あの作品のキャラがルイズに召喚されました part276

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?
そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part275
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1273753488/
まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/30(日) 21:51:42 ID:JwGXY8m1
スレ立て乙!!
3名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/30(日) 23:37:47 ID:ceBoFyj/
支障なければ45分から投下開始します。
4ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:45:11 ID:ceBoFyj/
 風は遍在する。
 魔力により自らの分身を作り出す風の呪文。いや、只の分身ではない、それぞれが意志と力を持ち、なおかつ術者によって制御されるのだ。
 ワルドの奥の手であり、得意とする技である。
 一つの“遍在”はトリステインに残り情報を集め、別の“遍在”はフーケと行動を共にしている。
 そして今、ルイズの目を誤魔化すためにヘリキャットを運んだのも遍在である。
 ウェールズの元へと行くと偽った遍在が、ヘリキャットと行動を共にする。その隙に、本体のワルドがウェールズを殺害する。
 誤算は、マウスカーの能力をワルドが知らなかったこと。
 ヘリキャットの能力を聞いていたからこそ、まさか同能力の機体が二つあるとは思っていなかったのだ。
 しかし、これによってワルドの計画が狂ったというわけではない。ルイズを連れて行く方法が、説得から拉致に替わるだけのこと。
どちらにしろ、説得が出来なければ拉致しかないのだ。
 マシンザボーガーに乗ったルイズがデルフリンガー片手にドアをぶち破って現れた直後には、ワルドはそれだけの思考を展開させていた。

「殿下から離れなさい! ワルド!」
「ノックを忘れるとは、君のお転婆は変わらないね、ルイズ」

 慌てず、ワルドはウェールズから離れた。

「ワル……ド、君は……」

 即死でもおかしくはない一撃である。その意味ではさすがに王族と言うべきか、ウェールズは動かなくなった身体でワルドを睨みつけている。

「失礼しました、殿下。アルビオンに関しては、直接手を汚すしかありませんでしたので」

 妙なことを、ワルドは言う。
 アルビオンに関しては、とは。

「しかし、ご安心ください。トリステイン王女も、なんでしたらガリア王もゲルマニア皇帝も、あるいはロマリアの教皇すら、
もしかするとエルフたちも、いずれは貴方の後を追うでしょう。それがどこだかは存じませんが、死後の世界とやらでお待ちください」
「なに……を」

 トリステイン王女とワルドが告げた瞬間、ウェールズの目が厳しくなった。すなわちそれは、アンリエッタ姫のことである。

「なに、貴方達には知らずとも良いことです、いや、貴方達が知らずを決め込んだのですよ。一人の女性を代償にね」
「しら……」
「そろそろ黙ってはどうです、偽善の舌でも少しは疲れるでしょう」
「ワルド!」

 再び叫んだのは、ルイズであった。

「黙るのはあんたよ!」
5ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:45:56 ID:ceBoFyj/
 マシンザボーガーから飛び降り、インコムを掴む。

「ザボーガー! 殿下を……」
「ルイズ」

 命令を途中にしたまま、ルイズの声はザボーガーへと届かない。
 背中に衝撃を受けたルイズは前のめりに倒れかけ、頭を掴まれて強引に振り向かされる。
 もぎ取られたヘルメットは部屋の隅へと投げ捨てられ、ルイズの視界に映ったのはワルドの笑み。
 ワルドの“遍在”が、ルイズからヘルメットを奪い。放り捨てたのだ。
 その瞬間ガンダールヴとしての力すら失われ、一気に重みを増したデルフリンガーはーがルイズの手から滑り落ちる。
 視界の左に見たのはワルドの右腕。それは急速に接近し。

「寝てろっ」

 加減のない平手打ちがルイズの身体を浮かせた。
 目眩すら起こす衝撃をそのままに、ルイズの身体は飛ばされる。
柔らかい身体は一回だけ床に弾み、壁へと叩きつけられた。

「……あ……う」

 声にならない呻きを堪え、ルイズはそれでも壁に身体を預け、立ち上がろうとする。
 彼女の思考は混乱していたが、揺るぎのないモノが二つ。
立ち上がり、殿下を救わねばならない。ということ。
 ワルドが裏切っていた。ということ。

「僕は寝てろと言ったのだよ」

 自分へと向かって駆け出すワルドの姿を確認しつつ、それでも身体は動かない。逃げるべきだと心の中で悲鳴が上がっても、身体が追いつかない。
 伸びた腕に抑えつけられ、肺の中の空気を全て絞り出すように壁に押しつけられる。
息すら満足に出来ない状態で、身体中の骨が軋むかと思うほどの力で抑えつけられる。
 優しかったはずの許嫁の目は狂的な光をたたえていて、圧倒的な力の差を思い知らされる。

「いいかい。そのまま寝ているんだ。次に目が覚めたとき、君はレコン・キスタに僕と一緒にいるんだ。君は、僕の傍にいればいい。いるだけでいい」

 反抗して勝てるとは思わない。このまま、気絶してしまえば楽だろう。
 ザボーガーへの命令は届かず、ガンダールヴの力も奪われ、残っているのは、鍛えたとはいえワルドには遠く及ばない腕力と、不確かな爆発呪文だけ。
 
 ……嫌だ。
6ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:46:42 ID:ceBoFyj/
 ルイズの中で何かが呟いている。

 ……嫌だ。

 呟きは小さく、儚い。それでも、消えずに呟いている。
ルイズの手が上がる。そこに握られる、タクトの用に細く小さな杖。
 短い呪文。
 弾け飛ぶ“遍在”の肩。
 ゼロと呼ばれるルイズの魔法は必ず失敗する。その失敗は、爆発という現象により現れる。
 今、その爆発はワルドの遍在の肩を爆破した。
 驚愕の表情と共に、かき消える遍在。

「これは、僕に逆らうということでいいのかな」

 衝撃。
 腹が破れた。とルイズが錯覚するほどの衝撃。
 空気を絞り出された喉からの悲鳴は声にならず、身体を二つ折りにしてルイズは崩れ落ちる。
 霞んだ視界に本物のワルドの掌が映り、ルイズは自分の頭が掴まれていると知る。そして今度は床に押しつけられている自分の身体。

「何故逆らう? これ以上は、僕としても女性相手の暴力行為には及びたくはないのだが」

 言葉とは逆に、ルイズへの力に容赦はない。
 それでもルイズは、杖を上げる。
 ワルドが無造作にその腕を掴み、関節を逆に曲げつつ床へとたたきつける。
 明らかな骨折の音。それに重なるルイズの悲鳴。

「いい加減にするんだ。僕には君を殺す気はないんだよ?」

 その言葉が意味するところは明白だった。
 それは決してワルドによる慈悲の言葉などではない。
 死なない限り、どんな加虐もあり得る、と告げているのだ。
 それでももがくルイズから、ワルドは敢えて離れる。

「可愛い我が侭も、度を過ぎれば魅力とはならない。しつこく逆らうのなら、次は足を砕くことにするよ」
7ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:47:26 ID:ceBoFyj/
 こともなげにそう言うと、立ち上がろうとするルイズを、興味深げに見守るワルド。
 ザボーガーのヘルメットはワルドの背後、壁際に転がっている。
今のルイズがどう動くとしても、ワルドをかいくぐってヘルメットを手にすることは不可能だ。
 頼みの綱がウェールズだとしても、彼は既に意識すら混濁して瀕死の状態である。何をすることも出来ないだろう。
 さらに、厳重な人払いをしたこの部屋に人が来るまでにはまだまだ充分な時間がある。
 いや、どちらにしろ、あとわずかの時間で全ては終わるのだ。
 だから、ワルドはルイズを足掻きを見ていた。
 ルイズをこの場から拉致するのは簡単だろう。呪文でも打撃でもいい。どちらでも使って今すぐ意識を刈り取ってやればいい。
 しかし、この場がそれで良くても後がある。どうしても必要なものではないとはいえ、ワルドはルイズの力を欲している。正確には、虚無の血筋を。
 ここでもしルイズを殺してしまっても、トリステインに伝わる虚無が新たに目覚めないという保証はないのだ。
ならば、虚無の力をルイズごと奪ってしまえばいい。
 ルイズが死なない限り、新たな虚無はトリステインには生まれない。
 トリステインに一つ。ガリアに一つ。アルビオンに一つ。ロマリアに一つ。始祖の血筋を今に残す四つの国に一つずつ。
 ガリアの虚無は国王自身。アルビオンの虚無は大方の予想がついている。そうなれば残るはロマリア一つなのだ。
ここでトリステインの虚無を不明なものとする必要など無い。
ワルドはルイズを殺さない。だからと言ってまともに生かす気もない。
 自ら歩いて従ってくれるならば、それに越したことはないというだけのことだ。
 だからこそ、抵抗の意思は徹底的に砕く。
 立ち上がらせ、再び地に叩きつける。それが何度であろうとも、おのれの無力をその身体に覚え込ませ、逆らう気力を根こそぎ奪う。

「ああ、可愛らしい僕のルイズ、どうしてそんなに逆らうんだい」

 何故自ら苦しみを求めるのか、とワルドは問う。
 倒れてしまえば楽になれる。
 目が覚めれば、新しい世界にいるだろう。
 ルイズの無力を嘲る国に、何故忠誠を誓うのか。
 自分ならば、君の力を認めよう。君の本当の力を。
 偽善と口舌と保身にのみ長けた貴族達には決して理解できぬ君の力を。

「何故?」

 ルイズは尋ねていた。

「トリステインは、貴方の生まれた国でしょう?」

 それは、ワルドが愛していた人の国でもある。

「貴方のお母様の愛していた国でしょう? 貴方が大好きだったお母様が、トリステインを裏切ることを許すと思うの!?」
「国は母を愛さなかった」
8ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:48:13 ID:ceBoFyj/
 冷たい言葉。それは、これまでとは明らかに違う感情を映す言葉。
 そのトリガーは、ルイズの言葉だった。
 ルイズは知らない。
 今この瞬間、ルイズはワルドのスイッチを入れたのだと。

「貴様もか!」

 先ほどまではルイズを「君」と呼んでいたワルドの言葉遣いが変わる。

「そうか。やはり貴様も、あの女の血筋という訳か!」

 あの女?

「巫山戯るなッ! 貴様らに、僕の母の何がわかるッ!」

 激高している。いや、逆上と言っていいかも知れない。
 チャンスだ、とルイズは考える。
 斜め後ろ、さっきまで立っていた位置、デルフリンガーを取り落とした位置まで一気に下がる。
 折れた右腕が軋むように痛むが、残った左腕でデルフリンガーを拾う。

「どうするつもりかな?」

 ルイズは、叫び出したいのを堪え、ワルドを睨みつけた。
 ワルドは既に、少なくとも表面上は落ち着いて見える。激高は一瞬のことだったのか、それともあれは激高に見せかけた何かだったのか。
そう思わせるほどの豹変ぶりだ。

「左手で構えて、僕と戦えるつもりでもないだろう」

 投げつけ、気を逸らし、一気にヘルメットまで走る。あるいは、逃げる。
 それとも、あの剣にはワルドの知らないマジックアイテムとしての力がある。
 前者ならば、どうと言うことはない。ヘルメットまで行かせるつもりはないし、逃げるとしても閉められている窓も破壊されたドアも自分のいる側だ。
 後者だとしても、呪文をまともに使えないルイズに使いこなせるマジックアイテムなど高が知れている。

「許さない」

 ルイズはこの場に座りこんで意識を手放したくなる欲求とも闘っていた。
 絶対に許せない。
 姫を裏切ったこと。
 ウェールズ様をその手にかけたこと。
9ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:48:59 ID:ceBoFyj/
「貴様に許しを請うつもりはない。そして貴様に許しを請われる気ももう無くなった」

 ワルドは一歩進む。

「許しを請う舌すら、貴様に残す気はない。だが命は救ってやろう。命だけを」
「遠慮、するわ」

 不思議とゆっくり、ルイズの左手が上がる。ワルドはただ、その動きを注意していた。
投げられるデルフリンガー。
 ワルドは嘲笑を隠そうともせず、そして剣を避けようともせず。痛恨のミスを悔やむようなルイズの顔を見ていた。
それでもルイズは、投げると同時にワルドに背を向けて走り出した。

「ははっ、ルイズ。みっともないなぁ。名門の娘が、ヴァリエールの娘が、あの女の娘が、ずいぶんとみっともないじゃないかぁ!」

 歓喜の雄叫びすら上げかねない気色で、ワルドはゆっくりとルイズを追う。
 しかしワルドは、このとき気付くべきだったのだ。
 ルイズの投擲が正確だったことに。
 宙に放られたのではなく、床を滑った軌跡の先に。

「ザボーガー! ぶち当てちまえっ!!」

 ルイズではない。ましてや、ウェールズですら。
 その叫びに気付いたワルドが振り向いた瞬間、マシンザボーガーが正面に迫っていた。
 重量と速度を保った衝撃に、ワルドはもんどり打って床に叩き付けられる。

「電人ザボーガー! GO!」

 それでも咄嗟に起きあがったワルドの前には、ルイズを背後に庇って立ち上がったザボーガーの勇姿。
 そしてワルドは見る。
 壁に転がるヘルメットと、その横に辿り着いたインテリジェンスソード・デルフリンガーの姿。

「嬢ちゃんを守れよっ! ブーメランカッター!」

 呪文詠唱が間に合わない、と見て取ったワルドは咄嗟に杖で身もまもる。
 何十にも固定化のかけられた杖は辛うじてブーメランカッターの軌跡を逸らすが、カッターは左右一対のものだ。
 あえて時間差で投じられた二つ目のカッターが、ワルドの左腕を切断する。
 苦悶の声を抑え、ワルドは叫んだ。

「馬鹿な、ザボーガーはルイズの命令で動くんじゃなかったのか!」
「なーに、俺は特別でね」
10ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:49:43 ID:ceBoFyj/
 ガンダールヴの大剣としてのデルフリンガーだからこそ、である。

「さて、嬢ちゃんにここまでやっておいて、逃げられるとは思ってねえよな?」
「いいや。思っているさ」

 衝撃。今度は人体ではない、城全体への衝撃である。
 衝撃が終わるに合わせたように、殆ど同時に駆け込んでくる二人の伝令官。

「殿下! 王が何者かに……」
「レコン・キスタの奇襲……」

 駆け込んできた二人の言葉が途中で消える。
 ルイズの目も自然そちらへと向いた。

「チェーンパンチ!」

 デルフリンガーの追撃命令も虚しく、その瞬間にワルドは窓を破り身を投げる。
 飛び去っていく姿に目を向けるルイズは、すぐに伝令に呼びかけた。

「水のメイジを! 殿下が暗殺者の刃を受けました!」

 確実に増えていく砲撃の音。駆け込んでくる水メイジ。
ルイズはその様子を見ながら、意識を手放しかけては立て直す。ここで気絶しては、確実に足手まといとなる。
避難するとしても、自分の足でなければならない。
 なんとかヘルメットを被ると、ガンタールヴの力でかなり意識がはっきりとしてきた。
 駆けつけたウェールズの侍従に呼ばれると、小さな箱を手渡される。左手だけで受け取れる程度の大きさだ。

「レコン・キスタにむざと渡すよりも、貴方に預けたいとの殿下のお言葉です」
「これは?」
「風のルビー、そして始祖のオルゴール。わがアルビオンに伝わる秘宝です」

 時間がないのだ。
 ルイズは頷いた。

「必ずトリステインに持ち帰り、アンリエッタ姫にお渡しします」
「ならば、お急ぎください。イーグル号が緊急出航します」

 砲撃音はますます苛烈を増していた。
 さらに、耳を澄ませば軍馬と刃の音、悲鳴と怒号すら聞こえてくる。
 今からですら、港へ間に合うかどうか。
11ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:50:32 ID:ceBoFyj/
「こちらへ」

 侍従が部屋を出た瞬間、これまでで最も近い砲撃音。思わず顔を伏せたルイズが次に顔を上げたとき、侍従のいたはずの場所は瓦礫で埋もれていた。

「船は出させろ! 残った連中を追え!」

 そして扉の向こうから聞こえる声に、ルイズは吹っ切れたように笑うと、デルフリンガーを左手に構えた。

「デルフ、私たちも行きましょうか」
「ああ、最後まで使ってくれるのかい、嬉しいねえ」
「ザボーガーも一緒よ」
「なあ嬢ちゃん」
「なに?」
「あんた、立派な貴族だよ。誰がなんて言ったって、この俺が認めてやる。俺が認めるんだ、ブリミルのお墨付きだぜ?」

 ルイズはまた笑った。

「お墨付きなんて要らないわ。貴方が認めてくれたんなら」
「俺で良いのか?」
「誰か一人、そして自分。それだけに認めてもらえば、私は貴族でいられるから」
「こりゃおでれーた。あと、ありがとよ」
「何で貴方がお礼言うのよ」
「一本とか一振りじゃなくて一人なんて言われたのは、覚えてる限り初めてだ」
「ロクな使い手がいなかったのね」

 デルフが笑う。
 老侍従は無言で最敬礼していた。

「さあ、行くわよ、ザボーガー」

 一人と一振りと一台は、笑いながら一歩を踏み出し……
 つまずく。

「貴方がぐだぐだしてなければもっと早くついたのよ」
「僕がいなきゃ、ヴェルダンデだっていなかったんだよ?」
「間に合った」
「お願いだから、こんな所でケンカしないで。戦場よ? 戦場なのよ。ここ」
「えっと……」

 四つんばいになって振り向いたルイズが見たのは、床を突き破って現れた巨大モグラと知り合い四人。
 何故か言い争っているキュルケとギーシュ。誇らしげに立っているタバサ。おろおろしているモンモランシーだった。
12ゼロと電流 第十五話:2010/05/30(日) 23:51:35 ID:ceBoFyj/
以上、お粗末様でした。
次回はシエスタサイド、レコン・キスタサイドかなと。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/31(月) 11:53:53 ID:aG64m6UE
乙ー
14名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/31(月) 12:29:47 ID:QQSH32Pf
GJ! やった! 信じてた甲斐があった!!
ルイズが立ち直ったぞー!!
15虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:28:24 ID:Qq3pt3Ji
6話タイトルと少し離れた内容なので 
5話と6話の幕間といったあつかいで授業風景を投下します。
16虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:29:12 ID:Qq3pt3Ji

 * * *

エドワードはコルベールの研究室を後にすると着替えるまもなく、
ルイズに授業への同行を命じられた。
それと同時に、ギーシュとの騒ぎで使い物にならなくなった右腕の義手を戻す為に、
丁度次の授業を担当するミス・シュヴルーズの部屋へと赴く。
エドワードは実質初めて顔をあわせる事になるシュヴルーズは、紫のローブに身を包む
なんとも優しげな雰囲気のふくよかな中年女性であった。
柔らかな物腰に、厳しい表情を浮かべて、朝方の騒動についてルイズをこってり説教するものの
魔法のかけ直しについては特に咎めずに快く承諾してくれた。
学院に数人いる「土」の教職メイジの中から選ばれ、
実技はともかく、座学の成績トップクラスで努力家と評判のルイズに、
頼りにされた事に気をよくしたのだろう。

シュヴルーズは、あくまでエドは使い魔であるという態度をくずさず、
エドの不始末に関しても、その主人であるルイズに全ての責があると一貫した態度だった。
エドワードは直接話しかけられることはなく、物のように扱われることにムッとしたが、
変に喰ってかかって機嫌を損ねられても困るため、黙って大人しくしていることにした。
正直ギーシュ達のように頭ごなしに見下してくる奴らの相手をするよりも楽だった。
自分のココでの立場はそういうものだと、エドワードが半ば納得していた。
大きな目標の前に、些細なことなど気にしていられない。
向うでも、軍の狗だなんだと後ろ指さされる事もあったなと、少し昔をおもいだした。
だが背丈のことを馬鹿にされたり、理屈も道理もない理不尽な振る舞いを目の前でされれば、
黙って済ませるられる自信は、相変わらずないが。

「ミス・ヴァリエール。自分の使い魔の管理は、しっかりしないとダメですよ?
 貴女はただでさえ、変わった使い魔を召喚したのですから。それにしても変ね。
 少し暴れたからって、簡単に解けてしまうほど、生半可にかけてないのだけれど」

首を傾げながら杖を振るうシュヴルーズ、ルイズはエドを横目に睨みつけながらも、
すみませんでしたと、しきりに頭を下げていた。
こりゃ昼飯も抜きにされるかもなと内心溜息をつくエドワードだった。

 * * *

無事右腕の調整も終り、ついでに借りた服も直してもらい。
エドワード達はシュヴルーズの後について、魔法学院の教室の一つにやってきた。
中央政府の議会堂のように天井の高いホールだった。
講義をおこなう教員が一番下に陣取り、どこから孤を描き階段状に
掘り出された石造りの机が並んでいる。
ルイズとエドワードが教室に入ると、先に集まっていた生徒達の視線が一斉に集まる。
あれだけの騒動を引き起こした後だ、好奇な視線にさらされるのはさもありなん。
しかし見られることへの煩わしさよりも、エドワードは生徒達の連れている使い魔たちの
バリエーションの多さに目を丸くした。
そんななかに、朝、ルイズの部屋の前で出会ったキュルケもみつける。
男子生徒をはべらしながら、エドと視線があえば軽くウィンクをよこしてきた。
キュルケ周りの男共がよこす視線が鋭くなったがあえて無視する。

「おー、食堂脇の広間で餌待ってるのは見たが、こうも集まって近くで見れば壮観だ」

あれはなんだ、これはなんだとしきりに聞くエドワードにたいして、
ルイズは不機嫌な声で答えながらあいていた一番前の席に座る。
エドワードもその隣の席に座ろうとすると「使い魔は座るな、ココはメイジの席」
とのお達しだった。
しぶしぶルイズが座った席の隣、階段になった通路にデンとぶっきらぼうに座り込む。
そうこうしているうちにシュヴルーズが教壇にたつ。
17虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:33:15 ID:Qq3pt3Ji
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。この赤土のシュヴルーズ、
こうやって春の新学期に、様々な使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ」
ルイズはつんとすまして座っていた。
「中でも一段と変わった使い魔を召喚しましたね。ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズがエドワードを見て改めて言うと、教室中がざわざわと噂でざわめく
そんななか、空気を読めない一人の男子生徒が声を張り上げる。
朝の出来事を見逃したたちらしい。

「ゼロのルイズ!召喚できないからって、その辺歩いていた平民をつれてくるなよ!」
ルイズはは?っという顔をして、声を上げた男子生徒を一瞥する。
「な、なんだよ!サモンサーヴァントできなかったんだろ?正直に弁解しろよ!」
教室中が噂を知らないのかこのアホはという微妙な空気に包まれる。
「エド、ちょっと風っぴきのマリコルヌに挨拶してきなさいな」
「かぜっぴきだと?俺は風上のマリコルヌだ!」
立ち上がってがらがらと濁った声で騒ぐ太っちょなマリコルヌを遠目に見ながら、
めんどくさいなとエドワードは憮然とした顔でルイズに抗議するものの
視線で一蹴された、さっきの誓いはどうしたと。
エドワードは迷惑かけた手前、「仕方ないな、ご主人様の命令だし」としぶしぶ立ち上がる。

その瞬間教室の中が騒然となった。
「マリコルヌ、おまえあの平民がギーシュをのしたこと知らないのか?」
「おいおい、第二戦がみられるのか?あれの義手には剣が仕込まれてるらしいぞ!」
口々にざわめく生徒たちに、マリコルヌの顔色が悪くなる。
エドはルイズの面目を保つのに協力するのも悪くないかと少し調子に乗ってみた。
立ち上がりざま軽業師も真っ青な身のこなしで、生徒たちの頭上を飛び越えると
あっという間にマリコルヌの目の前まで間合いを詰める。
右手の義手をマリコルヌの肩の上にポンと置きながら、にこやかに微笑んだ
「かぜっぴきのマリコルヌ?俺はルイズの使い魔で東方からきた
 『エルフ狩り』のエドワードだ。まあ仲良くシュヴルーズ先生の授業黙って受けようぜ。
 おれも魔法の授業って興味あるんだ。これ以上邪魔するなよ、な?」
コルベールのヴェストリ広場の口上を一部使わせてもらい、耳元でドスを聞かせて言ってみる。

「は、はい。そうする」
ビビッたマリコルヌは、こくこくと頷きながら席に着席した。
コレでいいか?とマリコルヌの隣の通路に座り込みながらルイズを振り返るエドワード。
ルイズはうんうんと満足そうに頷くと、手を上げて教壇にむかって発言した。
「ミス・シュヴルーズ、静かになったので授業を続けてください」

場を治めようと杖を振り上げたまま、ぽかんと口を開けていたシュヴルーズが、
こほんと咳払いしながら気を取り直し、教師としての体裁を保つ為
口頭でルイズとマリコルヌの二人に「友達の悪口はいけません」と注意しつつ、
何事もなかったように粛々と授業を始める。
噂で聞いたよりも見事なエドワードの動きに、シュヴルーズを始めとした
そこにいた全員が肝を冷やした様子だった。

授業内容は、石ころを別の金属に変化させるという『練金』の魔法実習だった。
シュヴルーズは生徒達に復習がてら質問を交えながら講義を進めていく。

ときたまドットやラインなど意味がわからな単語があると、
エドワードはとなりのマリコルヌをせっついて解説させ。
魔法の理論を錬金術、果ては自分で『練成術』と命名してた新たな可能性につけ加えていく。
頭のなかで練成陣に、土系統特有のルーンを組み込みながら、術式を組み替える。

魔法が精神の力をつかって、法則を捻じ曲げ、改変した結果を世界に固定する技術ならば、
錬金術は世界の仕組みを理解し、法則にのっとって構成する物質を分解、再構築する技術だ。
18虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:37:12 ID:Qq3pt3Ji
こちらで錬金術が使えない大きな理由が二つあると、エドワードは考える。
一つは世界法則に『精霊』という新たな要因が加わったことで、
エドの世界のように一つの基本法則で表せないほどの物質変化が生じ、
錬金術で最も重要になる『理解』が出来ないことで術そのものが発動しないこと。

もう一つは錬金術を発動するために、法則にのっとり分解と再構築の術式を書き込んだ
練成陣に流し込むエネルギーそのものを、供給できないことだ。

父ホーエンハイムの言葉を借りるならば、練金術師は精神の狭間にあるという小さな
『真理の扉』を精神力を消費して開くことで、この世界とつながり、
寿命を全うせず死んだ命の塊である精霊を、エネルギー源としているという。
しかしこちら側で仮に扉を開いても、向こう側よりもエネルギー密度が高いため
、引き出すどころか逆流して、向う側へ漏れ出してしまうのだ。

こちら側のメイジたちが錬金術に似た『魔法』が使える理由に。
ホーエンハイムは、この世界に満ちたエネルギーを単独で集め、
精神力に比例した分だけ、体内に溜め込んでおける特異体質の人間が
メイジであるとの仮説をたてていた。
その体質は、血統や遺伝などでのみ引き継がれるため、
メイジはこの世界に順応して進化した人間なのだというのだ。
そうなればこんな絶対的な貴族支配が続くのも、説明がつく。

それらを踏まえてエドワードは、魔法と錬金術の中間をなすものとして
『練成術』なるものを定義した。
今まさにシュヴルーズが講義している『練金』という土系統の初歩魔法とごっちゃになるため、
錬金術の延長とあえて言わず、練成陣から単語を拾って新たに命名しなおしたのだ。

改めて言えば、練成術の基本定義はすなわち、
魔法構造を理解し、それを使って複雑に変化する世界法則を単純・固定化、
固定した法則にしたがって錬金術を行使、分解と再構築を行う、ただそれだけだ。

言うだけなら簡単だが。
魔法の理解度はそのまま消費するエネルギーの増減に影響し、
法則を固定する術式の完成度は、練成陣が処理できる質量限界を決定付ける。

また世界に満ちたエネルギーを取り込み蓄えられる特殊体質ではないエドワードは、
練成術のエネルギー供給源を、練成する物体そのもの、
もしくは練成陣を書き込む触媒にかかっている魔法の力から引き出そうと考えたのだ。
ゆえに新たな限界として、触媒及び、練成材料にかかっている魔法の力の強さが、
練成術の使用回数制限であり、術の効果限界そのものとなるのだ。

制限にがんじがらめながら、使えないよりましと、
エドワードは熱心にシュヴルーズの講義を吸収していった。
その場にいる生徒たちの誰よりも熱心で、周囲は呆気にとられる程だった。

「このように、火、水、土、風、そして今は失われた系統である虚無をあわせて全部で5つ。
 その中で土系統は万物の組成を司ります。重要な金属をつくりだし、加工し、時に巨石を
 切り出して建物をたてる、農作業の収穫にも影響を及ぼします。こうして土系統は、
 皆さんの生活に最も密接に関わっているのです。」
(こりゃほんと錬金術と変わらん。もともと同じ原理から出来てる可能性もあるかもなぁ)
19虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:41:07 ID:Qq3pt3Ji
「では今から皆さんに土系統の基本、練金の魔法のさらなる研磨を行ってもらいます。
 重要なのはイメージです。生成する明確なイメージを持っていれば、こうして空中を漂う
 塵や埃からでも土塊や石を作り出し、さらに高度な金属へと変化せしめることも可能なのです。
 私は土のトライアングルメイジですので、塵から真鋳までが限度ですが、
 皆さんが努力を続け、将来才能を開花させスクェアレベルに達することができれば
 完全なる金属とも言われる『黄金』の生成も夢ではありません。では……」

杖を振って空中から教壇の上に石ころを造りだしながら、
シュヴルーズが生徒達を見渡し、ふと目が留まった一人を指名する。
「ミス・ヴァリエール、前に出てきてここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」
それをきいた教室中の生徒達が、エドの身のこなしを目の当たりにした時よりも騒然となる。
「先生、やめといたほうがいいと思います。危険です」
生徒一同の意見をまとめた形で、キュルケがすらりと立ち上がると、
シュヴルーズへ神妙な顔で忠告した。
「危険?どうしてですか?ミス・ヴァリエールは努力家と聞いてます。さあ、前に出てきて
 やってごらんなさい。失敗を恐れていては、上達などありえませんよ」
困ったように、なにやらもじもじしていたルイズに対して、
蒼白になったキュルケが「やめて、お願いだから」と顔を向けるも、
反対に火に油を注いでしまう。
「やります」
ルイズは眉をつりあげ立ち上がると、つかつかシュヴルーズのもとへと歩いていった。
そんな様子に、前の席に座っていたほかの生徒たちが椅子の下に一斉に避難する。

「なぁエドワードさん!主を止めてくれ!まじやばいって」
椅子の下で頭を抱えているマリコルヌが、
何事かと通路に座りながら見回すエドワードに懇願してくる。
ふと周りの反応と、こちらがわに召喚されてからの出来事が一本の線で繋がる。
召喚された場所がなぜ窪みだらけだったのか、朝激昂したルイズが杖を片手に振り回しただけで、目の前で空気が炸裂したのか、魔法成功率限りなく0パーセント……
「あー、もしかしてボカンっと?」
こくこくと蒼白になりながら首降り人形と化すマリコルヌを余所に、頭をかくエドワード
「わりぃ、俺じゃ無理だは。ルイズはああなると梃子として持論を曲げねぇ。
 短い付き合いだがそれだけは確か」

そんな外野の様子を気にもせず、ルイズはすごい集中力で呪文を唱えていく。
座学の成績トップクラス、おまけに努力家、その所作や発音は完璧なものだ。
なぜこの生徒が実技で落ちこぼれなのかと、シュヴルーズが首を傾げるほどに
そして、ルイズの練金の魔法が完成する。
振り上げた杖が、教壇の石ころに向かって振り下ろされる。

教室の生徒達が目を瞑り、後からくる衝撃に備えようとした瞬間。
エドワードはポケットから取り出した、コルベールの研究室から拝借してきたチョークを手に
床にルーンを加えて構築したばかりの『土の練成陣』をカツカツと素早く書き上げると。
これまた拝借してきたゴーレムの核として使われる『土石』の欠けらを陣の中心に転がす。
チョークを放り、陣に片手を添えて起動させれば
青白い電光が生徒達の足下を細く駆け抜け、ルイズの方へと伸びていった。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 03:43:15 ID:8vCKjMHA
しえん
21虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:45:48 ID:Qq3pt3Ji
教壇の上で混じりあうルイズの魔法の輝きと練成陣から伸びた閃き
石ころは数秒かけて見守るシュヴルーズの目の前で黄金の輝きを帯び始める。
なかなか炸裂しない石ころに、机の影に隠れていた生徒達がちらほら顔をのぞかせる。
いまだバチバチと帯電するかのように閃く教壇の上で、エドの練成術がルイズの魔法の力を
物質変換のエネルギーへと変換していく。
しかし反応は収まることなく、いずれ光の球となって膨らみ始めた。
エドワードは目をまん丸に見開いて、予想しない反応に
あわてて練成陣を消そうとするが間に合わない。
石を術式どおり変換しきってもなお暴れるルイズの魔力が、練成陣へと逆流し
バシュッと陣を描いた床がひび割れ弾けとんだ。
それと同時に抑えるものがなくなり、いっきに解放される魔力。
ポフンっと軽い音と同時に黒煙が教室内を飲み込むように一気に噴出した。
衝撃はかなり削り取られていたとしても、
炸裂地点近くにいたルイズとシュヴルーズは衝撃を受けて吹き飛ばされる。
珍しい反応にまじまじと近くに顔を寄せていたシュヴルーズはモロにあおりを受け
悲鳴と黒板に叩きつけられる音が響いた。
視界が閉ざされた中で主人と使い魔たちがパニックに陥って暴れまわり、逃げ惑う。
「やられた!タイムラグで油断してるところをやられた!」
「だから言ったのよ!あいつにやられるなって!」
「もう!ヴァリエールは退学にしてくれよ!!」
「ぎゃぁ俺の使い魔喰った使い魔がいる!!」

風系統の生徒たちにより黒煙が外へと押しやられ、視界が開けたころには、
全てが煤まみれの悲惨な惨状を呈する教室と、気絶してピクピク痙攣するシュヴルーズの姿が
小さなクレーターとなった爆心地に取り残されていた。
なれたものである、煤だらけの真っ黒な顔、ところどころ破れている制服、
ルイズはそんな状態でもむくりと立ち上がり一言
「ちょっと、失敗したみたいね」
使い魔の気を静めてやれやれとへたり込む生徒達の叫びが、幾重にも重なって土の塔に響いた。
「ちょっとじゃないだろ!ゼロのルイズ!!」

その後、午前中の授業は全て中止になった。

 * * *

真っ黒な煤がこびりつき、あちこち壊れた机や椅子が転がり、
窓ガラスが割れて床に散らばる教室で
ルイズとエドワードは後片付けをしていた。
あの後教室を出て行く生徒たちから、ルイズは口々に罵倒され、
使い魔との出来の違いを引き合いに出されからかわれた。
「ゼロのルイズ、使い魔金の力で雇ったんだろ、そこまでして誤魔化したいか」
「さっさと実家に帰れよ、このメイジの面汚し!!ほんとに公爵家の三女かよ」
涙を必死にこらえ、もくもくと片づけをするルイズの姿が、
エドワードは不憫でならなかった。
22虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:48:58 ID:Qq3pt3Ji
人気がなくなり、ひっそりとする教室の中で
ルイズがポツリと口を開いた
「あのね、わたしね、立派な一人前のメイジになるのが夢なの。
 別に強力な魔法を使えなくてもいい、ただ呪文をきちんと使いこなせるようになりたいの。
 でもどんなに勉強しても、どんなに呪文を間違いなく詠唱しても、いつもこうなの。
 自分の得意な系統さえ解らない。どんな呪文をとなえても失敗ばかり
 何で爆発するのか、誰も説明できなかった。
 お父様には、私の努力が足らないからっていつも叱られたわ」

エドワードは黙って片付けながら、頷くでもなく、見つめ返すでもなく、
ルイズの言葉をただ静かに聴いていた。

「小さい頃から、わたし、ダメだって、ダメな子だって言われてた。
 お父様も、お母様も、わたしに何も期待してない。クラスメイトにも馬鹿にされて。
 ゼロゼロって言われて……ほんと才能ないんだわ。得意な系統なんて存在しなのよ。
 でも、わたし、せめて皆が出来る事を普通に出来るようになりたい。
 じゃないとわたし、自分が好きになれない、そんな気がするの」

がさごそとエドワードは気にしないかのように爆心地付近を這いずって煤を払っている。

「魔法無しでギーシュに勝っちゃうような貴方には、笑っちゃう話、よね。
 ごめんねこんな主人で、別にわたしのことなんて気にせず出てってもいいから。
 エドみたいな使い魔、私に持つ資格なんて、ないわ」
ふと顔を上げたエドワードが、ルイズを怒ったような顔で睨んできた。
そして、歩みよりながら口を開く。
「なぁ、おれがギーシュと一悶着あったとき言ったよな。
 ルイズのように、持った力、鞘にしまいきれるぐらいに自分を磨けよって」
「え?」
「ルイズ、お前は自分がおもってる以上に、すげえ奴なんだぞ。
 お前のなかにはとんでもない才能と可能性が眠ってるんだ。
 今はまだその引き出し方がわかってないだけさ」
「嘘よ……使い魔になるって服従ちかったからって、
 おべっか使って励まさなくてもいいわ、もっと惨めになる……。」
「だから最後まで聞けって!まずはコレをみろ」
つかつかと寄ってきたエドワードが、肩を落として倒れた机にもたれかかるルイズの腕を掴み
手を開かせ、そこに何か冷たく重い物を握らせる。

おそるおそる手を開いたルイズは、目を見開いた。
「それ、お前の魔法の力が作り出したんだぞ、あの石ころから」
キラキラと光る一欠けらの黄金が、ルイズの手のひらに乗っていた。
「嘘よ!私知ってるんだから、皆の影から、エドが何かしてるのを、
 錬金術で造ったんでしょ!」
「確かに内緒でちょっかいだそうとしたさ、土の練成陣の試作もかねてな。
 でもな、今の俺の力じゃこのシュヴルーズ先生が義手にかけた魔法の力を全てつかったって
 ただの石ころを鉄くずに還ることが精一杯なんだよ。
 それが、お前の魔力を取り込んだ練成陣は、黄金を作り出しても衰えず
 抑えきれずに弾け飛んじまった。ルイズの魔法の力が、俺の想像した以上に強力すぎてな。
 魔法にも同じことが言える。いまあるどんな呪文でも、お前の強すぎる魔力に耐えれねぇ。
 余剰魔力が本来の効果を浮き消して、呪文ごと弾け飛ばしてちまう。
 リバウンドの爆裂にすべて変換されちまってるんだよ!」
「知らない!何言ってるかわからない!」
「だぁら信じろよ!お前の使い魔を、そんで自分をよ!!無理だってんなら、
 今証明してやる!自分の作り出した黄金に、もう一回練金かけて見ろ!思いっきりな。
 俺が全力でその力を押さえ込んで、お前にとっての奇跡っての見せてやる!!」
エドワードは声を張り上げながら、パンッ手を打ち鳴らし、ルイズの肩に両手を置いた。
ブアッと二人を包むようにつむじ風が巻き起こり、
足下の煤が位置を変えて『土の練成陣』を描き出す。
23虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:53:33 ID:Qq3pt3Ji
「し、知らないからね!吹き飛んで、ぺちゃんこになったって!!」
「おうその意気だ。いつもどおりがつんと来い!ルイズ」
勢いに任せて、ルイズは半ばやけに呪文を詠唱し始める。
右手に取り出した杖を振り、左手の上に乗せた黄金へ魔力を込める。
バシッと静電池が黄金から、足下の練成陣へと走る。
そしてポフンっと黄金が煙に消えると、
黒く汚れて、ただでさえ暗く見える教室が真っ白に染まった。
ビックリして下を見れば、複雑に組まれた陣がくるくると回転し、
幾重にもあまれたルーンが刻々と移り変わりながら眩く輝いていた。
肩に手を置いたエドが、苦しそうに眉根をよせて必死に異界の言葉を口づさむ。
エドの脳内は膨大な計算と構築式の処理で悲鳴を上げていた。
とんでもない魔力だった、それを細かく分けて、適切な術式回路へと割り振っていく。
陣から幾重にも伸びた青白い閃きが、壊れた机やガラスを元に戻し、ひび割れた床を塞ぎ
煤で汚れた教室中を元通りにしていく、いや元通りを通り越して、
幾日も丁寧に磨き上げたような艶や輝きを放っていた。

全ての術式を終了し、まだ体中を駆け巡る熱い魔力の名残に酔いながら、
エドワードは最後に光の粒となって消し飛んだ、練成陣の名残の残る床の上にへたりこんだ。
「疲れた、なんつうもん内側にかかえてるんだよ。ルイズ。よく平気な顔してられんな、本当」
へろへろと、感嘆の言葉を吐き出すエドワードに答えず、
ルイズは目の前で起こったことが信じられないといった面持ちで、ゆっくりと首をめぐらせ、
はふぅっと息を吐く、夢見心地でポツリとつぶやいた。
「これ、ほんとに私の力で?」
「紛れもなくお前の中に眠ってる魔法の力だ、そいつを制御するのは骨が折れたぞ、
 こりゃ相当高密度のルーンでもって処理しないと、絶対リバウンドするは、
 普通のメイジが物質を構成する粒を操作するレベルのところを、ルイズの魔力は、
 その粒を構成するさらに小さな、それこそ無から有を生み出せるレベルの原初の塵さえ
 操作できちまうかもしれねえ。まあそんな呪文、伝説級の話だろうけどな」

エドワードの説明を聞き流しながら、しばらくぽーっとしていたルイズが、
つやつやと輝く床にねっころがったエドワードに振り向くととんでもない事を口にした。

「エド!私に練成術教えて!自分ひとりでこんなことやってみたいの!」

はへ?っと身を起こしたエドワードは、何を言われたか一瞬理解出来ずにいたが、
だんだん何かを企むような笑みを顔に浮かべる
「それいいな、どうなるかわからねぇが、物は試しだ、その話のったぜ。」

その日から、二人は暇があれば図書館やコルベールの研究室にこもり。
はたまた、人気のないヴェストリの広場で、練成術の特訓と研究に打ち込む姿が目撃された。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 03:55:09 ID:8vCKjMHA
支援
25虚無と真理の狭間で 6話幕間:2010/06/01(火) 03:57:40 ID:Qq3pt3Ji
お粗末さまでした
ほんとがどうかわからない予告
グルグルプチクロスルイズを お送りするかもしれません。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 04:09:45 ID:2/MJlYQo
「失敗しちゃった☆」とか言って奇怪なオブジェを大量生産するのですな乙
27名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 05:00:13 ID:eoAqhLLJ
真理の人乙です。
とても面白い内容でした!
28名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 11:51:56 ID:AXuyDKqT
ルイズ賛美がすごいな
エドとは絶対相性が悪くてもめると思うけど、不満のひとつも抱かないのか
ふたりとも別人だな
29名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 11:52:40 ID:9fuIfkY4
>前スレhttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1273753488/660

                  *     *
              +      +         +
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               ヽ、,;' * ´ ∀ ` * ミ      *      *
           +    ミ   つ と  ミ  *      +
                 ミ        ゙;;     ハ,_,ハ    +
                 ';,        ミ    ,; ´∀`';
                 `:;        ,:'    d゙  c ミ   *
                  U"゙'''~"゙''∪      u''゙"J

         ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
         ┃もっさりさんたちが召喚された! 使い魔になりたそうに ┃  
         ┃こっちを見ている!                       ┃
         ┃                        .           ┃
         ┃使い魔に いれますか?          .  .        ┃
         ┃                             .     ┃
     ┏━━━━┓                               ┃
     ┃ |>はい  ┃━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
     ┃  いいえ.┃
     ┗━━━━┛

を見て書いて見た。

「ハミイー(リングワールド/ラリー・ニーブン、ハヤカワSF)がルイズに召喚されたようです」

(1)
クジン本星、族長狩猟公園。
元外交官にして現在は領地と個人名を持つクジン人貴族ハミイーは、獲物と対峙していた。
地球から輸入されたベンガル虎は、4本の足を地面につけていることとすらりとしていることを除けば体格と言い毛皮の色合いと言い、ハミイーと良く似ている。
少し離れたところで銃を構えて見守っているハミイーの長男が不安げに身じろぎした。
なんたることか、まだ幼いとは言えクジンの戦士たるものが敵前で動揺を見せるとは。
それとも、この俺がたかが虎一頭に負けるとでも思ったのか。もし長男がそう考えたとすれば歴戦の戦士たるこの俺への侮辱である。早めにケリをつけて問いただすとしよう。

ハミイーは爪を剥き出し、ベンガル虎へ向かって跳躍した。
しかし、その爪が虎の毛皮を切り裂くことは無かった。

ハミイーの長男は目をしばたき、この場には自分と虎しかいないことを確認した。
父が獲物へ向かって跳躍したその時、銀色の鏡のようなものが虎の前に現れ、その鏡面に父が飛び込んだように見えた。しかし一瞬のことでよくわからない。
まるで転移ボックスでも使ったように父の姿が消えうせたことは確かであり、そして父が不在となった今、この獲物は自分のものだ。
長男はベンガル虎に銃を向けた。
30オレンジ色の使い魔:2010/06/01(火) 11:55:03 ID:9fuIfkY4
(2)

爆煙が薄れたそこには、オレンジ色の小山があった。
ふわふわもこもこしている。
「……毛皮?」
小山がのそりと動いた。
「虎?でかい猫?」
誰かがつぶやいた。
そう、それは巨大な猫であった。
オレンジ色の、丸々と太った巨大な猫。後ろ足で直立して周囲を見回すその背丈は2メイル半はあろうか。横幅は1メイルそこら。つまり小さめのクマか、先ほどグラモン家の4男が召喚したジャイアントモールに匹敵する大きさ

だ。
地面に横たわっていたときにはオレンジ一色と見えたその毛皮には、あちこちに灰色の不規則な筋が見える。

「ゼロのルイズがでかい猫を召還したぞ!」生徒たちの叫びが響いた。


とっさにルイズは駆け寄る足を止めた。自分の喉に突きつけられたこれは……巨大な猫の長い爪。
「おぬし、なにかよからぬことを考えておるな。何をするつもりだ」
「猫がしゃべった?!」
「け、契約……コントラクト・サーヴァントよ!」
 巨大猫の鋭い視線を浴びたルイズは震えつつ、しかし目を逸らさずに答えた。
「俺はかつて人間の言葉を学んだことがある。『サーヴァント』とは、召使あるいは奴隷と言う意味であったな?」
「め、召使や奴隷ではなくて使い魔……」
 一歩でも動けば鋭い爪が喉をえぐるだろうとルイズは思った。脅しかもしれないが、自分の身で試してみる気にはなれない。
「では使い魔とやらはどういうものだ?」
 この猫は、問答無用で自分をその爪に掛けようとするほどには怒っていないようだ、まだ。
 説明の進め方によっては怒るかもしれない。
 そうなれば自分は、たぶん即死する。
 視界の隅でコルベール先生が杖を構えているのが見える。先生は熟練のメイジだが、その詠唱と猫の爪が閃くのとどちらが早いか?
 それに賭けようとは思わない。
 賭けるなら自分の誇りに。
31オレンジ色の使い魔:2010/06/01(火) 11:55:49 ID:9fuIfkY4
(3)

 ちくちく。

 猫の爪が喉をかすかにつつく。巨体に似合わない繊細な動きに感心したが、そんな場合ではない。

「使い魔はまず、主人つまり私を敵から護る」
「護衛か。それなら自信はあるぞ」
「つぎに、主人が必要とするものを探してくる。薬草とか、いろいろ」
「クジンの戦士に草食いの真似をさせようと言うのか?」
 大猫の目がわずかに細められた。
「3つ、主人の目となり耳となる。使い魔が目にし耳にしたものは、主人も知るところとなる」
「それも条件付で可能だ。さて、それらはおぬしの利益だな。俺にはどのような利益があるのだ?」
「……衣食住を保障する。この、トリステイン貴族たるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが保障するのよ!判ったらこの爪どけなさい!」
「俺も貴族だが、使用人には衣食住に加えて給与を与えているぞ」
 猫の貴族?どこかに猫の国があるのか?周囲でそんな会話が交わされたがルイズはそれどころではなかった。
「使い魔と使用人は違うの!」
「ルイズとやら、おぬしはまだ肝心なことを説明しておらぬ。使い魔契約とやらの期限は?」
「……あんたか私のどちらかが死ぬまで」
 それを聞いて、巨大オレンジ猫は大きく口を開いて笑った。鋭い牙を剥き出しにして。
 その恐ろしい笑顔の意味をルイズは理解できなかったが、周囲にいた使い魔の多くと一部の生徒、そしてコルベールは即座に理解した。
 肉食の使い魔たちは正確に理解し、雑食や草食の使い魔たちも危険を察知した。
 そしてコルベールにとっては、忌わしくも馴染み深いものだった。
 それは殺意の表明だ。

「ミス・ヴァリエール!下がりなさい!」
「手を出さないでください、これは私と使い魔の問題です!」
 ルイズは言い放ったが、その膝は震えていた。しかし、大猫を睨み返すその視線は動かない。
「ほう。恐怖と勇気を知らぬ愚物かと考えかけたところであったが、おぬしには勇気がそなわっておるようだな」
 大猫が笑みを収める。
「ね、猫の国じゃどうか知らないけど、この国では敵前から退かないものを貴族と言うのよ!」
 そう叫び、ルイズははっと声を落とす。
「あんたは私の使い魔、敵じゃないはず。だからこの爪を下げて、契約を受け入れなさい」
 その言葉に、猫の小さな目が周囲を見渡すのがわかった。
32オレンジ色の使い魔:2010/06/01(火) 11:56:50 ID:9fuIfkY4
(4)
「そこの男」
「なんでしょうか」
 ルイズと大猫の対峙を杖を構えたまま見つめていたコルベールが緊張を解かずに答える。
「俺はこの惑星に来るのは初めてでな。文化も風習も知らぬので俺の質問に答えるがよい。まずおぬしらは、転移ゲートを用いてこの俺を誘拐した。これは間違いあるまい?」
「なっ……!」
「静かに、ミス・ヴァリエール。猫どの、誘拐ではなく召喚です」
「俺はいかなる形でも呼び出し状を受け取っておらぬ。本人の同意なく転移を行うのは人間の文化でも誘拐であろうよ」
 その言葉に周囲を取り巻く生徒たちがざわめく。そもそも「使い魔の自由意志」なるものについて考えたことがある生徒は少数派であり、その少数派も使い魔はサモン・サーバントに応じて、自分の意思に基づいてやってくるも

のと考えてきた。
 生徒たちの中には、それぞれの使い魔に不安げな目を向けるものもいた。
「その件については研究不足を認めます。知性を持ち、言語を操る使い魔が召喚された事例は稀です。その中でも、あなたのように反抗を示す事例はこれまで知られていません」
 コルベールが答えると生徒たちのざわめきが収まった。
「では誘拐の罪については留保するとしよう。次に、使い魔契約とやらについて聞こうか。俺が爪をひっこめると、この娘との間に契約が自動成立するのか?」
「そのようなことはありません。契約は主と使い魔……もとい、被召喚者との口付けによって成立します」
「ふむ。先ほどこの娘が言ったことによると、成立した契約を解消するには俺はこの娘を殺せば良いわけだな。さて念のために聞くが、この娘に生じる危険、仮に契約した場合に俺が排除すべき敵とはどの程度のものだ?」
 ルイズの背筋を冷たい汗がつたった。使い魔が主に害をなした話など聞いたこともないが、それはこの反抗的な使い魔にも当てはまるのだろうか?
「ミス・ヴァリエールは学生の身分であり、また公爵家の三女です。……公爵と言う概念はご存知でしょうか?」
「人類の貴族階級については理解しておる。王家の分家に与えられる爵位であったな。つまりこの娘は有力な貴族の一員であり、それ相応の有力な敵を抱えておるわけだな?」
「……将来はわからないけど、今のところ私の命を狙うような人はあんた以外には居ないから、契約を受け入れてもあんたに危険は無いわよ」
 ルイズがそう答えると、大猫は再び笑った。
「大した侮辱だな。おぬしはこの俺を誘拐し、さらに危険に身をさらす特権をも取り上げるというのか」
 笑いを収め、大猫はルイズを見つめて次の言葉を発した。
「気に入ったぞ。俺の爪を突きつけられた状態で挑発を続けるなど、人間ではあのルイス以来だ」
「ルイス?」
「俺がかつて共に旅した人間の男であり、勇者だ」
 言うと大猫は爪を収めた。
 周囲から安堵のため息が漏れる。
「契約を受け入れてくれるの?」
「まだだ。俺はこの惑星についてまだ何も知らぬに等しいのでな」
 そして大猫は傾いた太陽に視線を向けて何事かを呟き、コルベールとルイズへと向き直った。
「俺はハミイー。当面はおぬしらの世話になるとしよう」
 空には、薄く光る二つの月が浮かんでいた。


原作(ノウンスペースシリーズ:ラリー・ニーヴン著、ハヤカワSF文庫)によればクジン人は直立二足歩行する大きな太った猫ですが、耳はコウモリに似ていて尻尾はネズミに似ていると設定されています。
が、インスパイアをくれたAAにあわせて猫耳猫尻尾と思ってください。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 12:30:21 ID:yfn/OVHq
真理というと、ゼフェル先生を思い出す・・・
34名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 12:38:03 ID:Qq3pt3Ji
>>28
不評だったようで、勉強になりました。
ただ、べつに貴方の脳内でエドとルイズがぼろくそに喧嘩してるのはどうでもいいので
表に出したいなら、ぜひSSにして投下して欲しいです。

勘違いされて、他に被害者さんが出る前に一応断っておかないと。
ルイズがアルに似ているという設定で無理おしとおしているので、
もうすでに別人といわれてもしょうがないと思います。
ゼロツカ原作の文や、エドの台詞回しをそのまま使って繋ぎ止めてるのが現状です。
テンプレまんまじゃねぇかとの指摘もあり、その狭間でモチベーション駄々下がりな訳で。
とりあえずフーケまでは別人かも方向に進めてひっこみます。



35名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 12:49:10 ID:RAFjmzPH
なんで燃料を注ぎ込む…
36名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 12:51:52 ID:k91H7/ZG
ジャギ様はおさがりください
37名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 12:52:27 ID:iH9mxSA3
エドと聞くとエド・サンクタムが先に出てくる
38名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 12:58:45 ID:B9RsDuDq
読み応えあっていいと思うけどなー
39名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 13:11:43 ID:4hTEBpiy
煽りですらない感想にいちいち腹立ててたらキリがないよ
あなたの作品は好きだけど、もうちょっと耐性持った方がいい
今後の投稿も期待してるから尚更
40名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 13:12:36 ID:2/MJlYQo
>>34
気にせず自由にやったらいいじゃない。
俺は毎回楽しみにしてるよ。

あと老婆心ながら、
作者として色々発言したり反論したりは極力しない方が角が立ちませんよー
出る杭は打たれる、と言うとちと違う気もしますが。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 13:23:59 ID:VzmYlnYt
>オレンジ色の使い魔

グッド!! 実に俺ごのみだ。
ハヤカワというチョイスが渋くていい。

是非次も書いてくれ。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 13:37:48 ID:ZB91OR1w
>>32
後書き的に小ネタっぽいけど、続きを期待したいぞ。
ところでハヤカワから喚ばれた使い魔ってもしかして初めて?
クァール辺り喚んだらどうなるかな。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 13:44:22 ID:2/MJlYQo
面白いですな。クロス元知りませんけど。

「投下予告なし」で「のっけからやや大きめAA」のコンボがなければもっと良かったです。
44名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 13:45:27 ID:MhN0xG89
 個人的にはまだ読みにくいけどな。
 地の文の頭(段落ごと)に全角空白入れたり、
感嘆符や疑問符の後にも文章が続く際にはやはり全角空白を入れたり、
地の文の変なところで改行を入れると場面転換かと思うので、改行入れる個所を熟考して欲しかったり、
カギ括弧の閉じ前に句読点を入れるのを止めて欲しかったりする。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 14:04:42 ID:zKMwW/64
>>42
ラフィールがっつーか、星界はハヤカワじゃなかったっけ?
46オレンジ色の使い魔:2010/06/01(火) 14:32:25 ID:9fuIfkY4
>>41-43
ありがとうございます。
投稿の作法を無視してしまいました。以後は気をつけます。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 16:34:35 ID:yvZSCgDB
>>45
辺境伯じゃ不満だ、けれど虚無なんて野暮なお仕事はヴァリエールにお似合い、我が名はツェルプストー!
48名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 16:54:35 ID:G+AOI59a
>25
亀レスですが。
アニメの設定だと『十回失敗記念たこたろう』が出てました。グルグルなルイズが作り出してしまう十回失敗記念……何が現れるんだろう。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 17:32:48 ID:jFiHfYKD
>>48
ああ、デビルククリになったやつな。
ところで、グルグルといえばケベスベスがティファニアに召喚されたらいいと思うのだが。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 17:36:21 ID:2YFvatgz
>>49
才人がケベスベスの呪縛を強引に破ってテファの乳を鑑賞してから戦うんですね、わかりますw
51名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 17:45:48 ID:G+AOI59a
キタキタ踊りならぬタルブ踊り……シエスタが学園に来たのは後継者にされるのが嫌だったから、とか。
他に地面とかに陣を描いて術を実行する、魔法とかそれに準じる技術って何が有るだろう。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 17:58:23 ID:jFiHfYKD
>>50
うんうん、ほかカトレアとかキュルケとかもいいなあ。イルククゥも悪くない。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 18:10:33 ID:rXvaANmZ
>>34
似てる扱いに、ちょっと釘宮が可哀想になってきた
演じ分けられてないって言外に語ってるみたいで
54名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 18:20:05 ID:me9WONV7
くぎゅってほとんどツンデレ系しかやら(され)ないのもその一因かもね〜
55名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 18:43:52 ID:q851alpi
初めて知ったのは十二国記の泰麒だったな。
大人しいショタで知る限りでは一番破壊力高かった。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 18:53:17 ID:XjM9POEN
無限ぷちぷちですらツンデレ編だもんな>くぎゅ
…いや、持ってますけどさw
57名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 18:56:09 ID:wFujeP+m
ぴたテンで初めて釘宮を認識した俺は、一体どうすれば……。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 19:01:40 ID:jTfr9YLu
3秒で思い浮かぶのはルイズとタコスぐらいだな
59名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 19:12:37 ID:8gJ25qpc
>>57
それって、あれだったか?
ヒロインの1人だと思ったら、主人公の曽祖母だったという展開のあった・・・・・・
60名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 19:16:54 ID:gW/9/jZk
>>58
麻雀が浸透したハルケギニアか
テファがのどっちを召喚するシーンを幻視した
61名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 19:18:23 ID:wFujeP+m
そう、それ。
今考えてみるとえらい声優陣が豪華なアニメだった。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 19:33:48 ID:dw5exftP
麻雀が浸透したハルケギニア?

