あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part174

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part173
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222191388/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/


     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


     _       ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,     本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ      本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l      ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
              ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。


.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。


2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:05:15 ID:qrrl70VM
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:05:45 ID:qrrl70VM
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/08/17(日) 02:13:03 ID:9AxAAVZE
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:06:29 ID:qrrl70VM
【書き手の方々ヘ】
・作品投下時はコテトリ推奨。トリップは「名前#任意の文字列」で付きます。
・レスは60行、1行につき全角128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しに削除されます。空白だけでも入れて下さい。
・専用ブラウザなら文字数、行数表示機能付きです。推奨。
・専用ブラウザはこちらのリンクからどうぞ
・ギコナビ(フリーソフト)
  http://gikonavi.sourceforge.jp/top.html
・Jane Style(フリーソフト)
  http://janestyle.s11.xrea.com/
・投下時以外のコテトリでの発言は自己責任で、当局は一切の関与を致しません 。
・投下の際には予約を確認してダブルブッキングなどの問題が無いかどうかを前もって確認する事。
・作品の投下は前の投下作品の感想レスが一通り終わった後にしてください。
 前の作品投下終了から30分以上が目安です。

【読み手の方々ヘ】
・リアルタイム投下に遭遇したら、支援レスで援護しよう。
・投下直後以外の感想は応援スレ、もしくはまとめwikiのweb拍手へどうぞ。
・気に入らない作品・職人はスルーしよう。そのためのNG機能です。
・度を過ぎた展開予測・要望レスは控えましょう。
・過度の本編叩きはご法度なの。口で言って分からない人は悪魔らしいやり方で分かってもらうの。

【注意】
・運営に関する案が出た場合皆積極的に議論に参加しましょう。雑談で流すのはもってのほか。
 議論が起こった際には必ず誘導があり、意見がまとまったらその旨の告知があるので、
 皆さま是非ご参加ください。
・書き込みの際、とくにコテハンを付けての発言の際には、この場が衆目の前に在ることを自覚しましょう。
・youtubeやニコ動に代表される動画投稿サイトに嫌悪感を持つ方は多数いらっしゃいます。
 著作権を侵害する動画もあり、スレが荒れる元になるのでリンクは止めましょう。
・盗作は卑劣な犯罪行為であり。物書きとして当然超えてはならぬ一線です。一切を固く禁じます。
 いかなるソースからであっても、文章を無断でそのままコピーすることは盗作に当たります。
・盗作者は言わずもがな、盗作を助長・許容する類の発言もまた、断固としてこれを禁じます。
・盗作ではないかと証拠もなく無責任に疑う発言は、盗作と同じく罪深い行為です。
 追及する際は必ず該当部分を併記して、誰もが納得する発言を心掛けてください。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:27:25 ID:V+RUkkr/
>>1乙でやんす。

某犬娘でも召喚したくなった。
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:30:03 ID:pKn8QIqd
ハルケギニアの暦
→1年は12の月と4の週(1週間8日)で構成される384日
 新年の始まり(日本の元旦)から10日間は始祖ブリミルの降臨祭という休暇となる(戦争も休戦とする習わし)

 0.虚無の曜日 (1巻p.165) 休暇である虚無の曜日の夜に「破壊の杖」盗難
 1.ユルの曜日 (1巻p.141) フリッグの舞踏会は「破壊の杖」盗難の翌日
 2.
 3.
 4.ラーグの曜日(8巻p.221)
 5.
 6.
 7.ダエグの曜日(9巻p.169) 翌日は虚無の曜日
 順番不明 マンの曜日(6巻p.150)
      イングの曜日(7巻p.125)

 1.ヤラの月  (7巻p.164)
 2.ハガルの月 (8巻p.221)
 3.
 4.フェオの月 (5巻p.130)
 5.
 6.
 7.
 8.
 9.
 10.
 11.
 12.ウィンの月 (6巻p.150)
 順番不明  5? ウルの月   (5巻p.145, 12巻p.146)
       6? ニューイの月 (3巻p.203) アンリエッタの結婚式
      11? ケンの月   (6巻p.20) 夏休みが終わって二ヶ月

第一週 フレイヤの週
第二週 ヘイムダルの週 (5巻p.131)
第三週 エオローの週 (8巻p.20)
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:30:47 ID:pKn8QIqd
貨幣
→金貨 エキュー
 銀貨 スゥ  100スゥ = 1エキュー
 銅貨 ドニエ 10ドニエ = 1スゥ
 新金貨    金貨の四分の三の価値 3/4エキュー(1新金貨で75スゥ)

 デルフリンガー    新金貨100枚 = 75エキュー
 官能小説       55スゥ
 トリステインの生活費 1人1年120エキュー
 シュヴァリエの年金  年500エキュー

ハルケギニアの衛星(月)
→大(青)小(赤)二つある。大きい方は地球の月の見た目で二倍ほどの大きさ。
 小さい月の軌道は大きい月より内側にある。よって、小さい月の公転周期は大きい月よりも短い。
 二つの月が重なる夜を「スヴェル」の月夜と呼ぶ(2巻p.119)。

サモン・サーヴァントの呪文
→原作(何度か失敗)
 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン!
 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!
→アニメ版(一発で成功)
 宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ
 神聖で美しく強力な使い魔よ
 私は心より求め訴えるわ
 我が導きに答えなさい!

コントラクト・サーヴァントの呪文
→我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
 五つの力を司るペンタゴン
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ

コントラクト・サーヴァントの洗脳効果
→現状(11巻&タバサの冒険2)では情報は足りず、荒れるばかりで話題にするだけ無駄っぽい。
 スレ住人のスルー力に期待。

長さの単位

1サントは約1センチ(1巻p.39 / 2巻口絵人物紹介)
1メイル=約1m
1リーグ=約1km
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:30:58 ID:aGL8jlpb
SS投下の予約無かったら投下していいでしょうか?
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:32:29 ID:pKn8QIqd
 一日目
昼   :召喚される
夜   :使い魔とハルケギニアに関して話して、洗濯するよう下着を押しつけられる

 二日目
早朝  :シエスタに洗濯場を教えてもらう(アニメ版)
朝   :ルイズを起こして着替えをしてるところにキュルケがからかいに来る
朝食  :アルヴィーズの食堂で貧しい朝食
授業  :ルイズがシュヴルーズの授業で錬金失敗、後かたづけ、渾名をからかってメシ抜き
昼食  :シエスタから賄いを貰う代わりに配膳手伝い、ギーシュが恥を掻き口論に(小説版ではここでシエスタ初登場)
決闘  :ワルキューレにボコられる、諦めないでいるとギーシュが剣を寄越してガンダールヴ発動、ワルキューレ七体をなで切りにして勝利
 ※同時刻、コルベールがオスマンの執務室にルーンのことで報告に来てロングビルが追い出され、王宮に報告するしないの口論の後、ロングビルが戻ってきて決闘事件を報告、決闘を静観してルーンはガンダールヴのものと断定
 ※ここから三日間負傷が元でルイズの部屋で寝たきり

 四日目
朝   :目覚める、シエスタに事情説明を受け、ルイズに礼を言うとベッドから追い出される

 使い魔生活一週間
うち三日間はパンツのゴムの件でルイズからメシ抜き(正式な食事は厨房で貰っている)

 十一日目(“使い魔としての生活”が四日目からはじまったとして)
朝食  :厨房で食事しているとフレイムが姿を見せる
授業  :夢の件でルイズに折檻される、フレイムの視線を感じる
 ※同時刻、ロングビルがコルベールから宝物庫についての情報を聞き出している
夜   :キュルケの誘惑があるがルイズに邪魔され断念、キュルケの男から襲われるかもと思って武器を欲しがるついでにルーンの力について相談、ルイズは武器には快諾してルーンについては推測と忠告をする

 十二日目 虚無の休日
昼前  :キュルケが目を覚まして出かけるルイズ達を発見、タバサに追跡を頼む
三時間後:トリスティンの武器屋でデルフリンガーを買い求める、ルイズ達がでたあとキュルケがシュペー卿の剣を買い叩く
夜   :フーケが宝物庫の下見、ルイズ達が決闘に来て壁にヒビを入れる、フーケがゴーレムを使って「破壊の杖」を盗む
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:33:42 ID:pKn8QIqd
 十三日目
朝   :フーケ対策会議が開かれてその場にいたルイズ達が証言をする、ロングビルがフーケの情報をもって来る、ルイズ達だけが捜索隊に志願
昼   :情報のあった小屋に到着、破壊の杖を取り戻す、ゴーレムに襲われ破壊の杖を使って倒す、ロングビルが正体を現すが捕まる、帰ってオスマンに褒められる
夜   :フリッグの舞踏会

23日目
夜:サイトがルイズに夜這いをかける。ワルドがフーケを脱獄させる

24日目
朝:(授業):ギトーの授業
昼:アンリエッタが学院に来る
夜:アンリエッタがルイズの部屋にお忍び。ルイズがアンリエッタの手紙を取ってくることになる

25日目
朝:ルイズ、サイト、ギーシュ、ワルドがラ・ロシェールに向け出発。キュルケがタバサに頼んでルイズ等を追跡開始
昼:フーケがラ・ロシェール金の酒樽停にて傭兵を雇う
夜:ルイズ一行、ラ・ロシェールに到着、直前に地上のサイトとギーシュは傭兵に襲われるがキュルケ達に助けられ無事に到着、ルイズ一行にキュルケとタバサが参加

26日目 スヴェルの夜
朝:ワルドの発案で女神の杵停中庭にてサイトとワルドが決闘
夜:ルイズ一行、フーケ・傭兵達・仮面の男(ワルド)に襲われる
  キュルケ・タバサ・ギーシュを囮に残し、ルイズ達は船を買い取ってアルビオンへ出航
  キュルケ達は傭兵を追い散らすが精神力切れ、フーケも同じく、キュルケとフーケが殴り合い

27日目 アルビオン−ラ・ロシェールの最接近日
朝:空賊船に捕まるが、すぐに王党派の船であることが発覚し、ウェールズ皇太子に出会う
夜:手紙を返して貰う。戦前パーティーに参加

※キュルケ達はこの間、シルフィードに乗りアルビオンへ向かっている

28日目
朝:ワルドとルイズの結婚式だが、ルイズが断りワルドは本性を現す。ウェールズが殺されワルドはサイトに敗れる
昼:(正午):貴族派の総攻撃開始。キュルケ達が助けに来て、シルフィードに乗ってアルビオンから離脱、キス(二巻はここまで)
昼:(日中):アンリエッタに報告を済ませて学院に帰還

※攻撃開始からすぐニューカッスル城は落ちた
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:34:28 ID:W3jaa+xa
相変わらず湧いているな
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:34:51 ID:pKn8QIqd
29日目
昼:(授業):コルベールが内燃機関を披露
夜:フーケがロンディニウムの酒場でワルドと合流

30日目
昼:(日中):ワルドとフーケが戦跡を検分、クロムウェルがウェールズを生き返らせる

31日目
 アンリエッタとアブレヒト三世の婚約が公式に発表される。式は一ヶ月後を予定


 それを受けゲルマニア首都ヴィンドボナにてトリスティン−ゲルマニア軍事同盟締結
 その翌日アルビオン新政府樹立公布
 すぐにトリスティン・ゲルマニアに不可侵条約の締結を打診し、両国は協議の結果これを受ける

約32日目
朝:オスマン経由でルイズに『始祖の祈祷書』が渡される
夜:サイト、シエスタにお茶を貰い、一緒に風呂につかりながら四方山話

約38日目
昼:(昼食後):ルイズ、ヒトデ型セーターを編む。サイト、シエスタを押し倒して(但し、ものの弾み)ルイズに追い出される。

約41日目
昼:ギーシュがテント生活をしているサイトを発見して、一緒に飲んだくれる
夜:キュルケの発案で、サイト・ギーシュ・タバサ・シエスタとその使い魔一行で宝探しに出発する。

約51日目
昼:(昼食前):宝探しでガラクタを発見する。昼食を取って次の目的地をタルブの村に決定
昼:(昼食後):タルブの村で零戦を発見
夜:(夕方):学院から伝書フクロウが来る

約52日目
サイト達、学院に帰還。持って帰った零戦の運賃をコルベールに肩代わりして貰う。

約55日目
 コルベールがガソリンの精製に成功し、エンジンが少しだけ動く

約57日目
昼:(日中):ラ・ロシェール上空にて、アルビオン艦隊がトリスティン艦隊を奇襲。アルビオンはトリスティン艦隊に対し宣戦を布告
 迎撃に向かったと思われるタルブ領主アストン伯戦死
 アンリエッタを筆頭に、トリスティンは開戦を決意
 同盟に基づきゲルマニアに援軍を要請。回答は、「先陣の到着は三週間後」

約58日目
朝:学院に宣戦布告の報。サイトと、勝手について来たルイズはゼロ戦でタルブへ。
昼:(日中):サイトが零戦で竜騎士とワルドを蹴散らし、ルイズは虚無の魔法『爆発』を発動させ、アルビオン艦隊を焼き墜落させる

約60日目 ニューイの月一日
 アンリエッタの結婚式予定日
13前スレ776:2008/09/28(日) 00:35:03 ID:aGL8jlpb
おっと忘れていた。
1=前スレ772さん乙です。

投下するのはいぬかみっな使い魔です。
随分間があいてしまいすいませんでした。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:35:52 ID:pKn8QIqd
 タバサの冒険1・2
全てタバサの春の使い魔召喚の儀式より後(ルイズと同時かは不明)
全てタバサ二年次のスレイプニィルの舞踏会まで
第●日目、はその話の中だけの時間、●日目、となっているのは本編と同期しています
朝でも夜でもない時間は全て昼です

『翼竜人』
第一日目
 昼:指令を受ける、翼竜人と交戦、
 夜:ヨシュアの懇願
第二日目
 昼:暴走ガーゴイル作戦
第五日目
 昼:結婚式

『吸血鬼』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:命令を受ける、村について調査開始
 夜:エルザ襲撃される、屍鬼人を倒す
第二日目
 昼:村人が占い師の老婆を殺す
 夜:吸血鬼を殺す
第三日目
 早朝:村長に置き手紙を残し帰還

『暗殺者』
 サイトとギーシュの決闘以後
第一日目
 昼:影武者開始
 夜:宿場で一泊、地下水襲撃一回目
第二日目
 昼:グルノープル・アトワール伯邸到着
 夜:地下水二回目
第三日目
 昼:イザベラ裸踊り

『魔法人形』
八日目
 昼:スニキニル入手、学校に放り出したオリヴァンいじめられる
九日目
 昼:オリヴァン実力詐称の片棒を担ぐ
十日目
 昼:引き続き詐称
十一日目
 昼:オリヴァンの決闘、元北花壇騎士団団員と交戦
十二日目
 昼:虚無の休日だがキュルケに請われルイズ達を追いかける
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:36:43 ID:pKn8QIqd
『ギャンブラー』
十三日目
 夜:フリッグの舞踏会中に伝令、プチ・トロワでイザベラから指令
十四日目
 昼:賭場でいかさまを暴く

『ミノタウロス』
 不明(他の任務の帰り道で、この事件は北花壇騎士団としてのものではない)
第一日目
 昼:依頼を受ける
第二日目
 昼:人さらい一味を退治しラスカルと会話
第三日目
 昼:ラスカルを退治
 
『シルフィードの一日』
 サイトのテントがある、サイトが洗濯をしている

『極楽鳥』
 火竜の繁殖時期
第一日目
 昼:イザベラから依頼を受ける
第二日目
 昼:火竜山脈に到着、リュリュと出会う
第三日目
 昼:囮作戦失敗
第四日目
 昼:ニセ焼肉作戦失敗
 夜:リュリュにハッパをかける
〜シルフィードは火竜に化ける特訓、リュリュは代用肉錬金のために絶食中
第七日目
 昼:ニセ焼肉作戦成功

『軍港』
 アルビオン侵攻開始(夏休みから二月)から一週間後、ウィンの月の半ば
 髪の毛を追跡するアルヴィーを持っている
第一日目
 昼:到着、リュシーと接触
第二日目
 昼:調査、リュシーを疑いカマをかける、『グロワール』号爆破
第三日目
 昼:『シャルル・オルレアン』囮作戦決行
 夜:爆破阻止、リュシー自殺
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:37:19 ID:pKn8QIqd
1月:ヤラ(降臨祭)
2月:ハガル
3月:ティール
4月:フェオ(入学式/使い魔召喚の義)
5月:ウル(フリッグの舞踏会)
6月:ニューイ(夏休み)
7月:アンスール(夏休み)
8月:ニイド(夏休み)
9月:ラド
10月:ケン
11月:ギューフ
12月:ウィン

第一週:フレイヤ
第二週:ヘイムダル
第三週:エオロー
第四週:ティワズ

曜日
1:虚無(休日)
2:ユル
3:エオー
4:マン
5:ラーグ
6:イング
7:オセル
8:ダエグ
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:37:53 ID:pKn8QIqd
2巻P172にてアルビオンとトリスタニアは同じくらいの面積とある。
4巻P134にてオランダとベルギーを合わせたくらいとある。
4巻P134にて、北東のゲルマニア、南東のガリアはトリスタニアの10倍ほどの面積とある。
南の海に面した半島「郡」に「かつてのゲルマニアのような」都市国家「郡」があり、
ロマリアはその一つと記述されている。
ハルケギニアは「大洋に突き出た緩やかに弧を描く巨大な半島」とある。
未開の地、エルフの治めるサハラとは別物のように記述されている。
よって、現行の地図はあまり正確では無いものと考えられる。
(今後設定が変更されるかもしれませんが)

国土面積が約72054平方キロである場合、
正方形の国土だと1辺が268キロ程度、
三角形など、いびつな形である事が当然推測される(地図上からも)ので
45度-90度-45度の三角形の場合、
底辺が532キロ、高さが268キロ程度になる。
中心に首都があると仮定した場合、国境までは最短直線で134キロ。
これは1日32キロ歩けると仮定すると直線街道で3.5日程度。
道のくねりなどを考慮した場合、1.5倍なら5日強、倍なら7日程度。

タバサの冒険 P26 よりリュティスからアルデラ地方まで、馬で二日、徒歩で五日、シルフィードなら二時間。
よって、馬は徒歩の2.5倍。1日の移動時間を8時間とした場合、
シルフィードは徒歩の20倍。1日10時間移動なら徒歩の25倍。

時速4キロ×8時間なら1日の歩行距離は32キロ。
シルフィードは時速80キロ。
時速6キロ×10時間なら1日の歩行距離は60キロ。
シルフィードは時速150キロ。

3巻P203にて、3日後、ニューイの月の1日にゲルマニア首府、
ヴィンドボナにて結婚式がおこなわれる予定なのに、
3巻P211にて、アンリエッタは本縫いが終わったばかりウェディング衣装で、
結婚式のための出発におおわらわの王宮に居る。
王族の移動は馬車で行うのが慣例のようなので、トリスタニア−ヴィンドボナ間は
馬車で3日以内の距離と考えられる。

トリスティン魔法学院はヴィンドボナからアンリエッタが帰る時に寄った点から、
トリスタニア−ヴィンドボナ間にあると思われる。

ラ・ロシェール
学院から港町ラ・ロシェールまでは早馬で2日、代え馬を使い走り続けて
早朝−深夜なので、1日8時間程度の移動を基本として馬で十数時間程度、
馬で2日程度との記述と矛盾しない。
よって歩いて5日程度と考えられる。
4巻P228にて、トリスティンから街道を南下→ラ・ロシェール方面
夜明けまでに追いつかないと間に合わないらしい。


2巻P168 夜中に出発した船にて
「アルビオンにはいつ着く?」
「明日の昼過ぎには、スカボローの港に到着しまさあ」
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:38:24 ID:pKn8QIqd
ルイズ     16歳 / 身長153 / B76( -8.0%)-62(C) / W53(-8.8%) / H75( -9.2%) / BW比1.43 / HW比1.42
シエスタ    17歳 / 身長162 / B83( -5.1%)-69(C) / W60(-2.5%) / H85( -2.8%) / BW比1.38 / HW比1.42
タバサ     15歳 / 身長142 / B68(-11.3%)-57(A) / W49(-9.2%) / H67(-12.6%) / BW比1.39 / HW比1.37
キュルケ    18歳 / 身長171 / B94( 1.8%)-72(F) / W63(-3.0%) / H95( 2.9%) / BW比1.49 / HW比1.51
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80(-10.8%)-68(B) / W58(-8.1%) / H79(-11.9%) / BW比1.38 / HW比1.36
アンリエッタ  17歳 / 身長158 / B84( -1.5%)-67(D) / W59(-1.7%) / H85( -0.4%) / BW比1.42 / HW比1.44


ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-65(A)  / 体重42.4 / BMI 18.0
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-68(C)  / 体重51.8 / BMI 19.5
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-62(AA) / 体重36.2 / BMI 17.9
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-69(G)  / 体重62.1 / BMI 20.5
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-72(A) / 体重48.8 / BMI 17.6
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65(E) / 体重51.6 / BMI 20.2


計算するとルイズはB〜Cカップ。なのに何故胸が小さいと言われるのか?
それは要するに純粋な胸の体積が小さいから。つまり、UBが細いからです。
そこで、胸の体積とカップ数の比較をしてみました。
平均身長時の平均UBからカップ数ごとの体積を算出し、実測体積が近いものを割り出せば、実際にはどの程度のカップ数に相当するかがわかるはずです。
大雑把に胸を半球状としてふたつ合わせて楕円体になると考え、半径の組み合わせを3通り用意して計算していきます。

これらの計算結果は以下の通りです。()内は市販ブラのサイズを示しています。

ルイズ      16歳 / 身長153 / B76-62.5(B65) / 実測体積893  / 体積比A〜B相当
シエスタ     17歳 / 身長162 / B83-65.5(D65) / 実測体積1274 / 体積比C〜D相当
タバサ      15歳 / 身長142 / B68-58.9(A60) / 実測体積501  / 体積比AA〜A相当
キュルケ     18歳 / 身長171 / B94-70.3(G70) / 実測体積1959 / 体積比F〜G相当
モンモランシー 16歳 / 身長166 / B80-68.2(B70) / 実測体積903  / 体積比A〜B相当
アンリエッタ   17歳 / 身長158 / B84-65.3(E65) / 実測体積1348 / 体積比C〜D相当

ハルケギニアにはブラがないし、見た目的にも揉みごたえ的にも体積比で比べた方が正確です。現実でもUBが細いとカップが大きくても小さいですし。
体積の小さい順に並べると、タバサ、ルイズ、モンモン、シエスタ、アンアン、キュルケになります。これは作中描写通り。
体積比だけであえて「○○は×カップ」と呼ぶとすれば、タバサAA、ルイズB、モンモンB、シエスタC、アンアンD、キュルケG。
実測値とくびれ具合(UB―W―Hのライン)も鑑みれば、タバサAA、ルイズA、モンモンB、シエスタD、アンアンE、キュルケHと呼ぶのが妥当なとこだと思います。

ちなみにくびれ具合は寸胴な順に、タバサ、モンモン、ルイズ、シエスタ、アンアン、キュルケでした。
19いぬかみっな使い魔:2008/09/28(日) 00:43:06 ID:aGL8jlpb
では投下します。

 船乗りは上陸が最大の娯楽である。

 巨大な戦列艦も、性能を考えた設計をすれば、大砲や砲弾を積むスペースや
舷側の厚い装甲板、竜などの飛行幻獣を搭載するスペースや重量に
大部分を持っていかれてしまうため、戦闘能力に直接かかわらない人間の
搭載スペースがどうしても削られてしまう。いや、削らざるを得ない。

 そのため食堂は手狭で風呂も無く、船員の寝室は狭い。いや、狭いとはいえ
寝室をもらえるのであればかなりましなほうだ。下士官の下、士官見習いが
数人押し込まれる狭くてベッドしかないような部屋ですら、かなり上等だ。
水兵ともなれば特定の寝室は存在せず、廊下や倉庫などにハンモックを吊るして
そこで寝る事になる。下士官が数時間の間だけ使わないなと判断した一時的な
開きスペースで寝かされるのだ。当然、下士官の読みが外れたり突発事項が
起きたりすれば、その当面使わないはずだったスペースを使う事になり、
睡眠時間を削られる事になる。
航行中はちょっとした天気の急変で船員総出で躁艦をする羽目になることもあり、
やはり睡眠時間や休息時間を削られる事も多い。
食事は出航直後は新鮮な野菜や水も飲食できるが、日が経つにつれて
保存の利く根菜類、乾燥野菜、塩辛い漬物と蛆のわいたビスケットのみに腐った水
と悪化していく。風呂に入って体をすっきりさせることも出来ず、
わずかな水にタオルを浸して体を拭ければいいほう。もちろん飲み水も
制限され、一日に決まった量しか飲めない。酒も制限を受ける。
船上では緊急時を考慮して操船が出来る程度にしか酔えないのだ。
操帆のために帆下駄に登ろうというときに酔っ払っていたら死亡確定だからだ。

 故に、船乗りは上陸が最大の娯楽である。
上陸すればこういったもろもろの悪条件から開放され、思う様飲み食いし、
ゆったりしたベッドで存分に眠り、後先考えずに酔っ払える。女も抱ける。

特に、戦闘艦の場合、戦闘後の血の高ぶりを解消するためには港に行って
商売女を確保するしかないこともあり、戦勝後には“できるだけ”港に立ち寄り、
褒美として最低一晩の上陸休暇を与えるのが慣例となっていた。
それは、海軍だけでなく空軍でも常識であった。

 故に。アルビオン親征艦隊と黒色枢機卿艦隊に乗り込むほぼ全ての将兵達が、
スカボロー港で今夜はゆっくり羽を伸ばせると思っていた。

 港を一つ、艦隊を二つ下し、アンリエッタの戦勝演説のが熱狂的な大盛況で終わった後。
啓太の執務室にぞろぞろと戻る薬草クラブ員達は、笑いさざめきながら
今夜の予定について話していた。
「どうする、ご褒美たくさんもらっちゃったし、今夜はスカボロー港に繰り出すか?」
 「そうだな、レイナール! 是非そうしよう!」「う、うん、そうだよね!」
 「さすがにモンバーバラみたいないい店があるかどうかわからんけど!」
 「普通の店だって大歓迎さ」「女を射止める経験積まんとな」
 「わっはははは!」「あはははは!」「わははははは!」

 戦勝で沸き立ち、たくさんのご褒美ももらった薬草クラブ員達は、
港に大抵あるという娼館で女を買う相談を、声高にしていた。
上から下まで浮き立っている艦内では声を潜める必要も無く。
当然ながらそこを通りかかったものがいれば丸聞こえな馬鹿話である。

それは。
何の問題も無いはずであった。
そう。
その時。
たまたま、とある精神性疾患に悩む一人のオトコが通りかからなければ。

20いぬかみっな使い魔:2008/09/28(日) 00:45:29 ID:aGL8jlpb
「やあ、ケータ君! どうだい、スカボローに着いたら娼館に一緒しないか?」
ヒクリ
レイナールの邪気の無い誘いに、啓太の頬が、ひくついた。
そして、啓太は、相変わらず女を買う相談をしているレイナール達を見。
ついで本来ありえないことにしばらく前からひくつきもしなくなった
自分自身の下半身にちらりと眼をやった。
「ほう、そうか。」
凄絶な。
実に凄絶な笑みを浮かべて、啓太は笑った。
「そうか…港で女を、女を買って抱くのか。それに、俺を、この俺を誘っていると。」
レイナールが、彼の後ろで笑いさざめいていた同級生達が、異様な雰囲気を察した。
ぴたりと笑いをやめる。

「ど、どうしたんだい、ケータ君?」
啓太は、顔をうつむかせると、低い、非常に低くて誰にも聞き取れぬ声で
ぶつぶつと陰気に呟いた。
「そうか。俺が女を抱く事が不可能になってる脇で、女を買いに行く相談か。
初陣を経験し、戦いに勝って手柄を立て、歴史の転換点を作った一員として
生涯誇りに出来るほどの栄誉に浴し、多大なご褒美をもらったという、
最高に幸福なこの時に、俺を尻目に、更なる幸福を欲張って
手に入れようというのか。実に、実にいい度胸じゃないか。」
「ど、どうしたんだい、具合でも悪いのかい?」
レイナールが、心配そうに聞く。
啓太が、顔を上げた。そのときには、啓太はにこりと笑いを浮かべ、
ごくごく普通の、普段どおりの啓太に見えた。
そう、少なくとも、そう見えた。

「いやあ、悪いな、みんな。実はそれはもうちょっと待ってもらわないといけないんだ。」
 「ええ!?」「そ、そんな!?」「こんな大勝をした後なのに!?」
 「こ、今夜はしっぽりと思ってたのに!?」「ダメなのかい!?」
皆が驚いて聞き返した。誰も彼もが今夜は羽を伸ばすぞといっている艦内で、
これは寝耳に水の宣告である。
啓太が事実上アンリエッタの軍事顧問として作戦立案を行っているのは、
その作業を手伝っている彼らが一番良く知っている。
ということは。
「さあ、姫様のために仕事だ。執務室にに戻るぞ、みんな。」
啓太が、ニッカリと。にっこりとではなく、ニッカリと有無を言わさぬ迫力で笑った。
そして。
 「い、イヤだ〜〜〜!」「今夜は、今夜は美人をはべらせて!」
 「これだけの戦果を上げた上にさらになんて!」「欲張りすぎだよ!」
 「少しは! 少しは休ませてくれ〜〜〜」「休暇を! 休暇を請求する〜〜〜!!」
 泣き喚く少年達を引きずって、啓太は執務室に入ると、船の進路について通達を出し、
薬草クラブ員達をこき使って徹夜で作戦計画を練ったのであった。

21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:48:01 ID:lWUvTm8p
490 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2008/09/26(金) 00:00:25 ID:yA3xd75I
いやっほう!解禁!

今回気が付いたらガリア編終了で話を思ったよりサクサク進める予感がする
取り合えずジュリオは順調に死亡フラグ立ててるなw
もう「実は〜」話やらないと半殺しは確実そうだ

取り合えずフクロウがヴィンダールヴの能力で遠隔操作されてるのか気になる
ヴィンダールブは一度触った物は自在に操れるのか?そうでないのか
これで手強さが変わりそうだ


491 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2008/09/26(金) 00:01:30 ID:GX/24cLK
泣き虫サーシャたんきたー!


492 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2008/09/26(金) 00:01:34 ID:tunXfEfv
フラグとか関係ね!!問答無用でジュリオは死ね!!!


493 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2008/09/26(金) 00:02:33 ID:4B/6JtJ5
>>490
サイトは武器を放すと駄目だが、ミョズは離れたガーゴイルを操ってたからなあ
ジュリオも直接触れてなくても、動物を自由に操れそう


494 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2008/09/26(金) 00:03:04 ID:c63IAmkV
>>490
ジュリオよりむしろ、タバサに返り討ちフラグが立ったような気が・・・
タバサが虚無にでも目覚めない限り、またもやピンチ→サイト救出って流れになる気配がプンプン漂ってるような・・・
22いぬかみっな使い魔:2008/09/28(日) 00:48:55 ID:aGL8jlpb
 前日から始まったアンリエッタの覇道は、すさまじい勢いで突き進んだ。

 翌早朝。
 ロンディニウム郊外にある造船港ロサイスを急襲した連合艦隊は、
数と錬度の力押しで勝利し、港を奪取した。ロサイスで長砲身のカノン砲を
搭載中であった巨艦レキシントンを初めとして多くを取り逃がしはしたものの、
代わりに損害も少ない勝利である。その後には陸戦隊を下ろして
ロンディニウムに侵攻、ハヴィランド宮殿を制圧する構えを見せた。
レコンキスタ側は当然戦力をハヴィランド宮殿に集結させる。
だがこれは連合艦隊の欺瞞行動だった。王宮に兵を取られ、手薄となった
ロンディタワーという、昔の王宮にして現在監獄に一隊を潜入させ。
多くの捕虜達を救出し、アルビオン親征艦隊の陣容を分厚くし、
不動の忠誠を確保した。目的を達した連合艦隊は、知らせによって
レコンキスタ艦隊が救援に駆けつける前に早々と撤退した。

「お見事ですわ、ケータ殿。」
「ほんと、こんなにあっさり成功するなんて思わなかったわ。」
「啓太様、すごいです!」「キョロキョロキュ〜」

はしゃぐ女性陣に対し、悲痛な声を上げるのが男性陣だ。

 「ああああああ!」「ロンディニウムが、ロンディニウムが遠ざかっていく!」
 「首都で、首都でいい店にいけると思っていたのに!」「ひどいよ!」
 「そうだよ、こんなぬか喜びさせて!」「今度こそって思ったのに!」
「すまんな、思ったより敵の救援が来るの早かったんだ。」
泣いて訴える薬草クラブ員達に、啓太はニッカリと笑ってわびた。
 「ううう、この欲求不満をどうしてくれる」「そうだそうだ!」
「(ふふふふ、貴様らに、貴様らだけにいい思いはさせん!)」 
昨夜に続いて今日も女を抱く機会を失った彼らは盛大にブーイングを上げたが、
啓太はどこ吹く風でさらに彼らをこき使った。


その日の昼ごろ、続々と艦隊が合流した。
 トリスティン後続艦隊。ガリアの傭兵達を乗せていた船をまとめて統率し、
指揮官をシャルロット王女に据えたガリア義勇傭兵艦隊。キュルケの実家が
保有していた大型武装商船3隻を中心としたゲルマニア補給艦隊。

 真の連合艦隊となった彼らは、サウスゴータをあっさりと占領し、
膨大な食料を手に入れた。当然連合艦隊は、一晩の休暇を将兵達に与えた。
ガリア義勇傭兵艦隊を除いて。彼らは、レコンキスタのタイン本陣の
後輩に上陸して挟み撃ちにするため、早々に別行動を取っていたからだ。
それ以外は、街に入って、あるいは港に戻ってゆっくりと休暇を楽しんだ。

しかし。

 「ようし、サウスゴータを制圧して兵糧の策源地を手に入れたぞ!」
 「さあ、今日こそ街に繰り出して宴会だ!」「よし、宴会だ!」
「馬鹿やろう、その前に荷物の積み込みを手伝いやがれ! アルビオン軍が
この補給物資を待ってるんだぞ! 気絶するまでレビテーション使え!」
 「そんな、気絶するまで使ったら今夜遊びにいけないじゃないか!!」
「るせーるせー、作戦上必要なんだ、文句を言うんじゃねええぇぇ!」
 「うわあああん、なんで俺たちだけ休めないんだああ!」
「お前らが下士官の下、見習い士官よりも下の臨時だからだ、
下っ端はこき使われて当然、きりきり働きやがれ!」
 「いやだああああ!」「休暇を、せめて一晩の休暇を請求する!」
「却下だ〜〜〜!」
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:50:06 ID:lWUvTm8p
16巻予想
トリステインに戻ってきたルイズ・サイト・キュルケ・水精霊騎士隊。
ゼロ戦小屋で、一騎打ちで獲得した身代金約1万エキューの分配を相談する水精霊騎士隊。
サイトはみんなで仲良く分けようと提案するところへ、ルイズが登場。
「サイトが一人で戦ったんだから、7割・・・いや8割はサイトの取り分よ!」
「おいおい・・・俺はそんなに金いらないよ。なんでお前はそんなに金が欲しいんだよ!」
「だ、だって・・・あんた屋敷買うって言ったじゃない。家具だってけっこう高いのよ。とにかくお金は必要なの!」

一方その頃ガリアでは・・・
無事戴冠の儀式も終わり、心を取り戻したタバサの母と今やガリアの女王陛下となったタバサ。
「母さま、わたしトリステインの魔法学院に戻りたい。ちゃんと卒業したい」

シルフィードに乗って、久しぶりに魔法学院に帰ってきたタバサ。
サイトへ会いにルイズの部屋を訪ねるが、部屋の中は空っぽに・・・。
(・・・どういうこと?)
24いぬかみっな使い魔:2008/09/28(日) 00:50:07 ID:aGL8jlpb
 トリスティンには大少数十の魔法学院がある。トリスティン魔法学院ほどの
権威と設備、教育水準を誇る学院は首都トリスタニアにも無いが、
そこには沢山のメイジの男女が学び、修行をしている。
首都にある学院の中で、比較的水準の高い学校から男性メイジ
(生徒だけでなく、教師も含む。トリスティン魔法学院からコルベール等も来た)
をかなりの数連れてきた後続艦隊は、メイジの比率を非常に高いものにしていた。
それらをうまく使い、通常ありえないほどの高密かつ迅速な軍事行動が、
連合艦隊によって繰り広げられていた。メイジを兵士や労役夫のように使う。
魔法を工作機械や工事用重機程度にしか考えない、啓太ならではの運用方法である。
そして、当然のことながら、最も酷使されたのは、啓太の前でうかつなことを
口走ってしまったがために八つ当たりの対象にされた、薬草クラブ員男子達であった。
(-人-) (ちーん)

薬草クラブ員達の過酷な労働は続いていく。

 「よし、風石鉱山を占拠したぞ!」「大量の風石が手に入ったな!」
 「鉱山町ってことは娼館もあるよな?」「ちょっと質は低そうだけど」
 「多分あるんじゃないかな」「よし、今夜こそ!」「いくか!」
「よし、出航だ!」
 「えええええ!」「え”え”え”え”え”!」「EEEEEEEE!」
「なんだ、文句でもあるのか?」
 「なんで旗艦だけ出航するんだよ!」 「そうだそうだ!」
「二つの艦隊の旗艦の振りをしているから忙しいのは知ってるだろ。
ほれ、ペンキの塗り替えと帆の交換、銘板の交換手伝いやがれ!」
 「そ、そんなああ!」「また、また女の子達が遠ざかっていく〜〜〜!!!」


 「やった、また一つ港を確保したぞ!」「ばんざ〜〜い!」
 「けど守りきるだけの戦力が足りないぞ?」「なに、問題ない。」
 「物資をもらって放棄すればいいさ。」「そうだな。」
 「連合艦隊の拠点に運べばいいだけだ。」「攻撃こそ最大の防御!」
 「戦争とは経済行動だ!」「もうかりゃいいのさ!」
 「さておき、今夜こそ休暇だよな?」「早速娼館の予約に行こうぜ。」
「あ、それ無理。」
 「ええええ!」「え”え”え”え”え”!」「EEEEEEEE!」
 「なんでだよ!?」「そうだそうだ!」「説明を要求する!」
「偉い将官達がすでに借り切ってるからさ。
もうちょっと早く仕事を終えてればよかったのになあ。お前ら遅いぞ。」
 「そそそそ、そんなあああ!」「こんなに仕事を割り振ったからだろ!」
 「酷い、酷いよケータ君!」「休暇を、せめて一晩の休暇を要求する!」
「だから。一晩の休暇はやるって。女の確保まではしらんけどな。」
 「ブーブー!」「酷い、酷いよケータ君!」
「なに見習いの分際で言ってんだ、お前らに必要なのは己を鍛えルことナンダぞ、
俺はオマエタチを鍛えてやってるんじゃナイか。そのうちこの修行が役に立つYO!」
どこかわざとらしく言う啓太である。当然ながら、薬草クラブ員達は納得しない。
 「そのうちじゃなくて!」「今、いや、今夜だけでいいから!」
 「何とか、何とか!」「ケータ君のコネなら一軒くらい何とかなるだろ!?」
「すまン、姫様たちすらおふろにまともに入れないのに我慢してるんダ、
俺にはお前達の力になってやることはできないYO!」 
 「う…それは、確かに。」「姫様たち、暗殺予防のために下船して無いからな。」
 「それと比べればずっとましだけどさ」「でも、せめて、ちょっとだけでも!」
「だめなんだヨ。 ごめんナ!」

 薬草クラブ員達は、見習いの身でありながら次々と手柄を立て、
分不相応な栄光を思い切り享受しまくっていた。
しかし、彼らはその分、不幸であった。
主に、約一名のビョーキからくる嫉妬によって、実に実に不遇であったのである。
25いぬかみっな使い魔:2008/09/28(日) 00:51:12 ID:aGL8jlpb
 めまぐるしく日々は過ぎていった。
後の歴史家は、この日々の事をこう評した。

アンリエッタ・ド・トリスティン王女は、その日自由に泳ぐ湖を手に入れた。
本人もまた「ケータ殿と私の関係は水魚の交わり」とたびたび発言している。

彼女は、孤立無援の王宮の中で、
1日にして多数の若き協力者達を獲得し、
2日にして専横を振るっていたマザリーニ枢機卿をひざまずかせて
王宮の文官大臣達の忠誠をとり戻して政治を王家に復帰させ、
3日にしてトリスティン艦隊将兵の心を掴んで軍権を掌握し、
4日にして艦隊の錬度を向上させて精強にし、
5日にしてロサイスに巣食った背教者達を捕らえて膨大な金を得るとともに
3度レコンキスタに勝利して多くの艦艇を手に入れトリスティンを強国にのし上がらせ、
6日にしてレコンキスタの支配する首都ロンディニウムを脅かすとともに
ガリア義勇傭兵団とシャルロット王女を救援に差し向けてレコンキスタを敗走させ
(略)
10日にして(略)プリンス・ウェールズとアルビオンを手に入れた。
これを、疾風怒涛の10日間と呼び、各国は覇王アンリエッタを褒め称え、恐れた。


また、ガリア王女シャルロットの勇名もハルケギニア中に鳴り響いた。
ある日を境にまったく宮廷でみられなくなったため、暗殺されたとさえ
囁かれていたシャルロット王女が、突如としてガリア義勇傭兵団を率いて
アルビオン救援に駆けつけたのである。傭兵達への充分な給与と糧食を
支給されていたタバサは、率いるガリア人を中心とした傭兵達の心を
充分に掴んでおり、3千程度とはいえ士気高い兵力を配下としていたのだ。
しかも、使い魔の風韻竜と共に竜騎士隊を率いてもおり、背後を突いた
ガリア義勇傭兵団はレコンキスタを震え上がらせ、浮き足立たせるのに充分であった。
この日、アルビオン軍は一気に攻勢に出て、レコンキスタを敗走させたのである。

 ただ残念なことに、この時追撃はほとんど出来なかった。
意外に思うかもしれないが、戦争において最も戦果を上げられるのは、
正面決戦のときではない。正面決戦で勝利し、敵を追撃する段階になってからだ。
敵は逃げるのであるから当然背後から攻撃する事になり、しかも陣形は乱れており、
敵の戦意は喪失している。この追撃のときにどれだけ余力を残しているかで
大方の戦果が決まるのである。しかし、アルビオン軍にせよガリア義勇傭兵団にせよ、
レコンキスタと比べれば寡兵であり、勝利するのがやっとであったのだ。
勝利後に降伏し、帰順を願い出た部隊を取り込むのに時間がかかったのも
タイムロスとなった。とはいえ、総合的な戦力での逆転は、この一戦で成されたのだ。

 勝利後、アルビオンの主だったものたちと挨拶し、宴に出たタバサは、
黙々と食べ、話をし、それなりに宴を楽しんだ。
今のタバサは、憂いの多くが解消している。
母の毒はルイズのディスペルで無効化され、使用人含めて人質にされそうな
者達は安全な場所にいる。自分の戦力を手に入れ、後見を得たが故に
ガリア王ジョゼフへの復讐の足がかりも出来た。シャルロットの名は
今度の戦で大いに喧伝され、ガリア貴族の取り込みも容易になるだろう、
ジョゼフの足元を切り崩すこともたやすくなる、とケータが請合ってくれた。
つまりは、残る一つの憂い、父の敵を討つという目的の目処もついたのだ。

それゆえに、タバサの心には余裕が出来ていた。
シャルロット王女をウェールズ王子の后に、などという話も持ち上がったりしたが、
「私にはやる事がまだございます、よって、お受けできません。」
と、落ち着いて断る事が出来た。
彼らは、大いに英気を養っていた。そう。レコンキスタとの決戦に向けて。


レコンキスタVSアルビオン軍&連合艦隊。
雌雄を決する決戦は、おそらく明後日と予想されていた。
26いぬかみっな使い魔:2008/09/28(日) 00:52:29 ID:aGL8jlpb
以上です。
ちと短いですがご勘弁を。
続きは来週土日辺りにアップできれば、と思っています。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:58:47 ID:lWUvTm8p
ルイズ「えへへ、赤ちゃんできちゃった♪」



             __, -ー- 、
           / /    ヽ` 、
.          /. l l从、 从、| | l
           \!」>ヽ'< '7 |!
            ノ|  __   / ∧ヽ
          // >、 _`イ  l  \\
.         〈 人  トr十一) ヾヽ 〉 〉
          ヽl/ノ  〉夲/  /_::Ll. /
          r/ /ヾ〈   〈:::::::::\\
         _/   ./:::/::||、\  \::::::::!  \
       / イ  〈:::/::/||::ヽ::)   ヽ::::ト、   ヽ
      / / ヽ トゝ::/::||:::/  l  ):l \  〉
      l |   f´ヾ`:::/::::∧彡__ノ/!/::::|   l /
      \  |::::::::::/::::::| !\:::::\::::\:l //
        lヽ|::::::::/::::::::| |::::::\:::::\::::Y /
.       ノ ノ:::::/::::::::::| .!:::::::::::ヽ::::::ヽ」 |
        ̄/::::::/::::::::::::|人!:::::::::::::::::::::::::| \
.       /::::::/::::::::::::::|::|::|::::::::::::::::::::::::::!`l ̄


               検査中






               /                \
               /        /          :.:.:..丶
             / /  /   :/     \  :.:...   :.:.:.:. ヽ
            ./ /   l   .:.l: /  \ .:.ヽ丶:.:`、 :.:.:.:. ハ
            l  l   | .!.{ :.:.{:._{_,  :._ヽ:斗:ト:.',.:.:.l:. :.:.:.',:.:.}
            |  |   l.:l厶.:イヽ:.ヽ  :.:..ハ.:l_}ヽ..}ヽ|:.:.:.:.:.:}:/
            i  i   :V _ヾ{z=k:ハ..:.:/' ィ戈''〒ヾl:.:.:./∧
           ノ :∧.  :ヽ ,ィf戈. ノ! }.:/  V≧ソ /:/:K:.:.:.ヽ
          / .:/ :ハ   :.:',` ヘ≧=' '´   ´ ̄   イ:.:.:.:.|:.:.ヽ:.:.}
         / ..:.:/ :.:.:ヘ.  :ヘ .:::::::::::::::::  '  :::::::::::::. !:.:.:.:.l :.:.:.:.:/
       /  :.:.:/ :.:.:.:.:ム  :.:.'、               , ′:.:∧:.:.:.:.{
       ヽ  :.:.:{  :.:.:./ .l   :.:.ト、     '´’   イ:.:.:.:.:./ ヽ_:.:.:ヽ、
         )ノ :.:.ヽ:.:.:.j   !  :.:l. > 、__, ィ'´ /:.:.:.:.:./   `ヽ:.:.::.:.: ̄ `ヽ
     , -一'  :.:.:/ :.∧  }  :.:.:V |  〉く   ./  :.:/      l:.:.::.:.::.:.::.:.: }
    /   .:.:.:.:/ .:.:.{ \/   .::.:.l W⌒ヽ//   /:/      ヽ :.:.::.:.::.:.:.,'
.   /    .:.:.:.:/ .:.:.:.:.l /   :.:.:.:} マ=マ' /  /.:.:ヽ      ∧:.:.:.::.:.:/
   {   :.:.:.:/ .:.:.:.:.:.:./    .:.:.:.人 弋7  {   :.:.:.:.:ヽ___ / l:.:.:.:.:/
   `ヽ :.:.:.:ヽ :.:.:./     .:./   ヽV∠-ヘ   :.:.:.:.:.:\       !:.:.:.:.{
     ノ  :.:.:.} :.:.{    ..:.:.:./    /    ヘ   :.:.:.:.:.: ヽ.     |:.:.:.:.:ゝ __ノ!
 ヾニ二 人 :.:/  :.:.ヽ   :.:.:./    ∧     \  :.:.:.:.:.:.:.j     |:.:.:ヽ:.:_ノ


                     妊娠判明
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 00:59:34 ID:lWUvTm8p
                    -─‐- 、
                -‐'´        丶
             / /  〃:./  {      ヽ
            /  /  .:/:∧:l:.. ヽ:.: ヽ:. ヽ:.:.:.',
              l :i.:.l.:.:.:.:7メk!八:.:.  }厶匕:.jl:..:.:ハ
             Vl从 :.:.{/フ必ハ` イ/心 `V:.:.:.:i |
              ヽト、:f‘ 乏ン ノ/弋乏. !:.:.: | l
              小:.:.ゝ :::::   '   :::::: /.:.: i ハ
             /..:l :.:人    ' ⌒ヽ   ,/.:.:  ,'  ',
           /.:.: l :.:.:.:.> 、.    , イ/.:.:  / :.:. ヽ
          / .:.:.:./:ヽ..:.:.:.\ j. `´ レ′  ∧:.:.:.:... \
        / .:.:.:.:./:.:/¨ヽ :.:.:.:.ヽ 、  /.:.:.  ,'7ヽ、:.:.:.:.:.:.:..丶、
       / .:.:.:.:.:/:._/  _} :.:.:.:.:}  _{:.:.:.:   {_}} `V:.:.`ヽ:.:.:.:.:..ヽ
         { :.:.:.:.:.:{〃I丁l7/ :.:>ナ戈夫ニニ=ヾ与-ヘ===、、:.:.:.ハ
       ヽ :.:</''''`´`レ′///''大'''ヽ:.:.:.:.:.:..\''ー->:.:.:/`\、:/
          ヽ:./ _ 〃:://:/<_人_> \:.:.:.:  〉」_jト,>:.:.:.ノ゙ヽと}
        r<r ┘ヽ//:.:./   j川   ノ:.:.:.:. /  リ ヽ:./ ハ'´ j
       /⌒ /:ニヽJ/:.:.:.:.:ハ  /∧ヽ/:.:.:.:.:.:/ i  !l  Y ノ .に/
        /   >ヘ._X_).:.:.:.::.:.:.〉</ V :.:.:.:.::.:.:ハ  !  l   |  r イ
     /}   `<ノフ:./:.:/:/   / j \:.ヽ:.:.ヾ:.\! j Vヽ!  ノ }}


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                    |
                    |             妊娠しました
                    |
             ____   .|                 ミ /〉__人__
         / ̄      `  、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  // )  ( ピシッ ̄ ̄ ̄ ̄
       ,. ‐'            ` ー-、     人_     ミ//  `V´
      /  / /    /   i       \   `Y´      //
     /  / /  / /    |   \  ',   _!_        //
     |  |  T ´厂 「`メ / i_」_    i   |    !       /,イ  _!_
人    |  |  |r坏テミリiイ/ / 「ノ `メ、  | | |          _///   !
'Y´   |  |  | トr:::リ  ∨ rテi{∨/  / |/リ       ///,イ
.    /  ∧ ハ ゝ‐'    ハr:リイ/__ノ/        ノ//.ノリ  _!_
 * /  / .∧  ヽ    __ ' `'´ ハ   \      {〈/レレヘ}   !
 __/  / / ∧   ', {  ノ   .ハ \   \      | / ` /
´    / /⌒マi   ',.    _. ィ  \ \  \    |` ー-く   *
     __/::::::::::::i i  i` f´、::>'⌒::<ヽ ヽ   ヽ rへ _/
-‐  /::::::::::::::::::::ノ  i   |.>r‐r|:::::レ-―┴'  ____,ノ |     〉 *
.  /:::,. ―‐' ´ -‐ ''   |::\女|::/     ,<  (  |     |__
/ {:::::|  /´  ,. -―::く::\ X::|     {:::::::>、`ー|     |、  \
  /:::::ハ  i.  (::::::―:::―::‐- !::∧     \:::::―`ー|ノ|从   |__ヽ  \
. /:::::::::::ヘ. \ \:::::::::_:_::://\\       ̄ ̄   /  |:::::::> 、 i
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::::::::_::_:::::::-:i}   ヽ. V/  .|!  i.  i!  '>、____/    |:::::::::人:::::::::::\
::/::::::::::::::::::レ   i  i!   i!  ,},._ __ ∨:::::::::::::>:..、__ノ:::::::::`Y´:::::::::::::::\


                説明
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:00:20 ID:lWUvTm8p
        /: : : : : : : :/ : /: / : : :./ {: : : : : : : : : : 丶  : : : : \丶、: : : :l
.       /:/: : : : : : :.|: | |:./ ヽ: : l 八 :_: : : : : ヽ: : : }\ : : : : : :\:\: :│
      {/|: : : : l: : : |: レl┼─\l {:-ヘ: : : : ヾ斗七7 ̄\: :ヽ: : : l: : l: : |
       j∧: :.:| : : 乂Vァ≧≠=kz∨ヽ: : : : Wz=≠テ≦、 ∧: : |: : l: : |
           lヽ: ヽ : ヘ 〃 fて ,ハ    }:.: :.:/   fて ハ }ト } : j: :∧.:.|
          }: :|\\:.|ヾ 弋っ;辷リっ  j//  c辷う少'〃 //: :,': :ヽ!
.         /: :ハ: :  ̄ {ヽ( う¨¨´      ,      `¨¨( つイ : : : ∧: : : \
      /: : : : ',: : : O°  :::::::::::::::::  ′   :::::::::::::   l◯ : ,' ヽ: : : : \
     /: : : : : : ◯ : : : ',       _  __       ,′ : / : : : : : : : : : \
    / : : : : : : : : :∧ : : : ヽ    /´  `´  `ヽ      /: : : / : : : : : : \: : : : :\
   ,': : : : : : : :/ : ∧: : : : :\  {         }   ィ´: : :∧.: : : : : : : : :\: : : : :ヽ
   i : : : : : /: : _;/ ∧: : : : : : > `ー一   ー‐ ' _<:' : : : :.,'::::::ゝ、 : : : : : : : 丶 : : : :',
   { : : : '´: : :/ ::::::::::ヽ : : : : : :\ > 、_  <// : : : : : :l:::::::::::::\ : : : : : : : :.ヽ : : :
   ∨: : : _/:::::::::::::::::::::',: : : : : : : :ヽ \     / / : : : : : : :|::::::::::::::::::\: : : : : : : : ヽ: :
   /: : /´:::::::::::::::::::::::::::::} : : : : : : : : ∨⌒∨^ヽ /. : : : : : : : !:::::::::::::::::::::::ヽ : : : : : : : }: :
    {: : :{ :::::::::::::::::::::::::::::: j : : : : : : : : : }. /⌒ヽ ∨ : : : : : : : : {:::::::::::::::::::::::::::}: : : : : : :,' : :


                 サイト「堕ろせよ」








           _r‐、_ノ____.ノ} .ノ}   |
          _」::::_ノ ミ     `´/    | 
        / レ '´     ミミミミ.  >   | 中絶はよくない
       /ミ: /     ∧       `r  | いますぐ私と結婚して子供を産ませるべき
         | /  / _ノi/  \ i   i i i } |
     __ノ |  |/`<.   /\  | | |リ |
   / / |  | r::‐::ュ` ´r‐::‐r‐ハ/レヘ  |__\/_ _,ハ_ __________
  (.  (   |  | `--''   `‐‐' { {   )    //   `Y´ ペチ
\. \ \  |  .ハミミ:    _   ミミノ i!  /  ///
__,.>‐'  ノ/   }>r‐-´r‐‐ f´/  \ヽ_ / {_, }
 ( ミミ//  ミミ: /  ヽ/\/_\ミミミ }/\/     ん!
ー'  ミ (    /  __r‐、f/.:.:\}  /:.:.:./
っ   / \   \/.:.:.:r=={=:ュ.:.:/   `ー'`ー-イ
/  /    ヽ   \.:.:.:`ー ^ー'.:.{ i ミミ  >‐<´
、ミ / i   /    _/.:.ミ:.:.:.:.c.::.:.:.∨r‐‐ 、_>ハ/
. V{     }  ,..ィ´/へ.:__,..ィユ.ュ‐:\.   /
   \  レ /:.:/ / ̄iー^T 「.:.:!.:./\} (∨
     \ }‐イ く._」┐.:.:.:|.:.:i.イ  :: ト、_>
    、_,ノノし'  ∨| └ヘ.二二| ミ::.|
           |:::  |    |  :.|
           |:-‐‐:|     .|  ::|
           |   :|    .|  :|


          必死の説得
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:01:25 ID:lWUvTm8p
          / :.:/.:.:.:.:.:.〃.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.j:ヽ
            //.:// .:.: /.:ハ.:.:.:.:.\:ヽ_\_.:.ヽ.:.:.: ,' :.:.l
         l.:|.:.l.:! .:.:./.:/ ,人:.:.:.:ヽヘ´ヽ厶- :j.:. /.:.:|.:|
         レ|.:.レ!.:.:.:|V匕_`ヽ.:.:.://   j/_∨<:|.:レ‐- 、
          ヘ.:.ハ.: ハ  /  j/  ̄ ̄~`ー' .::;;;`ヾ^ヘ \
          ヽ:{ノ\トて)ヽヽ _______ ::;;(二^く_/   \
           /.:.:.:.:|    /        _/  ,. イヘ  ̄   /
          ,/.:.:.:.:八   `ー ──一'´  ,.イ :.:.:|:.:.:\___/
        //.:.:.:.:.:.:.:.:{> . , __,_  <:.:.:/.:.:/ヽ.:.:.:.:.:.ヽ\
       /.:.人.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::::::| >┬</.:.:.:.:.:.:./`\.:.ヽ:.:.:.:.:.Y
.     〃:./.:./\.:.:.:.:.:.:.:.\::Y⌒ヽ/.:.:.:.:.:.:./::::::::::::::} :.:.:.:..:.:. |


             説得失敗
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:01:48 ID:uzI4yM12
>>2
15巻の要約を頼む
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:06:35 ID:lWUvTm8p
/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:./ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘヽ:.:.:.:ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. !:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ll:.:.:!-‐ '、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ¨ヽ:.:.:トヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ';.:.:.:!:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l´';.:!   ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ  \!  ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.  
 |:.:/!∧:.:.:.:.:.:.:.| ';|. -―  \:.ト、:.:.:.:.:.:.:ヘ―-   ヾ、:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.
 l:/ ハ:.:.';.:.:.:.:.:.:.', ≡三三  ヾ、`ヽ、:.:.:.:.!三三ミ  |:.:.:.:.:/、:.:.:.:.:.
 /  ';.:.:ト、:.:.:.:',ヘ ::::::::::::::::      \:.|:::::::::::::::  /:.:.:, '‐、 Y:.:/
.     ';:.| \:.:',ヾ、      ′    ヾ     /:.:/}  /:.:.{
      リ  ヽヽヘ ヽ、                // ノ  ,イ:ハ!
        `| ``                 ´ /ー- ':.:/リ
          ヽ、    ァ--‐ 、___,    /:.:.〃:/
          ';.:i_丶、 ヽ、 _____ノ_ ... ∠:.:.:_/i/
      r '' ¨ ̄ ` ヽ:.:` t- ...__-,, - U¨       ¨ヽ
      l  `ヽ    ヽ-‐ ''て(              {


            サイトがあやしい薬をルイズにすすめる
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:07:09 ID:lWUvTm8p
       ,. ― 、         / ̄\        __
      /    ヽ       〈      〉      /    \
       l     /            /      l       |    薬?
      ヽ     |     ,. -―― ┴ 、               /
           ヽ  /           ヽ      / ̄
             O// /  ,.イ  ヽ ヽ ヽ';     /
              イ/ l lィ ト、ム  ム斗}  }|
              ∨l从! ○ l ノ ○ リ  ||   ○
        /⌒〉    /{. /       l  ||       / ̄\
        ヽ \  / .|人   △   u/  ∧           |
             /   ∧  ≧,ェ‐ェ '/  ∧. \       _/
          〈   ムィ!  V /Tl /  ム ヽ l!\   /
              ヽ   l/   Y ☆V  /:.:.:.∨ ;  } ○
           ノ ./   /:,ヽ/!  ヽ:.−;!    /
         / /l    /:.:.:.7:∧:.\   \|   ヽ
         /   l  ヽ    \:./:/l ll:.:.:.:.ヽ   .〉    \
       ヽ  | _ ∧    ∨ l l l:.:./   /:|   ヽ ヽ
         ヽ | >―}     }   l/    /:. |    } 丿
        イノ l >−   /    〈      ヽ,|   .//
        ー/ 7:ー−:.'/       ヽィ  厂:|   .乂_ノ
            |/∨:.:.:.:/:.:./      l:.:\「::l:.:|  ハ
          /:.:.:.:./:.:./       l:.:.:.:.:.::.l:.:|ハ从
          /:.:.:.:./:.:./         l:.:.:.:.:.:.l:.:|


            試しに一口のんでみた






: : .―-∧-: 、 : : |\: : : ヽ : : : : : : /\ : : -ヽ:─:| : : : :
: :{.: : :/ \: \: :|  \: : : : : : : :.:/ /ヽ: : : }.: :│: : : :
{ハ: : |   \:_:`ト、  \}: : : : ://_  \∧:/:| : : : :
: :.个┝┯┯┯┯━\/∨ : :、/ ┯┯┯┯━∨: : : : :
: : ヘ   弋_辷'_ノ    ∠: :_/  弋_辷'_ノ  / : : : : :
: : : :'、                      ,′: : : : :
: : : : :'. /:/:/:/          /:/:/:/ : : : : : : :
: : : : : '.                    u  ! : : : : : ;
: : : : : :i                      | : : : : :,′
: : : : : :|、        〜〜‐-          ィ|: : : : : !


