不安をよそに、月の光によって不審者の姿がさらに鮮明に照らし出される
 長い時間をかけ、やっと首から上が露になった時、俺は不審者の顔を見て思わず息を飲んだ。

「!! 佐々木!?」

そこに立っていたのは昼間に出会った中学時代の旧友、佐々木だった。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 16:28:07 ID:Bu8IQra5
>>626-627
じゃあ明日に・・・
631クレイジー・ザ・キョンA:2007/04/21(土) 16:31:27 ID:0UgcCBLg
「お前だったのか、一体何の用だ?」

俺は少しトーンを落として下にいる不審者・・・もとい、佐々木に改めて問い掛けた。

「・・・・・」

相変わらず何も言わない。ただその場にたったまま、俺をじっと見つめるだけだった。
 だが言葉が無くとも分かる、あれは降りてこいと言っている顔だ。
 一体何なんだ?何が目的だ?まぁいい、行ってやろうじゃねーか。これで下らない事だったらもれなく鉄拳という名のプレゼントをくれてやる。

そして俺は以前古泉から貰ったアルファベットで"GACHI"という文字の入ったトレーナーに袖を通すと、寝ている両親と妹を起こさない様に注意しながら静かに玄関へと向かった。
 サンダルを履き、玄関を出ると、そこにはやはり佐々木がいた。

「・・・・・」

佐々木は迷彩服にスコープの付いたヘルメットを被り、右手にショットガン、左手に日本刀という何とも物騒な出で立ちで立っていた。

月の薄明かりではよく見えなかったが、何て格好してやがる。アホかコイツは?真夜中とはいえよく捕まらなかったな。
 中学を卒業して完全に脳細胞が腐食してしまったのであろう佐々木をこれ以上ない哀れみの目で見つめていると、今まで沈黙を保っていた佐々木がおもむろに口を開いた。

「君は・・・」

「あん?」

「君はしてはいけない事をしたね。」

解逅一番の佐々木の台詞に一瞬俺の思考がストップした。
 はて、何の事だろうな。全く思い当たるフシが無い。

「何の事だ?訳が分からん。用が無いなら帰れ、俺は眠いんだよ」

「とぼける気かい?それもだろう・・・あぁ、眠るといい・・・・永遠にね。」

「何?」

佐々木の意味不明な言葉に顔をしかめた瞬間、佐々木が左手に持った日本刀でいきなり斬り掛かってきた!

シュバッッ!!

「うお!?」

空気が切り裂かれる音がした。俺は咄嗟に後ろに下がり、皮一枚でなんとか避ける事が出来たが、あとコンマ1秒でも反応が遅れていたら首から上が飛んでいただろう。

「何しやがる!?正気かお前!?」


夜の住宅街に怒号が響く・・・俺の首からは先程の佐々木の一閃が擦ったのか、僅かに血が流れていた。

「もう終わりだよ、何もかもね。罪を犯した者には罰を与えなければならない。」

「何が罰だ!ふざけんな!意味分かんねーんだよ!」
「ここまで来たらもう言葉は必要無いだろう、君は罪を犯した者で、僕は罰を与える者・・・お互いの立場はハッキリしているんだ。
今日、君は死ぬ。これは・・・そう、既定事項なんだよ。」

既定事項だと?クソッタレ!嫌な事思い出させやがって!
 既定事項という言葉に俺がいつぞやに会った屈折未来人野郎の顔を思い出して苦虫を噛んだ様な顔をしていると、佐々木がさらに続けて

「さぁ、始めようか・・・・処刑の時間だ。」

眉一つ動かさず、表情一つ変えず、冷酷な瞳を向けながら佐々木ただ一言・・・そう言い放った。
632クレイジー・ザ・キョン:2007/04/21(土) 16:35:31 ID:0UgcCBLg
とりあえず一旦終了。続きは明日か明後日にでも。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 16:39:44 ID:cxWQ+KMi
>>632
予想と違う展開だ
wktkしてまってるよ

>>630
楽しみにしてるよ
634名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 16:40:10 ID:Bu8IQra5
>>633
ありがと
635名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 17:31:27 ID:z7T1dh5M
おぉクレイジーだ!
636名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 01:26:16 ID:jI+gmCOU
便乗して俺も書いてみた。ちなみに絵板の2個目の長門書いた奴です

ttp://imepita.jp/20070422/047470
ttp://imepita.jp/20070422/045700
ttp://imepita.jp/20070422/049190
ttp://imepita.jp/20070422/050050

チラ裏の落書きなんで裏写りしてますごめん。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 01:30:47 ID:9NnwXldA
>>636
いいね!
さっき佐々木を絵板で描いた奴だが
今度はこういうガチでサスペンスな絵も描いてみたいなぁ
さっきのはちょっと手抜きすぎたかもww
638名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 02:37:50 ID:sEqm/fvF
>>636
>>637
二大絵師集結www

>>636さんのみくるちゃんに惚れたwww
>>637さんの佐々木もスゲー。
ってか、大きいサイズの絵ってどうやって書いたんですか?
639名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 08:33:44 ID:CELwLxpX
>>638
あれね、SAIで描いたものを
bmpで保存して、それをjpgに変えて
通常書き込みでうpするってやり方でやった
640名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 10:45:55 ID:Sdzvh2Kg
>>625それじゃ、かかせていただきます
タイトルはまだ決めてませんけど 
641名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 11:16:40 ID:Sdzvh2Kg
“ピンポーン”
「涼宮さ〜ん、郵便です」
「はーい」
「涼宮ハルヒさん宛てに、手紙がが届いております」
ハルヒは手紙を受け取った。
「ありがとうございました」
ハルヒは、その郵便の封を開けた。
“ビリッ”
それをみたハルヒは驚いた。
「な、…何これ…」
それは、涼宮を中傷する手紙だった。
手紙には、“死ね”“ウザイ”“消えろ”と書かれていた。
そこから全てが始まった。
この手紙を見たハルヒは、自分のベッドで啜り泣きをした。
「なんで、……………どうして…、私がなにをしたっていうの??…」

翌日
学校で、
キョンが、元気のないハルヒを見て、こう言った。
「おい、どうしたハルヒ、なんで元気がないんだ?」
「別に…」
「何か悩みでもあるのか?相談にのってもいいぞ」
「何でもない」
「じゃあ、なんで…」
「うるさいわね、関係ないって言ってるでしょ!!」
ハルヒは強い口調でいう。
と同時にカバンを持って教室から出た。
その日、ハルヒは、部室に来なかった。
俺は、古泉とオセロをすることにした。
古泉は俺に聞いてきた。
「一体、なんで、涼宮さん、来ないのでしょうかね?」
「知らない」
俺はそう答えた。
朝比奈さんは、俺たちにお茶を渡した。
「どうぞ、お茶です。」
「あ、ありがとう」
「キョンくん、なぜ涼宮さんは来ないのでしょう」
「さぁ…」
一方の長門は本を読み続けていた。
642名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 11:30:43 ID:Sdzvh2Kg
そのころ、ハルヒは家にいた。
涼宮の携帯に1本の電話がきた。
“プルルルルル”
涼宮は、その電話を受け取った。
“ピッ”
「はい、もしもし・・・」
「死ね」
“カチャッ”“ツー”“ツー”・・・
「どうして…私が…なんで」
今度はメールが来た。
“ブー ブー ブー”
メールを見た。
そこにはこうかかれていた。
“地獄に落ちろ”
涼宮はショックでうずくまって泣いた。
「ひどい、……ひどいよ・・・・・・・・・・うえ〜〜ん」
そのときだ。
「涼宮さん、郵便です」
手紙が、100通ほど来ていた。
そのほとんどが“死ね”“殺す”とか、
そういう手紙だった。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 11:31:33 ID:Sdzvh2Kg
一旦またあとで書こうと思います
644名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 12:21:03 ID:CELwLxpX
wkwk
645名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 12:51:54 ID:Sdzvh2Kg
>>642

涼宮は声を押し殺して泣いていた。
迷惑メールや手紙など、何週間も届いた。
それにより、ハルヒは、精神的に追いつめられ、リストカットをしてしまった。
ハルヒは昏睡状態に陥った。

次の日、学校に涼宮の姿が無かった。
涼宮は、学校に来なかった。
それが1ヶ月続いた。
1ヶ月経ってようやく姿を現した。
キョンは聞いた。
「どうしたんだ、ハルヒ、1ヶ月間も・・・しかもなんだ、その切り傷は・・・」
リストカットで切った腕をみたキョンは言った。
「自分で切ったのよ」
「私、死にたい…」
「え??」
「私、生きる価値なんてないのかな…」
「どうしたんだよ急に・・・」
涼宮はしばらく黙ってこういった。
「私、部室行かない…」

その日、ハルヒはまた部室に来なかった。
俺も、今日は部活に来ないことにした。
ある作戦を実行する為に…
俺は、古泉にこういった。
「悪い古泉、今日これねぇ」
「いえ、いいんですよ。僕もバイトがありますし、朝比奈さん長門さんもOKって言ってました」
俺は、急いで家へ帰った。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:11:11 ID:hknz76q9
・「涼宮」になったり「ハルヒ」になったり意味不明
・たまにキョン視点になるのも意味不明

・誤字がある
647名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:16:58 ID:Sdzvh2Kg
そのころ、ハルヒは、暗い夜道を1人で歩いて帰っていた。
そのとき。
"ブンブンブンブンブン"
1台のバイクがハルヒを轢こうとした。
「キャ」
ハルヒは何とかよけた。
足がすくんでいた。
でも、なんとか立ち上がり、再び歩いた。
だが、歩いていた時、上から、ダンベルが落ちてきた。
街灯で影が見えたため、ハルヒはよけた。
落とした犯人は、見えなかった。
またあるこうとしたその時、2人組の男が日本刀を持ってこういった。
「涼宮ハルヒ、お前を殺す」と
そういうと、男たちは、日本刀を振り回してきた。
涼宮はよけたとき、制服を切った。
怪我はなかった。
すぐにハルヒはキョンの家まで逃げた。
2人組の男が追いかけてくる。
キョンの家に着いた。
息を切らして・・・
"ピンポーン"ベルを押した。
"ガチャ"「はい、・・・涼宮・・・どうした??」
「キョ―――――ン!!」
涼宮はキョンに抱きついて泣いた。
ハルヒはこれまでの事情を説明した。
「わかった。安心しろ。助けてやる」
「ありがとう、キョン」
「ちょっと待ってろ、ジュースいれてくるから」
「うん」
キョンは部屋から出た。
648名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:18:13 ID:Sdzvh2Kg
>>646
これはすまん
一応話は全部投下する
貴重な意見をありがとう
649名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:20:48 ID:Sdzvh2Kg
ちょっとまたあとで書きます
650名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:22:47 ID:JjLB9+3z
>>648
これは面白そうだ
続き頼むよ
651名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:27:42 ID:Sdzvh2Kg
なお、他におかしいところがある
おもしろくないところがあるなど、
ありましたら是非言ってください

>>650
そういってもらえると幸いです
652名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:28:32 ID:JjLB9+3z
いえいえ
ご苦労様です。
653:2007/04/22(日) 13:55:34 ID:3Iq29255
どうも、あれから悩みに悩んで「涼宮ハルヒの横暴」を漫画化させてもらおうと思っています。
>>554で作者様も好きに使ってくれて構わないと仰っているようですのでお言葉に甘えさせていただきます。
まあ所詮は素人漫画なのであまり期待はしないでくださいw
とりあえず今夜あたりにでも取り掛かってキリの良いところでupしようと思っています。

では、作者様、スレの皆様大変恐縮ですが宜しくお願いします。
654名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:55:41 ID:Sdzvh2Kg
4時頃にまた書こうと思います
職人さんは先に始めても結構です
655名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 13:56:42 ID:Sdzvh2Kg
>>653
がんばってください
656名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 14:14:49 ID:C1Ia9g8+
>>653
こいつはちょっと楽しみ
657名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 17:15:26 ID:Sdzvh2Kg
>>647のつづき

