あの作品のキャラがルイズに召喚されました part160

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part159
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1217722582/
まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

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    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


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     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ       本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
               ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。


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   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’      ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
               SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
               レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。

2人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:46:26 ID:DXmJHwny
「ふぅむ……精霊の力と契約している生き物が知りたいとな?」

背中から朝の日差しを浴びて、豊かな髭を蓄えた老人が座っていた。
色黒な肌から生える白いひげを手で撫で、しげしげと目の前の青年を見つめている。

「ええ、すいません、学院長」
「いやいやかまわんよ。むしろ生徒でもないおぬしがそうあらたまんでもいい」

頭を下げる青年――瀬川に穏やかな笑みで返答。
年を経ることで節くれだつとともに強くなる、年老いた樫の木と言った雰囲気のこの老人こそが、
トリステイン魔法学院の学院長、オールド・オスマンその人だった。

「今日は一日中暇での。時間は持て余しておる。……ふむ、生徒には教えられない特別授業、と言ったところかの」

その大きな杖を軽く振ると、背中の窓がぐにゃりと姿を変え、光を通さぬ黒板となった。
さらに、引き出しの中から白いチョークを取り出すと、愚痴なんだかよくわからない言葉を言ってきた。

「学院長になってから、書類仕事ばかりで教鞭をとれなくなって久しいのう。
 教師の本懐は人に教えることにあると言うのにえらくなればなるほど生徒と向き合えんとは。
 いまでは生徒の顔が金に見える始末じゃ。」

そこまで言うと、小さく咳をひとつつき、真剣な顔になってオールド・オスマンはチョークで黒板に文字を書きつつ話し始めた。

「一口に契約する……とは言えど、精霊によってまったく違う。例えば水の精霊ならば、特定の処置を行ったカエルなどが契約することが多い。
 このカエルを通して、人間は力の一部を貸してもらうわけじゃな。確かどこかのクラスの娘で、そういうことをやっとる家もある。
 火竜山脈の生き物の多くが炎の精霊と契約しておるし、あそこの奥には火韻竜がいるとも聞いたことがあるの。
 当然じゃが、火韻竜は炎の精霊と強い結びつきがある。
 風の精霊は、東の砂漠で触媒にもなる『風石』が多く見つかることから東方に多く力が振り分けられていると言われとる。
 証拠ではないが、ガリアのほうでは鳥人と言われる種族が森にいるそうじゃ。
 地の精霊の力はもっともよく見る。おそらく、それだけ生き物と結びつきが強いのじゃろう。
 地の精霊の力の行為者でもっとも恐れられているのは、大陸どこでも広く知られておる吸血鬼ということからもこれがうかがえるの。
 ほかの精霊と契約しておきながらも、地の精霊の力を使いこなすものは多い。植物を一気に成長させたり、石や岩を自在に操るなど、使い方も多彩じゃ」

すらすらと学院の大図書館にもない真実を語るオスマン。
よどみなく放たれる豊富な知識の量に、瀬川は圧倒された。
フーケの一件から、どこか抜けたご老人のように見ていたが、内実それは間違いだったと思い知らされる。
ただの好々爺がここまで責任ある地位まで上り詰めることがあろうはずがない。
この老人は、都市と地位に裏打ちされた実力の持ち主なのだ。

素人の分かりやすいように、こまめに具体例を織り交ぜながら話を続けるオールド・オスマン。
300年の月日の間どれだけ教師を務めていたかをありありと感じるわかりやすさだった。

「さて、精霊の力と契約している生き物の話となると、絶対に外せぬ生き物が二つある。それは何じゃと思う?」

話をある程度進めた後、オールド・オスマンは振り返って、黒板を背に瀬川に問いかけた。

「ええと……もう話題に出ている生き物ですか?」
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:46:55 ID:ANj342hI
支援
4人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:46:59 ID:DXmJHwny
流石にほぼノーヒントでは答えがわかりようない。瀬川はヒント欲しさに聞いてみた。
そんな瀬川を見て嬉しいのか、オールド・オスマンは手の中でチョークを転がしながら切り出した。

「片方はまったく話題に出ておらぬ。もう片一方はその生き物の一部だけ挙げておるの」

頭をかいて、少し悩んだ後、相手をうかがう声の調子で、瀬川は思い付いた答えを口にしてみる。

「エルフと、韻竜……ですか?」
「正解じゃ!」

これにはちょっと予想外だったのか、喜びと驚きの混じり合った声を出すオールド・オスマン。

「さよう、彼らは精霊の力を知る上で大きな意味を持つ。
 エルフは、『後天的で多様な力を使いこなす』。韻竜は、『先天的で特化した力を使いこなす』。
 対極の意味をもつわけじゃな。では、これについて話して行こうかの」

黒板の左右を分けるため、中央にまっすぐ白い線を引くと、まず左側にオールド・オスマンは歩きだした。

「先ほど、特定の生物が特定の精霊の力と結びつきが強いことを言ったの?
 だが、唯一これを覆す生き物がおる。それが、エルフじゃ。彼らは、その場にいる、土、風、火、水といったすべての精霊の力と契約し、行使できる。
 だから、風を起こしながら、土をゆがめて武器にし、火を弾くと同時に傷を治すことができる。
 この特性を利用し、あらゆる攻撃をはじき返すことすら可能なのじゃ。その力を『反射』と呼ぶこともある」

黒板の左上にエルフという文字を一つ書き、その上に描かれた土、風、火、水のシンボルマークと四つの矢印で結ぶ。
そして、今度は黒板の右側へ。

「次に、韻竜。彼らは、使える精霊の力の幅が狭い。その代わり、結びつきの強い精霊の力に関しては、他の種族に及び付かぬほど力を持っておる。
幼い韻竜ですら、スクウェア・クラスの魔法使いが到底できない芸当をあっさりとやってのける。
 ああ、ひとつ言っておくが、効果は似ておっても、系統魔法では水だが先住魔法では風というふうに違うものもある。
 炎を生み出したり、傷をいやしたり根源的なものは同じようじゃが」

黒板の右下に、火韻竜、風韻竜、水韻竜、土韻竜と書くと、その一つ一つを対応するシンボルマークと今度は結び付けた。
その後、黒板の余白を上下に分担するように、横一文字に線をオスマンが引く。

「次は、その力を手にする時について説明しよう。エルフなどは、複雑な力を使いこなせる代わり、最初から使いこなせるわけじゃないのじゃ。
 人間と同じように知識を学び、使うことによって研鑽し、そのうえで初めて可能になる。故に、精霊の力を使える量も千差万別。
 だから、エルフにはすさまじい力を持つエルフは小国を数人で滅ぼす、などと言われる。
 すさまじい力という形容は、当然すさまじくないエルフがいるからこそ言える言葉じゃ」

黒板左下に、「後から覚える」と書くと、さらにオスマンは話し続ける。

「逆に、韻竜などは初めからある程度力を使いこなせる。人から教わらずとも力を行使できるため、幼子でも当然のように使える。
 もちろん、使うための詠唱の韻は学ばればならんが、それさえ知ればいつでも使えるのじゃ。
 言うなら、わしらが歩くのと同じ、鳥が飛ぶのと同じこと。いちいちなやんだりせん」

黒板右上に、「最初から使える」とオスマンが書くと、黒板がすべて埋まった。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:47:08 ID:z+wvjAyG
>>1乙
6人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:47:55 ID:DXmJHwny
左上は、様々な力を使うことを示す図。   右上は、「最初から使える」の文字。
左下は、「後から覚える」の文字。     右下には、単一の力を使うことの図。

「もう分かったかの? すべての精霊の力を使う生き物は、この図のどこかに当てはまる。
 しかし、エルフと韻竜はそれが極端に偏っておるのじゃ。だから、例としてはわかりやすい」

もちろん、と言葉の頭につけてから、オスマンはこう言って締めくくった。

「皆が極端ではない。例えば、鳥人は、風だけでなく土の力も僅かに使える。ある程度は生まれながらに使えるが、複雑なものは学ばねば習得できない。
 むしろ、鳥人のように、この図の中央付近の生き物のほうが圧倒的に数としては多いとわしは思っておる。
 ……だが、おそらくおぬしは、かなり極端じゃ。エルフと同じく、すべての精霊と通じうる力を秘めており、生得的に精霊の力の流れを知っておる。
 ある意味、理想じゃな」

黒板の中心に近いところを赤いチョークでぐりぐりと円を描くように塗り上げるオスマン。

「すごい……」

瀬川は呆然と呟いた。
口に出すと、その驚きが余計に胸に込み上がってきて、興奮気味に瀬川は立ち上がった。

「すごいですよ、学院長! 図書館の本も、ただ先住魔法としか書いてなかったのに、これほど知ってるなんて驚きました!」

興奮する瀬川を見て、また髭を撫でつけた後ほっほっほと笑うオールド・オスマン。

「伊達に人の4倍も5倍も生きとらんよ。若い時は恐れ知らずで、禁忌と呼ばれたものにまで首を突っ込みながら研究して旅したものじゃ」

ありがとうございます、と何度も何度も頭を下げる瀬川に、しれっとオールド・オスマンは言った。

「まあ、ここ1週間の風韻竜の授業よりはためになったじゃろう? 
 初めから当然と思っておるものを人に伝えるのは難しいものじゃ、わしの半分程度しか生きておらんのに彼女も彼女なりにやっておる。仲良くの」
「……え?」

出て行こうとドアのノブをつかんだまま、硬直する瀬川。
しかしそんな瀬川を尻目に、飄々とオールド・オスマンは水煙草をくわえ、虚空を眺めて独り言のように呟いた。

「まったく、精霊について知らんせいか韻竜についても最近の若い者は知らん。しゃべらなければただの竜と思ってすらおる。
 まあ、おかげで正体を隠し通せるのは言え、教員までそれでは情けないの。見る人が見れば分かるものだというのに、じゃ」

器用にパイプをくわえたまま、口の端をつり上げるオールド・オスマン。
この老人、本当に底が見えない。というか、全部が全部、お見通しだったのだろうか。
シルフィードが韻竜だと見抜いていただけではなく、自分がシルフィードと会っていたことまで知っているとは。
7人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:48:39 ID:DXmJHwny

「ほれ、食べ物だけでは女性に失礼というものじゃ。これを持って行きなさい」

大きな引き出しから紙袋を取り出し、杖を振る。すると、紙袋はふわりと浮きあがって瀬川の胸元にぶつかった。
しばらくその紙袋を眺めていたが、そのままにしておくわけにはいかない。両手でしっかりとつかむと、紙袋は浮力を失った。
手応えが、柔らかい。どうやら、何か金属や木材ではないようだが、いったい何が入っているやら。

「あの、中身を改めさせてもらってもいいでしょうか?」
「ええとも、ええとも」

うんうんと頷くオールド・オスマンを見てから、紙袋を開いてみた。
この老人が、危ないものを入れるはずがないとは思うが、何も知らずに渡してまずいものだった時が困る。

「これ……ッ!?」
「ほっほっほ。それならよく似合うじゃろうよ」

出てきたのは、一着の服だった。いや、ただの服なら瀬川も驚きはしないだろう。その服は、明らかに普通という範疇とは逸脱していた。
ぶっちゃけた話、かなり肌を包む面積が少ない。空色をしているが……これは『地球』で言うところの『スクール水着』に近い。
どう見ても、平時に着て歩ける代物ではないだろう。ルイズと一度首都にいったことがあるが、こんなもの着ている人はいなかった。
いや、何か理由があるのだろう。そう思い、意図を知るためオールド・オスマンとこの服とで視線を行ったり来たりさせる瀬川を見て、オスマンが笑う。

「いやいい服じゃろ? この間、首都の端にある川辺の酒場に行ったらそれを給仕の娘たちが着とったんじゃ。
 なんでも、火事の時でもその服のまま川に飛び込めるすぐれものじゃぞ?」

前言をとても撤回したくなる瀬川。この老人、ちょっといろいろな意味で元気がありすぎる気が……。
服をたたみ、紙袋にいれたあと、神妙な態度で紙袋を指でテーブルの奥に押し出す。

「お断ります」
「なんじゃ硬いのう。わしの10分の1も生きてないのに」

瀬川の言葉に唇をとがらせながら、袋をしまうオスマン。
やれやれと思いながら、一礼して瀬川はドアを今度こそ開ける。


「少しずつ馴染むことじゃの、この世界の精霊にも……この世界とも」


瀬川が去ったドアを見つめ、オスマンは厳かに呟いた。




瀬川はその日の昼、いつもと同じように、森の中でシルフィードにあって授業を受けていた。
もっとも、授業と言っても講義の形式は最初の4日ほどで、ここ3日ばかりは実地訓練と言うべきものだったが。

「それじゃ、行くのね!」

シルフィードが、大きな朽ちた木の破片を口にくわえて、瀬川に投げつける。
瀬川は、飛んでくる巨木との距離を測った後、静かに浅い呼吸を繰り返し、ゆっくりと前に手を突き出した。
瀬川の全身が、僅かに光ったと思えば、光は生き物のように突き出した腕に集まっていく。

「ふっ!」

息を吐いた瞬間、腕と木が激突する。
しかし、木は跳ね返ってどこかに飛ぶこともせず、一瞬虚空に停止した後、垂直に落下した。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:48:51 ID:ANj342hI
1乙
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:49:28 ID:Mt+sYeo+
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

http://rein4t.blog123.fc2.com/
10人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:49:38 ID:DXmJHwny

「すごいすごい! もうだいぶ精霊の力を使いこなしてるのね! やっぱり先生がいいからよ! きゅいきゅい!」

シルフィードが人間の姿になったあと、側に駆け寄ってきて、手を広げて嬉しそうに言った。
瀬川は先ほどの感覚を確かめるように、一二度を開いたり閉じたりしてみた。

「……よし」

もともと、地球の精霊全てを操り、7000万年以上の歴史を見守ってきた大神官ブレンに匹敵する潜在能力をもつ瀬川は、初歩の初歩なら早くも使いこなせつつあった。
もっとも、精霊たちは力をあまり貸してくれない以上、体の中に循環するJパワー――すなわち精霊力――を特定部位に集め、変化を加える程度だが。
元々、変身後は精霊の力を体に集めることで力を増強していた。
変身後は圧倒的な精霊の力を大雑把なコントロールで腕や手に回すだけだったのを、生身状態の僅かな力で再現してるのだ。

「これなら、たぶんすぐ『反射』も習得できると思う!」
「だと、いいけどね……」

瀬川は真っ先に習得しようとしたのは、『反射』だった。
いや、『反射』という名を知ったのは数日前シルフィからだが、それ以前から瀬川はこれを覚えようとしていた。
何故か?――その理由は簡単だ。元の世界でも瀬川はこの世界で言うところの『反射』を纏って戦っていたからだ。
元々、瀬川は変身することで精霊力による爆発的なパワーと精霊の鎧ともいえる加護で相手の攻撃を弾いて戦う。言うなれば重装な鎧と巨大な剣で敵を蹴散らす戦いをもっとも得意とするのだ。
そして、その加護とは『精霊の力を纏って相手の攻撃を防ぎ、こちらの精霊力も上乗せして相手に跳ね返す』。
――そう、まさしくこの世界の『反射』と原理原則が完全に一致してる。
奇しくも、別の世界でありながら精霊を使った高位の戦闘方法は同じだったのだ。

元々、変身前、変身後の違いはあるとはいえ前からやっていたことなのだから、習得が早いのも当然だろう。

「でも、やっぱりこの世界の精霊の力をもっと借りれなきゃ、反射できるものにも限度がある。どうにかしないと……」

さらに、その場で変身の姿勢を作り、意識を集中させる。
周囲の精霊の力の流れを感じ取り、体の奥底にそれが流れ込むことをイメージする。

「変………身!」

初めてシルフィとあった時の、数倍の光が集まり、瀬川に集中する。だが、保てたのはまだ短い時間だった。
もちろん、変身は完了していない。
――体内の精霊の力をコントロールできても、流れを読めても、所詮は小細工。少しは増やせても、変身できるまで流れ込む力の量を増やせるわけではない。

「きゅい……」

若干気落ちした声でシルフィが啼いた。変身できない責任を自分にも感じているのかもしれない。
もっとも、そんなものシルフィにはないと瀬川は声をかけたが、答えはない。

精霊がそうそう簡単に力を貸さないのは、本来正しいことなのだ。
かつて『地球』で彼が不覚を取り、ドラスという存在に吸収された時は精霊が力を彼に貸す性質を逆に利用され、強大な化け物を誕生させてしまった。
巨大なねじくれた神樹の如きドラスの異形は、ドラスとの記憶の共有で知っている。
取り込まれ、ドラスの中から見ることしかできなかった自分が歯がゆかったものだ。

「ほら、ちょっと遅いけど、ご飯にしよう。話の続きをしてあげるから。……昨日は、俺が一度死んでしまったところまで話したっけ?」

ご飯を提案すると、少しだけシルフィは少し明るくなったようで、また元気そうに「きゅい!」と答えてくれた。
芝生に近い草の上に腰を下ろすと、バスケットを開く。今のシルフィは人間の姿をしているので、そこまで場所もとらない。
左右に仕切られた右側にサンドイッチ、左側にはスパイスをふってある厚い肉がぎっしりと詰め込まれている。
お肉を差し出すと、両手で抱えて口いっぱいにお肉を頬張るシルフィ。
慌てて食べるものだから、胸がつかえたのか涙目になっているのを見て瀬川は笑いながら水筒を差し出した。
11支援:2008/08/05(火) 18:50:03 ID:Mt+sYeo+
サイト…戦車(力・勇気・寛大・名誉)

ルイズ…愚者(夢想・愚行・極端熱狂)

キュルケ…恋愛(魅力・愛美)

タバサ…女教皇(秘密・神秘・英知)

ギーシュ…星(希望と明るい見通し・瞑想・霊感・放棄)

モンモン…太陽(物質的な幸福・幸運な結婚・満足)

アンリエッタ…正義(平等・正しさ・行政・正当な判決)

シェスタ…運命(幸運・転機・向上)
12人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:50:15 ID:DXmJHwny

「ほら、誰もとらないから。ゆっくり噛んで」

小さい子をあやすように背中をさすってやると、落ち着いたのか一気に水筒の半分ほどを飲むシルフィを見て、もっと笑い出す瀬川。
授業の最中は自分が先生!とシルフィ言っているが、これでは自分は保父さんだ。
自分が笑われたのが分かっているおり、むすっと頬を膨らませるシルフィ。しかし、その顔は子猫が拗ねたような愛らしさがあった。
瀬川は、ご機嫌が斜めになったシルフィを見て頭をかいた後、サンドウィッチを一口かじって、シルフィが望んでいることをしてやる。

「それじゃ、昨日の続きと行こうか。あれは、冷える夜だったけど、なぜかとても大気が淀んてて星も見えなかったんだ……」

そう話を切り出す瀬川。すると、シルフィは瀬川の顔を大きな目で覗き込みながら、静かに話を聞き始めた。


    ああ、あれはもう忘れられないよ。だって、次の瞬間、まるで見たことのないような巨大なものが頭の上を通り過ぎて行ったんだ。
    立ち上がって70メイルだったから……あのとき頭の上を通り過ぎた時の姿は、500メイルはあったんじゃないかな?
    とにかく、それが始まりさ。その日、偶然それを……やつらの宇宙戦闘母艦『フォッグマザー』を見たことで、何もかもが変わっていった。
    俺は、やつらにとって都合の悪い目撃者だった。だから、俺はやつら……『フォッグ』の怪人に殺されたんだ。
    それっきりだと思った。あの時の、体冷たくなる感覚も忘れられないものの一つだ。
    けど、俺は生き返った。……自分を殺した、あの恐ろしい『フォッグ』と戦うために。精霊の戦士、仮面ライダーJとして……


瀬川が話しているのは、自分の地球での体験談だった。
精霊に関して伝えるための、オールド・オスマンなどに伝えたダイジェストとも呼べる大切な出来事だけを抜き出した説明ではない。
それよりもっと前、環境カメラマンになった時から、順番に様々な出来事をどう思ったか、何が目の前で起こってどうなっていったかを瀬川は毎日少しずつシルフィに話していた。
彼女は、それにとても強い関心を示した。あれほどの元気娘が、そのときだけは静かに時折頷きながら話に聞き入っているのだ。
もともと、お互い「精霊の戦士であること」、「韻竜であること」という秘密を共有している以上、彼女になら話していいかと軽い気持ちで話したのが始まりだった。

だが、今ではシルフィはそれを毎日聞くことを強くせがむようになっていた。
何がそれほど彼女を引きつけるのかはわからない。しかし、宝石のように瞳を輝かせるシルフィを見ると、自然と話してやりたくなる。

「―――………………それで、俺は戦ったんだ、先輩と。正直、つらかった。悲しかった。悩んだよ、正直今だから言えるけれど。
 これはもしかして単なるフォッグと大神官ブレンの代理戦争でしかないんじゃないか、俺はその生贄なんじゃないかって……」

気付けば、空には夕日が輝き始めていた。
今こうして振り返っても、つらく、そして激動の時間だったせいか、話すことに集中しすぎてしまったのかもしれない。
空の遠くを見つめて話していた瀬川は、隣に座っていたシルフィのほうに顔をむけなおす。
夕日を受けて顔に赤みがさしたシルフィは、静かに瀬川と同じように遠くを見ていた。
思わずその横顔にどきっとしながら、瀬川は慌てて前を向くと、話を締めくくる。

「……悪い、話すのにすっかり夢中になってた。もう遅いし、また明日話すよ」

立ち上がって、ズボンの草を払う。シルフィもそれを見てゆっくり立ち上がった。

「コウジ、また明日……ここで待ってる! またお話ししてね! きゅい!」

歩きだした瀬川に、大きく手を振ってシルフィがそう叫んだ。
瀬川は、拳を突き上げ、柔らかい笑顔でそれに応じる。


日は沈む。また、新しい一日を呼ぶために。
この約束は、半分が守られ、半分が破られた。
この日の夜、到来したことこそが、災難の始まりだった。

13支援:2008/08/05(火) 18:50:42 ID:Mt+sYeo+
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

12 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 00:52:56 ID:jXSYbQPs
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html
14人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:50:53 ID:DXmJHwny



人のいい使い魔2



誰もが寝静まる夜遅く、ルイズの部屋にドアをノックする音がした。

「なんだ……こんな夜更けにいったい……」

半分眠った頭を振って、ドアまで近づいていく瀬川。
ルイズに瀬川がよく、もっと大きくなるためにも早く寝るべきだ、と言っている成果か、ルイズはとっくに就寝中だ。

「はい……ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの部屋ですが、こんな夜更けにどなたでしょう?」

頭が寝ぼけていても、流石は良識ある大人。子供がいる以上防犯のため、いきなりドアを開けたりせず相手を確認する。

「……すいません、火急の用があるものです。正体はお話しできませんが、入れていただけないでしょうか?」

意外なことに、ドア越しに聞こえる声は若い娘の声だった。
この学校の生徒さんかなと思いはしたが、こんな夜更けに何の用だろうか。
急ぐと言われれば、少しは相手の意見をくまねばならないだろう。ドアをほんの少しだけあけて相手を確認する。
すると、相手は慌てた様子でドアをこじ開けるように入ってきた。

「……っと、いったいなんですか?」

ドアの前に立っていた瀬川は、軽く突き飛ばされる形になり、一歩後ろにたたらを踏む。
突然入ってきた黒いフードの女性は、そんな瀬川の声を無視し、杖を振った。

「ディティクト・マジック?」

部屋にあふれる燐光は、見覚えがあった。
そう、以前学院長室でオールド・オスマンが瀬川にかけたものと同じだ。
ひとまず、攻撃する魔法じゃないことに安堵しつつ、突然こんなことを始める珍客に瀬川は顔をしかめた。
ルイズの寝ているベッドの前に、守るように立つ瀬川を見て、杖を納めて両手をさらす黒いフードの女性。
戦う意思はない、ということだろうか。

「突然の無礼、すいません。しかし、どこに耳や目が光っているかわからぬものですから……」

そう言ってフードを脱ぐ女性。
栗色の髪と蒼い瞳の女性だったが、少なくともこの学院で見たことがない。
何者なのかと余計警戒を深める瀬川だったが――その後ろで突然ルイズが叫んだものだから、思わず耳を押さえた。

「どうしたんだ、ルイズ。彼女はいったい誰なんだ?」

しかし、慌てふためくルイズに瀬川の言葉は届かなかったようで、何も答えずベッドから跳び起きると膝をついた。
その行動で、瀬川もこの相手がとても身分の高い人間であることを悟る。
開口一番、ルイズの言葉。

「姫殿下!」

ルイズの行動にしっとりとした笑みを浮かべながら、姫殿下と飛ばれた女性は心地の良い声で言った。

「お久しぶりね、ルイズ・フランソワーズ!」
15人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:51:29 ID:DXmJHwny
ルイズの部屋に突然現れた姫殿下は、感極まった顔で、膝をつくルイズを抱きしめた。

「ああ、ルイズ! 懐かしいルイズ!」
「姫殿下、いけません、こんな下賤な場所にお越しになるなんて……」
「ああ! ルイズ! ルイズ・フランソワーズ! そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい! 私とあなたはお友達じゃないの!」

かしこまった声で言うルイズの態度を、悲しみながら姫殿下はルイズをさらに強く抱きしめた……気が瀬川にはした。
相変わらず、緊張で硬くなっているルイズと対照的だ。

「ここには枢機卿も、母上も、あの友達面をしてよってくる欲の皮の突っ張った宮廷貴族もいないのですよ!
昔馴染みの懐かしいルイズ・フランソワーズ、あなたにまで、そんなよそよそしい態度を取られたら、わたくし死んでしまうわ! 
幼いころ、宮廷の中にはで蝶を追いかけたじゃないの! 泥だらけになって!」

そんな姫殿下の言葉で官庁が少し解けたのか、はにかんだ顔で、ルイズも話を始めた。
瀬川から聞けば、魔法という要素を抜けばどこの子供も普通にやっているようなたわいのない話を心底うれしそうに話す二人。
いつの間にか、ルイズの緊張も解け、二人で笑い合っていた。
さっきの独白のような言葉と言い、きっと自由にすることもできずつらい生活を送っているんだろうな、と不憫に瀬川は思ってしまう。
心許せる人間が側にいないと言うのは、想像以上にこたえるものだ。

そう言えばと昼に学院内にいなかったことを帰ってからルイズに怒られたことを思い出し、瀬川は姫殿下が誰かを把握した。
その時ルイズに言われた言葉――「トリステイン王国王女、アンリエッタ『姫殿下』がいらっしゃったって言うのにどこほっつき歩いてたのよ!」
……そう、あの一言からわかる。この目の前の女性が、この国の王女様であることが。
いやまさか、と否定したい気持ちもあるが、あのルイズのあらたまった態度を見るとそうとしか思えない。

いったい何の用かとも思ったが、きっとルイズに会うためだろう。
久しぶりに、心からの親友に会えると思い、居てもたってもいられなくなったのではないだろうか。
瀬川は、立場といった虚像で人を判断せず、目で見た実像で人を判断する。
彼から見た王女は、年相応の女の子に見えた。心細くなってそんな暴走をしてしまうのも理解できる。
せめて二人の邪魔にならないようにと壁に背を預け、二人を見守ることに瀬川は決めた。

しばらく、そうやって二人が話した後だった。瀬川も、思わず深夜であることから、うつらうつらとしていた。

「あなたが羨ましいわ。自由って素敵ね……」

強い憂いを湛えた声。心配になって、ルイズはアンリエッタの顔を覗き込んだ。
アンリエッタは、窓の外の月を眺めた後、静かな声で言った。

「結婚するのよ、わたくし」

しかし、言葉とは裏腹に全くアンリエッタは嬉しそうに見えない。
瀬川のイメージでは、結婚と言うと、明るいイメージがあるが……ここは『地球』で言う中世ヨーロッパに近いのだ。
政略結婚かなにか、望まない結婚なのではないだろうか。
極力置物として二人の邪魔にならないようにしながら、話だけには耳を傾ける瀬川。

そして、実際アンリエッタが話す内容は、瀬川のカンがほぼ完璧に当たっていることを示していた。だがそれ以上に、驚くべき内容を含んでいた。
最初は口ごもっていたが、ルイズの説得で話し始めたアンリエッタの言葉は、国を揺るがすものであったからだ。

「それで、その手紙はどこにあるんです!?」
16支援:2008/08/05(火) 18:51:33 ID:Mt+sYeo+
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
17支援:2008/08/05(火) 18:52:18 ID:Mt+sYeo+
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ



このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ
18人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:52:30 ID:DXmJHwny

初めて、瀬川は口をはさんだ。
傍観で済ませられる範疇を逸脱して進む展開に、瀬川も話に加わるしかない。

「それは……今手元にありません。アルビオンにあるのです」
「それって……今の今、戦争してる敵の懐にあるってことですか!?」

もし、見つかればこの国も戦争に巻き込むものがよりにもよってそんなところにあるなんて予想外すぎる。
テロ屋が跋扈する不安定な国にもよく足を運ぶ瀬川は、戦争がどんなものかよく知っている。
戦争が始まれば、森は焼かれ、河は枯れ、人は死ぬ。瀬川にとって、この美しい大地が焼かれるなど、断じて認めがたい行為だ。

「……時間の余裕は?」
「もう、敗北は時間の問題と言われております」

瀬川は顔を引き締めると、デイバックに道具を詰め込み始めた。手早く、道具をまとめていく。

「ルイズ、明日の朝、厨房のみんなに謝っておいてくれ。無断で馬を借りてすまないって」
「……コウジ、いったいどうするつもりよ?」
「今すぐアルビオンに行く。手紙を探してこちらが手に入れられれば戦争は避けられるんですね?」

迷いない口ぶりと、真剣なまなざしでアンリエッタへ問いかける。
アンリエッタは瀬川の行動に驚いているようだった。

「……その通りです。けれど、ルイズの恋人にそのようなことを……」
「……違います、俺は使い魔です」

拳を握り、胸元に近づける。左手のルーンを見て、アンリエッタは「あっ」と声を上げた。

「それでは、フーケを捕まえたルイズとその使い魔というのは……」
「はい。俺のことです」

まだいまいち迷っているアンリエッタに追い打ちをかけるように、ルイズも言う。

「安心ください、姫さま。『土くれ』のフーケを捕まえた『私たち』にその一件、お任せください」
「ルイズ……!?」
「危ないからって自分ひとりで行くっての言うのは、なしよ。前もコウジ一人で行って大変だったじゃない。それに、アルビオンがどこにあるか分かってる?」

確かに、勇んで行くとは行ったものの、アルビオンがどこにあるかなど分かるはずがなく、行き方すら不明なのだ。
急所を突かれ、「うっ……」と口ごもる瀬川に指を立てながら自信たっぷりにルイズは杖を懐に入れた。

「それにいい? 使い魔と主人は一心同体。二つ揃って完全完璧なのよ」
「けど、危ないんだよ、戦争をしてるんだ。 もしものことがあったら……」
「じゃあどうする? 一人じゃつくころには戦争が終わっちゃうわよ?」

正直にいうなら、絶対に連れて行きたくないが、こうなったらルイズは絶対に引き下がらない。
前も、話を聞きつけてついてきてしまったぐらいなのだ。ならば、自分がルイズの盾になるしかないだろう。

「わかった、けど無茶はしないでくれよ?」

その答えを了承と受け取ったのか、頷くルイズ。
二人が行くことをもう決めている様子を見て、アンリエッタは感極まった様子で、ルイズの手を握った。


19人のいい使い魔:2008/08/05(火) 18:53:08 ID:DXmJHwny
「本当にかまわないのですか!? わたくしはあなたの忠誠と友情を決して忘れません!」

そう言うと、懐から手紙を差し出し、指の指輪を抜くアンリエッタ。
そして、手紙をルイズに、指輪を瀬川に差し出した。
最後に、アンリエッタは、誰にその2つを渡し、見せればいいかを話した後、何度も何度も感謝の言葉を口にして部屋を出て行った。


出発は、明日。
未来は風の向こう側に。





投下、完了しました。
とりあえずスレは、これでいい・・・・・・んでしょうか?
20支援:2008/08/05(火) 18:53:34 ID:Mt+sYeo+
乙でしたー。
エルフと和解したのだから、治療薬があるならタバサのママにあげてくれー。
……世界扉を安定させられるのなら、ヤンは帰るのか、それともこれ以上の混乱をもたらさないために帰還を諦めるのか、それとも混乱の中心の一人としての責務を果たすべくハルケギニアが平和になるまで過ごすのか。
うん、エピローグがとても楽しみだ。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:54:42 ID:Mt+sYeo+
乙です
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:55:35 ID:30plFVUW
乙でした。
燃えるガリア王が、凄い!

