涼宮ハルヒ【いじめSOS団】第二弾

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1名無しさん@お腹いっぱい。
2いじめカッコ悪い:2007/03/07(水) 18:39:01 ID:ip+VRugj
乙です!!
3名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/07(水) 19:03:21 ID:OcPKpRti
>>1乙ッガーレ

・初代スレ
涼宮ハルヒ【いじめSOS団】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1168500514/


・微妙に関連のあるスレ
ハルヒ「いじめ、アナル、シュールのSSはここまで来なさい!」
http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1173022466/
まとめサイト
http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip
4名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/07(水) 19:11:48 ID:LSIWbb96
>>3
サンクス
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/07(水) 19:23:50 ID:Wc2JQ99l
>>1乙だ!!
6k9:2007/03/07(水) 19:57:40 ID:2Lfg9Lio
お疲れ様です!
7 株価【40】 :2007/03/07(水) 19:59:54 ID:anfQ0PsI BE:38515223-PLT(31667)
>>1
8k9:2007/03/07(水) 20:15:20 ID:2Lfg9Lio
とりあえず、いじめカッコ悪いさんのSS保存を続行させてもらってるけど。
続編はこっちに書いて頂いた方が消されなくて安全かと思うんだけど

やはり、最初のスレで最後を飾るべきかな?
9T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/07(水) 20:16:23 ID:U8eGiHGf
>>1本当に乙だねっ。ついに2スレ目か

そういえば前スレで中途半端に投下したSSを改めて放出しようと思う
10名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/07(水) 20:17:33 ID:6zVvn4a3
>>1あつ
11名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/07(水) 20:37:48 ID:1E+9bA3Y
>>1 スレ建て乙^^
12名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/07(水) 20:42:15 ID:4QY0yQcs
>>1
乙ッガーレ
13Magic 7 :2007/03/07(水) 22:28:30 ID:m0ae9XEt
>>1
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 02:07:45 ID:hp4MCJrT
こっちでレスさせてもらうね。長文失礼。

前スレ>>965
スレ立て当時問題視されたのは>>1のやった事。今となっては終わった話で
>>965の言う「荒らし」をするような奴はいないから安心していいよ
ここの空気も固まってる訳だしお互い触れずにマターリ楽しめば無問題。


それと投下中のSS、前スレで最後をって気持ちも分かるけど
その為に無理して纏めるような事になると本末転倒なので、好きなだけ書いてもらう方がいいと思う
15名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 03:52:13 ID:vY5JEsxY
アニメしか観てないが、ハルヒは中学時代いじめられてた可能性はおおいにあると思う。
あの過剰に攻撃的な言動は自己防衛の為ではないかな。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 06:27:39 ID:8eMXtm9H
>>1フンモッフ!
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 07:44:32 ID:SyEra4F4
ハルヒのような子は普通ならまず十中八九いじめられるとは思うんだけど、ハルヒの世界観では「いじめるとか仲良くなるとか以前に、かかわっちゃいけない」となってるみたいだよね。
18名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 07:47:07 ID:b0oqqITT
変なこといってたらごめんね
クマさんのいじめカッコ悪いの続きってここにくんの?セカンドレイド
19名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 08:25:09 ID:XeteWDvo
ここ見てたら朝倉涼子より米倉涼子ブボボ(`;ω;´)モワッ のほうがよく見えてきたじゃないか。謝罪しる!
20名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 09:16:24 ID:EYHI8Ekv
入学直後のあいさつで滑ってあっというまに孤立したのは甲本ヒロトだっけか
よくある話だわな
21いじめカッコ悪い:2007/03/08(木) 10:59:28 ID:S2hLKOz0
続きを書くクマー




俺たちは集合場所である、駅前広場まで戻ってきた。朝比奈さん達のグループはもう集合していて、俺たちを待っていたようだ。ハルヒは照れくさかったのか手を離した。
「じゃみんな、今日は解散!!でも、油断しちゃ駄目よ。家に帰るまでが不思議探索なんだからね!!」
ハルヒがそう宣言すると、朝比奈さんが俺の方に近付いてきて小声でいった。
「悩みがあるなら聞きますから。あまり思いつめないでね。」
そう言うと、笑顔で手を振り帰っていった。
長門はいつものように無言で去って行く。あいつは何を考えてるんだかな。昨日あれだけ訳の分からないこと言っておいて、今日はまた黙って…。
「じゃ、また明日学校で。」
そう言うと、長門に続いて帰る古泉を見送る俺に、残っていたハルヒが尋ねてきた。
「あんた、先みくるちゃんと何話してたの?」
なんか不機嫌そうだな、さっきまで嬉しそうだったのに。
「朝何かあったわけ?」
どうやら妬いてるらしいな。唇をつきだしたムスとした表情でそう聞いてくるハルヒはなんだか可愛い。
「ちょっと悩みを相談したんだよ。」
「だったら私に言いなさいよ。すぐに解決してあげるのに。」
「お前じゃダメさ。だってどうやって告白するかの相談だしな。」
そう言うとハルヒはメチャクチャ顔を赤くして固まってしまった。
「顔、真っ赤だぞ。」
「バ、バカ!!」
俺の一言にハルヒは背を向け逃げるように走っていった。照れ隠しの才能がねぇなアイツは。
しばらく行くとこっちを振り返り大声で言った。
「キョンーーまた明日学校でねーー」
手を振りながら、満面の笑みを見せるハルヒはホントに可愛い。
声がでけぇよ。
そう心の中で呟きながら、俺も手を振り返す。照れ隠しは俺の方が上手いみたいだね。
22いじめカッコ悪い:2007/03/08(木) 11:54:00 ID:S2hLKOz0
ハルヒが見えなくなるのを確認し、俺も家路についた。なんだか今更ながらドキドキしてきた。
家に帰っても落ち着かず、夜もなかなか寝つけなかった。



次の日、眠い目をこすりながら登校する俺を、聞き覚えのある声が呼んだ。
「何か用か?朝倉」
「おはよう、キョン君。昨日はうまくやってくれたみたいね。」
「別にお前のためじゃないさ。」
「そんなこと、どっちでもイイの。」
「そうかい。」
朝倉はいつものように笑顔を見せている。こいつがあの陰湿なイジメの黒幕だなんて、普通誰も考えないだろうな。
「じゃあね、キョン君。」
そう言って手を振ると、朝倉は行こうとした。
「待てよ。」
朝倉を呼び止め、俺は言った。
「俺はもう、お前の最低な計画の手助けなんかしないからな。」
俺の言葉を聞くと、朝倉は俺の方に向き直り、いきなり顔を近付けて囁いた。
「フフフ。この段階で、あなたが裏切るだなんて簡単に予想できた、もう手遅れだよ。
今までありがとうキョン君。あなたには一番近くで涼宮ハルヒの泣き顔を見せてあげるから。」
そう言うと、朝倉は前を歩く同じクラスの女子に声をかけ、走っていった。
朝倉いなくなったことを待っていたかのようなタイミングでハルヒが声をかけてきた。
「おはよう、キョン」
「よう」
「今日は、探索の反省会やるからね!!」
そう言うハルヒは、朝から全開モードだ。ハルヒは、昨日俺が言ったことを、どう思ってんのかな?まぁいきなり聞けやしないが。
ハルヒと適当なことを話ているうちに学校についた。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 11:59:12 ID:XeteWDvo
ハルヒ逃げてー!
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:00:35 ID:dzwUqXHt
いじめかっこ悪いさん!!
あなたは前のでいいんですよ
最後はアッチで決めてください!!
おねがいします。
1000なる前にお願いです。
あなたに最後を決めてもらいたいんです。
25いじめカッコ悪い:2007/03/08(木) 12:00:43 ID:S2hLKOz0
なんか前スレ埋めるほうがイイようなので続きは、前スレに。
ごめん、ややこしくて。
申し訳ないクマー
26名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:02:36 ID:dzwUqXHt
いいんです
あなたに決めてもらわなきゃ
最後はびしーーっと決めてくださいよ。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:05:19 ID:hUOr3Bfh
まとめサイトに載せてね
28名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:10:25 ID:DrHrTDeV
前スレこのままだと確実に埋まっちまうぞw
無理に前スレに書いても途中で書き込めなくなっちゃいそうだから、
いじめかっこ悪いさんはこっちに書いたほうがいいと思うけどな。
29名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:15:41 ID:dzwUqXHt
そうか
いじめかっこ悪いさんはどうです?
30いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 12:18:02 ID:xdcePMa6
前スレ1000getできなかったクマー
残念極まりないクマ−
31名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:18:26 ID:dzwUqXHt
いじめかっこ悪いさん
すいません俺の責任です
はらーカッサイバイって
責任とっておきます
32名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:20:16 ID:R0REksaN
失敗してんじゃねーよww
33名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:21:20 ID:dzwUqXHt
俺の責任なんで
男は男らしく
切腹ですね。
それでは
参る
34名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:28:21 ID:R0REksaN
>>33
介錯してやろうか?
35名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:30:47 ID:DrHrTDeV
>>33さん、そこに直りなさい。


これから、いじめかっこ悪いさんの誘導に失敗したあなたを
ぶった切ります。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:31:39 ID:dzwUqXHt
>>34
お願いしても良いか?
俺の死体は海にでも流しといてくれや
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:33:47 ID:R0REksaN
ここは一時ID:dzwUqXHtをいじめるスレになります
以下よろしく↓
38名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:41:27 ID:UJ+VvN94
>>36
m9(^Д^)プギャー
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:43:10 ID:dzwUqXHt
1000スレ守れなかった
俺の責任てことで
切腹いたしまーース
いざ参る
準備おっけい?
40いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 12:45:56 ID:xdcePMa6
その日、俺が想像していたようなことはなかった。
朝倉もあれだけ言っておきながら、何もしてくる様子はない。
何か企んでいるんだろうが、とりあえず俺はホッとした。
昼休みが終わっても何もなく、六限の授業の体育になった。
体育は男女別に行われるから、少し心配だったけれど
ハルヒが笑って大丈夫と言っていたので、なんとなく安心できた。


「お前涼宮と何かあったのか?」
目ざといな、谷口。自分は何もないくせに人の変化には目ざとい奴だ。
大体今は体育の授業中だろ。DFのお前がそんなだから五組は弱いんだ。
勿論俺にも責任はあるだろうがね。
「別に。」
「そうなの?僕も何かあったのかと思ったんだけどさ。」
国木田まで話に参加し始めた。
体育の授業中はいつから人の色恋沙汰に突っ込む時間になったんだ?
大体DFが固まって動いてるサッカーチームなんて聞いたことないぜ。
「ホントに何もねえよ。さっさと持ち場にもどれ。」
「ホントかよ?うさんくせぇな」
「何かあったら教えてよ、キョン」
やれやれ、平和な奴らだね。


体育が終わり教室に戻ると、ハルヒが体操着のままでいた。
…まさか
「ハルヒ、どうしたんだ?」
「ん?あ、これ。違う違う、そういうんじゃないよ。
今日から私掃除当番だから。このカッコのほうが動きやすいでしょ?それに暑いしね。
ほら、制服はこっち。」
そう言ってハルヒは自分の鞄を指差した。
「そうか…。」
「心配してくれたんだ。ありがと。」
「なんかあったら言えよ。」
「…うん。」
少し顔を赤らめて、ハルヒが小さく頷いた。


ハルヒの掃除場所は職員室の近くで、監督教員もいることだし心配ないだろう。
俺は先に文芸部の部室、まぁつまりSOS文芸部室へと向かった。
41いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 12:51:31 ID:xdcePMa6
                     ,.-、  ,...、
              .. ‐ ,二フ..::..:∀:..:..\
          r/:..:_ノ:..:..:..:..:..:..:.|:..:..:..:..:`ヽ.、
          j´:..:./__ - /_:/_/:∨ヽ:.、_ィ:\:\
        _l!{:.∨:..:./::..:|::.:l|:.トミムィ'「.:|::..}:ヽ:ヽ、}
       /..:{:..:.!:..:.||:l..:|_:斗ト!、 z土ト:/:..:.ト:.} |
      j:.:.::.ハ::|::.:..!l:K≦弐ミ「  _チ=K}::.::リ }′
      _ムイ:..:..l:.ヽ::.:...K{|::::ィ「`    h::リ7:イ´
    /..:.::.::.:..:.:.:!::.ハ:::..:{ ヒzツ     _,ー'´ハ:リ
  /:.:.::.:.:.:.:.::.::.._:l::.`ヽ::ト、    {' ̄ リ′/:〃‐、
.  {.:.:.:.:.:.::.:/´::.:_ヽ{:.:..\> ._`ー'..イ>イつ  }
  V/::./了⌒(_,ト.ヽ::...:l:| Yニ|丁::.:/  ヽミァ'′
  {/:/   ト、___,小ヽ}::.:.リ、 Y´j/|::./ト、_ /´
   |:{   ヽ`='  ハィト、ミV/!'_ノ
   ヾ、    ヽ_人   >t‐チ、
         ノ. . . ...`7ヽイハ∨
        く. . . . . . . ト、 :|:|..:ハ:.〉
        {_ト、. . . .|.ヽzイ ′
          ̄`iー‐' ̄|ノ
                ト __./!
              ヽ   {
             \_ト、
               `ー ′

一気にラストスパートね
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 12:57:39 ID:R0REksaN
wktk
43いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 13:18:53 ID:xdcePMa6
部室に入ると、長門だけがいた。
「早いな長門。」
そう言って俺は鞄を机に置き、椅子に腰掛けた。
「気をつけて。」
いつかと同じ台詞を長門ががつぶやいた。
何に気をつけるんだ?この状況で。お前が突如発狂して俺に襲い掛からない限り、危険はない。
「何に気をつけろって?」
長門は、問いかける俺を見つめ、口を開いた。
「今日の正午、朝倉涼子が情報通信を行っていた。おそらく行動に移すときが来たと思われる。
あなたと涼宮ハルヒの状況から見て、あなたに危機が迫る可能性が高い。」
またか…そんな話は妄想ですましといてくれないか?
「朝倉涼子はとても優秀な端末。自分の計画を確実に遂行する。」
「いい加減にしろよ。」
自分の声が大きくなるのが分かった。
「もういい、うんざりなんだ。」
俺がそういったところで、朝比奈さんが入ってきた。
「あ、ごめんんさない。私、」
「いいんですよ。」
そう言って朝比奈さんを迎え入れると、後に続いて古泉も入ってきた。
俺はハルヒが来るまで古泉とオセロをすることにした。
その横で朝比奈さんはお茶を準備してくれている。
長門は、何も無かったかのように、部屋の隅で読書を続けていた。
44いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 14:11:15 ID:xdcePMa6
「遅れてごっめーん」
そう元気に言って、ハルヒが勢いよく部室に入ってきた。
「今日は熱いわねぇ〜」
ハルヒは団長用に持ってきた机に鞄を置き、椅子に腰掛けた。
「どうぞ。」
そういって朝比奈さんがハルヒにお茶を出している。
いつもの風景だった。平和なSOS団のモラトリアムな日常。
「ねぇ、みくるちゃん。ちょっとここに座って。」
「え、なんですか?」
そう言いながら座った朝比奈さんの髪を、ハルヒがなにやら弄り始めた。
どうやら三つ編にしたいらしい。
「仲のいい姉妹みたいですね。」
二人を見ながら、古泉が言った。
「そうだな。ま、そんなことよりもお前の王将のこと気にしたらどうだ?」
「参りましたね。」
そういって古泉は、将棋盤に目をやり苦笑した。


コン、コン


扉をノックする音がする。誰だ?
「ハ〜イ」
そう言って扉を開けた朝比奈さんに隠れ、誰なのかよく分からなかったが
次の瞬間、朝比奈さんがぐったりと倒れ、ソイツの姿が見えた。
まさか、ここまで来るとはな…


「こんにちわ、涼宮さん。」
朝倉が微笑みながら立っていた。
45いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 14:26:29 ID:xdcePMa6
「何しに来たんだ、朝倉。」
「あら?あなたは知ってるはずでしょ、キョン君。
そうだ、不思議そうな顔してる涼宮さんに教えてあげれば。」
ハルヒの方を見ると、複雑そうな顔をしている。
「朝倉さん、止めていただくわけにはいきませんか?大体のことは見当がつきますが、
あなたのしようとしている事に、僕達は賛成できないんですよ。」
そう言って立ち上がった古泉はいつになく真剣な顔をしている。
「あら?私に勝てるとでも思ってるの?この空間ではあなたの力は閉鎖空間の半分程度。
もっとも、完全に力を発揮しても、あなたでは私に勝てないわ。」
こいつ、古泉の力のことも、閉鎖空間のことも知ってのか?
俺は思わず長門のほうを見た。長門がいってたことは嘘じゃなかったみたいだな。
こいつらはホントにただの人間じゃないみたいだ。
「だから、お願いしてるんですよ。僕のほうが強ければ、最初から力ずくでやってます。
ただ、勝てないと分かってても僕は…」
そこまで言うと、朝比奈さんと同じようにぐったりと倒れた。
「二人に何をした?」
「フフフ」
問いかける俺に、朝倉は微笑みかえした。
ハルヒは青ざめた顔で震えている。
こんなことになるなんて、考えてもいなかった…。
46いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 14:53:57 ID:xdcePMa6
「二人に何したのよ!!何だか知らないけど、さっさと出て行ってよ!!」
突然ハルヒが叫んだ。
「ずいぶんなご挨拶ね、涼宮さん。ホント人をイライラさせる人ね…
せっかくあなたの作った馬鹿みたいな部活に遊びに来たのにさ。」
「何が!?あんたが影でこそこそやってること知ってるんだから!!」
「あら、知ってたの?」
そういうと朝倉は微笑んだ。
「朝倉、もう出て…」
そこまで言うと、俺は急に金縛りにあったように動けなくなった。
何だ、これ?声がでねぇ…
「どうしたの、キョン!?、キョン!!」
そう言ってハルヒは俺のそばに駆け寄ってきた。
朝倉の仕業なのか?だとしたら、こいつ…
「ごめんね、そこで寝てる二人と一緒で邪魔だったから。
ホントは眠らせてあげてもよかったんだけど、約束したもんね?」
何をだよ?
「涼宮さんの泣き顔を見せてあげるってね。」
何をするつもりなんだ、朝倉…
「キョン君に告白されて嬉しかった?幸せだった?」
「何でそのこと知ってるの?」
驚くハルヒに朝倉は続けて言った。
「フフフ、どうしてだと思う?知る必要は無いよ。
あなたはここで、情報爆発を引き起こしてくれればいいの。
あなたがキョン君に恋をして、キョン君があなたに告白する。
そして、この部屋に二人がいる。
鍵はあと一つで全てそろうの…そして、これが最後の鍵。」
朝倉の手が白く輝き、俺を突き刺した。
何だこれ…俺の体から血液が流れ落ちる。
「キョン!?キョン、キョン!!」
ハルヒが涙を浮かべ、必死に俺の名前を呼んでいる。
やべ、ぼんやりしてきた…白い?
ハルヒ………泣かないでくれよ…


もう、お前の泣き顔は見たくないんだ。
47奇跡に乾杯 :2007/03/08(木) 14:58:21 ID:lAZ4FRpE
この話のハルヒ萌え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
     ∠__∠__∠__∠_.∠_../ |        __∠__∠__∠l__
               ∠__∠__∠__∠__∠__/|  |        ∠__∠__∠__∠__/.|_
.                ∠__∠__∠__∠_.∠_./|  |/|       ∠__∠__∠__/   /|  |/|
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  | ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|  |.         |    |  |            .|_|    |    |  |__|/
  |__|__|__|__|/        |__|/               |__|__|/
48名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:03:52 ID:r75jXhza
いよいよクライマックスか
49名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:34:11 ID:YeOPtZ2E
ここレベル高いなぁ
自分のセンスのなさに失望だよ・・・
50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:35:22 ID:b0oqqITT
つづきつづき!!
ふんもhhじゅwwっわsあsdd
51名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:35:35 ID:dzwUqXHt
おいおい
じゃんじゃんのせろや
たのしみにしてんぞ
52名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:45:01 ID:NcwHOMFr
前スレ>>973でこれでもかってくらい死亡フラグ立ててると思ったら…
長門さん、無敵の統合思念体でなんとかして下さいよォーー!!
53名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:49:25 ID:cuAuWVem
てっきりキョンを庇ってハルヒが刺されて、「アンタのおかげで楽しかったわ、ありがとう。キョン、好き」とか言ってハルヒが死ぬと思ってた。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:50:14 ID:T7tNF7pB
こいじみが味方なのは斬新だな。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:53:03 ID:KkQdpR50
うおお!俺が二人の盾となる!
朝倉大佐ぁ!腕の一本程度は道連れにしてやるぜー!
みんなあとは頼んだぞー!!
56名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 15:58:37 ID:sy+8wdin
朝倉に刺されたキョンに嫉妬がとまらない
57名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 16:52:25 ID:1Pgk6W3a
>>55
俺も逝くぞ!
58名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 17:21:14 ID:U5CPCsYi
>>57
俺も混ぜてもらえないか
59Magic 7:2007/03/08(木) 17:25:38 ID:Q24LH3Pl
続きが楽しみだなぁ
こんなに書けるんだから、小説家になれるんじゃないの?
60名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 17:33:33 ID:sy+8wdin
しかし焦らしてくれるな・・・だがそれがンギモチイィ!!
61いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 17:46:35 ID:+3lf+V67



キョン君!!

ん?

キョン君、おきて…

誰だ?

「キョン君!!おきて〜」
ベッドで眠る俺の上で、妹が飛び跳ねている。
おい、おきるから止めろ。結構痛てぇんだから。
「あ〜起きたぁ〜。キョン君早く起きないと遅刻するよ?
今日からコーコーセーなんでしょ〜?」
そういうと、妹は走って下の階へと降りていった。
そうか…今日は入学式じゃないか。
でも変だな?なんでか分からないけど。
それにしても寝覚めが悪い。きっといやな夢を見てたに違いない。
…夢?
何か変な感じがする。何故だ?
「キョン君、お母さんが早くしなさいって〜」
下から聞こえる妹の声に急かされて、俺は下の階へ降りていった。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 17:52:09 ID:1Pgk6W3a
ここへきてまさかの夢オチ?w
しかしそれでもいいと思わせるのがさすがだw
63名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 17:57:27 ID:sy+8wdin
>>62
夢落ちはないって言ってたからまだ続くはず
64いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 18:08:41 ID:+3lf+V67
何だか訳の分からないモヤモヤを抱えたまま、俺は家を出た。
今日から通うことになる高校は結構遠くて、途中まで自転車で通っている。
陽気な天気だ。空にある太陽がいつもより気合入れてるよう泣きがするね。
町を行く人々の中には、俺と同じ制服をしている人もいる。
もしかしたら同級生なのかもしれないな。
高校前の長い坂道を上ってると、桜の花びらが上から舞い降りてくる。
何だか、桜に包まれていると、別の空間にいるようだった…。
別の空間?何か頭に引っかかる…今日はどうしたんだ、俺?


入学式は滞りなく終わり、クラスへと入った。
いろんな奴がいるな。
お、国木田もいるじゃないか。さすがに知らない奴ばかりだと緊張するしな。
ちょっと安心だ。
国木田と話していると、担任になる岡部とかいう先生が入ってきた。
そのあとは全国共通の入学式風景。
先生の自己紹介に続き、各人の自己紹介。いや〜緊張するね、こーいうの。
何とか、自分の考えていた自己紹介を終えた俺は、席についてホッとしていたのだが…。
俺の次の奴が、立ち上がって自己紹介を始めた。



「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味がありません。
この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところまで来なさい。
以上」


これ、笑うとこ?
65いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 18:25:07 ID:+3lf+V67
その出会いはたまったもんじゃなかった…。
何せ、可愛いけどぶっ飛んだ奴なんだ。
いつもイライラしてる様子だし、話を振っても無愛想だしな。
これならいつの間にか仲良くなってた、谷口がAA+と言っていた朝倉のほうが魅力的だ。


が、不思議なもんだ。これはもう、世界の七不思議に余裕で入ってしまう。
俺は、いつの間にやら涼宮ハルヒと話すようになっていた。
それだけならいいんだが、さっきの授業中に何やら部活を作るとか言いやがる。
そのときぶつけた頭がまだいてぇ…おまけに屋上の踊り場まで引っ張っていって、
俺に協力しろとか言いやがる。


その日の放課後、涼宮は俺を引っ張ってどこかへズンズン進んでいく。
連れてこられたのは、旧館の文芸部室だった。
どうやら、ここを部室にするらしい。長門有希という大人しそうな文芸部員がいたが
ハルヒにそんなことは関係ないようだった。
しかし、長門とやらもあっさりしたもんだな、絶対迷惑なのに…。
そんな俺の思いをよそに、涼宮は飛びっきりの笑顔で言った。
「明日から、ここに集合ね。絶対来なさいよ!!こないと死刑だから♪」
分かったよ。死刑はいやだからな…。
66k9:2007/03/08(木) 18:36:52 ID:zfk5Zg/D
面白そうな展開!!ドキドキニョロ〜♪
67いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 18:48:55 ID:+3lf+V67
次の日の放課後、ハルヒは先に部室に行くようにと言い残し
どこかへ走っていった。
どこに行ってるんだろうね?


部室の扉を開けると、もう長門が椅子に座って本を読んでいた。
「何読んでんだ?」
とりあえず何か話そうと思い問いかけた俺に、長門は本の表紙を見せた。
無口だとは思ってたけど、まさか、声も発しないなんて想像以上だ。
「面白い?」
「ユニーク」
「どうゆうとこが?」
「全部」
「本が好きなんだな。」
「割と…」
「そ、そうか。」
ごめん、耐えられない。帰っていいかな、俺…
そんな空気を切り裂くように、ハルヒが部屋に入ってきた。
なんか美少女を連れてるようだ。
ビクビクしながら入ってきた人は、二年生の朝比奈みくるさん。
可愛くて、ロリで巨乳だからマスコットとして連れてきたらしい。
アホカこいつ…。
呆れる俺を尻目に、ハルヒは朝比奈さんに尋ねた。
「みくるちゃん?あなた他に何かクラブ活動してる?」
「あの、書道部に…」
「じゃあ、そこ辞めて。我が部の活動に邪魔だから。」
おいおい…いくらなんでも勝手すぎるだろ。
と、俺は思ったのだが朝比奈さんはそうでなかったらしい。
「分かりました、書道部を辞めて、こっちに入部します。
でも文芸部って何するところなのか、よく知らなくて…」
「我が部は文芸部じゃないわよ。」
ハルヒに文芸部じゃないといわれキョトンとする朝比奈さんに、
俺がまだ名前も活動内容も未定だと話した。
するとハルヒは親指を立てて言った。
「大丈夫、名前なら今考えたから。」
「言ってみろ」
「SOS団!!」


その時、入学式以来忘れていたモヤモヤが蘇り、一瞬目の前が真っ白になった。
そして、俺は全てを思い出した…
68いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 19:08:01 ID:+3lf+V67
その日、俺はハルヒが帰った後、適当な理由を言って部屋に残っていた。
ハルヒが帰ったのを確認し、俺は長門に声をかけた。
「お前は、全部知ってるんじゃないのか?」
「そう」
やっぱり…。何故、俺が何事も無かったかのように生きているのか…
いや、それだけじゃない。俺の知っている世界の姿とはまったく異なっている、この世界のこと。
そして俺がこの世界にいるのかも、お前は知ってるんだろ?
「知っている。」
こんな会話が成立するってことは、どうやらホントみたいだ。
あっちの世界のことも夢ではなさそうだな。
「話してくれないか、こうなった理由。」
「分かった。」
そう言うと、長門は本を閉じ、俺のほうに向き直った。
そしていつかと同じように静かに話し始めた。


「この状況を作り出したのは、私…」
69いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 19:21:50 ID:+3lf+V67
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|
         レ!小l─    ─ 从 |、i|
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
        /⌒ヽ__|ヘ        j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

鶴屋さん…
全然活躍させてあげられなくてゴメンよ
70名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 19:23:10 ID:NcwHOMFr
>>69
じゃあ次は鶴屋さんが主役で虐められる話をですね…
71名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 19:54:47 ID:sy+8wdin
つーかこんなハルヒがクラスにいたらマジで惚れるな
72名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 20:00:13 ID:EYHI8Ekv
お前らあのハルヒを好きな奴はエロゲオタのコピペそのまんまだな・・・





え?俺?当たり前じゃん惚れるに決まってるだろ
73名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 20:45:50 ID:sy+8wdin
続きを待ってるおれは暇人なんてこと知ってるよ・・・








それでも待ちたいんじゃ!!!
74名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 20:55:59 ID:1Pgk6W3a
俺なんか留年がかかったテストの前日だぞ…









どうしてくれるんだorz
でもハルヒ可愛いよハルヒ
75名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 21:00:10 ID:1drFUltn
>>74
俺はお前の泣き顔見たくないから勉強汁
76k9:2007/03/08(木) 21:01:48 ID:zfk5Zg/D
自分は明日学期末テスト初日だけど、続きが楽しみで(笑"
77いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 21:24:12 ID:+3lf+V67
「お前が?」
「そう。あなたが朝倉涼子に刺された時、私が世界を改変した。」
「何もしないって言ってたのに?」
「朝倉涼子を使い、涼宮ハルヒに刺激を与えることを危険と感じた意思の要求。」
「どうして急に?」
「私には分からない。」
長門は表情を変えない。改変された世界でも、お前は相変わらずだな。
「どうやったんだ?その改変って。」
「それは説明できない。言語では理解できない。」
いつかも似たようなこと話したっけ。あの時、俺は全然信用してなかったけど。
「じゃ、どう改変したのか教えてくれないか?」
「全てをリセットした。入学式の日からやり直し。」
「でもまったく同じじゃないぜ?」
「朝倉涼子を作った意思は、主流派ではなくなっている。
現在、彼女は私のバックアップ。メモリーも消去されている。」
出来るんなら、もっと早くしてくれればいいのに。
信用して無かった俺に、そんなこという資格は無いか…
「しかし、こんなすごい能力があるお前らが注目するハルヒの能力って何だ?」
「私たちの行えるのは改変。涼宮ハルヒには改変だけでなく、創造する力がある。
それこそが私達の注目している力。自律進化の可能性」
やれやれ、よく分からないな…とにかくこうしていられるのは長門のおかげか。
ハルヒも虐められてないみたいだし、いい世界作ってくれたな。
「ありがとな、長門。」
俺が礼を言うと長門は、一瞬戸惑ったような気がした。
多分こいつのことだから、俺の気のせいなんだろうけどね。
とりあえず、今日は帰ろう。
「じゃあな、長門。また明日。いつかは悪かったな。」
そう言って俺は足元の鞄を取り、立ち上がって部屋を出ようとした。
「待って。」
何だ?まだ何かあるのか?
やはり長門は表情を変えずに、淡々と言った。


「あなたの記憶を消さなければならない。」
78名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 21:41:13 ID:T7tNF7pB
なるほど…そういう落ちか
79名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 22:10:04 ID:2RmFdtBR
なんかT.Kさんの2作目のパクリみたいなオチだな

まぁ序盤は面白かったよ
80名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 22:11:38 ID:sy+8wdin
これでハッピーエンドかな?でもハルヒはキョンに告白された記憶あったほうが
幸せな気もするけど・・・なんにせよハルヒがもういじめられないなら満足だ
81名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 22:16:33 ID:1Pgk6W3a
え、これで終わり?まだある?

>>80
いやこれは中間EDらしいよ

ハッピーエンドも希望ー!!
バッドエンドも粗筋だけでいいから知りたい
82名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 22:21:24 ID:r75jXhza
ここってsage進行じゃないのか
age厨がウザイ
83いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 22:30:39 ID:1CC7uk+4
「どうして消す必要があるんだ?」
「あなたの自我が保てない。世界の調和が崩れる可能性もある。」
「それって危険なことなのか?」
「かなり」
「そうか…。」
参ったな。でも、どうやら長門の言うとおりにするしかなさそうだな。
「なぁ、それって今すぐじゃなきゃダメか?」
「二十四時間以内に操作を行う必要がある。」
「じゃ、明日の部活まで待ってくれないか?」
「…分かった。」
「ありがとう。」
「いい。」
「一つ聞いていいか?ホントはお前が情報統合何とかに言ってくれたんじゃないのか?」
俺の問いに、長門は何も答えなかった。
この質問には答えてくれないらしい。


家に帰り、俺はすぐにハルヒに電話した。
何だか、ハルヒと話したくてしょうがなかったから。
「何よ!?あんたが電話してくるなんて?」
「いや、特に用は無いんだけど…」
「ふ〜ん、暇なのね。あんたらしいわ。
そうだ、どうせ電話してきたんだし、私の考えを聞きなさいよ。」
「何のだよ?」
「SOS団の活動方針よ!!」
携帯からうるさいくらいに聞こえてくるハルヒの声が、とても弾んでいた。
やれやれ、こいつの話すことはいつもこれだね。
何度聞かされたことだか。でも、そんな何気ない話が嬉しかった。
何だか、胸がいっぱいになっているのが分かった。
84いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 22:48:11 ID:1CC7uk+4
次の日、朝からハルヒは元気一杯で、一人で楽しそうに話している。
よかったなハルヒ、今のお前は毎日心から笑ってるんだな…
あの悲しそうな顔は、もうなかった。



その日の放課後、俺はクラスの用事で少し遅れるといって、ハルヒを先に部室に行かせた。
そして、長門にこの記憶を消してもらうために部屋を出た。
部屋を出ると長門はもう廊下で待っていて二人で並んで歩き始めた。
どうやら一目につかないところのほうがいいらしい。


旧館と本館をつなぐ渡り廊下まで来たとき、大きな声がした。
こんな明るい声の奴はそうはいないね
「こらーーキョンーーー、有希ーーー早くしなさーーーい!!」
立ち止まって上を見上げた。窓から大きな声でハルヒが呼んでいる。
口では怒ってるけど、顔はめちゃくちゃ笑顔だ。やっぱりハルヒだな。
てかそんなに乗り出したら危ないぞ。
長門は俺を見上げると、何も言わずに先に行ってしまった。
悪いな、長門先に行っててくれ…
俺はもう一度上を見上げた。



ハルヒ、やっぱりお前には、笑顔が一番似合ってるぞ。
                      おわり


              .. -_―:,.―--...
    __ r、___ .イ´: : : _Y∠二 : : :`ヽ、____
  r┴‐ 、|/    /:/:/´ ___ \:.、ヽ:\   |
  T ー-、{    /__/://斗 7: : : : : :\ヽ.ヽヽ.L:ム   |
   `.i7 リく ̄,ィ //:/ / ./ : !{: . . :\ ヽ:ヽ}ハヽ.__ `ア!
    [_Y´ ,ノz/ !':./:/:/ハ: :l.:ヽ\:.. :ヽ::i: :|: :! VY.|
    ト.、〃/勹Z!.:|丁{.:ト、ヽ:ト ::ト、ヽ;: イ!:丁:.:ヒK_ヽ|
    |ヽ.`7,.イ.リ ,| :ト:{z≧ミ\ヾ\ ベ>|=く|: :.:l! {:.:ト.ヾ、
    |  {{メ|/ィ´|:..l《トォ::..:lヾ    禾i:::.トリ|: :.:lヽヽト| } ヽ
    |ヽ ヽX:.ト、l .:ヽVjzリ        ヒzリ´j: :l:.レ:ト、\! }
    |   /トヽ!小:..ド\  _:! _,    /:}.:|/ リ::ト、 ∨
    |_\ | | |/l.:|:..、:ヽ、   {´   `}   .イ:/.:/ .:/.:リ小 〉
    | `|| |{ト:ヽ:ヽト:ト .. ヽ __ ノ ..イノイ:./:_:/:.//〉! }′
    | └-ヽ!.|:l\トトト}-`ミ ニ ´__/ イ:./{´ノァ':// |
    |    j!.l::! . . . ヒ_ー-、`ー/.― 介:ト /://  |
    |    |l. l:.l. . . .|{ `Tト.ニ/. . . . . . ./:/イノ  |
    |    _..ヘヽヾ、. . l! .:i  /. . . . . .//-‐ r‐|
    |   ノ. {. . ト.\ヽ: :l rr、 / . . . ./'//`\_/ヽ_}
    |./--‐ー...ー、 丶ミ|lj∠_..-=‐..イ ノ   j≧、j}、
    | . . . _ニヽヽミ:.>‐ァ不ォ‐<_=ァT´     ト ―=く
    |. ./ . __ . . .ト:「__:.ィ:|Tヽー/. . リ       ` ー┬ ′
    | . . . ´. . .`ーl { ヽ:.|:.|ハ:\.:. ./ }、        |
    トj´ . . . . . . .:l! ヽ :.|:.ト..:.ー‐`<__\       |
    |{.: . . . . . . .__}! .:.:.:ヽト、:.:丶: :/ . ̄ヽー-.、    |
    ノ:.: . . ._. -――- 、:. ヽ.\:.ヽ{、: : . :..ヽ:.:.〉    |
  `ー、:.:∨       }: : :ト、 ヽ:}:.\ : : : }V     |
    |. 丁ヽ         ハ: :|:.:.\:ヽ . .ヽ:.:ノ     |
     ̄ ̄ \     ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ̄
85いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 22:52:46 ID:1CC7uk+4
読んでくれた人ホントありがとうクマー
最後のほうはイジメとか関係ナッシングでもうしわけないクマー
他の職人さん、なんか書き込みにくい空気作っちゃって申し訳ないクマー
クマーの作品はこれで終わりクマ
賛否両論あると思いますが、読んでくれた人全てにもう一度お礼を
ありがとうございました

               / , - ' ¨  \ ` >-、
             / / , ' , '   |‐'´  ヽ
            /ヽ /  / / //ヽ,.'ヽヽ ヽ \
             〉 / ! 〈  {  | |゛゛"''''|│ 〉  !
           〈 ヾ| i ヽ_lyz七リ>   | | /  | l
           /`ハレレ|,,r==ミ     ム,Lハ / ! !
           //,' r | l |`V::ソ       ~∨ / /
          // | ヽ|│!.  ̄    , r=z、 /∨l/
          // │ ヽ! |    rーy    / 〃
         //  !  `、!>、  r、`´   ,ィ / |
         //   !!   !  `ノノ )7 </ル'  !
          rヾ  ̄ ||   lr‐ 'フ, '/ |ヾ| !  |  !
        ,',ヘ ヾヽ||  /   ∠- ァ! \|  !__ヽ
      /!  ヽ | |||/     r--'ヽヽ `ー、ヽ ¨ァ
      ,' 〉  ヽ !_/    ,、┬、二ゝニ \   ヽ!/│
      ! /   / |   ィ´ ! !    | \_   |_ !
     | !  ,,.イヾ \ 」〉  |│    ! /| / ハ|
      ! | /  ヽヾ ´/  | ! ,、,、 |〈 ヽイ//ヽ
      ほんとありがとう!!
86名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 22:53:19 ID:wP2y95Ti
お疲れ様!最初はこのスレ見ててハルヒまじうぜえ
から見ててすっきりしてたんだがいじめかっこ悪い
みてなんかかわいく思えるようになってきた。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 22:55:03 ID:r75jXhza
乙!
88名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:01:33 ID:DrHrTDeV
>>85
こちらこそ素晴らしい作品をありがとう!

いじめかっこ悪いさんのSSが始まって以来、更新をチェックするのが毎日
楽しみだったよ。すぐには見ないでおいて、一日の最後に腰を落ち着けて
じっくり読むのが日課になってた。
89いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 23:02:37 ID:1CC7uk+4
-、
  \             /⌒ー‐‐-、
  {^ \             / く      \
  \ \        /   ヽ      \
    ',  ヽ      /   / \      ヽ
     }    }´ ̄ `ヽ/  /    .\      l
     ト、  l_    / .∧       ヽ、__   │
     | ヽ/ \ー/⌒ヽ、',          `ヽJ
ヽ.   !'´ / /  ヘV ヘ ヽ \
: ∧ │ jl │/l…ーヘ l  |   ヽ
/ |`トJ l{ |_!_{    iレzュ!、 l: !ヾ}
i  |ミl  jイテ丈ヽ  /,ィァk}イ/Nl j/
l  iNヽ{ 代i汀     jヒ;/'/! l|
 /| l ^ヘ`ー''   i  `´厶 八
:/i | l l   ト,、  ー ' /、:/ ∧ ヽ
 ハ ヽ\小 > -イ⌒∨ 人 `! ト、
ノ 人 l  ゝ { ゙̄く人__}  Vハl ヽ
/  ヽi  ヽ \/| \/    :リ  l
    |   l   ̄        ヽ_ j
    | i:  |            / `く     _ __
    | i:  i    丶   /     ハ   ノ(     `ニ=ー- 、
    l i:  /-―‐‐-、 ヽ. /     i } ,/{ >} 、>‐、ヽ\ヽ‐-
    ! ! ∧     \}/       // /了  \_ヽ  \}_j J    丶、
ヽ   ヽ { i       ^  ー-イ</   ヽ   `´              \                               _
 l    lハ.ヽ      /      ヘ _ __\                \                           ∠_   ̄ヽ___
i :|   ノ! V\ ー '´                \                \                   __ -一'´   `ー─‐ -、 \
i |     :| :/   \\                    \                \           -‐ ´ ̄ ̄ ̄ ̄               \
 /  ` | {    \\                  ヽ、 _、              ヽ、 ___/                _,. -=ニ¬ー-、 ,ィ=<
 {  ‐-、〉 ヽ ___ ヽ \                   )' 、              `ー'´                  _ - '´      ̄ ̄ ̄ ̄`\丶
 〉´/`ヽX        \ヽ、                   /  ` ‐- ._                      _  - '´           __
く/ \\_か、‐==-、 _ >、`ヽ         _  -‐'´        ` ‐- _                _, -‐ ´    _  -─‐   ̄ ̄    ` ー-
ー\_ヽ_>、)`ー’、__ ) )   )ミ)`ー==ニ¨_ ̄                 ` ー 、_        ,. <──  ¨ ̄
           ̄ ̄ ̄             ̄  ――‐ ―――  ¨ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ、 __, - '´

>>81
ハッピーエンドは希望が多ければ。
今日は少し疲れたクマー

代わりに朝倉涼子様の美しい肢体をご覧ください
あ、何をする止めrあsdfghjkl;
90名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:02:50 ID:0tYqSv20
お疲れ!!
いじめについても考えさせられた作品だったよ!!
91名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:02:57 ID:o1QEgfb4
良い作品だった。俺はハルヒ好きだった最後
救いがなかったら凹む内容だったかもしれないけどねw
とにかく乙&GJ!
92いじめかっこ悪い:2007/03/08(木) 23:03:38 ID:1CC7uk+4
あ〜あ、朝倉様が邪魔するから伸びちゃったクマー
俺は悪くないクマー
93名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:11:12 ID:sy+8wdin
いやぁ乙 こんな可愛いハルヒははじめてだったぜ 今日から俺の嫁はハルヒだ
94名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:12:33 ID:o1QEgfb4
それは阻止な。逆に朝倉さんのいじめられるのも見てみたいw
95k9:2007/03/08(木) 23:15:22 ID:zSXMgK6+
>>いじめかっこ悪いさん。
最後の終わり方が綺麗でよかったです!
お疲れ様でした。また、書いてください

ぁ、保存完了したんですがまとめサイトの管理人の方に渡したほうがいいですか?
それとも、御職人様に直接渡したほうがいいですか?
96名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:20:30 ID:hUOr3Bfh
めっちゃ感動した。ありがとう。
ハルヒカワユス
97名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:25:13 ID:k7Atm4s+
良い作品だったー!
本当よかったよー
まぁとにかく乙!
またよろしく!
98いじめカッコ悪い:2007/03/08(木) 23:28:42 ID:S2hLKOz0
>>95
俺に渡されてもどうしたらいいか分からないクマーw

なんか評判いいみたいでよかった。
機会があれば短編書きます。二、三回で終わるようなやつ。
99k9:2007/03/08(木) 23:33:22 ID:zSXMgK6+
100名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:38:07 ID:1drFUltn
感動しますた
とても綺麗にまとめられた作品だったと思います
特に原作へのリンクの仕方が絶妙かと
またお願いします!
101名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/08(木) 23:44:52 ID:R0REksaN
このスレは
僕に新しくハルヒの萌え方を教えてくれました
102奇跡に乾杯 :2007/03/08(木) 23:51:42 ID:lAZ4FRpE
俺最終回が苦手なんだよな〜〜泣、あの後記憶をけされっちゃったんだな。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 00:02:14 ID:cuAuWVem
綺麗にまとまってて読後感はさわやかでよかったと思う。ホッとした感じ。
が、綺麗にまとまると記憶から消えちゃうんだよなぁ。
この良作が忘れられず脳裏に焼くようバッドエンド版も見たいっす。
104名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 00:12:01 ID:OaTkFT7K
長門がゲロ強だから半話でケリがついたが、
つくづく朝倉とは恐ろしいキャラだ。
長門が味方でなかったらどうしようもない相手だ。
105いじめカッコ悪い:2007/03/09(金) 00:13:13 ID:6hVKX/ay
>>102 103
うーん、個人的な好みっていうか……ちょっと寂しいハッピーエンド(=中間エンド)が好きだから。
めがっさハッピー期待してた人はゴメンクマー(´・ω・`)
106名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 00:16:02 ID:RJblL92Z
性的ないじめがあるべきだと思うんだ
いやそのちんこ突っ込むとか直接的な欲望の発露ではなくて
わかるかなこの微妙なニュアンス
107名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 00:17:48 ID:cB2kYLr5
おつかれ!すごくいい作品だったよ。
おかげでハルヒがもっと好きになれた。
108いじめカッコ悪い:2007/03/09(金) 00:26:13 ID:6hVKX/ay
おぉ、なんか色々感想&意見を言ってくれてありがとう。
このスレの人はイキナリけなしたりしないから優しいクマー(*´∀`*)
意見・感想は次に活かします。


それから、まとめサイトの管理人さん見てます?
作品名は前スレで誰かが言ってくれた、「涼宮ハルヒの孤独」でお願いします。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 00:27:23 ID:etbUFloG
面白かったよ、お疲れ様でした
110名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 00:37:06 ID:hXYzs+nr
「涼宮ハルヒの孤独」か。

シンプルだけどすごくいいタイトルだね。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 00:54:14 ID:ULbLFT9t
いじめカッコ悪いさん、ごくろう様でしたm(__)m

いじめと、人物の気持ちの両方が見事に描かれているすばらしいSSでした。また、人の視点を変えるのは難しいことですが、このSSのおかげで「ハルヒ達」に対する見方が変わりました。原作を読むときは、新たな気持ちで読めそうです

本当にありがとうございました。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 01:17:14 ID:uY6nMVkP
どう見ても悪意です
本当にありがとうございました
113いじめカッコ悪い:2007/03/09(金) 01:21:02 ID:6hVKX/ay
>>112
まぁあれだけダラダラ書いたからね。仮に悪意でも受け止めるクマー(*'ω'*)ノ
114名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 02:12:21 ID:YWj4fvtC
>>108
そのタイトルのSSはvipの方に既にあるけど……。
ま、違うスレだしいいのかな?
115名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 05:58:55 ID:6RxxnjJr
個人的には改変無しのver.も見てみたかったな
あーでもキョンが刺されたからバッドエンド以外ないか…
116名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 06:43:09 ID:WGNLElzM
>>108
遅ればせながら完結乙ッガーレ!
涼宮ハルヒの孤独て私が言ったやつだー!やばい光栄でニヤけるにょろ〜(*´u`*)
でもVIPの方に同じタイトルがあるなら変えた方がいいかも…。

それにしてもハルヒ超可愛いよハルヒ…!!ぶっちゃけ2でこんなに綺麗にまとまってて完成度高いSSたちを読めるなんて思ってなかったから本当私は良いスレ見つけたよ。
他の職人さんのも楽しみだ!

あと>>106に禿同
117名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 07:53:47 ID:Oubdhm8u
純粋に賞賛のレスなら別に構わんが、過度のマンセーは控えろよ。
スレの質が落ちる。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 08:03:15 ID:ARbkhore
>>117
うむ。俺もそう思うな
それにほかの職人さんも書きにくいだろうし
とりあえず新しい作品カモーン
119名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 08:26:42 ID:1dTEf5uM
いじめかっこ悪いサンはハッピーエンド
書くんですか?
あと
T.K.サンもいいすよね
120名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 09:28:52 ID:i7xl6uve
これから朝倉と、全てのイジメっ子への、報復攻撃を開始する!
だが、普通のやり方じゃ無理だ。


…だから…元気玉を使う!
ハルヒが大好きな地球のみんな!
オラに元気を分けてくれ!
121名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 11:07:56 ID:ULbLFT9t
(^ω^)⊃○
122いじめカッコ悪い:2007/03/09(金) 12:05:53 ID:6hVKX/ay
!!( ・д・)もう同じ名前あったんか……じゃあ「涼宮ハルヒの悲哀」とかでいいかな?
ちなみにハッピーとバッドはどちらも朝倉が部屋に入ってきて、古泉が倒されたところから、中間エンドと展開が変わります。
どっちもすぐ書き終わるけど、他の職人さんとの兼ね合いもあるし、少し様子をみさせてください(´・ω・`)


>>他の職人さん、wktkしながら待ってますw。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 13:07:04 ID:+dxgZtkW
ハルヒとキョンが助かってほっとしたけど、
朝倉が何を企んでいたのかが知りたかったな。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 13:14:14 ID:WshoBym7
みくるはポンコツww
125名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 13:25:57 ID:1dTEf5uM
誰か書いてクレー
俺楽しみにしてんゼヨ
126名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 14:33:50 ID:gn0HVQRu
正直今のふいんきで書くのはちょっと辛い
127アル晴れたヒノコト…:2007/03/09(金) 14:34:16 ID:8tnKGzR8
↑題名
試しに書いてみる。駄目っぽかったら言ってくれ。
一応キョンイジメ。精神的寄りで、かなり長くなるかもしれない

 灰色の空を見上げても、空は何も言ってくれず逆に馬鹿にするように雨を降らせた。
酷いどしゃ降りだ。容赦なく俺の顔と制服に降り注いできやがる。俺は只、立ち尽くしていた。
両腕で抱いているシャミセン…飼い猫はもう、いつものニヤケ顔も、眠たくなるような撫で声も出さず冷たくなっている。
どうしてこんな事になったかと考え、苦しむのなら簡単だ。だが今の俺には、もうそんな思考を繰り広げるほどの体力は無い。
今にして思えば、俺はあいつにとって只のおもちゃだったと分かる。あいつは神。俺は……馬鹿な一般人だ。
ふと気付くと、もう動かないシャミセンが、俺の足元に転がっている。
俺は無意識に両膝を付いていた。流石に・・・腹にナイフが刺されたままじゃ…駄目か・・・
 薄れていく意識の中、俺は一週間前のことを走馬灯の如く思い出していた。
何の変わりの無い、ある晴れた日のことを――。

ご事情で本編はまた後ほど書きます;
128名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 14:44:02 ID:1dTEf5uM
お前ら
自分にもっと
自信を持て
俺こういう事あんまりいえるたちばじゃねーけど
な?暗くなるなよ。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 19:05:33 ID:Oubdhm8u
>>127

期待!
130名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 19:27:58 ID:DPV5ODEB
今日はいつまで続くのだろうか…
もう何回殴られたかわからない…
口の中で出血している…血の味にもすっかりなれてしまった…
キョンとみくるちゃんが倒れている…
ごめんね、キョン、みくるちゃん…
それに有希、…本当に…ごめんなさい
私がSOS団なんて作らなければ、私があなた達を連れてこなければ…
こんなことにはならなかったのに…


「何寝てるんですか?涼宮さん」
ぼんやりとした意識の中、髪の毛をひっぱられ無理やり立たせられるのがわかった
お願い……やめて…
「まったく何回言ってもわからない人ですねぇ。
気を失うなって何回言えばわかるんですか?
まだまだ、教育がたりないようですねぇ。
いいかげんにしてくださいよ?殴る方も結構痛いんですからね?」
そう言うと私の顔を殴った。私は床に倒れこんでしまった
「どうしたんですか?ちょっと前のあなたはもっと元気だったじゃないですか。
殴るたびにギャーギャー騒いで、僕を殴ろうとすらしたっていうのにねぇ」
なんとか立ち上がろうとするが、思い通りに行かない。
そんな私を見てあいつは笑みを浮かべている。
怖い……
「もう…やめて…」
必死に声を出そうとするがそれ以上は何も言えなかった
「あれ?どうしましたぁ?もうギブアップなんですか?
まだまだ時間はありますよ、涼宮さん」
下腹部を思いっきり蹴られ、再び私は床に倒れこんでしまった
倒れた私をあいつは何度も何度も蹴った
早く…終わって…夢なら覚めて…
いつものように私はそんなことを考えていた…
「…まぁいいでしょう。今日のところはこれぐらいにしておきましょう
次は気絶してはいけませんよ?涼宮さん。それでは…また明日」
あいつはドアの前で倒れていたキョンを蹴り飛ばし、
苦痛に顔を歪ませるキョンをニヤニヤしながらしばらく眺めた後、部屋を出ていった
131名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 20:38:27 ID:DPV5ODEB
「キョン、みくるちゃん…大丈夫?」
私は倒れている二人に駆け寄った。
「あぁ…平気だ…。朝比奈さん…大丈夫ですか?」
「は…い…なんとか…」
キョンもみくるちゃんも傷だらけで痛々しかった。
特にキョンは私とみくるちゃんをかばって、
何度も殴られていたからかなり辛そう…
…本当にごめんなさい…私のせいでこんなことに…
「いてて…今日もひどい目にあったな…
あいつは…古泉はもう帰ったのか?」
「ええ…」
キョンと朝比奈さんが辛そうに立ち上がる。
私達はふらふらとした足取りで部室からでた
毎日来るのが楽しみだったこの部屋も、
いまでは苦痛でしかなくなっていた
132名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 20:50:25 ID:Oubdhm8u
古泉かっ!
133名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 23:15:41 ID:DkfLc6T8
これはまた新しいな!
いっちゃんか!
期待!!
134いじめかっこ悪い:2007/03/10(土) 00:16:56 ID:JlwEpylo
 /     /  〃/   イ f``ヾー "´´ | |   l |   │    !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! |
ヽ|   l   |   | !   | |_      、__| |   :j ! |    |   |i| |
!∧  l   l   _jzム≦た!ニf'"    ヾにj≧kムj、|     j   リ| |
li '、  !  ヽ'" | j \  l {        / /  /丁7    /   / | |
|:  ハ ヽ__ト、ィ''チ示アミー       フイ''テ圷、/   :/  ,' / j/
|:  { l`、_,,ム<{イ f::::`イ}         { f:::::`イハ>┬='_/ノ
l   ヽl    ! V^tzc'         V^tzc'  /!¨´  「
| l   l     l  ゝ=='-            ゝ=='´ / i     |
| |   |     |!           !          / !     |
| |   | i   ハ、        '        /  i.    |
| |   | i    !ゝ、      cっ       ,. イ  i    |
| |   | l    ',   i> 、       , ィ<1/  /     i|
| |   | ∧.   ∨ i|.  > 、 __,. < l //  /     i|
| |i  ヽ ヽ    Vi|             | {/   /     八

いっちゃんって呼んでもらえなかったのが悲しかったの?
135ID:DPV5ODEB:2007/03/10(土) 00:44:41 ID:+HCiQENv
…やつと終わった。今日はまだ楽な方だったな…
俺とハルヒ、朝比奈さんは校門を疲れた足取りで出た。
「キョン、みくるちゃんごめんね…」
ここ最近、ハルヒはずっとこんな調子だ。俺と朝比奈さんに謝ってばかりいる
「ハルヒ、お前は何も悪くない。悪いのは古泉だ。あいつは…最低の人間だ」
俺は同意を求めるかのように朝比奈さんの方を見るが、朝比奈さんは同意するでもなく黙ったままだ。
聞こえてなかったのかもしれない。よほど疲れているのだろう…
俺達三人は黙々と家への帰り道を歩いた。
心の中ではすでに明日のことを考えていた
明日は何をされるのか、明日もこんなことが繰り返されるのか…
しかし、逃げるわけにはいかない…


もう朝か…
憂鬱な気分で起きるとのろのろと制服を着た。朝飯を食べるために居間にいく
黙々と飯を食べていると母さんが心配そうな顔をして俺を見てるのに気づいた
そりゃ、毎日のように傷をつけて帰ってくるんだ…変だと思わないわけがない…
俺は母さんの視線から避けるために急いで飯を食べ、家を出た。
母さん達を巻き込むわけにはいかない…
136名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 01:28:07 ID:/DEEGvF+
続きwktk
137名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 02:01:35 ID:L0Keb97c
まとめサイトは何で更新されないんだ?
138名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 02:24:23 ID:A1wu4k24
>>134
芋虫眉毛乙
139名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 04:51:55 ID:Et9+Q63G
古泉ってとこが斬新だな。
普通なら、古泉は絶対にハルヒに手出しはしない筈…
自分で自分の首絞めるようなもんだからね。
その辺の所を、どう納得さす展開に持って行ってくれるのか非常に楽しみだ。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 06:34:29 ID:aGTv16sl
>>139
スマン。最初に言っておくべぎだったかな・・・
俺はあんまり原作の設定を意識しないで書こうと思ってたから
期待してるような展開にはならんかもしれん・・・
まぁ、今からでも変更できるからどうなるかわからないけど
とりあえず、読んでみてくれ
141名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 07:25:56 ID:Ny/t+XGg
別に無理してつじつまあわせなくてもいいんじゃないか?
無駄に話が長くなるし
そういうのは文章力がある人にまかせたらいいと思う
142名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 08:52:08 ID:oRUxrLB1
黒古泉って初めてじゃねー?
期待してまーーす
143名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 09:35:40 ID:af2/w3+c
>>141の言うとおり
面白ければそれでいいよ
自由にね
144名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 09:42:03 ID:Et9+Q63G
>>140
そっか…
まぁ、いつもニコニコ、紳士で偽善者?の古泉が弾けてくれるのは面白そうだし何でもいいや。
思うがままに自由に書いちゃってください。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 10:50:38 ID:oRUxrLB1
表ではニコニコ紳士
裏では恨みいっぱい
殺し願望あり
怖えーーーー
146ID:DPV5ODEB:2007/03/10(土) 10:52:49 ID:+HCiQENv
では、自由にやらせてもらいますね

教室にはすでにハルヒがいた。疲れているのか眠っている
俺が席に座るとハルヒは顔を上げた。昨日殴られたあとが痛々しい…
「…はは、ちょっとはれちゃったみたい…酷い顔でしょ?」
ハルヒがつらそうに笑っている
「…大丈夫か?」
「うん…私は大丈夫。昨日はまだマシなほうだったから……」
ハルヒが心配そうに俺を見ている。
「なんだ、心配してるのか?平気、平気!
あれくらいなんともないさ、あんなんで俺はくたばらないよ!」
いつものように強がってみせる。本当は体のいたるところが悲鳴をあげている
「キョン…」
ハルヒは今にも泣きそうな顔をしている。そんな顔するなよ…
「毎日こんな目に合わせちゃってごめんね…私がSOS団なんか作らなければ…
私が全部悪いの…」
そんなことはないと言おうとしたとき、担任の岡部が入ってきた。

「みんな、おはよう。今日はお前達に伝えておくことがある。
一年六組の長門有希のことだ…今朝のテレビで報道されているのを見て
知っているものもいるだろうが…行方不明になって一ヶ月がたつ…
この間も言ったが、何かこのことに関係することがあれば言ってくれ
だいぶ前のことで記憶が曖昧かもしれないが、どんな些細なことでもいい
何か思い出したら先生か警察に言ってくれ。」
147奇跡に乾杯 :2007/03/10(土) 13:58:08 ID:wP3lI6MO
http://www.syu-ta.com/blog/2007/03/09/202254.php
いじめかっこわるいさんのやつがのってた。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 14:34:20 ID:oRUxrLB1
乗せてくれた人
に感謝
149名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 17:30:27 ID:L0Keb97c
いじめカッコ悪いさんの作品の題名って、
結局「孤独」と「悲哀」どちらなんでしょうか?
150いじめかっこ悪い:2007/03/10(土) 18:05:31 ID:zMeqJI1d
 /     /  〃/   イ f``ヾー "´´ | |   l |   │    !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! |
ヽ|   l   |   | !   | |_      、__| |   :j ! |    |   |i| |
!∧  l   l   _jzム≦た!ニf'"    ヾにj≧kムj、|     j   リ| |
li '、  !  ヽ'" | j \  l {        / /  /丁7    /   / | |
|:  ハ ヽ__ト、ィ''チ示アミー       フイ''テ圷、/   :/  ,' / j/
|:  { l`、_,,ム<{イ f::::`イ}         { f:::::`イハ>┬='_/ノ
l   ヽl    ! V^tzc'         V^tzc'  /!¨´  「
| l   l     l  ゝ=='-            ゝ=='´ / i     |
| |   |     |!  / / / /     !     / / / / / !     |
| |   | i   ハ、        '        /  i.    |
| |   | i    !ゝ、       ー ‐       ,. イ  i    |
| |   | l    ',   i> 、       , ィ<1/  /     i|
| |   | ∧.   ∨ i|.  > 、 __,. < l //  /     i|
| |i  ヽ ヽ    Vi|             | {/   /     八

「涼宮ハルヒの孤独」はもう使われてるから止めにしたクマー
「涼宮ハルヒの悲哀」で売り込みたいクマー
てか黒古泉ワクワク
151T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:40:23 ID:G/zPDbmb
流れ豚切るけどごめん
前スレでちょっと出したSS放出します。中途半端だったのでまた最初から
投稿するからその辺ご了承お願いします。

一気にだすのもアレなのでいつものように分割するつもりです。まぁ早く出し
ていくので他の人に迷惑はかからないかな? 多分
152T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:41:58 ID:G/zPDbmb
 プロローグ

 前まで熱中していたのに、最近になり急に熱が冷めていく。そんなのは誰にでもよくある事だ。
 人間ってのは時間が経つにつれ、どうしても興味対象が変わっていくものだからな。

 当然涼宮ハルヒも例外ではない。
 ここ数ヶ月のハルヒは昔ほど、宇宙人未来人超能力者の探索に精を出さなくなっていた。

 土日祝日は街へ出歩くこともなくなりもっぱら自宅待機で、放課後もこれといった活動をする訳じゃなくただ
ただ無意味に時間をつぶすだけになっている。

 俺にとってはとても喜ばしいことで、しばらくトラブルにも巻き込まれていなかった。毎日部室へ行き、朝比奈
さんが出すお茶を飲みながら古泉とゲームをして過ごす。そして長門が本をしまうのを目安に全員一緒に下校
する。至って平和だ。

 今の日常のほうがずっといい。当然だろ? そっちのほうが気楽でいいからな。それに余計なストレスを溜め
ることもないし。

 

 だがある人物の出現によってその切実な願いはぶち壊されようとしていた……。


153T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:43:01 ID:G/zPDbmb
 第1章

 いつものように俺は部室のパイプ椅子に座り、ずずっと極上の甘露を飲んでいた。その光景を一人の天使が
心配そうに見つめている。
 
 「味どうですか? ちょっと温度調節に失敗しちゃったかも……」
 申し訳なさそうに天使が言った。当然次に俺はこう返すべきだろう。  

 「全然問題ないですよ、朝比奈さん。とても美味しいです」
 
 「良かったぁ。ありがと、キョン君」
 笑顔になった朝比奈さんはパタパタと戻っていった。おそらく萌えという言葉は、この人の為に作られたに
違いない。うんきっとそうだ。

 さて、今この部屋には俺と朝比奈さん、そしてもう一人いる。相も変わらずいつもの席で本を読んでいる部員の
方に顔を向け、

 「長門。それSF物か?」
 そう尋ねるとこっちを見ずに、小さくコクリとうなづいた。まぁ別に長門が読んでいる本に興味があったのではなく、
一言くらい声を掛けとかないと俺が気まずいからだ。当然長門はそんな事考えちゃいないだろうがな。コイツの思考
回路をチラッとでもいいから覗いてみたいもんだぜ、まったく。

 そんな事を考えていたらふいにドアが開き、古泉が入ってきた。

 「どうも、皆さんもうおそろいでしたか。あぁ涼宮さんはまだみたいですね」
 笑顔で喋りながらカバンを置き、将棋盤を取り出した。そしてテーブルを挟んで俺の目の前に座り、
 
 「今日負けた方はジュースをおごるというのはどうですか?」
 
 「あぁ、別に構わないさ。どうせ負けるのはお前だ」
 古泉は苦笑をしながら駒を置き始めた。事実コイツは勝った事があまりなく、いつも俺の適当な戦法に惑わされ
自滅している。理数系は得意なのにゲームとなるとてんで弱くなるタイプらしい。器用貧乏とはまさにこの事だ。
154T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:44:36 ID:G/zPDbmb
 古泉と勝負を始め、10分くらいたった後にハルヒも部室へやってきた。アヒル口で団長席につくと、顔をテーブル
にくっつけてそのまま眠ってしまった。寝るのはいいが少し寝息がうるさいぞお前。

 「涼宮さんも最近すっかり大人しくなってしまいましたね」
 古泉が飛車を進めながら言った。続けて俺も桂馬を動かしつつ、

 「突拍子のない事をするより100倍いい。……それにしても古泉、お前本当に弱いな。無理やり攻めてきすぎだ。
それじゃ守りが薄くなる」
 俺が助言してやったにも関わらず、古泉は尚も駒を進めるのを止めない。

 「僕は貴方みたいに守備に徹する戦法は苦手でして」

 「ふん。ほっとけ」
 こうやってプレイするのが良策なんだよ。アホの一つ覚えのように行動しても仕方ないんだ。
 その後勝負を進めていった結果、当然だが俺の勝利。

 「ほら見てみろ。またお前の負けだ」

 「はは、ちょっと単純でした。……でも貴方もたまには自分から相手に攻めていったほうがいいですよ。向こう
の戦法を待ってるだけじゃ面白くないでしょう?」

 「面白いとか面白くないとかそんな問題じゃないだろ」 
 
 「そうですか……。貴方はそういう性格ですからね」
 何だその言い方は、ちょっとカチンとくるぞ。負け惜しみ言いやがって。
 
 弱い古泉と勝負するのも飽きてきたので、朝比奈さんとオセロをすることにした。う〜んう〜んと悩みながら
ゲームをする朝比奈さんも可愛いです。つい手加減しちゃうくらいに。
155T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:46:07 ID:G/zPDbmb
 そのまま時間が過ぎ、外はもう暗くなり始めていた。長門が本をパタンと閉じたのを見て、朝比奈さんも古泉も
帰る準備をする。
 俺もさっさとカバンを持ってと……あぁ団長起こさなくちゃな。
 
 「おい、ハルヒ帰るぞ。さっさと仕度しろ」
 俺が背中をゆすって起こすと、ハルヒはゆっくりと立ち上がって腕を伸ばし、
 
 「ふわ〜ぁ。……もうそんな時間なの? はぁ今日も意味なく終わっちゃったわね」
 ブツブツ言いながらカーディガンを羽織り、

 「キョン、何か面白い事とかない?」
 
 「ある。一週間前に発売したゲームを買ったんだ。それに今すごくハマってな」

 「そんなんじゃなくて……もういいわ。」 
 ハルヒは溜息をついて部屋を出て行きやがった。せっかく答えてやったのに。

 そのままみんなで学校を後にして、すぐに帰宅した。 
 今日もそれなりに充実して楽しかったな。やっぱり何も起こらないのが一番、あぁやって過ごすほうが俺には
合っている。

 

 そう。俺は自分の事しか考えていなかったんだ。
156T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:47:15 ID:G/zPDbmb
 第2章

 翌日、学校へ行き教室へ入るとハルヒが窓際に立っていた。何だ空を見てるのか? 隕石でも落ちてくるん
じゃないだろうな。
 カバンを机に置き、ハルヒに近づく。どうやら何も降ってくる気配は無さそうだ。

 「どうしたんだ? そんなにボーっとして」

 「……別に。ただ暇だから空を見ていたの。でもUFOも何も来なくてガッカリ」
 
 「来ないのが当然なんだよ」

 「はぁ。アンタ本当に夢がないわね」 
 
 「俺にも夢くらいあるぞ。将来は公務員になろうと思っている。安定した所得を俺は願っているのさ」

 「あっそ。良かったわね」
 呆れ顔になったハルヒは自分の席に戻っていった。もうちょっと俺の話を聞いてけよ。
 
 授業が始まると、ハルヒは俺の背中をつついたりイタズラをしにくる。ここで構ったらしつこく食いついてくる
ので、無視をするのがいい方法だ。
 案の定、俺が授業に集中しているフリをすると、ハルヒは諦めて静かになった。まったくお前は小学生かっての。
 その時、ぼそっとハルヒの声が聞こえた
 
 「……本当につまんない」
 そんな事言われても俺のせいじゃないぜ。俺だって授業は退屈だ、でもお前とじゃれてても仕方がない。
 その後ハルヒはスヤスヤと眠りに入った。勉強する気がないのかコイツは、でも頭はいいから不思議だ。世の
中不公平にできてやがる、いまいましい。
157T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:48:32 ID:G/zPDbmb
 そんなこんなでその日の授業は終わり、放課後となった。えぇと今日は掃除当番か。
 
 「じゃあキョン、先に部室へ行っとくわよ」
 そういい残しハルヒは教室から出ていった。まぁ部室に行っても何もする予定はないんだが。今日も朝比奈さ
んのお茶だけを楽しみにしとくとするか。

 掃除を終わらせて、カバンを持った時アホ面の谷口に呼び止められた。

 「キョンお前に客が来てるぞ」
 アホが示す方向を見てみた。教室の入り口の所に、俺より背の低い男子が立っている。はて、誰だアイツ?
  