使い魔A「御無礼ロンです」
使い魔B「これは爆牌だよ」
使い魔C「あんた、背中が煤けてるぜ」



A「ギーシュさんのトビで終了です。これで30連敗ですね」
B「おい、あと500エキュー足りないよ」
キュルケ「ツェルプストー家が懇意の金融屋を紹介するわ」
ギーシュ「………」
63名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 19:34:08 ID:9V1EHVbs
縦ロール名門お嬢さまと、守備特化魔物しかイメージ無いわ。
ゼロ魔すら、アニメは見てないし。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 20:34:36 ID:eZAAasvN
りせちー
65名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 20:36:28 ID:RyeGqPZI
これは咲-saki-のキャラを呼んで来いとか
66名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 20:41:48 ID:fcXz9tx/
咲、哲、アカギ、竜、ジュンイチローあたりを喚ぶの?
67名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 20:42:41 ID:VzmYlnYt
梨本小鉄を
68名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 20:52:47 ID:gW/9/jZk
>>66
ブリミルが実は鷲頭様
69名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 21:19:28 ID:muUr1BCi
くぎゅって言ったら、りぜるだろうJK
70名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 21:32:53 ID:4zehBdVu
かつては“雀鬼”桜井章一とも互角に打ったツワモノ、銀爺こと鈴木銀一郎先生を。

ギーシュイベントがただのお説教タイムで終わりそうだ。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:07:59 ID:5na8eeMv
映画だけど「戦国自衛隊」の伊庭三尉率いる
陸上自衛隊の小隊を召喚したってのはどうかな? 
最初はどう行動すればいいのか分からなかったけど
ギーシュと戦って 貴族が優遇されるハルケギニアに疑問を持ち
変える為に行動するってな話になりそう 弾薬や補給はコルベール
辺りならなんとか出来そう でも7万人のアルビオン軍との戦いで
映画みたく全滅するって最後を向かえそうだな 

どうでもいいけど召喚した車両はこんな
61式戦車1台 73式小型トラック1台+1/4tトレーラー1台 2/5tトレーラー1台
M3A1装甲車1台 シコルスキーS-62 1機

トリステイン魔法学院の周辺には海がないから 海自の哨戒艇は省いておいた  
72名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:23:34 ID:+XBqP5tY
>>66
御無礼
73名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:26:38 ID:dw5exftP
人鬼とか、ドラ夫とか、爆岡とか
74名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:29:46 ID:4mOhIRac
10年20年のスパンで考えないと近代兵器群の兵站なんて構築できないんでね?
75名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:39:51 ID:SUHJpVNx
麻雀職人の黒沢さんの名前がないぜ
76名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:39:55 ID:dw5exftP
ゼロ戦ならスピードと射程で竜騎士の集団に勝てるがヘリではちょっと…
戦車はヨルムンガンド1、2体には勝てるか
矢や火縄銃くらいならともかく、スクウェア魔法とかには装甲車とか大して役に立たないような気もする
77名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:55:22 ID:AJaU7lOp
そもそも映画より判りやすく整合性取れてる原作小説や漫画版があるのに何故映画版
78名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 00:52:41 ID:uS7JDiJN
弾作りも雷管と加工精度の問題で部隊レベル向けの量産だと
詰みそうな気もするんだけどね、どーなんだろ
79名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 01:24:51 ID:sDQQHDiE
確か一番新しい戦国自衛隊の漫画では1年掛けてその時代の最新鋭を作り上げていたような。

ボウガン。フルメイル。コンバットナイフ等など。
城に関しては石油プラントもあった。

トリステインじゃあまず見向きも去れないけど、ゲルマニアとレコンキスタ勢なら手を組めそう。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 01:34:30 ID:XpBxENCQ
某所に「異○界自衛隊」というのがあってだなぁ……
81名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 01:35:39 ID:l9KqzLPH
某所とか他所は関係ない
あくまでもここでどうかと話してる訳だから
82名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 02:14:00 ID:cuo5yQwg
>>76
武器の差でヘリのほうがマシな気がする
83名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 02:40:20 ID:vaCbSF3X
>>82
確かにヘリのほうが武器はいい
しかしゼロ戦に比べて明らかにノロい

火竜は時速150kmくらいで飛ぶ
ゼロ戦で竜騎士の集団に勝てたのは一つには魔法やブレスより武器の射程が長いから、
もう一つはゼロ戦が時速400km出るからだ
シコルスキーS-62は巡航速度おおよそ時速160kmくらいで、火竜と大差ない
風竜には明らかに速度負けする
84名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 02:50:22 ID:+yWkB6QL
ダヴァイッッ
85名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 04:38:19 ID:44y229vV
>83
それなら、ブルーサンダーかエアウルフ召喚でOK?
86名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 08:36:43 ID:GKNY1tg9
>>76
まぁ部隊がバラバラ且つ空対空で戦う必要はないわけで、竜なんて低速目標なら対空機関砲のいい的だし。
88mmで破れる魔法装甲なら現代の砲やミサイルなら紙みたいなもんだし。
装甲車両にしても車ってことを忘れちゃいけない、ファンタジーで言う騎兵以上の速度で走りながら
kmレベルで砲撃できる相手に人間がまともに戦うとか無理過ぎるよ、食事に毒混ぜるとか落とし穴を事前に掘っておくとか搦め手を使わなきゃ。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:07:33 ID:y+nzrAE3
トリプルジムをマシンロボからよべば解決だろ?
88名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:07:46 ID:pj94If+e
まあヘリつったって、竜巻を杖の一振りで起こせるスクエアメイジとか出てこられたら結構ヤバい。
そこまで近づけるのかの問題は常について回るが。

しかしまあ、あんまり発展性のある話題でもないなあ。


マヨイ屋の店番トキワ召喚。
とにかくとっととルイズの願いを果たそうと宝具を無節操に取り出すトキワ。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:19:16 ID:vaCbSF3X
>>86
対空機関砲ではレキシントン号は沈まんぞ
ゼロ戦も竜は落とせたが、飛行船はミサイルとか無いと落とせん
装甲車なんてトライアングル級の30m土ゴーレムとかが取り囲んで近付いてひっくり返せばおしまいな気がするが
ロケットランチャーがあれば破壊できるらしいが、装甲車やヘリの武器じゃな…
あとはガーゴイルの大群で物量でつぶすとかな
大群で弾幕を限りなく張れるわけじゃなく相手は所詮は数機でしかない
90名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:22:03 ID:vaCbSF3X
てーか戦国時代の日本武将とハルケギニアの国家じゃ戦力が全然違いすぎる
原作通りの兵力しか持ち込めないのであれば勝てるわけもないだろう
91名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:24:57 ID:3OPqAsC4
兵器一つにそれだけ兵力割いてくれりゃ
通常戦力で術者や手薄なところを奇襲すれば普通に勝てそうな気もする
92名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:29:35 ID:vaCbSF3X
通常戦力ではどーやっても飛行船は落とせないし竜にも対処できない
っていうか通常戦力は物量でテキトーに押しつぶしても構わん
戦国時代の兵隊さんとは数が違う、レコンキスタなら兵力七万だぞ
93名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:48:08 ID:SJVwPOwL
>>ロケットランチャーがあれば破壊できるらしいが、装甲車やヘリの武器じゃな…
APCやIFVはともかく、戦闘ヘリなら余裕だろ。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:49:16 ID:M3TTF0gy
ラ・ロシェールでトリステイン軍に五百メイルほどの距離をあけて対峙していたアルビオン艦隊は、
上空から何百発もの艦砲射撃を浴びせていた
五百メイルほどの距離をあけて高空から何百発の砲撃を降らせられる性能がハルケギニアの飛行船にあるのであれば、
ヘリ一機しか航空戦力のない少数部隊なぞはっきりいって近接戦を挑むまでもなく艦隊の射撃だけでも壊滅状態にできるだろうな
95名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:53:16 ID:GKNY1tg9
>>89
あんまり真面目に考える問題でもないが
作中最高クラスゴーレムであるヨルムンさんですらタイガー戦車で撃破出来るんだから
普通のゴーレムへの対処も出来ると考えるのが自然だし。
そりゃ至近距離まで近寄ってひっくり返すなり土砂に戻して押し潰すなりトライアングル級の火力魔法撃つなりすれば
現代兵器は倒せない相手ではないけどさ、どうやって近寄るのよって話で。
RPG一本あれば戦車なんて余裕とか言う笑い話じゃないんだから相手とこっちの攻撃距離と速度差は考えないと。
あと機関砲と弾種によってはたぶん船も落ちるよ、曳光弾は焼き玉弾みたいなもんだし、旧式大砲とは火力の桁が違う。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:53:49 ID:M3TTF0gy
あと、シコルスキーS-62は本来救難機・輸送機であって戦闘ヘリでは無い
97名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:54:43 ID:+yWkB6QL
じゃあイプシロン・フォース召喚しようぜ!
98名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:57:23 ID:ApzfZsRo
>>83
火竜が時速150kmとか風竜がそれ以上とかってどっかにデータあるの?
いちゃもんつけるわけじゃないんだけど明確なソースがあるのか気になってさ
99名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 09:59:00 ID:M3TTF0gy
>>98
原作読め
3巻にちゃんと書いてあるだろ

むしろ考えるまでもなく、戦国大名と戦っても最後は息切れした戦力でハルケギニアの国に勝てるわけが無い
原作通りの戦力しか持ち込めないのであればな
七万の軍勢を相手にするには手数も全然足りないし
100名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 10:48:45 ID:+yWkB6QL
よし分かった、海賊スイートマドンナ召喚で手を打とうじゃないか!
101名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:00:40 ID:l9KqzLPH
>>95
原作読んでるかい?
ヨルムンガンド相手にタイガーは負けそうになった所を援護してもらって何とか勝てたんだぞ

あと砲の一点突破する破壊力のエネルギー自体はタイガーの頃も今も大差ない、ぶっちゃけ点に限定すりゃタイガーの時点で核兵器の面破壊力より上だ
効率よく捻じ込む技術とか効率よく広範囲に攻撃する技術とかそう言う方向から火力アップしてるだけ
102名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:14:33 ID:GKNY1tg9
>>101
いや、命中したら一発で吹っ飛んでるぜ?あと操車が素人だからか静止射撃でやってるし。
ピンチになったのもシェフィールドが考え付いた待ち伏せ+煙幕+1体囮にした空中攻撃が効いた結果であって
兵器スペック評価としてなんとかして勝ったってのは言い過ぎじゃないかと思うけど。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:16:53 ID:BDMpxc5J
参加する気はないけどこーゆー思考実験って大好き
104名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:17:56 ID:/B5FCoC+
軍事っぽい話でヨルムンガンドと言われるとあっちを連想してしまう
105名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:21:27 ID:y+nzrAE3
>>104
ああ、リの国のオーラバトルシップだな
106名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:36:30 ID:l9KqzLPH
>>102
作戦に対応できるかどうかも含めての性能だろう、対応してきた時点で特別な何かがあっての結果でもなんでもないよ
汎用性ってのは追い込まれてのハマリが少なくなる凄まじい武器だからな
援護無しだとタイガーはヨルムンガンド戦で負けてたって事実があるだけだ

後吹っ飛んでる事に関しては破壊力について説明までしてるのにそう返されても意味がわからん
しかもヨルムンガンド側もタイガーを行動不能に出来る攻撃力がある時点でお互い一撃必殺な戦いだっただけ
と言うか大抵の戦闘はそんなもんだ
107名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:38:37 ID:3OPqAsC4
戦車にしろ装甲車にしろ本職が操縦する以上
ヨルムンガント程度に負けるとは到底思えんし
反射が絶対的という時点で他の攻撃手段もたがか知れるから動く限り無敵だろう
108名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 11:56:35 ID:B3Z66v4R
作者が勝たせたい方が勝つ
109名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 12:19:49 ID:GKNY1tg9
>>106
なんかめんどくさい人だね。
まずヨルムン側にタイガーを一撃必殺できる火力はない。
最後っ屁に事前に準備を整えた上で自爆を挑んだだけであって、奴の基本装備ではタイガーは無傷
あれが成功してたら勝ってた、と言うのなら別にただのメイジでもあの方法なら勝ってる、要は肉薄に成功して戦車に抱きつける位置にいったって事だし。
8体を瞬殺され2体を待ち伏せで投入して成功してても相打ちにしか出来ない性能差で、タイガーはヨルムンに何とか勝てたって表現は明らかに過小だろう。
ぶっちゃけサイトが油断してなきゃあれ成功しないし。

てか火力差が酷すぎるんだもの、ヨルムン側は普通に待ち伏せが出来るような車高してないし、魔法装甲の防御力も無意味だし、射程差は素手vs砲だし。
やっぱり人型が頑張るにはミノフスキー粒子が必要だと思う、シェフィールドよりミノフスキー博士を召喚しよう。

>>108
まぁ要するにそういうことだよな。
無双を見せたいから平原での会戦を描写するし、ピンチを演出したいから無防備に大型遮蔽物に近づいて奇襲を受けさせるし。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 12:42:08 ID:0hhNfsuh
これ以上は避難所の雑談スレで続けたほうがいいんじゃね?
設定スレだと尚更ひどくなりそうだしw
111名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 13:24:43 ID:cuo5yQwg
ヘリに適当な機関銃でも積んどきゃ近寄る前に蜂の巣じゃね?>竜
112名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 13:46:46 ID:QB5md5Aa
自衛隊がゼロ魔世界へ。
中世以前の騎士の誇りを重んじている貴族たちを相手に、例え卑怯と罵られても効果重視で戦争を行ったレコン・キスタ。そこに現代のシステムチックな戦争を持ち込んで、雑兵をかまわず頭だけを潰す、という方策を持ち込めば……
まあ、補給の問題があるからどれだけ迅速に、短期間で最大の効果を得るかが問題なんですよね。

……一般的にはHALOのマスターチーフのような、一騎当千の戦士や兵士が召喚される方がウケがよさそうかも。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 13:49:19 ID:lPumaYSB
そこでランボーですよ
114名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 13:55:30 ID:4de25uVb
ゼロの黒魔道士(74話)が代理スレに来てるんですけど投下されてないですよね?
115名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 13:57:29 ID:sGJFFMQn
>>112
つ「虚無と最後の希望」
ワルドと組んでクロムウェル暗殺したりしてたよ
しかし思うんだがあっさり自力復活してたクロムウェルって実はフラッドじゃね?
116名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 14:11:13 ID:B3Z66v4R
>>114
本当だ。
ほんじゃ15分から代理投下してみましょか
117代理:ゼロの黒魔道士第74幕1/9:2010/06/02(水) 14:15:14 ID:B3Z66v4R
足音が増えるって、頼もしいって思うんだ。
心細くなったりしたときに、仲間がいるって嬉しい。
ましてや、これから悪いヤツと戦いに行くってときには、ね。
……でも、仲間、かぁ……なんか、不思議な感じもするなぁ……

「しかし、奇妙な場所だよね、ここ……」

真っ直ぐなのに曲がった道、
空に線の痕を残しながら動く星、、
真っ逆さまに昇っていく雨……

ギーシュに改めて言われるまでもないぐらい、
不思議で奇妙な場所を、ボク達は歩いていた。


「『記憶の場所』って言うそうよ。入ってきた人達の記憶を映す……」
「あー、うん。その点は、うん、もういい。理解している」
「なんだ、もう見たの?」
「聞カナイデクダサイ」

ルイズおねえちゃんの質問に、ギーシュは固い口調で答えた。
思い出したくない物を、見てしまったのかなぁ……ボクやルイズおねえちゃん、デルフみたいに……

「――楽しそうな家族の光景、実に微笑ましいと思ったけどねぇ?
 歳の離れたお兄さん達に色々可愛がられてて。特にあの無理矢理着せられたじょそ……」
「く、クジャさんっ!?秘密って言いましたよねっ!?はっきりくっきり言いましたよねぇえっ!?」

じょそ……?何だろう……
ギーシュは思い出したくないみたいだけど、すっごく気になってしまう。
……教えてくれないかなぁ、いつか……

「これは失敬――少々羨ましくなったからね」
「羨ましく?」
「……」

ふと、横を歩くクジャを見る。
……コイツと、並んで歩く日が来るなんて、想像もしなかった。
したくもなかった。
コイツが、味方……
なんかこの場所よりも、ずっと変で、奇妙で、不思議な感じがしてしまう。


「――ビビ君、ここが、僕達の知る『記憶の場所』とは違っていることは理解しているかい?」
「……違うって?」

ボクが聞き返すと、ニヤリと笑って大げさな手振りをするクジャ。
……なんか、馬鹿にされている気がするのはなんでだろう……
118代理:ゼロの黒魔道士第74幕2/9:2010/06/02(水) 14:16:03 ID:B3Z66v4R
「ガイアの『記憶の場所』は、言わば本の最後のページから順番に読んでいくような……
 時系列とは正反対の向きに景色が移っていってたろ?」
「……うん、確かに」

『記憶の場所』。
クジャが最期に逃げ込んだ場所。
ボク達が敵同士として戦うことになった場所。
……あの時は、クジャの言うとおり、時間とは逆方向に、みんな繋がっていた。
街が壊れたところから、生まれるところへ、そしてもっともっと時代が前に進んでいって……
星や、宇宙が生まれるところまでさかのぼっていったんだっけ。

そしてその一番奥、全てが生まれる前のクリスタルの世界。
そこでボク達とクジャは戦ったんだ。
お互いの、生きる意味のために……

「ところが、今我々が歩く場所、これはまるっきりバラバラなんだ。
 複数視点的とでも言おうか。必要なところだけ斜め読みしているような感覚だね」

本をパラパラッとめくるような動作をして、クジャが言う。

「……必要……?」

言われてみれば、ボクの記憶、ルイズおねえちゃんの記憶、デルフの記憶……
それと、ワルドも、かな……
時間も見せられ方も、なんかバラバラだった。
クジャの言い方を真似するようで嫌だけど……
落した本のバラバラになったページを、元に戻していきながら読んでいるような……
でも、『必要』ってどういうことだろう?
記憶は、全部必要なんじゃないの?

「そう、きっと必要なところを――」
クジャが言いかけたところで、みんなの足が止まった。
曲がりくねった真っ直ぐな道が、目の前で突然途切れたからだ。
前も、後ろも、全部。
途切れたというより、覆い隠された?
眠っていくように透明で深い、とても深い青い光に……

「わっ!?」
「ちょ、押さないでっ!?おち、落ちるっ!?」
ギーシュがわたわたとよろける。
不安になる細い柱の上に、金属の網とガラスでできたような建物が浮かんでいる。
まるで息ができる水の中のような景色。

「またなの!?」
「今度ぁ誰の記憶でぇ?」

これは、『記憶の場所』が見せる景色。
ボクは、ここがどこだか知っている。
……そして、誰の記憶なのか予想がつく。

「――これはこれは――名場面だね」

クジャが、皮肉っぽい調子で言った。
これは、クジャの……
クジャの言う、『必要』な記憶の幻……?


ゼロの黒魔道士
〜第七十四幕〜 記憶を紡ぐということ
119代理:ゼロの黒魔道士第74幕3/9:2010/06/02(水) 14:16:48 ID:B3Z66v4R
青い壁が、チリチリと儚い光を放っている。
ガラス性の容器の中では、薄い水色の液体がコポコポと泡立っている。
全てが凍りついたように眠っている。
ここにはお日様のあったかさも、大地の温もりも無い。
そんな場所だった。

≪何度も言わせるな、クジャ。
 お前は与えられた仕事をこなせば良い≫

そう言ったのは、真っ黒な衣装を身に纏った、お爺さん。
青白く、血の気の無い顔をした人。
……確か……ガーランド、だっけ……
自分を『時の管理者』って呼んでた人。
ジタンを操って、クジャみたいにしようとした人……

≪いいや、そうはいかないね! もう一度言えよガーランド!
 僕がその子供に劣っているとでも言うのか!?≫

こう返したのは、今とそう変わらない姿の……クジャ。
でも、少しだけ髪の毛が短い。
その分、少しだけ若く見える。
その若いクジャが指差した先。
そこにいあったのは……淡い青色の布にくるまれた……
なんだろう?って思っていると、そこから柔らかそうな腕が空気をつかもうと伸びてきた。
赤ちゃん……?

≪劣る、劣らないではない……ただ、この子は『お前の代わりとなる者だ』、と言うただけだ≫

ジタンだ。そう気がついた。
これはまだジタンが赤ん坊だったときの景色だ。

≪気に食わないね……こんな何も知らない稚児に汚れ仕事を?いよいよ趣味が悪くなったかい?≫
≪己が存在意義を『汚れ仕事』と呼ぶか……相変わらず、ジェノムが意味を、否定するのだなお前は≫
≪ふんっ!僕はこいつらとは違う!より美しく!より輝いている!
 この僕の代わりがその赤ん坊?これは新手の滑稽劇かい?≫

若いクジャがイライラと地面を蹴った。
ジェノム……クジャや、ジタンの種族の名前、でいいのかな?
ボクと、ある意味同じような……作られた命……
ボク達が住んでいたガイアを、もしもテラが乗っ取ることができたなら、
ジェノム達の体に、テラの人達の魂が入れられ、新たな生活をはじめる。
そのための、器。そのための、体……

クジャの汚れ仕事っていうのは……
ガイアの人達を殺して乗っ取り易くすること……
思い出すのも嫌になるほど、酷いことばかりだ……
それを、生まれたばかりのジタンにやらせる?
……確かに、酷いことだなぁと思う。

≪この者には『可能性』が存在する≫
≪なんだって?≫
≪この者の前には道がある。この者の前には苦難が存在する。
 だがそれを乗り越えたとき、この者はより強く、より我々の力となる。
 それを我々は『可能性』と呼ぶのだ。この子は我々の『可能性』なのだよ≫
120代理:ゼロの黒魔道士第74幕4/9:2010/06/02(水) 14:17:33 ID:B3Z66v4R
ガーランドの言葉が進むにつれ、若いクジャの顔色がどんどんと真っ赤になる。
爆発寸前のボム。いや、それよりも酷い。
でも、次のクジャのは、それとは真反対の……
凍りつきそうなくらい静かな口調でこう言ったんだ。

≪……待てよガーランド。まるで僕にはその道が存在しないみたいじゃないか≫
≪事実、お前に道は無い。我道を好み、勝手に動く者に未来は存在しない≫

お互いの言葉が、冷たくぶつかり合う。
剣と剣が交わるよりも、ずっと冷たい。

≪じゃぁ君の言うとおりにしていれば『可能性』とやらが生まれるとでも!?
 願い下げだね! お前達に従うだけの未来なんて、不仕合せしか生まない!!≫
≪……ならば出ていくなり好きにするが良い、クジャ。だがこれも予定通りだ≫

若いクジャの爆発を、ガーランドは止めなかった。
止めずに、くるりと振り返って、その部屋の奥へと向かおうとしていた。
……止めても、無駄だと知っていたから?
クジャがいなくても、ジタンがいるから?
全部は、自分の目的のため?
……なんか、クジャのことなのに……すっごく腹が立った。

≪あぁ、そうかい……ならこれも、予定通りかな!?≫

瞬間、若いクジャが布の包みを奪う。
中にいる赤ん坊が、赤ちゃんのジタンが泣き叫ぶ。

≪っ何を――≫
≪お前は、この僕に『可能性』が無いと言ったんだ!ならその『可能性』とやらを奪うまでさ!≫
≪無駄なことを、愚かな……≫

ジリジリと、後ずさり、逃げだす若いクジャ。
ガーランドは、手を出さない……というより手を出さない?
まるで……全部予想通りって思っている……?
クジャがジタンを奪うことも、クジャが逃げることも、全部……?
それら全てが……無駄だと思っていたから……?


≪さようなら!願わくば、もう会わないことを!
 もしくは貴方が用済みになったときに!ハーハハハハハハ――

 


 ククク……みじめですねえ……。最後に何か言うことは?≫

「あ……」

ほとんど、継ぎ目が無く景色が入れ替わる。
思わず、声がもれてしまった。
若いクジャが抱えていた赤ん坊は、大きくなって、倒れている。
……ボクもいる。この幻の中にはボクもいる。
……ジタンと、ボクと、みんな……
このとき、クジャは、望むものを手に入れていた。
力を。魂の咆哮、『トランス』の力を。
ダガーおねえちゃんの魂や、ガイアのみんなの魂を手に入れて……
その力が、真っ赤な羽になってクジャを覆う。
このときのクジャは、たった一人で世界を滅ぼしてしまうだけの力を持っていたんだ……
121代理:ゼロの黒魔道士第74幕5/9:2010/06/02(水) 14:18:23 ID:B3Z66v4R
≪もう一度言う……無駄だ≫

さっきまで……といっても、幻の中の話で、本当は十何年も前なんだろうけど……
クジャに『未来が無い』って言っていたガーランドが、跪いてクジャを睨みつけている。

≪……≫

クジャは、きっと期待していたんじゃないかと思う。
……あまり理解したくないけど……
もっと怖がって欲しかった、もっと泣きわめいて欲しかった。
そうすることで、自分を納得させてかったんだと思う。
そうすることで、ガーランドを見返したことになるんだから……
でも、そうならなかった。『無駄だ』とまた言われるだけ。
……幻の中の、真っ赤な羽に覆われたクジャが、
その笑顔を、冷たいまでの表情に変えた。
まるで、興味が消えたとでもいうように。
興味を失って……ただの『モノ』のように、ガーランドを蹴飛ばした。
蹴り飛ばした先は……青い光がたゆたっているだけ。

≪ぐおーーーーっ!!≫

ガーランドは落ちていく。
自分の作った、クジャの手でトドメを刺されて……その姿がどこまでも小さくなっていった。

≪お次はキミ達の番だよ……
 感謝の意をこめて苦しまないように楽に殺してあげようか……
 それとも愛をこめてじっくり苦しみを与えながら殺してあげようか……
 おお、そうだ!!こういうのはどうだい?
 僕の永遠の王国のための人柱になるってのは!
 僕の城のホールに八本の柱……
 それぞれに、キミ達が埋め込まれる……どうだい?ゾクゾクしてこないか?≫

クジャが向き直って、幻の中のボク達を見る。
もう、ダメかもしれない。
このときはそう思ったっけ……。

【お前に永遠の王国など作れぬ……】
≪その声は……ガーランド!?ふん、まだ何か言い足りないのかい?≫

もう一度、ガーランドの声。
落ちたはずの人の声がする。
低い、がらんどうな声。

【魂の器として不適合なお前をいつまでも生かしておくよう、私が作ったと思うのか?】
≪……何?どういうことだ!?≫

がらんどうの声が続ける。
それは、クジャにとって、『無駄だ』と言ったよりも、
ずっともっと、残酷な言葉だった。

【お前の魂にはリミットを設けてある……
 それも、あとわずかの時間だ……
 たとえ私が滅びようとも、お前は世界に何の影響も与えることなく消え去っていくのだ……】

青い光がチリチリと音を立てるのさえ聞こえそうなぐらい、沈黙が全てを支配した。
122代理:ゼロの黒魔道士第74幕6/9:2010/06/02(水) 14:19:21 ID:B3Z66v4R
≪……
 フ、フフフ……

 面白い負け惜しみじゃないか、僕の魂はいずれ尽きる……そう言いたいのかい?
 ハハ……答えておくれよガーランド……どうせ僕を絶望させるためだけの冗談なんだろ?
 ……。答えろ、ガーランド!!≫

信じたくない、信じられない。きっと、クジャはそう思ったんだと思う。
クジャのこの気持ちは……認めたくないけど、痛いぐらいよく分かる。
……いつか、死ぬということ。
それが、もうすぐだっていうこと。
これを……受け入れるのは、すっごく難しいことなんだ……


【永遠ならざる時のために作られた死神……それがお前の存在理由だ】

がらんどうの声が、唸るのをやめたら、
後に残ったのは、クジャの絞るような掠れた息使いだけだった。

……このときも、今も、これを見ているボクは、どう思えば良かったんだろう?
……『いい気味だ』、とか?
……うん、そう思ったのもホントのことだと思う。
クジャは、それだけ酷いことをしたのだし、それだけ悪いヤツだったんだから。
でも……このときも、今も、まず真っ先に思ったのは『悲しい』だった。
理由なんて分からなかった。でも、ただただ悲しいって、そう思ったんだ……

≪存在……理由?……僕は……用済みだと?ク、ククク……
 そんなバカな話があってたまるか?
 やっと何者にも負けぬ力を得たと思ったらわずかの命だと?
 死ぬというのか……この僕が?
 失うというのか……この魂を?
 アハ……
     アハハハハハハ!!
 笑えよ、ジタン!!
 作られた生命、限られた生命の黒魔道士達を嘲ってきた僕が今、同じように滅びるんだぞ!?
 アハハ、これを笑わずして何を笑う!?
 ガイアに戦乱をもたらした僕が、虫ほどの価値すらない、ただの人形だと!?≫

そう、クジャも、結局は黒魔道士と一緒だったんだ。
ただ、壊すためだけに作られた、用済みになったら捨てられるだけの人形……
クジャによって作られたボクと、クジャは、同じ……
そう思うと、『いい気味だ』なんて思う前に、悲しいし、やるせない気持ちになってしまう。

≪……認めない。認めないよ……
 僕の存在を無視して世界が存在するなどと……≫

幻の中のクジャが、浮かび上がる。
その顔は、悲しいほど空っぽだった。
涙まで失ってしまったような、何も見ていない、そんな虚ろな瞳。

そうして、クジャは、おもむろに手を振って、ありったけの魔力でそこらを壊していったんだ。
悲しいまでの魔力が、涙の代わりに溢れて止まらないっていう風に。
まるで、踊るようなその動きは……
『自分はこんなにも生きているのに』って言いたそうな、そんな感じだった……


クジャの足掻きが、弾け飛ぶ幻の光の中、ボク達は戻ってくる。
元の『記憶の場所』。
曲がりくねった真っ直ぐな道、逆さまの雨が降る場所に。
123代理:ゼロの黒魔道士第74幕7/9:2010/06/02(水) 14:20:06 ID:B3Z66v4R
「……」

ただ、黙ることしかボク達にはできなかった。
……これが、クジャにとって『必要』な記憶?
……この……悲しい記憶が?

おもむろに、クジャが、フッと笑った。
噛みしめていた唇を、袖で拭いながら。
あんな悲しい記憶を見たあとなのに、自分の悲しい過去なのに、
それがどうしたことかって、そんな力強さで、フッて笑ったんだ。

「――醜いね、何とも。自分であることを認めたくなくなるよ」


「……い、いやいやいや!?そういう問題じゃ無いでしょクジャさん!?」
「――さっきの話の続きだけどね。この光景を見ることが、僕には必要なんだろう」


ギーシュの慌てっぷりを無視して、クジャが続けた。

「……必要って、どういうこと?」
「人は――死に瀕すると、走馬灯というものを見る。
 『記憶』を見るんだ。そこから教訓を得て、死に立ち向かう術を手に入れるために」

死ぬ前に、振り返る……
なんとなく、分かる気がする。
ボクも、いよいよ動かなくなってしまうとき……みんなの顔を思い出したや。
なんかこう……色々なことがあったって、あったかい気持ちになったっけ。


「……これも、そういう意味なのだろう。
 この『記憶の場所』に再び危機が訪れようとしている。
 だから、必要なものを見せようとしているんだ、この危機を何とかすることのできる、僕達に……」

フォルサテ、あいつが、ハルケギニアを支配しようと動いている。
でも、あいつの性格だから、それどころか、『記憶の場所』ごと支配しようとしているのかもしれない。
……間違いなく、危機が訪れている。
それをどうにかできるのはここにいるボク達だけだ……

「僕は……許せなかったんだ。認められないことが。
 何にも無い、空っぽの器に見られることがたまらなく嫌だった」
「空っぽ……何も、無い……」


クジャが、灰色の空を見上げて、ぶつ切れに言葉をつないでいく。
その言葉が、ルイズおねえちゃんのどこかに引っかかったみたいだ。
ルイズおねえちゃんは、さっきから眼を真っ赤にしている。
……クジャの記憶は、そこまで悲しいものだったんだ。

「だから、抗った。少しでも認められるように、こっちを向いて欲しくて……
 今にして思えば趣味の良い抗い方では無かったかもしれないけどね……」

ここまで言って、クジャは思いっきり深呼吸したんだ。
今までの自分を、今まで思っていたことを、全て入れ替えるってみたいに。

「人はね、間違った過去を、繰り返さないようにと記憶を紡ぐんだ。
 そうやって、少しずつ、強くなれる。
 だから、これは『必要な記憶』なんだ。
 これ以上無いほどに、過ちを犯した僕という愚かなる人間にとってのね」
124代理:ゼロの黒魔道士第74幕8/9:2010/06/02(水) 14:20:55 ID:B3Z66v4R
そんな風に、『記憶』を考えたことも無かった。
……ボク自身、何かを繰り返せるほど長く生きたことはなかったし……
でも、言われてみれば分かる。
一度間違ったことを、次は絶対にやらないようにって、思うのは当たり前のことだよね。
……ボクが、ルイズおねえちゃんを二度と泣かせたくないって思ったのと同じで……
うん、きっと、すっごく当たり前のことなんだ。

「……だから、もう繰り返させないよ!虚しさしか残らない破壊なんてね!」

クジャのこの台詞は、真っ直ぐだった。
いつもの芝居がかった回りくどい言い方じゃなくて、
それこそ魂に響くみたいに、真っ直ぐ。
……クジャ、本当に……変わった……?

「さ、昔話はもう終わり!!先へ進もう!」

と、思った矢先に、やっぱり芝居がかった動作でみんなを促す当たり、
全然変わって無いと思ってがっかりするんだけど、ね……

「……色々背負っちまってるもんだな、しかしよ」
「……うん……」

デルフの言うとおり、みんな色々背負っている。
過去の記憶も、今の仲間も、未来のハルケギニアも、全部。
その背負ったものを無駄にしちゃわないためにも、ボク達は……
行かなきゃ、いけないんだ。


 ・
 ・
 ・
「しかし広いですね、ここって……」

ギーシュがそうつぶやいたのは、金色に光るハシゴを昇っているときのことだったんだ。
段々、景色が単純になってくる。
昇れば昇るほど、次第に暗くなっていく。
『記憶の場所』は、基本的に進むほど過去にさかのぼっていく。
だから、今いる場所は……光が生まれるよりもずっと前、
『何も無い』が生まれたころまで、溯っていることになる。
つまり……

「基本一本道なんだがね……おや、でもそろそろ終点だな」

終点。ハシゴを昇りきった先。
そこは、六角形の大理石が、真っ暗闇に浮かぶ場所だった。
星の欠片すら見えないのに、ほんのり大理石が光って薄明るい。
ここは、『何も無い』がある、そんな変な場所……

「祭壇……?」

なんとなく、神聖な場所って、そんな感じもする。
だから、ルイズおねえちゃんの感想もそう間違って無いなぁと思う。
125名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 14:21:09 ID:4de25uVb
支援
126代理:ゼロの黒魔道士第74幕9/9:2010/06/02(水) 14:22:33 ID:B3Z66v4R
「ここは『虚空への門』と呼ばれている。
 全ての記憶が集まる場所、『クリスタル・ワールド』へと続く場所さ。
 僕がフォルサテなら――と言うより、僕自身がそうだったんだが――立て篭もるならこの向こうだね」

この、向こう。
いよいよだ。
ボクは、帽子をギュッとかぶりなおした。
倒さなきゃいけない敵が、この先にいる。

「えーと……ここからどう行けば?」
「飛ぶんだよ。こうやって、ね! さぁ、行くよ!」
「わっ!?またいきなりっ!?」

『虚空への門』のその先は、『何も無い』があるばっかり。
だから、思いきって、そこに飛び込む必要があるんだ。
クジャが、その御手本を見せてやるってばかりに、一気に飛んだ。

「ビビ、行くわよっ!」

ルイズおねえちゃん……
こんなところまで、付き合わせてしまったのに、全然迷いがない。
そのことに、すっごく安心する。
ボクは、ルイズおねえちゃんと手をつないだ。

「うんっ!」
「よっしゃ、『伝説の剣 デルフリンガー』、最終回『伝説よ永遠に』って感じだなぁ!
 いっくぜぇ〜!!」

一気に、飛ぶ。
この先だ。いよいよだ。

「え、あ、わわわ……えーいこうなりゃヤケクソだぁああ!?」

……だけど、そこにあったのは、
『何も無い』、じゃない、全然別の……

また、ある『記憶』……だったんだ……
----

本日は以上です。
そろそろ、ラスボス戦……ですが、ちょいっとシーンを挟みます。
何を?まぁそれは見てのお楽しみ。私の捏造頭脳が火を吹くぜぇええ!
……えー、同時に、私のチキンハートが大地震を起こしながらお送りする予定です。
勇気を、どうか、ください。もしくは、笑って、ください。
そんなこんなで、お目汚し、失礼いたしました。
代理投下、お願いいたします。

//////////////////////////
いじょ。代理。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 14:27:29 ID:4de25uVb
作者氏、代理さん乙でした
128名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 16:04:49 ID:gwArECH1
黒魔導士の人、代理の方、共に乙でした。
 
葛藤する悪役というのは、物語に深みを与えてくれますね。
捏造大歓迎なので、思う存分やっちゃってください。
ところで、73幕の巨大戦艦とは、まさか波動砲を持っているあれですか?
FFも好きですが、生粋のヤマトファンなのでちょっと期待しちゃったりしてます。
129虚無と真理:2010/06/02(水) 16:31:36 ID:fieX+1GR
16:35投下予定 7話プロローグ コネタ風味
130虚無と真理:2010/06/02(水) 16:35:00 ID:fieX+1GR
 * * *

夜である。双月が静かに中天に浮いている。
エドワードは、手元に開いた古びた書物をポンッと閉じて横に置き、
目の前に山と積まれた別の書物を手に取り開く。
そんな何度目かの作業を止めて、ふと窓の外を眺めながら、
ここ数日で起こった出来事を、頬杖をついて振り返った。

死を覚悟して扉を開き、気づけば異世界で使い魔という立場に身を置いていた。
代償に右腕を再び持っていかれ、失血で死に掛けたところを少女に使い魔契約を通して助けられたのだ。
しかし、その娘はエドワードをペットか何かのように扱い、自分は主人だといいはり扱き使う。
だからといって恩人に不満をぶつける気にもならず、苛立ちは増すばかり。
そんなこともあって今朝方には、憂さ晴らしついでに貴族とひと悶着おこして暴れもした。
でもいつの間にか、使い魔である事など、どうでもよくなっていた。

自分の事を本気で心配し、涙まで流した主人である少女。
ルイズへの見方が変わったのも、この後からだろうか?
不遇な環境に身をおいていても、必死でそれに抗おうとするルイズの姿を側で目の当たりにし、
エドワードは力になりたいと、いつからか思うようになっていた。
今では暇があれば、共に練成術の研究に興じる間柄になっている。
使い魔としての扱いは相変わらずだが、呼び捨てにしても怒らず、親しげに会話するようにもなった。
たった数日であったにもかかわらず、なんと長く感じる密度の濃い時間であったことか。
むこう側の世界での出来事が、今ではとても昔のことのように、懐かしく感じてしまう。

空を仰ぎながら郷愁に浸っていると、カリカリと静寂に響く音が耳に流れてくる。
エドワードは、向かいの席で黙々とペンを走らせるルイズの顔をちらりと見る。
こうして黙っていれば、整った顔立ちの小柄な少女、としか見えない。
自分の弟であるアルフォンスに似てるなどとは、感じることもない。
だが一言口を開けば、飛び出す響きが懐かしい声に聞こえ、
自分を見る目は弟のそれと同じ光を放っているようなきがする。
これは錯覚なのかと、一時期首をひねったこともあった。
そんなおり、たまたま手に取って読み進めた使い魔の研究書。
その内容が、ふとエドワードの脳裏をよぎった。

―使い魔は召還のゲートを潜る時点で、主となるメイジの力となるために、精神的改造が施される。
もっともポピュラーな例をあげれば、黒猫を初めとした動物達が、人語を介すようになり、
稀ではあるが、話すようになる事も確認されている。
この段階ですでに、人との関わりが薄い野生動物であろうとも、人への警戒は取り除かれる。
そして、後の契約によってどんな猛獣であろうとも、自らの利益を求めず、
主となった者を慕い、主につくそうという感情が芽生える。ある意味使い魔と主人が一心同体となるのだ。
メイジが一生に一度は通るこの召還の儀式で、呼び出された使い魔による事故が起こった事例は、
今日までに一度たりとも報告されたことはない。
この事実から、この魔法の完成度がどんなに高いものか推し量れるだろう。
このコモンスペルがいつ、どこでこの形に整ったかは特定されておらず、
始祖ブリミルが伝説の使い魔たちを従えていたと古い記録に語られることから、
この世が創生される以前より存在していたものとの説が現在の主流である―

読み終えたときは、思わず手にした本を取り落としかけた。
今の自分が昔と違うという欺瞞、自分が自分で無くなる恐怖、契約を強要された怒り
すかさずその場に居たルイズに噛み付いたものだ。
しかし、ルイズはあきれた顔で「そうなればどれだけ楽なことか」とため息つかれ軽くあしらわれた。
131虚無と真理:2010/06/02(水) 16:36:41 ID:fieX+1GR
落ち着いて考えてみればどうということはない。
書物の内容が完全に正しいならば、契約の時点でルイズに絶対服従を誓っていたはずである。
こうしてルイズの力になりたいと思ったのも、無下に扱われても恩人だからと我慢したのも
エドワードの生き方であり、今までの出来事を体験して正直な気持ちからでたものだ。
それに、今でも使い魔をやめて向こう側に帰りたいと思う気持ちは揺らいでいない。
あえて言えば、ルイズが弟のアルフォンスのように見え、警戒心が薄くなることはあっても、
魔法がらみの不自然さはただそれだけだった。
使い魔としての精神改造が、いままでに事例がない使い魔となった人間に対して効果が薄いのか、
たんにルイズの魔法が失敗しただけなのか、じわじわとゆっくり後から効いているだけなのか。
現状では確かめようがなく、今のところ害も無いのでそのまますっかり忘れていた。
エドワードが、改めてじろじろルイズを眺め回していると。
その視線に気づいたのか、ルイズはいぶかしげに眉根をよせてにらんできた。

「なに?エド。というか手が止まってるんだけど、その分私が練成術使えるようになるのが遅れるじゃない」
「おいおい、俺が練成術の完成度をあげることと、ルイズが習得できるかはまったく別物じゃねぇか」

何よ! 何さ! と相変わらずのご主人様口調のルイズに、
エドワードは、いつもどおり反論で返して言い争いになる。
しかし、場所は夜の図書館、発展する前に思わぬ横槍を受けてうやむやになった。

二人が座る机の一つ隣の席で、青い髪のショートヘアでメガネをかけた女の子が1人で本を読んでいた。
ルイズよりも小柄な女の子で、背丈よりも大きな木の杖をわずかに傾けルイズ達を指し示すと、ポツリと何か呟いた。
同時にうるさく響いていたルイズ達の声が、ぷっつりと途切れて静かになる。
範囲内の空気の振動を奪う『沈黙』の魔法をかけたのだ。
声もなくパクパク口を動かしあっていた二人もそのことに気づき、
乗り出した身を椅子の上におずおずとおさめた。
視線だけは相変わらず、火花を散らしていたが。

そんな足下の騒動など気にせず、30メイルに達するかという高い天井まで伸びた本棚の一角で、
『浮遊』の魔法を使って宙に浮かぶコルベールが、一心不乱に本を探していた。
彼は昼間の約束のこともあり、研究室で実験に夢中になっていたところを訪れたエドワード達と連れ立って、
食堂のある本塔の上に設けられた図書館へやってきていた。
この図書館には、始祖ブリミルがハルケギニアに降り立ってからの歴史が詰め込まれていると言われており、
それほど膨大な蔵書を抱える巨大な本棚が、壁伝いにぎっしり並んで鎮座していた。
しかし、コルベールの求める情報はルイズ達がいる付近の生徒達が自由に閲覧できるスペースには無く、
こうして天井すれすれの教員だけが閲覧できる『フェニアのライブラリー』と呼ばれる区画にまで手を伸ばしていた。

そのかいがあってか、コルベールはとある一冊の本の記述に目を留めた。
タイトルは『始祖ブリミルの使い魔たち』と書かれた古書である。
その書物の一部に目を奪われ、じっくりと読みふける内、とある一節に書かれた文字を見つけ目を見開いた。
コルベールは思わず『浮遊』の魔法維持を忘れて、本棚の数段下に落下する。
あっと再び呪文を詠唱しながらも、ルイズ達の方へとそのままの勢いで降りていった。
スタッと魔法で落下の勢いを打ち消し、エドワードの下に駆けてきたコルベールは、
その左手を鷲掴みにして、甲に浮き上がったルーンと古書の一部を見比べて、おお! っと感嘆のデェスチャーを取る。
そして、なにやら熱心に口をパクパクさせながら、エドワード達に古書を指し示す。
それぞれの作業をやめ、エドワードたちは人差し指を口の前に持ってきて、しぃーと音も無く息を吐き出した。

三人の視線が青髪の少女へと向けられる。
パタンと手元の本を閉じた少女は、静かな図書館で手と手を取り合っている教師と使い魔をじっと見つめると一言
「できてる?」
無表情のままカクンと首をかしげる。

エドワードとルイズはすかさず無言の突っ込みのモーションをとるが、コルベールはおもむろにポッと頬を赤らめた。
別の意味で図書館内が凍りついた。
132虚無と真理:2010/06/02(水) 16:38:18 ID:fieX+1GR
以上。
整合性を取りつつ脱線準備。
最後の台詞は巻き舌で脳内再生されればよし
133名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 17:23:57 ID:kWrK7r8q
>>104 MS IGLOOに出てきた宇宙で使用する
巨大大砲を思い浮かべちまう

ついでにスレチでゴメン
134名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 17:48:18 ID:DCC/u9Bb
>>132
GJです。しかし短い……もう少し溜まってからでもいいのではないでしょうか


あれ? >>104は武器商人と私兵集団の漫画じゃないの?
しかしあれも一人だと意味がないし、隊全員が来ても何すればいいのか。
クロスは難しいな
135オレンジ色の使い魔:2010/06/02(水) 17:59:19 ID:FAw4Fj+n
>>126氏、>>132氏、お疲れ様です。

18時10分ごろから投下予定です。
136オレンジ色の使い魔:2010/06/02(水) 18:12:31 ID:FAw4Fj+n

 トリステイン魔法学院、学院長室。
「おぬしがここの責任者か」
 ハミイーは老人と向き合っていた。
「いかにも、猫どの。トリステイン魔法学院への来訪を歓迎しますぞ。わしの名はオスマン。人はオールド・オスマンなどと呼びますがな」
「ハミイーだ。敬称としてのオールドは老練なる、あるいは偉大なるであったかな?」
 その言葉に老人は口元に笑みを浮かべた。目はハミイーの手に向けられている。
「コルベール君の報告どおり、人間の社会について知識をお持ちのようですな。しかし、コントラクト・サーバントを拒まれたとか?」
「俺はこの惑星について知らぬのでな。責任者たるおぬしとの会見を要求したのは、不当な契約を避けるためだ。あのルイズと言う娘は契約の代償として衣食住を保障すると言ったが、俺はその前に知識を得ねばならぬ」
「つまり、契約が正当なものと判断するに足る知識を得た後にミス・ヴァリエールと契約すると考えてよいわけですな。契約前から高い知性を持つ使い魔ともなれば妥当でありましょう」
 その言葉にハミイーはわずかに目を細め、オスマンの傍でコルベールが身じろぎした。
 秘書の女性は関心を持った様子もなく、書類にペンを走らせ続けている。
「そう、たとえば今のおぬしの言葉だ。契約の前後で知性が変化するものと聞こえたぞ」
 オレンジ色の巨体が音も無くオスマンの執務机に歩み寄り、コルベールが一歩前に出て杖に手を掛ける。
「あるいはその杖だ。さきほど転移してきた草原でも見たが、子供が起動ワードと動作によって個人用の重力制御フィールドを発生するのを目にした。この男の動きから考えて、他にも機能がある」
「杖は道具にすぎぬよ、猫どの。多様な力はメイジ本人に備わっているもの。どうやら、猫どのの国は相当遠くにあるようですな」
 巨体に見下ろされながら、オスマンは緊張した様子もなく秘書の手元にある水キセルを眺めている。
「とりあえず、この惑星に関する基本的な説明は召喚主であるミス・ヴァリエールが行うのが筋だろうて。もし彼女の手に余ることがあればこのコルベール君と、あちらのミス・ロングビルに対応させましょう。
 猫どの、それで良いですかな?」
「当面はな。ではルイズに話を聞くとしよう」
 ハミイーは巨体を静かに巡らせ、学院長室から去った。ドアが閉まるのを見届け、コルベールが緊張を解く。
137オレンジ色の使い魔:2010/06/02(水) 18:13:53 ID:FAw4Fj+n
「オールド・オスマン。あの猫はいったいどこからやってきた、何者なのでしょうか」
「君の報告と今の会話を信じるならば、ミス・ヴァリエールは他の惑星にある猫の王国から猫の貴族を召喚したと言うことじゃな。
『クジンの戦士』と自称したとのことであれば、その『クジン』とやらが猫の王国なり諸侯なり、あるいは……惑星の名前であろうて」
 あっさりと言ってのけたオスマンの言葉にコルベールが目を剥く。
 コルベールも自室に惑星儀を置いているくらいで、地動説も知っているし天には月とは別に球体が浮いていることを知っている。
 しかしそれらは全て始祖ブリミルの領域。
 月は数十万リーグの彼方に浮かぶと言われ、惑星に至ってはそのさらに数十倍の距離にあると言われている。数千倍と言う説を唱える学者さえいる。
そして人の知るいかなる魔法、いかなる航空船舶、いかなる使い魔をもってしても、地表から10リーグ離れることも出来ない。それがブリミルの定めた摂理であるはずだった。
 学院長の言葉が正しいのであれば、ミス・ヴァリエールが行った召喚は異常であるばかりか、異端の可能性さえある。
「とても信じられません。どこか、たとえば東方の彼方に猫の王国があると言われたほうが納得がゆきます」
「うむ、文書にはそう記載するのが良かろう。ミス・ロングビル、そのように」
「はい」
 オスマンが淡々と処理を命じるのを聞いて、コルベールは自身の持つ常識が揺らぐのに気づいた。明らかに、オスマンは「他の惑星からの来訪者」と言う概念を当然のものとして語っている。
 そう気づいたコルベールの目が輝く。
「ふむ、説明せねばならぬようじゃな。すまぬがミス・ロングビル。しばらく席を外してもらえるかな?……いや、水キセルは置いていって欲しいのじゃが……」
 人払いを済ませするとオスマンは自らいくつかの魔法を唱え、この部屋での会話が外に漏れないことを確認した。
「さて、なんじゃったかな」
「天に浮かぶ他の惑星に知性を持つ生き物が住んでいること、しかもそれはメイジと魔法について知識を持たない存在だと言う話です」
「ふむ……コルベール君、君はおそらく、望遠鏡で観測され惑星儀が作られている惑星をあの猫の故郷と考えておるのじゃろうな」
「他に惑星があるとでも?」
「あるのじゃ。まあ、あの猫の故郷については保留しても良いが。惑星よりさらに遠く、夜空に輝く星々を知っておるな?」
 コルベールは怪訝な顔でうなずいた。
「あれらは全て、太陽なのじゃよ。遥かに遠いがために、夜空の光る点にしか見えぬが。それらよその太陽の多くは複数の惑星を持っており、総計すれば無数の惑星が存在しておる。
 そして無数の惑星の何割かには海と空気があり、生き物が住んでおる。あの猫はそれらの一つじゃ。よその太陽と惑星はあまりに遠いがためにブリミルの加護も及ばず、当然ながら彼らは魔法やメイジについても知らぬ。
 逆に、このハルケギニアを含む世界とは数多くの太陽のひとつを巡るいくつもの惑星のうちの、ひとつにすぎぬ」
「……異端です。地動説は異端ではありませんが、ブリミルの加護が及ばぬ場所とはサハラにも等しいではありませんか」
 コルベールは目眩を起こし、机に手をついてそれだけ言った。
「そのとおりじゃな。それゆえ、ワシもこの歳になるまで恩人が授けてくれた知識を他人に語ったことは無かった。残念ながらあれもワシ一人の名で世に出ておる」
 そう言ってオスマンは目を細め、壁に掛けられたハルケギニア地図を視線で示した。
 コルベールが知るところによれば、各種の測量結果を統合して作られたそれは賢者オスマンの業績のひとつ。しかし今の言葉によれば、地図の製作にあたっては協力者が居たことになる。おそらくは、異端に属する何者かが。
「その、恩人、とは……」
「それについてはいずれ語ることもあろうよ。とりあえず話はここまでじゃ」
 その宣言に、コルベールはむしろ安堵を感じた。
138オレンジ色の使い魔:2010/06/02(水) 18:15:56 ID:FAw4Fj+n
「……とりあえずここで区切り。質問は?」
 学院長室から出てきたハミイーは開口一番に「この惑星に関する説明」を要求してきた。
 いったい、使い魔に世界知識を説明したメイジがこれまで居たものだろうか。しかもこのふわふわもこもこした大きな使い魔はこの世界を「惑星」と呼ぶ。
ルイズも惑星の概念は知っている。光の点にしか見えないことは他の星々と同じだが、他の星々は同じ季節の同じ時刻なら必ず同じ場所に見えるのに対して惑星はその位置が移り変わってゆく。
 彷徨う星、惑う星、惑星。
 一見不動に思える大地も惑星のひとつであると主張する地動説をルイズは知っている。正確な暦を作成するには地動説に拠らねばならないことも、
しかしその一方で地動説は計算精度が高いから採用されているだけの、未実証の仮説に過ぎないことも座学の優等生として知っている。
 しかし、どうもハミイーは地動説を仮説ではなく事実としているようだ。しかも「世界」の意味で「惑星」と言っている様子もある。
 この世界のどこか、未知の場所にある猫の国はハルケギニアとは違う文化と学問を持っているらしい。猫の国についての説明を要求してみたが、
ハルケギニアの説明を聞かせるのが先だと断言されてしまった。まあ、その程度の寛容は示しても良いだろう。
 かくしてルイズはハルケギニア地図を自室の床に広げて説明をすることになった。
 地図を指差してそれぞれの国についてまず現況を説明し、さらにそれぞれの国の成り立ちを説明する。自然と歴史の始まりについて、
そしてメイジと魔法について説明することになった。
「まず最初に確認するが、ブリミルとやらがハルケギニア地域にやってきたのはおおよそ、八の四乗年ほど昔のことなのだな?
八の二乗の四倍や五倍ではなく」
「六千年も前のことだから何十年か何百年かの間違いはあるかもしれないわ。でも、数千年もの間違いはありえないわ。……それより、なんで八進法なのよ?」
 ハミイーが巨大な両手を顔の前に示した。ぷにぷにした肉球が目立つその手には指が四本ずつ。合計八本。
 ルイズもそれに応えて両手を、十本の指を示した。
139オレンジ色の使い魔:2010/06/02(水) 18:17:02 ID:FAw4Fj+n

「というわけだから、十進法を使って」
「承知した。さて、おぬしらの暦でおよそ六千年前、クジンの暦ではおよそ四千年前にブリミルがこの地域にやってきた。うむ」
「……ということは、クジンって言うのが猫の国の名前で、クジンでは一年半で暦が巡るのね。不便じゃない?年明けが夏だったり冬だったりすることになるでしょ?」
 納得して考え込む様子(だとルイズは思った)のハミイーにたずねて見る。
「惑星クジンの公転周期に合わせてのもの、なんの不合理も不便も無いぞ。……おお、もっとも基本的なことを確認しておらんだな。この惑星の一年は何日だ」
 意味不明な回答に続いて発せられた質問にルイズは「384日」と即答する。
「ふむ。さきほど太陽が傾く速度を見たところ、一日の長さはクジンや地球とほとんど同じようだな。では、ハルケギニア年はおおよそ0.7クジン年と考えれば良いか。
ブリミルがこの惑星にやってきたのはおおよそ4200クジン年前のことになる」
「チキューって何よ?話から見て、私の知らない人間の国?」
「ううむ。俺が説明する番だな」
 そしてハミイーは自分の世界について、ルイズが想像もしなかった話を始めた。
 夜空の星はそれぞれが宇宙に浮かぶ太陽であること。それらのひとつ、あるいは目で見えないほど遠くの太陽を巡る惑星クジンからハミイーはやってきたこと。
ここでルイズは質問を挟み、地動説は作業仮説ではなく事実であると回答を得た。
 クジンは帝国の名前でもあり、惑星クジンが巡るのとは別の太陽を巡る惑星のいくつかをも領地としていること。
 かつては太陽から太陽へと旅するのに何十年も掛かっていたが、最近数百年は光よりも早い船を使うようになり行き来が便利になったこと。
そして、クジン帝国は同じように複数の惑星を領地とする人間の社会と戦争と講和を繰り返していること。
 チキューとは人間の発祥の地であり、人間の領地の中でももっとも栄えている場所であること。
 人間の領地には月を二つ持つ惑星は無いはずだということ、そして魔法というものはおとぎ話の中にしか存在しないこと。 
「じゃ、じゃあ私たちはなんだって言うのよ?」
「判らぬ。人類が秘密の領地で特殊能力者を育てているのかといったんは考えたのだが、発足が六千ハルケギニア年前とあっては成り立たぬ。
人類が太陽から太陽へと渡る力を得てから数百年しか経っておらぬからな」
「いま話したことが作り話で、あなたはこの世界のどこかにある猫の国からやってきたって言うのはどう?」
「良い度胸だ、ルイズ。おぬしが秘密領地で育てられている特殊能力者であり、ブリミル云々の話が嘘であると言うくらいには説得力のある話だな」
 ハミイーが牙を剥き出して笑ってみせた。


ーーーーーーーーー−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第2話は以上です。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 18:41:50 ID:DKSFeJb3
>>138
> 「六千年も前のことだから何十年か何百年かの間違いはあるかもしれないわ。でも、数千年もの間違いはありえないわ。……それより、なんで八進法なのよ?」
>  ハミイーが巨大な両手を顔の前に示した。ぷにぷにした肉球が目立つその手には指が四本ずつ。合計八本。
>  ルイズもそれに応えて両手を、十本の指を示した。
> 「というわけだから、十進法を使って」

SFだー!! SFしてるー!! ファーストコンタクト物の異文化コミュニケーションだー!!

141名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 19:00:39 ID:jTc9J+V0
誰かハンタとのクロス書いてくだしあ><
142名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 19:04:33 ID:UlVNQtMf
8の4乗だと4096だから、「8の4乗と8の3条の4倍」というのが適当じゃない?
1.5倍を誤差に含むのは、さすがに無理があると思った。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 19:11:29 ID:B3Z66v4R
文明チート済みかぁ
オスマンをうまく使ってますな
144名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 19:21:55 ID:R0EHh6hU
というか八進法を八進法だと理解してるルイズに何故か吹いたw
特に吹くような要素ではないはずなんだがなんでだw
145名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 19:52:50 ID:FRJTVZud
八進法と十進法を理解しているルイズに萌えた。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 19:58:21 ID:9wU7ANWr


しかし、どうしてもこのネコさんを想像しようとすると
ちよ父になってしまう俺のイメージ力をどうにかせんと・・・
147名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 20:34:20 ID:CEnNggzE
>>144
たぶんその辺は、召還ゲート通過のハルキゲニア語変換機能で自動翻訳されてるんでしょう。
つまり、&O0012進数使えとルイズにいわれてるように聞こえるんでしょう。

ところで、自衛隊と兵器の話題聞いてて思ったんだけど、兵器の開発者が召還されたらどうなるんだろ?と思った。
たとえば、聖戦士ダンバインのショット・ウエポンがガリアあたりに召還されたらとか・・・・
148名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 20:35:31 ID:DKSFeJb3
>>146
大丈夫。俺はアタゴオルのヒデヨシで再生している。
149名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 20:45:02 ID:QBQ/PFLD
AIが召喚されるとゲートをくぐるときにロケールや文字コードも変換してくれるのだろうか?
ブリミルってスーパーハッカーだな
150名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 20:47:25 ID:ECBhT3HL
おっしゃあ!携帯規制が解除されたぜ!
>>147
じゃあ東宝自衛隊を召喚すればいい。
L作戦マーチとともにやってくる。皆さんの自衛隊です!
151名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 21:16:45 ID:q/s8GWFh
>>134
俺もそっちが浮かんだ。
アレだ、キュルケとかに呼ばせてゲルマニアで武器売ればいいんだよ。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 21:49:58 ID:vBHIzYqz
新開発のドライゼ銃を売ったり、
私兵集団が槍とか前装銃振り回したりするのか。なんともシュールだが…
似合わなくはない…のか?中世商人ルックのココとか
153名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 22:15:26 ID:JcTimehf
>>149
所詮は二次創作だから、と言えそうだw
しかしAI系は認識の仕方が人間の脳や思考に近いならすんなり解釈できそうだ
154名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 22:30:38 ID:2RqzsQ3U
>>147
キサラギあたりが召喚されたら・・・・
155名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 22:58:50 ID:oqHQw9xO
>>154
とっつきとAMIDAですね、分かります
156名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 23:16:09 ID:q/s8GWFh
>>152
ココ「フフーフ。これだから貴族は……私は金貨を払えと言ったんだ。どこをどう聞き間違えれば、勲章などになるんだ?」
あれ? そんな違和感無くね?
157名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 23:26:23 ID:9suJ3zGs
違和感無いな

所でフロウウェンの話ってアレで完結した訳じゃ無いよね…?
158名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 23:31:28 ID:liEkrdwG
ココ「ルイズ。あんな奴は君が討つほどの人間ではない!
貴族の杖は何を討ったかにより価値を変える。
君がどうしようもないボロ杖になるのを、私は許さん」


……なんか違うか
159名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 23:43:09 ID:/s993l6o
自分はAIで思いついたのがARMSの連中だが、ヴァイオレット以外は全滅したキースシリーズが不憫すぎる。
特にシルバー。自分の手で家族皆殺しにせにゃならなかったのは酷い。Dボゥイやキカイダー・ジローもだけど。

「右手に握った槍」はそれこそブリューナクの槍で。
戦いの場所を提供するか、あるいはシルバー自身が「キース」の役目を終えたと感じて使い魔やってくれそう。

『力』が無いことを嘆くルイズを諭しつつ、フーケ戦かワルド戦でルイズが窮地に陥った時には、

「ルイズ、力が欲しいか?」
「欲しいわ……劣等感なんかじゃなくて、私自身の貴族として誇りのために!」
「力が欲しいのなら……くれてやる!」

ってな感じでルイズの前で初めてARMSを発動させるとか。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 23:54:37 ID:9suJ3zGs
てんこが召喚されたらWツンデレとW絶壁が合わさり最強に見える
161名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 23:56:47 ID:fu7QQvOi
>>159
キースシリーズは基本的に死ぬ際に跡形も残っちゃいないからなぁ。
つーか、それ以上にどいつもこいつも普通に強すぎ+敵に対して力を振るう事(=殺す事)に
躊躇いが無い事が色々と引っかかってくる。
更に言えば皆プライド高いから初期のルイズに従うとは到底思えないどころか、ルイズが
原作のような振る舞いをしたら最悪いきなりルイズ死亡も十分有り得るのが非常に問題。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 00:24:18 ID:o7pVmlI2
そこでブルーですよ
163名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 00:45:41 ID:7tVx1XmZ
>>149
小川一水のSF小説で、電算機初期の異星文明に直接接触した地球人が、漢字で自分の名前を表示させてたな。いや、しちゃってたかw

外文明支援省の観察官が、観察中のハルキゲニアに召喚されるというのも面白いかも・・・
・・・って、導きの星ってマイナー?