            苦い
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:08:23 ID:lWUvTm8p
          / :.:/.:.:.:.:.:.〃.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.j:ヽ
            //.:// .:.: /.:ハ.:.:.:.:.\:ヽ_\_.:.ヽ.:.:.: ,' :.:.l
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         レ|.:.レ!.:.:.:|V匕_`ヽ.:.:.://   j/_∨<:|.:レ‐- 、
          ヘ.:.ハ.: ハ  /  j/  ̄ ̄~`ー' .::;;;`ヾ^ヘ \
          ヽ:{ノ\トて)ヽヽ _______ ::;;(二^く_/   \
           /.:.:.:.:|    /        _/  ,. イヘ  ̄   /
          ,/.:.:.:.:八   `ー ──一'´  ,.イ :.:.:|:.:.:\___/
        //.:.:.:.:.:.:.:.:{> . , __,_  <:.:.:/.:.:/ヽ.:.:.:.:.:.ヽ\
       /.:.人.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::::::| >┬</.:.:.:.:.:.:./`\.:.ヽ:.:.:.:.:.Y
.     〃:./.:./\.:.:.:.:.:.:.:.\::Y⌒ヽ/.:.:.:.:.:.:./::::::::::::::} :.:.:.:..:.:. |


                サイトに全部飲まされる






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      {/|: : : : l: : : |: レl┼─\l {:-ヘ: : : : ヾ斗七7 ̄\: :ヽ: : : l: : l: : |
       j∧: :.:| : : 乂Vァ≧≠=kz∨ヽ: : : : Wz=≠テ≦、 ∧: : |: : l: : |
           lヽ: ヽ : ヘ 〃 fて ,ハ    }:.: :.:/   fて ハ }ト } : j: :∧.:.|
          }: :|\\:.|ヾ 弋っ;辷リっ  j//  c辷う少'〃 //: :,': :ヽ!
.         /: :ハ: :  ̄ {ヽ( う¨¨´      ,      `¨¨( つイ : : : ∧: : : \
      /: : : : ',: : : O°  :::::::::::::::::  ′   :::::::::::::   l◯ : ,' ヽ: : : : \
     /: : : : : : ◯ : : : ',       _  __       ,′ : / : : : : : : : : : \
    / : : : : : : : : :∧ : : : ヽ    /´  `´  `ヽ      /: : : / : : : : : : \: : : : :\
   ,': : : : : : : :/ : ∧: : : : :\  {         }   ィ´: : :∧.: : : : : : : : :\: : : : :ヽ
   i : : : : : /: : _;/ ∧: : : : : : > `ー一   ー‐ ' _<:' : : : :.,'::::::ゝ、 : : : : : : : 丶 : : : :',
   { : : : '´: : :/ ::::::::::ヽ : : : : : :\ > 、_  <// : : : : : :l:::::::::::::\ : : : : : : : :.ヽ : : :
   ∨: : : _/:::::::::::::::::::::',: : : : : : : :ヽ \     / / : : : : : : :|::::::::::::::::::\: : : : : : : : ヽ: :
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    {: : :{ :::::::::::::::::::::::::::::: j : : : : : : : : : }. /⌒ヽ ∨ : : : : : : : : {:::::::::::::::::::::::::::}: : : : : : :,' : :


                     流産した
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:09:53 ID:W3jaa+xa
何だ荒しか?
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:11:25 ID:aGL8jlpb
沸いている方が荒らしているのかと。
アク禁してくれんものか。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:13:36 ID:ZH4RqRfN
何人荒らし沸いてるんだ?
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:14:09 ID:W8I4Cz1d
本スレを、避難所にたてない理由がわからないな。
オレらは、まとめだけ読めばいいが、作者は、このウザさから逃げにくいんだぜ。
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:17:06 ID:SrpjFiFk
試しにこのスレ貼ってみたらどうなるのかな

あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part173
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1222188953/
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:18:43 ID:UYliVYcV
投下だけでもしたらばに移行したほうがいいと思う。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:20:35 ID:W3jaa+xa
混乱に拍車がかからないか?
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:22:34 ID:33a2cSB5
>>38,>>40
どうぞ存分に話し合ってくれ
運営議論スレ3
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1194526775/l50
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:38:37 ID:6HfCModS
>>1
創作発表板の誤爆スレまだ残ってたんだな
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 02:01:40 ID:VqnOR7Cy
作家も2ちゃんつー人の来るとこだから投稿するんだろうし、したらばに行きたがらないだろな。
管理人もめんどいだろし
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 02:02:34 ID:SjU6VOiA
したらばが栄えてくれれば嬉しいという人もここに。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 02:07:03 ID:/ttKkb8Y
俺も触発されて書いてはみたが難しいな
このままヤマグチ節で突き進むか最初からプロット作って書き直すべきか悩み始めた
途中からじわじわ技法が変わってくと違和感あるだろうし
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 02:13:04 ID:rgPHuQ12
荒れる→したらばにしない?→いつもこんなもんだろ→お流れ→荒れる→
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 02:54:29 ID:Rp9KNvsN
まぁどっかで不意討ちに避難所に移ってそれでも荒らしが着たら抜いたホストとかIP晒してOKなら是非避難所で少しやって欲しい
49魔導書が使い魔:2008/09/28(日) 05:09:06 ID:wfKliIDb
初めてながら、ここは一つ投稿。
鬼神咆哮デモンベインのアルアジフが召喚される話。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 05:09:20 ID:b6gBT1hT
いぬかみの人乙!続き楽しみにしてました!おかえりなさい。
51魔導書が使い魔:2008/09/28(日) 05:11:44 ID:wfKliIDb
途方もないほどの時間と、途方もない距離と、途方もない世界を彷徨った
“彼女”は。
温もりを求めるように深く深く潜った眠りの中。
たしかに、その声を聞いた。

『お願い……誰でもいいから……私の元へ来て』

その声は切実で悲しみに満ちていて祈るようでもあり、決して誰も助けてくれ
ないと諦め絶望していた。

(……知るものか)

以前の彼女だったら無視しただろう。
以前の彼女だったら歯牙にもかけないだろう。
無論、今の彼女もそう変わるわけもなく。

ただ、胸にチクリと棘が刺さる。
それは決して大きなものでもなく、彼女が今まで味わった苦痛と比べると物の
数ではない。

……はずだった。

(――っ)

彼女は歯を食いしばる。
小さな棘はチクリチクリとその存在を鮮やかに主張する。
痛さを叫ぶほどでもなく、かといって無視すらできないその存在を、彼女は自
覚しない。
そしてこの痛みを耐えながら、彼女はため息を付くようにある結論に至る。

後味が悪い。

奇しくもそれは、彼女が最も呆れ、最も馬鹿にし、最も愛しい考えであった。

(ふん……ちょうどいい。我はちょうど時間が有り余っている。片手間ついで
に救ってやろうではないか)

そうして彼女が深い深い眠りから覚めた時に目にしたものは、画面いっぱいに
浮かぶ巨大な鏡であった。

「なっ!?」

対応する間さえなく、彼女と“彼”はその鏡に接触し

「これは鏡面を使用した空間転移魔術っ!? いや、それにしては術式がっ!!」

膨大な光が鏡から放たれ彼女の意識を奪っていった。

――――落ちる。

―――堕ちる。

――墜ちる。

そうして彼女は、その世界へと喚起された。
52魔導書が使い魔:2008/09/28(日) 05:20:19 ID:wfKliIDb
彼女は杖を振り下ろした回数を数えることをすでに止めていた。
この日が来るまでに様々な動物、幻獣、はては亜人までも、ありとあらゆる書
物を見て脳内に焼き付けた。何度となく正確なイメージを構築し、できたたび
にその口は呪文を発し、その手は杖を振り下ろす。
頭に浮かべたイメージは完璧で、細部すら彼女は言い当てられるだろう。

だが、目の前で起きたのは爆発。
彼女が最も慣れ親しみ、そして最も嫌悪する結果だった。
「またかよー!」
「もう止めろ。時間の無駄だ!」
「やっぱりなにやっても“ゼロ”だな!」
はやし立てる周囲の声。
それは侮蔑を侮蔑として認識していない、無邪気さ(この行為が無邪気と言え
るかと疑問であるが)で表現されるからかいである。
彼女は唇をかみ締めるだけで、何も言わない。
プライドの高い彼女は、決して自らの品位を貶めるような絶対に行為はしない。
それは得るべくして得たプライドではなく。それを選択するしかなかった彼女
の悲しき寄り辺であった。

はやし立てる生徒の中。教師であるコルベールが静かに彼女を見つめていた。
コルベールは生徒に対して親身に接してくれる熱心な教師である。彼女は何度
もコルベールから指導も受けて彼の実直さはわかっている。
だがそれゆえに、彼の瞳からもう後がないことがわかった。
彼は確かに生徒に親身で熱心な教師だ。
だが、教師は公平であるべき存在だ。
親身になることはあっても、特別視することはできない。
そしてその隣では赤く長い髪を無造作に流した彼女の宿敵であるキュルケがいた。
キュルケは彼女を一瞥すると、挑発するようにクスリと笑う。

それは燻りかけた彼女の心に、再び火を点す。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 05:20:52 ID:wfKliIDb

そうして彼女は、数十回目となる行為を繰り返す。
杖を持つ手はすでに疲れ切っている。杖を振り上げるだけで身体よろけそうに
なる。ほほから静かに汗が伝い、あごから地面へとおちる。暖かい陽光は今で
は肌を焼く熱い熱線と同じだ。ジワリジワリと体力を奪っていく。声の張りす
ぎで枯れそうな喉を、唾を飲み込むことで無理やり潤わせる。頭はもう空っぽ
、重なった疲れが身体から余分な物全てを抜き去っている気がした。
これ以上にない、倦怠感が襲う中。
彼女は、祈るように、伝わるように、届くように、

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは求む。
もし我の声が聞こえるのなら、

――その姿を我が前に現せ!」
その声を響かせた。

轟音。

その音を聞いた者は、またか、と蔑みの感想を抱き。
その“物”を見た者は、言葉にならない驚愕に凍りつく。
「な、なにこれ……」
キュルケは静かにつぶやいた。

「…………」
ルイズは目の前に起こった現象に思考が止まった。
杖を振り下ろす瞬間。
“なにか”がルイズの奥底に引っかかる感触がした。
そうしてその感触を逃さぬように残された力を振り絞り“なにか”を引っ張っ
た瞬間。
それは現れた。
それは空に浮かぶ、巨大な、巨大な魔方陣。

晴れていたはずの青空は一瞬で渦巻く雲にかげり、その中心からまるで爆発す
るかのごとく広がった魔法陣。
それは清く、そして聖なるものだと感じる。
そうしてその陣を見上げる彼女の前に。
まるで世界に生誕するように、堕胎されるように、祝福されるように、拒絶さ
れるように。

巨大な神の機械人形(からくり細工)が降り墜ちた。
54魔導書が使い魔:2008/09/28(日) 05:22:09 ID:wfKliIDb




夢を、遠い遠い彼方の夢のまた夢にそれはある。
(壇上の女にライト)
それは本来有り得ないできごと。現実とは違うパラレルワールド。まどろみさえもまどろむ枕物語。夢をも夢見る語り話。
(女はゆっくりと壇上を歩く)
今宵の夢は誰が見るのでしょう。今宵の話しは誰が主役でしょう。今宵の狂気は誰のモノでしょう。今宵の語りは誰の物語でしょう。これから始めるのはほんのお遊び、楽しい楽しい戯れの時間。
(しだいに壇上が暗くなる)
おや、そろそろ開幕のお時間でございます。それではみなさま、お楽しみ下さいませ。
(ブザーが鳴る。ライトが消え、女が暗闇に消える)
それでは始まってない始まりを、終わってない終わりを。開幕の開幕を、閉幕の開幕を!
(ブザーが途切れる)
最後までご覧下さい。
(幕が上がる)
55魔導書が使い魔:2008/09/28(日) 05:23:06 ID:wfKliIDb
今日はとりあえずはここまで。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 05:23:39 ID:MeFd9A8v
ん? 投下中かな?
しえん
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 05:24:23 ID:M3e6md7y
乙です。
あと次からはsageてね
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 05:27:51 ID:MeFd9A8v
終わってたのか。
乙。
顔洗ってからじっくりよませてもらうよー。
あと別に決まりではないけど、sageてた方がいいかもよ。
59異世界使い魔學院紀 :2008/09/28(日) 05:53:04 ID:28ySN705
H.A.N.Tを起動します -Welcome to H.A.N.T-
SS第五話、装填完了 投下態勢へ移行します
投下予定時刻 6:00 Good luck!
60異世界使い魔學院紀 :2008/09/28(日) 05:59:32 ID:28ySN705
最初に「やめろ、泥棒」と
叫んだ人間が、
えてして宝物を盗んだ本人である。

───W.コングリーブ

3rd.Discovery 『あの腕をくぐれ!』 Scene.1

決闘騒ぎから数日後、甲太郎は厨房へと足を運ぶ、
目的は食事をもらうためではない、もちろん「アレ」が目的だ。
「おう! 来たか兄ちゃん! 今日もカレーとやらの様子見か?」
「おう、そろそろ頃合いだろうな」
マルトーが大手を振り甲太郎を出迎える、それに軽く手をあげ返事をした甲太郎は、
寝かせておいたカレー粉を取り出し蓋をあけ、香りを確かめる。
「で…どうだい?」
「あァ、これなら大丈夫だろう…よし、これからカレーの作り方を教えてやる。マルトー、準備しろ」
横から覗き込むマルトーにすぐさま指示をだし準備させ、甲太郎によるカレー調理教室が始まった。
「ルゥにカレー粉を混ぜ合わせとろみをつけるんだ、そうだ、それから…」
「野菜と肉は一口大に切るんだ、よし、それを炒めて…」
「シエスタ、コメは用意してあるか? 調理方法はわかるよな?」
「鍋でじっくり煮るんだ、焦がさないように注意しろよ…」
甲太郎は次々に指示を出し、自ら手本になりカレーを作り上げる、そして…。
甲太郎が鍋の中のカレーの味を見る、そして大きく頷いた
「よし…完成だ…」
「「「おぉーーー!!」」」
甲太郎のその一言に厨房に歓声が響き渡る、待ちに待ったカレーの完成だ、
「ささっ! 兄ちゃん! はやくライスにかけて試食と行こうぜ!」
「まァそうあわてなさんなって、よし! カレーライスの完成だ、さぁ皆、食ってみてくれ」
厨房の料理人やメイド達使用人が集まり、それぞれ皿によそわれたカレーを一口、口に運んだ。
「!!! うっ…うまいッ!!!」
「すごいですコータローさん! こ…こんなにおいしいもの初めて食べました!!」
「こっ…こんな料理があるなんて…」
マルトーに至っては涙まで流している。
「だろう? これが究極にして至高の料理…カレーだ」
甲太郎は満足そうに頷くとアロマに火をつけ言葉を続ける、
「いいか? カレーには多くのアレンジメントがある、つまり多くの料理に応用が利くんだ、
いつもの料理に隠し味として使うもよし、そのままライスにするもよし…っておい何やってんだ?」
甲太郎が異様な雰囲気に気が付き、視線を落とす、そこにはマルトーが涙を流しひれ伏していた。
「兄ちゃん…! いや! ≪我らが食神≫!! これからもどうか、カレーの御力を持って我らをお導きください!」
「「「お導きください!!」」」
「おっ…おいおい…、マルトーよ、そこまでするこたぁねーだろ…」
見れば厨房全体がひれ伏している、その様子に少々甲太郎は引き気味になりながらも言葉を続ける。
「ま…まァ…いいか…、だがな、このカレー粉にもまだ改良の余地はある、マルトーよ、この道を極めたきゃ
この味に満足しちゃいけない、日々新しいスパイスや香辛料を組み合わせた研究の果てにこそ、究極のカレーが出来上がるんだ」
「おぉ…流石は≪我らが食神≫だ! おめぇら! 今のお言葉! 聞いたな! 日々の尽きない研究と向上心!
これこそ料理人の鑑! 魂! 進むべき道! そのお言葉! しかと我らの心に刻まれました!!」
「「「うぉおおおお!!!」」」
厨房全体から雄たけびが聞こえてくる、気がつけば全員が涙を流していた、
「なんだよこれ…」
おいおいと涙を流し、雄たけびを上げる厨房全体を見渡し、甲太郎は肩をすくめた。
この日、ハルケギニアに≪カレー≫なる食べ物をもたらした偉大なる≪食神≫が降臨した日として歴史書に刻まれる…
のちに≪カレー≫は様々な発展を遂げ、ハルケギニア全土で愛される料理となった。
その中でも甲太郎自身が研究の末作り上げたカレー粉≪ミナカミ≫は王侯貴族ですら滅多に口にすることはできない神の≪カレー≫として
値段が付けられないほどのプレミアがつくのだが…それはまた別のお話…。
61異世界使い魔學院紀 :2008/09/28(日) 06:00:44 ID:28ySN705
「どこ行ってたのよ?」
食堂にてルイズが昼食を取りながら厨房から戻ってきた甲太郎に声をかける。
「厨房だ、カレーが完成したんでな」
そう言いながら戻ってきた甲太郎の手には完成したばかりのカレーライスが乗っていた。
「なんだ、もう食ってるのか」
「えぇ、あんまり遅いからもう食べちゃってるわよ、あんたの食事は例によってそれだけど…
そのカレー? ってのが完成したならもういらないわよね」
ルイズの言うとおり、そこには貧相なパンとスープがあった、だが、もう甲太郎には必要ないものだ。
「まぁな、もう俺にはこれがある」
そう言いながら甲太郎はテーブルにカレーを置くと、椅子に腰かけた。
「なぁに? それがカレーなの?」
ルイズは興味津津といった表情でカレーを覗き込む、
「俺の特製カレーだ、どうだ? 食ってみるか?」
「べっ…! 別にいらないわよ! そんな平民の食べ物、貴族は食べないわ!」
ニヤリとしながら差し出す甲太郎にルイズは顔を赤くしながら目の前の用意された食事を食べる、
「そうかい、うまいんだがな…」
そう言うと甲太郎はパクパクと持ってきたカレーを食べ始めた。
しばらくそうしていると、横をギーシュが通りかかる。
以前甲太郎と決闘騒ぎを起こしたが、今では友人としてすっかり意気投合していたのだった。
「おや? コータロー、一体何を食べてるんだい?」
「よぉ、ギーシュ、これはな俺の特製カレーだ、食ってみるか?」
声をかけてきたギーシュに甲太郎はそう言いながらスプーンを差し出す。
「へぇ、じゃあ一口貰ってみようかな」
ギーシュはスプーンを受け取り、カレーを口に運んだ。
「…っ!!! こ…これは…! うまい! うまいよ!」
そう突如叫ぶや否や涙を流しながらカレーを口にかき込み始めた、
「お、おい! 食いすぎだっつーの! 俺の分まで食うんじゃねぇ!」
そう言いながら慌ててギーシュからカレーの乗った皿を奪い取る。
「ったく…俺の昼食だぜこれは…」
「ご…ごめん、でも一体それは…僕こんなにおいしい料理食べたことないよ…」
「ギ…ギーシュ…? それ、そんなにおいしかった?」
ルイズがおずおずとギーシュに尋ねる、なんだかんだでカレーが気になるようである、
しかもギーシュが涙を流すほどおいしいと絶賛していたのだ、なるほど確かにスパイスのいい香りがしてくる。
「おいしいとかもうそういう次元を超越してるよ! 僕にはこのカレーの色が黄金に輝いてみえるね…
僕、ちょっと厨房に夕食から彼と同じものを用意するように頼んでくるよ!」
そう言うとギーシュは厨房へと駆けだして行った。
そんなギーシュを見送った後、ルイズは再び甲太郎に話しかける
「しょっ…しょうがないわねぇ…そそ…そんなに私に食べてほしいなら、た…食べてあげてもいいわよ? その…カレー…」
「あん? 食わないんだろ? 無理しなくていいぞ」
甲太郎はバッサリと切り捨てると、再びカレーを食べ始める、
「よ…よく考えたら使い魔が手料理を作ってくれたんだから食べないとか…かわいそうよね! だから特別に―」
「ご馳走さん」
ルイズがそこまで言うまでの間に完食した甲太郎はさっさと立ち上がり皿をもって厨房へと歩いて行ってしまう。
しばらく呆然と厨房へ消えていく甲太郎を見送っていたが…
「バ…バカーーーー! 私にも食べさせなさいよぉ!!!」
ルイズの叫びは食堂に空しく響いて行った…。
その後、タイミングを完全に逃したルイズは甲太郎の特製カレーになかなかありつくことができなかったとか…。
62異世界使い魔學院紀 :2008/09/28(日) 06:01:50 ID:28ySN705
場面は唐突に切り替わり、数日後…虚無の曜日
「町へ買い物に行くわよ」
雑用を終え、部屋で寝そべっている甲太郎にルイズが声をかける
「あァ、気をつけてな、留守番は任せておけ…」
甲太郎はそれだけ言うとふぁ〜あ…と大きくあくびをし再び寝入ってしまった。
「ちょっと! あんたも行くのよ! 早く支度しなさい!」
「はァ? なんで俺も付いていかなきゃならないんだよ…めんどくせぇ…」
「あんたの剣を買いに行くの! ご主人様が使い魔に身を守る武器を買ってあげるのよ!
この間みたいなことがまたあるかもしれないでしょ!?」
めんどくさそうに答える甲太郎にルイズは顔を真っ赤にして怒鳴る。
「剣だぁ? そういうのはストーカー侍の役目だろうが…つか俺に荒事をさせる気かよ、そんなに物騒なのかこの学院は?」
「だから! 最近ちゃんと使い魔の役目をこなしてるあんたにご褒美をあげようと思ってるの!」
「だからいらねぇっつうの…、それよりよ、お前、ちゃんと俺を元いた場所へ戻す方法捜してんだろうな?」
「うっ!!」
甲太郎のその問いにビクッ! とルイズが硬直する、その反応をみた甲太郎がむくりと起き上がりルイズをみる。
「お前…まさか今まで探してねぇなんてオチじゃねぇだろうな…?」
「さささ! 探してるわよ! ももももちろん!」
「そうか…? ならいいんだけどよ…」
急にどもりながらあたふたと慌てるルイズを怪訝そうな眼でみると甲太郎はゴロンと再び横になった。
「って! 寝るなーー!! とにかく! あんたも行くの! 命令よ!」
「わかったよ…わかったから耳元で喚くなっての、鬱陶しい」
ルイズの金切り声に耐えられなくなったのか渋々甲太郎は起き上がった。


To be continued...
63異世界使い魔學院紀 :2008/09/28(日) 06:02:30 ID:28ySN705
投下終了を確認 執筆態勢へ移行します
かなり短めだけども…、今回はここまで、ごめんなさい
ではまた次回に、ゲット・トレジャー!
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 06:22:44 ID:6HfCModS
gjgj
カレー道を極めるついでに伝説の使い魔をやる皆守が見えるよ
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 06:25:04 ID:lG5k80iJ
>63
投下乙です!

ついにカレーが完成!
これで甲太郎の食方面の重要な問題は解決しましたね
それにしても≪食神≫の称号とは… 某映画を思い出しちゃいましたよw
あっさり食べる事が出来たギーシュとなかなか食べれなかったルイズの差が…w
ここまで美味いカレーなんですから、食いしん坊のタバサが興味を持たないはずはないと思うのですが?
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 06:31:28 ID:ZlD8w2rd
カレーが完成したか…
あとはカツレツと土器の破片だな…
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 08:26:41 ID:aIprjp5T
魔導書が使い魔の人と
>>58 テンプレをよく読んだほうが良いな
68シャイニング・マジック:2008/09/28(日) 08:47:19 ID:grbkc+FY
9:00より第3話を投下します。
「今日の授業はこれくらいにしておこう。そろそろ夕食の時間だしね」

魔法学院の授業の後に、ヒカルからのマジトピアの魔法に関する授業を受けるのはルイズの日課になっていた。
『系統魔法』とは、全く違う根本原理の魔法…。
それを使えるようになったところで、系統魔法が『ゼロ』であることには代わりはないのだが、もしかしたら何らかのヒントがあるかもしれない。
なにより、ヒカル先生の授業はわかりやすく、なかなかに面白い。
そういうわけで、ルイズはマジトピアの魔法文字の大半を読むことができるようになっていた。


ルイズは『魔法部屋』の扉を開けた。扉の向こうには自分の部屋が見える。
「文字は読めるようになったけど、なんでこんな無茶苦茶ができるのか、ほんと不思議でしょうがないわよね…
 わたしの部屋の壁に『扉』を貼り付けただけで、なんでこんな広い空間ができるのよ」
ルイズの部屋の隣には、やはり同じような部屋があって、他の生徒が住んでいる。
だが、その壁に貼り付けられた『扉』を開くと、そこにはルイズの部屋の何倍もの広さの『魔法部屋』が広がっている。
ヒカルとスモーキーは『魔法部屋』の方で生活しているのだ。

扉をくぐって、自分の部屋から改めてみると、やっぱりなんともいえない気持ちになる。
「この『魔法部屋』僕の魔法力で作り上げた一種の『マルデヨーナ世界』だよ」
「だから、それが判らないんだってば!」
「確かに『マルデヨーナ世界』の概念はややこしいかもしれないな。
 今やっている、魔法文字について一段落着いたら、次は『マルデヨーナ世界』について勉強しようか」
「それより、基本の『魔法力』っていうのがなんのことやら。『精神力』と似てるようで全然違うし。
 あの『魔法が勇気に応える』っていうのが、実感がなくてわからないというか…」

ルイズと話しながら、ヒカルが『魔法部屋』から出てくる。
次にスモーキーが『魔法部屋』から出ようとしたとき、ルイズは振り返った!
「スモーキー!!あんた、今日は食事抜きっ!!」
「へ、何でだニャ?」
「あんた、自分が今日何をしたか覚えてないのっ!!
 わたしの下着を洗濯したとき、パンツのゴム切ったのあんたでしょ!!」

ルイズは気づかないまま履いてしまい、学友の面前でパンツが膝までずり落ちるという大っ恥をかかされたのだ!
「世が世なら無礼打ちモノよっ!!」
「ああ、あれか〜。後ろで見てたけど面白かったニャー」
「ここここいつ、よよよくもいけしゃあしゃあと…!!
 ヒカル先生の『使い魔』だから、一食抜きくらいで勘弁してやろうと思ってたのにっ!!」
「ニャンだと!このチビ女っ!!」

ルイズが鞭の形をした『杖』を振り上げたところで、ヒカルがにらみ合う2人の間に入った。
「やめろスモーキー!!今回はルイズの気持ちもわかる。今日の夕食は抜いて、反省するんだね」
「だ、旦那、そんニャ殺生なぁ!」


ヒカルとルイズは一番に『アルヴィーズの食堂』に入っていた。
昼間にあんなことがあったばかりだ。今日は、さすがにクラスメートとも顔を合わせづらいので、さっさと食べて部屋に戻るつもりでいた。
配膳係のメイドに早く食べたい旨を告げて2人分の食事を並べてもらう。

ブリミルへの祈りを口にした後、ルイズはパンをちぎって口に運ぼうとした。
…その瞬間、持っていたパンが砂になって崩れ落ちた…
「へ?」
ルイズが手からこぼれ落ちた砂を追ってテーブルに目をやると、テーブルの上のローストチキンが、スープが、枡の形をしたパイが、次々と砂に変わった!!
目を白黒させている、ルイズとヒカルの前にポンと煙を上げてマジランプが現れた!

「へへーん!これでお前らも夕食抜きだ〜!ざまーみろっ!!」
マジランプから首だけ出したスモーキーは捨て台詞を残して、また消えてしまった。


「ああああのバカ猫っ!!ふふふふざけんじゃないわよっ!!
 かかか帰ってきたら、絶対にとっちめてやるんだからっ!!」
ふたりはすきっ腹を抱えて部屋に戻っていた。
ルイズなどは、完全に目が据わって肩を震わせている。
ヒカルは、さすがにそこまで取り乱してはいないものの苦々しい顔でルイズの部屋の椅子に座っている。

すると、ルイズの部屋の扉が乱暴にノックされた!
白いコック服の大男が血相を変えて部屋に入ってくる。

「今日の夕食でお出しする前菜とスープが全部砂になっちまった!!」
「ええっ!!」
「あのわけのわかんないやつ、あんたの猫だろ!すぐに元に戻してくれっ!!」
魔法学院の食堂を預かるコック長マルトーは、座っているヒカルに詰め寄ってまくしたてた。
「ちょ、ちょっと、落ち着いてください。魔法を中和するにもそんなすぐには…」
「ふざけんじゃねぇよっ!!スープなんか朝から煮込んだ奴だぞっ、今さらコース変更なんかできるかっ!!
 いい今は一刻を争うから厨房に戻るけど、次やったらあの猫切り刻んでスープの出汁にしてやるからなっ!!」


顔を真っ赤にしたマルトーが乱暴にドアを閉めて走り去った後、ヒカルは苦々しい顔をして呪文を唱えた。
すると、彼の手の中にマジランプが出現した。
「スモーキー、いくらなんでもやりすぎだ。なんで他の人の料理まで砂に変える必要がある?!」
「え、お、おいらそんなことやってないニャ!」
「嘘おっしゃい!マジトピアの魔法を使えるのはあんたとヒカル先生だけなのよっ!
 あんたじゃなかったら、ほかに誰が出来るっていうのよ!!」
「本当にやってないニャ!チビ女と旦那の分だけ!信じろよ!!」
「誰があんたなんか信じられるもんですかっ!ヒカル先生の『使い魔』だからって調子に乗ってるんじゃないわよ」
「おいらは旦那の『使い魔』なんかじゃニャい!!」
「じゃあ何よっ?『使用人』、それとも『奴隷』!?何にしたって今回は絶対に許さないわよっ!!」
すっかり目が座ったルイズから目をそらすように、スモーキーはヒカルのほうを見つめた。
「旦那ぁ、旦那はおいらのこと信じてるよニャ?」

そんなスモーキーを見て、ヒカルは哀しそうに首を振った。
「スモーキー…『嘘』はダメだ!」

ヒカルの言葉を聞いたスモーキーの表情が変わり、マジランプからひときわ大きな煙が立ち昇る。
その煙が再びスモーキーの形を取る。
「わかったよ!旦那までおいらの言うことが信じられないんだニャ!!
 これで、マジランプとの繋がりも切れた。どこへだって出てってやるよっ!!」
もう一度、部屋中が煙まみれになり、それが晴れたときにはスモーキーの姿はなかった。

71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 09:01:23 ID:ClmLc27M
カレーはタイ、日本、イギリス、フランスでは
その国ごとのバリエーションがあるというくらいの神料理だからな・・・

>>68
つ支援&ワクテカ
「もう、なんなのよあのバカ猫っ!!」
スモーキーによって、ぐちゃぐちゃになった部屋を片付けながらルイズが喚いた。
「まったく、スモーキーの奴ときたら…」
「ヒカル先生は、なんであんな奴を連れてるの?」
「スモーキーは、大昔、マジトピアの火山の煙から生まれたんだ。
 天涯孤独の身で、誰にも信じてもらえず、盗みを繰り返すとんでもない暴れん坊だった…」


…ある日のこと、スモーキーはマジトピア宮殿の宝物庫に盗みに入った…
…そして、サンジェル(ヒカル)の制止も聞かずに『呪いの箱』を開けた…
…箱の呪いに囚われたスモーキーは、3時間で煙になって消滅してしまう…

「それを防ぐためには、君をマジランプで守るしかなかった」
「ああ、そうか、んじゃ、ここから出してくれニャ」
「それはできない。マジランプで消滅を食い止めているが、マジランプから離れたら君は3時間で消滅する。
 それを防ぐためには、君自身が一人前の『魔法猫』になって呪いを解くしかない」
「そんな馬鹿ニャ!?」
「おいおい、僕は嘘をつかない。さっきだって本当のことを言っただろ。信じてくれ!」


ヒカルの話を聞いてルイズは目を丸くした。
「一生懸命『魔法猫』になるための修行はしているけれど、なかなかうまくいかない焦りから、
 時々、ああやっていたずらをして気を晴らしているんだろうね…」
「そ、それって、あいつ、このままじゃ消滅しちゃうんじゃ!」
「心配要らない。スモーキーは今までも、ああやって何度か『家出』…いや、『ランプ出』をしてるんだ。
 まったく、このところ少しは大人しくなってくれたかと思ってたら…」

そういって部屋を片付けるヒカルを見ながら、ルイズは捨て台詞を放った時のスモーキーを思い出していた。
…その目から、一粒の涙がこぼれたのを…
「ヒカル先生…ちょっと、わたし外に出てくる」

ルイズが部屋を出て数分後、ドアを乱暴にノックして、またマルトーが駆け込んできた!

「あ、あの猫、今度は料理と食料庫の中身を全部砂に変えやがったっ!!」
「なんだってっ?!」


ヒカルとマルトーが、中庭まで出ると、門の近くをマント姿のスモーキーが走っていた。
「スモーキー!なんで…」
ヒカルの声にスモーキーは振り向くと、表情一つ変えずに呪文を唱えた。
「ザザレ!」
黒い稲妻がヒカルとマルトーの周りに降り注ぐ。

「こ、この呪文は!?」
「あーら、お久しぶり…サンジェル」
スモーキーの姿をしたものがクルリと回ると、灰色の神官服を着て黒い扇を持ったボロボロのミイラが現れる。
「き、貴様、ライジェル!!」
「その名前は捨てたわ。今の我は『魔導神官メーミィ』。
 全ての『冥獣』を率いて、冥獣帝『ン・マ』さまをこの地に降臨させるものよ!」

ヒカルは、すかさず『天空勇者マジシャイン』に変身する。
マルトーは腰を抜かして、這いながら建物の方へ逃げ出した。

「メーミィ!貴様、何をたくらんでいるんだ!」
「ほほほ、再会を記念して今回だけは教えてあげる、サンジェル」
メーミィの横に青い『冥獣』が出現する。鳥の羽に大きなくちばしを持つ、人の姿をした『冥獣』だ。
「魔法学院の皆さんに紹介してあげるわね。『冥獣人ハーピィ』のピーヴィーよ!」
「ハーピィ…そういうことか!?」
「そう、空腹の人が『冥獣人ハーピィ』の泣き声を聞くと、そのお腹に『ハーピィ虫』って寄生虫が現れるわ。
 『ハーピィ虫』は宿主の栄養を吸い取って成長し、やがて体を食い破って外に出てくる。
 この学院、小粒だけど魔法力を持っている奴らがそろっていて手ごろじゃない。
 魔法力をたっぷりすった『ハーピィ虫』を集めて、『ン・マ』さまに捧げるのよ。」

両手を挙げて、さも楽しそうに話すメーミィをマジシャインは睨みつけた。
「貴様、そんなことのためにスモーキーの姿を真似て!」
「いい作戦だと思わない?これであなたは『マジランプバスター』を使えないわ。
 それに、あのうるさくて生意気で下品な魔法猫はずっと前から嫌いだったのよ。
 もう『煙』になって消えちゃう頃かしら、信じてたあんたに信じてもらえなくて寂しい思いをしながら。
 あら、どうしたのサンジェル、そんなに睨みつけちゃって、悔しい、悔しいの!?
 我はあんたも大っ嫌い…。あんたの悔しそうな顔見れるなんて、ほほほほほ、なんて愉快っ!!」
メーミィは、さも嬉しそうに高笑いを続ける。

「さあ、ピーヴィー、行きなさい。行っていい声で鳴いておやり」
「させるかっ!」
追いかけようとしたマジシャインの周りにいくつもの爆発が巻き起こった。

「サンジェル、いや、マジシャイン。あなたの相手はこいつらがしてくれるわ!」
マジシャインの周りに数十体もの『冥府兵ゾビル』が現れた。
インフェルシアでは、最下級の雑務兵だがさすがに数が多すぎる。
しかも、マジランプが使えない今、マジシャインはほぼ素手で相手をしなければならない。
「久しぶりに運動したら疲れたわ。それじゃ、我は戻って高みの見物でもさせてもらおうかしら。
 せいぜいがんばることね!ほほほほほ…」
高笑いだけを残して、メーミィは姿を消した。

「やっぱりここにいたのね…スモーキー」
魔法学院のすぐ外にある小川のほとりで寝そべっていたスモーキーにルイズが声をかけた。

「なんの用だニャ、もう、おいらなんかどうでもいいんじゃニャいのか
 おいらは旦那を信じてるのに…、どうせおいらなんか、誰も信じてないんだニャ」
「信じるわよ!」
「へ?」
「わたしも、ときどきここに来るんだ…。
 『ゼロ』って呼ばれて悔しくて腹が立ったとき、流れる水を見てると、なんだか落ち着くの。
 ヴァリエール公爵家の中でわたし一人だけ魔法が使えない。
 母さまや姉さまに怒られた時、池の小船に逃げ込んで何度も泣いたわ。
 フーケの時だって、本当は『これで手柄を立てたら認めてもらえる』って志願したんだけど、結局足手まとい。
 勉強してても、気持ちばっかり焦っちゃって、うまくいかないの。
 …でも、やりたいことだけははっきりしてる。いつか、魔法が使えるようになるためにがんばるんだ…
 だから、ここで気持ちを落ち着けて、またがんばるの。あんたも同じなんでしょ?」

ルイズはそういってスモーキーをじっと見つめた。
「おいらは、火山の煙から生まれたんニャ。だから家族なんてだれもいない。
 けど、旦那だけがおいらの家族なんだニャ」
「あ…、わ、悪かったわね。『使用人』とか『奴隷』なんていっちゃって…」
「でも、旦那はおいらのことを信じてないんだニャ!」
「…前にヒカル先生が言ってた。『信じてもらうためには、それなりの行動を示さなきゃいけない』って。
 だから、一度ランプに戻りましょう。あんたじゃないなら真犯人がいるはず!一緒に探すのよ!」


「そ、そうだニャ…る、ルイズがそこまで言うなら、戻ってやるかっ!」
「そうそう!絶対に探し出してとっちめてやるんだから!」


ルイズとスモーキーが向き合って笑い、立ち上がったときその視界に青い影が映った。
「あ、あれは『冥獣人ハーピィ』っ!!」
そう叫んで、駆け出そうとするスモーキーをルイズが呼び止める。
「スモーキー、そろそろ時間がっ!」
「それどころじゃニャい!あいつをこのまま放っておいたら、とんでもないことになるぜっ!
 それに…『信じてもらうこと』をする大チャンスじゃニャいかっ!!」
スモーキーはルイズにウインクしてハーピィを追いかける。
ルイズもスモーキーを追いかけて走り始めた。

75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 09:03:38 ID:KKih3TPD
 
「なんだって、スモーキーがっ!」
マジシャインは『指輪』を通して、戦いながらルイズからの話を聞いた。
もう時間はほとんどない。…だが、まだ30体以上の『冥府兵ゾビル』が残っている。
この状態では、学院の裏までいくなんてとてもできない…。
仮面の下でヒカルが歯噛みした時、彼の目の前に稲光が走った。『ライトニング・クラウド』の呪文だ!

「ギトー先生!?」
「まったく、こうも堂々と、我々の生徒の命を狙うと宣言するとはな…。
 伝統ある魔法学院の教師として、黙っておくことはできんだろうが!」
マジシャインが振り向くと、魔法学院の教師、ミスタ・ギトーが『杖』をかざしていた。
彼が『偏在』の呪文を唱えると、その姿が2つに分かれる。
「生徒には常々、我が系統『風』こそ最強と教えているからな。たまには実地で見せるのもいいだろう」

2人のギトーが呪文を唱ると、風が巻き起こりゾビルを次々と吹き飛ばす。
すると、今度は中庭の地面が形を変え、ゾビルを飲み込んだ!
「シェルウーズ先生!」
初老の女性教師が『杖』を振っていた。彼女だけではない、次々と教師が出てくる。
「ヒカルさん、フーケの一件ではお世話になりました。ここはわたし達で守ります。急いで行って下さい。」
シェルウーズは、フーケが宝物庫を襲撃した時の当直だった。
責任問題になるところを、ヒカルたちがフーケを捕縛したことにより不問になったのだ。
ヒカルは、深々と頭を下げると、学院の裏へと走っていった。


教師達の戦いをみていたマルトーは、厨房の外に出てきたコック達の頭を小突いた。
「お前ら、なにやってるんだ。さっさと厨房にもどれっ!」
「コック長、なんで?」
「さっきの話、聞いてなかったのか!腹が減ってる奴に『冥獣』の親玉が悪さするってことだろ。
 だったら、すぐに食いもんを作るんだよっ!!」
「でも、倉庫の中身まで砂に変えられて、碌なもん残ってませんぜ!」
「それを何とかするのが『腕』のみせどころだろうがっ!
 この際、見てくれや盛り付けは二の次だ、あるもん全部引っ張りだせっ!!
 気合入れてくぞっ!この学院の全員の命を握ってると思え」
「へいっ!!」
コック達は勢いよく返事をすると、厨房に駆け込んだ。

スモーキーは『冥獣人ハーピィ』のピーヴィを追いかけて学院の塀のすぐ外を走っていた。
身軽に塀を蹴って、飛んでいるピーヴィに飛びつく!
いきなり飛び掛られたピーヴィは避け損なってそのまま重なり合って墜落する。

「お前、!邪魔、!ピーヴィ、怒った!!」
「へん!手前なんか、このスモーキー様が叩き潰してやる!」
ピーヴィが羽根を飛ばして攻撃する。地面に突き刺さった羽根が次々と爆発しスモーキーを襲う!
その爆風が晴れたとき、スモーキーの姿はなかった。
次の瞬間、ピーヴィの目の前に現れたスモーキーが蹴りを叩き込む!
その痛みにピーヴィが大きくいななくと、空に飛び上がり次々と羽根を撒き散らし始めた。
あたり一面に爆発が広がり、そこかしこに白煙があがる。
スモーキーはまた壁を蹴って、飛び上がろうとするが、さすがに2度目は読まれている。
ピーヴィは軽々と迎撃した。スモーキーはもんどりうって地面に倒れる。
ピーヴィが地面に落ちた敵に追撃ようとしたところで、その背中が爆発した!!
やっと追いついたルイズが『呪文』を唱えたのだ。
ルイズは『エア・ハンマー』を唱えたつもりだった、失敗して爆発になってしまったが運良くヒットしたようだ。
ピーヴィはそのまま地面に墜落した。

「スモーキー、大丈夫?」
「なんとかニャ…」
ルイズは倒れたスモーキーを起こそうと手を握り、表情が凍りついた。
スモーキーの体中から煙がでて、体の色が薄くなっていく。
「じ、時間が…」
「ルイズ!後ろっ!!」
ルイズが振り向こうとした瞬間、ピーヴィが思い切りルイズの体をはたいた!
小さな体は5メイルも吹き飛び地面に叩きつけられる。

「お前、!ピーヴィ、傷つけた、!痛い、!許さない、!!」
仰向けに倒れたルイズにピーヴィがゆっくりと近づいていく。
ルイズは何か呪文をとなえようとして『杖』がないのに気づいた。
さっき吹き飛ばされた時に、手から離れてどこかに転がっていったらしい。
体中に痛みが走る中、それでも必死で逃げようともがくルイズ…
「ピーヴィ、お前の体、バラバラにして、腹からついばむ!!」
猛禽類そのものの笑みを浮かべるピーヴィは、ルイズの恐怖を楽しむように、ゆっくりと近づいていく。


ピーヴィがルイズの前でその爪を振り上げた瞬間、横からスモーキーが飛び掛った!
「まだ消えるなっ!おいらにルイズを守るだけの時間をくれぇっ!!」
そのまま、渾身のパンチを次々と叩き込む!!
怒涛の連撃が終わった時、ピーヴィは魔法学院の塀に叩きつけられて、そのままパタリと倒れた。
それを見たスモーキーはルイズに笑いかけると、そのまま前に倒れた。


「スモーキーっ!」
ルイズは必死で起き上がり、スモーキーを抱き起こした。
その体が、どんどん煙に変っていく…
「ルイズ…大丈夫だったかニャ…」
「わたしは大丈夫、あんたもしっかりしなさいよ!」
「おいら、火山の煙から生まれたから、母さんってのはどんなのかしらニャいけど
 …怖くて、いっつも怒ってて、でも優しくて…ルイズみたいなのかも知れニャいな…」
「スモーキー、消えちゃ駄目っ!!」
「最後に、こうやって誰かの腕の中で消えれるってのは…いいもんだニャ」
「スモー…キー…」
ルイズの手がどんどんと重さを感じなくなり、ついになにも感じなくなった。
ただ、彼女の周りには白い煙が漂うだけ…。
「馬鹿…馬鹿ぁぁぁぁっ!!」

次の瞬間、顔を落としたルイズの前にあった白煙が次々と吸い込まれていく。
煙が消えた方を振り向くと、マジシャインが差し出したマジランプに煙がどんどん入っていく。

「な、なんとかギリギリ間に合ったよ…」
マジランプから、スモーキーがひょっこりと顔を出す。
「いやぁ、旦那ぁ…お久しぶり…」
スモーキーがバツが悪そうに笑うと、ルイズも釣られて笑った。
「心配させんな…この馬鹿っ!」

3人で向き合って笑っていると、倒れたピ−ヴィが起き上がった。
羽根は半分ちぎりとられ、くちばしも折れたピーヴィは、その目を怒りに燃え上がらせている!
「ルイズ、いくぜっ!!」
マジランプは、ふわりと浮かび上がりルイズの手に収まった。
ルイズは、強くうなづくと後ろの取っ手を下げる!
…その瞬間、ルイズの指に嵌められた『守りの指輪』のピンクの宝石が輝きを放った!
…ルイズの頭に、はっきりと『呪文』が浮かび上がる…


「ジルマ・ジー・マジカ!!『スモーキー・ゼロ・シャイニングアタック』っ!!」
マジランプバスターから、目を焼くほどの光が立ち上りピーヴィに向かって放たれる!
光に包まれたスモーキーがピーヴィに突進し、その体を光で包んで貫く!
光が収まった後、ピーヴィの体のあちこちに爆発が広がっていく!!

「チェックメイトっ!!」
指を鳴らしたルイズは満面の笑みを浮かべた。
「ほ、本当に撃てた…コルベール先生でも1回も撃てなかったのに…
 それに、いきなり頭に『呪文』がひらめいて…」
「ルイズとスモーキーの『勇気』に魔法が応えたんだ」
「やったニャ!ルイズ」

『ドーザ・メル・メガロ』!
喜ぶ3人の前に、突然、魔導神官メーミィの呪文が響き渡る。
空が暗くなると同時に、倒れたピーヴィの体が溶けて伸び、40メイルもの大きさに強大化した!
それをみたマジシャインは、すかさずマジチケットを取り出す。


「連結完了!魔法鉄神トラベリオンっ!!」
魔法学院のすぐ横で、巨大な2者の対決が行われようとしていた。


…トラベリオンの運転席に座っているのはルイズだ…
…スモーキーがその横で指示を飛ばしている…
「いくぜ、ルイズ!!」
「うわー、一回でいいから動かしてみたかったのよ!」
「ほら旦那ぁ、ボヤボヤしてないでさっさと火ぃくべてっ!」
スモーキーはマジシャインにスコップを押し付ける。
「ちょ、ちょ…、まあ、今日は良いか…」

魔法学院の生徒や教師が歓声をあげる中、トラベリオンとピーヴィの戦いが始まった。
ピーヴィの羽根もトラベリオンには全然通用しない。
とりあえず、学院を巻き込まないように気をつけながらピーヴィに近づいていく。
「そうだそうだ、上手いぞルイズ!」
「なんだ、思ったより簡単じゃない」
「よし、次はこれだニャ!」

トラベリオンの膝から『リモートライナー』が発射し、ピーヴィを捕える。
「やった!」
「ようし、トドメだニャ、旦那、どんどん石炭くべて!」
スモーキーは自分でもスコップを取ってどんどん『魔法の石炭』をくべ始めた。

「いくわよっ!デストラクション・ファイヤーっ!!」
「ちょっと、ルイズ、窯の圧力を上げすぎ…」
限界まで燃え上がった窯から炎が逆流し、ピーヴィの体を焼く!!
「なづけて、『デストラクション・ファイヤー逆噴射』だニャ!!」
「な、なんて無茶を…後の整備が大変だぞ、これは…」
頭を抱えるマジシャインの前で、巨大なピーヴィは光に変って消滅した。

それから1時間後…
ルイズは、ほかの生徒と一緒に『アルヴィーズの食堂』で並んでいた。
結局、今日の夕食は『ごった煮スープ』になってしまった。それも量に限りがあるので1人1杯だけ。
それでも事情が事情なので、文句を言うものは誰もいない。
むしろ、さっきの教師達やトラベリオンの戦いにみんな興奮している。

ルイズの番になると、メイドが後ろの鍋からスープをよそった皿とスプーンを差し出す。
「もうひとつ頂戴」
「1人1杯です」
「皿とスプーンだけでいいから」

ルイズは、先にもらっていたヒカルの横に座ると、空の皿にスープと具を半分入れてスモーキーの前に置いた。
「はい、あんたの分よ」
目を丸くしているスモーキーに家族ってことなら当然でしょと小さく呟く。
「そうだな…。スモーキー、今日は僕も疑って悪かった」
ヒカルも、中身の半分をスモーキーの皿に入れる。
大盛になってしまった皿を前に、スモーキーはスプーンを手に取る。
「ま、まあ…わかればいいんだニャ!」
そして、熱々のスープをすくって口に運ぶ…


「でも、『家族』だってんなら、次にあんたが『悪さ』したりしたら…
 母さまが、むかし規律を犯したわたしにどんな折檻したか、その身で教えてやるかんね!!」

スモーキーはスプーンを加えたままむせ込んだ。


【おまけ】


ルイズ:「ケホっ、ケホっ…今日の呪文は『ジルマ・ジー・マジカ』…!!
      『マジランプバスター』から、光に包まれたスモーキーが……ゴホっ、ゴホっ!
      相手を…もう、スモーキーの馬鹿っ!なんでこんなになるまで、石炭くべたのよっ!!」
スモー:「ルイズだって、ノリノリで窯の圧力全開にしたニャ!」
ルイズ:「ゴホッ!ゴホッ!こんなになるなんて思わなかったわよ…
      もう、髪まで真っ黒じゃないっ!!」
ヒカル:「こら、2人ともおしゃべりをやめて、手を動かす!」

81シャイニング・マジック(:2008/09/28(日) 09:29:01 ID:qxwPhKzY
今回はここまでです。第1部終了といったところでしょうか。
本来『デストラクション・ファイヤー逆噴射』はマジシャインの呪文なんですが、
冗談で「スモーキーが石炭をめいっぱいくべた」って話がありますので、こういうことになりました。


第1話をわざわざサルベージして登録していただいた方ありがとうございました。
次からはギーシュやタバサも参加…といいたいところなんですが、
10月はリアルが忙しいので、次の投下はおそらく11月になります。
完結までのストーリーはほぼ決まってますので、余裕ができたら書き始めます。
すみませんが気長にお待ち下さい。

82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 10:24:49 ID:sE3xUI2X
投下乙です
何故かギトー先生が遍在を使って戦っている場面が一番印象に残りましたw
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 10:32:19 ID:4ifwoFge
ヒカル先生乙
正直先生方の活躍が印象的でしたw
一ヶ月お待ちしてます。


ところで皆守といいヒカル先生といい食い物の話が続いたので腹へったw
スープカレーでも作ろうか…
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 10:36:58 ID:hiiZNop/
投下乙&GJです
戦うギトー先生がかっこよかったです
スモーキー可愛いよスモーキー
85ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:03:43 ID:LvB9eClG
すいません。投下よろしいでしょうか。
よろしければ7分くらいから投下しますね。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 11:05:18 ID:qxwPhKzY
支援
87ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:07:02 ID:LvB9eClG
9,女の表と裏

手順は、とりあえず決まった。多少マスターの手は借りたが。
ロングビルとして戻り、学院から約2〜3時間程の所にある廃棄された家屋。
実は、盗賊ギルドのちょっとした隠れ家みたいな場所だが、に案内。
それに手に入れた品を置いておき、フーケが逃げたように仕立て上げる。
もしもの時を考えて、今回監視役だったフォックスお気に入りの、
「スケイル」という女を、フーケの仕事着で近場に待機。
状況に応じて適宜どうにかする。という方法である。

「ああ、骨折り損のくたびれ儲けかぁ…」

せっかく情報集めたのになぁ。
そりゃ、壊したのは悪いけどさー。とロングビルは言う。
でも良いじゃないか。あれくらい。あいつら貴族だし、とも。

「いやぁ、それはどうかと思いますけど?昔ならともかく」

そう言って、フーケの格好をした黒髪のスケイルは、まぁまぁと宥める。
打ち合わせのために、廃屋の近くにいた。後数時間して夜が開け始めたら、
ロングビルとして学院に戻る。その前にどう動くかを決めなければならなかった。

「まぁ、迷惑掛けずに盗むのが信条になっちまったからねぇ」

あの娘や、あの戦災孤児達の為にも。
盗賊ギルドには、四つの戒律という掟がある。
元々のそれは、同ギルド員から盗まない。
人を殺してはいけない。貧しい者から盗んではいけない。
の三つだったが、そこからさらに出来うる限り、
人を傷つけたり、物を壊したりしない。
がこちらに来てから追加されたのである。
ティファニアがノクターナルに扮する条件で出した物だ。
守ってなくてごめんよ、心の中でフーケは謝った。
ちなみに、本来破ったら追放物である。
それはフォックスも困るので、今回の様な機会を与えた。
尚、本来なら幹部達の仕事である和解金等の公的機関への支払いは、
一括してティファニアの仕事である。
88ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:07:52 ID:LvB9eClG
フーケは、2年前にグレイ・フォックスを自分の知り合いの盗賊達や、
盗品商達に合わせ、盗賊ギルドの初期ネットワークを築いた立役者でもある。
タルブのスケイルのいる組織「夜の一党」とも、その時知り合った。
故に幹部(ドイエン)として彼女は認定されてはいるが、未だに昔の荒々しい気性が抜けない。
元貴族として、魔法が使えるのはとても心強い事には違いないが、それが隙を生むとして、
フォックスからは自重しろ。と常々言われ、認められてない。と感じている。
故に、彼の愛読書「解錠技術の歴史」の訳書を読みつつ、
解錠の勉強をしているが――人には得手不得手がある。と言うことだ。

「そうですよ。今は、貴族様達が慌てふためくのを楽しむために、盗むんじゃないんですからね」

スケイルはそう言って微笑む。ん。とフーケは言って、話を変えた。

「誰が来ると思う?結構間が抜けてそうな奴がいいんだがねぇ」

監視してたから分かるだろ?とフーケは聞く。
さーどうでしょう。とスケイルは言う。

「あの人たち、貴族様の、その、意識と言うべき何か気風というか、そういうの欠けてますからね。
ほとんど皆、それが当たり前って思っているみたいですよ?仕方ないことかもしれませんが」

「ウチのテファに比べればねぇ、誰だって敵うまいさ」

ああ、敵うわけないさ。と小さくフーケは言う。

「何があったかは聞きません。さて、とりあえず来そうなのは、まぁ実力的にミスタ・コルベール。
それと誰も志願しなければ、オールド・オスマン。後はミスタ・ギトー辺りでしょうか?大穴で言うと…
お二人を足止めしようとしたミス・ヴァリエールと、ミスタ・セプティムでしょうね」
89ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:08:39 ID:LvB9eClG
「へぇ。あの『風』が最強ってうるさいのが来ると思うのかい?てっきり、口だけかと思ったけど」

あれで、なかなか。規定通り詰め所にいたのはあの人だけですよ。とスケイルは笑う。

前に何かで話す機会があったが、とにかくつまらない男だった。
何かにつけて風の系統魔法の事しか話さないし。まだコルベールと談話した方がマシだったねぇ。
そう言ってフーケはため息を付く。

「人は見かけによらないものですよ。フーケさん。んじゃ、どうします?手順としては
貴方がここにとりあえず、誰かを連れてきてからですよね?」

まさか、夜の内に怪しい奴を見つけて、
倒すまでいかずともどうにか、この二品だけは奪い返せました。
なんて言おうものならどうなるか。怪しまれること間違い無い。

「ああ。あんたはここらを見渡せる所に、いつものごとく隠れておくれ。
後はあっちの出方次第。偽物の杖は持ってるかい?」

もちろんですよ。とそれらしい物を見せる。先ほどフーケが作った物だ。

「もし、あたしをフーケだと感づきそうな奴がいたら、
こっちの方へ来てくれるかい?ゴーレム作って、
拘束されたフリをするから。そこからは、
まぁ適当な所でお開きさね。そこは、
あたしよりあんたの方が専門じゃないかい?」

「一度ゴーレムに乗ってみたかったんですよねー。
それはさておき、まぁ、フーケさんみたく肩に乗りますから、
上半身が消されたら、ゴーレム潰してお開きと言うことで」

「あいよ。まぁ、上手くやろうや」

影の導きがあらんことを、と二人は言って別れた。
90ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:09:28 ID:LvB9eClG
朝となり現在、蜂の巣を突いた様な騒ぎなのは、
トリステイン魔法学院の学院長室である。
先ほど、二人が話していた連中以外は、
当直だったシュヴルーズや衛兵に、その責任を被せようとしている。
建設的な意見が全く出なかった。
これが、貴族、ね。コルベールに連れられてきたルイズは、
何とも嫌な気分だった。誰が捕まえに行くか、とか。
どこに行ったか探さなければ、とか。
そもそも何が盗まれたのか、とか言うべき事がたくさんあるだろうに、と思う。
ガラクタ以外はほぼ盗まれた、と言って良いほど、
今の宝物庫の中は空である。どのようにしてかは知らないが、
常人では、考えられない重さを持っていられる犯人なのは、間違いなかった。

オスマンが皆を諫める。ようやく話を聞く気になったらしいので、
ルイズは学院長に、説明を行った。隣にはマーティンがいる。何か様子がおかしい。

昨夜に入った賊は、「おそらく」土くれのフーケだろう。と言うことしか分からなかった。
というのも、その場には、ルイズとマーティンしかいなかった。
貴族として、建物を壊してる奴を、どうにかしようとルイズは魔法を放つ。
それが意味の無いことだと気付いたのは、一度放って二度目を放とうとしたときだった。
硬直している間に、マーティンに抱きかかえられて逃げていると、
どこからともなくグリフォンがやってきて、誰かを乗せて去っていったのだ。
暗かったから誰が乗っていたのか分からない。当然人数も。
ただ、過去、土くれのフーケがやってきたことと類似点がある為、
おそらく、そいつだろう。と言うことになった。
91ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:10:29 ID:LvB9eClG
「ふむ。なるほどのぅ。グリフォンか…奴は使うかもしれんな。しかし、
どこへ行ったかは分からないか…所で、君の使い魔と言うのは…」

オスマンは隣のマーティンに視線を合わせる。マーティンが驚いている。
何だ、何だ、と教師達は見ていた。

「もしかして…マーチン君!?」

「オスマンさん!?何故ここに。それと、私はマーティンですよ」

また間違えて、とマーティンは笑う。ああ、そうじゃったとオスマンも笑う。
へ?と、全員が止まる。外でいつ行くべきか伺っていたロングビルや、
盗み聞きする赤と青も止まった。ちなみに、この三人。互いに至近距離で聞いている。
私が行った後に良いタイミングで来るんですよ。ロングビルはそう言った。
ロングビルは、何故ここに彼女たちがいるのか分かっていた。
友達思いなのは良いことだ。おそらく来ないだろうし。
ロングビルは、この二人がルイズを止めに入ると思ったのだ。
実際は、おもしろそうだったらついて行こうと思っているのと、
そんな友人が心配だからついて行こうと思っているだけだが。

「そうかそうか、君じゃったか。サングイン殿はお元気かね?」

30年程前、森で深い霧に遭い、遭難した事があるというオスマンは、
次に霧が晴れた時、馬鹿騒ぎをしている一団の前にいたという。
マーティンは、その時サングインの信仰をしていた。若かったのである。
逆に君が来ることも、それはありえるわな。とオスマンは陽気に言った。

「セプティム家の世にかんぱーい、なんていっとったのう。しかし、偽名は使ったらいかんじゃろう。」

懐かしみながらそう言う。
当然ながら、オスマンは目の前に皇帝がいるなぞ思ってもいない。
先代を見たことすらないのだから仕方ないが。
92ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:11:30 ID:LvB9eClG
「あ、ええ。おそらくは、その、元気かと。まぁ、偽名は使ってはいけませんね。はは」

マーティンからすれば、尚更ここがオブリビオンではないかと思ってしまう。
ムンダスとオブリビオンを隔てる壁は、
常に厚くある、という訳ではない。
以前ルイズに話したサイジック会は、
オブリビオンに繋がる洞窟を所有しているという噂だし、
父の代に、国家転覆を計ったジャガー・サーンと言う男は、
わざわざ旧時代の遺跡から転移装置を探し当てたと聞く。
霧の中から出れば異世界だったと言うのは良くある話だ。

その歯切れの悪さに何かを感じ取ったのか、オスマンはそれ以上聞こうとせず、本題に戻った。

「そうじゃったか、ふむ。盗まれた物の中でも危険なのが、サングイン殿からもらった
例の『杖』じゃ。騒ぎを起こすのは、まぁ楽しいが危険な代物じゃからの。
宝物庫に封印させてもろうたが、まずい事になったのう」

「ええ、あれは少々危険過ぎますからね…」

「そう言えば、君も持っていたか。返したのかね?」

ええ、まぁ。とマーティンは言った。
オスマンは、サングインの祠にたまたま持っていた、
アルビオン産のワインをお供えすると、
初めての味に感激したらしいサングインに、
出会いの記念として「あの杖」をもらったのだ。
何でも、予備がいくつかあるとか。
その後、彼らと別れ当てもなく歩いていると、
深い霧に再び会い、戻って来れたという。

「せめて、それと家宝さえ帰ってきてくれれば――」

後は、まぁいいんじゃがのう。と言う前に扉が開けられ、ロングビルが現れた。

「遅れてしまい申し訳ありません、オールド・オスマン。朝から調査をしておりましたの」

手はず通りに「フーケ」は言う。
93ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:12:35 ID:LvB9eClG
「昨日の犯人が分かりましたわ…あの怪盗グレイ・フォックスと、土くれのフーケの二人のようなのです」

この学院にある様々な財宝を狙って、かの二人は結託してこの学院に入り込んだとロングビルは皆に言う。

「彼らを知る盗賊ギルドの下っ端をたまたま見つけ、連中の隠れ家を教えてもらいました。罠かも知れませんが」

先に言っておく。そうすることで、ある程度自分が保証できる人間である、と思われる為に。
幸い、オスマンの秘書を結構な間続けているためか、ある程度以上の信用はあった。

「その盗賊の名は?」

「あ、アミューゼイですわ。」

グレイ・フォックスが言っていたトカゲ人間『アルゴニアン』と言う種を思い出す。
彼も自分の様にフリーだったらしい。その先について、彼は何も言わないが。

「ふむ、いかな罠かはわからんが、噂の盗賊ギルドは、手ひどい事はせずに物を盗り、
貧しい人々にそれらを売った金を渡すと聞く。まぁ大丈夫じゃろ。
もしかしたら手違いで盗んでしまったから取りに来て欲しいのかもしれぬしな。誰か行かないかの?」

王宮とか面倒じゃしな。素直な気持ちでオスマンは思った。
誰も手を挙げない。少し経ってルイズが杖を挙げたと同時に、ギトーの杖が上がった。
鋭い眼光が、ルイズに刺さる。

「『ゼロ』に何ができると言うのだ?ミス・ヴァリエール。ここは大人に任せていたまえ」

ぐさり、と鋼の剣が体に刺さった気分がする。するする、と下げるべきだろうか、
しかし、そこまで言うなら自分より先に挙げて欲しかった。とも思う。

「まぁまぁ、ギトー君。『風』は強いのじゃろ?一人くらい連れて行っても問題ないんじゃなかろうかの?」

社会見学よ、貴族は本来どのように行動するか、見本として生徒に示すべきじゃわな。とオスマンは言う。
他の教師達は、ギトーに頭を下げていた。そこに件の娘達が入っていく。

「学院長。それなら私たちも構いませんか?それが行くとなったら、ツェルプストーも行かないと」

おお、盗み聞きしとったんか、この不良娘共め。とさして怒っているわけでもなさそうに言った。

「雪『風』も一人追加じゃな。ギトー君。んじゃ、後はロングビル君に任せるとしようかの」

案内役、任せるぞー、と言ってその場はお開きとなる。ギリ、とギトーは歯がみしたが、仕方がない。
オスマンは、マーティンを呼んだ。

「未だあそこで食べた料理については忘れることができんよ。いずれ、また食べに行きたいものじゃ」

作り方と材料分かるかの?と聞く。すいませんが分からないのです。
マーティンは少し青い顔で言った。
94ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:13:38 ID:LvB9eClG
5人は、ミス・ロングビルを案内役に、馬車で出発した。2〜3時間の所にその隠れ家はあると言う。

ミス・ロングビルが手綱を引っ張る。引率責任者となったギトーは、
どうもこの話がきな臭い事に気付いていた。出来すぎている、と。
罠かも、と言う話はそうだが、それ以上に、
素性が知れない彼女を信じる気にはなれなかったのだ。
学院長は、人を見る目はあるが、時たま美貌のみに選定を置く事がある。
ギトーはそれを知っていた。

「ところで、ミスタ・セプティム。先ほど学院長が舌鼓を打ったと言う料理って、何ですの?」

暇そうなキュルケが聞いた。ルイズが行くと言うので来たが、考えてみれば、
来る意味無かったかも知れない。と後悔し始めていた。教師もいるから、
ロングビルに話しかけるのも変だろうし、と思って、
昨日買ってきた剣を眺めているマーティンに話しかけた。

「ああ、知らない方が良い。聞かなければ良かったと後悔する。私は、それでサングインの信仰をやめたよ」

とても嫌そうに言う彼に、そこまで言うならやめておきますわ。とキュルケは言った。
その後は、着くまではキュルケがルイズをからかい、ルイズが怒り、
ギトーが二人を睨み、をワンセットにそれが何度も続いたのだった。

フーケからしてみれば、こんなに来るとは思っていなかった。
何も起きなければ問題も無いのだが、
しかし、どうもギトーには怪しまれているらしい。
後はスケイルと上手く合わせられれば良いのだけれど――
そこは運試しである。
95ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/28(日) 11:14:40 ID:LvB9eClG
投下終了
マーティンが何食べたかは、オブリビオンかゼノギアスしたなら何となく分かるはず。
分からないなら赤の台所読本でも読んで下さい。
あそこでは、おいしいらしいですから。同族の肉って。
また何かあったら言って下さいな。質問スレでも待っていますので。では、フェアーウェル
これからは、なるだけ文章だけで伝えるよう、努力します。はい。親和性は高いかと、伝えきれなくてすいません。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 11:45:28 ID:obXv5Odn
オブリビオンはしたことないけどゼノギアスということはつまり…
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 11:46:55 ID:Fp9SowUd
缶詰工場ですか……
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 11:49:38 ID:qxwPhKzY
乙でした。

なんだか、食べ物ネタが続きますね。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 12:39:42 ID:+ycGbZD0
乙ー
かっこいいギトー先生が急に増えたような。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 12:40:53 ID:sE3xUI2X
嫌味が多いけど切れ者っぽいギトー先生に期待
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 14:31:50 ID:prfUY6zw
「いいえ。私は遠慮しておきます。」
ってやつですね。わかります。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 14:47:28 ID:V+RUkkr/
ソイレント・グリーンっすか……。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 15:20:20 ID:tlLwSBGY
シタン先生はフェイとエリィにひどいことしたよね
104ウルトラ5番目の使い魔 15話:2008/09/28(日) 16:21:22 ID:IE0JR2fJ
こんにちは、15話が完成しましたので投下開始したいのですがよろしいでしょうか。
前後編形式で作ったので、今回が後編です。
よろしければ16:30より投下開始いたします。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:22:29 ID:4ifwoFge
支援
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:26:11 ID:LvB9eClG
支援しますよー
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:29:32 ID:XkC6sWBd
風来のシエン
108ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (1/10):2008/09/28(日) 16:32:07 ID:IE0JR2fJ
 15話
 剣の誇り (後編)
 
 奇怪宇宙人ツルク星人 登場!
 
