【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚89人目】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
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     _      ここは「ゼロの使い魔」と「ジョジョの奇妙な冒険」のクロスSSスレよ。
    〃  `ヽ     他にも避難所にしか掲載されてないSSとかもあるから一度見てみなさい
    l lf小从} l /    投下中は空気読んで支援しなさいよ 荒らしはスルーだかんね
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/     職人さんは荒らし防止にトリップを付けてよね
  ((/} )犬({つ'      次スレは900か950を踏んだ人が立てること
   / '"/_jl〉` j      480KBを超えた場合も立てるのよ。 わかった?
   ヽ_/ィヘ_)〜′

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚88人目】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1242788642/l50

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2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/16(日) 22:49:46 ID:CFUOGFCu
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/16(日) 23:46:28 ID:2PVespCZ
            , -―  ――-、
             /に    (ニ==\
         //')      に二) (ヽ   新スレを立てやがったなッ!
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  よく立ててくれたよなぁぁぁぁぁぁ
         i!   ● / /●  ヾヽヽ,!      >>1圧!……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi   …じゃなくて>>1逸!
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /
.          \     |三/ []「/__ /
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/


            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\   …は違う…
         //')  u    に二) (ヽ  うぐぐ………
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  >>1鬱…じゃない……
         i!   ● / /● uヾヽヽ,!  >>1閲でもなくて……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/16(日) 23:51:08 ID:pHhe/fsj

……乙…か?
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/17(月) 12:08:08 ID:CePAQntJ
オオオオオ乙!!
6名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/17(月) 12:47:00 ID:f7jPWmG9
1乙だ!以前変わりなくっ!
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/17(月) 16:52:29 ID:N1yaWsM4
           r彳云ヽ、
         , -イ。弋ソ__ 二ミヽ/\         人
       _//> ´ ̄      ̄  ̄ ̄¨ヽ、    `Y´
     /\//        \       ',
    /| fV/          ノ\.      |  _!_
   / |_∨  /  /  /   /  ヽ. ! |  | |   !     >>1
   | /    |  /,.⊥L  /  r十|ト!、|  ! |  :     大変に乙ですわ
   |{     !ィ爪 ∨\  !  _」_// / 人リ   ;    今スレでもルイズの使い魔さんが活躍、
   !ヘ ヽ  ヽ| V,ィ≠ト ヽ !  {f イ|∨/  \   +   または新たなる使い魔さんが召喚される…
   | \| \__∨|{__,イ}.    弋rリ イ     ヽ   :
   /   !  \弋_rり      ̄::: {     } |   ;   と、なればこれは間違いなく
  / ,   {     \:::::     `   人.   //|.|  _!_   我がトリステイン王国にとっての国益
  |/| | ハ     ヽ   r _ア  , イ   // リ   i   トリステインの王たる私にとって
  |! | ト、 ト、     > 、 _ ィi |   /!/        これほど喜ばしい話はありません
    \! メ::::\!\  }ー-rく{ } |   |-- 、__
       ̄ >ー-へ |_::| |:: :||:::!\从::::::::::::ヽ       ルイズの為、ルイズが忠誠を誓う私の為に
  人    /::::::::::::::::::∨:::r----r‐rr‐<_::::ヽ::::::::\   人 使い魔さん達には是非とも
 `Y´ /:::::::::::::::::::::::::::::::rニニ /.// / ハ:::!::::\:::::∧  `Y´ 頑張って頂きたいものですわね
    |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽこ/ノ _____ ! | :::::::::::::::::::::!
    |:::::::::::::::::::::!:::::::::::::::/::|‐彳―、}./\:::::::::::::::::::|
8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 16:58:52 ID:VoJx3f6h
アンリエッタが黒いwwwwww
9名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 17:00:14 ID:VoJx3f6h
おっと、1乙、を忘れてたぜ。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 22:51:37 ID:4FQLFveM
>1乙

アンアンを粛正しない限りこの国に未来は無い!
11兄貴:2009/08/18(火) 22:56:38 ID:UXtRdd7w
>>3
兄貴か?兄貴の新作欲しいのか?新作……イヤしんぼめッ!
いいだろう、しぇっこ!行くぞ新作行くぞッ!

おマチさんをイジる、きゅいきゅいもイジり倒す、両方やらなくちゃあならないってのが辛いとこだな……
聖帝様は頭ん中でプロット完結してるのに、こっちは話が一向に進まない、どういう事なの……

もう少ししたら投下するかもしれんよ。
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 23:01:36 ID:BzOZOete
さがれ!道をあけろ〜!!
兄貴の投下だ〜〜〜〜〜ッ!!
消毒されてえかーーーーーー!!
13ゼロの兄貴:2009/08/18(火) 23:22:44 ID:UXtRdd7w
先に言っておくッ!話なんざこれっぽっちも進まない上に、大して意味のある話でもないッ!
長さだって平均15kbぐらいだけど、今回は10kbぐらいだッ!


「うきゅう」
足元で潰れたような声がするけど気にしてはいけない。
頭を抑えて地面に蹲っているシルフィードが涙目になっているのも気のせい。
「うう、酷いのね。おねえさまが心配だっただけなのに」
「うるせぇ!だからって飛び付く馬鹿がどこにいやがる」
鬱陶しいと言わんばかりにプロシュートが吐き捨てたが、荷物背負ってやっとの思いで村に戻ったと思ったら
出会い頭にシルフィードがアメフトかと言わんばかりのタックルをかましてきた。

肝心のタバサはというと、ジジの家の中でデス13と遊んでいる頃だ。
なぜにこうなったかというと、タバサの今の姿にある。
前衛を勤めたのはプロシュートなので怪我なんぞこれっぽっちもしちゃいないが、洞窟前から村まで運んだのは当然プロシュートだ。
一回動脈切ったから手は血塗れで、額の傷も完全に塞がってないから流れてきた血をまた手の甲で拭う。
自分の汚れは気にするが、他人の汚れなんざこれっぽっちも気にしないため村に付いた時はタバサの服は血でベトベトだった。
その姿を見たシルフィードが180度ぐらい勘違いをして突っ込んできて
『おねえさまがミノタウロスにやられちゃった』などのような事を言いながら人の上でわんわん泣いていたので
手加減の手の字もなく、綺麗な右フックがシルフィードのつむじにブチ込まれたというわけだった。

「ふぁ……夜中になにやってんのさ」
呆れ顔で家の中からフーケが出てきた。
いっそ、そのまま戻ってこないで欲しかった、と思っていたのは決して口には出さない。だって命は大切な物だって両親から教わったから。
欠伸をしたりして眠そうにしているあたり、それなりに疲れていたようで寝ていたらしい。
「カタは付けた。くたばってるから見たけりゃ見に行けよ」
「まぁ死ぬとは思ってなかったけど、結構手間取ったみたいだね。珍しい」
服は少々土で汚れ、顔に至っては乾いた血の跡で汚れている。
やろうと思えばこの村ぐらいなら一時間程度で全滅させられる力を持った男にしては珍しい姿だっただけに、いったい何があったのかと興味はある。
「別になんもねー。大したヤローだったのは事実だがよ」

「?どういう事さ」
まるで人間でも相手にしたような口ぶりにフーケが疑問符を浮かべたが、答えが返ってくる事はない。
しこたま疲れていたというのもあるし、なにより牛公が人間を辞めていたという事を説明するのはダルい。
しかも、そいつが十年前に村を救ったやつだったなど説明すればするほどややっこしくなってくる。
面倒なので無かった事にして無遠慮にジジの家のドアを空けると壁に背を預けた。
贅沢を言えば寝る前に一服やりたかったところではあるが、無い物強請りだ。
体力の消耗とスタンドパワーの消耗で眠気はすぐに襲ってきた。
それでも意識を手放す前に、あのラルカスの姿が浮かんだ。

肉体は死んでいたのに魂だけで動いていた。
並みの精神力ならとっくの昔に飲み込まれて、この村なんて無かったかもしれない。
もしこっち側の人間だったら立派なギャングになっていたと思う。
「……ホント大したヤツだったよ。オメーは」
誰にも聞こえないぐらい小さく呟くと、長い一日にようやく終止符を打った。



14名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 23:24:37 ID:A4Bj5AcQ
>>12
「消毒した」なら使ってもイイッ!
15名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 23:25:06 ID:A4Bj5AcQ
ゴメン、タイミング最悪だった支援
16ゼロの兄貴:2009/08/18(火) 23:25:19 ID:UXtRdd7w
「水」
昼前ぐらいに目を覚まし状況を確認すると、第一声がそれだった。
手と顔のあたりは血が乾いて赤黒く変色している。
ここが外だったら間違いなく死体認定されているような有様である。
幸い上着はスタンドで持っていたので血の汚れは無いが、身体の方は血と土汚れで気色悪い。
ここがイタリアだったら、今頃は声に反応したペッシが水を持ってくるところだが、生憎とド辺境。
蛇口を捻れば水が沸いて出てくるような場所でもなく、この村には井戸が一つしかないのですぐに用意できるはずもない。
他のやつらはと、周りを見てみたが、シルフィードはまだ寝ている。ついでに、他は誰も居ない。
一瞬、放っておこうとも考えたが、呑気そーに涎まで垂らしているアホ面を見ていたらなんか無性にムカついてきた。
自分だって今まで寝てたんだから言えた義理じゃあない。ただ舎弟ってのは常に兄貴より先に起きておくもんである。
ギャング世界なら教えるまでも無い事だろうが、そんな事知ったこっちゃないシルフィードは当然のようにブッチして爆睡ブッこいている。。
いくら負担が掛かるといっても限度ってもんがある。やる事やってりゃスタンド攻撃という事にしてやってもよかったが、昨晩から寝てるだけなので叩き起こす事に決めた。
仕事しないやつには厳しい。これ暗殺チームの常識。

バキィ、と首を鳴らすとシルフィードの首根っこを掴んで動かす。
必要以上に持ち上げる気など一切無く、引き摺るように引っ張っているから色んなところにぶつかっている。
人様の家とかいう気遣いは一切無い。

ちなみに、今のシルフィードの服はタバサのマントにロープ一本巻き付けただけという極めて適当なもので
どこかに引っ掛けたりすれば、少々よろしくない事になるが、プロシュートは全く気にしていない。
まぁ、ここまでされて起きる気配が微塵も無いっつーのだからどっちもどっちと言うべきか。

井戸まで引き摺って行くと、もうスデに先客がいた。
「よう、役立たず」
「……おはよう」
いきなり精神的に再起不能になりそうな言葉をぶつけるが、あの無表情面がこの程度で参るようなタマじゃない事ぐらいは知っている。
というより、本気ならもっとキツいのと同時に蹴りが入っているところだ。

手を離すと引力に引かれてシルフィードの頭が落ちた。
一度、一メートルぐらい持ち上げてから落としたのだが、まだ何か寝言をほざいているあたりダメな方に食らいついている。
「……いい根性してんじゃねーか」
こいつは多分、自分の欲望(三大欲求的な意味で)に対しては際限が無いやつだ。
もしギャングやってたら結構いいセンいってたと思う。

そろそろ蹴りの一発でもくれてやろうかと考え始めると、一足先に着替えていたタバサが無言で水の入った桶を手渡してきた。
季節が季節のだけあって井戸から引き上げたばかりの地下水ってのは相当に冷たい。
人間、冷たさを感じてそれが一定を超えると、冷たさが痛みとして認識されるようになる。
さらに突き詰めると痛みすら感じなくなってしまうのはホワイト・アルバムでご存知のとおり。
もちろん、それを知った上で盛大で、それでいて正確に寝ボケ竜の頭に中身をブチ撒けた。
17ゼロの兄貴:2009/08/18(火) 23:27:08 ID:UXtRdd7w
「い、痛いのね!鋭い痛みがゆっくりやってくるのね!?」
どこのブチャラティだ、と突っ込みたくなるような悲鳴をあげるとシルフィードが文字どおり跳ね起きた。
半分寝ボケているのもあって両手を挙げてその辺をぐるぐると走り回っているあたり日本の漫画の一シーンっぽい。
「ふぎゃん!」
最終的に石につまづいて動きが止まった。
倒れ方といい地面への入射角といい完璧なまでにギャグ漫画だ。

「いい朝だな」
「もう昼前」
何事もなかったかのように光り輝くさわやかさとさえ感じられる朝の挨拶と、それに対する突っ込みが上の方で繰り広げられているが
肝心のシルフィードは顎に膝蹴りをボギャァア!と叩き込まれたダルメシアンのようにピクピクしている。
もちろんそこには、何をするだァーーッ!ゆるさん!とか言ってくれる人なんて全く居やしない。

数秒間、大地の精霊と親睦を深めていたシルフィードがゆっくりと顔をあげると、モロに突っ込んだせいかあちこちに擦り傷が出来ているのが見て取れる。
そしてあっという間に目には大粒の涙が溜まって顔がふにゃりと崩れた。
「……いたい。……痛い、痛い、痛い!痛いのね!きゅいきゅいきゅーい!」
ガキの泣き声は宇宙最強の音波兵器だ。と、誰か偉い人が言っていたと思うが、まさにそのとおり。
元の姿が元だけに、その音量は半端無い。泣き声で空気が振動して伝わってきているが、原因が分からなければスタンド攻撃だッ!って思うぐらいだ。
さすがのプロシュートも防御不可能の音波攻撃には耳を塞ぐしかなく対処のしようがない。
「うるせェーーーーーッ!さっさと!なんとかッ!しやがれッッ!!」
直を叩き込んで無理矢理黙らせるという手もあるが、朝からんなしょーもない事でスタンドパワーを浪費するのも馬鹿らしく結局は飼い主に丸投げする事にした。

「…………」
「聞こえねーぞ!」
口が動いているあたり、なにか言っているんだろーが、元々の地声が小さいし叫ぶようなやつでもないので全く聞こえない。
自我があるスタンドを持っているなら、間違いなく『S.H.I.Tッ!』と言っているような状況である。
聞こえないと悟ったのか、小さく首を縦に振ると軽いため息を吐いて泣き喚くシルフィードの前に歩いていく。
軽い擦り傷程度ならタバサでも秘薬なんぞ使う必要も無く、杖をシルフィードの顔に向けて呪文を唱えた。
「きゅい……きゅ……きゅい……」
傷が治っていくにつれ泣き声のボリュームが下がっていく。
まだグズっているが、やっとこさ静かにはなった。それでもボスの大冒険に例えるなら『精神力が一下がった』というところか。
「クソ……朝っぱらからひでー目にあったぜ」
「だからもう昼前」
基本的に、起床時刻が不定期な人間にとって時間の区切りの概念は薄い。
例え夜でも寝起き=朝って考えになってしまっているがどうでもいい話。

ちなみに、その横ではグレイトフル・デッドが井戸から水を引っ張り上げている。
こういう時スタンドはディ・モールト便利だが、見える場合ディ・モールトシュールな光景だ。
18ゼロの兄貴:2009/08/18(火) 23:28:28 ID:UXtRdd7w
「そういやオメー、偽名だったんだな。どっちがいい」
「タバサ」
昨日、確かシャルロットとか言っていたような気がしたので聞いてみたが、本人がそれでいいというならそれでいい。
別にタバサだろうがシャルロットだろうが、名前が違えばそいつ個人が変わるわけでもない。
本人がそう名乗ってる以上、そう呼んでやるのが一番楽でいい。

とりあえず適当にあったボロ布かなにか濡らして顔と髪を拭くと、やっとこさメタリカ臭い臭いから開放されて一息付ける状態になる。
が、それもつかの間。もう聞きなれたというか、聞き飽きた音が聞こえてきた。

「それはそうと、おなかがすいたのね」
もはや背景に擬音が出そうな音を出したのは、もちろんシルフィードの腹の虫。
さっきまで超音波かと言わんばかりに大泣きしていたのにもうケロッとして飯の心配をしている。

音が鳴り止むと数秒の静寂がその場に流れたが、額を押さえながらプロシュートが露骨なまでの不機嫌を隠さずに言った。
「……殴っていいか?」
「きゅい!?」
本来なら、何も言わずに一、二発ぶん殴っているところだが
さっきみたいにガン泣きされてはたまらんという事で、心の中で思ったらその時スデに行動が終わっている男にしては珍しく言葉より先に手が出ていない。

「我慢して」
「きゅいきゅい!?」
タバサもタバサで、ミノタウロスを始末したからには、この村には用は無いと言わんばかに言い放つ。
この村に立ち寄ったのは、ミノタウロスという強敵と戦う事によって得られる経験であり、本来遂行すべき任務は他にあるのだ。

上位者二名にあおずけ宣言を出され諦めるかと思ったが、当のシルフィードは眉をハの字に曲げてぶつくさ愚痴を言い始めた。
「きゅい……シルフィは不幸なのね。この先、しゃべることすらできない、下賎な火竜の手にかかるかもしれないのに、ごはんも満足に食べる事ができないのね」
この世の全ての不幸が降りかかったような声と表情で地面に膝を付いているが、時折ちらちらと二人の顔色を伺っているあたり演技のようだ。
「おい、こいつ、何時もこんなか?」
「……だいたいあってる」
脳が足りてないとは言わないけど、近い。というのはタバサの言である。
ぶっちゃけ、そこいらの子供がショーケースのお菓子を駄々こねて買ってくれとわめいているようなもんだ。
うっおとしいと思うより、よくこんなのと組んでられるなという方が先にきてしまっている。

そんなシルフィードを見るとプロシュートが頭をかきながら、ったく、と言いつつため息を吐いた。
「食いモンならなんでもいいか?」
「きゅい!おいしいものならなんでもいいけど……やっぱりお肉がいいのね!あ、でも、あのブヨブヨしたまがいものは断固として拒否するのね!」
脊髄反射もとやかくという勢いでさっきまで沈んでいたシルフィードの表情が一気に明るいものになったが、対照的にタバサはちょっと困ったような顔をしている。
本の虫という表現が最も似合う存在だけあって、タバサは生活費のほとんどを本に注ぎ込んでいるので、基本的に金はあまり持っていない。
前にも言ったと思うが、甘やかしすぎると色々と困るのである。

もちろん、それはおめーらの間での問題だ、って事で知ったこっちゃないプロシュートは構わずに続ける。
「って事は牛の肉なら『なんであろうと』問題ねーって事だな?」
「きゅい!」
元気よくシルフィードが返事をした瞬間、あっという間にその場の空気が変わった。
背景の擬音は間違いなくドドドかゴゴゴである。
それに気付いたのか、タバサもプロシュートの方を見たが、もの凄く何かを企んでいるというか、悪い顔をしているのを見た。
19ゼロの兄貴:2009/08/18(火) 23:30:59 ID:UXtRdd7w

「まだ転がってるだろうしな。残さず食えよ?」
質問への返事を待たずにギャーz__ン!と擬音が出んばかりにシルフィードを指差すと再びシルフィードを谷底に突き落とす単語を突きつける。
「ミノタウロスをなァ!」
「ミノ……タウロス……?」
若干エコーが掛かって聞こえたのはたぶん気のせい。
「牛だったら『なんであろうと』問題ねーって言ったよな?骨の一本、皮の一切れも残すんじゃあねーぞ」
確かに牛は牛。言ってる事に間違いは無いが、ミノタウロスは亜人でデカイし無駄に堅い皮膚を持つ。
さすがに冗談だろうと思ったが、視線の先にあった顔は、今にも『計画どおり』と言わんばかりの悪党面。

「きゅ、きゅい。お、おねえさまは、ミノタウロスを食べろとか言わないのね?」
最後の希望をタバサに託してみたが、その表情はいつもと変わらず、それでいて冷たいものだった。
「あなたが望んだ事。だからそれはあなたの問題。だからわたしには関係無い」
冬の突風の如き冷たさで切り捨てられると、シルフィードの頭の中が真っ白になって、何故かモノクロで血を吐いている自分の顔が写る。
当然、そこに付く文字は『再起不能(リタイア)』の四文字。
今度こそ本当にこの世の不幸が全て降りかかったような顔で力無く地面に膝をついた。

「ったく……これで、ちったぁ懲りるといいんだがよ」
「たぶん、二、三日で忘れると思う」
喉元過ぎれば熱さを忘れる。
得てして子供ってのはそんなもんだろうが、この際二、三日でも大人しくしていれば上出来だ。

しかし、これだけ手間かけた報酬があの小銭だと思うと色々とやる気が失せてくる。
いっそあの牛公をマジにこいつの餌にでもして出費を抑えるかと本気で考え始めると、シルフィードが屍生人のように無言で立ち上がった。
「お、おねえさまと……おにいさまの……」
俯きながら小刻みに震えながら呟き、新鮮な空気を目一杯吸い込むと、エコーズAC2も真っ青な音を出した。

「バガーーーーーーーーッ!」
大音量で叫ぶと、脱兎のごとく走り去る。
見事ジョースター家伝統の戦法を披露してみせたシルフィードだが、何がなにやらといった感じだ。
「……のヤロー、逃げやがった」
後に残されたのは罪悪感の欠片も持っていないギャングと
やれやれだぜと言わんばかりにため息を付いて、無言で本を読み始めるメイジの二人のみ。

納屋の藁に頭突っ込んで必死に隠れようとしたシルフィードを見つけて
一体何やらかしたんだあのド畜生はとフーケが背筋を寒くしたのはそれから約十分後のことだった。
20ゼロの兄貴:2009/08/18(火) 23:32:38 ID:UXtRdd7w
おマチさんもイジると言ったが、スマンありゃ嘘だった。
きゅいきゅい可愛いよきゅいきゅい。

次から、アルビオン皆殺し編行きたいとは思うが、何時になるやら。
聖帝様もあるし。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 23:41:16 ID:A4Bj5AcQ
乙。
シルフィード、ゲテモノって意外と美味だったりするんだぜ?
22名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 23:42:29 ID:BzOZOete
乙です!!
久しぶりの兄貴、堪能したぜwww
おマチさんいじりがなかったのはチョイと残念であるがwww
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 01:05:27 ID:kw3TQ9AT
スレ立て乙&グレート!
ミノタウロスは食えねえwww
聖帝さまの方も待ってるぜー
24名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 08:53:17 ID:eYcDf0fM
再起不能(リタイア)が
再起不能(イタリア)に見えたのはご愛嬌でございま乙。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 12:47:38 ID:mEKNPcyD
メタリカ臭いいうなw
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 19:24:01 ID:V/vSgaV2
兄貴キタァ!!
無理せず頑張ってくださいまし
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 19:33:05 ID:uDoF76DW
乙!
いつまでも待ちますから、ごゆっくり!
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 20:12:46 ID:UdERmICM
29名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/20(木) 19:32:33 ID:V4P3jaI0
まさかの兄貴更新で俺歓喜
30名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 18:34:45 ID:aH41s4lC
はい、ストップ。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 22:57:19 ID:iCjHuXu0
ザ・ワールド!!
32名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/25(火) 13:18:41 ID:2imJPWOe
ポルポル君まだかなぁ
33名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/25(火) 22:45:05 ID:teyXVSV5
そして時は動き出さん・・・!
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/25(火) 23:14:09 ID:SjrCpDNY
避難所の方は少し動いているけどね。
定期的に更新があった作品が来ないと不安になる。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 09:40:50 ID:qLHiYPhW
自分も書きたいとは思うんだけどねぇ
召喚されるキャラを壊さないよう書こうとするとこれが難しいんだよね
五部キャラは好きなのが多いから書いてみたいんだけど。あとアラビア・ファッツ
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 12:12:50 ID:XKJMv2jB
アラビア・ファッツって凄く難易度が高くないかw
本編での台詞が悲鳴一回きりだったし
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 20:44:46 ID:XBHrHiYq
>>36
逆に考えるんだ。キャラがまるで分からないなら、
こっちでいくらでもでっち上げられるって。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 22:19:20 ID:i17wlMDS
書きたいとは思うが既に大抵のキャラが書かれててダブるから無理だったりする

ジョルノなんか3作あるし…
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 22:29:17 ID:tPmZzEy+
喋らない敵キャラと言えばディ・ス・コ
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 22:30:41 ID:YC3UOrhZ
ボーンナム召喚してくださいよルイズさん
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 22:55:54 ID:V/F1C4Zj
>>38
書き方悪くなるけど一巻の序盤、つまりギーシュとの決闘〜フーケ戦前後のまま音沙汰無い作品はそのまま再開する見込みはあまり無いし、
あまり気にすることもないと思うけどね(原作をなぞる形でない作品もあるから一概には言えないけど)
かくいう俺も今フーゴかミスタで書きたいと思ってるし
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 22:57:35 ID:hvORjMyh
SBRキャラはもっと召喚されてもいい
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 22:58:07 ID:i17wlMDS
4部版承太郎を書きたいと思いましたが3部版とキャラが違うだけで戦い方は同じなので妥協しました
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 23:10:34 ID:zo4nC+CU
SBRキャラはキャラ薄いのばっかりなんだよな
磁力の3兄弟とか11人の軍隊のやつとかのキャラ名やスタンド名が覚えてる?
リンゴォくらい印象に残るキャラが多ければよかったのに
45名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 23:18:57 ID:XtgJmFxT
ジョルノでも承太郎でもいいから投下するんだ!
被ってるからなんだ!自分色に染め上げればいいじゃないか!
46名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 23:25:36 ID:hvORjMyh
>>44
公式のキャラ紹介に乗ってる奴らは十分キャラ濃いと思うんだが……
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 23:29:48 ID:i17wlMDS
>>45
そ、そんな事いわれたら…!!
グラッチェ!
「努力」と「頑張る」は嫌いな言葉だが頑張ってみるよ!
48名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 23:33:19 ID:YC3UOrhZ
子供状態のポルナレフで妄想したけど特に面白いことが思いつかなかった
49名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/27(木) 00:10:21 ID:jAzRR5Yp
>>47
君に勇気と幸運があることを祈っているぞ、そして感謝する
何度同じキャラ召喚しても全く同じ話しになるわけじゃないだろ。だから安心して、楽しんで執筆してくれ
50名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/27(木) 10:19:22 ID:zCrN3nEQ
まとめwikiでリゾットの話を読んだ。
奇妙なことに、リゾットの台詞が石川英郎の声で聞こえてくるんだ。
何故だ…
51名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/27(木) 12:00:23 ID:U8pcUhQD
>>47…このおれの書き込みに刻んであるこの言葉をおまえに捧げよう!
L u c k !(幸運を)
そして君の未来にこれを持って行けッ!
P L U C K !(勇気をッ!)」
52名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/27(木) 16:50:14 ID:gyB6m7RN
あくまは早くはたらけよ
待ってるよ
53名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/27(木) 20:54:19 ID:i97yPw4s
ガンダールブ 三部ジョウタロウ
ミョズニトニルン 四部ジョウタロウ
ヴィンダールブ 六部ジョウタロウ
しるはば 一巡したジョウタロウ
54名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 01:00:52 ID:JokSYIsQ
>>44
ブンブーン一家とタトゥーユーだろ?
タトゥーはともかくブンブーンを忘れるとは。
あとにいちゃん父ちゃん物知り博士だかんな
三兄弟じゃあない。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 01:29:15 ID:zPDYDtJS
世界世界言ってる人とか十分キャラ濃いと思うんだが・・・
56名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 06:52:26 ID:9q/DyzKX
そもそもSBRは読んでない人の方が多いんじゃないかな
今までに比べてあまりおもしろくな(略
57名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 07:05:33 ID:7xQNwiay
ドルチとか浮浪者は此所のスレでいいんですかね?
58名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 10:45:25 ID:8eWJUC8m
SBR普通に楽しんでるんだがなぁ…まあ人それぞれか。

>>57
大抵の荒木はここで構わないと思う
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 12:16:17 ID:IHkVs6l0
まあありがちだが、週刊少年ジャンプじゃなくなって自然とフェードアウトして逝った
奴等はそれなりにいると思う。俺とか。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 15:35:26 ID:/p6+zb4D
SBR読んでないとかリンゴォ戦とかブラックモア戦読んでないのか勿体ねえ
61名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 21:33:36 ID:OfUcIYsT
完結したら一気に読もうと思ってるから最初の方しか読んでないなあSBR
62名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 21:58:33 ID:dZH4JgSN
ぶっちゃけ承太郎が出てこないので読んでない。

というか、5部のラスト辺りから
やけに観念的になってついていけなくなった。
6部に至っては宇宙が一巡とか……。
ネタとしては面白いけど、ジョジョに期待してるのは
冒険活劇であって、そういうのじゃないんだよな。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 00:44:38 ID:pTNYSDSQ
SBRってぶっちゃけこれまでで一番冒険活劇してるんだが
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 01:05:53 ID:pHwSjToe
アメリカ大陸馬で横断だしな

SBR読んでないとかジョジョ好きにあるまじき行為だ。そういう奴はチョコラータの刑な
65名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 01:44:11 ID:nTUzSqnG
ブラックモアが「あのお方」の御姿を垣間見た時のシーンは
荒木漫画の中でもトップクラスにお気に入りの作画&コマ割りだったりする

何度と無く読み返した筈なのに、未だに大統領の能力がよくわからないよ兄貴…
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 18:30:13 ID:ljPOC+G+
大統領を召喚して、DDDDCの効果で平行二次創作から大量にルイズが出てきました。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 20:08:20 ID:pHwSjToe
まるでぷよぷよのように次々と消えていくルイズ
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 20:58:59 ID:Usr47CTl
うわああああああああ、こっちの世界の私が死んだッ!
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/30(日) 00:08:41 ID:1XLv10no
やった!六ルイズ(連鎖の呼称)達成だ!
ボクはまだ三ルイズしかできないよ、とか流行のゲームに発展しそうだ
70名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/30(日) 00:17:09 ID:xOcCptSf
ルイズとルイズをくっつけるのか
・・・いやらしい
71名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/30(日) 01:16:21 ID:FyebSYrf
アレだろ
ぷよぷよをやるときにテレビにペンで顔を書いてぷよの画像にインプットするんだろ
72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/30(日) 01:39:04 ID:nsXugv6+
でもルイズが10人くっついたらキングルイズになるんだよな
73名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:27:21 ID:9KdTfgHM
でも胸は小さいままだな、きっと
74名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:05:34 ID:SCmvCezR
女なのにキングとはこれいかに
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/31(月) 04:21:05 ID:R7GzyOTl
アンリエッタ様「ルイズが後10人いればトリステインは勝っていた」
こうですねアンアンとちゅっちゅしたいよ〜
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/01(火) 13:49:09 ID:hF1t5bX1
モナリザの手で勃起した俺は吉良なんでしょうか。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/01(火) 19:18:48 ID:XhPv9WZg
ルイズの放ったぷよサターンによって、レコンキスタどころかハルケギニアが焦土と化しました。
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/02(水) 05:53:32 ID:QOMgx1vS
>76
モナリザの手で勃起した≠吉良
モナリザの手で勃起した⊃吉良
79ルイズがいっぱい!:2009/09/03(木) 18:04:07 ID:53V0vAa2

たいへんだ! 大統領が隣の世界からたくさんルイズを連れてきちゃったぞ!
ヒロインがいなくちゃ話は続けられない! 彼女たちの話を聞いて元の世界へ帰してあげよう!

(問題)次のルイズはどこの作品のルイズか答えなさい。

ルイズA「私の悩み? そうね、こうしていると時々、ひどく寂しくなるの。前はもう少し賑やかだったもの。
     でもデルフもワルドもマチルダもいるから孤独とは思わないけれどね」

ルイズB「ねえ聞いて! 才人ともっと一緒にいたいのに、ううん、もっと身体も心も一緒になりたいのに、
     ギーシュもエレオノールお姉さまも邪魔するの! 愛してる、私が欲しいって才人も言ってるのに!」

ルイズC「べ、別に大した事じゃないんだけど、最近、なんだかあいつタバサと仲良くしてるみたいなの。
     惚れ薬のせいだけじゃなくて、それにタバサの方も少し変わったような気がするわ。
     タバサの他にキュルケとも会社を興したり、シエスタとも楽しげに話しているし……ああ、思い出したら腹が立ってきた!
     忘れないでよね! わたしがご主人様なんだからね! ないがしろにしたら許さないわよ!」

ルイズD「ちいねえさまも(弾け過ぎな気はするけれど)元気になったから悩みなんてないわ。
     ただキュルケの様子がおかしいのよ、ブツブツと体液だの触手だの呟いて変な目で見てくるし」

ルイズE「……色々あるわね。たとえば使い魔が私よりデルフと親しそうだったり、
     元婚約者が変な性癖の持ち主でソムリエ呼ばわりされたり、ギーシュは……もういいわ、諦めたから」


正解はWEBで!
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/03(木) 18:07:27 ID:gFUuNRrQ
Dだけわからない
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/03(木) 18:08:32 ID:KW+JI1v6
Bだけわかんね
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/03(木) 18:17:16 ID:3N6Z1ikR
A→仮面
B→ギーシュの奇妙な決闘
C→恐らく承りじゃないかと?
D→育郎
E→アヌビス
と思う
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/03(木) 18:32:33 ID:gFUuNRrQ
Cは鉄の使い魔だと思ってる
これ作った>>79を評価する
84名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/03(木) 20:16:49 ID:tPjpDs75
>>79には敬意を払わざるを得ない
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/03(木) 20:59:49 ID:FEMMzXJd
これはいいものだw
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/04(金) 01:50:07 ID:xeXMFhxd
なるほど、こういう楽しみ方もあるのか!w
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/04(金) 03:38:23 ID:gKaG31It
暗殺チームの面々は基本的にルイズよかタバサやおマチさんとの方が相性が良いから仕方がない
スネに傷持ってる奴というかなんというか
88名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/04(金) 14:35:06 ID:xRHJIb0w
鉄の人復活しないかな
89名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/04(金) 16:49:18 ID:I9rhpUk9
>>87
メローネもか?
90ルイズがいっぱい!:2009/09/04(金) 17:50:19 ID:zveTw4KA

(正解)

ルイズA:『仮面のルイズ』(第一部より石仮面)

ルイズB:『ギーシュの奇妙な決闘』(第七部SBRよりリンゴォその他)

ルイズC:『ゼロと奇妙な鉄の使い魔』(第五部よりリゾット)

ルイズD:『ゼロの来訪者』(バオー来訪者より橋沢育郎)

ルイズE:『アヌビス神・妖刀流舞』(第三部よりアヌビス神)


各部や作品が被らないように応援作品を抜き出してみました。
概要と評価も付けようとしたのですが、あまりにも上から目線のコメントに全消去しました。
もちろん、ここに挙がらなかった作品も心より応援しています。
幾つも作品の名前を列挙して「待っています」と書かれた時、
自分の名前が無かった悲しみは何度も経験していますので……。
あと、キュルケと会社経営はスターダストファミリアーでもあったけど、
惚れ薬の部分でルイズCを特定できるようしました。

支援絵も描けないので、こんな形でしか催……応援できませんが頑張ってください。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/04(金) 22:50:49 ID:X1v0Y3v4
>>90ッ! おまえのその発想ッ! ぼくは敬意を表するッ!

ウンガロを召喚してタバサがイーヴァルディーの勇者に助けられる姫になるという話を考えたが、
ボヘミアンラプソディの効果を受けそうな作中著作物って他にどんなのがあったかな?
92名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/04(金) 23:20:35 ID:fARH8l4d
シエスタのエロ本


は小説だったっけ
93名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/05(土) 09:17:53 ID:kavFrvAZ
召喚されし書物だっけ?地球からきた本
あれの中に漫画とかありそう
94名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/05(土) 23:24:55 ID:JtQnDwtg
シエスタ「あら…!この漫画!面白い!速く!速く次のページめくらないと!」
バァーン!

もしくは

シエスタ「わ、私の…本の予言は…」
ギーシュ「『私の本の予言は100%絶対です』そうだろ!?」
シエスタ「そうですハイ」


どっち?
95名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/06(日) 01:17:00 ID:pvHeC4Y6
あえてナランチャが亀の中で読んでた本で。

はあああああああ〜。ため息でるなあああああ、こういう「庭」
うう(ry

96名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 13:09:47 ID:dMgX0CWB
流れぶった切るけど、最近イザベラ様が愛おしくて仕方がないんだ
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 13:10:55 ID:lS9b1Da3
>>96
最近なら比較的軽症だな
私は最初に悪役面を見た時から…
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 13:23:53 ID:rHXbJciz
そんなにイザベラが好きかぁぁーーーッッ!!
さあ!今すぐまとめにいって幽霊屋敷を見てくるんだ!

もしくは新規でイザベラ+ジョジョキャラ主役のssをつくるだ
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 18:17:07 ID:aEUDlN38
>>98
御大将なにやってんすかwww
100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 18:24:50 ID:sqGl3pQK
>>97
俺もだ。

イザベラにあうスタンドってなんだろ?
アンダーワールドとかかな?
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 19:14:33 ID:DKThGsT2
サーフィスじゃね?
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 19:14:33 ID:TY3Dv5N4
ハイプリエステス、と言ってみる
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 19:44:18 ID:2V83sr2d
ジャスティスかな
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 21:22:51 ID:f/OjyRox
まとめサイト450万突破おめでとう!

>>100
太古の魔法戦士か北花壇騎士団のバッドカンパニーで。
玩具の兵隊と笑う連中を少しずつ追い詰めて嬲り殺していく。
これならイザベラでなくてジョゼフでいいかも。

もしくはプチトロワのスーパー・フライ。
外に出ないんじゃなくて出られなくなった。

あるいは、あの愛らしいおでこからサンのスタン……ZAP!ZAP!ZAP!
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/07(月) 22:08:58 ID:2LDJG6lU
>>100
ラブデラックスだと
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/08(火) 10:51:19 ID:G1a+bIO2
根は気弱なツンデレ…と書いた所でザ・ハンドの名前が浮かんで来た
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/08(火) 22:34:52 ID:OgfufMEG
由花子はツンデレじゃなくてヤンデルだからな?
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/09(水) 19:41:07 ID:aTv4cnD2
デレは無しか。

イザベラなら運命の車輪とかどうだろう。
態度的な所で。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/09(水) 22:13:23 ID:9YwbX0Rj
ツンデレといえばムーディ・ブルース。
どうした?アンタはアタシがわざわざ注いでやったそれをいただきますって言ったんだ
いただきますって言ったからには飲んでもらおうか
それともヌルイから飲むのはいやか?
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/09(水) 22:42:24 ID:Y4nFXSv1
ルイ茶は大人気
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/11(金) 00:44:54 ID:E/l4mnTw
貴族のお小水は栄養が多くて平民が飲めば健康や長寿にいいって言われてるのよ
今日は特別なんだからね

っていうの思い出した
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/11(金) 07:47:51 ID:LyTAEbLW
それなんてエロ同人
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 12:55:15 ID:V3mYjUSs
たいがーあっぱーかっとー!
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 21:04:29 ID:xgy4ygP+
>>109
グイィィーーーーーッッ!!

カステル「えッッッ!!?

タバサ「苦味が足りない。もう一杯。
イザベラ「ガーゴイル…… クレイジーな野郎だぜ………
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 21:21:40 ID:I/XVNtYf
携帯からwiki見てるんだけど見にくく変わった
なんの作品が更新されたか分かるコマンドがない
116名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 21:31:52 ID:JfM4nC0x
見れるだけマシだ
白紙だぜ俺は

親元で変更かかったのか、
どこかのマンモーニがやらかしたのか
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 21:43:17 ID:JfM4nC0x
って白紙は本スレのまとめだった…………
マ…………マンモーニなのは…………おれだったァーーーーーーー 
さっき本スレを開けていたのにィ〜〜
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 22:03:08 ID:GqWXJIMh
そもそも6月以降の更新は、
銃杖1回
ゼロいぬっ!2回
おれは使い魔になるぞ10回
ティータイム6回
使空1回
避難所の短編1回
兄貴1回
のみだけど。
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 22:04:25 ID:xn0M+7Sk
仮面はいつから更新してないのか
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 22:14:19 ID:GqWXJIMh
あれ? 見てたんだけどヌケサクが追加されてない?

>>119
今年の1月15日が最新の投下ですよ
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 00:51:34 ID:EmL85McY
>>120
『最新』というより『最後』だな
『最期』にならないことを祈るが……
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 01:14:33 ID:+vvyEcJ6
新規の方が執筆するかもしれないって上に方になかったか?
だから、楽しみにしてる。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 01:17:52 ID:TZwdDRnE
ゼロいぬっ!の人の新作もな
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 01:56:07 ID:T00r/F2q
んほおおおおお!!
125名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 07:25:56 ID:FAiAPL8o
ザ・ワールドだけ召喚ってありかい?
まぁ、もう書き始めちゃってるんだけど、ふとスタンドだけったありなのかなーと思って。
ダメなら、最初から書き直す。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 07:31:03 ID:nXEk2r9L
スタンドのみの前例としてハーミットパープルがあるから大丈夫じゃない?
短編だとチープトリックも単体で召喚されてるし
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 08:07:45 ID:w5eL6Enu
白蛇とかアヌビス神はまぁちょっと違うか
128名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 09:31:07 ID:EmL85McY
『ザ・ワールドのDISC』っていう方法もあるけど
時止める度に弱くなっちまうな
129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 10:15:44 ID:+vvyEcJ6
ありだと思うけど、個人的には本来のスタンド使い以外はオリジナルも原作もつかって欲しくはないんだな
竜の夢みたいな自意識を持ってるものなら、キャラとしても立てられるから問題ないけど

大冒険方式なら無問題。しかし世界だけ召喚って、DIO様可哀想だろwwwいっしょに呼んであげろよwww
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 11:05:54 ID:nM7yDjKQ
以前、小ネタで破壊されたザ・ワールドが召喚されたからアリだと思う。

唐突に質問だけどストーリーに敵側として複数のスタンド使いを出す場合、オリスタは厳禁としても
(1)死んだはずのスタンド使いが何故か復活して召喚される
(2)弓と矢かDISCの形でスタンドだけ召喚されて使われる
(3)原作ストーリーとは違うIFの形でスタンド使いを召喚する
(4)そもそも出すな
のどれが一番いいんだろう?
下手をすると避難所でさえ危ないかもしれないから聞いておきたい。 
131名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 11:10:48 ID:1zIDUwI+
主人公が(1)なら敵も(1)主人公が(2)なら敵も(2)と、主人公に合わせるのがいいんじゃない?
132名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 11:13:19 ID:nM7yDjKQ
>>131
主人公はきっかりばっちり生き残ってしまった人なので。
そうなると再起不能になった人達の中から召喚すべきでしょうか。
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 11:17:02 ID:1zIDUwI+
再起不能→召喚→水魔法で敗者復活! が無理がなさそうかなー?
そもそも、どうやってよばれてるかって問題があるがw
聖地でガンダールヴの槍ではなく、スタンド使いでも呼ぶ仕組みでもできてるんだろうかw
134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 12:00:21 ID:w5eL6Enu
良く判らんけど引かれ合うんだよ!
スタンド使いは引かれ合うんだよ
135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 12:14:52 ID:+vvyEcJ6
>>130
1 よくある手法
2 はやりようによっては、崩壊の恐れがある。大冒険方式なら>>129でも書いてあるけど個人的には無問題。やりやすいかも
3 はかなり作るのが難しいと思われる。でも、やってない人が居ないわけじゃないから、頑張れば出来る
4 実は、これはあんまり無い。大体スタンド使いが出てくるから、挑戦してみるのも面白いかもしれない

スタンド使いは引かれあうが、出てきてもいつものジョジョになってしまう場合もあるから、縛りとして出さないのも手だと思う
136名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 12:16:08 ID:k/FZMWGo
>>134
スタンド使い同士は引かれ合うからってのが一番無難かつ説得力ありそうだな
更新止まってるけど、ブチャラティ召喚だとオインゴ・ボインゴ兄弟がそういう事言ってたし
あとスレ違いだが、種死とのクロスだとボヘミアンラプソディの暴走+引かれ合う法則が働いて
フィクションである種死の世界にスタンド使いの魂が引き寄せられたという設定だった
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 14:56:38 ID:b9K40Vtn
>>118
ジョルノとポルナレフも投下されてなかったっけ?
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 16:27:19 ID:nM7yDjKQ
>>137
8/8に投下があったけど、まとめは更新されてない。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 08:07:05 ID:ervzxDUJ
いくつかの新しい物語が胎動してるんだな
楽しみだ
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 12:02:06 ID:F5MmKFxM
まさに『黄金体験』真っ只中
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 18:32:38 ID:sPDNfv1N
『黄水体験』・・・・!!
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 19:23:48 ID:y1Jw30tp
タバサの黄金水体験ツアーがどうしたって!?
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 19:34:42 ID:VMUWLee6
ルイズの奇妙な冒険 第五部 黄金の雪風
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 22:19:55 ID:ervzxDUJ
外伝 タバサの大冒険
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 22:26:33 ID:F5MmKFxM
>>144
イザベラ「あの世で永遠に死に続けろォォーーーッ!シャルロットーーッッ!!」
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/15(火) 01:32:22 ID:T0L8gil/
スタンド使いじゃあなくて、
波紋使いとか
鉄球使いとか
暗殺風水拳使いとか
だけを呼び出す猛者はいないんだろうか
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/15(火) 01:42:59 ID:KJfOA9zK
いるぜ
知ってるぜ
それはお前だ
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/15(火) 10:54:12 ID:1W1Syp+i
>暗殺風水拳使いとか
ちょっとまったこいつはスタンド使いだろw
しかし夢なしの爺さん現れたらどうなるんだ…ちょっと見たいかも
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/15(火) 10:56:03 ID:lRrLwSmQ
>>110あたりの流れに戻るぞ
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/15(火) 10:57:14 ID:dXNCblHO
新興宗教の教祖なんぞ呼んだら、ゼロ魔世界ではあきらかにヤバイフラグだと思われ
そんななかでどういきのこるのかすごく気になるがw
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/15(火) 21:22:52 ID:IkW13EgO
ジョゼフ・ド・ガリア

通称ジョンガリD
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/15(火) 23:03:35 ID:VFhH8gqg
新作の構想は大分前に纏まったものの、なかなか候補が絞り切れません。
複数同時進行は無謀だし、連載したら少なくとも一年は次の作品が出せそうにないです。
どれを出そうかと悩んではや2週間、これだけあれば一話目が出来ていたかも。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 00:14:16 ID:dXekviyc
>>152
オレなんてアルビオンへんまで書き上がってるのに、原作で言う第一章のルイズが
使い魔召喚したところが納得できなくて書き直しまくってるぜ。
あと十日で投下するとか言ったけど、九月中は無理っぽい。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 00:21:56 ID:tBhdsO2S
>>152>>153
新作とか楽しみすぎる!!モニターの前で正座して待ってます。
>>152さんは書きたい作品を書きたい時に書けばいいんじゃあ無いでしょうか?
ここの住人なら理解して待っててくれるんじゃあないかな?素人考えでスイませェん・・・
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 00:25:42 ID:tAasSAit
とにかく投下してほしいのが本音
我々は飢えているんだよ!
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 01:01:10 ID:zU79j0Av
候補は3つあって、
エントリーNo,1が噴上裕也のヘタレ不良コメディ、
エントリーNo,2がビーティーの原作風味な一話完結型ストーリー
エントリーNo,3が主人公の転落を描いたダークサイドストーリー

1番はよくあるパターンなので目新しさはないけれど無難。
2番だと書きやすくて読み安いお手軽なサンドイッチ的な読み物。
3番が不幸になっていくダークな話だから受け入れられるかどうかが不安。
ただその分、ドラマチックにはなると思う。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 01:25:49 ID:tAasSAit
一度も御呼ばれされていないかわいそうなイケメン(笑)がみたいな
しかし、ヘタレか…ピッタリだな。やるときはキメるから好きなんだがね、エニグマ戦とか

もしくは逆に考えるんだ、全部混ぜてやってしまえばいいんだ、と考えるんだ
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 01:45:12 ID:dXekviyc
>>153だが、>>154
あまり期待しないでくれ!結構昔、ルイズとは全く別のところで、自身の大作を投下したら
ぼろくそ叩かれたことがあったんだ。だから、期待はしないでくれ!

それとここ見てる人たちに聞きたい。おれ一人称で書いてるんだけど
地の文のところがそこそこ細かいんだ。小説で言うと、マーリンみたいな感じ。
あんな感じでも、問題ないかな?

あと俺アニメしか観たことないから、コミックとは少し違うかもしれないかもしれない。

159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 02:01:21 ID:tAasSAit
たとえばどんな感じ?
アニメってゼロ魔?それともジョジョの方?
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 02:02:00 ID:xlGSDonE
>>156
BT見てみたいな。
特殊能力の無い魔少年がどう立ち回るのか興味深い。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 06:13:51 ID:405QyWYZ
「岸辺露伴は動かない」の浮浪者を召喚


立派な使い魔を召喚し、虚無の系統にも目覚め、体の弱い姉の体調が回復し、まともなワルドから求婚されるルイズ。
そんなルイズが『幸福の絶頂の時』に迎えに来る浮浪者。

「その『はしばみ草』をあの塔より高く投げ…
口でキャッチしてみろ!
『三度続けてだ!』おまえの姉がやったみてーーになッ!」
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 07:14:21 ID:ZXlsw0Nf
>>156 1か3が読みたいけど、3がなに召喚されるのかヒントだけでも欲しいな〜
呼ばれるものでイメージが全く変ってくるから
163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 07:30:46 ID:dXekviyc
>>159
ジョジョの方。
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 08:04:19 ID:2ohHdyXd
ジョジョは台詞が独特だから、漫画を読んだ方が楽しいぞ
今すぐブックオフに向かうんだ!
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 09:59:29 ID:FZh54jSm
取りあえず裸で正座して新作を待つ事にさせてもらおうか
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 10:24:25 ID:tAasSAit
>>163
いかーん。それは大分損してるぜーー!
アニメってジョジョの第三部だよな、せめてそこは立ち読みでもいいから読まないと
ss書くのも大変になってくるだろうし、何よりもったいない
167名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 12:19:43 ID:JNmjJYZz
>>161
シエスタを身代わりにしたてるんですね、わかりますと思ったが
胸ですぐに見破られるなw
168名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 17:39:02 ID:zU79j0Av
>>156
携帯電話を手に電話を待ち続ける使い魔。
もちろん五部の方。フェイントで四部の携帯電話をパクられた人たちではない。

>>166
劇場版もあるから油断できない。
雑魚もろとも瞬殺されるタルカス&ブラフォードや
ディオが枕に針を仕込むとか陰湿なイジメをする、
何よりもスピードワゴンが出てこないというジョジョの名を借りた別作品。

三部のアニメはンドゥール戦の出来がいいから許せる。
DIOの声優は格闘ゲームの方が良かったような気もするけど、
それよりも何でロードローラーからタンクローリーに変わってしまったんだろうか?
169名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 17:44:53 ID:FLskzEbV
劇場版は今となっては見ることはほぼ不可能だから問題ない
映画にしたのがそもそもの間違いだった
OVAでタンクローリーに変わったのは爆発演出がしたいからでFA
170名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 18:07:56 ID:AKHlAhHw
アニメしか見てない、でゼロ魔の方かと思ったらJOJOだっただと……?
むしろJOJOアニメなんて見たことないって人の方が多いだろうに、珍しいケースだな。

OVAのDIO戦は軽くDBっぽくなってて、スタンドの(客観的な)強さについて改めて考えさせられるわ。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 18:34:37 ID:m95n259H
三部アニメはあまり良くは聞かないけど時止めの演出は格好良かった記憶がある。
DIOの声もアヴドゥルさんの扱いに比べたら全然気にならない。

劇場版でスピードワゴンが出ないのは尺の都合で要らない人だったからって聞いた。
二部からはストーリーの進行にスピードワゴン、ひいてはSPW財団の存在が不可欠だが、一部で終わる分には別に登場しなくても進むっちゃあ進むから。
他の部を劇場版化したくなかったから早い段階で希望の芽を摘み取ったとも。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 21:12:02 ID:2ohHdyXd
エジプトにはロードローラーがないからタンクローリーになったらしい

やっぱ声はゲームのがいいなぁ
173名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 01:13:53 ID:C/3rRgIy
ロードローラーないのかよ。道路工事大変そうだな
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 11:26:34 ID:STB0rHGf
誰か輸出してやれよDIOが可哀そうだろ
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 16:00:17 ID:6VCqoZh6
あ…ありのまま、今、起こった事を話すぜ!
『俺は4部承太郎で試しにSSを書いてみたら俺の承太郎もフーケ編でルイズを投げていた』

読んだSSが頭に残っていたとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
承太郎の名シーンの印象深さの片鱗を味わったぜ……
176名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 20:19:44 ID:FEf98GUG
>>175
逆に考えるんだ、「承太郎の性格を自分が正確に捉えられているから同じ行動をとらせた」と考えるんだ。

君がッ 投下するまで 催促をやめないッ!
177名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 21:50:28 ID:ToLieBVX
新作書いてるよの書き込み見るたんびに一話だけでもいいから投下してくれと思ってしまう
つまりそれほど待ち遠しいんだよ投下がよォォーーッ!

だれか、投下してください…SHITの人も、ディオの人も来ないから寂しい
最近では幽霊屋敷さんが着てくれたけど
178名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 22:09:43 ID:J5ReheAe
156なんですけど、まだどれにするか決めかねている状態です。
このスレ的に言うと『康一君のように顔色を窺いながらAかBかCを選んでいる』感じ。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 22:29:53 ID:Ku2Wh9u5
俺も新作書いてみようかな…とか思ってしばらく練ってたんだが
ドン・ペキンパーとタルカスのどちらにするかまったく決まらない
180名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/17(木) 23:01:40 ID:2tXD66eO
>ドン・ペキンパー
武装ポーカーのキャラだっけ?
そういえば一流のガンマンだったな、あいつ
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 01:38:21 ID:wMOqaKKh
とりあえずネタの予告みたいなのを投下してみるのも一つの手かもしれん

あと>>178
>>157が言っているようにssとしては超高難易度だが、ミックスしてしまうのも手
三人の主人公で、全く別々の立場、役割、視点、ストーリーを演じれば、ssの枠組みを越えた作品になるかもしれん
そして、いつしかクロスしていって…てな感じでさ。その代わり危険は伴うが

>>179
書きやすいのを選ぶが吉。両方悪役だからな、どうからめていくのも悩みそうだな
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 18:35:26 ID:VWxPGZJu
ミキタカの耳はとがっている。
確認。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 22:54:02 ID:6CZSMf1j
OVAジョジョのダービー・ザ・ギャンブラー戦は凄くよかった覚えがあったがなあ。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 22:58:37 ID:pi28AhjK
OVA後半は基本的に名作
前半はホルホースとJガイル戦が熱い
エンヤ戦はグレードアップしまくりなのにオチがそのままだったのは少し拍子抜け
185名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 22:59:39 ID:AYagK5n+
時止めがかっこよかったのは覚えてる
また借りてこようかしら
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 23:00:25 ID:TxQF1q6l
タバサとギャンブラー
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/18(金) 23:49:48 ID:D2EOyZIH
OVAってなんか変則的な出し方した奴だよな?
188名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 00:20:09 ID:dR6Q5NON
対ンドゥール戦は下手したら原作崩壊ってレベルじゃ済まされない程の酷い出来になる可能性があったらしい
実は目が見えてたりとか、スタプラからビームとか、詳しいことは忘れちまったが
189名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 02:55:56 ID:Ed2EFi32
障害者倒すために愛玩動物投げるんだもんな。
そりゃ設定も変えたくなるわなwwww
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 09:32:28 ID:V72iBeEv
>>189
字にしてみると確かにこれは映像に出来んなw
人権保護団体&動物愛護団体という名のクレイマーが押しかけてきてもおかしくないwww
191名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 09:49:03 ID:k22eA0XS
「ド低能がァ――ッ」→「クサレ脳ミソがァ――ッ」

が許されるんだから大丈夫だと思うんだがなぁ。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 11:09:44 ID:WrV01X8G
>>191
低脳はダメです引っ掛かります
クサレ脳みそですか?
……ないですね大丈夫です
こんな感じの作業があったんじゃないかと想像する
193名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 13:05:18 ID:dR6Q5NON
>>189>>190
そういうのじゃなくて、なんかジョジョをしらない奴が構成だかを担当してて、勝手に、聞くだけで酷いと思えるとんでも設定をしたらしいんだ。
で、それをみた監督とかお偉いさんが切れちゃって、その人をはずして、元通りに

>>188にも書いたように、ンドゥールは目の見えないフリをしてただけで実は見えてたとか
承太郎が空飛んだり、手からビーム出したりとフリーダム。これ以前も、いろいろと危うかったらしい
194名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 13:45:55 ID:miGrEQs9
>>193
なんか「オッス!オラ承太郎!」みたいな感じだな。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 14:38:26 ID:13lKDbWh
やはりアニメ化するなら原作愛読者を採用するべきだな
ゼロ魔アニメははそこでもうすでに失敗作品
196名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 14:43:11 ID:cdj1CEva
だがDIO戦を思い出すと承太郎が空を飛んでた気がしてくるマジック
197名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 15:45:06 ID:UY+YlkgV
凄みです
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 16:44:42 ID:k22eA0XS
マン・イン・ザ・ミラーッ!!
ルイズがサモンゲートの鏡に『半分』だけ入ることを許可するッッ!!!
199名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 19:40:24 ID:o8edGa2X
上半分ならともかく下半分なら大惨事だ(乙女心的な意味で)

そしてうっかりルイズinパッショーネという電波を受信したんだがどうしろと

「スタンドが無いからって甘く見たわね?……『錬金』」
イルーゾォの足元の石畳が、爆ぜた。
「何ィィィイッ!?」
「冥土の土産に教えてあげるわ。ありがたく思いなさい。
この爆発は、私のスタンド『ファーストキス』の能力じゃあないのよ」

ルイズの杖はブチャラティの能力で体内にしまわれてて、
指先からちょっとだけ出てるような状態
つまり邪魔する奴は指先一つで爆破可能

オリジナルスタンドは余所でやれって話ですね分かります
200名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 19:57:19 ID:13lKDbWh
野垂れ死に寸前のルイズを拾って
「こいつにクックベリーパイを食わしてやりたいんですが、かまいませんねっ!」
で、入団フラグですね
201名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 20:01:35 ID:dR6Q5NON
そもそも野垂れ死にってwwww

ああ、新作が待ち遠しい
202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 22:05:10 ID:35d+cZQo
アバ茶を構成する粒子をエクスプロージョンで吹き飛ばした……
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 22:30:01 ID:1D2WI3Yr
そして吹き飛ばした茶を頭から被るルイズ
204名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 22:45:01 ID:FDpKltvc
アバッキオの股間が吹き飛ばされた
205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 22:45:46 ID:1kV3b2Y8
「こいつはくせえッー!