これは、エピソード欲しいですが、書くの大変そう。
ガリア王が全部言い切ってしまったからな……
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:56:26 ID:+O5idE2a
提督の人、お疲れ様でした。一応完結(?)おめでとうございます。
書きたいこと書ききった、言いたい事を言い切った、それはよくわかりました。
ただ、作者とジョゼフは満足しているかもしれませんが、
その他のキャラは捨て置かれているような感じもしますので、後日談は欲しいです。
元主役のヤンとルイズの主従の事とか、(今回、どう考えても空気だったし)
タバサの事とか、作者なりの決着が欲しいです。
そして、こっちの世界でも、ブラジャーを普及させてくれる事を願って……あれw
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:57:03 ID:z+wvjAyG
>>1&のいい使い魔乙
しかし酷い事になったな……ハァ
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 18:57:36 ID:coZ000Oo
提督の人GJ!
敵でない時のジョゼフは最高でした。
そしてエピローグは是非に希望します。読者側から見てこれで終わりと言うのは
生殺しにも程がある…!!
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:01:43 ID:5bKy7vX2
キュルケとかは不特定多数の男子と交渉を持ってるっぽいが避妊ってどうしてんだろう?
水のメイジなら卵管の中の体液を操作して卵子が精子と受精しないようにするとか
火のメイジなら同じく膣内の温度を上げて精子を殺す
土のメイジなら卵管の入り口を土で塞ぐ
風のメイジなら本番は遍在にやらせ、感覚のみ共有する…

最後は味気無いなあ
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:08:12 ID:z+wvjAyG
投下中の長文と投下後の感想時間で関係ない話題で騒ぐのはやめてくれよ
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:08:15 ID:3kmJqpDt
>>1&人のいい使い魔の人乙
使い魔にルイズが付いて行くってのが珍しい展開だな
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:20:50 ID:qVjmpQXT
今、提督の話題を出してる奴はファンを装った荒しだよな?
まさか、提督のファンだって奴はいないよな?
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:28:26 ID:ry9nuijS
いつのも人がid変更を身に着けたんだろうか
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:30:41 ID:DfNYYpe2
>>28
大抵は嫌がったり、アンアンの迂闊さを説教する展開が大半だな
まあ嫌がるのが普通なんだがw
戦争になるのを防ぐ為とはいえ率先して行くのは彼くらいのものだ
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:33:01 ID:iuFDK+qL
今回の提督でちょっと気になったことがあったんだが完全に書き込む機会を逸してしまったな。
この状況だと絶対荒らし呼ばわりされること請け合いだし。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:33:40 ID:8HgXqRu0
>>19
乙です
博識なオスマンを久々に見て新鮮でしたw
アルビオン行きを率先しているのも珍しいかも?うーんさすが人のいい使い魔・・・w
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:33:45 ID:39tBBXB0
瀬川の人スレ立てお疲れ様そしてGJ。
瀬川の人徳っつーか作品の雰囲気?
真面目教師なオスマンのじさまが好ましい……と思ったら最後にやりやがったw

あと早寝云々のエピソードを読んで今更に思った、
この話のルイズは素直な感じでホントにかわいらしい良い子だw

次回も楽しみに待ってます。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:33:57 ID:2TEu7j4I
前スレではなくこちらに書く時点で荒らしでしょ?
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:33:58 ID:5/1vRbZw
そういうときのために避難所というものがあるんであります
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:38:09 ID:qVjmpQXT
>>32
前スレは埋めてくれる人を待ってるぞ!
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:39:42 ID:FnejfceW
新スレ乙カレーライス。
それと人のいい使い魔の人投稿お疲れ様です。
荒らしにもめげず、がんばって執筆していってください。

      _人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
     >あいつら荒らしだろ・・・汚いなさすが荒らし、汚い<
      ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^人人人Y^ ̄
       ゝ,,,, \| ) )_,,....,,....,,....,.,,.    )\
        /_,,....,,_\、'::::::::::::::::::::::::::::r''''ヽ''ヽ  )
        _..,,-":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{   '  }r-''''フ
      "-..,,_:r''''''''''''''''''''''''''''''''''''''( ( )____ノ::- ,,
       //   r  ;    ! ヽ i ヽ ',' |''"
     .'    ';  i i  i  !  i  } }  i
      ,' i  ' ; ゝ、人人ノ/_ノノ / ノ   、
     i ヽ .| rr=-,:::::::::::r=;ァ / /  i  '、
     ! | \| " ̄      ̄" ( /|   |   '、
     ヽ V 人   'ー=ョ    ヽ  人   '、 
      、_)ノ ノ  >.、_    ,.イ/ ( ノ (._   ヽ
      /  / ノ´ ,,.ィ''i ̄ ̄ノ こ  ノ |  ノ 
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:44:04 ID:TtLiKpJc
感想なんて避難所でやればいいだろ
流れぶった切ってまで本スレに書くことかよ
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:44:54 ID:A2UP3ycE
そういや教皇の異召喚モノは見た事ないな…難しいか?
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:48:47 ID:2TEu7j4I
13巻出るまでどんなキャラが不明だったし、出てきたら出てきたで他人と絡ませにくいガチホモ狂信者だからなぁ
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 19:51:07 ID:/ip8O3tu
個人的に狂人も狂信者も大好物なんだけど、
ジョゼフにしろ教皇にしろ裏があって真の目的があって、
それが何か分からないから主人公には据え難いんだよなぁ。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:30:57 ID:xCnGRSMz
エルフの反射って火・土・風・水の4属性を反射できるってことは
アルテマとかの無属性の魔法は反射出来ないってことかな?
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:32:22 ID:z+wvjAyG
それは作者の人の腕次第だよ
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:34:47 ID:n8tdJRTT
腕というか解釈では
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:38:11 ID:z+wvjAyG
読者が反発しない理屈があれば自由でいい
だから腕次第
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:40:08 ID:+Ixk04Qy
反射っても鎧人形見る限りだと近代兵器の前ではなあ・・・
そう考えると教皇庁がガチでやったら苦もなく倒せそうだな
けど、それだと近代兵器>>>>>超えれない壁>>>>>メイジの系統魔法になるし
メイジの存在意義が消えるわけで
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:40:16 ID:2qUNz2Mo
提督関連で荒れてるのか?
NG登録してるから、荒れてんのかわからん。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:43:17 ID:GcFX9efj
いい加減感想か考察か毒吐き行けといいたいね。
何のための避難所だよ。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:43:31 ID:svCcbF7U
教皇ならパナソニック氏がダニエル・ヒトラー
姉妹スレでプッチ神父や丈助が召喚されてるが
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:51:57 ID:sv0BgTVv
ローマ教皇が召喚されたようです
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:54:43 ID:FnejfceW
>>51
ローマ教皇と聞いてキュベレイ思い出したwwwww

ロマリア教皇「な…なんだこの威圧感は!?」
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20:55:52 ID:q6OP389t
教皇といえば双子座の人だな……
まあニセモノだったわけだが
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:00:05 ID:+Ixk04Qy
ロマリアにローマ教皇を呼んで、
ルイズのところに銀河帝国皇帝を呼ぶんですね、わかります。
ジョセフ涙目ってレベルじゃないぞwww
もし、二人が出会ったらハルケ終了の予感が・・・・
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:01:14 ID:svCcbF7U
フーケ、ワルド、ウェールズ、コルベあたりも数は少ないが異界キャラ召喚話はある
メンヌヴィルは無いなあ
盲導犬型使い魔か
火属性の戰闘狂キャラ(姉妹スレ逝きだが、フレイザードとか)とか
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:07:06 ID:ry9nuijS
アンサイクロ設定の暗黒卿が呼ばれたら
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:08:18 ID:LjNtQe8I
>>53
素のスペックなら教皇になれたけど、
二重人格だったからねぇ、あの人。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:12:51 ID:rgxPuHe2
>>53
先代の教皇セージはどうかな?
老体でもガチで強いぞ
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:14:18 ID:pPbCE09l
メンヌヴィルにぴったりの使い魔。
サムスピの炎邪。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:16:12 ID:a9b77Fvw
>>48
まとまった時間に同じ口調の単発IDがわらわら出てくるだけだよ
そしてある時間にばったりいなくなる
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:16:13 ID:Z3SqBBsm
まあサイトが教皇のとこに呼ばれるSSは今後出なさそうだな
召喚されたら陵辱&宗教で洗脳の恐怖のコンボが待ってるわけだし
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:18:17 ID:EIlpfzPZ
GJ!
異世界で変身するのことが出来ない斬新な展開で……いつ変身するのか楽しみです。
(とくに巨大化するのが
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:21:08 ID:q6OP389t
いやちょっとマテ、宗教洗脳はともかく陵辱ってなんだオイ
確かに召喚直後に唇奪われるのは確定だが
ウホッいい男やらないかはさすがに無いはず
……だよな?
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:22:42 ID:svCcbF7U
17のサイトは教皇に…いや、なんでもない
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:23:12 ID:LjNtQe8I
ゼロ魔ストーリー陵辱のことだよ。

・・・と思いたい。
教皇メインはまだ色々足りないんじゃないかな。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:23:37 ID:OTh+a5d1
そもそもジュリオはいつ頃召喚されたんだ?
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:27:54 ID:k0dfhEPi
>>66
ジュリオとシェフィールドはハルケギニア人のような描写がある。
はっきり明言されてるわけじゃないし、ミスリードなだけかもしれないけども。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:33:49 ID:5iyI5nHc
ここでほとんど知る人がいないであろうジュリオ・ラ・ジュリオを召喚
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:37:18 ID:rx3wM1Oj
>>68
どこぞの怪獣なラギュオさん思い出した
速攻で滅びるの確定ですがね
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:40:34 ID:JjPQH0iX
>>69は分かってるな。
そう、ラギュさまはね、ボスじゃないよ。かいじゅーなんだよ。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:41:43 ID:M5nDRyUw
火のメイジの守護神みたいにされそうだな>ラギュ様
というかブリミル教には聖人信仰みたいなものはないのかね。
あるけど描写されないだけかな。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:41:53 ID:OTh+a5d1
>>67
いや、教皇のニヒルで忠実な下僕になった時期。
という意味でなんだが。

孤児院でガキ大将だったという時分には既に使い魔だったかどうか、
それともその孤児院の話から全部作り話の可能性すらあるな。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:49:39 ID:k0dfhEPi
>>72
そういう意味か。すまんかった。
教皇サイドは語られるかどうかも怪しいところだなぁ。まあ、本編完結すらしてないんだから気長に待つべしだな。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:03:34 ID:rgxPuHe2
オスマンの心臓は一年に10万回しか動いておらず学園である軍団を監視しているのだ
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:05:48 ID:svCcbF7U
メイジと使い魔は一身同体と言いながら
そもそも生徒キャラと虚無キャラ以外ではっきりと使い魔の存在が確認されてるメイジって

…あれ、オスマンだけ?
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:07:55 ID:LjNtQe8I
>>75
ワルドのグリフォンもそうじゃなかったっけ?
あとルイズママの使い魔ってやっぱりマンティコアなのかな?
77書いてみた:2008/08/05(火) 22:08:26 ID:2xW1hYiL
電波少年から出川哲郎


「え、ちょっとまって、なにこれー、マジで?マジで魔法とかあるわけぇ?」
「うるさい」
「うわ、爆発した!いってーマジで痛いっすよールイズさーん、もう泣きそう」




「というわけで、内乱中の国の王子に手紙を返して貰って来てちょうだい」
「って、なんで俺だけなんすかー」
「・・・ワルドさま、ちょっと心配だからついていってやりなさい」
「まったくしょうがないなぁ・・・(出川の尻の辺りを凝視している)」
「(小声で)ルイズさん、この人ちょっと怖いんですけど?」
「(小声で)大丈夫、部屋に鍵を掛けておけば」
「じゃあ出発しようかね、平民きゅん!」

何故かグリフォンに二人乗りのワルドと出川

「うわっ、ちょっとこれ落ちたら死ぬ!マジで死ぬ!笑ってないでもっと低く飛べよ!ちょ、こらっ!止めろ!笑うな!」
切れた出川でワルドをボカボカ叩くがHahahaと受け流す

そしてアルビオン

「途中、ゲイの集団に捕まりパンツを下ろされたり大変でしたがなんとかここまできました」
「じゃあ手紙貰って来て、僕はここで待ってるから」

そしてウェールズに無事手紙を貰い、アンリエッタからの手紙を渡す

そこに鉄砲玉メイジが突入

「うわ、これ本当?ね、本当に殺し合い?」
「伏せろ、死にたいのか!」

そして頭上を飛び交う殺人魔法の数々

つづく
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:09:46 ID:PZg5eOG5
とまあ、ぶっちゃけ↑と同類なわけだ。前回のは>最恐
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:10:04 ID:zDfhAafg
ルイズの実家の喋るフクロウは誰の使い魔だ?パパンかママンか。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:10:46 ID:sv0BgTVv
百魔獣の王は危険だから百獣の王にしとこうよ、WA的な意味で
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:12:35 ID:iI8PtiOu
百獣の王も危ないから110°の王にしとこうよ。マスプロアンテナ的な意味で。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:13:50 ID:m8MBJhYC
あん?
別スレのクロコダインがどうしたって?
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:14:08 ID:PZg5eOG5
盗作はいかんよ、盗作は。うん。
一話限りの小ネタならともかく、連載ならちゃんとオリジナル展開考えて書こうぜ!
カトレア黒化とかの本筋と関係ないキャラ改変もほどほどにな!
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:15:37 ID:EmA9LaCz
百魔獣の王と聞くとマントーが真っ先に出るさ!
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:16:14 ID:z+wvjAyG
>>76
グリフォン隊に配属されたメイジは、自身の使い魔がグリフォン以外の場合それを『処分』して
グリフォンと契約しなおすのだ。これこそがグリフォン隊入隊の儀式、メイジ一生のパートナーである使い魔を王家に捧げる遂行な儀式だ!!
とかか?
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:20:04 ID:2xW1hYiL
じゃあ
もしワルドがガングリフォンを呼んでしまっていたら
どうなるんだ
8785:2008/08/05(火) 22:21:39 ID:z+wvjAyG
×遂行な儀式
○崇高な儀式
間違えた
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:22:23 ID:PZg5eOG5
無駄に王家に対する反発心を養いそうな儀式だなw
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:22:50 ID:DfNYYpe2
>>86
ヴァルケソよりましw
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:22:50 ID:QhLz+6Mf
破妖の剣からラエスリール(幼女期)召喚。
魅了眼全開でメロメロになる学院の人々。
ワルドも魅縛されてあっさりレコン・キスタと縁を切ることに。
と言うのを思いついた。
いま書いてるの終わるまで他の書く気ないけど。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:25:13 ID:2QvZGvPn
ワルドがさっさと竜に乗り換えちゃったからグリフォンは使い魔かどうか…
使い魔は学院の外で見たこと無いし、二つ名はトリスティン関係者しか持ってない
マイナーなんじゃないかな、このふたつ
使い魔なんて何呼ばれるかわかんない博打みたいなもんだし
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:25:52 ID:z+wvjAyG
>>88
別に使い魔じゃなくても乗れるだろうし、実はワルドにも使い魔は別にいるんだよ。タブン
93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:27:53 ID:GpvYApXW
聖マッスル召喚

現れるやいなや興奮してボディビルをはじめた全裸の濃ゆい巨漢にルイズ達はメロメロ
そして誰も指摘しないまま巨漢は常に全裸で過し続ける
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:29:06 ID:prtanPg+
>>82
あのおっさんは当たり使い魔すぎる
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:32:28 ID:sv0BgTVv
なにを使い魔として召喚するか鑑定出来そうだな
ついでに性別も変えられたりできそう
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:32:32 ID:WXbGU8g6
竜騎士も騎竜と契約したタイプと後から訓化したタイプがいる。
グリフォンも同じだろう。

絶対王政といえるほど王権が強くないトリステインで>>85をやると
クーデター勃発フラグだぜ。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:34:39 ID:YI2o4Wot
>92
グリフォンが使い魔らしい
ニューカッスルに行ってから姿を見せないアレが
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:38:44 ID:Ho3YVjl7
竜騎士?
別スレのラーハルトがどうしたって?

以前、本スレwikiで騒動を起こしたこの方
最近投下が止まってるそうだけど
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:40:09 ID:4nMF/TQp
ペルソナ0はあれだなアマラ宇宙とかニャルとか出てきそうな展開だな
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:43:06 ID:wFBmKt10
>>85
なんか久我重明思い出した
101とりすていん大王:2008/08/05(火) 22:43:59 ID:LjQQTa1G
予約が無いなら
11:00ほどから3話目の投下してもいいですか?
102MtL:2008/08/05(火) 22:45:24 ID:j1jmk9Y+
その次に予約ですー。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:52:56 ID:5/1vRbZw
うほっ
支援準備
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:52:59 ID:/eORoj7a
宜しい、ならば支援だ
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:56:10 ID:8ZI8/TxZ
「支援する」なんて言葉は使う必要がねぇんだ・・・。(略)
「支援した」なら使ってもイイッ!!!
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:57:36 ID:rJbeSoqA
>>90
ラスはとっても難しいと思う。
幸せだった頃はお母さんの封印があって使えなかったし、
何より、召喚したらお父さん(お母さん)が黙ってるとは思えない。

お母さんの死後は、全世界巻き添えの無理心中をやらかしかけたり、
赤男にとり憑かれてるのでハルケ涙目?

いっそ、逃亡生活中のラスと赤男をよんで、とも思うがろくなことにはならんな。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:58:56 ID:OTh+a5d1
むしろワルド自身がワルド母の使い魔。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:00:34 ID:E9ukeQEU
ただ黙して支援するばかりである
109とりすていん大王:2008/08/05(火) 23:01:04 ID:LjQQTa1G
さぁ、時間だ・・・・バカを始めよう

とりすていん大王 三回目

ビシャアーーーン!!ビシャアアン!!
のっけからもの凄い轟音を鳴らしているのはルイズ(たぶん主人公)の使い魔代理、(モンモランシーの)お父さんです
ではなんでお父さんがこんなに怒っているのか時間を巻き戻してみましょう

数時間前
お昼ごはんをルイズやモンモランシー達と食べていたお父さん、喉が渇いたのでメイドさんにお水を貰おうと席を立ちました
メイドさんはみんな忙しそうにデザートを配ってました
お父さんはその中でちょうど配り終わりそうなメイドさんを見つけて声をかけます
「ヘロー」
「へ、へろう?」
しゅぴっと右手を上げて気さくに挨拶してくるお父さんにメイドさんもおそるそる右手を上げて返事をしました
「始めまして、この学校に通っているモンモランシーの父です」
「は、始めましてこの学校でメイドをさせて頂いてるシエスタです」
「そうですか、これはご丁寧に」
「いえ、とんでもありません」
「いえいえ、こちらこそ ご丁寧に」
「いえいえ」
「いえいえ」
床に正座し、互いにお辞儀しあう二人を見て、学園の生徒は思いました
((((大人って大変なんだなぁ))))

「喉が渇いたので水を持ってきてくれないかな」
「かしこまりました」
やっとシエスタが水を厨房に取りに行き、お父さんがルイズ達の席に戻ろうとした時、
「おや?これは何かな」
お父さんが床に転がる何かを見つけました 早速拾って見てみます
それはどうやら紫の香水のようでした
「お父さん、遅いですわよ?あら、それは?」
お父さんが帰ってくるのが遅いので様子を見に来たモンモランシーがお父さんの手に持っていた小瓶を取ります
「これ、私がギーシュにあげたものだわ」
「そうか」
「あの馬鹿、落としたのね、いいわ、私返してくるから」
「うむ、わかった」
基本、何事にも寛大なお父さん、娘の恋愛にも寛大です
お父さんが戻ろうとしたその時でした、盛大なビンタの音や、何か鈍器のようなモノで人を殴ったよーな音、
そしてその音で振り返ったお父さんが見たモノは、泣きながら食堂を出て行く我が娘
「・・・・・・・・・・・・」
無言でお父さんはその事件があったとおもわれる現場に向かいました
110とりすていん大王:2008/08/05(火) 23:02:15 ID:LjQQTa1G
その現場では頭から血を噴出しながらも、延々と喋くりまくる男の子と、それを青い顔で見る友人達の姿がありました
「君、君、ちょっといいかな?」
お父さんは少し自分に似た体格のぽっちゃり君に騒動の顛末を聞く事にしました
ぽっちゃり君、マリコルヌの説明を聞くうちにお父さんの体がどんどん不思議な色になってきました
かいつまんで言うと、お父さんの目の前でべらべらと喋っている男、ギーシュ君が
あろうことか、自分の娘、モンモランシーを二股にかけたと言うのです
お父さん、いつ爆発してもおかしくありません その異常すぎる気配を悟ったのか、ギーシュ君以外のみんなは顔面蒼白です
ところがギーシュ君はいまだに後ろのお父さんに気がついていません
「彼女達には薔薇の良さがうんぬん・・・」
ぷっつーーーーん
今、お父さんの何かが切れました、まるで花の慶○の佐渡島編で佐馬之介にぶちぎれた直江さんのごとく

ぽんぽん
「誰だい、今僕は、みんなに薔薇の素晴しさを・・・・・」
そこまで言ってギーシュ君は絶句しました、目の前には何とも言えない色のお父さんが阿修羅すら凌駕する勢いでオーラを噴出していたからです
「小僧、表に出ろ」
それだけ言うとお父さんは食堂の外に行ってしまいました
そして冒頭にお話しは戻ります
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:02:21 ID:6iCHECGj
>>23
ちょっと待て、コレは俺が3日の提督終了時に書き込んだ内容ではないか!!
誰だ、こんなコピペ荒らしみたいなことするやつは?
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:02:22 ID:2xW1hYiL
YAIBAから鉄刃召還

どうなるか
113とりすていん大王:2008/08/05(火) 23:03:18 ID:LjQQTa1G
ヴェストリの広場では今、異常な雰囲気に包まれています 異常な闘気を身に纏うお父さんと、そして
「「「でぃーごす、いのせんと、でぃーごす、いのせんと」」」
黒い三角頭巾を被って、謎の祝詞を歌いながら怯えて逃げ出そうとするギーシュを無理やり担ぎ上げてやってくる一団、
その名もSSS団(S・親友のギーシュの、S・すごい女癖の悪さを、S・そろそろ戒めよう 団の略)
「はなせーーーてめぇら、はなせーーー!!」
「逃げずに良く来たな」
明らかにギーシュ君は逃げ出そうとしてますがそれを阻む形で黒頭巾の一団が壁になります
「ふふふ・・・ギーシュ君、君は良い友人だったが君の女癖の悪さがいけなかったのだよ」
そう言うのは黒頭巾に眼鏡と言う格好の男、
「お前、レイナールだな!!謀ったな!!レイナール、オレがお前に何をした?」
「お前!!オレがアタックしてた子にも粉かけてたろーが!!」
どうやら、彼的には本気だったようです さらに小太りの三角頭巾が前に出てきました
「お前は、マリコルヌだな」
「ああ、そうさ、お前は先輩にまで手を出した」
血涙しながらマリコルヌは言葉を続けます
「あの先輩はなぁ・・・・僕のお腹をぷにゅぷにゅしてて気持ちいいって無防備に揉んでくれたんだ・・・」
「はぁ?」
ギーシュは何がなんだかさっぱり解りません ですが周りの人は皆、お父さんでさえ、うんうんと頷いています
「惚れてまうやろがぁーーーー無防備に男の腹をぷにぷにって!!惚れてまうやろーーーー!!」
魂の絶叫をする漢 マリコルヌ そしてその場に膝をついてしまいました
「ちぃっくしょぉ・・・ギーシュめぇ・・・何て酷い事を、もうマリコヌルのHPは0だぞ!!」
「いやいやいやいや!!かってにHP0になっただろーが!!ってかお前だれだ!!」
「ギムリだよ!!特徴があんまないからこんな時しか出番がねーんだよ!!ちっくしよぉーーー!!」
こちらも膝をついてHP0になってしまいました 
そんなこんなで様々な思いを乗せつつヴェストリの決闘が始まろうとしています

「でさぁ・・・ギーシュがね」
「うんうん」
「それはねぇ・・・やっぱりこっちが主導権をにぎらないと」
「ためになりますわ」
「お茶のおかわりはいかがですか?」
「・・・・ちょうだい」
その頃女性陣はモンモランシーとケティのヤケ食いにお付き合いしていたそーな
                                                  続く
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:04:02 ID:5/1vRbZw
               -― ̄ ̄ ` ―--  _          しえん大王
          , ´  ......... . .   ,    ~  ̄" ー  _
        _/...........::::::::::::::::: : : :/ ,r:::::::::::.:::::::::.:: :::.........` 、
       , ´ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::: : ,ヘ ::::::::::::::::::::::: : ヽ
    ,/:::;;;;;;;| : ::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::: ● ::::::::::::::::: : : :,/
   と,-‐ ´ ̄: ::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::r(:::::::::`'::::::::::::::::::::::く
  (´__  : : :;;:::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::`(::::::::: ,ヘ:::::::::::::::::::::: ヽ
       ̄ ̄`ヾ_::::::::::::::::::::::し ::::::::::::::::::::::: : ●::::::::::::::::::::::: : : :_>
          ,_  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `' __:::::::::-‐ ´
        (__  ̄~" __ , --‐一~ ̄ ̄ ̄
           ̄ ̄ ̄
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:04:30 ID:E9ukeQEU
うるさい!だまれ!支援行動を乱すな!支援支援(略)
116とりすていん大王:2008/08/05(火) 23:04:38 ID:LjQQTa1G
とりすていん大王3回目ここまで、 次回 ギーシュが旅立ちます
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:08:30 ID:5/1vRbZw
乙であります

旅立つ・・・・つまり、あちら側の世界へですか?
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:08:58 ID:n9wsNO8H
大王乙。
娘を泣かせりゃそりゃいかしちゃあおけませんね。
119MtL:2008/08/05(火) 23:10:04 ID:j1jmk9Y+
大王さん、乙でありましたー。

私の方は10分後に、投下を始めたいと思います。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:10:23 ID:E9ukeQEU
GJ&乙っした!
よくあることだが、ギーシュご愁傷様・・・
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:13:36 ID:z+wvjAyG
支援
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:14:48 ID:C+lhPUU1
>>93

『これは…簡単だ☆』ですね。分かりますww

つーか、校内巡回班として参戦していたオイラは某シナリオで
散々な目に遭わされました。絶倫太郎…奴こそレジェンドだ_| ̄|○
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:16:33 ID:t0mwP1os
>>93
それ「ご立派さま」とあまり変わらない気がする。
ガイア教の代わりに「裸人教」になるだけでは?

