あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part175

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part174
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222527877/l50

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/


     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


     _       ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,     本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ      本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l      ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
              ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。


.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:44:46 ID:gtt424eV
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:45:16 ID:gtt424eV
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/08/17(日) 02:13:03 ID:9AxAAVZE
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:47:01 ID:gtt424eV
【書き手の方々ヘ】
・作品投下時はコテトリ推奨。トリップは「名前#任意の文字列」で付きます。
・レスは60行、1行につき全角128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しに削除されます。空白だけでも入れて下さい。
・専用ブラウザなら文字数、行数表示機能付きです。推奨。
・専用ブラウザはこちらのリンクからどうぞ
・ギコナビ(フリーソフト)
  http://gikonavi.sourceforge.jp/top.html
・Jane Style(フリーソフト)
  http://janestyle.s11.xrea.com/
・投下時以外のコテトリでの発言は自己責任で、当局は一切の関与を致しません 。
・投下の際には予約を確認してダブルブッキングなどの問題が無いかどうかを前もって確認する事。
・作品の投下は前の投下作品の感想レスが一通り終わった後にしてください。
 前の作品投下終了から30分以上が目安です。

【読み手の方々ヘ】
・リアルタイム投下に遭遇したら、支援レスで援護しよう。
・投下直後以外の感想は応援スレ、もしくはまとめwikiのweb拍手へどうぞ。
・気に入らない作品・職人はスルーしよう。そのためのNG機能です。
・度を過ぎた展開予測・要望レスは控えましょう。
・過度の本編叩きはご法度なの。口で言って分からない人は悪魔らしいやり方で分かってもらうの。

【注意】
・運営に関する案が出た場合皆積極的に議論に参加しましょう。雑談で流すのはもってのほか。
 議論が起こった際には必ず誘導があり、意見がまとまったらその旨の告知があるので、
 皆さま是非ご参加ください。
・書き込みの際、とくにコテハンを付けての発言の際には、この場が衆目の前に在ることを自覚しましょう。
・youtubeやニコ動に代表される動画投稿サイトに嫌悪感を持つ方は多数いらっしゃいます。
 著作権を侵害する動画もあり、スレが荒れる元になるのでリンクは止めましょう。
・盗作は卑劣な犯罪行為であり。物書きとして当然超えてはならぬ一線です。一切を固く禁じます。
 いかなるソースからであっても、文章を無断でそのままコピーすることは盗作に当たります。
・盗作者は言わずもがな、盗作を助長・許容する類の発言もまた、断固としてこれを禁じます。
・盗作ではないかと証拠もなく無責任に疑う発言は、盗作と同じく罪深い行為です。
 追及する際は必ず該当部分を併記して、誰もが納得する発言を心掛けてください。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:48:31 ID:gtt424eV
ハルケギニアの暦
→1年は12の月と4の週(1週間8日)で構成される384日
 新年の始まり(日本の元旦)から10日間は始祖ブリミルの降臨祭という休暇となる(戦争も休戦とする習わし)

 0.虚無の曜日 (1巻p.165) 休暇である虚無の曜日の夜に「破壊の杖」盗難
 1.ユルの曜日 (1巻p.141) フリッグの舞踏会は「破壊の杖」盗難の翌日
 2.
 3.
 4.ラーグの曜日(8巻p.221)
 5.
 6.
 7.ダエグの曜日(9巻p.169) 翌日は虚無の曜日
 順番不明 マンの曜日(6巻p.150)
      イングの曜日(7巻p.125)

 1.ヤラの月  (7巻p.164)
 2.ハガルの月 (8巻p.221)
 3.
 4.フェオの月 (5巻p.130)
 5.
 6.
 7.
 8.
 9.
 10.
 11.
 12.ウィンの月 (6巻p.150)
 順番不明  5? ウルの月   (5巻p.145, 12巻p.146)
       6? ニューイの月 (3巻p.203) アンリエッタの結婚式
      11? ケンの月   (6巻p.20) 夏休みが終わって二ヶ月

第一週 フレイヤの週
第二週 ヘイムダルの週 (5巻p.131)
第三週 エオローの週 (8巻p.20)
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:49:08 ID:gtt424eV
貨幣
→金貨 エキュー
 銀貨 スゥ  100スゥ = 1エキュー
 銅貨 ドニエ 10ドニエ = 1スゥ
 新金貨    金貨の四分の三の価値 3/4エキュー(1新金貨で75スゥ)

 デルフリンガー    新金貨100枚 = 75エキュー
 官能小説       55スゥ
 トリステインの生活費 1人1年120エキュー
 シュヴァリエの年金  年500エキュー

ハルケギニアの衛星(月)
→大(青)小(赤)二つある。大きい方は地球の月の見た目で二倍ほどの大きさ。
 小さい月の軌道は大きい月より内側にある。よって、小さい月の公転周期は大きい月よりも短い。
 二つの月が重なる夜を「スヴェル」の月夜と呼ぶ(2巻p.119)。

サモン・サーヴァントの呪文
→原作(何度か失敗)
 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン!
 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!
→アニメ版(一発で成功)
 宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ
 神聖で美しく強力な使い魔よ
 私は心より求め訴えるわ
 我が導きに答えなさい!

コントラクト・サーヴァントの呪文
→我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
 五つの力を司るペンタゴン
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ

コントラクト・サーヴァントの洗脳効果
→現状(11巻&タバサの冒険2)では情報は足りず、荒れるばかりで話題にするだけ無駄っぽい。
 スレ住人のスルー力に期待。

長さの単位

1サントは約1センチ(1巻p.39 / 2巻口絵人物紹介)
1メイル=約1m
1リーグ=約1km
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:49:44 ID:gtt424eV
一日目
昼   :召喚される
夜   :使い魔とハルケギニアに関して話して、洗濯するよう下着を押しつけられる

 二日目
早朝  :シエスタに洗濯場を教えてもらう(アニメ版)
朝   :ルイズを起こして着替えをしてるところにキュルケがからかいに来る
朝食  :アルヴィーズの食堂で貧しい朝食
授業  :ルイズがシュヴルーズの授業で錬金失敗、後かたづけ、渾名をからかってメシ抜き
昼食  :シエスタから賄いを貰う代わりに配膳手伝い、ギーシュが恥を掻き口論に(小説版ではここでシエスタ初登場)
決闘  :ワルキューレにボコられる、諦めないでいるとギーシュが剣を寄越してガンダールヴ発動、ワルキューレ七体をなで切りにして勝利
 ※同時刻、コルベールがオスマンの執務室にルーンのことで報告に来てロングビルが追い出され、王宮に報告するしないの口論の後、ロングビルが戻ってきて決闘事件を報告、決闘を静観してルーンはガンダールヴのものと断定
 ※ここから三日間負傷が元でルイズの部屋で寝たきり

 四日目
朝   :目覚める、シエスタに事情説明を受け、ルイズに礼を言うとベッドから追い出される

 使い魔生活一週間
うち三日間はパンツのゴムの件でルイズからメシ抜き(正式な食事は厨房で貰っている)

 十一日目(“使い魔としての生活”が四日目からはじまったとして)
朝食  :厨房で食事しているとフレイムが姿を見せる
授業  :夢の件でルイズに折檻される、フレイムの視線を感じる
 ※同時刻、ロングビルがコルベールから宝物庫についての情報を聞き出している
夜   :キュルケの誘惑があるがルイズに邪魔され断念、キュルケの男から襲われるかもと思って武器を欲しがるついでにルーンの力について相談、ルイズは武器には快諾してルーンについては推測と忠告をする

 十二日目 虚無の休日
昼前  :キュルケが目を覚まして出かけるルイズ達を発見、タバサに追跡を頼む
三時間後:トリスティンの武器屋でデルフリンガーを買い求める、ルイズ達がでたあとキュルケがシュペー卿の剣を買い叩く
夜   :フーケが宝物庫の下見、ルイズ達が決闘に来て壁にヒビを入れる、フーケがゴーレムを使って「破壊の杖」を盗む
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:50:28 ID:SL1Pz0K3
重複しています。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part175
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222954903/
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:50:34 ID:gtt424eV
 十三日目
朝   :フーケ対策会議が開かれてその場にいたルイズ達が証言をする、ロングビルがフーケの情報をもって来る、ルイズ達だけが捜索隊に志願
昼   :情報のあった小屋に到着、破壊の杖を取り戻す、ゴーレムに襲われ破壊の杖を使って倒す、ロングビルが正体を現すが捕まる、帰ってオスマンに褒められる
夜   :フリッグの舞踏会

23日目
夜:サイトがルイズに夜這いをかける。ワルドがフーケを脱獄させる

24日目
朝:(授業):ギトーの授業
昼:アンリエッタが学院に来る
夜:アンリエッタがルイズの部屋にお忍び。ルイズがアンリエッタの手紙を取ってくることになる

25日目
朝:ルイズ、サイト、ギーシュ、ワルドがラ・ロシェールに向け出発。キュルケがタバサに頼んでルイズ等を追跡開始
昼:フーケがラ・ロシェール金の酒樽停にて傭兵を雇う
夜:ルイズ一行、ラ・ロシェールに到着、直前に地上のサイトとギーシュは傭兵に襲われるがキュルケ達に助けられ無事に到着、ルイズ一行にキュルケとタバサが参加

26日目 スヴェルの夜
朝:ワルドの発案で女神の杵停中庭にてサイトとワルドが決闘
夜:ルイズ一行、フーケ・傭兵達・仮面の男(ワルド)に襲われる
  キュルケ・タバサ・ギーシュを囮に残し、ルイズ達は船を買い取ってアルビオンへ出航
  キュルケ達は傭兵を追い散らすが精神力切れ、フーケも同じく、キュルケとフーケが殴り合い

27日目 アルビオン−ラ・ロシェールの最接近日
朝:空賊船に捕まるが、すぐに王党派の船であることが発覚し、ウェールズ皇太子に出会う
夜:手紙を返して貰う。戦前パーティーに参加

※キュルケ達はこの間、シルフィードに乗りアルビオンへ向かっている

28日目
朝:ワルドとルイズの結婚式だが、ルイズが断りワルドは本性を現す。ウェールズが殺されワルドはサイトに敗れる
昼:(正午):貴族派の総攻撃開始。キュルケ達が助けに来て、シルフィードに乗ってアルビオンから離脱、キス(二巻はここまで)
昼:(日中):アンリエッタに報告を済ませて学院に帰還

※攻撃開始からすぐニューカッスル城は落ちた
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:51:11 ID:gtt424eV
29日目
昼:(授業):コルベールが内燃機関を披露
夜:フーケがロンディニウムの酒場でワルドと合流

30日目
昼:(日中):ワルドとフーケが戦跡を検分、クロムウェルがウェールズを生き返らせる

31日目
 アンリエッタとアブレヒト三世の婚約が公式に発表される。式は一ヶ月後を予定


 それを受けゲルマニア首都ヴィンドボナにてトリスティン−ゲルマニア軍事同盟締結
 その翌日アルビオン新政府樹立公布
 すぐにトリスティン・ゲルマニアに不可侵条約の締結を打診し、両国は協議の結果これを受ける

約32日目
朝:オスマン経由でルイズに『始祖の祈祷書』が渡される
夜:サイト、シエスタにお茶を貰い、一緒に風呂につかりながら四方山話

約38日目
昼:(昼食後):ルイズ、ヒトデ型セーターを編む。サイト、シエスタを押し倒して(但し、ものの弾み)ルイズに追い出される。

約41日目
昼:ギーシュがテント生活をしているサイトを発見して、一緒に飲んだくれる
夜:キュルケの発案で、サイト・ギーシュ・タバサ・シエスタとその使い魔一行で宝探しに出発する。

約51日目
昼:(昼食前):宝探しでガラクタを発見する。昼食を取って次の目的地をタルブの村に決定
昼:(昼食後):タルブの村で零戦を発見
夜:(夕方):学院から伝書フクロウが来る

約52日目
サイト達、学院に帰還。持って帰った零戦の運賃をコルベールに肩代わりして貰う。

約55日目
 コルベールがガソリンの精製に成功し、エンジンが少しだけ動く

約57日目
昼:(日中):ラ・ロシェール上空にて、アルビオン艦隊がトリスティン艦隊を奇襲。アルビオンはトリスティン艦隊に対し宣戦を布告
 迎撃に向かったと思われるタルブ領主アストン伯戦死
 アンリエッタを筆頭に、トリスティンは開戦を決意
 同盟に基づきゲルマニアに援軍を要請。回答は、「先陣の到着は三週間後」

約58日目
朝:学院に宣戦布告の報。サイトと、勝手について来たルイズはゼロ戦でタルブへ。
昼:(日中):サイトが零戦で竜騎士とワルドを蹴散らし、ルイズは虚無の魔法『爆発』を発動させ、アルビオン艦隊を焼き墜落させる

約60日目 ニューイの月一日
 アンリエッタの結婚式予定日
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:51:45 ID:gtt424eV
 タバサの冒険1・2
全てタバサの春の使い魔召喚の儀式より後(ルイズと同時かは不明)
全てタバサ二年次のスレイプニィルの舞踏会まで
第●日目、はその話の中だけの時間、●日目、となっているのは本編と同期しています
朝でも夜でもない時間は全て昼です

『翼竜人』
第一日目
 昼:指令を受ける、翼竜人と交戦、
 夜:ヨシュアの懇願
第二日目
 昼:暴走ガーゴイル作戦
第五日目
 昼:結婚式

『吸血鬼』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:命令を受ける、村について調査開始
 夜:エルザ襲撃される、屍鬼人を倒す
第二日目
 昼:村人が占い師の老婆を殺す
 夜:吸血鬼を殺す
第三日目
 早朝:村長に置き手紙を残し帰還

『暗殺者』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:影武者開始
 夜:宿場で一泊、地下水襲撃一回目
第二日目
 昼:グルノープル・アトワール伯邸到着
 夜:地下水二回目
第三日目
 昼:イザベラ裸踊り

『魔法人形』
八日目
 昼:スニキニル入手、学校に放り出したオリヴァンいじめられる
九日目
 昼:オリヴァン実力詐称の片棒を担ぐ
十日目
 昼:引き続き詐称
十一日目
 昼:オリヴァンの決闘、元北花壇騎士団団員と交戦
十二日目
 昼:虚無の休日だがキュルケに請われルイズ達を追いかける
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:52:11 ID:gtt424eV
『ギャンブラー』
十三日目
 夜:フリッグの舞踏会中に伝令、プチ・トロワでイザベラから指令
十四日目
 昼:賭場でいかさまを暴く

『ミノタウロス』
 不明(他の任務の帰り道で、この事件は北花壇騎士団としてのものではない)
第一日目
 昼:依頼を受ける
第二日目
 昼:人さらい一味を退治しラスカルと会話
第三日目
 昼:ラスカルを退治
 
『シルフィードの一日』
 サイトのテントがある、サイトが洗濯をしている

『極楽鳥』
 火竜の繁殖時期
第一日目
 昼:イザベラから依頼を受ける
第二日目
 昼:火竜山脈に到着、リュリュと出会う
第三日目
 昼:囮作戦失敗
第四日目
 昼:ニセ焼肉作戦失敗
 夜:リュリュにハッパをかける
〜シルフィードは火竜に化ける特訓、リュリュは代用肉錬金のために絶食中
第七日目
 昼:ニセ焼肉作戦成功

『軍港』
 アルビオン侵攻開始(夏休みから二月)から一週間後、ウィンの月の半ば
 髪の毛を追跡するアルヴィーを持っている
第一日目
 昼:到着、リュシーと接触
第二日目
 昼:調査、リュシーを疑いカマをかける、『グロワール』号爆破
第三日目
 昼:『シャルル・オルレアン』囮作戦決行
 夜:爆破阻止、リュシー自殺
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:52:39 ID:gtt424eV
1月:ヤラ(降臨祭)
2月:ハガル
3月:ティール
4月:フェオ(入学式/使い魔召喚の義)
5月:ウル(フリッグの舞踏会)
6月:ニューイ(夏休み)
7月:アンスール(夏休み)
8月:ニイド(夏休み)
9月:ラド
10月:ケン
11月:ギューフ
12月:ウィン

第一週:フレイヤ
第二週:ヘイムダル
第三週:エオロー
第四週:ティワズ

曜日
1:虚無(休日)
2:ユル
3:エオー
4:マン
5:ラーグ
6:イング
7:オセル
8:ダエグ
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:53:13 ID:gtt424eV
2巻P172にてアルビオンとトリスタニアは同じくらいの面積とある。
4巻P134にてオランダとベルギーを合わせたくらいとある。
4巻P134にて、北東のゲルマニア、南東のガリアはトリスタニアの10倍ほどの面積とある。
南の海に面した半島「郡」に「かつてのゲルマニアのような」都市国家「郡」があり、
ロマリアはその一つと記述されている。
ハルケギニアは「大洋に突き出た緩やかに弧を描く巨大な半島」とある。
未開の地、エルフの治めるサハラとは別物のように記述されている。
よって、現行の地図はあまり正確では無いものと考えられる。
(今後設定が変更されるかもしれませんが)

国土面積が約72054平方キロである場合、
正方形の国土だと1辺が268キロ程度、
三角形など、いびつな形である事が当然推測される(地図上からも)ので
45度-90度-45度の三角形の場合、
底辺が532キロ、高さが268キロ程度になる。
中心に首都があると仮定した場合、国境までは最短直線で134キロ。
これは1日32キロ歩けると仮定すると直線街道で3.5日程度。
道のくねりなどを考慮した場合、1.5倍なら5日強、倍なら7日程度。

タバサの冒険 P26 よりリュティスからアルデラ地方まで、馬で二日、徒歩で五日、シルフィードなら二時間。
よって、馬は徒歩の2.5倍。1日の移動時間を8時間とした場合、
シルフィードは徒歩の20倍。1日10時間移動なら徒歩の25倍。

時速4キロ×8時間なら1日の歩行距離は32キロ。
シルフィードは時速80キロ。
時速6キロ×10時間なら1日の歩行距離は60キロ。
シルフィードは時速150キロ。

3巻P203にて、3日後、ニューイの月の1日にゲルマニア首府、
ヴィンドボナにて結婚式がおこなわれる予定なのに、
3巻P211にて、アンリエッタは本縫いが終わったばかりウェディング衣装で、
結婚式のための出発におおわらわの王宮に居る。
王族の移動は馬車で行うのが慣例のようなので、トリスタニア−ヴィンドボナ間は
馬車で3日以内の距離と考えられる。

トリスティン魔法学院はヴィンドボナからアンリエッタが帰る時に寄った点から、
トリスタニア−ヴィンドボナ間にあると思われる。

ラ・ロシェール
学院から港町ラ・ロシェールまでは早馬で2日、代え馬を使い走り続けて
早朝−深夜なので、1日8時間程度の移動を基本として馬で十数時間程度、
馬で2日程度との記述と矛盾しない。
よって歩いて5日程度と考えられる。
4巻P228にて、トリスティンから街道を南下→ラ・ロシェール方面
夜明けまでに追いつかないと間に合わないらしい。


2巻P168 夜中に出発した船にて
「アルビオンにはいつ着く?」
「明日の昼過ぎには、スカボローの港に到着しまさあ」
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:54:33 ID:gtt424eV
ルイズ     16歳 / 身長153 / B76( -8.0%)-62(C) / W53(-8.8%) / H75( -9.2%) / BW比1.43 / HW比1.42
シエスタ    17歳 / 身長162 / B83( -5.1%)-69(C) / W60(-2.5%) / H85( -2.8%) / BW比1.38 / HW比1.42
タバサ     15歳 / 身長142 / B68(-11.3%)-57(A) / W49(-9.2%) / H67(-12.6%) / BW比1.39 / HW比1.37
キュルケ    18歳 / 身長171 / B94( 1.8%)-72(F) / W63(-3.0%) / H95( 2.9%) / BW比1.49 / HW比1.51
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80(-10.8%)-68(B) / W58(-8.1%) / H79(-11.9%) / BW比1.38 / HW比1.36
アンリエッタ  17歳 / 身長158 / B84( -1.5%)-67(D) / W59(-1.7%) / H85( -0.4%) / BW比1.42 / HW比1.44


ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-65(A)  / 体重42.4 / BMI 18.0
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-68(C)  / 体重51.8 / BMI 19.5
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-62(AA) / 体重36.2 / BMI 17.9
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-69(G)  / 体重62.1 / BMI 20.5
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-72(A) / 体重48.8 / BMI 17.6
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65(E) / 体重51.6 / BMI 20.2


計算するとルイズはB〜Cカップ。なのに何故胸が小さいと言われるのか?
それは要するに純粋な胸の体積が小さいから。つまり、UBが細いからです。
そこで、胸の体積とカップ数の比較をしてみました。
平均身長時の平均UBからカップ数ごとの体積を算出し、実測体積が近いものを割り出せば、実際にはどの程度のカップ数に相当するかがわかるはずです。
大雑把に胸を半球状としてふたつ合わせて楕円体になると考え、半径の組み合わせを3通り用意して計算していきます。

これらの計算結果は以下の通りです。()内は市販ブラのサイズを示しています。

ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-62.5(B65) / 実測体積893  / 体積比A〜B相当
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-65.5(D65) / 実測体積1274 / 体積比C〜D相当
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-58.9(A60) / 実測体積501  / 体積比AA〜A相当
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-70.3(G70) / 実測体積1959 / 体積比F〜G相当
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-68.2(B70) / 実測体積903  / 体積比A〜B相当
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65.3(E65) / 実測体積1348 / 体積比C〜D相当

ハルケギニアにはブラがないし、見た目的にも揉みごたえ的にも体積比で比べた方が正確です。現実でもUBが細いとカップが大きくても小さいですし。
体積の小さい順に並べると、タバサ、ルイズ、モンモン、シエスタ、アンアン、キュルケになります。これは作中描写通り。
体積比だけであえて「○○は×カップ」と呼ぶとすれば、タバサAA、ルイズB、モンモンB、シエスタC、アンアンD、キュルケG。
実測値とくびれ具合(UB―W―Hのライン)も鑑みれば、タバサAA、ルイズA、モンモンB、シエスタD、アンアンE、キュルケHと呼ぶのが妥当なとこだと思います。

ちなみにくびれ具合は寸胴な順に、タバサ、モンモン、ルイズ、シエスタ、アンアン、キュルケでした。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:55:54 ID:3iCrhPyr
立てたとたんに荒らしが入ったなぁ
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 23:03:20 ID:SL1Pz0K3
重複してたりするのよ。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part175
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222954903/
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 23:04:33 ID:3iCrhPyr
げげっ!
どうしようか このスレは削除してもらった方が良いかしら?
削除はどこに申請するの?
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 23:19:57 ID:3iCrhPyr
とりあえず削除依頼しておいた
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 00:32:16 ID:bCeZ1tgy
残しておけば荒らしのログも残るから、報告用に消さなくてもいいと思うんだけどな
いつも処理前に本スレは流れてしまうし
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 05:13:09 ID:oF235gCP
残しといて次スレにすればいいでしょ。重複なんて良くあることだし
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 15:59:48 ID:H4gaAeTb
test
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 16:52:35 ID:mMNHJYuY
残しておいて、176にすればおk
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 11:10:28 ID:WJePudfA
そうだな
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:00:24 ID:Ggr6q+7O
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222954903/
こちらのスレの577です。これよりSS投下します。
26虚無と金の卵:2008/10/05(日) 17:01:11 ID:Ggr6q+7O
プロローグ/???にて


 自閉し、外部との接触を絶った多次元構造の自己の中で、金の卵と呼ばれた鼠はまどろんでいた。

 虚無にあがく良心の存在を夢見ていた。

『“苦痛する価値”がかつて果たした役割は、今も全ての犠牲者に宿っている』

 自己が濫用される悪夢を見ていた。

『自分がどんどん小さくなっていく……俺が消えてしまいそうだ……』

 自己の存在を訴える夢を見ていた。

『俺もいつか必ず死ぬ。
それがいつかはわからない。
それまでに俺は見つけ出さなければいけないんだ。俺自身の有用性を』

 信頼する相棒に裏切られ、忌むべき凶器として操られた悪夢を見ていた。

『何故だ。何故俺を濫用した……ボイルド』

 相棒は、良心を振り切って加速し、虚無の権化と化してしまった。

 その裏切りの苦痛と果てない悪夢の狭間の中、あるとき、呼び声が聞こえた。
 虚無という属性に愛でられ、しかし不屈の輝きを秘めた少女の呼び声が。
 金の卵は、少女の呼び声に応えた。
 己の有用性を見出すために。
 何処かで泣く誰かのか細い手を、そっと握るために。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:02:57 ID:AELvMe6d
支援
28虚無と金の卵:2008/10/05(日) 17:03:31 ID:Ggr6q+7O
プロローグ/マルドゥック市 西三十二丁目五番地 ロビンプラント・グランドハウスの一室にて――


「これでメンテ終了、と。
 ウフコック、これで次に目覚めるときは“ターン”しても、十分な外部情報を認識できるはずさ。
 これで、使い手に騙されることも無いだろう。
 ……って、ぐっすり眠っているか」

 ここは、マルドゥック市における、“マルドゥック・スクランブル09”メンバーのオフィス。
 髪を七色に染め分けた奇矯な男は、外見に似合わぬ寂しげな声で愚痴りつつ情報端末を操っていた。

「しかし、随分広くなってしまったな……。一人と一匹じゃ、広すぎるよ」

 戦争による飛躍的な科学技術の進歩。
 それは余りにも凄まじく、既存の法律・倫理では制御しきれない、まさに社会にとって
 檻から放たれた猛獣であった。
 例えば、重力を操り、如何なる場所へでも移動することが可能な技術。
 容姿と声を自在に変化させ、あらゆる人間への変身が可能な技術。
 亜空間に物質を蓄え、あらゆる道具を出現させる技術。
 それらの恩恵を受けた人間と開発した研究者達を、戦争終結後に如何に扱うべきか。
 ――いやむしろ、そもそも存在を許して良いのか。
 喧々諤々の議論が行われた。

 ある集団は、閉鎖を望んだ。
 政府以外からの外界との直接的な接触を一切廃し、社会への影響を最小限に留めた。

 ある集団は、社会という階段を登ることを望んだ。
 科学技術による成果を活用し、都市の重要な役割を担う。
 やがては社会における高度な存在となることを目指した。

 ある集団は、社会という階段を降りることを選んだ。
 科学技術による成果を民衆の前に差し出し、その有用性の判断を民衆に任せることを選んだ。
 そして、無力な人間の楯となることを有用性の証明とした。
 証明できなかった場合、楯となれなかった場合のリスク――廃棄処分というペナルティを背負いつつ。

 有用性の証明――それこそがマルドゥック・スクランブル09である。
 事件における証人保護のための生命保全プログラムと、証人保護の成功と事件解決による利益の獲得。
 その執行者、09メンバーとして10人と2匹の人間と実験動物が、マルドゥック市に巣食う闇と戦ってきた。
 だがそれは果てしない艱難辛苦の旅路でもあった。
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:03:57 ID:AELvMe6d
支援
30ゼロと双子の使い魔:2008/10/05(日) 17:05:50 ID:v8JUEtyi
続きが完成したので17:30くらいに投下しようと思います

このあと2〜3日は仕事のため投下できませんが
支援があればがんばりたいと思います
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:06:12 ID:Ggr6q+7O
 カトル・カール――異国の言葉で「4分の1」を示す言葉。
 マルドゥック市に巣食うダークタウンの住人。
 拷問、暗殺、誘拐、脅迫の4つを生業とする異形の巡回牧師達が、
 09メンバーに対し敢然と闘いを挑んできた。

 彼らと、そして彼らを操るバックの戦いの果て、有用性の証明の果てに生存したのは、
 2人と一匹。
 科学者のイースター博士。
 あらゆる機器/武器への変身が可能な鼠、“万能道具存在”、ウフコック。
 無睡眠処置を受け、また重力操作の能力を得た元パイロット、“徘徊者”、ボイルド。

 ボイルドは、ウフコックの相棒であった。
 ボイルドの要求に即応してあらゆる道具に変身し、都市を駆け抜けた。
 逃げる容疑者を捕らえ、武装し襲撃してきた敵を撃ち、狼狽し恐怖する被害者を慰撫してきた。
 多くの仲間が斃れる過酷な戦いの中で、ボイルドとウフコックとのその絆を、誰も疑うことはなかった。

 だが、とある事件において09メンバーの存在そのものが危ぶまれた瞬間、
 ボイルドは暴走した。
 09メンバーにとって有用性を損なう20数名の関係者の命を奪い、事件の『制圧』を
 迅速かつ確実に実行した。
 その結果、09メンバーは生存し、ボイルドは姿を消した。

「……ボイルドが勝手に操ったとはいえ、何人もの無辜の人間を撃ってしまったんだからね。
 今は、何も考えず休んでくれ、ウフコック……」

 髪を七色に染めた男、イースター博士は、ガラス管の如き、医療器具に似た大きな機材を撫でた。
 そのガラス管の中には、銀色の巨大な金属が浮かんでいる。
 その奥底で何かが深く眠る繭のように、ただそこに佇んでいる。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:06:39 ID:Bn3Drbnz
エルロイ文体ではないのか。 でも、その方がいいかも。支援
33虚無と金の卵:2008/10/05(日) 17:08:03 ID:Ggr6q+7O
第一章 使い魔は金の卵


 味方は一人もいない。

 貴族足り得たいという思い、屈辱を跳ね返したいという願い――どれも成し遂げるに足る力がない事実。
 絶望に囚われ、だがルイズは一人、諦めずに唱える。

「……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

 魔法を使えることが『貴族』の条件である。
 だがルイズには、魔法の才が無い。
 押しも押されもせぬ公爵家に生まれ、だが魔法が成功したことは一度として無かった。

 詠唱――誰よりも神聖で、美しく、強力な使い魔がほしい。
 自分を侮る誰も彼も見返してやりたい。
 召喚の儀は失敗した。

 これまでルイズは何度と無く、フライの呪文、ファイアボールの呪文、あるいは水の治癒の呪文等々を
 唱えようとした。
 コモンスペル、四大属性の系統呪文――種類を問わず全て成功することは無く、ただ爆発を引き起こした。

 詠唱――空駆ける風竜がほしい。
 自分を背に乗せて縦横無尽に飛び回りたい。
 召喚の儀は失敗した。

 実家の使用人、領地の平民にすら噂された公爵家の公然の秘密。
 かの公爵家の三女様は魔法が使えない。
 公爵様や公爵夫人様、他のご家族の方々はあんなに魔法がお出来になるのに――と。

34虚無と金の卵:2008/10/05(日) 17:09:17 ID:Ggr6q+7O
 詠唱――火竜山脈のサラマンダーがほしい。
 灼熱の大地を踏みしめたサラマンダーを連れて、火の息をもって悪党を蹴散らしたい。
 召喚の儀は失敗した。

 トリステイン魔法学院に入学した。
 己の魔法への才覚の無さが、日々暴露され証明され続けた。

 詠唱――森の賢者たる梟がほしい。
 深い思索と知恵を授けて貰い、仕える人を導く貴族の中の貴族となりたい。
 召喚の儀は失敗した。

 魔法を習熟し、実力とプライドを獲得する同級生を、ただ眺めていた。
 焦燥がただ駆り立てられる日々を送ってきた。

 詠唱――目も当てられない失敗の繰り返しの果てに。
 ぶしつけな好奇の目を投げていた学生も、続けざまの失敗に飽き飽きとして野次を投げることすら止めた。
 ただ、倦怠と無関心に包まれている。
 教師は溜息混じりに場の沈黙を守る。

「……五つの力を司るペンタゴン
 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」

 ルイズは思った。
 味方は一人もいない。
 それでも良い。
 でも――宇宙の果てのどこかにいる誰か。
 もし叶うならば、私の前に姿を見せて――!

 これまでとは段違いに大規模な爆発――爆心地には黄金の輝き。
 うっすらとした輝きは、爆発のもやが晴れるにつれて明らかとなっていく。
 黄金色の毛並みの、小さな鼠が横たわっていた。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:10:24 ID:Bn3Drbnz
違うか、薄めにしているのか支援
36虚無と金の卵:2008/10/05(日) 17:11:07 ID:Ggr6q+7O
「……けほ、げほっ……っせ、成功したぞ! ゼロのルイズが!」
「小さいな……?」
「普通のネズミじゃないわね……? ……何処の幻獣かしら」
「金色、綺麗ね……ルイズの癖に……」

 驚きと興奮の匂い。
 そして誰よりも大きな、とても大きな歓喜の匂い。
 驚きに紛れた、かすかな揶揄とやっかみの匂い。
 召喚された衝撃に混乱しながらも、嗅ぎ慣れない多くの若い人間の匂いが充満しているのを、
 ウフコックは感じた。

「や……やったの!? ……遂に……やったんだわ!」

 心の底から喜ぶ少女の声が聞こえた。
 無力感からくる自身へのかすかな疑いと、飛び上がらんばかりの喜びを放出している。
 そして、落ち着きのある中年の男性が祝いの言葉を描ける。

「おめでとう、ミス・ヴァリエール。成功したようだね。
 ……ふむ、私も初めて見る幻獣だ。実に興味深い。
 では、儀式を続けたまえ」

「はい、コルベール先生。……初めまして、ネズミさん。
 よろしくね。わたしの使い魔……」

 緊張した面持ちで、壊れ物を扱うような丁寧なしぐさで、ルイズは目の前の鼠を自分の手に促した。
 ウフコックは混乱冷めやらぬ中、促されるままに少女の手に乗った。

(ここは一体……? 使い魔?)

 眼前の少女からは、歓喜と、未来へ向かおうとする希望の匂いを感じる。
 ウフコックは現状に疑問を感じつつも、朦朧としたまま本能的に身を委ねた。
 そしてルイズはウフコックに口づけ――契約の証明を与えた。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:12:54 ID:Bn3Drbnz
支援
38虚無と金の卵:2008/10/05(日) 17:13:24 ID:Ggr6q+7O
以上、投下終了です。ありがとうございました。
続きは来週中にでも投下する予定です。

>>32
薄めです。ていうか技術的に乏しいので無理です;
フリーク連中が出てくれば、もう少しエルロイを意識すると思います。
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:20:06 ID:Bn3Drbnz
乙でした!
あまりエルロイが濃くても見づらいのでこの粘りでよろしいかと
期待してます!
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:27:06 ID:o/XTz9Ku
ここは実質Part176なPart175なのね
41ゼロと双子の使い魔:2008/10/05(日) 17:30:52 ID:v8JUEtyi
―――ルイズは夢を見ていた

見慣れない公園のような場所に自分はいる
目の前の噴水女性が座っていた、ちょうど自分の姉のエレオノールのような金色の長い髪をした女性だ
ただ違うのはもっと年上で母カリンくらいの年齢だということ、そして全身見るに耐えない火傷の跡が目立つということだ

「おいたのことを謝ってもらわないと、とりあえず、そこに跪きなさいな」

いったい自分が何をしたって言うのか、いくら怒らせるようなことをしたって子供に跪いて許しを請わせるなんていい大人のすることじゃない

「ちょっと、そんなk「跪け!!」」

"あっあれ?立てられない?何で?"
"何で私の右足から血が出ているのよ?"
"このままじゃ殺されるわ、非常事態だからしょうがないわこの斧を目の前の女性いやおばさんに投げつけて逃げましょう"

そう思って左手に持っていた斧を振りかぶった時である

ドバンッ

左手ごと吹き飛ばされた
魔法で失敗した時だってこんなに痛くなかったし血も出なかったわ
なんかおばさんが言っているが会話をしている余裕もない
痛い!!本当に痛い!!助けて姉様!!!

「っうぐ、ヒック」
ついにルイズは痛みに耐えかねて泣いてしまった

「―――泣くな馬鹿もん」

段々体が冷たくなってくる、鉛のように体が重くなってくる
そして、意識がだんだんと――――――――――――


次の瞬間今ルイズは狭い部屋の中にいた
"すごく揺れるわね、潮の香りもするわ、まさかここは船の中?"

一人の男性が同じ部屋の中にいて今その男性に抱きしめられている
年齢的にはちい姉様位かしら?
いつもだったら知らない男性に抱きつかれでもしたらすごく不快なのだけれでも、この人、このお兄さんだけは許せる
あぁ、なんてあったかいのだろう兄様以外の人にこんなにも優しくされたのは初めてだわ
あら?泣いているの?いい大人なのにね。

そしてルイズは立ち上がるとこう言った

「あなたのような優しい人は始めて、だからね。お礼。」

バダン

逃げるように外に飛び出していってしまった
そのあと全身にルーンを刻んだような女の人が入ってきていきなり顔面を殴られた
ひとまずこれ以上あのお兄さんをからかったり目の前の女の人を怒らせたら私を殺すというのだ

まだ死にたくないから黙っている事にした
そのうちに揺れが止まった、どうやら目的地に到着したみたいだ


42ゼロと双子の使い魔:2008/10/05(日) 17:34:50 ID:v8JUEtyi
見上げると船の甲板にさっきのお兄さんがいる
「お兄さん、また会いましょう。今度はランチを持って」
「ああ、それは素「パン」敵だ――」

あ、足元がふらつく
倒れながら見上げた空、青く澄み渡る空、カモメの声がだんだん遠くに聞こえてきた

「きれいだわ、そら」

やわらかくてあったかい、いったいここは?まさか天国じゃないわよね?
しばらくベットの上でキョロキョロしていると隣のベットにあの二人が抱きしめあうように眠っている
まるで天使のような子供の寝顔だ、さっきまで斧を振り回していた子供には見えない

「やあルイズ君、気がついたみたいだね」
振り返ると禿げたおっさん...もといコルベール先生がそこにいた

「あっあの...」
言葉にならない、うまくしゃべれない

「君はあの後、少しだけ眠っていたんだよ」
「って先生!!腕は」
「学院には優秀な水のメイジがたくさんいるからね、見ての通りこの通りさ」
そういって腕をまくって見せたコルベールの腕にはうっすらと傷跡が残っている位だった

「よかった〜〜」
「ありがとう、君のおかげで被害を最小限で食い止められたよ」
「・・・私のおかげ?」
「そうだよ、君の使い魔のルーンがあと少し遅かったら君は殺されていた、
君が殺されれば使い魔の契約は誰にも結べない、つまり誰も彼らを止められなかったのだよ」
「はぁ...っルーンが現れたんですか!?」

「ああ、二人とも左手に同じルーンが現れていたよ」

そっと二人のベットを覗いてみると確かに二人とも左手にルーンが刻まれていた
当初コントラクトサーヴァントに失敗したら人間だからとか子供だからとかうまいこと言って再度召還する作戦を変更しなければならないようだ
がっくし肩を落とし、これからの事を考えていると

「ほら、まだ無理してはいけないよ、さ、ベットに戻って」
どうやら安心して力が抜けてしまったとでも思ったのだろう、まぁ確かに体がすごく重いからちょうどいいといえばちょうどいい

ベットに戻るとコルベールは
「あの男の子の斧はまた何かあったら危険だからね、校長に言って預かってもらっているよ、
あと女の子が持っていたのは武器みたいなんだがいまいちよくわからないんだ、一応ディティクトマジックをかけてみたんだが大丈夫そうだったよ」
「そうですか...すいません...」
「まぁ一応安全かどうか位はきちんと調べてから渡すよ、武器がなければ相手はただの子供なんだから心配要らないさ、それにこの子達の持っていたカバンを調べてみたんだが特に武器は見当たらなかったよ」
「はぁ...」

女の子の持っていたのはどうやらコルベールの知的好奇心を刺激したらしい段々興奮しているのがわかった

「それじゃ、君はゆっくり休んでいなさい」
「わかりました」

そういっていそいそと出て行ったコルベールを見送りながらルイズは考えた
「不思議な夢だったなぁ」

しばらくぼうっとしていたら
どうやら二人が起きだしたようだ

43ゼロと双子の使い魔:2008/10/05(日) 17:35:40 ID:v8JUEtyi
「…うん?ここは?」

一瞬ビクッとしたが二人の武器は今はここにはない武器を持たない子供たちなど怖くなどない...こわくなど...
そう自分自身に言い聞かせるように一先ず疑問をぶつけてみた

「起きたようね、ところであなた達どこから来たのよ?名前は?平民にだって名前くらいあるんでしょ?」
さっきの情けない姿を悟られないように精一杯平常心を装って聞いてみたが二人の頭の上には?マークがいっぱい出ていた

「えっとね、ここはトリステイン魔法学院。あなた達は私の使い魔としてここに召喚されたのよ」

使い魔と聞いて二人の雰囲気がガラッと変わった
顔には出ていないが明らかに自分に向けて敵意が向けられているのがわかった

「ねえお姉さん、私達をどうするの?あのひと達みたいに私達にひどいことするの?」

ここにきてルイズはハッ気づいた、なんせ子供、いくら危険な武器を持っていてもだ
いやむしろ武器としてではなく何らかの仕事のために持っていたのかもしれない、いきなり知らない所に連れてこられて驚いて斧を投げてしまったと考えるのが普通だ
そうルイズは考えると二人に悪いことをしてしまったと思った、身なりや話しぶりからすると没落貴族とか何とかできっと今までひどい目にあってしまったんだと思った
さらにそんな子達から家族を引き離してしまったと考えると申し訳ないという気持ちでいっぱいになり、とうとう泣き出してしまったのだ

「うぐっ、ごめん..なさい...」

二人は驚いた、今までの大人達は自分達に謝るということをしない大人たちだったからだ
さらにいきなり泣き出すものだからどうしていいのか分からなくなってしまったのだ

「ほんとに...ごめんなさい...」

44ゼロと双子の使い魔:2008/10/05(日) 17:36:33 ID:v8JUEtyi
「ねえお姉さんどうして泣いているの?」
「だって無理やり家族から引き離されて、その上使い魔になれなんていわれたら嫌じゃないの?」
「私達は慣れているのよ、大人たちはみんなそうだったから...」
「そうだよ、僕達は今までいっぱい殺してきたからね」
「だめよ、もうあなた達は誰も殺さなくてもいいのよ、すぐに家に帰してあげるわ」

二人は顔を近づけて何か話しているようだった
「今度の人は今までとは違うみたいだね姉様。」
「ええ。でも駄目よ兄様。最初は甘いことを言うのが大人なのよ」

その会話をさえぎるようにルイズは聞いた
「あなた達はどこから来たの?うちはどこなの?」

少し考えながら女の子はこう続けた
「あそこにはもう戻りたくないの、ぶつのもぶたれるのも痛いのは嫌いよ」
「でもお父さんとかお母さんに会いたくないの?もう会えなくてもいいの?」
「僕達には家族なんていないよ、家族は姉様ただ一人なんだから」
「ええ。そうね兄様。兄様だけが私の家族よ」

ルイズはこの子達はたった二人きりで今まで生きてきた、周りの大人たちはこの子達にひどいことを今までさせてきたのだという事を聞いて思った
"ああ、この子達は親に売られてしまった子なんだわ、平民の家では子供を売るような親がいるって聞いたことがあるけどこの子達もきっとそうなのね"

そう思うと自然に体が動いた、二人を抱きしめたのだ
「世界はあなた達を愛するためにあるのよ...だから...だからもう...だれも殺さなくてもいいのよ」

ルイズはむかし誰かにこんなことをしてもらったような感じがした
そしてそれはとてもうれしいことだったのだ

「優しいのね」「優しいんだね」

「私が二人のお母さんになってあげるわ」





こうしてルイズと双子の生活が始まった
ただ、二人はルイズのことを信用はしていなかった
ただいつもの大人のほんの少しだけ変わった大人としか考えていなかったのである―――――
45ゼロと双子の使い魔:2008/10/05(日) 17:37:38 ID:v8JUEtyi
以上投下終了
続きはまた後日
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:40:22 ID:m7IGkh/R
いえない…、半年ROMれなんて言えないわ!
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:41:12 ID:1GrUHK/r
乙です。おお、今度は長い。さてギーシュはどうなるのか……。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:42:33 ID:9+3LyQYy
お喋りネズミ乙!
この話のメンヌヴィルやジョゼフは原作以上の異常者になってそうだw
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:54:09 ID:nJ6GhBDp
>45
投下予告をしてから投下してください
マナー違反ですよ?
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:55:57 ID:/QmyFMai
>>45
2度と来るな。
もしくはしたらばでやっててください。
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:56:25 ID:m7IGkh/R
いや、投下予告したよ。
作品の投下中に。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:08:43 ID:y9NgcZfp
なかなか面白いと思います。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:20:16 ID:1+sOjIL1
>>45
しばらく投下自重すると言った6時間後に投下ですか。
6時間後はしばらくとは言いません。
まず日本語の勉強をやり直してきた方が懸命かと思いますが。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:21:20 ID:m7IGkh/R
これ以降は荒れるので毒吐きに行きましょう。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:29:17 ID:OsbeONqf
マルドゥックベロシティかあ、ちょっと評判あったけど食わず嫌いだったんだよなあ。
読んで見るかなあ。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:38:42 ID:pFddGLZI
>>49
投下予告してあるじゃん
恥ずかしいやつめ
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:41:57 ID:hkYvaiMo
まぁ投下中に予告するとは普通思わんだろうからそう言うなよ
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 18:42:10 ID:izSvlrND
人の投下中に予告ってのも問題だがナ
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:01:03 ID:yNsUMP5R
他人の投下中に予告ってのはある意味で正しいような気がす

でも話がつまんないからイラッとくるんだよな
60ゼロと双子の使い魔:2008/10/05(日) 19:03:43 ID:v8JUEtyi
スレの空気を読まずにやってしまったため
多くの方にご迷惑をお掛け致しました。
申し訳ありません。

これ以降は一切投下いたしません。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:21:49 ID:TZg12G1/
>>60
空気というよりもルールね
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:43:00 ID:m7IGkh/R
実質言うと。
前スレでもなんでも一通り読めば
どうやって投下すればいいかとか秩序なんて分かるもんだけどな。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:52:28 ID:apF9AEnd
>>60
出てけ。二度と来るな。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:59:19 ID:3Yf71Q24
キングクリムゾン!
荒れた時間を吹っ飛ばした! これ以降、平和なスレだけが残る!
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:59:37 ID:d2sbXIFH
>>60
頭のおかしい人達の言葉なんて気にしないでもっと続けて下さい。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:14:33 ID:CvPX0Tf/
ただいまより、某所で拾得した短編を投下いたします。
全部で9本ありますので、どうか最後までお付き合いください。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:15:21 ID:BZ5sfd0W
>>66
拾った?
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:15:39 ID:5YQcQDC9
拾得って転載ってこと?
作者の許可があるならいいんだけど……
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:15:57 ID:CvPX0Tf/
>>67
はい、生まれたばかりの掲示板です
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:17:18 ID:CvPX0Tf/
>>68
もう一年以上昔の作品ですし、作者とも連絡は付きません。
あまりに秀逸な作品ですので、紹介したいと思いました。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:17:45 ID:BZ5sfd0W
>>69
それは盗作と言うのです
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:18:28 ID:K6ThEIdU
>>70
いやちょっと待て。
幾らなんでもそれは無い。
連絡と利用がないからといって勝手を矢っていい理由にはならない。
変なトラブルの元だからそう言う馬鹿な真似は止めてくれ。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:19:34 ID:CvPX0Tf/
ではかしこまりました
これはなかったことにさせていただきます
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:19:52 ID:4m0hPRvX
まあ、前スレを埋めてしまおうぜ
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:20:29 ID:5YQcQDC9
>>69,70
>生まれたばかりの掲示板
>一年以上昔の作品

とりあえず、経緯を詳しく書いてくれないか
いやまあどうでもいいが
確かに興味はそそられるが、君だけで楽しんどいてくれたまえ
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:21:40 ID:hZqEn+6S
そもそも生まれたばかりの掲示板で拾った一年以上前の作品って何なんだ。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:21:57 ID:BZ5sfd0W
>>73
まあ、どうしても紹介しないと死んでしまうようだったら
キーワードなりそのHPの名前を書き込めば良い
作品自体をコピペしてはいけません。スレ違いだけど・・・
78毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:22:16 ID:idpnafxf
どうも、随分と間が開きましたが、第12話書きあがりました。
予定、その他が無ければ直ぐにでも投下したいのですが、宜しいでしょうか?
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:22:50 ID:CvPX0Tf/
>>75
一時期定期的に投下された短編です。
全部で9話で、召喚されたのは井之頭五郎。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:24:07 ID:hZqEn+6S
ID:CvPX0Tf/、わかったからもう止めろ。
ここは紹介するとかそういう場所じゃないんだ。

>>78
支援します
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:24:23 ID:TMocp27L
皆!話は後!まずは支援だ!
82毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:27:29 ID:idpnafxf
では、投下開始します。今回は外伝1の吸血鬼のお話です。
展開は少々速いかも…。


「ウザッてェんだよォォォーーー!!!」
叫びながらジャンガは爪を振るう。
目の前の巨躯が切り裂かれ、噴水のような鮮血を振りまく。
どう!と音を立てて切り裂かれた巨躯が倒れるが、同じような巨躯が周囲からまだ迫っている。
舌打し、爪を構えなおす。

ここはハルケギニアにある国の一つ、ガリア王国のとある森の中。
ジャンガは度々学院の外へ出て行く事があったが、今回はちょっとした遠出となっていた。
当人曰く、『例の件についての王宮のお偉いさんのしつこいほどの話に対するイライラの発散の為』との事。

「まァ…ちょいと遠くに来すぎたって感じはするがな?」
巨躯をまた一体切り倒し、ジャンガは呟く。
見渡せば大分数は減った。後2〜3体と言ったところか?
地面には血の海が広がり、夥しい数の巨躯の死体が倒れている。
その巨躯がハルケギニアで恐れられている亜人の一種族=オーク鬼だと言う事をジャンガは知っていた。
もっとも、知っていなかったとしても”殺る”事は変わらなかっただろうが。
…ストレス発散には十分だった。
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:28:27 ID:hZqEn+6S
支援
84毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:30:18 ID:idpnafxf
「これで終いだゼェェェーーー!」
叫び、腕を交差させる。二体の分身が背後から浮かび上がり、目の前の獲物に突撃する。
最後の一体を分身が捉え、ズタズタに引き裂くまでに五秒と掛からなかった。
動く物がいなくなったのを確認しながらジャンガはコートの埃を払う。
「ザコが…」
一言呟き、転がる死体には一瞥もしないままジャンガは歩き出した。
「にしても――」
ここはどこだ?ジャンガは森を見回しながら、落ち着きを取り戻した頭で考える。
実を言うと…彼は道に迷っていた。冗談抜きで迷っていた。
ストレス発散の為と学院を飛び出し、草原を疾走。時には町を、時には農地を、
時には今居る所のような森を駆け抜けた。
そうして、考え抜きに走りまくった結果――

「こんな森に来てたんだよな…」
溜息混じりにそう言って、ジャンガはズレた帽子を直す。
そんなこんなで森を訪れた際、先程のオーク鬼の群れと遭遇したのだ。
まぁ、いいストレス発散にはなったのだから、結果オーライだろう。
だが、問題はこれから。どうやったらこの森を抜けられるのだろう?
現在位置が分からないのだから、闇雲に走りまくるのも考え物だ。
ジャンガは懐に手を入れ、ワインのビンを取り出す。学院を出る際に偶然出くわしたシエスタに貰った物だ。
栓を取り、ぐびぐびと呷ると、大きくため息を吐く。
さて、どうしようか…と考えていると、ふと耳に何かの飛行音が聞こえた。
「ん?」
見上げると、上空を一匹の青い鱗の竜が飛んでいる。
その竜にジャンガは見覚えがあった。例の決闘で自分がボコにした小娘の使い魔(確かシルフィードだったか?)のはずだ。
なんでこんな所に?…ふと疑問に思った時、シルフィードが動きを止めたかと思うと、森に降下してくる。
位置から見て、自分の所へ降りてくるわけではないらしい。
気になったジャンガは栓をしたワインのビンを懐にしまい、シルフィードの落下地点へと向かった。



足音を消し、気配を消し、自分の存在を悟られぬように注意しつつ、ジャンガは近づいていく。
「化けて」
竜の主の声が聞こえ、ジャンガは片方の眉をピクリと動かす。
あのガキも来てたのか?こんな所に一体何のようだろうなどと考えながら、ジャンガは木の陰から覗く。
そこにはタバサと使い魔のシルフィードの姿が在った。
他には誰の姿も無い。…なら、今あの小娘は誰に向かって話しかけたんだ?

――疑問の答えは唐突に出された。
85毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:33:14 ID:idpnafxf
「後でいっぱいご飯貰うんだから!お肉たくさん!解った!?」
シルフィードの声に頷くタバサ。――対してジャンガは目を見開いていた。
(あの竜…喋れるのか?)
学院でも時々見かけていたが、喋った所は見ていない。
あの小娘が傷ついて気を失った時も、気遣う言葉などは一切言っていない。ただ、傍に寄り添っていただけだ。
なのに、あの小娘が驚いた様子は微塵も無い。つまり、喋れる事は承知らしい。
それなら何故、普段は話さないのだろう?
学院では――いや、他の人の前では喋れない理由でもあるのだろうか?
(まァ…俺には関係無ェがな)
そうして浮かんだ疑問を記憶の片隅に追いやると、ジャンガは一人と一匹の様子の観察に集中する。

シルフィードがお座りの姿勢で何かしら口ずさんでいる。呪文だろうか?
と、風が巻き起こり、シルフィードの身体に纏わり付くや、青い渦となって包み込む。
何をする気だ…?ジャンガが首を傾げるのと渦が消え去ったのはほぼ同時だった。
そこにはシルフィードの巨体は無く、代わりに二十歳ほどの若い女性の姿が在った。――しかも、何故か素っ裸だ。
「う〜〜、やっぱりこの身体嫌い!きゅいきゅい!」
女性はその美しい姿に似つかわしくない、子どもっぽい叫びを上げると、ドタバタと走り回ったり飛び跳ねたりを始めた。
(ほゥ?こいつは驚きだゼ…)
声から目の前の女性があの竜である事は解っている。
驚いたのはあの竜が喋れる上に、姿を変えるなどの真似ができると言う事実である。
ジョーカーも幻術で巨大化や変身などが出来るが、あの自分に食いついてきた…頭の悪そうな竜が出来るとは驚きだった。

一通り走り回ったシルフィードにタバサは服を手渡した。
シルフィードは始めは嫌がっていたが、やがて諦めたのか渋々と服を身に着けていく。
ごわごわする…などと言っているが、竜が服を着たりはしないのだから当然の事だろう。
と、タバサがマントを脱ぎシルフィードの肩にかける。次いで杖も手渡した。
一体何をするつもりだ、と覗き見ながらジャンガは思った。
「貴方、騎士。私、従者」
タバサはシルフィード、自分と指差しながら淡々と告げる。
怪訝な表情を浮かべるシルフィードだったが、やがてタバサと共に歩き出す。
そんな二人の後をジャンガは追った。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:34:17 ID:hZqEn+6S
支援
87毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:36:20 ID:idpnafxf
タバサとシルフィードの二人が辿り着いたのは山間の片田舎の町だった。
こんな所に何のようだろう…、ジャンガが考え込んでいると村人が二人の所へと集まってきた。
遠巻きに見つめる村人達は、ひそひそと心配そうな声で噂し合う。
耳を欹てると「今度の騎士様は大丈夫か?」「この間の騎士様の方が強そうだった」などの声が聞こえる。
騎士とはあの竜が化けた女を指しているのは間違いない。先程のタバサの言葉もそれを肯定している。
目が合った村人にシルフィードが笑いかけると、一様に落胆の表情を浮かべた。
今度の騎士様は二日で葬式だろう…などの声も聞こえてくる。
「あのガキが二日で葬式だァ?」
言葉の意味は理解できた。そして、あの二人がこんな所へ何をしに来たのかも大体理解できた。
が、一つ理解できない事がある。…二日で葬式を挙げなければならない理由だ。
いや、それも理解は出来た…が、あのガキを容易く殺せるような奴がそうそういるとは思えない。
ジャンガはタバサを馬鹿にしてはいるが、実力はそこそこ評価している。
と、ジャンガの耳に気になる会話が聞こえてきた。

「俺達の手で吸血鬼を見つけるんだ」

吸血鬼……その単語は学院の図書館などで此方の本を読むようになってから目にするようになった。
曰く、ハルケギニアで最も残忍で狡猾な妖魔。
日の光に弱く、日中は活動できない事を除けば弱点は皆無。
先住の魔法を用い、血を吸った人間一人を屍人鬼<グール>として操れる。
蝙蝠に化けたり、視線で相手を釘付けにするなどの超能力は持たないが、
その様姿は人間となんら変わりない上、血を吸う為の牙も自由に隠す事ができる。
またメイジのディテクト・マジックを初めとした、あらゆる呪文を用いても正体を暴けない。
恐るべき夜の人狩人<マン・イーター>…、それが吸血鬼――との事。

「キキキ…確かに、こいつは厄介かもなァ〜?」
普通に相手と対峙するのなら、大抵の相手にはあのガキが不覚を取る事は無いだろう。
だが、吸血鬼は正体を隠す。しかも、なかなか尻尾を出さないという。
普通の人として近づいてきた吸血鬼に不意打ちで血を吸われ、屍人鬼にされるなり殺されるなりしたらお終いだ。
なるほど…ならば、あの使い魔の竜を騎士などに仕立て上げた理由も解る。
使い魔を自分よりも強い者に、自分を弱い者に見せかける事で相手=吸血鬼の目を欺こうと言うのだろう。
「まァ、どんな理由で吸血鬼退治なんかしてるか知らねェが……お手並み拝見といこうか?暇潰しには良いしな…キキキ」

村の一番高い場所にある村長の家へと通される二人を見つめながら、ジャンガは笑った。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:38:06 ID:iwyxUISH
sienndearu!
89毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:39:52 ID:idpnafxf
夜空を彩る二つの月…
それを適当な家の屋根に座り込んで見上げながら、ジャンガはワインを呷っていた。
「や〜れやれ…、あれから調査の方はてんで進んでねェじゃねェか?
おまけに夕べは村長の家のガキが襲われる始末……案外情けねェな〜?」
村長の家の方を見ながらジャンガは呟く。
――タバサとシルフィードが村に来てから、既にまる一日が経っていた。
タバサは従者と立場を偽りながら被害者の家々を調べたりしたが、手がかりはゼロ。
また、シルフィードを餌に吸血鬼を誘い出そうとしたが、吸血鬼は彼女の裏をかき、
村長の家に引き取られている少女=エルザを襲撃。
エルザは無事ではいたが、この事は吸血鬼の狡猾さを改めて認識させられる一件となった。
今日もタバサは従者として振る舞い、シルフィードに小突かれるなどされていた。
おそらくは、あれも吸血鬼を油断させる為の演技だろう。
さて、今度は釣れるか?…そんな事を考えるジャンガの視界に何かが映った。
「ん?」
何だろうと思い、目を向ける。――それは一人の男だった。年は四十近い、屈強な肉体を持った大男だ。
その男にジャンガは見覚えがあった。
「あいつは確か…アレキサンドル、とか言ったか?」
村はずれのあばら屋に吸血鬼と疑われているマゼンダと言う婆さんと二人きりで暮らしているはずだ。
昨日の昼間、その事で一悶着あったのだが、よくある事だとジャンガは気にも留めていなかったのだが…。
そんな彼がどうして”屋根の上”などにいるのだろうか?
それだけではない…、今の彼の様子は明らかに普通ではなかった。目は血走り、口の隙間からは牙が覗いている。
おおよそ知性という物は感じられない。…となれば考えられるのは屍人鬼<グール>だ。
「…あいつがそうかよ」
と、アレキサンドルは上った家の煙突に近づくと、懐から何か赤い布のような物を取り出し、煙突の中に突っ込んだ。
何をしているのか分からないジャンガは首を傾げる。中に入ろうとしているにしても、彼の体では煙突はあまりにも狭すぎる。
何より…その家は既に被害者が出ている家であり、村中の娘達は既に村長宅に全員避難している。…故に訳が分からない。
すると、事が終わったのか、アレキサンドルは煙突から手を出し、屋根から飛び降りた。
――見た目とは裏腹な身のこなしだ。流石は吸血鬼と言ったところか?
アレキサンドルがいなくなった後、ジャンガは煙突に近づき覗き込む。
月明かりに照らされた煙突の中に先程の布が引っかかっている。
何だろうとジャンガが手を伸ばそうとしたその時…

「きゃあああああ!」「いやああああああ!」

夜闇を引き裂く、悲鳴が聞こえてきた。
ジャンガは悲鳴に顔を上げる。どうやら村長の家から聞こえてきたようだ。
「ほゥ?今回も直接か…」
面白い劇を見に行くかのような気持ちでジャンガは屋根を蹴った。
屋根から屋根へと飛び移り、村長の家の近くの木に飛び移る。
村長の家の二階の窓が割れていた。そこには避難させられてきた村中の娘が居るはずだ。
またかよ…、そう思いながら見ていると、割れた窓から人影が飛び出す。――アレキサンドルだ。
地面に降り立つと獣の速さで駆け出す。
それを同じく窓から飛び出したタバサが空を飛んで追う。
次いで、家の玄関からはシルフィードが飛び出し、二人の後を追う。
ジャンガはそれらを見送りながら追うかどうかを考える。と、村中から騒ぎを聞きつけた人達が集まってきた。
避難していた娘達から事情を聞いた人々は怒りと言うよりは憎悪の表情を浮かべていく。
「やっぱりあの婆さんが吸血鬼だったんだ!」
「何が占い師だ!?騙しやがって!」
口々に怒鳴りながら人々はマゼンダ婆さんの居るあばら屋へと向かう。
タバサよりもそっちの方に興味を惹かれたジャンガも後を追った。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:42:51 ID:K52DNcFl
しえんだぁ!
91毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:44:18 ID:idpnafxf
灯された松明を掲げ、人々はあばら屋を完全に包囲した。
口々に怒鳴り散らしながら松明をあばら屋へと押し当てる。
火が燃え移り、あばら屋は瞬く間に炎に包まれていく。
「ざまぁ見ろ、吸血鬼!」
「俺達を散々騙しやがって、燃えちまえ!」
村人達の罵る声が響き渡り、あばら屋を包む炎は彼らの怒りを象徴するかのように勢いを増す。
その様子をジャンガはニヤニヤ笑いながら見守っている。
「キキキ、いいね〜こう言うのは?見てて楽しいゼ」
と、そこへタバサがシルフィードと共に現れた。
燃え盛るあばら屋を見た彼女は唇を噛み、杖を振るう。
氷の渦が巻き起こり、それは瞬く間に竜巻となってあばら屋を覆う。
”氷嵐”<アイスストーム>……以前の決闘でジャンガは一度目にした事がある。――もっとも、受けたのは分身だったが。
今回は威力があれよりも劣っている気がするが…おそらく消火が目的だからだろう。
火が消し止められる。だが、既にあばら屋は完全に燃え尽きており、中の老婆がどうなっているかは一目瞭然だ。
人々の間から歓声が上がる。自分達を苦しめていた吸血鬼が燃え尽きたのだから当然だろうが。
だが、タバサは「証拠がない」と村人達と対立する。
と、そこへ薬草師のレオンが仲間を連れてやって来た。そして、タバサの前に何かを放り投げた。
それをタバサは拾い上げる。それは五サント四方ほどの赤い布切れで、タバサはその色に見覚えがあった。
「そいつが犠牲者の家の煙突の中に引っかかってた。マゼンダ婆さんの着物の切れ端だ…。
あの婆さんは煙突から出入りしてたんだ、枯れ枝みたいに細い婆さんなら煙突もすんなり潜れるだろうさ。
息子も屍人鬼<グール>だった…、これだけの証拠があって吸血鬼じゃないなんて、ある訳ないだろうが?」
レオンの言葉に人々は一様に「そうだそうだ」と言った。
そして村人達は安心しきった顔で家へと帰っていく。
使えねぇ騎士様だよ、などとタバサに非難の声を浴びせながら。
唯一、村長だけが彼女に礼を述べ、そして村人達の暴言を謝罪していたが…。
そんな村長の背後からエルザが見つめている。手に握られた杖を睨み、悲しそうに一言叫んだ。
「嘘つき!」
92毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:47:22 ID:idpnafxf
それから一時間後…

ジャンガは村長の家の屋根の上で寝転んでいた。
吸血鬼が退治された事で安心した娘達は既にそれぞれの家へと帰っている。
「だが…気になるな」
そう呟くジャンガはさきほどの光景を思い出していた。
レオンがタバサに投げ渡した赤い布切れ…マゼンダ婆さんの寝巻きの一部。
屍人鬼となったアレキサンドルが煙突に入れていたのはあれで間違いないだろう。
だが、そうなると気になる事がある。――何故、わざわざ自分の事を指し示すような物を残させたのだろうか?
アレキサンドルを屍人鬼にして操っていたのがあの婆さんならば、尚の事不自然だ。
「となれば…操った奴が他にいるって事か?」
そう言えば…さきほどエルザとタバサの二人が出かけていった。
「気が緩むのは勝利を得た直後…か」
ジャンガは立ち上がると四方を見渡す。その時、誰かの口笛が聞こえた。
こんな夜中に誰が…、そう思った時、玄関からシルフィードが杖を持って飛び出してきた。
「何だ?」
見ればシルフィードは可也慌てた表情をしている。そして辺りをキョロキョロと見回すと、手近な森の中へと走っていく。
その後をジャンガは静かに追った。