 「谷口、お前の知り合いか?」

 「違うに決まってるだろ。聞く所によると今日他のクラスに転入してきたらしいぜ」
 
 「なんでそんな奴が俺を訪ねて来るんだ?」

 「さっきSOS団の人はこのクラスにいますかって聞かれたんだよ。後は本人に聞いてくれ。それじゃあな」
 谷口はすぐに帰ってしまった。
 
 やれやれ、俺は仕方なくそいつの方へ向かい、
 
 「俺に何か用か?」
 そう質問すると、その転校生は明るい声で答えた。

 「あっ始めまして。俺、平井っていいます。ええとSOS団の方ですよね?」

 「あぁ一応な。SOS団を知っているのか? 今日転校してきたばかりと聞いたが」

 「はい、クラスの人が教えてくれました。あまりその団には関わらないほうがいいって。変な活動をしている事
で結構有名みたいですよ」
 まぁバニーガールになってビラ配りをしてたら嫌でも有名になるだろ。

 「それで用件は何だ?」
 俺は朝比奈さんの神々しい姿が見たいんだ。さっさと済ませてくれ。
 すると平井とやらは真剣な顔で言葉を発した。

 
 「俺もSOS団に入れてください!」
158T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:49:26 ID:G/zPDbmb
 第3章
 
 ふぅ〜何を言い出すかと思ったらそんな事か。くだらない。

 「とりあえず部室へ向かいながら理由を聞こう」
 俺はマイペースに言い、今日会ったばかりの転校生と一緒に歩き出した。
 
 「あ、あの意外と驚かないんですね。もっとこう、止めとけとか何とか」
 
 「どうせ俺が言っても納得しないだろ?」

 「まぁそうですけど。こんなにあっさりいくなんて思ってなかったからちょっと驚きです」

 「とりあえず動機を教えてくれるか?」

 「あっすみません。えぇと簡単に言うと興味本位です。特に入りたいクラブも無いし」
 
 やっぱりな、今までこういう奴は何人か来たんだ。SOS団を楽しいお遊びサークルと勘違いしている
奴が。中には朝比奈さん目当ての野郎もいた。
 
 「先に言っとくがまだ入団できたわけじゃないぞ」
 
 「えっ? 何でですか?」

 「部室に行けばわかるさ」
 たとえ俺が許してもそれを許さない奴がいるからな。
159T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:51:08 ID:G/zPDbmb
 しかしこの転校生、頭一個俺より低いせいか年下っぽく感じるな。そう元気のいい後輩みたいな印象
を受ける。
 外見は、髪の毛は俺より長いが古泉ほどではなくて、顔立ちもそんなに悪くない。むしろ良いほうだ。

 そんな観察をしてる間に俺たちは部室に到着。ノックをしてドアノブを回す。
 俺と転校生が部屋に入るとみんながこっちを注目していた。当然俺のほうじゃなくもう一人のほうにね

 「キョン、誰そいつ?」
 ハルヒがパソコンをいじりながら言った。すると転校生は

 「あの俺、平井ゆうじって言います。今日この学校に転校してきました。それでSOS団の噂を聞いて、
ぜひ俺も入りたいなって」
 
 「ふ〜ん。でも残念ね、もう団員は十分足りてるの。だから却下」
 ハルヒはすぐに判決を下した。
 いままでの奴らもこうやってすぐ追い返されたんだ。まぁこの団で無駄に時間をつぶすよりそのほうが
いいだろう。
 だが、この平井は諦めずに、
 
 「お願いします。どうか俺も団員に!」
 
 「しつこいわね。いらないったらいらないの! アンタ特技とかあるわけ? 目からビームを出すなら
考えてあげてもいいわよ」
 
 「特技ですか……、何もないです」
 
 「はいさようなら〜♪ 来世にまたきなさい」
 
 さすがに同情するね。平井君キミは悪くない、目からビームをだせなくて当然なんだ。まぁ実際にだし
てしまった御方がこの団にはいるがな。
 その時、転校生が大声で叫んだ
160T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:53:00 ID:G/zPDbmb
 「でも、俺も宇宙人や未来人や超能力者に会いたいんです!!」
 
 一瞬硬直してしまった。
 何を言い出すんだいきなり。もしやコイツも頭のかわいそうな奴なのか?
 
 しかしその言葉を聞いたハルヒはマウスを動かすのを止め、おもむろに尋ねた。
 
 「……平井って言ったわね。アンタ宇宙人とかを信じてるわけ?」
 
 「はい! 必ずどこかにいると思っています。今はまだ隠れてるだけで、それを見つけ出すのが俺の
夢なんです」
 
 「も、もし見つけたらどうすんの?」 
 心なしかハルヒの声が震えていた。
 
 「そうですね……まだ具体的には決めていませんが、とりあえず一緒に遊んだりしたいです。だってそ
の方がわくわくして面白そうですから!」

 するとハルヒは立ち上がり平井の手をガッシリと掴んで、
 
 「気に入ったわ!! アンタの入団を特別に許可してあげる! 喜びなさい」
 
 正直、驚きのあまり口をポカーンとあけてしまった。俺だけじゃない、朝比奈さんも同じように呆然として
いる。古泉はいつものスマイルを崩しておらず、長門も無表情のままその光景を眺めていた。

  「ありがとうございますっ!!」
 平井は大きな声で言い頭を下げた。
 
 「あぁそうそう言い忘れてたけどアタシは団長の涼宮ハルヒ。それであっちが……」
 ハルヒが一人ずつ紹介していくのを横目に、俺は一つの不安を抱いていた。
 
 もしかして平井は……

 いや確認するのはあとでいいか、それに今はハルヒもいるし。
161T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 19:54:11 ID:G/zPDbmb
 紹介が終わった後、平井はまたペコリと頭を下げ、
 「皆さんふつつか者ですがよろしくお願いしますっ」

 「みんな仲良くするのよ。いいわね?」
 ハルヒの言葉に全員うなずく。
 
 その後、ハルヒと平井は世界の不可思議な出来事について熱心に語り始めた。なんか盛り上がって
いるが、どこが面白いんだろう。ちょっと俺には理解できない領域だ。
 
 結局その日も特に何かするわけでもなく、古泉とゲームをして過ごす事になった。昨日と同様に将棋
をしていると古泉が小声で、
 
 「これは驚きの展開になりましたね。まさか涼宮さんが入団を許すなんて思いませんでしたよ」
 
 「しかしあの平井ってやつも奇人だな。ハルヒと同じ考えを持ってるなんて普通じゃないぞ」
 
 「でもそんな考えを持ってたからこそ、涼宮さんは団員に加えたのでしょう。……さて、貴方はこのまま
でいいんですか?」
 
 「何がだ?」
 
 「さぁ? 御自分で考えてください。ただ急がないといけませんよ、嫌でも時間は経つんですから」
 古泉は憎たらしいほどの笑顔で言った。頼むから一回殴らせてくれ。

 昨日と違い目がいきいきとしてるな、ハルヒ。今までそんなくだらない事話す相手がいなかったから、同士
ができて嬉しいんだなきっと。
 
 長門が本を読み終わるまで延々とハルヒたちは語りあっていた。よくネタが尽きないもんだ、違う意味で
尊敬するよ。だが、そのせいで俺は平井にある事を聞きそびれてしまった。
 
 まぁいい明日ヒマを見て言ってみよう。とりこし苦労だといいんだがな。
 
 帰り道にそう決めて、家へと向かった。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 20:26:34 ID:Ny/t+XGg
お、久しぶりだね wktkしてるよ
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 20:32:38 ID:ZcaMfzbB
T.Kさんキタァ!(*・∀・*)
漏れもwktkしてるぞ〜
ガンガレ!
164T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 20:54:43 ID:G/zPDbmb
第4章

 次の日、昼休みになりいそいで弁当を食べた後、すぐに教室を出た。昨日聞きたかった事を平井に質問
するためだ。
 ん? そういやアイツのクラスは何組だったっけ。それすら聞くの忘れちまった。
 廊下で立ち止まっていると後ろから元気な声で、
 
 「こんにちはっ、キョン君。こんな所で悩み事ですか?」
 
 「あぁ、でも今その悩みは解決した。っていうか平井、お前まで俺をあだ名で呼ぶのか」
 
 「涼宮さんがそう教えてくれたものですから。それに呼びやすいし♪」

 「まあいい。ちょうどお前と話したい事がある」
 
 廊下の真ん中で聞くのもあれなので、歩きながら喋ることにした。 
165T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 20:55:52 ID:G/zPDbmb
 「それでキョン君、俺に何の用なの?」
 平井が笑顔で尋ねる。古泉みたいな笑みではなくもっと無邪気な感じだ。
 俺はすうっと息を吸って、
 
 「単刀直入に聞く。平井、お前は異世界人か?」
 そうこれが言いたかったんだ。今までのパターンからして次に来るのはコレしかないからな。現に俺以外
の団員は何かしら自称と名のつくものを持っている。
 
 しかし平井は笑いながら答えた。
 
 「あははっ、何だキョン君も結構好きな方だったんだね。そういう話」
 
 「異世界人じゃないのか? もしくは何か特殊能力を持っているとか」
 
 「昨日言った通り俺には何も特技はないよ。れっきとした普通の人間。でもキョン君がそっちの方向に理解
があったなんて意外だな」
 
 平井の顔をみる限りでは、嘘は言ってないように思える。本当にただの人間なのか? いや待てよ、もしかし
たら自分が気づいていないだけで、実は異世界から飛ばされたって可能性も……
 
 俺がそう考えていると平井は不思議そうな顔で見ていた。
 
 「本当に俺は何の力もない学生だって。これは嘘じゃないよキョン君。あっでも少し格闘技を習っていたから
それには自信があるかな」
 
 「……そうか。悪かったな変な事聞いて。詫びに校舎を案内するよ」
 ついでだから学校案内をしてやることにした。転校してきたばかりだしな
 
 しかし本当にとりこし苦労だったとは。いやそれでいいんだ、これ以上変な事に巻き込まれるのは俺も御免だ
からな。 
 
 
 その時はそう安心していた。
 
 
166ID:DPV5ODEB:2007/03/10(土) 21:33:48 ID:+HCiQENv
俺も全部書いてから、書き込みすれば良かったなぁ
そのほうが迷惑もかからないし…
やっぱ、その方がいいな
ちょっと話書きためてから、出直してきます
167T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 21:44:02 ID:G/zPDbmb
 第5章
 
 終わりのホームルームがすんだ後、ハルヒと一緒に部室に向かった。
 えらいご機嫌な顔でハミングしているな。まぁ大体理由は分かるが
 
 「嬉しそうだな、ハルヒ」
 
 「まぁね。何たってやっと話の判る団員が入ったから♪ アンタも少しは見習いなさい」 
 そんなの見習っても俺には何の得もない。それなら朝比奈さんに、お茶の淹れ方を教わったほうが、ずいぶん
と実用的でいい。
 
 部室へ着き、中に入ると、長門と朝比奈さんがいた。
 
 「あれ、ゆうじはまだ来てないの? もうっ早くこないかしら」
 昨日知り合ったばかりだというのに、もう名前で呼んでやがる。なんか少し嫌な気分だ。いや違うぞ、平井に嫉妬
しているんじゃないんだからな。
 
 「なにブツブツいってんのよ。あっ古泉君来たわよ、チェスでも将棋でもしときなさい」
 言われなくてもする。どうせそれしか時間をつぶす方法は無いんだ。
 
 将棋は飽きたので、今日は朝比奈さんをいれてトランプをすることにした。しかし一体何の集まりだこれは? はた
から見れば、本当にお遊びサークルになってるぞ。まぁ事実遊んでるんだけどさ
 
 そして扉が開き、ハルヒ期待の団員が入ってきた。
 
 「すみません遅くなって。先生と話してたせいで」
 
 「別に構わないわ。それより早く昨日の続きを話しましょう♪ やっぱりアタシは宇宙人を見つける為には……」
 ハルヒと平井がまた語り始めた。結構楽しそうだな。
 なぜかその光景を見てると、イライラする。ほんのちょっぴりだ。
168T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 21:45:33 ID:G/zPDbmb
駄目だ、ちょっと頭を冷やしてこよう。
 
 ジュースを買ってくると伝えて、すぐに部室からでた。ふぅまずは冷静にならないとな。
 しかし後ろから続いて誰かやってきた。振り返ると……なんでお前がついてくるんだよ、平井。
 
 「トイレにでも行くのか? それなら方向は逆だぞ」
 今は正直、お前の顔は見たくないんだ。
 
 しかし平井はいつもの無邪気な笑顔ではなく、ニヤリと笑っていた。
 
 「もしかして俺がハルヒさんと一緒に話しているのが悔しいんですか?」
 なんだ、コイツ。それにアイツの事をなれなれしく呼ぶな! 
 
 「何か言いたそうだな」
 
 「いいえ。ただハルヒさんと仲良く語ってると、キョン君の視線が俺を睨んでいたからね。本当は俺
が入ってきてイラついてるんだろ?」 
 平井はニヤニヤしながら挑発しにきた。
 
 「それがお前の本性か、平井!」
 
 「そう声を荒げるって事は図星なんだね。ははっ」
 
 もう我慢の限界だ! ぶっ飛ばしてやる。そう思い拳を固め平井に殴りかかった。
 だがそのパンチを軽くいなされ、逆に下腹部に激痛が走る。平井のケリが見事に入っていた。
169T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 21:47:42 ID:G/zPDbmb
 「キョン君、俺言ったよね? 格闘技には自信あるって」
 
 「くそっ!! 平井っ、お前何が目的でSOS団に入ったんだ!」
  
 「さぁね。でもアンタは俺をあまり歓迎してないようだったから、こうしてついてきたんだ。ねぇ、悪いけど
SOS団から抜けてくれない? できるだけ早い内にお願いね」
  
 「ふざけるな!! そんな事、お前に命令される筋合いはないっ!」
 
 「まぁそう言うと思ったけど。あぁ安心して暴力で追い出すつもりはないから。それじゃ俺はもう戻るね、
ハルヒさんが待っているから♪」 
 
 平井は振り返り部室のほうへ帰っていった。畜生っあんな奴だったなら親切に学校案内なんてしてやるん
じゃなかった!!

 
 この時から、俺の平穏が音をたてて崩れていった。
 
 
170T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 21:49:28 ID:G/zPDbmb
 第6章

 俺は状況を整理するため、床に座り込んだ。
 さっき平井は俺に団から出て行けと言った。当然そんな事に従うわけない。大体俺を出て行かせてアイツは
何をするつもりなんだ? いや、多分純粋に俺が目障りなんだろうな、だから消えてくれと言ったんだろう
 しかしアイツの性格を知ってしまった以上このまま放っておくわけには行かない。
 
 俺は立ち上がり部室へ戻った。
 さっきと同じようにハルヒと平井は仲良く喋ってやがる。平井はチラッとこっちに視線をむけ、小さく笑った。い
や惑わされるな! こういう時こそ落ち着くんだ。
 
 俺は何事も無かったかのようにトランプの続きを始めた。しばらくすると古泉が、
 
 「何かあったのですか? 顔色が優れませんが」
 
 「別に。お前には関係ない」
 
 「そうですか。しかし涼宮さんと平井君は気が合うようですね、羨ましい限りです」
 俺は返答せず無言のままカードを選んだ。コイツもいちいち引っかかる言い方をする野郎だ。
 
 その日、平井はあれ以降俺に何も言ってこなかった。帰り道もハルヒと熱心に語りながら歩いていき、それを
見る度に俺のストレスは蓄積されていった。
 
 くそっムカムカする。今日は家に帰ったらすぐに寝ちまおう。しかし明日からどうするかな……どうにかアイツを
逆に追い出さないといけないな。
 
 家につき、すぐに布団をかぶったがなかなか寝付くことができなかった。平井のニヤケ面が鮮明にうかんでくる
からだ。何とか怒りをおさえて眠りについた頃にはもう夜中の3時をまわっていた。
171T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 21:50:44 ID:G/zPDbmb
 翌日、眠たい目をこすりながら家を出る。あまり寝た気がしないな、頭がぐらぐらしやがる。それもこれも平井の
せいだ、早く解決しないと俺の心労が溜まる一方だぜ。

 教室につき、自分の席へ向かった。まだハルヒは来てないみたいだな。 
 さて、ホームルームが始まるまで少し寝とくか。
 机にもたれかかり目を閉じた瞬間、思い切り肩を叩かれた。誰だぁ俺の神聖なる眠りを妨げる奴は……何だ
お前かよ、ハルヒ。

 「ねぇキョン、次の日曜日久々に不思議探索ツアーをやるわよ♪」
 どうでもいいが朝からテンション高すぎだぞ。もっと静かに言ってくれ。
 
 「あぁそうか良かったな」
 
 「何よ、感動が薄いわね! で、どこら辺の調査をしたらいいと思う? やっぱ街の方かしら」
 
 「どこだっていい。なるべく早く終わりそうな所にしてくれ」
 
 「アンタもっと真剣に考えなさいよ! どこを探索するかによって全然違ってくるんだから!」

 「そんな事よりちょっと寝不足で疲れているんだ。また後で聞いてやるよ」
 
 「そんな事?……あぁもういいわ! アンタに聞いたアタシが馬鹿だった!!」
 
 ハルヒは大声で怒鳴ると教室から出ていってしまった。最後まで騒がしい女だな、ったく。
 せっかく最近おとなしくなってきたと思ったのに、平井の話を聞いてまた探索熱がぶり返しやがった。面倒
くさい事してくれるぜ。
 
 さっさと平井を出て行かせないとまた問題が舞い込んでくるな。やれやれ。
 
 こうなれば仕方ない、アイツに相談してみるか。

 10分後、ハルヒは自分の席に戻ってきた。次はえらく静かになってるな
 今日は珍しくイタズラをしにこないおかげで俺は授業中ぐっすりと眠れた。いや勉強するべきなんだけど睡魔
には勝てないからコレは仕方ないのさ。
172T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 21:53:18 ID:G/zPDbmb
 時間は過ぎ、本日の昼休み。俺は今日も急いで弁当を口にかきこむと、あるクラスに向かうことにした。昨日
は平井を探しにいったが今回は当然違う。
 えぇとこのクラスだな。中を少し覗くとアイツも視線に気づいたようですぐに出てきてくれた。
 
 「悪いな。ちょっと協力してくれ、古泉」
 
 「珍しいですね、あなたから僕をお誘いになるなんて」 
 古泉は満面の笑顔で言った。
 
 「俺だってお前に頼むのは不本意だ。だがそうは言ってられないみたいだからな」
 
 「何やら事情がありそうですね。聞きましょう」
 
 昨日と同じく廊下を歩きながら古泉に説明した。ふんふんと黙って聞くコイツはこういう時には中々いい
キャラだな。そこは褒めてやるよ
 
 「今のが昨日起こった出来事だ。わかったか?」
 
 「なるほど、まさか平井君がそのような方だったとは。いやはや驚きを隠せません」
 全然驚いてるような顔に見えないぞお前。しれっと答えやがって。
173T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/10(土) 21:54:14 ID:G/zPDbmb
「それで協力してくれるか?」

 「何をです?」
 
 「決まってるだろ。平井を脱退させる為にだ!」
 
 「……具体的には?」
 
 俺は古泉に計画の内容を伝えた。その時、気のせいかちょっと古泉の表情が変わっていく感じがした。
 
 「本当にそんな事をするんですか? 貴方にしては幼稚な考えです。……いいんですね? こんな
方法で解決しても」

 「うるさい! ポピュラーだがこれが一番手っ取り早いんだ。それにお前は殆ど何もしなくていい。さっ
き言った通りの所で少し協力してもらうだけだ」
 
 「……わかりました。貴方に従いましょう」
 
 「こんな事頼めるのはお前しかいないからな。長門と朝比奈さんは了承しないだろうし」
 
 俺がそう喋っていると、古泉は聞きながら窓の外を眺めていた。こいつでもメランコリー状態になる時が
あるんだな。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 23:27:19 ID:jSW4XwGr
wktk
175名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/10(土) 23:39:53 ID:kLvIY/wP
おもしれーなあ
ありそうでなかった、こういう展開
176名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 00:01:43 ID:TnZtf7UO
今回は古泉が味方だな
やっぱ誰かが味方でないとキョンも可哀想だ

頑張れよ、キョン&古泉
177いじめかっこ悪い:2007/03/11(日) 00:42:27 ID:bVSl5bQY
正直、古泉好きの俺にはタマラン展開だ


一言言っておくが、ウホッの気はないぞ
178名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 01:00:19 ID:NLpUQ+aw
まとめサイトの管理人です。
一応、現在までのSSはまとめ終わりました。
遅くなって本当にすみませんでした。
ご指摘等ありましたら御気軽にどうぞ。
179奇跡に乾杯:2007/03/11(日) 01:11:29 ID:6hJtzKfe
178
すみません孤独はどこにあるんですか??
180名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 01:26:24 ID:rOUmyZBj
古泉が味方とは限らない…という考えを持って見た方がいいな
wktk
181名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 01:27:17 ID:NLpUQ+aw
>>179
トップページのSS集

下から4番目のリンクに孤独(悲哀)
があります。
作品は投稿された時系列順に掲載しているのですが、
それだとやはり見にくいですかね…?
182奇跡に乾杯:2007/03/11(日) 01:28:54 ID:6hJtzKfe
>>181ありがとうございますた!!! 
183名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 02:27:21 ID:f3qF7xAs
てか、古泉で思い出したんだがマッガーレ!スペクタクルを書いた者だが氏はどこ行ったんだ?
前スレで新作出来たみたいな事が書いてあったからひそかにwktkしてたんだが
184T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 07:23:14 ID:PozJM5v5
第7章
 
 
 放課後、みんなが部室へ来ない間にすぐに計画の下準備をした。これをこうしてと……よしOKだ。
 しかし我ながら情けなくなってくるな。こんなくだらない事をしているなんて
 まぁいい。今後の安泰の為だ、俺は間違っちゃいないぜ。
 
 その時、ガチャリとドアが開いた。しまった! もう誰か来ちまった。
 
 「あれ? キョン君じゃん。早いね」
 良かったコイツか。全然問題はない、それどころか好都合すぎる。しかし憎たらしく二やつきやがって!
 
 「平井、笑ってられるのも今だけだぞ!」
 
 「そうなんだ、ははっ。あっ昨日言った通りさっさと出て行ってくれない? うざいから♪」
 
 俺はグッとこらえて部室から出て行った。今に見てろよ平井、すぐに追い出してやるっ!!

 そして部室から出て行き10分くらいたった後、再び戻る事にした。もうそろそろみんないるだろ。
 おっ予想的中、俺で最後か。 
185T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 07:24:06 ID:PozJM5v5
中に入ると朝比奈さんがおろおろしている。どうやら気づいたみたいだな。
 
 「キョ、キョン君〜。見てくださぁいこの中」 
 朝比奈さんがお茶の葉が入った箱を差し出してきた。
 中にはチョークの粉やらホッチキスの芯等が混入されている。

 「な、何ですかコレ! 酷いイタズラだ!!」
 俺は怒りをあらわにし言った。
 
 お分かりだろうがコレをやったのは俺だ。ちょっと心苦しかったけどな。ゴメン朝比奈さん、今度何かお
ごります。
 
 「誰? こんなくだらない事をしたのは!! 正直に答えなさい!」
 ハルヒが団長席に立ち、みんなを睨み付けた。
   
 そこで俺は考え込む振りをした後、
 
 「朝比奈さん、昨日はそんなの入ってなかったですよね?」
 
 「は、はい。昨日は何も入ってなかったですぅ」
 朝比奈さんは泣きそうな顔で答えた
 
 「じゃあ今日最初に部室に来た人はわかります?」
 
 「えぇと私が来たときに平井君がいたかなぁ? 着替えるからちょっと出て行ってもらいましたけど……」
 
 朝比奈さんがそう言った途端、皆一斉に平井の方を見た。
186T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 07:25:56 ID:PozJM5v5
 
 「ちょ、ちょっと待ってくださいっ。俺じゃないですよ、やってないですそんなイタズラ」
 平井は慌てて弁解した。焦っていい気味だぜ。
 
 「でも最初に部室へついたお前しかできないぞ!」
 さらに追い討ちをかけてやる。すると平井は顔を赤くしながら、

 「俺より先にキョン君が部室にいたじゃん! その後に俺が来たんだ!」
 その反論に、俺は何言ってんだコイツという感じの顔で返してやった。

 「俺はさっきまでずっと古泉といたぜ。なっ?」
 古泉のほうへ投げかける。そして古泉は静かに答えた。
 
 「……えぇ確かに僕と一緒にいました。彼がジュースを買いにいくと言ったので、一足先に僕はこの部室 
に来たんです」
 ナイス古泉。打ち合わせ通りに言ってくれて助かる。
 
 「う、嘘だ! キョン君の方が先についてて……」
 
 「おい! 見苦しいぞ、平井。まぁそうだな、まだお前が犯人と決まったわけじゃない。第三者がやったという
可能性もある」
 
 そしてハルヒの方を向いてみる。ハルヒは平井とお茶の葉を交互に見ながら口を開いた。
 
 「そ、そうね。まだゆうじがやったとは限らないし……と、とりあえずこの件は保留にしとくわ! みくるちゃん
あまり気にしないようにね、わかった?」

 「ひ、ひゃい。わかりましたぁ。ま、また買えばいいだけの事ですし……」
 しょんぼりとした朝比奈さんを見ると胸がチクチクと痛んだ。本っ当にすみません! あなたが望むなら
どんな無理難題でも叶えて見せます。ただし平井がいなくなった後で。
187T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 07:27:05 ID:PozJM5v5
「とりあえず今日はもう解散! みくるちゃん、今から一緒にお茶の葉買いに行きましょう。あっ有希も一緒に
来なさい、三人で行くわよ」
 
 ハルヒは朝比奈さんと長門をつれて学校を出た。さすがのハルヒも動揺してたな、だがこれでいい。
 
 「さて古泉、俺たちも帰るか」
 
 「……えぇ。わかりました」
 
 「じゃあな平井。辛くなるまえにさっさとSOS団から出て行ったほうがいいぞ」
 
 震えている平井を置いて、俺と古泉は帰路についた。あばよ、哀れなる転校生君。
 
 学校を出てしばらく歩いた後、古泉がほとんど笑みのない表情で言った。
 
 「貴方は本当にこんなやり方で彼を出ていかせていいんですか? もっと正々堂々と立ち向かった方が
いいのでは?」 
 しつこい奴だなコイツも。やれやれだ。
 俺は、いつもの口調で答えてやった
188T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 07:28:47 ID:PozJM5v5
 「いいか古泉。過程がどうあれ最終的には結果が大切なんだ。俺は平井さえ出て行ってくれたらそれで
いい」 
 
 「しかし何でそんなに彼を毛嫌いしてるんです? 確かに平井君は性格がヒネてるようですが、そのうちわ
かりあえる仲になるかもしれませんよ」

 「アイツが生意気なのはまだいい。問題はハルヒの好奇心を揺さぶって、またおかしな事をさせようとして
いるから危惧してるんだ。現に次の日曜に、例の不思議探索を再開するらしい」
 
 「いいじゃないですか。その方が涼宮さんも元気がでて。輝いてる彼女が見たくないんですか?」
 
 「別に見たくない。それで引っ張りまわされるくらいなら、今までのように元気がないほうがマシだ。俺は
静かに過ごしたいんだよ」
 
 「そうですか……」
 古泉は諦め声で言った。残念ながら俺は不思議体験なんぞしたくないんだよ、ふんっ!
 
 「あぁそうそう明日の計画も言っとくぞ」
 
 「……どうぞ」
 おれは古泉に明日の計画を話した。
 
 平井、お前が団から消えないならどこまでも追い詰めてやる。
 嫌だったら大人しく出て行くこったな。
 
 
 横で歩いていた古泉はそれきり何も喋らなかった。

189名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 07:59:43 ID:XBMuoAAy
なんか…



古泉かわいいな
190T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 10:13:07 ID:PozJM5v5
第8章
 
 翌日、朝になり目が覚めた。
 昨日と違ってよく眠れたぜ、やっぱストレスを溜め込むのは健康に良くないな。うん。
 
 学校へ向かう足も軽いのなんの、あっという間に到着〜。すぐに上靴に履き替え教室に向かった。
 さて、今日もミスのないように計画を実行しなくちゃな。はは。
 
 午前中の授業をしている間ハルヒは何も喋らなかった。たまに溜息をついたりして、後ろから憂鬱そうな
オーラが漂ってくる。まぁ静かでいいけどな。
 
 そして昼休みになった時、ハルヒはやっと口を開いた。
 
 「ねぇキョン。やっぱり昨日の犯人はゆうじだと思う?」
 
 「はっきりとは言えないがおそらくアイツの仕業だろう。信じたくはないがな」
 
 「そっか……」
 ハルヒは若干うつむいて教室を後にした。
 よし、これで平井への不信感は募っていく一方だ。後はもう少し追い込むだけ。
191T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 10:14:55 ID:PozJM5v5
 放課後昨日と同様にみんなより早く部室へ向かった。
 そこで俺がやったのは至って単純な事だ。部屋においてある長門の本を数冊自分のカバンに入れるだけ。
 たったコレだけの作業だ。
 
 その時ガタンっと音がなった。掃除箱からだな、あぁきっとホウキが倒れたんだ。驚かせるなよもう。
 
 後は部屋から出て行ってと。へぇ、案外楽に計画は進んでいくもんだな。
 平井、お前の団員生命も残りわずかの所まできてるぜ。どこまで耐えられるかこの目で見届けてやるよ。せ
いぜい無駄にあがいとけ。
 さて、もういい頃合かな。やれやれ、部室に戻りますか。
 
 ウキウキして部屋に入るとまたもやみんな深刻な顔をしていた。いい感じの雰囲気になってるね。
 
 「どうしたんだ静まり返って。何かあったのか?」
 わざとらしく聞いてみる。
 
 「キョ、キョン君。つ、次は本棚にあった長門さんの本が無くなってて……」
 朝比奈さんが震えた声で教えてくれた。う〜んキュートですよ。
 
 長門の方を見ると相変わらずの無表情で座っていた。お前はロボットか! まぁ似たようなものだな。同様に
ハルヒも黙り込んで団長席に座っている。
 
 そして俺は平井の方を向いた。なんだその顔は? オドオドするなよ。
192T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 10:15:59 ID:PozJM5v5
 「まさか平井、またお前が犯人なんじゃないだろうな」
 ちょっとキツめに言ってやった。 
 
 「ち、違う! 俺は本なんて盗ってない! ……ん?キョン君そこにおいてるのはキミのカバンだ
よね?」
 平井が指差したほうには確かに俺のカバンが置いてあった。

 「なんかパンパンに物が入ってるみたいだけど? もしかして……」
 すぐに平井は俺のカバンを開けた。オイオイせめて了承くらい得てくれよ、プライバシーの侵害だぜ。
 ……だがコイツ馬鹿すぎる。こんなに台本通りいくとはな、ちょっと怖いくらいだ。

 平井が俺のカバンの中を開けると、当然だが長門の本が出てきた。だって入れたの俺だもんね。
 すると平井は鬼の首を獲ったような顔になり、
 
 「ほらっ! やっぱりキョン君が盗んだんだ! これが何よりの証拠だよ」
 ふう、踊らされてるとも知らずに幸せなやつだ。
 前を見ると朝比奈さんが目に涙を浮かべている。そんな顔もいいですね。でも、そろそろ反撃するかな。

 俺は壁にもたれながら冷静に言った。

 「平井、普通盗んだ物をそんなバレやすい所に入れると思うか? 俺なら最低限、別の場所に隠すぞ」
 
 「し、知らないよ! そんなの。急いでたんじゃないの」
 
 「それにな、俺が一回部室から出て行った後、お前すぐに部屋に入っていったよな?」
 
 「入ってないよ!!」
 
 「俺と古泉は確かにお前が入る所を目撃したぞ! 古泉、そうだよな?」
 前回と同じように、古泉に尋ねる。さぁ言ってやるんだ。
 
 「……はい。先ほど偶然にも、平井君が部室へ入っていくのを拝見しました。間違いありません」
 古泉、今度お前に昼飯を奢らせてくれ。何でも好きな物を頼んでいい。
 
 「平井、お前は俺を犯人に仕立てようとして逆に失敗したな! ハルヒ、これでわかっただろ?コイツの
本性が!」
193T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 10:17:22 ID:PozJM5v5
 ハルヒは静かに立ち上がりうなずいた。ショックが大きいのも無理はない、何たって裏切られたんだか
らな。今日ばかりは泣いていいんだぞ?
 
 「昨日のみくるちゃんへの嫌がらせも全部アンタがやったんだ? 見損なった!!」
 いいぞハルヒ、もっと言ってやれ!
 
 「ひ、ひぐっ。わ、私も見損ないましたぁ!」
 朝比奈さんももっと責めちゃってください。俺が許します。
 
 「団長として宣告するわっ、アンタはクビよ!! 出て行きなさい!」
 おっ、平井、お前クビだとよ。さっさと出てけよ。そんなにぼおっとしてないでさ。団長命令は絶対なん
だよ? 例外は無し。
 
 「平井、諦めてもう帰れ。そして二度とSOS団に近寄るな!」  
 決まった。今のは中々かっこよく言えたぜ。公務員じゃなく俳優を目指そうかな。
 
 しかし平井は一向に出て行こうとしなかった。

 「お、おいさっさと出てけよ! 目障りだ!」
 俺はそう怒鳴った。何だ、コイツ。その哀れみの目は。
 
 すると急にハルヒは大きな声で言った。

 
 

 「出て行くのはアンタよっ!! キョン!!」

 
194名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 10:53:55 ID:1+VGCSKE
いいねぇGJ
195名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 11:58:37 ID:iu4GV1Ru
これは新しい展開だw
続き待ってるよ
196名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 12:23:13 ID:S98DzRke
ワオ
これは予想GUYデス
197名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 12:44:00 ID:ZRhQhGiE
キョン負けるな!!
ハルヒを取り返せ!!

古泉とキョンの関係にも・・・
198名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 12:51:16 ID:S98DzRke
キョンには失望したぜ。。。
まー面白くなってきたじゃん。
もし俺がいたら、キョンには俺の特別授業を受けてもらってるとこだが。。。
199名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 12:58:49 ID:yDAtijit
この平井って男は何が目的なのか・・・
ってレスが一つも無くてワロタwww
200名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:09:12 ID:t8y6N0ZC
キョンがアホすぎてワロタ
小学生なみの知能かこいつは
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:23:59 ID:wuwBUhJ/
ぶっちゃけ平井の目的はどうでもいいwそれよりキョンのDQNさにワロスwww
だが、そこがいい。
202T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 13:29:57 ID:/osoyZQZ
 最終章
 
 ハルヒは俺に怒りの目を向けていた。いやハルヒだけじゃない、朝比奈さんも俺に注目している。な
んでそんな顔するんですか?
 意味が把握できない俺はハルヒに言った。
  
 「な、何で俺が出て行かなくちゃならないんだ? おかしいだろ、犯人は平井だぜ?」
 そうだ、平井が消えるべきなんだ! 俺の平穏の為に。
 
 するとハルヒではなく古泉が、いつもとは違う顔で答えた。
 
 「悪いですが、貴方の計画はすべてみなさんに密告しました。昨日の事から今日の計画まで
包み隠さずにね」
 はぁ? 勝手な事しやがって!
 
 「古泉!! お前!」
 
 「今日の昼休みに貴方以外の全員を集めて、その時に言ったのです。平井君を無理やり脱退させよ
うとしていると。そして僕が貴方に嫌々協力させられていた事も」
 
 「アタシも最初は信じられなかったわ! だからアンタを試した訳。ゆうじはずっとみくるちゃん達とい
たから本を隠す小細工なんて出来るはずがないの!」 
 くそっ、まさかこいつ等グルになっていたとは。
203T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 13:30:49 ID:/osoyZQZ
「それにアンタよりさらに先回りしてアタシは部室の掃除箱の中で隠れてたのよ。直にアンタが本を入
れる瞬間を隙間から見てたんだから!!」
 さっきの音はハルヒかよ! ちっ、完璧にやられた!
 
 「キョン君、な、なんでこんな事をしたの? 私、し、信じられませんっ」
 
 「あ、朝比奈さんコレには深い訳がですね……」
 
 「キョン! 言い訳は聞きたくないわ!! さっさと出ていきなさい!」
 怒鳴ったハルヒのケリを食らい、部屋の外に追い出された。いってえ。
 なんでこうなるんだよ、畜生。 もう滅茶苦茶だ!
 
 仕方なく、一人家に帰る事にした。
 俺は悪くないんだ、何も間違っちゃいない。そう言い聞かせすぐに自宅のベッドに倒れこんだ。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:31:32 ID:t8y6N0ZC
恋敵を追い落とすならライトくらいの知能で練った策略を悪魔のように遂行しなきゃな
本を隠すとか茶筒にチョークとか園児なみの発想じゃねーか
ハルヒさんもあきれとったわ
205T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 13:31:38 ID:/osoyZQZ
その後、いつの間にか眠っていたらしく、横で妹がうるさく起こす声で目が覚めた。
 
 「キョン君起きて、お友達が来てるよ」
 
 「誰だ?」
 
 「う〜んとねぇ、古泉君ともう一人は知らない人ぉ」
  
 俺はすぐ飛び起きて玄関にむかった。古泉が一体何のようだ、あの裏切り者め!
 あいつを一回殴らねば俺の気が済まん!!

 そしてすぐに靴に履き替え外へ出た。
 そこには古泉と……お前まで何の用だ、平井! 
 
 「ちょっとお話があるのでお付き合い願います。貴方もいまいち理解できてないでしょう」
 仕方なく古泉と平井の後ろをついていった。今日は車は無しかよ。
 途中、近くの公園で止まった。もう7時前なので人はいない。
 
 「さて、そろそろ種明かしをしましょうか」
 こっちを振り返り、古泉が言った。 
 
 「種明かし?」
 俺がそう答える。いきなり意味がわからんぞコイツ。
 
 「えぇ。あっでもコレは直接平井君から言ってもらった方が早いですね」
 俺はすぐ平井の方に顔を向けた。
 平井は最初の時見せた無邪気な笑顔を俺に返しながら喋り始めた。
206T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 13:33:19 ID:/osoyZQZ
 「キョン君。俺は古泉さんの仲間、つまり機関の一員なんだ。黙っててゴメンね」
 
 「はぁ? き、機関の一員って……お前超能力者だったのか?」

 「違う、違う。俺には本当に特殊な力はないんだ。ただの下っ端。機関で訓練した格闘技くらいしか
取り柄はないよ」
 
 「ま、待て。何で機関の人間がSOS団に入ってきたんだ?」
 
 「それは貴方のせいですよ」
 横から古泉が割り込んできた。

 「俺のせい? 意味がわからん、説明しろ!」
 
 古泉はやれやれといった顔をして語り始めた。
 
 「涼宮さんが昔より、大人しくなってしまってたのは前にも言いましたよね?」

 「あぁ。何ヶ月かくらいは目立った問題は起こしてないな」

 「彼女は疲れていたんですよ、不思議を追い求める事に対して。いつも一人で皆を引っ張り行動していく、そ
うやって涼宮さんは過ごしてきました。……でもさすがの彼女も所詮は人の子です。精神力に限界が近づいて
いたのでしょう」
 
 「そんなの俺の責任じゃないだろ」

 「いえ、貴方は仮にも涼宮さんに選ばれた人です。彼女が立ち止まってしまった時に支えてあげる
べきだった。しかし何事にも消極的な貴方は、涼宮さんを引っ張る事もせずにただ傍観する一方で
でした。その結果さらに涼宮さんは気力を失い、僕から見ればまるで彼女は生きた屍のように思え
えました」
  その後、さらに古泉は続ける。
207T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 13:34:26 ID:/osoyZQZ
 「僕は何度もヒントを送りました。貴方自身がこの事に自ら気づかないといけなかったんです。それ
でも貴方は自分から率先してアクションを起こさなかった。……そこで耐えかねた僕が機関から彼を
派遣したんですよ」
 
 そして再び平井が口を開いた。

 「俺に与えられた役割は、キョン君がハルヒさんに構ってあげるように仕向ける事だったんだ。まず
涼宮さんの好きそうな知識を必死に取り入れた。これが結構大変でね、色んな本を読んだよ。そして
何とかSOS団に潜り込む事に成功したんだ。細い綱渡りだったなぁ。キョン君を挑発したりケリを食ら
らわせた事は命令とはいえ悪かったね」  
 
 「そして、涼宮さんと平井君が仲良くする事によって、貴方の闘争心をくすぐったつもりだったんですが。貴方は
平井君から涼宮さんを取り返そうとは考えず、彼を無理やり追い出そうとした。自分の保身だけの為にね」
 
 古泉は俺に冷たい視線を浴びせながら言いやがった。自分の身を守って何が悪いんだ。
 
 「僕は次第に貴方に対し怒りに似た感情が込み上げてきました。いえ、失望していたのかもしれません。と
にかく貴方に涼宮さんをまかせていても彼女を苦しめる一方です。だからこれからは平井君に涼宮さんをまか
せる事にしました」
 
 「キョン君。俺はキミがハルヒさんに少しでも理解を示したなら、すぐに団を出て行く予定だったんだ。こう
なってしまって本当に残念だと思う……」

 「ちょっと待て! 俺は別にハルヒを苦しめるつもりは無かったんだ!!」

 「もう遅いです。涼宮さんはすでに貴方に対して少しずつ興味を失くしていました。……時の流れには逆らえ
ません。まして貴方はいつも涼宮さんを突き放していた。自業自得です」
 
 その時一台の自動車が入ってきた。これには見覚えがある、前に古泉と乗った車だ。
 平井は一瞬俺を悲しそうな目で見た後、すぐ車の中へと消えた。
208T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 13:35:46 ID:/osoyZQZ
 「さて、僕の話は終わりです。これからは御自分の好きなように過ごしてください。あぁ最後に……」
 
 古泉は俺に近づき、その長い足を勢いよく俺のボディに叩き込んだ。
 くそっ、コイツ細足なのになんて威力だよ……

 「もうSOS団に関わらないで下さい。……それでは、さようなら」
 
 尻餅をついた俺を置いて、古泉の乗った車は瞬く間に遠ざかっていく。

 俺はあまりの唐突さに何も考える事ができずにいた。涙も出やしない。



 いつからだろう、こんなに歯車が狂ったのは。全然わからない

 
 でも俺はもう団員じゃない、それだけは今になって実感が沸いてきた。

 
 
 ちくしょう……
 
 

 

 

 
 

 日曜日、谷口と国木田と三人で街をうろついた。あの時の事はこいつらには何も言っていない、言いた
くもなかった。
 
 「キョンあれ涼宮たちじゃないか?」
 
 「参加しなくてもいいの?」

 遠くの方でハルヒが元気よく腕を振り回し歩いている。ははっ、変わらないなアイツも。

 「いいんだ。もう俺は必要ないみたいだからな……」
 
 


 


 みんなと不思議探索をしているハルヒの瞳は眩しいくらい輝いていた。
 


おわり
209名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:38:51 ID:t8y6N0ZC
GJ
さすがに同情する気も起きないわw
210名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:44:16 ID:yDAtijit
これで古泉が
「よかったじゃないですか。倦怠ライフが戻ってきて」
って言って追い討ちかけたらよかったwwww
211T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/11(日) 13:46:51 ID:/osoyZQZ
今回はできるだけあっさり風味で仕上げてみました。
書いたのは結構前ですが……

ちなみに転校生の名前は最近始めて見たメロンパン大好きっ娘小説から
キャラの名前をつなげてとってみました。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:47:04 ID:zuHQ+3/A
GJ
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:47:39 ID:S98DzRke
こう。。。
なんていったらいいのかな?
バッドエンドは嫌いだねー
ハッピーエンドがいいね
今度誰かハッピーエンドかいてください
214名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:51:45 ID:OdJmf2jf
>>199
予想できたけどそれをレスすると書き手が書きにくくなるんじゃないか?
215名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 13:55:18 ID:ZRhQhGiE
平井ゆかり+坂井悠二
216名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 14:01:59 ID:iu4GV1Ru
>>211
ああそうか、あっちは『坂井』ゆうじか。
そのまんま持ってきたもんだと思ってたw 斬新でよかったよ。GJ。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 14:12:37 ID:1+VGCSKE
>>192 古泉、今度お前に昼飯を奢らせてくれ。何でも好きな物を頼んでいい。

>>193
今日ばかりは泣いていいんだぞ?


この辺にセンスを感じたW

218名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 14:37:06 ID:1O4DgQ78
今気づいた


      /メ::::::::K|:::::,..へ、_;;;;;_,..へ;::::::::Kl::::::::::::i
     Ki:::::::::::じ:/,,,,,,,,、`´´ ,,,,,,,,,,ヾ;;:じ::::::::::::l
     ゞハ::::::::::/ノ ,二、ヽ ' ,二,ゝヽ:::::::::::::ノ
      ヾ:_:::{  < (;;),> } :{ <,(;;)_>  ヾ::::/
        }ヾ.   二´ノ ヽ `二   リイ
        lノ     /r.、_n丶    しj  いじめってそっちだったのかアアァァアァァァァ!!!!wwww  
        ひ    i  _,,,,,,_  i    ト'
         ヽ、  .|lF-―-ヵl|   :/ 
          .ヾ   {.ト、_ノ} i   .:/ 
        _ ハ  ヾ┴┴'ソ   イ _
      /ヽ\ヽヽ  ` ニ ´ ノ  ノ )  \
219名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 14:38:57 ID:pJSOKq7G
面白かったよ!次回作に期待〜
220名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 14:47:58 ID:NPMh0XZQ
>>147
まとめて読み返してて思ったけど、
「SOS団って妙に意味深な名前だよな」ってのは本スレでも放送当時から言われてたな。
まるで何か助けを求めてるかのような。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 14:50:15 ID:KFuwSvz9
>>213
はぴーえんどじゃないか
222名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 14:53:04 ID:S98DzRke
そうかなー?
俺はそうは思わないが。。。。
まー人それぞれだろ
ああと
T.K.さんお疲れ様です。
また面白い作品出してください
223名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 16:29:00 ID:6hJtzKfe
いまさらだが孤独を読んでみた、番外編をかいてほしな〜〜
かなりよかった。 
224名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 19:14:18 ID:ZRhQhGiE
そんなにヒドイバットエンドじゃなかったから面白かった。
あまりに可哀想過ぎるとちょっと嫌かも
225名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 19:22:14 ID:WCYaMxum
自業自得だからバッドエンドでもないと思う
尤も、この作品のキョンがひねくれてただけであって、今度はいいキョンを見たいというのはある
226名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 19:38:39 ID:AaO6z5I3
キョン好きの俺にとってこのオチはカワイソスぎる…
今度はハッピーエンドがいいな
227名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 20:05:51 ID:OsS8EkD/
以外とハッピーの方がいいって人が多いなぁ
俺はバッドでもいいんだが・・・
あの後味の悪さがなんかいいんだけどね・・・
228名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 20:20:34 ID:XfODV/QI
おれは保守的なハッピエンドみたいなのはワンパターンすぎて退屈かな
ある程度の斬新さが見る人へのインパクトをうむと思う

そういうわけでTKさんGJ!!!!!!!!!!
229いじめカッコ悪い:2007/03/11(日) 20:33:44 ID:FGcSPc+H
短編です。よかったら読んでください。


「クリスマスの前に」


その日、あたしの計画したクリスマス会の準備も大体終わって、みんな帰ろうとしてた。
「長門、帰らないのか?」
キョンが見つめる先には、有希が立って窓の外を眺めていた。
「有希、なんかあるの?」
「何も……」
有希は相変わらず。無口キャラのまま。ほとんど話してくれない。
「いいわ、キョン。あたしが残って有希と帰るから、あんた先に帰りなさい。」
「そうかい。じゃあな長門、ハルヒ」
あたしの言葉にキョンは手を振って、帰っていった。

何であたしより有希の名前を先に言うわけ?大体、SOS団団員たるもの、あたしのこと一番に考えなさいよ。バカ!!
有希はまだ、窓の外を見たまま。ホント何してんのかしら?
「ねぇ、有希。まだ帰らないの?もう下校時間よ。」
「まだ、帰れない。」
「どうして?」
「あなたには言えない。」
「そう…」
何だか、色んな感情が私の中を渦巻いてるのが分かる。私は有希に詰め寄った。
「有希、たまには何か話しなさいよ。」
返事はない。ますます渦巻きが大きくなる。あたしは有希の肩を持ち、声を大きくした。
「ねぇ、有希って……」
そこまで言ったとき、不意に有希が目を落とした。あ、言い過ぎかな……。でも有希はそんなに気にしてないみたいだし。
何か、見てるのかしら?
そう思い、あたしも有希の視線の先に目をやってみる。さっき部屋を出た三人が、渡り廊下を歩いていた。
何よ、キョン。みくるちゃんとイチャついてんじゃないわよ……。
有希は何で見たのかしら?あんまり気にしなさそうなのに……。
「まさか有希、古泉君が好きとか?それともみくるちゃん?」
キョンの名前を避けた。何だか、名前を出すのが、すごく怖かった……。
「違う……。」
有希の小さくて、か細い声が響いた。
「……誰よ?」
あたしの声は震えていた。有希の言葉に動揺しているのが分かる。
「まさか……キョン?」
「……」
「答えなさいよ!!」
何となくそんな気はしてた。けど、認めるのが怖かった。
だから私は語気を強めて、有希の肩を持つ手に力が入っていた。
「有希!!」
「……」
詰め寄るあたしを完全に無視して、有希はまた、視線を上に向け、すっかり暗くなった空をみつめている。


その姿を見て、あたしの中の何かが壊れた……
230名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 20:37:14 ID:p6JqYJ99
長門(;´Д`)ハァハァ
231名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 20:41:05 ID:t8y6N0ZC
ハルヒかわいいぜ
徹底的にやっちまえ!
232いじめカッコ悪い:2007/03/11(日) 20:48:25 ID:FGcSPc+H
あたしは有希の頬を思いっきり叩いていた。

何度も何度も……

有希の頬が紅潮しつゆく。それでも私の心は落ち着きをとりもどせない。有希の髪を引っ張り、引き倒して何度も蹴った。
蹴れば蹴るほど憎かった。何も反応を見せない有希が憎くて仕方ない。


何で?何でキョンは…この子は……。あたしを置いていかないで、あたしを見てよ、キョン。こんな子よりあたしの方が可愛いでしょ?スタイルだって、あたしの方がずっといい…あたしと一緒の方が楽しいでしょ?あたしの……


我にかえると、目の前にはぐったりした有希がいて


あたしの目からは涙が溢れていた…


「ご、ごめん、有希。あ、あたし…」
そう言ってオロオロするあたしを無視して、有希は何事もなかったかのように立ち上がると、鞄を持ってドアの方にむかっていった。
「ごめん、有希。」
そう言ったけど、有希は立ち止まりも、こちらを向きもしてくれない。
有希の背中をあたしはただ、黙って見送るしかなかった。


家に帰り、部屋の明かりもつけずに、あたしはベッドの中に潜り込んだ。
明日、有希にちゃんと謝らなきゃ……許してくれるかな?
クリスマス会までに仲直りしたいな、あと一週間なのに……


おわり
233名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 21:01:44 ID:XfODV/QI
「情報結合の解除を申請する」


この時 ああこの二人は本当に人間じゃないみたいだなと 俺は思った



俺がクラスの委員長朝倉涼子に殺されかけるというトンでもハプニングな事件が
起こった翌々日のことである

「ああ退屈!」

いつになく不機嫌なハルヒはおなじみ団長専用机の上であぐらをかきながら誰に言うわけでもなく
ぼやいている
俺がハルヒの今の発言をスルーしようかどうかと迷っていると

「来る」

意外な人物がまた誰に言うわけでもなくぼやいた
長門有希だ
そして意外な人物の意外な一言に
普段はニコニコさわやかイケメンフェイスな
この男まで妙にシリアスな顔つきになっちまった

「まずいですね」

「なにがだ」

気づいたころには俺の顔面数センチのところまで顔をよせていた
シリアス顔のイケメンの甘い吐息がふきかかる
近いんだよこの野郎!!
いい加減にしないとATフィールド展開するぞ
ていうかさっきまで俺たちは向かい合ってオセロをしてたんじゃないのか?
どうやって長門の一言に気をとられていた俺の一瞬の刹那の隙をついて
俺の目の前にそのさわやかフェイスを置いているんだよ

「とにかくいったんここを出ましょう涼宮さんに聞かれてしまってはまずいので」


俺の隣の椅子に腰掛けた古泉がいつになく焦っているようにも見えた
古泉に俺が
「わかった」
の一言を音にして発するまえに

  ゴツ

という鈍い音と

「きゃっ!?」
と朝比奈さんの悲鳴がそれをさえぎってしまった


なんとハルヒが糸の切れた人形のように床の上に倒れてしまった

「ハルヒ!?」

234名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 21:04:31 ID:1+VGCSKE
乙 短いのもいいね
前から気になってたんだけどクマーさんって結構T.Kさんの影響受けてるよね

>229あたしの中の何かが壊れた ってどっかで見たと思ったらT.Kさんの一作目にほぼ似た感じであったし

孤独のラストもなんとなく2作目とかぶるし

あとT.KさんがAA使った後クマさん多様してたし
ごめんそれだけ言いたかった 多分無意識だと思うけど
でもクマさんの作品結構好きですww次もよろしく
235いじめカッコ悪い:2007/03/11(日) 21:15:55 ID:FGcSPc+H
表現は特に意識してないけど、「あたしの中で何かが壊れた」はエロ本の影響だクマー

AAはラストで使うための実験ですw
AAがうまくいくか不安だったので。
朝倉のAAはお気に入りなんで使わせてw

ラストが似てるってのは否定しないけど、意識したわけじゃないクマー。どうしてもハルヒ、長門中心だから似たような展開に……。てか、みくるちゃんを使う気がしなくて……まぁオマージュってことにしててほしいクマー
236名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 21:32:15 ID:1+VGCSKE
あっ別に責めてるわけじゃないんだ ただ気になっただけ

ゴメン変な事いって 次の作品も期待してるよ
237名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 21:42:44 ID:t8y6N0ZC
嫉妬に狂ったハルヒがカワイイから問題ないぜ
地道に壊れていく恐いハルヒなんかも見てみたいかも
↓お前は次レスで「元から壊れてるだろ」と言う
238名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 22:05:24 ID:XfODV/QI
>>233の続き


俺は倒れてしまったハルヒにかけよって叫んだ

「おいハルヒ!?おいしっかりしろ!」

貧血か?
そんな馬鹿な話しあるか!
こいつが机の上から貧血して転落なんて
笑い話にもならん!!
ありえん!

「無駄よ」

は?今のは誰の声だ?
俺はその声の発信元である
背後を振り返ると

そこには長門が

長門?

俺は驚愕のあまり声を出せなかった

何だよその表情は?

何だよその手に握り締めたナイフは?


「フフッ涼宮ハルヒはたった今死んだわ、悲しい?」

笑顔、長門のその笑顔は恐ろしく似合っていなかった
まるで長門ではない別の誰かの笑顔である

まるで朝倉涼子である

239名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 22:06:48 ID:f3qF7xAs
>>234
ま、楽しければいいんじゃないか?
T.K氏の4作目も新キャラとか出て来てマッガーレ!スペクタクルっぽかったし
作品が楽しけりゃそれでいいじゃん
240名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 22:07:14 ID:XfODV/QI
>>238


「これからあなたにも死んでもらうんだけど、怖い?」

ちょっと考える時間をくれないか?
お前は誰だ?長門じゃないな
ハルヒが死んだ?冗談じゃない

「怖くて声も出ないのね、いいわすぐ楽にしてあげる」

そう言い終わると長門はナイフを握った自分の右腕を俺に振り下ろしてきた!
と同時に

「ふんもっふ!!」

古泉が長門の右腕を止めた
その体にはなんか オーラ? みたいな赤い気体みたいなものを身にまとっている

「古泉!!」

「逃げてください、ここは私が何とか!」

ハルヒは?

「まだ死んでません!僕にはわかります
まずい状況ですが涼宮さんは僕が必ず守ります
あなたは朝比奈さんを連れて早く!」

クソ

急いで部室を出ようとする俺と朝比奈さんを

「無駄」

と長門が自分の腕を光の槍のように伸ばしてきたが途中でちぎれた


「させさせ させない!」

「やるじゃない♪それが件の神人退治の能力ね?何であなたがこの空間で使えるのかしら」

「さあ?ただひとつ言えるとすれば涼宮ハルヒがまだいきているから、とでもいいましょうか」

呆然と立ち尽くす俺我に返り朝比奈さんの手を引っ張って何とか部室を後にした

「頼んだぞ古泉」
241名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 22:17:53 ID:/c91lfNn
>>208
話は面白かったけどキョンが長門に意見を求めないというのがちと気になった。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/11(日) 22:37:23 ID:XfODV/QI
>>240


「いいったいどうなってしまったんですかぁ?どうして涼宮さんが」

 俺が聞きたいくらいです

「!!」

俺と朝比奈さんは無我夢中で廊下を駆け抜けとりあえず校外へ出れば何とか
なるかもしれないと考え玄関に向かった

学校内で私服という妙な人達が前に現れた

「すみません少し聴いてもいいですか」

俺たちの動揺なんてお構いもしないでなんなんだこのひとたちは

「いや、あの今俺たち急いでるんで」

急いでってどこに行けばいいのかもわかんないのですがね

「古泉一樹は今どこに」

「!何者だあんたら?」

「ご安心ください古泉一樹と同じ『機関』の者です」

話し出したのはこの謎の団体四人組のうち一人の若い女性だった
243名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 06:31:33 ID:Vwc0QqAk
ハァ…鶴屋さんの口調や性格を脅迫を用いた折檻で矯正してえ…
>>241
後、古泉の仕込みだったなら最初に追い出すのに協力しないと思うんだ
彼が居た方が機関にとっては好都合云々て理由つけて
うまい事キョンが一人で直接対決するようなシナリオを用意しそう
244名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 07:19:11 ID:nMUMcz5h
それじゃ意味がないだろ キョンが自分でいい方向にもっていかないと 古泉の言うとおりにしても何の解決にもなってない
245T.K ◆vDcOqdC/aA :2007/03/12(月) 18:58:36 ID:wwRtkBTd
>>241 長門に意見を求めるシーンも考えたけど結局の所ラストは決まってたから
蛇足になると思って省略させてもらった。
 それに長門をだすとなんでもアリの猫型ロボット化になるし、前の作品で結構だした
から今回は控えめにいてもらうことに決めてた訳。これが理由。

>>243>>244で大体合ってる。
 

本職が忙しくてその合間に書いただけだからあまり細かい所の指摘は勘弁して。ごめんね。



それとまだ寒いからみんな風邪引くなよ。
246ID:DPV5ODEB:2007/03/12(月) 19:06:42 ID:4G0l42LQ
「キョンいじめ」


あ〜暇だわ…なんでこう学校ってこんなにつまんないのかしら…
ホント嫌になっちゃうわね!
……
え〜い、キョンにイタズラしちゃえ!!
キョ〜ン、キョ〜ン
………
……

ちょっと、キョン!!
私が背中つっついてあげてるんだから私の相手しなさいよ!!
まったく、勉強してるふりなんかして…何よ…

…そうだ!背中に「バカキョン」って書いちゃえ!!

ばぁ〜
かぁ〜
きょ〜…

………
……


ゴシゴシ


すぅ〜〜〜〜〜〜〜
きっ!!
好き!!


「ねぇねぇ!!!キョン!私、今背中になんて書いたと思う??」

「な、な、な、なんだよ////ね、ね、寝てたのに!!お、お、起こすじゃねぇよ////」

「え〜?本当にぃ??起きてたんじゃないのぉ??」

「ち、ちげぇよ////め、め、迷惑なんだよ///お、おとなしく授業を、受けてろ!!」

「ふぅ〜ん、そっかぁ。次の時間はちゃんと起きててね!!!」
247ID:DPV5ODEB:2007/03/12(月) 19:08:08 ID:4G0l42LQ
あぁ〜あ!!この授業もホントにつまんない!!学校ってホントに退屈!!
ねぇ、キョンてばっ!相手してよ!!キョ〜ン!!

…ちぇっ…キョンのケチ!
いいも〜んだ!またキョンの背中でお絵かきしてやる!!

だぁ〜〜〜
いぃ〜〜〜
すぅ〜〜〜
きっ!!

大好き!!

「ねぇ、キョン!!今度は私なんて書いたと思う???」

「し、し、しらねぇよ////ね、ね、寝てたんだからそんなのわかるわけないだろ////」

「えぇ〜〜?でもさっきの時間も寝てたじゃん!そんなに眠いのぉ?」

「う、う、うるさい!!黙って授業うけてろ!!」

「なによ、キョンってホントにケチね!!じゃあ、次の時間は起こしてあげるね!!
だからなんて書いたか当ててね!!!」


あぁ、もう勘弁してくれ!!ど、どうにかなりそうだ!
早く!早く席替えがしたい!


おわり
248名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 19:13:44 ID:9g3HTLno
いぢめじゃねぇww
だがGJ
249いじめカッコ悪い:2007/03/12(月) 20:22:58 ID:kf4URcYb
……やばい。萌える。


そのセンスをクマーに分けてくれ……
250名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 21:08:45 ID:un4g1S+f
(*゚Д`)
251 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:11:41 ID:IilrHK/D
久しぶりに来てみた
職人さん全員終わったみたいだから、俺もちょっくら載せてみるわ
題名はマッガーレ!スペクタクル2(完結編)
ちょい、てか結構長いけど読んでみてくれ
252マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:13:34 ID:IilrHK/D
どうも、またお会いしましたね。古泉一樹です。

今回もワケあって、あなた方に再びお話しする事となりました。ご拝聴の程よろしくお願いします。

今回はあなた方への説明はご必要無いでしょう。この事件は、先の事件のすぐ後に起きた出来事ですから。

ところで、閉鎖空間での僕は過激でしょうか?

まあ、特に意味は無いのですが。

まあまあ、そう言わずに聞いてください。

そうです。話しは朝倉涼子により、閉鎖空間が破壊され、猿島と山石が光りの粒と化し、
気がついたら、西日が差し込む教室に僕ただ一人いた。
話しはそこから始まります。

僕は目を覚ますと、グチャグチャに荒らされた教室の隅に一人座り込んでいました。
そう、閉鎖空間を開く直前と同じ光景の、彼らによって荒らされた教室でした。

「おい、お前!」
教室のドアのほうから突然声が聞こえてきました。
「おっと、これは岡部先生。あの時はどうもありがとうございます」
「なんだこの有様は、お前がやったのか?」
「いえ。正確には、猿島君と山石君です」
ここにいない人に罪を擦り付けるのはよくありませんが、これは事実なので仕方ありません。
253マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:14:56 ID:IilrHK/D
「お前何を言っているんだ?嘘をつくならもっとマシな嘘をつけ!」
「嘘?いえ、僕は嘘をついていませんが・・・」
「お前な、猿島とか山石とか、そんな名前の奴は少なくとも、この学年にはいないぞ!」
一体どういった事でしょうか。ジョークとしては少々キツいですね。
「いえ、そんなハズは・・猿島鉄平と山石龍也ですよ?」
「だから、そんな奴はこの学年にいないと言っただろ!素直に教室を直しなさい!」
おかしい、やはり彼らはあの時・・本当に消滅してしまったのでしょうか?
「ほら、立ち上がりなさい!」
しかし、存在すらも消すなんて芸当を出来るのは、やはり・・・。
「おい!聞いているのか!」
「申し訳ありません。少し考え事を」
「ほら、考え事はいいから、はやく教室を片付けなさい。片付け終わったら職員室に行くぞ!」
これは困りましたね。しかし、彼らが存在ごと消えてしまった以上。刃向かっても意味はありませんね。
「はい、わかりました」
僕は素直に答え、教室を片付けました。
「よし、片付いたか。じゃあ私に付いてきなさい」
次は説教と言った所ですか。
254マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:16:02 ID:IilrHK/D
僕は岡部先生に連れられるまま、職員室へと連行されて、職員室の奥にある個室に送られて、椅子に座るよう命じられました。
岡部先生は
「少し待ってなさい」
と言い、席を後にしました。
しかし、気掛かりな事があります。僕が気を失う少し前に朝倉涼子が言っていた。
『あなたを殺して涼宮ハルヒの出かたを見ようと思った』
もしかして彼女は涼宮ハルヒの存在を邪魔と感じる者なのでしょうか・・・。
だから涼宮ハルヒを守ろうとする僕の命をまず最初に狙った。というのはどうでしょうか。
いや、でも彼女はさっき僕を消そうと思えば、消すことは容易だったハズです・・・。
悔しいですが、彼女の力は僕の力を完全に凌駕していると言ってもいいでしょう。
なのに、なぜ?