>>646さまのご要望で、涼宮ハルヒの呼び名が「涼宮」とか「ハルヒ」になったり、意味不明という
要望が出ました。そこで、すべて呼び名を「ハルヒ」に統一します

ハルヒはキョンの机にあるパソコンの画面を見た。
そこにはとんでもないことが書かれていた。
それは、"涼宮ハルヒを殺して100万円をもらおう!!"というサイトだった。
このサイトには、いろんなコメントが書いてあった。
"涼宮ハルヒをバイクで殺そうとしたら、よけられた!悔しい!!"
"ダンベルが涼宮ハルヒの頭にあたらなかったのが残念!"
と、さっきハルヒを殺そうとした人の書き込みだったり、迷惑メール、手紙を送った人のコメントも書かれていた。
そのサイトの管理者が、キョンである。
「うそ、なんでキョンが!?・・・」
「見られてしまったね」
キョンが入ってきた。
「な、何で!?どうして!?まさか、迷惑メールもキョンが仕組んだの!?」
「ああ、そうだ」
キョンはジュースを置いた。
そして、ハルヒにこう言った。
「正直、お前の態度が1ヶ月前から、いや、ずっと前から、気に食わなかったから・・・」
「ひどい!!」
「ひどい??お前バカじゃねーの??
お前の迷惑に付き合わされてる身にもなれよ」
「悪いけど、お前を殺す」
そういうと、キョンはハルヒの腹を2、3発殴った。
「がはっ…」ハルヒは気絶した。
キョンはハルヒを背負って部屋から出て、階段へ降りた。
キョンの妹が、俺に聞いてきた。
「あれ、キョン君、ハルにゃん背負ってどこいくの?」
「ハルヒちょっと、疲れて寝込んじまったんだ。ハルヒの家まで送りに行く」
「私もいく〜」
「ダメだ、テレビでも見てろ」
「は〜い」
俺は、家から出て、ハルヒの家に送りに行くといいながら、学校に向かった。

「ん?……あれ??ここは??」
ハルヒは気が付いた。
「ここはSOS団の部室だ」
ハルヒは、自分が十字架に縛られてることに気が付いた
「ちょっと何よこれ」 
658名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 17:34:19 ID:Sdzvh2Kg
「俺が縛った。もうじきお前は俺に殺される」
「そ、そんな…」
ハルヒは両腕、両足を縛られ、身動きが取れない。
キョンはナイフを取り出した。
そのとき、ハルヒは思った。
私、死んじゃうの??殺されちゃうの??
「やだ、私死にたくない!!キョンやめて!!」
「あばよ」
"ザクッ"
キョンは涼宮の腹を刺した。
「ぐ………あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
"グチャ"
キョンは涼宮に刺したナイフを抜いた。
ハルヒは吐血した。
血が止まらない。
ハルヒは、目が霞んで薄れゆく意識のなか、声にならない声でいった。
「た・・・・・・・・・助けて・・・・・・・」
言った途端、ハルヒの意識が無くなった。
ハルヒは死んだ。
その後、キョンは学校を出たあと、
どこに逃げたのかは、だれも知らない
659名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 17:35:39 ID:Sdzvh2Kg
一応、全部終わらせました

なお、誤字脱字がある、面白くないなど、
不都合がありましたら、教えてください
660名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 18:05:58 ID:KUKvZp7e
つまんね
661名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 18:13:03 ID:2Q8S/lEK
いっちゃぁなんだがハルヒワールドである必要性が感じられん
662名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 18:31:43 ID:Sdzvh2Kg
>>660-661
貴重な意見をありがとうございました
今後の参考にしたいと思います
663名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 18:43:51 ID:Xrt4LEL7
投下してみる

どうかお手柔らかにww
664涼宮ハルヒと孤立:2007/04/22(日) 18:45:25 ID:Xrt4LEL7
 この高校に入学してから、俺は様々な事件と遭遇した。
 変な灰色空間に閉じ込められたと思ったら、一面砂漠の異空間に追いやられたり、終わることの無い夏休みを
無理矢理満喫させられたり、はたまた過去に遡ったり。
 リアルタイムでそんな状況と遭遇した時は最悪だったが、今となればいい思い出だ。
 つくづく思い出は美化されているのだと実感する。
 しかし、そんな奇想天外な思い出を作ることは、もう出来ないのかも知れない。何故なら一週間前、長門や朝比奈さんや古泉に
ある事を伝えられたからだ。そのある事とは。

 ハルヒから特殊な力が完全に消えた。

 それを聞かされた時は、タチの悪い冗談かと思い、笑って返してやったさ。

 ………
 ……
 …

「残念ですが、これは冗談ではありません。機関のほうから連絡がありましたので、間違いはないでしょう。
それに、僕の力も完全に消えました。これで、晴れて一般人に戻ったという訳です」
「私も未来からそう伝えられました…。本当はもっと前から知らされていて、ずっと言おう言おうと思ってたんですが、
中々言い出すタイミングが掴めなくて…」
「涼宮ハルヒはただの人間。もう進化の可能性では無い。情報統合思念体の判断は確実」
 今までに無いような真剣な空気がハルヒのいない部室に張り詰めた。
「おい、何言ってんだよ。そんな……」
 三人の真剣な眼差しが、俺が言おうとしたセリフを殺す。俺は声が出なくなった。
「私がここにいる理由はもう無い」
 無表情のまま告げる長門が恐かった。少しぐらい寂しそうな表情をしてくれてもいいだろ……。
 俺に背を向け扉の向こうへ歩き出す長門を、俺はただ見ている事しか出来なかった。
「キョンくんさようなら。寂しくなりますね……」
 朝比奈さんは言葉では名残惜しんでくれていたが、体はすぐに反転し、長門の背中を追うように去って行った。
665涼宮ハルヒと孤立:2007/04/22(日) 18:46:37 ID:Xrt4LEL7
 俺の目には朝比奈さんが喜んでいるようにさえ見えた。
「それでは」
 古泉は、最後までニヤケ面を保っていた。

 俺は勇気を振り絞り古泉に問い掛けた。
「なんでハルヒから力が無くなったんだ?」
「それは、あなたが一番よくわかっているはずですよ。まあ、あえて言うなら、涼宮さんはこの世界を気に入った。という事です」
 古泉はそう言い残し、部室を去って行った。

 俺は部室でただ一人立ち尽くす事しか出来なかった。
「お待たせー!」
 元気な声が部室に虚しく木霊した。
「ちょっとキョン! このあたしが来たんだから、あんたも何か言いなさいよ!」
「……ああ、やっと来たか。掃除当番だったにしちゃ、ちょっと遅くないか……?」
「ちょっと鶴屋さんとそこで会って、話し込んじゃったのよ」
 多分鶴屋さんもグルだろう。ハルヒにさっきの話を聞かれちゃ、どうなるかわからないからな。
「それより、みくるちゃん達はまだ来てないの?」
「あ、ああ…ホームルームが長引いてるんじゃないか?」
 俺には言えなかった。あいつらがここに来ることはもう無い、と。
「でも、さっき鶴屋さんいたじゃない。有希と古泉くんは知らないけど」
「じゃ、じゃあ…先生に呼び出されてるとか……」
「三人同時に? さすがにそれは考えられないわ」
「もしかしたらわからんぞ?」
「あんた、本当は知ってるんじゃない?」
 俺は何て言えばいいかわからなかった。嘘をついているのも、本当の事を教えるのも辛い。一体俺はどうすりゃいい?
「何をだ……?」
 こんなごまかし方しか出来ない俺が情けない。
 三秒くらい間があった。
「まあいいわ。あんたがいるなら」
「そうか……ありがとな…」
 朱く染まる部室で、俺達はただ見つめ会った。
 ハルヒの目はキラキラ光っていた。雲一つ無い夜空に輝く星のように。
666涼宮ハルヒと孤立:2007/04/22(日) 18:47:56 ID:Xrt4LEL7
 ハルヒがこの事を知ったのは、この日から数えて二日後の事だった。
 事実を知った時、ハルヒは目に涙を溜めながら俺をポンポン叩いてきた。
 無理もない。俺はずっと隠していたんだからな。
 それ以降、この部室は俺とハルヒがたった二人で使っている。

 …
 ……
 ………

 授業中、俺は幾度となく追憶に耽っていた。楽しかった思い出がただ空しい。
 またあいつらと馬鹿をやりたい。
 そんな気持ちが俺の心をさらに圧迫する。

 今は三時限目の現代文の時間だ。この間の出来事のせいで、内容が全く頭に入って来ない。
 それに最近、クラスメイト達のハルヒに対する接し方がおかしい。皆がハルヒを避けている気がする。
 避けられているのは前からの事なのだが、何か様子が違う。表面上はいつも通りなのだが、何かが違う。
 それに、俺への接し方もおかしい。クラスメイト達もあまり話を振って来なくなった。
 その状況に少し不安に感じた俺は、たまにはこっちから話し掛けるのもいいだろうと思い、今日の朝、谷口達に話し掛けた。
 軽い感じで肩をポンッと叩き、「よっ」っと挨拶をしてみたのだが、谷口からの返答は何も得られいし、振り向きもされなかった。
 それ以降から今に至るまで、俺は谷口達とは会話をしていない。恐くて出来なかった。
 休み時間に楽しそうに喋るクラスメイト達の話し声が、俺の心に突き刺さる。

 三時限目も終わり、ハルヒは教室を飛び出した。
 俺は話す相手もいないので机に俯せた。皆の話し声がよく聞こえる。
 俺は耳を塞いだ。他人の会話にここまで恐怖したのは初めてだ。
 そもそも何故俺がこんな扱いをされなければならない。俺が一体何をしたっていうんだ。
 そうだ。俺は何もしちゃいない。きっと、朝比奈さん達やハルヒの事がショックで、引っ込み思案になってたんだ。
それに今日の朝、谷口達がシカトして来たのは、ちょっとしたいたずらのつもりだったんだ。それを俺はネガティブに考え過ぎた。
ただそれだけなんだ、きっと。
 俺は時計を見た。あと二分足らずで四時限目の授業が始まっちまう。
 仕方ない。昼休みにでも話し掛けてみるか。
667名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 18:48:55 ID:CELwLxpX
コワイヨー
谷口までか…
668涼宮ハルヒと孤立:2007/04/22(日) 18:50:40 ID:Xrt4LEL7
 俺はそう決心した。
 四時限目のチャイムが鳴り、授業が始まった。しかしハルヒはやって来ない。どうしたんだろうか。しかも先生は、
ハルヒの席に誰も座っていないというのに授業を始めやがった。気付いていないはず無いのだが。
 まあ、ハルヒはちょくちょく授業をサボってるからな。先生も諦めているのだろう、多分。
 結局ハルヒは授業に出ず終いで四時限目は終わった。
 俺は平然を装い、弁当片手に谷口達がいる輪の中へ重たい足を延ばした。
「よう、飯食うか」
 俺はいつもの感じで話し掛けた。
 普段なら、「おう、じゃあ食うか」ってな感じで弁当に箸を向ける事になるのだが…。
「……」
 俺が話に割り入ってから数秒間、そこに沈黙が訪れた。最高に嫌な空気だ。
「今日は外で飯食わねぇか?」
「うん、そうしようか」
 谷口達は露骨に俺を無視し、教室を去って行った。
 他の奴らが俺を見て笑っていた。そう、嘲るように。
 どうやら俺の希望とは違っていたらしい。教室にいるのがこんなに息苦しいとは思わなかった。
 俺は走って部室へ退散した。

 俺以外誰もいない部室で、ただひたすら弁当の中身を減らして行く。味なんかわかりゃしない。
 今は味覚なんか悠長に使っている場合じゃない。俺は必死に自分のこれまでの行いを全神経を脳みそに集中させ、思い返した。
 しかし、思い当たる節なんかまるで無い。何が原因なんだ。
 結論が出ないまま弁当の中身を空っぽにした俺は、気分転換に校舎内をうろつく事にした。

 俺が用を足そうとトイレに向かった時、トイレの中から谷口達の声が聞こえてきた。



続きは後で書きます。スマソ
669名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 18:55:33 ID:M8KwNmiA
厨房特有の不条理さへのあこがれを人を無意味に殺すことで満足させてるとしか
借りてきたキャラを的にしてシューティングゲームをやってるような薄ら寒さ
作者が普段から人間観察を出来てないのだけはよくわかる
技術の稚拙さもさることながら、今のままではどう繕ってもまともな文章を書けないだろう
怖くもないし痛くもない、楽しくないし悲しくない
かといってその空虚さを見つめる内省した視線も感じない
はっきり力不足なので劇的な改善がみられるまで読む気もしない
しばらく書き込まずに修業していてください
670名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 18:56:59 ID:M8KwNmiA
>>669
あー悪い
ひとつ前の作品ね
ごめんなさい・・・
671名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 19:00:02 ID:w+JAu6LH
>>668
心がズキズキするんだが…
はやく続き書いてくれ!wktk
672名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 19:14:21 ID:KUKvZp7e
真面目に書いているとはとても思えない小説に限ってさっさと投下され、
wktkできるのは中々続きが投下されないというこの言いようの無い不条理
673名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/22(日) 22:32:40 ID:jY7graRi
>>672
不条理なもんかよ。
適当に書いてりゃ筆も早いだろうし
面白くしようと思って書いてりゃ推敲したりしなきゃならんから
時間もかかるだろうさ。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 07:23:47 ID:jVEN5oPl
>>641のタイトルは
「狙われたハルヒ」でお願いします
675名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 07:28:16 ID:tf/VBvwE
>>674
最後らへんちょっと
変。文法とかじゃなくて
オチがへん。最初のほうは良かったけどね
676名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 12:20:44 ID:BXLsuV4H
>>674
あっそ
でもつまんないからいいよ
677名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 16:56:17 ID:jVEN5oPl
>>675
>>676
今後の参考にしようと思います
ありがとうございました
もっと技術を磨いてきます
678名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 17:14:16 ID:4B9XVySJ
>>677
お前さ、いつもそんな事言ってるけど全然参考になんかしてないだろ
作品のタイトル「狙われたハルヒ」じゃなくて「涼宮ハルヒの殺人」にすれば?w
679名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 17:32:27 ID:jVEN5oPl
>>678
あ、そうだね
お好きにどうぞ
680名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 17:33:43 ID:jVEN5oPl
まあ、別に指定はしない
681クレイジー・ザ・キョンA:2007/04/23(月) 18:45:43 ID:9chvhJOR
荒れてるようだが気にせず投下


処刑だと・・・・?