「ねえ、お姉ちゃん…私が人の血を吸うのとお姉ちゃんがムラサキヨモギを摘むの、どこが違う?」
「……」
二つの月が照らし出す森の中。そこは一面にムラサキヨモギが群生する場所だった。
そこに二人の少女の姿があった。
一人は枝に体を絡め取られ服を破かれ肌を晒している。
もう一人はその少女を見つめながら、どこまでも無邪気な笑顔を浮かべている。
「ねえ…答えて。どこが違うの?」
「どこも違わない」
タバサの返答が望む物だった為、吸血鬼エルザは顔を輝かせた。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:48:46 ID:BZ5sfd0W
支援
94毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:51:55 ID:idpnafxf
「ああ、お姉ちゃんはやっぱり解ってくれている。そうだよね、そうだよね、どこも違わないよね♪
嬉しい、私やっぱりお姉ちゃんが大好き。だから、血を吸ってあげる。そしてお姉ちゃんは、ずっと私の中で生き続けるの。
それって素敵……お姉ちゃんもそう思うでしょ?」
タバサは答えないかわりに睨んだ。そんなタバサをエルザはいとおしく見つめる。
その首筋へと牙を運び、噛もうとした――その時だった。

「あんまり調子乗ってんじゃねェよ…クソガキ」
「…え?」

耳元で声が聞こえたと思った瞬間――彼女の背中は大きく切り裂かれた。
血が噴出し、一気に体から力が抜ける。抵抗する事もできず、エルザは背中から地面に倒れこんだ。
天を向いたその視界に、月をバックに佇む二メイルはあろう影が目に入る。
その長身は亜人だった…、紫のコートと帽子と全身紫尽くめの猫の顔をした亜人だった。
見ると、その右の袖から伸びた真紅の爪からは赤い血が滴っている。それが自分の血である事をエルザは瞬時に理解した。
「だ、誰…?貴方は…亜人?」
エルザの弱々しい声にジャンガはニヤリと笑う。
「キキキ…それ以外の何だってんだ?」
「な、何で……こ、こんな事を…?」
「こんな事ォ〜?」
「わ、私は…人間の血を吸わないと生きていけないの…。だから、今…お姉ちゃんの血を吸おうとしてただけ…。
ただそれだけ……何も、おかしな事はしてない…。なのになんで…どうして…こんな事を?
私…貴方の事を怒らせるような事…した?このお姉ちゃんと何か…関係でもあるの?」
エルザの言葉にジャンガは枝に絡め取られたタバサを見る。
所々肌が露になったタバサを見てジャンガは鼻で笑う。
「キキキ、いいザマだな?あの決闘の場にいた連中にこんなお前の姿を見せてやるのも楽しかったろうな〜?」
ジャンガの言葉にタバサは睨みつける。
「あの子はどうしたの?」
「あン?あの竜か…。キキ、あいつだったら、森の外れで寝てるゼ?」
その言葉にタバサは顔面蒼白になる。それを見たジャンガは笑う。
「おいおい、何マジな顔してやがるんだ?別に比喩で言ったんじゃねェよ、本当の意味で寝てるんだよ。
ちょいとばかり邪魔だったんでな…キキキ」
それだけ言うとジャンガはエルザに視線を戻す。
「オイ?”何か関係があるの”と言ったよな…お前?あるゼェ〜、こいつは俺の”玩具”<オモチャ>だ。
それにこれから先…こいつのする事にも色々と興味がある。だから、死んでもらっちゃ困るんだよな〜?
だから、手を出したお前を殺す……何か間違ってるか?」
ジャンガの問い掛けにエルザは震えながら首を横に振る。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:52:07 ID:lPvSZC0n
支援。

>>79
だから、投下するなと言ってるだろ。<前スレ
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:53:25 ID:hZqEn+6S
支援
97毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:55:41 ID:idpnafxf
「わ、解った…私、お姉ちゃんの血は吸わない……村からも出て行く…、だからお願い。私を見逃――」
「解ってねェな…お前?」
「え?」
エルザは呆然とジャンガを見る。
「餌横取りされた獣が、謝って餌を返した程度で許すと思ってんのか?」
その言葉にエルザは愕然とした。――目の前の亜人は自分を殺すつもりだ。
恐怖に駆られ、エルザは呪文を唱えようとする。
「ね、眠りを導く風よ……」
「ウゼェよ」
一言呟き、エルザの顔を踏みつけるジャンガ。
苦悶の表情を浮かべ、苦しそうな声を漏らすエルザの目を覗き込みながら笑う。
「よォ…お前は知ってるか?」
何の事か解らないエルザはジャンガを見上げる。
「人間は一体どれだけ刻まれても大丈夫なのかをよ?」
「そ、そんな事…知らない…」
「だよな?そうだよな!?キーッキキキキキキキキッ!」
高らかに笑うジャンガ。一頻り笑うと再びエルザの顔を覗き込む。
「だからよ…少し手伝ってくれよ。どれだけ刻まれても生きていられるのかを、俺に教えてくれよ?
な〜に難しい事じゃないゼ。用はテメェが”吸血鬼の活け作り”になるだけだからよ…」
――エルザは言葉の意味を直ぐには理解できなかった。
意味を理解した瞬間、それまで感じた事の無い恐怖が全身を駆け巡った。
「そ、そんな……お願い、止めて!そんなの…そんなの嫌ーーーーー!!!」
エルザの絶叫が森に木霊した。そんな彼女の悲鳴もジャンガはどこ吹く風。
エルザの足を掴み、森の奥へと引きずっていく。

「今更喚くんじゃねェゼ……どの道、テメェは死ぬ運命なんだからよ…」

――その言葉がエルザへの死刑宣告となった。
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:55:44 ID:s8tHOn33
さるさんかな?しえん
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:57:04 ID:91/QMhDS
初期ガッツ並みにえげつねぇw支援
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:58:01 ID:IOy0wCI+
何事もなかったかのように支援
101毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 20:58:33 ID:idpnafxf
「キキキ…今回は実に情けない結果に終わったなァ〜?」
枝を切り落としてやった事で自由の身になったタバサをジャンガは笑いながら見つめる。
タバサは悔しげに歯を噛み締める。
「あの子は?」
「あン?吸血鬼のガキなら向こうでいい感じの刺身になってるぜ。まァ、まだ息はあるがよ…手も足も無ェからな。
後は獣の餌になるだけさ…キキキ」
楽しい思い出を語るかのような口調で話すジャンガにタバサは冷たい視線を投げかける。
「ああそれと、あの竜はさっきも言ったが向こうで寝てるゼ。行って起こしてやればいいさ。
にしても驚いたぜ…あの竜が喋るだけでなく、人間にも化けれるなんてな」
「見たの?」
「キキキ」
不味い奴に見られた……タバサは珍しく表情を強張らせる。
「言わないで」
「あン?何だって?」
「言わないで、誰にも」
タバサは正直、無駄だと思っていた。
「言ったら不味いか?…なら言わねェ」
「え?」
予想外の答えにタバサは呆気に取られる。ジャンガはニヤリと笑う。
「テメェは見ているだけで面白い玩具だ…、これからも楽しみたいんだよ…?
だから、これからもテメェには普通に過ごしてほしいんだ…解るだろ?だから言わねェ。キキキ」
それだけ言うとジャンガは踵を返して歩き去ろうとする。
その背に向かってタバサは言った。
「私は貴方の玩具じゃない」
ジャンガは振り向かずに口の端を吊り上げ、ゾッとする様な笑みを浮かべる。
「キキキ…、キィーーーッ!キキキキキキキィィィーーーーッ!!!」
さも楽しそうな声を上げて高らかに笑い、ジャンガは今度こそ森の中へと消えていった。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:01:53 ID:lPvSZC0n
しえn
103毒の爪の使い魔:2008/10/05(日) 21:02:16 ID:idpnafxf
以上、投下終了です。
この後ジャンガは散々迷った挙句、無事に学院に生還できたとしてください(笑)
あと、五回目の投下の中でアレキサンドルを屍人鬼と指摘してるのに吸血鬼と言っていますが、これは間違いです(汗)
「流石は吸血鬼と言ったところか?」の部分は登録の際、削除してください。

今回これだけ遅れたのは15巻を読んだ為です。
いや、あれのお陰で話のネタがまた浮かんできて、本来タルブで終わるはずの話を更に追加しようと思いまして。
んで、色々と見直していた結果遅れてしまいました。まぁ、この遅延に見合う良い話を書けるようがんばりますね。
では、今回はこれで。アデュー♪
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:04:34 ID:K52DNcFl
>>103
乙かれー
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:07:05 ID:TMocp27L
乙&GJ!! 長くなるのは良いことです!
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:10:18 ID:2aVDKz5i
>>103
乙としかいいようがない・・
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:17:35 ID:NH3OHI4A
刃向かう奴はフルボッコor死w
それがジャンガクオリティww
相変わらずの容赦ないジャンガ素敵です。
GJ
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:19:01 ID:apF9AEnd
ジャンガの人乙です〜。
この題材でロリカード、バージルの兄貴と見てきて、エルザがどう殺られるか楽しみな自分がいるw
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:23:10 ID:s8tHOn33
姉妹スレのがかわいいから可哀想・・・とか思っちゃうとこも有るけどw
でも流されないジャンガいいね、このまま突っ走ってほしい、乙でした!!
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:28:36 ID:bv/p5KTI
>>107
刃向かわなくてもやってるがなw
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:38:15 ID:okxw+mTx
ジャンガの人乙
あの後村に戻って村人が無実のマゼンダ婆さん殺してた事をバラしてたりしないよね?
しないよね?
112"IDOLA" have the immortal servant 0/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:44:13 ID:WHP91BI2
ジャンガの人乙です。これは絶対にされたくない処刑法w

予約がなければ9:50から12話投下したいと思います。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:45:11 ID:okxw+mTx
ではしえん
114"IDOLA" have the immortal servant 1/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:50:26 ID:WHP91BI2
 魔法学院を出発して以来、ワルドはグリフォンを疾駆させっぱなしであった。フロウウェンとギーシュは途中の駅で馬を二度交換したが、グリフォンは疲れを見せずに走り続ける。
「ちょっとペースが速くない?」
 腕に抱かれるような格好でワルドの前でグリフォンに跨るルイズが言う。口調がくだけたものになっているのは、ワルドがそうしてくれと頼んだ所為だ。ルイズとしてもずっと敬語でいるのは気疲れするので、ありがたい申し出だった。
「ヒース……はともかく、ギーシュがへばってしまっているわ」
 乗馬というのはこれでかなりの運動量だったりする。馬を早く走らせる時はその負担を減らす為に、自らも馬に合わせて体重移動を延々と続ける必要がある為だ。
 フロウウェンは鍛えているからそうでもないようだが、ギーシュの方は肉体労働をあまり得意としていないらしい。
「これでも馬に合わせて遠慮しているんだよ。ルイズ。僕はラ・ローシェルの港町まで止まらずに行きたいんだが……」
「無理よ。普通は馬で二日かかる距離だもの」
「着いて来れないなら置いていけばいい」
「そういうわけにはいかないわ」
「どうして?」
 ルイズは困ったような表情を浮かべて答える。
「だって、仲間じゃない。使い魔を置いていくのも、仲間を見捨てるのも、メイジのすることじゃないわ」
「やけに肩を持つね。彼……ギーシュくんは君の恋人かな?」
「そっ、そんなわけないじゃない!」
 ルイズは首を横に振って抗議する。ひどい誤解だ。
「そうか。なら良かった。婚約者に恋人がいるなんて知ったら、ショックで死んでしまうからね」
 言いながらも、ワルドの顔には余裕の笑みがある。からかっているのかも知れない、とルイズは感じた。
 ワルドは自分の苦労話やルイズとの思い出などを交えながら、立派な貴族になってルイズを迎えに来るつもりだったと語る。
 その話を聞きながらも、どこか現実味が湧かなかった。
 ワルドのことは嫌いではないのだが、なんといえばいいのか。
 こう、記憶に残る憧れのワルドと、今のワルドが上手く重ならないのだ。あの頃のワルドに感じた憧れや頼もしさというのは、どちらかと言えば―――
 振り返ってフロウウェンを見やる。深い青を湛えた瞳と視線が合うと、自分の使い魔は小さく首を傾げて見せた。
 そう。フロウウェンに対してそういう感情を感じる。それは異性としての魅力ではなくて、尊敬できる人物という意味でだ。
 では、過去の自分のワルドに対する感情も、恋慕のそれではなく、尊敬や憧れでしかなかったのではなかろうか。
 
 
「もう半日以上走りっぱなしだ。どうなってるんだ……どいつもこいつも化け物だ」
 力なく馬の首にもたれ掛かったギーシュは思わず愚痴をこぼした。隣を走るフロウウェンもグリフォンに乗っているワルドも涼しい顔をしている。
 乗馬というのは乗り手が重心を移動することで、走る馬の負担を減らしてやる必要がある。その為、見た目より遥かに運動量が多いのである。
 ギーシュは貴族である。そしてグラモン家という武門に生まれた者の嗜みとして、乗馬はお手の物ではあるのだが、半日以上も休み無く馬を走らせた経験などさすがに無かった。
「疲れたら手綱に掴まり、最低限に力を抑えたレビテーションを自分にかけるというのはどうだ?」
 フロウウェンが言う。
「……。いいね、それ」
 ギーシュは良いことを聞いた、とばかりに手首に手綱を巻き付け、自分にレビテーションをかける。彼の家族が見ていたら貴族として情け無いとギーシュに説教をするだろうが、馬の負担を効率的に減らすことができるのは確かだ。
 まだまだ移動に時間を費やすだろうから、延々レビテーションを続ければ精神力も尽きてしまうだろうが、これなら走らせながら休憩しているようなものだ。多少の体力は回復させられるだろう。
 
 
 馬を何度も替えて飛ばしに飛ばしたので、その日の夜には港町ラ・ロシェールの近くまでやって来ることができた。
 港町と言ってもラ・ロシェールは山の中にある。アルビオンは空に浮かぶ大陸だからだ。これはフロウウェンがシエスタとの世間話で聞いていた通りだった。ラ・ロシェールを更に進むと、シエスタの郷里であるタルブに到るらしい。
 峡谷に挟まれた街を月明かりで見て取ったところで、それは来た。
 突然崖の上から松明が投げ込まれた。訓練されていない馬が驚いて、前足を高々と上げる。フロウウェンは咄嗟に手綱を握って堪えたが、ギーシュは背から放り出された。
「奇襲だ!」
 松明を投げ込んできたということは、飛び道具で狙いを定めるのがその目的とする所だろう。
115"IDOLA" have the immortal servant 2/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:51:19 ID:WHP91BI2
 フロウウェンは体勢を立て直すと同時にデルフリンガーを抜き放っていた。
「よう。相棒。こりゃまた剣呑な場面だねえ」
 デルフリンガーが軽口を叩くが、フロウウェンは答えない。代わりに口元の笑みで答えた。間髪を置かずに、無数の矢の雨が降り注いで来る。
 全てはデルフリンガーでは裁ききれない。逡巡することもなく、引き付けてから炎のテクニック、ラフォイエによる爆風で吹き飛ばそうと、フロウウェンは指輪を付けている左手を前に突き出した。
 しかし、ラフォイエを使うよりも早く小型の竜巻が巻き起こり、向かってくる矢を全て散らす。
「大丈夫か!?」
 杖を掲げたワルドが問うてくる。今の竜巻は彼の作り出した物だろう。
「こちらは問題はない」
 崖の上を眺めるが、第二射が飛んでくる気配は無い。こちらにメイジがいると知って臆したのかも知れない。
「夜盗か山賊の類か?」
 ワルドの呟きに、ルイズが血相を変える。
「アルビオンの貴族の仕業かも……!」
「貴族なら弓は使わんだろう」
「頭数を揃える為に傭兵を使えば話は変わる。油断はせず、メイジもいる、と見て置くべきだと思うが」
 フロウウェンがつとめて冷静な声で言った。
 ともかく、あの距離にいる相手を攻撃できるのはグリフォンに跨るワルドだけだ。ワルドに視線を送ると、彼はそれだけで察したのか、それとも最初からそのつもりでいたのか、頷いて見せた。
 しかし、ワルドがグリフォンを飛び上がらせる事はなかった。羽音と共に悲鳴が聞こえてきたからだ。
 恐慌状態に陥った連中が何事か叫びながら矢を放つも、それは届かない。ワルドが先程そうしたように、全てあらぬ方向に吹き散らされた。次の刹那、竜巻が巻き起こって、崖の上の男達が弾き飛ばされる。
「おや。あれは『風』の呪文じゃないか」
 がらがらと音を立てて男達が崖下に落ちてきた。したたかに身体を打ち付けて呻き声を上げている。
 そうやって見上げていると、月をバックに見慣れたシルエットが姿を現す。
「シルフィード!?」
 それはタバサの風竜であった。崖の上の敵を一掃すると、地面に降りてくる。
 シルフィードの背中から軽やかな身のこなしで飛び降りる影一つ。それは―――
「フ……ミ、ミス・ロングビル!?」
 ルイズが頓狂な声を上げた。
「今晩は。ミス・ヴァリエール」
 フーケはすました様子で平然と言った。ルイズはフーケを指差して、ぱくぱくと、口を魚の様に開閉させるが言葉は続かない。
 続いて赤い髪の少女がひょいと、地面に飛び降りる。キュルケである。
「いや、連れて行けって言われた時はわたしもびっくりしたけどね」
「キュ、キュルケもなの? どうしてここに!?」
「どうしてって、助けに来たんじゃない。朝方、窓から見かけたから急いでタバサを叩き起こして後をつけたってわけ。その時にミス・ロングビルに見つかってね。一緒に行くってことで、こうなったわけよ」
 風竜の背に跨るタバサはパジャマ姿だった。本当に叩き起こしたと言うのがぴったりな姿だ。それでもいつも通り、本のページをめくっている辺りはさすがと言えよう。
「これでは何時ぞやの顔ぶれだな」
 フロウウェンが呆れたように言う。これ以上を望めないほど頼もしい援軍であったが、タバサとキュルケはともかく、フーケまで来るとは。
 フーケはフロウウェンと視線が合うと、ふいっと不機嫌そうな表情を浮かべて目をそらしてしまう。
「ツェルプストー。あのねえ。これはお忍びなの」
「お忍び? それならそうと言えばいいじゃない。とにかく感謝なさいよね。あなた達を襲った連中を捕まえたんだから」
「そ、そうだった。お前たち! 何故僕らを襲ったんだ!?」
 ギーシュは、口々に罵りの言葉をこちらに投げ掛けている男達に詰め寄った。
「別にわたしはあなたを助けに来たんじゃないのよ。ねえ?」
 キュルケはしなを作ってワルドににじり寄る。
 そういうことか、とルイズは頭を抱えた。
「おひげが素敵よ。あなた、情熱はご存知?」
 しかしワルドはにべもなくキュルケを一瞥した後、左手で押しやった。
「あら?」
「婚約者が誤解するといけないのでね。それ以上近付かないでくれたまえ」
「なあに? ルイズの婚約者だったの?」
 言いながら、キュルケはワルドをよくよく見詰めて、気付いた。随分と冷たい目をした男だと。
 同時に、ルイズに同情した。婚約者に微笑みかけながらも、その瞳は冷たいままなのである。
 つまらない男だ、とキュルケは鼻を鳴らし、それっきりワルドへの興味を失った。
116"IDOLA" have the immortal servant 3/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:52:28 ID:WHP91BI2
「子爵、あいつらはただの物取りだと言っています」
 ギーシュが戻ってくる。
「ふむ……なら捨て置こう」
 ワルドが言うと、グリフォンに跨って出発の準備を始めていた。
「物取り……か」
 フロウウェンは目を細めて呟いた。
 貴族派に雇われて襲ってきたなら、正直にそうだと答えるわけも無い。
 アンリエッタの言っていた、ゲルマニアとの同盟を阻む手紙。
 その情報が、何らかのルートから貴族派に漏れているようなことがあれば、彼らはトリステインからの使者に最大限の警戒を払うだろう。
 とは言え、この場で男達の口を割らせるには、それこそ拷問にでもかけなければ無理な話だ。そんな手管は自分の主義には合わないし、そこまでやって得られる情報が多いとも思えない。
 考え過ぎか、とフロウウェンは男達へ冷やかな視線を送って頭を振った。
 ワルドの言う通りだ。アルビオンの貴族派が差し向けたのであれば、もっと強力な布陣を敷くだろう。
「今日はラ・ロシェールに一泊して、朝一番の便でアルビオンに渡ろう」
「ア、アルビオン?」
 ワルドの言葉にフーケの表情が凍りつく。
「心配はいりません。ミス・ロングビル。いざとなったらこのギーシュ・ド・グラモンが貴族派の手からお守りしましょう」
 ギーシュは自分の胸に手を当てて、自信満々に言う。
「あ、ありがとう。ミスタ・グラモン。わ、わたくしそんな危険な所に行くなんて知らなかったものですから。ほほ、ほほほ。おほほほほほ」
 まともにうろたえたのは失態だったが、その申し出をこれ幸いと、フーケはギーシュの言葉に合わせて笑うのだった。
 
 
 ラ・ロシェールで一番上等な宿、『女神の杵』亭に泊まることにした一行は、一階の酒場でめいめい羽を伸ばしていた。
 そこにワルドとルイズが帰ってくる。
 ワルドは困ったような表情、ルイズは怒ったような表情を浮かべての帰還である。どうも乗船の交渉は捗々しくなかったようだ。
「アルビオンに向かう船は明後日にならないと出ないそうだ」
「急ぎの任務なのに……」
 ギーシュの表情が少しだけ緩む。明日は休んでいられるということだ。
「あたしはアルビオンに行ったことが無いからわかんないけど、どうして明日は船が出ないの?」
「明日が『スヴェル』の夜だからでしょう」
 フーケが素っ気の無い口調で答えた。『スヴェル』の夜とは二つの月が重なる夜のことだ。
「うん。『スヴェル』の夜の翌日の朝が、アルビオンが最もラ・ロシェールに近付く時なんだ。さて。今日はもう寝て身体を休めようじゃないか。部屋を取った」
 ワルドは鍵束を机の上に置く。
「キュルケとタバサは相部屋だ。そして、ギーシュとヒースクリフが相部屋。ロングビルは一人部屋。それから僕とルイズは同室だ」
 全員の視線がワルドとルイズに集まる。意に介したふうもなく、ワルドが言った。
「婚約者だからな。当然だろう?」
「そんな! ダメよ! まだわたしたち結婚してるわけじゃないじゃない!」
 一瞬呆気に取られたような表情を浮かべたルイズだったが、真っ赤な顔になって抗議する。
「大事な話があるんだ。二人きりで話がしたい」
「は、話だけよ! それが終わったらロングビルの部屋に行くから! いいい、行くから! ぜぜぜぜ絶対だから!」
 フーケと同室というのも歓迎したくない状態なのだが、男と同衾というのは尚更遠慮したいルイズであった。
 一人の方が気軽で良いとフーケは思っていたが、慌てるルイズを見ては苦笑いを浮かべるしかない。
「仕方ないな。僕の小さなルイズは。無理強いして嫌われたくは無いしね」
 余裕の笑みでワルドはルイズを見やった。
117"IDOLA" have the immortal servant 4/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:53:28 ID:WHP91BI2
 
 
 フーケが部屋に腰を落ち着けてワイングラスを傾けていた頃、扉がノックされた。
 ルイズが戻ってきたのかと思って扉を開くと、そこに立っていたのはフロウウェンだ。
「こんな夜中に忍んでくるとはどういう風の吹き回しだい?」
「そんな艶のある話だったらオレとしても嬉しかったのだがな。ま、そんな歳でもないさ」
 苦笑いを浮かべて冗談を言うフロウウェン。
「少し話をしたい事がある」
「ま、いいけどね」
 大方、どうして自分が着いてきたのか訊ねたいというところだろう。フーケはフロウウェンを部屋の中へ通した。
「あんたもやるかい?」
 グラスを用意しながらフーケは問うた。
「そうだな。一杯だけ貰おうか」
 テーブルを挟んでフーケの向かいに腰を落ち着ける。
「お前が来るとは思わなかった」
 それは当然の疑問だった。何と受け答えしたものか、とフーケは頭を捻る。
 実際の所、自分が何故来てしまったのか、明確な理由を説明できないのだ。学院を出て行く一行の姿が気になった事は確かだが、心配するような間柄ではないはずだ。
 だが、偶々追おうとしているキュルケとタバサを見かけると、同行を申し出ていた。それからオスマンに休暇を願い出た。
郷里に顔を見せるといって、ウエストウッド村に帰郷することはこれまでに度々会ったから、オスマンは快く承諾してくれた。
「あんたには借りがあるからね。何かキナくさい空気が漂ってたから、上手くすりゃ貸し借り無しに出来るかもって思ったのさ」
 結局、いい答えも思い浮かばず、道中シルフィードの背の上でキュルケに答えたのと同じ答えをフーケは返した。
「あれらは利害が一致しただけだ。礼を言われるような事柄ではない」
 利害が一致したから彼女の正体を学院の者達に明かさなかった。同じ理由から、惚れ薬で酔っ払われたままではまずいから、解除薬を作る為に奔走した。それだけのことだ。
 だからフロウウェンは言った。
「案外、義理堅いな」
「……そんなんじゃないさ」
 本当ならそれらを借りだ、などとフーケも思ってはいなかった。口実として都合が良かったからそう言ってみせただけなのだ。
「詮索する気は無いのだが、元々アルビオンにいたのだろう?」
 切り出し難そうにフロウウェンは言う。
「まあね。行き先がアルビオンだって知ってりゃ来なかったさ」
 惚れ薬でおかしくなった時もジェームズ一世に対する愚痴を零してしまったし、先程もアルビオンという言葉に過剰に反応してしまっていた。フロウウェンが何か察したとしても不思議はない。
「勘付いてるなら話が早いけど、あたしゃ、最後まで付き合うつもりはないよ。どこで昔の知り合いに会うか、分かったもんじゃないからね。適当なとこでずらからせてもらう」
「それは構わない。ただ少し――」
 目を細めてフロウウェンは言った。
「お前に悪い気がしてな」
「なんでだい?」
「アルビオンの王家はお前の敵だろう?」
 フーケは呆気に取られてフロウウェンを見やった。それが気になってわざわざ自分の所に来たというのか。
 フロウウェンの行動がアルビオンの王家に手助けすることになるから? だから自分に負い目を感じるというのか?
「は、ははは……っ! あっはははは!」
 無性におかしくなって、フーケは哄笑を上げた。
「まあねえ。確かに恨んだ事もあったけどねえ」
 ひとしきり笑った後で答える。
「あたしにとっちゃ、とっくに終わった過去なんだ。復讐なんて考えるぐらいなら、すべき事は他にある。王家の連中が、生きようが死のうが、知ったことじゃないのさ」
 フーケはグラスに注がれたワインを呷る。
「ま、この場にジェームズ一世がいて、誰も見てないような状況なら遠慮無く踏み潰させてもらうかもしれないがね。その程度の優先順位なのさ。だから……あたしに気兼ねなんざ、するこたないさ」
 冗談とも本気とも付かないフーケの言葉だった。それから、急に真剣な面持ちになって言う。
 自分が同行する気になった、本当の理由に思い当たったからだ。
「この際だから言っとくよ? あんた、そんなお人好しだと、いつか寝首をかかれるか、体良く誰かに利用されるだけだよ。あたしに飲ませたあの薬も、実は何てことのない代物なんだろ?」
 フロウウェンはモノフルイドの正体には答えず、静かに笑みを浮かべるだけでそれに答えた。
118"IDOLA" have the immortal servant 5/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:54:48 ID:WHP91BI2
 それからワインを口に運んで、嚥下すると呟く。
「利用される……か。確かにな」
 フーケの言葉は当たっている。
「オレがそうなるのは別に良い。自分で選んでいることだ」
 遠くを見るような目でフロウウェンが言う。フロウウェンには自分の甘さが原因で、部下達にまで累が及んでしまった過去がある。
 パイオニア1の移住計画が、本当はどんなものか、本星にいた部下に連絡して探らせたのだ。
 だが、後に発覚して粛清と暗殺の嵐が吹き荒れた。D因子に侵され、実験材料とされた身では死者と同じだ。何もできなかった。二度は、繰り返すまい。
「あの嬢ちゃんがそうされるのは許せないってとこかい?」
「……そうだな。今度はしくじらないようにしたいものだ」
 フロウウェンの瞳はただ、深い色の青を湛えている。グラスの中身を飲み干すと、もう用は済んだ、とばかりに彼は立ち上がった。
 フーケは大きく溜息をつくと、その背に向かって言った。
「……マチルダだ」
「ん?」
 言われたフロウウェンは怪訝そうな顔を浮かべて肩越しに振り返る。
「あたしの、昔の名前さ。気遣ってくれた礼っていうか、少しは手の内を明かさないと不公平だから……なんて柄でもないけどさ。あー……ったく! 酔っ払ってんのかね、あたしは!」
 頭をぐしゃぐしゃと掻いて、フーケ……マチルダは言った。
「他の奴には言うんじゃないよ!」
「解った」
 フロウウェンは穏やかな笑みで頷くと、マチルダの部屋を出て行った。
 あんな風に釘を刺さずとも、あの男は誰にも言わない。そういう義理堅い古風な男だという確信があった。性格が父に似ていると思ったのは、勘違いではなかったから。
「ほんとに……酔っ払ってんのかねぇ。あたしは」
 僅かにグラスに残ったワインを飲み干して、彼女は呟いた。
 
 
 フロウウェンがマチルダの部屋を訪れて酒を酌み交わしている頃、ワルドとルイズもまた、杯を交わしていた。
 ルイズの才能。それをワルドは、恐らく誰よりも高く評価している。他には無い稀有な才能だ。
 もしかしたら彼女は『虚無』かも知れない。魔法を爆発させてばかりで系統も知れないルイズを見て、ワルドは何時だったか、ふとそんな風に思ったのだ。
 であれば、レコン・キスタに引き込めば同じ『虚無』の系統であるクロムウェルは、正しく彼女を導いてくれるだろう。それはゆくゆくは自分がレコン・キスタ内で足掛かりを固めていく強力な武器となる。
ともすればクロムウェルに取って代わることもできるし、そんな手に出ずともクロムウェルの後継者となることもできるだろう。いや、やってみせる。
 よしんば『虚無』でなかったとしてもヴァリエールの由緒ある血筋は魅力的なものだ。
 ワルドにはルイズと懇意にして痛むものがない。使えないなら捨てればいいだけだ。いずれトリステインとてレコン・キスタの軍門に下るのだから、その家名を恐れる理由すらもワルドにはないのである。だから、躊躇もない。
 しかし、決して少なくは無い金を払ったというのに、あの傭兵の連中の体たらくと来たら無い。ルイズをグリフォンに乗せたまま、連中を一蹴することで自分の実力を存分に見せつけてやろうと思ったのに。
 あれさえ上手く行っていればルイズももっと自分への評価を高くしていただろう。
 自分はルイズの婚約者でありながら長く放置していたという負い目がある。だからルイズは昔のように自分に甘えたりしないのだろう。そんな風にワルドは考えていた。
 ワルドは己の容姿が恵まれていることを自覚している。世間知らずのルイズを誑し込むぐらいはわけもないと思っていたのだが、ルイズはどうも昼間からあまり乗り気ではない。
 それは放置していたことや、傭兵をけしかける策が上手く行かなかったことだけが原因ではないように思える。
 ルイズ生来の気位の高さというのもあるのだろうが、もしかすると誰か意中の相手がいるのだろうか。あのギーシュという貴族の少年か? いや、昼間の態度を見る限りそうではなさそうだ。
119"IDOLA" have the immortal servant 6/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:55:50 ID:WHP91BI2
 では、あの使い魔というのはどうだろう。年齢的には考えにくいが、グリフォンの背の上で物憂げに使い魔の表情を窺っていたことも知っていた。
 少しだけ会話の流れを誘導して、ルイズに探りを入れてみる。
「きみはね。他の誰にもないオーラを放っていたんだ。それは君が他の誰にもない特別な力を持っているからさ。僕だってスクウェアの端くれだからね。それがわかるんだ」
「まさか」
「まさかじゃないよ。例えばそう、きみの使い魔」
「ヒースのこと?」
「そうだ。彼は相当強いんじゃないかな?」
 ヒースクリフ・フロウウェンという男。あれは相当な使い手だ。勿論、平民にしては、だが。
 体つき。物腰。傭兵に襲われた時の落ち着き払った対処。それらがフロウウェンの実力が並のものではないことを、ワルドに告げていた。
「そうね」
 答えるルイズはどこか嬉しそうな響きを声に含ませている。相当使い魔のことを信頼しているらしかった。
「メイジの実力を見るには、その使い魔を見よ、と言うぐらいだ。人を使い魔を召喚したというのも例がないし、それが実力者であれば、きみが特別だという証明みたいなものじゃないか」
 正確には例が無いわけではない。一つだけ類似するケースをワルドは知っていた。
 始祖ブリミルの使い魔。
 『虚無』に興味を抱いて調べていた文献から、ワルドはそれを見出し、その記述からコルベールと同じ推論に至っている。
「……ワルド。でも、わたしね」
 ルイズは一転して暗い表情になった。
「使い魔に釣りあった実力じゃないと思うの。あの人がいなければ、この任務に志願なんてできなかっただろうし」
「いいや、ルイズ。それはきみには才能があるからだと、僕は考えている。きっときみは始祖ブリミルのような偉大なメイジとして歴史に名を残すだろう。僕は、そう予感しているんだ」
 熱っぽい口調でワルドは続ける。
「この任務が終わったら僕と結婚しよう。ルイズ」
「え……」
 ワルドの申し出に、ルイズはきょとんとした表情を浮かべた。
「僕は、魔法衛士隊の隊長で終わる気は無い。いずれは国を、このハルキゲニアを動かすような貴族になりたいと思っている」
「で、でも……」
 男性から婚約を申し込まれるなど、ルイズには経験が無い。だから戸惑いが先に来てしまって「この国を動かすような」とはワルドが言わなかったことに、ルイズは気付かなかった。
「でも、なんだい?」
「わ、わたし……まだ」
「もう子供じゃない。もう十六だ。自分のことは自分で決められる年齢だし、きみの父上だって許してくださってる。確かに、きみをほったらかしにしていたのは事実だ。それは謝るよ。
婚約者だなんて言えた義理じゃないけれど、それでも僕にはきみが必要なんだ」
「ワルド……」
 それはどうして、だろう。ワルドのような、何でもできて、誰からも認められるような男が、どうして自分を必要とするのだろう。
 偉大なメイジになれると思っているから?
 そんなはずはない。自分は『ゼロ』だ。
 特別な才能といえばグランツが使えたことぐらいだけれど、あれは表に出せるものではない。
 では自分の家名?
 いや、家督を継ぐのは長女のエレオノールか、その伴侶だ。三女の自分にはそんな価値などないし、ヴァリエール家とワルド家は元々懇意にしている。
 だとしたら同情だろうか。
 それこそ、考えたくは無かった。
 プロポーズされて嬉しくないわけではないのに、どうして裏を探ってしまうのだろう。
 自分が長い間『ゼロ』だと蔑まれてきて卑屈になっているからだろうかと、ルイズは少し悲しくなった。
 いずれにしても、こんな気持ちでワルドに返答することはできない。プロポーズされたからには、誠意をもって答えなければいけない。
「ワルド。わたし……まだあなたに釣り合うようなメイジじゃないし、もっともっと、修行して……」
 そうだ。もっと立派な貴族になれば、引け目を感じない。裏などを考えなくて良い。しっかりとした結論を出せる。
 在りし日のワルドだったら自分は頷いていただろうに。どうしてこんなにもあの頃のワルドと違って見えてしまうのだろう。
 それは多分、自分が今は『ゼロ』と、痛いほど解っているからだと、ルイズは自分自身に結論を見出した。
120"IDOLA" have the immortal servant 7/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:57:07 ID:WHP91BI2
「あのね、ワルド。小さい頃思ったの。皆に認めてもらうような立派な魔法使いになって、父と母に誉めてもらうんだって。まだ、わたし、それができてない。だから……」
 俯くルイズに、ワルドは目を細めて笑みを投げかける。
「……わかった。取り消そう。今返事をくれとは言わないよ。この旅が終わる頃には、きみの気持ちを取り戻して見せるよ」
 引き下がってくれたようなので、ルイズは小さく頷いた。
「それじゃあ、今日はもう休むといい。疲れただろう」
 それからワルドはルイズに近付いて、唇を合わせようとした。
 ルイズの体が強張って、その腕がワルドの体を押し留める。ワルドが動きを止めると、ルイズの手は彼をそっと押し戻した。
「ルイズ?」
「ごめん、でも、その、あの……」
 口篭るルイズに、ワルドは苦笑いを浮かべた。
「急がないよ、僕は」
 そう言って、ルイズから離れる。
「ごめんね」
 ルイズは半ば逃げるように部屋を出て、自分の寝泊りする部屋へと向かう。
 解らなかった。あんなにワルドは優しいのに、どうしてだろう。
 本当は全然優しくないなんて、どうしてそんな風に思ってしまったのだろう。あんなに、憧れていたのに。
 子供の頃と同じままでいられる筈が無い。
 それは当然なのに、どうしてそんなことがこんなにも悲しくて、寂しいのだろう。
 
 
「おはよう。ヒースクリフ」
「おはよう。ワルド子爵」
 朝早くにワルドがフロウウェンとギーシュの相部屋を訪れてノックすると、すぐにフロウウェンが出てきた。とっくに起きて身嗜みを整えていたらしい。
「きみは強いらしいね。ルイズから話を聞いたが」
「少々は剣の嗜みがあるが」
「これから僕らはアルビオンに向かうわけだろう? 実戦の勘って奴を養っておきたくてね。ちょっと手合わせ願いたい。昨晩の連中ではどうにも消化不良だったからね」
「修練を積んだメイジの戦い方には、オレも興味がある。願っても無い」
 その対応に、ワルドの方が面食らう。特に気負った所もなく、フロウウェンが答えたからだ。
 相当場慣れしている印象だ。どういう経歴の男なんだろう。この使い魔は。
 そんなことを億尾にも出さず、ワルドは笑って見せた。
「そうこなくてはね。着いて来てくれ。この宿は昔、アルビオンの侵攻に備える為の砦だったんだよ。中庭に錬兵場があるんだ」
121"IDOLA" have the immortal servant ◆GUDE6lLSzI :2008/10/05(日) 21:58:03 ID:WHP91BI2
以上で12話目の投下終了です。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:58:56 ID:37wHcTQ9
乙です。しぶくて良いな。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:04:54 ID:hkYvaiMo
投下ペースはええ
そして面白い。乙でした。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:13:55 ID:sn+LpVT4
ゼロのヒグイデ・・・・無理か
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:17:40 ID:NH3OHI4A
フロウウェンの人乙です。次回にwktk

>>110

Σ( ̄□ ̄;)!!
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:18:20 ID:hr0/YA+M
乙でしたー。
いつもながら、ワルドは腐ってるなあ。もっとも、その腐り具合がワルドの魅力の一つでもあるのですが。
127蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg :2008/10/05(日) 22:28:38 ID:K52DNcFl
22:35より投下します
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:30:20 ID:bv/p5KTI
待たされたな!(スネーク風に)
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:34:22 ID:SB9K1fvx
おっさんのオンパレードだなw
支援
130蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg :2008/10/05(日) 22:35:47 ID:K52DNcFl
それでは開始


「私が詔を?」
「うむ。アンリエッタ姫殿下直々にお願いされてのう。
 どうじゃ?無理にとは言わないが。」

ここは学院長室。
二人の人影はルイズとオスマンである。
二人の間には国宝である『始祖の祈祷書』。

話があると呼び出されて頼まれたのは、王家の結婚式に参加し、そこで詔を詠んで欲しいというものだった。
無論、結婚式というのはアンリエッタのもの。
詔の草案についても考えて欲しいとの依頼だ。

「ミス・ヴァリエール、王族の結婚式に立会い、そこで詔を詠みあげるなど普通なら一生に一度もないものじゃ。
 本当に名誉な事だよ?受けてはくれんかのう。」

たしなめるように語るオスマン。
ルイズもそれ程嫌ではなさそうで、断ろうとは思っていないようだ。

「もちろん、お受けしますわ。」

古い友人が自分を頼ってくれている。
少し前ではそんな事は考えた事もなかったことに気がついた。
その頃は自分が魔法が使えない事にもっとも苦しんでいた頃だった。
今も魔法が使えない事が歯がゆく感じた事はある。
だが、使えないなら使えないなりにやれる事があると、『あいつ』に教えられた。
それに頼ってくれている人がいるならその頼みを断りたくはなかった。

「快く引き受けてくれるか。よかったよかった。姫も喜んでくれる事じゃろう。
 …おお、そうじゃ思い出した。君に手紙がきておるよ。」

祈祷書とともに渡された一通の手紙は、ルイズにとってとても嬉しいといえるものではなかったそうな。


げんなりした表情で手紙を見つめる。

―請求書―

なんど見てもそう書かれている。
見間違いではない。

「……どうしよ。」

この前の任務で破壊してしまった『女神の杵』の修理費の請求が来たのだ。
高い。高すぎる。
そりゃ、宿一軒、全壊させたわけではないが、破壊したのだから修理費だって高い。
当然、自分だけで払える額じゃない。

「……はぁ。」

深くため息をつく。
親に頼ることは出来ない。
頼れば原因を追求される。極秘の任務であるが故話せない。
理由を話せないのに金など貸してくれようか。

そして、姫に直談判と言うこの手。
まず使えないだろう。公式な支援が当てに出来るのなら、そもそもルイズたちにこの任務を頼まない。
スネークなら「割に合わない仕事だな。」とか言い出しそうだ。
131蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg :2008/10/05(日) 22:37:02 ID:K52DNcFl
「自分で何とかするしかないか。」

金の工面―なんとも頭の痛い話だ。
お小遣いでどうにかできるレベルじゃないだけに、アルバイトの必要がある。

「うえー。」

とりあえずうなり声を出すが状況は変わらないっ……!!
非情……!あまりにも非情な現実っ……!
金を持たないこと……それはこの世で一番の罪悪らしい。

「どうした?変な声出して。」

ちょうどそのときスネークが帰ってきた。
この使い魔はいったいどこで油を売っているのだろうか?

「……お金を稼ぐにはどうしたらいいの?」

スネークが目を丸くする。

「貴族でも金に困るんだな。」
「なに貴族に夢見てんのよ。貧乏な貴族なんて五万といるわ。
 ましてや子供なんてなおさらよ。」
「そうなのか。」

ほう、と納得したような声を出すスネーク。
なんかむかつく。
公爵令嬢が金に困っている時点で普通じゃないことを察して欲しい。

「で、どうしたらいいかな?」
「俺がわかるとでも思うか?
 この世界のアルバイトなんてわかるはずもなかろう。」

このオヤジ使えない。
だめだ。やっぱり自分しか頼りにならん。

「使えないわね。」
「……そこまで言うことないだろう。」

あ、少し傷ついてる。
意外とナイーヴなんだなぁ。

「本気じゃないわよ。」
「……気にしてない。」

沈んだ声で言っても説得力がないわ。

「ごめんってば。」
「大丈夫だといっている。」

そうだった。スネークは負けず嫌いだったんだ。
なんだか子供みたい。
132蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg :2008/10/05(日) 22:39:14 ID:K52DNcFl
「あー、どこかに宝物とか落ちてないかなぁ。」
「そんなうまい話があるわけないだろう。
 現実的に考えろ。地道に働くのが一番だ。」
「わかってるわよ。」

ちょうどそのとき、どこで聞き耳をたてていたのか知らないが、キュルケが部屋に飛び込んできた。

「話は全て聞かせてもらったわ!人類は滅亡すr…じゃなくて、宝探しに行くわよ!」
「盗み聞きはいい趣味とはいえないぞ。この年の貴族には盗み聞きが流行ってでもいるのか?」

息をはきながらスネークが冷静に答える。
そういえば、スネークが声を上げるほど驚いたのを見たことがない。
そんな状況、とても見たくはないが。想像するだけでも恐ろしい。

「流行ってるわけないじゃない。で、どういう意味?宝探しって?」

キュルケの手には小汚い紙が握られている。
どうやら宝の地図らしい。

「……信用できるの?」
「さぁ?」

無責任なのものだ。

「まあもしかしたら本物があるかもしれないわね。
 あたったときの利益はでかいわよ。」
「時間の無駄だろう。」
「あんたは黙ってなさい。
 ……面白そうね。行ってみようかしら。」

スネークが頭を抑えてため息をつく。
頭痛がしてきた、とか聞こえたがそんなことはお構いなしにキュルケとルイズは話を進める。

「で、いつから行くの?私達だけ?」
「え〜、ちょっと少なくない?タバサも誘いましょう。」

まるで「放課後どこ行く?あ、わたしクレープ食べたい!」みたいなノリだ。
さすがに不安になるスネーク。
133蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg :2008/10/05(日) 22:41:22 ID:K52DNcFl
「あ〜。二、三質問しても良いか?」
「どうぞ?」
「第一に、出席日数とか大丈夫なのか?」

ルイズとキュルケが顔を見合わせる。
そして、全く何を言っているのかといった表情でルイズが返答した。

「そもそも私は素行は悪くないし、成績だって悪くないわよ。……実技以外は。だから問題ないわ。」
「そうよ。私だって筆記は勿論、実技だって悪いはずがないわ。少しくらい休んだって問題ないわよ。」

キュルケがその豊かな胸を張る。
ルイズも負けじと胸を張るがいかんせん迫力がない。いや、足りないのはボリュームだな。

「そうか。それを聞いて安心した。それじゃ二つ目の質問だ。
 キュルケ、その宝がある場所っていうのは街の近くにあるのか?」
「そんなわけないじゃない。」

わかっていた返答だ。
仮に街の近くにあるのだとしたら、すでに誰かが取りに行っていることだろう。

「そこで三つ目の質問だ。
 食事はどうするつもりだったんだ?」
「「……あ。」」

二人の美少女がそろって間の抜けた声を出した。


厨房
普通、ここに貴族が来ることなど滅多にない。だが今日は普通ではないようだ。
美しい桃色の長い髪をなびかせて、貴族の少女が厨房を訪れる。

「ごめんください。」

突然の貴族の来訪に水を打ったように静まり返る厨房。
その変貌に少々面食らったのは貴族の少女―ルイズだ。
なんだか悪いことをしている気分になる。

「えっと…シエスタって娘、いるかしら?」
「あ、私です。」

黒髪のメイドがおずおずと手を上げる―シエスタだ。

「あなたね。いつも使い魔がお世話になってるわ。ありがとう。」
「い、いいえ!そんなたいした事はやっていません。」

何をされるのかと身構えていたのでこれでは肩透かしを食らった気分だ。
面と向かって貴族に感謝されるという経験があまりないため不思議な感覚だ。

「それとね、悪いけどちょっと頼みたいことがあるの。」
「なんですか?私に出来ることなら何でも言ってください。」
「えっとね、いやだったら断っていいのだけど……。」

頼みごとをシエスタに伝え、おずおずとシエスタの顔をうかがう。……なんと、輝く笑顔だ。

「そういうことなら、お任せください!
 マルトーさん、しばらくお休みを貰います!」
「お、おう……。」

ものすごい剣幕に何も言い返せないマルトー。
このやり取りを見てルイズはスネークの紹介したメイドを連れて行くことに若干不安を覚えたという。
134蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg :2008/10/05(日) 22:43:09 ID:K52DNcFl
「おう若いの。暇そうだな?」

中庭で、退屈そうに座っていたギーシュにスネークが声をかけた。

「否定しないね。
 この年の男子なんて常に面白そうな事を求めているものさ。」

物憂げにため息をつくギーシュ。

「そいつは残念だな。
 そういえば、ルイズたちは宝探しに出かけるらしい。お前はそういうのに行かないのか?」
「誘われてもいないからね。ところで、君は行かないのかね?」
「ああ、残念ながらな。」
「男性が誰もいないのはさすがに不安だ。陽気なピクニック気分じゃないか。
 誰か男をつけてやってくれ。」
「ああ、そこでお前に頼みがあるんだが。
 さっきお前は陽気なピクニック気分といったな。」
「……まさか。」

はっとするギーシュ。
どうやらこっちの思惑に気がついたようだ。
だが時すでに遅し。
もうスネークの罠にはまった後だった。


巨大な煙突に空き地に詰まれた木材。
ここはアルビオン空軍工廠の街、ロサイス。
革命戦争と呼ばれる先の内戦時からここは王立の空軍の工廠であった。
赤レンガの大きな空軍の発令所には誇らしげに『レコン・キスタ』の三色の旗が翻っている。
そこに停泊する巨艦―『レキシントン』号だ。
全長200メイルにも及ぶその巨躯は現在、雨よけのために布をかぶせられてはいるが、
その荘厳さは覆われず、むしろ周囲の目を引いている。

その視察に訪れているのはアルビオン皇帝、オリヴァー・クロムウェル。
今日も秘書であるシェフィールドを従えての訪問だ。

「ほう。なんとも大きく、頼もしい艦ではないか。
 このような船があれば、われらの大志を果たすことなど造作もない。そうは思わんかね、艤装主任?」
「はっ!身に余る光栄であります!」

かしこまって答える艤装主任、サー・ヘンリー・ボーウッド。
彼は革命戦争の際に、レコン・キスタ側の巡洋艦の艦長を務め、
その功績が認められ現在の任を任されることになったのだ。
彼はこのまま『レキシントン』号の艦長に就任するだろう。そういう伝統がアルビオンにはあった。

「見たまえ。あの大砲を。
 あの新兵器はアルビオン中の錬金術師を集めて作らせた長砲身の大砲だ。」

感情のこもらない無機質な声で説明するクロムウェル。

「当初の設計ではトリステインやゲルマニアの戦列艦の装備するカノン砲の射程の、
 おおよそ一.五倍の射程を有します。」
「そのとおりだ、ミス・シェフィールド。」

シェフィールドはマントを身に着けていない。
これはメイジではないことをあらわしているのだが、妙に冷たい雰囲気をかもし出している。
東方からやってきたそうだが、それだけでこんな空気を纏えるのだろうか?
135蛇の使い魔 ◆FkZGcfA2Hg :2008/10/05(日) 22:45:06 ID:K52DNcFl
「ですが、本当にこの新兵器を結婚式の出席につんでいくのですか?
 下品な示威行為と取られてしまう可能性が……。」
「おっと、君にはまだ『親善訪問』について話していなかったか。これは失敬失敬。」

クロムウェルが二、三ボーウッドに耳打ちする。
たちまち青ざめるボーウッド。

「そ、そのような破廉恥なマネが許されるわけがありません!」
「許す許さないではないのだよ。これは軍事行動の一環だ。」

事も無げに言い返すクロムウェル。
ボーウッドの顔に血が上る。

「不可侵条約を破るおつもりですか!?このアルビオンの長い歴史において条約を破り捨てたことはありません!」

激昂してわめくボーウッド。
だが、クロムウェルの眼を見て、言葉を失った。
鋭く、冷酷なまなざし。
ただの政治家や、司祭がこんな目つきができるはずがない。

言い表すなら『強者』の眼。
他者に何も言わせぬ、蛇のような圧倒的威圧感。
この身にまとわりつく恐怖。

そう、これぞまさしく毒蛇だ。
音もなく忍び寄り、喉元に食らいつき、獲物に冷たい毒を流し込み仕留める。
この男を蛇と言わずして誰を蛇と言おうか。

「はて、君はいつ、政治家になったのかね?
 それ以上の政治批判は私が許さぬ。これは議会が決定し、私が承認したことなのだよ。
 議会に逆らうと言うとどうなるか、君にも理解できるだろう?
 彼らの意思は国民の総意なのだよ。」

クロムウェルの毒牙がボーウッドの胸に突き刺さる。
クロムウェルの言葉しか聞こえない。心に直接話しかけられているかのようだ。
頭に上った血が足まで下りてきた。
寒い。身体が震える。目を合わせていられない。

「どうかしたかね?顔色が悪いじゃないか。
 具合が悪いのだろう。今日はもう休みたまえ。」

ボーウッドはただ黙って頷くことしか出来なかった。



今回はこれで終了です。
なお、今回からトリップをつけました。
以後よろしくお願いします
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:47:31 ID:sn+LpVT4
お疲れ様です。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:48:47 ID:pFddGLZI
乙!
注射苦手か?と言われるとムッとして体を差し出してしまうそんな負けず嫌いなスネークが大好きです
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:54:26 ID:bv/p5KTI
金は命よりも重いっ……!
蛇乙です

スネークがいれば食料は現地調達できるんだがな(蛇の生肉やらをルイズ達が食えれば)
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 23:32:03 ID:oUjnxP7N
ヘビ肉は案外美味いと聞いた。
捌いた肉だけ出せば普通に食いそうだなw
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 23:46:08 ID:Jf3ARmfK
鼻歌混じりにスネークとシエスタは捕らえた蛇やウサギを解体しそうだな
で、首を切り落とされてもバタバタ走り回る鶏に怯えるルイズとギーシュ
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 23:48:51 ID:W+EILGHO
>>139
古い文献を見ると魚と一緒に置いて羊頭狗肉みたいな事をしてたらしいぜ
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 23:53:14 ID:V523HYLR
>>99
「すげぇ! さすが吸血鬼! 本当に死なねえぜ!」
といってナイフでエルザを切り刻む黒い剣士が浮かんできた(汗)
人外には容赦ないけど……さ、流石に幼女にはそんな事しないよな? せめてズパッと一撃だよな?
ロストチルドレンでも甘さを捨てきれてなかったんだし……。
最近のガッツならまだ優しいし。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:03:49 ID:OyzX6/8I
>>142
ロシーヌの件を考慮するに、
例え使徒でも少女とか幼女には甘くなりそうだがなガッツ
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:11:27 ID:O6+BI353
ロスチル編は作者が幼女を思う存分描きたかった為とはよく聞くが…>ガッツ
しかし初期ガッツは死霊に取り付かれた老人とその孫娘を、ドラゴン殺しを片手で
振るって真っ二つにしていたが。その後で吐きながら死霊の群れと戦ってたけどさ。
最近のガッツは丸いから、子供相手だと命までは奪わないかもしれないな。使徒は別として。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:22:50 ID:IF7bADNx
ガッツにはトラウマがあって子供切ると吐いちまうんだぜ
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:25:34 ID:MuMfrpqX
それなんて雪代縁?
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:25:47 ID://Qf7Ed+
>>144
コレットォォォォォ!
初めて読んだ時のトラウマw アニメから入って作風知ってたけど、あれはキツイ。
コレットフラグ?→槍で即死→爺さん殺す→真っ二つ。あの思い切った感じにある意味感動した。
ガッツにとっては亜人はどう見えるんだろう? とりあえず、エルフを見たら栗とのギャップに驚きそう。

あー、そういえばベルセルクゼロでアンアンと会った時烙印反応してたけど、どうなんだろ?
伏線回収が大分先っぽいだけにかなり気になるぜ。アンアン覚醒か?
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:42:21 ID:KJKM7ghg
アンアンが使途化するなら捧げる者ってウェールズか親位か?
国民は捧げられる生贄になれるほどの存在ではない予感
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:47:37 ID:WTU1PFWX
つルイズ
国民のことも大事に思ってるんじゃないかな
グリフィスの鷹の団への想いは家族同然っぽいから、同じように考えていいかは分かんないけど
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:54:09 ID://Qf7Ed+
国民全員捧げたら、ベルセルク本編中の伝説に一致するのかな?
そしてアンアンがすんごい使途になったりして。ゼロ魔キャラが使途化したら皆どんなのになるんだろう?
コルベールは炎を吐く蛇型(まんまだな)とか、ワルドは隼っぽくなりそうなイメージ。
他のキャラほイメージできないなぁ……。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:57:42 ID:HKVVrtUX
外道アンアンだと
ブラックエンジェルズ召喚ですね
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:58:36 ID:WTU1PFWX
使い魔がいるメイジは、その使い魔と外見が似てくるんじゃないかな
モグラ顔のギーシュとか、シルフィと合体したタバサとか
……モンモンがかわいそうなことになるけど

あと、ルイズは虚乳になr(エクスプロージョン
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:00:23 ID:uHkbwPTu
ルイズが黒髪短髪のオモロ顔になって男性化するのか?
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:19:27 ID:+abp9TVN
>>152
超スピードで地面を移動する上にゴーレムで襲ってくるモグラ使徒ギーシュ
ロシーヌを圧倒する速度と強靭さを誇る風竜使徒タバサ
あらゆる物を灰塵に変える灼熱の炎を吐き出す火トカゲ使徒キュルケ
様々な効果を秘めた香水の匂いの体臭のカエル使徒モンモン
分身して多方向から襲い来る隼使徒ワルド
……ベルセルクの使徒よりハイスペックすぎるな。

しかし、十月中に33巻が出るという噂は本当なのだろうか?
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:25:15 ID:560t3DNZ
アンアンは深紅のベッチーでフェトム化するんじゃないかな?
ガッツとグリフィスの関係をルイズとアンアンの関係を暗喩するように。
んでアンアンは今のお飾り的なお姫様から知識も力も溢れんばかりのカリスマ女王に進化すると
ワルドは使徒化してゾッド的なキャラに、レコンキスタやガリアはクシャーンみたいな敵対する大国ポジションになる
魔法学院の仲良しキャラ達はファルネーゼやセルピコやシールケ等の旅の仲間達に。
ただゼロ魔の敵対するキャラ達じゃガッツの狂戦士の鎧発動するほど追い詰められるだろうか。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:51:02 ID:8pofAPNJ
ああ、BLEACHのわんわんのあまりの可愛さともふもふっぷりと男気のあまりに
もふもふとしつつ頼れる(単純な強さというよりも教え導ける大人という意味で)
獣人系を召喚してみたいが…丁度いいのってそんなにいないような気が。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:56:11 ID:uHkbwPTu
早乙女玄馬(パンダ)でも召喚してはいかがか
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:58:26 ID:Sq34YAum
>>154
しかし、その理論でいくなら
「妙齢の女性の下着を覗き、セクハラする事で乾きを癒すネズミ使途オスマン」
ってのが出来上がりそうだ
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:59:40 ID:7jJZ1df2
極道めしでプロット練ってたけど、どうも上手くいかん
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 02:00:52 ID:/jhVjSqf
>>159
作家チャットででも聞け
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 02:11:51 ID:evbuCdfP
>>159
いや、それかなり難易度高いだろ。
ゼロ魔の展開にどうやって合わせるとか云々以前に、飯を美味そうに食う部分を
文字だけできちんと表現すると言う事が出来なければならないからな。

つーか、そう言うのがなきゃ極道めしとクロスさせる意味がねぇw
新しい朝が来たーと言うわけで投下しますね。
誰も予約入らないのなら43分くらいに。
12.王家の乙女
舞踏会から一週間が過ぎた。
平凡な日常が続く。マーティンにとってはありがたい休暇である。
そして、この地についての調べ物の日々でもある。
何故ハルケギニアとタムリエルの魔法が全く互換性が無いのか、
ここはニルンのどこら辺なのか。等が主にそうだが、
デルフリンガーについても調べたいし、
自分を養っているルイズの魔法が何の系統なのか、
おそらく『虚無』ではないかと当たりはつけてあるが、
しかし、証拠も確証もない。

そんなわけで、学院の図書館塔で、
マーティンはずっとこれらの情報を漁っているが、
未だ有益な情報は見つかっていない。

魔法の互換性については、根本から違う為と思われる。
天にあると言われるエセリウスの概念が、この世界にはない。
魔法力ではなく精神力を用い、無くなったら気絶してしまう。
また完全な自己生成である為、エセリウスの加護が無くても、
魔法が使えるのだ。当然、タムリエルと全く違う術式の物を。
タムリエルの魔法とは生まれから違うのが理解できた。
また、始祖ブリミルが魔法を初めて使った存在らしい。
そして、精霊の力を使うと言われるものの、
詳細が一切分からない、エルフの先住魔法という物がある事が分かった。

おそらくルイズは、私の魔法をそれだと勘違いしたのだろう。
全く違う存在を既存の何かに無意識に置き換えてしまったようだ。
最も、これが案外タムリエルと同じ可能性も否定出来ないが――

そう思いながら、エルフについて書かれた文献を棚に戻した。
ニルンのどこかについては、やはりサッパリである。
タムリエル側でも、支配地域以外の事はあまり分かっていないのだ。
以前ギーシュに言ったように、タムリエルの外にある海「ムンダスの大海」。
そこは、ニルンとオブリビオンの境界線が非常に曖昧になる空間である。
ニルンとその他全てを合わせてムンダス界と呼ぶが、そこからこの海の名は取られたのだろう。
この海は、いくつか空間のゆがみがあるとされ、
そこからオブリビオンへと入る事もあると言われている。
そんな訳で、大洋に出ること自体オブリビオンの門に入る事と同じくらい危険なので、
滅多にタムリエル帝国以外の大陸や島々の事が、シロディールには伝わらない。
別段それで問題無かったから良いが、しかし今となっては大問題である。
デルフリンガーについては、喋る剣であるインテリジェンスソード。
その概念しか分かっていない。本人(本剣か?)は結構な長生きらしいが、
どうにも未だ喋る気配が無い。しかも、本気で忘れている節もある。
困る。非常に困る。もしかしたらタムリエルについて何か知っているかもしれないのに。
マーティンはそう思いつつ、やはり雷の魔法でショックでも与えてみようか。と、
後でちょっとしたショック療法を行う事にした。死なないから良いのだ。

『虚無』もやはり分からない物であった。
シュヴルージュ教諭から聞いた話は伊達でなく、完全にお手上げである。
せめて簡易呪文の一つでも残っていてくれたなら、
ルイズが虚無なのかどうかちゃんと調べることも出来たのだが。
そう思いながら棚に本を戻す。浮遊の呪文は使えないが、
遠くの物を動かす念動の呪文は使えるので、それなりに問題は無かった。

大体読み漁ったか。さて、どうしたものか。
そんな事を思って次にどの棚を調べるか考えていたところ、
彼は外が騒がしい事に気付いた。
外で大慌ての使用人を一人捕まえて聞いてみる。
ああ、実は。と、彼は丁寧に答えてくれた。
どうもこの国の姫様が来るらしい。
何でも予定が狂ってしまい、いつ来るのか分からないので、
準備がそれほど出来ておらず、
使用人どころか貴族様まで慌てているのです。
との事だった。呼び止めた事を謝って、
何か手伝えることは?と使用人に尋ねたところ、
ありがたい!とりあえずこちらへ、とマーティンは連れて行かれた。

マーティンはメイジでありながら、この国の大部分のそれの様に、
高慢な振る舞いをする訳でもなく、
かといって、どこかで平民を哀れだとか何とか思って、
見下している訳でも、無視する訳でもなく、気さくに話しかけたり、
暇だから、と情報が集まらない事によるちょっとしたストレス発散の、
気分転換に仕事を手伝ったりする。
貴族として平民とみだりに話したりしてはいけない、
という意識がハルケギニアではあるかもしれないが、しかし、
彼にしてみればそういうものなのか?と思ってしまうのだ。
シロディールの地方領主は大抵の市民となら平気で話をする。
自分の領内に住んでいる者や、旅の冒険家と世間話をしたりもしている。
そういう文化的な違いを理解してはいるが、
名前を覚えて親しくした方が、ここでやっかいになる以上、
何かあった時に分かりやすい。自分は司祭だと言っているから、
人を手助けしても文句はあるまい、そう思って彼らに協力している。

そんなわけで手伝いをするマーティンは、
学院の使用人からはある程度親しまれていた。
司祭になるまでの、下積み時代で培った雑用の経験は、
急な時の助けとしてはありがたがられてもいる。
とりあえず体も動かさないと。情報が少なく煮詰まりやすい。
働いて頭をスッキリさせよう。そう思いながら、使用人の後を付いていくマーティンだった。
この後結構な量の仕事が言い渡され、お昼のご飯が美味しくいただけるのであった。
ゲルマニアへの訪問からの帰り、アンリエッタは馬車の中にマザリーニ枢機卿と共にいた。
政治の話をする為に、マザリーニが彼女の馬車に乗ったのだが、
どうにも様子がおかしい。アンリエッタは小刻みに体を震わせている。
これでも馬車から顔を見せるときは、
王家として相応しい笑顔で周りに手を振るのだから、
大した物だとマザリーニは思った。