ゲロ以下のにおいが
プンプンするぜッ─────ッ!!」

コレを言う為だけにロンドンからやってくるスピードワゴン
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 00:30:46 ID:ubP1Fs38
>>200
それだとルイズが確実にド低脳になるな。


なんべんも繰り返されてきた話題だと思うが、「クサレ脳みそ」ってマイルドな表現か?
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 02:02:11 ID:VKUQAc2s
>>201
けど現実に罵られるなら「ド低脳」より「クサレ脳みそ」の方がマシな気がする。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 02:04:49 ID:VKUQAc2s
すみません。>>206でした。
「ド低脳」でも「クサレ脳みそ」でもお好きな方で罵ってください。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 02:14:56 ID:tmcsTsRH
えーと、じゃあ「トンチキ」でお願いします




メーン
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 02:17:01 ID:jjlCnF1G
べ、「便所に吐きだされたタンカス」で!
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 04:21:39 ID:yRANsVFf
まとめのほう変なページに飛ばされてみれないんだけど、どうすりゃいいんだ?
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 04:24:53 ID:jjlCnF1G
>>211
別にまともに見られるが?
213名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 04:40:42 ID:yRANsVFf
オレのブラウザがおかしいのか、すまんかった。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 12:35:22 ID:uXzQ3oe1
頭脳がまぬけか?が捻りが効いていて良いと思うぜ。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 18:40:41 ID:v2vaYioA
レッドホットチリペッパーを召喚         リ タ イ ア
→ハルケギニアに電気は存在せず、エネルギー切れで再起不能
216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 18:51:41 ID:QUvl4PU8
>>215
1:お仕置き用の合言葉で電撃を放つ拘束具
2:風魔法の電撃

お好きな方をどうぞ
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 19:23:23 ID:7ip/vPG8
電気切れのときのために音石なら手回し充電器か何か持ってるんじゃない?
218名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 19:41:06 ID:JydZGevG
>>215
スタンド出さなきゃいいんじゃね
219名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 20:10:40 ID:MglIO9wb
電気はどこにでも存在する。
人体でさえもその例外ではない。
そう! アイディアを閃いた時に頭の上で付くあの電球!
あれの電気を使えばまさに攻防一体! エネルギーを補給しての一発逆転が可能だ!
220名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 20:47:38 ID:Ki0Dp3Hl
人間の体内には微弱な電流が常に発生しており音石は細胞全てを直列接続にすることでうんぬん
221名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 21:47:59 ID:6Lcw16Vj
コルベールに発電機を作ってもらえばいい
222名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 22:03:29 ID:OthPHCUS
バルバルバルバル
223名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 22:10:46 ID:E/kTUZYv
ちいねえさまがヒロインのSSが読みたいよ〜と思ったが、お嬢様の恋人があったことを思い出した
新刊のキャラ(ジュリオ好きの子とか、教皇様)をメインに据えるのはかなりアリだと思うぜ…完結が難しいとは思うが
224名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 22:36:58 ID:ejho46/y
朝覗いたときよりスレが一気にのびてたから投下があったのかとおもっちゃった
225名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 22:53:43 ID:H9oxmuv3
ここで言うことではないかもしれんが、俺は認めたくない
SBRのこの展開は認めたくないィィ〜〜ッ!俺のッ!永遠のッ!カリスマがッ!!
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 22:57:28 ID:DCBlafOi
俺はコミックス待ちなんだからネタばれすんなよ
227名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 22:59:45 ID:Ki0Dp3Hl
>>225
何、ネタバレだとっ!?
228名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 01:30:00 ID:tfBJYpvp
まだゼロの使い魔を読んだことも観たこともないんだが、
ゼロ魔の原作買うのとジョジョの文庫版揃えるのとどっちが有意義?
229名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 01:37:38 ID:AZOuy+8h
JOJO
230名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 01:55:02 ID:yrxbqIge
ゼロ魔は5巻くらいで止まった
ここのSS見てるほうが何倍も面白いからな……
231名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 01:58:50 ID:9kZnH0Nq
サイトはプロシュート兄貴を見習ってほしい。

「「押し倒す」と心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ!」

みたいな感じで
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 02:43:48 ID:AFED9Zgq
クロス作品見ても大半のキャラが覚悟の甘いマンモーニばっかだから原作読む気失せちゃうんだよなァ。
全員ギャング並に覚悟きめてるキャラである必要はないだろうけどさ。

>>231
日本の少年にイタリア男性のソレを求めるのも酷な話だw
233名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 03:03:54 ID:7vdCUfQT
たらたら能書きたれんのも大概にして、さっさと覚悟決めろと言いたい
無言の男の歌が足りんのよ
234名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 07:09:11 ID:2UPYb6Cv
マンモーニの俺はジョジョ買うのが止まって、ゼロ魔は全巻そろってたりする。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 07:12:08 ID:2UPYb6Cv
sageようと思ったときには、すでにageていたんだぜ・・・
236名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 08:36:45 ID:2Mx4ILLo
精神的動揺によるミスだな
237名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 11:47:32 ID:lrkklAvJ
早く新作が読みてー。
でも少し我慢すれば新規の方たちの投下ラッシュが一気に始まるから、我慢するか・・・
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 12:27:58 ID:9RHBbpeE
>>225
縦の次は横にまっぷたつか…
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 13:35:55 ID:ZEunKWWN
>>157>>181
あれか。波紋編とか脱獄編、ギャング編とそれぞれ主人公の違う7つのストーリーに分かれていて、
最終章では全員集合して悪の権化と戦うんだな。ラスボスの名前的に考えて。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 14:11:37 ID:7vdCUfQT
>>239
つまり
波紋疾走中
脱獄進行中
ギャング行動中
ってことですね
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 14:16:12 ID:O2vC9Q6M
>>239
何かそれは普通に読んでみたいぞ(w`
242名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 14:46:19 ID:zsAkwsOO
ブリミルが他の人間からフルボッコされ、サーシャにも捨てられて絶望し聖人化、
歴代ジョジョを地球から召喚して戦いを挑むライブアライブだと…?
243名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 15:00:34 ID:oFN5oWre
やる夫ライブアライブだと承りが格闘家役で、おまけに真の黒幕が存在するというかなり熱い話だった
244名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 17:00:30 ID:1U808/VX
ノトーリアスBIGを召喚する短編を思いついたが、
ルイズがアルビオンでワルドに首を捻られるところから始まるってのは許されるのだろうか。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 17:01:30 ID:AZOuy+8h
永遠にアルビオンを追いかけ続けそうだな
246名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 17:22:18 ID:eQSlb3Is
短編のネタ系ならまぁ思いついたシチュでいいんでないの
247名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 03:13:17 ID:w0cS9vmq
ノトーリアスB・I・Gって死んでから発現するから
使い魔なしでかなりの絶望を抱え込んだルイズ+虚無パワーで強化されて
手の付けられない凶悪スタンドが更に凶悪になりそうだな
248名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 11:34:21 ID:JgOd9wYA
そういや本体が傷付くって点でおもいだしたが、
エボニーデビルの「恨みや憎しみが力になる」的なのはマジ?それともデーボのハッタリ?
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 11:47:46 ID:F0kkLvQY
空気を吸うことのように!2Bの鉛筆をベキッとへし折る事のように!!
出来て当然と思いこむことですじゃ!!

というわけでデーボが「そう思い込んでいる」なら
そういうスタンド能力があろうとなかろうとパワーアップしてるんじゃないか?
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 13:01:11 ID:35aYEXtw
こ・き・う が…… んぱっ んぱっ はっ
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 13:24:16 ID:RfMMWCu7
ところでエボニーデビルって人形に実体化してる時は、スタンド以外の攻撃でも効果あるんだろうか?
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 15:33:37 ID:N51tHvLk
破壊は出来るけど本体にダメージは与えられないって所じゃないかな。
他にも使える身体ならそっちに乗り移ったりするとか。
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 16:04:43 ID:pARftsmc
>エボニーデビルの「恨みや憎しみが力になる」的なのはマジ?
スタンドは精神の力
仲間が死んで射程距離が伸びたポルナレフやら
傷を早く治したいハングリーな精神状態から強力なハイウェイスターを発現した墳上などなど
強い感情でスタンドがパワーアップしたり
温和で特に強い感情が無いホリーさんはスタンドが害になったり
本編でも証明されてる

憎しみや怒りみたいな強い感情は特にスタンドを強力に操れる原動力になりやすい
エボニーデビルはその感情をパワーに変換できる力が
他のスタンドより強いのが能力なんだろう
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 16:45:10 ID:35aYEXtw
そういう点においてスタンドと魔法は類似しているな。
遺伝もするしきっと魔法能力はスタンドの一種だ。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 16:55:02 ID:inygtBTd
投下ないのにのびてるのか
256名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 16:55:47 ID:LFQZalxj
今更だけどCMにアナスイ出てるよね
誰も書き込んでないから書いておこう
たしかインテルか何かだったと思う
257名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 17:08:08 ID:mavNMnkN
>>254
ブリミルがスタンド使いとは新しい発想だ
258名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 17:46:47 ID:N51tHvLk
>>255
投下があっても伸びない事もある、避難所とかは特に
259名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 18:50:46 ID:VCgN6RnZ
>>253
でもエボニーデビルって自分が攻撃されて恨まないと真価を発揮できない割に、これといった特徴ないよね
260名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 18:57:58 ID:/Lgtcytw
仮面のまとめが更新?訂正されているが…
作者様復活なのか、第三者なのか非常に気になる
261名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 19:06:14 ID:Es2FDC/W
>>259
長時間持続&長射程だから特徴が無いわけじゃない。
そのメリットが出る前に戦車にやられてたけど。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 20:33:02 ID:mavNMnkN
DIOの配下よりもパッショーネで活躍できそうだ
263名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 00:55:22 ID:xZ+oCqc2
デーボは組織に属さないフリーの殺し屋みたいなもんだったっけ?
ジョースター一行を相手にする前に、イタリアでの仕事受けたりしなかったのかな?
264名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 01:28:08 ID:YSAYy4Hi
他にもフリーの奴っていったらグレー・フライ(灰色の塔)あたりもそういう話があってもおかしくないよな。
それとか三部終了後のホル・ホースとかも
個人的にはポルナレフと戦ったパッショーネ所属のスタンド使いにどんなのがいるのかが気になる
暗殺チームやポルポ(そん時デブじゃなかったとして)なんかも戦ったりしたんだろうか
265名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 06:34:13 ID:68JCxRsj
>>256
分解君ですね。
266名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 07:46:29 ID:gnc8miMn
たしかアナスイって女だよな?
267名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 09:24:48 ID:CBkprZ3B
>>266
あれ?君の中にダイバーダウンが入ったように見えたんだけど…
268名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 18:37:43 ID:LskXJTN0
女のアナスイなんてどこにもいないさ・・オッツダルヴァ
269名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 18:38:49 ID:Srv+I2cV
VOBでお帰りください
270名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 21:32:33 ID:lMRr2Ymj
ラグドリアン湖の中にィィーーーッッ!!!
271名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/25(金) 08:02:56 ID:+jkY9YY9
エルメェスは当然男だよな?
272名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/25(金) 13:47:07 ID:+WlfyVsZ
男じゃねぇ兄貴だ
273名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/25(金) 15:51:30 ID:YSs5cXYf
ついでに言っとくが男でも女でもない漢だ
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/25(金) 17:19:07 ID:kwFnkyqp
違う、人類の夜明けだ。
275名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/25(金) 21:09:21 ID:RtOeEAaX
タバサにキッスのシールを貼る。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 01:34:51 ID:YUGbwjbB
タバサのどっかが壊れるぞ
277名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 02:11:41 ID:ZDGgWvdL
眼鏡だな
278名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 02:20:13 ID:9+rz2xnX
いや、服だな
279名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 06:11:59 ID:YUGbwjbB
>>275
わかったわかった。
タバサとシャルロットに分かれると言って欲しかったんだな。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 09:32:06 ID:PwyWcKBV
意外ッ!
それは髪の毛ッ!!!
281名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 10:15:51 ID:rruuKFeD
>>280
コルベールは何処が壊れるの?
282名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 10:16:32 ID:02S9Yskm
>>281
技術力
283名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 10:28:55 ID:7NmzhuSK
倫理観とか自制心が壊れるよ
284名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 12:08:52 ID:Y5QyjJMp
>>277
本体壊れちゃうのかよ
285名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/27(日) 00:20:57 ID:pcPev8Sc
シルフィードときゅいきゅいしたいよ〜
あまり話の中核には来ないけど、きゅいきゅいがヒロイン級のSSがあっても良いと思うんだ
おっぱい大きいし。おっぱい大きいし。おっぱい大きいからルイズも上手くヤキモチ焼いてくれるだろうし
286名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/27(日) 02:15:43 ID:2E4yOlc/
更新履歴を見たら三部のSSのスターダストは砕けないが更新されていると出てきたんだが・・・
一体何が更新されたかわからない。

こんなバカな俺に誰か教えてくれないか。あの作品はかなり好きなんでできればしりたい
287名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/27(日) 02:27:42 ID:V3QCsGzP
>>286
スターダストファミリアへのリンク追加、
ツリーメニューをデフォルトで展開するように変更、
だと思う。履歴を見る限り。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/27(日) 04:26:18 ID:2E4yOlc/
サンクス!!
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/27(日) 09:20:16 ID:gLNP1Ux/
え?兄貴のヒロインはきゅいきゅいじゃなかったの?
290名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/27(日) 21:00:03 ID:plOmsZnJ
ギトー「最強の系統とは何か… 分かるかね、ミス・ツェルプストー?
キュルケ「どんな系統だろうと魔法にはそれぞれその個性にあった適材適所がある
     風には風の・・・・・・ 虚無には虚無の・・・・・・ それが魔法というものだ
    『強い』『弱い』の概念はない
ギトー「質問が悪かった・・・・・・
    子供が遊びで話す『吸血鬼とエルフはどっちが強い?』そのレベルでよい
291名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/27(日) 22:12:47 ID:lBjcIpL3
その発想はなかったわ
292名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 09:35:23 ID:taM2kuY3
愛が一番強いって先生言ってたじゃん!
293名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 13:16:54 ID:QIIO0olP
それは、もう如何しようもない、何物にも勝る流れってヤツだ。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 17:53:27 ID:/2vzKjfM
ハチワンダイバーでもそんなセリフあったな
女って言うのは自分が一生をかけて築き上げたものの隣に一秒で居座るとか何とか
295名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 19:00:29 ID:SAHmpKUj
>>290
キュルケ「火の系統が最も『強い』。
      だが、(火事になったら)手にあまる。」
296名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 20:24:47 ID:CKqh6OC0
>>295
ギトー「ふふふ、遅い遅い。
    風は最速の魔法よ、ユビキタス・デル・ウィンデ……
297名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 20:30:28 ID:Gah+cQ1j
キュルケ「風の系統に最も『強い』人がいる。 だが、手にあまる。」

色々とチートだよね、風
298名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 21:21:30 ID:xtjpquDQ
風  破壊力-B  スピード-A  射程距離-B  持続力-D  精密動作性-C  成長性-B
火  破壊力-A  スピード-B  射程距離-B  持続力-E  精密動作性-D  成長性-C
水  破壊力-D  スピード-C  射程距離-D  持続力-A  精密動作性-B  成長性-B
地  破壊力-C  スピード-D  射程距離-D  持続力-C  精密動作性-C  成長性-C
虚無 破壊力-A  スピード-E  射程距離-A  持続力-E  精密動作性-D  成長性-A 

大体こんな感じだと俺は思っている。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 21:38:39 ID:Pt0FkzQS
地の不遇っぷりに全俺が泣いた
せめて破壊力-B 持続力-B〜A くらいはないか?
300名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 21:51:25 ID:Gah+cQ1j
そのメイジしだいだから個人の印象を突っ込んでもきりが無い気がする
ギーシュとフーケだけども落差が激しいしねー

ギーシュが視界外の厨房から油入りの鍋をこぼさずにワルキューレに取ってこさせたり
大量の花びらを30mゴーレムに纏わせる→一度に全部を油に錬金とかトンデモしてるので精密動作と射程高いだろうし

フーケはフーケで突きつけられたナイフを一瞬で土くれにしたり、30mゴーレムの腕を鋼鉄にして叩きつけたり
色々と数値で測ろうとすると問題があるよーな気がするw
301名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 21:52:46 ID:mQo5W+De
単純な破壊力だったら、質量のある地が一番ありそうなんだがね
その上錬金出来るし建築できるし、盾作れるし、足元崩せるし…ぶっちゃけ全部便利なことには変わりはないがね
302名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 22:04:43 ID:OKgvQkc1
火は単純な戦闘能力は高いんだろうが作中でハッキリとした手柄をあげた事例がちょっと少ない気がするなァ。
アヴドゥルさんみたい、とは言わないように。

土は「味方の『女の子(ここ重要)』の土メイジ」がいないのが冷遇に繋がってるのかと邪推。

水はそもそも描写が少ない。秘薬関連でしか「水」って単語を聞かない。
303名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 22:20:34 ID:O6mdHxX5
ねえなんでまた仮面68話が更新されてるの?
304名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 22:34:24 ID:hv8mW7Ol
>>302
土系統はフーケ姐さん、エレオノール姉様、ちいねえさまを味方にすればッ…!
ああすみません女“の子”じゃありませんでしたね
305名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 22:55:58 ID:IpVy2ndS
水はンドゥールみたいな事できるんじゃないか?
ワンピースとのSSだと石油を使って活躍してたが
306名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 22:57:20 ID:dWj8mHmM
そういやジョジョって火、水、土(砂)のスタンド使いはいるのに風はいないよね
不思議!

あ、ウェザーで代用できるかな?
307名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 22:59:56 ID:Gah+cQ1j
>>306
風系統に含まれるのでOKなら電気は居るな
あと、水と風のどつちかが微妙な霧も居る
308名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 23:05:18 ID:u4d3KONH
風と聞いてワムウ様つれてきま・・・スタンド使いですか帰りますね
309名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 23:08:04 ID:T8gYqr58
音はある意味風と言えないだろうか?
310名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 23:20:58 ID:Gah+cQ1j
>>308
つまり風最強ですね、わかります
311名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 00:14:24 ID:7dPwfqWW
>>306
お前は猫草でもうっかり踏んでしまえ
312名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 00:30:04 ID:WUWVpXzX
ハイウェイスターで公道の風になれよ
313名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 01:09:54 ID:roy2ho0z
ジョジョ的に見れば土系統が一番強そう。
ピンチになっても

「○○を錬金して□□にしておいた」

とか言って逆転しそう。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 01:14:57 ID:+gM3Bnez
ジョルノの「○○に生命を与えて□□を生み出した」と同じノリだな。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 07:55:50 ID:HnN+UiRL
アバ茶を練金して液体の100%をリンゴ汁で構成されたリンゴジュースにした……
316名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 08:05:32 ID:7dPwfqWW
だが水系統だってジョジョ的に色々いけるぜ!
接触後時間差で腕がボシャッと
波紋疾走的なのとか

もしくは水系統の治癒で痛みを消して間接を外してズームパンチとか
眼内の水分を高圧で打ち出すとか!
水系統のモンモンの蛙を殴りつけたりとか!
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 09:28:09 ID:SK4HKryA
>>316
メメタァ
318名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 10:36:19 ID:WUWVpXzX
火系統だって炎のアンクで無敵になれるはず
319名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 14:23:01 ID:UuzhzyGe
アンクアブはチートだからww
320名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 14:35:45 ID:fC3k/SxY
アンクは出せても投げがない(弱い)からキツくないか?
321名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 17:06:14 ID:sNnlbMt4
魔術師の赤はサン・ジョルジョ・マジョーレ島も、
シンガポールも海だって吹き飛ばせます。
わたイケメンの使うスタンドは素晴らしいですね。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 17:07:43 ID:kelwkxX/
アースウィンドアンドファイアー

【土】【風】【火】のトライアングルスペル
323名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 17:23:22 ID:+gM3Bnez
トライアングルクラスで隕石呼ばれたらかなわん
324名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 18:30:37 ID:69Q9JMX6
「ペイジ」
「ジョーンズ」
「プラント」
「ボーンナム」

『同時4系統攻撃!』

どうする?
325名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 20:37:56 ID:wYJ8+gKN
波紋疾走する
326名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/29(火) 20:45:35 ID:av5km/rC
こいつら魔法学園によくいるよねw
327名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 00:57:16 ID:bYrtUKip
有象無象を数用意するにこれほど便利な奴等はいないからなw
マイケル、プリンス、ライオネルなんかがいてもいいと思うがゼロ魔には合わんか
328名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 01:01:42 ID:NiZUDwhE
ファイナルファンタジーにおけるビックスとウェッジみたいなもんかw
329名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 01:03:35 ID:yfTybuuC
モブが全員JOJOの脇役(のパラレルワールドでの同一人物)なゼロ魔
330名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 08:27:04 ID:uRfbIlWO
ジョジョは脇役ですらキャラが濃いからな……
学園がかなりのカオスになりそうだw
331名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 08:45:43 ID:2CzCHb2l
実際、召喚シーンで「そこに痺れ(ry」って言ってる作品がいくつかあるしなwww
332名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 14:07:59 ID:6bLtJYxW
我々はこの少女を知っている!!
いや!この桃色の髪と鳶色の瞳を知っている!!!

烈風からゼロへ ―――世代は変わる
333名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 14:14:42 ID:DuZRep9k
えーと、キュルケが「怪焔王の流法」を?
334名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 15:28:12 ID:wwkYlAfa
タバサ「風の最終流法…… 『渾楔颯』!!!
335名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 16:10:50 ID:6SopV0mt
>>330
豚の反対はシャケだぜぇ!な食堂とか嫌だな
336名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 16:35:31 ID:AUkxr8Cr
問題を間違えるとフォークで頬を刺されるか飯抜きにされます。
しかし、部屋に食べかけのチョコレートが置かれてます。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 17:07:27 ID:xJHfDL05
さっきまでスターダストファミリアー読み直してたんだが、やっぱシエスタルートいいなぁ。
ルイズは原作でサイトが幸せにするだろうから、もっとサブヒロイン、欲を言えばシエスタルートに入るSS増えればいいのに。
338名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 17:29:47 ID:wSSztuEt
なぁに、肉の芽を植えつければ全部思うがままよ
一匹狼ルートもお忘れなく
339名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 19:13:32 ID:2R9kAzuU
>>336
チョコじゃなくて、石鹸やアスパラガスの英語辞書巻きなんかの
間違いの箱の中身じゃなかったのか?
340名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 20:21:08 ID:1edVKJ12
>>332
究極生物になるのは誰だ?w
341名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 20:33:39 ID:z395sMYw
ジョナサンのかわりに>>339の食事を下げたまえ!
342名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 20:42:55 ID:jbXVO7VH
>340
光ともなれば
コッパゲしかあるまい
343名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 20:43:59 ID:FYzKVwxu
>>340
そんなのスカロンさんに決まってるじゃあないか
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 20:50:08 ID:wwkYlAfa
コルベールは

コッパゲ「てめー!!今、俺のことコッパゲって呼んだなー!!」
キュルケ「うわあぁぁぁーーー!!!コルベールが生きてるぅ!!」



コッパゲ「YES!Iam!チッチッ」

のどっちかがふさわしいと思うんだが。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 21:16:19 ID:suRuNNpU
アルウ゛ィーズ食堂にて

一同「「「んまぁ〜〜い!!」」」
346名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 21:48:55 ID:2R9kAzuU
手を洗わずに厨房に入って包丁投げつけられるサイトと聞いて
347名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 21:58:13 ID:XDXHEbbf
マナーが悪いとすぐにテーブルを叩くギトー
オスマンにセクハラされた箇所を泥水で洗ったことで有名なロングビル
348名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 22:26:19 ID:6Csyvpr9
決闘が双首竜の間での『チェーン首輪(ネック)デスマッチ』か…。
349名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 22:27:52 ID:2CzCHb2l
シルフィード「きゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅいー!(無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ー!)」

なんとなく
350名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/30(水) 22:35:56 ID:XOWsXmZn
仮面とアヌビス神に期待
あとは完結作品へのリンク切れてる?
351350:2009/10/01(木) 05:38:31 ID:21lFJmre
>リンク切れ
ごめん勘違いしてたわ
352名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/01(木) 17:47:00 ID:cyASUt3U
砕けない使い魔や使い魔は静かに暮らしたいやサブ・ゼロの使い魔はいつ再開するんですかぁ〜?
大統領になって死体を集め終えれば再開されるんですかぁ〜?


マジで再開してください
353名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/01(木) 19:08:25 ID:3LIZar3/
職人を急かすのは良くない。
あと、そういうのは避難所でやってくれ
354名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/01(木) 19:15:12 ID:99mDGaV0
おっぱい革命=吉良
という電波を受信した
記憶じゃなくて存在自体を消される人達か……
355名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 02:07:01 ID:f3qlO+AI
「ティファニア・ウエストウッドは静かに暮らしたい」って所か
上手く煮詰めれば面白そうな話になるんじゃないかと思うんだが、アイデア次第ではテファが死にかねんな…

テファ「だが清々しい…実にスガスガしい気分だ…喋らないガンダールヴは実にカワイイよ」
356名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 02:14:13 ID:VXjEYuO4
生き残るために過去を抹消し続ける女テファ
357名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 07:19:32 ID:lZWhJxjN
二重人格のマチルダさんがテファが隠れることの手助けをします。

マチルダ「おおフーケ… わたしのかわいいフーケ… 」
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 08:38:23 ID:uJfx6e17
>>327
チキン食いてぇ
359名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 10:48:02 ID:Ah51lUgy
最近投下マジにないなぁ
ノボルの後付け設定でプロット崩壊したのか
それともみんな飽ただけなのか
360名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 11:24:02 ID:YGJVIID2
今はSBRが大詰めだから、皆気になって仕方ないんだよ
361名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 17:01:33 ID:YV8fPhhO
看守になってるティファ。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 17:27:45 ID:A8Y+vP/r
>>359
最近のルイズって各部のボスぐらいに強くなってるもんなあ
本体の性能はともかく、魔法は不意打ち奇襲無しなら最強クラスでないかい?
まあ不意打ち奇襲の応酬がスタンド使いの戦いなんだけどね
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 18:11:37 ID:lZWhJxjN
>>359
正直原作通りに書き進める部分は初虚無発動までだぜ!!!
364ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/02(金) 20:53:33 ID:DYalq5pD
どちらも人が少ないので避難所から引っ越してきました。
58分から投下しますけど構いませんねッ!?
365名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 20:54:34 ID:slqRpUl3
おれは構わんが、君達の意見を聞こうッ!
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 20:55:23 ID:VXjEYuO4
カモォ〜〜〜ン!
367ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/02(金) 20:57:08 ID:DYalq5pD
近くを旋回する風竜にアルビオンの騎士達は物陰に姿を隠した。
薄くかかった霧と繁った森が視界を阻み、上空からでは何も窺い知る事は出来ない。
そして、それは騎士達も同様。あれがトリステインの手の者か、
あるいはガリアなのか、それを判別する事は出来ない。
警戒する彼等の前に草木を掻き分けて一人の男が姿を見せた。
腕には気絶しているのか脱力した少女を抱え、
もう一方の手は杖を手に取り、その先端を彼女の喉に突きつけている。
「……セレスタンか」
やや驚愕の入り混じった声で騎士は彼の名を呼ぶ。
無論、彼にも衛士が刺客として差し向けられた。
花壇騎士くずれと魔法衛士隊。始末するには十分な戦力だ。
ましてや奇襲ならば尚の事。だが戻ってきたのはセレスタンの方だった。
「死んだと思ったのか? 生憎と俺は生き汚い性分なんでな」
皮肉で返す彼の表情から余裕が満ち溢れているのが見て取れる。
騎士が腑に落ちないのはそこだった。
刺客を返り討ちにしたなら、そのまま逃げればいい。
トリステイン国内に潜伏してほとぼりが冷めるのを待てば、
もしかしたら脱出の機会も巡ってくるかもしれない。
わざわざここに舞い戻ってくる意味など何処にある?
魔法衛士隊を一人で倒せると自分の実力を過信するとも思えないが、
それともまだ何か切り札でも隠し持っていると言うのか。

「おおっと、動くんじゃねえよ。こいつがどうなってもいいのか」
セレスタンの帰還に、同僚の死を悟ったグリフォン隊が色めき立つ。
杖を抜こうとする彼等を牽制しセレスタンは少女を盾にのたまう。
隊員達が互いの顔を見合わせる中、騎士は顔を顰めながら口を開いた。
「年端もいかない少女を盾にすれば我々が退くとでも?」
何を今さら、と言わんばかりの口調で詰め寄ろうとする騎士に、
まさか、とセレスタンはそれを鼻で笑い飛ばす。
「ただのガキならとっくに殺してるさ」
セレスタンが杖を掲げて魔法の明かりを頭上に飛ばす。
狙いは騎士達ではなく頭上で旋回する風竜。
「きゅい!?」
突如、目の前に現れた光にシルフィードはびくりと身を震わせる。
しかし、それも束の間。何だかよく分からないが光の来た方へと向かう。
勿論、契約で結ばれているシャルロットがこんな回りくどい方法で接触してくるとは思えない。
だけど手がかりが何もない状況ではそれに頼るしかないのだ。
羽ばたきで霧を、翼で枝を払いながらシルフィードは森へと舞い降りる。
そして彼女が目にしたのはセレスタンの腕の中で力なく手足を垂れ下がらせた主の姿。
「おねーさま!?」
悲鳴にも似た女性の甲高い声が風竜の巨体から響く。
それにはシルフィードを迎撃しようとしていた騎士達も驚きを隠せなかった。
中には杖を取り落として慌てて拾おうとしている者もいる。
だが、それを意にも介さずシルフィードはセレスタンに食ってかかる。
「おねーさまを離しなさい! この悪党面!」
「人を外見で判断しちゃいけないって親から習わなかったのか?
まあ、俺は悪党だから外れちゃいねえが……こういう事もするしな」
ブレイドをかけた杖がシャルロットの白い肌を滑っていく。
魔力を帯びたその切れ味は剃刀にも等しい。
セレスタンの手が滑るか、シャルロットが身を震わせただけで辺りに鮮血が飛び散るだろう。
きゅいぃいいいぃぃぃ!と言葉にもならないシルフィードの絶叫が森に木霊する。
喋る風竜とセレスタンのやり取りという異様な光景に若干飲み込まれながらも騎士は思考を巡らせる。
セレスタンの余裕。喋る風竜。蒼く澄んだ髪の色。答えは呆気ないほど簡単に見つかった。
「そんな……まさか」
うわ言のように呟く騎士を目にしながら楽しげにセレスタンは告げる。
「やっと気付いたか。じゃあもう一度だけ聞くぜ――“こいつがどうなってもいいのか”」
368ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/02(金) 20:58:43 ID:DYalq5pD

元の位置に戻った椅子が蹴り飛ばされて転がっていく。
はあはあとイザベラは荒い吐息を洩らしながら肩を上下に震わせる。
般若もかくやと思わせる形相に思わずキーボードを叩くエンポリオの手が止まる。
しかし、こちらに鋭い視線を向けるイザベラに慌てて作業を再開する。
エンポリオが背を向けると同時に、怒りで隠した彼女の表情から焦りが滲み出る。
「何やってんだ、あのバカは……」
囮を使って敵を引っ張り出すのが目的なら“本物”を使う必要はない。
父上の作戦ではないとしたら、どうしてアイツがここにいるのか。
考えるまでもない。腹立たしい事にあのバカは私は助けるつもりでここに来たんだ。
(捨て駒を助けに王を突っ込ませる奴があるか!)
いつだってそうだ。アイツの行動はひどく私を苛立たせる。
年下のクセに碌な力も無いってのに私を守ろうとする。
自分の命と他人の命、どっちが重いかなんて子供でさえ知っている。
本の読みすぎで自分が英雄にでもなった気でいるんだろう。
現実と空想の区別が付かない奴はこれだから始末におけない。
余計な手間を取らせてくれると悪態をついた直後、耳元で“誰か”が聞き慣れた声で囁く。

“違うだろイザベラ。お前はとっくに気付いているはずだ”
―――黙れ。
“あいつはお前を憐れんでいる。親に愛されず、王女にさえなれなかったお前を”
―――黙れと言っている。
“お前に手を差し伸べる時、あいつはえも言われぬ優越感に浸れる。
優しい自分に酔い痴れる事が出来る。それが……それだけがおまえの存在価値だ”
―――その薄汚い口を閉じろ。喉を引き裂かれたいか。
“見捨てろ。現実を思い知らせてやれ。あの澄ました面が恐怖と絶望で歪むのをここで見物するんだ。
子供の頃からずっとそれが見たかったんだろう? あいつが死ねば王女になれる、そうしたら父上も――”

乾いた音が響き、その雑音は途絶えた。
気付けばイザベラの拳は自身の顔面を捉えていた。
鼻から血が零れ落ちて床に赤い斑点を生み出す。
細い腕の割には今のはかなり利いたな。
あれだけ殴りつけても倒れないエンポリオは存外丈夫なのかもしれない。
そんな益体もない事を考えながらガシガシと袖で鼻を拭う。
どうせ他人の安物だし汚れた所で文句を言う相手は既に死んでいる。
そうだ。他人なんざどうだっていい。シャルロットも父上も私以外は等しく他人に過ぎない。
そこに命を懸けるほどの理由などありはしない。
369ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/02(金) 20:59:54 ID:DYalq5pD

「おい、幽霊」
名前を呼ぶも反応はまるでない。
自分で自分を殴りつける奇行を前にエンポリオは完全に固まっていた。
テーブルを蹴り倒して恫喝するとスイッチが切り替わったかのように彼は動き出した。
それでようやくイザベラは本題を切り出す。
「わたしの杖を持ってるか?」
本来なら武器となる杖はへし折るか没収するだろうが、
死体を偽装する為なら傍に転がしていてもおかしくはない。
淡い期待を込めて問いかける私に使い魔は首を振って答える。
「どこにも無かったよ。多分、没収されたと思う」
予想の範囲内だと分かっていたのに、その返答に思わず舌打ちが漏れる。
余裕が無くなってきているのを実感しながらテーブルの上を漁る。
彼女が手にした物を目にして慌ててエンポリオが制止の声をかけた。
「外に出る気なの! 無理だよ、僕たちじゃどうしようもない!
あのお姉ちゃんが心配なのは分かるけど無謀な事をしたって……」
直後。話が終わる前にエンポリオの襟首を掴んで引き寄せる。
イザベラの表情には憤怒が浮かび、今にも小柄なエンポリオを丸呑みしそうだった。

「面白くない冗談だね。誰があいつを心配してるって?」
「だ……だって、そうでもなきゃあ助けになんて」
「勘違いしないでもらいたいね。わたしは他人の為に動くつもりはないよ」
そうさ。このまま見殺しにしたらアイツの勝ち逃げじゃないか。
命を捨てて従兄妹を守った王女の美談として永久に語り継がれ、
その一方で私は王女を犠牲に生き延びた卑怯者と揶揄される。
それは決して拭われる事のない汚点として私の完璧な人生にしこりを残す。
ついでにアイツは自分が犠牲になって私を守ったという盛大な勘違いをしたまま天国に旅立つだろう。
それはなんというか、想像するだに不愉快な光景だ。
だからブッ潰す。シャルロットの英雄願望も、アルビオン連中の計画も、
セレスタンの復讐劇も残らず私が叩き潰して終わらせる。
そして優越感と慈愛に満ちた眼差しでシャルロットに救いの手を差し伸べてやる。
“私はお前の助けなんて要らない。余計な手出しをするな”と現実を突きつけながらだ。
エンポリオの襟から手を離してイザベラは胸を張りながら言い放つ。

「よく覚えておきな。私はシャルロットが心配で助けにいくんじゃない。
私は私の都合で、一方的に、合意もなしに、相手の都合も無視して自分勝手に助けるんだ」
いつもアイツがそうしてるみたいにな、と彼女は聞き取れないような声で付け足した。
370ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/02(金) 21:01:49 ID:DYalq5pD
投下終了。ちょっと短かったかな。
さすがにそろそろ決着です。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 21:21:59 ID:ZKUTDLhg
投下だー
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 22:14:28 ID:8B1hkHw2
私は自分の部屋へ行き二時間ねむった…

そして………

目をさましてからしばらくして

投下があった事を思い出し…………乙した……
373名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 07:54:23 ID:UJmca+fI
最高に乙って奴だ!!!
374名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 13:04:14 ID:vFz7lxQF
375名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 21:24:31 ID:TyXeYisr
ディ・モールト・乙だッ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:22:10 ID:regYWr5o
乙です
イザベラ様、人それをツンデレと申します
頑張れ負けるな僕らのイザベラ様!
377名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:08:15 ID:qWsqNVry
幽霊の人乙
未見だったから1からまとめ読みしてしまったぜ
すげー密度とカオスっぷりだった
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 10:03:37 ID:mmNCcEAm
幽霊の人、引越し&投下乙です!

>「面白くない冗談だね。誰があいつを心配してるって?」

イザベラ様のツンデレ、マジ最高!
とはいえ、闇の部分もしっかりあるみたいですので下手したら原作のジョゼフと同じ道を歩みそうなのが怖いな〜

マジで囚われのお姫様になっちゃいましたね、タバ…じゃなくてシャルロット
ここはひとつサイトに勇者様になってもらいたいものですねw
379猟犬は止まらない:2009/10/05(月) 21:28:52 ID:WONwaPf3
35分から新作投下します。
380猟犬は止まらない:2009/10/05(月) 21:33:43 ID:WONwaPf3

トリステイン魔法学院には怪談がある。
無論、言うまでもない事だが怪談はどこにでも犇いている。
ある時は主を失い寂れた古城に、ある時は霧のかかった森に、
墓地に、古戦場に、湖に、その例は枚挙に暇がない程だ。
暗闇を見渡す目を持たない人間は夜の中に未知の恐怖を見出す。
やがて、それは人々に形を与えられて怪談という形になる。
意外に思うかもしれないが怪談は恐怖が生み出すのではない。
恐怖から逃れるようとする人間の弱い心から生み出されるのだ。
人が恐怖するのは“それ”を理解できないから。
得体の知れない何かを形を持った恐怖に変える事で人は一時の安心を得る。

話を戻そう。この世界にどれほど幽霊が蔓延っていようと問題となるのはただ1件。
トリステイン魔法学院に出没するという幽霊の事だ。
なるほど。確かにトリステイン魔法学院は怪談を生み出す最高の土壌が出来ている。
伝統ある建物は言い換えれば古めかしく、その趣はどことなく威圧するような印象さえ与える。
辺りには魔法学院以外の建物はなく消灯の時間を過ぎれば一面闇に覆われる。
また、生徒達の娯楽である噂話は伝染病のように怪談を伝え広めていく。 
友達の友達、知り合いの知り合い、誰が最初に言い出したのかを突き止めるのは困難な作業だ。
まさか生徒一人一人を締め上げていくわけにもいくまい。
それに教師達はこの事態に緘口令を布いて混乱を収めようとしている。
本来ならそれほど大騒ぎするほどの事ではない。だが実際に被害が出れば話は別だ。
すでに三人……今朝倒れている所を発見されたギーシュも含めれば四人の犠牲者が出ている。
今までと同じで外傷はなく、それなのに自力で起き上がれないほど衰弱している。

最初の犠牲者はスティックス。彼は夜中に部屋を抜け出してキュルケに会いに行ったらしい。
女子寮の傍らで倒れていた彼は意識を失っており、目を覚ましたのはそれから数日経ってからだった。
もっとも弱っていようとも、寮に不法侵入した不届き者を女子達が許す訳もなく、
また男子達も衰弱するほどキュルケとナニをしていたんだと殺意を滾らせた。
正直このまま意識を取り戻さなかった方が良かったのではないかと思うほどの惨状だった。
彼の証言によると、女子寮の廊下を歩いている最中に背後からひたひたと何かの足音が聞こえたらしい。
振り返るがそこには誰もいない。そして再び歩き出すとまた足音が聞こえてくる。
やがて、それはどんどんと近付いてきて―――そこで意識は途絶えたと言う。
彼の証言は一笑に付され、ただの疲労から来る妄想と断定された。
しばらくはスティックスも物笑いの種にされたが、それも少しの間だけ。
笑い話にならなくなったのは二人目の被害者が出てきてからだった。
381猟犬は止まらない:2009/10/05(月) 21:34:43 ID:WONwaPf3

今度はスティックスと同学年のペリッソン。
彼もまた深夜に抜け出し、翌朝、洗濯に来たメイドに倒れている所を発見された。
怪我一つなく疲弊し切った彼の症状はスティックスと全く同じで、
そして彼が深夜に歩き回っていた理由も全く同じだった。
ベッドに横たわりながら互いに火花を散らす彼等に周りは冷たい視線を送る。
そもそも当のキュルケは見舞いにさえ来てないのだから虚しい争いなんて止めればいいのにと思う。
魔法学院が誇る教師陣はこの問題に大いに頭を悩ませた。
一人なら偶然かもしれない、だが立て続けに起きればそこに関連性を見出すのが人の性だ。
三人目、四人目が出ないという保証もなければ犠牲者が二度と目覚めない可能性だってある。
不平不満を洩らす教師達にオスマン学院長は宿直の教師による見回りを命じ、
そして生徒達には夜間の外出を禁止し厳重にこれを取り締まった。
だが、それでも怪談は収まらず、むしろ余計に悪化していった。

生徒たちの間で実しやかに語られる恐怖談。
それは誰もいないはずの廊下を通り抜けていく誰かの足音だったり、
三階の窓に張り付く誰かの手だったり、実害こそ無いものの被害者は増えていく一方。
興味深いのは誰一人として幽霊の顔を見ていないという事だ。
不安や恐怖が被害妄想を拡大させていると考えたミスタ・コルベールが始めた朝の体操も、
寝不足で体調不良を訴える生徒達からは殊更不評だった。

そして、遂に三人目の犠牲者が出てしまった。
彼……ギムリは夜遊びが出来なくて退屈しているキュルケの為に幽霊退治に乗り出したらしい。
結果は返り討ち。相手の正体さえ掴む事も出来ず前の二人と同じ運命を辿った。
しかし以前と違い、ギムリは翌朝には意識を回復して話が出来るまでになっていた。
それに自分が襲われた瞬間の事、そして力を抜き取られていく感触をはっきりと覚えていた。
幽霊の力が弱くなってきているのか、それとも他に理由があるのか。
だがギムリが襲われた事で事態は予想外の方向へと移っていく。

襲われた三人には夜に出歩いていた以外の共通点があった。
それは全員キュルケのボーイフレンドだったという事だ。
振り返ってみれば外出した理由はどれもキュルケに誘い出されたとも受け取れる。
だが彼女がそんな事をする動機も無いし、するはずもない。
それでもキュルケを怪しむ噂は怪談と合わせて波紋のように広がり、
一部の生徒は彼女を避けるようにしているらしい。
恐らくはトネー・シャラントのような輩が彼女を陥れようとしているのだろう。

四人目の犠牲者はギーシュ。彼もまた女生徒の前で格好をつけたかったに違いない。
これでキュルケの疑いは晴れたかに思えたが、男子達は隠れてキュルケと付き合っていたに違いないと鼻息を荒くしている。
また、お見舞いに来たモンモランシーとケティが遭遇、そこで互いにギーシュのガールフレンドだと主張した。
彼の意識が戻り次第、彼等による徹底した拷……尋問が行われると予想される。
382猟犬は止まらない:2009/10/05(月) 21:36:19 ID:WONwaPf3

キュルケは疑惑を否定しないだろう。
彼女はそういう性格だ。たとえ誰が噂しようとも意に介さない。
面と向かって言われたのならともかく根も葉もない誹謗中傷など聞く耳を持たない。
だけど傷付かないはずはない。いや、たとえ彼女が大丈夫だったとしても。
友人を侮辱されて平気でいられるほど温和な性格ではない。
疑惑を解消する方法はただ一つ、出没する幽霊の正体を晒す事だけだ。
それに付け加えるなら、私もまた弱い人間の一人に過ぎない。
吹きつける風に窓が揺れる音やドアが軋む音に一々怯えて過ごすのは……精神の健康に良くない。
時には、日が昇るまでトイレに行くのを我慢させられた事もあった。
復讐を誓った時のように湧き上がる憤怒が恐怖を塗り潰していく。


情報収集に来た医務室を出て行くタバサと、
入れ替わるように入ってきたルイズが擦れ違う。
いつもと変わらぬ表情の中にただならぬモノを感じてルイズは振り返る。

「なにかあったのかしら」
そもそも何で医務室なんかに足を運んだのか。
少なくとも医務室で寝ている人間の中に彼女の友人はいない。
というよりもツェルプストー以外に友達いるのかしら、あの子。
かといってどこか体調が悪いようにも見えない。
ルイズが首を傾げていると奥から病室とは思えない喧騒が響く。
その理由を予想し、はぁとルイズは溜息をついた。
病人のプライバシーを守る白いカーテンを大きく開ける。
ベッドは5つ。病人も5人。しかしベッドにへばり付いているのは4人だけ。
残りの1人……その中で最も大きな怪我を負った男が他人の見舞い品を漁っていた。
身体を起こす事も出来ない彼等の批判を受けながら、
そいつは他人のベッドに腰掛けて平然と果物の皮を剥く。
383猟犬は止まらない:2009/10/05(月) 21:37:07 ID:WONwaPf3

「随分と元気そうね」
呆れたようにルイズは零す。
ちょっと前までは全身に大怪我を負って半死半生。
意識も混濁し明日をも知れぬ身だったというのに今はその面影さえない。
つくづく人の生命力というものについて深く考えさせられる。
単に自分の使い魔が生き汚いというだけなのかもしれない。

「元気な訳ねえだろうが。俺は怪我人よ?
もちっと優しく労わって貰ってもバチはあたらねーぜ」
嫌味を口にするルイズに果物をかじりながら男……噴上裕也は答えた。
文句を言うスティックスを無視して今度は勝手に鏡を拝借する。

「なんつーか、俺が怪我するってのはよ、芸術における大いなる損失だよな。
控えめに言ってミロのビーナスの両腕みたいにさあ」
鏡を覗き込んでいた裕也がちらりと背後のルイズへと視線を送る。
しかしルイズはフンとばかりに明後日の方向へと顔を背けた。
子供にゃあまだ分からねえか、と呟いて再び鏡に見入る。
そして額に巻いた包帯を徐に解き始めた。
そこには頭蓋骨にまで到達する深い裂傷があったが今ではもうほとんど残っていない。
傷口を指でなぞりながら裕也は治り具合を確認する。
(露伴や仗助から養分を奪った時以来の回復力だな)
ルイズが使った水の秘薬とやらの効果もあるのだろうが、
それ以上にメイジから得られる養分による物が大きかった。
その量はスタンド使いと同等か、あるいはそれ以上か。
この調子なら間もなく完治に至るだろう。
騒ぎも大きくなってきたし、そろそろ潮時だ。
(最後に一人……それで元通りだ)

背を向けたルイズには見えなかったが、
鏡に映った噴上裕也の顔は隠しようもないほどに笑っていた。
384猟犬は止まらない:2009/10/05(月) 21:40:53 ID:WONwaPf3
以上、投下終了。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:49:24 ID:alohROHB
幽霊屋敷の人といぬの人乙です
イザベラの態度はなんというか懐かしいものを感じましたよ。こういうキャラはこうでなくては!

とうとうイケメンが召喚されてしまいましたか…しかも初っ端から重病人とは
軽いホラーチックですな
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:59:25 ID:3GU7Rv5J
しえん
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:00:09 ID:3GU7Rv5J
って終わってた
やっぱいぬの人って犬の人かな 文章の印象から
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:12:09 ID:YlL7xVBP
墳上か今まで無かったね
これからどうなるか楽しみだ
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:32:44 ID:U+p1GU3I
幽霊の人&犬の人乙!
やっぱ犬繋がりでふんがみがきたかぁ
続き楽しみにしてます

イザベラ様が可愛いよォ〜
390名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 06:07:29 ID:vVQ8gUoe
裕也来たかww
乙www

391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 09:57:45 ID:g6qJZFU3
ちい姉さまがヒロインでルイズ成分皆無のものを避難所で書こうと思ったが 
最近人少ないしここにあげてもいいのだろうか……
君たちの意見を聞きたい!
392名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 10:01:35 ID:vOMLe2H4
GO!>>391GOGO!GO!
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 10:13:55 ID:hPccTG1t
>>391
よろしくお願い申し上げます
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 11:57:22 ID:+2wfQ6O/
>>391
関係ない
書け
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:20:28 ID:vOMLe2H4
ところで誰を召還するのかな
396名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:29:21 ID:g6qJZFU3
わかりました!
出来上がり次第投下させていただきます!
397名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 13:14:23 ID:EkeEGQXI
止まらないィィィ
wktkが止まらないィィィィィィ
398名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 17:40:16 ID:Hm8sOMrn
スタンドだけ召喚のSSもここに投下して……

ぁ、いーーんですかね〜〜〜っと
399名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 17:50:48 ID:vo8GqjNu
関係ない、やれ
400名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 18:18:49 ID:XWg5Pua4
否定する要素は無い。やりたまえ。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:05:57 ID:g6qJZFU3
>>395ボス・・・・・・とか言ってみたりして、ハハッ
402名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:08:27 ID:vo8GqjNu
>>401
待ってます・・・ボス・・・
403名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:46:34 ID:hPccTG1t
>>398
お前がSSを投下するのを裸で正座しながら楽しみに待っててやるぞッ!

>>401
改めて… よろしくお願い申し上げます
404名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:19:52 ID:Hm8sOMrn
>>401
キンクリを召喚するSSを書こうと思ったらボスとなッ!?!
405名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:22:21 ID:rlpIvafr
きれいなディアボロか…
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:34:23 ID:gSewkZsw
永遠に死に続けると思ったらルイズの所で生きたッ!
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:59:03 ID:EkeEGQXI
幸福とはこういうことをいうのだ…
408名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:03:38 ID:7ulaE5d0
新規の人々に感謝しろ…投下にはそれが必要だ
409名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 11:37:30 ID:d0fzHK6/
幸せだーッ!
幸せの連続だよォー!
410名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 12:12:26 ID:p17d+BkQ
書き手ってかっけーなー
でも新規の方が次々にあらわれていった
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 18:06:51 ID:xXTRdGly
いどうなるだろう

SS書くの初めてだから稚拙な文章になるのは勘弁な。
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 18:21:25 ID:7ulaE5d0
これから切磋琢磨していけばおk
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 20:47:47 ID:JQZnDb54
次の瞬間、キュルケは仰天した!
普通敵の攻撃を受けたら一旦回避しようとする!
相手が巨大ゴーレムならなおさら距離をとらなくてはならない!!

しかしルイズは… 逆におもいっきり突っ込んだ!!!!

キュルケ「おまえ何やってるんだルイズ・ヴァリエーールッ!! 特攻はともかく理由を言えーーーッ!!!!
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 22:36:46 ID:/fua8Y8T
>>414
蹴っ飛ばされてきりもみ回転しながら森に突っ込むルイズ。
血を吐き出しながらニヤリと笑う。

「そう…、これでいいのよ。こうやって“土くれのクソ野郎にメタクソにやられる”のが。
盗まれた物を奪い返すって理由だけじゃゴーレムを吹き飛ばすだけの精神力(パワー)が足りないのよ。
だけど、これで問題は解決した。私の怒りはMAX! 骨も残さず吹き飛べフーケェーー!」
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 23:22:04 ID:7ulaE5d0
メメタァ!ドグチャァ!現実は非常である
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/10(土) 00:57:12 ID:/Swdqib1
痛ああっい〜〜〜
ウフフフおのれッ フフフフハハ グエッブババババ
よくも よくもやってくれたわねェ
これで!おもいっきりあんたを恨めるというものよォォォ ウフフフフハハハハハーッ
私の虚無『エクスプロージョン』はそいつを恨めば恨むほど強くなるのよッ!
チクショオオオオオウウウ バババヒヒヒヒファハハハーッ
こんなに!こんなに痛い苦しみははらさなくちゃあいけないわよねええええッ
わざと突っ込んでわざと殴られたのよォおお フフフフフ!
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/10(土) 01:31:50 ID:WV7tNxpF
大変だ!おマチさんのたわわなふたつの果実が噛み切られてしまう!
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/10(土) 08:35:55 ID:ApWQZGnB
何想像してんのさ!別に私の胸が革命を起こしたわけじゃないわ!!!
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/10(土) 23:59:07 ID:87bdBLJI
およびじゃないんだよっ!年増は引っ込んでなっ!
420名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 01:05:50 ID:g3tkRudy
∧l二|ヘ
(・ω・ )  ←に土産を持たせてどこかのスレに送ってください
 ./ ̄ ̄ ̄ハ
 |  福  | |
 |  袋  | |,,,....
   ̄ ̄ ̄ ̄

現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ 魔法少女アイ参 コタツ 仲村みうのDVD「卒業」
東名 オプーナ 魔法少女アイ参 オプーナ オプーナ 株券 オプーナ 信長の野望online争覇の章
いづおロール 神藤美香のDVD(赤) FF11アルタナの神兵追加ディスク 箱○ブルドラパック オプーナ
XJAPAN085 DaRkuN 五色の霊石 魔法少女アイ参 オプーナ 魔法少女アイ参 魔法少女アイ
惨パッチ PC98  紐パン 満鉄の株券
加賀 雪風 大航海時代4PK 旧スク水 しゅべすた30 ☆ムーディブルースのDISC+99★
421名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 01:08:50 ID:UPTWg8eJ
>☆ムーディブルースのDISC+99★
誰だよこんなん入れたのはwww
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 01:23:54 ID:HTv/T50H
>>☆ムーディブルースのDISC+99★
ディスク系の物買って直ぐ家に遅れるから便利っちゃあ便利だな。

423名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 01:36:53 ID:bMpqnR5V
能力が基本だけってことは、+99のムーデイに色紙を使ったのか? ……本当に誰が作ったw
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 01:43:29 ID:tWVSNLn1
じゃあおっぱい子爵でも入れておくか
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 09:23:30 ID:4NWRXlR1
全部消し炭にしようぜ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 10:01:51 ID:UPTWg8eJ
くらってくたばれ
『怪焔王』の流法!!
427名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 10:38:20 ID:lCZzR5Rg
止めてくれ…
それでスタープラチナザ・ワールドのdisc消し炭にされたんだ…
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 12:57:23 ID:BCi1JfDO
エルメェスのアレを燃やされた俺に死角は無かった。
429名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 14:24:13 ID:F56gVGY1
モンスターハウスで敵を始末し終わった後に、部屋の中のアイテムが全て消し炭になってた時の
徒労感とやるせなさは異常
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 16:09:39 ID:g3tkRudy
だから兄貴のディスクとクラフトワークは常備しておけとあれほど
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 18:10:51 ID:Rtnv4Kfs
大部屋を兄貴+部屋攻撃で殲滅したときの快感は異常
さてそろそろスレ違いか
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 18:15:43 ID:mwKEn7k1
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1255145935/
ここならいくらでも話せるんじゃあないか
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 20:12:08 ID:UPTWg8eJ
ディアボロの大冒険といえば、大冒険Uとタバサの大冒険がまとめにあるが
帰ってきてはくれないかな
後者はもうレクイエムの迷宮の20F越えてるからゴールも近いと思うんだが
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 01:04:49 ID:HzqfUEdQ
ディアボロの大冒険からスタンドではなく、記憶ディスクを召喚ってのはどうかな?
承太郎が入ったルイズとか、アヴドゥルが入ったキュルケとか、ペッシが入ったタバサとか。
435名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 08:38:11 ID:Xa3LrGNu
なんでペッシなんだよw
436名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 08:48:35 ID:BJkXlHHn
マンモーニ?
タバサはペッシと違って覚悟があると思うが
437名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 09:03:48 ID:emfYVMeR
犯される覚悟があるタバサと聞いてはせ参じました
438名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 18:37:31 ID:Vri8TsyK
イザベラ姉様の『覚悟』がッ!
言葉でなく!心で!理解できたッッ!!!
439名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 19:00:11 ID:Xa3LrGNu
栄光は…………あんたに……ある……わ…
やれ……やるのよ…シャルロット。
アタシは………あんたを…見…守って……いるよ……
440名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 21:21:20 ID:BJkXlHHn
ルイズとヤる、アンリエッタともヤる。『両方』やらなくちゃあならないのがガンダールブのつらい所だな

なんという屑野郎
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 21:34:27 ID:p7toPud2
イタリア人なら…イタリア人ならきっとヤッてくれる…
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 21:44:28 ID:i0cRj5Jc
ブリミルの血の引力によって!虚無の担い手は引かれ合う!
443名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 23:13:20 ID:yZih4Ox0
ギアッチョが入ったルイズ、ボインゴが入ったタバサ、億安が入ったマリコルヌだな
普段とあんまり変わらんな
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 04:50:07 ID:V1BjccSs
今さらだが、「ママッ子」っていうそのまんまの意味ならそう間違っちゃいない気もするが…
一歩間違えりゃ憎しみと復讐だけにとらわれた「ゲス野郎」に堕ちるし。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 10:02:12 ID:wrMTQaeV
どっちにせよ、変わらんな
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 17:18:04 ID:fpnw06G8
  _,ヘ:::::ヽノ//,.イ ト、ヽ_::::// ト'¨/       _   _           ハ:::l:::::l::、:::_j:ト、_::l:::::l:::::::/⌒Y::ヽ
. / j`ヽ<//,.イ::::::i ヽハ i  l / ./  ┌lニ「└冂 7^>┐        i:::::}:ト、;ハ::`¨:_`二ト-:ト-1:::::/_:;ノ
└l‐-、リ//i::/、`、'  ソ⌒マ / /    ,rくV冂ー厂Y^ト/´/7       ヽヲ:::>'"´ ̄三二ニ=ヽ::`¨:::::i
 └─ヽi . ,';'tア  ヽ {  ノ /     )‐二ニ=-=二三ニ二(_       }¨´ / ,. <::丶、 ヽ¨\ミ¨{
     ヽシ^'ー、ヘィiヘf⌒ヽi      YこjW{;二=-‐<二〈        /¨ヽ,.イ  〈 rッ ‐、ト、 i_ヽソ
      `',     ', i  ノj       ヒp}  トニpブ ̄`!ニヽ      ハir`l;;:/     `. ̄,ハ itラ
.        ヒフ_ ,ォ   >'⌒ヽ.     |フ|  | ド、~  } 'Fリ      ノ::ヽ_、 l    r‐' i l l i 
         ヽ-'"  i    }     |゙=_'_'゙  ヽ / rく     _/ノ/´ ヽハ ヽ /´  .kトァV
           `ー‐'/ヽ、__ノ       |〈.-―ヽ  V /´交ヽ  /ノ,ハヽ- ',リ X   ー..___-z_ /               _ ,.、
           // /  `}      |`⌒`  ,//ヽ立ソ^ヽ:フ./ ,.>-< \ ',  `ー`二ノ/            _.  / /_/、
          / └、ゝ.._ノ\     /'ァ---‐''" /.交ヽ/  ,ハー´.i    ',  > _    /--、         / l  /_/ / /
         i   -=i  `i__l ヽ  r「//__ /'交ヾ立ソ  /  /  \ ..___ノ \    ¨ ー'ヽ  \         / i/ / ./_/_7
        / ̄  _..人._ノ    \.イ//4O) ヾ立ゾ/ / ノ     ̄`ー、ヽ\    /\!    ',     / /`ヽ' ノ,ノ /
      /                            ,.ヘ'´:l:::::l::::::i::/¨>、
                                   入:::V:l-:ト-:K:::/:::/   ::::ll:::::::::::!l:::::l:::::::::::l、_:l:::::::::/:::::7
                                   >''ニ=‐,、ニ`ーム/_7  __,.!l::::::::::l l:::::l::::::::::lーl:::::::/:::::/
   : 終    ア ア. ア                   }彡イ''"i^`>ミ、\ ) ト、_ヽ--クハ ハ、__lY L__ハ、 _ヘ
   : わ    ヴ ヴ ヴ                   フ/ =ミ.! f´,z=、ヽミ{  に._¨ニ - ..,,_ト---イ _ =-‐'イ、)
     っ.     ド. ド  ド                   コ.i ノ └-'´ヽ  ilノ  ,. -─--==-->、<´ィニ二ヽワ
   .  た      ゥ ゥ ゥ                    ハl lノ /ニニこ! フ .!l'ハ ム-‐..ニ --─‐==、_丶、`¨ニ)
   .  よ.     ル ル ル                   Vl l l:;.-r‐ 、:l レ ハ i _,.ィ¨ニー-...,,__     `>.、ヽ!
          ! ! !                  /⌒l/i ト!_  ,リ イ lイ、 ファrェ、---、--¨コ〕jノ,ィk--、/   
                                  i  lヽi.ヽ、二フ//,レi  i  _ヽ_ヒzク_,.ィ/  !  ド'-‐リ
        Fネ!     /ス!                ,. ー-',l. ハ `ー-.' /イ >-<     rr‐'.l.   i  lヽ i
       _上コ..__ /¨´ニ{,...、         .      i  ハ ト、 ヽ ..._// /  .ハ   fr¨   ヽ、,.-='7ァ'((. l
      f´ヽ   i l }i:::::l::::f:::::l             ,. ィ´ヽ.__ノヽ、.\   _,.ィ.l   人__      `'<レ' ヽソ
      Kヽ、i__.⊥ィ'^i:::::ト:::〉::ク、           ̄--─、 i  `ヽ‐-、`¨´  ノ>'⌒ヽi/ ̄/   ,.. 、__,. 、. V
     ,人テ -i‐.i^l゙i }::::::::::ヽ:::::',         ¨゙ヽ \  人.__ソ‐-、  イ __i   ノ  / _,.ィ_ ,. --zェ_ノ /
    ./ ノ l`¨ニi_,ィ ヒヒ!:::::::::::`ト、入        .ハ ',    i   l-─f´ `ヽ‐'  /lj   i'´  `  ̄  _)i¨゙ヽ
   └'/  // /:゙┘::::::// ヽ'                            ¨ヽ    `フ''¨´ ゙̄ヽ !   ハ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 17:18:49 ID:fpnw06G8
ごめんなさい誤爆です
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 18:20:04 ID:itkCSGUQ
コルベールとアブドゥルっていろいろな点で似てるよね。
炎属性だとか、復活キャラだとか、モテないとか。

