1 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/11/11(土) 00:33:26 ID:Z1Fb5bEl BE:35932043-2BP(3333)
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/11/11(土) 00:35:43 ID:7aFAbcr7
2げとずざ
1は氏ねよまじで
3 :
エンジェル風味からのお知らせ:2006/11/11(土) 00:36:33 ID:Z1Fb5bEl BE:143727168-2BP(3333)
今年もC71への参加日程をたて新刊1945GA第三部の製作を行っておりましたが
本日コミックマーケットより落選通知が舞い込みました・・・・・・
この冬に1945GA本編の新刊を予定していただけに本当に残念です。
4 :
エンジェル風味からのお知らせ:2006/11/11(土) 00:43:45 ID:Z1Fb5bEl BE:215590289-2BP(3333)
この冬もサークルでお会いしたかったのですが本当に残念です。
さて、今の所関東におけるイベント参加は予定していませんが
第三部の配布を行えるイベントがあれば参加したいと思います。
コミックマーケットの方はC72に向け何とか参加できるよう尽力を尽くす限りです。
本当にごめんなさい!
>>2分からずに書き込む低能は引っ込んでろ!!
>>1乙、コミケ落選残念だが、気を落さないようにね。
6 :
エンジェル風味インフォメーション:2006/11/12(日) 23:20:53 ID:cNxhBOGv BE:104801257-2BP(3333)
1945年にエンジェル隊がタイムスリップとは?
いつものようにロストテクノロジーの捜索、回収任務に当たっていたエンジェル隊が発見した
折鶴のようなロストテクノロジー・・・・それは物体を過去のターニングポイントとなる時間場所にタイムスリップさせてしまうものであった。
通称ヒストリーポインター
そうとも知らずにそれを持ったまま次の任務に出かけてしまったエンジェル隊はミルフィーユの運気も相まってその能力を発動させてしまう。
そして5人が次に目覚めた世界は時空地震いや・・・・・EDEN形成よりも遥かかこの時代・・・・昭和20年4月1日の沖縄県であった。
そこではまさに日米両軍が今まさに激突しようとする寸前であったのである。
物語はこうして始まっていった。
7 :
エンジェル風味インフォメーション:2006/11/12(日) 23:23:49 ID:cNxhBOGv BE:74858055-2BP(3333)
1945GA書物関連配布
本編
1945GAサイレントラヴァーズ 〜第一部 沖縄激闘編〜
1945GAサイレントラヴァーズ 〜第二部 帝都潮騒編〜
アナザー
1945GAサイレントラヴァーズ外伝 〜天空の天女隊1〜3巻
8 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/11/13(月) 00:28:32 ID:cYcV77Bn BE:146721277-2BP(3333)
昭和20年4月6日 東京湾上空 PM02:15
北村の必要なアタックは続いているがとどめをさせる距離にちひろ機を追い詰められない。
何時しかいくつかの綿雲がフアフア飛んでいる空へと飛んできている。
「ミルフィーユさん、雲が出てきました。天女隊の十八番ができそうですよ」
迷いなく雲の中へ突っ込むちひろ機。北村機も追随する。
「雲の中で目くらましのつもりか・・・・おもしろい」
にやりと笑みを浮かべ放されないよう距離をつめ雲の外に飛び出す。
「何!?」
先行しているちひろ機が忽然と姿を消してしまった。
「っちまた急降下で逃げたか?」
北村は直ちに下方を探すが青い海原が広がっているのみで航空機はない。
視界を正面に戻そうとしたその時、爆音が上空から響いてくる。
「もらいましたよ!!」
弾は装填されていないが7.7_のトリガーを一応引く。実戦ならば胴体後部、主翼、コックピットを打ち抜いているはずである。
「ちひろさ〜ん・・・・勝ったんですか」
「いえ、直撃を出しましたが浅いはずです。一本とはいきませんね・・・・制限速度ギリギリでトンボを切るなんて久しぶりです」
「そうれふか〜?がんばってくらさーい」
目を回しながらもミルフィーユの応援はうれしいものであった。
9 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/11/16(木) 01:05:09 ID:VmfGOXvJ BE:80847239-2BP(3334)
昭和20年4月6日 東京湾上空 PM02:25
「なんてやつらだ、流石に女とはいえあなどりすぎたな」
操縦桿を一度握りなおし浴びた一太刀を倍返しすべく北村フットバーをたたく。
ちひろ機は雲の中に消えると予想外の方向から自機を狙い打ってくる。
北村はこれが天女隊の戦法の一つなのであろうと感づいた。一つの獲物を群れで襲う狼のようなものだった。
「こんな感じでアメ公を追い込んでいくのか・・・・まるで鹿になった気分だなおっと!」
また雲の中からちひろ機が襲撃してくる。
今度は射線に入ることなく機体を滑らせたがいつの間にか追われる立場へと変わっていた。
「これで北村機はこの雲から抜け出そうとするはず・・・・そこの出口で一気に」
ちひろも機体を雲の中に吸い込ませて再び姿を隠した。
この戦法は一度捕らえた射線の敵をわざと外し近隣の雲に逃げ込んでしまうという戦法で勘とかけひきで大きく左右されてしまう。
成功すれば敵の弱い部分を強襲できるが失敗すれば逆に射線に入る恐れもあるのだ。
しかし、天女隊時代からこの戦法は最悪なまでに外したことはない。