それに、最後に口にした
『もっと大胆にやらなくちゃダメよね』
というのも気掛かりです・・・。

ん?先生が戻ってきました。どうやら、自問自答タイムは終わりのようですね。
255マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:17:16 ID:IilrHK/D
「ねぇ古泉君、一体どうしちゃったの?」
「佐藤先生」
「岡部先生から聞きましたよ?教室の机や椅子をメチャクチャにしたって・・・」
「はあ、大変申し訳ありませんでした」
「古泉君も何か悩み事あるの?あるなら、物に当たったりしないで、相談するようにしなさい。わかりましたか?」
そんな説教を聞かされ、僕はやっと解放されました。
しかし解放されたからと言って、気を抜くわけにはいきません。
涼宮ハルヒは朝倉涼子に命を狙われているやも知れません。
「五時か・・・」
きっとこの時間ならまだ部室にいるハズです。
僕は急いで部室まで走っていき、ドアを開けました。
「遅かったじゃない!古泉くん!」
良かった。まだいるようですね。
「バイトが急になくなりましてね。戻ってきました」
「バイト?そんなの聞いてないわよ!いくら古泉くんでも嘘はいけないわよ!」
「いえ、嘘ではなく・・・」
そうか、これも朝倉涼子が改ざんしたと言うのですか。
どうやら涼宮さんの話しによると、情報改ざん後の僕は、何も伝えずに部室に来なかった。との事でした。
おかげで、涼宮さんの罰ゲームを受けることとなってしまいました。困ったものです。
256マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:18:22 ID:IilrHK/D
しかし朝倉涼子、涼宮ハルヒにまで影響を与えるとは厄介な相手だ。

僕はしばしの間ですが、オセロを楽しんで帰りました。
しかし、還り際に長門さんが話し掛けて来ました
「朝倉涼子は私と同じ存在。しかし、私と思想は異なる。今は私には干渉してこないがこれからも注意は必要」
「と、言いますと?」
「朝倉涼子の情報操作の巧妙さは異常。私も気付くのに時間を要した。彼女の力は未知数」
「わかりました。気をつけます」

僕は家に帰りずっと考えていました。朝倉涼子の事を・・・。

次の日、僕は少し遅れて登校するとクラスはひどい状態になっていました。

「あんた達、いい加減にしなさいよ!」
「あ?テメェらがいい加減にしろよコラ!」
「君達落ち着きたまえ、そんな事をする暇があったら、勉強でもしたらどうだね」
それは、女子グループ、不良グループ、優等生グループが入り乱れ争っていました。
「あ、古泉くん!ちょっとこいつらどうにかしてよ!」
桜井さん達が僕のほうへ向かってきました。
「もう、さっきから山崎と西田達がうるさいのよ!それに、赤堀達まで因縁つけてくるし!」
おっと、これは皆様にもお教えせねばなりませんね。
257マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:19:56 ID:IilrHK/D
山崎と西田は猿島と山石の手下です。猿島と山石がいなくなった今、
どうやらこの二人が不良グループを仕切っているようですね。

それと、赤堀というのは、生徒会にも所属していて、学級委員長で頭脳明晰。
簡単に言うとガリ勉君って所でしょうか。

さて本題に戻らせていただきましょう。
「桜井さん、どうか落ち着いてください。僕は今来たばっかりなので状況がよく把握できません」
どうやら桜井さん達の話しによると、桜井さん達が楽しく談笑をしていると、いきなり山崎達が因縁をつけてきたそうで、
感じが悪いので言い返したら、どうやら激しい言い合いとなり、
それに腹を立てた赤堀達がつっかかってきた。
との事です。
はっきり言わせてもらうと、このクラスは以前よりまとまりが無くなっています。
朝倉涼子には困ったものです。

しかし、桜井さんの頼みとあらば、無視する訳にもいきませんね。
諸悪の根源は山崎と西田率いる不良グループです。まずは彼らを諌めるとしますか。
「すいません山崎さん達、ここは手を引いてもらえませんでしょうか?これ以上争っても仕方ありません」
「あぁ?なんだ古泉!テメェオレ達のパシリのクセに盾突くってのか?」
258マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:20:57 ID:IilrHK/D
一体これはどういうことでしょうか?皆目検討がつきません。
「すいません。あなた方のおっしゃる意味がよく理解できません」
「ハァ?テメェふざけんなよ!」
西田はいきなり僕の胸倉を掴んできました。
「いや、ふざけるな。と言われましてもこちらには何がなんだか」
まったく、朝倉涼子には本当に困らされるばかりですよ。
「ちょっと!古泉くんに何て事するのよ!」
桜井さん達が騒ぎ立ててきました。
「ちょっと君達いい加減にしてくれないかな!」
「そうだ!これじゃ予習も出来やしない」
赤堀達は参考書を見たまま文句を言ってきました。
「何だコラァ!ガリ勉野郎はすっこんでろよ!」「テメェらは勉強の事しか頭にねぇのかよ!あ?」
赤堀達は席を立ち、こちらに向かってきました。
「君達みたいな野蛮な奴らに言われたくないけどな」
「そうだ、大体君達は進級出来るのかい?一年目でいなくなるなんて事しないでくれよな」
このような状態では、さすがの僕でも手に負えません。
「あなたたち、何やってるんですか!予鈴はとっくに鳴ってますよ!」
そう怒鳴りながら佐藤先生が入ってきました。
どうやら僕たちは騒ぎ過ぎたあまり、予鈴が聞こえなかったようですね。
259マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:21:58 ID:IilrHK/D
やはり授業はまるで授業になりませんでした。
むしろ状態はさらに悪化。不良グループはまるで小中学生の保健体育の時間のような騒ぎぶり。
それを女子グループが怒鳴りつける。
だけならまだいいのですが、ガリ勉グループがさらに煽って状態を悪化させる。
しまいには隣のクラスの教師が怒鳴りつけに来る始末。
これでは学校に来る意味がまったく皆無と言えるでしょう。

昼休み、山崎達が話し掛けて来ました。何を言うのかと思ったら。
「おい、これでジャムパン買ってこい」
「俺は焼きそばパンな。ほらよ」
一体五十円と十円で、どんなパンを買えと言うのでしょうか。
「すいません、少々料金が足りないようなんですが」
「あ?足りない分はテメェが出すんだよ!」
「ほら、わかったらとっとと買ってこいよ!」
「と、言われましても足りない分を補う余裕は、僕にはありませんよ。」
まったくこの人達は何を考えているのやら。
「そんなん知るかよ!買って来いって言ってんだろ!」
「あんた達!また古泉くんに因縁つけてるの!」そう言って桜井さん達は再びやってきました。
260マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:23:19 ID:IilrHK/D
「古泉君に一体何やってるのよ!」
「あんた達!古泉くんに変な事しないでよ!」
心配してくれるのは結構なのですが、もう少しボリュームを下げて言ってもらいたいものです。
でないとまた彼らが。
「ドンッ!」
机を叩く音が聞こえたかと思ったら、赤堀達が山崎達や桜井さん達に再び言い寄って来ました。
だからこうなると・・・。
「君達が騒ぐせいで、復習も出来やしない!うるさいんだよいい加減!」
今までの赤堀からは信じられないような見幕でした。
「あ?テメェよ、何かありゃ勉強勉強ってウルセーんだよ!」
「だいたいなによあんたら!少し頭がいいからって調子に乗ってるわけぇ?」
このクラスにはまるで統制と言うものが無いですね。
「オイ!古泉!ボケッとしてねぇではやくジャムパン買ってこいよ!」
「ですから、足りないと何度言えば・・・」
この人達には融通という物が通じないのでしょうか。
「古泉くん、こんな馬鹿ほっといてご飯食べに行きましょ」
「えぇ、それなら」
「は?古泉テメェオレ達を裏切るってのか?オイ!」
「裏切るも何も僕はあなたたちとは」
「は?ガタガタ言ってんなよ!テメェはパシリらしくはやくパン買ってこいよ!」
261マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:24:23 ID:IilrHK/D
昼休みはこんな事の繰り返しでした。おかげで食事にもありつけませんでした。

午後の授業中も相変わらずです。
消しゴムやシャーペン、定規は空を飛び交い、卑猥な音声がケータイを通して響き渡り、
週刊誌の切り抜きで折ったと思しき紙飛行機が宙を舞う。
しまいには先生に向かって罵声を浴びせる始末です。
さすがに空腹状態の僕には結構応えます。
数学の先生は授業が終わる20分前に出ていってしまいました。
これでは、このクラス全員の進級も危ぶまれる事態になりかねません。

そうこうしているうちに、ホームルームが終わり。僕はいつものように部室へと足を運びました。
「皆さん、お揃いですね」
いつものように挨拶を交わし、朝比奈さんから頂いたお茶を飲み、オセロをして皆で帰る。

僕は帰り道、長門さんにこっそり話し掛けました。
「朝倉涼子の件なんですが・・・」
「朝倉涼子は依然沈黙を保っている。私にはまだわからない」
「そうですか」
「でも、もしかしたら・・」
長門さんは、わずかに不安そうな声で呟きました。
「もしかしたら、なんですか?」
「いや、恐らく勘違い。心配しなくていい」
「そう、ですか・・・」
262マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:25:37 ID:IilrHK/D
しかし、あの長門さんが一瞬見せた不安そうな表情。きっと何かあるハズです。

「オイ、お前達さっきから何をコソコソ話してんだ?」
「いえ、ちょっとした世間話ですよ。そう言えばあなたのクラスに、朝倉涼子という女子がいますよね?」
「ああ、いるがどうした」
なんとかして情報を入手出来ないものですかね。
「僕のクラスに朝倉さんを好きだ。と言う人がいましてね」
「ふーん。そうかよ」
つれない表情ですね。
「どんな人なのか聞いてくれ。と頼まれまして」
「ま、普通の面倒見がいい女子かな。女子でハルヒに話し掛けてるのアイツくらいだしな」
涼宮さんに話し掛ける?
「一体どんな事を話し掛けてるのです?」
「知るか、俺は他人の話を盗み聞きするほど落ちぶれちゃいねーよ」
「それもそうですね。失礼しました。所で朝倉さんと涼宮さんは仲がよいのですか?」
「どうだろうな。あんまいいとは言えんな、ハルヒは朝倉が話し掛けてもシカトしてるし」
どうやらこれ以上、朝倉涼子の情報は聞き出せそうにありませんね。
「そうですか、わかりました」
「それだけでいいのか?でもな、その男子には悪いが、朝倉は止めといた方がいいぞ」
「と、申しますと?」
263マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:27:34 ID:IilrHK/D
「あいつは男子から人気が高いからな。俺の知り合いは、AAランク+の女だと言ってたし」
確かにそれは言えてますね。さすがの僕でも彼女の端麗な容姿に惚れ惚れしてしまいました。
「あなたはどうお思いなのですか?」
「うっさい、知るか!」

僕らはいつもの場所で別れ、それぞれの家路につきました。

一体朝倉涼子の目的は何なのでしょうか?
長門有希ですら気付くのに時間を要した朝倉涼子による情報操作。
しかし、僕は最初からそれに気付いていた。いや、気付いていたと言うより
まるで僕だけが、その対象から除外されたかのように、その情報操作の事実を知っていた。
朝倉涼子にとって、僕は邪魔でしかない存在のハズ・・・。対象から除外するメリットは何も無いハズです。
それとも僕は、朝倉涼子にとって戦力外の存在。という事なのでしょうか。
だとしたら、僕も相当ナメられたものですね。

それに、涼宮ハルヒへの積極的な接触。もしかして僕の仮説は間違いだったのでしょうか。
朝倉涼子の目的は涼宮ハルヒの抹殺ではなく、何か別にあると言う事なのでしょうか?

それと、長門有希が言いかけたあの言葉の続きは一体何だったのでしょうか。
264マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:28:44 ID:IilrHK/D
これ以上考えてもラチが開きそうにありませんね。今日はもう寝るとしますか。

次の日も、僕は渋々ながらも登校しました。
下駄箱に靴を入れ、上履きに履き変えた途端、赤堀達がやってきて僕を連れ出しました。
「古泉、ちょっと一緒に来てくれ」
この方々からは想像できないような行動に、少々戸惑ってしまいました

僕は、トイレの中に連れられてしまいました。
「一体何のつもりでしょうか?」
「なんのつもりか。だって?それはこっちのセリフだ古泉」
どうしたのでしょうか、クラスにいるときの赤堀とはまるで形相が違いますね。
「お前のせいでクラスがますますダメになったんだよ!」
「そう言われましても困ります。なぜ僕のせいなのでしょうか?」
「お前が来たせいで、クラスの風紀が乱れてきたんだ!お前はよく知らないだろうがな!」

確かに、僕が来る前のこのクラスの雰囲気は知りません。そこは認めましょう。
しかし、僕がこの学校に転入して来てからずっとこのクラスは変わらない気がしますが。
ま、それは情報操作前の事なので、あえて言いはしませんでしたが。
情報操作後の僕が、一体どのようにしてここでの学園生活を送って来たかは知り得ませんが・・・。
265マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:30:08 ID:IilrHK/D
少なくとも、クラスメイトからの僕への対応からして、
情報操作前と酷似した生活を送って来たと見えるのですが。ま、この件とパシリの件は例外としてですが。

「そこでだ、我々は貴様に制裁を加える事にした」
「制裁。と申しますと?」
しかし、こんな所でコソコソ制裁を加えるのには、さすがに納得いきませんね。
「貴様には少し苦痛を味わってもらう」
そう言って赤堀達は、デッキブラシを持ち出し、僕に向かって突き付けてきました。
「いきなりなんです?」
「制裁だ。味わうがいい!」
僕は彼らのデッキブラシによる突き攻撃を避け続ける。
しかしこのままでは体力が持ちそうにはありません。
「見よ、あのお方から頂いた驚異の力を!」
あのお方!?
「グハッ・・・」
僕は赤堀が発したあのお方と言うキーワードに気を取られ、
彼らの突き攻撃をもろに食らってしまいました。
「貴様はこれを機に、少しは大人しくする事だな」
「待ってください・・・あのお方・・というのは・・・朝倉涼子の事なのですか・・・?」
「フン」
彼らは鼻で笑い、去って行ってしまいました。

あのお方とは朝倉涼子で間違いなさそうですね。
266マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:31:09 ID:IilrHK/D
やはり僕は、朝倉涼子にとって戦力外の価値でしかない、
直接手を下すまでも無い存在だったと言う事なのでしょうか?

「クソッ!」
僕はガラにもなく怒ってしまいました。
しかし、役に立たない自分の事を振り返ると、情けなくて仕方ありませんでした。
あの時に少しでも余力があれば、朝倉涼子と刺し違える事が出来たかもしれないのに・・・。

僕は、体を引きずるように教室ヘ向かいました。
教室は昨日と同じような光景が繰り広げられていました。
しかし、今回は桜井さん達には話し掛けられませんでした。
僕はそのまま席に向かい、腰を降ろしました。

一時限目の授業中、僕はいきなり山崎達に絡まれてしまいました。
「オイテメェ!さっきは俺達に挨拶もしねぇで通り過ぎるとはどういう事だコラ!」
「申し訳ありませんでした。お詫び致しましょう。 しかし、今は授業中ですよ?絡むなら休み時間にお願いします」
「は?授業?なんだそりゃ!テメェ調子のんなよ!」
困った人たちですね。今はこんな事をしている場合では無いと言うのに。
「残念ですが、今はあなた方に構う余力は、肉体的にも精神的にもありません」
「テメェ!イキってんじゃねぇぞ!」
267マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:32:10 ID:IilrHK/D
「そんなつもりはまったく無いのですが。ともかく今は授業中です。お引き取り下さい」
「は?テメェ誰に向かって口利いてんだよ?オイ!」
「わかりました。相手なら休み時間にします。今、僕はいろいろと忙しいので」
「チッ、ダメだ。コイツやる気ねぇ。行くぞ西田!」
「古泉、後で覚えてろよ」
そう吐き捨て、彼らは授業中にも関わらず教室を出ていってしまいました。

今日はおかしいですね。本来なら桜井さん達が止めに来るハズなんですが・・・。
先生はいつもの事ながら、桜井さん達まで沈黙を保っているというのは少々気掛かりですね。
何かあったのでしょうか?

授業が終わり、僕は桜井さん達の所へ話し掛けに行きました。
「桜井さん達、おはようございます」
「・・・」
どうしたのでしょうか、いつもなら明るい笑顔で返事をしてくれるのですが・・・。
仕方ありません。席に戻りますか。

午前中の授業は珍しく静かでした。
何故なら、不良グループはあのまま帰ってこなかったからです。
久方ぶりの授業と言える授業に満足している場合ではありません。
僕を無視する桜井さん達、この事態も看過できる問題ではありませんね。
268マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:33:12 ID:IilrHK/D
これも朝倉涼子の仕業だと言うのでしょうか。それともただ単に僕は・・・。
しかし、僕を無視する桜井さん達は、どこか苦心に満ちた表情を浮かべているようでした。
それとも、これも僕の思い過ごしなのでしょうか。

僕は平穏な昼休みを送ることができましたが、僕の心は穏やかではありませんでした。
問題は増えていくばかり。これでは、僕も心が滅入ってしまいます。

午後も彼らは授業には戻って来ませんでした。
午後の授業も静かに過ごすことが出来ましたが、僕の心は曇り模様。
授業の内容もまるで入りませんでした。
これなら、いつものほうがまだ落ち着きます。

ホームルームも終わり、僕はいつものように部室に向かう途中、後ろから誰かに肩を叩かれました。
振り返ってみると、桜井さんがそこにいました。
「ごめんなさい」
そう言って桜井さんは、目に涙を浮かべて走り去って行ってしまいました。
「桜井さん・・・」
僕はそこに立ち尽くす事しか出来ませんでした。

「あれ、古泉くんじゃない!」
その声の主は涼宮さんでした。
「ああ、涼宮さんですか。今日はお一人ですか?」
「あいつなら先に行ったわよ。あいつ今日なんだかおかしいのよ」
269マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:34:10 ID:IilrHK/D
「どうかしたのですか?」
「なんかねぇ、朝っぱらからずっとソワソワしてるのよ。気持ち悪いったらなかったわ。
 それより、古泉くんはこんな所で何してたのよ?」
「いえ、何でもないですよ」
「そ、じゃあ行きましょ!」
僕らは談笑をしながら、部室へと行きました。

どうやら、涼宮さんの言ってた事は本当のようですね。
「おう古泉、オセロでもしないか?」
「ええ、いいですよ」
僕は定位置に座り、いつものようにオセロをする事にしました。
「おい古泉。なんか悩み事でもあるのか?」
「そういうあなたも、何かあるのですか?さっきからずっと落ち着かないようですが」
「いや、何でもないぞ」
「僕もですよ」
「そうかよ」

僕らは再びお茶を飲みながらオセロを続ける。
一時間ほどたった頃でしょうか。彼は突然口を開きました。
「やべ、忘れ物した。おいハルヒ、ちょっと取りに行ってくるぞ」
「あっそ、早く戻ってきなさいよ!」
「お、おう。わかってるって」
そう言って出ていってしまいました。
仕方ありません一人でやりますか。

それから十分くらいでしょうか、長門さんも席を立ちました。
「有希、どこ行くのよ?」
270マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:35:15 ID:IilrHK/D
「図書室」
「そう、あんたも早く戻ってきなさいよ!」
なぜか僕に不安が募り始めました。
それは今までには感じた事の無いような不安でした。
一体何なのでしょうかこの感覚は・・・。

「てかあのバカ遅いわね。何やってるのよ!ねぇ、みくるちゃん古泉くん!」
「キョンくんどうしたんでしょうかぁ」
「ええ」
ダメだ、さっきからこの感覚が納まりません。
「アッ!!!!!!!!」
僕の頭部に閃光が走った感覚がしました。
「どうしたのよ古泉くん?」
「一体どうしたんですかぁ?」
こうしてはいられません!このままでは・・・。
「すいません。僕も少々席を外します」
僕は急いで走りました。
向かうは唯一つ、一年五組。恐らく二人が向かったであろう場所。

僕は必死で走り教室まで向かいました。
「なんですかこれは!?」
一年五組は時空が湾曲し、外界からの侵入を許さない未知の領域と化していました。
やはりただ者ではありませんね・・・。
しかし、僕も超能力者のはしくれ、ただ見ているだけではありません。
271マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:36:10 ID:IilrHK/D
時空が曲がっているなら、こちらからその捻れを戻すだけ!
「うおおおおおお!!時空よ、マッガーレ!!!!」
僕は渾身の力を振り絞り、その未知の領域の中へと侵入しました。

「な、なんですかここは!?」
そこは、外部よりも時空の捻れが複雑でした。まさしく、未知の領域と言えるでしょう。
「あら、余計なのがもう一人来ちゃった」
朝倉涼子。やはり彼女はそこにいました。
「ま、小さな異物だから別にいいわよね。ねぇ長門さん、いつまでそうしていられるかしら」
長門さんは朝倉涼子の攻撃を防ぎきるので手一杯のようです。
防戦一方とは、まさにこの事ですね。
「逃げて・・・」
長門さんは、朝倉涼子の攻撃をなんとか防ぎながらも、僕に言ってきました。
「こ、古泉。なんでお前がここに!?」
「あなたを助けにきたんですよ。それと長門さん、僕も逃げる訳にはいきません。共に戦います」
朝倉涼子は長門さんへの攻撃の手をやめ、僕に話し掛けてきました。
「助けに来た?あなたが?どう見ても強そうじゃないけど」
「甘く見てもらっては困ります」
「まあ、ここに入って来れた事は褒めてあげるわ。でも、あなたはあたしには勝てない」
272マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:37:12 ID:IilrHK/D
やはり、僕は戦力外だったという訳ですか。
しかし、ここまで来たからには引き下がる訳に行きません。
「それはどうでしょうか」
「やってみる?じゃあ、まずはあなたから始末してあげる」
易々と言ってくれますね。
「長門さんとキョン君、あなた達を始末するのは、これが終わってからにしてあげるわ」
朝倉涼子は何やら呪文を唱え、椅子を槍のような形状にして投げてきました。
「クッ・・・。なかなかやりますね」
間一髪と言った所でしょうか。槍は僕のすぐ横をかすめていきました。
「次は当てるわ」
無数の槍が飛んでくる。僕はそれを必死で避けきりました。
「逃げてるだけじゃ、私には勝てないわ」
「どうでしょうか?ふんもっふ!!」
「逃げてただけじゃないのね。でも無駄」
僕の●攻撃はたやすく弾かれてしまいました。
「まだです!!」
僕はさらに攻撃を加えました。
「だから無駄なの。ねえ、諦めてよ、結果はどうせ同じ事になるんだしさあ」
僕の攻撃を表情一つ変えずに弾く、長門さんが注意しろと言ったのも頷けます。
「どうしてあなたもこの人間を守ろうとするの?あなたも涼宮さんの新たな情報が手に入らないままじゃ、つまらないでしょ?」
273マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:38:21 ID:IilrHK/D
「確かにそれはあります・・・。」
「でしょ、だからこの人間を殺すのが涼宮さんから新たな情報を入手するための一番の近道なのよ」
よく平然とした顔でこんな事が言えますね。僕には理解しかねます。
「でも僕は、仲間を犠牲にしてまで情報など欲しくはありません・・・。彼らは、僕のかけがえのない仲間なんです!!!」
「そう、じゃあ死んで」
再び無数の槍が僕に向かって凄い勢いで飛んでくる。恐らく槍の数はさっき以上でしょう。
どうやら避けきれそうにありません。受けきるしか手は無いようですね。
「マッガアッーレ!!!!!」
僕は力を振り絞り、槍の進行方向を屈曲させる。
しかし、力及ばずで幾つかの槍は僕の体にかすり傷を負わせる。
僕は地面に倒れてしまいました。
「やれば出来るじゃない。でも、それだけの力じゃあたしには勝てないわ」
またも平然とした顔で朝倉涼子は言ってきました。
これでは勝利はほぼ絶望的です。なら、
「一つだけ聞いてよろしいでしょうか?」
「何?冥土の土産が欲しくなったの?別にいいわよ」
僕も馬鹿にされたものですね。まあ、この状況なら仕方もありませんが。
274マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:39:26 ID:IilrHK/D
「なら聞きます。何故僕だけを情報操作の対象から除外したのです?」
その時、僕は初めて朝倉涼子が困惑した表情を見ました。
「あなた、何を言ってるの?」
ん?以外な返答ですね。
「僕はあなたの姿を他で一度見ました。現実空間では無い場所で」
朝倉涼子はさらに困惑した表情になりました。
僕は再び話を続けました。
「僕はそこで二人の生徒があなたによって消滅させられるのも見ました。そう、猿島と山石です」
朝倉涼子はやっと口を開きました。
「どうしてあなたがその事を?あなたの事もあたしがちゃんと操作を行ったハズなのに・・・」
どういう事でしょうか、僕への情報操作の除外は、朝倉涼子が故意にやったのでは無いのですか。
「赤堀を使ったのもあなたでは?」
「赤堀?そんな人間知らないわ。あなた、何を言ってるの?」
一体どういう事です?何を言ってるのかは、むしろ僕が聞きたいです。
「なら、一体誰が?」
「あたしは知らないわ、あそこの死に損ないがやったんじゃなくて?」
朝倉涼子は長門さんを指差して言いました。
「違う。私では無い・・・」
275マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:40:45 ID:IilrHK/D
長門さんはかすれた声で言い返しました。
無表情のままでしたが、その声からは長門さんも限界に近いのがヒシヒシと伝わってきました。
「ふーん。でもいいわ。どうせあなた達はここで死ぬんだし。お遊びはもうおしまい、今すぐ死になさい」
「ウッ・・・」
体が動かない!?これではどうする事も出来ない・・・。
「やっぱりあなたはあの時殺しておけば良かった。私の判断ミスね。じゃあ、今度こそ死になさい」
朝倉涼子の両腕は光る触手と化し、僕に目掛けてその触手がうねりながら高速で接近してきました。
さすがに今回ばかりは助かりそうにありませんね・・・。
二人共すみません。どうやら僕はここまでのようです・・・。

光る触手が僕の体を貫こうとしたその刹那、僕の前方を光り輝く何かが覆いました。
「うわっ!!」
僕はその光り輝く遮蔽物の爆発の衝撃で吹き飛ばされました。
僕の周囲には激しく砂ぼこりが舞い、視界を遮っています。
「古泉ぃー!!」
僕の名を叫ぶ声も聞こえました。
砂ぼこりは徐々に薄れ、視界が回復し、人影が二つ見えました。
一方は朝倉涼子の物で間違いない。しかし、もう一方は誰の物でしょうか・・・。
276マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:41:44 ID:IilrHK/D
確実に長門さんの物では無いようですね。
砂ぼこりは完全に消え去り、もう一方の様相が完全に解るようになりました。
若葉色の髪、少し天然パーマのかかったロングヘアーの女性。
一体誰です?

「どうしてあなたが?」
最初に口を開いたのは朝倉涼子でした。続けて新たに現れた何者かが口を開きました。
「あなたを止めに来ました」
「でも喜緑さん、あたしはあなたの命令通りに動いただけよ?」
この女性は喜緑さんというのですか。
どうやらこの会話を聞く限り、仲間ではなさそうですね。
しかし、何故僕を守ったのでしょうか?
「私が命じたのはあそこの人間の消去だけです。こちらの人間には手を出してはいけません」
「あたしはそんなの聞いてないわ」
「今言いました。ですのでこれに手を出すのはやめてください」
「どうして?この人間を消したって一緒じゃない。それどころか涼宮さんからは、
 計り知れない程の情報フレアが観測できると思うんだけどなあ」
仲間割れでしょうか。
しかし何故彼女は僕を守るのでしょうか。
賛同は出来ませんが、朝倉涼子の言う通りだと思うのですが・・・。
「これは私の観測対象でもあります。素直に命令に従ってください」
277マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:42:38 ID:IilrHK/D
「嫌だと言ったら?」
「命令違反として、あなたの情報結合を解除することになります」
「やってみる?ここはあたしの情報制御空間。たとえあなたが相手でも、ここではあたしが有利よ」
「それはどうでしょうか?」
喜緑さんはそう言って朝倉涼子のほうへと手を向けて、呪文を唱え始めました。
朝倉涼子も無数の槍を喜緑さんに向かって飛ばしました。
無数の槍が喜緑さんに当たるか当たらないかの所で、槍は一気に光りの粒と化しました。
そして次の瞬間朝倉涼子も足元から光りの粒へと化していきました。
「やっぱり無理だったか。勝てると思ったんだけどなあ」
朝倉涼子は光りの粒になる直前に
「よかったね二人とも、延命できて、でも喜緑さんは見ての通りあたし以上に強いわ。気をつけてね。それじゃ、またね!」
と、言葉を残して消え去りました。
確かに朝倉涼子を一瞬で消し去った喜緑さんは何者なのでしょうか。
僕を狙わないのはわかっていますが、恐怖からか体が動きません。
それに、彼女が次に命を狙うのはおそらく彼。
彼もまた、僕と同じようにすくんでしまっています。
彼女はこちらを振り返りました。
278マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:43:50 ID:IilrHK/D
「申し遅れました。私は喜緑江美里です」
僕は恐怖心を必死で隠し、尋ねました。
「次は彼を消すつもりですか?」
「安心してください。キョン君でしたっけ?彼はもう狙いません」
僕と同じように彼もまた、安堵の表情を浮かべました。
「そうですか、それはありがたいです。それとあと一つ質問をしてもよろしいですか?」
「ええ、どうぞ」
「あなたは僕を観察対象にしていると言っていましたね。それは何故です?」
彼女は坦々と説明しだしました。
「私は、人間ながらも特殊な能力を持つあなたに興味を抱きました。丁度、あなたと朝倉涼子が初めてコンタクトした時から」
「そうですか」
彼女はさらに説明を続けました。
「私は、朝倉涼子が情報操作を行った後、すぐにあなたへの情報操作の解除を行い、様子を見ることにしました」
そうだったのですか。だから僕には情報操作の影響が無かったのでしたか。
「そして私はそのままにするのでは、より多くの情報が得られないと思い、あなたのクラスに少しだけ情報操作を行いました」
あそこまで荒れてたのはそれだったのですか。しかし、あれは少々やりすぎの気が否めませんが・・・。
279マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:45:11 ID:IilrHK/D
「そして、より短期間であなたの情報を得るために、赤堀君達を使い色々と行動させました」
そうか、あのお方というのは朝倉涼子でも長門有希でもなく、喜緑江美里。あなただったんですか。
それに桜井さん達が僕を無視していたのは赤堀達の仕業でしたか。
「おかげでいろいろとあなたの情報を得る事が出来ました。感謝しています」
喜緑さんは深々と僕にお辞儀をしてきました。
「ちょっと待って下さい。山崎や西田達が途中で帰って来なくなったのもあなたの仕業ですか?」
「それは違います。彼らは学校を抜けだし、パチンコ屋等で遊んでいるハズです。おそらく今も」
「そうですか・・」
「長門さん」
喜緑さんは長門さん達のほうへと歩いていきました。
「やはり、あなたが」
長門さんは坦々とした口調で喜緑さんに話し掛けました。
僕も急いで長門さん達のほうへいきました。
「古泉、やっぱお前も列記とした超能力者だったんだな」
「ええ、信じてもらえましたでしょうか?」
「ああ、充分にな」
「ですが、僕の力はまだ隠されています。いずれすべてお見せしましょう」
280マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:46:13 ID:IilrHK/D
「そうかよ。まあ、ありがとな」
「いえ、それほどでも」
僕らは握り拳同士を軽くぶつけ合いました。
「おい、長門。それと喜緑さんでしたっけ、朝倉の件はどうするんです?」
彼は二人に質問しました。僕も少々気にかけていたので、返答に耳を傾けることにしました。
「彼女の事は情報操作を行い、いなかった事にする」
「そうなか・・」
彼は少し残念そうな表情をしていました。
「ええ、長門さんの言う通りです。でも、あなた方には情報操作をしない事にします」
「なぜです?」
「ふふ」
喜緑さんは笑ってごまかしました。
「てか、喜緑さんとやら、あなたはあなたは俺たちの敵なんじゃ?」
「そうでしたが、停戦協定を結ぶ事にしました。少し興味を持ってしまいまして、とくに古泉君に」
そう言って喜緑さんは僕を見て笑みを浮かべました。
「そうですか。それは誠に光栄です」

「そろそろこの空間の情報結合を解除し、もとの空間に戻す」
「そうですか、お願いします」
「わかった」
長門さんがそう言った瞬間。情報空間は光りの粒のようになって徐々に消えていきました。
「これはちょっとしたスペクタクルですね」
「ああ、そうだな」
281マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:47:33 ID:IilrHK/D
気付いたら僕たちは、教室に横たわっていました。
クラスを見回しても二人はいませんでした。
そう、いるのは彼だけでした
僕は彼の隣に屈み込み、肩をゆすって言葉をかけました。
「起きてください。大丈夫ですか?」
彼はうっすら目を開け周りを見渡しました。
「おお、古泉か。そういや長門と喜緑さんは?」
「さあ、どこに行ったのでしょうか、僕にもわかりません」
すると、ドアを開ける音がしました。
「ちょっと二人とも!有希から聞いたわ・・・」
教室のドアを開けてきたのは涼宮さん達でした。
しかし、どうして固まっているのでしょうか?
「キャー!!!アンタ達サイテー!!!」
「ふたりともそんな趣味がぁ・・・」
「・・・」
SOS団三人娘は走ってどこかへ行ってしまいました。
「おい待てハルヒ!!朝比奈さんまでー」
「皆さん騒いで一体どうしたのです?」
「これは悪夢だ・・・」
本当にどうしてしまったのでしょうか。

僕らは一先ず部室に戻る事にしました。
部室に入った瞬間、三人娘の痛い目線が僕らを突き刺しました。
遅れたからと言ってそこまで怒らなくてもいいではないですか・・・。
彼は涼宮さん達に必死に弁解していました。
282マッガーレ!スペクタクル2 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/12(月) 21:48:37 ID:IilrHK/D
何とか許してもらえたのか、彼女たちは機嫌を戻しました。
しかし、僕らは次の市内散策の時に、涼宮さん達に昼食をおごる事になりました。
まあそれもいいでしょう。
僕らは揃って帰りました。

次の日、クラスは元通りとなり、皆の笑い声が響いていました。
いつものように桜井さん達と話して過ごしたり、友と話して過ごしたり。
授業中は少々うるさいですが、あの時に比べれば全然かわいいものです。
山崎や赤堀達も理不尽に僕に絡む事も無くなり、平穏な生活が戻ってきました。
やはり平和がいいものですね。

END
283名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 22:08:03 ID:un4g1S+f
乙&GJ!
「アッ!!」と「時空よマッガーレ」と
えみりゅん登場で不覚にも吹いたwww
284名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 22:10:54 ID:UQ915wYH
最初シリアス展開かと思っていたがやっぱりやってくれたなwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
乙。面白かったwwwwwwwwww
285名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 22:32:23 ID:39PmXk22
GJwwwww
古泉スキーとしてはめがっさオイシかったwご馳走さマッガーレwww
286名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 22:46:52 ID:z2mRUvSv
GJ!!!!!
タイトルを見て吹いてしまった俺ガイル
287名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/12(月) 23:50:06 ID:3i4hagDa
寝る前に素晴らしいのを読ませてもらった!!
GJ!!
288いじめカッコ悪い:2007/03/13(火) 02:13:53 ID:XJaW86nq
今なら投下しても大丈夫ぽいクマー
てなわけで、「涼宮ハルヒの孤独(悲哀)」(なんか孤独が定着してるから)のハッピー?エンドです。
何人かに、見たいと言ってもらえたので投下します。

場面は古泉がぶっ倒れたトコから。


はじまりクマー↓

古泉も朝比奈さんもぐったりして動かない。まさか死んだのか?
「心配しなくていいよ。眠ってるだけ。私の狙いはあなただけ。」
「俺が何だって?」
「あなたに死んでほしいの」
そう言う朝倉の手には、ナイフが握られていた。笑顔を崩さず、朝倉が俺との距離を詰める……ヤバイ、なんか知らんがコイツはヤバイ。
「フフフ。何で後退りしてるの?死ぬのが怖い?」
「キョンに近寄らないで!!」
不意にハルヒが叫んだ。
「逃げろ、ハルヒ、コイツ普通じゃない。」
「心配しなくてもいいわよ。涼宮さんを殺したりしないから。」
そりゃ、よかった。って全然よくねぇ。何で俺が殺されなきゃならない。
「あんた、頭どうかしてるわよ!!キョンに何かしたらタダじゃすまさないんだから!!」
「フフフ。私はその“タダですまない”に期待してるの。」
ハルヒの言葉に対し妖しく笑い、朝倉は腕を上げた。
その瞬間、SOS団部室が全く身に覚えがない空間に変わる。何だこりゃ?
「この空間は完全に私の制御下にある。もう逃げられないわよ。」
そう言って、ニッコリ微笑んだ朝倉が一瞬で俺との距離を詰め斬りかかる。
俺は思わず倒れこんだが、それが幸いし、朝倉の突進をギリギリでかわせた。
朝倉のナイフは俺の左腕をかすめ、制服を切り裂いている。
赤く血が滲んでやがる。冗談じゃない。
すげぇ勢いで突進した朝倉はそのまま、不思議な空間を数メートルほど進み止まった。
朝倉と距離ができてることを確認し、倒れている俺に、ハルヒが駆け寄ってきた。
「ハルヒ、離れろって!!」
お前まで巻き込まれたらどうするんだ。こいつはマジ危ないんだ。
「いや、いや、絶対いや。離れない。」
「バカ、早く逃げろ。どこかに逃げ道があるかもしれないだろ?お前まで死ぬことはない、だから…」
「だから何?あたしに逃げろって?
そんなの絶対嫌よ。あたしが辛かったときキョンは助けてくれたから、側にいてくれたから。
だから、あたしも逃げない。側にいるの!!」


涙を流しながら、そう強く叫ぶハルヒの言葉には迷いがなかった。
289いじめカッコ悪い:2007/03/13(火) 03:02:00 ID:XJaW86nq
「強いわね、涼宮さん。フフフ素敵だわ。」
相変わらずの笑みを浮かべながら、朝倉が近付いてくる。
「キョンを殺すなら、あたしを殺しなさい。」
そう言って、朝倉の前にハルヒが立ち塞がった。
「邪魔なの。」
そう言うと、朝倉はハルヒの顔の前に手をかざした。
「な、何?え?」
次の瞬間、ハルヒが消えた。
「ハルヒ!!」
「後ろよ。」
後ろには、目を閉じたハルヒが横たわっている。
「心配しなくてもいいって。眠っただけ。
あなたの最期の瞬間はちゃんと見せてあげるから…」
そう言うと、朝倉は再びこちらに向かって歩き始めた……
「じゃ、死んでね。」
朝倉が攻撃体勢に入った時、あのか細い声が聞こえた。


「そこまで。」


突如、朝倉に無数の槍の様なものが突き刺さった。朝倉の体から赤い血が吹き出した。
「!!」
「おまけ。」
その声に合わせ、無数の光が朝倉に降り注ぐ。光に周囲の空間が螺子曲げられているせいか、朝倉の姿が確認できない。
と、気付くと目の前に長門がいた。光の中から抜け出し、俺にナイフを向ける朝倉をシールドの様なもので受け止めている。
「まさか、あんなので私が倒せると思ったの?」
「思わない。」
「そいつを守りながら、私を倒せる?」
「無理。」
そう言うと、長門は俺の前から姿を消した。待ってくれ、俺にはシールドを張る力なんかねぇぞ、死んじまう……。
あれ?なんかシールドっぽいのに包まれてるな。長門のおかげか?
「成程。これで思いっきりできるわけ?」
「そう。」
そう言うと、長門は右手をふりかざした。無数の光が朝倉を突き刺す。
いいぞ、長門やっちまえ!!
「……まだ、終わりじゃない」
長門の言葉に反応するように、地面から巨大なツララのようなものが突きだし、朝倉を貫通する。
辺りを鮮血が赤く染める。
……あのー長門さん?やりすぎじゃありません?
「それだけ?」
朝倉の声だ。マジかよ!?死んだと思ったのに……。
朝倉が長門の方をみて笑うと全ての光の槍も、ツララも消えてしまった。
「所詮、あなたはバックアップ。空間を完全に制御した私を、殺すことなんて出来ないわ。」
「……」
あれだけ喰らったのに、ケロッとしてやがる。てか何なんだ、こいつら。
「サヨナラ、長門さん」
朝倉がウインクすると、青白い光が一閃、長門を貫いた。
続け様に、長門を光が襲い、長門の身体中から血が吹き出す。
「長門!!」
「 」
こちらを向き、何か言おうとした長門の頭に朝倉の腕がひかり、吹き飛ばした。
長門の首から噴水のように血しぶきがあがる……
俺を包むシールドが消えた。
朝倉が俺を見て嬉しそうに笑う。



「さ、次は貴方の番よ。」
290いじめカッコ悪い:2007/03/13(火) 03:23:08 ID:XJaW86nq
「な、長門?」
「無駄よ。完全に消したから。」
何なんだ?夢なら醒めてくれ、冗談ならやめてくれ。ちっとも笑えない!!
「フフフ、じゃ死になさい」
朝倉の手が、白く輝く。何か知らんが、確実にヤバイことだけは分かる……
ちくしょう、死ぬのか、俺……ハルヒ……




「そ、そんな!?どうして?」
覚悟を決め、瞑った目を開くと朝倉が消えていっている。何があったんだ?
「まさか、長門さんが!?……私が、彼女に負けるはずないのに……」
朝倉の姿はみるみるうちに消えてゆく。信じられない、何が起きてるんだ?
「フフフ、残念。せっかく計画通りだったのにな。よかったね、延命できて。」
朝倉の体はもう完全に消えてしまっていて、顔だけが辛うじて残っている……
「じゃあね、キョン君。」
そう言っていつもの笑顔を見せると、朝倉は完全に消え去った。
同時に奇妙な空間は、元のSOS団の部室に戻った。
部屋を見回すと、活動計画の書かれた黒板、机に椅子、ぐったりと倒れてる朝比奈さんと古泉、ハルヒ




そして、窓際で何事もなかったかのように本を読む
文学少女の姿があった。
291いじめカッコ悪い:2007/03/13(火) 03:46:15 ID:XJaW86nq
「朝倉涼子は完全に消滅した。彼女が利用していたナノマシンも全て消滅。」
「長門、無事だったのか?」
「朝倉涼子の制御下にある空間で、私が彼女を消去できる確率は限りなく0に近い。」
「でも、お前はあの空間にいただろ?」
「あれはコピー。崩壊因子を仕込んでおいた。スイッチは崩壊因子の消去。」
何言ってるのか分からないが、お前に助けられたことだけは分かるよ。
「ありがとな、長門。それから、お前の言うこと信じなくて悪かったな」
「いい。」
しかし、古泉はともかく朝比奈さんやハルヒは混乱するだろうな。だいたい消えちまった朝倉はどうするんだ?
「平気。涼宮ハルヒは何も覚えていない。朝倉涼子は転校したことにする。」
お前がするのか?
「そう。心配しなくていい」
お前がそう言うなら、安心だよ。



夕日が窓から差し込んでいる。長門が言ったとおり、ハルヒは何も覚えてないようだった。古泉は長門に礼を言ってたみたいだから、多分覚えてるんだろうね。
朝比奈さんはよく分からないが、とにかく皆無事だ。今でもどこか信じられないが、ホントによかった。てなことを考えてると、ハルヒの声が響く。
「こら、キョン!!今の聞いてた!?」
「わりぃ聞いてなかった。」
「はぁ?もう、時間がないのに!!」


赤く染まる教室で、声を弾ませるハルヒを見てると、さっきまでのことは夢みたいに思えた。
292いじめカッコ悪い:2007/03/13(火) 04:08:06 ID:XJaW86nq
あれからハルヒに対するイジメはすっかり姿を消してしまった。
長門は、あのイジメは朝倉の何とかマシンによる思考操作がどうのとか言っていたが、俺にはよく分からない。
でもハルヒが笑顔でいる、それが悪いことなわけない。
当然、あれからもSOS団は活動を続けている。毎日部室に集まり意味のない会議を繰り返す。週末は“土曜日”に皆で市内不思議探索。勿論未だに不思議は見付かっていない。



ハルヒに対するイジメが無くなり、ハルヒが毎日笑うようになった頃に、俺は改めて告白した。
何を言ったかなんて覚えていない、いつかと同じで自分の制御が効かなかったからな。



結果は俺とハルヒだけの秘密さ。





今日は日曜日。俺は朝早くから家をでる。



駅前広場につくと、こっちに向かって笑顔で手を振ってる人影がある。




「遅いぞーキョンー罰金ーー!!」
“そいつ”の最高の笑顔を見ながらつくづく思う。

まったく、いつから待ってるんだよ。




せっかくの日曜日


今日も市内探索


ハルヒと二人で……
293いじめカッコ悪い:2007/03/13(火) 04:11:37 ID:XJaW86nq
以上でハッピー版は終わりクマー。

なんか長門がやられる表現グロくて申し訳ない。


これがハッピー?

期待してたのと違う。

結局長門かよ。

という感想の方はなかったことにして下さい(;・ω・)
294名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 04:17:18 ID:AoHb1lYa
ん、ま、いいんじゃね?
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 04:18:51 ID:h+vT+p8T
素晴らしいっ!!
貴方は神か?
296名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 04:19:54 ID:qEd/Oj5F
GJ!!
俺には凄く良かったですよっ!
297名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 05:59:55 ID:v3tizyHO
(*´Д`)
ハルヒに禿げ萌えた。
長門好きとしても美味しい感じで。中間も趣があって好きだけどハッピーエンドもいいな。
乙ッガーレ&GJ!





それにしてもクマーさん、文章上手いなぁ…orz
朝倉が苛められるSS、投下しようか迷ってたけどもうちょっと頑張ってからにしよ…。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 06:07:39 ID:c3CBJZ89
【芸能】声優の平野綾さんが涼宮ハルヒ役を降板
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/livemarket2/1173626746/
299名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 06:58:56 ID:XJaW86nq
>>297
そ、そんなこと言わずに。是非朝倉様いじめのSSを!!お願い〜


朝倉様(*´Д`)ハァハア
300名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 08:33:52 ID:kxjejd85
>>293
良かったよwつぎはバッドエンドだよね?おもっきり鬱なやつをお願いしたいな。
301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 13:07:08 ID:gtNuHazr
俺がいない間に二人の神が降臨していたとは
どっちもGJ!楽しかった
次の神に期待
302名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 16:27:16 ID:EuPCEGzH
朝倉(*´д`*)ハァハァ!!
303名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 16:29:39 ID:EuPCEGzH
朝倉(*´д`*)ハァハァ!!
304ID:DPV5ODEB(オデ部):2007/03/13(火) 18:07:35 ID:EDG3ZEhY
ふぁ〜〜あ!やっと四時限目も終わったわ!
やぁ〜っと、お昼ね〜もうおなかペコペコ!!」

「あ、キョン!キョンてばっ!
ほら、見てこれ!お弁当が二つあるでしょ?
実はね…
………
……

今日はキョンの分のお弁当も作ってきたの!
朝の四時に起きて作ったんだからねぇ!
いい?キョン!絶対に食べなさいよね!
全部食べなかったら…死刑だから!!
そうだ!中身見せてあげる!」

パカ

「ほら!すごいでしょ!!」

「す、すごいでしょじゃねぇよ/////な、なんだよ、そ、そ、そのハートマーク!!」

「へっへ〜!かわいいでしょ〜〜!!大変だったんだからね、これ!
ま、それはともかくぅ〜
ハイ、キョン!いい?口開けて〜〜〜


あ〜〜〜ん

ほら、キョンあ〜〜〜ん

あ〜〜〜〜んして

ほら、早く!キョンったら!!

あ〜〜〜ん!
305ID:DPV5ODEB(オデ部):2007/03/13(火) 18:08:45 ID:EDG3ZEhY
「…はやく口開けなさいよ!箸、鼻につっこむわよ!!」

「や、やめろよ////み、みんなこっち見てるだろ/////」

「いいじゃない、別に!
ほら、いくわよ?いい?キョン?
覚悟を決めなさい!!さぁ、口開けて!キョン!!」


ア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン

パク!


「どぉ?どぉ!?おいしい!?」

「え、えっと…そ、そうだなぁ…」

「キョン!!おいしいの?おいしくないの?はっきりしなさい!!」

「お、おいしいよ!す、すごく…/////////」

「ホント!?よかったぁ〜〜!おいしくなかったらどうしようって思ってたから!!
でも、やっぱり私も自分で味みてみなきゃちょっと不安ね…
306ID:DPV5ODEB(オデ部):2007/03/13(火) 18:09:38 ID:EDG3ZEhY
と、言うわけで〜〜〜
はい、キョン!お箸とお弁当箱もって!しっかり持った?
大丈夫?いいわね?よし!!準備オッケー!!!!


あ〜〜〜〜〜〜ん


「ばっばか/////そんなことできるかよ/////」

「ちょっと、なによキョン!私を餓死させる気?
それに私があんたに食べさせてあげたっていうのに、
あんたは私に食べさせてくれないって言うの!?」

「お、おいハルヒ…お前声がでかいって…//////」

「うるさい!!いいから私の言うこと聞きなさい!!ほら、唐揚げでいいわ!
さっさと箸でとる!そして、あ〜〜〜〜〜〜んって言いながら口に持ってくるのよ!!
いい!?あ〜〜〜んが大事よ?あ〜〜〜んがっ!!私も一緒に言ってあげるから!!」

あ〜〜〜〜〜ん


(か、勘弁してくれ!はやく、せ、席替えはまだなのか!)


おわり
307名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 18:12:31 ID:v3tizyHO
ある意味苛めだなwww
だが羨ましい…。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 18:27:21 ID:qEd/Oj5F
これは谷口いじめに違いないw
GJ!!
309いじめかっこ悪い:2007/03/13(火) 18:47:10 ID:wM8P/Wxj
>>308
するどいww
310名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 19:13:49 ID:Dcf47idD
うはぁー。ハルヒのツンとデレがぁぁ。


テラモエス
 ∧_∧
 ( ・ω・)=つ≡つ
 (っ ≡つ=つ
 /   ) ババババ
 ( / ̄∪
311名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/13(火) 20:26:02 ID:1H8FSXjy
こ…これは…
なんという萌えSS…!
GJ!
312ID:DPV5ODEB(オデ部):2007/03/13(火) 22:32:28 ID:EDG3ZEhY
喜んでもらえて良かったよ!
ちょくちょく書いていこうと思うので
読んでやってください!
313名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/14(水) 11:34:44 ID:yNNhMXbv
期待してまつ
314名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/14(水) 11:36:24 ID:7q5Ucovc
やっぱり長いのがいいね
短いのもいいよ
職人さん期待してます
315名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/14(水) 13:12:55 ID:eWJ8QYFC
>>312
ツンデレ王乙www
316ID:DPV5ODEB:2007/03/14(水) 21:44:56 ID:QjcWjJsg
>>306の続きです。一応…いじめの方向に持っていきますんで…読んでみてください


「さぁ〜〜て!お昼の時間がやって来たわよ、キョン!!
今日もお弁当作ってきてあげたわ!ありがたく思いなさいよ、キョン!
…あれ?みくるちゃんと有希じゃない。どうしたの?
私達のクラスに来るなんて…
…ん?
それ…もしかしてお弁当?」
「は、はい…キョ、キョン君のために……」

「へ、へぇ…そ、そう…で…もしかして…有紀も…そうなの?」

「そう」

「ふ、ふ〜ん…そうなの…ま、まぁいいわ!じゃ、じゃあ一緒に食べましょ!
ま、食べるのはキョンだけどね!
あ、一応言っておくけど、キョン!みくるちゃんと有希のお弁当は残してもいいけど、
私のは全部食べなさいよ!残したら死刑だからね!
さて…それじゃあ、まずはみくるちゃんのお弁当からまず見せてもらおうかしらね?」

パカ

「朝の四時ごろに起きてがんばって作ってきたの!キョン君…食べてね!」

(…結構すごいわね、みくるちゃん。
…このハンバーグどうやって作ったのかしら
…おいしそうね…見た目もきれいだし…

…ん?四時に起きて作った…?

私は5時………)

「す、涼宮さんのも見せてくださいよ〜〜」
「なに?お弁当見たいの?いいわよ!

パカ

ほら!
結構すごいでしょ?
ちなみに私は朝の一時ごろに起きて作ってきたんだからね!」
317ID:DPV5ODEB:2007/03/14(水) 23:39:46 ID:QjcWjJsg
「それは朝と言わないんじゃぁ…」
「う、うるさいわよ、みくるちゃん!!黙ってなさい!ところで、どう?このお弁当!」

「こ、このハートマークすごく可愛いですね……ふふっ…」
「そうでしょ?そうでしょ?!可愛いで…ちょっと!最後の『ふふっ』ってどういう意味よ!
みくるちゃん!!今バカにしたの!?どうなのよ!」

「べ、別になんでもありませぇん!!ただ、私は涼宮さんが本当にキョン君のことが好きなんだなぁ〜って思って…」

「ちょ、ちょっと////////な、何言ってんのよ!
わ、私がこんなバカキョンのことなんて好きなわけないでしょ!わ、笑わせないでよ!
そ、そう言うみくるちゃんはど、どうなのよ!弁当なんて作ってきちゃって!!」

「私はただ日頃の感謝を込めて作ってきただけですぅ〜
それにハートマークなんて恋人同士でも恥ずかしくてできませぇん」

「う、うるさいわよ、みくるちゃん!黙りなさい!!!
ちょ、ちょっと!キョン!!!何こっち見てんのよ!!!」

バキ!

「はう!!!うおぉ…」

「ふ、ふん!自業自得よ!さ、さぁ次は有希の番よ!見せてみなさい!」




なんか…書いててすごい辛くなってきたな…
318名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 00:33:45 ID:YphW3dsN
ワッフルワッフル
319 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/15(木) 01:09:40 ID:3dn9b/CB
>>317
俺はこういうの結構好きだぜ

じゃあID:DPV5ODEBさんが終わったら、新作ってわけでもないが、一応新作投下してみるわ
320ID:DPV5ODEB:2007/03/15(木) 07:50:36 ID:6W71A9Ni
パカ

………
……

「こ、この輝きは…ゆ、有希…これって…もしかして…」

「冷凍食品」

(や、やっぱり…どうりで変だと思った…
まだピカピカ光ってるし…全部解凍してないじゃない…)

「ま…、とりあえず一通り見終わったわね…
…それじゃぁ、キョン!まずは私のから食べて!ハイ、キョン!いい?」


あ〜〜〜〜ん


「わ、私が先ですぅ!キョン君、あ〜〜〜んしてください!あ〜〜〜〜ん!」
「ちょっと、みくるちゃん!邪魔よ!私が先!ほら、キョン!口開けて!あ〜〜〜ん!」

「ちょっ、ちょっと///////朝比奈さんもハルヒも、声が…
そ、それにみんな見てるし//////」

「いつまでそんなこと気にしてんのよ、ったく…
…まぁ、いいわ…じゃあ〜みくるちゃんからでいいわよ!
そして次が私!!その次が有希!」
321ID:DPV5ODEB:2007/03/15(木) 09:58:29 ID:6W71A9Ni
「じゃぁ、行きますよ?キョンくん!あ〜〜〜ん、して!」

あ〜〜〜〜〜ん

パク

「ど、どうですかぁ、キョン君?このハンバーグおいしい!?」
「す、すっごくおいしいですよ、朝比奈さん//////////」
「そう?よかったぁ〜〜あたし、キョン君の好みに合うかすごい不安だったの〜」
「そ、そうだったんですか///////」

(…なによ、キョンのやつ…でれでれしちゃって……なさけないわね…あぁ、腹立つ)

「…ほら、みくるちゃん!もういいでしょ!どいて!
はい、キョン!いい?あ〜〜〜〜ん!あ〜〜〜〜んしてぇ〜〜〜」

あ〜〜〜〜ん

パク

「どう?今日もおいしいでしょ!?」
「あ、あぁ/////ホントにおいしいよ////」
「そうでしょ?そうでしょ!?じゃあ、もう一回このごはん食べてみて!
あ〜〜〜〜…
………
……

…あ、そういや次は有希の番だったわね…忘れてたわ…次いいわよ、有希」
322ID:DPV5ODEB:2007/03/15(木) 10:01:31 ID:6W71A9Ni
………

「…アンして」
「え?」
「アン」
「あ、あぁ…『ア〜〜〜ン』のことだな?」
「そう。早く」
「わ、わかったよ//////」


パク


「…どう?」
「そ、そうだな…こ、このから揚げ…まるでアイスキャンディみたいだ…
舐めるたびに…どんどんから揚げの味が染み出してくるよ…」
「…そう」


「じゃあ、今度はまた私の番ですねぇ〜〜…あれ?
キョン君、顔にごはん粒がいっぱいついてますよ〜」
「あ〜〜ホントだぁ!キョン!あんた小さな子供みたいよ!!」
「…粒」
323ID:DPV5ODEB:2007/03/15(木) 10:06:41 ID:6W71A9Ni
「ちょっと待ってなさい!今とってあげるわ!」

ヒョイ  パク!

「私もとってあげますぅ〜〜」

ヒョイ  パク!

「………」

シュバッ! ポイ!


「ちょ、ちょっと有希!そんな乱暴な取り方することないじゃない!
ほ、ほら!キョンの顔見てなさい!皮がむけて血が出てるじゃない!」
「…見ればわかる」
「だ、大丈夫ですかぁ、キョン君!」
「うわぁ…けっこう、ひどいわね…これ…このままじゃバイキンが入っちゃうわね…」
「こ、こういうときは唾をつけるといいですぅ…」
「あ!そうね!さすがみくるちゃん、そこに気がつくなんて!」
「………」

「じゃあ、つばをつけなきゃね!あ、キョンはやらなくていいわよ〜
私がつけてあげるから!!!
あ、こら!キョン!ちょっとどこ行くのよ?
なに?恥ずかしい!?何、言ってんのよ!バイキンが入ったらどうするのよ!!
ほらっ、動かないで座ってなさいよ!
あ〜もう頭を動かさない!じっとしてなさい!
いい?つけるわよ?なに抵抗してんのよ!無駄なあがきはやめなさい!
いい!?つけるからね?いくわよ!?」
324ID:DPV5ODEB:2007/03/15(木) 10:13:33 ID:6W71A9Ni
ぺろ  ぬりぬり

「私もつけるですぅ〜〜」

ぺろ  ぬりぬり

「………」

カァッ〜〜、ぺッ!!

ビチャ!!


「ちょ、ちょっと有希!なんてつけ方してるのよ!
そ、それにそれ唾じゃなくて、たんじゃない!!」
「…知ってる」
「ひ、ひどいですぅ〜〜」
「有希!キョンに謝りなさい!ほら、早く!…って?もうこんな時間?
…しょうがないわね、放課後にちゃんと謝りなさいよ、有希!

あ〜あ!結局ほとんど食べれなかったわね…
まぁ、いいわ!キョン、今日中に私の作ったお弁当は食べておきなさいよ!
絶対だからね!」

「あ、あぁ…わかったよ……」


(俺…長門になんか悪いことしたっけ…ひょっとしていじめ?

………

あと、谷口…最近昼休みになると俺の方睨んでるけど…どうしてだ?)


おわり


本当は谷口が嫉妬にかられてキョンをいじめる話も作る予定だったけど、
ちょっと疲れたんでやめます…これで終わりです
>>308さんの言うようにこ の話は「谷口いじめ」として思ってくださいww

とりあえず◆OU1AKr4Yywさんの作品に超期待!
325名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 10:17:37 ID:ehx8QM40
長門ひどいwwwwwwwwwww
326名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 11:10:32 ID:YphW3dsN
みくるが攻めになっててワロス
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 11:24:28 ID:0zZluJtK
やるな長門…
流石だ( ̄ー ̄)ニヤリッ
328名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 12:45:15 ID:lncYD5f6
長門にワロタwwwwwwまるでオッサンじゃねーかwwwww
乙!