なんかこの設定だと、プリミルと主人公がお知り合いになっちゃいそうだw
164名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 01:04:32 ID:Fpm0gmM5
それでもやよいさんなら…やよいさんならなんとかしてくれるっ!w
いや、宇宙お手伝いさんって見た目以上にすごいんだよなぁ…
165名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 01:30:57 ID:vGDPelU9
>>162
ドーマウス一回限りじゃねえか……
いやまぁ、戦闘力ではなく心の支えにはなるか
166名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 01:40:35 ID:JDdGOlB9
167名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 01:50:21 ID:qWgL1GCm
つまりハルケギニアはハルキゲニアの小宇宙に存在する架空の空間の事だったんだよ!
168代理:ゼロの黒魔道士第74幕8/9:2010/06/03(木) 01:51:06 ID:IDbbKvkz
ΩΩΩ<(ry
169名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 02:23:35 ID:JEVjgHtb
ギーシュがアームズのコア召喚してナノマシン装備なワルキューレ作成でお願いします
たまにコアがワルキューレ乗っ取って暴走とか
170名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 03:10:06 ID:/4PB/ZSB
アームズのコアってそういうもんじゃないから
171名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 03:16:53 ID:M4U6EIdz
ARMSのコアってアリスのペルソナが分離したようなモノじゃなかったっけ?
172名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 04:19:17 ID:XdpTm1A1
コアは有機物と融合しないと駄目で特定の遺伝子が必要のはずでは
173名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 04:46:09 ID:fNp8+hCv
AIでデジタルデビルサーガを思い出した
召喚した結果、実体化した喰奴顕現とか
アートマシンボルとかぶるけど
174名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 05:03:17 ID:/qsBEdx+
ハーリーQとか良いキャラだったのにしょっぱなにぶっ殺したのはもったいない
175名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 06:15:18 ID:UVMiQoKZ
AIでハーレイ・ジョエル・オスメントの映画を思い出した直後に、
チャンピオンか何かの読者投稿コーナーでA.I.のロゴが顎の出た某燃える闘魂になってたのを思い出した
176名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 07:39:35 ID:o7pVmlI2
最強のAIはADAだと思うんだ
177名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 07:49:39 ID:/jvoUjHs
東方緋想天から永江衣玖を召喚したら空気を読んで使い魔やってくれそうね。

衣玖さん(何か総領娘様と似てますねーこの人、まぁ使い魔にならないとお話が進みそうに無い空気ですし…)
178名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 09:05:33 ID:o7pVmlI2
何気にまだ天界組の話って無いしね

あとミョズニトにこーりんがなったら…
179名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 09:30:58 ID:sLs48gKe
能力が半分被ってるな
180名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 10:04:34 ID:aZ5huyf7
チャージマン研から泉 研を召喚

ジョゼフ「このヨルムンガント一体でハルケギニアの半分がなくなる。」
研「それっ!」
ジョゼフ「ぐわあああ!」

どんな相手も一発で撃破できるんDA!
181名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 10:11:51 ID:lFPPe86d
>>180
ゼロ戦に乗ったルイズを投下するんですね
182名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 11:38:07 ID:o7pVmlI2
ラブやん召喚

…駄目だどう足掻いてもシリアスにならん
183名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 11:44:20 ID:qWgL1GCm
召喚じゃなくてラブやんがラブ穴通って自力でくればいいじゃない
あの世界ロリコンとか三角関係とか多いけど
184名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 11:56:31 ID:XyEG70rc
>>176
ノウマン大佐召喚
左手だけになって見つかる生徒か・・・
185名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 12:10:16 ID:ZYULBWul
>>181
チャー研『ルイズ嬢、お許し下さい!』
186名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 12:43:13 ID:wHqRJhVq
まさに爆破攻撃
187名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 14:52:35 ID:hP5Pi4kU
ルイズが瑠久羽召喚

「地獄が悪人の魂で満杯になっているので、地上で善行を成して人心を健やかにして、人間を天界におくるためあなたの召喚に応えた」
188名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 17:33:15 ID:345REf8c
AI・・・ねぇ

All in 1

全てを一つに
189名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 17:49:10 ID:ogJ+w20O
ザ・ワンから100人のジェット・リーを
190オレンジ色の使い魔:2010/06/03(木) 17:52:28 ID:M4Z5ih0f
18時から第3話を投下予定です。

>>142
> 8の4乗だと4096だから、「8の4乗と8の3条の4倍」というのが適当じゃない?
> 1.5倍を誤差に含むのは、さすがに無理があると思った。
ご指摘ありがとうございます。投稿時にミスしてしまいました。

>>144
原作でもルイズは知性は高いことになっている……ということにさせてください。
191オレンジ色の使い魔:2010/06/03(木) 18:01:22 ID:M4Z5ih0f
翌朝、トリステイン魔法学院、食堂の裏手。
 職員と生徒向けに朝食を用意し終え、使用人のひとりが肉や野菜の端切れを満載した台車を押して使い魔の餌場へ
と向かう。
 毎年のことだが、新しく召喚された使い魔がどれほど餌を食べるのか事前に見積もるのは難しい。
 だからこの日は料理長と経理長が使い魔の餌にまで配慮する。
 貴族子女の食べ残しを与えれば安く上がりそうなものだが、残飯を与えることは使い魔ばかりかその主をも侮辱す
ることであるとして禁止されている。
 だから、肉も野菜も使用人の賄い料理に使うのと同じもの、良い部分を貴族用に切り分けたあとの残りが用意されている。
 餌場につくと、すでに使い魔たちはその食性に分かれて集まっていた。
「ふむ……殺したてとは言いがたいな」
 ふいに背後から声を掛けられ、使用人は驚いて餌やりの手を止めた。
 振り向くと、毛皮に覆われた壁があった。使用人は二度驚き、すぐに思い出した。あの可哀想なミス・ヴァリエール
の使い魔だ。
 ヴァリエール公爵の三女が「魔法成功率ゼロのルイズ」と仇名され生徒たちから馬鹿にされていることは使用人の間
にも知れ渡っていたし、その彼女が昨日初めて魔法に成功して立派な使い魔を召喚した噂は昨日の夕食の配膳と片づけ
中に聞いたことだ。
 なるほど大きい。しかも人の言葉をしゃべるとは珍しい。
「に、肉で良いのかい、ミス・ヴァリエールの使い魔さん?」
「俺は少なくとも今のところ、使い魔ではない。ヴァリエールの客と言うのが今の立場だが、人間の食事は口に合わぬと
 言ったらこちらへ行けと言われたのだ。さておき、殺したての新鮮な肉が良い。俺だけでなく、あの竜や火トカゲ
 どももおそらくは同じ意見であろうよ」
 大猫はじろりと使用人の頭から爪先までを眺め回し、付け加えた。
「おぬしの意見によっては、自分で殺したての肉を用意しても良いのだが」
192オレンジ色の使い魔:2010/06/03(木) 18:02:05 ID:M4Z5ih0f
「美味いか?」
 きゅいきゅい。きゅるきゅる。がうがう。
 ハミイーが食事の手を止めて問うと、新鮮な肉塊に群がった肉食の使い魔たちが一斉に返事をした。
 最初に食事係の人間が持ってきた、殺してから時間が経った肉を前にしたときとは勢いが違う。
 地球でもこの惑星でも、人間は新鮮な肉をわざわざしばらく放置してから(そして火に掛けるあるいは湯につけて)
食べる奇妙な習慣を持っていることは変わらないようだ。
 これも不自然な一致だ。
 食性ばかりではない。
 昨日から目にした生き物はどれもハミイーが地球に赴任していたころに目にしたものばかりだ。
 地球に実在しない生き物も居る。たとえば、そこで肉を骨ごと噛み砕いている竜や火トカゲがそれだ。
それ以外にも地球で目にした人類向け娯楽映像に出てくる生き物がこの場所には実在している。
 遺伝子工学を駆使すれば作れるであろうし、進化のきまぐれの中から自然に発生してくることもあろう。だがそれら
の姿がどれもこれも皆、地球で目にしたものとあまりに似通っているのは何故だ?
 しかし、それらの不思議もここの人類が流暢な人類共通語(インターワールド)を話すことに比べればいかほどの
ことでもない。
 クジン人の間でも人類の間でも、交流なく孤立した社会では時間と共に言葉が変化してゆく。再会するまでの断絶が
数世代に及べば、ちょっとした会話にさえ苦労することになる。
 だが、この惑星の人類は流暢な共通語で会話をしている。
 昨日ルイズが語ったことが事実であれば、このハルケギニアは少なくとも6000年に渡って恒星間文明から孤立している。
 地球の人類が恒星間航行技術を手にする遥か以前からだ。
 恒星間航行どころか、昨日の日没後に観察したところでは周囲に街道の照明さえ見当たらず、建物の中にはディス
ポーザーひとつ、電灯のひとつも見当たらない。
 昨夜は夜空も観察してみたが、軌道上に施設がある様子も宇宙船が航行する様子も無く、二つの月の表面を観察し
ても都市の灯りは見当たらなかった。
 さきほど、この食事場まで歩く途中で観察したがガレージに収まっているのは馬(これも地球のものそっくり)に
引かせる車両だ。
 まるで宇宙進出以前の文明、それも機械を普及させるに至っていない文明のようだ。その一方で個人用の重力制御装置
や電灯に相当する器具あるいは能力は存在している。
 どうにも理解しがたい。
 仮に、文明の証拠を秘匿または偽装していると考えよう。では何ゆえに、奴らは人類共通語で会話し既知宇宙(ノウンスペース)
との交流があることを誇示しているのか。
 ルイズが語ったところによると使い魔には言葉を聞き取る能力が付与されるということだが、その言葉さえ人類共通語だ。
 今しがた、人類共通語で話しかけたところ使い魔たちは一斉に返事をした。
 そして、このハルケギニア地域で使われる度量衡の単位はノウンスペースの人類、クジン人が知る範囲の人類が使う
単位系に酷似している。
 あまりにもあからさまにノウンスペース文明圏との繋がりを誇示し、そして何かを隠している。
 ふたたび、ハミイーは骨付きの肉をかじりはじめた。
 腰に下げ、たっぷりの毛で覆い隠した携帯通信機を試すのはそれなりに調査を進めてからのことだ。
 何も判らぬに等しい今の状況で救助や増援を求めることは、ハミイーの誇りと立場が許さない。
 嘘、謎、未知。何かを突き止めてからでなくてはなるまい。
193オレンジ色の使い魔:2010/06/03(木) 18:03:18 ID:M4Z5ih0f
 生徒と使い魔がそれぞれに朝食を終え、新学期最初の授業が始まった。
「みなさん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを
 見るのがとても楽しみなのですよ」
 教壇から教室を見渡し、おっとりした声でシュヴルーズが言う。進級したばかりの新二年生たちはそれぞれに使い魔を
従えている。
 大きすぎて同じ席につけない使い魔は教室の後ろに、さらに大きな使い魔は教室の外に。
 ルイズは思わず身を縮めた。自分は確かに召喚には成功したが、まだ使い魔は持っていないのだ。進級試験の条件は
「召喚成功」と明記されている。
 これまで召喚に成功して契約できなかった例は記録にないらしく、自分は条件の隙をついて進級したことになる。
 にも関わらず、今日は今の所は周りの生徒から嘲笑を浴びせられてはいない。視線の多くは相変わらず非好意的だが、
一応は魔法に成功するところを見せたのだ。
 これから他の魔法も成功してゆけば良い。両親も姉たちも、最初に魔法を成功してからは次々に他の呪文に成功したと
言っていた。自分に同じことが出来ないはずがない。
 なにより、父も母も高位のメイジ。その血を受け継ぐ自分はどの程度のことが出来るようになるのだろう?

「ミス・ヴァリエール!授業に集中なさい」
「はっ、はい!」
 授業そっちのけで空想にふけっていたルイズは教師の鋭い声によって現実に引き戻された。
「ちょうど良いでしょう、ミス・ヴァリエール。錬金を用いてこの石を金属に変えてご覧なさい」
 シュヴルーズがどこからともなく小石を取り出し、教卓に載せる。
「はいっ!」
 ルイズは勢い良く立ち上がり、教壇へ歩み寄る。周囲からは非難と抗議の声。
 早速機会がやってきた。『錬金』のスペルは諳んじている。いつか使えるようになる日の為に、読める限りの呪文は
暗記してあるのだ。
『錬金』にはこれまで一度として成功したことは無いが、これが最初の機会だ。
「先生、危険です!」
 女生徒の高い声、たぶんモンモランシ。
「なぜです?」
「ルイズの魔法は爆発するんです」
「それは私も聞いておりますが、昨日サモン・サーバントに成功したとも聞いております。みなさんも最初に魔法に成功した
 時のことを思い出してごらんなさい」
 その言葉に生徒たちは不平を唱えつつも口を閉じ、腰を下ろす。
 ああ、先生も級友−−というには親しくはないものばかりだが−−も同じなのか。
 これが二つ目の魔法、何をイメージしよう?
 金?銀?高望みはやめておこう、少しずつ上手くなって行けば良いのだ。見渡すと、失礼にも級友たちのほとんどが机の
下に隠れている。使い魔を教室の外へ避難させているものまでいる。
 ルイズは銅のささやかな粒をイメージし、よどみなく呪文を唱えた。
 杖を振り下ろす。
 爆発は教卓を叩き潰してルイズとシュヴルーズを吹き飛ばし、さらに数列の机をなぎ倒した。
194オレンジ色の使い魔:2010/06/03(木) 18:04:01 ID:M4Z5ih0f
「おぬしの魔法はなかなかの出来だ」
 授業が中止になった教室をルイズと共に片付けながらハミイーが言った。ハミイーが軽々と起こして並べなおした机に
雑巾を掛けていたルイズの手が止まり、震える。
「ば、馬鹿にしてるの?」
「なにを言う。これだけ規模の爆発をその小さな棒切れひとつで狙った場所に起こせるとなれば、暗殺でも決闘でも思い
 のままではないか。物質変換などより役に立つ場合もあろうよ」
 狙いどおりの場所には起こせないと言いかけて、ルイズは肩を落とした。ため息をつく。やはり人間とはメンタリティ
が異なるのだろうか。
 しかし、何故使い魔でもないのに自分の手伝いをしているのか?
 ふと気になり、ルイズは尋ねて見た。
「なに、昨日の寝床と今朝の朝食の代償だ。使い魔契約はしておらずとも、利益供与と返還は行えるというわけだ」
「……ありがとう」
「む?まあ良い。聞きたいことがあるのだがな」
 最後の机を並べなおし、ハミイーが問うた。
「わたしに判ることなら」
 雑巾を掛けながらルイズが答える。
「昨日、地図を見ながら説明を受けたところによるとおぬしらの魔法はいろいろなことが行えるようだ。それによって
 社会を支えておると考えてよいのか」
「ええそうよ、でも私は何もできない。サモン・サーバントに一回成功しただけで、相変わらずゼロのルイズ」
「おぬしは物質変換に成功しておるではないか」
 ハミイーはルイズの手元を指して言った。
「このどこが『錬金』に成功してるって言うのよ!」
「その煤はどこから発生したのだ?」
 ルイズは息を飲んで雑巾を見つめた。確かに……チリひとつなく掃除が行き届いていたはずの教室を黒く汚し、
今は自分の手元で雑巾を黒く染めている煤は、いったいどこからやってきたのか?
 しばらく考え、ルイズは掃除を再開した。
 もし自分が煤の錬金が得意なのだとしても、「煤のルイズ」と呼ばれるのは嫌だ。だからこれは錬金の成功ではない。
 しばらく無言で机を拭いていたルイズはふと気づいた。
「ねえハミイー、あなた本当に魔法を知らないの?」
「作り話ではなく実際に目にしたのは昨日が初めてだ」
「でも、『錬金』を物質変換と言い換えたり、概念を知ってるように思えるわ」
 ルイズは考え込みつつ言った。
「うむ、魔法ではなく技術によって同じことを行う事例を知っておるのだ。多少の金と手間を投じれば、物質変換装置
 という機械でいろいろな物質を作り出すことが出来る」
「じゃあ、猫の国クジンでは職人を抱えていれば『錬金』できるの?他にもあるわ、昨日サモン・サーバントで召喚
 されたとき、あなたは『転移』と言う言葉で表現した」
「むむ、これはうかつであったな。まあよい、転移ボックスと言う装置が我々の街のあちこちに用意されておるのだ。
 それを用いることで、瞬時に場所から場所へ移動することが出来る」
「それで……その装置を使って誘拐したと考えたのね」
「そうだ。ただし、普通は転移ボックスで移動できる距離には限界がある。おぬしが俺に対して行ったように光年単位の
 距離を飛び越えることは出来ぬな」
 ハミイーはなぜか探るような視線を向けてきたが、ルイズは気のせいだと思うことにした。猫の表情を人間の自分が
解釈できるはずがない。
 掃除を終えて、ルイズはふと聞いてみた。
「コウネンって何リーグくらい?」
195オレンジ色の使い魔:2010/06/03(木) 18:04:51 ID:M4Z5ih0f
今回は以上です。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 18:07:07 ID:ULzrtkvG
支援
197虚無と真理:2010/06/03(木) 18:56:12 ID:9KAtiLTQ
さて 言いだしっぺがへそ曲げてしまい 
周回軌道をそれていきます。

どんな結果になるのか 楽しみであり 怖くもあり
とりあえず1900投下予定
198虚無と真理:2010/06/03(木) 19:00:07 ID:9KAtiLTQ

 * * *

古書を抱えたコルベールを先頭に、一行は本塔の螺旋階段を上がっていく
途中硬く厳重に閉じられた大きな扉を横切り、塔の頂へとたどり着く。
先ほど横切った扉よりも小さいものの、表面に壮麗な装飾が施された両開きの扉の前に立つ。
コルベールが手に持った杖で扉を叩いた。
コンコンっと響く金属音に混じって内側から「ひぃ!やめて!もうしない…」という声が聞こえた気がして
コルベール以外の一同が小首をかしげる。
憮然とした顔でコルベールが、内側の了解も待たずに扉を蹴って押し入った。

「オールド・オスマン!大事ですぞ!」
「何じゃね?夜も更けようというに」

腕を後ろで組んで、背をこちらに向けながら立っていた老人、学院長のオールド・オスマンが、
重々しい雰囲気をかもし出しながらゆっくりとこちらに振り返る。
入り口でコルベールの裏に控えていた三人の少年少女の目が、ゆっくりとそれに合わせて横に泳ぐ。
なぜかオスマン氏の羽織るローブの尻あたりに、ブーツの足跡がうっすらと白くういていた。
そんなちょっとした謎を無視してコルベールは、
手に持った古書をオスマンに手渡し、後ろに控えた生徒達と使い魔を部屋に招き入れる。

「こらまた古臭いものをもちだしたのぉ、それにその生徒達はどうしたのかね?」
「先日の使い魔召還の儀式と、朝方の決闘騒ぎの件でご相談が……」
そこまで聞いて、オスマン氏の表情が険しくなり、目がキラリと光る。
「ミス・ロングビル。席を外しなさい。」

そのオスマン氏の支持に、扉の影に隠れていた秘書席から無言に立ち上がった女性が、
部屋に入るルイズ達と入れ替わりに出て行く。
秘書のロングビルは若草色の長い髪が印象的なメガネをかけた知的な女性だった。
退出と同時にペコリとお辞儀をして、目が合ったコルベールに微笑みながら、
懐から出した杖をふり『念力』を唱えて扉を閉める。

「詳しく説明するのじゃ、ミスタ……なんだっけ?」
「……コルベールです。オールドオスマン」

閉じられた扉を見つめながら耳を赤くしていたコルベールが、振り向きながらポツリと訂正した。
そんな様子を一番後ろから眺めていたエドワードは、
この魔法学院、いろいろとダイジョブなのか? と何気に不安になった。
199虚無と真理:2010/06/03(木) 19:02:54 ID:9KAtiLTQ
 * * *

今までの出来事や調べあげたことを、コルベールは熱く語り終えると、頭に浮かんだ汗をハンカチで拭いた。
ルイズが使い魔召還で平民の少年を呼び出したこと、契約の際に不思議なルーンが刻まれ気になったこと。
実は呼び出された少年は、別世界から来たこと。そして調べ上げるうちにたどり着いた……
「彼が始祖ブリミルの伝説の使い魔『ガンダールヴ』だというのだね?」
「そのとおりです、オールド・オスマン。そしてエドワード君が言うには、
 このミス・ヴァリエールにはとんでもない魔力が眠っているということです。つまり」
「失われた系統、虚無が復活したと、そういいたいのだね」
「まったくもってその通り! さっそく王宮に連絡して今後の対応を……」
「それには及ばん」
「は? 世紀の大発見なのですぞ?」
「よく考えたまえ。仮にその話が真実で、王宮のボンクラに『伝説』という格好の玩具を与えてしまったら
 またぞろ意味のない戦の道具に使われるのが落ちじゃ。それにこの子達がアカデミーでどんな仕打ちにあうか、
 君になら痛いほどわかるじゃろう?ミスタ・コルベール」
「……学院長の深謀には恐れ入ります」
「解ればよろしい、この件は私が預かろう。さて、ミス・ヴァリエールと、エドワード君といったかね?」

急に話をふられ、エドワードは言葉なくコクリと首を縦に振る。
ルイズはルイズで、目の前で語られた話の大きさにいっぱいいっぱいの面持ちで、我を失っていた。
頭の中は疑念と歓喜がぐるぐると渦巻いていた。
(わたしが虚無の使い手? 嘘、魔法一切使えないのに。でも伝説の系統よ? 詳しい特性なんて全く伝わってないし)

「急に突拍子のない話に付き合わせてしまってすまないのぉ。なぁにそんな硬くならんでもよろしい。
 悪いようにはせんでの、安心して普段どおりの生活を送って貰いたい。そしてこの事はいっさい忘れるのじゃ」
「え?」
オスマン氏の言葉に首をひねって我にかえるルイズ。
伝説の虚無の使い手かもしれないのに何で黙っていなきゃいけないの? という顔でオスマン氏を見やる。
「確証の無いことじゃ、すぐに真偽を確かめることはできぬでの。
 君らの安全のためにも秘匿にしとくことが、今は一番いいのじゃよ。
 特異な力は、時として思わぬ荒事を呼び込んでしまうものなのじゃ。
 このジジィに免じて、今はそっと胸のうちにしまいこんでくれぬか」
本当にすまなそうに、学院長が年端も行かない一生徒とその使い魔に頭を下げた。
それだけ事が重大であることを理解したルイズは、うかれる自分を心の奥に押し込んでオスマン氏に向きあった。
「頭を上げてくださいオスマン学院長、私にはもったいないお言葉です。今回の件はきっと何かの間違いだったんです」
「ふむ、何かあればすぐにでもワシやコルベール君に相談するのじゃよ。君ら生徒はワシら教師の宝じゃからな」
うむうむとオスマン氏は、彼の歴史を物語る顔のしわをさらにクシャリと緩め、
朗らかな温かみのある笑みを浮かべ鷹揚に頷いた。
「ところでコルベール君、ミス・ヴァリエールの他になぜ、ミス・タバサがここに居るのかね?」
「ははは、学院長にお伝えするまで口外しないよう気をつけておりましたが、
 たまたま通りすがりに聞かれてしまいまして、一緒に采配を頂こうかと」
「不可抗力」
 学院長室に入ってからずっと壁にもたれかかって、本を読んでいたタバサがひょこっと顔を上げてポツリと答える。
200虚無と真理:2010/06/03(木) 19:06:18 ID:9KAtiLTQ
「カーッ! 研究ばかりにうつつをぬかしおって、視界が狭すぎるからそうなるのじゃ!」
カッと目を剥いて説教するオスマン氏、その迫力にコルベールは小さく縮こまってハンカチでしきりに汗を拭った。
「ワシを見習え、この年でも青春を忘れておらん。今度嫁の1人でも紹介してやるから、早く身を固めることじゃ!」
「それとこれとは、話が別では、そもそもオールド・オスマンの趣向は……」
「だまらっしゃい! まずは身の回りの物からして男が何たるかを忘れとる。
 ハンカチは普段からパリッとした白で決めてだな……」
紳士とは何たるかの心得を交えつつ、ひとしきりコルベールに説教したあと、
オスマン氏はタバサに振り返り、コルベールに代わって巻き込んでしまった事をきっちり謝罪した。
「とにもかくにも、ミス・タバサ。今回の件は忘れてくれんかの」
タバサは表情を変えることなく、こくりと頷きつつも、オスマン氏の説教を聴いてなにやら思うところがあったのか
一拍考え込んで、ポツリ意味深な単語を口にする。
「秘書のハンカチ」
コルベールとオスマン氏の背後でなにかが一閃したが、意に返さずオスマン氏は笑顔で続ける。
「夜もすっかり更けた。淑女達は寮に戻って休みなされ、眠りは君達の年頃には掛け替えのないものじゃ、
 さてコルベール君にエドワード君、別件で話がある、このまま残ってもらえるかの」
さあこの話は終わりじゃとオスマン氏は手をポンポン打って解散を促す。
タバサとルイズは一礼して、退出する途中、ルイズがふと立ち止まり、心配そうにエドワードを見つめた。
「ん、先に休んでな、昼休みからぶっ続けだったしな」
エドワードの言葉に頷くと、ルイズはタバサの後について女子寮に戻っていった。

「ふむ、いい主人に当たってよかったのぉ」
「おかげさんで、で、俺に何か用か?」
エドワードは腕を組んでオスマン氏に向き直る。
オスマン氏は、学院長室をとことこ歩きつつ、壁にかけられた姿見の前に立ち、
いつの間にか手に持っていた節くれだった樫の杖を振る。
『遠見の鏡』に今朝のギーシュとの戦いの一部が映りこみ、再生される。
「君は、どこまでガンダールヴに付いて知っておるのかの? 
 能力をしっていて、わざわざ剣を使わなかったのじゃろう。
 それに練成術といったかのう、誰に教わったのかの?」
鏡には次々と、練成術を使うエドワードの姿を映し出していく。
「すべてお見通しだと、いいたいのか?」
「勘違いしないでほしいのぅ、別に君を脅したり何かしたりするつもりはないのじゃ、
 ワシ個人の興味での、未知なる物は好奇心を刺激するでの」
「好奇心は猫をも殺すって言うぜ?」
「肝に命じておこう。まあ話したくなったらでいい、そのときまで待つとしようかの」
オスマン氏は、ほっほと笑いながら立派な白髭をなでる。
喰えないなこの爺さん、とエドワードも頬を掻きながら微笑する。

「で、用件はそれだけか? 早く帰らんとうちのご主人がへそ曲げるんだ」
「ふむ、本題といこうかの、また別のことで、君に残ってもらったのじゃが。
 実は、虚無かどうかすぐに確認できる方法があるのじゃよ」
「なんだと、なんでルイズに席を外させた?」
「実のところ、君が本物の伝説の使い魔かどうかが解るというだけのことなのじゃ。
 彼女を調べなくともそれで事足りる。
 コルベール君、ちょいとガンダールヴについて簡単に説明願えるかの?」
「は、私が調べた程度でよろしければ」
エドワードの話をわくわくして待っていたコルベールが、
急に話をふられ、あわてて抱えていた古書を開き頁をめくり始める。
その間にオスマン氏はエドワードに話を続ける。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 19:08:17 ID:La98bn/C
しえん
202虚無と真理:2010/06/03(木) 19:10:12 ID:9KAtiLTQ
「それにのぉ、彼女は色々と複雑な状況に囚われておる。君も目の当たりにしたじゃろう?
 幼い頃から魔法をまともに使えず、ただでさえ原因不明の爆発じゃ。
 彼女のご両親からもよろしく言われておっての、さらなる重圧を与える真似は、したくないのじゃ。
 『虚無』とはそれほどいわくつきのものなのじゃよ。世界を背負う事にもなりかねん。
 その手前、君の練成術は彼女の心のケアになってくれると、ワシは信じておるよ。ふぉふぉふぉっ」
「それは、ルイズ自身が選ぶべきもんじゃねぇのか」
「かもしれんのぉ。じゃが今はまだその時ではないと思っての。、
 この学園内に居るうちは、ワシは見守っていくつもりじゃよ。
 まあここでの話しを伝えるかどうかは、君に一任するがの。
 彼女が選んだ使い魔なのじゃ、その選択もまた運命とな」

目を細め笑いかけるオスマン氏に、エドワードはそりゃまた重役だなと苦笑する。
そうこうするうちに、コルベールが目的の頁を見つけて口を開いた。
「では僭越ながら、説明させていただきますぞ。そもそもガンダールヴというのはですな……」
講義を施すかのように、コルベールが語るには、
強力無比な虚無の魔法を完成させるには、その絶大な効果に比例する長い詠唱を行わねばならず
無防備となる詠唱中に、始祖が自身を守るために生み出した存在がガンダールヴだという。
あらゆる武器を使いこなし、主と敵対するものをなぎ払う
その力は千の軍勢を壊滅させ、並みのメイジでは歯が立たなかった程だったと最後に付け加えた。
「……神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。
 これが今日までに伝わるもので、一番古い記述ですな。」
「それ、続きはないのか?」
「いえ、詩はこれで終わりですな。あとは別の伝説の使い魔についての節が続くだけですぞ?」
黙って顎に手を当て考え込むエドワードに、コルベールが質問を投げかけようとしたところ。
オスマン氏が手を上げてそれを制し、話を引き継ぐ

「その最後の詩に詠われる、ガンダールヴが証のルーンの輝く左手に持って振るったといわれる大剣
 名をデルフリンガーという意思を持つ魔剣、インテリジェンスソードがこの魔法学院の宝物庫にあるのじゃ
 いろいろ口がうるさい奴だから今は封印しとるが。そやつに見せれば一目瞭然というわけじゃ」
「なんと!オールド・オスマン 私はそのような話聞いたことございませんぞ」
「なに、ワシも最近まで半信半疑じゃったからすっかり忘れ取った。
 王宮に呼ばれたときに城下町の裏通りを歩いておったらのぉ。
 とある武器屋の店頭で売り叩かれ取ったボロボロの剣がワシを呼び止めたのじゃ
 自分はガンダールヴの使っていた大剣だ、もうすぐ相棒が目覚める。
 男前で知られる魔法学院長だろう? 自分を買え、近々相棒がやってくる。
 そう始祖のお告げが下ったと、そうしつこく言うものでの。
 まあ捨て値だったし面白いので買って帰ったのじゃよ」
「そんないい加減なもん、信じられるのか?」

もっともな疑問を口にだすエドワードに、オスマン氏は堂々と答える。

「ワシの素性を的確に見破ったのじゃ、信憑性はそれで事足りるじゃろう。
 何はともあれ、今夜すぐにでも宝物庫を開けて調べたいところじゃが
 ワシもいろいろと忙しくての、暇ができる次の虚無の曜日にでも奴と会ってもらえんか?」

シラーっとするコルベールとエドワードを前に、気にした風もなく話をまとめるオスマン氏
なにやらちらちら、部屋の入り口に視線を向けていた。

「まぁ別に急ぎの予定なんて無いも同然だしな。ご主人次第で時間をあけてもらうさ。
 ちなみにはっきり解るまで、ルイズには黙っておくつもりだ。」

うむっと深く頷くと、学院長は戻ってよろしいと杖を振るった。
音もなく扉が開く、促されるままコルベールとエドワードは軽く会釈して学院長室をあとにする。
203虚無と真理:2010/06/03(木) 19:15:42 ID:9KAtiLTQ
途中オスマン氏がポツリといった。
「エドワード君、詩の続きとは……
 異邦より舞い戻りしガンダールヴ、理を刻む神の剣
 その手に触れる全てを武器として、我が過ちの根を断ち切らん。」

ハッと振り返るエドワードに、オスマン氏は意味深に微笑みかける。

「異世界から来た事は伏せておきなさい、こちら側ではこうも伝わっておる。
 我が古き故郷より舞い降りるは、御使いか、悪魔の子か
 世界の変調に表れて、来る災厄を予言する。とな」

オスマン氏は足をとめ、様子を伺っていたコルベールにも視線を向けて口を開く

「ミスタ・コルベール、ミス・ロングビルは一見、知的な淑女に見えるが、
 実に中身は女王様じゃ。君もワシと喜びを分かち合うかね?」

ギギギィ、パタンっと扉が閉まりきった前で愕然とするコルベールを余所に
エドワードは、ほんとにダイジョブかよこの学院っと切実に思った。
(『真理の扉』ならぬ『(変態)紳士の扉』だな……コルベール先生、開くなよ)

 
−−−−−−−−−−−−− 
以上
監督いないから笑いの趣味がだだもれ
あははのは
204名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 19:43:25 ID:q6XAAfKp
>195
乙。作品自体は楽しけど、なんか投下が話的にブツ切なのはもったいなく感じる。
投下間隔最低限空ければ10スレくらいはいけるし避難所もあるから
話的に区切りの良い所で投下してってもいいのにと思った。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 20:03:28 ID:SSVyMovg
>>204
いやいや、短くても毎日投下してくれる方が嬉しいぞ。
あと話はおいしい所で区切れてる。こういうのはぶつ切りじゃなくて「引きが上手い」と言おう。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 20:09:53 ID:XZNid6y6
>>203
文末に「。」があったりなかったり。見直しはしてほしいです。

>>205
その辺はまあ、人によるだろうが、二行目はさすがに……褒め殺しかもしれないけど。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 21:24:34 ID:y7CbzNxr
引きが……上手……い?
208名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 22:02:19 ID:6cX8ahJu
投稿するの気恥ずかしいのかもしれないけど
おちゃらけて見せるのもそれはそれで恥ずかしいぞ…
209名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 22:23:15 ID:tkCss5xI
ワルター・フォン・シェーンコップを呼んで、ギーシュやオスマンやモット伯が涙目の話はまだですか
210名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 22:31:28 ID:2mkpb68s
規制解除
211名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 22:55:00 ID:zK+a22wr
読ませてもらっておいて、ぶつくさ文句いうのはどうかと思うぞ?
212名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 22:56:12 ID:IDbbKvkz
えー?
213名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 23:23:55 ID:UVMiQoKZ
読ませてもらってると思う様な話なら、ぶつくさ文句を言うやつもいないんだろうな〜
214名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 23:29:23 ID:y7CbzNxr
>>211
そういうセリフは、せめて「投下したらスレの流れが変わる」くらいの作品に対して言ってくれ。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 23:34:02 ID:IXPvhO1f
> 197 :虚無と真理:2010/06/03(木) 18:56:12 ID:9KAtiLTQ
> さて 言いだしっぺがへそ曲げてしまい 
> 周回軌道をそれていきます。
>
> どんな結果になるのか 楽しみであり 怖くもあり
> とりあえず1900投下予定
意味が分からない、影羅でもいるの?

>>204
10スレって10レスのこと?
216名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 23:43:49 ID:9KAtiLTQ
>>215
もともと二人三脚ではじめたこと。
書き手とネタネリは別人。
書き手(俺)はとりあえずこのまま続けるが
ネタネリがぼろくそ言われて離脱。

てか巣におかえりw >>212-215
217名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 23:51:53 ID:s+0KGcCZ
>>215
……あなたは、>>232-234に礼を言う暇があったら、>>219-227を肝に銘じた方がいいですよ。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 23:53:43 ID:sOqUb4qG
米海兵隊が召喚されました
219217:2010/06/03(木) 23:57:57 ID:s+0KGcCZ
>>215
すみません、アンカミスです。

×>>215
>>216
220名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:06:11 ID:7TvFh2Dw
叩きに便乗してアンカーミスとか…
221名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:07:29 ID:LuOsTz+1
文句がある奴は手前の好きなようにSSを書いて投下でもしてろ
それと勘違いするなよ、ルイズがアルに似ているって設定で書いてるんだから別人で当たり前なんだよ
222名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:09:20 ID:WO9Amyfo
よくわからん?
>>212-215 って何かひどいこと書いてる?
223名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:14:43 ID:ZaXNMT3c
裏を返せば、読んでやってんだよ。
文句言うなら投下するな ってことだな、うん。

まとめで途中落ちのが一杯ある理由だろなぁ
くそ 続きすごく気になるのいっぱいあるのに。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:16:26 ID:8/1drLMQ
多少言われたくらいでいちいち反応してたら身が持たんぞ。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:19:23 ID:8tQGolG/
過冷却水のように繊細なハートを持ってるんだよ
226名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:23:54 ID:65kZZRD7
なんかもう色々と酷すぎてワロタw
227名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:28:40 ID:QYW0gQsH
変な擁護が入らなきゃ>>204で終わったかもしれないのに……
228名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:29:40 ID:iOkwSMMS
>>223
よっぽどのでなけりゃそういうことにすらならないと思うけどな
ここって人気が無ければ基本的には乙とかGJ程度でスルー状態じゃん

エタるのは感想が少なくて燃料切れになるのが一番の理由じゃないの
タイミングが合わなけりゃさっき言ったみたいに社交辞令のみだし、
後から避難所で応援スレとかに感想を書く奴もそうそう居ないしさ
229名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:31:23 ID:VhuN6kn2
>>223
たまにまとめ見ると更新されてて嬉しい俺ガイル

魔砲使いとか続きすげー気になる…
230名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:32:07 ID:ZaXNMT3c
>>228
なるほど。
構造上無謀なんだな。

まあ 完結した作品はそれを乗り越えた
良作ってことだな 60越えとかするの
231名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:39:43 ID:iOkwSMMS
>>230
いえいえ! 決してそんなことはありませんよ、お客さん!
あなたのようなファンの方が感想を書きまくり、作者さんに燃料をガンガン投入して差し上げるとしますよ?
そしたらもう完結に次ぐ完結でまとめwikiが潰れます、いやー参ったねこりゃ。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:48:26 ID:1Fuc8nq6
三行目の理屈がわからん。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:50:44 ID:iOkwSMMS
>>232
え、まとめwikiが潰れたら参っちゃうだろ?
234名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:53:56 ID:Sfvx/iM8
そしたらもう完結に次ぐ完結 

まとめwiki潰れる

この『↓』に何が起こるんだかわからないでゴザル
235名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:56:48 ID:ZaXNMT3c
涙あり 笑いあり の 超感動スペクタル巨編があるんだよきっと。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:58:08 ID:65kZZRD7
>>234
完結作品が超絶に増えることで、Wikiのキャパを超えて潰れるってことじゃね?

容量過多とかあるのか知らんけど
237名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 01:01:59 ID:iOkwSMMS
お前の感想で作者がヤバイ
作者がヤバイと以前なら尻切れトンボだった作品たちが次々と完結し容量や住人が増える
住人が増えると作者と感想が増える、増える、更に増える、更に更に増える、まだまだ増える
まとめwikiに掛かる負荷が限界を越えた時、イデが発動する
238名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 01:03:06 ID:iOkwSMMS
>>235
あ、それでお願いします
239名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 02:37:25 ID:ozmNK5Ck
           ____        ) 『 作者さんにガンガン燃料投下したらどうなるの?』っと、
        /⌒  ⌒\      )
      /( ●)  (●) \    )/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y丶
     / ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
    |      |r┬-|     |
     \       `ー'´     /
     ノ            \
   /´               ヽ                 カ
  |    l   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l   カ    タ
  ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.     タ
   ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
      ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
240名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 03:00:46 ID:65kZZRD7
        ____
    /::::::─三三─\            リアルな話すると多分、期待感とプレッシャーが掛かりすぎて押し潰される
  /:::::::: ( ○)三(○)\          エールを送れば送るほどに、作者さんは強迫観念に囚われて逃げ出したくなる
  |::::::::::::::::::::(__人__)::::  |  _____ 応援に応える為により良いものを作ろうとし過ぎてドツボにハマりそして飽きてしまう
   \:::::::::   |r┬-|  ,/ .| |       それらを逆に利用して義務感と期待感を共存させて書けるような作家さんもいるが
   ノ::::::::   `ー'´  \ | |       お前の燃料投下で作者さんがヤバイ
241名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 03:23:13 ID:cw2aDvLt
なにごとも程ほどが一番ってことですな。

遅まきながらオレンジの人おつー
なにこの猫かっこいい。本格的な戦闘はフーケまでお預け、かな?
爪でも研ぎながら待ってますw

真理さんもおつー
別に普通に面白いと思いますし、気にするこっちゃないですよ。
あえて言わせていただくなら、作品投下(とその予告・終了宣言)以外の一切の発言をしばらく控えた方がいいのかも?
少しテンパリ気味といいますか、カッとなりすぎに見えますので。少しの間クールダウン クールダウン
242名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 03:24:07 ID:EcdrQqC9
光の速さで云々の改変ネタか・・・・・・
光速で思い出したが、>>194の最後「コウネンって何リーグくらい?」だが
ゼロ魔のリーグってのはキロメートルと同じだったよな?
となると、1光年は約9兆4607億3047万2580リーグ(km)になる。
243名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 09:09:36 ID:PwHIUTEW
>「コウモンって何リーグくらい?」
に見えて焦った
244名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 09:12:34 ID:gUExAgGI
この変態さんめ!
245名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 09:38:07 ID:QYW0gQsH
今更、ふと気になったんだけど>>221
>ルイズがアルに似ているって設定で書いてるんだから「別人で当たり前なんだよ」
これはどういう意味? 似てないよねって疑問の答えにしては、「」の部分がよくわからない
あくまで似ているだけで並行世界の同一存在ではないってこと? でもそんなの現時点で分かるはずもないし・・・
ルイズとアルが似てるから、書き手と原案が別人で当たり前ってことか?
246名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 09:52:13 ID:h+6wu6jX
なんか俺のイメージと違うからつまらんって奴が多すぎ
247名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 10:15:00 ID:G0Q/OSV1
『似ている』は『同じ』ではない、という事では?
文章からすると、エドはルイズの声や目にアルの面影を見ているっぽいんですが。
248名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 10:49:34 ID:ZaXNMT3c
>>130-13
> エドワードは、向かいの席で黙々とペンを走らせるルイズの顔をちらりと見る。
> こうして黙っていれば、整った顔立ちの小柄な少女、としか見えない。
> 自分の弟であるアルフォンスに似てるなどとは、感じることもない。
> だが一言口を開けば、飛び出す響きが懐かしい声に聞こえ、
> 自分を見る目は弟のそれと同じ光を放っているようなきがする。
> これは錯覚なのかと、一時期首をひねったこともあった。
> そんなおり、たまたま手に取って読み進めた使い魔の研究書。
> その内容が、ふとエドワードの脳裏をよぎった。

> あえて言えば、ルイズが弟のアルフォンスのように見え、警戒心が薄くなることはあっても、
> 魔法がらみの不自然さはただそれだけだった。

>>132
> 整合性を取りつつ脱線準備。

>>245 >>247
ネタ元が変わったからか、設定を調整したみたいだぜ?
249名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 10:53:12 ID:ZaXNMT3c
>>130-131
おっと、こうだな
250名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 12:13:52 ID:WrB2TiB6
>>245
ネタ元っぽい>>28>>34を読んだら分かるかも?
251名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 12:39:04 ID:R8X26Ags
まあこの程度の毒は洗礼みたいなもんか、ほんとにひどいSSなら反応さえされない。
最悪だったら出ていけコールとなるしな。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 12:43:49 ID:WrB2TiB6
SSはスルーされて作者のキャラクターに注目が集まってるしな
253名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 12:45:59 ID:1KZ3whFG
なんだ、ネタ繰り返しのなりすましかよ

てかいつまで引きずるんだこれw
そろそろ飽きてきたんだがw

ああ、作者煽りほうな
254名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 12:47:34 ID:QYW0gQsH
>>247
すまん、ますますわからない。たぶん理解力が足りないんだと思う。
読者は似てるなんて言ってないのに、勘違いするなよ別人だから、ってのが。
そもそも>>221は作者氏なんだろうか。
>>248
別世界のそっくりさんだと思ったけど、別にそんなことはなかったぜ! ってこと?
ネタ元が変われば設定が変わるのか。てか、そんな重要な設定が変わるのか……
>>250
ルイズは実は俺の知るルイズでなく、エドは俺の知るエドではなかった……?
絵のない小説ならではのトリック、ミスリード。推理小説みたいな……?

ちょっと煽りじゃなく混乱してきた。ごめん、いい加減しつこいので、もう黙ります。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 12:51:45 ID:tdz6+1NH
江戸と類図
256名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 12:54:15 ID:8/1drLMQ
こまけぇこたぁいいんだよ!


と言いたいところだが、作者としてはその「こまけぇこと」にこだわりたいって気持ちもあるはず。
まあ、作者側も執筆するにあたってそれなりの回答は用意しているだろうし、ここは取りあえずその「回答」が明示されるまで待とうじゃないか。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 13:00:57 ID:ZaXNMT3c
> 異邦より舞い戻りしビンダールヴ、心を紡ぐ神の弦
その優しき魂を分かち合い、彷徨う我が子らを導かん。
> 異邦より舞い戻りしミョズニトニルン、時を書記す神の筆
その全てを見通す瞳にて、我が知らざる未来を切り開く。
> もし消えたときのためのネタ保管

避難所でこんなの落ちてたぜ
これ上は映画版のある人物だよな ネタバレかもだからぼかすが
258名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 13:11:36 ID:1KZ3whFG
うえが魂の一部を憑依させるショタアルだな

んで下は千里眼のロマ少女か?
259名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 13:32:27 ID:ztBxuwC3
>>254
「ふたりとも別人」と突っ込まれた作者が、そもそも声優が同じだから「アルイズが似ているという設定」で始めたので「別人と言われても仕方が無い」と返した。
って感じじゃないかな。

正直、自分でサイトなりブログなり作ってそっちでやれって感じだけどな。
ここそういうスレじゃないだろ。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 13:53:35 ID:qHFXNAmM
>>259
じゃあどういうスレか、といわれると返答に困るけどな。

この手のキャラが違う云々の話は一定のスパンをおいて出てくる話題だけど、基本、面白くてキャラヘイトになってなきゃ自分はどうでもいいと思うけどね。
クロスさせているという時点でいろいろとあるし。
クロス先にあわせて世界観を弄っているのすら普通にある。
ありもしないハウスルールを設定してあれこれ言うのはどうかなー。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:02:08 ID:ztBxuwC3
>>260
「ルイズとアルの声優が似てるから二人も似てる」なんて普通にスレ違いじゃないかな。
クロスした結果、互いに影響されて変わるんなら分かるけどさ、最初っから改変されてるんじゃない。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:02:57 ID:ztBxuwC3
似てるじゃないや、同じだw
263名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:07:29 ID:AwOWVOeX
なんか熱い議論が交わされてるようだが
つまり・・・どういうことだってばよ?
264名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:11:54 ID:qHFXNAmM
>>261
気持ちは解らんでもないが……>>1にはそんなルールはかかれてないw

ブリミル関係とかそうだけど、シエスタとかは普通にたいがいの話で弄くられていたりするぜい。
勿論、ルールで明文化されてないからといって、なんでもやってもいいというのは違うけどさ。
良識というか常識というか、コモンセンスというものは確かにある。
だけど、これがこの話でそこまで排斥の対象にならなくてはいけないものかというと、首をかしげるな。
まあ、これ以上の問答はそれこそスレちだから避難所の方でご希望なら続けてもいいけど。
だけど、排除の論理は発展性に欠けると思う。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:13:48 ID:vVFhKdEZ
読者様wが降臨したんだろ

最近暑い日が増えたからな
脳腐れも湧くさ
266名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:14:35 ID:ajRcb7jq
>>263
3行でまとめるとこうなる

ハガレン人気スゲー
原作はもう終わるみたいだけどガンガンは大丈夫なんだろうか
次の作品はお姉さん盛り沢山でお願いします
267名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:16:55 ID:AwOWVOeX
>>266
把握した、やはり天才か・・・
268名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:21:36 ID:ztBxuwC3
>>264
ブリミル改変は読んだSSにそういうのが無かったから分からないけど、
シエスタの場合は曽爺さんがクロス先のキャラだからその影響で変わってるもんじゃないっけ?
声優が同じだから似てるんです。ってのとは違うと思うけど、そう変わらないか・・・。
線引きの仕様がないから、そのなんでもやっていいになっちゃいそうなのが怖いんだよね。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:45:21 ID:qHFXNAmM
>>266
だいたいあってる。

>>268
人間はARMSに負けたりしない。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:54:43 ID:qHFXNAmM
途中で送った。
まあ、線引きとか深く考えなくてもいいと思うよ。
今まで色んなSSが投下され、その中には>>1に明らかに反していても面白けりゃいいやとばかりに受け入れられているのはあった。
別にルール違反はしてないけど、良識に欠けたことを書いて批難された人もいた。
ケースバイケースってやつだわな。
まあ、正直、この話はここで打ち切りたい気分。
話題にされた書き手が恐縮して撤退しますと言うまで続けたいというのでもあるまいし、ここらがそろそろ落としどころだと思う。


リリカルなのはから八神はやて召喚とかみたいなー。
足が動かないはやてを、姉のように世話をやくルイズとかみたい。
まあ、ハルケで闇の書覚醒とかしたら、誰も止められないけどw
271名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 14:59:17 ID:yuOvtSaK
そういえば土メイジは、多数のゴーレム同時操作しているけど、ビット的な物なの?
ニュータイプなの?
272名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 15:27:52 ID:Wgz4NEAI
違うだろうな
あれは「いけっ!ジャイアント ロボ!」的なもんだ
273名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 16:12:29 ID:RCSEkzh/
>>262
そういやついこないだの5月30日だったんだな、その中の人の誕生日。
ゼロ魔のキャラって、誕生日が明確じゃないけど、ルイズは一年目16歳、二年目17歳でいいのかな。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 16:22:09 ID:c+0nFjX3
タバサのちっぱいに萌えろ
275名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 16:29:20 ID:QYW0gQsH
タバサメインの話、今やってる忍空のとゼルダのは読んだ。長門のも読んだ。
他は何がある?
276名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 16:32:36 ID:ZaXNMT3c
ウィザーズブレインのがあったよたしか
277名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 16:35:08 ID:c+0nFjX3
>>275
姉妹スレ(ジョジョ)の方に短編で2本あったのくらいしか分からないや
278名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 16:40:56 ID:xlG9W56w
ファンによる二次創作っていう時点でキャラはもはや別人d……はダメか。
公式スピンオフ作品じゃねーんだからあまり難しく考えなくても良いような気がするが、
公式であっても本来のものから大きく逸脱するような、「オイオイ」とツッコミ入れたくなる
展開&設定は叩かれるからな……(種外道の「一族」とか一角獣の「ビスト財団」とか)
クロスオーバーSSの基本において複数の作品の設定を練り合わせるのが楽しいし面白いと思う。
それはキャラのバックボーンも、クロスする作品同士の設定を混ぜて改編するのも含まれるだろう。
でも、このスレでのクロスの形態は、あくまでもゼロ魔原作の通りに、まったく異なる世界の
人間が「召喚」によって主人公の前に現れるというものだから、二つの世界に共通点というか、
繋がりを作って世界観の設定までもクロスさせなくていい気がするんだが。

ただクロスによるキャラの改変(改編?)については、以前「憑依」や「転生」のネタが上がった時、
スレの住人全員とは言わないが、ほとんどがそれに否定的だったということがあると言っておく。
覚えている人もいるだろうけど。
279名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 17:08:44 ID:VhuN6kn2
まあ変わりすぎなのは駄目だよね

トリガーハート召喚
…駄目だよっぽど弱体化させないと圧倒的過ぎる
280名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 17:11:18 ID:RCSEkzh/
>>275
今は別所へ移ったけどプリキュアのダークドリーム召喚のやつ
「ダークドリームの冒険」でググると行けるよ。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 17:25:39 ID:QYW0gQsH
>>276>>277>>280
ありがとう。読んでみる
282名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 17:32:17 ID:qXBFJnnI
>>279
エグゼリカ召喚はあったよ。
撤退しちゃったけどね。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 18:03:59 ID:yR2eheKn
>>281
タバサというかエルザメインの長編がホルホースであるからそれもお勧めだよ
284名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 20:17:40 ID:Csq6qIRv
>>278
転生はあまりきかんが憑依する能力持ったキャラって割とたくさんいると思うんだが・・・・
285名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 20:40:58 ID:SP8AN+vk
MUGENのRARE AKUMAでギャク短編書こうとして挫折した…
あのハチャメチャぶりを文章で表すのはどうやっても無理だ
286名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 20:45:32 ID:nrFLgP1N
あんなもんを呼んだら世界の法則が乱れる
ルイズもとんでもない強さだけど
287名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 20:46:01 ID:K09agBKo
>>284
そういう能力も何も無いのに転生とか憑依をやらせる奴がいてだな
288名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 20:46:23 ID:o15Iu69t
>>284
ここでいう憑依ってのは、オリキャラや他作品のキャラが
版権キャラに乗り移ってそのキャラとして振舞う的な二次創作ネタのほうだよ。
能力関係ないの。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 20:48:18 ID:xlG9W56w
>>284
すまん、所謂“オリジナル主人公憑依もの”に準じた、別作品のキャラがルイズやサイトに
憑依する形での人格乗っ取りSSのことを指しているんだ。トリップとも言うらしいけど。

「他人に憑依する能力を持ったキャラ自体が」召喚されるけとはOKなんだろうが、
それらのキャラ、あるいはそういった能力をまるで持たないキャラがルイズやサイトに
憑依して人格乗っ取るタイプのSSはNGな空気だったと思う。

具体例出すなら、前世を持つキャラが多数いるような「アクエリオン」のキャラとか。
サイトの前世がアポロニアスでルイズの前世がセリアンといったパターンのSS。
あるいは他人への憑依能力を持つハリポタのヴォルデモート卿が「召喚の時以前に」
この世界に訪れていてルイズに取り憑き人格を乗っ取っているようなパターンのSS。
↑うまく表せんがこんな感じのが当てはまると思います。(前者は転生系のNG例だけど)
290名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 20:52:15 ID:xlG9W56w
再び謝罪。すいません、>>287-288のレスに気付かずカキコしてしまいました。

あと、
>「他人に憑依する能力を持ったキャラ自体が」召喚されるけとはOKなんだろうが、
『召喚される系統』の間違いです。
291名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 21:00:37 ID:8/1drLMQ
仮面ライダー電王のイマジンズが召喚されて、憑依したり離れたりするだけならまだいいけど、
記憶も人格も上書き保存で元に戻るのは不可能、完全な別人になっちゃうのはダメって感じか?
292名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 21:00:53 ID:BTHGs5cZ
まだやってるのか・・・
293名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 21:02:19 ID:VhuN6kn2
雷弩機兵を召喚…マイナーすぎるな
294名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 21:41:00 ID:R8X26Ags
プレデターのやつみたいに、凶悪なクロスキャラにルイズが立ち向かっていくというのはどうかな。
だいたいゼロ魔の悪党はどいつも実はいい奴でしたというのがなあ。
ジョゼフがペロペロキャンディーを舐めながら悪事を働くような不気味なインパクトとか
死に際にアイル・ビー・バックと復活を思わせる捨て台詞を残して最期をとげるくらいの大悪党だったらと、ちと思ってしまった。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 21:41:41 ID:jMiGo0Ro
>>287-289の優しさに感動した。
296名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 21:46:10 ID:8tQGolG/
ムスカ「私を呼んだかね?」
297名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 22:20:00 ID:YIqRzNbe
うるせえバルスするぞ
298名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 22:22:47 ID:nPGA9Wog
ゼロ魔のクロスって面白いな
原作ゼロ魔は読んだことないけどこれから読もうかなと一日まとめウィキを読んで思ったわ
299名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 22:33:20 ID:hPE1O9C4
俺はレモンちゃんシャル王女の辺りから見てないや
そのあと面白くなってる?
300名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 22:39:05 ID:YISVlPfs
>>276
虚無の領域とかズルすぎる
301名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 23:17:27 ID:3PJd7eDC
転生ネタで思いついたが、『破壊魔定光』で敵の流刑体が皆主人公定光の転生した者たちということで、
「召喚に失敗したルイズ」や「召喚されなかったサイト」がルイズを殺しにやってくるというのを思いついた。

あるいは破壊魔定光同様、「ルイズの召喚」が宇宙を崩壊に招く可能性があるので、
並行宇宙のルイズとサイトが「召喚に成功するルイズ」を抹殺するべく暗躍するとか。

『流刑体定光』を召喚して、ルイズとの交流の結果望んでいた『破壊魔定光』になるというのも面白いかも。
302名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 23:45:55 ID:VhuN6kn2
ラスボス呼ぶと面白くなりやすいよね

週末さんとかジェノバとか
303名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 23:46:12 ID:ci73Qb9k
トランスフォーマー映画を見たあとでディセプティコン・ゼロっての読んだら
面白かったんだけど、ずいぶん昔の話で続きなさそうなのが残念。
SSって最後まで見たいの多くて、けど途中で終わるの多くて困る。
アプトムのは、なぜ終わったんだろう。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 23:59:41 ID:VhuN6kn2
原作が超展開になったからかも試練

俺は原作読んだこと無いけど
305汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:18:14 ID:p0OF+z3V
予定が無いようでしたら、久しく00:20辺りに投下させてもらいます。
トリップもついでに付け。
306汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:21:22 ID:p0OF+z3V
 ギィ、と少々錆びた蝶番が軋む音を立てて羽扉が開く。
 木材でフローリングの床、これも僅かに軋んで音を鳴らす。
 その羽扉と床を軋ませた一行は5人、ルイズを先頭に店内へと足を踏み入れる。

「これはこれは貴族様方、揃いも揃って当店に何かありゃあしましたか?」

 薄暗い店内、弱い光を放つランプが幾つかぶら下げられているだけ。
 その光が武具に当たり、壁や天井に並べられてシルエットを浮かび上がらせる。
 浮かぶシルエットに光陰を落とす中で一歩、踏み出す存在。

「武具を幾つか見させてもらいたい」
「こりゃ珍しい! 貴族様が杖じゃなくて剣を振るうなんておったまげたもんだ!」
「店主、触れても良いか」
「どうぞどうぞ!」

 店主がおべっかを使い始める前に、本題を切り出して了承を得る。
 それを聞いて九朔は手近な武具がある壁際へ寄って、剣の柄に手を掛ける。

「……ふむ、同じか」
「貴族様、貴族様。 お言葉ですが、その剣は少々大き……」

 九朔は2メイル近くもある、刀身は細身ではあるがグレートソードに分類させるであろう長い剣を、何事もなく片手で簡単に持ち上げた。
 柄や刀身を次々と見つめ、グレートソードを並び飾られていた元の場所に据え直す。
 今度はその隣に飾られている細長い剣を手に取る。

「なるほど、大きさは問わずか。 すまぬ、一度振るから離れて欲しい」

 そう警告して皆が離れた後、ヒュン、と風切り音。
 突き、払う。
 刀身が霞むほどの速度で繰り出された細長い剣、もう一度レイピアを見直して同じ場所に据え直す。
 それを見ていた4人はその速さ、一瞬何をしたか分からない九朔に驚きを見せる。
 そんな視線などお構い無しに、次は3メイルほどの槍を手に取る。

「やはり種類もか」

 流石に手狭な店内では振れぬとしげしげと槍を見つめた後、同じ場所に据え直す。
 槍を据え直して振り返り、店主へと視線を向ける。

「店主、ここは弓矢も扱っているのか?」
「……へ、へぇ。 一通りは揃えておりやすが」
「長弓でも短弓でもかまわぬから、見せて貰っても良いか」
「た、ただいまお持つしやす」

 そう言ってそそくさと店の奥へと消えて行く店主。

「この分だと弓でも反応するでしょうね」
「であろうな、弓だけではわからぬが」
「ロイガーとツァール、バルザイの偃月刀。 クトゥグァやイタクァも反応したんだから、正直言ってあんまり意味が無いことよねぇ」

 宙に浮かんだまま腕組みの紅朔、意味の無いことだと九朔に言ってみるが。

「確かめておいた方が良い、もし何らかの事情で使えなくなった時、頼らねばならんかもしれんからな」

 あっさり否定する、この問答結果など予想の範囲内だからか気にした様子ではない紅朔。
 そしてこの会話、主語を抜いた話を理解しているのはルイズだけ。
 蚊帳の外のキュルケとタバサは各々にそれを推測する。
 だがやはり情報不足、どんな言葉が抜けているかは分からない。
307汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:22:43 ID:p0OF+z3V
「確かめておいた方が良い、もし何らかの事情で使えなくなった時、頼らねばならんかもしれんからな」

 あっさり否定する、この問答結果など予想の範囲内だからか気にした様子ではない紅朔。
 そしてこの会話、主語を抜いた話を理解しているのはルイズだけ。
 蚊帳の外のキュルケとタバサは各々にそれを推測する。
 だがやはり情報不足、どんな言葉が抜けているかは分からない。

「随分と危険なものよねぇ」

 そんな二人などまるで居ないかのように振る舞い、ゆっくりと振り返りながら、紅朔の真紅の瞳がルイズを見据える。

「……何よ、そんな物使い方次第でしょ」
「たしかにねぇ」

 まぁ、つ・か・え・な・きゃ、意味が無いわよねぇ。
 と相変わらず煽る、それを言われた主殿は口端を僅かに震わせながら無視する。

「よく分からないんだけど、ルイズの使い魔さんは何かされたわけ?」
「九朔だ、大十字 九朔。 こちらで言えばクザク・ダイジュウジだな」
「そう、それは失礼。 ミスタ──」
「クザクで良い、貴族ではないのだからな」
「……そのなりで貴族じゃないの?」
「ああ、そうだ」

 どう見ても貴族だと言い張れる格好、これで貴族じゃなければ一体何なのだろうか。
 見た事が無い生地の仕立ての良い衣服、もう一人の赤い方もかなり派手だけど明らかにドレス。
 容姿も良いため、舞踏会で立っていれば貴族だと思われるレベル。
 下手をすれば学院の男子生徒より一段上の存在、そう考え驚くキュルケ。

「……本当に貴族じゃないの?」
「うむ、ここの定義で言えば平民に当たる。 だが我等はメイジにも当たろう、範疇に当て嵌めるのは無理があるな」
「……まさか、東方出身じゃないわよね?」
「違う、世界の向こう側の世界の出身だ」
「は?」

 要領を得ない答えに、キュルケは混乱する。
 平民だけど見た事が無い魔法を使えて、これはいい、オリジナルの魔法を使うメイジは少なからず居る。
 落ちぶれ没し、傭兵になどに身をやつしたメイジも居る。
 でも『世界の向こう側の世界の出身』と言うのがよく分からない、世界と言うのはここの事で、この世界の向こう側って事は……。

「この大地、我等はハルケギニアでも、東方でも無い場所で生まれ育った」
308汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:23:57 ID:p0OF+z3V
 






 問題無しと判断する、その瞳に映る感情は興味が大半を占める。
 残りは警戒、対比としてはミス・ツェルプストーが興味でミス・タバサが警戒。
 召喚され契約したとは言え、並の魔法使いを容易く圧倒出来る能力を使って刃を向けてこないか。
 それを危惧して我等を見極める、その意図が一目で看破できた。

「聞きたい事が有るのならば聞こう」
「でも、答えるとは限らないけどねぇ」

 店内でも浮かんだままの紅朔、妖しげな笑みを浮かべてキュルケとタバサ、二人を見る。
 その声にタバサが一歩踏み出し、果敢に疑問を投げ掛ける。

「貴方達は、一体『ナニ』?」

 最大の疑問にして核心、これを聞かずして何が質問か。
 タバサはその確信を得て、最も知りたい事を問う。
 それを前に、クザクはタバサと視線を合わせて口を開いた。

「我等は人にして魔導の書、最も古くから邪神と戦い続けて来た最も新しい善なる神の子」
「悪しきを許さず、邪悪を許さず、我等は魔を断つ剣」

 クザクは堂々と、矜持を持って宣言する。
 最も正しく清らかな、何者にも犯されない想いを口にする。

「これで我等が何者かお分かりになったかしら?」

 額面通りに受け取れば、人間にして書物であり、邪神と戦う善い神様の子供。
 他の者が聞けば、頭は大丈夫かと心配するような言葉。

「……えっと、その……冗談……よね?」

 現にキュルケは到底信じられないと、恐る恐る聞いてみるが。

「信じる信じないはご自由に、時に真実は一笑に付すものであったり、誰もが否定するものでもあったりする。
 だったら貴女達がどう思おうが真実は斯くあり、捻じ曲がる事は無いわ」

 こんな風に言い返すのだから、より信じるかどうか迷わせる。
 真実か否か、それを気にして視線を向ければ。

「それに、これが虚偽であったら何か問題があって?」

 クスクスと笑う紅い少女を見て考えさせられる。
 もし敵になった際、あの圧力を中てられて杖を向ける事が出来るのか、呪文を唱えられる事が出来るのか。
 自信が無い、今まで対峙してきた亜人や妖魔とはかけ離れた、感じた事が無い大きすぎる『危機感』。
 足が竦み、体中が震えてしまうような、そうなった状態で話に聞いた軽快な動きをするゴーレムを嗾けられたら?
309汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:25:32 ID:p0OF+z3V
「なぁーんにも問題ないでしょう? 味方であったら生きていられる『かも』しれない、敵なら殺──」
「紅朔」
「……しょうがないわねぇ、喋らなければ殺さないでおいてあげるわ。 まぁ生きている『だけ』かもしれないけどぉ」

 変わらず物騒な事を平然と。
 やろうと思えば出来る、その自信がありありと見えた。

「そこのピンクブロンドの属性は『虚無』よ。 で、私たちは戦闘中にピンクブロンドの召喚に無理やり引っ張られたわけ」

 どう考えても重要な事をどうでも良い様に、あっけらかんと話す紅い少女。
 そのまま左手の甲を見せ付けるように向けてきて。

「私は契約してないのにガンダールヴとか言う始祖なんとかの使い魔の印を刻まれて、このガンダールヴの印が見過ごせない能力を付加させたから調べて居る訳よ」
「………」
「……始祖、ブリミル? それって……」

 つまらなさそうに、腕組みをして佇むルイズ。

「……まさか、ねぇルイズ、本当なの?」
「分かんないわよ、その二人が勝手に虚無って言ってるだけかもしれないし」
「十中八九当たりだと思うが、確信と呼べる物ではないな」
「……何故そう思ったの?」
「主殿が魔法を使えないからだ」

 はっきりと言い切る、魔法を使えないから虚無だと言う発想が理解できない。

「何故魔法が使えないからって虚無になるのよ?」

 キュルケが少年の方に問いかければ、少年は眉を潜めてキュルケを見た。

「……少し考えれば分かると思うのだが」
「……それって馬鹿にしている?」
「間違いじゃないわよねぇ、魔法の原理を理解しているなら普通に思いつくはずだしぃ」

 明らかな嘲笑、一瞬ムッとしたキュルケだったけど気を取り直して聞き返した。

「精神力を練って呪文を唱えて放つだけでしょう、それ位分かってるわよ」
「なれば、なぜ主殿はその三つの行程を正しく行えない?」
「それは……、上手く精神力が練れていないか、呪文の発音がおかしいか、そもそもその相性と合っていないか、でしょ?」
「では、ミス・ツェルプストーから見て、主殿の精神力の練り方や呪文の発音は不自然な所が見えるか?」
「……いえ、悪くないと思うんだけど」
「そうなれば後は相性であるが、相性が合わないだけで主殿は系統魔法を使えない理由には成らない、使えないのならそもそも爆発などと言う物は起こらない」

 つまりは、本当に魔法の才能が無ければ爆発も何も起こらない。
 でも爆発が起きるという事は魔法を使えると言うサイン。

「でも、それだけで虚無と決め付けるのは暴論だと思うのだけど」
「既に主殿は四つの系統魔法、その全ての呪文を試し全て爆発させている。 ドットレベル、コモンクラスの魔法でさえ爆発させている。
 故に主殿の属性は系統魔法ではないと判断した、他にも理由があるが不明瞭である原初の属性で当て嵌めた方が納得が行く」

 矛盾を抱える主殿、その矛盾が有り得ないのだから何かしらの理由がある。
 はっきりとそう言った事に、一つの思いが浮かんだ。
 それに気が付いたのかキュルケは小さく笑い、ルイズは逸らした顔を真っ赤に染めていた。

「メイジが魔法を使うのに必要な『呪文』、主殿はそれを知らぬだけ。 ミス・ツェルプストーやミス・タバサが魔法を使えるのはその呪文を知っている故」
310汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:26:46 ID:p0OF+z3V
 確かに、如何に簡単なものでも呪文を知らなければ魔法は使えない。

「だが証明するにしても遥か古の物、早々知れる物では無くてな」

 だから魔法を使えない、一理ある。

「でも、その魔法の呪文でも使えなかったら?」
「その呪文が間違っているか調べる、間違って居なかったら他の理由を考える」

 いつの間にか戻ってきていた店主から弓を受け取り、構えて弦を引いていた。

「……ふむ、大抵のものは扱えると見ていいか」

 何かを確かめて後、少年は店主の手に弓を返す。
 受け取った店主は紅い少女と目を合わせた瞬間、ふらふらと店の奥へと戻っていった。

「概ねの用は済んだ。 主殿、これが済んだら学園に帰るとしよう」
「……これ?」

 ルイズの問い掛けに答えず、店内の一角、見た目が悪かったり刃が欠けていたりする武器が乱雑に置いてある棚。
 そこに歩み寄って、迷い無く手を伸ばし一本の剣を手に取る。

「……思わぬものを見つけたものだが、やはり何らかの意図を感じるな」
「……確かに、都合が良過ぎるわね」

 少年が手に取った、錆塗れの刀身を持つ一本の剣。
 見るからに切れなさそうな剣に、紅い少女も柄に触れて呟く。

「……おめぇら、一体なんだ?」

 錆だらけの剣から声、非常に珍しい物を見つけてキュルケやルイズが驚いた。

「それって、インテリジェンスソード!?」
「うむ、……『デルフリンガー』。 なるほど、初代から続く左腕か」

 カチンカチンと鍔の金具を鳴らす剣、人で現せば驚きのあまり口をパクパクと開いているような感じを受けた。

「一つ聞こう、デルフリンガー。 汝は『何故ここに居る』」
「……結構前に売られたからここに居るんだよ。 ……しかも『使い手』か、本当になにもんだ?」
「……封印? これは……かなりの代物じゃない」