コルベール「YES、Iam!チッチッ!!
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 18:25:08 ID:1zq3lMQQ
ガオンッ!!
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 18:43:38 ID:muSc0lch
>>446
噴いたwww
というか本当に誤爆なのかw
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 20:20:16 ID:PZUZKDO0
>>448
ただコルベールにはキュルケが付属するようになりました
何だこの勝ち組は
452名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 22:52:22 ID:wrMTQaeV
アブドゥルには
マイケル・プリンス・ライオネルがいるじゃないか
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/14(水) 23:47:54 ID:cGjXhKAC
>>446
全部アヴドゥルかよw
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 06:06:16 ID:DNpc3T5J
>>437
ロリコンは地獄へ堕ちろ
繰り返すロリコンは地獄へ堕ちろ
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 07:07:58 ID:oc4kZti5
>>454
地獄の中で何を言ってるんだい
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 07:22:35 ID:OZF7ekoF
>>454
地獄とかがあるかは知らないが… 念のため書いといてやるよ。

『地獄へ行く』
457名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 17:40:29 ID:kJ2GF5Vq
露伴先生って矢だっけ?天然だっけ?
458名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 18:26:09 ID:/RdYy6kL
矢だろ
459名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 19:40:16 ID:j5NxKJbw
初登場時に3ヶ月前に何者かに矢で射られて手に入れたって言ってるな
460名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 19:43:27 ID:Vo3tyY7q
三ヶ月前ということはスタンドがでる前からあの驚異の作画技術だったのか……
461名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 20:13:01 ID:oc4kZti5
つまりスタンド能力無しでも加速時間とタメ張れると
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 20:13:19 ID:ZwcE5u5H
露伴先生は漫画のネタを集めるためにしかスタンド使ってなくね?
463名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 20:53:55 ID:OZF7ekoF
ヘブンズドアーの発動速度を速めるために修行してなかったっけ?
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 00:50:24 ID:vx79DZS6
露伴ちゃんの描画技術は全部スタンドは関係ない本体の技術だろ
465名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 00:59:42 ID:cm88TFUX
ヘブンズドア自体が露伴ちゃんが使わないとハードル高すぎて使い物にならないんだっけ
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 01:11:12 ID:hM8ONz4p
本体の描いた漫画を見せるのが初期の発動条件だから少なくとも漫画が描けないとダメ
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 06:16:50 ID:d2q1EJUn
露伴先生は矢に刺されなくても、そのうちスタンド能力に目覚めそう
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 09:08:18 ID:cm88TFUX
進化の究極に至る道には波紋やスタンド、石仮面などがあるが実はもう一つある
それは漫画だ
こう言う事か
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 09:22:47 ID:sE5hfseg
>>467
ハンターの念における「ゆっくり起こす」と「無理やり起こす」の差のようなものか。
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 20:42:25 ID:oSYKnVt9
ひろひこもスタンド使いだな、きっと
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 20:47:02 ID:egg4dR82
究極生命体にスタンドなんて必要ない
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 21:01:04 ID:cm88TFUX
必要とか必要ないとかそんな低次元な話しなわけないだろう
そんなの彼にとっては、薬指で頭かけますか?と聞いてるのに等しい
別に人差し指とか中指でもいいけど薬指でもできる、それだけだろうよ
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 21:51:34 ID:OHNeF5fs
よくイロイコのことを吸血鬼って呼ぶ人がいるけど、
彼は普通に太陽を克服できてるからアルティメットシィングだよね。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 21:52:28 ID:Dgt+lSy4
あれは緑色の赤ちゃんが成長した姿だよ
475ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/17(土) 02:08:20 ID:sB1538GW
誰かいるなら13分に投下します。
476ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/17(土) 02:12:17 ID:sB1538GW

シャルロットを盾にしたセレスタンとそれを囲むグリフォン隊。
一触即発の状況でどちらも身動きがが取れない中、
アルビオンの騎士は朝食のメニューを訊ねるような気軽さで問う。
「どうでしょう。もう一度こちら側に付くというのは」
それを聞いたセレスタンが鼻で笑うと同時に杖をさらに喉元まで突きつけて見せる。
慌てふためく周囲の反応にセレスタンはくっと口元を釣り上げて笑みを零した。
“一度は殺しかけておいて状況が変わったから味方につけ”
そんなことを言われれば並の神経の持ち主なら激昂して人質に手を掛けたかもしれない。
だがセレスタンはそうではない。そして、それは騎士も知る所だった。
そもそも彼には我々への恨みなどない。傭兵仲間を殺された仇を討つ気もない。
誰かを殺し、誰かに殺されるのは狂気の只中にある彼にとっては当然の出来事。
ただ逃げるだけなら我々に姿を見せる必要もない。彼女の風韻竜を駆ればいい。
それがセレスタンが人質を殺さない理由。
いつ殺されてもおかしくない、この状況を彼は心から楽しんでいるのだ。

「では、どうしますか。ここで我々と戦うのも難しいでしょう」
「なあに、こいつがいりゃあテメエ等は手が出せねえ。
反撃できない相手をいたぶるのはそれほど苦労しねえさ」
「そうでもありませんよ。最悪の場合には“目標の生死を問わず”そう命じられていますので」
騎士の放った言葉にセレスタンに息を呑んだ。
話が違う。この少女は洗脳して送り返すのではなかったのか。
死体だけでいいというのはどういう意味だ。
スキルニルにすりかえた程度でごまかせるような相手ではない。
ハッタリだと断言するには確証が足りない。
なにしろエルフの技術力は人間にとって未知数の代物。
それこそ屍さえ思うままに動かせる技だってあるかもしれない。
にじり寄るグリフォン隊にセレスタンは表情を強張らせた。
死体を炭にまで変えるなら話は別だろうが、今から別の魔法に切り替えるのは自殺行為だ。

「我々には貴方を殺す理由がない。偽装工作には彼らの死体があれば十分です」
「かといって生かしておく理由もないがな」
「ええ、その通りです。このまま反抗を続けるのでしたらね」
毒づくセレスタンに平然とした顔で騎士は脅しつける。
岐路が目前まで迫っていた。セレスタンに進む道は二つ。
手持ちのカードを切るか、それとも降りるか。
せっかくの切札を捨てるのは少々惜しい。
この手でガリアの王女を殺め、グリフォン隊相手に立ち回るも悪くはない。
どのみち死んだも同然の身、あとはどうやって終わらせるかだ。
包囲を狭めるグリフォン隊を凝視して彼は決意を固めた。
「見たくはありませんか」
その決意を揺るがせたのは騎士の言葉だった。
彼はセレスタンがこちらを向いたのを確かめてから続ける。
「数千年にわたり繁栄し続けたガリア王国が、
あの美しき宮殿と勇壮なる騎士団に守られたあの国が、
貴方が忠誠を誓い、そして裏切られた祖国が――その輝かしい歴史に幕を引く瞬間を」

その瞬間、セレスタンは口元を歪ませた。
取り囲むグリフォン隊とシルフィードは彼の表情に凍りつく。
まるで獣が牙を剥きだしにしたかのようなその表情。
それが堪えきれない笑みを表しているのだと理解できたのは、騎士と彼自身だけだった。
477ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/17(土) 02:13:01 ID:sB1538GW

僅かに開いた隙間から覗いていた目が釣りあがる。
セレスタンを包囲していたグリフォン隊も杖を収め、
事態は収束の方向へと向かってきている。
それをただ一人望んでなかったイザベラが怒りを顕に叫ぶ。

「ちくしょう! もっと交渉を長引かせろ役立たずめ!」
よくある立て篭もり事件みたいに途方もない金額をふっかけたり、
とりあえず食料と水を要求したりと無駄に時間を食っていればいいものを!
心の中で文句を言い続けるも虚しいばかり。
だけど本当の意味での最悪の事態は避けられた。
もし交渉が失敗していたらシャルロットはどうなっていたか。
ほんの少しだけ安堵している自分に腹立たしさを感じながら外の様子を窺う。
状況は最悪ではないが、その次点ぐらい。
“さて問題です。どうしても救出しないといけない人物が人質に取られています。
周りは各国の精鋭で囲まれ、こちらが使えるのはドットスペルだけ。
救援は来るかもしれませんが待っている間に逃亡される可能性が非常に高い。
この状況で重要人物を救出し、自分も無事に脱出する方法を提示しなさい”
士官学校でこんな試験問題が出されたら全員留年か、問題を考えた教師の首が飛ぶだろう。
時間さえあればいくらでもアイデアをひねり出してやるっていうのに、そんな余裕さえない。

飛び出していってシャルロットを救出して逃げ出す?
それはただの妄想だ。そんなのが出来るのは絵本の中の英雄だけ。
自分がそうなれると錯覚するほど子供じゃない。
周りの連中はシャルロットを中心に固まっている。
あそこに飛び込むのはむざむざ殺されに行くのと同義だ。
三歩も歩かないうちに蜂の巣にされるのがオチだろう。
救出は後回しだ。今はとにかく一秒でも時間を稼ぐしかない。
囮となって注意を引きつけるのもありだが私は既に用済み。
無視されるか、いきなり殺される可能性だってありえる。
いっそエンポリオを使おうかとも思ったけど、
死んだらスタンドが解除されるのだから意味がない。

考えろ、考えるんだ。
奇跡を期待して飛び出すな。
そんなものが無いって私が一番よく知っている。
無力を嘆いて傍観に徹するな。
そんなのは私じゃない。私であってたまるか。
どんな汚い手でも構わない。あらゆる手段を講じろ。
額を伝う汗を手の甲で拭いながら、
ぐっとイザベラは下唇を噛みしめた。
分かっていた。だが事実を突きつけられるのは悔しかった。
――悲しいぐらいに私たちは無力だった。

その時、俯く彼女の耳に聞いたことのない誰かの声が届いた。


突如響き渡った物音に、その場にいる全員が音のする方へと視線を向ける。
そこにはどこかから迷い込んできたのか一人の少女がいた。
マントについたフードを目深く被った表情は窺えないが、きっと蒼褪めていただろう。
足元には衛士隊が仕留めた傭兵の死骸。それを目の当たりした彼女の足が恐怖に震える。
はっと気付いたかのように少女は屍から周囲へと視線を巡らせる。
シャルロットを盾に取るセレスタン、グリフォン隊、アルビオンの騎士たち、
そしてマチルダへと移り、そこで止まった。
「……テファ? まさかアンタ、テファなのかい!?」
自分を食い入るように見つめる少女の目に気付いたマチルダが思わず声を上げる。
返答はなかった。だが少女は首を僅かに動かして肯定を示す。
目撃者を消そうとするグリフォン隊を騎士は苦渋に満ちた表情で制す。
あってはならないことが起きてしまった、まるでそう言いたげに。
478ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/17(土) 02:13:55 ID:sB1538GW
「……姉さん。どうして、どうして、こんなに人が死んでいるの?
何があったの? 姉さんたちは一体ここでなにをしているの?」
テファと呼ばれた少女の澄み切った声が恐怖にかすれる。
歩み寄ろうとするマチルダにテファは後ろに下がって拒絶を示す。
目の前の現実を受け入れたくないかのようにテファは頭を振る。
彼女は薄々気付いていた。この惨状を生み出したのが他ならぬマチルダ達である事に。

テファを安心させようとマチルダは偽りの笑顔を作ろうとした。
だけど笑えなかった。笑おうとしても彼女の表情は曇ったまま。
自分が今までどうやって笑っていたのか、それさえも思い出せなかった。
近づければいつものように抱きしめられるのにとテファとの距離を歯痒く思う。
しかしマチルダは気付いてしまった。
愛しい彼女を抱きとめる手は既に血で穢れてしまっているということに。
どうして付いて来るなと言われたのか、今なら痛いほどよく分かる。
どんな理由があるにせよ一度でもその手を汚したのなら元には戻れない。
当たり前のように過ごしてきた昨日までの日々には帰れない。
本当の姉妹のように共に歩いてきた二人の間には見えない壁が立ちはだかっていた。
「テファ」
明かりに誘われる虫のように手を伸ばす。
もしかしたら救われたかっただけなのかもしれない。
―――ひどく身勝手だ。
無垢なままであって欲しいと遠ざけておきながら、
なのに今は彼女に慰めてもらいたいと心から求めている。
テファが望まないと知っていながら、それでも自ら望んで犯した罪なのに。
彼女に許されたいと恥知らずにも願っている。
だが、その手は虚しく空を切った。

テファが手を伸ばそうとした瞬間、どこからともなく現れた少女がテファに激突する。
縺れ合うように地面に転がる二人に慌てて駆け寄ろうとした直後。
少女――イザベラはフードごとテファの髪を掴んで叫んだ。

「おまえら全員動くんじゃない!」
もう一方の手にはナイフ。それを痛みに喘ぐ彼女の首元に突き立てる。
血走ったイザベラの目が苦しげに歪む騎士の顔を睨みつける。
「あの時とは立場が逆だね。気分はどうだい? 大事なモノを盾に取られる気分は」
悪に徹する彼女の表情は、まるで水を得た魚のように生き生きとしたものだった。
479名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/17(土) 02:14:49 ID:NPJSHqR0
支援
480ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/17(土) 02:17:00 ID:sB1538GW
以上、投下終了。
481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/17(土) 02:18:47 ID:cDhY7jpX
>>480
乙乙GJッス!
イザベラ様頑張れ!
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/17(土) 08:04:41 ID:+l7TIb6G
乙ッ!
イザベラ様に幸あれッ!
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/17(土) 12:41:31 ID:Sv8aewCn


いやーイザベラ様よく似合う
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/19(月) 21:35:38 ID:vvbOx/Iv
決闘に出てきたオリジナルスタンドのフェンス・オブ・ディフェンスって
ちゃんと元ネタのバンドがいるんだな。今日始めて知ったぜ

って事で決闘の人帰って来ないかなあ
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 01:52:00 ID:V+88zXi8
投下乙です
あーやばい幽霊屋敷ホント面白い
完全オリジナル展開なのにちゃんと脳内再生できるのが素晴らしい
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 03:48:27 ID:cdeLDaGq
投下乙です。緊張感がたまらんぜ。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 21:02:30 ID:prXK00vo
固定化かけた火薬って火つけても爆発しないのかな
488ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 21:12:34 ID:kz4OH3xv
16分から投下します。
489名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 21:13:55 ID:4T52JHrG
ゴゴゴゴゴゴ
490ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 21:14:14 ID:kz4OH3xv

精一杯のハッタリで睨みを利かせる。
平静を装いながらもイザベラは耐え切れぬ恐怖に晒されていた。
無理に浮かべた笑みに頬は引き攣り、震える歯を噛み締める。
汗ばむ手から滑り落ちかけたナイフを必死で握り込む。
向けられる殺気で眩暈がしてくる。
捕まっていた時とは状況が違う。
あの時の私は人質でお客様だった。
けれど今は人質を手にした明確な敵だ。
僅かにでも気を逸らせばその瞬間に死んでいる。
張り詰めた空気は渓谷に渡されたロープの上を歩むのに等しい。
少し気を抜いただけで失神してしまいそうなほどに息苦しい。

だが、こんな世界に単身で飛び込んだバカがいるのを私は知っている。
狙われているのが自分と知りながら使い捨ての駒を助けに来た奴を。
認めてやるよシャルロット。お前はバカだけど勇敢だ。
ここで逃げ出したりなんかしたら、あたしは一生はお前には敵わない。
そうだ。目の前のカス共なんかどうって事はない。
相手が竜だろうが衛士隊だろうが関係ない。
あたしの唯一にして最大の敵はシャルロット……お前だけだ。

「とっとと杖を捨てな! それともこいつの喉が切り裂かれるのを見たいか?」

脅迫するイザベラに対しグリフォン隊は杖を下ろそうとはしなかった。
人質の少女が何者かを理解しているのはアルビオンの人間達だけ。
もしも騎士の制止が無ければただちにイザベラを斬り殺していただろう。
表面上は動揺を見せない騎士とは裏腹にマチルダは完全に取り乱していた。
「テファ! テファ! テファ!」
ひたすら彼女に呼びかけるも苦しげな呻き声が返ってくるばかり。
常に緊張を強いられるイザベラには力の加減に気を配る余裕はない。
髪を掴まれ引き起こされた首が痛ましげに反り返る。
激昂に駆られたマチルダがシャルロットへと駆け寄る。
そして杖を抜き放つとおもむろにそれを突きつけた。
「テファを放しな! さもないと……」
「さもないと? 何が出来るって言うのさ?
そいつを殺したらどうなるかアンタらが一番分かってるだろ」
挑発するように首元に押し当てたナイフをちらつかせる。
それに気圧されまいとマチルダはなおも食い下がる。
「別に殺さなくたって苦痛は与えられるよ、それでもいいのかい!」
「やってみな! こいつの鼻を削ぎ落とされたいんだったらね!」
イザベラのナイフが舐めるようにテファの顔の上を滑っていく。
思わず悲鳴を上げるテファとそれを堪えるマチルダ。
そのやり取りを間近で見ていたセレスタンはそれを鼻で笑った。
まるで児戯だと言わんばかりに凶悪な笑みを浮かべながら。
491ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 21:17:44 ID:kz4OH3xv

「なあ、お姫様よぉ。ひとつ聞いてもいいか?」
突然、口を開いたセレスタンにイザベラは戸惑った。
彼の口調には焦りが感じられず余裕さえ浮かべているように思えた。
返答のないイザベラに構う事なくセレスタンは話を続ける。
「アンタどうしてノコノコ出てきたんだい?
このまま黙って見過ごしてりゃ、アンタの期待してた通り、
ガリアの女王になれたかもしれないってのによ」
せせら笑いを浮かべるセレスタンの顔はひどく不愉快だった。
あれはきっと何かを勘違いしているに違いない。
ちくしょう。届くならあのムカつく面に唾を吐きかけてやるのに。
「きゅいきゅい! 決まってるのね。
おねえさまが活躍してたから自分も目立ちたかったのね。
負けず嫌いの意地っ張りのわがまま従姉妹なのね」
「爬虫類は黙ってな」
会話に割り込んできたシルフィードをイザベラは一蹴する。
「は、は、爬虫類! この伝説の風韻竜であるシルフィをトカゲ呼ばわりしくさってからに!」
シルフィードの青い鱗が見る間に怒りで赤く染まっていく。
子供が駄々をこねるようにじたばたと暴れ回る風竜。
それを徹底的に無視を決め込んでイザベラはセレスタンを注視する。
どれほど韻竜が偉いのかは知らないけれど、
シルフィードを見る限りでは威厳も何もあったものではない。
全部がアレと同レベルなら頭の悪さ故に絶滅したとしか思えない。
何がおかしいのか、それを見ていたセレスタンがケラケラ笑い出す。
両手が塞がっていなければ腹を抱えて笑い転げていたかもしれない。
つくづく不愉快なヤツ。アタシが女王だったら追放じゃなくて処刑にしてやったものを。

ふと笑うのを止めてセレスタンはシルフィードに目を向ける。
「そこの嬢ちゃん。お姫様から物騒なモン取り上げて来てくれねえか」
そして、まるでおつかいを申し付ける気軽さで彼は眼前の風韻竜にそう告げた。
突然の発言に大きな目を丸くしていたシルフィードがハッと我に返る。
「きゅい! おねえさまを人質にしてる悪党の言う事なんか聞く耳持たないのね!」
ぷいっとシルフィードは怒りを抑えてそっぽを向いた。
下手に怒って犯人を刺激するとシャルロットがどうなるか分からないからだ。
反抗的な態度を取るシルフィードにセレスタンは笑みで返す。
「なあに、無理は言わねえよ。気持ちが変わるまで指折り待たせてもらうまでだ」
そう言うとセレスタンはぐったりと垂れ下がったシャルロットの手を取る。
その瞬間、イザベラの脳裏に確信にも似た予感が走った。
「セレスタン、やめ……!」
「ひとーつ」
制止は間に合わなかった。
べきり、と枯れ枝が砕けるような音が辺りに響く。
白魚のようなシャルロットの小指は変色し、
本来曲がるはずがない方向へと向けられていた。
意識はなくともその激痛にシャルロットの身体は、
びくりと全身を痙攣させて声なき悲鳴を上げる。
492ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 21:19:16 ID:kz4OH3xv
「きゅ、きゅいーーーー! おねえさまがーーー!」
わめき立てるシルフィードとは裏腹にイザベラは無言だった。
驚きはなかった。セレスタンならそれぐらい平然とやると分かっていた。
なのに止められなかった。静かに込み上げる怒りが血液をマグマのように沸騰させる。
直後、イザベラのナイフの刃先がテファの眼球へと向けられた。
その意図を察したマチルダが必死で止めに入る。
「や、やめ……その子は何も関係ないんだよ!」
「先に手を出したのはそっちだろうが!ふざけるのも大概にしな!
あれだけやらかしておいて自分たちだけは別だと思ったのか?」
だがイザベラはそれを一蹴し激怒に任せて吼え猛る。
そんな彼女たちの姿を見ながら呆れるようにセレスタンは溜息を零した。
そして一言、どうでもいい事のように冷たく言い放った。
「なら、さっさとやれよ。目でも耳でも好きなとこ切り刻みな」
ぞくっとイザベラの背中を冷たいものが走った。
こいつは本気で人質がどうなろうと構わないと思っている。
困惑の眼差しを向ける一団にセレスタンは語りかける。

「考えてみろよ。これが失敗したらアルビオンは終わりだぜ。
その娘がどれだけ重要人物か知らねえが天秤にかけられるか?
ましてや自分からやってきたんだ、自業自得ってヤツだろ、なあ?」
同意を求めるように周囲の人間へと視線を向ける。
口には出さずともグリフォン隊の意見は不本意ながらも彼と一致していた。
人質をいたぶり、さらには見捨てる彼の言動は名誉を重んじる彼らに不愉快だったが、
この計画が潰えてしまえばグリフォン隊はただの裏切り者で終わってしまう。
ならば、あの少女が誰であろうと見捨てるのが最良の選択だと彼らは考えていた。

だが人質となった少女の身分、そしてその人柄を知るアルビオンの者たちは違う。
彼らにとって、それは苦渋の決断だった。
セレスタンの言葉を借りるならば“国家と天秤をかけるほどの存在”なのだ。
ましてやマチルダにとっては世界でさえ釣り合いが取れない大切な者。
必死にセレスタンを止めようとするマチルダの隣で騎士は考える。
イザベラは人質を殺さない。殺してしまえば何の価値もなくなるからだ。
だが激昂に駆られて嬲り者にするかもしれない。それを止める手立てはない。
このまま脅迫しても彼女は生命線である人質を手放さないだろう。
セレスタンは一体何を狙っていると言うのか。
493ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 21:20:26 ID:kz4OH3xv

「きゅいーーー! もうやめるのね! 大人しく言うこと聞くから!」
「じゃあ、任せたぜ。急がなくてもいいぜ、まだまだ数は数えられるからな」
「きゅいきゅいきゅいーーーーー!!」
ばたばたと翼をせわしなく動かして叫ぶシルフィードに、
小指の折れたシャルロットの手を見せつけながらセレスタンは応えた。
どしどしと大地を弾ませながらシルフィードがひた走る。
そしてイザベラの傍まで駆け寄るとずいっと手を差し伸べて一言。
「さあナイフを渡すのね。おねえさまの命には代えられないのね」
一瞬、その無駄にでかい手にナイフを突き刺したくなる衝動に駆られた。
が、バカに付き合っている余裕などないと気を取り直す。
ふんふんと強気に鼻を鳴らす青い竜を前にイザベラは大きく項垂れた。
本当にこいつは伝説の竜なのかと全力で問い詰めたくなる。
これと比べたらエンポリオは『当たり』だったんじゃないかと思えてくる。
とはいえシルフィードの行動は使い魔としては非常に当然なものだ。
何よりも優先されるのは主人の安全。主を盾に取られれば従うより他にない。
問題はここで人質を解放しても何の解決にもならないとまるで理解していないことだ。
無視を続けるイザベラに腹を立てたシルフィードがナイフへと手を伸ばす。

「早く渡すのね! おねえさまが危ないのね!」
「バカ! こいつを手放した方が余計に危ないんだよ!」
「きゅい! バカって言う方がバカなのね! このバカ従姉妹!」

この、この、と懸命に伸ばすシルフィードの手を避ける。
声色と頭の悪い喋り方に惑わされてはいけない。
こいつら竜は歩く巨大天然災害なのだ。
青い鱗の生えた丸太じみた腕は、
ちょっと力加減を間違えただけで軽く引き裂かれる。
肉がではない、鎧を着た人間の胴体がである。
ある意味、襲撃者たちよりも性質が悪い。
(頭のいい敵よりも頭の悪い味方の方が怖いって言うけどホントだね!)

じたばたと互いを罵りあいながらナイフを奪い合う1人と1匹。
不規則に動き回る切っ先が間にいるテファを幾度も掠め、
その度にマチルダとテファ、アルビオンの手の者達から悲鳴にも似た声が上がる。
竜と少女の戯れを楽しんでいるのはセレスタン唯一人。
その最中、騎士の両目は大きく見開かれていた。
視線の先には人質となった少女。
イザベラが暴れたせいか、彼女の被ったフードが外れかかっていた。
いつでも動けるように騎士が部下にハンドサインで指示を送る。
不測の事態だが上手く事が運べば思わぬ好機となるかもしれない。
494ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 21:21:27 ID:kz4OH3xv

イザベラと騎士、それぞれが互いの機を窺っていたその時、
がさがさと木の葉の擦れる音と複数の足音が近付いてくるのを聞きつけた。

二人の表情が同時に変わる。
緊迫した面持ちを浮かべる騎士に対し、イザベラの顔は勝利を確信した笑み。
こちらに向かってくる足音は少なくとも4人。
それだけの数の仲間が生き延びて合流しに来たという楽観的な思考は彼には無い。
だがイザベラには心当たりがある。連絡をつけた才人が人を呼んだという可能性だ。
期待に満ちた視線を向けるイザベラの前にそれは姿を現した。
――その瞬間、彼女の希望は絶望へと変わった。

そこにいたのはルイズとアンリエッタ王女。
彼女たちの胴には縄がかけられ背後の男達に繋がれている。
その内の1人は襲撃者達と同じ装束を纏い、もう1人は―――。

「どうした? 待ち人来たらずといった表情だな」
衛士の制服を血で赤く染め上げてワルドはそこに立っていた。
495ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 21:25:12 ID:kz4OH3xv
以上、投下終了。

次回で決着の予定。
……なんだか投下が少なくて寂しい。
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 22:04:57 ID:4T52JHrG
乙。いよいよクライマックスか
あと1話でまとめられんのかねこれ
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 22:21:41 ID:VVIiOW6+
え?第一部完でしょ?
次の次から第二部で
498ティータイムは幽霊屋敷で:2009/10/20(火) 22:43:00 ID:kz4OH3xv
あ、襲撃者達との戦いがです。
話はまだまだまだまだ続きます。
いつまで学院で争ってんだコラァ!って声が多かったので、つい。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 00:04:01 ID:coiWVsT6
乙でした
他の作者方もきっと頑張ってる…はず…
500名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 00:12:09 ID:nS/HKx2u
いわれてみるとまだほんの序章のような気もしてくる
〜DIOが仮面をかぶるところまで、ぐらいな感じで
501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 01:05:31 ID:1sN9WF1F
仮面の続きを今も待ち続けてる気がしなくもない
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 13:02:09 ID:OJgYOqLg


緊迫した場面なのに
シルフィードがねえ……
503使い魔†無双:2009/10/21(水) 19:07:57 ID:Nzx4RxK4
先に言っておくね。
アニメしか見てないから、細かい設定とか分からない。
それと、趙雲召喚ね。
じゃあ、投下するね。
504名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 19:09:19 ID:EsBR3n/L
はいスレ違いです
というか荒し乙
505使い魔†無双:2009/10/21(水) 19:09:23 ID:Nzx4RxK4

  † 趙雲。気付かず無双しちゃったのこと †


 わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。トリステイン魔法学院の二年生で十六歳。桃色
の髪の毛と鳶色の瞳がチャームポイントの、トビっきりの美少女よ!
 わたしは、今、トリステイン魔法学院の目の前に広がる広大な大草原にいるの。今、ここで、『春の使い魔召喚
の儀式』が執り行われてるのよ。
 んっ! 見える! 見えるわ! あんた達の頭の上に浮かぶ、クエスチョンマークがね! まったく仕方ない連
中ね。春の使い魔召喚の儀式について、このわたし自らが超解りやすく説明してあげるから、耳の穴かっぽじって
良く聞きなさい。
 春の使い魔召喚の儀式って言うのはね、フェオの月に使い魔を召喚するから、春の使い魔召喚の儀式って言う
のよ。とっても解かりやすかったでしょ。
 じゃあ次は、このわたしが生まれ育った国、トリステイン王国の素晴らしさについて話すわよ。――ん? なによ
あんた、人が気持よく語り出そうって時に……。「誰か呼んでるよ?」え! ホント! どこドコ? あ、ミスタ・コル
ベールだ! なんか手招きしてるわね……。あれ? もしかしてわたしの番! ちょっと早くないって、みんないつ
の間にか使い魔召喚し終わってるじゃない! えー、心の準備がまだ何ですけど……。なんて思ってる場合じゃ
ないわよね。早く行かなきゃ! ああ、それと! トリステイン王国の素晴らしさについては、使い魔を召喚した後
にたっぷり語ってあげるから、それまで大人しく待ってなさい。いいわね。

「ミス・ヴァリエール。君で最後だ」
「そ……はい!」
 そんなの見れば分かるわよ、って口から出そうになっちゃったわ。危ない危ない。それと、今、わたしに話しかけ
てきたのは、春の使い魔召喚の儀式を担当している教師の、ジャン・コルベール。二つ名は『炎蛇』よ。
 二つ名はこんなにもカッコイイのに、頭部がハゲ上がってて、外見もパッとしないから、四十二歳にして未だ独身
なの。可哀相よね……。誰でもいいから、良い子がいたら紹介してあげて頂戴。
 わたしが腰に提げている杖に手をかけると、「ねぇルイズ」と声をかけられ、そちらへ振り向くと、クラスメートの
キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーが立っていた。その足元には、ついさっき召喚
したばかりの火トカゲが、ピッタリと寄り添っている。
 コイツはわたしを見れば、嫌味や皮肉しか言わない、ハルケギニア一、嫌な嫌な嫌な女なの! それはもう、今、
直ぐ、死んでほしいくらいにね!

「あなた、自分で言ったこと覚えてる?」
「はっ?」
「まさか覚えてないの?……妖精よ妖精」
「あっ!」
 それは昨日の事よ。些細な事でキュルケと口論になってしまい、わたしは、つい、その場の流れで「召喚魔法だ
けは自信があるの!」と言ってしまったの。それだけじゃないわ。なぜかわたしは「妖精よ! 絶対に妖精を召喚
してみせるわ!」とも付け加えてしまったの……。
 はは……妖精よ。妖精……。寝て起きたらすっかり忘れてたわ……。さすがに、記憶にないわ、は通用しない
わよね……。
「お、覚えてるに決まってるでしょ!」
 キュルケは笑みを浮かべると、「そうよね。あれだけ大見え切ったんですもの、忘れるはずがないわよね。でも
貴女。本当に妖精を召喚出来るの? 相手は妖精よ? 貴女みたいなダメメイジの呼びかけに答えてくれるかし
ら? 見物よね」と言って、真っ赤な髪をかき上げると、さらに言葉を続けた。「あ、そうそう。もし妖精を召喚出来
なかったら、どうするの?」
 言われるな、と思った。でも困ったわね。わたし程度のメイジが、妖精のような高等種族を呼び出せる可能性は
限りなくゼロに近いし……。
 なにより、妖精なんて見たことないのよね、わたし……。ん!? ちょっと今わたしなんて言った! 見たことな
い、って言ったわよね! ええそうよ、間違いなくそう言ったわ! ふは、ふははは――! そうよそれよ! その
手があったじゃない! ここにいる連中は誰も妖精の姿を見たことがないわ。なら、わたしが召喚した使い魔を妖
精と言い張ればいいのよ! 鳥が召喚されてきたら、鳥の妖精だ! 猫が召喚されてきたら、猫の妖精だって
ね! フハハハハ――! 人間追い詰められると、とんでもない発想が思い浮かぶものね! 


506名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 19:11:10 ID:jAaD6rfa
スレタイを読むんだ
507使い魔†無双:2009/10/21(水) 19:11:50 ID:Nzx4RxK4
ゴメンなさい。
マジで誤爆した。すみません。
うわ、凄い恥ずかしい。
本当にごめん。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 19:13:47 ID:nS/HKx2u
逆に考えるんだスルーしちゃうからいいよって考えるんだ
509名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 19:15:55 ID:EsBR3n/L
というか最初にアニメしか見てないとか宣言したら、確実に荒し扱いされるぞ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 19:27:17 ID:4SaLdzgS
>>509
いや何を言ってるんだお前は
ここは別にアニメしか見てないと発言しても荒らし扱いする場所でもなんでもない
他所と区別で気無いのに無理やり仕切って煽るなよ
511名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 19:40:25 ID:EsBR3n/L
>>510
いや、言葉が抜けてたけど、もし『あのキャラが〜スレ』に『投下』するつもりで誤爆したんだったら
そんな前置きつけてたら間違いなく荒し扱いされると言いたかった。
あそこは厳しいし。
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 20:24:07 ID:coiWVsT6
恋姫†無双のキャラがルイズに召喚されました
こっちだと思う
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 22:32:52 ID:NoRXbvTr
アニキャラ総合で何を言ってけつかる
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/21(水) 23:49:42 ID:Bq8TIp0j
>>513
何を見てんだ?
515名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 00:26:50 ID:WP3M32uK
キャラ違いはともかく、アニメしか見てないってのは問題ないだろってことじゃね
もちろんアニメってのはゼロ魔のことだが。アニメしか見てないってだけで荒らし扱いはされないだろう

516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 00:58:17 ID:3qm2IwNK
あっちはそれだけでギスギスした空気にする輩がいるからな。
「アニメしか観てない程度でよくクロスSS書く気になったな」だの、
「アニメしか観てないんじゃクロス先蹂躙モノにしかならんだろ」だの、挙句の果てに
「モット伯がアニメ版のオリキャラだと知らない時点で終わってる」まで言われた奴を知ってる。

だが、一番の問題は吐いてる内容じゃなく、上記のような輩が意外に多いってこと。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 02:29:04 ID:XDXojnc3
何か基本ゲッター目当てな俺としては
普通に買った人の感想待った方が良さそうだな……
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 02:29:44 ID:XDXojnc3
おっと、誤爆失礼
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 05:08:17 ID:rOv5bFQM
まとめなんでこんな細切れで載せてんの?
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 10:57:43 ID:gutHeAkZ
アニメしか見てないような奴が書くSSは99%の確立でゴミなので
無視すればいいのに反応するバカがいるのが問題なんだろ
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 11:53:56 ID:BcZaZgyI
ゼロ魔は小説最新刊まで、ジョジョはアニメ版しか見てないけど、ゼロ魔×ジョジョのSS書いて問題ありませんね! くらいには問題あるしあるいみ問題ないよね
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 12:26:29 ID:cCilGx68
>>520
確立なんて言っちゃう時点で先ずは自分から見直そうぜ
召喚と召還の違いを見逃せない人間なら自分自身のド低脳さも見逃せないだろうよ
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 13:09:22 ID:LAEAWRV+
>>520
『アニメしか見てないような奴が書くSSは99%の確立でゴミだ』・・・ 
 それは わかっていたんだ・・・
 そうなんだよなあ〜〜〜〜〜〜 
 しかしよォー
 それでも なぜ おれがその『SS』をよもうとしたのか・・・
 ひょっとしたら名作かもしれないと思ったら・・・・・・ 
 万が一でも! 名作だっつー可能性があるのなら!
 その『SS』を読まねえわけにはいかねえだろう・・・!
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 13:43:06 ID:ue+wrVd9
最新刊まで読んでも、あえて設定はアルビオン編に止めておくのも一つの手だ。
なぜならそこから先はクロスオーバーだからだ。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 16:02:26 ID:gutHeAkZ
アニメしか知らないけど、それを元に面白い物を作り上げる奴もいるかもしれないが、そんな能力持った奴ならば
普通は原作を軽くでも読んで、根本を把握するという最低限の礼儀を怠ることはまず無い。

つまり基本的にアニメしか〜みたいなことを書いている二次に当たりがある可能性は限りなく低いので
勝手に期待して裏切られたと憤り、作者と作品を貶す馬鹿がいることは遺憾なことだよな。

520を少し噛み砕いてみた

>>521
ジョジョのOVAって上級の地雷だった覚えがあるんだがw
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 16:22:13 ID:EZTg6k3c
映画ならまだしもOVAが地雷というのだけは絶対 あ り え な い
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 16:24:43 ID:i4e7cr8L
声優以外は良かった
戦闘も丁寧だったし
正義の霧が晴れる演出かっけーな
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 17:38:25 ID:nM1Bg8Pg
ダービー兄戦あたりの作画がすきだった
OVAは良作であったと思うが
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 19:05:20 ID:LAEAWRV+
>>525
アバ茶「なるほど、結構説得力あるな。
ナラ茶「お、俺二次創作SSばっか読む方なんだけど。
ワキガ「ぎゃはっ、じゃあお前のSSはへたくそかもな。
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 19:13:12 ID:lTSWOdyD

3部OVAはヴァニラ・アイスにさえ目を瞑ればOVAバオー来訪者に匹敵する良作。
これを地雷などと抜かす輩は劇場版とコブラチーム製作3部RPGをプレイすべし。

さすがにジョジョで乙一とジャンプノベルしか読んでないって人はいないと思うが。

ゼロ魔のOVAは……うん、水着と触手さえ出せばいいっていう方針は間違ってないと思ふ。

531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 19:18:39 ID:2T15kqlM
OVAバオーはマーチンと六助爺さん夫婦が出てきてないのが不満
あと育朗の台詞(僕→俺とか)
自分でも細かいとは思うが
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 20:14:20 ID:V+B7a2sW
>>530
ゼロ魔OVAが金やちやほやされるため以外に作画をしていると思っていたのかァーーーッ!!!

露骨なサービスシーン連発は拒絶反応を起こすのよね。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 20:42:02 ID:lTSWOdyD
そういえばOVAはタバサの冒険をやる絶好の機会だったのに……。
製作に愛されてないのかな、サム・ライミ監督のスパイダーマン3におけるヴェノムの扱いぐらいに。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 21:07:02 ID:V0y+1Mt8
釘以外で誰が客を呼べる?
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 21:35:56 ID:mHWd3UnD
ジョジョをOVAから入った人はそんなに違和感ないのかもしれない
俺はタンクローリーのときのチップンッ!で爆笑した
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 12:19:34 ID:8g69gzss
OVAは漫画や格ゲーから入った人間には違和感がありそうだ
格ゲーから入った人間だとペットショップってどんだけ強いんだとwktkしただろうに
逆にOVA→格ゲーだと「何この無茶苦茶強い鳥。オリジナルのオナニーキャラ?」って感じだろうが
漫画から入った奴が8〜9割だと思うが
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 16:03:17 ID:N7kjxkEK
つかジョジョOVAから漫画に入るやつなんて相当レアじゃないか?
ジョジョ格ゲーから漫画はいるやつは当時は結構いたと思うが
大体はネットでやたらネタで使われてるから観てやるかで入るやつが多いだろ
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 16:47:25 ID:X+huC5PE
なにを隠そう原作知らずのショップ厨だった俺が通りますよ
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 20:28:39 ID:lug2w5a0
近くのゲーセンの対戦台ではあっという間にアンクアブと共に禁止になったな<ペットショップ
北斗の強いキャラは使いこなすのに相当の熟練を必要とするようだが
ペットショップはお手軽に強いから困るw
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 20:37:24 ID:yHZFW8oE
アレッシー強すぎjk
とか思ってたのは俺だけじゃないはず
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 21:29:39 ID:DCt3th0q
ペットショップってお手軽か?
やたらイメージだけが先行してるけどすつかいにくくね?
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 21:46:53 ID:bULoQeJN
ステージ最上段まで飛んでガードしてたら、あとは適当に氷出してりゃ勝てる。

格ゲーそんなに上手くない俺が言うんだ、間違いない。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 21:51:09 ID:c1aiXGtQ
最上段までいけるのかよw
こっちが攻撃できねーじゃねーかwww
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 23:13:04 ID:PHO/gVRA
何と言われようと、漢はだまって承太郎
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 23:25:17 ID:Y1TU8Oy0
友人がマライア使うと何も出来ずに負けるから最強はマライアだったな
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/23(金) 23:53:46 ID:lug2w5a0
>>541
とりあえずツララだしてプレッシャーかけて
突っ込んでくるようならガード中にツララおとしてカウンターとってコンボ。
ガードかためるようならダッシュから下段攻撃をだし当たったらそのままコンボ、
ガードされたらツララ落としてガード揺さぶってコンボ。
これだけ覚えりゃ他キャラの熟練者と渡り合える。
またキャラによってはマジで>>542がどうしようもない。
本当に何も出来ずに積む。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 12:26:59 ID:tDB+2mu5
3部以外はスタンドが複雑になりすぎるし格ゲーは無理だろうなあ
スタンド以上に鉄球の方が再現不可能っぽいけどさ
話変わるけどガンダールヴって鉄球も武器と認識するんだろうか?
レッキングボールは武器だろうけど、ジャイロの鉄球は武器としても使えるってレベルの代物じゃない?
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 12:33:04 ID:FUsNNdtm
>>547
>3部以外はスタンドが複雑になりすぎるし格ゲーは無理だろうなあ
主役勢とボスキャラなら出せそうだから、カプコンに頑張ってほしいものだ
CAPCOM VS JOJO とか
クレイジーDとザ・ハンドとスティッキーFを使いたいぞ
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 12:44:34 ID:THcvh3PJ
SSまだー?
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 14:26:21 ID:zVJy8nhi
548の内容のゲームのスクリーンショットを所望だって!?
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 14:51:37 ID:XCg1SBUj
>>547
5部ゲーのキングクリムゾンってどんな処理してたっけ。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 15:16:22 ID:g4+liBur
>>551
スローモーション
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 15:17:34 ID:tDB+2mu5
>>551
こっちの動きが遅くなる意味不明な能力と謎の衝撃波を飛ばしてきた記憶があるよ
動きが遅くなるのはボスよりメイドインヘヴンっぽいけどね
スタンドを格ゲーで例えるとメイドインヘヴンはプッチ視点では相手の動きが遅くなる(サムスピの無の境地?)
GERは無敵+アーマー状態みたいな感じかな?
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 21:41:08 ID:P/2Cs51N
SSも話題も無いから格ゲーのスレになってるw
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 22:28:44 ID:MgA/No7S
最近のだったらディオの人を待ってるんだぜ
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 01:11:35 ID:fmjbwuNP
犬の人もこれからが楽しみなんだぜ
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 02:01:43 ID:gXbf832t
DIO様が復活したら俺・・・エジプトに行くんだ・・・
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 02:45:13 ID:U2ocJGQq
>>548
そう思ったならまず投稿だ
カプコンはVSシリーズの対戦相手のアイデアを募集しているから
それに投稿すれば万が一という事も
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 09:51:49 ID:hfo9u8zd
ディオ、幽霊屋敷、墳上、スカイフィッシュを筆頭に、まだ完結してない作品をずっと待ち続けてますよ

もう一人承太郎が召還されないかな
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 16:11:50 ID:JOfeTS8W
紫霞のギーシュがどうなるのか知りたい。
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 16:24:24 ID:oegtkVs7
最近この板の存在を知って、ホル・ホースもの書きたいなーと思うようになったんですけど
保管庫見たら普通にルイズの使い魔として召喚されるパターンのがあったんです
被ってしまうんですが大丈夫でしょうか?
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 16:40:12 ID:xGl6Dh7B
問題ないと思うよ
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/25(日) 23:58:46 ID:KJXFoSCj
|ω・)oO(4部承太郎を召喚したかったが星屑の異常な面白さに押し潰された俺が通りますよ)
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/26(月) 00:43:47 ID:nAt6pq5F
>>563
かまわん、投下しろ
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/26(月) 00:46:36 ID:qMIRKd1P
スターダストは面白いのもそうだがちゃんと終わらせたのが評価できる
566名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/26(月) 00:46:53 ID:5P3YIf6Y
しかしジョジョって漫画は脇キャラだけでこんなに話しが作れるのがすげえ
一人一人のキャラ立てに能力って言う個性付けのおかげで
脇キャラでも一本話書けちゃうからな
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/27(火) 22:50:23 ID:AarEnojt
>>558
ジョジョは海外展開しにくいんじゃない?
主にスタンドの名前が理由で
知名度も微妙だろうし
568名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/27(火) 22:51:25 ID:Xqvf7Hau
極太ビームぶっ放すJOJOキャラとかねーよwww
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 00:44:55 ID:PrOW/Gau
>>566
個性ある脇役か・・・
ヌケサクとか4部の銀行員とかダイアーとか、あと他にいたっけ?
570名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 01:01:12 ID:Ll85+wcS
サルディニアの占い師の親父じゃダメかね?
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 02:45:01 ID:azrea3Mk
家出少女とか
572名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 13:38:02 ID:PjSKofA0
メッシーナ師範代とか
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 16:17:34 ID:7hY6wlah
ジョーンズやペイジやボーンナム達を忘れたのか皆
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 17:04:23 ID:jvBU383E
>>573
プラントさん忘れるとかお前忍者だろ
汚いなさすが忍者汚い
575名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 20:30:43 ID:DS2yAFfu
┏━━━━━━━━━━━┓
┃lミ| E/,ヒレ}  _ ノ|。\.   ┃
┃lミ!./<ェfヒjX7フノ |。::...|\ .┃
┃/、_]ヨy曰xrュ ハ、::::.\.\┃  プラントちゃんは生まれつき影が他のメンバーより薄く
┃ `'┴<ソ×jヒ{^xtf) ヽ::::::.ヾ.┃  100レス以内に血管針攻撃が必要です
┃   ,ノr'M_,しヒ「\。  \::::: ┃
┃   {r/@`Yg゚c ハ。   ヽ ┃  しかし血管針攻撃には
┃   レゞ==彳〉∝{ {。 ;   .┃   6レスという莫大な費用がかかります
┃    ヾr孑ノ人゚__,/Zス。_  .┃
┃    い゚,ハ△-'┴宀=一' .┃  プラントちゃんを救うためにどうか
┃    `>'´ ,. -zッェfff{{に" .┃           協力をお願いします
┃     ,ゝィだう-ィひ少゙,,,; ┃
┃     ./^>'\ー'",ァ''´,.ィ仞} ┃          プラントちゃんを救う会
┗━━━━━━━━━━━┛
 プラントちゃん 推定200歳
576名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 22:34:57 ID:1TD2TgT1
ブルりんは……仮面で既出か
577名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/29(木) 20:35:11 ID:1KCg8fFc
ウィルソン・フィリップス上院議員はどうした!
578名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/30(金) 22:58:08 ID:D2J0pzei
この逆境の中、投稿し続けるティータイム先生はほんま偉大やで
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/31(土) 18:40:53 ID:42Cat3SY
書きたいけど、話を作るのって難しいよなあ…
『面白い話を作る』『完結させる』両方やらなくちゃあならないとこが書き手の辛いところだな
580名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/31(土) 19:16:18 ID:RVYU8Xe6
完結させるは本業じゃない以上リアル生活にも左右されるからそこが一番辛い
581名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/01(日) 10:53:19 ID:NUhzHF8y
ホルホルまだかなぁ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/01(日) 17:40:52 ID:GxZLE85R
物怖じせずに新規の方が投下してくれればなぁ
人間賛歌は勇気の賛歌なんだから、恐れず投下してほしいものだ
583名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/05(木) 21:14:28 ID:xhEEVhep
ティータイム46まで読んだイザベラが好きになった
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 00:58:57 ID:L8PSPYXn
単純に人が少ないのかな?
宣伝したらこんなスレがあったのか!と気付くやつは居そう
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 01:02:33 ID:Wl8E4RlC
そろそろDioの上半身が召喚されたり隣の世界にいくつもりだった大統領が召喚されたりするに違いない
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 01:43:22 ID:wdGuvCuc
とりあえずあげ
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 09:31:53 ID:1gzPiENa
>>584
知ってる人が少ないというよりも離れているんじゃないかな。
全盛期は日に1万以上あったまとめサイトへの訪問者数も、
今は1500前後だから人が減っていると考えた方がいいと思う。

避難所も完全に停滞しているし、愚痴スレさえも使われてない現状。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 10:43:10 ID:+KcvlX/E
ここは元々愚痴スレはあんま使われて無いよ
雑談にもう混ぜてしまえって事で落ち着くぐらい
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 17:26:31 ID:4iR6sPxQ
ニセ・メシア に関する預言

ヨーロッパが巨大な軍事国家になり、10人の王があらわれる。
ニセメシアがフランスから、あらわれヨーロッパ連合を軍事力で支配する。

ニセ・メシアはキリストのような顔をして白い衣装をまとう。
キリスト教に悪魔の教えをまぜて信者たちを洗脳する。
木曜日を祝日にする世界統一ニューキリスト教を世界にひろめる。

ローマ法王を惨殺し、キリスト教会をのっとる。
この男の正体は、サタン 黙示録の獣と預言された男である。

にせ救世主は、不思議な技(トリック)をつかい
キリスト教徒をだます。
恐怖政治をしき、逆らうものは惨殺していく。
獣の数字を全人類につけ、コンピューターで人類を監視する。

中東で、核戦争をひきおこし、世界の都市に死体の山を築く。
サタンは人間の死体を好むサディストである。

キリストの生まれ変わりを名乗るメシアの姿をした男にキヲツケロ!!

590名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 18:38:35 ID:+KcvlX/E
遺体を集め終わったって事か
591名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 19:03:25 ID:oFeyr70n
関係無いけどサタンって悪魔じゃないんだよな
そもそもルシファーとも別の存在だし
元々人間に誘惑をけしかけてその人間を試す天使なんだよな
後世のキリスト教の価値観ではそんな天使認められなくて
悪魔にされたりルシファーと同一視させられたりされたんだよな
592名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 19:28:27 ID:+KcvlX/E
そう言うのは該当する場所で語ってくれ
593名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 20:45:39 ID:wdGuvCuc
ザ・ニューキリスト
594名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 23:25:12 ID:HUE3PCNf
失速してるとか人が減ってるとかいうけどクロス先を完全に限定してるスレがここまで来たことがぶっちゃけ異常なんだよね。
ジョジョなどの一部の専用スレがあるものを除く全てを含んだ「あの作品〜」スレですら
ここの三倍程度しかスレ数いってないんだし。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/08(日) 23:48:09 ID:Wl8E4RlC
初代スレがシャナスレの後追いでそのシャナスレはとっくに潰れたことを思えば本当によくここまで続いたもんだと思うわ
596名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/09(月) 02:25:03 ID:arADIORQ
そして(おそらく)2ちゃんのゼロ魔SSで最も長い作品の生まれたスレでもある
ぜろいぬの人は本ッ当にグレイトフルだぜ……
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/09(月) 17:32:10 ID:sFimJEvY
そういえばホル・ホースの人まだかなぁ
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 00:43:28 ID:kUutlu7k
「DIOが使い魔!?は戻ってこない」…
それはわかっているんだ…

しかしよォー
それでもなぜおれが投下もない「スレ」を毎日巡しているのか…
ひょっとしたらDIOの人が戻ってくるかも知れないと思ったら……
万が一にでも!
DIOの人が戻ってくるっつー可能性があるのなら!

この「スレ」を巡回しないわけにはいかねえだろう…!
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 01:03:36 ID:QGoXhYfP
そうだな、私は「投下」だけを求めてはいない。
「投下」だけを求めていると人は近道をしたがるものだ。
近道をした時真実を見失うかもしれない。根気も次第に失せていく。
大切なのは「続編にドキドキする期待」だと思っている。
「ドキドキする期待」さえあればたとえ投下がなくとも幸せでいられる。
「ドキドキしている」んだからな、違うかい?
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 01:06:26 ID:ygxrRNcs
読めればよかろうなのだァーーッ!
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 07:18:57 ID:hTl9Q8fR
>>600
哀れ過ぎてなにも言えねぇ

台無しだw
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 19:12:41 ID:ulDgpUHJ
あれ?え、スターダストは砕けないってファミリアの続編?あれ?嘘、え?


ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 22:27:16 ID:IBhkbXvE
今気付いたのかよwww
604名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/11(水) 19:31:14 ID:aeWyqsdZ
Dirty Deeds Done Dirt Cheapとチープ・トリックって似てね?
名前と本体入れ替わるトコとか

2体を混ぜたD4CTというのを妄想したがかっこよくはならなかったぜ・・・
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 00:56:06 ID:TCxjOx7J
隣の世界に行こっ!
ネッネッ!!
606名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 12:57:04 ID:ZK6jpxqz
過疎ったなあ
この状態じゃあ新規もこなさそうだし、次はあの作品スレに合体したほうがいいんじゃないかな
607名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 13:01:26 ID:OZGXUd3o
統合するにはまとめの量が大杉じゃね?
608名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 19:32:13 ID:0h2xK29F
まとめは別のままでいいんじゃね?
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 19:46:43 ID:aO3DJuXF
運営でやる話じゃね?
610名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 20:09:12 ID:nNL4Ib53
統合したら新規くるのか?
611名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 20:34:27 ID:VXkMvsN1
超大規模規制入ってる時に過疎とか何の寝言だそれ
ルールが違う派生スレに統合とか寝言過ぎるだろう
612名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 20:55:01 ID:SLAKeYtJ
大漁ですな。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/12(木) 21:03:02 ID:BG1R8DvD
姉妹スレのほうでやってたのさえ独立してまとめWIKI作ってるのがあるのに
何を今更向こうと統合なんだろう
614名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/13(金) 06:25:21 ID:B0gbD1DB
下手に姉妹とか言うから誤解する人が増えるのかもなぁ
実質こっちが親スレであっちが派生子スレだから
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/15(日) 00:48:40 ID:cyDE1mTI
ところで更新履歴にあるスクアーロの人のって新しいやつ?
まとめに直接投下したのかな
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/15(日) 10:42:07 ID:mcJpDZul
編集履歴見ればわかるけど
ずっと前からあるやつだよ
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/15(日) 11:10:59 ID:dUq4h02f
>>615
結構前に投下された作品だよ
618名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/15(日) 11:38:53 ID:cyDE1mTI
なんだ、そうなのか
帰ってきたのかと思った…残念だ
619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 03:16:33 ID:Orqfe3ZG
ところでスティールボールランの新刊読んだんだが
Dioが『ゼロ魔』の世界で気取った貴族連中と対決してもいいと思うんだ
SBRキャラはもっと召喚されて欲しいんだぜ…
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 07:39:04 ID:+OEfIGwV
未完の作品から現役キャラを呼び出すのには勇気がいるからな、ある意味で
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 22:55:22 ID:nWjuC5xl
確かに「現役」だな

おれは認めないからな!絶対!
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 22:59:51 ID:q7eDFkIh
死んだキャラすら呼ばれていないっていう
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:07:41 ID:4BxAn+yj
SBRは誰も読んでねーしw
5部とか3部のが絶対いいし
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:19:30 ID:q7eDFkIh
ああそう
そりゃよかった
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:43:39 ID:seEVvLIo
サンドマンとかイケメンとかウェカピポとかマジェントとか辺りは死んでるからいける
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:52:19 ID:yi9lScl+
そう思ってたら道中再会
627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:22:48 ID:bXKMS78U
約一名死んでないのが混ざってるが?
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:48:28 ID:glW6padE
マジェントさんは可哀想すぎるぜ
629名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:51:57 ID:0ssz1Ax5
イケメンは能力的にも強すぎないしロリコンだからルイズと相性いいし
面白い話になりそうな気がするんだよな
630名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 01:05:04 ID:glW6padE
イケメンはヴィンダールヴのが似合ってる気がする
631名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 09:05:01 ID:cZGdTrNV
イケメンだからな
632名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 09:22:41 ID:WVxHkmM/
あんまりイケメンイケメン連呼されるとどっかの委員長の息子を思い出してしまうんだぜ
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 09:58:38 ID:MGpTFjD5
確かにイケメンにはマイケル・プリンス・ライオネルという幻獣を操るヴィンダールブの方が合っているな。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 18:53:48 ID:hRR6rOJI
馬もイケメンには頭を垂れるしな
635名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 19:26:40 ID:M6y0CW2x
あえてア『ブ』ドゥルさんを
636名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 17:15:39 ID:Nml+WdTM
俺に文才があれば書くんだけどな
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 22:00:05 ID:maom6sU3
俺だって文才があればとっくに
知識しかないぜ
638名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 22:25:21 ID:DivfGFlZ
奇遇だな実は俺も文才が無いんだ
あればなぁ
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 22:28:14 ID:93tq6T44
文才、時間、やる気・・・もはやなにもかも無しっ・・・!
640名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 22:33:54 ID:2gY1v9S5
二十年かければ馬鹿でも傑作が書けるって兄貴が言ってた
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 23:06:23 ID:I8Vh4k2w
20年後にこのスレが残ってなかったら
誰かがアンダーワールド使わなきゃ投下できないね
642名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 23:58:43 ID:wr1abMY4
自分が面白いと思った人の作品を参考(盗用ダメ!絶対!)にしながら
こつこつと2年ぐらい書いていると、たとえ文才がなくても評価してくれる人はいるよ。
少なくとも熱意とか気持ちとか書いている時の感情は伝わる。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 05:23:59 ID:EG+sbvSS
仮に書くとしてもネタがな…
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 13:03:02 ID:RNcYDeVa
ネタはあるんだが時間が……
645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 21:15:18 ID:hbw4wOto
ネタと時間はあるんだがやる気が……
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 21:48:54 ID:hI+gFoNQ
ネタと時間とやる気はあるが文才が・・・
647名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 21:55:40 ID:yBBlyWbz
どんなネタよ
648名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 08:34:41 ID:MsvFZFfQ
お前らは究極生物にでもならないと書きはじめなさそうだなw
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 10:30:00 ID:wf7Kd7cP
ちょっと石仮面とエイジャの赤石探してくる。
650名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 10:38:14 ID:/9Kdzfbu
>>649
レクイエムの大迷宮をピザ一枚だけで潜り抜けたらきっと見つかるよ。
651名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 12:41:13 ID:Jo/IZmHX
じゃ、俺はバオー1,2巻とゴージャスアイリンとジョジョ顎と魔少年ビーティーと・・・

レアコミコンプ道は本当に地獄だぜ!フゥハハハー!!
652名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 17:28:54 ID:yY05907o
全部亀に預けてる俺に死角は無かった
653名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 18:00:21 ID:dg6fNV5l
亀の中にエシディシ送り込んでやりたい
654名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 11:11:46 ID:9mllkOJt
シアハ投げ入れてやろうか
655名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 11:17:35 ID:SemnMVfb
ま、マズイ!
シアーハートアタックが、温もりの残るパンティの方にッ!
656名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 02:04:43 ID:M5jo6zQQ
スタンド単体召喚のアイディアならあるんだよな。
で、スタンドの影響で本体の精神も変化すると言うことにして、徐々に書きやすいキャラに可変して行って…
邪道か。
657名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 02:11:46 ID:Qsae1gXG
ピストルズとか意識があるっぽいやつなら全然ありじゃないか?
急にスタンド取られたミスタがかわいそうだがw
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 02:59:50 ID:IcZiifmH
意識がまったくないスタンドを書こうと思っている俺ガイル
でも「奇妙な白蛇 喋らないver」って感じになりそうだ…
時間もないし
659名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 10:47:46 ID:aEF/vmT7
今の流れで
「ゲェーッ!ルイズの左手にでっかい鍵穴が!」
という電波が無い降りた訳だが
660名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 10:55:00 ID:mnoGHzeF
キン肉マンww
実際SS書くのって時間いらんとおもうが。ノってる時なら一時間で一話書けるぜ
ノってないときはプロット有っても書けないがな!
661名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 11:23:41 ID:qHZBuj+N
時間が無いは甘え(キリッ
662名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 11:30:28 ID:q+sfmKBT
本当に時間が無いってのはそうやって乗る為の下準備的な思考時間も何も無いんだぜ
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 18:39:07 ID:7/NgcMO2
銃杖ktkr!!!!!!!
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 20:02:24 ID:mOkxG0WR
あれってやっぱ新作?
改訂とかじゃなく
665名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 22:06:22 ID:DT1IhUHR
本当だ!銃杖さんが帰って来てる!
666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 19:41:41 ID:VG2jKUIf
要るかどうかわかんないけど、いちおう保守
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 00:23:23 ID:tTdB163w
四部の便利なスタンドをフルスペック状態で収録したディスクを
複数手に入れたルイズがTueeeeするのとかスレ的にどうよ
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 00:44:55 ID:oBnXYCem
ボーイズ2メンをゲットして使い道がわからないルイズ
669名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 00:47:40 ID:1e8cmTYi
ゼロ魔でやる意味が無いよ、さすがに
670名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 01:39:59 ID:tTdB163w
ok。どっか別の所でやるわ
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 02:42:18 ID:B3I347Vt
俺は読んでみたいな
避難所ならいいんでない?