ちひろ曰くそれは女の勘だとか。
10 :
名無し陸戦隊:2006/11/16(木) 15:19:39 ID:fVL71y/a
回想 1944年 10月14日 防空巡洋艦 伊吹
既に米機動部隊が南西諸島各地の基地へ来襲してから数日が経っていた。
連山から発信された緊急電は、南西諸島の各基地に伝わり直ちに迎撃機が飛び上がった。
沖縄周辺に来襲した米艦載機、被害甚大ながらも辛くも撃退したが。
翌日には何事も無かったの様に、フィリピン、台湾へと空爆を敢行してきた。
これに対し、台湾沖を遊弋していた米艦隊を発見した、基地航空隊は薄暮攻撃を企図した。
陸海軍の合同部隊であるT(台風)部隊を始めとする、第1・第2航空艦隊所属の各航空隊は、
総力を以ってこれを殲滅せんと、陽が沈もうとする台湾・鹿屋基地を飛び立って行った。
その数は150機近くに達した。
その後も3日間の間に連続した昼間、薄暮夜間攻撃を行い
空母10隻ちかくを含む大戦果を上げたと大体的に伝えられていた。
機材が並べられた防空巡洋艦伊吹の通信室の中は、大勢いる通信員が黙々と作業を続けていた。
独特な空気に包まれている部屋に入った上田中佐は、やや反応に困った。
何か情報が入っていないか聞こうと思ったのだが、通信員の表情を伺うと、
気安く声を掛けられる様な雰囲気では無かったのだ。
そこに上田中佐の姿に気付いた班長らしき士官が、話し掛けてきた。
「米艦隊の通信に何か変化は?」
向こうから来てくれて、ほっとしつつ尋ねてみる。
「いえ特には・・・今の所通信量に変化はありません。
病院船の派遣や救難要請と思しき符号が一つも確認出来ませんし。
沈没を伝えるような緊急電も入って来ませんね」
通信士官は困惑した表情で答える。
「敵航空機の連絡や周囲の基地のやり取りも調べたいとは思いますが、ここだけでは限界があるのでどこまで出来るかは・・・」
「分かった、ここまでやってくれてるだけでも十分だ。
他の部分はこちらで何とかするから、引き続き無線傍受の方頼むよ。
おかしな点が僅かでもあれば、すぐ知らせてくれ」
一言礼を言い、上田中佐は早々と部屋を出た。
やはり変だ・・・戦果が上がっている割には、米艦隊に動きがない。
普通なら撤退してもおかしくないのに・・・だがこれだけでは、
判断材料が少なすぎる。もう少し具体的な情報が必要だった。
数週間前、通信参謀と相談して艦隊内に特設通信隊を設け、情報収集に当たらせていたが正解だった。
問題はどうやってこの予測を実証するかだが。
推測を口にしたたけでは、誰からも相手にされないのは確実だ。
11 :
名無し陸戦隊:2006/11/16(木) 15:21:43 ID:fVL71y/a
>>1猛虎☆全勝様乙です。
冬コミ落選とは・・・非常に残念であります。
12 :
名無し陸戦隊:2006/11/17(金) 14:42:10 ID:pgAcyhJi
回想1944年 10月15日 呉
伊吹から下艦した上田中佐は、基地航空隊や司令部にいる知り合いに連絡を取ってみることにした。
職務上の付き合いから知り合った者達だが、こう言う時には頼りになる者も多い。
彼らから何か聞きだせるかも知れなかった。
そうと決まれば急がなければ。
内火艇を降りると上田中佐は、おもむろに建物へと駆け出していた・・・
調べていくにつれて、上田中佐の危惧感はますます実現味を帯びてきた。
まず鹿屋の基地司令部に繋いだ上田中佐は、航空隊の状況と帰還した搭乗員の報告を聞き出す事にした。
そこで判ったのは、明確な戦果の確認が取れていない事だった。
夜間攻撃を敢行した搭乗員は、敵艦が沈む場面をしっかりと見た訳ではなく、
命中したという報告も、暗闇に上がった爆発炎や水柱を見てそう判断したらしかった・・・
又未帰還機の数も多く、出撃数の半数基地へ帰還した飛行機は3分の1に達し。
帰還した機体にも被弾痕が多数あると言う。
そのような話は他の所でも聞くことが出来た。
命中の確認と言うのは、熟練パイロットでも難しく、 ましてや技量もまちまちの者が多数である今の攻撃隊では、
まともな戦果確認など、望めないのではないだろうか?
そんな報告を鵜呑みにして司令部は大戦果を報じているのか・・・
聞き出した話を総合的に判断していく内に、上田中佐は空恐ろしくなってきた。
間違った情報を鵜呑みにして作戦を立てたりしたら、取り返しの付かない事になる。
もし連合艦隊辺りがそのままこの戦果を踏まえた上で、次の方針を決めるとしたら・・・
「まずい・・・何かいい手立ては・・・・・」
受話器を取った上田中佐は、日吉の連合艦隊司令部へ繋ぐように交換手に告げた。
>>11 名無し陸戦隊殿
まさか落ちるとは思っておりませんでした・・・・・
申しわけないです
14 :
名無し陸戦隊:2006/11/20(月) 20:59:03 ID:BYpHlqTh
>>13猛虎☆全勝様
今回は不参加になられてしまいましたが、
次回の夏コミや他のイベントの検討もされておられる様ですし、
新刊とアナザーストーリー天空の天女隊もさらに洗練されるだろう思います。
またサイレントラバーズ作品群を楽しめる機会が
やって来ると思いつつ応援しています。頑張って下さいませ。
15 :
エンジェル風味インフォメーション:2006/11/21(火) 23:53:33 ID:9bOUSbFx BE:74858055-2BP(3354)
残念コミケ特別企画 ルーンエンジェル隊&大日本帝国海軍女子航空機部隊天女隊コラボ話
リコ「というわけで皆さんこんばんわ、アプリコット・桜庭です」
ちひろ「・・・・・・・・・」
リコ「ちひろさん・・・・」
ちひろ「・・・・・・」
リコ「ちひろさんってば!」
ちひろ「は、はい!!」
リコ「緊張されているんですか?」
ちひろ「いえ、公式との合同臨時会合位でわたしが・・・・」