 
 軍民合わせて100人近い犠牲者を出した恐怖の夜が明けた。
 市街地は警戒する兵士達が行きかい、戒厳令が解除された後は、それらのほかに、いくつも運ばれていく
棺や涙に咽ぶ遺族達の姿が人々の不安をあおり、平日だというのに出歩く人は少なく、用が済めば家に
立てこもって固く鍵をかけて閉じこもり、噂は噂を呼び、不安は幻影の殺人鬼像を作り出し、トリスタニア全域が
見えない恐怖に包み込まれていた。
 
 
 そんななか、王宮内での兵士達の鍛錬場では、銃士隊隊長アニエス、副長ミシェル、そして才人が
抜き身の剣を構え、対ツルク星人のための作戦を練っていた。
 才人からの情報により敵の正体は知れたものの、たった一体でトリステイン軍すべてを翻弄するような
相手には正攻法では勝ち目がない。そして、人間大で暴れまわる相手にはウルトラマンの援護も期待できない。
トリステインの人々は、今初めて自分自身の力のみで侵略者を打ち倒さなければならない事態に向き合おうとしていた。

「ひとつの技にはひとつの技で勝てる。しかし二段攻撃には三段攻撃しかない」

 俊敏な動きと、両手の刀を使った二段攻撃を操るツルク星人を倒すには、かつてウルトラマンレオが用いた
三段攻撃の戦法を使うしかない。だが、ウルトラマンレオほどの身体能力の無い人間の身で三段攻撃を
習得するのは一朝一夕のことではない。
 そこでアニエスが考案したのが、三段攻撃を変形させて一段を一人が受け持つ、三身一体の戦法であった。
 これは、星人の第一刀を最初の一人が受け止めた後、二人目が星人の二段攻撃を防ぎ、間髪いれずに
三人目が星人にとどめを刺すといったものであった。
 だが、現状唯一星人に対抗できそうなこの作戦が決定したとき、銃士隊の隊員達に別の意味での緊張が
走った。それは、この戦法が三人で行う以上、誰がやるのかということだった。剣技の順から考えて、隊長、
そして副長は間違いない、問題は三人目である。皆が息を呑んでアニエスの発表を待った、しかしその口
から出たのは信じられないような言葉だった。 
「この作戦はまず、変幻自在に繰り出される奴の第一撃を受けられるかどうかにかかっている。その役目を
少年、お前がやれ」
「えっ、俺が!?」
 いきなりアニエスに指名されて才人はとまどった。ツルク星人の討伐には参加するつもりではあったが、
手だれぞろいの銃士隊の隊員達を差し置いて自分が選ばれるとは思ってもみなかった。
 当然、他の隊員達からもどよめきが起こる。大事な先鋒をいきなり現れたよそ者に任せるとは、隊長は何を
考えているのだ。
109ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (2/10):2008/09/28(日) 16:33:32 ID:IE0JR2fJ
「奴の攻撃は並みの人間では見切りきれん。腹立たしいが、私の見た限り奴の太刀筋を見切れる動体視力を
持つのはお前だけだ」
「は……いえ、了解です!」
 そうまで言われては才人にも断る理由は無かった。形ばかりの敬礼ではあるが、精一杯のやる気を示す。
 隊員達も、昨晩のことを思い出して口をつぐんだ。押されていたとはいえ、まがりなりにも星人と打ち合いが
できたのはこの少年だけ、隊長は現実的な判断をしたのだと。

「よし、二撃目はミシェル、お前だ」
 これは妥当な人選であったので文句は出なかった。副長という肩書きが示すとおり、彼女の剣技はアニエスに
次ぐものであることは誰もが知っている。
「はっ! ですが、彼のインテリジェンス・ソードはともかく、我々の剣は奴の剣との打ち合いに耐えられませんが」
「王宮の魔法使いに依頼して『固定化』の魔法を限界までかけてもらう。一撃くらいは耐えられるはずだ。そして、
とどめの三撃目は私がやる。いいか、奴は今晩も必ず現れるだろう。それまでになんとしても三段攻撃を会得
しなければならん。覚悟しろ!!」
 三段攻撃を会得できるまで地獄を見せるというアニエスの叱咤に、才人とミシェルは身を引き締めた。
 

 そして地獄の特訓はスタートされた。
 方法は、手だれの銃士隊員二人の連続攻撃を才人とミシェルが受け止め、アニエスの攻撃につなげると
いうものだったが、当然真剣を使った実戦さながらのものであり、しかも三人の間に一糸乱れぬ完全な
連携が要求されたために、訓練は難航した。

「馬鹿者!! 反応が遅い、それでは二撃目に間に合わんぞ」
「小僧!! それでは二撃目をミシェルが受けるスペースが無いぞ!!」
「もっと剣の根元で受けろ、深く受け止めなくてはすぐに逃げられるぞ!!」
「本物の星人はもっと速いんだ、目を見開け!! 瞬きをするな」
 
 アニエスの怒鳴り声がする度に最初からやり直され、日が高く昇るころには相手役の隊員達も10回近く交代し、
二人とも肩で息をしているような状態になっていた。
 もちろん、アニエス自身も二人に合わせて攻撃できるように突進を繰り返し、全身汗まみれになっているのには
変わりない。相手役の隊員には代わりがいるが、この三人に代役はいないのだ。
 
 だがやがて、あまりに過酷な訓練に隊員のひとりが根を上げて叫んだ。
「隊長、こんなことやっても無駄です。こんなことであの悪魔に勝てるわけがありません!」
 隊員達の間には、昨夜の戦いの絶望的な様子が焼きついていた。人間をはるかに超えた星人に対する恐怖感は
地球人もハルケギニア人も変わりない。
 すると、ほかの隊員達もそうだと言わんばかりにアニエスに詰め寄ってきた。
「魔法を軽く避けて、20メイルはジャンプするんですよ。人間に捉えられるわけがありません」
「そうです。それに、無理に相手しなくても、そのうち巨大化したところをウルトラマンAに倒してもらえばいいじゃ
ありませんか、第一、元はといえばウルトラマンAがあいつを取り逃したのが原因なんですし!」
110ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (3/10):2008/09/28(日) 16:35:11 ID:IE0JR2fJ
 口々に特訓の中止を訴える隊員達を、アニエスは黙って聞いていたが、やがて大きく息を吸うと、剣を振り上げ
これまでにない声で一喝した。
「黙れ!! 今弱音を吐いた奴、全員首を出せ。いつから銃士隊はそんな意気地なしばかりになった!! ウルトラマンに
任せればいい? 今荒らされているのは誰の国だ!! 我々は何のために陛下から剣を預かっているのか忘れたか」
 阿修羅のようなアニエスの怒り様に、隊員達は完全に気圧されて言葉を失った。
「し、しかし……」
 それでも、何人かの隊員はまだ食い下がろうとしたが、そこでデルフリンガーを杖にして休みながら見守っていた
才人が割り込んだ。
「恐らく星人はもう2度と巨大化しないよ」
「な、なに、なんでそんなことがわかる!?」
「巨大化したところでウルトラマンAには敵わないのがわかっているからさ。だから小さくなって直接人間を襲い
にかかってきたんだろう。ずる賢い奴さ」
 隊員達は絶句した。
 確かに、ツルク星人はウルトラマンAの敵ではない。だがそれはエースと比較すればの話で、星人の身体能力と
武器は人間のそれをはるかに上回る。現に、たった一晩暴れただけでトリスタニア中が恐怖に包まれ、都市機能にも
影響が出始めている。
 アニエスは全員を見渡して言った。
「このまま奴の好きにさせたら、1月と経たずにトリスタニアは人の住めない死の街になる。そうなれば、もう後は
ヤプールの思うがままだ。魔法では奴を捉えられん以上、剣には剣を持ってあたるしかない。そして、それしか
ないなら、我々がやらずに誰がやる!? 誰がやるんだ!!」
 もう、反論できる者などいなかった。
「だがチャンスは、奴がウルトラマンから受けた傷が癒えていない今、おそらく今晩が限界だろう。それを逃したら、
もう奴を倒す機会は永遠にやってこない、不満を垂れる前に、自分達の剣にかかった重みを考えてみろ!」
「…………」
 無言で、特訓は再開された。
 誰も一言も発せず、ただアニエスのやり直しを命じる声だけが何度も響いていた。
 
 
 そして、太陽が天頂に達したとき。ようやく休憩の許可が下りた。
「よし、午前の訓練はここまでだ。全員、食事と休息を充分にとっておけ」
 アニエスはそれだけ言うと、訓練場を立ち去っていった。
 
 銃士隊は、食堂を使うこともあるが、野戦の訓練もかねて訓練場で空を見ながら食事をとることも多い。
 メニューは、黒パンに牛乳、あとは野菜スープと干し肉にチーズと、栄養価は考えられているが味気ない
ものばかりだったが、学院でルイズに"犬のエサ"を食わされ慣れている才人には全然問題なかった。
111ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (4/10):2008/09/28(日) 16:36:41 ID:IE0JR2fJ
 それに、特訓のせいで疲れているからまずいなどという味覚はどこかに飛んでいた。空腹は最高の
調味料とはよく言ったものである。
 いや、というよりも才人にとって味覚より視覚のほうが腹を満たしていたかもしれない。なぜなら、
いっしょに食事をとっている銃士隊の隊員達は全員若い女性の上に、一人の例外もなく美人揃いである。
そんななかに一人だけ男が混ざっていたら、どちらを向いても花畑でちょっとしたハーレムのようなものであった。
 これを学院に残っているWEKCの少年達が見たら、死ぬほどうらやましがるだろうし、ルイズが見たら
灼熱怪獣ザンボラーのごとく怒り狂うだろうが、幸せいっぱいの才人の脳髄はそんなことに気を使うキャパシティはない。

 やがて、食物を全部胃袋に放り込んで満腹になった才人は、次の訓練開始までできるだけ休んで
おこうと芝生に腰を下ろしたが、そのとき突然後ろから声をかけられた。
「おい貴様」
 振り返ると、そこには銃士隊副長のミシェルがいた。
「あ、なんですか?」
「立て……ふん、貧相な体つきだな。始めに言っておく、私は貴様のことが気に食わん、確かに貴様の
能力はこの目で見た。昨日結果的に助けられたのも認める。しかし私はどこの馬の骨とも知れん奴に
背中を預けて戦うつもりにはなれん」
「まあ、そりゃそうでしょうね」
 頭をかいて苦笑しながら才人は答えた。
 傷つく言葉だが、才人はミシェルの言葉を否定する気にはまったくなれなかった。自分の人並みはずれた
剣技はガンダールヴとかいう訳の分からない使い魔のルーンのおかげだし、昨日今日会ったばかりの奴を
信用して命を預けろというのがそもそも無茶なのだ。
「だが、隊長の命令である以上、私はそれに従って戦わねばならん、それが銃士隊副長である私の
義務だからな。しかし、お前は銃士隊ではなく、ラ・ヴァリエール嬢の使い魔だ。本来はこの戦いに
なんの義務も責任もない。ならば貴様はなぜ主人を置いてまでここに来た? なぜ何の関係もないはずの
戦いに自ら命を張ろうとする。それだけは答えてもらおう」
 才人は、ミシェルの問いに苦笑いすると、きまずそうに、だが真っ直ぐに目を見据えて答えた。
「別に、そんなたいした理由はないです。ただ、俺は知識から星人が等身大で人間を襲うことを知っていて、
トリスタニアの人々が狙われるかもしれないことがわかっていた。だから、どうしても不安でほっておくことが
できなかった。それに、望んだわけじゃないけど、俺には人よりうまく武器を扱える魔法をかけられちまったから、
力が無かったから何も出来なかったなんて言い訳はもうできないんです」
「はっ、呆れたな、そんなことのために貴様は死ぬかもしれない戦いに駆け込んできたわけか」
 ミシェルの見下す目がさらにきつくなった。
「だから、たいした理由は無いって言ったでしょ。まあ、強いて言うなら……命がけで俺達を守ってきてくれた
ウルトラマンに、少しでも答えられるようになりたい、あんなふうに強くなりたいと思ったからです」
 才人は心の奥にあるあこがれをそのまま口に出した。
「そうか、だがそのために死ぬことを怖いとは思わんのか」
「そりゃ怖いです。本当はみんなまかせて知らんふりをしていたい。けれど、ここで逃げ出したら、
俺は自分だけじゃなくて、ずっとあこがれてきた自分のなかのウルトラマンまで裏切っちまうことになる。
そうしたら、俺はもう俺じゃいられなくなる……ウルトラマンを真っ直ぐに見ることができなくなる」
112ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (5/10):2008/09/28(日) 16:37:40 ID:IE0JR2fJ
 ミシェルは、その答えをじっと聞いていたが、やがて呆れが呆れを通り越して感心にいたったように
苦笑いすると、やや声のトーンを落として言った。
「ふん、臆面も無くそんなことを言えるとはたいしたものだ。貴様はよほどの馬鹿か、それともよほどの
ガキか……だがまあ想像していた以上の答えはいただけた。今回限りだが、貴様に私の背中を
預けてやろう」
「あ、期待にそえるように頑張ります!」
「だが勘違いするなよ。私はまだ貴様を信用したわけじゃない。この作戦の要は貴様が奴の第一撃を
抑えられるかどうかにかかっている。次の訓練で完璧にそれを身につけてみろ、いいな」
「はいっ!!」
 元気良く答えた才人に、ミシェルもようやく相貌を崩してくれた。
「ふ、元気だけはいいな。そうだ、ついでにもうひとつ答えろ、ウルトラマンはお前のいた国とやらでも
人間を守って戦っていたそうだが、なぜ彼らは命を賭してまで人間のために戦うのだ?」
「それは、俺にも詳しくはわかりません。ウルトラマンが人間に語りかけることはほとんどないんです、
ただ……」
「ただ……?」
「ウルトラマンは……みんなすごく優しいから」
 才人は目を輝かせてそう答えた。ウルトラマンは、ただ戦うだけの戦士ではない。悪意のない怪獣の
命は奪わずに、時には人々の命を守るために盾となって敗北をきしたり、卑劣な罠に落ちたりもする。
けれども、そうした無言の優しさがあるからこそ、人間もウルトラマンを信じて、共に力を合わせて
戦えるし、無条件のあこがれを向けることができる。
 ウルトラマンは決して全知全能の神ではない。いや、むしろ人間にとても近い存在なのだ。だから、
言葉はなくとも、人々はウルトラマンと心をかよわすことができる。
「優しいから……か」
 ミシェルは、少なからず自分の中の価値観が崩されていくのを感じていた。優しさ、ずいぶん長い間
忘れていた気がする言葉だった。
「じゃあ、俺からもひとつ聞かせてください。ミシェルさん、貴女はなんのために剣を握ったのですか?」
 すると彼女は一瞬だけ悲しそうな表情を浮かべると言った。
「私は、恩人のためだ。私がすべて失い、存在すら無くなりかけた時、その人が私をすくいあげてくれたから
こそ、今私はここにいられる」
 
 
 それから数十分後、改めて特訓は再開された。
 相変わらず、アニエスの怒声が飛び、同じことが繰り返されていたが、互いに腹を割って話し合った
おかげか、才人とミシェルの間には午前中には見られなかったお互いへの配慮が感じられ、第一撃目から
二撃目へのつなぎ合わせがみるみる上達していった。
 そのうち、依頼してあった固定化した剣がふた振り届けられた。見た目は変わらないが、強度は鋼鉄
以上に強化してある。これなら宇宙金属製のツルク星人の剣とも打ち合えるだろう。
 そして、太陽が山陰に没しようとしている時刻、三人とも肩で息をし、隊員達もほとんどがへばっている
そのとき。
 
「! できた!」
113ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (6/10):2008/09/28(日) 16:38:34 ID:IE0JR2fJ
 
 もう何百回目になるかの繰り返しの末、遂に三人の連携は完成を見た。相手役の隊員二人は
吹き飛ばされて芝生に横たわっている、アニエスの剣だけが訓練用の木剣でなかったら二人とも
死んでいるだろう。
「よし、今の感覚を忘れるな。いいか、今晩中にケリをつける、もうこれ以上一人の犠牲も出させはせん!!」
「はいっ!!」
 ミシェル、才人、そして銃士隊員達の声が響き渡る。これで準備は整った、待っていろツルク星人。
 
 
 そして、太陽が姿を隠し、再びトリスタニアに恐怖の夜が訪れた。
 市街地は闇に包まれ、人の気配はない。人々は日が落ちると同時に家の鍵をかけて閉じこもり、
まるでゴーストタウンのようなありさまになっていた。
 それだけではない。街を守るべき魔法衛士隊も兵士も、夕べの惨劇を思い出して捜索が及び腰に
なり、いざ星人が現れても戦えるべくもなかった。
 だがそんななかを、銃士隊は闇の中、目を梟のように研ぎ澄ませ、どこかに潜んでいるであろう
ツルク星人を求めて警戒に余念が無かった。
 凍りつくような時間がゆっくりと過ぎ、双月さえ地平に消える闇夜。
 突如、闇夜に一発の銃声がこだました。
「出たな!!」
 それは敵発見を知らせる合図であった。すぐさま街中に散らばっていた全銃士隊が駆けつける。
場所は、市街中心ブルドンネ街の大通り。星人はその中央にいた。
「いたぞ!!」
 通りの両側から銃士隊員達が星人の逃げ道を塞ぐように布陣する。見ると、星人の顔面について
いた火傷の跡が昨日に比べて小さくなっている。やはり、チャンスは今夜しかない。
 連絡の銃を撃ったと思われる隊員は星人のそばに倒れていた。しかし死んではいない、斥候が
倒されることを避けるために、アニエスは前もって全員に『灰色の滴』というマジックアイテムを
渡していた。これは体に降りかけると、ごく短時間ではあるがその者の存在を近くにいる者の視界から
消し去る効果を持つ、欠点としてはその間一切身動きしなくては効果が無くなるということと、メイジの
ディテクトマジックには見破られてしまうという点であるが、星人から隊士の命を守るには充分だ。
 ツルク星人は、その隊員を探していたのだろうが、新たな敵を察知するとすぐさま臨戦態勢に入った。
 
「いいか、チャンスは一度、我々と奴、どちらの剣の重みが勝るか、思い知らせてやるぞ!!」
「「おうっ!!」」
 
 アニエスの声とともに、3人は星人へ向けて突撃を開始した。
 先頭に才人が立ち、デルフリンガーとともにガンダールヴのルーンが光る。未知の魔法の力で強化
された彼の視力は、振り下ろされてくる星人の右腕の刀を捉えた。すると、体があの特訓で鍛えた
とおりに自然に動き、絶妙の位置で星人の刀を食い止めた。
 すると、右腕を止められた星人は、左腕の刀で才人の背中に二段目の攻撃を繰り出そうとしたが、
そこへミシェルの剣が割り込んで、その自由を封じ込める。
114ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (7/10):2008/09/28(日) 16:39:23 ID:IE0JR2fJ
「でゃぁぁ!!」「イャァァ!!」
 次の瞬間、ふたりは渾身の力で星人の刀を押し返した。完全に虚を突かれた星人は、押し戻すことも
できず、両腕を大きく広げ、胸を前にさらけ出す無防備な体勢を見せる。二段攻撃の姿勢が崩れた!!
 そして、今こそ三段攻撃完成の時。二人の後方から突進してきたアニエスが全力の突きを星人の
心臓を目掛けて打ち込む、星人は身動きを封じられている上に、火傷のせいで一瞬視界がぼやけ、
アニエスを発見するのがほんのわずか遅れた。

「くらえぇぇっ!!」
 
 刹那。
 アニエスの剣はツルク星人の心臓を打ち抜き、背中まで突き抜けていた。
「貴様が戯れに手にかけた人々の痛みを、知れ!」
 そう言い捨てると、彼女は剣の柄から手を離した。
 星人は、少しの間彫像と化したように固まっていたが、やがて短く鳴き声をあげると、両腕がだらりと
垂れ下がり、続いてその長身がゆっくりと後ろに傾き、やがて重い音を立てて地面に崩れ落ちた。
 
「や、やった……やったああ!!」
 
 地に伏した悪魔の姿に、全銃士隊員の歓声が上がる。

 侵略者の手先、仲間の仇、街の人々の仇、悪魔の化身を本当に人間の手で、しかも魔法衛士隊すら
敵わなかった相手を平民の手で倒した。
 
「隊長……」
「アニエスさん」
 ミシェルと才人は気力を使い果たしたように、剣を下ろし、微笑を浮かべていた。
 そしてアニエスも、二人に答えようと振り返った、そのとき。
 
「隊長!! 危ない!!」
 
 突然、死んだと思っていたツルク星人が起き上がって、アニエスの背後から剣を振りかざしてきた。
 丸腰のアニエスには避ける術はない。才人とミシェルは、とっさに星人とアニエスの間に割り込もうとしたが、
とても間に合わない。
 
(駄目か!!)
 
 誰もがそう思い、絶望したその瞬間、いきなり星人の顔面、なにも無いはずの空間が火炎をあげて爆発を
起こし、星人の動きが止まった。今だ!!
115ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (8/10):2008/09/28(日) 16:40:30 ID:IE0JR2fJ
 
「「でやぁぁっ!!」」
 
 これが本当に最後の力、才人とミシェルの渾身の縦一文字の斬撃は、星人の腕を肩から斬り落とし、
今度こそ星人は仰向けに倒れ、その目から光が消えた。
 
「やっ、た……」
「隊長、ご無事ですか!?」
 ミシェルが慌てて駆け寄ると、アニエスは自嘲しながら言った。
「すまん、勝ったと思ったとき一番隙ができるか。まったく、わかっていたつもりだったがこの様だ。私もまだまだ
修練が足りんようだ。迷惑をかけたなミシェル、それから……感謝する、サイト」
「いや、そんなこと……あ、そういえば初めてサイトって呼んでくれましたね」
「礼を尽くす価値のある者には、私はそれを惜しまん。見事な戦いぶりだった、戦友よ」
 才人はアニエスに認められたことで、うれしいやら恥ずかしいやら、とにかく照れていたが、やがて大事なことを
忘れていたことに気づいた。いや、気づかされた。
 
「サーイートー」
「!! こ、この声は……ル、ルイズ!?」
 振り返ると、路地の闇の中から浮かび上がるかのようにルイズの姿が現れた。
 顔は、前にうつむいているせいで桃色の髪の毛に隠れて見えないが、本能的に才人は血の気が引いていくのを感じた。
「お、お前、なんでここに?」
「シエスタに、あの子に一日かけてようやく聞き出したのよ。まったくメイドのくせにはぐらかすのがうまくて何回
逃げられたことか。あ、心配しなくても手荒なことはしてないわよ。丸腰の平民に杖を向けるなんて貴族の名折れ
ですものね」
 口調は平静としているが、顔が見えないのでよけい恐怖心がかき立てられる。
 そして一歩一歩近づいてくるのに後ずさりしたいが、あっという間に後ろは壁だ。
「それで、さっきの爆発は……」
「もちろんわたしよ。わたし以外にこんなことができる人間がいると思って? まったく、あんたというやつは、ご主人様を
ほったらかして出かけたあげく、こんなところで戦って……あんたって、あんたってやつは!!」
 ルイズの声が急に大きくなる。才人は鞭、いや、月まで届くほどの特大の爆発を覚悟して目を閉じた。
 
 だが、2秒経っても5秒経ってもいっこうに痛みがやってこない。それどころか、なにやら胸のところに柔らかい
感触を感じる。才人がおそるおそる目を開いてみると。
「バカバカ!! サイトのバカ!! あんた、あんな化け物と戦って、死んじゃったらどうするつもりなのよ。わたしを
置いて、わたしのいないところで、そんなの、そんなの絶対に許さないんだから!!」
 ルイズは、才人の胸に顔をうずめて泣いていた。怒りのためか、会えたうれしさのためか、小さなこぶしが
才人の胸板を叩く。やがて、胸に温かいものを感じて、それがルイズの涙だとわかると、才人は優しく彼女を
抱きしめ、耳元でささやくように言った。
「ごめんルイズ。でも、助けに来てくれたんだよな、ありがとう」
 プライドの高いルイズの泣き顔を見ないようにしながら、才人はしばらくのあいだ、ルイズを抱きしめていた。
116ウルトラ5番目の使い魔 第15話  (9/10):2008/09/28(日) 16:41:46 ID:IE0JR2fJ
  
 
 そして、それから十数分後。
「もう、帰るのか。せめて今晩くらい泊まっていけばいいのに」
 ふたりは、ルイズの乗ってきた馬に乗って銃士隊に別れを告げようとしていた。
 アニエスとミシェルの後ろでは、銃士隊の面々が残念そうに才人を見ている。共に死地を潜り抜け、もう彼を
素人と見下す者はいなくなっていた。
「いえ、お気持ちはうれしいですけど、一応俺はこいつの使い魔なんで、いろいろやることもありますから」
「そうか、だが今回の功労者は間違いなくお前だ。陛下に報告すれば勲章、いやシュヴァリエの称号も夢ではないぞ」
 だが才人は笑いながら首を横に振った。
「せっかくですが、内密にお願いします。元々今回は俺の独断で出てきたんで、抜け駆けで表彰なんかされたら
仲間達に恨まれる。それに、使い魔なんかと並べられたらあなた方の今後にも不利でしょう」
 アニエスは、才人の欲の無さと自分達への気配りに感心した。
「わかった。しかし私も銃士隊もお前に相当な借りができてしまったのは事実だ。何かまた困ったことがあったら
うちに来い、出来る限り力を貸してやる」
 その言葉には、ただ純粋な感謝のみが含まれていた。そしてアニエスに続いてミシェルも笑いながら才人に言った。
「お前、剣の振り方はまだまだだが中々見込みがある。今度みっちり鍛えてやろう、いやなんなら使い魔なんぞ
やめてうちに来ないか、銃士隊は男子禁制だが、一人くらい多めに見てやるぞ」
「い、え、遠慮しときます」
「はは、言ってみただけだ。だが、見込みがあるというのは嘘じゃない、気が向いたらいつでも来い、私自ら
稽古をつけてやる」
 彼女も、最初会ったときとは想像もできないような笑顔を見せている。
 だが、黙って見守っていたルイズがそろそろ忍耐の限界に来たようだ。
「ちょっとあんたたちいいかげんにしなさいよ。そうやって朝までくっちゃべってる気?」
「あ、ごめん。じゃあアニエスさん、ミシェルさん、俺達そろそろ帰ります」
「うむ、また会える日を楽しみにしている。そうだ、ミス・ヴァリエール、貴公にも借りができたな、いずれこれは
なんらかの形で返そう」
「かまわないわよ、平民を助けるのが貴族の責務ですから」
「いや、貴族にも誇りがあるように騎士にも誇りはある、借りは借りだ。サイト、お前の乗ってきた馬は後日
届けさせよう。では、壮健でな」
 そして二人は、銃士隊に見送られて、星空の元を魔法学院へと帰っていった。
 
 
「ねえサイト」
「なんだ?」
 学院へと続く街道を、二人きりで馬に揺られながら、ルイズは才人に話しかけた。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:55:42 ID:4ifwoFge
あれ?もしかしてさるさん?
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:56:01 ID:VMDy7gpd
避難所に投下されてたから代理行ってくる
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:56:27 ID:VMDy7gpd
「あんた前に言ったわよね。次になにかするときには俺も連れてけって、でもあんたが何かするときに、わたしを
置いていっていいわけないでしょ」
「悪い、お前に迷惑かけたくなかったんだ。それに……」
 すまなそうに答える才人に、ルイズはその言葉をさえぎって続けた。
「わかってるわよ。あんたが人の命を何より大事に思ってるってことくらい、でも、ご主人様に心配かけるなんて
これっきりだからね」
「わかりました。次からはいっしょに来てもらいます、ご主人様」
「ふ、ふん、わかってるならいいのよ!」
 二人は、たった一日会えなかったことを懐かしむかのように、双月の見守るなか話し続けた。
 
 
 翌日、トリスタニアは大変なニュースで盛り上がっていた。
 新設された女ばかりの騎士隊である銃士隊が、魔法衛士隊すら敵わなかった怪物を倒し、街に平和を取り戻した。
 闇夜に潜む悪魔への恐怖におびえていた人々は、その活躍を褒め称え、朝日とともに戻ってきた平和を喜びあった。
 
 
 そして王宮でも、銃士隊が王女アンリエッタの元で、果たした戦功にふさわしい対価を今度こそ得ようとしていた。
「トリステイン王女、アンリエッタの名において、銃士隊隊長アニエスをシュヴァリエに叙する。高潔なる魂の持ち主よ、
貴女に始祖ブリミルの加護と、変わらぬ忠誠のあらんことを」
 アンリエッタの杖がアニエスの肩を叩き、シュヴァリエ叙勲の儀式が終わった。
 シュヴァリエとは、王室から業績や戦績に応じて与えられる爵位で、これを与えられるということは貴族となると
いうことを意味する。だが通常、貴族に与えられるのがトリステインのやり方で、平民がこれを得るということは
まず無い。異例中の異例のことであったが、それだけの手柄を彼女があげているのも、また間違いない。
 立ち上がったアニエスの肩にシュヴァリエの証である、銀の五芒星の刻まれたマントがかけられ、彼女の凛々しさに
よりいっそうの磨きがかかったように見えた。
「おめでとうアニエス、まさかこんなに早くこれだけの手柄を立ててくるとは、わたくしも思いもよりませんでした」
「私達は、自分達のなすべきことをなしただけです。この称号は、いわば我ら全員で得たもの、私一人では
何もできませんでした」
 あくまで謙虚なアニエスの姿勢に、アンリエッタは春の陽光のように優しい笑顔を彼女に見せることで答えた。
「いいえ、その強い団結力こそ何よりも誇るべきものでしょう。シュヴァリエのマントは一枚しか用意できませんが、
銃士隊全員にわたくしの名においてトリステイン全域での行動許可証を与えます。貴族と同格とまでは
いきませんが、身分に関係なく魔法衛士隊などと同等に行動できるようになるでしょう」
 儀式に立席した貴族達から声の無いどよめきが走った。平民にシュヴァリエを与えるだけでも異例なのに、
あまりにも破格の待遇だということだ。しかし、実際に王国の誇る魔法衛士隊の敗退した相手を彼女達は
倒している。表立って文句をつけられる者はいなかった。
「殿下……」
「驚くことはありません。貴方達は自らの力で剣が魔法に劣ることの無い武器だということを証明したのです。
これからも、その力をわたくしに貸していただけますか?」
「もとよりこの命、殿下のご自由であります」
 最敬礼の姿勢をとり、すでに貴族としてふさわしい気高さを見せるアニエスに、アンリエッタはうなづくと
最後のトリステイン貴族入りの名乗りを命じた。
「ありがとう。それでは、新たなる貴族アニエスよ、その名を始祖の元へ報告を」
 アニエスは、剣を抜くと天に向かって高くかかげ、高らかに宣言した。
 
「我が名はアニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン、この命はすべてトリステインのためにあり!!」
 
 その声は、城に響き、空を超え、天に届いた。
 そして、雲ひとつ無い空に輝く太陽が、新たな勇者の誕生を祝福するかのように、何よりも気高く雄大に輝いていた。
 
 続く
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:57:08 ID:VMDy7gpd
ウルトラ5番目の使い魔 15話 あとがき:2008/09/28(日) 16:46:32 ID:y0lRD46Q
以上です。どうも支援ありがとうございました。

ようやく今回でアニエスが原作どおりの名前と肩書きになりました。シュバリエ叙勲は才人の略式を
モデルにしましたが、まあこんなもので合ってるでしょうかね。
では、次回は初めてトリステイン以外の国での話になります。ということは、活躍するのはあの人です。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:58:24 ID:bVwq3tOI
乙&GJ!ウルトラマン知らなくても面白いです。
122鷲と虚無 ◆I3um5htGcs :2008/09/28(日) 19:41:21 ID:Q9We9VxE
もう忘れ去られたかもしれませんが、投下してよろしいでしょうか?
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:42:29 ID:JeJ5gs4y
いざ来たれ
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:44:31 ID:TtfXvykj
早く挿入してくれ… )*(
125鷲と虚無 1/6 ◆REogsUQHvU :2008/09/28(日) 19:47:39 ID:Q9We9VxE
第七話

翌朝、才人はすんなりと起き上がった。
たっぷりと寝た為だろうか、疲労は殆ど感じていない。
そして才人は自分が置かれている状況を思い出し、落胆した。
(はぁ……やっぱり全部夢でした、なんて都合のいい事にはならないのかああ、そう言えばあいつの服を洗濯しなきゃいけないんだったな)
才人は傍らに置いてあったルイズの服を見ながらその事を思い出し、部屋の隅においてあった洗濯籠らしき物に服を放り込んだが一つ問題があった。

ルイズは七時に起こせと言っていたからその前に洗濯を終わらせる必要があるが、今が何時なのかわからないのだ。
携帯電話も腕時計も家に忘れてきてしまったので持っていないし、壁に時計の様な物がかかってはいるが読み方が解らない。そこで才人はノートパソコンを使う事をおもいついた。
(そうだ、パソコンを起動すれば時間が解るぞ)
才人はパソコンを取り寄せ、スイッチを押した。鈍い音と共にパソコンが動き出す。やがてパソコンからOSの起動を知らせる大きな効果音が鳴った。
画面の右下に表示された時計には5時6分と表示されている。時間通りにちゃんと目覚めた事に才人は驚いた。

(てっきり寝過ごしちゃうかと思ったんだけどな……そういや昨日は8時過ぎに寝たから睡眠は十分取ってるな)
時間は確認する事は出来たので才人はすぐにPCの電源を切る
PCの充電は出来ないのだから可能な限りバッテリーを節約しなければならないからだ。

そして才人はウォレヌスがむっくりと起き上がるのを見た。
(やべっ、今ので起こしてしまったか?)
今の内に謝ったほうがいい、そう思った才人は口を開き、謝罪の言葉を述べた。
「お、おはようございます。すみません、今の音で起こしちゃいましたか?」

ウォレヌスはそれには答えず、周りを見渡した。そして彼の表情は見る見る内に不機嫌な物に変わっていく。
そして彼は傍らに置いてあった兜を掴むとそれを床に叩き付けた。鈍い音が部屋に響き、才人はルイズのう〜んと言う呻きを聞いた。

「あ、あの、大丈夫ですか?ウォレヌスさん?」
才人は一体なんなんだよ、とビクビクしながらウォレヌスに尋ねた。
「うん?ああ、君か……いや、昨日の出来事が夢じゃなくて現実だって事が解ったのでな。だから少し苛立っただけだ。気にしないでくれ」
「そ、そうですか」
少し苛立っただけで床に物をたたきつけないでくれよ、と才人は心の中で悪態をついた。
「ところで何でこんな時間に起きてる?明かりからしてまだ早朝のようだが」

ウォレヌスの質問を才人はおかしく思った。明日は朝の7時起きだと昨日はっきりと言ったのに。

「なんでって…今日は5時に起きて洗濯しろってあいつに言われたからですよ」
「だがまだ5時間目には数時間はある筈だぞ」

意味が解らない。才人はますますそう思った。どう見ても今はもう早朝だ。5時まで数時間あるんならもっと薄暗い筈だ。
そこで才人はある考えを抱いた。もしかしたら彼の国じゃ時間の数え方が違うんじゃないか?

「もしかして俺とあなたの国とじゃ時間の数え方が違うんじゃないですか?日本じゃこの時間が5時なんですよ」
「うーん、確かにそうかもしれん。私の国ではこの時間は……明かりから見て多分2時間目位になるからな」

才人の予想通り、ウォレヌス達の世界と日本では時計が違う。才人には知る由も無いが、古代ローマでは現代の朝の4時半頃に昼の1時間目が始まる。
だからウォレヌスとプッロは朝の7時と言う言葉を現代の12時だと解釈してしまったのだ。
ウォレヌス達と自分の時計のズレを知った才人はもう一つ懸念が出来た。ここハルケギニアの時間の事だ。もしルイズの言った朝の7時が才人にとっての7時でなければ問題になる。
126鷲と虚無 2/6 ◆REogsUQHvU :2008/09/28(日) 19:48:27 ID:Q9We9VxE
「ここじゃ時間は一体どうなんでしょう?あいつは7時に起こせって言ったけどここの7時が俺の国の7時なのかどうか……」
「私が知る筈が無いだろう。君の国の7時で起こして聞いてみるしkないだろう」
「はあ、まあそうするしかないですよね」

才人はため息をついて答えた。
もし早く起こしてしまっても遅く起こしてしまってもルイズが怒り出すのは目に見えてるが、今の時点では他に確かめる方法も無い。
そして才人はこの二人の正体を確かめなければいけない事を思い出した。

今までの話から考えて彼らが古代ローマの人間だと言う事はほぼ間違いない。
だがそれでも才人は確証を得たかった。もちろん二人が古代ローマ人だと解っても何かが解決するわけではない。
だが少なくとも同じ世界の人間だと解れば、例えそれが2000年昔の人間でも少しは共感というか安心感を持てる。

「あの、覚えていますか?昨日あなたに聞きたい事があるって言ったのを」
「ああ、そう言えばそうだったな。一体なんだね?」
「出来れば外で話しませんか?あいつの服を洗濯しにいかなくちゃいけないし、外の空気も吸いたいし。あと出来ればプッロさんにも来て貰いたいんですけど……」

外の空気を吸いたいと言ったのは嘘ではない。元々が一人用の部屋だから当然といえば当然だが、この部屋にいると窮屈だ。
それにルイズを起こさない様に小声でひそひそと喋るのも面倒臭い。

「ああ、構わんよ。どちらにせよ顔を洗ってさっぱりしたいと思っていたところだ。あいつを起こすからちょっと待っててくれ」
そう言ってウォレヌスは立ち上がると、いびきをかいて寝ているプッロに近づき、声を潜めて話しかけた。
「おいプッロ、起きろ。朝だ」

だが寝ぼけているのか、プッロは上官に対し暴言で返した。
「……ブタのカマでも掘ってろクソ野郎、もっと寝かせろ」

ウォレヌスは何も言わずに剣を鞘ごと持つと、柄をプッロの鳩尾に叩き付けた。
プッロはぶごっ、とうめき声を洩らす。

「い、いったい何を……!」
胸を押さえながらプッロは起き上がる。
「これで目が覚めただろ?とっとと起きろ」
ウォレヌスは全く表情を変えずに呟いた。

そしてウォレヌスはぶつぶつと文句を言っていたプッロに才人の願いを伝える。
「サイト君によれば今からあの娘の服を洗濯する為に水汲み場へ行くので、我々にもついてきて欲しいそうだ。私は顔を洗うついでに行く。お前も来い。あの娘を起こすまでの二時間の間、ずっとここにいてもつまらんだろう」
「ええ、構いませんよ。外の空気を吸いたいし、それに腹がへった。洗濯ついでに何か食い物を探しに行きましょう」
プッロはそう言いながら立ち上がった。三人はルイズを起こさない様にゆっくりとドアを開け、外に出る。

石造りの廊下には早朝の寒さが染み渡っており、才人の肌をついた。廊下には才人達の他誰もいない。
ふと才人は洗濯場がどこにあるのかを知らない事に気付いた。
127鷲と虚無 3/6 ◆REogsUQHvU :2008/09/28(日) 19:49:24 ID:Q9We9VxE
「あの、お二人は洗濯場がどこにあるか知りませんよね?」
「昨日俺たちが血を洗い流した水汲み場がそれじゃないのか?……そういやお前、俺たちに聞きたい事があるって言ってたよな?一体なんだ?」

来たぞ、と才人は思った。
(まずは二人が何時生まれたかを聞いた方がいいな……)
彼らが本当に古代の地球から来たかどうかを知るにはそれが一番手っ取り早いだろう。

そして才人は歩きながら話し始めた。
「俺が聞きたいのはお二人に関してです。あなた達が西暦何年のお生まれなのか教えてくれませんか?」

ウォレヌスは首をかしげて答えた。

「西暦?それは君の国の暦かい?残念だがその様な暦は聞いた事が無い。ローマの暦では私が生まれたのはカルボとキンナの年、プッロは確か……」
「忘れたんですか?デクラとドラベラの年ですよ」
「ああ、そうだったな。だが君にはそう言っても多分解らないと思うぞ」

ウォレヌスとプッロの時代、ローマでは年は数字ではなくその年に執政官だった二人の名前で呼ばれていた。
「カルボとキンナの年」と「デクラとドラベラの年」を西暦に直せば紀元前84年と紀元前81年。
ちなみにウォレヌスとプッロが召喚されたのはカエサルとレピドゥスの年、紀元前49年になるのでウォレヌスは35歳、そしてプッロは32歳になる。
才人は当然この様な事は全く知らないので困惑してしまったが、すぐにウォレヌスとプッロが紀元前の人間なら西暦と言う言葉を知る筈が無い、と言う事に思い至った。

(じゃあ何を聞けばいいんだ……?そうだ、地理について聞いて見るか)
才人は地理についてそれ程明るい訳ではないが、それでもヨーロッパの基本的な地形は頭に入ってる。
彼らの言う「ローマ」がヨーロッパのイタリアという半島にあるのならそれが地球の古代ローマである考えて間違いないだろう。
そして才人は質問を続けた。

「ありがとうございました。じゃあ次はあなた達の故郷の事についてお聞きしたいんです。あなた達はローマから来たと言っていましたけど、そのローマはヨーロッパ大陸のイタリア半島にあるんですよね?
長靴みたいな形をした……そしてイタリアは地中海に面しているんですよね?」
「ああ、確かに全くその通りだ。だが……ちょっと待ってくれ。君はなぜそれを知っている?」

ウォレヌスは解せないという様な表情で言葉を返した。
そしてプッロも続けて疑問を挟んだ。
「俺もそれが聞きたいね。お前は確かニホンとか言う場所に住んでるって言ったよな?そもそもニホンってのはどこにある?お前は何者なんだ?俺たちはニホンなんて聞いた事もないってのになんでお前はローマの事を知ってる?」

才人はウォレヌスとプッロの答えで二人が古代ローマの人間だと言う事はまず間違いないと確信したが、困った事になってしまった。
二人とも才人をじっと見つめて才人の返答を待っている。
128鷲と虚無 4/6 ◇REogsUQHvU:2008/09/28(日) 19:51:47 ID:ZFVLL2O7
自分に敵意がある訳では無いようだが、かと言って曖昧な返答ではぐらかせるとは思えない。
だが才人は迷った。正直に「私はあなた達の世界の2000年以上未来の人間で、学校でローマについて習いました」と答えていい物なのか。
嘘をついてると思われるかもしれないし、例え信じられたとしてももし「未来でローマ帝国はどうなってる」、とでも聞かれたら面倒な事になる。
誰だって「あなたの国はとうの昔に影も形も無くなっています」なんて言われたらいい気はしないだろう。
最も仮に聞かれたとしても才人はローマ帝国の滅亡に関する知識は殆ど無いのだが。
だから才人はここはうまく誤魔化した方がいい、と判断した。

「お、俺は商人の息子なんですよ。父は若い頃世界中を旅して行商をしてたんです。その時にローマにも行ったそうで、ローマについては父から聞いたんです。将来何かの役に立つかもしれないって」
「ふむ、なるほど……確かに我々ローマ人の商人も相当離れた所に行くのは珍しくない」
「だが、ニホンってのはどこにある?ペルシスか?ひょっとしてインディアか?」

二人は「商人の息子」と言う筋書きには納得したようで、才人はまだ残っている「ニホン」の説明もうまく切り抜けた。
「いえ、違います。インディアのずっと先にある島です」
インディアと言うのは恐らくインドの事だろう、と才人は考えて答えた。そしてプッロは驚いた様に声を洩らす。

「島?こりゃ驚いた。てっきり世界はインドで終わりだと思ってたんだがな……」
「それは違うぞ、プッロ。昔聞いた話によればインドの先にはセリカと言う土地があり、そこには豊かな国家が栄えているらしい。あの絹もそこで作られている物だそうだ」
ウォレヌスの説明にプッロは「世界ってのは俺が思ってたより広かったんだな」と感心した様に頷いた。

そしてウォレヌスは才人の方に向き直り、口を開いた。
「それではそのニホンと言うのはセリカの近くの島、と言う事か?」
セリカと言うのはローマ人の中国を指す言葉だ。もちろん才人はウォレヌスが中国を指しているなどと言う事は全く理解していなかったが、それでも頷いた。
相手が勝手に納得してくれるというのならそれに越した事は無い。
二人は才人のこの嘘を信じ込んだ様で、才人の出自に関してはもう何も言わなかった。

才人は内心でその場で考えたにしてはうまく誤魔化せたな、と自分に感心した。
そして何はともあれ、彼らが地球にそっくりな地形と地名を持つ異世界から来た訳でも無い限り、目の前のこの二人の人間が古代ローマの人間である事はほぼ間違いない。

だが才人の古代ローマに関する知識と言えば「ブルータス、お前もか」と剣闘士がいた程度の物だ。
だから考古学者なら狂喜するであろうこの事実も才人にとっては「大昔の人間が生きて眼前にいる」以上の意味は無い。
むしろ二人に対する感情と言う点では恐れの方が大きい。昨日二人が見せた剣幕は才人の記憶に鮮明に残っている。
でもしばらくはこの人達と一緒に暮らさなきゃいけないだからなんとか仲良くしなきゃな、と才人が考えはじめた矢先にウォレヌスが突如声を上げた。

「ちょっと待て。そもそもなんで君が洗濯をしなきゃいけないんだ?」
ウォレヌスの突然の疑問にプッロも相槌を打つ。
「確かに。ここが貴族の為の学校なら洗濯が出来る奴隷くらい幾らでもいるでしょうに。その為にいるんだからそいつらにやらせりゃいい物を」

才人はプッロの口から出てきた奴隷と言う言葉に軽い驚きを覚えた。
野蛮だから、と言う事ではなくプッロが奴隷にやらせると言う発想をあまりにも当然の事の様に話したからだ。
しかもこの二人は昨日奴隷として扱われると言う事に対して凄まじい怒りを見せている、のにである。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:52:32 ID:JeJ5gs4y
fulcio(援助する)
130鷲と虚無 5/6 ◆I3um5htGcs :2008/09/28(日) 19:52:39 ID:ZFVLL2O7
「ど、奴隷ですか……?」
「ああ。ここに何人の生徒や教師がいるのかは知らんが、これだけの大きさの場所なら家事奴隷は沢山いるだろ。そいつらに洗濯物を渡せばいいんじゃないか?」

才人は思い出した。そう、古代ローマには奴隷が普通に存在していたのだ。あの有名な剣闘士だって奴隷だったじゃないか。
だからこの二人は奴隷を使うと言う発想が自然に出てくるのだ。二人が昨日あれだけ怒りを見せたのは「自分が奴隷になる」事のみに対してであって、彼らは奴隷と言う存在自体には一片の疑問も持っていない。
才人はこの事に軽いショックを覚えたが、彼は何も言わなかった。そんな勇気も無いし、第一何を言えばいいのかも、そもそも言うべきなのかも解らなかったからだ。

だから彼は代わりにウォレヌスの最初の疑問に答える事で話題を変えた。
「あいつが、ルイズが言ったんですよ。使い魔としての給金を出すのだから何らかの仕事をしなければいけない、あなた達は用心棒くらいは出来るけど俺には何の特技も無いんだから洗濯雑用をしろって」
ルイズの理論を聞き終えた二人は訳がわからないと言う様な表情になった。

「使い魔としての給金を出すから何かやれ、と言う事なら他の仕事をやらせる方が効率的だと思うんだがな。洗濯雑用なんて誰にでも出来るし奴隷にやらせればタダだ」
「俺もそう思いますね。お前は商人の息子だろ?なら読み書きとか数勘定くらいは出来ないのか?」

才人は首を振った。この世界で日本の文字が通用するとは思えない。誰も読めないし使わない言葉を読めたり書いたりしても何の意味もないし、数学は普通の高校生並みには出来るが、こんな世界で役に立つとも思えない。
「読み書きは出来ますがこの世界の文字は多分全くの別物だから意味無いと思いますよ。数学も少しは解りますけど……意味ないでしょ?そんなの」
「何を言う!」
ウォレヌスは驚いた様に叫び、言葉を続けた。
「読み書きはともかく、数学は幾らでも訳に立つぞ。会計なんかの仕事は言うまでも無いし軍の管理維持にも数勘定は不可欠。実際数が解る奴隷はかなりの貴重品だ。数学が出来る事はあの娘に話したのか?」
「いえ、言ってませんけど……」

そう言う考え方もあるのか、と才人は驚く。確かによく考えれば会計士などは数学が必要な仕事だ。最もそれが高校生レベルの知識で出来るかどうかは別の問題だが。
だが偏見かもしれないがこんなファンタジー世界で数学が大して発達してるとは考えにくい。もしかしたら自分程度でもこの世界じゃかなりの数学能力を持っているのかも、とすら才人は考えた。

「なら言った方がいい。洗濯雑用よりはマシな仕事が出来るかもしれんぞ」
「は、はあ、解りました。じゃあ後で話してみます」
こんな事なら昨日特技はあるかとルイズに聞かれた時この事を答えれば良かったな、と才人は思った。そうしておけば洗濯をする必要は無かったかもしれない。

そして三人は廊下の曲がり角に差し掛かった。
「この先に確か水汲み場があった筈……おっ、あったった」
プッロはそう言って曲がり角の先にあるドアを開いた。

吹き込んできた冷たい空気に才人は思わず身震いをする。
才人は腕を押さえながら外に出、彼の視界にメイド服を着た少女達が10人ほど飛び込んできた。皆井戸の近くで桶の中に入れた服をゴシゴシと洗っているが、才人たちに気付いた後は三人をジロジロと見ている。
(メイドさん!?しかもこんなに?なんでこんな所にいるんだ?)
なんで地球のメイド服がここに存在するんだと目を白黒させていると、プッロが肩を叩いた。

「おい、洗濯しなきゃいけないんだろ?早く始めた方がいいんじゃないか?」
「あ、は、はい」
131鷲と虚無 6/6 ◆I3um5htGcs :2008/09/28(日) 19:53:20 ID:ZFVLL2O7
言われるがままに才人が井戸に近づこうとした時、メイドの娘の一人が立ち上がり、声を上げた。
「あっ!プッロさんじゃないですか!」

そして彼女は立ち上がり、三人に向かって走りだした。
「おっ、シエスタか!」
プッロは手を振って答えた。
「知り合いか?一体何時そんなのを作る時間があった?」
ウォレヌスが疑問の表情を浮かべながらプッロに聞く。
「昨日迷った時にですよ。ちょっと道案内をして貰いまして。情けない話ですけどね」
プッロは頭を掻きながら答えた。

「おはようございます、プッロさん!」
「ああ、おはようシエスタ」

プッロは頭を下げたシエスタに笑みを浮かべながら答えた。
「お連れの方たちは昨日一緒に召喚された人ですか?」

シエスタは興味深そうにウォレヌスと才人を眺めている。
才人は黒髪黒目、薄いそばかすがあるシエスタにルイズとは違った愛嬌と可愛らしさを感じた。

「ああ、そうだ。こいつはルキウス・ウォレヌス。俺の上官だ。そんでこっちがヒラガ・サイト。つってもこいつとは俺も昨日会ったばかりだけどな」
「ど、どうも。はじめまして」

才人はシエスタに軽く頭を下げたが、ウォレヌスは眉をしかめたまま何も言わなかった。
「はじめまして、サイトさん、ウォレヌスさん。ここで私はここで働いているメイドで、シエスタと言います。よろしくお願いします」
彼女はそう言って二人に向かって会釈した。

「しかしここで何やってるんだ?洗濯か?」
「ええ、そうです。本当は私は洗濯係じゃないんですけど、する筈だった子が風邪を引いちゃって。だから今日は私が代理でやってるんです」
シエスタの言葉を聞いて才人はあるアイディアを思いついた。
「あっ、そうだ。シエスタ、初対面でぶしつけだと思うけど、ちょっと俺にどうやって洗濯をするのか教えてくれないか?ルイズの服を洗わなきゃいけないんだけど、今まで一度もやった事が無いから不安なんだよ」
自分でも言った通り多少失礼だとは思ったが、手でやる洗濯なんて生まれて初めてやるんだからまず誰かにやり方を教わらなければいけない。シエスタならやり方をしっているし優しそうだから適任だと才人には思えたのだ。

「えっ?なんであなたが?わざわざあなたにやらせなくても私たちにやらせればいいのに」
「使い魔なら何かしろって、そう言われたんだ。どっちにしろ一応は使い魔やる事で金を貰う事になってるからやらなきゃまずいし。それはともかく、教えてくれるか?そしたらほんっっとうにありがたいんだけど……」
才人は手を合わせ、拝むようにして言った。

「え、ええ、いいですよ。私の分はもう殆ど終わっていますし……じゃあついてきて下さい。洗濯板と洗剤は貸しますから。あ、そうそう!プッロさん、ウォレヌスさん、才人さん。あなたたちを他の子達に紹介して良いですか?」
「そりゃ構わんが……なんでだ?」
「召喚の儀式で人間三人が召喚、しかも誰も見た事も聞いた事も無い異国の地から!こんな事一度も起こった事ないんですよ?昨日みんなにプッロさん達の事を話してからと言うものの、みんなあなた達の事に興味津々なんです」

才人には特に異義は思い浮かばなかった。むしろメイドさん達と知り合いになれるのは「色々な意味」で嬉しいし、ここで働く人達と親交を結べてマイナスになる事は無い。
そして四人は井戸に向けて歩き出したが、ニヤけた顔のプッロと才人とは対照的にウォレヌスは不機嫌そうな表情のままだった。
132鷲と虚無 ◆I3um5htGcs :2008/09/28(日) 19:53:58 ID:ZFVLL2O7
以上です。異常に間が空いた上に一行に展開が進まなくてすみません。もうすこし進めたらもっと早く展開が進行する予定…です。
二人の年齢に関しては設定が存在しなかったので適当な年を選びました。また史実でのタプススの戦いは紀元前46年に行われましたが、ROMEではアレシア陥落〜ルビコン渡河までの三年が数ヶ月に短縮されてるので紀元前49年と言う事にしました。
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:59:49 ID:h5Jg5fmx
ずっと待ってたよ乙
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:03:02 ID:JeJ5gs4y
bonus(乙)。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:04:30 ID:sE3xUI2X
投下乙
本編以上にカルチャーギャップに悩む才人頑張れw
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:40:10 ID:aAUYdz7Q
誰もいない……
小ネタを投下するなら今のうち……
137力持ちの使い魔:2008/09/28(日) 20:41:25 ID:aAUYdz7Q
 それはまあ、ちょっとしたことからだったのかもしれない。

 トリステイン魔法学院で、毎年行われる使い魔召喚の儀式。
 この時、ちょっとばかり予定外のことがあった。
 サモン・サーヴァントを行う生徒たちを指導するのは、なかなかに健康そうな≠アんもりとした中年の女性教師。
 赤土の二つ名を持つこの女性教師、名前をシュヴルーズという。
 本来、コレは彼女の仕事ではなかった。
 担当するはずであったコルベールは、先日自分のラボで事故を起こし、腰を強打してしばらく動けなくなってしまった。
 このため、わりかし暇だった彼女が代役をすることとなったのだ。
 儀式は順調だったのだが、最後の最後で面倒なことがあった。
 ゼロのルイズといわれる女子生徒。
 この生徒がまあ、出来が悪いこと悪いこと。
 そう難しいものではないはずのサモン・サーヴァントを何度も失敗し、その度に爆発を起こす。
 勉強熱心で真面目な生徒と聞いていたが、まさかこんな欠点があろうとは。
 まわりの生徒はやいのやいのとやかましいし、シュヴルーズ自身もいいかげんで焦れてきた。
 「ミス・ヴァリエール、ちょっとお待ちなさい」
 肩で息をしているルイズをいったん休ませ、自分の杖を軽く振った。
 「幸いというのもおかしいですが、私は今使い魔を持っていません。先生が見本を見せますから、ようく見ておくのですよ」
 ルイズに言い聞かせ、シュヴルーズはルーンを唱えた。
 シュヴルーズの使い魔は、数年前にふとした事故から死んでしまった。
 長い間一緒に過ごしてきた半身ともいえる存在なだけに、シュヴルーズはひどく落ち込んだものだ。
 次の使い魔を召喚する気にはどうしてもなれず、そのままですごしてきたが、まさかこんなところで召喚することになるとは。
 召喚は一発で、成功した。
 さすがは教師、さすがはトライアングルメイジ。
 が、しかし。
 「……なに、あれ?」
 「に、人形?」
 召喚されたのは、なんと泥か何かで作れたような赤ん坊ほどの大きさをした人形であった。
 それもぶっさいくな人形だった。
 しかも、何かおかしな悪臭をはなっている。
 まるで、何年も体を洗っていないかのような臭いだった。
 嘘!? 仮にもトライアングルの私が、何故にこんなもんを!?
 シュヴルーズがショックで気が遠くなりかけた時、
 「ほんげー、ほんげー!!」
 人形のようなものは、赤ん坊のような声で泣き出した。
 そのうるさいこと、うるさいこと!
 ルイズはもちろん、まわりの生徒は耳をおさえたが、そこは人妻で子育て経験もあるおばさんのこと。
 シュヴルーズは急いで人形をかかえて必死にあやすが、ちっとも泣き止まない。
 どうやら腹がすいているらしい。
 シュヴルーズ先生、すっかり混乱してしまい、
 「み、ミス・ヴァリエール? それでは、次にコントラクト・サーヴァントのお手本を見せます」
 よせばいいのに、人形に契約のキスをした。
 むっとする臭いをじかでかぎ、即効で後悔をしたが。
 ルーンが刻まれる痛みのためか、人形はさらに大声で泣き始めた。
 これではもう、儀式の続きなんかできやしない。
 「み、み、ミス・ヴァリエール、続きはまた明日ということで!」
 授業をうやむやにして、シュヴルーズは人形をかかえて食堂に飛んでいった。
 文字通り、フライの呪文を使って大急ぎ。
 厨房でミルクを用意してもらい、念のために離乳食も作ってもらった。
 ミルクを飲ませると人形は泣き止んだが、さあここからが大変。
 この人形、食うわ、食うわ、食うわ!!
 ミルクを飲み干しては、ほんげー!
 離乳食を食べつくしては、ほんげー!
 しかも食べる度に、少しずつ大きくなっていく。
 そればかりか、人形としか思えなかったものが、だんだんと人間そっくりになっていった。
 四、五日たつ頃には、すっかり人間の男の子と同じになってしまった。 
 体つきはぽっちゃりとしていて、シュヴルーズに似ていたが、髪の毛と瞳は真っ黒というちょっと変わったものだった。
 え? ルイズはどうなったかって?
 翌日、本人は不満たらたらだっただが、無事に平民の少年を召喚したそうな。
138力持ちの使い魔:2008/09/28(日) 20:42:54 ID:aAUYdz7Q
 さてさて。

 結局情の移ってしまったシュヴルーズは、この使い魔の男の子に、「力」という意味で、ストレングスと名づけた。
 五日日、ストレングスはシュヴルーズにこう言った。
 「ご主人様、おらに、重くて丈夫な鉄の棒をつくってくんろ!」
 なんともおかしなことを言うと思ったが、そこは土メイジ、すぐに鉄の棒を錬金してやった。
 重さにすると、400キロ近い代物である。
 「こんなもの、何に使うの?」
 たずねると、ストレングスはそれを軽々と持ち上げ、まるで竹ざおみたいに振り回してみせた。
 「使い魔はご主人様を守らねばなんねえ。そのために武器がいるだ!」
 こんな怪力を持っていれば武器なんかいらないような気もするが、使い魔の力はメイジの力の証明だ。
 シュヴルーズ先生は驚きながらも、満更悪い気分ではなかった。
 ところが鉄棒を作ってやってすぐに、ストレングスは揉め事を起こした。
 というか、揉め事に首をつっこんだ。
 ルイズの召喚した平民の使い魔と、生徒のギーシュとの決闘に割って入ったのだ。
 ギーシュのゴーレムに痛めつけられている平民をかばい、
 「弱い者いじめをするとは、貴族のくせにけしからんやつだ。おらが相手になってやる!」
 運が悪いことに、ギーシュはこの男の子が何者であるのかを知らなかった。
 シュヴルーズが生きた人形のようなものを召喚したとは知っていたけれど、それが目の前にいる相手は予想もしない。
 調子づいてゴーレムをけしかけてはみたものの、結果はさんざん。
 恐ろしく重い上に、固定化までかかっている鉄棒をぶんぶん振り回すストレングスに、青銅製のゴーレムは手も足も出なかった。
 あっという間にもみくちゃにされ、戦乙女を模ったゴーレムはガラクタと化した。
 この一件で、ルイズの使い魔・サイトはすっかりストレングスに心酔し、ついには一の子分になってしまった。
 子分ができたことで気を良くしたストレングスはシュヴルーズに頼んで、サイトにも武器を作ってもらった。
 それは小型のメイスだったが、武器を手にした途端、サイトは力がモリモリ沸いてくることに気づいた。
 これを知ったルイズは、サイトにデルフリンガーというしゃべる剣、インテリジェンスソードを買ってやった。

 その後ストレングスは学園でシュヴルーズのもと、力仕事に励み、使用人たちからも我らの力といって慕われた。
 レコン・キスタがタルブを攻めてきた時は、ストレングスは子分のサイトと一緒にこれに立ち向かった。
 他にもトリステインの危機には真正面から鉄棒を振るって活躍した。
 子分のサイトも、共に奮戦した。
 なんだかんだとあるうちに、ストレングスたちはその功績を認められて貴族にまで出世した。
 シュヴルーズは英雄の主というか、母親のようなものとして称えられ、後にはオスマンの後をついで魔法学院の学院長になった。
 ストレングスは気立ての良いお嫁さんをもらって、幸せになったということだ。
 え? サイトやルイズはどうなったかって?
 ずいぶん昔のことなので、今となってはよくわかりません。

 めでたし。めでたし。



まんが日本昔ばなしから「力太郎」を召喚でした
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:15:21 ID:3Nwoq1Br

昔話はいいねぇw

しかし教師陣の使い魔に関する記述が原作にほとんど無いのは不思議だよなあ。
オスマンのネズミだけだよね?
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:19:16 ID:LvB9eClG
お疲れ様です。のほほんと見られたよ。

>>139
ありえる設定とすれば、寿命で死んだけど、
あいつ以外が使い魔なんて…みたいな心情とか、
一度呼んだのが大飯ぐらいだったから
もう呼ばない方がいいよな、食費的に、とかだろうか?
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:27:29 ID:U+tga6n4
学生の頃に犬猫呼んでれば、教師陣の年齢くらいになれば大体死んでるよな。
ネズミなんて寿命は2〜3年なんだぜ。
モートソグニルはあとどのくらい生きられるんだろうな・・・。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:28:49 ID:aIprjp5T
避難所に代理依頼あったんでいってみる

41 名前:ゼロ 青い雪と赤い雨[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:31:44 ID:Mww9KkgI
第一話からなのですが代理投稿お願い致します。
以下本文になります。

不慣れな文章ですが第一話が書きあがったので投稿させてください。
ノエイン もうひとりの君へからアトリです。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:29:23 ID:3WHv/RmJ
ノエインキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
支援するよ
144ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/09/28(日) 21:29:46 ID:aIprjp5T
第一章「青い雪」



雪が降っている。
淡く、青く、光る雪が。
あの日、私は召喚に成功した。
今思い返して見れば、あれが全ての始まりだった。



トリステイン魔法学院では現在春の使い魔召喚の儀式の最中。
それは二年次に進級する生徒達が使い魔を召喚、契約し、自身の魔法属性と専門課程、
そして何よりも儀式の成功の如何によって進級も決まる。
その為、私ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールにとってとても重要な儀式なのである。


「なんで!!なんで!!何でなのよっ!!!」


周りを見渡せばみんな自分が召喚した使い魔と笑顔でスキンシップを取っている。
なのに私は、呪文を何度唱えても爆発が起きるだけ・・・使い魔どころか召喚ゲートすら現れない。
今日の為、しっかり予習もしたし自信はあったはずだった。



「いつまで待たせんだよ!!!」
「メイジとは違うのだよ、メイジとは!!」
「悲しいけど、これって失敗なのよね・・・」
「ルイズにつきあっていられるか! 」
「ゼロのルイズは伊達じゃない!」
「聞けば誰もが思うさ!君の様で在りたくないと!」




容赦の無い罵声や嘲笑が飛んでくる
普段なら気にも留めないけど、今は言い返さずには居られなかった。

「うるさいわね!見てなさい!あなたたち全員でも及ばないほど神聖で美しく そして強力な使い魔を呼び出してみせるわ!」

「大見得切った以上次こそこの子より凄い子を召喚できるのよね、ルイズ」
キュルケが嫌な笑顔でこっちを見ながら言う。
その手で撫でているのはサラマンダー、火の魔法が得意なキュルケにお似合いの使い魔だ。
悔しいけど『大物』の部類に入る。
145ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/09/28(日) 21:30:43 ID:aIprjp5T


「当然でしょ」

いよいよ引き下がれなくなってしまった。
虚栄や見栄ではなく、本当に召喚してやる!と思って言った事だったのだが
今までの十に届くであろう儀式の結果、爆発しかしていないのである。不安は拭えない。

(お願い・・・!)

強く念じて杖を上げ、呪文を詠唱する。

「宇宙の果てのどこかに居る私の僕よ!神聖で・・・美しく、そして強力な使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ!・・・我が導きに応えなさい!」

何度目かの爆発、その目に見えるのは立ち上る砂塵。
その耳に聞こえるのは轟く爆音とその反響、それに続いて嘲笑。


(なんでなのよ!勉強だって、練習だって頑張ってるのに!なんでなのよ!!!)
立ったまま俯き涙が出そうなのを必死に堪える。
泣いてしまえるのならどんなに楽だろうと思う。
でもここで泣いてしまったら、心が折れてしまいそうだった。
二度と杖を握れなくなるような気さえした。



徐々に霧の深くなる彼女の心境とは真逆に、爆発で巻き上げられた砂塵が徐々に晴れていく。
そしてそれに伴って嘲笑に驚愕の声が混じってゆく。

何事か、と顔を上げて見てみれば青い雪が降っていた。
今は春である。目を擦ってもう一度見たがやはり降っている。
淡く光る季節外れの雪。
その中に細身ながらも身長190サントはあろうかという人間がいた。
フード付きの黒いマントを纏っている、メイジなのだろうか。
フードを被っている為長く延びた金髪が覗く以外は顔を見る事はできない。
しかし、明らかにこちらに対して警戒心を露わにしている。



(成功した!!!!でも・・・・・・)


魔法が成功した事は素直にうれしかった。我慢していた涙が溢れてしまいそうになる程。
しかし、人間の使い魔等聞いた事も無いし、何よりあまり体のいい物では無い。
146ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/09/28(日) 21:33:08 ID:aIprjp5T


(やり直しがしたい・・・)

コルベール先生を呼んで必死に掛け合ってみたが、結果は良くなかった。

(私だって決まり位解ってる。でも人間の使い魔だなんて・・・)


諦めに心を浸しながらも「どうしよう・・・」と頭を抱えていると、不思議な音が響いた。
ビリビリと細かく空気が震えるような、痺れるようなその音のした方へに目を向ける。
すると、フードを取っていたその人間、いや男が酷く不機嫌そうな表情で私を見下ろしていた。


「俺をここ連れてきたのはお前かよ、ガキ・・・」

(ハァ・・・、これからこれが私の使い魔なのね・・・。)

「そうよ!あんた貴族?ご主人さまにそんな口聞いていいと思ってんの?」

(これから私がご主人さまなんだから!立場の差と言う物を解らせてやるんだから!)