ところで、蓬莱で書こうと思ってるんだけどラスダンはこのスレ的にNGだろうか。
一応、同人だし。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:19:54 ID:ntJc4WwW
>>26
水の秘薬でピルがあるとか


あるいは貴族は妊娠率が極めて低いとか…
だから平民と貴族の人口比は6000年経っても変化せず

3人生んでるカリン様はやっぱり凄い人なのです。

>>59
炎邪が吼えるとメンヌも巻き込まれます…
邪二人はギャグを入れないと主を即効で殺しそうで困る。

>>85
グリフォン隊人員募集…人数若干名
要件…グリフォンに乗れる方 使い魔としてのグリフォンを所有しておられる方歓迎

125MtL:2008/08/05(火) 23:20:17 ID:j1jmk9Y+
マジシャン ザ ルイズ 3章 (40)悲哀の歌

「……? 確か学院でルイズと一番仲良くしていらしたのが、キュルケさんだと思っていたのですけれど……?」

その言葉にルイズは気まずそうに視線をそらし、キュルケは大げさに肩をすくめて見せた。
「……あら?」
暫しの沈黙の後、アンリエッタは自分が何か微妙に勘違いしていることに気がついた。

「ええと、報告書にそう書いてあったものですから……わたくしの勘違いでしたら、お二人に不快な思いをさせてしまいましたね」
オロオロとした態度で慌てだした女王に、今度は傅いたままのルイズが慌ててフォローをした。
「ち、違うのです陛下! 私とツェルプストーは、あの、その……なんというか、えぇと、」
が、突然すぎて口が回らない。
「まあ、ある意味で仲が良いとも言えるわね」
そんな風にテンパって口が回らないルイズに、キュルケが涼しい顔で助け船を出した。
「喧嘩する程仲が良いとも言うしね」
「そ、そうです! 私たち、こう見えても仲良しなのです! ……微妙に」

「……あー、オホンッ!」
そんな風に場が和んで緊張感が切れかけたところで、咳払いが一つ、部屋に響いた。
ルイズが音がした方を見やれば、アンリエッタの後方側面にあるドアの前に、痩せすぎた白髪頭が立っていた。先ほどの咳は彼のモノに違いない。
マザリーニ枢機卿である。
「ああ、わたくしとしたことが、話が横道にそれてしまいましたね」
側近の存在にきりりと表情を引き締めたアンリエッタが、首を動かしてキュルケに向かい口を開いた。
「ミス・ツェルプストー、ミスタ・キーナン、ミスタ・ヘンドリック、暫し退室願えますか?」

扉が閉まる。
三人が側仕えの騎士に連れられて退室したことを確認すると、改めてアンリエッタはルイズに対して佇まいを直した。
「あなたをここに呼んだのは、勿論彼女との再会を喜んでもらうという向きもありますが、それ以上にこれまでのこと、そしてこれから起きることを、あなたに知っておいて欲しいからなのです」
そう涼やかな声で語るアンリエッタからは、ある種の悲壮感のようなものが感じられた。
「陛下……」
「聞いて下さい。……虚無のルイズ」

「陛下」
その物言いに、すかさずマザリーニから鋭い制止が飛んだ。
「分かっています」
その言葉にアンリエッタは真顔で頷いて応える。
今のアンリエッタの立場は、彼女こそが虚無の祝福を受けたという前提あってのものなのである。
どこに人の耳があるか分からない場所、それも他国の人間がいる場所で、そのことを覆しかねない発言をするというのは、不用心にも程がある。
マザリーニは顔にこそ出さないものの、その内では肝を潰す心持ちであった。
女王は親友であるヴァリエール家の三女に負い目がある。無論マザリーニにも、先ほどの言葉がそれ故に出た彼女の美徳と分かってはいる。しかしそれでも胃が痛むのは変わらない。


126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:20:35 ID:C+lhPUU1
>>123
初恋などで、読んでる人も結構居るだろ。いいんじゃん?
と言う事で、支援モード。続きは後だ。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:22:09 ID:z+wvjAyG
支援
128MtL:2008/08/05(火) 23:23:34 ID:j1jmk9Y+
「トリステインは、近くアルビオンが駐留するゲルマニア領内に向かって軍を進めます」
アンリエッタが、正面を、ルイズを見据えて落ち着いた口調で語り始めた。
「敵の戦力はこちらの約十倍以上、加えて死者を兵士として戦わせているという、我々が対峙したことない未知の敵でもあります。正面からトリステイン王国単体でぶつかって、勝ち目が無いのは明らかです。
 ですから我々は、ガリア王国、ロマリア連合皇国にも協力を願い、加えてゲルマニア領内に残る帝国残留軍や周辺国諸国とも連携し、対アルビオンの連合軍を結成してことの対処にあたるべきであるとの結論を下しました。
 幸い、最大の難関であると思われていた敵側同盟国であるガリア王国は、条件付きで交渉の席に着く約束をしてくれました。
 その条件というのが『交渉の席におけるロマリア教皇の出席』です。
 ロマリアは開戦当初から、中立を宣言していますが、それでも我々は誠意を持って交渉に当たり、彼らを我々の場に引き入れなくてはなりません。
 その為に我々は、先の緒戦で実際にアルビオン軍を戦闘を行ったモット伯爵を特使として派遣することを決定しました。そして更に、ゲルマニアからもロマリア説得の為に、特使を派遣していただきました。
 それがキュルケさん、彼女です」
そこで言葉を句切り、アンリエッタは一瞬、躊躇うような表情を見せたが、すぐに思い切ったような顔で言葉を続けた。
「ミス・ツェルプストーはゲルマニア国内で、何度もアルビオン軍と交戦した経験を持つ、優秀なメイジなのだそうです。モット伯爵とキュルケさんの二人には、ロマリア教皇を説得し、彼らがこちらの側につくように交渉をしていただく予定です」

語り終えたアンリエッタが、深く椅子に座り直して深く息を吐いた。
ルイズにはその所作で、彼女が多忙を極めているということの一端を感じられたが、それ故に分からないこともあった。

「陛下、よろしいでしょうか」
アンリエッタがこくりと頷いた。
「陛下のお考えは分かりましたが、なぜそのことをお話になるのですか?」
ルイズは昨日、お忍びでアカデミーへと足を運ぶアンリエッタの元を訪れるようにと王宮からの手紙を受け取っただけなのである。
いきなり国の命運を左右するような大事を語られても、驚きはあったが正直なところルイズにはピンと来なかった。
何よりも、大切な女王陛下の貴重な時間が自分の為に割かれたことが心苦しかった。

「ルイズ……戦が始まれば、私はあなたに頼らねばなりません。
 この度の戦、その勝敗を決するのはあなたの虚無の力に他なりません。故に、わたくしはあなたに時に死ねと言わねばならないかもしれません。
 ですから、だからこそ……。わたくしは、自身の口からあなたにこれからのことを伝えて、知って貰わねばならないと思ったのです。
 何も知らないあなたを利用するということを、弱いわたくしには出来そうにありませんでしたから……、いえ、これも自己満足の為の行為ですね、でも……」
「ミス・ヴァリエール」
顔を伏せて、感情を抑えて、声を小さくしていくアンリエッタの代わりに、彼女の背後に控えたマザリーニがルイズへと声を掛けた。
「女王陛下はお疲れのご様子。今日のところはこれくらいにして、お下がりください」
ルイズはマザリーニの言葉に労りの気配を感じとると、小さく頷いて無言のままにその場を後にしたのだった。


「思ったよりも元気そうじゃない」
扉から出たルイズに、声が掛けられた。
「ここで待ってたの? 良く衛兵が許したわね」
「ああ、彼ならキーナンとヘンドリックを部屋に連れて行く為について行ったわ。どっちかというと連れていかれたって感じだったけどね」
壁に寄りかかりながら待っていたキュルケが、ルイズに向かってそう言った。
「キーナンとヘンドリック? さっき一緒にいたあの二人?」
「そ。四角い顔がヘンドリックで、甲冑姿がキーナンよ」
ルイズは二人の姿を思い出す。
一人は野戦でも終えてきたかのような肌を露出した服を着ており、その上からでも分かる筋肉質な体に、刈り込んだ黒髪。どことなく雰囲気はウェザーライトUで襲ってきたメンヌヴィルという傭兵を思い出させる風体。四角い顔というのは彼の方だろう。
もう一人は建物の中だというのに、年代物の真っ黒な全身鎧を着込んでいた長身。まるで戦場からそのまま抜け出してきたかのような風体。
体はともに大柄。
どことなく違和感を感じてしまうのは、ここが戦場ではないからだろうか。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:24:44 ID:wNCIZy7x
子遠
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:26:19 ID:/eORoj7a
支援
131MtL:2008/08/05(火) 23:26:55 ID:j1jmk9Y+
「モンモランシーがあんたのことを酷く心配していたわよ。ここに到着したばかりでクタクタだった私を捕まえて、いきなりそんなことを言うもんだから、びっくりしちゃったじゃない」
「……別に、大したことじゃないわ。私にも色々あったのよ。それはそっちも同じでしょ」
そう言って、ルイズは改めて目の前に立つキュルケの格好を確認した。
当たり前だが、今のキュルケはマントの下に以前と違って学院の制服は着ていない。
彼女が着ている服は、彼女が以前に好んできていたような胸元が大きく開いたような露出の多いタイプではなく、どちらかというと実務的な軍服に近い服装である。
色は全体的に黒でまとめられており、所々に女らしい配慮や装飾があるもの、基本的には軍人然とした格好である。
そして、ルイズは以前との最大の違いである、短くなったキュルケの赤髪をちらりと見た。
「ああ、これ? これこそ大したことじゃないわよ。単なるおまじないってところ」
「……ふうん」
単なるおまじないで、あの美しかった髪を切ることがあるのだろうかと、ルイズは思った。
ルイズはキュルケが自分の長い髪を大切にしており、丁寧に手入れしていたのを知っていた。
「あんまり人に心配ばかりさせるんじゃないわよ」
「モンモランシーが心配しすぎなのよ。本当に大したことじゃないんだから」
「……まあ、いいけどね。私は明日にはロマリアへ向けて出発するから、何かあるならそれまでに部屋へ来て頂戴」
「明日? ずいぶんと早いのね」
「早い? むしろ遅いくらいだわ。本当なら今すぐでもロマリアへ向けて出発したいところよ。でも、ロマリア行きの船が明日にならないと準備できないって言われたのよ。だから、まあ……しょうがないわね」
思わぬ強い言葉で反論されたルイズが目をぱちくりさせると、キュルケは手を振って再び軽い調子で言った。
「あんた達の為って訳じゃないけど、頑張ってロマリア教皇のハートはがっちり掴んできてあげるから、明日の朝の見送りくらいは、顔出しなさいよね」
そう言うと、キュルケは身を翻してその場を立ち去っていった。
その足音を聞いて、ルイズはキュルケの靴がが以前良く履いていたヒールではなく、ブーツを履いていたことに気がついたのであった。



ロマリアへの特使を乗せる船には、トリステインにおいて現在、最も足の速い一隻が選ばれていた。
つまり、それは飛翔艦ウェザーライトUである。

ドミニア最高峰のアーティフィクサーが設計開発を行った最新鋭艦、ウェザーライトU。
例え最大の特徴であるスランのエンジンの修理がまだ完了していないとしても、風石炉と、それに連結した飛翔機構を有するフネはハルケギニアにおいて他になく、彼の船がトリステイン最速の船であることは変わりなかった。
そして、そのブリッジでは、コルベールが舵を握っていた。

「現在航路は予定通りに消化。順調すぎるくらいに順調ですね」
そのままの姿勢で、コルベールが前方の床に据えられた、黒く四角い箱に向かって話しかけた。
これは彼が発明した蓄音機という、音を記録するという機械である。
両手が使えない操舵の最中に記録を取る方法として、コルベールが自身の手で船に取り付けたものだった。


朝方アカデミーを出発したウェザーライトは、トリステイン特使とゲルマニアの特使の二人を乗せて、今はガリア領の上空を飛行している。
二機の風石炉は好調そのもので、このまま何事も無くすんなり進めば、昼頃にはロマリアへと到着する見通しであった。
出発当初は緊張して舵を取っていたコルベールも、今では落ち着いて操舵をしている。

この船はコルベールとウルザが協力して造ったといえども、主要な機関の殆どはウルザが一人で作り上げたものである。
操縦だけとはいえ、フネを操る経験の無い彼が緊張してしまったのも無理ないことであった。
何せ、現在この船にはいま一人の設計者であるウルザはこの船に乗っていないのである。
正確には、今この船には、コルベールとモット伯爵、キュルケ、それにお付きの二人しか搭乗していないのだ。
本来舵を取るべきウルザは、トリステインを離れられない事情とやらがあるらしく、その役目をコルベールに譲って、今もアカデミーに残っている。
つまり実質的に乗務員はコルベール一人。それでも問題なく航行可能であるのは、やはりこのフネの特筆すべき特性であるといえよう。

132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:28:58 ID:/eORoj7a
支援
133MtL:2008/08/05(火) 23:30:11 ID:j1jmk9Y+
微かな機械の駆動音がするだけの、静かなブリッジ
そこにただ一人立つコルベールは、右から左へと周囲を見渡した。

そして彼は少しだけ、寂しい、と思った。

機関部へ行けば黙々と作業をしている自動人形達も居るが、魂無き彼らと共にいて慰められるような、彼が抱いたのはそんな感傷ではなかった。
平均的なハルケギニアの船よりかなり広く取られた、ウェザーライトのブリッジスペース。
前方は全面が硝子のような透明な素材がはめ込まれており、視界は良好。青い海原を雲が後ろへと流れていくのが、存分に眺められる。
開放感溢れる広々とした空間、そこに独りで居るということに寂しさと、ほんの少しの心細さを感じてしまう。

以前の、学院に身を置くより前のコルベールには無かった感情である。
「……良くも悪くも、時間は過ぎ去ったということですね」

トリステイン魔法学院、そこでコルベールは沢山の人に触れた。
騒がしい教室、賑やかな食堂、気さくな教員達、そして、素晴らしい生徒達。
学院という場所では、一度として同じ時間が繰り返されることはない。
生徒達は一年で進級し、三年で卒業していく。
春になればそ成長した彼らが巣立っていき、そして希望に満ちた彼らが学院の門をくぐって来る。
同じ教室、同じ授業、それでも一度として同じ生徒達に語ることはない。

一期一会。
ただ一度の出会いは、代わるもののない、かけがえのない出会い。

トリステイン魔法学院、そこで、人との繋がりに対して無感動だった機械のような男は、人との出会いに喜びを覚える暖かな人間になっていった。
そしてそこで、彼はいつしか教師こそが己が天命と思うようになっていた。
そんなコルベールの周りには、いつも人が居た。
生徒、同僚、学院で働く平民達、彼はそれぞれに分け隔て無く接した。
確かに変人と言われることもままあった。
けれど、『教師とは人を大切にする仕事』そんなことを真顔で言う彼に、多くの人は好感を抱いてくれた。

いつの間にか、無意識に己の手のひらをじっと見ていたコルベールは、天井を見上げて静かにその瞼を閉じた。
暗転する視界、そこに焼き付いたように浮かび上がったのは、
燃えさかる魔法学院∞タングルテールの小さな村
そして、笑い声を上げるかつての部下。

『隊長殿』
彼はコルベールのことをそう呼んだ。

決別したはずだった。
この二十年で、忘れたはずだった。
しかし、それは思い違いだった。

過去はいつまでも、追いかけてくる。影のように、足音を立てずに追いかけてくるのだ。


「隊長……」

だから、そう声を掛けられたとき、コルベールは最初それを幻聴だと思った。

134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:32:27 ID:z+wvjAyG
メンヌヴィルか?支援
135MtL:2008/08/05(火) 23:33:21 ID:j1jmk9Y+
「コルベール隊長」
二度目の呼びかけに、コルベールが慌てて背後を振り返った。
ブリッジと船内を繋ぐ扉の前、そこに二人の人影が立っていた。
コルベールには見覚えのない二人組であったが、すぐに心当たりを思い出した。
(そう言えばこのフネには、ミス・ツェルプストーと一緒に搭乗された人たちが……)

そのことを思い出すと、コルベールは二人を見た。
二人は共に大柄。身長はコルベールより拳一つ以上高いだろう。
一人はマントを羽織った傭兵風の服装をしており、体つきは筋肉質で、精悍な顔つきで髪は黒の角切り、そこにいるだけで濃厚な戦場の臭いが漂ってくる様な男。
もう一人はそれに輪をかけた様な物騒な姿。体はここ数百年で見なくなったような古めかしい形の黒い全身鎧をに纏っており、身長は横にいる男よりも更に高い。
元々長身なのか、被っている甲冑の頭立てにつけられた後ろへ流された羽根飾りが、扉の頭にぶつかってしまいそうな程である。

特徴的な男達だが、やはりコルベールの記憶に、彼らの姿はない。

「まさかとは思いましたが、やはり隊長でしたか……」
しかしコルベールは角刈りの男の方が、低い声で自分に向かってそう口を開いたのを聞いた。
「君は、誰だね……?」
男はコルベールを知っているらしいが、コルベールには覚えがない。
ましてや自分を『隊長』と呼ぶ人間は……

「隊長、自分はヘンドリックであります。アカデミーの実験小隊所属でご一緒した、ジェローム・ヘンドリックであります」
「な……」
その言葉にコルベールは目を見開いて、手を口に当てた。
ジェローム・ヘンドリック。その名は確かに聞き覚えがあった。
かつてコルベールが所属した実験小隊、その中で年少だった青年の名が、確かにその名前であった。
「お嬢から名前を聞いてまさかとは思いましたが……本当に隊長であったとは、自分も驚きです」

そう言ったヘンドリックの姿を、コルベールは改めてまじまじと見た。
コルベールが記憶しているヘンドリックは、髪を後ろでお下げにしており、体も印象も、もっと頼りないものであった。
二十年という歳月の積み重ねに、コルベールは驚きを隠せなかった。
「……自分は、だいぶ変わったつもりですが、隊長もずいぶんと変わられたようにお見受けします」
「ああ、いや。たはは……」
そう言ってコルベールは無理矢理表情を作り、ぎこちなく笑うと、自分の頭部をぺちんと叩いた。
その仕草を見て、表情を堅くしていたヘンドリックも、軽く笑みを浮かべる。
「隊長はあの後も、ずっとトリステインに?」
「あ、ああ。それと隊長はよしてくれ、コルベールで構わないよ……。うん、私は魔法学院のオールド・オスマンに拾われてね、それ以来これまでずっと教師として生きてきたのだよ。……そう言う君は?」
気まずそうにヘンドリックの足下を見ながら、コルベールは言葉を返した。
副長であったメンヌヴィルの、あの狂炎の魔人とでも言うべき狂態とは違う柔らかな対応に、最初は強くショックを受けていたコルベールも、やや平静を取り戻しはじめていた。

「は。自分もあの事件の後、隊長……コルベール殿と同様に隊を抜けまして、十年前までは傭兵として暮らしていました」
「十年前まで? それからは?」
「いや、それからはお恥ずかしい話になるのですが……」
巌のような顔を崩して、ヘンドリックが笑った。
笑うと子供のような顔になる、昔誰かがヘンドリックをそう揶揄していたのをコルベールは思い出した。
「ゲルマニアで好きな女ができまして……。それからは傭兵家業から足を洗い、下級貴族の位を買って、慎ましやかに暮らしておりました」
そう語るヘンドリックは、本当に幸せそうだった。
その顔を見てコルベールは思った。
ああ、この男も、それまでの時間を取り戻すような良い時間を送ったに違いない、と。

しかし、ヘンドリックはそこで言葉を切り、顔を元の巌に戻した。
そして
「その妻も、先のアルビオンの侵攻作戦で亡くなりました」
必要以上に平坦な声で、続けた。

136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 23:33:24 ID:M3w/fDty
支援
137MtL:2008/08/05(火) 23:37:13 ID:j1jmk9Y+
その言葉にコルベールがたじろぐ。
幸せそうに家族を語った男が、石のような堅い声で語ったその言葉に、どれだけの悲しみと苦しみを込めているかを感じ取ったからだ。
だが、次にヘンドリックが取った行動こそ、コルベールを驚かせた。

「隊長。……いや、ミスタ・コルベール。自分は貴男にお願いがあってこの場に参りました」
そう言うと、ヘンドリックはその場にがばりと身を伏せて、頭を床に着け土下座したのである。
突然の行動に驚きを隠せないコルベールに、ヘンドリックは続けて言った。
「お嬢は、あの娘はコルベール殿の教え子だと伺いました。だからこそ、貴男に、我々と同じ境遇のコルベール殿に後のことを託したくこの場に参上しました!」
続いてガシャンと大きな音がし、コルベールがそちらを見やれば、甲冑姿の方も、ヘンドリックと同じ姿勢をとっていた。
「恥を忍んで、お願い申し上げます! 我々がもしも果てたならば、後のことを、お嬢のことをコルベール殿に頼みたいのです!」
その鬼気迫る勢いに、コルベールが一歩たじろいだ。
「な、何を言っているんだ君達は……今の私は、しょせんただの教師で……」
「だからこそ! 教師としてのあなたに頼むのです。コルベール殿の信念と、教師という人生と、この二十年を信じて頼むのです!」

男の声に、涙が混じった。

「元々、我々はお嬢を指揮官にした、爵位が与えられた元傭兵が集まった使い捨ての部隊でありました。そして全員が、アルビオンに大切なものを奪われた者達でもありました。
 そして、同じ傷を持つ我々は、共に戦いました」
慟哭。
いつしか、男の声色は懺悔のそれとなった。

「戦いの果て、一人減り、二人減り。最初お嬢を含めて八人だった小隊も、今では自分達二人とお嬢の三人だけとなってしまいました。……お嬢はそのことを、自分の責任として背負い込もうとしているのです。
 あのお嬢さんは、優しい娘です。本来自分達のような血生臭い世界にいちゃいけない娘です。
 両親の復讐なんてものに、人生を滅茶苦茶にされてはいけない娘なのです!
 咎があるのは我々七人。まだ戻れる彼女に、もう戻れないと錯覚させてしまった我々七人。
 彼女は違う、自分達のような首までどっぷりと血の池に浸かってしまっている人間とは違う。彼女はまだ、道を踏み外していない。地獄へ落ちるのは、我々七人の仕事、だから彼女には、生き残って元の生活に戻って貰いたいのです」

二人が、同時に面を上げた。
ヘンドリックの瞳に宿っていたのは、決意という名の静かな炎。
ヘルムのバイザーごしに見えない、もう一人もきっと同じ目をしているに違いない。
こんな目をした男達を、コルベールはかつて何度か目にしたことがあった。

だからこそ、彼には分かった。

『この男達は、死ぬ』

彼らの覚悟は決死の覚悟。
それは死を賭して、彼女の体を守ろうという鋼鉄の意志だ。
そして、彼らがコルベールに託そうとしているのは、彼女の心を守るという役目だ。
「私は……私は……」
コルベールは彼らが託そうとしているものの重さに気付き、戦き、 その何も掴めぬ両手で、顔を覆った。

その内に去来するのは、

――あなたは、私の知ってる先生なんかじゃないっ!――

愛すべき、生徒から向けられた弾劾の言葉。
コルベールの心に刺さった、棘のような恐怖。
「私はっ   !」


                        臆病なコルベール、逃げ続けてきたコルベール。
                        己の過去を、恐れ怯える。
                        哀れな罪人。
                              ――『詩人の歌』
138MtL:2008/08/05(火) 23:43:22 ID:j1jmk9Y+
以上で投下終了です。
3章11話から続くアルビオンの話をやっと書けました。


追記(とかはあんまり好きじゃないのですが)
キュルケの部下二人は、本当は外伝でキュルケメインの全八話の話を予定していて、そこに登場するはずだった人たちです。
その話は、書く機会があれば、……


ちなみに私は病院のカレーを食べます。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:02:30 ID:tl+eu0Of
乙です
入院ですか?
ご自愛ください
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:05:10 ID:gZo4F8I2
乙カレーと繋げたかったんですな!
恐ろしい子((((;゚Д゚)))…ガクガクブルブル

おいときまして、猛暑が、猛暑っと続きそうな今日この頃。
MtLさん、ご自愛ください。ちなみに、今読んでいる最中です。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:06:35 ID:OTh+a5d1
タイラーのボブ・キーナンじゃないとは思うけど投下乙。
142MtL:2008/08/06(水) 00:07:00 ID:fnFRyuGt
あ、すみません。
蓬莱学園のネタでした……<病院のカレー

別に病気とかじゃないので、気にしないで結構ですよー。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:09:24 ID:5AkC/m3Y
蓬莱関係者多すぎだろうwww
MtLさんGJっす!外伝は読んでみたかったですが、スケジュール的に無理なら我慢しまっす!
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:35:57 ID:f4GcgT0n
京都風之助召喚とか考えたことあるけど。
巡回班の中の人がネットのどこに隠れ潜んでるか分からないことを考えると、恐れ多くて書けないwww

公式キャラみたいなPCが多すぎるんだよ、アレ。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:46:04 ID:h91A5Itk
2級生徒召喚すれば問題なくネ?
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:53:48 ID:C29CDpuG
>>123の俺も巡回班士……

>>138
>病院でカレーを食べる
ラスダンのΩマスターネタ。俺が書こうとしてるのマジでΩマスの所のネタだよ。
具体的にはヒゲとやかんと牛。
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 00:55:02 ID:gZo4F8I2
>>144

>>隠れ潜んで

ちょっちズレるが、某地獄の沙汰も金次第の示現流の人ならば…
あるいはww散々ゴネつつも、ルイズさんが金持ちだという事
実が判明したら即座に従順な人になりそうな。昏倒勇もビックリ
というものだ。何にせよ雷鳴とどろかせた皆さん多すぎだからねぇ…( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:00:14 ID:knVP/OY/
一年間ほぼ図書館に潜ってくらす日々……
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:13:29 ID:gZo4F8I2
>>146

色んな意味で得心が逝きましたw
そっちかw

>>148

葱の人が最初ではなく、図書館探検の第一波は
やはり蓬莱だったに一票をば。それにしても同窓会の様相を見せてきそうな勢いに
驚きと懐かしさを感じて止みませぬ(苦笑)
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:24:44 ID:knVP/OY/
蓬莱の絵師の人が同人誌で、コミケで葱の人が「今度こんなんやるんで、よろしくです」って挨拶に来たという話を。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:27:43 ID:PB1+NlNI
なんか久々に蓬莱タイムズ引っ張り出して読みたくなってきた。
にしても意外とオッサンも多いな、このスレw
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:32:14 ID:gZo4F8I2
>>150

あ、それは知らんかった。意外と繋がってるもんやねぇ(・∀・)
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:33:12 ID:XcNFCf2E
リプリーが召喚されました。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:41:55 ID:A/mLK/Ed
入院とかではなかったのね

登場人物のそれぞれが光ってるな
続きを楽しみにしてます

キュルケの外伝、とっても読みたい…
155カービィの人:2008/08/06(水) 01:50:59 ID:YVaGxe7q
こんばんは、使い魔カービィの作者です。
予想以上に筆が進み、外伝8.5話は今日か明日中には投下出来そうです。

ただ、大学の論文が予想以上に強敵で、しかも締め切りが7日という修羅場状態です。
論文なんてなくなってしえばいいのに……
なので、もしかしたら予定道理に投下出来ないこともあるので、あらかじめご了承ください。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 01:58:27 ID:yIJbOSj3
気にしないでマイペースでやってくれ
ずっとまってたから楽しみにしてる
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:00:01 ID:gZo4F8I2
>>155
おかえりアミーゴ!あっと、でも論文優先は当然だーYO。
私生活優先。気長に待ってるから落ち着いて作業をしてくださいな。がんばりゃー!
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:00:32 ID:kyWy4xs0
>>20-25
 これは・・・このスレに粘着してる奴の、新手の荒しか?
 それとも、まさか、これは本気で提督のエピローグを希望しているつもりなのか!?