「あー…殿下?」

思い切り体を震わせる。とりあえず何かを隠しているのは明白だった。
マザリーニは肩をポンと叩き、優しく言った。

「吐いて楽になることもございます。どうかこの老僕めにお話下さいますよう、お願いいたします」

「な、ななな、何を言っているのかしら。枢機卿?そ、そんな事何も無いに決まってますわ」

声が震えていてまるで説得力がない。この姫が何を考えているのか?
何となくは分かる気がしないでもないが、しかしもしもの事がある。
丁寧にマザリーニは言った。

「アルビオン――」

また震えた。ああ、やはりか。

「アルビオンの貴族派につけ込まれる隙があるのですな?」

「いえ、いえ、何を言っているのかしら。有る訳ないでしょうそんな事。
ああ、可哀想なアルビオン王家。あんな恩知らずの貴族達に王族が処刑されるなんて」

必死だが、何か違う気がする。とりあえず、マザリーニは別の件で揺さぶってみることにした。

「全くですな。そういえば、一昨日から昨日辺りどこへ雲隠れを?女官の一人と共に消えて、皆大慌てだったのですぞ?」

ゲルマニアからの帰り、そのルート上にある館に家臣共々泊まっていたのだが、
一人の女官と共に姫が消え去り、館を貸していた貴族もろとも大慌てとなったのだ。
今日の朝フラリと帰ってきて、先ほどマザリーニに叱られたばかりである。
自重しろ。と暗に言っている。というかほぼ全員の従者から目で言われた。

「ええ、ええ、それは申し訳ありませんでした。しかし、ゲルマニアから帰ってきて、
ふと一人になりたかったのです。彼女にはそれを手伝ってもらいましたの」

こちらは、あまり問題無いらしい。女官も急な我が儘に苦労した事だろう。

「では、何故先ほどからそのように落ち着きが無いのですかな?殿下」

面倒なので確信を付いた。ビクッと大きく体を震わせて、彼女はため息を一つ吐く。

「その、ええと、ゲルマニアの皇帝との結婚の事で……」

この姫は、王族か乙女かと言えば乙女である。
つまり、同衾で寝てしまわなければならないのですね?そう言ってマザリーニを見る。
ああ、そういう事かと多少地雷を踏んでしまった気になりながらも、マザリーニは答えた。

「ええ、まぁ。世継ぎの件もありますし――そうなるでしょうな」
トリステインは年々国力を落としている。
隣国ゲルマニアの政策と、トリステインの王の不在が主な理由である。
ゲルマニアは、金さえ積めば誰でも貴族になれる国である。
それが例え平民であってもなれるので、ある程度の金と力があり、
野心に燃える若き平民は、こぞってゲルマニアへ行くのだ。
王家というカリスマが、この状態である今のトリステインでは、
それを止める手だてが無い。仕方ないのだ。

最も、それは上手い話に聞こえるように作られているだけであり、
実のところは、よそ者がなれたとしても殆ど領地の無い下級貴族が関の山。
まれに、地方領地まで買い取る元非貴族メイジもいない訳ではないが、
上級である大量の領地持ち貴族は、最初にゲルマニアを造った、
非聖戦派の血族しかなれない暗黙の了解がある。
ちなみに、救民法なんてない。失敗したら出戻るか、
隷属に近い形で働かされてお終いである。
しかし、嘘ではない。貴族には確かになれるのだ。
システム的には100人に1人なれるかどうか、
いや、もっと低いかもしれないが。

また、貴族に幻想を抱いている平民からしてみれば、
どれでも同じ様に見えるが、お金と友達の貴族と、
そうでない貴族に分かれる。平民はどう頑張っても、
友達でない側にしかなれないのだ。

さて、ゲルマニアが今最も欲しいものは何か?
それは即ち歴史である。
造られて比較的日が浅いゲルマニアは、歴史が無い。
始祖の名の下に造られた国でもなく、
間違いなく、金の為に諸侯の貴族達が造った国だからだ。
だからこそ、国力増強の為に他国が見れば浅ましい、
とすら思う事を平気で行っている。

今回、アルブレヒトがアンリエッタと結婚する代わりに、
軍事同盟を結ぶのは、自国とトリステインを、
いずれ同一化する腹づもりもあったからだ。
もちろん、自分の代では不可能だ。
自身の子の次か、その次。それにより歴史を得て、
尚更ゲルマニアは発展することだろう。という目算である。
ゲルマニアを、始祖の血統にすれば多少の問題があるかもしれないが、
その時にはアルブレヒトはいない。だから問題はない。
平民の貴族化をさせるかどうかは、その時の皇帝が決めればいいのだ。

マザリーニもそれらについては分かっているし、
トリステインを売り渡すとも言える行為をしている自覚もあるが、
しかし、他に解決案が思い浮かばなかったのだ。
結局の所、政治と言うのは目先の問題を解決するか、
または先延ばしにするのが常である。
ゲルマニアは今のところ解決できたが、
トリステインは、先延ばしにしか出来ない状況なのだ。
仕方ないのだ。そう心を鬼にして、マザリーニはアンリエッタを見る。
モジモジと指を動かしている。少々顔が赤くなっていた。

「初めては、その、痛いとか」

「あー…そういうのは私ではなく、女官達とお話下さい。変な事をお聞きして誠に申し訳ありませぬ。殿下」

やはり、この娘は王家ではなく、平民として生まれた方が幸せだったに違いない。
そう思いながら、後半から天然ながら話題をそらされたとも知らず、
マザリーニは自身の政策を心の中で彼女に詫びた。
投下終了。
ゲルマニアは市民意識の無いアメリカのイメージ。ゲルマンなのに。上級貴族はWASP的存在で。
キュルケさんが3巻の134Pで「公職の権利を買って、中隊長や微税官になること」と言っていますが、
逆にそれ以上は普通無理。と言っている様に聞こえてしまいます。どうでしょうかね?
また次の投下まで。ラナウェーイ、また何かあったら言って下さいね。では。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 07:21:15 ID:560t3DNZ
オブリの人お疲れ様です。次回も楽しみに待ってます。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 07:37:33 ID:IjpkFxT2
中隊長になれるんだったら相当すごくね?
200人の部下を引き連れれるんだから。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 08:33:19 ID:k3lZrniz
マーティン支援
171THE GUN OF ZERO 06(0/9):2008/10/06(月) 08:49:55 ID:h3uyjRtH
オブリの人乙ですー。この次も頑張ってくださいね。

むぅねぇをぉ刺ぁすぅ赤い棘がいぃまもぉ〜

ルイズの使い魔をやりながらも、使命は忘れていません。
タイムダイバー今日もいく。

って訳で、他に予告がなければこのまま投下させて頂きます。
172THE GUN OF ZERO 06(1/9):2008/10/06(月) 08:51:28 ID:h3uyjRtH
 緊張状態から解放され、シエスタは嬉しそうにクォヴレーに駆け寄った。
「クォヴレーさん、凄いです!お強いんですね!」
「それほどでもない。俺よりも強い奴はいくらでもいる」
 レミントンより装填してある弾を抜きながら、シエスタに受け答えする。
「こんな武器など使わずに、素手でもって俺を赤子扱いした奴もな」
 尻尾の生えた戦闘民族達とか。
 一方、決闘を見ていた大多数の生徒達はざわついたまま遠巻きにしており、その中にルイズも含まれていた。
 先程は、自身の召喚した平民が、メイジ殺しらしいと察しても、ただあのいけ好かないキザなギーシュをとっちめられるチャンスとしか思っていなかった。
 だが、今の戦いを見て、そんな考えは一蹴された。
 何故メイジ殺しがああも忌まれているのか、判った気がした。
 成る程。クォヴレーの使っていた銃はハルケギニアの銃とは一線を画すようだ。だが、そこは問題ではない。
 メイジであり、貴族である者を脅かす存在。
 ハルケギニアの大地に置いて絶対的な権力者である貴族を刈り取りうる力を持つもの。
 身分、という庇護を全く物ともせぬ圧倒的戦力。しかも、それを持っているのが、魔法の使えぬ平民。
 その点に置いて、ハルケギニアにある技術なのかどうかというのはさして問題ではない。
 遙か遠方から強弓でもって狙撃し、一方的にメイジを狩れるアーチャー。
 身を隠す術に熟達し、影より近づき、首と胴を一瞬で断ち切るアサシン。
 メイジ殺しは、平民の『反乱』の象徴なのだ。
(だから、私たちメイジはああもメイジ殺しを嫌う……)
 今の自分ならば、判る。
 最初に自身の使い魔に抱いた感情は失望。話した上で感じたのは友情。先程まで抱いていたのは希望。だが、メイジを一切のマジックアイテムの使用も無く敗北に追い込むあの戦いを見て、感じたのは恐怖。
 今、おそらく自分の周りでクォヴレーを遠巻きにしている生徒達も、自覚しているいないはともかく、同じ感情を抱いているのだろう。
 メイドが平気で祝福しているのは、自身が貴族でないから。
 ……ってちょっと待て。そのメイドと当のクォヴレーはどこに行った?
173THE GUN OF ZERO 06(2/9):2008/10/06(月) 08:53:07 ID:h3uyjRtH
 いつの間にやら、使い魔の姿は見あたらず、生徒の輪もぶつ切れ状態になっている。
 あわてて辺りを見回すが、あの特徴的な銀色の服はどこにも見あたらない。代わりに、こちらに近づいてくる一人の教師が目に入った。
「ミス・ヴァリエール」
 召喚の際にも立ち会っていたコルベールだ。
「先程まで、ここで決闘をしていたようだね」
「あ、あの……それは……!」
「ここに着くまでにおおよその経緯は聞いてるよ。発端はミスタ・グラモンなのだろう。まぁ此度の決闘で彼に罰則の代わりは十分成されたようだし、元よりきみ達に決闘そのものについて咎める気は無いよ」
 ただねぇ……とコルベールが続けた言葉に、ルイズは色を失った。

 一方のクォヴレー。彼は一応ルイズに一声かけながらその場を去っていた。ただ、思考のまっただ中にいたルイズは、それに全く気づかなかったが。
 で、武器を片づけて来るというクォヴレーに、シエスタはにこやかにこういった。
「それじゃあ、片づけたら厨房に来てください!お昼まだですよね?」
 人目に付かない手頃なところでコクピット内トランクに武器を片づけてきたクォヴレーが、厨房へはいると。
「いよぉ!我等の銃のお戻りだ!」
「我等の銃?」
 マルトーが満面の笑みでクォヴレーに近づいてきた。
「マルトーさんったら、クォヴレーさんの話を聞いてからずっとこうなんです」
 くすくすと笑いながら、シエスタが言った。
「あの鼻持ちならない貴族連中に、お前は魔法も使わずに一泡吹かせてやったんだ!お前は俺たちの英雄さ!」
 感極まったのか、ぎゅうっと抱きついてくるマルトー。
「ま、マルトー、少し苦しい」
 かろうじて動く右手でタップする。
「お?おお!すまねぇな!感動しちまってよ!」
 豪快に笑いながら腕を放してくれる。
「それに、確かに俺は魔法は使えないが、手持ちの銃を使った。ハルケギニアの銃ではああはいかなかっただろう」
「くぅーっ!勝っても威張りもしないその態度!良いかお前等!これが本当に出来る人間って奴だ!見習えよ!」
 マルトーの言葉に、厨房の面々が元気よく応じる。
 だが、よく聞けば別にクォヴレーの言葉には謙遜じみた意味合いは欠片も入っていない。
『ハルケギニアの銃ではああはいかなかった』
 ああはいかない、だけで、負ける、等とは一言も言っていないのである。
 最初針鼠の如く武装していたのは、ギーシュが果たしてどのような魔法を使うのか、そのスペックが読めなかったためだ。
174THE GUN OF ZERO 06(3/9):2008/10/06(月) 08:54:19 ID:h3uyjRtH
 最初の一撃をかけた時点で、あっさりと動きを止めてしまったギーシュに、戦闘に不慣れな部分を感じ取り、素手でも十分勝てるだろうと目算は付いていた。
 それでも派手に銃撃戦を展開したのは、主人であるルイズに、自分が呼び出した使い魔の使役する力を見せ、自信を付けさせようという魂胆からであった。まぁ、実は結構裏目に出ているのだが。
「ともかく、今日はお前の勝利祝いだ!じゃんじゃん喰ってくれ!」
 とマルトーの指さす先には、料理料理料理料理……。貴族達に出すような上品さはないが、どれもボリューム満点で手の込んでいるのが判る。
 そちらから料理をとりわけ、一際大きい皿をクォヴレーの席らしい所に出してくれるシエスタ。
「はい、クォヴレーさん!」
「シエスタ、その、心遣いは嬉しいんだが、こんなに食べきれない」
 少し申し訳なさそうに言うクォヴレー。なにせ半年間絶食状態である。胃が収縮しきってしまっていて、身体が受け付けない。
「ハハハ!我等の銃が、なーに小娘みたいな事言ってやがる!」
 ばしーんと思い切り背中を叩かれる。パイロットスーツが衝撃は吸収してくれるが、もちろん運動エネルギーそのものは殺せない。敵意も害意もないその一撃に対処しきれず、踏鞴を踏んでしまう。
「……小食なんだ。マルトー、この中で一番自慢出来る料理はどれだ?」
 着席しながら首を向けて尋ねる。
「うん?あー、そうだな。その鶏の胸肉なんかは、野菜と一緒によーく煮込んであって、お勧めの一品だぜ!」
 いわれた鶏肉を丁寧に骨から外し、一緒に煮込まれていた葉野菜でくるんで口に運ぶ。
 口全体で味わい、よく咀嚼してから嚥下する。
「……成る程。マルトー、これは美味いな。レーツェルにも引けを取らない」
「そのレーツェルってのは、さっき言ってた貴族かい?
 くぅー!引けを取らない?言ってくれるじゃねえか!じきに比べものにならないくらい美味いって言わせてやるからな!」
 何やら決意に血をたぎらせつつ、燃えているマルトーだった。
 それを横目に、少しずつ料理を口に運ぶクォヴレー。
 他の小間使いやメイド、厨房関係者等も思い思いに食事を始めた、そんなときだ。
 凄まじい勢いで、食堂側の扉が開き、桃色の髪とマントをなびかせながら、メイジが入ってきた。
「ルイズ?」
 いきなりの主の登場に些か驚く。
 クォヴレーでさえこんなだから、他の平民の面々など思わず直立不動の体勢をとってしまう。
 だが、当のルイズは自分の使い魔以外見えていないようで、クォヴレーが立ち上がる間もなくその側まで来ると、
「銃を出しなさい」
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 08:56:22 ID:KfGIWs3U
しえん
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 08:57:35 ID:WhpHmMjb
朝から支援
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 09:01:55 ID:WhpHmMjb
猿さん食らっちまった?
178THE GUN OF ZERO 06(4/9):2008/10/06(月) 09:02:05 ID:h3uyjRtH
 とまるで悪鬼の如き声を出した。
「……何?」
 流石に面食らう。
「アンタが使ってた銃よ。良いからとっとと出しなさい!」
 先程クォヴレーに感じていた恐怖心などどこへやらという感じである。
「待て、ルイズ。事情が分からない」
 がくがくと肩を揺さぶり始める主人に何とか事情説明を求める。
「まぁまぁ!ミス・ヴァリエール、落ち着いて!」
 そこへ現れた二人目のメイジ。頭髪の薄さに定評のあるコルベールである。
 厨房へ一度に二人ものメイジが現れる事態に、みんな度肝を抜かれる。
 コルベールはルイズをクォヴレーから引きはがすと、その間に入った。
「……助かった。吐くかと思った」
 青白い顔をしながら言うクォヴレー。
「それは良かった。それで、クォヴレーくんだったかな?」
「ああ」
 まだ青い顔ながら、立ち上がる。
「先程、ミスタ・グラモンと決闘をしていたね」
「ああ」
 ぎょっとした顔でコルベールを見るその場の大半。
「ま、待ってくだせえ!コルベール先生!あれは……」
 マルトーが慌てて言葉を挟む。比較的平民と貴族の差にこだわらないコルベールとはいえ、貴族に刃向かうのも今回ばかりはお構いなしだ。
「ああ、別にその事で咎めるという訳ではないよ、コック長。事情は理解しているとも。ただ……」
 マルトーに振り向くといつもの穏和な表情で否を告げ、クォヴレーに向き直る。
「クォヴレーくん、きみはあのとき、ミスタ・グラモンの後ろの壁に傷を付けたね?」
 場に、嫌な空気が流れ始めた。
「先程も言ったとおり、決闘そのものについて君を咎めるつもりはないが、壁の修復費用はミスタ・グラモンと君の側、つまりミス・ヴァリエールで折半という形になると思うんだが……」
 ようやく、先程から自分を睨み続けるルイズの視線の意味が分かった。
「そこで私からの提案なんだがね。クォヴレーくん、是非とも君の銃を譲って頂きたい。そうすれば、壁の修復費用の持ち分は私が支払おう!」
「…………」
 無言のまま、バツの悪そうな顔をするクォヴレー。
「わかったら大人しく差し出しなさい」
 ルイズの言葉に、くるりときびすを返して厨房の勝手口へ向かう。
「……わかった。持ってくる」
 実際、少々調子に乗りすぎていたかと反省するクォヴレーだった。
179THE GUN OF ZERO 06(5/9):2008/10/06(月) 09:03:43 ID:h3uyjRtH
 一応とはいえ肉親の名を冠しているベレッタやキャリコ、スペクトラを渡すのは忍びなく、またコルベールの目的が銃の解析にあることは察せたので、
比較的構造が簡易で理解しやすいからとリボルバー、コルト・パイソンとその弾.357マグナム20発を差し出し、勘弁して貰った。
 コルトにしたところで思い入れが無い訳でもない。馴染みのシティー・ハンターが扱っていたのと同型で、色も似せてある。
 渋ったコルベールだが、クォヴレー自身が構造を教えることでなんとか合意にこぎ着けた。
 実際に解体整備を行いつつ、それぞれの部分がどのように動くのかを説明していく。
「成る程、こうして既に火薬と一体化した弾を用意しておき、一発使うごとに次の穴へ移動する……そしてこちらのハンマーで……」
 続けて材質だの製法だのについても一通り聞かれた末に、なるだけさりげない風を装って、しかし明らかにそれまでとは目つきが変わったコルベールに尋ねられた。
「クォヴレーくんは……どこから来たのだね?」
 一瞬目をしばたたかせ、ふっと口元に笑みを作る。何を懸念しているのか判ったからだ。
「大丈夫だ。俺の故郷はここからは遠い。遠すぎる。魔法を恐れない文明を手にした者達がここへ攻め入る確率は、万に一つもない」
 億に一つぐらいならあるかも知れないが。
 具体的に言えば次元転移装置でこの世界に繋がってしまったシャドウミラーとか。新たな修羅界を求める修羅王アルカイドとか。流石にいくつもある平行世界のうちでそんな連中がいないとも言い切れない。
 というか修羅の連中は修羅神抜きで、素手でこの世界を蹂躙出来る気もするが。
 ともあれ、流石にそこまでの責任は持てない。よしんば来てしまったら、まぁ戦うしか無いだろうが……。
 クォヴレーの内心の不安を余所に、コルベールは胸をなで下ろしたようだった。
「そ、そうかね?そんな遠いところからやってきて使い魔になったとは……済まないね。私も教師でね」
「気にすることはない。呼び出された時にも言ったが、俺は自分の意思でここまで来た」
 ついでに自分は実は結構簡単に戻ることが出来る事は伏せておいた。自分と同じ技術を利用した者のために、その億に一つ以下の可能性を心配させて寂しい頭髪をより寂しくさせる必要も無いと思ったのか何なのか……。
 その後も実際に撃つ練習もさせてみたりして、気づけば既に日が暮れていた。
 ようやくコルベールから解放され、ルイズの部屋に戻る。
「ちゃんとコルベール先生の要求に応えてきたんでしょうね?」
「ああ、大丈夫だ」
 先程までの不機嫌さはそのままに、読んでいた本から顔を上げてジト目で睨み付けてくるルイズに笑いかける。
「なら良いけど……アンタが結構強いのは判ったから、次からは自重しなさい」
「ああ。流石に懲りた」
 ふぅと自嘲気味に小さく笑う。
180THE GUN OF ZERO 06(6/9):2008/10/06(月) 09:04:32 ID:h3uyjRtH
 そのまま座り込み、壁にもたれかかって目を閉じる。体力を温存するためだ。
 ちらとその様子を見たルイズは、数秒そちらに視線を向け続けた末に尋ねた。
「クォヴレー。アンタ、何で私の使い魔になってくれたの?」
 人間の使い魔だった衝撃が大きすぎたせいで忘れていたが、この男はそこからして他の使い魔とは違った。
 使い魔召喚の儀は、対象となる動物が半ば無理矢理に連れてこられるため、契約をこなすのに多少苦労するケースもある。
 だがクォヴレーは、端から合意の上でルイズの元に現れ、契約に際しても些か難色を示したモノの、割とあっさりと合意した。しかもこの一日の間、一言の文句もない。これは実は結構奇妙なのではないだろうか?
 加えて、だ。今日判明したのは、クォヴレーがメイジ殺しだと言うこと。それもとびっきり強力な。
 昼間夢想したアーチャーやアサシンなど比較にならない。こいつは真っ正面からメイジとぶつかり合ってなお勝てる可能性を持つメイジ殺しだ。
 そんなクォヴレーが何故に唯々諾々と自分のような半人前以下メイジの使い魔をやっているのかが、どうしても判らなかった。
 ぱちりと目を開き、床に座ったまま椅子に座るルイズを見上げる。
「最初に言っただろう?ルイズが、助けを呼ぶ声が聞こえた。俺はそれに答えたに過ぎない」
「理由になってないわ。それじゃあ、あなたは請われれば誰でも助けるって事じゃない」
 ルイズの言葉にしばし考え込むと、再び口を開く。
「もし、そうして呼ばれた先で、世界征服に手を貸せというような奴がいたなら、逆に俺は敵対しただろう。俺を捕らえ、何かの実験に利用しようなどとたくらむ奴なら、全力で抵抗しただろう。
 だがルイズ。お前はそのどちらも望まなかった。望んだのは、身の回りの世話と、お前の身を守ること。その程度の願いぐらいは、俺でも叶えてやれるし、何の悪意も持たない第三者を傷つけることにも繋がらない」
 クォヴレーの言葉を、しばし自分の中で反芻し、そしてルイズは再び首を振った。
「……やっぱり判らないわ。私は……その、今は何も出来ない半人前のメイジで、アンタはあんなに強くって……普通、自分より劣る奴に仕えたいって思わないもの」
 少なくとも自分はそうだ。
 実技こそ失敗続きだが、その分座学では同学年を遙かに上回る知識を得ている自分が、たとえば座学では圧倒的下に見ている他の生徒の元に付くなど、想像したくもない。
 クォヴレーはしばし困ったように首をかしげていたが、ややあってルイズに向く。
「俺の知り合いの盗賊が、常々こう言っていた。『誰かを助けるのに理由がいるか』と。つまりはそういうことだと思う。誰かが困っていたら、助けたくなるのが人情というものだろう」
 その、さも当たり前のように言う言葉は、衝撃だった。
 理由はない。何の見返りも打算もなく、ただ助けたいから助ける。全く、想像の外の事象。
181THE GUN OF ZERO 06(7/9):2008/10/06(月) 09:05:36 ID:h3uyjRtH
「確かに、普通なら使い魔までやろうとは思わないだろう。大抵の人間は、残してきたものやしがらみがあるから、帰らなければならない。
だが、幸い旅の身の上の俺は何もない。だから、ルイズがそう不思議がるほどあっさりと今の地位に収まったんだろう」
 なおも悩み続けるルイズに、立ち上がりながらそう付け加える。
「それに、俺も何も要求しなかった訳ではないしな」
「へ?」
 はて、何かあげる約束でもしていたか?
「二時間ほど自由時間を設ける約束だ」
「あ、ああ!そうね」
「というわけで、二時間後には戻る」
「はぁ!?」
 いきなりの出かけてくる発言に素っ頓狂な声を上げてしまう。
「こ、こんな時間からどこに行くのよ!?」
「こんな時間だからだ。多分、あまり目立っては騒ぎになるんでな。夜陰に乗じさせて貰う」
「?????」
 ますますもって意味が分からない。
「俺の敵はいろいろなところに居ると言っただろう。ここにも、居るかも知れない。自由時間でそれを探す。もっとも、今日は下調べ程度だが」
 たった二時間で何が出来るのだろうか?
 最後にちらと腕時計を見ると、クォヴレーは部屋を出て行った。

 約二時間後。
「はっ……はっ……はっ……」
 短く息継ぎをしながら、学園の敷地内をクォヴレーは走っていた。
 ルイズの部屋のある水の塔に突入し一気に駆け上がる。無駄のないしなやかな動きだ。
 ノンストップでルイズの部屋の前にたどり着き、パイロットスーツに備え付けられている腕時計を見る。
 外出より1時間58分。
 元より二分は予備時間として取っていたので、予定通りである。
 さて、扉を開けようかというところで足をぺちぺちと叩かれる。
「きゅるるる」
 見下ろすと、キュルケの使い魔フレイムがトントンとクォヴレーの足を叩いていた。
 そのジェスチャーから見るに、付いてこいと言っているのか?
「……悪いが、もう時間がない。用事はまた明日頼む。ルイズは時間にうるさそうだからな」
 腕時計を見て、さらっと拒絶の意を手で示すクォヴレー。
「きゅ!」
 そうはいかないとどこかに噛み付いてでも引っ張ろうとするフレイムだが、生憎とパイロットスーツに噛み付けるような余裕のある部分はなく、
またそう易々と爬虫類に噛み付かれるクォヴレーでもなかったため、するりと扉の中に逃げ込まれてしまった。
182THE GUN OF ZERO 06(8/9):2008/10/06(月) 09:06:24 ID:h3uyjRtH
「今もどっ――」
「遅いじゃない!」
 部屋にはいると同時に、投げつけられた枕を反射的にキャッチする。
「……遅いか?」
「遅いわよ!約束の時間なんて、とっくに過ぎてるんだからね!」
 ゆっくりと枕を顔の高さから下ろすと、ベッドの上で半分泣き顔のようなルイズが怒っていた。
「そんな筈は無いと思うが……」
 腕時計を見る。
 先程フレイムに捕まり、多少時間は食ったが、まだ二時間以内の筈だ。
「時計をよっくみてみなさいよね!」
 ビシッと部屋にある時計を指さすルイズ。
 扉口からそちらまで歩いていって、腕時計と時間を見比べる。三十分ほど時間がずれていた。
(……どうも今日は締まらないな)
 冷や汗を垂らしつつそう思う。
 実際、クォヴレーの時計が故障で遅れたとかそういう事態ではなかった。
 要は相対性理論の根幹部分である。
 物体が光速に近づけば近づくほど、時間の流れは緩慢になる。
 つい先程まで愛機で宇宙を飛び回っていたクォヴレーは、ウラシマ効果の事をすっかり失念していた。
「わ、私っ……アンタが、どっか行っちゃったんじゃないかって……私をっ見捨てて……行っちゃったんじゃ、ないかって……!不安、だったんだからねっ!」
 しゃくり上げ始めながらぼろぼろ涙を溢すルイズ。何しろつい先程まで、何故この男が自分の所にいてくれているのかと考えていた位である。気が変わって、出て行ってしまったのではないかと気が気ではなかった。
 自分の眼前で泣き始める少女。
 経験は薄いが、こういったこともこれまで無い訳ではない。こういう時は
「済まなかった、ルイズ」
 優しく抱きしめてやれば良いんだったか?
「あ、謝ったって……!許して、やらないんだからぁ……!」
 安堵も手伝ってか、そのままうわーんと本格的に泣き出してしまった。
183THE GUN OF ZERO 06(9/9):2008/10/06(月) 09:07:15 ID:h3uyjRtH
 隣の壁と、ついでに開け放たれた窓からも悪友の泣き声が聞こえ、ふぅとキュルケはため息をついた。
「流石に今日は無理か」
 ルイズの使い魔。
 沢山の銃を使い、アクロバティックな動きでもってギーシュを打ち負かしてしまった男。
 その強さに惹かれたキュルケであったが、いくら何でもこんな状況からクォヴレーを連れ出そうとは思わない。
 というか泣き声にすっかり気分が萎えてしまった。
「フレイム、戻ってきなさい」
 使い魔を呼び戻しながら、窓を閉じる。
「キュルケ、待ち合わせの場所にウボァー」
 窓を閉める時に何か居た気もするが、気にしない気にしない。
 四方の壁に杖をそれぞれ一降り。防音の魔法を施し、一人寂しく毛布にくるまるキュルケだった。

 しばらくの後。
 腕の中ですやすやと寝息を立てているルイズに、クォヴレーはすっかり困っていた。
 泣く少女を抱き留めて慰めたことはあるが、抱きつかれたまま寝られるのは未だ経験がなかった。
 しかも、その腕は自分の背中に回されていて、無理に剥がそうとするとすっげー嫌そうな顔で全力で抗ってくるため、引きはがせないで居た。
 自分はまぁ、座ったまま朝を迎えても問題はない。なぜなら俺はタイムダイバーだから。
 某魚雷のような思考はさておき、問題なのは眼前のルイズである。
 座ったまま寝てはどこか寝違えないとも限らない。
 どうにか起こさぬように抱きかかえながら、室内の明かりを消し、改めてルイズをベッドに横たえる。
 ……やっぱり腕は離れない。
 仕方ないかと諦観のため息をつきながら、少女のベッドに一緒に入り込む。枕をルイズの頭の下に入れ、自分の身体がルイズを圧迫せぬように位置取りに気をつける。
 明日の朝怒られる気もしたが、まぁ最初にミスをしてしまったのは自分だ。予想される怒りは甘んじて受けようとクォヴレーは目を瞑った。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 09:16:54 ID:KfGIWs3U
しえん
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 09:27:23 ID:R9fPp9Cv
さるさん?終わり?
まあ紫煙
186THE GUN OF ZERO 06(10/9):2008/10/06(月) 09:42:52 ID:h3uyjRtH
っと失礼。以上です。
途中すげーパソコンが重くなって間が開いてしまったことをお詫びいたします。
申し訳ありません。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 09:43:31 ID:WhpHmMjb
乙。
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 10:06:05 ID:uADSPW24
乙です!
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 10:34:28 ID:tCeJCIkv
万能鼠の人お疲れ様です。
楽しみに待っております


嘔吐シーンを
190ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/06(月) 11:54:40 ID:TNXzNVSQ
誰もいない……

投下するなら今のうち……

12:00から……
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 11:55:39 ID:LEtyhfip
支援だ!
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 11:57:45 ID:VAMzw4Oy
オレがいるぞ!
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 11:58:34 ID:ZL/FGy9E
ついに!
支援!!!
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 11:59:01 ID:Y7I/aHkj
待ってました!
これは支援しかないな
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 11:59:38 ID:Wb8BZDlt
たまたま開いたら、いいタイミング
支援します。
196ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/06(月) 12:00:18 ID:TNXzNVSQ
ゼロの氷竜 四話

学院寮の一室、学院長のはからいで夕食を運んできた黒髪のメイドは、部屋の主とその使
い魔が食事を取った後も自然に部屋へと残っていた。
部屋の主、その使い魔、黒髪のメイドの三者が揃い、部屋の主が他の二者を互いへと紹介
する。
学院のメイドではあるが、自身の大切な友人と紹介された黒髪のメイドは、照れくさそう
に顔を真っ赤にしていた。
銀髪の使い魔は学院長との取り決めに従い、遙か東方のメイジとして紹介された。
学生たちが使い魔召喚の儀式から戻ってきた折、部屋の主を探していた黒髪のメイドは他
の使い魔を見ており、鳥でも獣でも魔物でもない銀髪の使い魔を紹介され、驚きの表情を
隠すことが出来なかった。
銀髪の使い魔が特に水を向けたわけではないが、いつしか部屋の主が黒髪のメイドと友人
になったきっかけを話し始め、黒髪のメイドは真っ赤になって照れる。
部屋の主が黒髪のメイドのちょっとした失敗を披露すれば、黒髪のメイドは部屋の主のち
ょっとした秘密を暴露する。
互いが顔を赤くしながら話し合い、邪魔し合う。
その様を、銀髪の使い魔が微笑みながら眺めている。
あたかも中の良い姉妹を見る母親のように。
やがて部屋の中にふとした沈黙が落ちた。
二つの視線が絡み、そしてそれが部屋の主へ向く。
視線の先から、その姿がなくなっていた。
「ルイズ様?」
という黒髪のメイドの言葉に、銀髪の使い魔は視線を下げる。
ベッドの上で、部屋の主が幸せそうに眠っていた。
銀髪の使い魔が主を抱き上げ、黒髪のメイドが服を着替えさせる。
銀髪の使い魔が主をベッドに横たえ、黒髪のメイドが毛布で部屋の主の体を隠した。
「それでは」
とささやいた黒髪のメイドは部屋を出て振り向く。
「あの」
振り向きかけた銀髪の使い魔に、黒髪のメイドの言葉が投げられる。
「ルイズ様を、よろしくお願いいたします」
「任せよ」
短い一言だった。しかし黒髪のメイドと合わされたその瞳で、黒髪のメイドへまっすぐ放
たれたその一言で、黒髪のメイドは銀髪の使い魔を信じることを決めた。
そっと頭を垂れ、黒髪のメイドは学生寮を去る。
銀髪の使い魔は幸せそうに眠る主の顔を眺め、優しく頭を撫ぜた。
主は口の中で何事かをつぶやき、目覚めることなくさらに深い眠りの奈落へと滑り落ちて
いくようだった。
やがて明かりを消した銀髪の使い魔は主の眠りの邪魔をしないよう、そっと窓から外へと
出る。
『飛翔(フライト)』
二つの月が、銀髪を煌めかせていた。
一度学院の上空を回り、ひときわ高い塔の上へとおり立つ。
197ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/06(月) 12:01:03 ID:TNXzNVSQ
真実の鏡から開放された衝撃で、ほぼ常に眠っているような休眠期から活動期に入ったた
めか、それとも単に興奮が冷めないためか、ブラムドは人間の姿になった今でも眠気を感
じていなかった。
呪縛から解き放たれたこと、自由であることを確認する。
そのことだけで、今まで生きてきた中で一度もあり得なかった歓喜に満たされる。
逆に少し前までは、その歓喜と対をなすような憎悪の中にいたのだが。
再び飛び上がり、ブラムドは天頂にある月を目指し始める。
無論、月へと辿り着けるわけではないことはわかっている。
雲を抜けたブラムドは風をその身に受けながら、歓喜を表した。
言葉ではなく、叫びではなく、咆哮を解き放った。
口を開き、喉を開き、肺を絞るように。
雲を震わすように、月へ届けといわんばかりに。
歓びの歌を、高らかに。
真実の鏡に縛られていたころは、餌を求めて飛び立った直後に警鐘で呼び戻されることが
幾度も繰り返された。
ブラムドが守っていた宝を求める者は、絶えることがない。
輝くものを集めるのは竜の習性だ。
言語を解せない下位の竜でも、ブラムドのような上位種でも、それは変わることがない。
結果として、宝を求める盗賊の類は竜のねぐらへと絶えず足を運ぶ。
帰ってこない盗賊がどれだけいても。いや、だからこそといえるのかも知れない。
下位の竜が溜め込んだ宝でも、普通の人間が死ぬまで遊んで暮らすに十分だ。
ロードス島が狭いとはいえ、そこに五匹しかいない上位種が溜め込んだ宝はいかばかりか。
数ある魔法の品を処分すれば、国を興すことも出来うるだろう。
竜を討つなど痴人の夢よと評すものも、欲に駆られれば剣や杖を持つにいたる。
ブラムドの姿を見て逃げ去るものもいた。
ブラムドと話をして立ち去るものもいた。
だがそれらを上回るほどに、欲に目をくらませた人間たちは多かった。
いつしか、ブラムドのねぐらにはうずたかく詰まれた宝物と、それとさして変わらぬ高さ
の亡骸が詰まれることになる。
殺したかったわけではない。
喰らいたかったわけでもない。
それでも、呪縛がもたらす苦痛に耐えることは出来なかった。だが突然、それから開放さ
れた。
ブラムドの体を縛り付ける鎖はもう存在しない。
ブラムドの体をさいなんだ苦痛も存在しない。
いずこへ飛び去ろうが、頭の中で警鐘をかき鳴らされることもない。
魔法王国の魔術師どもに囚われるより前のように、どれだけ飛ぼうとも、海を越えようと
も、呼び戻す何者も存在しない。
胸の内から湧き出す歓びを、その歌を妨げるものは何もない。
歓喜が、ブラムドの身を震わせていた。
不意に、ブラムドの体が落下する。
魔法の効果が切れたのだろう。
雲の下へ出た瞬間、ブラムドは彼方に竜の姿を見ていた。
青空のような色をした竜は、その色にいた髪の人間を背に乗せていた。
落ちているブラムドを見て慌てたのか、竜はその翼を強くはためかせて近づいてくる。
ご苦労なことだと思いながら、ブラムドは竜とその主に任せるつもりになっていた。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:01:32 ID:VAMzw4Oy
支援
199ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/06(月) 12:02:23 ID:TNXzNVSQ
学院寮の屋上、二つの人影と一つの大きな影が並んでいた。
「危ないところをすまぬな。礼を言おう」
「嘘」
少女の端的な言葉に、ブラムドは次の台詞を待つ。
「あんな高いところへ上がることはメイジにしかできない。ただ落ちていたときには気を
失っているのかと思ったけれど」
「魔力が切れていたのかも知れぬ、とは考えられぬか?」
面白がるようなブラムドの言葉にも、少女は表情を変えずに首を横に振る。
少女の想像通り、ブラムドには十二分な余力があった。
落下速度を制御するなり、再び飛ぶなり、竜の姿に戻るなり、やりようはいくらでも考え
られる。
それでも何もせずに落ちていたのには多少の理由がある。
少女の人となりを確認するという理由が。
ブラムドは気付いていた。
少女が自らの呼び出された場にいたことを。
それはつまり主の学友である可能性が高いということだ。
落下を制御して草原へ降り立つとき、ゆがんだ表情でルイズへ声をかけていた連中とは違
う態度をとっていた幾人かのうちの一人。
確か驚愕の表情を貼り付けていた幼い竜の傍らで、ただルイズへと視線を投げていた。
コルベールと共に去る少年少女たちの中で、ルイズへ挨拶をした人間はいなかった。
確信にまでは至っていないが、ブラムドはルイズが孤立しているのではないかと疑ってい
る。
「あなたは誰?」
思索の渓谷へ落ちかけていたブラムドを、少女の問いかけが引き戻す。
一瞬の沈黙。
それは迷いを意味していた。
だがブラムドは正直に言うことにした。
「我が名はブラムド」
「……あの韻竜?」
「ここでは喋る竜はそういうのか」
少女がうなずく。
ブラムドはそのまま少し待ったが、少女は何も言わずにブラムドを見つめるままだ。
素直に名を聞いても良かった。しかしブラムドは少女ではなく、傍らの竜へと問いかける。
人の言葉ではなく、竜の言葉で。
「(幼子よ。そなたの名は?)」
少女の耳に、うなるような、鳴くような、不可思議な旋律が飛び込む。
だが傍らの竜には、はっきりとした言葉として聞こえていた。
「(きゅい、シルフィード。ブラムド様はその姿のままで竜の言葉がわかるのね?)」
「(さして難しいことではあるまい? まぁ竜と話すのは久方ぶりゆえ、言葉を覚えてい
るか不安があったがな)」
少女の視線が、不可思議な旋律を交わす二者を行き来する。
「(きゅい、ブラムド様。ブラムド様をおねにいさまと呼んでもよい?)」
「(おねにいさま? 奇妙な言葉だ。おねえさまではいかんのか?)」
苦笑を浮かべるブラムドに、シルフィードは首を激しく横にふった。
「(おねえさまだとタバサおねえさまと一緒になってしまうのね。ブラムド様をはじめて
みたときはおにいさまだと思ったけど、今は女の人なのね。だからおねにいさまだと思っ
たの)」
「(この学院には、他に竜の言葉がわかるものはおるまい? なれば竜の言葉で呼ぶ折に
はおにいさまでよかろう)」
「(わかったのね。おにいさま)」
喜びをあらわにする使い魔に、困惑の表情を浮かべた少女。
少女がブラムドに問いかけようとしたところに、ブラムドは先手を打った。
「お前の名はタバサというのか」
再び投げかけられた言葉に、タバサは衝撃を隠せない。
表情の変化は僅かなものだったが、ブラムドがそれを見逃すことはない。
心持ち目付きを鋭くしながら、タバサがシルフィードに頭を下げさせる。
「(いたいのね!?)」
頭を叩かれたシルフィードの悲鳴に、ブラムドは笑みを隠せなかった。
200ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/06(月) 12:03:07 ID:TNXzNVSQ
「そう責めてやるな。お前と違って隠すことを心がけているわけではないのだから」
その言葉に、タバサの鋭い視線がブラムドへと向けられる。
ほんの一瞬でその視線は平静なものへと戻されたが、老齢の竜にしてみれば心の動揺を隠
しているのは明白だ。
「お前が表情を出来るだけ消していること、あまり喋ろうともしないこと、それは全て相
手を煙に巻く為のものだ」
タバサの表情や視線は変わらない。しかし耳が小刻みに反応していることで、ブラムドの
口の端が下がることはない。
「だが視線や体温、耳や鼻、手先や体の動きにまで気を配れていないところを見ると、習
ったものでもあるまい」
小さく、タバサの喉が動く。
「息や喉の動きもな」
タバサの首元がわずかに朱に染まるのを見ながら、ブラムドは喉の奥で笑う。
不意に、タバサが立ち上がりながら杖を抜き放とうとする。
その表情や態度には、殺意ではなく義務感のようなものがかいま見えた。
愉しみのために人を殺すのではなく、生業として人を殺すもの独特の振る舞いだ。
「やめておけ」
緩慢な空気が、掻き消えていた。
懐に差し込まれた腕が、止まっている。
タバサは、ブラムドの瞳に飲み込まれるような感覚におそわれていた。
そこに存在するのは底の見えない深淵。
淵に立つタバサを支えているのは二本の足のようでもあり、彼女のものではない手のよう
でもある。
再び、タバサの喉がわずかに動く。
殺意があるわけではない。
ブラムドはただタバサを見ているだけだ。
だが、それだけでタバサは身動きが出来なくなる。
ふとブラムドの視線が外れ、タバサは何も握られていない手を下ろす。
震えだすことは抑えられたものの、ただ立ち尽くすタバサに、シルフィードが気遣わしげ
に頬擦りをする。
「(おねえさま? 大丈夫なの? おなかいたいの?)」
いたわるように鳴き声をあげるシルフィードを撫ぜ、タバサはそっと腰を下ろした。
視線を足元に下ろしながらも、口を開こうとし、また閉じる。
タバサの仕草に稚気をくすぐられながらも、ブラムドはそっとつぶやいた。
「汝のことを吹聴するつもりはない。主に聞かせるつもりもな」
ふっと安堵のため息をついたタバサに、竜の姿をした竜は楽しげに鳴き、人の姿をした竜
はそっと微笑んだ。
201ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/06(月) 12:03:47 ID:TNXzNVSQ
立ち去ろうとしたタバサに、ブラムドが声をかける。
「しばし待て」
タバサが見たブラムドの表情は、どこかいたずらをしでかす子供のそれに見えた。
「……動くなよ?」
『遠見(ビジョン)』
その瞬間、ブラムドの視力が増大する。
しばらく前から自分たちを見ていた視線の主を確認する為に。
……女。
……緑がかった銀の長い髪。
……眼鏡をかけている。
……ゆったりとした服を着ているが、立ち姿から多少なりとも鍛えているのが見て取れる。
……見たことのない顔だが、その目付きの鋭さは特徴的だ。
……オスマンやコルベール、タバサのように戦いをたしなむ者とは違う。
……気配の消し方も堂に入っている。
……とすれば盗賊か間諜の類。
……間諜ならばタバサが目的か。
……しかし視線は我へと向けられている。
……闖入者に探りを入れている程度のものか。
『魔力感知(センスマジック)』
……魔力を感じ取れるのならば魔術師か。
「そこな女」
……反応はない、か。
……であればこちらの会話を聞かれてはいまい。
むしろ反応があったのは傍らの一人と一匹だった。
向けられる視線に軽く手を振って応えたブラムドは、そのまま魔法を解く。
「タバサ」
「何?」
「彼方を見やる魔法というのはあるか?」
反射的に、タバサは口を閉じた。だが思い直したのか、素直に答えを返す。
「ある」
「我の左手にある建物の影に人がおる」
その言葉に、タバサは手を懐に差し込み、杖を取り出すことなく遠見の魔法を使う。
「何者かしっておるか?」
「ミス・ロングビル。オールド・オスマンの秘書」
「こんな時間に出歩くような秘書の仕事があるのか?」
ブラムドの言葉に、タバサはわずかに考えるそぶりを見せた。
「知らない。でも時々、夜見かける」
「夜半にか?」
小さく、タバサがうなずく。
「ほぅ……」
つぶやいたブラムドの口元に、薄く笑みが張り付いていた。
その表情を見たタバサは、先刻自身へと向けられていた笑みと、似ているようでどこか違
うような、奇妙な感覚におちいった。
「さて、ずいぶん遅くなってしまった。お前たちもそろそろ部屋へ帰るが良い」
言葉は柔らかなものだった。
表情も穏やかなものだった。
それでも、タバサはその言葉に逆らうことは出来なかった。
「(おにいさま、さようならなのね)」
タバサがシルフィードに乗って立ち去り、ブラムドが飛び去ったとき、ミス・ロングビル
は音もなく建物の影へと消えていった。
再び、学院に静寂が訪れる。

その後、ブラムドがルイズの部屋へと戻ったのは、日が昇り始める直前だった。
202ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/06(月) 12:04:48 ID:TNXzNVSQ
以上です。

支援感謝。

まとめの方は前の分の修正ついでに自前でやります。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:04:48 ID:Y7I/aHkj
支援
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:05:20 ID:TNXzNVSQ
次はもう少し早く仕上げる予定。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:12:56 ID://Qf7Ed+
乙!
しかしタバサ、一瞬口を封じようと考えたっぽいけど、戦闘でとか無謀すぎるw
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:22:47 ID:PpxbmLNA
乙ー。
タバサ、マイリーの加護無しでロードスの竜に挑むとか、無謀どころですらねーよw
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:33:07 ID:ga9+jolq
GJ!!古竜(じっさいは老竜)に戦闘は無謀……。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:37:55 ID:WXaV2pl9
氷竜の人乙。
相手がシューティングスターだったらどうなっていたかガクブル
次回にwktk
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:41:07 ID:ZL/FGy9E
ロードスの竜ってそんなに強いのか?
ロードス島読んだことないからわからん
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:45:01 ID:aYd7o4eE
俺もいる
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:53:37 ID:VzTF0EMq
>>209
個体差あるけどシューティングスターとかブラムドクラスは
咆哮だけで気の弱い奴は心臓止まったりする。
体表がバカみたいに硬くて普通に武器じゃ歯が立たない。
ブレス、踏みつけ、噛み付きあたりは食らったら人間は大体即死。
人間より高度な魔法を湯水のように使える。

シューティングスター相手に軍隊連れてって
平原で戦ったら空からブレスくらいまくって酷いことになってた。

ただし弱点もあって、古代魔法王国の呪いかけられてて
強制的に宝物の番人させられてるから、宝が狙われてる場合、巣穴から離れられない。
イコール空飛んで戦えない。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:56:17 ID:TNXzNVSQ
>>209
あとブラムドは氷竜だから
竜の姿になっただけで水とか氷に属する魔法を全て無効化できる

メインが氷の魔法のタバサはまさに天敵w

ちなみに炎も無効化するからキュルケも打つ手なしだったりw
213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 12:58:43 ID:ZL/FGy9E
>>211
ありがとう!
モンハンの古龍ぐらいだと思ってたが・・・化け物なんだな
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 13:03:07 ID:23YR+OyC
あの世界で竜殺しって言ったら、普通に英雄中の英雄で、それだけ国の王様になれるくらいの名声がついてくるって具合。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 13:06:32 ID:2hqGy/bR
原作では、暗黒の島マーモ選りすぐりの戦力を投入し休眠期であったにも関わらず
ブラムドを討つのに、蛮族の戦士二人が死亡、他もかなり消耗したらしい

シューティングスターを討てたのも、カシュー・アシュラム・パーンといった
フォーセリア全体でもトップクラスの戦士(“魂砕き”や“ソリッドスラッシュ”
という強力な魔剣を装備して)が、スレイン・ディードリット・レイリアといった
やはり高位の魔法使いの援護があったから

ぶっちゃけ、老竜や転生竜、不死の王、上位巨人、魔神王なんて連中は、単独で
国の一つや二つ滅ぼせるし、実績もある
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 13:19:10 ID:JmkMjiQB
要するにゴジラに単身徒手空拳で挑むようなものだと。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 13:22:13 ID:dyc+tbPI
せんせー!勇次郎は単身徒手空拳に入りますかー?
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 13:23:29 ID:2/IT1oqk
でも、ストーム1なら一人で勝てるだろうね。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 13:39:46 ID:IMlU+uou
クォブレの人GJ。
しかし、ルイズが立派な強盗だね……。
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 13:55:42 ID:ITKh4Onn
氷竜の人乙です
ブラムドの知的で最強なところが素敵
つーかギーシュとかワルドとかフルボッコなんてレベルじゃなくなりそうw

そしてタイムドライバーの人乙
本当いろんな世界旅してんのねwパロネタはあまり好きじゃないけどこれは面白いww
次回も期待しております
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 14:07:23 ID:SNRf0jNy
氷竜の方、乙であります。支援!!

ただブラムドはシルフィより10倍近く生きているからお姉さまよりも、むしろおば様ではww
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 14:09:59 ID:23YR+OyC
むしろばば様
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 14:26:42 ID:peIEpJE1
>>156
普通にわんこ隊長を召還すればいいと思う
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 14:35:44 ID:YS23oMwH
普通に獣人とかは使い魔としてアタリなんじゃないかな。

大抵は普通の人間の身体能力があったりするし。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 14:41:17 ID:TySnXDLv
獣人・・・
つまりヴィラルがエンキドゥドゥ付きで召喚されると
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 14:53:39 ID:VAMzw4Oy
氷竜のヒト、メニューの方の更新が漏れてるな
ちょっと行ってくる
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 15:17:06 ID:naErAQQa
>>224
問題点は死神は普通の状態だと見えないって事だよな
犬隊長用の身体なんてあるのか?
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 15:29:53 ID:peIEpJE1
>>224
たしかに獣人は明らかに人外だし能力も結構高い場合が多いし当たりなんだよな。

今まで召還された中で獣人というと姉妹スレのクロコダインがいるが、
今までルイズに召還された中ではおそらくルイズ的に最高クラスの当たり使い魔
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 15:35:28 ID:8pofAPNJ
ハルケ住人には尸魂界の死神が義骸なしでも見えて触れるということにすればいい
問題はルイズに(心情的に)従うかどうかだな。山爺の忠犬だし、無理やり主人と
引き離されたと知ったら怒るだろう。鉄笠の有無でもまた展開が違ってくるな。

問題は寝床だな。確か身長が3m近くもある。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 15:56:57 ID:86wV8hBJ
はたしてキュルケは惚れるか否か
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 16:10:57 ID:LVv0yjeJ
むしろ、モフモフしたくてモフモフのために行動
の方がいいんじゃね?
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 16:14:20 ID:HYF4ZbCR
つーか狛村隊長ってジジイに恩義があるし隊長として責任感ある人を
本人の意思を無視して呼んで「使い魔になれ!」なんて言ったら
普通にブチ切れるだろ。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 16:25:11 ID:8pofAPNJ
ぶち切れて黒縄天げん明王はしないだろうが物凄く怒るだろう。
やっぱ狛村隊長は難しいなぁ。しかしあのふわふわした胸毛とかたまらん。
本人曰く狼(毛皮は狐色だが)らしいから、毛皮はもこもこふわふわに違いない。

そういや特技に動物と喋れるというのがあったな…
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 16:29:48 ID:23YR+OyC
では聖獣チーグルじゃ。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 16:54:44 ID:eWWLB7nI
氷竜の人乙でございます。
毎回楽しみにしてます。

女性体のブラムドの姿が脳内でドラゴノーツのマキナになっている今日この頃です。
http://dol.dengeki.com/news/200708/28/dragonouts/s/16.jpg

ブラムドって人間の姿になった事ありましたっけ?
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 16:54:56 ID:y18why9O
HELLSINGだと大尉だけと
姉妹スレではタバサ×大尉が公認になってるからルイズの入る余地ない!
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:00:20 ID:4qaPesta
この後。きらりん☆レボリューションよりなーさんが召喚されたSSを
書きたいと思います。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:05:01 ID:IjpkFxT2
遂に目デカン☆レボリューションまで投下されるのか…
後ageちゃらめぇ
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:08:26 ID:QJfSlaq3
……かきたいと思います?
投下じゃなくて?
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:17:00 ID:/LrORhze
獣人召喚で何故シマシマさんが出てこない!十分モフれるじゃないか!
…まあ護人の設定や怠け者な性格を考えると当たりとはいえないかもしれないが。
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:40:08 ID:4qaPesta
ゼロのレボリューション 第1話

「なーさん!そろそろ出番だよ!」
ここはとあるスタジオ。きらりに呼ばれてそろそろ出かけるなーさん。もう一度鏡を見てみだしなみを整えようとしたその時
鏡から光が現れました。
「なーーーーーーーーっ(うわーっ、吸い込まれるーーー。」
なーさんが鏡の中に吸い込まれるかのように消えました。
「もう遅いな、なーさんもう出番だというのに、何処に行ったんだろう。」
きらりが楽屋に戻ってみるとそこにはなーさんの姿はありませんでした。
「みんな〜〜〜なーさんが居なくなったよ!。」
きらりの大きな声と共にMILKYWAYののえるとこべに、そしてSHIPSの2人が着てくれました。
「月島、ホントかそれ、」
「きらりちゃん、一緒に探すです。」
「うん、ありがとう。」
「じゃあ、僕とカメさんはこっちを探してみるよ。」
「じゃあ俺はあっちを探すぜ、」
5人でなーさんを探し始めました。その頃・・・・・・

「宇宙の果てのどこかにいる、私の僕よ!神聖で美しく!!強力な使い魔よ!!私は心より求め、訴える
わ!!!・・・・・・我が導きに、応えよっ!!!!」
今、不思議な呪文を唱えている彼女の名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
彼女は魔法の才能が皆無であり、事あることに爆発が起きる。しかし今日は・・・・
「あんた誰?」
ルイズの目線の先には茶色と白のカラーの猫で赤のリボンをしている。
「なななななっなーーーーっ(僕はなーさん、ここは何処?君は誰?)」
なーさんの質問にルイズは答えた
「私はルイズ、あんたは私の召喚魔法で呼ばれた使い魔。ここはハルケギニアの
トリスティン魔法学校。それにしても私が呼び出した使い魔が猫なのよ。」
その言葉に魔法学校の生徒達は
「さすがゼロのルイズ。召喚したのが猫だとはな、ゼロのルイズもここまでくると・・・ぐがぁっ!」
生徒の一人がなーさんに滅多打ちにされました。
「なーーーーーーーーーっ!!!(僕をバカにするな!!!)」
その光景にルイズと生徒達は
「ゼロのルイズの使い魔がこんなすごい猫とは・・・」
「なーさん!あんたすごいのね!」

続く
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:43:13 ID:4qaPesta
>>237
×書きたいと思います。
○投下します。

間違えたスマン。
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:44:49 ID:IjpkFxT2
どうでもいいけどsageろ
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:47:45 ID:LVv0yjeJ
今後からメール欄に半角で sage と入れるんだ。

なぜしなきゃいけないか分からなければ半年ROMってろ。
返事も何も書くな。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:51:20 ID:IjpkFxT2

地の文がなんというか…なんて言えばいいかわかんないけど、堅い。
それに使い魔が猫って一般のLvじゃなかったっけ?
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:51:32 ID:qRQhBmFU
┐(´д`)┌ ヤレヤレ
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 17:57:36 ID:x1Z8XMab
ノエインの人コナイカナ
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 18:07:50 ID:ITKh4Onn
アクマの人を待ち続けております・・・
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 18:09:40 ID:lw0tGI2E
>>235
ドラゴンが人型になったことは
少なくともロードスとかSWではないはず。

竜司祭がドラゴンになったことはあったと思うが。

そもそもルール的には
体重の十分の一から十倍までしか変化できないはずだから
エルダー以上のドラゴンが人間になるのは設定的には無理w

確か無理だってことは作者も認識してたと思うけど。
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 18:12:58 ID:x3U4leFc
猫なら文句いわんだろw
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 18:22:29 ID:IjpkFxT2
目デカン☆レボリューションをゼロ魔にクロスさせるなんて多分
スレ住人の中でもこの人一人だったろうに…或意味伝説だ。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 18:28:41 ID:86wV8hBJ
ル−ルの確認くらいしようね
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 18:47:18 ID:EoDGWie7
>>249
俺はブラムドがたまたま知ってた遺失魔法だって事で脳内補完してた
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 18:50:48 ID:evbuCdfP
>>233
つーか、それ以前に死神には自力で世界間移動可能な奴が割とザラにいるからな。
狛村自身が自力で出来るかどうかはイマイチ不明瞭だが、それでも遠からず迎えが来るのは確実。
流石に隊長クラスが行方不明、しかも原因不明だと間違いなくすぐに問題になるだろうし。

そして迎えとかが来た場合、死神を召喚し、あまつさえ使役しようとしたルイズがどう言う扱いになる事やら。
やらかした事が事だけに、無罪放免って訳には行かないだろうしなぁ。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:01:31 ID:jZcKOx9L
ゼロ魔だけが完結せずに逃亡が多いと思っていたが
なのはや月厨のも全体の一割も完結してないのなw
俺も安心してばっくれられるw
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:03:30 ID:PpxbmLNA
>254
そして処刑されるルイズを助けるために狛村、キュル、タバサ、ギーシュ、ワの人と5人の旅禍が……あれ?
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:10:39 ID:gqkt2ciG
そもそも完結するSSが少ない。全体で言えば1割もないんじゃないか?ジャンル関係なく
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:15:54 ID:J7Aji6y9
>>249
異世界に呼ばれたんだから、
人間に変化できるようになるくらい良いじゃないか。
無限弾薬とかよりよほどマシだろ。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:22:44 ID:jZcKOx9L
>>257
原作10巻あたりまでのプロットはできてるんだがアルビオンあたりで飽きるw
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:29:28 ID:J0RXi2CU
序盤でやりたいことやっちゃうとモチベーション下がるからね
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:30:54 ID:IjpkFxT2
楽にばっくれられると考えてる奴がSS書いてる方がおかしい。
読者を何だと思ってるんだか…。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:30:56 ID:TySnXDLv
うんうん
キャラが違うだけで他のと同じようになっちゃうからね
面白みがなくなるよ
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:36:46 ID:gqkt2ciG
趣味で書くもんなんだから飽きたらやめるのも仕方ないだろう。
まぁ2chとかに投下すると期待する人がいるから完結させる気がないなら自サイトでやってくれ
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:42:09 ID:jZcKOx9L
下手に新キャラ大量投入、独自解釈、テンプレ回避しててこ入れを図るも
ぐたぐたになって何が書きたかったも忘れて迷走して
どうにもならなくなって放置が俺の定石
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:43:58 ID:jZcKOx9L
完結するつもりはあんだよ最初はな

自慢じゃないが50本近くSS書いたが一本も完結したことがない

ついでに参考書や問題集や夏休みの友も最後までやりきったことがない
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:44:35 ID:+Y0fs4z4
獣人といえば、『荒野に獣慟哭す(漫画版)』の独覚兵の連中はどうだろう。

まあ、使い魔になってくれそうなのは摩虎羅ぐらいか。
他の連中は人食い衝動が有るからまずい。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:45:43 ID:EekUMTY+
>>249
>>252
ルールくらい読んでからにしてね。
7LVソーサラーマジック ポリモルフ
効果範囲 1体  消費MP 20 レジスト 効果消滅 持続時間 10時間
抵抗に失敗した生物を任意の生物に変える事が出来る。
変身しても精神は元のまま残る。

ロードス島戦記コンパニオン2 P29より
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:50:09 ID:lw0tGI2E
>>258
いや、叩いてるわけでなく。

作者が認識してるんならあとで理由づけとか
するのかなーってのもあって。


>>267
いや、清松みゆきが十分の一から十倍まで
って明言してる。

携帯だからさがせないけど
ググればすぐみつかるはずだよ。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:50:31 ID:EekUMTY+
追記しとくと、カーラスペシャルに巨大な鳥に化ける事が出来る(服込みで!)
呪文なんかもある。当然遺失だ。
でもって五色の魔竜は遺失呪文の10や20知っていてもなんら不思議はない。
やろうと思えばカストール人たちから直接学べるんだからね。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:50:55 ID:PpxbmLNA
>267
……そのルールだと、人間のソーサラーがドラゴンに変身ってのも出来ると思うんだ。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:50:59 ID:+4uYU5wP
>>265
典型的なゴミSS書きだなw
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:52:39 ID:VzTF0EMq
>>266
あいつらの人食い衝動は共食い衝動の代償行為だから、
他の独覚兵から引き離せば案外安定するかもよ。
子、申辺りは人食い衝動抑えられてて白兵戦強いし
羊は子供に優しいし、辰は理性的&最強だし、
卯はちょっとアレだけど意外に話が分かるし
結構当たりの奴は多い。

酉、巳、戌辺りはキモすぎてルイズ涙目だろうけど。
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:52:44 ID:AYIHFaM6
なんかで読んだが、好きなことだけ書いてるのは小説じゃないんだよな
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:54:42 ID:WXaV2pl9
>>266

摩虎羅姐さんなら見た目亜人でルイズ的には当たりだな
ただあの身体能力にガンダ補正付いたらワの人遍在もろとも瞬殺しそうな希ガスw
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:55:36 ID:bzoHTRyN
終わらせようと思えばフーケ戦で終わらせるっていう手もあるし

切り開けない道は無いんだ!
うおっしゃあああぁぁ!