リコ「・・・・えーとオフィシャルとのコラボって行った方が・・・」
ちひろ「敵国語です!」
リコ「あ、ご・・・ごめんなさい、とりあえず自己紹介を」
ちひろ「は、はい・・・大日本帝国海軍女子航空部隊天女隊隊長烏丸ちひろです!」
リコ「部隊名で舌噛んじゃいそうですね」
ちひろ「なれれば問題ありませんよ」
リコ「そ、そうですか・・・・えーと・・・・今日はコミケ残念イベントということで私たちルーンエンジェル隊と天女隊のコラボを
行うことになりましたぁ!!普段は聞けない事も私たちがガンガン質問しちゃいますよ!はい、ちひろさん」
ちひろ「ではスタートです」
16 :
エンジェル風味インフォメーション:2006/11/22(水) 00:02:48 ID:t5fRA18c BE:83840674-2BP(3354)
このみ「烏丸隊長殿、敵国語ですよ」
ちひろ「!!!!!このみ?どうして」
明日香「お化けみたいに言わないでほしいなー」
麻奈「まったくです」
ちひろ「明日香、麻奈・・・・・どうして?」
麻奈「特別復活って奴よ」
このみ「そうそう」
カルーア「だってぇ〜コラボですものね〜」
アニス「リコ!段取りがわりーぞ」
リコ「アニスさん!カルーアさん」
ナノナノ「ナノナノ達もいるのだ!」
リリィ「そういうわけだ・・・」
17 :
エンジェル風味インフォメーション:2006/11/22(水) 00:22:57 ID:t5fRA18c BE:83841247-2BP(3354)
リコ「では天女隊の皆さんも自己紹介を」
このみ「天女隊所属加藤このみです!」
明日香「天女隊所属天野明日香ですー!」
麻奈「天女隊、川村麻奈よ」
アニス「結構普通の名前だな、なんでちひろ以外の奴は頭にワッカのっけてんだ?」
リコ「アニスさん!」
このみ「それは私たちが特攻作戦に行ってっということなんですよ」
明日香「私は撃墜されちゃったけどね」
アニス「い、意外とさっぱりしてるものなんだな・・・ははは」
カルーア「え〜と皆さんの紋章機はどんなのなんですか〜?」
麻奈「紋章機?それはなんなの」
ちひろ「あ、そうか麻奈たちは知らないんだ。紋章機っていうのはエンジェル隊が乗る重戦闘機です」
麻奈「重戦闘機?月光や屠龍みたいな奴なの」
ちひろ「そうそう」
リコ「似ても似つかないですけどね」
つづきます
18 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/11/22(水) 23:59:49 ID:t5fRA18c BE:80846093-2BP(3354)
昭和20年4月6日 東京湾上空 PM02:39
雲間から飛び出す先方に苦戦しながらも、北村は確実にちひろへのプレッシャーをかけていく。
「これをつっきれば!」
「やらせません!」
雲間の感覚が大きく開いている、北村はそこに逃げ込んでちひろを迎え撃つ構えである。
いっぽうちひろもその出口までに北村に勝敗をつける一撃を加えるべく最後のアタックポジション入った。
「くるな!」
ちひろ機が雲間へと飛び込む水平翼が鮫の尾びれのように雲を切りながらその姿を隠す。
「今だ!」
北村機が急制動をかけ速度を落とし急降下する雲の下に逃げれば一瞬でもちひろの視界から消え索敵を行うはず。
その一瞬を付き天空の天女に荒鷲の一太刀を加える。
「最後の攻撃です!もうちょっと頑張ってくださいミルフィーユさん!」
雲の切れ間が迫ってきた。操縦桿はまだ今の位置を保っている。
「右!」
ちひろはその勘を信じ操縦桿を右へと倒した。
19 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/11/26(日) 22:12:12 ID:gvjRaIy1 BE:71863946-2BP(3354)
すみません明日更新します
20 :
名無し陸戦隊:2006/11/26(日) 22:17:29 ID:dK8AuAtC
回想 1944年 10月15日 呉鎮守府
待っていたのは僅かの間だった。
思ったよりも時間は掛からず、受話器の向こう側から連合艦隊参謀の湖西大佐の声が響いた。
連合艦隊司令部はここ最近、旗艦だった軽巡大淀から
神奈川県、日吉台にある慶應義塾大学の構内に造られた地下防空壕に移転していた。
移転作業はまだ完全に終わっておらず、湖西大佐も忙しいかと思われたが、
律儀で厳格な彼は、親友の電話にも即飛んで来てくれた様だった。
お互い勝手知った仲だけに、向こうもこちらの様子を察したらしい、
上田中佐は早々に話を切り出し、
米機動艦隊が未だ健在の可能性が高い事、
連合艦隊の情報分析の不鮮明さと不備・・・それがもたらす危険性を掻い摘んで話していった。
「で・・・俺に伝えてきたきたわけか?」
「そうだよ・・・今の事態の中、一番情報を生かせる位置にいるのは湖西だからね」
「まあ役職柄そうなるかもしれんが・・・」
受話器の向こう側からため息が聞こえる。
「実のところGFでもお前と似た意見の奴が何人かいる。
俺もどこかしら違和感を感じいた。
だが・・・残念ながら大部分の連中はその大戦果をまるっきり信じちまってる。
先程残存する敵艦艇の追撃が決まった、そっちの旗下にいる志摩艦隊にも出撃命令が出ている筈だ」
「何だって!!」上田中佐は言葉に詰まった。
無茶だ・・・敵はまだ大部分が健在、制空権も向こうが握っている。
例えるなら虎の巣へ丸腰で入る様なものだ。
22 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/11/27(月) 21:48:47 ID:Sy/zLAGK BE:104801257-2BP(3354)
昭和20年4月6日 東京湾上空 PM02:45
ちひろ機が雲を抜けると北村機は上昇しようとしていたためニアミスの形になっていた。
ガン!!!