 いかな薔薇提督の人がふてぶてしかろうと、こんなやり方されたら引くだろう
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:09:50 ID:QVIC10G6
荒らしや粘着に触るのも同類ですよ。

気持ちはわかるけど相手にしないのが一番です。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:36:18 ID:VNchLGWX
それっくらいのことじゃ引かないのが提督クオリティ
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:38:40 ID:vpFvXdTr
もう見てないだろうが前スレ>>978

つ 『M16スカイクリーナー』
ブローニングM2・12.7mm機銃×4装備のミートチョッパーだ
これなら101匹ワルドもいちころさ!
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:43:55 ID:gZo4F8I2
>>161

ライトセイバー&ジェダイでもない限りは回避できまい。
駄菓子菓子!偏在なら!偏在ならきっと何とかしてくれry
163虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 02:51:17 ID:qo03Pc5C
>>162
駄菓子菓子に笑った!

出来上がったので投下したいのですが進路はクリアーですか?
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:54:30 ID:eCfTn60I
おっチーフ久しぶりだ。
進路クリアーですどうぞ
165虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 02:56:26 ID:qo03Pc5C
それでは投下させてもらいます


level-12 「師弟」

 ルイズとワルドが部屋で話し合ってる頃、ルイズが懸念した通り扉の隣で立ち尽くすチーフ
 当たり前と言うか、他の宿泊客の視線を集める事になるがチーフにしてはどうでも良かった
 最優先事項は『ルイズの安全』であり、自身の外聞は二の次以下
 要は他人の視線は気に掛ける意味さえ無いと言う事

「………」

 そんな警備をする中、センサーに右側面から近寄ってくる動体反応を感知
 一遍視線を向け、反応の主を確認して視線を戻す
 近寄ってきたのはタバサ、その背中には不似合いな剣を背負っていた

「訓練」

 そう言うタバサを前に、チーフは何時もの練習をしておくように言おうとすると

「子爵は強い、ルイズの守りは十分」

 先手を取ったのはタバサ
 ルイズの護衛をやらなければいけない内心を知って尚、訓練をして欲しいとタバサ
 だが、技術指導を引き受けた身としては断るわけにも行かない

「……しかし」

 タバサが言うように、ワルド子爵の身のこなしは訓練されたそれと同じ
 王の護衛を任される魔法衛士隊の隊長であれば、魔法も存分に長けているのだろう
 そもそも、魔法衛士隊は護衛を主にしている為に文句の付け様が無い
 任せられる相手が居る事にある程度の安心を置く、それが狙いだったのか、タバサが再度攻撃を仕掛けてくる

「………」

 藍の瞳に見つめられ、中には確固たる意思が確認できた
 タバサのその熱心な気概は見上げたものだが……、その服装がパジャマだったのはいただけなかった

「なら買いに行きましょ♪」
「ッ!?」

 どこに居たのか、タバサの影から現れたように見えたキュルケが「服を買いに行こう」と提案
 タバサがビクリと震えた後、脱兎の如く駆け出した
 がそれを上回る速度で捕らえるキュルケ

「悪くない」

 そのスピードを見て、つい呟いてしまった
 襟を掴まれズルズルと廊下を引きずられるタバサの瞳は、何処か遠くを見るように虚ろ
 それを見送り、黙々と警備を続けるチーフであった
166虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 02:57:11 ID:qo03Pc5C
 タバサはパジャマから着替え、もとい着替えさせられ、チーフを半ば引っ張る形で宿の中庭の修練場に連れて行く
 ちなみに着替えはキュルケが買ってきた学院制服と似たような、白のブラウスに黒のプリーツスカート
 控えめ且つ微細な装飾の衣服、ある程度の観察眼があれば一見で目を引くブラウスのきめ細かな銀糸の刺繍、スカートにも同様の刺繍が施してある
 質朴に見えて豪奢な、タバサの物静かな印象を損なわず、尚且つ貴賤の格を明確に表すような、要するに平民が手を出せないような服を着ている
 無論見合うだけの金銭が掛かっているのだろう代物を、こうも簡単に買って来るのは見栄えを重視する貴族ならではと言った所か

 そしてその衣服に似合わない、以前に身長140サントほどの少女が剣を構える方が似合わない──が互いに向かい合い、手には剣を握る
 片やデルフリンガー、片や師事を乞いた次の日に買った剣
 形としては両刃の刃渡り30サント程の、ブロードソードなどと呼称される片手剣
 普通ならば鈍色、鋼色と言うような灰色を基調とした白濁色だが、その刀身には多少の赤が混ざっていた
 手に取ってみると明らかに軽い、同じサイズの剣より半分と言った重量
 デルフを取り出し、軽く叩き合わせると

『いでッ!』

 と呻いていた為、相当な切れ味がある様だった
 この重さで中々の切れ味、つくづく魔法は理解し難い

 また、これを選ぶに当たって幾つかの候補が出た、と言うよりタバサが持ってきた
 初めはツーハンドソード、タバサは身長を超える両手剣を購入して持ってきた
 どう見ても持てない、持ち上げる事さえ出来ずに地面に転がしていた
 その次はバスタードソード、片手半剣と呼ばれるツーハンドソードより一回り小さい両刃の剣
 一回り小さいと言っても、やはり持ち上げる事すら出来ずに地面に転がしていた
 三度目の正直か、持ってきたのはロングソード、同じくバスタードソードより一回り小さい剣
 1メイル近い剣ではあるが、何とか持ち上げる事は出来た
 そう、ただ持ち上げる事だけだ、振り回す事などタバサの細腕では不可能
 そして試行錯誤とは言えない結果、選ばれたのは上記の剣
 本来ならばバックラーと呼ばれる30サントほどの盾が付くのだが、受けるも殴るもタバサに合わないので外した
 因みに、買ってきた武器屋はデルフを買った店らしく、適正価格だったらしい
 勿論値段はそれ相応だっただろうが

 タバサはそれを握り、構えて切っ先をチーフへと向ける
 それに応じてチーフは右手にデルフを握り、右半身を前に出す
 タバサは同様に、しかしチーフ以上に右半身を前に出す
 二人から離れたところでキュルケがそれを見つめ、訓練が始まった

 まずはゆっくりと、誰でも避けられる様な速度でデルフを横に薙ぐ
 それを最小限、体を屈めて避ける
 タバサは体全体を伸ばしながら、剣を手首に向かってゆっくり突き出す
 その剣先がチーフの手首に当たるか否かの所で二人の動きが止まる

「今のはダメだ、体が伸びきり次が起こせなくなる」

 その言葉に頷くタバサ、注意点を考え、修正点を踏まえて実行に移す
 動いて確認した後、最初と同じ間合いに戻り、先ほどより少し早い動きで似たような動きをする
 その次からはチーフがタバサの攻撃を避けて、反撃を繰り出す
 回を重ねるごとに合が増え、風を切るような速度に達する
 決して鉄の打ち合う音はしない、聞こえて来るのは港の喧騒と風切り音のみ
 タバサの真剣な瞳はチーフの一挙一動を確り捉えて的確な反撃を行う
 避けられない、あるいはチーフに攻撃を当てるとそこで止まってもう一度最初から始める

 属性系統が風だからかどうかは分からないが、タバサは動きは素早い
 体格も小さいがために動きは軽快、動体視力もかなり高く訓練開始当初からある程度の軌道を見切っていた
 それを見て、彼女に有った戦闘スタイル、剣とタバサの長所を生かしてカウンター、あるいは一撃離脱が有効と考えた
167虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 02:57:57 ID:qo03Pc5C
 勿論防御などは行わせない、その理由はタバサの体格
 一般平均の体格を持つ男と一回打ち合うだけでも体ごと押し返される
 倒れればそのまま止めを、倒れないにしてもバランスを崩す事は間違いない
 増してや、2メイルを超えるチーフと1.5メイルはあるデルフリンガーの一薙を受ければ何メイルも宙を飛び、何メイルも地面を転がるだろう
 勿論そこまで力を振るわないが、当たれば手足の骨を軽く叩き折る位の威力はある

 そんな考えを他所に、息を切らせつつ避け続けるタバサ
 手加減をしているとは言え、魔法の力で身体能力が向上している状態の攻撃をここまで避けきるとは感心する
 剣を扱うにしろ既に手馴れた物となっていて、その特性を正しく理解し攻撃を繰り出している
 恐らくは夜、誰もが寝静まった所で剣を振っているのだろう
 その証拠に、か細い手のひらには幾つもの潰れたまめが見えた
 治癒魔法を施していれば跡すら残さず消えるだろうが、治さないのは積み重ねた鍛錬の証明か
 その行いに折れぬ強靭な意思が垣間見える

 そしてその強靭な意志に答えたのは良いが、今言った通り基本的にタバサは白兵戦向きではなく白兵戦を行う者達と比べて多数の部分で劣っている
 体格が小さく、膂力が弱く、持続力が低い
 どれもが勝利を掴むために必要なファクターである
 だが反比例していると言って良いだろう、劣る部位を補って余りある他の能力
 タバサには敵をすり抜ける機動力に、敵の動作を見逃さない動体視力に、並のメイジを圧倒する精神力がある
 そして、何より決して折れぬ意志がある

 その意志が最も大切、それが無ければ大の男でも音を上げる訓練に付いて来れなかっただろう
 また、その秀でた才能は至極簡単に敵を葬る事が出来る組み合わせ
 その能力全てに見合うやり方もあるが、今はそれを教えない
 それだけを学べばすぐにでも目的を果たしに行くだろう
 結果、出来上がるのはタバサの死体と言った所か

 狙うは一国の王、事情はどうあれ王の周りを守るのは精鋭と言って過言ではない
 タバサのスペルレベルはトライアングルメイジ、片や王を守るのは何名ものスクウェアメイジ
 上級のメイジが唱える『探知』などの魔法は闇夜に紛れようと的確にその位置を捉える
 如何に上手く隠れようと、魔法は異物を見逃さない
 故に魔法は近接戦闘技術を容易く引っくり返す、付け焼刃では容易にへし折られる
 確実を期すならば、己が成長しきるまで待った方が断然成功しやすくなる
 その間に戦術や戦略などを学ぶのも良い、今は使えなくとも何れは役に立つ時が来る
 理由はタバサはガリア国王の弟の娘、つまり王位継承権を持つと言う事

 有能で善良だったオルレアン公は数多の者から慕われていたと聞く
 不慮の死だったが実際には毒殺されたと言う噂もあるだろうし、少なからず現国王に対して不信感を持つ者もいるはずだ
 それを踏まえ、その娘であるタバサ、シャルル大公の娘シャルロットとして祭り上げられる事もあるかも知れない

 そして、タバサの願いが叶えば十中八九、シャルロットとして王座に付く事になるだろう
 その後役立つのが先ほどの『上に立つ者の嗜み』と言うわけだ

 と言っても、タバサはどうしても自分の手で、と言うので近接戦闘技術を教えている訳だが
 どちらを駆使しても届かないだろう敵が現れるかもしれない、その時を想定した座学も始めている
 具体的には罠を仕掛ければいい、己が有利に働くよう誘い込めばいい
 力が勝る敵と正面からぶつかる必要などはどこにもない
 その身が危険ならば隠れればいい、隠れられなければ逃げればいい、
 そしてそこから生み出された反撃の機会を逃さず使い、敵を地に伏せさせ、自身は生きて立って居ればいいと教え込んだ
 また、それを教える前にその行いが貴族の名誉や自尊心を傷つけるだろう事だと教えたが

『その結果で卑劣と言われようが関係無い、ただ願いが叶うなら……』

 この身さえも捨ててしまう覚悟がある、と彼女は言った
168虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 02:58:48 ID:qo03Pc5C
 その決意を、願いが達せられる確率を高める手段が近接戦闘技術の習得
 何故近接戦闘技術なのかと言うと一部を除き、メイジは接近戦に弱い
 接近される前に敵を撃つのが基本で、それしか有り得ないからだ
 勿論精神力が切れたならば下がるだろうが、そうも行かない状況も多々あるはず
 タバサもそれを懸念していたのだろう
 魔法がどう言う物か聞いた時に非常に詳しく話してくれた事からそういう状況に陥った事もあったのだろう
 魔法以外の戦闘方法を知らぬ故に、類稀なる近接戦闘技術を持つチーフに指示を請いた

 無論、近接戦闘技術は最終的な守衛、あるいは攻勢に用いる二次的な手段である近接戦闘
 要は魔法が使えなくなった時の予備の戦闘方法に他ならない
 戦場で『精神力が切れていたので見逃された』などと馬鹿な事が起こるわけも無い
 戦場ではたった一人で何十人、下手をすれば数百もの兵士やメイジを倒してしまう者も居る、だから優先してメイジを狙うと言う
 飛び交う矢や魔法を防ぐ事が何度もあるだろう、それで精神力が切れればただの人、故に魔法無しでも戦える様にならなくてはいけない

 チーフも同様、基本は銃による射撃で魔法の精神力と同じく、消費してしまう弾薬が尽きた時の副次な攻撃手段
 もっとも、チーフの体格と膂力から放たれる打撃は容易く人を死に至らしめることも出来る為、打撃のみで切り抜けた時もあった

 話が逸れたが、教わっている物は死なない為の、勝つ為の、生き残る為の技術である

「よくやるわよねぇ、毎日こんな事してるんでしょう?」

 今の今までただ黙々と見つめていたキュルケは、二人の訓練を見つめながら話しかけた

「───」

 タバサは一杯一杯なのか、キュルケの問いに答えられない

「ああ、毎日だ」

 タバサと違い、打ち合いながらも平然と答えるチーフ
 要は反復練習だ、頭で覚えるのではなく体に覚えこませる必要がある
 咄嗟に、頭で考えるより先に動かなければ意味が無い
 その効果か以前より素早く、反射的に動ける様になったタバサ
 この反復訓練に有る程度慣れれば、フィールドを変えたりして対応力を伸ばすメニューを既に組んでいた

「こんな時にまでやらなくて良いと思うけど、本当に必要なの?」
「俺は必要だと思うぜ?」

 チーフに振られながらデルフも答える

「それに嬢ちゃんは才能がある、磨いた分だけ輝くと思うわけよ」

 妙なドップラー効果で声が小さくなったり大きくなったりしながら才覚が有るとデルフは言った

「それは見てればわかるけどね」

 以前訓練風景を見た事あるが、明らかに今の方が速い
 そう思い、キュルケは風切り音を聞きながら頷いた
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:59:05 ID:eCfTn60I
しえん
170虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 02:59:41 ID:qo03Pc5C
「今日はここまでだ」

 長時間の訓練、辺りは夕日によって赤く染まっていた
 大粒の汗を流し、肩を上下させて呼吸を行うタバサにキュルケが歩み寄って声を掛ける

「はい」

 用意していたビンをタバサに手渡す
 勿論チーフにも大きめのビンを手渡す、見てみると中には透明な液体が揺らめいていた

「喉、渇いてるでしょ?」

 タバサは頷いてビンを唇に当て傾ける
 口から入り、喉を通って胃に流れ込む水は快感に近い感覚
 
「こんなに汗かいて、お風呂に入りましょ」

 大量の汗でシャツが濡れ、肌色に透けている
 タオルでタバサの汗を拭い、背中を押して宿内に入っていく
 チーフはその後姿を見て、声を掛けた

「タバサ、今日は止めておけ」

 それが何を意味するか、わかるのはチーフとタバサ、あとはデルフのみ
 足を止めたタバサは数秒の沈黙後、振り返って頷いた

「何? 何を止めておくの?」
「………」

 キュルケの問いに答えず、スタスタと宿に入っていくタバサ

「ちょ、ちょっと!」

 慌てて追いかけるキュルケ
 二人が宿に入って行ったのを見送り、デルフが口を開いた

「……相棒、ありゃあやるんじゃねーか?」
「かもな」
「あの根性には恐れ入るが、力入れ込みすぎて壊れると思うぜ」
「その時は止める」
「ま、相棒がそう言うならもう言わねーがな」

 懸念を口にしながら、チーフとデルフは沈み行く太陽を見つめていた
171虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 03:00:33 ID:qo03Pc5C
 宿の自室に戻ったタバサは、鞘に収めた剣を立てかけて今日の訓練を思い出し、修正点などを考え始めていた
 
「………」
「ちょっとタバサ、そんな汗で濡れた服のままじゃ気持ちが悪いでしょう?」
「………」
「タバサってば!」
「………」

 返事すら返さないタバサに業を煮やしたのか、キュルケの声質が明らかに変わった

「……もう、しょうがないわねぇ」
 
 その声は何を含んでいたのか、悪寒を感じさせるものがあった
 背筋に奔る冷気を抑えながら、タバサは視線を向けて後悔する事になった 
 振り向いた先、『ニコ』と言うより『ニヤリ』と言った表現が似合う笑みを浮かべるキュルケ
 それを見てやはり悪寒を感じたタバサは逃げ出す
 お約束と言うか、疲れきっていたタバサは逃れられずに捕まり抱き上げられた

「……あら?」

 抱き上げたキュルケは声を上げた
 その疑問は重さ、いわゆるタバサの体重
 以前と比べて重くなっている様な気がしたために声を上げてしまった
 勿論口に出さない、自分が言われて嫌な事は絶対に口にしないのが信条
 不思議そうにキュルケの顔を見上げるタバサ、数秒の沈黙の後

「さ、行きましょ」

 何事も無かったかのように、タバサを抱えたままキュルケは目的の場所へ向けて歩き出した
172虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 03:01:25 ID:qo03Pc5C
 所変わって、女神の杵は貴族向けを謳っている事もあり、宿の奥には大浴場が備え付けられていた
 贅沢に分類される湯を張った浴槽、幾つもの香草が表面に漂っている
 時は夕日が落ちる時間帯なのだが、泊まっている宿泊客が少ないのか浴場には数人居ただけであった
 その大浴場の一角に青髪と赤髪の少女が向き合って座っていた

「はい、左腕」

 室内を灯す蝋燭の光が、一糸纏わぬ二人の素肌を照らし映す
 淡い光で浮かび上がったのは白磁器の様に白く肌理細やか、その持ち主は寡黙なタバサ
 歳相応、と言うには今だ幼い体つきだが、もしも裸体の彼女を目の前に誘いを断れる男は少ないだろう
 もう一人の褐色で瑞々しい素肌は明朗なキュルケ、タバサと比べて明らかに豊満と言える体は事実として数多の男を悩殺してきた
 そんな内も外も対照的な少女二人が親友と言うのも少しおかしい気がするが

「次は右腕」

 キュルケは差し出されたタバサの白い腕を取って布で軽く擦る、その布には香水を練りこんである高級な石鹸を付けてある
 柔らかい香りが漂い、灯りは肌の上で揺れる泡の玉を映し出す
 会話も少なく、話題も無い、静穏の帳が下り始めた頃キュルケが口を開いた

「ねぇ、タバサ」
「………」
「さっきの『止めておけ』って何?」
「………」

 腕を擦りながら問うキュルケ
 タバサは答えない、キュルケの目を見ず、その向こう側を見るような力の無い瞳

「ねぇ、これも関係あるのかしら?」

 言いながらタバサの堅く握った拳を手に取った

「………」

 答えない、ここ最近何時見ても握っている掌
 本を読む時でさえほぼ握り拳、それは掌を隠しているとしか思えなかった

「ねぇ、タバサ」

 キュルケは顔を近づける
 タバサの空ろな瞳にキュルケの顔が映りこんだ

「私には教えられない事なの?」
「………」

 答えない、教えられるのか教えられないのか、それさえも答えない

「……そう、ならもう聞かないわ」

 数秒見つめあった後、ニッコリと満面の笑みでタバサに微笑みかける

「誰にだって聞かれたくないこと、あるわよね」

 タバサの肩に手を置き、そのまま180度回転させる
 その後、泡立った布でタバサの背中を擦り始める
 呆と空ろだったタバサは少しだけ頭を下げ俯いた、そして変わらず掌は握られたままだった
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 03:02:11 ID:eCfTn60I
しえん
174虚無と最後の希望:2008/08/06(水) 03:02:45 ID:qo03Pc5C
以上で投下終了です
次も銭湯……、ではなく戦闘になるかと思われます
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 03:04:35 ID:eCfTn60I
乙でした。
タバサ掘り下げ回でしたな。次は襲撃くるかー
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 03:13:07 ID:T6dYynZx
02
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 03:25:41 ID:vpFvXdTr
乙でしたー。
筋肉増えたのか、タバサ…。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 05:57:15 ID:K7Om0wO8
おおお、ずっと待ってました乙!
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 11:25:23 ID:AfVMzkxe
>>125
>ルイズが音がした方を見やれば、アンリエッタの後方側面にあるドアの前に、痩せすぎた白髪頭が立っていた。
痩せぎすじゃないの?って突っ込もうと思ったんだけど、マザリーニの場合痩せすぎでもあってるような気がして
突っ込み辛い(w`
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 11:55:50 ID:YVh1EAPK
そこは多分、普通にやせすぎなんじゃないの……?

かくいう自分は痩せぎすで検索して始めて意味を知ったけど
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 12:06:12 ID:CwBW/cBP
くじびきアンバランスより秋山時乃召喚
状況を理解せずただ偶然と運の良さだけで万事解決
なぜか周りが助けてくれるし
182名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/06(水) 12:26:29 ID:mhZW+ntv
バットマンよりジョーカー召喚、ジョゼフとキチガイ対決とかどうよ
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 12:30:55 ID:CwBW/cBP
理性を残したキの字なジョゼフと違ってジョーカーは真正のアレですからね
アレをアレらしく描くのは難しい

184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 12:39:45 ID:dBqAEXU8
アレと言えば陣内克彦、ジョゼフが召喚したらカオスになるw
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 12:46:19 ID:gZo4F8I2
>>184

「神が私を選んで告げたー♪この世を征す真の支配者だとー♪
富士の五合目ー♪神社の鳥居ー♪至る所でその名を見るだろうー♪
八百屋の棚のメロンの様に、不動の地位が似合う男なのさー♪

一番風呂からー♪大宇宙までー♪征服こそ私の使命ー♪
あーーーひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!(゚∀゚)」

…なお方ですね分かりますw最近、中途半端に世界の破滅系悪役が増えて
おりますが、あそこまで分かりやすい馬鹿…もとい、アレなタイプはトンと
見かけなくなり、そこはかとなく寂しゅうございました。乱世の時期限定ならば、
あの人、意外と優秀なのではないかという議論が上がりましたが、どんなもんでございましょうね?
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 12:52:10 ID:lo/xMcYT
キの字っていうか誇大妄想狂だとおもってたなぁ
リアルタイムで見てた時は
>>184
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 12:55:00 ID:CwBW/cBP
>>184
敵にすればやっかいだが味方にすると鬱陶しい、そんな彼の事ですね
彼は「物を考えなかったバグロムが欠片程度考える様になった」きっかけでしかなく
彼自身は(他人、特に誠と比べて)さほど何かに長けているとは思えません。
まあ「他人が思いもつかない思考を推し進める」点だけはスゴいかと
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 13:40:39 ID:T6dYynZx
キの字な人召喚か
カオシックルーンから・・・たくさんいるな
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 13:55:16 ID:knVP/OY/
たかが高校の生徒会選挙に贈賄、スキヤンダルを握って恐喝、悪評流布など、
ダーティーな手段をとって会長になった悪知恵と行動力は凄いと思うw

正直多分に純真な所があるハルケギニアの人々を相手に戦うんなら、
勝てないまでも非常に鬱陶しいと言う敵になりそうな予感。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 13:55:30 ID:CwBW/cBP
キの字・・・・・・・ラクス・クライげふんげふん

ゴステロと死鬼隊をジョゼフが召喚

どっちがハルケギニアにとってタチ悪い災厄かな?
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 14:05:39 ID:gZo4F8I2
>>188

もう手遅れな理性消失タイプのアレ(快楽殺人鬼系か?)

理性もありますが、何気に螺子が飛んでるタイプのアレ

なんだか独自の世界観信仰してて他の人は死ねタイプのアレ

感受性強すぎたためか、最後に正気を保てなくなってしまったアレ

アレ、アレ、アレにも色々ありますが、なんか新時代を切り開く…こう、
インパクトの強い新型機種なアレの登場を編集部は待っているという感じですね、はいw

>>187

当時上がった議論によると、突撃&蹂躙しか知らんかったといってもいい虫頭に考える
切欠を与えた事だけで、同盟全体を蹂躙出来るほど人間勢も甘くはなかったのではないかという
意見が出ておりました。入ってきた情報から体勢を立て直すなどの方策も取れたのではないかと。

それを看破したという事で、あの御方はVS水原君以外では、かなり良い味が出ていたのではないかと
いうのでございます。反論として影の一族の暗躍を始め、彼らバグロムがある種の知恵を身につけるなど、
同盟にしてみれば、正に寝耳に水であり、情報を仮に得ていたのだとしても活用するには至らなかったという
ものがございました。(犬や猫がある日言葉話して、二本足で歩き出したと言われても信じられないという位の衝撃だったの
ではないかと。)後はイフリータの猛威で上手く持ちこたえていた砦などは力押しされてしまっただけというのも出ておりました。

つまり、あの御方が切れた…いや、年がら年中頭の中切れてますが…からの勝利ではなく、あらゆる意味で時勢が味方
しただけではなかろうかと。さて、真実は何処にあるのでしょうかねぇ?(遠い目)
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 14:20:51 ID:knVP/OY/
>>191
しかしイフリータが大火力で焼き払い+虫突撃で敵の中枢を叩くというのは、
グーデリアンが提唱しアメリカが実践した電撃戦の理論を忠実に再現してるんだよね。
人類の歴史上、それ以前の戦争は基本的に正面からぶつかり合っての消耗戦で、
せいぜい遠距離攻撃や奇襲、挟撃が加わるぐらいで、まったく新しい戦闘理論なワケで。
同盟の人達からしたら、そりゃ恐ろしいわ。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 14:24:48 ID:CwBW/cBP
まあチョビ髭の伍長よりは戦術を考えられるって事ですね
もっとも彼は「デカい花火手に入れたからそれで敵燃やして数だけは多い手駒で蹂躙!」
くらいしか考えてないかと思われ

それ以上に「あの」陣内克彦を知ってる人が意外に多いのに吃驚
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 14:28:31 ID:CKrf2yy5
>>193
何言ってんだあんなメジャー作品知ってるに決まってるじゃまいか。
田舎のレンタルビデオ店でも天地と一緒に置いてあったしな。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 14:37:39 ID:knVP/OY/
違うんだ……チョビ鬚伍長さんが電撃戦を実践できなかったのは、
それを可能にする物資が、武器が、無かったからなんだ。

だって戦車がいっぱい必要なんだもの、電撃戦。
陣内は装甲が堅くて数だけは多いバグロムで代用したワケですが。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 14:42:39 ID:C29CDpuG
>>193
小説全部持ってるぜ。でも妹の方が色々とチートだと思う。

>>147-152
どんだけいるんだ学園生徒。

>>149
Ωマスの所にいた朋友と思って聞くけど、牛って「使い魔」としては当たりだよな。
……食堂イベントが「ボンジョールノ火祭り事件」みたいになりそうだけど。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 15:14:04 ID:CwBW/cBP
えー、突然ですがハルケギニアに「磁石」ってあるんでしょうか
いえね、「食われた直後のマグニートー」ってネタ練ってるトコロなのですが
ハルケギニアに磁石ないし磁力という概念があるか無いかで皆の対応全く変わってくるのです
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 15:39:58 ID:eW6eno8k
時代的にはあるんじゃないかな
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 15:42:44 ID:xjneiSqZ
「磁石」は有るだろうが、「磁力という概念」は無いと思う。
アカデミーで誰か研究中かもしれんけど。

ちなみに「方位磁石」や単なる「磁石」は店で売ってるんじゃないかな?
場違いな工芸品とか、鉄を引き付ける不思議な石として。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:05:19 ID:A4FOk225
電気がビリッと来る奴程度にしか知られてないからな
201炎神戦隊ゴーオンジャー ◆955ynBBa1I :2008/08/06(水) 16:13:46 ID:zDUnmmuL
GP−02投下OKですか?
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:13:47 ID:NNY9IRac
ライトニング・クラウドと静電気と雷を、それぞれ別のものとして認識してそうだし
方位磁石(羅針盤)は有りそうだけど一定の方向を指す不思議な石扱いかもしれん
不思議でわけもわからんが、とにかく使えるレベルの
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:16:50 ID:D92ovzHd
しえn
204炎神戦隊ゴーオンジャー@ ◆955ynBBa1I :2008/08/06(水) 16:17:47 ID:zDUnmmuL
「炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!クロスオーBANG!!」

「いきなりマジックワールドに召喚されちまったガイアークの三大臣! どうやらマジックワールドでも懲りずに悪だくみ考えてやがんな。いずれマジックワールドに乗り込んで叩き潰してやるから覚悟しろぃ! オンオン!」