 二人と一本、よく分からない会話を当人たちだけで繰り広げる。
 それに割り込むのはやはり。

「ちょっと! なに話してるのよ!」
「……主殿、『これ』を買いたいのだがどうだろうか」
「は? そんなボロ剣買ってどうするのよ」
「ボロ剣とはなんでぇ!」

 ボロ剣から発せられる男のような声を無視しつつ。
 その問いに少年はルイズに近づき、ルイズに口元を寄せて耳打ち。
311汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:27:54 ID:p0OF+z3V
「……それ本当?」
「おそらくは、手に入れていた方が得策かと」
「……分かったわ、店主!」

 少し顔を赤くしながら声を上げて、それを聞いた店の奥へと引っ込んでいた店主が顔を出した。

「なんでしょうか、貴族様」

 先程とは打って変わって、店に足を踏み入れた時と同じ様な姿勢で店主が現れた。

「この剣を買うわ、おいくら?」
「……デル公は止めた方がよろしいかと、客に喧嘩売るわ口は悪いわで煩わしいで閉口しやすぜ?」
「その時は圧し折るから気にしなくて良いわ」

 ニッコリと笑う紅い少女の事を聞いて、今度は小刻みにカチカチ鳴らすボロ剣。

「……それなら金貨百枚で」

 可愛げのある笑顔だというのに、見た瞬間何か嫌な感じが背中を這った。

「あいにく金貨は持っていないの、これでどうかしら?」

 そう言いながらカウンターの上に何かを飛ばし、転がす。

「……こ、これは……」

 咄嗟に出した店主の掌の中で、ゴロリと転がる5サントほどの塊。
 どこから取り出したのか、それは金塊だった。

「足りる?」
「もちろんでさぁ! 鞘もお付けいたしやす! うるさいのでしたらこいつを押し込めば黙りますでさ!」
「……それは拙いであろうが」
「何度も使う訳じゃないから良いじゃない」
「だがな……」
「たったこれだけ、誰も困る訳でもないでしょう?」
「……駄目だ、それはならん」
「今回だけよ」
「ならんと言っておるだろうが」
「だったら店主に決めてもらいましょう」

 そう言って赤い瞳を店主へと向ける。

「その金塊はね、原子配列変換で石を純金にしたものよ。 売れば数百エキューは軽く行くでしょうけど、普通の金貨が良いかしら?」
「げん……? そりゃあなんでございましょう?」
「簡単に言えば『錬金』ね。 売れば百エキュー以上の金塊と、きっちり百枚の金貨で支払いをするのと、どっちが良いかしら?」

 それを聞いて目を向いた、金を、それもあんなに大きな塊で錬金出来る?
 明らかにスクウェアの限界を易々と超えた錬金、それをいつ、そもそも何十年掛けても出来ない事をこんな簡単に……。

「本物でしたら金塊で!」

 嬉しそうに店主が金塊を選ぶ。

「紅朔! その問い掛けはどう考えても公正ではないだろうが!」
「本当の事だから仕方が無いじゃない」

 むぅ……、と悔しそうに口を噤む少年。

「大量に用意するなら話は別だけど、法にも触れていないし、たったこれだけで貨幣改鋳が行われるわけでもないわよねぇ」
312汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:29:28 ID:p0OF+z3V
 高名なスクウェアメイジが生涯を掛けて錬金し続けても出来ない量をしてまだ底がある。
 それが容易に読み取れる言葉、事実だとしたらとんでもない精神力を保有している。

「……今回だけだ、次は絶対に許さぬぞ」
「勿論、結局許してくれる騎士殿はとっても優しいわぁ」

 絡みつくように少年へと抱きつく紅い少女。

「ええい、抱きつくな!」
「ちょっと待ちなさい! そんな話聞いてないわよ!」
「言う必要があって?」
「あるわよ!」
「言っておくけど魔法じゃないわよ? 貴女達の錬金とは比較にならないほど高度なものだから、言っても分からないでしょう?」
「……くっ」

 悔しそうに顔を歪めるルイズ。

「……ほ、本物。 本当によろしいので?」

 店主はノミで金塊を割り、中まで金であることを確かめた後顔を向ける。

「片手間だし、今更戻すのも面倒くさいしぃ〜」

 いい加減な返答、やはり片手間であの大きさの石を金へと錬金出来るという事……。

「さ、帰りましょう。 いつまでもこんな辛気臭い所に居ても気が滅入るだけだし」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! あんたたちの事をしっかりと教えておきなさいよ!」

 ふわりふわりと浮かんだまま店の扉を潜り、店外へと出る紅い少女をルイズは追いかける。

「貴族様、デルフリンガーの鞘でございやす」
「……はぁ、すまない」

 少年は鞘を受け取り、ボロ剣を鞘に収める。

「……嘘、付いてる?」
「真実は話している、後は汝等次第」

 もう一度溜息を吐きながら、少年は羽扉を押して店外へ。

「……どう思う?」
「……判断が付かない」
「そうよねぇ……」

 信じる信じないは自分たち次第、それにしても考えさせられる事ばかり聞いた。
 明確な答えを出せるのは、まだ先になりそうと考えたタバサだった。
313汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:30:57 ID:p0OF+z3V
 





「……冗談じゃない、せっかくあいつらが居なくなったと思ったのに!」

 日が暮れ双月が顔を見せてから、学院の本塔外壁に立つ人影が一つ。

「ふざけるんじゃないよ、こんな分厚いなんて予想外もいい所じゃないか!」

 その外壁、その場所は宝物庫の壁。
 壁に対して垂直に立つ存在の足元には、学院が保管する貴重なものが収められている。
 イライラしている、鉄壁といって過言ではない防御を誇る宝物庫に対し、正規以外で内も外も開ける手段が無い。
 その存在が自慢とするゴーレムで壁を殴ったとしても、短時間で開ける事は叶わないほどの強固さ。

「……物理衝撃が弱点なら、魔法はもっと手ごわいって訳でしょ? 手も足も出ないじゃ……」

 どうやって壁を打ち破るか、それを考え思考を巡らせていると、ふと視界に入るものがあった。

「……これは」

 見つけたそれを見て笑う、その時風が吹き、存在が被るローブが体のラインを浮き上がらせた。

「誰か知らないけど、一応感謝しておくよ」

 壁を打ち破れる可能性を見つけ出し、その存在、女が声を漏らさず嬉しそうに笑っていた。
314汝等、虚無の使い魔なり ◆RB8g/Nr6jg :2010/06/05(土) 00:31:56 ID:p0OF+z3V
以上で投下終了です。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 01:09:40 ID:JaYZxRvF
汝等、虚無の使い魔なり の人、GJでした!
316名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 01:10:43 ID:USA12zg3
乙。

なんか穿った見方しとるなぁ、こいつらww
317名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 01:36:30 ID:OJx4ygkY
投下乙。
言われてみれば、虚無のメイジと使い魔が、最初の虚無の曜日に初めて訪れた町の武器屋で、
ルイズの財布で買える価格で売られてるデルフ手に取る確立って凄いわな。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 01:45:42 ID:USA12zg3
これはもうアレだよ、某作でほのめかしてたみたいに偶然が頻発しちゃうような仕掛けがあるんだよ、きっと。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 01:47:29 ID:yv/hCWGC
それも私だ。
320名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 02:47:36 ID:pwG/q7x7
ラスボス系が召喚されるような奴ないかな
白面の者みたいな邪悪の塊がどうやってあの世界に溶け込むのかとか凄い面白そうなんだけど
あ、乗っ取りとか転生以外で
321名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 06:06:07 ID:lnhHZnUY
>320
>ラスボス系が召喚されるような奴ないかな

ユーゼスさんだけじゃ ダメですか?
それはさておき、白面を悪役のまま召喚したら 勝てる気がしね〜!
メイジや平民兵が何万人居ようと 尻尾のどれでも一本で瞬殺されるだろうし、
婢妖を使った洗脳は アンドバリの指輪の比じゃねーし、
デルフが実は「獣の槍」だったとしても まだ足りない。

『るいずととら』の人 続き書いてくれないかナァ。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 06:26:49 ID:yv/hCWGC
白面は他者の恐怖を喰って際限なく強くなるし、尻尾は自立行動する強力な妖怪や下級〜中級妖怪の群体になるし、嵐や雷、槍みたいに変化も出来る。
奸智にも長けてるし、単純な戦力でも島を一発で吹き飛ばすは、吐き出す火は半端ねえは、日本横断に大した時間かからないは、とんでもねえ化け物だからな。

獣の槍に、色んな因果の果てに産まれた主人公、白面を生んだ男の成れの果てであるとらに、妖怪に人間の法力僧、軍や科学者達、さらにはあの世からの援軍が総力を結集してようやく倒せたからなあ。
一般の人間も命懸けで戦いを中継したマスコミの放送で恐怖を払って白面のパワーアップを食い止めたってのもあるしな。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 06:55:42 ID:yycj30BN
もう まとめに作者本人がまとめてるようだけど
一応代理投下 7:00ぐらいか
324代理:虚無と真理の狭間で 7話〆:2010/06/05(土) 07:00:05 ID:yycj30BN
人間的に未熟ゆえに皆様に多大なご迷惑おかけしました。
色々なご意見、ありがとうございます。
スレの総意に従い今後の進退を考えさせていただきます。

一番問題視されているキャラ改変について
今回の7話で、ルイズ≒アル設定を急遽変更し
使い魔の精神改造で、警戒心をそぐ為に エドにはルイズの声と瞳の印象がアルに見える時がある
というものにしました。 
世界観改変については、6話で出たとおり、かなり弄っております。

たいした物ではありませんが、これまで目を通してくださった方々に感謝の意を
325代理:虚無と真理の狭間で 7話〆:2010/06/05(土) 07:01:08 ID:yycj30BN
 * * *

女子寮に戻るため、すっかり双月の片割れが西天に傾きはじめる夜の学院内を、
エドワードは靴音忍ばせ歩いていた。
主要な施設は施錠されており、最短距離で帰れずぐるりと学院内の外壁沿いを歩く羽目になったのだ。
そこは学院付の衛兵の巡回経路でもあるらしく、時折ランタンと槍を手に鎧を着込んだ男達が通り過ぎた。
その度に今朝方の決闘騒ぎの事を話題に出され、えらく親しげに話しかけられた。

「なあ、東方じゃあ皆あんたみたいに強いのか?」
「にいちゃん、今度俺達に稽古付けてくれよ」

エドワードよりも屈強な体格の男達に笑顔で肩やら背を叩かれながら話すうち、
平民の間で英雄視されてる状況に気付き、ありゃまと苦笑する。
気のいい連中ばかりだったが、あんま立ち話に花を咲かせるわけにもいかず、
エドワードは適当に理由をつけてその場を後にすることにした。

「うちの主人が暇くれたら、いつでも相手になるぜ」
「ははは、まあ頑張りな、ヴァリエール公爵三女のお嬢様は貴族様方にぼろ糞言われているが、
 俺達平民にはちょっとした姫様だ、無理難題押し付けねーし、困っていたら親身にもなってくれるしな
 他の貴族様方に呼ばれなかったのは、僥倖よう」
「いまどきあんな貴族はいねぇーよ。ただ魔法の腕前と胸がありゃぁなぁ、まあなくてもそこが魅力の一つだけどな」
「はは、告げ口せんでくれよにぃちゃん。歳のわりにあの清楚な気品だ。
 俺達衛兵の一部で姫扱いされるのも頷けるだろ? こいつも信望者の一人なんだは。
 だがなぁ、毎度魔法で施設に大穴あけるのは勘弁だ。
 まあ、修復作業に夜通し狩り出されても文句いわねぇ奴らも多いがね、次の朝は仕事にならねぇが」
「これから穴塞ぎは俺がするから許してやってくれ、主人の後始末も使い魔の仕事だな」
「おうおう、そういやズタボロだった教室を昼までに修復したってのはあんたの仕業だったのか。
 てぇした職人芸だな練成術ってのは、頭があったら習いてぇぐらいだ。まぁ、これからもよろしく頼むぜ」

手を振り上げ合って衛兵達と分かれる。
思ったよりも時間を喰ったが、エドワードは衛兵達と話ができて良かったとも思った。
ルイズが平民からそれなりに慕われていることに少し感心し、安堵する。
ルイズという人格を魔法という色眼鏡なしに見ている連中はいる、影ながら力になろうともする奴らも居る、
一人じゃないんだなと。
326代理:虚無と真理の狭間で 7話〆:2010/06/05(土) 07:02:05 ID:yycj30BN

 * * *

女子寮へとたどり着くころ、エドワードは奇妙なものを目撃した。
寮をぐるりと覆う並木道のそこかしこ、木陰に隠れるように魔法の灯火が細々と瞬いている。
なんだ?と目を凝らせば、春といえどまだ寒空の下、マントにくるまり突っ立っている貴族の男子達だった。
一様に星空を眺めたり、手に持った花束や箱包みを抱えてそわそわしている。

(なんだ、あれ)

横目に観ながら首を傾げるも、無視して通り過ぎておく。
下手に関わったら、またぞろ厄介ごとに巻き込まれる。
そんな雰囲気がプンプン臭ったからだ。

(夜の逢引きってやつかね。平和なこって)

やれやれと肩をすくめてルイズの部屋まで向かう途中。
廊下の真ん中にぼんやりと灯る明かりが目に入る。
誰かが床にランタンでもおきっぱにしたのかと近づいて見れば、
火蜥蜴が尻尾に灯った炎を頭上に掲げながら行儀良くふせていた。
エドワードが来たことに気付けば、キュルキュルと人懐っこく喉を鳴らして起き上がり、擦り寄ってくる。

「フレイムだったか? おいおいなんだよ。ご主人様は別にいるだろ」
フレイムはエドワードの周りをくるくる回って首を傾げると
おもむろに袖を咥えてグィグィ、ある方向に引っ張りはじめる。
「おい止めろって、これ借りもんなんだぞ」

夜更けの女子寮である、声を荒げることもできずエドワードは小声でフレイムを諭すが聞き耳持たず、
直してもらったばかりのウェイター服を破られるわけにもいかず、されるがままに付いていくしかなかった。
回数制限のある練成術をほいほい細かいことで消費したくなかったのだ。
連れてこられたのはルイズの部屋の向かいにある、キュルケの部屋の扉だった。

「お前のご主人の言いつけか? お互いに苦労するな」

エドワードはふぅと溜息ついてしゃがみこみフレイムを撫でれば、
しょうがないぜご主人には逆らえねぇとでも言いたげにキュルキュルリと喉を鳴らした。
そうこうするうちに音もなく、目の前の扉がゆっくりと開く。
(どうせルイズ関係だろ、何をさせようとしているかしらねぇが、こんな夜更けに何なんだ?)
ルイズとキュルケの関係が犬猿の仲というか、ルイズが一方的に目の敵にしてることは、
目を吊り上げて漏らすルイズの愚痴を延々と聞かされていて知っていた。
エドワードはまた厄介ごとかよとげんなりする。

「ようこそ、そんなところに突っ立って居ないで、いらっしゃいな」

窓にもカーテンが引かれ真っ暗な室内を、エドワードはいぶかしげに見つめる。
後ろからフレイムがせっついて来るので仕方なく室内に足を踏み入れる。
フレイムが器用に扉を尻尾で閉めて、ドンと番人のように座る。
ムワっと鼻につく香水の匂いでむせ返り、エドワードはうっと眉根を寄せた。

「んで、何のようだ? 真っ暗な部屋に呼び込んで、悪巧みには加わらないぜ?」
「あなたは、わたしをはしたない女だと思うでしょうね。
 うん、でもしかたがないのよ。私の二つ名は『微熱』、恋は唐突に訪れるもの」
「は?」
「でもあなたはきっと、許してくださるわ。微熱は情熱……私、あなたに恋してるのよ」

パッと杖の先に火がつき、闇に軌跡を残して振られると、部屋の奥にあった幾つかの燭台に明りが灯る。
視界に飛び込んできたのは、あられもない姿でベットにけだるそうに横たわるキュルケだった。
327代理:虚無と真理の狭間で 7話〆:2010/06/05(土) 07:03:17 ID:yycj30BN
「……なっ」

そっち方面に免疫のないエドワードは、思わぬ事態に絶句して固まる。
「あら、初心なのね。でも、そこがまた可愛い」
すらりと長い足を床に下ろすと、ベビードールのみ来た肢体をくねらせながらキュルケがよってくる。
顔を真っ赤にしてビクつくエドワードをニヤリと得物を狙う目で見つめてくる。
ゆっくりと長い指先で顎にそって這わせてきた。
鳥肌をたてて一層ビクつくエドワード、思わず壁際まで後退するが逃がしてくれない。

「そんな怯えなくてよろしくてよ、てとりあしとり情熱を教えてあげますわ」
「い、いい! ま、間に合ってる。俺こっち側でそういう関係のぞんでねぇ!」
「うふふ、愛してますわー」

俺はあっちに帰るんだと言葉にできず口をぱくつかせるエドワード。
でもキュルケは無視して顔を寄せようとする。
そんな時、コンコンっと窓側で音がした。

そこには、どこかで観た顔がカーテンの隙間から恨めしげにエドワードを睨んでいた。
「キュルケ! その男はなんだ! 待ち合わせの時間になっても現れないとおもったら……」
はっと思い出す、女子寮の周りで蛍のように瞬いてた男子生徒の一人だった。
その騒ぎに気付いたのか、わらわらとハンサムボーイが窓側に集まりだす。
どれもこれも先ほど下で瞬いていた連中だった。
「えっと、また明日!」

キュルケが慌てて杖を振ると、部屋の中で揺れていた蝋燭の火が寄り集まり、
横倒しの円柱となって窓ごと群がるハンサムたちを吹き飛ばした。
ゴーンという衝撃音に混じってパンっと手を打ち鳴らす音が夜空に響く。

エドワードはキュルケの隙を突いて短縮練成術を行使していた。
手が触れる背中の壁に新たな扉が現れ廊下に逃げると、
ポケットから出した土石と水石の欠けら、そして親指大の植物の種を左右の手のひらに挟んで再び短縮行使。
唖然とするキュルケを余所に扉を両手で閉め切った。

扉は、種から発芽し急速成長する蔦によって厳重に封じられ、瞬時に壁へと再構築される。
また、扉の内側では杖を取られ蔦に縛り上げられたキュルケが身もだえしていた。
「やん、もうお預けだなんて、罪な人、フレイム!」
フレイムが主人の命令に従い壁伝いに生える蔦を焼き払おうと火を吐くが、
円形に広がる蔦が輝いて瞬時に再生してしまう。
何度試しても結果は変わらなかった、しまいにはフレイムも蔦に巻き取られ宙釣りになる。
「え、このままなの? 放置プレイ? ダーリン!?」

廊下でエドワードは、汗を拭いつつぜぇぜぇ息を吐いていた。
キュルケの部屋の中から何か聞えるが完全に無視を決め込む。
「あぶねぇ、なんかいろいろあぶなかった。練成陣トラップが上手く発動してくれて助かった。」
土と水の精霊石の欠けらの力が尽きるのは明け方、
それまでにのぼせた微熱が引いてくれるといいんだがと、エドワードは深々と溜息をついた。
なんでこうも厄介ごとが押し寄せてくるのだろうかと天を仰ぎ、がらにもなくぽつりと嘆いてみた。
翌朝から引っ切り無しにキュルケのボーイフレンドから決闘を申し込まれ、面白がったオスマン氏が、
授業の一環としてコルベールの立会いのもと、模擬訓練にでっち上げられるとはつゆ知らず。
エドワードはとぼとぼ、自分のねぐらに戻っていった。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 07:03:51 ID:XTgTFLKG
>>322
だが、力の源である恐怖、恐れは別世界にはないわけで…最終決戦時のあの破壊力は再現できないと思う。
それでも一国は滅ぼすことは容易に出来るけど

第一というかルイズの力で呼べるのかね?時逆時順が未来に行こうとしたら、あまりの妖気に時空すら歪めてたし
あれだ、フリーザとか呼んで僕になれって言ってる様なもんだ
329代理:虚無と真理の狭間で 7話〆:2010/06/05(土) 07:04:31 ID:yycj30BN
 * * *

音をたてぬように扉が開かれる。
ウェイター服を来て髪を後ろで三つ網にした少年が部屋にこっそり忍び込む。
ところどころ薄汚れ、フラフラと歩む足取りはすっかり疲れきっていた。
使い魔エドワードである。
その主人であるルイズはというと、テーブルに突っ伏して寝息を立てていた。
ほんのりと室内を照らし出す魔法のランプが、そのあどけない寝顔を照らし出す。
テーブルには書物や筆記用具が散らばっていた。
エドワードの帰りを待ちながら今日の復習をしていたようだ。
頭を掻きながらエドワードはルイズに近寄ると、ぽんぽんとその肩を叩く
「うーん、早く掃除しちゃいなさいよね。愚図愚図間抜けー」
「……可愛くねぇ寝言だ」
苦笑して、起こすのもなんだなと、エドワードはルイズを軽々と抱えると、
ベットまで運んでやった。
相当眠りが深いのか、一向に起きる兆しも見せないルイズ。
寝付きがすこぶる良いらしく、ベットに放ってやっても目覚めず。
もぞもぞと寝床を整える子猫のように寝転がる。
それに毛布をぽふっとかけてやりつつ、寝顔を覗き込んでみた。

衛兵達がいうとおり、清楚で美しい、でも細く繊細な肢体。
ふわりと広がる髪から香水の香りが漂う。
キュルケのむせ返る女の色気とはちがう、ほのかな微香。
(妹が居たらこんな感じか、この華奢なこが伝説の担い手だとはね)
「エド……はやく練成術、おしえなさいよね……」
どんな夢を見ているのか知らないが、当分研究どころじゃないかもなと、
エドワードはルイズの寝顔に微笑みかけて立ち上がる。
「まあ付き合うさ、満足するまではな」
「あたりまえでしょー、むにゃ……」
ふああと欠伸をしながら、自分も床にたたまれた毛布を広げ床に丸々。
カサッと紙切れが端から落ちる。

―服はミス・ヴァリエールの物と一緒に洗濯しておきました。
 食堂で預かってますので、いつでも暇な時に寄ってくださいね。
 あと、あの時逃げてしまってごめんなさい。
 無事で安心しました。           シエスタ ―

そういえば食堂に忘れたまんまだったなと思い出す。
部屋の掃除や洗濯を、かわりにこなしてくれたのだろう。
エドワードは、朝であったメイドの少女に感謝しつつ、眠りについた。

――――――――――――――

以上です。
ありがとうございました。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 08:04:11 ID:o2a7XZ3t
白面の者は小ネタであるよ
秀作だと思う
331名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 08:22:38 ID:ooXBswtv
>>330
あれ良いよね、好きだわ
332名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 08:57:43 ID:USA12zg3
>>321
タイトルにもあるように、ユーゼス召喚はラスボス『だった』ヤツだからな。
元ラスボスとでも言おうか。

現役のラスボス(変な表現だが)を召喚したら、少なくとも魔法学院終了のお知らせにはなるような気がする。
333名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 09:03:32 ID:tg9wBXqz
>>332
ゾーマ召喚ならあったが、あれじゃダメかい?
334名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 09:47:58 ID:UzRfnFa5
溶け込むってこと自体が原作崩壊っちゃ原作崩壊だな
335名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 09:52:23 ID:tRxp0HKs
白面というと空の軌跡の《白面》ワイスマンを思い出す
一応SCのラスボスではあるな
336名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 09:52:39 ID:lKUKtDRG
ssなんて書き始めた時点でどこか崩壊するようなもんでしょ
割合は気にしないといけないけど

あと亀だけど汝等の人乙
トゥーソードでオーバーキルされるフーケが見たい
337名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 09:56:29 ID:iIG4MHQ8
ゾーマはまとめだと、召喚されたキャラの項目でゾーマとゾーマ様になってるんだよなw
338名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 10:26:59 ID:iu/ck7BI
>>332
ふがくはゲームでは一応ラスボスだな。
出撃秒読み状態で連合軍に硫黄島急襲されて起動前に破壊されるがw
萌え萌えではどうなのかね?
339名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 10:31:03 ID:99G4ek2O
SAGA2の最終防衛システムは?

目的と言えば世界を守るくらいしかないから、ストーリーに絡みやすいと思うんだが…
340名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 10:43:30 ID:lKUKtDRG
ラスボスじゃないけどゲンハ様とか

シュミクラム? その辺は「魔法です」
341名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 10:47:18 ID:NOf3H2/j
拠点防衛用兵器が異世界に、つーと「天槍の下のバシレイス」のファンタズマみたく暴走するんじゃないか
その目的の遵守のために女神まで攻撃目標にするくらいだし
342名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 10:56:07 ID:r0YXLHIR
エースコンバットのエクスキャリバー
元ネタ知らなかったからラスボスかと思ってたんだが調べたらそんなことは無かった
343名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 10:58:01 ID:tRxp0HKs
>>342
ラスボスは相棒だしなww
344名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 11:07:16 ID:SJ/XWepG
ラスボスはあれが呼ばれてたろ。シャナのあれ。あれも最近来てないな。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 11:14:24 ID:RAaWmy0c
小ネタにFF6のケフカがあった
346名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 11:29:44 ID:5QtcXN5F
で、相棒の人の続きはいつくるんでしょうか?
347名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 11:32:47 ID:Jj+g0siB
仮面ライダー電王Episode red終わった?
348名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 12:23:28 ID:vdB9Qj3S
バージルも一応DMC3のラスボスだな
SS読んで買ってみて見事ハマったが、DMDでコントローラーぶん投げた
勝てるかあんなもんw
349名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 12:30:38 ID:hd9j6828
>>348
トリック+ショットガン+エネステを極めれば余裕さ

パパーダ召喚とか書いてみようと思ったことがあったけど詳細な部分がよくわからん
350名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 12:31:23 ID:Yc5+uPRB
|◇)
351名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 13:24:20 ID:nK64CDPP
3SEは……今は修正されたかどうか知らないけど
ダンテとバージルのデータ一緒のメモカに入れておくと
他のカプコンゲー以外のデータ全部消し飛ぶバグあったから気をつけろ。

実は隠し要素解放コマンドがあったりなかったり……>DMC3、SE

>>349
1では伝説の魔剣士コスがスパーダっつーことになってた。
3では普通のコスだけどな。SEじゃスーパーダンテになるけど
352名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 13:31:05 ID:hd9j6828
>>351
バグってSEのデータがいきなり消えたり全部消えたりするだけじゃなかったのか…
SEだとDT後の姿も変わらなかったっけ

パパーダ確か領主もやってたし貴族としての品格とかも持ってたんじゃなかろうか
353名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 13:31:26 ID:pwG/q7x7
あーそっか、るいずととらの人が帰ってきてくれればいいんだけど・・・
白面を倒すにはハルケギニア全員の人間だけじゃなくていがみ合ってるエルフとか亜人とかと手を組まないと
いけないしなあ
幻獣や精霊とかにも協力してもらわないといけないだろうし

文才ある人が纏められれば原作うしおととらにも劣らないぐらい熱い展開にできそう
354名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 13:46:20 ID:vdB9Qj3S
問題はパパーダの口調と性格だよな、まったく不明

ダンテ寄りなのか、バージル寄りなのか、はたまた足して二で割った感じなのか
355名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 13:50:22 ID:7tNDvmdK
>>344
ラスボス化前だからまだ該当しない。もう少し遅ければ入るけどね。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 14:54:22 ID:O1fEGMzj
だれかDエンド後のニーア(青年・オッサン問わず)で書いてくれないかな。
元の世界から消えて、気づいたらトリステインとかそんな感じで。
デルフリンガーとシロのからみとか見てみたいわw
357名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 16:09:44 ID:bm2Ir0lm
THEビッグ達を召喚
358名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 16:33:41 ID:0UQAPwjv
ラスボスだったらDクラのバールとかどうよ
平民にカプセルばら撒いて革命起こさせるとか
カプセルが召喚されて力を得る為にルイズがジャンキーになる話も面白そうだけど
359名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 16:37:09 ID:iIG4MHQ8
これまでにラスボス系が召喚されたSSありませんか?って話じゃねえの?
360名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 16:48:46 ID:UKFsidL1
エクスデスなかったっけ
361名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 16:54:21 ID:XYjCGCxI
ラスボス……WA2のロードブレイザーだとルシエドを召喚したり、デルフがアガートラームになっていたり、ルイズがナイトブレイザーになるんだろうか。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 17:05:46 ID:AHWsU2v4
ラスボスならブレスオブファイアWのフォウルが召喚されたやつがあったはず。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 17:11:32 ID:uaDmXJDS
ライブアライブなんかもあったはず
364名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 17:16:33 ID:CFcT9UgH
地球→ハルケギニアへ召喚されてる途中の才人をぶっ飛ばして、ガンダールヴ(主人公)の座を奪い取るアサギさんとか。
ぶっ飛ばされた才人は場所と時間を超越して、別の虚無の担い手の所に召喚されましたみたいな。

アサギ「タイトルがゼロ(ルイズ)の使い魔(私)なんだから使い魔にされても主役には違いないわっ!!」
365名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 17:55:23 ID:1BMUBj6f
>>364
はいはい、あなたの主役は次回作だからもう少し待ってね、と作者に退場させられる
366名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 18:48:02 ID:NVMrxKWm
アキレスと亀ならぬ、アサギと次回作

アサギウォーズのように、虚無の使い魔がすべてアサギとか
367名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 21:25:09 ID:AHWsU2v4
今思い出したが、ラスボス系だったらベイダー卿のがあった
368名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 21:50:17 ID:h61ApcbX
今でもエクスデス先生と皇帝の続きを待っている
傭兵はあまり心配はしていないけどそろそろ続きが待ち遠しい

>>357
ルイズにオー
ジョゼフにデュオ
ヴィットーリオがファウ
テファがヴィヌスか
そしてオスマンが実はイヤー

この流れでふと思いついてしまった
『ラスボスだった使い魔』(版権編)
ルイズ:シャア
ジョゼフ:シロッコ
ヴィットーリオ:シャピロ
テファ:ドン・ザウサー
思いついただけ、半昏睡状態のドンの世話をするテファ
そして聖地のクロスゲートからはαの(実質的な)ラスボスである宇宙怪獣軍団が
369名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 22:31:23 ID:LE4uKmjk
ラスボス召喚に盛り上がってる時間を逃すとは………

MH3のアルバトリオンなんてどうかな?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 22:39:59 ID:muVZy0/2
髪の毛ほとんど真っ黒けなナイブズ…どんなキャラだかイマイチ分からんなw
371名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 22:46:56 ID:RMliJV7b
竪穴上った先にあるでかいコンピュータ

三回攻撃しただけで終わるよくわからない物体

ラスボスと言ったらこのあたりを思い出す
372名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:02:03 ID:iu/ck7BI
>>371
ラスボスと言えば巨大な蛇に守られた魔城の奥にある4台のコンピュータだな。
4枚の石版で封印するからおこちゃまはラスボスいねぇ!と叫んだそうだが。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:03:46 ID:qUeOFM9A
ラスボスは右のやつが本体
374名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:09:37 ID:LE4uKmjk
思い出に残るラスボスっていうと…

『石のような物体』と『ガラ婦人』と『ぐわんげ様』だな。

蜂と蟹飯は会えないよ。
375名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:11:14 ID:eAyPLuaz
音ゲーしか重い打線なw
376名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:11:25 ID:UKFsidL1
>>373
原始時代で巨岩喰らって全滅
377名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:11:54 ID:apNq/65s
く、くろっくわーく
378名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:13:18 ID:muVZy0/2
ぐわんげ様に会えるのに蜂と蟹には会えぬとな
379名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:15:00 ID:BQkB7rfh
おいちょっとネタを潰さないでくれよ
スパロボのGBAのオリジナル主人公たちを召喚してスーパーハルケギニア大戦やろうと思ってたのに
380名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:16:36 ID:muVZy0/2
RとJしかしらないや。
とりあえずフィオナは可愛いけどエターナルフレームはねぇよw
381名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:19:55 ID:BQkB7rfh
最初携帯機全部でやろうと思ったけどミストさんを思い出して大挫折
彼を上手く料理する自信がねえよ
382名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:29:57 ID:UbCbgjGC
ロボットものは扱いが難しいですからね。
ガンドライバーやターンエーガンダムのようにロボットが発掘できる世界にして、メイジはそれを操れるとか……にしないと?
383名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:31:15 ID:3mlHZdqy
魔法騎士を召喚しろって言われた気がした
384名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:38:36 ID:eAyPLuaz
Jだとギャルゲー路線という意味でもサイトの上位互換にしかならんというw
385名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:40:56 ID:FmTdo8uh
ジョシュア・ラドクリフ。
イザベラあたりに召喚させたら面白いことになりそうな予感が。
きっとあの親子を浄化するに違いない。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 23:56:08 ID:LE4uKmjk
>>378
あっちは会うまでに気力が萎えるんだ………orz

石のような物体も斑鳩じゃなくて銀銃の方なんだ…。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:06:06 ID:2Lz9nI0G
>>386
普通にやったら大抵は3面でコンティニューが切れる俺にはイマイチよく分からないぜ!

「SUGURI」ってありなんかな
388名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:09:07 ID:GdPcfzRU
ガラ婦人に会うだけで精一杯だから困る
もう3年くらいやってんのに・・・
389名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:18:48 ID:ovzyHwhx
BLAZBLUEのハクメンのSS書きたいが、まだ情報が整ってないからな
CSでたらBLAZBLUEキャラのの召喚SSとかでないかな
390名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:20:09 ID:5BqljbPw
>>375
トリスタニアに出現した「母」とシルフィードに乗ったタバサが白と黒の波紋をぶつけ合うんですね? わかります。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:24:30 ID:2Lz9nI0G
音ゲーってあれのことかw
392名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:25:41 ID:lspbZEkT
ガンダジョシュア
ヴィンダリム
ミョズニクリフ
ペルフェクティオに乗っとられたシャルル
ミーレス達にマシンガンをぶっ放すイザベラ
というのは考えた
393名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:27:03 ID:OZoS2ddH
R-TYPE FINALのF-Bルートを通ったBYDO System αを召喚…
ノーマメイヤー撃破後通過した光の先が召喚ゲートだったとか……
394名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:27:35 ID:rQwoqe0P
ドラッグオンドラグーンのキャラクターは扱いが難しそうだな・・・
どいつもこいつも狂気に満ちてやがる

アンヘル召喚したルイズが契約の代償に時を失うとかか
395名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:27:59 ID:OANiyi7l
とある世界の月を独立に導いたコンピュータを召喚。

「虚無は無慈悲な夜の女王」

タイトルが気に入ったが、内容が全く思いつかんw
396名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:33:01 ID:BgyrzC61
>>393
R戦闘機なんかが来るなんて、もうバイドさん達が殺到してきてハルケギニア終了フラグにしか見えないw
397名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:34:04 ID:MF4So2Ij
ゼロつながりでなおかつツンデレなウルトラマンゼロを
398名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:35:30 ID:emiyZjFr
>>394
DODの契約の代償って大事なものじゃなかったっけ?
ルイズの場合貴族の誇りとかで、なくしたら外道になるんじゃ…
399名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:37:30 ID:P+noDTWf
>>394
っ【代償:胸】
400名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:43:25 ID:5BqljbPw
>>399
最初からないものは代償に支払えないんじゃね?w
ギーシュあたりだと、「美貌」とか「毛」とか代償になりそうな気がするが、ルイズはわからん……
401名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:44:06 ID:QTU/I4CO
ニーアならカイネを召喚とか


でも、色々とアウトというか危ない気がするな…

402名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:45:52 ID:i+HYjdTF
ラスボス談議には乗り遅れたけど、ラスボス以上にインパクトと苦労があったのは
幻想水滸伝Uのルカ・ブライト。でもいい人になったら興醒めだしな
俺は俺が思うがまま、望むまま、邪悪であったぞ……だっけ。主人公側には置けないか
403名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:47:31 ID:zarT2nKF
DODのは大切な身体機能の1つが代償だから、
精神そのものを捧げるという事は無い。
ルイズなら知識だろうと思われる。
2だと魅力とか食べる行為とか死とか曖昧になってくるが。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:49:50 ID:hMu396ps
ルイズのステータスであるちっぱいが消えうせて普通サイズのつまらないおっぱいになっちゃうのか
405名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 00:50:30 ID:Vq3goPGE
>>403
あのとっつぁん坊やは
食べる行為っていうか、味覚だあね
食い意地超はってる男だったのに、何喰っても砂みたいにしか感じなくなって
受け付けなくなっちゃったんだと思う
406名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:04:04 ID:REl3b3jt
DODがDDDに見えた…
あの作品から召喚とか想像しにくいが、ルイズは悪魔憑きの素質ありそうな
407名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:04:24 ID:zarT2nKF
>>402
地獄が見たいジョゼフと狂皇子ルカって最悪の組み合わせがありありと浮かぶが、
都市同盟を滅ぼすことが目的の彼がジョゼフと結託する気になるだろうか。

>>405
世にも奇妙な話でもあったな。あんな感じのが永遠と続くとなると、そりゃ嫌になるわな。
408名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:06:02 ID:pxlDVQDb
>>403
恐らくルイズが代償に持って行かれるのは『魔法』だろうと思われる。
完全にゼロに成っちゃうんじゃないかな?身体能力と契約対象の魔法等の
能力と引き替えに。結構面白そうかも。
409名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:19:40 ID:0OlQ2IHy
GTAのCJが召喚されました…ってのを考えたんだが、
よくよく考えるとガンダールム設定って必要ねえんだよなぁ
ありとあらゆる乗り物操縦出来るし、ありとあらゆる武器使えるし

別にガンダールムとかは無理に付けなくても問題ないんだよね?
410名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:23:23 ID:YNvANV41
ラスボスでスト2のベガ…と見せ掛けて、ベガが何か言おうとした瞬間に「失せろっ!!」と豪鬼が降ってくる。
まぁ、豪鬼召喚は既にあるけどさw
411名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:26:46 ID:zarT2nKF
>>409
ルイズが虚無の担い手で無いとかにしない限りは
ルーンが付かないのはまずいような
412名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:30:40 ID:0OlQ2IHy
>>411
となるとサイトも召喚して上手く辻褄合わせしないと苦しくなるな
今まででサイトも召喚されたのってあったっけ
413名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:31:49 ID:5BqljbPw
>>408
ルイズは唖然とした。
おかしい、自分は錬金の呪文を唱えたはずだ。
しかし何も起こらない。錬金が成功しないどころか、いつもの爆発すら起こらなかったのだ。
杖を向けられたはずの石は何事もなかったかのように机の上にたたずんでいた。

「おい、ルイズの呪文が爆発してないぞ………?」
「なんだ、拍子抜けだな………」
「てっきりひどいことになると思ってたのに………」

机の下に隠れていた生徒たちが、恐る恐る顔を出し始める。
失敗のようですね、とミセス・シュヴルーズが言った。

「ではミス・ヴァリエール。もう一度唱えてください。今度はうまくいきますよ」
「は、はい………」

ルイズはもう一度、頭の中で呪文が間違っていないことを確認してから、錬金を唱える。
が、しかし今度も、何も起こらない。サモン・サーヴァントでさえ引き起こした爆発すらも、全く起こらない。
ルイズは焦る。これは、これではまるで平民が杖を振ったのと………

『契約の代償に、魔法を奪われたのであろうな』
「っ!?」

頭の中で響いた、契約相手の『声』。
その『声』は、赤き竜は今、なんと言った? 『魔法を奪われた』?

『どうせ使えぬ魔法だろう。爆発しなくなっただけよかったであろうよ』
「ふっ………、ふざけないでよっ!!」

赤き竜の『声』に、ルイズは激昂する。
魔法が使えなくなった? 爆発すら起きない? それじゃあ自分は、自分は………

「もう、貴族ですらないじゃないっ!!!」

契約者の『声』が自分にしか聞こえないということすら忘れて、ルイズは心の底から絶叫した………

なんてシーンを思いついた。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:35:11 ID:QGRMRULq
>>4O6
魔法が出来ないことに追いつめられてる状況………
発症するには問題ないが、どんな新部ができあがるやら。
とりあえず、使い魔はカナタ? いや、殺されるなw
415名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:43:10 ID:hnnWqvy2
ラスボス談議はすっかり乗り遅れたが、MOTHERシリーズからギーグを召喚。
『1』の時点じゃないと話が進まなさそうだがw

ポーキーは召喚というより向こうが勝手にやってきて
ハルケギニアを荒らしそう。
ジョゼフとかレコン・キスタの黒幕になってたりしてw
416名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:47:05 ID:BgyrzC61
>>397
ゼロの性格に問題ありすぎ。
召喚出来たとして「お前は今日から私の使い魔ださあ従え」なんて事になったら速攻で反発して
光の国に帰っちまうのが確実だからな。
そして、召喚した側にそれを留める手段が無いから基本的にそれ以上話の膨らまし様が無い。

後は人間としての姿の設定が公式で存在してないってのも色々引っかかってくる所。
まあ、ここは探せばまだ抜け道はあるだろうけど、それを差し置いても性格上の問題を解決するのが
非常に難しいのは困り物だな。
417名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:49:03 ID:QTU/I4CO
TOPのダオスもラスボスだよな

ワルドとかダオスレーザーで消し飛ぶな
418名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:50:40 ID:i+HYjdTF
>>407
ジョゼフって手があったね。でもそういや、都市同盟に因縁があるんだった。
どっちにしろ人に従うキャラじゃないし。ジョゼフに認められ軍を率いる。ジョゼフを殺して力で王位簒奪。
元の世界に戻る為に、聖地侵攻を目指して各国を侵略とか……無理があるか。

>>412
今継続してるだけでも、いっぱいあるよ。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:55:59 ID:dpan8YLp
>>416
レオが2、3発ボコってからこんな風に言えば大丈夫
「今からお前は地球の少女に召喚されるが、言う事をちゃんと聞いて役目を果たすまで帰ってくるな」
420名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 02:05:21 ID:uMyE76sE
レオ…
FF6のレオ将軍の召喚とか見てみたいな
421名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 02:06:18 ID:hnnWqvy2
>>419
そういえば、レオ自身も経験者ですもんねw
まとめwikiの『ゼロの少女と紅い獅子』参照。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 02:21:11 ID:JNhJA5Dp
>>409
斬新な間違い方してるなw
本当に書く気なら、原作を読んでね・・・
423名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 02:23:48 ID:6JHOJRSV
ウルトラマンは人間形態ならジープで死ぬ思いするくらいだから、変身に制限があれば割と話は進めやすいかも。
424名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 02:35:23 ID:kvIDFfbu
名前からしてルイズと相性のいいゼロは人間体が設定されてないのがネックだな
425名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 03:33:30 ID:iK4lk9qt
ネクサスは特定の変身者がいない分
好きなキャラをデュナミストに出来やすそうだな。
ただしアカデミーに拉致られてエレ姉様に人体実験されそうだが。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 04:07:33 ID:+OPDe7OO
まあ、ゼロはいつか人間体が出てくるだろ
427名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 07:58:42 ID:CwC/SQ8d
ドラマ版の怪物くんを召喚。
フーケが盗んだものが魔王石だったり、
ワルドとの戦闘には「使い魔サイコー!」とか。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 12:15:03 ID:qytItyym
>>420
将軍も得物剣だしな
429名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 12:17:42 ID:2Lz9nI0G
>>413
YOU! 書いちゃいなYOU!
430名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 12:42:27 ID:TJ4iDchD
>>403
じゃあルイズのバストサイズが持ってかれるとか
431名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 12:43:40 ID:9boAIuCS
>>430
無いものを捧げるとはこれいかに
432名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 12:54:01 ID:TJ4iDchD
>>431
じゃあ上の姉の男運
433名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 12:56:37 ID:X1Wy8ZHQ
>>432
ふと、沸いてきたルイズがもうちょっとフランクだったら
長女はエレ姉になって、影技のガウみたいな呼び方になるんだなって
434名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 13:05:59 ID:KeI9mvwg
ありゃ男運じゃなくて単に当人の性格が終わってるだけだろ?
435名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 13:25:12 ID:0M1tyhk6
いや運が良ければルイズのようにM男をゲットできたはず
エレ姉さまはイケメン高学歴高爵位のM男との出会いに不運にも恵まれなかっただけ
436名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 13:27:44 ID:nRHfUGyz
ツン9.9:デレ0.1くらいか?エレ姉さん
よほどの変わり者で無い限りデレを引き出す前に心が折れるだろうしな
437名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 13:28:00 ID:9boAIuCS
ユーゼスのような高学歴のドM朴念仁なんてそうそういないだろうしな
438名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 14:03:34 ID:OdrhXCTy
>>408>>413
それ面白そうというか、その場合は別に新たな虚無の使い手が出てくるんだろうか?
(この場合はタバサの妹が虚無覚醒か?)
そしてそっちの方に才人が召喚されて…とか
439名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 14:07:59 ID:kvIDFfbu
>>403
でもハンチさんって魅力的だよな
440名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 14:26:31 ID:9IaX3rKN
ラスボスでちょっと思った。
ワールドヒーローズからギカスを召喚。
ギカスのコピー能力はどこまで通用するんだろうか?

>>409
別にガンダである必要は無いんだぜ。
SSによってはミョズだったり憚れる者だったりするんだから。
441名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 14:31:33 ID:TDPS3jFT
エロいしな、ハンチさん
442名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 14:39:50 ID:JEUL0Y7A
本当に魅力を失ったのだろうか
443名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:06:48 ID:TJ4iDchD
>>412
どれか忘れたけど人間召喚してその後召喚し直ししたら
サイト来て地方のアニメ事情についてアツく語るという作品があった

なんだったっけ?
444名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:07:08 ID:g1X9CnLq
どんな女に惚れるかは男の自由
ビアンカ派か、フローラ派か、それともデボラ派かの議論が永遠に決着がつかないように。

たとえ、自分が絶対的少数派だとわかっていても、その愛を貫き通せれば、何も悔いはないじゃないか。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:09:04 ID:2Lz9nI0G
じゃあ俺ルドマン
446名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:10:50 ID:9boAIuCS
俺ベラ派
447名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:16:16 ID:TJ4iDchD
あの頃「フローラにした」つったらその日から教室で孤独な青春を送ったなぁ


>>446
人の好みに文句いう気はないけどやはり「あたしゃ悪い奴を見ると生かしちゃおけないのさぁ」
って三本指はちと趣味悪いと思うです
448名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:25:39 ID:OdrhXCTy
>>447
こらwww

あの三人召喚したら、紳士なベムと人懐っこいベロは問題ないけどベラは絶対揉めるだろうな
序盤のキュルケが軽口叩いて「私に喧嘩売ろうってのかい、この小娘!!」となって決闘になったところで
ベムが途中で止めるとか
449名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:34:01 ID:5Msxez/N
>>443
ゼロの女帝?
450名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:13:03 ID:bqhL9o1g
ヴァリエール公爵のような、過激なツンデレを許容できる男って希少価値が有るんだろうなぁ……何しろおよそ三十年あの奥方と一緒に居て、貴族ならまず普通にいるだろう第二夫人や妾が居ないのだから。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:16:43 ID:5ML79UEC
厳密にはラスボスではないが、サタンに手懐けられたデブブウなら面白くなりそうだ。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:21:24 ID:UkQ1jwg/
厳密にラスボスでないなら、聖剣LOMのアーウィンとかどうだろう
453名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:22:28 ID:j9ZBCHE8
床飯のあたりで怒りで悪の心が復活して全員チョコになるよ
454名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:23:11 ID:7/ECstFD
>>450
カリンさんじゅうななさい
普段はフェイスチェンジ使ってるだけで不老長寿なんだよきっと
455名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:24:39 ID:2Lz9nI0G
LOMは天野シロの漫画が好きだったなー
色々崩壊してるけど
456名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:25:04 ID:QplUwhIw
とっとと才人がルイズ押し倒しちゃえば問題ない、そう思っていた時期がありました
現在じゃ不可能だがな
457名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:31:36 ID:DovsB+++
ラスボスより強い黄金マムル召喚すればルイズもきっと満足する
458名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:47:36 ID:7/ECstFD
全ての武器を…って繋がりで
ととモノ2の普通科の生徒とか
459名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 16:58:35 ID:Dqbv3sQe
ラスボスではないが、主人公とは思えないガチで悪党の『軍鶏』の成嶋リョウなら、召喚の当夜にルイズを速攻でレイプしようとし、
抵抗されたら容赦なく拳を叩き込んで、泣きじゃくるルイズをいざ犯ろうとしたら、ルーン効果で妹とルイズが重なり萎えて中止。
その後の関係は“ギクシャク”なんてものじゃないほどヤバイものになり、船戸萌美との間柄のような病みきった関係になりそうだ。

ある意味、強烈なコンプレックス持ちということで共感できそうな部分もあるんだけど……
その後はまちがいなく、菅原とのファーストコンタクト時のように、ワルドに“黙殺”されるだろう。
中国編での発勁修得が「無かったこと」になってなけりゃ、メイジともやりあえるぐらい強いんだけど。
460名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 18:37:14 ID:g1X9CnLq
現在の才人の自制心の強さは尊敬にすら値する。
ぶっちゃけ、あれらのシチュエーションで我慢する自信は俺にはない。
461名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 18:39:21 ID:QplUwhIw
才人は土下寝しててもルイズとやりたいという気概が足りない
462名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 18:53:22 ID:FB2Nd3Bo
まぁ童貞だからどうしたらいいかわからないんだろ
463名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 19:01:59 ID:aEg5Rm+P
原作では 最初襲いかけてたけど 蹴り上げられ…w
464名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 19:27:43 ID:7/ECstFD
蹴られたショックで不能に…

Theガッツのタカさん召喚
多分デルフいらねぇ
465名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 19:36:54 ID:lvhHQVw4
>>460
お互い全裸でくっ付いても「結婚するまで待つ」なんていって我慢してしまったからなw
お前は修行僧かとw
466名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 19:59:33 ID:6JHOJRSV
日本からはゼロ戦、ドイツからはティーガー・・・・・・
おい、女好きのイタリア出番だぞ。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 20:04:05 ID:ynITZq7Z
バック6速のベローチェってかw
468名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 20:05:06 ID:A4FBADhx
>>465
「……したくないの? だって、男の子って……」

とか言ってたから、ルイズの方も多少の予備知識はあるみたいだけどねぇ
469名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 20:13:46 ID:W2BsCYDc
全ての武器(クラス)を扱う…というあたりから、みんなdeクエスト‐虹色の夜‐の主役を出したいもんだ。
ゼロ魔の人物も結構バランス良さそうなアビリティ持ちで冒険できそうだし
キュルケ→交渉術、タバサ→知識、ギーシュ→危険探知、モンモランシー→薬物学、コルベール→修理…みたいに

問題は地の文の関係で『貴方は〜』という読者の分身にしなくてはならない部分か。
そのくせ行動的じゃないわけでも、全く無口なわけでもないという
470名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 20:39:29 ID:rQwoqe0P
才人はロリ趣味ないんだろうな
あったらとっくに・・・ねぇ?
471ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:41:16 ID:2594NYd6
規制とけたーっ!!
うぉっしゃぁあああああ!!
狂喜乱舞、妖星乱舞な黒魔でございます。代理などなどありがとうございました。
久しぶりな自力投下と参りたいと思います。
20:50頃より失礼をば。
支援等できますればお願いいたします。
472名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 20:42:04 ID:g1X9CnLq
>>465>>468
つまり、そこまでが全年齢の限界で、ここでエロティックな話を投下するとしたら
素っ裸で抱き合うくらいまではOKということですね?
473名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 20:42:44 ID:2Lz9nI0G
ひゃっほおおおおおおおおう!
いまから外出だよチクショー!!!
474名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 20:46:16 ID:g1X9CnLq
んあっ!
ようし、魔列車にメテオストライクをかけるつもりで支援します。
475ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:50:15 ID:2594NYd6
では、投下開始です

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『何にも無い』があるはずのその場所で、
ボクは、確かに見たんだ。

「……女の子?」

膝を抱えて、暗闇の中、ぽつんと1人ぼっちの女の子。
雪よりも真っ白な髪の毛の女の子。
ボクは、その子を見ていた。
『目を離しちゃいけない、離したらもう二度と会えなくなる!』
……何故だか、そんな気がしたんだ……

【どうして君は泣いているの?】
誰かがその子に話しかけたんだ。
変なんだけど、ボク自身がしゃべってるような、そんな感じの声。
頭の中を反射して、ボワンって広がるそういう声だった。


≪みんなが、みんなが……いじめるの……≫

女の子が、少しだけ顔を上げる。
その涙が頬をこぼれ落ちる度に、
暗闇が少しだけ震える。
震える度に、さざ波のように声がするんだ。

『やーい!親無し〜』
 『真っ白髪のお化け娘〜』
  『あいつなんてほっといて遊ぼうぜ!』

ムッとする、悪口。
悲しいほどに一人ぼっちっていう気持ち。
そういうのが、波のように心に直接ぶつかってくる。

【そっか……】
≪どうしてわたしは白い髪の毛なの?
 どうしてわたしは生まれてきたの?
 わたしは、この世界でいらない子なの?≫
【そんなことはない!
 司祭様がおっしゃってるよ!『君達は貴重な迷える羊なのだ』って!】

なんでかな。
ボクがしゃべってるわけじゃないのに、ボクがしゃべっているような気分になる。
頭の中に直接響いてくる声だからかな。
暗闇の中では、女の子と、ボクしかいない。
まるで、誰かの目を通して記憶を見ている感じだ。


≪あなたはいつも司祭様のお気に入りだから……わたしなんて……≫
【そんなことないよ!……もし、そうなら、君だって僕にとって……】

その声が、言い淀んだ。
言え無かったのは、恥ずかしいから?
なんかこう、すごく、もやもやってする。
もどかしいって言うのかな。そんな感じがしたんだ。
476ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:51:46 ID:2594NYd6
≪え?≫
【ううん、なんでもない……そうだ!一緒に探検に行かない?】
≪たんけん?≫
【うん!すっごいおっきな夕日が見れる場所、見つけたんだ!
 つれてってあげるよ!一緒に行こう、ね?
 綺麗な世界を、一緒に見に行こうよ!】
≪いっしょに……本当に?≫
【うん!約束だ!】
≪約束……うん!≫

女の子が、手を伸ばす。
この記憶の持ち主が、手を伸ばしたんだろうか。
ボクの手に、ほんのりとした暖かさが伝わってきた。
手を離してしまったら、もう戻ってきそうにない、そんな儚い暖かさが。



ゼロの黒魔道士
〜第七十五幕〜 The Other Promise ―ある夏の終わりに―



多分、これは幻。
それでも、ふんわりと、夏の香り。
鼻の頭を、夕立と青草の匂いがツンとなでていった気がしたんだ。

【ついてこれてるかい?】
≪うん、へーき!≫

傾きかけのお日様が、じりじりと照りつける。
ボクは、『誰かの』記憶を通してこの景色を見ている。
後ろを何度も何度もふりかえりながら、ずんずんと丘を昇っていく。
ときどき、よろけたり、木の枝にぶつかりしながら、景色が進んでいく。

そうすると、海が近いのかなぁ。
ちょっとずつ、風が気だるくて、しょっぱい感じになってきたんだ。

なんだか、妙に全てがハッキリとしている。
匂いも、温度も、手触りも、何もかもが現実よりも現実っぽい。
なんか、気持ち悪い。
ボクの体の中に、別の人が入ってきたみたいだ。


【ほら、あともうちょっと!手を伸ばして……】
≪うん!≫

夏草が、胸よりも高くなった。
もうすぐ丘の向こうで日が落ちる。
ボクは、ボクの体を使った誰かの記憶が、女の子に手を伸ばす。

伸ばす、その手が、空を切る。
カランと、石が落ちる音。
女の子の背が、急に低くなる。

   ≪――きゃぁあああああ!?≫
【え!?】
477ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:53:16 ID:2594NYd6
世界が、『スロウ』を使ったようにゆっくりになる。
ハッキリとした幻が、全部を細かく思い出すかのように、何度も何度も繰り返す。
尖った夏草が足に当たる感触、
しょっぱさを含んだ生温い風、
ゆっくり傾いていくオレンジ色の光、
草むらに隠れた、岩の裂け目、
小さくなっていく、女の子……
まるで、暗闇から手が伸びてきたみたいに、
吸い込まれて、吸い込まれて、吸い込まれて……

≪ああああああああああああぁぁぁぁぁぁ――≫

その光景を、何度も何度も繰り返す。
女の子の白い服が、花びらのようにめくれあがる。
白い髪が、風にあおられて吹雪みたいだ。
悲鳴が連なって耳にこびりつく。
何度も何度も、手を伸ばす。
何度も何度も、彼女は落ちていく。
何度も何度も、何度も何度も……

【なん……で……?どうして……】

何度も何度も、その手が夏の風をつかむだけ。
その度に、小さな声の『どうして?』が、
『誰か』の記憶の『どうして?』が、ボクの頭の中で割れそうに響くんだ。
こんな風に……

【どうして僕は】
【どうして僕は手を離した?】
【どうして僕はあの子を誘った?】
【どうして僕はあの子を好きになった?】
【どうして僕はあの子と出会ってしまった?】
【どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして】

何十回、何百回と手を伸ばした果てに、景色が暗闇に戻る。
暗闇に立っていたのは……
立っていたのは……


       ≪悲しむフリは止めたらどうだ≫

【フリなんかじゃない!悲しいんだ!悲しいんだ……】

フォルサテ……!!
今よりも若い姿のフォルサテだ!
その声と、ボクの中に入ってきた『誰か』の声が重なる。
丁度、鐘の音が反響するみたいに、グワングワンって。
478ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:54:48 ID:2594NYd6
       ≪お前はあの子の手を離した≫

【僕はあの子の……手を離した】

       ≪約束をしたのに、守れなかった≫

【約束をしたのに守れなかった……】

       ≪お前は嘘つき お前は罪人(つみびと)≫

【僕は嘘つき 僕は忌人(いみびと)】

       ≪それがお前の正体 どうしてお前の咎を救えよう≫

【それが僕の正体 どうして僕の性が救えよう】

声が交互につながっていく。
まるで、輪唱だ。
重なれば重なるほど、音が揃っていく。
まるで……操り人形が、その持ち主に動きを合わせていくみたいに……


       ≪そうだ、私の力となれば良い≫
【あなたの力?】

フォルサテの唇が、ニヤリと上がった。
記憶の中の『誰か』かは、黙って見上げるだけ……


       ≪望むか癒しを。贖うか罪を≫
【望みます赦しを。償います君のため】

記憶の中の『誰か』が、手を伸ばす。
今度は……助けるためじゃなく、助けを求めて……

       ≪ならば来なさい私の右腕、ヴィンダールヴよ≫
【参りましょうあなたの右腕、ヴィンダールヴが】

フォルサテの手が、『誰か』の手をとった。
それはまるで、あの女の子が落ちて行った暗闇みたいに、底が知れない黒さを感じた。

そこから、また暗闇じゃない世界に変わっていく。
夏が過ぎて、秋から冬へ。
春を越えて、何度も何度も、また夏が来て。
モザイクタイルのように色とりどりに散らばった景色が、
『誰か』の記憶の中を動いて行く。
479ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:56:15 ID:2594NYd6
【僕は嘘つき】
【僕は業を負う者】
【僕は約束を守れなかった】
【僕は罪を重ねた】
【何度も何度も嘘をついた】
【赦されるために赦されないことをした】
【僕は罪人、僕は忌人】
【世界は嘘で汚れている 世界は腐っていく】
【僕は、僕はこの世界でいらない子なの?】

頭の中で声がする。
見える景色は暗闇じゃない。
多くの人が行き交う、光が溢れる世界。
でも、光が強くなるたびに……
影が、女の子が落ちて行った暗闇のように真っ暗な影が、
どんどん強くなっていく感じがした。

光に向かっているのに、どんどん暗闇が強くなっていく。
すごく、心細い。
先が見えない光の中、ボクは、ボクの中の『誰か』が歩いていく。
うなだれながら、ただたださまよっていたんだ。

すると、突然、ピタリと足が止まる。
顔を、上げる。
ゆっくりと、ゆっくりと。
そこにいたのは……ニッコリと笑う、白い髪の、女の子だった。

【どうして?】
【どうして君はここにいるの?】
【どうして君は僕を忘れているの?】
【どうして君とここで出会ってしまった?】
【どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして】

いくつもの『どうして?』って声が、ボクの中で響く。
ボクは、じっとその女の子を見る。
落ちて行った子にそっくりだ。
違うのは……服装ぐらい?
教会の人みたいな服装で、首からネックレスを下げている。
多分同じ子じゃないと思うけど……驚くぐらいに、そっくりだった。

≪どうかしましたか?≫
【いや、なんでも無いよ……】

明るい声で、その子が聞く。
ボクの中の『誰か』が、何でも無い風に答える。
胸が、苦しい。
ボクの中の『誰か』の心臓が、だんだんだんだん速くなる。

≪でも、いいなぁ。私ももっと色んな所に行ってみたい……≫
【……色んな所、かい?】
≪そう。こんな狭いところに閉じ込められたりじゃなくて……
 もっと、広くて綺麗な景色、見てみたいなぁ……≫

まるで、夢を見るように、白い髪の女の子が言う。
『誰か』がその子の手をそっととった。
壊れ物でも触るように、そっと。
心臓の音が、手を伝わってその子にまで届きそうだった。
480ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:57:45 ID:2594NYd6
【……叶えてあげようか?】
≪本当ですか!?≫
【あぁ……約束、だ!】
≪嬉しい!絶対ですよ!約束ですよ!≫

約束、約束。
その言葉が、何度も何度も頭に響く。
ボクの中の『誰か』はその声を受けて、考えたみたいだ。
じっくり、何度も、何度も。

【彼女は知らない。世界がどれだけ汚れているか】
【彼女は知らない。僕がどれだけ嘘つきか】
【でも、今度こそ、今度こそ僕は。約束を守らなくちゃ】
【綺麗な世界を見せるんだ。嘘つきのいない、綺麗な世界を】

景色が、緩やかに変わる。
『誰か』は、今、その背中を見ていた。
フォルサテの、背中を。
周りの景色がほとんど見えない。
その背中しか、見ていない。


≪――はは、素晴らしいじゃないか!これが『始原のクリスタル』!
 これさえあれば、ハルケギニアどころかあらゆる世界を支配――
 お前、何をっ!?≫

その背中を、突き飛ばす。
不意を突かれたのか、その背中が思ったより転がる。
ボクの中の『誰か』が、ニヤリと笑った気がした。

【僕は罪人 僕は忌人 赦しを求める迷える羊】

ボクの中の『誰か』が呪文のように唱える。
讃美歌のように、ゆっくりと。

≪貴様、裏切るつもりかっ!?≫
【僕の性を 僕の咎を あなたは知っているでしょう。
 嘘をつくことが……僕は得意なんですよ】

足下に転がったフォルサテの体を、
『誰か』が蹴り上げる。
真っ黒い感情が、『誰か』を通じてボクも感じる。
気持ち悪い……
なんだか、すっごく気持ち悪くなる。
こんなに『誰か』の感情がボクに入り込むなんて……


≪ぐっ!やはり貴様も忌まわしき虚無の使い魔かっ!!≫

フォルサテが、杖を抜こうと胸元に手を入れる。
でも、その手は抜かれることがなかった。

【アズーロ】
≪ぐぁ!?≫

青い体の竜が、フォルサテの体を持ち上げる。
赤い血が、ポタリと落ちた。
牙が食いこんでいるみたいだ。
481ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/06/06(日) 20:59:15 ID:2594NYd6
【ありがとう、アズーロ】
≪きさ……ま……≫

バサリと竜の羽が鳴る。
フォルサテの体が、高いところまで持ち上げられる。
黒い感情が溢れて止まらない。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。
吐きそうだ……

【さようなら、司祭様……】
≪ぐぁああああああ!!≫

フォルサテの体が、小さくなって落ちていく。
良い気味だ、なんて思う前に、吐き気がおさまりそうになかった。
なんなんだ、この『記憶』は。
なんでこんなに……なんていうんだろう、『濃い』んだろう……

【――全ての罪を償おう】
【――全ての罰を負おう】
【彼女との約束だ 今度こそ約束だ――】


締めくくりみたいに、ボクの中の『誰か』がそう言ったところで、目が覚めた。
急に体が重くなったみたいに感じる。

「グ……ケホッ……」

胸がムカムカする。
見えているのは、間違いなくボクの手、ボクの足、ボクの体……
それなのに、まだ『誰か』が入り込んでいる気がして、すっごく気持ち悪い。

「……ぼう、相棒っ!?大丈夫か!?」
「デルフ……」
「なんだよ、あの『記憶』!?妙に現実っぽくて吐き気すんぜよぉ!?」

デルフも、見たんだ……あの記憶を……

なんだろう、この嫌な感じ……
夏の匂いと一緒に、嫌な予感が、まだ鼻の奥にこびりついている気がした……

----
本日は、以上です。予告どおりの捏造回ですまんです。
まぁ、当初ジョゼットの正体公式発表前に使ってしまったわけで。
その時すでに、こう処理する予定だったわけですが……
まぁ、結果オーライ……?オーライだったらいいなぁ……
次回、ラストバトル突入(?)でございます。
どうか、生温かい目でよろしくお願いいたします。
それでは、お目汚し失礼いたしました。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 21:10:07 ID:g1X9CnLq
乙です
そういえばジュリオのことすっかり忘れてた。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 21:11:29 ID:id/x7ATE
乙です
今週末は一本も投下なしかと思ったぜw
484名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 10:35:17 ID:/lzp6CH5
ジュリオは双月の騎士ではルイズの爆発に巻き込まれて、珍しくボケ顔してたのが印象的だった
485名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 14:47:25 ID:sWZ8YQUj
誰か、存在しているだけで世界をギャグ空間に叩き落せるような力の持ち主は居ないだろうか。
……とびかげ、なんて召喚してもルイズはおろか書き手も御しきれないだろうし、ガンガン繋がりでキタキタ親父とかはビジュアル的にルイズが可哀想だ。
486名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 14:51:00 ID:zhu53S6D
両さんとしんのすけ
487名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 14:54:25 ID:g1k+6s4E
A.T.Lady 7号とか
A.T.Ladyシリーズで唯一核動力じゃない(単三乾電池w)から扱いやすいぞw
488名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 14:55:50 ID:IKOFGgch
>>485
ボーボボの首領パッチとかビジュアル的にもそこそこいいかも
怒怒んパッチ強いからバトルも大丈夫

でもギャグ漫画って文章だけで表現するの難しいよな
489名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 15:21:45 ID:k7ESwBAm
みなみけの保坂とか、かなりギャグな気がする。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 15:54:58 ID:um5eLIcg
>>485
シリアス作品であるX−MENを不条理ギャグにしちゃったデッドプールとか?
491名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 16:03:17 ID:gNXdQYnA
>>488
GS美神の横島も、原作のはっちゃけ度を文章であらわすのが難しいから、YOKOSIMA化しやすいんだよな。
対して才人は原作の文章からだけでも、バカでスケベで鈍感でマヌケなところがよく伝わってくる。
なんだかんだと言われるが、やっぱりプロの作家の筆力ってのはすごいもんだ。
492名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 16:04:08 ID:B1YPBwkj
>>485
すごいよ!マサルさんのマサルとか
493名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 17:10:26 ID:AlpIHeVQ
ピトーとか
アシェラッド召喚したらおもしろそうじゃね?
494名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 17:24:04 ID:SYQXW9aG
アシェラッドは読みたいな
でも絶対に帰ろうとするだろうな
495名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 17:35:25 ID:25NrfSpU
木こりトルフィンを召喚してルイズの従者として一生を終える
496名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 17:46:06 ID:FqveNQGt
>>494
シエスタの祖父をブリタニアから連れてきて昔話を教えればハルケギニアをアヴァロンと勘違いしてくれるかも知れん
497名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 17:46:47 ID:ckMyEiO6
今、電王が劇場版でやってるけど
ゼロノス編見て感動したのでゼロノスを
498名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 18:08:50 ID:/lzp6CH5
ゼロつながりでも、ルイズにはウルトラマンゼロよりベリアルさんのほうが気質的に合う気がする。
つかルイズをハルケギニア星人のレイオニクスにしたら手持ち怪獣は……モエタランガ?
499名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 19:09:31 ID:VGybb0la
>>459
ワルドは菅原よりも親殺しのトラウマとか転落したエリートとか成嶋リョウと被る気がする。
500名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 19:17:24 ID:ySnVGqLd
ゼロ繋がりでカービィ3に居たダークマターの白いの

あれゼロって名前だったよね?
501名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:04:32 ID:SVtnwB8b
ギャグ時空か・・・

田中魔王とか

・・・あれも文章で表現するの難しいなぁ
オスマンやモットの活躍が見込めるんだが
502名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:06:43 ID:G00FC995
ゼロつながりならロックマンXシリーズのゼロも・・・
ロックマンゼロでもいいけど。
503名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:11:57 ID:nU3+MRZ+
0→綾波レイ→ゼロのルイズがタバサを召喚したぞー!
504名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:38:10 ID:f4torti7
竜堂兄弟の3男、末っ子あたりとか?
小説だとどうしようもないから、OVA版か漫画ならぎりぎりか?