「どういう事だよ」

「あんたは私に召喚されたの、だから私の使い魔になるのよ!」
腰に手を当て男を指を刺し、堂々と言ってやった。

その男は鼻で笑い、そして言った
「ふざけるなよ」


―――空気が変わった

男から危険な空気を感じた。
ドクン――――と心臓が強く脈打つ。
胸を抑える。

怖い。
逃げたい――――でも怖くて体が動かない。

その時、私と男の間にコルベール先生が割って入った。
何か話している。
何を話しているかなんて耳に入らない。
ただ、怖くて、あの男から目が離せなかった。

自分が情けない。
進級なんてもう無理だ。
怖い。
涙が溢れてくる。止まらない。


――――助けて。






147ゼロ 青い雪と赤い雨(代理:2008/09/28(日) 21:33:53 ID:aIprjp5T


「チィ・・・泣くなよ。うざってぇ」


ハッ・・・と我に還る。
私の頭に、誰かの手が置かれる。
優しい、暖かい感じがした。
見上げると、私が召喚したあの男。
表情が和らいでいる様に見えた。
さっきまでの危険な空気はもう感じない。




「俺はもういつ消えるか解らねぇが、お前の使い魔とやらにになってやるよ」
ぶっきら棒にそう言い放った男の表情は、困っている様で、それで居てどこまでも優しかった。
148)ゼロ 青い雪と赤い雨(代理:2008/09/28(日) 21:35:13 ID:aIprjp5T
コントラクト・サーヴァントは無事済んだ。
なんと一発成功である、私だってやれば出来るんだから!
契約方法には戸惑っていたようだが、諦めた表情をした後屈んでくれた。

(何なのよ!!私がキスしてあげるっていうのにその態度は!!)
と少しムカッとしたがここは抑えた。



終えた後何か驚いた表情をしていたが、きっと左手にルーンが刻まれたせいだろう。


名前はアトリと言うらしい。
なんだか可愛らしい名前に少しニヤけてしまう。

「さてと、じゃぁ皆教室に戻るぞ」
先生の号令がかかる

「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」
「あいつ『フライ』はおろか、『レビテーション』さえまともにできないんだぜ」

みんなそう言って私を笑いながら帰っていく。

一人で歩いて帰る時間が嫌いだ。
とてもみじめな気持ちになる。
何より今は召喚したばかりの使い魔に情けない姿を見せたくない。
でも飛べないのだから歩いて帰る他無い。

「行くわよ」
使い魔にそう告げて寮へ歩いて向かう。

「お前、飛べないのか?」
(ご主人様に対してお前・・・!?)

口の利き方もそうだが、いきなり一番言われたくない事を言われて少しムッときた。
「う、うう、うるさいわね!練習中なのよ!!」



「そうかよ」
そう言うか言わないか という所でアトリは私をマントに包んだ。体が浮き上がる。



「え?」


アトリはあたしを抱いて、空に一気に上昇した。

「えええええええ〜!」


みんなの姿があっと言う間に小さくなる。
私の叫び声に振り替えった人も居るみたいだが遥か上空に居る私達に気付かない様だ。
風を受けながら空を行く。
初めて空から学院を見た。
ハルケギニアを美しく照らす夕焼け。
その光を受けて森はきらきらのビーズを零したように輝いている。
私は空からの眺めに夢中になった。
149ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/09/28(日) 21:35:56 ID:aIprjp5T
「部屋、どこだよ」


もう少し空からの景色を見ていたかったが、
心無しか機嫌が良さそうな私の使い魔に、部屋の位置を説明する。
するとゆっくりと下降して、開けっ放しにしていた部屋の窓に向かう。
そして体重なんて無いみたいに、部屋の中にふんわりと降り立った。
先ほどの不思議な音を短くした様な音が響く。
どうやらこの音は彼の足音だったらしい。


「あんた飛べるの?魔法が使えるの?」
「消えちゃうって何よ!」
「あんたの足音なんなのよ!あんた人間じゃないの?」
「あんた何なのよ!」

部屋についてまずアトリに言いたかった事、聞きたかった事全て言った。
アトリはやれやれと言った表情を浮かべたが、すぐに穏やかな表情で答えてくれた。
しかし、その内容はとても信じられない物ばかりだった。

・『ラクリマ』という名の異世界から来た事。
・特殊な存在ではあるが、人間である事。
・貴族などでは無く、軍人である事。
・飛べるが、魔法は使えない事。
・理由は聞けなかったが、しばらくは消える心配は無さそうである事。(しばらくって事はいつか消えるってことなの!?)

と説明してくれたが、とてもじゃないが信じられない。
しかし、足音といい姿といい、飛べる事といい。
何もかもがハルケギニアの常識とかけ離れている使い魔の姿を見ると信じる他は無かった。


―――なんて物を呼び出してしまったのだろう。


考えれば考えるほど思考の袋小路に追い込まれていく。

あー!もう!

頭を抱え髪をぐちゃぐちゃにする。
とこういう時は寝るに限る。
どんな悩み事も寝て起きたら意外と何でも無かったりする物だ。




私は使い魔に「おやすみ」と告げて夢の世界へエスケープするのだった。
150ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/09/28(日) 21:36:35 ID:aIprjp5T
今回はここまでです。
ルイズの一人称視点ですので不明な点多いと思いますが2話で補完したいと考えています。
ギーシュ戦までは書くつもりですが、その後の事は考えていません。


以上本文終わり

よろしくおねがいいたします。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:38:20 ID:aIprjp5T
行数オーバーにより一部分けました、申し訳ない。

…アトリ召喚希望してただけにとてもうれしい!
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 22:11:15 ID:HQCH0FQE
なんだ、ブロッケンマンじゃないのか。
さすがにラーメンになったら無理だよなwww
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 22:28:18 ID:XoxwTM5s
ちからたろうはアフリカにそっくりな民話があったのに驚いたっけな
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 22:35:07 ID:gSvU3x4l
シンシティって奴だな
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 22:35:48 ID:ClmLc27M
そういえばインドのガネーシャもパールヴァティーが
垢と身体の洗浄に使う香料を混ぜた人形に命を吹き込んだ物だったとか
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 22:37:19 ID:rgPHuQ12
ノエインの方乙です
アトリ大好きなので期待してます。
あの終わり方は物悲しいが、この始まりもアトリの未来が・・・
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 22:50:59 ID:F60T7QOM
>155
首切られた代わりに象の首付けたんだよな
元の首付けてやれよ!って思った
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 23:05:37 ID:h5Jg5fmx
ノエインの方乙です!原作好きだからこの先の展開も楽しみ
ってか、空飛ぶとこ辺りでルイズの声がハルカに変換されてしまうw
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 23:23:03 ID:W2o6EVQH
アトリぃぃぃぃぃぃ
竜騎兵って一般人が視認できないぐらい強いよね
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:12:41 ID:xj5kSFfk
くっそ、>>159が視認できないぐらい『強い』なんて言うから、
速いの間違いじゃないのかと思ってググってみたら、面白そうじゃないか……
また睡眠時間が減ってしまう
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:43:56 ID:7NRu4Ao4
全すれから引越し
ゼロの妖精
http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/2470.html
ACECOMBAT ZEROの使い魔
http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/2739.html
の人たちをインスパイアして投下
といってもつぎはぎだらけのMADみたいになってますし
まだプロローグだけですが…
エースコンバットZERO×ゼロの使い魔
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:46:31 ID:7NRu4Ao4
俺は死ぬはずだった
でも死ななかった
あいつの放った赤い光は 俺の乗っていたイーグルの
右翼をその光と同じ色で包んだ
あいつなりの手向けだったのかもな
痛む体を引きずってたどり着いた場所は
あの核の爆心地だったんだ
何も無い光景
それがなんだか
悲しくてしょうがなかった
でも そこで強く生きる人々がいた
俺は彼らに助けられたんだ
国境も関係なく助けてくれる人が、そこに居た
世界に境目なんて必要ないかもしれない
でも 無くすだけで変わるんだろうか
世界を変えるのは人を信じる力なんだろうな
信じ合えば憎悪は生まれない
俺は基地に帰り 恋人と結婚した
家もこうして構えた 国境の近くだ
確かめたいんだ あいつが、片羽があそこまで
執着していた国境の意味を
そしてそこで生きる人々の意志を
ここに答えなど無いのかもしれない
でも探したいんだ
そう 今はそう思う それでいいと思う
この映像はあいつらも見るのか?
会ったら伝えてくれ
まずはサイファー いや 鬼神に
「英雄、たまには連絡くれよ、妻がファンなんだ」
そして、片羽に
「なあ片羽 あんた どこに行っちまったんだ?」

ウスティオ空軍第6航空師団第4飛行小隊クロウ隊3番機
パトリック・ジェームズ・ベケット 
「P」atrick 「J」ames   Beckett
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:48:21 ID:7NRu4Ao4
片羽の妖精』
本名ラリー・フォルク
ウスティオ空軍第6航空師団第66飛行隊 『ガルム隊』2番機

ガルム隊の2番機で、階級は少尉。ベルカ出身の28歳。TACネームは「ピクシー(妖精)」。

以前戦場で右翼を失いながらも帰還した経歴があり、それを誇るかのように右翼を赤くペイントした
F-15Cを操る。このエピソードから、「片羽の妖精(Solo Wing Pixy)」の名でベルカ・連合軍双方
の空軍に広く名を知られている

一番機、サイファーを「相棒」と呼び、ともに活躍するも、戦争の目的が「ウスティオ解放」から
「ベルカ侵攻」に変質していくことへの疑念を隠し切れなくなり、ベルカに7発の核が爆発したと同
時にガルム隊を去る。

その後、アントン・カプチェンコ、ジョシュア・ブリストーらのクーデター組織「国境無き世界」に加
入し、かつての相棒であった「円卓の鬼神」サイファーと雌雄を決する。アヴァロンダムにてガルム
隊の2番機となったPJを撃墜するが、その後に解析結果から機体のECM防御システムと、その弱点
が前部エアインテークと判明。V2再突入を巡ってのサイファーとの死闘の末、左エンジンに被弾を

受け戦闘不能となり、その後突然機体ごと消失する。
後、事の一部始終を見ていたAWACS、「イーグルアイ」は、その様子をこう語っている


「まるでどこかに瞬間移動したかのように、あの機体は、 ADFX-02は忽然と姿を消した」、と
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:50:01 ID:7NRu4Ao4

俺は、空に居た。
厚い雲の下、ここを飛ぶ戦闘機は俺と、奴だけだ。
<<撃て 臆病者!>>
既に3発のミサイルを貰っていて、これで4発目になる。
ECMPによる機体の保護も、もう限界に近づいている。
はっきり言って、こちらが圧倒的に不利だ。
しかし、だからこそ、ここで諦める訳には行かなかった。
兵装表示を見、体が興奮に沸きあがるのが分かった。
通常ミサイルが、一発。
それが、当時世界最強の戦闘機であった、ADFX-02 の、最後にして、唯一の装備だった。
それは奴も、サイファーとて同じことだろう。
もう、多くを語る必要はない。後は、純粋に戦うのみ。
操縦桿を大きく動かす。インメルマンターンをし、「鷲」の名を冠する戦闘機と向かい合う。
サイファーとの距離を示す数字が、見る見る減っていく。
1700...1600...1500...
その間、沸き上がる体とは対照的に、頭は不思議と落ち着いて居られた。
死への恐怖はない。元よりその覚悟の上で傭兵になったのだ。
1200...1100...1000
勝負の時が確実に近づく。操縦桿のボタンに、指を当てる。そして
900...800
射程に入る。
<<撃て!>>叫ぶと同時に、思いっきりボタンを押す。
奴も同じ事を考えたらしい。奴の翼の下から白い筋が延び、機体内はアラート音に包まれる。
お互いにロール機動を取り、ミサイルを避けようとする。
正面から猛スピードで接近してきた両主翼を青に染めたF-15Cイーグルとすれ違う。
その瞬間、機体に衝撃が走り、俺は事を悟った。
これまで、だな。
唯一、ECMP防御システムが及んでいないエアインテークを撃ち抜かれたADFX-02は
あっという間に速度が低下、右エンジンの内部温度が異常値に達しており、どす黒い煙を吐いていた。
キャノピー越しに奴のほうを見る。所々機銃の跡があるが、俺の放ったミサイルが
着弾した痕跡は無い。
これで、よかったのかもな。
電気配線が焦げだしたのか、異様な匂いのするコクピットで俺は深くため息をついた。
しかし、ため息の大きさほど、俺は落ち込んでなかった。
むしろ、「宿敵」に完膚なきまでに叩き潰され、清々しい位だった。
思えば核で世界を恐怖で支配したところで、結局争いは無くならないだろう。国境の有無に関わらず。
アヴァロンダムから発射された核弾頭―V2はこの機体から発信されている信号が消滅すると自爆するよう
セットしてある。ちょうど大気圏外に達した頃だろうから、今自爆すれば地上に被害はない。
「じゃあな、相棒」
自身を撃墜したF-15Cのパイロットに向けてそっと呟き、ラリーは目を閉じた。



次の瞬間、モルガンは爆発仕掛けた瞬間消失し、そしてはるか高度1万mでV2は自爆した。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:52:57 ID:7NRu4Ao4
っと、これでプロローグはおしまいです。
一話?なにそれおいしいんですか?




先は長いです
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 01:41:56 ID:9QXEe48l
>>157
その元の首が見つからなかったから象の頭くっつけたんだよ。
・・・どっちにしてもヒデェや!
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 02:21:50 ID:Nl3T692H
>>165
召喚だけで中断するケースは腐るほど見てきたが、召喚前で終わるのはレアだな。
ゼロ魔成分は見事にゼロか……

ACE COMBAT総合スレ別室の方が相応しいのではないかな?
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 02:54:43 ID:1Lf0b2UY
ウォーエフンエフンと因縁のあるペンタゴンとかよさそうだな。
まぁ、一番の問題は、ああ見えてルイズと同い年(超人オリンピック時17歳)というのがね…
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 05:47:37 ID:ch0p1nDH
ペンタウァから彼らを喚んでくれ。
っつーか、喚ばれなくても自発的に来そうだが。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 06:00:01 ID:hsV5gaHW
何気に年齢不詳なキャラが結構喚ばれてるな
今は来てないがバージル兄貴とか幾つなんだろうか、公式にも触れられてないし。
3のダンテを見るに十代後半だろうかと勝手に予想してみる
171ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:08:38 ID:I9MB8ua7
朝ですが投下かまいませんでしょうか?
すいませんが、さっさと投下します。
172ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:09:27 ID:I9MB8ua7
10,犯人は君か
お、来た来た。とスケイルは、
隠れ家付近にまで近づいている、フーケ一行を見つけた。
曾祖父から教わった数々の『術』は、どんな時でも役に立つ。
ひいおじいちゃんが嫌っていた事以外にも、たくさん。
しかし、人数が多いですよ?フーケさん。と思うスケイルだった。

「おそらく、あそこですわ」

ミス・ロングビルは廃墟を指差した。長年使われてなさそうな家である。
盗賊ギルドの凄いところで、これで案外、内装はマトモなのだ。

「なら、中に誰か入らなければならないわけだな?ミス・ロングビル」

本当にあるかどうか。そしてフーケにも気を付けなければなるまい。と、
ギトーは言った。

「それに、罠があるかもしれませんね。こうした、一見人がいない所に何か置いてある場合、大抵そういうのと一緒ですから」

と、ギトーもいるので、丁寧なしゃべり方になるマーティン。
彼は、友と一緒に幾つかの遺跡や洞窟を周り、
ある程度、冒険家としての知恵も身につけてある。

「へぇ、相棒。こういう所、良く来るのかい?」

何となく、デルフのイメージにはないメイジ像に、ああ、まぁね、とマーティンは答えた。

「では、そうだな」

ギトーがどう動くかを決める。当然、学生達はここに待機。
学院長はああ言ったが、学生達に何かあったらまずいのは事実だ。
それに、ここにいても問題は無いだろう、とギトーは判断した。
廃屋から幾分か離れているし、それに貴族の令嬢を盗むような輩なら、
既に、無謀にも突撃をかましかけた、と言うヴァリエールの跳ねっ返りは、
この世にいないかもしれん。そう思いながら。

内心フーケは安心した。子供と言うのはどう動くか分かり難い、
特にこの桃色髪は、下手すればゴーレムに突っ込んでくる。
たまたま自分以外誰もいなかったから、攻撃しただけだが、
ルイズは二人にそう思われていた。
173ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:10:15 ID:I9MB8ua7
「だが、ふむ。ああ、『雪風』の。お前は確か、シュヴァリエだったか?」

風の系統の生徒を、二つ名で呼ぶのはギトーの癖だった。
自分なりの可愛がり方らしい。
コクリと頷く。なら、マーティンさんと一緒に中に入って欲しい、
とギトーは言う。自身の考えが間違っていないなら、
あの中にはフーケどころか、罠すらない。
私は、ミス・ロングビルと共に辺りにフーケがいないか、
捜索してくる。とギトーは言った。それとルイズとキュルケに、
釘を刺すのを忘れずに。

「なぁ、ルイズ。シュヴァリエと言うのは?」

この世界の勲章や、爵位に疎いマーティンに、ルイズは簡単に説明した。
実力者。と言うことである。

「なるほど。では、ミス・タバサが後衛。私が前衛と言うわけだな」

剣を構える。急に左手のルーンが光ったかと思うと、
まるで軽量化の呪文が掛かったかのように、体が軽くなった。

「ほう、これが『使い手』という事かな?」

「さーて、どうだったかね。その内思い出すんじゃねーかなぁ?」

覚えていて、言っていないのは分かった。
意志を持つ剣は、気位の高いのが多いと聞く。
おそらく、このデルフリンガーもその類なのだろう。
認められるまで、しばらく待つとするさ。
マーティンは、また解明しなければならない事が増えて、
内心嬉しかった。

「では、参りますかな?ミス・ロングビル」

まずい、確実に私がフーケだとにらんでいる。
しかし、そんな事はおくびにも出さず、
「フーケ」とギトーは捜索に出た。

「私たちも行くかな。準備はいいかい?」

コクリと頷く。マーティンがルイズに留守番よろしく。と言って、
ソロリと足下を見ながら廃屋に近づいていく。
落とし穴等の罠を警戒しての事だ。
以前遺跡では、何でもなさそうなスイッチを誤って押して、
毒ガスが充満した部屋で、危ない目に遭ったこともある。
こういうのは、慎重にし過ぎるくらいで丁度良いのだ。
タバサは、常に廃屋の方に目を配らせながら、
マーティンの後を着いていった。
174ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:11:05 ID:I9MB8ua7
「さて――もうよろしくはございませんかな。『土くれ』のフーケ?」

ああ、やはりバレてるんですね。怪しい雰囲気を纏った若きメイジ、
ギトーに連れられて少々、学生から離れた所まで連れて来られたフーケを見て、
スケイルはそう思った。

「あの、その――なんの事でしょうか?ミスタ・ギ――」

「お芝居は終わり、と言うことですな。どう考えてもおかしいでしょう?
そもそも、貴女の性格なら、まずはオスマン学院長に許可でも取るはずでは?」

「緊急事態だったでしょう。許可でも取っていたならすぐに逃げられましたわ」

「確かに、そうですな。それは失礼。では、さっき言っていたアミューゼイとかいう、
盗賊の風貌と、どこで会ったかを教えてもらえませんかな?」

う、と言葉が詰まる。トカゲ人間で、実は会ったことないんです。なんて言ったら
確実に魔法の餌食になる。

「ええ、ここより学院側に1時間ほどの、さっき通った橋の上で、たまたま見つけたのですわ。
暗くて風貌は分かりませんでしたが、声からして男だったと思います」

なんでも、グリフォンは彼が用意したのだとか、と付け加える。

「ほう、ほう。結構。結構」

では――と言った。さっきからギトーは気付いていた。微妙に違う空気の流れに。
どうやら、何故か分からないが、自分か、『シロ』らしいミス・ロングビルを、
狙っているらしい。と、

「貴様は何だ?フード被り!!」

フーケが着ているという服装を思い出しながら、
杖を振って違和感の方へ、ドットクラスの最も弱い呪文を放つ。
敵が玄人なら、そこで留まる。完全には位置を把握していないから、
それをされるとどうしようもない。しかし、
相手はこちらにバレたと思ったらしい。経験の差だった。
175ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:12:11 ID:I9MB8ua7
な!私が気付かれているなんて。
スケイルからしてみれば、完全な不意打ちである。
気配は消しきった。音も立てていない。
自己を完全に殺していたにも関わらずバレた。
惜しむらくは、未だ彼女が本格的に、
風のメイジとやり合った事が無かったのと、
自身の隠密術に過度の自信を持っていたのが災いした。
風のメイジはある程度周りの空気の流れに対して敏感である。
それは、クラスが上がると尚顕著になる。
ギトーは高慢なだけあってか、スクウェアクラスの風使いである。
故に、奇妙な違和感として、シエスタの存在が分かってしまった。
彼女が、ギトーとマトモにやりあえば、間違いなく彼女が消される。

彼女は闇から闇へ、影から影へ入る方法を、曾祖父から教わっていた。
彼は、シエスタに自身の才能全てを、引き継がせるだけの能力がある。と考え、
自分が生きた証を残すためにも、それらを教えたのだ。
逆を言えば、白昼堂々敵を倒す方法等教わっていないのだ。そもそも、
そんな事は教えたがらなかった。唯一それで教わったのは、
ダガーの扱い方である。もっともそれも、闇に紛れて消す方法の方が多かったが。

俺の様に、快楽にのまれるな、弱き者を救うあの、モラグ・トングの連中の様になれ。殺さないのが一番良いが――
それが、ひいおじいちゃんの辞世の句であった。
故に、彼の理念を引き継いで、「闇」から「夜」へ一文字変えた組織の頭となり、
「夜」の元ネタだった伝説の男の傘下に入ったけれど――
対メイジ戦略なんて、考えてませんでした。そもそも、やり合う前に逃げますし。
そんな事を思いながらスケイルは、フーケが造ったゴーレムの肩に乗り、
危なかった。と呟いた。
176ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:13:03 ID:I9MB8ua7
サングインのバラと、いかにも家宝と言えるだろう、
赤い宝石で出来たアミュレットを手に取り、
さて、出ようか。とタバサに言ったところ、
ズシン、ズシンとゴーレムが外で歩いていた。
しかも手にはロングビルが捕まえられている。
肩には、おそらくフーケなのだろう、女性らしきフォルムのそれは、
笑っているらしかった。本人は単に普段と違う景色を楽しんでいるだけだが。

「しくじった!フーケめ。ミス・ロングビルを狙っていたらしい」

彼女は平民だから、捕まえても問題は無いと判断したのだろう。
なかなか出来る盗人らしい。とギトーは言った。

「どうしますかな?ミスタ・ギトー」

「当然、助ける。私と共にいて盗賊に連れ去られました。等、口が裂けても言えんからな」

不敵に笑う。何か策があるらしい。

「マーティンさん。剣の腕前の程は?」

「ダガーでミノタウロス2体を切り結んだくらいでしょうか」

負けじと不敵に笑う。ちなみに、一体は友が弓か魔法で倒した。

「結構。時間を稼いでくれますかな?こちらの呪文は、少々唱えるのが長くて困りますからな」

剣を構え、走る。牽制代わりの氷の魔法を放つが、ゴーレムにはまるで効果が無い。
下手に範囲を広げたら、ロングビルまで巻き込んでしまう。
うかつに高威力魔法は、使えなかった。

「『雪風』よ、お前ならこの展開、どう凌ぐ?」

桃色と赤色の二人が慌ててギトーに駆け寄る中、タバサは答える。

「撤退。状況的に助けられない」

土のゴーレムは一度造られると面倒なのだ。
術者をどうにかすれば良いが、一々フーケは、自分の目の前当たりに
ゴーレムの腕を造り、そこにロングビルを捕らえている。

「駄目だな。貴様はまだまだ『風』を知らん」

カチンと来たらしい。何も言わないが、恐ろしく冷たい目で見る。
ちょうど、二人がギトーの元へ来た。

「ああ、来たか。お前達も見ていくと良い。では、教育してやろう。本当の『風』使いの戦い方という物を」

杖を出し、ニィとした獣の目でゴーレムとフーケを見やるギトーであった。
177ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:13:57 ID:I9MB8ua7
「なかなか精を出しますねー皇帝陛下」

のほほんと、かつ小さな声でフーケに話す。

「あいつが、あのマーティン・セプティム皇帝だったのかい!?てか、それなら何だってあんな小娘と?」

俺の妻を助け、俺の街を守ってくれた。と事あるごとに言っていた彼。
ギルドマスターグレイ・フォックス。恩義には熱いらしく、シエスタが、
それっぽい人が来たとマジックアイテムで連絡すると、
一晩で学院に潜り込んだ。元々、ヴァリエールのお嬢さんが、何か『虚無』っぽい。というのは、
盗賊ギルドの一部では良く言われる噂話だった。爆発しかしないって、
逆に凄くないか?という訳である。ミス・ノクターナルも呪文が使えなかったため、
そういうのもあり得るのだろう、とグレイ・フォックスは言っていた。
ちなみに、フーケはそこら辺の事は知っていたが、別段その為に入ったのではなく、
純粋にお宝目的である。『虚無』とか普通、盗賊にはどうでも良い事だ。

「さー?全部終わって、死んでしまったらこっちに来た、って言っていましたけど」

んじゃここは死後の世界なのかい?そうなんじゃないんですかー?
下では、必死で人が戦っているのに、のんきな物である。


「相棒、右だ!」

足が振り下ろされる。動きこそ緩慢だが、一撃当たれば致命傷は免れない。
30メイル上空では、よもや女の世間話が花を咲かしているなど思うはずもなく、
マーティンはギトーの為に、時間稼ぎとして、振り下ろされた足に、
剣を叩き込んでいる。錆びているのだ。切ろう等とは思ってはいけない。

「やれやれ、まるで素手でゾンビでも相手にしている気分だよ」

アンデッドは再生能力があるからね、こいつみたいに。と剣に軽口混じりで話す。
叩いても、叩いてもすぐに土が盛り返す。氷呪文を唱えるものの、低い威力では
一部が凍るだけだ。すぐに元に戻る。炎は土に効果が無いし、雷撃は吸収して地下に潜る。

「時間稼ぎなんだろ?そんでもって、何しでかすのかねぇ、あのメイジ先生は」


ギトーが楽しそうに喋ろうとするのを、ルイズは必死に止めていた。

「さて――この風のスクウェアスペルである『遍在』だが」

「いや、先生。喋らなくていいですから。マーティンがマズイですから!!」

と、ルイズに言われ、ん、と作り出した方でマーティンを見る。

「まだ、息は上がっていない。なるほど、どうやら本当にダガーでミノタウロスを殺ったらしいな。見事な腕前だ」

いやいやいやいや、とルイズが止めに入る。とりあえず黙れ。と言われた。
何でだろう。私普通だよね?とキュルケを見る。うんうんと彼女は頷いていた。
タバサは失望していた。こいつが言っていた『風』の戦い方とは言われなくても分かる。
遍在による多重攻撃を仕掛けるという事だろう。しかし、なら、せめて三体は出せ。
たった一体出して何になるのだ――
178ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:15:04 ID:I9MB8ua7
「何もならん。そう思うから、お前はまだまだ『風』を知らんのだ」

見透かされただと!こいつは一体何を考えている。
実は自分も師匠に教わったときにそう考えていただけだが。
そして、その師匠にも同じように言われた。
おそらくあの人もそうだったのだろう。

「風は矛にも盾にもなる。そして、自身の分身を創ると言うことは、こういう事も出来ると言うことだ!」

彼が、風しか知らないのには訳がある。生涯において絶対に越えねばならない存在が、この国にいるからだ。
生きた伝説『烈風』。若き日の彼(女だと知らない)はまさしく敵なしであったと聞く。
唯一彼と一騎打ちで戦い、生き残ったのはゲルマニアの傭兵だった。しかも、ただの平民上がり。
未だゲルマニアで一度限りの、烈風神話を打ち破る話だが、しかし、彼はこう思った。
ならば、私が次の伝説になってやろうではないか、と。
ならば、私こそが最強の『風』になってやろうではないか、と。

永遠に続くかのような、恐ろしいまでの修練の末、ついに、
彼は、教わったそれを進化させた。
遍在との合体魔法、風を合わせた最強呪文を。
一日にたった一度しか使えぬ、しかし、確実に敵を穿つ呪文。

「思い知れ。これが、オクタゴンスペルだ!」

『風』の八乗の呪文。長々と唱えるのは、スクウェア二つでは比べ物にならない程の、一撃必殺。
今度二つ名を変えるときは『暴風』にしよう。そうギトーは思っている。


「マーティン、マーティン大丈夫!?」

突然後から爆風が吹き荒れたと思ったら、いつの間にか気絶していたらしい。
ルイズの声で目が覚め、辺りを見る。惨状だった。
小屋が消え去っている。辺りにあった森の一部が完全になぎ払われていた。
ゴーレムは上半身どころか完全に破壊されたのだろう。自分が生きている理由が欲しい所だった。

「え、ええと、ルイズ、これは一体?」

そこでのびているミス・ロングビルを、アレはだめだ、
色々な意味で。と思いながら介抱しているタバサを見て、
マーティンは聞いた。ギトー先生がやったんだそうだ。当のギトー先生はと言うと、
気絶して、ツェルプストーが介抱しているらしい。惚れたんだそうだ。威力とかに。

「ああ、もう、風が最強だの、どうのでお母様とやりあいたいなら、いつでもいらっしゃればいいのに!」

こんな危ない呪文使わせる前に、杖取られて終わりよ普通!と、ルイズは完全にギトーが忘れていた欠点を指摘した。


「はぁぁぁ。生きているって、こんなに素敵な事なんですね、ひいおじいちゃん…」

以前、日の当たる世界での生をとても感謝しながら、ぶどう畑で働いていた曾祖父を思い出した。
勘だった。ここにいたらヤバイと、フーケもスケイルも気が付いた。
瞬間的に呪文を解き、土の防壁を造る。フーケはそうした。結果マーティンも助かった。
スケイルの場合、さらに勘だった。どっちに来るか、である。
右を選択した。だから左に飛んで逃げた。ありがたいことに当たりだった。それだけである。
二分の一で今頃粉みじんになっていただろう。やれやれ、割にあいませんよ。
とため息を付きながら、メイド服に着替えて、シエスタは学院に戻るのであった。
179ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:16:23 ID:I9MB8ua7
「おお、ありがとう。ありがとう…大丈夫かの、皆?」

一人が余計にやってくれたお陰で、
大分と疲れるハメになった皆は、一人以外首をブンブンと横に振った。
帰り、ロングビルが目を覚まさないため、
代わりにマーティンが馬を引いていた事もあって、
疲れていない人など赤い髪の女性以外いなかった。
ちなみに、ギトーはまだ寝ている。この野郎。

「まぁ、杖もアミュレットも戻って良かったわい。これわしは着けられないんじゃけどな」

そう言って、アミュレットを首にさげようとすると、
まるで嫌がっているかのように、手からすべり落ちた。
遺言で付けられる人がいたら、持ってってもらえと、
親父に言われたんじゃけどなー、と笑っている。

あ、マーティンはあの「赤さ」を何処かで見たのを思い出した。
いや、というよりも、もしかしたら着けられるかもしれない。
しかし、あれは壊した。いや、私も生き返ったからアレも生き返るのだろうか?
オスマンから借りて、首からさげる。何の問題もなく通った。

「おー?それ、そっちの物じゃったのか?このバラの杖みたく」

「え、ええ。その、私の家宝にも、似たような物があったなー、なんて思い出して」

さて、これが何かは分かった、しかし、オスマンさんは家宝と言ったのだから年代は古かろう。
なら、何故これがこんな所に、というよりアカトシュよ、貴方様はここで何をしたのですか。
誰に言う訳でもなく、マーティンは心の中で竜の神を問いただした。
これは、間違いなくアカトシュによって作られた「王者のアミュレット」と同じ品。
持ってってえーよ。君じゃし。飯美味かったしの。と快く頂いたマーティンであった。
180ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア:2008/09/29(月) 06:17:14 ID:I9MB8ua7
投下終了です
ギトー先生は最後の最後で抜けているスネイプなイメージ
でも、「駄目だな」はよろしければソウルキャリバーのラファエルで、
脳内再生してくれると嬉しいです。
マーティンがお礼に王者のアミュレットらしき物を手に入れたようです。
ようやく、アルビオンです。さぁさぁ頑張りましょうぞ。15巻まで買いました。
では、ブレッシングオブアカトシュ
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 06:23:54 ID:kQ2uHi1p
シャドウハイチュウ

乙である、だけど休みはちゃんととってくれ
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 06:39:31 ID:7NRu4Ao4
>>167
ご意見有り難うございます
確かに召還される前に切るのは不味かった
ですね・・・こういうセンス磨くのも今後の課題です
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 06:46:14 ID:7NRu4Ao4
専ブラ導入しよう・・・
そして氏のう・・・
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 06:53:42 ID:PdHHQynD
>>182
乙です
本筋に期待しています
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 07:47:15 ID:NZ1NLOoQ
乙です。
確かに自分が二人なら息ピッタリ合いますね。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 10:18:57 ID:PRI7qsrg
乙したー。
読点は一時期多すぎる感じだったけど、最近バランス良くなってきたかな。
んでまあ、確かに自分同士なら息ぴったりですわな。八乗とわ。
かっこいいギトー先生という珍しいものを見せていただきました。
「使えないよ!」ってルイズは言ってるけど、
「魔法使いってのは大砲だ」と言い切る某吸血娘さんの戦い方ならいけますよねぇ。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 10:32:16 ID:jwgrdr4O
とわ、ってなんだよ
日本語で喋れ
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 10:41:09 ID:c1VN0qWD
>187
わざわざ感想の、ひとつの誤字にあげ足とって楽しい?
楽しいみたいだねぇ。馬鹿?
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 10:41:45 ID:uvJWBLkA
日本人なら察しと思いやりも必要ですよね−
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 10:54:29 ID:nCi3qM7Y
八乗乙ー
王族いらねぇww
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 11:00:48 ID:5mwQa83o
乙です
言われた通りにギトー先生をラファエルで再生したら電波入ったロリコン貴族のイメージが染み付いてしまった件

次の給料日にオブリビオン買おうかな。せっかく×箱エリート買ったところだし。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 12:02:40 ID:oBL1rpgc
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 12:40:53 ID:BEV1FTjJ
>>192
え、ちょ、SUGEEEEE!!! いつの間にあの数が……。
今まで見れなくて残念だったんだ、めちゃ嬉しいw
UPされなかった一レスとかの掘り出し物ないか探してみよっと!
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 13:13:54 ID:ZsTNflAO
>>190
逆に考えるんだ。
訓練とかしないで他人同士でヘクサゴンできる王族のスクエアが二人で遍在で訓練したら
4×4×4×4
とかわりと簡単にできそうな気がする、と。
そう考えるんだ!

まあ遍在でオクタゴンというのは面白いネタだよね。
今後、ゼロ魔二次で原作にないのに定着していきそうなくらいに。
俺もどこかで使いたいと思った。

そんなわけでジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニアの人、GJした!
195THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(0/8):2008/09/29(月) 13:23:49 ID:JkDe3hwH
うごぉめく罠はぁ〜

投下……出来るかな?この書き込みの前に予告が入りこまなけりゃそのまま投下しますね。

この話書いてる最中、エンディングの方が先に書き終わりました。
俺的にシナリオの終着方向を事前に決めとかないと、途中で書くスピードが落ちそうなんですよねぇ。話の道筋に迷って。
まぁ、そこに行き着くまで先は長そうですが。

まとめサイトでまとめて下さった方ありがとうございます。判りやすいように今回から番号を振りますね。
196THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(1/8):2008/09/29(月) 13:25:29 ID:JkDe3hwH
 その日最初の授業は、進級した生徒達の使い魔お披露目的な意味もあった。
 故に、担当である土のトライアングルメイジ、シュヴルーズの授業最初の言葉もそれを意識したものとなっていた。
「皆さん、春の使い魔召喚の儀は無事滞りなく終えたようですね」
 様々な使い魔が居る中で、やはり一人、人間の使い魔がメイジの側の床に座っているのは一際目を引いていた。しかも体育座りで。
「ミス・ヴァリエールは……その、随分特殊な使い魔を召喚なさったようで」
 まぁ特殊といえば特殊だなと心中ひとりごちるクォヴレー。
「ルイズ!サモン・サーヴァントが出来なかったからって、そこいらで歩いてた平民を連れてくるなよ!」
 やけに丸まっちぃ体つきをした男子生徒が、囃し立てるようにルイズに言った。
「ち、違うわ!ちゃんと呼んだら、コイツが出てきただけよ!」
「嘘付くなよ!聞いたこと無いぜ、サモン・サーヴァントで平民を呼んだメイジなんて!」
「そうさ!おおかた、公爵様の領地に居た奴を連れてきたんだろう!?」
 続けて悪し様に笑う生徒達。
(これが、学校にあるというイジメという奴か)
 加えてこの言い方や、昨日この学園へ飛んで帰った生徒達の言を合わせると
(おそらくルイズは、魔法が余程苦手なのか、さもなくば使えず、それをイジメのネタにされているという事か)
 ふむ、と考え込むクォヴレー。
「皆さんお静かに。学友のことをそのように言う物ではありませんよ」
(最初に話を振ったのはあの教師だと思うが……)
 少し呆れながら女性を見る。
「しかしルイズは……!」
 初めに声を出した小太りの男子生徒が再び何か言いかけたところで、その口が赤土で塞がれる。
「貴族としての礼儀に欠けます。バツとして、そのままで授業を受けなさい」
 成る程と少年から教壇に立つ教師に視線を向ける。
(先程の言葉は撒き餌か。ルイズを悪く言う連中をあぶり出し、それに対する警告としてあの少年をスケープゴートにした)
 本音など、彼女本人にしか判らないが、少なくともクォヴレーはそう理解した。
(ただ、もう少しやりようが有っただろうとは思うがな)
 そうして始まった授業を、ぼんやりとクォヴレーは聞いていた。
 この世界における系統は地火風水の4系統とかなんとか。
 実はクォヴレー、擬似魔法とも呼ばれる火冷雷聖闇地水風の八つに分かれた魔法っぽいものならば己で扱ったことがある。G.F.と呼ばれる精神生命体の存在を応用したジャンクションとか言う技術であったか。
197THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(2/8):2008/09/29(月) 13:27:27 ID:JkDe3hwH
 その世界の額に傷のある傭兵を思い出し、彼は元気だろうかと軽く異世界へ思いを馳せる。
 おセンチになっているクォヴレーはさて置かれ、授業は進む。
「ではこの練金を、ミス・ヴァリエール。やってご覧なさい」
「は、はいっ!」
 突然指名され、慌てて立ち上がるルイズ。
「先生、止めておいた方がいいと思いますけれど……」
 キュルケがおずおずとそれの撤回を求める。
「何故ですか?」
「危険です」
 キュルケの言に、肯定する大勢の生徒達。
「危険?どうしてですか?」
「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
 キュルケが止めるように求めるが、シュヴルーズは何の事か判らないという様子で、ルイズに向ってやってごらんなさいと促す。
「やります!」
 と教壇へ向かうルイズに、キュルケはなかば悲鳴のような懇願を投げかけた。。
「ルイズ。やめて!」
 ざわざわと教室が騒がしくなる。一人、青い髪の女生徒がそそくさと教室を出て行くのが見えた。
(何だ、この騒がしさは?練金と言ったが……ルイズが行う魔法に、何か問題があるのか?)
 周りの生徒に授業の冒頭のとき感じられたルイズへの嘲弄は微塵も感じられず、有るのはまるで、地震が発生する直前の森の動物たちの恐怖感の様だった。
「ミス・ヴァリエール、練金したい物質を心に描くのです」
 はいと力強く頷き、杖を振り上げるルイズ。
(何か危険があるらしいな……)
 他の生徒達に倣い、クォヴレーも先程までルイズが居た机の影にその身を隠した。
 それでも様子は気になるので、緊急時の屋内戦闘用にと持っていた内視鏡をスッと差し出したところで、教壇方向から凄まじい爆風が吹き荒れ、飛んできた机か何かの破片で内視鏡を取り落としてしまい、隠れていた机も爆風に晒された。
 数秒後。どうにか大した怪我もなく爆発を凌いだクォヴレーは、机の影から身を起こす。
(練金と聞いたが、ニトロでも練金したのか)
 辺りじゅう、見るも無惨な有様だった。
「だから言ったのよ!あいつにやらせるなって!」
 キュルケも机の影からはい出ながら叫ぶ。彼女の使い魔であるフレイムを初め、他の使い魔達も大パニックである。
 瓦礫の中、煤だらけでぼろぼろの制服に身を包んだルイズが立ち上がる。
「ちょっと、失敗みたいね」
198THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(3/8):2008/09/29(月) 13:29:30 ID:JkDe3hwH
「ちょっとじゃないだろ!ゼロのルイズ!」
「いつだって成功率、ほとんどゼロじゃないかよ!」
 立て続けにルイズへ浴びせられる罵倒。
(……だから、ゼロのルイズだった訳か)
 ようやくにして二つ名の意味を理解したクォヴレーだった。

 やがてルイズの魔法で気絶していたシュヴルーズも目を覚まし、結局そのまま授業はお流れとなった。ルイズは魔法無しでの片づけを命じられていた。
 まぁ、使ったところで失敗ばかりの魔法では片づけるどころか余計に被害を甚大にするだけだから言われるまでもないことなのだが。
 とりあえず、クォヴレーにも手伝うように命じて、片づけを始める。
 破壊された机や椅子を手早く運び出し、粉塵レベルとなった元机や椅子を箒で履き集める。雑事をしたことがないという割にクォヴレーは中々の手際だった。
 そして悪態一つ、文句一つも言わずに黙々と彼が作業を続けるほど、ルイズは気が滅入っていた。
 何も言わないだけで、自分に呆れ返っているのではないか?無能な主人だと悟られ、見限られようとしているのではないか?或いは、魔法が使えない自分は、平民である彼からも哀れみでもって見られているのか?
 それは余りにも惨めだ。
「……何か言ったらどうなのよ」
 ついに静かさに耐えきれなくなったルイズが、破片を拾い集めるクォヴレーに言葉を投げる。
「何がだ?」
 何を言いたいのか判らないという顔をしながら振り向く。
「どうせアンタだって、私のことを魔法も使えない無能なメイジだって思ってるんでしょ?」
 すると怪訝な表情でクォヴレーは首をかしげた。
「使えてはいるだろう?」
「え?」
 思ってもみない言葉に、虚をつかれる。
「貸してみろ」
「ちょ、ちょっ……」
 止める間もなく、クォヴレーはルイズの杖を取り上げ、目を瞑って呪を唱える。初めて聞いた詠唱だが、それは間違いなくルーンだった。
『我、クォヴレー・ゴードンが汝らに命ずる。
 古の闇の契約により、我が前に現れ集わんことを望む!』
 カッと目を見開き、杖を前に差し出す。
「アレイアード!」
 ……何も起きなかった。
「魔法が使えないというのはこういう事だ。ルイズの場合は、制御出来ていない、という方が正しいだろう」
199THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(4/8):2008/09/29(月) 13:31:36 ID:JkDe3hwH
 返された杖を見ながら、プッとルイズは吹き出した。
 何を勘違いしたのかは判らないが、メイジの杖は一人一人専用のものだ。誰か別のメイジがルイズの杖を持ったところで、魔法は使えない。よしんばクォヴレーの血筋にメイジが居たとしても魔法が使える筈など無いのだ。
 しかし、彼の言いたいことは判った。
「どうした」
 吹き出したルイズに、不思議そうに問いかけるクォヴレー。
「ううん。アンタの言う通りって思っただけよ。そうよね。私は魔法の使い方が他の人と違うだけなのよ。だからそれを見つければ、きっとちゃんとした魔法が使えるようになるわ!」
「その意気だ」
 ニコリと、昨晩ルイズに、今朝はキュルケに向けた笑みを再び浮かべてクォヴレーは頷いた。そして再び黙々と掃除を始める。
 ルイズも、雑巾で無事だった机を拭き始めながら、気になったことを尋ねる。
「……さっきの呪文の詠唱、何だったの?本当にルーンみたいだったけど」
「以前旅先で出会った魔導師――そこではメイジのことをこう呼んでいたんだが、そいつが使った魔法だ。あいつ自身が全力で使えば、この学院の敷地の半分は吹き飛ぶぐらいなんだが」
「ふーん、凄いのね」
 軽く受け流すルイズ。
 彼女は冗談ぐらいにしか思っていないが、魔界の貴公子をして本気で戦わせた事のあるその実力、かなり大マジである。
「ああ、凄い奴だ。闇の大魔導師と名乗っていたかな」
「闇って、陰険な二つ名ね」
 そこでふと、初対面時の会話を思い出す。
「そういえばアンタ、おかしな事言ってたわね。私の二つ名が強そうとか。どういう意味?」
「そのままの意味だ。お前の二つ名を聞いて、俺は強そうだと思った。俺が見てきた『ゼロ』と呼ばれるモノは皆強かったからな」
 ゼロと呼ばれたモビルスーツ、超闘士の剣戟試作型TYPE-0、バハムート零式……etc.etc.クォヴレーがこれまで様々な世界を渡り歩いてきたなかで、ゼロと呼ばれるモノはほとんど全てが強かった。
「そう、なら私は例外ね。見ての通り、今のところ何をやっても失敗ばかりだもの……」
 自嘲気味にルイズは呟く。先程のクォヴレーの励ましで幾分精神的余裕も出来たが、現状として強そうなのとはほど遠い。
「一概に、そうとは言えまい」
 静かに、だが確固たる口調でクォヴレーは言葉を返した。
「言霊、という考え方がある。言葉には魂が宿るという思想で、個々の単語にも魂があると」
 再び話し出したクォヴレーに、ついルイズは目がいく。作業を続けながら、クォヴレーの話は続いた。
200THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(5/8):2008/09/29(月) 13:33:55 ID:JkDe3hwH
「俺が見てきた『ゼロ』と呼ばれている者達が皆強いのなら、やはりルイズ、『ゼロ』と呼ばれているお前も強い筈だ。魔法がちゃんと使えるようになれば、その二つ名も誇れるものになる」
「ちょっと……魔法が使えるようになっても私は『ゼロ』な訳?」
 いささかムッとしたように睨み付ける。
「言ったとおり、ゼロという呼び名も捨てたものでもない。意味づけが欲しいのなら、そうだな。その実力によって、敵対しようとする者がゼロな最強のメイジ、というのはどうだ。お前を馬鹿にしている連中を見返すためにも、あえてゼロの名を残しておくのも一興だぞ」
 クォヴレーの言葉に少しは機嫌も直る。
「誇れる『ゼロ』か……良いかもしれないわね」
 クォヴレーの言う見たこともないゼロと呼ばれる強い者達へ思いを馳せる。
「アンタは、色んな所を旅しているのね。どこから来たの?」
 そういえば、今まで聞いたことの無かった質問だ。
「遠く、からだ……ずっと旅を続けていて、俺は各地を旅しながら『敵』を打ち続けている」
 そういいながら手を止め、遠くを見つめる銀髪の少年が、ルイズには一瞬学院長のオールド・オスマン程の老人に見えた。
「長い旅なのね」
「そうだな。たまに故郷に帰るが、ほとんど知り合いと話しもしないうちにまた旅に出ている。俺の敵はいろいろな所に居るからな。それを虱潰しにしていかなければならない」
 戦い続ける旅。それも、口ぶりからすると一人旅。
 自分は、どうだろうか?
 ここ、トリステインに家族を残して旅の空。一人ぼっち。
(寂しい……)
 考えただけでも嫌だ。
 最近では、もはや自分が魔法を使えないことを諦めて、憐憫の目で見られることもある父や母だが、それでも親なのだ。
 ずっと自分をいじめ続けてくれている長姉、それでも愛しいのだ。
 身体が弱くて出歩くのも困難な次姉、彼女はただ一人自分に優しいのだ。
 それに会えなくなる。
 目の前の少年が、そんな経験をしているのなら、先程の老人のような顔も、理解出来た。
「クォヴレー」
 そんな旅は止めて、自分の使い魔として一緒に居ればいい。
 そう言おうとした時だった。
「ルイズに呼ばれたのもあるが、ここを訪れたのもその一環だ」
 にこやかに、クォヴレーがそう言った。
 その笑顔を見た瞬間、ルイズはすぅっと自分の中の温度が4,5度程下がった気がした。
「……後はあんた一人で片づけなさい」
201THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(6/8):2008/09/29(月) 13:35:08 ID:JkDe3hwH
 雑巾を放り出しながら立ち上がる。
「? ああ、そうだな。これぐらいなら後は俺一人で何とかなるだろう」
 教室を見回して、頷き返すクォヴレー。
「言っておくけどね!?使い魔と主人の契約は、どっちかが死ぬまで続くんだから!」
「そうなのか」
 さして動じた様子もない。
「では、俺はルイズが命数を使い果たすその時まで、共に過ごそう」
「馬鹿!私が死ぬ頃なんて、アンタが生きてたってとっくによぼよぼの年寄りじゃない!アンタはもう、旅を続けられないのよ!」
 しばし考え込むような仕草をして、クォヴレーは口を開いた。
「……言っていなかったが、ルイズ。俺は見た目通りの年齢じゃない。既に俺自身、一体どれだけ生きているのか判らない」
 つまり、この少年は少年ではなく、先程や今見せているその老人のような顔こそが、本来の在り方で。

――タイムダイバー
 俺はどこから来たのか?
 そしてどこへ行くのだろうか?
 この時の迷路の中で――

 仮初めの主の命の火が消える時、再び永劫の旅は始まる。
 その場の空気に耐えきれず、ルイズは教室を飛び出した。
「なによなによなによなによ!アイツ……!同情してちょっと優しくしてやろうと思ったら、あっさり私の手を払いのけて!恩知らず!」
 悪態を付きながら走り続ける。
「知らないんだから!そんなに旅を続けて『敵』と戦いたければ、勝手に戦って死ねばいいじゃない!」
 一体どこをどう走ったのかは覚えていないが、気が付いた時、肩で息をしながら食堂近くの木にもたれかかっていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……そう、よ……はぁ……あいつが……死んじゃえば……はぁ……私は、……もっとちゃんとした使い魔を呼べるんだから!」
 最後に一気に空気を使ってしまったため、また息が荒くなり何度も呼吸を繰り返すうちにやがて落ち着いた。
 もたれたままゆっくりと腰を下ろし、ため息をつく。
「……お腹すいた」
 そういえばもう昼時だ。結局掃除で午前中がまるまるつぶれてしまっていた。食堂の方も騒がしい。
 空腹では尚のこと気が滅入ってくる。食事をして気を紛らわせようとルイズは食堂へ向かった。
202THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(6/8):2008/09/29(月) 13:38:55 ID:JkDe3hwH
「来たか、ルイズ」
 席について早々に使い魔から声をかけられ、ルイズは盛大に椅子ごとずっこけた。
 周囲の生徒が迷惑そうにそれを見る。
「ななななな何でアンタがここにいるのよ!」
「教室の片づけは終わったが、お前がどこにいるのかが判らなくてな。そろそろ昼食時だと聞いたので、恩返しを兼ねて手伝いをしながら来るのを待っていた」
 平然と言いながら、立てるかと手を差し出してくるクォヴレー。いつもの銀色の奇妙な服の上から付けたエプロンが、何故か似合っている。
「恩返し……?」
「あ、クォヴレーさん。ミス・ヴァリエールがいらしたんですね」
 料理を運んでいるメイドが、声をかける。
「ああ」
「お手伝いありがとうございました」
「いや、乗りかかった船という奴だ。最後まで手伝おう。ただ、少しルイズと話がしたいので外させてくれ」
 助かりますと声をかけてメイドは厨房へ引っ込んだ。
「朝方、道に迷っていた時に助けられた」
「そう……」
 クォヴレーに引き起こされながら、心ここにあらずといった風で返す。
「ルイズ、まずはありがとう」
 突然の感謝の言葉に、面食らう。
「ちょっと……何言ってるのよ!?」
「先程のあれは、怒っていたんだろう?俺は、永遠に戦い続けるのが運命だという事に」
「そ、それは……」
 自分でもほとんど自覚していなかった本心を言い当てられ、言いよどむ。
「以前、同じ事について怒ってくれた少年が居た。『人のために頑張っている奴は、その分だけ報われなきゃいけない』と。だがな、ルイズ」
 優しい目でルイズを見つめる。
「俺は十分報われている。行く先々で、いろいろな人々と出会える。ルイズもその一人だ。いろいろな人と過ごす楽しい時間。そうして培ってきた信頼こそが俺の力になる」
 それは、やはり年老いた老人のような顔。だが、ルイズに見抜けなかったのはそこにあるのが枯れではなく、様々な経験を積んだ上での満足感だということ。
 やはり今回も、ルイズはクォヴレーの表情からそこまでは読み取れなかった。
 だが、目の前の人物が、満ち足りた生き方をしているのは、その穏やかな表情から理解出来た。
 その事に何だかほっとして、ようやく普段のメンタル状態に落ち着く。
 そしてやっぱり普段の自分というのは全くもって素直でなくて。
「ふ、フン!何言ってるのよ!そもそも私は、アンタのいう事なんてこれっぽっちも信じてないんだから!自分でも判らないぐらいの歳?冗談も休み休みに言いなさい!見たところ精々私と同じくらいでしょ!」
203THE GUN OF ZERO 04 TIME DIVER(8/8):2008/09/29(月) 13:41:21 ID:JkDe3hwH
「外見的に俺は少なくとも17才ぐらいの歳ではあると思うんだが……」
 少々不満げに口を挟むクォヴレー。
「私は16よ!」
 怒髪天を突くの如く怒るルイズ。
「それは済まない」
 素直に頭を下げる。
「もうあったま来た!あんな訳の分からないこと言って、私を混乱させようったってそうはいかないんだから!アンタは私の使い魔で、しかも結局私の方が長生きしちゃってここに墓を建てる事になるのよ!」
 ビシッと指を自分に向ける少女に、クォヴレーは笑いかける。
「フフフ……」
「何がおかしいのよ!?」
「いや、元よりあんな話はルイズには関係のないものだったな。忘れてくれ。重要なのは俺がお前の使い魔で、そして死ぬまで共にあるという事だ」
 見るからに余裕のある態度に、余計苦々しく思いながらも、これ以上突っかかっても精神的に打ち負かすのは難しいらしいと悟り、戦略的撤退を敢行する。
「そうよ!判ったら大人しく私の使い魔で居なさい!」
 大仰に頷きながら椅子に着く。
「判った。では、手伝いを続けてくる」
「なっ……!」
 止める間もあればこそ。そのままクォヴレーはすたすたと厨房へ引っ込んでしまった。
「言った先からメイドに尻尾振って……!どういうつもりよアイツ!」


うわー済みません。一つ上の奴ナンバリング間違えました……。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 13:49:18 ID:L/vK3i0f
乙です
厨キャラになりがちなキャラな感じだけどこれは良い久保ですね
今後の展開も期待だゼェーット!!
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 13:52:59 ID:I+14YTSl
久保の人GJでした
しかし、一々ずれた思考をする久保が面白いw
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 14:07:20 ID:XjzBT+wm
久保乙ー。
さあそろそろギーシュイベントか。
久保は回避しそうにないしどうなるか……
1.開始早々あっさり接近されてアームロック、ギブアップ
2.いきなり杖を銃で撃たれる
3.アストラナガン登場。土下座して許しを請う

4. ア イ ン ソ フ オ ウ ル 〜さらばギーシュ 無限光の彼方の世界へレディー・ゴー!!〜
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 14:09:29 ID:PRI7qsrg
乙した。
アレイアードって某「お前が欲しい」の人の魔法だっけか。
C社晩年には魔女さんといい感じになってたっけなぁ……ううっ(つ_T)
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 15:29:58 ID:ZAbPD1IV
久保様乙です!
今回もとっても面白かったです。次も期待して待ってます。

P.S.
私の勝手な期待なので申し訳ないのですが、できればアストラナガンを召喚してくださいww
「僕はメイジだ。だから、魔法を使って戦わせてもらう」
「そうか、なら俺はこいつを使わせてもらう」
みたいな感じでww
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 15:35:49 ID:xj5kSFfk
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 17:54:49 ID:c7B3gYpn
>>208
ディスが抜けると凄い事になるんだが。
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 18:29:40 ID:3q2yiNXS
他社のゲームにまで旅行すんな久保w
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 18:31:39 ID:l2ZDXhF7
いよいよ、伝説の11人抜きが見れるのか
213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 18:40:16 ID:I9MB8ua7
>>191
亀ですが。
購入目的は何でしょうか?
テイルズかフォールアウト3かで、
オススメかどうかが変わります。
思い切りススメますけど、良くも悪くも洋ゲーです。
親切に創られているのは間違い無いですが、
最初、説明が終わると後はどうぞお好きに。
というシステムなので、
慣れるまであれー?と思うかもしれません。
キングスフィールドというゲームにハマッていたら問題ないとか。
スレ違いすいませんでした。
214異世界BASARA:2008/09/29(月) 19:19:14 ID:M4Uh37hq
良作が投下されていてメチャクチャ緊張していますが……
自分も投下してよかですか?
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:21:07 ID:I9MB8ua7
たくさん投下されるからこそ、
互いに磨きがかかって尚良しとなるのです。
さぁさぁ、どうぞ投下してくださいまし。
216異世界BASARA  1/5:2008/09/29(月) 19:25:11 ID:M4Uh37hq
ありがとうございます!では投下!


重傷の幸村と氏政、そしてルイズ達を乗せた忠勝がトリステインの王宮に到着したのは、翌日の昼間であった。
戦争が始まるという噂が広まっていた矢先に空から忠勝が降下してきた為、一時は王宮内が騒然となったが、アンリエッタが取り成してくれたおかげで捕まる事はなかった。

そして、その王宮の一室……
その部屋にはルイズとギーシュ、そしてベッドで眠る幸村と氏政がいる。
2人の傷は酷かったが、水のメイジ達による迅速な治療のおかげで何とか一命を取り留める事が出来た。
その後、この部屋に運ばれて絶対安静を言い渡されたのである。
しかし、幸村と氏政はアルビオンの戦いから2日経った今も目を覚まさずにいた。

(……馬鹿……)

ベッドで眠り続けている幸村に、ルイズは心の中で呟いた。

(私を守る為に死ぬのはダメって言ったのに……)

だがルイズははっとなって首を振る。
幸村がこうなる原因を作ったのは自分だ。もし幸村が駆けつけてくれなかったら、自分はここにいない。

(私に、もっと力があれば……)

ルイズは唇を噛み締め、己の無力さを悔やんだ。
217異世界BASARA 2/5:2008/09/29(月) 19:28:58 ID:M4Uh37hq
一方、もう1つのベッドで寝ている氏政の横にはギーシュがいた。
初めて氏政を使い魔の儀式で召喚した時、ギーシュはこう思った。


――何故、自分の使い魔がこんな平民なんだ――


何も平民を召喚したのはギーシュだけではない。
ルイズ、キュルケ、タバサも同じように平民を召喚している。
だが、その中でも氏政はとても頼りなく見えたのだ。
おまけに主である自分の言う事も聞かず、自分勝手に振舞う……
ギーシュはどこか心の中で、彼を軽蔑していた。

しかし、ギーシュの命を救ったのは、頼りないと思っていたこの氏政であった。
ギーシュの脳裏に、アルビオンの港でレコン・キスタと対峙した時の光景が浮かぶ。
突如現れたミノタウロスには敗れたものの、彼は敵兵相手に良く戦った。

(僕は……何も出来なかったな……)


そしてもう1人、トリステインの王女もまた、自分の無力さに悲嘆していた。
アンリエッタの手には、アルビオンから取り戻された手紙が握られている。
それをそっと握り締めると、これを渡された時の事を思い出した。
218異世界BASARA 3/5:2008/09/29(月) 19:30:40 ID:M4Uh37hq
「……すまん、お前が一番取り返したかったものを取り返せなかった……」
手紙を渡しながら利家はアンリエッタに謝った。
「あの子爵様が裏切り者だったなんて……まさか、魔法衛士隊に裏切り者がいたなんて……」
受け取った手紙を見つめながら、アンリエッタははらはらと涙を流した。

「それでお前……覚悟は出来ているか?」
と、利家は真剣な顔つきでアンリエッタに問い掛けた。
「覚……悟……?」
涙を拭いながらアンリエッタは利家に問い返す。
「そうだ。手紙は取り戻したが、あいつ等が攻めてこなくなった訳じゃない。その時戦う覚悟だけはしておくんだぞ」
利家はそう言うと、踵を返して部屋から出て行こうとする。

「アンリエッタ」

と、扉を開けた利家がアンリエッタに声を掛けた。

「兵に守られるのが総大将ではない。兵を守るのが総大将だ。それを忘れるな」

そう言うと、利家は振り返らずに部屋から出て行った。

「兵を守るのが……総大将……」
2日前に利家から言われた言葉を、アンリエッタは思わず口にしていた。
ウェールズ皇太子も、兵を守る為に勇敢に戦って……そして死んだ。

ならば、自分は勇敢に生きよう。勇敢に生きて、皆を守ろう。

アンリエッタは手の中にある手紙を見つめ、そう誓った。
219異世界BASARA 4/5:2008/09/29(月) 19:33:48 ID:M4Uh37hq
幸村が王宮に運ばれてから3日目……
ルイズは窓からさし込む日光の眩しさで目を覚ました。
幸村の看病をしていて、いつの間にか眠ってしまったようである。
目を擦りながら、ルイズはふとベッドに眠る幸村を見ると、そっと髪を撫でた。
幸村は相変わらず眠り続けている。
(黙っているとかっこいいのに……)
ルイズは幸村の髪の毛を撫でながら思った。


『さ、行こうルイズ』


不意に最初の夢で出てきた幸村が脳裏に浮かび、ルイズは真っ赤になった。
(な、何で今頃になって思い出すのよ!!)
真っ赤な顔のまま、ルイズはチラッと幸村に目を向ける。
黙っていればかっこいい男の寝顔がそこにあった。
(ギーシュは……お、起きてないわね……)
ギーシュが寝ているのを確認すると、ルイズはゆっくりと幸村に顔を近づける。
そして、そっと幸村の唇にキスを…………


……しようとしたその時だった。


「うーーーん……」
「っっっっっっっ!!!!!?????」


ベッドで寝ていた氏政が突然呻き声を上げたのだ。
ルイズは疾風の如き速さで顔を上げる。一足遅れて、氏政の声に気づいたギーシュが目を覚ました。
「ウ、ウジマサ!?気がついたのかい!」
ギーシュが大声で騒ぎ立てる中、氏政はゆっくりと右手を上げる。
そして次の瞬間。



「逝けるっっっっっ!!!!!!」



氏政はカッ!と白目をむいて叫んだ。
220異世界BASARA 5/5:2008/09/29(月) 19:38:43 ID:M4Uh37hq
「逝くなあぁぁぁぁぁぁーーー!!!!!」
それを聞いたギーシュが大声でツッこんだ!
ビクン!と一瞬氏政の体が痙攣する。しばらくして氏政はぱちりと目を開き、ゆっくりと体を起こした。

「ウジマサ……だ、大丈夫かい?」
「……わしは二度汁かけしたご飯が好きなんじゃ。良いか?けっして計り間違えたわけではないぞ。二度汁かけしたご飯が好きなんじゃ」

少し錯乱しているようだが、何とか大丈夫そうだ。
「あ、ああウジマサ……良かった……本当に……本当に!」
「二度汁かけごは……ん?な、何じゃここは?わしは牛の妖怪と戦っていた筈じゃが……」
しばらくして落ち着きを取り戻したのか、氏政はキョロキョロと辺りを見回した。
と、氏政はフルフルと震えているギーシュに気がついた。
「無事でよがっだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ〜〜!!!!!」
「ちょ、何泣いておるのじゃおぬ……うげぇ!!」
感極まったギーシュは、涙でグシャグシャになった顔のまま氏政に抱きついてきた。
一方、さっきまで幸村にキスをしようとドキドキしていたルイズは、ギーシュの変貌っぷりに唖然とした。


ここまでで投下終了!
ちなみに、汁かけご飯は氏政の有名な逸話です。
というか氏政にろくな逸話がねぇ……
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:40:25 ID:c7B3gYpn
さかきばらのぶゆき乙!
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:46:51 ID:5mwQa83o
逝ける!でいろいろ吹っ飛んだ
乙です!
>>213
パンツ見るゲーム(ソウルキャリバー4)目当てに買いました。
ぶっちゃけ洋ゲーはオブリビオンが始めてになる(予定)
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:52:08 ID:I9MB8ua7
>>220
ウジマサ良いよウジマサ。
台無しにもほどが有りすぎるよ。そこが良いのだけれど。
利家が格好良いです。裸なのに。

>>222
なら、顔の方で覚悟完了しないといけないかもしれない。
顔を自分で作れるけれど、相当努力しないと、
創れないんです。面倒なら猫人やらトカゲ人でも、
愛着沸きますから。
またスレ違いごめんなさい。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:02:58 ID:edRNPtWG
GUN OF ZERO の人、乙です。
次は待望のギーシュ戦ですかね?
もうワクワクしてたまらないんですがw
楽しみにしてますので一日も早い投稿を!