新作に期待age
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 14:11:05 ID:jeHR3eg1
こういうほのぼのもいいなw
330名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 18:45:20 ID:4dHA6lvG
あげ
331いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:04:29 ID:IbDFxrXM
新作がきてないようなので、ちょっこっと投下します。


『涼宮ハルヒの愛憎』

その日、放課後の教室に呼び出された俺は、そこにいた人物に



告白された。




そこにいた人物とは他でもない、谷口評価AA+の朝倉涼子である。
「キョン君、私あなたの事が好き…
 だから、…私と付き合って、ほしいの…。」




勿論OKしたさ。
モジモジしながら顔を赤らめ、上目遣いに言う朝倉をまえにして
断れる男がいるなら、是非ともお目見えしたいね。間違いなくゲイだろうよ。
というか、これだけオプションのついた朝倉の可愛さは異常だ。
朝比奈さんといえど太刀打ちできるもんじゃない。
「嬉しい!!勇気を出していってよかった。
 やっぱり、とりあえずやってみることが大事だよね。」
そう言って笑う朝倉は天使のようだ。どっかの誰かの笑顔と違って
俺を騒動に巻き込まないしな。
「じゃ、キョン君。一緒に帰ろ。」
いやいや、女子と肩を並べて下校するなんて夢が、まさかこんなに早く叶うとはね。
予想外だ。…いかんいかんニヤケるな、俺。
いつもは長くて鬱陶しい坂道が、なんだか短くなった気がするね。


332いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:06:19 ID:IbDFxrXM
次の日、朝から朝倉と長い坂を上って登校している。
いやいや、幸せだね。こんな可愛い女子と登校できるなら、毎日学校でもいいさ。
「実はね、昨日ドキドキしちゃって眠れなくて。まだ眠いの。」
そう言って、俺を見ながら微笑む朝倉はホントに可愛い。
眠いのなら、俺の腕枕を貸してやるよ、いつでも歓迎さ。
「実は俺もなんだ。てかホントは今もドキドキしてるんだ。」
「フフ、私も。」
二人で笑った。
幸せすぎる…でも、何か忘れてる気がするのは何故だろう?
何故だろう。
何かこう、とても重大な問題を忘れているような気がするんだが…



教室に入った俺は、その“重大な問題”を思い出した。
というか、向こうから俺に詰め寄ってきた。
「キョン、実はね今度の日曜日に…」
そこまで言って、俺の隣にいる朝倉に気づいたようだ。気づくのが遅せぇよ。
「おはよう、涼宮さん。」
「なんでアンタ朝倉と一緒に登校してんの?
 アホの谷口か雑魚の国木田あたりが妥当じゃない。」
ふっ、昨日までならな。俺はもうあっち側の人間じゃないんだよ。
しかし、こいつはクラスメートをなんて言い草だ。まぁ、あの二人ならさして問題がないが。
「実はね、涼宮さん。私たち…」
「アンタには聞いてない。」
明らかに怒気がこもった声でハルヒが言った。
「そんな言い方しなくてもいいだろ。」
「うるさい!!バカ!!」
俺がたしなめると、ハルヒ何故か怒りをあらわにし、背を向けて、自分の席に戻っていった。
「何か悪いこと言ったかな、私?」
「気にするな。あいつの頭がおかしいんだ。」
何が気に入らないんだろうね、アイツは。
333いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:08:18 ID:IbDFxrXM
その日、ハルヒはずっと機嫌が悪かった。後ろからくるプレッシャーが半端じゃない。
おまけにいつもは休み時間にどっかに行くくせに、今日は一日中俺に話しかけやがる。
そのせいなのか、時々複雑そうな顔でこっちを見る朝倉を見てると、
バカ話を続けるハルヒが憎らしくてしょうがない。
「ちょっと、聞いてるの!?キョン!!」
「うるせーよ、お前。」
「何ですって!?」
「だから煩いって、お前の相手なんかしたくないんだ、俺は!!」
「あんた、それでもSOS団団員なの?
 って、こら、話は終わって…」
まだ何かごちゃごちゃ言ってたが、無視して朝倉の方へ向かった。
朝倉が不安げな顔で尋ねてくる。
「いいの?キョン君?部活の話みたいだったけど…。」
「いいんだ、あいつの話なんかいちいち聞いてられない。」
「それならいいけど…。
 そうだ、さっき阪中さんから借りた雑誌に載ってたんだけど
 この近くに可愛いカフェが出来たんだって。帰りに行ってみない?」
喜んで。お前と一緒ならたとえ火の中水の中。
「馬鹿言ってる。」
そう言って笑う朝倉を見てると、SOS団の活動が、毎日あることなんて
どうでもよかった。


昼休み、朝倉が弁当を持って俺の席までやってきた。
「一緒に食べよ」
「あぁ、俺もそう思ってたんだ。」
「涼宮さんの席、借りてもいいかな?」
「いないんだしイイだろ。食おうぜ。」
朝倉は涼宮の席に腰を下ろすと、可愛い包みを開いた。
中からは、これまた可愛い弁当箱が顔を見せる。
「私、一人暮らしだから全部自分で作ってるんだ。早起きが大変。」
「ホントか?じゃ料理得意なんだな。
 中身見せてくれよ。朝倉の作ったやつ見てみたいからさ。」
「そんなに綺麗じゃないよ…」
そう言って顔を朱色に染めながら、朝倉が見せてくれた弁当は
心なしか輝いて見えるほどに美味そうだ。
「すげー、美味そうだな。」
「そ、そう?よかったら味のほうもみてよ。」
「いいのか?じゃ遠慮なく…」
うーん、目移りするな。お、こいつがよさそうだ。
俺は一番美味そうだった揚げ物口に運ぶ。
美味い。
海原雄山も真っ青だね、こりゃ。
「おいしい?」
「あぁ」
「ホントー?よかった」
そう言って朝倉は嬉しそうに作り方やら、使った素材やらを話している。
女の子っぽくて可愛い。てか一人暮らしって言ってたな。
毎日自分で料理してるのか…頭が下がるね。
弁当を食べ終わってからも、たわいもない談笑をして、俺はささやかな幸せを満喫していた。
334いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:09:27 ID:IbDFxrXM
そんな幸せをぶち壊す奴が帰ってきた。
言うまでもない、涼宮ハルヒだ。
教室に入り、俺たちの姿を確認するなり、めちゃくちゃ不機嫌そうな顔をして
こちらに向かってきた。
「ちょっと、何でアンタが私の席に座ってるわけ?」
「ご、ごめん。」
すごい剣幕で詰め寄るハルヒに、朝倉はすまなそうな顔をしている。
「おい、別にいいじゃねぇか。お前もいなかったんだし。」
「い、いいの。もうすぐ授業も始まるしさ。
 ごめんね、涼宮さん。」
そう言うと朝倉は弁当箱を持って席に戻った。
「なんで、朝倉とお昼食べてるのよ!?それに、何で庇うのよ?」
「お前には関係あるのか?」
「うるさい!!黙って聞かれたことに答えなさいよ!!」
何顔赤くしてるんだ?こいつは。てか何でキレてるんだ?
「朝倉と付き合い始めたんだ。飯ぐらい一緒に食ってもいいだろ。」
「え…?」
「だから、付き合い始め…」
そこまで言って、目の前のハルヒがいつもは見せない様な顔をしてるのに気づいた。
こいつにもこんな表情をすることが出来たとは…。
「どうしたんだよ?」
「なんでもない…」
そう小さな声で言ったハルヒは、俺から目をそらし、窓の外をじっと見つめていた。
何なんだよ、全く。


335いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:10:21 ID:IbDFxrXM
朝倉と二人長い坂道を下っている。
その日の放課後、俺はSOS団の活動に参加しなかった。
ハルヒの奴が大暴れするかと思ったが、参加しない旨を伝えた俺に、ハルヒは一言
「そう。分かった。」
と言っただけだった。意外だ…なにかよからぬ事が無ければいいのだが。
まぁ、こうして朝倉と二人で放課後デートが出来てるんだから何でもいい。
新しく出来たカフェとやらに向かう間、朝倉はずっと楽しそうに話していた。
あぁ、この幸せが永久に続きますように…
店に入ると、北高の生徒が何人かいた。何だか少し恥ずかしい。
店内はおしゃれな雰囲気で、何だか自分が場違いな気がしてしまう。
朝倉と一緒じゃないと入ることは無いな、こんなとこ。
「キョン君何にする?」
「あ、俺は、えーっと。これにしようかな。」
「じゃ、私も同じのしよっと。」
俺たちは注文した飲み物と、軽食を受け取り、二人で窓際の席に座った。
向かい合って座ってる俺たちは、他の人の目にどう映ってるのかね?
まぁ月とスッポンだし、恋人同士には見えないか。
「おいしい。雑誌に書いてあったとおり。」
朝倉はホントに美味しそうに紅茶を飲んでいる。
こんなに絵になる光景は無いね。目の保養にはもってこいだ。
朝比奈さんのメイド姿以上かも知れないな。
「キョン君、部活はいいの?」
「ん?あぁ、涼宮には言ってきたから大丈夫だ。」
「そっか。でも涼宮さんには悪いことしちゃったなぁ。」
「何でだ?」
「気づいてないの?」
だから何なんだろう。考え込んでいる俺を見て、朝倉は呆れた風で言った。
「もういいです。フフフ。」
朝倉は悪戯っぽく笑うと、また紅茶を口に運んだ。
こういう笑顔もいいね。どんな笑顔でも、それだけで世界を平和に出来るような輝きがある。
しかし、朝倉はどうして俺と付き合おうと思ったんだろう…こんなに可愛いのに。
「朝倉はさ、何で俺と付き合おうなんて思ったんだ?」
「え?」
「なんで、俺と付き合おうとしたんだ?教えてくれよ」
「それ、無理。だって忘れちゃったもん。」
「嘘つけ」
「フフフ」
結局その日は、カフェで下らない話をして帰っただけだったが、
とんでもない台風に振り回され続けていたことを思えば、それは幸せ以外のなんでもない。
こんな平和が戻ってくるとはね。俺の人生の針は倦怠期から、ハチャメチャに振れた後、
どうやら倦怠期を通り越してハッピーまで移ったようだ。
二度と戻ってこないでくれ、倦怠期も、ハチャメチャもな。
336いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:11:10 ID:IbDFxrXM
その日から、ハルヒの様子はおかしかった。
教室では常にボーっとしていて、俺が話しかけても上の空だ。
たまに返ってくる返事も「うるさい」「バカ」「アンタなんかに関係ないでしょ!!」
何なんだよ、こいつ。前までは頼まなくても話しかけてきたくせに。
そうは思っても、俺は気がかりだった。
それだけでなく、部活に俺が顔を出せば、意味も無く俺を罵ったり、
急に悲しそうな顔したり…何なんだ?
…あんなに元気だったハルヒが、どうしたんだ?
俺は少し、ほんの少しだけ、元気なハルヒが懐かしかった。
いや、ハルヒが静かだと調子狂うし、不気味なんだ。
金曜、部活に顔を出すとあいも変わらず不満そうな顔をしている。
結局ハルヒは、ずっと不機嫌そうな顔でパソコンを弄り、
なんと週末の市内探索まで中止にした。
ま、おかげで俺は朝倉とデートできるわけだ。
朝倉と二人、休日を思う存分楽しませてもらうさ。
337いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:12:49 ID:IbDFxrXM
日曜の朝、俺は朝から、あのカフェで一人コーヒーを飲んでいる。
朝倉と待ち合わせだ。
いやいや、SOS団の市内探索の時は全く目が覚めなかったが、
今日は六時には目が覚めていた。人体の不思議だね。
朝倉はまだ来ていなかったが、まぁいい、待ち時間もデートのうちさ。
てか、まだ時間まで30分もあるしな。
しばらくすると、入り口のドアが開き、朝倉が入ってきた。
可愛いワンピース姿の朝倉は、それはもう目がくらむほど可愛い。
閃光弾でも炸裂したのかと思ったぜ。
「ごめん、キョン君。待たせちゃった?」
「いや、いいんだ。それより、何か頼む?」
「うん、じゃあねぇ…」
いやいや、メニューをみながら思案する姿も可愛い。
てか、私服姿は本当に魅力的だ。
「どうかした?」
やべ、デレデレしてたか…
「あ、私服姿も可愛いな、って」
「ありがと♪ちょっと頑張りすぎかなって思ったんだけど…」
「そんなことないって。」
俺の言葉に、朝倉は頬を赤く染めながら微笑む。
今、目の前にある眩しい笑顔のためなら死ねるね、冗談抜きでさ。
開店間もない店内は、穏やかな陽気が差し込んで、この前とは違った感じがする。
朝倉は、店内のおしゃれなアンティークを眺めながら、あれが可愛い、
あっちにあるのが素敵と声を弾ませている。
「今日はどこに行こうか?」
「そうだな、映画とかどうだ?」
「そうね。楽しそう。そうだ、私観たい映画があったの。」
「じゃ、それ見に行こうぜ。」
店を出ると、幾分人が増えてきたみたいだ。信号待ちの人が大勢いる。
そっと朝倉が手を握ってきた。俺はその手を握り返す。
目が合って、二人で顔を赤くした。なんか照れるね。
二人で見た映画は、有名映画監督の作品だった。
悲しい恋愛を描いた作品で、俺も興味がないジャンルにもかかわらず、見入ってしまった。
朝倉はこういうのが好きなんだな、ちょっと意外な気もする。
映画を観終わり、昼食を食べているときも、朝倉はずっと映画の話をしていた。
どうやら、よほどさっきの映画が気に入ったらしい。
「午後からはどうするんだ?次は朝倉が決めろよ」
「う〜ん、そうねぇ。じゃ、買い物に付き合ってくれる?」
「いいぞ。」
「ほんとに?嬉しい」
こんなことで喜んでくれるなら、いくらでも付き合ってやるよ。
「でも、キョン君。一つだけ…」
ん?何だ?何か怒らせる様なこと言ったっけ、俺?
「私のことは、涼子って呼んで。」
少し上目遣いで、照れた風に朝倉が言った。
朝倉…いや朝倉を見ながらしみじみと思う



この可愛さは、反則だね
338いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:16:36 ID:IbDFxrXM
朝倉は洋服、小物、小説…そりゃまぁ色々な店に入る。
どの店でも目を輝かせながら商品を選んでいる。なんかホントに女の子って感じだな。
ハルヒや長門と一緒にいると、女に対する見方が変わってしまうからな…。
朝倉がしばらく待っていてくれというので、俺は店の外のベンチに腰掛けて待ち行く
人々の観察をしていた。それにしても人が多いね、日曜ともなると。
っと、なんだ?電話?
急にかかってきた電話は涼宮ハルヒからだった。
『ちょっと、キョン。やっぱり不思議探索するから、すぐ来なさい。』
何寝ぼけてやがる。無理に決まってんだろ。
『ちょっと、聞いてる?』
聞いてるよ、つか声がでかい。耳がイテェよ。
「聞いてる。が、今日は無理だ。俺抜きでやれ。」
『はぁ!?ふざけてんの、キョン!?無理でもすぐきなさい!!』
一層デカイ声でそう言うと、ハルヒは電話を切った。
なんて奴だ、イカれてるとしか思えん…。
「あ、ごめん。待った?」
そう言って朝倉が店から出てきた。
「もういいのか?」
「うん。もう一軒回りたい店があるんだけどいい?」
「いいぞ。」
「よかった、そのお店ね、すごく品質が…」
やれやれ、こんな素敵な女子といるのに、誰があんなアホの元に行くかってんだ。
無視無視。
339いじめカッコ悪い:2007/03/15(木) 21:24:19 ID:IbDFxrXM
続く
340ID:DPV5ODEB:2007/03/15(木) 21:32:58 ID:6W71A9Ni
俺もこういう文章書ければなぁ〜〜
今度チャレンジしてみるか…

とりあえず続き楽しみにしてます!!wktk
341名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 22:15:52 ID:EuDWit6b
キョン君、ウラヤマシイ。ここまではハッピーだけど、この先は…
342名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 22:55:14 ID:oKgM1UHw
ヤンデレハルヒになりそうだね。
いつも楽しませてもらってます。乙&GJ!
343名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 22:56:43 ID:QjwFVfA5
流石いじめかっこ悪いさん、かなりの高品質ですな
マジで続きが気になりますよぉ
オレもたまに話し考えたりするんだがいつも途中で…
本当このスレって凄い人多いよなぁ
今さらながら感心しますよ
344 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/15(木) 23:29:46 ID:3dn9b/CB
乙!続き期待してるぜ

俺はいじめかっこ悪いさんの作品が終わったら投下する事にしてみるわ
345名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/15(木) 23:49:20 ID:lncYD5f6
いじめかっこ悪いさんの続きも気になるが、◆OU1AKr4Yywさんの新作とやらも気になる
さわりだけでも教えてはくれないか?
346名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 00:01:11 ID:BS56BJ4n
朝倉の攻撃も手が込んでるな
嫉妬に狂うハルヒが可愛すぎる
347名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 00:28:05 ID:MaMHANXw
             _
        _...-一'::::::::::::`::≦ュ、
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ:::\
     _/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ:::|::ヽ
    //:::::::::::::::::::::::::::::_........_::::::::/::|:::::ヘ
.   //::::::::_::::::::::::;rヘ:::::::::::: ̄:::ヽ!:::::::ヘ、 <どんだけ〜
   |;ム.z::´:::::::\:::/::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヘ:::::::l\_
   |::::::::::::::::::::::::ヘ|:::::|:::l::::|:|::::|:::::|::::::::|::::::|::::\-ゝ-、
   |:::|::|:::::::::::|::::|::::::::j:::」:::|:|::::|:::::|::::::::|::::::|::::::ヾ    ヘー-.、_
   |:::|::|:::::::::::|::::| ̄   」_」」...A-‐z::::::!::::;へ::::::ヘ   |  ノ__`)
   |:::|::|:::::::::::ト:::;V::}   |:::「|:::「|:::|:::::::/::/  `ヽ::|__/‐ ´
    ヾハ:!V:::::_」彡::〈   ¨´ (⌒)'|::::://´    ∧}
    {::i^ ヽ弋ヽ (⌒)    __  ,:::;r ´ ̄`ヽ /
    ヾー--{ヽヽ:`‐、----≦-‐7:/-、|__,、__.ノ
       `゙ ` ゙゙̄'''      '´
348 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/16(金) 01:29:54 ID:pw6GNPkB
>>345
「うん、それ無理!」
349いじめカッコ悪い:2007/03/16(金) 02:03:37 ID:ga1OMSA2
ハルヒからの電話を無視して、俺は朝倉とデートを続けていた。
俺の手を引いて、楽しそうに街を歩く朝倉は、俺にはもったいないくらいの素敵な女の子だ。
朝倉に連れてこられたのは少し目立たないところにある、洋品店だ。店は西洋の城郭風の煉瓦造りで、蔦が生えている。なんだか雰囲気がある店だ。
「ここのお店素敵でしょ?中はもっと素敵なんだから。さ、入りましょ!!」
朝倉に急かされて入った店内は、洋品店にしては珍しく、クラシックがかかっていて落ち着いた雰囲気だ。外装と違い、内装は一転して西部劇の舞台の様な感じで、大きな牛首のレプリカが飾ってある。
「ね?外と中が全然雰囲気が違って面白いでしょ?」
「ホントだな、驚いたよ。」
朝倉は俺の驚いた様子を見て、嬉しそうにしている。今日はずっと楽しそうにしてれてて、なんか俺も嬉しい。
一着一着手にとり、似合うか聞いてくる朝倉を見ながら、俺はホッとしていた。
正直な話、俺と一緒でも朝倉が楽しいか不安だったからな。こんな可愛い女の子だぜ?俺の気持も分かるだろ?



朝倉は一通り見て回り、満足したみたいで、二人で店をでた。
手をつないで、大通りを歩くと、何だか世界がほんの少し明るい気がする。
きっと朝倉のおかげだ。
だが二人で話をしながら、駅前広場まで来たとき、世界が一気に緊張の色を帯た。



涼宮ハルヒがそこにいた。
350いじめカッコ悪い:2007/03/16(金) 02:06:01 ID:ga1OMSA2
ハルヒだけじゃない、SOS団全員がそこにいた。
「何してんの!?すぐ来いって言ったじゃない!!」
何言ってるんだ、コイツ?真性のアホとしか思えん。
「見て分からないか?デート中なんだ。それに無理だって言ったろ?」
俺の反論を聴くと、ハルヒはますます詰め寄って語気を強める。
「関係ないわ!!あたしが来いって言ったんだから来なさい!!」
前は簡単に引き下がったくせに、なんだ?
「何で、お前が急に言い出した我儘に付き合わされなきゃならないんだ。」
「す、涼宮さん、落ち着いて下さぃ。キョン君も、そんな言い方しないで…」
ハルヒのあまりの興奮具合に朝比奈さんが止めに入った。なんか朝比奈さんに言われると、自分がすごい悪いことした気になる…。
「うるさいッ!!みくるちゃんは引っ込んでて!!」
が、ハルヒにすごい剣幕で怒鳴られ、朝比奈さんは泣きそうな顔で後ろにさがった。
「涼宮さん、キョン君の話も聞いてあげてよ。」
今度は朝倉が口を開いた。
「何よ、あたしのSOS団の邪魔しないで!!」
「そんな理不尽なこと言わないでよね。キョン君は今日、私とデートする約束してたんだから。」

パシッ

そう言った朝倉にハルヒが平手打ちを喰らわしやがった。朝倉の頬が赤くなっている。何てことしやがる!!このアホんだら。
「大丈夫か、涼子?おい、涼宮!!お前何するんだよ!!いい加減に……」
そこまで言って、俺は気付いた。



涼宮ハルヒが泣いていることに。
351いじめカッコ悪い:2007/03/16(金) 02:07:11 ID:ga1OMSA2
「涼宮?」
「涼宮さん?」
俺も朝倉も動揺を隠せなかった。てかSOS団の面々も焦っているようだ。長門は顔色一つ変えずに立ってるだけだが。
「何でよ、…何で!?あたしだって、あたしだってキョンが好きなんだから!!
なのに何で?あたしの方がずっと好きなのに。あたしからキョンを取っていかないでよ!!……バカ、バカァ!!!」
泣きながら叫んで、走り去るハルヒを、朝比奈さんが慌てて追い掛けていった。
「僕には偉そうなことは言えませんが、もう少し、涼宮さんの気持も察してあげて下さい。」
と憎らしく肩をすくめて言うと、古泉もハルヒのあとを追った。十分偉そうだよ。長門はただじっと朝倉を見つめてついていった。
「……涼宮さん。」
隣で、朝倉が複雑そうな面持ちでハルヒの見えなくなった辺りを見つめている。
「気にするなよ、涼子。」
「うん……でも、何か可哀想で。」
「涼子は優しすぎるぞ。アイツの我儘いちいち気にしなくて良いって。」
そう言う俺をじっと見つめて、朝倉はニコリと笑った。
「そうね。気にしててもしょうがないか。」
「あぁ。」
「でもキョン君、今ので涼宮さん好きになったりしてない?」
「し、しないしない。」
あわてふためく俺を見て、朝倉はいたずらっぽく笑った。
「涼宮さんがどれだけ、キョン君が好きでも、私の方がずっとずっと、キョン君のことが好きだからね。」
笑いながら、すこし真剣に朝倉が言った。


俺もだよ。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 02:23:40 ID:D54IUGYU
やべー。朝倉ってこんなに萌えたっけ?
ってか>>348に吹いた
353名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 02:35:36 ID:3tZ77xKa
しかしいじめかっこ悪いさんが書く朝倉さんは本当に生き生きとしてるなあ
354名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 02:55:17 ID:luk7HQRa
いじ悪さんの書くハルヒは何だかゾクゾクするくらい可愛いナ
355名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 03:19:57 ID:6lWb7Jpt
朝倉さんとハルヒ両方いいですなぁ( ´∀`)
356名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 03:21:58 ID:xAsocHQM
涼子テラモエス
357名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 03:26:58 ID:AllgqRuJ
そうですなぁ…
どちらを選べと言われても選べん程に、どちらも良いですなぁ…
月水金はハルヒ、火木土は朝倉さん…
そして日曜日はダブルで頂きたいですなぁ…
358名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 06:46:55 ID:KnM17eiB
うわあああハルヒかあいいよおお
今すぐ追い掛けて抱き締めてあげたい(けどこのシチュでそれやったらキョンはただの鬼畜、人格破綻だなw)
も、もう少しハルヒを追い詰めて、苦しめてみたいハァハァ
長門も内心穏やかじゃないかも?それはねーか
359ID:DPV5ODEB:2007/03/16(金) 07:54:30 ID:t2vP8RQR
朝倉さんは何かたくらんでるに違いない!
あの笑顔の裏には何かある!!

ハルヒがんばれ、ハルヒ!キョンはお前のものだ!
360名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 08:07:28 ID:KnM17eiB
アニメの朝倉に殺されそうになる直前まで
や、やべえまじか告白されちゃうよあーかわいいな子の子
なんて勘違いしてた俺を裏切った女なんて信用してませんからっ
361名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 09:53:05 ID:kNVabeCg
だがあのクレイジーなところもまた良いのだよ
362名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 09:58:05 ID:uU4A78jC
続き気になるーーーー
めちゃくちゃ
363いじめカッコ悪い:2007/03/16(金) 12:29:51 ID:ga1OMSA2
その日は、何とも言えない空気になってしまい、俺は朝倉と別れ家路についた。
ハルヒの馬鹿のせいだ、ちくしょう。あのアホ、余計なことばっかしやがって。
自分の部屋で、長門から借りた小説の続きを読んでても、何だかモヤモヤしてやがる。最悪だ。
大体、SOS団はみんなちょっとオカシイ。
確かこの小説借りたときだったな、長門が延々と電波話を聞かせてくれたのは。自分は宇宙人だなんて、いきり言われて誰が信じるんだ?
何言ってるんだかね。
やれやれ、もう寝よう。




次の日、学校につくと、ハルヒはまだ来てなかった。いつも早いくせに。やっぱ昨日のアレか?
などと考えていると、谷口と国木田がやってきた。
何か用か?
「何だじゃねぇよ、お前朝倉と付き合ってたのか!?」
今更だな。多分お前だけだぞ、気付いてなかったのは。
「僕が言っても信じないんだよ。」
「あーあ、マジなのか。何でC+のキョンがAA+の朝倉と…。」
余計なお世話だ。俺がC+ならお前は何なんだよ。
「まぁまぁ、谷口。キョンが好きになるくらいだから、朝倉さんもきっと変わってるんだよ。」
「…そうだな。大体、キョンを好きになる時点で変わってる。」
「そうそう。」
二人は勝手なことをいいながら席に戻っていた。
国木田、いい加減、俺に変なレッテル貼るの止めてくれ。
席についてしばらくボーッと外を見ていると、ハルヒが遅れて教室に入ってきた。
364いじめカッコ悪い:2007/03/16(金) 12:31:18 ID:ga1OMSA2
ハルヒは俺と目が合うとバツの悪そうな顔をした。そのまま席につくと、黙って窓の外を見ている。何かヤダねこーゆー空気。



その日の昼休み、たまには谷口達と食うかと思い、弁当を持って立ち上がろうとした俺に、ハルヒが声をかけてきた。
「今日は……放課後…SOS団に来るの?」
…あの後だからな、正直行きたくはないんだが。
俺が黙ってると、ハルヒが続けて言った。
「今日、来てほしい……。」
少し憂いを帯た表情でそう言うハルヒを見ると、なんだか断れない。
「分かったよ。」
「待ってる…。」
そう言って悲しげな笑顔を見せると、ハルヒは弁当をもって教室をでていった。部室ででも食べる気なのか?しかし、ハルヒがあんな顔を見せるなんてな……。

俺は弁当を食べながら、延々と谷口の女性論を聞かされていた。別にこーゆー話は嫌いじゃないが、毎回似たようなことしか言わないから飽々だ。
光源氏も飽きずにやってたね、きっと谷口はモテない光源氏なのだろうよ。悲惨な奴だ。



昼食を終え、午後の授業を受けながら、俺はSOS団に行くことを憂鬱に感じていた。
365名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 13:29:38 ID:uU4A78jC
(ノ>∀<)ノ バンザーイキターーーーー
366名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 15:29:23 ID:D54IUGYU
>>337
>朝倉…いや朝倉を見ながらしみじみと思う
って所の、二回目の朝倉は涼子の間違いだったりします?
367いじめカッコ悪い:2007/03/16(金) 15:48:26 ID:ga1OMSA2
いいかい?もし君がうんこを見て、
あーうんこ!!きったねー
って言ったら、うんこが可哀想だし、周りの人には、君が下品だと思われるだろ?
だから、もう何も言っちゃいけないよ。分かったね?



まぁつまり、ごめんなさい。間違えますた、ってことです。

368名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 18:49:24 ID:7+aSlGoM
キョンアンチスレの基地外共もキョンいじめを見る為にこのスレを覗いてそうだな
そういう風に楽しむ奴とかマジきめぇ
369名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 19:39:37 ID:WG3TZjjG
>>368
そんなこと言ってるお前がキモい
370名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 19:49:55 ID:eqxy9SKn
流れが悪くなるからそういう話はやめてくれ


いじめカッコ悪いさん、続きに期待してます!頑張ってください
371名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 21:30:17 ID:D54IUGYU
>>367
すみません、ただまとめサイトに掲載する時に
こんな素晴らしいSSが間違ったまま載せるのが
嫌だったので…。
一応確認を御聞きしたいと思いまして。有難うございました。
372いじめカッコ悪い:2007/03/16(金) 21:52:14 ID:ga1OMSA2
>>371
あ、別に怒ってないですよ(*´∀`*)

むしろ間違いが多くて申し訳ないです
373名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 23:51:57 ID:DpA5XWGx
また凄いSSキタ!!
なんか朝倉に裏がありそうだ…
374名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 23:58:09 ID:F8FESVkX
ハルヒが涼子をやっちゃうとか?
375名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 00:10:19 ID:aedutfDN
>>371
管理人だったのかよ。トリつければ?
376いじめカッコ悪い:2007/03/17(土) 02:16:29 ID:w4d5+DH0
そして、その日の放課後。
俺は憂鬱な気持ちでSOS団部室へと向かった。ハルヒは掃除当番らしく、遅れて行くとのことだ。
朝倉は友達と買い物に行くからと言って、クラスの女子達と下校していた。
正直SOS団なんかに行きたくない。何故かと言えば、ハルヒだけじゃない。あんなことがあった後じゃ、朝比奈さんや古泉、それに長門にだって会いづらい。
この憂鬱さは、全く自信がない英語のテストを受ける時の比ではない。
ま、しかし部室の前まできてしまった……。ハァ…参ったね。俺は、誰も部屋にいないことを祈りながら静かに扉を開いた。
ん?
部屋には誰もいない。どうやら祈りが通じたようだ。ま、俺には無理難題、騒動ばかりがふりかかってるからな。たまには俺の祈りが通じてもいいだろうさ。
俺は誰もいない部室に入り、鞄を机に置き、パイプ椅子に腰をかけた。
部屋の中は、梅雨が近いせいか、空気が湿っぽい。本棚の中には長門が読んでいる本が並ぶ。どれもこれも背表紙を見ただけで興味を失ってしまうようなものばかり。
俺は窓の外に目をやった。西に傾きかけている太陽から、熱光線が降り注ぐ。運動部の奴らは、こんな中でよくやるよ。
しかし暑いな、窓開けるか…。俺は立ち上がり、錆び付いて開きにくくなった窓を開いた。
風が吹き込んできて気持ちいい。
と、部屋の扉を開く音がした。見るとハルヒが立っている。
「よかった、来てくれたのね。」
安堵の表情を浮かべると、ハルヒは団長机に鞄を置き、俺の前に立った。窓の前で、ハルヒと向かい合う。
しばらくの間、沈黙がながれた。「どうした?」
「キョン、朝倉と別れて、私と付き合いなさい。」
掃除中に前頭葉を切除されてきたらしい。人間は前頭葉がないと感情をコントロールできないらしいからな。
まぁ俺の知識などアテにはならんが、少なくとも、目の前にいる女の頭がちょっとオカシイことくらいは、ゴールデンウィーク明けの生物テストが、わずか二十点だった俺にも分かる。
「何言ってやがる、無理に決まってんだろ。」
「キョン、お願い…」
ハルヒの反応は、想像していたものとは真逆だった。てっきり怒り狂うかと思い、心の準備をしていた俺が呆気にとられるくらいに、しおらしい…。
「やっぱり、あたしキョンが好きなの。キョンが必要なの……お願い。」
そう、うつ向き加減に言うハルヒを、俺は不覚にも可愛いと思ってしまった。
「ハ、ハルヒ…」
「キョン…」
そう言って、ハルヒは俺の胸に顔を押し当て、体を抱き締めてきた。こいつ…そんなに俺のことが好きだったのか?
俺は思わず、ハルヒの肩に手を置いた。
その時…



カシャ



何かが光り、シャッター音が聴こえた。
377いじめカッコ悪い:2007/03/17(土) 02:17:39 ID:w4d5+DH0
見ると、ドアの付近でカメラを持ちニヤつく古泉と、すまなそうな顔の朝比奈さん、それに相変わらず無表情の長門がいる。
こいつら、ハメやがったのか!?
ハルヒに目をやると、証拠を掴んだ少年探偵のような顔をして、瞳を輝かせている。
「さて、キョン。あれを朝倉に見せたらどーなるかしらねぇ」
いつかも似た台詞を聴いたね。確か、あの時はコンピ研の部長氏が被害者だったっけな。などと考えている場合ではない。
「涼宮、ふざけるなよ。」
「ふざけてなんかいない!!キョン、もう一度言うわ。朝倉と別れて、あたしと付き合いなさい。」
「だから、んなこと出来るわけないだろ!!」
俺の言葉に、ハルヒは得意顔で答えた。
「だったら、あの写真を朝倉に…」

バシッ

部室に、頬を叩いた音が響く。
「キョン君……」
朝比奈さんが脅えた声で呟いた。
俺はハルヒの頬に平手打ちしていた。ハルヒは俺のぶった左頬を押さえながら、驚き顔で俺をみている。
「何で…何でダメなの…?」
俺を見るハルヒの顔が崩れ、その大きな目から涙が溢れだす。
「あたしだってキョンが好きなのに……ずっと好きなのに。ねぇキョン見て、あたしの方がずっと可愛いでしょ?中学の時、何人にも告白されたのよ。
朝倉なんかよりあたしのほうが、頭もいいし、運動だってできる…ねぇ見てよキョン胸だってあたしの方が…」
ハルヒはそう言うと、胸を見せようとする。制服にかかった手を俺が制止すると、ハルヒは一層哀願するようなに泣きだかした。
「お願い…あたし、と、、付き合ってよ。キョンが望むなら何でもするから、エッチなことでも、いいの…だから、、」
ハルヒの言葉は、鳴喉混じりだ。俺を見上げるハルヒに、首を横に振って答えた。それを見ると、ハルヒは涙をボロボロ溢しながら何度も何度も、必死に自分と付き合うように訴える。そんなハルヒを見ていると、とても辛い。
ハルヒがこんなに俺を好きでいてくれるのは嬉しいけど、その気持ちに答えることは、やっぱり出来ないから……。
どれほど、真っ直ぐで、強い気持ちを向けられても、応えられない。




俺は、朝倉が好だから。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 02:41:11 ID:+DwAzyUi
ハルヒ・・・・・・・もうそんな男ほっとけよ・・・・
っていうかキチガイじみてきたハルヒかわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
379名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 03:03:10 ID:GtnNmQGo
こりゃ古泉死んだな…それとも今回は特殊な属性の設定無し?
380名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 08:09:07 ID:a3pr01Bd
ハルヒ可愛すぎ…
抱き締めて慰めて癒してああしてこうしてあげたいよ…
381名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 08:21:17 ID:5m51FM+u
さて。。
キョンのクローンでも作りますか
ハルヒ用に
382名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 10:06:33 ID:0qgxCsSb
素晴らしい展開ktkr
383名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 12:05:13 ID:1FpKEd7P
ヤンデレキター!
384名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 13:32:19 ID:0QAFWlHc
このキョンなんかむかつくな・・・
まぁハルヒがかわいいからいいけど
385名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 14:00:53 ID:ncqrNOH5
ハルヒをここまではいつくばらせたら
キョンがハルヒを選ぶ難易度がかなり上がっちゃったよな
土下座じゃすまない
後には引けない感が増してきて非常にすばらしい
386名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 14:16:58 ID:D6pyfVP1
>俺はハルヒの頬に平手打ちしていた
これは流石にGJすぎる
387名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 14:28:05 ID:ncqrNOH5
その平手打ちがハルヒの縋れる唯一のものなんだよね実は・・・
ほんとに無関心ならキョンは殴ったりしないから
388名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 14:28:13 ID:4Qin6Y1P
朝倉が宇宙人でも何でもない普通の人間だったとしても、男の取り合いじゃハルヒに勝ち目は無いだろうな。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 14:34:32 ID:ncqrNOH5
この自爆っぷりじゃあねえ
ハルヒはポーカーの手札みんな曝しちゃったかんじ
390いじめカッコ悪い:2007/03/17(土) 15:07:03 ID:w4d5+DH0
新作がくるまでの合間にと思い、投下したのに、長くなって申し訳ないです。


朝倉を出すと長くなるようで……でもクマーは悪くない!!朝倉が魅力的すぎるのが悪いのだ!!
ということで勘弁してください。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 15:12:50 ID:9YYF7GVS
もう全然OK
392名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 18:17:10 ID:5m51FM+u
むしろモット長くしてくれ
頼む
つらいのはわかる
侘びといっちゃーなんだが
今から目玉でも取る
左のほうの
393名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/17(土) 19:11:04 ID:W+xdqqCm
いじ悪さんはやっぱスゲェw
でも言葉様ENDしか思いつかないやww
394いじめカッコ悪い:2007/03/17(土) 23:13:23 ID:w4d5+DH0
涼宮は、泣きながら座り込んだ。何かを言おうとしてるが、言葉にならないみたいだ。そんな涼宮を見かねてか、朝比奈さんが駆け寄ってきて、抱きかかえる。
「涼宮さん。大丈夫ですか?」
涼宮は朝比奈さんにすがって、鳴咽を漏らす。朝比奈さんは俺の顔を見ると、声を出さないように、今のうちに部屋から出るように言った。
その言葉に従い、俺は静かに部屋を出た。
戸口付近では古泉と長門が、何も言わずにハルヒを見つめていた。


何だか…いたたまれない気持ちになる。帰り道も、ずっと沈んだ気持ちでいた。無意識のうちに視線が下を向いてしまう。
「どうしようもないだろ…」
そう一言呟き顔をあげた。すっかり西に傾いた太陽が、空を黄金色に染める。
「明日、どんな顔すりゃいいんだ…」
夕暮れの街が、俺の憂鬱な気分を大きくする。世界中の業全てをしょいこんだ気分だ。たかが高校生には重すぎるぜ、まったく。



家に帰り、部屋でゲームをしていると、携帯が鳴った。朝倉からだ。
『あ、キョン君。今大丈夫?』
電話の向こうで弾む、朝倉の声を聴くと、モヤモヤとしていた心に光が射すようだ。
「あぁ。大丈夫だ。今日は楽しかったか?」
『うん。聞いて♪今日ね、みんなで……』
朝倉は今日あったことを、楽しそうに話している。何だか、一緒にいた女友達にも、妬いてしまいそうだ。
『明日はキョン君と行きたいな…』
「俺も。一緒に行こうか。」
『うん。約束ね!!』
朝倉となら、どこだろうと構わないさ。楽しいに決まってる。電話するだけで、こんなに明るい気分になれるんだからな。
『じゃ、また明日ね。』
そう言うと、朝倉は電話を切った。何でもない会話だったけど、今の俺には、嬉しかった。





やっぱり朝倉が好きだって、確認できたから。
395いじめカッコ悪い:2007/03/17(土) 23:15:00 ID:w4d5+DH0
次の日、学校に登校すると、ハルヒはまだ来てなかった。
昨日のことが原因なのか。どっちみち顔を合わせにくいし、来てない方がありがたい。なるべく遅く来てもらいたいもんだ。
席につくと、無意識のうちに朝倉を探している。朝倉はクラスの女子と談笑していた。
俺に気付いたのか、こちらに向かって軽く首をかしげ、ウインクをする。周りの女子がそれに気付いて、朝倉をからかっている。
朝倉は、やっぱり可愛い。どんなアイドルにも負けやしないね。もしこの笑顔に胸をトキめかせない男がいるなら、すぐにでも眼科か精神科医に行くべきだね。



結局、ハルヒが来ないまま午前の授業が終わった。珍しいな、休みか?
「キョン君、一緒に食べよ。」
朝倉が、可愛い弁当箱を持って立っている。
「あぁ、ここ座れよ。」
「うん。今日はね、キョン君に食べてもらおうと思って、ちょっと多めに作ってきたの。」
朝倉は、前の席に腰掛け、嬉しそうに弁当箱を開いた。可愛らしく盛り付けられた弁当だ。見てるだけで旨いと分かる。間違いないね。
「フフフ。見てないで食べてね。」
いやいや、可愛い彼女に弁当を作ってもらうなんて、これ以上の幸せは、なかなかないだろうね。
「どうしたの?もしかしてコレ嫌いだった?」
「あ、いや、何かもったいなくてさ。」
「フフ、じゃあ私が食べさせてあげる。」
そう言うと、朝倉は可愛く盛り付けられてるロールキャベツを箸でとり、手を添えて俺に差し出す。
「ハイ、口開けて、あーん」
そう、微笑みながら言う朝倉を見てるだけで、お腹いっぱいだ。が、ここで食べないわけにはいかない。
口を開き、ロールキャベツを食べさせてもらう。
味はもちろん、シチュエーションが美味しいね。仮に不味くても、朝倉の笑顔というスパイスが全ての味覚を奪い去ってしまうだろう。
「どう?美味しい?」
朝倉が、少し不安そうに訊いてくる。不味いわけないだろ。とびっきり旨いさ。今までこんな旨いさロールキャベツを食べことがない。
「ホントー!?よかった♪
じゃあ、次はこれ食べて。」
朝倉は、目を輝かせながら、次のメニューを箸でとる。




俺の弁当、食べれるかな?
396いじめカッコ悪い:2007/03/17(土) 23:17:13 ID:w4d5+DH0
幸せを満喫し、腹も満たされたあと、俺は朝倉と話をしていた。
昨日電話で、放課後に行くと約束した店のことを、嬉しそうに話す朝倉を見ていると、自然と気持ちが優しくなれる気がする。
モナリザが世界一の美女だというなら、朝倉は宇宙一だろうね。
「でね、その時二組の滝川さんが、…」
朝倉の話しには色々な名前がでてくる。みんなに好かれてるんだろうね。こんなに素敵な女の子が好かれないわけはないか。
「だから、キョン君と行くのが楽しみなんだ♪」
「俺も、今すぐにでも行きたくなったよ。」
「でしょー?でも、放課後のお楽しみね。あ、授業が始まっちゃう。」
朝倉は立ち上がり、じゃあね、と手を振り席に戻った。
朝倉が席につくとほぼ同時に、英語担当の教師が入ってくる。そうだ、英語だったな……。
「起立。」
教師が教卓につくと、朝倉が号令をかける。
「じゃあ、みんな、教科書開けて。昨日の続きね。」
みんなが一斉に教科書を開く。やれやれ、誰が英語を教育カリキュラムに入れようなんて言い出したのかね。
「では、読んでもらいます。えーと……」
あぁ、この瞬間は緊張の極地だ……頼むから当たらないでくれ。俺に当たりませんように、俺に当たりませんように、俺に当たりませんように。
「じゃあ、朝倉さん。お願い。」
「はい。」
返事して立ち上がった朝倉は、スラスラと読み始める。
『The“Venice of Scandinavia,”“the Queen of Lake Malaren”
and“the floating city”are all names designating Stockholm and its singular atmosphere
―that of a city built on fourteen islands between two vast expanses of water,Lake Malaren to the West and the Baltic Sea to the East.』
「はい、そこまで。ありがとう、朝倉さん。上手よ。」
ホントに上手い。初めての文なのに…。俺など、分かる単語の方が少ないのにね。
「では、今の文を説明していきます。まず……」
教師が説明を始める。勿論、聴いちゃいない。朝倉が担当教師なら、やる気がでるんだけどね。
397いじめカッコ悪い:2007/03/18(日) 12:02:59 ID:z7b2WY0X
授業の間、俺は流れゆく雲を眺めていた。大小様々な形の雲が、空に浮かんでいる。
世界が生まれて、今見ている雲になるまで、いろんな雲があったんだろうなぁ。そしてまた色々な雲を作ってくんだろうね。何だか不思議だ。
英語とは全く関係ないところで、働いている俺の頭に、ふと疑問が浮かんだ。

しかし、何で朝倉は俺と付き合おうと思ったんだ?

一度、似たような質問をしたけど、朝倉にはぐらかされたからな……。
朝倉は本当に可愛い。スタイルはいいし、成績もいい。運動だってできるほうだ。
おまけに性格だっていい。誰からも好かれてる。俺だって、魅力的な女の子だと思ってるし、朝倉のことが好きだ。
だが、俺を好きになる理由が分からん。はっきり言って俺のスペックは、谷口にC+と評されても文句は言えないレベルだ。


朝倉なら、他にいい男を選べそうなのにな……。
朝倉は、俺が好きだと言ってくれる。それは嬉しいけど、ここまで釣り合いがとれてないとな。やっぱり不安になるよ。
分不相応な夢を実現させるのは慣れてないんだ。
俺は雲を眺めるのを止め、教室の朝倉に目を移した。真面目にノートをとる、朝倉の後ろ姿を見ながら、「やっぱり、聞いてみよう。」と、そう思った。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/18(日) 13:07:25 ID:YajYUVdf
いじめかっこ悪いさん
に無礼を承知で言わせてもらう
英語文が間違っておりまする
”The Venus of Scandinavia,” “The Queen of Lake Malaria”
and the floating city are all names designated to Stockholm and its singular atmosphere
―the city is built on fourteen islands between two vast expanses of water, with Lake Malaria to the West and the Baltic Sea to the East.』
これがただしいでございます。
399名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/18(日) 13:36:02 ID:/qHm17+C
ははは、まぁ気にすることないっさ

と、激奏会場からカキコしてみる。
何で今こんなスレ見てんだろ私orz
400いじめカッコ悪い:2007/03/18(日) 14:36:18 ID:z7b2WY0X
まさか同じ雑誌の読者がいるとはね……。


てか間違え多くて申し訳ない。携帯だから打ち間違え、変換ミスが多いと思う。申し訳ない。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/18(日) 15:25:41 ID:YajYUVdf
まさかここにきて英語指導とは
俺って情けねーな
402名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/18(日) 19:43:38 ID:m2AJAYzk
クラスに一人はいるやたら薀蓄に詳しいけど空気読めないやつだな
403名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/18(日) 20:30:51 ID:zoOhlH8o
うーむ・・・俺に絵が描ければ漫画化してみたいなこれは
404名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/18(日) 23:19:04 ID:eOp8kToe
>>403
よし、今からサイト作って練習だ
405Magic 7:2007/03/19(月) 00:01:01 ID:ztwWdtj1
>>404頑張れ
それにしてもこの小説かなり読み応えがある
素晴らしいぃ!
406名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/19(月) 00:37:21 ID:mgeMvIwE
とりあえずまとめ管理人さんにお絵描き掲示板を追加してもらおうか
407いじめカッコ悪い:2007/03/19(月) 00:52:14 ID:sJG/capM
俺もアップ仕方が分かれば書いてみたいクマー


あ、作品は最終回まで書いて、一気に投下します。
408まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/03/19(月) 03:30:46 ID:WxkdAfON
>>406
只今、無料レンタルのお絵描き掲示板を設置いたしました。
もっと高機能なのがある! という場合にはご指摘下さい。
409まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/03/19(月) 03:33:02 ID:WxkdAfON
あ、前に誰かが言っていたので、トリ付けてみました。
それと、名前の【管理】の所にある【””】は何ですかね?
自動的に出てしまうんですか?
連投スマソ
410名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/19(月) 03:38:41 ID:SG3G5xgB
>>409
「管理」って単語に反応するようになってる
ひろゆきだと反応しないんだったかどうかは忘れたが
411ひろゆきaどうやら”管理”人:2007/03/19(月) 22:44:26 ID:2DdTWyF3
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{\    /リ| l │ i|
         レ!小l●    ● 从 |、i|  今日から2ちゃんの管理人さ!
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
412いじめカッコ悪い:2007/03/19(月) 22:55:51 ID:IQ5c/y6M
涼宮ハルヒの愛憎 続き

午後の授業が終わり、俺は朝倉と町を歩いている。
夏が近づき、日照時間が長くなっているせいか、待ち行く人の数はかなり多い。
朝倉の行きたいと言っていた店は、街外れにあるようで、
二人でかれこれ二十分ほど歩いている。朝倉は、落ち着いた場所が好きなのかもしれないね。
道中、朝倉はいつものように、明るく俺に話しかけてくる。
何だか、ちょっと聴きづらい…。

何で俺が好きなんだ?

声に出せず、俺は一人、心の中で呟く。
勿論、朝倉が何かしらの意図を持って俺と付き合っているだなんて思わないし、
金目当て、結婚詐欺なんて間違ってもありはしない。
俺の家はごくごく平凡だし、この先何十年経ったとしても、
俺が莫大な財を築くなんて事はありえない。
なら、誰かとグルで、俺をからかっているのか?
でも、そんな気配はないし、高校になってまで、そんなアホなことをする奴いないだろう。
だったら、何がある?
隣で笑う朝倉を見つめる俺の心に、少しずつ不安が生まれる。
そんな自分がたまらなく悲しい。卑屈だね、俺って奴は…
忘れよう。今となりで朝倉が笑ってる、それでいいじゃないか。


413いじめカッコ悪い:2007/03/19(月) 22:58:11 ID:IQ5c/y6M

「そろそろよ。あ、あれあれ♪フルーツパフェがすっごく美味しいの。」
料理がうまい朝倉が言うんだ、おそらく舌が溶けてなくなるほどにうまいに違いない。
もうすでに、俺の口の中は臨戦態勢だ。
「何それ〜。焦りすぎよ。」
そう言って微笑むと、朝倉は店のドアに手をかけた。
店の中には、洋楽の流れていて、内装も80年代のアメリカを思わせる、レトロな雰囲気だ。
朝倉はこーゆー雰囲気が好きなのかかな?
注文を済ませると、店員に案内され、奥の席に腰掛ける。
「何だけ?この曲。昔の曲だよね?」
「確か、何かの映画で使われてたよな…えーっと、車で過去に行く…」
「Back to the Future!!」
「そう、それ。」
「私、あの映画好きなの。」
「ホントに?俺も難しい映画より、ああいうSFもののほうが好きなんだ。」
「へー、じゃあ『猿の惑星』とかも好きなんじゃない?」
こうやって話してると、さっきまでの不安なんて、ちっぽけなことだって気がする。
変なことに気を遣って、色々心配するくらいなら、朝倉の笑顔を、
たくさん見られる様に努力しよう。
「7番でお待ちのお客様。」
どうやら出来上がったみたいだ。俺は朝倉を制して立ち上がると、
二人分のパフェを取りに行った。
ホントにうまそうだな…こりゃ朝倉が気に入るわけだ。
「お待たせ。」
「あ、ありがとう、キョン君。」
朝倉は広げていた携帯を、静かに閉じて鞄の中にしまった。
「誰?」
思わず聞いてしまった。朝倉の驚いている顔を見て、後悔の念が押し寄せる。
こういうのって聞かないほうがいいのかね。知ってる奴がいたら教えてくれ。
「気になる?」
「あ、いや、教えたくないならイイんだけど。…ちょっと、気になってさ。」
なんか苦しいい物言いになってしまってるなぁ…我ながら情けない。
「フフフ。女の子の友達。長門さん、知ってるでしょ?」
意外な名前が返ってきた。あの無口で、何考えてるか分からん長門か?
まぁ、誰にでも好かれる朝倉のことだし、長門と仲良くても不思議ではないけど。
「長門と仲いいのか?」
「どうかしらね。同じアパートで、一人暮らししてるから、時々差し入れしてるの。
 だってろくなもの食べてないの、長門さん。」
そうだったのか。たしかに、長門はろくなもん食べてそうにないな…。
「それより、早く食べましょ。口の中、臨戦態勢なんでしょ?」
そう言って微笑むと、朝倉は自分の注文したパフェを口に運ぶ。
「あ、そうだった。」
俺も、自分の分を口に入れる。
甘くて旨い。特にチョコレートの濃厚な味わい、フルーツとの絡み具合、そしてアイス。
文句のつけようがない。敢えて言うなら、高校生にとっては、値段がいささか高い気がする。
「美味しい♪キョン君、どう?」
「あぁ、めちゃくちゃ旨い。」
こんな旨いものに味覚を刺激され、おまけに目の前には、俺的評価MAX突破の朝倉がいるんだ。
視覚と味覚のダブルパンチで死ぬんじゃないか?俺は。
414いじめカッコ悪い:2007/03/19(月) 23:00:50 ID:IQ5c/y6M
パフェを食べ終えると、たわいもない会話に花を咲かせた。
好きな映画、昨日見た番組、最近行った店、学校の友達のこと…etc
なんでもない会話でも、朝倉のことが知れるから嬉しい。
朝倉のことは何でも知りたいと思ってるから。
だからこそ、やっぱり、俺と付き合おうと思ったわけが知りたかった。
店を出て、二人肩を並べて歩いている間、ずっと頭の片隅にその思いがあった。
なかなか聴き出せないまま、朝倉のマンション近くの公園についてしまった。
「送ってくれてありがとう、キョン君。」
ええい、今しかない。俺は手を振って、背を向けた朝倉を呼び止めた。
「朝倉ちょっと待ってくれ。一つだけ聞いてもいいか?」
振り返った朝倉が、小首をかしげながら、俺の顔を見る。
「ん、何?」
俺は意を決して尋ねた。
「どうして、俺と付き合おうと思ったんだ?」
「どうしたの?急に。」
ここで、はぐらかされては、いつかと同じになってしまう。
「知りたい、ってだけじゃ駄目か?」
「…。」
いつになく真剣な、俺の雰囲気を察したのか、朝倉もじっと俺を見つめる。
しばらくの沈黙の後に、朝倉が口を開いた。
「キョン君が好きだから、じゃダメ?。何で好きになったかは分からない。
 涼宮さんと一緒に無茶してるあなたを見てるうちに、貴方を目で追うようになってて…。
 気付いたら、キョン君のことが好きになってた。」
「…。」
「変かしら?」
「いや、変じゃないけど。」
「変じゃないけど?」
「何か、実感がわかないって言うか…」
それを聞くと、朝倉はニコリと笑い、俺との距離を詰めると
俺の首に手を回して


俺に口づけした。
 
一瞬のことだったので、何が何だか分からないでいたが、徐々に頭がはっきりしてきた。
朝倉の髪から、やさしい香りがする。柔らかい唇の感触が、俺の鼓動を激しくする。


「どう?実感がわいた?」
キスを終えた朝倉が、俺の顔を見て可愛く、少し悪戯っぽく笑った。
少し顔が赤い。うつむき加減で、俺を見つめるその姿は、たまらなく可愛い。
「変なこと言って、ごめんな。」
「もう、そういうのは言いっこなし。」
「そうだな。」
俺が笑うと、朝倉も笑顔を見せる。何だか、すごく分かり合えてる気がして嬉しい。
ふと、朝倉が視線を落とした。何だろう?
さっきより真っ赤にした顔を少し上げ、上目遣いで、朝倉が言った。
「ねぇ、キョン君…よかったら、私の家に…」
「あう、キョンじゃないか!!お〜いキョン。」
後ろから大声で俺を呼ぶ声がする。聞き覚えがある声だ。
どうやら、その人物には、朝倉が俺の陰になり見えないらしい。
しかし、見えないとはいえ、もう少し空気を読むことは出来ないのかね。
先ほどの朝倉の台詞からすると、おそらく朝倉は俺を家に上げてくれようとしたに違いない。
せっかくのチャンスだったのに、このアホのせいで…


「何か用か、谷口?」
415いじめカッコ悪い:2007/03/19(月) 23:02:27 ID:IQ5c/y6M
俺が振り返ると、谷口は朝倉がいることに気付いたのか、フリーズしてしまった。
「あ、え、お前ら…そうか。」
理解するのが遅すぎる。俺に話しかえる前に気付いてくれ。
「あ、違うの。あ、キョン君、私帰るね。今日はありがと。また明日。
 谷口君も。じゃ」
どうやらキスしているところを見られたと思ったらしい。
朝倉は、真っ赤だった顔を更に真っ赤にしてマンションのほうへ走っていった。
「スマン、朝倉がいるのが分かってれば、声をかけなかったんだが…」
「何しに来たんだ?この辺は、うちの高校の奴あんまり住んでないし、
 お前の家はコッチじゃないだろ?」
「いや〜実は今日発売のゲームが見つからなくてな〜。
 探し探すうちに、コッチまで来ちゃったってワケだ。」
全く、迷惑な奴だ。ゲームぐらい一日二日我慢できないのか。
「だから、悪かったって。」
もういい。お前とつるんだ時点で、この程度の損害は予測してる。今更腹もたたん。
「なんだよ、その言い方はよ〜。」
はぁ、天国から地獄。何でこんなアホのバカ話を聞きながら家に帰りゃなならんのだ。
「ハハハ、いいじゃね〜か。たまには男の友情も大事にしろよ。」
馬鹿笑いをしながら歩く谷口。
隣を歩く、俺の心臓の鼓動は、まだ早いままだった。
さっき分かれたばかりなのにね。これで眠れなきゃ、朝倉のせいだよ…。


「あ〜お帰り〜キョンく〜ん。」
妹だ。こいつはいつでもテンションが変わらないな。
「どうしたの?キョン君?何だかニヤけてる〜。」
…いかん、ニヤけてたか。まぁ、俺の気持ちは各々察してくれ。
部屋の中でも、なんだかニヤけてしまうのがわかる…。
何も考えられん。頭にあるのは、朝倉とのキスだけだ。
晩飯を食ってても、味がしない。
おそらく俺の脳は、今、完全に活動を停止させているのだろう。そうに違いない。
普段から大して働いていないが、今日は一段と活動が鈍いね。
このままだと、神経までやられそうだ。
反射が起こらずに、熱い薬缶を手が溶けるまで、握ってたりするんじゃないだろうか。
全く味がしないチキンカレーを胃袋に収めると、俺は部屋に戻り愛読書を開いた。
勿論漫画だけどな。ただでさえ小説は頭に入らないのに、今日読んだところで意味はない。
いつもなら、三行読む間留まっている記憶も、今は読んだ瞬間に、頭から消えていきそうだ。
こういう頭の働きが鈍い日は、漫画に限る。
しかし、まだ顔が熱いな…耳たぶが燃えているってね。
その熱い耳に、コンポから流れるラジオの音が届く。


『なんでだろう、あなたに恋した、私です』


ラジオで流される曲を聴きながら思う。
もう、朝倉が何で俺を好きか、なんてつまらないことを気にするのは止めよう。
俺を好きだといってくれる朝倉を、大事にすればそれでいいじゃないか。

416いじめカッコ悪い:2007/03/19(月) 23:07:41 ID:IQ5c/y6M
その夜、何だか寝苦しくて、俺は目を覚ました。
どこだ?ここは…見覚えがあるが。
SOS団の部室か、だが何でこんなところに。
ちゃんとベッドで寝てたはずだ。床に落ちることはあっても、学校まで転がってくることはあるまい。
夢遊病にしても、制服に着替えるなんて、律儀な患者もいないだろう。
「あ、起きた?」
聞き覚えのある声……毎日、俺の後ろの席から聞こえてきていた声だ。
この部屋でも何度も聞いた。そう今と同じように、団長席に座るソイツが、
俺たちを騒動に巻き込む時に、同じような声をしていた。
声の主は、眩しいくらいに輝く瞳で、俺のことを見つめている。


涼宮ハルヒがそこにいた。


一体なんだ?何がおきたんだ?
「不思議でしょ?あたしもビックリ。
 でも、何となく分かるの、ここにはキョンとあたししかいないって。」
そんな馬鹿な。
「そう思う?じゃあ、窓の外を見てみるといいわ。」
そう言うと、涼宮は椅子に座ったままクルッと後ろを向いた。
窓の外?何があるんだか…


何だ?空も、丘の下に見える町も一面が灰色の世界だ。
全く光がない。明るくはないけれど真っ暗でもない…どこなんだ、ここ。
俺の知ってる学校じゃないのか?
「驚いたでしょ?でもワクワクしてきたの。
 こんな世界に、あたしとキョンだけなのよ?運命ね、これは!!」
まだ言ってんのか?こいつ。いい加減にしてくれよ。
だいたいこんな世界でお前と二人なんて、勘弁願いたい。
「とにかく、出口を探そう。」
「無駄よ。私には分かる。」
俺は涼宮を無視して、部屋から出た。
何とかして、出口を見つけたい…こんな不気味なところからは、一刻の早く脱出したいもんだ。
靴箱には、上履きが入っていなかったので、俺は仕方なく上履きのまま外に出る。
窓から見たときもそうだったが、やはり星一つ見当たらない。
かといって雲が空を覆っているわけでもない。
月も見当たらない。街の明かりもない。なのに真っ暗でもない。
不思議な空間…。
俺は、とりあえず正門から、学校の外にでようとした。
が、出られない。
何だ?何も無いはずなのに、何かに押し戻される。硬くはない、ナタデココみたいな感触だ。
ワケが分からない。二、三発蹴ってみたが、効果はない。
どうやら、学校周りをぐるっと回ってるようだ。
しょうがない、部室に戻ろう……。

417いじめカッコ悪い:2007/03/19(月) 23:09:54 ID:IQ5c/y6M
最終回まで書くつもりだったけど、この辺で一度放出します。
もうちっとだけ続きます
418名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/19(月) 23:23:27 ID:kGvSngfc
あああ・・・もうハルヒ駄目じゃん・・・可哀相だよこんなの・・・
419名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/19(月) 23:49:09 ID:vbG/LqJ4
なんというか、原作のストーリーにつなげるのが好きですね
作者とセクロスしちまいなよ
420名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 00:46:03 ID:zSfjmLyu
このキョンは閉鎖空間に行ったことなかったんだな
って事は3人が宇宙人未来人超能力者だって事も知らないのか
421名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 00:49:07 ID:bpG5Hkkz
キョンが長門についていってる箇所からするとそんな感じだね。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 00:50:50 ID:MZNT4l9a
みくるちゃんとなんてほとんど絡んでないし
423 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/20(火) 00:53:01 ID:B9ycl1AZ
>>420
それは知ってるんじゃないか?
424名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 01:16:19 ID:a3TxRemt
知ってはいるけど信じてはいないって事か?

>>423
あの時さわりでもいいから教えてくれって質問した者だが、どうしてもダメ?
425名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 01:35:41 ID:e/Fp4yh/
>>420 序盤で長門から永遠と電波な話を聞かされた、とあるから長門が宇宙人というのは聞いているが信じてない。
みくる、古泉に関しては知らないんじゃないか?
426ID:DPV5ODEB:2007/03/20(火) 01:55:52 ID:yXENJUkG
>>424
予備知識なしで一気に読んだ方がおもしろいじゃないか
てか、「うん、それ無理!」ってまた言われそうな予感ww
427 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/20(火) 02:39:54 ID:B9ycl1AZ
>>424
「無駄なの」
428名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 02:54:46 ID:1A2TBZAh
>>427
もしかして本物の涼子タソですか?
429名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 11:04:03 ID:MPkHBmlu
じゃね?
二期がくるぞーーー
友達が京兄で働いてくれてて良かったぜ
430名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 11:35:15 ID:ZmuDLoYs
遂にお話も終盤か…
wktkして待って松
431 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/20(火) 12:19:04 ID:B9ycl1AZ
>>428
「そ。以外でしょ」
432名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/20(火) 21:45:14 ID:a3TxRemt
しつこく聞いてスマソ…orz
>>426さんの言うようにwktkして待ってます。

いじめカッコ悪いさんの続きにもwktk
433名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 13:47:30 ID:VIYI+/Mr
ほす
434いじめカッコ悪い:2007/03/21(水) 17:48:28 ID:bYpaR2CA
「無駄だったでしょ?」
「あぁ。」
部室に戻ると、涼宮が得意げな顔をして、俺に尋ねてきた。忌々しい。
こんな世界に閉じ込められて、何が嬉しいんだ?お前は。
「決まってるじゃない。キョンと二人で、不思議な体験ができてるからよ!!」
俺はちっとも嬉しくないね。お前と一緒でも、一人でも、こんな場所には一秒だっていたくはないさ。
それに、コッチの世界には朝倉だっていない。
そんな世界に意味はないだろ?
「キョン。どうしようか?とりあえず時間も時間だし、寝ないとね。
 どこがいい?キョンが寝たい場所でいいよ。」
何がいいんだ、このアホ。俺は寝たくない。寝たいなら一人で寝てろ。
「……。」
だいたい、何でお前と寝るんだよ。仮に寝るとしても、俺は一人で寝る。
「黙りなさい。」
低い声が聞こえる。
何だ急に。そんな声色使っても無駄だ。お前とは寝ない。
いい加減、しつこくするのは止めてくれよ。
俺は朝倉が好きだ、それは、当分変わる予定はない。
「うるさい…。」
そう呟くと、涼宮が立ち上がり、団長机から、何かを取り出した。
机に隠れてよく見えない。
「キョン、これが最後。
 あたしと付き合って。」
無理だ。お前を好きになることはない。仮に朝倉と分かれてもな。
だから、いい加減諦めてくれ。お前なら他にいい男が見つかるからよ。
「そう、なら死んで…。」
何だって?
ハルヒが、一歩動くと、隠れていたものが見えた。
ナイフのように見える。脅すきか?
「冗談は止めろ、涼宮!!」
「冗談じゃない。キョンが私のものにならないなら、キョンを殺して、私も死ぬわ。」
言うが早いか、ハルヒは、俺に斬りつけてくる。
ナイフが俺をかすめ、制服を切り裂く。
ほ、本物?てか、マジ殺す気か?かわせなかったら、心臓抉り出されるところだ…。
「マジ止めろって、危なすぎる。」
後ずさりしながら、必死に呼びかけるが、涼宮は聞いちゃいない様子で近づいてくる。
後ろは壁だ、もう逃げられそうにない…
「ずっと一緒よ、キョン。」
そういうと涼宮はナイフを突き出してきた。
殺られる!!

435いじめカッコ悪い:2007/03/21(水) 17:52:54 ID:bYpaR2CA
ん?痛くない…てか何も刺さってない?
「あ、あんた…!!」
涼宮が驚いている。何があったんだ?
俺は恐る恐る目を開ける…
朝倉がいる。
涼宮の繰り出すナイフを、素手で受け止めている。その手からは血がにじんでいる。
「り、涼子…何で!?」
「邪魔すんじゃない!!」
涼宮が鬼の形相でナイフに力を込める。
「涼宮さん…ごめんなさい…。」
「今更な…。」
そういった涼宮が一瞬にして消えてしまった。
「何がおきたんだ?いや、それよりどうして涼子が?」
「キョン君。信じてもらえないかもしれないけど、聞いて。
 私は地球人じゃないの。あなたたちの言葉で言うと、宇宙人になる。
 証拠を見せるわ…、この手、見てて。」
そう言うと、朝倉は血まみれになっている右手を見せる。
「そうだ大丈夫なのか!?」
「いいから、見てて…」
何だか分からないままに、桜の右手を見る俺の目には、信じられないものが映る。
血まみれだった右手が、光ったかと思うと、傷が完全に消えているのだ。
「見てのとおり…。さっきの涼宮さんのこともそう。全て人間にはできないこと。」
「マ、マジで言ってるのか?」
「うん…。」
アニメじゃない…これはマジなのか?
事実俺の制服は切り裂かれている。おまけに夢だとしても、一向に醒める気配はない。
「この空間も、涼子の力なのか?」
「これは別。涼宮さんの力…。彼女には不思議な力があるの。それだけ言っておく。
 それ以上のこといっても、多分信用してもらえないと思うから…。」
もう何が何だか分からない。けど一つだけいえることがある。
俺は朝倉に命を救われたんだ。
「ありがとな、朝倉。」
俺は、朝倉を抱きしめていた。
宇宙人だか何だか知らないけど、朝倉は俺の大切な彼女で、
命の恩人なんだ。
「いいの。」
俺の胸の中で朝倉は小さく呟いた。


436いじめカッコ悪い:2007/03/21(水) 17:54:48 ID:bYpaR2CA
次の日、何だか夢の中にいるような感覚に襲われながら登校した俺は、愕然とした。
涼宮ハルヒは最初から存在しなかったことになっていたのだ。
何だこれは?
それだけじゃない、朝倉までが、その存在が消えてしまっている。
一日中、朝倉と涼宮の事を聞いて回った俺は、すっかり変人扱いだ。
谷口などは、俺が彼女がいないばかりに、妄想と現実の区別がつかなくなったと言ってやがる。
そんな馬鹿な…朝倉は確かにいたし、涼宮に来おろされかけたんだ、俺は。
何で誰も、朝倉と涼宮を知らないんだ?
放課後、俺はおかしくなったかもしれない頭で、SOS団部室へと向かった。
もしかしたら、あそこに何かヒントがあるかもしれない。
しかし、部屋の中には机と椅子、それに本棚しかない。
ただの、文芸部室である。
そんな…何でなんだ?
絶望のふちで、ふと机の上に置かれた、手紙に気がついた。
俺宛になっている…
437いじめカッコ悪い:2007/03/21(水) 17:56:20 ID:bYpaR2CA
『キョン君
 こんな形でごめんなさい。私は、もう、キョン君のそばにはいられません。
 涼宮さんを消すことは、情報統合思念体に背くことになるの。
 情報統合思念体のことは、長門さんから伝えたと聞いたので、どんな存在かは、
 知ってると思います。残念だけど、私には、彼らに逆らうすべはないから。
 短い間、キョン君の彼女でいられて、嬉しかった。
 もしまた会えたら、また、キョン君の彼女にしてください。
 また、一緒にパフェ食べに行こうね。
 朝倉涼子』


俺は、いつから降り始めたのか分からない雨の音を聞きながら、
ただ、そこに立ち尽くしていた。

おわり
438名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 17:58:17 ID:yjd5mZyx
うわあああああああああああああああああ
涼子おおおおあああああqwせdrftgyふじこlp;
439いじめカッコ悪い:2007/03/21(水) 17:59:17 ID:bYpaR2CA
長いあいだ一人で書いておきながら、
最後、適当くさくなってごめん。
次の職人さんに期待してください…。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 18:01:50 ID:yjd5mZyx
いやいや全俺が泣いた
441名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 18:18:42 ID:ZAY8iIhW
なんか言っちゃいかんような気がするのだが、これはいじめじゃないんじゃないのか
それはともかくGJ!
442名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 18:33:05 ID:Ue6BH78U
なんか唐突に終わっちゃったな。でも面白かったGJ!
443名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 18:40:09 ID:s86XJ9Ya
朝倉の罠だとばかり思っていたら・・・まさかこうくるとはね
良かったよ
444名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 19:13:01 ID:lVwglDcB
俺もいじめじゃないと思ったけど・・・イインダヨ!
とりあえずGJ!お疲れさま

ついでに期待あげ
445ありがちな女子によるキョンいじめ:2007/03/21(水) 19:15:28 ID:BpEA2EPY
なぜだろう、最近クラスの女子から避けられてる気がする。
さっきも隣の席の佐伯に話しかけたら露骨にスルーされた、一体どうしてだ?
クラスの女子でまともに会話したのは最近じゃハルヒくらいのもんだ。
新手のいじめなのか?俺が一体なにをしたというんだろう。
さっぱりわからん、女子同士で団結が固いはずだから国木田とか男子に聞いてもさっぱりだろうし。
ハルヒは女子から浮いてるし、そんな話を耳にしたら勝手に暴れだして大騒ぎになるに決まってる。
誰に聞けばいいんだ? あっそうだ阪中に聞こうルソーの件もあるしこっそり聞けばなんとかなるかも知れん。

あたりに人がいないのを確かめて俺は阪中に質問した。
あ〜阪中すまん、ちょっと教えて欲しいんだが……


 「キョン君と話してると涼宮さんから物凄い視線を感じるのね。皆それが嫌だからキョン君とは話したがらないのね
   ほんとは今みたいに誰も居ないところでキョン君と二人きりで話してるのもいけないのね
   キョン君がはっきりしないから涼宮さんもそんな行動にでるの、はっきりしないキョン君が悪いのね、涼宮さんが可愛そうなのね」

俺がちゃんとハルヒの気持ちにこたえないかぎり女子達の態度はこのままだろうと言い残し阪中は去っていった。
  

二重の意味で女子からのいじめでした……orz。
446 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:40:30 ID:CldxUeZ1
んじゃ、ここいらで

題名は「小指でぎゅっ」で、主役は朝倉涼子

俺に質問してくれた人、解りづらいヒントでごめんね

あと今回のは、土台をマッガーレより前に作った奴だから、結構テイストが違うかもです。そこんとこは許して下さい
あ、そうそう時系列は「涼宮ハルヒの消失」の世界で多分五、六月辺りです
まあ四の五の説明するのもあれなんで、投下します

「じゃあ、読んで!」
447小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:42:29 ID:CldxUeZ1
わたしは朝倉涼子。ちょっとみんなにお話ししたいと思うの。じゃあ、聞いて。


わたしはいつものようにマンションのエントランスで、ある人物を待っていた。
「もー、遅いー!」
「ごめん涼子ちゃん。また寝坊しちゃった」
その人物は長門有希。
彼女とわたしは同じマンションに住み、同じような事情で一人暮しをしている事もあって、
入学間もなくしないうちに仲良くなった。今では有希は、わたしの一番の友達。
ときどき一緒に晩御飯も作って食べている。
「また夜遅くまで本読んでたんでしょ?」
「うん」
有希は三度のご飯より読書が好きで、少し内気なメガネっ子。
メガネをしない方が可愛いと思うんだけど、本人はメガネを外したがらない。
この娘のおかげでいつも予定通りの時間には、学校に行けない。
でも、なんだかほっとけないのよね。
「もう、有希はしょうがないんだから。ほら、行きましょ」
「涼子ちゃん、待って」
「ほ〜ら、早くしないと置いてっちゃうよ!ふふ」
わたしたちはいつもこんな感じ。こんな毎朝が楽しい。
448小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:43:42 ID:CldxUeZ1
わたしたちは月並の会話をしながら、いつもと変わらない通学路を歩いていた。
「あ、あれ・・・」
坂を登っている最中、有希が前を指差した。
「どうしたの?」
「あの人、知ってる」
有希が指差すその先には、わたしのクラスメイトがいた。
「何?キョンくんの事?」
「キョンくんっていうの?」
「そうキョンくん。で、キョンくんがどうしたの?」
有希が本以外の物に興味を示すなんて滅多にない。
その有希が、キョンくんに興味を示すなんて何かあったのかな。
「前に、図書館でカード作ってもらった人・・・」
有希はかすかに頬を朱に染めながら言った。
「ああ、そういえば前にそんな事言ってたわね。あれキョンくんだったの?」
「うん」
以外ね。そんな事しない人だと思ってたんだけど。
「じゃあ、お礼言いに行く?まだ言ってなかったんでしょ。話し掛けてあげよっか?」
「で、でも・・・」
モジモジしてても、何も始まらないのに・・・。
「あっちだって、その気があったから親切にしてくれたんだよ。だから大丈夫だよきっと!
 それに有希も、キョンくんの事好きなんでしょ?」
「べ、別にそんなんじゃ・・・」
449小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:45:00 ID:CldxUeZ1
顔を真っ赤にされてそんな事言われても、説得力ないよ。
「いいから。ほら、行こう!」
わたしは有希の手を無理矢理引っ張りキョンくんの所へ走り出した。

「キョンくん、おはよう!」
「おう朝倉か、おはよう」
わたしたちはいつものように挨拶を交わす。
「あなたって以外と優しいのね。見直しちゃった」
「何がだ?」
「ふふ。この娘に見覚えは無い?」
わたしは後ろに隠れている有希を前に出した。
「ちょっと、涼子ちゃん・・・」
有希はモジモジしながら前に出る。
キョンくんは驚いたように直ぐさま反応した。
「あ、あの図書館の時の!」
「そう、その時の事で有希から言いたい事があるらしいのよ。ね、有希?」
有希はいまだモジモジしながら下を見ている。
「はやくお礼言わないと。キョンくん困ってるわよ」
わたしは有希に耳打ちした。
有希は何回か小さく深呼吸をした後、か細い声で喋り出した。
「あ、あの・・・図書館の・・・ありがとう・・・」
それじゃ何のお礼かよくわからないわよ。
「お、おう。別に対したことじゃないし気にすんな。あの・・」
キョンくんは照れて頭をかきながら、わたしにアイコンタクトを取ってくる。
名前わからないのかな。
450小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:46:06 ID:CldxUeZ1
「長門有希よ・・」
今度はキョンくんに耳打ちをした。
「な、長門さんとやら」
「うん・・・」
お互い固まったまま。
もう、二人ともウブなんだから、しょうがないわね。
「二人とも、遅れちゃうよ。行こう!」