四部って使い易いDISCが満遍なくあるから確かに厳しい評価受けるだろうけど
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 12:40:23 ID:vmPv7Asv
俺Tueeee系のお話は、すぐにやること無くなって長続きしないような……
ディスクに使用回数とかの制限があれば面白くなるだろうけど、それだと俺つえーじゃないしなぁ。
でも見てみたいので、ここでも余所でもいいから投下してくれ。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 18:21:19 ID:qOwKiC6L
そもそもなんで4部のスタンドがDISCになってるんだ?
ディアボロ系?
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 18:56:25 ID:B3I347Vt
ディアボロの大冒険からなら……
形兆のDISCケースごと召喚すれば
複数枚のDISC&回数制限のデメリットの条件がクリアできるな
ボスがどのDISCを入れ、どの程度まで鍛えてあるかは筆者次第
675名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 18:59:25 ID:PXT+M56s
デフォ呪いシリーズを召喚しようぜw
攻撃がアヌビスで防御がスーパーフライで精神がハイウェイトゥヘル……
あれ?結構いけるな
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 19:01:16 ID:z3RwjUHC
中身がネタで集めたハイウェイトゥヘル、エンプレス、チープトリック、
などの詰め合わせだったら・・・w
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 20:21:03 ID:u5oMqwpJ
その三枚はひどいwww
考えるのを止めざるを得ないwww
ルーンは間違いなく四つ目だなwww
678名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 08:44:28 ID:6togLTza
チープトリックはどうしようもないが、ハイウェイトゥヘルとエンプレスと使いようによっては結構行ける気がする
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 11:28:28 ID:k8XO2hlY
>>674
ケースの中身
億泰
水が熱湯になる
ヌケサク
Jガイル

現実は非情である。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 16:45:49 ID:y/CHPyVd
>>678
まあ本来エンプレスは他の呪いシリーズと違って、本体に害を及ぼすスタンドじゃないしな
ハイウェイもそうだっけ?

ところであのキャラが〜スレで、憚られる使い魔は死体を自在に操る能力を持ってるんじゃないかと
議論されてるが、エンヤ婆のジャスティスと似てなくもないな
681名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 01:39:18 ID:N2Mpc2rR
あのキャラスレなんて提督の人追い出し事件以来行ってないな。
あっちもここぐらい過疎ってんの?
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 01:56:30 ID:9bRsCKBi
あっちは妙な原作原理主義者がいて作品内容に口出ししてくるからな
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 02:00:59 ID:1gCOZqWD
他所のスレのぐたぐたを愚痴るお馬鹿はお引き取りください
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 02:01:30 ID:aKZ1uPvF
毒吐きの毒気すら霧散しちまうくらい平和なこのスレが一番好きだ
685名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:10:51 ID:hmd9Ifq8
大統領との決戦が終われば大統領を出したがってた職人がこぞって投下してくれるさ
キュルケやテファの隙間に挟まれる大統領とか見れる筈だぜ
ルイズやタバサは絶望的だがな
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:13:58 ID:g+4fQokN
いや大統領的にはルイズやタバサのほうがうれしいんじゃ・・・
687名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:23:32 ID:/zM79mkx
あれだな ワルドと戦ってる最中とかに基準の世界の大統領に呼ばれて板ばさみになるんだな
688名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:44:30 ID:9bRsCKBi
大統領もいいがヴィンダールヴなジョニーとかみたい
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:49:34 ID:1gCOZqWD
そしてワルドと遍在に挟まれる大統領
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:57:43 ID:GOJfWc5s
ヴィンダールブはニョホホなジュリオ・チェザーレ・ツェペリ(イタリア語読み)さんだろjk
691名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 20:33:23 ID:aedM35es
>>681-690
どじゃぁ〜〜ん
別世界行き決定
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 21:18:04 ID:gQFOYan3
ここを見てるとSSを読みたい人よりも、
アイデアやネタはあるけど書かない人の方が多いんじゃないかって思えてくる。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 22:25:23 ID:y4sYk89x
書かないんじゃなくて書けねーんだよ!クソがッ!
俺に文才があれば
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 22:41:28 ID:pqJ4Jb0+
大統領も遍在使えるんだよな
しかもロリコン
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 23:29:12 ID:gQFOYan3
JOJO系のスレで一番困る事。
それは意見などをキャラクターのセリフ風に書き込むと、
どう見ても煽っているようにしか見えない点。
相手が気付かないとヒートアップし結局は煽りあってスレが荒れる。
wでも付ければ回避できるかな、これ。
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 00:20:31 ID:OxI5bjc7
まとめから来たんだけど、これ作品がいつ投下かれたかとか作者が誰とかは分かんないの?
697名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 00:42:11 ID:DYBANbLv
>>696
最近の物なら履歴から確認できる。
それ以降となると過去ログで探す他ない。
作者については姉妹スレでも書いているとか、
ここで複数作品を同時連載しているとかしか分からない。
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 00:48:16 ID:OxI5bjc7
>>697
わかった、過去ログ探ってみる
ありがとう!
699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:05:50 ID:/+3HB0Gx
書け、読者にはそれが必要だ
700名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:13:13 ID:DYBANbLv
>>699
祝福しろ、作者にはそれが必要だ。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:19:10 ID:iGizHxaG
スレは、二度と作品に恵まれなかった。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:33:36 ID:DYBANbLv
>>701
ネタは枯れ、スレは落ちあらゆる作品は絶滅したかに見えた。
しかし、クロスSS書きは死に絶えてはいなかった。
過疎は全てのテンプレを破壊し、ハルケギニアは蹂躙と説教と俺TUEEが支配する恐怖と混乱の時代になっていた。
そんなスレに颯爽と救世主が……現れたらいいなあ。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:36:39 ID:9nGlFyIv
大統領ってロリコンなん?
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:47:43 ID:unsfBOMP
今日のおまえなんだかかわいいぞ
興奮するだろッ!?
705名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:50:30 ID:O2rdNlBr
どうしても蹂躙っつて文句言う奴が理解できん。
ゼロ魔世界に別キャラ入れてる時点で、ゼロ魔より入れたキャラの方が好きに決まってるじゃん。
蹂躙だなんだといって他人に文句を言うぐらいなら、ゼロ魔の同人小説でも書いてろっつーの。
さもなくば、今まで蹂躙され続けたサイトが浮かばれまい。
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:52:40 ID:OcV/0SK+
なんかまるで他所のスレから勘違いした思想思考そのままに迷い込んだような変な子達が元気ね
残念ながらここにはそんな用語も何も無い
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 02:20:25 ID:ZVooNUYJ
ルイズが間違って召喚しちゃったんだよ
大統領に送り返してもらおう
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 07:14:41 ID:G8DQI5sY
どじゃああ〜〜ん
709名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 10:44:22 ID:FFIUzvya
大統領が残念な人に見えるくるんだが…
710名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 13:09:40 ID:ujEWuFlS
さて銃杖最初から読むか
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 21:41:47 ID:ZVooNUYJ
じゃあ俺はティータイムを
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 21:43:53 ID:kUvonn+a
そういや最近TT来てない気がする
713名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/01(火) 12:15:36 ID:1IaZqHmS
丸一日書き込みがないだと…
無敵のスタープラチナで何とかしてくださいよォーー
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/01(火) 16:33:53 ID:5TvRWSPc
>>713
銃杖さんが来てるぜ
715名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/01(火) 20:17:47 ID:vgo5i4Dd
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/01(火) 20:57:48 ID:N6+sz1AL
最近のスレの進み具合を見ると2年前の投下ラッシュが如何に異常か良く分かるな
勢いだけの自分の作品をスレに投下できた程のあの投下ラッシュが蘇る事はあるのだろうか
717名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/01(火) 21:05:07 ID:flncaoIS
ちょっと難しいと思うぜ。
ただ、ゼロ魔のアニメ第四期が出てきたならどうなるかわからんが。

というか、勢いだけでも良いから作品を投下するんだ!俺ならそうする!
718名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/01(火) 21:14:03 ID:N6+sz1AL
すまん、"投下できた"とある様に2年前に投下済みなんだ
改めて読み返してみると、誤字脱字句読点文法無用なネタと酷いもんだわ

ちなみに最弱ボスこと不死の使い魔です
719名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/01(火) 22:04:17 ID:kgXorKL8
不死の使い魔好きだったよ、また機会があれば何か書いていただけると嬉しいです
720名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 01:43:25 ID:VI8YcfD7
あの作者だったのか
なんかやる気がムンムン湧いてきた
俺、今年中に何とか投稿するんだ……
721名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 01:53:32 ID:e9OF1jJq
今年なんてなまっちょろい事言ってんじゃあねぇッ!
>>720ッ!今年って今さ!
722名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 02:16:20 ID:kwQvQF0g
>>717
アニメ三期が始まった頃に過疎り始めたんだぜ・・・
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 02:56:59 ID:8Z+eJWXk
ジェシカを主人公とした短編でも書きてーな、と思ったが
どの部分にジョジョ成分を注入すればいいのかわからなくなって即挫折した

俺が短編を書くと毎回メインキャラが死ぬのは何故なんだぜ…
724名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 18:50:21 ID:e9OF1jJq
早い話、都合のいいところだけssに起用して
都合の悪い部分は無かったことにすればいいんじゃないか?
足りないところは黄金の精神と勇気と幸運と妄想でなんとかする
原作との接合性なんて投げ捨ててしまえばいい

>>723
ジェシカ当人に注入してしまえばいい。オプションでジョジョキャラも添えてやればなおいい
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 19:23:24 ID:B76En8J1
ジェシカか…

なんか肝っ玉姉ちゃん的なイメージが強いから、ポコ召喚してあの名言を
726名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 19:35:42 ID:e9OF1jJq
いっそのことジョリーンやエルメェスみたいな女傑にしてしまうってのは?
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/02(水) 20:39:32 ID:O+QWCvLp
シエスタがよくやられてるみたくジョジョキャラの末裔にするとか
スカロンの方なら注入しやすそうなんだが…
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/03(木) 01:10:38 ID:ncx/urul
末裔設定は投入しやすいよな
原作と同じ年代設定でも二部キャラを祖先に投入できるし、設定改変しやすい部分だ
729名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/03(木) 20:19:10 ID:xwjdd8J8
佐々木―――女性
      │
      ?―――?
      __│__
     |       |
父――母     スカロン―女
  |             |
 シエスタ         ジェシカ

原作でシエスタがスカロンのことを「母方のおじ」って言ってるから
家系図的には多分こういうことのはずだよね
つまりシエスタの先祖が違うとジェシカの先祖も変わる
……ってことは、例えば仮面さんの設定だと
スカロンと承太郎が又従兄弟同士だということに!!
730名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/03(木) 22:16:38 ID:2P/pIvVs
その時承太郎に電流はしる…!
731名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/03(木) 22:43:14 ID:jPUePeG+
ビリッときたぁぁぁ!
732名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/04(金) 00:10:10 ID:VU0IamTv
ジョースター家涙目wwwwww
733名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/04(金) 00:11:54 ID:aLM6KsfE
>>732
どっかの誰かさんの「ぜっせいのびじょ」への変装のセンスを考えるに、案外馴染みそうで困るw
734名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/04(金) 02:33:07 ID:Wllff11V
ジョースター一族の歴代主人公はみんなガタイがいいからなー
一番女装が似合いそうなのってやっぱジョルノか?正統な血筋というと微妙だが。DIO混じってるし
735名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/04(金) 16:28:21 ID:psmPCF+d
粗悪な惚れ薬イベント後に罰としてメイド服を着せられるジョジョキャラと
聞いて八丈島から泳いで参った!
736名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/04(金) 16:49:16 ID:ElUh34vT
売り上げ一位になってしまい例の服を着てヒロインから迫られるジョジョキャラと聞いてティベレ海から生還してきた!!
737名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/04(金) 19:11:07 ID:rwg3DHwZ
ただし着るのはジョセフ
738名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 11:04:51 ID:YbOe8mXb
そして迫るのはジョゼフ
739名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 11:55:59 ID:LXqzV0du
つまり挟み撃ちの形になるな
740名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 12:12:27 ID:Q/ZCI+Tm
やはり一番は客観的に見ないジョセフか
741名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 13:27:50 ID:wHQn1bHg
>>734-740
全員隣の世界送り決定…!
742名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 13:38:25 ID:e37VJxxQ
どジャアア〜〜〜ン!
743名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 15:07:10 ID:qEApJRl0
1890年10月某日 ニューヨーク行きの列車にて、
列車の“乗客”は
SBR参加者「ディエゴ・ブランドー」「ホット・パンツ」「ルーシー・スティール」
そして現大統領「ファニー・ヴァレンタイン」×『三人』
「なん・・・だと」
「『4人だ』・・・肉スプレー缶でDioを変身させた
このうちの一人がDio『そうだよなDio』これがDioの見つけたD4Cの能力の『弱点』!」
(ま・ず・い!どいつだ!どいつが私に変身したDioだ!?躊躇してる暇もない!全員行くか!?
いや・・・ハズレだったらスピードで負ける!)
大統領がほんの一瞬、一瞬状況を打開しようと後手に回った、この時点でDioは一手・・・上回った!
スパァァン!
大統領に化けたDioが平行世界の大統領二人の喉を掻っ切り『即死させた』
「!!」
「躊躇したなッ!これで二人即死だ残りはおまえだッ!!」
(ここは・・・逃げる!ホット・パンツは動けない負傷を負っている!外だ!Dioを列車の外へ連れ出す!)
「勝ったッ!これで予想したお前の弱点は今 全て証明されたッ!」
逃げようとする大統領にDioは恐竜の身体能力でもって一瞬で追いつき首を掻っ切るが・・・
(即死では・・・ない・・・列車の外へ逃げるんだ!)
グワシャァァァン!!
Dioと大統領は列車の窓を打ち破り外へ出る、打ち破った窓ガラスがDioと大統領に降りかかりそうになると
Dioがそれを遮った!
「今度はガラスの破片でか…?だが残念もうはさむものは何も無いぜ!」
言い終わると同時に大統領の首に一撃を入れる
(列車だ・・・列車に・・・挟まれるんだ・・・平行世界に・・・)
「切り裂いた首のその傷はッ!俺がいた人間世界の悲惨の『線』だ・・・」
Dioは続けざまに大統領に一撃を放とうとする、完全なる止めを刺すために・・・だが
ある“世界”はDioの勝利も大統領の勝利も許さなかった・・・
「なんだ?・・・この光は!?」
突如としてDioと大統領の間に現れた光を放つ物体、装飾から見れば鏡の様なものである
(第三のスタンド使いか!?)
Dioは直感的に思ったが、そいつが自分の味方か敵の味方か・・・あるいは“自分の為だけ”か?
一瞬だけ・・・『躊躇した』、そして次の瞬間・・・大統領は“この世界”から姿を消した・・・

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

(体が痛みを感じない?Dioから受けた傷が消えている?いや、それ以前にどこだ?・・・ここは、)
様々な疑問がいきなり大統領の頭に浮かんだ、自分は先ほど列車から飛び降りたがこんな景色は知らない、
それに今は冬のはずだ、なぜこんなにも暖かい?
混乱している大統領に対して声がかかる

「アンタ誰?」







小説とか書いたことないのに勢いで書いた、後悔はしない、反省はしている、
そして多分・・・続かない。
744名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 19:09:46 ID:tquOiuxK
雰囲気は出てる
気が向いたらでいいから続きを
745ID:qEApJRl0:2009/12/05(土) 21:20:07 ID:qEApJRl0
―神は死んだ、我々が殺したのだ―byニーチェ

「アンタ誰?」

大統領はその声の方向に目を向けると
桃色の髪をした少女が自分を見下ろしていることに気づいた、
更に辺りを見回すと同じ服を着た少年、少女達が並んでいて、一人だけ服が違う年長者も居た事から
学生か何かだと理解した。
そして同時に新たな疑問が浮かんだ。

(誰?・・・だと)

ファニー・ヴァレンタインはアメリカ合衆国大統領であり、他の国ならともかく、
アメリカ国内で知らないものはいない筈だった、百歩譲っても学生なら先ず知っている筈である。

「ちょっと!人の話し聞いてる!?アンタの名前は!」

「・・・ファニー、ファニー・V(ヴァレンタイン)だ」

名前を聞けば誰かわかる筈だろう、と大統領は期待していたがその期待は脆くも崩れ去った。

「流石だよゼロのルイズ!サモン・サーヴァントで平民呼び出すなんてよ」
その声に応じて周りがどっと笑い出す、笑っている全員に彼女は怒鳴った。
「何よ!ちょっと間違えただけよ!!」
そのやり取りを『観て』直感的に大統領は理解した
(彼らは私を知らない!そして私の事を知らない場所まで一瞬で私を持ってきたという事!)
大統領が自分の身に起きたことを僅かに理解し始めているなか、桃色の髪の少女は年長者と話していた。

「ミスタ・コルベール!やり直しを要求します!」
「それはだめだ・ミス・ヴァリエール」
「どうしてですか!」
「君も知っての通り、使い魔召喚は神聖な儀式であると
同時に二年生に進級する為の課題でもある、やり直しは認められていないんだよ」
「ですが平民を使い魔にするなんて聞いたことありません!」
「平民でもだ、ミス・ヴァリエール」
その言葉を聞いて諦めたような顔をしながら大統領に向かっていった

746ID:qEApJRl0:2009/12/05(土) 21:23:50 ID:qEApJRl0
「どうやら話は済んだようだな、こっちから質問してもいいかい?」
大統領は自分の疑問を晴らすべく、桃色の髪をした少女に話しかけるが、
少女は下を向いて、何かを呟きながらこちらへ向かってくる
「オイ!聞いているのか!」
「うるさいわね!緊張してるんだから黙ってなさい!」
何を・・・と言いかけたがその言葉は封じられた・・・少女からの口付けによって。

「ミスタ・コルベール、契約、終わりました」
「・・・いったい何の真似だ!それに今契約?契約とか言わなかったか!ぐっ!」
(なんだ行き成り!胸の部分が焼けるように熱くなっている!何なのだいったい!)
「お前!私の体にいったい何を・・・した!胸の部分がいきなり熱く」
「多分、アンタの体に使い魔のルーンが刻まれてる証拠よ」
「使い魔の・・・ルーンだと?」
言い終わる頃に既に胸の焼けるような痛みは引いていた、
大統領は自分の服を捲り胸を見てみると自分の胸に文字が刻まれているのを見つけた。
「ふむ・・・珍しい形のルーンだな、よし、ではルーンも確認したし皆教室に戻るぞ」
年長者がそう言うと、大統領、桃色の髪の少女を除く一同は宙に浮く。
(空を飛んでいるだと?スタンドではない、空を飛ぶスタンドがあっても、
同タイプのスタンドがあの人数分あるとは思えない)
大統領が唖然としているなか、隣にいる少女が空を飛んでいる少年達に罵声を浴びせられる。
「ルイズ、お前は歩いて帰れよな!」
「フライもレビテーションもできねえんだからよ!」
笑いながら飛んでいく彼らを見ながら、空気が気まずくなっていくのを感じた大統領だが、
同時にこれでやっと話ができるな、とも思っていた。
「どうやらそっちの“都合”は終わったらしいな、今度はこちらの番だ、
幾つかの質問に答えてもらうぞまずは・「なんなのよアンタは!!」
彼女の怒鳴り声が聞こえた瞬間大統領は悟った、どうも彼女個人の“都合”はまだ終わってないらしい。

(・・・神は死んだ・・・だれが殺した?)

そんな事を思いながら大統領、ファニー・Vは頭に手を添えた。




うん、二つ目です、とりあえず召喚の儀式までは書いとこうと思いまして、
次ぎ書くとしたらどうしよう。
747名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/05(土) 22:18:09 ID:wHQn1bHg
いろいろ添削や手直しを加えていけばいいだろうね
あなたの勇気に敬意を表するッ!
748名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/06(日) 23:16:23 ID:5oSuml+z
まさか大統領が召喚されるとは…GJですな
749ID:qEApJRl0:2009/12/07(月) 00:54:03 ID:A+dY6g9R

(・・・神は死んだ・・・誰が殺した?)

あまりにも急激に状況が変わっていき、大統領は落ち込む
しかしこんな事で自分が立ち止まっていられないのもまた確かであると思い直し、
少女の怒りを遮った
「君が何に怒っているのか知らないがまずこちらの質問に答えてくれ!
君は誰で、ここはどこで、私の身に何が起こったかを!」
「アンタ貴族に向かってそんな口の訊きかた「頼む答えてくれ!私にとって重要なことなんだ!」
あまりに真剣な大統領の表情に納得しかねているもののしぶしぶ返答する
「・・・まず私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、
ここはトリスティン魔法学院、アンタは私に使い魔召喚の儀式で呼び出されたのよ・・・」
「使い魔・・・先ほども言っていた、いったいどういうものなんだ?」
「詳しいことは学院に戻りながら説明するわ、ついてきなさい」
大統領は少しだけしかめっ面をした後、すぐもとの表情に戻り、ルイズの後を付いて行った




750ID:qEApJRl0:2009/12/07(月) 00:56:16 ID:A+dY6g9R
「つまりこう言う事か?『使い魔を送り返す方法は無い』・・・と?」
「ええ、そうよ使い魔を呼ぶ方法はあっても戻す方法なんか無いわ」
(なんてことだ・・・)Dioに殺されかけた以上の絶望が大統領の胸中に広がる・・・
使い魔の大体の説明、感覚共有、物質探索、戦闘補助など一通りは聞いていた、
他にも使い魔契約は死ぬまで解除できないなどがあったが
別にそんな事は“どうでもいい”のである、D4Cの能力なら幾らでも『自分を捨てられる』
だが戻れないのは痛かった・・・
「まあ運が悪かったと諦めて・・・私も諦めてるから、
ただし!私の使い魔になった以上はキッチリ働いてもらうわ、
まあ平民にできる事なんて限られてるでしょうから
アンタにでもできそうな仕事にしておいてあげる、洗濯、掃除とかまあ雑用ね」
「・・・了解した」
「何よその嫌そうな顔は・・・言っておくけどアンタの衣食住は私が面倒見るんだからね!」
「わかったわかった」
「『わかりましたご主人様』でしょ!全く!そろそろ寝るけどアンタは床よ毛布はこれ!」
バサッ!と大統領に投げつけられたのは一枚の毛布だった、
大統領が無表情でルイズの方に目を向けると・・・
「・・・一つ聞きたいが男の前で女は服を脱ぐものだったか?普通男の目を気にするものだが・・・」
「ハア?アンタ平民でしかも使い魔でしょ?なんで気にするのよ?」
その言葉を聞いて大統領はフウッとため息をついて床に寝転がり毛布を被った
(この国・・・いや恐らくは“この世界”はどうやら平民は人間とすら見られないらしい・・・、)
アメリカの歴代大統領が見たらなんて言うだろうか・・・などと思いながら大統領はルイズが寝入るのを待った、
751ID:qEApJRl0:2009/12/07(月) 01:19:56 ID:A+dY6g9R
大統領はルイズが寝息を立てているのを聞いて起き上がり、
窓の外を覗き込んだ、外には月が『二つ』輝いている

(やはり・・・別世界か・・・)
D4Cの能力の特性なのか、大統領は直感的に自分が別の世界、
それもD4Cで戻れないほどの遠い世界にいる事がわかった
確認のためD4Cで移動してみたが、ルイズの部屋から変わりが無く、
自分が寝ていた場所には黒髪の少年がいたり、ベッドに寝ているのがルイズでは無かったりするだけだった。

自分の体にはまだ聖人の遺体があることが感覚でわかっている・・・
まだ自分の中にあるという事はまだ私に
元の世界でナプキンをとることができるということだろうか?それとも・・・

(この世界でナプキンをとれという事か・・・つまり・・・残された頭部もこちらに来ている?)
さまざまな思索に耽り、大統領はある考えを導き出した
「人はナプキンをとろうとする・・・
だがナプキンをとる前にすることがあるはずだ・・・
そう、席に着くという事だ、私は元の世界という席を立った、
変わりにこの世界という席に着いた、つまり・・・“この席でナプキンをとる”・・・」
まさか、と思うと同時にあるいは、とも思える、
聖人の遺体を巡ったSBRレースでは奇跡及び運命じみた事が何度もあった
(遺体と遺体は引き合う、頭部であるルーシーに最も近かったのはDio・・・
いや、列車にそのまま乗っていたホット・パンツの可能性もある、
何れにせよ、頭部を確保した者は遅かれ早かれこの地に来る、あるいは俺が戻るか・・・)

確信に近い感情を抱いきながら大統領は眠った。
752ID:qEApJRl0:2009/12/07(月) 01:23:44 ID:A+dY6g9R
大統領の一人称間違えちゃった、orz
×あるいは俺が戻るか
○あるいは私が戻るか
753名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/07(月) 01:57:58 ID:tmtIu/gK
大統領は体型も髪の分け目も変わります
754名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/07(月) 08:27:12 ID:PZn2UiGN
SBRは完結してからコミックで読もうと思ってたから
大統領がどんな容貌かわからない
俺の中の今の大統領はウィルソン・フィリップス上院議員なんですが構いませんねッ!
755名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/07(月) 08:46:25 ID:nYzEMJVR
大統領はりりしいバッハ的な
756名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/07(月) 08:49:11 ID:5ry5XVj1
だいたい合ってるから困る
757名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/07(月) 23:09:19 ID:0qDk2JlG
興奮してきた・・・服を脱げ
758名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/07(月) 23:24:51 ID:SmugDGaw
>>757
パンティあげちゃうッ
  
  ムオンッ!
759名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/08(火) 00:07:18 ID:YuRbLrJS
>>758
り…梨央ちゃんの………
 サッ
    ムズッ
  ドゴ――ン
760ID:qEApJRl0:2009/12/08(火) 02:17:51 ID:Uyk+rfvx
朝、薄ぼんやりと大統領の瞼が開く
ムクリッ(朝か・・・ルイズはまだ起きてないらしい)
遅くまで考え事をしていたせいか、少しだけ気だるそうにしながら
ルイズを起こそうとする、
「ルイズ、そろそろ起きたほうがいい、もう朝だ」
「う〜ん、・・・あと五分だけ・・・」
「そう言う奴は大概起きない、それに私が待っても学校は待たないぞ」

む〜、と不満げにもらしながらルイズは起き上がり、顔を洗う
その間に大統領はルイズのベッドをキチンと直していた
「服〜」大統領は無言でクローゼットの制服を取り出す
「着せて〜」五歳児かお前は、と言いそうになるが飲み込む、
女が男に着替えさせる非常識は昨日、目の前で服を着替えたことから大して驚かない
「普通自分でやらないか?」
「貴族は下僕がいるときは自分で服は着ないのよ」
そうか・・・と呟きながら慣れない手つきでどうにか着せる事に成功した
「さて、服も着替えたし、朝食に向かうわよ」
ルイズがドアに手をかけた瞬間ドアの向こうからノックの音が聞こえた

「どちらさま?」
ルイズがドアを開けるとそこにいたのは赤い髪にそこらの女優顔負けのスタイルを持った女性だった
「ゲッ、キュルケ」
「あ〜らルイズったら人の顔見るなりゲッ、なんて不躾じゃなくて?」
「フン!なんの用よ」
「普段お寝坊さんな人を起こしに来たってのもあるけど・・・こちらが貴方の使い魔?」
キュルケと呼ばれた女性は大統領の方を値踏みするように見ている

「そうよ!」
「本当に平民だったのねえ、流石はゼロのルイズ、
でも・・・ふ〜ん、なかなか良い感じね、貴方名前は?」
「ファニー・V(ヴァレンタイン)だ」
「素敵な名前ね、私の名前はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーよ」
ルイズといいこのキュルケといい一々長い名前だと思いながら大統領はキュルケを見る
「ちょっと!キュルケ!他人の使い魔に色目使わないでよ!
アンタもキュルケを見つめてんじゃないわよ!」
「あらあら、別に色目なんて使ってないわよ、
それにねルイズ、使い魔って言うのはこういうものを言うのよ、フレイム〜」

使い魔の名前だろうか、言った後にデカイトカゲが来た、
デカイだけならスケアリー・モンスター(ズ)で恐竜を見たが、
それらとは少し違い見るからに火噴きますって感じの色合いと体だ
「これサラマンダー?」
「そうよ、それも火竜山脈の!この大きさだと好事家垂涎ものよ」
「アンタ火系統だものね微熱のキュルケ」
「うふふ、じゃあ、“ゼロ”のルイズ、失礼するわ、行くわよフレイム」
キュルケは颯爽と、フレイムは巨体を揺らしながらルイズの部屋を後にした


761ID:qEApJRl0:2009/12/08(火) 02:19:42 ID:Uyk+rfvx
「キ〜!あの女自分がレアな使い魔引いたからって自慢するような真似して〜!」
相当不機嫌になっているらしく、大統領は話を変えることにした、
「そう言えばルイズ、微熱とかゼロってのはいったいなんだ?」
「・・・二つ名よ、メイジは属性が決まるとそれにちなんだ二つ名を呼ばれるの」
「そうか・・・じゃあそろそろ朝食に行こうか」
「ん、そうねはやく行かないと食堂に間に合わないし」
(ゼロの二つ名の意味は・・・聞かないほうが良いな、自分達が卑下してる平民を呼び出して
流石ゼロのルイズとか言われていた、それにゼロと言った時のルイズの表情の変化・・・
恐らくはゼロの二つ名は不名誉なものなのだろう)
ゼロがなぜ不名誉なのかは理解しかねるものの、大統領は気にせずルイズと一緒に食堂に向かった。




今日はこの位で、イマイチ大統領のキャラが掴みかねてます、
762名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/08(火) 06:46:32 ID:JzQ0jVM+
状況判断力高い大統領、そこにシビれる憧れる
763名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/08(火) 10:23:59 ID:cidSlZei
GJ!
大統領いいね
静かなスゴ味を感じる
764名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/08(火) 17:26:27 ID:reNn3jWi
ジャイロもだけど、大統領は妙な持ちネタを披露するのが好きだな
チラリとか、どジャアァァ〜〜〜んとか
缶ビールの底にペンで穴を開けて一気飲みして イエス!イエス!とか
あと、短期間での奇跡的なダイエットに成功したし
765名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/08(火) 19:48:01 ID:GrSPrL2E
そろそろssの投下回数も増えたし、連載するようなので、このスレの規則に則った投下方法をしてみたらどうか
そして乙
766名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 00:04:13 ID:ZVeA4Hlc
なんにでも名前はある。聖書にも書いてある
ヨハネ伝第一章2-3節
「言は初めに神とともにあり、全てのものはこれによってできた」
だからこのSSにも名前が必要だと思うんだ…
767D0C:2009/12/09(水) 00:17:37 ID:zpP9fir/
>>765
了解しました、今までは書いてそのまま投下する形式だったので。
>>766
名前ですか・・・
D0Cで行こうと思います
768名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 00:53:14 ID:IRf+0fwM
日々の楽しみがまた一つ増えた
執筆頑張ってくださいな

ところで仮面のルイズが更新されてるけど何かあったのかな?
769名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 01:08:05 ID:kfN1PxYk
復活フラグな予感
770名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 01:15:45 ID:wxg+2egF
新規の方も、執筆中の方もだれでもwelcome
復活祭りを12月24日から開催されるといいなぁ
771名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 11:22:19 ID:7UAQGbBn
>>768
次ページへのリンク(To Be Continued→)追加しただけっぽい
772名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 12:05:48 ID:IRf+0fwM
>>771
そうなのか
これを機に読み返してみたけど……吸血鬼ルイズの切なさは異常
773名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 14:11:53 ID:39Z5lZzp
規制解けたら本気だす
774名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 14:30:23 ID:2vcsh18P
>>773
俺の名は祝福
775名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 15:01:20 ID:39Z5lZzp
>>773
      f0、
       Y(
        .jミ!
   , -‐''⌒}ヨ、
  / _/~´}ヨ:ど~≧zrァ-、
_,,ノツ´,イ ,;/ヲ ,,,ノヽ、{ノ‐'^`ヽ
,j'ト,ム ッ ''/ヲ_イ'´ ,ニ火巡_,jリ    厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒ヽ
'゙ ミ:.いイ,_,Yノ,.‐''⌒`ヾ"' ヾ))   /            |
孚~えj廴,ヾ{(f;;, ,ィ ツノこ,;シ)   |  し ゅ く ふ く  |
こ}! }!ご,,_ミ<・,)>ー今(・スj(   |            /
'’公くti廴,_`ス(yハ 'マ介ふ   `ー;z______/
ぇ、、`,>彳"´ ;i}〉9ミ乢'片    /
AA略
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/09(水) 17:11:24 ID:wxg+2egF
>>773の本気が見たいんですが、かまいませんねッ!
777名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/10(木) 07:24:19 ID:IEa/bMwh
『許可』するッ!
778D0C:2009/12/10(木) 20:51:06 ID:L9oGBijr
ノックしてもしも〜し、
誰かいますか?九時前後にD0C投下しようと思います。
779名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/10(木) 20:56:52 ID:rLnJ5V3L
誰もいないみたいだな
780D0C:2009/12/10(木) 20:59:57 ID:L9oGBijr
トリスティン魔法学院のアルヴィーズ大食堂にて

「・・・大した造りだな、」
「貴族は礼儀やマナーも守って当たり前、礼儀作法もここで学ぶものだから造りもそれ相応になってるの」
ふむ・・・と大統領は呟きテーブルを見ると豪華なフルコースが並んでいた
(アレが朝の分か・・・恐らく大半は残すだろうな、私の世界の貴族社会でも無駄が美徳らしいしな)
「何ぼさっとしてるの!椅子引いて」
「ああすまない考え事をしていた」
慌ててルイズの席の椅子を引く
「全く・・・」
ここで大統領はある事に気づく
「ところでルイズ俺の席はどこだ?」
ルイズは「そこ」と言いながらで床を指差す
「そこ」には味の薄そうなスープと食パンでいう全体が耳の部分のパンがふた切れ
「まさかとは思うがこれが俺の食事か?」
「あのね、使い魔は本来外、アタシの特別な計らいで床」
(そうか・・・『これ』でも譲歩した方なのか・・・)
大統領は身に沁みて貴族社会を覆した革命家達の偉業を理解した、
(頭ではなく『心』で理解できた)
『心』で理解した大統領はスープ、パンが入った皿を持って食堂の外に出ようとする
「ちょっと!どこ行くのよ!」
「これではまるで見世物だ、他の使い魔と同じように外で食べてくる」
「・・・フンッ!勝手にしなさい、あっ 食事が終わったら
私の部屋のカゴに洗濯物があるから洗濯しときなさいよ!
で、終わったら東の塔の教室で授業があるから迎えに来ておきなさい!」
大統領は後ろに向かって手を振りながら食堂を後にした
781D0C:2009/12/10(木) 21:02:33 ID:L9oGBijr
「パンの方はともかくスープの方は中々行けるな・・・物足りなくはあるが」
フウッと一息つくと大統領は立ち上がり、食べ終えた食器を調理場に持って行き、
ルイズの部屋から洗濯物を持って外へ出るが
「そう言えば洗濯場所を聞いてなかったな・・・」
誰かに聞くか・・・と言っても人が見当たらない、
洗濯場所を探そうと適当に歩いてみる

途中、洗濯カゴを持ったメイドと曲がり角でぶつかってしまう
「おっと、すまない余所見をしていた」
「いいえこちらこそ、ところで貴方は・・・」
「ああ、私はルイズの使い魔の・・・」
「あ、ミス・ヴァリエールの使い魔さんですか」
「・・・有名なのか?」
「ええ、平民を使い魔にしたって」
(やはり平民を使い魔にするのは特殊なことらしいな)そうか・・・君の名前は?」
「私シエスタって言います貴方のお名前は」
「ファニー・V(ヴァレンタイン)だ」
「素敵なお名前ですね」
「ありがとう、ところでシエスタ、洗濯物持ってるようだがここの洗濯できる場所はどこなんだ?」
「どうしてですか?」
「ご主人様に洗濯を命じられてね・・・」
「私がコレといっしょにやっときましょうか?」
コレ、シエスタが持っていた洗濯物だろう
「いや、遠慮するよ、私の仕事だし何より君に任せたってばれたら怒られそうだ」
「そうですか、じゃあ付いて来てください案内しますよ」
ニッコリ笑いながらそう言う彼女に付いて行く大統領
(なかなか優しい娘じゃないか、貴族連中の第一印象は軒並み最悪だったからな)
そう思いながら洗濯場所に着く。


「洗濯お上手ですね」
「一応軍隊に居たからな身の回りの事は自分でしなきゃならなかった」
「兵隊さんだったんですか・・・あ!でもそっちの服はシルクなのでそんなに強く擦っちゃ駄目ですよ」
シエスタから多少教わりながら洗濯を完了させる
「とりあえず終わったな、さてこれからルイズの所へ戻らなきゃな」
「お急ぎなんですか」
「教室で授業があるから終わったら迎えに来ておけとさ」


シエスタから東の塔の教室の場所を教えてもらい向かう途中妙な会話を聞いた
「さすがゼロのルイズだよ、あれだけ教室滅茶苦茶にするなんてよ」
「シュルヴルーズ完全に伸びてたぜ、まあそのおかげで
授業チャラになったからある意味ゼロのルイズ様々だな」
(・・・凄く・・・いやな予感がする)
782D0C:2009/12/10(木) 21:06:22 ID:L9oGBijr
教室に入ると荒れ果てた教室にぽつん、とルイズが立っていた
「あー・・・あえて聞こうコレはどういう状況だ?」
「・・・失敗したのよ錬金の魔法を、それでこの教室を片付けておきなさいって」
「あまり深く聞かない方がいいだろうがその・・・失敗してこうなったのか?」
「そうよ、魔法を使おうとすると爆発するの、アンタ聞いたわよね、
二つ名について、アタシの二つ名はゼロ、使える魔法ゼロ、魔法成功率ゼロ、
それでゼロのルイズ、そう呼ばれてるの」
「分かった、じゃあ・・・とりあえずこの教室を掃除しようか、さっさと終わらせよう」
大統領は散らばった机や椅子を元の場所に直し始める
その様子を見たルイズは拳を震わせながらぽつりと呟く
「なんで何も言わないのよ?」
「何か言って欲しいのか?」
その言葉を聞いた瞬間ルイズは声を上げた
「どんな簡単な魔法も使えないゼロだって皆から言われてきたわ!!
どんなに努力しても駄目だった!!詠唱が完璧でも!杖の振り方が完璧でも!
先生だって実家のメイド達だって学院の使用人達もアタシをバカにしてる!!
アンタだって内心じゃアタシの事をゼロだってバカにしてるんでしょ!!」

ルイズの叫びを聞いた大統領はルイズの方へ近づき、しゃがみ込んでルイズと目線の高さを同じくする
しばらく見詰め合うと大統領は口を開いた
「ルイズ・・・私は昨日今日君と会ったばかりだ、
君がどれだけ努力してるか、君がどれだけ悔しいかなんて分からない、
もしかしたら君は今後一生魔法が使えないのかもしれない、」
最後の一言にルイズは「やっぱり!」と言おうとするが大統領の声がそれを遮る

「だが、!いやだからこそもっと高い視点で物事を見るんだ!
今居る場所より更に高い場所からだ!魔法だけ見るんではない、
あらゆる物事を観る事が重要なんだ!でなければ!
いつか君は目先の事に囚われ最大の場所で最悪の失敗を犯すことになる!!」
ルイズは大統領の気迫に完全に飲まれていた、しかし徐々にルイズを飲み込んでいる
気迫も優しいものに変わっていく、
そしてその優しい雰囲気を纏わせながら「それに・・・」と大統領は付け加える
「君は私を召喚した、その時点で既に君がゼロだという前提はもう存在しない」
大統領の言葉を一つずつ噛み締めながらルイズは冷静になっていく、
先ほどの叫びを上げた時ほどの激情はもう瞳に宿っていなかった。
「・・・平民のアンタなんか呼び出したって失敗と変わりないわよ、
『メイジを見るなら使い魔を見ろ』って言葉があるんだから」
「そうか・・・だが、少なくとも私は君が私をここへ呼び出した事には意味があるんだと思う」
その一言を最後に大統領は掃除の続きにとりかかった
大統領の後姿を見ながらルイズは呟く
「・・・高い視点から観る・・・ね」
「・・・?何か言ったか?」
「う、うるさいわね!そう言えばアンタさっきアタシが一生魔法使えないかもとか言ったわね!」
「いや、それは例え話で」
「お黙り!罰としてファニー!アンタ昼御飯抜き!」
「ただでさえ朝があれだけだったのに昼抜きはキツイな」
「うるさい!今は教室掃除しなきゃならないのよ!キビキビ動く!」

(やれやれだ、まあ私の名前を呼んでくれたということは
それなりに信頼してくれたということ、後は・・・言葉だけじゃない実際に私自身の動きを見せねば
更なる信頼は難しいだろう・・・。私を呼び出した彼女自身の力もそうだが、
この世界と私を繋ぎ止めている者はルイズに他ならない。
彼女から信頼される事が今一番必要な事なのだ)

そして昼食が始まる少し前に掃除が終わり、食堂へルイズと一緒に向かうが
当然の如く大統領は外で待たされた。
783D0C:2009/12/10(木) 21:08:28 ID:L9oGBijr
「餓えは・・・慣れるものじゃないな」
壁に背を預け、空を見る、竜のような生物が空を飛んでいるのを見ながら大統領は餓えを紛らわせる、
そうしていると、横から声が掛かる、
「あれ?ファニーさんじゃないですか?」
「シエスタか」
「こんな所でどうしたんですか?」
「いや、ちょっとルイズに昼食抜きにされてな」
「え、どうして・・・」
「気に障る事言ってしまったらしい」
「そんな・・・あ、だったら内緒で食べませんか?調理場の賄い余ってると思うので」
「本当か」
「ええ、付いて来てください」
「助かる」

調理場のテーブルで賄いのシチューを貰う、朝食べた物より量があるのもそうだが味も美味い
「おかわりあるんで遠慮しないでくださいね」
「ありがとう、ところでどうしてここまで親切にしてくれるんだ?」
「それは、同じ平民だからです」
「同じ平民だから?」
「ハイ、貴族様と違って平民は非力ですから一致団結しないと!」
「そうか・・・一致団結ね、それなら私も恩を返さないとな、何か手伝えることあるかい?」

「それならデザート配るの手伝ってください」

784D0C:2009/12/10(木) 21:13:15 ID:L9oGBijr
以下、投下終了しました、
時間無いのですぐさま投下してしまいました、orz
やっぱり気が焦ると雑になります。
次回ギーシュ戦です。
785名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/10(木) 22:23:54 ID:vs4TmXL6
GJ!
786名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/10(木) 23:55:13 ID:IEa/bMwh
乙ッ!
焦らずゆっくりじっくりコツコツと作ってくださいまし
787名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/11(金) 02:18:34 ID:YK0ffBuU
D4Cって純粋なスタンドヴィジョンのスペックはどのくらいなんだろうな、かなりパワーもスピードも低そうだけど
788名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/11(金) 08:39:54 ID:I1Eu1qVZ
えげつない行為が行われるのが楽しみですよ、ギーシュ死ぬなよw
789名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/11(金) 20:02:19 ID:AMgkii+L
ギーシュさん連れてこよう
790名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/11(金) 20:43:18 ID:hnQemvw4
このスレの作品から連れてきたら相当カオスだな
皆ハルケで思い思いに暴れてるから
791名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/11(金) 22:30:47 ID:kMs3hMV5
また富竹とかが合体するのか!?
792名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/11(金) 23:08:32 ID:5OaKAT4d
クラウザーさんが降臨なさると聞いて
793名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/12(土) 23:10:03 ID:TdqJvplD
首の骨をへし折られたと思ったらいつの間にか筋肉質バッハに首根っこ掴まれて拉致された…何を言っているのかわからないと思うが俺もわからなかった………
794名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/13(日) 13:27:41 ID:43z/0WXP
首の骨を折られて再起不能
モンモンをとられて再起不能
肉の目を植えられ再起不能
女装させられ再起不能
毒を飲まされて再起不能
795名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/13(日) 22:22:26 ID:uP6Nszv0
僕はギーシュ、可哀相なギーシュ……
796D0C:2009/12/13(日) 22:47:12 ID:yW+unB77
11時頃に投下します
797D0C:2009/12/13(日) 23:00:36 ID:yW+unB77
アルヴィーズ大食堂



「アンタ何してんの?」
「何と言われてもな・・・デザート配ってる」
自分の使い魔であるファニー・Vを外に待たして、昼食を済ませ、
デザートを心待ちにしていたルイズは他のメイドに混じってデザートを配っていたファニーを見て
軽く混乱していた

「質問を変えるわ、なんでデザートを配ってるの?」
「ああ、個人的な理由だここの使用人たちにちょっと世話になってな、
その恩返しだ、と言っても君に迷惑はかけないから安心してくれ」
そう言って大統領はルイズのテーブルにデザートを置いて踵をかえして行ってしまった
何かを言う前に立ち去った大統領にルイズは不満げだがデザートを食べていくうちに機嫌は戻っていく

(やれやれ、食事を奢ってもらったなんて言ったらお目玉くらいそうだし、逃げるに限る)
大統領がルイズの席から離れた場所でデザートを配っていると・・・
(ん?)
コロコロ・・・
席に着いている金髪の少年のポケットから小さな瓶が転げ落ちた
大統領はそれを拾って無言で少年のテーブルに置き、再びデザートを配り始める
途中後ろが騒がしくなるが、大統領は気にせず続ける、すると
「待ちたまえ!そこの平民!」
大統領はその声に振り向くと髪と服がびしょ濡れ、片方の頬が赤く腫れている金髪の少年がいた
先ほど落とした小瓶の持ち主だろう、
(いったいこの数十秒の間にあの少年に何が起きた?)

大統領は少し気になり話を聞くとどうもあの小瓶は彼の二股の証拠らしく、
二股がばれた彼に、二股をかけられていたモンモランシーという女性がワインを頭から彼にかけ、
もう一人ケティという一年生が彼の頬に強烈なビンタを食らわせたそうだ
「そうか、で?君の二股と俺に何の関係がある?」
「良いか、よく聞きたまえ、君が不用意に香水の瓶を拾わなければ
あの二人の名誉に傷はつかなかったんだ」
「理解できないなお前の言ってる言葉の意味は」
大統領は「お前頭脳が間抜けか?」という表情で少年をみる、
798D0C:2009/12/13(日) 23:02:21 ID:yW+unB77
その表情が少年の神経を逆撫でるが、少年はしょうがないという表情で
「・・・ああ、平民に貴族の礼儀を分かれというほうが無理があるな、
もういい、行きたまえ」
「お前の言う貴族の礼儀を世の中で実践してみろ、『ナプキンを取る前にテーブルから弾かれる』ぞ
そんなモノは薄汚く敗北していく者の礼儀だ、そんな礼儀を高尚なものの様に言うお前もまた同じだ」
「どうやら君は・・・貴族に対する礼儀を知らないようだな」
「さっき言ったことが理解できないのか?貴様の言う礼儀を理解したうえで侮蔑したんだ、私は」
その一言を最後に少年は決心したようにこちらを睨み付ける

「良いだろう・・・貴族の礼儀を侮辱するというのならその侮辱を撤回させないとね・・・
決闘だ!!」
最後の決闘という言葉に周りが騒ぎ出す、しかし大統領は意に介さない
「わかった・・・ここでやるのか?」
「ここは食堂だ、平民の下賎な血で汚したくはない、ヴェストリ広場で執り行おう」
「そうか、だがデザートを配り終えたらすこしだけ“用事”がある、30分程まってくれないか?」
「フンッ!先に待っている、逃げるなよ」
その言葉を最後に少年は食堂から去って行った、と同時に何時の間にかいたルイズが大統領に話しかける
「ギーシュに謝りなさい!今なら許してくれると思うから」

「・・・断る」
「あのね!平民は貴族には勝てないの!怪我するだけじゃすまないかもしれないのよ!」
そう言うルイズに言い返そうとする大統領の服の裾を掴む人がいた、シエスタだ
「ファニーさん・・・貴族の方を本気で怒らせてしまったら・・・殺されてしまいます」
声が少し震えていた、止めようと必死なのだろう
(やれやれ・・・私が負けることを二人は確信している、だが・・・『退く理由が無い』、
この世界のメイジの実力を計る良い機会だし、ルイズに力を示して信頼してもらう・・・一石二鳥だ)
「心配してくれる二人には悪いが・・・私は・・・ギーシュ、だったか?あいつとの決闘は止めない、
それじゃあ私はこれから決闘の前の用事があるので・・・先にヴェストリ広場で待っていてくれ」
「ちょっと!ああもう!肝心な時に主人の言うこと聞かないんだから!」


大統領はルイズの制止を聞かず、昨日自分が床で寝るときに被っていた毛布を取りに行った
(まあ、これでいいだろう、広場には“挟むもの”があまり無いからな、
しかしあのギーシュとかいう奴に用事と嘘をついたが、
あいつなら決闘の準備と言っても油断してOKしてくれたかもな・・・)
まあいいか・・・と呟きながら大統領は次の準備にとりかかる為、
ルイズの部屋の入り口のドアと壁の間に“挟まった”
799D0C:2009/12/13(日) 23:04:19 ID:yW+unB77

三十分後ヴェストリ広場

「諸君!決闘だ!!」
ギーシュの掛け声と共に周りから歓声が上がる
(やれやれ・・・こんなに集まるとはな・・・ここにいる生徒の連中は皆暇なのか?)
周りの野次馬を一瞥しながら大統領は広場の中央まで歩いていく

途中、ルイズとキュルケ、そしてみなれない青い髪の少女と出会った、
「来たわね、もう一度言うわ、ギーシュに謝りなさい、その・・・私も一緒に謝るから」
最後の一言に大統領は少しだけ驚く
(ふむ・・・どうやら案外私が思っているより信頼されているのかもしれないな、
あの意地っ張りな彼女がここまで言うとは、だが・・・)

「なら私ももう一度だけ言わせてもらう、私は決闘を止めるつもりは無い、
そして・・・負けるつもりも無い・・・勝算はある、」
「アンタねえ、ギーシュはドットだけどそれでも平民の何倍も強いのよ!
アンタの言う勝算なんて・・・「青銅のギーシュ、土のドット、人間程の大きさのゴーレムを7体まで出せる
、他に石礫などの魔法も」
大統領がギーシュの実力を的確に言った事にルイズは驚き、
キュルケはヒュウッと口を鳴らし、青い髪の少女は少しだけ目を光らす

「アンタどうしてそれを」
「敵の情報を知れるかどうかで勝率は大きく違うものだ、
そして、先ほど言った程度の相手に勝つ算段なら私には幾らでもある。それじゃあ言ってくる」

それでも尚、大統領を止めようとするルイズをキュルケが止める
「ちょっと!離しなさいよキュルケ!」
「いいじゃない、本当にまずくなったら貴方が止めれば良いし、勝つ算段があるって言うなら任せてみたら?」
「でも・・・」
「貴方は自分の使い魔が信じられないのかしら?」
その一言にルイズは口を紡ぐ
「タバサ、貴方はどう思う?あの使い魔、ギーシュに勝てそう?」
タバサと呼ばれた青い髪の少女は本を読みながらその問いに答える

「・・・少なくともただの無鉄砲ではありえない、情報を知っていることで勝利に大きく関わるのは当然、
知ると知っていないとでは大違い、ただ彼の言う勝つ算段というのが不明、
でもギーシュの情報を正確に知っている以上は何かしら効果的であるはず」

「つまり・・・」
「わからない」
そういうとタバサは本から大統領へ目を移す、
(・・・彼から足音が聞こえなかった・・・)
それだけ考えるとまた本の続きを読み始める
800D0C:2009/12/13(日) 23:07:49 ID:yW+unB77

広場の中央で大統領とギーシュが対峙する
「逃げずに来た事は褒めてやろうじゃないか」
「・・・決闘の決着はどう決めるんだ?」
「本来決闘はどちらかが死ぬまで終わらないが・・・それじゃあ平民の君が可哀想だ、
特別にどちらかが参ったと言ったらそこで終わりにするルールにしてやろう」
「そうか・・・」
「ああー先に言っておくが僕は貴族だ、だから魔法を使う、よもや文句は無いだろうね」

「逆に聞くが魔法を使わずにどうやってお前が私に勝てるんだ?」

その一言にギーシュの心はイラつく
「・・・もし僕が攻撃する前に参ったと言っても許してやるつもりだったが、
気が変わった、君は少々痛い目を知るべきだ!」
ギーシュが手に持っていた薔薇の造花を振ると甲冑を着た女戦士を模った人形が現れた
「ちなみに・・・僕の二つ名は『青銅』、青銅のギーシュだ、
したがって僕の青銅のゴーレムである『ワルキューレ』がお相手するよ」
そう言いながらギーシュは握っていた薔薇の造花を大統領へ向ける
しかし大統領はワルキューレを見ても驚いていない、
それどころか少し呆れた様子ででギーシュを見ている

その大統領の態度に更にギーシュはイラつく
「行け!ワルキューレ!あの生意気な平民を仕留めろ!!」
ワルキューレが猛然と大統領に向かって突進する、大統領との距離が近くなるが大統領は逃げない
そしてワルキューレの拳が大統領に向かって突き出された瞬間、
大統領は“消えた”、正確には大統領がいた場所に一枚の毛布が落ちていた



(とりあえず・・・ここまでは予定通りだな・・・、後は私の作戦が上手く行くかどうか)
大統領は既にギーシュの情報を手に入れていた・・・わざと決闘を三十分遅らせたのは、
平行世界の決闘を先に見るためだった、恐らくはギーシュとの決闘という
シナリオはここハルケギニアの“基本”の方の世界でも行われているだろうという考えがあったが
それが当たっていた、平行世界でのギーシュとの決闘をみてギーシュの戦力を知る事に成功した、
ギーシュが出せるゴーレムの数は7体までという事、他にも石礫という大量の石を相手にぶつける魔法もあるという事
(正直、殺すだけならこれからするような策は使わなくていい、
だがこれだけの大群衆の中でD4Cの能力をフルに使うと少々面倒なことになるだろうな)
801D0C:2009/12/13(日) 23:09:48 ID:yW+unB77
「どこだ?・・・あいつは・・・あの平民はどこに“消えた”!!」
ギーシュは混乱していた、ワルキューレでボコボコにしようと思っていた相手がいきなり消えたのだ
(どこにいるんだ?どうやって一瞬で消えた?消えたと同時に現れた毛布、あの毛布が何かあるのか?)
ギーシュはワルキューレを使って毛布を調べる、“何も無い”・・・毛布を地面に捨て、周りを見ながら大統領を探す
「どこだ!!どこに隠れている出て来い!!この青銅のギーシュに恐れをなしたか!!」
大声を上げて挑発するが大統領が出てくる気配は無い、
言葉とは裏腹にギーシュの心にはどこかこの状況に対して不気味さを感じていた、


やがて、フワリ・・・と毛布がワルキューレとギーシュの間に移動する、


風でも吹いたのだろうとギーシュは無視しようとしたが・・・
(突風でもないのに人が被れるくらいの大きさの毛布が移動するか?)
という疑問が吹き出てもう一度毛布を注視すると、

“毛布の下から大統領が現れた”!!

(ば、馬鹿な!?その毛布はワルキューレで調べていたのに!)
大統領は驚いているギーシュに向かって走りながら向かってくる

(ワ、ワルキューレを!いや間に合わない!なら!)
「石礫だァーーー!!」
ギーシュは薔薇の造花を振り大量の石礫を飛ばす、
ゴーレムに比べてこちらの方が短時間で発動できるからだ、
しかし大統領は向かってくる石礫に恐れず、ニヤリと笑っていた


(計画通り!!)


大統領は持っていた毛布をD4Cを使い二つに引き裂く、そして飛んできた石礫を引き裂いた毛布で

上と下から“挟み込んだ”!!

「ドジャアア〜〜ン、石礫は“消させてもらったぞ”」
802D0C:2009/12/13(日) 23:12:38 ID:yW+unB77
「は!?」
ギーシュは自分の起死回生の石礫を防がれたせいで完全にパニックに陥った、
この時点で完全に大統領に二手上回れてしまったのだ

(駄目だ!もう魔法の発動は間に合わない、どうなるんだ僕は?あの石礫のように消されるのか!?)