上のダメ兄貴2人は論外か。
505名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:44:03 ID:MfdL3zHs
>>497
一瞬ゼロムスに見えてしまった。
506名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:49:58 ID:SVtnwB8b
>>503
アニメはどうだったか知らんけど
漫画では明確に投薬しないと肉体を保てない設定があったような
旧劇場版でも最期はATフィールドの維持困難になってたが

零といえば刹那とか・・・シャルル暗殺阻止依頼
なんやかんやでジョゼフとシャルルの本心を知ってしまい二人の仲直りに奔走・・・
レイといえば・・・バレルかラブロックか恐竜の子か
どうでもいいけどレイ・ザ・バレルって名前GUNG-HO-GUNSみたいよね
507名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:50:31 ID:lty86c1v
スイカを被った魔王召喚と聞いて
508名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:54:16 ID:0rz8os1h
ゼロ・エンナが召喚されると聞いて


女神候補生の続きはどうなってるんすか、杉崎センセー
509名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 20:57:00 ID:QDE00Qzk
謎の神官のゼロスさんとか。
ガンダールブが発動したが最後、一気に精神力が削られそうだ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 21:22:50 ID:kctUbk5n
ゼロ召喚と聞いて、ゼロ繋がりでエム×ゼロより九澄大賀召喚
持ち前の身体能力とはったりを駆使して天才メイジを演じる九澄
あれ、普通にありっぽく思える…
511名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 21:26:12 ID:SVtnwB8b
>>510
うん、なんで今まで無かったんだろうってくらいアリです
プレートの設定とか少し難しいとこがあるかなって感じだけど
そこはどうとでも出来そうだし

超読みてぇ
512名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 21:33:34 ID:EKddLZrx
>>507
スイカをラジエーター代わりに被った、某イマジンを思い出した
ゼロ繋がりで呼んだとしても、あまり役には立ちそうないかも
食生活は豊かになるけどw
513名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 21:38:39 ID:ckMyEiO6
デネブ
514名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 21:41:09 ID:qNZGtsMp
>>485
抜作先生しかいないだろjk
515名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 21:47:47 ID:X1ysVSwC
ゼロ繋がりなら「ゼロ THE MAN OF THE CREATION」から贋作師のゼロ
地味に、無駄に強い
516名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:08:06 ID:VGybb0la
>>515
ヤンジャンで連載してるヤツ?
指輪とか始祖の祈祷書とかロマリアorガリアに奪われちゃったけど、ゼロが贋作(でも本物)を作って……とかいう展開できそうだな。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:10:12 ID:VGybb0la
書き込んでから思ったけど、ブリミルに成り切れるのなら、あの世界の謎もそのまま解けちゃうなw
518名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:12:53 ID:ImEzmAxM
んで本物を目の前で叩き壊すんですね、わかります
教皇やルイズは怒りの余り気絶しそうだが、ジョゼフは大笑いしそうだなw
519名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:20:58 ID:ySnVGqLd
JINKIとかオリハルコンレイカルとか…

戦力として極端すぎるか
520名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:36:39 ID:HvBIBWev
存在してるだけでギャグ空間ね。
悪魔の顔と天使の心を持った高校生、北野くんとか。
傍観者から見ればギャグ空間でしかない。
521名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:38:43 ID:gz9PAeCu
「ゼロ」召喚なら、『JUDAS』のゼロ・マスケティアーノとかどうだろう。
いろんな意味でルイズには見向きもしなさそうだが。

ギャグキャラ召喚なら、やっぱり古賀作品かなぁ。
音速丸はもうあるから、パクマンとか、三蔵太郎とか。
いっそのことバカボンパパでもいいかもしれんw
522名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:40:25 ID:nWdBTGkd
>>521
パクマン兄さんは実は結構紳士なので、ルイズを「子供」と認識したら、エロしなくなるからな。
まあその場合、被害者はシエスタやキュルケ、ロングビルだろうがw
523名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:43:21 ID:0rz8os1h
序盤から毎回胸のはちきれそうな着ぐるみで登場するテファか、いいな
524名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:46:58 ID:DDWra1Au
上で出てたウルトラマンゼロ召喚を見て

首尾よくゼロと契約して一心同体になるも
人間体が設定されてない(変身アイテムが無い)のでずっとルイズの姿のまま。

ギーシュ戦イベントで
「こんな姿になってても負けるオレじゃねぇぇ!」とゼロがルイズの姿で吼えて
ワルキューレにマジ蹴りのローキック連続で食らわせて壊したり
両膝の飛び蹴りかましたりするところや
青銅の剣かっぱらって高速移動でワルキューレ瞬殺するのが幻視できた。
勢い余ってギーシュにゼロキックするとこも。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:48:18 ID:/ZcLaEa5
>>524
親の因果が子に報い、でシゴかれまくっているんだっけ?
そのゼロさん・・・・
526名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:49:27 ID:JkJUvKLZ
>>521-522
パクマンがバクマンに見えて、亜城木夢叶の二人を召喚というのを連想してしまった。
原作シナリオそっちのけでハルケギニアに漫画ブームを巻き起こす姿しか見えないw
527名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:53:05 ID:y9DFyu1R
このスレみるとき、いっつも『あの作品のキャラがルルーシュに召喚されました』ってよんじまうんだよななぜか
528名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:59:55 ID:DDWra1Au
>>525
確かに師匠はセブンに鍛えられたレオになってる。
しごかれてはいるけど自業自得の面も……

このウルトラマンゼロを一言でいうとツ ン デ レ 
後は映画のDVDでも見て確認しておくれ。名作だと思うから。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 23:01:43 ID:HvBIBWev
>>525
そりゃ後輩を特訓と称してジープで轢こうとしたらな・・・・・・
しかもそんな鍛え方した後輩に息子預けたら・・・ねえ?
530名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 23:26:28 ID:tXhYwwd4
そらのおとしものの主人公を召喚。
……魔法学園のパンツが空を飛んでいくな。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 23:38:46 ID:yoR7FDkE
煙草が召喚されました
532名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 23:41:51 ID:z0+gRYs8
>>530
ここはイカロス、いやニンフの方だろ。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:16:14 ID:6XtjPm+G
アークザラッドのアークを召喚とか


王族の血筋で精霊に導かれて命をかけて魔王を封印した、文字通りの勇者だよな
534名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:22:46 ID:Opvfd32C
アークは能力が中途半端なんだよなぁ

トッシュとかの方が役に立ちそう
535名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:23:35 ID:qxIRpbcr
自動小銃ってもう開発されてたっけ?
536名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:36:06 ID:7F0Klf0p
喧嘩商売に今日初登場の反町を召喚
空気を読まない使い魔はルイズの態度にムカついて間接技を決めるのであった
537名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:50:27 ID:kGR0HHoJ
喧嘩商売なら文さんだろ
ギャグ良しシリアス良しバトル良し
538名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:51:24 ID:ugihBJLA
ゼロの使い魔が三銃士をモデルにしてるで、遊戯王のドーマの三銃士、
ラフェール、アメルダ、ヴァロンを召喚と考えてみた。
特にヴァロンはフルアーマーデッキでギーシュと拳の語り合いとか……する前にギーシュがぶっ飛ばされるか。
家族思いのラフェールやアメルダはアニエスに復讐を思いとどまらせるかもしれない。
539名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 01:26:41 ID:C+9hY+z0
ゼロノスは問答無用で消えるからな。変身回数が多いと
540名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 01:27:55 ID:UpP4Sn51
ゼロを超えるものはゼロしかいない
超えるのは果たして使い魔か、それともルイズのほうなのか…
という召喚はどうよ
541名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 01:33:19 ID:0GgAq+pj
ゼロムスがどうしたって?
542名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 01:34:29 ID:IlK2v0cQ
ミジンコはカエレ!
543名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 07:05:31 ID:ttYgqw86
>536
何故か 『剣客商売』に見えた。
さて、大先生と若先生 どっちを召喚しようか?
544名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 07:31:13 ID:muQnbCFk
ゼロならムゲフロから零児兄さんはどうか
何人がスパンキングの虜…もとい餌食になるか
545名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 08:20:38 ID:GcYDt0HS
>>544
そこは一応ナムカプからって言ってやれよ……
546名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 08:43:02 ID:mt15axVo
ナムカプの動乱に加え、ムゲフロで更なる経験を積み、レベルアップした零児なら例えルイズだろうとキュルケだろうとタバサだろうと、むしろアンリエッタさえも仕置きできそうですし。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 10:44:39 ID:kTud2ZQn
三銃士・・・・・・・・ルイズならぬモンモランシーがガブラッチョ召喚

水系だしケッコ相性いいんでない?
548名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 10:46:46 ID:8Yf5f02T
失敗魔法つながりでジャングル黒べえ召喚とか。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 11:07:27 ID:e4QygGyO
ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア
ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグ
を召喚、000000000000の使い魔

>>511
今まで無かったのは作者ギブで終わるからです。
また連載して欲しいなあ……
550名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 11:10:49 ID:kTud2ZQn
>>548
「人種差別を撲滅する会」みたいな輩がしゃしゃり出てきて「ゼロの使い魔」が廃刊になってしまうのでダメです
551名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 11:38:47 ID:1wCcn9l4
>>548
ハルケギニアにならパオパオも居そうな感じだな。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 12:26:36 ID:NrOW791g
>>545
スパンキングネタはムゲフロからだし…
やたらと人外から好かれるけどゼロ魔だとテファがそういう扱いになるんだろうか
553名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 12:28:10 ID:xYZ1SWWS
>547
いっそ、「アクマイザー」最終回からザビタンらが封印されたカプセル?を、ルイズに召喚させるとか。
使い魔契約の結果、3人のうち一度にひとりずつ外に出ることが可能に(残るふたりはカプセル内で待機。ただし会話は可能)。
カプセルに刻まれたルーンは第四のモノだけど、ザビタンはガンダールヴ、イビルはミョズニトニルン(道具的な意味で)、ガブラはヴィンダールヴ(ガブラッチョは子供や動物と仲良し)に相当……とか。
ザビタンは魔法力で人間(しかもイケメン)にも化けられるし、ルイズは喜びそう。ワルドは涙目だけど。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 13:12:27 ID:cm3GY06q
ゼロ魔で三銃士としたら、やっぱりサイト、アニエス、ミシェルの3人かな。
ファンタジーのくせに意外と剣を使うキャラっていないんだよな。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 14:50:32 ID:pmuIiuD4
>>554
 >ファンタジーのくせに意外と剣を使うキャラっていないんだよな。

ウィキペの表記信じていいなら
コルベール先生もある程度使えるとか書いてあったなぁ
秘密組織で汚れ仕事だかなんだか

原作にそんな記述があったかしらんけども
556名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 15:19:44 ID:kTud2ZQn
ワルドっちの事も思い出してあげてくれさい

それに「ブレイド」という魔法が存在する以上(二次創作のみの魔法じゃないよね?)
メイジというか魔法騎士が杖を剣として戦うのはそう珍しい自体ではない証だと思う
557名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 15:21:12 ID:noFWohn5
普通に原作でも剣っぽい何かになる魔法>ブレイド
558名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 15:26:34 ID:laTJbm+E
関係ないけど電撃文庫で回収騒ぎだな
559名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 15:37:06 ID:+o3mytQA
零といえば覚悟のススメの強化外骨格・零もいたな
560名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 16:21:44 ID:pmuIiuD4
ワルドさんのはどっちかっていうと槍? 飛距離伸びてたような。

ブレイド、属性関係なくドットやラインクラスでも唱えられるっぽいし、0アレってコモンマジックなんでしょかね。属性付与されてるかと思ってた。
561名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 16:25:20 ID:cm3GY06q
ブレイドは魔法だから、いまいち剣士って感じじゃないんだよな。
強いていうならインテリジェンスの始祖、故・デルフリンガー氏の後継、地下水氏を持つイザベラ様が剣士になりえるかな?
562名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 16:40:00 ID:kTud2ZQn
符術使いが呼ばれたらどんな扱いになるのだろか
先住魔法には見えないし・・・・・・・「東方の異端魔術」かな?
563名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 16:51:25 ID:ubSE45Oe
そりゃ飛び道具が多数存在してる世界なら剣とかの近接武器って限定状況下でしか使えんからなあ
ゼロ魔って他のファンタジー作品に比べれば人間の身体能力は控えめだし
564名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 18:09:07 ID:cm3GY06q
>>563
>ゼロ魔って他のファンタジー作品に比べれば人間の身体能力は控えめだし
だから才人の活躍する余地があるんだろうね。体力的に常人並みのキャラが召喚されてもガンダ補正でなんとかなるし。
ユーゼスやヤンみたいにガンダが宝の持ち腐れのキャラもいることはいるが。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 18:24:25 ID:LHTLNMW7
ジョジョクロスのように、単純戦闘能力よりも『搦め手』『頭脳戦』を重視したキャラクターの召喚……難しいのは分かりますけど、読んで見たいものでもあります。
566名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 19:17:43 ID:GcYDt0HS
ヴィンダールヴ:獣(動物)が近くにいないと意味がない
ミョズニトニルン:少なくとも原作では、マジックアイテムの出番がそんなにない
はばかられ:よく分からない

ガンダは原作の展開をなぞればいいから話が作りやすいってのもあるけど、汎用性も高いからねぇ。
はばかられについてはよく分からんが、ヴィンとミョズについては身体強化なんてのもなさそうだし。

例えば序盤のギーシュ戦でヴィン能力を発揮したとして、多分操るのは周りにいる生徒の使い魔、下手するとヴェルダンデってことになりかねないし、そうすると話の展開がややこしくなる。
ま、書きがいはありそうだけど。
567名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 19:21:16 ID:TlNA+MDw
ワイルドハーフは面白くなるんじゃないかと、ふと思った
何か色々凄いし。ただ、大体ご主人様ラブだからなぁ
568名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 19:35:23 ID:T6m0TGCP
>>566
ジャングルもといサバンナの王者ターちゃんなら、ヴィンダ効果無しに幻獣と心を通わせ(支配はできないけど)、
ガンダルーンを刻まれても基本的に徒手空拳で戦う上に、元々戦車を素手でブッ壊すような身体能力だから、
ややこしいことになりそうだ。

コッパゲ「彼に刻まれているのはガンダールヴのルーンなんですが、記述と違って幻獣を操っているし……
      どういうことなんでしょうかオールドオスマン」
569名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 19:44:47 ID:+asVEot0
北斗の拳ZEROからジュガイ召喚だな
570名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 19:59:34 ID:XsCPjGnI
>>567
特定の主のいないヒョウやカラスならなんとか……どっちも途中でフェードアウトしてるし
特にヒョウの王牙とかいいんじゃなかろうか
571名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 20:11:40 ID:Nqnd9EbC
豹はあとで飼育係(だったっけ?)への情で復活してた気がする
何年生きてんだか分からない老犬とか狼がいなかったっけ
572名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 20:40:50 ID:C+9hY+z0
デルフリンガーとデネビックバスターの二刀流というか
573名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 20:49:54 ID:GcYDt0HS
>>572
普通にゼロガッシャーでいいんじゃ……
574名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 21:41:08 ID:+o3mytQA
>>572
デネビックバスターって片手撃ちできたっけ?
反動で吹っ飛んでいっちゃう気がするが
575名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 21:52:26 ID:6wDiekak
>>571
サルサと戦って変身不可に→田舎に帰った飼育係への情で変身→
銀星探しを手伝う→それきり行方不明。(文庫版ではいつの間にか帰ってるらしいが)
だから飼い主はいないし、永住も可能といえば可能か。使い魔効果で懐くかもしれないし。
576名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 23:11:12 ID:rWR44Qma
デネブ召喚ネタだと真っ先にやりそうなのが
「俺は知ってる…ルイズは本当は意地悪な人間じゃない。
 心の中では、お前(キュルケ)達と友達になりたいと思ってるんだ」
「思ってなーい!勝手なこと言うなー!」
でルイズがキレて爆破、みたいな感じでデネブの余計なお世話→お仕置きのコンボがすんなりと…
あれ、侑人の時と殆ど変わらなくね?
577名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 23:13:36 ID:qxIRpbcr
パワポケ召喚
578名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 23:16:38 ID:yzBRrq8p
ディエンドこと海東大樹召還
ルイズたちを利用して始祖の祈祷書を戴く
579名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 23:17:46 ID:SPGhlTjN
あいつは喚んでもないのに勝手に来そう
580名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 23:23:02 ID:hF+dS0Fz
デネブというと中の人藤崎詩織なカボチャ魔女しか…
581名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 23:59:13 ID:GcYDt0HS
>>579
あの世界の人たちは、基本的にオーロラと写真館のタペストリーさえあればどこにでも行けるからなぁ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 00:05:40 ID:V3NvPeKx
ディケイド「ここもライダーのいない世界か…」

サイト「あれは…仮面ライダー!?」
ルイズ「なによそのカメンライダーって」

ワルド「風の偏在!これが風が最強と言われる」
ディケイド「たったの5人か」アタックライドゥ イリュージョン アタックライドゥ ジェミニ アタックライドゥ トリックベント
ワルド「18人のカメンライダーだと…?」

ディエンド「デルフリンガーは貰って行くよ!」

夏みかん「士ぁ〜」
ディケイド「なんだこれは!?」
ディエンド「惚れ薬だそうだ」


楽しそうだけどディケイドはチートすぎてつまらんな…
583名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 00:13:16 ID:sQ4aLlBN
>>581
だが二次元な世界に好んで行きたがるのなんか鳴滝さんぐらいだよ!
584名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 00:17:15 ID:qtg+yvoW
ディケイドは既に召喚済み。
ただ、例によって絶賛停止中なだけ。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 01:12:15 ID:Gzj+Xw4T
>>580
パンプキンなゴーレム大量召喚ですね、わかります
あの世界の人間なら、レコン・キスタとかにいつの間にか加わってても違和感ないなw
586名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 01:51:37 ID:6ZNrL/0p
福島瑞穂を召喚したら面白そう。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 02:56:11 ID:BNrCVtiC
>>586
『おとボク』から宮小路瑞穂お姉さまを……ただし、『おボクさま』仕様でw
588名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 03:08:32 ID:lmc+NL5U
そろそろエルフ然としたキャラが召喚されんだろうか
ファンタジー小説のお約束の美形で身体能力が高くて魔法に長けたエルフが
異世界のエルフとハルケギニアのエルフの絡みがあってもいい
589名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 03:35:16 ID:AqIZ+NRp
ハルケのエルフの情報がまだ少ないから難しいんじゃないの。
590名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 03:39:50 ID:93yBZevS
規制解除されたか?
591名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 03:41:30 ID:93yBZevS
されているぞ!
規制が解除された!wwww

〃∩       /)    〃∩       /)    〃∩      /)゛    〃∩       /)
⊂⌒(*´∀`)ミ( ⌒ヽつ⊂⌒(*´∀`)ミ( ⌒ヽつ⊂⌒(*´∀`)ミ( ⌒ヽつ ⊂⌒(*´∀`)ミ( ⌒ヽつ
 `ヽ._つ⊂ノ⊂(*、A,)つ.`ヽ._つ⊂ノ⊂(*、A, )つ.`ヽ._つ⊂ノ⊂(*、A, )つ .`ヽ._つ⊂ノ⊂(*、A,)つ
るーーーーいーーーーーずーーーーーーーずーーーーーーーーずーーーーーーーーー
592名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 04:53:18 ID:8yDUnEoC
>585
『パンプキンシザース』か? と思ったじゃないか。
ガンダのルーンとランタンが同時発動したら どうなるんだろう。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 08:27:04 ID:RJYFHPHd
心の震えがないから弱いかと>ランタン
594名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 08:50:36 ID:RTfZm1Xx
ランタン発動時はマシーンというより殺意の塊だからすごいんじゃないのか?
595名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 09:49:14 ID:7jhVwTcd
パターン1:お前達!よくもこんなキチガイ儀式を!
パターン2:コルベール先生、お許し下さい!/かわいそうなコルベール先生・・・
パターン3:ルイズ、たなびたいことがあるんだ
パターン4:これから毎日家を焼こうぜ?

うん、チャージマン研召喚でも十分行けるな

596名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 09:52:30 ID:to4ejikw
ランタン・・・・・・・・グリーンランタン召喚

あらゆる武器も魔法も通じないから無双っぽいけど木にだけは傷付けられるから
エルフの精霊魔法が弱点だ
597名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 12:45:28 ID:a9O9z0Ly
>>586
神威瑞穂に見えた。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 12:59:52 ID:to4ejikw
そういや突然だがアルビオンの野生動物(いるよね?)は
塩分とかどうやって補給してるんだろう

巨大な岩塩があるとか?
あるいは死海みたいな濃い塩湖があるとか湖に塩を混ぜるお役目を代々
受け継ぐ貴族がいるとか
599名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 13:39:31 ID:dh7j231/
ネヴァーウィンターナイツのディーキン召喚とかいいと思うな
元祖ファンタジーD&Dのキャラの活躍が見たい
600名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 15:35:20 ID:sQ4aLlBN
>>598
そういうのは作中で描写されるまでは気にするだけ無粋ってもんだ
601名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 15:38:07 ID:j9q6iKar
>>568
ハルケは自然豊かだから大自然パワーの補給も問題なさそうだしね。
ターちゃんは基本素手だけど、例外的にブーメランを使うこともあるからガンダも無駄にならなさそうじゃ。
既婚者だからルイズの雑用も問題なし。気は優しくて力持ち、ほんと理想的だ…
602名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 15:42:50 ID:Dq7H5Vfk
>>566
ヴィンダールヴ:獣(動物)が近くにいないと意味がない
ミョズニトニルン:少なくとも原作では、マジックアイテムの出番がそんなにない
はばかられ:とても辛い
603名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 16:49:12 ID:onbo1bdT
>>597
大きすぎる・・・修正が必要だ・・・
604名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 17:20:41 ID:+ea8748P
>>602
それハバネロ
605名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 17:37:53 ID:eJ8QTIuI
>>584
なんでライダーは数はあっても続かんのかな
606名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 18:11:23 ID:qHiUnG/Y
ライダーだけじゃなく基本ヒーロー物が戦争と相性悪いのが原因だろう
607名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 18:24:42 ID:rv4fs5RO
>ヴィンダールヴ:獣(動物)が近くにいないと意味がない
動物が身近なキャラを召喚するか
他人の使い魔を借りまくる
モグラも火トカゲも出番増えるね!
>ミョズニトニルン:少なくとも原作では、マジックアイテムの出番がそんなにない
魔方陣グルグルのトマとか、無フロのドロシーとか原作でアイテム多いキャラを呼べば解決できそうだが
・・・いねーなぁ、っていうかここのSSも主人公がミョズってパターンは少ないな
ヴィンダールヴだったりハバネロだったことはあるが
608名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 18:33:05 ID:IBaY9418
>605
明確な敵がいないとハルケに来ても戦う理由がないとね。
ライダーの存在目的と行動理由をきちんと理解してポジションを明確にしとかないと、
存在の必然性が無くなりゼロ魔世界では極端にういてしまう。
だから、ギーシュ戦以降話が続かなくなる。

成功例的な物をだすとウル魔が参考になる

ウル魔なら、ヤプールという超絶的な絶対悪をハルケにぶち込んで、
サイトの世界にウルトラマンがいるという共通性を持たせてウルトラマンの存在の必然性を出している。

もう一つのパターンとしてロリカードのようにルイズの成長に重点をおくパターンもあるが、
この場合、一歩引いた存在でないとまずいからライダーには向いてない。

あとは、元の世界への帰還を目的としたバージョンだが、これは良くてタルブ戦が限界。
それ以降は世界の流れに組み込まれる形になるから、大きくスタンスを崩すことになる。

ゼロ魔クロスなら多くてこの3つが限界だね。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 18:54:52 ID:to4ejikw
>>608
ライダーだけじゃない、ここに投下する者全員が考えておかねばならないポイントだ


すみませんごめんなさい、滞ってますけど必ず近いうちに投下いたしますです、はい
富樫か江口くらい真面目に真剣にネタ編んでますのでご容赦くれさいまし
610名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 18:56:40 ID:TdbtdND9
シンケンジャーでも結構いけそうな気がする。

原作描写からしてまだ骨のシタリが生きてそうだからジョセフか教皇の使い魔として召喚させて
ハルケにも外道衆を登場させれば十分ハルケで戦う理由になる。

召喚対象は正規の五人だと四系統に引っかかってルイズが召喚するのは無理があるから源太あたりが適当かな?
611名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:03:59 ID:faO0uah/
>>609
まぁ最初にプロット組む時点でここまで、って決めておく必要はあるよね。
うちも13巻までの内容で終わらせようとはしてるけど。
途中から本編外れるのは必至だからどうしようかな〜なんて。
週末には投下したいな…
612名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:05:42 ID:/7EBpopp
異世界召喚経験のあるヒーローとか呼べば何とかなるかな。ダンザイバーとか。
あいつなら魔法使いや陰陽師とも戦ってるし。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:07:06 ID:4X/UQCOe
>>612
エルツヴァーユなんてどれだけ通じるんだ?w
614名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:15:13 ID:vtHFSL4R
長いこと更新停止している作者だが、今までの話を全部メイド・イン・ヘヴンしたい

>>608
強キャラ召喚系は、敵を強くするか内面成長の話かだからなあ
ライダーは、戦争に参加するかどうかで悩みそうだが
戦う相手が一般人や普通の兵器では通用しないならともかくも、レコン・キスタは全員普通の人間だし、
エルフも積極的に攻めに来るわけでもないし
615名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:15:54 ID:faO0uah/
>>613
勧善懲悪ダンザイバー?
デフォじゃないのかな?w
むしろ幽祢呼んできてその正体を知ったとき…というのも楽しいかもね。
当然全13話完結形式でw
616名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:20:32 ID:IFqrHOr6
>>612
ナニを、クライオス=イハドゥルカ=
に繋げるかが、大きな問題だな……

つーか、ダンザイバーじゃなくて、零着前の神鏡衝一人だけが召喚されたら
とても大変なことになるなw
617名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:25:12 ID:/7EBpopp
名前出しといてなんだが、エルツヴァーユが普通に解るお前等は凄いと思う。
ハーフエルフ嫁にした魚屋とかも知ってるやついるしな。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:25:28 ID:9UxB4KuC
>>614
ナカーマ

同じ世界で、こっちのキャラにしとけば面白かったのに的発見をしちゃって涙目
619名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:26:35 ID:P40h7UQ2
>>607
自分でマジックアイテム作り出したり集める事の出来るキャラを呼べばいいんじゃないかな
620名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:32:51 ID:eJ8QTIuI
>>619
スターオーシャンのキャラだったらアイテムクリエーションでたいていのものは作れるんじゃないか
621名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:34:47 ID:9UxB4KuC
リトルウィッチパルフェの方のパルフェを呼んでゆりゆりゆりゆり
622名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:37:18 ID:P40h7UQ2
>>620
固有名称や方法はともかく「そういう能力を持ったキャラを呼んで来て、能力を使える環境を用意」してやれば・・・
まぁ言うのは簡単だが

>>617
ねったーい うりんっ
623名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:42:05 ID:xscf9ktH
ギャグ系作品の発明キャラならいきなりマジックアイテム発明するのもアリかな。太乙真人みたいな感じで
624名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:44:33 ID:1oDJlSXe
>>610
殿の場合、火のモヂカラを修行したのは(ネタバレにつき検閲)のためだろうから
本来のモヂカラは火以外の何かだという説がですね…
モヂカラというハルケギニア住人から見れば魔法みたいな力を使いこなし、
剣術にも優れる立派な殿様(=貴族?)が使い魔として召喚される状況は
ルイズのコンプレックス直撃して面白い展開になりそうだとおもた
625名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:50:49 ID:sQ4aLlBN
キャラと世界を強さの面でしか考えることが出来ない人にはクロスオーバー作品執筆は難しい
626名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 19:59:01 ID:/7EBpopp
>>619
楊?が真っ先に浮かんだ。

>>622
暴動だーー!!
627名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 20:08:06 ID:pRnaCgKB
もう世界制服なチパと出世魚なハチとPONとでてくるポン太とチャッピー喚べば良くね?
628608:2010/06/09(水) 20:16:52 ID:IBaY9418
>609
>614
>618

ややっ!
そんな責めるつもりなどないのですよ。
どうか深刻にならないで。

ちょーしこいてすみません。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 20:18:40 ID:sW+2txjD
>>619
それって下手するとオリジナル要素満載になっちゃう諸刃の剣だぜ。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 20:20:56 ID:9UxB4KuC
>>628
割と明確に目的事態は見えてるんよ。

ただ、中間を埋めれないでいるのが悩みの種でな
631名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 20:43:18 ID:vtHFSL4R
>>628
単なる筆力不足です
キャラがぶれまくって行動に説得力がない上にプロットが練れないっていう
632名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 20:44:30 ID:7RSHdmCV
>>624
ショドウフォンって一応杖扱いできそうだしな。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 21:07:42 ID:P40h7UQ2
>>629
やりすぎたり、世界観との違和感が出さない絶妙なさじ加減が必要だな
・・・むずいな
634名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 21:16:30 ID:j15whCgE
片方がロクに設定無いので、ある意味やりやすいです。
もうすぐ「実は○○は○○だった」の嵐になりそうですが。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 21:34:32 ID:K1yopNWb
>>キャラがぶれまくって行動に説得力がない
それではいかんと思って両方の原作を久しぶりに一から読み直すので更に時間が潰れるという
636名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 21:55:35 ID:vtHFSL4R
>>635
もう一話一話別キャラだと思って割り切るわ。
今書いてるのを年内に終わらせて別の書きたい。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 22:27:32 ID:8qaTt0in
書いている方としては耳が痛い話だな・・・・・・
過疎ってるし週末には投下したいものだが
638名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 22:28:01 ID:rNtnBBOG
>>601
貴族の前でちんこ放り出してたら大問題だと思うの
639名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 22:42:34 ID:sW+2txjD
被召喚キャラが変わっていくことも自作テーマの一つだから大丈夫さ、
と自分自身をフォローしてみる。
640名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 23:57:33 ID:fGYjo1V+
>>606
デカレンジャーならそこらへんの相性はいい気がする
呼ぶとしたらドギーあたりか
641名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 00:00:28 ID:F8+0xnwC
『チャレンジャー』の主人公を『思い出のロスマリー』後仕様で。
642名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 00:30:46 ID:7HfosRfQ
>>640
むしろ相性悪いだろそれは。
曲がりなりにも彼らは宇宙規模の警察組織の人だからな。
どうしたってその辺が元で色々と面倒な事になり易い。
ぶっちゃけ、向こうから見れば最悪召喚=誘拐と誤解される恐れがあるし。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 00:31:24 ID:LvaYhfNB
ルイズおるぞー

811 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 17:22:59 ID:8agli2rQO
>>810
どんな好きな事でも重ねていく内に飽きがくるからねぇ…

ベルセルク、三浦が描いた規制反対漫画に鈴々と朱里がいるのな。今気付いたわ

▼ 817 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 18:07:17 ID:RdDtYQt20
>>811
ttp://blog-imgs-38-origin.fc2.com/c/a/3/ca3/animal12.jpg
644名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 00:32:44 ID:1+lUOCY9
>>640
コボルトとして恐れられるボスが見える
そして7万戦では画面になぜか出現するカウントとともに無双をはじめるボスの姿も
645名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 00:35:53 ID:on9wf7/U
>>643
絵描き掲示板の、召喚勢勢揃い思い出した。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 01:08:11 ID:LwZh/Skg
シンケン最終回後の寿司屋とかどこでも問題なく行ける気がするぞ
647名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 01:33:50 ID:RlwGtDmt
トリコと小松召喚してメインストーリーそっちのけのグルメ旅とか見てみたい
幻獣という名の未知の食材も豊富にある世界だから動機には困らなさそうだし
火竜のドラゴンステーキとかグリフォンの焼き鳥とかスキュラのたこ焼きとか、水の秘薬をスープにしたりとかさ
648名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 01:37:58 ID:3kY1WZPq
トリコ「風竜の刺身喰いてえ」
きゅいきゅい「た、食べちゃ駄目なのねー!?」
649名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 06:49:02 ID:ijOhUNLa
料理人つながりで魔界戦記ディスガイア3からチャンプル先生を召喚とか…

台詞回しがメチャクチャ難しいけどなwww
650名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 06:50:29 ID:YN6vR1up
>642
レコンキスタに 宇宙武器商人アブレラさんの影がちらほらすれば、問題ナシ!
651名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 10:32:03 ID:ndXnYofG
ヒカル先生召喚の話の続きを一途に待ち続ける
652名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 15:27:52 ID:YV0WX4Wj
>>648
どすどすどす
匿名希望「なんだこの刺身は!女将を呼べぃ!」
653名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 17:22:32 ID:7F+EZ36O
わしを召喚したのは誰だ!!
お前か、お前は退学だ出ていけ!!
654名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 18:12:29 ID:p2IoGZ70
色々ひでぇw
655名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 18:25:39 ID:CEbSiieO
小ネタの外道高校監督と同じくらい無茶苦茶してんなw
無茶苦茶な親父といえば今週のオーガもすげぇことになってたな
656名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 19:23:55 ID:HRXz46CV
「ウルトラ大怪獣バトル」のペンドラゴン号が不時着
657名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 22:11:28 ID:CzSXno0x
バロックから棺桶男やら角女やらわけわからん連中召喚してみるとか
658名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 22:17:25 ID:vj3RW5tm
角女はあったな。未完だけど。
659名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 22:29:58 ID:+czBccC7
おわああ、ここの学院の主人は病気です
660名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 23:55:34 ID:7oXvXuC2
ヤイバ召喚
661名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 01:50:03 ID:VGZteNCJ
お休み前に、短いからサクッと代理投下
662雪風とボクとの∞ 代理:2010/06/11(金) 01:51:16 ID:VGZteNCJ
「雪風とボクとの∞(インフィニティ) ∞9」

 夏。
「めがねっ娘同人誌大量ゲット〜」
「目線こっちお願いしまーす!」
「ああっ、夏!!」
 というワルド子爵の夏はおいといて……。

 トリステイン魔法学院では、タバサが浮き輪片手に三成を海に誘っていた。
「……ミツナリ……海に行こう……」
「馬鹿者おー!!」
 突然の怒声に、タバサは浮き輪を放り出して尻餅をつく。
「……何で……」
 三成は直立不動のまま、
「タバサ、キミはボクが無類のめがねっ娘好きと知っているよな?」
「……存じている……」
「海やプールに行ったら、人は皆めがねをはずすではないか!!」
「……はうあ……」
 三成の鋭い指摘の声が、まるで質量を伴っているかのようにタバサをのけぞらせた。
「だからボクは行かない!!」

我々めがねっ娘愛好家にとっての暗黒地帯、それが「海」と「プール」である。
夏の開放感にまどわされうっかりその暗黒地帯に足を踏み入れてしまったが最期、女性たちが次々とめがねをはずしていくという地獄の責め苦を味わう事になるのだ。
全国のめがねっ娘愛好家たちよ、ゆめゆめ油断めされるな。
眼牙書房「注意一秒眼鏡一生」(平賀才人著)より抜粋
663雪風とボクとの∞ 代理:2010/06/11(金) 01:51:46 ID:VGZteNCJ
 そこでタバサはふと思いついたように尋ねる。
「……あ……ミツナリ……水中眼鏡は駄目なの……」
「………」
 三成はしばし考え、
「ノーだ!!」
 と却下した。
「……ノーなのね……」
 タバサはさらにもう1度尋ねる。
「……あ……度入りの水中眼鏡は――」
「ノーだ!!」
 今度は即座に却下。
「……ノーなのね……」
 それならばとタバサは自分の眼鏡を両手でしっかり押さえ、
「……じゃあ私……海でもめがねをかける……」
「ならばボクもそれを見るためにめがねをかけねばなるまい!」
「……あ……あんまり見られたら……恥ずかしい……」
 かすかに顔を赤らめるタバサだったが、三成の真意は別の部分にあった。
「タバサ、問題はそこではない。海やプールでめがねをかけてると、『こいつ、女体をがっちり見ようとしてるぞ』と思われてしまうのだ!!」

「――そしてもし、『この人チカンです!』なんて言われてしまったら……」
 三成は衛兵に取り押さえられ、
『違う! ボクは……、ボクはただ……、3度の飯よりめがねっ娘が好きなんだー!!』
 手錠をかけられ連行されていく。
『……ミツナリ〜……』
 そして寒風吹き荒ぶ冬、タバサは塀の向こうの三成に向かって呼び声を上げつづける……。
664雪風とボクとの∞ 代理:2010/06/11(金) 01:52:18 ID:VGZteNCJ
「……嫌……ごめん……ミツナリ……私は危うくミツナリを無実の罪で牢獄に……」
 涙目でくずおれ、タバサは三成の手を取った。
「わかってくれたかい、タバサ」
「……だから私めがねを外す……」
「はずすな!! もしめがねを外したら、もっと恐ろしい事が起こるぞ」
「……え……」
 そう前置きして三成はさらなる恐怖について語り始める……。

 ――海に行き、更衣室を出たところで待ち合わせをしたとする。
 ――すると2人とも近眼だから相手を見つけられないのだ!!
「どこだタバサ〜」
「……ミツナリ〜……」
「タバサ〜」
「……ミツナリ〜……」
「タバサ〜」
「……ミツナリ〜……」
「タバサ〜」
「……ミツナリ〜……」
「タバサ〜」
「……ミツナリ〜……」
「タバサ〜」
「……ミツナリ〜……」
 そして時は流れ……、年老いた2人が杖を突きつつ互いに探し合う。
「タバサあ〜……」
「……ミツナリ〜……」
 最後にそう一言のみ声を上げて力尽き、倒れる2人。
 懸命に伸ばしていた2人の手は、あと1歩接近していれば相手の手に届くという距離を残して離れていた……。
 Fin
665雪風とボクとの∞ 代理:2010/06/11(金) 01:52:59 ID:VGZteNCJ
「……嫌……全ハルケギニアが泣く……」
 頭を抱えたタバサの目からは溜まっていた涙が溢れる。
「……うう……私達はいったいどこへ行けばいいの……」
「タバサ、僕達の行く場所はたった1つだけさ」
 そう言いつつ優しげな笑みを浮かべて三成は1枚のチラシを差し出す。
 チラシには大きく「納涼 大花火大会!!」と書かれていた。

 ――ドーン!
 爆音と共に大輪の花火が次々夜空を彩る。
「……わあ……綺麗……凄く綺麗……ミツナリ……」
(ああ、本当に綺麗だ……)
 花火を見上げる浴衣姿のタバサを横目で見ながら、三成はさらにその向こうにいる女性達がかけている眼鏡の輝きに魅入っていた。
(花火の光が眼鏡に反射して、とっても綺麗だあ!! ああ、夏!!)
666名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 01:53:16 ID:VGZteNCJ
ここまで、代理終了
667名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 02:08:07 ID:uwR9L5vN
>>655
まさかあの勇次郎が花火を見に行くなんて思いもしなかったよな
668名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 11:34:06 ID:EtXuH+aS
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100611-00000003-flix-movi
ザボーガーってこんなデザインだったのか
669名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 12:52:45 ID:rqw3e0it
>>668
あー最近の着ぐるみ技術で製作するとこうなっちゃうんだ・・・・・
スマートと言うか格好良すぎると言うか・・・・
670名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 13:21:04 ID:z4d4+BuC
昔のロボコンみたいな手作り感あふれるヤツだったような?
と思ってググったら格好よくなりすぎててフイタw
ttp://homepage2.nifty.com/tooruhomepage/denjin3.jpg
671名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 13:48:46 ID:M5Us8OWG
>>670
コレは後期版のストロングザボーガーですね。
パワーアップパーツ合体済みの。
なんとバイク二台分だ!
672名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 16:06:11 ID:43wGF0Mv
何故かアークリアクターを胸に埋め込んで自作のスーツを着たルイズを幻視した
673名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 17:20:14 ID:7wtMmY6T
∞の人、乙
相変わらずいい具合に壊れたタバサが見れてほっとした。
「タバサ〜」
「……ミツナリ〜……」
これ最高!
しかしタバサはマジで近眼だっけ? そんでいつからメガネをかけはじめたんだっけ?
ジルとキメラドラゴン退治をしてたときはかけてなかったよね。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 17:25:29 ID:ZcAKUg6T
規制解除されたか?
675名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 18:58:46 ID:NNBs3xL6
deadspaceのアイザックさんを召喚
コルベールとキャラかぶるかw
676名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 19:13:46 ID:NmqGtaMN
ヽ( 圭)ノ  ン゙−ッッ!(誰が禿やねん!)
  |  |||
 ノ ̄ ┐:.。゜+.
   .. ゴシャァッ
     ↑>>675
677名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 19:48:48 ID:5qTR67fI
>>670
左の男はなんで子安のシンクロポーズを
678名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 20:28:43 ID:9ia0Kp7j
>677
早川健 静源太郎とならぶ特撮チートキャラの大門豊をしらぬとな。

ぶっちゃけ、ザボーガよか強いです。
679名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 21:42:40 ID:diV3pbkr
遅くなったけど雪風と∞の人乙でした!
680名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 22:53:18 ID:numZdL7Z
ルイズがゲッター線を召喚したら……

とりあえず韻竜他、竜族は絶滅するな。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 22:53:33 ID:KY0i78zP
おっ、au規制解除来てる!

>>678
そういえばアイアンキングも人間のほうが強かったな。
682名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:12:50 ID:VNVCoNR6
燃料に大量の水が必要なうえに起動時間1分とかだしなアイアンキング

役に立ったことあったっけ?
683名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:16:39 ID:EXZ9rTJL
>>646
シンケンは設定的に誰でも来れそうじゃね?

久しぶりに帰郷したおマチさんを迎えたのは立派な武家屋敷と子供達と謎の黒子達
中に入ったら文力の特訓を行うテファと殿とか想像した
684疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:20:21 ID:dYxQcySq
先週は少なかったですが
今週はきっとほかの作者様が投下してくれると信じて先駆けとなりましょう。
問題なければ23:30分から十章投下いたします。
685名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:23:27 ID:fZJqfPKo
>>682
後半はそれなりにとどめ刺してたような
大幅パワーアップしたし、最終回でだけどw
686名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:25:49 ID:VGZteNCJ
事前支援
687名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:26:34 ID:KY0i78zP
じゃあ規制解除記念もかねて、支援
688疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:30:47 ID:dYxQcySq
第十章 デルフリンガー

   0

ガンダールヴ/ [Gandalfr]――勇猛果敢な神の盾と伝えられる始祖ブリミルの使い魔。詠唱の時間、主人を守るために特化したとされる。あらゆる武器を扱ったと謳われ、左手に大剣を、右手に長槍を掴み戦ったという。

魔法/[Magic]――メイジが扱う技術。四つの系統があり、それぞれの得意分野が異なる。杖が無いと使えない。火、風、水、土の四系統から成り立つ。
689名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:31:01 ID:D9rEQ23o
よっしゃ支援
690名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:34:14 ID:i/q6/Jej
慈円
691疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:34:43 ID:dYxQcySq
   1

 結局、シエスタはルイズが個人的に雇った使用人として、これまで通り学院にいることになった。
 住む場所も今までと同じように学院のメイドたちの宿舎に住んでいる。一応、学院の建物なので借りている形になっているので、食堂での手伝いなどほかの学院のメイドの仕事を行うことで手を打ってもらった。
 つまり、全て元通りになったのだ。変わったところといえば、ルイズの身の回りの世話を一貫してシエスタが行うようになったことぐらいである。
学院のメイドと同じ仕事をしているとはいえ、シエスタが働いているのは家賃分なので、ほかのメイドよりも仕事量は少ない。
その分開いた時間はルイズのメイドとして紅茶を入れたりしている。ほかにも人の良いシエスタは、ほかの仕事の手伝いをしたりもしているようだった。

「どうぞ、ルイズ様。今日はクッキーです」ルイズが雇ってから、シエスタはルイズのことを家名ではなく、名前で呼ぶようになっていた。なんだか距離が縮まったようで嬉しかったり。
 昼休みにはシエスタの入れてくれた紅茶を楽しむことが、日課になっている。ルイズの好みに合わせて、入れてくれた紅茶は美味しい。美味しいのだが。
「あら、このクッキー、美味しいわね。ほら、タバサも食べてみなさい」クッキーを口に入れ、美味しさに頬を緩めるキュルケ。
「ん」サクサクと音を立て、クッキーを頬張るタバサ。
「だからなんでキュルケがいるのよ・・・・・・」
 どこで聞きつけたのかなぜかシエスタとのお茶会には、キュルケがよく同席する。最近はほぼ毎回だ。なぜかキュルケとよく一緒にいるタバサという少女も一緒だった。
 ルイズよりも小柄な体躯と赤い眼鏡、その背丈よりも長い杖が印象的な少女。眼鏡の奥にある氷のように青い瞳と青みがかった髪が、タバサがガリア出身であることを示している。
ルイズが実際に見たことのある青い髪はタバサが初めてだ。
 変わった髪の色はハルケギニアの貴族にはよく見られる。ルイズの桃色がかった髪もそうだし、青みがかった髪もまたしかり。案外、タバサは有力な貴族の娘なのかもしれない。
 タバサはあまり喋らない。というかほとんど喋らない。騒がしいキュルケと正反対だ。どうしてキュルケなんかと友人なのだろうか。
「あら、いいじゃない。美味しいものを独り占めしてると・・・・・・太るわよ?」
「うっ、そんなことないもん!」
 実は思い当たる節がある。シエスタを雇ってから、こういうお茶会を開くことが多くなったのだ。そして、その度にコック長のマルトーが腕によりをかけたお菓子を作ってくれる。これがまた例外無く美味しい。
 ルイズは何度もチップを払おうとしたが、決して受け取ろうとしない。曰く『シエスタの恩人だ。チップまで受け取ってたら申し訳が立たねぇ』だそうだ。そ
んなつもりは無かったのだが、せっかく作ってくれたお菓子を無駄にするわけにはいかないし、我慢することもできないほど美味しい。結果として間食が増えてしまっていた。
「美味しい」タバサは小さい身体に似合わずよく食べる。クッキーを頬張る姿は小動物みたいだ。
「ほら、タバサもこう言ってるじゃない。ね、お願い」
 ちなみに今日のお菓子はサンドイッチクッキーである。サクサクとした食感と間に挟まれたマシュマロのふわふわとした食感が絶妙だ。焼きたてのクッキーは仄かに暖かく、いい香りがする。
中にはジャムを挟んだものあり、苺や林檎の甘さがクセになってしまいそうだ。ジャムもマルトーの手作りで、口に入れれば甘い果物特有の香りがふわりと広がっていく。
少し濃い目に入れた紅茶が、これが良く合うのだ。マルトーのやたらいい笑顔が目に浮かぶようだった。
「しょ、しょうがないわね! タバサまで追い出すのは可哀想だし、あんたも特別に許してあげるわ!」
「もう、素直じゃないわね」
「ありがとう」
「ふふ、ルイズ様、紅茶のおかわりはいかがですか?」
 シエスタと二人きりのお茶会も楽しいが、キュルケやタバサたちがいるのも楽しい。ルイズは『ゼロ』の二つ名のせいで孤立していた。
友達と楽しく過ごすなんて経験が無かったのだ。そんな日常が楽しいとルイズは初めて知った。
692疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:37:30 ID:dYxQcySq
「そうそうシエスタ、明日の虚無の曜日は街へ行くわよ」
「街ですか?」
「あら、何か買いに行くの? 私たちもついて行こうかしら」
「ちょっとシエスタの杖を買いにね」
 シエスタもパラベラムとして目覚めた以上、メイジとして偽装しなければならない。メイジとして偽装するためには杖が必要だ。
シエスタはメイジではないので、いざという時のことも考えて軍人よろしく、武器を杖にしようと思っている。
「シエスタは平民」タバサが首を傾げ、訊ねる。
 問題はそこなのだ。シエスタは平民であり、平民には魔法が使えない。ハルケギニアの常識であり、貴族の地位を支えている最も大きな要因である。
「実は私の祖父は平民のメイジだったんです。ルイズ様の『使い魔』の力で、私も同じように魔法が使えるようになったのですよ」
 貴族だけが魔法が使える。それはつまり魔法の素質は遺伝するということを示している。ルイズが魔法が使えないのは本当に例外中の例外だ。
 それにシエスタの祖父がメイジというのも全てが嘘というわけではない。
シエスタがなぜ、いきなり拳銃型の《P.V.F》を扱えたのかどうか聞いてみたが、祖父が似た魔法を使っていたのを見ていたからだという。

 祖父はシエスタの故郷であるタルブ村にある日、ふらりと辿り着いたそうだ。その頃、祖父はまだ若く十六歳ぐらいだったとか。そんな少年がなぜ一人でいたのか。
少年だった祖父は混乱していて、自分は『異世界の人間だ』と言っていたらしい。タルブ村の人たちは放って行くわけにもいかないので、村長の家に泊めていたのだが、ある日、村の近くにオーク鬼の群れが現れた。
 オーク鬼は二本足の豚のような姿をした亜人。五メイルほどもある体長とその重い体重から繰り出す一撃は、人を簡単にひき肉にするほどだ。知能は低いが、それを補うほどの筋力がオーク鬼の恐ろしさである。
熟練の戦士が五人でようやく互角というこの亜人は、とてもではないが村人の手に負えない。
 とりあえず領主に兵の要請をしたが、いつになるかはわからない。その話を聞いた少年は、村人に黙って単身でオーク鬼の住処に乗り込んだ。村人たちは少年がいなくなったことにすぐに気づいたが、どうすることもできない。
オーク鬼は、人間の子供を好んで食べるという習性もある。村人たちが少年の無事を半分諦めていると、少年が腕に見たこともない巨大な槌のようなものを右腕に纏って帰ってきた。
 話を聞くと少年はメイジだったらしい。右腕の槌は少年の魔法らしく、それを使ってオーク鬼を退治したという。恐る恐る村人が住処に向かってみると、確かに生きたオーク鬼は一匹もいなかった。
少年は村人たちに感謝され、タルブ村に住み着くことになる。
 やがて結婚し、子供が生まれ、シエスタが生まれた。祖父は村を守る用心棒のようなことをしていたそうだ。シエスタは幼い頃は気が強く、祖父によくついていき祖父が戦うのを傍で見ていたそうだ。
 祖父が話してくれた異国の英雄譚の中でも、『拳銃』はよく物語の主人公が使っていたという。
 ルイズはそれを聞き、一つの仮説を立てた。
 おそらくシエスタの祖父は《パラベラム》。使っていた魔法というのは《P.V.F》だろう。ルイズの錠剤と同じく、何かの魔法でこちらの世界に召喚されたのかもしれなかった。
693疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:38:38 ID:dYxQcySq
「へえ、そうだったの。じゃあ、もしかしてその黒髪もお祖父さんの?」
「ええ、そうなんです。良く祖父に似ていると言われました」
 シエスタの黒髪も、この話に信憑性を与えるのに一役買っている。ハルケギニアで黒髪は珍しい。
「系統は?」
「ルイズ様と同じ土系統です」
 シエスタにはあの夜に全ての事情を教えてある。シエスタも《パラベラム》になった以上は一蓮托生だ。《パラベラム》がどんな存在か、《P.V.F》はなんなのか。ルイズの知っている知識は全て教えた。それでもルイズについていくとシエスタは言ってくれた。

――いい使用人に恵まれたわね。

「そういうことなら私も行くわ。タバサはどうする?」
 キュルケもついてくるつもりらしい。
「行く。欲しい本がある」
「決まりね。足にはタバサのシルフィードを使いましょ。荷物なんかも楽だし」
 シルフィードというのはタバサの使い魔の風竜だ。まだ幼生だが、その身体は大きく、飛ぶスピードも馬などとは
 段違いである。シルフィードで行けるなら随分行き帰りが楽になる。買い物に行くつもりだった城下町までは結構、距離があるのだ。馬で行くつもりだったが、疲れない、早い、楽、と三拍子揃った風竜で行けるのは有難い。
「しょうがないわね。じゃあ、みんなで行って何か美味しいものでも食べましょう」
694疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:40:33 ID:dYxQcySq
   2

 翌朝、待ち合わせしていた場所にいつもの顔が揃う。ルイズ、シエスタ、キュルケ、タバサの四人だ。
 タバサが小さく口笛を吹くと、空に影が現れた。影はあっという間に大きくなり、やがてその姿が竜の形になる。耳をすませば、力強い羽ばたきが聞こえてきた。その緑色の瞳は宝石のように輝いていて、エメラルドを連想させる。
 タバサの使い魔、風竜のシルフィードだ。その鱗は空の青さをそのまま形にしたような深さを湛えていた。美しく空を翔る姿は壮観だ。風竜を使い魔するというのは優秀な証。もっとも、その優秀なメイジはなぜかキュルケに頭を撫でられているが。
人は見かけによらないというが、タバサも将来はスクエアクラスに成長したりするのかもしれない。
「いつ見ても、あなたのシルフィードは惚れ惚れするわね」
「私、風竜に乗るのなんて初めてです」
 シエスタが目を輝かせている。平民にとって風竜は雲の上の存在だ。ちなみに町へ出かけるので、シエスタは茶色のスカートに、木の靴、そして草色の木綿のシャツという素朴な格好している。
シエスタのふんわりとした雰囲気によく似合っていた。
「それじゃ、行きましょうか」
「乗って」
 タバサが先頭に座る。キュルケも慣れているのか、颯爽とタバサの後ろに座り、ルイズもそのすぐ後ろに。シエスタが恐る恐るといった様子でシルフィードに跨る。
「つかまって」
 全員がシルフィードの背びれにつかまったことを確認し、タバサが「城下町」とシルフィードに目的地を告げる。シルフィードは返事をするように「きゅい!」と一声鳴き、翼を広げる。
幼生とはいえ、迫力のある大きな翼で力強く羽ばたく。離陸独特の浮遊感を感じた次の瞬間には地面を離れ、空を舞っていた。
「わ、わぁ! 凄いです!」さっきまで怯えていたシエスタも空を飛ぶという体験に興奮しているようだ。
 シルフィードは背中に乗せた四人の体重など感じさせない優雅な飛行で、上昇気流を器用に捕らえ一気に高度を上げた。あっという間に地上の学院は小さくなる。
 目指す目的地はトリステインの城下町、ブルドンネ街。
695疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:43:30 ID:dYxQcySq
   3

 馬ならば三時間かかる距離も風竜ならばあっという間だ。四人はシルフィードを町の門の近くにある駅に預け、ブルドンネ街を歩いていた。
 石造りの町並みは、日の光を浴びて白く輝いている。大通りは露天商や屋台で賑わっており、果物や肉、変わったところでは酒などを担いだ商人たちが行きかっていた。
 民がここで生き、暮らしている。それを実感できる場所だ。露天商は声を張り上げて客を呼び込み、屋台から美味しそうな肉の焼ける匂いと油の滴る音が聞こえ、人々の隙間を縫って走り回る子供たちは、笑い声を上げて町を駆け抜けていく。
「とりあえず、服屋に行きましょう」
「いいわね、明日は『フリッグの舞踏会』だし、ドレスは決めてあるけど見てみようかしら」
 フリッグの舞踏会は毎年、この時期に行われる舞踏会だ。女神の名前がつけられたこの舞踏会は、生徒や教師の枠を超えて、互いの親睦を深めるのを目的としている。
社交の演習などの側面も持ち合わせており、ダンスの相手に誰を誘おうかと期待や不安で授業が疎かになるのもこの時期ではよくある光景だ。
「タバサも着飾らないとダメよ〜?」
「シエスタもよ?」
「え、ええ!?」
「当たり前じゃない。舞踏会には私の従者として出てもらうんだから、相応の格好をしないとね」
「あら、面白そうじゃない? 私にも一枚噛ませなさいよ」
 女が三人寄れば姦しい。誰が言った言葉が知らないが、全くその通りだ。一名喋らない者もいるが、ルイズたちは貴族のドレス向けの店へと辿り着く。
ハルケギニアで手広くやっている商業組合の店舗なので、品質も保証済みだ。
「おや、これは珍しい。本日はどんなドレスをお探しですか?」
 ルイズたちが店に入ると帳簿になにやら書き付けていた店主が顔を上げる。整った顔立ちに貴族のように艶のある金髪。まだ若さの残る顔立ちだが、その年で店主を勤められるというのは、それだけやり手だということだろう。
「ちょっと舞踏会のドレスを探しにね。この子に似合うそうなのをお願い」
「ふむ、それでしたら・・・・・・アルビオン風の良いものがあります。取ってきましょう」
 シエスタのちょっとした着せ替えショーが始まった。キュルケには、負けていられないとルイズも急いで加わる。シエスタは断るわけにも行かずに、されるがままにされる。タバサはいつも通りだった。

 シエスタが着替えている間、キュルケがなぜかニヤニヤしながら話しかけてきた。ちなみにドレスなど着た事の無いシエスタを女店主は手伝いに行っている。
「ねぇ、ルイズちょっと」
「何よ?」何度かキュルケのこのような笑いは見たことがある。たいてい、色恋関係で誰かをからかう時だ。
「あなた、もうドレスは決めた?」
「まだだけど?」
 ルイズはまだ、どのドレスを着るかは決めていない。実家から持ってきたドレスが何着かあるので、そのどれかにしようとは思っているが。
新調するとなるとドレスは結構高い。気にいったドレスが無ければ、無理に新調する気はなかった。
「それじゃあ、こんなのはどうかしら?」
 キュルケがニヤニヤ笑いで耳打ちした内容は、なかなか面白いものだった。
696名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:44:08 ID:VGZteNCJ
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697疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:45:36 ID:dYxQcySq
「あ、あのどうでしょうか?」
「とっても良く似合っているわ、シエスタ」とルイズ。
「うんうん、平民とは思えないわ。これなら玉の輿だって狙えるわよ」とキュルケ。
「キレイ」とタバサ。
 試着室から出てきたシエスタはどう見ても貴族の令嬢だった。ふわりと花びらのように広がるスカートに、細やかなレース。
白を基調としたパーティドレスは、シエスタの髪の黒をうまく引き立てる。水仕事で荒れた手は肘まである長い手袋が包み、開いた胸元からは女性的な色気を発散させている。
「どこか変じゃないでしょうか? 私、こんなキレイなドレスを着るなんて初めてで・・・・・・」
 もじもじとした仕草で恥ずかしがっているようだが、シエスタは世辞抜きに美しかった。キュルケの言ったことも的を得ている。これほどの美しいならば、貴族からだって交際のお誘いが来るだろう。モットは趣味は悪かったが、女を見る目はあったようだ。
 シエスタの分とルイズの分の会計を済ませ、学院に送り届けるように手配する。結局、キュルケは気に入ったのが無かったらしい。タバサは実家から持ってきたドレスを着るとか。
「ありがとうございます。ルイズ様」
「お礼なんてすること無いわ。アレは私からのプレゼントよ」
 そんなやり取りをしながら、次の目的地へ。