登校中、有希はキョンくんと何も喋らずにわたしの後ろを付いて来た。
キョンくんもキョンくんで、照れ隠しだかなんだか知らないけど、周りの景色に目を向けている。
「あー、気持ちがいいわ朝の校庭は。二人もそう思わない?」
「そ、そうだな」
「うん・・・」
う〜ん、会話が弾まないわね。

結局下駄箱までこんな感じ、お互いもっと積極的になればいいのに。

有希のクラスは六組。わたしたちと隣同士のクラスなので、
わたしはその間までになんとか二人を喋らせようと努力してみた。

でも、なかなか上手くいかないものね。
頑張ってみて、会話に持って行く事は出来たけど、あんまり噛み合ってなかった。
結局こんな調子で有希のクラスまで来ちゃった。
有希はわたしたちには笑顔を見せて、教室に入っていった。

わたし知ってるんだ。有希がクラスで馴染めて無いの・・・。
六組の友達が言ってた。
451小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:47:22 ID:CldxUeZ1
でも、きっとそれは有希に自信が無いから。きっとキョンくんと仲良くなれば、
自分に自信が付いてクラスとも馴染めるハズ・・・。
有希が別れの笑顔の直後に見せる、暗い表情をした横顔はもう見たくない。

有希と別れ、わたしたちも教室に入る。
わたしの席はキョンくんの後ろで一番隅っこ。
キョンくんは荷物を机のフックにかけ、いつものように谷口くんたちとの話しの輪に入って行った。
わたしも友だちとの話しの輪に入る。

会話の内容はいつも同じような事ばかり、あの男子がかっこいいとか、
あの男子と女子が付き合い出したとか。
別に悪くは無いけどね。

昼休み、わたしはキョンくんに有希の事を聞いてみた。
「ねぇ、あなたは有希の事どう思ってるの?」
「な、長門さんの事か?べ、別になんとも思ってないぞ」
キョンくんわかりやすいんだから。
「本当に?」
「あ、ああ本当だとも」
「じゃあ、有希にそう言ってもいい?」
キョンくんは焦りながら、
「いや待て、それは困る」
「素直になれば?誰にも言わないからさ」
三秒くらい間があったかな。
452小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:48:23 ID:CldxUeZ1
「本当か?」
もう、用心深いんだから。
「うん、本当。誰にも言わないから安心して」
「本当に本当か?」
わたし、信用無いのかなあ・・・。
「本当に本当!じゃあ、ちゃんと約束する?」
わたしは右手の小指を立て、キョンくんの前に出して見せた。
「なんだよ・・・」
「指きり。だからあなたも小指を出して!」
「そ、そんな恥ずかしいこと・・・でで、出来るかよ!」
キョンくんはそっぽを向いてしまった。
「だって、キョンくん信用してくれないんだもの」
「わかったよ。信用するからさ・・・いいだろ、んなことしなくても」
「ダメ、わたしもあなたに約束してもらいたい事があるんだもの」
キョンくんはこっちを少し向いてくれた。
「何だよ。俺に約束してもらいたいことって・・・」
「小指でぎゅっとしてくれたら教えてあげる。だからぎゅっとして!」
「しゃあないな。わかったよ・・・」
キョンくんは照れ臭そうに小指を出してきてくれた。

指きりも終わり、キョンくんは少しどもりながら打ち明けた。
「ま、まあなんだ、ほら、かわいいしさ・・」

キョンくんはいろいろ教えてくれた。
やっぱり図書館でカードを作ってあげたのは、下心があったからみたい。
453小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:49:25 ID:CldxUeZ1
でも、いざとなったら恥ずかしくなって、名前も告げず聞かず終いで逃げてきちゃったらしいけど。
「ねぇ、あなたってまだどこの部活にも入部して無いんでしょ?」
「ああ、そうだけど」
「有希ねぇ、文芸部員なの。でも、部員一人しかいないらしいのよ」
「そ、それがなんだ・・・」
キョンくんはあからさまにとぼけて見せてきた。
「わかってるクセに。ふふ」
キョンくんは数回咳払いをして、わたしに聞いてきた。
「で、朝倉。お前の約束ってなんだよ」
「教えてあげない」
「おい、なんだよそれ!」
「ふふ、冗談よ。わたしの約束はね、有希を裏切らないで欲しいの。あの娘、すごくナイーブだから・・・
 だから、マジメに付き合ってあげてね。遊びだったら許さないんだから」
「わかったよ」
そう言ってキョンくんは深くうなずいた。
キョンくんのその表情はすごく真剣だった。

放課後、キョンくんは谷口くんたちの誘いを断ってどこかへ行ってしまった。
だいたい予想はつくけどね。
邪魔しちゃ悪いから、わたしは先に帰ろうかな。
454小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:50:27 ID:CldxUeZ1
そう思ったけど、やっぱり気になって文芸部室の前まで来ちゃった。
なんだか落ち着いていられなかったから。
わたしはドアに耳を当て、中の様子を探ることにした。
「・・・」
静かね。もしかしてキョンくん来てないのかしら。
もう、あれだけ促したのに。
部室に入って有希と話すのもいいけど、わたしはキョンくんを探すことにした。
特に理由は無いけどね。
わたしは階段を降りて角を曲がった瞬間、キョンくんと鉢合わせた。
「ひゃっ!」
わたしは驚いて悲鳴をあげてしまった。
「なんだよ朝倉、驚くだろ」
「なんだとはなによ。あ、それよりはやく行ってあげてよね」
「俺は別にそんなんで・・」
またとぼけちゃって。
「何?じゃあ、わたしと一緒に帰る?有希には明日伝えといてあげるから」
「何をだよ!?」
わかってるクセに。
「キョンくんが、有希に気が無いって事を」
「おい待て、だからそういう訳じゃ」
キョンくんは手を前に出して否定した。
「そっかあ・・・じゃあ、はやく行ってあげなさい。わたし、もう行くから・・・じゃあね!」
「おう、じゃあな」
わたしは急いでその場から退散した。
455小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:51:29 ID:CldxUeZ1
次の日、わたしはいつものようにエントランスで有希を待つ。
有希は今日も遅れてやってきた。
「また寝坊でしょ?」
「う、うん」
「まあいいわ。昨日の放課後はキョンくんとたくさん話せた?」
「うん」
有希はうれしそうな表情をして首を縦に振った。
有希のそんな笑顔を見るのは初めてだった・・・。
「あの、涼子ちゃん・・・。昨日部室まで来てくれたなら、寄ってくれても・・・」
気付いてたんだ。
「寄ろうと思ったけどさ、二人のお話の邪魔になるかなって思って」
「そんなことないよ。涼子ちゃんがいてくれたほうがよかった・・・」
有希は寂しいそうな表情を浮かべた。もしかして・・・。
「有希、やっぱりキョンくんとはあんまり合わなかった?」
「違う、ちゃんと楽しく話せたよ・・・ただ、涼子ちゃんがいてくれたほうが安心するから・・・」
有希の表情は暖かかった。
でもわたしは、その言葉を素直に喜ぶ事ができなかった。
胸がモヤモヤしていたからかもしれない。
今日は登校途中にキョンくんと会わなかった。
有希は少し寂しそうな表情をしていた。
456小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:52:28 ID:CldxUeZ1
教室に入ると、もうそこにはキョンくんがいた。
「おう朝倉、長門さんのアドレス教えてくれないか?」
「なにもう、いきなりその話し?てゆうか、昨日聞かなかったの?」
わたしは少し強めに荷物を机に置く。
「話しに夢中になっててさ、聞くの忘れちまったんだ・・・」
「自分で聞きに行けばいいじゃない!」
わたしは会話を中断し、友達のところへ向かう。
今日はキョンくんとあまり喋らなかった。
喋るとまた怒ってしまいそうで、喋りたくなかった。
なんで怒ってしまったのか自分でもわからなかった。

わたしの胸のモヤモヤは日を追う毎にその色濃さを増して行った。

大体一週間ぐらいが過ぎた頃かな。キョンくんと有希の間に変化が起き始めた。
その変化は朝すぐに見ることが出来た。
わたしはいつものようにエントランスで有希を待つ。
エレベーター到着のブザー音が鳴り、ドアが開いて中から有希が出てきた。
しかし、その顔にメガネは無い。
「おはよう有希、メガネはどうしたの?」
「涼子ちゃんおはよう。メガネはキョンくんが、掛けてない方がかわいいって言ってたから取ってみた」
有希は満面の笑みを顔に浮かべながら、そう言ってきた。
457小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:53:33 ID:CldxUeZ1
何よ、わたしが言ったときは取らなかったくせに・・・。
「涼子ちゃん、やっぱりこっちのほうが似合ってるかな?」
「わたしはメガネを掛けてるほうが、可愛いと思うけどなあ」
本当はわたしも有希がメガネを掛けていない方が可愛いと思う。だけど、素直になれなかった・・・。

「そう・・・」
有希は淋しげな表情をしていた。
「でも、よく見たらメガネ掛けてない有希もかわいいかも!」
有希は安堵したのか、笑顔をわたしに振り撒いた。
何やってるんだろう。わたし・・・。

わたしたちは坂の付近まで歩く。
すると、一人の男子生徒が手を振っているのが見えた。キョンくんだった。
「おはよう!」
有希はそう言って、笑顔でわたしの横を通り過ぎ、走って行った。
その有希の表情は、わたしには見せたことも無いような笑顔だった・・・。
それに、有希があんなにうれしそうな声で挨拶するのも初めて聞いた・・・。
わたしは二人の邪魔をするのも悪いので、少し後ろを歩く。
有希もキョンくんも、わたしの知らない笑顔で楽しそうに会話をしてる・・・。
二人の会話が漏れて聞こえてきた。
キョンくんは有希の事を「長門さん」ではなく、「有希」と呼んでいた。
458小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:54:55 ID:CldxUeZ1
なんだか悔しかった。有希がわたしから離れて、どんどん他の人のものになる気がして、悔しかった・・・。
そうなって欲しいと望んでいたのだけど、なんだか悔しかった。
矛盾している自分、自分の気持ちに嘘をついている自分に嫌気がさした。

有希と別れ、教室に入る。
「朝倉、なんか気ぃ使わせて悪かったな」
キョンくんが話し掛けてきた。
出来れば今は話したくなかった。
また辛く当たってしまいそうで・・・。
「何が?」
わたしはわざととぼけた。
「何が?って・・・さっき長門と話し込んじゃってさ、お前をなんだかその・・・」
「何よ!長門じゃなくて有希って言えばいいじゃない!さっき有希の事そう呼んでたでしょ!」
わたしは叫んでしまった。我慢することが出来なかった。
胸のモヤモヤがわたしの心を押し潰すような感覚がした。
苦しくて涙も込み上げてくる・・・。
友人たちがわたしのところに駆け寄り、キョンくんを責める。
事情を知らない友人たちは、泣いているわたしを見てキョンくんを一方的に悪者にしていた。
キョンくんは友人たちの一方的な態度に逆上して、友人たちと激しい言い合いをしている。
わたしはただ泣いて見ていることしかできなかった。
459小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:55:53 ID:CldxUeZ1
「いきなり怒ってごめんね。」
ってキョンくんに謝って、皆にちゃんと事情を話せば済むことなのかもしれないけど、わたしには出来なかった。
それどころか、ただ泣いたままクラスメイトから同情をもらっている自分が情けなかった・・・。

ついにキョンくんは自分の席にふてくされたように座ってしまった。
わたしも皆に
「もう、大丈夫だから」
とだけ言い、席に座った。こんな自分がイヤになる。

昼休み、有希が教室のドアの所から顔と体を少し覗かせキョンくんを呼んでいるのが見えた。
何よ、わたしの時は昼食のお誘いどころか教室にも来てくれなかったのに・・・。
キョンくんも急いで昼食を用意して教室を出て行った・・・。

昼食は食べた気がしなかった。
昼休みは友達とずっとキョンくんの文句を言っていた。
本当はキョンくんの悪口を聞くのはつらかった。
でも、わたしはキョンくんを悪者にして、一緒になって文句を言ってしまっていた。
わたしはキョンくんに嫉妬していた・・・。

キョンくんは五時限目の予鈴ギリギリに戻ってきた。
460小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:56:52 ID:CldxUeZ1
結局今日はキョンくんとは全然喋らなかった。なんて話し掛ければいいかわからなかったし、
なんて言われるか怖くて話し掛けられなかった。

わたしはクラスの友人たちと帰った。
帰りも、皆はわたしに気を使ってくれたのか、またキョンくんの文句を言っている。
また、わたしも一緒に文句を言っていた・・・。
わたしは消えたくなった。その場で消えてなくなりたかった・・・。


その日の夜、わたしはベッドにうつぶせ、声を出して泣いた。
いろんな思いが一気に溢れ出てきた。

次の日、わたしは有希を待たずに学校へ向かった。
有希たちといると、自分が自分じゃなくなるような気がしてイヤだったから・・・。

昨日と同じ場所にキョンくんがいた。
キョンくんは気まずそうにわたしに話し掛けてきた。
「あ、朝倉ー。なが、あっ、有希はどうしたんだ?」
「何よ!挨拶も無しにいきなり有希の話、見ればわかるでしょ!いないわよ!」
本当は話し掛けて来てくれてうれしかったけど、わたしは素直になれずに怒ってしまった。
悔しかったから・・・。

わたしは早歩きで坂道を登る。
キョンくんと話すのがつらかった。どんどん距離が遠くなっていってしまいそうで・・・。
461小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:57:54 ID:CldxUeZ1
教室に入ると、友人たちが話し掛けてきた。
「涼子、昨日の事なんだけどさ。任せといて」
「昨日の事?」
「そう昨日の事よ、キョンくんに仕返しするって話しよ」
わたしは耳を疑った。確かに昨日勢いでそんなに事を言ってしまったけど・・・。
「で、でも仕返しなんてそんな・・・」
「いいからいいから、私達、キョンくんを無視することにしたの。クラスの皆にも言っといたから大丈夫」
「だから涼子、そこんとこよろしくね」
わたしは怖くなった。時間を戻せるなら戻したかった。
「別にそんな・・・」
「いいのよ、女の子泣かすような奴は、サイテーだもんね!」
「でも・・・」
わたしはそれ以上の言葉が出す事ができなかった。心の中でいろんな気持ちが葛藤していたから。
わたしはそのまま席に座った。
サイテーなのはキョンくんじゃない。わたしだ・・・。
あの時、あの言葉を口に出しておけばこうならなかったかもしれないのに・・・。

しばらくしてキョンくんが教室に入ってきた。キョンくんはいつものように皆に挨拶をする。
しかし、誰も反応せずにクラスが静まり返る。
この静けさが怖かった。でも、キョンくんはもっと怖いハズ。
462小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:59:02 ID:CldxUeZ1
「おはよう」
って笑顔で声をかけたかった。
でも、皆を裏切る事になる。という勝手な解釈をしてわたしは何も言わずに外の景色に目をそらした。
わたしはホントにサイテーだ・・・。

その日は居心地が悪かった。
キョンくんが先生に指されるたびに、クラスは変に静まり返る。
キョンくんはずっとわたしに背を向け、つまらなそうに外の景色を見ている。
授業が終わると、そそくさと教室を出ていく。
有希のところに行ってるのかな・・・。

今日、わたしは一人で帰った。
皆と帰っても、皆はきっとキョンくんを馬鹿にした話しをするに違いない。
きっとわたしも馬鹿にしてしまう。
そうなるのがイヤだった・・・。

わたしは昨日と同じように、ベッドで咽び泣いた。
もう、自分がイヤでイヤでしょうがなかった・・・。
苦しかった・・・。
463小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 20:59:58 ID:CldxUeZ1
次の日、わたしはいつものようにエレベーターで降りる。
エレベーターは一階を表示し、ドアが開いた。
ドアの前には有希がいた。
有希はわたしに話し掛けてきた。
「昨日はごめん。私が遅いから、先行っちゃったんだよね・・・」
有希は申し訳なさそうにそう告げた。
わたしは言葉が出なかった。
「これからは早くするように頑張るから、だから一緒に行こう・・・」
わたしは自分が情けなると同時に、どこまでも純粋な有希に苛立ちを感じた。
「何もう!そうやってわたしに、キョンくんと仲良くしてる所を見せ付けて馬鹿にするのがそんなに楽しい!?」
わたしはまた怒ってしまった。
「涼子ちゃん、違う。私そんなつもりじゃ・・・」
有希は今にも泣きそうな顔をしていた。
有希がそんなつもりで言ったんじゃないってホントはわかってる。
でも止める事が出来なかった。違うとわかっていても止められなかった。
「違わないわよ!後ろから一人で歩いてるわたしが滑稽なんでしょ!見下したいんでしょ!!」
有希は泣き出してしまった。
でも、わたしの口は止まらなかった。
「有希なんか友だちでもなんでもないわよ!」
464小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:01:01 ID:CldxUeZ1
「ごめん、涼子ちゃん・・・。お願いだから、そんな事言わないで・・・」
有希は泣きながらわたしに謝る。
なんで謝るの・・・。悪いのは、わたしなのに ・・・。
どうして・・・。
わたしは自分が我慢できなくなった。
「何よ!アンタなんかね、死んじゃえばいいのよ!」
本当は自分に言いたかった。
でも、わたしは有希に言ってしまっていた・・・。
ひどいこと言ってごめんね有希・・・。

有希の一番見たくない表情を見てしまい、わたしは怖くなって走りだした。
視界がどんどんぼやけて行く。


教室に入り、わたしは席に座ってうつぶせる。
友人たちが心配して近寄ってきた。
「どうしたの涼子?キョンに何かやられたの?」
「アイツ、本当にサイテーね。涼子、安心して!とっちめてあげるから!」
違う・・・そんなんじゃ無い・・・。
悪いのは全部わたしなの・・・。

すると、キョンくんが教室に入ってきた。
キョンくんは教室に入るなり、わたしを引っ張り廊下に連れ出した。
その間、女子たちがキョンくんに向かって罵声を浴びせる。
耳を塞ぎたかった・・・。
わたしは、皆に「心配しないで。大丈夫だから」とだけ言い、キョンくんに付いていった。
465小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:02:05 ID:CldxUeZ1
キョンくんはわたしを壁に押し付け怒鳴り散らす。
「おい、なんのつもりだ!ふざけんなよ!」
「何の事よ」
わたしはまた素直になれなかった。
「とぼけてんじゃねぇぞ!有希に何言ってんだよ!!」
「別に対した事言って無い」
キョンくんはわたしが話している最中に割り込み、さらに怒鳴りつける。
「対した事言って無いじゃねぇだろ!有希は本気で悩んでるんだぞ!!お前のせいだぞ!!」
キョンくんの怒った顔が見たくなくて、わたしは目線を横に向ける。
気がつくと、ほかのクラスの人たちまでがわたしたちのケンカを見ている。
その中には、隣のクラスから少しだけ顔を出す有希の姿があった。
有希は、わたしと目が会うなり顔を引っ込めた。
すっかり嫌われちゃった。裏切ったんだから当然か・・・。
「おい!お前聞いてんのか!有希に謝れよ!」
「聞いてるわよ!なんで謝らなきゃいけないのよ!わたしはホントの事を言っただけだもん!」
わたし、なんで意地張ってるんだろ・・・意地なんか張ったって良い事無いのに・・・。
「お前、それ本気で言ってんのか!?」
466小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:03:04 ID:CldxUeZ1
「本気じゃなきゃそんな事言わないわよ!有希なんかね、死んじゃえばいいのよ!」
こんな自分がつくづくイヤになる。
「ふざけんな!」
キョンくんがそう言った瞬間、わたしの頬にキョンくんの握り拳が当たり、わたしは床に倒れた。
みんなの悲鳴が聞こえてきた。
涙が溢れてくる。心が痛かった。胸のモヤモヤがわたしの心を激しく圧迫する・・・。

さわぎを聞き付けたのか先生がやってきて、わたしたちは生徒指導室へと連行された。
そこでもキョンくんの言い分は通らず、先生がキョンくんに
「どうせお前が因縁つけて殴ったんだろ、朝倉に謝れ!」
などと怒鳴り付けている。
なんでいつも・・・。
わたしが悪いのに・・・。
でも、それを言えないわたしはやっぱりサイテーな人間なのかな。
何もかもがイヤになった。
467小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:04:04 ID:CldxUeZ1
結局キョンくんはわたしに謝り、この件は折り合いとなかったが、キョンくんには処分が待っていた。

五日間の停学処分。

わたしはキョンくんに謝る事が出来なかった。
少しキョンくんと間隔を開けて教室に戻る。

さすがにわたしもあんな事を言ってしまったせいか、クラスの皆は話し掛けてこなかった。
今日はほとんど一人で過ごした。
帰りのホームルームで、キョンくんが停学処分になった事が皆に伝えられた。
しかし、クラスは静まり返ったまま。誰もキョンくんに声をかけなかった。
ホームルームが終わると、キョンくんはすぐに教室を出て行った。

わたしは今日も一人で帰った。
本当はキョンくんと一緒に二人で帰りたかった・・・。

家に帰っても、わたしは夕食を食べる気にも、作る気にもなれなかった。
暗い部屋で、ただ時間だけが経過する。
わたしはベッドの上で、丸くなって座っていた。
468小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:05:06 ID:CldxUeZ1
外では救急車とパトカーのサイレンが鳴り響いていた。
何かあったのかな・・・。
でも、わたしは行く気になれなかった。そんな気力はもう無かった。
わたしはベッドに入り、眠ることにしたが、中々寝付く事が出来なかった。
胸をずっとモヤモヤが駆け巡り、今日の事を思い出す度に心が締め付けられ、涙がこぼれ落ちてくる。
わたしは抱き枕を強く抱き締めた。
わたしは優しく微笑むキョンくんの顔を思い浮かべて、心の痛みをごまかすしかなかった。

次の日、わたしは一人で学校に向かう。有希に会わせる顔が無かったから・・・。
わたしは有希を利用していただけなのかもしれない・・・。
有希をキョンくんに近づくためのきっかけに使っていただけなのかもしれない・・・。
わたしは激しい自己嫌悪に陥った・・・。

学校についたが、周りはなんだか慌ただしかった。
わたしは席に座り、ただ窓から外の景色を見ている事だけしかできなかった。
クラスメイトが、キョンくんやわたしの悪口を言っているのが聞こえてきた気がした。

予鈴が鳴ったが、キョンくんはやってこない。
そうか、キョンくん停学処分だったっけ・・・。
469小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:06:09 ID:CldxUeZ1
予鈴が鳴って、しばらくしてから先生が入ってきた。
「遅れてすまない。一時限目は中止だ。全校集会になった。急いで講堂に集まりなさい」
どうしたのかな。

わたしたちは講堂に行き、整列して着座した。
全員が揃い、一連の流れが終わったところで、校長先生が口を開く。
「あー、非常に残念なお知らせがある。そもそも学校生活において、仲間とは大切なものである」
昨日のキョンくんとの事を話すのかな・・・。
皆の視線がわたしに集まっている気がして怖かった。
校長先生はいろいろ話した後、少し間をあけて重たそうに口を開いた。
「知っている生徒もいるだろうが。昨日、光陽園駅付近のマンションで飛び降り自殺があった」
昨日の救急車とかのサイレンはそれだったんだ。
でも誰がだろう?

本当は薄々わかっていた。信じたく無かっただけで・・・。
隣のクラスから、その人物の名前がチラホラ飛び交っていたから・・・。

校長先生は再び話しを続けた。
「飛び降りたのは本校生徒だ。それも一年生。そもそも・・・」

わたしは胸が締め付けられ、呼吸をするのが苦しくなった。
470小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:07:13 ID:CldxUeZ1
隣のクラスはさらにざわめいている。
そのざわめきの中から、飛び降りたとおぼしき人物の名前が何度もはっきりと聞こえた。
「長門さん」、「長門」、「長門有希」
呼び方なんてどうでもいい。
飛び降りたのは有希だ・・・。
わたしはますます胸が苦しくなった。
わたしのせいで有希が・・・。

周りからは徐々にわたしの名前も聞こえ出してきた。
昨日、大声であんな事言ったんだから当然か・・・。

全校集会が終わり、わたしは下を向きながら廊下を歩く。
皆がわたしの噂をしてるのが聞こえてきた。
わたしは教室に戻らず、ある場所へ向かった。

わたしの気持ちとは対称的な雲一つない青空、そよ風がとても気持ちよく、いい香りを運んでくる。
校庭や街の景色を一望できる絶好の場所。そう、屋上。

いつだったか、有希と一緒にお買い物に出掛けた時も、こんな天気だった。
その時はまだ、有希はわたしに笑顔を振り撒いてくれていた。
しかし、それはもう二度と戻れない過去の思い出。有希はもう、追憶の中だけにしか存在しない。
471小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:08:13 ID:CldxUeZ1
わたしは有希の笑顔がもう一度見たかった・・・。
有希が最後にわたしに向けた表情は、わたしを畏怖していた・・・。
その表情が、わたしの心の中に残っている有希の笑顔を掻き消していく。
有希との楽しかった思い出もろとも消え去りそうでとても怖かった。


わたしはある人物に電話をかけた。
よかった。着信拒否はされてないみたい・・・。
15コール目、やっとその人物は電話に出てくれた。
わたしはうれしかった。

『なんだよ』
その人物は怒った口調で応対してきた。わたしはとても怖くなった・・・。
胸が潰されそうになる・・・。
「キョンくん・・・」
うれしさと怖さがわたしの心の中で入り交じる。
とても苦しかった。
『だからなんだよ。ようが無いなら切るぞ』
「キョンくん・・・」
涙が溢れ出てくる。
いざとなると言葉が出ない。名前を呼ぶ事しか出来なかった。
『おい、お前ふざけてんのかよ!』
わたしは勇気を振り絞って言った。
「キョンくん・・・。ごめんね・・・」
わたしは声が震えないように頑張った。
『いきなりどうしたんだよ・・・。謝るんだったら、俺はいいから有希に謝れよ』
キョンくん知らないのかな、有希の事・・・。
472小指でぎゅっ ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:09:39 ID:CldxUeZ1
「ごめんね、キョンくん・・・ごめんね・・・」
わたしは謝る事しかできなかった。声もすごく震えていた。
『朝倉・・・お前、泣いてるのか・・・?』
キョンくんは心配そうに訪ねて来てくれた。わたしはとてもうれしかった。
わたしはもう一度勇気を振り絞り、キョンくんに最後の言葉を告げた。

「キョンくん・・・大好きだよ・・・。じゃあね!」
わたしは返事を聞く前に電源ボタンを押して通話を終了する。
胸のモヤモヤが無くなった気がした。
わたしは目を閉じ、両手を胸の前で組んで、右手の小指を胸に当てた。

「ごめんね有希・・・。今、わたしもそっちに行くから・・・だから許してね・・・」
そう呟き、わたしは青空に身を投じた。

そよ風が、強い向かい風へと変わるのを感じた。


END
473 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:15:08 ID:CldxUeZ1
あっ、いまさらだけど、お互いの呼び方が違うけどそこんとこは勘弁して><
474名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 21:19:26 ID:q39qGxr4
胸が痛いっす
えーとあの、作者さんは女の子ですか?
俺には発想すら無理っすわ
良質な少女漫画読んだような読後感
いやほんとすごい
475名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 21:28:59 ID:G3MBsYlh
職人の皆さん乙&GJ!!

>>446
そういう事だったのか!

てか◆OU1AKr4Yywさんあなたは神ですか?
涙が止まらん
476名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 21:30:10 ID:q39qGxr4
俺朝倉キライなんだけどなぁ
ハルヒが好きなんだけどなぁ
長門もどうでもいいんだけどなぁ
でもこのSSは引き込まれたよ・・・せつなくなった・・
477ID:DPV5ODEB:2007/03/21(水) 21:31:47 ID:WCTKrn4A
こ…これはきつい…
だが…面白かったです!!超GJ!!

俺もばかばかしい短編のやつと
>>130あたりの黒古泉の続きを書いてるのでいつか載せます
そんときは読んでやってください
478 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:35:00 ID:CldxUeZ1
こんな鬱なの投下して叩かれると思ったけど、褒めてくれてありがと

>>474
ごめん俺、男なんだ
479名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 21:39:32 ID:q39qGxr4
>>478
ぐっ・・・あなた何読んでこういうアイデア浮かんでくるようになったのさっ
すごいよほんと
480名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 21:44:30 ID:CldxUeZ1
>>479
朝倉さんへの歪んだ愛を書き連ねてたらこうなっちまったw
481 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 21:46:48 ID:CldxUeZ1
あっ、トリ付け忘れた…orz
482名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 22:00:23 ID:G3MBsYlh
>>480
俺にもその朝倉さんへの歪んだ愛とやらを伝授して下さい><
483 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/21(水) 23:20:39 ID:CldxUeZ1
>>482
「じゃあ、死んで!」
484名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 23:20:54 ID:6Q+UF5xh
これはひどい朝倉ですね
自分への言い訳すらウソのように思えてくる

でもスレタイに相応しい作品だったぜ乙
485名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/21(水) 23:34:42 ID:q39qGxr4
BGMはレベッカのフレンズでおながいします
486名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 00:44:09 ID:sOLF4z/S
GJ!!!!!!
これは一応バッドエンドになるのかな?だとしたら俺的にはハッピーエンドも読んでみたいんだが

>>484
そんな朝倉さんに萌えてしまった俺は末期ですか?

それと一つだけ教えてくれ
>わたしは優しく微笑むキョンくんの顔を思い浮かべて、心の痛みをごまかすしかなかった。

これはオナニーをしているのですか?
こ れ は オ ナ ニ ー を し て い る の で す か ?
487名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 00:57:41 ID:atXbCIHN
ここ最近の流れは朝倉さん好きの俺にとっては嬉しい限り
488名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 00:59:06 ID:9DNXBJ2l
>>486
2度も書くなばか者wwwそうに決まってんだろハァハァ

やっぱ朝倉さんはかわいいな


489名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 01:01:41 ID:HXZZoQrj
ハッピーエンドがありえないのがせつないじゃないの
長門に死なれて朝倉に告白されたあげく死なれたキョンは生き地獄だよなこれ
俺なら気が狂うと思う
てか周りに白い目でみられることは確実、ヘタすればワイドショーネタだよ・・
490名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 01:31:32 ID:sOLF4z/S
そして最後はキョンも自殺か・・・
491名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 02:09:17 ID:r5ZQpNYn
デコの人があんまり出てこないのはやっぱり扱いづらいからなのか?
492名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 05:41:00 ID:N+PpFZ94
君たち
人生最悪の三日間という神SS
を知っているだろうか
知らないのならぜひ見てみるといい
今ならハルヒSSまとめに全話収録されているはずだ
俺わもともとプリンスレからきたものだが
とにかくみてみるといい




ぴょん!!!!!!!!!!!1
493名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 07:30:02 ID:K8EhQWri
ウオーーーー
傑作だーー
超すごい!!!
次はハッピーエンドでお願いします!!!
悲しいのはもう読みたくねーーー
494名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 10:52:39 ID:buS3+KAR
つらい結末だが、良い作品だったよ・・・
実際のいじめをやる方も、単なる醜い敵意だけじゃなく、様々な葛藤をしつつも抜け出せなくなってるんだろうな・・・
むかし俺をいじめてたグループの一人と街で偶然会ったとき、『いつもごめんな・・・』と辛そうに謝られたことを思い出しちまったよ
495名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 11:23:04 ID:M6sL0rMZ
>>494
単なる醜い悪意もあるから始末に終えないさ
集団の中には流されてやっちゃってる人もいるけど
そういう人は葛藤すんだけど現状を変える気も、力もないんだよね
496名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 11:45:25 ID:K8EhQWri
いじめって言っても
いやいやでやらされるやつ結構いるんじゃねーか?
弱みとか握られてるやつ、流れでやってるやつ
面白そうだからやるやつ
こいつらはサイテーだな。
いじめなんて弱いやつしかやんねーんだよ。
一緒の僻みってやつじゃないか?
497名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 14:41:18 ID:M8So6Ue6
いじめられてたのを助ける→なんとかイジメが落ち着いてくる→そいつはイジメが無くなったのをいいことに俺の陰口を叩いてましたとさ

実際のイジメはやっぱイジメられてる方にも何かしら問題があるんだろうな…
まあそれでもイジメは最低だ
498名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 15:36:31 ID:9qlxcsPu
たとえ人殺しだろうと性犯罪者だろうと、いじめという手段を用いて一方的に私刑を加えていい理由には絶対にならない。

というわけで次作品wktk
499名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 17:32:16 ID:HXZZoQrj
いじめする人間ってのはリスク負わないで攻撃することに安心しきった、ナメた態度だからなあ
殴ったら殴られるってことを自覚しているのが大人だと思う
が、奴らにはその覚悟もないから始末におえない
500名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 17:45:27 ID:yY6ScXLM
朝倉さんスレからきました
涙で霞んでキーが打てません
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 19:40:30 ID:NCiMCDhq
ハルヒのキャラで一番いじめられてそうなのは山根じゃねとおもた
山根いじめを書いてくれる人はいないだろうか?
502 ◆OU1AKr4Yyw :2007/03/22(木) 19:56:51 ID:/c1HYlum
いろいろお褒めの言葉ありがとうございます
小指でぎゅっは一応これは中間エンドです
ハッピーエンドは暇があったら書いてみますんで、その時は読んでやってください

それと、あれがオナニーなのかどうかはご想像にお任せでw
503名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 20:13:13 ID:Nhdb1gZW
誰か黒キョン書いて。
あとwktkって何?
504名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 20:27:20 ID:yY6ScXLM
ワクワクテカテカ→ワクテカ→wakuteka→wktk
505名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 20:35:38 ID:3e9oOXyE
>>503
まずは自分でチャレンジしてみよう
そしてここに作った作品を載せてくれ
506名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 20:44:34 ID:Nhdb1gZW
>>504
なるほど
>>505
頑張ってみるよ
507名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 21:02:22 ID:hfvmZWQs
>>503

谷口「よぉ、キョン!お前海行ったのか?」
キョン「何だ、唐突だな。しかし、よくわかったな」
谷口「そりゃ、それだけ日焼けして黒くなってりゃな。なぁ、国木田」
国木田「そうだね。真っ黒だよ」
成崎「キョン君、黒いね」
阪中「黒いのね」
山根「黒いな」
朝倉「黒いわね」

キョン「そんなに言わんでも……」
508名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 21:29:05 ID:sOLF4z/S
>>502
あれが中間エンドなのか。バッドエンドだとどうなっちまうんだ・・・
とりあえずwktkして待ってまつ

>>507
ワロタwwwwwwそっちの黒かよwwwwwwwwww
509名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 21:40:12 ID:yY6ScXLM
ハルヒ「よく見たらキョンのって…黒くて太いのね……。うわぁ…裏のとこ血管浮いてる…」
キョン「人の腕をまじまじと見るな気持ち悪い」
古泉「ちょ…僕にも見せて下s…………ああ、日焼けした腕の話ですか…」
キョン「お前は何を落ち込んでいる」
510名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 21:55:25 ID:RYQe2J77
>>509
それはwwwwwwwww
511名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 21:57:23 ID:Nhdb1gZW
>>509
小泉www
512名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 23:47:11 ID:wULM103H
スレ違いのネタなのに・・・悔しい!
でも・・・不覚にもワロタ
513ID:DPV5ODEB:2007/03/23(金) 00:54:23 ID:+HHwK3nW
来たわよ!海!海と言ったら水着!!
へへ、キョン!古泉君!今日はあなた達の男の下心を逆手にとっていじめてやるわよ!
あ、みくるちゃんとキョンの妹ちゃんはいいわよ、向こうで遊んでなさい!
有希は…やっぱり本か…泳げばいいのに…まぁ、いいわ!

さて、キョンと古泉君はどこかしら…あ、あんなところにいた。
おやじくさいわねぇ〜ごろごろしちゃって…まぁいいわ!


「キョ〜〜〜〜〜〜ン!ねぇ、キョンったら!」

「ふが…なんだ寝てたのに…なんか用か?」

「ねぇ、キョン…背中にオイル塗ってくれない?私…手が届かないの…いいでしょ?
ほらぁ…早くしてよぉ…キョンたらぁ…私をじらさないで…」

「は?やだよ…なんでお前の背中なんか…小泉、塗ってやれよ」

「いやです」

そ、即答!?な、何よこいつら!なんか腹立ってきたわねぇ!こうなったらとことんまで
やってやるわ!

「あ、やだ…胸の水着が取れちゃった…ねぇ、キョン、古泉君…
ちょっと、着けてくれない?ほら…私…胸を隠してるから…両手が使えないの…
はやくぅ〜」

「おい、古泉着けてやr……

「いやです」

なに、こいつら!こうなったら…おりゃ!
ぎゅー、むぎゅー…
どうよ、この胸!この胸の谷間!やわらかそうでしょ?すごいでしょ…ってあれ?
…んしょ…ん〜しょ…ん〜〜しょ…
あれ…私こんなに胸なかったっけ…お、おかしいな…寄せても全然…ん〜〜

「…何やってんだ、お前」

「無いものはしょうがないですよ、涼宮さん。どうにもなりません」
514ID:DPV5ODEB:2007/03/23(金) 00:55:37 ID:+HHwK3nW
「う、うるさいわよ!それよりなんであなた達なんの反応も示さないのよ!
それでも本当に健全な高校男子なの!?」

「そうだなぁ…古泉お前はどう思う?」

「そうですねぇ……僕の股間センサーも反応してないようですし…
どうやら、ただ単に涼宮さんの魅力が不足しているだけのようですね。」

「わかったな?ハルヒ。つまりそういうことだ。お前に魅力が無いだけだ」

「じゃ、じゃあ誰なら魅力があるのよ…」
どうせ…みくるちゃんでしょ?…ふん…

「どう思う、古泉?」

「そうですねぇ…僕としては…キョン君の妹さんがいいですねぇ…
グフ!グヒヒヒヒヒヒ!」

「そうか、お前もか!実は俺も妹萌えなんだ!自分の妹だが、いいもの持ってると思うんだよな!
フフ!フヘヘヘヘ!」

げっ!こいつらそっち系だったの…

「キョンキョ〜〜〜ン!古泉おにいちゃ〜〜〜ん!こっち来てビーチボール一緒にやろうよぉ〜〜〜〜!」

「はぁぁ〜〜〜い!わかったよぉ!今、キョンキョン行くからねぇぇぇ!」

「グヘ!グヘヘヘヘヘ…お兄ちゃんって呼んでもらっちゃった…お兄ちゃんって呼んでもらっちゃた…
はぁはぁ…グヘ!グヒヒヒヒヒヒ!!」

「………」

…有希のとこ行こっと…有希…なんの本読んでるの?

「…気をつけて」

そうね…
あの二人には気をつけておくわ…なんでいまだに逮捕されてないのか不思議なくらいね…
特に古泉君…
515名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 02:15:14 ID:7cTkG5Lo
>>514
いじめではない気がするが、
黒めの作品の後とかに見るのは気分転換になっていいな
でもやっぱ黒いの見たいので新たな、もしくは既に降臨なさっているネ申に期待wktk
516名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 04:08:57 ID:s+Vy7utd
朝倉さんの話はせつないな。いじめというか自分が
原因だしな。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 05:01:02 ID:Bp4Y8Srp
>>515
いや、十分いじめだと思うが。
純粋なハルヒのダメージは大きいだろw
518名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 07:31:17 ID:XkkLjZlh
ID:DPV5ODEBさーん
キョンと古泉のキャラ変わってない?
なんか変体親父みたいな。。。。
キモくなってる。。。
519名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 08:31:21 ID:wGbeN9ei
その変わりようも合わせてワロス
つか多少はキャラ変えないといじめなんて起こりようがないよな<SOS団
520名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 08:36:52 ID:XkkLjZlh
それでも
変えすぎとチャう?
変体親父はないだろ。。。さすがに(^_^;)
521名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 08:41:05 ID:o+4TZArD
>>520
いや…これはそういうネタだからさ。
今の君はドリフのコントで「志村が背後に気が付かないのはおかしい」とかいってるようなもんさ。
一言でいうと野暮って感じかな
522名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 08:44:41 ID:XkkLjZlh
そうか。。。
落ち込むな。。。
T.K.氏はどうなったんだ?
523名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 08:50:57 ID:9oJcLkzb
小泉ワロタ
524名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 10:32:12 ID:kZPIIeG0
>>501
リアルで何か嫌だw
525名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 10:42:02 ID:HjFGkiat
古泉ロリかよwwwwwwwwwwww
526名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 11:32:31 ID:UBxIWkrh
なんか新しくいらっしゃった方が居るようですね
527名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 11:37:35 ID:XkkLjZlh
>>526
それは誰だい?
528名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 11:39:43 ID:QqrL6b0E
>>527
アンタしかいないでしょう
正直、半年ROMってろとしか言いようがない
529名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 11:48:00 ID:Jm9mwwon
>>527
すごく・・みっともないです・・・
530名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 11:55:04 ID:XkkLjZlh
すんませんねー
日が浅くて
531名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 12:21:33 ID:XkkLjZlh
僕はどうすればいいのでしょうかねー
首でも吊ればいいんですかね?
続きが気になりますがしょうがないでしょう。
僕は邪魔なだけですからね
532名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 12:24:07 ID:UK0oKBtS
レス番飛びすぎだろ・・・常識的に考えて
533名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 12:29:36 ID:Vz940smh
>>501

岡部「じゃぁ、終わりの会始めるぞ〜!」
朝倉「はい!山根君が、私のにおいを嗅いでくるので止めて欲しいです!」
岡部「何!山根そんな事してるのか!朝倉に謝れ」
山根「えっ…僕はそんな事してな……」

(え〜山根君ってそうだったんだ)
(気持ち悪い…)
(どうでもいいから、とっとと謝れよな)
(うぜぇ…)

山根「あ…あの…(皆の心の声が聞こえる……)」
朝倉「謝ってください!」

(さっさと謝れよな。帰れねぇじゃねえか)
(最低…)
(なんであんな奴の為に部活に遅れなきゃいけないの)
(帰りてぇ。早く謝れよ〜)

山根「うぅ…、あ、朝倉さんごめんさない。もう二度とそんな事しません……」
岡部「よ〜し!朝倉もそれでいいな?じゃあ、今日はこれで終わり!」
山根「…………」
「起立!礼!さよーならー!」




山根「何この数の暴力……」
534名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 12:36:08 ID:fzVYRS0Y
高校で「終わりの会」とか言う名称の「儀式」が行われた記憶が俺には無い。
誰かkwsk
535名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 12:42:04 ID:wGbeN9ei
帰りのホームルームのことだろ
536名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 13:23:28 ID:PByRiLYw
このテの忌まわしき儀式は小学校までだよな
537名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 13:36:42 ID:wGbeN9ei
俺の高校あったぞ

ちなみに今年から大学生です
538まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/03/23(金) 13:52:31 ID:JxdmZX9Z
なんか荒れてきたなwww
ってかいじめカッコ悪いさんの『愛憎』で出てくる朝倉さんの
手紙の内容が忘れられん…。 これのハッピーエンドはありませんか?
539名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 13:56:34 ID:JxdmZX9Z
うわ普通の書き込みなのにトリ付けてしまった。スマソ
ってか、俺も作品投下してみて良いですか?
540名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 13:57:19 ID:Vz940smh
俺は小学生までだったな。

セリフだけだと陰湿な感じが出ないな。しかし、長文は苦手な俺。
いつかもうちょっとちゃんとしたのに挑戦してみるよ。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 14:00:22 ID:cDF/3tS5
>>539
問題なしです。
早く作品投下してくれぇ
542いじめカッコ悪い:2007/03/23(金) 17:18:48 ID:+pHas75K
>>538
管理人さんに、そう感じてもらえるのは嬉しいですけど、あれはあれで終わらせます(;・ω・)
もともと孤独でイジメ役にした、朝倉さんのために作った作品なので(・ω・)
543名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 18:10:59 ID:HjFGkiat
投下マダー?
544名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 19:28:34 ID:hNlo79t+
まとめサイト管理人さんもSS投下するのか。どれくらいのクオリティか見物だな。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 19:28:49 ID:t8A8zUNu
管理人さんのSS見てー!
546名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 21:42:44 ID:fSHh7VsQ
遅くなったが、◆OU1AKr4YywさんのSS、素で泣けた。次の作品、お待ちしております!
547名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 22:00:28 ID:WRLImgo9
バカにしていたライトノベルの
しかも二次創作のSSでなんでこんな涙ぐんでんだろ俺?
548名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 23:21:15 ID:vlduspKx
これこれ、あんま一人の職人さんに固執するのはよくないぜ
前スレで誰かが言ってたが、次の人が投下しにくくなっちまうぜ

まあ、何はともあれ管理人さんのSSに期待
549名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 00:00:30 ID:JM24oCMp
前スレの>>1はこんなスレになるとは思ってなかっただろうな
途中で消えおったし
550名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 00:22:50 ID:Gc9gHKFw
>>549
IKAOHだっけ?
あの人も後から良作投下してたよ
551名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 01:05:27 ID:y7jrGoub
このスレの礎を築いた>>1もまたネ申か
552名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 01:09:28 ID:dXoFn1bz
久々に覗いたら結構投下されてて驚いたw

>>548
まあいいじゃねぇか新作来てないし、少し語るくらいなら
本音を言っちゃえば乗り遅れちゃったから、今からでもいいから俺にも感想書かせてって事なんだけどさw…orz

朝倉さんが好きな俺にとっちゃ、あの二人のSSのダブルパンチは結構効いたぜ(*´Д`)ハァハァ
てか、どっちの朝倉さんも切ない…。なんかキュンとした
てか、小指でぎゅっのSSのラストにある、小指を胸に当てたってどう言う意味があるの?
題名とかけて見ただけだったり?
読解力無くてスマソ…。あと、空気も読めなくてスマソ
553名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 02:05:38 ID:WPEGaJXr
あの叩かれっぷりを見てて、まさか俺も第二弾まで行くと思ってなかったな
こりゃスレを立ててくれたIKAOHさんに感謝だ

>>552
俺の脳内では、朝倉とキョンがちゃんと触れ合った場所だから
と、解釈している。ま、俺の勝手な脳内解釈だから真に受けないでくれ
554名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 15:34:15 ID:5hkLgZX9
なんかほかの人が
投稿しにくくなってるな。。。
やっぱりいじめかっこ悪いさんとID:DPV5ODEBさん
のダブルパンチが効いてるんだな。。。
気にせず投稿してほしいね。
555445:2007/03/24(土) 17:55:42 ID:P+8wZbd5
>>554
そりゃせっかく投稿したのに誰も反応してくれないんじゃ
へこみますよ、ええ。
自分の駄文が悪いわけですがね、ええ。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 20:47:33 ID:WPEGaJXr
>>554
デレ朝倉とロリ古泉のダブルパンチかよwww

>>555
まあなんだ。諦めずに投下してみてくれや
おまいの頑張りは無駄にはならんよ

俺もSS書いてみっかな。なんか職人さんに感化されちまった
てか管理人さんのSSはまだか?
557名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 20:59:57 ID:UwDM/K8J
>>556
たぶん管理人さんは俺もSSを書いてもいいかな?っていうことを聞いたんだと思う
だからたぶん作品はまだ完成してないんじゃないかな?

あと、おまえさんも頑張れ!楽しみに待ってるよ!
ほかの人の作品にも期待!
558名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 21:30:18 ID:WKBfNpNm
キョン妹「キョン君には夢がないよね」
キョン「……」
559名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 00:08:08 ID:gs9PUHFN
>>555
自分の作品にモット自信を持ちなさい
みんな君に期待を寄せているのだよ。
560名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 00:24:34 ID:gTUGANSG
>>555
さあ俺の胸に飛び込んで来な
561445:2007/03/25(日) 00:28:11 ID:0kQ4rgBl
投稿直後にレスがつかない時点でorzですにょろ
あぁいうレスは正直だからイマイチ不評だったのはわかる
俺は他のすれでも投稿してるしね。

小ネタとはいえそんなにつまらんかったかね?
562名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 01:00:12 ID:b4WHCmN1
書き手として気持ちはわかるが
そろそろウザイよ
次がんばれよ
563名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 01:05:31 ID:tduIbGkD
>>561
投下のタイミングもあるからな。
めげずに書いて欲しい。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 13:35:06 ID:gs9PUHFN
どうなっちまったんだ?????
職人さんが一人もいないではないか。。。。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 13:45:13 ID:ai0XmgFo
GJ連発しろとはいわないが
もうちょっと書き手に優しくしないとね……
566名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 13:50:29 ID:gs9PUHFN
すまん
忙しいのだな。。。
567名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 14:14:31 ID:WyUT2ddq
>>556だが、ダメだ…◆OU1AKr4Yywさんとかのパクり作品みたくなってしまう…
やっぱ俺には無理だわ

後は御三家と新たな職人さん達に託す。頑張れ
568名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 15:28:02 ID:tet7Qh1u
>>567
パクリっぽくていいんじゃない?きっと無理に話を綺麗にしようとしすぎなんだと思う。
肉体的にいじめるやつや、性的にいじめるような、最初投稿されてた作品みたいな感じでいいんじゃない?
みんなが趣味で書く作品なんだから、気楽にいけばいいと思う。
569名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 15:34:30 ID:AwfjWdtV
ここにいるやつはみんな物語に飢えてるんだからどんな駄作でもウェルカムだよ
570名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 15:36:39 ID:gs9PUHFN
パクリがなんだ
そんなこと気にする出ない
書いたものは自身を持て
一応アレンジしたんだろ?
571名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 17:31:54 ID:0BgKEe0a
みくる「肩がこって痛いです」
ハルヒ「わかるわ。あたしも時々そうなるもの」
みくる「涼宮さんも結構大きいですもんね」
長門「……」
キョン「何の話だ?」
ハルヒ「肩がこって大変って話しよ」
キョン「そうか、おっきのも大変なんだな」
長門「……私も…」

み・は・キ「 (´,_ゝ`)プッ」
長門「……」
572名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:02:01 ID:pPNtp5ne
褒め過ぎるってデメリットもあるんだな
573名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:09:56 ID:WyUT2ddq
んじゃ、少しだけ一応投下してみる

ある程度オリジナリティを加えたつもりだ
574名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:12:34 ID:WyUT2ddq
ホームルームも終わり、俺は一人で部室に向かった。
ハルヒか?あいつは掃除当番だ。だから俺は一人で部室に向かっているのさ。

部室にはやはり長門がいた。しかも一人だけだ。
「よっ、長門」
「…」
コクりと首を動かし、また本に目線を向けてる。
たまには「キョンくん、こんにちは!」とか挨拶してくれないかな…。
さすがにこれは長門のイメージとはかなりかけ離れてるが…。でも、情報ナントカがミスを起こして……
いや、何を考えてるんだ一体…すこし落ち着けよ、俺。
でも、やっぱり長門の声が聞いてみたいな。ここ最近何にも事件が起きないせいか、長門はずっと黙って本を読んでいやがる。話し掛けても首を動かすくらいだ。
事件が起きないのはいいんだが…でも、長門の声が聞いてみたいな…。
あの時みたいな電波話でもいいから話してはくれないのだろうか…。
「おい、長門…何の本読んでんだ?」
「…」
長門はカバーを見せてきた。
なになに、ハリー○ッター…。長門でもこんなメジャーな本読むのか。
「それってさ、前に映画化されてた奴だよな?長門は映画見たか?」
「…」
長門は首をゆっくり横に振った。
長門の首のギア比は10.582ぐらいなのではなかろうか…。そのぐらい遅い。しかしその分トルクはありそうだな。
「映画とか興味無いのか?てか、映画舘とか行った事あるか?」
「…ない」
やっと聞けたよ長門の声…。でもやっと聞けた言葉が「ない」ってなんだか寂しいな…。
もっとこう……
『キョンくん、私…映画舘に行った事無いの…だから一緒に…』
だああああああああああああああああああああ!!!
さっきからどうしたんだ俺は、なんだかおかしいぞ…。これじゃまるで谷口の頭の中じゃねぇか…。
落ち着け、俺。落ち着け、俺。

「どうも、あれ?あなたと長門さんだけですか?」
「そうだよ、ハルヒは掃除当番だ。朝比奈さんはよくわからんが、鶴屋さんとでも話してるんじゃないか?」
まったく、よりによってこいつか、朝比奈さんだったらどんなにうれしかった事か…。
まあいい、朝比奈さんの極上のお茶で気分転換しようと思ったけど…。こいつとゲームでもして、気分転換といくか。
575名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:14:23 ID:WyUT2ddq
古泉とゲームを初めて30分が経過した。
おかしい、いくらなんでも遅すぎるだろ。何をやっているんだ二人は。
てか、長門は手とまぶた以外全然どこも動かさんな。まるで出来のいいダッ○ワイフみたいだ。
いや、だから俺は何を考えてるんだ。何かの拍子で谷口と脳味噌が入れ替わっちまったのか…。
そうだとしたら地獄だなオイ……。

「どうしたのです?」
どうでもいいがニヤケながら質問するなよ気色悪い。
「いやなぁ、どうも二人がここに来るのが遅すぎると思ってな…」
「それもそうですが、僕が聞いているのはさっきからあなたがずっと窓の外を見つめているので…少し気になりましてね」
だからニヤケ面はやめろ。
「なんでも無い。それに窓の外も見つめてないぞ!」
「では、あなたが見つめていたのは長門さんですか?」
「断じて違う!なんで俺が長門なんかを見つめなくちゃならんのだ」
古泉め、なんでわかったんだ。しかし俺は、そんなに見つめてなんかいた覚えは無いぞ。多分…。
「ふふふ、そうですか」
「何だよ、気色悪い笑い方すんな!まあ、それはそうとして。二人共遅すぎるだろ。どうしたんだ?」
「困りものです」
ニヤケながら困った顔をするな。なんでこいつはいつもニヤケてんだ?
むしろ長門じゃなくて、こいつが無表情でいるべきなんだ。
そして長門がニヤケた表情をしていれば…………。
やっぱり今のままでいいか。
「ほら、またあなたは長門さんの方を見ていますよ」
「だから見てない!!俺はハルヒ達来ないかどうかを見ていたんだ!」
576名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:14:39 ID:AwfjWdtV
ktkr!
577名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:15:06 ID:iPiH7KYd
まとめサイトに作品ごとの感想をつけるスペースを設けてもらうのはどう?いじめさんならいじめさんへの感想、T.KさんならT.Kさんへの感想みたいにできないかな

このスレでもGJコールは構わないけど誰かが言ったように適度にするとか そしたら書きやすいんじゃない?

なんか変な要望だしてまとめ管理人さんすいませんm(_ _)m
578名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:15:35 ID:Rgj/Cb7+
編集者の不粋な口出しにも売り上げのプレッシャーにも縛られず、ただ書き手の趣味や希望を忠実に文章にした心の写し紙、
それがSSだろう? たぶん。
読み手に応えたい気持ちも強いだろうけど、我儘に自分の書きたいように書いてくれていいと思うよ。

いつか俺も投下したくなるネタを思いつくかもしれないので、そのときの言い訳までにw
579名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:18:55 ID:gs9PUHFN
キターーーーーー
ID:WyUT2ddq
続きお願いします
良くぞ勇気を出してくれた
私は君に勲章を渡したいくらいだ
580名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:23:30 ID:DJ86flwk
脱字が多いから読み返せ
581名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:24:20 ID:WyUT2ddq
続きはもうちょい待っててくれ
ちょい編集中だからさ

てか俺はこのまま投下し続けてもいいんだよな?な?
582名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:26:30 ID:VYSq48GJ
>>577
それって逆に何も感想がなかったらイヤじゃないか?
あ、でもアドバイスとかすればなんとかなるか・・・


あと、職人さん続き期待してます。頑張ってください!
SS投下サンクス
583名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 19:37:43 ID:gs9PUHFN
>>581
何をためらう事があるのかね?
いい出だしではないか?
584名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 20:00:24 ID:b4WHCmN1
>>578
同意。プロでもなんでもないんだ、思いっきり妄想を吐き出してほしいね
感想が欲しいというのはわかるし、あったら聞く必要もあるだろう。だからって感想が無いってへこむ事なんてないのさ
585名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 23:03:05 ID:WyUT2ddq
遅れてすまん
途中までだがまた投下してみる
586名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 23:06:50 ID:WyUT2ddq
>>575からの続き


しかし長門は自分がこんなにネタにされているというのに、よく無表情・無関心な状態を保っていられるな。
普通の女子なら
………
……


長『もう、二人共!あまりいじめないでよ!それにキョンくん!長門"なんか"ってどういう意味よ!も〜!』
俺『わりぃわりぃ。ま、あんま深い意味は無いから安心してくれ』
長『も〜!どうせ嘘でしょ!』
俺『イテェイテェ、やめろって』
古『フー!おめぇらラブラブじゃ〜ん、付き合っちゃえよ』
………
……


ぐわあああああああああああああああああああああ!!!!
どうやら俺は本当に谷口と脳味噌が入れ替わっちまったらしいな…。
しかし、ここで妄想を止める事が出来たってのは、まだ救いようがあるらしいな…。
あいつなら死んでも妄想していそうだ。

って、また長門を見てしまった。古泉にからかわれそうだ…。
俺は古泉のほうを恐る恐る見てみた。
やれやれ。
って表情をしてやがる。これはこれでムカつくな。
まあいい、ここはゲームに専念しよう。古泉への欝憤はゲームで勝って晴らしてやる。

「遅れてごっめーん!」
「遅れてすいませ〜ん」
おうやっと来たか。ハルヒと俺だけのマイエンジェル。
「おいハルヒ、なにやってたんだ?それに、朝比奈さんも遅れるなんて珍しいですね」
てか二人が一緒に来るのは珍しいな。
「ちょっとね。まあ、女団員だけでの秘密会議って奴よ!ねぇ、みくるちゃん?」
「ひゃ〜い。そうです〜」
女団員だけでの秘密会議ねぇ…。いや待てよ、長門は会議に誘わなかったのか?
「おいハルヒ。長門は誘わなかったのか?」
「ん?何よキョン!」
「だから、長門は誘わなかったのか?」
「有希も誘ったわよ。でも有希は「参加しない」って言ったんだもん。ねぇ有希?」
「…」
長門はゆっくりと、そしてわずかに頷いた。
俺と古泉は、朝比奈さんが着替えをするというので、部室を出た。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 23:08:11 ID:WyUT2ddq
この時間が待ち遠しい。はやくこのドアを開けて、朝比奈さんメイドVer.をこの眼で拝みたい。
しかし今日はハルヒがいるせいか、着替えが長いな。
この朝比奈さんの悲鳴からして、ちょっかいを出してるんだろうな…。羨ましい限りだ。
それから3分くらい経ってからだな。朝比奈さんのメイドVer.を拝む事が出来たは。

俺は朝比奈さんが注いでくれたお茶を飲みながら、古泉とのゲームを楽しんだ。
ま、いつもの日常だ。

大体5時くらいかな。俺達が部室を出たのは。
空はすっかり夕焼け色に染まっていた。
なぜ人は、夕日を見ると懐かしい気分になるのだろうか。わかる奴がいたら教えてくれ。

俺達はいつものように五人固まって坂道を下った。

俺はまだその時、このSOS団に重大な事件が起こっている事にまったく気付いていなかった…。
なんではやく気付かなかったんだろうな…。
ボケっとしていた自分に喝を入れてやりたい。
次の日の放課後
俺はまた一人で部室に向かった。
ハルヒはホームルームが終わった途端、俺をおいてパチンコ玉のように飛んでいってしまったからな。
あいつは一体どうしたんだ?また女団員だけの秘密会議とやらでも開くつもりなのか?
まあいい、静かな部室ってのもそう悪くないしな。
そんな事を思いながら俺は部室のドアを開けた。
昨日と同じで、部室にいたのは長門だけだ。
「よっ、長門!」
今日の反応はいつもと違ったぞ。
何故なら、俺が挨拶をしてからじゃないとこっちを向いてくれない長門が、ドアを開けた途端こっちを向いてくれたからな。
それに心無しか、長門はいつもより大きく頷いてくれた気がした。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 23:09:36 ID:WyUT2ddq
ハルヒも朝比奈さんも古泉も来ない事だし、俺は長門をじっと見つめてみる事にした。
もしかしたら、長門だって女の子らしい一面を垣間見せてくれるかも知れないからな。
例えばそうだな。
………
……


俺『…』
長『…何…?』
俺『…』
長『ねぇ…』
俺『…』
長『あの…そんなに…見ないで……』
俺『…見てちゃダメか?』
長『ダメじゃないけど……』
俺『ダメじゃないけど?』
長『だって…そんなに見つめられたら、恥ずかしいもん……』
俺『何で恥ずかしいんだ?』
長『だって、好きな人に見つめられたら…あっ!何でもない…今の忘れて……』
俺『長門…』
長『な…何……?』
俺『俺だってお前が』
………
……


ぎゃああああああああああああああああああ!!!!
また変な事を…。
俺はもう谷口に変な菌を移されているのかもしれん…。
頼む、誰かワクチンを持って来てくれ。
まあ、それはさておき。この間。長門はずっと俺ではなく、本に目を向けてたワケなんだが…。
やっぱり長門に変な期待をしちゃイカンということなのか…。
てか、ハルヒ達はどうしたのだろうか。またもや全然来ないじゃないか。
それに古泉も一体何やってんだ?とっくに来てもいい頃だと言うのに。
仕方ない、古泉みたいに一人オセロでもして待ってるか。

俺がむなしく一人オセロを始めてから、大体10分が経過した辺りかな。
やっとハルヒ達が部室にやってきた。しかもなぜか古泉まで一緒だ。
589名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 23:11:13 ID:WyUT2ddq
女団員だけでの秘密会議じゃなかったのか?それとも、また違う会議なのか?
「おいハルヒ、なんでまた遅れたんだ?」
「ちょっとまたあの会議してたのよ」
「あの会議って女団長云々の会議の事か?てか古泉はどうなんだよ。男だろ」
「古泉くんは副団長だから特別なの」
特別ねぇ…。
「それより。みくるちゃんが着替えるんだから、あんたははやく出て行きなさいよ!」
「わかったよ」
俺が廊下に出た瞬間、古泉が耳元で囁いてきた。
「ちょっとお話ししたいことがあるのですが、中庭までよろしいですか?」
「お前の話って何だ?てかここじゃダメなのか?」
まさか、また閉鎖空間がどうとかじゃないだろうな。
「涼宮さんに聞かれるワケにはいかないので」
どうやらそのようだな。「てか、ハルヒはドアの向こうにいるんだから、ここでもいいだろ」
「万が一の場合に備えてですよ」
なんだよ、万が一の場合って…。
「てか、いい加減耳元で囁くの止めろ」
「はは、まあとりあえずこちらへ」
しゃあないな。
590名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 23:13:05 ID:WyUT2ddq
「いまさらだが、勝手に中庭に来てよかったのか?」
「大丈夫です。涼宮さんには言ってあるので」
そうかよ。一体何を話されるやら…。
「早速本題なのですが」
「なんだ?また閉鎖空間が頻繁に出るようなったのか?」
「はい、まさしくその通りです」
そんな軽々しく言うな。別に対した事じゃないと錯覚するだろ。
「しかし、これからのあなたの返答次第では、閉鎖空間の出現回数を著しく抑えられるやも知れません」
「返答次第って事は、なんか俺に質問があるのか?」
「はい、そうなりますね」
もう面倒事はごめんだと言うのに。
「じゃあその質問ってなんだ?」
「ズバリ聞きます。あなたは長門さんが好きですか?」
なんだその質問は…。そんなの決まってるだろ。
「ああ、好きだよ」
「それは恋愛感情としてですか?」
なんなんだこいつは。
「お前なんかに言える訳無いだろ」
「言ってもらわないと困ります。でないと、またあの時のような事態が起こり兼ねない」
確かにあんなのは嫌だが…。
「保留。ってのは無理か?」
古泉は少し顔を渋らせ、
「それでは困ります。今、答えてもらわなければ」
「わかったよ…。確かに恋愛感情はあるかもしれない…いや、ある…。俺は長門が好きだ…」
「涼宮さんよりも好きですか?」
「なんだよそれ…」
古泉の表情はえらくマジだった。
「言葉の通りです。あなたは長門さんと涼宮さんと、どちらが好きですか?」
俺は言おうかどうか躊躇した。もしかしたら世界が崩壊するのかもしれないからな。
俺だって、一応空気くらいは読めるさ。
「ハルヒに決まってんだろ…」
「そうですか、それは助かりました」
そう言って古泉はケータイを取り出し誰かに電話をかけた。
「涼宮さん、安心してください。彼はあなたを選びましたよ。」
何を話し合ってやがる。
「さあ、それはどうでしょうか。あなたにお任せします」
任せる?ハルヒに何を任せるんだ。
古泉は通話を終了し、いつものニヤケ面をこっちに向けてきやがった。
「おい古泉!何を話してやがった」
591名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/25(日) 23:27:30 ID:veN/LyUX
ギャグかと思ったらなんだこのシリアスムードは
続きwktk
592まとめサイト”管理”人 ◆8cSQWJfJYQ :2007/03/26(月) 00:48:12 ID:eRZw2DJT
予想以上に自分の作品投下に皆さんが期待してくれてるようで感激ですが、
恐らくヘボ作品が投下されるだけだと思いますので余り期待しない様願いますww


ところで>>577さんの意見ですが、作品の感想を掲載することに対しては、
皆さん様々な意見があると思います。
自分は構いませんが、独断でそのような新コーナー設置するのはどうかと
思いましたので、皆さんのご意見を御聞かせ下さい。
賛成か、反対かをまとめサイトの掲示板に書き込んで頂ければ幸いです。

なんか偉そうに長々と済みませんでした。
それではWyUT2ddqさんの続きに期待。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/26(月) 09:57:36 ID:oXgdeZ9v
出だしだけ電波受信したので置いておきますね
時間と気力があったら続き書きます

+---+---+---+

「見つけましたよ……あなたが情報統合思念体の正体だったとは。これは、ちょっとしたスペクタクルですね」
「WAWAWA?」
「とぼけても無駄ですよ。ふんもっふ!」
「WAWA! WAWAWA! WAWAWA〜〜」
「なにっ!うっ、うわわぁぁぁぁ」
594名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/26(月) 19:58:37 ID:r47LV7f/
続き期待age
595名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/26(月) 23:59:15 ID:OXOLjII/
>>590続き

「何をって、もちろんあなたの返答結果を報告したんですよ」
返答の結果報告?
「おい、それとハルヒに何を任せたんだ!」
「長門さんの事を。ですよ」
古泉はニヤケ面を保ってやがる。俺だけ怒って馬鹿みてぇじゃねぇか!
俺は古泉の胸倉を掴んだ!
「ハルヒは何と言ってた!?」
「有希の事どうする?。と、もしかしたら長門さんは大変な事になっているかも知れませんね」
平然とした顔で言える事か?こいつおかしいんじゃねぇのか。
「てめぇ!長門は俺達の仲間だろ!?」
「仲間と言われましても困ります。彼女とは中立関係にあるだけです。
もちろん朝比奈みくるとも。しかし、長門有希との中立関係ももう終わりです」
こいつ、絶対許さねぇ!
「長門有希はどうやら、機関にとって邪魔でしかない存在になってしまったようです」
「どういう意味だ!」
「彼女は閉鎖空間を発生させる最大要因と化しています。情報統合思念体も長門有希との交信を途絶しました」
どういう意味だ?
「簡単に言うと、長門有希はただの高校生と化したという事です。僕はもう彼女と中立関係にある必要は無いです。
 だからかばう必要も無い。いや、むしろ敵対すべき存在になったという事になりますね」
俺は古泉のニヤケ面に今までに無いほどの苛立ちを覚えた。
「お前、それマジで言ってんのか!?」
「残念ですが、えらくマジです」
俺は拳を振り上げた。
「僕を殴るのは結構ですが、長門さんを心配しなくていいのですか?」
「何が言いたい!?」
古泉は呆れたように言い出した。
「いいですか、長門有希は涼宮ハルヒにとってストレスしか与えない存在です。
 それに、朝比奈みくるの耳にも長門有希がただの高校生になったという事は伝わっているハズです」
「…だ、だからなんだ?」
「彼女にも長門有希と中立関係を保つ理由が無くなったという事です」
まさか朝比奈さんに限って…。
「お気付きで無いのですか?例の会議は長門有希をどうするか。という会議です。涼宮ハルヒは初めから長門有希を誘ってはいません」
「でも、長門はあの時…」
「おそらくあなたに気を使ったのではないでしょうか?」
長門…。
596名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 00:00:32 ID:OXOLjII/
「じゃあ、その会議は結局どうなったんだよ」
「単なる涼宮さんの愚痴を聞く場所となってしまいました」
「…お前はただ聞いてたのか?」
「ええ、そうです」
俺は拳を強く握り、古泉を力まかせに殴った。
「古泉、お前がそんな奴だったとは思わなかった」
「僕をいくらでも殴るのは結構ですが、涼宮さんには手出ししないで下さいよ」
古泉は未だにニヤケ面を保ったままだ。
「彼女はあなたを信じきっている。もしそんな状態で殴りでもしたら、今までに無い程の閉鎖空間が生まれてしまいます。
おそらく世界は完全に終わります。それに、長門有希ともあまり仲良くしないほうがいいでしょう」
「どういう意味だ」
「あなたの好きな人が、あなたの嫌いな人と仲良くしてたらあなたどう思います?」

俺は急いで部室へ向かいドアを開けた。俺は部室の中を見て騒然とした。
ハルヒが長門に本をぶつけていた…。
「あ、キョンじゃない!古泉くんは?」
よく人にそんな事しながら笑っていられるよな。
「後から来るんじゃないか」
俺は必死に怒りを堪えた。そう、世界が崩壊するのだけはごめんだからな…。
朝比奈さんは黙ってその光景を見ている。
長門は床に倒れ、体を丸くしてハルヒからの攻撃を防いでいる。
「おいハルヒ、あのさ、話しがあるんだけど…ちょっといいか?」
ハルヒは満面の笑みを浮かべて、こっちにやって来た。
長門に本をぶつけている時のハルヒとは、まるで別人のようだった。
俺はハルヒに
「教室に忘れ物しちまったから取りに行こうと思うんだ、だから一緒に来てくれないか?」
と告げ教室に向かった。
ハルヒは俺の隣でルンルン気分になっている。俺が告白するとでも思っているのだろうか。
俺はこうする事でしか長門を守れなかった。
朝比奈さんが何もしないことを願うしか無い。

すっかり空は黄昏に染まっていた。
教室に入った途端、ハルヒが教室のドアを閉めた。
「あたし、あんたの事信じてたんだから」
「なにをだ…」
「有希じゃなくてあたしを選ぶって事を」
ハルヒは今までに無いほどの笑顔を俺に振り撒いてくれた。
597名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 00:04:11 ID:VUCYoXK4
短くて悪い。ちょい時間が無くてな
598名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 06:49:43 ID:pDlr+RE3
いいよ
>>597
これのタイトルお願いします
599名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 10:20:19 ID:5q/IqBKw
行け、情報思念体!ここで朝倉さんの投入だ!
600名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 18:50:25 ID:Uts/vykK
>>593に期待してるのは俺だけかな?
601名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 19:18:39 ID:kB9+aj1N
>>600



俺も書いてみようと思って挑戦しているが、なかなか難しいねぇ
602名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 19:22:54 ID:V91nKSIE
しかもジャンルがいじめって特定されちゃうとね。
603名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 19:30:41 ID:V91nKSIE
相互リンク

ハルヒってさ絶対イジメの対象じゃん
ttp://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1174963351/l50
604名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 19:54:20 ID:kB9+aj1N
人から人のいじめは想像できるんだがなぁ。
宇宙人的ないじめってどんなんだろうか。。。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 20:33:01 ID:UbIt0tUQ
SOS団のメンバーがいじめられる話が読めればいいから、
原作の設定は気にしないで作っていいと思ってるんだが・・・


てか、確かにいじめ限定話だとキツイものがあるな・・・
606名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 22:12:11 ID:kB9+aj1N



朝倉さんがカナダに引越してから、それまで止まっていた僕へのイジメがまた始まった。
今までは朝倉さんが止めてくれてたんだ。だから、彼女の転校を聞いた時、居なくなった驚きと同時に
また、いじめが始まるんじゃあないかって不安も感じていた。
そして、それが現実のものになるまでそんなに時間はかからなかった。
最初は休み時間にプロレスの技をかけられたくらいだったけど、
だんだんエスカレートしてきて本気で殴られたりもするようになっていた。
そして、耐えるしかない僕はただされるがままで早く休み時間終わる事だけを考えていた。

そんなある日の終礼の時間。朝倉さんの席をみながら、ぼんやりと考えていた。
朝倉さんがいてくれたら……こんな僕を救ってくれるだろうか?それとも、情けない僕を笑うだろうか?
『もちろん、助けてあげるよ』
あぁ、朝倉さんの声が聞こえる……。幻聴がするなんて初めてだ……。
『私はあなたの味方よ』
朝倉さんの声が聞こえるのは嬉しいけど……予想以上に精神にきてるのかな……
『あなたの力になるわよ。だから、私の机の……』
あぁ、頭がくらくらする……。どうしたんだろ?本格的におかしくなったのかな……。
軽く頭を振って回りを見るといつの間にか終礼も終わって、何人かが教室で談笑していた。
あれ?終わったのか…。それにしても幻聴なんて……、と考えながら何気なく朝倉さんの机を見た。
なんだ?机の奥に何かあるぞ。あんなの前からあったっけ?うぅ…眩暈が……
『あなたにプレゼントよ。わたしからの……』
あ、朝倉さん?また声が聞こえる。今度は頭の中に直接響くみたい……だ…
『さぁ、わたしと二人であんな奴ら見返してやりましょ』
よくわからない……僕はおかしくなってしまったのか……?でも、前は空っぽだったよな?
空っぽの机を見て、朝倉さんがもう居ないんだ、と悲しくなったんだから。
僕は手を伸ばしてソレが何なのか確かめようとした。
これは……ナイ…フ…?何でこんな……物が…
607名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 22:21:58 ID:kB9+aj1N
>>606

気がつくと教室の自分の机で突っ伏して眠っていた。今何時だ?なんだかものすごく長い時間眠っていたみたいだけど。
時計を見ると10分程しかたっていなかった。何だ夢か。どっからが夢だったんだ?不思議な感じの夢だったな。
でも、さっきまでと全然違う……頭がスッキリする。珍しく気分もいいし、さっさと帰ってゲームでもしよう。
電車に揺られながら教室の事を考えたけど、やっぱり疲れてたんだと思う。
朝倉さんの机にナイフが入っているなんて、どんな妄想だよ。と突っ込みながら、久しぶりに気分が高揚している
自分になんだか、うれしくなった。


何だよ…コレ……?どういう事?夢じゃあなかったのか?
家に帰って鞄を開けたら、朝倉さんの机にあったナイフが入っていた。
『ふふふっ』
あ、朝倉さん?また声が……
『そうよ、朝倉涼子よ』
な、何で……?どういう……、うぅ…また頭が…
『あなたはこのままあいつ等の言いなりになっていていいの?』
そんなのは嫌だ!で、でもどうすればいいのかもわかんないよ……
『一度負けたからって、ずーっと言いなりだなんて馬鹿げてると思うでしょ?』
そりゃそうだけど……何を言って……?
『わたしもそう思うわ。わたしも一度負けたけど、それで終わりだなんてまっぴらよ』
負けた?朝倉さん、いったい何を……?あ、頭が…まわる…
『わたしと一緒に仕返ししましょ。大丈夫、わたしが守ってあげる』
はは……とうとう僕は頭がおかしくなったみたいだ……まぁ、いいか…
朝倉さんと話しができるんだもんね……それに守ってくれるって……
どうせ……誰も助けてくれないんだし……な……
608名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 22:24:43 ID:kB9+aj1N
とりあえず、前半終了
続きは近いうちに投下予定です。
多分あと2〜3レスくらい

いじめの部分は少なくなりそう・・・
609名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 22:47:05 ID:sz8Ghxao
山根ktkr!!
610名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/27(火) 22:59:01 ID:Uts/vykK
>>600
>>601

ありがとう。ちょこちょこ書いてますが、ちょっと長くなりそう
普通のSSにいじめを織り交ぜる形で書いてるからバランスがむずかすぃです
リクエストがあったら部分的に投下するけど、一気に読みたい人の方が多いよね
611名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 01:46:06 ID:dtNbFU2I
俺も作ってみたよ。
いっきに作ったから変なところもあるかもしれんが、まぁ気にしないでくれ

『遊具』


どうしてこんなことに…どうして俺がこんな目に…
誰か…助けてくれ…


「おら、どうした?キョン!もうダウンか?」
「本当にキョンはなさけないねぇ…いつもあんなに可愛がってあげてるんだから、
少しは打たれ強くなったと思ったのになぁ…」
「ゴホッ……うっ…」
「お、まだ生きてたか?おら、さっさと立てよ!手伝ってやるよ!」

やめてくれ…髪を…引っ張らないでくれ…

「おらぁ?どうしたぁ、キョン?立てよ、このくず!!立て!立つんだジョー!!ハハハハハ!!!」
「谷口、もうそのネタ飽きたよ…ほら、キョンもつまんなくて寝ちゃったじゃないか…」
「あ、マジかよ!こいつ!…おら立て!!まだ始まったばかりだぞ!コラ!」

バキ!ドス!