>>206

3か4でw
どっちでも面白そう!
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:05:30 ID:DG1qahGh
スペックが足りてるならオブリビオンはPC版を強くお勧めするよ。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:23:33 ID:vHiBf0z3
>>224
3にしても4にしてもゼロ魔蹂躙を通り越して、ただの無意味なオーバーキルでしかないさ。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:38:28 ID:xj5kSFfk
>>212
いいえ、ワールドクラスのシュートから変な踊りのコンボです。
228ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:07:50 ID:1So2vl2R
21:10に投下します。たぶん6話。
229ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:10:40 ID:1So2vl2R
ギーシュとフリーダの決闘事件から数日後。
「御機嫌よう。フリーダさん」
「御機嫌よう。ヴィリエ」
「御機嫌よう。ケティ」
彼女が決闘で力を示したことで、生徒達は不承不承ながらゼロの使い魔の存在を認めた。
ギーシュの怪我は投げられた打撲だけで済み、周囲は倒れたのが気絶と知って安堵した。
メイジ達の決闘は打撲だけでは済まない方が多い。
魔法を使うせいで骨折や火傷、凍傷、裂傷は日常茶飯事だ。
もっとも<水の魔法>による治癒は怪我を一瞬で治してまうのだが。
傷が軽いと知った生徒達の興味は別に移る。

女子達は浮気をされた彼女に同情を示し、魔法なしでギーシュをあしらい、
トリステインでも有数の権力者であるヴァリエール家の使い魔の彼女を<お姉さま>と祭り上げた。

貴族が平民に負けるのは屈辱だと感じていた一部の生徒達は、
<お姉さま>を信奉する生徒達にすり潰され、
男子達は怒らせたら<実際>に死ぬほど怖い(ギーシュ談)と畏怖し、
美人である彼女の姿を見て憧憬を感じた。

物腰も姿も上品で、勉強や運動も完璧にこなす姿を見て周囲は『フリーダさん』とさん付けで呼んだ。
貴族が大嫌いである料理長のマルトーは、魔法なしで平民が勝ったのをシエスタと喜び、
彼女を<我等の剣>と持て囃した。
貴族を撃退した記念に、フリーダへテーブル一杯の豪華な料理を振舞ったマルトーは
「みんなで一緒に食べましょう」
とフリーダが言ったのを謙虚な奴だと評価し、料理を食べながら他の下働きたちもそう思った。

面目が潰れたギーシュは大人しくなり、モンモランシーが優しく接するようになっていた。
もちろんケティとは分かれたが、ボロ負けした彼とはそれなりに良い女友達として修復された。
ギーシュは
「彼女に鍛えてもらいなさい」
とモンモランシーに諭され、フリーダに戦術講義を受けている。
230ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:11:26 ID:1So2vl2R
「面目潰して御免なさいね」
フリーダが左手を差し出す。
「此方こそ申し訳ない。平民だと侮っていた。重ねて顔を忘れていたのも謝ろう」
右手を差し出し握手を交わす。

油断していたのは自身の非だ、話しの最中に顔に胡椒をかける相手の非情な手を責めるのは悪いと思った。
ギーシュも、自分が丸腰で相手が杖を持っていたら同じことをしただろうと思う。
決闘の勝者を否定するのは、誉れ高い軍人の家系であるグラモン家を侮辱することでもあった。
口説いた相手の顔を忘れているのも悪かったと思っている。

「僕は決闘で負けた、君は勝った。好きな望みを言いたまえ」
平民に決闘で負け、その上見逃されたのでは貴族の名折れだ。
フリーダはギーシュが負けてから数日間、何も求めなかった。
それは、ギーシュの誇りが許さない。

「私は、相手によって付き合い方を変えるだけよ」
「礼を欠いたのは済まなかった平民…は悪いな、ミス・フリーダ」
「ミスは要らないわ」
無茶な要求を突きつけられなくて安堵する。
思えば自身も、決闘で負けた相手に無理な要求を突きつけてきたものだ。
負けて知るものもあるのだと感じる。
「…それともう一つ」
ギーシュは身構える。
「ルイズとは仲良くしてあげて。…あの子一人だから」

フリーダは儚げに綻ぶ。

「お安いご用さ!」
ギーシュは白い歯を見せた。
231ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:12:57 ID:1So2vl2R
ルイズにとって使い魔は、思ったより掘り出し物だった。
洗濯を除き掃除、炊事、雑用は完璧にこなすし、ギーシュを単独で倒したのは、
護衛の力として申し分ない。
掃除は髪の毛一本残さず、触った物も指のあと一つ残さないほど完璧。
ためしにつくらせた調理も実家のコック並で、出て来た料理は
ぺペロンチーノに牛肉とピーマンの炒め物とメープルグラスの沿岸風サラダ。
どれも見慣れない異国の料理だったが美味しかった。
朝に服を着るのを手伝うのも手馴れていて、実家のメイド達にしてもらうようであった。

腹が立つことがあるとすればフリーダがご主人様を全く敬うそぶりを見せず、
様付けで呼ばないのと、ご主人様を差し置いて学院内で<お姉さま>として
尊敬されていることぐらいである。

前にご主人様と呼ばせようと、餌付けで躾けようとしたが、
フリーダが学院から賄い飯を貰っていたのを思い出し諦めた。
次の日、賄い飯をやめるよう命令すると、ルイズがコルベールに呼び出されて怒られた。
フリーダは大切なゲストで、刺激しないようにときつく言われた。
三日目、杖を向けて魔法で脅すとご主人様と呼ぶようになったが、
ご主人様の前にいつも<ゼロの>が付くため諦めた。

使い魔を呼び出してから、周囲の態度が変わりルイズに優しくなった。
優しくなったのは、フリーダへの尊敬や畏怖、口利きからであるのだが、
それを知らないルイズは凄い使い魔を呼び出したメイジへの尊敬であるとし、
多少の欠陥はあるものの概ね使い魔には満足していた。


フリーダは多少の不便はあったもの、潜入工作で培った経験を使い
普通の女学生として過ごしつつ、元の世界へ帰還する方法を探した。
しばらくすると、この星が何処か判らない上技術も未成熟で、
星間技術の欠片も見つからず、帰るのは悲観的になっていた。
アリスの身が心配だが、組織の手が届かない世界に居るのは、
それはそれでいいのではないかと考え始めていた。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:13:05 ID:3lUQ2i+h
支援
233ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:13:43 ID:1So2vl2R
「な、なんじゃと!グラモン伯爵のせがれとミス・ヴァリエールの使い魔が決闘じゃと!」
場所はどこじゃとオロオロし、遠見の鏡を見つめている。
「が、数日前に終わっています」
「もっとはやく言わんか!」
ロングビルは片眉を上げ応じる。
「事件当時、執務室はロックとサイレンスで閉まってましたが」
「…すまんのう」

コルベールが部屋へ一冊の本を抱えてやって来る。
「ミスタ・コルベールと大切な話があるんじゃ。退出してくれんか」
「書類は置いておきますから昼までに仕上げておいてください」
ロングビルが部屋から出て行く。

「追加調査はどうなったかのう」
「これをご覧ください」
薄く小さな本には始祖ブリミルの使い魔達と書いてある。
オスマンはパラパラとめくった後、
「子供向けの絵本か?」
絵本の中央に描いてある人物の左手にルーンが刻まれている。
「はい。『ガンダールヴ』と『始祖ブリミルの盾』です」
「他には書いてあったか?」
周囲に魔法を掛けつつ尋ねる。

「いいえ、同じルーンが載っている唯一の本でした。
『魔力文字大全』を調べましたが、該当するルーンはありません」
「あれに載っていないとは忘れられたか、それとも歴史の闇に葬られたか」
コルベールはかぶりをふった。
「勘弁してください、異国の工作員だけでも手一杯なのに」
「金と暇がある奴等はそれぐらいいくらでもやるぞ。
君も揉み消された事件の心当たりの一つや二つしっておろうが」
オスマンの目が細くなる。
「発行年月日は?」
「不明です。数百年以上前なのは確かです」
「盾と書いてあるからには戦闘関係のルーンじゃな」
「模擬戦でもやらせますか?」
オスマンは気まぐれにロングビルの持ってきた報告書をつまんだ。

「………あたりじゃ」
紙にはフリーダ・ゲーベルの右手が光っていたと書かれていた。
234ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:14:32 ID:1So2vl2R
朝、目が覚める。
洗濯物をシエスタに出しに行き、授業を受けて、賄い飯を食べて、
適当にルイズの世話を焼いて、特別授業後洗濯物を回収して、
たまにコルベールの機械製作に助言をする。
組織の暗殺も、命令もない。時間がゆっくり流れる平凡な毎日。
そこには任務達成のために取り繕う必要や、敵や監視に怯える日々はない。

彼女は惑星エリオの反政府ゲリラが戦費を稼ぐ為に試験管で生産され、
脳に埋め込んだチップ<<記憶領域>>に知識を埋め込まれ教育された暗殺者だ。
犯罪組織<<コーポ>>にレンタルされ暗殺を行なっていた。
脳に埋め込んだ<<記憶領域>>へ<知識や経験>を直接埋め込むチップシステムに、
星間文明は支えられている。
大きくなりすぎた社会には、ものすごい数の専門技術者が必要だ。
手術で埋め込んだチップへ情報を書き込めば、分厚い説明書を一瞬で覚えられるから
技術者は増えた。

彼女はその技術を悪用し<<偽人格>>を埋め込み、別人になりきって暗殺するのが仕事だ。
任務のため彼女は、最初に人を殺してから八年で二十七人の<<偽人格>>を受け入れた。
フリーダ・ゲーベルは<<偽人格>>達の基礎部分で、素の彼女だ。

彼女は見てきた。多くの死を。ゲリラとして、最低限の装備で
機械兵に立ち向かった故郷の仲間。
犯罪組織に貸し出され、理想に程遠い犯罪者として蔑まれながら逝った
同僚のエージェント達。
そして、誰かに「死ね」と命令された彼女の標的。


そんな彼等を差し置いてのうのうと生きるのは彼女にとって落ち着かないことであった。
だから紛らわすために歩く。
235ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:15:18 ID:1So2vl2R
食堂からずっとキュルケの使い魔、サラマンダーのフレイムが
トカゲの短い足でちょこちょこついて来ている。
バレバレの尾行なので放っておき、学園の隅に居る青い竜の元へ向かう。
青い竜、シェルフィードとの会話は最近の彼女のお気に入りだ。
ビルの2階ほどの背と鋭い爪を持ったそれは、ゴツイ見た目の割りに
きゅいきゅいと舌足らずな可愛い少女の声で話す。
「きゅい?そーきたのね!ならここに白を置くのね」
「きゅいーっ、角を取られちゃったのね」

オセロで遊ぶ。シェルフィードとの勝率は五分。意外に頭がいい。
齢200年ほど生きている竜で、竜族の中では子供。
飼い主は無口なタバサお姉さま。
シェルフィードは韻竜と呼ばれる種族で例外的に人間と会話が出来るのだとか。
バレると注目が集まるので、話してはいけないとキツく言い付けられている。
なので、彼女は話す相手が出来て嬉しいらしかった。

フリーダもルイズの元で働く使い魔だ。
シェルフィードとは種族の差はあれ境遇はよく似ている。
何百年も寿命がある知的な種族がどうして格下の人間の下で、
使い魔として甘んじているか疑問に思い聞いてみる。
「人生はひとときの戯れときまぐれでできているのね。きゅい」
と深いことを言っていた。子供に見えるが伊達に長くは生きていないようだ。
私が生きてきたのも一時の戯れなのだろうか。
全てを否定されてしまう気がして首を振った。
236ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:16:17 ID:1So2vl2R
フリーダは執務室に呼び出されていた。
室内には緊迫した空気が漂っている。
オスマンとコルベールが杖を構え、
フリーダが偽装ホルスターから取り出した拳銃を構えながら遮蔽を探す。

コルベールが魔法で火がついた杖を向ける。
「単刀直入に聞こう。君は暗殺者かね」
「どうして?根拠は?」

オスマンは構えながら片手で箱を開く。
「これはフリーダ君の世界の武器じゃろう?」

箱には薬莢と精巧に出来たスナイパーライフルが入っていた。
「ライフルに比べ長過ぎる銃身、精密に出来た銃眼。これは狙撃のための武器じゃ」

「それがどうかしたのかしら?」
コルベールはいつでも呪文を放てる体勢に入り彼女の動きを注意深く監視する。
妙な動きをしたらためらわず撃つつもりだ。

「君は学生だね。それがどうしてこんな武器を持っているんだい?」
「護身用よ」
「護身に持つのは不自然だ。取り回しが悪すぎる」
君が構えている銃だけ持っていたのなら信用できた話だったのだけどね、との言葉を飲み込む。

「勘違いしてるんじゃないかしら?護身といっても私自身への護身とは違う」
「護衛のためよ」
彼は言葉の意味を考える。
杖は向けたままだ。

「敵が暗殺のために長射程の武器を用意してくるかもしれない。だから私も同じ武器を使った」
「あなたの国でも護衛のために、暗殺者が使う武器や魔法に対抗するため、
同じ技能を持った護衛官に監視や指揮をさせるでしょ?それと同じよ」
なるほど。確かにハルキゲニアでも、
女王への空襲を想定した衛士グリフォン隊や女王の食事の安全を守る役が居る。
彼等は対空襲の訓練や解毒に対する知識を持っている。
彼女の国で狙撃が有効な暗殺方法とされているなら、
対狙撃に特化した技能を持った護衛が居ても不思議ではない。

「そういえば、君が巻き込まれた事件を聞いていなかったね」
「護衛対象の名前や状況を明かすのは対象に危険が及ぶから…概要だけでもいいかしら」
エグバードの記念式典中に襲ってきた海賊、地下に逃げ延び、西と東の住人が協力して撃退した
歴史的事件を、彼女とアリスについてのことをぼかし、所々脚色を混ぜながら説明する。

「・・・君はレジャイナと呼ばれる異世界の国から飛ばされてきたわけか」
「…そうよ」
「護衛の技能を持っている君が異世界から呼び出されるとなると『ガンダールヴ』が
真実味を帯びてくるわけだ。オスマン校長」
237ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:17:08 ID:1So2vl2R
杖をしまったオスマンが頷く
「フリーダ君の右手には『ガンダールヴ』とルーンが刻まれていての、あらゆる武器を使いこなす、
『始祖ブリミルの盾』と呼ばれておる」
「君は我々の及びも付かない武器の知識と、護衛としての能力を持った異界からの人間だ。
それは伝説と一致する。君を暗殺者と疑ったのは申し訳なかった」

腕を組み頭に手を当てる。
「腕を見込んで、さしあたって頼みたいことがあるのだが。いいかね」

オスマンは眼鏡をかけ彼女から視線を外した。
「君の主人、ミス・ヴァリエールは使い魔の君がガンダールヴであるからして、
『始祖ブリミル』と同じ『虚無の使い手』の可能性が高い。歴史から消された系統じゃ。
これからどんなことが彼女に降りかかるかも判らん。彼女を守ってやってくれんか」

「断ったら?」
「ワシが困る」

暗殺者が護衛とは皮肉なものね。

フリーダには断ることも、無視することもできた。
だけど、自身の<<正しい事>>を通そうとするルイズの姿は
どこかアリスに似ていて興味を持った。

それは一時の戯れ、きまぐれなのかもしれない。

「素敵な提案ね。オスマン」
238ゼロと工作員:2008/09/29(月) 21:18:24 ID:1So2vl2R
投下終了です。
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:20:50 ID:YkgDNzie
乙でしたー。
絵本の中では左手に、フリーダは右手に。しかしルーン自体はガンダールヴ……その意味は……いや、詮索はしないで作者さんの続きを待つとします。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:35:27 ID:inYL+jNu
誰か間黒男召還しないかな
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:52:27 ID:hLOTVpfy
シュナイゼル殿下召喚されないかな。丁度、「ゼロに仕えよ」っていう
ギアスかかってるんで喜んでルイズの犬になるような気がする
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:54:36 ID:EvkS+PpG
乙です。
原作はもう続き出ないのかなー
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:54:41 ID:ubCY61GA
>>241
うまいなw
でもシュナイゼルって権力無しで役に立つんだろうか?
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:59:33 ID:xj5kSFfk
>>240
間黒男をよろしくってことか
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:04:55 ID:PqqaztrB
BJを出すなら作者に医学知識がある程度必要だよね。
それに水メイジの治療が常識の世界に外科医のBJが呼ばれても
医者としての活躍の場が限られそう。タバサのカーチャンも外科手術で治せるとは思えないし。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:12:11 ID:jwgrdr4O
外科手術しようとしたらいつぞやの宇宙人みたいな反応されそうだな
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:13:41 ID:hLOTVpfy
>>243
頭の良さはもちろん、あの容姿なら学院の女子の大半を虜にできます
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:16:23 ID:t3opkeaE
>>245
あれは外科手術では直せないだろうがリハビリでペー中を治した事ならあったよ
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:21:49 ID:vUVfdb9L
>245
タバサのカーチャンの症状の理由が脳に住み着いた小さい水の精霊とかなら脳に寄生する寄生虫と同じような感じで治療可能かもしれない
あの先生は心臓にとりついた呪いを腫瘍だと言い張って治療したこともあるしできんと言い切れないよな
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:26:22 ID:xj5kSFfk
親の為にも加害者に復讐を!ってのもタバサと被るね
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:28:26 ID:BSqXYUjr
>>249
宇宙人すら治療した男だからなwww
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:29:50 ID:zA7exvYc
>>249
なんとなくひぐらしから古手梨花召喚して
近付いたら正気に戻るとかそんなネタが頭に浮かんだ。
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:31:57 ID:nelt6YwH
痕とうたわれるものがあったのだから、雫から誰かが召喚されて――とか。
いや、あれは『治す』は出来ないんだったっけ?
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:33:02 ID:vYSNOODM
医者ならスーパーアスリートドクター鎬紅葉を召喚だ
実際に視神経はあんなところにないけど自力で治したぜ
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:33:54 ID:JkDe3hwH
BJとタバサか……

タバサ「アッチョンプリケ」

こうだな!
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:40:12 ID:cD8CNRbO
最初のルイズには厳しいだろうな。
「甘ったれるな!」とか言いそう。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:41:54 ID:KVDfhvfG
>>241
でもシュナイゼルは直接戦闘するタイプじゃないから数々のイベントが難しくなるぞ。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:44:08 ID:nelt6YwH
武装したKMF相手に、剣一本で立ち向かった上暗殺を成功させたスザク――彼が召喚されたら、ルイズ的には大当たり。
ただし、ゼロがいなくなった事でシュナイゼルの行動がおかしくなる可能性が。

……C.C.を召喚して、ギアスを与えられるルイズという可能性もあるな。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:46:36 ID:jwgrdr4O
ブラックジャック先生ならワルキューレとギーシュ相手でもビンタとチョップとメス投げで勝てる
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:50:43 ID:zA7exvYc
>>259
冗談抜きにガンダ補正ありのBJメス投げなんて人間に見切れないだろ……。
ルーン無しに百発百中で、場合によっちゃ銃より早いんだぜ。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:50:50 ID:vUVfdb9L
>258
ハルケギニアにピザがあるかないかで行動が変わってきそうだ
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:52:02 ID:EEHg9wG2
>>258
そういえば逆にシュナイゼルがいなくなっても…
スザク…シュナイゼルの補佐がなくなって微妙な政治に…
…………だめだこりゃ……
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:54:25 ID:jwgrdr4O
>>260
メスは医療道具で武器じゃない、って言おうにもあの先生の場合は説得力ゼロだよな
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:56:56 ID:BSqXYUjr
>>260
ドクターKも肉弾戦めちゃ強いよな。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:58:00 ID:vUVfdb9L
>263
病と闘う武器だからノープロブレム
手術なんかしようもんならガンダの力で肉眼で赤血球の形まで認識しだします
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:59:25 ID:xj5kSFfk
>>254
すごいね、人体
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:01:38 ID:OLrv5+xS
強い医者ならアミバも追加でww
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:03:11 ID:5NA0JO6W
>>249
きっとルーンの力を発現させれば魔法的何かも外科手術で対応可能さ
手術に向かうブラックジャックにとってメスは頼りになる武器なんだぜ!

ブラックジャックのメスは刀鍛冶が作った至上の一品だしなw
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:03:20 ID:zA7exvYc
>>267
ヤブじゃんw
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:05:38 ID:slt0zxrU
>>267
本物持って来いwww
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:05:54 ID:qkPxKLAh
>>267

ギーシュ戦で両手吹っ飛んだ挙句フルボッコされる展開を幻視したw
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:06:59 ID:ESJktur+
魔界都市には戦う医者しかおらん
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:08:07 ID:egN69viJ
まぁ医者召喚は作者にある程度の医療知識が必要になるよなぁ。
手塚先生は医学部卒だっけ?

以前ちょっと話題に出てたゼロ魔で経済話だけど、超適任者が一人居たよ。
ゼロ魔が好きで、文章が書けて、経済学を学んでるとゆー人物。



明治大学政治経済学部経済学科卒のヤマグチノボルさんだ!
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:09:16 ID:vUVfdb9L
>273
よし、早速その人にSSを書いてもらうんだっ




あれ?
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:10:59 ID:vYSNOODM
ゼロ魔は作者の実体験を基に書かれていますのであしからず
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:11:46 ID:zA7exvYc
つまりツンデレの女の子に踏まれて嬉しかったとかそういうことか。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:11:56 ID:xj5kSFfk
>>273
ヤマグチノボルがルイズに召喚されましたですね
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:12:15 ID:BSqXYUjr
>>275
それはジョジョだろww
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:14:11 ID:pPXlbeYh
考えてみると、ゼロ魔で医療というのは面白いかも

 貧しさ故に水魔法を使えず傷や病に倒れ逝く平民達
 それを尻目に魔法で長生きし続けるメイジ達
「んな下等生物を助ける義理なんかない」
 そんな軽蔑の言葉を背に受けつつ、魔法に頼らぬ医療を広めようとする外科医
 魔法への反逆者、命の価値を見定める者
 その名はキリコ



 おっと、何か間違えたな
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:17:10 ID:zA7exvYc
ウドのコーヒーは苦い
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:19:12 ID:313F8oiZ
ここらで鬼神童子ZENKIから前鬼を召喚で
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:21:21 ID:qlUDnZUZ
「時代は医学より暴力を必要としている」
「新しい魔法の実験だ」
「心が壊されたのか。どれ、俺が直してやろう……あ? 間違ったかな」
「天才の俺を鞭で叩きやがったんだ〜!」

医療といえばアミbトキですねわかります
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:29:15 ID:1Lf0b2UY
>279
ドクターキリコも腕前は一流なんだがな。しかしその妹が作中屈指の美人。
BJに裸にひん剥かれたりしてっけ。

>280
ルイズが作る、トリステインのクックベリーパイは苦い だろ
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:40:51 ID:Yh+vS/RM
浅見光彦召喚

あの寄生虫素人探偵ならきっとヴァリエール家の権力を笠に着て好き勝手やるだろうな。
今日やってたドラマでも兄の権力笠に着て脅迫してた。
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:41:54 ID:7NRu4Ao4
えーと>>161−164の続きが出来たので、登校しても宜しいでしょうか
とりあえず一話・・・になるのかな?
全5レスになりますが
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:42:26 ID:7NRu4Ao4
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:43:53 ID:YBTdOwKR
江戸時代にタイムスリップしていた南方仁が召喚されてロリモテの
外科医になるんですねわかります
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:47:41 ID:7NRu4Ao4
あるぇ?なにやってんだ俺orz
事情説明させていただくと
>>285の安価がプレビューだと上手くいってたのに、いざ書き込むとミスってて
試行錯誤してたら間違えてエンター2回押した・・・てことです。
レス食いつぶしすいません
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ、神聖で美しく強力な使い魔よ
 私は心より求め訴えるわ、我が導きに答えなさい! 」

黒いローブを羽織った男女達の輪の中心に立つ、小柄な少女。
桃色がかったブロンドの長髪、鳶色の瞳の彼女がそういうと、その目の前が光り輝く。
そして―――
爆発した。

「おいおい、ここに来てまで爆発かよ!」

「教室だけかと思ったら、まさかサモン・サーヴァントまで!」

様々な言葉で、顔で、彼女の起こした爆発を笑う人たち。

「うるさいわね!まだ何が召還されたか分かんないでしょ!?」

顔を赤くして、反論する少女。しかし

「爆発した衝撃で、木っ端微塵になってないと良いがな」

との一言で、うつむく少女。

「おい、煙が晴れるぞ」

「あのでっかい影はなんだ?粗大ゴミか?」

「いや、馬車かもしれないわ」

「客車だけのね」

皆勝手なことを言って、彼女の呼び出したもの、使い魔がどんなものか想像している。
その少女は思わず、目を瞑ってしまう。

「おい、あれがゼロの―――
彼女を蔑む声が途切れ、徐々にざわめきが小さくなる。
恐る恐る、顔を上げて、目を開けてみる。
そこには          鈍く銀色に光る、両腕を広げたドラゴンが居た。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:49:37 ID:7NRu4Ao4
いや、ドラゴンと呼ぶのは少し無理があるかもしれない。その頭に当たるはずの部分は妙に細く、長く尖っており、
両翼は薄く、とてもじゃないが空を飛べるとは思えない。

「コルベール先生、これは……」

金髪の少年が、どことなく恐れるように先生といわれる人に質問する。

「いや、私にも、あれが何なのか……」

その人物、コルベールは言葉を濁す。今まで読んだどんな文献にも、あのような
竜は記載されていなかった。それどころか、あれが本当に竜なのかさえ疑わしい。

「みなさい、ツェルプストー!あれが私の使い魔よ!」

先ほどまで沈んでいた少女は、いつの間にか活気を取り戻していた。

「くっ…あんたにしては、中々良さそうな物を召還したじゃない」

先ほどまで彼女を馬鹿にしていた人々も、その召還されたものに対し、様々な感想を
出していた。

「でもあれは一体何なんだ?」

その形状に、やがて皆にその疑問が伝播する。
やがて、それは悪い想像へと変わっていく。
あれが大暴れするのではないか、突然爆発するのではないか。
何時もが何時もである為、中々信用されない。

「とにかく、」

「ミス・ヴァリエール、サモン・サーヴァント成功おめでとう。とりあえず
 コントラクト・サーヴァントを済ませてしまいなさい」

コルベールが、少女に向かってそう言う。

「分かりました、コルベール先生」

自信たっぷりに、彼女は足を踏み出した。
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:51:46 ID:7NRu4Ao4
近づくにつれ、その物の異様さが伝わって来るようだった。
なぜか分からないが遠くに出現したため、大きさまでは分からなかったが、
どんなに少なく見積もっても、20メイルはあるだろうかという大きさ、
車輪のようなものがついた足、そして胴体の中心に着けられている
巨大な大砲のようなもの。「ようなもの」という、いろんな既視感に襲われたのも
異様に感じる理由のひとつかも知れない。
そして、その右羽は、赤く染まっていた。それ以外は、完全な左右対称。

ついに、その近くに来た。
恐る恐る、その物の先端に触れてみる。
ーーー冷たい。
ただ、そう感じた。そう思い、これは生き物ではないと、直感的に理解する。

「おい、これピクリとも動かないぞ」

ついてきた他の人々も、その物の様子がおかしいことに気づき始める。

「死んでるんじゃねーか?」

「やっぱりそうなるわよね」

皆口々に納得したかのような言葉を出す。

「さあ、コントラクト・サーヴァントを」

進められるがままに、その儀式を始めるため、呪文を唱える彼女。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール !
 五つの力を司るペンタゴン 、この者に祝ーーー「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

突然上から聞こえる声。驚いて上を見上げる。


そこには、見たこともない服を着た男が居た。
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:52:56 ID:7NRu4Ao4
目蓋の外が、眩しい。
そうか……俺は死ぬんだな……
状況を、何とか理解使用とするが、断念する。
これから死ぬってのに、そんなことをするのは野暮ってもんだ。
傭兵である以上、宗教を信仰してはいなかった。
だがもし、死後の世界があるとしたら、おれが逝くのはーーー
地獄だろうな。心の中で苦笑する。
あんなことをして天国に逝けるのならば、もう400年は前に天国は満員だろう。
意識が少しずつ、遠くなるのが分かった。
もう、少しの間ぐらいは休んでも、罰は当たらないだろう。
そう思って、意識を手放した。





はずだった。やがて意識は遠くなるどころか、はっきりとしてくる。
どうなっている……?俺は死ぬんじゃなかったのか?
それとも、もうあの世に着いたってのか?
それにしても様子がおかしい。今、俺は何かに座っている。
それは、パイロットシートだった。あのとき、電気系統がいかれたせいで
飛ばなかったシートだ。
そんなことはどうでもいい。問題は、なぜ爆発して木っ端微塵になったはずの
コクピットに座っているのか、だ。
いや、まだここがモルガンのコクピットであるという確証はない。
ここがどこか確認する為に、彼ーーーラリー・フォルクことピクシーは
目を開き、愕然とした。
それはここがADFX-02「モルガン」のコクピットの中である事にではなく、
キャノピー越しに見える外の風景に対してだった。
どこなんだ、ここは
先ほどまで居た雪の降るアヴァロンダムでは無い事は確かだ。
綺麗な、見事なまでの、快晴。この短時間にこうなるのは有り得ないだろう。
さらに、俺が知る限り、あの付近にはこんな大きい石造りの建物は無かった筈だ。
もし異常気象が発生して、もしあったとしても、それは意味の無いことだ。空を見上げ
、軽く眩暈する。
月が、二つある。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:53:32 ID:7NRu4Ao4
こればかりは、自分の中にあるどんな理屈を使っても、説明できなかった。
大きく、ため息をつき、とりあえず気持ちを落ち着ける。
まずは、状況確認だ。
まず、一つ、俺は生きているらしい。信じられないが。
次に、二つ、ここはさっきまで俺の居た世界ではないらしい。これも信じられないが。
最後に、三つ、前方から、黒ローブを着た集団が近づいてくる。
……OK、これが現状の全てか。
とりあえず、今警戒すべきはあの新興宗教のような集団だろう。
俺も、それに似た集団の思想に感銘を受けていたんだがな。
そんなことを考えながら、俺は武器を持つ。
ベルカ公国謹製、ワルサーP99を右ポケットに。
シートの下に隠してあったP90を背中に隠す。
そしてありったけの弾丸を服の下に入れる。
レーションも申し訳程度に持っておく。
ウスティオの方が美味いんだがなーーーそんなことを考える。
やがて、奴等はここに着いた。どうやらこっちには気づいていないらしく、
ノーズコーンに話しかけている。
ふと、武装表示を見てみる。
GUN・・・800
MSSL・・・8
TLS・・・Full
MPBM・・・6
FUEL・・・Full
・・・・・・こいつは、迂闊に放置出来ないな。
懸念事項が、一つ増えた。
全部使い切ったはずなのに、ご丁寧に完全復活ときた。
まあいい、そんな事は、後からどうとでもなる。
とりあえず、こいつらに質問したいことが山ほどあるんでな。
俺はキャノピーを上げ、下にいる奇怪な髪の色をした少女に話しかける。
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:55:22 ID:7NRu4Ao4
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ーーー「そこで何をしているんだ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

えーと、これで一応一話は終わりです。
今後は今後考えます。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:04:02 ID:9688PLLg
復活〜???
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:06:57 ID:VmkRhOx5
>> ID:7NRu4Ao4
名前欄にトリップかタイトルを入れるべきだ。
分からなければいいから半年ROMれ。 マジで。
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:10:00 ID:A9V6sDJh
ちなみにROMってのはRead Only Memberの略で、要は書き込みをするなってこと
297エースコンバット・ゼロの使い魔:2008/09/30(火) 00:10:01 ID:iGvUH6KN
>>295
すっかり忘れてた
298エースコンバット・ゼロの使い魔:2008/09/30(火) 00:12:03 ID:iGvUH6KN
>>296
一応一年半は居るんですけどね
主に草クセエ場所ですが
そのせいか名欄、目欄忘れがちで……
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:12:16 ID:h1c1Dk/b
>>273
神召喚www
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:14:49 ID:BmiVdUMK
いや、神ではない。
天使だ。
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:16:51 ID:RpNDfSyH
良いわけがましい……
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:24:08 ID:fGaRLHHN
ミスくらい誰にでもあるから気にするなよ
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:26:36 ID:6TJWMCiU
いいから書き込む前に深呼吸して読み直して推敲してそのままHDDの肥やしにしなさい。ね。
304ゼロと在らざるべき者:2008/09/30(火) 00:36:57 ID:VRT/NpHd
こんばんわ。
予約無ければ4話目を45分から投下しようと思います。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:44:37 ID:OeqOeDQC
支援
306ゼロと在らざるべき者4-1:2008/09/30(火) 00:45:04 ID:VRT/NpHd
では投下します。

 ルイズの爆発で半壊した教室の片づけを終えた二人は、そのまま昼食を取り
に食堂に向かっていた。
 その間はお互い無言で歩き続けていたが、ルイズの心に朝からあった憂鬱は
すっかり消えていた。ミゴールは変わらず自分に忠誠を誓っている。そしてル
イズは己の意思でそれを認め、また自分の目標も定めた。

 カルドセプト。
 世界のあるべき姿を記していた書。

 始祖ブリミルの神話。それをさらに創造したという、世界の始まりの始まり
の神話。その全てを丸ごと鵜呑みにする気は無い。しかしミゴールのあの体、
世界から拒絶されるていた黒い血の流れ落ちる様を見た。それに、ブリミルが
ハルケギニアの人類の歴史を作ったのならば、そのブリミルの歴史にも始まり
はあるはずだ。以前ならば異端として考えることもしなかった、神話の始まり
についてルイズは新たな解釈を持つようになっていた。
「ま、それは後でいいわね。ミゴール、ここが食堂なんだけど……あんた、食
べ物は何を食べるの?」
「本来ならばカルドラの力の薄いもの、精霊力の失われた死肉などを糧として
おります。しかしながらルイズ様より頂いたこの刻印の加護で大気が我が肺腑
を焼いておらぬ今ならば、精霊力の過多に拠らずに糧とできるかと」
 ミゴールの口にした死肉という言葉に顔をしかめるルイズだが、これはミゴ
ールに初めてまともな物を食べさせる機会、すなわち褒美を与えるいい機会で
はないかと思い直す。うん、とルイズは一つ頷いて近くのメイドに声を掛ける。
「ちょっと、そこのメイド。こいつ私の使い魔だから食事を用意して頂戴」
「は、はい! ただいま……きゃ、トロール鬼?!」
「まあ似たようなものよ。それとこいつはちゃんと言葉が分かるから。適当に
こいつが食いたがったものを食べさせておいて」
 そう言って戸惑うメイドをよそに、ルイズはいつもどおり跪いて頭を下げて
いるミゴールへ呆れたような視線を向けながら席へと向かった。基本的にミゴ
ールはルイズ以外の人間には敵意を抱いている、というかバルテアス神の縁の
存在以外は全て敵と考えているようだが、とりあえず昨日のオスマンとの約束
を覚えていたことから勝手に暴れ出す心配は無いだろう。まあ先ほどのメイド
や食堂の人間に嫌悪感や敵意を剥き出しに対応するかもしれないが、正直お腹
が空いているのでメイドにミゴールへのフォローを入れる時間すら惜しい。朝
にキュルケの使い魔がミゴールに襲い掛かったゴタゴタで、ルイズは朝食を食
べ損なっているのだ。思わず駆け足になりそうなのを押さえ込みながら席に着
き、口早に祈りを済ませて料理に手を付けた。

(ん〜……空腹は最高の調味料、なんて言葉もあったかしら。馬鹿みたいな話
と思うけど、お腹が空いている時だと心に染みるわ。ミゴールも、今頃始めて
食べるまともな食事で私に感謝してるでしょうね)
 心の内で思いながら半日以上ぶりの食事の幸せにルイズが浸っていると、隣
の席に他の生徒が座るのが見えた。ちらり、と視線だけ動かしたルイズの目に
入ったのは、まさにその朝食を食いっ逸れる原因の一端であるキュルケだった。
「ルイズ、ここ座るわね。それで、改めて言いたいことがあるんだけどいいか
しら?」
 問いかけにルイズは、口元へ運んでいたスプーンを傾けてスープを喉に流し
込みつつキュルケの顔の前に手のひらを突き出して言葉を遮る。正直、何を言
いに来たかは分かっているのだが、今は原因の一端がルイズの方にもあること
を知ってしまった。キュルケが自分に謝罪する、というのはとてもいい気分な
のだが、それが誤解、というかキュルケだけが自分の非を認めてルイズは自分
にも非があることを隠している、というのは卑怯というものだろう。口の中の
スープを飲み干してから、ルイズはキュルケに朝の原因の説明を(多少ぼかし
ながらだが)することにした。
307ゼロと在らざるべき者4-2:2008/09/30(火) 00:46:12 ID:VRT/NpHd
「その前にキュルケ、あなたに言うことがあるわ。あなたの使い魔が私の使い
魔に襲い掛かった原因なんだけど……」

「ふーん……精霊に嫌われている種族、ねぇ。それで私のフレイムが異常に興
奮して襲い掛かったって訳? まあ私がフレイムを御し切れてないって事実は
変わらないわね」
 そう言ってため息を吐くキュルケ。とりあえず「精霊に嫌われる種族なので
サラマンダーなどの種族にも嫌われやすい」という部分だけ強調して説明した
ルイズだったが、そこまで気を使わなくてもキュルケは大してルイズの説明に
突っ込んでは来なかった。とりあえずフレイムが単純に凶暴な生き物だった訳
では無いということは分かったようだが、キュルケが一番気にしていたのは自
分の使い魔を御し切れなかったという事と、そのせいでわざとではないにしろ
ルイズを危険な目に遭わせたという事なのだ。
 と、キュルケはしばらく考え込んでいたかと思うと、にっ無理に不敵な笑み
を形作るとルイズへ指を一本立てる。
「……そうね……じゃあ、借り1って事にするわ。私がルイズに負い目がある
なんてぞっとしない話だし、とっとと返済してすっきりしたいもの」
「あらそう? だったら一生返済なんてできないほど貸しを増やしてあげよう
かしら。ふふっ、それってすごく楽しそうだわ」
 にやりという笑顔を浮かべながらルイズが返す。ああそうだ、やはりツェプ
ルストーとはこうでなければいけない、そう思う。キュルケの使い魔の治療の
ための費用を少し出しておくべきか、などとさっきは思っていたが、やはりそ
うするべきではないだろう。キュルケとはこうやって遠慮や気遣い無くやり合
っている方がお似合いだ。そう思えるだけの心の余裕が今のルイズにはあった。
(借りだの貸しだの言ってるけど、忘れたほうがいいわね。だってその方が楽
しいもの)

 昼食の時間の終わりを告げる鐘を聞いて食堂を出たルイズは、入り口で待っ
ていたミゴールを見つけて早速食事の感想を聞くことにした。
「それじゃあ午後の授業に行くわよ。ところで食事は普通に食べられた?」
「はっ」
「…………………………」
 そのまま会話が途切れて教室までの足音だけが響く。
「……」
「如何しましたかルイズ様」
 問いかけるミゴールの声に適当に手を振るルイズだが、心の中で首を傾げて
いた。今までまともな物を食べていなかったミゴールが、初めてまともな人間
の食事を食べたはずなのだ。もう少し、なんと言うか感謝とか感動とか、そう
いった反応を期待していたルイズは少々肩透かしを食らった感じだった。とり
あえず変なものを出されたのかも知れないので、一応探りを入れてみる。
「え〜っと……ミゴール、あんた食堂で何を出されたの」
「はっ、肉と植物で御座います」
 滅茶苦茶適当な答えが返ってきた。
 とはいえ、よく考えてみれば死肉を食っていたなどというミゴールにとって
は、食べ物などその程度の認識なのかもしれない。そもそも料理などという概
念が無いのだろう。それでも味の違いはあるはずだ、そう思いもう一度さぐり
を入れてみる。
「そ、そう。ところで味はどうだった?」
「はっ、腐敗しているということは御座いませんでした」
 そんな返答に頭を抱える。まともな食事を与えて褒美とする、というつもり
だったのだが全くその意図は伝わっていないようだ。というか、ミゴールにと
って食事は楽しむものではなく単純に生命維持のために必要な行動、それだけ
なのだった。もう単純に食べ物の味を「食べられるもの」「食べられないもの」
の判別にしか使っていないのだ。それほど過酷な状況で生きていた種族だった
のだから仕方ないとも言えるが。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:46:22 ID:u/EDHIUf
我らの子のため、子の子のため支援
309ゼロと在らざるべき者4-3:2008/09/30(火) 00:47:14 ID:VRT/NpHd
「ああもう、そっちはもういいわ。それじゃあ……そうね、メイドにでも言っ
てあんたの服を作らせようかしら」
「? ルイズ様、別段私は何も必要としておりませんが」
「いいの。ていうか、あんたのその外見ってやたら人目を引いてるのよ。何か
ローブみたいなもの買うわ。後、あんたって戦士なんでしょ?丸腰じゃアレだ
から武器も探しておいてあげるわ」
 その言葉に、がっ、とルイズの後ろから床を打つ音が聞こえた。まあいつも
のアレだろうと思いながらも、今度はうんざりした様子を見せず振り向いたル
イズの視線の先には、予想通り跪いたミゴールの姿があった。
「ルイズ様直々のお心遣い、誠に勿体無く……」
「ええ、たっぷり感謝しなさい」
 ふふん、と得意げにルイズはふんぞり返った。今まではミゴールの極端な感
謝に気後れしていたが、ミゴールの忠誠を受け入れた今は実に気分がいい物に
感じられた。正直、高々この程度でミゴールの忠誠に応えているとは思ってい
ない。ミゴール族を救うこと、カルドセプトを手に入れること、それが二人の
目標なのだ。カルドセプトに近づく方法が見えない現在だが、少なくとも今で
きる事は今やっておくべきだろう。
「あんたが言ったんでしょう、力ずくで奪うこともあるってね。だったら、あ
んたが万全の状態で戦えるようにしておかないといけないわ。あと、今日の夜
から魔法の練習を再開するから付き合いなさい」
 できる限りの「主人としての威厳」を出そうとしながらルイズはそう命じた。
(うん、これはなかなか主人らしい振る舞いと言葉だったわね)
 とルイズは心の中で自画自賛していた。この行動を、その日の夜の内に後悔
することになるなどとは思わずに。


 学院長室。その中で深々と椅子に腰掛けながらオスマンは考え事をしていた。
昨日からヴァリエール家の三女が召還した、あの奇妙な使い魔の種族が気にな
って調べ物をしていたが何の成果もなかった。そして今朝、昨夜から本を調べ
ながら眠ってしまっていたことに気づいたオスマンは気分転換にモートソグニ
ルで女子寮の様子を伺っていたのだ。
 別に邪まな意図は無い。あの使い魔の様子を見る、それが目的だ。邪まな目
的は無い。
 そしてオスマンは見た。トライアングルメイジが使い魔とした、そのランク
に見劣りしないサラマンダー、その牙、火の息、爪、そのどれにも怯まず傷付
かずにいたその奇妙な有り様。それらを手がかりにもう一度調べ物を続けたの
だが、結局分かったのは「そんな亜人種の資料は無い」ということだけだ。
 正直、他のメイジ達であればそこでもう調べるのをやめてしまっただろう。
しかし、オスマンは昨日相対した時にあの使い魔の周囲で風の精霊のかけらた
ちが怯えていたのを感じていた。
 あの亜人には何かがある。それも、何か良くない物が。
310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:47:36 ID:Rqo86WSO
>>267
ガンダ…メス投げのBJ
ヴィン…動物にも以外に好かれてるK
ミョズ…鎬紅葉
はばかられる…アミバ

こうですか?判りません!

ミョズをトキにするとはばかられる人の影が薄くなるしね。
311ゼロと在らざるべき者4-4:2008/09/30(火) 00:47:59 ID:VRT/NpHd
「失礼します、オールド・オスマン!」
 と、突然ノックもそこそこに学院長室のドアが開かれる。部屋に飛び込んで
来たのは頭の寂しい教師、コルベールだった。コルベールは手に持ったスケッ
チと本をずずい、とオスマンに突き出しながまくし立てる。
「一大事ですぞ、一大事なのです! 始祖ブリミルの使い魔なのです!」

 ぴぴぴ、と口から飛び散るつばをローブのすそでガードしながらオスマンが
コルベールから聞いたことを要約すると、どうもあの奇妙な使い魔に浮かんだ
ルーンは始祖ブリミルの使い魔であったガンダールヴと同じものであったとい
うことである。その報告を聞き、オスマンは悩みが一つ増えたのを感じて溜息
を吐いた。
 特定の精霊に好かれる、というならともかく、精霊に怯えられるという奇妙
な特性。そしてサラマンダーの火の息だけでなく牙や爪ですら傷付かないとい
う体。それに加えて始祖との繋がりがあるかもしれないという情報。そもそも、
精霊に嫌われているという時点で、尋常な生き物であるはずが無いのだ。それ
が始祖と縁のあるルーンを宿している……
「……ガンダールヴといえば、あらゆる武器を使いこなし千人もの軍を一人で
壊滅させるとこができるとも言われる。それを使い魔としたのは、ゼロなどと
いう二つ名で呼ばれるヴァリエール家の三女。正直、関連性が見つからん。
そもそもあの亜人は正体が分からんというのが……」
「はて、亜人の正体ですか?確かにトロール鬼が人の言葉を解するなどとは聞
いたことがありませんが、別に先住魔法を使うわけでもない普通の亜人ですし
そこまで気にするほどではないのでは?確かに戦士としては優れた身のこなし
でしたが」
 ミゴールが目を覚ました日のことを思い出しながらも、コルベールは首を捻
る。その様子を見てオスマンはもういいとばかりに手を振った。正直、今のこ
の状態でコルベールと相談して分かることは無いだろう。
「もう良いぞ、ミスタ・コルベール。私が気にしておるのはそんな理由ではな
いのじゃがな」
 そこで言葉を切る。この教師に、あの亜人は精霊に怯えられている、と言っ
たところで理解はできないだろう。学院の中でこのことが理解できているのは
自分だけだろう、ならば無用の混乱を教師に起こすわけにもいかない。ふと話
の方向を変えようとなんとなくの思い付きを口にしてみた。
「そうじゃな、あらゆる武器を使いこなすというガンダールヴというのならば、
何かけしかけてみると言うのはどうじゃろうかな。あるいは、逆に何かにけし
かけてみるとかのう」
 かっかっか、と笑いながらの冗談交じりの言葉。言いながらもオスマンはい
つかこれを試してみようか、などという学院長としてあるまじき事を考えてい
た。

 そしてその考えは、偶然とはいえその翌日に実現した。
 早朝の学院。普段ならばまだ人もまばらなその時間に教師達は宝物子に集ま
り、それぞれに勝手なことを喚きあい、罵り合っていた。
 そんな醜い振る舞いの原因は、彼らが今集まっている宝物庫にあってはいけ
ないものが存在し、そしてあるべきものが存在しないからだった。

 宝物庫の壁に開いた、人がくぐれるほどの大きな穴。
 その周辺、特に宝物庫の外に小さな山を作っている大量の土。
 そして壁に書かれた、有名な盗賊『土くれ』のフーケの犯行声明。
『破壊の剣、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』

 そしてその声明文の通りに宝物庫に収められていた秘宝「破壊の剣」、それ
があったことを示す「破壊の剣」と書かれたプレートが張られた台の上――そ
こにあったはずの破壊の剣が収められていた箱が、無くなっていた。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:49:06 ID:fgYf0D/c
お、カルドセプトの人だ
待ってたよ
313ゼロと在らざるべき者:2008/09/30(火) 00:50:21 ID:VRT/NpHd
以上で投下終了です。
シエスタとギーシュイベントはゼロ魔クロスでは最初の山場ですが、上手く組み込めないので捨てました。
では。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:56:43 ID:LMRnhos4
投下乙でした。確かにその2つは似つかわしくないかもしれませんね。
英断だったんじゃないかと思います。
恒例となっているフーケが盗んだものの改変ネタも今から楽しみです。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:58:23 ID:J4yX4A6w
乙でした!
次回はおマチさん逃げてー!な展開になるのでしょうか
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:08:56 ID:nkoJ8lx+
ミゴール待ってました
シエスタ・ギーシュフラグがたたなかったことで今後どうかわるのかも楽しみです


…あんま影響ないか?
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:20:06 ID:rhZM3RrD
カルドセプト界の破壊の剣…
ストームコーザーか?HP低いと持っただけで即死なあれ
318THE GUN OF ZERO 05 銃神(0/9):2008/09/30(火) 02:11:12 ID:6eygeP8S
く、ろ、い薔薇の花ぁ〜いぃりゅぅうじょん〜

ギーシュは赤い薔薇ですが、タイムダイバーは黒い薔薇なんです。きっと。

この書き込みの前に予告が入り込まなければ、そのまま投下しますね。

ようやっと戦闘シーンです。
やっぱり良いですね。戦闘シーンは。心がささくれますね。

実は最初の頃は、クォヴレーにディス・アストラナガンのZ・Oサイズとラアム・ショットガンの小さいバージョンを持たせて戦おうかとも思ったんですが、やっぱ三次創作になりそうなんで、ふつーに戦って貰いました。ええ、ふつーに。
319THE GUN OF ZERO 05 銃神(1/9):2008/09/30(火) 02:12:17 ID:6eygeP8S
 シエスタを手伝うべく厨房に入ってきたクォヴレー。
「クォヴレーさん、それじゃあこのお料理を出すの、手伝って下さい」
 そばかすは目立つが、シエスタの笑顔は人好きするそれだ。
「わかった」
 運搬用のトレイに皿を置いていく。
「よう、クォヴレー、主のメイジ様は見つかったか?」
 料理長のマルトーが、クォヴレーに声をかけてきた。
「ああ、おかげさまでな」
「まったく、こんな素直で良い奴を捕まえて使い魔にしたあげく、心配させるとは、つくづく貴族連中は腹が立つな!」
 やってきてからこれまでの間に交わした会話で、このマルトーという男は余程貴族が嫌いなのだろうというのは判っていたが、一応言っておいた。
「貴族にも気さくな連中は居る。俺も幾度か、戦友のとある貴族手ずからの料理を食べさせて貰ったことがある」
「へぇ!?貴族様が料理を!それも平民に喰わせてくれたって言うのかい?味の方はどうだった?」
「俺の居た部隊内では有名な腕利きだ。かつてトップとして別の部隊を率いていた時には、部下達はその男の作る料理によって戦意が高められていたとも聞く」
「ほう!そいつは聞き捨てならないな!クォヴレー、まかないだが後で俺の仕込んだ料理を食って、味比べをしてくれよ?」
 料理人として些かプライドが刺激されたらしい。
「楽しみにしている。マルトー」
 しかし、とため息をつく料理長。
「お前は良いところに居たんだなぁ……ここハルケギニアの貴族連中にそんな期待をしちゃいけないぜ。あいつらは俺たち平民のことを何とも思っちゃいないんだからな!」
「心に留めておこう」
 一つ頷き、トレイを持ちながらシエスタの後に付いて厨房を出る。
 先程、メイド達に一通りのレクチャーを受けていたクォヴレーは見事に給仕役をこなしていた。
 最初は、クォヴレーが自分の側にいないことに腹を立てていたルイズだが、その所作にふーんと感心する。
(掃除もやったこと無いって言ってたけど手際が良かったし、きっと教えたら教えるだけ吸収するのね……じゃあ、お茶の入れ方とか教えたら……)
 ふっと妄想の海に沈む。
 自分は実家のテラスで静かに本を読んでいる。
『ルイズ、お茶を入れてきた』
『ありがとう』
 そこへ執事姿のクォヴレーが現れ、そつなく午後のお茶の準備をする。
 各地を旅して知識の豊富なクォヴレーはふとした自分の問いにも何のよどみもなく即答してくれるのだ。
 何と大人っぽく、知的で、素敵な時間だろう。
 妄想に耽っている間に当のクォヴレーはルイズの前に皿を置いて先に進んでいってしまったが。
 その後もメイドや給仕に混じり、料理を出していたクォヴレーだが、デザートを出す段になって問題が発生した。
320THE GUN OF ZERO 05 銃神(2/9):2008/09/30(火) 02:13:29 ID:6eygeP8S
 発端は、一人の男子生徒が落とした香水入りの瓶だった。
 バルシェムの類い希な身体能力でもって、反射的に床に落ちる前に瓶を拾い上げ、男子生徒ギーシュ・ド・グラモンの眼前に突き出す。
「落としたぞ」
 差し出されたギーシュは、一瞬ぎょっとしながらも瓶を手でおしやる。
「これは僕のじゃない」
「いや、確かに今そのポケットから……」
 クォヴレーが弁明を最後までするより先に、他の男子生徒がおお!と声を上げる。
「その香水は、もしやモンモランシーの香水じゃないのか!?」
「言われてみれば!」
「成る程、ギーシュは今モンモランシーと付き合っているのか!」
 口々に他の男子生徒が囃し立てる中クォヴレーは思った。
(モン、モランシー……噛みそうな名前だ)
 歴代スパロボ主人公至上名前間違えられ率No.1で、間違えられた名前から派生した呼び名が呼ばれ方の大半となっている久保がよく言うものである。
 そこへ、一人の少女が現れた。
「ギーシュさま……」
 何やら思い詰めた表情をしている
「やはり、ミス・モンモランシーと……」
「彼等は誤解しているんだ。ケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは、君だけ……」
「その話、詳しく聞かせて欲しいわね」
 別の方向からまた一人、少女が現れる。こちらは明らかに怒っていた。
「も、モンモランシー……」
 そこでようやくクォヴレーは事態を察する。
(成る程。これが二股の末の修羅場というやつか。直接目の当たりにするのは初めてだな)
 興味深げに三人の男女を見る。
「つ、つまりだね……僕はケティもモンモランシー、君も……」
 盛大に破裂音が響き、ギーシュはその両頬を赤くして倒れていた。
「ひどいですっ!ギーシュ様!」
「最っ低!」
 思い詰めていた表情の少女は泣きながらその場を去り。怒っていた少女もクォヴレーの手中の瓶をひったくるように取ると、その場を去っていった。
 怒りのオーラが見えそうなモンモランシーの背中を見やりながら、再びクォヴレーは思う。
(今朝の青い竜の主は彼女だろうか?)
 主に声的な意味で、青龍が似合いそうだった。実に必神火帝天魔降服。
「……さて、と。どうしてくれるんだい?」
 埃を払いながら立ち上がるギーシュ。真っ赤な頬が痛々しい。全く同情には値しないが。
「なにがだ」
 問われた意味が理解出来ず、聞き返す。
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:13:44 ID:Zh76g0Rn
支援
322THE GUN OF ZERO 05 銃神(3/9):2008/09/30(火) 02:14:39 ID:6eygeP8S
「僕は君が香水を落としたと声をかけた時に知らないフリをしたじゃないか。話しを合わせるぐらいの機転があってもよいだろう?」
「そういうものか?」
 首をかしげる。
「そうだとも!っと、ああ思い出した。君は確かゼロのルイズが呼び出した平民の使い魔だったね?まったく……呼び出したメイジがメイジなら、その使い魔も使い魔か……」
 ふぅと呆れたようなため息を露骨についてみせる。
「せめて謝罪の言葉ぐらいは欲しいものだね?僕と彼女たちに」
「そうか、すまなかったな」
「誠意が感じられないね?土下座くらいしてみ――!」
「ちょっとギーシュ!人の使い魔に、勝手な因縁付けないでちょうだい!」
 ずいとルイズが割って入り、ギーシュを睨み上げる。騒いでるのを聞きつけ、慌てて近づいて来たのだが、己の使い魔はこの二股男に反論するどころか謝る始末。見ていられなかった。
「クォヴレー!アンタもよ!今のはどう考えたって二股かけてたこいつが一方的に悪いんだから、軽々しく謝らないで!私まで軽んじられるわ!」
「わかった」
 びっと指を胸の辺りに向けてくるルイズに頷き返す。一方でギーシュは結構追いつめられていた。
 今まで責め続けていた平民が、ルイズの陰に入ってしまったため、言葉を続けあぐねている内に、級友共に二股のギーシュだと囃され始め、仕舞いには二人へ謝れコールが始まっていた。
「だから、美しい薔薇の華はより多くの女性を楽しませるためにだね……」
 必死の弁明を行うも、効果は薄い。
 浮気者の末路だわ、といい気味に思いつつクォヴレーを伴ってルイズはその場を去ろうとした。
「ま、待ち賜え!ルイズ、僕は決闘を申し込む!」
「はぁ?」
 何を言っているんだこいつはという表情で振り返る。周りもかなりしらけた様子である。
「ギーシュ、馬鹿なこと言わないでちょうだい。貴族同士の決闘は禁止よ」
「判っているとも。だから僕が決闘を申し込むのは君の使い魔だ!彼のために女性二人の名誉も、僕の名誉も傷つけられたのだからな!」
「しつこいわね。全部アンタが自分で蒔いた種じゃない」
「ぐ、くっ……フッ!そうやって逃げるつもりかい?」
「何ですって……?」
 すっとルイズの目が細くなる。
「いや、済まない。そうだったなぁ。ゼロのルイズが呼び出した平民の使い魔だ。それがメイジで軍人の家系に生まれた僕に勝てるはずもなかった!これでは決闘にならない!」
 歌うように、高らかにギーシュは言う。
 ギリ、とルイズは奥歯を噛み締める。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:14:58 ID:bjhVQuVy
支援じゃっ
324THE GUN OF ZERO 05 銃神(4/9):2008/09/30(火) 02:15:39 ID:6eygeP8S
(ダメよ……こんな安い挑発に乗っちゃ……ヴァリエール家末代までの恥だわ!)
 必死に自制する中、クォヴレーの言葉が耳に入った。
「よく、戦争に使われる手口だな」
 え?とそちらに振り返ると、淡々とした口調で告げていた。
「内政不安に陥った国家が、国内の不平不満を逸らすために外敵を求める。今もそれと同じだ。自身の失態を隠すため、他の注目すべき事を引き起こし、周りの目をそちらに集中させようとしている」
 クォヴレーの分析に、周囲も成る程と納得しつつ嘲笑をギーシュへ向け始める。
「……あんた、さっきまでコイツが悪いって事も理解しないで、謝ろうとしてなかった?」
「こういった手合いに一々目くじらを立てるのも無意味だ。適当に受け流すのが一番だろう」
 要するに、端から相手にしていなかったのである。
「なっ……!」
 先程から面目丸つぶれのギーシュが息を呑む。
「それじゃあ、私もアンタに倣ってまともに請け合わない方がいいのかしら?」
 ここにいたって、ルイズの方はかなり精神的に余裕が出来、サディスティックな気分になりつつあった。
「いや、この場合はむしろ積極的に挑発に乗り、乗った上で返り討ちにしてやるのが最も効果的だろう」
 不敵な笑みを口元に浮かべる。
「成る程ね。いいわ、ギーシュ。アンタの決闘の申し入れ、応じてあげる」

 決闘の場。ヴェストリの広場。
「非道いです!ミス・ヴァリエール!」
 涙目のメイドに非難され、そんなの判ってるわよ。とルイズは気まずそうに目を逸らした。
「判ってません!クォヴレーさんは、ただ巻き込まれただけじゃないですか!」
「……だってあいつが自分からこうすべきだって言ったんだもの」
 今から考えると何とも無茶なことをしてしまったと思う。ドットとはいえ、ギーシュはメイジなのだ。
「こんな……こんな……クォヴレーさんが、死んでしまいます……」
 涙を流して自分を非難するメイドを、疎ましく思い、同時に羨ましく思う。
 例え本人から推奨されたとはいえ、他でもない。クォヴレーの決闘に合意してしまったのは自分なのだ。
「心配するな、シエスタ」
 そこで、後ろから声をかけられた。
「クォヴレーさん!」
「クォヴレー……」
 武器を取りに行くと姿を消したクォヴレーが、ベルトの通った銃らしきものを二つ肩から提げていた。背中にもこれまた長い銃身の銃を背負っていて、その手にはまた銃の柄が覗いているリュックサックも持っている。
325THE GUN OF ZERO 05 銃神(5/9):2008/09/30(火) 02:16:36 ID:6eygeP8S
 そういえば銃が得意とか言っていたか。だが、ふと思い出す。
「……アンタ、召喚した時そんなもの持ってたっけ?」
「どこから持ってきたのかは内緒だ」
 フフフ……とまるでいたずらっ子のように笑いながら人差し指を口の前に立てる。割とお茶目である。そこでシエスタに向き直る。
「シエスタ、俺はこれまでにも魔法を使える者と戦ってきた事がある」
 穏やかに語りかけるクォヴレー。
(メイジと、戦ったことがある……?)
「そ、そう、なんですか?」
 しゃくり上げながら、尋ね返すシエスタ。
「ああ。だから心配するな」
「遅かったじゃないか。だが、逃げずに来た事は誉めてやる」
 広場の中心部にいるギーシュから、声がかけられた。
「悪いな。武器を取りに行くのに時間がかかった」
 平然とそう答えてやる。
「心配せずとも、死なない程度に手加減はしてやるから、遺言を残す必要は無いよ?」
「気を使わせるな。こちらは、ねらい所悪く死なせてしまうかもしれん」
 不敵な笑みを浮かべつつ、広場の中心へ歩を進める。
 クォヴレーの言に、口の端をぴくぴく痙攣させるように動かすギーシュ。
 使い魔の背を見つめながらルイズは思う。クォヴレーはメイジと戦ったことがあると言った。そして、今こうして生きている。
「メイジ殺し……」
 その単語が浮かんでくる。
 そして手にしているのは銃。それもこんなに沢山。当てられさえすれば、勝てるかも知れない!
 先程のクォヴレーの発言に一瞬頭に血が上ったギーシュだが、すぐにふっと髪をかき上げて意識の外へとおいやる。
「心配は無用さ。それにしても品のないものを決闘に持ち込むのだね、君は」
「俺の得物は銃でな」
 持ってきているのはキャリコM100にスペクトラM4、そして腰から下げたベレッタ90-Twoとコルト・パイソン6インチモデル、さらにリュックからはレミントンM870が見え、後ろに回されている長砲身はブラウニングM2だ。
 換えの弾薬も.22LRのヘリカルマガジン100発型、スピードローダー装備型の.357マグナム弾等々を、背負ったリュックに入るだけ入れている。加えて身体に直接付けているホルダーにも9mmパラベラム弾の弾倉が軽く10カートンは見える。まるで戦争である。
 しかしこの名称のラインナップにニューナンブが無いのは仕方ないとして、イングラムが欠けているのは何かしらのイジメだろうか。
 ギーシュから10メイルほど離れた場所でどさどさと腰からつるした拳銃を除いて全装備を下ろす。流石に重いらしい。なにせブラウニングだけでカタログスペック重量は38kgもある。全備重量は50kgを超えている。
326THE GUN OF ZERO 05 銃神(6/9):2008/09/30(火) 02:17:44 ID:6eygeP8S
「まごまごと弾ごめの時間など僕は与えないから、そのつもりでいたまえ」
「そうか」
 ギーシュの言葉に気にした風もなくまずは使い慣れたベレッタの弾倉を確認し安全装置を外す。
「この決闘は僕と二人の少女の名誉を汚してくれた君を許さないという僕の心の現れだ」
 コルト・パイソンのドラム部分をスライドさせ、弾の残数を確認。続けて地面に下ろしてあるキャリコとスペクトラをセミオートに切り替えておく。
「故に、僕はいかな手段を用いても、そして僕の命に代えても、君を打ち倒してみせる!」
 レミントンの給弾口に12ゲージ弾を次々と入れ、ポンプを動かして装填する。
「そして必ずや……って聞いているのかね!?君はーっ!」
「聞いている」
 ギーシュの方は向かないまま、リュックからジャラリとベルト弾倉を引きずり出してブラウニングの給弾口に噛ませる。
「ど……どうやら君には貴族に対する礼儀というものを教える必要が有りそうだ!では諸君、決闘だ!」
 ギーシュが手にした薔薇の造花を掲げ上げ、そう宣言した。とたんあちこちから歓声が上がった。大半はやりすぎるなよ、だの女に振られた腹いせはみっともないぞだのといったギーシュに対するからかい半分の言葉だ。
「クォヴレー!」
 そんな中、後ろから自分にかけられた声に振り返る。
「殺しちゃダメよ!そいつには後でたっぷり謝って貰うんだから!狙うんだったら手にしなさい!杖を落としても、アンタの勝ちよ!」
 勝てるかも知れないと解り、笑顔で呼びかけるルイズ。
「杖……?あの造花か。わかった」
 頷き返し、正面に向き直る。
「フッ、僕を狙うか。ゼロのルイズにしては中々の着眼点だが……悪いが、そうはいかないよ」
 すっとギーシュが造花の杖を掲げる。
「出でよ!ワルキューレ!」
 その名の通りの戦乙女が二体、顕現する。
「僕の二つ名は『青銅』!そしてごらんの通り、君の相手はワルキューレが務める!」
 一騎はクォヴレーに接近し、もう一騎はギーシュの前に立つ。オフェンスとディフェンスらしい。
「そんな……これじゃあ狙えないじゃない!」
 クォヴレーの後ろにいるルイズは悔しそうに拳を作る。
「二つ名が青銅……成る程。このワルキューレというのも青銅で作られたゴーレムという訳か」
 左のホルスターから右手でコルト・パイソンを抜き、左手を添える。
 時たま次元の狭間ですれ違うロリペド旧神はモーゼルカスタムとマテバカスタムで二丁拳銃などと味なことをしているが、給弾のことも考えて、クォヴレーは基本的に一度に一挺ずつである。
327THE GUN OF ZERO 05 銃神(7/9):2008/09/30(火) 02:18:34 ID:6eygeP8S
「強度を試すか」
 凄まじい轟音と共に飛び出した弾丸は、いともたやすくオフェンスワルキューレの頭部上半分を吹き飛ばし、それでもなお威力は衰えずギーシュの頭の横をすり抜けてそのまま後ろの壁にぶち当たった。
「……え?」
 一瞬、全員がぽかんとしていた。
 ギーシュからの命令が途絶えて、二体のワルキューレも動きを停止させている。
「いかんな。貫通力が高すぎる。マグナムは危険か」
 コルト・パイソンをホルスターに戻しながら呟く。
「な……何だそれはぁぁぁぁあああ!?」
「銃、だが?お前の言うとおり、品のない武器だ。ただ、その中でもリボルバー型は上品な方だが」
 西部劇的意味で。
「き、聞いていないぞ!?そんな威力の高い銃が有るだなんて!」
「? ルイズ。ここの銃というものは、一体どんな代物なんだ?」
 どうも今ひとつ理解出来ない状況に、主へ説明を求める。
 突然話を振られたルイズも、すこし動揺しながら答える。
「え?えっと……私も詳しくは知らないけど……火薬と、火打ち石を使って弾を撃つのよ」
「火打ち石?」
 驚きの声を上げるクォヴレー。
「……成る程。せいぜいマスケットレベルの銃しか無いということか……」
 苦い表情でつぶやく。
「道理で銃が得意だと言った後、ルイズの反応が薄かった訳だ」
「き、気づいてたの……?」
「ああ」
 バツの悪そうなルイズに頷く。
「ではルイズ、改めてだ。自分の呼び出した力というものをその目で見てくれ」
 足下のキャリコを拾い上げる。
「ギーシュといったか、悪いが、もう少し付き合って貰うぞ」
 本当に悪い笑みを浮かべるクォヴレー。なのに何故か髪は銀髪のままだ。
「ば、馬鹿にするんじゃない!少々威力の高い銃を持つぐらいで!」
 頭部を破損したままのワルキューレが突っ込んでくる。
 反射的にフルオートに切り替え、キャリコを撃ち込む。貫通には至らないものの、前面がおろし金のようにずくずくになったワルキューレは、かろうじて敵との格闘距離にたどり着いた。
「あと一歩だったな」
 がすぐにクォヴレーに蹴り倒され、いい加減5.56mm弾の内部からの破壊により痛めつけられていたボディが、その衝撃でバラバラになってしまった。
328THE GUN OF ZERO 05 銃神(8/9):2008/09/30(火) 02:20:47 ID:6eygeP8S
「……連射も利くぞ」
 全く容赦のない射撃であった。
 何しろクォヴレー、弾に関しては補給の途絶える心配がほぼ無い。
 カルネアデス計画後に時間軸を調整しつつクォヴレーの元居た世界、つまり我々で言うところのサルファの世界に戻れば、GGGによって彼の口座には給料が振り込まれ続けている。
 その金で弾を買えるのだ。
 電子マネーであるため、用途の追跡も容易なのかGGGの方でもクォヴレーが時たま武器弾薬の補給に戻ってきていることは気づいているらしい。
 今朝、コインランドリー使用のために戻った時には、それらを経費にしようかというメールがGGG本部内であてがわれている部屋に残してある携帯端末のDコンに入っていた。
 流石にそれは結構と断ったが、そもそも大半の戦闘をディス・アストラナガンでこなしているクォヴレーが、白兵戦で弾薬を消費すること自体稀だ。そして元々が高額なパイロットの給料である。
 加えて生活の大半を異世界で過ごすクォヴレーには他に使い道がないため、金は貯まる一方となっており、割と平気でバカスカ撃ててしまう。
「う、うわぁぁぁぁぁあああああ!?」
 半狂乱となったギーシュが、更に五体のワルキューレを作り出す。
 既に出ていたディフェンス用だったワルキューレはいち早くクォヴレーに向かってきた。
 キャリコを放し、レミントンを持ち上げる。
「砕け散るんだ……!」
 射線上にギーシュがいないように移動して散弾を撃ち込む。
 全身に弾を浴び、穴だらけになったところへ跳び蹴りを浴びせて粉砕する。
 蹴りの反動で再び銃をおいた場所へ跳び帰ると、レミントンを下ろして今度はブラウニングの三脚を立ててグリップを握る。
「狙いはもうついている……!」
 迫り来る残り五体に銃口を向ける。単射に切り替えて、ワルキューレが照準に入るが先か、問答無用でぶっ放す。
 12.7mm50口径弾を使うブラウニングM2は、対軽装甲車両用に開発された傑作品とも言われる重機関銃である。あくまでも対物使用として、対人使用の自粛が求められるほどの威力は、この至近距離においてたかが銅像などものの数ではない。
 確実に胴の部分に五発ずつ当てられ、見るも無惨に上半身と下半身が50口径弾に引き裂かれていくワルキューレ。分速650発のスピードの、僅か五発分である。一体当たりの処理にかかる所要時間は0.5秒未満。クォヴレーの元にたどり着くより先に全てが撃破される。
 しかも弾の威力はそれでも収まらず、そのまま直進して壁に弾痕を残した。
 しーんと静まりかえる広場の中、いつの間にかうずくまっていたギーシュに、ブラウニングから離れてクォヴレーが近づく。
 ベレッタを抜いてジャキッと弾を装填し、足下のギーシュへ向ける。
「まだまいいったとは聞いていないが、まだやるか?」
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:20:49 ID:Zh76g0Rn
支援
330THE GUN OF ZERO 05 銃神(9/9):2008/09/30(火) 02:22:28 ID:6eygeP8S
 クォヴレーの言葉に慌てて顔を上げ、言葉もないままにぶんぶんと頭を振るギーシュ。
 ならばと表情を和らげながら、腰のホルスターへベレッタを戻した。
「勝ったぞ。ルイズ」
 そう主に告げながら、彼は散らかった銃器の片づけを始めた。

 同じトリステイン魔法学院敷地内。学院長室。
「…………」
「…………」
 学院長であるオスマンとコルベールが、絶句していた。
 つい先程、コルベールが発見してきた古い児童向けの本よりのルーンの比較から、クォヴレーが伝説の使い魔ガンダールヴである可能性を見出した二人は、
学院長秘書のロングビルよりギーシュと使い魔の少年の決闘騒ぎの報告を受けたのをこれ幸いと、彼が本当にガンダールヴであるのか見極めようと遠見の鏡で決闘をのぞき見していた。
 クォヴレーが真にガンダールヴであるのなら、ドットクラスのメイジであるギーシュ・ド・グラモンは倒されるかも知れない、とは考えていた。
 だが、この戦いは、ガンダールヴがどうとかというレベルではない。
 使い魔の圧倒的な勝利、それが伝説の能力ではなく手にした武器そのものの力であることを、二人は理解していた。
 そして最も重要な点。おそらくあの使い魔の持つ銃は、平民が持つだけでメイジにとって驚異となりうる。
 ギーシュの後ろに穿たれたいくつもの弾痕。特にブラウニングM2の弾痕は壁の表面が一部衝撃で滑落してしまっている。一体、壁がなければ弾はどこまで飛んでいっているのだろう。
「……どう、みるかね?コルベールくん」
 かろうじて、オスマンが尋ねる。
「……どうやら、我々を遙かに上回る技術で制作された銃のようです」
 既に二人にとってガンダールヴなど二の次である。
「君なら勝てるかね?」
「状況にも寄りますが、少なくともギーシュと同じ距離に立って決闘形式で戦うのであれば、詠唱中に撃たれて私が死ぬでしょう」
 スクエアクラスのメイジが、ドットクラスの魔法を唱えるとかなり短い時間で発動出来るが、あの使い魔の銃はメイジが杖を抜くのと同時に
「あの使い魔の少年が飛び散る弾を撃った時など、明らかにギーシュに当たらぬように位置取っておりました。殺さぬよう手加減されての結果と見るべきでしょう」
 戦士の目で、オスマンに応じるコルベール。
「ふむ……ともかく現状として情報が圧倒的に不足している。コルベールくん、幸いにして彼はミス・ヴァリエールに対して友好的だとのことだな?彼の出身と、そして出来ればあの銃の技術解明を頼みたい」
「はい。では早速……」
 今度は、知的好奇心の塊のような顔で頷くと、そそくさとコルベールは部屋を出た。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 02:33:10 ID:zmSoGqfV
乙です!
さすがにアストラナガンは呼ばなかったかーでも面白かったですww
これからも頑張ってください。応援してます。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 03:00:12 ID:a056r+yl
久保乙です(_ _)

久保よ。オマエはどっかの戦争マニアの軍曹かww
そして世界観全潰しの途中分に不覚にも痺れて憧れてしまった
普通にサルファってwwww
ブロウニングって、アレですっけ?
でっかいクマのぬいぐるみからにゅっと出て来た、銀刀が片手でブッ放してた
後、旧神ってどっちですっけ?マサキじゃ無い方?
イングラムは・・・・敢えて組み込もうぜww
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 03:10:14 ID:vtr4UCH5
久保の人乙です。
予想外の方向でしたが、結局ギーシュ涙目容赦なしwww
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 03:22:28 ID:Zh76g0Rn
ロリペドって言うんだから腰に太いマグナムつけた旧神のほうじゃね?
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 04:04:33 ID:sKKLelam
誰か不思議なダンジョンのチョコボ召喚しねーかなー
あのもこもこふわふわの黄色い羽でもふるルイズとか
かなり当たりの部類だが、カービィのようにデルフが使えないからそこがネックか
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 04:25:57 ID:DhTeP6gf
>>335
逆に考えるんだ
剣ではなくツメだと
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 05:01:39 ID:6rwawQsa
おおう、起きたら自分的ハマリランキングツートップが二つ共投下されてる!
ミゴールの人と久保の人乙!!