でならいつでも終わらせられる
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:55:45 ID:K60ZSxb8
>>253
ヒースのスリープクラウドですね分かります
エンシェントドラゴンってゼロ魔世界のどのクラスになるんだろう
デカゴンクラス?
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:58:13 ID:IjpkFxT2
書く気が最初に起こって書いて。
書いたらやる気を無くす。

どこのオナニーですか。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:59:45 ID:EmK86vaa
賢者モードは?
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 19:59:53 ID:WXaV2pl9
>>275

ジャンプ10週漫画ですね、わかります。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:00:56 ID:8U0gW2dM
途中で放置するぐらいなら、ソードマスターヤマトENDなり男坂ENDなり武士沢レシーブENDでもいいから終わらせて欲しいもんだ。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:01:44 ID:EekUMTY+
あのな。フォーセリアには呪文名同じでも効果がまったく違う、
もしくは微妙に違う呪文がかなりあるの。

これは当然のことなんだよ?
カストール人たちは呪文を改良し、あるいは派生させて魔法文明を発展させてきた。
だから同名の呪文だからと効果が同じであるとは限らない。
そもそも五色の魔竜はロードス島在住だ。
後にソードワールドで拡張ルール&ワールドガイドも出たけど基本はロードスで別物だ。
疑問を呈すること自体間違い。

例:
A「プロテクションの3音節目をEからeにしたら効果距離を30センチ伸ばせたぞ!」
B「俺なんか3単語目と6単語目を逆にして防御力を3%向上させたぞ!」
C「30%ほど呪文が長くなるが疲れが5%減るぞ!」
D「いや、そんなちゃちな改良はいらんから(苦笑)」
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:01:59 ID:zz7Jav7s
アホの自己紹介に釣られすぎ
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:03:26 ID:EekUMTY+
>>270
できるよ。
ただし、後でよ〜〜く知ってる生物のみという制限が追加されたけどね。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:04:28 ID:bzoHTRyN
別にオナニーだっていいじゃないか
美女がやってりゃファンもつくさ
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:07:11 ID:jZcKOx9L
ばっくれてもペナルティがないからなあ
最後まで書ききってる作者さんはやっぱすごいよ
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:10:25 ID:+4uYU5wP
完結するまでオナ禁とかして枷をはめれば?
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:10:52 ID:M5Llkj2b
召喚して終わりとかじゃなきゃ途中で投げても文句無いよ。
投げるなら、フーケのゴーレムを倒す。ワルドを倒す。
な区切りのついたところで投げてほしいが。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:12:53 ID:i7207sdM
>>284
良いトコでぶった切られてお前ら何やってんの?って不細工なおっさんが出てくるオチになるのに喜んでるのは真性のド変態
区切りをつけて書けるトコまで書き区切るなら分かるが丸投げは無責任。

何よりキャラが個として召喚されてる以上ソレを使えなくしてるも同然なのに飽きたからサッサと・・・ではね

所で燃え系の召喚されたキャラって何が居る?萌えじゃなくて燃えだからな!
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:13:43 ID:IjpkFxT2
爆熱だろ。
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:15:10 ID:R9fPp9Cv
ここまでで終わり。みたいに終わるところを決め手から書けばいいんだよ
もしくはどう終わるか
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:16:36 ID:+4uYU5wP
関キャラは暑苦しいだけ
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:16:42 ID:i7207sdM
その手の勉強する為に完結系は良い資料になるね
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:18:22 ID:RpAmdbi2
所詮趣味の領域だし、それでも期待されたものを投げたら批判もされもするよね
ただ、意外とお客様気分の人が多かったんだな、と今思った

書かないなら俺が続き書いてやる、て気概のある人がもしかしたらいるかもしれないが
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:21:04 ID:cX1IhbEj
早くて1、2週間に一回投下するのがやっとの身としては1週間に何回も投下する人は尊敬するよ。
一体どうやったらそんなに早く書けるのか真剣に知りたい。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:21:05 ID:wtt/u0xQ
プロですら完結させずに投げる人がいるなか、
趣味で、無償で書いている人に「完結させない奴は屑」みたいなノリで批判する奴がいるとはね。
ただなんだからちょっとでも楽しませてもらったら普通に感謝しとけばいいのに。
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:21:43 ID:+4uYU5wP
おきになSSが半年ぶりに更新とかたまにあるから困る
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:24:45 ID:EekUMTY+
>>書かないなら俺が続き書いてやる

激烈に難しい難易度だがやりたいと思った事は何度かある。
しかしそうすると今の連載投げ出すことになる上、スレ住人に止められた(w

まあ、とうぜんだわな。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:25:38 ID:IjpkFxT2
だが、読み手全員がその気分だと
書き手も甘ったれて完結する作品が皆無になる可能性がある。
だが読み手が厳しい態度だと、書き手が不足になる。
この加減が難しいのだ。
いくら趣味と言えど、多数の人の前にさらすなら、それなりの覚悟はしてくれた方が、双方にいいんじゃなかろうか。
と言う事が言いたい。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:26:30 ID:IjpkFxT2
上は>>295にね。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:28:25 ID:hTwAVGoC
268他
ルールはあくまでも逸脱しないためのルール。
でも、例外的なものの存在はGM任せ。
ということで、そんな細かいルールに縛られて、重箱の隅をつついても
意味がないのでやめましょう
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:28:36 ID:+4uYU5wP
>>294
速筆でなければストックを溜め込んでるのでは
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:32:59 ID:hTwAVGoC
知ってる? 書き手を殺すんだったら、無視したらいいんだよ。
逆にいえば、読んだけど、なんの反応も返さなければ、そのうち書かなくなっても仕方がない。
そこ完結させずに逃げ出した。って詰る権利はないと思うな。

完結するようにがんばるのは作者側で、完結させるように感想を書くのは読者側。
どっちが欠けても、いただけない。
どっちが上ってことはなくて、がんばって書いてるんだから頑張って応援しようよ。
ってね。
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:33:36 ID:x1Z8XMab
この流れの中投下する勇者はいないのか
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:33:36 ID:0/1hFflt
書き始めた以上、そのSSを終わらせることができるのはその作者だけだ、
俺のショッペーSSでも楽しみにしてくれている人がいる以上、
どんな形であれ完結させるつもりでいる。
さぁ、気合入れて続きを書くとします
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:42:18 ID:7hpIUaSB
流れぶたぎりですまないけど、今ポケモンでプロットを立てている。
それで、ゼロ魔改変ってどの程度までOKなのかな?
あの世界では使い魔はみんなポケモンだというのはNGだろうか?
つまりオスマンの使い魔はコラッタだったり
ギーシュの使い魔がディグダだったり
風邪っ引きの使い魔がホーホーだったりするのは?

ぶっちゃけ、始めて読んだSSがミュウツー召喚だったためか
他のSSでもキュルケのフレイムがヒトカゲに脳内変換されて困る。
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:44:46 ID:IjpkFxT2
>>305
とても斬新。
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:55:46 ID:vCCULobO
>>305
いいんじゃないだろうか。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:55:48 ID:lgtyRHWs
>>249
体積やサイズ制限あるのはシェイプチェンジ
ポリモリフは制限なし
その代わり神の手で作り出された存在しか対象にならないし、その種の存在にしか変身できない
まぁ竜の使う古代語魔法は厳密には古代語魔法じゃなくて竜語魔法だから制限違ってもGM判断というやつだけどな
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:58:45 ID:bfSrizPo
ところで性的描写ってどのあたりまでがOKなの?
朝チュンくらいなら問題ない?
310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:58:51 ID:EekUMTY+
>>308
たいがいにせえや
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:00:11 ID:x1Z8XMab
>>305
世界感がわからなくなる
これまでルイズが召喚した使い魔は異世界の住人だったわけで
それがすべてポケモンとなると独特の神秘性が失われるような

個人の一意見として受けとってくださいな
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:12:21 ID:vWUYw8cN
>>308
もういい加減死んでくれ。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:16:19 ID:7hpIUaSB
>>311
ルイズ達虚無組には伝説系を召喚させようと思っているのですが。
べ、別にダークライ召喚書きたいからプロット立て初めて
それが妄想が膨らんでいって>>305に行き着いたわけじゃないんだからね!
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:19:19 ID:ckogHSbs
それって面白いの?
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:23:17 ID:OyzX6/8I
可能性だけならどんな作品だって面白い可能性を秘めてるさ!
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:24:01 ID:5KsEgYDB
テスト
317ベルセルク・ゼロ:2008/10/06(月) 21:26:55 ID:H7t3ybMW
投下してもよろしいですか?
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:28:01 ID:RpAmdbi2
しえん
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:29:18 ID:6E0xmoLX
支援でござる!
320ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:30:05 ID:H7t3ybMW
 夜空に浮かぶ二つの月が寄り添うように輝いている。
 ルイズとメリッサに与えられた部屋―――
 湯浴みを終えたルイズはどさりとベッドに飛び込んだ。
 さすがにラ・ロシェールで最も高級な宿屋なだけあって、ベッドもふかふかで気持ちが良い。
 備え付けられた隣のベッドでは既にメリッサがすぅすぅと寝息をたてていた。
 枕に顔を埋めたまま、今日の出来事を反芻する。
 結局、あれからガッツとは口をきいていない。妙な気まずさがあって、話しかけることが出来ないでいたのだ。
 ごろりと仰向けになってため息をつく。
 ルイズは右腕を目の前に掲げた。窓から差し込む月光がルイズの右手首に巻かれた包帯を照らす。
 その傷は、先程の戦闘で前を行くルイズに盗賊の振るった刃が掠めたものだ。
 ルイズはその包帯を眺め、少し嬉しそうに目を細めた。
 ―――コンコンとドアをノックする音が聞こえる。
「だ、誰?」
 ルイズは体を起こして声を上げた。メリッサが「ううん…」と声を漏らして寝返りをうつ。
「僕だよ、ルイズ」
「ワルド?」
 思わぬ訪問者にルイズは驚いてベッドを降りた。寝巻きにしているネグリジェの上から制服のマントを羽織るとドアに駆け寄る。
「どうしたの? こんな時間に」
「話がある。僕の部屋に来てくれないか?」
「え…でも……」
 こんな時間に殿方の部屋で二人きり―――そんな状況にルイズはためらいを隠せない。
 片手でマントを抑えながらちらりとワルドの顔を見上げた。ワルドは真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。
「とても大事な話なんだ……二人きりで話したい」
 その雰囲気に、ルイズは思わず息を呑んだ。
「わかったわ……でも、せめて、その……」
「何だい?」
「……着替えさせてくれる?」
 顔を赤くして俯くネグリジェ姿のルイズにワルドは微笑んで答える。
「構わないよ。でも残念だ、可愛いのに」
「ば、馬鹿……」
 顔を真っ赤にしながら眉をひそめ、ルイズは少し強めにドアを閉じた。

321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:30:09 ID:YS23oMwH
ポケモンが喚ばれた奴ならいくつかあるから読んでみるといいよ。

狂戦士支援
322ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:32:02 ID:H7t3ybMW
 ワルドの部屋に備え付けられたテーブルに、ワイングラスが二つ並べられている。
 部屋の照明を受けてオレンジ色の光を反射するグラスに、赤い液体がとくとくと音を立てて注がれる。
 ワインを注ぎ終えたワルドはテーブルに着くとグラスを手に取り、高々と掲げた。
 その真向かいで、学院の制服に着替えたルイズが控えめにグラスを掲げる。
「二人に」
 二人が持つグラスが触れ合い、耳に心地よい音を響かせる。
 かなり上等なワインのようで、口に含むとまろやかな味わいと芳醇な香りが鼻を突き抜けていった。
「こうして成長した君と酒を酌み交わすのが夢だった」
 グラスをテーブルに置いて、ワルドは穏やかに呟く。
「成長……私、全然成長なんてしてないわ。ワルド」
 ルイズはまた一口ワインを含み、飲み下すと苦笑交じりに呟いた。
「そんなことはない。その証拠に…」
 ワルドは大仰に両腕を開いてルイズの言葉を否定する。
 それから、右手を自分の左胸に当てた。
「僕はこんなにもドキドキしている」
 そう言って、ウインクしてみせる。
 余りに芝居じみた仕草に思わずルイズは吹き出した。
「もう! お世辞なのが見え見えじゃない! ひどいわ!」
「ああ、勇気を振り絞って本心を伝えたのに。正直者は馬鹿を見る。おお神よ、あなたは嘘つきだ」
 頭を抱えて嘆いて見せて、ワルドはグラスの中身を飲み干した。
 ピエロの練習でもしていたのかと思えるほど滑稽な仕草に、ルイズはころころと笑う。
「うん、やはり君は笑っているほうが可愛いよ」
 ワルドが突然様子を変えてそんなことを言うもんだから、不意を突かれたルイズはまた顔を赤くしてしまった。
「ま、またお世辞を言って……」
「お世辞なんかじゃないさ。ついでに言うと、さっきのもね」
 空になったグラスに再びワインを注ぎ、ワルドは揺れる赤い水面をじっと見つめる。
「君は本当に綺麗になった。あんなに小さかった君が、今じゃ立派なレディだ」
 ルイズはもじもじしながら、赤くなった頬をごまかすようにワインに口をつける。
 しかし、舞い上がる心とは裏腹に、ワルドから褒められるほどに暗く沈んでいく気持ちが、ルイズの心の深くにはあった。
 ルイズだって女の子だ。自分の容姿を褒められたらそりゃ嬉しい。特にルイズは自分の容姿に(というかスタイルに)コンプレックスを持っているからなおさらだ。
 だが、成長する外見に中身が置いてけぼりなのだ。
 魔法が使えないダメダメメイジ。『ゼロ』のルイズ。
 その部分だけは、ワルドの知る『小さなルイズ』から何も変わってはいない。
 挙句の果てに、使い魔には愛想を尽かされ、このラ・ロシェールに至るまでの道中でも、自分は何の役にも立てなかった。
 どうしようもない無力感がルイズの心に鬱積していく。
「また暗い顔になっているよ」
 言われて、はっとしてルイズは顔を上げる。つい考え込んでしまったようだ。
323ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:33:18 ID:H7t3ybMW
「今回の任務を無事果たせるか心配なのかい?」
「え、ええ……」
 ルイズは曖昧に頷いた。もちろん、その心配もある。
 こんな自分に任務が務まるだろうか、不安になる。
「大丈夫だよ。僕がついてる」
「ええ、頼りにしてるわ。ワルド」
 ルイズは笑みを浮かべてそう言った。
 だが、やはりどこか無理をしている雰囲気は否めない。
 少しの沈黙が部屋に広がる。
 コトン、と音を立てて、ルイズは手に持っていたグラスをテーブルに置いた。
「それで、ワルド……大事な話って?」
 ルイズが話を促すと、ワルドもグラスをテーブルに置いた。
 一呼吸の間を置いて、ワルドが口を開く。
「覚えているかい? あの、中庭の池での約束を……」
 言われてルイズは今朝見た夢を思い出す。
「君はご両親に怒られるといつもあそこに隠れてうずくまっていた」
「やだ、忘れてちょうだいそんなこと」
 ルイズは恥ずかしそうに俯いた。
「君はあの頃、出来が悪いなんて言われていたけれど……僕は、それは間違いだと思っている」
「間違いなんかじゃないわ。私は今でも魔法が使えない落ちこぼれだもの」
 自嘲気味のルイズの呟き。
 しかしワルドはそれを否定した。
「『メイジの力量を見るにはその使い魔を見よ』」
 ルイズははっとしてワルドを見た。
「彼の戦いぶりを見た。凄まじい、の一言に尽きるよ。常識外の大剣を振るう黒い剣士。まるで英雄譚で語られる勇者のようだ。そんな彼を召喚した君が落ちこぼれであるはずがない。そうだろう?」
「だけど…私は……」
「彼の左手の義手に輝くルーン。あれは…『ガンダールヴ』のルーンだ」
 ワルドの目が細められる。
 ルイズは聞き覚えのない単語に首を捻った。
「始祖ブリミルが用いたという伝説の使い魔さ。誰もが持てる使い魔じゃない。君は選ばれたんだ」
 ワルドの口調に段々と熱がこもる。
「だけど……私にはよくわからないわ。何かの間違いよ、そんなの」
 困惑するルイズの右手にワルドの右手が重ねられた。
「トリステイン魔法衛士隊グリフォン隊隊長の名誉にかけて誓おう。君はいずれ始祖ブリミルのように歴史に名を残す偉大なメイジになる」
 ワルドは真剣な目でルイズを見つめる。
 ワルドに握られた手が熱い。酔いが回ってきたのか手の熱さが全身に伝播していくようだった。
 ふいに、ワルドがその表情を崩し、穏やかな笑みを浮かべた。
「だから…今はあまり無茶をしないでくれ。君が盗賊に飛び掛っていった時は肝を冷やしたよ」
「あ、あれは……!」
「君を信用していないわけじゃない。むしろ、君の成長を信じているからこそ、今は無理をせず力をつけるべきだと思うんだ」
 ワルドはテーブルに置かれたルイズの右手の制服を捲る。包帯を巻かれた手首が露出した。
 ワルドはその手にそっと顔を寄せ、包帯に口付けした。
 その様に、ルイズの背筋に奇妙な快感が走る。
「今回はこの程度の傷で済んだ。だが、次回はどうなるかわからない。何度も言うが君は偉大なメイジになれるんだ」
 ワルドはテーブルを立つと、ルイズの手を引いた。
 つられてルイズも立ち上がる。
「それまでは、僕が君を守ろう」
 ルイズの小さな右手を包み込むように握りなおす。
「ワ…ル、ド……?」
 ルイズの小さな胸が早鐘のように鳴り響く。
「結婚しよう、ルイズ」
 真っ直ぐルイズの目を見つめたまま、ワルドは言った。

324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:33:48 ID:RpAmdbi2
支援
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:34:41 ID:WXaV2pl9
支援
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:34:45 ID:EekUMTY+
支援ですじゃ
327ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:35:09 ID:H7t3ybMW
 先行していたルイズやギーシュなどと異なり、さほど疲労していなかったガッツ達はルイズ達が部屋に戻ってからも酒場で暇を潰していた。
 ガッツは一度装備を外し、義手の点検をしている。
 その様子が珍しいのか、キュルケは興味深そうに作業を後ろから覗き込んでいる。
 横のテーブルで本を開いているタバサも、目はガッツの手元を向いていた。
「……おい、離れろ。邪魔だ」
 ガッツは後ろから覗き込むキュルケを肩越しに睨む。というのも、キュルケはガッツの背中に圧し掛かるようにしていて、その豊満な胸を押し付けていたのである。
「んもう、いけずね」
 渋々といった様子でキュルケはガッツから離れる。と、ぽんぽんと肩を叩かれた。
 振り返るとパックが紙をひらひらさせて飛んでいる。
「キュルケ、文字書ける?」
「そりゃ書けるけど……どうして?」
「代筆をお願いしたい。オレ文字わかんねーから」
 キュルケに紙を手渡すと、今度はカウンターから羽ペンを取って戻ってきた。
「いいけど…何書くの?」
「契約書」
 パックはにやりと笑った。契約書の宛名はギーシュだ。
 パックは『妖精の粉』による治療費としてギーシュに法外な値段を吹っ掛け、奴隷化しようという魂胆なのである。
「……以上を払えない場合、私、ギーシュ・ド・グラモンは自身の体を用い、パック様に奉公することで返済の形を取らせていただきます」
 パックが言う言葉をキュルケが書き留めていく。
 おもしろくなってきたのか、キュルケもああしたほうがいい、こうしたほうがいいと的確なアドバイスをし始めた。
 やんややんやと盛り上がる一人と一匹をそっちのけにして、ガッツは義手を眺め、しきりに感心していた。
 いつもなら、錆が出るのを防ぐためにこびり付いた返り血を拭わなければならないのだ。ところが盗賊たちと一戦交えたにも関わらず、義手には一片の血糊さえついていない。
 オスマンの『固定化』による効果だった。固定化を施された武具は、まるで時を止めてしまったかのように以前の状態を保っていた。
「大したもんだ……」
 素直に声を上げ、ガッツは義手を付け直す。
 視線を感じ横に目を向けると、タバサが本を閉じ、無言でガッツを見つめていた。
「何だ?」
「……体は大丈夫?」
 タバサの言葉に契約書をしたためていたキュルケもガッツのほうに顔を向ける。
「そうよダーリン! あんな高さから飛び降りるなんて!!」
 キュルケの脳裏にその時の情景が甦る。
 始まりは、学院で廊下を散策していたキュルケにガッツが声をかけてきたことだった。

328ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:36:34 ID:H7t3ybMW
 ―――ルイズの後を追うために、ガッツが最初に声をかけたのはキュルケだった。
 ガッツの頼みをキュルケは二つ返事で承諾し、眠るタバサをたたき起こしてルイズ達の後を追ったのである。
 さすがにタバサの使い魔・風竜シルフィードは速かった。
 ルイズ達より大分遅れた出発になったにも関わらず、その日のうちにラ・ロシェールに到着し、日の出前に出かけたルイズ達に追いついたのである。
 ルイズ達が襲われているのを目にしたガッツ達は崖上からルイズ達を狙う弓兵たちをタバサの魔法で蹴散らしにかかった。
 異変があったのはその時だ。
 ガッツの左手でガンダールヴのルーンが強く輝いたのである。
「な、何!?」
 困惑したキュルケが声を上げる中、ガッツは直感に従い下へと目を向けた。
 そして、一人の盗賊がルイズに向かって弓を引き絞る姿を目撃する。
「飛ぶ」
 ガッツが短く発した一言を、キュルケとタバサは一瞬理解できなかった。
「物を浮かせる魔法があっただろ。それで俺を拾え」
 ようやくガッツの言っていることを理解した二人は、シルフィードから身を乗り出そうとしているガッツのマントを掴み、引き止める。
「む、無理よ! ルイズから聞いてないの!? あなたの剣はレビテーションを受け付けないのよ!!」
「たとえ剣を除くあなたの体にレビテーションをかけたとしても、あなたの持つ剣に引っ張られて、相応の加速が生じる。その着地の衝撃に耐えられるとは思わない。無謀」
 ガッツの目は今にも発射されそうな矢を捉えている。
 議論の暇は無い。
 相応の加速がつくというのなら、むしろ好都合―――!
 二人の制止も聞かず、ガッツは宙に躍り出る。
「な!? 馬鹿ーーー!!!!」
 ガッツの姿が視界から消え、キュルケはパニックに陥った。
「くっ……」
 タバサは身を乗り出し、降下するガッツの姿を視界に入れる。
 杖を振り、渾身のレビテーションをガッツの体にかけた。
 ―――着地。
 ごくり、とキュルケは喉を鳴らした。
 しばらく無言で二人は下の様子を伺う。
 その後、ガッツが駆け出すのを見届けて、二人はようやくほっと胸を撫で下ろしたのだった。

329ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:38:36 ID:H7t3ybMW
「もうあんなことしないでよ? 心臓止まるかと思ったんだから」
「こればかりはあなたに同意」
 キュルケは眉をひそめてガッツに言う。それを利用して迫ろうとしないところを見ると本当に心配していたらしい。
 タバサもよく見ると普段よりほんの少し眉の角度が急だ。
 そんな二人を交互に見て、ガッツはぼりぼりと頭をかいた。
「……悪かったな」
 言いながら鎧を身につけ、席を立つ。
「どこに行くの?」
「外の風に当たってくる」
 キュルケの問いにそう答え、ガッツはドラゴンころしを背負うと酒場を後にした。
 部屋を出るガッツを見届け、キュルケはため息をついた。
「全然反省してないわね、あれは」
「同意」
 タバサもこくりと頷いた。


 外に出ると、今にも重なりそうな程に接近した二つの月が目に入る。
 静かで、風が草を運ぶ音だけが聞こえてくる。
 まるで町全体が眠りに落ちたようだった。
 ガッツは月を見上げ、元の世界に思いを馳せた。
 シールケ達は無事だろうか。
 キャスカは、グリフィスは―――――
 知らず、右手を強く握っていた。
 指を開いて、息を吐く。
 アルビオン。元の世界では、かの『断罪の塔』が存在した地の名だ。
 ようやく見つけた元の世界との『共通項』。
 必ず、手がかりを掴んでやる。ガッツは決意を新たに再び拳を強く握りこんだ。
「相棒、何を考え込んでんだい?」
 ふいに、デルフリンガーが話しかけてきた。
「一度現状の確認をしてただけだ」
「ふぅん……時に相棒、ここに来てから娘っ子と一言も喋ってないじゃないか」
「あん?」
 思わぬ話題にガッツは眉を上げた。
「だめじゃねぇか相棒〜。相棒はガンダールヴの力が欲しいんだろう? だったらあの娘っ子とは仲良くしとかなきゃ〜」
 カタカタと鞘を鳴らしながら嬉しそうにデルフリンガーは喋りだす。
 もしデルフリンガーに顔があったならば、さぞにやにやしているに違いない。
「しょうがねえなぁ〜。相棒、俺っちがアドバイスしてやるよ。もうね、ぶっちゃけさっきの戦いで娘っ子は相棒にメロメロだから。甘い言葉でも囁いてやればころっと落ちるよ、間違いない」
 嬉々として喋り続けるデルフリンガーに、ガッツは呆れ顔でため息をついた。
 まだこの場にパックがいなくてよかったと心中で呟く。
 パックとデルフリンガーが揃うとその鬱陶しさは一気に跳ね上がるのだ。
「着てんだろ? 相棒」
「黙ってろ」
 ガチンと音を立ててデルフリンガーをしっかり鞘に収める。
 どっと疲れたガッツは部屋に戻ることにした。

330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:41:10 ID:6E0xmoLX
支援!
331ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:41:26 ID:H7t3ybMW
 ワルドは右手をルイズの腰に回すと、ぐい、とルイズの体を引き寄せた。
 左手はしっかりとルイズの右手を握っている。
「ま、待って、ワルド……」
「どうして?」
 鼻と鼻が触れ合うくらいの距離に、ワルドの顔がある。
 長い睫毛、すっと通った鼻。
 本当に、女であるルイズが嫉妬してしまうくらいに綺麗な男だった。
「わ、わたし、魔法も使えないダメメイジで、あ、あなたには釣り合わないわ」
「言っただろう? 君は必ず偉大なメイジになれる」
「わ、わたし、やらなきゃいけないことがあるの。それをやりきるまで、け、結婚なんて、だめなの」
「僕もそれを手伝おう。二人でやれば、きっとすぐに片付く」
 ワルドがルイズのほうに体を寄せる。
 思わず後ずさったルイズは、そばにあったベッドにつまずき、そのまま仰向けに倒れこんでしまった。
 ワルドがその上に覆いかぶさってくる。
 ワルドの細い髪の毛がルイズの頬をなぞった。
 お互いの吐息が顔にかかる。
 頬にかかった髪を優しく払うワルドの右手。
 ワルドの吐息は、とても熱かった。
 ばくん―――ばくん―――
 心臓が音を立てて鳴っている。
 顔はこれ以上ないくらい紅潮してしまっていて、それを見られるのが恥ずかしくて、また体が熱くなる。
「ルイズ―――」
 ワルドがルイズに顔を寄せる。
「ワ、ワルド―――」
 ルイズは思わず、硬く目を閉じた。

 何故か―――その時頭をよぎったのは、無愛想な使い魔の顔だった。

 頬に軽い感触を感じて、ルイズは目を開けた。
 ワルドが微笑んでいる。
「君の心には、誰か別の人が住んでいるようだね」
「え…?」
 ワルドは身を起こし、ベッドから立ち上がると、再びテーブルについた。
「使い魔の…ガッツといったかな。彼かい?」
「……ッ!! 違ッ! 違うわよ!!」
 ワルドの言葉の意味するところを察したルイズは、ベッドから飛び起きると顔を真っ赤にして否定した。
 ワルドは苦笑いを浮かべて言った。
「もちろん、僕もあきらめる気はない。この旅の間に、きっと君を振り向かせて見せるよ」
「ち、違うんだってば!」
 首を大きく横に振ってルイズは否定する。
 そんなルイズを眺めるワルドは、やっぱり苦笑いだった。
 しばらくして、ようやく少し落ち着いたルイズはベッドを降りた。
「それじゃあ……部屋に戻るわ」
「うん、部屋まで送ろうか?」
「ううん、大丈夫。それじゃ、おやすみなさい」
「おやすみ、ルイズ」
 パタン、と小さな音を立ててドアが閉じられる。
 それを見届けた後、ワルドは残ったワインを瓶ごとあおった。

332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:42:24 ID:x1Z8XMab
>>313
周りの反応気にしながら書いても全然楽しくないはず
書きたい物書くのが一番いいかと
333ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:43:15 ID:H7t3ybMW
 廊下は部屋の中よりも少し冷たい気がした。
 あるいは、体が熱くなったせいでそう感じるのかもしれない。
 まだ頬にはワルドの唇の感触が残っていた。
 熱を残すその場所を指でなぞる。
 頭の中ではワルドに言われた言葉がぐるぐると回っていた。

 ―――君の心には、誰か別の人が住んでいるみたいだね

 ―――使い魔の…ガッツといったかな。彼かい?

 冷静になった頭で考えて、やっぱり違う、とルイズは首を振った。
 ガッツに対する感情は、少なくとも、ワルドが自分に向けてくれたものとは違う気がした。
 確かに、大剣を振るう姿を雄々しいと感じたことはある。
 フーケを捕まえた後はどうしても一緒に踊りたいと思った。
 アルビオンについてきてくれないと聞いた時は、とても悲しかった。
 でも、それは恋愛感情としてのソレとは異なるものだ。
(強いて言うならば―――私はきっと、『絆』を感じたかったんだ)
 主人と使い魔としての―――あるいは、それに縛られない何か。
 ガッツを召喚してから幾ばくかの時を共に過ごし、フーケの一件を経て、ルイズは二人の間にそれがあることを信じた。
 ルイズはガッツを必要とし、ガッツはルイズを必要としている。
 そう信じたかったのだ。

 ―――勘違いしてるんじゃねえか?

 だから、悲しかった。舞い上がっていた自分が馬鹿みたいだった。
 結局、ガッツは自分を必要とはしていなかったってことだから。

 ―――でも、来てくれた。体を張って、また道を示してくれた。
 よくわからなくなってしまった。
 結局、ガッツは私のことをどう思っているのだろう。

 ―――ワルドに迫られて、目を閉じたときに浮かんだのは彼の顔だった。
 よくわからなくなってしまった。
 結局、私はガッツのことをどう思っているのだろう。

 どちらにせよ―――『ありがとう』くらいはいわなくちゃ。

334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:44:34 ID:dyc+tbPI
>>254
主にルイズがギャーギャー文句を言ってるなか、山じいが「ぺぃ!」と一喝するんですね。
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:44:53 ID:RpAmdbi2
支援
336ベルセルク・ゼロ20:2008/10/06(月) 21:45:27 ID:H7t3ybMW
 コツン―――と自分以外の足音。
 顔を上げれば、目の前にガッツがいた。
(―――――おぅ?)
 突然のことにルイズの頭は真っ白になった。
「あ、あう、えう……」
 なんだかよくわからない言葉が口から漏れてしまう。
 そんなルイズの様子を、ガッツは少し怪訝そうに眺めていた。
「まだ寝てなかったのか。何してんだ、こんな時間に?」
「な、何もしてないわよ! ホントに!!」
 何気なく聞いたことだったのだが、ルイズは顔を真っ赤にして大慌てで手を振り頭を振り否定した。
 そんなルイズを明らかに変なものを見る目でガッツが見ている。
「そ、そっちこそ何してるのよこんな時間に!」
「別に……ちょっと寝付けねえだけさ」
 少し遠い目をしてガッツは窓の外に目をやった。
「……それじゃな」
 ガッツがルイズの傍を通り過ぎる。
「ま、待ちなさい!!」
 ルイズは思わず声を上げていた。
 ガッツが足を止め、振り返る。
 ルイズも振り返る。
 仁王立ちで。

「助けに来るのが遅いのよ!! 私の使い魔なんだからしっかりしなさいよね!!!!」

 ビシッとガッツの顔に向けて指を突きつけてから、ルイズは大股で歩き出した。
 ガッツは呆然としてその背中を見送る。
 カキン、とデルフリンガーを鞘から出してみた。
「か、可愛いとこあんだろ?」
 さすがのデルフリンガーも声が引きつっている。
 どこがだ馬鹿野郎。ガッツは胸中でそう呟いて再び歩き出した。
 部屋に戻ると先に寝ていたギーシュの親指にパックが墨を塗っていた。
「何してんだ?」
「駄目押し」
 墨を塗りたくった親指の腹に先程キュルケに書かせた契約書を押し付けている。
 ガッツはため息をついて壁を背に座り込んだ。


 荒い息をついて廊下を走るルイズ。
 バターン! と自室のドアを開くとそのままベッドにドーン! と飛び込んだ。
 ビクーン! とメリッサが目を覚ます。
「え、え…? ルイズさん、どうしたんですか?」
「わかんないッ!! どうしたの私ッ!?」
 ルイズは心の底から悲鳴をあげるのだった。

337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:51:25 ID:6E0xmoLX
さるさんかな?
とりあえず支援!
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:51:31 ID:5KsEgYDB
変なの書いてごめん・・・。
アクセス規制で書き込めなかったので・・
>>313難しいと思うけどおもしろそう。伝説系を召喚っていったら、ラティアスを召喚した「ゼロの夢幻竜」っていう作品もあるし。
ポケモンの伝説系は何気にとんでもない能力をもってるのが多い。
>>266同じく獣人で思い出したんだが電撃文庫の「月と貴女に花束を」か「麒麟は一途に恋をする」っていうの読んだことある人いる?
人狼やら獣人やらがわんさか出てくる話なんだが。
だいぶ前のだけれど。
339ベルセルク・ゼロ代理:2008/10/06(月) 21:53:00 ID:6E0xmoLX
鳥が歌う、朝。
 ルイズはゆさゆさと体を揺すられて目を覚ました。
 まだ覚めきらず、ぼんやりした視界に亜麻色の髪の毛が映る。
「ルイズさん、大変ですよ!」
 メリッサは随分慌てている様だった。
「うん〜……どうしたのめりっさ……」
「ワルドさんとあの大きな剣を持った人が決闘するっていうんです!!」
 寝ぼけたままごしごしと目をこするルイズ。
 メリッサの言葉の意味が脳に浸透するまでには少し時間がかかりそうだった。
 1秒――2秒――3秒。

「えーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」

 心地よく朝の訪れを告げていた鳥たちが、突然の轟音に驚き、せわしなく首を動かす。
 ルイズはベッドから弾ける様に飛び出すと、寝癖もそのままに部屋を飛び出した。


 『女神の杵』亭、中庭。
 かつて貴族たちが奮って訓練に励んだという練兵場に、二十歩ほどの距離をとってワルドとガッツが向き合っていた。
 端に詰まれた樽や木箱にギーシュ、タバサ、キュルケが観客気分で座っている。ギーシュの肩にはパックの姿があった。
 そこに息を切らせてルイズとメリッサがやってくる。
「何よこれ! どういうこと!?」
 事情の説明を求めるルイズに、ギーシュは肩をすくめて見せた。
「さあ、僕らもわからない。僕らが気付いたときにはもう決闘することが決まってたんだ。というか、君、髪……」
「うるさいッ!!」
 ルイズは唇を噛むと、ワルドとガッツに向かって叫んだ。
「ワルド、ガッツ!! やめてよ! 今はこんなことしてる場合じゃないでしょう!?」
 練兵場の中央でワルドと向き合うガッツは顎でルイズをさして言った。
「……だってよ?」
 構わずワルドは腰に差していた杖を引き抜き、ガッツに突きつけた。
「先程も言っただろう? これは必要なことなのだ。僕には姫殿下よりたまわった任務を遂行する義務がある。そのためにも、リーダーたる僕は君の力を正確に把握する必要があるのだ」
 ガッツは無言で背中のドラゴンころしに手をかける。
 杖を構え、ワルドは笑った。
「それに……婚約者に少し良い所を見せねばな」
 ワルドの言葉にガッツは眉を上げた。思わずハッ、と声が漏れる。
「どいつもこいつも……お前ら、そんなにあいつが好きか?」
「君は嫌いかね?」
 ドラゴンころしを背中から抜き、腰を落とす。
 それから、スッ――とドラゴンころしを後ろに引いて構えた。
 口の端を持ち上げて、ガッツは笑う。


「ああ――――うるせぇ女は、嫌いだね」
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:54:26 ID:5KsEgYDB
支援
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:55:04 ID:dyc+tbPI
支援

ガッツーガッツー、ビバガッツー!
342ベルセルク・ゼロ代理:2008/10/06(月) 21:55:58 ID:6E0xmoLX
投下終了
またさるさんくらいました。代理やってくれる人にはホント申し訳ないです
書き始めたからには完結させたい、誰もが思ってることだと思います
長い目で見てやってください
私も頑張ります
そんじゃまた



以上、代理投下終了です
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:59:43 ID:RpAmdbi2
ガッツの人乙

魔法が効かないドラゴンころしだとエア・ハンマーはどうなるんだろう
ふと、野球みたいに打ち返すとこ想像してしまった
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:01:41 ID:dyc+tbPI
乙です

いやーカッコイイ引きですね
頭の中でウラケンの絵で再現されましたw
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:06:35 ID:6E0xmoLX
代理投下初めてだったんだけど、無事にできてよかった…
それでは感想を

ルイズ… なんというか…バカ?w
そんな事言ったんじゃ、ますます関係が悪化していくなぁ

ガッツも相変わらず無茶するなぁ〜
タバサのレビテーションが間に合わなかったらどうなってたんだろ?w

何気にメリッサが気に入ってきました
次回も楽しみにしております!
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:06:42 ID:YS23oMwH
狂狼の鎧の人乙!

>>343
風の魔法は魔法による衝撃を与えるか、
それとも魔法で風を起こしてそれぶつけるか、
で違ってくるんじゃないかな?
SS作者の考察次第だから突っ込んだことは避けるけど。

でたとこプリンセスってコミックで後者の考察をしていたから
魔法無効化が効かない地味だけど強力な魔法だったな。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:11:13 ID:mqGnCOrv
トリスティン国立ハルケギニア防衛軍の話書きたいな

「ラグドリアン湖のひみつ」
「ガーゴイル0指令」
「超兵器火石爆弾1号」
「70000人を突っ切れ!」
「散歩する浮遊大陸」
「誘拐する死者たち」
「エルフの使者」
「サイト対ガンダールブの決闘」
「あんた誰?」
「ハルケギニア史上最大の侵略(後編)」
「欠番」

と各サブタイだけは出来てる
348ゼロの工作員:2008/10/06(月) 22:14:05 ID:PahpCKJ/
22:23に投下します
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:21:13 ID:EekUMTY+
なんなんだ、この投下ラッシュは!?
今日は日曜でも土曜でもなかったはず!?
すげえ、すげえよ支援!
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:21:42 ID:tuEFrnsv
>>347
欠番タイトルはアルビオンより愛を込めてですね、わかります
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:23:10 ID:PahpCKJ/
潰れた賭博場の隣に武器屋はあった。
店内は明るく開けている。
貴族向けの武器であろう、ごてごてと宝石が誂えられた剣や金の装飾が入った銃が目に付き、
見栄えの悪い無骨な銃やナイフは角に追いやられている。
置いてある銃もフリントロック式のライフルや、シリンダーの中に直接銃弾を埋め込む種類の
打ち切り型のリボルバーが並んでおり、当然薬莢を使った銃や遅延近接信管式の弾は売っていない。
武器屋よりも骨董品店が相応しいとフリーダは思う。
手首に隠してある銃の入ったホルスターを触る。
補給は受けられないから大事に使わなければいけない。

「貴族様とは珍しい。隣のお嬢さんは護衛の方ですかい?」
ルイズが扉を開けると中で暇そうにしていた店主が跳ね起き、
にやにやと揉み手をしながら高そうな商品を勧める。

「護衛の方の体格に合わせたものでしたらこれが一番でさあ」
鞘に金銀宝石の埋め込まれた鞘の付いたレイピアを店の奥から出す。
なるほど、店主の勧めは理にかなっている。
魔法使いを相手にした場合、呪文を唱えられる前に殺るのが理想。先手必勝だ。
レイピアなら護衛の際、鞘から抜くのが楽であるし軽くてフリーダにも使いやすい。
いくら破壊力が大きいからといって、対物ライフルを持ち歩く馬鹿者はいない。
自分の体重より重い武器を自在に振り回せるのは漫画の中だけだ。
身の丈にあった武器こそ必要だろう。


「ルイズ、どんな武器買うの?」
「貧弱そうな武器ね。簡単に壊れちゃうんじゃないかしら、これはどう?」
「素敵な剣よね」
ルイズが壁に立てかけられた巨大な西洋剣を指す。
130cm超、宝石が散りばめられた、分厚い刀身の両刃の剣だ。
何らかの技術でコーティングされているのか顔が写りそうなほど刀身が輝いていた。
キュルケは光物に目を晦ませ、カウンターに乗り出し店主に色仕掛けをかけ
タバサは冷ややかにその姿を見ている。

「いえ、これは少し大きすぎね」
「そう?」
物語の騎士は煌びやかな鎧に身を包み大剣を軽々と振り回し、竜さえ倒す。
このお嬢様は私を御伽噺と勘違いしてるんじゃないかしら。

「ところでこの辺りは治安が悪いのかしら。さっきは掏られそうになったわ」
「昔は良かったんですがねぇ。不景気で」
ルイズ達に気付かれないようそれとなく追い払ったスリの中に杖を使った奴が居た。
平民の何倍も働ける便利な魔法が使えるのに、
身を堕とした彼が昼の大通りのど真ん中でスリを働く、景気は深刻なのかもしれない。

「武器を使うのに携帯許可証はいるの?杖振ってきたスリが居たから」
「まだ田舎の方にはワイバーンや亜人がでやすから、いらねえですよ。
 それにしてもどうして気にするんですかい?武器は貴族の特権だあね」
「そうね。ありがと」
ルイズでも知っている場所、街の真ん中で堂々と店を構え、
ワイバーンや亜人の脅威がある以上、ある程度の日用品として使われている。
都市部の人間は持っていないが、田舎の方になると使うのかもしれない。
害獣が野放しで、武器が一般流通に載っていて、杖を振り回す犯罪者が居るから治安は悪いのだろう。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:23:56 ID:PahpCKJ/
「携帯用ナイフ数本と艶消し、リボルバーとシリンダーをいくつか、ワイヤーも貰おうかしら」
「「ねえっ!剣は!」」
ルイズとキュルケの声が大きい。耳元で叫ばないで欲しい。
彼女達は剣を貴族のステータスと思っている。
フリーダには、剣など持つつもりになれなかった。
人を殺すにはナイフで十分だ、剣相手にはリボルバーを使えばいい。
ハルケゲニアの銃技術は未発達だが、それでも十数メートルの以内の相手に対しては効果的だ。
魔法使い相手は、剣を背負っているだけで狙い打たれて終わりだ。
だったらそれと判らないような武器が必要だ。
剣は大きく邪魔で重い、持っているだけで目立つのだ。

「おでれーた!嬢ちゃん、見た目にそぐわず渋いねぇ!」
背後から男のダミ声が聞こえた。
振り返っても、あるのは剣の束だけ。
店主が声の方向に向かって叫んだ。

「こら! デル公てめぇ、お客様に生意気な口聞いてるんじゃねぇ!」
「へっ! 艶消し買った嬢ちゃんはこの店じゃあ初めてだ!
 貴族は見た目ばっか気にしてぴかぴかにしやがる。剣は使うものだってのによお!」

「デル公!たまにはいいこというじゃねえか!」
ずれた眼鏡を治しながら声の主を探す。

「珍しいわね。インテリジェンスソードじゃないの」
「インテリジェンス?」
「そうよ。意思を持って話す剣、魔法が掛かってるはずだから切れ味もいいし、錆びない筈だけど…」
ルイズが得意げに話し、言葉が詰まる。
声に合わせてつばの辺りの金具がカチカチ動くその剣は、赤く錆びていたのだ。
好奇心から抜き身で置いてあった150cmほどの長大な剣を試しに振ってみる。
持つと不思議に力が湧く、自身のためにあつらえたみたいにぴったりと手に馴染んだ。
錆びていても重量で斬る種類の剣なのであまり関係ないだろう。

「面白いわね」
「「ええ〜」」
ルイズとキュルケが唱和する。
二人はいい剣あるのにと、しきりに豪華な剣を勧めてきた。それでもフリーダは断った。
何処に機械を埋め込んでるのかしらとか、会話パターンはどの程度か、
人工知能をどうやって小さくしたのか、どうして剣の姿なのかなど
『武器として使おうと全く思わなかった』が興味は尽きない。

「名前はデル公って言うの?」
「デルフリンガーだ。嬢ちゃん…あん」
剣のつばに付いている口のように動く金具に無理やり指を突っ込む。
「ふがふが…過去は聞かねえよ」
「賢明ね」
353ゼロと工作員:2008/10/06(月) 22:24:43 ID:PahpCKJ/
買い物の帰り道、重そうにきゅいきゅい鳴くシルフィの背中で、タバサは背後のフリーダを盗み見た。
彼女は珍しそうに風景を眺め、手元のインテリジェンスソード、デルフリンガーと話している。
唇を読み取るとレジャイナや傾斜都市といった聞き慣れない地方の言葉を喋っている。

「デルフリンガーだ。嬢ちゃん…あん」
言葉の途中で口を塞がれ最後まで聞き取れなかったが
あの時、デルフは何と言い掛けたのだろう。
「…過去は聞かねえよ」
デルフの声は低い。

武器屋で買った品物はナイフとリボルバー、剣には見向きもしなかった。
選んだ艶消しは剣や銃の反射をなくし、隠匿するもの。
見た目が悪くなるため普通、騎士や貴族は使わない。
ナイフや銃に塗って夜襲や待ち伏せをする実利重視の傭兵達が使うものである。
リボルバーのシリンダーごと弾を買ったのは弾込めの手間をなくすためだ。
銃の弾はシリンダーに入っているから、撃ち尽くしたらシリンダーごと変えるのは常識だ。
ギーシュとの決闘で魅せた体術と間接や急所を殴る迷いのなさ。
彼女は始めから目と首、膝の関節を狙っていた。胡椒を投げつけたのも適切な行動
加えて店の中で振るった剣先、狭い店の中で150サントもの剣を自在に振り回している。

「アンタ使い手か?」
「………何、それ」
フリーダとデルフの声が聞こえた。
インテリジェンスソードに認められ、使い手と呼ばれるからには相当な技量を持っている。
それがどんな技術かは抜きにして。

フリーダは素敵な人だ。
頭も良くて、綺麗で、優しい。料理も上手で話す言葉は常に正しく尊敬できる人。
ルイズやキュルケが馬鹿をやると、いつも困った笑みを浮かべて見守っている。

武器を買う姿をみて、『普通の人』だと思っていた彼女が
自分と近い暗い場所に居ると気付き、親近感を持った。

彼女は自分と似ている。
自身を知られたくないと仮面を被り偽っている。
だけど似すぎていて、なんでも出来るフリーダに『雪風』のタバサは嫉妬した。
「ねえ、シルフィ・・・寒いよ」
上空の風が寒くて羽織ったマントを握り締めた。
354ゼロと工作員:2008/10/06(月) 22:26:22 ID:PahpCKJ/
「おでれーた!使い手が暗殺者だなんてよお!」
「人の記憶を盗み見るなんて、悪い趣味をしてるのね」
フリーダは壁に立て掛けられたデルフリンガーを睨みつける。
人気のない倉庫の角、ルイズ達は授業、シエスタ達はこの時間は別の場所で仕事をしている
ここは見回りの教員達も近寄らない、もしものために探しておいた場所。
両手にはギーシュに造ってもらったハンマーが握られている。

「おっーと!待ってくれ。誰にもいわねぇよ。持ち主を守るのは剣の義務だぜ」
「何処まで判ったの?」
壊す前に聞いておかなくてはいけない。
今度同じ目にあった時、対処しなければいけないから。

「持ち主のことは大体判るわな。例えば、今まで殺った人数、記憶を書き換えた回数…」
「…やっぱり、壊すわ」
ハンマーを頭の上まで振り上げる。

「待て待て待て待て。俺にだって利用価値はあらあな!」
剣のつばをカチカチカチカチ捲くし立てる。

「<固定化>の魔法が掛かっていて簡単には壊れない」
「俺はお前のための剣で、魔法だって吸収できる!」
「………お前のため?」
ハンマーをデルフの真横に振り下ろす。
床が砕けひぃっと悲鳴が漏れた。

「俺は使い手のための剣だ。フリーダは使い手、こんな剣この世に二つとないぜ!」
「説明してくれる?」
閉めたドアに近寄り、周囲の気配を探る。

「………話しなさい」
「手に刻まれたルーンがあるだろ?そいつぁ、ガンダールヴ、虚無の使い魔の証明さ」
静かな部屋に声とカチカチと唾の音だけが響く。

「…知ってるわ」
「ガンダールヴはあらゆる武器を使いこなせる。フリーダは剣使ったこたぁねぇだろ?
ナイフや銃は慣れてるみたいだけどな!」
フリーダの<<記憶領域>>に入っている情報には白兵戦の技術もある、
銃やレールガンを持つのが当たり前の時代に古臭い剣を使う必要などない、
体術や棒術の心得はあるつもりだが、専門の技術は持っていなかった。

「武器を触ってみな、構造や使い方が判るぜ。魔術で体も強化される」
「どうして黙っていたの?」
じろりと睨んだ。

「忘れてたが思い出したんだ。死にたくねえからな。無機物の俺だって死ぬのは怖い。
 本当はときが来たら教えるつもりだったんだが、仕方がねえやい」
手首ホルスターに格納してある電磁誘導銃を触る。
頭の中に設計図が流れ込み、力が湧き上がる、手を見ると文字が光っていた。
射程や残弾、中の細かい傷までが手に取るようにわかる。

「……………これで全部?」
「そうだぜ。ぶっそうなハンマーから手を離してくれよ。無い心臓に悪い」
「なら聞くことは無いわね。さよなら」
高々と上げたハンマーを振り下ろした。
355ゼロと工作員:2008/10/06(月) 22:27:54 ID:PahpCKJ/
「ちょ、待てええええええ!」
「…やっぱり、まだ隠してたわね」
振り下ろす勢いを殺しきれなかったハンマーが軽くデルフの刀身に当たった。

「おめー、マジだったぜ!俺に眼があったら怖くて泣いてらあ」
「………………」
ガチガチガチガチつばが鳴る。

「語学のために聞いておく、どうして見抜けた?」
「少し脅しただけで喋ったわね、あらかじめ答えを用意しておいたんでしょ」
「おお怖ええ。いやあ、大した使い手だぜ」
出来の良い弟子に出会ったみたいにかっちゃかっちゃと愉快そうに鳴った。

「俺は魔法を吸収できてな、その魔力を身体能力強化に廻せるんだよ」
「相手が強いほど強くなるわけね。どれぐらい吸収できるの?」
フリーダはデルフを値踏みする。

「スクウェアクラスでも十分吸える、戦略級の大魔法や軍の一斉射撃は無理だがな」
「吸収できるだけじゃガンダールヴのためである武器の意味は通らないわ」
かっちゃかっちゃ鳴らす。

「見抜かれちまったか。俺は魔術を使い手がガンダールヴでなくとも吸収できる」
「けどな、吸っちまったもんは出さないといけねえ。ガンダールヴの身体強化に
 魔力を使えねえと破裂しちまう。使い手意外が使うと吸収力も落ちる」
「過剰な薬は毒なわけね。他にも制約はありそうね」
考えているのかカッチンカッチンつばを鳴らす。
356ゼロと工作員:2008/10/06(月) 22:28:39 ID:PahpCKJ/
「身体強化しても、体に負担を掛けるから長時間の行動は無理だぜ。
 元の身体能力が高い奴はより力が引き出せる。 
 俺の力を引き出すためにゃ『心の震え』が必要だ」
「『心の震え』?」
「怒りや悲しみ、強い感情さ。フリーダは感情を押さえ込む訓練をされてるから
 出すのは難しいと思うぜ」
人の心まで理解出来るとは、とんでもない剣だ。
どこにでもありそうな見た目の量産品剣に、
ここまでの会話能力と知識を付ける魔法は反則だ。
そこらの人よりよっぽど人間らしい。

「デルフって凄い剣なのね」
「おう!当然よお!伊達に5千年は生きてねえよ。まあ殆ど寝てたがな
 久々に人とたくさん話せたぜ」
機嫌良くかっちゃかっちゃ動く。

「素晴らしいデルフなら錆びも吹き飛ばせるわよね」
「もちろんだ!破ッ!」
剣の表面に付いていた錆が一瞬で消え、美しい刀身が姿を現した。

「やれば出来るわ」
「え?」
フリーダは少し嬉しそうだった。
だが、それ以上にデルフは興奮していた。

「ふおおおおおおおっ!」
「どうしたの?」
「錆取れるの忘れてたぜええっ!」
「………良かったわね」
5千年も生きて呆けてやしないだろうか?

「人前では錆は取らなくていいわよ」
「どうしてだい?折角思い出したんじゃねえか」
不満そうにカチャカチャ。

「………ルイズを喜ばせるの、癪だもの。偽装もあるから」
「捻くれてるなあ。フリーダ」
少し素直になったフリーダにデルフは笑いながら言った。

「これからよろしくな。相棒」
「………ええ、宜しく」

剣の塚を握られ、5千年を生きた剣、デルフリンガーは確信した。
悪くない使い手だと。
357ゼロと工作員:2008/10/06(月) 22:30:21 ID:PahpCKJ/
最初に投稿したものに名前入ってなかったのは済まない。
タバサは頭がいい。けど斬れ過ぎて誤解する子だと思う。
買ったのはアニエスが持ってたリボルバーと同じもの、シリンダーを直接薬室にしている銃。
新宿に居る女郎花と眼帯の凍らせ屋と同じ種類の拳銃と書いたら判る人しか判らないと思う。
wikiに登録してくれた方には感謝。誤植と改行が酷いので近いうちに直します。
原作キャラをないがしろにしないように書けているか心配。タバサかわいいよデルフ。
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:32:36 ID:BsNPR1lv
ベルセルク乙でしたー

ワルド死亡?
精神力回復しても勝ち目がないってわかるだろJK。
まぁ、ワルドは本気でやらないだろけど、ガッツは絶対手加減しないからなぁ
やっぱりワルド昇天だな


つーか、アルビオン行ったらえぐい事が起きそうな気が・・・
ここでワルドが戦闘不能になった方がよさそう
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:33:27 ID:BsNPR1lv
っと思ったら工作員の人が投下してた
割り込み失礼しました
360無惨の宴舞台裏・中編:2008/10/06(月) 23:17:24 ID:LKliUvGA
予約もないようなので投下をさせていただきたいのですがよろしいでしょうか
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:17:46 ID:IjpkFxT2
なにこの投下率
今日は祭りですか?
362無惨の宴舞台裏・中編:2008/10/06(月) 23:19:05 ID:LKliUvGA
 壷のふちにかけた爪先を強く押し出す。ゴロリと転がった壺の中からは臭いの強い
液体がこぼれ出し、地面と、その上に座らされていた使い魔の体をしとどに染めた。け
して大きくはない油壺だが、それでも人間三人くらいは楽々焼死させるだけの油が入る。

「なんだこれ? 変なにおいだな」
「なんだこれ、だって? 今さら聞くことじゃないね」
 泣きわめいて命乞いをするなら命だけは助けてやらなくもなかったが、使い魔にその
つもりはないらしい。ならばイザベラもすることは一つしかなかった。

「なんか皆こっち見てるな」
「ふん。このわたしに逆らった愚か者の末路を見届けたいんだろうさ」
 地下の拷問部屋とは違い、ここ中庭には人の目がある。仕事の手を休めてこちらを見
ている庭師、足を止めて目をやる騎士、恐怖で震える侍女、何かあると聞いてわざわざ
やってきた物見高いやとわれ建築家。それらの目には少なからず使い魔への哀れみと蛮
行への非難が含まれていたが、世間体を憚(はばか)るイザベラではない。うっとうし
いから散るように命じてもよかったが、それよりは見せしめとして衆人環視の中で火を
つけた方が効果的だと考えた。

「イザベラに逆らうやつがいるのか。悪いやつだな、俺が懲らしめてやるよ」
「ああそうかい。そりゃ殊勝な心がけだね」

 後退しながらコモンで発火、そもそもが燃やすためのものということもあり、瞬時に
炎が燃え広がった。小さな爆発といっていい。
 燃え盛るにつれ、王女の表情も変化した。眉尻は上がり、口が曲がり、頬が引きつり、
不敵な笑顔が苦虫を噛み潰すと表現される顔になる。

「上は大火事、下も大火事、なーんだ?」
「……お前か?」
「正解! イザベラあったまいいー!」
「ああそうかいそうかい、へっちゃらかい。そんなこったろうと思ってたよチクショウ」
 薄々こうなることを予想してはいたが、実際こうなってみると忌々しいことこの上な
い。橙色の火炎は使い魔の動きも言葉も何一つ縛ることはなく、ただ空しく赤い舌を天
へと伸ばし、立ち尽くすイザベラを照らしていた。

「おい! 誰でもいいから水を持ってきな!」
 このまま燃やし続けても効果は無さそうだ。とりあえず水でもかけさせようと声をか
けたが、様子がおかしい。奇異な気配に振り返ると、先ほどまで距離を置いて見ていた
騎士や召使いが、手を伸ばせば触れそうな距離にまで近づいてきている。

「お前ら、なにをぼうっと突っ立ってんだい! さっさと水を持ってこい!」
 いや、突っ立っているという言葉は正確ではない。彼らはじりじりとイザベラの方に
歩を進めていた。もっと言えば、イザベラではなく、彼女の使い魔に目を向けていた。
363無惨の宴舞台裏・中編:2008/10/06(月) 23:19:47 ID:LKliUvGA
 その目は熱病にうかされた患者か、はたまた末期の麻薬中毒者か。焦点の合っていない目
で前を見、何かを求めるかのように腕を突き出し、同じ文句を口の中で繰り返す。

「おいしそう……」
「食べてみたい……」
「どこだ……どこに……」
「ああ……あそこに……」

 心なしか、当初いた見物人よりも数が増えている気がした。
「お前ら……いったい……」
 じりじりと距離が詰まる。身の危険を感じた王女が横に避け、燃え上がる使い魔と餓えた
 見物人の間を隔てるものは何も無くなった。

「ああ……この焼ける香り……」
「なんていい匂い……」
「我慢できない……」
「う、うう……」
「あれ? ひょっとして、俺、狙われてる?」

 細かく刻んでいた足取りが一気に動いた。掴みかかる騎士をかわし、侍女の腕をかいくぐ
り、股下を抜けて使い魔が走る。
「おっと! よく分からんが、そう簡単にはつかまらないぜ!」
「ちょ、ちょっとそっちは……」
 制止しようとした王女の声は誰の耳にも届かなかった。プチ・トロワの中に駆け込む使い
魔を追いかけ、十数人に膨らんだ群狼が怒涛の勢いで突進していく。そして炎に包まれた使
い魔の通った跡がどうなるかは自明の理であり……。

「うわああああ! 火! 火! 誰か水!」
 イザベラの命令を聞きうる人間はすでに使い魔が連れ去った。当然誰も助けてはくれない。
「ええい役立たずどもめ!」
 自ら消しに回るしかないのだが、消している間にも使い魔は走り回り、絨毯やカーテンに
燃え移り、それをイザベラが消し、やっぱり消してる間に延焼し、それも消し、また燃えて、
でも消して、延々と続くかと思われたいたちごっこだったが、やがて火の勢いは衰え、使い
魔が焼ける匂いも薄れ、見物人が一人、また一人と狼から人間に戻り、皆が正気を取り戻し
た時、精神力を消耗しきって仰向けにぶっ倒れたイザベラが保護された。

 焼けた使い魔の匂いに狂わされていた人たちは狂っていた時の記憶を失っていたため、何
が起きたのかはイザベラと使い魔しか知らない。何がどうしてこんなことになったのだろう
と首をひねりひねり各々の仕事に戻る見物人たちを尻目に、寝台に寝かされたイザベラは一
人歯噛みした。

 事を公けにしてしまえば自分一人が責めを受けることになる。使い魔の性質もろくに把握
せず、火事を起こしそうになった間抜けな王女として陰で笑われることになるだろう。見物
人たちはあくまでも被害者であり、到底罰することはできない。

 住居でもあるプチ・トロワが大損害を受けた。大火事になることは防いだが、見た目はか
なりみっともない。完全に修理しきるにはどれだけの時間がかかるか考えたくもなかった。

 何より使い魔だ。
 イザベラの為政者としての姿勢は、恐怖による統制を基本とする。実際はそこまでご大層
なものではなかったが、少なくとも本人はそう考えていた。怠け者には罰を、役立たずには
罰を、失敗には罰を、イザベラを不快にさせるあらゆる行為に罰を与え、二度とそのような
事態に陥らないよう心と体に教え込む。

 だがここに恐怖を知らない者がいた。物理的な暴力にも屈せず、魔法的な暴力はものとも
せず、精神的な暴力など認識さえせず、無礼千万な態度で接してくる非常に不愉快な使い魔
がいた。
364無惨の宴舞台裏・中編:2008/10/06(月) 23:20:21 ID:LKliUvGA
「ようようイザベラ、なにしてんだよ」
「うるさいねぇ……あっちへ行きな。わたしは考え事で忙しいんだ」
「そんなつれないこと言うなよう。一緒に遊ぼうぜ!」
「あ、ちょ、馬鹿っ、足ひっぱんげぼっがはっぐへっごごごごっ! がっ! ぐげっ!」
「あれ? どうしたんだイザベラ、いつの間にかズタボロじゃないか!」
「お……お前が……引き……ず……」
「いったい誰が俺のイザベラにこんなことをしたんだ! 許せん!」

 使い魔への対策を練るべく、考える時間が欲しいのだが、それすらもままならない。近寄
らないよう言いつけても、気がつけば隣にいる。心の休まる暇がなく、時には肉体的な被害
も受けた。このままでは使い魔に殺されてしまうかもしれないが、そんなことを誰かに相談
すれば『使い魔を御することさえできない阿呆メイジ』の烙印を押されてしまうことは必至。
だいたい主である自分に分からないものを、他の誰が解決できるというのだろう。

「どうする……どうする……どうすれば……」

 自分の部屋も、寝台の上も、考えるに相応しい場所ではないことが証明された今、イザベ
ラは浴槽に腰掛け一人物思いにふけっている。さすがの使い魔も入浴と用便の最中は襲撃を
自重するらしい。「俺って紳士だからな!」などとほざいていた。「どこの紳士が乙女の寝
所を急襲するんだい」という言葉は喉の奥に飲み込み、浴室の壁によりかかって対策を練る。

 脳細胞を回転させ、思い、悩み、考え、念じ、おもんばかるが、解決の糸口さえ見出すこ
とができない。どうしても怒りが先立ち、感情が理性より先行してしまう。

 ――クソ、クソ! あいつめ、あのチクショウめ。あいつのせいでこんな目にあわされた。
何が悲しくて服を着たまま薄暗い風呂場にこもらなけりゃならないんだ。だいたいこのわた
しに歯向かおうなどと……いや、べつに歯向かってるわけじゃないか。でもそれだけにたち
が悪い。あいつは自分が悪いことをしてるなんて考えてない。あんなやつ、今まで一人だっ
ていなかったのに。ちょっと罰をチラつかせてやれば、見目の良さを鼻にかけた役者も、や
っとう自慢の傭兵も、肥え太った商人も、北花壇の腕利きも、どいつもこいつも真っ青にな
ってわたしに頭を下げる。当たり前だ、わたしにはそれだけの力がある。そうじゃないやつ
なんて今まで一人だっていない……うん? ああ、そうか。感情の機微を知らない可愛げ皆
無の鈍感鉄面皮人形娘がいたっけね。人形娘……人形娘か。ふむ。

 指をかけ、顎を引いた。何か思いつきそうな気がする。
 イザベラはさらに深く黙考した。

 ――人形娘か。吸血鬼退治を命じた時も、極楽鳥の卵をとりにいかせた時も、冷や汗一
つかかずに命令を受けたっけか。だけどどうする。人形娘にあいつをどうにかさせる?
それはだめだ。言うことを聞かない使い魔の世話を頼むなんて北花壇騎士にも頼めない。
ましてやあいつになんか絶対に頼みたくない。どうする……でも人形娘ならどうにかでき
るか……どうだ? 分からない……。

 糸口は見つけた。だがそこから先に進まない。より深く、もっともっと深く深く……。

 ――真っ当に考えちゃいけない。あのいんちき生物相手にするんだ。受身になるな。そう、
逆にこちらか攻めるくらいの気概を持って……こちらか攻める……逆に……逆に……。

「そうか……!」

 月夜の明かりがイザベラの頭脳に働きかけたのか、浴場に充満した香木の香気が何らかの
作用を及ぼしたのか、それとも追い詰められた末に能力以上の力を発揮してしまったのか。
小さく快哉を叫ぶが、ここで終わらせてはならない。名案をより現実的なものに練り上げる
ため、イザベラはさらなる考えの渦に身を投じた。
 考えなければ。考えなければ。もっともっと考えなければ……。
365無惨の宴舞台裏・中編:2008/10/06(月) 23:20:56 ID:LKliUvGA
「なに? イザベラを困らせるやつがいる?」
「ああそうさ。わたしはいつもそいつのことで頭を悩ませてるんだ」
 翌日。
 ひそやかに、そして綿密に計画された使い魔への逆襲プロジェクトが幕を上げた。
 こみ上げてくる笑いを押さえつけ、ごく自然なふうを装って寝台に半身を横たえたままで
使い魔に話しかける。絨毯の上で子供向けのアルヴィーをいじっていた使い魔は、おだやか
ならぬ口調でイザベラの愚痴に応じた。

「どういうことだよ。イザベラは王女だろ。しかも美人で大魔法使いだ」
 皮肉で言ってるんじゃないだろうねという言葉を飲み込むイザベラ。

「それでいてワイルドでかっこよくて、でも可憐で愛らしいという相反する魅力も備えてい
る。おでこは美しく唇はエロかわいい、均整のとれたパーフェクトボディーはぼんきゅっぼ
んなだけの下品な肉体とは一線を隔し、肌はキメ細やかでその色は白雪のよう、シャンプー
かリンスのCMに出演可能なサラサラヘアーはファンタジー世界でしかお目にかかれない鮮
やかな青色一色、クールな瞳も当然髪と同じ色だがクールな中にほのかな温かさを秘め、ポ
ーションと両巨頭で青色の癒し担当って感じだな。振る舞いは優雅、王族の青い血がそうさ
せる美しい挙措、脚の動かし方一つで国が傾こうってなもんだぜ。だがそれでいてけして偉
ぶらないくだけた態度が好感度MAX、俺みたいな正体不明の怪物を一生の相棒に選んでく
れるところなんか涙が止まらないね。もちろん芸事に関してもロイヤルクラス、ひな壇芸人
くらいなら裸足で逃げ出すリアクション芸を身につけていて、聖母もかくやの優しさを持っ
ていながら素直になれずつんけんしてしまい周囲からは誤解される、ツンとデレのバランス
を完璧に保つヒロインの中のヒロインといっても過言ではない存在……ああ、俺ってなんて
幸せものなんだ。ちょっと前まで寂しくて泣き暮らしてたのが嘘みたいだ。イザベラの使い
魔になることができて本当によかった。家族ってこんなにも温かいものだったんだな」
 お前に褒められたってこれっぽっちも嬉しくないね、だいたい何を褒めてるんだか分かり
づらいんだよそれにお前は使い魔であって家族じゃないんだくそったれと吐き捨ててやりた
いが我慢するイザベラ。