 うっすら開けた目に光が差し込んだ。
 ルイズは眩しい朝日に少々眩んだ目を擦りつつ上半身を起こす。
 室内は窓から差し込む光に照らされている。
(う〜……、もう朝なの……)
 朝である以上ベッドに寝ているのは当然だが、それ以前が問題だ。
 ルイズは昨夜、ベッドに入った記憶は無い。
「確か昨日は使い魔召喚の儀式をしたはずよね。私もサモン・サーヴァントを唱えて……、それから……」
 その辺りから記憶が不鮮明になっている。
 召喚が成功したのはぼんやり覚えているが、
「何を召喚したんだったのかしら……?」
 それがどうしても思い出せなかった。思い出してはいけないわけではなさそうだったが、思い出したくないような予感がする。
 とりあえずベッドから出ようとルイズが手を突くと、そこに不自然な硬さがあった。
 ベッドは柔らかいから硬いのは不自然だ。
 ルイズがシーツを怖々めくるとその下にいた女性がルイズを見て一言、
「遅かったでおじゃるな」
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:19:16 ID:CwBW/cBP
>>199さま、>>200さま、>>202さま
ありがとうございます

>>201
どれ、ここは支援させてもらうとするかの、ほっほっほ
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:21:35 ID:NNY9IRac
支援
207炎神戦隊ゴーオンジャーA ◆955ynBBa1I :2008/08/06(水) 16:24:06 ID:zDUnmmuL
――GP−02 最初ノイッポ――

「あああああ、あんた! 何人のベッドに勝手に入って……」
「『勝手に』とはご挨拶ぞよ。何やら訳のわからぬまねをして、我らが吹き出した煙をしこたま吸って意識を失ったお主を」
「この部屋のベッドに運び込んだのは我らなり」
「あー……、そうだったわ……。確かあんた達昨日私が召喚した……」
「ヨゴシュタインなり」
「ケガレシアでおじゃる」
「キタネイダスぞよ」
「……それで、こんな時間に何の用なのよ?」
「わらわ達は何をすべきなのでおじゃるか?」
「は?」
「我らにもここマジックワールドで果たしたい目的はあるぞよ。しかしお主の使い魔でもある以上、使い魔としての役目も果たすべきだぞよ」
「……なかなかわかってるじゃないの。まず使い魔は主人の目となり耳となる能力を与えられるわ」
「お主の見聞きしているものが見えたり聞こえたりはしていないなり」
「それから使い魔は主人が望む物を見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」
「見つけるのは無理でおじゃるが、設備さえあれば大抵の薬品は作れるでおじゃるよ」
「最後にこれが1番大切なのだけれど、使い魔は主人を守る存在であるのよ。その能力で主人をその身に迫る脅威から守り抜くのが1番の役目」
「まあ腕に覚えはあるぞよ。望むならもっと荒事専門のやつも用意できるぞよ」
「とりあえず今のところはこの服を洗濯して綺麗にしといて」
「綺麗にだと!?」
「わかったでおじゃる」
 露骨に不満そうな表情をしたヨゴシュタインに対し、ケガレシアはあっさり承諾した。
「それじゃ、私は食堂に行くから」
 そう言い残してルイズは自室を出た。
「ケガレシア、洗濯物を『綺麗に』するなど、到底我慢できぬぞよ!」
「まったくその通りなり。我らはヒューマンワールドの前にここマジックワールドを我が物にするため、大地を汚し水を濁らせ大気を汚すつもりなり」
「確かにその通りでおじゃる。しかし何もそれは蛮機獣にしかできぬわけではないでおじゃる」
「言われてみればもっともなり」
「忘れたでおじゃるか、キタネイダス? 確か『ヒューマンワールドの空気はここまで綺麗ではない』と言っていたでおじゃるな? ヒューマンワールドの空気をわずかとはいえ汚染したのは、ヒューマンワールドの人間達自身でおじゃる」
「むむむ……、確かにその通りだぞよ」
「その最初の1歩をまずはわらわが踏もうというのでおじゃる。文句は無いでおじゃるな?」
「うむ」
208炎神戦隊ゴーオンジャーB ◆955ynBBa1I :2008/08/06(水) 16:27:09 ID:zDUnmmuL
「くくく、わらわ秘蔵の超強力合成洗剤。これを使えば確実に『服は』綺麗になるでおじゃる。しかし……」
 そこまで呟いてケガレシアはふと立ち止まる。
「……しかし洗う場所はどこでおじゃるか?」
 真意を考えればそこらで洗ってもいいのだが、まだそれを気付かれるわけにはいかない。
 するとそこに洗濯物の入った籠を抱えた1人の少女がやってきた。
 黒髪黒目というヒューマンワールドの人間(特にケガレシア達と敵対していた一団)の特徴を持つ少女に若干警戒するものの、ここは素知らぬふりで接触した方が賢明と判断し声をかける。
「ちょっとよいでおじゃるか?」
「はい、何かご用ですか?」
「洗濯をする場所はどこでおじゃるか?」
「あ、はい、こちらです」
 洗濯場に案内されたケガレシアはそこに置かれていた大量の洗濯物を見て、
「これをお前が1人で洗うでおじゃるか? 大変でおじゃるな」
「いえ、もう随分慣れました」
「よし、わらわが手伝ってやるでおじゃる」
「そ、そんな、いくら使い魔の方とはいえ、そんな失礼な事……」
「なに、わらわがやるわけではないでおじゃる。わらわの持つ秘薬の効果、とくと見るでおじゃるよ」
 そう言ってケガレシアは手にした瓶の中身をたらいに入れて、少女に洗うように言った。
 2〜3度揉み洗いしただけで際限無く膨れる泡に驚愕した少女だったが、ケガレシアはその泡の山の中から服を1着つまみ出してすすぐよう彼女に言った。
 真っ白になった水から出した洗濯物は、新品と見まごうばかりに綺麗になっていた。
「えっ!? どうなってるんですか、これ!? ちょっと洗っただけなのに新しいお洋服みたいに綺麗になってますよ!?」
「わらわが作った特製の秘薬でおじゃる。まだまだあるからこれを使ってどんどん洗うでおじゃるよ。洗い終わったらそこらの川にでも流せばいいでおじゃる」
「いいんですか?」
「特製でおじゃるからな」
 数日後、トリステインの主要河川が正体不明の泡に汚染されて国内全域で深刻な水不足が発生する事になるのだった。

「ケガレシアめ、やっぱりとんでもない事をやらかしてたな。マジックワールドの人達の大切な飲み水に……。それに姿を見せないヨゴシュタインとキタネイダスはどこで何を企んでるんだ? その話はまた次の機会だ。ガンガガーン!」
209炎神戦隊ゴーオンジャー ◆955ynBBa1I :2008/08/06(水) 16:29:37 ID:zDUnmmuL
以上投下終了です。
ところでギーシュとの決闘相手は蛮機獣の方がいいですかね?
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:29:54 ID:GNBl0s6U
やりたいほうだいw
期待して支援せざるを得ない
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:51:20 ID:D92ovzHd
GJ
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:54:43 ID:4d33dbNM
質問ですけど
精霊って斬れますか?
213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:55:34 ID:NNY9IRac
ハルケギニア初の公害が発生しちまったZE GJ
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:56:01 ID:A4FOk225
物によります
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 16:58:26 ID:NNY9IRac
そもそも精霊ってナニ?
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:02:03 ID:CwBW/cBP
>>212
普通に考えれば魔力付与してない実体攻撃は通用しないでしょう
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:02:24 ID:knVP/OY/
>>197
困った時のウィキペディア先生ー!

なんか古代ギリシャ・ローマ時代から鉄を引きつける石としては知られてたらしいよ。
方位磁針として使われ始めたのは推定で12〜13世紀ごろ。
1600年にエリザベス一世のお抱え医師が磁力・磁界などについての研究を発表したそうな。

ファンブック1の原作者インタビューでノボルが「15世紀ぐらいを想定してたけど、
可愛い服とかメイドとか18〜19世紀にならないと出てこないからフレキシブルに」と言ってるので、
15世紀相当だとしても磁石・方位磁針は有りじゃないかと。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:06:55 ID:CwBW/cBP
「ナンかよく判んないけど金属を引っ張るチカラ」
程度の認識があると見ていいんですね
皆様ご助力ありがとうございました
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:15:14 ID:v0I9PfXm
ふと思ったんだけど、アルビオンって3000m(メイル=mと仮定して)だかを飛んでるんだよな?
あの世界の大気ってどうなってるんだろう?
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:19:54 ID:f4GcgT0n
>>212
読者を納得させることが出来れば、斬れる。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:21:37 ID:Jd1Ui6ye
>>219
アルビオン人は長距離走に強いという話も聞かんので、
大陸に埋まってる風石がいい具合に濃密な大気を纏わせてるんじゃないかね
幻獣ライダーや竜騎士が急激な気圧変化に耐えられるのも、乗騎の持つ魔力のためなのかも
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:24:30 ID:5zmoo7TG
方位磁石も無しに船を飛ばせないと思うが
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:24:49 ID:spf2R4kq
ニートさま召喚はいいが版権ががが
マーブルって二次創作はどうな態度だっけ?
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:25:07 ID:T6dYynZx
>221
そうかもね。
タバサ外伝でもそんなような描写があったようななかったような。
てことは、平民に竜騎士は無理ってことなのか?
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:31:06 ID:C1S4SwWz
>>213
薬品が強力な性も大きいだろうが、そもそもハルケギニアの国って1つの国で人口どんなものなのやら。
中世ヨーロッパの国と同じくらいとすると一千万はいないのかもしれないと思うのだが。作中の説明だと距離感が良くつかめない
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:35:42 ID:CwBW/cBP
>>223
ニートさまって判らないけど版権今更気にしないでいいんじゃない?
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:35:59 ID:v0I9PfXm
>>221
ということは、その濃密な大気の圏内に入りさえすれば、上昇限界が12000ft(約4000m)程度より上のヘリだったら何とかアルビオンまで直行できるのか…

もっともヘリが召喚されていて、サイトが操縦できればだが。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 17:58:37 ID:dQUPu7Pk
ディズニー、マーブル、小学館

こいつらはヤバい
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:00:25 ID:eW6eno8k
そういやキングダムハーツのオリジナルキャラクターは向こうが版権持ってんだっけ
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:07:09 ID:Jmna98CF
>>229
キャラデザもしていないのに版権だけは向こうにあるってのもおかしな話だな
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:12:17 ID:5zmoo7TG
>>230
ライオンキングなんか、キャラデザはおろかキャラメイクもしてないんだぜw
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:19:14 ID:Ssv/CZV2
ジョゼフが空母赤城+艦載機+乗員を召喚

あの無能王が強大な手駒を手に入れた時何をするか見てみたい
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:23:51 ID:zI8IitIV
獣人キャラって誰か召喚されてたっけ?
ジャンガは覚えてるんだけど。

思い付いたのは、ケヴィン(聖剣3)リザ(怪物王女)ラフラ・リフラ(クロスカディア)ぐらいしかない
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:24:52 ID:Jd1Ui6ye
チーターマン2からアポロとヘラクレスが来ている件
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:25:09 ID:+XZYfcyq
>>232
それならFCDのニミッツの方が良いだろう。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:29:45 ID:lo/xMcYT
クロノトリガーのカエルが来ていたな
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:31:46 ID:Ssv/CZV2
>>235
主力艦載機はF/A-18C/D/E/Fにするか
F-14Dを混ぜるか
それが問題だ
238名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/06(水) 18:33:51 ID:mhZW+ntv
他スレではクロコダインが呼ばれてますね
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:39:41 ID:GNBl0s6U
>ワニ
なんだろう……このヤムチャがヤムチャの癖にヤムチャらしくなく活躍していると聞いたときのようなやるせない気持ちは……
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:46:09 ID:v0I9PfXm
>>237
イザベラ様「やっぱデカさは正義っしょ!」
タバサ「…ドラ猫はとっととご退場ください」
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 18:54:37 ID:uMJJvouW
>232
ジョゼフが空母を召喚するなら、むしろ乗員は『ファントム デッド オア アライブ(ガンガンコミックス、作:渡辺道明)』の面々の方が……
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:05:20 ID:XH9EMyA7
ところでハルキゲニアにおける魔法の防御って、銃弾に対しどのくらいの効果があるんだろう?
具体的にはデリンジャーからインサニティ・ホースまで
243名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/06(水) 19:08:33 ID:mhZW+ntv
>>242
さらに、たとえばエルフの反射って、毒ガスや時限爆弾の爆発にも有効なのだろうか?
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:12:27 ID:T6dYynZx
魔法の前では飛んでくる銃弾なんて止まった石にしかすぎません
錬金で銃弾を砂にするか壁を作ればいいんだし
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:14:58 ID:Ssv/CZV2
>>241
都合のいい連中を思い出した
エンプラ級+エリ8

>>243
毒ガスは人体に対する固定化のようなものでもあれば何とかなりそう
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:15:12 ID:bBLdMQgM
>>244
詠唱が間に合うならそれでも納得するけど。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:15:19 ID:vpFvXdTr
なんぼなんでも発射された銃弾を錬金で砂にするのは無理じゃないか?
壁を作って防ぐとかならともかく。
いちおう、原作中には「メイジ殺し」なる存在もいるんだぜ?
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:18:02 ID:bBLdMQgM
>>247
タバサがエア・ハンマー撃つより早くナイフ投げた平民もいたしな。
距離次第なんだろうけど。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:18:34 ID:C1S4SwWz
>>244
思った瞬間に即座に出来るとしても、反応は所詮人間の範疇でしかない。
その辺じゃスレイヤーズだろうがリリなのシリーズだろうが同じ事。暑さのせいで脳味噌煮えてないか?
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:22:01 ID:Ssv/CZV2
魔法といえばSDガンダムな連中の技はどうなるんだろう
鳳炎水凰斬とか明らかに魔法の威力超えてるんだが
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:26:45 ID:hcIx4VzZ
>>250
力には技、技には魔法、魔法には力だ!
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:31:56 ID:/G+clACA
>>224
遅レスだが、ジュリオは平民
「平民のくせに竜を扱うのが上手い」ので竜騎士の隊長をしているのだから、平民でも乗れるのは間違いなさそう。
つか、サイトが乗ってるし
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:34:21 ID:bBLdMQgM
>>252
ジュリオはちょっと特殊じゃね?
教皇が後ろ盾になってるし能力的にもヴィンダールヴだからメイジ以上だし。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:35:59 ID:bUwUFrrQ
>>241
あれ中身はただのタンカーを改造しただけなんだよなぁ……
クセ者だらけで扱いに困りそうだが、何よりそんな事態になったら中間管理職なトムが胃潰瘍で血を吐きそうだな。

元米軍、湾岸のエース、白兵戦も一流な傭兵にも関わらず、あのジャパニーズサラリーマンの様なネイティブアメリカンの末裔には泣けた。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:37:01 ID:FA4G/7XH
>>251
アルガス騎士団乙

この辺りから、段々着いていけなくなってきた
256Persona0:2008/08/06(水) 19:38:21 ID:pdWPdM2Q
お約束通り第七話お持ち致しました、20時からのご予定はよろしいか?
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:38:44 ID:gZo4F8I2
>>242

単発式古式銃=銃の全ての世界に現代の様々な重火器持ち込んだら、
予備知識の有無のアドバンテージにて、相応にボコボコには出来るかと。

人間は知らない間に頭の中で事前予想をしてるもんだし、古式銃弾くくらいの
厚さの壁だの作って安心してる所にマグナム弾でも叩き込まれたら、もうどうしようもない
ように。ただし、情報割れた上で、戦闘巧者のメイジでも参戦してきたら、銃持ってれば
余裕で勝利とも行かんかと思わいます。エア・ハンマーなんかで絨毯爆撃でもされたら、
拳銃程度じゃ微妙でしょうし。まあ、戦闘訓練込みで…平民が連邦軍いう所のジムになれる
可能性は無きにしろあらずくらいの希望はあるかと。

錬金で弾丸砂作戦については、錬金=大爆発の一件を色々見てみるに、対象物を認識して、
意識を集中する事が要の様子。静止してる状態ならともかく、発砲されたら多分無理では。
ただ、どっかのビームバリアよろしく、錬金フィールドみたいなもんを形成出来るというなら、
阻止も叶いましょうが、あの時代ではゼロ戦の武器ですら、脅威の破壊力なわけで。

恐らく、一秒の間にドカドカ撃ってくる様な兵装に対する対抗手段は考案もされていない可能性の方が
高そうに。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:41:39 ID:Ssv/CZV2
>>255
聖龍機辺りから入った俺にとっては昔のが分からない

なにはともあれ支援
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:41:48 ID:sBn/c46C
>>256
待っていた
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:42:00 ID:G1vbyDin
>>249
リナやなのはさんなら普通に対応できそうな気がするのが困る

>>256
どうぞどうぞ
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:42:18 ID:XQPc2Mw5
ルイズ「サイトよりはやーい?・」
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:42:23 ID:iF8ksoIk
系統魔法は呪文必須だから
呪文を唱えてる間に攻撃すりゃ、魔法は発動しない
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:44:09 ID:ptGGv/p2
なのはさんは普通に対応できる・・・というか


レイジングハートがアクティブセンサー+オートガード機能持ちなわけで
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:51:17 ID:v0I9PfXm
中卒程度で士官名乗ってるアホ女を過大評価しすぎ
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:55:48 ID:XQPc2Mw5
煽るな
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:57:56 ID:Jd1Ui6ye
いいから支援準備をととのえたまえ
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 19:59:48 ID:XH9EMyA7
>>257
いかに手の内を明かさずにいられるかが鍵か
場合によっては情報戦も考える事になるのかな
268Persona0:2008/08/06(水) 20:01:36 ID:pdWPdM2Q
それでは投下します
Persona 0 第七話


「はぁ、はぁ、はぁ……」
 使い魔たちの集会場として使われいる洗濯場でサイトは蹲っていた。
 その顔は青を通り越して蒼白で、繰り返す嘔吐と体の震えはなにかの禁断症状にでも耐えているようにも見える。
「くそ、惑わされるな。この記憶は俺には関係ねぇんだ……!」
 そう言って力任せにサイトは地面を叩く、手の皮が破れ血が滲むがそれでもサイトは全くそのことに気づいていないようだ。
 苛立ちのままに頭から桶の水をぶちまける、春先のまだ寒い時期だと言うのにサイトの体からはまるで炎のように気化した湯気が立ち上っていた。
 発作のような染みたが収まった後、サイトは地面にへたり込み乾いた笑みをこぼした。
「はっ、ざまぁねぇや」
 自嘲するその瞳には以前の彼からは信じられないけど疲れた光が宿っている。
 そんなだからサイトは気配を完璧に殺して近づいてきた相手に気付けなかった。
「動くな」
 首筋にあたる冷たい感触にサイトはゆっくりと両手をあげた。
「サイトとか言ったか、ここ数日貴様の動きを監視させて貰った」
 年若く、しかし恐ろしく鋭いものを感じさせる女性の声。
 その声にサイトは聞き覚えがあった。
「――アニエスさん」
 女性の声に若干驚いたような口調が混じり、そして若干ながらサイトの首筋を剣の刃先が切り裂く。
 薄皮一枚の傷口からはたりと血が零れ、そのくたびれた青いパーカーを新たな血で汚した。
「貴様、何故私の名前を!?」
 困惑するアニエス、そんな彼女の握った剣が大声でわめき始めたのは次の瞬間のことだった。
「おでれーた! おめぇ使い手のご同類かい。確か……」
「デルフ……?」
 まるで死んだと思っていた親友に帰り道でばったりと会ったような顔をしながら、サイトはデルフリンガーの刀身を握り締めた。
 当然刃はその掌を切り裂き傷を作ったがそんなことサイトは気づいてもいないよう。
 その際右手に巻かれた包帯がぷつりと切れ、その下にあるものを曝け出させた。
 淡く光を灯す使い魔のルーンは、こう読むことが出来る。
『ヴィンダールヴ』と。
「またまたおでれーた! 俺っちのことまで知ってるっておめぇ一体何者よ?」
 剣は鍔を鳴らし、カタカタと声をあげる。



269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:02:20 ID:XH9EMyA7
しえん
270Persona0:2008/08/06(水) 20:02:53 ID:pdWPdM2Q
「うぅぅん」
 夢の中で彼女は魘されていた。
 今彼女のテンションは屋敷を蹂躙された子供の頃へと戻っている。
 彼女は走っていた。
 はぐれてしまった妹を探して、必死で迷宮のような屋敷のなかを走っていた。
 何があったのかは分からないが、自分は絶対にテファの側にいてやらなければいけないと。
 だがちょうど角を曲がったところで最も会いたく相手と鉢合わせしてしまった。
 金髪の髪の王子と白髪の髪の王。
 巨大な影を持つその二人は幼い彼女に向かって杖を構え、好色な視線を向けてくる。
 逃げようと背後を見るといつの間にかそこは壁になっていた。
 彼女は意を決すると、
「変身!」
 しゃらんらーと言う効果音と共に彼女の体を光が包み、手足が伸び、その胸がばいんばいんになる。
 光はやがて黒いローブとなり、持っていたペンシル型の杖は装飾過多の伝説のステッキになった。
「地に嘆きが満ちる時、あたしはいつでもやってくる! 腐れ貴族に天誅下す、当たって砕けろが身上さ! 盗みはいつでも力技!」
 そしてマチルダは見栄を切り。
「怪盗フーケただいま参上!」
 双子の月の月光を背負い、マチルダは塔の上から飛び降りた。
 さっきまで屋敷に居たのでは? と言うのは深く突っ込んではいけない、所詮は夢だ。
 そのまま杖を振ると地面から巨大なゴーレムが立ちあがり、マチルダはその肩に飛び乗った。
「セクハラは死刑!」
 いつの間にかジェームズ一世はオールドオスマンことゲドウセクハラジジイに、プリンスウェールズは蝶の仮面をつけた青年になっていたがそんなことたぁマチルダの知ったことではない。
「やぁっておしまい!」
 そう言うとゴーレムは二人を叩き潰した、拳をあげるとぺらんぺらんになった二人が見える。
「はっ、魔法学院もこの程度かい、てんで大したこと」
 べちーんと思いっきり引っぱたかれた。
 ゴーレムの上から無理やりに振り落とされる、何事かと見てみればそこにはさらに巨大化していくゴーレム。
 その体を巨大にするための精神力が無理やりに吸われていくのが分かる、ゴーレムはその二つの瞳を金色に光らせるとマチルダを押しつぶそうと向かってきた。
「い、いや……」
 マチルダは一歩後ずさる、ぎろりとゴーレムが笑った気がした。
「いやぁぁぁぁぁああああ」
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:04:03 ID:Jd1Ui6ye
しゃらんらーwwwwww 支援
272Persona0:2008/08/06(水) 20:05:32 ID:pdWPdM2Q
 そしてマチルダは全力で走りだした、森の中を小屋のそばをラグドリアンの湖を、逃げても逃げても追いかけてくるゴーレムを振り切ろうとするが、しかしゴーレムは影のようにぴたりと後ろからついてくる。
 逃げて逃げて、逃げた先に居たのは……
「テファ!?」
 最近胸が苦しそうな愛しい愛しい妹の姿。
 マチルダはためらいもせずその胸に飛び込んだ、豊満にて巨大な母なる胸に。
「会いたかったよ、テファ〜」
 そう言いながら頬ずりする。
 けれど何かおかしい、あの顔を埋めれば窒息してしまいそうな胸がいつもよりどこか勢いがない。
「痩せたかい、ちゃんとご飯食べないと……」
「あ、ああ、あのミスロングビル?」
 氷点下以下の戸惑いの言葉にマチルダは目を覚ました。
 ゆっくりと瞼を開くと褐色の胸と、微妙に頬を染めた赤毛の娘の姿。
「すいませんがさすがのあたしも同性はちょっと」
「あ、え、ああああああああ!?」
 寝ぼけた頭が一瞬で状況を理解し、それと同時にその場から飛びずさる。
 当然狭いベットの上から飛びずさればどうなるかなど火を見るよりも明らかだった。
「あっ、痛っ!?」
 頭から床とキス、たまったものではないミス。
 そんなマチルダのことを呆れ顔で見るのは赤毛の娘とその仲間一同、皆一様に生暖かいにやけた表情をしている。
「知りませんでしたわミスロングビルにそのようなご趣味が……」
 キュルケが言った言葉にマチルダは頭に疑問符を浮かべるが続く言葉にその疑問は氷解した。
 ギーシュは薔薇を振るうと
「“大好きなテファ、もう絶対に離さないんだから!”ですか」
「ぶふぉ!?」
 思いっきり咳きこんだマチルダは全力で赤面する。
 もし彼女が部屋の隅を見ていたなら同じく赤面して自室の壁を睨みつけるルイズの姿が見えただろうが、それはそれ。
「な、なななな、な……」
「良いのですよミスロングビル、愛の形は人それぞれ、個人的には受け入れられませんが可愛い女の子が好きと言う気持ちはわかります。きっと始祖も祝福してくれるでしょう」
 その日、霧の魔法学院に一つの悲鳴が木霊した。


273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:05:39 ID:5AkC/m3Y
ヴィンダか!支援
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:05:41 ID:DviTrbkR
ちょ、なんて夢見てんですかおマチさんwww支援
275名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/06(水) 20:06:36 ID:PhvIA+NW
背円
276Persona0:2008/08/06(水) 20:08:15 ID:pdWPdM2Q
ロングビルの悲鳴から三日が経った。
 今日もまた三人はいつものようにテレビのなかへと来ている。
 向かったのはついこの間見つけ出した硝子張りの真四角な石の塔が立ち並ぶ、奇妙な場所。
 今の力量にちょうど良いシャドウが現れるのと、その割に手に入る宝があまり見たことないものなのでどうしていいか分からなくなったときは此処で腕を磨くのがルイズたちの最近の行動だった。


「しかし分からないね――シグルズ!」
 ギーシュが出現させたペルソナがその右手の剣で鳥のようなシャドウを貫く、シャドウは暫くもがいていたがまるで霧のように溶け消えていった。
 ヒートウェイブ、斬撃を得手とするギーシュのペルソナの得意技だ。
「分からないって何がよ? イドゥン!」
 ギーシュが怯ませた敵をルイズが蹴散らす、悪くないコンビネーションだが出番を奪われたキュルケは不満そうだった。
 二人とも余裕があるのは既に一度倒したことのあるシャドウばかりだからで、初めて戦った時と比べて随分と二人のペルソナも成長したからである。
 ギーシュのシグルズは攻撃力を上昇させるタルカジャや敵の防御力を下げるラクンダを会得し、ルイズのイドゥンは仲間全員を回復させるメディアやメギドラを使えるまでになった。
 だからこそ最初からずっと系統魔法でのみ戦い続けているキュルケは面白くない。
 ペルソナは現実世界でこそほとんど力を発揮できないが、こちら側ではルイズやギーシュのペルソナはトライアングルクラスに匹敵しようかと言う特技や魔法を使いこなせるようになり、尚も成長を続けているのだから。
「マヨナカテレビもそうだし、ペルソナだってそうだ。何で僕とルイズには簡単に発現したのにキュルケからは出ないのかとかね? 基準は一体なんなのかな?」
 そう言いつつ更にギーシュは貴婦人と踊る紳士のような姿をしたシャドウにパワースラッシュで一撃を加える、だが今度は倒しきれず逆にカウンターで“ダブルシュート”を食らって転んでしまったが。
「うわっ!?」
「何やってんのよあんたは!?」
 咄嗟にルイズがギーシュを助け起こすが、その時にはもうシャドウの次の一撃が間近に迫っていた。
「――!?」
 レイピアの一撃が来ようかと言う瞬間に燃え上がるシャドウ。
「油断は禁物よ、ヴァリエール」
 わざわざ気取った様子でキュルケは言い、そして杖を振るった。
 炎が弱点だったのか残りシャドウたちも簡単燃え尽きていく。
「わ、私のせいじゃないわよ!」
「はいはいクマクマ。ギーシュはいつも詰めが甘いクマね」
「おっと今日はモンモランシーと約束があるんだった、帰ることにしよう」

 ――トラエスト!
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:09:03 ID:5AkC/m3Y
支援
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:09:54 ID:v0I9PfXm
<<そちらの位置を確認、ターゲットの位置を捕捉、これより支援体制に入る>>
279Persona0:2008/08/06(水) 20:10:13 ID:pdWPdM2Q

 ギーシュのペルソナが蒼い光を発すると同時に意識が白くなり、気づけばルイズ達は入ってテレビから入ってすぐのエントランスに立っていた。
「しっかし便利ねぇ、あんたのペルソナ」
「ふふん、僕を仲魔――じゃない、仲間にして良かっただろう?」
「ええ、ワルキューレも雑用にもってこいだもの」
「酷っ!?」
 そう言ってみんなで笑う。
 いつの間にかキュルケと二人で始めたテレビのなかの探索は日課となり、体とペルソナを鍛えることはルイズたちのライフワークとなった。
 もっとも雨の日が来ず、サイトの行方も分からない以上他にすることもないのだが。
 みんな嫌だったのだ、もし今度何かあったと時何もできずに見ているだけしか出来ないと言うのは。
 特にルイズとキュルケはギーシュの影に負けたと言う事実も探索に熱を入れる要因である。
 もっともギーシュはただ子供のころから憧れた「英雄の理想像」とでも言うべき存在の力を自由に振るえる今の状況を楽しんでいるだけだが。
「ん? どうしたの? クマちゃん」
 その時、キュルケはいつも騒がしいクマが押し黙っていることに気がついた。
 クマは何時になく真剣な顔で、熱心に鼻をひくつかせている。
「クマたちが探検してる間に、誰か入ってきたみたいクマ」
 クマの言葉に皆の顔に驚きの表情が浮かぶ。
「まだ匂いが残ってる、こっちクマ!」
 クマに導かれて立ち入ったのは、今まで見たことない強力なシャドウが闊歩する迷宮。
 雨の代わりに剣が降り注ぎ、あらゆる方向から雪風が吹きすさぶフィンブルヴェトル城であった。
 すべてが凍てつき何もかもが白に染まるその世界は、まさしく異世界の伝説にある――“大いなる冬”の名に相応しい。
 そんな迷宮の入口から何やら声が聞こえてくる
「おーい誰かいねぇのかい? 誰でもいいから俺っちを助けて!」
 一本の剣がそこに突き刺さっている。