大統領はD4Cを自分の腕に重ねて振る、振るわれたその腕を見てギーシュは目を瞑る・・・
しかし自分の体に攻撃は来ず・・・ただ一言耳にした

「まだやるか?」

その声に目を開けると、自分の薔薇の造花が握った先から無くなっていた、
その先は地面に落ちていた、杖を折られたのだ。

「僕の・・・負けだ」
ギーシュの降参を聞いた周囲から驚きの声が上がる、“平民が貴族に勝った”と・・・
大統領はその声を聞いて満足したのかギーシュに背を向けて去る
803名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/13(日) 23:14:44 ID:9X/ZD3eD
そういう戦い方か
804D0C:2009/12/13(日) 23:14:48 ID:yW+unB77
(ギーシュを殺さずに済んで“良かった”ウェカピポの二の舞は御免なんでね)

大統領の元部下であり、裏切り者であるウェカピポ、
彼は自分の妹が婚約者に暴力を振るわれているのを知り、その婚約を解消すべく決闘するが
相手の父親の地位が余りにも高いため、勝っても負けても、全てを失うという形になっていた
ウェカピポ本人は話そうとしないが、大統領は雇う段階で既にウェカピポの素性を調べていた

(それに・・・私は私を“捨てられなくなっている”、
これからもこういう方法は必要になってくるだろう)

大統領はこの世界に来てからD4Cの能力の最大の特徴である、“自分を捨てる”
つまり、即死でなければ並行世界に行き生き返れるという方法が使えなくなっている事に気がついた
このハルケギニアでの大統領の世界は“基本”でないため、ほかの平行世界に大統領は居ないのである
このため大統領は即死以外でも死んでしまう可能性がでてきた。

(元の世界よりナプキンを取る事が難しくなったな、
しかし頭部以外の遺体が体に入っている以上、常に後一歩の位置ではあるが・・・)

口に手を当てながら考えていた大統領にルイズが近づき声を掛ける

「待ちなさいファニー!今の決闘、自分の姿や石礫をどうやって消したの!」
「ルイズか・・・今のは私の“得意技”だ、手品の様な物だよ」

それだけ言うと大統領は千切れた二つの毛布を持って、学院へ向かっていった。
805D0C:2009/12/13(日) 23:23:25 ID:yW+unB77
これで今回の分の投下は終了です、
とりあえず大統領のD4C使っての復活は強すぎるので封印してもらます、
元居た世界とは全く別の世界なのでそっちの方が自然っていう理由もありましたので。

次の戦闘はフーケですね、デルフリンガーはどうしよう(汗)
806名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/13(日) 23:59:55 ID:9X/ZD3eD
GJ!
デルフリンガーは空気の予感が
807名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 00:28:31 ID:g+UM6t38
乙ですッ!
808名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 01:28:16 ID:Gbg6ixbm
乙!
今後の話の中で明かす予定なら答えなくていいんですが、
この場合D0C世界での基本は何になるのかな?
少なくともルイズと大統領ではないみたいだけど。

あとSBR・ゼロ魔ともに最新話で明かされる事実もあるだろうからスローペースで書いた方が良いかも。
809名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 06:10:11 ID:t5Fw/d4X
そういえばマンドリンを足で弾くなんて隠し芸も持ってたなこの人w
810D0C:2009/12/14(月) 14:36:06 ID:zB3A7EY3
>>808
>この場合D0C世界での基本は何になるのかな?
>少なくともルイズと大統領ではないみたいだけど。

このD0C作中内での基本の世界はルイズがサイトを召喚した原作に当たります、
そしてD0C世界での基本は・・・ちょっと決めかねてます。

>>あとSBR・ゼロ魔ともに最新話で明かされる事実もあるだろうから
スローペースで書いた方が良いかも。

了解しました、SBRは買ってるんですけどゼロの使い魔は・・・
811名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 17:53:36 ID:Urpcy4lh
原作未読で書かないほうがいいよ?
二次設定を勘違いしたまま使うと矛盾が生じかねないし
あのキャラスレだったらフルボッコにされてる
さぁ、急いでゼロ魔を買ってくるんだ!
812D0C:2009/12/14(月) 18:23:29 ID:zB3A7EY3
>>811
買いたいんですけど、近所の本屋にゼロ魔が無い、orz
今度 遠出して買ってきます。
813名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 18:58:17 ID:6xYYt7u/
現代には通販という便利なものがあってな
814名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 20:40:28 ID:DDuakVxm
大地から記憶を読み取ればいいじゃない
815名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 20:59:11 ID:YHHIwC0p
アニメがあるではないか
816名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 21:02:24 ID:ftYFqrGL
アニメはまずいな
817名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 21:03:50 ID:/n/fZu8H
一作目は有り
818名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/14(月) 22:17:49 ID:DDuakVxm
似ているようでどこか違う世界
だからアニメでもいいじゃん。なにか不都合があればD4Cが解決してくれる
819名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 12:05:10 ID:HxXg9neo
ああ、意図的に原作、アニメの設定を平行世界として位置づけるのか。
上手く活かせれば面白い事になりそうな。新しい、惹かれるな。
820名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 13:38:55 ID:Dvp4FV+1
小説、アニメ、コミック、ゲームの4つの平行世界がある感じか
821名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 14:22:54 ID:CsaurGLV
興奮してきた
822名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 16:04:44 ID:pyQo69R+
服を着るんだスネーク
823名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 18:08:43 ID:yTpnXDcP
アニメと小説の大まかな違い
・アニメだと香水の瓶を拾うイベントが起きない
・アニメでは空賊イベントが起きない
・アニメでは宝探しイベントもない
・日食に飛び込むと帰れるというのはアニメだけの設定
・変態紳士モット伯とアニエスの部下ミシェルはアニメだけの登場
・学院の同級生達(除く水霊騎士団)が出てくるのは基本小説の方
・アニメにしかないアイテムやモンスターがいる
・小説とアニメではカトレアの病状の重さが大分違う
・ギーシュとキュルケが先住魔法を使う(DVD版では修正されたらしいとの噂)

ゲームとの違い
・ゲームオリジナルキャラ(才人のクラスメイト、獣人、夢魔、小国の王女)が登場する
・マジックアロー、ヒロイズム、メテオ、ヒールなどの汎用性の高い魔法をルイズが使う
・二段斬りや風月斬りなどの卓越した剣技を才人が使う
824名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 18:26:33 ID:A/TOfcrj
それって全部に精通してないと書くの難しくない?
825名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 18:29:30 ID:FM3BtFYR
モット伯は使い易いのか重宝されてるな
826名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 18:32:12 ID:Dvp4FV+1
コミックは1巻で投げたから不完全な情報だけど…
・シールドと呼ばれる魔法があり、ルイズの爆発の威力への自衛に使われてる
827名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 18:54:39 ID:yTpnXDcP
多彩な魔法を使えるルイズをゲーム世界から連れてくるとか、
よっぽどアレでなければチャンポンにしていいと思う。
原作のイベントをそのままなぞる必要は必ずしも無い。
ついでにこっちも。

マンガとアニメの大まかな違い
・タバコを吸うと鼻の頭に血管が、で騙した相手が違う
・ダービーとの勝負で賭けたチップの量が違う
・ゲブ神が車のラジエーターに潜り込んだり多彩な攻撃を見せる
・ポルナレフと戦う場所が違う。しかもストレングスとの二連戦
・花京院との戦いも微妙に違う
・DIO様がバスの乗客などを殺しまくり
・スタープラチナとザ・ワールドで街が危ない
・タンクローリーだ!
・ヴァニラ・アイスが!
・アヴドゥルがヌケサクに!

・劇場版はツッコミどころが多すぎて……。


ゲームとの違い
・時間を止めるのは、ときのがくぼうというアイテムの力
・お酒を呑むと幻覚が見えてシャドウボクシングができる
・襲ってくるのはスタンド単体
・ポルナレフが本屋
・トイレに行くとストレス解消
・飛行機の中でも連戦
・敵を倒すとドルが入手できる。しかも日本にいる不良もドルを持っている
・ジョースター一行が武装している
以上、コブラチームでした。

他は五部でジョルノのダメージ反射能力が残っていたり、
一部でも波紋のポージングがあったり、
スティクス神父と融合したディオがいたり、
試練に成功した騎士たちが総登場したりするけど、
上記と比べれば遥かに安全安心。三部は神ゲー。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 19:03:56 ID:raM0/N5y
ゼロ魔メディアによってそんなに違うのか
小説しか読んでないからちょっとしたカルチャーギャップを感じるな

と言うか原作の世界観とかストーリーが崩れ落ちそうな設定なんだが整合性は取れているんだろうか?
シールドの魔法の有無だけでも戦闘時の戦術組み立てがだいぶ変わりそうなもんだが
少なくとも軍隊は攻防セットのツーマンセルが基本になるだろうし、あと竜騎士の絶対的な優位性は無くなりそうだ
829名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 19:17:59 ID:CsaurGLV
830名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 19:41:37 ID:jAqqvcFV
ゼロ魔のアニメ・ゲームでこんなに違うんだな
普通のSSで使うにはヤバイのが多いが大統領ならアリだな
831名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 20:47:08 ID:oR06TvAT
ジョジョのアニメはギャグレベルだからスルーした方がいいゲームは最早神w
スタンドのルールもろくにしらねえヤツがDVD作るから矛盾だらけ
ジョジョを北斗の拳モドキと勘違いしているから
濃く描けばジョジョっぽくなるとこれまた勘違い
酷すぎ
832名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 21:01:04 ID:A/TOfcrj
お前がそう言うならそうなんだろうな
833名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 21:24:44 ID:8Hg+hIXc
荒木本人ですら再現できない絵柄を動画で再現するのはぶっちゃけ不可能な気がする
だからOVAが最初から絵柄を再現するのを放棄するという手段をとったのもわからんでもない
834ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 00:39:09 ID:K6QKiLO8
投下させてもらいたいんですが
835名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 00:41:49 ID:xeG/bgsU
!?
836名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 00:42:05 ID:19i4pcSN
どーんと来い!!
837名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 00:42:16 ID:UViLaerp
グ・・グレート!
838ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 00:44:41 ID:K6QKiLO8
「俺はお前に……近づかない」
 センサーに反応しない敵。謎の吐血と剃刀。
 黒衣の男は音も無くウェザーの背後を取り、音も無く攻撃を始めていたのだ。
「チィッ!」
 ウェザーは男に向かい薙ぐようにして拳を振るった。
 しかし男はそれを大仰に飛びずさってかわす。
「うおおおぉぉぉぉぉッ!」
 ウェザーは雄叫びを上げながら一直線に窓に向かった。敵に背を向けることは危険でもあるが、敵のホームグラウンドに居続ける事の方が危険と判断したのだ。もしもこの屋敷に仕掛けがあるのならば尚のこと危険である。
 窓を破って道に転がり出ると、後ろには目もくれずに駆け出していった。
 無言でそれを見送った男も、程なくして闇に溶けて消えた。
 先程までの喧騒が嘘のように静まり返った一帯には、熱帯夜にしては冷たい風が吹いた。
 背筋の凍るような、鉄のように冷たく鋭い風が――

   『Do or Die―6R―』
839名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 00:46:02 ID:19i4pcSN
復活祭りよおおおおおおおお!!!!!
840ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 00:50:04 ID:K6QKiLO8

 しばらく走ったウェザーは、居住区からやや離れたところにある空き地へ駆け込んだところでようやく振り向いた。
 追って来る足音は聞こえなかったが、黒衣の男は自分を追ってここに必ず来るだろうとわかっていた。
 あの男は自分に姿を見せている。それはつまり『貴様を必ず始末する』という意味だ。そして同時に絶対の自信の表れでもあるだろう。
 能力は未知数だが向かって来てくれるというのならば好都合だ。わかっていることも幾つかある。
 まず第一に男はスタンド使いないしスタンドの存在を知っている者である。これは男が《大仰》に拳をかわしたことでわかったことである。
 そうでなければ破れかぶれの攻撃をわざわざ距離をとってかわす必要は無いのだ。スタンドが見えるからこそ、知っているからこそその射程を恐れて大袈裟に距離をとった。
 そして第二に、男は接近戦を得意としない。もしくは中・遠距離が本領なのかもしれないが、背後を取っておきながら致命打を撃ってこないのは近距離パワー型ならまずありえない。
 だからこそこの開けた空き地をウェザーは選んだ。細工を弄する物も無く隠れる場所も無い、能力が自由に使える場所。
 ウェザーは注意深く辺りを見渡しながら、改めて空気のセンサーを巡らせる。今のところ空気に大きな乱れは無い。
 だから、ウェザーが自らの背後に無数のナイフが浮いていたとしても、知覚できるはずがない。
「はっ!」
 そのナイフの群れが殺到したところでようやくウェザーは背後の危機に気付いた。
 咄嗟に『ウェザー・リポート』で防ぎはするも、何本かは腕や腹部に突き刺さる。
「ぐううあッ!」
 傷口を押さえて蹲ったところに、再びナイフの群れが襲い掛かる。だが、その切っ先は無防備な背中に刺さる前にボロボロと錆びて地面に落ちて行った。
「はーっ、はぁー……『ウェザー・リポート』で酸素濃度を上げた。遠距離攻撃はもう効かんッ!」
 姿は見えないが、既にこの場にいるであろう敵に向かって言い放つ。それは事実でもあるが牽制でもあった。
 ウェザーは刺さったナイフを抜きながら視線で周囲を探る。センサーには今だ反応は無く、周囲に変化は無い。
 どこからの攻撃なのか。次は何を仕掛けてくるのか。一度凌いだとはいえ未だに謎は解けてはいない。
 と、ウェザーは不意に頬に張りを感じた。飴でも転がしたような、内側からのふくらみ。そして――
「う、うボァ!」
 爆ぜるようにして頬から無数の釘が飛び出した。遠距離でも近距離でもない、内側からの攻撃にウェザーは目を白黒させた。
841ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 00:55:39 ID:K6QKiLO8
 しかし、今の攻撃である程度の謎が解けた。
「剃刀、ナイフ、釘――それらを空中、あるいは俺の体内から飛ばす能力。《鉄を操る能力》あるいはそれに類する能力だな?そしてそうだとするのならば、もう一つの謎もわかってくる」
 今までセンサーに反応させずに攻撃してきた敵だが、それはセンサーに反応しないのではなく、空気中の埃や地表の鉄を空中で掻き乱して空気のセンサー全体を反応させていた。
「云わば空気のジャミング……すごいスケールだ、大した奴だよ。鉄を操るとするのならば、この釘や剃刀は俺の体内の鉄分から作り出したもの……そして、今もう一つわかったことがある」
 ウェザーの手には先程まで腹部に刺さっていたナイフが、勢いよく回転していた。
「鉄が引っ張られている!それはつまり《磁力》こそがお前の能力である証!ジャミングの距離から見て射程距離はおよそ十メートル!ならばッ!」
 そしてその刃はある方向を指し示して止まる。
「見つけたぞッ!」
 ウェザーの身体はガンダールヴの恩恵により、十メートルをまるで滑るような速度で詰めた。そして拳を振り上げる。ここに来てセンサーが強く揺れているのがわかった。
「くらえッ!『ウェザー・リポート』!」
 確信を持って振りぬいた拳は、しかし虚しく空を切った。そこにあったのは肉片とそれに張り付く亡霊のような気味の悪い《何か》だけだ。
「ロオォォ〜ドォ」
「…………ッ!」
 背後から哀れむような声がかかった。
「磁力を使うスタンドというその推測は当たりだが……残念。その手は織り込み済みだ」
 ウェザーは幾度目かの体が内側から引っ張られる感覚を感じた。そして、やはりというべきか、再び剃刀が体から噴出す。
「おああぁ!」
「鼠の死体に『メタリカ』を付着させた。さっきそこで見つけたんだが、役に立ったようだな。空気のセンサーに風圧の拳、風を操るかその発展系の能力か……お前の挙動を観察しておいて正解だったな」
「テメェ……部下との戦闘を全部見ていたのか!」
 ウェザーは激昂するが男は淡々と話を続けるだけだった。
「……しかし今のお前の速さ……スタンド能力か?まあ、どうでもいい事だがな。風を操る近距離パワー型、それがお前の能力。射程距離2〜3メートル……それがわかれば、やり方はもう既に出来ている」
 つまらなそうに呟いて再び景色へとその姿を溶け込ませていく男。
 だが、すぐにその顔色も変わることとなった。もっともウェザーには見えていないのだが。
 二人のいる空き地一面に霧が立ち込めているのだ。夕立が降った後とはいえ、あまりにも唐突に。
「カメレオンやタコやイカは自らの体色を変えることで背景に溶け込む……だが人間にそれはできない。ならばお前はどうやって姿を隠すのか」
 言葉を紡ぎながらウェザーは地面をなぞる。
「答えはずばり砂鉄だ。ガキの頃に磁石で遊んだことがある。砂鉄でアートを書く奴もいるそうだ。ロンドンの街並みから荒野の景色まで――そう、まるで今のお前のようにな!体に砂鉄を被り、景色に擬態している!」
 指先に付いた砂を擦り落とせば、風に巻かれてどこかに消えた。
842名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 00:57:04 ID:19i4pcSN
 
843ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 01:00:41 ID:K6QKiLO8
「そして今度こそ!捉えたッ!」
 白く染まった空き地の中に、ぽっかりと穴が開いている。まるで人が一人立っっているかのような穴が。
「この霧……!風のほかにも水分を操れるのか、お前のスタンドは!」
 感覚によるセンサーが封じられたのなら、肉眼で捉えるまでだ。
 距離にして五メートルはない。一歩踏み込めば『ウェザー・リポート』の射程距離だ。
「次は外さねぇ――」
 再度駆け出そうとしたウェザーの脚は、しかし立ち上がることすら出来ずに崩れ落ちてしまった。
「な、なに?」
 体中から力が抜けていた。夏の夜にしては自分の体が冷え切っているのをウェザーは確かに感じていた。指先が震えて体を支えるのが精一杯な程だ。呼吸が苦しく、吸っても吸っても楽にはならない。
 そして一番の異変は、その流れ出る血液の変色だった。赤みが消え黄色くなっている。
「なるほどな、恐らくは天候を操る能力だったか。いい一手だったんだがな……言ったはずだ。やり方は既にできている、と」
 男の声がする。ウェザーが顔を上げてみれば、霧の中に幾つもの穴が開いていた。男は磁力で霧の中に擬似の人影を作り出しているのだ。
 これではせっかくのウェザーの霧も意味を成さなくなってしまった。
 ダメ押しとばかりに、ウェザーの脚から剃刀が飛び出し、ウェザーは地に伏せてしまう。
「血液中の鉄分を体外に取り出したんだ、お前の身体は酸素を供給できなくなっている。何をしたところでもう遅いんだ……お前はもう既に出来上がっているのだから」
 そして男は死刑宣告をする。
「色のない血液を流して死ぬがいい」
「オオオオオオッ!」
 搾り出すような咆哮と共に、ウェザーを中心にした旋風が巻き起こる。それは、砂を巻き上げ霧を飛ばし、男の作り上げた擬態さえも――
「そろそろやってくる頃だろうと思ったぞ」
 ウェザーの後ろからその声は降ってきた。既に男はウェザーの行動を見越して機をうかがっていたのだ。
「貴様は弱り焦り、一気に勝負に出ようとした!力なく隙だらけ、そしてこの距離!十分殺れるッ!」
 驚愕するウェザーに振る向く暇も与えずに、その脳天から剃刀が現れる。その殺気から止めに出たことが伝わってきた。
844名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 01:03:57 ID:19i4pcSN
 
845名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 01:05:19 ID:F0v1z3IU
ヘビーゼロ復活ッ!ヘビーゼロ復活ッッ!!ヘビーゼロ復活ッッッ!!!
846ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 01:05:44 ID:K6QKiLO8
 ウェザーも何とか手をうとうとするが、どうやっても体が言うことをきいてくれない。
「う……おおぉあ……!」
 消えゆく命が見せたのは走馬灯だった。一度目の誕生と一度目の死、そして二度目の誕生から今までのことを、一気に垣間見経験した。
 そしてその中である言葉を思い出す。
 ペルラ徐倫アナスイFFエルメェスエンポリオプッチギーシュキュルケタバサアニエスフーケ――――ルイズ!
「終わりだッ!頭を切り飛ばすッ!止めだ、くらえ『メタリカ』ッ!」
 バッシュオォォ!と、肉の裂ける音がした。
 だが裂けたのはウェザーの額ではなく、リゾットの足だった。爪先から赤い筍でも生やしているかのような光景。
 何が起きたのか理解できていない様子のまま、男はその足を動かした。そして再びその足の肉を裂いてしまう。
「な!…………!?」
 混乱する男の耳に氷が出来上がるような、何かが凝固するような音が聞こえてきた。それも幾つも幾つも。
 辺りには幾つもの赤く鋭利な突起物が出来上がっていた。
「これは……これもお前の能力なのか!?赤い……血?まさかッ!」
「コントロールは……出来る……単純でいい……今回ばかりは素早く行くがな……」
「乾燥か!血を吹き上げて乾燥させて固めて……血の槍をッ!あの旋風は血を撒き散らすためかッ!」
「どうした?スタンドのパワーが弱っているぞ」
 ハッとした男が顔を上げた時、既にウェザーは目の前に迫っていた。何とか離れようとする体を、絡みつくような風が逃がしてはくれない。
 男は驚愕するしかなかった。体格から考えても限界近い出血量に、ダメ押しに脚を切り裂いた。おまけに酸素を供給できない体のどこにこれほどの力が残っていたというのか。
 ウェザーが男を捕らえる。
「あいつらの為にも……お前だけは……ここで倒すッ!」
 振り上げた右手には何か光る文様が見えた。
「くそっ……」
「『ウェザー・リポート』ッ!」
 渾身の一撃が、男の腹部に突き刺さった。鈍くエグイ音がして、男は大量の血を吐き出した。
「終わりだ!このままテメェをぶっ殺す!」

847名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 01:06:26 ID:19i4pcSN
 
848ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 01:11:59 ID:K6QKiLO8


 男はレストランに座っていた。黒衣の男がやけに目立ってしまう真っ白なレストランで、目の前のテーブルには皿が幾つか置いてあるだけだった。チーズや魚料理などが置いてあったはずのそこにはもう何もなく、雑炊にいたっては地面にぶちまけてしまっていた。
 ――俺は何をしていたんだ。ボスに付けられた首輪を外すために反逆し、仲間を失いながらついにボスに辿り着いたものの敗れ、死んだ。
 なのに俺はあの世にもいけずに、再び生かされ首輪をはめられた。そこには何もなかった。仲間も、目的も。何もなかった。虚無の業火がこの身を焼き続ける生き地獄。
 ただ楽になりたくてここまで来た。言われるがままに。だが……それも終わる。
 エンジン音を上げてやってきたバスが止まり、人影がやって来るのがわかった。その数は六つ。男の口からなぜか笑いが漏れた。
 ――これで終われる。やっと……あいつらのもとに逝ける。
 そして影が目の前に来たところで立ち上がろうとした男は、しかしその胸倉を掴まれて乱暴に引き起こされたのだ。そして、全力で殴り飛ばされた。
 理解できずに地面に転がされた男の頭上から激昂した声が圧し掛かる。
「いいかッ!オレが怒ってんのはな、てめーの《心の弱さ》なんだリゾット!そりゃあ確かに限界を超えて襲い掛かってきたんだ、衝撃を受けるのは当然だ!《予想外》なんだからな。オレだってヤバイと思う!
 だが!オレたちのチームの他のヤツならッ!あともうちょっとで脳天を吹き飛ばせるってスタンドを決して解除したりはしねえッ!たとえ腕を飛ばされようが脚をもがれようともなッ!
 オメーは諦めちまってるんだよリゾット!動かなかった。甘ったれてんだ!分かるか?え?オレの言ってる事。《予想外》のせいじゃねえ。心の奥のところでオメーには諦めがあんだよ!
 立ち向かえリゾット!《反逆》しなきゃあオレたちは《栄光》をつかめねえ。あの男には勝てねえ!そして今改めてハッキリと言っておくぜ。
 オレたちチームはな!そこら辺のナンパ・ストリートや仲良しクラブで《ブッ殺す》《ブッ殺す》って大口叩いて仲間と心を慰めあってる様な負け犬どもとは訳が違うんだからな。
 《ブッ殺す》と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」
 再び胸倉を掴んだ男を別の男が制した。
「お前はいきなり過ぎるんだよプロシュート。見ろよ、リゾットが目ェ白黒させてんぞ。ったく、しょおおがねーなあ〜。でもよお、楽じゃあなかったろ?たかが《死ぬ》のもさ」
849名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 01:12:46 ID:5d+gIuFQ
復活復活ゥ!
850ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 01:15:47 ID:K6QKiLO8
 その男の言葉を引き継いで別の男が言う。
「アンタはやっぱりリーダーだからさ、ただ《死ぬ》なんて出来なかったんだろう?頭は死にたがっても、本能が、誇りがそれを許可しない……だろ?」
 そう言って肩を叩かれる。
「まあ、あんたとは積もる話もありそうだけど、もうちょい頑張ってくれよ。そっちの奴らにも見せてやろうぜ。俺達チームの《覚悟》ってのをさ。それならディモールト・ベネだ」
「積もる話の積もるってよぉ……」
「お前はそれしかないのかよ」
 後ろから出てきた二人も視線を送ってくる。そしていつの間に前に出てきていたのか、最後の一人がリゾットと呼ばれた男を見た。
「リーダー……今の俺ならわかるよ。今までアンタがやってきた《覚悟》の本当の意味が。だからリーダー!勝ってくれ!」
 リゾットを立たせると、六人の男たちは背を向けてバスへと向かっていった。
「じゃあなリゾット!先にいってるぜ。ソルベとジェラートも地獄で待ってるんだとさ!」
「ベネ!今度は地獄の鬼共相手に縄張り争いってわけか」
「おい〜、覚悟はできてんだろうなあオメーら?」
「ふっ、これしきのこと、日常茶飯事だろう」
「敵のボスは閻魔ってところですかね、兄貴」
「栄光はお前にあるぞ、リゾット」
 肩や胸を叩きながらそう言い残してバスに乗り込んでいく。再びエンジン音を上げてバスは発車する。運転席を見る限り、彼らは運転手を脅してここに立ち寄ったらしい。
 まったく暇な奴らだと、リゾットは溜め息をついた。
 そして地面に落ちた雑炊の皿を持ち上げてみる。
 中身がこぼれたとはいえ皿にはまだいくつかご飯粒が残っていた。
 出された食べ物は残さず食べるのが食事のマナー。跡を残さず消すのが暗殺者のマナーだ。
 とすれば、まだ己にはやることがある。
 リゾットは自らの首に手をかけると、何かを掴み投げ捨てる《仕草》をして見せた。不思議と、それだけで体が随分と軽くなった気がした。
 そしてその体で外へ出た。足は自然と、バスとは反対方向に向かっていた――
851名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 01:16:12 ID:19i4pcSN
 
852ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 01:21:23 ID:K6QKiLO8


 腹に突き刺さったウェザーの腕を掴んで男――リゾットは言う。
「『ブッ殺してやる』ってセリフは…終わってから言うもんだぜ。オレたち《ギャングの世界》ではな!」
 すると腹部の傷口から溢れていた血が杭となり、ウェザーの腕とリゾットの体を固定したのだ。
 そして勢いよくウェザーに頭突きをかまして、額を擦り付けるようにしながら宣言した。
「この距離なら小細工は無しだ。どうする?もう後には引けなくなった……お前がどんな選択をしようと、俺は押し通るまでだ」
「……面白いッ!さっきまでの死人みたいな目とは大違いだな!だが勝つのは俺だッ!」
「決めるのはお前ではないッ!」
 ウェザーはこのまま拳を貫ければ勝ち。リゾットはウェザーの頭を吹き飛ばせれば勝ち。
 今、男たちの最終ラウンドが始まった。
「『ウェザー・リポーォォーット』!!」
「『メタリカァッ』!!」
 お互いの全力のスタンドが発動された。巻き上がる砂塵。緊張する空気。そしてまるで時が止まったかのような静寂が訪れた。
 トスッ。
 静寂を破ったのはウェザー――その頭から落ちた帽子だった。
 その音が合図となり、二人は倒れ伏した。
 奇妙な沈黙は再び続いた。
 だが、そのしばしの後に、立ち上がったのはウェザーだった。額から痛々しく飛び出す剃刀が、音もなくその形を失くしていく。倒れ伏すリゾットには動く気配すらない。どころか、呼吸している様子すらないように思えた。
 敵の様子を見たウェザーは安堵し、しかし勝ち名乗りを上げることすら出来ずに再び背から地面にダイブしてしまった。
 細々とした呼吸音だけが聞こえていた。もはや疲労困憊。瞼すら自力で起こせそうにないほどに消耗したウェザーは、滅多な事では起きることが出来ないだろう。

 そう、例え隣で倒れていた男が立ち上がろうとも――――




To Be Continued…
853名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 01:25:13 ID:19i4pcSN
お帰り&乙!
リゾットうおおおおおおおおおお!!!!
リゾットうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
854ヘビー・ゼロ:2009/12/16(水) 01:26:24 ID:K6QKiLO8
まず、ゼロ魔キャラ出てねえし!
久しぶりすぎて話し覚えてる人なんていないだろうから、余計わけわからないだろうな……
まあ、次回が解明話になると思われ。
自分は「対応者」なので、今後は「漆黒の殺意」を持って書いていこうと思います。
よろしくお願い申し上げます。
855名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 02:15:04 ID:5d+gIuFQ
乙!
ちょっと読み返してくる!

ただ、投下する時はメモ帳か何かにまとめた後に推敲して、
コピペでまとめて張るとディ・モールト良いと思うよ
856名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 12:53:54 ID:c9pI1MDn
乙!
お帰りィィィ!!
857名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 19:57:25 ID:/MNijZvL
帰ってきたか・・・・・やっと、やっと!
ここで止まらないでくれよ!続き、いつまでも待ってるからな!
858名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/17(木) 00:00:22 ID:PE2OnX4D
乙&GJ&おかえりなさいッ!
ずっとお待ちしてましたッ!
レストランの場面での名前ネタはやられたっって感じです
手に汗握る展開で続きが楽しみです!
859名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/17(木) 01:04:18 ID:bouOD0vz
いい機会だからまた一から読み直してくるよ
どうかヘビー・ゼロさんが漆黒の殺意で執筆しても、殺意の波動に取り込まれませんように
860名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/21(月) 03:36:07 ID:UH1PYzlL
俺が時を止めた・・・
861名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/22(火) 01:56:33 ID:WZF4hdPQ
そして時は動きだせ
862名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/22(火) 12:37:50 ID:El14TNAc
だが断る
863名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/22(火) 21:05:07 ID:kQ3t9d5J
時は加速するッ!
864名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/22(火) 23:24:10 ID:QLhHZJez
ザ・ハンド!次のレスを削り取る!
865ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:11:48 ID:iLPBbnDV
あれ?本当に削り取られた?
もう一度投下してもいいですか?
866名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:24:17 ID:ttBHD23l
クレイジーダイヤモンド!!
問題なく「治す」!!
867名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:27:01 ID:Z4tMgaLU
ザ・ハンドで削り取られたものはクレイジーダイヤモンドでも治せない……
868ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:27:48 ID:iLPBbnDV
『Do or Die―Final R―』

 深海から浮き上がる気泡のように、真っ黒だった意識がゆらゆらと引き上げられていくのを感じた。
「…………」
 深い眠りから目覚めたウェザーの視界は、未だぼんやりと霞がかかっており見えるものは白くぼやけていた。
 そこに、鮮やかな緑が入り込む。
「うわっ!あんた起きたのかい?」
 存分に驚きを含んだ声音につられてか、視界も徐々にハッキリとしてきた。そうしてようやく視界に移っていた鮮やかな緑は、フーケの髪色だと気付く。
「……ここは?」
「安心しな。あたしの部屋だよ」
 そうかと呟いてウェザーは体を起こそうとした。が、腕に力が入らずにベッドへ逆戻りとなってしまう。
 体を起こす。たったそれだけの行為なのに、ウェザーは酷い貧血に襲われた。
「こらこら、無茶しなさんな!あんた死にかけてたんだからね!」
「く……俺はどうなっていたんだ?」
 持ち上げてみる腕は重く、意識しても震えが止まらない。意思に反して体が思うように動かないもどかしさが、蟻の様に全身を這い回る。
「貴族街の外れの空き地でぶっ倒れてるのを見つけてね、あたしが運んできたのさ。衛士隊やら警邏隊なんかが街中にいたもんだから、見つかったら面倒だろ?」
 色々とさ、と付け加えるフーケ。
「あんたがそんなになるなんて、よっぽどの敵だったんだねぇ。敵もスタンド使いだったのかい?」
「ああ。それも暗殺者のような能力だったな。姿を見せない、恐るべき敵だった……」
「でも、勝ったと」
「……まあな」
 ウェザーはそう言ったが、小骨が喉に刺さったような、奇妙な引っ掛かりを覚えていた。
 出血量も限界だったが、何より血中の鉄分を奪われたのは致命的だと思っていたからだ。
 魔法で傷は治せても血液や、その鉄分まで元通りに出来るとは思っていない。輸血やビタミン剤なども、ウェザーの元いた世界ですら完全ではないのだ。
「でも、最初に見つけたときはもうダメだと思ったわよ。体中傷だらけで、額なんかバックリ裂けてるんだから!急いでゴーレムで知り合いのところに運んで、突貫で治療よ。
知り合いっても、貴族崩れの『水』のメイジでね、今はそれで怪我を治して生計立ててるみたいだけど――そういえばそいつ、傷の深さの割りに出血が少ないとか言ってたけど……」
「血……だと?」
「それも『ウェザー・リポート』の力なのかい?」
 ウェザーはゆっくりと首を振った。
「ふぅん……ま、それでも秘薬を奮発しなきゃならなかったんだから、少しは自分がどんな状況だったかわかった?」
「世話をかけたみたいだな。しかし、よくお前が金を出したな。高いんだろう、秘薬って?」
 申し訳なさそうにするウェザーに満面の笑みで返し、フーケは何かの袋をベッドの上に投げ出した。ボスッと重い音がして、その中身があらわになる。煌びやかな宝石たちが。
「これは……」
「組織の奴ら、結構溜め込んでたみたい。せっかくだからいただいてきたわ。それでも結構重かったから、かなり街に《ばら撒い》ちゃったんだけどね」
「あの中でよくもまあ……」
「あたしゃ盗賊『土くれ』のフーケ。転んでもただじゃあ起きないのさ」
 いつぞやのモット伯邸でもくすねていたことを知らないウェザーは、ここで改めて感心させられるのだった。
「それでもしばらくは安静にしてなきゃだめなんだからね」
「そうか……じゃあ、組織は……」
「ああ。トリスタニアを完全に包囲した衛士隊の目を逃れられた奴は一人もいない。本部も各地のアジトも検挙したみたいで組織は壊滅、残ってた資料から内通者もわかって、《一応》の解決ということにはなってるよ」
 フーケはそう言ったが、何か引っかかる物言いだとウェザーは尋ねた。
869名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:28:11 ID:ttBHD23l
 
870ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:31:11 ID:iLPBbnDV
「《一応》――とはどういうことだ?」
「……組織のボスがまだ見つかってないのさ。手に入れた計画書や情報によると、あたしが倒した男がボスってことになってるし、それで解決に向かってるみたいだけど……あたしにはそうは思えない。あの男がここまで大きな組織を作ったとは思えないんだよ」
 それに、と付け加えてフーケはウェザーを窺うように続ける。
「だとしたらあんたは一体何と戦っていたっていうんだい?」
「何?俺を助けたとき、横にぶっ倒れていた男がいただろう。そいつがボスのはずだ」
「いや……あそこに倒れていたのはあんた一人だったけど?」
 その言葉にウェザーは目を見開かなければならなかった。様々な考えが一度に頭を過ぎる。
 ――倒したと思っていたボスは生きていたのか?いや、『ウェザー・リポート』は完全に体を貫いていた。傷は胸にまで達しているだろう。
 ――では仲間が助け出したのか?それも怪しい。衛士隊の包囲網の中を、瀕死の男を連れて歩くのは無理だ。姿でも消せるのならば別かもしれないが――それこそ、あの黒衣の男のように。
 険しい顔で考え込むウェザーを見かねて、フーケが肩を叩いた。
「でも、あんたは勝ったんだろう?やっぱり大したヤツだよあんたはさ!」
「…………」
「ど、どうしたのよ。もしかして肩痛かったとか?」
「いや、俺は勝ったのか……ってな。どうにも、勝った気がしない。どころか、もしかしたら俺は敵に情けをかけられたのかもしれない……」
 あの男は生きていて、倒れた自分に血を戻し、トドメも刺さずに去っていった。だとすれば、不気味過ぎるのだ。あの男が自分を助ける理由などないのだから。
 ウェザーの脳内は理解不能の四文字に埋め尽くされてしまった。
 俯き暗くなるウェザーだったが、その手にフーケの手が重なる。冷えていた手に人肌が温かく感じられた。
「あんたは生きて帰ってきた。それでいいじゃないか。あんたの自慢のご主人様もその仲間も、アニエスだって衛士隊だっているんだ。もう二度と奴らをこの国でのさばらせたりなんてしないさ。あんたに力を貸す人間は大勢いるよ」
 考え込むウェザーに気を使ったのだろう。明るくそういうフーケの気遣いが、ウェザーはただありがたかった。
「……アニエスのことを頼るなんて、随分仲良くなったみたいだな、お前ら」
「はぁ?私はただ自分が動くのが面倒だからあいつらにやってもらおうと……」
 何事か言い始めたフーケだったが、くつくつと笑うウェザーに気が付いてその額を小突いた。
「その様子だとアニエスのほうも無事だったようだな。今はいないのか?」
「アニエスならとっくに仕事に出たよ。肋骨折れてるってのにさ。そのまま飛び出しそうだったもんだから、それだけは治しておいたけどね。カッフェの方もこの街のみんなの協力で守れたって。全員軽傷だし、無事じゃないのはあんたくらいのもんだよ」
 そう言ってフーケが鏡を投げてよこしてきた。そこに移るウェザーの額には生々しい傷跡が残っていた。
「それだけはどうやっても消えなくてね。スタンドの力と魔法が反発でもしてるのか……まあ、帽子を被れば隠れるし、傷自体は治ってるみたいだから、もう少し休めば動けるみたいよ」
「そうか……」
 何か憂いを感じさせるように傷をなぞるウェザーに気を使ってか席を立つ。
「腹減ったろ。もう夕方だし、二日も寝っぱなしだったんだ。待ってな、食べる物を何か持ってくるよ。お粥でいいよな?食べやすいし」
 《お粥》という単語にウェザーの肩が震えた。
「いや……お粥はちょっと……なぜかあまり見たくない気が……」
「いい大人が好き嫌いするんじゃないよ」
 フーケは笑って部屋を出て行った。お腹が空いていたのは事実なので、食事が取れるのは素直に嬉しかった。
 開いた窓から一人残されたウェザーの耳に外の音が届く。穏やかな賑わいを知らせる喧騒と、人々の生活を示す匂いが、何よりもあの夜が終わったことを教えてくれた。
「力を貸す、か。確かに、今回もこいつには助けられたな」
 重い腕を上げて右手をかざす。
 ガンダールブが無ければ今回は死んでいただろう。重い体に鞭打たせ、死力を振り絞らせたのもこの文様だった。
 これを与えてくれたご主人様にはキスしてやりたいくらいだと、桃色の髪を揺らす少女の顔を思い浮かべる。
 そして同時に、ある言葉を思い出す。
「『どんなに惨めでも帰ってこい』……随分と難しい注文を受けてしまったものだ」
 それでも自分は生きて帰ってきた。《やる》か《死ぬ》かのあの夜を、生きて戻ったということは自分は《やった》のだろう。
 外は夏だが、窓からは心地いい風が吹いてきた。
871名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:33:27 ID:ttBHD23l
 
872ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:33:54 ID:iLPBbnDV


 トリステイントとガリアの国境近くに豪邸が一つあった。
 中にいるであろう人物の身分を現すような荘厳な建物と、厳重な囲い。その門前には屈強な男が数人、甲冑を見に纏いまさに番人といった出で立ちで立っている。
 既に空には月が昇り、夏だというのに涼しい風が吹いていた。人々の喧騒も無く、静寂があたりいったいを包んでいた。
 その屋敷の庭先に椅子が一つ。そこに一人の男が座っていた。
 その容貌は三十歳前後だろうか、眩い美貌に青い髪と髭が特徴的である。
 片手には年代物のワインを持ち、まるで無音を楽しんでいるかのように目を瞑り耳を澄ましている。
 その耳に、男のものとは別の声が届いた。しかし姿はない。
「随分とのんびりしているようだな……」
「君か……相も変わらず心臓に悪い登場の仕方だな」
 男はそう言ったが、その様子には驚愕など一切感じられない。
「側に護衛も置かずにバカンスとは、余裕だな」
「君のように優秀な部下がいるおかげだよ。リゾット」
 リゾットと呼ばれた男がその姿を《現す》。闇からにじみ出たかと見紛うように、その姿を《現した》。
 月光の中でさえその姿が捉えにくい黒のコートに、錯覚を起こしそうになる白黒のストライプのズボン。何より印象的なのは黒い頭巾を被ったその顔に、鬼火のように怪しく光る目だった。
「しかし、護衛なら最低限の人数だがいたと思うのだが……」
「木偶の坊を護衛と呼ぶのであれば、成る程、奴らも立派な護衛だろうな」
 男の言うとおり、この屋敷には護衛として連れてきた者たちが配置されている。屋敷の入り口や廊下、特に門には特別手練を配置していた。
 だが、門番達は動かなかった。不審者が屋敷にいるというのに、直立不動の姿勢のままただそこに立っているだけである。
 しかし、それも仕方の無いことではあった。その門番達は既に事切れていたからだ。直立不動の姿勢のまま、何が起きたのか理解する間すらなく、一瞬にして絶命しているのだ。
 よくよく見れば、門番達の纏っている甲冑の額と胸の部分が凹んでいるのが見えただろう。そしてその甲冑をはずしたのならば、その内側が棘の様に尖り、脳と心臓を貫き赤く染まっているのが見れたことだろう。
 そして敷地内に配置されている者も誰一人このリゾットの侵入に気付けないでいるのだ。
「何人か始末してしまったが、構わないだろう?」
 それに男はワインを揺らして答える。
 リゾットの言葉からは、既にバカンスを楽しむ余裕などないであろう不穏な空気が匂い立つというのに、この男にはまるで動揺というものが見受けられなかった。
 ――違うな。
 リゾットは思う。この男からは感情というものが感じられないのだ。
 仕事柄多くの人間を見てきた。常に《ハイ》な奴やキノコが生えそうなくらいに暗い奴。感情の起伏が乏しい奴だっていた。
 だが、この男は何か違った。
 リゾットの思考を余所に男は尋ねる。
「しかし、君には重要な任務を与えていたはずだが……本来なら、そろそろあちらの方角が明るくなっていると思うのだが?」
 男が指差した方角はトリステイン。それも、首都トリスタニアがある方角である。
「……組織の中に裏切り者がいた。支部で問題を起こし、俺がそれの解決に当たっている間に乗っ取ったようだ」
「ほぅ……?」
873名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:35:31 ID:ttBHD23l
 
874ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:37:36 ID:iLPBbnDV
「貴様が寄越した男、J・ガイルといったか。ふっ、俺の監視のためにつけた犬に手を噛まれるハメになるとはな、お笑いだ」
「ふむ……あの男が……そうかそうか」
 意外だった――というよりは、そういうものなのかと納得するような調子だ。
 リゾットはまたも奇妙な感覚を覚える。
「……不可解だな。計画の急進によってトリステインに情報は漏れ、組織自体も取り締まられた。武器から麻薬まで全て押収。この件を機に危険分子は一掃、トリステイン王宮の求心力は上がり結束は固くなった。
 ……出来すぎだな。お前の計画は水泡に帰し、ただ徒に敵国を強くしただけだというのに……お前の感情が見えないのは、なぜだ?」
 リゾットの問いに、男は目を見開いた。丸くなった目は、どこか子供のそれを想起させる。
「残念だとは思っているさ。だがまあ……天気のようなものだ。朝起きて空を見る。曇っているのを見て《今日は雨が降る》か《この後太陽が覗く》かを見るような感覚でいい。
 子供の頃、靴を投げてその表裏で天気を占ったことがあるだろう?当たるも八卦当たらぬも八卦という奴だな。何より、ゲームの相手は強い方が燃えるじゃないか」
 さも当然のように言ってのける男に、リゾットの口は思わず開いてしまっていた。
「貴様の《地位》からは到底吐けるはずのない言葉だな」
「だろうな。だから皆俺のことを《無能》と呼ぶ」
「これだけ大掛かりな計画を企て、最新の技術を取り入れて尚無能とするのならば、そうなのだろうな」
 リゾットは知っていた。この男が無能などではないことを。
 リゾットは感じていた。この男の不気味さを。
 だとすれば、この男のこの余裕は一体何なのか。まるで暗闇を掴む様な、手応えのなさをリゾットは感じ続けている。
「だが、まあよかったよ。君は捕まらなかったようだからね。君とはまだ話をしたいと思っていたんだ、リゾット」
「……俺を処罰するんじゃないのか?今回の作戦の責任者は俺だ。裏切りがあったとはいえ、任務失敗の責は俺にある」
「ああ、そんなことはどうでもいいんだ。それよりも俺は君と話がしたい。最初に会ったときは死人のようだった男が、今はまるで違う印象を受ける。俺には無い《何か》を君は知っているのではないか?俺はそれが知りたい」
「それを知ってどうする?」
「どうする?どうもしない。知るだけだ」
 男は続ける。
「何と言うべきかな……そう、俺は君に興味がある」
 リゾットは怪訝な表情で返すが男に気にした様子は見受けられなかった。
「《宝石を持っていた貴族を乞食が襲い宝石を奪った》。どう思う?おれは乞食を責めるつもりはない。それが摂理だからだ。人は己の持っていないものに惹かれる。そういうものだろう?」
 それはつまり、この男の求める《己の持っていないもの》が意味するところを示しているのだ。
「持たざるゆえの強欲か……史事においてさえ、未だ世界を手に入れたものはいないぞ」
「過去の話に興味はない。だから未来の話をしよう」
 そう言って男は笑う。その笑みはまさに無垢と呼ぶに相応しかった。
「俺はお前のことが気に入った。お前が望む報酬で飼ってやってもいいぞ」
 男の言葉にリゾットは自らの首をなぞる。
 そこに何も無いことを確認するように。
「それは無理だ。お前と会ったばかりの――魂のない俺だったなら、ただ従う兵隊としての、犬としての生も受け入れただろう。だが俺は生き返った。だからお前を許すことは出来ない……」
875名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:39:21 ID:ttBHD23l
 
876ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:42:15 ID:iLPBbnDV
 温厚なはずの犬が突如牙を剥くように、内に秘めた激情が爆発する。
「貴様は《俺達》の誇りに首輪をかけたッ!《俺達》は闇に生き死を平等に振りまく暗殺者だッ!《俺達》を飼うことは誰にも出来ない。神だろうと!帝王だろうと!貴様だろうと!」
 気炎を吐き出してリゾットはナイフを作り出す。素早く静かに。そしてその柄を掴み、しなやかに正確にその切っ先を男の喉に向ける。
 冷たい刃がその白い喉を裂かんと放たれる瞬間、リゾットの手が弾け飛んだ。
 続けざまに腹部と胸を強い衝撃が襲った。横合いから殴りつけられたかのようにリゾットが飛ぶ。
 男は表情を変えない。
 だがリゾットは笑う。
 倒れ行く最中、己の肉体が、弾けた血が、男に向かって飛ぶのを見たからだ。
 しかし、その血液も男の体に届くことは無く、その手に持つワインの中に沈むに留まった。
 リゾットが倒れるのを待って、男は手を上げた。
 二人のいる場所より遠くの木の上に銃士がいた。その手には、かつてアンリエッタを狙った銃が握られている。だが、今回は壊れることなくその役目を果たしていた。
 銃士は男の指示によりその筒先をリゾットから外す。
 仰向けに倒れたリゾットの、その体を覆っていたコートがはだける。
 男はその姿を見て、初めて驚愕と呼べる感情を見せた。
「リゾット……お前……既に」
 リゾットのその体には空洞が空いていた。恐らくは計画の最中に付けられた傷だろう。腹部から胸部にかけて、まるで抉られたような酷い傷が走っているのだ。
 血などとうに流しきっていたのだろう。どう考えても、人間が生きていられる損傷ではない。
 だとすれば、なぜリゾットはここまで来て、なぜ男と対面したのか。
 なぜ――
「なぜだ?」
「言ったはずだ……貴様は《俺達》の誇りに首輪をかけた……それは、どうあっても許しては置けないことだ」
877名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:42:31 ID:ttBHD23l
 
878ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:44:47 ID:iLPBbnDV
 憎悪が己を動かしたのか。誇りが己を動かしたのか。
 それはリゾットにさえわからなかった。
 わかっていたのは己がこの世界で最期に為すべき事。
 誇りを取り戻すための戦い。
「貴様のスタンド……ではないな。なぜ動ける」
「さあな……真夏の夜の夢だとでも思ってくれ……」
 吐き出す血も無いのだろう。咳き込むことも無く、穏やかな表情でリゾットは言う。
 男はリゾットの横に腰を下ろした。
 リゾットの血が溶けきらずに漂うワインを月にかざして眺めている。
 その様は、まるで道端で見つけた綺麗な石を、目を輝かせて眺め続ける少年のようだった。
「解せぬ」
 しばしの後に、男はそういった。
「俺には到底理解できない。だがそれゆえに惹かれるな」
 それから男はリゾットに向けて手を差し出した。
 だが、リゾットは夜空に浮かぶ月から視線を外さない。
「改めて言う。俺と来い、リゾット。俺には無いその《誇り》が俺は欲しい。俺はお前が欲しい」
 その言葉に裏は無く、邪気も感じられない。
 本当に、本心からの言葉なのだろう。
  ――この男の為す事の結末を見たい。
 僅かに、リゾットの心が揺れた。
 だがその程度の揺れでは揺るがない思いがリゾットにはある。
「すまんな。これから仲間と地獄の縄張り争いをしなくちゃならないんでな……」
 すると途端に男はその表情を暗くする。
 子供が欲しいおもちゃを手に入れられなかった時のそれだ。
「ではお前はこのまま死ぬんだな……?」
「ああ……だがただでは死なねえ……」
 その瞬間、ワインの中に漂っていた血がその形を針に変え、グラスを貫いて男の眉間を捉える。
 完全な不意打ちに、銃士の反応は遅れていた。
 だが、その針が男の脳に届くことは無かった。
 まるで瞬間移動でもしたかのように、リゾットの目の前から消えたのだ。
 リゾットは「まさかッ!?」と叫びたかった。だが、先の『メタリカ』が正真正銘最後の一撃だったのだ。既に言葉を発する力さえ残ってはいない。
 そしてダメ押しの銃弾がリゾットの頭を貫いた。
 沈み行く意識の中、リゾットは男の顔を見た。
 だが、そこには闇しかなかった。光さえ吸い込む深い闇。
 ――この男は虚無だ。轟々と音を立てて全てを吸い込むドス黒い空洞。虚無は何もない。
 ブラックホールはあらゆるものを吸い込む。その善し悪しに関わらず。
 そしてこの男の本質もそれだろう。
 その懐に収まるのであれば、害悪であろうと受け入れる。それは恐らく、己の死さえも。

 リゾットは最期に思う。
 俺と戦ったあの男は、この先も果たしてあの国を守りきれるだろうか。《誇り》に気付かせてくれた礼に血だけは戻してやったが、その先は責任が持てない。
 何より、この男の懐には、既に得体の知れぬ力が集まっていることだろう。
 だがまあ、どちらが勝とうとどうでもよかった。肩入れする気も無い。
 俺は俺達チームの味方だからだ。
879名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:46:15 ID:ttBHD23l
 
880ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:48:02 ID:iLPBbnDV


 男は動かなくなったリゾットの横に座ったままだった。ただ先ほどから眉間をなぞり続けている。
 そこに銃声を聞きつけた護衛の兵達たちがようやく駆けつけた。
「も、申し訳ありません……」
「ああ。申し訳はいい」
 男はそういうと立ち上がり、屋敷の一角を見た。
 小さな影が消えるのが見えた。
「余計なことを……」
「は?」
「なんでもない」
 そう言って振り向いた男の目に飛び込んできたのは、兵たちがリゾットの死体を引きずろうとしている光景だった。
 途端に男は兵に怒鳴りつける。
「やめろ!その男にそんな扱いをするんじゃあない!慎重に運び丁重に埋葬するんだ!」
 男の言葉に兵たちは戸惑った。
 よもや己の命を狙った賊を、丁重に弔えなどとは思いもしなかったのだから。
 だが、兵たちは小さく溜め息を吐いてそれに従った。
 諦めと侮蔑を含んだ溜め息。
「了解しました。ガリア王ジョゼフ様」
 兵たちが去り、再び一人になった男――ジョゼフは再三額をなぞり考える。
 なぜ俺はこんなにもあの男に拘るのか。
 なぜ俺は命が助かったのに嬉しくないのか。
 俺はリゾットに殺されたかったのか?
 あるいは――
「死ねるのならば誰でも……か?」
 そう呟いた男の顔に、感情は宿っていなかった。
「――計画は失敗だ。だかプランに変更は無い」
 誰かに話しかけるように、だが一人でそう呟いて、男は屋敷に戻っていった。
 夏だというのに涼しい風が、その後に吹いた。




To Be Continued…
881ヘビー・ゼロ:2009/12/23(水) 00:51:48 ID:iLPBbnDV
以上投下終了。
次回はルイズと合流します。
882名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 00:54:39 ID:1N6NqA/F
ブラボー!!
おお、ブラボー!!
883名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 01:11:10 ID:lgeBA6Ou
リゾット死んじゃったか…残念だ

だが乙!
884名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 02:58:49 ID:WGfckhxA

リゾット以上の敵スタンド使いというと各部ボス級か?
次の敵は誰になるかなー
885名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/24(木) 22:33:24 ID:r6gXBTpZ
一通りまとめで読んできたぜ。
ヘビーゼロ乙。

プロシュート兄貴も再会してくれないかなあ。
味見使い魔は普通に面白かった。
ゼロいぬは泣けた。
886名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/25(金) 13:49:53 ID:e4agJPEp
小屋というとどうしてもリンゴォが出てくる…
887使い魔は静かに暮したい:2009/12/27(日) 02:13:53 ID:FKVvVEqE
美しい桃色がかったブロンドの髪は乱れに乱れ、顔は真っ青。衣服も軽く乱れている。
服の所々にはほこりが付いているが彼女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはそんなことも気にせずベッドのふちに腰をかけている。
今のルイズを一言で表現するのなら『死体のよう』というのがぴったりだろう。それほどまでにルイズはぴくりとも動こうとしない。
いや、動けないのか。あまりのショックに。その気持ちは分からなくはない。なんせ、貴族の象徴でもある魔法を使うことができないからな。
それも失敗するから使えない、ということではない。今のルイズでは魔法を練習することも失敗することすらできはしない。
なぜなら、魔法を使うための必須アイテムである杖が忽然と消えてしまったからだ。

朝、いつものように目を覚まし、いつものように顔を洗い、いつものように服を着替えをし、いつものように所定の位置にある杖を取ろうとした。
しかし、そこには杖など存在していなかった。
そこからのルイズはこちらが思わずニヤけるほど慌てふためき、目を白黒させながら百面相を繰り出した。
初めこそそれほど慌てていなかったのだが、そこに完全に無いとわかると大慌てで部屋中を探し始めた。
もちろん私も表面上杖を捜すふりをした。私には杖がこの部屋には無いとわかっているからだ。いや、杖はこの部屋どころかこの大陸のどこを探しても見つからないだろう。
なぜなら、杖はルイズの目が覚める前に私がキラークイーンによって爆破したからだ。この世にあるはずがない。
もちろんルイズはそんなことを知らないから、哀れなほど必死に杖を探し続ける。
探せど探せど出てこない。それでも諦めず朝食の時間を返上してまで探し続ける。
私が諦めろと言っても聞く耳を持たず、一心不乱に探し続ける。
しかし、あえなく力付き、今に至るというわけだ。
「…………がぁ………………杖の…………」
耳を澄ますとかすかに何かをつぶやいているが、声が小さすぎて何を言っているかはほとんど分からない。
さて、このままでも面白かったがもう飽きた。このままルイズの子守りをするのも面倒だ。
さっさとルイズを授業へ向かわせなければいけない。
「ルイズ、何をしている。もうすぐ授業が始まってしまうぞ」
私の言葉にルイズの方がぴくりと動く。どうやら意識がこっちに戻ってきたらしい。
すると真っ青だった顔はどんどん赤みを増していき、体が震え始める。そして勢いよく私にしがみついてくる。
「どどどど、ど、ど……どうしよう!杖が!杖なくなってて!なんか!えっと!」
ええい、しがみつくなよ。うおっとしい。
888使い魔は静かに暮したい:2009/12/27(日) 02:15:32 ID:FKVvVEqE
「知らなよ。ちゃんと管理してないお前が悪いんだろ」
「ででででも、いいいいいいつもはあそこに、ああああああったんだもの!」
「これだけ探してもないんだ。この部屋にないのは確かだろう」
「もう……、なんでなのよ」
ルイズは握りしめていた手を放し、ずるずると床に崩れ落ちていく。さて、ここでさっき用意した『これ』の出番だ。
「ほらルイズ、これ持っていくんだ」
「え?」
ルイズを見上げるのを確認すると同時に懐から一本の枝を取り出す。
その瞬間、ルイズは勢いよく立ち上がり私の腕に飛び掛かる。
「杖!あんたがとって……杖じゃないじゃない!」
「これはな、さっきお前が部屋を探している時にこっそり部屋を出て、そこらへんにあった枝っきれを削ったもんだ」
「……それでどうしろってのよ」
「おまえは普段から魔法を失敗しまくっている。これでそれを利用するんだ」
「はァ?」
ルイズが果てしなくいぶかしんだ顔する。
ふん、物分かりの悪いやつだ。
「いいか。普段から失敗してるってことは、いつ失敗してもだれも気にしないってことだ」
「……あ!」
「理解できたか?そう、いつも失敗してるんだからお前が魔法を使えなくてもだれも不思議に思わない。むしろ爆発しなくなった分、成長したと思われるかもしれない」
「なるほど、そういう考えもありね」
「杖を見つけるか、新しいのを新調するまではそれで乗り切れるだろう」
「なかなかいいこと考えつくわね。でもね」
腕を掴むルイズの手に力がこもる。なんだ?
「そんなことを面と向かって言わなくてもいいじゃない!」
そんなことを言いながら右こぶしを振りかぶり、全力で私の顔面めがけて拳を放ってくる!
「あぶねえ!」
予想だにしていなかった拳を寸でのところで避けることに成功する。日頃の訓練のおかげか何とか掠る程度だった。
ほんとにあぶねえよ。
そう思いながら急いでルイズの両手を掴み追撃させないように備えるが、不覚にも拳ばかりに注意が行っていた。
ルイズがそれを見越していたのかどうかは知らないが、すかさず前蹴りを繰り出していた。
気づいた時にはもう遅く、その足しなやかな脚は驚異的な速度を持って私の弁慶の泣き所を力強く穿っていた。
889使い魔は静かに暮したい:2009/12/27(日) 02:16:47 ID:FKVvVEqE
「いだ!」
すぐさまルイズの手を放し、かがみこんで脛を押さえる。
チクショウ!ルイズ如きにこんなことを許すなんて!
「ふん!反省しなさいよね!」
ルイズはそう吐き捨てると鏡を見ながら身だしなみを整え始めた。どうやら行く気にはなったらしい。
それにしても、もともと私が杖を爆破したのが原因とはいえこんな痛手を被るとは!もしかしたら致命傷的な攻撃以外で今までで一番痛かったかも知れん。くそ!
まあいい。今後気をつければルイズ如きにこんなことをさせる隙など見せることはないだろう。
今回のこれは授業料だと思えばいい。

私の足の痛みが退いたころ、ルイズの身だしなみも整ったのか私の足の痛みを見越してかは知らないが、教室へ向けて部屋を出た。もちろんデルフも持っていく。
廊下などに生徒は見えない所を見ると、もう教室内に入っているのだろう。
さて、私はルイズについていってはいるが授業を受ける気はない。いつものように教室まで送っていくだけだ。そしていつものように私の自由な時間が訪れる。
しかし、今日は先程のようなこともあり少々予定が遅れている。嘆かわしいことだ。ほんの20分ほどの遅れだが、されど20分だ。
人間の寿命なんて思っているより短いものなのだから20分といえども貴重だ。
「ね、ねえヨシカゲ」
「ん?」
そんなことを考えていると、ルイズが話しかけてくる。
身だしなみこそ整っているが、やはり杖がないことが不安なのだろう。瞳がきょろきょろと動き体も小刻みに動いている。
軽く挙動不審だ。
そこまで不安になるものだろうか?やはりあれか?杖は魔法を使うための必須アイテム。必然的に魔法使いの象徴になるものだ。
それを失くしたということは、必然的に魔法使いとは認められないことになるのではないか?当然、魔法を使うこともできないから貴族としての矜持も墜落する。
まあ、気の持ちようだと思うんだがね。消した本人が言うのもなんだが。
「……あんたがわたしの杖を隠したんじゃないわよね?」
「……はぁ?」
どういうことだ?なぜそんなことを思う?私の行動にどこか不審なところがあっただろうか?
「いったいどうしたらそんな発想になるか教えていただきたいものだ」
「え、それは、えっと……」
何か私は重大なことを見過ごしているのか。
たとえば……嘘をつくと鼻の穴が膨らむだとか?
「わたしのことを、その、恨んでるから?」
「ふむ、何故私が恨んでいると思うんだ」
「だって、わたしはあんたを勝手にここに召還したわ。それであんたは何度も死にかけたわ」
確かに、勝手に召喚され何度も死にかけた。恨みがないわけではない。
しかし、そんなことをこんな状況で直接いうほど私は愚かではない。
「それについては前にも言ったはずだ。生きているから十分だと。それに特に不自由なく暮らせるのならどこに住んでも構わないという旨もその時言ったはずだが」
「そ、そうだけど」
「それに恨んでいるのならもっと前にするし、杖など狙わずお前を直接狙った方が早い」
890使い魔は静かに暮したい:2009/12/27(日) 02:18:04 ID:FKVvVEqE
「じゃ、じゃあわたしに嫉妬してるからとか?」
「…………」
今度こそ意味が分からない。ルイズに嫉妬する?この私が?ルイズ如きに?
「よく聞こえなかったんだが」
わざとらしく小指で耳を掻きながら尋ね返す。
「だから!わたしに嫉妬してるんじゃないかっていったのよ」
「私がお前に嫉妬する理由が見つからないんだが」
「……あんたはまだ満足感を手に入れてないんでしょ?」
ルイズの言葉に一瞬だけ立ち止まる。ルイズを見やると先ほどまでの挙動不審さが嘘のようになくなっている。
「あんたその時に言ってたわよね。満足したいから働いてたって。こっちに来てからあんたがタルブ以外で満足してる様子なんて見たことないわ」
「………」
なにも答えることができない。
「でも、わたしは魔法が使えるようになったわ。それも伝説の虚無の魔法よ。
 立派な魔法使いになれるどころか、もしかしたら始祖ブリミルと同じぐらいに謳われる様になるかもしれいわ。たぶん言いすぎじゃないと思う。
 それにさいきんはわたしを認めてくれる人もいる。わたし、今満足してるわ」
デルフを握る拳に力が籠る。
「あなたとは、違う」
「……ぁ」
何か言葉が出そうになる。
「もう教室についたみたいね」
しかし、それはルイズの言葉によって打ち消される。ハッと顔を上げると、確かにそこは教室の前だった。
とりあえず、何か言わなければ。
「私は、隠していない」
「そう、わかったわ」
とっさにはこれだけの言葉しかでない。しかしルイズはその言葉だけで納得したようで教室の中へ入っていく。
「それと」
教室へ入ったと思いきやルイズは突然顔を出し、話しかけてくる。
「さっきのは忘れてちょうだい。たぶん、あんたにひどいこといったと思うから」
そう言うと今度こそ教室内へ入り扉を閉めた。
しばらく立ち尽くしていたが、教室へ背を向け足早にその場から立ち去る。
頭の中では先程のルイズの言葉が駆け巡る。
『あんたがタルブ以外で満足してる様子なんて見たことないわ』
その通りだ。
『もしかしたら始祖ブリミルと同じぐらいに謳われる様になるかもしれいわ』
その通りだ。
『あなたとは、違う』
その通りだ!
突如として自覚する。
「私は」
ルイズに嫉妬している。自分が持ちえないものを次々と手に入れていくルイズに。
そうだ。嫉妬だ。私はルイズを見下していたんじゃない。見上げていたんだ。最近の強烈なルイズへの敵意は自身の劣等感の裏返しだったんだ!
ただ、それを認めたくなかっただけだ。あのルイズに劣等感を抱いているなどと。
しかもそれを、もしかしたらルイズに見透かされているのかもしれない。
『あなたとは、違う』
「チクショウ!」
万感の思いが籠った罵倒とともに、私は壁に拳を叩きつけた。








891506:2009/12/27(日) 02:19:21 ID:FKVvVEqE
以上

お久しぶり
892名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 02:21:08 ID:BlwLoGW0
うっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
復活おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
893名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 03:06:04 ID:OdrsRvfp
べネ!
実にベネ!