耳がおかしくなったのか?縁起でもない単語が聞こえたような気がする。

しかし、佐々木の風貌とさっきの行動から察するに、とても冗談とは思えない。 どうやら俺は自分でも知らない内に踏んではいけない虎の尾を踏んでしまった様だ。心当たりは全く無いんだがなぁ・・・

「本気で言ってるのか?」

俺は目の前の暗殺者に無駄だと分かった上で問い掛けた。

「今さら僕の真意を問うた所で、無意味なのは君が一番よく分かってるんじゃないのかい?」

相変わらずの無表情な顔で佐々木が答える。無表情と言っても長門のそれとはまるで種類が違う。

長門の無表情は、必要最低限のコミュニケーションが取れれば、後はハルヒと自分に直接関わる事以外は極力避けようという長門独自の行動理念によるものだ、ここ最近は感情がハルヒや俺に影響されたのか、出会った頃に比べれば目に見えて表情が豊かになってきている。
まぁ、読み取れるのは俺ぐらいなんだがな。

今、この状況に於いての佐々木のそれは全く違う。
およそ人間が持ち合わせている感情そのものが欠如している。

まるでロボットだ。本当に昼間に会った奴と同一人物なのか?クローンとかじゃないのか?
 だがそこいるのは紛れもなく、昼間に出会った佐々木だ。これは疑い様の無い事実だ。

それに感情が無くとも感じ取る事は出来る。

その背後から、瞳から、足元から滲み出ている圧倒的な"殺意"を・・・・そしてそれを向けられているのが俺だということも。

何が原因かは知らないが、中学時代の親友で、変人だが博学で、10人いたら8人は目を惚かれるハルヒに勝とも劣らない美少女は、
見事に感情の無い冷酷な殺人マシーンに変貌してしまったという訳だ。

やれやれ、困ったもんだ。何だっていつもいつも俺ばかりがこんな目に合うんだ?俺が何をしたって言うんだ?
 嘆いても仕方が無い。何とかしてこの場を切り抜けねば・・・
682クレイジー・ザ・キョンA:2007/04/23(月) 18:50:16 ID:9chvhJOR
 手っ取り早く長門に助けを求めるか?いや、ダメだ。
 恐らく・・いや、間違いなく熟睡中の筈だ。あいつは一旦寝たらマグニチュード8.5の地震が起きても目を覚まさない奴だ。携帯の着信音ぐらいで起きる訳が無い。

ならどうする?他の宇宙人に頼んでみるか?
 朝倉は・・・ダメだ、あいつは究極のおでんを求めて流浪の旅に出ちまったから連絡が取れない。
 喜緑さんはどうだ?あの人も無理だな。確かマリアナ海溝の底にのみ生えるという幻のワカメを取りに行って長期休学中だった筈だ。

とすれば・・・自力で何とかするしかないか。やれやれ、とんだ貧乏クジだぜ。

俺が色々と思考を巡らせていると、長い沈黙にしびれを切らせたのか、佐々木がおもむろに口を開いた

「そろそろいいかな?念仏を唱えるには充分な時間が経ったと思うんだが・・・こういう事は早く済ませた方がお互いの為だ。そう思わないかい?」

そう言う佐々木の表情には相変わらず感情も生気も込められていない。ただ殺気だけがヒシヒシと伝わってる。
 そんなに人殺しがしたいのか?酔狂な事だな。

「・・・・・・」

絶対零度の瞳が俺を見据える。だが何てことは無い。

何故なら俺はコイツの事は首から下にしか興味が無いからだ。

今度は俺から切り出す。

「なぁ佐々木、話し合いで解決出来ないのか?無駄な争いはしないに越した事は無いだろ?」

イギリス人もびっくりな俺の紳士的な提案に佐々木は

「くっくっく・・・何を言っているんだい君は?事は話し合いで解決出来る様な単純なものじゃないんだ。やれやれ、馬鹿だとは思っていたけど、ここまで馬鹿だとはね。
君はもう少し理解のある人間だと思っていたが・・・どうやら僕の見込み違いだった様だ。」

などと抜かしやがった。オナペット分際で知った風な口を聞くんじゃねーよ。
 人が下手に出てりゃあ付け上がりやがって。
上等だよこの野郎。

意を決した俺は、両足のスタンスを広め、重心を低くし、両の拳を固めてファイティングポーズを取る。

こうなったらもう破れかぶれだ。やってやるよ、これでも今まで結構な修羅場くぐって来てんだ、後で泣いて詫びても許してやらねーからな。

視線に気迫を込め、佐々木を見据える。
すると、佐々木も俺が臨戦態勢に入ったのを察したのか、くっくっくと小生意気な笑みを浮かべながらまたしても勘に触る一言を言い放った
683クレイジー・ザ・キョンA:2007/04/23(月) 18:53:56 ID:9chvhJOR
「やる気かい?やめた方がいいと思うがね。無理はするもんじゃないよ。」

ふん、そうやってデカい口を叩けるのも今の内だ、二度と陽の下歩けねーようにしてやるよ

「うるせぇ!これでも食らってろ!!」

そう叫ぶと、俺は右拳に力を込め、千堂武士も真っ青なダッシュ力で一気に間合いを詰めると、佐々木のクソッタレに生意気な顔面目がけて渾身の右ストレートを放った

―――が

「・・・・・」

俺の放った右ストレートを荒れ狂う猛牛をあやすマタドールの様にヒラリと躱すと、佐々木は擦れ違い様に俺の下腹部に強烈な膝蹴りを打ち込んで来た。

「ぐはぁっ!!」

ストレートが空振りしてバランスを失った俺は、佐々木の放った膝の衝撃も相まってか、うずくまる様にその場に倒れこんだ。

クソッ!痛ぇ!まるで棍棒で突かれた様な激痛に、俺は顔を歪ませてその場にうずくまる事しか出来なかった。
 激痛はやがて下腹部から全身へと広がって行き、額には脂汗が滲んでいる。

佐々木は腹を押さえて悶え苦しむ俺を見下ろし、哀れみ100%の表情で見つめていた。

しまった、コイツは白兵戦の鬼だ、忘れてた。
 そういえば中学時代には西宮の大戦鬼とか言われて恐れられてた様な無かった様な・・・・

「気は済んだかい?そろそろ終わりにしたいんだが・・・」

勝ち誇った顔をした佐々木が火炎系最大呪文でも太刀打ち出来ない様な冷たい目を向けながら、未だ腹を押さえて昏倒している俺に言い放った。

そんな佐々木を俺はただ見上げる事しか出来なかった。悔しいが実力差は明らかだ。
これ以上抵抗しても恥の上塗りになるだけだろう。俺にもそれなりにプライドはあるんでね。

佐々木はさらに続けて

「心配はいらない。君を葬った後で、家族もすぐに君の所に送ってあげよう。なに、気にする事はないよ、それ程手間の掛かる事じゃないからね。くっくっく」

前言撤回。全力で抵抗してやる。俺だけならいざ知らず、家族まで殺すだと?冗談じゃない!

お袋にはいつも美味い飯を食わせて貰ってるし、親父は毎日俺達の為に汗水垂らして働いてくれているし、それなりに尊敬もしている。
妹に至ってはまだ小学生だぞ?まだまだ無限の可能性が広がっているんだ。
 それをこんな頭のネジが10本は飛んでいるであろうキチガイ殺人鬼に易々と摘まれてたまるかよ

だが、そうは言っても如何せん手札が無い。向かって行った所でさっきの様に返り討ちに合うのがオチだ。どうすればいい・・・・

「さぁ、お別れだ。せめてもの情けだ、苦しまずに一瞬で逝かせてあげよう。」

そう言って右手のショットガンを俺の眉間に当て、トリガーに指を掛ける佐々木。

銃口から伝わるヒンヤリとした感触が俺の全身を硬直させる・・・・・クソッ!どうすりゃいいんだ!
684クレイジー・ザ・キョン:2007/04/23(月) 19:02:09 ID:9chvhJOR
短いが、今日の所はここまで。

>>637氏、GJ!!
自分の作品に絵が付くなんて夢にも思って無かったからスゲェ感動した!
礼が遅れてすまない。ありがとう。
685名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 19:17:37 ID:7wTInBIF
>>684
これはどうなるwww
wktkwktk

>637氏
どもどもw
686名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 21:49:57 ID:jVEN5oPl
>>684
すげぇおもろい
687涼宮ハルヒと孤立:2007/04/23(月) 22:11:04 ID:KGu2F98/
>>668からの続き投下します




「てかよー、どうしてアイツ来なかったんだろうな」
「アイツって?」
 国木田の声だ。
「涼宮だよ、涼宮。四時限目いなかっただろ」
「ああ、そう言えばいなかったね」
「単位上げてもらうために、教師とヤりにでも行ってたんじゃねぇの?」 
 クラスメイトの声も聞こえてきた。
「違いねぇ、アイツ授業中いつも寝てんのに単位取れるワケねぇもんな。教師と寝て単位貰ってんだ。最低な尻軽女だよ、アイツは」
「この学校も、校長と寝て入学させてもらったんじゃねぇの?」
「違いねぇ」
 俺は今からでもトイレに駆け込んで、谷口達をぶん殴ってやりたくなった。
 しかし、俺はトイレに入ることすら出来なかった。自分がどう扱われるかが恐かった。
 俺はハルヒよりも自分を選んだんだ。俺は最低な奴かもしれない。
「本人がいないからって言い過ぎだよ」
 国木田だ。
「でもよ、あいつは本当に最低な奴だぜ。あいつの中学時代を見せてやりたい。あれじゃあ女子にハブられるのもしかたねぇ」
「マジかよ。そんなにやばかったのか? あいつそのうち髪の毛ひっこ抜かれんじゃねぇのか?」
「俺としてはそうなって欲しいな」
「谷口、それじゃあ涼宮さんがかわいそうだよ」
 国木田には本当に感謝だ。持つべき者は金でも無く肩書きでも無く友だよな。
「じゃあ、涼宮をかばうか?」
「いや、やめとくよ。キョンみたいにはなりたくないしね」
「ああ、あいつは本当に運が悪いな。だから涼宮なんかと関わるなって言ったのに、それを聞かないからこうなっちまったんだよ。
自業自得だ、自業自得。しゃあねぇよ」
 俺は我慢ができなくなった。
「おい、ふざけんなよ! さっきから聞いてれば!」
 俺はトイレの中に入っていた。
 谷口とクラスメイトの一人は、キョトンとした様子をした後、すぐに俺から目線を外し、俺を避けるようにトイレから出て行った。
「逃げんなよ!」
「キョン」
 俺が叫んだ直後に、トイレに残った国木田が俺の名を呼んだ。まるで、「谷口達とは関わるな」と言いたいように。
「な、なんだ……」
 俺はゆっくりと国木田のほうを見た。
「キョン、あんまり僕達に話し掛けてこないで…。キョンには悪いけど、僕達だっていじめられたくないんだ…」
688涼宮ハルヒと孤立:2007/04/23(月) 22:13:10 ID:KGu2F98/
 俺は何も言い返せなかった。ただ国木田に「助けてくれ」と心の中で訴えることしか出来なかった。
 国木田は俺に「ごめん」とだけ言い残し去って行った。
 涙が零れてくる。とことんダメな奴だよ、俺は……。
 五時限目のチャイムが鳴ったが、俺はトイレから動けなかった。教室に戻るのが恐かった。友というものが信じられなくなったし、信たくもなくなった。
 ただ時間だけが空しく経過していく。