「私たちは武器屋に行くんだけど、あんたたちはどうする?」
「武器屋? 何しに行くのよ?」
「言ったでしょ、シエスタの杖を買いに行くのよ」
《P.V.F》は『錬金』という建前を通す以上、メイジとして偽装する為の杖が必要だ。だが魔法を使えないシエスタが持つのならば短剣などの方がいいだろう。軍人や傭兵は近接戦闘のことも考え、刀剣やメイスなどを杖にしているメイジも少なくない。
「へぇ、ナイフか何かにするの?」
「そのつもりなんですが、店頭で実際に触ってから決めようと思っていまして」
「ふ〜ん、どうする? タバサ」
「本屋」どうやらタバサの本命は本屋だったらしい。かなりの読書家らしくいつも本を抱えているし、そういえば図書館で自習する時は本を読んでいる姿を良く見かけた。
「じゃ、私はタバサについていくわ」
「そう。それじゃ、買い物が終わったら中央広場で待ち合わせね」
698疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:47:36 ID:dYxQcySq
   4

 ルイズたちは大通りから狭い路地裏に入る。目的の武器屋は平民向けを意識してか、あまり貴族が通るのを避けるような場所に構えているらしい。まぁ、武器屋に用があるような人間は、お世辞にも行儀が良いとは言えないのだろう。
 軍属のメイジがレイピアなどを杖にすることはあるが、そのような貴族の客を専門とする店がある。決闘の時にギーシュが作り出したロングソードがいい例だ。貴族は見栄を張りたがる損な生き物なのだ。
となると武器に用がある人間は、平民の傭兵か、犯罪者か、それぐらいなものだろう。
 大通りは活気に溢れ清潔だったとしても一歩、道を曲がれば街は見せる顔を変える。シエスタと二人で歩いているこの道に関しても、ゴミや汚物が道端に転がっていた。悪臭が鼻の奥を刺激するが仕方がない。
「ええっと、この辺りのはずだけど・・・・・・」
 四辻に出たルイズは辺りを見回す。普段、街に出かけてもこのような裏路地に入った事は無いので、油断すると迷ってしまいそうだった。
「ピエモンの秘薬屋の近くでしたよね? それだったら、えーっと・・・・・・あ」
 シエスタが指を指す先には、銅製の看板が揺れていた。
「あれじゃないですか?」
  一振りの反り返った剣。一般的にシミターと呼ばれる刀の形をした看板は、ルイズの探していた武器屋のものに違いなかった。刀身の部分には『獅子の尾』と店の名前が彫られている。
「うん、シミターの看板、間違いないわ」
 ルイズとシエスタは、石段を上り、羽扉を開き、獅子の尾亭に入っていった。

 昼間だというのに店内は薄暗く、ランプの灯りがゆらゆらと揺れている。壁にはクレイモアやフランキスカなどが掛けられて、棚には兜やナイフが並ぶ。隅には大きく立派なプレート・アーマーまで飾ってあった。
 周りを見渡せばほかにもパイクやトライデント、ルイズのシールド・オブ・ガンダールヴよりもずいぶんと小さく貧相だがラウンド・シールドも置いてある。品揃えは悪くなさそうだ。
「おや、お嬢様方。こんな汚い武器屋に何の御用で? うちは細々とやっていますので、後ろ暗いことなどありゃあしませんぜ」
 店の奥でパイプを加えていた五十ぐらいの男が、ルイズたちに気づいて顔を上げる。この男が亭主だろう。耳を覆うような帽子をすっぽりと被り、丸眼鏡を掛けている。出っ歯と細い顎が印象的だ。
「客よ」
「こりゃあおったまげた。貴族が剣を! おったまげた!」
 やけに驚く亭主。なんだか芝居がかっており、鬱陶しい。
699疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/11(金) 23:50:19 ID:dYxQcySq
――まぁ、そりゃそうね。

 ハルケギニアにおいて剣は、あまり脅威ではない。もちろん、刺されれば致命傷になりうるし、斬られれば肉が裂ける。だが、それ以上にメイジの使う魔法は強力だ。
 弱点が無いわけではないが、魔法の使えぬ戦士がメイジを相手にするのは難しい。
「使うのは私です」
「そちらのお嬢さんが?」亭主が怪訝に思うのも無理は無い。シエスタはどこからどう見ても華奢な平民の少女だ。
「最近、魔法が使えるようになってね。でも、あんまり多くの魔法は扱えないから、杖を武器にしようかと思って」
「なるほど、なるほど。杖をお探しですか。少々、お待ちを」
 亭主が置くから出してきたのは長さ一メイルほどのレイピアだった。レイピアは斬るという動作よりも突くという動作に特化した片手剣である。
亭主の持ってきたレイピアの鍔の部分は派手な装飾が施されている。
「如何でございましょう?」
 シエスタは色々握ってみたり、構えてみたりして剣の具合を確かめる。
「そういや、昨今は宮廷の貴族の方々の間で、下僕に剣を持たせるのが流行っておりましてね。その際にお選びになるのが、このようなレイピアでさあ」
 なるほど、貴族の好みそうな剣だ。シエスタでもこのぐらいの剣ならば扱え得るだろう。
「貴族の間で、下僕に剣を持たせるのが流行っている?」
 学院は王都から離れているのもあり、あまりこういった噂話は集まらない。生徒の中にはこういったゴシップの類を集めるのを趣味としている生徒もいるが。
「へぇ、なんでも、最近このトリステインの城下町を『土くれ』とかいう盗賊が荒らしておりまして・・・・・・」
「ふぅん」
「ルイズ様、この剣どうでしょうか?」そういってルイズにレイピアを渡すシエスタ。
 ルイズがレイピアを握った瞬間、体が軽くなった。まるで内観還元力場を展開した時のようだ。そして『武器』の情報が頭に流れ込んできた。
「・・・・・・亭主、これはどういうつもりかしら?」
「と、というと?」
「この剣、見た目が良いだけのナマクラじゃない。こんな剣、牛肉でも突き刺せばすぐに折れるわ」
 それがルイズの頭に流れ込んできた情報。これは儀礼用の剣なのだ。実用性は最初から度外視して作られた剣である。それにしても、この能力はいったい何なのだろうか。
「こ、これはとんだ失礼を! どうかお許しを!」
 どうやらこの亭主、こちらが武器に詳しくないと見抜き、ふっかけようとしたようだ。思い返せば、確かに亭主は剣の性能については何も言っていない。
だが貴族相手にそんな詐欺紛いのことをやるとは、見た目は冴えないが商売人としての肝は据わっている。
「ハッハッハッ! ざまぁねぇなぁ親父! ナマクラなんざ売りつけようとすっからだ!」
 どこからか低い男の笑い声が聞こえてきた。
「うるせぇ、デル公! 黙ってろって言っただろ! 商売の邪魔すんな!」
「へっ、何が商売だか。物事の知らない貴族だと思ってナマクラを売ろうとするなんざ、商売人の風上にも置けねぇぜ!」
700名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:52:41 ID:D9rEQ23o
支援
701名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:58:04 ID:fZJqfPKo
支援
702疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/12(土) 00:00:26 ID:dYxQcySq
 シエスタが声のする方へ歩み寄るが、そこにあるのは乱雑に詰まれた剣の山だけだ。どうやら粗悪品ばかりのようで、どの剣も曲がっていたり、錆が浮いていたりしている。酷い物はひびまで入っており、今にも折れそうなものもあった。
 シエスタはそんな中から一本の剣を取り出す。長さは百五〇サントほど。両手で握られるように柄は長めで、細身の刀身をしている。ほかの剣と同じく、表面には錆が浮き、見栄えは良くない。
「け、剣が喋ってる?」
「・・・・・・インテリジェンス・ソード?」
「そうでさ、若奥様。意思を持つ魔剣、インテリジェンス・ソード。剣を喋らせるなんていったい、どこのメイジが始めたんだか・・・・・・」
 インテリジェンス・ソード。剣の他にもナイフなど様々な武器があるらしいが、それらには共通の特徴がある。その『インテリジェンス』の名の通り、知性を持ち言葉を発するのだ。ルイズも実物を見たのは初めてである。
「とにかく、コイツはやたら口は悪いわ、客にケンカは売るわで迷惑していまして・・・・・・。デル公! お前、これ以上失礼をするようなら、貴族様に頼んで溶かしてうちの新しい看板にしてやるからな!」
「面白ェ! やってみやがれ! どうせこの世にもそろそろ飽き飽きしたところだしな! 溶かしてくれるんなら、上等だ! 親父の間抜け面も見なくて済むしな! それだけでも甲斐があるってもんだ!」
 売り言葉に、買い言葉。亭主とインテリジェンス・ソードの喧嘩は傍から見ていて、なかなか面白かったがこれでは話が進まない。
「あーもー、やめなさい!」ルイズの一喝で、とりあえずは口を閉じる一人と一本。口といってもインテリジェンス・ソードの方は鍔をカタカタと鳴らすのをやめただけだが。どこから声が出ているのだろうか。
「え、え〜っと、デル公、さん?」シエスタが恐る恐るといった様子で話しかける。
「違うぜ、嬢ちゃん。俺はデルフリンガーって名前がちゃんとあんだ」
 インテリジェンス・ソード――デルフリンガーはようやく自分の名前を名乗った。
「名前だけは一人前でさ」亭主が忌々しげにそう呟く。
 デルフリンガーはいきなり黙ってしまった。その沈黙はまるでシエスタをじっくりと観察しているようだ。
「・・・・・・おでれーた。嬢ちゃん、『担い手』か? いや、アイツとは少し違うな。今度はこういうのってことか」
「担い手?」聞きなれぬ言葉にシエスタも首を傾げる。
「シエスタ、ちょっと私にも貸して」
 シエスタからデルフリンガーを受け取ると、例のあの感覚が体を満たすのを感じた。ようやくわかった。身体能力が上がっているのだ。まる《P.V.F》を展開した時のようだ。
そうでなければ、デルフリンガーのような長剣をルイズが構えられるわけがない。
「・・・・・・なるほど、こっっちの娘っ子が『使い手』か。まぁいい。俺を買え」

――どうやら何か知っているみたいね。

『使い手』『担い手』、言葉は違うがたぶん《パラベラム》の事だろう。
「シエスタ、この剣どうかしら? 喋る剣なんてなかなか面白いじゃない」
「そうですね。ちょっと大きいですけど、このぐらいなら何とか振れると思います」
 デルフリンガーはパラベラムについて何か知っているようだ。下手にこんな武器屋に置いて、誰かに喋られると少々まずい。シエスタも察したのか、話を合わせてくれている。
 それにしても、一応でもデルフリンガーのような長剣を振れるとは、メイドというのは力持ちだ。シエスタが特別なのかもしれないが。
 あくまで杖の偽装に使うので、構えることさえできればそれでいい。性能は最初から考えていない。
「おいくらかしら?」
「デル公なら新金貨百で結構でさ」
「あら、安いですね」
「こっちにしてみりゃ、厄介払いみたいなもんでさ」亭主は手をひらひらと手を振りながら言った。
 ルイズが財布を取り出し、金貨をカウンターに並べる。亭主が一枚一枚を慎重に数え、頷く。
「毎度。これはサービスでさ」カウンターの下から鞘を取り出し、シエスタに渡す。革紐がついており、背中にかけられるようになっている。
「どうしてもうるさいなら、鞘に入れてやればおとなしくなりまさぁ。・・・・・・じゃあな、デル公。捨てられねぇように、せいぜい気をつけな」
「おうよ。言われるまでもねぇ。・・・・・・達者でな」
 なんだかんだ言って仲は良かったらしい。最後くらい素直になればいいのに。男という生き物はわからない。
 ルイズとシエスタはデルフリンガーを購入し、獅子の尾亭をあとにした。
 シエスタの背中にはデルフリンガーが背負われている。
703疾走する魔術師のパラベラム ◆wyhCAjKHg6 :2010/06/12(土) 00:01:45 ID:dYxQcySq
以上で第十章は終わりです。
久しぶりに投下できたわけですが、展開的には面白みは少ないですね。つなぎの回は入れざる得ないのが残念なところ。
ぶっちゃけデルフ必要ありませんし。そろそろ少しづつパラベラムの方に近づけていきたいと思います。
まぁ、しばらくはまだテンプレ展開から出ませんが。
そういえば武器屋が味気なかったので勝手に名前とかつけてしまったのですが、良かったのかな?
ルイズの新しい二つ名もなかなかいい候補が見つからない。次辺りには呼んであげたいのですがね。
南斗爆殺拳とかアレなのが多いので格好いいのをあげたい。『攻城弩』とかが無難なんでしょうが。
704名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 00:08:04 ID:bX6mIZ3Y
乙乙

攻城弩《バリスタ》のルイズってのも貴族の称号としてはアレな感じw
705名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 00:21:25 ID:r0yuBvsU
乙っした

P.V.Fの展開中って持っていたものはどういう状態なんだろう…
デルフって他のクロスでも異空間に放り込まれたり、無理やり改造されたり、飲み込まれたりと散々な目に遭ってるからなぁ
706萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:21:47 ID:NNECy7jW
投下しようとしたらパラベラムさんが。
乙でした。

進路クリアなら0:30ごろより24話の投下を行いたいと思います。
707萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:30:06 ID:NNECy7jW
それではいきます。


 夜半のニューカッスル沖空域。燃え盛る戦列艦『イーグル』号の艦橋で、
ウェールズ皇太子と艦長は衝撃でガラスが粉砕された窓から夜空を見上げていた。
「……静かだな。艦長」
「はい。殿下」
 視線の向こうでは、これまで多くの危険をかいくぐりながら支援を
自分たちに行ってくれた商船『マリー・ガラント』号が見える。
向かい風の中を進み、途中で脱出したカッターを回収してくれているのが分かる。
「……何とかこの艦をトリステインまで曳航できないでしょうか……?」
 艦長の言葉にウェールズ皇太子は首を振る。
「無理だな。本艦は重すぎる。それに、トリステインは遠い……」
 言いながら、足下が少しずつ揺らいでいるのを感じる。国王ジェームズ一世や、
ほかの風メイジたちが保たせている浮力が、徐々に失われているのだ。
「本艦がここで沈むことで、アンリエッタが『レコン・キスタ』に宣戦布告される
理由の一つが消える。私は、それで良かったと思っている」
「殿下……」
 ぐらり、と足下が大きく揺れた。もう保ちそうにない。
 『風』系統のメイジ故か、ウェールズ皇太子も風の流れに敏感で、視力も良い。
その碧い瞳が、『マリー・ガラント』号から自分に敬礼している鋼の翼持つ
乙女の姿を捉える。
 ウェールズ皇太子は『マリー・ガラント』号に向けて敬礼した。
艦長もそれに倣う。急速な落下により『イーグル』号艦内のすべてのものが
宙に浮く中、二人は舵輪に『錬金』をかけて体を固定する。
「……アンリエッタ……」
 ウェールズ皇太子は、その短い人生の最期の瞬間に、3年前、ラグドリアン湖の
岸辺で出逢った、女神のような美しさを持つアンリエッタ姫の姿を思い浮かべ、
笑った――


 『マリー・ガラント』号の船室に、嗚咽の声が木霊する。ルイズが、
ふがくの豊満な胸に顔を埋め、泣いていた。
「……わたしっ……、わたしぃ……!あれだけの人を殺せって……
命じて……、それなのに……それなのにぃ!」
 ふがくはルイズを受け止めたまま、何も言わなかった。ギーシュも、
水夫から受け取った布で顔をぬぐってから、一言も言葉を発していない。
そのとき、ドアをノックする音が聞こえる。ふがくが首だけ動かして
ドアに注視する。
「……お邪魔だった……かな?」
 それは金色の髪を少年のように短く切った、まだ少女の域を抜けきら
ないような女性――シン。この『マリー・ガラント』号の船員ではない
ようだが、船長にすら意見する女性で、今回の『イーグル』号からの
脱出者収容でも先頭に立っていたとルイズたちは記憶していた。シンは
片手で湯気が立つスープが盛られた木の器を乗せたトレイを持っていた。
「貴族のお二方にはお口に合わないかもしれないけど……これ、ここに
置いておきますね」
 それだけ言うと、シンは出て行った。ドアを閉めてから、シンは独りごちる。
「……とても言える雰囲気じゃないよね、あれ」
 そう言ってドアから離れようとしたとき、ドアが開く気配がした。
とっさにシンは身構えるが……ドアを開けたのは鋼鉄の翼を持つ乙女、
ふがくだった。
「キミかぁ。ちょっとびっくりしたよ。ふがく……さん、だったよね?」
「最初に会ったときから疑問だったんだけど、その身のこなし、その腕力
……アンタ、もしかして鋼の乙女?」
 ふがくは自分とさして変わらない背丈のシンに向き合う。動きやすさを
重視した男装。どこにでもあるような安っぽい平民の服を着ているが、
ふがくを前にして完全に警戒は解いていない。いつでも動けるその体重の
かけ方は……ふがくのいた世界の近代軍隊の鍛えられた兵士のそれだ。
708名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 00:31:13 ID:tcDfuRSy
支援
709萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:31:51 ID:NNECy7jW
 だが、シンは軽く笑うと、ふがくの問いかけをはぐらかした。
「……さて?少なくともボクはキミと初対面だけどね。
 それから、このフネはお昼過ぎにはラ・ロシェールに戻るけど……
桟橋に着いたらしばらく動けなくなるよ。何か用があるならその前に
ここを離れた方がいいね」
 ふがくにもその言葉の意味するところは自明だった。アルビオンからの
脱出者――しかも全滅したはずの王党派の生き残り。トリステイン王国が
彼らを受け入れるかどうかが決定されるまで、彼らはこのフネに軟禁される。
ふがくはシンが最後に到着した長官艇だけは処分させなかったことを思い出す。
甲板に固定されて覆いが掛けられたアレも貴重な新兵器として保存されたのだろう。
鹵獲したアレをどうするのかも含めて、このままだと本当に当分ここから
出られなくなりそうだった。

 その頃、ギーシュはルイズにシンが持ってきたスープを食べさせていた。
平民の商船とは思えない、鶏のブイヨンを利かせた野菜と肉のスープ。
一口食べてギーシュはこのフネが最初から王党派を脱出させるために
用意していたのだと悟った。しかしギーシュはそれを口に出さず、
温かい食べ物というものは人の心を落ち着かせると、ケティとつきあって
いたときにそう聞いたことのあったことを思い出しつつ、自分から木製の
スプーンを取ることでルイズにそれを食べさせることに成功していた。
「……あったかい……」
 うつむいたまま、ルイズはぽつりとそう言った。そこにギーシュが
優しく声をかける。
「帰ろう。ルイズ。ぼくたちは手紙を受け取る任務を立派に果たしたんだ。
姫様に報告して、魔法学院に帰ろう」
 無言で頷くルイズ。そこにふがくが戻ってくる。
「それ食べ終わったらここを離れるわよ。このまま港に着くまで待ってたら
動けなくなるから」
「え?それってどういうことだい?」
 事態が飲み込めないギーシュにふがくが人差し指でこめかみを押さえる。
「……私たちがこのままここにいたら、保護されたアルビオン貴族と
同じ扱いを受けて処置が決まるまでこのフネから出られなくなるでしょうが……。
私たちは姫殿下の密命で動いてるんだから、これが公になったら大事じゃ
済まないわよ」
 それでようやく合点がいったギーシュ。だが、ルイズはうつむいたまま
心ここにあらずといった様子で、ふがくは内心肩を落とした。
「まぁ、それでもラ・ロシェール到着はお昼過ぎだって言ってたし、
時間はあるからゆっくりしてていいわよ。なんなら二人とも少し眠る?
昨日一日気を張りっぱなしだったんだし」
「……いや、僕はいいよ。ルイズは?」
「…………わたしも、いい……」
 ルイズの、意気消沈というにはあまりにも……な有様だが、それでも
とりあえずスープを食べるだけの意欲があることに、二人はとりあえず
安心する。

 ふがくがルイズとギーシュを抱きかかえて夜明け前の『マリー・ガラント』号を
飛び立ったのは、それからまもなくのことだった――


 ――その頃、まだ夜が明けぬトリステイン魔法学院のテラスに、ワルドの
姿があった。
 ワルドはやや疲れの残る面持ちで、テラスの椅子に腰掛け双月を見上げていた。
時折吹くそよ風が彼の顔を優しくなでる。
710萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:33:34 ID:NNECy7jW
「……バーガンディ伯爵にはお見舞い申し上げたくなるよ。僕ですら
大変だと思うときがあるからね」
 ワルドは本塔最上階の貴賓室を見上げる。そこには、ようやく眠りに
ついたエレオノールがいる。彼女の寝顔と、眠るまでの一連のことを
思い出し、肩をすくめる。
 バーガンディ伯爵とは、エレオノールの婚約者だった貴族だ。
しかし、彼女の昼夜を問わない攻め(責めではない。念の為)に心折れてしまい、
『もう限界』と言い残して婚約を解消してしまった。
そのため、エレオノールの婚約のことは、領民にすら一種のタブーと
なってしまっていた。
「……眠っていれば可愛いのに。ネリー姉さんは」
 ワルドは思う。要するに、エレオノールは感情を人に見せるのが下手なのだ、と。
それはルイズも同様で、間違いなく母君の遺伝。おかげで昼夜を問わず
尻に敷かれれば大抵の男は逃げる。ワルドはラ・ヴァリエール公爵を
その点において心から尊敬していた。しかし……
「……たぶん、今までのことが公爵にばれたら殺されるな。
うん。間違いなく」
 ワルドは親同士が決めたとはいえルイズの婚約者である。だが、そのために
ラ・ヴァリエール領にいたときから、どういういきさつかは分からないが
エレオノールから好意をうまく表現できない攻め(繰り返すが責めではない)に
遭っている。そういうこともあってか、今のところ昼夜問わず尻に敷かれて
それを悪く思わない男は、エレオノールにとってワルドだけだったのだ。
 そのような事情があるにせよ、繰り返すがワルドはエレオノールの妹
ルイズの婚約者である。そのため……そのような言葉がつい口に出てしまっていた。
「……ん?あれは……?」
 ふとワルドが視線を学院を囲む壁に向けたとき……そこに一人の黒髪の
少女が走っている姿を見つける。ワルドは『風』のスクウェア。風が運ぶ
わずかな動きにも敏感に反応する。その彼が、そこに走る少女を奇妙だと
思ったのは、あながち間違いではなかった。少女は粗末な平民の服で
男装しており、学院の者だとしてもまだ動き出すには早い時間帯だったからだ。
「きみ!」
「ひゃっ!?」
 唐突に後ろから声をかけられた少女が小動物のようにびくっと体を
跳ね上げる。振り向くと、そこに立っているのは羽帽子をかぶった長身の
メイジ――ワルドの『偏在』。念の為、万が一、ではあるが、ワルドは
自身が動かず『偏在』を差し向けていたのであるが、そんなことを知らない
少女は突然後ろに現れたワルドに怯えた表情を隠さなかった。
「……きみは……ミス・ヴァリエールの……」
「……ワルド子爵……さま?」
 月明かりに照らされた少女の顔に、ワルドは見覚えがあった。
確かシエスタとか言ったか、ルイズと懇意にしている学院のメイドで、
今はエレオノールのお付きを命じられているメイドだ。だが、そんな
彼女がこんな時間に男の格好で学院の周りを走っているというのは奇妙だ。
 そんなワルドの雰囲気を察してか、シエスタは遠慮がちに自分がして
いることを話し出した。
「……えっと、朝の訓練……じゃなくて、運動です。毎朝こうやって
走り込みと、体操を……」
「こんな時間にかい?」
 ワルドの視線からは疑っている様子が消えていない。シエスタは職務
質問されているような面持ちで言う。
「はい。村にいたときからずっとしていることで……みんなの邪魔に
ならないようにちょっと朝早く……」
 ちょっとどころではないような気がするが……と思いつつ、ワルドは
シエスタの姿をもう一度見る。確かに、スカートでは走り辛いだろう。
銃士隊で着用する鎧下でもあれば機能的に申し分ないが、あれは一般には
売られていない。ワルドは得心したように頷くと、『偏在』を消した。
711萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:35:05 ID:NNECy7jW
「……え?ええっ?」
 突然のことに驚くシエスタ。そこに『フライ』で飛んできた本物の
ワルドが声をかける。
「驚かせたようだね。さて、僕も少し体を動かしたいと思っていたところだ。
きみの運動につきあわせてもらうよ」
 そう言ってシエスタとともに走り出すワルド。だが……彼もこれから
夜が明けるまでのそう長くない時間に外壁10周と腕立て伏せ200回、
腹筋200回のセットを5セットやる羽目になるとは、思ってもいなかった……


 トリステイン王国の中枢である王宮は、ブルドンネ街の突き当たりにあった。
王宮と市井を隔てる城門の前には、当直の魔法衛士隊の隊員たちが、
乗騎である幻獣に跨り闊歩している。戦争が近いという噂が、二、三日前から
街に流れ始めていた。隣国アルビオンを制圧した貴族派『レコン・キスタ』が、
トリステインに侵攻してくるという噂だった。
 よって、王宮を護る衛士隊の空気は、自然と緊張に満ちてくる。
王宮の上空は、幻獣、船舶を問わず飛行禁止令が出され、門をくぐる
人物のチェックも厳しくなっていた。
 いつもなら難なく通される仕立屋や、出入りの菓子屋の主人までが
門の前で呼び止められ、身体検査を受け、ディティクトマジックでメイジが
化けていないか、『魅了』の魔法等で何者かに操られていないかなど、
厳重な検査を受けることになった。
 そんな時期だけに、夜明けの王宮の上空から二人の人物を抱えた鋼の翼ある
乙女が警戒網をその速度で難なく突破して降り立ったとき、警備の魔法衛士隊の
隊員たちは色めき立った。
 魔法衛士隊は三隊からなっている。三隊はローテーションを組んで
王宮の警護を司り、一隊が詰めている日は、他の隊は非番か訓練を行っている。
今日の警護はマンティコア隊であった。マンティコアに騎乗したメイジたちは、
王宮の上空に現れた人間に似た影に一斉に飛び上がるが、隊員が現在ここが
飛行禁止であることを告げる前にその横をすり抜けられ、結果、上空警護も
緊急出動の隊員も全員突破されたかたちで中庭への侵入を許すことになった。
 ピンクブロンドの美少女と金髪の少年を両脇に抱えた、片翼に3つの
風車のようなものがついた鋼の翼を持ち雪のような青みがかった白髪の
少女。二人を抱えた少女は、身長ほどもある長剣を背負っていた。
 マンティコアに跨った隊員たちは、降り立った3人を取り囲んだ。
腰からレイピアのような形状の杖を抜き、一斉に掲げる。いつでも呪文を
詠唱できるような体勢で、特に翼人と思われる少女に注意を払いながら、
ごつい体格にいかめしい髭面の隊長が、大声で怪しい侵入者たちに命令した。
「杖を捨てろ!」
 一瞬ピンクブロンドの美少女がむっとした表情を浮かべたが、鋼の翼を
持つ白い髪の少女が腕を上げてそれを制する。
「ここは宮廷よ。緊急事態とはいえ、従いましょ」
 一行は仕方がないとばかりにその言葉に頷き、命令されたとおりに
杖を地面に置いた。
「今現在、王宮の上空は飛行禁止だ。ふれを知らんのか?」
 その言葉に、ピンクブロンドの少女が、毅然とした声で名乗る。
「わたしはラ・ヴァリエール公爵が三女、ルイズ・フランソワーズです。
怪しいものじゃありません。姫殿下に取り次ぎ願いたいわ」
 隊長は口ひげをひねって少女を見つめた。ラ・ヴァリエール公爵夫妻なら
知っている。高名な貴族だ。
 隊長は掲げた杖を下ろした。
「ラ・ヴァリエール公爵さまの三女とな?」
「いかにも」
 ルイズは、胸を張って隊長の目をまっすぐに見つめた。アンリエッタ姫に
会うのだ。意気消沈してはいられないと気を張っていた。
712萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:36:26 ID:NNECy7jW
「なるほど。見れば目元が母君そっくりだ。して、要件を伺おうか?」
「それは言えません。密命なのです」
「では殿下に取り次ぐ訳にはいかぬ。用件も尋ねずに取り次いだ日には
こちらの首が飛ぶからな」
 困った声で、隊長が言った。
「ま、仕方ないわね。けど、私たちもいつまでもここでこうしている訳には
いかないの」
 肩をすくめてふがくが言う。
 隊長は、口を挟んできたふがくの容姿を見て、苦い顔つきになった。
見たこともない服装だし、顔立ちは整っているものの、肌も黄色い。
背中にここまで飛んできたことが信じられないような鋼の翼を背負い、
脚も車輪のようなもの。おまけに大きな剣まで背負っている。
 どう見ても人間には見えない。ゴーレムか、言葉を話すことからガーゴイルか?
とにかくどこからどう見ても貴族には見えない。
「無礼なガーゴイルだな。ガーゴイル風情が貴族に話しかけるという法はない。
黙っていろ」
 ふがくは目を細める。いきなり怒り出さなかっただけまだマシだった。
この国でガーゴイルと呼ばれることにはもう言うだけ無駄だと思っているし、
確かに今はルイズの使い魔だが、そのいかにも軽く見下した言い方に
かちんと来た。
「これでも他国の士官待遇なんだけど。ルイズ、宣戦布告と看做して
蹴散らしていい?」
 その言葉にルイズはさあっと顔を蒼くして何度も首を振った。
ふがくならやりかねない。いや、その気になればニューカッスルの
あの光景がここトリスタニアに再現されてしまいかねない。
「ダメ!絶対にダメ!ニューカッスルみたいなこと、もうたくさんよ!」
 ふがくとルイズのやりとりを聞いて、隊長は目を丸くした。

(ニューカッスル?ニューカッスルとは、アルビオンのか?どういう意味だ?
 なんにせよ、これは事情聴取する必要があるな……)

 隊長は再び杖を構えなおした。
「貴様ら、何者だ?とにかく、殿下に取り次ぐ訳にはいかぬ」
 硬い調子で隊長は言った。話がややこしくなりそうだった。ふがくが
いつでも飛び立てるような体勢になるのを見て、隊長が目配せする。
一行を取り囲んだ魔法衛士隊の面々は、再び杖を構えた。
 一触即発。まさにその一瞬に、宮殿の入り口から、鮮やかな紫のマントと
ローブを羽織った人物が、ひょっこりと顔を出した。中庭の真ん中で
魔法衛士隊に囲まれたルイズの姿を見て、慌てて駆け寄ってくる。
「ルイズ!
 無事に帰ってきたのね。
 うれしいわルイズ!ルイズ・フランソワーズ」
 駆け寄るアンリエッタ姫の姿を見て、ルイズとギーシュの顔が、
ぱあっと明るく輝いた。
「姫さま!」
 アンリエッタ姫とルイズは、ふがくたちと魔法衛士隊が見守る中、
ひっしと抱き合う。
 ルイズの目から、ぽろりと涙がこぼれた。
「件の手紙は、無事に……」
 ルイズは制服の胸ポケットから、そっと手紙を見せた。アンリエッタ姫は
大きく頷いて、ルイズの手を固く握りしめた。
「あぁ……よかった。あなたに頼んで本当に良かったわ。
 やはりあなたはわたくしの一番のおともだちですわ」
「もったいないお言葉です。姫さま」
 しかし、一行の中にウェールズ皇太子の姿が見えないことに気づいた
アンリエッタ姫は、顔を曇らせる。
713萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:37:58 ID:NNECy7jW
「……ウェールズさまは、やはり父王に殉じたのですね」
 ルイズは瞑目して、神妙に頷いた。
 その様子を興味深そうに魔法衛士隊の面々が見ていることに気づき、
アンリエッタ姫は説明する。
「彼らはわたくしの客人ですわ。隊長どの」
「左様ですか」
 アンリエッタ姫の言葉で隊長は納得するとあっけなく杖を収め、
隊員たちを促し、再び持ち場へと戻っていった。

 マンティコア隊が去ってから、アンリエッタ姫は再びルイズに
向き直った。
「道中、何があったのですか?……とにかく、わたくしの部屋でお話ししましょう」
 そうして、アンリエッタ姫は3人を自分の居室に入れた。
トリステイン王国の長い歴史に彩られた、小さいながらも精巧なレリーフが
象られた椅子に座り、アンリエッタ姫は机に肘をつく。
 ルイズは、アンリエッタ姫に事の次第を説明した。
 天空の城壁のような暴風を抜けてアルビオンに向かったこと。
 途中でルーデルと出会い、ニューカッスル城で合流したこと。
 ウェールズ皇太子に亡命を勧め、ふがくとルーデルの二人で
ニューカッスルを包囲した貴族派を焼き払ったこと。
 そして……、脱出行の途中でルーデルを見失った直後に正体不明の
鋼の乙女に襲われて、国王ジェームズ一世やウェールズ皇太子、
それに多くの貴族たちとともに『イーグル』号が沈んだこと……。
 それでも、このように手紙は取り戻した。『レコン・キスタ』の野望を
少しでも挫くことができたのだ。
 しかし……、無事、トリステインの命綱であるゲルマニアとの同盟が
守られたというのに、アンリエッタ姫は涙を浮かべ、立ち上がるとルイズを
そっと抱きしめた。
「ごめんなさい、ルイズ……。わたくしのわがままのせいで、あなたに
つらい思いをさせましたね……」
 アンリエッタ姫は、かつて自分がウェールズ皇太子にしたためた手紙を
見つめる。この手紙は、二隻の軍艦と、そして五万もの敵兵と引き替えるに
値するものだったのか……。同時に、それはふがくに敵の殲滅を命じた
ルイズに、いかほどの心の傷を負わせたのかと。
「姫さま……」
 ルイズは、そんなアンリエッタ姫の心境を慮り、その手を握った。
「わたくしが負うべき罪ですわ。ルイズ・フランソワーズ、あなたに、
このようなことを頼まなければ……。わたくしは……なんということを……」
 アンリエッタ姫の言葉に、ふがくは首を振った。
「それは違います。皇太子殿下は、攻撃が始まる前にすでに起こりうることを
予見していたから。
 殿下は、すべてを理解した上で、姫殿下や、ルイズのことを心配していたわ。
世界は、いつだってこんなはずじゃなかったことばかりだよ、って」
「世界は、いつだってこんなはずじゃなかったことばかり……あの方は、
わたくしの手紙をきちんと最後まで読んでくれたのかしら?ねえ、ルイズ」
 ルイズは頷いた。
「はい、姫さま。ウェールズ皇太子殿下は、姫殿下の手紙をお読みになりました」
「その上で、そうおっしゃったのね。わたくしより、名誉の方が大事だったのかしら」
 呆けた様子でつぶやくアンリエッタ姫。ふがくはその言葉を苦々しく
聞いていた。あのパーティでウェールズ皇太子は見せたあの苦悩を、
ルイズも、そしてアンリエッタ姫も知らないのだ。彼は、アンリエッタ姫に
迷惑をかけないために残ろうとし、そして最期までそのことを考えていたの
だから。
714萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:39:27 ID:NNECy7jW
「それも違います。殿下は、姫殿下や、このトリステインに敵の手が
及ぶことをほんの少しでも遅らせたかったのです。
 軍艦一隻と王党派の残存兵力三百の壊滅を引き替えに、敵旗艦をはじめと
して三隻大破、二隻撃沈と五万の陸戦兵力消滅――私はこっちの兵力は
知らないけれど、私の国の常識に当てはめても、これはかなりの大戦果。
それに、殿下からお預かりしたものもあります」
 ふがくはそう言って懐から設計図が入った木箱と、『始祖のオルゴール』を
取り出す。そこに、ギーシュも制服のポケットから『風のルビー』を
取り出した。
「殿下は、僕にこれを姫殿下に届ける任務をお与え下さいました。
僕を最後の脱出艇に乗せるとき、こう言われました。ウェールズは最後まで
勇敢に戦い、勇敢に死んでいったと伝えてほしいと……」
 アンリエッタ姫は『風のルビー』を受け取ると、それを両手でその豊かな
胸に包み抱く。その顔には、寂しげな微笑みが浮かんでいる。薔薇のような
美しさと称えられる王女がそうしていると、空気まで沈鬱に淀むようだ。
ルイズとギーシュも、心が沈んでいくのを感じていた。
 アンリエッタ姫は窓を背にして立つと、悲しげに問うた。
「殿方の特権ですわね……。残された女は、どうすればよいのでしょうか」
 ギーシュは何も言えなかった。ギーシュは名前を知らなかったが、
高高度偵察戦闘爆撃機型鋼の乙女であるライトニング姉妹の攻撃力は
圧倒的だった。ふがくですら、デルフリンガーがなければどうなって
いたか分からないような相手に、散っていった王党派の貴族たちのように
杖を向けることすら、自分にはできなかったのだ。
「ですが、これで婚姻を妨げようとする暗躍は防がれたのです。
ゲルマニアと同盟を結べば、アルビオンも我が国に攻めてくることもありません。
 もう大丈夫。危機は去ったのよ」
 そう言って微笑むアンリエッタ姫の目には涙が浮かぶ。そこにルイズが
制服のポケットから『水のルビー』を取り出し、言った。
「あ……あの、姫さま。お預かりしていた指輪、お返しします」
「いいえ……。それは、それはあなたにあげるわ」
「こんな高価な品、いただけません!」
 恐縮するルイズの手を、アンリエッタ姫は『水のルビー』とともに包み込む。
「わたくしのために、あなたは立派に役目を果たしてくれました。
これはわたくしからのせめてものお礼です」
 そう言われてはルイズも受け取るしかない。ルイズが『水のルビー』を
大切にポケットにしまったのを見て、アンリエッタ姫は『風のルビー』を
いとおしそうに見つめた後、左手の薬指にはめた。
「……。あの人が、国を……そしてわたくしを想い、勇敢に死んでいったと
いうならば……」
 アンリエッタ姫はそこで言葉を切る。そしてその瞳に決意を秘めて
ルイズたちに宣言する。
「ならば、わたくしは勇敢に生きてみようと思います」
「姫さま……」
 ルイズはその瞳に為政者としての覚悟を見る。だが、ふがくはそこに
危険な色を見ていた。そして……ギーシュはただ感涙にむせび泣く。
「……ですが、その前に……。これは、わたくしだけの手には負えませんわね……」
 先程までの覚悟はどこへやら。アンリエッタ姫は『始祖のオルゴール』と
木箱を見て頬に指を当て溜息をつく。『始祖のオルゴール』だけであれば
アンリエッタ姫もそのまま自分で大切に持っていただろう。しかし……
木箱の中身は彼女の手に余った。それでやむなくマザリーニ枢機卿を
呼び出したのだが……枢機卿は話を聞いて怒りに肩を震わせた。
「ひ〜め〜で〜ん〜か〜ぁ……!」
 地獄の底から這い上がってくるような声。それにはアンリエッタ姫
ばかりかルイズもギーシュも震え上がる。
715萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:41:19 ID:NNECy7jW
「この時期に!姫殿下はラ・ヴァリエール公爵とグラモン元帥を敵に回すおつもりですか!
二人が無事に戻ってきたから良かったものの、そうでなければアルビオンの
貴族派に攻め込まれる前に我が国は内乱で崩壊しているところですぞ!」
 しばらく続くお説教。アンリエッタ姫と並んでルイズとギーシュも
一緒に説教される有様を、貴族でなく使い魔だという理由で難を逃れた
ふがくは別に面白くもない喜劇でも見るように眺めている。やがて説教を
終えた枢機卿が肩で息をしながら三人を見る。
「……まったく。そのような手紙、外交努力でどうにでもできたのですぞ。
謀略ということにしてしまえば、ゲルマニアには多少の譲歩は致し方
なかったとしても、二人が身を危険にさらす必要などなかったのです」
 その言葉にアンリエッタ姫はしゅんとする。だが、マザリーニ枢機卿は
表情を和らげる。
「ですが、始祖の秘宝を持ち帰ったことと、軍艦二隻を含む敵五万の
殲滅という戦果は叙勲に値するもの。正規の任務であれば誇るべきことで
ありましたな」
「マザリーニ枢機卿……」
「忠臣をお持ちになりましたな。姫殿下」
「あの……それで、これは……」
 おずおずと木箱を指さすルイズ。マザリーニ枢機卿は『イーグル』号や
未完成に終わった戦艦『ライオン』号、竜母艦『ヒューリアス』号の
図面を見て顔をしかめた。
「……さすが、アルビオン王国というべきものですな。
しかし、これはいけませぬ。このようなものを我が国が建造しては、
ロマリアから異端審問されるおそれがあります」
「……そんな!ウェールズさまが、我が国のためにと託されたものですのに」
「姫殿下。竜母艦は我が国でも建造しております。
先日、ご覧いただいたと思いますが?」
 マザリーニ枢機卿の言葉に、アンリエッタ姫は頷いた。
「『ヴュセンタール』号ですね。まもなく進空するとの話でしたが」
 『ヴュセンタール』号は、トリステイン王国が建造中の新型艦。
来るべきアルビオン竜騎士隊との戦闘を想定して、最前線に大量の自軍
竜騎士隊を運搬するための艦であり、竜騎士の同時発着艦を可能と
するために大型の艦体が全通の平甲板になっている特徴がある。
このため、推進用のマストは両舷に3本ずつ突き出しており、帆を畳んだ
状態はさながら肢を広げた昆虫のようであった。
「左様。フネとはすべからく風石によって操作されるべきもの。
ですが、これらのフネはいずれも風石は浮上のためにのみ使われ、
以後は『蒸気機関』と呼ばれるもので動いておるようです。
これでは、建造が明るみになった時点でロマリアの介入を許すおそれが
あります」
「それでは……これらは……」
「主砲の研究資料のみを受理し、他はすべて破棄すべきと進言致します」
 マザリーニ枢機卿はきっぱりと言う。そこにふがくが『そういうと
思った』という顔で言った。
「捨てるならもらっちゃってもいい?昼過ぎにラ・ロシェールに到着する
現物と一緒に」
「なんですと?」
 聞き間違えたか?という顔でマザリーニ枢機卿はふがくを見た。
「『イーグル』号から脱出した貴族を乗せたフネが、昼過ぎにラ・ロシェールに帰港するわ。
脱出に使ったカッターは全部投棄したけど、一隻だけ残してあるのよ。
ほら、ギーシュが乗ってきたアレ」
「ああ、あの帆のない脱出艇……って、まさかきみは?!」
 驚くギーシュにふがくは不敵に頷いた。
「私たちが持ち帰ったのは始祖の秘宝と新型の主砲の資料だけ。
あとは……そうね。適当に砂漠の端っこででも見つけたってことで。
 要は外に漏れなきゃいいんでしょ?ちょうどその辺責任持ってくれそうな
心当たりあるし」
716萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 00:42:47 ID:NNECy7jW
 ふがくの言葉に、ルイズとギーシュは顔を見合わせ……二人同時に
「まさか」と言った。
 その様子に何かを察したのか、アンリエッタ姫が静かに言う。
「そうね。それが一番かもしれませんね。それでは、王党派のことは
わたくしが責任を持ちましょう。その『荷物』は、学院に届ければよいの
ですね?」
 ふがくはその言葉に頷いた。

 アンリエッタ姫に呼ばれた銃士隊隊長アニエスは、姫の居室で
あり得ない組み合わせに驚くも……内密にと姫に言われ、話を聞くや
いなや任務を遂行すべくトリスタニアを離れた。
 話が終わって枢機卿が部屋を辞し、ギーシュとふがくにはアンリエッタ姫から
今回の褒賞として金貨が入った革袋を与えられた。そして三人が部屋を辞し、
独りになったとき――アンリエッタ姫は力なく膝を折る。
「……名誉など捨ててほしかったのに……。
 愛しておりました。心から……。
 だから、迷惑など関係なく、側にいてほしかったのに……」
 泣き崩れるアンリエッタ姫。ルイズが渡した手紙には、ウェールズ皇太子へ
亡命を勧める旨書き記していた。だが、彼女の願いは、叶えられることは
なかった――


 アンリエッタ姫の居室を辞したマザリーニ枢機卿は、回廊を歩きながら
思案する。
「ニューカッスルで旗艦『レキシントン』大破、それに二隻の軍艦と
五万もの兵を失ったとあれば、トリステインへの侵攻までにはかなり
時間を稼げた。
 だが、それだけの事態、間違いなくガリアの南薔薇騎士団が動く……
いや、ガリアそのものがあの内乱を裏で手を引いているとの噂もある。
我が国の情報網では、それ以上は掴みきれぬ……」
 マザリーニ枢機卿は憎々しげにつぶやく。枢機卿は、アンリエッタ姫の
指揮する『ゼロ機関』を知らない。いや、知ろうとしなかったことに、
この国の不幸があった。
 ガリア南薔薇騎士団とは、ガリアのヴェルサルテイル宮殿に点在する
花壇を王を守る騎士になぞらえた一つで、バッソ・カステルモール率いる
東薔薇騎士団と並んで他国にその名を知られた、『国境なき看護』を
掲げるモリエール夫人を騎士団長とする、『水』系統のメイジを多く
抱える騎士団。その活動は団長の言葉通り、戦時のみならず平時においても
火山の噴火や大規模な山火事といった災害救助において発揮され、
また他国の災害救助にも積極的に出動することで知られていた。
 しかし、その表の顔以外に、南薔薇騎士団には巧みな情報収集能力が
あることを知る者は少ない。正規の外交チャンネルで他国に派遣され、
被災地の情報を事細かく収集するのだ。被災地救助の錦の御旗に隠されて
いるため、被災地側も強く拒否することができず、結果、被害状況のみ
ならず国軍の動向や装備まで明らかにすることとなることすらあったのだ。

 そして、枢機卿の危惧は、『イーグル』号を撃沈したライトニング姉妹から、
『レコン・キスタ』に派遣されていたシェフィールドを通じ、ガリア国王
ジョゼフ一世がすでにアルビオン国王ジェームズ一世とウェールズ皇太子
死亡の報を知るところとなっていたことで、現実のものとなっていたのである。
717萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/06/12(土) 01:00:02 ID:NNECy7jW
すみません。真夜中の来訪者の相手してました。

今回は以上です。
シナリオの途中で思いっきり話が重くなるのはゲーム準拠ということで。
ノーマルルートだと顕著ですしね。

あと、モリエール夫人の設定はシエスタに負けず劣らず捏造まみれです(汗
南薔薇騎士団も。
でも、年上の麗しい貴婦人に看護されるって萌えませんか?

やっとこれでコルベール先生へのフラグがそろってきたので
もうちょっとで建造可能なレベルまで進むでしょう(何

それでは。次回も早いうちにお目にかかれるよう頑張ります。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 01:20:03 ID:7iPkfTf4
お二方とも乙!
深見真ファンとしてはパラベラムに非常に期待してます。
ルイズとシエスタのSSはどんななのか楽しみで仕方ないw
719名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 03:10:06 ID:PH6XqqND
>>717
乙でした!

次回も楽しみにしてます。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 05:24:44 ID:FikrA6FJ
721ゼロと電流:2010/06/12(土) 11:09:26 ID:6zA5C9lQ
リメイクザボーガーの話題、パラベラムの人、萌え萌えの人……
なんだ、この緊張する流れは…………

十分ほど後、投下します。
722ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:20:08 ID:6zA5C9lQ
 ――ルイズがトリステインに戻った後の魔法学院 


「ラ・ロシェールの手前で道に迷いました」

 堂々とギーシュは言い放ったのだ。
 学院長室で。
 皆の目の前で。

「ミスタ・グラモン。もう一度言ってみなさい」
「ですから、道に迷ったんです」

 コルベールは天を仰いだ。
 何故、この子達はアルビオンまで行ったのか。手前のラ・ロシェールまでという約束ではなかったか。
 その問いへのギーシュの返事がこれである。
 ラ・ロシェールに向かっているとばかり思っていたら、いつの間にか道に迷っていて、気がつくとアルビオンだった。
 仕方ないので、たまたま見つけたルイズを連れて帰ってきた、と。
 ギーシュの後ろでは、タバサが涼しげな顔で、モンモランシーはすっかり消沈して、そしてキュルケが不満そうに立っている。
 四人は、ルイズを連れ帰ってそのまま学院長室にやってきたのだ。
 学院長室で待っていたのはオールドオスマンだけではない。
 コルベール、ギトー、シュヴルーズ、アンナマリー。学園でのそれぞれの系統のトップ。一部の者には四天王と呼ばれている四教師が待っていた。
 なるほど、単純な叱責では済まないのだな、とキュルケは考えた。もともと、こうなるんじゃないかという予想と覚悟はしていたのだが。
 そのときは、トリステイン生粋の貴族であるギーシュとモンモランシー、訳ありのタバサには累を及ばさぬよう、自分が全部ひっかぶって退学しようと考えていた。
自分はゲルマニア貴族である。トリステインで放校されたなどと、却って箔がつくというモノだ。
 ところが。
 ところが、である。
 コルベールの質問に真っ先に口を開いたのがギーシュだったのだ。
 しかもだ。

「道に迷ったんです」

 こんな言い訳があるか。
 道に迷って、どうしてシルフィードで空を飛ぶのか。ヴェルダンデで地下に潜るのか。
 いや、馬鹿な言い訳はいい。馬鹿すぎて面白すぎる。キュルケも嫌いではない。
 だから、それはいい。
 ギーシュが口火を切ったのも、まあ、仕方がない。
 またどうせ、薔薇の役目だの何だの言い出すのだろう。女の中の男一人がどうしたこうしたというのだろう。それもいい。
 気に入らないのは別のことだ。

「僕が道に迷って、三人を巻き込んでしまいました」

 ギーシュは抗弁する。
 コルベールは頭を抱え、ギトーは呆れたように溜息を。そしてシュヴルーズはなにやら考え込んでいる。
 オスマンとアンナマリーは笑っていた。
723ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:20:54 ID:6zA5C9lQ
「何がおかしいんですか」

 コルベールが言うと、二人はますます面白がる顔になり、

「面白いじゃないかね。道に迷ったなんて」
「うむ。なかなかそうは言えんぞ」
「二人とも、楽しそうで何よりですが、ここは締めるべきではないですか?」

 コルベールの言に頷くギトー。

「ケジメは必要ですな」
「なに、道に迷うなんて、良くあることじゃないかね。あんたらだってそうじゃないかね、コル坊もギすけも」
「な」
「ギすけ!?」

 アンナマリーは、一見オスマンと同年代に見える老婆である。学園では、オスマンの同級生だったのではないかとも言われている。
 彼女の水メイジとしてのその実力は、学園で怪我をした者なら皆知っている。そしてコルベールとギトーも、別の意味で彼女の実力はよく知っている。 
 少なくとも、自分たちと匹敵する力を持っているのだ。彼女は。 

「正しく迷ったと思うけどね、私は」

 コルベールとギトーは顔を見合わせた。
 正直二人とも、ギーシュ達は良くやったと思っている。しかし、これを認めてはいけないと言うこともよくわかっている。

「あんたらだって、相当迷ってきたろうに。若いのは迷ってこそじゃないかね」

 コルベールは無言で俯く。確かに、思うところはある。過ちのない人生ではない。それどころか、自分の過ちに比べればギーシュの過ちのなんと爽やかなことか。
 同じくギトーも、考え込んでいた。

「どうだい、疾風のギトーさん。いやさ、銀貨兄弟のほうが懐かしくて良いかい?」

 ぐっ、と息を呑むギトー。
 なんで、この同僚は自分の若い自分の過ちを知っているのか。
 いや、それほど有名だったのかあれは。
724ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:21:55 ID:6zA5C9lQ
「ミス・アンナマリー、それは一体どういう意味ですの?」

 周囲の気配に気付かないキュルケではない。早速アンナマリーの援護に食いついた。

「それがミス・ツェルプストー、古い話で……」

 要はギトーの若い頃の放埒である。
 才気ある風系統メイジ二人と組んで、銀貨兄弟と称して義兄弟の杯を交わして遊び回っていたのだ。
 それぞれの風呪文によって形良く削った銀貨が、三人のシンボルだったらしい。だから、銀貨三兄弟。
 その当時から、ギトーの二つ名は「疾風」。後の二人は「旋風」と「烈風」。
 銀貨旋風、銀貨烈風、銀貨疾風と名乗って、無頼に驀進し流離っていた若き日々なのである。
 因みに、「烈風」を名乗った次兄が謎のメイジに「烈風は一人で充分」と叩きのめされたのが解散の原因らしい。 

「ミス・アンナマリー、貴女の言いたいことはわかった。だから昔の話を蒸し返すのは止めてくれないか」
「わかればよろしい」

 口を噤むアンナマリーと、悔しがるキュルケ。勿論一旦噤んだ口を易々と開くアンナマリーではない。
 が、それはそれとして、キュルケはギーシュを押しのけるように前に立つ。

「ミスタ・グラモンは嘘をついています」
「え」

 ぽかん、と口を開くギーシュ。目を開くタバサ。モンモランシーの消沈ッぷりは変わらない。

「ちょ、ちょっと待ちたまえ、君は何を言うつもりなんだい? 僕が道に迷って君たちを……」
「つ、ま、り!」

 キュルケははっきりと一語一語を区切りながら、半ば叫んでいるように強調する。

「こう言いたいわけ? キュルケもタバサもモンモランシーも、自分の意志なんて持たずに貴方の口車に騙されてホイホイついて行ってた馬鹿共だって」

 ふむ、とオスマンが呟いた。
 ギーシュは一瞬言葉に詰まり、そして口を開き、またもや言葉を途絶えさせる。

「私たちは、ミスタ・コルベールや学院長から見ると確かに馬鹿かも知れないわ。だけど、これだけは言えるわ。
アルビオンへ行ったのはミスタ・グラモンのせいじゃない。私たちは……」
「自分の意志で迷子になりました!」

 キュルケの言葉に被せるようにモンモランシーが顔を上げ、叫ぶ。

「自分の意志って……それは迷子なのかね」
「迷子に間違いない」

 コルベールの呟きのような問いかけに、タバサがきっぱりと答えた。
725ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:22:40 ID:6zA5C9lQ
 ――ルイズがアルビオンへ向かっている頃のアルビオン


 シエスタは、右手の痛みで目を覚ました。
 目の前に広がっているのは流れる星の川のような金髪。
 唇には温かい、そして甘い感触。
 キスだ、と気付いたときには少女の顔は既に離れていた。

「ごめんなさい」

 落ち着いたところで頭を下げるのは金髪の少女。
 頭を下げられたところで、シエスタには何が起こったのか全くわからない。
 自分はタルブに里帰りしていたことは覚えている。
 久しぶりに祖父の形見であるオートバイ、マシンホークに跨っていたことも。
 マシンホークで人気のない森の中を走ろうとしたとき、それは起きたのだ。
 突如現れる鏡のようなもの。回避も間に合わず激突する、と思ったシエスタは思わず目を閉じる。
 気がつくと、少女が目の前にいた。
 サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントだと、少女は説明し、突然召喚してしまったことを詫びる。
 まさか普通の人間が現れるとは思わず、それでも練習していたとおり、あたふたとコントラクト・サーヴァントまで済ませてしまったと。
 聞き覚えのある言葉に、シエスタはポカンと口を開く。
 サモン・サーヴァント。それは、ルイズ様がザボーガーを召喚した魔法ではなかったか。
 確かに、マシンザボーガーを初めて見たときにはマシンホークとの類似を感じたのだけれど。
 だから、ついルイズ様に村の秘密に関することを教えてしまったのだけれど。
 もっとも、村の秘密とは厳密には「今現在マシンホークがタルブにあること」であり、昔あったことは近辺では有名な話なので今更隠しようはないのだけれど。
 今では、タルブにあると公式に認められている物は「昔、マシンホークに乗ってタルブを訪れた人が置いていった、異常に精密な絵」だけである。
因みに、ザボーガーの元いた世界では「写真」と呼ばれているモノだ。
 マシンホークに乗っていた青年がタルブに居着いたことも、マシンホークが未だにタルブに存在していることも秘密なのだ。
 すると、サモンサーヴァントとはマシンを召喚する呪文なのか。
 いや、それはない。
 シルフィードやフレイム、ロビン、ヴェルダンデ。いくつでも反例はある。逆に、ザボーガーやホークが極めて希なのだ。
726ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:23:25 ID:6zA5C9lQ
「私、ティファニアって言うの。貴女は?」
「私はシエスタです」

 当たり障りのない自己紹介。
 初めて会う相手だが、不思議と危険は感じない。
 さらに今いる場所と召喚先の確認。
 何故、ティファニアはシエスタを召喚したのか。
 情報交換が終わると、ティファニアは再び頭を下げる。
 もし望まないのなら、この場から去っていってもらっても一向に構わないと。
 ただ、友達が欲しかっただけ。
 大事な姉がいない間、一緒にいられる相手が欲しかっただけ。
 子供達とは違う、対等な話し相手が欲しかっただけ。
 そして実際に召喚されたシエスタを見、言葉を交わして初めて気付く身勝手さ。
 自分は自分のためだけに、見ず知らずの他人をその人の生活から切り離したのだ。
 そんなティファニアに、シエスタは優しく言う。
ゆっくりお話しましょう、と。
 本当にここがアルビオンならば、シエスタにとってはマシンホークで帰れない距離ではない。それほどの慌てる問題ではないのだ。 
 ラ・ロシェールへと降りるときだけ、船に乗ればいい。
 いや、それよりも、
 シェスタには気になっていた。
 ザボーガーとホークには、どんな共通点があるのだろう。見た目だけなのか、それともそれ以上なのか。
 少なくとも、両方とも召喚されたのだから。
 それとも、今召喚されたのは自分で、マシンホークがオマケなのだろうか。
727ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:24:10 ID:6zA5C9lQ
 ――ルイズがアルビオンから脱出した頃のアルビオン


「司令官」
「どうしたね、ワルド君」
「ウェールズが死んだようです」
「ほう、ならば」
「次は貴方ですよ」
「は?」

 ワルドの遍在が、クロムウェルの胸を貫いていた。
 驚愕と不審の表情のまま崩れ落ちる最高司令官。その視線は、最後にシェフィールドに向けられていた。

「……な、何故」
「ああ、悪く思わないでね。貴方、邪魔なの」
「じゃ……ま?」
「安心なさい、貴方が新生アルビオンの王であることは認めてあげる。そうでないと、ガリアの王は納得しないのよ」
「さて、手筈通りと行こうか」

 フーケはあらかじめ準備してあった偽の「アンドバリの指輪」を取り出し、倒れたクロムウェルの指にはめる。
 そして、本物を抜き取ると、遍在のワルドにそれを渡す。
 数刻もしない内に姿を見せる本物のワルド。片手が失われている姿にフーケは動揺するが、それまで黙っていたシェフィールドは不意に口を開く。

「無理するくらいなら、私がもらうけど?」
「君に知識はあれど魔力はない。指輪の制御は無理だという結論が出ていたはずでは?」
「片腕から血を流しきった男よりはマシだと思うけどねぇ」
「見損なわないでもらおうか」

 片腕で器用に指輪をはめたワルドは、その手をクロムウェルの遺体に向かってかざす。
何事もなかったかのように立ち上がる姿をに、フーケは嫌悪感を隠そうともしない。

「ご気分はいかがです、アルビオン王よ」
「ん、ワルド君か。いや、いつも通りだよ。勿論、王になったことによる高揚はあると認めるがね」
「それは当然でしょう。では早速、城へと」
「ああ、そして戦の終わったことを告げねばならないね」
「ええ。民を安堵させるのも、王の努めですから」
「そうでしょう、では、ミス・サウスゴータ。これよりは貴方が王を補佐したまえ」
728ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:24:55 ID:6zA5C9lQ
 それも予定通りだ。
 フーケ、いや、マチルダは頷いた。
 マチルダは臨時の司令官室を出ると、数人の騎士を呼び、王の周囲を固めさせる。そして一度だけワルドに振り向くと、そのまま背を向けて出て行く。

「で、どうすんだい」

 その姿を見送ったシェフィールドが尋ねる。

「予定通りだ。レコン・キスタは勝利し、傀儡である王が生まれたとガリアに伝えれば良い」
「守りに徹して、決してトリステインには攻め込まない。無能がどれだけ促しても絶対に攻め込まない、専守防衛に徹する。そうだね?」
「勿論、ガリアにも攻め込むことはない。それは安心してくれて良い。我々から諸国を攻めることはない」
「目的はなんだい?」

 これで何度目の質問だろうか。
 ガリア、いや、ジョゼフを裏切ると決めた日から何度目の問いか。
 ワルドという男が信用できるとは思っていない。しかし、この流れは確かに自分にも有利なものだ。
 父すら、弟すら殺した王がいる。
 王は娘を殺すのを躊躇うだろうか? 姪を殺すことを躊躇うだろうか?
 答えは否だ。
 ただ、イザベラは守りたいモノがあるだけ。二つの命を守りたいだけ。
 そのためには、一つの国を敵に回さなければならないのだ。
 味方はいない。
 自分が守ろうとするもう一つの命すら、今は自分の敵なのだから。

「理由など気にすることはないだろう。今は、双方の利益になっているのだから」
「今は、ね」
「邪魔になる、と思うのなら叩きつぶせばいい」
「はっ。よく言うね。簡単に叩きつぶされる気もない癖に」
「切り札の一つや二つ、仮にもガリアの王女が持っていないとは思っていないよ」
「精々期待しとくんだね」
「もちろんだ」

 この後、アルビオン王国は神聖アルビオン共和国と名を改める。
 初代皇帝オリヴァー・クロムウェルは即位とともに専守防衛を宣言。相互不干渉を他国に求めるのだった。
729ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:25:42 ID:6zA5C9lQ
 ――地球


 父、大門勇の完成させた犯罪捜査ロボット・ザボーガーを駆使して悪の組織、秘密殺人強盗機関Σ団を壊滅させた秘密刑事大門豊。
 彼はその後、古代ドラゴーン人の神とも呼ばれた魔神三ッ首率いる謎の恐竜軍団との戦いにも勝利を収めた。
その戦いによって魔神三ッ首とザボーガーは、魔神の秘密基地で壮絶な爆発の最後を遂げたはずだった。

「どうもおかしなことがあってね」

 Σ団、そして恐竜軍団との戦いをともに勝ち抜いた中野刑事がその日姿を見せたのは、魔神秘密基地の爆発後の調査結果を告げるためだった。

「竜面隊や王女メザ、悪魔ハットの遺体は発見され、検死に回された」

 最初から、竜の顔をした恐竜軍団の兵士たち、そして三ッ首の巫女と呼ばれた謎の女、人間を裏切って三ッ首に従った元科学者である。

「そこにもおかしい点があるが、先に大門君が気になっていることからだな」

 大門は頷いた。
 気になることというのは他でもない、ザボーガーのことである。実は、この調査の数日前に奇妙な事件が起こっている。
 大門の自宅に安置されていたはずのザボーガーヘルメットが消え失せたのだ。
同時に、マシンバッハの搭乗者であった松江健の手元からも、バッハ用のヘルメットが消えたという連絡があった。
 さらに、恐竜軍団との戦いの前に大門との因縁の決着を付けた秋月玄が、マシンホークとともに行方不明となっているのだ。
 ここまでの状況が揃えば、爆発後に埋まっているはずのザボーガー、正確にはマシンバッハと合体したストロングザボーガーが気になるのは当然だろう。
 しかし、中野刑事は言う。

「ストロングザボーガーは破片一つ見つかっていない、それに……」

 さらなる言葉に、大門は色を失った。

「魔神三ッ首のモノと思われる遺体も見つかってはいないんだ」
「どういうことです! 中野さん!」
「調査は続けている。もしかすると、ダイモニウムを含んだ爆発で文字通り木っ端微塵なのかも知れない」
「しかし、そんなことが……」
730ゼロと電流 第十六話:2010/06/12(土) 11:26:28 ID:6zA5C9lQ
 唇を噛みしめる大門は、すぐに別の事実に気付いた。

「王女メザと悪魔ハットの遺体のおかしい点とは?」
「ああ、正確にはメザのほうだが、大門君、メザの髪の色を覚えているかい?」
「ええ。紫色でした」
「それが、薬品によるモノらしい」
「髪を染めていた?」
「いや、内服薬の影響だ。どうやら、ある種の精神に作用する薬、もしかすると彼女は洗脳されていたのかもしれない。それに……」

 言いよどむ中野を、大門は詰問する。

「はっきり言ってくださいよ。多少の無茶は慣れてます」
「ああ……もしかすると、彼女は人間でないのかも知れない。すくなくとも我々の知っている人種ではない」
「どういうことです?」
「彼女の髪の色は、知られている限りの人類にはいない。青だったんだ」
「青い髪?」
 