「こいつ、腹蹴っても起きようとしねぇぞ…あ〜あ、つまんねぇなぁ」
「しょうがないやつだねぇ、キョンは。だけど…まだ、寝させてあげないよ?
そうだ…今、眠気から覚ましてあげるからね…」
「うっ……く、国木田…そ、それだけは…やめてくれ…」
「ん?な〜んだ…起きてるじゃん…でも許してあげないよ?
いつも居眠りはいけないって言ってるじゃないか…」
「た、頼む…爪をはぐのだけは…」
「いくよ?ほら…」

ググッ…

「うっ!…たっ…頼む……」
「え?なぁ〜に?聞こえないなぁ?ほらぁ…もうちょっとだよ…
せっかく爪を短くしてあげようって言うのに…感謝の一言くらいいいなよ…」、

グググッ…ピキ…

「うあ!た、頼む!やめてくれ…」
「えぇ?なに?聞こえないなぁ?ほら、『爪を短くしてくれて、ありがとうございます』って言いなのよ。
そうしたら、やめてあげてもいいよ?」
「…つ…爪を短くしてくれて…あ…ありがとうございます…」
「ふふ……どういたしまして!!」

…パキ!
612名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 01:48:18 ID:dtNbFU2I
「うあああぁ!!」
「キョンはホントに素直だなぁ…いじめがいがあるってものだよ…」
「ハハ!まったくだ!それにしても、ここまで我慢するなんてなぁ…
ホントにあいつのことが好きなんだなぁ…」
「ホントびっくりしたよねぇ…キョンの鞄をいじってみたら、涼宮の写真が出てきたんだからねぇ…」
「あの写真、何に使う気だったんだ?なぁ、キョン教えてくれよ?え?
あれで何発抜く気だったんだぁ?ハハハハハ!!!」
「見損なったよぉ、キョン…まさか、そんなやつだったとはねぇ…」
「う…ハ、ハルヒには…手を出さないでくれ…」
「なんだぁ?何発抜いたかって聞いてるのによぉ…質問に答えろよ!!オラ!」
「うっ……ゲホ!ゴホ!…」
「しょうがない奴だねぇ…そうだ、谷口。罰としてまた自殺ごっこをやってあげようよ…
ロープも用意してあるし…」
「お!そうだな!よし、キョン立て!!」
「ま…待て…待ってくれ…」
「あ?なんだ?なんか言いたいことでもあんのか?」
「ハ…ハルヒにだけは…手を出さないと…約束してくれ…」
「ハハハハ!キョン、お前何回それ言えばすむんだぁ?」
「心配しなくていいよ、キョン…ちゃ〜んと、僕達の言うとおりにしてくれれば、約束は守ってあげるからね…」
「そういうことだ、まぁ心配するな!お前の愛しの涼宮には何もしねぇよ!
さて、今、首にロープを巻いてやるからな…ククッ…
国木田!ロープをそこに結び付けてくれ!しっかりと結べよ!それと机も持って来い!」
「はいはい、わかってるって……よし…これでOKだ。もう大丈夫だよ、谷口」
「さぁ、久々の自殺ごっこだ!死ぬか死なないかのギリギリの感覚を味わせてやるよ!
オラ!さっさと机の上に立て!聞こえねぇのか?あぁ!?」

もういやだ……だけど…ハルヒに…ハルヒにだけは…こんな思いをさせるわけには…
613名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 01:50:17 ID:dtNbFU2I
「よぉし、机の上に乗ったな!それでいいぞ!さて、あとはロープを調節するだけ…
ん?う〜む…まだ、締りが足りないようだな…よし、もうちょいきつくしてやろう…」

グググッ…

「がぁっ…う…く、あ…息が…」
「よぉし!うまくいったぜ!足がぎりぎり机に届く絶妙の調節!!俺って天才だねぇい!!」
「さすがだよ、谷口…ククッ…さて、今日はどれくらいもつかなぁ…お手並み拝見といこうかな?」

苦しい…頼む…もうやめてくれ……なんで…なんで、誰も助けてくれないんだ…
ここは学校なのに…どうしていつも誰もいないんだ…

「ほらほら…どうしたんだい?そんなに苦しそうな顔しちゃって。
まだ、始まったばかりだよぉ?キョン…
ここからもっと苦しくなるんだから…さぁ谷口、やってあげてよ」
「言われなくても、わかってるって!
……おっ?なんだぁ?キョン。この揺れわ?
なんだろうなぁ?机が揺れてるぞぉ?ハハハハハ!」
「うぁ…が…」

やめてくれ…机を…揺らさないでくれ……い…き…が…

「どうしたぁ?キョン。耐えろよ!涼宮のために耐えてみせろよ!」
「ククッ……ねぇ…谷口。僕にもやらせてよ」
「ん?よぉし、交代だ!!」
「さぁ、いくよ?キョン。ほぉ〜〜ら…」

グラッ…

「うわ!や、やめてくれ!つ…机が…倒れる…うっ!」
「大丈夫だよ…ほら…ぎりぎり倒れないだろ?なんとか呼吸できるでしょ?」
「うっ……やめ…くれ……た…む…ほん…に…息が…で…き……」
「え?聞こえないなぁ?ほ〜ら、ほ〜ら…倒れそうだよ?倒れ………あ…」

ガタン!

うっ!あっ!が………ハ…ル……………ヒ………


…………
614名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 01:55:54 ID:dtNbFU2I
「…あ〜あ…やっちまったな、国木田…どうすんだぁ?お前?」
「参ったな…まだ殺すなって言われてたのに…でも、大丈夫だよ…古泉君がなんとかしてくれるさ」
「ふん、そうだな。まさか学校の職員全員が組織のメンバーだったとはなぁ…
それに警察関係者にも何人もいるみたいだし…まったく、恐ろしい組織だぜ……
あ〜あ…俺も早くこんな下っ端やめて、さっさと昇進してぇなぁ…」
「まったく、僕もそう思うよ……
それにしても組織が涼宮を楽しませるためだけに動いてたなんてねぇ…
ホントに驚きだよ…
今まで僕らはどういう組織なのかも知らなかったからね…
…ん?……あ、涼宮……どうしたの?こんなところに来るなんて…」

「ふん…ちょっとキョンの様子を見ようと思ってね。
どんなふうに私のために苦しんでくれてるのかなぁって思って。
…それにしても国木田!何殺してるのよ!まだ楽しみたかったのに!」
「あ…その…ご、ごめん…ついうっかりして…」
「いい?今度こんなことしたら…二人とも死刑だからね!!」
「な、なんで俺まで!!俺は関係ないだろ!」
「うるさいわよ!連帯責任!…ふん…まぁ、いいわ…次やったらホントに承知しないからね」
「わ、わかった…それでこの後の処理は…どうするんだ?」
「…大丈夫よ。もう古泉君には連絡してあるわ。感謝しなさい」
「そ、そうか。すまなかった…」
615名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 01:57:56 ID:dtNbFU2I
「あ〜あ…それにしてもせっかくいいおもちゃが手に入ったと思ったのになぁ…
…古泉君もさっさと言ってくれれば良かったのに……私が世界を変える力を持った人間だってことを…
はぁ…もっとキョンで遊びたかったなぁ…」
「なぁ、涼宮…ホントに…お前にそんな力があるのか?」
「…古泉くんの話を聞くかぎりでは…あるみたいね…
私のストレスが溜まると世界に悪影響がおきるとか言われたわね…
私もいまだに信じられないけど…
それで古泉君は私に組織のことを教えて、
私のストレスを解消する手助けをするのが一番だと考えたみたいなの
古泉君は私が誰か人間を傷つけたくてしょうがないってことに気づいたみたいなのよね
人間を殺しちゃうと捕まっちゃうでしょ?だから、イライラしてたの
私は昔から虫や小動物を捕まえて、じわじわと殺すのが好きだったからね
ここ最近は飽きちゃったのよねぇ…だから人間でやってみたくてしょうがなかった…フフッ…」
「…なら、自分でやれば良かったのに…どうして僕達にキョンをいじめるように指示したんだい?
まぁ、僕はそれなりに楽しめたから良かったけどね」
「ばかねぇ…ただ、痛めつけるだけじゃ、つまらないじゃない。
私に心底惚れさせて、私のためにいじめられてもらう方がおもしろいじゃない
キョンってホントに可愛かったわ…
私といつでも一緒にいられるように写真を持っててねって言ったら…
ホントに持ってるんだもの。フフッ…笑っちゃうわね。」

「…まったく、お前はひどいやつだなぁ…」

「ふん、まぁ、ほめ言葉として受け取ってあげるわ!さて、次は誰にしようかしらね?
みくるちゃんにしようかしら…有希もいいわね…
私が強く望めば、有希も普通の人間になるし…そうね…みくるちゃんにしようかしらね…」

「…もちろん…やっちゃってもイイよな?」

「ええ、いいわよ。徹底的に苦しめてあげなさい。さて…そろそろ帰ろうかしらね…
組織の人たちも来るだろうし…それじゃあね、キョン。
いろいろ楽しかったわ。あの世で私のことでも想っててね。
ふふっ…あなたの目には最後に何が映ったのかしらね?

私かな?

結構いいおもちゃだったわ

じゃあね



終わり
616名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:28:55 ID:sKqvLuN8
ハルヒ恐ろしいよハルヒ
617名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:39:09 ID:vhWNSuvw
最後まで完成したんで投下する

>>598
んじゃ、「長門有希の憂鬱」で
618名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:41:36 ID:vhWNSuvw
「あんたが最近有希の事ばかり見てて…あたし、恐かったんだからね」
「そりゃ悪かったな。ところでさ、長門の事やっぱり嫌いなのか…?」
ハルヒは急に怒った顔になった。
「キライ、大キライ!」
「どうしてだ…?」
「だって、あんたの事ばかり見てるんだもん」
俺はそんなに長門に見られてた覚えは無いんだが…。
てか見てたのはむしろ俺だし。
「いや、別に長門は俺の事なんか見てなかっただろ…」
「ううん、見てた。あたしにはわかるもん。有希はあんたの事ばっか見てた」
ハルヒは目に涙を溜めていた。
「だからってさ、長門にあんな事する必要無いだろ…」
「どうして!?キョンは有希よりあたしのほうが大事なんでしょ?好きなんでしょ!」
そう叫ぶハルヒの表情は、怒りながらも何やら心配そうで、そしてうれしそうだった。
まったく器用な奴め…。
「だからお願い。今はあたしだけを見て…」
ハルヒは涙をこぼして俺に抱き付いてきた。
俺だって一応男だ。こんな風に抱き付かれたら抱きしめてやりたくなる。
でも俺は、抱きしめるのを止めた。
ここで抱きしめてしまったら、長門に合わせる顔が無くなっちまう。
俺はハルヒの肩にそっと手を置き、自分の身体から優しくハルヒを離した。
「ハ、ハルヒ…そろそろ帰らないか。もうこんな時間だし」
そんな残念そうな顔をされても困るぞ。
「忘れ物取りにきたんじゃなかったの…?」
「あ、あれはやっぱいいや。今すぐ必要ってもんじゃないしな」
正直、俺はこの空気に耐えられなかた。
このまま二人で居ると、本当にハルヒを好きになっちまいそうで…。
ハルヒはそのぐらいかわいかった。
これはギャップ萌えという奴なのかも知れないな。
って、何を浮かれていやがんだ俺は。

俺達はゆっくり部室に戻る。
ハルヒは俺と二人っきりで居たいから、俺に歩調を合わせてゆっくり歩いてくれるのだろうが、俺は違った。
長門にあんな思いはさせたくないからな。
それに俺は朝比奈さんを信じていた。
彼女なら長門に変な事はしない。それにもしかしたら長門を慰めていてくれてるかもしれないと。
俺はそう信じていた。
619名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:43:07 ID:vhWNSuvw
古泉だって、さっきはあんな事を言っていたけど。
でもきっと大丈夫さ、あいつだってそこまで薄情じゃないだろう…。
と、そう信じていた。
どうやら人間は気が抜けて浮かれてしまうと、都合のいい解釈をするようになるらしいな…。

俺達は部室に入った。
しかしそこには、長門が朝比奈さんと古泉に囲まれて、何かをされている光景が飛び込んできやがった。
「おやおや、やっと戻ってきましたか」
「あっ、二人ともおかえりなさい」
いつものように何食わぬ顔をして、二人は俺達に挨拶をしてきた。
長門に暴行しながら、よくそんな顔していられるよな。
「ちょっと、みくるちゃんも古泉くんもおもしろそうな事やってるじゃない!あたしも交ぜなさいよ!」
そう言ってハルヒは二人のほうへ迎って行った。
俺がハルヒを止めるために声をかけようとした時、古泉がこっちを見てきた。
ニヤケながら睨んでいやがる。こいつも器用な奴だな…。
古泉はこっちにゆっくりと向かってきて、再び俺の耳元で囁いた。
「わかっていますね。止める事をしてはいけませんよ。世界のためにもね」
「……」
「もし世界がどうなってもいいと言うのなら別ですが」
「ああ、わかったよ…」
畜生!俺は何もできねぇのかよ!
俺は、今ほど凡人でいたくないと思った時は無かった。長門を助けてやれる力が欲しかった。
「キョン!あんたもきなさいよ!」
ハルヒが叫んだ。
「ふふ、わかっていますね」
それに続けるように古泉も耳元で、そう囁いてきやがった。
俺はどうすりゃいいんだ…。
「ほら、キョン!はやくきなさいよ!楽しいわよ!」
何が楽しいだ!長門の大事な本を破きながら、よくそんな事が言えるよな!
俺はさっきまでの浮かれ気分が一気に醒めた。
「おいハルヒ!」
そう言った瞬間、足の爪先に激痛が走った。
俺が下を見ると、古泉の足が俺の爪先を踏み付けていやがった。
俺は顔を上げ古泉を見た。
反抗は許しませんよ。
とでも言いたそうな顔をしてやがる。
畜生!マジで俺はどうすりゃいいんだ…。
こいつらは俺を欝病にでもしたいのか?
「キョンくん、来ないんですか〜?」
朝比奈さん、あなたまで…。
見損ないましたよ…。
「お、おいハルヒ、今日はもうこんな時間だしさ…帰らないか?」
俺にはこれが限界さ。これ以上言える勇気も度胸も、もう残っちゃいないよ…。
悔しいけどな。
620名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:44:49 ID:vhWNSuvw
「う〜ん、あんたが言うなら仕方ないわね。んじゃ、帰りましょ!」
なんとか助かったようだ。
すまん長門、頼りなくて……。
俺と古泉とハルヒは、朝比奈さんの着替えのため廊下に出た。
ハルヒを廊下に出したのは、無論。俺がそう促したからだ。
そのために恥ずかしいセリフを吐いてしまったがな。
長門が助かるなら、安い犠牲さ。いくらなんでも、朝比奈さん一人で長門をいじめるとは思えない。
俺の予想は恐らく的中し、朝比奈さんはすぐに着替えて廊下に出てきた。
長門をほったらかしでな…。
俺はあえて長門の事は聞かなかった。古泉に爪先を踏まれるのはごめんだし、大体予想は出来たからな。
長門はもう普通の少女。恐らくこいつらに暴行された箇所が痛くて動けないのであろう。
俺は今にでも部室に駆け込んで、あの時みたいに長門を抱き抱えてやりたかったさ…。
でも、俺の前を見えない壁が覆って、俺の動きを妨げていやがる。
そう、こいつらの視線だ。
畜生……。

俺達は四人で帰った。もうすっかり夜だ。しかも星一つ無い夜空だった。
星達はキラキラ光って暑い雲の上を飾っている事だろう。
長門が住んでいるマンションの屋上で天体観測をしたのをふと思い出した。
あの時は五人だったのにな…。
ハルヒはともかく、古泉も朝比奈さんも長門に何の恨みがあるっていうんだ。
長門が使えなくなったとわかったら、このザマかよ…。
ふざけやがって…。
まあ、助かてやれなかった俺はもっとふざけていやがるのかもしれないが。
しかし、世界を天秤にかけられたら誰でもこうなっちまうだろ…。
悪い、これは言い訳だな…。

そして次の日
ハルヒはいつもとは違い、やけに話しかけてきた。
まあそれも仕方ないだろうな。昨日、俺は全然ハルヒを拒まなかった訳だから。
谷口と国木田も、俺のほうをみてニヤニヤしてやがる。変な噂が立たなければいいのだが。
そして昼休み。
ハルヒは俺を食事に誘ってきた。
しかし俺は、「トイレに行ってくるから待ってろ」と言って教室を飛び出した。
行く場所は決まってる。
文芸部室だ。
俺は長門がそこに居ると思ったからだ。確信は無いがな。
文芸部室の前に来て、ドアをゆっくり開けようとしたその時、俺は声をかけられた。
「ねぇ…」
その声の主は長門だった。
長門は声も表情まるで違っていた。
いつだかの、ハルヒのいなくなった世界に居た長門に、その声と表情が重なった。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:46:10 ID:vhWNSuvw
そういやこっちの長門も、もう普通の女子なんだっけ。
それに長門は本と弁当箱を手にぶら下げていた。是非、一緒に食べたい。
「長門、丁度よかった。お前に話しがあるんだ」
「何…?」
「長門、お前いつから情報統合思念体に縁を切られたんだ?」
長門は寂しそうな表情をした。またあの時の長門に被る…。
こんな事になるなら、エンターキー押さなきゃよかったぜ…。
しかし、過去の事を悔やむのはやめよう。
俺は、目の前にいる長門だけを見ることにした。
長門は俯いたまま、沈黙を保っている。質問の仕方が悪かったかな…。
声をかけようと口を開いた瞬間、長門が話し出した。
「2週間前…」
2瞬間前って…、俺はてっきり2、3日前だと思っていたんだが、大ハズレだったようだ。
長門は話しを続けた。
「なんとか気付かれないようにしてみたが、ダメだったみたい…。あなたには言おうと思ったけど、タイミングがよく掴めなかった…」
「なんでまた俺に?」
長門はさらに少し俯く。
沈黙が空気を支配した。
『ピロロロロロロ…』

その沈黙を破ったのは、俺のケータイだった。
着信はハルヒからだ。
「な、なんだ…?」
『なんだじゃないでしょ!はやく戻ってきなさいよ!』
ケータイのスピーカーが壊れんばかりのハルヒの怒声に促され、俺は長門との会話を中断し、急いで教室に戻った。
畜生、あやまるの忘れてた…。

教室に戻った途端、ハルヒが鬼のような形相で言い寄ってきた。
「あんた、どこいってたのよ!」
「いや、だからトイレだって!」
「はぁ?トイレでそんなに時間かかるわけないでしょ!ウ○コでもこんなにかからないわよ!」
しかしこいつはよくこんな言葉を食事中に平然と、しかも大声で言えるな。
よく見たら谷口、かりんとう食ってるじゃねーか。でも表情は苦いな。
残念な奴だ。
「ちょっと、あんた聞いてるの!?」
「おう、聞いてるとも。悪かったよハルヒ、次からは気をつけるからさ…」
「気をつけるじゃないわよ!何話しそらしてんの?」
チッ…。
「あんた、本当は有希と会ってたんじゃないの?」
ウッ…。鋭いな。
「ち、違うって…本当にトイレだ。珍しく混んでたんだ…」
ハルヒは俺を数秒間睨みつけ、いつもの笑顔に戻った。
「まあいいわ、お腹減ったし、はやく食べましょ!」
「お、おう…」
そういやハルヒと一緒に弁当食うのは初めてかもしれないな…。1年近くも一緒にいるのに。
622名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:47:32 ID:vhWNSuvw
そして、俺が1番訪れてほしくない時間。そう、放課後がやってきた。
ハルヒは今日も掃除当番。俺は急いで部室に向かった。なんとしてでも、あいつらが来る前に部室に行かねば。
とにかく俺は必死に走った。
長門は居てくれるかどうかわからんが。
昨日あんな酷い目に合わされたんだから、来る望みはかなり薄いと思うが。
俺は恐る恐るドアを開けた。
「いた!」
俺は思わず声を出してしまった。
長門は驚いた様子でこっちを見てきた。俺だとわかり、長門は再び目線を本に向けた。
俺が長門に声をかけようとした瞬間、あいつが後ろから声をかけてきた。
そう、古泉だ。
「おやおや、お早いですね」
「お前もな」
相変わらずムカつくニヤケ面だな。
俺達は部室に入った。長門の表情は怯えていた。
恐いなら来なければいいのに…。なんであんな事されたのに来るんだ…。
正直、俺は長門のあんな姿は、もうみたくないんだ。胸が締め付けられる。
俺は古泉とはゲームをせずに、ただ窓の向こう。いや、長門を見ていた。
俺だって度胸があれば、今にでも長門を抱き抱えて部室を出て行きたいさ…。度胸があればな…。
ボケーッと空を見ていると、朝比奈さんが入ってきた。
「キョンくんと古泉くんこんにちは〜」
長門には挨拶無しですか。本当に見損ないましたよ朝比奈さん。
俺達はいつものように廊下に出た。長門は顔を俺のほうに向けていた…。どこか寂しそうな表情で…。

「おい古泉、今日はおとなしいな」
「僕はいつもと変わりませんが」
「ふざけんな!昨日長門の腹蹴飛ばしてただろうが!」
「あれは涼宮さんの退屈を紛らわすために、やむを得ずやったまでですよ」
なにがやむを得ずだ。
「僕は、いくら長門さんと敵対関係にあるからと言って、自分の意志であんな事はしませんよ」
「よく言うよな。あんなに楽しそうに蹴飛ばしといて」
「あなたがそう見えてしまっただけですよ。僕だって人間です。人情ぐらいは、持ち合わせていますよ」
何が人情だ。ふざけやがって。
623名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:49:09 ID:vhWNSuvw
俺はもう一発殴ってやりたい気持ちになった。
「あれ、みくるちゃん着替え中?」
ハルヒの声だ。いつのまに現れたんだ。こいつは忍者になるといい。
「ええ、そうですよ。長門さんも来ています」
「古泉くんあっりがとー!」
ハルヒは、俺が止める隙も無く、部室のドアを開けて入っていった。
そういや朝比奈さんの鍵の閉め忘れ癖はまだ直って無かったのか。
ってそんな事を考えている場合じゃない。
「おい古泉!お前何言ってんだよ!」
「と、言いますと?」
とぼけやがって。
「ふざけるな!長門の事は言わなくてもいいだろ!」
「別にいいではありませんか。いずれ気付かれるのですし」
確かにそうだが…。でも俺は、出来るだけ長門への被害を最小限に抑えたいんだよ…。

「着替え終わりました〜。入ってもいいですよ〜」
朝比奈さんがドアを少し開けて呼んできた。
俺はドアを開けるのが恐かった。
また長門がハルヒに何かされてるんじゃないかと思って…。
俺はドアをゆっくり開けた。
しかし、ハルヒは以外にも団長席に座ってパソコンをいじっていた。
いつもの部室の風景だった。表面上はな。
俺が席に着くやいなや、ハルヒは長門の悪口を言い出した。しかも長門に聞こえるように大声で。
正直、聞くに耐えなかった。
ハルヒは容赦なく言い続ける。
朝比奈さんも関節的だが、長門に悪口を言っていた。

しまいには、長門の本をビリビリに破いてごみ箱に捨てている。
長門は悲しそうな表情を俺に向けてきた。
長門のその表情を見るのはつらかった。俺は激しく葛藤していた。
しかし俺は決めた。長門のあんな顔はもう見たく無いからな。
俺は席を立ち、長門の方へ向かった。
「行くぞ、長門…!」
「えっ……?」
長門の手を引いて廊下に向かって走った。
長門は驚いたような表情をしていた。もちろんハルヒ達も。
俺達は無我夢中で走った。ハルヒに捕まったら長門と俺は何をされるかわからない。
四肢切断ぐらいは覚悟しといたほうがいいだろう。
ふと、長門の方に目をやった。
長門は息を切らして、つらそうな表情を浮かべていた。もう普通の女の子なんだから当然か。
俺達は坂を降り、長門と初めて待ち合わせた公園に向かった。
ハルヒ達は追ってこない。どうやら逃げきれたらしい。俺達はベンチに座って一休みした。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 02:50:07 ID:vhWNSuvw
長門は寂し気な顔をしていた。
「どうした長門?」
「このままではまずい…涼宮ハルヒは確実に自立進化の道を閉ざす…」
「長門…お前はもう宇宙人でも何でも無い。ただの人間だ。そんな事気にするな…」
今はそんな話し聞きたくないんだ。
「しかし、あなたと私はもう会えなくなる…つらい…」
長門は俯いた。
「長門、もう何も考えるな」
そうさ…。どうせ世界は終わるんだ。だったら最後ぐらい、自分の好きなようにさせてくれ。
悪いな長門、俺のわがままに付き合ってくれ。
「長門……。いや有希……こっちを向いてくれ…」
「えっ……」
有希は驚いたようにこっちを向いた。
「俺、実はお前の事が好きだったんだ」
「キョ…キョンくん……」
有希はその時、初めて俺の名前を呼んでくれた。
「前みたいに部室で本を読んでる姿も、さっきみたいに息を切らして走る姿も、今みたいに驚いてる姿も、全部好きだ」
俺はそう言って有希の顎をそっと持ち、目を閉じて有希の唇を奪った。
出来ればずっとこうして唇を重ねていたい。
でも俺は、有希の顔をもう一度見たかった。どんな表情をしているか知りたかった。有希の声が聞きたかった。
我ながら思う、贅沢な選択だ。幸い有希は抵抗してこない。俺は唇を重ねたまま少し考え、後者を選択した。
有希の唇に未練を残し、俺はゆっくりと唇を離した。
目を開けると、そこには頬を朱に染めて目を閉じている有希がいた。
有希は目を開け、恥ずかしそうに俺を見ている。
多分俺の顔も真っ赤になっているに違いない。
二人の間に沈黙が訪れた。

「ど、どうした…?」
沈黙を破ったのは俺の声だ。
そして有希は、か細い声で囁いた。

「うまく言語化できない……」


END
625名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 05:38:10 ID:G3F76t9T
GJ!
626名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 10:12:50 ID:aICXWIGb
長門大好きだな?あなたは
長門を傷つける描写がついに出来なかったとみた
ハルヒ好きの俺がうんざりするくらいハルヒを極悪に書いてくれても良かったのに
627名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 11:26:10 ID:vVQgXW1I
T.K氏の二作目の最後で
なんとなくジョジョ5部のディアボロを思い出したのは俺だけでいい

>>525
GJ
628名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 11:28:44 ID:3BWrU58t
>>624
Excellente
サイコーノサクヒンネー
629名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 14:31:43 ID:/4PsASXm
>>624
よかった…長門…
よかったよ長門ぉおお・゚・(つД`)・゚・
630名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 17:20:58 ID:5e+FWjYm
>>629同意
631名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 17:33:58 ID:hhjxamTZ
>>607

次の日目が覚めると1時間目が始まる時間だった。
何だよ…起こしてくれてもいいじゃないか。両親はもう仕事に出ているみたいだった。
僕は先生にどういい訳しようか、なんて事を考えながら家を出た。
学校が近づいてくるにつれて、気持ちがだんだん沈んでいく……
先生よりもあいつ等のほうがやっかいだ……また…
『大丈夫よ、私がついてる』
でも、どうやって?悔しいけど、僕では勝てないよ……
『ふふっ、その為の私よ。安心して』
朝倉さんに言われると大丈夫な気がしてきたよ。
『そう、その時になったら、何も考えずにわたしに任せてくれればいいの』
朝倉さんの声は優しいなぁ……昨日はあんなに頭に響いたのに……
頭の中でそんなやりとりをしていたら、もう校門の前まで来ていた。
いつもより早くないか?こんなに楽しい気分で登校したのは久しぶりだ。

ちょうど1時間目の終了のチャイムが鳴っている。
あ、次体育じゃないか。急がないと……涼宮さんが着替えはじめたら教室はいれないぞ。
な、なんとか間に合ったか…危なかった…。これからサッカーだってのに無駄な体力つかったな。
授業中、先生の見ていない所で、ボールをぶつけられたり、転ばされたりした。
その度にあいつ等は「ワザとじゃないんだ」とかいいながらヘラヘラ笑ってる。
『右に飛んで!』
朝倉さんの声と同時に身体が反応した。僕の横で誰かが派手に転んでいたけど、何が起こったのか
よくわからなかった。
どうやら、タックルして突き飛ばそうとした所を僕が急に避けたので、転んだらしい。
こけ方がよほど滑稽だったのかクラスの連中はそいつを見てクスクス笑っていた。
朝倉さん、今のは…?
『見ての通りよ。助けてあげたの』
ありがとう。あ……でも、後が怖そうだな……
『大丈夫。今みたいに助けてあげる。今度はもっと上手くやるわ』
そ、そう?上手くってどういう……
質問の途中で、終業のチャイムが響いた。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 17:36:31 ID:hhjxamTZ
>>631

案の定、昼休みにあいつらに呼び出された。体育の事がよっぽど気に食わなかったらしい。
いつもなら「ごめんなさい」とか必要以上に謝ったりするんだけど、朝倉さんの事もあるしね。
「ワザとじゃあないんだ」なんて言ってしまった。
『へぇ〜言うじゃない』
朝倉さん、あとよろしくお願いします。
『任せて』
ここからは、自分の身体が勝手に動いてくれるから楽だったな。
あっという間に、みんなへたりこんで僕を見上げている。
はははっ、あんなに驚いた顔してる。何をそんなに……。
「や、山根、そのナイフ……どっから」
ん?ナイフ?あぁ、何時の間に…でも、たいした問題じゃないよね。
「や、止めろ!俺達が悪かった!」
僕が止めてって言っても聞かなかったくせに……これで刺したら君達は死ぬのかな?
その顔は怖がってる?死ぬのって嫌?
『「うん、それ無理」』
今のは僕が言ったのか?それとも朝倉さん?
どっちでもイイや。だって僕は本当にこいつらに
『「死んで欲しいと思ってるんだもん」』
僕が思った事と朝倉さんが思った事が同じだった?
まぁ、本来の目的には関係ない。本来の目的ってなんだ?

そうか、そうだった。『キョン君を殺して、涼宮ハルヒの出方を見る』んだった。

どういう事?……長門有希の事もある…これ以上は…
なんだって?長門有希なんて知らないはずだ……分からないよ、朝倉さん?
『あら、あなたはもうわかるはずよ?だってあなたはもう私の制御下にあるもの』
あぁ…僕の考えてる事が朝倉さんの考えている事になって…いく……?
『やっぱり、ただの有機生命体にはきつかったかな?じゃあ、ちょっと眠ってて』
あ………




633名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 17:39:27 ID:hhjxamTZ
>>632

「さてと……」
ちょっと動きにくいわ。山根君を眠らせるのは少し早かったかしら?
まぁ、いいわ。取り合えずこの子達に手伝ってもらわなきゃ。
「ちょっとお願いがあるんだけど」そう言って、私は用件を伝えた。
彼らさっきショックを与えたせいで、すんなりと言う事を聞いた。今の所上手くいってるわね。
キョン君を上手く呼び出してもらうには、残念だけど山根君より彼らのほうが自然だもんね。
後は放課後を待つだけね。
それにしても扱いにくいわね……有機生命体って不便だわ……
もう少し練習しないと駄目ね。


放課後


そろそろ来るかしら。あの時よりも日が傾くのがはやいわね。
教室から夕焼けを見ながら、彼が来るのを待った。
「綺麗」思わず言葉が漏れる。
私が綺麗だなんて、まるで人間みたい。滑稽だわ。
やっぱり混ざっちゃったのかしら?まぁ、どっちでもいいけど。

ガラッ

教室の扉を開く音が私の思考を中断した。
ゆっくり振り向くと、少し不機嫌そうにしながら彼が立っていた。
「話しってなんだ?」
ちょっと遠いわね……もう少し近づいてくれないかしら。
「あ、あの…実は…」
この身体はしゃべりにくいわね。
「僕がいじめにあってるのは知ってるよね?」
「何?ほんとか!誰にだ」
ふふっ、近づいてきた。キョン君ってやっぱり優しいのね。
「こんな事いきなり相談して迷惑だと思うけど……」
「いや、いいんだ。悪いが全く気が付かなかった。」
もう少し、もう少し……
「ごめん……」
「とにかく時間も遅いし、帰りながら話そう」
キョン君は立ち止まってそういった。残念…あと一歩だったのに…。
まぁ、背中からのほうがやりやすいよね。
気づかれないように、ナイフをにぎって……
振り返ったキョン君はそのまま教室の入り口を見ている。どうしたのかしら?
「長門……?どうした?」
そんな…どうして……
でもこの距離なら!キョン君の背中めがけてナイフを突き出す。
「な、なんとー!」
キョン君がこちらを見てよくわからない叫び声をあげる。もらった!
「くっ…」
か、身体が…動かな…い…
やっぱり人間の身体で長門さんにはかなわないわね……
「ごめんね…キョン君…」
ごめんねだって。こんな言葉が出るなんて…やっぱり混ざっちゃったみたい。
最後に……消える前に彼に…起きて……もらわないと…





634名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 17:45:57 ID:hhjxamTZ
>>633

「どういう事だ、長門?」
「彼は朝倉涼子によって操られていた。有機生命体の脳の構造そのもn」
「あーすまん。簡潔に頼む」
「彼は朝倉涼子にとり憑かれていた」
「……長門にしてはわかりやすいな」


ん……何だ?僕は寝てたのか?ここは教室…?キョン君ともう一人は…?
あぁ、長門さんか。どうしてこんな所に……まだ頭ぼーっとしてるな……
なんの話をしているんだ?


「でも、どうして急にこんな事になった?あのとき消しちまったんじゃないのか?」
「これは朝倉涼子が仕掛けた最後のトラップ。恐らくあの情報連結が解除される前に情報の一部を転送していた。」
「どこに?」
「あの時教室の再構成をするため、、もともと私を構成していた情報は全て後回しで処理をしていた。
そして、最後に私の身体を再構成して終わるはずだった……」
「あ…まさか……」
「そう、恐らく朝倉涼子の情報連結が開始されたと同時に、眼鏡の構成情報のなかに情報を隠しそれを分割し
環境情報に紛れ込ませた。私は朝倉涼子の攻撃による機能低下と空間の維持、修復に全機能を使ってしまい
その事には全く気が付かなかった……迂闊」
「やれやれ……長門はよくやったよ」


さっきからこの2人は何を言ってるんだ?身体が動かない……
僕の事は無視ですか。そうですか。

「ところで、山根はどうする?」
「情報操作は得意」

やっと僕の事に触れたな。記憶の操作ってなんだ?そういえば朝倉さんは?
どうし…た…
視界が真っ黒に……



目が覚めると自分のベッドだった。何か大変な夢を見た気がするが、なんだったっけ?
大事な事を忘れてるような気がするけど、思い出せない。
いつもどおりの一日が始まる。昨日までと変わらない。
クラスのみんなと弁当を食べ、ゲームや漫画の話をして時間が過ぎていった。
帰り道でぼんやりと今日の事を考える。
僕ってこんなにみんなと仲良しだった?昨日は…昨日もこんな感じだったか……。
こんな変な事を考えてしまうのは、僕らしくないな。
それにしても、今日も綺麗な夕焼けだね……そういえば夢で誰かと一緒に見たような気がする。
誰だっけ?誰かは思い出せない……。
ただの事がすごく哀しい……。





おわり



635名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 17:48:00 ID:hhjxamTZ
ちょっと無理やりな気がするが…。
あとイジメが少なかった。
だが、私は謝らない
636名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 18:44:08 ID:y65Y1xCd
よくできた話だと思うよ?
637名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 19:05:22 ID:hhjxamTZ
>>636
そういってもらうと救われるwww
ありがとう

638名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 20:18:41 ID:Ix23Xlzb
なんか最後、長門が説明するのが王道化してきたな。別に構わないんだけどちょっとマンネリ気味かも
最初T.Kさんの2作目の時はわくわくしながら読めたけどな
639名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 20:30:21 ID:hhjxamTZ
●<解説役と言えば僕の出番ですね
キョン「長門、説明してくれ」
長門「かくかくしかじか」
キョン「なるほど」





●<……泣いてないですよ?
640名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 22:24:52 ID:JULJIqZo
>>638
こういう空気読めない奴がいるから、職人さんが投下しづらくなるんだと思う
641名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 23:08:49 ID:x7ArMAaq
>>638 マンネリ化や長門の便利化などを指摘するのはともかく、そこで職人の名を出すのは如何なものかと…
642名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 23:55:27 ID:1gxpFMTV
SS書いた。なんか微妙にいじめと違う気がするが、取り敢えず投下してみる。

タイトルは「喜緑江美里の憂鬱」で。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 23:58:18 ID:1gxpFMTV
長門有希が登校すると、靴箱から上履きが無くなっていた。
「・・・・・・。」
長門は以前にもローファーの盗難に遭ったことがある。
元々クラスになじんでいるほうではなかったため、軽いいじめにあっていたのだ。

しかしその件に関しては、思念体の許可の元にクラスメートの思考情報を適度に改変して、二度と長門をいじめることがないように操作しておいたはずだった。
なのになぜ?
長門は少し疑問に思ったが、取り敢えず深くは考えずにいた。
多分ただ上履きを失くした生徒がたまたま自分のを持っていったのだろう。
しかたなく裸足のまま教室に行った。

しかし教室に着いて、長門はようやくなにか異常事態が発生していると気づいた。
長門の机には生ゴミどころかカラスの死体や汚物が山のように置かれていた。
ただのいじめにしてはあまりに酷過ぎる。
しかもクラスメート全員が、見てみぬ振りどころか長門の方をじーっと凝視している。
長門は悪寒を感じた、なにが起きているのか全く理解が及ばなかった。
(とりあえず机を片付けないと・・・)
そう思った瞬間、長門は背中を思いっきり蹴飛ばされた。
小柄な長門の体が机と一緒に転がった、置かれた汚物があたりに散った。
「長門さぁん・・・? 教室を汚したら駄目じゃない・・・。」
生徒の数人がモップを持って近づいてきた。
その様子はあきらかに正常ではない、酔っ払ったような、眠ったまま動いているような動きで長門に近寄ってくる。
怖い、長門が恐怖を感じて立ち上がろうとした時、思いっきり振りかぶったモップで頭を殴られた。
「うぁっ・・・!!」
長門の頭から血が飛び散った。
それを見ても教室中の全ての生徒が一切の反応を見せない、薄ら笑いを浮かべたままこちらを遠巻きに眺めているだけだ。
644名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:01:12 ID:z87yGbdM
明らかに通常の人間の反応ではない。
さらに数人の生徒がモップや箒の柄で長門を殴り続けた。
「や、やめて・・・!」
鮮血が飛び散った、骨を打つ音が響き渡る。
長門は倒れたままガタガタ震えていた。
何が起きているの? なんでこんなことが?
これだけの暴行を加えれば普通の人間はまず死ぬだろう、なのに生徒たちは平気で長門を殴り続けた。


「うぐっ・・・! がはっ・・・!」
予鈴が鳴った時、長門の小柄な体の回りには血の海ができていた。
生徒たちはぴたっと一斉に長門への暴行を止め、それぞれ席に着いた、まるで機械のように統率の取れた行動だった。
長門は起き上がろうとしたが、体が全く動かなかった。
肉体のダメージを修正すればいいのだが、生徒達が見ているところで情報操作能力を使うことは許可が下りない。
長門はなんとか机の周りを片付けて席に着いた。

驚いたことに、授業のために教室に来た教師も、長門の悲惨な姿を見ても一切の反応を見せずにいた。
長門ははっきりとした恐怖を感じていた、もしや涼宮ハルヒによって世界がなんらかの異常事態に陥っているのではないかと疑って思念体に問い合わせたが、結果はオールグリーン、この世界に一切の異常は発生していないということだった。

昼休み。長門は授業の終了と同時に教室を走って飛び出した。
クラスの生徒達が追いかけてくるのではないかとまで思ったが、誰も後をつけてはこなかった。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:03:58 ID:z87yGbdM

長門は文芸部室に入って扉に鍵を掛けた。
途端に体から力が抜けていった。
助かった。とにかく放課後までここに居よう、授業を休んだことについては後で情報を操作すればどうにでもなる、そう思った。

だが、長門の安堵感は部室の扉が壊れる轟音と共に崩壊した。
叩き壊された扉の向こうには数十人の生徒達がそれぞれ掃除用のモップや金属バットを持って立っていた、女子生徒だけでなく男子生徒たちもいる。
「あ・・・あ・・・!」
生徒達の顔はまるで張り付いたような薄笑いを浮かべて、長門の方を凝視している。
長門が震えながら後ずさりした。
窓際まで追い詰められたとき、部室の中にはすでに何十人と言う生徒が集っていた、外にいる生徒も含めれば一学年全員の生徒がいるのかもしれない。
逃げ場は無い、このまま黙っていたら本当に殺されてしまう。
「敵性と判定する、ターミネートモードの許可を・・・!」
長門が震えながら高速で呪文を唱えた、情報操作で肉体を強化すればいくら殴られようと問題は無いし、生徒全員を眠らせてから異常事態の原因を究明すればいい。
だが長門の思惑を裏切るように思念体から帰ってきた返事は「不許可」。一切の情報操作能力の使用は許可されなかった。
「そんな・・・どうして・・・!?」
以前朝倉との戦闘で見せた超人的な能力はほとんど情報操作によるものだ。
それが使えなければ長門はほとんど普通の人間と変わりは無いのだ、本当に殺されてしまうかもしれない状況だった。

長門の判断は早かった。
窓を開けてそこから飛び降りた、地面に激突したときに足の骨が滅茶苦茶にへし折れたが、あのまま部室に留まっていたよりははるかにましだったといえるだろう。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:05:15 ID:1gxpFMTV
「うぅ・・・」
激しい痛みがあったが、傷の修復はなんとか行うことができた。
足の骨と衝撃で痛めた内臓を修復して、長門は早足で学校から逃げ出そうとしたその時だった。
「よう長門。どうしたんだ、裸足で外に出て。」
いつも優しかった『彼』がそこに立っていた。




その光景を、となり校舎の生徒会室から見ている人影があった。
喜緑江美里、長門の監視役として派遣されたインターフェースだった。
だが喜緑江美里は長門が全く暴走を起こさないので、最近は仕事もやることも全く無かった。
そんなある日のことだった。
思念体は長門を安全と判断し、監視を取りやめることにした。
つまり喜緑江美里は用無しとして連結解除されることになったのだった。
「冗談じゃないわ・・・! わたしだってこの生活には満足している、有機生命体の暮らしはすごく楽しい、それを今更情報体に戻るなんてイヤ・・・!」
喜緑は思った、ではどうすればいいか?
答えは簡単だ、思念体が長門の安全性を再び危惧せざるを得ない状況を作り出せばいい。
いや、それどころかもう一度暴走を起こせば今度こそ長門有希はお払い箱となって、逆にわたし喜緑江美里が直接涼宮ハルヒを観測することになるかもしれない。そう思った。


「長門さん・・・ごめんなさいね・・・!」




647名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:06:32 ID:z87yGbdM

「イヤアアアアア!!!! 来ないでえええ!!」
「うるせえな、いつもみてえに黙って、ボーっとして馬鹿みたいに殴られてりゃいいんだよ!」
キョンは涙にまみれて後ずさりする長門に鉄パイプを振り下ろした、鈍い音と共に長門の頭から血しぶきがあがる。
長門はもはや正気を保っていられないほどに恐怖していた。
いつも優しかったキョンまでもが自分を殺そうと襲い掛かってくる。
いや、キョンだけでは無い、涼宮ハルヒも、朝比奈みくるも、古泉一樹も・・・・・・
「助けて・・・誰か・・・。」
長門は震えながら呟いた。
もういやだ、誰でもいい、悪魔でもいい・・・・・・
助けて欲しい。この悪夢から自分を救い出して欲しい・・・・・・

その瞬間長門の頭の中に、水晶のように透き通った、優しく美しい声が響いた・・・
「当該対象の抹殺を許可します。」そう聞こえた。
次の瞬間、長門の体から全ての傷が消えた。
同時に長門の体に力が限りなく湧いてきた。
情報操作能力の使用が許可されたのだった。
長門の目から全ての感情が消えた。
「・・・・・・敵性・・・・・・排除する・・・・・・。」
長門は目の前にいた生徒の首から上を力任せに弾き飛ばした。
それがキョンだったと気づいたのは、自分に襲い掛かってきた全生徒100人近くを皆殺しにしてからだった。
あたりには生徒の惨死体が横たわっており、その半分は首なし死体で、残りはほとんど原型をとどめないほどにグチャグチャになっていた。
648名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:08:43 ID:z87yGbdM

全て喜緑江美里の思惑通りだった。
まだ監視役としての権限が残っているうちに、『長門有希が暴走体である疑いがある』と嘘の情報を思念体に報告して、長門の情報操作能力を制限した。
そして生徒たちを操作して長門を攻撃し、徹底的に追い込んだ。
長門の恐怖が頂点に達した瞬間に能力を戻してやれば・・・・・・


長門は自ら喜緑江美里のところにやってきた。
全てわかっている、自分が再び暴走したときの事後処理、長門の情報連結解除を行うのが喜緑江美里の仕事。
統合思念体は長門有希に失望している、もう何を言っても長門がこの世界に留まることは許されないだろう。
足元から光の粒となって消え行く長門有希の体、その最期の姿を見ながら喜緑江美里は無機質でおぞましい笑みを浮かべた。
「あなたの代わりはわたしがしますから・・・安心して消えて下さい。」
水晶のような優しく美しい、喜緑江美里の声が響き渡った。




649名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:22:07 ID:zJvZsSkd
喜緑さん…黒すぎるよ…喜緑さん
キャラソン聞いてからは喜緑さんは裏で色々糸引いてそうなイメージだ
650名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:24:23 ID:9NNIohfj
え、えみりゅん黒いな…!w
ある意味爽快感があったわ
GJ
651名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 00:53:56 ID:mmQsyLNB
スピード感あるよね
おもしろい
652堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:33:01 ID:EoHJJEPo
・黒ハイテンションユッキー

注)長門さんの原作の印象どころかハイテンションユッキー自体の印象も壊れる可能性が有ります

前回までのあらすじ:
涼宮ハルヒの暴走にての15000回繰り返した8月、
その500年以上の積み重ねられた記憶は
『彼女』を大きく変えてしまった…
それも 思 い っ き り ヤバイ方向へと…
そう、エロパロ板駐在者ならタイトルからご存知であろう、常人なら発狂していたであろう
リピート再生はただでさえ無口無表情暗闇少女だった
長門有希をハッキリ言ってハルヒ以上の暴走おバカへと変えてしまった!
これでいいのか長門有希!
おそらく多分情報統合思念体も情けなくて涙が出てくるであろう長門有k
653堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:34:11 ID:EoHJJEPo
こんにちわー。
今何か情報操作が行われた事は気にしないでね

というわけで改めてやっほー、元気かなみんな
ただ今の私は今日もいつも通り観察対象の『ゴーマイウェイ女』ことハルにゃんの設立した
SOS団で恋愛小説を読んだりしてまーす
勿論別のカバーを上から被せて偽装工作も万全、
だからキョン君にもいっちーにもみくるんにも私の文学少女の
印象は崩れないと言うまさに完璧な作戦

え?誰だお前だって? も〜とぼけちゃって知ってる癖にぃ〜。
いつもキョン君に一番頼りにされる未来から来たネコ型ロボ…冗談です冗談オホン、
もとい宇宙からハルにゃんの面白〜い情報を集めるために
派遣された美少女インターフェース長門有希だよ〜ん。
654堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:35:41 ID:EoHJJEPo
「〜♪ みくるちゃーーん、お茶ーーー」
「あ、はーい。キョン君と小泉君にも入れますねー」
さっきも言ったとおりに、今日も部活は平穏そのもの
ハルにゃんは机に向かってネットサーフィン、多分また面白行事でも考えているのか
生き生きした顔付
いっちーは愛しのキョン君とオセロ、ちゃんと情報操作してキョン君を手助けしているので
今日もキョン君の圧勝確定
コスプレ乳デカポンコツ女…もといみくるんは空になったハルにゃんとキョン君達の
湯のみにお茶を入れ
私は3秒1回ページを捲りその間0.1秒にどれだけ見ても飽きないキョン君の
お顔を覗き見

「ありがとうございます朝比奈さん。
オイオイ、もう8割は俺の軍に占領されちまったぞ。
早い所平和交渉に出た方がいいんじゃないか?」
「ハハ…相変わらず手加減は無しですか…」

嗚呼キョン君…ホントにカッコイイ…
私もこの小説みたいな事をキョン君としたいよぉ
嗚呼3秒も待てないよぉ
このままずっとキョン君をゲイズしていたいよぉ
嗚呼キョン君キョン君キョン君キョン君キョン君キョン君…
655堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:36:58 ID:EoHJJEPo
「ん?どうした長門?」
キョンく…ゲッ!しまった!
「別に…」
「おお、お前もお茶が切れたのか」
「あ、すいませんね気づかなくて。今すぐ入れますね長門さん」
ふぅー危ない所だったよ。どうやら私の視線の意味を勘違いしてくれたみたい。

「はい、どうぞです」
「………」
某ミステリーサウンドノベルゲームで疑惑の視線を砂糖が欲しいんだと勘違いされた
主人公を思い出しながら私は新しく注がれたお茶に口をつける
相変わらずホント美味しい… みくるんの癖に生意気だぞ
あんたなんてハルにゃんに乳もまれてればいいんだもん!
そしてその馬鹿でかい脂肪の塊をもっと大きくしちゃえば…止めよう…ハァ

あ、ちょっとみくるん!
あんたお茶もう入れたんだからハルにゃんといっちー相手にドジメイドの
実践でもしなさいよ〜
キョン君といっちーのオセロ観戦ならまだしも何でキョン君によって行くかな…
私もできるだけキョン君の近くまで行きたいのに〜。
キョン君もキョン君で『貴方の入れた物であれば例えヘドロでも極上のワイン
より優れた飲み物になりますよ』って顔してるし。

みくるんあれは挑発してるね、自分の立場利用してるね、このユッキーに対する当て付けね。
うん、決定。
656堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:37:55 ID:EoHJJEPo
みくるんめ、いっちーより役立たず、むしろハルにゃんの次にキョン君にトラブルを
持ち込む存在の癖に胸でキョン君を寝取ろうと目論むとは、許すまじ。
え? 消失?12月18日? なんのことでしょー。
というわけでちょっとオシオキが必要ね。

さて、どうしてやろうか…お、頭のいいユッキーちゃんはナイスなアイデアを
閃きました。
ではお茶をもう一口飲み早速実践。

ツツ…
657堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:40:00 ID:EoHJJEPo

何も言わずに口から血を流す私
そのままもう一度読書に移る
あ、ページに血が垂れた…想像より痛いのもあったから
思わず口を押さえる

ポタッ…
「? お、おい長門…どうし…たんだそれ!大丈夫か!」
雫の落ちる音に最初に気づいてくれたのはキョン君だった。
う〜ん、私の所へかけつけてくれる優しいキョン君。
「ちょっと有希、どうしたのよそれ!」
「───!」
「血! 大丈夫ですか長門さん」
いっちー、ハルにゃん。
空気読め。
みくるん…こんな心配している顔をされてちょっと罪悪感…
でもいいか、お仕置きだもの。

「大丈夫、この血液は内臓…食道、器官の損傷によるものでは無い。
あくまで口腔内及び唇の損傷による軽いもの」
キョン君、大丈夫じゃないから舐めて消毒して…ってのは今はダメか。
「口の中を…とにかく口を開けてみろ」
だって…
ペッ
「─────ッ!」
キョン君だけでは無く、床に落ちたものを見て他のみんなも絶句する。
「ちょっと、キョンどきなさい! 早くティッシュ持ってきなさい!
有希大丈夫? 早く保健室に…!」
「必要無い。舌などに損傷は無いから」
お得意の情報操作で口に中に剃刀製作♪
「これは…ッ」
ついでに勘の鋭いいっちーがのぞいている湯のみの中にも裁縫針♪
658堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:41:26 ID:EoHJJEPo
「み、みくるちゃん…?」
「そんな…違います!私…私知りません!!」
信じられないと言う顔のハルにゃん。そりゃ実際無実だからねー。
でもキョン君のハートを奪った事は事実なんだからね、そこは有罪。
映画撮影の時キョン君を殺しかけた事も含めてしっかり償ってもらわないと。
「お願いみくるちゃん、正直に言って。
正直に理由を話して…そして有希に謝ってさえくれれば…きっと許してくれると思うから」
「そんな…私…ホントに…」 
そのまま顔を抑え涙をボロボロとこぼすみくるんはその場に座り込んでしまった
フ…天罰覿面。

でもみくるんも可哀想。ハルにゃんいくらなんでも決め付けすぎだよー
「ホントに…グスッ…知らないんです…ウェ…やってないですぅ…」
「そう…そうよね、みくるちゃんに限って…。
ゴメンみくるちゃん疑っちゃって!ホラ泣かないで!」
ちっ。もうちょっと疑えっつーのハルにゃん。

まぁいいや、少なくとも効果はあるみたいだし。
「口を洗いに行く」
私は立ち上がり部室の扉へ向かう。
その途中、私はいっちーとキョン君にだけ聞こえるように言った。
いつもの私の声で、抑制を付けず事務的に一言。
659堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:42:42 ID:EoHJJEPo






     『気をつけて』





660堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:44:41 ID:EoHJJEPo
バタン

部室の扉を後ろ手に閉める。
しかし毎日ハルにゃんに乱暴されながらも頑張ってるよねこの扉
二人の表情を見る事はしなかったが、どんな顔かは想像が付く。
でももし二人が頭からみくるんを信じたり、私の自作自演と気づいていたら…
まぁいいや。そん時はそん時考えよ。人生前向き。


フフ…ちょっとだけお仕置きするつもりだったけど…
ゴメンねみくるん。あんたの顔を見てたらもっとやりたくなっちゃった…。
そうね、朝倉と違ってキョン君やハルにゃんにちょっかいを仕掛ける訳でも無い…
折角だからあれもこれも償ってもらおっと
みくるん…フフ…。
661堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:45:58 ID:EoHJJEPo

あ! よく考えたらキョン君だけを一緒に連れて行く事もできたのに!
あーもう私のバカー!
キョン君だって自分から私を保健室へ付き添うのに立候補してくれたって良かったじゃんよー

『いや、長門。そういう傷でもちゃんと保健室で見てもらった方がいい
俺が付き添うから』
『でもキョン君…ホントたいした事ないから…』
『ダメだ、あんな乳女の卑劣な策略なためにもしお前に万一の事があったら…』
『うん分かった。でも態々付き添ってもらわなくても私一人でも大丈夫…』
『有希…俺はお前が心配なんだ…たのむ、付き添わせてくれ…』
『キョン君…』
『有希…』

キャ─────もうキョン君のバカバカバカバカバカバカーーーーーー
662堕書 ◆wSaCDPDEl2 :2007/03/29(木) 02:48:14 ID:EoHJJEPo
続くかも
663名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 02:49:46 ID:dt09bWpQ
これはいい
続いてくれ
664名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 04:13:09 ID:g+9LqkEV
素晴らしい…ユッキー最高っ♪
665名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 07:31:43 ID:Zp5Wp4by
>>661
これはおもしろい
666名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 09:03:57 ID:HygqPLFO
コスプレ乳デカポンコツ女で吹いたww
続きに期待
667名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 11:45:27 ID:LXWZoA2t
長門の性格崩壊しすぎワロタwwwwwwwwwwww
668名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 11:47:35 ID:Zp5Wp4by
このスレなんか最高
669ID:DPV5ODEB:2007/03/29(木) 19:53:50 ID:LcDepR0z
『涼宮ハルヒの回想』

みんな遅いな…
今日は市内探索の日なのに…まぁ、私が早く来すぎたのがいけないんだけど…
まだ、待ち合わせの時間まで一時間あるわね
ずっと立って待ってるのも疲れるし…ベンチに座って待ってよ…
みんなちゃんと来てくれるかなぁ
はぁ…こうやってひとりでポツンと一人で座ってると中学時代を思い出すな…
私…いじめられてたっけ…



「ハルヒ、あなた変わった!」
「もう一緒にいたくない!」
「どうしてそんなことをするの!?」
「もう、話かけないで!」

中学に入ると同時に私は小学校からの友達にこんなことばかり言われた
自分を変えるため、面白いことを待ってるだけの女じゃないことを世界に訴えるため、
私はそのためにいろんなことをやっていた
そのことに集中するばかりに、まわりの人が私の行動をどう思ってるかなんて考えてもいなかった
小学校の友達はどんどん私から離れていった。
中学で初めて会った人も私の行動を見て、

「頭がおかしい」
「どうかしている」
「話かけないほうがいい」
「かかわらない方がいい」

私がまるで、何か危険な病気を持っているかのように避けられた
なかには私のことを身体障害者なんじゃないか、と言う人もいた
私は中学に入学して3、4ヶ月もするとクラスでいじめられるようになった
筆箱がなくなったり、教科書がなくなったり…机に「死ね」と書かれてたこともあった
一年生の間はそんなことばかりだった
けど、私は何を言われても、なにをされても別にかまわないと思っていた
…何かを変えてやるんだ。待ってるだけの女じゃないことを世界に訴えるんだ…
そのためならバカにされてもなんと言われてもかまわない
私は絶対に耐えてみせる、そう思ってた…

670ID:DPV5ODEB:2007/03/29(木) 19:55:16 ID:LcDepR0z
だけど…あるとき、私はその意志が崩れていくのを感じた…
それはクラスの人達に無視されるようになったとき
私がクラスに存在しているのに…私はクラスにいるのに…
私がそこにいないかのようにみんなにふるまわれたとき…
たしか二年の頃からだったかな…
ある日突然、私が何をしても誰も気にしない、見向きもしない…バカにすらしない…
私とぶつかっても見えない壁にぶつかったかのような反応をされるようになった…
たぶん、いつも私をバカにしていたリーダー格の子が、私のことをみんなに無視しろと言ったのだと思う