 結局俺は、五時限目をそのまま過ごした。授業も終わり、生徒達がちらほらトイレに入ってくる。俺はそいつらの目線に追い出されるように
トイレを後にした。
 行く先は決まっている。部室しか無い。
 いつもはハルヒが座っている団長席に、俺は体を預けるように俯せた。
「………キョン! 何寝てんのよ!」
 朦朧とした意識の中で、ハルヒの声が聞こえてきた。いつの間にか俺は寝ちまっていたらしい。
「おう…、ハルヒか…」
 瞼を擦りながら、俺はそう呟いた。
「もう! 五、六時限目の授業をサボって何こんなところで寝てんのよ! しょうがないんだから!」
 ハルヒは腰に手を当てそう言った。
「お前だって、四時限目はどうしてたんだよ。それにそのカチューシャ…」
 ハルヒのカチューシャは、いつもの黄色いリボン付きのカチューシャから、赤い普通のカチューシャに変わっていた。
「ちょっと用事を思い出したのよ! それに、あのカチューシャは飽きたのよ! そんな事よりほら、あんたのバッグ。あたしが持ってきてあげたんだから感謝しなさい!」
「おう…ありがとな…」
 俺はあえて突っ込まなかった。ハルヒを二日間もダマしていた俺に、とやかく言う権利なんて無い。
「ああ、そうだキョン。今日の活動内容は課外授業です! だからはやく行きましょ!」
「今日も、だろ。それに授業って何だよ。ただの……」
「いいから、早くしなさい!」
 ハルヒは俺の荷物を持って部室を飛び出して行った。
「おい、待てよハルヒ!」
 次の日。俺は普段と変わらず坂道を登っている。
 本当は学校になんか行きたくなかったが、昨日の課外授業の時に、隣にいる奴と約束したからな。「どんな事があっても、
部活と学校は休まない」と。
「ハルヒ、今日はサボんなよ」
 俺はいつも通りの黄色いカチューシャを付けたハルヒにそう言った。
689涼宮ハルヒと孤立:2007/04/23(月) 22:15:27 ID:KGu2F98/
「あんたもね」
 こんな何気ないやりとりが、とても嬉しかった。

 しかし、こんな至福の時がいつまでも訪れる訳ではなかった。人生山あり谷あり。という言葉をつくづく実感する。
 それは俺達が教室に入った直後の事だった。
 ハルヒの机が無くなっている。俺が腰掛けている席の後ろは、ただ虚しく何も無い空間へと変貌を遂げていた。
 そして教室から笑い声が聞こえてきた。
 ハルヒは一瞬悲しげな表情をした後、「教室に居て」と言い、俺に荷物を預けてどこかへ消えて行った。恐らく机を探しに行ったのだろう。
 俺はハルヒの言う通り、教室で待つことにした。しかし、このままではハルヒに面目ない。俺は教卓の前に行き、声を荒げた。
「誰だよ、涼宮の机隠した奴!」
 痛いってのは解ってる。でも俺は、困ったハルヒを見てあざ笑っている奴が許せなかった。引っ張り出して殴ってやりたかった。
 教室からさっき以上の笑い声が聞こえてきた。当たり前だ。ドラマの世界でしかやりそうも無い事をやってんだからな。
 もちろん誰も名乗り出るわけない。でも俺は言いたかった。言ってやらないと気が済まなかった。

 結局ハルヒが机一式を抱えて戻って来たのは、朝のホームルームが始まるギリギリの時間だった。
「ハルヒ、見つかってよかったな」
「本当はあたしのじゃないんだけどね……」
 ハルヒは淋しげな表情を、俺ではなく空に向けそう呟いた。
 俺は話を続ける事が出来なかった。ハルヒの表情が俺の心を強く締め付け、発しようとする台詞を押さえ付ける。


 この件を境に事態は急変した。

 ハルヒへのいじめは、間接的なものから直接的なものへと変わった。
 授業中だというのに、ハルヒにはゴミが投げつけられ、それを注意したハルヒや俺を見た先生が、ゴミを投げた奴らではなく俺達を注意する。
 そしてハルヒをかばい続ける俺は、しかるべくしてその直接的ないじめの対象になった。
 休み時間には俺達が席に座っているというのに、荷物を窓から放り投げたり、机を蹴り飛ばしたりする。
 最初は俺達だって反抗したさ。意味が無いってのは重々承知だ。集団心理がどれほど恐ろしいものなのか、
これでもかというぐらいに思い知らされた。
690涼宮ハルヒと孤立:2007/04/23(月) 22:16:50 ID:KGu2F98/
 椅子を蹴飛ばされ、床に倒れてしまったハルヒをお構い無しに蹴りつけるクラスメイト、当然の如くに体を張ってかばう俺。
 しかし、クラスメイトは容赦無しに蹴りつける。
 ハルヒは血まで吐いて苦しんでいるのに、俺以外誰もハルヒを助けようとはしない。

 放課後まで耐えたが、安らぎは訪れなかった。
 部室のドアには『使用禁止』の貼紙が貼ってあり、鍵まで取り換えられていた。
 当然と言っちゃ当然だ。事実上文芸部員はもう一人としていない。俺達がここを一週間以上も無断で使っていられたのはまさに奇跡だ。
 行く宛も無い俺達は、逃げるように学校を去った。

「ハルヒ、ごめんな……。俺、お前の役に立てなくて……」
「キョンのせいじゃないわ。だから謝らなくてもいいわよ。それに、全然平気だから」
 ハルヒは傷だらけの顔に、薄い笑顔を浮かべた。
 俺には耐えられなかった。「つらい」って言って欲しかった。俺を頼って欲しかった。
「ハルヒ、ごめんな……」
 ハルヒに聞こえないように、俺は呟いた。

 しかし、状況は悪くなる一方だった。大体一週間くらいは俺達だって抵抗していたさ。だが、どんな物にも限界ってものはある。
 俺達はもう、肉体的にも精神的にも追い詰められていた。それに、SOS団唯一の活動だった課外授業もやっていない。
そんな余力はもう俺達には無かった。ただ毎日がつらい。俺達の支えになるものは、あの課外授業の時に交わした約束と、
一ヶ月前のあの言葉だけだった。もしかすると、あの言葉がこの状況を作り出してしまったのかもしれない…。
 ハルヒから特殊な力が消えた時点で、俺達にはもう未来が無かったのかもしれない。ハルヒの望むように
世界が動かなくなってしまったんだからな…。
 出来るものなら一ヶ月前に遡って、あの時の俺に助言してやりたかったぜ…。
「幸せになんかなれないぞ」と。

 俺達は今、屋上にいる。
691涼宮ハルヒと孤立:2007/04/23(月) 22:18:23 ID:KGu2F98/
 空はまるで俺とハルヒを嘲笑うかのように晴れ渡っている。
「キョン……。最後にもう一度聞きたいな…。あの時の言葉」
 ハルヒは空を見ながら呟いた。
 俺はハルヒの手を握り締め、ハルヒが見つめる空に目を向け、一ヶ月前に俺が言ったあの言葉を、あの時と同じよう口にした。
「ハルヒ、お前が好きだ」
「うん、あたしもキョンが好き」
 ハルヒが返した言葉は、一ヶ月前のあの時とまったく同じだった。
 そして俺も、あの時と同じ言葉を繰り返した。
「ハルヒ……。幸せになろうな」



 END
692名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:20:24 ID:7wTInBIF
なんという…なんという!!!!。゚(゚´Д`゚)゚。
GJ!!
693名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:22:23 ID:wfE4IR+w
>>691
本当はこんなこと言いたくないんだけど、敢えて言わせて貰う。
この作品はhttp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/28.htmlに
酷似している。
だから一番最初の書き込みを読んだ時点で、この屋上結末が予想できてしまった。

たとえ悪気が無かったとしても、余りにも酷似していたから言わせて貰った。
駄文スマソ
694名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:36:59 ID:qmMivu59
>>693
それは俺も感じた。
故意か偶然かはしらないが…
695名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:38:17 ID:PKFg1qtF
逆に考えるんだ。
いい作品が二つもあってラッキーと
696名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:40:00 ID:4B9XVySJ
まあ、酷似しててもオリジナリティがあればいいんじゃね?キャラをいたぶるだけの厨SSよか何倍もマシ
とりあえず投下乙!中々面白かった
697名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:48:48 ID:KGu2F98/
すまんが>>693さんの言ったことは事実です…
本筆のSS制作が息詰まって息抜きのSS考えてたら、>>693に貼られてるSSが強く頭に残ってて、思いのままに書いてしまった…
皆さんスマソ
698名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:53:56 ID:Y5U/s1Ey
おっ正直だね。否定しない所が賢いよ。

まぁどこぞの厨房まるだしの殺人SSよりはるかにマシだからいいんじゃないか?
699名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:58:54 ID:4B9XVySJ
その本筆のSSってのは、ここに投下するSSの事か?
もしそうなら頑張って書いてくれ
wktkしてまつ
700名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 22:58:56 ID:wfE4IR+w
ちゃんと言えばみんな怒らないんだな。
途中途中のクラスメイト達の反応は中々惹かれる所があったから、
SSの才能はあると思う。
今度は今回以上のオリジナル作品期待してます。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 23:00:44 ID:Y5U/s1Ey
あまりレス読んでなくて>>698を書いたあと>>696を読んだら内容被ってる事に笑った

気があうな
702名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/23(月) 23:14:24 ID:KGu2F98/
お騒がせしてマジでスマソ…orz

>>699
そうです。でも投下するのはだいぶ後になるかもしれん…

本筆に息詰まったらまた短篇SS書きに来ます。その時は極力オリジナルな作品を作るよう努力してみるw
703名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 07:00:07 ID:yv1rvkqI
あらあら…
704名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 09:51:34 ID:SChX0aVG
>>702
ハッピーエンド書いてくれないかな?
お願い。俺読みたいんだ。わがままなのはわかってる。お願いします
せめて考えてください。
705名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 12:49:44 ID:51NekUNh
朝倉涼子の沈鬱
絶望編の続きが読みたい…
706名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 13:42:47 ID:nK1kqTiQ
>>702
俺からも頼む。是非オリジナリティ溢れるハッピーエンドを書いてはくれないか?
707名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 16:19:39 ID:7ePJtVYe
何だ何だー?いじめスレなのにハッピーエンド好きな奴が多いなー?
…いや、俺もだけどね
708名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 16:42:36 ID:nxKR4EXK
逆に考えるんだ
「バッドエンドもいいがいじめと言う不幸な状況だからこそハッピーエンドが映える、
だからいじめだからこそハッピーエンドになってほしい」
709名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 17:00:56 ID:yv1rvkqI
>>702
がんばってよ
710イソローク:2007/04/24(火) 18:13:11 ID:q89rkveA
>>702
がんばれ、そして俺みたいになるなよ
711名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 18:18:37 ID:OEkfSjHc
逆厨ウゼェw
なんでも逆って言っとけばいいのかよw
712名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 18:21:17 ID:wJvk7Ja5
>>710 お前は黙っとけ いちいち余計な事を言うから非難されるんだよ。リアルでも嫌われてそうだな
713名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 18:52:56 ID:yv1rvkqI
>>712
まあそういうなや
714名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 19:07:24 ID:nxKR4EXK
・「投下したいんで許可ください」禁止。自分で書いた物くらい自分で責任を持て
・「俺の書いてるものはつまらないですよね?」「俺みたいにならないでください」
など禁止。自分で己が駄目だと思ってるなら書き込むな。「そんな事ありませんよ」と言う返信を期待するべからず。
・原作しっかりと読み込むべし。二人称、一人称の違いは致命的。得に元ネタがラノベなのだから
二次創作のさいにも雰囲気は失わぬよう注意せよ
・キャラの名前のみ使用注意。ちゃんとハルヒキャラを使う必要あるかを考慮すべし
・「次から気をつけます」「今後の参考にします」注意。本当に自分の欠点が直す気が
あるのであれば黙って直すべし。何度も繰り返すようだと本当は直す気が無いのだととられかねない。
715名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 19:10:12 ID:nxKR4EXK
・「よーしできたぞ、早速投下♪」禁止!! 自分の書いたものが読みやすいか、
単調な語尾になっていないか、他の人と比べると変な文体になっていないか、よく確認せよ