「そんなイザベラ・ザ・ビーナスに逆らおうだなんて! なんて無謀で誰も得をしないマネ
を! いったいどこのどいつだ!」
「北花壇騎士七号。無法者、ならず者、凶状持ち、通り魔や暗殺者、悪党の見本市ともいう
べき北花壇騎士団の中にあって最強の名をほしいままにしている小娘さ」
 吸血鬼を鼻息で吹き飛ばした、火竜をブン殴って無理やりに従えた、ミノタウロスはやつ
の子分に過ぎない、ガリア最大の軍艦が爆破された時は爆心地にいたが、一人だけピンピン
していた、などと虚実交えて――虚が八割を占めるが――朗々と語る。まるで台本を読んで
きたようだが、実際そうなので仕方ない。

「吸血鬼!? それに竜だって!? この世界にはそんな魔物がいるのか……俺なんてまだ
まだだな」
 いや、お前ほどおかしな魔物はいないと言いたかったが耐えるイザベラ。

「さすがの俺もヴァンパイアやドラゴン相手じゃ勝てそうにない」
 お前なら勝ちかねないよと言いたいがこらえるイザベラ。

「しかもそんなやつらを蹴散らす女の子だと? いったいどれだけの化け物なんだ……」
 お前ほどの化け物がこの世にいてたまるかとは言えず、聞き流すイザベラ。
366無惨の宴舞台裏・中編:2008/10/06(月) 23:21:44 ID:LKliUvGA
「そうさ。自分の強さを知っているから腹の中じゃわたしを馬鹿にしている。命令こそ聞く
ものの、勝手な振る舞いでやりたい放題。おまけに宮殿の中でわたしの悪い噂を流すもんだ
から、わたしよりもあいつが次代の女王に相応しいなんて考えるやつまでいる始末」
 使い魔からは見えない角度で自分の尻に指を這わせ、爪を立てて全力でつねり上げた。生
理現象としてにじんだ涙を、さも悲しいかのように見せつける。
「狡猾なあいつは証拠なんて残しやしない。罰することもできず、暗殺に怯える毎日」
 うつむき、じっと唇を噛む。
「わたしだって、本当はあいつと仲良くしたいのに……」
「そうか……そういうことだったのか。これで全ての謎が解けたぜ」
 使い魔が握り締めていた鉄製のアルヴィーが、切なげな音をたててひび割れた。

「いきなりイザベラがズタボロになったことがあったろ。あれも七号の仕業だな」
「ああ、そうかもね」
 お前だよお前とは言えないイザベラ。

「いつも何かに怯えているっぽいのもそいつのせいか」
「ああ……そうかもね」
 やっぱり言えないイザベラ。

「考え込むことが多かったのもそいつのことで悩んでいたからだな」
「ああ……そう……かもね」
 言えないストレスでどうにかなってしまいそうなイザベラ。

「俺のイザベラに涙を流させるなんて……絶対に許せん! 懲らしめてやる!」
「ああ……そう……」
 飲み込んだ言葉が多すぎて胸焼けしてしまいそうなイザベラ。
 だがここで演技をやめては元も子もない。
「わたしのために、七号をやっつけてくれるというのかい?」
「もちろんだ! 俺に任せろ、使い魔としての役割を見事に果たしてみせるぜ!」
「ありがとう……わたしのために……」
「はは、泣くなよイザベラ。お前に似合うのは涙じゃなくて笑顔なんだからさ」
 ようやく魚が釣り針にかかった。内心ほくそ笑むイザベラ。確かに笑顔がよく似合う。
 
「だが相手がそれほどの猛者ともなれば……直接的な手段は下策だな。怒り狂って復讐で
もされたら目も当てられない。つまり復讐することができない方法を選択しなければなら
ない」
「そんな方法があるのかい?」
 いかにも興味深げに聞いているが、実際はもうどうでもいいイザベラ。

 イザベラの立てた作戦はこうだ。
 使い魔を焚きつけてシャルロットに相手をさせる。
 シャルロットとしてもかかる火の粉は払いのけなければなるまい。
 シャルロット対使い魔という悪夢の一戦が始まる。どちらか、もしくは両方が痛い目を
見ることだろうが、どう転んでもイザベラは得をする。
 以上。この作戦には大穴が開いていたのだが、神ならぬイザベラはまだ気づかない。そ
のことに気づくのはもう少し後になる。

「ああ。少し古典的だがあれしかないな」
「あれってのはなんだい」
「ドッキリを仕掛けるんだ。あれなら仕掛けを明かした後でも怒るわけにはいかない。怒
れば度量の狭いやつだと皆に思われるからな」

 高みの見物を決め込もうとしても、依頼してしまった時点ですでに自分も当事者である。
巻き込まれるのは当然のことだし、裸踊りまでさせられることだってある。一度経験して
いたはずだが、イザベラは忘れていた。

「俺とイザベラが組めば誰にだって負けやしない。一緒に七号を驚かせてやろうぜ」
「そうさ、一緒に……って……え? 一緒?」
 そう、すでに巻き込まれているのだ。
367無惨の宴舞台裏・中編:2008/10/06(月) 23:23:12 ID:LKliUvGA
とりあえず以上です

原作者が気持ち悪いクリーチャーを作ろうとしたものの、作画担当が「そんな気持ち悪い
生き物を描くのは嫌だ」と反抗し、妙にかわいらしくデザインしてしまったため、人気投票
で二位になったり単行本最終巻の表紙を占拠したりする。そんな奇跡の生物です。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:28:45 ID:AufAdFlX
元ネタが分からないけど、なかなか面白い

是非是非続きよろしく>>無惨の宴
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:35:28 ID:H7t3ybMW
ああ、やっぱりおもしれえ……
乙っす!!
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:44:14 ID:kxClITgL
すごく…面白いです…
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:44:19 ID:qN/JHHR2
>>361
いやぁ、別に祭りではないかと。
だって前スレは頭辺りの無駄なAA差し引いたってレス数とkb数が逆転していたからなぁ。
今はどちらかと言えばいつも通りかと。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:46:14 ID:tCeJCIkv
工作員の方、お疲れ様です。
フリーダって今じゃ入手困難でしたっけ?
とまれ、続き楽しみにしております。あと誤字が数点、ハルケゲニアや語学→後学等。

無惨の宴、お疲れ様です
マフィアすら虜にするエコ生物はどこへゆくのかw
4ジゲンでも登場……はないか
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 00:03:27 ID:UTLuwPiZ
……銃ってパーカッションじゃないの?
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 00:03:42 ID:rZpjsAja
>>361
ダウ暴落祭りですねわかります
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 00:59:33 ID:pgxn5MdN
るるるの歌から主人公?の人狼召喚

あのメロディーが頭から離れない
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:09:19 ID:VPcMXY9v
じゃあるるるつながりでトルテ召喚
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:09:27 ID:6sXgq0Sl
ギャグマンガ日和から聖徳太子召喚
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:15:21 ID:kea+ZULv
>トルテ召喚
あいつらなにげに死人も簡単に甦らせられるんだぜ
しかも死者復活魔法はほとんど最低レベルの簡単な術だ

過去に死んだ人間とも代弁紙で交信出来るのでワルドママともシャルルともブリミルとも話しほいだい
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:19:47 ID:Ty2JmeLD
パッパラ隊からとびかげ召喚
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:23:24 ID:Cg6Js1Ac
玄人のひとりごとから南倍南召喚
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:28:26 ID:tFarkSx8
リボルバーというと、金属薬きょう付きの弾をシリンダーにこめて雷管を
叩くヤツしか知らんのだが、他にもあるの?
天才コルベールでも「薬きょうを錬金できない」で止まってしまって、
「薬きょうを作る工作機械を造る」ことは思いつけなかったから、
サハラや東方はともかく、ハルケギニアでは製造不能なはず。

設定を変えて出すのはOKだと思うけど、工業の遅れたトリステインで
入手可能なほど普及していると平民の戦闘力が跳ね上がるので、
そこを上手く処理してほしいな。

ともあれ乙です!
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:37:40 ID:JABn8VLA
>>338
とりあえず、太陽落としの人妻さんはねえさんとねえ様の違いといじめっこの親を叱りつけるのが、かっこよくて今でも覚えてるな。
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:40:19 ID:zYiX4vp1
>381
普通にパーカッション式のリボルバーもある。
シリンダーを交換すればすぐ撃てる。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:56:25 ID:xDUP4xFj
REDのグレイの銃とか?
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:00:45 ID:/aXEIghW
>>379

 ルイズが召喚した使い魔は……。
「始めまして忍者のとびかげでーす」
「ミスタ・コルベール召喚のやり直しを!」
 叫ぶルイズであったがハゲの教師は彼女の言葉など聞こえない様子でその使い魔に言う。
「とびかげ先生ーっ!」
 なんと使い魔はコルベールの知り合いだったのだ。

 そして、学院に戻ってから判明する事実。
「おや? とびかげ先生」
「お久しぶりです、とびかげ先生」
「どうしてこんなところに」
 なんと、使い魔は学院長を含める多くの教師と知り合いだったのだ。

 そして、予定調和のごとく起こるフーケによる破壊の杖盗難。
 しかし使い魔は言う。
「まあ、いいじゃないですか。あんなおもちゃ」
「いいわけないでしょ!!」
「いや、とびかげ先生がいいと言うのならほっとこう。あれは先生に預かったものじゃし」
「ええー!?」
 叫ぶルイズであったが、フーケ追跡はあっさり打ち切られた。ミス・ロングビルはガッカリした。

 そうして、ある日ルイズの所にアンリエッタ王女がやってきてアルビオンに行ってほしいと頼んでくる。
 ちなみに姫はとびかげの事を知らなかった。
 そして、ルイズ一向は……、何故かレコン・キスタのクロムウェルの元にたどり着く。
「なんでーっ!?」
「いや、僕が聞きたかったんだが」
 そんな事を言われても、ルイズにはワルドが納得できるような説明はできない。
 そして明かされる驚愕の事実。
「やあ、ひさしぶりですね。クロムウェルくん」
 なんと、使い魔はクロムウェルの恩師だったのだ。
 そしてなんだか分からない間にレコン・キスタ解散。納得がいかずジョゼフにチクリに行くシェフィールド。
 ジョゼフは言う。
「なんだと、とびかげ先生が現れたただと! これは一大事だシャルル今すぐ挨拶に行くぞ」
「うん。兄さん、急がなくっちゃ」

 そんなこんなでハルケギニアは平和になった。



こんな感じだろうか?
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:06:06 ID:vyAQbc2X
パッパラ隊なら水島喚んで、
何故かいつの間にかいる隊の面々という方が。

あの世界を文章でっては結構難しそうだけど。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:08:44 ID:zYiX4vp1
むしろ音速丸さんとサスケ軍団を召喚しようぜ。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:20:23 ID:vyAQbc2X
>>387
あの人たち喚ぶと、
ゼロ魔キャラたち無視して延々とエロねたとか萌えネタ談義してそうで・・・・
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:22:19 ID:4FgjcG3E
そういえば雅はルイズと同じ声だったかな?
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:32:05 ID:7mAtXf9j
>>383
本来は避難所で語られるべき話題なんだろうが。作者の言うリボルバーが西部劇
に出てくるタイプの銃だとすると、この作品のハルケギニアはかなり工業力が発
達していることになるな。仮にパーカッション式だとすると少なくとも19世紀
中ごろの技術力があることになる。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:34:30 ID:2nfIr6mT
いやもうむしろ始祖と書かれた仮面をつけたとびかげちゃんが居てですね
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 03:33:23 ID:ivZS9DA2
大分遅れたけど、最強の狂戦士G・Jッ!!!
こんなにも早く続きが読めるとは、言葉では言い表せないほどに大感激!

しかし、ワルドも無謀だねぇ……ガッツは正面からぶつかっても相手が複数でも勝利を簡単にもぎ取れるタイプの超一流メイジ殺し。
主人公補正抜いた所で偏在使わなきゃ絶対勝てないし、使っても勝てるか五分五分より下だろ。鎧発動したらもう手が付けられない。
しかも対魔法装備二つもあるんだよな。
名前の上がらない雑兵なんて話にならないし、肉体派亜人も瞬殺できるレベルだからガンダ+鎧があればガチで7万斬り出来そう。

……ただ、気がかりなのは押さえ切れないで鎧が発動したらもう戻って来れない可能性が高い事だな。
シールケ居ないし、メイジの魔法はそういうこと出来そうにないし。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 04:00:50 ID:zYiX4vp1
>ガチで7万斬り
流石に七万人も斬り殺せないとは思うけど、最初の数十人を真っ二つにしたら
恐怖が伝播して浮き足立ち、瓦解するかもしれないね。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 04:09:39 ID:tqsUzo+3
他に喚ばれたので余裕で七万斬りできそうなのは・・・
ほとんどのができそうだなw
一対多の戦闘に長けているバケモンばっかだ
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 04:13:02 ID:RA5K8fLp
勇次郎なら一人で国を相手にできるぜ
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 04:13:05 ID:xDUP4xFj
仮に七万人殺しを出来たとしても、その頃には戻って来れない所まで行っちゃってるだろうから
老若男女敵味方人間エルフ亜人その他を無差別に殺し続ける化け物になりそうだよね。

それによってガッツ以外の生き物が手を取り合って
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 04:13:45 ID:ivZS9DA2
まあ、
ルーン+鎧で死ぬまで戦い続ける+最強クラスの戦闘能力+強制戦闘すら出来ない程のダメージ喰らう可能性低い
だから負ける事は無いにしても、7万斬り終える前に敵は散り散りに逃げるだろうな。
常軌を逸した化物がアホみたいな速さで味方ぼんぼん殺して行くんだから。

しかし、ルーンまで併用したら体の負担どうなっちゃうんだろう?
(体毛が)白い剣士になってしまいそうで怖いな。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 04:15:02 ID:xDUP4xFj
>>395
勇次郎はラーニングまであるもんなぁ……

飛んでるのを見てラーニング
授業を聞いてラーニング
ギーシュと決闘してラーニング
偏在を女子供の護身術と嘲る
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 04:17:32 ID:xDUP4xFj
すっかり忘れていたけど、シールケの代わりという大役はデルフなら、
使い手の体を動かせるデルフならやってくれるんじゃないかな!

>>397
死ぬか髑髏の騎士みたいにでもなるんじゃない?
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 05:15:31 ID:nc5a0K3r
デジモンでやろうとしても

神の右手 ギルモン
神の左手 ドルモン
神の頭脳 ブイモン
憚られる ダイモン

いまいちしっくりこない
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 08:08:59 ID:VjDanCTo
前スレで水夏のお嬢ねたが出たが
水夏で家族ねたなら、前王崩御直前のガリア王家だろう。

見えるものと見えないものの差からおぼろげに自分が召喚した少女の正体の気づき始めるジョゼフ王子
しかし死の床にある父王自身や自分やシャルルといった王家のものが見えるのは分かる。
しかし、カステルモール家の人々や宮廷料理人のせがれのトマといったシャルルやシャルロットに近しいものには見えて、
自分に媚びへつらう貴族達に「名無し」が見えないのは何故だ?これではまるで俺がシャルルを…
と苦悩するジョゼフ王子を…魔法が使えないので馬鹿にされて虐められていた頃のジョゼフ少年とお嬢との出会いも

大団円後はちゃっかり前職を寿退社してガリア王兄家の後妻に納まった自分の従兄妹姫に良く似た容姿の義母とイザベラ様の義理の親子の確執の物語を…
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 08:54:43 ID:mrWZ5lRL
祝!サンレッドアニメ化!
に、伴い、続きに期待!
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:04:20 ID:dvC6upPe
>>385
そのネタは「ついでにとんちんかん」の抜作先生でやった方がハマる
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:18:16 ID:dvC6upPe
改変コピペ

>>385が抜作先生だったら

 ルイズが召喚した使い魔は……。
「ハーッハッハッハッハ」
「ミスタ・コルベール召喚のやり直しを!」
 叫ぶルイズであったがハゲの教師は彼女の言葉など聞こえない様子でその使い魔に言う。
「抜作先生ーっ!」
 なんと使い魔はコルベールの知り合いだったのだ。

 そして、学院に戻ってから判明する事実。
「おや? 抜作先生」
「お久しぶりです、抜作先生」
「どうしてこんなところに」
 なんと、使い魔は学院長を含める多くの教師と知り合いだったのだ。

 そして、予定調和のごとく起こるフーケによる破壊の杖盗難。
 しかし使い魔は言う。
「まあ、いいじゃないですか。あんなおもちゃ」
「いいわけないでしょ!!」
「いや、抜作先生がいいと言うのならほっとこう。あれは先生に預かったものじゃし」
「ええー!?」
 叫ぶルイズであったが、フーケ追跡はあっさり打ち切られた。ミス・ロングビルはガッカリした。

 そうして、ある日ルイズの所にアンリエッタ王女がやってきてアルビオンに行ってほしいと頼んでくる。
 ちなみに姫はとびかげの事を知らなかった。
 そして、ルイズ一向は……、何故かレコン・キスタのクロムウェルの元にたどり着く。
「なんでーっ!?」
「いや、僕が聞きたかったんだが」
 そんな事を言われても、ルイズにはワルドが納得できるような説明はできない。
 そして明かされる驚愕の事実。
「やあ、ひさしぶりですね。クロムウェルくん」
 なんと、使い魔はクロムウェルの恩師だったのだ。
 そしてなんだか分からない間にレコン・キスタ解散。納得がいかずジョゼフにチクリに行くシェフィールド。
 ジョゼフは言う。
「なんだと、抜作先生が現れたただと! これは一大事だシャルル今すぐ挨拶に行くぞ」
「うん。兄さん、急がなくっちゃ」

 そんなこんなでハルケギニアは平和になった。



違和感ねぇぇぇぇぇぇぇええええええ
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:19:05 ID:dvC6upPe
いけね、一箇所改変がモレてた
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:20:26 ID:DKAj8qxd
まとめwikiの小ネタを見ていたら逆転裁判があった……仮面をかぶった謎の検事マスク・ド・ガリアと戦う成歩堂、というのはどうだろう。
もちろん最後はロマリア教皇を相手に敵同士で綱渡りの共闘を、とか。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:21:12 ID:I9IdweBF
>>400
兄貴は左手でもいいと思うよ
漢の武器は拳とか言っても実際やってること考えれば
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:29:43 ID:DKAj8qxd
>400
兄貴――デジモンで兄貴といわれたのでセイバーズのマサル、かと思った。究極体だろうと何だろうと殴りつけるあの拳は神の左手に相応しいかと。
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:42:21 ID:oZ7ojZiB
セイバーズのマサル兄貴なら召喚されても一向に構わんなぁ。
他の連中と違ってデジタルワールドを放浪してるから、なんのしがらみも無い。
とはいえアグモンと一緒の方が話は作りやすいだろうけど。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 10:48:25 ID:hLs5N9Rg
よくロボ系は補給や整備などのロジスティクスの問題(無限弾薬とかたまにあるけどさ)で
諦める人がいると思うけど、サモンナイトの機械兵士は動力源は太陽光だし作中では
整備などあまり必要ないほどのメンテナンスフリー性能があるから大丈夫な希ガス

ぶっちゃけサモンナイト3のヴァルゼルド召喚してみたい
ロレイラルの科学力はリィンバウムいちぃぃぃぃぃ
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 11:45:18 ID:ipaeZldf
>>410
太陽光といえばボクらの太陽のジャンゴなんてどうだろう?
ちょうど吸血鬼もいるし
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 11:55:15 ID:nzcWuvhf
思ったのだが「天体戦士サンレッド」のレッドさん召喚したら(してしまったら)どーなるのでしょ

はたしてワルドの「遍在」はレッドさんのヤクザキックに通用するのか?
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 12:04:20 ID:tqsUzo+3
ヒーローは負けない、つか理不尽に強いだろサンレッドw

ワルドはきっとブロック塀にパワーボム食らってもアパートに帰ると思うw
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 12:25:50 ID:6HlUfg2f
マサルダイモンは「力は合わせるものだ」という人だから、
ルイズ鍛えそうだな。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 12:30:06 ID:mrWZ5lRL
>412
イザベラが召喚してる。
エルフ一撃。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 12:52:28 ID:uv4Nt+Rb
堂島の竜召喚
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:06:30 ID:nzcWuvhf
じゃあアレだ、「緑色の恐竜の子供」召喚というのはどうだろう
中の人でスキルが変わるのできっとハルケギニアにも対応可能
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:08:58 ID:Q5i0Kl5h
>>412
個人的にはぷりん帝国一同とか面白そうなんだ。あいつら何げにチートだが。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:24:55 ID:xDUP4xFj
>>416
ギーシュを捻くれたカーブ扱いして打つんですね、分かります。

真島を召喚するのはキュルケか、ジョゼフか。
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:26:11 ID:xDUP4xFj
>>417
普通に虚無とか使いそうだから困る。
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:33:41 ID:OAX+PlYz
>>412
ダイヤモンド普通に砕くから彼
目と鼻の先から700kmの高速蹴り普通に捌くから彼
しかもそれで全然本気出してないから彼
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:46:27 ID:oZ7ojZiB
天体戦士サンレッドも結構インフレ激しい作品だからw
ヒーロー3人を素手で倒した怪人>>フロシャイムの怪人>>(超えられない壁)>>サンレッド>(超えられない壁)>兄弟戦士アバシリン
という力関係があるくらいだし。
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:49:50 ID:VjDanCTo
恐竜系かあ
実は韻竜達は地下に大帝国を作っており、彼らの「聖地」は正辺数キロに及ぶ巨大な立方体の形をしており、
彼らの「始祖」は青い狸形の亜人の姿を…
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:53:52 ID:O7KNjvgL
シールケポジションに誰も居ない気がするのに鎧が発動しちゃたら誰が引き戻すんだろう?
鎧の本領発揮して皆殺しエンド・・・?
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 13:54:40 ID:IcpewoPE
>>415
え?マジ?なんて作品だったっけ?
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:00:24 ID:Ae+lNwPP
>>422
志村ー!逆ー、逆ー!
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:01:08 ID:xDUP4xFj
>>422
それ逆だよね?
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:02:36 ID:oZ7ojZiB
>>426-427
……あっ!?
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:03:07 ID:xDUP4xFj
>>423
ついに、ド・ラ・えもん ルイズと竜の騎士(ドラゴンのきし)が上映されるのか……
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:17:21 ID:mrWZ5lRL
>425
「秘密結社ゼロシャイム総統ルイズ」

まとめサイトの長編で、サンレッドで検索すれば見つかるけど…
これのことでいいんだよな?
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:27:32 ID:qO5g6MeA
>>430
それでおkだろ
アニメ化記念に続きを読みたいが、冷静に考えてあれ以上話を広げることができないような気もする
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:29:23 ID:ivZS9DA2
>>417
な、中の人などおらぬわ!
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:39:06 ID:dvC6upPe
>ダイヤモンド普通に砕くから彼
金槌とアンビルでも用意してやり方教えりゃ幼稚園児にも可能な事だ
少なくとも「砕く」事はすごい事じゃない
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:56:06 ID:2lTnoSBz
>>433
金槌もアンビルもやり方も教えずに幼稚園児がダイヤを砕けたら
「砕く」事が凄くないと認めてやろう
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:59:44 ID:xDUP4xFj
>>433
元ネタ何?
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 15:00:20 ID:5RsbXXAv
ガチャピンの中に入ったら早死にしますぞ!
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 15:02:26 ID:Ct7tCjry
ダイアモンドは構造上衝撃に弱いってことだな。
小学校の頃に理科で習うことだと思うぞ。

だよな?
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 15:05:46 ID:XGsq0BkY
ヒスイとかの方が強いな。
隙が無さ過ぎて逆に衝撃に弱いんだっけ。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 15:08:56 ID:yw8mJfSo
>>437
ダイヤモンドは砕けないんだぜドララー
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 15:11:25 ID:gXxMuvNd
硬度10!ダイヤモンドパワー!
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 15:55:50 ID:6HlUfg2f
クマムシは針で刺せる。
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:02:35 ID:Qa/p1KLk
ダイアモンドは引っ掻き傷には最強
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:05:30 ID:xDUP4xFj
靭性が無いんだっけ?
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:08:31 ID:Ix+ab57U
勿体なさすぎて砕けないオレ最強
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:17:29 ID:VjDanCTo
外道照身霊破光線ですねわかります
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:29:18 ID:RA5K8fLp
ダイヤモンドアイを喚ぶならライコウとセットだぞ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:32:38 ID:Ygqq2YOp
こんなカード36枚持っているよ
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:36:11 ID:wqiysYvE
ダイヤモンドは和訳?すると無敵の物って意味になるらしい
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:45:20 ID:naDkWyWe
>>448
ギリシャ語で「壊れないもの」を意味する「アダマス」が語源。
同じ語源の単語で「atom(原子)」がある。
あと、架空の金属「アダマンタイト」も同語源。
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:47:29 ID:XnXOPioH
ダイ・アモン伯爵は既出だな・・・
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:49:48 ID:naDkWyWe
>>445
霊波光線だな。

外道焼身だとヨコシマンになるが。
横島はいくつかあったが、GSから横島以外ってあんまり呼ばれないな。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:51:03 ID:naDkWyWe
ごめん、まちがえた。
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:59:55 ID:cVP5NSxN
>>451
アレですか、タバサがおキヌちゃん呼んで卒倒するのですか
あの作品のメインキャラは殆どが「対悪霊」に特化してるから
呼んでも扱いが難しいんでしょう
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:11:26 ID:naDkWyWe
>>453
ちょっと馬鹿馬鹿しい豆ネタが頭に浮かんだ。
っつうか、いちシーンだな。

ギーシュを不良にすると言う設定改変の元、お約束の決闘シーンのセリフを
「タイマンだ!」
にする。
で、おキヌちゃんの例のセリフ。
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:21:59 ID:cVP5NSxN
そういえば「るろうに剣心」のキャラがひとりも呼ばれてないな
書き方と書き手の力量次第でめっさ面白いものになると思うのだが

ちなみにワタシ左之助書こうとして挫折したのですー
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:24:41 ID:SX3ALnl/
>>453
パイパーを召喚。
子供にされるフーケ。本来は処刑だけど誰もチビマチルダをフーケと思わないので解放。でも子供のまま。
子供にされるワルド。なんだかんだでヴァリエール家に引き取られてカトレアに対してマザコン炸裂。
子供にされるレコン・キスタ、シェフィールド、ジョゼフその他……。
なんか平和だな。魔族なのに。
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:27:42 ID:4/Csba6o
>>439
そういえばあいつ召喚したらゼロ戦や戦車が楽に修理できるなwww
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:30:46 ID:0TkLP0pX
ダイヤモンドはマヨネーズをかけると終わり
石に染みこむような汚れが残り、研磨しても落ちない
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:30:58 ID:I9IdweBF
>>455
「呼ばれてない」で言い出したらキリが無いと思う
短編なら結構来てるけど長編物って一癖ある作品の方が多いような気がするし
言うだけ言って書こうともしないのなら腐るほど居るんだけどさ
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:33:34 ID:cVP5NSxN
>>457
部品が残ってなかったら修理出来ないのですよ、あいつは
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:35:57 ID:gXxMuvNd
>>460
クレイジーダイヤモンドで殴ったら錬金も直して
建造物も戦艦もヨルムンガントもパンチ一発で分解、みたいなことになるのだろうか。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:35:58 ID:XnXOPioH
このスレの発生元がジョジョとのクロススレであることを、いまやどれほどの人が覚えているであろうか
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:36:20 ID:6HlUfg2f
物の形しか直せません。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:37:28 ID:xDUP4xFj
分解能力なんて無いだろ
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:38:51 ID:xDUP4xFj
あぁ、スマンちゃんと読んで無かった

トニオさんとこでスパゲティにやったノリね
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:48:22 ID:4/Csba6o
>>461
一度壊してから直すわけだからあんなでかいものを分解(素材まで直す)は無理だろう
複数のヨルムンガントの一部を壊してからその部分同士を融合させるように直すとか面白そうだが
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:51:28 ID:rZpjsAja
ゴールドエクスペリエンスって何か直せなかったっけ?
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:54:34 ID:mrWZ5lRL
>466
人体素材を継ぎ合わせるなら、ふらんけん・ふらんだな。
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:54:37 ID:6HlUfg2f
生物なら。
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:08:47 ID:wqiysYvE
とりあえずジョジョの方にいって盛り上げてくるんだ
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:14:18 ID:nzFf4v6N
強いキャラだと、どうしてもテンプレ通りに書きにくいんだよな
頭や体がサイト並のキャラだとテンプレ通りに進んでしまってSSの意味がない

@ご立派様や封神演義の趙公明みたく、超絶パワーで全てをギャグに持ち込む
A気さくな王女・使い魔を買いに・眼つきの悪いゼロの使い魔のように我が道を行く
Bゼロのアトリエ・薔薇乙女・提督の様に別の能力でテンプレを進む

 長編をやるには、この3パターンくらいしかないのかな
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:24:39 ID:thtX7u+t
>>471

Cサイト以上の力業でテンプレ展開

Dひ弱なキャラを召喚してルイズ母性に目覚める

473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:31:41 ID:0ZCUOcQY
3がいいなぁ
コッパゲを更にチート化
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:35:04 ID:VjDanCTo
強いのではなく一般人より弱い、病弱、死にそうなキャラ召喚→ガンダ属性で活性化、使い魔業にはまりこむ
というパターンも見たいな

闇の書、覚醒前の八神はやて
Kanonの美坂栞
AIRの神尾 観鈴
同級生2の杉本 桜子
ペルソナ覚醒前の園村麻希

この手のキャラは長い闘病暮らしで友達が欲しい、健康な身体が欲しい、人に認められたいってのが多いから
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:40:30 ID:SX3ALnl/
>>474
身体強化するだけで別に健康になるわけじゃないからかえって寿命縮めるんじゃない?
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:41:05 ID:jR+FtfKj
んじゃ、エクセルサーガのハイアットで。

薬をどう手配するかだな……。
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:41:47 ID:PPf1wGBf
がん細胞かよw
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:43:22 ID:0Mm6kawH
ジョインジョイントキィ
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:45:37 ID:gXxMuvNd
橘右京……は彼女から引き離すのも可哀想かw
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:45:51 ID:0ZCUOcQY
そういやスレイヤーズでヒーリングかけたら風邪の細菌まで活性化して余計悪化した
なんてのがあったな
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:53:18 ID:GPj2XoxC
死にそうなキャラ…
鬼哭街Zeroの続きマダー
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:54:44 ID:kk1mK/tB
ある程度の強さって言えば

ポケモンか・・・?
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:56:44 ID:BlsrU3g7
>>474
半分以上エロゲーというお前のチョイスはなんなんだ
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:59:56 ID:L/d53CBP
そういやルイズ以外の釘宮キャラって召喚されてたっけ
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:00:35 ID:MksgkSJI
>>475
使い魔砲少女二十歳だとルーンの効果でかつての古傷を修復・身体改造してたしね。
解釈と描写次第ではないかと思う次第。
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:00:37 ID:aV/Q3NGM
>>484
シャナ
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:03:24 ID:5NqWYVm5
アルか手乗りタイガーか…、
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:06:47 ID:LSTokvk4
ロザリオとバンパイアから

つくね
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:07:48 ID:/jtrg4LS
銀魂のデルデ
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:15:57 ID:VjDanCTo
ハード系の話だと声優ネタは使わないかね?
魔砲の人も
「ご主人さまの声って私の幼馴染の声に…」
ってネタは使わないか

でもハクオロの人は使ってたなあ
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:16:29 ID:+zz9+kDh
神尾観鈴って病弱だったのか……格ゲの方でしか知らんから驚いた

孤独で友達の欲しいキャラが召喚ってのは良さげですね
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:17:00 ID:nzFf4v6N
>>483
まてまて、言わせてもらおう
Kanon,Airはエロゲとは言えんぞ
あれは強制泣かせゲーだ

首根っこひねり上げられて「泣けぇ〜泣けぇ〜」と脅されている気分だった



で、マジな話。Airの国崎君は相性いいと思うんだ。人間状態でもカラス状態でも
基本的に人並み。法力は貧弱、基本的に解呪の能力だから普段は役に立たない
学校行かずに旅芸人してたので非常識、お世辞にも知的とは言えない
ご飯をくれるならルイズにも土下座できるプライドの無さ

・・・書いてて泣けてきそうなキャラだ
493使い魔の炎:2008/10/07(火) 20:17:20 ID:EEy5kMye
使い魔の炎7話、予約なければ20時30分から投下します
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:18:15 ID:EJsdXERu
ある程度の強さ……

「敵に背中を向けないものを貴族というのよ!」
「なら、前向いたまま死になァ!」

「スネア!」
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:21:58 ID:WKre+vM6
>>492
なんか引いた
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:22:32 ID:uYwpg2l/
>>474
はやてと観鈴は厳密に言えば病気じゃなくて一種の呪いみたいなもんだからなぁ。
契約すると最悪、ルイズにもその悪影響が出そうな気がする。
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:23:25 ID:uYwpg2l/
sage忘れ失礼。
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:25:18 ID:wS3lJEhK
>>484
「りりーのアトリエ」のヘルミーナが居たような気がする。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:26:50 ID:PPf1wGBf
>>498
ばばあしか知らん
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:27:08 ID:Cg6Js1Ac
病弱とはちょっと意味がちがうが無敵看板娘の茅原センセイ。
鬼丸飯店のラーメンとセットでどうぞ。
501使い魔の炎 7話:2008/10/07(火) 20:32:14 ID:EEy5kMye
「ゴーレム!」
キュルケの叫びで、最初に冷静さを取り戻したのはタバサだった。呪文を唱える。
巨大な竜巻がゴーレムの体にぶつかるが、ゴーレムはびくともしない。
キュルケも杖を振り、ゴーレムを炎で包み込んだ。
しかし、ゴーレムはまったく意に介さない。
「無理よこんなの!」
「退却」
タバサが呟くと、ふたりは一目散に逃げ出した。
烈火も逃げようと後に続こうとしたが、思わず足を止めた。
ゴーレムめがけ、呪文を唱えようとする君主。 その姿を烈火は確認したのである。
烈火はゴーレムを挟んでルイズと対称となるような位置で足を止め、必死に叫んだ。
「姫、逃げろ! いくら何でも相手が悪すぎる!!」
ルイズは恐怖を振り払うように目を見開いていった。
「イヤよ! コイツを倒せば、誰も私のことを『ゼロ』なんて言わなくなるでしょ!」
その目はかつて見たことがないほど真剣で、烈火は戸惑いを覚えた。
「…死んじまったら、全部終わっちまうんだぞ!? それでもいいのかよ!?」
烈火の言葉を無視し、キッとルイズはゴーレムを睨みつけた。
「わたしは貴族よ。逃げるわけにはいかないわ…魔法が使える者を貴族を呼ぶんじゃない」
ルイズは杖をしっかりと握り直した。
「敵に後ろを見せないものを、貴族と呼ぶのよ!」
ゴーレムはルイズに目標を定め、詰め寄る。 同時にルイズは魔法を詠唱し、杖を振った。『ファイアーボール』でも唱えたのだろう。
しかし、ゴーレムは爆発した胸の部分からわずかに土をこぼしただけで、微動だにしない。
巨大な腕が振り上げられる。ゴーレムの拳が視界に広がり、思わずルイズは目をつぶった。
…終わった。 ルイズはそう思った。
しかし、覚悟していた衝撃はいつまでたっても襲ってこない。
恐る恐る目を開けると、いつの間にか烈火がルイズを守るように立ちふさがり、炎に包まれた右手でゴーレムの拳を破壊していた。
「姫に手ぇだすな」
静かに呟くと、背中に背負っていたデルフリンガーを引き抜く。
「逃げろ、姫」
「…じ、邪魔しなー」
「逃げろっていってんだろ!!」
かつてないほどの烈火の怒声に、ルイズの体が強張る。
「あのな! 貴族だか何だかしらねえけど、姫が死んだら俺が悲しいんだよ!!
姫は俺が守る! だから、姫に勝手に死ぬ権利はねえんだ!!」
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:32:29 ID:XnXOPioH
支援したまえ
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:32:39 ID:wS3lJEhK
>>496
はやての場合、ミョズニトニルンになったら治るやも知れぬ。
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:33:34 ID:wS3lJEhK
うわ、失礼!
支援!
505使い魔の炎 7話:2008/10/07(火) 20:33:44 ID:EEy5kMye
ルイズの目から涙がこぼれる。
「だって、私、いつもみんなにバカにされて…悔しくて…逃げたら、またバカにされるじゃない…!」
烈火は、その言葉を聞いて、は?と目を開いた。
「何言ってんだお前? そんなこと俺がさせる訳ねえだろ」
「…え?」
「ここは俺が何とかする。 だからそんな顔すんな。
俺がコイツをぶっ倒して、お前が『ゼロ』なんかじゃないことを証明してやる」
「あ…」
ルイズは、過去に自分が言った言葉を思い出した。
『メイジの実力をはかるには使い魔を見ろって言われてるぐらいよ!』
この使い魔は、こんな情けない自分の為に命をかけてくれているのだ。
「俺は忍者だ。 姫を傷つけるやつは誰であろうと許さねえ」
ルイズは涙目で呟いた。
「守ってくれるの? 『ゼロ』の私を?」
烈火は、ルイズに目を向けると微笑みながら言った。
「当たり前だろ」
その言葉を聞いたルイズはぐじぐじと涙を拭って駆けだした。
タバサのシルフィードがルイズを拾い上げる。

ルイズが安全を確保したことを確認した烈火はゴーレムに向き直り、自分に気合いを入れ直す。
「行くぜ! ルイズに仕える忍、花菱烈火、参る!!」
デルフリンガーをかまえると、左手のルーンが輝いた。
体が軽くなり、こんなに大きな剣が体の一部のように感じられる。
この感覚、ギーシュと戦ったときと同じだ…
そう感じながら、烈火はゴーレムの足下に突っ込み、右足を切り裂いた。ゴーレムの巨体がゆっくりと崩れ落ちる。
倒せる! 烈火はそう思った。
が、倒れ込んだゴーレムの右足はすぐに周りの土を取り込んで再生し、すぐに立ち上がった。
烈火の顔から余裕が消える。
「…やっぱ、そう簡単にはいかねえか…」
ゴーレムの反撃が始まった。

「レッカ!」
ルイズは苦戦する烈火をはらはらしながら見つめていた。
あのボロ剣を使って何とか攻撃をしのいでいるが、防戦一方に見える。
レッカを助けないと…私には、私にできることがあるはず…!!
そう思い、必死に自分にできることを探す。
ふと、ルイズはタバサが抱えた『破壊の杖』の杖に気付いた。
「タバサ! それを!」
タバサは『破壊の杖』をルイズに手渡した。
「私に『レビテーション』をかけて!」
言うが早いか、ルイズは『破壊の杖』を抱えてシルフィードの背中から飛び降りた。
タバサは、慌てて杖を振った。
506使い魔の炎 7話:2008/10/07(火) 20:35:26 ID:EEy5kMye
ゴーレムの拳を紙一重で避けながら、烈火は考えていた。
…このままじゃマズい。
所詮は土。最大火力で燃やし尽くせば再生は不可能だろう。
しかし、体の一部を灰にした程度では周りの土を取り込んでゴーレムはすぐに再生してしまう。
勝つには、一気に体全体を燃やし尽くすしかない。
しかし、一度に燃やすにはゴーレムの体は大きすぎる。
せめて奴を小さく分裂させる手があれば…
斬っても斬っても再生を繰り返すゴーレム。
炎もずっと使っていれるわけではないし、長期戦になればさらに不利になるのは明らかだ。
一体どうすればいいんだ…?
そのとき、烈火の思考を視界にはいってきたルイズが中断した。
「あのおてんば姫…」
思わず毒づいてしまう。
ルイズは『破壊の杖』を抱えているが、使い方がわからないらしくもたついている。
烈火は、ルイズの降りてくる方向に全速力で走った。

「えいっ!えいっ…!!」
ルイズは懸命に『破壊の杖』を振るが、魔法は発動しない。沈黙したままだ。
これ本当に魔法の杖なの!?
私は使い魔を助けることもできないの!?
動きなさい!動きなさいよ!!
「姫っ!! 何してんだよ!? 早く逃げろ!」
そこに烈火が駆け寄ってくる。
「レッカ!!」
烈火はルイズの手から『破壊の杖』を奪い取った。瞬間、左手のルーンが輝く。烈火は目をつぶった。
「これを使って助けようと…でも、使い方がわかんないの!!」
ルイズが叫ぶ。
しかし、烈火は目を瞑ったまま、頭の中で描いていた。
左手のルーンが教えてくれる。『破壊の杖』の使い方。これを使って、ゴーレムを倒す。その手順を。
…いける。 烈火は目を開けた。
「姫、これはな…こう使うんだ!!」
烈火は、破壊の杖を地面に突き立てた。
地中で何かがうごめく音がした。不穏な雰囲気に、ゴーレムの動きが一瞬止まる。
瞬間。
石でできた巨大な腕が地面から姿を現し、ゴーレムの体を貫いた。

烈火の隣にいるルイズ、上空で見守るキュルケとタバサは唖然としている。
ゴーレムの体を構成していた土が、四方八方に散らばる…かに見えた。
しかし、今度は石で作られた壁がゴーレムを囲み、ゴーレムの残骸の散らばりが抑えられた。
烈火は杖を投げ捨て、飛び上がる。
「天誅!」
石の囲みの中のゴーレムの残骸めがけて、ありったけの力を込めた炎を放出した。
「うおおおおらあぁぁぁぁぁぁ!!!」
ゴーレムを構成していた土の欠片は、全て灰と化し、風に吹かれて消えた。

「ふいー、キツかった」
戦いを終えた烈火は思わずしゃがみこみ、ようやく一息ついた。
勝つには勝ったが…戦闘にここまで炎を酷使したのは初めてだったため、烈火はかつてないほどの疲労を感じていた。
「レッカ!」
使い魔の元に、駆け寄ろうとするルイズ…しかし。
「炎を操る上、『破壊の杖』まで使いこなしちゃうなんて…流石ダーリンね!!」
ルイズが烈火のもとにたどり着くより先に、烈火の顔はキュルケの胸元に押し込まれていた。
「ち、違うわ! 武器を持ったら使い方が勝手にわかって…」
烈火は顔を赤くしながらジタバタもがいている。
そんな烈火の様子に、ルイズは不満を感じた。
507使い魔の炎 7話:2008/10/07(火) 20:39:04 ID:EEy5kMye
烈火はなんとかキュルケをふりほどくと、ルイズの様子には目も向けず自分の使った『破壊の杖』を見つめた。
…どうみてもこれはこの世界のものではない。
この道具のことは全く知らない…しかし、左手のルーンの力が教えてくれる。これは、間違いなく俺の世界の武器だ…!!
だが、今はそんなことを考える前に烈火にはやらなければいけないことがあった。
烈火はルイズに向き直り、言った。
「姫が『破壊の杖』持ってきてくれなかったら、勝てなかったかもしれねえ。 ありがとな、姫」
ルイズはしばらく呆然としたあと、頬を染めた。
「あ、当たり前でしょ…使い魔を見捨てる主人なんていないんだから」
顔を伏せながら言う。

少し遅れて、シルフィードが地上に降りてきた。
タバサは、周りを冷静に見回して呟いた。
「…フーケはどこ?」
その言葉で皆に緊張が戻る。
そのとき、森からミス・ロングビルが姿を現し、ルイズたちの方へ歩み寄ってきた。
「ミス・ロングビル、無事だったのね! フーケが何処にいるかわかる?」
ミス・ロングビルはキュルケの問いかけには答えず微笑みを浮かべ、無言で『破壊の杖』を拾い上げて烈火たちに突きつけた。
「ご苦労様」
ミス・ロングビルが冷たい声で言った。
「ど、どういうこと!?」
戸惑うルイズたち。
「…やっぱりお前がフーケだったのか」
烈火だけが冷静に、真実を口にした。
「へえ、気付いてたのかい。バカな割に勘はいいんだね」
「ほっとけよ。…目的は何だ?」
フーケは淡々と、『破壊の杖』の使い方を学院の人間を利用して突き止めようとしたことを明かした。
「討伐隊が生徒ばかりになるとは思ってなかったから不安だったけどね…けど、助かったわ。あなたのおかげよ、使い魔くん。 でもね…」
フーケは破壊の杖を振り上げる。
「残念だけど、あんたたちはもう用なしなのよ。さようなら」
観念し、ルイズたちは目をつむった。
しかし、烈火はフーケから視線を外そうとしない。
「勇気があるのね?」
「うっせえよバカ」
烈火は小馬鹿にしたような口振りで言った。
フーケは舌打ちをした。
「…死になさい」
フーケが地面に『破壊の杖』を突き立てようとした。
「させるか!」
とっさに烈火は右手を振り上げ、フーケに炎を見舞う。
「無駄よ!」
しかし、フーケは素早く『破壊の杖』で防御し、炎を跳ね返した
烈火の表情が歪む。それを見て、フーケは自分の勝利を確信した。
「悪あがきもこれで打ち止め…今度こそ、死になさい!」
フーケは勢いよく『破壊の杖』を地面に突き立てた。
しかし、先ほど烈火が使ったときのように魔法が発動しない。
「な、どうして!?」
何度も杖を動かしてみる。しかし、杖はフーケの意志にまったく反応しない。
フーケがはっと顔をあげると、烈火は唇の端に笑みを浮かべていた。
ふと、『破壊の杖』にはめ込まれた宝石のようなものが割れていることに気付く。
しまった…武器破壊!?
このガキ、さっきの攻撃はこれを狙って…!!
「くっ!」
慌ててローブから杖を引っ張りだしたものの、既に手遅れ。
烈火はデルフリンガーを拾い上げて一足飛びで距離を詰め、柄をフーケのわき腹に叩き込んだ。
「く…そ…」
フーケが地面に崩れ落ちる。
烈火は地面に転がった『破壊の杖』を拾い上げて、言った。
「フーケを捕まえて、『破壊の杖』を取り戻したぜ…杖、ちょっと壊しちまったけど」
「何してくれてんのよこのバカー!!」
疲れきった烈火の体に、ルイズのハイキックが炸裂した。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:39:46 ID:opO/lw1Z
>んじゃ、エクセルサーガのハイアットで。
彼女は「薬を飲まなければ健康になる」という事実が判明している
509使い魔の炎 7話:2008/10/07(火) 20:40:00 ID:EEy5kMye
「こ…これが、私の使い魔?」
エルフの少女は、目を見張った。
まだ時刻は夕刻といっていい頃だったが、木や草が鬱蒼と生い茂ったこの辺りには一筋も光が入ってこない。
少女は友達がほしかった。
遊び心で、噂に聞く使い魔の召喚儀式を真似してみただけだ。
しかし彼女の予想に反して、召喚は成功してしまった。
その結果、彼女の眼前には、面妖な仮面で顔を隠した男が立っている。
…人間の使い魔なんて、噂にも聞いたことがない。
顔の上半分は仮面で見えないものの、覗く口元からは美麗な容姿が容易に想像できる。
しかし、男の瞳は仮面の上からでもわかるほど冷たいものだった。
彼は、周りを見、自らを見、そして彼女を見て、つぶやいた。
「…どうやら私に、"平穏"は許されないらしい…」
510使い魔の炎:2008/10/07(火) 20:41:15 ID:EEy5kMye
投下終了です
ご清聴ありがとうございました
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:43:20 ID:0ZCUOcQY
ミツルギキタ!?
水の使い魔・・・はどっちかっていうとトリステイン?
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:48:24 ID:BmtEv7kM
乙デス!!紅麗様クルー!?
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:48:24 ID:5VwdY2Y3
使い魔の炎氏、投下乙。


>>511
これは兄貴だろ?
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:59:12 ID:xrNNTGVj
平穏云々言ってるから原作終了後かな?
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 21:02:18 ID:MRuXYDZw
>>499
幼女版は一見の価値有り。
そして現実の厳しさに泣け。
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 21:06:52 ID:GhCMJI1A
烈火の開始前にきてたよな。
同じ時期なら月乃の件があるから…
ヤバいな…
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 21:16:50 ID:0ZCUOcQY
>>513
紅麗の方か
このタイミングなら爆破された幼馴染(?)も取り込んでるんだっけ?
何にせよ続きが楽しみだ
518ナイトメイジ:2008/10/07(火) 21:51:37 ID:yJE1Oueg
55分から投下させてください
519ナイトメイジ:2008/10/07(火) 21:56:13 ID:yJE1Oueg
「呼んだ?」
まさに突如としか言いようがく、少女──ベール・ゼファー──はそこにいた。
扉から入ってきたのではない。
その前にはクロムウェル達がいるからだ。
窓は?
それも違う。
クロムウェル達の向かいの壁には窓があるが、そこから入ってくればわからないはずがない。
「さて、と」
なにをしたのかクロムウェルにはわかるはずもなく、突然の闖入者に驚き、ルイズにかけようとした魔法を中断してしまっていた。
「えーと……あなたが」
目を半分閉じ、代わりに口を開けてぼうっとしているルイズの側に立つと、ベルは白い人差し指で
「クロムウェルね」
クロムウェルの隣に立つ冷たい雰囲気の女性を指した。
「女装じゃないわよね。クロムウェルなんて名前だから男と思ってたけど女だったのね」
うんうんと何か納得しているベルにクロムウェルは今までの穏やかな表情を捨て、怒鳴りつけた。
「違う!それはシェフィールド、余の秘書だ。クロムウェルは私だ!」
「え……嘘でしょ」
「嘘ではない!余こそがレコン・キスタ総司令にして皇帝オリバー・クロムウェルだ!!」
「えーー」
大変嫌そうな声だ。
「思ってたより随分違うけど、まあ、いいわ。ということは、あなたが虚無の力の使い手というわけね」
言ってみればここは敵地の中心である。
にもかかわらず、ベルは笑みすら浮かべて今度はクロムウェルの指にある未だ光り続ける指輪を見た。
「それが虚無の力の鍵みたいね。それ、もらうわ」
人差し指だけが突き出されていた手が花のように開き、クロムウェルの手に近寄る。
「誰か!誰かいないのか!」
それに毒花の香りに似たものでも感じたのか、クロムウェルはもう一方の手で指輪をかばい、壁が背中に当たるまで後ずさった。


光の侵食はルイズの心のすべてを覆い尽くす前に針の先ほどの穴を残して止まった。
たったそれだけであるがルイズは望まぬ者の友人となることはなかった。
同時に手も足も動かせないのだが。
いや、動かそうという意志すら起きない。
中途半端に縛られた心は動くことなく、ただそこにあるだけの物となっていた。
目には何か映っている。だが、それが何かを判断する意志はなく、しようともしない。
耳には何か聞こえてくる。だが、それが何かを判断する意志はなく、しようともしない。
「それがきょむのちからのかぎみたいねそれもらうわ」
「だれかだれかいないのか」
ルイズは耳に入る言葉をただ繰り返しつぶやいていた。
それが針の先ほどの残された心でできる精一杯だった。


クロムウェルの声に応じ、開け放たれたままの扉を光を思わせる速度でワルドがくぐる。
瞬時にクロムウェルの前に入り、抜きはなった剣拵えの杖をベルに向けた。
「ワルド君。よく来てくれた。だが、君だけなのかね」
ワルドは視線と杖を油断なくベルから離さず、振り返りもせずに答えた。
「はい。今、城内は混乱しています。この辺りにいるのは私だけのようです」
それを聞いたベルは途端に、突きつけられた杖などないように鈴のような声で笑い出す。
「面白いでしょ。傭兵がみんな南の方に行っちゃったら、それを指揮する騎士もそっちに行っちゃったのね」
「これは君が引き起こしたことなのか?」
「ええ。あっちにまだ誰も見たことのないお宝があると言ったらみんな大慌て。案外簡単だったわ」
油断と言えば油断だったかもしれない。
クロムウェルに護衛をつけなかったことだ。
だがこの地の敵はすべて排除したあとであった上に、何よりも皇帝であるクロムウェル自身が護衛をつけることを拒んだ。
それを押してまで兵を動かす権限を持たないワルドは城内の混乱に気づきながらも、1人で少し離れてクロムウェルの護衛にとなる他なかった。
「でも、やっぱりあなたにまでは効かなかった……か」
「そうだ。だから君もここまでだ。ルイズの使い魔ならば、彼女と同じく我々に協力したまえ」
「それは無理。ルイズがあなたに言ったことは嘘だもの。本当はルイズはそこのお姫様を取り返したがっている。そして私は使い魔。主の望みを果たすのがその役目」
520ナイトメイジ:2008/10/07(火) 21:57:23 ID:yJE1Oueg
ワルドもそのことはわかっていた。
だが、ルイズを手元に置いておけば何を考えていようともどうにでもできる。
「返すわけにはいかんな」
逆に言えば手元になければどうにもできない。
「なら、力尽くで返してもらうわ。ルイズも、お姫様も」
「まさしくその通りだな」
目の前にいるのは少女だが、土くれのフーケを撃退したという話もある。
故にワルドは力を出し惜しみする気はなかった。
「だが、その判断はこれをみてからにしてもらおう」
動く杖の先はわずか。
呪文は速やかに流れるように。
「ユキピタス・デル・ウィンデ!」
一陣の風と共にワルド姿がぶれる。
すぐさま風はやみ、その後には5人のワルドがいた。
腕の立つメイジであっても驚嘆と恐怖を覚えるような魔法だ。
しかし、ベルの目は興味で大きく開かれ、声は弾んでいた。
「これって……ただの分身じゃないみたいね」
「その通り。風の遍在。この魔法で作り出された分身は一つ一つが意志と力を持っている。遍在する風のごとくだ」
言いながら全てのワルドは白い仮面を取り出し、顔にかぶせた。
「なるほどね。その風の遍在を使ったというわけね。あの夜、そしてラ・ロシェールの桟橋に来た仮面の男はあなたに似ていると思っていたのよね。だけどあなたは実体としてルイズ達といた。おかしいとは思っていたんだけど、こういうわけだったのね」
「君にはつまらない物のようだったががね」
「ああ、それは仮面なんてつけてたからよ」
「仮面は嫌いかね」
肩をすくめるベルは溜息をつく。
5本の杖に囲まれてなお、彼女は平静を崩さない。
「千年の時を無駄にしちゃったり、シスコンだったり、マザコンだったり。仮面をつけてる男はそんなのばっかり」
ベルは遍在から目を離さない。
だが、その目は敵を見る目ではなく面白いおもちゃをもらった子供のような目だ。
──ここまでわずかな詠唱と魔力で精巧な分身を、しかも複数作る魔法は初めて見たわ。
「あなたの魔法を侮っていたようね。これは本当に面白い魔法よ。楽しませてもらったわ」
「それは良かった」
「でもおかしいわね。あのとき、その遍在を使ってルイズを連れて行けば良かったんじゃない?」
「君が居たからだよ。魔法を使えば精神力を消費する。それは風の遍在も例外ではない。私は君が来る可能性を否定しきれなかった。だから温存しておいたのだよ。それも無駄だったがね。君はあのとき来なかった」
「そうね。お互いうまくいかないものだわ」
左右一つずつ、遍在が動いた。
同時杖を振り、また同時に呪文を唱え始める。
「では君に警告しよう。この状態なら私は魔法を5つ同時に君にぶつけることができる」
「でしょうね」
「それから君が逃れる術はない。君の死は決まったも同然だ。だが、あえて言わせてもらおう。降伏したまえ」
杖の先に風が巻き、稲妻が音を立てる。
死を告げるその音には誰もが恐怖を感じる。
事実、アンリエッタは小さな悲鳴を上げていた。


認識の闇の中の小さな光にルイズはすがりつく。
「ではきみにけいこくしようこのじょうたいならわたしはまほうを5つどうじにきみにぶつけることができる」
「でしょうね」
「それからきみがのがれるすべはないきみのしはきまったもどうぜんだだがあえていわせてもらおうこうふくしたまえ
それをやめれば永遠に心が閉ざされてしまう。
それをなぜ拒否しなければいけないのかわからないままにルイズはつぶやき続けた。


クロムウェルはようやく落ち着きを取り戻す。
ここに突然現れたのには確かに驚いたが、杖も持っていなければ剣も銃も持っていない。
さらにはスクエアの魔法である遍在に囲まれている。
彼女は何もできないのだ。
この少女を恐れる理由はない。
同時に興味も湧いてきた。
閃光の二つ名を持つ魔法衛士隊の隊長、さらにはスクエアのメイジであるワルドが遍在まで使って警戒するのだ。
よほどの人間に違いない。
521ナイトメイジ:2008/10/07(火) 21:58:29 ID:yJE1Oueg
彼はそういう人間を様々な方法でレコン・キスタに引き入れていた。
「降伏とは穏やかではないな。ワルド君。彼女に少し話があるのだが、いいかね」
「閣下!お下がりください」
それを無視してクロムウェルは真ん中のワルドの横に並ぶ。
ワルドは聞こえぬように舌打ちをした。
「えー、ミス……」
「ベール・ゼファーよ」
「なら、ミス・ゼファー。アンリエッタ王女はあの通り我々の友人となった」
クロムウェルの後ろにアンリエッタが控え、首を縦に振る。
「そこでだ、君も主人共々私の友人となってくれないかな?悪い話ではあるまい」
「そうです。ベール・ゼファー様。そうしてください」
そのアンリエッタの声に嘘はない。
少なくとも、今の彼女は本心からそういっている。
「悪い話ではないだろう。これから大きな戦争が起こる。我々の勝利に終わる戦争だ。トリステインに残るより、その方がよほど安全だ。君も君の主もね」
「でしょうね」
「なんなら君も君の主も私の側にいてもいい。そうなればレコン・キスタ数万の将兵が盾となり、剣となり、杖となって君の主を守ることになる。どうかね」
「そうよね」
「そうだ。君も使い魔の使命を果たせる。悪い話ではないはずだ」
およそ交渉にはパンと杖の二つがある。
パン、すなわち利益であり。
杖、すなわち暴力と強制である。
彼には皇帝にまでなったのは魔法ばかりではなく、この二つを使うことに長けているからだという自負があった。
今その二つは用意された。
だから彼女は必ずこれに同意する。
クロムウェルはそう確信していた。
「でもね……私には魅力のない話ね」
「なっ!」
だが少女の口から出た答えは否定。
言葉をつまらせたクロムウェルは混乱する。
当たり前だ。
──これ以上何を望むのか?何を恐れるのか?
その疑問は言葉にならずとも、彼の目にありありと映され、ベルはそれを読み取っていた。
「あなたのいうとおり、今レコン・キスタがトリステインと戦えば間違いなくレコン・キスタの勝利で戦争が終わるわ。その中で私たちは守られているだけ。そんな簡単なゲーム面白くないじゃない。だから答えはNo、あるいはいいえよ」
溺れるように口をぱくつかせるクロムウェルの代わりにワルドが言葉を継いだ。
同時に三人目の遍在が動き、杖に光の刃を作る。
ブレイドの魔法だ。
「主を危険にさらしてもか?」
「ええ」
「狂っているのか?使い魔の考えではないな」
「でしょうね」
「考えが変わった。君はここで死んでもらう。君は危険だ」
今度は4人目の遍在が動いた。
目には見えない何かが空を切り裂く音が断続的に上がる。
「交渉決裂ね。じゃあ、ワルド。あなたの警告のお礼に私も警告させてもらうわ」
最期のワルドも動き必殺の魔法を唱える。
嵐と雷撃、風と光の刃。
全てがベルに集中する。
よけられるはずもなければ耐えられるような物でもなかった。
「この私相手に遍在はたった4つでいいのかしら?」


その時何が起こったのか、と問われればワルドはおそらくこう答えるだろう。
「わからない」
彼にとっては全くの未知の現象が起こったのだ。
魔法がベルを切り刻み、貫いたと確信した次の瞬間には、自分の視界がゆがみ、自身の体も捻れ、さらに壁に吹き飛ばされていた。
首を横に向ければ同じように倒れているクロムウェルが見えた。
シェフィールドの姿は見えなかったがどこかに倒れているはずだ。
アンリエッタは?飛ばされた方向が逆だったらしい。未だ光のない目でどこかを見ているルイズの足下に転がっている。
その視界を遮る者がいた。
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:00:12 ID:yuWJbboD
支援
523ナイトメイジ:2008/10/07(火) 22:01:03 ID:yJE1Oueg
ベール・ゼファーだ。
五つの魔法を受けたにもかかわらず傷一つない。
その金の瞳に見下ろされたワルドは、闇に飲み込まれるような感覚を覚えた。
「く……殺す……のか」
「安心なさい。今はその気なんてはないわ」
安堵はない。
闇色の金はそのようなものをぬぐい去る。
「あなたにはゲームに参加してもらうわ」
「ゲーム?」
「そう。名前はね……ナイトメイジなんてどうかしら。世界征服を企む魔王と、それを阻止しようとする勇者のゲーム」
ベルはまるで新しい遊びを思いついた子供がそれを披露するように語り出す。
「ルールは簡単。魔王が世界を征服すれば魔王の勝ち。魔王を倒せば勇者の勝ち」
聞く者が子供なら、共に楽しげになったかもしれない。
「あなたには勇者をやってもらうわ。魔王に魅入られた幼馴染を取り返すため勇者が今、立ち上がる。ふふ、ぴったりじゃない。」
だが、今のワルドはベルと同じ場所にいるのではない。
「そして魔王はこの私。ベール・ゼファー」
子供にもてあそばれる虫。それが今のワルドだ。
「でもね、このゲームって簡単すぎるのよ。私がちょっと本気出せばすぐにクリア。だからちょっとハンデをつけることにしたわ。魔王はルイズの力を使って世界を征服する。そのためにルイズを育てなければならない。これくらいがちょうどいいわね」
「ルイズの力……だと」
「あら、おかしい?あなたも言ってたじゃない。ルイズには特別な力があるって。その特別な力を発現させて、成長させるにはトリステインとレコン・キスタの戦争はちょうどいいのよ。
 だから、あなたは殺さない。クロムウェルも殺さない。レコン・キスタも潰さない。戦争したいんでしょ?待ってるわ。そして私を倒しに来なさい、勇者様。
 そうでないとハルケギニアは魔王の手で征服されてしまうわよ」
恐ろしい大言壮語だ。
この少女は世界を征服すると宣言しているのだ。
しかもルイズの力、つまり個人の力でだ。
そんなものは子供の戯言だ。
できるわけがない。
「その顔はまだわかってないわね。じゃあ、もう一つ。やる気が湧いてくるようにしてあげましょう」
ベルの手がワルドの胸元に光るペンダントに伸びる。
ぷつりと音を立てて鎖を引きちぎったベルは、その先にあるロケットを開き中を見ると笑みをいっそう大きくした。
「綺麗な人ね。誰かしら……」
「かえ……せ」
傷は見えないが手が鉛のように重い。
閃光と呼ばれる早業を生み出す腕も今はわずかしか動かない。
「その様子だととても大切な物みたいね。大丈夫よ、なにもしないから」
鎖をまとめたペンダントを持つベルの手がワルドの伸ばした手の上で開かれる。
落ちるペンダントがきらりと光った。
「なーんてね。う・そ」
突如、開いたベルの手のひらの下に黒い球体が現れる。
ワルドの欲したペンダントは音もなく黒球に吸い込まれ……消えた。
跡形もなく。痕跡もなく。
「貴様!よくも母の肖像を!!」
ワルドは体に力を込める。
体が痛みを悲鳴として動くなと訴えていたが、それを怒りで抑える。
上体を起こし、杖を持つ手に力を込めた。
何か体の中で音がしたが、それでもかまわない。
この女に一撃をくれずにはいられなかった。
「いい目よワルド。やる気が出てきたみたいじゃない。あなたが面白いゲーム相手になってくれるのを期待しているわ。じゃあね」
言葉と共に光がワルドを包んだ。
光に宿る衝撃が再び体を打ち据える。
光の消滅と共に意識もまた消えた。

524ナイトメイジ:2008/10/07(火) 22:02:13 ID:yJE1Oueg
今回はここまでです


ワルドは魔王の強大なる力に破れ、倒れ伏した。
だが、まだ終わりはしない。
彼は再び立ち上がり、打倒魔王を誓うのだった。
行け、ワルド。負けるなワルド!
次回
ハルケギニア英雄伝説
閃光のワルド
第○○回
「空よりの恐怖」
ハルケギニアの平和は私が守る!