最初の頃はものが無くなったりすることより、全然マシだと思ってた
負けず嫌いだった私は、バカにされたり、ものが無くなったりすることには、
「負けてたまるか!」という気持ちでなんとかいじめに耐えていた
もちろん辛かったけど、私はなんとか反発する気持ちを支えにして頑張っていた
だから、無視されるようになったときは「もう頑張らなくていいんだ」と思って楽になった気がしてた…
だけど、しばらくして気づいた…それは間違いだったって…
私はあまりの孤独感にだんだんと耐えられなくなった
もちろん、最初はその孤独感にも耐えようしてみた
だけど…私はそんなに強い人間じゃなかった…
私という存在がこの世から無くなった気がして…とても耐えられるものじゃなかった…
671名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 20:24:12 ID:Dg6X4iIr
テカテカしすぎてもう限界w
672名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 20:28:48 ID:UlU87r3k
なんという生殺しwwwww
673名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:31:22 ID:LXWZoA2t
俺も新作投下してみる
題名はまだ決まってない。スマソ
674名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:32:59 ID:LXWZoA2t
なんでこんな事になっちまったんだ…。
今俺は部室に一人たたずんでいる。本来なら団長席にはハルヒが椅子の上であぐらをかいて座っていて、
隅っこでは長門が姿勢よく黙々と分厚い本を読んでいて、あの席には朝比奈さんがメイド姿でちょこんと座っていて、
古泉はあそこの席でニヤケながらボードゲームをしているはずだ。
しかし誰もいない。いや、いないだけじゃない。
部室はもぬけの殻、ハルヒがついこの前コンピ件の連中からせしめたノートパソコンも、本棚を埋め尽くしていた長門の愛読書も、
朝比奈さんのコスプレセット一式も、古泉のアナログゲームコレクションも無くなっている。
いや、それどころか部室の無駄な備品全てが無くなってやがる。
文芸部室は、SOS団設立前の殺風景な姿を晒している。
この部室ってこんなにしょぼくれてたのか。
そもそも、何故この文芸部室ことSOS団本部がこんな事になってしまったのかというと、
多分俺のせいだ。いや…もしかしたらハルヒが…でも、やっぱ俺のせいだな…。

事件の始まりは今から二日前だ。
………
……


「キョン!もうあんた何やってるのよ!」
ハルヒだ、ハルヒがいきなり騒いできた。
「なんだよ…」
それも授業中にだぞ?どうにかしてる。
「なんだよじゃないでしょ!何よその点数!?」
そう、今はテスト返しの時間だ。ハルヒは俺のテストの点数を盗み見して怒っている。
怒りたいのはこっちだぜ。
「あんた、団員としての自覚あんの!?24点とは何事よ!」
おいおい、大声で言うなよ。俺にだってプライドぐらいはあるぞ。
ほら、お前が大声で叫ぶから、また皆が注目してるじゃねぇか。
谷口なんか笑ってやがる。まったく忌々しいな。今度こそあいつからは点数を聞き出してやる。じゃないと俺の気がおさまらん。
「あんたねぇ、SOS団の看板背負って立ってるんでしょ!それなのに何よこの点数は!24点よ24点、あんたやる気無いでしょ!」
「だからそう何回も俺の点数を連呼すんな」
「うっさいわね!あんたがこんな点数取るのが悪いんでしょ!」
こっちはお前のせいで、まるで点数が取れなかったんだよ!
テスト期間中だってのに、俺に色々面倒事押し付けやがって。
「あ、あの…涼宮さん、今は授業中ですから…」
そう口を開いたのは英語の先生だ。相変わらず気弱だな。もっとこいつにはビシッ!っと言ってやってもいいのに。
675名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:34:37 ID:LXWZoA2t
ハルヒは不機嫌そうな顔になり、そっぽを向いてしまった。
まあ、これは今に始まったことじゃないんだけどな。
さっきも言ったが、今の時間はテスト返しの時間だ。それも最後のテストのな。
ハルヒは俺のすべてのテストの点数を毎時間のように皆に大声で晒してくれやがった。
二時間前なんか最悪だ。俺は数学のテストで15点を取ってしまった。
ハルヒはもちろんその点数を見て激怒。隣のクラスにも聞こえるような大声で、皆に俺の点数を暴露してくれやがった。
もう最悪だ。棺桶があるならそこに入りたい気分だね。

授業が終わった途端、谷口達が話しかけてきた。
「ようキョン。お前も大変だな」
「もっと勉強しなきゃダメだよキョン」
「じゃあ、お前らはどうだったんだよ?」
「僕は92点だよ」
そう言ったのは国木田だ。そういやこいつは中学ん時から頭よかったからな。
俺は死ぬ思いで勉強して入学したのに、こいつは推薦で入学してたからな。
「じゃあ谷口、お前はどうだったよ」
「お、俺か?」
谷口の奴、動揺してるな。これはもしかすると俺よりも。
「僕も谷口の点数知りたいな。何点だったんだい?」
「2…29点だ。悪いか…」
国木田と逆じゃねぇか。こりゃ笑えるぜ。
って待てよ……29点て俺より上じゃねぇか。俺はこのイカれぽんちにも負けたのかよ…。

放課後、俺は先生に呼び出された。
どうやら俺は赤点を5教科も取ってしまったらしい。だからこれから岡部にお叱りを受けるという訳だ。
「お前な、進級する気あるのか?」
岡部は仁王立ちで俺を威圧するように言ってきた。
進級する気があるから学校来てるんだろが。
じゃなきゃ毎朝地獄のハイキングコースを歩いてまでして学校に来ないっての。
まあ、こんな事を言ったら岡部に殺されるのは確実なので、そんな偉そうな事言わんが。
「あ、ありますよ…」
「だったら何故こんな点数を取るんだ!」
まったく面倒臭いな。取れなかったんだからしょうがないだろ。
あんまり責めるというなら、俺は今日にでも髪の毛を金色に染めて、耳にピアス穴開けて学校に行ってやってもいいんだぞ。
これはさすがに冗談だがな。
岡部の説教は30分にも及んだ。その間俺はひたすらイエスマンになるしかなかった。
おかげで明日の放課後は補習だ。やれやれ、ハルヒに何言われるやら。


俺は渋々部室に向かった。
676名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:36:34 ID:LXWZoA2t
ドアノブに手をかけ、深呼吸をする。耳にも力を入れ、対ハルヒ用ショック姿勢を取った。
そして恐る恐るドアを開ける。

「遅いわよバカキョン!!」
ハルヒの咆哮が旧館に木霊した。
よかったぜ。構えの体制を取っていて。
「悪いな、ちょっと説教が長引いてさ」
「関係無いわよ!あんたね。SOS団と学校と、どっちが大切なのよ!」
そんな当たり前の事を聞かれても困る。
「もちろん学校だ。大体学校あっ」
てのSOS団だろ。と繋げようとしたとき、ハルヒが会話に割り込んできやがった。
「はぁ?あんた馬鹿にしてんの!?」
むしろ馬鹿にされてるのは俺のほうだ。こいつの頭はどんな構造をしているんだ?誰か解剖でもなんでもして分析してくれ。
「あんたね、今日はなんの日だと思ってるのよ!」
「わからんね」
俺は何も聞いてないから。もしかしてSOS団設立半周年記念祭とでも抜かすんじゃなかろうな。
「今日はSOS団の重要会議の日なのよ!!ちゃんと伝えたでしょ!!」
「おい待て、俺は何も聞いてないぞ」
こいつ、いつも俺に何も伝えないから、その癖が出ちまってるんじゃないか?
「とぼけてるんじゃないわよ!」
ハルヒはそう雄叫びをあげ、俺に向かって上履きを投げつけてきやがった。
上履きは俺の頭に見事命中。
ハルヒの運動神経の良さは学校でも有名だからな。俺の額にクリーンヒットさせることぐらいたやすいだろう。
俺は床に倒れてしまった。
朝比奈さんのかわいい悲鳴が聞こえる…。
畜生…ハルヒの奴、覚えてろよ。
徐々に意識がもうろうとして行く。
その時だった。おそらくハルヒの強力な一撃が俺の何かを覚醒させてしまったらしい。
開いてはならぬ禁断の扉が開いてしまったのかもしれないな。
倒れた俺の周りに皆が集まっている。ハルヒ以外のな。
「キョンくん、大丈夫ですか〜」
「……」
「お怪我はないでしょうか?」
いってぇ…。大丈夫なはず無ねぇよ…。
「何よあんた達、キョンなんかほっときなさいよ!」
畜生。ハルヒの奴め、少しぐらいは心配したらどうだ。
677名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:38:08 ID:LXWZoA2t
俺は周りに集まるSOS団の面々を押しのけ、ハルヒの元へ向かい、机を蹴り飛ばした。
なんで俺がこんな事をしたのか。なんて自分でもわからない。
「おいハルヒ、お前人をおちょくるのもいい加減にしろよ!」
俺はそう言って、パソコンのディスプレイをおもいっきり床に叩きつけていた。
「あんた!ちょっとなんてことしてんのよ!」
「見りゃわかんだろ。ディスプレイを床に叩き落としたんだよ!」
さらに俺はハルヒの頬を殴った。
ハルヒはあぐらをかいていたせいか、バランスを失い、勢いよく椅子から床に落下する。
ハルヒの頭から鈍い音がした。
「ちょっと、何…すんのよ……」
俺はハルヒの言葉を無視して、脇腹におもいっきり足を振り下ろした。
ハルヒは涎を垂らしてぐったりしている。もしかして死んじまったのか?
まさかな、ハルヒは東京タワーから落ちても死ななそうだ奴だ。心配する必要無いな。
俺は後ろを振り向いた。
古泉、ニヤケ面が引き吊ってるぞ。いつもみたいに整った顔を見せつけてみろよ。
長門は無表情のままか。どんな時でも冷静なんだな。感心するぜ。
朝比奈さんは言わずともわかるだろ?ピーピー泣いてる。そんな姿も可愛いじゃないですか。
俺は三人のところへゆっくり近寄った。
「お二人とも、逃げて下さい!」
古泉、勇ましい限りだな。
俺は古泉に蹴りを加えた。しかし古泉は俺の蹴りを受け止める。
「残念でしたね。僕も機関の人間です。格闘の訓練は受けています」
しかし俺は、もう片方の足で古泉の頭を蹴りつける。
自分でも信じられない。まさか俺が香港のアクション映画に出てくるような大技を、ワイヤー無しでやってのけちまうんだからな。
古泉は床に頭を強打した。
「どうした古泉。機関で訓練してたんじゃ無いのか?」
古泉は俺の足首を掴んできやがった。最後の抵抗って奴か。
しかし古泉の握力は幼稚園児並に弱っていた。
俺はしがみついてくる古泉の手を軽く振りほどき、手を踏み潰した。

俺は二人の元へ急いで向かった。あっちには朝比奈さんがいるんだ、そう遠くには行ってないだろう。
俺は旧館を出て中庭を探す。しかし二人は居なかった。
もしかして学校外に逃げちまったのか?
俺は昇降口に行き、二人の下駄箱を探した。
長門の下駄箱は簡単に見つけられた。なんせ長門は隣のクラスだからな。
678名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:39:26 ID:LXWZoA2t
俺は下駄箱を開け、中を見た。
どうやら二人は帰っていないらしい。長門のローファーがまだ残ってる。
朝比奈さんだって長門がいたほうが安全だろうし、帰っていないだろう。。
俺はここで待つことにした。下手に動いて行き違いになったら大変だからな。
それから間もなくして長門がやってきた。しかも一人で。
「よう長門。朝比奈さんは一緒じゃ無いのか?」
「…いない」
「そうかよ」
俺は長門に蹴りを加えた。
もう一度さっきのアクション映画のワンシーンみたいな攻撃を繰り出してみたかったからな。
しかしやっぱり長門だ。俺の二段攻撃を軽く受け止めやがった。
俺は情けなくも頭から落ちてしまった。カッコ悪過ぎるぜ、俺。
だが、痛みはまるで無かった。エンドルフィンが過剰に分泌されているのだろうか。
まあいい、痛くないに越したことは無いからな。
俺はカポエラのように足を回転させ、長門の足をすくった。
俺には格闘技の才能があるのだろうか。就職口に困ったら、格闘選手になるか。
丁度殴ってみたい三兄弟もいるしな。
「…」
長門も再び立ち上がる。
そういや朝倉に襲われた時も全然平気そうだったな。
俺は立ち上がった直後の長門の腹を力任せに殴った。
なんかしらんがゲホゲホ言ってやがる。あの時の無敵超人ぶりはどうしたんだよ。
俺はさらに長門の首に手刀を加えた。
長門は再び床に倒れる。手応えがまるで無い。長門は異空間でないと力が発揮できないのか?
油断した俺が馬鹿だった。長門は俺の足をすくい返す、俺は下駄箱に身体を打ち付ける。
金属音が響き渡った。
しかしこれまた不思議。まるで痛くない。
俺はハルヒの上履きに、強化人間にでもなる秘孔を突かれたてしまったらしいな。
俺は長門を何度も容赦無く踏み付けた。
長門はついに吐血し、ハルヒみたいにぐったりしてしまった。
宇宙人も対した事無いな。

俺は最後の団員、朝比奈さんを探すことにした。
こんな事なら、長門に手加減して聞き出せばよかったぜ。

俺は朝比奈さんを学校中くまなく探した。しかし朝比奈さんはいない。
俺は最後の望み、書道部が活動している部室まで来た。
愛想を振り撒きながらドアを開ける。
やっぱりいた。鶴屋さんにしがみついて怯えている。
「ちょっとキョンくんっ!みくる達に何してるんだいっ!」
朝比奈さんから聞きでもしたのか?まったく困った人だ。
679名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:41:36 ID:LXWZoA2t
「なんにもしてないですよ。さあ、朝比奈さん部室に戻りましょう」
「本当に何もしてないのかいっ?なんだか心配にょろ〜」
鶴屋さんと朝比奈さんは何か話し合ってる。
やれやれ、面倒な人達だ。まあ仕方ない、少し待ってやるか。
話し合いが終わったのか、朝比奈さんが鶴屋さんを連れてやってきた。
「あ、あのぉ〜、鶴屋さんも一緒に連れてっていいですかぁ〜」
「えぇ、構いませんよ」
飛んで火に入る夏の虫とはこの事だな。まあ、今は冬だが。
一人だけじゃ心配だから、鶴屋さんも連れて行くって訳ですか。
こっちとしては大歓迎ですがね。
「ほら、はやくして下さい。ハルヒに怒られちまいますよ」
俺達は部室を出て階段に向かう。
その間、朝比奈さんは鶴屋さんの後ろを付いてきて、俺と距離を置いている。
寂しいじゃないですか、朝比奈さん。
俺達は階段に来たところで、鶴屋さんと朝比奈さんの肩をしっかり掴んだ。
逃げられるわけにはいかないからな。
二人は怯えている。無理も無いだろうな。俺の握力はボブ・サップ以上じゃないかと思う程強くなっていたし、
俺は殺気に満ち溢れていたからな。
これで黒マント、黒宇宙服、黒マスクを身に纏えば、某暗黒面の化身になれるのではなかろうか。
「ちょっとっ!キョンくん痛いにょろ…」
しかしムカつく口調だ。人を馬鹿にしているとしか思えないな。
俺は鶴屋さんの頭を壁にぶつけた。
鶴屋さんは倒れて、壁にへたり込む。
朝比奈さんは驚き過ぎて声も出ない様子だ。
「鶴屋さん、あなたいくらなんでも人を馬鹿にしすぎでしょ、いい加減止めてください。気分が悪いです」
「…な…何がさっ……。馬鹿になんかしてないにょろ……」
「その口調が馬鹿にしてるって言うんですよ」
俺は鶴屋さんの後頭部を壁に強くぶつけた。
「…いっ…、痛いです…もうやめて…」
「やればできるじゃないですか」
俺は鶴屋さんの腹を蹴り飛ばした。
しかし朝比奈さんは俺の隙をついて腕に噛み付き、逃げて行ってしまった。
さっきより痛みが強い。ハルヒにはもう一度秘孔を突いてもらいたいものだ。
俺は朝比奈さんを追い掛けた。でもやっぱり朝比奈さんだ。
中庭で息を切らして手を膝についてる。俺はすぐに捕まえた。
「朝比奈さん、逃げるなんてひどいですね」
「ふぇ〜ん、ごめんなしゃ〜い。もう逃げましぇんから助けてくだしゃい…」
680名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:42:58 ID:LXWZoA2t
朝比奈さんは泣きながら謝って来た。
そこまで舌足らずだと、かえって苛立ちを覚える。まあ、可愛さに免じて許してやるか。
「大丈夫ですよ。あなたには何もしません。でも、長門と鶴屋さんを部室に運んで下さい」
朝比奈さんは解答を渋っている。
「朝比奈さん、やってくれますよね?」
俺は再び体中から殺気を搾り出した。
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……』って感じのSEを是非流してほしい。
朝比奈さんは泣きながら首を縦に振った。
俺は長門が倒れている昇降口まで朝比奈さんを案内した。
朝比奈さんは長門の吐いた血を見て、腰を抜かしている。
俺は朝比奈さんの背中を軽く蹴り、朝比奈さんに長門を運ばせる。
長門の吐いた血も、朝比奈さんのハンカチで拭かせた。
部室に戻ると、ぐったりしているハルヒを古泉が介抱していた。古泉は俺を睨みつける。
「いつものニヤケ面はどうしたんだよ古泉。お前らしくねぇな」
「あなたも、いつもとはかなり違うご様子ですが?」
「確かにそうかもしれないな。でもこれはハルヒがやったんだ。ハルヒが望んだから、俺はこうなったんじゃないか?」
俺は古泉を卑下した口調でそう言ってやった。
そうさ、ハルヒが望んだから俺はバーサーカーキョン(自称)という名のトランス状態に陥ったのさ。
まあ正直なところ、どうして俺がこうなっちまったかなんて、俺が一番聞きたいんだがな。

俺は朝比奈さんを連れ、鶴屋さんの元へ行った。しかし鶴屋さんはその場にいなかった。
逃げやがったのか!?畜生どこにいやがる。
俺達は書道部の部室がある廊下まで向かった。
やっぱりいた。壁にへたりながらよろよろ歩いてやがる。
俺は鶴屋さんの髪を引っ張り再び鶴屋さんを連れ戻した。
「逃げちゃダメじゃないですか。鶴屋さん」
「髪を引っ張らないで下さい…」
どうやら言い付けは守っているらしいな。
でも、こんな常人口調の鶴屋さんは鶴屋さんじゃないな。これじゃ、ちょっと目立つモブキャラだ。
「やっぱり気持ち悪いので、いつも通りの口調でいいですよ」
「え…?」
俺は髪を引っ張ったままSOS団本部こと、負傷兵収容所に鶴屋さんを放り込んだ。
朝比奈さんは足をガクガクさせている。次は自分が何をされるかわからないから怯えているのだろう。
「安心してください朝比奈さん。すぐ楽にしてあげますよ」
「え…」
681名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 22:44:25 ID:LXWZoA2t
朝比奈さんの口を開くのが早いか、俺の手刀を朝比奈さんの首に加えるのが早いかのタイミングで朝比奈さんは気絶した。
俺は部室に戻り荷物を取った。古泉がまた俺を睨みつけている。
俺はドアの付近から部室を見てみた。
倒れてぐったりする女子達、その中に一人だけ男がいる。そして睨みつけている。
「古泉。それじゃお前、連続殺人強姦魔か、少女連続監禁殺害犯みたいだぞ」
俺はそう言ってドアを閉め、家路についた。
もうすっかり空は焼けている。そして肌寒い。冷凍食品コーナーにいるみたいだ。

俺は家に帰ると、妹がいつものように挨拶して来た。
「ただいまキョンく〜ん」
「それを言うならおかえ…」
りでしょ。と続けようとしたその瞬間。俺の視界が暗転した。


目が覚めた時には朝の八時だった。
頭を筆頭に体中のあちこちが痛い。昨日の痛みと、肉体を酷使した影響が今更出て来たのか?
どうやら俺の精神状態も、肉体能力も平常に戻っているらしく、俺は昨日の所業に激しく後悔を覚えていた。
俺はその日、学校を休んだ。
そして次の日。
学校に行ったが、ハルヒは俺には話し掛けてこなかった。
昨日あんな事したんだから、当然と言っちゃ当然だが。
ハルヒに謝りたかったが勇気が出なかった。なんて話を切り出せばいいか、まるで検討がつかなかったからな。
テストも終わったしまったので、今日は午前中で学校が終わった。
ハルヒはホームルームが終わるなり一目散に教室を飛び出していった。恐らく部室に行ってるのであろう。
俺も後を追って部室に行こうとしたら、岡部に止められた。
昨日補習をすると言ったのに休んでしまったからな。
俺は岡部にみっちり扱かれた。補習と言っときながら、やったのは校庭の草むしり、外周のマラソン。しかも昼飯抜きでだ。
まあ、担当科目が体育の岡部に、
『現代文』『数学』『英語』『物理』『世界史』
の補習が出来る訳無いのは当たり前と言っちゃ当たり前なのだが。
って、こんな事するぐらいなら自主勉でもしたほうがまだマシなのでは?
等と思いながらも黙々と草をむしり、ひたすら走る俺なのであった。
本当に空しいなオイ。
そして俺が岡部から解放された時には、もうすでに時計の針は二時を指していた。
俺は急いで部室に向かった。
682名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 23:07:54 ID:9/uWCKPl
なんだこれは
文章のレベルが神すぎる。

もしや流本人か?
683名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 23:14:55 ID:67alQQ3w
連続生殺し……。
これは読み手へのいじめですかっ
wktk!!
684名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 23:20:33 ID:Q8AubZQt
バーサーカーキョンって名前がツボったwwwwwwwwww
でもバーサーカーキョンコワス

職人さんたちー、はやく続き投下してくれ
685ID:DPV5ODEB:2007/03/29(木) 23:30:00 ID:LcDepR0z
>>670からの続き
私はそのときから以前よりも目立つ行動をとった
夜中に学校に忍び込んで校庭に大きな絵文字を書いたり、クラスの机を全部廊下にだしたり…
特に何か意味があったわけじゃない。
変なやつ、頭がおかしいやつだとバカにされてもいい
なんでもいいから何か反応を示して欲しい…ただそれだけの理由…
だけど、結局…誰も私に反応を示してくれる人はいなかった…
私は毎日無視された
そのときから私は本当にひとりぼっちになった気がした…

一番辛かったのは昼休みだったかな…
四時間目が終わるのが近づくと、いつも憂鬱な気分だった…
なぜか私は席替えすると後ろの方になることが多くて、クラスを見渡せる位置にいた
クラスメートが楽しそうにおしゃべりをしながらお弁当を食べている…
そんな風景を見ていると…いつも一人でお弁当を食べていた私は…
無性に泣きたくなって…辛かった…

お弁当を食べ終わると、私は寝てるふりばかりしていた
無視され始めて最初の頃はおかしな行動をして、みんなの気を引こうとしたりもしていた
だけど、そのうち何をしても相手にしてもらえないことがわかると、
私は何もする気がおきなくなって、私は寝てるふりばかりするようになった
クラスメートの楽しそうに笑ってる顔を見たくなかったし…
なにより私の泣き顔を見られたくなかったから…
昼休みの間ずっと、トイレにこもって泣いたこともあったっけ…
すごく臭いトイレだったな…今でもはっきりと覚えてる…
686ID:DPV5ODEB:2007/03/29(木) 23:33:23 ID:LcDepR0z
そういえば班を決めて何か作業をやる授業も大嫌いだったな…
みんな誰かしらパートナーや班を組む人がいたのに…私だけひとり余ってた
私はいつもポツンと教室の隅にとり残されてた
みんなは作業を始めてるのに、私だけ何もできなかった
そりゃ、そうだよね…みんなで意見を言い合って、まとめていく作業だもん…
一人でできわけないよ…誰も相手がいないんだから…
それに先生達も私がよく妙な行動をとっていることを知っていたから、
私が一人でも別に気にするでもなくそのまま授業を進めたんだよね…
私は一人で作業をしながら…いや、何もできなかったのだけど…必死で涙をこらえてた…
…誰でもいい、誰か私に話しかけて……
私は心の中でずっとそんなことをつぶやいていた
寂しくて、悲しくて…どうしようもない気持ち…
こんな気持ち…なければいいのに、って思った…
結局誰も話しかけてくれる人はいなくて、班で作業をするときは、ただひたすら一人で泣くのを我慢するしかなかった…
もちろん…誰かと班を組まなければいけないときは何度かあった
列で班を組むときとか、近くの席の人と組むとき…そのくらいだったかな…
そのたびに私は話かけるチャンスだと思って頑張ってみたのだけど、結果は予想どおり…
私はどんなときでも一人ぼっち…授業の合間の休憩時間、昼休み、授業のとき…
学校から家に帰るのも一人…いつも泣きながら帰ったっけ…

…そんな生活をずっとしてる間に、いつのまにか私は三年生になってた…
私のことは同じ学年の人には知れ渡っていたのでクラス替えをしても状況は何も変わらない…
二年に進級したときとまったく同じ…
私を無視するように指示したリーダー格の子とも、同じクラスになってしまって…
また、一年間あんな生活をするのかと思うと辛くてしょうがなかった…
あぁ…そういえば、三年生と言えば修学旅行のときを思い出すな…たしか六月頃に行ったんだよね…
あれは本当に辛かった…
687名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 00:14:13 ID:HvydyJpo
また寸止め……く、悔しいっ、wktkしちゃう!!
688名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 00:57:49 ID:8d032IAr
>>686
wktk

いじめられてるハルハルはかわいすぎるから困るw
689名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 05:07:13 ID:XsxwzEso
黒キョンGJ!
690名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 08:06:59 ID:F8paaLkJ
ID:LXWZoA2tって作家じゃないの?
めちゃくちゃうまい。。。
それか谷川本人か。。。
691名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 09:17:29 ID:kx10N+Y3
もっと、サスペンス風の感じのやつを
やってほしいと思うの自分だけ?
692名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 10:02:58 ID:F8paaLkJ
>>691
ここはいじめ
サスペンスならほかで
693名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 11:14:42 ID:FQDdq2sE
いじめサスペンスを書けばいいじゃない
694名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 11:20:58 ID:svfoKtN4
鶴屋さんが言葉気持ち悪いって言われてるのが可哀想だった。
695名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 11:36:41 ID:kx10N+Y3
>>693
それいいね
696名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 11:36:55 ID:L4ipJyZX
>>694

 言うな、そのネタは王道なんだ

         , '´ ̄ ̄` ー-、
       /   〃" `ヽ、 \
      / /  ハ/     \ハヘ                       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
      |i │ l |リノ    `ヽ}_}ハ                      |                  |
      |i | 从 ○    ○l小N               ━━┳━━ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|    | ̄ ̄ ̄ ̄
      |i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ.         _ ─┬─   .┃         . |    |
      |i |   j  (_.ノ   ノi|    ェェ.エエ工. |   |    ┃          |   .|
      |i | _ノ >.、 __, イl |            ̄ ─┴─   .┃         . |    |
  ___| / ヽ.:::::ヘ三|:::::/l| |ヽ                ━━┻━━ _____|    |____
  \     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\                .    |                 |
  ||.\                    \               .    |____________|
  ||  \                   .\
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  ||  \ ||                  ||
       .|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
697名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:23:10 ID:zOSYgJlV
>>681からの続きを投下する

ちなみに俺は素人です
698名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:26:06 ID:zOSYgJlV
そして、回想は終わる


……
………
やっぱり俺が一昨日あんなことをしたせいなのだろうか…。
すると、いきなりドアが開いた。
「誰だ!?」
俺は目の前に飛び込んで来た光景に目を疑った。
そう、いるはずの無い奴が俺の目の前にいやがる。
カナダへ引越したという事にされ、長門に消されたアイツがそこにいた。
朝倉涼子だ。
「どうしてお前がここに!?」
「ふふ、驚いたでしょ」
朝倉は整い過ぎた可愛い笑顔でそう言ってきた。
残念だが、俺は素直に喜べなかった。
よりにもよって、なんで俺の天敵でありトラウマであり鬼門であるこいつがここにいるんだ。
「いや、驚いたでしょ。じゃなくて、なんでお前がここにいんだよ。お前は長門に消されたはずじゃ…」
「ふふ、頑張って復活しちゃった」
頑張って復活しちゃった。って…。もういい、ここはあえて言及しない事にしよう。
「お…おい、また俺を殺す気なのか…?」
「物騒な事言わないでよ。わたしはあなたを殺す気は無いわ」
それは良かった。って安心してる場合じゃない。
なんで朝倉は制服を着てるんだ。明日から学校の授業にでも参加するつもりなのか。
俺としては御免被りたい。こいつと一緒に授業を受けるなんて事になったら、自分の被害妄想に殺されちまいそうだ。
「じゃあ…何しに来たんだ…」
「あなたに会いに来たの。ホントはね、もっとはやく会いたかったんだけど、中々上手くいかなくて…」
うれしい事言ってくれるじゃありませんか朝倉さん。
でも、なんでまた俺を殺す気も無い朝倉が、俺に会いに来たんだ?
まったくわけがわからん。
「わたしね、あなたに謝らなくちゃならないことがあるの」
モジモジしながら朝倉は言った。
「謝りたい事ってなんだ?」
もしかしてあの時の事じゃないだろうな。今更にも程があるぞ。
「わたしね、あなたを利用してたの。だからごめんね」
利用?俺は朝倉に利用されていた覚えは無いぞ。
「何を言ってんだ朝倉?」
「あのね、今回はあなたを殺すんじゃなくて、涼宮さんの身近な人にダメージを与えて情報爆発を観測しようとしたの」
ってオイ。じゃあまさかあれは…。
「それでね、あなたに暴走因子を仕込んだの」
「なんだそりゃ……」
「簡単に言えば、いきなり強くなったり、性格が異常になったりするようにしたのよ」
699名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:27:49 ID:zOSYgJlV
「いや待て!あれはハルヒに秘孔を突かれて、一時的に俺の中に眠るもう一人の俺が覚醒してしまったんじゃないのか!?」
朝倉は呆れた様子で俺を見ていた。
しかし俺はお構いなしに喋ってしまった。ここいらで止めておけば良かったものを…。
「そして内に秘めたる本来の力が発動して、俺はバーサーカーキョン(自称)になってしまったんじゃないのか!?」
「あなた、何を言ってるの?漫画か何かの読みすぎなんじゃない?」
クッ…まさか宇宙人にこんなセリフを吐かれるとはな…。
でも俺は朝倉の言葉は否定しないさ。確かに今、俺は自分を殴ってやりたいぜ。そのぐらい恥ずかしい。
「やっぱりそうだよな…」
「当たり前でしょ。あなたはただの人間だもの。それに、あなたに暴走因子を仕込むのには苦労したんだから」
「と、言うと?」
「暴走因子を仕込むのは…」
どうやら、朝倉の話しによると、暴走因子とやらは弱った時の方が植え付けやすいらしい。
朝倉は当初、俺をナイフで刺して弱らせてから暴走因子を植え付けようとしていたらしいのだが……。
ハルヒが俺の額に上履きをぶつけてくれたおかげで、俺は朝倉にナイフを刺されずにすんだらしい。
ハルヒには感謝しなくちゃな。
てか、あの感覚は俺が覚醒したのではなく、暴走因子を植え付けられたからだったのか…。
「でも朝倉、よく長門に気付かれなかったな」
「苦労したんだから。長門さんに気付かれないように、わたしの周囲に何層もの情報制御空間を張り巡らせたのよ」
よくわからん。まあいい、簡単に言えば特殊光学迷彩みたいなもんだろ。多分。
「それに、長門さんの自己修復能力機能の妨害にも、情報統合思念体への通信妨害にも苦労したんだから」
朝倉は腰に手をあてつつも笑顔で言って来た。
長門が弱かったのは朝倉の支援のおかげだったのか。できればあの時ボコボコにされて目を醒ましたかったよ。
でもまあここは、一応感謝しとくべきなんだろうな。
「あ、ありがとな…。てか朝倉、お前はハルヒ達の居場所を知らないのか?」
「知ってるわよ。でも、あなたが知ってどうするの?一昨日あんな事したのに…会うつもりなの?」
あんな事したのに。ってお前のせいでだろが。
700名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:30:37 ID:zOSYgJlV
「謝りたいんだ。ハルヒにも長門にも朝比奈さんにも古泉にも、もちろん鶴屋さんにも…」
「それなら安心して、もう涼宮さんからは沢山の情報を得ることができた。
 あなたにも迷惑かけちゃったしね。だからそのお詫びに、この二日間は無かった事にしてあげる」
「それは有り難いが、遠慮しておく」
朝倉は頭に疑問符を巡らせている。
「どうして?あなたにとってデメリットなんて何も無いじゃない。むしろメリットのほうがあるずよ」
「でもそれじゃ、俺は逃げてることにしかならないと思うんだ。ちゃんと謝らないと、
 俺は今まで通りあいつらと接することが出来ないと思うんだ。だから教えてくれ」
「バカげてる。そんなのどうでもいいじゃない。私にはつまらない程ムキになる有機生命体の概念がよく理解出来ないんだけど」
俺は土下座をして頼んだ。
「頼む。居場所を教えてくれ!」
別に俺が土下座したのは、パンツが見たかったとかそんな卑しい気持ちがあったわけでも、感じる世界を見せられて恐怖したわけでもないぞ。
一応注意はしておく。
朝倉は少し困った表情を数秒した後、笑顔で口を開いた。
「もう、そこまでするなら教えてあげる。じゃあ付いて来て」
「いや、教えてくれるだけでいいんだが…」
「いいから!」
朝倉は俺の手を引っ張った。別に嫌な気分じゃない。
でも、少し恐かった。俺の朝倉恐怖症は完治していないらしいな。
俺達は学校を出て坂を下った。ここまで来るとハルヒ達の居場所は大体予想出来る。恐らくあそこを根城にしているのだろう。
感の鋭い人ならもうお分かりであろう。しかしここは敢えて言わない事にする。
坂を下っている最中、朝倉が話し掛けて来た。
「ねぇキョンくん。お腹減ってない?」
そういやずっと岡部に拘束されてたからな。確かに腹が減ってきた。
「ああ、ちょっとな…」
本当の事を言うと、かなり減っているが。
「じゃあ、あのお店に寄っていかない?」
そう言って朝倉が指差したのは、某大手ハンバーガーファーストフードチェーン店だった。
せっかくだから、谷口の言うAAランク+の女子と昼食を共にするのもいいな。
贅沢を言えば、お前が宇宙人だという事を知る前に誘われたかったが…。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:32:22 ID:zOSYgJlV
そんなわけで、朝倉と二人っきりで店に入って少し遅い昼食をとっているわけなんだが。
時計の針はもう三時を回っていた。これでは昼食ではなく、おやつだな。
それと、こんな美少女と食事を共にしているというのにまったくうれしくない。
まったくっていうのはさすがに嘘だが。なんでうれしくないのかはわかるよな?
そう、俺はさっきも言ったが朝倉恐怖症だからだ。
朝倉は俺を殺す気はない。と言っていたが、どうにも落ち着かない。
端から見ればただの仲良しカップルにしか見えないのだろうが。
実際朝倉は嬉しそうに俺のほうを見てポテトをつまんでくれてるし。
ここは素直に恋人気分を味わうのが筋なんだろうが、どうも気分がモヤモヤする。
「キョンくん、それいらないの?じゃあわたしがもらっちゃおっかなあ」
「あ、俺のコーラ…!」
「ふふ、もう飲んじゃった。キョンくんにはこっちあげる。はいジンジャーエール」
オイオイ、なんだこの状況は。これではまるで付き合っているも同然じゃないか。
しかもこのジンジャーエールを飲めば、朝倉と間接キスをした事になるのか…。
って、俺は何を考えているんだ。これではまるで中学生じゃないか…。
でも待てよ…。これは罠かもしれない。とは考えられないだろうか。
言うことを聞かなかった俺を、毒殺するなり眠らせるなりして黙らせ、情報操作を行うのかもしれんぞ…。
「キョンくん…飲まないの……」
「えっ……あぁ……」
朝倉っ!そんな寂しそうな目で俺を見つめるな…。畜生!
「うん、飲む飲む…」
俺はストローに口をつけ、中の液体を吸い上げた。
朝倉と間接キスをした嬉しさ半分、これからどうなるかわからない恐さ半分だ。
でも中身は確かに、ファーストフード店独特の薄味ジンジャーエールだった。
だが心配だ。こうなったら直接聞いてやる。
「おい朝倉…この中に何か仕込んでないよな……?」
「何か。って何?」
「例えば、ヒ素とか睡眠薬とか……」
朝倉はさっきまでの笑顔は無くなり、怒ってしまった。
まあ、無理もないだろうな…やっぱ聞かなきゃよかったかな…。
「失礼しちゃうわね。じゃあ、大丈夫かどうか、わたしも飲んであげようか?」
そう言って朝倉は俺のトレイにある元朝倉のジンジャーエールを取り、俺に飲んでみせた。
なんだこれは、これでは本当にカップルのようでは無いか。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:34:15 ID:zOSYgJlV
「ほら、何も入ってないでしょ」
「あ…、ああ…疑って悪かったな朝倉…」

俺達は少し談笑した後、と言っても笑っていたのは朝倉だけだが、まあそれはさておき。
俺は朝倉に先導され、ハルヒ達のいるSOS団新本部へ向かった。それはどこかって?んなもん決まってる。
そう宇宙人のメッカ、駅前のマンションだ。
恐らくハルヒは何も言わない長門をいいことに、勝手に拠点と決め付けたのであろう。
しかも長門の部屋はこれでもかと言うぐらい殺風景だからな。
レイアウト好きのハルヒにとっちゃ、これ以上の場所は無いだろう。

そんなこんなでマンションの前まで来たわけだが、いざとなると勇気が出ない。
なんて言って部屋まで上がり込めばいい。
ってか朝倉はマンションに入れるのか?いくら前まで住んでいたからと言って。
このマンションにはセキュリティロックが付いているんだぞ、そう簡単に入れ…。
「何やってるの、はやく来なさいよ」
そうだ、こいつは宇宙人だったんだ。朝倉の手にかかれば、セキュリティをくぐり抜けるぐらい朝飯前だな。
「ああ、待ってくれよ」
朝倉には宝石強盗をしない事を願うしか無いな。
で、俺は今朝倉と二人っきりでエレベーターの中という密室状態に身を置かれているわけなんだが。
どうにも落ち着かん。何度も言うが、俺は朝倉恐怖症なんだ。
確かに朝倉からはいい香りが漂っていて、横顔もこれでもか!っていうぐらいにかわいいのだが…。
朝倉恐怖症の俺が朝倉と一緒に、しかも二人っきり、さらにはこんな狭い箱の中にいるという事は…。
俺の精神状態はもう尋常ではないという事だ。今にも発狂しそうだ。誰か助けてくれ。
「落ち着かないようだけど…きっとあなたが誠意を見せて謝れば、涼宮さん達は許してくれるわよ」
「そうだよな…ありがとよ朝倉。あはは…」
「どう致しまして」
そうじゃない朝倉、確かにその心配もあるが…。俺が今落ち着かないのはお前が原因なんだ。
頼む、さっさと七階に到着してくれ。

それから間もなくして、七階到着のブザーが鳴り響いた。なんとか助かった。
実際乗っていたのはわずかな時間だったのだが、
でも俺には、このエレベーターの中にいる時間が三十分にも一時間にも思えた。
もう一二月だってのに背中に冷や汗もかいてやがる。情けねぇ…。

俺達はSOS団の新本拠地、長門の部屋の前まで来た。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:35:50 ID:zOSYgJlV
「頑張ってね。キョンくん」
「おう!あとさ、一つ頼みがあるんだが…いいか?」
「何?」
「もしも、俺がハルヒ達に殺されそうになったら助けてくれよな」
俺は冗談混じりでそう言った。
はっきり言おう。こんな事言わなければよかったと。
「うん、いいわよ」
朝倉は犯罪レベルのかわいさを誇る笑顔を、俺に振り撒いてくれた。
ハルヒ達に朝倉を見られてしまったらまずいので、俺は朝倉に長門の部屋からは見えないところに隠れてもらった。
朝倉が隠れたのを確認し、俺はゆっくりとインターホンを押した。
『ピンポーン』
ちゃんと謝れば大丈夫さ…きっと。
『は〜い、どちらさまですかぁ〜?』
応対してきたのは朝比奈さんだった。
ハルヒめ、さっそく朝比奈さんにこき使わせているのか。
「あ、あのう…俺ですけど……」
『え…どちら様ですか?』
確かに俺ですけど。でわかる奴はそういないな。
これで誰かがわかるのは、ドラマかアニメの世界だけか。
俺は素直に本名を告げた。
『ふぇ?ど、どちら様ですか?』
ちょっと待て。朝比奈さんは俺の本名も知らんのか…ちょっとショックだな…。
いや、ちょっとどころじゃない。すごいショックだ…。オイルショックだ。
「あ、あの…。キョンです…」
『あっ、キョンくんですかぁ〜。ってキョンくんですか!?ふぇ〜〜〜』
「ちょっと!朝比奈さん。朝比奈…さ…ん…」
朝比奈さんの声は、泣きながら奥へと消えてしまった。
朝比奈さん、そこまで素直に拒絶されると、俺だって泣きたくなりますよ…まあ、悪いのは全部俺なんだが。
俺だって男だ、朝倉のせいだとは言わんさ。
『ちょっと何しに来たのよ!!』
ぐわっ…!何と言う不意打ちだ。
俺は対ハルヒ用ショック姿勢も取らずに、ハルヒのゴジラ顔負けの咆哮を聞いてしまったもんだから、耳が痛くてしょうがない。
こいつは俺の耳諸共、インターホンのスピーカーを破壊する気なのだろうか。
「ハ、ハルヒ…俺さ、お前達に謝ろうと思って……」
『は?何でアンタがあたしにタメ口聞いてんのよ!ちゃんとこの場に相応しい喋り方ってもんがあるでしょ!』
いくらこっちが下手に出てるからってそりゃ無いだろ。
まあ、こっちが悪いんだし、素直に言う事聞いてやるか。
「あ、あの…ハルヒさん方に一昨日の愚行を陳謝したいので…どうかお部屋に上がらせてはくれないでしょうか…?」
『なんか逆にムカつくわね。やっぱ今まで通りでいいわよ』
704名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 12:37:47 ID:zOSYgJlV
どっちなんだよ。
「お前達に謝りたいんだ。入ってもいいか?」
『ダメよ、あんたがまだ何にもしないとわかったわけじゃないわ。何にもしない証拠を見せなさい!』
確かにあんなひどい目に合わせちまったんだからしょうがないよな。
「悪かったハルヒ。これからはお前達の言う事なんでも聞くし、お前達に好きな物買ってやる。だから頼む、中に入れてくれ」
『ふ〜ん。で、証拠は?』
「俺のこの気持ちが証拠だ。悪かったハルヒ」
俺にこれ以上言えることは何も無い。
中に入れてくれないんだったら、それはハルヒが望んだ事だと思って素直に帰るさ。
朝倉の力だって借りやしない。
『どうやら本気のようだし、いいわ。はやく入りなさい』
「本当かハルヒ…。ありがとな」
しかし本当の地獄は、これから待ち受けていたのだった。
そう、第六天魔王はこの部屋に降臨する事になってしまったのだ。
やれやれ。
705名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:11:37 ID:kx10N+Y3
このスレおもしろい
706名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:12:16 ID:w9GZkY+R
GJ!!!!おまいも是非コテ付けれ
朝倉さん可愛いよ朝倉さん(;´Д`)ハァハァ
続きが気になるじゃないか。もしかして黒キョン復活か!?


707名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:15:11 ID:XVhA7EfL
何かハルヒがむかつく
708名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:48:21 ID:NZ5id45w
やはりハルヒはハルヒらしくウザキャラじゃないとな。
709名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:49:37 ID:F8paaLkJ
人格変えなきゃ
話し作れなくね?
710名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:51:52 ID:xyNWOIwR
wktkだな
711名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:56:18 ID:fDYCJftF
>>706
賛成!好きな名前を名乗るといい。
たとえ今作かぎりの投稿だとしても、あんたは良作家だねw
712名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 13:58:38 ID:F8paaLkJ
ここはいい場所だねー
職人さんもいい人だし

でもちょっとお願いがある
タイトルつけてもらいたい
話の最後でもいいから
俺ここの作品CDにセーブしてるからさー
713名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 14:19:38 ID:yK6j1qIW
下手にコテ化すると馴れ合いになって他の人が投下しにくい
714名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 15:36:31 ID:kx10N+Y3
>>692

だって、まあ、アレでしょ?
“血”とか“ナイフ”とかあるし・・・
715名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 20:21:40 ID:EcnLMp1a
SS書いたので投下する。

タイトルは『朝倉涼子の沈鬱』で、

キャラ設定がおかしいのは消失世界ということにしておいてほしい。
716朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:23:02 ID:EcnLMp1a

「委員長〜、ちょっと数学のわからない問題があるの、教えて?」
「いいわよ。そこはね・・・・・・こうするの。」
「朝倉さーん。机くっつけて一緒にお弁当食べましょうよ。」
「うん、いいわよ。」

わたしは入学した高校でクラス委員長を任されて、友達もたくさん出来た。
みんなが仲良くしてくれたおかげで、毎日、とても楽しく過ごすことができていた。
わたしは県外の中学校から進学してきたから、中学の友達は一人もいなかった。
でも同時に『あのこと』を知っている人もいなかったから、高校では上手くやっていけると思っていた。

だけど、5月のゴールデンウィーク開けの日、朝登校して来たときのことだった。
高校では楽しく過ごしたい、そのわたしの願いは一枚の新聞記事によって打ち砕かれた。

「みんなおはよう。」
教室に入ったわたしは手を振って挨拶をした。
いつもなら、みんなもおはようと返事を返してくれるのに・・・・・・
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
し〜んと教室中が静まり返っていた。
しかもみんながわたしの方を見ないように、目を逸らしていた。
わたしはその異常に気づいて、なにがあったのかを尋ねようとしたのだが、話しかけようとしても友達はみんな目を逸らしたり教室から出て行ったりだった。

でもすぐに理由はわかった。
わたしの机の中に一枚のコピー紙が入っていた。
ネットかなにかで落としたものと思われる新聞記事と、わたしの顔写真が印刷されていた。
717朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:24:15 ID:EcnLMp1a

『14歳女子生徒、刃物で同級生を切りつけ重傷負わす』

それは中学生だった頃のわたしの記事だった。
新聞に名前や顔は載って無かったが、ネットに情報が流れていたのだろう。わたしの顔写真や出身中学校までがセットで記されていた。
そう、わたしは1年前、同級生をナイフで傷付けて保護監査処分を受けていたのだ。
地元ではすぐに噂になっていたが、県外に引っ越してからは誰にも知られていなかった。
おそらくわたしが来る前には、教室中にこれと同じものがあったに違いない。
それは誰かがわたしが来る前に回収して捨てておいたんだけど、わたしの机の中にあるのには気づかなくて、そのままになっていたのだろう。

わたしはクラスで孤立した。
あからさまないやがらせを受けることは無かったが、もう誰もわたしに話しかけたり近づいたりはしなかった。
なんで? だなんて聞くまでも無い。
そんな事件を起こしたおかしな人間に近づきたいと思う人なんているわけがない。
楽しかった高校生活は一変、一人ぼっちで誰とも話さずに放課後までただ黙って座っているだけの寂しい時間と化した。


そんなある日、放課後に他のクラスの数人の女子グループに話しかけられて、そのまま体育館倉庫に連れていかれた。
なんだかすごく悪い予感がしてた。
そのグループの女生徒の一人はだれも居ないのを確認してから鍵を閉めた。
それからリーダー格の生徒がかばんから一枚の新聞記事を取り出して言った。
「『14歳の少女が父親を刺殺』・・・・・・朝倉、この記事、アンタのことよね?」
わたしは「やっぱり」と心の中で呟いた。
718朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:25:02 ID:EcnLMp1a
そう、思い出した。その生徒は以前校内で喫煙しているのをわたしが見つけて、そのせいで自宅謹慎になったことのある生徒だった。
名前は確か涼宮ハルヒ。同じクラスだけど、いつも授業をサボってて滅多にクラスにいたことは無い。
わたしを目の敵にしているのはみんなや先生からそれとなく聞かされてたけど、今までこんな風に呼び出されたことなんてなかった。
黙って立っているわたしを見て、女生徒たちはクスクスと面白そうに笑いだした。

「学級委員で成績優秀な朝倉さんがねまさかね・・・・・・」
「アタシらがタバコ吸ってんのは注意するクセに人刺すのはいいんだ?」
「フツーこういうのって年少行きなんじゃないの? なんで学校来てんのよ。」

口々にわたしに詰め寄る生徒たち、わたしはどうしていいかわからずに下を向いていた。
そこで涼宮さんは懐からタバコを取り出して火をつけ言った。

「てゆーか死刑でしょ? 犯罪者なんだからさ。とゆーわけでェー・・・・・・」

それが合図だった。わたしはいきなりお腹を蹴られた。
うずくまったところをこんどは顔を蹴られた。
それからまるでサッカーボールみたいに蹴られて転がされて、わたしは口から鼻血と胃液の混ざった物を何度も何度も吐き出した。

体中を殴られた。服と床にわたしの鼻血と胃液が付いていた。
もうこれで解放されると思っていた、でもそうじゃなかった。
いきなり服を脱がされた。そして2人の生徒に羽交い絞めにされて無理矢理立ち上がらされた。
涼宮さんがニヤニヤした笑みを浮かべて火の付いたタバコを持って近づいてきた。
何をするかと思うと、いきなりそれを体に押し付けられた。
719朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:26:34 ID:EcnLMp1a

「っあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

わたしの体は背骨が折れるんじゃないかと思うほど弓なりに曲がった。
それを見て女生徒たちはケラケラ笑っていた。
やめてと叫ぶヒマも無く、今度はライターで指を直接炙られた。
喉を押しつぶすような悲鳴がわたしの腹の中から上がった。

「あっアアアアアアアアアアアッッ!!!! いやああああああああああぁぁっっ!!!!」

確かに恨まれてるとは感じていた。
しかしここまで彼女たちが自分を憎悪していたとは思いもしなかった。
わたしはそれが恐ろしかった、わたしがここまで憎まれる存在であったという事実に恐怖していた。
こうまで人は人を憎めるものかと思った、彼女たちの暴行はわたしの想像をはるかに超えていた。

わたしは涙と嘔吐に咽びながら必死で「やめて」と訴え続けた。
しかし一向に暴行は止む気配は無く、それどころかわたしの悲鳴を聞いて女生徒たちは面白そうに笑っているだけだった。
それからまた殴られた。
髪留めで腕や足を刺された。
また火のついたタバコを押し付けられた。
髪の毛を手で掴まれてブチブチと引っこ抜かれた。

720朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:28:41 ID:EcnLMp1a

気が付くと誰もいない体育館倉庫だった。
体中が痛かったせいでしばらく寝たままでいたかったけど、これ以上この場所に留まっていたくなかった。
急いで服を着て倉庫を飛び出した。時計を見るともう夜の9時を過ぎていた。


そして次の日の朝起きたとき、理由も無く震えが止まらなくなっていた。
制服に着替えて学校に行こうと思うと叫び声を上げそうになるぐらいの恐怖を感じた。

それからわたしは学校を休むようになった。
ずっと部屋にひとりで引きこもっていた。
学校にいるよりは気が楽だったが、それでもひとりぼっちで苦しいのに変わりはなかった。
でも、もう学校には二度と行きたくなかった。みんなの楽しそうな笑い声を遠くで聞きながら、ひとりで座ってるだけなんて耐えられない。
学費もタダじゃないんだし、そのうちわたしはもういっそ高校を止めようと考えだした。

・・・・・・明日学校に行って退学届けを出そう。
部屋で一人そう思っていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「誰・・・・・・?」
わたしがドアを開けると、部屋の前には眼鏡を掛けた小柄な女の子が立っていた。
彼女はわたしと同じ高校の制服を着ていた。
わたしが何の用かと尋ねると、小柄な少女は手に持ったプリントの束を見せた。
「・・・・・・プリントと授業のノート。・・・・・・あなたの担任の先生から渡すよう頼まれた。」
その子は違うクラスの一年生だった。
でも、同じクラスにわたしの家を知っている生徒が居なかったので、同じマンションに住んでいるその子がプリントを届けるように頼まれたそうだ。
「でも、プリントならポストに入れておけばよかったんじゃないの? なんでわざわざ部屋にまで来たの?」
721朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:31:31 ID:EcnLMp1a
わたしが聞くと、その子は
「・・・・・・上がってもいい?」
と言った。


「お礼に晩御飯ごちそうするから。ちょっと待ってて。」
「・・・・・・ありがとう。」

彼女の名は長門有希というそうだ。
小柄で線が細く、下手すると小学生にも見える。
わたしは作り置きにしてあるおでんの鍋を火に掛けた。
「・・・・・・・・・。」
長門さんは居間で正座して何もせずにじーっとしている。
一体彼女が何をしにきたのかわたしにはよくわからない。
彼女は違うクラスだし、一度も話したことも、チラっと会ったような覚えすら無かった。
「・・・・・・。」
今度の沈黙はわたしの分だ。
わたしも何を話していいかわからずに黙ってるしかなかった、何しに来たの、って聞くのはなんか失礼な気がしたから。

しばらくするとコトコトとおでん鍋が煮立ち出した。
わたしは火を止めて、それをテーブルの上に置いて、食器を二人分出した。

「出来たわよ、座って。」
「・・・・・・ありがとう。」

長門さんはそう言ったが、食事に箸をつけようとはしない。
わたしが先に食べ始めると、それを見てようやく長門さんも食べ始めた。
722朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:33:00 ID:EcnLMp1a

「・・・・・・朝倉さん・・・・・・。」
不意に長門さんが、か細い声を出した。
「なに?」
「・・・・・・学校・・・・・・来て・・・・・・。」
蚊の鳴くような声で長門さんは言った。
知っていたんだ、わたしが最近学校に行ってないことを。
でもどうして?
「先生にでも聞いたの?」
「・・・・・・。」
長門さんは黙っている。
察するに、大方このプリントを渡した担任の教師が「朝倉は最近不登校気味でな、一言学校に来るように言っておいてほしいんだ」とでも吹き込んだのだろう。

くだらない。
どうせ担任の教師だってわたしの事を本気で心配してるわけじゃない。
自分のクラスから不登校の生徒を出して評価を下げるのがいやだから言っているだけだ。

「・・・・・・先生に聞いたわけじゃない。」
わたしの胸中を察したかのように、長門さんは否定した。
「だったら一体なぜそんなことを言うためにわざわざ上がりこんで来たわけ?」
つい言い方がきつくなってしまった。
長門さんの小さな体がびくっと震えた。
だけど、もう止められなかった。
「わたしが学校でどんな思いしてたか知らないからそんなことが言えるのよ。下らない同情なんていらないわ。それ食べたらとっとと帰って。そして二度と来ないで。」
溜まっていた心のストレスが爆発したように、わたしは目の前の少女を傷付けるような言葉を言い続けた。
最低だ。わたしの事を心配してくれてる人になんてことを言うんだわたしは・・・・・・。
723名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 20:42:02 ID:52JAt600
これで長門がハルヒ達の仲間だったら面白いんだがw
724朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:45:58 ID:EcnLMp1a

長門さんはうつむいたまま黙ってしまった。
わたしはひどいことを言ってしまった。もしかして彼女は本当にわたしを心配してくれていたのかもしれないのに。
長門さんはとても悲しそうな様子だった。泣き出してしまうかもしれなかった。
・・・・・・構うものか。
どうせ二度と学校になんか行かないんだ。わたしが彼女にどんなひどい人間と思われようと関係ないはずだ。

「・・・・・・死にたくなるから・・・・・・。」

え? 目の前の少女の言ったことの意味がわからない。
「家でひとりで・・・・・・閉じこもってると・・・・・・死にたくなっちゃうから・・・・・・。だから・・・・・・。」
長門さんはすすり泣きながら言った。
そのとき、わたしは見た。
彼女の左手の手首にある、無数の傷跡を。
それは、単なる自虐行為と呼ぶにしてはあまりに生々し過ぎる。
自ら繰り返し付けたと思われるその傷跡が、彼女の内側に負わされた傷を表しているようだった。

「長門・・・・・・さん・・・・・・。」
「わたしも・・・・・・いじめられてた・・・・・・。・・・学校が怖くて・・・行かなくなって・・・・・・一人で塞ぎ込んで・・・誰にも相談できなくて・・・・・・生きてても仕方ないって思いはじめて・・・・・・。」

ぼろぼろと涙をこぼしてしゃくりあげながら、それでも長門さんは続けた。
「だから・・・お願い・・・・・・ひとりぼっちになったりしないで・・・・・・」
725朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:48:10 ID:EcnLMp1a

彼女もきっと辛い目にあってきたんだ。
わたしと同じくらい辛い目に。
それでも勇気を出してわたしを学校に来るよう誘ってくれたんだ。
それなのにわたしは・・・・・・・・・

「ごめんなさい、長門さん・・・・・・。」
「・・・・・・いい、気にしたりしない。」

そうだ。このままじゃいけない。
彼女が勇気を出したように、わたしも頑張らないといけない。
「わかったわ、わたし明日必ず学校に行くから。」
「え・・・・・・本当・・・・・・?」
「だから一つだけ長門さんにお願いしてもいいかしら・・・・・・?」
「・・・なに?」
「・・・わたしと友達になってほしい。」

いつの間にか泣いているのは長門さんだけじゃなかった。
わたしの目からも涙がこぼれていた。
長門さんは、黒い瞳でわたしを見ながら答えた。
「・・・・・・ありがとう。」
お礼を言うのはこっちの方なのに。
わたしはそれから長門さんと、少しお話をした。
楽しかった。友達とおしゃべりするなんて本当に久しぶりだった。
そうやって話してるうちに、学校でひとりぼっちなことも、長門さんがいてくれるならどうでもいいことのように思えてきた。

726朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:49:18 ID:EcnLMp1a

「それでさー昨日のドラマがさぁ。あっ、・・・・・・朝倉さん・・・・・・。」
朝、登校してきたわたしを見てクラスが少しざわついた。
わたしはそれでも笑顔で挨拶をすることにした。
「おはよう。」
誰に対して言ったものでもなかった。
ただそう言って、席に着いた。
以前なら仲のいい友達とお話したりする時間だったのだけど、さすがに無理らしい、誰もわたしの方を見ようとすらしない。
「よう朝倉。久しぶりだな。」
そんなわたしに話しかけてきた人がいた。
振り向いたわたしの目に飛び込んできたのは、あまり話したことのないクラスメートの男子生徒だった。みんなは彼をキョンくんと呼んでいたと思う。
「日誌だ。お前がいない間、お前の分の委員長の仕事を俺がやっといたんだぜ。」
キョンくんは学級日誌をわたしの机の上に置いた。
どうして? いや、わたしがまた学校に来るようになったのだから日誌を渡したのはわかる。
でも彼とは親しいどころかまるで話したことのないような関係だった。なのになんで彼がわたしの代わりに委員長の仕事までしてくれていたのだろう。
「別に、俺が好きでやったんじゃあないさ。ただ長門有希っていう俺の知り合いから頼まれたんだ。その日誌と、あとお前が学校に来たときには一番に話してやってほしいってな。」
長門さんが・・・・・・? そっか・・・・・・
「ありがとう。」
「礼なら長門に言ってやってくれ。それと昼飯は三人で食うぞ、長門が文芸部の部室にいるから弁当持ってそこに集合だ、いいな?」
キョンくんがわたしを気遣ってくれてるのが伝わってきた。
長門さんに言われたから、というだけでなく、本当に彼がわたしのためを思ってくれてるのがわかった。
「うん。本当にありがとう。」
わたし、何とかまたやっていけるかもしれない。
そう思った。
727朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:50:26 ID:EcnLMp1a

全て長門さんのおかげだ。
彼女はわたしを学校に来るように言ってくれた。
クラスの友達にまで言ってわたしが登校してきたときのことを考えていてくれた。
気弱そうに見えるけど、優しくて強い子なんだな。長門さんは。
これから長門さんともっともっと仲良くなっていきたい。
そんなことを考えながら、昼休み、わたしは旧館の文芸部室の扉を開いた。

そこにはすでにキョンくんが来ていた。
だけど長門さんの姿がなかった。
「よう朝倉。」
「うん。長門さんはまだなの?」
「ああ。授業が長引いてるんじゃないか?」
じゃあ長門が来るまでオセロでもしてるか? と言ってキョンくんがオセロ盤を取り出したが、わたしは長門さんを迎えに行ってあげようと思ってそれを断って部屋を出た。

旧館の廊下を歩いて、校舎に戻ろうとする途中、2人の女子生徒とすれ違った。
そのとき、女子生徒は少し立ち止まってわたしに小声で言った。
「あんた、トイレ?」
「え? いえ、違いますけど・・・・・・。」
「そう、だったらいいんだ。今旧館のトイレちょっとヤバそうだったからさ。」
なんの話をしてるんだろう。
わたしはまた校舎に向けて歩き出した。
そのわたしの背中に、女生徒たちの話し声が聞こえてきた。
「あの子、長門さんだっけ、なにしたのかわからないけど、涼宮ハルヒ相当キレてたよね。」
「なんでも涼宮さんが追い込みかけて不登校にした生徒をその長門さんがまた登校させたらしくてさ、あれはもう再起不能になるまで追い詰められちゃうかも・・・・・・」
わたしは凍りついたようにその場で立ち止まった。
なに? いま彼女たちはなにをしゃべってたの?
長門さんが? 涼宮さんと? 旧館のトイレで?
728朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:51:16 ID:EcnLMp1a

わたしは走って旧館の女子トイレに向かった。
そこは昼休みにあまり生徒が来る場所ではなかった、なのに中には数人の女子生徒が集っていた。
その中に、涼宮さんと、びしょ濡れになった状態でうずくまって泣いている長門さんがいた。
「長門さんっ!」
「あれ? あんた朝倉じゃん。どうしてこんなトコに来てんの?」
涼宮さんがわたしを見て目を細めながら言った。
怖かった。でもそれ以上に怒りの感情が勝っていた。
「あなたたちこそ! 長門さんに何をしてるの!?」
わたしの剣幕に押されたように、涼宮さんの取り巻きの女生徒は長門さんから一歩離れた。
「わかってるわ。わたしと仲良くしたから、それが気に入らなくてこんなことしてるんでしょ! そんなこと許さない! 長門さんはわたしの友達なんだから!」
わたしは輪になって長門さんを取り囲んでいた女生徒たちに近づいた。
「ちょ、ちょっとみんな・・・・・・なに朝倉ごときにビビッてんのよ!? こんなやつまたみんなで囲んでボコっちゃえばいいじゃない!」
「やれるものならやってみなさい。別にわたしは何されたって構わない。だけどもしまたわたしに暴行するなら、わたしは自分で壁に頭ぶつけてでも確実に警察沙汰になるくらいの大怪我を負わせてもらうわよ、そしてあなたたち全員退学にしてあげる。」
「な、なめてんじゃないわよ朝倉! あんま調子ノってるとブチ殺すわよ!!」
涼宮さんは突然怒り狂ったように大声を上げて、ポケットからなにかを取り出した。

飛び出し式のポケットナイフだった。

涼宮さんはわたしに刃を向けて近づいてきた。
怖い。だけどわたしも引くわけにはいかない。
長門さんはわたしを助けてくれた、今度はわたしが長門さんを守る番だ。
729朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:52:23 ID:EcnLMp1a
わたしは近づいてくる涼宮さんに対してさらに一歩足を進めた。
「なっ! アンタなにやってんのよ! このナイフが見えないの!?」
「見えるわよ。いいわ。刺したければ好きなだけ刺せばいいじゃない。」
怖くないわけじゃない。刺されないと思ってるわけでもない。
だけどここで引いちゃ駄目だ。わたしが長門さんを助けてあげなくちゃいけないんだ。
「アンタなめてんでしょ! アタシが刺す度胸ないと思ってんでしょ!! アアっ!? ホントはビビッてんでしょうが!? ハッタリかましてると後で承知しないわよ!!」
「いいって言ってるじゃないの、刺しなさいよ? 刺して、警察に捕まって。わたしがどんな思いをしてきたかをじっくり味わってみなさいよ!!」
中学3年生のとき、わたしは委員会の仕事で夜遅くまで学校に残っていた、その帰り途中に教室でいきなり柄の悪い男子生徒5人に集団で襲われ、押し倒された。
その時、たまたまわたしは軽いオシャレのような気分で、意味もなくポケットに小型の折りたたみナイフを持ち歩いていた。
わたしは制服の内ポケットからそれを取り出して、目をつぶって思いっきり振った。次に目を開けたときには、目の前にいた生徒が腹を押さえてうずくまっていた。他の男子生徒は悲鳴をあげて逃げ出した。
身を守るための行為だった。それでも、不当に凶器を携帯していたということで正当防衛は完全には認められなかった。
「それが、こんな状況でわたしを刺したりしたらどうなると思う? 保護監査処分程度じゃ済まないわ。確実に鑑別所送りになるわよ!」
「うっさいのよアンタはあああああ!!! 本気で殺すわよ!!!」
そのとき、わたしが前に出るのと同時に涼宮さんがナイフを突き出した。
その偶然によって、わたしの二の腕に刃が触れた。
「き・・・キャアアアアアアアア!!!!!!!」
取り巻きの女生徒が悲鳴をあげた。
わたしの腕から血が噴き出した。
右腕を手の先まで赤く染めて、ぼたぼたと床に血が滴り落ちた。
肩口を切ると勢いよく出血するとは聞いていたが、本当にその通りだった。
水の出ているホースの口を細くしたときのように、わたしの血があたりに飛び散って床と壁を汚した。
730朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:53:56 ID:EcnLMp1a
「あ、あたし知らない!! す、すすす涼宮さんが勝手にやったのよ!!」
「しゃ、シャレになんないってマジで!! ヤバイよコレ!!」
女生徒たちは慌てふためいていたが、一人が逃げ出すと、それに続いてみんな逃げ出した。
涼宮さんは、自分の右手に付いた返り血を見て真っ青になっていた。
わたしはすぐに立っていられなくなって、その場に倒れこんだ。
長門さんがあわてて駆け寄ってきてくれた。
「朝倉さん! しっかりして! いや! 死なないで!!」
長門さん・・・・・・わたし、あなたの事を守れたのかな?
だったら・・・・・・いいかな・・・・・・できればもっとお話したりしたかったけど。

わたしの意識はそこで途切れた。



次に目が覚めたとき、わたしは病院にいた。
寝ていたのは白いベッドじゃあない、壁も病室の白ではなく青色だった。
回りには計器や機械がいっぱい置かれていた。
後で知った話だが、そこは集中治療室だったらしい。
あれから騒ぎを聞きつけた先生がやってきて、救急車を呼んだのだが、出血がひどすぎてわたしは本当に危険な状態だったらしい。
「お医者さんの話では、応急手当の止血が完璧だったから助かったけど、放っておいたら確実に死んでたんだって。ありがとう、また助けてもらって・・・・・・。」
「前に、止血の方法について本で読んだことがあってとっさに・・・・・・でも、本当によかった。」
今、わたしは入院患者用の病室にいた。
傷自体は大したことなくて、一週間もすれば退院できるそうだ。
731朝倉涼子の沈鬱:2007/03/30(金) 20:54:48 ID:EcnLMp1a
「いいのよ有希。わたしを救ってくれたのもあなたなんだから。」
「ううん、そんなことない。涼子ちゃんが助けてくれなかったらわたし・・・・・・。」
有希は毎日お見舞いに来てくれる。
そうやって二人で話してるうちに、わたしたちはお互いを名前で呼び合うようになっていた。

そして、わたしはまた元気に学校に行くようになった。
涼宮さんがどうなったのか聞かされていないが、あれからもうずっと学校に来ることはなかった。
クラスのみんなももうわたしの事を避けたりしなくなっていた。
みんな前と同じ様に、いや、前以上にわたしと仲良く接してくれるようになった。
キョンくんとも仲良しになった。
仲のいい友達と話して、お昼には机をくっつけて一緒にお弁当食べて、そして放課後には有希と一緒に下校した。
楽しかった。
こんな楽しい日々が永遠に続けばいいと思うくらい楽しかった。
ううん、続けばいいな、じゃない。
これからずっと続いていくんだ。

「一緒に行こう。有希!」

ずっと、一緒に・・・・・・。




『朝倉涼子の沈鬱 希望編』 完
732名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 20:56:45 ID:xyNWOIwR
乙なんだぜ!
なかなか黒いハルヒだったな
希望編って事は他もあるの?
733名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 21:03:53 ID:EcnLMp1a
ある。横浜が逆転したら投下しようかと思う。
734名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 21:13:46 ID:FQDdq2sE
あんた朝倉を偏愛してるあの人だな?
あんたの文体好きだ
黒ハルヒが素敵
夫である俺も思わず離縁しようと思ったくらいだぜ?
しっかし、本当に朝倉好きなんだな、すげえや
735名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 21:26:00 ID:xyNWOIwR
横浜次第かよwww
ここんとこ投下が続いてていいね〜
736名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 22:00:53 ID:wZyIkv/1
不良少女の名が「涼宮ハルヒ」って出てきたの見て吹いたwww
さっきまでVIPのハルヒがめちゃくちゃ可愛いSS読んでたからなお吹いたwwwww
737名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 22:07:42 ID:HvydyJpo
VIPはいじめ減ったなぁ
738朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:40:33 ID:XunLwLpW
投下します。

『朝倉涼子の沈鬱』の正当な続編であり完結編ですが人によってはひょっとしてもしかするとかなり不快に思われるかもしれない表現が含まれています。
739朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:41:33 ID:XunLwLpW

あの事件以降、わたしの周りから、すっかり嫌なことが消えてなくなった。
有希とは親友のように仲良くいつも一緒に過ごしていた。
ドラマや小説ならば、そこでエンド・テロップが流れ出して全て終わったことだろう。
だけど、どうやらわたしはドラマの主人公にはなれなかったようだ。



「う・・・・・・?」
頭が重い、ひどい頭痛とめまいがする。
「気がついたみたいね。」
聞き覚えのある声がわたしの耳に届いた。
わたしは冷たい床に転がされているようだった。
起き上がろうとしても、わたしの腕は後ろ手に組んで縛られていた。
足も同じだった。
わたしは首だけ動かしてその声の主を見た。
「す、涼宮さん・・・・・・!」
「そうよ。久しぶりね。まああれから一度も学校行ってなかったからねアタシ。」
なにが起きてるのかさっぱりわからなかった。
わたしは腕と足を縛られて芋虫のような状態で床に転がっているようだった。
しかもあたりは薄暗く、下は冷たいコンクリートの床だ。
辺りを見渡すとそこはどこかの倉庫のようだった。
「ああ、ここ? ここは港近くの廃倉庫よ。どんだけ大声出しても誰もこないから安心していいわよ。」
少しずつ記憶がはっきりしてきた。
わたしは学校からの帰り道、突然目の前で停車した黒い車に、無理やり引きずり込まれたんだ。
そして薬のようなものを嗅がされた覚えがある。
わたしは捕まったんだ。涼宮さんに。
740朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:42:59 ID:XunLwLpW
「そうよ。あのね、アンタが死にかけたあの事件でさ、アタシ停学くらっちゃってさ。停学よ停学。もう最悪よねー。」
わざとらしく身振りしながら言う涼宮さん。
停学? 退学の間違いじゃないの?
一方的にあたしや有希をいじめて、しかもナイフで大ケガまでさせたのに。
「アタシんちね、親が結構な金持ちなのよ。」
聞いたことがある。
涼宮さんの父親は大規模な会社グループの会長だということらしかった。
「しかもすっごいバカでね。アタシが『朝倉さんと長門さんに呼び出されて、いじめられて、それで怖くなってついナイフを出しちゃったの。あたしは悪くないのよ。』って嘘泣きしながら言ったらモロ信じちゃったのよ。」
まるであべこべだ。
いじめられてたのはわたしと有希、涼宮さんは加害者の方だ。
「なんか相当カネばら撒いたらしくてさ。学校側も事なかればよしってことで、全然大事にならなかったのよ。まあ停学解けても別にあんな学校二度と行かないけどね。」
もういい。
あなたのことはどうでもいいから一つだけ教えてほしい。

有希はどうしたの?