このスレをミテイルゾオオ。
894名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 11:01:43 ID:nSjKBiV9
さあこれからどうなる
前回の締めではルイズがかなり動揺するかと思ったが、吉良の方が動揺するとは予想外
895名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 11:16:01 ID:YWSxZ+5O
ヘビーの人に続き静かの人までッ!
ちょっと早め&遅めのクリスマスプレゼントってか!?
896名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 11:21:10 ID:is3fjzOq
まじで復活祭りだな
897名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 12:32:24 ID:6I+V9azy
WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
言葉で言い表せないこの感情!
乙!乙!
898名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 12:57:03 ID:UjKIK2KK
乙!乙!


…吉良の台詞が塩沢さんの声で脳内再生されるのは俺が何らかのスタンド攻撃を受けているからか?
899名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 17:36:11 ID:a6Cjy2xc
静かの人おかえり
そういえば静かの人って鬱陶しいって字が全部誤字だよな。
なんか意味あんの?
900名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 18:53:45 ID:7qpaNiyP
うっおとしいだっけ?
901名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 19:10:47 ID:X/6ewUUq
>>899
なにをするだーと同じでジョジョの誤植だよ
902名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 21:24:01 ID:1IHOyioo
おぉ?吉良が帰ってきてる!
903名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 22:34:33 ID:BlwLoGW0
さてこれでに作品もう一度最初から読めることになるな
さぁて、次は誰が最初から読ませてくれるんだろうか

もちろん新規さんでも全然構わないワケで
904名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/31(木) 20:42:27 ID:qqqHAyu2
年明け前に投下できるかなあ…
905Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:14:46 ID:qkALjnjl
目の前がぐちゃぐちゃにかき混ぜられていく。体に力を入れることができなくなり、頭を地面に擦りつけてしまう。
しかし、今はそんなことを気にしている場合じゃない。目の前にはフーケのゴーレムが迫ってきている。死が迫っている!
なんとかしなくちゃ!なんとかしなくちゃ!なんとかしなくちゃ!なんとかしなくちゃ!
自分の使い魔に裏切られて死ぬなんて、そんなの貴族の死に方じゃないわ!こんなところ死にたくない!まだ死にたくない!夢をみぜんぶ諦めたくない!
心に秘めている感情が、夢が、ありとあらゆる記憶があふれてくるのを感じる。溢れすぎて何を思い出しているのかすら判断がつかない。
渦巻き荒れ狂う心とは裏腹に、体はぴくりとも動かすことができない。すでに痛みを通り越して何も感じない。
息をすることすら苦痛だけど、無理やりにでも息をしなければ完璧に呼吸が止まってしまう。
何とか顔を横に向ける。目に溜まった涙で景色はぐちゃぐちゃだけど、なんとかフーケのゴーレムを視認することができた。
フーケのゴーレムは、足を持ち上げていた。
難しく考えないでもわかる。簡単に考えてもわかる。ちっちゃな子供で理解できちゃうだろう。
わたしはこれから踏みつぶされる。どう考えても、今、ここで。
その瞬間、荒れ狂っていた心が嘘のように静まりきった。
涙が溜まった眼で、持ち上げられたゴーレムの足を冷静に見ている自分に気がつく。
よく見てみるとゴーレムの足の裏はそれほどゴツゴツしていないことがわかる。
結構なめらかよね。でも触ったらザラザラしそう。足の裏以外もそんなかんじ。こんな精巧なゴーレムを作れるなんて伊達に世間を騒がせてないのね。
こんな腕前のメイジなら泥棒なんてちょちょいのチョイよね。
とか、そんなことを考えているうちにゴーレムの足が地面に向かって降ろされていく。
よく、死の間際はものがゆっくりに見えるとか、走馬灯が見えるとかいうけどうそっぱちじゃない。そんなことぜんぜんおこんないわ。
あ、でも走馬灯みたいなのはさっきあったわね。でも想像してたのと違うわ。記憶の内容なんてぜんぜんわかんなかったし。
そうこう思っている間にゴーレムの足はわたしの頭上を通り過ぎ、1メイル先ぐらいに足が降ろされる。
あれ?わたしを踏みつぶすんじゃなかったの?いや、別に踏みつぶされたいわけじゃないけど。死にたくもないし。
ゴーレムはまた一歩先に進む。どうやらヨシカゲを狙っているらしい。
それがわかった瞬間、意図せず目から新たに涙があふれ出す。死ななくてよかったという安堵の気持ちと、貴族らしくないという悲痛の気持ち。
それらが混じり合ってあふれ出す。そして、それらに交じって新たに心から湧き出るものもあった。
もう!なによ!ゴーレムが意外になめらかって!死ぬかもしれない瞬間になにを場違いなことを思ってるのよわたしは!そもそもどうして冷静だったの!?
前に死にそうになったから!?慣れだっていうの!?そんなもんに慣れたくないわよ!考えてたらむかっ腹が立ってきたわ!
再び体を動かそうとしてみる。すると先ほどまでと違って、体がある程度動くようになっている。それと同時に鈍化していた痛みも復活する。
これがものすごく痛い。この痛みだけでまた涙があふれ出してくる。わたしの涙は留まることを知らないらしい。
でも体が動かせるなら、立たなくちゃ。貴族がいつまでもうずくまっていちゃ恰好がつかない。貴族はこんな醜態をいつまでもさらしちゃいけない。
痛みをこらえ何とか立ち上がる。そして袖で涙を拭きとる。
「このくそ野郎がぁぁぁあぁぁ!」
その時、聞き覚えのある、しかしまったく聞いたことのない激情的な声を耳にし、その方向に首を向ける。
この声ってヨシカゲ!?
そこには、ゴーレムに殴られ吹き飛ばされていくヨシカゲの姿がみえた。
2、3メイルは軽く吹き飛び、地面を盛大に転がっていく。顔は苦痛に歪んではいるが意外に平気そうな顔色をしている。
事実、ヨシカゲはすぐに立ち上がり体制を整えていた。どうやらゴーレムの攻撃をどうやってかガードしたみたいだ。
しかし、ヨシカゲは生身だ。今はボロ剣も別の場所に転がっていてヨシカゲの手には無い。ゴーレムの攻撃を防げる要素なんてひとつもない。
そんなわたしの考えをあざ笑うようにヨシカゲはさらにすごいことをやってのける。
追撃してきたゴーレムの拳を右腕で打ち払ったのだ。普通ならただの自殺行為だ。そんなものでゴーレムの攻撃が止まるわけがない。
906名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 01:15:51 ID:Mk+h6b+f
お前は次に「今年もはりきって書き込むのヨォォ〜ン」と言う
907Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:16:02 ID:qkALjnjl
事実、ゴーレムの攻撃は止まらなかった。しかし、ヨシカゲも止まらなかった。打ち払った衝撃で後方に跳んだのだ。
着地したヨシカゲの外見には、パッと見大きな傷などない。右腕も血の一滴すら確認できない。なおかつその表情はそれが出来て当然といった顔をしている。
どうやら、色々隠し玉がようね。
そんなことを思いながらヨシカゲに近づいていく。先程の行動を追及するためだ。確かにさっきのヨシカゲの行動はすごい。
あんなこと誰でもできるようなものじゃない。だからといって、それが主人を裏切っていい理由になるわけがない。
心の中が新たに渦巻き始め、どす黒い感情があふれ出す。
そうよ、だれもわたしのことを認めてはくれないのよ。わたしがどうなろうと、だれも構わない。だから土壇場で使い魔にすら裏切られる。
拭き取ったはずの涙がまた目に溜まってくる。ほんとに情けなくなってくる。そんな情けない顔見せたくはないため顔を俯かせ、ヨシカゲの近くにたどりつく。
俯いているから足しか見えない。今ヨシカゲがどんな顔をしているのかは分からない。でも、きっといつもどおり無表情なのだろう。
「なんであんなことしたのよ」
ヨシカゲはどんな答えを返すだろうか。どんな答えを聞いたとしても私の心が晴れることはないだろう。
わたしの中にある真実は、ヨシカゲがわたしに敵対したという真実のみ。
「足手まといだったからだ。ちょろちょろ動かれると迷惑なんだよ。囮になっても逃げやしない」
ウソよ!絶対ウソだわ!
ぬけぬけとウソをつくヨシカゲに対して、頭が沸騰するかともうほど激昂する。
しかし、激高したと同時に驚きのあまり顔をあげてしまう。ヨシカゲの発言に対して驚いたわけじゃなく、わたし自身に対しての驚きで。
わたしはたしかに怒っているはずなのに、感情が高ぶっているはずなのに、それを冷静に見つめているわたしがいる。
しかも冷静なわたしはヨシカゲの行動に対して『あれでよかった』なんて評価まで下している。
たしかに、ヨシカゲがわたしを戦闘不能に陥れたことによってフーケの攻撃目標が、いつでもとどめを刺せるわたしより、厄介なヨシカゲを優先するのは予測できる。
さっきのセリフがヨシカゲの口から出まかせの言動だったとしても、彼が囮になったというのは事実なのだ。
ヨシカゲの行動とセリフには疑問点も多いけど、特に大きなほころびは無いのだ。結果的にわたしが助かっているんだからなおさらである。
「早く逃げろ。ゴーレムが来る」
ヨシカゲのセリフで現実に引き戻される。ゴーレムはすでにこちらに向かって歩き始めている。
しかし、今のわたしはさすがに走って逃げるのは難しい。おなかに痛みを我慢するのに精いっぱいだ。
ヨシカゲにたよる?それはいや!いくら冷静な部分が認めてるからって感情的な部分はいまだにヨシカゲには頼りたくないって声を上げている。
じゃあどうする?やっぱり、戦うしかない。これ以外の手段が見つからない。

そんな決死の覚悟を決めた時に都合よく助けがきたのよね。

杖を握りしめたと同時に体が突如として影に覆われる。上を見上げるとそこにはドラゴンがいた。ドラゴンは私たちのすぐ目の前に着地する。
背に乗っているのはタバサとツェルプストーだった。破壊の杖はタバサの腕の中に収まっている。
つまり、このドラゴンはタバサの使い魔なのね。うらやましいわ。
「乗って!」
タバサがドラゴンにまたがっているタバサが叫ぶ。
908Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:17:08 ID:qkALjnjl
あの子、おとなしいと思ってたけど焦るとあんな声も出るのね。もっと冷静ち……!
変なことを思っているといきなり体が持ち上がり、そのままドラゴンの背に乗りあがる。
び、びっくりした!で、でも、こんな恰好だとドラゴンが飛び立った時に落ちちゃうわ。
すぐさま体勢を立て直し、ドラゴンの上に跨る。その時、なぜかタバサは抱えていた破壊の杖をヨシカゲに向かって落とした。
ヨシカゲはそれを予期していたかのように破壊の絵をキャッチする。しかし、私の目にはタバサが杖を落としたようには見えなかった。
杖が勝手にタバサの腕から抜け出したように見えた。タバサもそう思ったのかもしれない。目を軽く見開いて自分の両腕を見ている。
もしかしたら破壊の杖には何らかの魔法が掛かっていたのかもしれない。
そう思っているのもつかの間、ヨシカゲが破壊の杖をゴーレムに向けたと思った次の瞬間、ゴーレムは突如として爆発をおこしてその上半身は跡形もなくなった。
下半身も構成を維持するのが不能になったらしく、ボロボロと崩れ落ちていく。
さらにわたしたちの上にゴーレムだった土が雨のように降り注ぐが、わたしたち三人はそんなことには気にも留めず口をポカンとあけたままだった。
そこから一番はじめに覚醒したのはおそらくツェルプストーなのだと思う。いち早くドラゴンから飛び降りると、一目散にヨシカゲに駆け寄っていく。
続いてわたしとタバサもそれにならってヨシカゲのもとに向かう。
「ヨシカゲ!すごいわ!やっぱりダーリンね!」
ツェルプストーはそういってヨシカゲに抱きつくが、今はそれほどツェルプストーに反発心がわいてこない。あまりかまう気力が起きない。
それはそうだろうなと自分で納得する。驚きの連続だったし、なにより強大な敵が倒れたという安堵感が大きい。
「フーケはどこ?」
しかし、タバサの言葉にハッとする。
そうだった。わたしたちの目的は破壊の杖を無事取り返し、フーケを捕まえてウッシッシなのよ。決してゴーレムを倒しに来たわけじゃないわ!
そういえばミス・ロングビルは一体どこに。
そう思いタイミングを待っていたとでもいうかのように、わたしたちのものではない足音が聞こえる。
みんながその方向へ振り向くと、そこにはミス・ロングビルが立っていた。その手に破壊の杖を持って。ミス・ロングビルはきっちりと私たちに破壊の杖を突きつけている。
「ご苦労様」
……黒幕は、すべてミス・ロングビル、いやフーケだったのね。きっと破壊の杖の使い方が分からなくて放置していたんだわ。
そしてヨシカゲが現れて破壊の杖の使い方を知った。それさえわかれば正体を隠す必要はないってわけね。
「動かないで?破壊の杖は、ぴったりあなたたちを狙っているわ。全員、杖を遠くへ投げなさい。」
わたしたちはさっき破壊の杖の威力を目の当たりにしている。あれほどの威力の魔法がこんな近くから発射されたら避けることなんて不可能だわ。
ましてや相手は世間を騒がせているあのフーケ。生半可な行動じゃ通用はしないでしょうね。
冷静にそんなことを考えながら杖を前の方へ投げる。しかし、確実に心は屈辱にうち震えている。
ツェルプストーやタバサがどう思っているのかは分からないけど、二人とも杖を前の方へ投げ捨てる。しかし、そこで一つの影がフーケに向かって疾走した。
その影とはヨシカゲだった。剣を片手にフーケに瞬く間に近づいていく。フーケは驚いた顔をしていたが、さすがはというべきかすぐにさま反応して破壊の杖を使う。
しかし、何も反応しない。そうこうしているうちにヨシカゲが目にもとまらぬ速さで剣をふるう。
ボト。表すならまさにこんな言葉だと思う。そんな音を立てフーケの右手が地面に落ちた。フーケの斬れ落ちた右手から、斬られた腕から血があふれ出す。
「あ……?」
フーケは最初こそ信じられないというような顔をしていたが、すぐさま現実を受け入れる声を上げた。
909Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:18:09 ID:qkALjnjl
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
女のものとは思えない、喉が裂けるような声を出しながらフーケが崩れ落ちる。左手で斬られた断面を抑えながら地面でもがき苦しんでいる。
きっと悲鳴は森全体に響き渡っているだろう。それほどまでの大きな声だ。表情もめちゃくちゃで、衣服も血と土でぐちゃぐちゃになっている。
目をそらしたくなるような光景だ。今のフーケには同情すらしてしまう。彼女の腕の痛みに比べれば、わたしのおなかの痛みなんてちゃちなものだろう。
ツェルプストーも顔をしかめっ面にしている。タバサはよく分からないけど、普通よりは目を細めている。
そして、ヨシカゲは足もとにフーケがいるにも関わらず、微動だにしていない。まるで眼中にないといった感じ。
後姿だからどんな表情をしているかは分からない。どこを見ているのかもわからない。でも、ひとつだけわかることがある。
それは雰囲気だ。今ヨシカゲから感じられる雰囲気は、あの時、わたしを襲った時ものにすごく似ている。
あの雰囲気はダメ!なにかとてつもなく嫌な予感しない!
「ヨシカゲ!」
その雰囲気を破るために力いっぱいヨシカゲのことを呼ぶ。すると、先程までヨシカゲから放たれていたいやな雰囲気はすぐさま霧散する。
ヨシカゲは足を持ち上げたかと思うと、すぐさま振り下ろしフーケの顔面を踏みつけた。泥といっしょになにか鈍いものを踏んだ音がわたしたちの所まで聞こえてくる。
その蹴りはものすごい威力を持っていたのだろう。フーケは完全に黙ってしまった。どうやら気絶したらしい。
っていうかフーケが死んじゃったら大変じゃない!
そんな感じで、わたしとツェルプストーとでてんやわんやしながらフーケの血止めをしたりして結構大変だった。
タバサもヨシカゲも仲間がいないか確認しにどっかにいっちゃって手伝わないし。
「ふぅ」
とにかく、これでみんな終わったのね……。いろんなことありすぎてあんまりうれしくないけど。
910Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:19:05 ID:qkALjnjl

この老いぼれって枯れ木のかわりにならないかしら?
フーケを捕らえ、学園に引き連れ戻ってきたわたし達は、早速オールド・オスマンに事の顛末を報告に向かったのだが、そこで聞いた話にほとほと呆れてしまった。
なんと、オールド・オスマンはただのスケベ心でフーケを秘書に雇ってしまったらしい。
ほんとバカじゃない?
そのあと、なぜかオールド・オスマンの言い訳にミスタ・コルベールが同調しはじめより一層呆れてしまう。
わたし以外の三人も同じような雰囲気を醸し出している。それを機敏に感じ取ったのだろう。オールド・オスマンは仕切り直しをするように咳払いをする。
「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ、『破壊の杖』を取り返してくれた」
さっきまでとは違う、威厳を伴った声色でわたしたちにねぎらいの言葉をかけてくる。その言葉に胸を締めつけられる。
そう、わたしたちは高名な大メイジにねぎらわれるようなことをしたのよ!
自然と気持ちが誇らしくなる。その気持ちのままに頭を下げ礼をとる。
『でも、わたしの力じゃない。わたしの力は何の役にもたってない』
そんなな気持ちに水を差す思いが心に湧きあがってくる。
また、この感覚だ。感情的じゃないわたしがいる。物事を客観的に見ているわたしがいる。
「フーケは、城の衛士に引き渡した。そして『破壊の杖』は、無事に宝物庫に収まった。一件落着じゃ」
更なる労いの言葉をもらいつつ、下げている頭をオールド・オスマンがやさしく撫でてくださっている。
しかし、それを素直に感じている余裕が自分の中にはなくなっていた。歯噛みする思いが体を駆け巡る。
そうよ。わたしはなにもしてない。できてない。それどころかみんなの足を引っ張ってすらいた。認めたくないけど、現実はそうだった!
「君たちの、『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。
 といっても、ミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておいた」
ふつうなら、いつものわたしなら、うれしさを隠しきれず舞い上がっていたと思う。
「ほんとうですか!?」
そう、わたしの横にいるツェルプストーのように。タバサの顔だって心なしか喜んでいるように見えなくもない。
「ほんとじゃ。いいのじゃ、君たちは、そのぐらいのことをしたんじゃから」
悔しいし、認めたくないけど、この戦いで一番活躍したのはヨシカゲなのは間違いない。
そうよ。わたしは貴族。その行動に疑問があっても、結果を見ればヨシカゲがわたしがあの場で死んでいたのは一目瞭然。それは是が非でも認めなくちゃいけない。
そして、お荷物だったはずのわたしが『シュヴァリエ』の爵位を授かることになっている。これだけの差があるのに受け取るべき結果は真逆もいいところじゃない!
「……オールド・オスマン。ヨシカゲには、何もないんですか?」
その思いが、わたしに口を開かせた。
そうよ。貴族なら、認めなくちゃ。授かるべきは、わたしじゃなくて、使い魔のほうだって。
「残念ながら、彼は貴族ではない」
しかし、オールド・オスマンはわたしの言葉をきっぱりと切り捨てる。
そうよ。こんな答えが返ってくるっていうのはわかっていたことじゃない。わたしはなにをいってるのかしら?
『安心したいから』
その答えはすぐさま、自分の冷静な心が教えてくれる。
911Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:20:08 ID:qkALjnjl
『ヨシカゲが爵位を授かれないってオールド・オスマンの口から直接聞きたかった』
「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ」
『それを聞いてヨシカゲは自分より下だと思いたかった』
「そうでしたわ!フーケの騒ぎで忘れておりました!」
『使い魔なんかがわたしより上だなんて認めたくない。わたしを殺そうとする使い魔がわたしより上だなんていやよ』
「今日の主役は君たちじゃ。用意してきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」
その言葉とともに、オールド・オスマンに再び頭を下げる。
『使い魔に嫉妬するぐらいなら、一時の恥のほうがマシよ』
頭を上げ、わたしたちはそのままドアに向かう。
「ルイズ」
ヨシカゲの一言に、心臓を鷲掴みにされたような衝撃が体に走る。
「さっきに行っててくれ。オスマンさんに用がある」
助かった。それが正直な今の気持ち。今、ヨシカゲと一緒にいることは、耐えられそうにない。
ヨシカゲの言葉に何の反応も返さず、そそくさとドアを開き部屋を出る。出た瞬間、体中から汗が染みだしてくる。とても気持ちの悪い汗。
それと同時に、心も体も自分への嫌悪感でいっぱいになる。その思いは今にも破裂してしまいそうなほどだ。
「ちょ、ちょっとヴァリエール?顔色悪いわよ?大丈夫なの?」
わたしと一緒に出てきたツェルプストーがらしくもなくわたしを気遣って声をかけてくる。しかし、今のわたしに必要なのはそんなことじゃない。
ツェルプストーの言葉を無視し、その場から逃げだすために走り出す。
「ヴァリエール!」
今のわたしに必要なのは、時間だけ。

周りの目を気にせずひたすら走り、たどり着いたのはよく来ていた人気ない場所。わたしだけの秘密の場所。
今、このあたりは舞踏会の準備で人は全くいない。去年もそうだった。あまり意識していなかったけどそれを覚えていたのか足が勝手にここへ向かっていた。
たどりつきしばらくして膝が落ちる。
「あ……あぁ……」
もう、耐えきれない。あふれ出てしまう。
「ぁあああああああああああああああああああああ!うわぁああああぁああぁぁぁぁああああああああ!うあああああああああああああああああああああああああああ!」
動物が吠えるみたいに、力いっぱい叫び声を上げる。
この嫌悪感をどう処理をしていいか、理解できない。ただあふれ出しそうだった。だから、感情に行動を任せることにした。
「ううううううううううぁああ!うああああああ!あああああああああああああああああああああ!」
涙が頬を零れ落ちる。本当に今日は泣いてばかりの日だ。
「うううううう……。うう……。あっあっああああぁああ……」
貴族貴族と縋りついているくせに!いざとなったら全然貴族らしい行動なんてとれてないじゃない!いざとなったら人を平気で貶めるようなやつじゃない!
わたしは!わたしは!
912Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:21:20 ID:qkALjnjl
「なんて、卑しいのよ……!」
声も出なくなり、その場にうずくまる。学院から身を隠すように。貴族の中から身を隠すように。世界中から身を隠すように。
そしていつまでそうしていただろう。数十分なのか、数時間なのか判別はできないくらいに何も考えずうずくまっていたらしい。
なんだか、頭がすっきり感じがする。心もそんな感じ。十分気分が晴れたからだろうか?
たぶん、そうなんだと思う。ヨシカゲには悪いけど、さっきまでの自分に対する嫌悪感は薄れていた。でも完全に消えたわけじゃない。
心の片隅にシミのようにこびりついている。でも軽くなったのは確かだ。
立ち上がって手足についた土を払い落す。空はもう暗い。数十分
きっと舞踏会はもう始まっているだろう。もしかしたらもうすぐ終わってしまうかもしれない。でも一応の主役であるわたしがいないと本番が始まらないかもしれない。
よし。準備室に行ってみて、もしまだ間に合うんなら舞踏会に出よう。間に合わないなら、それでもいい。
そう決めわたしはその場から離れ、準備室へ移動した。

「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜〜〜〜り〜〜〜〜〜〜!」
想像していたとおり、舞踏会の準備はすべて整っていて、後はわたしを待つのみだったらしい。ずいぶんと迷惑をかけてしまった。
結構探されていたらしく、先生たちにこっぴどく怒られてしまった。その中でなぜかオールド・オスマンだけは怒らず、心配そうな顔でこちらを見ていた。
オールド・オスマンのお考えはほんとよくわからない。
最後の主役であるわたしがきたことによって、音楽の演奏が始まる。
ホールでは音楽を待ちわびていた人たちが、先に先にと踊り始める。その顔には多少待ちくたびれた顔が見えるが概ね楽しそうに見える。
「わたしと一緒に踊りませんか?」
突然、声を掛けられる。わたしの目の前にいるんだから、当然私を誘っているのだろう。
「いや、私とともに踊ってもらえないでしょうか」
「僕と踊ってもらえるとうれしいです」
一人に声を掛けられると、矢継ぎ早に声を掛けられる。そのほとんどは話したこともない人たちばかりだ。
それらの誘いをすべて丁重に断っていく。今のわたしは踊る余裕なんてない。それに、寄ってくる人たちは不快な人たちばっかりだ。
みんな、なんだかいつもと違う。いつもわたしをバカにしているくせに、興味もないくせに、わたしに声をかけるなんて正気とは思えない。
『みんな下心があるんだわ』
冷静な部分がそう訴える。きっとその通り。この心の声はいつも客観的だ。間違っているはずがない。
誘われるたび誘われるたび断っていくと、誘っても断られると伝わったらしく、誘われることはほとんどなくなった。
それに安心し、バルコニーに出る。中とは違い、とてもゆっくりしていられる。中から流れてくる音楽はその雰囲気にぴったり合っている。
913Shine On You Crazy Diamond:2010/01/01(金) 01:22:19 ID:qkALjnjl
バルコニーの柵に腕を乗せ、体重を預ける。さっきから変わらずわたしの心にある自分への嫌悪感。
これは戒めと考えればいいのかしら?
あれだけ爆発しそうだった嫌悪感は、叫んで泣いて蹲ってしまっているだけで、発散してすっきりしてしまった。
所詮、一時の感情だったのか。性格を変えるまでには至らないのか。価値観を変えるまでに至らないのか。
そんな考えを払拭するための戒め。いつまでもそのことを忘れず、いつか変わるための戒め。
きっと、この嫌悪感が無くなったとき、わたしは変われたんだと自覚できると思う。
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。でも、今はそう信じていよう。
それと、まだ大きな疑問が残っている。それは、客観的に物事を見ている別の自分。そう、まるで別人が心の中に住み着いたみたいに思えてしまう。
もしかしたら、死にかけたことに原因があるかもしれない。
二つに分かれた自分とどう付き合っていくのか、これも大きな疑問よね。でも、この自分がいればわたしは道を踏み外すことはないんじゃないかしら?
物事を主観的と客観的の二つに見えるのなら、二つを重ね合わせればどう外れているかが見えてくる……はず。
でも、自分の醜さや卑しさなんかもさらけ出してしまう。
このままだときっと、付き合っていくのは大変よね

きっとこのフーケの事件があったからこそ、わたしは変われたのよね。つらかったから変われたと信じてる。


914506:2010/01/01(金) 01:23:36 ID:qkALjnjl
以上




あけましたおめでとう
915名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 01:52:19 ID:5H2HiWWU
あけましておめでとう、そして乙。
ルイズの焦りが感じられていいなあ、緊張感があるし。
916名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 02:15:05 ID:Q8UVWF+j
新年一発目にふさわしい滑り出しだぜ!
917仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:30:20 ID:5H2HiWWU
投下します。
918仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:34:09 ID:5H2HiWWU
アニエスの手でリッシュモンが”処刑”された後、達銃士隊はリッシュモンの屋敷に突入し、数々の不正を暴いていった。

リッシュモンの屋敷で働いていた者のうち、不正に関わりがあった者は投獄された。
それ以外の者達は一通りの取り調べを受けた後に、銃士隊によって他の仕事を斡旋され、遠ざけられた。
隠し部屋などは徹底的に調査され、不正によって得たと思しき物品は押収され国庫へと納められた。

また、屋敷の地下には逃走用と思しき通路が造られていた、これに利用価値があると判断したアニエスは屋敷を拠点として利用したいとアンリエッタに進言し受諾された。
それからすぐに、アルビオンからルイズとワルドの二人が戻り、二人もこの館を拠点の一つとして利用する許可を貰っている。

かつては調度品が並べられていた廊下も、今は壁掛け式のランプだけが等間隔に並ぶだけであった、他の貴族がこの有様を見ればそのみすぼらしさに嘆くことだろう。
しかしそれは貴族の価値観、平民が見ればこの屋敷は巨大な調度品だ、大理石で化粧された壁や、紫檀の巨大な柱、廊下に敷かれた絨毯など、すべてが平民の手に届かない物ばかりなのだから。
以前は高名な画家の絵が飾られていた壁にも、銀作りの彫像が並んでいた棚にも、何一つ残っていないが、屋敷で働くメイドがそれを見ても『掃除がし易い』程度の変化でしかない。

その廊下を、一人のメイドがワゴンを押していた、アルビオンからルイズ達が帰還した際に、気を失ったワルドの看護を勤めたメイドで、名をハンナという。
彼女は銃士隊を志したが、年若いだけでなく身体が弱いため訓練に耐えきれなかった。しかし誠実さが認められ銃士隊の下で働いている。
14歳ばかりの少女は、慎重にワゴンを押していた。


◆◆◆◆◆◆



夜のリッシュモン邸で、ルイズとアニエスの二人が顔を合わせていた。
応接間では、ルイズの向かいのソファに座ったが、柔らかいソファは身動きを取りづらいのであまり好きではなさそうだった。
「久しぶりね、アニエス」
「お互いにな『石仮面』。アルビオンはどうだった?だいぶ混乱していると思うが」
「混乱に乗じて上手くやっている連中もいたわよ」
「武器商人と盗賊まがいの傭兵だろう?どこも変わらないな」

魔法学院襲撃の後、アニエスはすぐさま王宮へと向かい、事の顛末を報告した。
生徒を人質に取られる等の失態を犯した以上、任務を外されるのも覚悟していたが、マザリーニ枢機卿を通じて任務を続行するよう指示が下った。
アニエスは分隊を招集し、部隊を再編成して魔法学院へと戻り、生徒への軍事教練と警備任務を続けた。

更に翌日の晩、アニエスはリッシュモンの屋敷を訪ねていた、隠れ住んでいるルイズと情報の交換をするためである。

ルイズは、そもそもが王家の傍流であるヴァリエール公爵の娘であり、社交界へ出ればアンリエッタに最も近づける位置にある。
社交界と、両親の会話の中から、ルイズは貴族の力関係を学んでいた。更に今ではアンリエッタの影武者として王宮内でも特殊な立場を得ている。
聞こえてくるのは、華やかな王宮の光と影であった。

魔法の使えない落ちこぼれとしてのルイズは、貴族の力関係に敏感だとお世辞にも言えなかった。落ちこぼれに向けられる言葉の数々はルイズを傷つけ、いつしか、心の痛みに過敏な反応を示すようになった。
魔法が苦手であっても、貴族らしい知識と行動をすべきだと自分に言い聞かせてきたのは自己を正当化して精神を守ろうとする自己防衛だったのだろう。
しかし吸血鬼と化したルイズは、それら一切の枷が外れる気がした。暗闇の中に光が差し込むような晴れ晴れとした気分だった。
吸血鬼となったルイズは、過敏でもなく、鈍感でもなく、貴族の力関係をありのままに観察できるようになった。

貴族社会の中で生きざるを得ないアニエスとルイズは、上手く立ち回るためにお互いに情報の交換を望んでいたのだ。

「ああ、そうだ、礼を言い忘れていたな。魔法学院から連れ去られた生徒を助けたのは、貴殿だろう」
「アンリエッタから聞いたの?」
「いや、私の憶測だ。その様子からすると事実のようだな」
アニエスが不敵な笑みを向けた、だが、アニエスの予想よりもルイズの表情は優れなかった。
「正直に言えばね…間に合わなかった。もっと早く駆けつけることもできたけど、私が魔法学院に近づくのは危険も伴うわ。だから…やめましょう。何を言っても言い訳になるわね、ごめんなさい」
ごく自然に謝罪されたのに驚き、アニエスは少しばかり狼狽した。
919仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:36:18 ID:5H2HiWWU
「ああ…その、何だ、これについて私から非難はできない。むしろ陰ながら支援してくれただけでもありがたいさ。我々の味方は少ないからな…」
「銃士隊は嫌われてるものねえ…」
「私は『女王陛下の足下をウロチョロするネズミ』だと言われているよ。我々の失態を心待ちにしている者がどれほど居る事やら」
そういってアニエスは笑った。自分たちの行動に自信があっての笑みではなく、アルビオンとの戦争を目前に控えて尚権力にしか興味のない貴族をあざ笑ったのだろう。

「我々銃士隊は、魔法学院での軍事教練を主として派遣されたが、警護をおろそかにして良いという訳ではない。女王陛下は、我々の責任は問わない形で話を進めると仰って下さったが……」
アニエスはため息をつく、生徒達を無事解放できたとはいえ、魔法学院が占拠された事実は覆せない、これは銃士隊の失態として取りざたされるだろう。
しかし、ルイズは笑みを見せた。
「その点は大丈夫よ、実はね、魔法学院に隣接する領地の貴族宛に『魔法学院の警備に力を貸すように…』と書簡を出していたの」
アニエスは、問うような目でルイズを見た。

「それだけじゃないわ、このリッシュモンの屋敷から『国境警備に関する資料』が押収されたことにして、将軍達の危機感を煽ってもらったの、そのすぐ後に魔法学院が襲撃されたわ」
ルイズは、足を組み、背もたれに体を預けた。
「わかる?周辺の警備隊、国境警備隊や近隣貴族は、魔法学院に向かう不審な船に誰も気がつかなかったのよ。そんな彼らじゃ銃士隊の責任なんてとても追及できないわ」
ふふふ、とルイズが笑い声を漏らした。

「ただし、貴女は責任を問われない代わりに、責任を問うことも出来ないわ。争えばお互いが傷つくから、銃士隊と軍が痛み分けをした形でオシマイよ」
話が終わると、アニエスは先ほどよりも少しだけ肩を落としている気がした。

「油断していた自分に腹が立つ…」
ぽつりと、アニエスがつぶやく。
「貴女は最善を尽くしたわよ。それでも油断というのなら、私も…」

(油断していなければ、吸血鬼にはならなかったのかしら)

声にならぬ呟きは、アニエスに聞かれることはなかった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆




ハンナは応接間の前に立つと、緊張した面持ちで応接間の扉を見上げた。
襟を正して、ノックをしようとしたところで「入って良いわよ」と声をかけられた。
ほんの少し驚いたが、気を引き締めて扉を開けると、アニエスと『石仮面』がソファに座っていた。
髪の色を除けば、アニエスと『石仮面』は姉妹にしか見えない、それほど二人は似ていた。
ハンナはワゴンを運び入れてテーブルの上に茶器と菓子を並べていく。

ティーポットから漏れる微かな香りから上等な紅茶だと解る、ルイズは飾り気のないティーポットを見て、口を開いた。
「香しいわね…アルビオンあたりの茶葉かしら。リッシュモンの置き土産?」
「はい。こちらは、お屋敷のお茶類をメイジ様が鑑定した際『アルビオン産の上等な物だ』と仰っていたものです」
屋敷には食料や嗜好品も残されていたが、これらはルイズ達がこの館を使うため、高級な物も回収されずに残っている。ただし食器類は安物しか残されていない。
「そう。注いで頂戴」
「はい」

給仕を終えたハンナが応接間を出ていくと、ルイズが感心したように言った。
「あの娘、よくやってくれるわ。不用意に近づこうともしないし変な詮索もしない、仕事は忠実。とても誠実な娘ね」
石仮面ことルイズが呟くと、小さなテーブルの向こうでアニエスが笑みを浮かべた。
「私が傭兵をしていた頃、トロル鬼から逃げていた彼女を保護したんだ。それ以来色々と世話を焼いてくれる。いい子だよ」
そう言って微笑むアニエスを、ルイズが身を乗り出してじっと見つめた。
「………ふぅん…へえ…」
「何だ」
「いい顔で笑うようになったじゃない」
「…そうか?」
背もたれに身体を預け、足を組むと、ルイズは紅茶に口を付けた。
アニエスは、不思議そうにルイズを見返して、ティーカップを手に取った。
920仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:38:14 ID:5H2HiWWU
しばらくの沈黙の後、ルイズが口を開く。
「ところで…」
「ん?」
「魔法学院が占拠されたのが一昨日の夜で、解放されたのは昨日の朝夜明け近く。そして…貴方が王宮に報告したのは昨日の昼前頃で間違いはないわね?」
「ああ。その通りだ」

頷いたアニエスも、ルイズが嫌に真剣な表情をしているのに気づいた、鋭い視線はアニエスを捉えているが、アニエスではなく別の何かを見定めている気がする。
「『”白炎のメンヌヴィル”率いる傭兵の一団が、アルビオンのフリゲート艦で魔法学院を急襲、生徒が犠牲になった』…この噂はすでに流れているわ」
「なに」
目を見開き驚くアニエスを、真っ正面から見つめ返しつつ、ルイズが紅茶に口を付けた。
「この噂は、一昨日夜にトリスタニアの酒場や宿で流されたと見ているわ。明日の朝には地方貴族の領主にも噂が伝わっているでしょうね…この意味解るわね?」

アニエスは少々乱暴にティーカップを置くと、忌々しげに拳を握りしめた。
「魔法学院に子弟を預けている貴族達は黙っていないだろうな」
「さっきも言ったとおり、貴女たちの責任は問われないだろうけど、矛先は女王陛下とウェールズに向けられるでしょうね」
「噂を流したのは、いったいどんな奴か目星はついているのか?」
「商人風の男だと聞いているわ。昨日からワルドが追ってるから、何か分かったらすぐに知らせるわよ」
「そうしてくれると有り難い。 しかし…」

アニエスは祈るように両手を組んだが、その手には力が、表情には苦々しさが見て取れた。

「ねえアニエス、アルビオンは兵も民も疲弊しているわ。トリステイン・ゲルマニアとの輸出入を封じられたら国力は衰える一方…そんな状況で戦争をするとしたら、貴方はどうする?」
「…アルビオンはハルケギニア最強と呼ばれる艦隊と竜騎士があるな、数で勝るトリステイン・ゲルマニアの戦力を相手するには、防衛戦ぐらいしか思いつかない」

その答えに、ルイズがにやりと笑った。
「ごく一般的で模範的な回答だと思うわ。ウェールズも、今の段階でアルビオンに攻め込むのは難しいわ。アンリエッタも慎重に事を進めようとしている。たぶん…ヴァリエール公爵やも同じ意見でしょうね」
「だが、魔法学院が襲撃された以上、猶予は無い…アルビオンの誘い通りに、罠の中へ飛び込む事になる…そういうことだな?」
「ええ。罠の中に飛び込まざるを得ないの」
話をしつつルイズは、ポットに残った紅茶をカップに注ぎ、二杯目に口を付けた。

ルイズとの間にしばらく沈黙が流れるが、その沈黙を破ったのもアニエスだった。
「…私も傭兵としてメイジを相手にしたことはある、卑怯と言われても仕方のない手をさんざん使ってきた。だが奴らのやり口は私には思いつかない。タガの外れたやり方だ。
なあ、石仮面、奴らは貴族だからかこんな手段ばかりを使うのか?
名誉などという美辞麗句で権力を欲しがる貴族連中はみんなこういう手を思いつくのか?聖地を奪還するために虐殺をしたいのか、何なんだ、奴らは!」

ルイズには、アニエスの不満が至極もっともな事だと思えた。レコン・キスタはタルブ戦で自軍の船を燃やして開戦の名目を作った、また貴族の子女ばかりが残る魔法学院を襲撃し人質に取るなど、トリステインはレコン・キスタの後手に回っている。
いつ来るのか分からない敵、どんな卑怯な手でくるか分からない敵を相手にし続けるのは心理的な負担が大きい。

「落ち着きなさい、今の貴女の反応そのものが彼らの狙いかもしれないわよ」
ルイズの言葉はアニエスを小馬鹿にするような雰囲気を纏っていた。
「…すまない。確かに、そうかもしれない」

気を取り直したアニエスは、さめかけた紅茶を口にした。
ルイズはポットを手に取り自分の紅茶をつぎ足しつつ、話を続けた。

「ほかにも懸念はあるわ。ガリアは中立を表明したけど、元々アルビオンとガリアの間では風石のコストがかかりすぎて、ラ・ロシェールほど頻繁な交易はできなかったわ。でもこれからは違う。
木材に恵まれたアルビオンは軍艦の材料こそ豊富、それを対価に風石をガリアから輸入せざるを得ないでしょうね。」
「ガリアは風石の鉱山を持っていると聞いたが、これを機に一儲けするつもりか」
ルイズはアニエスの言葉に頷いた。
921仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:39:07 ID:5H2HiWWU
「…それだけじゃないわね。ガリアにリッシュモンのような裏切り者や、レコン・キスタに人質を取られた貴族が居たとしたら、もっと大変よ。
既に、ウェールズに取り入ろうとする者もいるわ。彼はまだ賄賂をはね除けているけど、誰かが『ウェールズ派』を名乗り口火を切れば、トリステインは派閥争いで自壊するかもしれない。
後はゲルマニアね。トリステインの兵は、タルブ戦への助力を無視したゲルマニアを心の底で恨んでいるわ。この火種が連合軍という”わら”に燃え移れば………」

アニエスは目を細め、心底いやそうな顔をした。
「あまり想像したく無いが、それも有り得るだろうな。何せ私はよくゲルマニアと比べられる。『貴族を名乗る成り上がり平民』と…なんとまあ、ちぐはぐな国で同盟を結んだものだ」
「時勢って、そういうものでしょ」
「かもな」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


それから間もなくしてアニエスは、魔法学院の警備を続行するため、魔法学院へと戻っていった。

アニエスが去った後、ベッドルームに戻ったルイズがつぶやく。
「お疲れ様。貴方も一緒にお茶すればいいのに」

するとタイル状の模様が入った壁が、扉のように開かれ、ワルドが姿を現した。
「女性が二人で密談していると、入りにくくてな」
「のぞき見は良いの?」
「覗かれるためにあの部屋に居たんだろう?」
「まあね」

ルイズが使った応接間は、覗き穴から監視できるように作られていた。
監視用の部屋は地下の隠し部屋へと通じており、そこにはリッシュモンが残した魔法薬や麻薬などが残されていた。
「帰るのが随分早かったじゃない、噂を流していた男は捕まえたの?」
「三人捕まえたよ。眠らせて地下に転がしてある」
「そう、それじゃ早速尋問しましょ。貴方は明日に備えて休んでいいわ」
ワルドにそう告げて隠し部屋へと降りて行くと、壁はゆっくり閉じられた。

残されたワルドは漆黒の外套を脱ぎ、ベッドの上に腰掛けた、ちらりと机の上を見ると、女王陛下宛に出されたアニエスの報告書が置かれていた。おそらく、アンリエッタからルイズへと渡されたものだろう。
ワルドは何気なくそれを手に取り、中身を読み進めた。

報告書には、魔法学院が襲撃されて生徒達が人質に取られたという事柄と、幾人かの生徒と一人の教師の機転で反撃に転じ、返り討ちにした事について記されている。

さらに読み進めていくと、コルベールという教師は白炎のメンヌヴィルを圧倒する実力者だったらしい。
「………魔法学院のミスタ・コルベールが、『白炎のメンヌヴィル』を圧倒した……コルベールか、あまり聞かない名だが、そんな実力者が潜んでいたとはな」
ワルドは実力のある者が無名であることに驚いたが、すぐにそれが自分の先入観であると気づき、無名の実力者に敬意を向けた。
なぜなら、シュヴァリエを賜ったという『モンモランシー』と、元平民の『シエスタ』が治癒を施したが、ミスタ・コルベールは戦闘の怪我が元で息を引き取ったらしいのだ。

ワルドは、リッシュモンへの復讐をアニエスに譲った。
センチになったからではない、ワルドはワルドなりの考えがあったのだ。

ルイズの力で蘇った母を見て、死人が蘇るおぞましさを目の当たりにしたワルドは、リッシュモンへの怒りだけでなく、今まで自分が何をしてきたのかという絶望も感じていた。
しかし、それはルイズという『あこがれ』が全てを変えてしまった。
激しい怒りでも、深い悲しみでもない、死への納得……『リッシュモンを殺して死ぬのも悪くない』『ルイズのために死ぬのも悪くない』という、死への納得を得ていた。

「敵討ちを済ませたは良いが…おまえの魂は決着がつくのか?アニエスよ」

ワルドはパチンと指を鳴らし、マジックアイテムであるランプを消す。
暗くなった部屋で、カーテンの隙間から差し込む月明かりがやけにはっきりと見えている、斜めに差し込む光は、自分には上ることの出来ない、天国への階段のようだと思った。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆
922仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:40:11 ID:5H2HiWWU

あの日、ダングルテール。
海に面したトリステイン北西部の村々は、赤く燃えていた。

アニエスがまだ三歳の頃、浜辺で貝殻を拾っていたアニエスは、一人の女性が倒れているのを発見した。
指に輝く、赤いルビーの指輪が強く印象に残っている。

アニエスは恐る恐るその指輪に触れた、すると女性は目を覚まし、かすれたような声でこう問いかけたのだ。
「……ここは…?」
「ダ、ダングルテール」
そうアニエスが答えると、女性は満足そうに頷いた。
ぐったりとしている女性を見捨てておけなかったのか、アニエスは急いで村に戻り『浜辺に倒れている人がいる』と村人達に告げたのだ。

女性は瀕死の重傷を負っていたが、村人の手厚い看護によって一命を取り留めた。
ヴィットーリアと名乗るその女性は、貴族でありながら旧来のブリミルと貴族を中心とする教えから身を遠ざけ、平民の間で『新教徒』と呼ばれる実践的教義を信仰し生きようとしたらしい。
ロマリアに住んでいたが、いつしか新教徒への弾圧が激しくなり、なんとか逃げてきたと語った。



それから一月の後、トリステイン軍のある部隊が、ダングルテールへとやってきた。

村人達のほとんどは、悲鳴を上げることすらできずに火にまかれ命を落とした。
軍隊は問答無用で村を焼き払った、念入りに、確実に全てを焼き尽くしていった。

自分が生まれ、育った家は一瞬で炎に包まれた。
家族もまた、炎の中に消え、アニエスは自分が死ぬということを直感的に悟った。
アニエスは必死で炎の中を逃げ惑い、ヴィットーリアが隠れている家へと逃げ込んだ。
その時ヴィットーリアは、アニエスを抱きかかえ布団の中へと放り込む、するとすぐに男たちの声が聞こえた。

「ロマリアの女がいたぞ」

野太い男の声、続いて聞こえる呪文の詠唱。
アニエスがひっ、と怯えた瞬間に、ヴィットーリアが炎に包まれた。

薄れ行く意識の中、アニエスはヴィットーリアの水魔法が自分を包み込んでいるのだと、何となく理解できた。
炎からアニエスを守ろうと、自分の身を顧みず、身体を真っ黒に焦がしながらも詠唱を続けていた。



……そして、アニエスは目を覚ました。
毛布から顔を出すと、そこは浜辺だった。遠くの空が赤く揺らめいていた。すぐにそれが炎に包まれた村の明かりだと気づく。

どうして自分だけが浜辺に居るのか解らず、辺りを見回すと、途切れ描けた意識の中で見えたヴィットーリアの最期と、誰かに背負われていた記憶が蘇る。

自分を背負っていた『誰か』は、首筋に火傷を負っていた。
首の後ろから肩にかけての、引きつったような火傷の痕は、アニエスの脳裏に深く深く刻み込まれた。

火傷痕を持つ男は、手に杖を持っていたはずだ、つまり、その杖で村を焼き尽くしたのだろう。その男が魔法で村を、人を、両親を、すべてを焼き尽くしたのだろう。

あれから二十年の月日が過ぎたが、火傷痕の記憶は決して薄れる事がない、だから、見間違えるはずもない。



魔法学院を襲撃したメイジの一団を撃退し、中庭へと走り出たアニエス。
彼女は、倒たメンヌヴィルを冷たい目で見下ろす男の首筋に、コルベールの首筋に、見間違えるはずもない火傷の痕を認めていた。


◆◆◆◆◆◆
923仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:41:31 ID:5H2HiWWU
アニエスは全身を粟立たせ、怒りと喜びとに震えていた。
「貴様が……、貴様が魔法研究所(アカデミー)実験小隊の隊長か」
その問いにコルベールが頷く。
「応急の書庫では貴様のページだけが破られていた、リッシュモンがやったのかと思ったが…貴様がやったのか?」
「そうだ」

アニエスは無言で剣を抜き、コルベールに突きつける。
「教えてやろう。わたしはダングルテールの生き残りだ」
「……そうか」
「なぜ我が故郷を滅ぼした?答えろ」

コルベールは俯くと、静かに、しかしハッキリと答えた。
「……命令だった。疫病が発生したと告げられたんだ」
「疫病か…貴様、もう知っているのだろう。 疫病など嘘だったと、いつ気が付いた、最初から知っていたのか」

「焼かねば被害が広がる。そのように告げられた私は、仕方なくすべてを焼いた…。だが、部下の一人はロマリアの女を確実に殺すよう言いくるめられていたのだ、それを不審に思った私は、部下を問いただした」
「部下の責任にするつもりか?貴様は何も気が付かなかったと言うのか?」
「いや、火を放ったのは私だ。疫病が漏れぬよう作戦を決めたのも私だ。あの作戦が…要は新教徒狩り≠セったと知ったのは後の事だ。
わたしは毎日罪の意識にさいなまれていた…。先ほどメンヌヴィルの言ったままの事を私がやったのだ、女も子供も見境なくすべてを焼きた。
許されることではない。忘れた事もただの一度もない、忘れようはずがない…それで私は軍を止め、身元を隠すために部隊の名簿を破いた。
二度と炎を……、破壊のためには使うまいと誓って、間違った使い方をさせたくはなくて、魔法学院の教師になることを選んだのだ」

なんとなく…なんとなくだが、アニエスは『嘘はついてない』と感じていた。コルベールという男は本気で罪の意識に苛まれていたのだろう。
それが嫌だ。
何が嫌かと説明する事はできないが、とにかく、嫌だった。

「……それで、貴様が手にかけた人が帰ってくると思うのか?」
コルベールは首を横に振った。
「…私が何をしても罪が消えるとは思っていない、ただ、あの時の子供が、私を殺しに来るのなら、それでいいと思っていた」

「ふざけるな」
アニエスは得体の知れない苛立ちが身体を駆けめぐったのを感じ、氷のように冷たい怒気を放った。
リッシュモンを殺した時に感じたのはただの虚しさだった、それと同じ虚しさを目の前の男から感じるのだ。
ワルドがとどめをアニエスに譲ったとき、『こんなものか』という感想が頭に思い浮かんだのだ。
目の前の男からも、その時と同じ雰囲気が感じられてしまう、それが気に入らない。

しかしコルベールは杖を手にしている、戦う気があるのだ、生きるのを諦めていないはずだ。そうでなければ殺し甲斐がないではないか。

おもむろにコルベールが膝をついた、メンヌヴィルの首に指を当て、何かを確認している。
「何をしている」
「脈を取ったんだ、生きているかもしれないからな」
「自分で殺したのに、今更脈を取るのか?」
アニエスが訝しげな視線を向けると、コルベールは立ち上がり、杖を放り投げた。

「敵は居ないようだ、私を殺すのなら、いつでも構わない」

苛立つ。

「…ふざけるな」
はらわたが煮えくりかえる。

「ふざけるな!」
何が不満なのか自分でも理解できない。

コルベールはそんなアニエスを見て、こう呟いた。
「やりたまえ、君にはその権利がある」
その言葉がいつかのウェールズと重なった。瞬間、アニエスの怒りが頂点に達する。
「ふざけるなあ!!」
924仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:42:25 ID:5H2HiWWU
アニエスが全力を叩きつけるために剣を振り上げた、確実に殺すのなら突き殺したはずだが、苛立ちが彼女の冷静さを奪っていた。
だから、シエスタが間に合った。

「やめて!」
ズシャッ!という変な音と手応えが、アニエスの頭を冷やした。
頭を真っ二つに割るつもりで振り下ろした剣は、布に遮られて狙いを外した。
シエスタの持っていた布は自分の怪我に当てていた布で、血に塗れている、血は波紋を伝え、布を木材よりも堅く石よりも柔らかい『こん棒』へと変化させていた。
「邪魔をするな!」

邪魔者ごと着るつもりで逆袈裟に切り払うが、シエスタは棒状に変化した布で剣の軌道を逸らした。
その時、アニエスの手に不快感があった、シエスタの波紋が手を痺れさせたのだ。
咄嗟に距離を取り、剣の柄を握りしめて感触を確かめる、握力が失われていないと判断しもう一度剣を構えた。
「もうやめてください!コルベール先生は私たちを助けてくれたじゃないですか!」
「何も知らない奴が、邪魔をするな!そいつは村を、私の故郷を焼きすべてを奪った、そいつを殺すために私は二十年耐えてきたんだ!」

アニエス剣は、はっきりとシエスタに向けられた。邪魔をするならお前も殺すと目が語っている。
シエスタは故郷を焼き払ったという言葉に、思わず瞳孔が開いた気がした。だが、逃げようとはしない。
「…いいえ引きません。貴方の仇であっても、私たちを助けようとしてくれたんです、殺させたくありません!」
シエスタが叫んだ。

「よしなさい。私の事はいいんだ」
コルベールはシエスタの肩に手を置き、呟いた。
「でも…」
「いいんだよ」
シエスタを押しのけて、コルベールはアニエスの前に立った。
「……………」
無言のまま、コルベールはアニエスを見、アニエスはコルベールを見つめる、だがアニエスの目はどこか揺れていた。
仇を討つ、仇を討つ、仇を討つ、そう自分に言い聞かせて剣を握る。

『オレは……貴様のような腑抜けを、二十年以上も追ってきたのか……、貴様のような、能なしを!許せぬ!』
アニエスには聞こえなかったはずの、メンヌヴィルの言葉が聞こえた気がした。
自分でも気が付いている、自分はメンヌヴィルと同じだと、敵討ちのために戦い続け、シュヴァリエの立場を得るまでになったが、本質は強大な敵を討ち果たす事に充足を感じていた。

死ぬのが当然だと思っている相手を殺す程、むなしいことはない。


だが、それでも、かたきはうたねばならない


「……ッ!」
アニエスは剣を振り上げた、今度こそコルベールを一刀両断し復讐を終わらせるために。「いかん!」
コルベールが叫ぶ、本塔の脇に見えた人影から、魔法の矢が放たれるのに気が付いたからだ。
アニエスの懐に入りつつ、コルベールは身体を捻ってアニエスの身体をはじく、アニエスは体勢を崩されたが、なんとか踏みとどまってコルベールの背中に一太刀を入れた。
次の瞬間、ドバッ、という音と共に赤い血しぶきが、霧のように舞う。
「先生!」
シエスタがコルベールに近づく、コルベールは背中だけでなく胸から大量の血を流していた。崩れ落ちたコルベールへすぐさま波紋を流していく。