280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:11:52 ID:5AkC/m3Y
タバサきたー!デルフもきた!これで勝つる!支援
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:12:16 ID:Ssv/CZV2
おマチさんそりゃセー○ームーンか何かかw
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:13:48 ID:XH9EMyA7
更にしえん
283Persona0:2008/08/06(水) 20:15:52 ID:pdWPdM2Q
以上です、あとがきの間が空いたのは一般家庭に生息する「這い寄るアレ」と死闘を繰り広げていたので。
次回からはタバサ編を2〜3話の予定、自分で書いておきながらオマチさん自重!
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:18:06 ID:v0I9PfXm
乙。蟻ならPC用のエアダスターの生ガス噴射で片付けられるけど、あのGはねぇ…
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:19:36 ID:DviTrbkR
乙でした〜
北海道民故黒い悪魔と遭遇した事はありませんが、強敵と聞いております
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:24:55 ID:Ssv/CZV2
乙〜
おマチさんがかわい過ぎる
ついでに本州在住だがGは全く怖くない俺参上
てか何が怖いのか分からない
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:27:20 ID:D92ovzHd
MTGの大ゴキブリとかがハルケギニアにいたら凄くいやだなぁ
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:30:32 ID:5AkC/m3Y
ペルソナの方、乙でしたー wikiに登録してきやした!
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:35:25 ID:g39GAdQQ
乙でした。

>>242
おおむね>>257氏の言うとおりだと思うが、コルベールを
使って連発銃を開発するのは、準備期間を確保しないと
ご都合主義にはまる。

連発するには金属薬莢を備えた弾丸が必要だが、錬金では
製造不可なので、弾丸を製造する機械を作成せにゃならん。
そのためには高度な金属精錬技術と動力がいる。

これでは、連発銃がもっとも役立つであろうワルド戦には
間に合わんのじゃなかろうか。
7万は弾薬が不足するし、ビダーシャルは反射の解呪が
肝なので銃関係ないし、ミョズは表に出てこない。
銃士隊に卸しても良いが、話のギミックとしては微妙…
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:36:48 ID:Jd1Ui6ye
乙です
「這いよるアレ」はイスの大いなる種族の未来の姿なのかも知れない…
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:38:30 ID:YVh1EAPK
>>287
始めてフォイルが入ったとき
最初に引いたフォイルがアレだった日には泣いた。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:42:30 ID:Jd1Ui6ye
Gもヴィンダールヴなら操れるのかなあ・・・

いや、G話はこのぐらいにしよう
おマチさんがんばって生きろ
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:54:58 ID:vXuOaflc
じゃああと一言だけ。
Gといえばブレス・オブ・ファイアシリーズ……特にUのスイマー城なんかGに加えてMやHまでも、
さらに最後はそれらをたべ……食事中の人ゴメンナサイ。はよY出ないかな。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 20:55:33 ID:9a4odhCp
這い寄るアレは、手でつぶす時、トゲが刺さりそうなのがコワインデスヨ。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:06:24 ID:GfSYlDR0
今こそ、乙であります!
次回は雪の女王編か(違う)
タバサのシャドウは半端なくやばそうだな
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:08:28 ID:gZo4F8I2
>>294

恐怖を我が物とするのデスヨ、294!
その時、呼吸は乱れない!人間賛歌は勇気の賛歌!
ってなわけで、さあ、恐怖を友として、ギュギュッと一発!(゚∀゚)
……ん?おまいは平気なのかですって?やるわけないじゃあないですか。
あんな痛そうなものを握るなんて。だって怖いし(´・ω・`)

>>196

奇しくも同じ事を考…ww
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:09:54 ID:wTTyzxvK
広告越しにぐしっといけばイインダヨ
勇気とは怖さを知ることダヨ
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:10:31 ID:+L5kwdX7
プライヤーのような装弾プレスも手回し旋盤の変形みたいな薬莢形成器も披甲弾製造器も
構造は意外とシンプルだし扱いは個人マニアでも可能だから、それコミで召喚すれば
弾丸の製造は可能だと思う、燃焼速度の速い雷管火薬さえ何とかなればの話だけど
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:16:38 ID:QPcZNRH9
ニャルが出そうな雰囲気はうれしいなP3・4じゃフィレモン共々ご隠居中だし
いやアマラ宇宙ネタかもしれないが
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:25:32 ID:06PlFSg8
>>289
>>連発するには金属薬莢を備えた弾丸が必要だが
初期のリボルバーは薬莢以前の物。
ライフルもコルトリボルバーライフルと言うリボルバーの銃身を思い切り長くした様な物があったりする。
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:46:34 ID:ARpDlYJm
ルイズの手元にはラファエル・アドリーニと刻印された1715年製拳銃があった
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:46:53 ID:ZcKRQHtf
>>289
子連れ狼方式の水平連発でどうでしょう。

薬莢のない幕末の元込め銃でも1分間に数発は撃てたらしいので、
遮蔽に隠れながら撃てば詠唱時間のかかる魔術の相手には十分じゃ
ないですか?
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:47:47 ID:ZhohVztp
誰かウェールズの蝶仮面に突っ込んでやるんだ。
怪盗フーケは名前を言ったからペルソナ出せるに決まってる!潰してるけど。
304割れぬなら……(0/3):2008/08/06(水) 21:50:26 ID:g5d9aK8l
投下予告
10時から作品を投下します。

もしも蒼天版曹操と賈言羽とあの人とあの人が召喚されたら。

今回はちょい短め。
スマン
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:56:07 ID:v0I9PfXm
>>301
一方キュルケの手元には、
左側面に「NMB SHIN CHUO LICENCE SIG-SAUER」、
右側面に翼の生えた桜と「9mm拳銃」と刻印された異国の拳銃が(ry
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:57:48 ID:Gc+zRZoj
>>293
シャドウハーツ2のGもやばいぞ
モンスターで出て来るんだが攻撃方法の一つで
画面に向けて飛びついてくるのがあるんだがGの腹が超至近距離で…
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 21:59:30 ID:7stP6F/A
俺「要するに支援すりゃいいんだよ!」

曹操「‘要するに’で誤魔化すな」
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 22:00:26 ID:phufM+jo
>305
やめて管理責任者の首が飛んじゃうぅぅぅっ
309割れぬなら……(0/4):2008/08/06(水) 22:00:39 ID:g5d9aK8l

ページをめくる、文字を目で追う。

……手にした本を、読んでる訳ではない。
これは対外的な行動に過ぎない。

自身の使い魔、シルフィードの背中の上で、タバサは思考をめぐらせる。
題目は、賈言羽の思惑について。

自分と同じように、シルフィードの背に乗ってエギンハイムに向かうこの男、一体何が目的なのだろうか?
以前ラドクリアン湖増水の原因を調査せよと命じられた時も、この男は同行を申し出てきた。
断ったら、ご丁寧な事にガリア王直筆の命令書を持ち出してきた。
2度目の同行となる今回の任務では、断られる前に命令書を用意してきた。
こうなっては、いくらなんでも置いて行く訳にはいかない。

正直な話、タバサは賈言羽が邪魔でしかたがなかった。
おしゃべり好きの使い魔が、いつ暴発するかわからなかった。
ほんの少しでも失敗すれば、ガリア王にどんな報告をされるかわかならなかった。
いや、この賈言羽という男自体が、ガリア王からの刺客である可能性も捨ててはならない。

いやしかし……と、タバサは違和感を感じた。

ラドグリアン湖増水は、水の精霊によるものだった。
それを聞いたタバサは、賈言羽に湖底に居ると思われる水の精霊を攻撃すると提案した。
しかし彼はそれを却下し、どんな手段を使ったのかはわからないが、たった1人で湖の水位を戻してしまった。
もしも賈言羽がタバサに殺意を抱いているのなら、水の精霊への攻撃案を却下するだろうか?
元々、人間が精霊と闘うなんて話は無謀な物だ。
タバサ自身に死ぬつもりはまるでなかったが、普通に考えれば人間が瞬殺されておしまいだ。
そんな黙っていてもタバサが死ぬような案を、わざわざ却下した理由は何なのだろう?

まるでタバサを庇っているかのようだ。
310名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/06(水) 22:01:26 ID:PhvIA+NW
支援
311割れぬなら……(2/4):2008/08/06(水) 22:01:51 ID:g5d9aK8l

つい先ほどのやりとりを思い出す。
賈言羽は確かに汚物を投げられる事を予測していた。
事前に汚れ拭きをタバサに渡しておいて、わざわざ標的になりにいったかのように無防備に前に出た。

まるでタバサを庇っているかのようだ。

そして、イザベラとジョゼフを侮辱するかのような発言。
プライドの高い王女が父親に報告するかどうかは5分5分と言ったところ。
その報告がガリア王の怒りに触れるかどうかは……未知数と言わざるを得ない。
しかしガリア王と直接会談する機会の多い(らしい)賈言羽の発言である事を考えれば、
おそらく笑殺されるのではないだろうか。
ならば先の発言……いや、挑発の目的は何だろうか?

順当に考えれば、きっとタバサにガリア王との不仲をアピールするためだろう。

チラリ、と賈言羽の方に視線を移してみる。
実に無防備な姿で書類とにらめっこをしている。
その気になれば今すぐこの場で殺す事も可能だろう。
無論、そんな事をすれば実家に居る母親がどんな目に遭うかわかったものではない。
あるいは、それを承知の上でこの男は無防備な姿を晒しているのかもしれない。

まるでタバサに無警戒をアピールしているかのようだ。
312割れぬなら……(3/4):2008/08/06(水) 22:03:08 ID:g5d9aK8l


結論:最大限の警戒が必要


まるで最速で信頼を勝ち得ようとしているかのような行動が、逆にタバサの警戒心を煽った。
単なる被害妄想の線も捨てきれないが、警戒不足で足元を掬われれば、父の仇を倒す機会が永遠に失われる事だろう。
こういう類の人物を無条件で信用しきれる程、タバサは平坦な人生を送ってはいなかった。
なんというかこう……まるで毒蛾のような臭いを賈言羽から感じるのだ。
毒蛾……毒蛾……毒蛾か!!
うん、我が事ながら実に的確な喩え方をしたような気がする。
言葉の意味は良くわからんが、とにかく凄い自信だ。

「タバサ殿、下を」

不意に思考が中断される。
本に意識がいっていなかった事、バレていないだろうか?
たぶん大丈夫だと思うが……残念ながら確認する手段は無い。

気持ちを切り替え、下を確認してみる。
事前情報の通り、そこには複数の翼人達が飛びまわっていた。
木々に阻まれて良く見えないが、喚声や悲鳴、その他戦闘を連想される音が聴こえてくる。
もし住民が襲われているのならば、救助に行くべきだろう。

「降下する」

簡潔に、賈言羽にこれからの行動を伝える。

「私は付近の地形を確認しております。
 明日の早朝までに合流いたしますので、翼人討伐はそれまで引き延ばしておいてくだされ」

「どこに降ろせば良い?」

「翼人から気取られぬ位置……西の端にでも」

「シルフィード。西の端に降下」

きゅい! と元気な返事がくる。
くれぐれも賈言羽の前で人間の言葉を使わないように……と、心の中で付け加えて、タバサは使い魔の背から飛び降りた。
313割れぬなら……(4/4):2008/08/06(水) 22:04:23 ID:g5d9aK8l

……中略……

原作と全く同じ流れの部分は中略しても良いと思うんだよ。

……再開……

その日の夜、タバサは村長の家の一室で体を休めていた。
賈言羽とはまだ合流していない。
シルフィードが自分を魔法人形だと言われた事に腹を立て、ぎゃーすかぎゃーすか抗議の声を挙げている。

タバサは内心、焦っていた。
賈言羽には今まで使っていた『ガーゴイル』という言い訳は通用しそうもない。
もし村人達からシルフィードの話が出たら、かなり危うい事になる。
最悪、己の使い魔を見捨てる必要に迫られるかもしれない。

「そんな顔をせずとも、他言はいたしませんて」

タバサは後に『心臓が止まるかと思った』と語った。
シルフィードは後に『話し相手が増えたのね、けっこー嬉しかったのね』と語った。
賈言羽が居た。
音も気配も無くそこに立っていた。

「いつから?」

「つい先程より」

「首尾は?」

「下拵えは全て」

そう言いながら、賈言羽は一枚の布をタバサに渡した。
見れば、そこには1羽の蝶が描かれている。
……相応の知識が無ければわからないが、その絵は森の地図である。
蝶の右の羽に書き込まれた黒い斑点は森の輪郭を、左の羽に書き込めれた斑点は、森に仕掛けられている火薬の位置を示している。

「作戦は?」

「焼きます」

そう、賈言羽は答えた。
314割れぬなら……(筋肉革命中):2008/08/06(水) 22:05:39 ID:g5d9aK8l

ふおお、やべぇっ
これだよ、これっ

奥底には、いつでもあらゆる『有』に化けるもんを仕込んでいるこの『筋肉』

あの筋肉に戦力を望んでどうすんの!?
そりゃ500年遅れの馬鹿でしょ。
中国拳法に戻ってそこから出直せっての!

わかんないの!?
だからボディビルダーなんか目じゃないの!

怖え!?
違うって!

オレが怖えのはあの筋肉!
ボディビルダーには絶対にわかんないあの筋肉だよ!

あーーーっ、くっそーっ!
あの筋肉に行くには、どれだけかかるんだよ!?
10年!?
10年ぐらいで行けるもんじゃないよ!
15年じゃどうだ!?
無理だって!
20年鍛え尽くしてたどりつくかどうかだぜ!
それまでもつのか、オレの体……



PS・次回投下は金曜日の10時30分を予定。
  今度という今度こそ、予告どおりに投下してみせます!

>307
それ、たぶん孫権の言葉。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 22:16:20 ID:v0I9PfXm
乙。元ネタは知らないけどいつも楽しみにしてます

>>308
なーに、コピー元をこっち(日本)に置いておけばいいんだ
それかその銃の存在自体を魔法の力でなかったことにしてしm(ry
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 22:24:30 ID:ZcKRQHtf
>>314
乙です。次はぜひ乳革命で(ゴーレムが殴る音)
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 22:54:13 ID:JZ6fBfXe
>>219
3000mぐらいなら何とか普通に暮らせるレベルじゃなかろうか?

6000mぐらいになると移住してきた人の死産率などが上がるらしいが
(何世代も住んでいればわりかし平気)

>>244
銃弾を砂にすると
銃弾の速度で叩きつけられる砂…
「バキ」のガイアVSシコルスキー状態に…

318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:04:22 ID:lo/xMcYT
>>317
砂にしても運動エネルギーが減るわけじゃないからな。
物理的に止めるか逸らすかするしかないだろう
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:07:34 ID:gZo4F8I2
>>317

ほっほっほ…。銃弾の速度で満足するとは何と欲の無い事か。
イメージの力を持ってすれば、光速すらにも達すことができ……たら
世界中の技術屋の皆さんが大暴動を起こしそうですなw

さて、明日にはティラノとの妄想スパーなわけですがww
バキ君は、民明書房越えにまた一歩前進したと言わざるを得ない今日この頃な気分でございます…w
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:10:25 ID:Zlz4sivo
グリフォンというのはようは獅子に羽が生えたものであるから
またたび系の植物か象の糞を撒いておけばごろニャーんであり
ワルドは落馬必須!まさに猫にワルド!

しかしながら空中にピアノ線、落とし穴に竹の針はメイジでも恐怖だろう
杖に見せかけた、強力なバネ+火薬で打ち出されるナイフとかあるんじゃないだろうか
321カービィの人:2008/08/06(水) 23:10:34 ID:qDnFfu/l
こんばんは、カービィの作者です。
昨日言っていた論文もひと段落し、明日の締め切りにはなんとか間に合いそうです。

まあそれはいいとして。
一年以上ぶりに最新話「カービィの一日」を30分頃から投下の予約をします。
かなり久しぶりの投下なので時間かかるかもしれませんが、支援お願いします。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:12:46 ID:Jmna98CF
>>319
民明書房といえば、
最近ジャンプでやってるダブルアーツという漫画で民明書房的な武術を開発中ですな。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:19:45 ID:+R85WPqF
何でも吸い込む〜
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:23:50 ID:Hqzq6hXN
つ△おにぎり支援
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:26:27 ID:ESxkZZAG
そういやバキから召還ってないな。
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:29:31 ID:vXuOaflc
よっしゃ待ってました。
支援 SALLY GO!!
GIG!
327カービィの人:2008/08/06(水) 23:31:01 ID:qDnFfu/l
それでは時間になったので投下開始します!
行数の都合で長さがまばらですがあんまり気にしないでもらえると嬉しいです。
328カービィの人:2008/08/06(水) 23:31:32 ID:qDnFfu/l
「うーん………」

早朝。
いつものようにカービィよりも先に目を覚ましたルイズは、横で気持ちよさそうに眠っている使い魔を見つめて唸り声をあげていた。
腕はしっかりと組まれ、眉間に寄った深い皺が深刻さをよく表している。

「……………私、カービィのことどのくらい知ってるのかしら」

どうやら、これが彼女の悩みの種らしい。
遂にカービィという存在そのものに疑問を持ったようだ。
ルイズの独り言は続く。

「考えてみれば、カービィってどの既存種の幻獣とも違うのよね……」

ルイズの知識量は、そこらの学生が束になっても敵わない程に多い。
もちろん魔物や幻獣の知識も然りだ。
そんな彼女が見たことも聞いたこともない種類の幻獣となると、数はかなり限られてくる。
ルイズがカービィを召喚した時、コルベールを含むその場にいたすべての人間が生物と判断するまでに時間が掛ったのがいい例だ。

「でも、サモン・サーヴァントはハルケギニアの生き物しか召喚出来ない筈だし」

突然変異種、という可能性も考えた。
しかし、それにしてはカービィはどの種族の面影も残していない。
それに、あの吸い込みや剣士の姿は、到底『突然変異』の一言で片づけられるようなものではなかった。
カービィを表す言葉があるとすれば、『異端』
あたかもいきなりこの世界に現れた生物であるかのように、カービィはただただ『異端』な存在だった。

「カービィって……一体何者なの………?」

カービィとはなんなのか?
そもそもあの姿は?
そういえばこのルーンにも見覚えがない。
人に誇れる数少ないものだった知識まで底をついたんだろうか。

……考えれば考えるほど、カービィの正体については泥沼にはまる一方だった。
さらに、行き詰まりはルイズの考えを悪い方へ悪い方へと導き、最終的に「私ってカービィのこと何も知らないじゃない……」や「使い魔についての知識までゼロだなんて……」と膝を抱えて落ち込んでしまった。
しかし、ここで終わらないのがルイズの強いところだ。
何かを思いついたのか、ふと顔をあげる。

「そうよ、分からないなら調べればいいんだわ!」

なんとも単純な答えだが、ルイズの瞳は先ほどとは打って変わって輝いていた。

「資料なんて結局は過去の記述だもの。今現在も同じとは限らないわ。カービィみたいな未発見の種族が居たっておかしくない。なら、私が調査してまとめればいいのよ!」

確認するが、彼女は一人である。
カービィはもちろん未だに眠っている。
虚空に向かってルイズが意思表明を終えると、ベッドから飛び降りて着替えを始める。

「やっぱり調査って言うくらいだし、それなりの恰好はしなきゃ」

素早く学院の制服に身を包むと、ルイズは机の中を漁り出した。
お誂え向きに、今日は昼からの授業は休講。
彼女に与えられた時間はたっぷりとあるだろう。
329カービィの人 第8.5話 :2008/08/06(水) 23:32:43 ID:qDnFfu/l
Sample.1 食堂の人々の場合

昼食後。
調査のためカービィに単独行動を許したルイズは、気付かれないようこっそりと後をつけていた。
手には羊皮紙の切れ端とペンを持ち、顔には変装のつもりかスカーフを巻いている。
教師に見つかれば指導確定物の姿だが、本人は見つかるか見つからないかのスリルに酔いしれている為気づいていない。

それはともかくとして、食堂を出たカービィが真っ先に向かったのは厨房の裏手口だった。
跳び上がってドアノブに掴まり、そのままドアを開けて中へと入る。
ギーシュとの決闘以来、厨房の人々、特にシエスタとルイズ達は仲が良い。
そのコネクションを生かし、カービィが食べ足りない時などは残飯処理係の仕事を譲ってもらている。
カービィの腹も膨れ、食べ物も粗末にならない。まさに一石二鳥。
だが、相変わらず『朝食の悲劇』から立ち直れない生徒からの苦情は絶えないらしい。

(また残飯処理かしら?)

辺りに誰もいないことを確認し、こっそりと小窓から厨房内を覗き込む。
するとそこでは、シエスタとカービィを真剣な顔をした料理人達が息をひそめて見つめていた。
なにやら只ならぬ雰囲気が漂っている。

(な、なにこれ……まさかカービィ、何かやらかしたの!?)

精一杯背伸びし、中の様子を必死になって観察するルイズ。
漸くカービィの全身が見えた。
その手には、スプーンとプリン・アラモード。

「は?」

気の抜けた声を出してから、ルイズは慌てて自らの口を塞ぐ。
幸い誰にも気づかれてはいないようだ。
330カービィの人 第8.5話 :2008/08/06(水) 23:33:48 ID:qDnFfu/l
「さぁ、希望の星。食べてみてくれ」
「ぽよ!」

張り詰めた料理人達の空気を読まず、カービィは笑顔で生クリームがたっぷり飾り付けられたプリンを一口頬張る。
瞬間、厨房にこれまで以上の緊張が走った。
誰もがカービィの次の反応に息を飲む。
変化はすぐに訪れた。
笑顔だったカービィの顔がさらに緩み、見るからに幸せそうな物へと変化したのだ。
つまり、『美味』

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」

同時に、厨房内に歓声が響き渡った。
中には嬉しさの余り帽子を天井に向かって投げた者もいる。

「やりましたね!」
「ああ! これで明日のデザートは決定だ!」

シエスタがこれまた嬉しそうにマルトーに微笑みかけ、マルトーはそれに満足げに頷いた。
騒ぎをよそに、カービィは早くも4口目を口に運んでいた。

「………何これ」

厨房内の盛り上がりとは裏腹に、ルイズは覚束ない足取りでその場を離れた。
ついて行けない。いや、ついて行ったらいけない気がする。
引き攣った笑いを浮かべながら額に手を添え、厨房から影になる壁際に座り込む。

「私は何も見なかった。そう、見なかったのよ……HA、HAHAHAHAHA」

早くも挫けそうになった彼女だったが、なんとか羊皮紙に調査の第一歩を記すことはできた。

『愛らしさゆえにいろんな人に可愛がられる。でも……いや、なんでもない』
331カービィの人 第8.5話 :2008/08/06(水) 23:34:35 ID:qDnFfu/l
Sample.2 キュルケの場合

ルイズが軽いショックから立ち直るのと同時に、厨房の裏口からカービィが出てきた。
シエスタを筆頭に、マルトーと料理人数名が手を振っている。
カービィもそれに応えて無邪気に手を振っていた。
ギーシュのことを抜きにしても、きっとカービィは好かれていただろう。
なんとなくそう思ったルイズだったが、やはり悪い気はしなかった。

その後のカービィは、特に行く当てもないのか学院の敷地内を適当に歩き回っていた。
途中綺麗な蝶を追いかけたり、余所見をして転びそうになったりしていたが、特に大きなこともなく、ルイズもカービィの一挙一動を微笑ましく見守っているだけだった。
しかし、カービィの対面から歩いてきた人物を視界に入れた途端、ルイズの表情がたちまち曇る。

「あら、カービィじゃない」
「きゅるる」

ルイズの敵、キュルケが使い魔のフレイムと共にカービィに近づいてきたのだ。
何気にキュルケとカービィも仲が良い。
使い魔のフレイムのお蔭なのだろうか、それとも胸部装甲に惑わされているのか。
どちらにしても、ルイズにとって嫌悪すべきことには変わりないのだが。

「ぽよぉ!」

そんな主人の気持ちなど知るはずもなく、カービィは嬉しそうにキュルケの下へ駆けてゆく。
キュルケも駆け寄ってきたカービィに向け腕を広げ、そのまま抱き上げると胸の中へと誘った。
カービィと、カービィと同じくらい柔らかいであろう二つの物体が潰れる。

「ふふ、相変わらず可愛いわねぇ。あなたのご主人様もこれくらい可愛げがあればいいんだけど」
(大きなお世話よ!!)
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:35:15 ID:Jd1Ui6ye
かつて休止一年を越えて復活したあのゼロ作品があっただろうか 支援
333カービィの人 第8.5話 :2008/08/06(水) 23:35:37 ID:qDnFfu/l
カービィの頭を撫でている宿敵を引っ叩きたくなる衝動を必死に堪え、観察を続行するルイズ。
しかし、その後もキュルケの軽口は続いた。
カービィもカービィで、(じゃれているだけなのだろうが)脂肪の塊に顔を擦りつけている。
ルイズの怒りは加速度的に過熱していった。

「あ、そうそう。これからタバサのところに行くんだけど一緒に行く? ルイズは………居ないみたいだし」

漸く本来の目的を思い出したのか、キュルケは妙な間を置いてカービィを誘った。
まだツェルプストーと一緒にいるつもり!? と叫びそうになったが、ここでばれては台無しとルイズは言葉を飲み込む。

(頼むからこれ以上ツェルプストーと一緒に……)
「ぽよ!」
「決まりね。じゃあ、行きましょうか」
(………行かない訳ないわよね。ええ、分かってたわよ)

カービィが仲の良いキュルケの誘いを断るはずもなかった。
無邪気な顔をしてホイホイキュルケについて行くカービィ。
更なるストレス増加を覚悟し、ルイズは嫌々二人の後を追おうとした。

「きゃ!」

だがその時、いきなりカービィがキュルケの胸から飛び出した。
その衝撃が伝わり、大きく胸が揺れる。
飛び出したカービィはというと、フレイムの上に着地と同時に跨っていた。

「あら、そっちがいいの?」
「ぽよぽよー!」
「きゅるるるるー」

そうだよと言わんばかりにフレイムの上でカービィは歓声を上げる。
乗られているフレイムも満更ではなさそうだ。

「そう。まぁ、いいけどね……」

逆にキュルケは自慢のボディよりもフレイムを選ばれたことが少し残念だったのか、肩を落とし気味に歩き始めた。
陰でルイズがガッツポーズをしていたのは、想像に難しくないだろう。

『動物に好かれる。動物同士気が合うんだろうか? でもなんでよりによって(以下延々とキュルケに対する文句)』



334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:36:23 ID:vXuOaflc
支援します。
335カービィの人 第8.5話 :2008/08/06(水) 23:36:55 ID:qDnFfu/l
Sample.3 タバサの場合

授業が休講の為か、図書館はいつもより人で賑わっていた。
もちろん、賑わうといっても図書館内のルールは守っており、談笑する生徒がいても聞こえるか聞こえないか程度の小声だ。
その中でも、生徒の影がほとんどない奥のテーブルにタバサは座っていた。
いつものように無表情のまま本に目を走らせ、時折傍らに置いてあるサンドイッチを口に運んでいる。

「ハロー、タバサ」
「はろぉー」
「………」

親友の声と聞きなれないもう一つの呼びかけに反応し、タバサは本から顔を上げた。
その瞬間。
カービィを認識したほんの一瞬。
彼女の眼が見開かれたのだが、微々たる違いだったために誰も気づく者はいなかった。

「今日は何読んでるの?」

キュルケはテーブルに手をつき、タバサが読んでいる本を覗き込む。
かなり分厚い本だ。何かの辞典だろうか。
そんなことを考えながらキュルケが視線を送っていると、不意にタバサが本の表紙を向けて来た。

「………『ハルケギニア生物辞典』?」
「どうしても知りたいことがある」

それだけ言うと、タバサは再び本に視線を落とした。

「知りたいことは見つかりそう?」

タバサは首を横に振る。
相変わらず反応が薄い。

「あなたのことだし、それ以外にも結構調べてたんでしょ?」

今度は首を縦に振る。
首の振り方から見てかなりの量を調べたのだとキュルケは察した。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:37:14 ID:rqY8wSKu
カービィvsザンギエフの吸い込み対決支援
337カービィの人 第8.5話 :2008/08/06(水) 23:37:48 ID:qDnFfu/l
「そんなにまで知りたいことって、なに?」

字の羅列を追っていたタバサの眼球が一時停止する。
そして本をテーブルの上に置き、ある一点をじっと見つめた。

「?」

疑問に思い、キュルケも同じ方を向く。
後ろの本棚から隠れ見ていたルイズも同じ方を向いた。
視線の先には、タバサの食べかけのサンドイッチを頬張ろうとしているカービィ。