ミゴールは一気にフーケ戦ですか
フーケゴーレムが再生持ちブロンティーデスとか考えると強打だけだとガチバトルはきつそうかな?

久保はさすがにここでディストラは出さないか
それでも十分にやり過ぎです、本当にありが(ry
あと確実にデルフ涙目w
銃神に剣なぞいりませんか、そうですかw
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 06:06:56 ID:zwYXooLI
ミゴールがヴィンダールヴだったらどうなってたんだろ?
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 06:35:45 ID:MIQScJME
>>335
チョコボがガンダールヴになったら魔法の本の威力がえらいことになるな
素で全Lv99なんてとんでもないことになるぞ
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 06:58:25 ID:TdLiieSu
>>335
かまど持ち込んで合成させればおk
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 07:17:58 ID:DhTeP6gf
>>337
武器を持てば例え+10程度でも強打で75になるから余裕
てか無効にばっか目がいくけど強打も凄いな
只のロングソード持たすだけでST100越えか
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:35:27 ID:WArzU0wK
チョコボかぁ。
基本的にキュピィとクエェとしか喋れないが細かい部分まで通じるんだよな。
しかし可愛い幻獣を召喚できたと勘違いしたルイズが勝手に名前を決めそうだ。
チョコボの小首を傾げる仕草とかたまらなく可愛い。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:37:16 ID:+StTWSFn
>>332
モーゼルカスタム=『クトゥグア』、 マテバカスタム=『イタクァ』
ですから、二闘流(トゥーソードトゥーガン)の親御さんで間違いないですね。
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:43:41 ID:qR5Gjcf1
問題は、チョコボは一羽で四人(作品によってはそれ以上)を乗せる事が出来る事。つまり意外と大きい事だ。
3だか5の攻略本に10メートルと書かれていたはずだし。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:44:31 ID:aHZ7L0p2
久保の人乙。
しかし使う銃がキャリコとスペクトラって、どんな皮肉だよwww
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:46:09 ID:Kvi26k8f
チョコボだと思ったらペコペコだった、ですねわかります。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:46:58 ID:AP7lUVAk
>>344
そいつと不思議なダンジョンのチョコボは似てるけど別物だよ
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:47:00 ID:TdLiieSu
>>344
FFT仕様のチョコボならおk
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:51:17 ID:AbZeSlfH
クレしんに出てくるお菓子?
あのピンクいワニのマークの
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 09:15:26 ID:q62ou9cH
そらチョコビや
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 09:33:38 ID:zzzapQeU
>>349
ピンクワニ? クロコダインのおっさんがどうしたって?
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 09:40:30 ID:WArzU0wK
不思議なダンジョンのチョコボは人間の女の子一人ぐらいしか乗せられない
大きさだから、リアルで例えると大体ポニーより大きいぐらいだと思われ。
でもあれはデフォルメされているから正確なところはわからんな。
しかし召喚した黄色いトリが魔法を使っているのをルイズが見たら激しく落ち込みそうだ。
超難しい本を使いこなすチョコボだったらトライアングルとかスクウェアとか
そんな生易しいもんじゃないし。アルテマやメテオ、フレアと最強魔法が使える。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 10:01:13 ID:9bMpjwHu
>>352
ドラゴン級の幻獣あつかいされそうだな
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 10:05:09 ID:5asM65/R
そしてデルフの出番がなくなりまくるんですねわかります




少しは活躍させてあげようぜ;;
原作ばりに活躍してるSSもあってもいいと思うんだ・・・
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 10:11:12 ID:SWoJuUy3
孔雀王(退魔聖伝〜曲神紀の間の未明の時期)からスサノオの牙・・・
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 10:29:10 ID:LZiC3hv4
今頃PS2でドラクエXやってるんだがジョゼフとシャルルもパパスとオジロンみたいな
関係築けたら幸せだったろうになぁ
いや、「あの時」父親の執務室にジョゼフが居たらなってたんだなぁ・・・・・・
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 10:29:25 ID:FyBnx5hk
>使う銃がキャリコとスペクトラって、どんな皮肉
これの意味がわからない……ニューナンブとイングラムの件はわかるんだけど。
第三次はやってないけど、その辺?
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 10:32:01 ID:FyBnx5hk
おっと、久保の人乙した。
……スマン俺もずっと「クヴォレー」だと思ってた。
そしてギーシュふるもっこですね。
近代火器を持ち込んで弾切れ気にしなくていいってのはエグいな。
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 11:10:31 ID:DSFKp2Vh
>>352
漫画版みたいに大岩とか普通に砕くのかな
土ゴーレムが一瞬で削り取られるw
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 11:22:47 ID:9cTq+SY1
キャリコとスペクトラ――かつてクォヴレーが所属していたゴラー・ゴレム隊の指揮官。
当初は同系統のクローンとはいえ量産された存在であるクォヴレーを見下していたが、オリジネイター(イングラム)の後継者がクォヴレーであると分かると、なりふりかまわず殺そうとしてきた。
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 11:43:48 ID:9XpeYQ4U
魔法の本はマジックアイテム=ミョズニトニルンの担当じゃないかな
本使って敵をぶん殴るんならガンダの担当だけどw
362361:2008/09/30(火) 11:44:47 ID:9XpeYQ4U
ごめん、>>339へのレス
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 12:09:47 ID:WArzU0wK
ミョズはモーグリかなぁ
お宝のためならせこいが、流石にジョゼフに与するかな

戦争男ではなくバトルマンがテファに召喚されたら…ヤクザのヒモ男みたいになりそうだ
昼間から飲んだくれるバトルマンを気遣うテファ。しかしバトルマンは彼女の
優しい思い遣りを一蹴してしまう
ガラの悪い傭兵がきたら日頃の鬱憤を晴らすかのように半殺しで思わずバトルマンスマイル
駄目だ…手に終えんぞ
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 12:12:12 ID:lQv5scvu
>>355
あれは設定が二転三転してるからなあ…
最近だとイザナギのおっさんはどうだ。あんな腹黒くてひょうきんものの神様見たことないぞ。
兵力も無尽蔵に神を生み出せるし、神は基本不死身だし。
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 12:33:20 ID:TxMU5/tp
今月はアクマがこんにちはの人来ないのかな・・・?
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 12:40:44 ID:5BTSsUC+
>>365
ダンテとライドウのガチバトルの準備で忙しいんじゃないかな。
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 12:44:39 ID:YdGB8NQ0
そういえば今月はアクマの人見てないな
アバドン+のパッケ絵に興奮しててすっかり忘れてたよ
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 13:09:13 ID:IUt3uMLe
>>364
夜叉鴉の頃はまだ可愛げがあったのになぁ。傍迷惑なのは同じだがw>イザナギのおっさん
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 13:09:42 ID:lbRuM0Nq
北朝鮮の教科書に載っている将軍様も色んな意味で
スクウェアクラスどころかエルフを凌駕しているよな
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 13:16:16 ID:t8ITlGVR
>>367
人修羅が出るのかと思ったら出ないんだよなw
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 13:46:55 ID:DSFKp2Vh
もう将軍様召喚しちゃえよ
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 13:54:26 ID:Ddghsa+E
いっそのこと冬将軍を
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 13:55:14 ID:O7yzrtNh
ここはアニメ版の悪魔将軍だろ
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 14:01:23 ID:MwYhEx3G
ここはアイシールド1のショーグンだろ
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 14:30:25 ID:+D/PwerL
いや、今が旬の「20世紀少年」のショーグンを
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 14:35:05 ID:Y6xCNc2l
暗黒大将軍召喚…いや、なんでもない忘れてくれ
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 14:53:14 ID:Kvi26k8f
暗黒大将軍がありなら戦国魔神ゴーショーグンもありだよな?
つーかこの一行は久保の大先輩じゃねーか。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:01:46 ID:ZnXwzaFt
ああカラオケに行きたくなる熱い曲が頭に浮かぶ……
変化球としてエドワード・ミト16世陛下でダイオージャ付き召喚とか
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:01:57 ID:ZZxmXcHD
そういえば、キュルケのフレイムのサイズを把握してない奴って多いよな。俺もだけど。
犬くらい? 虎くらい? 馬くらい? 象くらい?
さすがに象はねーな。虎ぐらいかな。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:06:56 ID:jVGt3kyw
暴れん坊将軍を…
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:12:59 ID:7yumPxaU
>>380
ちょっと前のスレでやってるな
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:26:43 ID:+StTWSFn
>>379
アニメ第1期を見返せば良いんじゃね?
サイト呼びに行く時ね。
女子寮の廊下がそんなに窮屈じゃないサイズだった希ガス。

それにつけてもフレイム出番ないなぁ・・・
ずっと学院に居るんじゃろか
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:30:07 ID:lQv5scvu
じゃあ宇宙一の嫌われ者、レギュラン星のヅウォーカァ将軍を喚んで、ルイズがちびすけという理由だけでコルベール製の巨大ロボットに乗り込まされて
宇宙最大の決戦に三発しか撃てない大砲を持たされて行く羽目になる。というのは?
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:48:19 ID:/8P7fsEy
アイアンマンみてたら思ったんだが、アメコミで召喚されたのってあったっけ?
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:53:38 ID:DSFKp2Vh
久保さんがM2重機関銃使ってるけど俺も自作小説でつかっちゃったよ
被っちゃったよ
さき使われちゃったよどうしよう
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:58:02 ID:ouzUSm4W
アメコミのキャラがルイズに召喚されましたとか言うスレが前あったね
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 15:59:30 ID:7yumPxaU
>>384
まとめの小ネタ一覧を見てたら「東映版スパイダーマン」とか書いてて吹いたw

「GIFT」がスパイダーマンのエイリアン共生体を召喚してるよ


>>385
気にすんな
その程度の小道具なんて言われなきゃ誰も気にしない
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 16:00:33 ID:JlnL2mqN
M2は定番だから気にすることないと思う
どうしても気になるのならM82やGAU-8に変えればいいよ
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 16:14:31 ID:8zJARQxR
>>385
とりあえず被ったうんぬんかんぬん言う前に投下したらどうだ?
投下されてないものにはどんな評価も下せんよ
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 16:20:39 ID:Tc/STTaC
フランクさんも手持ちで使ってるしな
391THE GUN OF ZERO:2008/09/30(火) 16:23:54 ID:6eygeP8S
>>330
すんません。
下から六行目、文章がとぎれてます……orz

――――――――――――――
 スクエアクラスのメイジが、ドットクラスの魔法を唱えるとかなり短い時間で発動出来るが、あの使い魔の銃はメイジが杖を抜くのと同時に既に発射されていると見ていいだろう。
――――――――――――――
↑の脳内修正を加えてお読み下さい。

>>385
俺としても万人が推す良い銃を久保にチョイスさせられたと箔が付くので是非ともやって頂きたいぐらいです。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 17:43:14 ID:ZZxmXcHD
銃なんて一人でいくつも持ち込んでもしょうがないだろ。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 17:51:21 ID:9CVU24/u
連射できるのとか射程が長いのとか威力が高いのとか片手で扱えるのとか色々あんだろ
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 17:56:53 ID:zsAuVfIl
「墨攻」の革離をニューカッスル城に送り込ませたい
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 17:58:38 ID:+nQjjekL
>>392
目的別に分けると

バランスが良い アサルトライフル
携帯性が良い拳銃
遠距離狙撃用のスナイパーライフル
据え付けて使うような重機関銃

この四種類があると便利
そして拳銃の場合

さらに形態性を追求した小型の物(隠し持って護身と暗殺に)
早撃ち用(メイジとの決闘では最強武器)

の二つがあると更に便利
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:01:41 ID:LfwXDB1E
>>395

つまり超ロングバレルが取り外し可能なパトリオット一つで問題解決。
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:02:59 ID:hBnGCBoa
銃を使うゲームとかしてると結構使い分けるよな
ジャンルはSLGとかFPSとかACTとかTRPGとか色々あるけど

>>395
その辺全部使いこなせる兵士って結構なスーパーマンな気がするなw
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:04:53 ID:ZZxmXcHD
重いっつーの。必要なの一つと予備のハンドガンだけにしろ。
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:06:02 ID:Tc/STTaC
まぁアサルトライフルと拳銃は持ってたとしてもM2は人間が携行するような火器ではないな…
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:06:05 ID:JEyarUSv
>>397
> その辺全部使いこなせる兵士
つスネーク
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:07:43 ID:hBnGCBoa
>>400
結構どころじゃないスーパーマンじゃねえか!?
いや、最初に思いついたのはそいつだったけどね!!
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:08:09 ID:H5yUqL0p
神楽総合警備保障――ジオブリーダーズのあの連中なら、きっとどんな火器でも扱えるに違いない。
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:09:52 ID:osE5BPAt
つ【火器MOS複数持ちの自衛官】
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:10:52 ID:ZZxmXcHD
いろいろ扱えるからって全部一度に持ち歩かないだろ。
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:11:01 ID:JlnL2mqN
ストーム1とか
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:11:07 ID:+nQjjekL
シモ・ヘイヘはスナイパーライフル(スコープなし)と
サブマシンガンを使い分けて
ライフルで500人以上(一説にはこの倍以上とも)
サブマシンガンで200人以上(一説には狙撃より多いとも)

のソ連兵を射殺してる。

どう見てもスーパーマンですありがとうございました。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:12:15 ID:toRXgtV5
>>402

特に某流れ星さんとかなw
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:14:44 ID:6TJWMCiU
神楽の皆さんは攻撃力よりも回避と運が凄いと思うんだ。
田波くんなんて何回死にそうになってることか
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:14:52 ID:hBnGCBoa
>>407
というか梅崎以外は全員銃を使ってなかったと思うんだが……
まあ一人で全部使えるんだから間違ってはいないか
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:15:23 ID:h1c1Dk/b
荒れそうな使い魔いる?
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:21:11 ID:zsAuVfIl
どんなキャラを使っても、荒れさせようと思えばできるだろう
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:33:36 ID:2dltYk9+
>>379
一巻のP50で虎ぐらいの大きさとある。
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:40:50 ID:1snp41I4
荒れそうで、意外と良い線行きそうなのは「瀬戸の花嫁」の満潮 永澄(みちしお ながすみ)

基本的に普通の中坊、常識人、気も強くない。ただしストーリーが進んだ頃だと超人
ヤクザの暗殺を逃れ続けた結果、「危険感知」「危険回避」「攻撃回避」「音声耐性」と各種アビリティ持ちに
更にアニメ版最終回では超戦士へと変身。銃弾を素手で受け止め敵を数百メートル殴り飛ばす

ただし、婚約者に身も心も捧げているため、絶対ルイズに従わない
義侠心に背く者、仁侠道を外れる者、全て打ち砕く


意外と仁侠モノとして面白そう
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:40:50 ID:GGUUp9uO
>>399
よし、某カメラマンをショッピングモールから連れてこよう
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:45:59 ID:t8ITlGVR
>>406
何ていう作品のキャラですか?ってレベルですね。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:47:30 ID:G53BxOsy
ちなみにアーマドコアとメタルギアソリッドのオンラインじゃ
アサルトライフル最強
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:47:52 ID:t8ITlGVR
>>410
REDのウイシャのレッド
ベルセルクのガッツと同じような理由で旅をしているから、確実に荒れますよ
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:55:56 ID:UV0R01j8
>>406
現実の世界にいたキャラです
ヘイへって戦争行く前はただの猟師だったんだよな
動物撃つより簡単みたいなことを言ってた気がする
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:00:24 ID:Zh76g0Rn
そういや思ったが、軍事は詳しくないんで知らんが拳銃で青銅って貫通できるものなのか?
いや、薄い鉄ぐらいなら出来そうだからできるのか
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:01:41 ID:+nQjjekL
同僚兵士「お前よくそんなにポンポンヘッドショット出来るな?」
ヘイヘ「簡単さ 水鳥よりずっと頭が大きい」
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:04:43 ID:+nQjjekL
>>419
中が空洞の青銅なら拳銃の種類と青銅の厚さ次第で貫通できるんじゃね?

422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:05:26 ID:UV0R01j8
一方、ベトナムではホワイトフェザーと恐れられたアメリカの狙撃兵が
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:18:50 ID:0bFXS40W
興味無いからよそでやってよ
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:21:12 ID:G53BxOsy
シモヘイヘは漫画の登場人物よりもチートな人物

スコープは頭の位置が高くなりガラスの反射で位置を特定されるから使わなかった
たった百日で505名(あくまでも公式なもので非公式はもっと)をスナイパーライフルで狙撃して
同時にサブマシンガンの名手で記録上は202名で非公式だと500名以上殺してる
4000名のソヴィエト軍をヘイヘ含めたたった32名で守りきった化け物
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:23:43 ID:SIifalWb
ヘイヘ召喚で対7万戦
ライフル弾七万発を錬金するために土のメイジが大量過労死

銃弾は錬金できないんだっけ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:24:37 ID:zsAuVfIl
ルーデルなら既に来ているが、実在人物は基本的にNGだ
軍板で存分にやってくれたまえ
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:28:29 ID:G53BxOsy
>>419
アサルトライフルで関節部位にあてれば足なり腕ぐらいだったら吹き飛ばせるんじゃ?
そもそもアサルトライフル自体一発当たっただけで人間の腕が吹き飛ぶ代物だし
ショットガンのスラッグ弾ならどこ当たっても砕くこと出来そうだ
アンチマテリアルライフルなら青銅だろうと穴が開くどころか上半身と下半身が真っ二つに吹っ飛ぶだろう
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:28:42 ID:WArzU0wK
真に訓練された狙撃兵は銃火器の扱いとフィールドワーク、サバイバル技術に精通し、
重い銃器で正確な狙いをつけられるだけの体力と弾道計算ができる明晰な頭脳あり、
他よりも少なく食べ少なく飲み少なく休み、尚且つ多く働き多く耐え多く隠れ、
どんな兵器よりも遥かに優れた費用対効果で最大の戦果を挙げるいわばワンマンアーミー。
ハルケ世界に来ても銃火器と装備がランクダウンしただけで、必要最低限の装備で
最大の戦果を求められる特殊部隊の狙撃兵ならばかなりの働きが出来ると思う。
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:31:33 ID:GXj46Sau
で?
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:36:54 ID:9CVU24/u
で?
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:37:21 ID:mQdc9vW4
で?
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:37:45 ID:lQv5scvu
そんなに重火器好きなら人間メカゴジラのカーミ・サンチンくんを喚べ
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:41:55 ID:SIifalWb
小林源文作品より中村3曹召喚
ルイズ「このバカ犬!晩御飯抜き!」
中村「ヒイッ!(いつか殺してやる)」

中村にとってはルイズは佐藤3佐よりましかな
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:45:45 ID:dd0aQHui
二三人殺した所で風魔法で場所特定され、錬金で銃壊されあっさり終了。
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:45:54 ID:BmiVdUMK
複数の銃を持ち歩いてるキャラと言うと「えとせとら」の奇銃使いベンケイトとかどーよ。
普通の二丁拳銃から超長尺ライフルに三つの銃が一つになった拳銃、靴のカカトに銃口のあるブーツ銃、
撃った後耳が大変な事になる超小型拳銃イヤリングまで色々とりそろえておりますよw
開拓時代っぽい世界観だから、メイジが頑張れば弾丸も作れそうだし。

後、昔の椎名高志の短編でパパの形見のハンドガン10丁ぐらい携帯してるマリーって娘が居たな。
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:48:39 ID:zsAuVfIl
「拳銃神」からイサムでも呼ぶか?
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:49:51 ID:hBnGCBoa
>>434
まあ固定化もしてないんじゃそうなっても仕方ないわな
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:55:36 ID:ZnXwzaFt
銃の力を見せ付けるだけじゃ息切れするよね。
むしろ銃を作る文明の力で戦ってくれると楽しいかな。
分るところでいえば大暮作品からデコッパとか、分んないところでは冒険野郎マクガイバーとか。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:59:19 ID:G53BxOsy
>>434
ワルドの話?
漫画のガンマンやスナイパーなんか早撃ち半端無いから
呪文なんか唱えてる程度の時間があれば
唱え終わる前に全員額に穴が開いてると思うぞ
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:01:31 ID:TdLiieSu
小ネタでのび太もあったな
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:03:06 ID:vXMPLiYk
>>439
ワルドは光速戦闘できます
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:05:06 ID:zzzapQeU
>>439
速さ勝負か
ウェールズより後出しで詠唱してウェールズの呪文が完成する前にエアニードル完成して撃ってるしなあ
侮らずにエアカッター辺りを速攻で叩き込むくらいのつもりでいけば普通に早撃ちにも勝てそうと思うのはガンマン舐めてる?
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:06:16 ID:6IP7GE8g
タバサがストームブリンガーを召喚しました
イザベラがモーンブレードを召喚しました
そしてガリア、トリステインを巻き込んだ闘争が・・・


一方ルイズはデルフリンガーを使った
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:09:16 ID:BmiVdUMK
「加速」によって銃弾をマトリックス避けしたあげく、
鍛え上げられた拳を叩き込むジョゼフ様の雄姿を誰か書いてくれ。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:15:26 ID:fGaRLHHN
>>444
エージェント・スミス召喚と申したか
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:17:09 ID:t8ITlGVR
>>438
他人の口で喋るんですね。

ワルド『女学生最高ー!!巨乳大好きー!!』
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:17:47 ID:osE5BPAt
ハルケギニアが仮想世界ですねわかります
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:18:33 ID:ANXGpHBY
>>383
それ最終的に夢オチだろ
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:21:15 ID:+nQjjekL
>>442
http://zyouirousi.blog123.fc2.com/blog-entry-1232.html
↑より早い詠唱は人間の喉じゃ無理。
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:21:39 ID:fGaRLHHN
>>447
いやジョゼフに乗り移るじゃね
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:23:27 ID:t8ITlGVR
ということは、ルイズはアンダーソン君を紹介するわけか
英会話教室を開くのが夢のアンダーソン君を
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:24:59 ID:vXMPLiYk
アンダーソンの友達のスミスの紹介で仮面を被ったインチキ空手の使い手を召喚
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:40:42 ID:mQdc9vW4
>>449
いい加減にしろよ……。
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:42:26 ID:W5Nt97Gn
テイルコンチェルトからワッフル召喚
アルビオンを普通に思いアルビオンを除くハルケギニアの地理に驚くワッフル
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:47:13 ID:K2oJecy4
実はハルケギニアはスーパー・コンピュータによって運営される仮想世界だったんだ!

まあそれはそれで面白いよね
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:48:34 ID:J9bIXHC6
ルイズがガチャピンを召還・・・・しないか・・
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:49:24 ID:TdLiieSu
>>455
つまり聖地が中枢(ソース)ですね分かります。
管理プログラムとしての虚無ですね。
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:49:37 ID:t8ITlGVR
最後は三次元人と戦うのか
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:53:46 ID:/VT2ka+d
>>410
直接読んだことのない人でも知ったかで荒らせるキャラなら
ロボット物で一人知ってる
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:54:16 ID:98dTCYcX
>>434

アホの子なのか?
狙撃手がこまめに射撃ポイント変更するのは基本なんだが…

461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:55:24 ID:zzzapQeU
テクノシャーマンによって作られたステージ1・ハルケギニア
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:56:48 ID:t8ITlGVR
>>456
何故か魔法を使える上に、対戦相手と同じ魔法をより強力に使いこなすんだろうな。
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:56:56 ID:/VT2ka+d
>>455
スタトレのホログラムなら普通に可能だね
というかスタトレにそういう話山ほどあるし
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:59:53 ID:dd0aQHui
>>457
まんまエルフが管理システムなんですね
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:11:53 ID:zsAuVfIl
シャドウランのエルフにハイテク電脳ハッカーがいたなあ
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:12:19 ID:TxMU5/tp
懐かしいところで、真メガ2のギメル。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:20:14 ID:zV8rXRRK
>>455
虚空牙シリーズの出番だな?
…若干一名ガンダールヴなしでそれ以上の力を発揮できる奴がいたっけか。
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:27:31 ID:cArrAMP8
>>439
ガンスリンガーが抜き打ちする間に、示現流の達人は2回は切りつけると
East meets Westで言ってたよ!

ガンスリンガーの速さに対応できないんなら、手裏剣使いとかバネ系の
暗器使いにも対応できないと思うので、なんとかしてるんじゃない<メイジ
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:31:43 ID:6IP7GE8g
銃議論はもういいっつーの
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:33:21 ID:+nQjjekL
>>468
近距離だと刃物のほうが強いらしいけど
その距離までどうやって接近するかが難しい。

対策は「接近される前に何とかする」だけじゃね?
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:36:30 ID:c+ajvNVv
>>460
しつけーよミリオタ。
ポイント移動してわざわざ自分の居場所教えるマヌケな僕が考えた狙撃手(笑)
が無駄な努力してもマルコ豚レベルの風探知でSAYONARA。
引き金どころか銃構える暇もなく「錬金」の一言でOWARI。
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:38:20 ID:qCCTQU6z
>>471
頭大丈夫?
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:38:27 ID:zsAuVfIl
『ゼロの使い魔』を軍事的に考察するスレ8
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1208878150/
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:39:36 ID:vcOz7qOb
           ____
            /⌒  ⌒\  
          /( ●)  (ー) \ いい加減スレ違いなおまえらのツラを吹っ飛ばしてやるお!
        /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
         l ノ゙{◎}r |r┬-|     |
        ハ. `ー' ヽ`ー'´     /
        /lミト、   !、::::::::::::::::::::
       /:l_丿:\/:::\:::::::::::::::::::::::
       /:::::::::::::/::\::::::::::::::::::::::::::::::ノ
       /:::::::::::::∧:::::::\:::::::::::::::::::::::{
      /::::::::::::/ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::|
      |:::::::::::ノ   ト:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:40:19 ID:eiz6hnF5
>>471
1リーグも先まで錬金が届くわけないだろうjk
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:41:18 ID:/VT2ka+d
>>471
知った被ると突っ込まれるよ?
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:41:44 ID:eOWn8CJx
虚無つながりでジルオールのシャリ召喚考えてたんだが
死人多すぎになってプロット崩壊しちまった
闇の王女候補が多すぎたのと
敵側が無限召喚にせざるを得なかったのが敗因か
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:45:53 ID:RTlBlFGf
ジルオールはPSPでまた出るよな
もうよく覚えていないが時代的にも合っていたと思うし上手くやれば面白そうだ
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:48:03 ID:Zh76g0Rn
>>475
銃にもよるが1キロから狙撃するってかなり難しいと思うんだが
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:50:32 ID:LfwXDB1E
だからもう銃の話題はいいっつの。
確かに1km先はコリオリの影響が出るってマクミラン先生が言ってたけどさ。
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:52:41 ID:4KL3Xakc
この前書き込んだネタで虚無アンアンがグリフィスを召喚するという奴のプロットを組み立て始めたんだが、タイトルは『ゼロの王女と光の鷹』か『ゼロの王女と闇の鷹』とどっちがいいだろうか?
表向きの輝かしい英雄のイメージを押し出すか、裏にある暗黒面を仄めかすかで迷ってるんだけど。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:53:42 ID:7X1EvLqG
>>479
ガンダールヴなら狙えるんじゃねーのー
戦車砲でもにたようなことやってるんだし
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:55:10 ID:zsAuVfIl
光と闇の鷹
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:55:35 ID:c+ajvNVv
>>475
1キロ先から錬金とかするわけねーだろ。
探知して接近(はいはいサイレント)して使うだろ。
巣に帰れ。

(サイレント)→→
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:58:17 ID:7X1EvLqG
>>481
プロットの段階でそんなこと悩んでても仕方ないだろw
本文をある程度書いてみて、いざ投下しようとしたときにまだ決まってないんなら、その時改めて聞きに来ればいいんじゃね?w

>>483
光の翼と闇の翼を持ってるのか
うわ、かっこいいなそれ!
【厨二病全開】
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:58:54 ID:ID20JfCk
おみゃーらこっちで思う存分議論してくれ。
スレ違いなんだよ。

『ゼロの使い魔』を軍事的に考察するスレ8
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1208878150/
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 21:59:34 ID:BmiVdUMK
ぴくせる☆まりんたんいわく、
海兵隊員は全員がアイアンサイトで三百メートル先に命中させられるライフルマンだそーな。
四百メートル以上になると風の影響をつよく受け、八百メートルで撃ち抜けるのは真の達人なんだぜ。

つーワケでまりんたん召喚しようぜ。
だらけきった水精霊騎士団の小僧どもを一人前の海兵隊員に鍛え上げるんだ。
クソ虫以下の貴族のガキも、数ヶ月で死を祈る司祭として戦場へ旅立つって寸法さ。
そして口汚く罵られて錨でブン殴られてハァハァするマリコルヌ。
488溺れる金貨:2008/09/30(火) 22:04:13 ID:EW3AKdjy
こんばんは、二週間ぶりです。
予約がないようでしたら投下します。
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:06:59 ID:eOWn8CJx
かもん
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:09:25 ID:7X1EvLqG
しえん
491溺れる金貨 中編2 1/3:2008/09/30(火) 22:09:54 ID:EW3AKdjy
 アルビオンという国が傾いていく中、仕掛け人のレコン・キスタ、その盟主クロムウェ
ルは、常日頃から飄々とあり声を荒げない人物だ。
 店の小僧に使いを頼むような声音で、さも親しい友人のように部下へ頼み事をする。そ
して、たとえ失敗しても笑って許す。レコン・キスタの面々は、それが本人の気質による
ものだと考えていたが、そうではない。
 クロムウェルの"お願い"は、日々彼の机に重ねられる報告に目を通し、彼自身が良かれ
と判断して計画するものだ。良い結果が出れば勇んで黒幕シェフィールドに報告に行くし、
悪い結果が出れば竦んで報告に行く。クロムウェルは本来、盟主など務まる器ではない。
功名心だけが強く、実を伴わないのだ。それ故黒幕たちに選ばれ盟主となったのだが。
 ところが、失敗の報を持ってシェフィールドを窺ったとき、彼女に助けを求めると、ク
ロムウェルには決まって同じ言葉が与えられた。
 大局に影響はない。案ずるな――
 盟主の器ではない。だからこそ、思いつくどんな策も、失敗しても成功しても何も変わ
らない。矮小で益も害もない策だった。

 これまで軽い気持ちで許されてきたからこそ、盟主の前で始祖のオルゴール確保失敗の
報告をしていた二人の貴族は、クロムウェルが憤慨したことに驚いた。元々は己らの失敗
の責であるからか、虚無を使うと噂されていたからか、大司教とはいえ平民出身の彼に怒
鳴られるなど、と思うことはなかったが。むしろ二人の貴族は、クロムウェルの取り乱し
方にこそ驚いていた。
 瞼は極限まで上がり、白目に浮き出る血管が見えるようだ。一度作った握り拳も、段々
と震え解けていく。憤りによるものか、懼れによるものかはわからない。唇は色を失い、
目の下の隈が随分と映えていた。
 唖然とする二人を置き去りに、クロムウェルはか細い声で、少し席を外すと言って立ち
上がる。人と会うのだろうか。その場に居合わせた同盟員たちは、彼が外套の下、服の襟
を気にする様を見て困惑の表情を浮かべた。
 アルビオンを蹂躙し、ハルケギニア全土に牙を剥かんとするレコン・キスタの絶頂、盟
主クロムウェルが誰に憚るというのか。

 程なくしてクロムウェルは、二人の貴族を連れて小部屋に入った。そこには嫌忌を撒き
散らす、不遜な女性が座している。
「その始祖のオルゴールを紛失した経緯を、詳しく彼女に伝えてくれたまえ。
 彼女は数多のマジックアイテムを使いこなすのだよ。どこに落としたかも、すぐに分か
るだろう」
 それだけ言って、その女性、シェフィールドに全てを任せ部屋を出る。廊下は小窓ばか
り並び薄暗かったが、安堵の溜息を吐いた。しかし幾許もせぬうちに、再び足取りに頼り
なさが現れだし、終いには壁に背を預けねばならなくなった。
「始祖のオルゴールは、失敗……失敗なのだ。さぞお怒りに違いない。
 ……そうだ! もう一つ所望していた風のルビーを、あれを手に入れることができれば
きっと、そうだ……」
 トリステインのとある子爵の下へ、最優先で風のルビーを手に入れろ、という指令が届
くのは、その日のうちのことだった。




「――。魔法には、火と、水と、風と、土。四つの種類があります。
 怪盗土くれのフーケは、土の魔法がとても得意なメイジでした」
 快晴の下、ウエストウッド村の中央に、大勢の子供が集まっていた。彼ら彼女らに囲ま
れて座るマチルダは、自前の紙芝居などを持ち出し、威勢の良い声を飛ばしている。
「フーケが魔法で作ったゴーレムは、とてもとても大きなものでした。
 ドラゴンの何倍も大きくて、オークをまとめて何人も持ち上げるほど力持ちです。
 フーケはある日、目がくらむようなお宝の話を聞いて――」
 一歩分離れて聞いていたクロロは、子供の相手が随分様になっているマチルダに驚いて
いた。酒の席での、他でもない彼女の言によれば、物語中の土くれのフーケはマチルダで
あるらしい。いわば自伝と呼ぶべきそれを子供らに聞かせて、彼ら彼女らがあげる歓声に
口元を緩めている。
「あざとい女」
 クロロが嘯いた。マチルダの耳まで届いてしまったようで、鋭い視線が飛ばされる。
「――フーケはすばやく、格好よく、美しく、お宝を盗み出して、お城の壁にこう落書き
492溺れる金貨 中編2 2/3:2008/09/30(火) 22:11:17 ID:EW3AKdjy
して行きました。
 ほら、フアナ。文字は勉強してるんだろうね。これが読めるかい」
 マチルダは、白紙一面に流麗な文字が記された紙を掲げた。
「『風のルビー、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
 でしょ! どう?」
「そうそう、よく読めたね。きちんと勉強してるじゃないか」
 自伝ではなかったらしい。まさにこれからの話のようだ。怖い姉貴分が遊んでくれてい
るためか、皆楽しそうにしていた。
 褒められた子供は、目を輝かせ、得意そうに笑っている。
「なあ、マチルダ」
 クロロはこちらに向かう足音を拾った。
「何だい?」
「あまり盗賊の話ばかりしていると、テファが聞きつけてくるぞ」
「はは、そんな下手は……げっ」
 すぐさま絞られ、頭を下げるマチルダを見て、子供らが笑う。

 ティファニアは、昼食の用意が整ったことを知らせに来たようだった。配膳はいつもの
ように、調理の簡単な手伝いをしている何人かが行っていた。
 クロロとマチルダは向かい合うように座っている。騒がしく食事する子供の隣、緩慢な
動作でシチューを口に運んだ。
「記憶を消す呪文、だったか。テファの魔法は」
「ああ、そうさね」
「火、水、風、土、どれも当て嵌まらないだろう。
 特質……特殊な系統なのか」
「そう。そして実物を見て思い出したよ。始祖のオルゴール、こいつは確か、四系統のど
れでもない、虚無の魔法が封されたと言われている宝の一つだ。
 虚無が使えるメイジはもう六千年の間、現れていないと言うけど……。テファがこの箱
から呪文の旋律を拾い聞くまで、まったく音のしないオルゴールだと伝えられてきたんだ
から、まぁ、そうなんだろうね」
 この土地では、念ではなく、魔法と呼ばれる技能が力を持っている。念を感じ取る一切
を奪われたクロロには、念の有無が分からない。だが、争いで力を振るうのは魔法であり、
それは秘匿されていなかった。求める除念の鍵は恐らく魔法の先にあるものだ。
「呪文の旋律、鳴らないオルゴール、か。聞くには素質が必要だったのか」
「そして風のルビーが必要だったのさ。オルゴール、腕輪、そして才能。きっとどれも不
可欠だった。
 記憶を消す以外にも、もっと沢山の呪文があるはずなんだ」
 不可欠な三つの内二つは、今、このウエストウッド村にある。
「そんな、虚無だなんて、そんな大それたものじゃないわ」
 マチルダの隣で、ティファニアがコップを傾けた。控えめに視線を落として恥じらぐ。
「本当に虚無かどうかは分からないさ。
 ただ、テファがそれらしい魔法を使えるのは確かだろ」
 それからマチルダは、思い切るように続けた。
「レコン・キスタの暴挙で、自前の城とその周辺まで動きを制限されたウェールズ皇太子
だけど。どうやら普段は城に居ないらしい」
「ならば、どこへ?」
「後方で武器資源の調達をしているとか……。まあ、噂だがね。
 そしてもう一つ。レコン・キスタがもう直ぐ大挙して攻め入るらしい。こっちの噂はほ
とんど確実さ。傭兵やらの動きは隠せるもんじゃない」
 恐らくこれが最後の機会だ、とマチルダは言った。
「一週間前、急いて臨んでも皇太子は居なかったはず。そして、一週間後にのんびり訪ね
ても廃墟しかないだろう」
「ルビーは今、王城にしか、ないのか」
「だからこそ今さ」
 クロロは腕を組み、感情を映さぬ瞳でマチルダを睨めつける。彼女は優位の笑みを崩さ
ない。
 やがて二人は、食事を終えて立ち上がった。
「姉さん、クロロさん。どこかへ出かけるの?」
 皿を片付けていたティファニアがそれを見咎める。
 早々に、扉に手をかけていたマチルダが振り返った。闇夜に紛れて獲物を狙う凶鳥が、
雛の前でそうするように笑いかけた。そして足早に外へ出る彼女に、クロロが続いた。
493溺れる金貨 中編2 3/3:2008/09/30(火) 22:12:45 ID:EW3AKdjy




 ウエストウッド村からアルビオン城までの道程は、実のところ然程ない。それこそ人目
を憚らず、マチルダがゴーレムなどを練成して歩かせれば、半日で辿り着けるほどだ。
 その道を、二人は徒歩で進んでいた。
 馬での移動は、必ず起点と終点を大人数に知らせることとなる。馬ごと盗用するのであ
ればまた別だが、起点が必ず目立ってしまうし、今回は起点こそが隠すべきだった。
 軽く駆け足で荒れた道を進みながら、マチルダが口を開く。
「不思議な……。不思議な、感じだ」
「どうした?」
「お前さ。テファの使い魔だっていうのに。こうして私と王城に乗りこもうとしている。
 ……使い魔の召喚は、私が勧めたのさ」
 それだけ言ってマチルダは口を噤み、暫し大地を蹴る音だけが響く。クロロは視線で彼
女に先を促した。
「あの子を守るためだ。先ず戦闘力、次に視覚の共有や、危機への触覚を期待した。最初
の一つはともかく、人間じゃあまりよろしくないらしいけどね」
「視覚の共有か。何度かだが、身に覚えがあるよ、それは。
 今も見えている」
「何がだい」
 クロロは歩みを止め、遠くを窺うように目を細めた。彼を催促するように、目元を歪め
て振り返ったマチルダだったが、次の言葉に表情を消した。
「家と森が見える。今しがた後にした村だ。
 その森が……燃えているな。誰かにやられたらしい」
「本当か!」
「まあ、嘘じゃない」
「なんでそう冷静に……クソッ。おいクロロ、戻るぞ」
 マチルダは急ぎ身を翻す。焦燥を背負う彼女の背に、ひやりとした声がかけられた。
 人気のない道だ。枝草を踏み散らす音も、獣が唸る音も、鳥が嘆く音もなかった。人間
の心音が二つある。強い激高と怜悧な諦観の相反するさま。
「オレは戻らない」
「なぜ!」
 クロロはの声音は普段と変わりない。
「今を逃せば風のルビーは消える。オレはそいつが欲しいんだ、マチルダ」
 日頃から表情を動かさないクロロの顔は、何かを欲しいと口にしたときだけ、童子のよ
うに彩られる。どうあっても動かないと解ったのだろう。マチルダは目元を歪めて、一度
唾を吐き捨てた。
「……私は、私は戻る! お前は勝手にしていろ!」
 瞬く間に地面が盛り上がり、頑強な土の巨人がマチルダを持ち上げた。このゴーレムご
と村へ突入することは無いだろうが、距離を稼ぐのだろう。大股で跳ねる巨人の歩幅は、
マチルダのそれとは比べ物にならない。
 クロロはそれを少しの間だけ観察していたが、やがて視線を外し、王城までの道につき
直した。同伴者が居なくなったため、足運びに気を使う必要もない。彼はハンター試験を
修めていた。確かに念はない。念は使えないが、プロハンターは例外なく常軌を逸する存
在であった。数歩の内に、巨人の足音は遠く消えていく。
 クロロの歩幅もまた、マチルダのそれとは比べ物にならない。




 クロロは盗賊だ。
 金貨が沈むまで待とうとは思わない。
 海底にある金貨の所有権を、得ようとも思わない。金貨は手の中にあるのか、ないのか。
それだけのことだ。
 そして手癖の悪い男クロロは、そこかしこで沈みだす"溺れる金貨"を、奪わずにはいら
れない。
 真実の盗賊だからだ。
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:14:45 ID:EW3AKdjy
投下終了です。支援ありがとうございました〜
次はやっと後編に…… 後編も二回に分かれるかも
がんばります
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:14:59 ID:vypSN2iR
ここまでレイ兄さんが出ないとはどういうことだ
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:17:07 ID:vypSN2iR
おっと危ない
乙でした
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:17:11 ID:4KL3Xakc
>>485
まずタイトル決める主義なので……でもそれがいいですね。
>>488
待ってましたッ!支援!
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:18:12 ID:4KL3Xakc
出遅れて超恥ずかしい俺orz
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:21:24 ID:/VT2ka+d
支援が遅れた

乙でした
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:23:51 ID:2dltYk9+
>>483
闇の翼に光の翼って『破壊するもの』かよ。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:24:17 ID:OaGWtW5a
最近バージルの人見ないな…
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:24:27 ID:t8ITlGVR
乙です。
あと二回で終わるとのことなので、完結するまで我慢するか迷います。

>>498
恥ずかしいついでにタイトルを『ゼロの王女と黄金の鷹』にしようよ!
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:27:53 ID:60FxaUeL
>>479
ボブ・リー・スワガーなら楽勝だな
今は数日間の特訓によりポン刀使いの達人だし
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:29:23 ID:+mYTr5Sn
GJ
クロロの性質がよく出ててかっこいいぜ
村への襲撃はシェフィのせいかな?
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:31:19 ID:5asM65/R
>>501
兄貴の人はリアル忙しいんだとさ
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:32:45 ID:4KL3Xakc
>>502
まあ黄金時代から喚ぶので(絶対者だとチート過ぎるので)それもいい気がしますが、グリフィスさんと言えば救世主としての光の鷹と魔王としての闇の鷹ですし(まあどちらも転生後ですが)。
とりあえず、受験終わったらガリガリ書き始めるつもりなので、それまでに考えときます。

テンパってて言い忘れたけど溺れる金貨の人乙!
完結が楽しみでならないぜ!
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 22:41:48 ID:t8ITlGVR
>>506
そうか、受験頑張ってくれ!
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:01:54 ID:mQdc9vW4
>>506
そのまま永久に受験勉強を続けてくれよな!
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:15:13 ID:7U6C1fj3
>>506
受験者がこんな所で何を相談しとるか
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:28:02 ID:PtsnVZ2N
この手のクロスオーバーでルーデルの話し振る人いるけどさ、個人的にはあの人の存在って
どんなチートじみた英雄でも巨大組織には勝てないって言われてるみたいで興ざめすることがあるんだよね。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:33:16 ID:Zh76g0Rn
そういう時はガンパレでもやっとけ
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:33:16 ID:lqES2SPK
銃Tueeeeeeeeがしたいなら、ジョン・プレストンとかヴァイオレットみたいなガン=カタ使いを喚べばいいんだよ。
あいつらなら銃を錬金されそうになっても、いつもの要領で避けるだろうし、
絶えず目まぐるしく位置を変える拳銃はそう簡単に錬金で狙えない気がする……っていうかそんな小さい的を狙うより普通は体狙うよな。
まぁ、ヴァイオレットなら銃を壊されても腕輪型の次元圧縮装置を壊されなければほとんど無尽蔵に再供給というのもズルい。
ガン=カタは『見てから避ける』んじゃなくて『あらかじめ最小の被害で最大の打撃が与えられる位置に移動しておく格闘術』だし、
光速戦闘が可能な相手でも常に光速でないなら回避して反撃できるかもしれん。

……って、これじゃ銃Tueeeeeeeeeeeじゃなくてガン=カタTueeeeeeeeeeeだな。

>>494
金貨の人、乙でした。
人命より財宝優先。クロロさんマジひどい。
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:35:31 ID:794MSnEb
錬金って生き物以外なら何でもできるの?
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:42:44 ID:t8ITlGVR
ガン=カタ、ガンダールヴの型ですね、分かります。
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:46:50 ID:/VT2ka+d
>>512
じゃ君が書いて
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:51:29 ID:lqES2SPK
>>515
書けたらとっくのむかしに書いとるわい!(泣
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:52:45 ID:g2YpHQWZ
ガン=カタの人は銃だけじゃなくて、格闘も得意だからあの世界でも結構やれるんじゃないかな。
ハルケ世界のマスケット銃でもストックで殴りながら何か凄い動きでリロードとかしそう。
でも書くなら戦闘描写とか大変そうだけど。あとタバサがガン=カタをマスターしたら面白いかもね。
518ゼロの社長 03:2008/09/30(火) 23:54:49 ID:DhGGz3y5
投下乙でした
ちょっと出かけてたのでぜんぜん進まなかったんですが、ようやく3話完成しました
予約とかなければ、0時丁度から投下します。
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:54:49 ID:zmSoGqfV
空気を読まずに召喚希望キャラを述べる。

『逆襲のシャア』よりアクシズ落とし後のシャア・アズナブルを召喚。
そして最後にはやっぱりアルビオン落とし……
520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 23:55:53 ID:zmSoGqfV
>>518
割り込んでしまいました。すみません。
支援。
521ゼロの社長 03:2008/09/30(火) 23:59:09 ID:DhGGz3y5


所変わって、ここはトリステイン魔法学院内にあるルイズの部屋である。



強引かつ強制的な契約により,ルイズの使い魔となった(された)海馬であったが
ルイズとコルベールから一通りの説明は受けたものの、今の現状が全くつかめずにいたので、
とりあえず頭の中で整理する事にした。

(遊戯とのデュエルの最中に現れたあの奇妙な鏡。あれがこの小娘の言うところの召喚のゲートとやらであろう。それにしても魔法のある世界とは…。)

海馬は過去に自分が体験した仮想現実のことやドーマとの戦いのときに垣間見た
デュエルモンスターズの世界のこと、ファラオの記憶の中の古代エジプトのこと。

(感覚からすればデュエルモンスターズの世界に一番近いか…しかし、戻る手段が無いとは…)

コルベールの説明によれば、契約した使い魔を送り返す方法など無い。使い魔か主のどちらかが死ぬまでこの契約は続く、故に送り返す必要が無かったために
その魔法も全く研究されなかったという事である。

(なりゆきとはいえ、こう何度も異世界に飛ばされると驚きもなくなってしまうな。しかし、まずはもとの世界に戻る方法を探さなくては…。)
「あーもうっ!黙ってないでなんか喋りなさいよッ!」

海馬がまたもとの世界に戻る方法を考えはじめたころ、ついに沈黙に耐えられなくなったルイズが口を開いた。

「説明してるときも『ふぅん』だの『ほぉ』だの『なん…だと…』だの偉そうな態度で聞いてるかと思えば、
説明が終わるったあとはずっと黙りっぱなしでなんかずっと考えてるし!
あんたは…っそ、その…わたしと契約したんだから、私の使い魔なのよ!
私がご主人様であんたは使い魔!使い魔なら使い魔らしく、私のことを無視してずっと考え事なんてしてないでよ!」
522ゼロの社長 03:2008/10/01(水) 00:00:27 ID:ZUBOCIUy

ぜーっ…ぜーっ…と勢いよくまくしたてるルイズ。しかし目前にいる海馬はといえば、

「勝手なガキだ。一方的に呼びつけて強引にこんなものを刻み付けるのを契約とは。
身勝手にもほどがある。俺は貴様の使い魔になど、なった覚えも無ければするつもりも無い。」

つまらなそうにルイズを一瞥してはき捨てるように言う海馬。
最も彼の言い分は正しい。強制的に連行しもといた場所には一生戻さない。お前は永遠に自分の下で働け。
使い魔召喚とは人間を相手にしてみればこういうことを言っているのと同義である。
普通なら納得できるはずが無い。しかしルイズからしてみれば、自分がせっかく成功させて召喚した使い魔が、
自分の言う事を聞かずに反論してくる状況に納得は出来ない。

「何言ってるのよ!そのルーンが契約の印!それが刻まれている以上あんたは私の使い魔なの!」
「ふん。俺は、いや、たとえお前が別の何かを召喚したとしても、殆どの者がお前には従わん。身の程を知れ!」
「なっ…なっ…?」

ルイズは過去、自分の事を馬鹿にされた事はあれど、ここまでの侮蔑を受けた事は無かった。
それゆえに海馬の発言に言葉を返す事が出来なかった。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:01:19 ID:m/dBx+vN
支援
524ゼロの社長 03:2008/10/01(水) 00:01:56 ID:ZUBOCIUy

「他者の上に立つということは、自分自身の力量だけでなく、頭脳の回転の速さ、人望などが必要だ。
貴様のようにギャ−ギャ−とわめくだけで何を示すでもなく主を名乗る、そんな子供になど誰がついてくるものか!
ましてや,俺は他者の指図など受けん!」

ルイズは絶句した。
いや,反論しようにも言葉が出ない。平民にここまで言われて、
「平民の癖に、貴族に対してなんて口の聞き方を!」と反論しようにも、貴族としても自分は魔法を成功した事が無い『ゼロのルイズ』
その程度の実の無い反論では同じことで論破される。
それでも,目の前のこの男に対して何とか言葉を紡ごうとしてもまとまらない。
言葉にできない。
むしろ恥かしいとさえ思えてくる。自分は使い魔との契約を軽軽しく見ていたのではないか。
召喚さえできればあとは勝手に使い魔が動いてくれる。
そんな風に考えていたのではないか。

違う

メイジにとっての使い魔は『一生の僕であり、友であり、目で耳である』
そう,一方的な奴隷ではないのだ。
(それなのに…私は…っ!)
知らず知らずの内にルイズの瞳からは涙があふれていた。
自分のメイジとしての力量の無さに。
自分の使い魔に対する浅はかな考えに。
どうすればいいのかわからない悔しさに。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:02:47 ID:m/dBx+vN
支援
526ゼロの社長 03:2008/10/01(水) 00:03:50 ID:ZUBOCIUy

「どうすれば…いいのよ…?魔法が成功しないから…一生懸命勉強したっ!
それなのに!魔法は成功しない!成功率『ゼロ』!『ゼロのルイズ』!
クラスのみんなにも馬鹿にされてっ!せっかく召喚した使い魔にまで拒絶されて!それじゃあ私はどうしたら良いのよっ!」
涙に濡れた顔をぬぐいもせず海馬に食いかかるルイズ。
わからない!どうすればいい!誰か答えて!おしえてよ!
私はどうすればいいの!?



「なに勘違いをしている?」
「ふぇ」
「貴様は今、魔法が成功しないといった。では、どうしてこの俺がここにいる?
それは貴様の召喚魔法が成功したからではないのか?」
そうだ。
ここに海馬がいる以上、ルイズのサモンサーヴァントは成功している。
そう、ルイズの魔法は成功しているのだ。

「私の…魔法…?」
「俺はこの世界の魔法とやらの知識は無い。だが、俺がここにいる以上、貴様の魔法は成功しているのだろう?
俺にとっては迷惑この上ない魔法だが、成功した以上、お前は『ゼロ』ではないだろう。」
「私は…ゼロじゃ…ない?」
「少なくとも1は成功した。ならそれが2にならないとどうして言い切れる?
貴様は既にゼロではない。ならば次はさらに前へと進むのみだ。
全力で、貴様の目指す未来へのロードを突き進め。そして,前へと進む気があるのならば…」

海馬はそこで区切り,ルイズを正面から見据え

「俺は貴様を助けてやる。怠惰に現在を食いつぶし、我侭を言うだけのガキには興味は無い。
が、貴様は既に目指す場所を見つけているのだろう。そして貴様の進む道のりに、
俺の力が必要だというのなら、俺は力を貸してやる。
俺は貴様の『使い魔』なのだろう?」
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:03:55 ID:/hmHti8s
社長 もう少し こう何というか 手心というか……支援を……
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:05:37 ID:m/dBx+vN
シャッチョさんヤサシエン
529ゼロの社長 03:2008/10/01(水) 00:05:50 ID:ZUBOCIUy

まっすぐな瞳で見つめてくる海馬
そう、海馬は確かにこの理不尽な契約に怒りを覚えていた。
だが、決して海馬はただの自分勝手な男ではない。
異世界に召喚され、使い魔として契約させられる。それだけでも怒りを覚えるというのに、
その主と言い張るルイズは、何を示そうともしない。
そんな一方的な押し付け、子供の我侭に付き合っている暇などない。
…だが、もしルイズが自分で道を歩こうとするのなら。
そこに自分の手が必要とするのなら。



いつのまにか止まっていた涙
ルイズはその瞳に答え、まっすぐに海馬を見つめ

「我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ド・ル・ブラン・ラ・ヴァリエール。」

そう、これこそが本当の使い魔との契約。
同じ道を進み、同じ未来を見据えるもの同士の契約。

「五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」

その呪文とともに口付けをするルイズと海馬。

ルーンは既に刻まれている、故に肉体的変化は起こらない。
だがそれでも、ルイズと海馬の間に小さな、目には見えない絆という契約が生まれたのだった。

「これからよろしくね、セト!」
「いいだろう、ルイズ。元の世界に戻るそのときまで、貴様と共にいてやろう。」


530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:07:11 ID:m/dBx+vN
しえん
531ゼロの社長 03:2008/10/01(水) 00:09:03 ID:ZUBOCIUy
以上で3話完です。
4話も何とか見えてるので、今度はあまり間が開かず投稿…できればいいなぁ

支援ありがとうです。

あと、まとめwikiにまとめていた方(がた?)に感謝を
wikiのまとめ方がわからずそのまま遠出しなくてはならなかったので、まとめて頂き
感謝します。
しかし…まだギーシュと闘えないぜorz
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:09:51 ID:m/dBx+vN
乙っしたー
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:11:38 ID:scPX+dN7
金貨、社長の人、乙です

クロロって、念能力ありませんでしたっけ?
あの、辞書みたいな能力を盗むヤツ

社長、何と言うか、流石色々と見て来ただけの事はあります
まるで、凡骨を諭す時の様・・・・
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:11:39 ID:Dfxw9JDt
社長乙ー
まぁギーシュと戦うことだけが目的でもないだろうし長い目で
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:15:42 ID:05bWvYVh
社長さん、乙です。
対ギーシュよりも、ワルドとどんな舌戦を繰り広げるのか、楽しみだったりするw
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:18:05 ID:k9A4luoc
>>513
確かそれがどんなものか把握しないとできないはず
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:21:42 ID:TCY1So/y
おー、社長実に社長だなー乙
これから先も自分のロードを突き進んでルイズを振り回すんだろうなw


>>533
クロロは念能力を現在使用不可
本人の認識では解除の手段を探してハルケに来てる
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:22:54 ID:Ph67uyrm
>>531

社長かっこいいなぁ
頑張ってください
539名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:40:26 ID:4p93MdSZ
>>533
クラピカのチェーン制約効果で使ったら死ぬ事になってたはず。
ヒソカだったかな。とりあえず、今は使えない状態の所で呼ばれた。

団長も社長もお疲れ様です。
独特の人物をそれっぽく描く溺れる金貨は素敵です。
さて、テファニアは生きてるのでしょうか。
もしくは、団長の狂言だったのか…?