途中送信しちまった…
まぁ曲りなりにも書き手やるんなら最低限これだけでも必要なはずんだがここ最近は…

SS投下のための板じゃないせいか?
716名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 19:23:43 ID:Xz7aTfOA
書いてからすぐ投下せずに一日くらい間をあけてまた読み直してみては?
たぶん恥ずかしくて死にたくなるだろうけど
完結まで書いて、推敲して熟成させて投下した方が好いんじゃないかなあ
勢いも確かに大事だけど、それで人が読めるものになるほど才能のある人なんてまれだよ
書き始めるのは気楽にやればいいけど、完成させるのは大変なんだ、これが
717名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/24(火) 23:04:55 ID:r/dfeUqO
涼宮ハルヒと孤立を書いた者です
皆さんの期待に答えられるかわかりませんが、機会があればハッピーエンド書いてみようと思います
投下はいつになるかわかりませんが、投下された時は読んでやって下さい
718魔根金:2007/04/24(火) 23:46:42 ID:N+QbB+iE
っつーか、ここの小説の同人誌計画はどうなってる?
今、涼宮ハルヒの横暴を描いている者がいるらしいな。
それに比べれば作品としての質は数段ほど劣るが
俺の書いた「長門有希のエラー」と、ついでに前スレの「SOS団の壊滅」も
もし暇だったら使ってくれてかまわない。
まあ、いらんと言われるのが関の山だろうが、もし暇ならってことだ。

719名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 08:37:40 ID:THG2rJng
そーいやー
途中で投げ出したやつらがいたな
その作品どうすんだ?
そいつらぜんぜん続き投稿しねーし。
誰か書いてみないか?
720名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 11:23:27 ID:4l2ly2Tj
まだ、わからないだろ
勝手なこと言ってんじゃねーよ
721名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 12:38:20 ID:WELZ1T9h
別に書かなくてもいいだろ
てか代筆されたのが投下されても読む気にならん
722名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 15:28:54 ID:THG2rJng
それもそうだな。
723名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 16:06:03 ID:bxEMRZU2
未完結の作品って、放り投げたヤツと進行中含めてどんだけあったっけ?
724:2007/04/25(水) 20:03:36 ID:bO4nMIYZ
遅くてすいません、私生活の方が少しゴタゴタしていたもので
まだ少し掛かると思いますが、必ず完成させますので待っていてもらえると嬉しいです。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 20:24:48 ID:8SXgyr3n
うんわかった。


で、キミ誰?
726名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 20:35:47 ID:WELZ1T9h
俺も思ったw

>>724
マジで誰?
てか、途中報告とか別にいらないから完成してから作品書き込めよ
727名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 22:34:10 ID:+7nD+nA7
さっきから「完成させる」うるせーぞ、どういうつもりだ>>724
いいか、俺たち書き手の世界には「完成させる」と言う言葉は必要ねぇんだ。
何故なら「完成させる」と思ったらその時すでに小説に取り掛かってるんだからな。
だから「完成させる」と言う言葉は必要ねぇんだ。
「完成させた」なら使っていい。
728名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/25(水) 23:50:06 ID:bO4nMIYZ
テスト
729A:2007/04/26(木) 00:04:28 ID:pwH+qdQ6
すいません、漫画描くと言っていた者です。
一応コテ付けてたのでわかってもらえると思ってましたがどうも分かり辛かったようですね、すいません。
そして空気読めてない発言をしたことを反省しています。

とりあえずキリの良いところでちょこちょこ投下させてもらおうかなと思っていたのですが(SSの量からして時間も掛かりそうだし)
完成させてからの方がこのスレの皆さん的には良いようなのでそうさせてもらうことにします。
730名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 01:45:12 ID:KlHkTRP/
>>729
キミには期待してるよ……くっくっ。
731名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 01:50:48 ID:e7uyxHHL
>>727
最初、マジレスかと思ったがよくよく読んで吹いたwww
732名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 05:59:22 ID:SWtQkNNT
プロシュート兄貴…
733名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 06:58:36 ID:m5x4nH8o
>>731
そうなんですか
734名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 09:12:10 ID:HOtwTMFn
>>729
「漫画の人」とかにしてもらわんとわからんよw

なんにせよ期待してます
735いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 14:30:27 ID:lZonV5+o
久々に投下しようかと思うんだけど、今は投下してオッケな感じなのかな?
久々にきたから様子がわからなくて。誰か教えてください(‐人‐)
連載中の作品とかあったら完結してからのほうがいいだろうし……
736名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 14:33:41 ID:rlWmt4N/
大丈夫だと思うよ
それに俺は早く読みたい
737いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 15:31:33 ID:lZonV5+o
じゃあ投下します。
ちょっと見直して手直ししますので、もうちっとだけしたら。
738いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 15:52:18 ID:0ZDVlCF5
涼宮ハルヒの忘却〜兆候編〜






「もう一度、あの夕日が見たい…」









そう言って、ハルヒはその大きな瞳を閉じた。
それが、俺の聞いたハルヒの最後の言葉だった…












739いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 15:54:07 ID:0ZDVlCF5
暦の上ではもうとっくに春を迎えているものの、まだまだ寒い今は三月。
春休みまではまだ日があるけれど、俺の心は早くも休みに向いていた。
勿論、俺以外の奴の心も春休みモード全開だ。
言うまでもない、俺の後ろの席に座っている、この女、涼宮ハルヒもな。
ここ数日というもの、ハルヒは毎日のように春休みの計画を立てている。
「春は出会いの季節なんだからね!!きっと不思議にもいっぱい出会えるわよ!!」
とはハルヒ談。今までも十分不思議に出会ったんだけれどな。
本人はどうも気付いてないらしい。ま、古泉曰く気付くと不味いらしいんだけどね
兎にも角にも、春休みなんだから多少はノンビリできるだろう。結構なことだ。
学校側の温情なのか、ハルヒがそう望んだからなのか、宿題も少ないみたいだしな。
国木田は成績がいいから気にならないだろうけど、俺と谷口には幸せな春休みのための必要絶対条件なのさ。
大体どういうわけだろう?同じ授業を受けていてどうしてこうも成績が違うんだろうね。
スポーツと同じで、勉強も才能だと思うね。
では、俺の才能ってなんだ?こうやって世の森羅万象にツッこむことか?嫌すぎるぞ、そんな才能。
ハルヒには望みが叶う才能があって、俺には突っ込みか?
不公平じゃないか、神様?いや神様がハルヒなのか・・・




そんなある日の昼休み、ハルヒが探索に出かける前に二年生らしい女子が数人教室にやってきた。
「ねぇ、涼宮さん。ちょっと来てくれない?」
入り口のところから教室をのぞいていた女子がハルヒを呼んでいる。
俺は谷口、国木田の二人と飯を食いながら様子を見ていた。
いつものようにシカトするのかと思っていたが、珍しく相手をしている。
「何なんだろうね?かなり険悪な感じがするね。」
「ほっとけ、涼宮のことだ。どーせろくなことじゃねぇ。」
ハルヒ達を見ながら、国木田と谷口がそれぞれの思いを述べる。
それはそうだが、気になってしまうことは間違いない。
あいつが絡むってことは、必然的に俺まで巻き込まれる可能性が高いからな。
「お前は涼宮の手下だからな。気をつけろよ。ハハハ。」
「うるさい。ご飯粒飛ばすんじゃねえよ、きたねぇな。」
「ハハハハハ。」
こいつはこいつで人の話を聞きやがらんぇ…
一人大笑いをする谷口を尻目に、俺はご飯を口にかきこんだ。
740いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 15:55:14 ID:0ZDVlCF5
ご飯が終わっても、ハルヒは教室から出て行く気配がない。
いつもなら学校中を回ってるのに、さっきのとなんか関係あるのか?
「さっきの、何だったんだ?」
食事を終えた俺は、席に戻りハルヒに問いかけた。
ハルヒは憮然とした表情になり口を開いた。
「あぁ、あれ?なんか知らないけど、私のSOS団に文句つけてきたのよ!!
 何様のつもりなのかしら!!」
そりゃあれだけやりたい放題やってたらな…
どうやら放課後にも呼び出しを食らっているらしい。ハルヒは思い知らせてやるとか言ってやがる。
どっちが呼び出し食らってるんだかね…。
まぁこいつのことだ、本気でノシてしまいそうだ.痛い目を見ればそれはそれでたまにはいいだろ。
さすがに、こいつも気付いていい頃だ。世の中思いどおりにならないことのほうが多いってな。
ハルヒのことだし、そこまで心配する必要もないだろう。
「二度と文句つけれないようにしてやるわ!!」
……むしろ、相手が心配だ。



放課後、ハルヒは俺に、先に部室に行くように伝えると屋上へと向かっていった。
どうやら、決闘の場所は屋上らしい。
俺は、一人部室へと向かった。部屋の中にはいつものように本を読む対勇気生命体用インターフェイス長門、
相変わらずの微笑を浮かべるSOS団副団長の古泉、そして我らがSOS団のエンジェル朝比奈さんがいた。
いつもと変わらない空間があった。それにしても朝比奈さんのメイド姿は素晴らしいね。
この世のものとは思えない美しさだ。
「おや?涼宮さんはご一緒ではないのですか?」
朝比奈さんに見とれる俺に、古泉が尋ねてくる。
「ん、決闘だよ、決闘。」
「…詳しく教えていただけませんか?」
「あぁ、実は昼休みに二年生が教室に尋ねてきてな。
ハルヒに決闘を申し込んできたんだよ。で、いまはその決闘いってるってわけだ。」
「……相手はどんな方でした?」
「そうだな、少し背が高い女子だったな。目が少しきつめな感じでさ。
髪型は…朝比奈さんより少し短いくらいかんじだったかな。結構美人だったぜ。」
「…決闘はどこで?」
「なんだ?助けに行くきか?やめとけよ。ハルヒが勝てばそれはそれで問題ないし、
仮にハルヒが負けても、そん時はそん時は。たまにはいい勉強だろう。」
「あなたの考えはどうでもいいんです!!早く決闘の場所を!!」
いつになく古泉が真剣な口調になる。どうしたんだ、こいつ?
こんなに興奮するなんて珍しいな。
「何でそんなに興奮してるんだ?」
「そんなことは、今どうでもいいんです!!早くしないと手遅れになってしまいます!!」
なんなんだ?手遅れ?
「場所はどこです!!!!」
「屋上だよ。」
俺は勢いに押され、古泉に場所を教えた。場所を聞いた途端に、古泉は部室を飛び出し駆け出していった。
何なんだよ?
ふと気付くと、朝比奈さんが真っ青な顔をして、こちらを見ている。
「キョン君…今の話しホントですか?」
声が震えている。何かにひどく怯えているみたいだ。
「ええ、間違いありませんよ。朝比奈さんも気になるんですか?」
「キョン君。私達も屋上に行きましょう。」
俺の問いに明確な回答を返しれずに朝比奈さんは言った。
朝比奈さんまで、どうしたって言うんだ?
「早く行かないと、古泉君が言うとおりホントに手遅れになっちゃう!!」
「わ、分かりました。」
えーーい、何があるのかさっぱり分からんが、朝比奈さんが言うならいくしかあるまい。
俺の手を握る朝比奈さんに引っ張られながら、部室を出る俺は、誰かが椅子から立ち上がるような音を聞いた…。

741いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 15:56:58 ID:0ZDVlCF5
屋上にあがると、数名の二年生と、ぐったりとしたハルヒと古泉がいた。
「ハルヒ、古泉!!」
「あら?あなた達も来たのね。でも手遅れよ。」
俺達の姿を見つけた二年生は哀れむような目で言った。
昼にハルヒを呼びつけに来た、二年生の女生徒だ。美しい顔が、冷たくハルヒ達を見下ろしている
「ハルヒ達に何をしたんだ?」
「さぁ、何かしらね。」
そういって二年生たちは顔を見合わせ笑った。めちゃくちゃ腹立たしい。
「涼宮さんって、ちょっと生意気でしょ?だからちょっと締めてあげたの。」
そりゃハルヒは生意気さ。可愛くないし、素直じゃない。
だいたい自分勝手にもほどがある。どうせ、春休みもこいつの思いつきで消えてくんだろうよ。
だがな、だからってアンタらがでしゃばるのはどういうわけだ?
見ろ、朝比奈さんなんて顔を真っ青にして震えているじゃないか。
そもそも、今更って感じがしないわけでもない。最初のバニー時代にやってくれれば、俺も助かったのに。
いや、そんなことはいい。
俺のほうを見た、リーダー格の女が口を開いた。
「あなたの頭の中って五月蝿いのね?」
!!!
心を、読めるのか!?
「そ、読めるの。」
!!
俺は驚きを隠せないでいる。おそらく、この動揺した心も読まれてるのだろう。
こいつら、人間じゃないのか…?
「や、やっぱりあなた達は…」
驚き戸惑っている俺の代わりに、隣で震えていた朝比奈さんが声を絞り出すように言った。
顔は真っ青なままだ。その目には一層恐れの色が見える。
「あら、どうしたの未来人さん?私達がどうしたって?」
二年生のリーダー格らしき女生徒は、朝比奈さんの問いかけに笑顔たっぷりで反応を示す。
その美しい容姿が、かえって恐ろしく感じられる。てか、朝比奈さんが未来人って知ってるのか?
「何しに来たんですか…あなた達にとって何になるんですか?」
朝比奈さんが震える声で問いかける。
「別に。私達の世界まで干渉し始めてきたハルヒさんが邪魔でね。
 ていうか、あんたら全員邪魔なんだけどね。」
「そんな、だからってこんな酷いことはやめてください…」
そう言うと、朝比奈さんは哀願するような顔をする。
朝比奈さんにこんな顔をさせるなんて、こいつら…。
「朝比奈さん、だったかしら?私達に指図するなんて100年早いわ。」
そう言うと、どこに隠れていたのか、数名の男が後ろから俺と朝比奈さんを押さえ込んだ。
「キャアッ!!」
「な、何しやがる!!!」
「フフフ、朝比奈さん、楽しませてね。」
リーダー格の女がそう言うと、男達は朝比奈さんの衣服をはぎとり始めた。
「や、やめてください、いや、いや!!」
朝比奈さんは必死に抵抗して、体をうねらせている。
「おい、この糞女!!朝比奈さんに何するつもりだ!!」
俺はおリーダーの女をにらみつけ、叫んだ。
朝比奈さんの御肌にそれ以上触れてみろ、ぶっ殺してやるからな!!
「あら、糞女じゃないって。私には『中川美里』って言う名前があるんだから。」
美里とかいうその女は、全く意に介さないように言った。
俺のほうをチラとみると、朝比奈さんを犯そうとする男達の姿を見つめている。
「お前の名前なんか関係ないっ、早く止めさせろよ!!!」
「煩いわね…ねぇ、ちょっと口に猿轡しときなさい。
 大好きな先輩が襲われるところ、よ〜く見ときなさい。」
女に言われ俺を抑えていた男が俺の口に猿轡をはめる。
精一杯罵っても、言葉にならない…。
目の前で、朝比奈さんの白い柔肌があらわになる。
涙を流しながら必死に止めるように哀願する朝比奈さんが、大きな悲鳴を上げた。
男のその牙が、朝比奈さんを貫いた瞬間だった…
742いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 15:58:20 ID:0ZDVlCF5
俺は、激しい怒りと、情けなさとで見ていられなかった…




朝比奈さんの悲鳴が、辺りにこだまする




中川美里の高笑いが辺りに響く




周りで中川美里の仲間達が囃し立てる







何度も何度も男達は代わる代わる朝比奈さんを犯す








いつしか、朝比奈さんは声を失い





俺は、絶望のうちで目の前が真っ白になった・・・・・・







743名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 15:59:55 ID:dIghy9Dm
sien
744いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:00:12 ID:0ZDVlCF5
何時間たっただろうか。いや、ほんとはそんなに経ってないのかもしれない。
時間の感覚が分からない。朝比奈さんの次に男達は、俺に暴行を加え始めた。
耳には朝比奈さんの啜り泣きが聞こえる。体中に男達の蹴りが入る。
後ろでロープで縛られている俺は受身も取れないでいる。
何度も蹴られ続け、俺の口の中に血の味がし始める。
体中が痛い…なんで?誰なんだこいつら……
「アハハハ、情けない男。だいたい先輩が犯される姿見て、勃起してんじゃん。」
「何が許さないんだか。自分が糞でしょ」
「キャハハハ。参加したかったんじゃない。」
「悔しいでしょ。心の中が丸見え。」
「でも手も足もでないでしょ?」
「わかる?あんたはクズよ。」
 



あんたは…クズよ
745いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:01:48 ID:0ZDVlCF5
殴られ続け、動く気力もなくなった頃、奴らは俺らを解放して屋上から去っていった。
俺の隣では、朝比奈さんがすすり泣いている。
ハルヒと古泉はまだ目を覚ましていない。
もう、何がおきたのか分からない
俺は痛む体を起こし、朝比奈さんに自分の上着を着せた。
その俺にしがみつき、朝比奈さんは嗚咽を漏らしながら咽び泣いた。
ただでさえ弱々しい朝比奈さんが、あれほどの目にあえばそれも当然だろう。
「朝比奈さん…」
なんと声をかければいいのか分からない…ただひたすら朝比奈さんは泣き続けている。
しばらく、泣き続けた朝比奈さんはふらついた足で立ち上がると、フラフラと階段のほうへと歩き始めた。
「あ、朝比奈さん!!」
俺は何だか不安だったので、思わず腕をつかんだがその手を朝比奈さんがすごい勢いで払いのけた。
「触らないで!!」
いつになく厳しい口調で朝比奈さんが叫んだ。
振り返って、俺を見た朝比奈さんの瞳は、恐怖と、怒りと、悲しみに満ちていた…
「…お願い一人にして。誰とも一緒に痛くないの」
目に涙をいっぱい溜めた朝比奈さんは、そういい残すと屋上から姿を消した。
俺はいたたまれない気持ちになった。何もできなかった自分が…悔しくてしょうがない。
無力な自分を呪った、呪っても呪い切れない。
俺は、その場に立ち尽くし、呆然としていた。



「おい、古泉しっかりしろ。」
そう言って、俺は目を覚まさない古泉の頬を叩いた。
「う、……」
顔をしかめ、伸びていた古泉が目を覚ました。
「古泉、大丈夫か?」
「え、ええ。何とか。」
そう言いながら、古泉は頭を押さえている。起き上がった古泉の頭から、血が流れ落ちる。
「おい、血が出てるじゃないか?大丈夫なのか?」
「ん?ええ、すこし強く殴られましたが。それよりあなたもずいぶん手酷くやられたみたいですね。」
「あぁ、それよりハルヒが目を覚まさないんだ。」
俺はさっきから呼びかけても反応を示さないハルヒに目をやりながら言った。
「…でしょうね。とりあえず病院にお連れしましょう。組織が手配してくれます。」
でしょうね…か。どうやらコイツも何か知ってるのか?
しかし、今聞いてる暇はないな。ハルヒが心配だ。
「大丈夫なのか?ハルヒは。」
「…。」
問いかけた俺に、古泉ははっきりと答えを示さず、ただ暗い顔を向けただけだった…
すっかり西に傾いた太陽が、俺と古泉の顔を照らす。
返事をよこさないで、古泉は電話をかけ始めた。組織と連絡を取っているようだ。
俺は赤く染まった世界の中で、横たわるハルヒの顔をただ見つめていた。
いつも迷惑なハルヒの元気が、なんだかすごく恋しい。
俺の心に、言い知れぬ不安が生まれ始めている…




ハルヒが、もう目を覚まさない気がしていたんだ。
746いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:02:34 ID:0ZDVlCF5
古泉が所属する組織とやらが手配した病院はかなり立派な病院の集中治療室だった。
検査が始まり、俺は古泉と部屋の外にあるソファに腰掛けている。
病院独特のにおいに包まれていると、何だか落ち着かない。
「古泉、あいつらのこと知ってるのか?」
「正確なことはわかりません。でも今日のことであなたもお分かりになったでしょ?
 彼らは僕達に友好的ではない、ということに。」
「ああ。おまけにただの人間じゃないこともな。」
「涼宮さんよりも力があるんです、彼女達には。」
だろうな。じゃなかったら、ハルヒに伸されてるだろうよ。
古泉は続ける。
「物理的にじゃありません。涼宮さんの能力よりもはるかに強力な力を持っています。
 雪山で僕達を異次元に閉じ込めてみせた存在覚えてますか?」
あの雪山、か。忘れるわけはない。
奇妙な空間…時間のねじれ…
「その存在は、強力な力を有していました。あの段階で、です。
 それがもし力を蓄え、我々に攻撃を加えてきた、前回のは警告もしくは様子見だった。
 今回は違う。涼宮さんを攻撃する明確な意思を持っていた。」
確かに。今回のことは相手からだったな。
古泉は、少し険しい顔になった。
「つまり、前回持ちえなかったレベルの力、涼宮さんとやり合っても負けない力を手に入れてきたんでしょう。
 彼らは勝つ自信ががあるのですよ。我々にね。」
声の調子からも少し深刻な印象を受けた。
どうするんだ?指をくわえてみてるしかないってのか?
「……組織の決定はどうなるか分かりません。
 でも、僕はどうするかもう決めてます。」
どうするつもりなんだ?
「彼らと戦います。たとえ僕一人でもね。
 おそらく、長門さんはすでにそうしているはずです。」
!!
そういえば長門は最後まで姿を見せなかった。
もう長門は戦ってるってのか?
「ええ、おそらくは。彼らは少数ではない。きっと長門さん一人じゃないと思いますよ。
 他の端末も戦ってるはずです。」
他の端末?喜緑さんとかか?
古泉は答えずに検査室の扉を見た。扉が静かに開く。
「検査の結果が出たみたいですね。」
古泉は検査室からでてきた医師のほうへ向かった。
おれも、その後をついていく。
「どうだったんですか?」
古泉の問いかけに、医師は複雑そうな顔を見せる。
そして、ゆっくりと口を開いた。
747いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:04:23 ID:0ZDVlCF5
「もって一ヶ月でしょうか…。」
一ヶ月?一ヶ月ってなんだよ…ハルヒがもう一ヶ月しか生きられないってのか
「そんなわけあるかよ!!」
俺は医者の襟首をつかみ、つっかかっていた。
「あんた、医者だろ、頼む!!何とかしてやってくれよ…」
「分からないんです。どうしようもない…」
「…新入生がくるって、…出会いの季節だって…楽しみに…」



もう、声が出なかった



ただ、涙がでて止まらなかった…






その日、俺は、眠ったままのハルヒの病室に泊まることにした。
いつだったか、長門が世界を改変したとき…目を覚まさなかった俺の隣でこうしててくれたんだっけ?
あん時はありがとな、ハルヒ。
なぁ、一ヶ月なんて、そんなことないよな?
お前のことだから、きっとそんな期日守らないよな?
お前がいなくなったら…きっと毎日がツマラナイ



だから、ハルヒ



死ぬな
748いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:05:57 ID:0ZDVlCF5
次の日、目を覚ました俺の目には、病室の窓から外を眺めるハルヒが写った。
俺が目を覚ましたことに気付いたハルヒは、パッと明るい顔をした。
明るい顔をしたくせに、なんだか不機嫌な顔をむりやり作る。
「あら、起きたの?あんまりのも間抜け面で寝てたから起こさなかったのよ。」
「ハルヒ、大丈夫なのか?」
「当然じゃない!!昨日はちょっと油断しちゃったけど、次はあいつら絶対倒してやるわ!!
 リベンジよ、リベンジ!!!!」
「分かった分かった。とりあえずゆっくりしてろ。」
「必要ないわ!!いい、次アイツらに会ったらねぇ…」
なんだ、元気そうだな。よかった。やっぱコイツは現代医学では計り知れないに違いない。
多分今なら、寿命100年越えてるはずさ。
俺は、元気そうなハルヒの顔を見て心底安心した。
「…で、ドロップキックを…て聞いてるの、キョン?」
「あ、ああ悪い。まだ寝ぼけててさ。そういや古泉は?
 今日は土曜だし、見舞いに来てないか?」



「古泉って誰?」




なんだ?ハルヒ流のボケか?
「古泉だよ、古泉。SOS団副団長の。」
「SOS団…副団長……古泉???
 ああ、古泉君ね。あ、古泉君なら病院のこととか、昨日のこと話してくれた後、
 どっか行っちゃったわよ。」
「そっか。飯もらおうと思ってたんだけど。」
「どっかで食べてきなさいよ。一度家に帰りなさい。私はもう大丈夫だし。」
「そっか悪いな。じゃ、一旦帰るわ。ゆっくりしてろよ。」
俺は足元においてあった自分の鞄を持って、立ち上がった。
立ち上がると、なんだかハルヒが小さく見えた気がする。
「じゃな。」
そう言って、ドアのノブに手をかけた俺の背中越しに、ハルヒが小さな声で言った
「ありがと。キョン」
振り返るとハルヒは布団に包まって、俺に背中を向けていた。
「ハルヒ?」