「ああ。もしかしなくても、あなたの調べたいことって……」
「びぃやあああああああああああああああああああ!!!」

キュルケが皆まで言い終わる前に、図書館内に甲高い悲鳴が響き渡った。
周りの生徒がハッとしたように声の方を見ると、タバサのサンドイッチを口にしたカービィがテーブルの上でのた打ち回っているではないか。
体の色は赤や青や緑に変わり、目からは大量の涙があふれ、まるで毒でも口にしたかのような形相だった。

「あ、あなた……何食べてたの………?」

明らかに只事ではない様子に、流石のキュルケもうろたえている。
先程まで何食わぬ顔で同じものを食していたタバサに青くなった顔を向けた。
対するタバサは特に焦った様子もなく、呑気なことにテーブルの上をゴロゴロ転がるカービィを興味深そうに眺めながらポツリと呟く。

「ハシバミのサンドイッチ」
「………あぁ」

納得。
今回ばかりは勝手に人の物を食べたカービィが悪いので、何も言えない。
ルイズも呆れ果てたのか、痛む頭を手で押さえていた。
食い意地が張ると碌なことにならない。
哀れなことに、ハシバミの味が引くまでカービィはテーブルの上を転がり続けたのだった。

『食い意地が張っている。でも、あんまりに不味い物は食べられないみたい。……うー、想像しただけでハシバミの渋みが………』



338カービィの人 第8.5話 :2008/08/06(水) 23:38:42 ID:qDnFfu/l
Sample.4 ???の場合

なんとかハシバミ地獄から解放されたカービィは、キュルケ達と別れ食堂へ向かっていた。
気づけばもう日が傾いており、空は鮮やかな緋色に染まり始めている。
そろそろ夕食の時間だ。
ルイズの腹も空腹を告げる音を鳴らしている。

「まぁ、これくらいかしら。もうこれ以上調べても何も出そうにないし」
「調べるって、何を?」
「そりゃあカービィの」

反射的速度でルイズは振り返った。
そこには先程カービィと別れたはずのキュルケとタバサの姿。
タバサはいつも通りだが、キュルケはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている。

「あ、あああああんた達いつから!?」
「静かにしなさい。カービィにバレるわよ?」

ルイズの反応を見て、キュルケは満足げに微笑んでいる。
大声が出せれば、ルイズは間違いなく今この場でキュルケを怒鳴りつけていただろう。

「あんたがカービィの跡をつけてから、気になってあんたの跡をつけてみたって訳」
「い、いつから気づいてたのよ?」
「カービィと会ったときからよ。マントの端までは気が回らなかったようね? それより何よそのスカーフ。それで変装のつもり?」
「う、う、うるさいうるさいうるさいうるさいぃぃ!!!」


その後、ルイズは二人に調査のことを洗いざらい吐かされた。
キュルケは尾行の理由が意外にまともだった事に驚き、面白そうだからと残り少ない調査に同行することになった。
タバサはカービィについての情報が少しでも欲しいらしく、ルイズの書留を読みながら調査に同行した。
ルイズにしてみれば、これ以上何も起こらないのだからさっさと満足してもらおうという諦めにも似た考えだったのだろう。
しかし、そういう時に限って何か起こるのが世の常である。

「あれ?」

異変に真っ先に気がついたのはルイズだった。
一旦立ち止まり、カービィをよく観察する。

「どうしたのよ?」
「………カービィが食堂じゃない方に向かってる」
「え、あのくいしん坊が? まさか」

しかし見てみると、確かにカービィは食堂とは反対方向に向かい始めていた。
この時間はカービィもお腹が空いている筈なのに、食堂へ向かわないのはあまりに不自然だ。
それがカービィなのだから、不自然さは倍増する。
が、その謎はすぐに解決した。

「あれ」
「え?」
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:40:13 ID:nQeNIlbF
支援だ
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:41:32 ID:pdWPdM2Q
先輩支援します、GOサインください!
341代理:2008/08/06(水) 23:47:28 ID:GfSYlDR0
タバサがカービィのすぐ近くを指さす。
二人は目を細めてそこを凝視した。
すると、夕日の色に馴染んで見辛いが、何かがそこに置かれているのがわかった。

「あれって……リンゴかしら?」

リンゴ。すなわち食べ物が置いてあった。
よくよく見ていると、何かの道標の如く、等間隔でリンゴが置かれている。
あからさまな罠だった。

「なるほどね、これはカービィなら引っ掛かるわ」
「っっ!! どこのどいつよ!? カービィをこんな方法でたぶらかそうとしてるのは!!」
「追ってみればわかる」
「そういうこと」

まるでカービィに引っ掛かってくださいと言わんばかりの罠に憤慨したルイズを先頭に、三人はカービィの後を追っていく。
しばらく歩いているうち辿り着いたのは、食堂から少し離れた学院の中庭だった。
日はさらに傾き、一つ二つと星が出始めている。

「ぽぉよ!」

遂にカービィが最後の一つを拾い上げた。
その場にぺたりと座り込み、キラキラした目でリンゴを見つめる。
本当に幸せそうだ。
そして、カービィがリンゴを食べようとした瞬間、柱の陰から声がした。

「よく来たね。まさか、こんな単純な手に引っ掛かるってくれるなんて思わなかったよ」
「ぽよ?」

リンゴを食べようとするのを止め、カービィが声のした方に体を向けた。
声の主が校舎の日陰から歩み寄ってきている。
日陰から出て、沈みかけた夕陽が照らし出したその人物は、数日前にカービィに決闘を仕掛け見事に敗北した男。
『青銅』の二つ名を持ち、何より女性が大好きなルイズ達のクラスメートだった。

(ギーシュ!!)
「君を呼んだのは他でもない。僕自身のプライドの為さ。あれじゃあ、僕の気が済まないんだ」

カービィしか見ていないというのに、ギーシュは勿体を付けたようにゆっくりと歩んだ。
その表情はいかにも余裕。いや、自分に酔っているとでも言うのだろうか。
前髪を軽く手で払い、笑みを湛えた口元からは白い歯が覗いていた。
とても数日前自分を負かした相手の前にいるような態度ではない。

(な、なんでギーシュがここに!?)
(私に聞かないでよ。私に)

一方、ある意味意外な人物の登場に、ルイズは思考が追い付かなくなっていた。
しかも相手はカービィが倒したギーシュである。
報復という理由で何をされるかわかったものではない。

(単純に考えれば、報復)
342代理:2008/08/06(水) 23:49:29 ID:GfSYlDR0
ルイズの心内を読んだかのようにタバサが呟いた。
その手にはいつの間にか杖が握られている。

(カービィの圧勝だったのに、なんだって今更!?)
(だから本人が言ってるじゃないの、プライドの問題だって。モンモラシーともまだ和解してないみたいだし、やつあたりでもしに来たんじゃないの?)
(そんなの知ったこっちゃないわよ!!)

ルイズ達が小声で話している間に、もうギーシュはカービィの目の前まで来ていた。
危機が迫っているというのに、カービィが動く気配は全くない。
このままでは前のようにたこ殴りにされるだけだろう。

「漸くこの時が来た……遠慮なく、ケジメをつけさせてもらうよ!」

ギーシュが勢いよく両手を広げる。
そしてカービィ目掛けてその手を伸ばした。

「カービィ! 逃げ」

ルイズが叫ぶが間に合わない。
しかし、ギーシュの伸ばした手はカービィを捕えなかった。
カービィを素通りした手は地面に宛がわれ、次の瞬間にはギーシュの頭も地面と対面を果たす。

「本当に申し訳なかった!!!」
「ぽよ?」
「は?」
「え?」
「………」

空気が、凍った。
カービィも、飛び出そうとしたルイズとキュルケも、冷静にエア・ハンマーを繰り出そうとしたタバサでさえも、ギーシュが何をしたかハッキリ理解できなかった。
少しして、「ギーシュがカービィに謝った」ということを理解し始める程度で。
凍った空気が完全に動き出したのは、ギーシュが頭を上げてからだった。

「あの時の僕は本当にどうかしていたよ。二人のレディの心を傷つけておきながら、またレディを傷つけて、あまつさえ君にやつあたり紛いの決闘まで申し込んでしまったんだから」

そう語るギーシュの表情は、心なしか痛々しく見える。

「だけど、君に負けて気がついたよ。僕がやっていたのは悪いことだったって。いや、認めた、のかな……?」

今度は自嘲気味の笑顔を浮かべたが、やはり表情から痛々しさは抜けなかった。
いつものヒョウヒョウとした態度からは想像もできない姿に、見守る三人も押し黙る。

「あの時はルイズやモンモラシー達に謝るのに必死で、君に対して謝罪ができなかったから。他の皆が聞いたら独り善がりだって笑われるかもしれないけど、僕は貴族として君に謝らなくちゃいけない」

ギーシュは表情を引き締めると、地面に宛がっていた両手を握りしめた。
腹を決め、再び謝罪の言葉を口にした。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:50:10 ID:rqY8wSKu
カービィvs海腹川背さんの四次元ポケット対決支援
344代理:2008/08/06(水) 23:51:31 ID:GfSYlDR0
「ごめんなさい」

言葉と同時にギーシュは再び深々と地面に頭をついた。
今の彼に恥はない。
謝っている相手が誰だろうと関係ない。
本当に謝らなければならない相手にちゃんと頭を下げる。
たとえ許してもらえなくても、それが彼に出来る精一杯の謝罪だった。

「……ぽよ」

ふと、ギーシュは仄かな甘い香りが漂ってきたことに気がついた。
顔を上げると、そこにはリンゴをギーシュに差し出しているカービィ。
漂ってきた甘い香りはリンゴのものだったのだ。
リンゴを差し出すカービィの目を見た時、ギーシュはこの行動が何を表しているのかを悟った。

「もしかして……僕を許してくれるのかい?」
「ぽよ!」

右手を差し出し、カービィからリンゴを受け取るギーシュ。
女の子達のように罵倒されることはないにしても、許してもらえるとは思っていなかっただけに、このカービィの行動は彼の心に響くものがあった。
無意識にリンゴを持つ手が震えてくる。

「あ、ああ、ありがとう!! き、君は! ぼ、ぼぐの心の友だ!!」
「びぃ!?」

カービィを力いっぱい抱きしめ、ギーシュは声を上げて泣きし始めた。
その姿は何とも締まりが無く、ルイズ達は思わず顔を背ける。

「調子いいこと言っちゃって……」
「台詞は臭いけど、反省はしているみたいね。やり方はせこいけど」
「こんな小細工しなくても普通に謝りに来ればいいのよ」

泣き続けるギーシュの声を聞きながら、心底呆れたように腕を組むルイズ。
しかし表情はそれほど曇ってはおらず、少し笑っているようにも見えた。
ギーシュのことを少し見直したのだろう。

「気恥ずかしかったんでしょ? それよりもう夕食の時間よ。速く食堂に行きましょう」
「その考えに賛同する」

キュルケとタバサに至っては面白いものが見れて満足したのか、既に元来た道を戻り始めていた。

「ちょ、待ちなさいよ!」

ルイズもすぐにその後を追う。
その前に、もう一度ギーシュとカービィの方を見てみた。
目から滝のように涙を流したギーシュが、まだカービィのことを抱きしめている。
放っておいたらいつまでもあのままのような気がしたので、不本意ながらも呼びに行くことにした。

『子供だからよく分からないのかもしれないけど、それでも十分過ぎるくらい優しい子。ギーシュも少しは懲りたみたいだし、とりあえず一件落着ね。でも、私のことを見て化け物にでも遭遇したような叫びをあげたのは絶対に許さない』
345代理:2008/08/06(水) 23:53:33 ID:GfSYlDR0
Sample.5 ルイズの場合

「……ふぅ」

夕食を終えたルイズは、部屋に着くなりベッドの上で仰向けに寝転がった。
なんだか、今日は精神的にとても疲れた気がする。
というより、カービィが来てからというもの、いろいろ気苦労が多くなった。
そんなことを考えながら、半日使って作成した書留を取り出す。
改めて見返すが、どれも今までのカービィとの生活で既に知っていることばかりだった。

「私の半日はなんだったのよ……」

はぁ、と思わず深い溜め息をつく。
溜め息と共に、彼女のネガティブな精神が姿を現し始めた。

それなりの収穫があったような気もしたけど、肝心のカービィのことは分からず仕舞い。
自分の使い魔なのに。
初めて使えた魔法の成果なのに。
カービィのことが何も分からない。
カービィのことを理解することもできない。
これじゃあ今までと、ゼロと変わらない。

「結局、どこまでいっても私は……」

ゼロ。

「きゃ!?」

ルイズの口から禁句が零れる直前、何かが彼女の上に飛び乗ってきた。
何かと言っても部屋にはカービィしかいないのだが。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:55:32 ID:rqY8wSKu
カービィvsでっていうのキャラかぶってます対決支援
347代理:2008/08/06(水) 23:55:34 ID:GfSYlDR0
「ちょ、ちょっと。どうしたの?」
「ぽぉよ! ぽぉよ!」

上体を起こしてカービィを膝の上に乗せると、笑いながら両手両足をバタつかせ始めた。
愛らしいことは愛らしいが、何をやっているのかさっぱり分からない。
ルイズも最初は何をやっているのか全く理解できなかったが、先程の自分の状態からなんとなくカービィのやっていることを察した。

「『元気だして』って、言ってる?」
「ぽよ!」

カービィはいつもと変わらぬ笑顔でルイズに答えた。
その瞬間、ルイズはハッとした。
使い魔召喚の夜も、ギーシュとの決闘の後も、カービィはこの笑顔だった。
この笑顔は落ち込んでいる自分に、勇気と元気を与えてくれた。

「……そうね! 落ち込んでばかりじゃいられないわ!」

そう、落ち込んでばかりじゃいられない。
主人がつらい顔ばかりしてちゃ、使い魔に示しがつかなくなってしまう。
なら、私もカービィに笑い掛けてあげよう。
カービィがいる。
それだけで私はゼロじゃない。

「ありがとう、カービィ」

ルイズはカービィを抱きしめると、彼の額に優しくキスを落とした。

『カービィはカービィ。掛け替えのない私の使い魔であることに変わりはない。以上、調査終了!』



「でも、いつか必ず暴いて見せるわ。カービィの正体!」
「ぽよ?」
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:56:53 ID:4HvJN99B
久々のカービィ、なんてかわいいんだ

ギーシュも、いい男だぜ!
349代理:2008/08/06(水) 23:57:35 ID:GfSYlDR0
以上です。
まずは支援しくれた人たちに感謝を。
一年間待っていてくれた人には懐かしく、はじめて読む人には目新しい内容になっていたら嬉しいです。
てか巨乳に抱かれたり素直ルイズにキスされたりカービィテラウラヤマ

それから、絵板での応援メッセージ本当にうれしかったです!
私の作品に柄がついただけでも光栄なことなのに、あんなにたくさんのメッセージをもらえて作者は本当に幸せ者だと思います。
あのたくさんのメッセージが、今回の連載再開に踏み切るきっかけにもなりましたし。

これからも細々と続けていくつもりなので、投下の際は支援お願いします。
では、また次回。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:57:54 ID:rqY8wSKu
投下・代理投下乙でしたー。
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:58:18 ID:4HvJN99B
GJ!
めっっちゃなごんだ
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 23:58:36 ID:sMjCKiPn
GJ久しぶりのカービィ最高でした。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:00:53 ID:rTtkuxQS
乙。
ルイズがすでにデレデレですね
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:04:38 ID:5/KCIVDe
ああもうかわいいなチクショウ!
GJ!
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:08:14 ID:w85+CRit
能力だけ見ても超アタリで、性格良くてルイズ慕って来るんだもん。
そりゃ全開でデレるだろう。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:09:29 ID:gKM20Wx6
おかえりカービィ!
ハルケギニアだとどんなコピー能力が使えるかねえ
風石でトルネードとか硫黄でバーニングか?
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:09:50 ID:p+/x9+x0
>>325
キャラ濃すぎて動かしにくい?
武器を使ってくれそうな人が少ない
辺りかな?

武器を使ってくれそうなのは
ルイズとダブルツンデレな烈海王(料理も出来るぞ)
試合で無ければ相当強い本部

「たまたま持ってたデルフ」を使ってくれそうな加藤
(デルフが「インテリジェンステグス」になっている可能性も…)
後は死刑囚の方々



カービィ乙です。
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:24:33 ID:Hzclr0so

いつかこんな日が来ると思っていた。時間は夢を裏切らないって本当だなあ。

んで、さすがのカービィもハシバミはダメか、あらためてタバサの味覚のすさまじさがわかるわ。
なんにせよGJ、次回も楽しみにしてます!
359とりすていん大王:2008/08/07(木) 00:29:49 ID:E+8KNSjW
えー毎度 バカバカしいネタで御座います 予約がございやせんようなので00:35分程より4話目 いかせて頂きます
360とりすていん大王:2008/08/07(木) 00:35:46 ID:E+8KNSjW
狙ってるポジションは刺身のツマもしくは飾りの菊の花
とりすていん大王 四回目

「さぁ、ギーシュ君準備はいいかな?」
両手を大きく広げて不動の構えを取るお父さん、ここに来てギーシュ君も覚悟が決まったみたいです
「・・・解りました、僕もグラモン家の男です」
覚悟を決めたギーシュ君、心なしか横顔が凛々しく見えます
騒ぎを聞きつけてやってきた野次馬の中から黄色い声援も飛んでくる程です
「ですが、僕と貴方では力の差がありすぎます・・・そこでグラモン家、必殺の戦法を使わせてもらいます!!」
「いいだろう、何でも使うといい」
緊迫した中、グラモン家必殺の戦法を拝まんと皆が息を呑んで見守ってました
「グラモン家の男たちに代々伝わる必殺の戦法・・・・それは・・・」
ひゅうおおと冷たい風がヴェストリの広場に吹き渡ります
皆がギーシュの動きに注目していました そして・・・・・・

「逃げる!! かなわないと解ったならスタコラサッサじゃよー」
急速反転してもの凄い勢いでギーシュ君は逃げ出しました その背中には紫色の賢者のお爺さんがいい顔でサムズアップしてます
「な、待て!!ギーシュ!!」
「逃げるなーーー!!」
友人達が追いかけますが恐ろしいまでのスピードでついていけません 
その間お父さんはまったく動きませんでした

「さて・・と」
逃げ出したかのよーに思われていたギーシュ君ですが、ちゃっかりヴェストリの広場に戻ってきていました
物陰からいまだに不動の構えを取っているお父さんを見つめています
(グラモン家の伝統戦法、逃げるはただ逃げるんじゃない、相手を良く観察して必勝の好機をうかがう為の一手さ)
ギーシュ君はよくお父さんを観察しました
(隙が無い・・・・流石だ)
ただ両手を大きく広げてるだけのようですが、流石はギーシュ君 軍人家系の男の子、それが一分の隙も無い構えだと理解しました
(だが、勝機は必ず来る!!今日の僕の正座占いは3位だったし)
自信を持つには微妙な理由ですが、彼の言う通り勝機は訪れたのです
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:36:50 ID:DKjVB/DW
なんというかわいらしさ…GJ
362とりすていん大王:2008/08/07(木) 00:37:03 ID:E+8KNSjW
「すみません、ギーシュのヤツを見失ってしまいました」
「構わない、彼はきっとここにくるよ」
それはギーシュ君を追って見失った友人一同がお父さんに報告に来た時、
ちょうどお父さんと隠れているギーシュ君の間に入って死角が出来たのです
「今だ!!」
今こそ勝機とばかりに一直線に突っ込んでくるギーシュ君、その声に皆が気がつきました
「な、お前こんな所に隠れていたのか!!」
「遅い!!」
ギーシュ君、薔薇の造花、彼の杖をふり、まず2体のワルキューレを練成しました
そしてそのワルキューレをなんと踏み台に友人の頭の上を飛び越えたではないですか
「あーい」
さらに2体のワルキューレを練成して足場にすると地面に着地する事なくお父さんとの距離を縮めます
「きゃーーん」
さらに2体のワルキューレで自分をお父さんの頭上まで飛び込みました
「ふらーーーい!!」
そしてお父さんの頭上で、最後の7体目ワルキューレと共にギーシュ君がお父さん目掛けて下降します
「お、おとうさーーーん!!」
やっとヤケ食いを終わらせてヴェストリの広場に来たモンモランシーが見たものは空から落下してきたワルキューレの槍に突かれたお父さんでした

「お・・お父さんが・・・」
ヴェストリの広場に沈黙が広がります、何せ決闘とはいえギーシュがお父さんを串刺しにするなんて誰も思ってなかったからです
「ほぉ・・・なかなか悪くない」
沈黙の支配する中、お父さんが口を開きました
「実にいい、良い動きだ」
「お・お父さん?平気なのですか?」
ルイズ(主人公)がお父さんに恐る恐る話しかけると、
「心配ない、跳ね返した」
そう言うと ぽよん と言う擬音と共にワルキューレが吹っ飛ばされてしまいました
「なぁああああ!!」
これにはギーシュ君以外にもみんなびっくりです
「さて、次は私の番だな」
お父さんはゆっくりとギーシュ君に向き直りました
「さぁ、私のターンだ・・・」
お父さんが何をするのか皆が固唾を飲んで見守りました
しかし、お父さんは不動の構えから何をするでも無くふよふよと浮いているだけです
363とりすていん大王:2008/08/07(木) 00:38:12 ID:E+8KNSjW
ヴェストリの広場に影が差します
「む、曇ってき・・・たの・・・う・・うわああああ!!」
それはマリコヌルの絶叫で幕を開けました 彼が指差す先、それは遥か彼方 空の上
「え?空・・・わあああ!!」
「な、何だあれ!!」
「か、風の偏在なのか?」
「だとしてもあの数はなんだ!?」
「スクエアとかヘクサゴンとかそんなちゃちなレベルじゃねぇ!!」
それは大小様々な大きさのお父さん、赤、青、黄色、緑、黒、白、様々な色のお父さん、
数え切れない程の無数のお父さんが魔法学院の上空を占拠していたのです
「「「「さぁ、いくぞギーシュ君」」」」
無数のお父さんがついに進撃を始めました

ひゅーーん ひゅーーん
無数のお父さんが魔法学院に降り注ぎます・・・・・・・・無差別に
「わあああ!!」
「きゃあああ!!」
「ひぃいい!!」
無数のお父さんの絨毯爆撃(集団頭突き)によってぼろぼろになったギーシュ君にさらに追い討ちをかけようとお父さんが迫った時、
「お父さん!!お願い、もうやめてー」
その間にモンモランシーが立ちはだかりました
「お父さん、もう彼も反省しているわ!!だからもう許してあげて」
娘のお願いにしばし、お父さんは考えて、
「モンモランシーはギーシュ君の事が、好きなのかい?」
「え、ええ、そうですわ 好きですわよ」
娘の言葉を深く考えて、お父さんはギーシュ君の顔を両手で掴みました
「こんなに金髪なのに娘は好きだと言う・・・」
「お父さん、それ言うと私も金髪ですわ」
「モ・・モンモランシー・・・君は・・・」
お父さんは静かに頷くと、やがて静かに語り始めます
「わかった、じゃあギーシュ君はモンモランシーに相応しい男になってもらうべく鍛えよう」
「・・・・は?」
言うが早いか、すでに放心しているギーシュ君を抱え上げてお父さんズが空に昇っていきます
「ギーシュ、がんばれよー」
「期待してるぞー」
「修行中は出席扱いにしておくから存分にのぉ」
「え、ええええ!!たすけてーーーーくれーーーー」
こうして皆の声援を受けてギーシュ君はお父さんズと共に修行の旅に出たのでした
                                                   続く
364とりすていん大王:2008/08/07(木) 00:38:56 ID:E+8KNSjW
四話目 ここまででございやす お粗末様でございました
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:40:39 ID:rTtkuxQS
大王乙
ギーシュがでっかくなって帰ってくるのは何時の日か
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:50:06 ID:++N+harF


展開が読めねえwあらゆる意味でw
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 00:53:30 ID:iBGy66E1
理不尽すぎるw
368松下:2008/08/07(木) 00:57:19 ID:aelt6qm8
乙です……おお、なんというやわらかさの連続だろう。お父さんは無敵だ!


さて、ほのぼの良作のあとで少々気が引けますが、千年王国の幕間を投下しに参りました。
反逆のシャルロット、ガリア編です。15分後に投下しますぜ。
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 01:02:01 ID:METm4z6j
ひょっとしたらとりすていん大王ってギャグモノじゃね?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 01:11:34 ID:9nzHvLQp
>368
一瞬「幕を下ろしに参りました」に見えてドキっとした。
うん、深酒しすぎだね。支援。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 01:14:26 ID:KYUPtTvb
>>369
それはギャグで言ってるのか・・・!?
はは、まだ主役も死んでるのに幕はおろせませんねえ、幕間だけど。では投下開始。


《内部で分かれて争う国は荒れ果ててしまい、内輪で争う町や家は立ち行かない。
 サタンがサタンを追い出せば、それは内輪もめだ。それでは、どうしてその国が立ち行けるだろうか?》
  (新約聖書『マタイによる福音書』第十二章より)


始祖ブリミル暦6243年冬、第一月ユルの月の第二週、降臨祭明けから数日後の深夜。

ここはガリア王国の都・リュティスの東郊に築かれた広大な王宮、ヴェルサルティル宮殿。
先々代の王ロベスピエール3世によって森を切り開いて造られた、この世にも名高い庭園のような宮殿は、
世界中から招かれた建築家や造園師の手による贅を凝らした増築物によって、現在も常に拡大を続けている。
そして、薔薇色の大理石と青いレンガで作られた巨大な王城『グラン・トロワ』には国王ジョゼフ一世が、
薄桃色の小宮殿『プチ・トロワ』には王女イザベラが生活しているのだ。

そのジョゼフ、別名『無能王』は、薄暗い寝室の一つで長椅子に寝そべりながら、
愛人のモリエール夫人に膝枕をしてもらっている。彼の手の中には、ひどく古ぼけたオルゴールがあった……。

「あの、陛下。そのオルゴールは随分古いもののようですね。茶色くくすんで、ニスも剥げていますよ。
 ……カラクリは動いているのに、私には何の音も聞こえませんが、きっと壊れているのでしょう?」
「……ん、まあな、随分と古いさ。なにせ六千年前の品だというからね」
「ろ、六千……! あ、あのまさか、それは『始祖の秘宝』というものでは」
「そのまさかさ、モリエール夫人。アルビオン王家に長らく伝来してきたものを、ちょいと頂いたのだ。
 あちらに我らがガリア王家に伝わる、『始祖の香炉』もある」

ぐうっ、とジョゼフは伸びをすると上半身を起こし、眠たそうな表情のまま呟いた。
彼の指には茶色い『土のルビー』の指輪が嵌っている。
「古代の賢者でピタゴラスという男が、こんな言葉を残しているそうだ。
 『我々に地獄の音楽が聞こえないのは、耳がその音に調節されていないからだ。
 そのように我々が調節すれば、様々な神秘を手に入れることができる』とな。
 ……余には聞こえるぞ、美しい地獄の音楽が。それにあの香炉からは、芳しい地獄の臭気が漂ってくる」

始祖の秘宝は、いわば『虚無の呪文』が封じ込められた宝箱。
始祖のルビーは、その宝箱を開く鍵だ。無論『虚無の担い手』でなければ、それを開くことはできない。
しかし恋愛に生きるモリエール夫人には、そんなことは分からなかった。
愛する人が自分を愛してくれないことほど、悲しいことがまたとあろうか?
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 01:17:49 ID:086gerPj
……おお、この奇矯で孤独な王様は、次元の異なる夢を見ていらっしゃるのだ。なんと痛ましい、可哀想な王様だろう!
ダメな男が大好きな彼女はうっすらと微笑を浮かべ、追従を述べた。
「まあ陛下、なんと御詩情が豊かなのでしょう! 私は凡俗ゆえ、そうしたことは分かりません。
 けれど、この地上の楽園のような王宮を所有しておられる陛下の感じられるものが、地獄だなんてあんまりですわ。
 いったいどんな音、どんな臭気なのです?」

くっくっ、とジョゼフは忍び笑いをしたが……やがてポロポロと涙を零し始めた。
「そうだな、目の前を髑髏がいくつも舞い踊っているような感じだ。
 心地よい死のメロディと亡者の焼かれる香り。虚無の音色と虚無の臭いだ。
 ―――あああ、俺は本当にわざわいだ! 体は極楽にあるのに、心はいつも地獄をさまよっているとは!」



そこから千数百リーグも離れた外洋の上を、無数の黒く巨大な影が飛んでいる。
ハルケギニアの覇権を握るガリア王国の、力の象徴のひとつ『両用艦隊(バイラテラル・フロッテ)』だ。

海上と空中を制する巨大軍艦の総数は約200隻と、かつてのアルビオン空軍にも匹敵する規模である。
そしてその旗艦こそ、全長150メイルほどもある巨艦『シャルル・オルレアン』。
四年前、狩猟の最中に急死した、いや暗殺された王弟の名だ。
今や、両用艦隊は勅命を受けて軍港サン・マロンを発し、外洋上を全速力でトリステイン王国へと進んでいた……。