アニエスは、コルベールの負傷に驚きつつも、本塔の近くに目を懲らした。
傭兵のメイジと思しき男が、杖を握りしめてうつぶせに倒れている。
数回、赤く染まったコルベールの身体と、倒れているメイジを見比べて、ようやく理解した。


自分は今、この男に庇われたのだ。

昔と同じように。


それから、本塔の中で治癒を続けていたモンモランシーがこちらへと走ってきた、コルベールの怪我に気づいたモンモランシーは必死になって呪文を唱え、治癒を施していく。
治癒の苦手なキュルケも追いつき、コルベールの顔を覗き込んでいた。
925仮面のルイズ:2010/01/01(金) 09:43:21 ID:5H2HiWWU
アニエスは、わなわなと頬を震わせながら、横たわるコルベールを切り裂こうと剣を向けた。
しかし、キュルケがコルベールをかばうようにして覆い被さった。人を小馬鹿にするような笑みは消えて、どこまでも真剣な表情で、キュルケが叫んだ。
「お願い、やめて!」
「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!」
緊張で、すべてが凍り付きそうな時が流れた。

だが、モンモランシーが杖を下ろした事でその緊張は解かれた。
「モンモランシーさん!」
「……無理よ……もう…先生は…」

アニエスの手から力が抜け、剣はカラン、カランと音を立てて地面に落ちた。

皆が言葉を失う中、アニエスははっとして剣を拾い上げ、何も言わずに本塔へと戻っていった。

シエスタは、その後ろ姿を見送りながら、胸を痛めていた。



◆◆◆◆◆◆



本塔・学院長室。
傭兵を排除した後、オールド・オスマンは学院長室へと駆け上がっていった。
杖は寝室に置かれているので、走って階段を上がらなければならなかったが、波紋の効果により若者と変わらぬ勢いで走っていられる。
オスマンは学院長室に保管してある、予備の『水の秘薬』を水メイジに渡し、怪我人の治療に使わせるつもりだった。

学院長室にたどり着いたオスマンは、部屋を見渡して窓が一枚割られているのに気が付いた。
しかも、破片がほとんど落ちていない事から、外からではなく中から割られていると解る。

オスマンは机の中に隠されている秘薬を探そうと、自分の机を見た。
引き出しの鍵は壊され、中には物色された痕がある。
だが、不思議な事に金品や秘薬には手を付けられていなかった。

しかし、あるはずの大事なモノが、そこから抜き取られていた。
「…ない。無いぞ、奴ら、これの存在を知っていたのか!」


オールド・オスマンの机から奪われたのは、波紋の伝承書としてオスマンが記した『太陽の書』であった。


++++++++++++++++
今回はここまでです。
926名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 10:25:43 ID:yPJGCN5N
うおおおおおおおおおおおおお
仮面きたあああああああ
乙です!
927名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 10:34:19 ID:Q8UVWF+j
す、既に…既にだったんだ……既にこのスレは、『スタンド攻撃』を受けていたんだッ!
うおおォォーーーッ!やつに乙を言わせるなァァーーーーッ!!
928名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 11:47:41 ID:+VdBx0n/
正月元旦の朝に新しいパンツに履き替えたときのような爽やかな気分で乙
929名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 13:00:57 ID:k4RIhDhS
>>914
しかしルイズ視点から読むと吉良のヤバさがよく分かるのは何故だろう?
吉良視点だと、まあ吉良ならしょうがないよなと疑問に思わなかったが

>>925
>オールド・オスマンの机から奪われたのは、波紋の伝承書としてオスマンが記した『太陽の書』であった。
ルイズ対策かなと思うが、しかし素質のある人間がいないと役に立ちそうに思えるな
930名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 13:15:09 ID:+VdBx0n/
さて帰省を利用して未読の長編を読む作業をはじめるか
931使空高 代理:2010/01/01(金) 16:48:05 ID:NvdrA7E0
一章十五節〜使い魔は空を見る 土くれは壁を見る〜

「全員、杖を遠くに投げなさい」
 フーケの命令に、ルイズらはしぶる様子を見せた。
 貴族、メイジといっても、杖なしではただの人間である。いま杖を捨てるということは、唯一の対
抗手段を奪われるということだった。しかし『破壊の杖』を向けられていたのでは、結局どの道もな
い。皆大人しく杖を投げた。
 それを見届けると、フーケは懐から杖を取り出して振った。するとひとの背丈ほどもある、さきほ
どのゴーレムを思わせるような土で出来た腕があらわれる。腕は地を滑るような気味の悪い動きをす
ると、ルイズたちの杖を掴み取って操り主の足元まで運んだ。わざわざそんなことまでするあたり、
フーケも用心は怠っていないらしい。
「あんたも、その折れた剣を投げるのよ」
 リキエルにも声がかかった。フーケにしてみれば、自慢のゴーレムの攻めをことごとく避けられ、
挙句には受け止めまでされたのだから、当然といえばそうかも知れない。
 ここでもリキエルは、まるで自失した人間のように口を半開きにして空を眺めていたが、やがて緩
慢に視線を移して、手の中の剣の柄を見た。それから、これものんびりとした動きでフーケを見、瞬
きふたつ分ほどの間が経ってから、その足元めがけて無造作に柄を放り投げた。
 それから間もなく、リキエルの左手が輝きを失った。全身の傷の痛みが戻って来て、ひどい苦しみ
があるはずだが、リキエルはそれをおくびにも出さなかった。悠然ともいえる態度で、フーケを見返
している。
 その視線を不気味に思ったか、フーケは一瞬リキエルから目を外したが、自身の有利を思い直した
ようにまた強い目を向けた。
「この、嘘つきッ」
「いったいどうして!」
 少しでも時間を稼ごうという算段なのか、それとも単純に怒りがそうさせたものか、キュルケとル
イズが前後して叫んだ。
 それを受けたフーケは、小馬鹿にしたように鼻を鳴らすと、動じる様子もなく淡淡と言った。
「義理はないけど、まあいいわ。教えてあげる。私ね、この『破壊の杖』を奪ったのはいいけれど、
使い方がわからなかったのよ。でも、わからなければひとに聞けばいいだけなのよね」
「学院関係者なら、それを知ってるだろうって?」
「そうよ。まさかあなたたちみたいな学生が出張るとは思わなかったし、あまり期待もしていなかっ
たけど、たまたま偶然、アタリを引いたみたいでよかったわ」
「……わたしたちの誰も、知らなかったらどうするつもりだったの?」
 眉をひそめながら、ルイズが聞いた。
「そのときは、全員ゴーレムで踏み潰して、次の連中を連れて来るだけよ。いい考えでしょ」
 ま、その手間もこうして省けたわけだけど。フーケは酷薄に笑って、あらためてルイズ達に見せつ
けるように、『破壊の杖』を乗せた肩を揺すった。
「さ、質問タイムはもう終わり。そろそろお別れのお時間かしらね。全員、もう少し後ろに下がって
ちょうだい。こんなに近くで使うと、私まで巻き込まれてしまうわ」
 なら自分が下がればいい。顔にそう書きながらも、ルイズたちはフーケの言いなりになって後退し
はじめた。せめてもの抵抗というように、ひどく遅遅とした動きであった。
 タバサなどはここに来てもフーケの隙をうかがって、反撃の糸口を探る様子だったが、賊もさる者
で、喋っている間もそういったほころびを微塵も見せなかった。どうやら本当にお手上げである。
 しかしそんな中で、やはり様子の違うやつがひとりいた。むろんリキエルである。こんなときだと
いうのに、顔色ひとつ指一本たりとも動かさず、奇怪なほどの落ち着きを見せる姿は、体を這う蟻を
気にしない牛といった風情である。あるいは純然たる馬鹿野郎にも見えなくはなかった。
932名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:48:54 ID:NvdrA7E0
「リキエル、あんたはずいぶんと落ち着いてるのね」
 揶揄するようにフーケが言うのに、リキエルは少し首を傾けた。
「存外に勇気があるのかしら」
「さあなァ。それほどでもねーと思うがな、自分では。ただ、必要ないと思ってはいるな。お前の言
うことに唯々諾々と従う必要はな」
「この状況がわかってないわけじゃないわよね」
「ちゃあんと、わかってるぜ。たぶんこの場にいる誰よりもなぁああ」
 リキエルは腰に手を当て、挑むような口調で言った。口は笑っている。皮肉っぽさはなく、代わり
にぎらぎらするようなものがあらわれていた。
 対してフーケは、つかの間目を細めたものの、こちらも艶の乗った笑顔で返した。
 ルイズたち三人は、ほとんど蚊帳の外といった体だった。特にルイズはまだ混乱が収まっていない
ようで、まったくもってちんぷんかんぷんという顔をしている。他のふたりが厳しい顔で成り行きを
見守るのと対照して、どこか間の抜けた顔で、フーケとリキエルとの間に視線を彷徨わせるばかりで
ある。
 フーケが言った。
「そうでしょうね。……そしてそんな余裕のあんたは、いまこう思ってるんじゃないかしら。『こいつ
には破壊の杖が使えない』なんてふうにね」
「……ムッ」
 リキエルは笑みを消して、射るような視線をフーケに向けた。
 肩から『破壊の杖』を下ろしながら、フーケは続けた。
「あまり、私を甘く見ないで欲しいわね。この『破壊の杖』を最初に手に取ったとき、見た目や感触
より全然軽いんで驚いたわ。でもね、いまこうして持った感覚は、それよりまた少し軽い。これはど
ういうことなのかしら」
「…………」
「さっき、あんたがわたしのゴーレムを吹き飛ばすのを見ていて、ひとつ気づいたことがあったわ。
ゴーレムに向かって飛んで行ったものは、あれは魔法とかじゃないわね?」
 聞くというより、確かめる口調でフーケは言った。もう種は明けているとでも言うような、不敵な
物言いである。リキエルが驚いたように軽く目を見張っているために、フーケはごく上機嫌なようで
もあった。
「それを併せて考えてみたらね、わかったのよ。威力は二段も三段も違うけど、この『破壊の杖』は、
きっと平民の使う銃みたいなものなんでしょう。しち面倒に弾を仕込まなきゃならない、あの銃」
「いや、本当に……甘く見ていたぜ」
 仏頂面でそれまで黙っていたリキエルが、唐突に言った。
「その通りだ、確かに一発。そいつが撃てるのはそれだけなんだと」
「何よりあんたの態度が腑に落ちなかったわ。こんな物騒なもの向けられてるのに、あんたは顔色ひ
とつ変えなかったわね。欠点を知ってたら、怖いわけもないわ」
「鉄くずと同じだからなァ、銃と違ってよォ〜〜。怖くもなんともねーってのは、その通りだな」
 フーケは渋い顔をした。薄々気付いてはいたが、改めて手に入れた宝がゴミになっていると言われ、
気落ちを抑えられなかったようである。
「ええと、なんだっけな。いま思い出したんだが、そういや最近なんかで見たんだ。いや、読んだん
だっけ? 確か、ずいぶん昔から使われてる兵器とかで――」
 失望のまま軽くため息をつきながら、フーケは胸のうちに、もやもやと腑に落ちないものを感じて
いた。さっきから、リキエルがやたらとよくしゃべっている。
 フーケはいま、自分はリキエルよりも一段上にいると思っている。『破壊の杖』が使えないのを看破
したことで、裏の裏をかいたと確信している。念を入れて、小娘たちの杖もリキエルの剣も奪ってあ
るわけだから、実質的な立ち位置から何から、たしかにすべて上と言ってよかった。
「Mなんとかかんとかって名前でよお、使い捨て目的で製造されたんだと。……どうしてだろうな、
使い捨てとか聞くとよォォォオ、無性に勿体なく思えてくるぜ。貧乏性なのか?」
933名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:49:49 ID:NvdrA7E0
 だがリキエルは、まったく焦りを見せていなかった。『破壊の杖』のことを言っても、多少驚いた様
子を見せはしたが、ことさら動じたふうではない。そしてまた、観念したようでもない。
「そうだ、M72 LA……W軽ロケットランチャーだ。所詮は付け焼刃だしなァ、抜け落ちて行ってる
ようだぜ、脳みそから。正直なところ、どうでもいいことだしなァ〜〜」
「ちょっとリキエル! さっきからなんの話してるのよ!」
「ルイズゥ〜、……ひとの薀蓄は黙って聞くものだぜ、どんなにうざったらしくてもな。そうしてや
るのが、人間の優しさってものだぜ」
 また、たまりかねたというように怒鳴ったルイズに、リキエルは肩をすくめて、いなすような口を
きいた。場の逼迫した空気から、このふたりだけが奇妙にズレている。
「と言うよりもだな、お前には緊張感ってものがないのか? 見ろよ、キュルケにタバサを」
「あんたってばッ! 緊張感ですって? どの口がそれを言うのよ!」
「落ち着けってよオオ――ォ。それなら、倒すか? そろそろ捕まえるんだな? これからこの、『土
くれ』のフーケをよおおお」
 耳を疑ったのはフーケである。そして彼女は次に、リキエルの正気を疑った。
『破壊の杖』が役に立たなくとも、依然フーケには魔法がある。対してリキエルは丸腰であって、た
めに使い魔の能力がなく、まして軽くない負傷までしているのだから、いまはただの人間以下と言え
た。よしんばフーケに魔法がなくとも、勝てる見込みは薄い。ひっくり返しようがない。それにつけ
ても、リキエルの自信に満ちた言動は異様だった。
「聞き捨てならないわね。あんたは満身創痍じゃないの。まして武器も持たずに、どうやって私を捕
まえるって……倒すって言うのかしら」
 鋭くフーケが言った。声には苛立った響きがある。
 ルイズとどこか滑稽なやりとりをするリキエルだったが、再びフーケと向き合ったときには、その
弛緩した感じは消えていた。
 リキエルは、フーケに向かって軽く指さした。
「オレにはいま、奇妙なことだが……『確信』がある。お前が魔法を使う前に、杖を落とせるという
『確信』だ。得意科目のテストを受けるときのように、出来て当然だという感覚があるのだッ。……
お前は自らの手で、その杖を落とすことになるだろうッ!」
 だらりと両腕を下げると、リキエルは無造作に歩き出した。大した意気も見られない動きだったが、
フーケはわずかに飛びのくように足を引いて、杖を構え直した。リキエルは意に介さない。ただ視線
だけを、まっすぐにフーケの手元に向けている。初めのうちはそれなりに開いていた距離が、見る間
に縮まって行く。
 末広がりの厚い雲がゆったりと流れて来て、その端が傾きを大きくしはじめた日にかかり、一帯に
濃い影を落とした。影はすぐに過ぎて行って、またさらりとした春の陽射しが地面に降り注いだ。既
にリキエル、フーケのどちらもが、相手の間合いに誤魔化しようもないほど入り込んでいる。
 追い詰められたような形で、フーケは杖を振り上げた。と、胸元まで引き上げたところでその動き
が唐突に止まった。ルイズたちは、何事かというように半端な格好で固まってしまったフーケを注視
したが、フーケ自身、なぜ腕が止まったのかわからないような、唖然とした顔になっている。
「一本!」
 そう呟きながら、リキエルが右手の人差し指を伸ばした。すると何がどうなったのか、まるで歯車
の噛み合った機械どうしのように、フーケの右人差し指が同じようにまっすぐに伸びる。
「えッ」
「あ…ゼロ本……。あ…ゼロ本」
 言葉に合わせて、リキエルは拳を握りこんだり、考え直したように開いたりする。フーケの拳も、
またそれと同じに動いた。小振りな杖が、その手からあっけなく滑り落ちた。
 意に沿わない動きをする自分の指に、息を詰めて瞠目するフーケだったが、つぎの動きは素早かっ
た。大きく跳びすさってしゃがみ込むと、左手にいくつか小石を握りこんで、リキエルに投げつける。
934名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:50:33 ID:NvdrA7E0
 フーケは、それでリキエルをどうにかしようなどとは思っていなかった。何がどうなっているのか
は見当もつけられないが、どうやらまずい状況になりつつあるのを理解しているだけである。ともか
くいまは、リキエルから離れなければならない。注意を逸らさなければならない。ただそれだけを考
えていた。
 小石たりとはいえ、半ば力任せに投げられたものだから、その速さはなかなか避けられるものでは
ない。そういうものが五、六個ほどまとめて、リキエルめがけて思い切りよく飛ぶ。そのうちでも一
番大きな礫は、まさにその顔面を襲おうとしていた。
 リキエルを除いた四人が、いよいよ目を見張ったのはそのときである。リキエルの鼻柱に叩きつけ
られるかに見えた小石が、急に軌道を変えて、あらぬ方向へと吹っ飛んで行ったのだ。風に巻かれて
というような動きでは――そもそもから大風もない小春日和である――なかった。石はリキエルを避
けるように、不自然な反発を見せたのである。
 この奇怪な現象に際しても、リキエルは指一本動かさないどころか、小揺るぎもしない。目の奥に
灯火して、ほとんど無思慮に見える格好のまま、前に前にと出て行くばかりである。
 他方フーケは、立て続けに起きる奇妙を目の当たりにし、転がるように優勢の体を失って、いまや
頬を赤く染めて額に汗している。目はせわしなく動いた。右へ左へ、リキエルの顔へ、ルイズらの方
へ、またリキエルの顔へ。なんでもいい。状況を打開するものを探した。
「やめたほうがいいな、それは。逃げようってのはな」
 静かにリキエルが言った。
「もう一度、杖をとってみるか? お前の方が杖には近いからな。オレがお前にたどり着くのより、
多分だが、お前の方が早いだろう。やってみなよ。オレは足を怪我してもいるしな」
「…………」
「だが無駄になる。きっとだ。大人しくしたほうがいいな、水の中のスッポンみたいにだ」
 フーケは一瞬身体を震わせたが、すぐに意を決したように、自分の杖に飛びついた。どうせ一八の
賭けである。残された道はなかった。
 そしてそれは、リキエルの言ったように実を結ばなかった。つぎに地面を踏んだとき、フーケの足
首から先は、これもどういったわけかは知れないが、痺れたように力が伝わらなくなっている。重
心の置き所を見失ったフーケの身体は、見えない力に抑え込まれたように前のめった。
 なんとか踏みとどまって顔を上げたフーケの視線の先に、剣の柄を拾うリキエルの姿があった。
「いらないだろうと思ったんだが、やっぱりよぉ、あんまりちゃんと動けなかったな。これを手放し
てしまってはな。時にフーケ、腹の中に子供なんかいないよな? お前いま、妊娠しているか?」
 一瞬、フーケは言葉を失った。言われた内容が唐突に過ぎて、呆気に取られている。
「どうなんだ? ン? 妊娠、懐胎、出来ちゃってるのか?」
「何よ、その質問は。この期に及んでハラスメント? 舐めくさってくれて!」
「ちょっとした確認をしているのだ。オレはいまから、『土くれ』のフーケ、お前の腹を殴って昏倒さ
せるつもりでいる。もし胎児がいるのを知らずにそんなことをしてしまえばだ、それはすごく心苦し
いことだからな」
 フーケはからかわれているのかと思った。しかしリキエルの顔を見れば、ふざけているようでもな
かった。他意がないことは、それもおかしなことだが、わかった。
 肩口から、力が抜けていくようだった。
「……身重で泥棒が務まるもんか。それにわたしは、こう見えて身持ちは固いのよ」
 あまり抑揚のない声で、フーケは言った。
「そうか。なら問題ないな」
「ええ、ひと思いにやってほしいわね」
「その前にだ。悪いんだがな、もうひとつ聞いておきたいことがある。これもオレにとっては重要な
ことだ。質問させてもらうぜ」
935名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:51:24 ID:NvdrA7E0
「もうこっちは腹を決めてるってのに。まあいいわ。で、何かしら」
 リキエルは無造作にフーケに近寄り、つかの間、世間話のように言葉を交わした。距離があって、
ルイズたちにはその会話は聞き取れなかった。
 やがてリキエルは、得心したように頷いた。そしてまた二言三言すると、やおら息を詰めて、フー
ケの腹に剣の柄を打ち込んだ。声もなく、フーケの全身から力が失われた。

◆ ◆ ◆

「盗人を、捕らえてみれば、美人秘書、だったのじゃな。ミス・ロングビル、彼女がのう」
 いかめしい顔で、オスマン氏は言った。横にはコルベールがいて、前にはルイズ以下、フーケ討伐
から帰った四人の顔が並んでいる。
 オスマン氏は、さりげなくリキエルの方に目をやった。三人娘がけろりとしている一方で、リキエ
ルだけはいくつもの手傷を負っている。応急処置はきちと済ませてあるようだが、それでも見過ごし
出来ない傷は多い。無茶をしたらしいのと、オスマン氏は心うちで唸った。
 実際、フーケを倒した後にリキエルが立っていられたのは、ひとえに使い魔の能力によるところで
あった。そしてそれがありながらも、勝利に沸いたルイズらが抱きついた途端に、その身体は朽木の
ように傾いだのである。
 馬車を繋いだところまで戻ってきたときには、リキエルは隠れもなく身体をがたつかせていた。そ
れを見かねたタバサによる『水』の魔法で、一応の処置がなされたのであった。ちなみに、昏倒した
フーケを手際よく縛り上げたのもタバサである。
 そのフーケは、今は学院の門脇に設けられた詰め所に押し込められている。明日の昼か、早ければ
朝のうちに、王宮の魔法衛士に引き渡されることになっている。
 目線を宙に放って、髭をなぜながら、オスマン氏は先の言葉に繋げて言った。
「なんの疑いもせずに秘書にしてしまったが……ふむ」
「いったい、どこで採用したのですか?」
「んん。彼女と出会ったのは、そう、街の居酒屋じゃった」
 コルベールが聞くのに、オスマン氏は目を細めて応じた。
「は、居酒屋?」
「私は客で、彼女は給仕をしておったのだが、ついついこの手がお尻を撫でてしまってな」
 そのときのことを思い出して、威厳を保つのも忘れてだらしなく鼻の下をのばすオスマン氏に、コ
ルベールは冷たい目を向けた。
「で?」
「それでも怒らないので、秘書にならないかと、言ってしまった」
「すみません、学院長。よく飲み込めませんで、いま少し詳しくお願いします」
「いやあ彼女、美人じゃったし、おまけに魔法も使えるというもんでな。で、採用」
 呆れた話だった。身辺怪しからずや否やの調べもなしに、ろくに話したこともない人間を酔った勢
いで秘書になどとは、学院の長を担う身にあってあるまじき失態といえた。それまで相槌をうってい
たコルベールも、聞いて損したというように顔をしかめている。
 はっきりと軽蔑した口調で、コルベールは吐き捨てた。
「話はわかりました。オールド・オスマン、さしあたって死んだほうがいいのでは?」
「そう怒らんでもよかろう。それに、そうじゃ。今になって思うに、あれも学院に潜り込むためのフ
ーケの手じゃった。愛想を振りまき、世辞を言い、媚を売って来る。しかも、尻を触ってもけろりと
して、いやむしろ照れたように微笑んどった。いや、もう、老い先短い耄碌ジジイを騙すのには十分
じゃろ? あ、こりゃ惚れてる? とか思っても仕方なかろ?」
936名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:52:07 ID:NvdrA7E0
「耄碌しきる前にさっさと辞職しては?」
「そう冷たい目で見てくれるなよ、コルトパイソン君。私は悲しい。それに君も男ならわかるじゃろ
う? 美人というものは、ただそれだけでいけない魔法なのじゃ。な、そうじゃろうッ! カァーッ!」
「異論はありませんが聞く耳も持ちません。それと私はコルベールです。いやさ、そんなことよりオ
ールド・オスマン。そろそろ話を戻しましょう」
 言ってコルベールは、ルイズたちを示した。そちらに向き直ったオスマン氏は、憤まんや呆れ、軽
蔑に満ちた四つの顔にぶつかった。
 沈黙して二、三度髭をいじると、オスマン氏は次第にいかめしい面構えに戻って行った。十秒前の
醜態は、幻にでもするつもりらしい。
「さてさて、よくも『破壊の杖』を取り戻してくれたの、諸君。ならびに盗賊フーケの捕縛、まこと
にご苦労じゃった。ありがとうの、めでたく一件落着じゃ」
 オスマン氏はもう一度、ありがとうと言った。リキエル以外の三人は、それだけでさっきとうって
変わって明るい顔を見せ、頭を下げた。ルイズなどは感極まったように顔を赤くして、口元を震わせ
ている。
 そんな彼女たちを見てオスマン氏は微笑んだ。それから、いま思い出したといったふうに、ルイズ
とキュルケに対する『シュヴァリエ』の爵位申請を、既に同位を持つタバサへは『精霊勲章』の授与
申請を、それぞれ宮廷に申し入れした旨を話した。ルイズらはよりいっそうの喜びに顔を輝かせた。
 ――甲斐があったな、この様子なら。
 それまでつまらなそうに突っ立っていたリキエルも、オスマン氏のように微かに笑った。喜びに沸
く彼女たちを、特にルイズを眺めていると、全身の傷の痛みも悪くなく思われて来るようだった。
 ただ、当の本人はそうでもないらしかった。自分たちに向いたリキエルの視線に気づくと、ルイズ
は少し鼻白んだようになり、そのままオスマン氏に向き直って言った。
「オールド・オスマン。リキエルには、何もないんですか?」
「……ふむん」
 オスマン氏は困惑したようにうなり、眉間の皺を深めた。
「残念ながら、彼は貴族ではない」
「でも、リキエルは――」
「いや、いいんスよ。オレは別に」
 何か言いかけようとするルイズをさえぎって、リキエルはそう言った。本音では、ちょっとくらい
何がしかの褒美を貰っても罰当たるまい、と思ったりもした。しかし、爵位とか勲章はあんまり大袈
裟で、金品では大っぴらにそう言うのもはばかられる。実際に受け取ることを考えても気が引けた。
 ルイズはまだ何か言いたげだったが、リキエルが顔と手を横に振ると、ようやく引き下がった。
 それを見届けると、オスマン氏は手を叩いて仕切りなおしにかかった。
「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃな。フーケの件も収まったしの、祝勝も兼ねて、予
定どおり執り行うこととする。当然、主役は君たちじゃ」
 キュルケが叫んだ。
「そうでしたわ! すっかり忘れておりました!」
「うむ。ここはもうよいから、部屋に戻って用意したまえ。せいぜい着飾るとよいじゃろう。なにせ
主役じゃよ、主役。より取り見取りもいいところじゃよ、主役」
 キュルケは礼もそこそこに、タバサの襟首を引っ掴んで部屋を飛び出して行った。
 それに続いて、ルイズとリキエルも部屋を出ようとする体だったが、オスマン氏に引き止められた。
「ミス・ヴァリエール、すまんがリキエル君をお借り出来るかの」
 主従二人は一瞬目を交し合ったが、リキエルが扉のほうを示して、ルイズを促した。訝しげにしな
がらも、ルイズは深い礼を残して学院長室を後にした。
「コルベール君、君も席を外してくれんか」
「はあ、私もですか」
937名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:52:52 ID:NvdrA7E0
「うむ。そのむかし、私が東方の地で修めたパズス流柔術の奥義を、彼に授けようと思うのじゃ。門
外不出なのでな、君にも見せられん。わかってくれ」
 コルベールは苦笑とも呆れともつかない顔をして、しょうがないですなとこぼしつつ、出て行った。


「さて、君に残ってもらったのは他でもない。ちょいと聞きたいことがあるでな。それと、話したい
こともじゃ」
 悪いの、と言ってオスマン氏は笑い、腕を組んで考える姿になった。話したいこととやらを、頭の
中で整理している様子である。それから間もなく、オスマン氏は静かに語り始めた。
 いまから三十年ほども前、オスマン氏はある森を散策しているとき、ワイバーンに襲われた。見た
こともないほど巨大な、雌の個体だったという。折も折で体調を崩していたオスマン氏は、逃げるの
がやっとだった。
 あっという間に追いつかれ、オスマン氏はやむなく杖を抜いた。あるいは軽くない手傷を負うだろ
うが、倒せる自信はあった。だがそうなれば、付近に人里の気配も見えない深い森であったから、後
は野垂れ死ぬに任せる他にない状態だった。
 ここで死ぬや否やと腹をくくりながら、オスマン氏はワイバーンと正対する機をうかがった。勝機
があるとすれば、それは不意討ちだった。
 そしてワイバーンが、オスマン氏にそのひとの腕ほどもある牙を剥いたときだった。オスマン氏は
耳を飛ばすような大音を背に受けた。振り返ったオスマン氏は、逆に射す陽の光の中に二つの筒――
『破壊の杖』を抱えた、大柄なひとの形を認めた。そしてそうかと思う間に、その人影はゆらりと傾
いで倒れた。
 彼は傷を負っていた。オスマン氏は直ぐに彼を学院に連れ帰り、手厚い看護を施したのだが、手遅
れだった。傷はそう深くもかったのだが、ずいぶんと前に、そこから悪いものが入り込んでいたらし
かった。三日して、彼は死んだ。
「そのときの『杖』は、彼の墓に一緒に埋めた。そしてもう一本は、恩人の形見っちゅうことで、勝
手に拝借させてもらった。それが今回、君らの取り戻してくれたものじゃ」
 オスマン氏は、懐かしむようにしばし目を閉じてから、リキエルに目を向けた。穏やかだが、どこ
か刺すようなものも孕む視線だった。
「ところでじゃ。つかぬことを聞かせてもらうがの」
「はあ」
「君は、どこから来たのだね? 包み隠さずに言うてほしい」
「オレは――」
 そこで言葉を切って、リキエルはしばし考えたが、結局は正直に言うことにした。隠すことでもな
いと思った。ただ、自分でも与太話に思えるような出来事を、目の前の学院長が信じるかはわからな
いとも思った。
「オレが来たのは、こことは違う世界なんスよ。あるときちょっとしたことがあって、気を失っちま
ったんスけど、次に目が覚めたら、ルイズに召喚されてたってわけです」
「ふむ、そうか。そうなのじゃな」
 リキエルの案に反して、オスマン氏は得心したように頷いた。
「信じるんですか? オレは確かに事実を言ったつもりだが、冗談みたいな話だ」
「おお、信じるとも。というよりもな、わかった気がしたのじゃよ。……いま話した彼のことじゃが、
死ぬ間際まで、うわ言のように言っておった。元の世界に帰りたいとな」
「…………」
938名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:53:33 ID:NvdrA7E0
「何のことだか、私には見当もつかんかった。じゃが、君が召喚されて来た後でな、あのコルベール
君が興奮して語ってくれたのじゃ。君と一緒に召喚された奇妙な形をした物体を、君から借り受けた
とな。それで、死んだ彼と彼の持っていた『破壊の杖』が思い起こされた。もしやと思うた。彼や君
は、このハルケギニアとはまったく別の場所から来たのでは、と」
 問いかけて来るようなオスマン氏の視線を受けて、リキエルは答えた。
「オレの住んでたところは、アメリカって国のフロリダって州です。話を聞く限りじゃ、その恩人も
アメリカ人なんじゃねーッスかね。そして、ロケットランチャーいくつも抱えてるなんてよォー、尋
常じゃあないぜ。どこかで、紛争だか戦争やってたんだ、きっと」
「戦争か。それで彼は傷を負ったか。まだ若い身空でのぉ、さぞ国に帰りたかったじゃろう」
 改めて悼むように、オスマン氏は深く息をついた。それから顔を上げると、リキエルに笑いかけた。
「すまんかったな。老いぼれのために時間を割かせてしまったの」
「いや、いい時間を過ごせたんじゃねーかと思いますよ。たぶん、互いに」
「重畳じゃな。よければこの後のパーティーも、楽しんでくれたまえ。君も主役の一人じゃ」
「せいぜいそうさせてもらうかな。料理なんかは期待大だ。……ああ、そうだ。こっちからもよォ〜、
一つ聞きたいんスけど、いいですか?」
 踵を返しかけてとどまり、リキエルがたずねた。オスマン氏は鷹揚に頷いた。
「確認みたいなもんなんスすけどね。オレのこの左手の、これ。武器なんかを持つと光って、体が軽
くなったりするんスけど、使い魔の能力ってやつなんですか?」
「いかにもそうじゃ。そのルーンをつける者は『ガンダールヴ』といってな、強力な使い魔じゃ。そ
して、ここだけの話――」
 オスマン氏はそこで区切りをつけた。そしてリキエルに、もっと近くに来るよう手真似した。さら
にリキエルが側に来ると、机の上に身を乗り出して、必要もないのに声をひそめて続けた。
「伝説の使い魔の証でもある」
 リキエルは眉を上げた。オスマン氏の大仰な態度からして、話半分で聞くべきことかも知れなかっ
たが、それ以上に興味をひかれた。
「伝説? それじゃあ、オレは伝説の使い魔か」
「うむ。なぜそのルーンが君についたのか、それは皆目わからんがな」
 無責任に言って、オスマン氏は元のように椅子に納まった。それから何事か思いついたように、そ
うじゃそうじゃと呟き手を叩いた。
「何も褒美が出せん代わり、と言ってはあれじゃが、これを受け取ってくれんか」
 言いながらオスマン氏は、机の引き出しを開けた。
「これも、彼の形見の品じゃ。『固定化』があるとはいえ、さすがに土の下に埋めるのもはばかられた
のでな」
 オスマン氏が差し出して来たものを、リキエルは反射的に受け取った。
 手のひらに余るくらいの、一冊の本だった。別段、読書家というわけでもないリキエルにとっても、
その題名はある種の馴染み深さを感じさせるものだった。版はかなり古く、ところどころがよれてし
まっているが、聖書である。オスマン氏の恩人とやらは、よほど信心深い人間だったのだろう。
 しげしげと書を眺めるリキエルに、オスマン氏は言った。
「どうやらそれも、君の世界のものらしいの。私には読めんかったよ。まあ、本は読める人間の手元
にあった方がよいじゃろうて」

◆ ◆ ◆

 会場のホールに着いたときには、舞踏会はもうはじまっていた。安っぽさのない華美な装飾や、食
物とも見えないほど見事に盛られた馳走の数々、常の様子とはうって変わって優麗に動く生徒の群れ
が、まさしくと思わせた。リキエルは、ルイズがどこかにいはしないかと目をせわしなくしたが、と
ても見つけられるものではなかった。
939名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 16:54:39 ID:NvdrA7E0
 リキエルは学院長室を出た後、一度ルイズの部屋に戻っている。だが、ルイズの姿はなかった。と
いうよりも、女子寮全体にあまりひとの気配がなかった。舞踏会のために、皆どこかの控え室ででも、
準備を整えているのだと思われた。
 舞踏会の華やぎにしみは作るまいと、リキエルは目立たぬように壁際を歩き、そのままバルコニー
に向かった。どうせ平民は正面からでは入れないだろうと思い、厨房をたずねて、給仕のために設定
された入り口を使ったのが幸いしている。また傷みの増したスーツではさすがにまずいと、厨房で給
仕用のシャツとズボンを拝借したのだが、その程度ではごまかしにもなっていなかった。
 歩きながら、時折リキエルは人目を忍ぶ動きで食べ物をつまんだ。そうするうちに、タバサやキュ
ルケの姿を認めることは出来たが、どうにもルイズは見当たらなかった。あるいは、まだ準備に手間
取っているのかも知れなかった。
 バルコニーに出た。一角にはひとがおらず、孤独にぽつんと、水も置かれない小さなテーブルがあ
るばかりである。リキエルは、顔を上向けた。
 雲もかすみもなく、澄んだ空気だけがあった。ともすれば腰の引けてしまうような、満天の星空で
ある。リキエルは何をするでもなく、凝然と夜の光に目を焼いた。
 と、その視界に奇妙なものが入り込んで来る。そう思って意識しなければ、目の錯覚か、星明りの
軌跡としか見えないほどの、細かな白い筋である。しかし、そういう曖昧なものでも数を十、二十と
もすると、気に留まるようになる。
 縦横に動き回るそれらの中の一本が、不意に群れを出て、リキエルの前に飛んで来た。動きがそう
なら、形も奇妙な生き物だった。蛇のような棒状の白い体に、幾枚かの羽らしき膜がついている。虫
とも何ともわからない。
 ――スカイフィッシュ、ロッズと呼ばれる生き物がいるが……。
 こいつらが、そうか? リキエルは一昔前に見た、うさんくさいテレビ特番や、本屋でぱららと適
当に流し読んだ、未確認生物の特集本のことを思い起こしている。目の前の生き物が、果たしてそれ
らに出て来たロッズなのかはわからないが、リキエルは便宜的にそう呼ぶことにした。
 世界各地で目撃され、その存在と生態とが取り沙汰される奇妙な生物たちの一つ、それがロッズだ
が、そんなもののことは、昨日までは名前すら思い出しもしなかった。こうして目の当たりにしなけ
れば、終生そのままかも知れなかったわけだ。パーティー会場に分け入って行くロッズを眺めながら、
リキエルはそう思った。
 ロッズの行く先には、ワイングラス片手に数人の女の子を侍らせた『青銅』のギーシュがいる。ど
ぎつい色彩の服装だったから、こいつはすぐに判別がついた。
 それから数秒して、唐突にギーシュの肘が不自然に屈曲した。結果、色男は手に持ったワインを、
目の前の女子に引っ掛けることになった。リキエルは鼻を鳴らして、わやわやと騒がしい顛末から目
を離し、また宙に投げた。
 いまロッズを呼び、またギーシュへ向かわせたのは、リキエルの意思だった。操ったのである。そ
う出来るとリキエルが気づいたのは、フーケと渡り合っている最中、ゴーレムを倒した直後であった。
 気づけばロッズたちは、リキエルの頭上を円を描くように飛び回っていた。はじめは、こいつらも
この魔法の世界の不思議生物か、くらいに思って眺めていたのだが、その動きが自分の視線の動きと
連なっていることを、リキエルは次第に理解した。
 そこに及んだとき、リキエルの胸の内にあったのは歓喜だった。戸惑いはなかった。ロッズを操る
その感覚は、以前から手の中にあったように思われるほど、自然だった。何より新しく能力を得たこ
とは、すなわち自分の中にあるものが、確実に変わったことの証といえた。
940名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 17:50:21 ID:Ag5FJUJX
皆様乙
元旦いいものが見れた
ひさしぶりだったもんで前回を読み直してしまった
941名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/02(土) 00:41:09 ID:QzYhs4lD
作者&代理乙
リキエルついにスタンド発現か
942名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/02(土) 17:35:55 ID:wgQtbSAf
使空高さんお久しぶり&乙です!!
新年早々最高にハイな気分だ
943使空高 代理:2010/01/03(日) 12:20:16 ID:XZE2yZSF
 そして喜びは確信を伴っていた。根拠もなく、フーケを倒せるという無闇な確信が、あのときリキ
エルを突き動かしていたものの正体である。フーケとルイズらの問答を尻目にしつつ、試しにロッズ
に自分の腕を襲わせてみて、その能力の僅かな把握には至ったが、実際に何がどうなっていたのかな
どは、いまも正確なところはわかっていない。
 ――これからわかればいいことだからな、そんな、こいつらのことなんかはよォ〜〜。
 そうだ、これからだ。半ば傲然と思いながら、リキエルは自分の手首に目を落とした。
 そこには、これまた奇妙なものがへばりついている。蛙と鳥とカブトムシを足してうっかり二で割
ってしまったような、有機とも無機ともつかないデザインの何物かである。ふとしたときには煙のよ
うに透けたり、思いのまま透過させたりも出来るから、物体なのかも怪しいところである。しかもこ
れは、リキエルの意思で自由に発現し、消失するらしいのだ。
 ロッズを操れると気づいたとき、どこからともなくあらわれたものだった。あるいはこれを出し入
れ出来るようになったために、ロッズを操れるようになったのかも知れない。いずれにせよ自身の変
化の証だと思えば、リキエルは見ているだけで、気分が浮き立つ感じもするのだった。
 ホールでは、すました顔の楽士たちが音を合わせている。それと一緒に鼻歌でも歌ってやろうかと、
リキエルが思ったときだった。門の方で、ルイズの到着を告げる声が上がった。やはり、少しばかり
時間を食っていたようである。
 いつの間にか会場には、優しく囁くようにして曲が流れている。ルイズはそこに、普段にない静々
とした足取りで入って来る。バレッタで纏め上げられた髪の色が、肌の色とともに白いドレスによく
映え、さながら花といった風情である。うっすらと紅を差し、化粧までしているのが可憐だった。
 そちらに向き直った生徒たちの間に、ざわめきが広がって行く。
「なんだ、これは!? ルイズ・ヴァリエール……まさか!」「久しく忘れていたぜェ…ルイズが美人っ
てことをよォォォォ」「ば…化けた! 深い後悔が、ゆっくりやってくるッ! 唾をつけていればああ
ああ」「可愛い! スゲェ可愛いッ! 百万倍も可愛い!」「この感情…こんなことがッ!! あ…あい
つはッ!! ゼロだぞッ! あんな…ヤツにッ!!」「描写のないまま終わり。それがモブシーン・エキス
トラ」「何も泣くこたあーね―だろーがよ〜〜〜。お前だって十分に綺麗さ」
 男連中は、常のルイズを知る者もそうでない者も、皆だらしなく鼻の下をのばした。女子たちから
も、驚きや感嘆の声が少なからず上がる。一部の色男は、是非にも手を取り合って踊ろうと、早速に
ルイズを口説きにかかっていたりする。
 折も折、そこかしこで出来上がったペアが、曲に合わせて踊り始めた。ルイズの小さな晴姿は、た
ちまち人いきれの向こうに消えた。
 リキエルは軽く嘆息した。フーケを前にした言い合いの後は、ルイズとはここまでまともな会話も
ないまま来ている。昨夜からのわだかまりも、はっきり解けたとは言いがたい。そういう諸々もあっ
て、ルイズとは少し話がしたい気分になっていた。
 ――部屋に帰ってから、とするか。他に仕方ねえしよ〜。
 そう思い切って、ホールから外の景色に目を戻した。二つの月は、今日もともに明るい。遠くに連
なる山々も、ただ黒いばかりの影とはならずに、陶磁器のように青白い光を返している。夜気に冷ま
された風が、包むような動きで吹きつけて来たが、寒々しさはなかった。
 そのまま手すりに腰を預けて、またギーシュあたりにでもロッズをけしかけてみようか、などとぼ
んやり思っていると、不意に声をかけられた。
「楽しんでるみたいね」
 振り向けば、呆れたようなルイズの顔が見上げて来る。そこいらのテーブルから持って来たらしい
ワインボトルと、グラスを二つ手にしている。
 ボトルとグラスを脇のテーブルの上に置いて、ルイズは続けた。
「どうしたのよ、その格好は。牛柄じゃないのね。おかげで探すのに手間取ったったら」
「よお。格好といえば、お前の方だぜルイズ。変われば変わるもんだよなあああ、あんな泥だらけだ
ったのが。すっかりめかしこんでよお。誰のコーディネートか知らないが、いい仕事をしたよな」
「何も出さないわよ。あんただって、もっといまみたいな格好したらどうなの。けっこう整った顔し
てるんだし、おしゃれに気をつかってみなさいよ」
944使空高 代理:2010/01/03(日) 12:21:11 ID:XZE2yZSF
 リキエルは肩をすくめた。
「ってもなあ、持ち合わせは一着きりだぜ。あのスーツだけだ」
「そういえばそうだったわね」
 あっさり言うと、ルイズは疲れたようにテーブルについた。実際、疲労はあるはずだった。フーケ
を捕らえてからこちら、十分に休めてはいないだろう、身体的にも心の面でも。ただルイズの表情は、
どこかさっぱりとしたようでもあった。
 のんびりとした動作で、リキエルも席についた。二人は対面の位置に座っていたが、それでも小さ
なテーブルだったから、互いの距離はほとんどないようなものである。
「お前は踊ったりはしないのか? 主役だろうに」
 ホールの中央、先ほどルイズと彼女を取り巻いた連中のいた辺りを目で示しながら、リキエルはた
ずねた。
「踊ろうにも、相手がいないわ」
「誘われているようだったじゃあないか」
「いいのよ、あんな連中は。いままでさんざん馬鹿にしてくれたくせして、何よあの態度。結局馬鹿
にしてるわ、まったくね。きっとあんた踊ったほうがよっぽど楽しいわ」
「使い魔とかよォ〜?」
 言ってリキエルはへらへらと笑ったが、ルイズは「ええ、そのとおりよッ」と膨れた面をそのまま
戻そうとしなかった。
 そうしてしばらく憤然としていたルイズだが、急に何か思うような顔になって、短くひとつ息をつ
いた。それからリキエルを真直ぐに見て、小さく言った。
「信じてあげるわ。あんたが別の世界から来たってこと」
「突然だな。つーか、信じてなかったのか」
「半々、ってところね。だけど、あんたとフーケとのやりとりをね、思い返してみたの。そうしたら、
けっこう信憑性あるんじゃないかって思えたわ」
 言葉を切って、かすかな逡巡を見せたあと、ルイズは続けた。
「あんたが帰る方法、探すわ。すぐには無理だけど、きっと見つける」
「気を張ることもねーぜ、そんなにはな。帰って何があるでもないんだ」
 リキエルはそう返した。いささか締まりに欠ける顔でいるものの、これは本心から出た言葉である。
 元の世界に帰りたくはないかというのは、実はオスマン氏からもたずねられた。リキエルが学院長
室を出る間際、氏が思い出したように聞いてきたのである。そのときもリキエルは、大体に同じよう
な返事をしている。
 恋人を残して来たのでもなく、大切な約束を残して来たのでもない。だから元の世界に、それほど
強い未練はなかった。そしてまた、郷愁を感じるにもまだ早い。この世界での生活に不安がないでは
ないが、もうしばらくの間、経験という意味でとどまる分には、むしろ望むところであった。
 リキエルは言ったが、ルイズはそれをのけるようにしてなおも言い募った。
「それでも、探すわ。……ねえ、ひとつ聞いていいかしら。どうしてフーケを捕まえようとしたの? 
私の手柄になる、とかって言ってたわよね。あれは、私の心を慰めようとしたの?」
「いや、押し上げたいと思ったからだ。感銘を受けて、オレの力で、どうにかして助けになろうとし
た。それが、オレ自身の成長にも繋がると思った」
「私もそう。私もあんたを尊敬してる。だから、あんたが元の世界に帰る方法を探すの。これは、あ
んたを召喚した私のけじめで、あんたに出来る数少ないこと」
 思わず、リキエルはルイズの目を見返した。瞬きしない大きな鳶色の瞳に、真摯な光が見える。
 軽い驚きがあった。驚きは、自分とルイズとの間に横たわっていた距離が、突然に狭まったように
感じられたことから来ている。すぐにも交わりそうでいて、しかしどこか決定的な部分でそうならな
かったものが、いまはがちりと噛み合っている。そういう感覚があった。
945使空高 代理:2010/01/03(日) 12:21:53 ID:XZE2yZSF
 そしてそれは、決して心地の悪いものではなかった。
 しばしの間、ふたりは半ば睨み合うようにして向き合っていたが、不意にルイズのほうは視線を外
して、またなにか逡巡する体になった。今度のそれは長く、そしてよほど難解らしかった。ルイズは
困惑とも苛立ちともとれるような顔をして、腕まで組んでいる。
 どうかしたかと思いつつそのまま眺めていると、ルイズはいまいちよくわからない顔のまま、いき
なり置いてあったグラスを突き出してきて、言った。
「仲直りしましょう」
「仲直り?」
 ルイズは頷いた。
「あんたは私を羨ましいと言ったけど、私はあんたが、あんたのどうしてでも前に進んで行こうって
態度が、眩しく思えた。だから、お互い様ってことで、仲直り」
「…………」
「あ、笑った。いま鼻で笑った! 聞こえたわ! 何よ、おかしいことないでしょッ!」
 ――ああ、そうだな。なあ〜〜んにもないな……。
 おかしいことなんてのはな。のどの奥で笑いながら、リキエルは思った。
 笑ったのは、単純にうれしかったからだ。言葉は過ぎるほど足りていないが、言わんとしていると
ころは十分に伝わってきた。ゆうべのことや、今日の言い合いのことを考えていたのは、なにもリキ
エルばかりではなかった。はっきり仲たがいしていたのではないから、仲直りというのは少し変かも
知れないが、それもいまは些末なことだった。
「なによ、もう」
 むくれ顔でルイズはこぼしたが、それ以上つっかかることもしなかった。へそを曲げたような、そ
れでいて快さも見える表情を浮かべながら、「今日だけだからね」と小さく言って、リキエルのグラス
にワインを注いだ。深い赤のワインだった。
 自分の分も注ぎ終えると、ルイズはさっそくグラスをとった。リキエルもならう。
「じゃあ、乾杯しましょう。仲直りと、それから……両目にとかどうかしら」
「両目? オレのか」
「うん。あんたのばっちり開いた両目に、乾杯」
「ふぅ〜ん。なるほど、いいかもな。フーケも捕まえたしな」
 どちらからともなく、ふたりは目の高さにグラスを掲げた。
「使い魔の両目に」
「主人のお手柄に」
 と、華やかなダンスホールの片隅で、小さく祝いの声が挙がる。
 ここからだ、とリキエルは思った。ここから始まるのだ。召喚され、契約の魔法でふたりは繋がっ
た。だが、使い魔とメイジの関係が出来上がったのだとすれば、いまがそうだった。それを祝福する
ものと思えば、こうして杯を交わしあうことも、何か特別なものに感じられてくるのだった。
 ――ゼロのルイズと、ゼロの使い魔に。
 心のうちでそう付け加えながら、リキエルはグラスをぐいと傾けた。香りを楽しむようなやり方は
知らない。ルイズはそれをたしなめるような、呆れるような顔で見たが、すぐ思い直したようにくす
くす笑った。そういう気楽さが、また心地よかった。どうせ水入らずの酒席である。
 しばらくして、そこに踊る相手に恵まれなかったらしい、『風上』のマリコルヌが通りかかった。ど
うしてか涙目で、やたらと棘の多い葉のサラダをぱくついている。
「おっどろいたなあ。ワインを注ぎあう使い魔とメイジなんてね。初めて見た」
 馬鹿にしたふうでもなく、心底から驚いた様子でマリコルヌは言った。
946使空高 代理:2010/01/03(日) 12:22:34 ID:XZE2yZSF
 リキエルとルイズはマリコルヌのほうへ振り向くと、酔いが回って赤くなり始めた顔を笑わせて、
手に持ったグラスを掲げ上げた。

◆ ◆ ◆

 夜更けである。少し前から、ちょっとずつ雲が出始めていて、いまもひと際大きい雲の影に、双子
の月が隠れたところだった。大きくも薄い雲であったから、さほど闇が深まるでもなかったが、どこ
か不吉な夜のさやけさはいや増すようだった。だがフーケは、そんなことを知る由もない。
 ぶち込まれた詰め所の内の牢には、窓がなかった。ついでに調度の類もなく、ぼろく小さな椅子と、
それが寝床ということなのか、大量のわら束があるばかりである。そのわら束に寝そべったまま、フ
ーケは身じろぎひとつしない。寝ているのではなかった。その証拠に彼女の両目は、どこからか微か
に入ってくる光を鋭く返している。
 ――たいしたもんじゃないの、あいつらは。
 フーケは昼間のことを、自分を捕らえた人間たちのことを思い返している。わけてもリキエルの奇
怪な言動は印象に残っていた。
 思えばあの平民は、初めの出会いからして普通ではなかった。どころか、顔を合わせるたびに厄介
なことになっていた気がする。いまにも死にそうなうめき声を上げていたり、これまた死にそうな有
様になっていたり、なぜかそれを自分が介抱したり。遂にはわけもわからないまま捕まってしまった。
 例外は、いつだったか早朝に顔を合わせたときだろうか。そのときはたしか、どうにかして宝物庫
を破れないかと、朝の散歩がてら思案していたのである。そういえばあの男の一言で、思いがけなく
宝物庫破りに活路が見出せたのだ。もっとも、結局はあのゼロのルイズのおかげで、なんとか破るこ
とが出来たのだが。
 いまにして思えば、宝物庫のとき一息に踏み潰してやっていれば、こんな寒々しい牢の中に転がさ
れることもなかったのだろう。だが、フーケはそれをしなかった。出来なかったのである。
 感傷があるのではなかった。リキエルの苦しむ姿を見、それまでのわずかな交流を思い起こし、哀
れと思わないでもなかったが、そのままほだされてしまうほど自分は甘くはないつもりだったし、実
際に主従ともども踏み潰す気でいた。
 ただほんの数瞬、ためらった。ゴーレムの足を止めてしまった。なぜかは、フーケ自身にもわから
ない。理由があるとするなら、あのとき一瞬だけリキエルと目を見てしまったことだ。
 爽やかな目、とでもいうのだろうか。意識ははっきりとしているようだったが、リキエルはどこも
見てはいなかった。もし見ていたのなら、それはたぶん空だった。恐怖や諦めはなく、涼やかさのよ
うなものをたたえた片側だけの瞳で、じっと空を見ていた。その目を見たとき、フーケは我知らず動
きを緩めたのである。
 ――本当に、あいつはなんだったんだろうね。
 フーケは、最後にリキエルと交わした言葉を思い出した。
 質問があると言って寄って来たリキエルは、数年来の知り合いか、友人のような気安さでフーケに
話しかけたのだった。
 ――よお、悪いな。こんなことに……いろいろと助けてもらっといてよォー、恩を仇で返すような
ことになってしまってな。恨まないでくれると、オレはとても嬉しいんだが、どうだろうな?
 ――だんまりか。仕方がないことか、こんな与太話なんかにつきあわせてな。さぞ面倒に思ってい
るだろう。あ、聞きたいことってのはこれじゃあないんだ。真剣に聞きたいことは別にある。
 ――それじゃあ本題に入るぜ。答えてくれなくても、それはそれでいーんだがな。……いいか、聞
くぜ。初めてお前さんと会ったときのことだ。オレは、馬鹿みたいにうめいていたよな。それをお前
は、走り寄って助けてくれた。なんの益にもならないのにな、不審者だったかも知れないのにな。あ
れは、どうしてだ?
 ――『人当たりのいいロングビル』としては、そうするべきだと判断したのか? それとも、単な
る同情か何かだったのか?
 適当なことを言って、そのまま流してしまってもよかった。意図の読めない、よくわからない問い
であったし、それに付き合う義理はまったくないはずだった。状況を考えれば、リキエルの決して望
まないであろう返答をしても、なんらそしりを受ける筋合いはなかったろう。
947使空高 代理:2010/01/03(日) 12:23:23 ID:XZE2yZSF
 だがフーケは、真実思ったことを言う気になっていた。口調はふざけているようだが、リキエルの
態度には真摯なものがあった。なんとはなしに、それに応えてみるのも悪くないと思っていた。それ
に、意地を張っても仕方がないという気持ちもあった。
 ――咄嗟だったからよ。判断とか、計算とか、少なくともそういうのじゃなかったね。
 ――オレはお前を捕らえる気でいる。それはこの問答によって左右されるようなものでは、弱い意
志ではないのだ。だが今……『咄嗟』と言ったのか? 咄嗟にオレを助けたと……? オレが、そう
答えてほしいと願う……『やさしい』答えだが、本当なのか? 本当のところは、それか?
 フーケは頷き返した。
 ――弱い意志じゃあないとキッパリ言ったばかりだが、……スマン、ありゃウソだった。お前のこ
とを少し見逃したくなったぜ。
 ――でも、そうしないんでしょ。
 ――そうだな。……しかし、答えをもらえてよかった。
 また食事でも出来るといいがな、そういう縁があればよォ。最後にそう言う声を耳にしながら、フ
ーケの意識は途切れる。
 最後の最後まで、それもひとの腹に一撃くれながら、奇妙なことを言う男だった。『土くれ』のフー
ケといえば、それなりに名の通った悪党である。捕まれば縛り首か打ち首か、よくて流刑遠島が筋で
ある。まずもって、二度と顔合わせはないだろう。
 ないだろう、と思っていたのだが。
 ――諦めるには、随分と早い。
 考えてみれば、やりたいことも、やらなければならないこともある。ここで投げ出してしまうには、
過ぎた重みのものもある。潔い覚悟を決める前に、足掻いてみようという気にフーケはなっている。
 あてられたかも知れないと、ふと思った。初めは、なんて不景気な顔だろうと思っていた。が、対
峙してみたときの顔には、輝くようなものがあった。自信があらわれていた。そういうリキエルの姿
を目の当たりにして、触発されてしまったのかも知れない。
 ゆっくりとフーケは腰を上げた。それから、格子の鍵に手を触れた。なかなかに強い『固定化』が
かけられている様子だった。これは骨が折れそうである。
 牢に入る前の検査で、隠し持っていた杖はすべて没収された。そしてそれがよかった。ここがかの
チェルノボーグであったなら、歯の詰め物まで調べ上げられ、身に着けるものは鬘の毛までむしられ
ていただろう。だが所詮は、詰め所の気ない衛兵の仕事である。最後までは気づかれなかった。
 フーケは、懐から眼鏡を取り出した。指先に弦をつまみ、力をこめる。ぽきりと小気味よい音をた
てて、弦は根から折れた。というよりも、外れた。この弦が、フーケの持つ最後の杖である。
 ――ふたりの囚人がいた。
 ひとりの囚人は壁を見ていた。もうひとりの囚人は星を見ていた。むかし、寝物語かなにかで聞い
た話を、フーケは思い出していた。もうあらかた忘れてしまっていたが、そのうちの一節が、不意に
思い浮かんで来たものである。私は、どっちだ。
 ここには星の見える窓はない。
「もちろん、私は壁を見る」
 ――それを破って、欲しいものを手に入れて来たんだからね。
 フーケは格子に向き直ると、静かに心を研ぎ澄ませ始めた。
948使空高 代理:2010/01/03(日) 12:24:05 ID:XZE2yZSF
779 名前: 使空高 [sage] 投稿日: 2009/12/30(水) 13:56:47 kFLIND6Y
OVER! THE!  WAAAAAAAAAAALL!!!!!!
ということで(?)投下終了です。
ひとつだけ言わせてもらうと、皆様よいお年をば。

いま気づいたけども、サルさん以外での代理依頼はまずかっただろうか?
-----
代理終わり
949名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/03(日) 19:33:32 ID:F9F82E4y
代理&筆者乙!!
こんなにお年玉がもらえるなんて予想外っ
950名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/03(日) 23:53:30 ID:bOitQNiQ
乙そしてありがとうッ
燃えに燃えて正月から心があったけえ
951名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/04(月) 02:28:56 ID:QC28yUT1
952名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/06(水) 02:31:14 ID:JNcOPWbF
久しぶりまとめ見たらお懐かしい人達のが更新されてたので記念カキコ
953名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/06(水) 07:00:18 ID:MSdsDyAQ
復帰してくれた人達に感謝!
954名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/07(木) 20:59:59 ID:cs/ilBSN
こっち埋めなくてイイのか?
955名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 05:29:55 ID:MJM/JqL/

  ジ      \ 〃 案山子 `ヾ.: ヽY      \
  キ   .  |ノ.  ,r''"´`ヾ;;:、,jレ.:.:::! ハ 武 俺 |
  に  剣.  ! ‘ ,:′_ __ /.:;:;:;;;;| ジ 器 の
  勝  じ   |, .:. :.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! キ は   L,,
  て  ゃ   |''¨´      _ __ ,,,|  だ     |二
  ね     /,.-‐''ニ二、.:;jik;;'=zイ \       |.:.:
  ぇ _, イィjレ'∠.''='ニヾゞ;ィイ=''ゞ1|:.:\ __/.:.:.
   ,.、‐'´从ヘi |   ‐''¨:;´  ; i i;;~` ||:::::::ノ::::::::::.:.:.:.:
  '".:.::::::::}i〈Ji |   ,    ゙ <1:;;リ ; ji!:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:
  .:.:.:.:.:.:.::))、ji !  ;i (、,,,_ _"___,,j /|!:::::::.:.:.:.:.:.,、‐'´
  . : .: .:.ノ ,;',:'i|   ',  、,,  ̄_ ̄7´/.::|!:.:.:.,、‐'´
  ` ー‐レイ .,:;:;l|ト、    `''⌒" , /|.:::||"´
    ノ ,ィイ〃i;i| `ヾ、  .: .:.:::::, / .l::::||
    )  ,ィイ;i1|  ';:、` ー─‐ <;;. |::::||
    ,'  ,:;' ,:;'^||   ';:.    ,;':  |.:::.i|
  ,彳 .:;;' ;:/ ||   ;: :::.: .:.,;'  ト、从、
ノ .: ;:;:;:;/   ||  ,, 、'′.:.:.::;,';;:、 ,′ `''ー-- 、
 ̄`¨`ヾ、   ||    .:.::.:;:;l:;:i!、`ヾ,  \ヽ 1ヽ,,,,_
 ̄ ̄  ̄三三二二ニニ` ー─‐ - ─‐''"´_ノノィ´ ̄
‐''''"´ ̄
956名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 05:31:20 ID:AYkCptnB

    ,.<ヽ白雪姫   l  /  ヘ         号令「攻撃」ッ!
  ,.<   ヽ \     l   / i  ハ        頑丈な小人、戦士の小人、器用な小人、悪戯好きの小人、
   ‐-、`ヽ  \      i  /  ;   ',       潜伏する小人、献身的な小人、無能な小人、計7名ッ!
   -、. \ l    \   ノ-、/  ,'   .i ',
   _ \ l  il.  ノ,ィ   .l、 / i   i ヘ      そのダメージある身体で
  .  `l i nヘ. リ/  l    i ヽ. i.   ;   ヘ.     我が七人の小人の一斉攻撃を受けて
  、 ノ .lリノ ヘ.    i    \V   ,'    ヘ      はたして無事でいられるかなァ
  .i'´ミ、i"   ',   l  _,.、、 )!   /  i'´ `ヽ   ──────‐ッ
  l L..、. ヽ  i __,. - _ニ、>'  \_ノハ⌒ヽ 
  .l  ヽハ.ー-l //r‐r'¨fッ-'    l.    ト、ヽ. ハ
  ..\、l l   !i l Lノ ー'´,.. - 、   ',    ヽ ノ ノ
    V / _入 ,レヽr''ヽ./        ',   .r' / ',
    ..ヽ! l厂ツイ i _,.i    ,..、   ',    V¨\,.ヘ
     ト、 ̄./.L.. -ヲ   , 、. ヽ   ゙、   \.    ', ̄\__
    .  i..ハ、  ¨ヽ  _.//ヽ ',      /  _∧ ノ ハ
      `ヽ.゙、 r‐'_"-‐"::::f´ハ        ! ̄/:::::::::', /  \ _..
        \、 ヽ┘:::::i'´ l.  ',      l/::::::::::::::::::',ヽノ-‐'
       ト、/ ヽ  \:::::_l   ノ!     ,':::::::::::::::::::::::::/::::/::::
       l  < ハ.   Y ソ_.. -' ノ     ,'::::::::::::::::::::::/::::::
    .   L.. -‐ ゙、 ヽ、.. -‐ ¨ ノ   /::::::::::::::>'":::::
    .         ハ ヽ_,. =''"¨´  ./::::>'"::::::::
             ∧ ,. 、    />'":::::::::
              ',   `ン /'"::::::::::
               `T¨´ ̄:::::::::::
957名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 05:32:18 ID:AYkCptnB


        /´〉,、     | ̄|rヘ
   l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
    二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
   /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
   '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     ''
.    __  __
l l:::::::l : 5 l:::l 2 l::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;i:::::::_,/:::::::::::::::_,/     /::::l   / l     .l ̄ ̄ ̄ ̄ l
l l:::__.l :___├l__.:.__l:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;:- '::::::::::::::::::::::i'   ,-,_,,...-'::::::::"i i"  i'.    l : 落  l
l l::l :7 l:::l 3 l:::::::::::::::::::::::::::::::,,-'':::::::::::::::::::::::::;-',-'"'-'::::::::::::::::::::::::l l:l /.     .l : ち.   l
.l l:l_:__l:::l___l::::::::::::::::::::::::,,- ''::::::::::::::::::::::::::::::/./::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l::l:/.    l : つ  l
..l l:::::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::::/:l:::::::::::::::::::::::::::: _,,.-''./:::::::::::::::::::::::::ii:::l"'ゝl l:/     l : け  l
...l l:::::::::::::;;;;::::::::::::::::::::::::::/:::l;;:::::::::::::::_,-''"_,,. -''"::::::::::::::::::::::::::::i::l /=/┌‐‐‐‐‐‐ l____.l
  .l l:::::::::;;;:::::::::::::::::::::::::::/::::::l "'-'''"_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::/"i:::/ /:/ . l : こ 考 心 l   
  l ̄ ̄ ̄ ̄.l:::::::::::::::/:::::::::l  /":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_.._l/ /:/    .l : ん え を .l
  l 落 ¬ 落 l:::::::::::::::i:::::::::::l--'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':;;,::::'': ̄l //      l : な る 平 l
  l ち 素 .ち l::::::::::::::::;'i,::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,i'i,'' "     l   .時 ん 静 .l
  l つ 数 つ l::::::::::::::::::;;;i;::::::l:::::::::::::::::::::::::  :::::::::::::::::::;;,:/          l.  ど だ に l
  l .く .'‐ く .l:::::::::::::::::;;;;;;'i.::::l:::::::::::::::::::::;;  l'iY:::::/i:::::::/             l.  う : し l
  l ん を ん l:::::::::::::::::;;;;:::::i,:::l:::::::::::::::;;-'i;; i,i_i,:::i'-,::::/            l  す .: て l
  l だ 数.だ lヽ二''.-::;;;:-''"'i,:::::::::::/  "'"  "  "'                 l  る     l
  l .: .え : .l  i i'‐- -''"~ "''"                             l  か     .l
  l__.て___l  

958名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 07:11:07 ID:kQNTqtnq
>>956
ちょっと待てwwwなぜwww白雪姫wwwwwwww
959名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 09:11:47 ID:IqN7wyl4
>>954
勘違いしてる奴が多いが
別に埋める必要は無い
書き込みが無ければ自然と埋まる
むしろ負荷が掛かる埋めの方が止めてくれといわれてる
960名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 14:02:41 ID:40LLImnl
某スレのネタなんだが、

320 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2010/01/07(木) 22:38:23 ID:KibZsrnF0
「あとよォ・・・『買いですか?』なんて言わないんだぜ、俺達の世界じゃ・・・・・

 なぜなら『買いですか?』って思った時にはすでに行動は終っているからだッ!!
 『お迎えした!』なら使っていいッ!! 
 いいか、こうやるんだッッ!! 」

  ダン! ダン! ダン! (DSとラブプラスを3セットレジに置きながら)

「よしッ! 『お迎えした!! 』」



レジでDSとラブプラス3セットをレジに出すプロシュート兄貴の姿を想像して炒飯噴出しそうになったw
961名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 15:30:38 ID:0RUSgFZc
>>959
埋めが止めてくれと言われるのって
姉妹スレみたいに一気にAA連貼り奴が居るからじゃねぇの?