鈍い金属音が聞こえちひろ機の左翼先端が軽く吹き飛んでしまう。
接触の衝撃でちひろ機がすべるように回転しながら高度を落としていった。
北村機も右翼の金属片が飛び散っていた。
「ぐあ!」
北村機も大きくバランスを崩したが、なんとか立て直すことができた。
一方のちひろ機はまだ体制を立て直せず降下を続けている。
「お願い!」
近づく海面に祈る思いで機体を立て直そうとするちひろ。その願い通じてか海面ギリギリで機体は安定を取り戻した。
「ミルフィーユさん!大丈夫ですか!?」
後方のミルフィーユを確認するが彼女はぐったりとしていた。あまりの衝撃で気を失ってしまったのである。
「ミルフィーユさん・・・・あ、被害は!?」
左翼先端が完全に吹き飛んでいるがなんとか戦闘を継続できる。
「ちひろ!」
クロノクリスタルから凄まじい怒号が聞こえてきたと同時にカンフーファイターが猛スピードで突っ込んできた。
「父様!?」
「すぐにこの馬鹿騒ぎをやめさせるんだ!ちひろは横須賀に戻りなさい、蘭花君次は彩雲の横に頼む」
「はい」
蘭花の返答が聞こえる、どうやらこの騒ぎを聞きつけ蘭花に正光が中破中にのカンフーファイターを出させたのであろう。
天女隊と横須賀航空隊の決着は水入りという形で幕が引かれることとなった。
23 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/11/27(月) 21:51:40 ID:YEibSXdb
紋章機があったら戦局がひっくり返るw
25 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/11/30(木) 01:48:31 ID:8sYqkAU8 BE:74858055-2BP(3354)
昭和20年4月6日 グアム島 現地時間05:00
本土からやってきたB29が次々と着陸してくて来る。
爆弾や焼夷弾も山の様にあり何時でも日本の都市を火の海にしてやれるのだ。
そのチャンスをうかがうべく銀色の肢体を南国の太陽にギラギラと輝かせている。
しかし、フライングデビル(米軍紋章機識別名)騒動以来、アメリカ軍内は臆病風に晒されていた。
それを払拭するために行われた横須賀奇襲も被害は甚大で生存者の報告も手伝って当面の本土爆撃が見合わせられたのである。
「3月の爆撃が無駄になってしまうぞ!」
第21爆撃機集団指令カーチス・ルメイは机を叩き苛立ちを露にさせた。
「しかし指令、沖縄以後フライングデビルにかかわった損失機は半端ではなく・・・・」
第21爆撃機集団所属ハワード・ラミアス大佐が申し訳なさそうに口を開く。
「何を言っているんだ大佐!やられたのは艦載機ばかりではないか、それに奴らは横須賀にいることも分かっているんだろう!
せめて西日本、東海地域への爆撃を再開すべきだ」
鉄のロバとあだ名されるほどの頑固者は一度言い出すともう止まらない。
その精神で部下を徹底的に鍛え上げ3月は10日間も真夜中に日本列島に爆弾を降り注がせたのである。
爆撃に際し棄権が多数出た時は自ら第一波の航空機に乗り込むなどし自らの強い意志をしめしていた。
そのため部下からの信頼は厚かったのである。
「海軍にも早期復帰要望を報告しておきます」
「うむ、ところで大佐。ジャップは何時の間にこんな高性能重戦闘機を作り上げたのだ?」
卓上の航空写真を手に取りコーヒーをすする。
「出所は全く不明です。密かにドイツの技術を応用し作り上げたとも噂されていますが確証はありません」
「ナチにもこんな物は作れないだろう、航空機のノウハウは全く無視している」
はっきりと写った上空写真の紋章機を恨めしそうに見ながらルメイがいい放つ。
「ともかく4月中には最低でも西日本への爆撃は再開するぞ大佐!」
「イエッサー!」
26 :
名無し陸戦隊:2006/11/30(木) 21:25:20 ID:+RRjIqv9
回想1944年 10月15日 呉鎮守府
志摩艦隊の戦力は、21戦隊と第1水雷戦隊併せて、
重巡、軽巡、駆逐艦が若干数あるに過ぎない。
確かに昨日までに、米軍機の空襲は規模が縮小していた様だが。
それだけで敵艦を沈めたと判断するのは即急すぎる。
米艦隊は余裕を見て、兵の休養を取らせているかもしれないし、
明日から空襲の規模がまた拡大するとも限らない。
そんな中、制空権が確保されていない所に航空機の護衛も付けず、
敵艦隊の残存兵力の殲滅と搭乗員の救助など、全くもって無茶な話だった。
「せめてもう少しの間、出撃を見送らせる事は出来ないのか?」
上田中佐は声を絞り出した。
「無理だな・・・」湖西大佐はすぐに言い切る。
「彼らには現状を把握する能力を持っていない・・・
言っても勝機を逃すと言って無視するだろう。
もしかしたら・・・希望的憶測を現実に置き換えたいのかも知れないな・・・奴等は」
その楽観的な思考にどれだけ振り回されてると思っているのだろうか、GFの参謀共は・・・
湖西大佐はそんな上田中佐の気持ちを汲んだのか、話を続けた。
「とりあえず意見具申はしてみよう、だがあまり期待しないでくれ。
最近お前に対する批判も大きくなっている。
先日の攻撃で母艦航空隊の出撃を控えさせた事が、GF内でさらに輪をかけた様だな」
「今更そんな事気にしないさ、こう言うのには慣れてる」
受話器の間近で軽く笑った。
「そうだな・・・お前はそういう柄ではなかったな」
「お前まで言うなよ」
上田中佐はがっくりと肩を落とす。
電話を終えた上田中佐は息を吐いた。
憂鬱な気分が体全体に回っていくような気がした。
27 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/12/04(月) 00:54:23 ID:+ijMh7/O BE:188641297-2BP(3354)
昭和20年4月6日 横須賀海軍病院 PM05:30
「ごめんなさい・・・・私のせいで・・・・」
「いえ・・・・私がもっと冷静になっていれば・・・」
右頬を腫らしたちひろが静かに答える。2時間近い父、母の説教にすっかりぐったりしていた。
「まったく、中々帰ってこないと思ったらそんな所にいたんですか?しかし、烏丸大佐も酷いな〜ヴァニラさんを3日後に広島まで移動なんて」
ノーマッドが口を挟んできた。
「そうですね・・・・しばらくノーマッドさん達ともお別れなんですよね」
「まぁガサツなフォルテさんを除けば内地組はのんびりですけどね。あはははは〜」
にやけた笑い声が少々こだますると窓から捨てられた。
「なにするですか〜たすけて〜」
庭木にひっかかりもだえる声がする、
「んったく誰がガサツだぁ!」
「あーフォルテさん」
「今回は申し訳ございませんでした!」
ちひろが直ぐに席を立ち頭を下げる。
「およしよ、ミルフィーユもあんたもみんな無事だったんだからさ」
「でも・・・・・」
「ほら、わかっただろ!」
顔をちひろにグッと近づける。
「は、はい」
「よし、お前がエンジェル隊Aチームのリーダーなんだからね。しっかり頼むよ」
「ちひろさんすごいですぅ!!」
スイッチが入ったかのようにミルフィーユが弾む。ちひろは無表情のままかたまってしまった。
「ふぇぇぇ!フォルテさんそれってマジですか!?」
フォルテの後方で蘭花が驚いている。
「なんだよノック位しろよ蘭花、この3人じゃちひろが適任だろ?それにあんた隊長経験なんてないだろ」
「うーんそれを言われると・・・・・・」
ガクッと落ちるテンション。
「ところでなんか用なのかい?」
「ああーそうそう、私たちの行く南の島って今夏なんですよね〜そこで・・・・じゃんじゃーん!水着もって来ました」
「あーこの前バーゲンにいって買ったやつですね」
「そうよ!2人で10着も買っちゃったからせっかくだしねー」
蘭花がちひろの方を見る。
「へ?」
「ちひろちゃーんちょっときてー」
蘭花がちひろの手をつかみ引っ張って部屋を後にした。
「あー蘭花さーんまってくださーい」
ミルフィーユが直ぐ後を追った。
ランファ体調経験あるじゃん
アニメ3期でw
これ・・・何?