えーと
おおむね間違ってないからこれでOKってことで
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:08:21 ID:ACLLXt4x
>>524
ナイトメイジの人乙です

次回予告で、始祖復活の生贄にされるルイズを助けにデルフリンガーと地下水の二刀流で最終決戦に挑むワルドの姿が見えましたw
がんばれベルさまw
ワルドの勇気がハルケギニアを救うと信じて!!w
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:08:37 ID:m9pGwG0i
…あれ?ベル様、どっからカリスマ持ってきたんですか?
投下乙
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:08:40 ID:thtX7u+t
ベル様乙
えっと…誰が主人公だっけw
次回予告ワロスww
GJ
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:23:44 ID:pYkt93IB
投下乙。次回予告の元ネタは自由騎士さんでおk?
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:45:15 ID:cEYzwlzp
GJ
へっぽこでないベル様。
もしやまだオープニングフェイズなのか!!
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:50:46 ID:4Ee+lpSb
GJ
しかし我が愛しのミューズが一言も喋ってないw

>>529
何言ってるんだ
タイトルがここで出てきたって事は、ここまでが今回予告だろw
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:11:34 ID:vQoDqHTp
>>530
ああ。次はハンドアウトだ。
PC@ワルド
PCAシェフィールド
PCBクロムウェル
PCCウェールズ
だろうか?
532名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/10/07(火) 23:16:01 ID:cV+4K9Jp
>>471-472
メイドのシャーリーはDに分類されるのかな? 弱いといえば弱いから
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:17:19 ID:9JIbOYO1
>>524
乙でございます。
ところでラビリンスシティでやっと金色の蝿のデータが収録されましたよ先生!
データはほぼ前と同じなんで、運用はこれまで通りでOKかと。
では、これからも応援していますね〜。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:32:36 ID:k2lia0YH
>>524
ワルドwwww
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:37:57 ID:RU6oQObf
>>531

PCD無理やり吊れて来られた柊

を忘れていますよw
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:41:15 ID:QI5rEN1h
>>533
×金色の蝿
○悪魔の蝿
じゃないか?w
なんとなく分かるような気がする間違いだけどw
537狂蛇の使い魔:2008/10/07(火) 23:48:39 ID:VxAgKrG0
投下予約等なければ23:55頃から初投下させていただきたいと思います。
量としては5レス程度で、召喚元は仮面ライダー龍騎、喚ばれる人物は仮面ライダー王蛇/浅倉威です。
よろしくお願いします。
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:49:39 ID:3rVZX0jl
よりによってアイツかw支援
539名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:50:09 ID:3u7JFuTT
ベル様乙です。
でも、未だにゼファーと言うと正直 /~リンス好きイイっすね砂を撒くな……な某曲しか思い出せない(笑)。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:50:23 ID:QI5rEN1h
おークレイジーキャラだ支援
541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:52:29 ID:VPX1PsT2
龍騎のライダーは『欲望』をかなえるためにライダーになった、人間らしい人間だったけど……浅倉ですか。
一番やばそう、というか契約モンスターとかどうなるんだろう。
542狂蛇の使い魔:2008/10/07(火) 23:55:40 ID:VxAgKrG0
では、投下させていただきます。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 23:55:44 ID:k2lia0YH
ベル様に確変入ったw
544狂蛇の使い魔:2008/10/07(火) 23:57:23 ID:VxAgKrG0
第一話



初め、自分の身に何が起こったのか全く理解できなかった。

神崎に「残り時間はあと3日」と告げられてから、丁度3日目の朝。
ほんの少し前までは、これまでの決着を着けるべく、ミラーワールドで北岡と対峙していたはずだ。
銃を連射する北岡に向かって剣を振り下ろしたと思えば、いきなり現れた謎の空間に吸い込まれ、気がつけば見知らぬ草原の上に立っていた。
変身も解け、生身の人間に戻っている。

――何故だ。



薄暗い屋内から唐突に屋外へと投げ出されたため、急に浴びせられた直射日光の暑さと眩しさに苛立ちをおぼえる。
見上げれば、先ほどまで存在していた穴だらけの屋根の代わりに、一面の青空が広がっていた。

辺りを見回せば、目の前には桃色の髪のガキが一人と、その後ろに大勢の人だかり。
なにやら口々に騒ぎたてている。

彼らも自分と同じ人間のようだ。
…ならば、ここはミラーワールドではないのか。


このまま立っていてもらちがあかないと踏んだ俺はまず、目の前でなにやら喚いているガキに状況を尋ねてみることにした。



「おい、ここはどこだ。北岡はどうした」
545狂蛇の使い魔:2008/10/07(火) 23:59:39 ID:VxAgKrG0
ルイズは、自らの使い魔を呼び出す『サモン・サーヴァント』という儀式を行っていた。

ほとんどの生徒が儀式を終えて、残るはルイズだけとなったが、何回呪文を唱えてもいっこうに成功する気配がない。
コルベール先生にも、今日はもう諦めるようにと促され、あと一回だけと頼み込んだ末、ようやく召喚に成功したのである。

が、召喚されたのはよりによって人間の男であった。

蛇の皮を用いたと思われる衣服に、獲物を睨み付けるように鋭い目。
髪の色は金色だが艶がなく、くしゃくしゃである。
見かけない出で立ちではあるが、杖を持ってない以上、魔法が使えるとは思えない。

最初は召喚が成功したことに驚いていた観衆も、使い魔の姿を見た今では「ゼロのルイズが平民を召喚した」などと口々に捲し立てている。

「なんでよ……なんでいつもいつも私ばっかりこんな目に……」

自身も小声で文句を呟いていた時、目の前の男から突然声がかけられた。



「おい、ここはどこだ。北岡はどうした」
546名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/10/08(水) 00:01:27 ID:4198I7mm
支援
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:02:08 ID:1PJ3grSn
龍騎の最萌キャラじゃないか!支援
548狂蛇の使い魔:2008/10/08(水) 00:02:10 ID:MfFsKJLc
「はへ? あ、こ、ここはトリステイン魔法学院よ。キタオカって何? ともかく、知らないわよ」

不意に声をかけられたことで思わず気の抜けた返事をしてしまったが、質問には応じた。
男はそれを聞くと一瞬驚いたような表情を見せたが、再び顔をキョロキョロし始めた。

それにしても、トリステイン魔法学院を知らないとは、一体どこからきたのだろうか。
その格好もあって、ますます不安になる。

コルベール先生にやり直しを願い出たりもしたが、答えは否、であった。
召喚に成功したからには、必ず契約しなければならないという。

私は渋々、召喚した男に近づくと、右手で杖を出して言った。

「我が名はルイズ……」
「邪魔だ」

男が口を開いたかと思うと、いきなりその左足が持ち上がり、私の無防備な脇腹を横に蹴り飛ばした。
地面に体を勢いよく打ち付けられる。



「はぐ……あがぁ……」

脇腹を抑えてうずくまり、呻き声をあげる。
今まで罵声を浴びせていた観衆も、それをみた途端、一斉に静まりかえった。
549狂蛇の使い魔:2008/10/08(水) 00:05:08 ID:MfFsKJLc
「俺は今、大切な用事を邪魔されて最高にイライラしている……。強い奴なら誰でもいい。相手をしろ」

皆が皆呆然としている中で、騒動の原因であるその男はこう言い放った。
獲物を狙うような目で辺りを見回しながら、手をズボンのポケットに突っ込む。

と、その時。

どこからか呪文が聞こえたかと思うと、強力な風の衝撃が男を吹き飛ばした。
見ると、青い髪の少女が長い杖を構えている。名前は確か、タバサだ。

男は地面へ仰向けに叩きつけられ、頭でも打ったのかそれきり動かなくなった。



事態が収まったと見たコルベール先生が、ひとまず生徒たちに学院内へ戻るよう指示すると、私の方へと駆け寄ってきた。
キュルケやタバサもこちらに向かって走ってくる。

「ミス・ヴァリエール。お怪我のほどは?」
「大…丈夫です。なんとか立てます」

差し出された手に自らの手を乗せ、ゆっくりと立ち上がる。
550狂蛇の使い魔:2008/10/08(水) 00:07:56 ID:MfFsKJLc
「まさか、あんな奴を喚んできちゃうなんてね」

気絶している男を横目に、キュルケは言った。
タバサはなにやら男を観察している。

私の怪我の具合を確かめた後、コルベール先生が言った。

「では、ミス・ヴァリエール。今のうちに彼とコントラクト・サーヴァントの儀式を」

思わず不満が漏れそうになる。

いきなり暴力を振るうような危険な人間と、これからをともにしなければならない。
そう考えると、いっそのこと召喚に成功しない方がよかったんじゃないかと思えてくる。

が、決まりは決まりだ。

「……分かりました」

そう言って、恐る恐る男へと近づく。
気絶しているのを再度確認すると、男の横にしゃがんで、詠唱した。

「…我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

言い終わると同時に、彼の唇に口付けた。
少しすると、彼の手の甲にルーンが現れた。契約完了の証である。



(契約したのはいいけど、これから一体どうなるのかしら……)
ルイズの胸中は、目の前の男によって不安一色に染められていくのであった。
551狂蛇の使い魔:2008/10/08(水) 00:12:28 ID:MfFsKJLc
以上です。緊張したぁー
続きは遅くても来週頭までには投下するつもりです
>>541
モンスターは王蛇ごとハルケギニアの鏡の中に転送されたという設定にしてます
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:17:36 ID:cCCf1YFy
毎度のことだが、コルベールひでぇww
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:19:51 ID:pEk9Uutx
乙っしたー。

龍騎は飛び飛びでしか知らないのですが、面白かったです。
それにしてもルイズさんって意外と頑丈っすよねw
コルベールは契約させちまえばルーンの力で従順になるだろうとか考えてるんですかねw
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:25:05 ID:1PJ3grSn
王蛇の人乙
それにしても…なんという死亡フラグww
逃げてー!皆超逃げてー!!
次回にwktk
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:26:51 ID:67BHzpjK
乙でしたー。
浅倉に蹂躙されるだろう学園の皆さんが気になりますが、それ以上に契約モンスターの『ご飯』が気になりますね。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:31:57 ID:aJvNMz0m
乙ー
ここで殺しといた方がよかった気がしてならないw
ルイズのかわいさが朝倉の心を溶かすと信じて次に期待!
本編でも幼女と仲良くなってたきがするし!
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:34:02 ID:1PJ3grSn
>>555

> 契約モンスターの『ご飯』が気になりますね。

てゆーかこの時点で全キャラに死亡フラグ立ちまくってるからなww
とりあえずギーシュとおマチさん…生きろw
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:36:30 ID:ggV9acca
王蛇、乙です
当時(今でもだけど)、自分の周りではライダー大流行りでした
高校生が学校にまで持って来て;w
しかし、メンチ切った割に一発KOは些か恰好悪いぞ;
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:40:18 ID:LuVyTXlO
>>556
>本編でも幼女と仲良くなってたきがするし!

ああ、あのオトリに使ったやつか
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:40:23 ID:pMFTuiJd
召喚した対象が気にいらなかったら殺害して新しく召喚したらいいんじゃね?
貴族なら平民に対して生殺与奪権があるからデリヘルのチェンジ感覚でさ
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:44:08 ID:pEk9Uutx
神聖だからダメです><
562巨人の使い魔:2008/10/08(水) 00:45:11 ID:UQ9MC0D1
うおお、龍騎キター!
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:46:51 ID:e8FPxt3E
>>551
あー、悪い事は言わないからモンスターの存在はこの際完全にいない事に
した方がいいと思うよ。
続けるつもりなら尚の事。
でないと本当に話が成り立たないから。
強力過ぎる上にコストが洒落にならないし。

つーか、そうしとかないとまず速攻でルイズが殺されるわ。
契約解除の条件聞いたら尚の事。
タダでさえモンスター抜きでもそうするのが自然なキャラなんだし。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 00:54:46 ID:qjkOOTsK
2話で皆殺しにして鏡から元の世界に帰って完とか
やってもおかしくないってかそっちの方が自然ではある
頭打ったっぽいんで記憶喪失とかきれいな王蛇もあるかもしれんが
まずお兄ちゃんが強制的に連れ戻すだろな

なお今後ルイズがどれだけ成長しようが活躍しようが偉くなろうが
最後にタイムベントでパーになるのがほぼ確定……
565名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:01:52 ID:aJvNMz0m
>>559
いやいや、ぱっと見はそう見えるけど、きっと朝倉も心を動かされたんだって信じてるよ

……その後実の弟をさっくり殺したけドナー
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:03:43 ID:0ZlIO5ZS
ぎゃふん
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:06:26 ID:pYtxwKKn
>>565
きれいな朝倉さんが見たかったらミラクルワールドから召喚しないと
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:15:15 ID:pEk9Uutx
川に落として正直に答えたら!?
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:42:56 ID:ggV9acca
“黒執事”セバスチャン・ミカエリス召喚
文字通り、召喚→契約の図式が成り立つ上にスペックが半端無く高い
プラス、ルーンは何であろうと違和感無し
570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:45:54 ID:24KPWudi
ドリームキャス子を召喚しようとしてるけど、全然話ができねぇ。
これを混ぜるのは無理か…
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:50:31 ID:VtO9iW3q
誰かオーフェン後日談のヘイルストーム持ちのクリーオウで一つ・・・
572ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:18:50 ID:WzwnN+Nr
誰もいない……

投下するなら今のうち……
573ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:19:31 ID:WzwnN+Nr
04:25ぐらいから……
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 04:19:53 ID:pCZ4BR19
これで寝るわけにはいかなくなったぞ支援
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 04:24:26 ID:xr0Z7DdX
丁度寝ようとしていたところだが支援!
576ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:25:54 ID:WzwnN+Nr
ゼロの氷竜 五話

太陽が、地平線と別れを告げていた。
涼やかだった空気も、いつの間にか暖かさを身にまとっている。
小鳥のさえずり、小さくも力強いその羽音。
水をくみ上げているのであろう、井戸の滑車の音。
使用人同士の挨拶の声。
窓の外で繰り広げられるその全てを、ブラムドの耳はとらえていた。
また、窓の外の小さな喧騒とは裏腹に、寮の内側ではまだ何の音も聞こえてこない。
……起こすにはまだ早かろう。
そう考えたブラムドは何とはなしにルイズの顔を見つめ、そのままそっと目を閉じた。
昨日から今朝にかけ、いくつか魔法を使ったものの、体内のマナは十分な力を保っている。
ふと、ブラムドは違和感に気付く。
マナの減りが少なすぎる。
フォーセリア世界では万物の根源とされるマナ。
地水火風の精霊を操る精霊使いの初歩は、精霊の存在を知覚することである。
同じようにマナを操る魔術師の初歩は、己が内に秘められたマナの存在を知覚することだ。
竜であるブラムドは魔術師が操る古代語魔術と違う、竜に連なるものが使う竜語魔法を元
より身に着けている。
竜語魔法を使う際にもマナを使う為、魔術師としての初歩を必要とはしていなかったが、
今ブラムドが古代語魔法が使える理由は、一人の魔術師に手ほどきを受けたからだった。
フォーセリア世界の魔法王国、カストゥールと呼ばれた王国の末期、当時の貴族階級であ
る魔術師は魔法を使えない人間を蛮族と蔑み、奴隷階級として虫けらのように扱った。
ブラムドをはじめ、魔術師に捕まった竜はことあるごとにその蛮族たちと戦わされるが、
蛮族たちの死は数多ある娯楽の一つに過ぎない。
人間の死が、酒や歌、本や劇と同列にされていた時代。
ブラムドが友と呼ぶ魔術師、かつてのロードス島太守の娘として生まれたアルナカーラは、
当時の魔術師としては最たる異端、貴族も蛮族も、動物も魔獣も問わず、生命そのものを
最も貴重とする大地母神マーファの信徒であった。
蛮族が人ではなかったころ、人の命そのものが軽視されていた時代では、数え切れない人
間たちが実験として殺されていた。
そんな中で、囚われていた自らの境遇に同情したアルナカーラと、ブラムドはやがて交流
を持つにいたる。
ロードス島の五色の竜、その中で最も凶暴といわれた火竜シューティングスターは、魔術
師に囚われていた憎悪と憤怒を蛮族に向け、その凶暴さから後に魔竜の称号を与えられた。
最も狡猾といわれた黒竜ナースも同じように、残虐さから邪竜の称号を冠される。
二体の竜は当然それで喜ぶわけもないが、蛮族に情けをかけるかのように、すぐとどめを
刺してしまう他の三体に比べ、闘技場へ引き出される回数は日に日に増えていった。
やがてブラムドの檻の前は、世話係の他にはアルナカーラの姿ばかりがあるようになり、
持て余した時間を魔術の学習などに使うこととなる。
ハルケギニアへ召喚されたブラムドが知る由もないが、フォーセリア世界の魔法王国時代
末期に開発された魔法、そしてその滅亡に際して失われたとされている魔法の全てを、ブ
ラムドは扱うことが出来る。
元より感覚の鋭い竜族であり、魔法の研究では最盛期を迎えていた時期の魔術師に魔法を
習ったことから、ブラムドの魔術師としての能力は異常ともいえた。
おそらく、ブラムドの持つ全てのマナを注ぎ込めば、太守サルバーンのかけた『制約(ギ
アス)』の魔法も解くことが出来ただろう。しかしブラムドはその優しさゆえ、アルナ
カーラの立場を慮ってそれをすることはなかった。
結果として世話係に密告され、太守サルバーンに『制約』の解除をすることも禁じられて
しまう。だがブラムドは、今でもアルナカーラを友だと思っている。
魔術師の中の、唯一の友と。
577ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:26:28 ID:WzwnN+Nr
魔術師としての能力を考えれば、ブラムドは魔法王国でも上回るもののない存在だ。
魔法王国が滅びた現在では、比肩しうるものは同じ竜族で古代語魔法を操ることが出来る
エイブラだけだろう。
その卓越した魔術師としての能力が、明確な違いを感じていた。
ブラムドが初めから持っていた資質なのか、それとも研究者としての魔術師、アルナカー
ラに触発された結果なのかは不明だが、ブラムドもまた研究者としての側面を持っていた。
つまり、理論を実験で確認するということを。
無論、実験を今この場で行うわけにはいかない。
単にマナの消費が少ないだけなのか、魔法の効果そのものに何か変化が生じるのか、それ
を確かめるためにはブラムドが扱うことのできる魔法を、一通り使ってみる必要があるか
らだ。
昨日から今朝にかけて使ったいくつかの魔法に関していえば、効果に代わりはなかった。
だが主を守護するという目的のためにはきわめて重要な、攻撃に属する魔法は一切使って
いない。
威力の予想がつかない魔法を、室内で使うわけにはいかない。
さて、とブラムドは考える。
ルイズやオスマン、そしてシエスタは信頼を置ける。
タバサの嘘は魔法を使うまでもなく見抜くことができる。
だがロングビルのような人間がいるのならば、易々と手の内をさらすのは得策ではない。
……どこか適当な場所がないか、ルイズかオスマンに尋ねてみようか。
ブラムドのそんな考えは、ベッドからのうめき声で中断される。
ベッドを見やると、ルイズの眉間には深い皺が刻まれ、口からは言葉にならない苦悶の響
きが漏れている。
「……ルイズ? ルイズ?」
ひとまず頭や顔を撫でさすると、ルイズのまぶたが開きかける。
すぐに目覚めたことで、魔法による干渉でないと安心したブラムドの不意を突くように、
ルイズが抱きついてきた。
「ちいねえさま!!」
と、声を上げながら。
「使い魔が出てきてくれないの!! 竜や魔獣なんて贅沢いわないわ!! 犬でも猫でも、カ
ラスだっていい!! トカゲでもカエルでも構わない!! でも爆発するだけなの!!」
ブラムドが慰めの言葉を差し挟むまもなく、ルイズの嘆きは続く。
「お父様は大丈夫って仰ってくださった。お母様も時が来れば魔法を使うことができると
仰った。あの姉さまだって、ちびルイズ、あんたはこの私の妹なんだから魔法を使えない
わけがないのよっていったわ!! でも、駄目だったの!!」
「ルイズ」
言葉をかけようとブラムドが名を呼んだ瞬間、ルイズの両手がブラムドの胸へと伸びた。
右手と左手で握り、揉んだ。
一回、二回、三回、反応に困って二の句が継げないブラムドに、至極冷静な声音でルイズ
がいった。
「ちいねえさま胸しぼんだ?」
578ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:27:03 ID:WzwnN+Nr
ブラムドの両手がルイズの顔を挟み込み、胸元から引きはがす。
「ルイズ、目を覚ませ」
引きはがされた瞬間には半ば閉じていたその目が、一度、二度、三度とまばたきをし、そ
の瞳に光が宿る。
「……ブラムド?」
「目は覚めたようだな」
その言葉に、ルイズの頭が急速に活動を開始する。
……寮の私の部屋。
……目の前の人はブラムド。
……すごい竜で、すごい魔法を使う。
……オールド・オスマンがそのままだとまずいって言って、
……ブラムドは人間になった。
……寮に帰ってきてからシエスタと話をして、
……それから胸。
……胸。
…………胸?
両の手が、ブラムドの胸に伸びていた。
両の手を軽く握った。
柔らかい。
この瞬間、ルイズの意識は完全に覚醒した。
そして自分のしていることに気付き、顔や耳どころか首もとまで真っ赤に染め上げる。
さらに降伏でもするかのように両手を頭上にのばしながら、後退して、ベッドから落ちた。
「ルイズ?」
主を追ってベッドから降りたブラムドは、昨晩のようにルイズを抱き上げ、再びベッドへ
と横たえた。
ベッドから落ちたときに打ったのであろう、後頭部をさするルイズの手をどけさせる。
「大したことはない」
髪をかき分けて患部を確かめたブラムドがそういうと、ルイズは染め上げた顔のまま謝罪
を口にした。
「ごめんなさい!!」
「何を謝る?」
人間の、それも特定の性別の感覚で謝られたが、ブラムドにはなぜ謝られたのかが理解で
きない。
ルイズは自分のしたことが謝罪に値することだと思っていたが、ブラムドの言葉で思考に
混乱をきたした。
口を開いたり閉じたりするルイズに、ブラムドは微笑みながら言った。
「ルイズ、お前は幼な子のようなことをするのだな」
その一言で、ルイズの混乱は急速に収まる。
まだ頬や耳を赤く染めながらも、普段通りに話せるようになった。
「こ、このことは誰にも内緒よ?」
「シエスタにもか?」
ブラムドの言葉に再び顔を赤くしながら、ルイズは断言した。
「シエスタにも!!」
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 04:27:42 ID:q5v4QJPm
支援
580ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:27:59 ID:WzwnN+Nr
準備にはいささか早い時間だったが、ルイズはいつものように制服に着替え始める。
すでに顔色は戻っていたが、ボタンを留める手は少し震えていた。
「ルイズ」
「なっ、何!?」
「この近くに、人気のなく、見晴らしの良い場所はあるか?」
疑問を浮かべつつも、ルイズはひとまず答えを返した。
「この近くでなら、昨日の儀式に使っていた草原が一番見晴らしがいいわ。特に秘薬の材
料が生えている訳じゃないから、使い魔召喚の儀式以外だとあまり使わないし」
「そうか、では夜にでもゆくとしよう」
身だしなみを整えたルイズが、改めて疑問を口にする。
「なぜそんなことを聞くの?」
「色々な魔法を試したいのだ」
「試す?」
ブラムドはかたわらに歩み寄ったルイズの頭をなぜ、微笑む。
「お前を守るためには、戦うための魔法も使うことがあろう。何しろ今の我は氷竜ではな
く、東方より来たるメイジだからな」
使い魔が、自分を守ってくれる。
使い魔が主の望みを叶える、おそらくメイジとしては当たり前のことで、そのこと自体に
こうまで強い喜びを感じることはないだろう。
だが、ルイズは魔法を使うことができなかった。
魔法を使うと言うことに対する達成感も充足感も、およそ味わったことがない。
味わったことがあるとすれば、苦渋と挫折だけだった。
それゆえ、ルイズは今まで味わったこともない多幸感に包まれていた。
油断してしまえば、草原でしたように嬉し涙をこぼしかねないほどの。
「ルイズ、頼みがあるのだが」
そしてたたみかけるように、頼み事をされる。
これも学院に来てからはされたことがない。
仕方がないといえば仕方のないことだ。
練金で物を作り出すことを得意とする土メイジは、とかく何か頼み事をされることが多い。
水の秘薬なしでも、小さな傷程度なら治すことのできる水メイジも同じだ。
いずれの系統にも目覚めていないルイズは、頼み事をする対象としてはもっとも適さない
人物だった。
それが昨日会ったばかりとはいえ、この上もなく頼りにしている存在からの申し出であれ
ば、喜びはひとしおだろう。
端的に言えば、ルイズは舞い上がった。
「何? 何かほしい物でもあるの? なんでも買ってあげるわ!!」
その主と同じように、ブラムドの心境も同じように端的に言おう。
「武器? 食べ物? 服? アクセサリー?」
正直、ルイズの勢いと奇妙な目の色に少々気圧されていた。
「い、いや、服も必要といえば必要だが、とりあえずはアクセサリーのような物が欲しい
のだ。似たような形の物をいくつかの種類で」
「指輪とかネックレスとか?」
「そういった物でも構わないし、そういった物でなくても構わない。例えば何か金属の塊
や石、何かの駒や宝石でもいい」
曲がりなりにも公爵家の令嬢であるルイズは、当然装飾品の類も数多く所有している。し
かし、それらを寮へと全て持ち込むようなことはしていない。
何よりも学びに来ているのだ。
基本的に真面目なルイズはその原則に基づき、家族との思い出の品など、肌身離さず持っ
ていたい物だけを持ち込んでいた。
ブラムドへ渡すことが嫌だというわけではないが、石でも良いと言われる程度のものとし
て与えるのには流石にためらわれた。
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 04:29:19 ID:xr0Z7DdX
紫煙!
582ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:29:21 ID:WzwnN+Nr
悩んだ末にルイズが取り出したのは、父であるヴァリエール公爵から与えられたチェスの
駒であった。
金と銀でできた駒。
駒の底にはなめし革が張られ、ガラスの盤を傷つけないようになっている。
無論細工も見事な物で、馬をかたどる騎士の駒は息づかいが聞こえてきそうですらあった。
わざわざこのような物を送られる程度には、ルイズもチェスをたしなんでいたが、残念な
ことにチェスは一人ではできない。
少なくとも、今のルイズには無用の長物と言えた。
以前シエスタに手ほどきをしようと言ったこともあったが、使用人であるシエスタにはそ
れほど自由な時間はない。
簡単にルイズから駒の説明を受けたブラムドは、満足げにうなずく。
「申し分ない。少なくとも今はな」
「何に使うの?」
六種の金の駒、六種の銀の駒、併せて十二種の駒へ、ブラムドは魔力を込めていく。
『呪物創造(クリエイト・デバイス)』
「魔法を使うには目標が必要だ。自らを対象とするようなもの、敵を対象にするようなも
のであれば簡単だが、見えないものを対象にするのは難しい」
魔法を使えないルイズは、ブラムドの言葉を想像するしかない。
それでも、見えない物を目標にするという困難さは容易に想像がついた、
「この駒に込めている魔力は、それぞれ少しずつ違う。例えて言えば、それぞれに違う文
字のようなものだ」
ブラムドが事実を知ることはないが、本来『呪物創造』は魔法を行使するための発動体を
作るための魔法である。
魔法王国カストゥールの魔法も、元々はハルケギニアと同じように発動体を必要としてい
た。
その形状は杖だけではなく指輪なども含まれていたが、ロードス島での研究が進んだ結果、
後に発動体を必要としなくなった。
魔法を物に込める付与魔術の術者であったアルナカーラは、この発動体に別の使い道がな
いかと研究を進める。
やがてその研究は成果を上げ、隔てた場所を行き来する『転移(テレポート)』や、
『心話(マインドスピーチ)』の目標とすることを可能にした。
数多あるアルナカーラの功績の一つだ。
ブラムドが、魔力を込めた金の女王をルイズに渡す。
不思議そうな顔をし、ブラムドへ話しかけようとしたルイズだったが、ブラムドが口元に
当てた人差し指に口を閉じる。
『心話』
……それを持っていればこうやって心の声が聞こえるようになったりする。
ブラムドの声、それも心を通わせているからか、竜の姿をしていた時の声をルイズの心は
聞く。
……すごい!! こんなこと、ハルケギニアの魔法では絶対にできないわ!!
ルイズの驚きを表す心の声に、ブラムドは愉快そうな笑みを浮かべた。
「ついでに込めた魔力も隠してしまおう」
「そんなこともできるの!?」
「問題はない」
草原で、竜から人へと姿を変えるときにも口にした、こともなげな台詞。
『魔力隠蔽(シール・エンチャントメント)』

自らの使い魔へ畏敬の念を送ると共に、使い魔にふさわしい主になることを、ルイズは改
めて誓った。
583ゼロの氷竜 ◆Mzy8Osstcc :2008/10/08(水) 04:30:12 ID:WzwnN+Nr
以上です。

支援感謝。

つーかもうほんと寝るの邪魔してすいませんw

>>226
ほんとすいません。
フォローありがとうございますです。

>>235
 ち ち が で か す ぎ る !!



あとあれです、原因が言うのはアレかとも思いますが、
ゼロ魔のスレだからSWとかロードスの設定とかは
さらっと話す感じでお願いしたい所存です。

以上、次も頑張ります。
多分こんな早くないよw
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 04:39:55 ID:pCZ4BR19
氷竜の人乙
これで安眠できる
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 04:45:21 ID:UupKEGaH
>>496
ヴォルケンリッターが登場した時、すでに使い魔契約をしていたはやてというシーンを幻視した。
「この人が私のご主人様のメイズさんやでー」
「……主の主は主も同然、というわけにも……」
そういえばリリカルルイズでは、カトレアさんが闇の書の主だった、な。
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 04:50:00 ID:UupKEGaH
と、リロードしてなかったから投下にきづかなんだ!

氷竜の人乙でした!
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 05:01:57 ID:d4eqzH3o
乳など飾りです エロい人にはそれがわからんのですよ
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 05:49:14 ID:UupKEGaH
>>585どうしてメイズの使い魔になってんだよ。
ルイズだよ。ルイズ…。
みんな。投下する前にリロードと読み返しはしとこうな?
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 05:52:19 ID:WtbPvfWo
氷竜の人の「おねにーさま」と言い
なぜにこうあほさるネタが引っかかるかねえ
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 07:02:47 ID:pL/msAcv
使い魔の炎、まとめwikiに乗ってないのかな?
まとめて読みたいと思ったんだけど、見つからなくて。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 07:43:54 ID:vz63/aGM
ブラムドの人、おっぱゲフンゲフン乙ー。
ああああ、ブラムドは「だっだーん」で「ばいんばいん」の「どたぷ〜ん」だと思っていたのに……
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 08:04:06 ID:BdNq5LCc
>>591
ブラムドって雌なの?
つかロードスの竜って性別あるの?
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 08:08:24 ID:Po1fOB+s
遅レスですが王蛇の人乙です。
龍騎の美味しんぼ大将ことこれから朝倉が何を食べるのか楽しみで仕方がないw
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 10:17:16 ID:1PJ3grSn
>>593

貝を貝殻ごと食って吐き出すとかなww
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 11:46:16 ID:fiewdFmE
相変わらずルイズのシスコンぶりはすげーな。
しかしこれほど非のつけどころのない使い魔も珍しい。
このスレの歴史上トップクラスの当たりなのは間違いないな。年末ジャンボ宝くじ並だぞ。
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 11:46:41 ID:oaMlQZqU
司令官タイプのキャラ召喚ってありましたっけ
サンドマンさまとか不動司令とかフリーマンチーフみたいなタイプ
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 11:53:35 ID:CCY7rMU/
氷竜の人乙でございます。
「ちいねえさま胸しぼんだ?」吹いた

>>583
画像を探して貼ってから私もでかすぎると思いますた(汁
乳が普通の大きさで頭の触覚が無い銀髪のマキナみたいな感じでは如何でしょう(何が?
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 12:03:34 ID:WLJxEYR7
司令官タイプか・・・今までいなかったと思う

某青い犬署長あたりが召還されたら普通に強いだろうな
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 12:17:10 ID:g8XXwJBe
確か小ネタでコンボイ喚ばれてなかったか?
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 12:31:40 ID:6BLEIGKJ
@奇面組の豪を召喚。
ルイズ『貴方を呼んだつもりはないわ』と豪の頬っぺたにビンタ一撃
豪『やりやがったな、アックスボンバー』と言い、ルイズにアックスボンバーを一撃。ルイズ鼻血
Aモータルコンバットのスコーピオンを召喚。
画面に『FINISH IN』の文字が。
ルイズ『なんか嫌な予感が』→その時に音楽が流れる。そしてルイズは・・・・。
Bエドモンド本田を召喚。ルイズ『さぁ、あな・・』と言った瞬間、ルイズに飛んでくるエドモンドさん。ルイズは・・・
C落下するコロニーを召喚。ルイズ『さ・・・』と言った瞬間、永井一郎のナレーションが流れ、ルイズ達は・・・。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 12:36:27 ID:tvdVM+xY
最後はルイズどころの問題じゃねえ
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 12:45:31 ID:nM+Db+E3
>>585
闇の書覚醒前で月村妹とも知り合ってなく友達もいない
医者は隠しとるが自分が余命幾ばくも無い位は分かる

うちの人生なんだったんやろ

という時点でのはやて召喚なら例え使い魔とは人に望まれて役割を与えられるなら二つ返事でOKしそうだな。

闇の書はどうかなあ?

主が異世界に行くくらいで呪いが解けそうなもんじゃないからはやてを追い駆けてハルケギニアへしかし少々時間軸を間違えて60年前へ
「破壊の魔道書」として宝物庫に
フーケ戦でガンダ発動、不完全な状態でヴォルケン召喚
しかし、ガンダ発動での無理矢理な召喚は徐々にはやての身体を蝕むのであった…


魔砲関連の主演作、なのはさん大&小、やさぐれフェイトさん、屋店の書、リンディばーさん、エリオ、ユーノとあるけどはやて単独って無いよねえ
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 12:49:49 ID:nM+Db+E3
>>595
年末ジャンボは年に数人は当たっているからなあ
こち亀で部長や両さんが当てていた米ロト宝くじみたいなもんだろ?
500億くらい?

ロトといえばりゅうおう氏まだかな?
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 13:03:56 ID:AYcIqxVO
>>598
ヤン・ウェンリーは司令官タイプじゃないか?

まあどれが一番の当たりかは水掛け論だけど、ルイズ即死よりはいいわな。
ところでモスラVSゴジラは最後あと少しなのに、ずっと音沙汰ないな
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 13:32:13 ID:kVeXCwWX
司令官タイプと言えばカオスレギオンのジーク
どこからともなく数万の魔兵の軍勢を招き出すので
VS七万でもニューカッスル落城時でもきっと何とかしてくれます
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 13:55:51 ID:pEk9Uutx
最大でも7とか8くらいだと思ったけど、万単位で出せるのか。
それにサナトスが居れば数はいらなそうだけどw
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:00:32 ID:nfj61liU
ageる人なんか多いな
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:07:22 ID:Vm+P2w7O
>>583
ふふふ、5ページ目に入ったので今度は「長編(話数順)-01」長編(ページ数順01〜09P)の表示区分の変更(1-4P→5-9P)も必要なのだよ
という訳で変更しといた
609名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:23:02 ID:oKdAHxGE
>>606
原作では物量で攻めてきた敵軍(しかも魔獣)を逆に物量で押し潰している
無念や未練を残した死者=魔兵だから、ニューカッスル戦やアルビオン撤退戦なんて
えらいことに…

その上、指揮官としても有能で超一流の剣士という、何そのチートキャラ
ノイエ達もついてきたら、本気でガリアやロマリアを真っ向から潰せる
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:26:27 ID:GQ1rlGAg
最近久しぶりにテイルズやったんだが・・・「ゼロの天使」の作者さんもういないのか?
誰か代理でもいいから続き書いて欲しい。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:39:03 ID:pEk9Uutx
>>608
乙っす

>>609
原作?カオスレギオンってゲームだけじゃなかったのか……
それにしても、未練を残した死者を使い放題ってスゲー升キャラw

あと、中の人がお塩師匠だったよね。
全キャラ棒読みで話題になったんだっけ?
612名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:44:13 ID:WzwnN+Nr
>>608
フォローありがとうございます。

ほんと毎度毎度すいません。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:45:12 ID:d5mVEOvb
>>509
森さんの登場に期待。空いている席が残り2つしかないけど。
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 15:09:10 ID://alhqkP
氷竜の人乙^^
「ちいねえさま胸しぼんだ?」・・・乳革命との乳対決が見たかったりしたのにww
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 15:14:57 ID:y5TCsAwK
>>602
いやまあ、テンプレ外しでヴァルケンリッターが登場するシーンから始まるけど、すでにそこでは使い魔でした、みたいな。
のをイメージしたので。

はやてが召喚されるといったら三人だけど…あれもどういう話になってたんだろうなあ。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 15:20:44 ID:kVeXCwWX
>>611
小説とゲームの同時展開なんだぜ?

ちなみにどでかいシャベル持ってて墓掘るのが早い
魔兵も戦いでしか供養できない魂を供養するための手段
ノヴィアって言う可愛い従士がいる
妖精もいる
魔兵の数が半端ない

変わってるところと言えばこんな感じかな
後はゲームではいなかった魔兵が結構いる
617名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 16:16:29 ID:3UpQvU2b
ジークは書こうとしてた。けどいかんせん時間がなくて
「ジーク・ヴァールハイトが招く!」って書きたかったけどw
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 16:47:55 ID:Qgk0Xu2v
乳革命起こしてェ
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 16:59:57 ID:8tKgvzVU
スレが埋めに入った時の定番「なぎはらえー」のアスキーアート。
ならばいっそのこと、風の谷のナウシカから巨神兵を。ルイズの性格からして「なぎはらえー」はピッタリかと。
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:04:42 ID:EgrDtG7q
しかし腐っているので…
まぁ、マンガ版の方がヤバイけどな。常に重度の放射線を放出しているからルイズが被曝しちまうよ。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:07:06 ID:BHiwXHDk
オーマ「母さん 僕いい使い魔になれたのか心配だ……」
ですねわかります
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:24:08 ID:g9EVjQD5
オーマの最期は泣いた記憶があるなあ
ルイズが召喚するならルイズが母になる展開が思い浮かぶけど
そうするとオーマの名前がオーマじゃなくなりそうだ
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:30:38 ID:Z6ZrmnkC
>>555
本人のご飯も気になる…

「怪しげな爬虫類」を焼いて食ってたりもしたし…

サラマンダーや竜は大丈夫としても
フクロウとか蛙だと食われる可能性が…

624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:48:23 ID:AYcIqxVO
>>619
「なぎはらえー」に近いものはほかには…

「艦長、前方に小惑星帯が!」
「かまわん! 惑星ごと粉砕せよ!!」

なんて。
これからあの大神官大総統閣下を召喚したら、生ぬるいハルケギニアの戦争が大量殺戮に……
本人も白兵戦には強いし、そのうちトリステインをのっとって軍事独裁国家にしそうだ。先祖はやったし
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:55:54 ID:pYtxwKKn
>>624
敵がサードムーンから出撃してきます
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:58:39 ID:kVeXCwWX
それを追ってストライダーがやってきました
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:01:31 ID:Fa7YgpJx
「退くな……退くなと言っておろうが……
  退く奴は構わん、ケーニヒス・ティーゲルの主砲で吹き飛ばしてやれ!!」
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:01:49 ID:SI2N/273
>>620
ハルケギニア人をガミラス星人みたいに、放射能耐性が強い種族にしてしまうとか
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:14:42 ID:ggV9acca
混沌の軍勢はゲームやり込んだなぁ・・・・
小説も全巻読んだ(DM)し買った

て言うか、何が反則って設定的には>>609>>616の仰る通り本人のスペックがクソ高い
魔軍は理論上、半永久的に生み出せる上に兵士が満足しない限り止まらないと言う
今思えば、流石CAPC○M
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:16:46 ID:dz0IR7dP
>621>622
俺の涙腺が緩むからやめれ。
ルイズは妹系などの自分の庇護を必要とする存在だったら猫可愛がりしそうだよな。
そうすることで魔法の才能が無い己に価値を見出そうとするというかなんというか。

>624
石川御大は死んだんじゃない、ゲッターと一つになったんだ。
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:17:47 ID:FPcWL4GN
>>628
番組途中で肌の色が変わるんですね。わかります。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:21:20 ID:vvTme7hw
>>625
まかせろ!月ごと吹き飛ばしてやる!!!
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:24:57 ID:ssw9Jfgy
誰か月打召喚してくれよ

かなり恐ろしい台詞が垂れ流される事になりそうだが
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:25:18 ID:pEk9Uutx
>>616
へぇー、全く知らんかった。
小説版にもちょっと興味が出てきてしまうな。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:25:52 ID:zNbuF/Fs
ザ・ムーンを召喚とな?
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:27:33 ID:pEk9Uutx
>>633
ルイズが現実世界にやって来て大暴れするのか。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:28:13 ID:qySIY6wA
>>633
「へっ、『イーヴァルディの勇者』だと?あんな物語なんか飽き飽きしてんだ!
 折角あのクソ忌々しい絵本なんかから出れたんだ、好きにさせてもらうぜぇ」

こうですか、わかりました
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:30:55 ID:rcuGMsFd
司令官タイプで強いキャラといえば
人間爆弾こと静かなる中条も忘れないで。
あのインパクトはかなりのものだった。
衝撃のアルベルト程ではなかったが。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:32:17 ID:kVeXCwWX
>>634
さあ、小説買って妖精に髪結ばれた後ほどけなかったり
包帯一人で巻けない不器用なジーク萌えに目覚めるんだ
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:50:32 ID:RlcmZD2c
ゼロのレボリューションの第1話@ウィキに投下終了しました。
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:57:15 ID:77sN6YZZ
>>640
それは遠回しに消してくれと言ってるのか?
642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:58:54 ID:nM+Db+E3
>>635
召喚メンバーは
ルイズ、キュルケ、タバサ、モンモン、ギーシュ、マルコルヌ、サイト、シエスタ、レイナール
ですね。
ラストは犬型亜人が仕掛けたカビ発生装置を止めに聖地へと向かう途中で力尽き
サイトがルイズと結婚宣言してキスしてハルケギニア全滅エンドですね
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:12:33 ID:gq72w8vn
>>642
全滅はアレなので、ザ・ムーン・ザクで手を打とう
あとはバカパイロット×2とサルをどこが召還するかだ
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:22:33 ID:TAIfAsmv
wiki7日の更新が丸々消えてるけど、ただ単に投下がなかっただけ?
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:24:27 ID:ssw9Jfgy
>>637
何故そっちになる

『メイドの午後』 『バタフライ伯爵夫人の優雅な一日』 『召喚されし書物』
このような素晴らしい書物が溢れているというのに

646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:38:26 ID:zCpHDgHv
>>644
投下というかwikiへの追加がなかったということ。
昨日は1つも更新履歴に乗らなかったからな。
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:44:50 ID:oQaaAosq
>>646
いや俺が昨日の夜11時ごろみたら何か登録されてたぞ
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:52:28 ID:YWR3EBOY
 ジークの魔兵召喚って、まずは亡骸を宗旨にあった作法で埋葬しないと使えなかったよな?
 つまり、ジークがハルケギニアの葬式の作法を知らないと、こっちでは魔兵を増やせないような。

 まあ、俺の記憶違いかもしれないけどな。
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:57:30 ID:sqPwK4Td
>>648
そーいうルールは特にはなかった。魔兵を出すときは死者たちの目的と合致さえしてれば問題はなかった。
ワルドあたりはお母さんの霊が警告してくれたり、ニューカッスルの場合は王家を守るために魔兵が出る、でいいと思う。
 
てか、死者の霊が忠告ないし警告を発するから陰謀のほとんどが頓挫しかねない。
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 19:59:41 ID:rcuGMsFd
>>648

あれは確か普通に弔っていただけのはず。
その普通の弔いでは成仏できなく戦うことでしか
成仏できないものを使役していたはず。
記憶違いだったらすまん。
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 20:14:18 ID:JX101Zn/
代理以来着てるんで20分から行きます
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 20:18:31 ID:2sCi9957
>>535
>>吊れて来られた

ヘリコプターから吊り下げですな
653ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/08(水) 20:20:50 ID:JX101Zn/
ルイズは怒っていた。
くりくりとした可愛らしい鳶色の瞳が今は怒りの炎に燃えている。

(何なのよあいつうううううううう!!!)

ルイズは今一人で食事を取っている。
彼女の使い魔は食堂へ付くと

「俺はあまり食料を必要としねぇんだ、後で落ち合おうぜ」

と言ってどこかへ消えてしまった。
呆気にとられてしまったルイズではあったが、
まぁその位なら「まったくもう、先に言いなさいよね!」位で済ませる所だった。
しかし、その後がいけなかった。
床に置いてある手を付けられていない粗食と、
その隣の席でおもしろくなさそうに朝食を取っているルイズを見て

「あら、ふられちゃったのね。かわいそうなルイズ♪」
とキュルケにからかわれたのだ。

恐らく、これが一番の原因なのだろうが、果たして前述の「あいつ」とは
キュルケに向けられた物なのか、あるいは自分の使い魔に向けられた物なのか、
という点については本人をもってしても不明瞭なままであった。
654ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/08(水) 20:21:36 ID:JX101Zn/
そんな事はいざ知らず彼女の使い魔は学園内をうろついていた。
学園内をうろついていた、というのは語弊があるかもしれない。
学園内の地中をうろついていた、というのが正解だろう。

散策も兼ねていたのだが、とりあえず今は水が飲みたかった。
ルイズにどこで飲めるか聞いておかなかった事を少し後悔したが、
過ぎてしまった事はしょうがない。目下自分で探すのみである。

近くで誰かが歩いている気配がしたので顔を出して覗いてみる。
大きいな盥に洗濯物をいっぱいに持っている、メイドの格好をした少女だった。

(あいつを使うか)

「よぉ」



地中から這い上がりながら声をかけたアトリに対するメイドの対応は、
手に持った物を落とし、叫び声を上げ、その場にへたり込む、という
無個性的であり至極常識的なものだった。
そしてその土の中から現れた人間の姿をした物を怯えた目で見るのであった。

アトリにしてみれば魔法が生活の一部となっているというこの世界で、
土から出てきただけでこの様な対応を受けるのは甚だ心外であったし、意外であった。
これでは水を飲める場所を聞けそうも無い。

アトリは表情を「やれやれ」とも微笑みとも取れるものにした後、
とりあえず自分のせいで散乱しであろう洗濯物をその視界に収めると
「チッ、めんどくせぇ」
とぼやきながらも拾い集め、少女の持っていた盥に入れる。

メイドはボーッとした表情を浮かべその光景を眺めていたが
ハッと起き上がり、アトリに駆け寄る。

「す、すみません!ありがとうございます!」
「大丈夫か、気をつけろよ」
655ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/08(水) 20:22:21 ID:JX101Zn/
という言葉と共に,目の前に差し出された盥を受け取る。
「ありがとうございます。ところで私に何か御用ですか?」
警戒心は既にどこかへ飛んで行ってしまったようだ。
その表情には既に恐怖心は感じられない、むしろ零れ落ちそうな微笑みを湛えている。

「水が飲みてぇ、どこにある」

「あ、はい!すぐにご案内します!」

メイドは「飲み水は厨房にある」と告げ案内をした。
厨房までの間はとりとめのない会話をした。
会話というより、アトリがメイドの質問攻めにあったという方が正しいだろう。
警戒心を解いたメイドはその若い好奇心を抑える事もなく、その整った口から解き放ったのだ。
厨房の前まで行くと「少々お待ち下さい」と言って水差しとコップを持ってきた。
水差しをひっつかみ直接口に水を流し込む。

シエスタはそれ見て少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに屈託のない笑顔に戻る。
「アトリさんはメイジなんですか?」
「ちげーよ。まぁ、話すと長いからまた今度な。」




唇の片端だけで微笑みそう言って、アトリは踵を返し食堂へ向かう。
面倒だがご主人様と合流する約束がある為だ。
普通に地上を歩いて食道へ向かう。
シエスタの様にいちいち怯えられては面倒だからである。
が、ここで彼は又もやミスを犯す事になる。
見知った建物、つまりが食堂についたアトリは習慣に基づきいつも通りの方法で侵入した。
即ち、壁を通過したのである。
誰も見ていなければそれでも良いのだが、
300人を超す生徒が朝食を取っている食堂に置いてそれを望むのは欲が深いという物であろう。
アトリは壁を抜けた先の少女の表情によって、自らの失敗をその目で確認する事になった。
656ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/08(水) 20:23:13 ID:JX101Zn/

アトリが壁から出てくるのを見てしまった少女は悲鳴を上げる。
アトリにとっての幸運は、それを見てしまったのは偶然壁の傍を通りがかった一人の少女だけであった事。
通常なら穏やかな表情で、手を差し伸べれば済む。
アトリにとっての不運は、その決して多いとは言えない目撃者が金髪縦ロールの少女だった事だった。
彼女の悲鳴は普通の少女のそれとなんら変わりはしなかったが、
事態を面倒な物にするにはそれで十分だった。

「すまねぇな、大丈夫かよ。」

手を差し伸べようと近づくアトリと少女の間に少年が割り込む。
「モンモランシーに何をした!!」
その言葉も、蒼い瞳も怒気に満ちていた。

「何もしてねーよ」
「黙れ下郎!それ以上モンモランシーに近づく事は許さん!!」
「そうかよ」

アトリは「やれやれ」という表情でその場を去ろうと体の向きを変える。
が、その足が次の一歩を踏み出す事は無かった。
目の前に青銅の鎧が槍を突き付けて立ち塞がっていたからである。

「このまま帰れると思っている訳ではないだろうな。」

涙を瞳に浮かべて震えているモンモランシーと呼ばれた少女を、
少年はチラリと見やると一層表情を険しい物に変えて続けた。
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 20:23:57 ID:oMyeghLn
しえn
658ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/08(水) 20:24:00 ID:JX101Zn/

「貴族に対する無礼、万死に値する。決闘だ!!」

絶対に揺るがない強さを全身から滲ませていた。
厳しい目も、声の響きも、アトリに向かうその立ち姿も。
特にその瞳の輝きは苛烈さを極め、まるで青白い炎を放っているかの様な怒気を孕んでいた。
それは確かにどこかで見た事のある眼だった。

(めんどくせぇ・・・)

アトリはいよいよ面倒な事態になってしまった事を理解した。
そしてそれと同時に眼下から自分を睨み上げるこの少年の眼の正体。
いや、それと同じ目をしていた男が蘇る。


―――――――あいつだ


(相変わらずムカつく眼をしてやがる)
そう思いつつも唇は微笑みを隠せない。

端末で確認するまでも無ぇ、俺には解る。
こいつはあいつだ。
アトリは確信めいた物を感じていた。

あいつには大きな貸しがある。
元より向こうから売り付けてきた喧嘩である。
この少年には「八つ当たり」でしかないが、少し遊んでやるくらいいいだろう。




「俺とやる気かよ、ガキ」
659ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/08(水) 20:24:58 ID:JX101Zn/
今回はここまでです。
やっと最初に宣言したギーシュ戦です。駆け足展開ですみません。
ギーシュ戦が終わった後の展開も考えてはいるのですが書くかどうかは未定です。
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 20:33:45 ID:coJpSYlH
投下乙ー。
そーいや小説版のアトリは出番半分を丸々削られてカワイソスだったなぁ…。
アニメ版はいい仕事をしたよホントに。
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 20:35:44 ID:nfj61liU
乙っす
せめて、せめてアトリが巨大化する必要が出そうなアルビオンまで・・・・はキツイかぁ
続けて欲しいな
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 20:38:18 ID:CuO9+/3+
乙でしたー。
そりゃいきなり土や壁のなかから人が出てきたら驚くわなw
せめてフーケ戦までは続けて欲しいよ!
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:12:09 ID:GW8PINuW
アトリの人乙
アニメ本編でも一話で幽霊扱いされてたしそんな感じになるわなw
果たしてギーシュの運命や如何に。そして今後のタバサの反応が気になる><
664名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:14:59 ID:ZkgFlKCi
>>648
ジークは死者の声が聞こえるから、作法とかは死者から聞いてたんじゃないのか?
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:15:16 ID:oKdAHxGE
>>648
魔兵達は怨みに穢れ復讐でしか開放されない魂でありさえばいい
仮にハルケギニアの魂を招かなくても、ジークは既に万単位の軍勢を従えている

あと結構大事な話、ジークって『神殺し』なんだけどバランスブレイカー過ぎやしないか?
666名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:18:34 ID:sqPwK4Td
>>665
バランスブレイクに関しては今更じゃね?
問題は続けられるだけの構成力があるか、ないか。
当人のモチベーションとセンスだけだろう。
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:20:25 ID:kVeXCwWX
>>664
死者は自分が誰でどんな作法で埋葬してもらえれば心安らぐか、を強く訴えてるらしいよ
668名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:21:10 ID:eA7fjCk/
ちと亀だがあっさり使い魔になってくれそうな指揮官タイプといえば忘れちゃいけない元祖

無責任艦長タイラー(富士見版)

何が恐ろしいって敵から味方から上から下から万遍無く好かれる人心把握能力。


策士陰謀家タイプからは徹底的に嫌われるけどなっ
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:34:57 ID:TtY/p9SI
>>668
しかも喜んで使い魔やりそうだな。
ロリコンだし、あと多分マゾ。
670名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:40:08 ID:Qgk0Xu2v
アニメでエロ本召喚したらしいが、ホントなのか?
671名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:44:13 ID:dz0IR7dP
召喚というか、何故かキュルケの家の家宝になってた。
どういった経緯で召喚されたのかはわからんが。

そういやオスマンを助けたベトナム戦争時の米軍兵士もどういった経緯で現れたのか謎だよな。
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:46:46 ID:gNtC5LSI
>>670
おそらくガンダルーブの長槍召喚するのに巻き込まれただけのモノじゃないかな。

詳しくはウィキペディアのゼロ魔のオーパーツの項を見れ。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:47:39 ID:9Wq02Cre
阪神ファンが一番基地外だと思うんだけど奴らに常識は無いの?
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:48:34 ID:9Wq02Cre
>>673
誤爆ですすいません
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:52:54 ID:gNtC5LSI
阪神ファンのキャラ召喚か。
プラネテスのハチの父親のゴローとか?
火星に行っても阪神の優勝を気にしていたぐらいだし。
676名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:54:50 ID:nM+Db+E3
ジークかあ
こっそりヴァリエール公爵に磁石のサイボーグに改造されてるルイズとかかなあ
いや、鋼鉄で磁石系なら土メイジだろうからちい(ry
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:57:42 ID:+u+rWhYW
>>676
それは「ジーグ」だwww
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 21:58:29 ID:fRuFDnlX
ジークちゃうジーグやで。
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:00:25 ID:dz0IR7dP
ジークと聞いて思い浮かぶのは、あの銀色の機械の恐竜かなぁ
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:02:12 ID:zDO8fvQ5
呪われしカーネルサンダース像を召喚
以後、トリステイン軍は負けることが多くなったという
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:06:37 ID:pEk9Uutx
>>672
オーパーツの項ってどこ?
場違いな工芸品とは別だよね?
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:06:58 ID:nM+Db+E3
ジークと言えばジオンかあ

「ハルケギニアの高空には風石をつめた巨大な浮遊大陸が浮かび人々はそこで子を産み育て死んでいった…」
というオープニングからですね。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:14:29 ID:ZMBeTFPb
ジーク・ジオンっていうだけど本来のドイツ語だとSiegで発音はズィークなんだぜ・・・
きっとこの違いがジオン訛りなんて思う俺は変に訓練されたガノタ

遊びでドイツ語なんてやるんじゃないんだよ!
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:26:37 ID:+u+rWhYW
>>681
オーパーツ=場違いな工芸品
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:27:36 ID:+u+rWhYW
ジークと言うとGSに出てきた魔族を思い出すな。
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:27:42 ID:qDk7oFxk
>>682
ウェールズが仮面を被って通常の三倍で動くんですね、分かります
687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:34:29 ID:OZuJiJE7
そいやジークは魔兵喚ぶと左腕から出血すんだよな。
そのせいで全力出すのに制限かかるわけだし万里眼の娘と後一人の二人分の聖性をルイズがひねりださんと七万は意外としんどいかもしれん
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:34:28 ID:WFLjjepi
実はアルビオンはラピュタで、王家に伝わる風のルビーの正体は……
689名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:36:51 ID:pEk9Uutx
>>684
それは知ってるけど、載ってないみたいなんだよね。
690名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:38:19 ID:ibF8BNal
のちに一年戦争と呼ばれる闘いの幕開けである。
691"IDOLA" have the immortal servant 0/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:41:39 ID:DJi+GFMG
予約がなければ10:45から13話投下したいと思います。
692名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:43:24 ID:g9EVjQD5
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:43:30 ID:ScbhtTaX
ジークといえば空の軌跡だと思う俺は異端なのかな、と思いつつ支援
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:44:41 ID:+u+rWhYW
>>672
違う。
『召喚されし書物』(エロ本)は「槍」の召喚に巻き込まれたんじゃなくて、魔法の実験中、事故で呼び出されたもの。

米軍兵士は>>672の言うとおりだろうけど。
695"IDOLA" have the immortal servant 1/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:45:13 ID:DJi+GFMG
 フロウウェンとワルドは『女神の杵』亭の中庭で対峙した。二人の距離は二十歩ほど。剣より魔法が優位に立つであろうという距離だ。
 錬兵場は今では物置として使われているのか、樽や空き箱が積まれて、かつての面影は薄れている。石でできた苔生した旗立て台が、わずかにその名残を残すばかりだ。
「かのフィリップ三世の治下には、ここでよく貴族達が決闘したものさ。ヒースクリフの歳なら知っているかな?」
「いや。オレは外国人だからな」
 感慨深そうに周囲を見渡している。
「ほう。そうだったのか。古き良き時代。王がまだ力を持ち、それに従った時代……名誉と、誇りをかけて僕たち貴族は魔法を唱えあった。
だが、実際は下らないことで杖を抜きあったものさ。そう。例えば女を取り合ったりね」
「何時の世も、どの国でも変わらんものだな」
 フロウウェンは苦笑した。
 自然体のままのフロウウェンに、ワルドは内心で少々の苛立ちを覚えた。
 これだけ焚き付けて思わせぶりなことを言っているのに、気に留めている風がない。これでは自分一人で踊っているようではないか。
 いや、実際そうなのだろう。ルイズもこの男も、お互いを恋愛対象などに見れるような年齢ではない。
 それでもルイズはこの男に随分な信頼を寄せているようだ。ならば、彼女の目の前で叩きのめして、自分こそがルイズにとって最も頼れる男であるということを誇示しなければならない。
「さて、始めるか」
 フロウウェンがデルフリンガーの柄に手をかけると、ワルドは左手で制する。
「立ち会いにはそれなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」
「立ち会い? 介添え人だと?」
 フロウウェンは眉を顰めた。
「安心したまえ。もう呼んである」
 実戦を想定の訓練ではなくて、まるで正式に決闘でもするかのようだ。
 つまり、ワルドはここでの勝敗に拘っているということか。
「ワルド。来いって言うから来てみれば、何を始める気なの?」
 物陰からルイズが現れた。フロウウェンの姿を認めると訝しそうにワルドに問う。
「彼の実力を試したくなってね」
 と、ワルドは嘯いてみせた。
「もう、そんな馬鹿なことは止めて。今はそんなことをしているときじゃないでしょう」
「そうだね。でも貴族というやつは厄介でね。強いか弱いか。そんなことが気になるともう、どうしようもなくなってしまうものなのさ」
 不敵な笑みを浮かべるワルド。
(女を取り合って、と言ったか。嫉妬されるような歳でもあるまいが)
 それでもワルドはルイズの婚約者だ。力を誇示して意中の相手の気を引く、というのは解りやすい話ではある。
 だが、腕が立つことと良い夫であることは別だ。
 さもルイズを愛しているというような言動を取りながら、向けられる瞳が冷やかなのは、彼女の持つ家名や財産を必要としている、といったところか。
「ヒースも、やめてよ」
「すまんな。少々、子爵に興味が湧いた」
 フロウウェンは視線をワルドに向けたまま答えた。
 現時点でのフロウウェンのワルドに対する評価は「利害が一致している間は頼りにしていい男」だ。
 剣を交えればもっとワルドのことが理解できるだろう。
 どのような時にどのような手を打つか。引く時。押す時。それら全てに性格や考え方というものが出る。
「では、介添え人も来たことだし始めるか」
 ワルドは腰から杖を引き抜いた。フェンシングのように、前方に突き出す。
金属で拵えられたそれは、接近戦に持ち込まれた時のことを想定して作られている。ワルド自身の構えにも隙がないのを見る限りでは、近接戦闘もこなせるのだろう。
 フロウウェンはデルフリンガーを抜き放ち、正眼に構える。そのまま遠巻きに出方を伺うが、ワルドには呪文を唱える気配が無い。
「なんでえ、あいつ。やる気あるのかよ」
 デルフリンガーの呟きに、フロウウェンが眉根を寄せた。
「招き入れて迎え撃つ気なんだろう」
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:45:36 ID:pEk9Uutx
支援