……
寝たフリかい?
笑いをこらえて、俺は部屋を出た。
749いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:06:45 ID:0ZDVlCF5
病院を出た俺は、あの顔を見つけた…
美しい顔、全てを見通すような瞳、長い髪、そう中川美里だ。
病院の前だということ、誰かに見られるかもしれないことも忘れ、
そいつに掴みかかっていた。
「あんた!!!よくぬけぬけと顔を見せたな!!」
「あら、元気そうじゃない?怪我の具合はいいの?」
何もなかったかのように、中川美里は言った。かすかに微笑さえ浮かべている。
その態度が、俺の怒りを加速させる。
「ふざけるな!!!大丈夫なわけないだろ!!!
 でもな、俺よりずっと傷ついてる人がいる!!!俺はあんたを許せないんだよ!!」
「あらあら、思ったより熱い人ね。心の中も憎しみで真っ黒ね。」
そうやって俺を嘲笑する中川美里がこの上なく憎い。
「まぁいいわ、ちょっと離しなさい。」
その声に反応するように、俺の腕は中川を放した。
ふざけるな、どうしたってんだよ?離す気なんてない…むしろ殴ってやりたいほどなのに。
「ありがと。じゃあちょっと歩きましょ。あなたを待ってたのよ。」
750いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:08:18 ID:0ZDVlCF5
なんだかわからない、こいつに、逆らえない。
中川の後を、俺は情けなくついていってる。
「あぁ、不思議でしょ?なんで世界一憎い奴に逆らえないのか?」
説明しろ。
俺は口には出さなかった。というか出せない。
今の俺は、中川の命令に従うことしかできないみたいだ。
中川は心を読み、前を向いたままで答える。
「私には能力がある。それだけ。あなた達の星では何て言うのかしらね?
 まぁ、全知全能の魔法使いってとこかしら?」
ようは何でもできるってコトかい?
中川は歩みを止めない。病院の庭を歩きながら言葉を続ける。
「そう。さて、では本題に入りましょう。
 今、表に出ないところで“狩り”が行われてるの。今日も何人も狩ってやったわ。」
野ウサギでも狩ってるのかい?
「そ、生意気なウサギよ。」
はっきり言ったらどうだ。古泉から聞いてる…。
「じゃ、言ってあげるわ。抗争が行われてる。連合組んで挑んできているわ。
 ま、私達の敵じゃないけどね。後残ってるのは、えーっと宇宙人一匹と超能力者一匹ね。」
…まさか長門と古泉か
中川は、振り返り俺の顔を覗き込むと、にやりと笑った。
「そうそう。昨日あれだけいためてやったのにね。
 でも超能力者のほうは、もう終わりみたいね。弱い弱い。アハハ。
 超能力者の中には怖気づいた奴らもいるんだけど。」
…狩った後どうするんだよ。
「狩りの後、生かされる獲物っているの?」




殺すのか?
751いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:11:05 ID:0ZDVlCF5
「そうよ。おかしい?」
中川が、さも当然といった様子で俺の顔を見る。
俺達を午前の陽気が包み込んでいる。春を前にまだ少し肌寒いが、十分に暖かい。
その暖かさの中で、中川の笑顔が、俺の心を凍てつかせるように感じられた。
こいつらは昨日、あれだけやって、まだ気がすまないのか?
「別に憂さ晴らしでやってるわけじゃないんだけど?
 私達に逆らおうなんて、百年早いってことよ。」
お前ら何様だ!?
激しい怒りがこみ上げる。どっかの王侯貴族か、こいつら。
人を殺して、何も感じないのか?人を殺して狩りなのか?
「とにかく、涼宮ハルヒを消したくてね。ついでにそれを邪魔するものも消す。
 でも、あなたとあの未来人は生かしておいて、徹底的に苦しめてあげるわ。」
朝比奈さんに手を出すな。あの人がどれだけ苦しんでるかお前に分かるのか!?
「あら、苦しんでもらわないとね。」
何でだよ…何でそんなことができるんだ
「それが一番効果的なの。それに彼女が生きる未来は、もう存在しないわ。
 それだったら、女の悦び教えてあげたほうがいいじゃない?」
!!!
目の前で人を見下したように笑う中川を見ていると、怒りが胸を焦がす。
昨日、俺の手を払いのけた、朝比奈さんの光を失った目が、俺の心に蘇る。
胸が締め付けられる思い…呼吸が苦しくなる…
けど、俺の体は何か暗示をかけられたように、自分の自由にならないで、ただ直立している。
「あなたには、絶望を見せてあげる。涼宮ハルヒを調子づかせた罰よ。
 涼宮ハルヒが死ぬまでの間、精一杯楽しみなさい。
 じゃあね、アハハハハハ」
そういうと、中川は俺の目の前から消えた。と同時に、俺の体は自由になる。
どうやら、あいつは長門並みの化けモンらしいな…
そういえば長門はどうしてるんだろう。
俺には、何が起こってるのか、全く理解できないでいた。


752いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:11:57 ID:0ZDVlCF5
その日、俺は自宅で昼食を取ると、ハルヒの見舞いのためまた病院へ向かった。
早く、ハルヒの顔を見たかった。
不安や、モヤモヤを晴らしたかった。
エレベーターで上まで昇り、ハルヒの病室の扉を開いた。
「キョン!!遅い!!」
ハルヒが嬉しそうに俺の顔を見る。
「ちょっと色々あってさ、具合はどうだ?」
「余裕よ、余裕!!」
そう言って、明るい顔を見せる。その顔を見てると何だか安心できる。
こいつの周りには、いつも不思議な安心感があった。
その日、俺はハルヒと他愛無い話をしてすごした。
ハルヒの両親は、今ちょうど仕事で海外に行っているらしく、2、3日の間見舞いにはこれないとか。
何だか、冷たい気もした。ハルヒは慣れてるから平気だといってたけど…ホントは不安だろう。
夕暮れになり、もう一度検査があるというので、俺は病室を後にした。
「明日も、検査らしいから。明日は来なくていいわよ。」
そう言ってハルヒは嬉しそうに手を振った。
「来てくれてありがと、キョン。」
いつになく、素直なハルヒが、いつもより可愛く見えたのは
たぶん気のせいだろう…。




日曜日、俺は次の日から待っていることも知らずに、ただ無為に過ごしていた。
考えると、不安ばかりが募るような気がしたから
753いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:13:12 ID:0ZDVlCF5
月曜、朝からクラスの様子がおかしい。なんだか、皆が俺を冷たい目で見ている気がする。
あんなことがあったし、少し神経過敏になってるのかもしれない。
ハルヒがいないので、話し相手がいない。仕方なく俺は谷口の席まで行き声をかけた。
「よ、谷口。」
「…」
俺はナイフで突き刺されたような気がした。何だか、息が詰まった。
谷口が軽蔑するような目で俺を見る。
「ど、どうしたんだ?」
谷口は、俺の質問に何も答えず、教室から出て行った…。
何なんだよ、なんかしたか?俺…?
俺はワケがわからないまま自分の席について、窓の外を見ていた。
意味がわからん。何が起こっている?
俺が何をした?今、こうして座ってるだけでもクラス中からの冷たい視線を感じる。
言いたいことがあるならせめていってくれ…
不意に中川の言った言葉が脳裏に浮かぶ。




絶望を見せてあげる…絶望を見せてあげる……絶望を見せてあげる絶望を見せてあげる
絶望を見せてあげる…絶望を…てあげ…絶望…見せて…
754名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 16:20:04 ID:MWXREG6n
sienn
755いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:21:09 ID:lZonV5+o
ありゃーバイバイさるさんくらっちまった(ーεー)


これ解除されんのかなぁ?
756名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 16:41:50 ID:KKt5JVZ+
なんという生殺し……解除はどれくらいなんだろ
757いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 16:49:12 ID:lZonV5+o
解除されたら続き書き込みます。
長編はまとめて書き込むと危険みたいですね……(;・ω・)
時間かかるようなら携帯から頑張ってみます……ごめんなさい(´・ω・`)ノシ
758名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 16:59:44 ID:m5x4nH8o
>>757
とても
すばらしかった
759名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 17:05:55 ID:7ITlaPL0
このwktkタイムがたまらないッ!
760イソローク:2007/04/26(木) 17:40:33 ID:8x1GIAxY
>>757
いえいえ、気長に書き込んでください
761いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:44:57 ID:0ZDVlCF5
その日、ハルヒは風邪で休みってことになっていた。中川の仕業なのだろうか?
俺は午前の授業中、ずっと授業なんて聞いちゃいなかった。
休み時間になれば、いつも集まって話していたのに、今日は谷口と国木田は二人で話してる。
俺が目に入らないかのように。
声をかける勇気をもてなかった。正直怖かった。
それだけじゃない…時々、俺のほうを見て罵声を浴びせるクラスメートがいる。
…キモイ、ウザイ、変態、臭い…月並みだが、はっきりといわれるとかなり辛い。
その場から逃げたかった。でも薄皮一枚のプライドがそうさせてくれない。
「あいつ、前からキモイって思ってたんだよね。」
「大体、ちょっとナルシスっぽいよね〜。」
「わかるわかる。大体、変態涼宮の仲間なんでしょ?」
「あぁ、じゃああいつも変態じゃん!!」
「そうそう、いるだけ迷惑よね。さっさと死ねばいいのに〜。」
クラス中から聞こえてくる声…嘲笑…軽蔑の視線
体中が切り裂かれてる気がしていた。
昼休み、俺は教室を抜け出しSOS団部室へと向かった。
一人になりたかった。誰とも会いたくなかった。
渡り廊下をとおり、俺は旧館へと向かった。
そして俺はSOS団部室の扉に手をかけた。
「ッつ」
一瞬、体に痛みが走る。手に赤い血が滲んでいる…
見ればドアノブに小さな針が突き出している。
誰が…こんなこと……まさか!!部屋の中も、、、
俺は針を取り除き、急いで扉を開けた。
目を疑った…部屋中に朝比奈さんのあられもない姿、あの日の様子がありありと映し出された写真が張り出されていた。
のどが渇く、体が熱を帯びていくような感覚が蘇る。
気付くと、弁当をそっちのけで部屋中の写真を破り捨てていた。
全ての写真を破り捨ててもまだ、俺の心は乱れたままだった。
…あいつしかいない、中川…畜生…
視界が滲む…俺は主を失った団長机に座り、弁当を口に運んだ。


味が、分からないな……
762いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:46:41 ID:0ZDVlCF5
弁当を食べ終えた俺は、ふらつく足で、教室に戻った。
席につき、鞄を開くと、中から異臭がする…
ゴミ箱の中のごみが、丸々俺の鞄に放り込まれている…
クラス中から笑い声が聞こえる…
俺は黙って席を立ち、鞄の中のごみをゴミ箱の中へ戻した。
背中越しに聞こえる笑い声が、俺の心を引き裂く。
席に着いた俺は、仕方なく異臭のするままの鞄の中に弁当箱を詰め込んだ。
何だか、無性に悲しかった…
バサバサ…
クラスメートの一人が、俺の頭の上からゴミ箱の中身を被せてきた。
「くっせ〜な」
「ちゃんと掃除しろよ〜」
何でこんなことになったんだ?…なんで…
分からない…
泣き出したい気持ちを抑え、俺はゴミの片づけをはじめた。
何人かが紙を丸めて投げつけてくる。
痛いわけはない…けど、わけもわからずこんなことの対象にされてることが、死ぬほど辛かった…。
自分には関係ないことだと思ってた。そんなものとは無縁の高校生活を送れると思ってた。
午後の授業中も、俺はずっと暗い気持ちでいた。


763いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:47:30 ID:0ZDVlCF5
放課後、俺の足はひとりでにSOS団部室へと向かう。
教室にいたくなかった。ハルヒの見舞いにも行きたかったけれど、
長門の顔を見たかった。昼休みにはいなかったけど、あいつのことだ。
中川はすぐにでも仕留めるようなことを言ってたけれど、長門が負けるはずないさ。
無敵の宇宙人だ。あの朝倉からだって守ってくれた。
今のこの状況だって、何とかしてくれるだろう…
そんなことを考えながら、ドアを開けた俺は、鈍器で殴られたような衝撃を受けた…
目に飛び込んできた光景、その理由がすぐに飲み込めないでいた。
部室……、その中央に少女の首をつかんで持ち上げている女がいる。
長い黒髪、忘れもしない、中川美里だ。
こちらに気付いた中川は、振り返り笑顔を見せた。
「あら?オヒサシブリ〜。」
その腕で、全身から血を流す少女の首をギリギリと締め付けている。
いつもは表情を変えないその少女の顔がゆがむ…
その少女は…SOS団の無口キャラ…
「長門!!大丈夫か!?」
問いかける俺に、何か伝えようと長門が必死にもがく。
「っ、く」
「アハハハ、話せるわけないじゃない。でもアナタすごいわよね。
 ホント、無敵の宇宙人って感じ?」
「長門を離せ!!」
怒りに任せて組みかかった俺は、病院のときと同じように、体の自由を奪われた。
動けなくなった俺の腹に、強烈な蹴りがはいる。息が詰まる…
その場に崩れこんだ俺に、中川が侮蔑の眼差しを向ける。
「そこで黙って見てなさい…この子の最後の姿、ね?」
中川はそういって、一転ニコりと笑ってみせた。
「さて、長門さん。あなたはとても優秀ね。おかげで、私達の部隊の中にも消えた奴がいるしね。
 まぁ、使えない奴が何人死のうが私には興味ないことだけどね。」
「あ、あぐ。」
首を絞められた格好になっている長門の顔が苦しみが浮かぶ。
「やめろ、長門が死んじまうだろ!!」
「…ん〜ちょっと煩いけど、そうやって悔しそうな台詞を聴きながらこの子に止めをさすのもいいかも。
 やっぱり、BGMがほしいいしね。」
「お前、人をバカにするのもいい加減にしろ!!」
「人じゃないわ。こいつは物よ。感情がないガラクタよ?」
「そんなことない、長門は…!!」
「そう、少し感情が生まれ始めていた。でもあくまでそれは紛い物の感情。
 だから、私がプレゼントしたのよ、本物をネ。」
そう言うと長門の体を、本棚に向かって投げつける。
「うっ」
激しく体を打ちつけられた長門が苦しそうにうめき声を上げる。
長門の体から血が飛び散って、辺りを赤く染める。
764いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:48:55 ID:0ZDVlCF5
その長門の上に、バラバラと文庫本が落ちてくる。
「ほら?長門さんらしくないでしょ?彼女は感情を得たの。ついでに感覚もあげたわ。
 苦しんでくれないと張り合いがないし〜」
そう言って中川は、立ち上がった長門の髪を掴み引き倒した。
「痛っ」
長門がか細い声で悲鳴を上げる。
今すぐにでも中川を張り倒してやりたい、ぶん殴ってやりたい。
自由にならないこの体に苛立ちを感じながら、俺は必死に叫んだ。
「やっぱりちょっと煩すぎるよ、あんた。ちょっと黙ってて。」
中川がそう言うと、俺はまた何も喋れなくなった。病院の時と同じく。
…ちくしょう……ちくしょう……
「この力使うと、疲れるんだけどなぁ〜。ま、そこで黙って、見てなさい。」
そういうと、中川は長門に向き直った。
「待たせたわね。もう終わりだけど…十分楽しんだし。」
「…くっ」
「どうはじめて感じる痛み…素敵でしょ?
 次は、死を見せてあげるから。」
「まだ、死なない。死ねない…」
「無駄よ。もう立ってるだけで一杯一杯なんでしょ?…じゃサヨナラ」
中川が長門の首をギリギリと絞め始める。
長門の顔に苦悶の色が見える…。  
「く、うう」
やめろ…長門を離せ!!もう俺達にかかわらないでくれ…
心の中で、何でも叫ぶ…声にならず、体も全く言うことを聞いてくれない。
俺は、ただ長門が苦しんでいる姿を見ているだけだった。
「あ、あが…」
足をばたつかせていた長門の足が動かなくなり、手がだらんと垂れ下がった…
な、長門?
「終わり…。」
中川はそう言うと、長門とともに姿を消した…
体の自由を取り戻した俺は、二人が消えた場所に駆け寄った。
そこには長門の体から流れた赤い血が、ちいさく溜まっているだけだった…


765いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:50:59 ID:0ZDVlCF5
誰もいないSOS団の部室の中
最後の砦を崩された俺は、ただそこに立ち尽くしていた
古泉も、長門もいない。そんな状況で、何ができるんだろう?
いや、何もできない…
俺は、パイプ椅子に腰掛け、赤く染まった本棚をじっと見つめていた。
クラスメートに嫌がらせをされ、奇妙な奴らに対抗できる古泉、長門はいなくなってしまった。
朝比奈さんもどうなったか分からない…目の前が真っ暗になりそうだ。
「とにかく、ハルヒのところへ行こう。」
俺は自分に言い聞かせ、部屋を出た。病院に向かうべく、放課後の廊下を歩く。
とりあえず、ハルヒが無事なら何とかなりそうな気がしていた…
一ヶ月の命だなんて、嘘に決まってる。
あいつがそう“思わない”ならそうなるはずがない…
こんなときだけ、ハルヒの能力が頼もしく思えた。
「早く、あいつの元気な顔を見たい。それでしか安心できないね。」
そう考えると、自嘲せずにいられない
少し明るい気分になり、靴箱まで来た俺は、いきなり後ろから誰かに殴られた。
そのまま階段したの暗がりまで引きずりこまれる。
766名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 17:52:27 ID:m5x4nH8o
>>765
まいった
767いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:52:35 ID:0ZDVlCF5
そこには鶴屋さんがいる。他にも数名の二年生…
その目には、明らかに俺に対する怒気が宿っていた。
「つ、鶴屋さん…どうしたんです?いきなり痛いですよ。」
なんとか明るく振舞おうとした俺の右頬を、強烈な平手打ちが襲う。
状況が飲み込めない…こんな状況じゃ世の森羅万象に突っ込みすら入れられん。
入れるべき対象が多すぎる。何で鶴屋さんまで?
いつもの明るく、屈託のない上級生の顔を思い出すと泣きたくなった。
「あんた、みくるに何してるのよ!?」
「え?」
「みくる、ショックで声が出なくなっちゃってるんだから!!!
 ずっと学校休んで泣いてるんだ。あたしも最初何が起きたのか分からなかった…
 でも中川さんが教えてくれた…このケダモノ!!!地獄に落ちろ!!!!」
そう言って俺を睨む鶴屋さんの瞳は、怒気よりも俺に対する激しい憎しみさえ宿っているようだ。
こんな鶴屋さん見たことがない…語尾もいつもの「にょろ〜ん」ってのがない。
てか、誤解を解かないと…
「待ってください。俺は…確かにその場にいました。でも、俺じゃない。
 中川が黒幕です。あいつが、ハルヒを屋上に呼び出してリンチしたんだ。
 心配して様子を見に行った朝比奈さんと俺を押さえつけて…」
「黙れ!!」
後ろで聞いていた二年生が俺の股間を蹴り上げる。激しい痛みに声も出ない。
思わずうずくまった俺の顔に、別の二年生の蹴りが飛んできた。
顔への蹴りは男子生徒だったこともあり、尋常じゃない痛みだ。口を動かせない。
「キョン君の言うことなん信じられない…だって、みくるだってアンタにヤられたっていってるんだから!!!!」
その一言で、俺は奈落のそこへ突き落とされた気分になった。
俺が…?朝比奈さんを…
「そんなこと、しません…ほんとに俺は…ぐっ」
激しく痛む口を、必死の思いで開き弁解しようとした俺に男子生徒が容赦なく蹴りを入れる。
「あんた、最低だよ。」
そういって俺をみる鶴屋さんの目に、軽蔑の色がありありと浮かぶ。
今日、クラスメイトに向けられたどんな目より俺の心に深く突き刺さる。
鶴屋さんまで自分を信じてくれないことが、痛かった。悲しかった。
長門も、古泉もいない今、鶴屋さんに責められ…朝比奈さんに犯人扱いされている。
もう、生きている心地がしない。
「みくるの苦しみ、思い知れ…」
鶴屋さんの言葉を合図にして、俺に対するリンチが始まった。
ただただ小さくなって俺は耐えていた…どんなに蹴られても、殴られても、唾を吐きかけられても
俺は、抵抗する気持ちすらもてないでいた。まぶたの奥が熱くなる。
誰にも信じてもらえないことが、こんなに辛いなんて…
俺はただ、リンチが終わるのを待った。
768いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:54:42 ID:0ZDVlCF5
「二度とみくるに近づくな!!くず!!」
リンチを終えた鶴屋さんたちは、そう言い残し去っていった。
体中が痛い…涙が溢れてきた…
学校には味方いねえんだな、俺。
俺は立ち上がり、上履きを靴にかえ、歩き出した。
学校になんていたくなかった。俺は足早に病院へと向かった。
ハルヒの入院している、病院へ。



病院のエレベーターの速度がもどかしい。
一秒でもハルヒの笑顔にあいたかった。
ハルヒの病室が見えてきた。俺はますます足早になっている。
部屋のノブに手をかけ、はやる気持ちを抑え扉を開いた。
扉を開いた俺の姿を見つけ、ハルヒは目を輝かせた。
「キョン、どうしたの?遅かったじゃん。」
「あ、ちょっとな。」
「それになんだか制服汚れてるわよ?」
「あぁ、段差で躓いて転んでさ。」
「ドジね〜。」
そう言ってハルヒは明るく笑う。その笑顔で、ダークな心が晴れる気がした。
よかった、こいつまで冷たくされたら、俺は…
そう思うと胸が熱くなった。こいつの笑顔がいつもの何倍も眩しくて、心に染みる。
「そうそう、今日の検査でね、明日退院していいてことになったの。
 で、あさってからは学校に行けるって。」
「そっか、よかったな。」
「うん!!親父達にも帰って来なくて大丈夫って言っておいたわ。」
ハルヒは親指を立ててみせ、可愛くウインクする。
一ヶ月の命なんて、嘘っぱちだ。
769いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:55:42 ID:0ZDVlCF5
でも、長門や古泉、朝比奈さんのことはどう説明すりゃいいんだ?
「どうしたのよ、キョン。」
「いや、何でも。それより安心するなよ?ぶり返すかもしれないし。」
「心配無用よ!!私を誰だと思ってるのよ!!」
やれやれ、とても入院患者とは思えないな。
「そういえば、長門や古泉、朝比奈さんは来なかったのか?」
俺は、駄目もとで聞いてみた。もしかしたら、古泉か長門辺りがひょっこり顔を出してないかと…
「長門?古泉?」
「あ、来てないのか…そうだよな。」
やっぱり来てないみたいだ。ホントに消えてしまっ…
「誰よ、それ?」
「SOS団のメンバーじゃないか?」
「SOS団?何それ?」
「お前が作った団体だら?世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団、略してSOS団。」
最初はとぼけてるのかと思った。
けど俺は、真剣な顔をして俺を見るハルヒの顔を見ているうちに、自分が間違ってるかのような錯覚に陥り始めた。
「どうしたんだよ?」
「アンタこそどうしたの?てかさっきから何言ってるのよ?」
…なんだ?いつか、長門の作った改変世界に迷い込んだときみたいだ
目の前が真っ白になるような感覚…
「ほんとに、覚えてないのか?」
「ほんとだっ……あ、……有希…古泉君?」
「ハルヒ?」
「そうよ、どうして忘れてたのかしら?」
よかったどうやら思い出したみたいだ…。
「きっと、一時的な記憶の混乱ってやつだろ?たまにあるらしいいぜ。」
「…そ、そうね。今日はありがと。なんか疲れたから寝るわ。」
「そうか、じゃあな。」
どうも俺の説明に納得してないようだ。
俺はハルヒと別れを告げて、病室を後にした。その俺を待ち構えていたかのように
聞き覚えのある声が俺を呼ぶ。
「ちょっと、お時間よろしいでしょうか?」
間違いない。


SOS団副団長がそこにいた。
770名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 17:57:33 ID:KKt5JVZ+
続きktkr
771いじめカッコ悪い:2007/04/26(木) 17:58:49 ID:0ZDVlCF5
とりあえず、ここまでが兆候編。
あんまり連投してると、真面目に強烈なアク禁くらっちゃいそうなんで。
今日はこの辺で終わっときますクマー(´ω`)ノシ
772名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 17:58:50 ID:m5x4nH8o
>>770
禿同
773名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 18:00:37 ID:gTlAFdRW
ところで…
管理人の人…

まだ見つからないのか?
774イソローク:2007/04/26(木) 19:50:22 ID:8x1GIAxY
兆候でこのレベルの高さ……ktkrどころじゃなく期待できる
775名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 20:12:35 ID:7ITlaPL0
>>771
乙かれさんでした!
776名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 21:47:26 ID:yY/NH9W6
教室での悪口シーンで
「てかあいつの声って杉田声じゃね?w」
「わかるわかる〜、口調とかもキモいよね〜ww」
的なのを密かに期待してしまった…orz
777まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/04/26(木) 21:55:35 ID:e7uyxHHL
伝説のいじめカッコ悪いさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
まさか貴方の作品が再び読めるとは夢にも思ってませんでした。
続き頑張ってください!

>>773
…?管理人の人って自分の事ですか?
778名無しさん@お腹いっぱい。
>>777 トップ画更新マダー?(・∀・ )