自己満足のオナニー小説?
>>29 初代スレでスレ立てた奴が立て逃げしたんで
今の職人さんがスレの再利用に書き始めたんだよ。
んで面白いから続いてる訳
嫌なら見るんじゃねーよ。つーか下らない事一々書くな。
IDにDQN入ってまっせ
32 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/12/11(月) 00:03:29 ID:r8S30kiL BE:47909928-2BP(3354)
昭和20年4月6日 横須賀海軍病院 PM05:32
「まったくあいつらは・・・・・」
足音が遠ざかり遅れてフォルテが部屋を出る。
「フォルテ君」
「烏丸大佐?」
呼び止められる声に振り返ると正光が立っていた。
「呉への移動には感謝する。旗艦鹿島には作戦参謀としてわたしも乗り込むつもりだ」
「いいんですかこんな時に帝都をあけて?」
「君たちを呉に追いやるせめてもの罪滅ぼしだ。連合艦隊は何としてもトリックマスター、ハーベスターを呉に送り届ける」
「ありがとうございます。しかし大佐、分かっているとは思いますが無茶はしないで下さいよ。数本魚雷ぐらいじゃ紋章機は沈みませんからね」
念を押すフォルテ。
「おそらく米潜水艦の猛攻は必須であろう。紋章機を残し全艦没すれば拿捕される可能性もある。内部から爆破される可能性もな
無論、そんな事はやらせないつもりだ」
「あたしは烏丸大佐を信じています。大佐の作戦だから紋章機を預けることにしたんですよ」
「ありがとう」
正光は深く礼をする。その様子を見てフォルテも敬礼を返し立ち去ろうとした。
「あ、待ってくれ」
「なんですか?」
ポケットから封筒を取り出す正光。
「ちひろにこれを渡してくれないか」
無言で頷くとフォルテは封筒を受け取った。
「いくら同じ海軍とはいえ、女の子の顔を腫れるほど殴ってはいけませんよ」
「いや・・・・・あれは幸がやったんだ」
正光は申し訳なさそうに呟くとフォルテもすこし唖然とした。
「そ、そうですか・・・・あはは、いやまぁ・・・わかりました。後これを届ける代わりに一つ頼まれてもらっていいですか?」
「ああ、私に出来ることなら」
「ちひろに3日間休暇をやりたいんです」
正光は休暇の意味を考える。そして何か察すると無言で頷いた。
「7時に横須賀駅に来るように伝えておいてくれないか」
「了解」
もう一度敬礼をしフォルテはその場を立ち去った。
wktk
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/12/13(水) 23:29:01 ID:VzsaY/do
保守
35 :
名無し陸戦隊:2006/12/14(木) 21:30:21 ID:hh++zXqf
回想1944年 10月16日 太平洋
電探に映った機影を頼りに飛行を続けて来た笹倉大尉の眼前には、
紛れも無く空母の群れが映っていた。
信じられないが、それは奇しくも前に発見した艦影と全く酷似していた。
司令部の話では、数日の戦果によって残存する敵艦艇の追撃を行う友軍に先立ち、
位置を把握するのが目的と言われていた。
燃料をたっぷり積んだ重い機体を、滑走路一杯使いようやく飛ばして
発見したその艦隊は、損傷どころか至って無傷に見える。
米艦隊は壊滅したと言うが、あれは嘘だったのか・・・
唖然としながら見るガラス越しの光景に、基地での出来事を思い出した。
数日に渡り米機動艦隊攻撃に向かった攻撃隊が鹿屋に帰還した時、
どの機体も一転して、見るからに無残な姿になっていた。
着陸と共に発動機が息切れたボロボロの戦闘機や、
穴だらけの陸攻から、満足な体で外に出てきた搭乗員は1人か2人で、
残りは重傷を負った搭乗員で、生きている者全員担架で運ばれていった事もある。
攻撃から帰ってきた仲間は皆疲れ切っており、勝ち戦の空気が全然感じられなかった。
そんな事もあって笹倉大尉には、皆が言う大戦果に疑問に思っていたが、今その思いは確信に変わった。
興奮する笹倉大尉は無意識に叫んでいた。
「敵艦隊健在ナリ!!」
36 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/12/15(金) 02:41:54 ID:rAifzkk3 BE:23955124-2BP(3354)
昭和20年4月6日 横須賀海軍病院 PM05:40
ワンピースの水着を着せられてちひろが恥ずかしそうに立っている。
「こ、こんな・・・・姿で私、絶対に浜になんて出られませんから」
「こんなの私たちの時代じゃ地味な方よ。もっとアピールしていかなきゃ」
水着が入ったカバンをガサゴゾあさりながら蘭花が答える。
「ちひろさん可愛いですよ」
「父様にも見せてあげたら〜あ、あったあった」
蘭花がまた水着を引っ張り出してきた。
「駄目です!そんな事したらたぶん・・・・・・」
ちとせの制服を着て横須賀に降りた時も卒倒したのだから今度は再起不能かもしれないとちひろは思った。
「はい、はーいこれなんてどうかしら」
蘭花が花柄のビキニを取り出す。
「そんなの着て浜に出るくらいなら・・・・わたし・・・・自決しちゃいますから・・・・」
「そう、でもいいじゃないのここでだけ、ここでだけ着てみてくれない?」
ニマニマしながら蘭花が顔を寄せてくる。
「い、嫌です・・・・」
顔を真っ赤にしながら消え入りそうな声でちひろが拒否する。