>>694
解説ありがとう、スッキリした。
697"IDOLA" have the immortal servant 2/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:46:58 ID:DJi+GFMG
 次の瞬間、フロウウェンの身体が弾けるような速度で前に出た。影さえ留めない速度で打ち込まれたデルフリンガーを、しかしワルドは杖で受け止めた。
 固定化がかかっているのか。かなり強固な杖だ。
 フロウウェンは強引には押さず、自分から一歩間合いを開くと、右上段に振りかぶり、袈裟懸けに斬り込んだ。
 早い。だが、モーションが大きい。そうワルドは感じた。
 あれを避けて杖での反撃を加え間合いを開く。ワルドにしてみれば容易い―――はずだった。
「ぐっ!?」
 ワルドが苦悶の声を漏らして飛び退る。
 斬撃そのものがフェイントだ。本命は斬りと同時に放たれた、コンパクトなモーションの蹴り。
 踏み込み自体が攻撃に直結していた。
 体勢を崩さぬよう、悟られぬよう、小さく鋭い動作だった。だから威力はさほどでもない。しかしワルドの軸足の膝を横から、的確に捉えている。
 フロウウェンの視線は上段から打ち込まれる剣戟の軌道から、全く動かなかった。だから、見切れない。
「ちっ」
 ワルドは舌打ちすると、フロウウェンが踏み込んでくる前に呪文を完成させた。風の防壁だ。
 フロウウェンは踏み込まずに、出現した風の防壁に一太刀を叩き込む。切っ先を暴風に捕らわれて、剣の軌道があらぬ方向に逸らせられていった。
 それを見届けて、ワルドは小さく息をついた。
 初撃は正統派の、一流の使い手のそれだった。だが唐突に、教科書にはない技と動きが飛び出す。
 元より魔法衛士隊での近接戦における体術は相手を倒すことよりも、距離を詰められた時に敵をいなして、間合いを取ることを主眼に体系づけられた技術だ。
 体術の心得の無い平民やメイジであれば苦も無く翻弄もできよう。しかし相手が本職の剣士となると、これとまともに切り結ぶのはワルドと言えど分が悪い。
 一度の接触でワルドは確信した。近接戦闘での向こうの引き出しは、こちらより遥かに多い。
 追撃に出ず、回避行動も取らず、防壁に斬撃を加えて性能を確かめた。その事実にワルドの背を冷たい汗が流れていく。
 先程の蹴りの目的は明白だ。数秒の間、自分の体捌きを鈍らせる効果を狙ったもの。であるなら、呪文の用意もない状況で間髪置かずに斬り込まれるのは非常にまずい。
 詠唱の長い大技を使う余裕はなく、短い詠唱の小技でも避けられれば後がない。フライで逃げるなど、ルイズの目の前では以ての外だ。だからこその防御魔法だった。
 それを向こうは読んでいた。
 模擬戦である以上、殺傷力の強い魔法を使うはずが無い。そういう前提があるからこそ、そんな選択をしたのだろうか。それとも完璧に心理まで読み切られたのか。
 いずれにせよ、経験から来る洞察力と応用力というのは計り知れないものがある。
達人などと呼ばれて若者を寄せ付けない老齢のメイジがいるのも、経験に裏打ちされた読みが、単純な魔法の威力や体力差を引っくり返すほどの効果を発揮するからに他ならない。
 なるほど。自分の婚約者は恐ろしい男を使い魔としたものだ。
「いや、失礼した。おかげで目が覚めたよ」
 それでもワルドには余裕があった。
 達人は達人だろうが、魔法ではなく剣の達人だ。ならば、いくらでもやりようはある。防御魔法の性能を見られたと言っても突破されたわけではないのだ。
 では、魔法を撃たれた場合の対処はどの程度のものか。
 足は少し休んだお陰で回復した。ワルドは飛び退って間合いを開くと、レイピアを扱うように杖を長く前方に突き出した。
 重心は退避に向くように後ろに置く。敵との間合いを測り、防御に主眼を置いた構えだ。
 フロウウェンは構わずに切り込む。
 動きの速さはほぼ同等だ。フロウウェンが押せば押した分だけワルドは下がる。技巧で負ける以上、まともに切り結ぶつもりはワルドに無い。こちらには踏み込まずとも、体勢を崩さずとも、必殺の武器がある。
「デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ……」
 フロウウェンの攻撃をいなすことに集中しながらも、何万回と繰り返した詠唱が、半ば以上無意識的にワルドの口から紡がれる。
 剣を合わせる度にワルドの口元が動いて、何事か呟いていることにフロウウェンも気付いた。
「相棒! 魔法がくるぜ!」
 デルフリンガーの言葉にフロウウェンの姿勢が極端に低くなる。視界の端へと滑り込んでいくフロウウェンの姿を追って、ワルドは魔法を解放した。
 空気が衝撃波となって爆ぜた。
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:47:43 ID:pEk9Uutx
支援
699"IDOLA" have the immortal servant 3/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:47:55 ID:DJi+GFMG
『エア・ハンマー』。巨大な空気の槌だ。まともに当たれば人間を軽々と吹っ飛ばす威力がある。
 が、フロウウェンの体を捉えてはいない。積み上げられた樽にぶち当たって、ガラガラと崩れる音が中庭に響き渡る。
 フロウウェンは姿勢を低く保ち、衝撃波を避けやすい体勢を作っていた。更に狙いを不正確にする為に近距離から横に回ることで視界から消えていく。実に理に敵った回避手段だ。
 それぐらいはやってのけるだろうということは、ワルドも承知していた。魔法を放つと同時に、フロウウェンの飛んだ方向を確認もせずに、その逆方向へと走りながら、続けざまに詠唱を始める。
 今度は魔法衛士隊の、リズムを伴った呪文詠唱法ではなく、『閃光』の二つ名の由来ともなっている高速の詠唱である。
 振り返りもせず、勘でフロウウェンのいるであろう方向に向かって『ウィンド・ブレイク』をぶっ放す。
 こちらは『エア・ハンマー』ほどの貫通力はないが、より広範囲を薙ぎ払うことができる。
「くっ!」
 フロウウェンの声。思惑通りに風の壁は敵を捉えたらしい。
 ワルドが跳躍にひねりを加えて振り返れば、吹き飛ばされないよう腰溜めになって耐えたフロウウェンの姿があった。
 ダメージにはなってはいないが、足止めができればそれで充分だ。ワルドは間髪を置かず、『エア・ハンマー』を放つ。
 今度は間合いが充分に開けている為にワルドの視野が広い。狙いはその分正確になるが、今度は着弾までのタイムラグがある。フロウウェンは不可視のはずの空気の弾丸を、見事に回避して見せた。
(雑な攻撃をすれば、即座に間合いを詰められるな)
 内心でワルドはその体術に舌を巻く。
 体裁きが卓越している。実際の速度以上に素早く見える上に、方向転換が自在で先読みもしにくい。
 確実に魔法を当てるなら先程よりも至近距離に呼び込んで、切りかかってくる所をカウンターの要領で魔法を叩きつけるという手が考えられる。しかし、その間合いはワルドにとっても避けたい距離であった。
 距離が離れている間は、一方的に攻撃を仕掛けられる。圧倒的優位な立場にあるのはワルドの方なのだ。
 二手、三手ほどしくじって間合いを詰められても、こちらには風の防壁を張れる余裕があるし、向こうが一度でも対処を誤って風の魔法を受ければ、それで勝負が決まるほどの打撃になる。
 だから、魔法を回避されても無駄撃ちだとはワルドは考えてはいなかった。
 ワルドの唱えている『エア・ハンマー』は、不可視且つ、一抱え程もある巨大な衝撃波を放つ術だ。その性質上、紙一重で避けるということができない。
回避するならば、正確に軌道を予測した上で、余分に大きく動かねばならず、それだけで集中力と体力の両面を削ることができる。
 だから敢えて危険を冒す必要はない。相手が剣で挑んでくるのであれば、最も確実で、最も正解に近い戦術であった。
 ただ、ワルドは二つ、情報不足から来る読み違えをしている。
 フロウウェンの体力は、ルーンの力によって通常では考えられないほど早く回復し続けるという点。それからテクニックがある為に、間合いを取ることによる優位性は絶対ではないという点の二つだ。
 とはいえ、これが模擬戦ということを除いても、フロウウェンにはテクニックによる反撃に移れない理由がある。
 テクニックがハルキゲニアに置いてはイレギュラー的要素ということもあるが、発動させるには精神集中の為に一瞬足を止める必要があるからだ。
 だから『エア・ハンマー』で追い立てられている内はフロウウェンにも遠距離からの反撃は不可能だった。
 といっても、フォースではないフロウウェンのテクニックには、熟練したメイジの系統魔法のように一撃で人の命を奪い得る程の威力はない。
 結局の所、フロウウェンを含めたハンター達にとっては、攻撃用のテクニックも敵の喉元まで切り込む為の補助的な役割にしかならない。
「奴さん、とにかく詠唱が早いね。なかなか見れないぜ。あんなの」
 デルフリンガーが感心したような声を上げる。
 躊躇もせずに手数で攻めてくる戦法を選んだことから、精神力切れはしないという自信と実力があるのだろう。
全てを回避し続けるというのは現実的ではない。今はまだ避けていられるが、こちらの体術に慣れれば次第にワルドの読みも正確になってくるはずだ。長引けば不利になるのは明白である。
700"IDOLA" have the immortal servant 4/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:49:30 ID:DJi+GFMG
「テクニックや魔法を剣で斬れれば楽な物だがな。フォース相手の戦いでは、常々思うことだが」
「んん……?」
 その言葉を聞いたデルフリンガーの思考に、妙にざわつくものが走った。大事なことを忘れている気がする。思い出せそうなのに出てこない。インテリジェンスソードのデルフリンガーにとっても、もどかしい感覚だ。
 ともあれ、無い物をねだっても仕方が無い。フロウウェンは走りながら、ワルドの攻撃で中庭に散らばっていた、砕けたワインの瓶を拾う。
 瓶を投げつけるつもりか、とワルドは視界にそれを捉えて眉根を寄せた。
 単なる平民の悪あがき――とは思っていなかった。
 投げつけられれば否応なく迎撃はしなくてはならない。それ自体は容易い。ただ、一瞬とはいえ、注意を払うべき対象が増える。解っていても意識が散漫になり、詠唱の手間も時間も増える。
 フロウウェンは杖を持っていない側へと回りこむような動きを取る。
少しでも魔法の狙いを不正確にし、発動を遅らせようという意図がそこには見える。体勢を低く保って動くことといい、魔法への対処は理詰めであった。
 それはフロウウェンの対メイジの経験――正確には対フォースの経験なのだが――が豊富であることをワルドに窺わせる。
 時折、平民でありながら技量や機転を以ってメイジを打倒する者がいるということをワルドは知っている。メイジ殺しと言われる者達だ。
 あの技量と魔法への対処。そして高齢まで生き延びているという事実。対峙する男がメイジ殺しであるのは確実だと見るべきだ。なにせ、こうまでいいように魔法を回避された経験はワルドにもない。
 であるなら、こういう局面で有効な手立ても知っているということだ。ならば油断をするわけにはいかない。
 ――と、その時だ。
「こ、こりゃ何としたことだっ!?」
 中庭を覗いて、頓狂な声を上げた者がいた。でっぷりと太った宿の主人だった。
 
 
「いや、すまないね。少しばかりムキになりすぎたようだ」
 ワルドは人の良さそうな笑みを宿の主人に向ける。 
「勘弁願いますよ。旦那様」
 弁償と称して、ワルドは幾ばくかの貨幣が詰まった袋を握らせた。それでも宿の主人の表情は少し引きつったような愛想笑いであった。
相手が貴族ということもあって強く出られないのだろう。
 フロウウェンが低い体勢を取っていたということもあって、『エア・ハンマー』を乱射した割には、物置に置かれた物品の損害はさほどでもなかった。
その代わりあちこちの地面に、今しがた掘り返したような色の土が覗いている。
 元は錬兵場だが、今はれっきとした物置なのだ。そこで派手な立ち回りをされて、宿の主人がいい顔をするはずが無い。
おまけに騒ぎを聞きつけて、他の宿泊客達が物見遊山に集まってくる始末だ。その中にはタバサやマチルダの姿もある。
 ルイズ達の同行者に、手の内は出来るだけ明かしたくなかった。ワルドにしてみればこの辺が潮時ではあった。
 注目されて貴族派に情報が伝わるのも拙いと理由を伝えると、フロウウェンはあっさりと中断することを承諾した。
「いや、きみの使い魔は流石だよ。誇っていい。ルイズ。多分、ラインクラスのメイジなら一蹴だろう」
 フロウウェンの実力を賞賛するも、言外にスクウェアの自分は別というニュアンスを漂わせて、ワルドは宿の中へと戻っていく。
「いやあ、あの貴族は強いな。多分スクウェアクラスだぜ」
「言えた義理ではないが……手の内は見せなかったな」
 ワルドの背を見送りながらフロウウェンが呟く。
 積極的に倒しに来るわけではなく、こちらの動きを観察するような戦いぶりだった。実戦本位の訓練とも、ルイズの気を引くための戦いとも思えない。
 アルビオンに乗り込む前に、毛色の違う自分の戦力を把握する為のものだった、というところだろうか。それとも―――
701"IDOLA" have the immortal servant 5/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:51:04 ID:DJi+GFMG
「ヒース」
 フロウウェンの思索を中断させたのは、傍らにやってきたルイズの声であった。
「大丈夫? 怪我は?」
「見ての通りだ。互いに加減はしていたようだからな」
「なら、いいけど……」
「ルイズこそ、大丈夫か?」
 フロウウェンは少し目を細めてルイズに問う。
 俯くルイズの表情が浮かないものだったからだ。
「え、え? だ、大丈夫ってなにが?」
 狼狽するルイズの態度はフロウウェンの言葉を肯定しているようなものだ。ただ、それを隠そうとするというのは、フロウウェンには詮索して欲しくないということなのだろう。
「……いや。思い違いか。さて。朝食にしよう。運動した後は腹が減る」
 小さく笑うとルイズの頭に軽く手をやって、フロウウェンは宿へと戻っていった。
「ちょ、ちょっと!? 貴族の頭を軽々しく撫でないで! 聞いてるの!? ヒース!」
 一瞬呆気に取られて立ち尽くしていたルイズだったが、ふと我に返ってフロウウェンの背に黄色い怒声を飛ばし、後を追うのであった。
 
 
 重なって一つになった月が高く昇る。スヴェルの夜だ。
 一行は1階で酒を飲んで騒いでいた。アルビオンに渡ればそんな暇も無くなるだろうから、騒げる内に騒いでおこうということだろう。といっても騒いでいるのは専らギーシュなのだが。
 ルイズは昨晩のワルドとのこともあって、楽しく飲むという気分ではなかったのだが、一人でいればまたフロウウェンに心配をかけてしまう。
 朝のあれは、フロウウェンが自分の触れて欲しくないことに触れないでいてくれているだけだ。それぐらいは解っている。
 それでも一時的にとはいえ、悩んでいたことを忘れさせてくれたのはありがたい。考え過ぎて気分が落ち込んでいく前に止めてくれた。まあ……やり方は感心しなかったが。
 だから、今はともかく任務の達成を第一に考えることにする。ワルドとのことは、彼もそう言ってくれたように一時保留だ。今は考えない。考えない為にも皆に混ざって飲むことにするのだ。
「いやいやいや。あれは外見こそ確かに地味かもしれないが、機能美との黄金比なんだ。そう。既に完成された形状をしている。奇をてらって変える必要なんてあるはずがない」
「そう? 色合いなんて地味じゃないの。あたしだったらもっと胸を強調してスカートの丈を半分にデザインするわね」
「秘めてこその華じゃないか。薔薇は蕾の時でも咲き誇った時の美しさを連想させて楽しませてくれるよ」
「……何の話?」
 ルイズが少し考え込んでいた内に話題が変わっていた。
「メイド服」
 タバサが山盛りになったハシバミ草のサラダを突付きながら答える。
「は?」
「いや、学院のメイド服ってもっと派手でもいいんじゃないって話よ」
「それで胸を強調だとかスカートの丈を短くするとか言ってるの? それじゃいかがわしい酒場みたいじゃないの」
 キュルケの言うようなメイド達がアルヴィーズの食堂で働いているところを想像して、ルイズは眉根を寄せる。
「ゲルマニアじゃ、色なんてこうオレンジ色とかで、スカートもこの辺までしかない給仕のいる食堂が話題になってるわよ」
「そ、そんなの下着が見えちゃうじゃない!」
「それが良いのよ」
「それ……オールド・オスマンの耳には入れないで下さいね」
 疲れたような声でマチルダ。どうも色々苦労しているらしい。
「うーむ。学院のメイド服はあれで完成していると思うが、それはそれで良いかもしれないね!」
「トリステインはそういうとこが保守的でつまらないのよ。ねえタバサ。ガリアはそういうのないの?」
「ネコミミメイド食堂」
「なっ、なんだねそれは? もっと詳しく!」
 ガタッと音を立ててギーシュが立ち上がる。
702"IDOLA" have the immortal servant 6/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:51:58 ID:DJi+GFMG
 その時だ。勢いよく宿の扉が開け放たれ、武装した傭兵らしき一団が飛び込んできた。
「いたぞ! 奴らだ!」
 言うなり、先頭の一人が矢をつがえてルイズ達に向けてくる。
「食らえっ!」
 問答無用だった。引き絞られた矢が容赦なく放たれる。タバサの風の魔法で狙いは逸れ、カウンターの奥に並べられた酒瓶が砕け散った。
 他の客達が悲鳴を上げて、我先にとカウンターの裏やテーブルの下へ逃げ込む。
 タバサに続いてマチルダが杖を振るう。一枚岩から切り出された一番大きなテーブルの足が折れて倒れ、即席の盾となった。ルイズ達はその裏側へと逃げ込む。
 タバサ、キュルケ、ワルドが魔法で応戦し、先頭にいた数人を倒したが、どうも効果は芳しく無い。
傭兵達は魔法を見てから回避できる、或いは届かない距離を最初の接触で見極めたらしく、戸口や窓の外側から積極的には踏み込んでこない。代わりに矢を雨あられと降り注がせてきた。
これでは顔も出せない。下手に身体を出せば針鼠のようになる。
 それはつまり、魔法の狙いが正確にはつけられず、効果的に使うことができない、ということだ。
「数が多すぎる!」
 力押し、というわけにもいかない。敵の総数も把握しない内から先頭の連中を大技でなぎ倒しても、新手が来たら終わりだ。魔法以外に武器を持たないメイジは、持久戦に持ち込まれて精神力が尽きたら、戦う術が無い。
「わしの店になんの恨みがある!」
 カウンターから顔を出した宿の主人が傭兵達に向かって喚く。
「顔を出すな!」
 フロウウェンがそれに向かって注意を促すが、報われなかった。腕に矢を食らって床に転がり、悶絶する。
 阿鼻叫喚だ。ワルドが肩を竦めた。
「参ったね。これは」
「昨晩の連中。物盗りじゃなかったみたいね」
 傭兵達は明らかに自分達を限定して襲撃を掛けてきている。
「あの人数を動かす資金力から見ても、アルビオン貴族派が裏で糸を引いているのは間違いないな」
「これはちびちび魔法を使わせる作戦ね。精神力が尽きた頃に突撃してくるでしょうね。どうする?」
「ゴーレムを作って防ぐのは?」
 ルイズが言う。誰の、とは言わないが、マチルダの巨大ゴーレムに期待しているのだろう。
 が、マチルダにはギーシュやワルドの前で巨大ゴーレムを見せるつもりは毛頭なかった。ミス・ロングビルとしての顔で取り澄ましたマチルダがつらつらと答える。
「ゴーレムで突撃を防ぐのは難しいでしょう。小さいゴーレムでは人数次第で押し負けるでしょうし、大きなゴーレムは室内で作ったら建物が崩れます。それよりも」
 マチルダが呪文を唱える。『錬金』の呪文だ。机の向こう側の床がそこかしこで斜めに盛り上がって、鋭く尖った石の槍が傭兵達に向かって地面から突き出した。
「こうやってバリケードを作ってやれば、一斉突撃は不可能になります」
「ほう」
 ワルドが感心する。
 離れた場所にあれだけの規模の『錬金』を行うのはかなりの高等技術だ。
土はワルドの専門ではないから正確なところは判らないが、相当才能のあるラインか、トライアングル並の実力がないと難しいと思えた。
 タバサ、キュルケも、呪文の精度を見る限り、かなりの実力者のようだ。あのグラモン家の小僧も、この任務に選ばれたことや血筋を考えれば油断はできまい。
 ルイズの助っ人にやって来たメイジ達は揃って優秀なようだ。これを全員アルビオンに引き連れていくのは避けるべきだ。
「良いかな。諸君。このような任務では半数でも目的の場所へ辿り着ければ、成功とされる」
 その言葉に、タバサが反応する。ギーシュとキュルケ、フーケ、それから自分を杖で指して囮。ワルド、ルイズ、フロウウェンを指して桟橋へと、短く口にした。
「私は今の『錬金』で殆ど打ち止めです」
「じゃあ脱出して桟橋へ」
 タバサの言葉に頷くマチルダ。本当はもう少し余力があるのだが、そこまでしてやる義理は無いと考えていた。
703"IDOLA" have the immortal servant 7/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:53:03 ID:DJi+GFMG
「時間は?」
「今すぐ」
「よし。裏口から桟橋へ向かうぞ」
(……寡兵でありながら戦力の分散、か)
 フロウウェンとしてはあまり賛同できない案であったが、この世界に来て日が浅いのも手伝って、メイジと傭兵の戦力差を正確に把握できているわけではない。
 実戦経験が豊富なワルド、タバサ、キュルケ辺りにはまだ余裕が見られることから、この手勢で撃退する自信があるものと判断するしかなかった。
「で、でも……」
 仲間を置いていくことに抵抗があるのだろう。ルイズがキュルケ達を見やる。
「ま、あたしたちは何しにアルビオンに行くのか知らないしね」
 キュルケは余裕の表情で笑ってみせた。
「ううむ。ここで死んだらモンモランシーや姫殿下には会えなくなってしまうな」
 薔薇の造花を弄るギーシュ。
「行って」
 ルイズ達に向かって頷いてみせるタバサ。
「ギーシュ」
 フロウウェンが、唐突にギーシュを呼び止める。
「なんだい」
「お前は開き直ると強いが、今日は一人ではないぞ。オレとの時のように最後まで戦おうとはするな」
 ギーシュはきょとんとした顔でフロウウェンを見ていたが、やがて言わんとしていることを理解して、少し困ったように笑った。
「そうだね。囮役の男は僕だけになるから、女の子も護らなければいけないしね。貴方も御武運を」
「ああ。キュルケ、タバサも」
「ええ。また今度、今日みたいにお酒でも飲みましょう」
「また。絶対よ」
「あら、ヴァリエール。あたしはおじさまに言ったのよ? ま、あなたもついでだから一緒でもいいけど」
「つ、ついでですって!? い、今は時間が無いから止めとくけど、覚えてなさいよ! ツェルプストー!」
 ルイズが何時ものように怒鳴ると、キュルケは楽しそうに笑う。それから、早く行け、とばかりに手をひらひらと振った。
 ルイズはまた何か言おうと口を開きかけたが、きっと口を真一文字に閉じると、傭兵達の様子を伺う三人の背に向かって頭を下げ、ワルドに続いた。それにマチルダが続く。フロウウェンはデルフリンガーを抜き放って、殿に付いた。
 脱出組に矢が射掛けられるが、タバサの魔法がそれを散らす。
 厨房から通用口に辿り着くと、酒場の方から派手な爆発音が聞こえてくる。キュルケのものだろう。
「始まったみたいね」
 ルイズが唇を噛んだ。
 ワルドは裏口のドアにぴたりと身体を当て、向こう側の様子を探る。
「誰もいないようだ」
 その言葉に、フロウウェンは違和感を覚えた。
 持て余すほど人員がいて、前もってこちらの場所まで特定していながら、包囲がぬるい。当然一斉突撃に備えて裏口からも挟撃されるもの、とばかり思っていたのに。
 どうも都合の良い話だ。待ち伏せする別働隊がいるもの、と見ておくべきだろう。
 
 
「じゃあそろそろ始めますか」
「なんだい。それ」
 キュルケとタバサの左肩に人の頭ほどの大きさのある、何かが浮かぶ。
 キュルケの従えるそれはやや流線型で、タバサの方は丸みがあって小さい角と尻尾がついている。
「マグ。ガーゴイルのようなもの」
「ふうん」
「後で貸してあげるわ。仕上げはワルキューレに突撃してもらうから。それよりギーシュ。あなたのゴーレムで、厨房の揚げ物鍋を取ってきてちょうだい」
「お安い御用だ」
 ワルキューレを作り出すと、厨房へと走らせる。何本かの矢が突き刺さって、衝撃で少しよろめいたものの、痛覚のないゴーレムにとっては、矢のようなものでは関節部が破壊されない限り致命的ダメージには至らない。
「よし。取ったぞ」
 キュルケに視線を戻したギーシュは彼女を見て呆れた。手鏡を覗いて化粧なんて直している。
704"IDOLA" have the immortal servant 8/8 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:53:49 ID:DJi+GFMG
「それを、入り口の連中に向かって投げて?」
「化粧直しなんて、こんな時に随分余裕だね。君は!」
 ワルキューレがギーシュの言葉を合図にするかのように、鍋を放り投げた。
「モテる女はね……余裕のあるものなのよ!」
 キュルケが杖を振るうと、撒き散らされる油が空中で燃え上がり、戸口にいた傭兵の一団と、その周囲へ降り注いだ。
 マチルダの作った槍衾のようなバリケードで突撃をためらっていた所にそれだ。どよめきが起こって、火に撒かれた傭兵達がうろたえる。
 キュルケは机の影から立ち上がり、堂々と、それでいて色気たっぷりの仕草で一礼して見せた。
「さあて。名もなき傭兵の皆々様。不肖ながら今宵の宴席は、この『微熱』のキュルケめがお持て成しさせていただきますわ。心行くまでごゆるりと楽しんでいかれて?」
 一抱えもある火球がキュルケの眼前に生まれる。更に膨れ上がり、女神の杵亭の酒場を煌々と照らした。
 その間も矢がひっきり無しに射掛けられるが、それはタバサによって吹き散らされる。
 ごう、と唸りを上げ、戸口へ向かって火球が飛ぶ。途中で三つ、四つと分裂して、戸口と窓へ着弾し、それぞれ派手に爆発を起こした。窓をぶち破って、通りにまで炎を撒き散らす。
「あっはっはっはっ! マグってすっごいわねえ! これは絶好調って奴だわ!」
 いつもの調子で唱えた呪文の、その会心の手応えにキュルケは高笑いを漏らした。
「よし。僕の出番だな!」
「ヴリトラ! ギーシュの所へ!」
 キュルケの肩からマグが離れて、ギーシュの肩に取り付く。
「お……おおっ!?」
 瞬間、ギーシュは内側から溢れるような力を感じた。キュルケにしてみれば「すこぶる調子が良い」という程度の強化だが、精神力の絶対量が少ないギーシュにとっては、マグの補助が相対的に大きなものに感じるらしい。
 そのまま杖を振るって5体のワルキューレを作り出す。見た目はいつもと変わらないが、割増で装甲の厚みが強化されている。
「なんかわからんがこれはいける! いけるぞ! よーし! お前たち! 突撃! 突撃だ!」
 ギーシュの号令一下、ワルキューレ達が槍を揃えてバリケードを飛び越え、炎を突っ切って傭兵達へと切り込んでいく。
 ワルキューレのパワーも、スピードも、自分のコントロール能力さえも補強されているらしい。火炎を身体に纏った青銅の戦乙女が、手慣れの傭兵達を苦もなく薙ぎ倒していく。タバサの魔法が強い追い風に炎を乗せて、更に勢いを後押しした。
 困ったのは傭兵達だ。矢を射掛けても石のテーブルの裏にいるメイジには当たらない。直接切り込もうにも突き出した石槍のバリケードが邪魔で、人数を頼みに一挙に戦列を進めることができない。
 暴れまわるゴーレムに応戦しようにも、生き物のように操られる炎と熱風に晒されてはまともな反撃すらも困難だった。
 おまけに指揮を取るものはいない。彼らの雇い主である白仮面のメイジは、少し前に傭兵達にこの場を任せてどこかに行ってしまった。
 前列にいた傭兵達は大混乱に陥っていた。大挙して詰め掛けていたのも災いして、下がることもできない。
 傭兵達が総崩れとなって敗走するのに、さして時間は掛からなかった。
705"IDOLA" have the immortal servant ◆GUDE6lLSzI :2008/10/08(水) 22:54:36 ID:DJi+GFMG
以上で13話の投下終了です。
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 23:04:55 ID:Vm+P2w7O
乙! 連載快調!って感じですね
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 23:20:06 ID:GW8PINuW
激しく乙です!
ヒースの爺っちゃんに惚れそうです(><
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 23:35:05 ID:wXqRBgQy
うたかたより橘一夏を召還…あぁでも一夏は変身能力を持ったとはいえ魔法少女じゃないしなぁ…。
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 23:38:55 ID:T5I+77o1
ここの作品色々読んで
自分でも書き始めてみたんだけど、
実際に書くとなると 凄く大変なんだね。

もう、挫折しそうだよ
まさか、召喚部分も満足に書けないなんて
710虚無と金の卵:2008/10/08(水) 23:44:54 ID:vOLeJGQW
乙! ヒースのダンディズムが素敵です。

そして予約なければ、23:50から「虚無と金の卵」、投下します。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 23:45:28 ID:TtY/p9SI
>>709
おいでよ!書き手の森(チャット)
712虚無と金の卵 1/4:2008/10/08(水) 23:51:18 ID:vOLeJGQW
 鼻腔をくすぐるのは、石畳と木と、古びた羊皮紙の匂い。
 期待に胸を膨らませる匂いと、同じくらいの強さの、誰かの身を案じる匂い。
 近代都市ではついぞ嗅いだことのない芳しさ。
 ウフコックはそんな匂いに包まれ、珍しく健やかに眠っていた。
 だが部屋に入り込む夜の冷気を感じ、小動物らしく身震いした。

「どうしたんだ、ドクター……。
 珍しい、良い匂いだ……それに、寒いな。エアコンを止めたのか……?」

 ぼんやりと覚めやらぬ頭で、ウフコックは呟いた。
 そして、そのウフコックのぼんやりとした頭を撫でる誰かが居た。

「喋った? ……でも、寝ぼけてるのかしら……」

 頭への優しい刺激と耳慣れない声を感じ、ウフコックは茫洋とした頭を振る。

「う、ううむ……。あれ、ドクター……。いや、ここは……一体……?」

「おはよう、私の使い魔。
 目は覚めたかしら?」

 ウフコックの目に、十代半ばの少女が姿が見えた。
 不安げな眼で、ウフコックを見つめている。
 ウフコックは、今ここがイースター博士の研究室ではなく、古風な調度品に囲まれた部屋だと気付く。
 そしてウフコックは、自分自身がハンカチを重ねて敷き詰めた小箱――ベッド代わりのようだ――
 に寝かされていることに気付く。
 このオフィスに、こんな洒落たことをする人間は居ただろうか。
 居るとすれば、初めて見るこの少女だろうか。そんなことをウフコックは思う。

「……はじめまして、お嬢さん。俺はウフコックだ。
 お客様、かな……?」

「ええと……まあ多分、違うと思うわ。
 はじめまして、ウフコック。
 私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 ルイズ、で良いわ」

 そして今度こそウフコックは覚醒した。
 びくり、と体に緊張を漲らせる。
 ここはオフィスではない。
 いや、この匂いからマルドゥック市では決して無いとウフコックは気付く。

「召喚されて混乱してると思うけど、ここはトリステイン魔法学園。
 使い魔召喚の儀式で、私が貴方を呼び出したの」

「使い魔……?」

 耳慣れぬ言葉に、ウフコックは首をかしげた。
 この瞬間理解したのは、目の前のルイズが、待ちわびていた誰か――恐らく自分――と、
 巡り合えたという喜びを噛み締めていたということ。
 そしてマルドゥック市から果てしなく遠い何処かへ来たのだという予感であった。
713虚無と金の卵 2/4:2008/10/08(水) 23:57:02 ID:vOLeJGQW
「いや、大変失礼した。
 ご婦人を前にして大変失礼な言い草だが、とても混乱してしまっていてね」

 ウフコックは、部屋の机の上に置かれた、ベッド代わりの箱から飛び降りた。
 そして務めて大仰にズボンのサスペンダーを直す/毛並みを整える/紳士の嗜み。
 ウフコックはそんな芝居がかった仕草を、椅子に座って見つめるルイズに見せる。

「ズボンを気にするネズミは初めてだわ」
「服は文明の象徴と思わないか?」

 そんなやり取りをしつつ、ウフコックは思った。
 とんでもないところへ来た、と。
 ルイズは、ウフコックの混乱が収まるのを待ち、トリステイン王国/トリステイン魔法学園/
 そして召喚でウフコックを呼び出したこと――これらについて、事細かに説明していた。
 当然、ウフコックにはどれをとっても、驚天動地の世界であった。
 研究室で生まれ、ハイテク都市で職を得たウフコックにはどれもこれも現実感が無い話であった。

「この世界も貴方の世界も、それは同じようね」
「共通項を見つけられて嬉しいものだ。とはいえ困ったな……。
 俺はトリステイン王国も、ハルキゲニア、という地名も全く知らない。
 ……まるでファンタジー作品に迷い込んだようだ。俺はまだ事件を抱えていたのだが……」

 ウフコックの方も、簡単な自己紹介を始めていた。
 戦争の勝利のため心血を挙げて進歩してきた科学技術、衛星4基分を打ち上げできるほどの予算を
 結集して生み出された存在であること、そして生まれてからの生い立ちと現在について。
 だがルイズは勿論、カガクもギジュツも縁のない世界の住人である。
 例えを駆使して説明された結果、

「……つまり、戦争中に発明された最先端のゴーレムか魔法生物……ってことかしら?」

 と、このように解釈されていた。ルイズ自身、どこか誤解があることことは自覚していたようだが、
 ひとまずウフコックは、お互いの理解のできる話から進めることとした。

「ところで君は、驚かないんだな」
「十分驚いてるわ。貴方の世界についてとか。あ、水でも飲む? チーズでも齧る?」
「……いや、すまない、チーズは余り好きでは無いんだ。水だけ頂けるだろうか。
 その、驚くというのは、それ以前の話で……ルイズは、ネズミが喋って気味悪かったりしないのか?」

 ウフコックの問い。
 それはウフコックが誰か人前に姿を晒したときの人間の反応であった。
 それも大概は事件の関係者/容疑者/怯える被害者であり、包み隠さぬ嫌忌の念を受け、耐えてきた。
 マルドゥック市でウフコックを受け入れる人間は、常に少数派だった。

「まあ、喋るネズミくらいなら探せば居るんじゃないかしら。私は初めてだけど」

 ルイズは、水差しから小さな皿に水を注ぎ、ウフコックに差し出した。
 ウフコックは差し出されたハンカチで手と口をぬぐい、そして舐めるようにして口を付ける。

「……そうなのか。まあ俺としては……その、とてもありがたい」

 ウフコックの静かながら深い安堵。それに気付かずにルイズは話を進めてきた。

「ところで、事件って、なに?」
「俺は、09(オー・ナイン)法案の生命保全プログラムの……ああ、その……、
 マルドゥック市という都市で、犯罪者や違法な組織から、証人や関係者の保護や護衛を
 仕事としていたんだ。最近は警察や検察と協力し、麻薬組織を捜査していた」
「ね、ネズミが公職に付けるなんて凄い国ね……その方がよっぽど驚きだわ」

 ルイズは呆れたように驚いている。
714虚無と金の卵 3/4:2008/10/09(木) 00:02:02 ID:DxHYxPcp
「まあ、信じられないのも無理はない。俺も自己紹介はいつも苦労している。
 ライセンスを見せられれば良かったんだが、俺自身ネズミだから同僚に預けていた」
「貴方の国の人もリアクションに困ったんでしょうね……」
「そう言わないでくれ。それに単独で仕事をしていたわけではないんだ。
 公的な場所へ出席する場合は代理人が居なければいけなかったし。……まあそれはともかく……」

 身の上を話すことで、ウフコック自身、心の整理が付いてきたようだった。
 ウフコックは、改めて本題に入るため話を切り出した。

「おそらく、昨日のことだ。
 俺は……イースター博士――ああ、同僚兼、俺の医者のような存在だ――に、
 俺の体のメンテナンスをして貰い、調子を整えるため睡眠をとっていた。
 そんなとき、光る門のようなものが眠っていた俺の目の前に現れた。
 何だかそこから招かれたような気がして――そして気付けばここに居たというわけだ。
 麦僊とした話なのは承知しているんだが、君が俺を招いたということだろうか?」

「きっとそうね。私のサモン・サーヴァントで、貴方と私の間に『門』が開いた、ってことだわ」
「そうか……。その、『門』とやらをもう一度開いて、帰してくれることはできるだろうか?」
「そ、それは駄目よ!」

 声を荒げたことに、ルイズは自分自身で驚いたようだ。
 恐怖の匂いをウフコックは感じる。
 だがそれはウフコックに対しての恐怖ではなかった。
 ルイズはその先の言葉をしばし言いよどんだが、ウフコックを真正面から見つめ、言った。

「……貴方に事情があるのはわかったわ。
 でも使い魔としての契約は交わしてしまったの。貴方の事情を無視しているのはわかっている。
 でも使い魔に契約の破棄なんてされたら、この学園じゃあ進級すら危ういし、それに……」

 その先の言葉はルイズから出てこず、沈黙した。
 ルイズはその先の言葉を口に出すことを恐れている。
 そしてその先に、拒絶という答えがウフコックから出ることを。
 ウフコックも沈黙し、迷いを覚える。
 逡巡――切実なまでに必要とされているという喜び。
 逡巡――濫用というリスク。
 逡巡――裏切られ、それでも信じるに足るものを求めている。
 逡巡――あるいは、傷付けられた自分こそが何かを克服しなければならない。

「……参ったな。
 契約を途中で破棄するのは、俺の主義とは言えないし」
「それじゃあ、なってくれる!?」
「ただし」
 ウフコックは、鼠らしからぬ渋い仕草で指を立てる。
「まあ、詳しく話すが、俺はただお喋りな鼠というだけではなく、まあ、なんだ……ちょっとした能力がある」
「ええ、それで?」
「金品や武器、権威、あるいは君らの魔法。力の使い道にこそが、何よりも人間を試す。
 それが大きければ大きいほどに。
 だから俺は、使い手たる人間とその用途には、多くの物事を注文する。
 納得のできない使用法を呑むことはできない。
 そして君は、俺を『使う』ということが如何なることなのか、まずは知って貰わねばならない」
「む、ずいぶん自信があるのね。
 でも、私が貴族の身分や使い魔を悪用するっていうの? それは取り消して。貴族に対する侮辱だわ」
 ルイズは語気を荒める。
 ルイズも魔法が使えないとはいえメイジの端くれであり、」見てくれが小さなネズミだからといって
 その内に秘めた力を見極めるまで過小評価することはない。
 だが、流石にウフコックの言葉には憤慨したようだった。
「では、一つ答えてほしい。
君にとって、貴族とは?」
715虚無と金の卵 4/4:2008/10/09(木) 00:03:57 ID:DxHYxPcp
 ルイズ=試されているという緊張/何かを跳ね返す強い眼差し。
 ウフコック=試しているという緊張/何かを期待する眼差し。
 今、この世界にウフコックを知る味方は居ない。
 それ故に、ウフコックは警戒心した。
 己という道具に依存されること/あるいは使用されず、道具としての意味を喪失すること。
 故に、ウフコックは敢えて挑むような言葉を選んだ。

「魔法が使えること――というのが一般的な貴族の条件よ。
 だけど私に言わせれば、魔法を使えるとか、使えないとか、そんなことじゃないわ。
 敵に後ろを見せず誇りを持つこと、卑しさに身を委ねずに名誉に生きる人こそが貴族。
 そう思ってるわ」
「……ふむ。
 平民と貴族、という制度は親しめないが、君はきっと良い貴族なんだろう」
「あ、あら、そう?」
「だがミス・ルイズ、もう一つ話がある。
 使い魔になるにしても、永遠に、というわけにはいかない。
 あまり詳しくは話せないが……俺には、マルドゥック市に、やり残してきたことがあるんだ。
 使い魔になる、ならない以前に、課せられた務めを放棄するわけにはいかない。
 もし帰る手段が見つかった場合、暇を願い出るだろう。
 それに、俺自身の寿命というべきものはある」

 ルイズは言葉に窮する。
 まさか、暇を願い出る使い魔がいるとは想像の範疇外であったらしい。

「うう……正直、使い魔に暇を出すなんて常識外れも良いところだけど……、
 ……うん、わかったわ。あなたの事情は出来る限り、考慮する。
 でも期待されても困るわ。
 貴方の居た、マルドゥック市……少なくともこの国、むしろハルキゲニアには絶対に無いわ。
 現実的に戻れるかどうかなんて、私には全くわからないの」

「そうか……お互いわからないことだらけだが。まあ、行動するものに幸あれ、だな」
「ん、納得してくれたなら嬉しいわ。ところで、貴方の能力って、何?」
「ああ、すまない、思わせぶりなまま話を進めてしまった。
 そうだな、ミス・ルイズ。例えば貴方が、パーティのダンスホールに足を踏み入れる前に、
 化粧を確認したいとしよう」

 ウフコックが、くるりとその場で宙返りした――というのは錯覚であり、宙返りなどではない。
 その体自身が裏返り、全く別の物質が世界に現れる。
 『反転変身(ターン)』
 あらゆる物質への変身を可能とする“万能道具存在”、それがウフコックである。
 その能力を駆使して変身した姿は、手鏡であった。

「さて、ご覧のようにご婦人の必需品は大抵ご用意できるかと。
 要り様の際はお手柔らかに。我が主人」

「……使い道を知れ、って意味が少しだけわかったわ。こちらこそ、宜しく。ウフコック」

 ウフコックは思う。
 ルイズには、自分が使い魔にならなければ困る、という即物的な目的があるらしいのは、
 匂いを通して理解していた。
 だが、そうだとしても、ルイズから伝わる切実な願いを叶えること、
 それはウフコックにとって自分自身の有用性に挑戦し続けることと一致していた。
 おそらく、彼女の願いに応えて自分は現れたのだ――そう信じるに足る、強く純粋な匂いを
 ウフコックは感じていた。
 ルイズ願いを切って捨てて、自分の居た都市へ帰る手段だけを考え行動することもできだだろう、
 だがウフコックをその選択肢を選ぶことができなかった。
 もし、ウフコックを知る人間が居れば、こう言ったことだろう。

 お前がドライになるなんて、無理さ――と。
716名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:05:19 ID:taMd8BHA
支援
717虚無と金の卵:2008/10/09(木) 00:05:51 ID:vOLeJGQW
以上、投下終了です。
改行数の計算間違えて投稿手間取りました、すみませんorz
あと早く変態どもを書きたいです。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:07:36 ID:KlGQdyhx
原作知らないがなんてかっこいいネズミだ
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:08:35 ID:mFZNLSqR
>>717
乙ー。ネズミ凄いよネズミ。
それはそうとハルケギニアなんだな、これが。
一応誤字とかの確認はしといた方が○かもだよ。

>>687
亀だが、聖クレマチスの試練を乗り越えたからか
出血はしても初期の時みたいな激しい苦痛はなくなってたと思うぞ。
比べ物にならない力はあってもそれに対する苦痛とかの描写なかったし
容量が上がって全力出さなくても一杯魔兵呼べるってだけかも知れんけど。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:12:08 ID:DvsMfhjX BE:2465791698-2BP(0)
へうげものの古田織部召還…だと骨董の知識が居るよな…
嘘喰いの夜行妃古壱召還も賭けの時しか戦わないし難しいよなぁ…
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:16:39 ID:vHczkxG5
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:19:37 ID:IS+WOtsx
ハルケギニアって分かってても書いてる内に忘れて間違えるから困る。
ハルキ、で検索かける癖つけるのが無難げだな……
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:21:25 ID:4LCUY4wS
みんな結城心一が悪いんだ
724名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:24:21 ID:uOuPdKYG
理性的だなこの鼠
投下乙
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:33:50 ID:GiEY5rVV
ウフコック乙です!

同じ文庫繋がりから頼む! グインを! まとめにあった短編じゃ物足りません!!
726名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:46:18 ID:vHdNmNbr
そろそろ鳴海&エレオノール夫妻が召喚されてもいいと思うんだ
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:48:06 ID:njDG/G7H
グインか…
原作でのツンデレキャラの扱いから考えるとルイズが拉致監禁調教麻薬漬けにされそうだな
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 01:02:04 ID:DxHYxPcp
乙ありがとうございます。「虚無と金の卵」の中の人です。

>>719
指摘ありがとうございます。
これまでずっと勘違いしてましたorz

まとめサイトに載せる際に誤字修正ってありですかね?
729名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/09(木) 01:04:25 ID:OfwJhnzl
ドロヘドロのカイマンを召喚
魔法使いとの相性は抜群だけどグロくなりそうでだめか
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 01:06:54 ID:MyX8XBLy
こちらカイマン 、異常ないっスよ
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 01:09:29 ID:dlIGcLp0
マルドゥック、一時はアニメ化まで企画が挙がってたのに
やっぱりあれか?主人公が14歳の娼婦ってのが駄目なのか?
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 01:21:29 ID:27ZnIZGq
>>726
白金をジョゼフが、白銀をシャルルが召喚するんですね。
そして乳革命の下にはジョージですね。
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 01:33:49 ID:fPC91m86
>>728
修正は構わないでしょ
作者が修正するぶんには更新スレへの報告も不要だったはず
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 03:38:52 ID:6ZWLKPxr
金の卵の人乙でした
マルドゥックのアニメはキャラデザインが村田蓮爾だったんで楽しみにしてたんだけどね…orz
それはそうとバロットと会う前で良かったよ“スクランブル”以降だとあの2人を引き離すのは気が引ける
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 06:51:58 ID:Cwrxi0X4
>>734
村田蓮爾っていうと、豪血寺の絵の人か。
それは見てみたかったかも。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 07:50:39 ID:zoCvrv6O
今連載中で避難所本スレ問わずで、更新速度が速い作品ってどれかな。
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 08:05:52 ID:NY7wXxHM
最近まとめwikiに載らないのがあったり、載るのが妙に遅くなったりするのはどうしてなんだ?
738名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 08:46:52 ID:NSHHwQJU
>>733
荒らしが内容改変する事が多々あったので、今は作者も報告が必要になった
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 09:06:31 ID:YLFxMI4i
そういや小説版仮面ライダーJの瀬川が召喚されるやつはちゃんと完結したよね?
まとめには最後らへんが載ってないんだが
740名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 10:07:43 ID:AwkDlyHE
簡単だから気が付いたら自分でやろう
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 11:28:34 ID:a/8i4C9K
ルイズが貴族のプライドを捨て、守ろうとするようなキャラってどんなのだろ
思わず「守ってあげたくなる」ようなの…境遇が似ているけどルイズのように
強気ではなく弱気で、か弱く、繊細なやつ?
…つかそれじゃ役に立たなさそうだなぁ。
あんまり役に立たなさすぎるのも問題か。その分ルイズが成長すればいいのかも
しれんが、それにも限度があるだろう。お互いに高め合えなくては駄目だな。
742名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 11:43:34 ID:P9eWZeOR
漫画版ゾイドのジーク
743名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 11:44:14 ID:FfizSj0/
>>741
ルーシェ・レンレンとかは?
契約の瞬間ダーク・シュナイダーになっちゃうけど
744ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:00:36 ID:6H+EQxdj
7話が完成したので、10分後くらいに投下します
745名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 12:03:43 ID:CbPeOygD
ばっちこーい
746ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:10:32 ID:6H+EQxdj

ルイズと海馬の二人は、トリステイン魔法学院の中で最も背の高い、真中の本塔の中にある『アルヴィーズの食堂』の前へとたどり着いた。
食堂の中はとても広く、そしてやたら長い机が3つ並んでいた。
食堂の飾りは豪華で、全ての机にローソクが立てられ、花が飾られ、フルーツが盛られた籠がのっている。
ふと見上げると、ロフトの中階には教師達が集まって歓談をしている。

「なるほど、上は教師、そして3つの机は学年ごとで生徒を分けているのか。」
「そうよ。…ところで、本来ならば平民はこの食堂には入れないのだけど、あなたは別。私の使い魔だもの。
事後承諾になっちゃうけど、後で先生達にも掛け合っておくから、今後食事は私とここでとる事になるわ。」
「ふむ…しかしこの内装のセンスはどうだ。成金主義の塊のような…」
「文句をいわない。さっさと席につきなさい。」

ルイズに促され隣の席につく海馬。
机には朝食だというのに、豪華な鳥のローストや、鱒の形をしたパイ、ワインなどが取り揃えてある。

「朝から良くこんなものばかり食える…」

という海馬の呟きはルイズには届かなかったようである。

「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことを感謝いたします。」

祈りの声が、唱和される。隣を見れば、ルイズも目を瞑りそれに加わっている。

「ふむ…儀礼的な文句とはいえ、これをささやかな糧とは…」
「ぶつぶついわないの。ってセト?食べないの?水しか飲んでないじゃない。」
「いや、今は別に空腹ではないのでな。」

あ、そう?とルイズは大して疑問ももたずに自分の皿の方に目を戻した。

(宗教的なこともよくわからんが、とりあえずこの国は女王…つまり王制を敷いているということか。
ふむ、いつまでもここにいる気は無いが、ここにいる以上最低限の知識を手に入れておかねばならんな。
学院というのだから図書館くらいあるだろう。後で探してみるか。)

747ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:11:40 ID:6H+EQxdj

と、先のことを考えて行動予定を立てていた海馬であったが、すぐさまその目論見は一つの障害にぶつかる事となる。

ルイズに付き添って授業を受けるために教室にルイズとともに向かっていたが、途中にある掲示板を見て気づいたのだ。

この世界の文字が読めないという事に。

(失念していた…言葉が通じるので油断をしていたな、曲がりなりにもここは異世界だったのだな。つまり文字を覚えるところから始めなければならない。)





魔法学院の教室は、中学高校の教室というより、大学の講義室にそっくりだった。
教壇がありその後ろに黒板が。そして階段状に生徒の座席がある。
ルイズと海馬が教室に入ると、既にいた生徒達から視線が集まった。
そのなかにはキュルケもいた。
キュルケの周りには、やたらと男子生徒が固まっていた。
(なるほど、あの容姿だ。群がる男も出てくるだろう。)
キュルケは海馬に気づくと目でアイコンタクトを海馬に送ってきたが、気づかなかったのか無視したのか、海馬は何も返さぬままルイズの隣に座った。

教室にはさまざまな使い魔たちがいた。
キュルケのサラマンダーのほかにも、蛇、梟、カエル、ネコ、烏。
わかりやすい動物のほかにも、デュエルモンスターズに出てきそうな架空の生物達もいた。
興味を持ったのか、海馬は目に意識を集中する事で、それらの使い魔たちの能力を覗き見ていく。
海馬の視線の動きの意味に気づいたのか、ルイズが海馬に話し掛けた。

「面白そうな力を持った使い魔はいた?」
「いいや?スペックはそれぞれどの動物に相応程度の力しかない上に、大した能力も持っていない。雑魚ばかりだ。」

あまりといえばあまりな辛辣な評価に、流石のルイズも苦笑いをするしかなかった。

「まぁ、私の使い魔じゃないし、別にどうでもいいわね。
それに、あの使い魔たちとあなたもしくは私が戦うなんて事はありえないことでしょうし。」
748ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:12:57 ID:6H+EQxdj

などと話しているうちに、扉が開き教師のような風体の女性が現れた。
中年の女性で、紫色のローブに身を包み、同じ色の魔女っぽい帽子を被っている。
彼女は教壇に立ち生徒達を見回すと、満足そうに微笑んで言った。

「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。
このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、さまざまな使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ。」

と言ったところで、シュヴルーズと海馬の目が合った。
そして、あぁ、あの。という顔で海馬を見た。

「おやおや、ミス・ヴァリエールは変わった使い魔を召喚したのですね。」

その言葉にクラス中がどっと笑い声に包まれる。

「ゼロのルイズ!召喚できないからって、その辺歩いていた平民を連れてくるなよ!」

小太りの生徒が茶化すように煽ると、笑いが余計大きくなる。

「違うわ!背とは私がサモンサーヴァントで召喚した、れっきとした私の使い魔よ!」

ルイズは立ち上がり、肩を震わせながらその生徒に向かって反論した。
自分はちゃんと魔法を成功させた。
その事を否定される。何より瀬人を馬鹿にされた事が、ルイズは非常に悔しかった。
だが、その対象となった海馬はといえば

「放って置けルイズ。ただ生まれたときより魔法が使えるという、貴族などという名のぬるま湯に浸かって育った豚の鳴き声などで
いちいち腹を立てる必要など無い。」

と、とんでもない暴言を口にしていた。
流石にこの発言には笑っていた生徒達も呆然とし、言われた本人すらも理解をするまでに数秒かかり、そして顔を真っ赤にして叫んだ。

「ぶっ…豚だと!?平民の癖に僕を豚呼ばわりするのか!?無礼者!」
「無礼とは、礼を尽くすべき相手に礼を尽くさない事を言う。貴様のような豚に尽くす礼など無い。
特にとりえもなく、風をヒューヒューふかす事しか出来ないドットメイジは黙っていろ。マリコルヌ・ド・グランドプレ」
「なっ…なっ…なっ…」

749ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:14:37 ID:6H+EQxdj
確かにこの少年、マリコルヌ・ド・グランドプレはドットメイジである。
だが彼は、名乗ってもいない自分の名前と能力をなぜ言い当てられたのか。
なにより、このような暴言を言われた事が無いために、どう返していいのかわからなくなっていた。
もちろん、海馬は先ほどの間に彼の能力を見ていたのである。
もっとも、見た結果がどんなに優秀であろうとも、海馬の答えは一緒であっただろうが。

「はい、そこまでです。ミスタ・グランドプレ、元はあなたの軽率な発言が原因です。反省をしなさい。」

でも!などといおうとしたマリコルヌの口に、赤土の粘土がぶち込まれた。
そして、静寂と化した教室で、海馬の方を見てシュヴルーズが口を開いた。

「ミスタ…失礼。あなたの発言は主人であるミス・ヴァリエールの代弁にもなるのですよ。
不用意に相手を挑発する行為は控えなさい。」
「海馬瀬人だ。ミセス・シュヴルーズ。しかし、奴の発言は聞き流す事が出来ないものだ。
根拠なくルイズを侮辱した、それはこの俺に対する侮辱でもある。」
「ふぅ…わかりました。では、今後気をつけなさい。それでは授業を始めます。」

シュヴルーズはコホン、と咳をして杖を振るった。
机の上にはいつのまにか石ころが現れていた。

「私の二つ名は『赤土』。赤土のシュヴルーズです。『土』系統の魔法を、これから一年、皆さんに講義します。
魔法の四大系統はご存知ですね?…ミスタ・グラモン」

ミスタ・グラモンと呼ばれた少年は、バラを翳し気取った口調で答えた。

「『火』『水』『風』『土』の4系統です。そして何たる奇遇。僕の属性もミセスと同じく『土』。二つ名を、『青銅』のギーシュ・ド・グラモンと、申します。」

そして手に持ったバラを口にくわえ、会釈をしながら

「お見知りおきを」

750ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:15:27 ID:6H+EQxdj
と、決めた。
いや、本人は決めたつもりなのだろうが、クラス中からは冷たい視線が集まった。
特に、隣に座っている金髪で巻き髪の少女は、またいつものが始まったと呆れている。

「よろしく、ミスタ・グラモン。今答えていただいた4系統に、今は失われた『虚無』をあわせて、
全部で5つの系統があることは、皆さんも知ってのとおりです。
さて、『土』系統は万物の創生を司る、重要な魔法であると考えています。
まずそれを知ってもらうために、基本である錬金の魔法を覚えてもらいます。」

シュヴルーズが机の上の石に対し杖を振るうと、石はまばゆい光を放ちだした。
おお!とクラス中から感嘆の声が漏れる。

「ゴゴ、ゴールドですか?ミス・シュヴルーズ!」

キュルケは身を乗り出した。

「いいえ、これはただの真鍮です。ゴールドを錬金したければ、スクウェアクラスのメイジだけ。私はただの…『トライアングル』ですから。」

(ふむ…。5大系統か…なるほど、デュエルモンスターズの属性と近いものがあるな。
しかし、そうするとルイズが俺の目を通して出た属性が闇だったが…)

他の生徒を見回しても、闇属性は見当たらない。
海馬の脳裏にある可能性が現れた。

(もしや…ルイズの失敗魔法は失敗ではなく『そう言う魔法』なのでは?)

その可能性を考えつつ、ふと隣を見ると、ルイズの姿がなかった。
見ると教壇の前にルイズが立っているではないか。
どうやら、海馬が考え事をしている間にルイズが指名され、錬金をすることになったらしい。

(まずい、俺の予想通りならば、あの魔法は絶対に『爆発』する。)

ルイズが呪文を唱え終わる前に、海馬を含む全員が机の下へと隠れた。
そしてルイズの呪文が完成する。
結果、海馬が、いや、このクラス(ルイズ、シュヴルーズを除く)全員が想像したとおりに、ルイズの目の前の石は爆発した。
机はみごとに消し飛び、爆風が生徒達の席を襲ったが、全員慣れたもので、誰一人怪我なく爆風を回避した。
そして、爆心地である黒板の前は、もくもくと煙が上がっていた。
やがて煙が晴れるとそこには、爆発で目を回しているシュヴルーズと、服装は少し傷だらけになってはいるものの、無事なルイズが立っていた。

顔のすすをハンカチで拭きながら、ルイズは淡々と

「ちょっと失敗したみたいね。」

といった。
当然即答でクラスメイト全員からのブーイングを浴びせられたのは言うまでもなかったのだった。
751名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 12:16:10 ID:P9eWZeOR
まるで死神の眼支援
752ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:16:56 ID:6H+EQxdj
7話完です。

書きながら思ったんだけど、粘土みたいな密度のあるもの口に叩き込まれたは前歯くらい折れそうだよなぁ…
以上、失礼しました。
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 12:22:14 ID:dlIGcLp0
そういやこのゼロ魔の戦闘はターン制なのか?
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 12:24:59 ID:QfWeGXjl
乙です〜
755ゼロの社長 07:2008/10/09(木) 12:24:59 ID:6H+EQxdj
カード能力の方にターンと記述してありますが
実際戦闘でははい、君の番、はい僕の番とは行かないので、うまいことやれるようにしようと思います。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 12:27:29 ID:+II5PpMk
社長乙!
しかしマルコメはいつ見ても哀れな事になるな…自業自得だけど。
そういえば、大分前にマルコメがやたらカッコいいSSがあったはずなんだけど
タイトルもどこにあるかも思い出せないんだが、誰か知らない?
たしか水精霊騎士隊の訓練中に抜け出したマルコメが偶然傷ついた翼人の少女を見つけて、その美しさに一目ぼれして
治療して、最後にやたらカッコいいセリフで逃亡の手助けする奴なんだが……。
記憶があいまいでスマン。もし知ってる人がいたらヒントだけでも教えてくれ。
もう一回読みたいんだ。
757狂信者 ◆BLbeX1AAMU :2008/10/09(木) 12:37:40 ID:waqjOKhT
社長乙です。 常時ライブラってある種反則だな。
バトルがどうなるか楽しみだ。

保管庫の8−492 っつうか
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 12:41:26 ID:waqjOKhT
マリコルヌ 翼人でググれば出てくる。そして忘れて下さい。
社長改めてGJです。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 12:52:03 ID:+II5PpMk
>>758
見つかりました、ありがとうございます!
検索ワードに翼人追加すればよかったのか……。
760名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 13:14:19 ID:3J8gRHme
>>756
ガンパレードの最新作でも妙に、そして妙な方向にもだけど
格好良いよマリコルヌ
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 13:27:30 ID:Zviv7piJ
ごめん、確かにマルコメがかっこいいSSとかけっこう見るが負傷したりけちょんけちょんに侮辱され
たりするSSの方が多いんだよな。
マルコメがワリ喰ってることには変わりない・・・・カワイソースw
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 13:50:03 ID:O+HHPjod
>>741
まぶらほの式守は?
本人魔法使いだけど魔法使えないし、強大な力を秘めてるところが似てる
763名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 14:07:54 ID:i2bkiSN/
んじゃあ「まじしゃんず・あかでみぃ」から羽瀬川拓人とか。

この作品の連中なら逆に学園にルイズたちを引っ張り込んでしまいそうでもあるが。
佐久間榮太郎とかならやりかねん。
764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 14:08:04 ID:m03W0y+n
>>741
小ネタに出ていた俺屍の赤ちゃんも慣れぬ母親業で面倒を見ています。
「まぁ赤ん坊ってのは手間がかかってしょうがないわ」とボヤいてはいるけど、やはり赤子の笑顔に自分も癒される、みたいな。

氷竜の場合圧倒的に氷竜の方が強大だけど、それに釣り合うようになろうと決意している彼女の姿は好印象です。

>>761
彼も成長させて見せ場の一つも作ってやりたいんだけどねぇ。
(↑と1年以上ほったらかしにしている駄目SS書きが言い訳)
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 14:11:22 ID:O32pJDRG
社長の人乙です。
シルフィードを視る時が楽しみです。

ちなみにタバサは本名の方が表示されちゃうのかナ?
カードゲー的には状況を加味してタバサと表記されそうだけど。
囚われモード時とかの恋する乙女モードや女王即位後だとシャルロットにクラスチェンジ、みたいな。
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 14:12:11 ID:hQZ0kjzH
マリコルヌの日記もおもしろいな
ポケモンのポッポを召喚する奴
個人的なイメージではあの話のマリコルヌはタケシみたいな姿になったと思ってますw
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 14:15:32 ID:bB/7IsXh
>>765
霊使い→憑依装着や放浪の勇者→無敗将軍フリードみたく
その時点での名前が表示されるだろうね、多分

ルイズも虚無を自覚して使えるようになったら
虚無(ゼロ)のルイズってルビが振られそうだw
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 14:19:30 ID:P9eWZeOR
レベルアップモンスターみたいな感じか。
769名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 14:58:22 ID:bwTt4bCm
社長の人乙です。
双方の作品を尊重する…で考えますと、最高ランクステータスの指標ともいえる青眼の白龍、その融合体の青眼の究極龍の存在を考えますと…
おおむね他の使い魔、メイジの強さも想像が付きますね

シルフィードは、ベビードラゴンとかレッサードラゴンレベルに特殊能力付きか、何かのサポートカードが受けられる…というような印象が
ワルドは、『帝』には殴り倒されるレベルだけど、瞬時にトークン生成能力みたいな感じ

問題は、この社長はアニメや原作でのどういったカードを持っているのか…にwktkしながら先を期待しております


ジュラルミンケース付きだったら極悪でしょうね…混沌帝龍だの、サンダーボルト等をカード資産として持っているのは間違いないですし
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 15:13:56 ID:HbnR0sxP
感想や展開予想という名のネタ潰しは自重しろ。
どうしてもやりたきゃ避難所へ。
771名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 15:46:22 ID:A1oAuyr8
死のデッキ破壊ウィルスだけが楽しみです。
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 16:13:34 ID:C9uldb7P
滅びの爆裂疾風弾が楽しみです
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 16:51:10 ID:jNOi2twq
>>740 まとめwikiへの載せ方がわからないんだが・・・

>>741 か弱くて繊細だけどその実強力な異能系の力をもってて、以前それで誰かを傷付けてしまい、それがトラウマになっている・・
こんな感じならどうだろう?
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 16:56:03 ID:MyX8XBLy
>>773
まとめwikiに載せ方が載ってるじゃないか
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 18:31:24 ID:IevY3oDH
洗脳→生け贄

待ってます。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 18:33:50 ID:AuvcSfY6
>>737
必要とされてないからだろ
俺はひいきのSSしか登録しない
って優花誰が興味のないSSに登録する時間を割く?
777名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 18:51:40 ID:1B1r0MjE
創作依頼ってここでいいの?
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 18:53:42 ID:07zEmEje
>>777
自分で書け。
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 18:57:04 ID:JxFwzfsP
>>777
創作依頼なら、親しい人物に掲示板等を使わずに直接してくれ
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 19:00:09 ID:HaWiDL9C
あああ、書けねええええ
だいたい夜中にに家具持って人知れず逃げるなんて借金してても貴族のプライドが許さないだろ
まずハルケギニアの借金の取立てがどんなものかも分かってないし
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 19:15:00 ID:zoCvrv6O
作家チャトーでどぞー。
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 19:21:03 ID:PDyl6xRx
>ハルケの取立てが分らない
つリッシュモンの使い魔にウシジマ君
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 19:23:31 ID:kenNU/1r
パタリロはわざわざ過去のフランスまでタイムワープして高利貸しやってたなw
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 20:05:44 ID:sXT/vLKo
アホほど個人戦闘能力に金を貸して返してくれないから取り立てる…

新ゲッターロボで竜馬から金を取り立てようとしてものすごい勢いで
蹴散らされるヤクザの姿が思い浮かんだ。

あいては烈風カリンだぜ? 一騎等一軍だぜ?