今までは前スレに文字でそれ相応の書き込みがあって埋まってることが多かったんだしよ
962名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 16:19:52 ID:Ab6Pdh7/
投下するなら埋めを兼ねてこっちの方がいいのかな?
963ティータイムは幽霊屋敷で:2010/01/08(金) 16:23:27 ID:Ab6Pdh7/
どっちも一緒か、それじゃあ25分から投下します。
964ティータイムは幽霊屋敷で:2010/01/08(金) 16:24:58 ID:Ab6Pdh7/
「随分と遅くなりましたね。それにその傷は……」
「ちょっとした手違いだ。余計な手間を取らされたが解決した」
騎士の問いに答えてワルドが剣を投げ捨てる。
放り投げられた剣は弧を描いて地面に突き刺さった。
騎士とイザベラには知る由も無いが、刃に返り血を帯びたそれは紛れもなく才人の剣だった。
背後のルイズとアンリエッタ、そしてやや離れた場所からイザベラがワルドを睨む。
状況は悪化の一途を辿っている。仮にこの場に他の衛士隊が駆けつけたとしても、
アンリエッタを人質に取られている限り手出しできない。
それどころかシルフィードのように人質を奪い返すよう命令されるかもしれない。
イザベラの頬を冷たい汗が伝う。時間稼ぎは失敗に終わった。
あの平民が救援を呼ぶの待っていても意味は無い。
いや、それどころか助けを求めたのがワルドだったら?
自分の無策がみすみす彼を死地へと送り込んでしまったとしたら?
ぎりと奥歯を噛み締めてイザベラは己への怒りを押し殺す。

緊張と歓喜、その両方から来る震えを堪えて騎士はワルドに歩み寄る。
ジョゼフにより頓挫させられたと思った計画は思いもよらぬ運命の悪戯から、
アンリエッタ姫とシャルロット姫の確保という最大の目的を達成した。
しかし彼はまだ不安を拭い去れずにいた。一度はシャルロット姫の偽物を掴まされた。
ならば、このアンリエッタが本物でない可能性も十分に有り得る。
真偽を確かめるべく騎士はディティクト・マジックをアンリエッタに向けた。
辺りに輝く光の粒子。しかし、そこに魔法の反応を示す物は存在しない。
それはアンリエッタが偽物でない確かな証明となった。
確認を終えると騎士はにこりと笑みを浮かべてアンリエッタに語りかける。
「お会いできて光栄です。アンリエッタ姫殿下」
「貴方は…! このような真似をして一体なにを考えているのですか!? 
四国全てで戦乱を巻き起こしたいとでもお考えなのですか!」
「いえ、逆ですよ。これから起こるであろう戦いを避けたいが為。それに必要な犠牲なのです」
貴女も含めて、と付け加えて騎士は彼女から離れた。

次に隣で同じ様に拘束されているルイズへと視線を向ける。
服装からして魔法学院の生徒である事は分かるが、
何故連れてきたのかと騎士は目線でワルドに問いかける。
「彼女はラ・ヴァリエール公爵の三女で姫殿下とも親しい間柄にある。
もし危害を及ぼせば“舌を噛んで自害する”と姫殿下が仰ったのでご同行を願った」
なるほど、と騎士はワルドの言葉に了解を示した。
姫殿下に死なれるのは確かにマズイが、かといって少女を見逃せば人を呼ばれるだけだ。
なら、ほとぼりが冷めるまで彼女の身を預かり、事が済んでから解放すればいい。
最初から捨て駒として送り込まれたイザベラとは違い、彼女は巻き込まれたに過ぎない。
必要な犠牲は厭わないが、それ以上の無駄な血を流すのは騎士の矜持に反する。
それにラ・ヴァリエール家を敵に回せば、さらに厄介な事態になると彼の目には見えていた。
騎士がルイズの表情を窺う。常ならば美しいであろう容貌は、怒りに顔を歪ませて台無しになっていた。
「ワルド。私は二度と貴方を信用しないわ」
呪いを口から吐き出すように声を搾り出すルイズにワルドは背を向けた。
騎士の目にはそれが自身の罪悪感から逃れるかのように映った。
965ティータイムは幽霊屋敷で:2010/01/08(金) 16:26:31 ID:Ab6Pdh7/
そして最後に残された一人、ワルドと同行してきた装束の男に騎士は目を向ける。
着ているのは襲撃時に着ていた物だが、既に一着奪われたとの情報もある。
その腹部には切り裂かれたような血痕が染みのように広がっている。
手傷を負っているのか、あるいは殺して奪った物か。
それを確かめるべく騎士は装束の男に問いかける。
「所属と名前を」
「…………」
男は苦しげに吐息を洩らすだけで返答はない。
傷口を手で押さえてその身を捩らせる。
騎士の杖が動くその直前、男は顔を覆う布を下げて素顔を晒した。
そこに現れた部下の顔を見て騎士は胸を撫でおろして杖を引く。
「無事で何よりです。早く手当てを」
再会の感動を分かち合う間も惜しいとばかりに騎士は水メイジの部下を呼びつけた。
傷付いた男もよろよろと歩み、やがてワルドが投げ捨てた剣を杖代わりに立ち止まる。
その様子を見ていた水メイジが慌てて彼の下へと駆け寄る。
歩くのもままならず一言も声を発さない彼の容態に危機感を覚えたのだ。
「大丈夫か? しっかりしろ! どこをやられた?」
声をかけたのは患部を知る為だけではない、男の意識を途絶えさせない為だ。
もしも気絶すれば出血や脈拍は低下し、そのまま死を迎える事になる。
男は震える手を必死に伸ばし、そして人差し指を立てた。
「どうした? 何を言いたいんだ?」
水メイジにはなにを意味しているのか理解できなかった。
当然だ。これは彼に向けて送ったメッセージではない。
かといって混濁する意識がやらせた無意味な行動でもない。
そして、それは明確に伝えるべき相手へと伝わっていた。

「どうやらアタシはここで終わりのようだな、ええ?」
その最中、突如イザベラが下品な大声を張り上げた。
顔に哄笑を浮かべ、ケタケタと狂ったように語り始める。
それを見て騎士は僅かに戸惑うも努めて冷静に振る舞いながら答える。
「ようやくご理解いただけましたか」
「ああ――だけど1人じゃ死なないよ。アンタらにも絶望ってヤツを刻み込んでやるよ」
イザベラの視線にドス黒い感情が混じる。
直後、テファの喉下に突きつけたナイフを反転させて逆手に持ち替える。
そして狙いを定めてナイフを頭上へと掲げた。
木々の間から洩れる陽射しが反射し刃を鈍く光らせる。
耐え切れずに悲鳴を上げる少女に取り囲む兵士達もざわめき立つ。
「テファ――――!!」
「早まるな! 人質は返せないが貴女の命の保証はする! 
だからそのナイフを今すぐ下ろすんだ!」
制止を図る彼等を一瞥し、それを鼻で笑いながらイザベラは答えた。
「いやだね」
寸分違わず心臓へと振り下ろされる冷たい刃先。
しかし、それは振り下ろされる事なく巨大な何かに阻まれた。
「そんな事しちゃダメなのね!!」
遮ったのは蒼い鱗に覆われた風竜の巨大な腕。
幼竜とはいえ竜。人が力を比べられるような相手ではない。
シルフィードに弾かれたナイフがイザベラの手を離れて宙を舞う。
騎士が、マチルダが、セレスタンが、衛士達が、ティファニアが、
この場にいる大勢の人間が刃の行方を目で追った刹那の間。
生み出された空白の時間の中でイザベラは唇の端を釣り上げて笑った。
そして彼女は短く告げた―――“行け”と。
966ティータイムは幽霊屋敷で:2010/01/08(金) 16:27:51 ID:Ab6Pdh7/

アンリエッタ達を縛り上げていたロープがするりと解ける。
しかしイザベラに気を取られていた兵士達はそれに気付かない。
「姫様!」
「ええ!」
ルイズに続き、スカートをたくし上げたあられもない姿でアンリエッタも逃げる。
ようやく二人に気付いた兵士達も戸惑いながらもその後を追う。
女子供と鍛えられた騎士の差は歴然。
1メイルも進めずに終わるはずだった逃亡劇は追跡者達の死をもって終わりを告げる。
飛び出した影が喉を裂き、頭蓋を穿ち、最小の動作で次々と追っ手を葬る。
桜吹雪のように舞い散る血飛沫の中、ワルド子爵は杖にこびり付いた返り血を風で振り払う。
「グリフォン隊! 全員その場を動くなッ!」
困惑する衛士達に裂帛の気勢で彼は命令を下した。
びくりと誰もが足元を縫い止められたかのように硬直する。
それは彼が隊長だからだけではない。誰よりもワルドの強さを知るが故に動けないのだ。
「な……」
負傷した仲間を看ていた兵士が思わず声を上げる。
突然、反旗を翻したワルド子爵に傷の手当てを忘れてそちらを見やる。
その視線が外れた直後、荒く苦しげに震えていた呼吸が収まる。
ひとつ深呼吸すると男は纏っていた装束をよそ見していた仲間へと投げつける。
視界を塞がれた相手を置き去りに、その男はセレスタンへと走り出す。

「はん……!」
自分に向かってくる相手に気付き、セレスタンは顎をしゃくり上げた。
イザベラの人質殺害未遂、王女の逃亡、そしてワルドの反逆。
これが人質奪還までの陽動だとすれば実に良く出来た連携だ。
どうやって連絡の取れない相手と決行のタイミングを合わせたのか、
疑問は尽きないがそれは後で聞き出せばいい。
惜しむらくは最後の詰めを誤った事、それに尽きる。
奇襲を仕掛けてきたのは見た事もない服を着た平民らしき少年。
見れば、魔力で作られた偽りの顔が剥がれ落ちて幼い顔つきが露になっていた。
その動きは鈍く、百戦錬磨の傭兵であるセレスタンから見れば児戯にも等しい。
彼の腕前ならば近付く間に三度焼き払ってもお釣りが来る。
だからこそ容易に対処できると彼は焦りさえも見せなかった。
少年が2メイル進む間に得意とする火球のルーンの詠唱を終える。彼我の距離は未だ10メイルはある。     
素手では敵わないと分かっているのか、少年が地面に突き立てられた剣を引き抜く。
だが、それは愚かな選択だ。剣を持てばさらに足は遅れる。
僅かにでも可能性を期待するなら素手で飛びかかるべきだった。
そうすれば最悪、王女を助ける事だけは出来たかもしれない。
いや、それも並のメイジが相手ならばの話だ。俺では勝手が違いすぎる。
無謀な作戦に従事させられた少年への憐憫を浮かべながらセレスタンは杖を向けた。
直後、少年へと向けた杖は大きく弾かれた。
「遅いッ!」
剣を横薙ぎに払いながら平賀才人は叫んだ。
シャルロットに突き付けていた杖を才人に向け直す。
たったそれだけの動作の合間に彼は既にセレスタンの懐に飛び込んでいた。
剣を手に取った瞬間、才人はガンダールヴ本来の動きを取り戻した。
「な……!?」
その瞬時の加速に対応しきれずセレスタンは驚愕の声を洩らす。
最初からその動きで迫ってきていれば彼も油断はしなかっただろう。
だが実力を読み違えた彼に反撃を試みる余力はなかった。
続けざまに斬りつけられる一撃を辛うじて杖で防ぐ。
走る腕の痺れを堪えながらたたらを踏むように後退する。
967ティータイムは幽霊屋敷で:2010/01/08(金) 16:28:45 ID:Ab6Pdh7/

スローモーションのようだと才人は思った。
まるで手に取るようにセレスタンの動きが見える。
不意を突いたのもあるだろう。だが、それ以上に才人の眼は敵の動きを追えている。
それも当然。いくら腕が立とうとも傭兵では“閃光”の二つ名を持つワルドの動きとは比較にならない。
トリステイン最強の衛士と名高いワルドと比肩できるのは世界でも数えるほどしかいない。
ワルドとの戦いの中、才人は本人も知らぬ間に異常な速度で経験値を積み上げていた。
勝てる、そう確信した彼の目の前でセレスタンは賭けに出た。

トンと軽く突き飛ばされるシャルロットの背中。
崩れ落ちる身体が才人の行く手を遮る。
その合間に再び詠唱される火の魔法。
セレスタンにとって人質を手放すのは苦渋の決断だった。
だが人質を抱えたまま勝てる相手ではない。
いや、仮に万全の体勢を整えようとも正面から打ち勝てるとは思えない。
こいつは平民だ。だが、ただの平民じゃない。化け物だ。
ならば勝てるだけの策を練るだけの事だ。相手が誰であろうといつも通りでいい。
そうしてセレスタンは少女を突き飛ばした。
たとえ罠であろうとも兵士ならば王女を助けずにはいられない。
人質が倒れるのを見逃して斬りかかってくるなど有り得ない。
僅かにでも怪我を負う可能性があるなら無謀な真似はできない。
怪我をさせまいと抱きかかえた瞬間、それが致命的な隙となる。
動きが止まり斬りつける事も出来ずに両腕が塞がる。
問題は上手く人質を傷付けずに男だけを焼き殺せるかだが、
最悪、お姫様には火傷ぐらいは覚悟してもらうとしよう。
才人が踏み込む。倒れかかったシャルロットを支えようと腕を伸ばす。
セレスタンがいやらしい笑みを浮かべる。詠唱の終わった杖を才人に突きつける。
だが才人は止まらなかった。片腕でシャルロットを抱きかかえたまま、さらに踏み込む。
セレスタンの表情が驚愕で歪む。自ら王女を危険に晒すなど彼には考えもしない。
シャルロットを抱えても尚、才人の追足は落ちず後退したセレスタンに喰らいつく。
そしてもう一方の腕、剣を握り締めた腕が大きく弧を描く。
「ぎぃぃいああああああああ!!」
鮮血が舞う。のたうつようにセレスタンは絶叫しながら転げ回る。
セレスタンの理解の外から振るわれた剣は杖を持った彼の手ごと肘から先を両断していた。
勝敗を分けたのは才人の無知。自分の腕に収まった少女が誰かを彼は知らなかった。

「う、ううん……」
突き飛ばされた衝撃か、それともセレスタンの絶叫か、
眠りの淵にあったシャルロットの意識が緩やかに呼び起こされる。
意識は胡乱のまま自身を包む感触を確かめる。
暖かい、けれどベッドのように柔らかくはない。
それとは別に身体を預けていても安らげる頼もしさを感じる。
シャルロットの瞳が開かれる。そこにあったのは見慣れたベッドの天蓋ではなかった。
代わりに、自分を追ってきた少年の顔が息がかかるほど近くにあった。
思わず振り払おうとした手がピタリと止まる。
傷だらけの身体で息を荒げながらも彼は私を決して放そうとはしなかった。
あのセレスタンに物怖じもせずに見据える真摯な眼差しに息を呑む。
彼は勇者だった。思い描いていたのはちょっと違ったけれど。
絵本に描かれていた姿そのままに守るべき者の盾となっていた。
968ティータイムは幽霊屋敷で:2010/01/08(金) 16:29:41 ID:Ab6Pdh7/

一方、ティファニアを奪い返そうとしたマチルダと騎士の足は止まっていた。
両者の顔をまじまじと見つめながらイザベラはしたり顔を浮かべる。
ナイフを失った彼女の手には銃が握られ、ティファニアのこめかみに銃口が突きつけられている。
見た事もない型の代物だが玩具ではない。本物だけが持つ迫力をそれは備えていた。
騎士は自分が出し抜かれた事にようやく気付く。
どうやって調達したかは分からないが彼女は武器を二つ用意していたのだ。
ナイフを命綱と見せかけて囮にして、こちらの注意を惹きつける。
そして一斉に騒ぎを起こして人質を奪還する。
“四国全てで戦乱を巻き起こしたいとでも”
“彼女はラ・ヴァリエール公爵の三女で”
“私は二度と貴方を信用しないわ”
そして、差し出された人差し指。
何故気付かなかったのか、彼女等は決行までの秒読みを言動に含ませていたというのに――。
ティファニアを前にして悔しげに奥歯を噛み締める。
だが彼の眼はまだ諦めてはいなかった。
勝ち誇るイザベラを鋭く深く洞察して隙を窺う。

「双方そこまでだ。杖を引け」

その最中、緊張で張り詰めた森に凛とした声が響く。
皆の視線が集まる中、襤褸と化したアルビオン軍服を着た男が姿を現す。
背後には付き従うようにロングビルと屈強な騎士が続く。
顔に巻かれた包帯を解きながら男は言葉を続けた。

「ウェールズ・テューダーが命じる。争いを止めよ」
額には深く刻まれた傷痕。やつれてこけた頬。憎悪に満ちた瞳。
そのどれもが、かつての彼の面影を感じさせない。
だが、そこには確かにアルビオン王太子ウェールズ・テューダーの顔があった。
969ティータイムは幽霊屋敷で:2010/01/08(金) 16:32:40 ID:Ab6Pdh7/
投下終了。前回から随分と間が空いてしまいしました。
気付いてみれば大復活祭開催中。
これからも楽しみにしています。

970名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 16:37:33 ID:40LLImnl
投下乙です!
フラグをより確実にしている才人はもげるべきだw
971名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 16:38:14 ID:40LLImnl
×より確実にしている
○より確実なものにしている
972名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/08(金) 17:42:47 ID:DqTbLu/7
敵は倒す。フラグも立てる。両方やんなくちゃならないのがヒーローの辛いところだな。投稿乙!!
973名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/09(土) 12:44:15 ID:ZNsJNh4N


ようやく決着か…
974ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/02(火) 19:05:13 ID:WsyRg9Tl

薄霧の中を掻き分けるように現れたウェールズをイザベラが訝しげに見やる。
“コイツは本物なのか?”それが彼女の脳裏に浮かんだ最初の疑惑だった。
顔を合わせた事があるといっても数えられる程度、しかも特別に親しかった訳でもない。
ましてや今の彼は記憶の中にある華やかな姿からは遠く懸け離れていた。
それでもイザベラは直感する、これは間違いなくウェールズ本人だと。
もし偽物ならもう少しまともな……それっぽい偽物を使うだろう。
そして、それを裏付けるように彼を目にしたアルビオンの騎士たちがその場で跪いた。
一同は手にした杖を地面に置き、敵意が無い事を証明している。

「ウェールズ殿下……ご存命であられましたか」
「ああ。代わりに多くの臣下の命を失った」
騎士の問いかけに憎しみの篭った声でウェールズは答えた。
戦死したように見せかけて何処かに落ち延びたのだろう、
しかし、その風体を見れば匿ってくれる相手などいなかったのは一目瞭然だ。
あるいは、誰も信用できず連絡さえ取らなかったのかもしれない。
騎士とウェールズの間にチリチリと火花のような張り詰めた緊張感が流れる。

「君はこれまでアルビオン王国の為、家族も名前も捨てて汚れ仕事を一手に引き受けてくれた」
「誰かがやらねばならない事でした。それが偶々私だっただけです」
「だが誰にでも為せる訳ではない。名誉を求めず、汚名を恐れず、真の騎士にしかできない事だ」
“ああ、そうさ、大した物だ”とイザベラは皮肉を抜きにして賞賛を示す。
連中から受けた仕打ちや損害に目を瞑れば、これだけの手勢で各国を翻弄した手腕には感心さえ覚える。
アルビオン王国にとっても処分するには惜しい存在だ。だからこそウェールズは彼を『説得』するつもりなのだ。

「本来の主が戻った今、もはや無意味な命令に従う必要はない。もう一度、私の為に尽力してくれるな?」
そっと騎士の肩にウェールズは手を置いた。それは彼への信頼の表れだけではない。
跪く騎士の耳元に顔を近づけて誰にも聞こえぬよう小さな声で語りかける。
「この計画の首謀者は誰だ。叔父上だけではあるまい」
あまりにも手際が良すぎる。グリフォン衛士隊の取り込み1つにしても情報漏洩もせずに手回しする。
そんな事をアルビオン単独で出来るとは到底思えなかった。
だからこそウェールズは他の国の関与を疑った。
あるいは計画を頓挫させ、アルビオンを悪役に仕立てる謀略ではないのかと。
躊躇するような素振りをしていた騎士が重々しく口を開く。
「殿下、実は……」

ふとイザベラの視線が騎士の足元に落ちた杖に向けられる。
些細な違和感。それが何か彼女に胸騒ぎにも似た焦燥を掻き立てる。
じくりと痛む首の傷痕に、イザベラはハッと思い起こした。
――――違う。この杖じゃない。
首元に突きつけられた杖を凝視していた彼女だから気付けた。
足元にあるのは、この騎士の杖ではない。恐らくは別の誰かの物。
だったら彼の杖は一体どこに……?
975名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 19:05:47 ID:Cs1GqhH0
しえん
976ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/02(火) 19:06:32 ID:WsyRg9Tl

「離れろ! そいつは杖を隠し持ってるぞ!」
答えを導き出すと同時に張り上げられるイザベラの声。
同時に、騎士は掴んだ砂混じりの土を彼女の銃へと投げつけた。
イザベラが持つ銃はハルケギニアにあるどの銃よりも複雑な仕組みをしている。
ならば砂や土が入れば動作不良を起こすのではないか、
仮にそうでなかったとしても暴発を恐れて銃を撃てなくなる。
彼は武器を封じる事で人質を無効化したのだ。
それを合図にアルビオンの兵士達が弾けるように動き出す。
杖を拾った彼等はワルドと、そして背後のアンリエッタへと向かい、
マチルダはティファニアを盾とするイザベラに踊りかかる。

引鉄に指をかけたままイザベラは逡巡した。
暴発を恐れたのではない。仮に暴発したとしてもこの銃では人は死なない。
どちらにせよ脅しが通じなくなったのなら人質の意味はない。
銃を投げつけるか――ダメだ、悪足掻きと思われるのがオチだ。
撃つか――人質が死んだと激昂されて殺されるかもしれない。
いい作戦が思い浮かぶまでの間、その僅かな時間を稼ぐ為、
恥も外聞もなくイザベラは人質を羽交い絞めにした。
これなら礫も飛ばせないしゴーレムで殴りかかってもこれない。
あと十秒、それだけあれば何とかなる。つーか、ならなかったらアタシが死ぬ。

ウェールズを引き倒して馬乗りになった騎士が彼の首へと杖を突きつける。
しかし、それを寸前で彼は杖で受け止める。互いの魔力の衝突が電流のように迸った。
「何故だ! 何故私に杖を向ける!? 君はアルビオン王国に忠誠を誓ったのではないのか!」
「だからこそです殿下。貴方が生きていれば必ず国は二つに割れる。
ようやく落ち着きを取り戻したアルビオンに貴方の存在は要らぬ波紋を呼ぶのです」
万力で締め付けるかの如く、じりじりと騎士の杖がウェールズの首に迫り来る。
彼が仕えているのは王家ではなく王国そのもの。国を存続させる為ならば誰であろうとも殺せる。
政争の道具として利用されぬように王が内緒で作った妾を腹の子ごと事故死させた事もある。
正しいかどうかではない、誰かがやらねばならない事なのだと彼は確信していた。

「タルカス。ブラフォード。貴方達はワルド子爵の援護を」
「御意」
ロングビルの命を受けて傍に控えてきた騎士二人が駆ける。
杖ではなく剣を抜き、彼等はワルド子爵を抜こうとする兵士達に立ち向かう。
タルカスと呼ばれた巨体の騎士が彼等に鉄板じみた大剣を振り下ろす。
かろうじて避けた兵士の目の前で、叩きつけられた刃が大地を切り裂く。
人の枠を超えた膂力に慄きながらも兵士はタルカスの懐へと飛び込む。
突き刺さった剣は半ばまで地面に喰い込んでいる。
これでは振り上げる事はおろか抜く事さえできない。
力任せの剣技を鼻で笑い飛ばしながら鎧の隙間に杖を差し向ける。
直後。男の身体は舞い上がる土砂と共に両断された。
噴火さながら地面を吹き飛ばしながらタルカスは地盤ごと男を斬り上げていた。

その土砂に紛れてブラフォードと呼ばれた長身の騎士が兵士に組み付く。
だが、それは投げる為でも関節を極める為でもない。
両の手首を掴んで杖を振れないようにするだけの稚拙な動作。
確かに魔法は封じられた。だが騎士の両腕も塞がっている。
これでは如何なる方法を用いても相手を倒す事はできない。
ただの時間稼ぎと察した兵士が腕を振り解こうとした瞬間だった。
ざくん、と何処からともなく飛来した刃が兵士の首を両断した。
飛び散る血飛沫で視界が染まる直前、彼が目にしたのは騎士の髪に結び付けられた一本の剣。
それが彼の命を奪った死神の鎌の正体だった。
977ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/02(火) 19:08:33 ID:WsyRg9Tl

「待ってろ! 今行く!」
サイトが声を上げる。
誰を助けに行けばいいのか分からない乱戦の中、
彼は一目散にルイズの所へ向かおうと駆け出そうとした。
しかしその直後、才人は唐突に背後に引っ張られた。
見れば、青い髪の少女が自分のパーカーをぎゅっと握り締めていた。
あ、と呟く声が形の良い唇から洩れる。
どうしてそんな事をしてしまったのか分からない、そんな様子だった。
戸惑う少女を前に才人は何も言えなかった。
怯えている子に勇気を与える台詞も騙す口車も彼には思いつかない。
一瞬の空白。その僅かな間隙をこの男は逃さなかった。
「ハッ!」
その掛け声に振り返った時には既に手遅れだった。
飛び立つ衛士隊のグリフォンに必死にしかみつきながらセレスタンは残った片腕で手綱を引く。
戦場を逃げ出すセレスタンとそれを見上げる才人の視線が虚空で交わる。
嘲笑と殺意、その両方がない混ぜになった凶悪な笑みを目にした才人の手が震える。
ワルドと比較すれば決して強敵ではなかった。なのに才人の心中には拭いきれない不安が込み上げていた。
そんな彼の手をシャルロットは温めるように握り締めた。

「いちゃついてる場合か! さっさと助けに来い!」
手を繋ぐ才人とシャルロットにイザベラの怒号が飛ぶ。
マチルダの作り出したゴーレム数体が彼女を包囲しつつ距離を狭める、
そんなのっぴきならない状況に追い込まれた彼女にはほとんど余裕などなかった。
ティファニアを巻き込む危険がある以上、彼女が一撃で殺される心配はない。
だけどイザベラには武器もティファニアの首をへし折るだけの腕力もない。
ゴーレムに一斉に飛びかかられたら人質に危害を加える間もなく取り押さえられる。
それをしないのは怪我さえ負わせたくないからだろう。しかし、それもどこまで持つか。
じとりとイザベラは役立たずどもを睨みつける。
だが、そこにあったのは彼女の視線に萎縮する二人の姿ではない。
シャルロット達が驚愕と焦りに満ちた眼差しでこちらを見やる。
いや、違う。見ているのは私じゃなくて、その背後――。
イザベラが振り返るよりも早く彼女の首筋に鈍い衝撃が走った。

ぐるりと歪みながら回る視界の中で彼女は自身の背後に立つゴーレムを見た。
周りを取り囲んでいたのはそちらに注意を向ける囮。背後に作っておいた一体が本命だった。
“ああ、やっぱりこうなったか”地面に崩れ落ちながら彼女は自嘲する。
いくらイザベラが知恵が回ろうとも戦いになれば彼女に勝ち目はない。
ワルドやカステルモールならばこんな見え透いた不意打ちなど受けたりはしない。
羽交い絞めにした腕が解ける。人質を放して倒れる彼女の頭へ追撃が迫る。
刹那。シャルロットの手を振り払って才人が駆ける。
978名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 19:08:40 ID:RFTDbnn2
…ひょっとしてこの二人本物?
979ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/02(火) 19:09:58 ID:WsyRg9Tl

「――――やめてっ!!」
あらん限りの力を振り絞って張り上げられたティファニアの声に、
マチルダに突き付けられた才人の剣と、イザベラに振り下ろされた石の拳が止まる。
はあはあと息を荒げながら瞳に涙を浮かべて見上げる彼女にマチルダはたじろぐ。
後ろめたい自分を見透かされているような気がしてマチルダは声を荒げた。
「下がってなテファ! これはアンタの為でもあるんだ!」
杖を握るマチルダの手は震えていた。そう思わなければ戦えないほどに。
テファを巻き込むまいと心に誓った事を再び思い起こして己を奮い立たせる。
脳裏に浮かぶ幻影を振り払うように頭を振る彼女をイザベラは伏したまま嘲笑する。
「どうした? さっさとやれよ、カステルモールをやった時みたいにな」
その言葉により鮮明になった幻影が彼女の脳裏に悪夢のように纏わり付く。
イザベラの語った言葉の意味を理解したティファニアの表情が急速に蒼褪めていく。
彼女の視線から逃れるように目を逸らしたマチルダが苦しげに歯を食いしばる。
もう引き返すことはできない。なら、このまま突き進むしかない。
言われずとも、と杖を振り上げようとしたマチルダに才人は戸惑いながら告げる。
「えと、カステルモールなら生きてるよ。俺、あの人にフェイスチェンジかけてもらったんだ」
ぴたりと掲げた杖が止まる。それは彼女にとって最後の分岐点だった。
まだ彼女は最後の一線を越えていなかった。しかし、この杖を振り下ろせば……。
迷うマチルダの手にそっとティファニアが寄り添うように手を重ねる。

「私の為だと言うなら尚更やめて。私、ねえさんのそんなつらそうな表情見たくない」
カランとマチルダの手から杖が零れ落ちる。
戦う理由を失った彼女にはもう抗うだけの力は残されていなかった。
泣き崩れるようにティファニアを抱き締めるマチルダ。
よく状況を呑み込めていないが丸く収まったのだろうと才人がうんうん頷く。
その才人をノロマだのグズだの罵りながらイザベラが助け起こすように命じる。

そんな光景を、森の奥から小さな人形たちが見つめていた。
手には矢を番えたボウガン。その照準はマチルダへと向けられていた。
命拾いしたのはイザベラではなくマチルダの方だった。
もし僅かでも杖を振り下ろす姿勢を見せていれば、
ロングビルの操るアルヴィーは何の躊躇もなく引鉄を引いただろう。
アルヴィー達が照準をマチルダからウェールズに組みつく騎士へと移す。

騎士の目に映るのはウェールズの姿だけだった。
グリフォン隊の指揮権をワルドが取り戻し、残された部下も悉く葬られた。
マチルダはティファニアと共に降参し、未だに戦い続けているのは自分一人。
計画が全て雲散霧消と化した以上、せめてウェールズ殿下だけでも道連れにするつもりだった。
だが、その覚悟は降り注ぐ矢の雨に阻まれる。
騎士の眼を、腕を、喉を、脇腹を、冷たい鉄が貫いていく。
ぐらりと崩れる騎士の身体を押し返してウェールズは逆に馬乗りとなる。
矢に穿たれた眼には、突きつけられた杖もそれを向けるウェールズの姿も映らない。
見えるのはただ心の内にだけ浮かぶ故郷の姿。

「……この計画に黒幕などいませんよ。全ては私たちの暴発、王も誰も関与していません。
マチルダ様もサウスゴータ伯爵の名を使って引き込んだだけの事。……そういう事にできませんか?」
「戯言を!」
ごぶりと血を吐き出しながら弁明する騎士に容赦なくウェールズは杖を突き立てた。
打ち込まれた風の刃は寸分違わず騎士の心臓を貫き、辺りに鮮血を撒き散らした。
隠れ家から出てきたエンポリオに助け起こされながらイザベラはその光景を眼に焼き付けた。
人質を盾に取り、傭兵を捨て駒にし、自分の部下さえ切り捨て、罪なき人間を多く巻き込んだ。
それは人々が想像する騎士とはあまりにも懸け離れた姿。男がこうなったのは必然だったのかもしれない。
人はコイツを外道と思うかもしれない。私もそう思う。そこに変わりはない。
だけど奴が守ろうとしたのは尊い物だった。たとえ謗られようとも、そうしなければならなかった。
奴は奴なりにこの世界を良くしようとした。その悲願を理解しようという気持ちは更々ない。
だけど軽蔑はしないでやる。敵味方に別れようと、それが私に出来る最大の手向けだ……。
980ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/02(火) 19:11:06 ID:WsyRg9Tl

「終わったのですか?」
アンリエッタがウェールズに訊ねるように声をかけた。
ワルドと二人の異様な騎士は彼女達に群がる残敵を掃討し尽くし、
マチルダやグリフォン隊には戦う気力もなく、主犯である騎士もウェールズの手により始末された。
もう彼女達に迫る脅威はここには存在しない。だから終わったのだと彼女は確認を取ろうとした。
「――――いや、まだだ」
杖に付いた血を拭き取りながらウェールズは“最後の敵”へと振り返った。
その視線の先にいたのはマチルダではなくティファニア。
瞳に宿る憎悪を隠す事なくウェールズは彼女の元へと歩み寄る。
そして横薙ぎに自身の杖を一閃させた。
「え?」
何が起きたのかを理解する間もなくティファニアの髪が突風に舞う。
吹き飛ばされたフード、その下からは長く突き出た彼女の耳が現れた。
「エルフ!」
使い魔を除いた、この場にいる全員を代表するようにルイズが叫ぶ。
恐怖と困惑の入り混じった視線が一斉にティファニアへと向けられる。
その眼差しに怯えるように身を縮めた彼女にさらにウェールズは近寄る。
「アルビオン王国を掌握せんが為に父上を謀殺した叔父と、それに手を貸した異教徒との間に生まれた子だ」
怒気を孕ませながらウェールズは吐き捨てるかの如く告げた。
そんな事はないと否定しようとティファニアは声を上げようとした。
だが、ウェールズに一睨みされただけで彼女は恐怖に声を詰まらせた。

「アルビオン王家の血を穢した罪、その命で償ってもらおう」
杖に風を纏わせながら歩むウェールズを誰も止められなかった。
事は彼女等の予想よりも遥かに大きく、他人が口出しできるような状況になかった。
――唯一人、“そんな事は知ったことじゃねえ”とばかりに飛び出したバカを除いては。

「そこをどけ」
行く手を遮る平民にウェールズが冷徹に言い放つ。
「どかねえよ」
殺意を漲らせた相手を前に臆せず才人が答える。
直後。両者の間で激しい火花が舞い散った。
衝突する剣と杖。互いの得物を振りかざして叫ぶ。

「どけと言っているッ!!」
「どかねえっつってんだろッ!!」

静寂を取り戻した森に、譲れぬ男達の咆哮が木霊した――。
981名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 19:14:37 ID:RFTDbnn2
シャルロットだけじゃなくて、テファにもフラグ立てるつもりですね、分かります
……MOGERO!!
982ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/02(火) 19:15:12 ID:WsyRg9Tl
以上、投下終了です。
ダラダラ続いていると思われてそうで不安になり、続きが書けなくなってました。
峠は越えた(はず)ので、これからは飽きさせないよう次の舞台へと移っていきます。
983名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 12:49:48 ID:15+hA0eP


ここのロングビルはもしかして……
984名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 12:50:44 ID:15+hA0eP
あ、追伸
次スレができているので皆そっちへ行ってますよ
985名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 18:59:28 ID:ta6aTqzI
otu
986名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 07:07:12 ID:37zEiHT3
何、このサイト?本当にウザいw
987名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 19:47:58 ID:0zE2/O0a
おつです
このスレでは珍しいまともなサイトが久々に見られて嬉しい
988ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/05(金) 18:04:13 ID:GKqcjsFy

アルビオン皇太子ウェールズ・テューダー。
彼の運命を変えたのは、事件発生より少し遡ったある日の事だった。

「……本日、快晴なれど風強し」
アルビオン王国艦隊司令長官ウェールズは船長室で航海日誌を認めていた。
本艦『イーグル』号と僚艦『シャーク』号、『パンサー』号の三隻による哨戒任務は順調であった。
交易港近辺を荒らしまわる空賊の姿は終ぞ見つける事は出来なかったが、その間は交易船が襲われる事も無かった。
だがウェールズの心境としては一戦砲火を交えたかったのが本音である。
海賊を退治するのも重要だが、何よりも尊敬する父・ジェームズ一世の死が彼の心に重く圧し掛かっていた。
戦いになれば一時とはいえ、そうした苦痛を忘れる事もできたのにと嘆息する。

「開いている。入りたまえ」
コンコンとノックする音にウェールズは事務的に答えた。
それに応じて部屋に入ってきたのはアルビオンの重鎮として知られる老賢者バリーだった。
彼はジェームズ一世の忠臣として常に傍らに付き従い宮廷を支え続けてきた功労者で、
本来なら海賊退治に同行するような立場でもなければ歳でもなかった。
バリーの急な申し出を受け入れたウェールズではあったが内心はどうにも落ち着かなかった。
恐らくは父上亡き後のアルビオン王国について相談したい事があるのだろう。
だが、それを聞き遂げるだけの余裕が今の自分にはない。
せめて、この航海の合間だけでも自分をそっとして欲しかった。
老メイジは会釈すると懐から一通の封筒を取り出し、それをウェールズに差し出した。

「これは?」
「亡き陛下の御遺言にございます。自分に何かあった時にはそれを殿下にと……」
ふむ、と少し考えてからウェールズはペーパーナイフで封を開けた。
何故そのような遺言があったのか、彼は僅かに疑念を抱いた。
確かに父の体調が思わしくなかったのは事実だが、それほど酷い病状とも思えなかった。
自分の急死を予見して遺したと考えるのは不自然な上、何故公開せずにバリーに託したのか。
手紙を開いて数分。彼の顔色は蒼褪め、手紙を読むその手は動揺に戦慄いていた。
そこに記されていたのは叔父・モード大公がエルフを妾にし、その間に生まれた子を匿っているという内容だった。
彼と父の知るモード大公は敬虔なブリミル教徒であり、決して異教徒に組みするような人物ではなかった。
彼はエルフに心を操られ、その傀儡としてアルビオン王国を掌握しようとしているのではないか。
あるいは、考えたくない事だが王位を簒奪せんが為に異教徒の力を借りようとしたのかもしれない。
ジェームズ一世はその真意を問い質すべくモード大公に一人で会いに行くらしい。
もしエルフとの間に生まれた子を引き渡すのなら、この事実を隠蔽し彼と妾の罪は問わないつもりだと。
この手紙に記された日付、それは奇しくも父が急死した日と一致していた。

「デタラメだ! 叔父上がそのような事をなさるはずがない!」
「ですが現に陛下は崩御なされました。それも不審な死によるものです」
手紙を投げ返しながら猛るウェールズをバリーは冷静に諭す。
この遺言が偽物だと言い返す事は彼には出来なかった。
そこに記された字は紛れもなく父、ジェームズ一世の手によるものだった。
どさりと椅子に腰を落とし、汗ばんで垂れる髪を掻き上げながらウェールズは乱れた呼吸を整える。
「……叔父上と話がしたい。本当にそんな事をしたのか、真実を確かめたい」
「軽率な真似はお控えください。貴方はアルビオン王国に残された唯一正統な血筋なのです」
のこのこと敵地に出向けばウェールズは暗殺されるとバリーは確信していた。
モード大公の一派にとって今一番の障害はウェールズ殿下のみ。
既に彼は監視下に置かれ、こうして海賊退治の名目で宮廷を離れるまでは接触の機会さえなかったのだ。

「では―――どうすればいい?」
「まずは艦の不調を装い、修理の名目でニューカッスル城へと逃れましょう。
あそこにはまだ陛下の忠臣が多くおります。そこで地盤を固め、この手紙を証拠としモード大公を失脚させます。
公が異教徒と通じている事を知る者はそう多くないはずです。これを目にすれば大多数は我々を支持するでしょう」
989ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/05(金) 18:05:20 ID:GKqcjsFy
バリーの提言にウェールズは苦渋の決断を迫られていた。
それならば国を割らずにこの事態を収束できるかもしれない。
だが、それを実行すればモード大公は王権の簒奪者としてだけではなく、
異教徒に国を譲り渡した売国奴、王家の血筋を穢した大逆の徒として扱われるだろう。
何よりも名誉を重んじる貴族、その中心にある王族としてそのような汚名を負わせたくはない。
父についで敬愛する叔父をそのような形で失うなどウェールズには耐えられない。
ましてや叔父上は異教徒に操られているだけかもしれないのだ。

「失礼します! ウェールズ殿下、ただちに甲板までお越しください!」
ノックもほどほどに船長室の扉を開けて船員が飛び込む。
その尋常ではない海兵の態度を感じ取ったウェールズが席を立つ。
あるいは少しでも決断を遅らせたかっただけなのかもしれない。
自身の懐に手紙をしまい、バリーを連れて船員の先導に従って甲板へと足を運ぶ。
「あれです」
海兵の指差す先をウェールズは凝視する。
そこで彼が目にしたのは無惨な姿を晒す船の残骸だった。
船体には余す所なく砲弾が撃ち込まれた跡があり、
甲板上は全てのマストが叩き折られ、乗組員のものと思われる夥しい血痕が一面に広がっていた。
至近距離からの砲撃でなければ決して生まれない惨状。
それは戦闘というよりも一方的な虐殺が行われた証拠だった。

「空賊の仕業か? この船はどこの国の船だ?」
「それが……これをご覧ください。それが倒れたマストの下敷きに」
そう言うと海兵は一枚の黒い布切れをウェールズに差し出した。
おもむろに受け取った布を広げる。そこに刺繍されたマークはどこの国の物でもなかった。
黒地の白い頭蓋骨と大腿骨で作られた十字と砂時計の絵柄。それは典型的な空賊が使う海賊旗だった。
「仲間割れか、それとも他の空賊との縄張り争いでもあったか」
「しかしながら殿下。空賊船にこんな火力は出せません。これではまるで戦列艦か、あるいは」

直後、甲板上の声を掻き消すような轟音と衝撃が船体に走った。
『イーグル』号の左舷で撃ち込まれた砲弾の煙が燻ぶ。
警戒態勢から戦闘態勢へと移行する船員達にウェールズの檄が飛ぶ。
奇襲に混乱する者はなく全員がそれぞれの持ち場に着いて己が役割を果たす。
「空賊の残党か?」
「いえ、違います。あれは―――軍艦です!」
「………っ!! 何処の艦か確認しろ! 発光信号の準備を!」
望遠鏡で艦影を確認した船員がウェールズに叫ぶ。
乗組員を動揺させぬように平静を装うもウェールズの語気が強まる。
開戦ならば事前に他国より宣戦布告が届くはずだ。
それを警告も無しに発砲してくるとは正気の沙汰ではない。
常軌を逸した敵艦の行動にウェールズの思考が掻き乱される。
やがて敵影を確認していた船員が震えながら口を開く。
「殿下……あれは、他国の軍艦ではありません。
アルビオン王国艦隊所属の戦列艦『ジャガー』号と『ベアー』号です」
「なんだとッ!?」
続けざまに降り注ぐ砲弾が『イーグル』号の船体を削り取っていく。
誤認や誤射などではない。明確な殺意を以って浴びせられる砲撃に艦が悲鳴を上げる。
決断を遅らせる事は死に直結する。事実がどうあれ『イーグル』号が攻撃を受けている事には変わらない。
「くっ……本艦は後退する! 『シャーク』号と『パンサー』号は援護せよ!」
僚艦に攻撃の指示を出してウェールズは操舵士に舵を切るよう伝える。
それに従うかのように僚艦二隻は砲門を開き一斉に砲火を浴びせた。
―――敵艦にではなくウェールズの乗る『イーグル』号へと。

反転しようと速度を落とした『イーグル』号を前後から計四隻の艦が挟撃する。
作業していた乗組員もろとも砲弾がマストを薙ぎ倒す。
艦砲射撃で砕けた船体の破片が散弾のように飛び交って船内を地獄に変える。
風の系統魔法で抵抗を試みたメイジ数人がまとめて肉片と化して飛び散る。
ウェールズは部下達がみすみす殺されていくのを黙って見ている事しか出来なかった。
反撃も撤退もどれも手遅れだ。もはや勝敗は決している、自分達はあの残骸と同じ運命を辿るのだ。
990ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/05(金) 18:07:35 ID:GKqcjsFy

「まさかここまで彼奴等の手が及んでいようとは……このバリー、一生の不覚」
爪が砕けんばかりに欄干を掴むウェールズに老賢者は後悔の念を洩らした。
事ここに到りウェールズも認めざるを得なかった。
アルビオン王国艦隊を統帥できるのは自分と叔父上だけ。
父上の遺言は正しかった。――――だが、それももう遅い。
かくなる上は貴族の名誉を守るべく、この命果てるまで戦うのみ。
決意を固めて軍杖を引き抜こうとするウェールズの手をバリーは抑えた。
「短気はなりませぬ。今は雌伏の時、好機が訪れるまで耐え忍ぶのです」
「何を世迷言を! もはや退路は断たれ、反逆者の手にかかるのを待つばかり。
ならば、せめて一人でも多くの敵を道連れにアルビオンの誇りを見せつけてくれる!」
「確かに『イーグル』号の命運はここまで。ですが一人だけならばまだ望みはあります」
そう告げるとバリーは甲板上に一人の男を呼び出す。
それを目にしたウェールズの顔が驚愕に引きつる。
そこにいたのは服装も髪も顔までも同じ自分の写し身だった。
彼はウェールズに敬礼すると直ちに杖を抜いて鬨の声を上げた。
我こそはウェールズ・テューダー。腕に覚えあれば我が首級を上げてみよ、と。
まるで自分のように兵を鼓舞する彼を見つめるウェールズにバリーは告げる。

「万が一の為に用意した影武者でございます。顔はフェイスチェンジにて。
しばらくはあれで時間を稼げましょう。その隙に殿下は脱出を」
「バカな……連中の目は節穴ではないぞ。逃げる小船を見落としたりはせぬ」
「然様で。ですから殿下が脱出してすぐ『イーグル』号の火薬庫に火を放ちます。
爆風と閃光、飛び散る破片がいい目くらましとなりましょう」
「なっ……!?」
ウェールズは我が耳を疑わずにはいられなかった。
船内の火薬に火を放てば軍艦といえどもひとたまりもない。
巻き起こる爆風は乗組員全員を粉微塵に吹き飛ばす。
それも全ては自分一人を逃がす為に囮となって死ぬのだ。
「ダメだ! そんな事を認めるわけには……」
「乗組員の死体が少なければ脱出を疑われます。
それに影武者の死体が残れば追っ手がかかるのは明白。
一人でも捕縛されれば魔法にて殿下の事を白状させられるでしょう。
―――なれば、我等の死に場所は今ここに!」
ドンと枯れ木のような腕でバリーは自身の胸を力強く叩いた。
彼等の話を聞いていた海兵達もそれに続くように胸を叩く。
『イーグル』号の甲板に雨霰と砲弾が降り注ぐ中、彼等は不動の姿勢で立ち続ける。
その揺るぎなき決心を変える事は皇太子であるウェールズにも出来なかった。
込み上げる涙を隠すように軍帽を被り直して彼は口を開いた。

「アルビオン王国艦隊司令長官として命令する!」
身を切られるような想いで彼は声を発した。
それでも自分がやらなければならない事を彼は知っていた。
「『イーグル』号クルー全員、ここで命を捨ててくれ!
無能で無力な私の為に! アルビオン王国の未来の為に!」
すまないと心で詫びながらウェールズは自らの口で非情な任務を伝えきった。
彼を見つめる多くの眼差し。返答はない。ただ、皆一様に彼に敬礼を返すのみ。
隠し切れなくなった涙が甲板に零れ落ちる。そして別れ逝く彼等に敬礼で応えた。
“諸君等はアルビオン王国の誇りである”等と美辞麗句で飾る事さえおこがましい。
彼等はいつも通り任務を果たす。たとえ、その先にあるものが自分達の死であったとしても。
失った物の大きさを噛み締めながらウェールズは一人脱出艇へと乗り込んだ。
991ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/05(金) 18:11:03 ID:GKqcjsFy

「殿下、お達者で」「アルビオン王国をお頼みします」
離れる脱出艇を確認した海兵達がそれぞれ心境を口にする。
そこに悲壮な表情はなく穏やかな笑みさえ浮かんでいる。
その中心に立つバリーが杖を抜きルーンを唱える。
彼等の足元には火薬で引いた線がある。
「さあ、連中にアルビオンの船乗りの意地を見せようぞ」
それに頷き返す屈強な海兵達に満足げな笑みを浮かべてバリーは火を落とした。
着火した瞬間、火薬が激しく燃えながら導火線を辿っていく。
その終点にあるのは火薬を満載した『イーグル』号の火薬庫。
「見るがいい! そして、その目に焼きつけよ!
これは勝利を祝う祝砲ではないぞ! 貴様らへの反撃の狼煙だ!」
バリーが吼えた直後、凄まじい勢いで『イーグル号』は内側から爆砕した。
光と熱と衝撃が暴力じみた勢いで膨張し周囲に広がっていく。

『イーグル』号の最期を見る事は叶わなかった。
光が眩しかったからではない。炎が熱かったからではない。
爆風に吹き飛ばされそうになったからでもない。
もし振り返ってしまえば二度と進めなくなる、そんな気がした。

夜を待ってからウェールズは近くの浅瀬へと上陸した。
脱出艇をロープで牽引して森の中へと引き込む。
そして積荷を下ろすと証拠を残さぬように解体して薪に変えた。
こんな夜更けに街に入れば怪しまれるとウェールズは野宿の支度を整えた。
携帯食糧の干肉を火で炙りながら食す。味もしないそれを噛み締めて飲み下す。
今の彼はまるで死人のようだった。作業する間も何も考えもせず身体の動くままにしただけ。
ウェールズは大切な物を失いすぎた。父も叔父も忠臣も部下も、どれもが掛け替えのない物だった。
胸の中に大きな空洞が空いたような空虚さを覚えながら、彼は生き延びる事を第一に考える。

アルビオンにいるのはマズイ。まずはここを出よう。貨物船にでも潜り込めれば何とかなる。
荷物の中には軍資金も含まれている。これで当面は生活や移動の心配はない。
その時、ふとウェールズは肝心な事を忘れているのに気付いた。
自分の顔は知られすぎている。自国の皇太子を知らぬ国民はそう多くないはずだ。
顔を隠す物を探してウェールズが見つけたのは救急袋の中にあった包帯だった。
だが、これを巻いただけでは変装にはならない。逆に不審がられるだけだ。
しかし幸いにもウェールズの目の前には簡単な解決方法が転がっていた。

「ぐっ!」
焼けた木片の先端を額に突き刺し、そのまま顔をなぞる様に切り裂く。
皮膚を焼く火傷も顔を刻む苦痛も今のウェールズにとっては救いだった。
切り捨ててきた者達に釣り合いが取れるとは思えないが、それでも自分を罰したかった。
彼等を殺したのは敵ではない、私だ。自分の甘さが彼等を犠牲にしてしまったのだ。
捨てろ。非情に徹しろ。情に流されるな。復讐を果たせ。叔父に報いを。
信じていた父と自分を裏切り、同胞に手をかけた簒奪者に死を。
空っぽの心になみなみと憎悪が注ぎ込まれて満ちていく。
二度と私情に流されぬよう、戒めながらより深く木片を刺す。
獣のような雄叫びを上げながら彼は手術を続ける。
深く深く抉られた傷は最愛の人との決別の証でもあった――。
992名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:12:36 ID:riuXLA+L
何という修羅の道…支援
993ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/05(金) 18:14:00 ID:GKqcjsFy
投下終了です。これで感想がつけば全部埋まるかな。
994名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:15:19 ID:riuXLA+L
投下乙です
これはひょっとしてジョゼフがウェールズを保護したのか?
後々で駒として使えると思って
995名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 21:00:19 ID:zWZJeaTr
投下乙です 。
何でだろう。ウェールズの過去バナがどうしてもウェールズ自身の死亡フラグにみえてしょうがない。
996名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 10:11:47 ID:36E7EvAT
投下乙です。
同じくウェールズの死亡フラグに見えて胸騒ぎが。
997名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 10:36:55 ID:qB5Hujn9
うめぇ
998名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 11:04:46 ID:2k1jM55t
いい加減埋め時だぞジョジョォーーーーッ!!
999名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 11:09:00 ID:0IOvglN9
チェーンジゲッター1!
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 11:16:57 ID:F3SJ3SzD
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