社長厳しくてもフォローしてるのがカッコイイです。
果たしてここのルイズはどんな道を歩むのでしょうか。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 00:47:51 ID:3OIyzV2e
>>536
じゃあ合金の類は何と何か分かってない以上は錬金不可能なのか
541魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 01:09:43 ID:efsZWbsa
10分後に投下したいと思います。
前回はテンプレをよく読んでなかったのでできる限り直すつもりです。
なにか不備があれば指摘してください。
542魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 01:28:45 ID:efsZWbsa
軌道後方に司令室確立資本ながら主義を変え向い本質的にある本能を理性によ
り高騰させ一パック三十円の卵を二個叩き売り/三法からの表紙を酩酊常態で
浅ましく効能で優しくし呟いて愛してる□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□…………………………………………………………
……ノイズ。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□三丁目の
角を曲がり二丁目の角を渡り一丁目を飛ばして一丁目の角へ/あれ?/結局同
じ?/無視無視無視☆/王子様は眠っている眠り姫に陵辱され悪い魔女は民に
貪られ小人は王に反旗を翻しストライキ。小人の発言「労働基準法の適用を!」
/A.(アンサー)「却下。死刑」たちまち小人は皆殺し、チャンチャン/僕は
彼女と住んでいる、彼女の体から三匹の子豚が出てきたから今夜は焼き豚にし
た、彼女は血と胃と大腸と小腸と肝臓とすい臓と膀胱と肺と子宮と心臓と胎児
を引きずりながら美味しい美味しいと僕を齧る――痛いいたいイタイ居たい遺
体射たい異体鋳たい/その身が/この心が/脳が/魂が/体が/全てが/犯し
冒され侵し返して三千世界を穢し汚し貶め嘲笑い■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■
警告(エラー)! 警告(エラー)! 警告(エラー)!
――この書記(ソフト)に虫食い(バグ)の侵入を確認。記述の破壊率6、7、12、
24%――迎撃機関(カウンターシステム)の容認(コール)――機関(システム)の
起動を確認。迎撃開始(カウンター)――
書庫記述(プログラム)の復旧(リガバリィ)を開始

第一・・・破損
第二・・・不能
第三・・・無能
第四・・・復帰
543魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 01:29:15 ID:efsZWbsa

写実保管書(バックアップ)立ち上げ
現在の記述(データ)と比較して破損箇所の上書きを実行

聖書に語る獣のとは。七つの首と十の王冠を持ち黒き王として夢幻の果てにま
どろむ者。無限の狭間に囚われ幾千幾万幾億幾兆の加味苦難悲哀苦境哀愁憤怒
孤独諦め苦悩ため息辛酸を舐め絶望脅威驚愕憤慨悲しみ苦痛不快腐乱動揺狂気
凶気諦観諦念怒号虚無胎動不純乾燥死期を越え死亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡
生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕死
亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕死亡生誕を繰り返し親から子が産まれ子が親
の誕生を見守る矛盾の螺旋螺旋螺旋螺旋螺旋螺旋螺旋螺旋螺旋の渦――

昔話の英雄とは。強くもなく特別でもなくただの人であった者として白き王と
な 剣を持ち立ち向かう 。無限の に囚われ  千幾万幾億幾兆の   福
楽   使命喜  感喜々嬉々慰安   楽驚  喜感激   激愉悦歓迎満
悦楽  満足   垢純    り正しさ願い望み  を迎え  死亡逆  
亡逆行死亡逆行死亡逆行死亡逆行死亡逆行死亡逆行死亡逆行死亡逆行死亡逆行
死亡逆行    死亡逆行死亡逆  亡を繰り   いを託  くした願いを
   いつまで  る    廻る廻る廻る廻  る廻      ――

闇の狭      千  持つ神について語ろう。  は災   害毒で  
   あることに     混沌の    という  でそ 名  はニャ 
 ト テ……  》A》URT(AUR   ……&#EATG‘(TYH&
TJ%(%8万7509qw889’WTJWSJHAMma789yなぎよ
hふぁkじゃyA76tgrp;uqlktiutf69aU(‘RHTQあ
あgあふぁがあgやgRあじゅkゃhbfR’%HRQTT‘QkぁUTJ$
%T)$“YWPG+GFBJM――

警告(エラー)! 警告(エラー)! 警告(エラー)!!
保管書(バックアップ)の破損を確認
現状記述との保管書(バックアップ)の破損箇所との符合を照合。現状復興量は
0.00032%ほど――――現状破損率32.45783%
二割超過で保管書での復旧は不可能と判断
迎撃作業完了(カウンターアウト)、最終破損率37.78392%
全知記録保管異界(アカシックレコード)への接続(コネクト)を要求(コール)
――概念因果律法第8●○6○25○○5条違反により却下(カット)。
手動(マニュアル)による自立復旧(リカバリィ)を提案(コール)

第一・・・承認
第二・・・却下
第三・・・許可
第四・・・了解

多数肯定――自動書記・・・起動開始
自立稼動による記述復旧を準備、記述復旧までの間の――自動書記に
異常発……け……――行動制限を解除
対外道魔導書『アル・アジフ』――起動

「……ん」
ガンガンと後頭部の奥からの響きによって彼女は意識を取り戻した。
544名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 01:37:05 ID:5nJJIA9M
規制くらったか?支援。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 01:39:06 ID:m/dBx+vN
支援
546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 01:40:08 ID:iJhLM6jV
今んとこ避難所の方には来てないな 支援
547魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 01:45:12 ID:efsZWbsa
脳内に走る術式が焼き切れそうなほど過剰に熱を持ち疾走し、それは痛みに変
換されて頭を苛む。
(我はどうなった、あの鏡は、あの声は)
今だはっきりとしない思考に、脳内を走る術式は次々と現状を報告する。
――大宙時軸との時系列比較により、強制転移後447秒経過。
――64次元からによる観測により前世界より74893ほど空間を隔てた物と思われる。
――現在の記述損傷率は37.78386% 修復率は0.00006% 目視録の破損により
記述検索の効率が82.78654%ダウン
――物質的衝撃によりデモンベインの機器損傷率は……
現状を知らせる報告はいい物がほとんどない。
情報を吟味し整理するのはかまわない、だが謎の転移魔術により飛ばされたのだ。
いくらあらゆる外道の存在に対抗する魔導書であるアル・アジフとはいえ。自
身に害のある世界に呼ばれたのではたまったものではない。
まずは起きて現状を確かめることから始めることにする。
ゆっくりと身体に力を入れる。
「これが、わたしの呼んだ……」
「ミス・ヴァリエール。コントラクト・サーヴァントを早く……ん?」
ずいぶんと前から動かしてなかった身体に力を入れる作業は意外と骨である。
いくら我の身体とはいえ力加減がよく思い出せない。
まあ、我の身体はほぼ外道の術式なのだが、破損のせいか検索に一々時間がかかる。
「ミス・ヴァリエール。すこしお待ちなさい」
「なにか……?」
「中に人がいます」
「えっ!?」
術式を発見。多少破損はしていたがこれぐらいなら簡単に直る。
ピクリと指先が動き、それに連動するように少しずつ身体が活性化するのが判る。
「ほ、ほんとだ!! ど、どうしましょうミスタ・コルベール!」
「多分だが、この巨大なゴーレムは彼女の物なんだろう。そうだとしたら、
呼ばれたのは彼女ということになる」
「ええっ!?」
身体に奔る術式の不備を見つけては修正し、それを繰り返して徐々に慣らしいく。
やはり重要な部分には破損はなかったのか、滞りなく作業は進む。
「さあ、ミス・ヴァリエール。彼女にコントラクト・サーヴァントを」
「いえ、でも……人を使い魔になんてっ」
「例外は認められません。これが行われないとあなたは留年となりますよ」
「っく。わ、わかりましたっ!」
ほぼ全ての作業が終わる。診断はほぼオールグリーン。
(うむ、これなら……)
「うぅ……なんでこんな……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・
ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、
我の使い魔となせ」

「って、さっきからなんだっ! うるさいぞ汝らっ!」
目を開け起き上がった彼女の眼前に、桃色髪の少女がいた。
「なっ!?」
「んーっ!!」
そしてまあ、ブチュウとかそう言う擬音が立ち。
「んっ!? んんんっ!!?? ――っぱあ!! お、汝いきなりっ!」
「よ、よしっ! これであんたは私のっ!」
ちょっと赤くなった頬を隠すように勢いよく桃色の少女は立ち上がり。
「――い、痛たぁあっ!?」
左手を押さえてうずくまった。
548名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 01:49:44 ID:mPlf170E
デモベ付きかよおぉぉぉぉ!? 支援
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 01:50:51 ID:lN1lnm9e
おお、この電波のような単語の羅列はやっぱりデモベでしたか。支援
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 01:53:05 ID:mPlf170E
いやデモベじゃなくてアイオーンかな?
どちらにしろ変身のたびに美少女二人のキスシーンが拝めて百合ん百合んで嬉しいですばい。
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 01:54:45 ID:+V17BJH6
せめてデモベであってくれ
アイオーンだとアルハザードのランプで術者の魂燃やして稼動するからルイズヤバい
支援
552魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 01:59:10 ID:efsZWbsa



ひどく大きな轟音と土煙と共にその巨人は地面へ降り立った。
呆然と見上げる生徒たち。キュルケや教師であるコルベールも目の前の出来事
に思考が追いつかない。唯一の例外としてタバサのみが冷静さを保っていたが。
その中で、ルイズはその巨人を見上げる。
主に白と銀と青で構成されたその鋼の身体。背にはマントのごとき翼を持ち、
跪いたその足には長い丸い盾のような物がついている。その姿はまるで巨大な
お城を連想してしまう。
それもただ守り、立て篭もるための場所ではなく。敵を威圧し、兵たちを送り
出すような力強さを感じる。
だが、
「なんだ。よく見ろ! あのゴーレム壊れてやがるぜっ!」
そう、その巨人の胸にはまるで抉られたかのような大きな穴が空き、今も銀色
の血を滴らせている。
どのようなことがあり、この巨人は生まれたのか。どのようなことがあり、
この巨人はこんな傷を負ったのか。
そう考える間もなく。
「け、結局……こんな壊れたゴーレムを呼ぶなんて。さすが“ゼロ”だな!」
混乱からさめた生徒の一人が、それを誤魔化すかのように罵りを上げた。
周囲もそれに合わせるかのように口々に罵りを上げる。
やれ、やっぱり失敗だ、こんなボロクズ呼んでどうする、ゼロにはお似合いの
使い魔だ、と。
その心無い言葉は、普段のルイズであれば心を抉られそして憤慨させるには十
分であろうが。彼女の心はその巨人へと注がれている。
そうして、
(どうやって、契約しよう)
なんせ屈んでいるとはいえ下手すると30メイルは超えているのだ。どうがんば
ってこのまま届くわけはない。足から攀じ登るのもいいが、落ちるとしゃれに
ならない。
さあ、どうしよう。
冷や汗をかきながらそう思い始めたとき。
「ミス・ヴァリエール。私がフライで送りましょう」
ポンと肩を叩き、コルベールが隣に立っていた。
「あ、ありがとうございます! ミスタ・コルベール!」
では、とコルベールは短くスペルを唱えると。フワリと浮き上がる。
そっとルイズを抱き上げ、昇っていく。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:00:45 ID:mPlf170E
シャンタク付きの…デモベかアイオーンか分からんな。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:01:05 ID:m/dBx+vN
支援
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:02:00 ID:lN1lnm9e
>――物質的衝撃によりデモンベインの機器損傷率は……
デモベじゃね?
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:05:23 ID:mPlf170E
>555
うお、見落としていた。
となるとアルの孤独END後かな? 支援
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:06:27 ID:KE6Lyh2s
>>551
虚無のストレスエネルギーを使うように回路をちょいと弄れば大丈夫

サイトが居ないと「嫉妬パワー」が足りない可能性も高いが
フルに使わなければ大丈夫でしょう。

558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:19:00 ID:ITa6amCI
なんだ、書きながらやってるのか?
559魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 02:22:56 ID:efsZWbsa
すいません、修正箇所があったので直しながら投下してます。
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:27:21 ID:+V17BJH6
>>559
そのまま投下して最後に何レス目の何行目は××ではなく○○ですってまとめたほうがいいと思うよ
それか投下したあと自分でWikiに訂正版を掲載するか
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:27:45 ID:qsT00DiE
そういう行為は、仮に他の投下待ちの人が居たりすると大迷惑になるんで
速やかに投下を終えた後で改めて正誤表的なレスをしてくれや
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:28:08 ID:PiSRjtW2
>>559
そう言うのは投下する前に修正しなさい
投下中に見付けたとしても諦めて投下しなさい
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:42:31 ID:tFuCM4/E
メモ帳等に書いて、直して、貯めて、最終チェックして、いっぺんに投稿するのが初歩だと何処かで聞いた。
564魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 02:44:15 ID:efsZWbsa
コルベールはルイズを抱えながら思った。
(……これは)
銀に輝く鋼の肌に、所々にある印のような物。それがほぼ全身へと奔っている。
見たところだが、鋼にはムラがなく。このゴーレムを作った者の技量が伺われる。
(金属でゴーレムを作れるだけじゃなくて、この複雑な造形……。ただのゴー
レムではなく、なにかギミックがっ!)
端的にコルベールはこのゴーレムの余りの精度に持ち前の研究意欲がビンビン
に刺激されていた。
もしこれがルイズが召喚したもので無ければ、全身を分解しその構造からなに
まで調べ上げるところだろう。
そうこう考えている内に、二人は顔の前に着く。
先ほどからルイズは巨人の顔に見入り、その視線を外さない。
「これが、わたしの呼んだ……」
そう静かにルイズはつぶやく。その声には感慨があった。
それはそうだろう、いくら彼女が気丈だとはいえ。
入学してから約一年間。魔法が使えないと言うことで、どれだけ傷ついたか。
罵られ、蔑まれ、挑み、挑戦し、敗退し、それでも諦めずに突き進んだ彼女は、
もうすでにボロボロであった。
たとえこの巨人が傷だらけでも、魔法が成功した。使い魔として来た。それだ
けで涙がこぼれそうだった。
それを知っているコルベールは温かい目でルイズを見る。
だがいつまでもこのままにするわけにもいかない。
「ミス・ヴァリエール。コントラクト・サーヴァントを早く……ん?」
その時、コルベールの目に先ほどは全体を観察していたからか見逃していたが、
顔の下に空洞があるのが見えた。
その空洞からは光が溢れ、中には見知らぬ物が多数あった。
興味が引かれたコルベールがよく目を凝らすと。
(……人?)
ちらりと人らしき影が見えた。
「ミス・ヴァリエール。すこしお待ちなさい」
コルベールはあと少しで届きそうな巨人の顔に近づこうとするルイズを止める。
邪魔されて少し不満そうなルイズが応える。
「なにか……?」
 それは感じたがコルベールは冷静に判断して言った。
「中に人がいます」
「えっ!?」
565魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 02:45:45 ID:efsZWbsa
静かに巨人の喉下へと降りた。そこは意外と広くまるで乗り口のようになっている。
そして眼前にポッカリと空いている入り口。
意を決して中に入った二人は、そこで倒れている少女を見つけた。
白きフリルのついた服を身に付け、その容姿は未成熟なのにそれがすでに完成
されていると言う矛盾を孕む。かの顔立ちは可憐で儚く、今にも手折れそうな
花を連想させ、容姿と相成って幻想的な雰囲気をかもし出す。それはまるでこ
の世の者とは思えない美であった。
その少女の存在にルイズは一瞬呑まれそうになるが。同姓、しかも同じような
儚さをもつ姉を持つルイズはなんとか平常心を。
「ほ、ほんとだ!! ど、どうしましょうミスタ・コルベール!」
早々取り戻せる物でもなかった。
それにコルベールは勤めて冷静に判断する。
「多分だが、この巨大なゴーレムは彼女の物なんだろう。そうだとしたら、
呼ばれたのは彼女ということになる」
「ええっ!?」
驚くルイズにコルベールは無情にも話を進める。
「さあ、ミス・ヴァリエール。彼女にコントラクト・サーヴァントを」
「いえ、でも……人を使い魔になんてっ」
それはそうだろう。ある種の感動と共に罵られながらも巨人に共感し、
いざ契約しようとしたら、この少女が持ち主だからこっちにするように、なんて言われたら反発もする。
だが無情かな、彼は公平たる教師であった。
「例外は認められません。これが行われないとあなたは留年となりますよ」
それを出されたらルイズも引き下がれない。
「っく。わ、わかりましたっ!」
少女の前に立ち、その顔へと自分の顔を近づける。
同姓とはいえ、契約はキスでなされる。
(ああ、これは契約の儀式だからノーカンよね?)
ある意味彼女は始祖を呪いながらスペルを唱える。
ピクリと少女が動いた気がしたが気のせいであろう。
「うぅ……なんでこんな……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・
ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
そして更に顔を近づけ――
「って、さっきからなんだっ! うるさいぞ汝らっ!」
目を開けいきなり起き上がった彼女の唇は、ルイズの唇へとぶつかった。
「なっ!?」
「んーっ!!」
いきなりのことに少女は混乱し、心構えの数秒前にきたことでルイズは一瞬ひるむが。
「んっ!? んんんっ!!?? ――っぱあ!! お、汝いきなりっ!」
「よ、よしっ! これであんたは私のっ!」
(これで契約はなされた! これでっ!)
ちょっと顔が熱いが、ノーカンノーカンと自分に言い聞かせながら立ち上がり。
「――い、痛たぁあっ!?」
いきなり左手に激痛が走る。
今まで感じたことの無いほどの痛み。
「ミス・ヴァリエール!?」
その激痛はたやすく彼女の意識を遠ざけ。
「ふん、我の許可無く変な契約を結び追って。自業自得だ」
(……な、なんでっ?)
そんな声を聞きながら彼女の意識は刈り取られた。
566魔導書が使い魔:2008/10/01(水) 02:47:28 ID:efsZWbsa
今日はここまでです。
指摘と注意ありがとうございます。
次回からこのようなことがないように頑張ります。
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:48:26 ID:G50jNiEt
デモベ召喚したってことはなんかマスターテリオンきそうだなwktk
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:51:27 ID:fhuXNAYZ
おいおいまだ続いてたのかよ…投下中に1時間近く中断とか…
慣れてないなら練習スレ使うとかやりようはあったろうに…
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:52:08 ID:k9A4luoc
指摘云々以前の暗黙のマナーだろうに
大丈夫なのか?
570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:53:00 ID:kHmqfr5V
乙。

九郎ちゃん、九郎ちゃんはどこに!?
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 04:49:11 ID:iDWdL7/7
また変なのが
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 06:47:58 ID:i2X6afM/
まあ、そういうことは毒吐きでってことで
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 07:39:31 ID:MoTaUUQq
アイオーンは文字通り乗り手の命を消費して動くからなぁ。
やはりデモンベインじゃないと話作るのむずかしそうだょね。

『デモンベインを信じろ…! あれは人間のための鬼械神(デウスマキナ)だ・・・!』
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 09:30:49 ID:hfq+x70r
まぁ半年とは言わないけど暫くは空気読むためromってた方がいいと思うよデモペの人
長くいれば自然と何度かテンプレ目に入るし
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 09:40:39 ID:Ah1cKttK
ナイアさんが、ナイアさんがハルケに来ちゃうー
ルイズはリューガのポジションで、ループ一回でトラペゾヘドロンに到達するのか?
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 10:35:59 ID:G50jNiEt
ナコト写本はミョズってそうだな
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 12:00:33 ID:G50jNiEt
今気付いたけどゼロ魔の3巻になると2巻よりフォント少し小さくなってるのな
578炎神戦隊ゴーオンジャー(代理):2008/10/01(水) 13:23:09 ID:bTc0Og1i
避難所の代理用スレに投下されたものを投下します。

51 :炎神戦隊ゴーオンジャー(以下略):2008/09/29(月) 16:00:14 ID:52QeLAp.
とばっちりでアクセス規制を受けたのでここに投下します。
579炎神戦隊ゴーオンジャー(代理)@:2008/10/01(水) 13:25:26 ID:bTc0Og1i
次回予告
「ベアールVやで。ルイズが出会った言葉を喋る魔剣。えーっ、もしかしてこいつを蛮機獣に!? どないする、みんな!?
 GP−06 魔剣バンキ!?
 ――GO ON!!」
580炎神戦隊ゴーオンジャー(代理)A:2008/10/01(水) 13:27:22 ID:bTc0Og1i
「炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!クロスオーBANG!!」

 何だかんだで過ぎていった最初の虚無の曜日の夜、ルイズ達4人はヘルガイユ宮殿の広間に集合していた。
「そうそう、ルイズの魔法はなかなか役に立ちそうでおじゃるよ」
「ふむ、それは心強いぞよ」
「ケガレシア、この前も聞いたけどただ爆発するだけの魔法があなた達にどう役立つの?」
「爆発する『だけ』? それは間違いなり。これを見るなり」
 そう言うとヨゴシュタインは機械を操作し画面に何やら映像を映し出した。映っているのはどうやら都市のようだった。建ち並ぶ無数の四角い塔。
『ハッパ61! ハッパッパー!』
 無数の棒を背負ったり棒をベルト状に繋げた帯を持つ蛮機獣が、束ねた棒をあちこちに放り投げていた。
「まるで『遠見の鏡』ね。それにしてもここはどこなの?」
「ヒューマンワールドでおじゃる。こいつはヨゴシュタイン配下・ハッパバンキ」
 若干無機質に見えるものの洗練された雰囲気を持つヒューマンワールドの都市風景にルイズが見とれていたのも束の間、画面内のハッパバンキは立て膝を突き、
『ダイナマイトドンドン!』
 言葉と共に膝のスイッチを押す。
 次の瞬間激しい爆発が都市の各所で発生し、塔は無残に破壊されていった。
『ハーッパッパッパー! ハーッパッパッパー!』
 その光景にハッパバンキは満足げな笑い声を上げ、後方に控えるウガッツ達も小躍りしていた。
『待ちやがれ、ガイアーク!』
 声のした方向に振り向いたハッパバンキの視線を追うように画面が切り替わり、赤・青・黄・緑・黒の奇妙な衣服を纏った5人組がハッパバンキの方に駆け寄ってきた。
『邪魔するな、ゴーオンジャー』
581炎神戦隊ゴーオンジャー(代理)B:2008/10/01(水) 13:30:05 ID:bTc0Og1i
 ――GP−06 魔剣バンキ!?――

「何なの、こいつら?」
「炎神戦隊ゴーオンジャー。わらわ達とヒューマンワールドで敵対していたにっくき奴らでおじゃる」
『ハッパバンキ様からのプレゼントだっパー』
 ハッパバンキは例によってダイナマイトをゴーオンジャーの足元に投げつけ、
『ダイナマイトドンドン!』
 再度スイッチを押してゴーオンジャーを爆炎の中に飲み込ませた。
『うわあーっ!!』
 たまらず吹き飛ばされて地面に転がるゴーオンジャー。
『ハッパッパッパッパッパッパー!!』
 苦しみながらも立ち上がろうとするゴーオンジャーの側から、愉快痛快という表情でその様子を眺めているハッパバンキ・ウガッツ達が映し出されたところでヨゴシュタインは映像を消した。
「あんた達あんな相手と戦ってたの!? あんな爆発を受けても痛がるだけなんて……あ!」
 そこまで言ったところでルイズは、ケガレシアが自分の魔法が役立つと言った理由を悟った。
「もうわかったでおじゃろう? 攻撃・破壊……、魔法を使おうとして発生させた爆発そのものは失敗と見られても、その爆発自体が十分に役立つでおじゃる。そしてそれはルイズが成長すればより強力になるでおじゃる。
ルイズは『爆発しか起こせないメイジ』ではないでおじゃる。『誰にも負けない爆発が起こせるメイジ』でおじゃるよ」
「……誰にも負けない……? それは本当なの……? 『ゼロ』って言われてた私でも強くなれる……、ケガレシア達の役に立てるの……?」
「もちろんでおじゃる」
「ルイズ、そのためにもしっかり学業に励み訓練を積む事なり」
「あ、当たり前じゃないの!」
582炎神戦隊ゴーオンジャー(代理)C:2008/10/01(水) 13:32:44 ID:bTc0Og1i
「おっと、忘れていたでおじゃる。強力といえばデルフリンガー、そろそろお前を強力にしてやるでおじゃる」
 そう言うとケガレシアは、広間の隅にあった小部屋の中にデルフリガーを入れる。
「うわなにをするやめ――」
 デルフリンガーの悲痛な叫びは扉が閉ざされた音に遮られた。
「ルイズ、ここはひとつルイズにやらせるでおじゃる」
「私? っていうか、いったい何をするつもりなの?」
「このデルフリンガーにビックリウムエナジーを注入して、改造するでおじゃる。成功すればデルフリンガーの潜在能力(曖昧)は100倍にもなるでおじゃる」
「面白そうね」
「……や、やめろ! やめてくれ!!」
「ふふふ、まあ信用するでおじゃるよ……。ルイズ、まずここのボタンを押してレバーを右に動かすでおじゃる」
「こうかしら?」
「そうそう、次にそこの画面に出ているカウントダウンの数字が80を切ったら……」
 ケガレシアの指示に従い作業工程を進めていくルイズ。とその時、
「うわあああ!? 何じゃこりゃあああああ!?」
 激しく放電していた扉の隙間から白煙が噴出し、デルフリンガーの悲鳴が響いた。
「ん〜……? 間違ったでおじゃるか〜?」
 軽い口調ながらも急ぎコンソールを操作するケガレシアだったが、やがて小部屋の室内で火花が散り始め小規模な爆発も数回発生した。
「◎△$♪×¥●&%#!!」
 デルフリンガーの絶叫と重なるように一際大きな爆発音が轟き、その勢いで小部屋の扉が開く。
583炎神戦隊ゴーオンジャー(代理)D:2008/10/01(水) 13:35:03 ID:bTc0Og1i
「これ……、どうなってるの?」
 おっかなびっくり小部屋の中を覗き込んだルイズは思わず声を上げた。
 小部屋の中にあったのは1本の剣。
 しかし簡素な造作のデルフリンガーとは大きく異なり、全長はルイズの身長程で、複雑な形状のつばには飾りなのだろうかつり上がった目が彫り込まれていた。さらには柄からつばにかけて蠢く触手が生えている。
 明らかに尋常な剣ではなく、外見は普通の剣であるデルフリンガーでもなかった。
「これがケガレシアのいってた『強力にする』って事?」
「いや、わらわはデルフリンガーを蛮機獣に改造するつもりだったでおじゃる。どうしてこうなったのやら……」
 ルイズが何の気無しに大剣を握ろうとした時、大剣は数かな金属音を立てた。
「む!? 離れるぞよ!」
 キタネイダスの言葉にルイズが飛び退いた一瞬後、大剣はガチャガチャ音を立てて部分鎧を纏い金属質の肌を持ったゴーレムへと変形した。
「……おでれーた」
「もしやデルフリンガーなりか!?」
「おうよ」
「ケガレシア、やっぱりこれって失敗してこんな姿になったのよね? 決闘の時のセンプウバンキとか、さっき見たハッパバンキとは全然違うもの」
「失敗したのは確かでおじゃるが……。それにしてもこのエネルギー量は半端でないでおじゃる。元々高いエネルギーを持っていたところにビックリウムエナジーを注入したのが、こうなった原因でおじゃるか……?
これは蛮機獣と呼ぶには勿体無いでおじゃる。機士……そう、機士でおじゃる」
「どういう事?」
「蛮機族の名門・アレルンブラ家にニゴールという変態王子がおるでおじゃるが、その配下に害水機士ウズマキホーテというやつがいるでおじゃる。そいつをデルフリンガーの新たな姿から連想したでおじゃる」
「でもデルフリンガーは絶対水属性じゃないわよね?」
「そこなのでおじゃる。しかも害地とも害気とも言えないでおじゃるし……、うーむ……」
 しばし沈思黙考するケガレシア。
 ポク……ポク……ピーン!
「ひらめいたでおじゃる!」
「おおっ!?」
「ここはマジックワールド、魔法の属性を持つ蛮機獣を作ってもおかしくないでおじゃる。しかも作製したのはメイジであるルイズ。決定! お前の名前は害魔機士デルフリンガーでおじゃる」
「害魔機士か、何かかっこいいじゃねえか! それにさっきみてえなばかでっかい剣になれるのもな!」
「でも普段からあんなの持ち歩くわけにはいかないわよ?」
「心配すんな、お嬢。自分の体いじくられたからわかるんだが、元の剣にも戻れるんだぜ? もちろん錆はしっかり落ちてるがな。それにいじくられる前から持ってた能力も幾つか思い出したんだ!」
「あんた、つくづくとんでもないのになったわね……」
584炎神戦隊ゴーオンジャー(代理)E:2008/10/01(水) 13:37:21 ID:bTc0Og1i
害魔機士デルフリンガー
【分類】害魔目(仮)
【役割】ヴァリエール家害魔機士(仮)
【武装】刀身状の鉤爪・剣形態になった自分自身
【口癖】「おでれーた!」
【身長】213cm
【体重】240kg
 三大臣を召喚したルイズによって、魔剣デルフリンガーがビックリウムエナジー注入改造を受けて生まれ変わった姿です。
 魔剣本来の能力により、魔法のエネルギーを吸収し自分の力とする事ができます。
 他にも各種特殊能力を持っていますが、本人が忘れているため大半が活用できません。
注)口が悪いので武器屋の店頭に置かないでください。
585炎神戦隊ゴーオンジャー(代理):2008/10/01(水) 13:39:37 ID:bTc0Og1i
以上代理投下終了です。
Wikiには作者さんが代理用スレ投下後に追加しています。

自分も何か新しいの書きたい……。
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 13:41:32 ID:G50jNiEt
代理乙です
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 13:56:37 ID:Ah1cKttK
ああゴーオンジャー本スレに投下されてなかったのか。放置しててごめんなさい。
最近はデルフを無視するSSが多い中で報われてるなぁ。
原作での扱いに至ってはなんと不憫なことか……
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 14:09:18 ID:cQ6gskT4
デルフにもっと活躍の場をキャンペーンとか。
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 14:38:49 ID:hfq+x70r
ルイズがデルフ召喚で無問題
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 14:43:43 ID:m/dBx+vN
そして使い手になったは良いが動きようがないので四肢を生やしてもらい、
どうせならルイズの身体を覆えるようにして出来たのが鎧の魔剣ですね、分かります。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 15:09:48 ID:Ff6Mo1md
デルフw
変身する時は「デルフリンガー、変っ身!おでれーたぁあ!」とか言ったりするのか
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 15:13:31 ID:at0kVZgK
最近手足が生えた剣が召喚されてデルフ戦慄!って単発SSを読んだ記憶が
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 16:29:02 ID:04XNf9xO
>>592
小ネタの「使い魔は黄金の剣」ですね
「轟轟戦隊ボウケンジャー」より「大剣人ズバーン」を呼んでます
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 16:51:45 ID:OB2TlQhv
各巻よりセリフ抜粋・デルフリンガー

1巻「おでれーた。見損なってた。てめ、『使い手』か」
2巻「懐かしいねえ。泣けるねえ。そうかぁ、いやぁ、なんか懐かしい気がしてたが、そうか。相棒、あの『ガンダールヴ』か!」
3巻「こいつは『武器』だろ? ひっついてりゃ、大概のことはわかるよ。忘れたか? 俺は一応、『伝説』なんだぜ?」
4巻「そりゃそうさ。勘違いすんなよガンダールヴ。お前さんの仕事は、敵をやっつけることでも、ひこうきとやらを飛ばすことでもねえ。『呪文詠唱中の主人を守る』。お前さんの仕事はそれだけだ」
5巻:セリフなし
6巻「いやぁ、相棒。すんごいお久しぶり。ほんとに寂しくて死ぬかと思った」
7巻「そりゃ、どう贔屓目に見たって、あのロマリアの神官のほうがかっこいいさ。顔はもう、そりゃ比べものにならねえよ。
   空飛ぶ生き物のレベルでいえば、ハエとフェニックスだよ。地を這う生き物でいえば、オケラとライオンだよ。水の生き物でいえば、ミジンコと白鳥だよ」
8巻「相手してよ」
9巻「おれは六千年も変わらずにやってきた。退屈だったが、それなりに幸せな時間だったのかもしれねえ。
   お前さんたちの歴史とやらも同じさ。なにも無理に変えるこたぁねえ。そのままにしておくに、越したことはねえよ」
10巻「もう。俺に話しかけるの、こういうときだけじゃねーか」
11巻「あんだよ。もうほんと、聞きたいことがあるときだけ呼ぶんじゃねーよ。切りたいものがあるときだけ抜くんじゃねーよ。もう俺に飽きたんだろ?」
12巻「相棒……、遅いよ……」
13巻「だってよう……、ずっと鞘に入りっぱなしでイライラしてたし……。第一おりゃあこの国がきれえなんだよ。この国をつくったフォルサテって男が、そりゃもういけすかないヤツで……」
14巻:セリフなし
15巻「やあ相棒。もう、俺が寂しいと言っても、誰にも届かないんだね」←New!
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:02:28 ID:vmXbRyls
>>594
 「←New!」に吹いたw
 デルフ…思ったより台詞少なかったんだな…(涙)
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:05:48 ID:+V17BJH6
>>594
1レスで済ますなw
ほらもっとこう……あれ?
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:12:45 ID:Ah1cKttK
ていうか、主人公とヒロインにいつも同行してほぼ常時一緒にいるのにセリフがない巻があるって……
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:12:49 ID:uLxiB4N+
巻が進むにつれて哀愁が増していってるな。
SSでも剣を使わないキャラだったら、ただのお荷物だしなあ。

>>591
デルフもおっでれーた、みたいなトンデモ使い方をされてるSSってほかあったっけ。
覚えてる限りじゃカービィではコピーされるために吸い込まれてた。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:22:58 ID:q383UlyW
ソウルイーターからエクスカリバー呼んだらもっと空気だな、デルフ
まあ小ネタにしかならないだろうけど
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:36:05 ID:04XNf9xO
「轟世剣ダイソード」から百地王太召喚だったら
もっとデルフ涙目

>>593
sage忘れてごめんなさい
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:41:57 ID:QRfIZV/y
王太ってストーリー後半は色々覚醒して
かなり強力な魔法使いになってるな。
超能力者って方が適切かもしれないけど。

>>600
デルフはじつはサン・ジュウオウ(刀型の神の武器)の契約の剣だったとすれば何とか・・・
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:44:08 ID:sSti3c+X
>>599
いや、空気どころか話の中に出演する事すら叶わないだろうな。


ルイズが契約すら拒むのは確実だからデルフ初登場の部分までまず進まないしw
つーか、あんな物見た後じゃあらゆる剣に拒絶反応示しそうだ。
喋る剣なんてもっての外。
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:49:13 ID:DvuM3C0s
>>600
ダ・イスォードと一緒に召喚ですね。わかります。
元の姿に戻る回数制限の呪いが異世界補正で無効になってると更に素敵ですね。
と言うかデルフを買いに出かける理由がNEEEEE
604"IDOLA" have the immortal servant 0/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 17:58:57 ID:/nkjMZ75
お久しぶりです。
予約が無ければ18:10ぐらいから第8話投下します。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:04:20 ID:Sneqi2PB
かもんかもん
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:08:05 ID:OSz8JZWK
首をなが〜くして待ってました
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:08:15 ID:kBCDcvYT
フロウウェンの人お待ちしておりましたm(__)m支援
608"IDOLA" have the immortal servant 1/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:10:31 ID:/nkjMZ75
 日増しに凶暴化していく原住生物。暴走する坑道の作業用機械。それを責任者であるオスト博士に向かって詰め寄れば、彼はにこやかに笑う。
「計画は順調だ」
 そんなわけがない。この移住計画はおかしい。いや、この頃になるとルイズも分かっていた。この星「が」おかしいのだと。
 夢の中で自分は陸軍副司令官という立場にあった。上層部に不信を募らせる部下を宥める日々。話に取り合おうとしない上役と本星の連中。
 無力な自分を蔑みながらも、日々は過ぎていく。
 そして、あの忌まわしい日がやってきた。忘れない。それを忘れられるはずがない。
 蠢くようにそれは姿形を変えていた。見慣れた生き物のように見える時もあれば、想像の中ですらも思いつくことがないような、不可思議な姿にもなる。
 瞬間瞬間ごとに死と生誕を繰り返しているような、その、姿。
 それを、ひどく禍々しい、とルイズは感じた。
 しかもそいつは、自分達を確かに値踏みするように見ている。……いや、見られているのは自分だ。
 もっと―――優秀な命を。
 それが、天空に向かって光の柱を打ち上げた。
 光の柱は破壊を伴った豪雨となって辺り一面へ降り注ぐ。ルイズが指揮を執ってここまで生きのこって来た残存兵力は、今の一瞬で半壊した。
苦悶の呻き。断末魔。それをあげる事すら叶わず、身動きしなくなった者。
 ルイズは運良くそれを避ける事ができた。当たればただでは済まなかっただろう。
 恐慌状態で必死にリューカーを使うものもいるが、この場と拠点をつなぐそのテクニックは発動しない。
 ……『アレ』がそれを妨げているから。誰一人生かして帰さない。そう言っている。
 ルイズは白く透き通る大剣を構えて走る。
 受け身でいてはやられる。一刻一秒でも早く、奴を殺す。殺さなければ死よりも恐ろしい、おぞましい結果が待ち受けている気がした。『アレ』は、この世にいてはならないものだ。 
 笑っていた。喜んでいた。ルイズがそれでも向かってくる事が自分の愉悦だと言わんばかりに。
 ―――だから―――素体とするには少々老いているが、お前は特別だ。
 虹色に輝く刃がその化物の胸の辺りから生まれる。とんでもない間合いから、常軌を逸した速度で振るわれたそれが、ルイズの体を薙いでいった。
「〜〜〜っ!!」
 
 
「――ズ……ルイズ!」
「っ!?」
 ルイズはベッドの上で目を開いた。傍らにはフロウウェンの心配そうな表情があった。
 寝汗をかいていた。ひどく呼吸が乱れている。
「あ……え……?」
「うなされていたな。大丈夫か?」
「わ、わたし……?」
 上体を起こしてみれば、『アレ』はどこにもいなかった。あの不気味な、生き物なのか何なのか、よく分からない奴らもいない。勿論、斬られた傷などどこにもない。
 夢を、見ていたらしい。
「夢で……よかったぁ……」
 と、ルイズは胸を撫で下ろす。
 主の様子に、フロウウェンは小さく笑った。
「まだ少し早い。もう暫くは寝ていても大丈夫だろう。オレはこれから少し鍛錬をしてくる」
 言われてルイズは窓の外を見た。鳥の鳴き声が聞こえてくる。まだ空が白み始めたばかり、という所だろう。
「こんなに早くから?」
 とルイズは言うが、大体毎朝フロウウェンはこのくらいの時間には起きているのである。
「その後は洗濯があるしな」
 昼間はルイズに付き添って授業に出ているし、放課後はルイズへの座学がある。自分の為の鍛錬に使える時間は限られているのであった。
「では行ってくる」
 言うと、フロウウェンは部屋を出て行った。
 ルイズは再び横になるが、しばらく逡巡した後、ベッドから這い出した。
 
 
「おはようございます」
 水場に現れたシエスタは、にこやかな笑顔を浮かべて、いつもそうするように挨拶をしてくる。
「ああ。おはよう。シエスタ」
 シエスタはフロウウェンから少し離れた所に、ちょこんと腰掛けたルイズの姿を認めた。
「おはようございます。ミス・ヴァリエール」
「おはよう」
 少しばつが悪そうにルイズは答えた。
 ルイズは、こんなに朝早くから平民の持ち場に貴族がいるのは変じゃないだろうかと、気を揉んでいた。
 結局寝床を抜け出してフロウウェンに付いて回って、彼の朝の鍛錬を見物し、手持ち無沙汰だったのでその後の掃除洗濯まで、何をするでもなく見続けているのである。
 理由は明確だ。二度寝すると悪夢の続きを見てしまいそうで嫌だったからである。最も、ルイズ本人は絶対に怖いからなんて認めないだろうが。
609"IDOLA" have the immortal servant 2/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:11:29 ID:/nkjMZ75
「おう。おはよう。嬢ちゃん」
 デルフリンガーの挨拶に、シエスタが目をぱちくりと瞬かせた。
 普段ならばフロウウェンは洗濯をしている時間帯なのだが、この日は少し鍛錬を前倒しして既に洗濯を終えている。
 デルフリンガーも普段なら鞘に入れて持ち歩くところなのだが、今日は抜き身だった。
「け、剣が喋った?」
「インテリジェンスソードよ」
 シエスタの興味がデルフリンガーに移ったことをこれ幸いと、ルイズが答えた。
「インテリジェンス……ああ。喋る剣ですね。わたし、見るの初めてです」

「ああ。デルフリンガーってんだ。よろしくな」
「シエスタです。よろしくお願いしますね。デルフリンガーさん」
 特異な相手だったが、意外に親しみやすいと思ったのかシエスタは屈託のない笑みを向けた。
「剣など持ち込んですまんな。水場でないと手入れができん」
 苦笑を浮かべると、フロウウェンはアイテムパックからいくつかの品物を取り出す。
 白い砂の盛られた包み、ワインのコルク、砥石。それから油の入った小瓶とボロ布だ。
「何? その粉?」
 ルイズが怪訝そうな顔を浮かべる。その疑問にはデルフリンガーが答えた。
「磨き砂だろ。こいつを、そこにあるコルクみたいな弾力のある物につけて擦ると金属の錆が落とせるんだが……」
「へえ」
 ルイズの知識は多岐に渡るが、平民の知恵は流石に知らなかったらしい。
 何時の間にこんなもの集めたのだろう、とルイズは首を傾げた。
 ギーシュとフーケの件以来、学院関係者に顔が知れたのだが、特にマルトー、シュヴルーズ、コルベールは、フロウウェンに対して好意的であった。
だから少し訊ねればどれも入手が容易であった。
 磨き砂はハルキゲニアにあるのかどうか不安だったが、杞憂であった。土のエキスパートであるシュヴルーズは簡単に『錬金』で作り出してみせた。
 聞けば、ハルキゲニアでも磨き砂は平民の道具として一般的に流布しているものらしい。フロウウェンの文明でも歴史的には、
化学合成した薬剤などが作られる以前には洗剤や研磨剤として広く使われていたのだから、そう特別なものでもないのだろう。
「錬金で錆落としを頼むと言うのも味気ない。手に負える範囲なら自分の物は自分で手入れしたい性質でな」
「ヒースクリフさんって、剣が使えるんですか」
「まあな」
 マルトーは最初の印象から徒手空拳が得意と思っているようだが、フロウウェンの専門はあくまで大剣である。
 あれで妙な持ち上げ方をしなければマルトーとも膝を交えて付き合えるのだが、とフロウウェンは苦笑した。
 磨き砂をデルフリンガーに塗し、コルクを水で濡らして刀身を丁寧に擦っていく。それを見届けたシエスタは自分の仕事に戻っていった。
刀身を磨く小気味の良い音に、衣類を洗う水の音とシエスタの鼻歌とが重なる。
 空は雲ひとつない快晴。今朝方見た悪い夢など忘れてしまうほど平和で長閑な時間だった。ルイズは口元に手をやって、小さく欠伸をした。
「んー……その、なんだ」
 ややあって、デルフリンガーは何故か申し訳なさそうな声で小さく唸った。
「どうした?」
「悪い。相棒。多分、それじゃ俺の錆は落ちない……と思うんだよな」
「そうなのか?」
 前もってデルフリンガーに言わなかったのは、事前に知らせずに砥いでやった方が喜ぶと思ったからだ。
「メンテナンスにはメイジの力を借りないと駄目だということだろうか」
 考えてみればフロウウェンの常識にはない剣ではある。フロウウェンの文明にも千年前に鍛えられて尚実用に耐える、
『四刀』と呼ばれる名刀の実在があるが、六千年というのは流石に聞いたことが無い。
 デルフリンガーの自己申告を真実とするならばの話だが、そんな歴史を持つ剣が、この程度の劣化で済んでいるというのがそもそも異常なのだ。
手入れの仕方も特別でなければいけないのかもしれない。
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:11:36 ID:OSz8JZWK
支援
611"IDOLA" have the immortal servant 3/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:12:20 ID:/nkjMZ75
「メイジでも多分無理だよ。大体俺、自分で自分を錆びさせたんだった。元に戻す方法忘れてるけどな」
「自分で? 何故わざわざ?」
「あー。錆びてりゃほっとかれるしよ。いちいちつまらん連中に使われるのも飽き飽きしてたからな」
 そう言ってから、慌てたような声で続ける。
「あ、いや。相棒はそうでもないけどさ。それに、砥ごうとしてくれたことには感謝もしてるぜ。悪いな」
 デルフリンガーの言葉にフロウウェンは小さく笑った。
 楽観的なデルフリンガーらしくない物言いではあった。どうも相手の善意を徒労に終わらせてしまったという後ろめたさが弱気にさせているようだ。
 武器であるデルフリンガーが、そんなことに罪悪感を感じるというのも妙な話ではあるが、そんな性格をしているからこそ、フロウウェンはデルフリンガーを買ってきて正解だった、と思う。
 布でデルフリンガーの刀身についた水分を拭う。それから油の入った瓶を取り出した。刃物に塗って錆を防止する為の物だ。
「まあ、過程は省略してこれぐらいはしておくか」
「むう」
 本当は油を塗布する必要もないのだが、されるがままにデルフリンガーは任せた。
 傍らではルイズがうつらうつらと船を漕ぎ始めている。
 それを眺めてシエスタはまた小さく笑うのだった。
 
 
「おはようヴァリエール、タバサ」
「おはようツェルプストー」
「おはよう」
 食堂に入ったところで、ルイズ、キュルケ、タバサの三人が顔を合わせた。自然、この三人が揃うと行き着く話題は……
「あれはどこまで育った?」
 というものになる。
 あれとはフーケ捜索の恩賞として手に入れた『浮遊の虫』こと、マグの事である。
 共通の話題があることも手伝ってか、ルイズはキュルケとタバサの両名と、以前より言葉を交わすことが多くなった。
「私は一回目の変身はしたけどね。しばらくエサ上げてるけどそれっきりよ」
 と、キュルケ。
 薬品を食べて成長する。また成長に応じて形を変える。その食生活の傾向に応じて主の能力を補強する。
 それがマグの能力だった。マグの持つフォトンを主とシンクロさせて主の能力強化を行う、との事だ。
 精神力の補強というのがメイジにとっては垂涎ものだ。はっきり言えばハルケギニアの常識を超えていた。
 極端な話をすると、充分にマグを育てれば、メイジとしてのランクを超えた魔法を行使することができるかも知れない、ということだ。
 マグの成長には限界があるらしいが、どこまで補強されるのか想像はつかない。ともかく、未知数だけに夢は広がる。
 ルイズはランク以前の問題だが、グランツの威力が向上するのは間違いないらしい。と言っても現状、戦闘はルイズにとって重要視される項目ではないのだが。
 他にも、ある程度の自律的な行動を行うらしい。怪我をした時や意識を失った時、強敵と相対した時などに主をサポートすることがある……という。
「わたしも一回目よ」
「ふうん。あなたのマグはピンクで、タバサのマグは青なのに、私のは赤じゃなくて黄色なのよね。何故かしら」
 ルイズ達がマグを肩に留めた途端、その体色が変化したのである。
「持ち主の名前が関係してるらしいわ」
 フロウウェンの言う所によると、本来はマグが自動的にセクションIDというものを割り出して体色を変化させるらしい。セクションIDが無い者でも、マグが所有者の名前を理解すれば色が変わる、とのことだ。
 セクションIDというのは自分の所属がどこであるか示す身分証明書のようなものだと説明してくれた。
 ともかく、所有者の名前のスペルや文字数などが関係するとだけルイズは理解した。
「へえ。タバサのマグはどうなったの?」
「二回目」
「本当? 後でどんなのか見せてね」
 頷くタバサ。マグは何も食べさせなくても飢えることは無いが、満腹になることもない。少し時間を置けばいくらでも食事させることができた。
 読書の傍らでマグに給餌をしていたので、成長が早かったのである。また、精神力補強最優先で育てていないことも成長速度が二人と違う要因の一つだろう。
 タバサは自分の戦闘の補助用としてはっきりと将来像を定めているのだ。回避用の体術を補佐させるために筋力の補強もある程度行うべきだし、魔法の狙いを正確にする為に手先の器用さも必要としている。
612"IDOLA" have the immortal servant 4/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:13:08 ID:/nkjMZ75
「でもねえ。どうも水の秘薬が高くていけないわね」
 キュルケはうんざりしたような顔になって愚痴を零す。水の秘薬は元々高価なものなのだが、品薄で冗談のような金額になっていた。
 色々な薬品を食べさせてみたのだが、どうも水の秘薬そのものか、或いは水の秘薬を元に調合した薬を与えて育てるのが、マグに精神力補強をさせる為には一番いいらしい。
 ―――というのはデルフリンガー談だ。
 デルフリンガーとマグは、ある程度の意思疎通が可能ということが判明したのである。持った者の技量を察知したりと、中々隠し技の多い剣だ。
「ああ……水の秘薬ね……今ある在庫で完売だって」
「え? 水の秘薬が何ですって?」
 その言葉に反応したのは艶やかな金髪をくるくると巻き毛にした、青い瞳の美少女だった。
 モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。『香水』の二つ名を持つ、トリステイン魔法学院の生徒で『水』のメイジである。
「ラグドリアン湖の水の精霊と連絡がつかなくなって、水の秘薬が品薄っていう話よ。水位も上がってて近くの村に水害が出て大変だとか」
 モンモランシーにルイズが答えると、彼女は表情を曇らせた。
「それ、本当? 誰かが水の精霊を怒らせたんじゃないの?」
「ああ、確かモンモランシーの家は水の精霊との交渉役なんだっけ?」
 ルイズは博識である。学術的知識から歴史、地理などその知識は多岐に渡る。親戚筋であるトリステイン王家に関わることでもあるので、モンモランシ家の盟約を知っていたらしい。
「い、今は他の貴族がやっているけどね。そ、そうなのよ。だから、その、少し気になる……かな?」
 慌てて答えるモンモランシー。ラグドリアン湖の水の精霊が気になる、というのは半分は建前だった。
 水の精霊のことが気に掛からないわけではないのだが、今のモンモランシーにとっては、その水の精霊によって齎される秘薬が手に入らないというのが、非常に困る事態なのである。それも、ごく個人的な事情から。
「水害……」
 タバサは、じっとルイズの横顔を見詰めていた。
 ラグドリアン湖の近くに、タバサの実家はある。もしかすると被害にあっているのは自分の実家かもしれないではないか。
 タバサの心にじわりと不安が広がっていた。
 
 
 フロウウェンはいつもの放課後の座学を終えると、イメージトレーニングをしているルイズの邪魔にならないよう部屋を出て、図書室へと向かっていた。
 今ルイズが行っているのはフォトン操作能力向上の為のトレーニングだ。
 これが順調に進んでフォトンを緩急自在に扱えるようになるなら、新しいテクニックを習得するだけでなく、四大系統の魔法も暴走させなくて済むかもしれない。そういう目算だった。
 とはいえルイズのフォトンへの巨大な干渉能力はフロウウェンの目から見ても常識外れで、一朝一夕というわけにも行かなさそうだ。結果として徒労に終わる可能性もある。
 それを聞かせても尚、ひたむきに努力するルイズは、実に模範的な学徒の姿と言えよう。
 タバサに体術を教える約束もしていたが、今日になって数日延期してもらうと言ってきた。急に実家に戻る用事が出来たのだとか。キュルケもその付き添いという事で馬車に乗って学院を出て行った。
 そう言った訳でフロウウェンは手が空いていた。
 フロウウェンは、暇になった時は図書室へ向かうことにしていた。
 例によって貴族しか使えないというので、オールド・オスマンに言って、使用許可を貰っている。
 フロウウェンはルイズの使い魔であるから、主人の必要な本を探してくるにはそちらの方が便利だろうという名目で許可が下りた。逐一理由が必要な辺り、貴族とは面倒なものだ。
「あ」
 フロウウェンが調べ物をしていると、入ってきたフーケ―――今は秘書に戻ったのでミス・ロングビルだが―――が、その姿を認めて小さく声を上げた。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:13:26 ID:OSz8JZWK
sien
614"IDOLA" have the immortal servant 5/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:14:10 ID:/nkjMZ75
「奇遇だな」
「ええ、そうね」
 フーケは挨拶もそこそこに、目当ての書籍を探しに行く。オスマンに調べ物を頼まれているのだ。
 フロウウェンも読んでいた本を棚に戻すと、新しい本を物色していた。
 何とはなしにフーケはフロウウェンの姿を追っていた。自分を出し抜いてくれた男が、メイジ用に作られた図書館で右往左往する様子が見たかっただけなのだが、残念な事に、書棚の下の方に彼の目当ての物はあったらしい。
 その手に持っている書物は、童話だった。さっきまで座っていた椅子には分厚い字引が置かれている。どうにも取り合わせとしてはアンバランスだった。
「イーヴァルディーの勇者? 何よそれ。あの子に読んで聞かせたりでもするの?」
 イーヴァルディーの勇者は平民に人気の作品だ。別に童話というわけでもないのだが、幾つもモチーフにした作品があり、子供向けという形で編纂されているものもある。
かくいうフーケも、子供に読んで聞かせた経験があったりする。フロウウェンの手にしているのは、自分が読んで聞かせたものと同一だった。
「いや、これはオレが読む。入門用としては分かりやすかろう」
「字が読めないの?」
 フロウウェンが異界から来た事を知らないフーケには意外だった。
「オレは外国人でな」
 フロウウェンは簡素に答えた。
 フーケは得心がいった。道理で見慣れない格好をしているわけだ。『浮遊の蟲』の知識もその辺に由来するものなのだろう。
「授業の際に黒板に書かれた文字を解析してはいるのだがな。如何せんあれは専門用語が多くて閉口している」
「そんな面倒な事をしなくても、あんたのご主人様に聞けばいいじゃないか」
「そうも行かない理由があってな」
 彼は曖昧に笑った。
「私が教えてやろうか?」
 フーケは言う。フロウウェンに恩を売っておいて損はないという打算の上での申し出だった。
「止めておいた方がいい。後で人の恨みを買うことになるかも知れんぞ」
「は?」
 その言葉の意味がフーケにはさっぱり解らなかった。どうして文字を教える事が他人の恨みを買うことになるのか。
「ごく個人的な理由で学んでいるのでな。その責任の所在を誰かに押し付けるわけにもいくまい」
 そう言って笑う。その目は静かに、深い青色を湛えていた。
 
 
 さて、その頃―――図書室の本棚の上層部では。
「えっと。これはあっちで、この本はあそこ」
 一人の女生徒が図書室から借りた本を返却する為に本棚を回っていた。モンモランシーである。
 モンモランシーの趣味はポーション作りである。
 魔法屋から買い付けたレシピだけでは、ポーションを調合に行き詰った過程があったので、図書室から文献を借りていた。
 街へ向かい、品薄になっていた水の秘薬を有り金の殆どを払って買い付け、図書室を駆け回り、先程までポーションを調合していたのだ。駆けずり回った甲斐あって、無事に完成した。
 昼間、ルイズ達から聞いた、水の秘薬の話が、モンモランシーに行動を起こさせた決定打となった。
 レシピは手に入れていたが秘薬は非常に高価だし、何より非合法な品なので実際に調合するには踏ん切りがつかずにいたのだ。
 勿論最初は使う気など無かった。コレクションのようなものとしか思っていなかった……はずなのだが、完成に至り、少々気が変わってきている。
 ギーシュの二股が発覚してから、彼とは恋人としての付き合いを止めたつもりでいたのだが、毎日のように自分の部屋に謝りに来る。 
 二股をかけていた一年生のケティとかいう子とは別れたとのことだ。許してやってもいいかな、などと、モンモランシーは漠然と思い始めていた。
615"IDOLA" have the immortal servant 6/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:15:18 ID:/nkjMZ75
 ただ……また同じ事が起きないとは限らない。
 ギーシュはその場の勢いで後先考えずに突っ走る部分がある。そして自惚れやすい。約束がどうこうというより「女の子の前で格好つけるためには」何もかも奇麗さっぱり忘れて、雰囲気に流されていくのである。
 これではいくら口約束を取り付けたところで意味が無い。
 惚れ薬をワインに混ぜてギーシュに飲ませればいいのでは? そうすれば彼の浮気癖など関係ない。そんな考えがふと頭をよぎったのは、惚れ薬のレシピを眺めていた時だった。
 そして、その完成品は手元にある。小瓶に詰めた液体を掌の中で弄ぶ。
 普通なら持ち歩くようなものでもないが、ご禁制の品であるという後ろ暗さと、自分に一途なギーシュという青写真で舞い上がった乙女心が、モンモランシーの判断力を平常時とは異なるものにさせていたのである。
 実物が手元にあると、空想や妄想も具体性が増してくる。使ってみたいと思うのが人情なのだ。これをこっそりとワインに注ぎ込む。それをギーシュが飲み干す。そんな場面を何度もシミュレートする。
 あの浮気者のギーシュが、自分にかしずく様を想像するのは如何にも小気味よいものがあった。
 それで完成と同時に、自分の使い魔のロビンをギーシュの所へ使いに出した。
 後で自分の部屋に、ワインを持参して来るように、と。
 しかし、モンモランシーの楽しい空想の時間はそこで終わりを告げた。
「あ!」
 ぽろり、と小瓶が手から滑り落ちて落下した。咄嗟のことに『レビテーション』をかける暇すらない。
 ところで、メイジ用のこの図書館は高さ三十メイルほどの巨大な書棚が立ち並んでいる。
『レビテーション』が使えるメイジにはこの方が便利なのであったが、この場合はそれが災いした。小壜は当然、階下まで落下していく。
 
 
 頭上から
「あ!」
 という女生徒の声。
「ん?」
 フロウウェンは上を見上げた。何かが落ちてくる。フーケの頭上に。
「え?」
 フロウウェンにつられて、フーケもまた上を見上げた。
 フロウウェンの動体視力と反射神経ならば、落ちてくる小壜を空中で掴み取るぐらい容易いことであった。
 不幸なのは、その時偶々小壜が逆さを向いていたということだ。偶々フーケが口を開けて上を向いていたということだ。
 掴んだ拍子に、小壜の蓋が緩む。中から零れた液体が、フーケの口元に注ぐ。
「っ!? けほっ、けほっ!」
 突然降って来た謎の液体を思わず飲んでしまい、フーケが咽る。
「な……大丈夫か?」
「んんっ。へ、平気だけど、何が落ちてき……」
 そして顔を上げて……フロウウェンを見た。
 その瞬間、フーケの頬が朱に染まった。
 自分を出し抜いた男だ。一目置いてはいた。だけどこんな……こんな、目が離せなくなるほどに魅力を感じるなんて。
 その気持ちにフーケは困惑した。次いで襲ってきたのは深い後悔だった。
 自分は彼に何をした? ゴーレムで潰そうとしたんじゃないか。
「わ、わたし……」
 フーケの瞳が潤む。つうっと涙が零れていった。目の前のあまりの展開に、フロウウェンはついていけない。
「私、悪い女だったわ!」
 フーケはそのままフロウウェンの胸元に飛び込んで、さめざめと涙を流した。
 頭上から階下を覗き込んでいたモンモランシーは、蒼白な顔で頭を抱えていた。
616"IDOLA" have the immortal servant 7/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:16:40 ID:/nkjMZ75
 
 
「ルイズ!」
 珍しく慌てた声のフロウウェンが部屋に飛び込んでくる。何事かと扉に目を向けて、ルイズはあんぐりと口を開けた。
 フーケをその腕に抱きかかえていた。抱えられたフーケはフロウウェンの首に右腕を回し、左手で彼の頬をさすっている。
 キュルケも真っ青の色気の振り撒き様だ。何だかフロウウェンを見詰める目が怪しい。
「な、なななななっなっな」
 抱きついてくるフーケを図書館からここまで迅速に運んでくるにはこの形が一番早かったのだ。それでも数人の生徒には見られたかもしれない。
 何しろフーケと来たら、もう二度と盗みなんてしない。ゴーレムをけしかけて悪かった。などなど、とてもではないが他人に聞かせるわけにはいかない言葉まで口走りそうになるのだ。その都度口を手で押さえて事無きを得たが。
 原因を特定するしない以前の問題として、すぐに人目につかない所へ移動させなければまずい。人目につかない所と言って、二人きりになるのも更にまずい気がしたので、ルイズの部屋へ駆け込んだのである。
「なななな、何してるのよーっ!?」
 案の定ルイズは激昂した。
「違う! それは違う!」
「何が違うの!?」
 さすがに狼狽した様子でフロウウェンは図書館であった顛末を話し始めた。
 ルイズに事情を説明している事にすら嫉妬するのか、フーケがフロウウェンに纏わりつく。
「あら……ヒースは私よりこんな胸の無い小娘の方がいいっていうの?」
「胸の無い……」
 ルイズは分厚い本を手に取ると、それでフーケの頭を強打した。それで彼女は静かになった。
 それからフロウウェンを睨んで言う。
「そんな話! ししし、信じろっていうの!?」
 下手な言い訳をすれば、自分までその本で殴ってきそうな剣幕であった。
「理由もなく、こんな状態になる方がそもそもおかしい!」
 フロウウェンはフーケの身体をベッドに横たえると、咳払いしてから言った。
「証拠もある。この小壜だ」
 机に置かれたのはどこか見覚えのある小壜だった。まだ何か得体の知れない液体が、小壜の中に残っている。
「これって……モンモランシーが使っている香水の壜じゃない」
「確かに、これは食堂で拾ったものと同じ壜だな」
「そう……諸悪の根源はあの渦巻きね……」
 ゆらり、とオーラを放ちながらルイズは立ち上がった。
617名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:17:35 ID:OSz8JZWK
惚れ薬イベントにおマチさんって斬新かも
フロウウェンの歳を考えれば、小娘たちが言い寄る図よりは絵になるかな?
618"IDOLA" have the immortal servant ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 18:18:59 ID:/nkjMZ75
以上で投下終了です。
前回からかなり時間が空いてしまい恐縮ですが、、
そこそこ書き溜めておいたので、
暫くの間は投下頻度も上がるかと思われます。
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:20:17 ID:OSz8JZWK
フロウウェン、相手がシュヴルーズじゃなくて良かったね 乙!
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:29:46 ID:kBCDcvYT
フロウウェンの人乙
正気にかえったおマチさんがどんな反応をするか楽しみですw
次回にwktk
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:48:56 ID:fhuXNAYZ
おお、フロウェンの人乙です。
楽しみに待ってました。投下頻度上がるとのことで期待してます。
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:21:46 ID:+ttK3cHY
ここってドナルドOKなの?
書いてみたいんだが・・
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:23:37 ID:G70+JygM
>>622
ネズミーのアヒルならアウトだと思う
バーガーのほうも危険な感じがする
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:27:10 ID:aH714oqQ
ルイズPINKAL キュルケYELLOWBOZE タバサBLUEFULL?SKYLY? 
エビルカースト フロウウェンの大剣? インペリアルピック?
                     チェインソード?
                     封印ノダチ?
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:27:51 ID:HL9/Gtnt
3次創作にならんように気をつけろよ
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:29:28 ID:+ttK3cHY
>>623
バーガーの方なんだが、無理かな?

627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:30:28 ID:BG9VXtES
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚→舞踏会→対7万戦→AMEN!!
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:41:05 ID:Q8cjO7/p
>>622
既に小ネタに居なかったか?
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:44:45 ID:NHPytZSg
>>626
避難所なら良いと思う
書いてみてくれい
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 20:20:25 ID:Sneqi2PB
セクションIDの割り出しってGC時代の計算式?
タバサが青にも空にもならない気がするがまあどうでもいいか
631 ◆GUDE6lLSzI :2008/10/01(水) 20:35:12 ID:/nkjMZ75
>>630
一応GC時代のを想定してますが、スペル間違ったかも。
「Tabitha」でGREENNILが正しいのかな?
「Tabatha」だとBLUEFULLなんですが、間違っていたら後で修正するかも知れません。
「Tabitha 」にすればBLUEFULLになりますけど……。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 20:36:09 ID:tW/MuPGs
確かにCharlotteで紫、Tabithaでも緑だな
BBの計算式にFomarlで入れるとどっちも桃
何をどうしても青や空にはならん
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 20:37:21 ID:XRRE7yBB
やった事がないからよくわからんが、本名のシャルロットで割り出されるんじゃないの?
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 20:45:56 ID:FdrLtN2D
>>627
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

ツン→デレ
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 20:47:22 ID:/nkjMZ75
やっぱりスペル間違ってたみたいですね。Wikiの方をちょっと修正してきます。
本名で判定するかどうかはちょっと迷ったのですが、
タバサならどっちにするかと聞かれた時、
あの時点でなら迷わずタバサにするかな、と思って偽名で判定してます。
636メロン名無しさん:2008/10/01(水) 20:50:14 ID:aH714oqQ
別世界で文字が違うんだから別に良いんじゃない?
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:05:03 ID:Tiaxeaxe
ワルキューレに重マシンガン持たせるのが強いと思います
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:08:29 ID:m/dBx+vN
ワルキューレなら馬に乗せたら凄いことになるよ、テンションとか
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:15:03 ID:M/jPUGtp
12年後
ワルキューレの製造を最高峰まで極めたギーシュが
最高級ダッチワイフ製作会社のを築く。

エロってのは人を進化させるぜまったく。
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:20:15 ID:P1IGtlk/
>>639
女性の遺棄死体と思ったらダッチワイフだった事件思い出したよ
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:31:27 ID:OSz8JZWK
青銅からビニール(またはシリコン)のギーシュにならないとダメだな
642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:38:54 ID:hbP573/z
ギーシュってまだドットだっけ?
アニメ見たらトライアングルくらい行ってそうなんだが。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:40:17 ID:1gJu55V9
いやワルキューレ(Valkyrie)が飛行機に変型すれば
・・・まんまだ
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:40:19 ID:wUKCjuZw
ギーシュが○リエント○業の創業者か
そのころルイズはサイトとイエス・ノー枕を召喚
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:44:00 ID:FdrLtN2D
桂三枝思い出す。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 21:56:37 ID:1gJu55V9
>>645
あんたはショボいコピペだけしてなさい
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 22:05:26 ID:CHeWIRvH
ギーシュが青銅なんだから、神経逆なでさせる意味で
プシューが口癖のスプレイ君なんてどうだろ?

元人間、今青銅人形、当てつけ以上の意味はないけどねw
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 22:11:44 ID:MoTaUUQq
そういや青銅聖闘士が召喚される話ってまだ無かったょね。
まぁ青銅のギーシュと決闘で燃え尽きそうだけど(笑
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 22:37:52 ID:Q8cjO7/p
またキ印か
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 22:44:11 ID:1E9kJDkh
>>648
>青銅聖闘士
六分儀星座のユーリなんかは常識を持ち合わせていそうだな。

>スプレイ
無敵パパをテファ、デイモンをジョゼフが召喚しそうだ。
もし教皇が会長を召喚したらトリプルダーティフェイスによるロマリア最後のお知らせだろうな。
っつーか無敵パパはウェストウッド村に即なじみそうだな。
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:01:04 ID:D+zls6TL
>650
無敵パパは自身も孤児院の出身だし、思うところあるでしょうね。
……九頭竜の使い手が増えたりしないだろうな?
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:03:27 ID:GSiFeedi
実在の人物は駄目なんだよなあ
武蔵ならどんな相手でも判定に持ちこめば勝利できるのに
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:05:28 ID:MSVwGxb1
実在の人物がだめなんじゃなくて、それが元になった小説とかあればOKじゃなかったっけ?
自伝はNG
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:07:33 ID:3NZdI2As
>>652
武蔵だったら、例えばギーシュ戦で「決闘だ!」ってなったら、広場に行こうとするギーシュを後ろから斬り倒してしまいそうだ。
「戦うことが決まった瞬間から戦いは始まっている」とか言って。
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:09:20 ID:wUKCjuZw
そのタケゾウじゃないと思うんだ
656名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:10:00 ID:3NZdI2As
>>650
おっぱいぐるぐるず自重ww
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:10:59 ID:3NZdI2As
>>655
む、よく読んでなかった。すまん。
658名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:13:13 ID:68M2N+4S
>>654
ギーシュ戦で「決闘だ!」となり、広場に向かったとたん、
学院に砲弾の雨が降り注ぐほうの武蔵を思い浮かべてしまった俺ガイル
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:15:31 ID:OB2TlQhv
斬魔剣伝とか羅ゴウ伝とか、ブレイヴフェンサーとかの武蔵ならいいわけだな
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:15:59 ID:q5l9kzHv
ガンダ補正でワルキューレはちゃんと破壊するのに、ギーシュにはクリンチしかしない訳ですね
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:17:44 ID:RJSMCnWQ
予告もないようですし、代理依頼来てるんでいってみます
662ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/01(水) 23:19:16 ID:RJSMCnWQ
代理投稿お願いします。

以下本文

青く光る、巨大な輪が浮かんでいる。
視界に入りきらないほどの大きな光る輪。
自分の尾を噛んで輪を作る龍。
始まりも終わりも無く、すべては繋がっている。





――――― ウ ロ ボ ロ ス ―――――





その輪の中から巨大な無数の飛行物体が押し寄せる。
その姿を見た者は一様に驚愕の表情を隠せない。
その理由はその姿にあった。
巨大な頭にいくつもの顔があり、表情がある。
そして細長い手足が頭から直接生えている。
まさに『異形』の一言に尽きる。

しかしそれらが輪から出る事は無い。
いや出来ないと言うべきだろう。
なぜなら、光の巨人とでも言うべき物がそれらを抑えつけているからだ。

やがて輪と共に巨人も含めたそれらは何かに吸い込まれるように消滅し、辺り一面に雪を降らせた。
それは青く、淡く、光り輝く雪だった。
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:19:45 ID:klR+qk9Y
聖闘士より強い、黄金剣の飛鳥武蔵もいいわけか
664ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/01(水) 23:20:13 ID:RJSMCnWQ
(ここはどこだよ・・・?)