「え〜いいじゃなーい。ちょっと着てみてよ〜ね、ね」
「・・・・・・・・・いやです」
再び拒否する。
「んふふふ・・・・・上官命令よ」
蘭花がいじめっ子が愉しんでいるような表情で上官命令を出した。
「蘭花さん、ちひろさんが可哀想ですよ」
さすがに上官命令まで言うとちひろが可哀想である。
「いーの、いーのちょっとだけなんだから」
「・・・・わ、わかりました」
顔を思いっきり真っ赤にしてビキニをうけとるちひろ。そして隅のほうで着替えを始める。
「じゃあ見せて〜」
「は・・・・はい・・・・」
ちひろが顔を隠しながら真ん中の方へ出てくる。
「う〜んちょっと胸足りないわね〜スタイルいいのになー後、顔隠すのやめなさい」
「うー」
恨めしそうななみだ目で顔を出すちひろ。
「ほらー蘭花さん可哀想ですよー」
「もうちょっと、もうちょっとだけだから」
コンコン・・・・
急にノックが響き、3人は凍りつく。
37 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/12/15(金) 02:43:30 ID:rAifzkk3 BE:41920272-2BP(3354)
「あたしだよ。あけとくれ」
「あーフォルテさんか〜びっくりしちゃいますよ」
蘭花がドアを空けるとちひろがしゃがみ込む。
「おや、ずいぶん可愛い事になってるじゃないか、烏丸大佐にも・・・・」
「嫌です!」
フォルテが言い終わる前に真っ赤な顔をしたちひろが拒否した。
「ははは、そりゃそうね。じゃあこれもあたしが持ってきてよかったよ」
そう言うと封筒をちひろに手渡した。
「なんですかそれ?」
ミルフィーユが後ろから覗き込む。
「さぁてね、じゃああたしはお暇するよ。紋章機への牽引金具取り付け工事ミントにまかっせきりだからね」
「紋章機を海から運ぶなんて初めてですよねー」
「そういうことさ、じゃああたしは行くよ。蘭花、あんまりちひろをいじめないようにね」
「わかってますって」
蘭花に注意を与えるとフォルテは退室し再びドアを閉め鍵をかける。
「そういえば、ちひろは何もらったのー」
振り返るとちひろが拳を握り締め肩を震わせながら睨んでいる。
「な、なに?上官命令って・・・言ったじゃない」
思わず後ずさりしながらミルフィーユの方に目を移すとミルフィーユがちひろの受け取った書面をこちらに向けている。
「烏丸ちひろ飛行兵曹長は昭和20年4月6日1700を持って少尉に任命す・・・」
「おそろいですね蘭花さん」
ミルフィーユがにっこり笑うと、蘭花がもう一歩後ろに交代した。
「蘭花の・・・・・蘭花の・・・・・馬鹿ぁぁぁぁぁああ!」
「ちょ、ちょっとあんた手のひら返しすぎよ!!!」
38 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/12/16(土) 01:11:43 ID:ZjBdxLhG BE:74858055-2BP(3354)
昭和20年4月6日 深浦港 PM06:20
正光が用意した2隻の曳航船はすでに錨を降ろしハーベスターとトリックマスターの前でワイヤーをたらしている。
すでに作業員もトリックマスター、ハーベスターの装甲に乗って取り付け場所の工事を急ピッチで行っていた。
「ここにつけられてしまうとフライヤーが射出で着ませんの、あーアンテナに溶接するのはやめてくださいましー!」
ミントは1人作業員を指示し取り付け工事の陣頭指揮をとっていた。
「も〜フォルテさんはまだですの!?ECM装置に火花を飛ばさないでー」
トリックマスターはデリケートな装置を多く搭載しているそのためミントも気が立っていた。
しかし、トリックマスターだけにはかまけていられなかったハーベスターにも目を配らなくてはならない。
「ブラマンシュ少尉、この大きな盾があると舵がとられますよ〜」
整備長らしき男が機体右肩に装備されている大型エネルギーシールドを指差す。
「はーい角度調整を行いますから待ってくださいましー、すみません紋章機のライトだけでもつけさせていただけると・・・・」
「許可できません!灯火規制です」
上空を見張る兵士はミントの願いを却下する。しかし周りが暗く足を滑らせれば海に落ちてしまう状況である。
そして作業員が使っている蝋燭の蝋が美しいライトブルーの機体にしみついていることも彼女は許せなかったのだ。
しかし、そんな文句言える雰囲気でもなくミントは再び作業を見守ることにした。
その時こちらに向かってくる船のエンジン音が聞こえてくる。
「はぁ〜やっとですわ」
自分で肩をもみながらフォルテの到着に安堵する。
「よぉ〜おまたせ、おまたせ」
悪びれた様子もなくフォルテが現れると水筒とおにぎりを手渡した。
39 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/12/21(木) 23:05:12 ID:Wmie0PjD BE:146721277-2BP(3354)
昭和20年4月6日 国鉄横須賀駅前 PM07:00
「ミルフィーユさん、蘭花さん、ちひろがご迷惑をおかけしてすみません」
幸は丁寧に頭を下げた。
「いえいえ大丈夫ですよ。ね、蘭花さん」
「そうね・・・」
頭にできたこぶをさすりながら蘭花が憮然とした感じに答える。
「また遊びに着てね、ミルフィーユさん、蘭花さん」
千晶も久々の家族水入らずにご機嫌であった。