ぶっちゃけ、江戸時代の大名貸しは権力で踏み倒される可能性が
高いからあんまりいい商売じゃなかったらしいし。
国で第2位の貴族が踏み倒したところで誰が咎められるのかという。
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 20:20:13 ID:5JimAZnt
以前きららで連載されていた『あねちっくセンセーション』より桃ノ木姉弟を召喚とか考えてみたのだが……

能力的にはガンダ向きなのは良いんだが、まず間違いなくジョゼフ側に柿原姉弟が喚ばれるのが問題か。(性格的にミョズ向きだし)
ロマリア側には……まぁ、一番無害そうな栗林姉弟かなぁ。
786狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:30:44 ID:nf7FzLxe
予約等なければ20:35くらいから投下させていただきます
787狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:36:07 ID:nf7FzLxe
第二話



「ここは……」
「ひっ! …あ、目が覚めたのね」
浅倉が見知らぬ部屋で目を覚ましたのは、召喚された翌日の朝であった。

「ここは、どこだ?」
「ここは私の部屋。そしてあんたは私の使い魔になったの」

昨日の騒ぎの後、ルイズたちが気絶した浅倉を苦労してベッドまで運んだことから、学院のこと、契約のこと、そして使い魔としての役割を話した。
話の途中途中で、浅倉の使い魔としての能力を確認していく。

昨日とは違い、ルイズの話におとなしく耳を傾け、応じるべきところは応じる浅倉。
当初警戒していたルイズは、やがてそれが無意味だったことが分かり、これもルーンの効力の表れなのか、と感心してしまう。

「感覚も共有できない、材料も探せない……となると、あとは身の回りの世話と護衛ね。まさか、それくらいはできるでしょう?」
「知るか」
浅倉が興味なさそうに答える。

「な、なによ! 使い魔のくせになんにもできないの!?」
「お前の世話なんて知ったことじゃないな。それより、メシはないのか?」

さも当然のように言ってのけた浅倉に、ただでさえ気の短いルイズの怒りは爆発寸前である。
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 20:37:57 ID:u5JDpd+9
支援!
789狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:39:19 ID:nf7FzLxe
あんたに食わせるメシなんてない!
と言いかけた丁度その時、部屋のドアがノックされ、開いた。

入ってきたのは、真っ赤な髪に褐色の肌を持つ、ルイズの友人キュルケとその使い魔のサラマンダーであった。
ニヤニヤしながらキュルケが言う。

「おはよう、ルイズと平民の使い魔さん」
「…おはよう、キュルケ」
ルイズは声の方を振り向き、挨拶を返す。
浅倉も振り向くが、返事はしない。

「それにしても、やっぱりあんたはダメダメだったわね。私なんか、一発ですごいの喚んだんだから。ねぇ、フレイム」

名前を呼ばれ、今までキュルケの背後に控えていたサラマンダーが、のそのそとルイズたちの目の前に現れた。
浅倉がちらりとサラマンダーの方を見る。

「平民だなんて、ゼロのルイズにはお似合いよね。よかったじゃない」
その一言で、今まで浅倉に向かっていた怒りの矛先がキュルケに向けられた。

「朝からなによ! この…」
「少し黙れ」
そう言って浅倉はルイズを遮り、キュルケの方を向いた。
ルイズがむっとした顔で睨み付けるが、浅倉は全く意に介さない。

「ところでお前、どこでメシが食えるか知らないか?」
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 20:39:21 ID:4Di65FZe
sien
791狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:41:27 ID:nf7FzLxe
(あら! よく見たら結構ワイルドでいい男じゃない!)
初対面の時は横目でしか見ていなかったが、いざ近くでみるとなかなかの顔立ちである。

「ええ、もちろん知ってるわ。……そうだ! そんな役立たずなんてほっといて、私と一緒に食べに行きましょうよ!」

突然の提案に、ルイズはたじろぐ。
「な、何言ってんのよキュルケ! いくら平民の使い魔でも、そんな誘いなんかに……」
「こいつよりは役に立つようだな。案内しろ」
「なっ!! あんたまで!?」

会話が終わるやいなや、浅倉はベッドから飛び降り、キュルケとともにさっさと部屋を出ていってしまった。
ルイズは完全に蚊帳の外である。

「ち、ちょっと! 本当に私を置いてかなくてもいいじゃない!! 待ちなさいよ、――!?」

使い魔の名を叫ぼうとして、ルイズは気づいた。
「名前、聞いてなかった……」
792狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:43:40 ID:nf7FzLxe
ルイズたちが食堂に着く頃には、既に多くの生徒たちが席に着き、朝食をとっていた。
貴族の子弟たちが集まるだけあって、料理も装飾も豪華である。

ルイズたちは程なくして席に着いた。
浅倉も席に着こうとする。が

「あ。あんたはダメよ。朝から散々私を馬鹿にした罰として、朝ご飯は抜き!」
ルイズが勝ち誇ったような顔で浅倉に向き合い、言い放つ。

浅倉はルイズの話を無視し、近くにある適当な料理をひっ掴むと、夢中でかきこんだ。

「いいわね! ご飯が食べたければ、これからきちんと言うことを……ってあ――!!」
ルイズは思わず立ち上がり、叫ぶ。
浅倉が目の前の料理を次々にがっつく様を、キュルケを含む数人の生徒が唖然として見ていた。
マナーもへったくれもない。

しばらくして、浅倉は何皿目になるかわからない空の食器をテーブルに置き、服の裾で口元を拭った。
空の食器がいくつも重なっている。

「久しぶりにうまいもんを食べたな……北岡のパスタ以来か」
そういうと、くるりと背を向けて、どこかへ去って行った。
その後ろ姿を多くの生徒が見つめていた。



ルイズはその場にへたりこむ。
「もういや……あんなの……」
793狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:47:28 ID:nf7FzLxe
朝食を終え、今は中庭で大の字になっている浅倉は、左腕を上げると左手の甲にある奇妙な模様を見た。

(この模様……いつの間にかついていたが、一体何なんだ?)
思えば、今日の朝、目を覚ました時から既についていた気がする。
見たこともない模様が、しっかりと手の甲に刻まれている。
契約の証だというが……

今日の朝といえば、「私がご主人様よ!」だの、「従わなければ生き残れない!」だのぬかしていた、あの桃髪のガキ。
ゼロのルイズ、とか呼ばれてたな。

偉そうに話す横っ面を、思い切りぶん殴ってやってもよかった。
が、なぜかそんなことをしてもイライラが収まらない気がしてならなかったのだ。

しかも、殴ったりすれば逆にイライラするんではないかとも思えてくる。
あいつと話している分には、イライラも溜まらずにいられるのだが……
心なしか、イライラも普段より溜まりにくくなっている気がする。

(……まあ、いい)
このなんちゃら魔法学院とかいう奇妙奇天列な場所にいれば、その内おのずと面白い奴と戦えるだろう
なんなら、こちらからけしかけてもいい……

「あんた、こんなところで何やってんのよ」
横たわる浅倉を、桃髪の少女が覗き込んだ。
794狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:50:19 ID:nf7FzLxe
浅倉はルイズに連れられ、使い魔たちが集まるという教室にやってきた。
教室に入ると、先にいた生徒たちはルイズたちを見ながらヒソヒソと話し始めた。
内容は、おそらく朝食の時のことだろう。
ルイズの顔が赤くなる。

一方の浅倉は、そんなことには目もくれず。
もしかしたら自分の他にもライダーがいるのでは、とも思ったが、いたのは見たこともない動物ばかり。
期待はしていなかったが、手応えのありそうな相手がいないことを改めて実感し、ため息をつく。



しばらくすると紫のローブを着たシュヴルーズ先生が現れ、軽い雑談の後、授業を始めた。
時々生徒を指名しては質問をし、答えさせる

そんなやりとりをよそに、浅倉はここにいる動物たちを「戦う相手」から「食べ物」へと視点を変え、考えていた。

注目なのは、あのキュルケとかいう女が連れている赤い大トカゲだ。
今まで見てきたどのトカゲよりも大きい。
ただ、常に熱を帯びているため、普通に焼いても食えそうにないだろう。

後で食えるか聞いてみよう、と決めたところで、先生らしき人物の声が耳に入ってきた。

「では、ミス・ヴァリエール。あなたに『錬金』をしてもらいましょう」
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 20:50:23 ID:Zbbdrxtt
しえん
796狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 20:53:15 ID:nf7FzLxe
教室がざわつく。
キュルケが抗議の声をあげたものの、逆にルイズのやる気を引き出す結果となってしまった。

浅倉も、自らの主人を名乗る者の「魔法」とやらを一目見ておこうと、そちらに目を向けた。
周りの生徒たちが必死に机に隠れている。
その様子をいぶかしんだ、その刹那。

目の前で突如爆発が起こり、教室を爆音と爆風が襲う。

浅倉は咄嗟に両手で身構えた。
教室のあちこちで叫び声が聞こえる。が、絶叫というほどではなく、誰も慌てた様子はない。

しばらくして構えを解くと、爆発でボロボロになった自称ご主人様が目に映る。
シュヴルーズ先生は見事に吹き飛ばされたようで、完全にのびていた。



「成功確率がゼロ。だからゼロのルイズ、か。まさかここまで役立たずとはな」

「う、うるさい!」
罰として教室の掃除を命じられたルイズに、浅倉は言った。
馬鹿にした罰としてお昼を抜きにしてやろうか、とも思ったルイズだったが、朝の騒動もあったので、やめた。

「少しは口を慎みなさいよ! ……ところで、あんたの名前を聞いてなかったわね。なんていうの?」
ふと思い出し、ルイズが言った。
「さあな」
「さあな、って……!! それがご主人様に向けて言う……あっ、待ちなさい! 少しは手伝いなさいよ―!!」

浅倉は後ろから聞こえてくる声を無視し、教室を出ていく。



後には、こんな使い魔を喚んだ自分を呪いながら、せっせと床を拭くルイズだけが残されたのであった。
797狂蛇の使い魔:2008/10/09(木) 21:00:21 ID:nf7FzLxe
以上です
次回はいよいよ仮面ライダーの姿をお披露目、の予定です
支援ありがとうございました
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:02:05 ID:N+Bw0rVq
王蛇の人乙
生きろギーシュw
次回にwktk
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:05:27 ID:6IETsEZL
狂蛇の人乙でした。

本編でもここでもあんまり扱いの良くないフレイムが、ついに喰われてしまう……!
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:18:48 ID:4Di65FZe
狂蛇の方、乙でした。

まぁ、浅倉は自分の食欲、睡眠欲、性欲(これは暴力に置換)といった三大欲求に忠実な男ですからねw
ルイズの手にはあまるでしょう。
次回はついにギーシュが・・・・・・合掌
タバサにも借りがありますからね。どうなることやら
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:19:36 ID:hhLrPdMJ
乙でしたー。
他のライダーもロクデナシばかりでしたが、浅倉の危険性は分かりやすい暴力でしたからね。
……この傍若無人振りを「ルイズ−萌え要素」と解釈してしまったのは誤りだろうか。
802名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:23:51 ID:CIadZZ2n
あんまり覚えてないけど確かに他のライダーもロクでもなかったよな。
ロクデナシの方が多かったのは覚えてるんだが。
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:24:43 ID:5KN3z4CV
王蛇乙
やりたいほうだいだな

>「従わなければ生き残れない!」
ちょwww名言wwww
804MtL:2008/10/09(木) 21:47:17 ID:3KGzk42N
投下予約がなければ、22時から投下いたしますー。
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:56:21 ID:mSlGEmku
ワールドヒーローズパーフェクトから、ラスプーチンを召還する話を投下したいのですが、よろしいでしょうか?
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:57:10 ID:mSlGEmku
あ・・・・先約があるみたいですね。
また次の機会にします。
失礼しました。
807名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:57:16 ID:k0lXkfkE
ちょwこのままだとフレイムが食われてしまうw
――っと、支援!
808MtL:2008/10/09(木) 22:00:18 ID:3KGzk42N
ええと、
問題無いようなので、投下します。


マジシャン ザ ルイズ 3章 (45)口論

アンリエッタはタバサの手からイザベラの手紙を受け取ると、それにさっと目を通し、しばしの間逡巡した。
だがそれも時間にして一瞬のこと。そこからの決断は早かった。
アンリエッタは呼び鈴を鳴らして、すぐさまトリステインから連れてきた側仕えの侍女を呼び出し、彼女にもう一人、別の侍女を連れてくるように言いつけると、ルイズへと向き直った。

そして、彼女はこう口にした。

「ルイズ、服を脱ぎなさい」



その暫く後。
アンリエッタとルイズの二人は、杖の先に魔法の明かりを灯したタバサを先頭にして、プチトロワからグラントロワまで繋がる、秘密の通路の中を歩いていた。
「……段差、気をつけて」
「はい、お気遣いありがとうございます」
タバサは変わらなかったが、アンリエッタとルイズの二人は、先ほどまでと袖を通している服が違う。
アンリエッタは闇をくり抜くような、輝かんばかりの純白のドレス姿である。
そして一方――

「すみませんね、ルイズあなたにそのような格好をさせてしまって……」
そう言って何度も繰り返し頭を下げるアンリエッタに、
「い、いえ! 陛下、そのようなこと、お気になさらず。どうか、どうかお気になさらず! 私、メイドですからっ! メイドが相応しい女ですからっ!」
などと言って手をバタつかせて恐縮するルイズの出で立ちは、メイドであった。

何故二人がそのような装いに身を包んでいるかと聞かれれば、それはやはり、先刻のやりとりの続きを書かねばならないだろう。


アンリエッタがルイズに服を脱ぐように言ったのは、別にルイズのフラットな裸が見たかったからではない。
その服を、別の者に着せなくてはならなかったからである。

ルイズが服を脱ぎ終わった頃に、先ほどアンリエッタが呼びつけた侍女が、部屋へと戻ってきた。(アンリエッタがどれほど手早くルイズの服を脱がせたかについては、この際割愛させてもらいたい)
一人ではない。そのとき彼女はもう一人、別の侍女を連れてアンリエッタの部屋に戻ってきた。
そして連れてこられたもう一人の少女は、そばかすをとあどけなさを残した、可愛らしいという表現の似合う素朴な娘であった。
身長は女性平均のそれより低く、やせ形で、そして体の緩急が極端に少ない。発育がよいとは言い難い娘であった。
つまり、彼女はルイズそっくりの体型をした娘だった。

ルイズを脱がせる傍らで自分も服を脱いでいたアンリエッタは、そのぬくもりと香りがまだ残るドレスを、最初にやってきた方の侍女へと手渡した。
「よろしくお願いしますね」
それを聞いて、どうやら彼女達に自分達が着ていた服を着せ、替え玉に仕立て上げようという思惑なのだと、ようやくルイズも気がついた。

809MtL:2008/10/09(木) 22:03:35 ID:3KGzk42N
しかし、突発的な計画というのは、往々にして思った通りには進まぬもの。
代わりの服を着るという段になって、アンリエッタの前に新たな問題が持ち上がった。
「まあどうしましょう! ルイズ、あなたに合う服がないわ!」
そうなのである。クローゼットの中には数着の衣服が用意されていたが、その中でルイズが着られそうなサイズの服は、アンリエッタの見立てでは一着もなかったのである。
当然、少し離れたところにあるルイズに割り振られた部屋まで戻れば、そこには自前の服がある。
「陛下……その、私の部屋まで戻れば、替えの服も……」
下着姿のまま、手で恥ずかしそう体を隠して、そのことを伝えようとしたルイズを、アンリエッタが口早に遮った。
「いいえ、いけません。そんな不用意な真似はさせられません。もしもそのことを見とがめられては、厄介なことになります」
そう言われてはルイズにも言い返す言葉がない。
「うぅん……何かよい方法は……」
小さく呟いて妙案はないかと、アンリエッタが思いを巡らす。
考えながら、彼女は視線を、タバサ、ルイズ、それから二人の侍女へと移動させる。
そしてふと、後から連れてこられた侍女のメイド服に目が止まった。
この部屋にある服は、全てアンリエッタの服である。
ならばルイズが着る服はそれ以外から調達しなくてならない。
先ほど部屋の中にルイズが着られる服は一着もないと思ったアンリエッタだが、そこで彼女ははたと気づいた。
服ならここに、丁度二着あるではないか。

「ルイズ……不躾な質問ですが……あなたはメイド、お嫌いですか?」

結果として、ルイズと小柄なメイドは、その着ているものを交換することとなった。
アンリエッタはルイズにメイドが着ていたエプロンドレスを着るように言うと、同様に二人のメイドにも自分たちが着ていたドレスを着るように言った。
そして自身もクローゼットの中から着替えやすい一着を選ぶと、彼女もそれに素早く着替えた。
そうやって四人の服装が入れ替わると、次はタバサの出番だった。
タバサは目を閉じて集中してルーンを唱えると、メイド達に向かって杖を振った。
すると室内だというのに風が巻き起こって、それが侍女達にまとわりつき、実に不思議なことが起こった。
風が止んだとき、メイド達の顔は、それぞれアンリエッタとルイズのものへと変わっていたのだ。
――フェイス・チェンジ。
風系統のスクウェア・スペルである。

「う、わ……。まるで鏡を見ているみたい……本当にそっくりだわ」
ルイズが先ほどまでの自分と全く同じ格好をしている娘をじろじろと見ながら、そんな感想を述べた。
アンリエッタもその結果に満足したようで、安心のため息を一つ漏らした。
「ふう……、どうやら無事、上手くいったようですね」
「………」
そのアンリエッタの言葉に、タバサが無言のまま、首を縦に振った。
別段同意を求めた呼びかけでもなかったのだが、その仕草にアンリエッタは満足そうに頷くと、早速次の行動に移ることにした。
「ささ、ゆっくりもしていられません。早速向かいませんと」
『向かう』、その言葉に自分そっくりに化けた娘を見ていたルイズが反応を示した。
「あの……? 陛下? このような身代わりまで用意して、一体どちららに向かわれるのですか……?」
ルイズの言葉に、アンリエッタは小首を傾げて『あらっ?』という反応をし、それから顔を上に上げて、人差し指を唇にあてて、少しの時間悩んだ。
そして、その顔をルイズの耳元へと近づけ、ゆっくりと、それこそ言葉を選ぶようにして声を潜めて言った。
「我々はこれから、この宮殿の主、ガリア王の前へと赴くのです」
「……っ! 陛下っ! それは、むぐっ!」
「しっ、声が大きいですよ、ルイズ・フランソワーズ」
アンリエッタは慌てて手でルイズの口元を押さえると、振り返って、背後にいる、自分たちと同じ格好をした二人を見た。
彼女達はこちらの会話は聞こえていなかったのか、別段驚いたふうもない。
810MtL:2008/10/09(木) 22:07:39 ID:3KGzk42N
ルイズが驚いたことからも分かるように、そしてアンリエッタが侍女達に悟られないように配慮したことからも分かるように、これは尋常なことではない。
「良いですか? 我々はこれから、ガリア王の招きに応じる為に、シャルロット殿が通られてきた隠し通路から、極秘の会談のために用意された部屋へと移動しなくてはなりません」
「……ぷはっ! し、しかし陛下っ、ガリアの女王は……その、噂に聞くあの王の、娘で……」
言いづらそうに言葉を濁したルイズが、後ろで表情を変えずに立っているタバサを見た。
ルイズは以前に、彼女の執事であるペルスランから、タバサの境遇について説明を受けている。
その話の中で、タバサの父親の命を奪ったのも、タバサの母親に毒を盛ったのも、今の女王の父親、無能王と呼ばれた先王ジョゼフだと聞かされていた。
そんな彼女がどのような経緯でこのガリアの、それも宮殿にいるのか、女王の妹とは何のことなのか、そういった一切合切が分からなかったが、それでも、彼女の前で敵である先王の名を口にするのは憚られた。
だが、それ以上にルイズがアンリエッタを引き留めようとするのは、会議の最中、晩餐会の最中に見せたイザベラの奇行に原因がある。
会議の最中にいびきをかいて寝る、晩餐会では前菜の前からワインを浴びるように飲む、そして何より、あの猛禽類もかくやという鋭い目つき。
ルイズには彼女が、アンリエッタと同じ一国の女王とは到底思えなかった。
そして、そんな彼女とアンリエッタが話をするということが、何となく嫌だったのだ。
「そんなに心配をしなくても平気ですわ。仮にも一国の元首、一度ことに当たれば民を導く指導者としての顔を見せてくださるでしょう」
「でも、陛下……」
「大丈夫ですよ。わたくし、これでも人を見る目には自信がありますの。それにわたくしには分かります。彼女の普段の素行や言動は、人を欺く仮の姿。油断ならぬ相手ではありますが、彼女は理性的な話し合いのできる相手です。
 なにより、今の段階になってわたくしに害をなすことで、彼女が何かを得るということはありませんもの」
そう言いきったアンリエッタに、ルイズも言葉がつまらせた。

「例えそうだとしても……そのような場所に私のような者が出席するというのは」
「それも彼女の意向なのです。こちらの書状にそのように書いてありました」
そう言ってアンリエッタは先ほどタバサから受け取った書簡を広げて見せた。
そこには確かに、ルイズを連れて来て欲しいとの要望が記されていた。
流石にそんなものを見せられてなお拒否したとあっては、敬愛するアンリエッタの面子にも泥を塗ることになる。
何より、もしもガリア王が良からぬことを企てていたときに、自分が側にいたならば何とかできるかも知れない、そんな考えがルイズの脳裏によぎった。
加えてタバサの件もある。
もしも友人が脅されて仕方なく女王に従っているのだとしたら、必ずやその魔手から救い出さなくてはならない。それがルイズの、貴族としての、誇り高い人としてのあり方だった。

それらのことを一通り考えて、結果としてルイズは、深くため息をついてから
「……わかりました」
と、メイド服の肩を落としながら答えたのだった。



そうして場面は、再び暗中を行く三人へと戻る。
確かな足取りで先頭を歩くタバサに連れられて、ルイズとアンリエッタも暗く狭い、ひんやりと冷たい地下通を進んでいく。
途中、いくつか罠らしきものもあったが、どれも長い時の間に風化してしまっているか、既に無効化されているものばかりだった。
三人が抜け穴に潜ってから十分ほども歩いた頃、タバサの足が、ある一点でぴたりと止まった。

「? どうしたの、タバサ?」
訝しんでルイズはタバサの見ている先を覗き込んだ。
そこは、一見して黒塗りの煉瓦が積み上げられただけの、何の変哲もない行き止まりであった。
その声に反応したのでもないのだろうが、杖を掲げたまま、タバサは二人を振り返って言った。
「ついた」
言ってタバサは、煉瓦の一つ、床から少しだけ上にあるそれを、足で押した。
続いてルイズ達がまず耳にしたのは、ガコンという何かが落ちたような音。
そして更に、振動を伴った重い音と共に、ルイズ達の前で行き止まりと思われていた壁がゆっくりとスライドしていき、行き止まりと思われていた壁の先に狭い空間があらわれた。
奥には、さびが浮いて赤茶けた、一枚の鉄扉。
その先こそは、ルイズ達が目指していた目的地に、違いなかった。


811MtL:2008/10/09(木) 22:10:47 ID:3KGzk42N
――まぶしい。

光が目を刺すようにして飛び込んだ為だ。
暗所から突然部屋の中に出たため、目が慣れない。
手で明かりを遮りながら、三人は目をしばたかせた。
光の中に、誰かがいる。
そう思ったとき、向こうもこちらに気がついたのか、挨拶の声がかけられた。
「随分と遅かったじゃない。って、ルイズ……、あんた随分とその格好、随分と似合ってるわねぇ」
「おや本当です。可愛らしいレディの登場ということですね。もちろん他のお二人も負けず劣らずお美しい」
「ん、ああ? 本当に来たのか。不用心にも程がある」
「もぐもぐ」

徐々に目が光に慣れていく。
ようやっとものが見られる程度に視力が回復したルイズは、薄目を開けて、声のした方を見た。
そこには、
「ぷぷぷっ……ホント、よく似合ってるわよ」
こちらを見て口元を隠して笑っているキュルケと、
「ふふふ、お嬢さん。そんなに一辺に口に入れては喉がつまりますよ」
柔らかな微笑みを浮かべながら、牛飼いのごとく青髪の美女の口にお菓子を次々に放り込んでいる教皇、
「ふん、丁度ワインを飲みきったところだ。おいシャルロット、新しいのを持ってこい。ばれないようにな」
ぐびぐびとワインを流し込んでいるイザベラ、
「こんな小さいこっぱじゃ、全然食べた気がしないのね!」
もっしゃもっしゃクッキーを頬張る青髪の娘がいた。

それはちょっと、ルイズの想像していたのとは、違いすぎる光景だった。
「な、な、な、な……」
口をわなつかせたルイズが何で、と発するより早く、制するようにアンリエッタがさっと一歩進み出た。
そして、胸を張って口上一声。
「お招きに預かり……」
「あー、はいはい。そのくらいで良いぞ。別に堅苦しい挨拶を上げてもらう為に呼んだんじゃない」
そう遮ったのはイザベラだった。

口上の最中だったアンリエッタが、言葉を止めた。
緊張に体を強ばらせて、つばを飲み込む。
「それではなんのご用向きでしょう、イザベラ殿」
ロマリアの教皇、ゲルマニアの特使、それにトリステインとガリアの女王。
正に各勢力のトップを極秘裏に集めて、ガリアの女王は何をしようというのか、何を持ち出そうというのか。
ルイズの出席まで指定してきたということは、ロマリアはおろかガリアにまで、彼女の秘密が知られていることを意味しているのではないだろうか。
それに、イザベラやタバサよりも年上に見える、あの青髪の女性の存在も気にかかる。
現在ガリア国内で、王族直系を示す青髪を持つのはガリア王イザベラと、先王に謀殺された王弟の娘シャルロットの二人しかいないはずである。ここに来て未確認だった『三人目』が現れたその意味も分からない。
静かに、悟られぬ様に深く息を吸う。
この場で、何かとてつもないことが起こる。そう直感したアンリエッタは唇をきつく一直線に引き締めた。

812名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:12:13 ID:zVRAaZ9i
しえん
813MtL:2008/10/09(木) 22:14:25 ID:3KGzk42N
けれど、次にイザベラの口から飛び出したのは、そうしたアンリエッタの心中を裏切るものだった。

「ああ、違う違う。アンリエッタ殿をこの場に呼び出したのは、単なるお茶のお誘いだ。こいつらがこの場にいるのは勝手に押しかけてきたってだけさ」

そう言うと、
「私はイザベラ殿を食後のお茶に誘おうと思ってのことですよ」
教皇はそう口にして、『作業』を再会し、
「私はこの部屋がタバサの部屋だって聞いたから来たのよ。『姉君』がいたのは驚いたけど、それもこれもただの偶然」
とキュルケが言い、
「もぐもぐもぐ……」
青髪の娘はまたクッキーの処理を始めた。

それぞれの言い分を耳にしても、アンリエッタは不動であった。
あるいは、周りから見て、揺らいでいないよう見えた。
「つまり、この場にこれだけの人間が集まったのには、深い意味はないと。楽しくお茶をするための集まりであると、そうイザベラ殿はおっしゃるのですね」
「そう、その通り。アンリエッタ殿がおっしゃる通り」
アンリエッタの反応を楽しむようにニタニタと笑っているイザベラ。その姿に一瞬彼女は目の前のイザベラが自分に嫌がらせをして楽しんでいるのではないかという考えに捕らわれかけるが、すんでの所でそんなことはないと踏みとどまった。

部屋の中央にある丸テーブルについて、反り返る様に椅子に座っているイザベラの格好は、到底人を招いた人間の格好とは思えないものだった。
今、彼女が来ているのはフォーマルな服装とはいえないどころか、人と会う姿ですらなかった。
ガウン一枚、それが彼女の纏っている全てである。
襟に豪勢に羽毛をあしらった、最高級だと分かる厚手のガウンの下には、白い肌が露出しているのが見てとれる。
そんな格好で人を迎えるなど、アンリエッタの常識では到底考えられない。しかも、この席には教皇聖下までいるというのにである。
だが、だからといって油断はできない。
彼女のその姿はアンリエッタを欺く演技であるかも知れないのだ。

トリステインが入手しているガリアの内部情勢、特にここ最近のイザベラが実権を握ってからの短期間で進められた宮廷内部の改革と人事刷新からは、彼女の並々ならぬ政治手腕が見て取れたからだ。
イザベラは、不安定で分裂しかかっていたガリア宮廷内部を、強引ともいえるやり方でまとめ上げていた。つまり、自分の息のかかった者で権力の中枢を固め、刃向かう者は失脚させるか、追放するか、……あるいは処刑するか。
このことは彼女が敵味方を嗅ぎ分ける嗅覚に特に優れているということを意味しているのだが、それを知らぬアンリエッタからすれば、イザベラの人を見る目とその判断力、決断力は、正に怪物と言って差し支えないものであった。
ならばこそ、アンリエッタにはこの集まりが、何の目論見もなく開かれたものだとは到底思えなかったのだ。

「わかりました」
落ち着き払った声で、アンリエッタの返答。
「陛下っ!」
ルイズの制止を促したが、アンリエッタはそっと目線を向けてこう言った。
「良いではないですか。折角のお招きです。甘えるといたしましょう」
不安そうな目でこちらを見ているルイズを見て、アンリエッタの中の不安がますます強くなった。
自分の行動が、大切な親友の、ひいては愛する民達の未来を左右する。
これほどまでに強烈に王の重責を意識したことは初めてかも知れない。
「大丈夫。きっと大丈夫ですから」
そう、言って聞かせるように、自分を戒めるように、呟いた。

不安は彼女を押しつぶそうとする。
だが、それ以上にそれに負けないという決意と意志は、確かに彼女の中に燃えていた。

――結果としては、それは全くに空回りであったのだが、彼女がそれを痛感するのは暫く後のことである。



814名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:14:30 ID:4EmfN1Lz
待ってました 支援
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:16:34 ID:4EmfN1Lz
アンリエッタがなぜに手早くできたのかを詳細に…
                         支援
816MtL:2008/10/09(木) 22:17:12 ID:3KGzk42N
さて、
席について二十分、早くもルイズはこの席に着いたことを後悔し始めていた。
「あらあら、その事件は確か百年も前に裁判で決着がついたことではありませんでしたか?」
「王政府に無断で一公爵が取り決めた事例に、従う義理も謂われも無いね」
数人が囲んで座れる丸テーブル。
ルイズの左にはアンリエッタ、ルイズの左にはイザベラ。
二人の女王に挟まれたその席は、まるで地獄の釜の底のよう。

そもそも、アンリエッタとイザベラ、この二人は決定的に、徹底的に、相性が悪かったのだ。
例えば花の好み。
アンリエッタが「わたくしは白い百合の花が好きですわ」と言えば、
イザベラが「白い百合? 葬式の花かってくらい辛気くさい。それだったら私は黒い薔薇の方が好きだね」と言い。
例えば趣味の話。
イザベラが「狩りというのはなかなか面白い。獲物をどうやって仕留めるかに、センスが出る」と言えば、
アンリエッタが「まあ、女性の身でありながら狩りですか、野蛮極まります。私は歌を歌う方が好きですね」と言い。
例えば自分の理想については、
アンリエッタが「王とは、人を守り正しき道に導く者。民を愛し、民に生かされる者、それを忘れてはいけません」と言えば
イザベラが「なんだそれは、奴隷かい? 王とは、人を征しその生き様で道を示す者。民に愛され、民に尽くし捧げられるだけの価値と力を持った存在のことだろう」と言う。
一事が万事、このような調子である。
目の前でそんな言葉が飛び交っているのを耳にして、ルイズは生きた心地がしなかった。
「今はっきりと分かりました! あなたに深い思慮分別なんてありません! 先ほどからの言動は、ただ単にわたくしへの悪意ある嫌がらせに過ぎません!」
「ははん! ようやっと気づいたのかい! 田舎者のトリステインのトロい小娘は最後まで気づかないんじゃないかと冷や冷やしたよっ! 」
「なんて言いぐさでしょう! ガリアこそ、ここ二十年の停滞で立ち後れた国じゃありませんのっ! それにあなたに小娘と言われる謂われはありませんっ!」
「なんだとっ!? ちょっと乳がでかいからって調子に乗るな! 大体、私は一目会ったときから気に入らなかったんだ、そのすました顔が、いかにもこれまで恵まれて育てられてきましたーっていうお姫様然とした態度がっ! その鼻をへし折ってやりたくて仕方なかったのさっ!」
「ええ、不本意ながら同感ですわっ! あなたのような野蛮で下品な方が、わたくしと同じ一国の女王だなんて信じられませんっ! あなたのせいでわたくしまで品位を疑われてはたまりませんわっ!」
「ほぅら本音が出たっ! 結局人間なんてものは一皮剥けば自分が一番可愛いんだよっ!」
「なっ! それとこれとは話が別でしょう!?」

817MtL:2008/10/09(木) 22:20:43 ID:3KGzk42N
二人の熱はスパイラルを形成し、着実にそのボルテージは高まっていく。
そんな光景を前に、ルイズは何もできないでいた。
一方、予想外の流れにルイズがあわあわしている向かいでは、キュルケが涼しい顔をしてカップにお茶のお代わりを注いでいた。
キュルケを恨めしそうにじっと睨むルイズ。
その視線に気がついたのか、キュルケは肩を小さくすくめてみせた。
それは言外に
『放っておけば良いんじゃない?』
と言っているようだった。
我関せずという姿勢をとっているのは何も彼女だけでは無い。
キュルケの右隣に座っているタバサはさっきからずっと視線を落として手元の本の文字を追っていたし、その更に右の席では教皇が、ずっとあれやこれやの菓子類を、名も知らされていない青髪の美女の口に放り込んでいた。
本当はタバサとも話したいこともあったルイズであったが、いかんせんこうなっては、席を立つことすらも難しい。

そうやってアンリエッタとイザベラが、いつ爆発するか分からない危険な領域に突入した頃。
――流れを断ち切る音がしたのは、そんなときであった。

ガタッという席を立つ音。
立ち上がっていたのは、教皇であった。
無言で立った白衣の青年に、一瞬彼が二人を止めるのではとルイズは期待を込めた眼差しで見上げたが、次に彼の口から発せられたのは、それとは全く違うことだった。
「それではわたくしはこの辺でお暇させて頂きます」
何を言うかと思えばそんなこと。
ルイズは相手がハルケギニアで最も高貴な存在であることも忘れ、はっきりと落胆の色を表した。
しかして、教皇はそんなルイズに、最後の最後で救いの手を差し伸べた。
「ミス・ヴァリエール。よろしければわたくしと散歩がてら、外でお話をしませんか」
「……え?」
突然の申し出に、ルイズは目を丸くして驚いた。
「お二人とも、よろしいですかな?」
続けて教皇は、流れる水の音のようなよく響く声でそう言った。
その言葉に、それまで激しく口論していた二人がぴたりと口を閉じる。
途端に降りる静寂の帳。
魔法でもかかっていたのかと思うほど、その言葉は見事に空間に真空状態を作り出していた。
「え、ええ……ルイズがそれでいいと言うのなら……」
「別に私が口を挟むことじゃない」
教皇は二人の口から、許可の言葉が出てきたことを確認すると、ルイズに近寄り、極上の笑顔で手を差し伸べた。
「お手をどうぞ。ミス・ヴァリエール」


                      とんでもない。手を出したのは向こうが先です。
                                ――アンリエッタ・ド・トリステイン
818MtL:2008/10/09(木) 22:24:04 ID:3KGzk42N
以上で投下終了です。

ある部分で少々苦戦して、投下が遅れてしまいました。
次はもう少し早くに投下出来るようにがんばります、はい。

それはそうとスターライトマナバーンの更新が楽しみです。

ではでは
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:25:10 ID:4EmfN1Lz
乙でした

なぜに教皇がシルフィードに餌付けを?
820名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:26:54 ID:EuchPwtb
>>815
そりゃルイズには出っ張ってる部分がないかr(削除されました
821名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:37:24 ID:xTKjp8Vl
norton先生がハルゲキニア世界に召還されました
「警告 このサイトはフィッシングサイトです
822名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:48:27 ID:4EmfN1Lz
「服を脱ぎなさい」から「お脱ぎなさいっ!」を連想してしまった
823名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:49:12 ID:bHdrffcB
>>821
You fish a while, but fail to catch anything.
824名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:52:15 ID:qzKmNe37
ドラクエ[の主人公召喚
××はワルキューレの群れをなぎはらった!
ワルキューレAに42のダメージ!ワルキューレBに29のダメージ!ワルキューレCに23のダメージ!
825名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:54:10 ID:5KN3z4CV
……あれ?そういやMtLって誰が召喚されたんだっけ?
826名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 22:55:47 ID:6IETsEZL
>>824
おいおい、ドラクエの[からなら表記はこうだぜ。


ワルキューレ達に平均で32のダメージ!
827名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:02:47 ID:jAbSZ1mL
そろそろドラクエ7の主人公がウォーミングアップを始める洋です
828名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:03:37 ID:qzKmNe37
そうだった…orz
すっかり忘れてた…
829魔法陣ゼロ:2008/10/09(木) 23:17:01 ID:kyKky/ww
ドラクエの話題が出たので、5分ほど後に第二話を投下します。
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:19:10 ID:JiOXSVQk
福音の少年召喚とかはどうなんだろう?
この場合、三次小説とかになってまうんだろうか?

>世界を三日間震撼させた演説

「…使い魔になってしばらくして、知ったんですが、ハルケギニアには、あの『イン
ヴォルブド・ピープル』って人たちがいて」

「いや、それって普通に亜人だって」
831魔法陣ゼロ:2008/10/09(木) 23:22:23 ID:kyKky/ww
2 契約


「いつまで寝てるのよ、起きなさい!」
「うぅ、オヤジめ……」

 ニケはさきほどの悪夢を思い出しながら、目を開けた。
 生い茂る木々の枝葉ではなく、雲一つない晴れた空が見える。
 さっきまでいた森の中ではないようだ。ギップルが言ってた通り、どこかに飛ばされてしまったのだろうか? もう、笛の音は聞こえない。

 体を起こし、横を見た。ククリはまだ倒れているが、ケガはなさそうだ。
 自分たちの周りでは、マントを着た人々がざわめいていた。こちらを指差して、何やら笑っている奴もいる。

 そのとき、強い光が視界の隅に入った。反射的に背筋が凍りつく。
 見覚えのありすぎる輝きだ。

(この鋭い光はハゲ頭! オヤジも来てるのか!?)

 しかし、そこに立ってたのは、ちゃんと服を着た地味なオッサンだった。
 ほっとしたのもつかの間、すぐ近くにいた桃髪の女が話しかけてきた。

「あんた誰?」
「オレはニケ。……誰だお前は?」

 上から自分を睨む顔は、かなりの美人だ。しかし残念なことに、その体形は残念なものだった。
 冒険をはじめたころのククリも起伏の無さでは五十歩百歩だったが、最近はいい感じに成長しつつある。
 とは言っても、そもそもククリは全体的に太めかもしれない。まあ、それはそれで。

「お前とは無礼ね、平民のくせに。わたしはルイズ・ド・ラ・ヴァリエール、あんたのご主人様よ」
「ご主人様? 何を言ってるんだこいつ?」
「一応聞いておくけど、あんたは貴族じゃないわよね?」

(貴族って、なべやき姫みたいなのだよな?
 オレは――)

 父親であるパドにより、カンペキにタダのフツーの人間だと保証されている。
 何か出生の秘密がないかと期待したこともあったが、実際には何もない。

「貴族なんかじゃないよ。」

 立ち上がり、服に付いた土とススを払いながら答えた。
 土はともかく、なぜこんなにススが付いているんだ?

「なら問題ないわね。感謝しなさい、平民が貴族にこんな事されるなんて普通は無いんだから。
 我が名はルイズ(略)、使い魔となせ」

 目の前にいる女、ルイズの顔が近付いて来る。

(かわいいなあ、ちょっと目がキツイけど……あ、目つぶった。
 って、え? なんでこんなに近くに――)

 ちゅっ

 ルイズはニケにキスをした!
 ニケはこんらんしている。

832魔法陣ゼロ:2008/10/09(木) 23:23:27 ID:kyKky/ww
(くちびるやわらか……いや、なんでオレ、キスされてるんだ? てか、ここどこなんだ? オレのファーストキスがっ!
 こんな所をククリに見られたらまずい! でもなんだかいいにおい! トッピロキー!)

 横目でククリを見た。まだ起きてはいない。
 もしこの状態を見られたら、何をされるか分からない。

「ぷはっ!」

 後ろに下がり、ルイズから離れた。まだ唇に、柔らかな感触が残っている。
 
「い、いきなりなにすんだ! お前は……いってえええぇぇ!!」

 悲鳴が草原に響く。
 それを聞いたククリが、目を覚ました。


〜〜〜


「うーん……。あ、あれ? ここは、どこ?」
「トリステインの魔法学院よ。
 あなたは、サモンサーヴァントでわたしに召喚されたの。この平民と一緒に」
「サモンサーヴァント? なにそれ?」
「サモンサーヴァントを知らないって……あなた、それでも貴族なの?」
「ううん、貴族じゃないよ」
「えっ!? じゃあ、その杖は何なのよ?」
「魔法を使うのに必要なの」
(貴族の名を失ったのかしら? 儀式を知らないなんて、よっぽどひどい田舎の貧乏貴族だったのね)

 再び気を失って倒れたニケに、コルベールが近づく。

「ふむ、珍しいルーンだな。ともかく、コントラクト・サーヴァントも成功したようだね」

 コルベールは手帳を取り出し、ニケの左手に現れたルーンをスケッチした。
833魔法陣ゼロ:2008/10/09(木) 23:24:32 ID:kyKky/ww
「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」
「とりあえず、戻りながら話しましょう。あんた、名前は?」
「あたしはククリ。」
「わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。魔法学院の2年生よ」
「えっと、もう一回言ってくれない?」
「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール!」
「もう一回!」
「……ルイズでいいわ」
「早く来いよ、ゼロのルイズ! 飛んで行かないと、次の授業が始まっちまうぞ!」

 ルイズ以外の生徒たちは、すでにルイズ達から離れて青空の中を飛んでいた。

(あれって『かっこいいやつら』? じゃあこの人たち、光の魔法使いなのかな?)

「さあ、(歩いて)行くわよ。こいつも連れて」
「うん。じゃあ、あたしも飛ぶ準備するね!」

 ククリはそう言うと、杖を拾って魔法陣を描きはじめた。

(きれいな踊り……。でも、飛ぶ? 踊りで?)

 自分の周りをクルクルと楽しそうに踊るククリに気を取られ、ルイズは足元の魔法陣に気付かない。
 そして、十数秒後。ニケを中心に、ルイズとククリを囲む魔法陣が完成した。

「できたっ、ヨンヨン召喚!」

 ククリが杖で足元を付くと、地響きとともに地面が盛り上がり、さらに浮き上がる。
 ルイズは腰を抜かして座りこんでしまった。

「な、なに!? 誰かの使い魔が下にいるの!?」
「ううん、あたしの魔法」
「レビテーションで地面を持ち上げたってこと? でもそんな呪文、あんた詠唱したかしら……?」
「呪文はいらないの。グルグルは、魔法陣を描いて使うのよ」
「グルグル? なにそれ?」

 足元の物体は、単に地面が持ち上がっただけの物ではなかった。中心が半球状にふくらみ、丸や三角の模様が付いている。
 高度が上がっていくと、生徒達が学院に向かって飛行する様子がよく見えた。
834魔法陣ゼロ:2008/10/09(木) 23:25:49 ID:kyKky/ww
「ヨンヨンヨンヨン」
「鳴いた……」
「もうあんな遠くまで行っちゃった。あの人たちを追いかければいいんだよね?」
「そ、そうよ。あれがトリステイン魔法学院よ」
「じゃあヨンヨン、あそこまで飛んで!」
「ヨンヨンヨン」

 返事とともに、ヨンヨンは学院に向かって動き出した。
 フライよりは遅いので他の生徒達に追いつくことはできないが、それでも歩くよりは速い。

(うわっ、高い、風が強い、フワフワしてる……)
「あれ、ルイズさんは飛ばないの?」
「きょ、今日は召喚で疲れてるからよ! 飛べないわけじゃないんだからね!」
「そっかあ。じゃあ、ちょっと遅いけどいっしょに行こうね。斜めになってるから、しっかりつかまっててね」

 言われた通りに、ルイズはうつぶせになって草にしがみ付く。フネに乗ったことは何度かあるが、小さなヨンヨンは全く違う感覚だった。
 ゆったりとくつろげる船室どころか、イスも壁も、まともな床すらない。

「これって何なのよ? ゴーレム? 生き物? マジックアイテム?」
「ヨンヨンよ」
「ヨンヨン?」
「そう、ヨンヨン」
「羽根もないのに、どうやって飛んでるの?」
「ヨンヨンだから飛ぶの。
 ……えっとね、あたしもそれ以上は、よく分からないの」

 ヨンヨンの正体を把握しようとして、体を起こす。不意に、はるか下の地面が見えてしまい、ルイズは少し震えた。

(一体なんなのよ、これ……。先住魔法かしら?)

「ねえ、あの飛んでる人たちもルイズさんも、みんな魔法使いなんだよね?」
「も、もちろんよ。魔法学院の生徒なんだから」
「ルイズさんは、どんな魔法が使えるの? あとで見せてよ」
「いや、でも……」
「え〜、いいじゃない。そんなに恥ずかしい魔法なの?」
「違うの、わたしの魔法は、その……
 そ、そうだ。あんたたちを召喚した魔法。あれがわたしの魔法、サモン・サーヴァントよ」
「へえー。でも、なんであたしたちを?」
「そんなの、わたしが聞きたいわよ。人間が召喚されたことなんて、今まで無かったんだから。」

 ルイズは、溜息をついた。

(どうせ契約するなら、こっちの子の方がマシだったかしら?
 貴族じゃないけど、一応魔法は使えるんだから、単なる平民よりよっぽど良いわ。
 ああ、失敗したなー。ファーストキスにしても、女同士だったらノーカウントにできそうね)

 しばらく飛行し、学院の上空まで来た。
 他の生徒達は、既に教室まで戻っていた。
 厨房の煙突からあがる煙や、メイドが洗濯物を干す様子が見える。

(学院の屋根ってこんな形だったんだ、知らなかった……)

「どこに降りようかしら?」
「せっかくだから、窓から部屋に入ってみたいわね。あっちの塔まで飛びなさい」

 ルイズの誘導で自室の窓にたどりつき、そのまま中に入った。
 床に着地したあと、二人はヨンヨンから降りる。やがてヨンヨンは床にめりこむようにして消滅し、床に転がるニケが残った。
835名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:26:48 ID:xTKjp8Vl
悪魔のミカタから堂島コウ

「知恵の実ですって?」
「ああ」

「今日のアトリはティファニアさんのおっぱい祭りでーす」
「ひぇっ、そんなに見ないでくださーい」
「わー姉ちゃん泣かしたー」
「この悪魔!」
「うわー緊縛痴女だーうつるー」
「うつらないですぅー」

「やれやれ、私アトリの上司でハエ田ハエ太郎と申します」
「これはご丁寧に」
どうもどうも
「アトリはよくやってますか?」
「ええ、子供の相手を」
836魔法陣ゼロ:2008/10/09(木) 23:27:45 ID:kyKky/ww
以上で終了です。

IDが、KYで笑われてるように見える…
837名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:28:25 ID:jAbSZ1mL
>>836
KYKYwwwwwwwwwwwww

838名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:32:38 ID:EBurHaN2
IDwww

グルグル乙。
この後はニケの唇を奪った事でひと悶着ありそうですな
839名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:32:50 ID:DL0CmAjY
なんかスーパーマルオでウエスタンショーの動画思い出した。>ID
――とりあえず投下乙。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:33:21 ID:FIi1O7j0
そのIDはきっと「キタキタ呼べ! き、キタキタ呼べよ!ww」というスレそのものの魂の叫びなのかもしれないw

ともかく、投下乙でした。
ニケの混乱ぶりがそれらしくてよかった。
確か、ニケってククリのかぼちゃパンツ見えただけで混乱してたよなw
841839:2008/10/09(木) 23:33:49 ID:DL0CmAjY
丸尾じゃなくてマリオorz。
お目汚しすまねぇ。
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:34:21 ID:0rUpSJIW
青唐辛子w乙

>>830
元ネタがあるの?>福音
クトゥルフ臭が少ししたけど
843名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:46:24 ID:tnLQBUr1
悪徒-ACT-より港陽虎を召還

召還された次の日の朝
「気持ちよく覚醒してやるぜ! ルイズ!!!」



…無念でならない
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 23:48:35 ID:6IETsEZL
グルグルの人乙ですー

>>824
しかしエイト(仮称)か……
シルフィードと仲良くなりそうだな。龍的な意味で。
845名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:01:08 ID:pX5IhjRv
8の主人公ってそもそも契約できるのか?
あいつって魔王の呪いすら効かないぐらい呪い耐性あるんだが
846名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:03:50 ID:K8Jmuwau
エイトと聞いて何故か護衛神エイトが思い浮かびました
召喚後の問題はルイズにパズル戦士の資質があるかどうかw
847名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:08:14 ID:+ZJz8mnB
エイトと聞くとハヤテのぽんこつ介護ロボが思い浮かんだ
848名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:15:08 ID:C2YSMYkp
グルグル乙
>オレのファーストキスがっ!
原作ではキスしてなかったっけ?
つーか、原作終了後ならもっと深い仲になっていても……まだお子様ってことかw
849名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:15:32 ID:950xVBJH
ひっかるーうみっ♪ひっかるおーぞらっ♪ひーかーるーだいーちー♪なエイトを...
召喚できるわけないな...
850名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:16:28 ID:+6/l+f04
>元ネタがあるの?>福音
元はエヴァンゲリオンの二次創作「錬金術師ゲンドウ」
キャラクターだけ使ったほぼ完全な別物だったので名前変えて一般作として出版された
851名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:19:34 ID:C2YSMYkp
>>849
煙草型冷却剤が品切れると、メルトダウンの恐怖がハルケギニアの地に!
852名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:25:18 ID:+6/l+f04
>まだお子様ってことかw
見た目で騙されるがあいつら冒険終了時には確か15歳くらいだったぞ
853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:55:03 ID:7olFXEHh
>>843
見事な打ち切りだったよな
はあ
854名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:59:59 ID:m3yzMOGq
>>843
全くだ、あれは続けて欲しかった。
最後の展開とか絶対に盛り上がるよな。
極楽寺父の能力も気になるしさ、どういう能力だよスカジャンw
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:01:06 ID:m3yzMOGq
すまん、スカジャンじゃなくてあのスカジャンだった。
親父のスカジャンはどういう能力なのか?ってことです。
856名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:02:13 ID:4WTKGVKg
>830
『錬金術師ゲンドウ』からなら三次創作
『福音の少年』からなら二次創作
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:03:00 ID:NahcVsQ1
読参ベースでTRPGにもなってる奴のエロゲ版やら小説版やらの主人公を思い出したのは俺だけでいい>エイト
858名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:29:13 ID:eL0xogXl
煙草型の強化剤を吸う奴だろ?
859名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:31:49 ID:Zc53GyJI
エイトマンを真っ先に思い出した
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:50:29 ID:TKpNufqs
悪徒打ち切り悔恨記念に
もうA犬からサンゴと悪徒から針塚呼ぼうぜ・・
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:50:52 ID:ouuSZ7f7
しかし、ドラクエ主人公は喋らないから小ネタくらいにしかならないよな。
もしくは上手く喋ってることにして、台詞をつけないか。
むしろ脇役の方がまだやりやすいという。

所で、ニャル様の化身召喚ものって無いのかね?
上手いこと引っ掻き回してくれそう。
ラスボスになってしまいそうだけど。
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:53:29 ID:ua9rX78q
ドラクエの主人公は喋らないから会話が想像しにくい
しかも8は小説とかサイドストーリーの類ないよなたしか
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:02:28 ID:sUT5aBHW
ガンガンか何かでやってた、モンスターズ+のDQU主人公とかなら書けそう
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:12:08 ID:ttK3P1IE
>843
実に近年類を見ない程の打ち切りらしい打ち切りでした

金坐座、お前いったい何があった? あらすじ読んでも謎が増すばかり 
865名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:19:29 ID:bIhx7c/K
ジャガージュン市召喚
教室爆破で落ち込むルイズに「まあ、そんなに落ち込むなよ、今回たまたま運の無い人生だっただけさ」
そしてワルドがハマーポジションになる
ルイズはもちろんピヨ彦

もう全部人間の痛いところを抉るようなSSになりそうだ
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:22:45 ID:49jnGMpE
>>865
ワ「ワルドがいっぱい!」
ル「キャー!ワルドがたくさんいて気持ち悪ーい!」
867名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:33:36 ID:Dhjl2E/z
>>820
ブラウスなら第一ボタン外す→手首のボタン外す→万歳させる→引っ張るで終わりそうだもんなぁ

>>865
しかしルイズがピヨ彦だと、ワルドに「洗ってない犬のにおいがする」って言ってくれる人がいなくなっちゃうよ!
868名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:51:08 ID:7I1MNKaz
「ここで死ぬか、レコン・キスタに協力するか好きな方を選べ!」
「帰れよ、お前から洗ってない犬のにおいがして臭いんだよ」

おマチさんにこんな感じで言われるんだろ
869ゼロの社長 08:2008/10/10(金) 03:27:22 ID:X4vS6W+f
08話が完成しました。
予約がなければ10分後くらいに投下したいと思います。
870ゼロの社長 08:2008/10/10(金) 03:35:59 ID:X4vS6W+f

ルイズ達の教室が、爆発の煙に包まれてた丁度そのころ、おなじく別の部屋では別の理由でちょっとした騒ぎになっていた。
いや、騒ぎというには人数が少なすぎる。
その現場、学院長室には2人の人間がいた。
その部屋の主であり、このトリステイン魔法学院の学院長のオスマン。
そして、本を持ってこの部屋に駆け込んできたコルベールである。

「…なるほど。やはりミス・ロングビルを退席させて正解じゃったようじゃな。
ミスタ・コルベール。」
「ええ、やはり彼は、伝説の使い魔『ガンダールヴ』あの左手に刻まれたルーンは、この本に記されているそれと、全く同じなのです。
その、ガンダールヴを召還したという事は、ミス・ヴァリエールは…」
「まだ、その結論を出すには早いと思う。じゃが、その事実は我々の中だけに秘めておくべきじゃ。少なくともまだ、今は…」



場所が変わって、ここはアルヴィーズの食堂。
ルイズは、自身の起こした爆発により、めちゃくちゃになった教室の片づけを命じられ、それが終わったのは、丁度お昼休みの前であった。
ちなみにその片付けはルイズのみで行われ、海馬はただ眺めていただけだった。

「あ〜…疲れたぁ。…手伝ってくれても、罰は当たらないんじゃないの?あんたは私の使い魔でしょうに…」

ルイズは最後まで手伝わなかった海馬に対し愚痴をこぼした。
大声で文句の一つも言いたいところだが、疲労のためそんな元気もないようである。
だが、海馬はといえば

「なぜ俺がそんなことをしなければならん。自分で起こした事だ。自分で片付けるのは当然だ。」

と、さも当然のように返した。
当然反論があがる…かとも思いきや、疲れすぎて、む〜…と返すのが精一杯のようだった。

「ところでルイズ。貴様の爆発魔法についてなのだが…」

海馬の想像。それはルイズの魔法こそが、失われた虚無の系統ではないか?というものだった。
871ゼロの社長 08:2008/10/10(金) 03:37:51 ID:X4vS6W+f
海馬の瞳によって確認された周りのメイジたちの属性とは明らかに異なるルイズの属性。
細かい魔法の知識はないため、確証というものはないが、調べて見る価値はあるのではないかと、伝えようとしたところで

「失礼します、ミス・ヴァリエール。」

そこに、2人分のお冷が運ばれてきた。
シエスタだった。
なれた手際でお冷と皿、ナイフ、フォークなどを並べていく。

「瀬人さんも、お疲れ様です。あ、すみません。お話し中に割り込んでしまったでしょうか。」
「いや、かまわん。…ふむ、忙しそうだな。」
「ええ、やっぱりお昼時は流石に忙しいですね。あっ、いけない、それでは瀬人さん。また」

そう言うと足早にシエスタは去っていった。
さて、昼食にするかと机の上の皿に載った料理に手を伸ばそうとしたとき

「セト…?あのメイドと知り合いなわけ?」

ぐったりとテーブルに伏せていたルイズが聞いてきた。

「その体勢は、非常にマナーがなっていないぞ、ルイズ。」

ぐっと起き上がり、ルイズは同じ質問を返した。

「アンタ、結構人付き合い悪そうなのに、意外ね?」
「昨日貴様を医務室に連れて行った後に、道端で出会ってな。寝床を借りて朝食をもらった。それだけだ。」

プツン…と、何かが切れる音がした気がした。
が、海馬は全く気にせず、皿にとった魚のパイ包みを口に入れようとしていた。

「へぇ…アンタはご主人様が気絶している間に、他の女のところにホイホイと転がり込んだわけ…?」

怒りのオーラで髪がゆれているように見えたのは、気のせいではないだろう。
だが、当の海馬は気にする風でもなく

「ルイズ。食事は静かに摂るものだ。あと椅子の上に立ち上がるものではない。
そのフォークの持ち方もなっていないぞ。」
872ゼロの社長 08:2008/10/10(金) 03:39:20 ID:X4vS6W+f

ブチッ!っと言う音は回りの生徒にも聞こえたようで、周りの生徒達が恐る恐るそこから離れていく。

「ふぅん…それで朝ご飯もいらなかったわけ。もう食べてたんだもんねぇ…そりゃお腹も空いていないわけよねぇ…。」
「ルイズ。そんなことよりさっさと食事を終えろ。あとで図書室で調べなくてはならん事がある。
おい、ナイフを逆手に持つな。そんなマナーもないのか。」

ルイズの怒りが有頂天。
怒りをそのまま言葉にしたような文句がルイズの口から飛び出した。

「あ…アンタって人はあぁぁぁぁぁぁ!!!この馬鹿使い魔!!!ごっ…ご主人様をほっぽらかして、メイドのところに潜り込んでたわけぇぇ!?」


「待てルイズ。何か様子がおかしい。」

しかし海馬には効果がないようだ!
海馬の視線は少し人だかりが出来ている辺りに向いていた。

時間は少しさかのぼり数分前。
クラスメイト数人と会話しているギーシュのポケットから、香水の小ビンが落ちん、それをシエスタが拾いギーシュに返そうとしたのだが、
ギーシュは急に顔色を悪くし、

「これは僕のじゃないな。」

と、シエスタに手で向こうへ行くように促したが、
ギーシュの友人がその香水がモンモランシーのものであることに気が付いた。
結果、ギーシュの二股が発覚し、付き合っていた両方の女子にばれるという結果になったのである。
ギーシュはケティという後輩の少女に顔面をはたかれ、
モンモランシーには香水を頭からぶっ掛けられるという悲惨だが明らかに自業自得な結果に終わった。

一通り事が終わったと感じたシエスタが仕事に戻ろうとすると

「まちたまえ。君の軽率な行動のせいで、二人のレディの名誉に傷がついた。
どうしてくれるんだね。」
「え…そんな…」

言いがかりも甚だしい。が、それもギーシュが精神的に子供である証拠であろう。
もちろん、そんなことがこの言いがかりの正当性を認めるものでは全くないが。

「いいかい?僕は小ビンを渡そうとしたとき、知らない振りをしただろう?話を合わせるくらいの機転を効かせても良いんじゃないか?
ふん、そんなことも出来ないとは、これだから平民という奴は…」
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 03:41:38 ID:f95kkNCI
支援
874ゼロの社長 08:2008/10/10(金) 03:41:45 ID:X4vS6W+f
「そこまでにしておくんだな。」

調子に乗り始めたギーシュとシエスタの間に、いつのまにか海馬がいた。

「自分の不注意で二股がばれた事を、他者に責任を押し付けるなど、恥知らずもいいところだ。
そんなことをしているほど暇なら、貴様はさっさとあの二人に泣きついて許しを請いに行け。」

ギーシュは思い出していた。というよりも忘れられない。忘れられるはずもない。
さっきの授業でクラスメイトのマリコルヌを侮辱した、ゼロのルイズの使い魔。

「なんだい。その平民をかばうのかい?平民同士中のいい事だね。」
「知ったことか。俺が気に入らんのは、貴様のその腐った性根だ。家の中で引きこもりながら好き勝手やっているならば構わん。
だが、俺の目の前でそんな醜い性根を晒すな。反吐が出る。」
「君は…本当に貴族に対する口の利き方がなっていないようだね。いや、礼儀を知らないというべきか。」
「無能に尽くす礼など無い。」
「いいだろう!ならば君に礼儀というものを教えてやろう!決闘だ!」

ざわっ…と、食堂に不穏な空気が流れた。
決闘は禁止されているだろ!とか、貴族と使い魔だから問題ないとか、野次を言う連中は好き勝手に喋っている。

「貴族の食卓を平民ごときの血で汚すわけにはいかないからね。ヴェストリの広場で待っているよ。逃げたければ構わないがね。」

そう言うとギーシュはバラを振りかざしながら、取り巻きの生徒達とともに去っていった。

「ふん…この俺に決闘(デュエル)を挑むとは…身のほど知らずもいいところだ。」

まだ詳しくはわかっていないが、ギーシュのカードとしてのスペックを見れば、下級モンスターでも倒せる程度のものだ。
実験台にもなると、海馬は内心思っていた。
だが、シエスタは違った。
ぶるぶると震え、海馬に懇願した。

「瀬人さん、今すぐ謝って、決闘なんか止めてください。
決闘なんかしたら殺されちゃう!貴族の方を相手に本気で怒らせたらどうなるか…」

「シエスタ…ヴェストリの広場とはどこだ?」
「ッ!?言えません!早く逃げてください!」
「『風』と『火』の塔の間にある中庭よ。」

シエスタと海馬が振り向くと、そこにはルイズが仁王立ちしていた。

「全部見てたわよ。あんたそこらじゅうに喧嘩を売って歩いてるんじゃないわよ。」
「では、あれを見て見ぬ振りをしていろと?」
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 03:42:45 ID:HtED0Hro
容量ヤバイんで次スレ立ててきます。
876ゼロの社長 08:2008/10/10(金) 03:43:39 ID:X4vS6W+f
「あんたがただの平民であればね。」

ふっ、と微笑で返すルイズ。
だが、シエスタにはその様子がふざけているようにしか見えない。

「ミス・ヴァリエール、ふざけてないで瀬人さんを止めてください。決闘なんて…」

だが、ルイズはシエスタを無視した。

「セト、私の使い魔への命令として聞きなさい。必ず勝ってきなさい。出来ないとは、言わせないわよ。」
「ミス・ヴァリエール!?」
「ふん、当然だ。」

そう言うと海馬は、ヴェストリの広場へと向かっていった。
シエスタはルイズが貴族であることも忘れて言った。

「どうして…どうして止めないんですか!このままじゃ瀬人さんが!」
「あんたがアイツとどういう知り合いだかは知らないわ。でも、あんたはアイツの事を知らない。」
「何を…。っ!貴族の面子とか、プライドですか!?そんなことのために瀬人さんを殺させる気ですか!?」
「落ち着きなさいよ。私は私の使い魔が、海馬瀬人が負けるなんて事は想像できない。」

そう、自分の常識を覆した『人間の使い魔』であり、不思議な『眼』を持ち、そしてドラゴンを召喚したあの使い魔。
そんな常識破りの存在が、たかだかドットのメイジごときに敗れる?
そんな可能性なんかない。
ルイズはそう思っていた。

「この決闘は、あんたに悪気はないだろうけど、原因はあなたにもある。
あんたにはこの決闘を見る義務があるわ。来なさい、私と一緒に。」
「…わかりました…」

ルイズとシエスタも、海馬の後を追うように、ヴェストリの広場へと向かった。




学院の西側に位置する、ヴェストリの広場。
普段は日もあまり当たらず、あまり人気のない広場である。
しかし、今は噂を聞きつけた生徒達で、あふれ返っていた。
囲むように円形に広がる生徒達。
その中には、ルイズ、シエスタはもちろん、キュルケ、タバサ達もいた。
そしてその円の中心に立つ二人。
決闘の主役であるギーシュと海馬。
今まさに、決闘が始まろうとしていた。
877ゼロの社長 08:2008/10/10(金) 03:46:13 ID:X4vS6W+f
以上、09話に続きます。
また寸止めかって言わないで、石を投げないでorz
気合が一番入りそうだったので区切っておいた方が調子が出そうだったんです。
9話も一気に書きあがりそうなので、なるべく早くお届けしたいと思います。
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 03:47:23 ID:HtED0Hro
投下乙です。
次スレができましたんでどうぞ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part177
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1223577802/
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 03:48:53 ID:rhstlPpL
また寸止めか!…ハッ!?
マジで次が気になる終わり方ッ…
なんという罪作りな方ッ
社長の人、GJおつです!
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 04:04:53 ID:f95kkNCI
また寸止めか・・・ハッ!?
次は嫁登場??楽しみにしてまっさ。
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 06:31:58 ID:Ml+H7lxD
さて500kbになるのが先か、1000に達するのが先か
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 08:14:31 ID:9smU3KTM
>>881
まぁ流石に容量の方が先に一杯になるだろう。

最近プレイしてて思ったんだが、FF\とクロスさせたら面白そうだな。
どっちも月が二つあるし。エルフの守る聖地はイーファの樹で。
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 09:17:51 ID:Y4N88eXj
これは実に誇り高き社長とルイズ
884名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 09:40:14 ID:7nyqPg+P
Elアンドヴァリの指輪
885名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 10:10:20 ID:oUIdwSex
>>848
世の中には高校時代から付き合っているが、お互い社会人になってもキスすらしたことがないカップルもいてな。
キャッツアイの再放送見た当時、ガキだった俺も流石にどうかと思ったけどな。
お前ら本当は好きじゃないんだろうと。
886名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 10:40:21 ID:KutXB6y9
お互いウブなんだよ
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 11:46:36 ID:jCXqBoi2
ニケの身長は118cm。
デルフは約150cm。

デルフ……。
888名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 11:58:35 ID:7hR76Trk
ルイズがチョコボを召喚しました。



『群生地である、某・河』ごと・・・
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 12:01:32 ID:7R9sLWqk
500kBなら「恋ごころ」からるぅ召喚。
890名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 12:09:12 ID:d1llyGmb
>>877
ゼロの社長、ルイズ以上に「ノブレス・オブリージュ」を実践している話で面白いですね。

ただ、作者の方の就寝時間が気になりますw
891名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 12:17:04 ID:7olFXEHh
モンスターが実在する精霊の世界でデュエルをして敗者は文字通り消滅するが
ハルケギニアでのデュエルはどうなんだろうか
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 12:38:12 ID:mU8Lg9He
>>888
いやいやいやいや。河ごとって黄だけじゃなくて黒も赤もいるやん。
そんなことしたら阿鼻叫喚の地獄絵図だ。

まあ、ポケモンのスピアー呼んだ話みたいになる可能性もあるけど。
893名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 12:50:54 ID:OHC1qh/2
ニケの光魔法キラキラは、様々な物からエネルギーを取り出して剣にする。
原作だと地・風・水・土の王に認められる必要があったが、アニメだと様々な物から剣を取り出せた。
「オヤジの剣」は忘れられないが――ルイズの剣とか、あったら面白そうだな。
894名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 13:13:02 ID:ZZN77qEE
                                          ○________
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895名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 13:13:47 ID:NpOt9tCp
原作でも最初は自分の力を剣にしてたし拡大解釈すればその設定でも良さそうだな
というか、それなんてシャイニングウィンド?
896名無しさん@お腹いっぱい。
                                          ○________
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  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
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 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
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.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
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 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
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