気付けば見慣れない草原に立っていた。

見慣れない風景。遠くには中世の城の様な建造物が見える。
目の前にはチェリーブロンドの少女が一人、年の頃はミホと同じか少し上くらいだろうか。
まわりにはハゲと大量のガキ、それからファンタジーの世界に出てくるような化け物がうじゃうじゃと居る。
位置関係から見て自分をここへ引きずり出したのは、目の前の少女だろう。
右腕の端末で現在地を調べるが、果てしなく遠い時空らしい。


(チィ・・・存在が安定しねぇ・・・、体に力が入らねぇ)


疑似観測者はおろか、アトリを認識する者すらいないこの時空では
量子的存在であるアトリの存在は安定しえない。
度重なる戦闘でレイズも大量に消費している、消えるまでもう幾許も無いだろう、と感じた。

とにかく何よりも今は情報が欲しい。とりあえず目の前の少女に問うてみる。


「俺をここに連れてきたのはお前かよ、ガキ・・・」

「そうよ!あんた貴族?ご主人さまにそんな口聞いていいと思ってんの?」
偉そうなガキだ。貴族?ご主人さま?あの城といいこの時空のベースは中世に近い物なのだろうか。
「どういう事だよ」

「あんたは私に召喚されたの、だから私の使い魔になるのよ!」
「ふざけるなよ」
一瞬キレそうになる。
腹いせに傍にいるハゲを吹っ飛ばしてやろうかと思ったが、
突拍子も無い事を言い出す姿に見知った姿を見つけて、認めたくないが落ち着いた。
しかし少女は、こちらを見たまま固まっている。
一瞬の殺気に当てられて完全に怖気づいてしまっていたのだ。

(チッ、完全にビビってやがる・・・。これじゃぁ話にならねぇじゃねぇか)
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:20:31 ID:klR+qk9Y
すまん支援
666名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:20:58 ID:9ppW/RdR
>>658
紀伊で書こうとして挫折しちゃった俺がいます。
だってキャラが全然足りないんだもの、勝手に動くようにしたら興ざめだし。
667ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/01(水) 23:21:28 ID:RJSMCnWQ

その殺気に反応したっぽい運良く生き延びたハゲが、少女と自分の間に入る。
ハゲ曰く、
・この時空は魔法により社会が成り立っている。
・俺が呼び出されたのは召喚の儀式による物。人間が呼び出された前例はなく、今回も悪意があって呼び出した訳では無い。
・この儀式はこいつの進級を決める大事な物であり、その結果如何で一生を左右される場合もある。
・少女はなぜか魔法が殆ど使えず、何度も失敗してやっと成功した。
・今回はイレギュラーであり、本来他の時空と繋ぐ魔法は存在しない。よって元の世界に返してやる事は出来ない。


(なるほどねェ・・・)


異世界からの来訪者と聞いてギャーギャー煩いハゲを無視して少し考えた後、自分を召喚した少女を見る。
少女は立ったまま俯き、肩を震わせている。
嗚咽しているのだろう。
どうにも泣かれるのは苦手だ。





「チィ、泣くなよ・・・。うざってぇ」





少女の頭に手を置く。
以前ミホにした様に。
不思議と心が安らいだ。

もう自分は消えるだろう。
最後に消える前にミホに会いたかったが、
トビの様に時空間操作が出来る訳でも無い自分では自力では帰れない。
ならここで一人で消えるよりは、どこか面影のある少女の傍で消えるのもいいかもしれない。

(チッ、俺もヤキが回ったもんだぜ・・・)

「俺はもういつ消えるか解らねぇが、お前の使い魔になってやるよ」
泣きやんだ少女の笑顔を見るのは、悪い気がしなかった。
668ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/01(水) 23:22:19 ID:RJSMCnWQ
―――――契約の儀式は少女とのキスだった。

(ありえねぇ・・・・)

フクロウでは無いがそう思った。
なってやると言ってしまった先ほどの自分をぶん殴ってやりたい衝動にかられた。
しかしそれ以外に方法がないと言う。
どうしようもないので諦め受け入れる事にした。


左手に焼かれる様な痛みが走り、ルーンが左手に刻まれる。

(なんだと・・・!!!)
驚いた。ただ、驚いた。


いや訂正する、驚いたなんて物ではない。
痛みにでも、ルーンが刻まれた事自体にでもない。
左手にルーンが刻まれたその瞬間、自身の存在が安定した事に驚きを隠せなかった。
失われたレイズも補填されている。
体が軽い。
どういう事だ、このルーンにはそんな効果もあるのか?
俺はいつまで消えないで居られる?
疑問は止め処なく溢れてくる。

(まぁいいか。今は気分がいい、先の事なんか考えてもしょうがないぜぃ・・・)



本当に気分がよかった。
傍でハゲが勝手にルーンをしこしこスケッチしてるのも気にならない程に。
スケッチし終わったハゲの号令で生徒達が一斉に浮遊し、城の方に帰っていく。
ハゲの言ったとおりこの時空は魔法が生活の一部になっているらしい。

どうやら飛べないらしい暗い表情を浮かべているご主人様に、
ルーンの礼と脅かした詫びのつもりで、部屋に帰るついでに空の散歩に連れて行ってやった。
風が気持ちがいい、空気が澄んでいる。
ご主人さまも喜んでいるみたいだ。
今ならいくらでも速く飛べる気がした。
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:23:00 ID:Oz+ewq42
そういえば、ブロンズクロスって本当に青銅で出来てるのかなぁ・・・
青銅聖闘士ならやっぱり市様かな。
例のセリフを言いながらフーケやワルドをぶっ倒すのが見物だ。
まぁどう考えても短編ネタだけど。
670ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/01(水) 23:23:13 ID:RJSMCnWQ
暫く空の散歩をした後部屋につくと案の定、質問の山。


とりあえず、質問については並行世界、量子力学、観測者(認識)による存在の確定。
説明しても解らない事だらけだし、自分もそんなに詳しく知っている方でも無い。
何よりめんどくさい。
なのでハゲに言ったのと同じ様に単純に『異世界』とし、端的にわかりやすく説明してやった。
本当に簡単に、だが。


主人さまは説明を聞くと考え込んでしまった。
かなりいい加減に、もとい簡単に説明したつもりだったんだが、それでも小さなご主人さまには容量オーバーらしい。
ぶつぶつ言っていたが、暫くするといきなり寝てしまった。





やれやれ・・・と窓から夜空を眺める。
夜空では2つの月から柔らかな光がしたたり落ちている。
ここは本当に遠い時空なのだろう。
地球形成時に衛星が2つになった場合の時空。
何十億年も前に分岐した時空。


様々な事を考えながら、瞼を閉じる。
瞼の奥から心地よい眠気の波が押し寄せてくる。
薄れゆく意識の中記憶のページが捲られていく。





俺は未来を守れたんだろうか――――――――
 





     ―――――――――――『あいつら』元気にしてるんだろうか





サラ――――――――――――
671ゼロ 青い雪と赤い雨(代理):2008/10/01(水) 23:23:54 ID:RJSMCnWQ
今回はここで終わりです。
駄文になってしまってすみません。
同じ場面を双方からの一人称視点で説明しようと思ったのですが
難しくて私には無理そうです orz

3話以降は一応話の根幹はできあがっているのですぐに完成するかと思います。

以上本文終わり。

よろしくおねがいします。
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:24:26 ID:Oz+ewq42
投稿始まってたのか、スマソ。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:35:02 ID:hfq+x70r
乙です
ノエイン知らないんでとりあえず1話無料のみてみっかな
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:38:23 ID:GSiFeedi
>>673
1話だけじゃ駄目だ
せめて24話まででいいから見てくれ
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:43:43 ID:hfq+x70r
それ全話じゃねw
今見てるけどなんか変わった絵柄だな
676名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:44:51 ID:GSiFeedi
>>675
ちっ、ばれたか
あの絵柄じゃないと表現できない戦闘とかあるんですよ
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:50:27 ID:1E9kJDkh
>>669
材質はオリハルコンとガマニオンとスターダストサンド。
青銅が使われているって描写は無かった気がする。

>>651
無敵パパは文明から離れると異常なほど有能だしな。
戦闘も家事も達人だし。
指輪でパパほ半身不随が完治すれば向うところ敵なしになるな。
……そういや右竜徹陣って確実に戦車砲より威力有るよな。エルフでも敵じゃないか。
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:52:15 ID:1E9kJDkh
>>677
×パパほ
○パパの
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:56:02 ID:GicXPj27
あのパパは無敵と見せかけてかなり負けが多いぞ。
まぁ相手が不死身なのが当たり前とかそんな奴ばっかのせいなんだが。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:00:42 ID:r0S/E3H5
無敵パパさんは、怪我治せることをしっても拒否するよ。作中でもそうしてるし。
無敵パパは最強じゃないけど、結果として無敵なのがいいんだ。次期総帥のポジションとるわけにはいかんし。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:04:45 ID:4mBgABW1
でも無敵パパって鬼を倒してからは、雑魚にしか勝ったこと無いんだよな
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:08:19 ID:zUkLbhEa
>>679
不死身だの超古代兵器持ちだの神だのとそんなのばっかりだな。
そんな中、半身不随のハンデを持ちながら逃げ切ったり辛勝出来るパパは恐ろしいよな。

ふと思ったんだが、王子時代のジョゼフがパパを召喚したら面白い気がする。
案外親友同士になってきれいなジョゼフになるかも。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:09:43 ID:5rSlHkTL
「お父さんの顔」と言えば、ジョゼフと美沙って境遇がなんとなく近くね?
かたや魔法の才能皆無で無能、かたや超常の力を持たず無能。
んでもって他の経営手腕なり技術の応用力なりがズバ抜けてる所も似てね?

まぁ、性別も違うし美沙の方は弟だけじゃなくて母とか執事とかメイドとかにも理解者がいたから、
全く境遇一緒って訳じゃないけどさ。
684ゼロの社長 04:2008/10/02(木) 00:14:59 ID:E+yFsR+C
4話が完成したので、予約がなければ投下しても良いでしょうか
20分ごろに投下したいと思います。
685ゼロの社長 04:2008/10/02(木) 00:21:04 ID:E+yFsR+C
「ぐずっ…とっ、とにかく!今度こそ、これでセトは私の使い魔なんだからね!」

感情が一気に押し寄せた結果とはいえ、青春大爆発のようなコントラクトサーヴァントをしたことに今更恥かしがるルイズ。
顔が真っ赤なのは涙を流したせいか、それとも恥かしさからか、それともその両方か…?

「とっ…とにかく!そう言うわけだから、主は使い魔のことをちゃんと把握しておく必要があるわ!」

どういうわけなんだろうか?
照れ隠しなのか、海馬についての質問を始めるルイズ。

「まず、使い魔は主人の眼となり、耳となる能力が与えられるわ!」
「ふむ?こちらからは特に変わって見えることは無い…ぬっ?これは…?」

改めてルイズを海馬が見たとき、妙なものが脳裏を駆けた。

ゼロのルイズ
 レベル1 闇属性 魔法使い族・効果
 相手プレイヤーに800のダメージを与える事ができる。
 もしくは攻撃力1200以下のモンスターを破壊することができる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない
攻撃力 450 守備力 400
 
「ちょっと!どうしたのよセト?急に黙って。」
「わからん…、貴様を見たときに、貴様の能力がデュエルモンスターのカードのように
データとして頭の中に入ってきた。これは契約の結果なのか?」

突然の出来事に流石の海馬も少し戸惑い、ルイズに回答を求める。
こんな非日常的、いや、魔法的な感覚が発生するとしたら、原因は間違いなくあの契約である。
だが、ルイズは首を振り、望んだ答えは返ってこなかった。
686ゼロの社長 04:2008/10/02(木) 00:22:44 ID:E+yFsR+C

「デュエル…モンスターズ?なにそれ?
んー…よくわからないけど、確かに契約をした使い魔には、特殊な力が与えられる事があるわ。
ただ、平民の使い魔なんて聞いたことが無い…前例が無いから、確証は無いけど…」

ふぅん…と何かを考え込んでしまう海馬。

(なるほど、つまり、これが俺に与えられた力という事か。
相手の能力を、姿さえ見れば把握できるというのはなかなかに強力な能力だ。
情報は何にもおける武器になる。
最悪どこかで戦闘になったとしても、かなう相手かどうかを見抜けるというのも利点だ。)

「ねぇねぇ、ちなみに私はどんな能力だったの!?
実は世界最強の魔法の力が眠っているが、それ故に危険なために封印が施されているため魔法が使えないとか?」

魔法が使えない原因がわかるかもと期待の眼差しを海馬に向けるが、返ってきた答えは望んだものではなかった。
むしろ、爆発が自分の能力として定められている点に不満のようだった。

「おそらくこれは貴様の爆発魔法の効果を、デュエルモンスターズ風にテキストにした結果だろう。モンスターカードとしてのスペック自体は低いが、バーン能力とモンスター破壊効果を使えるのは強いだろう。」

(しかし1ターンとは何を基準にしているのだろうか…?
素直に考えれば時間だろうが、その単位まではまだ不明か。
今度爆発を最大威力で打った時の、次の発射までのタイムを1ターンと仮定すれば…)

687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:25:38 ID:xngjA7bM
支援

始祖の祈祷書と水のルビーを持つとテキストが変わるのか。
688ゼロの社長 04:2008/10/02(木) 00:26:30 ID:E+yFsR+C

異世界にきても海馬はデュエリストである。
デュエルのことを考え始めると周りが見えなくなるようだ。
また黙ってもくもくと思考を巡らせ始めたとき、ルイズが話を元に戻した。

「じゃあなくて!今はセトの能力を確認するほうが先でしょ!次に使い魔は、主の望むものをとってくるのよ。
秘薬の材料とか、そう言う探索に使えそうな能力みたいなのは無いの?」
「あいにくだが、俺はこの世界の魔法どころか、地理も歴史も知らん。
故にそう言う方面では役に立つ知識は無い。もちろん、覚える事くらいはできるがな。」

まぁ、それもそうよね、と納得するルイズ。

「あと最後に使い魔は主人を守ること!これが一番重要よ!
っていうか、アンタ名前聞いたときに言ってたじゃない。
カイバコーポレーションシャチョーにして『最強』のデュエリストって!
最強!なら敵無しってことよね!ツェルプストーのサラマンダーなんか、指先一つでダウn…」
「言っておくが、俺は魔法なんかを使ってくる相手に対峙して直接戦闘で勝てるほど体を鍛えているわけではない。
基礎的なトレーニングならばともかく、プロを相手にまともに事を構える事などしない。
ましてや、あんなわけのわからん生き物になど無駄に手は出さんぞ。」

期待はずれの解答をする海馬に唖然とするルイズ。
それもそうだろう、ルイズとしては海馬に一番期待しているところを自分から否定してきたのだから。

「ちょっ…!ちょっとまちなさいよ、最強はどうしたのよ?っていうか、まず聞くべきだったわ。
デュエリストって何?さっきのデュエルモンスターズってのと関係があるの?」
「ふむ…それは見せたほうが早いな。」

そう言うと海馬は立ち上がり部屋の扉のほうまで下がった。
そして、腕のデュエルディスクを起動する。
ピピット言う起動音と共にデュエルディスクが展開し、臨戦状態となる。
ルイズはといえば、ベットから海馬のそばへと移動していた。
左腕のデュエルディスクに興味津々である。
689ゼロの社長 04:2008/10/02(木) 00:28:01 ID:E+yFsR+C

「すごい!こんな精巧な動きをする腕輪を作れるメイジなんてそうそういないわよ!どうなってるの?」
「これは腕輪ではない!わが海馬コーポレーションが開発した、
デュエルモンスターズ専用のソリッド・ビジョン投影機 デュエルディスク!
モンスター、魔法、罠の3種類のカードを組み合わせた40枚のカードのデッキを
これに装着し、知恵と勇気をもって戦う、それがデュエルだ!」

やはりデュエルのことになるとテンションがあがりっぱなしの海馬であったが、
今回テンションが鰻登りなのは海馬だけではなかった。
隣にいたルイズも目をきらきらと輝かせて、まるで子供のように驚いていた。
泣いた烏がなんとかと言う奴である

「すごいすごい!それで、これはどうつかうの!?」

使い魔と主は似たもの同士が選ばれる。今の二人のテンションを見れば、その言葉の証明に十分だろう

「さらにカードを挿入する事で、カードを立体的に投影する事ができる!
このようにな!出でよ、サファイア・ドラゴン!!」

そのとき、海馬の左手のルーンがまばゆく光をはなったが、デュエルディスクの陰になっていたために、二人は気づかなかった。
そして機械音と共に光が収縮し





爆音をあげてルイズの部屋に『本当に』サファイアドラゴンが実体化した。
ベッドをへし折り翼は天井を貫き、重さで床はめり込み、窓を突き破って首を出した。



ルイズと海馬は声を揃えて呟いた。

『なん…だと…?』

690名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:29:05 ID:X8az3wgl
規制解除支援
691名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:31:11 ID:9BiOvZPj
  支  援  ( ド ン )
なん……だと……?
692ゼロの社長 04:2008/10/02(木) 00:31:17 ID:E+yFsR+C
第4話完であります。
テンションがあがるとどんどんイメージが湧いてきてちょっと楽しいです。
そりではこれにて、
読んでくれた方々に感謝をm(_ _)m
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:43:00 ID:lODsEGRw
おいおいおいおい、ここで“続く”かよ!
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:49:56 ID:A82RX8rw
続きが・・読みてぇぇぇぇl!!
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:53:48 ID:iMDqSKyT
魔法カード発動!
『ねぎらいの乙』(ドン☆)
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:57:11 ID:/OH8fK9C
なんという生殺しなところで…
しかし、サファイアドラゴンか…劇場版で使ってはいたみたいだけどあんまり海馬らしい
感じのしない選択だな。
697名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:22:53 ID:/k7adkFm
うおっ、生殺しな寸止め…
でも、『本当に』実体化するって言うのは、考えてなかったので、GJ!
…ルイズ達の今宵の寝床は、どうなるのかw
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:34:14 ID:VwQqCXVC
社長、乙

サファイアドラゴン、現在でもドラゴンデッキでは二線級では戦えるカードだな。
ほか海馬デッキだったらエメラルドドラゴンやダイヤモンドドラゴンがいるな。
もっともダムドや裁きや250円や星屑や黒薔薇に押されて、どいつも最近じゃ全然見ないが。
まあ青眼は鑑賞用ではない、戦いのなかでこそ輝くと言ってる社長には関係ないか。
頑張れ社長、アテムも冥界から応援してるぞ。多分
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:37:03 ID:d5xcuq0G
おいおい、カードの具現化っていくらなんでも
と思ったが十代が4期で普通にネオスを使って危機を脱していたか
700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:37:12 ID:Yud/x+uI
ちょw ルイズは闇属性なのかよw
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:43:33 ID:EXE1g3AK
社長乙
サファイアドラゴンは今でも俺の青眼の白龍デッキの主力です
バニラ(笑)とか言う人もいるがやっぱり頼りになるもんだよ
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:55:48 ID:+c3HkErj
カードといえば、MtLの続きはまだかな。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:57:55 ID:QOuApxCf
これは海馬の嫁に期待
ってか神のカード召喚したら大変なことになるんじゃね?
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:00:58 ID:w616ZUu9
>>702
先週投下があったばかりだぞ
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:13:39 ID:mMjo2SXC
>>703
神のカードは王様に返してなかったか?
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:28:06 ID:/OH8fK9C
あー、そうか。そういやストラクの海馬デッキとか現実の青眼デッキではご用達だったな
サファイアは…
どうも実際の海馬のデッキの下級〜中級って戦士・獣戦士や
簡単に倒されず生け贄確保もかねる自動合体モンスター(XYZ、マテリアルモンスター)
とかの印象が強いから…

>>705
とりあえず俺の知ってる限りだと…

・アニメ
神のカードの状況
三幻神…ファラオと共に眠る
ラーのコピー…I2社が1枚保管

漫画
三幻神…不明。
邪神アバター…夜行が破り捨てた。
邪神ドレッド・ルート…月行が破り捨てた。夜行が持ってたほうについては破り捨てられた描写はない。
邪神イレイザー…キースが所持。夜行のものはドレッド・ルートと同上。
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:34:31 ID:ibOr3O5v
アニメみたいな引きをしやがってw
これは次回をwktkして待たざるを得ない
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:36:59 ID:7Bt1X5Gh
十代が出てきたあたりでは、非ぃ科学的な物は信じないはずの
社長までオカルトにはまっている始末・・・何でだ?


709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:45:10 ID:OZOEtOR0
>>708
ルイズに召喚されたからじゃね?
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:45:43 ID:7Bt1X5Gh
ああ、納得。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 02:48:07 ID:mbr09KMd
GXの社長はロケットでカード打ち上げたり、異世界にコスプレしてあらわれたりとオカルトし放題だしな
712名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 03:06:36 ID:VwQqCXVC
>>711
カイバーマンはデッキは同じだが別人じゃないか?
つかカイバーマンの中の人って…
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 03:08:05 ID:fmoz1VX/
>>677
オリハルコンは実は青銅のこと、って説があるよな。
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 03:23:26 ID:stsf3Qjk
>>712
ジャック・Oですね
わかります
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 03:29:12 ID:Kc82heKq
ジャック言うなw

正直レイヴンリンクス召喚しても艦隊戦まで見せ場ないのよね
艦隊戦になってもAC無双お疲れ様ですって感じになっちゃいそうだし
716名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 03:44:34 ID:FdSkd7Zj
>>715
しかもその場合、ほぼ確実にルイズの見せ場を奪ってしまう形になるんだよな。
ぶっちゃけそんなACに限らず、出鱈目ロボが暴れられたら虚無がいらない子になる確率極端に高いし。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 03:51:33 ID:stsf3Qjk
AMIDA呼ぼうよ
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 04:31:17 ID:fmoz1VX/
AMIGA か。懐かしいな。
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 07:23:13 ID:lUfbehch
AMIBAか。懐かしいな。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 07:26:24 ID:8ubkyNwO
>>719
偽りの天才じゃねーか!
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 07:48:22 ID:0sC2S3XG
実際のところアミバは見よう見真似だけで北斗神拳をある程度は再現している以上
天才といって差し支えないとは思うがな・・・・・・
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 07:52:32 ID:Ck0E6sNP
>721
確かに。不完全とはいえ、アレだけの事が出来るなら間違いなく天才。ただ紙一重ではあるが。
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 07:53:14 ID:SL1Pz0K3
器用貧乏…
724名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 08:29:21 ID:4kKTM6A5
器用貧乏といったらサマルトリアの王子だろ
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 08:35:58 ID:d6uPhZU2
「鷲と虚無」の作者じゃないけど、ドラマのROME知らない人むけに簡単な説明書いちゃだめかな?
726名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 09:06:24 ID:hTKsHFRL
お断りします
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 09:09:56 ID:zBJLPo/j
まぁ、作者が良いって言わんとなー
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 09:39:52 ID:Llu9kysG
簡単な説明なら公式サイトで十分じゃないか?
729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 09:53:06 ID:f7Zg9if5
社長と聞いてぶいにゅーな猫を思い出した私はお呼びでないですかそうですか
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 09:56:42 ID:5OoqPqJj
有澤重工。雷電だ。
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 10:37:45 ID:TZ8YDfvc
>>729
アリア社長の場合、やっぱなるのはヴィンダールヴなのかね?
ミョズになってあらゆるマジックアイテムを理解するけど、ルイズたちに伝えたくとも「ぷいにゅ」しか喋れないので
結局宝の持ち腐れになったり
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 10:43:59 ID:f7Zg9if5
>>731
ガンダールブってのもいいかも
デルフリンガーにまとわりつく社長に癒されるルイズ
くいっと小首を傾げる社長にほんわかなるワルド
そしてその風景に和む読者な我々・・・・・・・
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 10:45:39 ID:MYuD5V34
ゲバラが召喚され
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 11:20:28 ID:m1jQyYZ+
>732
恥ずかしい台詞を言える人がいないのが問題だ
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 11:21:49 ID:sSLCoC7C
アン様が言えばいいよ。
そして全国民から禁止されて「えー」って言ばいいよ。

トリステインは安泰だ。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 12:21:46 ID:mMjo2SXC
>>733
本編では打てなかった地球パンチを打つんですね?
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 12:23:37 ID:mp+rMVaz
>>725
いや、なんで?
738名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 13:04:48 ID:kcZM7xyA
>>737
ここが何のスレか分からないでだらだらと元ネタの話をしたがる奴はいつでも居るんだよ
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 13:22:12 ID:xJbKly4Z
>>708
KCの宣伝を兼ねた企画で適当なことを言っていただけじゃないの?
740名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 13:37:41 ID:stsf3Qjk
>>730
その社長呼んだら
隆文の社長砲でハルゲニア終了フラグじゃないか
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 13:59:07 ID:KfafYHAI
>>729
アリア社長と聞いてフレイムに股間を噛まれる社長を幻視した
742名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 14:16:02 ID:JUj0han1
社長 乙です^^
デュエルモンスターズ風テキストGJ♪
ぜひティファのスペック(主に前面に突き出てるアレの)をww
743名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 14:20:27 ID:dF54KVzi
>>729
他の虚無もあそこの猫を呼ぶのかと思うと何だかすごく和む。
744名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 14:46:24 ID:f7Zg9if5
>>734
「恥ずかしい台詞」は是非タバサにお願いしたいと思うワタクシメであります
745名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 14:49:38 ID:9qYJnA4+
非人間系(完全に外見が動物)の召喚って少ないよね
やっぱそうすると既存のイベントが起こらないからだよな
アリア社長がギーシュと決闘したり、チョコボがロケランでゴーレム吹っ飛ばしたり、
音速丸が対七万に突っ込んだり
746名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 14:53:04 ID:f7Zg9if5
>>745
アリア社長はギーシュと一緒に和むからだいぜうぶ
チョコボは・・・・・・困ったな
音速丸は「音速丸!あの軍勢ブッ飛ばしてきたらキュルケのぱんつあげるわよ」
「タバサのぱんつとティファニアの胸に顔埋める権もくれ」
で勝利確実   だって若本ヴォイスだからな
747名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:20:37 ID:fmoz1VX/
>>739
KC?
748名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:36:29 ID:Llu9kysG
音速丸は人型(ガチムキ)に変形できるぞ
それに能力結構高くないか?
もしかして、おすすめの使い魔かもw
749名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:39:01 ID:f7Zg9if5
>>748
それにルイズ自身は結構安心だしな
「いーや、ツルペタツンデレ娘も大好物だ!」
「誰がツルペタだ! それにアンタにデレた覚えは無いわよ!」
750名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:55:57 ID:U7MAsfXq
>>745
チョコボは適当な本を読むとかで良いんでない?
751名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 16:06:58 ID:EXE1g3AK
>>747
海馬コーポレーション
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 16:16:36 ID:6HEb0awz
野生のチョコボについて知りたいなら
『ゼロと聖石』の14〜16を読めば解るかな?
でぶチョコボは居なかったが・・・
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 16:29:19 ID:fmoz1VX/
半分機械に改造して砂漠対応するんだよな?
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:01:13 ID:h4/jOipi
test
755名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:14:56 ID:9qYJnA4+
FF本編によっても微妙に異なるが、不思議のダンジョンとFF本編だと全く別の生き物だしな
FF本編では家畜、不思議なダンジョンだと蹴りや魔法でモンスターを薙ぎ倒す戦闘力の持ち主
ダンジョン2だと人間の世界を滅ぼしたモンスターの親玉まで倒しちゃうし

しかし蹴りで巨大なモンスターを倒すわ魔法を使うわとかなりチート生物だな
空を飛べない以外は最強のトリだ
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:22:12 ID:b2r05/Sg
でもダンジョンから出たらレベル1…

チョコボ1はバーのたまるのが遅くてイライラして投げた
2から普通になったけど
757名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:22:43 ID:4FLFHA+r
フレイスの炎砦のリューナを召喚する話を夢想する。


「変態は許しません!」と星の錫杖をぶん回す姿しか想像できねえ……
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:25:25 ID:3jN0LZ0t
作品によっては飛べるチョコボも居るけどな。
FFTの黒チョコボとか。チョコボールで遠距離攻撃も出来るしかなり当たりだ。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:27:19 ID:8ubkyNwO
やめろぉぅ、フィナス河のトラウマががggg
760名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:31:53 ID:YpS9FqQS
時々星矢ねたが出るが
教皇が双子で二重人格というのは駄目なんだろうか?
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:31:57 ID:3jN0LZ0t
>>759
わかる、わかるぞ。
自分もそこでムスタディオとかがクリスタルになっちゃってぶん投げたからな!
<それはちょっとへっぽこすぎるだろう。
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:37:27 ID:kcZM7xyA
>>760
面白ければいいよ
763名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:07:52 ID:OnlpRa9H
>>758>>759>>761
あれはキツかったよな……
黒はまだ物理攻撃のチョコボールだからいいけど赤はメテオ使ってきやがるし
一撃必殺できないと逃げられるか黄色に回復されてジリ貧になる
状態異常が効きやすいからそっちで攻めるしかない
764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:10:48 ID:aAp9xuxY
>>745
そもそもその既存のイベントは絶対条件じゃないし
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:20:40 ID:kZi6Y2m0
あれ?
社長面白くなってるwww
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:23:16 ID:mMjo2SXC
社長キャラなら誰がおもしろいだろうか
パワードスーツのアル中
蝙蝠コスプレのトラウマ持ち
頭のいいハゲ

ウーン
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:25:01 ID:stsf3Qjk
つガチムチ大鑑巨砲主義なタンク好き
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:28:59 ID:CJeWU13T
有澤の社長しかないな。
769名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:29:11 ID:y26hVCOF
>>766
ロボットに乗る小学生
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:31:14 ID:EXE1g3AK
>>766
工具楽屋第25代目社長
771名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:38:10 ID:mMjo2SXC
>>768
ACネタ分かんね
>>769
トライダーも一緒に喚ぶのか?
>>770
壊し屋懐かしい
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:41:48 ID:t3+4lIyI
八つの玉を操る社長とか
ティンとくる真っ黒な社長とか
手枷付けてる社長とか
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:42:46 ID:f7Zg9if5
グルンガストに乗ってる浮気者を捨てた社長とか 「捨てられてねぇ!」
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:47:38 ID:aAp9xuxY
>>766
横綱大社長
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:50:07 ID:PPsbsvNn
>773
ジョゼフ側にイスルギ社の女社長が召喚されるんですね、わかります。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:54:32 ID:4PCM9L2Q
>>774
ハルケギニアの人々を全員相撲取りにするのか
777名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:59:01 ID:UCXzcCxs
>ティンとくる真っ黒な社長とか
ルイズやジョゼフやティファニアや教皇がプロデューサーになるわけですね
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:59:04 ID:t3+4lIyI
>>776
巨乳ほど有利になりそう
いろんな意味で
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:01:39 ID:Bg4sg6Er
>>766
スーパーロボット大戦Wのブレスフィールド・アーディガン。
始原文明エスがあった前の宇宙から戻ろうとしたら銀鏡に捕まっちゃったという出だしで。
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:09:49 ID:4kKTM6A5
ローズオルフェノクのシャッチョさんなんか
ギーシュ戦が楽しそうだ

死人が大量に出るだろうが
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:19:48 ID:L3SC4e0P
社長よりグレートに大統領をだな
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:23:04 ID:TJuvXlve
>>780
段階評価で貴族はどれだけの評価をもらえるだろうか
あのシャッチョさんはどのくらい強いんだっけ?
前社長の山羊の人がドラゴンオルフェノク相手に渡り合えるのは覚えてるが
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:24:19 ID:zAy+lk/r
次スレは大丈夫なの?
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:25:26 ID:IL72eUL/
>>781
 異星人のUFOに戦闘機の編隊を率いて突っ込む、有り得ない綺麗な大統領を「インディペンデンス・デイ」から召喚
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:30:24 ID:HY6EVYiM
アポカリモンとかどうだろう
知らない奴はゆとり
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:34:03 ID:zIcT9kBH
>>783
またおまえかテンプレ読め
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:36:00 ID:zAy+lk/r
>>786
ごめん
回線切って首吊って死ぬ
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:36:40 ID:kcZM7xyA
>>782
トリプルライダーキック喰らっても死なないよあのシャッチョさん
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:38:43 ID:TJuvXlve
>>785
右手アポカリモン・頭脳ディアボロモン・はばかられるアルカディモン
一方ルイズはデビモンを呼んだ
こんな感じか
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:41:39 ID:BKNwkBj0
社長 島耕作を召喚

使い魔 島耕作となるが下半身で出世していき
騎士 島耕作などを経て
皇帝 島耕作に
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:48:20 ID:bmvYLaqC
いやむしろ
大王 島耕作で。
792名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:48:23 ID:FdSkd7Zj
>>780
それ以前に、ルイズが契約の時に死ぬかオルフェノクになってさあ大変と言う事になる。
つーか、後者の場合はほぼ間違いなくルイズはハルケギニアの人類にとって敵になるのが
目に見えてるからなぁ。
793名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 19:59:29 ID:yVHAuUHK
>>777
ルイズはVo系
シエスタ、テファはVoとVi系
キュルケはVi系
タバサはDa系
か?
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 20:07:47 ID:Bg4sg6Er
>>792
いや、スマートブレインがないから人間を襲わなくても大丈夫では?社長さえ懐柔してしまえば。

シャルルも実はオルフェノクだったりして。
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 20:15:59 ID:FdSkd7Zj
>>794
>社長を懐柔
正直、これが一番難易度高いだろうな。
そもそも社長自体が人間の使い魔やるようなキャラじゃないし。
契約破棄の条件知ったら速攻でルイズを殺しかねないしなぁ。
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 20:55:26 ID:kcZM7xyA
>>794
スマートブレインが組織ぐるみで人間襲ってるのはシャッチョさんの方針だぞ
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 20:56:38 ID:z6xxyLpn
555復活しないかねえ
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 21:22:52 ID:8+0sjT5Q
ファイズからなら
王が倒れた時に漏れたエネルギーで、寿命が延びたが人間に戻れなくなった馬フェノク
とか読んでみたい
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 21:34:31 ID:mSUC4lgT
>>798
テファに呼ばれて子供たちにお馬さんごっこさせられるキバさん想像したじゃねーかw
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 21:38:32 ID:kcZM7xyA
ファンタジーに眼鏡ってどうなのよって思って調べたら眼鏡ってかなり昔からあったんだな
おでれーた
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 21:42:55 ID:7JxzkzG/
>>798
ファイズ最終回後のヒーローショーでは確かそういう設定でホースオルフェノクが登場していました。

>>799
ほのぼのw

>>800
それこそ江戸時代にだってありますからね。
802Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 21:52:51 ID:eLoDl+An
10分後に投下したいと思います。
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 21:57:02 ID:t3+4lIyI
妄想する内に高木社長召還が楽しみになってしまった
それはそうと支援準備
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 21:57:52 ID:8AFnXvQ7
支援したいが腹痛があぅ
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:00:08 ID:3iCrhPyr
シャイなルイズが見れるのはFatal fuly―Mark of the zero―だけ
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:02:47 ID:zAy+lk/r
>>804
の代わりに支援準備
807名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:04:56 ID:3Rt/V0ET
シャチョサンもいいけど、琢磨(漢字合ってる?)とか面白そう。
ただ、どっかで「ヒィィィィィィィィ!!!!!」ってなるのは確実だけど。

それはそうと支援。
808Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:05:04 ID:eLoDl+An
 得体の知れない業を駆使し、ゼロの使い魔であるロックがギトーをのしたという話は、

あっと言う間に魔法学院中に広まる事となった。
 無理もない話である。ゼロのルイズが呼び出した、平民としか見られていなかった人物が、

学院の教員に歯向かっただけではなく、あまつさえそれを打倒したのだ。閉鎖的な空間では、

このようなゴシップ的話題は特に好まれるものである。
 そのあっと言う間に、の事だが、現在ルイズとロックは学院長室への呼び出しを喰らってい

た。

「確かにギトー君の指導にはやりすぎな感があったのは、私も否めなかったのじゃがな」
「「…………」」

 使い魔のしでかした事は主の責任。それくらいの事が分からない程ロックもバカではない。

第一、召喚されてよりそういった主旨の話をルイズから嫌と言うほど聞かされていた。
 少しばかり肩を落とし、オスマンの言葉を受ける。
 教え子を見せしめに仕立てようとしたあれに、強い憤りを感じたのは仕方ないにせよ、それ

にしてももう少しやり方はあったと思う。
 冷静さを常に保とうと考えていても、直情的な部分が表に出てしまう。自分がどれ程ガキ臭

いか、嫌でも思い知らされた。
 部屋に据えられた大きな卓の前に座り、パイプを吹かすオスマンは、ロックとルイズの沈ん

だ表情を眺めながら言った。

「授業の妨害、教員をぶちのめした。まぁ、結果だけ見てミス・ヴァリエールの今までの事を

考えれば、そう珍しいことではないのじゃがね。最も、不可抗力と言う前提が以前はあった以

上、今日の事は特別じゃなぁ」
「うっ」
「体裁としてはある程度取り繕わねばならんのが、大人の世界という事じゃ。しかし、今回は

おぬしらに重い咎めを与える為に呼んだ訳ではないよ」

 反省はあるにせよ、体裁という言葉を重要視する世界とは無縁に生きてきたロックにとって

は、やはり気分が良くない。めんどくせぇな、と腹の内で小さく呟いて彼は眉を潜めた。

「とはいえ、短い間の謹慎処分は受けてもらわねばならんのは、納得してくれるかね? ミス

・ヴァリエール」
「ええ……前代未聞の出来事ですもの。それくらいの事は覚悟していました」
「すまぬな。私としてもあまりこういう事はしたくないのじゃよ、本当はな。先も言うた通り

、示しという物がある」
「ええ、理解しています」
809名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:06:12 ID:7JxzkzG/
>>802
餓狼伝説?なら支援だ。
810Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:09:10 ID:eLoDl+An
 淀みない口調で答えたものの、ルイズの肩は震えていた。仕方のない事とは頭で理解していても、身体はダイレクトに反応を見せる。
 しかし、どこかすっきりとした気分があったのは否定できぬ事実であった。少し料理などの家事が上手い、ただの平民だと思っていた使い魔が、思いもよらず“強かった”のだ。
 杖も使わずに魔法の様なモノを使ったという事実に恐れを抱くよりも、ほんの少し誇らしい気持ちがルイズにはあった。

「話を聞くに、真っ向からあのギトー君とぶつかって倒したというらしいが、考えるだに些か信じがたい事実じゃのう。しかも、平民が、じゃ」
「証人なら数多くいますわ」
「わかっておるさ。しかし、なぁ」
「…………」

 値踏みをするかの様な視線を向けてくるオスマンに対し、肩を落としていたロックはその様子を変えた。
 いつも言われる平民という言葉を、殊更気にしていたつもりはなかったのだが、それも状況次第という事だ。溜まっていた苛立ちが真っ直ぐに言葉の矢になる。

「口を開けばどいつもこいつも平民平民。そりゃあんたらからしたらそうかも知れないがな……チッ、まぁいいや。で、いつになったら本題に入るんだい? 爺さん」

 痺れを切らしたかの如く、両手を頭の後ろで組んでロックが言う。
 発したロックの尊大な言葉遣いに思わずルイズは声を上げた。

「ちょ、ロック!?」
「ふむ、少しもったいぶってしまったかな?」
「こういう場所は苦手でね。出来ればさっさと部屋に帰っちまいたいんだ。聞きたい事があるなら早く言ってくれ」
「失礼な物言いは止めなさい! ロック!」

 眉を八の字にしたルイズの叫びにロックは答えない。
 彼の赤い瞳が、一直線にオスマンに突き刺さっている。ぴりぴりと肌が痺れるのをルイズは感じた。
 それがロックの身体から発せられる目に見えぬ圧力による物だという事に気づいた時には、既に背中を冷たい汗がぐっしょりと濡らしていた。
 真正面からそれを受けて尚、薄く口元に笑みを浮かべながらオスマンは、むしろ涼やかな顔を見せている。

「若いなぁ、ロック君」
「ちぇっ、こけおどしは効かないってわけか」
「私も無駄に歳を食っておるわけではないという事じゃ」

 餓えた狼の様な気を放っていたロックは、それを瞬時の内に霧散させてため息をつく。
 どこまでも不遜な態度を取るロックに対し、ふふんと鼻を鳴らしてオスマンは吹かしていたパイプを卓の上に置いた。
 甘い香りを放っていたそれは、程なくして中の火が消えたのか、吐き出す煙を止めていた。
 数十秒程の無言の時が流れる。視線を絡め合わせたままの二人に、ルイズはどうすればいいのか分からない。
 そのまま数分が過ぎ去った頃――先に動いたのはロックの方だった。
 弾ける様にして立ち上がり、声を上げる。

「烈風拳!」
「エア・ハンマー!」

 しかし、風が唸ったのはほぼ同時であった。ロックの振り上げた左腕が地を走る風を生み出し、オスマンのかざした杖が空気の塊を発射した。
 ぶつかり合ったそれらが、この場にいる三人の耳にきぃんと残響を残す。

「こういうのが見たかったんだろ?」
「確かにそうじゃが、合図も無しとは随分と乱暴じゃなぁ……」
「よく言うぜ。こっちの呼吸まで読んで、完全に合わせて来たじゃねぇか」
「若いのに結構な場数を踏んでおるのじゃな、少し感心したわ。いや、何、まぁ一応、それは見た事があっての」
「何だって?」
811名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:10:13 ID:zAy+lk/r
支援
812名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:10:44 ID:7JxzkzG/
伊達に年は重ねていな……って、何だって?
支援。
813Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:11:46 ID:eLoDl+An
     ※

 風のメイジであり、トリステイン王立魔法学院の教師でもあるギトーが唸りながら目を覚ましたのは、夕暮れも近づく頃の学院の医務室であった。
 水の秘薬などの独特のにおいが鼻につき、体を起こそうとすると、胸骨の辺りがミシリと唸り、うずくまるようにして押さえ込んでしまう。
 押さえ込んだ手が更に胸骨を圧迫し、痛みが更に増すものの支えが無いと心細い。しかし、それによって堂々巡りのように痛みが増していく。
 呼吸を整えてようやく落ち着いたのも、十分ほどうめき続けた後の事だった。
 無理に前にかがむと痛みが増すと判断したギトーは、枕を背中に詰め込んでゆっくりと体を預けた。
 幾分か楽になった事を確認すると、そもそもなぜこのような事になっているのかを思い出し――歯噛みをした。
 ラ・ヴァリエール公爵家の息女が呼び出した使い魔。それに一撃を食らわされて昏倒してしまったのだと思い出す。
 考えてみれば不覚の一言に尽きた。
 軽く様子見にと生み出した風の魔法は風なのだろうが風ではない、そんな不可思議な衝撃にかき消された。
 恐らく、使い魔ではなく貴族としてトリステインにあれば魔法衛士隊にすら入れるだろう実力は、悔しいが認めなくてはならない。少なくとも、自分に勝った相手なのだから、それくらいでなくては。
 しかし、そのような相手に対する戦い方ではなかったと、ギトーは深く反省する。油断と慢心は今更言い訳にならぬ。
 尤も、ギトーはそもそも軍人ではない。貴族ではあるから、有事の際には戦場へと立たなくてはならないが、実戦を十分に経験した訳ではないのだ。

「……これからの授業、どうしたものかな」

 実のところをいえば、ギトーの性質は常に生徒に見せているような高慢な性格だけという訳ではない。
 風のスクウェアメイジでこそあるものの――いや、だからこそ、それ以上に肩身が狭い思いをしているのだ。
 それは同年代に同じく風のスクウェアメイジでありながら、魔法衛士隊の隊長にまで上り詰めた男がいるからである。
 そのため、スクウェアでありながら、人物を評する際に引き合いに出される者の背中が遥か遠い。
 評価はされる事はされている。しかし、自身の高いプライドが劣等感によって少しでも塗りつぶされるのが耐え難い。
 それが現在のギトーの暗い、鬱屈した雰囲気を生み出しているのだった。

「ああ……参った。威厳がなくなってしまう」

 今後の事を考えると憂鬱になる。
 今までのような高圧的な物言いでは、恐らくこれまで以上に生徒はついて来るまい。
 教育に熱心という訳ではないが、それでも必要な事は教えているつもりだった。教師という立場を選んだのは自分なのだから。
 だが話を聞かれないようになってしまえば……。
 そう考えると、やはり教師としてあったギトーは悩んでしまうのである。
 しかし、不意にギトーはあの使い魔の事を思い出す。

「……確かに強かったが。接近戦ばかりだったな。
 あれでは、実戦慣れした魔法使いには苦戦するだろうに」

 これは何も負け惜しみではない。
 風の魔法を最強と言った所以とは、他の魔法には及ばない戦略的な戦い方が出来るという点につきる。
 個人の戦いですら数で押す――遍在の魔法によって。
814Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:13:34 ID:eLoDl+An
 キュルケ・ツェルプストーは考える。
 如何にして相手を篭絡するかを。
 ギトーの挑発に載せられ、迂闊にも大怪我を負いかねない魔法を放たれた時の事。
 あの時守ってくれたロックの背中に、今までの相手をしてきた貴族連中とはまるで違う魅力を感じたのだ。
 柔らかな毛や、気品高く感じる事も出来る白い肌に、整った顔は貴族然としているがそのワイルドな振る舞いは、キュルケが相手をしてきたお坊ちゃま連中とはまるで違う物だ。
 庶民に身を任せればそのような振る舞いをするものもいるかもしれないが、しかしそれとはまるで違う、一種の気高い獣だろうか、そのような魅力がロックにはある。
 かと思えば、腕を振り上げた時にちらりと見せる臍であったり、隙を見せるような可愛らしさもある。
 使い魔として呼び出された当初に迫った時の、あのうろたえ様ったらありはしない。

「ロック・ハワード……」

 確かにあのルイズが呼び出した際から魅力を感じていたのはある。
 しかし、それは単純に味見をしたい、といった指を咥えるような想い。
 だが今感じているのは、手に入れたいという空腹感にも似た想いである。
 そうなれば善は急げだ。
 授業が中止になった事で、一時的に生徒は教室が落ち着くまで待機という事になっている。
 今のうちに風呂に入り、身だしなみを整える事にしよう。
 この微熱のキュルケ、恋に熱が入れば、南国のように相手を蕩けさせて見せる。
 ましてそれがラ・ヴァリエールの使い魔だというのなら尚更の事、であった。

「ふふ……待っててね、ダーリン」




 厨房のマルトーは燃えていた。
 何をといえば、料理人の魂がである。
 先日より度々厨房にやってくるロックという青年の作る料理が、賄いとして人気を博しているからだ。
 パンに野菜や肉を挟んだだけかと思えば、時折自作のドレッシングのようなものを付け加えたりして、これが中々妙味となっている。
 多くの手間をかけずにあの味。それが悔しいのだ。

「このマルトー!
トリステインの城下町でレストラン経営から名を馳せ、宮廷料理人を経て魔法学院にやってきたんだ。
そう簡単に心を掴まれてたまるかい!」

 恐らく今日の昼にもまたあの「クラブハウスサンド」とやらを作りに来るだろうと、マルトーはどっしりと構えて準備をしていた。
 マルトーには秘策が存在していたのだ。
 まずパンを四角く焼くのではなく、ベーグルやコッペパンのように、平たく丸く、そして柔らかく焼き上げる。
 次にそれを真っ直ぐ横に切って、バターを塗り、新鮮なレタスに、これまた焼きたてのハンバーグを挟むのだ。
 無論このハンバーグも薄く焼き上げ、これらを一挙に挟んだ時にかぶりつきやすいサイズにしておくのを忘れない。
 ロックが時折口にしていた「ハンバーガー」なる料理法を、聞きかじっただけで再現してみせたのだ。調味料の配合も問題ない。むしろ、ロックの作った物に比べて味わいは深い筈だ。
 あの野郎の驚く顔が目に見えるぜ、とマルトーはほくそえむ。

「しかし、遅いな」

 冷めちまうじゃねぇか、とマルトーは気が気でない。
 貴族用の昼食の準備もあるのだし、早く来てくれなくては何も出来ないではないか。
 ルイズとロックがオスマンにつかまっている事など露知らぬマルトーは、そのままタイムリミットが来るまで待ち続け、大層憤慨してしまった。
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:13:39 ID:uVrwjfMD
支援
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:14:16 ID:3iCrhPyr
支援
817名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:14:29 ID:7JxzkzG/
ロック君愛されてますなぁ。
支援。
818Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:15:37 ID:eLoDl+An
     ※

 オスマンの発した言葉に、ロックはその端整な顔立ちを驚愕に歪めた。
 “烈風拳”を見た事がある?
 あの老人が言うにはそうなる。それは即ち……

「十年も前の事じゃが、今もはっきりと目に焼き付いておるよ」

 ロックに背を向け、オスマンは窓の外、その遥か遠くへと視線を移して言った。
 わなわなと身体を震わせるロックは、オスマンの背中を吊り上げた目で睨み付けながら続く言葉を待つ。

「縁とは奇妙なものじゃなぁ」

 しみじみと言うと、オスマンは訥々とした口調で語り始めた。

     ※

 寒気も深くなり始めた晩秋の夜。
 オスマンは馬車の車輪を背もたれに、一人焚き火と酒で身体を温めながら、輝く二つの月を眺めてぼんやりとしていた。
 魔法学院の院長ともなると、付き合いという物が多々ある。その野暮用で向かったトリスタニアからの帰りの出来事であった。

「ついとらんな……」

 老いた馬車馬が足を故障し、小さな林の中で足止めを喰らっているのが現状だ。
 付いていた御者が、代えの馬を手に入れようと走り出したのだが、彼が馬を連れて戻り、再出発をする頃には夜が明けているであろう。
 老骨に野宿は堪えるのぉ、と一人呟いて、オスマンは酒瓶を傾けた。
 ばちばちと火が燃える音と、静かに吹く風の音だけが耳に残る。雲ひとつ無い空に、浮かぶ双月は眩くすら感じた。
 そんな中ふと、静謐な空間を引き裂く様な音が耳をついた。

「んぎぃぃぃっ!!」

 オスマンがこれまで生きてきた中で、幾度となく聞いた覚えのある声。オーク鬼の鳴き声だ。
 程よい酔いに包まれ、そろそろ眠りに就こうかと思っていた矢先の出来事である。オスマンは眉間に深い皺を寄せた。

「やれやれ」

 近くに縄張りでもあったのか、声が数が一つや二つの物ではない。
 そして、この声色は尋常の物ではなかった。
 通りがかった者が襲われているのであれば放ってはおけまい。まぁ、どうあれ、寝込みを襲われてはたまらぬ為、駆逐するに限るのだが……。
 地面に置いていた杖を拾い上げ、オスマンはよいせ、と声を上げて立ち上がった。

     ※

 声のする方へと向かったオスマンが見たのは、長年の経験から得た自身の知識や常識の範疇を超えた物だった。
 眼前に繰り広がっているのは、オーク鬼の群れの真っ只中それらを相手取って戦う、タキシードにも似た衣服を纏う一人の男の姿。
 ここまでならまだいい。メイジであればオーク鬼の群れを打倒する事も容易とまではいかないが可能だろう。事実、自身であれば何の問題という事もない。
 平民の兵でも訓練次第では不可能ではないのかもしれないだろう。
 しかし、オスマンにとって、いや、ハルケギニアの人間であれば到底信じられぬ事に、オーク鬼と対峙する男は無手であったのだ。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:16:40 ID:zAy+lk/r
支援
820Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:18:21 ID:eLoDl+An
「アァーハァッ!」

 呆然としていたオスマンがまず見たのは、二メイルはあろうかというオーク鬼の頭部に、男の回し蹴りが突き刺さった所だった。
 頭蓋骨のへしゃげる音と共にぐらついたオーク鬼の胸へ追撃の直突きを放った男は、振り返りもせずに背後にいた一体の顎に裏拳を叩き込んだ。
 瞬きする間もなかった。たったのそれだけで、屈強なオーク鬼を絶命に到らせたのだ。
 杖を持たぬ彼は、メイジではなかろう。しかし、先住魔法を駆使する亜人や、ましてオーク鬼などと同列の、人を超えた膂力の持ち主の類にも見えない。となれば、平民?
 それはあり得ない、オスマンは内心で呟いた。平民が素手でオーク鬼を圧倒するなどと。
 そんな事を考えている内にも、男は見慣れぬ体術を駆使しながらオーク鬼の殲滅をする。
 彼らが自身であつらえたのか、人の手には余るであろう重厚な棍棒が、肉厚な刃が、四方八方次々と繰り出される中、それらに対する男の動きに一切の淀みはなかった。
 蝶が舞う様な華麗さは無い。蜂が刺すような鋭さでは無い。無骨な、ただただ真っ直ぐに相手を倒すだけの技だ。
 紙一重で攻撃を避け、最短距離から拳、掌、蹴撃を打ち込んでいく。
 しかし、良く鍛えられているであろうと想像は出来るが、やはりオスマンにはその身体だけで男がオーク鬼を倒していく姿に現実味を感じられなかった。
 そばにいた数体を完全に沈黙させると、未だ十を超えるオーク鬼に、不敵な笑みを浮かべて男は呟いた。

「Come on」

 腕を組み、嘲るかの様な姿勢を取る。
 仲間の半数近くを一瞬の内に屠られ、動揺という形で隙を生み出していたオーク鬼は、男の挑発の動作に怒りを露にした。様々な得物を手にした彼らは、さながらスタンピードの如き勢いで男へと殺到する。
 オスマンは男の行為と、その後の表情に息を呑んだ。
 ――新しい玩具を与えられた子供の様な顔、正しく形容するには語弊があるが、オスマンにはそう見えていた。

「ハッ」

 鼻を鳴らし、男は立て続けに言った。

「You can not escape from death」

 低いが、良く通る声だった。 
 大立ち回りと呼ぶような事は起きなかった。まるで消化試合を見るかの如き。
 嬉々とした表情を浮かべていた男の顔が、飽きのそれに変わる頃、場に立っていたのはただ一人だった。
 返り血にまみれた顔を懐から取り出したハンカチで無造作にぬぐうと、男はつまらなそうに呟く。

「脳まで筋肉では、チンピラに毛が生えた程度だな」

 血で汚れたハンカチを足元に放り捨てる。
 静寂が訪れた。
 言葉も無いというのはまさにこの事か、開いた口の塞がらなかったオスマンは、ふと目を細めた。
 男から漂う奇妙な気配。邪悪とも取れるそれを感じ取った時、倒れていた一体のオーク鬼の体がバネ仕掛けの人形の様に跳ねた。

「いかん!」
 
 そこでようやく声を上げたオスマンは、咄嗟の詠唱で斧を男に振りかぶったオーク鬼へ、ファイアーボールを見舞った。

「……ッ!」

 オスマンの反応から一瞬遅れ、男の視線が背後にいたオーク鬼へと向けられる、それと同時に振り上げられた左腕。
 そこから放たれたのは、地を裂きながら真っ直ぐに這う一陣の風だ。
 ファイヤーボールの着弾によって、一気に炎に巻かれたオーク鬼が断末魔を上げる中、男の放った風がそれを沈黙させた。
 どう、と亜人が再び倒れたのを確認すると、遠く離れた場所にいた両者の視線が絡まる。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:19:24 ID:7JxzkzG/
ギース・ハワード?
支援。
822名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:19:44 ID:zAy+lk/r
支援
823Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:21:59 ID:eLoDl+An
「一応、礼を言っておくべきかな、ご老人」
「いや、何。余計なお世話だったのかもしれんがね」

 杖を構えたままのオスマンに対し、やや慇懃な態度でもって男は言った。大量のオーク鬼の死体を足元に置きながらでは、少しばかり異様ではあったが。平時の態度を崩さずオスマンは返す。 
 無論、驚きはある。特に、最後のあの男が巻き起こした烈風。知りうる限りでは先住のそれとしか思えぬものだった。
 警戒心はこれでもかという程に高まってはいたが、男から発せられた理性的な声に、それは少しばかり薄れていた。

「見慣れぬ格好をしておるが、旅の方かね? 随分な災難にあった様だが無事で何より」

 軽い口調で話すオスマンに、男は眉を潜めて言う。

「……とぼけておられるのか?」
「ばれるか」

 見たところ、男は着衣以外の荷物は何一つ持っていない。それで旅人などとは、冗談にもなりはしないだろう。
 オスマンが舌を出しておどけたのを見て、男の表情が少し緩んだ。空気を紛らわす為の一言だったが、効果的だったらしい。

「少しばかり用事があって来たまででね。すぐに帰るつもりだったのが、予想外の事態に巻き込まれてしまった」
「この様な場所へ用事かね? ここらにはなぁんにもありはせんよ」
「……燃えないゴミの処理が目的、と言えば少しは納得していただけるだろうか」
「それは厄介なゴミじゃのう」

 言いながら懐から男は一本の書簡を取り出した。
 それを目に留めたオスマンはふむ、と顎髭に手を当てて首を傾げる。

「……なかなかどうして、ゴミと言うには立派な物と見受けるが」
「人の役に立たぬ物であれば、それはゴミと言うべきではないかな?」
「極論じゃの。少しばかり、手に取らせてもらってもかまわんだろうか」
「…………」

 オスマンが言うと、男は無言で書簡を差し出した。
824Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:23:40 ID:eLoDl+An
「!?」

 手に取った瞬間、オスマンの背筋に冷たい汗がすっと流れた。
 何かとてつもなく嫌な気配がある。職業柄、呪われたアイテムなどを手にする事はあったが、その中でもとびきりの物を感じる。
 中身を開いても内容は理解できなかったが、危険だというのは嫌というほどに分かった。

「こんなものを野に捨てては、いかんな」

 素直な感想を言った。

「……あなたもそう思うか」

 男も同様だったのだろう。忌々しげな視線を書簡に注いだ。

「しかし、そろそろ門限でね。どうしたものか」
「私は大きな倉庫を持っておるのじゃ」
「?」

 唐突に言い出したオスマンに、男は眉を潜めた。

「捨てるよりは、こういう物はそこで管理をしておいた方がいいと感じたのじゃが」
「引き取ってもらえるのならば、それに越した事はないが」
「よろしい。ならば、私に処理は任せておきなさい」
「随分とあっさりしている」
「面白いものを見せてもらったからのぉ」

 書簡に対する危うさのせいもあったが、それに好奇心が働いたのも事実。
 オスマンは鷹揚に頷いてみせると、書簡を懐にしまい込んだ。
 男がふう、と息をつく。

「先ほどの事も含め、改めて礼を言わせて貰う」
「気にせんでいい。さっきも言った通りじゃ」
「……不思議な人だな」
「よく言われる」

 互いににぃっと唇をゆがめて、笑みを交わす。最も、男の笑みは和やかとはお世辞にも言えなかったが。
 しばし無言の時が過ぎ、男が口を開いた。

「では、私はそろそろ帰るとしよう。門から締め出されたら事だ」
「っと、その前にいいかな?」
「何だろうか」
「私はオスマンと言うのだが、名前を、聞かせてもらっても構わんだろうか? 何、ちょっとした好奇心じゃよ」
「名前か……私は」

     ※
825名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:23:59 ID:dgHXj3+/
>>820
>「You can not escape from death」

口語でこれはないw
英語できんなら日本語にしたほうがいいよ。
826名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:25:44 ID:rPLar/EE
原作のセリフだぜ?それ……
827名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:26:30 ID:zAy+lk/r
>>825
「You can't alive」
とかそんな感じかなあ
という保守
828Fatal fuly―Mark of the zero―:2008/10/02(木) 22:27:54 ID:eLoDl+An

 オスマンの語った過去を聞き、ロックは複雑な表情を浮かべていた。
 色々な感情が混ざり合い、どうしていいのかが分からない。

「いかんなぁ。喋りすぎて喉が痛いわ。ま、感慨深くてな、話なぞをしておきかったんじゃ」
「…………」
「年寄りの昔話につき合わせて悪かったのぉ。退室しても構わんよ」
「え、あ、はい」

 ルイズが答えて、黙りこくったままのロックを引きずる様にして学院長室を後にする。
 何か言いたげなロックの視線をあえてオスマンは受け流していた。
 卓に置いていたパイプを手にし、葉を詰め火を点ける。

「似とるなぁ。同じ姓で、あれか……」

 過去の男の姿を思い返しながら、オスマンは一人呟いた。

「関わりが無い訳、ないじゃろうなぁ」

 姿形では無く、男の放っていた邪気の様なもの、それがオスマンの脳裏を過ぎっていた。

     ※

 目下ルイズは悩んでいた。
 悩んでいたといっても、別に勉強の事であるとか、珍しく自身の魔法についてである事ではない。
 では何かといえば、それは使い魔であるロックの事なのだ。
 先日のオスマンの話以降、ロックは難しい顔をする事が多くなってきている。
 ただでさえ、ギトーとの戦いで生徒からは遠巻きにされているというのに
 そんな顔をし続けていれば余計に距離が開いてしまう。
 それはルイズにとっても良くないことだ。
 どちらかといえば、ロックを回りに認めさせたい。
 そして少しでも自分を魔法使いと認めてもらいたい。
 そんな打算もあったが、何より、ロックが難しい顔をしていると、なんだか心がざわついてしまうのだ。
 虚無の曜日にあたって、ルイズはそんな状況を打破するために行動を起こす事にした。

「ロック、町まで出かけるわよ!」
「……はぁ?」

 朝の厨房。
 戦場ともいえる学院生達の朝食の時間まであと少しという、短いコックとメイドたちの憩いの朝食時間。
 そんなとき、勢いよく扉を大きく開けて、何故か暢気に朝食を摂っていたロックに話しかけたルイズに、厨房の一同は目をぱちくりとしてしまった。

「気分転換よ、気分転換。
 たまには外に出ないと腐っちゃうわ」
「……いや、別に構わないけどな」

 ロックが呆れたまま、ルイズの提案に消極的賛成を示した。
 尤も、馬で二時間も王都まで出かけたとき、ロックは青い顔をして神に呪詛を呟き続けていたのだが。

「俺のバイクが恋しいぜ……」


     ※
829名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:28:34 ID:3iCrhPyr
いいんだよ、どっちだって
どうせオレらの大半は英語の用法の正しさなんて分からないんだから
支援
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:29:18 ID:zAy+lk/r
漢は黙って支援だった
しえ
831名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 22:29:43 ID:dgHXj3+/
>>826
ネイティブからするとはぁ?ってのが多いよ
まぁ納期あってないような業界だし
いちいちチェックなんてしてられんのだろうけど

受験英語の会話文でさえ未だにええ加減なの多いよな
832Fatal fuly―Mark of the zero―
「……ベリーの……ドライスナックか。珍しいな」
「クックベリーパイには及ばないんだけどね。あんたのせいかしら、こういうチープな味わいもおつかなって思っちゃったのよ」
「俺のせいなのかよ、それは……ったく、女の子ってのは扱い辛いな……」

 ――そんな王都にくるまでの騒ぎも、腹が膨れてしまえば忘れ去っていく。
 ロックとルイズが大通りから少し外れた場所の屋台に顔を出していた。
 大通りから少し離れた場所ではあるが、まだまだここも大通りの一部といえ、景気のいい声と、品の良い顔が揃っている。
 良い匂いが漂ってくるが、ルイズにしてみれば今まで縁の無い場所ではあった。
 しかし、最近のルイズはロックのクラブサンドを始めとして、平民の食べる食事を少しずつ好むようになっていたのだ。
 代表的なのがこういったドライスナックである。
 ドライスナックといっても、現代のようなものではなく、いわば干し柿やそういった類のものを焼き上げたスナックなのだが、これが意外と深みのある甘味を持ち、良い塩梅に仕上がっているのである。
 単純だからとバカにはできない。ロック自身、そういった料理を作る事も多いから、妙に納得がいく。
 原始的な味だからこそ、ルイズもロックも顔を顰めずに食べ歩く事が出来た。

「うぇ……何よこれ。油っこいわね」
「……魚料理なんだろうけど、ちょっとべたつくな。まさかこの世界に来てフィッシュ&チップスを食べるとは思わなかったよ」

 とはいえ、当たり外れもあるわけで、こういったどうしても食べられない物も出てくる。
 そのたびにルイズはロックに押し付けるため、男の腹とは言えど、ロックはルイズよりも先に満腹になり始めていた。

「あ、あれ美味しそうね」
「また甘いのかよ。もう少しメシらしいもんを食べようぜ。舌がバカになっちまう」
「何よ、甘さにだって変化があるわよ。美味しいものは少しずつ、色々と食べるのがいいのよ。同じものを食べ続けてたら飽きるじゃない」

 言ってから、ルイズは少し顔を顰めた。
 なんとなく、この発言が昔聞いたツェルプストーの言い分に似ていたからなのだが、ロックはそんな事知る由もない。
 ルイズの機嫌が悪いのを見て取り、なんとなく居心地が悪くなって慌てて話題をかえるのが精一杯だった。

「ま、まぁ外に出るのもいいもんだな。学院も大概広いと思っていたけれど、やっぱり外は違うよ。街に出てくると気分も晴れるもんだ。ありがとうな、ルイズ」

 その言葉に、不意にルイズが頬を赤くしてそっぽをむいた。
 何やらぶつぶつと呟いていたようだが、流石にこの喧騒の中では聞き取れない。

「お、ルイズ。チキンフライだって。腹に溜まりそうだから食べてみようぜ」
「……何よ。ちょっと嬉しかったのに。で、チキンフライ? 嫌よ、さっきの魚でこりごりだわ」