「うん今度はリコと一緒にいくからね!」
「そうね、心の狭いお姉ちゃ・・・・にゃあ!」
「うるさいですよ」
蘭花の背中をちひろがつねっている。
「ではミルフィーユさんに蘭花、三日後に会いましょう」
「紋章機の操縦忘れないでくださいね」
「大丈夫ですよ」
ミルフィーユとちひろがニッコリと笑う。
「間もとなく東京行きが発車しまーす!」
「おっともう時間だ、じゃあなミルフィーユ君、蘭花君」
「はいお気をつけて」
二人が正光敬礼を送ると烏丸家の面々は東京行きの汽車へと乗り込んだ。
その汽車をミルフィーユと蘭花は最後尾車両の赤ランプが見えなくなるまで見送った。
一方その頃・・・・・・・・・・・・・
東北本線青森駅に角松が降り立った。
北の大地はまだ寒く小雪が舞っている。すぐに青函連絡船の待合室に駆け込むと隣の男が読む新聞が気になった。
【見よ大勝利!鬼畜米英軍即座退散】と言う沖縄戦の記事と【米内海軍大臣殉職】という活字が躍っていた。
『やはりエンジェル隊の記事はないか・・・・』
「お宅はどこまで行かれるんですか?」
シゲシゲと新聞を横から見ていた角松に持ち主が声をかけて来る。
「あ、根室の実家に不幸がありまして」
角松はとっさに嘘をついた。
「おーそれはお気の毒に・・・・せっかくの大勝利なのにね」
男性はそういうと新聞を譲ってくれた。
「あ、ありがとうございます」
「なに、あんたも読みたい記事があるんでしょ?ゆっくり読んでくれ」
男性は立ち上がると鞄から湯飲みを出しダルマストーブの上で沸いている湯を汲みに行った。
40 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/12/25(月) 23:30:12 ID:rm0oDqeI
職人さんいつもありがとうage
41 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2006/12/27(水) 00:55:08 ID:hgl8PwQO BE:17966232-2BP(3354)
昭和20年4月6日 横須賀海軍病院 PM09:30
飾り気のない電球がクラシックな病室をムードよく照らしている。
「さぁちひろも休みやったし、あたしらも休みだ3日間のんびりするぞー」
「まったく、ヴァニラさんがこんな状態のときによく言えますよ」
椅子に座って伸びをするフォルテをノーマッドがたしなめる。
「わかってるよ、ヴァニラ落ち着いたかい?」
ヴァニラは優しい目でフォルテを見つめている。容態は安定しているようだった。
「まだナノマシンを使うなって言われてるんでしょ?」
「ええ、もう少し容態を安定させてからだと・・・・」
「ヴァニラ、次に会うときは元気になっててよ」
ヴァニラは再び目だけを動かしえ蘭花を見つめた。
「でも、この世界に来て明日で一週間ですよー」
「いろいろな事がございましたわね」
ミルフィーユに言われてみて改めて嵐のような一週間がミントの脳裏をよぎった。
沖縄戦、ちひろとの接触、戦艦大和、天皇陛下や小磯総理との出会い、生まれて初めての空襲も経験し米内の戦死・・・・
ミントはどこか遠くを見つめる。
「ミ、ミントさ〜ん」
「本当にいろいろな事がありましたわ」
息を抜くようにミントがつぶやいた。
「本当よねーこないだまで宇宙飛び回ってたのにねー」
「どうしてこんな事になっちゃったんですかね」
「あんたよ!あんた!あんたがヒストリーポインターをなくしてそのまま別任務つかなきゃいけなかったんでしょ!」
感傷に浸っていた蘭花が左手で器用にミルフィーユをグリグリする。
「あややーごめんさい・・・・」
「でも中佐とかどうしてるんだろうね?あたしらがいなくなって一週間」
「大騒ぎになっていると思いますわ部隊が一瞬にして消滅しちゃったんですもの」
ミントがため息混じりに答える。
「案外楽しんでるんじゃないの?」
楽観的な蘭花の意見。
「でもこれで一週間か・・・・家族報告が行くね」
フォルテの言葉にミルフィーユの脳裏にアプリコットの顔が浮かぶ。
『リコ心配してるだろーな・・・・・』
「・・・・・ねー・・・・ちゃん・・・・・おね・・・・・ゃん・・・」
『きっとこんな風に・・・』
「って誰か何か言いましたか!?」
ミルフィーユが我に返るとがばっと立ち上がって声の主をさがした。
皆急なミルフィーユの行動にあけらかんとしてしまう。
「・・・・もしかしてミルフィーユさんのポケットからではございませんの?失礼しますわ」
ミントがミルフィーユのポケットに手を入れるとあのロストテクノロジーヒストリーポインターが輝き始めていた。
【エンジェル風味インフォメーション】
>>28殿、蘭花でもよかったのですが一応の隊長がいてしまいましたのでちひろに任せてみましたw
皆さん2006年も1945年にエンジェル隊がタイムスリップをごらんいただきましてありがとうございました。
今年の連載は今日の分を持って最後の更新となります。来季は公務員試験等もあり連載が長期停止するかもしれません。
また今年はコミケットに落選してしまい第三部を配布することができずに申し訳ございませんでした。
2004年から読んでいただいている方々、また名無し陸戦隊さんのストーリー本当に感謝しております。
さてコミックマーケット72では新作第三部そして天空の天女隊を引っさげて参加したいと思いますのでその時はよろしくお願いします!!