 同じ頃、トリステイン魔法学院の背後に広がる森の中で……

「……きゅい。なんだか、とても嫌な予感がするの。お姉さま、気を付けるの。シルフィたちはね、ドラゴーンの伝説を知ってるの。
とっても怖い三ッ首の竜がいるの……語ることすらはばかられる……」
731ゼロと電流:2010/06/12(土) 11:33:28 ID:yEMl5CO2
以上。
さるなので携帯で急遽書きます
732名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 11:34:36 ID:mN/c72O9
支援
733名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 16:58:07 ID:v13gMknH
遅れたけど、パラベラムの人、萌え萌えの人、電流の人、乙でした――ッ!
734名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 17:53:43 ID:FikrA6FJ
おつおつ。
735名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 19:34:33 ID:uAf/avbH
まとめwikiに虚無と真理がないから1話から見られん…
7話の続きはあるよな? 期待しているぜ真理の人
736名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 19:40:34 ID:VAF3ddvV
>>735
既に撤退してる。
737名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 20:19:15 ID:DMgCpVit
勝手に暴走して撤退したな

どっかでやるみたいなことは言ってたような
738名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 20:27:45 ID:mp+rV9yN
>>731
すげー! 王女メザってハルケギニア人(ガリア王家の者)だったのか!?
クロスオーバーならではの正体ですね。
シエスタとイザベラのこれからも楽しみです!
739名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 22:06:00 ID:oO53UY6M
>勝手に暴走して撤退したな

kwsk
楽しみにしていたのに最近更新がないと思ったら撤退していたのか……orz
嵐のように来て嵐のように去っていった作品だったな。
740名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 22:21:06 ID:sZacW//r
それはシャレか天然か
741名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:08:37 ID:7gy7w8cR
 「とっても! ラッキーマン」よりラッキーマン召喚。
 虚無のルーンの中では比較的他力本願っぽいヴィンダールヴなら
「動物が助けてくれてラッキー!」でキャラ崩れなさそう。
742名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:14:10 ID:uAf/avbH
ブレイブストーリー・鋼の・時の・そして新たに真理…
気になる作品に限って停止・撤退するのは何故なんだ
743ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:38:01 ID:yr6s4IfJ
 こんばんわ。

 先日、明け方頃に生まれて初めてのこむら返りを体験しました。
 アレって結構キツイですね。

 さて、他にご予約の方がいないようでしたら、23:45より第49話の投下を行います。
744名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:41:07 ID:4gMM7jrC
事前支援
745名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:41:31 ID:DAiUESn+
序盤で止まるパターンは被召喚側のネタを一気に出しすぎてる事が多い感じ
いきなりワルキューレに大技ぶちかますような展開だとそりゃネタ切れ起こすよ
あの辺りは鱗片を垣間見せる程度で十分なはずなのに
746名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:44:12 ID:mN/c72O9
年食って足攣り始めるのは糖尿の兆しなんだぜ
747ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:45:00 ID:yr6s4IfJ
 ラ・ヴァリエールに帰省したルイズが家族への挨拶を済ませ、ユーゼスに命じて荷物を自分の部屋まで運ばせた後。
(初心に戻ろう)
 部屋で一人になって、最初に思ったことがそれだった。
 さまざまな事件や戦争、自分の置かれた立場の変化などが怒涛のように押し寄せてきたのですっかり忘れていたが、元々自分は立派なメイジに、そして立派な貴族になりたかったのだ。
 ついでにユーゼスも見返したい。
 いや、見返すと言うよりは認めさせると言うか、悔しがらせると言うか。
 アレが姉とくっつくかどうかはまだよく分からないが、最終的には『御主人様を選んでおけばよかったか』くらいは思わせてやらないと気が済まない。
(そう言えばわたし、前はユーゼスのことを屈服させるとか言ってたっけ)
 ……まあ、これもある意味では屈服みたいなものか。
 だったらあの頃の自分のためにも、ここは自分を磨く努力をしなくてはなるまい。
「さて」
 そんなわけで、特訓である。
 修行と言い換えてもいい。
 ……だが、あいにくと自分の系統は『虚無』。
 『火』、『水』、『土』、『風』のような通常の系統とは、呪文も性質も精神力の使い方も違うときた。
 つまり普通のメイジみたいな修行方法は意味がない。
 って言うか、そんな修行は『虚無』に目覚める前にさんざんやり尽くしていた。結果もさんざんだったが。
 と、なると。
「自己流でやるしかないってことになるんだけど……」
 手っ取り早いのは『虚無』の呪文を色々と試してみるということだが、デルフリンガー曰く、その呪文が書かれている始祖の祈祷書は『必要があれば読める』らしい。
 つまりそれは『必要にならないと読めない』ということであって。
「……必要な時って、どんな時よ?」
 何だそりゃって感じである。
 『虚無』を大っぴらに知らしめるわけにいかないというのはルイズにも分かるが、ちょっと不親切すぎやしないだろうか。
 普通はまず『手段』が最初にあって、それを『状況』に応じて使い分けるはず。
 なのにこの祈祷書だと『状況』が最初にあって、それに応じて『手段』を提示されるという形になっている。
 最初から何でも出来る方がいいに決まってるのに、どうしてそうしなかったのだろう。
 この本を書いた始祖ブリミルって、もしかしてバカなんじゃないのか。
 わたしの先祖なのに。
 ……いや、わたしの先祖だからバカなのか。
 …………まあいいや、うん。
「とにかく、よ」
 新しい呪文が期待出来ない以上、今ある呪文に磨きをかけるしかない。
 『エクスプロージョン』と『ディスペル』。
 この二つのうち、汎用性が高いのは『エクスプロージョン』だろう。
 『ディスペル』の方には魔法を無効化するという対メイジ戦においては反則みたいな効果があるが、逆に言うとこれは『魔法を使う相手』がいないと意味がない。
 つまり使う場面が多いのは『エクスプロージョン』ということになる。
「うーん」
 で、使うのはいいのだが、問題はその使い方だ。
 一番最初にタルブで使った時みたいに全力で放出するのは、賢い使い方とは言えないだろう。
 そして、あの時にアルビオン艦隊を壊滅させた時の『エクスプロージョン』は人の身体には何の影響も与えず、艦隊を炎上させ、艦に積んでいた風石を消滅させたという。
 自分では特にそういうことを意識したつもりはないのだが、とにかくあの魔法は攻撃対象の取捨選択が出来るようだ。
 これらの点を踏まえた上で、自分が目指すべき『エクスプロージョン』の使い方は、
「出来るだけ少ない精神力になるように節約して、自分の意思で攻撃したいものだけを攻撃する……ってところかしら」
 こういうことになるだろう。
748ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:46:30 ID:yr6s4IfJ
 そんな結論に至った翌日、ルイズは一人で中庭に来ていた。
 昔は落ち込んだり泣きたいことがあったら、よくこの中庭にある池で小船に乗ってひとしきり泣いたものだったが、今は泣くために来たのではない。
 修行のために来たのだ。
 ……ちなみにユーゼスに声をかけていないのは、何となく声をかけたくなかったからである。
「よいしょ」
 ルイズは持って来た鞄を開け、中に入っていた白い紙の束から10枚ほどを取り出した。
 その中の1枚を無造作に取り出すと、何回か折り目をつける。
 折り目をつけた紙を広げてまた10枚の紙の中に戻すと、それを適当な地面の上に置き、風で飛ばされないようその辺に転がっていた赤い石で重しをする。
 そして詠唱。
「エルオー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ……」
 で、発動。
 一瞬、チカッと10枚の紙が……もっと正確に言うと10枚の中の1枚が光る。
 重ねた紙の中にある1枚だけが光るというのも、何だか変な光景だった。
「それで、どうなってるのかしら……と」
 ルイズは重しがわりの赤い石をどけて紙をまとめて手に取り、その枚数を数えた。
 1、2、3、4、5、6、7、8、9、……9枚。
 折り目を付けたはずの紙だけが、きれいさっぱり無くなっている。
 いや、自分が消滅させたのだ。
「なるほど」
 対象の取捨選択というのは、こんな感じか。
 今は『折り目をつけた紙だけを消滅させる』ことをやってみたが、逆に『折り目をつけた紙だけを残す』ことだって出来るだろう。
「初歩の初歩の初歩ってだけあって、応用範囲が広いみたいね。
 あ、そう言えば……」
 ルイズは始祖の祈祷書の前文に“『虚無』は系統魔法が干渉する小さな粒よりも、もっと小さな粒に干渉する”とか書かれていたことを思い出す。
 と言うことは、やろうと思えば砂粒よりもずっとずっと小さく、目に見えないほど微細な傷とかを付けることも出来るのだろうか。
「ふぅん?」
 何だか面白くなってきた。
 こんなにやる気が出てきたのはいつ以来だろうか。
 ―――なお、これはルイズ自身も気付いてはいないのだが。
 生まれてからつい最近まで一つの魔法もロクに扱えず、『ゼロ』と呼ばれ続けてきたルイズにとって、これは初めての『まともな魔法の修行』であり。
 そんな少女にとって『自分の魔法』をアレコレと実際に試し、試行錯誤することの出来るこの時間は、この上なく充実した瞬間でもあった。
「よぉし、目標はユーゼスを驚かせることよっ!」
 高いのか低いのか判断のつきにくい目標を掲げ、ルイズは修行に勤しむのだった。
749ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:48:00 ID:yr6s4IfJ
 一方その頃。
 ルイズの使い魔は、主人の次姉の肌をまさぐっていた。
「んっ……」
「…………ふむ」
 キメが細かく染みの一つもない綺麗な背中を撫でさすり、銀髪の男は神妙な顔をする。
 ユーゼスも週に二回の診察を繰り返すうち、耳を直接肌につけなくとも心拍の様子が分かるようになってきていた。
「それにしても驚いちゃいました。ルイズったら、この前に見たときと全然雰囲気が違っているんですもの。どこのレディかと思っちゃったくらい」
「そうか? 私にはよく分からんが」
 今では診察中に、こんな世間話すら出来るほどである。
「……ユーゼスさん。ルイズと何かありました?」
 平静な様子で尋ねるカトレア。
 若干妙なニュアンスが含まれているようにも感じたが、気のせいか……などと思いつつ、ユーゼスもまた平静に受け答えをする。
「いや、特にない」
「じゃあ気付いたこととか」
「そうだな……酷く落ち込んでいて、つい最近それから立ち直ったことくらいだな。何に落ち込んで、どうやって立ち直ったのかまでは知らないが」
「ふぅん……」
 するとカトレアは、どういうわけか全く違う角度からユーゼスに質問をぶつけた。
「それじゃあ、エレオノール姉さまとは何かありましたか?」
「む」
「あら、どうしました?」
「……なぜそこでエレオノールの名前が出る?」
「何となく、です。
 それで、どうなんですか?」
 ヴァリエール家次女は肌をさらし、かつ触れられつつも、その触れている男に対して追及の手を緩めようとしない。
 そう言えば、以前には自分とエレオノールとの間にあったことを根掘り葉掘り聞こうとしていた。
 あの時は確か『エレオノールを名前で呼ぶようになった』あたりで終わっていたが、もしかしたらこの診察が終わったらその続きを要求されるのだろうか。
 まあ、何にせよ、問われたからには答えねばなるまい。
 ―――エレオノールと何かあったか。
 賊に襲われそうになったところに乱入したりだとか、触れられそうになったりしたら非常に不愉快になったりだとかはあった。
 とは言え、彼女との間に何かあったかと聞かれると……。
「具体的には何もないな」
「…………。そうですか、『具体的には』何もなかったんですね?」
「うむ」
「なら、いいです」
 何だろう。
 そんな要素はどこにもないはずなのに、妙に空気が緊迫しているような錯覚を覚える。
(……まあいい、今は診察を優先させよう)
 ユーゼスはあらためて手先に意識を集中させ、カトレアの鼓動を感じ取る。
750ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:49:31 ID:yr6s4IfJ
 経過は、取りあえず順調だ。
 ―――順調に不安定だ。
 相変わらず心拍のリズムは一定せず、強弱も上下し過ぎている。
 体温も前回は上がり過ぎたかと思えば前々回は下がり過ぎ、そして今回は若干高い。
「……………」
 少なくとも健康ではないことは確かと言える。
 分かっていたことではあるが。
「終わったぞ」
「はい」
 ユーゼスに声をかけられ、カトレアはいそいそと服を着る。
 なお、服の着脱の最中にはユーゼスも目を逸らすことにしていた。
「どうでした?」
「ああ、相変わらず悪い」
「……………」
 キッパリと『お前の身体の調子は良くない』と告げるユーゼス。
 しかしカトレアはそんな言葉に動じた様子もなく、
「そうですか」
 微笑みながらそれだけを言って、会話を一段落させる。
 エレオノールを始めとするカトレアの家族が聞いたら耳を疑いたくなるようなやり取りだったが、この二人の会話はいつもこのような感じだった。
「……でも、変な感じですね」
 ポツリと告げられたカトレアの呟きに、ユーゼスが反応する。
「何の話だ?」
「私はこうして診察を受けて『身体が悪い』って言われて、ラ・ヴァリエールから出ずに安静にしてるのに……空の向こうじゃ元気な人たちが戦を起こして、今こうしてる間にもたくさんの人が死んでいってるかも知れないんでしょう?」
「今は降臨祭とやらの最中なので休戦しているらしいがな」
「あら、そうでしたっけ」
 セリフの間違っている点を指摘され、カトレアは苦笑する。
 しかし、すぐに遠くを見つめるような目になって、
「……もし死んだら、どうなるんでしょうね」
 そんなことをポツリと呟いた。
「やっぱり魂がヴァルハラに召されて、そこで過ごすことになるのかしら」
 カトレアの身体が弱いことは、彼女と少しでも関わりを深くした者ならば誰でも知っている。
 多くの人間に比べて、『死』の近くにいた彼女。
 ユーゼスが聞いた話によれば、カトレアは子供の頃は今よりももっと状態が不安定だったらしい。
 ……今はある程度安定しているものの、またいつ危険に見舞われるか分かったものではない。
 『死』や『命』というものについて考えることは数多くあっただろう。
 そして、そんな薄命の美女に対してユーゼスは、
「下らんな」
「え?」
「人は死ねば消滅する。ただ、それだけのことだ」
 身も蓋もないことを言うのだった。
751ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:51:01 ID:yr6s4IfJ
「……………」
 ポカンとするカトレア。
 だが、数秒後にはその口から笑みが漏れ出した。
「ふふっ、うふふっ……。
 それもそうですわね。……ふふふ、『死ねば消滅する』かぁ。ええ、そうよね。結局死んだ後のことなんて、誰にも分からないんだから」
 カトレアは、さもおかしい話を聞いたかのように笑い続ける。
「何がそんなにおかしい?」
「だってユーゼスさん、現実的過ぎるんですもの。普通はそう思っていてももう少し柔らかく言うか、何も言わないかでしょう? だから油断しているところを不意打ちされちゃいました。
 ……ええ、あなたって本当に面白い人だわ」
 くすくすと笑うカトレアに対し、不可解そうな顔をしながらユーゼスは言葉を続ける。
「私は死んだ人間に興味が持てないだけだ」
「あら。じゃあ……もし私が死んでも、そう言い切られちゃうのかしら?」
「……………」
 今度はユーゼスが不意打ちされる番だった。
 この女の命が短いことは分かっている。
 おおよそ三年。
 もう少し正確に言うと三年未満。
 これが自分が算出した、この女の残り時間だ。
 あるいは突発的な事件などが起これば、もっと短くなる可能性もある。
(……………)
 カトレアが死ぬという事実を、あらためて考える。
 もうこうして話すことも出来なくなる。
 もしそうなったとしたら、自分は……。
「……さてな。実際にお前が死んでみないことにはどうとも言えん。割り切っているつもりでも、意外にショックが大きくて立ち直れなくなるかも知れないが」
「まあ、そこまで私のことを思ってくれてるんですか?」
「…………私にも分からんよ」
「うふふ。だったら嬉しいんですけどね」
 悲愴感すら漂いそうな会話の内容にも関わらず、カトレアは笑っていた。
 大物なのか、達観しているのか……あるいは自暴自棄にでもなっているのか。
 自分の場合はもう二回死んでいるので『今更死ぬの死なないのでどうこうするのも馬鹿馬鹿しい』といった感じなのだが、カトレアの場合はこれとは違うだろう。
 では何なのか。
(ふむ)
 興味はある。
 だが、これ以上はこの女の内面に深く踏み込むことになるはずだ。
(私は……そんなことが出来るのか? いや、してもいいのか?)
 自分は異形の仮面を被り、素顔を隠して生きてきた。
 それは、偽りの素顔を嫌ったからであり。
 素顔を隠すことで、自分の弱さを隠すためでもあった。
 そんな人間が、他人の弱さ……かどうかは分からないが、少なくとも今まで隠れてきた部分に触れようとしている。
 ―――傲慢を通り越して、滑稽とすら言えよう。
(やれやれ……)
 どうもカトレアといると、お互いの精神性を探り合うようなやりとりをしてしまう。
 何とも疲れるコミュニケーションだ。
 こういう場合エレオノールなら『何を考えてるのか教えなさい』という感じで良くも悪くもストレートにやるだろうから、こっちとしても分かりやすいし、やりやすい。
 ……もっとも、だからと言ってエレオノールとのコミュニケーションが簡単かと言うと、そうでもなく。
(ある意味、私にとって最も厄介な存在かも知れんな。この姉妹は……)
 何気にルイズのことを忘れつつ、そんなことを思うユーゼス。
 そのようにして内心で色々な思考を渦巻かせていると、カトレアがまた問いを投げかけてきた。
「そうだ、ユーゼスさん。いい機会だから聞いておきたいことがあるんですけど」
「……今度は何だ?」
「私、母親になれますか?」
752ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:52:30 ID:yr6s4IfJ
 あらゆる意味で、物凄い質問である。
 カトレアの身体の状況。
 仮に子供を作るとして、その相手の問題。
 この質問をユーゼスに告げたという事実。
 ユーゼスはこれらの意味に気付いているのかいないのか、少なくとも言葉の上では何気ない様子で確認の問いを行う。
「欲しいのか、子供が?」
「んー……私、死ぬ前に一度でいいから赤ちゃんを産むことが夢ですし」
「―――――」
 ユーゼスはカトレアの身体を眺めつつ、頭の中で『カトレアが出産に至るまでの過程』をシミュレーションする。
 そして導き出された結論は、
「無理だな」
「あら」
 実に簡潔かつ、素っ気ないものだった。
 だがカトレアはそれに動揺した様子もなく、平静にユーゼスと会話を続ける。
「一応聞いておきますけど、それって私が赤ちゃんを産んだら命が縮まるってことですか?」
「いや、違う」
「じゃあ、どういう―――」
「……順序立てて話すか」
 ユーゼスもまたカトレアを哀れむような素振りなど全く見せず、彼女の家族たちに聞かれたら殺されてもおかしくないようなことを平静に話した。
「まず性交する時点で、お前の身体にとってはかなりの負担となる。さすがに死にはしないだろうが、行為の最中にかなり危険な状態となるのは間違いない。
 そのような状態で続けられるのか、というのがまず問題だ」
「……………」
「次に性交が無事に済み、妊娠したとしての話だな。その場合は胎児が出産に適した頃合に成長する前に、それを育てるお前の身体が持たずに……」
「持たずに?」
「死ぬ」
「……………」
「『絶対に』と言うほどではないがな。しかし、かなりの高確率で死ぬのは確かだろう。
 ……そして、幸運の上に幸運が重なって出産に至ったとしても、その出産のショックでほぼ間違いなくお前は死ぬはずだ」
 これでお前が生きていたら奇跡だな、と持論を結ぶユーゼス。
 その顔には、逡巡も同情も浮かんではいない。
「…………。言いにくいことをハッキリ言いますね」
 一方のカトレアは、自分の望みをほぼ完全に否定されたことに悲嘆するでも怒るでもなく、ただそれを告げた男に対して驚きと感心が入り混じったような眼差しを向けていた。
「む? 曖昧な言葉でどうとでも取れるように表現するとか、当たり障りのないように遠回しに言った方が良かったか?」
「いいえ。……まあ、昔は生理のたびに割と本気で死に掛けてましたから、何となくそんな気はしてました」
「ほう」
「今は大分マシになったとは言え、初潮が来てからしばらくは……出血の量は凄かったですし、お腹の中はぐちゃぐちゃに掻き回されるみたいになりますし、頭痛や吐き気は酷かったですし、高熱も出るしで大変だったんです。おまけに周期もかなり不安定でしたから」
「だろうな」
 ユーゼスは、ともすれば生々しくすらあるカトレアの独白をアッサリと受け入れ、またアッサリとリアクションを返す。
 カトレアの方もそれは承知の上らしく、またいつもの調子で会話を進め始めた。
「でも酷い人ですね、あなたって」
「そうか?」
「そうですよ。……確かに『ハッキリ言われて良かった』っていう気持ちはありますけど、同時に『ハッキリ言われたくなかった』って気持ちもあるんです」
「しかし、そうしなければしないで不満を持つのだろう、お前は?」
「もちろん」
 イタズラっぽく笑うカトレア。
 こういう『今の気持ちを包み隠さない』ところは、この女の長所かも知れないとユーゼスは思う。
753名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:53:04 ID:4gMM7jrC
支援
754ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:55:00 ID:yr6s4IfJ
 そして笑った彼女につられる形でごく薄くではあるが笑みを浮かべ、少ないボキャブラリーを駆使して彼女のそんな長所を褒めた。
「フッ……私はお前のそういう点は嫌いではないよ」
「あら」
 するとカトレアは顔を赤らめ、照れつつも嬉しそうな顔になってその『褒め言葉』に反応した。
「まあまあ。もしかしたら私、口説かれてるのかしら。
 ……うふふっ。私ってけっこう単純ですから、本気にしちゃいますよ?」
「ふむ」
 今のは口説いたことになるのか、などと考えるユーゼス。
 しかし嫌いではないのは本当であるし、否定のしようはない。
 ではどうするべきだろう。
(……『口説いたわけではない』とでも言うか)
 そう決めて、カトレアに対して口を開こうとする。
 だが、その時。
「コ……ホッ。……!」
 カトレアが咳き込み始めた。
 彼女はそれを感知するのとほぼ同時に慌てて口元を手で押さえ、ユーゼスから離れようとする。
「む?」
 ユーゼスが状況を理解するよりも早く、彼女の咳き込みは激しさを増していった。
「ゴ……ッ、ッハ、ゲホッ、ァ……ッ!!」
 そして数秒もしないうちに。
 ごぼ、と。
 カトレアの口から、血が吐き出された。
「ッ……!!」
「カトレア」
 そんな光景を目にしようとも、ユーゼスはあくまで冷静なままでカトレアの様子を見るべく歩みを進める。
 しかし。
「……っ、み、見ないで……近付かないでっ!!」
 カトレアの口から大量の血液の次に放たれたのは、拒絶の言葉だった。
「ぅ……っ、く……!」
 呼吸が乱れ、顔色が蒼白になりながらも『絶対に見られたくない』とばかりに後ろを向き、顔を伏せるカトレア。
 ―――その振り向く瞬間。
 わずかではあるが、彼女の瞳には涙が浮かんでいた。
「……そこまで避けることもあるまい。私がお前の吐血する光景を見て、お互いに何か不利益をこうむる訳でもないだろう」
「こうむるん、です……っ!」
 ユーゼスがどれだけ近付こうとしても、頑なに拒否されてしまう。
 数日前までの、部屋に閉じこもっていたルイズを髣髴とさせる頑固さだ。
「……………」
 近付くことが出来ないので、ユーゼスはせめて今のカトレアについて思考を巡らせることにする。
(吐血か)
 ……考えてみれば、おかしな話だ。
 ユーゼスがこうしてカトレアに対して診察を行うようになってから、それなりに時間も回数も経過している。
 常日頃から虚弱だの病弱だの言われていて、本人に問診しても『たまに血を吐きます』などとも言われている。
 だと言うのに、自分がカトレアの吐血を見るのは、これが初めてなのだ。
 たまたまそのタイミングに居合わせなかった……と考えるのが自然ではあるが、それにしても自分の前での吐血の頻度が少な過ぎはしないだろうか。
「……………」
 カトレアが今まで自分の前で吐血しなかった理由を考えてみる。
 そして、すぐに一つの仮説に行き当たった。
「…………。カトレア」
「っ」
 びくん、とカトレアは肩を振るわせる。
 相変わらず背を向け、顔を伏せたままなので彼女の表情は分からない。
 それでもその震える声から、彼女が今どのような感情を抱いているのかは予想がつく。
「ユ……ユーゼス、さん……」
755ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:56:30 ID:yr6s4IfJ
 恥じ入り、と言えば少々聞こえが良過ぎるだろうか。
 とにかく見られたくない、今すぐにユーゼスの視界から消えたいという空気がひしひしと伝わってきた。
「お……お願いします、ユーゼスさん。部屋から出て……」
 だが、ユーゼスはそれを感じた上で、どこまでも『ユーゼス・ゴッツォ』らしく、無遠慮に質問を投げかける。
「カトレア。二つほど質問をさせろ」
「え?」
「……お前は薬を服用するかして、私の前で吐血をしないようにあらかじめ対策しておいたな?」
「!」
 思いついた時点で、ユーゼスはこの仮説を否定していた。
 突拍子がないと言うか、何の意味があるのか分からなかったからだ。
 とは言え、そう考えれば色々と辻褄は合う。
 例えばこの吐血の量。
 日常的に血を吐いているにしては少々多過ぎるが、これを『本来のタイミングで出るはずだったものを、無理矢理に押さえ付けていた反動でここまで大量に出た』とすれば……。
「…………っ」
 ますます深く顔を伏せるカトレア。
 ユーゼスはその態度を肯定と受け取り、二つ目の質問をぶつける。
「……それほど血を吐くところを私に見られたくなかったのか?」
「―――――」
 ここでユーゼスがもう少し女性の心の機微に敏感であったならば、『異性の前で大量の血を吐き出す』ということの意味について考えを至らせることが出来ただろう。
 鈍感さというものは、時に人を傷つける。
 もっとも、それを理解していないからこそ鈍感とも言えるのだが。
「なぜそこまで忌避しているのかは分からないが……」
 女性の心理など、この男にとっては極めて理解のしにくい事柄である。
 だから、ユーゼスはあくまで『一個人』に対する言葉をカトレアに向けた。
「……お前の身に何が起ころうと、お前が何をしようと、お前がお前自身であり続けるのならば……私はお前のことを『カトレア』として変わらずに接するつもりだ」
 それはユーゼス自身のこと。
 宇宙刑事ギャバンと共に地球に派遣された、バード星人の科学者。
 地球防衛軍TDF、その地球環境再生計画に従事する科学者。
 地球のレーダー網を壊滅させた、大気浄化弾の開発者。
 バディム、およびネオバディムの首領。
 全能なる調停者を目指す者。
 ウルトラマンを追いかけ、取りあえずは追いつくことが出来た者。
 そして今は、少女の使い魔。
 全ては同一人物だ。
(……………)
 紆余曲折を経た末にここに存在しているが、その課程で何度も自分を見失った。
 ……もし、自分の中に最初から揺るぎのない自我や人格が存在していたなら。
 きっと違った課程、違った結果になっていたはず。
 その後悔と経験則とを言葉に込めて、ユーゼスはカトレアに告げる。
「だから……お前はお前のままでいろ、カトレア」
「……………」
 返事はない。
 まあ、何かの返事を期待して喋ったわけでもないのだから、別に構わない。
「……使用人は呼んでおく。後始末はその者たちにやらせろ」
 それに、これ以上余計な深入りをして、より拒絶されるのも望ましくはない。
 だからユーゼスはカトレアの部屋を出ることにして……。
「それではまた会おう、カトレア」
「……………」
 去り際に、そんな言葉を残す。
 その時のユーゼスには『カトレアには会おうと思えばいつでも会える』という考えがあったのだが……。
 しかし、その日の内にカトレアは『気分が優れない』という理由で部屋から一歩も出ないようになり、また必要最低限の人間しか部屋に入れないようになってしまった。
756ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/12(土) 23:58:00 ID:yr6s4IfJ
「……で」
 同日の夜。
「そんなことがあったせいでちい姉さまの気分を悪くしちゃって、何だか気まずくなっちゃったから、わたしに何かアドバイスして欲しい―――と、こういうわけね」
「理解が早くて助かる」
 ユーゼスは『自分と最も身近かつ親しい女性』であるところのルイズの部屋に行き、事の次第を報告した上で助言を求めていた。
 本来ならばエレオノールに聞いておきたいところだったのだが、このラ・ヴァリエールにいないのならば仕方がない。
 最善の策が使えないのならば、次善の策を使うまで。
 それに、ルイズは家族の中で特にカトレアと親しかったという。
 きっと何らかの有益なアドバイスをもたらしてくれるに違いなかった。
 ―――しかし、この話をした途端、ルイズの顔の筋肉が不自然に引きつりだしたのは何故なのだろう。
(私がカトレアの機嫌を損ねたことが不愉快なのか……?)
 憧れを抱いている次姉の気分を悪くしたとなれば、確かにそれは不愉快だろう。
 だが、その次姉の気分を改善させるためにも、今はルイズのアドバイスが欲しいのだ。
「…………ちょっと待ってなさい」
 ルイズは大仰に天井を仰ぐと、おもむろに立ち上がって歩き出す。
 そして机の上に置いてあったワインの瓶を手に取り、中身をグラスに注いで、それを飲み干した。
 とくとくとく。
 ごっきゅごっきゅごっきゅ。
 ……ぷはぁっ。
「多量の飲酒は身体に悪影響を及ぼすぞ、御主人様」
「…………。ユーゼス、覚えときなさい」
「む?」
「女の子にはね、飲まなきゃやってられない時ってのがあるのよ」
「……そうなのか」
「そうなの」
 微妙にイラついた顔でユーゼスにそんなことを言い聞かせるルイズ。
 彼女はグラスを机の上に戻すと、あらためて椅子に座りなおして会話を再開させた。
「―――さて。アンタが一つだけ賢くなってくれたところで、ちょっと確認したいことがあるんだけど」
「何だ」
 ルイズは少しだけためらった素振りを見せたあと、意を決したように問いかける。
「……アンタの中だと、ちい姉さまってどういう位置にいるのよ?」
「?」
 よく分からない問いだった。
 唐突に『位置』などという単語が出て来ても、何が何やらサッパリだ。
 なので、その意味を問い返す。
「……何のことだか分からないのだが」
「あー……、ちょっと分かりにくかったかしら。ええと、アンタから見てちい姉さまは……これも違うわね。何て言うか、アンタにとってちい姉さまってどういう存在なの?」
「む……」
 どういう存在、と聞かれても困る。
 カトレアはカトレアであって、それ以外ではなく。
 いや、このルイズの質問は、自分がカトレアにどのような価値や意味を見出しているのかということのはずで。
 それが何かと聞かれれば。
(…………何だろうか)
 診察する者とされる者という、事務的な関係だけではないことは確かだ。
 そう、それだけではない。
 しかし、その『それだけではない』……『それ以外』とは、一体何なのか。
「……………」
 明確には言葉にすることが出来ないと言うか、してはいけないような気がする。
757ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/13(日) 00:00:30 ID:Zz7giGvk
 一方、そんな風に考え込んでいるユーゼスに対し、ルイズはゲンナリした様子で更に問いを重ねた。
「……じゃあ、エレオノール姉さまは?」
「む、う……」
 エレオノール。
 これもまた難しい。
 いや、カトレアについて考える以上に難しい。
 彼女のことをこうして考えると、何だか、こう、ふつふつと名状しがたい感覚やら感情やらが生じてくる。
 この感覚は何なのか。
 ……いや、待て。
 そもそも御主人様は自分の感情などには全く触れていない。
 問題なのは『自分にとってエレオノールがどういう存在なのか』ということで、それはつまり……。
「ぐ…………ぅ、ぬ……むぅ…………」
 小さく唸り声を上げながら、真剣に悩み始めるユーゼス・ゴッツォ。
 そんな使い魔を見て、主人たる少女は若干やさぐれ気味に言葉を放つ。
「……あー、はいはい。大体分かったわ」
「何?」
 まだ質問に答えていないどころか、その答えすら明確にしていないと言うのに、一体どのようなことが分かったのか。
「はぁ……そうね。召喚されたばっかりの頃のアンタなら、こう聞かれても多分そっけない答えを返してただけでしょうし……。
 ま、アンタもこうしてわたしにアドバイスを求めるようになって、しかも悩むことが出来るだけ成長したってことなのかしら」
 呆れ。諦観。憂い。苦笑。
 ルイズはこれらが入り混じったような、実に複雑そうな顔を見せる。
 そしてもう一度ワインをグラスに注いで一気飲みすると、さっきまでの表情を忘れたかのような『いつも通り』の顔になってまた話を始めた。
「じゃあ、本題に入りましょうか」
「色々と引っ掛かる点はあるが……分かった」
 何となく腑に落ちないものを感じるが、今は取りあえずカトレアとの関係を円滑にすることが先決だ。
 ユーゼスはそう割り切ると、部屋の隅から椅子を取ってきてルイズの正面に腰掛けた。
「……いいこと? 古今東西、機嫌を損ねてしまった女性に対するフォローは大きく分けて三通りしかないわ」
「ふむ」
 出来の悪い生徒にものを教えるかのごとく、言い含めるようにして語るルイズ。
「つまり、言葉を使うか、身体を使うか、物を使うかなのよ」
「…………『言葉』と『物』は分からないでもないが、『身体』をどう使って機嫌をとるのだ?」
「うっ」
 途端にルイズの顔が赤くなる。
 はて。
 疑問に思ったことを素直に口に出しただけなのだが、そんなに変なことを聞いただろうか。
「え、えーと……」
 多少まごつきつつ、ルイズは回答を提示した。
「その……えっと、アレよ。ス、スキンシップ……とか? ほ、ほら、泣きじゃくってる子供とか、頭を撫でたりすると落ち着いたりするじゃないの」
「成程」
 ルイズはごほん、と咳払いをして気を取り直し、『授業』を再開する。
「……で、そもそも今回のアンタとちい姉さまの問題……ってほどでもないのかしら。とにかく関係がギクシャクしたのは『言葉』が原因だそうだし、余計にこじれるかも知れないから、これは使えないわね」
「うむ」
「『身体』は…………何て言うか、色々と問題がありそうなので却下」
「だろうな」
 カトレアはもう25歳。妙齢の女性である。
 そんな女性に対して、いくら何でも子供をあやすようにするわけには行くまい。
 ルイズとて、姉がそんな風に扱われるのは良い気分ではないだろう。
「……さすがのアンタも“何で『身体』がダメなのか”のカケラくらいは分かったみたいね」
「当然だ」
 微妙に意味を履き違えつつ、ユーゼスはルイズの『授業』に耳を傾ける。
「そうなると必然的に最後の『物』になるわけなんだけれど……」
「けれど、何だ?」
「……アンタ、何か女の人に対してプレゼント出来るようなものって持ってる?」
「無い」
758ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/13(日) 00:02:00 ID:yr6s4IfJ
「…………。まあ、そうでしょうね。
 それじゃあ何を送るのか、って話になって……」
 うぅん、と首をひねるルイズ。
「花……は何かユーゼスのイメージじゃない気がするし、服も領地の外に出れないちい姉さまにはあんまり喜ばれないような気がするし、食事も違うだろうし」
「ふむ」
「うぅ〜〜ん……。……ちょっと定番すぎる気もするけど、ここはアクセサリーとかの方がいいかしら?」
「アクセサリー?」
 要するに装飾品か。
 これまでのユーゼスの生涯において、一度も身につけたことのないものである。
 無理矢理にこじつけるなら、昔つけていた仮面やローブがそれに当たるのかも知れないが、アレのデザインコンセプトは『周囲の者に威圧感を与える』だとか、『自分自身が“人間”であることを意識させない』点にあった。
 ……と言うか、あの仮面がアクセサリーになるのなら、『アクセサリー』という言葉は随分と解釈の幅が広いものになってしまうだろう。
「……………」
 何にせよ、ユーゼスにとっては未知の分野だ。
 よく分からないモノをよく分からないまま手を出しても、ロクでもない結果しか生まないことはこれまでの経験で思い知っている。
 だが、御主人様は少なくとも自分よりはこの分野について詳しいはず。
 ここは素直に彼女の知識と知恵を……。
「じゃあ、ここからは自分で考えなさい」
「―――何?」
 ……借りようと思ったら、いきなり見放されてしまった。
 ユーゼスは途方に暮れつつ、なおも主人に助けを求める。
「…………唐突にそう言われてもな。これからどうすればいいのか分からないのだが」
「あのね、ユーゼス」
 ルイズは軽く溜息をつき、もはや『出来の悪い生徒にものを教える』と言うより『物分かりの悪い子供に言い聞かせる』ようにして話し始めた。
「これはアンタが原因で発生した、アンタが解決するべき、アンタの問題でしょう」
「……そうだ」
「それなら、どうしてこのわたしが何から何まで面倒を見なくちゃいけないのよ?」
「むう……」
 正論だ。
 確かに、本来ならこんなことにルイズが付き合う義理などほとんどない。
 何せこれはユーゼスの問題であるからして。
「ということで、わたしの役目はここでおしまい。あとはせいぜい頑張ることね」
「…………うむ」
 椅子から立ち上がり、部屋から出るべく歩き始めるユーゼス。
 ドアのノブに手をかけたところで、
「一応言っておくけど、安物で済ませようとするんじゃないわよー」
「分かった」
 そんなことを言われつつ、ユーゼスは御主人様の部屋を出る。
 ……ドアを閉める間際にルイズがまたワインの瓶に手を伸ばすのが見えたが、また『飲まなきゃやってられない時』とやらが来たのだろうか。
 まあ、ルイズの事情はともかく。
「厄介な事態になったな……」
 大まかな指針こそ立てられたものの、具体的には何も決まっていないに等しい。
 ならば、どうするべきか。
「…………、分からない……」
 しかし、ここですんなりと回答が出て来るようなら、そもそも悩んだりはしない。
「……………」
 かくしてユーゼス・ゴッツォは、女性の機嫌を治すべく頭を悩ませることになったのであった。


 なお、余談ではあるが。
 この翌日、ラ・ヴァリエールの中庭周辺に存在する『青い石』と『赤い石』は、どういうわけかその大部分が粉微塵に破壊し尽くされ。
 そしてその近くを通りがかった使用人は、少女の吼えるような叫び声を耳にしたという。
759ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/06/13(日) 00:05:05 ID:Zz7giGvk
 以上です。

 自分で書いておいてなんですが、今回はちょっと表現が生々しいというか、少しきわどい気がしますね。
 でもまあ、原作とかの少年少女のやり取りならともかく、一応は大人であるはずの年齢なんで、こういうことをやってみました。
 本当なら今回はプレゼントを渡して、ギーシュパートまで書きたかったのですが、それだと長くなりすぎるんですよねぇ。

 ちなみに大抵の人はプレゼントの内容は察しがついてると思いますが、この『プレゼントを渡す』ってアイディアを考え付いたのは少なくとも魔装機神のリメイクが発表される前のことなのです。
 ……ほ、ほんとだよ!?
 だってあの頃は魔装リメイクなんてまさか実現するとは思ってなかったんだもの!
 おかげでリメイク発売に便乗するみたいになっちまったぜ、チクショウ!!

 なお、カトレアの寿命その他に関しては完全に私のオリジナル&自己解釈ですので。
 一応、念のため。

 それと裏設定みたいなもんですが、カトレアがあのタイミングで血を吐いたのは、ユーゼスがおかしなことを言ったので興奮しちゃったからってことになってます。

 それでは、支援ありがとうございました。
760名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 00:09:30 ID:hfqbU+We
ラスボスの人GJ!
ルイズもユの字も初期に比べるとずいぶん心変わりしたな
てっきり洗脳されていくのかと思ったらそんなことはなかったぜ!
761名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 00:10:46 ID:UrkQwxVK
乙っしたー


さて容量チェックするか
762名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 00:17:39 ID:30+KTrnG
ユーゼスの人乙でした
ええ、もちろんあのメカニックの人を連想しましたよ
あ、だからあの時オリハルコリウムを…
763名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 00:22:26 ID:zTlorEV0
乙でした〜
鼻血がわりの吐血ってことですか確かにみられたくな(ry
764名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 00:38:25 ID:u4/4wdCH
次回wktk
765プッチ神父:2010/06/13(日) 01:09:20 ID:sL0LOYHm
この前は投下後、そして今回はその前。
これは引力の存在を信じざるを得ないッ!!
聖帝様がご投下になるぞーーーー!15分からだ!スレを明けろーーー!
766帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2010/06/13(日) 01:16:12 ID:sL0LOYHm
ラ・ロシェールから距離も高さも遥かに離れた場所に浮かぶ巨大な大陸。
通称『白の国』とも呼ばれるこの地こそ、遥か昔から続くハルケギニア三本の王権の一つアルビオン王家が治める地。
そのアルビオンも突如として起こった内乱により、最早王家としての対面を保っていないというのは周知の事実。
アルビオンが誇る王立空軍も王党派が保有する艦は僅かに一隻。
唯一残された拠点も、岬の先に造られたニューカッスル城を残すのみで、たかだか三百の貴族が守る城を、五万の軍勢が取り囲むという絶望的な様を迎えている。
そんな絶望的な状況に反して、城の中のホールの一角では、最後までアルビオン王家に付き従ってきた貴族が全て集まった華やかなパーティが行われていた。

「諸君。忠勇なる我が臣下の諸君に告げる。いよいよ明日、このニューカッスルに立て篭もった我ら王軍に反乱軍『レコン・キスタ』の総攻撃が行われる。
  この無能な王に、諸君らはよく従い、よく戦ってくれた。
 しかしながら、明日の戦いは、戦いではない。恐らく一方的な虐殺となるであろう。朕は忠勇なる諸君らが、傷付き、斃れるのを見るに忍びない」
老齢の王。アルビオン最後の王となるであろうジェームズ一世が、ホールに集まっていた最後の臣下に向けて演説を行いっている。
途中何度も咳き込んだが、足取りと言葉は揺ぎ無い物がある。
もう一度、臣下を見回すと再び演説を続けた。

「したがって、朕は諸君らに暇を与える。長年、よくぞこの王に付き従ってくれた。
 明朝、巡洋艦『イーグル』号が、女子供を乗せてここをはなれる。諸君らも、この艦に乗り、この忌まわしき大陸を離れるがよい」
五万対三百の篭城戦。
ニューカッスルに立て篭もる三百が全てメイジだったとしても、五万という物量の前には全滅は必死。
命に従い、離脱者が出てもなんら咎められるような事は無いのだが、この場の貴族達は誰も返事をせず、逆に一人の貴族が大声で王に告げた。

「陛下!我らはただ一つの命令をお待ちしております!『全軍前へ!退く事なく敵を討てと!』
 今宵、美味い酒のせいで、いささか耳が遠くなっております!それ以外の命令が、耳に届きませぬ!」
その言葉を皮切りに、次々と貴族達が杖を掲げ追従する。
皆が皆、この城で王家と共に滅びる道を選んでいるようだ。
まるで、燃え尽きる寸前の蝋燭のように、明るい宴だった。


第拾壱話『天翔十字鳳』


パーティ会場から少し離れた、真っ暗な廊下。
廊下の途中にある窓が一つ開いていて、そこから見える月を眺めている少女が一人居た。

「どうして、姫様が逃げてって……、恋人が逃げてって言ってるのに、どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶのよ……」
空に向け呟くと、その横顔を真珠のような涙が伝う。
アンリエッタの手紙には、ウェールズに亡命を勧めるような内容が書いてあるであろう事ぐらい、いくらルイズでも想像が付く。
なのに、あの皇太子は、決して敵わぬ敵と戦い果てていく道を選んだ。
いや、皇太子だけではなく、この城に残る全ての貴族がそうだ。
それなのに、明るく振舞う様子がとても悲しくて、ルイズは半ば逃げ出すようにして、パーティ会場から走り去ってしまっていた。

「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶ……分かってた、分かってたのに、なんでこんなに悲しいのよ……」
あれだけ、常日頃から自分でも思っていた事なのに、いざこうなると、このザマだ。
敵と戦い死んでいく道を選んだ貴族の心情は、分かるはず、分からなければならないはずだった。
だけど、こうしてみれば、直視する事もかなわず、涙が止まらなかった。

「あいつなら……、こんな時どうするのよ……」
遥か彼方。
今頃はトリステインの魔法学院で、一人偉そうに食事をとっていそうな男の事を思い浮かべる。
あの、傲岸不遜の男は、こんな時どうするのだろうと。
敵に背を向けないという所までは同じだろう。
だが、最初から死ぬ事を前提として戦うようなイメージが一切沸かない。
ただ単に、死にに行くのではなく、例え0.1%でも勝機があれば、それを力づくでも奪い取りに行く。
恐ろしいまでの執念と力によって、0.1%を無理矢理にでも何倍、何十倍、何百倍にもする事の出来る男。
それが、ルイズの見た、サウザーという名の帝王の姿だった。
767帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2010/06/13(日) 01:17:26 ID:sL0LOYHm
「こんな所に居たのか。急に居なくなる物だから、料理た酒が気に入らなかったのかと、皆、不安がっていたよ」
蝋燭の燭台を手に、冗談めかして話しかけてきたのは、ルイズが涙を流す原因になっているウェールズ皇太子その人。
微笑みながら言う姿を見て、またルイズの目から大粒の涙が零れ落ちた。

「……なんで、明日死ななくちゃならない戦いに出る前なのに、笑っていられるんですか!
 殿下だけじゃなくて、この城の貴族みんなが楽しそうに笑ってる。殿下は、死ぬのが怖くないんですか……?」
ウェールズを見て耐え切れなくなったのか、子供のように泣きじゃくりながらルイズが言う。
さすがに、大使とは言え、可憐な少女に泣かれて少々気まずくなったのか、ウェールズがルイズの頭を撫でると諭すように言った。

「ラ・ヴァリエール嬢。君が私たちの身を案じてくれているのは、よく分かっている。正直に言うと、私たちだって死ぬ事が怖くないわけじゃない」
「だったら!」
「守るべき物があるからこそ、我々に死の恐怖を忘れさせてくれるんだ」
「名誉?それとも王族としての義務ですか?それは、殿下を想う姫様より大切な物なんですか!?」
相手がウェールズである事も忘れ、感情のままルイズが言葉を吐き出す。
それでも、ウェールズはルイズが自分たちの身を案じてくれているからだと思い、優しい笑みを浮かべながら続けた。

「そうだな。大使としてではなく、アンリエッタの友人としての君には言っておこう。確かに、アンリエッタの手紙には亡命して欲しいと書いてあった。
 私の気持ちは昔から、ラグドリアン湖で、君がアンリエッタの身代わりをした時から変わっていない。だからこそ、亡命なんて事はできないのだよ」
「どうして……、姫様も殿下もお互いに愛し合っていらっしゃるのに……」
「私が亡命したりすれば、それはハルケギニア統一を掲げるレコン・キスタがトリステインに攻め入る口実となる。
 もし、私の存在のせいでトリステインとゲルマニアとの同盟が御破算になってごらん?君たちは一国で、奴らの相手をしなくならなければならない。
 トリステインが滅ぶかもしれない、アンリエッタが奴らに捕らえられてしまうかもしれないのに、亡命しようとは思わないのさ。分かってくれるかな、ラ・ヴァリエール嬢」
誰よりも、愛しているが故に、滅びる道を選ぶ。
そんな事を言われては、ルイズとて何も言えなくなる。
ぐしぐし、と涙を袖で拭うとウェールズの顔をただ見つめると、さっきとは違う不安がルイズを襲った。

それは、ウェールズの事ではなく、アンリエッタが背負う哀しみの重さ。
愛が深ければ深いほど、それを失った時の哀しみは深く重い。
あの誰よりもウェールズを愛しているアンリエッタが、それを失った時、哀しみに耐え切れるかどうかルイズは不安だった。

――こんなに苦しいのなら……悲しいのなら……!愛などいらぬ!!

誰よりも愛深かった少年が、非情の帝王へと至った第一歩。
サウザーは、己の手で師を斃してしまったが故に愛を捨てた。
ならば、レコン・キスタによってウェールズを斃されてしまったアンリエッタは、その復讐をするためだけに生きるようになってしまうかもしれない。
あの白百合と評された可憐なアンリエッタが、そんな生き方を選んでしまったら見ていられない。
考えすぎと言えば考えすぎかもしれない。
だが、ルイズにはどうしても、そんな事になるかもしれないという不安が、いつまでも頭の中をよぎっていた。


「さて、私はもう戻ろう。いつまでも席を離れていては、一人逃げ出したと言われてしまっているかもしれないからね」
一応、泣き止んだルイズを見て、幾分か安心したのかウェールズが言うとそう言えば、ワルド子爵に頼まれていた事を言っておくべきだろうと思い、続けた。
「ラ・ヴァリエール嬢。君たちの婚姻の媒酌は、私が努めさせてもらう事になったよ。だから、そんな顔を……?」
婚姻というルイズにとって大切な言葉を聞いても、何故かルイズは窓の外を見続けている。
不思議に思ったウェールズがルイズの顔をよく見ると、不安や悲しみを背負ったような表情ではなく、ただ一心に驚いた顔をしていた。

「で、殿下!あ、ああ、あれは!」
震える声で指刺すので、何事かとウェールズも窓の外を見たが、あまりの出来事に息を飲んだ。
768名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:17:36 ID:u4/4wdCH
支援! せずにはいられないッ!
769帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2010/06/13(日) 01:18:09 ID:sL0LOYHm
「馬鹿な……!今まで、こんな近くまで近付いてこなかった、いや、攻撃は明日の正午からだったはずだ!]
思わず声を出した先には、一つに重なった白い月を背景にして浮かぶ巨大な戦艦。
レコン・キスタ旗艦『レキシントン』がニューカッスル城の目と鼻の先に遊弋し、無数の砲塔を城に向けているところだった。

攻撃は明日の正午から。
五万という大軍を生かし、数で押してくると思っていた。
だからこそ、最後の華を飾るように盛大な祝宴を行っていた所への完全な奇襲。
この時ばかりは、ウェールズも己の迂闊さを呪った。
通達はあくまで、レコン・キスタが王党派のみに伝えた物。
約定を破ろうが反故にしようが皆殺しにしてしまえば、そういった不名誉な行いが諸外国に漏れる心配は無い。

「おのれ叛乱軍め!そこまでして勝利を得たいか!!」
そう叫び、手から血が滲まんばかりにレキシントンを見つめるウェールズだったが、何か様子が違う事に気付いた。
いつまで経っても砲撃は行われず、高々と掲げられているはずの、叛乱軍の旗が上がっていない。

その変わりに別の旗が靡いており、月明かりに照らされ見えた紋章は、文字どおり血で赤く染め上げられたブラッティクロス。
ルイズとウェールズは知る由も無いが、かつて世紀末において、南斗六聖拳の一人。
KINGこと南斗孤鷲拳のシンが、一人の女のためだけに創り上げた、サザンクロスという街で用いられていた物と同じ。
それは極星・南十字星を意味する、いわば南斗の紋章だった。

突然の来襲に、今まで静かだったニューカッスル城が一気に騒がしくなる。
城にも砲は備え付けられているが旧式ばかりで、最新式の物が積まれているレキシントンとか数も質も違う。
それにこの至近距離だ。
城壁は簡単に砕け、被害はあっという間に城の中へと及ぶだろう。
ウェールズが後ろに居るルイズの手を掴むと走り出し、ホールへとたどり着くと、さっきまでの陽気な様子とは打って変わり、剣呑な雰囲気になっていた。

「父上!ロイヤル・ソヴリンが!」
「分かっておる。女子供はイーグル号と大使殿の船に乗り込むように、と伝えよ。我らは、脱出までの時間を稼ぐ」
言うまでも無く、その事はジェームズ一世に伝わっており、老齢とは思えない指揮ぶりを発揮している。
敵わぬのなら、女子供、せめてトリステインからやってきた勇敢な大使達だけでも逃がさねば、アルビオン王家の沽券に関わる。
盾になる事も辞さない覚悟で命令を下すと、何人もの衛士が青褪めた顔をしてホールに飛び込んできた。

「へ、陛下!正門が破られました!!」
「何だって!?やはり最初からそのつもりだったのか!敵はどのぐらいだ!私自らが陣頭に立ってでもラ・ヴァリエール嬢を逃がさねば、トリステインに顔向けができん!」
「そ、それが……、敵はたったの三人!」
「ば、馬鹿な……!」
あまりの出来事に、ホールに居た貴族全員が言葉を失った。
ニューカッスルは岬の先の小城とは言え、王党派が立て篭もる最後の拠点として、それなりに防衛を整えている城である。
地形の関係上、大軍が動かし辛く、攻めにくく守り易いという立地のため、今まで持ちこたえてきたのだが、それを三人で落としに来たとなれば、声も出なくなる。
あっけに取られていると、扉が紙切れのようにブチ破られ、その残骸の向こうからはルイズがよく見知った男が悠然と歩いてくる所だった。

「な、ななな、なんで、なんであんたがこんな所に居るのよ!」
扉を細切れの木片にし、白いマントを靡かせ歩く近付くのは、聖帝サウザー。
その後ろからは、フードを目深に被った女が二人付いてきている。
一人は、辺りを見回すと探している人物を見つけたのか、薄く笑いながらフードを取った。

「久しぶりだね、ジェームズ一世陛下。モード大公を投獄した時からご尊顔を拝聴していなかったけど、随分と老いさらばえたみたいでなによりだよ」
「貴公は……、そうか、サウスゴータ家の恨みを晴らしに着たか」
ぽつり、とジェームズ一世がそう漏らすと、視線がマチルダに集中する。
見知った者が多く居たのか、随所で声があがっているが、今のマチルダにとっては、そんな事はどうでもいい事で、吐き捨てるかのように続けた。
770帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2010/06/13(日) 01:19:47 ID:sL0LOYHm
「勘違いしないで欲しいね。あたしは、あんた達をどうこうしようって気は無いよ。この国が滅びるのを見られれば満足さ。
  この国を新たに治めるのは、アルビオン王家でもなく、レコン・キスタの連中でもない。アルビオンを力で捻じ伏せる事の出来る真の王は、聖帝サウザー陛下ただ一人」
言い終えると、マチルダが方膝を付いてサウザーの前に傅く。
その場にいた貴族全ての視線がサウザーへと向かうが、意に介した様子も無く、相変わらずの薄笑いを浮かべている。
そんな中、怒りの表情を露にしたウェールズが呪文を詠唱を始めた。
しかし、ルイズは、それが何の効果も持たない事を知っている。
まして、武器を向けた者が、全てどうなったかという事も。

「だ、駄目!殿下、逃げて下さい!」
「よすんだ、ルイズ!」
今にも飛び出しそうなルイズの肩をワルドが押さえる。
不思議な事に、口元がほんの少しつり上がっているようにも見えたが、今それに気付いた物は居ない。
杖が向けられ、呪文の詠唱が終わろうとしてもサウザーは指一つ動かそうとしなかったが、詠唱が完成すると同時に、雷のような怒号がホールに響いた。

「驕るな!」
サウザーの一喝。
それだけで、空気が震え、ビリビリと振動が肌に伝わってくる。
サウザーの顔からは、何時もの余裕を浮かべた笑みは消え、どこか怒りすら感じられる。
「うぬら如き痩せ犬を、この俺自らが討ちに来たなど考えるとは、身の程を知れ!!」
凄まじいまでの気迫が辺りを包むと、半ば呆然となったウェールズが杖を落とす。
そして、悟った。
目の前の男には王党派は映っておらず、その先にある物を見据えている。
全てを奪い尽くされ、滅びを待つばかりの王家など、わざわざ手を下すまでも無いという事かと。

先ほどまでの高かった士気はどこへやら。
サウザーは、拳を振るうわけでもなく、ただ一声浴びせるだけでウェールズの心を折ってしまった。
これで士気を維持できる兵が居るなら、是非とも見てみたい。
絶望にも似た雰囲気がホールを支配すると、もう一人の女がウェールズの前へと進み出て小さく言った。

「風吹く夜に、水の誓いを」
「! まさか……アンリエッタ、君なのかい?」
その言葉にウェールズの顔色が変わる。
昔、ラグドリアン湖で、二人だけの密会を行う為に用いた秘密の合言葉。
それを知っている愛しい人物は、遠く離れた所に居るはず。
震えた声で言いながら、フードに手をかけると、アンリエッタの顔が露になった。

「ああ、ウェールズ様!またお会いできるなんて、夢にも思っていませんでした!」
人の目も憚らず、アンリエッタがウェールズの胸の中へと飛び込んだ。
ウェールズはというと、飛び込んできたアンリエッタを抱きしめると、だいぶ困惑しているのか、どもりながら言った。

「ア、アンリエッタ、君がなぜこんな所に……。君はゲルマニアの皇帝と結婚するはず……
  だからラ・ヴァリエール嬢に手紙を返してくれるようにと任務を託した物だと思っていたのに……」
トリステインを守る方法は、ゲルマニアとの同盟を結ぶほかには手が無い。
それが分かっていないはずもなく、同盟の鍵となるアンリエッタがニューカッスルに居る理由が分からなかったのだが
アンリエッタはしっかりとした声で、周りの貴族全てに聞こえるように告げた。

「わたくしは、ゲルマニアとは同盟を結びません」
「アンリエッタ!何を!?」
「わたくしがここに参ったのは、この方の聖帝軍とトリステイン王国が同盟を結んだ事を、皆様にお伝えするためです」
あの時、サウザーが提示した事は、聖帝軍とトリステインとの間に不可侵条約を結ぶこと。
互いに領土を侵さず、共通の敵あれば協力してそれを討つ。

一見、トリステインには何のメリットも無いように見えるが、そうではない。
その理由は、レコン・キスタの目的がハルケギニア統一による聖地回復である以上、遅かれ早かれ戦う事になる。
ゲルマニアとの同盟を結ばず、聖帝軍を選んだのは、サウザーがアルビオンで軍を動かせば、レコン・キスタがトリステインに侵略してくる可能性が少なくなる事が一つ。

ただでさえ先王が死んでから空位が続いているトリステインである。
王位継承権第一位であるアンリエッタがゲルマニアに嫁げば、王位を巡っての争いが起きかねない。
そうなれば、国は荒れ、結局のところ一番の被害者は民になってしまう事が二つ目。
771帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2010/06/13(日) 01:21:15 ID:sL0LOYHm
そしてなにより、アンリエッタの個人的感情による物が大きいのが三つ目。
元より、ゲルマニアの皇帝との婚姻はマザリーニが勝手に話を進めたような物で望むところではなかった。
聖帝軍との同盟を結べば、全てが手に入る。
そう考えたからこそ、サウザーの提案を呑んだのだった。

もちろん、この条約はサウザーにとっての利の方が大きい。
その理由の一つとして、将来的に見た聖帝軍の戦力比率の悪さが原因である。
地上は、聖帝サウザーという唯一絶対的な戦力が存在するのだから、野戦なら四倍五倍は当たり前。
拠点攻撃という限られた環境なら、極端な話、一人でも十分過ぎる程なのだ。

だが、空となると話が違ってくる。
レキシントン……、今はまた名を変え、サザンクロスと言う名になったが、それを手に入れても
レコン・キスタが保持する空軍戦力から見れば僅かな物で、空から砲撃を受け続ければ、いかな聖帝軍でも占領した都市の維持が難しくなる。
そこで、地上は聖帝軍が受け持ち、ある程度の補給や空はトリステインが受け持つ事により互いの穴を埋める。
仮に聖帝軍が空軍戦力を揃える事が出来たとしても、それはそれでアルビオン支配が早まるだけであって重畳極まりない。

唯一問題があるとすれば、この軍事同盟はアンリエッタの独断。
トリステイン上層部をアンリエッタが御しきれるかどうかは、執念次第。
どちらに転んだところで、聖帝軍には大した被害は出ないのである。

「同盟って……どういう事か説明しなさい!」
ワルドの静止を振り切ってルイズがサウザーに詰め寄る。
「俺はこの国の全てを奪いに来た。その為には手段は選ばぬ。例え、大した力も持たぬ小国と手を組むことになろうともな」
さりげなく、トリステインを貶しているが、こればかりは事実なので大した反論もできず黙っていると、サウザーが続けた。
「俺の星は将星、南十字星。生まれながらの帝王の星。ならば、帝王という名に相応しい座に付くのが宿命ではないか」
あまりにも風格たっぷりに言うので、ルイズもどこかで納得してしまう。
それでも、言いたい事が山ほどあるのか、ルイズが喚いた。

「なんでよ……!あんたは、わたしが呼んで、召喚して……それなのに、なんでこんな勝手ばかりするのよ!」
「忘れたか?俺を従わせたいのであれば、力で捻じ伏せてみろ。例え俺がこの国を征服した後でもな」
「……わたしには、そんな力なんて無いわ。な……な、南斗爆殺拳……とか呼ばれるようになったけど、結局は何も変わってない、ゼロのままよ」
珍しく、しおらしい事を言うルイズを見て、ほんの一瞬驚いたような顔をするとサウザーが笑った。

「な、何が可笑しいのよ!」
「ふはははは……、見くびられた物だな。この俺が、単に無能なだけのやつを気に入るわけがなかろう」
ルイズはその力から目を背けているので気付いていないのだろうが、その身に眠る力は、少なくとも魔法に興味の無いサウザーには測る事ができない程に大きい。
惜しむべきは、同じような力を持った先人が居ない事。
師事する事が出来なければ、己の力のみで道を切り開くしかない。
なればこそ、時間がかかる。
時間がかかるだけならまだ良い方で、生きている内に力が目覚めるかどうかすら分からない。
だが、もし、力に目覚めれば。ルイズの力が失われているとされる虚無だとすれば、名実ともに聖帝と対等な立場になる時がくる可能性もある。
それを期待しているのだろうかなどと、少し考えたらまた笑った。

毎度の事ながらよく笑うなぁ、なんてルイズが思っていると、なんだかどうでもよくなってきた。
というより、ずっと前から、学院の食堂で顔を合わせた時から分かっていた事を、今になって再認識したにすぎないのだが。
使い魔だとか、そういう枠に収まるようなやつではないと分かっていたはずなのに、何度も挑んでいたのは、ただ単に、純粋に乗り越えたいと思ったから。
超えるべき壁という物を遥かに通り越して、山脈のような絶壁を少しでも登ることが出来れば、何かが変わるかもしれないという淡い期待。
つまるところ、ルイズ自身はサウザーが使い魔になろうがなるまいがどうでもよかったのである。
どこか上の空でルイズが視線をアンリエッタに移すと、二人はなにやら悲しそうな表情で言い合っていた。
772帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2010/06/13(日) 01:22:03 ID:sL0LOYHm
「だが……、我らは勝てずとも、勇気と名誉の片鱗を貴族派に見せつけ我らが王家が弱腰ではなかったという事を示さねばならぬ!
  それが、今まで王家に忠誠を誓い、散っていった兵達に対しての義務。王家に生まれたものの義務。内憂を払えなかった王家に、最後に課せられた義務なんだ、アンリエッタ」
「……ウェールズ様は、わたくしよりも名誉の方が大事なのですか?」
「君が大事だからこそだ!愛するがゆえに、知らぬ振りをせねばならぬ。愛するがゆえに、身を引かねばならぬ時がある。
  僕がトリステインへ亡命しても、君の立場が悪くなるだけなんだ。それに、彼らがレコン・キスタを相手にすると言っても、勝てる見込みがあるかどうかすら分からないんだ」
至極、もっともな事を言い、アンリエッタを説得にかかるが、アンリエッタも退かない。
お互いがお互いの身を案じるあまり、議論は平行線を辿っている。
そんな二人を見て、サウザーは、一歩踏み出し、二人に向けて過去を思い出すかのように語った。

「愛ゆえに、人は苦しまねばならぬ」
愛する者を失った者の苦しみは、他人には計り知れない。
「愛ゆえに、哀しまねばならぬ」
愛が深ければ深いほど、それを失った時の虚無感と哀しみは深くなる。
「それを知って、なお勝てぬ戦いを続けるというのか」
ほんの一瞬だけサウザーの表情が、最初に召喚した時のようになっていたのをルイズは見逃さなかった。
ルイズはサウザーに、そんな師との別れがあった事は知らない。
知らないが、何とも言えない、底の見えないような深い物を背負っているような気がする。
サウザーの問いにウェールズは杖を持ち直すと、高々と掲げ宣言するかのように言った。

「我らアルビオン王家の者は、勇気と名誉がある限り、敵に屈したりはしない!」
それを聞いて、サウザーの顔には何時もの人を見下したような笑みが浮かぶ。
よく通る含み笑いがホールに響くと、肩に手をやった。

「ふっふふふ……ふはははは!いいだろう!ならば、その勇気と名誉、根こそぎ奪い取ってくれるわ!」
メイジと違い、サウザーが戦う前にはマントを外す事を知っているマチルダは、巻き添えを恐れ二歩下がる。
サウザーがマントを投げ捨てると、拳を二度鳴らした。

「どう足掻いても埋められぬ格の違いという物を、この俺自ら教えてやろう。一人づつでも纏めてでも好きにかかってくるがいい!」
南斗十人組み手ならぬ、メイジ三百人組み手。
このニューカッスルに残った王党派全てのメイジをサウザー一人で倒すという。
傍から見れば何と無謀な事か、と人は思うだろう。

だが、少なくとも、ルイズとマチルダはそうは思っていない。
その身一つで巨大なゴーレムを砕き、レキシントンを制し、
たった数人でニューカッスルへと乗り込んできた男から発せられる重圧が、決して無謀な事ではない事を示している。

言い換えれば、これは継承の儀。
かつて、そうしたように、新しき者が古き者を打ち倒す。
そうする事で代々鳳凰は生まれ変わってきた。
この国もどうせ滅びるなら、精々派手に滅びた方が時代の節目としては相応しい。

「貴様達に相応しい滅び方を用意してある」
最後まで名誉の為に戦い死ぬというのであれば、それもいいだろう。
圧倒的な力で捻じ伏せ、跪かせるのみ。
これだけの数のメイジ、今のところ絶対数が少ない聖帝軍に組み込む戦力としては申し分無い。
アルビオンを獲るにあたって、障害となる相手を憎んでいるのも御しやすく覇道に役立つ。
このままでも、暗殺という形で敵の首魁を倒し、支配することはできるだろうが、その時に使える手駒が少なければ
その支配を維持する事は極めて難しくなり、結局は群雄割拠のような世紀末状態になりかねない。
773名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:22:36 ID:aG/2vZqk
>>763
そうか。カトレアの体調不良の原因は増血か。定期的に鼻血出さないと駄目なんだな。
774帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2010/06/13(日) 01:24:16 ID:sL0LOYHm
本来、敵を対等と認め、虚を捨て立ち向かねばならぬ時に用いる奥義。
三百でも、まだ対等と呼ぶには不足すぎるぐらいではあるが、今はあえてそれで応えよう。
滅びる国への手向けとして、そして何より、極星として輝く為に必要な第一歩を踏み締めるために。

その場から跳躍すると、ブリミル像の頭へ着地する。
ハルケギニアの人間にとっては、不敬極まりない行動であっても、サウザーが気にする事はなく、両手を下げ、そしてゆっくりと構えを取り始める。
すると、ルイズ達でも目ではっきりと分かるぐらいに、サウザーの身体が黄金色に輝き始めた。

「あ、あれは……!サウザーが光に包まれて……」
「聖帝様の姿がまた……!」
ルイズが見るサウザーの全身は闘気で包まれ始め、段々と光の輪郭が鳥のような姿を取りはじめている。
その姿は一種の神々しさすら感じられ、流れるような一連の動作に誰もが思わず目を奪われてしまう。

天空の鳳凰は墜ちぬ。

構えを持たぬ南斗鳳凰拳唯一にして最強の構え。
これこそが、南斗聖拳百七派を以ってしても南斗鳳凰拳ただ一つに決して立ち向かえぬという証。
将星を携えた鳳凰が、再び天空の高みへと昇るべく、遂にその両翼を広げた。


               南斗鳳凰拳奥義
             『天 翔 十 字 鳳』


ヒャッハー!投下した!
ラスボスさんと投下サイクルが同じなのは、最早運命か。
775名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:24:55 ID:u4/4wdCH
>>773
ユーゼスは不幸なのか……
776名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:28:38 ID:0YwKuqiv
ラスボスの人乙でしたー。
今作のカトレアは生々しく女してて好きですw
次回も楽しみにして待ってます。
777名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:34:45 ID:Zz7giGvk
聖帝の方、乙でした。

……これがシンクロニシティってやつなのかしらー。
778名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 02:03:17 ID:skynvW7t
何故か前に見た原作の検証動画を思い出したのぅ…


聖帝様「受けてみるがいい!!南斗鳳凰拳奥義!!(ホクト!!ウジョウハガンケン!!ハァーン!!)鳳凰の…聖帝の夢は潰えたか…」

レコンキスタに北斗神拳の使い手(汚物を除く)が居たら詰んでたな
779名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 02:10:08 ID:NTNcNhsc
乙。
>>778
量産型ならともかく流石にトキィ相手に一撃ぶっぱなんて舐めプはせんだろう。
弱キャラはミスっちゃいけないんだぞ。
780名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 02:44:08 ID:0YwKuqiv
ぐわ。
聖帝様の投下に気づかなかった…!