確か今日、わたしと一緒に帰っていたはずだ。
わたしだけ捕まえて有希は逃がした?
そうあってほしいけど、そんなわけが無い。
「有希はどこなの!?」
「うん? ああ、あのちっちゃいの有希っていうの。昔いじめてたんだけど名前忘れちゃってたわ。」
「有希はどこ!? 答えて!!」
「そこよ。」
涼宮さんの指差した先には、有希がわたしと同じ様に手足を縛られて転がされていた。
有希もすでに目を覚ましている。だけど、怖くてどうしようもないのだろう、ただわたしの方を見ながらガタガタ震えているだけだった。
741朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:44:25 ID:XunLwLpW
「どうする気なの・・・・・・わたしと有希を・・・・・・?」
「あんたは後回しよ。さきにあっちの方をやっちゃった方が面白そうだし。はいはいみなさーん、出番ですよー!」
涼宮さんが楽しそうに手を叩きながらそう言うと、物陰から数人の大人の男たちが現れた。
はっきり言ってガラの悪い、あきらかに普通の大人じゃない人たちだった。
「親父にね、『わたしをいじめて、そのことを隠して停学にまでさせた悪い奴らに復讐がしたいの』って言ってこの人たちを紹介してもらったの。ああ、下校中のあんたら拉致ったのもこの人たちよ。」
涼宮さんは新しいおもちゃを買ってもらった子供のようにはしゃいでいる。
「なんかやばい系の人たちで、百万くらい渡せば人ひとり殺すくらいはしてくれるんだって。どう思う? すごいでしょ!」
つまり本物のヤクザだ。
しかも今、この女なんて言った?
『人ひとり殺すくらいは』だって?
誰を殺すの?
決まってる。

わたしと有希だ。

「嘘・・・・・・でしょ・・・・・・?」
「なにが? ああ、あんたひょっとして殺されるとか思ってる?」
あっはははははははと、涼宮さんはおかしそうに笑った。
「バッカねぇ〜。殺すだなんて、・・・・・・・・・・・・『それくらいで済ますわけないじゃない』。」
涼宮さんの目つきが変った。
不気味な表情で笑いながら、わたしと有希を交互に見て言った。
「喜びなさい。あんたら二人とも、あたしのプロデュースの元に映画デビューさせたげるわ。監督はアタシ、主演女優はあんたとそこの有希。んで、主演男優がこの人たちよ。」
そこまで言われれば、どれだけ勘の鈍い人間でもわかる。
世にもおぞましい光景を想像して、わたしの体は震えていた。
742朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:45:40 ID:XunLwLpW
わたしたちをそこにいる男たちが強姦して、それをビデオに収めようというのだ。
「嫌ああああああああああああああああああ!!!!!」
いやだ。いやだ。いやだ。
そんなのいやだ。
まして、わたしだけでなく、有希にまでなんて。
「いやあああ!! やめて!! お願い! いやああああああ!!!」
「そうよ朝倉! わかってるじゃない。そこは泣き叫ぶところよ。もうカメラ回ってんだからね。しっかりやりなさいよ!」
男たちが3人がかりで有希を押さえつけていた。
有希は悲鳴をあげることもできずにいる。
やめて。
お願い。
どうして?
ひどすぎるこんなの。
「なあ、この子、切っちゃっていいか?」
突然、男たちのうち一人が涼宮さんに話しかけた。
「切ったほうが裏モノっぽさが出るんだよ。演技だと思われると売れねえから。」
「ふーん。まあいいわ、どうせ最後は殺すんだし。好きにして。」
涼宮さんは恐ろしいことを平然と言ってのけた。
それに切るって?
なにを?

「おし、じゃあアキレス腱切るぞ。ちゃんと足押さえてろよ。」

有希はびくっと体を震わせて目を見開いた。
抵抗しようとしたが全く無駄だった。
「イヤアアアアアアアアアア!!!!!!!! なにする気なの!! お願い涼宮さん! 止めさせて!! お願い!! こんなのひどすぎる!! やめてえええええええええ!!!」
743朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:46:43 ID:XunLwLpW
わたしは涙を流しながらそう訴え続けた。
でも無駄だった。
涼宮さんはおかしそうにころころ笑ってるだけだ。
有希も悲鳴をあげていた。
そしてその悲鳴はすぐに、肉体の苦痛を訴える種類の物に変わった。
血が出ていた。有希の足から。
さらにもう一度、ひと際大きな有希の苦悶の悲鳴が響き渡った。

そこから先の事を語るすべをわたしは持たない
あまりに凄惨だった。地獄だった。
地獄の鬼たちが、罪人である有希にひたすら苦しみを与え続けているようだった。
有希は初めてだっただろう、でもそんなこともう関係なくなるくらい、有希の小柄な体は何度も何度も蹂躙された。
有希のけがれを知らない小さな体に、何度も何度も欲望が吐き出された。
最初のうちは悲鳴をあげていた有希も、そのうち壊れたおもちゃのように何も言わなくなった。
わたしはその地獄の光景を、手足を縛られてただ泣きながら見ているしかなかった。

やがて、鬼たちはわたしの方にもにじり寄ってきた。
わたしはただ震えることしかできなかった。
「いやぁ・・・・・許して涼宮さん・・・・・・お願い・・・・・・。」
もう何度目かもわからない、わたしは涼宮さんに許しを請い続けた。
だけど駄目だった。
涼宮さんはもうわたしたちのことを人間だとは思っていないのかもしれない。
「じゃ、こっちの子には恨みあるんで、特に念入りによろしくね。あ、変態プレイでもいいわよ。もうじゃんじゃん犯しちゃって!」
悪魔の子供のようにはしゃぎながら涼宮さんが言う。
わたしの手足の拘束が解かれて、同時に体を押さえつけられた。
わたしはもうあきらめた。
このままわたしも有希と同じ様に体中を汚されて、嬲られて、そして殺されるんだ。
744朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:47:52 ID:XunLwLpW
そう思っていたそのときだった。


奇跡とはこういうときに使う言葉なのかもしれない。
「警察だ! 全員そこを動くな! 建物は既に包囲されているぞ!」
たまたまこの廃倉庫の近くに来た人が悲鳴を聞いて通報したということだった。
十数人の警察官たちがそこに駆けつけてくれた。

「ちょ!? なによコレ!? どうなってんの! なんで警察が来るのよ・・・・・・!」
涼宮さんは慌てて逃げ出そうとしたが、すぐに取り押さえられた。
倉庫の中は、逃げようとする男たちと警官たちが争って騒然となっていた。
わたしは、自由になった自分の体を有希の方に向けた。
有希は裸のまま床に転がされていた。気を失っているのかもしれない。

もう少しでわたしたちは本当に殺されてしまうところだった。
でも助かった。
よかった。安堵の息がわたしの口から漏れた。
「有希・・・・・・。」
よかった。
警察の人たちが来てくれなければ、わたしも有希も命が無かったかもしれない。
でも助かったんだ。
わたしは床に転がって横になっている有希に近づいていった。

有希の心の傷はきっと癒えることなくずっと残るだろう。
でも、わたしがそばにいて、少しでも苦しみを紛らわせてあげよう。
ずっと一緒にいてあげよう。
そうだ、二人で一緒に楽しく過ごせば、いやなことは全て忘れてしまえる日がいつか必ずやってくるだろう。
745朝倉涼子の沈鬱 絶望編:2007/03/30(金) 22:48:47 ID:XunLwLpW
また二人で一緒に学校に行こう。
一緒にご飯を食べて。
遊んだり、勉強したり、おしゃべりしたりして、有希とわたしの時間を重ねて行こう。
「有希・・・・・・終わったよ。助かったんだよ・・・・・・有希・・・・・。有希・・・・・・・・・・・・」



有希・・・・・・・・・・・・?



有希の小柄な体は糸のきれた人形のように床に転がっていた。
口は半開きでよだれが垂れていた、目が開いたままになっていた。
わたしは恐る恐る、有希の細い首に手を当ててみた。


脈が・・・・・・・・・・・・・・・・・・無かった。



「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



『朝倉涼子の沈鬱 絶望編』 完
746名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:02:20 ID:+MBOHFq5
ウワアアアアア!
GJなんだけど…GJなんだけど…
ウワアアアアア!
747名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:42:15 ID:PcE+t2FZ
セフセ…アウアウ!
748名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:47:59 ID:zOSYgJlV
んじゃ、俺も勢いに乗って投下してみる

あと題名まだ決まってないんだ…いい響きのが思いつかん

>>704からの続き
749名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:48:44 ID:x/I/CbKQ
なんてこった。さすが絶望編。ところで希望編と絶望編
以外にも続きはあるんですか?
750名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:49:16 ID:zOSYgJlV
俺はハルヒにドアを開けてもらい、下を向きながら部屋に入った。
皆に顔向けできないからな。
俺は上目使いに中の様子を見回した。
異常な程殺風景だった長門の部屋は、異常な程に様相を変えていた。
まるで文芸部室の物がそのまま移動した感じだ。
壁紙も幾何学模様の壁紙に貼り換えられている。なんだか落ち着かないな。
しかも余計な備品も増えていやがった。少し紹介しよう。
42Vのプラズマテレビ、シャンデリア、業務用ストーブ、リクライニングソファー、扇風機、それに何だかわけのわからん置物
てか黒板はどっから持ってきたんだ?
朝比奈さん達はこの備品の数々をここまで運ぶのに相当苦労した事だろう。
こいつは匠になるといい。
「何と言うことでしょう」としか言葉が出ない。
だいたいハルヒはこんな品々どこのルートで仕入れて来たんだ?
なんかこいつなら、麻薬だって仕入れてきそうだな…。
俺はさらに見回した。そこにはなぜか鶴屋さんもいた。しかも眉間にしわを寄せてる…。当たり前か…。
てか、これじゃさながら『キョン被害者の会』みたいだな。ってそんな事思っちゃいかんな。
「これはお久しぶりですね」
まず最初に口を開いたのは古泉だった。
いつものニヤケ面だったが、何処となく恐かった。
朝比奈さんは泣いたまま珍しく長門の後ろで怯えてる。
長門は無表情のままだったが、俺のほうを向いてはくれなかった。
ハルヒは俺の隣で腰に手を当て、『あんた、はやく皆に謝りなさい』ってオーラをビンビンに放ってやがる。
俺は土下座をして、これでもかと言うぐらいに頭を床に押し付け謝った。
「すまん!皆に迷惑かけて…なんでもするし、なんでも言う事聞く。だから…俺を見捨てないでくれ……」
なんか知らんが涙が零れて来た。男だってのに、本当に情けないな…。
その時だ、俺の脇腹に新幹線みたいな速さで何かが当たった。
俺は軽く飛び、横になって倒れる。
そして俺の目に映り込んできた光景は、ハルヒだった。
しかも足を振り上げてる。もう少しでパンツが見えそうだ…。
ってそんな場合じゃない。なんで俺はハルヒに蹴られたんだ……?
もしかしてこれは、俺への復讐なのか…?
そうなのか、ハルヒ?
「ちょっ……ハ…ハル…ヒ…」
ダメだ、声が出ねぇ…。
「あんた、さっき何でも言う事聞くし、何でもするって言ったわよね?」
ああ、確かに言ったさ……。
751名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:50:58 ID:zOSYgJlV
「だったら、大人しくあたし達に蹴られなさい!」
でも、だからってこれは無いだろ…。
「待……ってく…れ……」
しかしハルヒは、長門みたいに次のセリフを坦々と言い出した。
「SOS団法第五条、SOS団団員、もしくは関係者に肉体的暴行を加えた者は、速やかに団長並びに団員の制裁を受けなければならない」
おい待て、何だその法律は…いつ制定されたんだ…?
俺は聞いてないぞ…。
「同法第三六条、SOS団の活動に危害を及ぼした者は、速やかに懲罰を受けなければならない」
だからなんなんだよその法律は……。
「同法第三一七条、SOS団の備品を損壊した者は、直ちにそれを弁償すると共に、団長並びに団員から適当な懲罰を受けなければならない」
何だ?SOS団法の条文はそんなにあるのか……。是非一条から聞いてみたいね……。
ってそんな悠長な事考えてる場合では無い……。俺はかなり芳しくない状況に陥っているので無かろうか。
いや、確実に陥っている……。
俺の背筋は液体窒素をかけられたぐらいに凍っていた…。
しかしハルヒはそんな俺をお構いなしで、さらにSOS団法なる謎の法律の条文を読み上げた。
「同法第一条、SOS団団長は神聖にして不可侵な象徴たる存在。決して侵す事なかれ」
なんだ。似たようなセリフを前にも聞いたぞ…。確かコンピ研とネット対戦したときだっけか…?
「そして、SOS団法第七○八条、SOS団団員は、以上の事をすべからく守るべし、守らなかったら死刑だから」
なんだ、全部で708条もあるのか……。
てか全部思い付きだろ。708なんて長門の部屋番号じゃないか。
しかも条文の最後なんか、ハルヒがいつも俺に口癖のように言ってる言葉じゃねーか。
「よってキョン、あんたは死刑よ」
ちょっと待て、いくらなんでもそれは無いだろ。
「まあ、あんたも色々SOS団のために働いてくれたから、死刑までにはしないわ。ありがたく思いなさい」
「…だ……から……」
ダメだ、声がでねぇ…。畜生…。
「異論は無いわね。じゃあこれにて閉廷!あんたは大人しくあたしたちの制裁を受けなさい!」
ちょっと待て、いつ裁判は始まったんだ?てかなんだこの居ながらにしての欠席裁判は。
さながら東京裁判じゃないか。絞首刑だけは勘弁してくれよ……。
「ハ…ハルヒ……。待って……く……ウッ!!!」
752名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:52:29 ID:zOSYgJlV
ハルヒは俺をサッカーボールみたいに蹴り付けやがった。
これなら某キャプテンに蹴られたほうがよかった。あいつなら手加減してくれるだろう。
なんせボールが友達なんだからな……。
なんてふざけている場合じゃ無い。古泉がこっちに向かってきやがった。
「な…んだ……古泉……」
古泉は俺を持ち上げる。
「一昨日はありがとうございます。おかげでいい稽古になりましたよ」
ニヤケながらそんな事を言うな。恐さ倍増だぞ……。
「僕もこんな事はしたく無いのですが、致し方ありません。では行きますよ」
そう言って古泉は俺の腹に膝蹴りを食らわしてきやがった。
「ウゲップ……!!!!」
俺が呻いたのも束の間、古泉は「あの時のお返しです」と言わんばかりに俺の頭を蹴り飛ばしてきやがった。
俺は無残にも崩れ落ちる。
悪かったな古泉…。あの時の俺はちょっと図に乗ってたよ……。
すまなかった……。
「さすがね古泉くん!有希ー!あんたもやっちゃいなさい!」
ちょっと待て!長門にはやらせるな。マジで俺が死んじまう。
ハルヒ、お前が俺を死刑にしないと言ったのは嘘だったのか……。
てか、ハルヒは俺をサンドバッグかなんかと勘違いしてないか?
いくら殴っても砂は出てこないぞ。出てくるのは赤い液体くらいだ。
って待てよ…、こんな時こそ朝倉の出番なんじゃないのか?
そうだこれは間違いなく朝倉の出番だ。よし。
『朝倉!助けてくれ…。』
そう俺は心の中で念じた。
『どうしたのキョンくん?』
何か知らんが通じた。原理は俺でもわからん。まあここはご都合主義と言う言葉で丸く納めてくれ。
『頼む、助けてくれ。殺されそうなんだ…。』
『誰に?』
誰とかいいだろ。とにかく殺されそうなんだから。
まあここは素直に教えといてやるか。下手に反抗すると、助けてくれなくなりそうだし……。
『決まってるだろ。長門だ。だから助けてくれ。』
『うん、それ無理。』
『おい!さっき助けてくれるって言っただろ!』
ほら、こんな事をしているうちに、長門がこっちに向かって来ているじゃないか…。
『大丈夫。長門さんはあなたを殺さないわ。』
もしかしてこいつは、朝倉恐怖症ならぬ、長門恐怖症になっているんじゃないか?
『なんで殺さないってわかるんだよ?』
『ふふ、乙女心ぐらいわかってあげなさい。』
『そうかよ…。ってそんな場合じゃ無いんだ。頼む、殺されないけど殺されちまうんだ!助けてくれ朝倉!』
753名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:53:50 ID:zOSYgJlV
『意味がわからないわよ。』
俺だってわからねーよ!
『頼む、助けてくれ。』
『だって、あなたが言ったのは、「殺されそうになったら助けてくれ。」でしょ?大丈夫。長門さんはあなたを殺さないから。』
『もう殺さないとか殺すとかいう問題じゃないんだ……。素直に言おう。痛いのは嫌なんだ…。』
朝倉頼む、後でいくらでも刺されてやるから来てくれ。
まあそれは冗談に決まっているが。
『お願いだ朝倉……。お前だけが頼りなんだよ……。』
『だから無駄なの。じゃあね!』
くそ、こんな事になるんだったら、「俺の身が危険に晒されたら。」にしておけば良かった。
畜生、元はと言えば朝倉、お前のせいなんだぞ。俺は明らかに被害者だ。
ハルヒ!今からでもいい、裁判をやり直してくれ。俺は容疑者だが容疑者じゃない。被害者なんだ、これは冤罪なんだよ。暗黒裁判だ。
もう自分で何言ってるかわからない……。
古泉に頭を蹴られたショックで頭のネジが何本か外れちまったらしいな……。
誰か、色んな意味で俺を助けてくれ。
って、ハルヒ何しやがる。
「ウッ………」
ダメだ、まだ声がでねぇ…。
ハルヒは俺の体を起こし、壁に叩きつけた。
「さぁ有希、存分にやっちゃいなさい!遠慮はいらないから!」
長門はミリ単位で頷いた。ヤバイ…こいつはマジだぞ……。
ハルヒ、長門に何吹き込んでやがる。
こいつが遠慮しないで俺に暴行なんぞ加えたら、この幾何学模様の壁紙は、ムラだらけの赤色に塗り替えられちまう事になるぞ。
それでもいいのか?
今からでも遅くはない。前言撤回しろ。
って長門さん…?
「ウウウ…………ッ!!!!!」
俺は長門の目にも止まらぬ高速パンチを腹に浴びせられ、床にへたり込んでしまった。口の中が鉛臭い。
こいつは北斗神拳の継承者なのか……?
だとしたら俺は、あの言葉を投げ掛けられた後、爆散する事になってしまうじゃないか……。
そんなの嫌だぞ。
「有希、あんたすごいのね!目にも止まらぬパンチだったわ!」
「長門っちはすっごいんだねっ!尊敬しちゃうにょろ〜」
鶴屋さんまで……。
てか、すごいも何もこいつは宇宙人なんだぞ。しかも無敵の…。
長門、あの時はお前を馬鹿にしてゴメンな……。
やっぱり宇宙人はすげぇよ。最強だよ……。

今更だが、どうやら俺は朝倉の言う通り、死んではいないらしいな。死ぬ程痛かったが……。
754名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:55:36 ID:zOSYgJlV
さて、次は誰だ?いくらでも相手してやる。かかってこい。
なんで俺が強気なのかだって?
そりゃもう残っているのが朝比奈さんと鶴屋さんだけだからな。
朝比奈さんは未来人と言っても。か弱いし華奢だし可愛いし、やさしいし思いやりもある。
そう簡単に俺を殴るなんてできないだろう。
それに、鶴屋さんは書道部に所属していると来たもんだ。言っちゃ悪いが文科系の部活に籍を置く者の力なんぞ、たかが知れてる。
よって、怯える必要なんて何も無いのさ。
「んじゃ、次は鶴屋さんね!じゃんじゃんやっちゃって!出血大サービスよ!」
「オッケーっ!んじゃやっちゃおっかなっ!」
ハルヒがそのセリフを長門に言わなくて良かった。本当に俺は出血しちまうかもしれないからな。
まあ、実際俺の口の中は出血大サービス状態なのだが……。
「んじゃっ!キョンくんごめんねっ!」
鶴屋さんはそう言って、俺の髪の毛を掴み、片手で引っ張って持ち上げやがった。
痛ててててて……。
ってオイ!話が違うぞ。誰からも話しは聞いてないが……。
じゃなくて、なんで鶴屋さんが自分の体重より重たい俺を片手で持ち上げてんだ?
こんな大技俺でも出来んぞ。鶴屋さんは何者なんだ?
「あれ?キョンくんてこんなに軽かったにょろ?」
いや気付け。俺が軽いんじゃないぞ。鶴屋さん、あなたの力が異常な程あるんですよ。
「鶴屋さんもすごいわね!」
「さすがですね」
「つ、鶴屋さぁん。そんな力持ちだったんですかぁ〜」
「……」
おい、お前ら何ベタ褒めしてんだ。誰でもいいから突っ込めよ。
常人、しかも見るからにか弱そうな女の子がこんな事出来るわけ無いだろ。
皆、長門の超人ぶりを見せ付けられ過ぎたせいで感覚がマヒしてんのか?
「つ……、鶴屋…さん。痛いですよ…手を離してください……」
やっと声が出るようなってきた。
「ハルにゃん。キョンくんこう言ってるけど、どうするにょろ?」
「いいわ、バカキョンの言うことなんか聞かなくて、さあ鶴屋さん、バシバシやっちゃいなさい!」
「ちょっと待ってくれ……。少しは休ませてくれよ……」
ちっとはこっちの身にもなってくれ……。
「あんた、何言ってんのよ。約束忘れたの?」
いや覚えてるさ。でもこれはひど過ぎるだろ…。どう考えても人間の所業とは思えない…。
ハルヒ……。お前は悪魔なのか?
755名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 23:57:48 ID:zOSYgJlV
って俺が言えた事じゃないが…。でもまああれは朝倉のせいなんだし、俺にだって少しは言う権利はやっぱあるだろ。
「ハルヒ頼むから…休ませてくれ……」
「もー。うっさいわね!鶴屋さん、さっさとやってあげちゃいなさい」
「オッケーイっ!」
鶴屋さん。そんな簡単にオーケー出さないで下さいよ……。
形だけでもいいから、少しは解答に渋って下さいよ……。
「うわっ……………!!!!」
鶴屋さん、あなたは一体どうしたというんですか……。
これでは通常の三倍、いや九倍ですよ…。
赤い彗星も真っ青だ……。
鶴屋さんの攻撃は、少年雑誌によく出てきそうな漫画の技のように滑らかで、そして強力だった。
鶴屋さんのパンチは俺の胴体を満遍なく打撃してくれやがった。しかも華麗に。
はっきり言わせてもらうと長門並の威力だ…。もう一思いに殺して下さい……。
しかも当の鶴屋さんは「あれ?どうしちゃったにょろ〜?」とか言って自分の力を信じられないご様子だ。
しかもそれを面白がってますます攻撃の手を速めてきやがる。最悪だ。ハルヒ並にタチが悪い。
今度こそ、自分の生命活動に危険を感じた俺は、朝倉にもう一度交信を試みた。
『た…頼…む…。あ…朝…倉………た、助けて………。』


駄目だ。返事が帰って来ない。まったく肝心な時に使えないな……。
で、その間俺はずっとエスカレートする鶴屋さんの華麗な攻撃を、この身一つで受けきっているわけなんだが…。
しかも鶴屋さんのパンチ地獄はへたり込む隙も与えちゃくれない。
鬼だ。いや、魔王だ。第六天魔王だ。
そろそろ限界が近い。俺の人生はたったの16年でその幕を閉じちまうのか…。
「あははははっ!めがっさ面白いねっ!なんか思うように身体が動くさっ!」
まだ死ねない。死んでたまるか……。こんなおもちゃみたいにされて死ぬなんざ死んでもごめんだ。
いい加減鶴屋さんは俺の体で遊ばないで欲しい。俺は格闘ゲームの練習用CPUじゃないぞ…。
こういうのは部屋の証明から吊る下がっている紐相手にやってくれ……。
しかしやばい、本当に限界だ…。このまま殴られ続けたら、俺の体は臨界して核爆発を起こしちまう…。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 00:00:20 ID:zOSYgJlV
こんな事ならさっき朝倉ともっと仲良くしていればよかったな……。
朝倉ごめんな…。キツく当たったり疑ったりして…。

「はぁ〜、いい汗かいたにょろ〜」
何とか生きていられたみたいだ。
しかし何が、いい汗かいたにょろ〜。だ。俺の体をスクラップ寸前に追い込みやがって。
「ウゲッ…………」
俺は口に溜まりに溜まった血を床に吐き出してしまった。
悪いな長門、お前ん家の床汚しちまって……。後でちゃんと拭くからもう殴らないでくれよな……。
下手すると塊が出ちまうかも知れないからよ……。

でもまあ、確かに鶴屋さんのすごさはわかった。モブキャラとか思って悪かった…。
あなたは充分主役はれるますよ。ただしジャンルは別物になるがな…。

後は朝比奈さんだけか…。
「みくるちゃ〜ん!はやくこっちに来なさい!」「ひゃ〜い…」
最後のチャレンジャー、ようやく来たか…。しかし今の俺では、朝比奈さんのパンチですら分解し兼ねん……。
鶴屋さん、あなたは解体業者になる事をオススメしますよ……。
「さあ、みくるちゃん!キョンを煮るなり焼くなり好きにしちゃいなさい。」
まったく俺はお前のおもちゃじゃねぇぞ。好き放題言いやがって……。
「で、でもぉ〜。これじゃキョンくんが可哀相ですよぉ〜」
そうだ朝比奈さん。これではあまりにも俺が可哀相だ。
「何よみくるちゃん!じゃああんたがキョンの代わりになってくれるの?」
「ふぇ〜〜。それは……」
「じゃあ素直に制裁を加えてやりなさい。これもキョンのためよ!」
「ひゃ〜い……」
嘘つけ。ただ痛めつけたいだけだろ。そして床に平伏す俺を見て悦に入ってんだろ?
まったくタチが悪い。こいつはドSだ。しかもその中でもAAAクラスだな。
って、朝比奈さんも朝比奈さんで、何を了解してるんですか?
「キ、キョンくん……。あのぉ〜しゅいましぇ〜ん……」
「うっ……」
駄目だ。鶴屋さんの死のパンチ地獄のせいで声が出ない…。
「それじゃいきますよぉ〜!トリゃぁ〜!」
ぐはっ………。
パンチは全然痛くねぇけど目と耳が痛ぇ。
やっぱり朝比奈さん。あなたの涙に勝る宝石と、あなたの声に勝る楽器はありませんよ……。
こりゃノックアウトだ……。
朝比奈さんの一撃必殺パーフェクト勝ちだ。誰か朝比奈さんにボーナスポイントをくれてやれ…。
「あんた、何倒れてんのよ!まだ終わって無いわよ!」
757名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 00:02:18 ID:zOSYgJlV
どういうことだ、これで皆の俺に対する欝憤は全部俺の体で晴らしてくれたはずだろ?
まだ何かあると言うのか……。
「次はあたしの番なんだから!」
「待てハルヒ……。お前は…一番…最初に…やっただろが……」
そうだ、お前は最初に見事俺の腹に蹴りを入れてくれてたじゃないか。
「はぁ?あんなんじゃ全然足りないわよ!それに、誰が一人一回づつなんて決めたのよ!」
そんな無茶な……。
「ほら、行くわよ!」
ハルヒはそう怒声を上げて俺の胸倉を掴んできた。
その時、俺は死を覚悟した。
なぜなら俺の脳内ムービープレイヤーには、ハルヒの強烈な殺人パンチを顔面に受けて、俺の首から上が無くなってしまうという光景が、
フルカラー、フルハイビジョン、デジタル高画質で映し出されていたからな。
朝倉に助けを求める?
悪いが今の俺の脳みそはフル稼動中だ。脳内ムービーを再生するのにメモリー容量をすべて持って行かれているのでな。
そんな事を考える余裕は無かったのさ……。
ほら、ハルヒが大きく手を振りかぶっていやがる。
俺の命もあと数秒か……。
そしてハルヒは俺に目掛けてその手を振り下ろした。
のだが、なぜかハルヒは俺にパンチではなくビンタを食らわせた。
そして偉そうにこう言ってきた。
「あんた、もう帰りなさい!」
それは本当なのか?だとしたらすぐにでもおいとましたい。
「やっぱ、いくらなんでもあんたが可哀相だもんね」
おいおいハルヒさん。さっきと言ってる事がまるで違いますよ。どうしちゃったんですか?
「ほら、わかったら出て行きなさい!」
おい、なんだこれは。いきなり手のひら返したようにやさしくなりやがって。
「そ、そんじゃ俺は…もう帰るよ……」
ハルヒの機嫌が変わらないうちにはやく帰らないとな……。こんな地獄に長居は無用だ。
俺は解体寸前の言う事を聞かない重たい体をなんとか持ち上げ、出口まで向かった。
しかし皆薄情だよな……。俺に肩を貸したりしてくれてもいいものを……。
これじゃまるで、用済みの捕虜を収容所から追い出すみたいじゃないか。
背後から撃たれない事を願うしかないな。
だがその願も空しく、俺は強烈な弾丸を背後から浴びることになる。
そう、ハルヒの言葉という弾丸をな…。
「あんた、明日でもいいから、ここにある備品を全て部室に戻しなさい!」
758名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 00:03:37 ID:3bYLp1ta
俺は反抗する気力も出なかった…。はやくこの地獄から脱出したい。
俺はドアをゆっくり開け、部屋を出た。
なんでゆっくり開けたかと言うと、体が思い通りに動かなかったのもあるが、皆の労りの言葉を期待していからだ。
しかし、その期待も空しく何も声をかけられなかったわけだが。
まあいい、俺は地獄やっとから抜け出せたんだ。
そう、八大地獄ならぬ五大地獄をな。
いまだに長門地獄と鶴屋地獄で受けた傷が癒えない。ガンガンに痛む。
マジで死んじまいそうだ。骨の何本かはイっていると言ってもいいな。
朝比奈地獄ではある意味死んだが。古泉地獄は…まあいい。
しかし、涼宮地獄には拍子抜けだ。マジで死んじまうと思っていたからな。
そういや長門の部屋に吐き流した血を拭き取るを忘れていた。しかしもういい、もう俺には関係ない。と言うか関係なくなる。

やれやれ…。
俺は最後の希望を探すことにした。
その最後の希望とは朝倉涼子様の事だ。一体どこに隠れているんだ?
「あ…、朝倉ぁ〜…」
俺はゾンビみたいな声で朝倉を呼んだ。正直情けないにも程がある。
朝倉、どこにいるんだよ…。もしかしてあの『じゃあね!』って言葉通り本当に帰っちまったのか?
だとしたら俺は、このマンションから身を投げ出してもいい。
「頼む朝倉ぁ…はやく出て来てくれぇ…」
是非この光景は第三者に見られたくない。
想像してもみろ。
ボロボロの制服を着こみ、ある人物の名前をひたすら繰り返しながら、虚ろな表情をして口から血を流し、手摺り伝いによろよろ歩いている男の姿を……。
通報されること間違いない。警察の厄介になるのは御免だぞ…。
だから頼む。朝倉、速く出てきてくれ……。誰かに見られる前に……。
俺ははやくお前の柔らかくて暖かい体に身を預けたいんだ…。いや、冗談抜きで…。
俺は渾身の力を振り絞り叫んだ。
「朝倉ああああああああ!!!!!」
逮捕されても構わない。俺は朝倉に会いたいんだ。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 00:04:24 ID:WsGnv6Yk
>>731
神。朝倉いいなあ…。
760名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 00:17:01 ID:WsGnv6Yk
>>746
壮絶だがGJ。
長門はおとなしい文学少女ってのがほんとに会いすぎるから困る。
761名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 00:18:46 ID:q3i4go3p
なんですかこの神々のオンパレードは
どっちもGJ!

てか朝倉涼子の沈鬱の著者さんはもしや、小指でぎゅっの著者さんでつか?なんか通ずるものを感じた

それと>>758さん相変わらず文章のクオリティが高い。続きwktk
762名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 01:46:09 ID:orB9iX0x
泣けるぜGJ!
763名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 07:56:38 ID:xW6x0Jdx
あの、ボクも話考えたのですが、
正直コレで良いのか自分も不安・・・
とりあえず12時頃話発表します・・・
764名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 09:11:48 ID:5eXU/zXS
>>763
期待して待ってる。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 12:25:29 ID:xW6x0Jdx
それでは、書かせていただきます

タイトルは
「朝倉涼子の殺人」
766名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 12:42:07 ID:hwQLtoCR
wktk
767朝倉涼子の殺人:2007/03/31(土) 13:07:05 ID:xW6x0Jdx
今回は、>>46さんと>>611さんの
書き込みをサンプリングしました

↓それではスタートです

相変わらず俺(キョン)は、谷口と国木田にいじめられて、あちこち身体が傷だらけだった。
ハルヒも、長門も、みんなにいじめられ、傷だらけに違いない。

その日の今日はハルヒの机には、花の入った花瓶が置かれていた。
これから、今日のいじめが始まるにすぎない。
何も知らないハルヒは、教室に入り、みんなに、
「おはよ―」と挨拶し、自分の机を見たら、花瓶が置かれていたことにショックで泣いてしまった。
ハルヒが教室を出ようとしたその時、1人の男子生徒が、
「おい、ちょっと待てよ」
「え?」
「こいつら全員、お前のことをウザイと思ってんだよ。
悪いけどお前“死んで”」
そういうと、男子三人がかりで、涼宮を床にたたき付けた。その衝撃で、涼宮は、頭を強打し、
鈍い音が聞こえた。
皆は、ハルヒの顔面、お腹を思いっきり殴ったりし、倒れたハルヒの背中をかかと落とししたり、
モップにつけた水を掛けたりした。
ハルヒは、「やめて!!」といってもやめず、エスカレートするばかりだった。
男子生徒は「ほらほら痛いだろ、いい気味だな」と言いながら、倒れこんでいるハルヒのお腹に蹴りを2、3発入れた。
「が・・・・・・・・・はっ・・・」
ハルヒは吐血した。何度も何度も・・・
しまいには、1人の女子生徒が「今度は私たちに任せて!!」というと、
またある女子生徒の1人は、ナイフを持って、こう言った。
「涼宮さん、さようなら・・・」
そして、ハルヒの制服を切ったりし、最後に、胸に何度も包丁を刺した。
「がっ・・・・・・・・・はっ・・・!!」涼宮は何度も再び吐血し、
小さな声で、「た・・・・・・す・・・・・・け・・・・・・て・・・・・・」と言っても、
「え?なんて?聞こえない!!www」と笑って、ナイフでお腹を刺した。
涼宮は息をしなくなった。
768朝倉涼子の殺人:2007/03/31(土) 13:28:44 ID:xW6x0Jdx
>>767
訂正します
ハルヒは、「やめて!!」といってもやめず(ryの部分は
ハルヒは、皆に「やめて!!」といってもみんなはやめずの
誤りでした
お詫びして訂正します

>>767
教室の床は真っ赤になっていた
鐘がなるとみんなは席についた。
先生は、涼宮の変わり果てた姿をみても、何も言わず、ただ黒板に文字を書くだけだった
「おいおい、何かおかしいだろ」と俺は思った。
後ろを見たとき、俺はびっくりした。
涼宮は、奇跡的に生きていた。必死に身体をかばいながら、教室を去った。
時間が経ち、その日の放課後、涼宮は、部室に来ていた。
長門も、朝比奈さんも、古泉もいた。
長門は左目に眼帯をつけながら本を読んでいた。
「あら、キョン君」
「長門、お前、よく眼帯をつけながら本を読めるな」
「別に・・・」
「別に?ねぇ、なにが別になの?と問いかけたくなる」
まあいい。そんなことより
俺はハルヒに聞いた。
「お前、大丈夫か?」
「え?何が?」
769名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 14:24:53 ID:la4L1o82
つまんね
770名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 14:26:33 ID:5eXU/zXS
>>769
朝倉の殺人が?
それともこのスレが?
771名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 14:34:54 ID:hwQLtoCR
続きwktkだな
772名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 14:37:16 ID:5eXU/zXS
全部の続きwktk
773名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 15:10:08 ID:9u945D9P
>>772
お前、書き込むのやめたほうがいいよ
ROMってろとしか言いようがない
774名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 15:32:14 ID:xW6x0Jdx
みんなごめん
775名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 15:35:17 ID:xW6x0Jdx
実はこれやるの初めてなんだ
絶対>>767-768はみんなには
冷たい目でみられるのは承知の上でやった
776名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 15:46:54 ID:xW6x0Jdx
途中でとめてしまったけど、続き書きます

>>768
「お前、包丁で刺されてただろ
平気なのか?」
「平気よ」
「さ〜て、SOS団宣伝に行くか
みくるちゃん、手伝って!」
「ふぇ〜・・・」
「おい、ハルヒ、また、あのバニーガールで宣伝にいくのか?」
「そうよ」
「お前、朝比奈さんの迷惑を考えたことあるのか?」
「そんなの知ったことじゃないわ。あんたには関係ないでしょう!!?」
その言葉に俺はキレた。
「ふざけるな――!!」
俺は、そこにあった花瓶で、涼宮を殴ったと同時に、気絶させた。
「さあ、今のうちに朝比奈さん、逃げますよ」 
「え?でも・・・」
「いいから!」
俺は朝比奈さんを引っ張り出し、部室から逃げた 
777名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 15:51:56 ID:uJYBAm3v
題名は「キョンの厄日」でどうでしょう?
778和死厨様:2007/03/31(土) 16:06:41 ID:ZZUGMMoV
なぁに、わしは通りすがりの長門好き・・・!
その長門好きが、なんの気まぐれか、書いてやったのだ・・・!SSを・・・!
ククク・・・心得が不十分ゆえに・・・楽しめぬかもしれぬな・・・!いじめ小説としては・・・!
が・・・まあ、とにかく書いたのだ、ショートストーリー・・・SSを・・・!
読んでくれ・・・!

タイトルは後日考える・・・!
 消失世界

 高校生になりたての頃、わたしの心は期待と不安でいっぱいだった。
元々人に好かれるような性格ではなかった、だが、そんなわたしでも
高校なら・・・と、ひそかに期待していた。
だが、そんなわたしの期待を裏切るかのように
わたしのクラスにはわたしに親しく接しようとする人が少なかった。
いや、少なかったというより、いなかった。
だからわたしはいつも、昼休みに多人数で弁当を食べたり楽しそうにしゃべっている
女子達を横目で見ながら一人で弁当を食べていたし
授業のときに消しゴムやシャープペンシルを忘れたとしても
誰かに借りることができず、その授業を寝て過ごすということが少なくなかった。

 そんなある日のこと、学級掲示板の中の一枚の張り紙が、私の目に止まった。
それによると、文芸部の部員が0人になり、このままでは今年で廃部になってしまうので
入部者を募集しているとのことだった。
わたしは迷わず入部した。
昼休みの間、楽しそうに話をするクラスメイトたちの中に
わたしの居場所は無いように感じたからだ。
だが、部室を手に入れればいつでもそこで時間を潰せる。
大好きな読書が、存分に一人でできる。
そう思った。

 それだけに、ある日の昼休み、突然部室の扉が蹴り開けられたときは驚いた。
思わず読んでいた本を閉じ、完全オープンされた扉を見ると
そこから入ってきたのは、涼宮ハルヒ。
それから他のメンバー達が集まるのに、時間はかからなかった。
それからは毎日が楽しかった。
昼休み、部室に来るといつもSOS団のメンバーがいることが、嬉しかった。
部屋で本を読むことしかしなかった休日、市内探索に出かけることができたことが嬉しかった。
なにもかもが輝いていた、わたしのSOS団での生活。
でも、なぜだろう。
今更になって、あの感情がこみ上げてくる。
その感情とは、「恐怖」。
今が楽しければ楽しいほど、それがなくなったときの恐怖は増えてくる。
もし、SOS団がなくなってしまったら・・・。
それを考えるだけで、わたしは恐ろしかった。

「・・・長門・・・?」

 わたしを現実に引き戻した声は、彼の声だった。
そうだ、今日は市内探索。
彼と二人で図書館に行く途中だった。

「どうしたんだ?」

 どうやら気づかないうちに、わたしは歩く足を止めていたらしい。
余計な心配をかけてはいけない。

「・・・なんでもない。」

 言って、わたしは再び図書館への道を歩き始めた。
隣の彼も「ふ〜ん」とだけ言い、わたしと一緒に歩き始めた。



 本に囲まれた空間が、それほど楽しいものだとは思えなかった。
なぜなら、今のわたしにはSOS団が、仲間がいるから。
もう現実から逃げる必要なんてなかった。
でも、彼はわたしを気遣ってここにつれてきてくれたのだ。
ならば、その好意を踏みにじるわけにもいかない。
わたしは本棚に立ててある本の一つを手にとり、読み始めた。

「じゃあ長門、俺はあっちで休んどくから。」

 本を読むわたしにそう言うと、彼は「休憩コーナー」に向かって
歩き始めた。
わたしは読書を続ける。
そして、やはりわたしは根っからの読書好きだったらしく
いつの間にかすっかり本に読み入ってしまっていたようだった。

 どれくらいの時間が経ったのだろうか。
腕時計を見ると、3時20分。
一時間以上の時間が経過していた。
彼もわたしを待っているのだろうか。
本の続きは気になるが、仕方がない。
わたしは本を本棚に戻そうと、手を伸ばす。

「あれ?有希じゃねーか。」

 わたしの手からこぼれた本は、その場にパタンと落ちた。

781朝倉涼子の殺人:2007/03/31(土) 16:12:20 ID:xW6x0Jdx
その時、俺は待ち伏せていた谷口と国木田にあってしまった
「おい、キョン、待ってたぜ」
俺は足が動かなかった
俺たち2人は公園に連れて行かされた
そのころハルヒは・・・
「う・・・ん?あれ、キョンは?」
相変わらず長門は、こんなことがあっても本を読んでいる
よっぽど本が好きなんだな
「ったく〜、キョン、絶対許さないからね〜!」
気が付けば、もう夜になっていた。
その時、ドアに誰かが立っていた。
「誰!?」
ハルヒが問いただす
「私よ、朝倉涼子よ」
「なんで、あんたがそこに・・・・
転向したはずじゃ・・・」
「涼宮さんをおもいだすと、イライラするの。
目障りだから、殺しに来た。」

「いや、・・・
気が変わったわ!!SOS団全員殺害よ!!
まずは長門さんから・・・」
「久しぶりだなぁ、一人で図書館か?ははは、まあ根暗女のやりそうなことだな。」

 背後から聞こえてくる男達の声。
振り向くまでも無い、その男達は三人組。
中学の頃、わたしをいじめていた三人組だった。

「ま、ここで会ったのも何かの縁だ。
 ちょっと、一緒に「散歩」にでも行こうや。」

 付いて行ってはいけない。
きっと、また人気のないところに連れて行かれて、お金を要求される。
そして、断ればまた殴られる。
眼鏡を叩き割られる、お腹を、顔を殴られる。
でも、ここなら人がたくさんいる。
ついて行きさえしなければ、ここには人がたくさんいる。
彼らもわたしにはなにもできないだろう。

「・・・人を待たせている・・・。」

 嘘ではない。
ここからでも見える。彼は休憩コーナーで雑誌を読んでいる。
そして、わたしの一言で、三人は明らかに不快な表情をした。

「ずいぶん偉くなったもんだなぁ、有希ちゃん?
 そいつぁお友達か?」

 わたしは「そう」と相槌をうつ。

「だったら後で謝っときな!用事を思い出して先に帰ったっつってよぉ。」

 ・・・!
男達の一人に、襟首をつかまれて、二人に囲まれた。
わたしは強制的に図書館から連れ出された。
・・・やはりわたしは幸せをつかむことはできないのだろうか。
高校に入って、SOS団に入って。
昔のことはすべて終わったはずなのに。
・・・どうして・・・。

783名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:14:54 ID:xW6x0Jdx
すいません
>>781アンカー
入れるのわすれました
>>776からのつづきです

って正直・・・自分才能ないかも・・・
 連れて行かれたのは、以前も来た事がある。森の中だった。
辺りにだれもいないことを確認すると、男達の一人が詰め寄って来た。

「で、いくら持ってんだよ?」

 わたしはポケットの中のサイフを丸ごと男達に取られた。
男の一人は、わたしのサイフの中のお札を数えている。
その間にも、残った二人の男は、わたしが逃げ出さないかと監視している。

「おー!すげえ金持ってんじゃねえか有希、どうしたんだこれ。
 どっから盗んだんだよ?」

 彼らと同じ次元で考えて欲しくない。
そんな苛立つ気持ちも、現状の恐怖によってかきけされた。

「・・・一人暮らしで、バイト・・・してるから・・・。」

 余計なことを言ってしまったと後悔したときには、すでに遅かった。

「マジ!?お前親いねえの?へぇ〜え。」

 彼らが今までわたしに振るっていた暴力は、手加減されたものだった。
なぜなら、あまり度をこしてやりすぎてしまうと、わたしの親が
わたしがいじめられているということに気づいてしまうから。
だが、わたしが一人暮らしであるという事実を知った彼らは
また一段と態度と要求を大きくした。

「だったらそのバイト代の8割を毎月俺らんとこに持って来い!
 ばっくれたらどうなるかわかってんだろ?」

 言いながら男の一人は右拳をにぎってみせる。
だけど、そんなにお金を取られたらわたしの生活費は足りなくなってしまう。

「で・・・でも・・・。」

 わたしが少し言葉を漏らすことさえも、彼らは許してくれなかった。
男達のうちの一人がわたしの顔を思いっきり殴った。
そして、お腹を蹴ってわたしは数メートルほどとばされた。

「ぅ・・・げほっ・・・!」

 呼吸ができない。
それ以上に、地面にうずくまるわたしを見下ろす三つの男達の視線が
なによりも怖かった。
ここからはもう決められたことだった。
三人にかこまれ、何度も何度も蹴られた。
ある者には頭を、ある物には腹を。
血が出ても許してくれなかった。

「もう一回言うぜ?有希ィ。返答しだいじゃ命無ぇと思えよ。
 『毎月バイト代の8割を持って来い』。」

 そのときだった。
要求の返事をわたしにさせるためか、わたしを蹴る足は止まっていた。
以前までのわたしならば、彼らに金を渡し、一刻も早くこの場から逃れようとしていた
だろう。
だが、わたしは仲間達に出会って、たくさんのことを学んだ。
逃げるだけではなんの解決にもならないのだ。

「うあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 わたしは男達の一人の腹に思いっきり体当たりを食らわせる。

「っげぇ・・・!!?」

 予想していなかったであろうわたしの反撃で意表を付かれた三人は
一秒間硬直していた。
その間にわたしは逃げ出した。

「野郎!!待ちやがれ!!!」

 男達の残った二人が追ってきた。
ここで待てばまた殴られる。
だから待つわけにはいかない。

 後ろを振り向くことはできなかったが、彼らはわたしに何かを叫びながら
走っている。
なので、スタミナの浪費は向こうのほうが激しいはずだった。
だから、逃げれる、逃げて町に出れば、きっとだれかが助けてくれるはず
・・・っ!?

 その瞬間、わたしの体は宙に浮いた。
その原因は、地面から飛び出ていた木の根っこだった。
転倒したわたしは、汚い土の上を三回転した。
再び立ち上がり逃げようにも、木の根に足を引っ掛けたとき、挫いてしまったらしく
立ち上がることができなかった。
そうしているうちに、二人の男達は追いついてきた。

「へへ・・・いい度胸してるじゃねえか、なあ有希?」

 しかも何処で拾ったのか、その二人のうちの一人の男は、鉄のパイプを持っていた。
そしてその男の怒りは、完全にわたしに向けられていた。
その男は、鉄パイプを振り上げる。
「どうせコイツには親がいない。
 殺しても死体を埋めれば誰にもばれない。」
そんな顔をしていた。
そして、その鉄パイプは、容赦なく振り下ろされた。

「っ・・・ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 わたしはかろうじて頭を動かし、鉄パイプをよけた。
だがその鉄パイプは肩にあたり、バキバキという鈍い音を演奏した。
そうしているうちに、男は再び鉄パイプを振り上げた。
今度こそ駄目だ。この体制では避けることはできない。
わたしの人生は、こんなつまらないところで終わってしまう・・・!
その瞬間。

「うりゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

 その鉄パイプが振り下ろされ、わたしの人生が終わろうとしていた瞬間
奇跡は起きた。

「す・・・涼宮・・・さん・・・?」

 突然飛んできて、助走たっぷりのとび蹴りを男のテンプルにお見舞いしたのは
SOS団の団長であり、わたしの一番最初の友達である、涼宮ハルヒさんだった。

「んやろぉぉぉぉぉ!!!」

 逆上したもう一人の男が拳を振りかぶり、涼宮さんを殴ろうとする。
だが、その拳が涼宮さんに到達するよりも先に、小石が飛んできて、男の頭にあたった。
その小石に気をとられて、男は振り向いた、その瞬間だった。
古泉くんの拳は男の顔面にめり込み、男を数メートルほどふっ飛ばした。

 だが、どちらも致命的なダメージにはならなかったらしく
涼宮さんに倒された男も、古泉くんに倒された男も立ち上がった。

「あらあら、タフねえ、古泉くん、行けそう?」

「余裕ですよ、僕だってSOS団の副団長です。」
787名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:18:38 ID:xW6x0Jdx
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 言いながら古泉くんは、男の拳をひらりとかわし、こんどは腹に拳を入れた。
呼吸困難になったそいつの顔面に、古泉くんは膝蹴りを入れた。
男は立ち上がるようすもなく、まったく動かなかった。
心底安堵した、わたしの背後から聞こえてきた声は涼宮さんの声だった。

「きゃあっ!?」

 涼宮さんは男に蹴りを放とうとした瞬間、どうやら軸足を滑らせてしまったようだった。
絶体絶命。男の拳は今にも涼宮さんの頬を撃とうとしていた。

「おおりゃ!!!」

・・・が、遅れてきた彼(通称キョン)がその男の背中に蹴りを入れることによって
その拳は止まった。

「がふっ・・・!」

 そして、涼宮さんに向かって飛んだ男は、涼宮さんの頭突きによってトドメを
さされた。
男は崩れ落ち、これまた起きる様子はなかった。
そして次の瞬間、涼宮さんが彼のゲンコツが彼(通称キョン)の頭を叩いていた。

「ちょっとアホキョン!遅すぎるわよ!
一体どこでなにやってどういう風に何円で油売ってたのよ!
あんたが「長門が危ない」って電話してきたから来てみれば、肝心のあんたが
いないんじゃわけわかんないじゃない!」

「ふざけるな、お前らの足が速すぎるんだ。途中まで俺も一緒にいただろ。
ってゆーか助けてもらっといてなんだその口の利き方は!」

 呆然とした反面、笑いが出た。
この人たちは、こんな状況でも、またいつもの会話を始めたのだ。
口喧嘩をする二人と、笑顔でそれを見守る古泉君。
そして、クスクスと笑いながらそれらを見守るわたし。

「あ、チキョン(チキンキョン)の相手してる場合じゃないわ。
 有希、大丈夫?怪我は・・・って、血ィ出てるわよあんた!病院行かなきゃ!」

 そういえばそうだった。
だが、嬉しさのあまり、それさえも忘れていた。

「ほら、有希。立ちなさい。」

 そんなことを言われても

「足・・・挫いた・・・。」

 わたしが言うと、涼宮さん、そして連鎖的に古泉くんと彼(通称キョン)も
大笑いし始めた。
笑われるようなことを言った覚えはないのだが。

「いえ・・・失礼、僕がおぶっていきますよ。」

 
古泉くんは、笑顔でわたしに駆け寄ってきた。
「ありがとう」とわたしは言う。
だが、その言葉は古泉くんには届いていなかったのだと思う。

「はぁー・・・はぁー・・・。」

 頭から血を流して崩れ落ちる古泉君の背後に立つのは
鉄パイプを持った男。
そのとき思い出した。
この男は、最初にわたしが体当たりで倒した男だ。
この男だけはダメージが致命的でなく、復活して、追ってきたのだ。

「こ・・・古泉くん!古泉くん!!」

 動かない古泉くんをゆさゆさと揺する涼宮さん。

「ば・・・馬鹿!ハルヒ・・・!逃げろ!!」

 涼宮さんは「え・・・?」と振り向く。
その瞬間、本来涼宮さんに振り下ろされるはずだった鉄パイプは
それをかばった彼(通称キョン)の頭蓋骨を割った。

「ぐ・・・がはっ!」

 メキメキと嫌な音を立てる彼の頭。
・・・いや、やめて・・・!

「ちょっと!キョン!!大丈夫!?
 やめて・・・!やめてよ!あんたまで・・・!!」

 その間にも、男は再び鉄パイプを振り上げた。

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
 涼宮さん!!逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」

 わたしの言葉がむなしくこだまする空間にあるのは
頭から血を流す古泉君、彼、そして、涼宮さん。

「いやぁぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」 

 わたしの叫びは、むなしく森の中でかき消されていく。
男は、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。

「や・・・やめて・・・!やめて・・・助けて・・・!」

 その男の顔に、容赦という文字は見えなかった。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:21:18 ID:xW6x0Jdx
>>788
案外おもしろいかも
 事件はその日の夕刊に載った。

「北高校の涼宮ハルヒ、古泉一樹、キョン(仮名)が撲殺され、死亡。
 同じくその晩、自宅で朝比奈みくるの死体が発見された。
 朝比奈みくるに関しては遺書は無いが、警察は自殺で間違いないと捜査を打ち切った。
 なお、涼宮ハルヒと以下3名は北高校でSOS団なる非公認の部を作っていたらしく
 その団員の一人である長門有希はその日を境に学校には登校していず
 行方も不明。」

 他にもその事件の詳細が記載されている記事があったが
それに興味などない。すべて知り尽くしている。わたしは新聞をパタンと閉じた。
自分の名前が新聞に載って、ここまで不愉快な気分になったのは初めてだ。
そして、わたしはこの日を境に「自由」を捨てた。
自由はわたしを苦しめる。
わたしは束縛されて生きよう。
じゃあ早速だが、二択のくじ引きをしよう。
わたしは二枚の紙に、それぞれ別の言葉を書く。
「自殺」か「転校」か。
それを裏返し、十分にシャッフルする。
そして、それを地面に広げ、その片方に手をかけた。
目からこぼれた涙が、紙ににじむ。
これを引いたら、どっちにしてもなにかが終わる。
終わるのは人生か、思い出か。
わたしがその紙を拾い上げ、そこに刻まれた文字を見た瞬間
零れ落ちていた涙は、血の色に染まった。



792名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:24:14 ID:xW6x0Jdx
>>791
すんげ〜おもしろかった
自分もこんな作品つくってみたいな

だれかアドバイスください
793名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:29:44 ID:xW6x0Jdx
>>781
のつづきは明日書きます

あと、どこが駄目だとか
言ってくだされば幸いです
794名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:33:16 ID:hwQLtoCR
>>792
とりあえず、今のを終わらせようや

起承転結を意識して書いてみればいいんじゃないか
あと、全部書いてから推敲して投下したほうがいいような気がする



俺も文章書きなれてる訳じゃあないから偉そうな事は言えんがね
795和死厨様:2007/03/31(土) 16:36:42 ID:ZZUGMMoV
ちなみにタイトルは「SOS団の壊滅」・・・!
というか・・・実は最初から決めておったのだ・・・!タイトル・・・!
だが、まあ、こんなタイトルを掲示したら、即わかるじゃろ・・・!バットエンドだって・・・!
だから隠した、カモフラージュしたかったんじゃ・・・バットエンドを・・・!
まあ、不心得ゆえに、あったかもしれんの・・・表現のおかしな点やらなんやら・・・!
そこらへんは・・・勘弁してくれ・・・!
796名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:43:55 ID:xW6x0Jdx
>>794
なるほど

教えてくれてありがとう
参考にするよ
797名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 16:56:07 ID:u98xYBwm
>>791
やっぱ消失世界はいいなw
798名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 21:17:42 ID:a/rIYuFV
気になる点があったのと、
本来持ち上げてから落とす手法は好きでは無いってのもあるけど…

いい感じに鬱になれるな
GJ
799名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:03:57 ID:3bYLp1ta
最後まで投下する
ダラダラ書いてスマソ

んじゃ、>>758の続きから
800名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:06:27 ID:3bYLp1ta
俺は限界なんだよ。肉体的にも精神的にも……。
「何よもう。さっきからずっとわたしの名前連呼して」
なんだよ、そんな所にいるなら速く出てこいよ。俺は道化か?
まあいい、会えて良かった。
俺は朝倉の胸に飛び込んだ。殴られたって、ナイフで刺されたって構いやしない。
いや、刺されるは嫌だな……。
やっぱり柔らかくて暖かかった。いや、それだけじゃないぞ、とてもいい香りがした。
皆、俺の事を変態だと思っているだろ?しかしそれは違うぞ。俺は素直な意見を述べたまでだ。
そう、男性としての純粋で無垢な意見をな。
まあ問題は、この至福の時間をいつまで堪能できるか。なのだが、普通の女子ならタコ殴りにされる事相違無い。
しかし朝倉は一味違うぞ。
何故かって?それは以下のやり取りを見ればわかる。
「ちょっと、いきなりどうしたのよ!?」
「見りゃわかるだろ……。ハルヒ達にやられたんだよ……」
「そっちじゃないわよ。なんでいきなりわたしに…」
少しは俺の体の心配をしてくれてもいいだろ。
俺はこんなにズタボロなんだぞ…。制服だって買い替えなきゃならないんだぞ。本来はな…。
「すまん……。だが俺は、お前がいないとダメなんだ……」
そうだ。俺はもう朝倉依存症なっちまったんだ。
「そうなの……。じゃあいいけど…」
な?一味違うだろ。
「そうだ…、お前に…聞きたい事があるんだ…。鶴屋さんはお前達の仲間なのか…?」
「鶴屋さんて誰?もしかして長髪の有機生命体の事?違うわよ。あれはわたしが……あっ、何でも無い。聞き流して」
朝倉は何を言いかけやがったんだ。
なんだかとてつもなく嫌な予感がする……。
だが気になる…。
「おい朝倉、何を言いかけたんだよ。教えろ」
「え?だってこれは、あなたに言わない方が…」
「構わん教えろ!」
何故、人間は恐いとわかっていても、それを見たがったり聞きたがったりするのだろうか。
そのメカニズムを理解している奴は是非御一報願いたい。
「本当に、いいの…?」
「ああ、構わん…」
「じゃあ言うけど、怒らないでよね…」
大丈夫さ、今の俺なら朝倉に何を言われたって受け入れられるね。俺は今、そのぐらいお前が必要なんだ。
「あのね。今回の件は全部わたしがやったことなの……」
ん?どういう意味だ。
「本当は涼宮さんの情報爆発を観測するだけにしようと思ったんだけど……。あなたにも興味が湧いて来ちゃって…」
801名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 23:08:31 ID:3bYLp1ta
俺に興味を持つ?それは純粋にうれしいぞ。情報爆発とか聞かなければの話だが…。
俺の嫌な予感が徐々に募って行く。
「だから色々な手段を使ってあなたから情報を得ようとしたの」
「一つ聞いていいか……?」
「何?」
「俺に興味が湧いた。っていつからだ?」
「うん、あなたが土下座して涼宮さんの居場所を教えてくれって言ったときから」
だったら素直に朝倉の言う事を聞いておけばよかった……。
畜生。時間を遡れるなら遡りたいぜ…。
お願いします朝比奈さん…。あの手のひらサイズのタイムマシーンを貸して下さい…。
「それでね。まずはウォーミングアップとして、有機生命体の恋愛の概念を知る事にしたの」
じゃあ、あの甘い一ときは…。
と言っても当時。ほんの一、二時間前なんだが、まあいい。ともかくその時の俺は朝倉恐怖症で、全然甘いひとときどころでは無かった……。
しかし今の俺は違う。今の俺があの場に居合わせていたなら、確実に甘いひとときになっていたであろう。
何故なら俺はもう、朝倉依存症なのだからな。
「で、その概念とやらは理解できたのか?」
「ううん…。よく解らなかった。対象があなただったからなのかも知れないけど…」
朝倉…。お前は結構キツい事を笑顔で言うんだな…。
その笑顔だけじゃオブラートに包んだことにはならんぞ…。
包み込む気は毛頭無いのかもしれんが…。
しかし朝倉は、悲しむ俺をそっちのけで話を続けた。
「そして本題。やっぱり有機生命体からより多くの情報を得るには、極限状態に追い込むのが一番」
なんだか余計に聞きたく無くなってきた……。
言われるぐらいなら俺から言ってやる。
「それで、ハルヒ達を使って俺を極限状態に追い込んだのか?」
「うん、そうよ」
頼む、そんな眩しい笑顔を振り撒きながら全肯定しないでくれ…。
しかし個性豊か過ぎるあいつらに、情報操作を行えたのか。と言う心配もあるのだが。
そこはまた、例の主義をあてはめてもらいたい。
で、朝倉はようやく鶴屋さんの事を話し出した。
「彼女はね。わたしがさらに情報操作を行ったの。他の対象より操作するのが簡単だったから」
だろうな。長門はお前と同じ宇宙人、古泉は限定付き超能力者、朝比奈さんはか弱い未来人。
そしてハルヒは進化の可能性やら時空の歪みやら神様だからな。
鶴屋さんが一番扱いやすいってのは、赤点を5教科も取ってしまった程馬鹿の俺でもわかる。
802名無しさん@お腹いっぱい。
「でも…、夢中になってやりすぎちゃったかな…」
まさにその通りだよ朝倉。お陰で俺は、こんな見るも無惨な姿に変わり果ててしまったんだからな…。
「でも、その変わりにあなたから色々な情報を得る事ができたわ。その変わりと言っちゃあれだけど、あなたの傷を治してあげる」
朝倉は俺の胸辺りにその白い手を置き、なにやら呪文を唱え始めた。
すると、俺の体と衣服は見る見るうちに回復し、元通りの姿に戻った。。
出来れば俺の精神面もケアして欲しい。俺はうつ病に苦しむ事になるやもしれないからな。
だから俺だって本題に入らせてもらう。こんなのはもうたくさんだからな。
「ありがと朝倉。ところでお前に頼みがあるんだ……」
「まだ何かあるの?」
ああ大アリだ。そのためにお前を探していたんだからな。
この頼みがなければ、俺はお前を探していないだろうし、さっさと救急車でも呼び、病院で手厚く介抱してもらうさ。
「朝倉、やっぱりこの二日間、いや三日間は無かった事にしてくれないか?」
そうだ、これで俺は今まで通りに暮らせるんだ。朝倉依存症だって完治するしな。
「どうして?あなた、遠慮しとくって言ってたじゃない?それに涼宮さん達とは和解したんでしょ」
「ああ、確かに和解はしたさ」
だがな、俺はあんな和解を望んでいたんじゃない。しかもあれは正確には和解じゃない…降伏だ。
しかも俺は最悪の条件を突き付けられてしまった。
恐らく俺は死ぬまでSOS団、主にハルヒの奴隷としてこき使われるだろう。
今までのハルヒだって、俺に対する扱いはまさに奴隷、もしくはロボットのような扱いだったが。そこには愛があった…。恐らくな…。
「じゃあいいじゃない」
全然良くない。そもそも、こんな状況に持って行ったのは朝倉。全部お前じゃないか。
本来なら、お前をボコボコにしているところだぞ。
今回はその可愛さに免じて許してやるが。
言っておくが、決して返り討ちに会うのが恐いわけじゃないぞ。
「それにわたしも、もうそろそろ限界なの」
「何が限界なんだ?」
「わたしがここに居る事ができる時間が」
「何故だ?復活したんじゃないのか?てか、その時間が来る前に、この三日間を無かった事にしてくれよ…」
一生崇めてやるから。
「だってわたしは限定的な復活だもの、そろそろ契約期限切れってわけ」
「誰との契約だよ」
「もちろん情報統合思念体との…ほら、それにもう時間みたい……」