それではよいお年をノシ
42 :
名無し陸戦隊:2006/12/31(日) 23:05:31 ID:c8TOhaK3
回想1944年 10月16日 日吉台、連合艦隊司令部
敵艦隊健在の一報が届いてからと言うもの、連合艦隊司令部は俄かに慌しくなった。
索敵機からの電文が届いてから僅か数時間後、出撃した志摩艦隊が艦載機と遭遇したのだ。
幸いにもその後、志摩艦隊に石垣島へ退避する様に命じた為、特に被害は無かったのだが、それでも彼らのショックは大きかった。
何せ沈めたはずの空母が、実は無傷だったと言うのだから無理も無い。
敵艦隊殲滅に浮かれていた参謀達も、今では生気が抜けたかの様な表情だ。
更に夕方には止めといわんばかりに一通の電文が入ってきた。
フィリピン沖を航行中の敵艦隊がレイテ湾に向けて進行しているというのである。
艦隊の後方には、大規模な上陸部隊を含んでいる事も確認されている。
もしこのまま上陸を許せば陸上部隊で食い止めるのは不可能だろう。
しかし今の日本軍には洋上でこれを迎え撃つ手駒が無い。
先の航空撃滅戦でフィリピンに展開する第一・第二航空艦隊は消耗しており、
陸軍第4航空軍も似たような状況だった。
艦隊戦力は戦艦を中心に数が揃っているが、
現在栗田中将指揮の第1遊撃部隊は燃料の豊富な南方のリンガ泊地で編成中であり。
志摩中将指揮の第二遊撃隊は台湾の馬公に向かっている。
小沢中将率いる第3遊撃部隊は、艦の大半が呉にて改装と整備を行っており。
第3艦隊の内、新造艦雲竜と天城の2隻で編成された第2航空戦隊が、
栗田艦隊と同じくリンガ泊地にて艦と航空隊の練成中であった。
つまりは、今すぐ行動出来る艦が無い状況と言う事である。
一体どうすればいいんだ。手駒が足りなさ過ぎる・・・
湖西大佐は腕を抱えて唸った。
かといってこのままにすれば南方輸送路が分断されてしまう恐れがある。
その時ドアが開いて、豊田副武連合艦隊司令長官の姿が現れた。
豊田長官の後ろを見ると草鹿参謀長と神作戦参謀が続いている。
部屋に入った豊田長官は参謀達を見回すと口を開く。
「正式な発動命令はまだだが、我が軍は捷一号作戦の発動する。
神作戦参謀が立案した作戦でいくので、各員細部の検討を急ぐように」
と言う事は小沢艦隊を囮に出させるのか。
湖西大佐が苦い表情をしていると傍にいた烏丸大佐と目が合った。
老練な烏丸大佐も浮かない表情で、こちらへ顔を振っている。
その目は何所と無く悲しそうだ。
烏丸大佐もやはり気が乗らないようだな・・・
無理も無い、この作戦の成功率が果たしてどれだけあると言うのだろうか。
前に神大佐から作戦を聞かされた時は、冗談かと思った位だ。
しかし当の神大佐はと言うと、自信に満ちた表情で作業に取り組んでいた。
拝啓 猛虎☆全勝様
今年最後の連載お疲れ様です。
去年の冬コミに続く夏コミの出展、スレッドの建て直しがあり。
他自分自身も色々お世話になる事がありました。
来年も更なる躍進を期待してこのスレを見て行きたい所存です。
最近は文章もおかしくなっており、ボロボロの状態ですが、
何とかサイドストーリー・レイテ編を書いて行きたいつもりであります。
今年残り僅かになってようやく年内最後の更新に漕ぎ着けました。
滞りがちで皆様本当に申し訳御座いませんm(__)m
それでは良いお年を。
新年age
44 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/01/08(月) 14:19:55 ID:2ZxqjP2g
45 :
猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2007/01/08(月) 22:36:40 ID:cfKEcxly BE:59886645-2BP(3354)
新年明けましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。さていよいよ第三部も核心へと迫ってまいりました。
コミックマーケット72のコピー本配布も予定しています。今年は受かるといいな。
昭和20年横須賀海軍病院 PM09:30
「おねーちゃーん!!!!!」
ヒストリーポインターの光に連動するかのようにクロノクリスタルから立体映像が映し出される。
「リコ!?」
ウォルコットとメアリーを押しのけるようにリコのドアップが映し出される。
「おねーちゃーん!どこにいるのよ〜」
目に涙をいっぱいためて興奮気味にリコが話す。
「み、み、み、みなさーんご無事でしたか?」
リコに頭を押さえつけながらもウォルコットは笑顔を作って5人に手を振っている。
「ちゅ、中佐!?どうして」
突然つながった通信に驚きが隠せない5人。
「リ、リコとりあえず落ちついて・・・・・」
画面にガッチリくっ付いてるリコをミルフィーユが落ち着けメアリーが剥がそうとしている。
数分後・・・・
「とにかく、皆さんの無事が確認できただけでもよかったですよ。今いる世界は昭和20年4月6日ですね」
「ところで中佐、どうやって通信なさってますの?」
「はい、皆さんの元にシャープシューターが届いたと思いますが・・・」
「はい、確かに届きましたが?」
「あれはトランスバール皇国軍が開発した新兵器を利用したものなのですよ。しかしその衝撃で壊れてしまいまして・・・・」
ウォルコットは申し訳なさそうに話す。
「この通信は何とか復旧した時間軸装置をベースにクロノクリスタルに連動させているのですが本星の電力54%使用しています」
「え〜ということは市内大停電じゃないですか?大丈夫なんですか中佐?」
ノーマッドが口を挟むとウォルコットが青くなっていた。
「特別措置ということで皆さんの夏のボーナスを・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
無言の怒りのオーラが時空を超えた。
「だーったら用件をてきぱき言うんだよ!早くしてくれ!」
「えー実は帰還のメドがまったくついてなく・・・・現在ツインスター隊が調査に向かっています・・・・・それと・・・」
「早くしてよ!あたしの楽しみが〜!」
「ち、ちとせさんが消滅しました!」
「え・・・・・」
場の空気が凍りついた。
「うそでしょ・・・?」
蘭花が恐る恐る聞き返すがウォルコットが無言で首を横に振った。
46 :
エンジェル風味インフォメーション:2007/01/12(金) 23:54:20 ID:MH0w3Gjd BE:71863564-2BP(3354)
なんか2ch自体がすごい事態になってますね。
まぁ無事を祈りつつも連載分を保管してしまいましたw
さて、タイムリミットは10日あるという事ですがもしもの場合の避難所を確保しておきます。
URLを週明けに決定して皆様にはお知らせするつもりです。
連載の方も一応週明けに予定していましたが一応様子を見る形にしました・・・・・
続きを楽しみにされている方々には本当に申し訳ないのですが・・・・
私自身も2chの無事を祈りつつ動向を見守りたいと思います
47 :
エンジェル風味インフォメーション:2007/01/14(日) 23:28:06 ID:IqUpVarr BE:104800875-2BP(3354)
48 :
名無し陸戦隊:2007/01/15(月) 00:17:44 ID:ekwG0Wpb
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