すみません!
GJでした。
GJでございました!

ですから慈悲を〜〜!
781名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 02:47:21 ID:QIYDMELv
聖帝様乙でした。

>>778
使い手が全一の彼ならワンチャンある、というより強いサウザーが相手だと
覚醒ケンシロウ相手の「け、拳が見えない…!」というアミバ状態になる

それにしても北斗無双の原作コスチュームがかっこよすぎるから困る、いや困らない
闘気覚醒の時に天翔十字鳳の構えするのがかっこよすぎる、伝承奥義もかっこいい
個人的には北斗無双悪くないと思ってる
782名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 03:45:50 ID:IpEAEUl0
>>781
あのCVはないわー
仕方ないっちゃ仕方ないんだろうけどさぁ
783名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 10:05:29 ID:3QkXwtT/
>>781
北斗無双は北斗有情ローリングバスターのためにあるといっても過言ではないと思うんだ
どう考えても死の灰じゃなくてガンマ線浴びてますよね
784名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 10:36:09 ID:zYJ+fQOO
あー、でもトキ、テファの所にいてもおかしくないかもとか思い始めてきた。
ロマリアには元斗の人とかガリアには魔闘気の人とか…
785名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 11:05:07 ID:c0MpH8KJ
例えば、虚無の呪文が記された祈祷書や香炉に北斗の拳に登場する拳法が記されているというのはどうだろう。虚無の担い手を護る、呪文を唱える時間を稼ぐほどの力なのだし。
786名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 11:37:56 ID:sL0LOYHm
>>783
レコン・キスタの艦隊にグルングルントキィが北斗有情ローリングバスターライフルやってるネタが浮かんだんだが、どうしてくれるw
そんなネタ書く余裕無いよw
787名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 11:40:52 ID:aEmGlCFc
>>783
γ線じゃなくゲッター線でも浴びてるだろあのトキ

北斗無双の一番おかしなところはマミヤとかヅァギ様が強くてケンシロウが一番弱い(というか使いづらい)事だ
788名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 11:45:45 ID:lrhiyOHV
乙ー
789名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 13:07:52 ID:Rdmg+N8w
>>773
それなんて増血鬼ww

鼻血つながりで『かりん』からかりんを召還。
ルイズの不幸ぶりに体が反応して、召還五秒後にかりんが鼻血の大出血し、ルイズが血塗れになるとこまで浮かんだ。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 13:16:27 ID:zTlorEV0
かりんとはまた懐かしいw
791名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 13:39:44 ID:n3c3kXOt
自分には文才なんて無いから。
誰か仮面ライダーゼロノスで書いてくれないだろうか
792名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 14:14:49 ID:/YT8wrAl
お前さ、いい加減にsageろよ
793名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 14:29:57 ID:+Vj4/0o5
じゃあ同じ影崎作品で碧海のAiONの宮崎星音召喚

次々に蟲に憑かれる学院生徒たちを、アイオーンで退治するセーネ
あるときやってきた転入生ティファニアの使い魔は人魚姫・シーラだった

うん、ゼロ魔あんまり関係ないな
794名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 14:32:31 ID:dfI1ti+8
テファニアの所で薪割りしてそうな北斗キャラって少なそうだな。
本命は山のフドウさんか仁星のシュウくらいか?

逆に子供達に囲まれて、仏頂面で薪割りするラオウとかだったら笑うが
795名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 14:47:44 ID:KQYrRup/
>>794
なろうにラオウ召喚でNAISEIでハーレムというラオウの面影がまったく残ってないSSがあると聞いたことがある。
読んだことないけどw
796名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 14:49:36 ID:lTpOBJu4
スーパードドン!
797名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 14:53:42 ID:bE65AdE5
>>794
脳内でジャギ様が素手でかこーんかこーん薪を割ってた
なんだかちょっと幸せになった
798名無しさん@お腹いっぱい:2010/06/13(日) 15:30:59 ID:SYgT9iWq
つか、どんどんわらしべ長者の如く手勢を大きくしてく聖帝様ぱねっすw
長者はなりゆきだけど、こっちは圧倒的な拳力で強奪してるんだけどなw
799名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 15:37:44 ID:tsAHsSL/
ジャギ様がハルケギニアでベビーフェイスとして活躍するSSも読んでみたいな。
四兄弟の中じゃ酷い扱いだが、実力はあるしカリスマも(それなりに)あるし……
親族に対するコンプ持ちという点でルイズと通じるところはあるし。
800名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 16:33:16 ID:NTNcNhsc
>>799
構成事態は考えたことがあるな。ジャギ外伝で失踪する直後に召喚されるジャギ。
「虚無の華〜ジャギ外伝」と言うタイトルとウェールズに
「なぜ諦める必要がある! 何を迷うことがある奪い取れ!」
とか言うシーンだけは考えたんだが、結局原作ストーリーと大してかわらんような予感が。
801名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 17:04:26 ID:0YwKuqiv
>>799
どっかで見た覚えあるな。そういうSS。
シエスタの祖父だか曽祖父だかがアミバだった。
802名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 18:16:36 ID:T0SPzpFQ
ユーゼスのプレゼントって何――っ!?w 
魔装機神に詳しくない自分にゃちっとも判らないよ……女性、というかカトレアの喜ぶ物なのかい?
それにもまして将来の修羅場が確定&激化する物なのかい?w
803名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 18:22:20 ID:K9GU6MSB
生存フラグをプレゼント!
804名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 18:40:14 ID:/YT8wrAl
805名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 18:42:39 ID:T0d+aIl0
>>747 自分では特にそういうことを意識したつもりはないのだが、とにかくあの魔法は攻撃対象の取捨選択が出来るようだ。
サイフラッシュですね。分かります。
806代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:42:13 ID:8gp7WcMs
725  :五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 00:45:10 ID:tng1zrtA
    一ヶ月か二ヶ月かぶりの投稿。
    継続的に更新できる作者さん凄すぎワロタ。
    というわけで第十話投下します。
    どなたか代理投下よろしくお願いいたします。
807代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:43:24 ID:8gp7WcMs
  第10夜
  おでれーた


 フーケが『銀の竪琴』を盗み出した二日後、つまりワイバーンが討伐された翌日、虚無の曜日に、
朝からルイズとマルモはトリスタニアに来ていた。
 今回は、クリオも一緒である。
 学院内ではルイズの部屋で待機するのが常であるが、マルモが、
「クリオにも外の世界を経験させたい」
 とのことで、ルイズを説得した。
 ルイズは、
「それは駄目よ。学院の中でも混乱させないように部屋の中にいるのに、王都に連れていくなんて……」
 と初め断ったが、
「クリオを閉じ込めたくない」
 とマルモが強く出たので、渋々ルイズは了承した。ルイズも、クリオを部屋に軟禁しておいたのには罪悪感を感じていた。
 ただし条件として、クリオは網に包まれ、マルモに抱かれる形となった。
「これなら、今日の人ごみの中でも大丈夫でしょう」
 虚無の曜日に大抵の公務は休みとなる。それはトリステイン魔法学院も例外ではなく、従って生徒も授業から解放され、
思い思いに過ごすのが通例である。
 ルイズも例に漏れず、連日の疲れを吹き飛ばすかのようにはしゃいで、マルモにトリスタニアを案内していた。
「ここがブルドンネ街。トリステインで一番大きな通りよ。この先にトリステインの宮殿があるわ」
 大通りには様々な人がひしめき、活気に溢れた様相を呈している。
「らっしゃいらっしゃい! 新しい布が入荷されたよ!」
「ここから先にゃあウチより安い店なんてありませんぜ!」
「この店は魔法衛士隊の人にもご贔屓にしてもらっておりまして……」
「てめえ、この値はぼりすぎだ!」
「そこのお嬢さん、ゲルマニア製の指輪などはいかがでしょう?」
 店の主人の大声やら露天商の宣伝やら客の怒声やらがが飛び交い、鄙びた所からやって来た者はまずこの声に驚くという。
これがブルドンネ街の日常であり、晴天であれば、必ずこのような騒がしい様子が見られる。
 マルモはこんなにも人で混雑した所は初めてだったので、珍しく困惑してしまった。
 ルイズは、そんなマルモを見て楽しげである。
「驚いた?」
 マルモが頷くとルイズは満足そうに笑う。昨日魔法衛士隊の本部を目指したときは大通りを避けていたので見られなかったのだ。
「もっと進むと寺院や酒場もあるけど、今日はどうでもいいわね」
 トリスタニアを観光するにあたって、マルモはルイズに「武器屋と道具屋に立ち寄りたい」と言っていたのだ。
 その訳は、ミョズニトニルンの能力を発揮するためにある。武器屋や道具屋に、何か役立ちそうな魔道具があれば、
修行に役立てようという魂胆だった。
 また、マルモは自身でマジックアイテムを作ることも考えていた。そのためにも、見本となる物が必要なのだ。
 ただし、マジックアイテムを主に売っている店となると、平民の多いブルドンネ街にはない。
本筋から離れすぎず、かといって人も大通り程多くない、そんな場所に立っていることが多かった。
 もっとも、非合法的なアイテムを売る怪しい店ならば、裏通りのチクトンネ街などの所にもある。
「とりあえず今は店の場所だけ確認して、そこは後に行きましょ」
 ルイズは貴重な休日を武器や魔道具の購入に終わらせる気はない。ルイズの目的は、あくまでマルモと一緒に過ごすことである。
 資金も、前から貯めてきた仕送りに加えてオスマンからの報奨でそれなりにあり、飲食や衣服に金をかけても充分余る。
 その後、昼食まで二人は仕立て屋を回った。
「ほら、これなんてどう?」
「こっちの赤いやつも……」
「やっぱりマルモは白よね!」
「慎ましさの中の色気が……」
 ルイズはマルモを着せ替えて思いっ切り遊んでいた。
 魔法の領域ではルイズはマルモに適わないが、貴族の娘として服飾には一長ある。センスが良いわけでは決してないが。
「次はこれ……」
 結局、マルモはなされるがままとなり、二人が店を出たのは、入ってから二時間ぐらい後である。
 その後二人はぶらぶらと歩くことにした。
808名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 20:45:52 ID:K9GU6MSB
章題が素敵だ支援
809代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:46:23 ID:8gp7WcMs
「そういえば……」
 道を歩きながら、ルイズは九日後に学院で開催される『フリッグの舞踏会』のことをふと思い出した。
 『フリッグの舞踏会』は、毎年春のウルの月(五月)の第一ユルの曜日(虚無の曜日の翌日)に開かれ、
一緒に踊った男女は結ばれるという言い伝えが残されている、伝統ある舞踏会なのである。
 ここで勝負にでる者も多く、その後の人間関係が決まる場合もある、生徒にとっての一大イベントなのだ。
 ルイズは自分がマルモと踊る姿を想像してみる。
 マルモのドレスはどんな物がいいだろう。やはり、普段と似たような胸開け袖なしで、色は雪白でいくべきか。
いやいや、あえて黒を基調として肌の白さとの対比もいい。上胸を強調する形で、鎖骨を下ると胸の谷間が……。
 踊るときはマルモから誘ってほしいけど、やっぱりわたしがダンスを教えなきゃ……。
 ふとした拍子に二人の足がもつれるんだけど、マルモがちゃんと支えてて、そのまま顔が……。
「やん、駄目よマルモぉ。皆の前でそんな……」
 往来で急に嬌声を上げたルイズに、通行人が一斉に振り向く。特に男が。
 見ると、美少女が、もう一人の美少女の隣で顔を赤らめながら身をよじらせている。
 己の言動と周りの視線に気付いたルイズは、ますます顔を真っ赤にさせながらマルモを連れて激走し、その場から消え去った。
その間は五秒にも満たない。
 残った人々は、
「現実にあんなことが……」
「あれって魔法学院の制服じゃ……」
「都会って怖い……」
「ハァハァハァハァ……」
 などと口々にした。
 数ヵ月後、『百合色の学院生活』なる小説が出版されるも、諸々の事情で発売後すぐ発禁処分となり、
蔵書家やその筋の者が買い求めたという。その最高額は、新金貨で四十エキューもしたそうな。
 さて、当のルイズはというと、食事が主体の酒場でテーブルに突っ伏していた。向かいにはマルモとクリオが坐っている。
「もうやだやだもうでたくないなんでこんなことになったのどちくしょう」
 料理が来るまでの間、ルイズはぶつぶつと呪詛を呟くことに費やした。ピンクブロンドの髪が机椅子にかかっているので、
遠目からは得体の知れない恐ろしい何かにしか見えない。
「ご注文いただきましたクックベリーパイでございます」
 店員の言葉にがばりと腹筋のみを使って起き上がったルイズの顔は、晴れやかであった。
 この店は、コーヒーやお茶だけでなく、料理や酒もなかなかのものなので、貴族や金のある平民が好んで通う店の一つである。
 ルイズのおすすめデートスポットだった。
「これがなきゃ人生やっていけないわ」
 何を隠そう、ルイズはクックベリーパイが好物である。特にこの店のものは、甘味と酸味がちょうどルイズの嗜好にあっていた。
 特に、焼きたてから少し間を置いた、程よい温かさのときに口に含むと、
「甘いのと酸っぱいのが溶け合っていつまでも続くような……」
 感覚が口内に広がり、それがまた、堪らない。
 マルモも一口食べてみたが、こんなに美味しい物は学院の食堂でしか食べたことがなかったので、ついつい食べ過ぎてしまう。
 テーブルを囲う二人の顔は笑顔だった。
810代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:47:52 ID:8gp7WcMs
 やがて二人は食べ終えると店を出て、マジックアイテムの専門店に向かう。
 その店は、ランプなどの日用品のみならず、『風』の宿った拡声器や『探知』の魔法がかかった警報装置など、
様々なものを売っていた。注文すればガーゴイルも作るらしい。
「いらっしゃいませ」
 声をかけてきたのは初老の男性である。白髪交じりの金髪で、身なりは平民であるが、その気風は紳士であった。
「何かお探しでございましょうか」
 男はこの店の店長である。店の持ち主は貴族であるが、経営は一手に任されていた。もう隠居してもよい歳の瀬であるが、
健康であるうちは、長年続けてきた仕事を辞めるつもりはない。こうした手合いはいるものだ。
「とりあえず商品を全部見たいのだけれど」
「左様で……」
 男は、陳列されているマジックアイテムを大まかに説明し、
「何かありましたらなんなりとおっしゃって下さい」
 と、カウンターに引っ込んだ。
「さあ、一つ一つ見ていくわよ、マルモ」
 その後文字通り『手当たり次第』にミョズニトニルンのルーンが反応し、商人にも引けを取らぬアイテムの知識をマルモは得た。
 結構な時間がかかったが、マジックアイテム制作の足がかりが固まったのでルイズたちは善しとする。
 なお、結局購入したのは、ルイズが選んだ『銀のロザリオ』だけだった。少しだけ身を守る効果があるらしい。
「そうね……二つちょうだい」
「かしこまりました」
 もちろん、自分用とマルモ用のものである。
「お揃いね」
 と、ルイズは笑みをこぼした。マルモもつられて笑い返す。二人の首には銀の輝きがかかっていた。
 二人は代金を払い、店主に見送られて店を出る。ルイズは午前中の疲れも忘れて、意気揚々とマルモと街中を歩いた。
ルイズの手を握るマルモは、ルイズの楽しい気持ちが伝わってきて、穏やかな温かみが自分の裡に広がっていくのが感じられた。
 季節は春だった。

 四辻に出ると、ルイズはきょろきょろと辺りを見回す。
「ピエモンの秘薬屋の近くだったから、この辺のはずなんだけど……あ、あった」
 剣の形をした銅の看板を見つけたルイズは、マルモの手を引っ張って石段を上り、羽扉を開けて建物の中に入った。
 今日の目的の一つ、武器屋である。
 昼間でも薄暗い店内にはランプが灯り、立派な甲冑が飾ってあるかと思えば、雑多に剣や槍が並べられていた。
 店の奥から、パイプをくわえた店の親父が場違いな二人を睨みつけたが、ルイズの制服の五芒星に気付き慌てる。
「旦那、貴族の旦那。うちはまっとうな商売してまさあ。お上に目をつけられるようなことなんか……」
「客よ」
 ルイズはぶっきらぼうに言い放った。
「こりゃおったまげた。貴族が剣を! おったまげた!」
「いいから、さっさと武器を見せなさいよ」
 ルイズにとって平民の出入りする薄汚い店など居心地の良いものではない。店主の雰囲気も、さっきの店と比べれば劣った。
おそらくマルモの用事がなければ一生縁がない所だろう。
「どのようなものをご所望で?」
「魔法がかかっているやつ」
 店主は、ルイズを大方変わり物好きの客だと思い、貴族なら大枚もはたくだろうと、手揉みしながら奥の倉庫へと入った。
 数分も経つと店主は立派な剣を持ってきた。
811代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:49:11 ID:8gp7WcMs
「これなんかいかがです?」
 宝石が散りばめられた大剣をカウンターに置き、ルイズとマルモに見せつける。刀身輝くその剣は、見るからに立派だった。
「店一番の業物でさ。こいつを鍛えたのは、かの有名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿で。
魔法がかかってるから鉄だって一刀両断でさ。御覧なさい、ここにその名が……」
 店主の説明を意に介さず、すかさずマルモは手を当てる。
「どう? マルモ」
「『固定化』以外かかっていない」
「だそうよ」
「な、なに言ってやがる!!」
 顔を赤くする店主であるが、相手が貴族の娘であると思い出し、怒りを抑えた。
「他にはないの? 魔法がかかっているやつ」
 見下したような態度のルイズに店主は唇をひくひくさせながら、なんとか見返してやろうと思い立った。
「それなら……」
 と、店主はルイズとマルモの脇を抜けて、乱雑に積まれていた剣の山から一振りの剣を抜き出した。
「なによその汚い剣は」
 長さこそ先程の剣と変わらないが、錆が浮いた刀身はお世辞にも綺麗とはいえなかった。
「なんでえ他人のことを汚ねえとは!」
「きゃっ」
「黙ってろデル公!」
「…………」
 突然、低い男の声が聞こえた。それも、店主の持つ剣から。
「……それって、インテリジェンスソード?」
「そうでさ、若奥様。意思を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさ。ナリこそ悪いですが、これほど珍しい剣はございませんぜ」
 店主の言葉に嘘はない。嘘はないが……。
「これっていくらなの?」
「エキュー金貨で千、新金貨で千五百といったところですかね」
 店主はデルフリンガーにそこまでの価値を見出してはいなかった。本来なら、これらの十分の一以下でも良いぐらいである。
「なんでえなんでえ、普段は邪魔者扱いしてるくせによ。さっきの剣が売れなかった仕返しか?」
「うるせえぞ、デル公」
「デルコーって名前なの? それ」
「デル公じゃねえ、デルフリンガー様だ!」
 剣の癖に随分と喋るデルフリンガーを、ルイズは胡散臭げに見た。
「他にまともな魔法がかかっている剣はないの?」
「残念ですが、こいつだけでさあ。けれども、インテリジェンスソードなんて、他の店でもお目にかかりませんぜ」
 インテリジェンス系のアイテムは殊更珍しくはないが、数が少ないのは事実である。そもそもメイジは剣を使わないので、
インテリジェンスソードなんてものは滅多に作られない。
「そういうものかしら……マルモ、一応この剣も見てくれる?  ……マルモ?」
「あ……ごめんなさい、ルイズ」
 マルモは、デルフリンガーをじっと見ていた。
 喋る剣。それはマルモの感覚からすればモンスターの一種である。さらにいえば『物質系』のモンスターであり、
マルモのかつての仲間たちと同じ部類に入るものだ。
 だが、ここでは武器屋で売られている。モンスターが武器屋で売られているなど、マルモでさえも今まで見たこともなかった。
 もっとも、この世界では喋る剣はあくまでも剣であるらしく、だからこそ売られているのであろう。
「……おめえ、その額のは……使い手か、いや、でも似てやがる…………」
 デルフリンガーが、先程の調子とは打って変わって呟きだした。
「……そこの娘っ子、俺を買え」
「買う」
「毎度ありがとうございます」
「ちょ、ちょっとマルモ?!」
 勝手に話を進められたルイズは、わけがわからずに混乱した。
「なんだよ、騒がしい娘っ子だな」
「ボロ剣は黙ってなさい! 一体どうしてあんたみたいなのを買わなくちゃいけないのよ!」
「買われる俺に訊くなよ、買うと決めたのはそこの嬢ちゃんじゃねえか」
 ぐっ、とルイズは唸った。確かに正論ではあるが、マルモ相手にはルイズは強く出られない。
「……どうしてこの剣を買おうと思ったの?」
「…………」
 どうしてだろうか。
 そう自問するマルモであったが、明確に言葉では表せない。感覚的な理由だった。
 かつて仲間を拾ったときの、あの気持ち。捨てられたランプ、みなし児の岩、放置された巨大マシン。
それらを見たときの、確かな感情。それと同じものが去来していた。
812代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:50:44 ID:8gp7WcMs
「うまくは、言えないけれど……」
 マルモは言葉を搾り出すように言った。
「きっと……必要だと思うから」
 論理性などない。合理的でもない。
「これは、私のわがまま」
 すべてその一言に尽きる。
「はあ…………まったく」
 どうしてくれるんだろうか、わたしの使い魔は。
 『私のわがまま』だなんて言われて、それを許す主人がいるわけないじゃない。
 もっと上手に言えないものかしらね。
「しょうがないわね」
 ここは、ご主人様として。
「買ってあげるわ」
「ルイズ……ありがとう」
「べ、別に感謝されることじゃないわ。元々今日はそのために来たんだし」
 ああ、やっぱりわたしの使い魔は可愛い。
 マルモは作り笑顔をしない。だから、時折見せる笑顔には本当に心癒される。
 これはご主人様だけの特権だ。

『銀のロザリオ』――装飾品。装備すると守備力が四上がる。装備中は性格が『ロマンチスト』になる。

 ルイズは気前よく新金貨で千五百エキュー支払い、マルモが抜き身のデルフリンガーを抱えて店を出た。
「……これは」
 デルフリンガーに触れているマルモの額のルーンが輝き、情報が頭の中に流れ込んでくる。
「どう? マルモ。この剣は使えそうなの?」
 もちろん実用ではなく、マジックアイテム作成にという意味である。
「デルフリンガー、あなた……」
「デルフでいいぜ、嬢ちゃん。……なんか感覚は違うが、懐かしい感じだなあ」
「なになに、どうしたのマルモ?」
 ルイズが心配そうにマルモの顔を覗き込む。
「デルフ、の能力がわかった」
「どういうこと? それって単なるインテリジェンスソードじゃなかったってこと?」
 コクンとマルモは頷いた。
「魔法吸収と、吸収した魔法の魔力で『使い手』を動かせること、それに……」
「……ちょっと待って、『魔法吸収』?」
「今は錆ついていてできないけれど、錆を落とせば吸収できるようになる」
「……うお! 思い出したぜ!」
 唐突にデルフリンガーが声を上げた。その声にルイズは驚く。
 ちなみに、この場にはルイズとマルモ、それに網に包まれたクリオと抱かれているデルフ以外誰もいない。
「なによ、なにを思い出したっていうのよ」
「いやあてんで忘れてたぜ」
 と、錆に包まれたデルフリンガーの刀身が強く輝きだした。
 そして光が収まると、そこには錆が跡形もなく消え去った、見事に光り輝く刀身があった。
「これが俺の本当の姿さ!」
 錆が落ちたので、マルモは柄を握って鎬を掌に乗せている。ルーンの光は一層強くなっていた。
「うっかりしてたぜ、テメエでテメエがしたこと忘れるなんてな。六千年間つまらんやつばっかだったから、
テメエで身体変えてたのすっかり忘れてたわ」
「六千年?!」
 始祖ブリミルの降臨がおよそ六千年前。デルフリンガーの言葉が真実ならば、始祖との関連も考えられる。
813代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:52:37 ID:8gp7WcMs
「そういえば……『使い手』ってどういう意味なの?」
「忘れた」
 思わずルイズはずっこけた。
「こ、こ、このボロ剣……じゃなかった、駄剣がーーーー!!!!」
「言い直して叫ぶなや。しょうがねえじゃねえか、六千年もありゃ色々忘れもするさ。……もっとも、
俺を持ってる嬢ちゃんの方はわかってるみてえだぜ」
 ルイズは、マルモの顔を見た。先程からずっと額のルーンが光っている。
「わかるの?」
 マルモは頷いた。
「ガンダールヴ」
「ガンダールヴ? それって……始祖の使い魔じゃない!!」
 始祖の使い魔は四体いたと伝えられ、その内名前が判明しているのは三体。
 その中でもガンダールヴの強さは特筆され、千人の軍隊を一人で壊滅させ、並みのメイジではまったく歯が立たなかったとか。
「そうか! ガンダールヴ! いやあ、懐かしいねえ……」
 叫んだかと思えば、しみじみとデルフは語りだす。
「俺も昔はガンダールヴに握られてたもんだ。もうほとんど忘れちまったが、ガンダールヴに使われてたってことは憶えてるぜ」
 剣の語りとは思えぬ語りに、ルイズは頭を悩ませていた。
「えーと、もしあんたがガンダールヴの剣だとすると……ミョズニトニルンのことはわかる?」
 ガンダールヴと並ぶ始祖の使い魔の一体、ミョズニトニルン。あらゆる魔道具を操ったとされ、『神の頭脳』と呼ばれている。
「ミョズニトニルン……ああ、そういやそんな名前が微かに残ってんなあ。けど、なんなのかは思い出せねーや」
 今度こそ、ルイズは青筋をこめかみに立てた。
「それでも伝説の使い魔の剣なの?! ひょっとしたらあんたを作ったかもしれないのに!」
 インテリジェンスアイテムは制作者の能力が高いほど強い魔力が内包される。魔法を吸収するほどのアイテムなら、
伝説級の存在にしか作られないのも道理であった。
「俺を作る……? ……あーーーー!! 思い出したぜ! ミョズニトニルン、あれの道具捌きは見事だったなあ。
……そうか、この感覚。『今』は嬢ちゃんがミョズニトニルンか」
「わかるの?」
「伊達に長生きはしてねえさ」
 マルモは、やはりこの喋る剣デルフリンガーが単なるアイテムとは思えなかった。たとえ人造物であっても、
魂を持てば生物たり得る。『物質系』モンスターが『星降りの祠』でタマゴを生むように。
 だが、ルーンが反応している以上アイテムなのだろう。少なくともこの世界では。
 それならば、私の仲間だった彼らはどうなるのだろうか。皆には意思があり、魂もあった。自ら動き、私を守ってくれた。
彼らは『生きていた』。
 デルフにも意思がある。魂も、おそらくある。けれども、自らは動けない。精々が錆を浮かしたりする程度だ。
 動けるか動けないか、これが境目なのだろうか。賢者であるマルモであっても、悩まざるを得なかった。
「ピー」
「うお! タマゴが鳴いた?!」
「……クリオ」
 マルモが網から解き放つと、クリオはマルモの顔に擦り寄った。
「ピーッ、ピーッ」
「慰めてくれてるの?」
「ピー」
「ふふ、ありがとう」
 顔をほころばせ、マルモはクリオを撫でる。その表情は、ちょうどルイズがマルモを撫でるときのものに似ていた。
 ちなみにルイズは、マルモを慰めるのに先を越されたのでクリオに嫉妬したが、タマゴに嫉妬するのも惨めだったので
余計にダメージを食らった。
「いまどきはタマゴも動いたり鳴いたりするもんだなあ…………」
 はて、そういえば。
 ミョズニトニルンの嬢ちゃんがいるのなら、本来の相棒であるガンダールヴもどこかにいるんだろうか?
「……ま、会えるときには会えるし、会えないときには会えないもんだな」
 何せ六千年間もガンダールヴから離れていたのだ。ミョズニトニルンと出会えただけでも良かったのかもしれない。
 そう思いながらも、デルフリンガーは今どこかにいるかもしれない『相棒』に思いを馳せた。
814名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 20:53:51 ID:K9GU6MSB
支援。遅れた?
815代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:54:38 ID:8gp7WcMs
 その『相棒』であるガンダールヴは今、宗教都市ロマリアにいた。
 金髪月目の神官、ジュリオ・チェザーレ。彼が現在のガンダールヴである。
 そしてその主は教皇聖エイジス三十三世、本名ヴィットーリオ・セレヴァレ。二十代の若さにして教皇の座を得た美青年である。
 二人は教皇の執務室で向かい合っていた。
「武器の扱いには慣れましたか?」
「慣れるもなにも、僕はガンダールヴだぜ? 嫌でも身に付くってものさ」
「それもそうですが、代物が『場違いな』ものばかりですからね」
 ロマリア宗教庁が密かに収集している、『場違いな』武器。それらは東の『聖地』より現れ、
『聖地』を支配するエルフの目をかいくぐっては回収していた。
 それらは明らかにハルケギニアで作られたものではなかった。見た目こそ剣などハルケギニアでもありふれた武器ではあるが、
『道具として使う』と、単なる剣や槍以上の効果を発揮する。具体的には、火炎や氷が発生したりするのだ。つまり、
メイジの攻撃呪文が剣で行えるようになる。その最大威力は、スクウェアスペルにも匹敵するものもあった。
 しかも単なる攻撃だけでなく、補助的な魔法効果を発揮するものもある。対象の守備力を下げたりするなど、
戦闘面でも充分有用なものもあり、さらに回復の効果をもたらすものまである。
 これらすべて、『武器』である限りガンダールヴなら扱える範疇だ。故に、連日ジュリオは『場違いな』武器を使い続けてきた。
「おかげで疲れが溜まってるよ。まったく、使い魔遣いが荒いんだから」
 小言を言いつつも、ジュリオは主人を信頼していた。自分の主人は、無駄なことはさせない性格だと。
「ところで、話は変わりますが。アルビオンの反乱があと一月くらいで終結しそうです」
「王党派の敗北でか?」
「はい」
 浮遊大陸アルビオンを支配するアルビオン王国。その王家は始祖にも連なる現存最古の家系の一つであるが、
貴族らの反乱によって力を落とし、現在は『貴族派』と『王党派』による内乱が勃発している。
 だが当初から王党派は負けが続き、時と共に貴族派は着々と国内に根を広げ、ついに王党派の負けは誰の目にも明らかになった。
「なにをしろっていうんだよ」
 半ば確信しながら、ジュリオは問うた。
「アルビオンに眠る『始祖の秘宝』の確保。及びそれのための準備です」
「加えて、王家の保護もあると思っていたんだけどな」
「確かに私の『虚無』があればそれも不可能ではないでしょう。しかし、それではいらぬ混乱をロマリアにも招いてしまいます。
王家の方には残念ですが」
「おいおい、王家が滅亡すれば『始祖の秘宝』も手に入れにくくなるぜ?」
「いえ、それには及びません」
「どうしてだ?」
 ジュリオは身を乗り出した。
「たとえ『秘宝』が貴族派に奪われたとしても、いつかは『土の国』の虚無の手に渡りますからね」
「……それはつまり」
「ええ、この反乱はガリアが手を引いているということです」
 ここ最近で一番の溜息を、ジュリオを吐いた。
816代理:五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 20:56:02 ID:8gp7WcMs
733  :五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔:2010/06/13(日) 00:57:22 ID:tng1zrtA
    以上です。
    ロマンチストってどんなのかわかんなかったので、辞書で引いてみたら案外いい意味じゃなかった件。
    ようやくデルフが登場したので、クリオが一人ぼっちにならずに済みそうです。
817名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 20:58:12 ID:8gp7WcMs
代理して気付いたけど、マルモの人って投下で文章切る時、〜た。で終わるのが多いな。どうでもいいけど
818名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 21:01:01 ID:Fpu42zX4
まあ、文章の癖は人それぞれだーね。
作者さん代理さん、共に乙
819名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 21:31:13 ID:0YwKuqiv
代理の人も書き手の人も乙でしたー!
820名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 06:55:17 ID:dDnorIub
>>803
え? そうなの?
そういやオリハルコニウムをアクセサリにして異性に贈るというのは、
昔M・アンドーなる少年がやって大変に色々な事になった憶えがw
あん時贈られたのはたしか10歳年上のお姉さまだったかねえw
821名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 12:26:38 ID:EDzEcxc6
LOEでは可愛かったのにα外伝でガッカリ
822名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 15:55:35 ID:nZdkHuVZ
>>820
ちい姉様に洗脳フラグが立ってるからなあ、教皇に目をつけられて
オリハルコニウムのフラグが必要だよな
823名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 16:28:42 ID:a0gSIkn8
ラスボスの人、乙でした。
なんか、ステラを救おうとして、果たせずに死なせてしまったシンを思い出しました。
カトレアの最後の台詞が「ユーゼス……好き」だったらやだな。
824名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 19:08:39 ID:feclOur2
じゃあ「かゆ・・・うま」で
825名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 20:09:18 ID:yYKT9HCC
>>824
ホラーいってどうすんだよ。
まったく・・・・・・じゃあ、さらわれたカトレアを助けるために仮面を被って戦うユーゼス。
でも再会したカトレアは・・・・・・
826名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 20:37:28 ID:CQHmd1Iz
るろうに剣心でやってみたいと思ったけど、もう斎藤がいるんだったか。
るろ剣は動かしやすいキャラって少ない気がする。急ぎ帰る理由もなくて、使い魔になってくれそうなキャラ……京都編終了後の瀬田宗次郎とかいいかな。
二つの生き方のどっちが正しいか、ってのもテーマにできそうだし。
827名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 20:40:40 ID:uf0hZkZD
大鎌の鎌足ちゃん一択
828名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 20:48:45 ID:mOokEnv/
>>827
さあ、執筆作業にかかるんだ。
829名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 20:52:13 ID:NIhaew0P
安慈が召喚された場合二重の極みでは固定化を打ち破れなくすればある程度バランスが取れそうだ

一発ネタでコッパゲ&アニエスVS白炎&雨水の傭兵コンビは難易度が高いな
830名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:10:27 ID:rtWWHoR8
ティンベーで弾き!ローチンで突く!
831名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:24:28 ID:n2WQKmge
いやいや諦めてないからね
おじさんマジで志々雄ぶっ殺しちゃうからね
832名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:26:34 ID:BWuY2UZ/
志々雄を召喚してしまうのは、ジョセフとヴィットーリオのどちらでも納得できそうだ。
833名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:31:55 ID:CQHmd1Iz
>>829
安慈とか本編終了後じゃないと、ハルケには危険そうだ

軌道に乗るまでが大変だけど、本編終了後の雪代縁の復活劇もありかも。
姉に面影を重ねるとしたら、やはりカトレアあたりか。
834名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:31:58 ID:9cFSDIMq
どうせなら同じライトノベル系からなんか召喚しようぜい。
835名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:33:24 ID:euRygmH8
つい先日話題になった俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長からか
836名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:36:41 ID:mOokEnv/
他のSSパクるんですね、わかります。
837名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:50:43 ID:wlH8Iz28
一発ネタでフルメタからボン太君軍団
838名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:52:12 ID:wGB08C69
狂乱家族召喚
次男が素でヴィンダールヴで
三男がある意味ガンダールヴみたいなもんですが

あとは銀河無責任男とか・・・小ネタでは呼ばれてたけど
839名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 21:53:17 ID:NCtXc1Up
ライトノベルねぇ。
POWERDOLLSからだと誰呼んでもガンダールヴとの相性は良さそうだな。
パワーローダーはタルブにナカミチがχ-4こみで流れ着いたってことでw
840名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 22:54:41 ID:Q4HfBELB
モーコンの連中を召喚して、ギーシュもフーケもワルドもみんなハナから生かす気もなくFATALITYな殺し方するのも読んでみたかったり。
841名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 22:57:31 ID:SfYhVLaz
>>834
語尾で即座に禁書の土御門思い出した
禁書って誰が呼ばれてたっけ
842名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:00:47 ID:FRPS3Yo9
一方があったかな
843名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:01:29 ID:yYKT9HCC
止まってるけど、上条さんと一通は呼ばれてた。
844名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:11:52 ID:oTNOO59R
>>833
あの姉だったらカトレアよりはむしろタバサのほうが近いような気もしなくもない
845名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:27:26 ID:gdVrwV1e
>>840
待て、それでは究極神拳の最初の犠牲者がルイズになりかねん。
つーか、モータルコンバットにはキス→木っ端微塵で死亡なんて究極神拳がマジであるからねぇ。
その所為で奴らが何もせずにキスを受け入れるなんて事がありえねぇわw
846名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:34:48 ID:z2sQ0W9C
ラノベといえば、境界線上のホライゾンにマザラン(マザリーニ)が出てきたな
チョイ役だったけど
847名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:56:38 ID:XUzzImb5
一方
848名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:58:49 ID:kCH6NuAL
一休
849名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 00:20:45 ID:lVWW19lC
ワンピからマゼラン召喚を思いついたけど
最初のKissでルイズが毒死するシーンしか想像できない。
850名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 00:23:40 ID:/bzVH1Ee
フォルカ育ててたら敵パラの強い武器も盗めたのに
851名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 00:29:35 ID:4HWR2JJn
誤爆だろうけど蒼炎のフォルカか。」
戦闘時以外は食事時だろうと船の中だろうと
姿を見せないし出てもらおうとすると別料金ねだる
雇われ暗殺者だからな、小ネタにはなりそうだ。
852名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 01:34:11 ID:ZV5TMvzt
俺の思い出のラノベこと「シャープ・エッジ」からカナメを……。
まぁどう考えてもカナメ無双になりそうだか。


あとはふと思ったが神栖麗奈を召喚したら面白いんじゃなかろうか。
853名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 01:42:28 ID:dPKcjdsj
ノベライズ版の超攻合神サーディオンから主人公二人組。
サーディオンなくても強いぞw
854名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 02:54:00 ID:5yzbqOH9
ブギーポップのクロスって全然見ないな
まあフォルテッシモとか呼んでも無双になるだけなんだが
855名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 03:02:29 ID:YEXsxyUb
中村俊輔物語から俊さん召喚してあげようよ
856名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 03:03:57 ID:cp0aC4Rl
馬鹿強い強化人間か人間か一般人しかいないからな
個人的にはユージンとか呼んで幸せな学園生活を満喫しながら裏で刺客を抹殺とかして欲しいが
857名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 03:07:52 ID:+fXzNmCd
ブギーポップは、あいつ自身が異世界に干渉できるから、他のキャラ呼んでもしゃしゃり出てきそうでなぁ。

ヴィットーリオあたりは、世界の敵と呼ばれそうな気がするし、ブギーポップに暗躍されると、実に話が作りにくい。
逆に、ジョセフあたりはブギーポップに倒されることを望みそうだけど、ブギーポップは相手にしなさそうだが。



オキシジェンとかリミットとか、ピート・ビートあたりを呼ぶと、面白いかもわからん。
858名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 06:11:28 ID:GXtwvhu2
オキシジェン・デストロイヤー召喚とな
859名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 12:48:11 ID:u7ydb5rU
ああ、カトレアさんに生存フラグが立ったら、どこぞのユーゼスを巡って凄まじい怒号と共に決闘するヴァリエール姉妹上二人の姿が見たい……
860名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 13:09:38 ID:p/1wXcAD
>>853
サラマンダーとアルセイデスか、懐かしいな。
特にアルセイデスは魔法使いだから相性がいいかも、生体惑星崩壊のときから呼べばサーディオンもついてくるし。
 
でも、俺としてはできればステージ1でスイッチ押すのに使ってから二軍落ちで、そのまま酸の海に散っていった
不運のレオパルドに救いの手を差し伸べてほしい。
861名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 18:33:05 ID:7A19xU3f
グゴゴー
862名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 19:53:11 ID:YJEfOhr+
グオゴゴゴ
863名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 19:55:50 ID:jLXZv20v
ギャアーー、それはレオパルドンだ。
864名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 19:57:56 ID:wRLoYlvU
ソードビッカー!
865名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 20:06:00 ID:cihw2sdG
>>859
きっとあの世界も重婚化だよもげろマサキ
866名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 20:19:45 ID:CAVG08VD
しかしそうか、姉ルートとはよく言ったものだな。
867名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 20:41:07 ID:9DyVAeoC
どこぞの池袋とかから

ルイズ:杏里
ティファニア:バカップル
ジョセフ:帝人
ヴィットーリオ:コピーキャット

を召喚してハルケを混乱の渦に……ッ!?
868名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 20:48:40 ID:f/c1g6BK
>ルイズ:杏里
デルフが光の速さでいらない子に……っ!
869名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 20:53:17 ID:S9gAGm5f
杏里の中に常に罪歌入ってるからルーン光っぱなしか、眩しいな
870名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 21:15:57 ID:oE5DD9i4
マーベラーっ!!

……スパイダーブレスレット召喚とか幻視した。
そういやあのスパイダー星人の名前もガリアだっけ。むむ……w
871名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 21:21:10 ID:ljVWDLx8
デュラララ!! からセルティを召還
・・・契約できねー
872名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 21:23:32 ID:jLXZv20v
光の速さでいらない子。
光の速さで明日にダッシュすれば。
あるいは光の速さで歩いて宇宙の王者になれば。
873名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 21:33:14 ID:bVFIHuEI
光る風追い越したら
874名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 21:44:59 ID:KheNwBUv
お前の反陽子爆弾でハルケギニアがヤバイ
875名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 21:51:20 ID:9tiEkRwF
池袋ウエストゲートパークからマコト召喚
876名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 21:56:10 ID:2gW3S/mo
○○から××を召喚

って1行書くだけの人って何を考えてるの?
877名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 22:18:38 ID:vANEuWp+
誰かが触発されて書くかもしれないと期待してるんじゃないだろうか
878名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 22:21:21 ID:sV/ddtJb
>>876
もともと奇妙スレから派生したこのスレ、当初はみんなそんな感じだったけど?
879名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 22:22:48 ID:CAVG08VD
頭の中で思い描くだけなら、時間も労力も文章力もいらんからなぁ。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 22:32:33 ID:Ym2vNrGu
久々に1000まで行きそうだな
まあそれだけ投下がなかったという事なんだが
881名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 22:32:34 ID:7A19xU3f
時間がいらない・・・?
882名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 22:58:16 ID:CAVG08VD
え、まあ、確かに全く時間がいらないって事はないけど、そんなにはいらないだろ。
大まかなストーリーラインとか要所要所の展開を、思い描くだけなんだし。
883名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 23:17:50 ID:/Uysz39y
俺の妄想力がいつの間にか時間を追い越していたとは
つまり、その気になれば未来視も夢ではない!
884名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 23:25:01 ID:jLXZv20v
我等にかかれば未来視の一つや二つ!!
時間さえ超越する妄想力は・・・・・・ん? 部屋の角から青黒い煙が・・・・・・
885名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 23:41:25 ID:sdAfSLSN
>どうせなら同じライトノベル系からなんか召喚しようぜい。
ん〜
キノの旅からシズを召喚。
彼は安住の地を探していたから適任かもしれない。
ティーが加わる前の状態ならアッサリ受け入れてくれそう。
種装備が刀だからデルフとの相性も良さげ。

唯一の問題は本当に安住するのはムリだという事かな?
886名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 23:44:43 ID:fsuP9NO7
時間超人召喚しようぜ
887名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 23:45:58 ID:QA4ZixrC
なんとなく見た新エバーが面白かったからSSを探そうとまとめを見たがちょっとしかないのね…
エバーならSS量産されてるんじゃねーかと思ったがゼロ魔読者層とは案外かぶらないのか
888名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 23:58:50 ID:cihw2sdG
エヴァンゲリオンネタはエヴァ板でやるのがマナー

というか変なのが寄ってきて荒れるからどこの板でもそんな感じになっていた。
最近は知らん。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 00:03:01 ID:Qt4qCVoB
あぁ、そんなルールがあったのね
890名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 00:29:08 ID:65hhn3Y2
かぶらなければ一時に投下しますね
891名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 00:39:41 ID:/9BTA3PQ
あんま早く言うのはやめた方がいいですよ
892とある虚無の窒素装甲:2010/06/16(水) 00:58:43 ID:65hhn3Y2


「はあ、もうそろそろ超限界ですかね〜」
見かけは12歳くらいの少女、中学生(自己申告)の絹旗最愛は能力を使用し人にあらざる速度で深夜のビル街の屋上を疾走していた。
親友(?)の滝壷と浜面が何故学園都市上層部にその命を狙われているのか。
暗部で大人しく働きつつその立場を利用して、調査をしていたのだがどうやら感づかれたらしい。
追っ手は恐らく能力者、あの日から再構成された組織の一つだろう、幸いなことにレベル5はいないようだが。
レベル5第一位と第二位が衝突したあの日からグループを除いて壊滅したアイテム・スクール・ブロック・メンバーの再構成が
進められていた。
彼女もその一つに在籍し、上層部から押し付けられた汚れ仕事を片付けていたわけだ。
今現在は仕事熱心な同僚に追われているのだが。

さて、ここからどうしようかと思案する。
ひとまずこの難所を乗り切り、身を隠して学園都市へ脱出する方法を模索せねばならない。
時間を掛ければ掛けるほど追っ手のレベルは上がるだろう、レベル5なぞが出てきた日には終わりだ。
取り敢えず仕事にあたり接触してきた何でも屋にでも顔を出して脱出の手筈を整えるか。
幸い金なら口座に幾らでもある、この追っ手を撒いたら即座に全額引き出して連絡をとらねば。
しかし相手の能力が分からないというのは致命的だった。
捕縛か抹殺かどちらの指令を受けているかは分からないが自分の『窒素装甲』に対する情報は間違いなく提供されている筈。
何時までも逃げ続けられるわけではないし能力を使用していてもスタミナが無限になるわけではない。
ここらで片をつけねば。
「よっ、と」
屋上から飛び降り足元のアスファルトを砕いて高さ30m近くある建物から閑散とした駐車場に着地した。
いやするはず筈だった。
「なんじゃこりゃああああ!!」
乙女にあるまじき悲鳴を上げた彼女だが許してあげてほしい。
自分が着地する筈の落下コース上になにか光る鏡のようなものが出現していたのだ。悲鳴の一つや二つは上げたくなる。
彼女にその光る鏡を回避する術はなかった。
『窒素装甲』は戦闘向きの能力ではあったが空中にいる己の位置をどうこうできるわけではない。
彼女の体は綺麗なコースを描いて落下し、光る鏡に衝突した。

かくして絹旗最愛は科学とも魔術とも違う不可思議な現象によってこの世界から消滅したのであった。
893名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 01:00:09 ID:65hhn3Y2
             第一話・C級映画並の超展開?



気がついたら何故か砂煙に包まれていた。
追っ手の能力による攻撃だろうか。
複数の気配を感じて身構え周囲を警戒するが殺気や敵意の類は感じない。
むしろ笑い声すら聞こえる、嘲笑や冷笑ではなく純粋に愉快だから笑っているような感じだ。
砂煙が晴れて周りの様子が窺えるようになって仰天した。
さっきまで深夜であった筈なのに─太陽の位置的に考えて─昼間、しかも外国人らしき少年少女に囲まれていた。
テレポーターの仕業だろうかと思い浮かんだがすぐさま否定。
深夜から昼間、つまり日本から地球の裏側にテレポートさせられる能力者が存在する訳がない。
しかし南米にこんな風景があるのだろうかと周りを油断なく見渡して思う。
なだらかな草原、遠くに見える石造りのお城らしき建物。ゆっくりと吹く暖かな風、穏やかな日差し。
どちらかと言えば欧州のそれである。
すると桃色の髪の自分とさほど身長が変わらない少女が渋い顔をして歩み寄ってきた。
取り敢えずコミュニケーションを取るべきだろう、人付き合いは第一印象が大切だ。
「Hello,Where is here?(こんにちは、ここはどこかな?)」
反応なし、英語は通じないようだ。
「Bonjour,Ou est-ce que je suis?」
反応なし、フランス語も駄目。
「Guten Tag,Wo bin ich?」
反応なし、ドイツ語も駄目。
こうなったらやけだ、ノルウェー語、ロシア語、フィンランド語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語で同じ質問をする。
全て反応なし、ていうか何か怒っている気がする…。
「訳の分からないことペチャクチャ喋ってんじゃないわよ!」
まさかの流暢な日本語だった、何か怒っているがようやく意思の疎通ができそうなのでモウマンタイ。
「あっ、日本語超通じるんですね。英語とかフランス語とか試してみても駄目だから泣きそうでしたよー」
日本語喋れるんなら早く言ってくださいと腕を組んで言ってみる。
「何言ってんのかよく分かんないんだけどあんた誰?」
何言ってるとはないだろうと思いつつ、取り敢えず質問に答える。
「誰って…、私は絹旗最愛ですよ」
「キヌハタサイアイ、変な名前ね。どこの平民?」
平民?貴族階級が存在していた時代の一般大衆の呼び名という知識しかない。
敵ではないらしいので落ち着いて観察すると皆手に手に棒を持って、制服らしきものを着用している。
イギリスなどの伝統ある寄宿制学校にこれに似た制服はあったしここは学校だろうか。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
その声に目の前の少女以外の全員が笑った。悔しそうな顔をして怒鳴り返している。
その言葉に何人かがまた言い返しどっと人垣が爆笑した。
会話ともいえない怒鳴り合いでこの桃髪の少女の名前がルイズということがわかった。
「ええっとごめんなさい、この状況って超私のせい?」
戸惑いつつ言ってみる。何か私のせいでからかわれてるっぽいし。
「超あんたのせいよ!」
振り返って怒鳴られた。超て。また笑われてるし。
「こらこら諸君、落ち着きなさい。貴族たるもの大声で怒鳴りあうものではありません」
人垣を割って頭部の寂しい中年の男性が出てきた。
仲裁を始めたようだがあの格好はなんだろう、まるでハ◯ー・ポッターシリーズの登場人物──要するに魔法使いみたいだ。
「ミスタ・コルベール!」
たぶん中年の男性の名前を呼んで、何やら必死に懇願している。
しかしコルベールという中年の男性は首を横に振りルイズの要望は認められないと繰り返す。
会話の内容は意味が分からなかった、召喚って何?
学園都市という科学の粋が集められた学園都市の、自分の体自体が最先端技術の申し子である絹旗には馴染みの無いオカルト用語だ。
彼女の好むC級映画から何かを喚び出すものという知識はあったが。
コルベールとルイズの会話をまとめると、どうやら召喚によって自分はここに喚び出されたがルイズはそれが不服でやり直しを
要求しているがコルベールはその召喚の儀式は神聖でやり直しはきかないよーんと。
つまりそういうことだ…ってなんじゃそりゃ。
894とある虚無の窒素装甲:2010/06/16(水) 01:01:14 ID:65hhn3Y2
腕を組んで静観していた絹旗の方へ話がまとまり儀式の覚悟が決まったルイズが振り返る。

「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて普通は一生ないんだから」
杖を振り呪文を唱える。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、
我が使い魔となせ」
相手は女の子だからノーカンよノーカンと思い込んでルイズは絹旗の唇に己の唇を重ねた。
「えーとごめんなさい、私そういうソッチ系の趣味超無いんですけど…。ほんとにごめんなさい」
びっくりしたようだが真摯に謝られた、しかもかなり後ずさってドン引きしている。泣きたい。
「うるさいわね、私にもそんなんないわよ」
ぐったりと疲れ果て力なく言い返した。

よく分からない事を呟いたかと思うといきなりキスされた。何を言っているのか(ry
予想外の行動に咄嗟に避けることも出来ず唇を奪われた。まさかこんなとこでファーストキスを同姓に奪われるとか…。
ひとまずソッチのケはないことを丁重に伝えるとルイズはガックリと項垂れた。感情の起伏が激しい奴だ。
どうやらルイズも不本意かつファーストキスだったらしい、まさか女の子がその相手とは思わなかったのだろう。
「『サモン・サーヴァント』は何回も失敗しましたが、『コントラクト・サーヴァント』はきちんとできましたね」
コルベールが笑みを浮かべて喜んでいる。おっさん空気嫁。
「相手がただの平民だから『契約』できたんだよ」
「その子が高位の幻獣だったら、『契約』なんてできないって」
何人か言うと周りも声を上げて笑った。
傷心のルイズもすばやく立ち直り再び怒鳴り合いが再開した。
なんかもーどうにでもなーれとか思いつつ空を見上げる。自分の常識からあまりにも逸脱している出来事ばかり続いてそう思った。
綺麗な空だ、青色は淀みなく広がり純白の雲がゆっくりと流れている。
唐突に全身が熱くなった。
「ちょ、超熱いんですけど!」
発火系能力者に攻撃を受けたのかとでも思うほどの熱だ。かなり熱い、マジで。
「すぐ終わるわよ。待ってなさいよ。使い魔のルーンが刻まれているだけよ」
ごめん意味が分からない。
そうこうしてる内に熱はすぐ引いた。特に熱かった左手を見ると甲に何か文字が踊っている。何これ?
「珍しいルーンだな、よく見せてもらえるかい」
「はあ?超構いませんけど」
コルベールに左手を見せると彼はスケッチを取り教室に戻る旨を全員に伝えると、浮き上がった。
「あ?え?能力者?」
クレーンとかワイヤーとかは見当たらない自然な動作で、他の生徒らしき人達も次々と浮かび上がる。
そして浮かんだ連中がルイズに罵倒を浴びせ、すぅっと城らしき建物の方へ飛んでいった。
重力操作?有り得ない、空中を浮かぶにはかなり繊細な演算が必要とされるはず、連中全員がレベル5というならともかく。
大気操作?これこそ有り得ない、人間程の質量をあれほど穏やかに飛ばすことなどできない。
該当する能力のどれにも当たらない現象に絹旗は目をぱちくりさせた。
「何驚いてんの?」
気がついたら周囲には自分とルイズが取り残されていた。
「魔法、見たことないの?」

はぁとため息をついてルイズは自分の使い魔を見た。
幼い幼いとよくツェルプストーに馬鹿にされる自分から見ても使い魔は自分より年下だと分かる。
茶色の髪に茶色い目、ここらではあまり見かけない顔立ちだがよく見るとかなり可愛らしい。
自分の期待とはまったく違う使い魔なのでつい我を忘れて怒ってしまった。
よく分からない内に召喚されて契約してビックリしただろう。
大したことに自分がこんな目にあったら多分泣き喚くと思うが彼女は落ち着いていた。
「魔法?超意味がわかりません」
心ここにあらずといった口調で返された。
「魔法を知らないってかなり田舎から来たのかしら」
「ここより超大都会ですよ…」
それから彼女の話を聞いたが常に筆記試験で学年トップを維持しているルイズでさえ聞いたことの無い地名ばかりだった。
ニホン、ガクエントシ、少なくともハルケギニアではない。
エルフが住む地よりさらに東から来たのかと言うと「まあそうなんじゃないですかねぇ、超適当ですけど」と投げやりな答えが
返ってきた。
仕方がない、ここでは何だしもう授業はないから部屋に帰って色々聞こうとルイズは使い魔の手を引いて寮に帰っていった。
895とある虚無の窒素装甲:2010/06/16(水) 01:04:35 ID:65hhn3Y2
>>892はプロローグです、ミスです

短いですがこれまでです
アニメ化で有名になったとある〜シリーズからのクロスです、キャラはマイナーですが
あまり日を開けずに投下することになると思いますのでよろしくお願いします
それでは
896名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 01:42:04 ID:IF8AC4rG
480KB越えているんで次スレ立てます。
897名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 01:44:50 ID:IF8AC4rG
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part277
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1276620182/
898名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 02:12:00 ID:LVts/VRH
「埋めよう」
「埋めよう」
そういうことになった。
899名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 02:22:13 ID:NYZoKa+P
>>883-884で何故か
「距離も時間も人の心の迷いが生み出す幻に過ぎない」という名言を思い出した。
なので、創聖のアクエリオンから不動GENを召喚。
召喚されてないのにいたりして。多分、どんな超展開でも大丈夫。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 02:52:41 ID:2QSlW41X
>>897
乙です。

>>898
埋めると負担になるから、埋めるくらいなら放置して落とす方が良いらしいよ。
901名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 11:32:30 ID:WRnRkdds
>>899
あの人ならジョゼフや教皇や烈風カリンですら説得できそうだから困るwww

アクエリオンのパイロット召喚だと殆どの奴が何らかの能力者だから面白そうではあるが
902名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 13:37:25 ID:gaF8KIwV
ロジャー「説得ならネゴシエーターのこの私にまかせたまえ」
903名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 13:39:06 ID:FxWB0zp/
ロジャーと聞くと、ロジャー・アドレアン・グリフィスを思い出す。
904名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 16:29:05 ID:A/i3PrPG
電王がデンライナーごと召喚される
905名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 17:23:49 ID:42XqlPOm
色的に……モモタロスがキュルケ、ウラタロスがタバサなのは確定として……お姉ちゃん大好きなリュウタロスもルイズで確定。
微妙にずれていて、かつ男前でボケ役なキンタロスはコルベール先生と絡みそうだな。
906名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 18:15:12 ID:xVu5cF+8
で、結局埋めるわけか。
907名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 19:57:34 ID:yf400KT3
埋めと雑談は違うだろw
908名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 20:12:34 ID:/8kvBa2c
なぎはらえー(AAry
909名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 20:18:33 ID:z/TrF5cp
なぎはらえー
それでも世界で一番邪悪な一族の
末裔かー
910名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 20:56:17 ID:0p6xGWtn
いっぱい居たから一体くらい
911名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:03:11 ID:gaF8KIwV
ティンダロスの仔犬召喚
何処へ逃げようともありとあらゆる角から姿を現し、
「くうんくうん」という恐ろしい唸り声と共に犠牲者にじゃれついてくる恐怖のモンスターだ!
912名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:33:56 ID:ucbPoUzU




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913名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:46:42 ID:tjFW8Zn+
>904
小ネタにあったような気がする。
914名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:48:18 ID:ZQ8663JT
ルパン召喚はまだか
915名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:52:11 ID:0p6xGWtn
無敵戦艦ワルキューレから白銀惺四郎が召喚
916名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:54:12 ID:WTyUx/F4
>>914
あったろ
917名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:57:25 ID:yf400KT3
>>916
三世じゃなくて?
918名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 22:01:17 ID:MWsQTeHq
まさかアルセーヌの方?
919名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 22:06:31 ID:WRnRkdds
元祖はけっこうえげつない性格してるぞw
920名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 22:11:33 ID:yf400KT3
まさか小僧じゃないよね?
921名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 22:25:38 ID:/LH5AiBk
意表を突いて八世だな
922名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 00:28:25 ID:4VMwRvH6
元祖、三世、小僧、八世……
なるほど、スーパールパン大戦か
923名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 01:08:09 ID:whgwA6ch
さすが無敵艦隊wwwww
924名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 01:17:04 ID:whgwA6ch
すいません、誤爆しました
925名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 23:34:22 ID:zjDvsWAn
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926名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 23:35:25 ID:zjDvsWAn
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927名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 23:36:29 ID:zjDvsWAn
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928名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 23:40:55 ID:yZB8L5DW
誰かこのスレに投下されてまだWikiに登録されてないの作業してくれ…
俺のところからじゃできない…orz
929名無しさん@お腹いっぱい。
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