「しかし提督閣下、宣戦布告もなしに、仮にも不可侵条約を結んだ国に対して、奇襲をかけるとは……」
「リュジニャン子爵、これは勅命だよ。あの恐ろしいガリアの支配者、ジョゼフ一世陛下が命じられたのだ。
 我らは唯々諾々と命令を実行するしかないし、せねばならん。『灰にしろ』と仰せられたのだからな」

旗艦の司令室で密談しているのは、艦隊総司令たる海軍大将、提督・クラヴィル卿と、参謀のリュジニャン子爵。
ともに生粋の武人であるが、衆人からの評判はあまり芳しくない。
ハルケギニアのほとんどの将軍がそうであるように、彼らも保身と出世が己のすべてという人物であった。
長い艦隊勤務でよく日焼けした顔を、困惑と期待に歪めさせ、提督は独り言のように呟く。
「あのお方、世間では『無能王』などと呼ばれておるが、とんでもないことだ。
 俺は士官候補生のころから30年以上軍にいるが、あんな恐ろしい王様を見たことがない」

そうとも、俺にとって恐ろしいのは、神や始祖やアルビオンの大艦隊よりも、ネズミやコクゾウムシよりも、あの上役だ。
魔法もまともに使えないくせに、気の触れた頭の方は滅法鋭いときている。
もとより俺は政治には疎いから、内紛には巻き込まれずにすんだ。ただ愚直に、忠実に上の命令を守って働いてきた。
幾度もの戦いを切り抜け、目先のことをやり遂げていくうちに、時間は光の矢のように過ぎていった。
妖魔に化かされているのではないかと思うほどに忙しかった。気がついたら提督閣下だ。
まったく、夏の夜の夢のようだ。
「この理解しがたい勅命だって、気まぐれに発されたわけではない。何年もの下ごしらえがあってのことだろうて。
 しかも『トリステインをくれてやる』ときた。ええ? あの小さな王国をポンと『くれてやる』とさ。
 俺が王様なら、お前は大公殿下だな。士官どもだって男爵は下るまい。
 ちょうどそろそろ退官して領地経営をしたいなぁと思っていた矢先だよ。
 かえって老後の心配が増えそうだが、なに、俺にも財産管理の出来る息子ぐらいはいる」

思わぬ自分の野心に興奮してべらべらと喋りまくる提督に、リュジニャン子爵も頬をひきつらせる。
「ははは、皮算用はまだ早いんじゃあないですか。まぁこの艦隊があれば、あの国は数日で滅ぼせるでしょう。
 灰にしたあとの領土を貰っても、仕方ありませんがねぇ。手加減はしませんと……」

しばらく二人で談笑しつつワインなどを傾けているうち、甲板の方から騒ぎ声が聞こえてきた。
「む? ……何か外が騒がしいな」
「反乱、ではありますまいね。今回の作戦、しっかりと将兵への説明責任は果たしましたから」
「ちょっと見てこよう。それに、そろそろ上陸の目標地点のはずだ」

二人が甲板に出てみると、主だった士官や水兵らが片方の舷に集まり、暗い海の彼方を眺めている。
提督はちょっと不審そうな顔をしてから、芝居がかった口調で鷹揚に呼びかけてみた。

「……やあ、勇敢なる戦友諸君、この集まりはどうしたのかね?
 給金は滞らずに支払っておるし、糧食も慣れればそう不味くはないぞ。
 報酬についても確かに説明したではないか。そのことについて、諸君は特に不平も述べず、万事快諾してくれたものだ。
 此度のことは隠密裏に行う作戦であるから、各々持ち場を離れず精勤せねばならん」

すると水兵の一人が振り向き、頭を下げる。
「これは提督閣下、そろそろ海上国境線にさしかかりますぜ。上陸目的地のダングルテールまでは数リーグほどです」
「うむ、そうだな。見たところあの陸地には漁火どころか、民家の灯火さえ見えぬ。
 情報では亜人が少々住み着いているという、まったくの辺境地域だそうではないか」
「もともと寂しい漁村だったうえ、20年ばかり前に新教徒狩りがあって、無人になったといいますからね。
 アルビオン出征に手一杯で、海上警備の手も行き届かないのでしょう。
 先に潜り込ませて置いた間諜が、もうそろそろあの浜でカンテラを振って合図を送ってくる手筈です」

提督と参謀は望遠鏡を使って、ダングルテールの岸辺を観察する。
……やがて赤い灯火が点き、くるくると回された。二人はにんまりと笑うが、それはこちらへと飛んで来るではないか。
よくよく見れば、灯火を持った人間は風竜の背に乗り、旗竿を立てている。
「おお、風竜に乗って竜騎士が一人、真っ直ぐにこちらへ飛んで来るぞ! 我らガリアの旗印を持っておる」

そう提督が口走った瞬間、周囲の士官らは一斉に彼へ杖を向けた。
「「!!?」」
さあっと群衆が左右に分かれ、つかつかと歩み寄ってくる金髪の女性のために道を開ける。
あれは確か、『ヴィラ号』担当の神官だ。戦列艦以上のフネには、宗教行事を司る神官が乗り込んでいる。
「し、シスター・リュシー……でしたかな? こ、これは何事でしょう?」
「神と始祖と、正義の御名において。
 我らはガリアの現王ジョゼフの暴虐に耐えかね、正統な王を玉座に据えるべく立ち上がる義勇軍。
 すでに艦隊の殆どは我らの手のものになりました。亡きオルレアン公の御名を冠したこの旗艦も、接収いたします」

彼女の父は、さほど身分の高い貴族ではなかったが、かつてオルレアン公に仕えていた。
そのため公が暗殺され宮中に粛清の嵐が吹き荒れたとき、父も官位と命を奪われたのだ。
財産も家屋敷も失ったリュシーの家族は離散し、困窮した彼女は寺院に身を寄せて神官となった。
だが、王政府への凄まじい復讐の念は、神への信仰によって消せるものではなかった……。

無表情のままゆっくりと反逆の言葉を述べ終わるや、リュシーは始祖像のついた杖を二人に突きつける。
そして美しい顔を醜悪に歪ませ、物の怪のように恐ろしい笑みを浮かべた。
「用が済んだらちゃっちゃとおっ死ね、無能王の狗め!!
 ……といいたいところだけど、まだあんたらには使い道があるね。
 ガリア王国をなるべく平和裏に手に入れるため、全力で我らの新女王陛下のために尽くしなさい!」

呪文を唱えると杖の先がぼうっと光り、クラヴィル卿の精神を支配する。水系統の禁忌魔法『制約(ギアス)』だ。
任意の条件を満たした時に、詠唱者の望む簡単な行動をとらせることができる。
「仮にも両用艦隊の提督閣下を殺してしまえば、衆人の反感を買うからねぇ。
 いい? あんたは自分の意思で、ジョゼフに反逆したの。
 その旨を全ガリアに、ハルケギニアに喧伝しなさい。この血判状にサインしてね」

やがて風竜が甲板にふわりと舞い降り、乗っていた小柄な騎士はガリアの旗印を高く掲げる。
オルレアン公女、否、ガリア王国の王位継承者シャルロットは、歓呼をもって迎えられた。


《愛する者たちよ。自分で復讐をせず、むしろ神の怒りに任せなさい。
 『主が言われる。「復讐するは我にあり。我自身が報復する」』と(申命記に)書いてあるからである。
 もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。
 そうすることによって、あなたは彼の頭に、燃える炭火を積むことになる。
 悪に負けてはならない。かえって善を以って悪に打ち勝ちなさい》
 (新約聖書『ローマ人への手紙』第十二章より)
場面は再び、ヴェルサルティル宮殿。その長い外壁の下に、一群の黒いローブを纏った集団がいる。

「団長、なにやら生暖かい霧が出てきましたが。昼に雨が降ったせいで、夜の空気も粘つくようです」
「ちょうどよい、双月も雲が隠している。我らの夜襲を天も支持してくれておるわけだ」
集まっているのは、オルレアン派の『東薔薇騎士団』だ。彼らは団長のバッソ・カステルモールに率いられ、
今から夜陰に乗じてジョゼフの居城グラン・トロワに突入するところであった。

「おお、殿下! 我が敬愛するオルレアン公よ! 殿下のご無念を晴らすときが、遂にやってまいりました。
 殿下は貧乏貴族の家に生まれた私を、『見込みがある』の一言で騎士団に引き立ててくださいました。
 そのご恩に報いるときが、遂にやってきたのです! まさに男子の本懐です!」

今時珍しく騎士道精神に溢れるカステルモールは、感涙に熱く身を震わせ、亡き主君に呼びかける。
それから背後を振り返り、総勢80名を超える部下たちを激励する。いずれも歴戦の勇士たちだ。
「栄光ある東薔薇騎士団諸君! 我らはこれより、神と始祖と祖国に仇なす簒奪者より王座を取り戻す!
 そののちに、しかるべきお方にお返しするのだ! 恐れるな、我らは反乱軍にあらず!
 真のガリア花壇騎士、ガリア義勇軍である!」

一同は鬨の声をあげる代わりに、揃って軍杖を構えて最敬礼し、賛意を示した。
そして彼らは『飛翔』の魔法で石壁を飛び越え、一直線にグラン・トロワへと突進していった。
現在宮殿内にいる貴族は20名程度。ベルゲン大公国出身の衛兵が数百名いるが、彼らはメイジではない。
マスケット銃やハルバードがいくらあろうと、スクウェア級のメイジが率いる精鋭の騎士団の相手にはならない。
恨み重なるジョゼフの寝室へ、破竹の勢いで騎士団は進撃する。

―――だが、『鏡の間』へ突入した騎士団の前に、夜着を纏った小柄な影が立ちはだかった。
青い髪に吊りあがった目、広い額に意地悪そうな表情。別宮プチ・トロワにいるはずの、イザベラ姫であった。
「お〜や、誰かと思えばカステルモールじゃあないの。こんな夜中に何か用かい? ケケケケケケケ」

不吉な笑い声をたてるイザベラの周囲には、不快な気配を放つ小妖魔どもが蠢いている……。


《あなたは、あのイゼベルという女を、そのなすがままにさせている。
 この女は女預言者と自称し、私のしもべたちを教え、惑わして、不品行をさせ、偶像に捧げたものを食べさせている。
 私はこの女に悔い改める機会を与えたが、悔い改めてその不品行をやめようとはしない。
 見よ、私はこの女を病の床に投げ入れるであろう…》
  (新約聖書『ヨハネによる黙示録』第二章より)


(つづく)
378松下:2008/08/07(木) 01:24:36 ID:aelt6qm8
投下終了、支援感謝。
春は曙、夏は化け物の季節ですねえ。
《イザベラwith墓場鬼太郎&妖怪軍団》対《カステルモールwith東薔薇騎士団》、勝者はどちらだ?
…というわけで、珍しく次回も幕間になります。タバサ書の続きみたいな感じですが。

では、また。
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 01:29:47 ID:cL3IX9P6
乙!
カステルモールの革命が成功している姿を想像できないw
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 01:36:19 ID:hYjJ7NdM
お疲れ
俺もカステルモールの革命が成功するとは思えないし想像もできない。
これも人徳?
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 01:51:24 ID:METm4z6j
おお、すごいことになってるな。
ともかく0000022222222。
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:17:33 ID:METm4z6j
メイジの格を見るには使い魔を見よだっけ?
使い魔がネズミのオスマンは格が低いのけ?
それに平民、平民と言うけどハルケギニアでも生態系の頂点に位置する人間ならカエルやネズミよりは強いはずだよね
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:21:49 ID:clYzmbCB
>>382
ほら、よくあるじゃん。
登場したての頃はドスケベで弱虫でどうしようもない最弱だけど、後半になると異様に強くてカッコよくなる奴。
そう、きっと在りし日のオスマンはそういう『主人公』だったんだよ。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:26:33 ID:METm4z6j
>>383
つまり今のオスマンが召喚したらすごい使い魔がくるわけか
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:29:29 ID:tjsX1FAk
ネズミを見た目だけで判断しちゃいかん。
小さく狭い場所にも入り込めるし、数が増えれば人を食い殺すことだって出来るだろう。
伝染病のキャリアーという意味でも手ごわい存在だわな。
…と、見方は色々あるわけで。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:30:34 ID:t680bvAo
実はモートソグニルがオスマン本体で、爺さんの方は自動人形スキルニルの一種。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:34:07 ID:Y0pZ6KZq
なにそのキルバーンww
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:41:07 ID:JbvOCoWw
>>383
何そのポップw
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 05:28:05 ID:kyKDqhdv
お前、鼠なめんな。
太古の昔から、人間の食料食い荒らしたり、疫病媒介したり、あいつらには凄い苦労させられてきたんだぞ。
390蒼い使い魔 :2008/08/07(木) 05:32:16 ID:nJ1zP98o
アハハハ、おはようの投下しちゃうぞ―
ごめん、結構長い
それじゃあ13話いってみましょうどうぞ
391蒼い使い魔 :2008/08/07(木) 05:33:30 ID:nJ1zP98o
『土くれのフーケ』
そう呼ばれ、トリステイン中の貴族を恐怖に陥れているメイジの盗賊がいる
その手口は『錬金』の魔法を使い。頑強な扉や壁を粘土や砂に変え、密やかに忍び込み、盗み出す
例え『固定化』の魔法で守られていようが、その強力な『錬金』で打ち破り、ただの土くれへと変えてしまう。
故に名付けられた『土くれ』の二つ名。
だがその様な大人しい盗みばかりでは無い、
時に身の丈およそ30メイルの巨大なるゴーレムを操り、貴族の屋敷を、別荘を粉々に破壊し粉砕し、大胆に盗み出す。
正体不明にして強力なトライアングルクラスの『土』系統のメイジ、
犯行現場に壁に己の犯行の旨であるサインを残していく事もあり、最もトリステインで有名な盗賊である。
その盗賊『土くれのフーケ』が次に目をつけた場所、それこそがトリステイン魔法学院であった。

夜、二つの月を眺めるのが半ばこの世界での趣味と化してきているバージル、
塔の一番上に登り静かに月を眺めていると、なにやら妙な音と震動がすることに気がついた。
―ズズゥゥゥゥン…ズズゥゥゥゥン…
という音が響いてくる。
怪訝な顔で音がした方向を眺めると、高さが30メイルはあろうかと言うゴーレムが本塔を殴りつけている。
学院内は丁度夕食の時間、どうやらパニックが起こっているのか食堂から悲鳴が巻き起こり
教師達が避難誘導を行っているらしい。
「なんだあれは?」
「なんだって…みりゃわかんだろう、ゴーレムだよ相棒」
「そんなものは見ればわかる、何をしているんだ?」
と呑気に会話を交わすバージルとデルフ
「どうやら、壁を壊そうとしてるみたいだねぇ、相棒、あのゴーレムを止めに行かないのかい?」
「何故俺が行く必要がある?あのゴーレムが何をしようが俺には関係がない。」
「それもそうだな、そんなこと聞いた俺が馬鹿だったよ…」
そんな会話をしながら、静かにゴーレムが本塔を殴り続けるのを見物していたバージル。
その時、ゴーレムの胴体部分がわずかに爆発したのが見えた。
「あれは…小娘か」
「あぁ、あの爆発はあの娘っ子だぁな。」
自分の主が必死に戦っているのにどこまでも呑気な使い魔である。
助けに行こうともせずその場でゆっくり見物していた。
やがてゴーレムは目的を達成したのか大きな音と振動を立てながら学院から去って行った。
「行っちまったな…」
「らしいな…」
そう呟きながらバージルは静かに月へと視線を戻した。
392蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:34:17 ID:nJ1zP98o
バージルが部屋へと戻ろうと廊下を歩いていると顔を真っ赤に泣き腫らしたルイズが立っていた
それを平然と無視し目の前を通り過ぎる。
「待ちなさいよ!」
「…なんだ?」
すごく嫌そうな顔でバージルは振り向く。
「あんた…いままでどこに行っていたのよ!学院に賊が入ったのよ!?」
「知っている」
「じゃあなにを!」
「貴様に話して何になる」
「〜〜〜〜っ!!」
「貴様があのゴーレム相手に何をしようとしていたのかは知らんが、俺には関係がない」
「…っ!見てたの…?」
「あぁ」
「…」
その言葉を聞き押し黙るルイズ、
「私は…っ、あのゴーレムを止めようとしていたのよ!あのゴーレムを止めれば誰も私をゼロなんて呼ばない!
そう思って必死に止めようと思ってたのよ!」
「それであのザマか」
「っ…!」
突き刺し抉るような言葉にぐうの音も出ない。
「で、その事に俺のあるなしが関係あるのか?」
「なっ!ないわよ!なにも!」
そう叫ぶように言うとルイズは自室へと戻って行った。
ルイズはベッドの中に潜り込み思う、
なんで来てくれなかったの?そう言いたかった、
でもバージルのことだ『関係ない』その一言で終わりだろう。
そもそもバージル一人に頼りたくないから一人ゴーレムに挑んだのだ。
途中、タバサやキュルケが援軍に駆けつけてくれたが、そのゴーレムに相手にもされなかった。
自分はあまりに無力だ、だが必ず見返してやる。そう決意を固めルイズは眠りへと落ちた。

翌日、トリステイン学院は噂の盗賊『土くれのフーケ』襲撃という前代未聞の大事件に大騒ぎになっていた。
厳重な『固定化』の魔法が掛けられており壊れるはずのない宝物庫の破壊。そこで守られていた秘宝『破壊の杖』の強奪。
そして犯行現場である宝物庫に落ちていた『秘蔵の破壊の杖、確かに領収いたしました』という犯行の旨を記したカード。
まさに学院創設以来初の大事件であり、同時に、過去に例を見ない大失態でもあった。
393蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:34:50 ID:nJ1zP98o
学院長室では教師達が集まり対策会議と称しての責任の所在の押し付け合いを行っていた。
それを一喝して黙らせたオスマンが口を開く。
「さて、みっともない所を見せてしまったが…
君たちに集まってもらったのは他でもない、『土くれのフーケ』による学院襲撃の件についてじゃ。
犯行の現場を見たのは君たちと言うわけでここに来てもらったと言うわけじゃ。」
オスマンはそう言うと学院長室に呼びつけた三人と一人の使い魔を見る。
そこにはキュルケに、相変わらず無表情のタバサ。
目を充血させ、目元に泣きはらした痕を残しているルイズの三人、
そしてルイズの使い魔であるバージルの姿があった。
「では犯行を見た時の事を説明してもらおうとするかの。」
ルイズとキュルケが昨日の夜あったことを詳しく説明する。
バージルはただそれを壁に寄りかかりながらつまらなそうに聞いていた。
「ふむ、報告の通りじゃな、皆が知っての通りあの宝物庫には強力な固定化がかかっていた、
ところが、一部の場所に原因不明の亀裂があっての、そこだけなぜか固定化がかかっていない状態になっていたそうじゃ。
そこをフーケにねらわれたんじゃろうのぉ。」
その言葉を聞きルイズがビクッ!と反応しバージルを見る。
そうだ…ギーシュと決闘騒ぎを起こした日、あいつは突然ヤマトを抜いて斬撃をとばして…そのぶつかった場所は確か…。
まさか、壊れた原因はこいつか!?
バージルもその言葉に少し反応したが無視を決め込んでいた。

そんなことを考えていると突然ドアから秘書のロングビルが現われた。
「ミス・ロングビル!どこ行ってたんですか!大事件ですぞ!」
「申し訳ありません、。昨晩から急いで調査しておりましたの」
ロングビルが言うには近くの森の廃屋がフーケの隠れ家ではないかということだ。
学院に起きた一大事、王宮への報告と王室衛士隊の手配を進言したが、その間にフーケに逃げられてしまう可能性と
自身の問題は自分たちで解決するというオスマンの意向で却下された。
そのためすぐに捜索隊を結成することになったが誰も自ら行こうとしない。
その中で静かにルイズが杖を掲げる。
「私が行きます!」
宝物庫の壁を抉ったのは自身の使い魔だ、その責任は必ず取る、
そしてフーケを捕まえて誰も彼も見返してやる!そう決意を固め凛々しく名乗りを上げた。
それを見て驚いたミセス・シュヴルーズが声を上げる。
「あなたは生徒ではありませんか!ここは教師に任せて……」
しかしその言葉を聞きながら続けて杖を掲げたのはキュルケであった。
「ヴァリエールには負けられませんわ。」
さらに続けてタバサも杖を掲げる。
「タバサ。あんたまで付き合わなくても」
「経験を積みたい」
そう言うとタバサはバージルを見た。
バージルは相変わらず壁に寄りかかっている。
394蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:35:22 ID:nJ1zP98o
「うむ、では彼女等に頼む事としよう」
その様子を見てオスマンが言った。
「何よりもミス・タバサは、若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いている」
タバサは返事もせず黙ったままだ。教師達は驚いたようにタバサを見つめた。
「本当なの?タバサ」
キュルケも初耳だったらしく驚いている。
タバサは軽く頷くだけだった、シュヴァリエの称号も実力もこの男の前では無いに等しかった。
そう考えると称号など取るに足らない、そんなものよりもっと力が欲しい。
そのために志願したのだ。
次にオスマンはバージルを見つめる、
「ミス・ヴァリエールの使い魔、バージル君といったかな?」
「…」
「ギーシュ・ド・グラモンとの決闘は皆も知っておる筈じゃな、彼は―「俺がいつ行くと言った。」」
バージルが不機嫌そうにオスマンの言葉をさえぎる。
「いやっ、その、君の主人が行くのじゃぞ?」
その返答は想定外だったのかオスマンが驚いたように聞き返す。
「だからどうした、そもそも俺がここに呼ばれた事自体気に入らん。」
「それは君がミス・ヴァリエールの使い魔―「くだらん。」」
そう言うとさっさと踵を返し退室しようとした。
それを後ろからルイズが飛びかかり阻止する。
「なんだ…」
「(あんたも行くのよ!そもそも宝物庫が崩れたのはあんたの責任じゃない!)」
「それは奴らがそこから見ていたからだ、俺の責任ではない」
「だからって!あんたも行くの!これは命令よ!」
「そうよダーリン!私もダーリンの戦う所見てみたいなぁ」
「あなたも来て欲しい」
キュルケやタバサまで説得に加わる。
バージルもさすがに折れたのか
チッと軽く舌打ちすると
「くだらん…さっさと行って終わらせるぞ…」
と非常に気だるそうに了解した。


フーケの隠れ家のある森へは馬車を使い向かうことになり
御者は案内も兼ねてロングビルが務めることとなった。
馬車に揺られながらキュルケは手綱を握るロングビルに訪ねる
「ミス・ロングビル、なぜ御者を自分で?手綱なんて付き人にやらせばいいじゃないですか」
「いいのです。わたくしは貴族の名をなくした者ですから」
「だって、貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」
「ええ、でも、オスマン氏は貴族や平民だということに、あまり拘らないお方です」
「差しつかえなかったら、事情をお聞かせ願いたいわ」
ロングビルは困ったような笑みを浮かべそれを返事とした
それを見たルイズが人の過去を根掘り葉掘り聞くものではないとキュルケを止めた。
「それもそうね、ごめんなさいね、ミス・ロングビル」
「いえ、いいのです、お気になさらないでください」
そう言うと優しい笑みを浮かべた。
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 05:35:30 ID:Yj+7QIKM
こんな時間だが支援
396蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:35:53 ID:nJ1zP98o
森に入りそのまま進んでいくと、道幅が狭くなり馬車では通れないとのことで
ここから先は徒歩で進むとのことになった。
その場からは小道があり、うっそうと茂る木々が日の光を遮り昼でも薄暗く感じられる。
「目撃者の話しでは、この小道の先にある廃屋で、黒ずくめのローブを纏った人影を見たそうですわ」
風が吹き抜けると、不気味に木々がざわざわと枝葉が擦れる音を立てる。
―悪魔の気配は…ないな
そうバージルは考えると一人でさっさと進んでしまった
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!主人を置いてさっさと行くなーっ!」
そう叫んで急ぎ4人はバージルの後を追った。

しばらく進んで行くと、開けた場所に出た、そこには先程のミス・ロングビルの言葉通り、広場の中心に廃屋があった。
一行は、小屋の中から見えないように、森の茂みに身を隠したまま廃屋を見つめる。
「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいると言う話しです」
ミス・ロングビルが廃屋を指差して言った。
どの様に攻めるか。4人はその相談を開始した。
「フーケがあの中で寝てくれてればいいんだけどね」
キュルケが茂みの隙間から廃屋を覗きこむ。
「寝てても起きてても奇襲かけるのが一番よね」
「小屋の中では土が無いのでゴーレムは作れない」
「だが、小屋に罠を張っている可能性も有るわ」
とロングビル含む4人が相談していると
―ズガッ!ズガッ!ズガッ!ズガッ!
小屋の方向から何かが突き刺さるような音がした
驚いて4人が顔をあげるとバージルが小屋に向けて大量の幻影剣を放っていた
あの中に人がいるとしたら間違いなく串刺しになっているだろう
唖然とする4人を尻目にそのままバージルは居合の構えを取る
「ちょ―」
ルイズが制止する間もなく閻魔刀を抜刀、10メイルは離れているにも関わらず小屋が空間ごと切り裂かれ崩れ落ちた。
「なななななにやってるのよ!!!!」
「どの道賞金首だろう?生きていても死んでいてもかまわん」
「だからって!あの中にある破壊の杖はどうするのよ!」
「しらん、この程度で壊れるものなど秘宝とは言わん」
「たしかに賞金首だけど…あんなことしたら肉片一つ残らないわよ!」
「生きていた方が報酬が多めにもらえる」
タバサがぽつりと呟く
バージルも一時期便利屋稼業をやっていたため、金の重要さは知っている、
もらえる金が多くなるならそれに越したことはない
「フン、まだ生きているなら生かしておくか、手足の二三本斬り落としても死にはしまい。」
しれっと言うバージルを青白い顔で見ながらロングビルは
「あ…も、もしかしたらあたりに潜んでいるのかも知れません、ち…ちょっと偵察にいってきます!!」
と逃げるように走り去ってしまった。
397蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:37:05 ID:nJ1zP98o
「さっさと破壊の杖とやらを回収するか」
「そ、そうね!いきなりあんなことするんだもん、忘れてたわ!」
バージルがもはや原形をとどめていない小屋へと進んでいく、
ルイズ達もその後を追って小屋へと足を踏み入れた、
キュルケが瓦礫の中から薄汚れたチェストを見つけるとそれを開ける
「あったわ!破壊の杖よ!壊れてないわ!」
その声を聞きルイズとタバサが駆け寄る、
「これが破壊の杖?」
ルイズが『破壊の杖』と呼ばれる筒状のものを手に取る、
それをみたバージルの顔が険しくなった、
「(なぜこんなものがここにある?)」
そう考えつつルイズのもつ破壊の杖に触れる。すると左手のルーンが光り、使い方が頭の中に流れ込んで来た。
「なんだこれは…」
「あぁ相棒、思い出したぜ」
今まで黙っていたデルフが話しかける
「そのルーンの効果でな、相棒が持つ武器のことはなんでもわかるんだ、使い方とかな」
「あら?その剣インテリジェンス・ソードなの?」
その声を聞いたキュルケが話しかけてくる、
「そう言えばダーリンのルーンて、珍しいわよね、一体どういうものなのかしら?」
キュルケがバージルの左手を覗きこむ
「話は後だ」
バージルが短く言い、閻魔刀に手をかける。
「フーケとやらのお出ましだ」
バージルの鋭い視線の先には30メイルはあろうかと言うゴーレムが音を立てて現れた。
そのゴーレムは全身を鋼鉄に覆われており、昨夜見た土でできたゴーレムとはまるで違う印象を持たせた。
「ちょっと!昨日のとは違うわ!」
「今回は本気ってとこかしらね!」
そう叫びつつキュルケは杖を取り出しゴーレムに向かい炎の塊を叩きつける。
同時にタバサも竜巻を巻き起こしゴーレムにぶつける、
だがそれはゴーレムに黒い跡をつくっただけでまるで効果がない。
「ルイズ!破壊の杖をもってはなれなさい!」
「いやよ!私も戦う!」
そう言うと、杖を構える、が
閻魔刀の鞘がルイズのマントをからめとり後ろへ放り投げる
「ひゃうっ!」
という叫びと共に尻もちをつくルイズ、それをバージルが一瞥すると
「邪魔だ、失せろ」
と冷たく言い放つ
その言葉に涙があふれてくる、
自分はここまできても足手まといのゼロなのか。嫌だ、そんなのは嫌だ。
バージルを見返したくてここまで来たのだ、足手まといにはなるものか!
そう決意し杖を構え詠唱する。
だがそれは爆発を起こし、ルイズの存在を気付かせ、挑発しただけとなってしまった。
ゴーレム振り向き、鋼に覆われた腕をルイズへと振り下ろさんとし、空高くかかげる。
チッとバージルは軽く舌打ちすると居合を放ちゴーレムの腕を斬り落とす。
振う腕を失くしたゴーレムはそのままバランスを崩し倒れてしまった。
倒れたゴーレムにキュルケやいつの間にか使い魔のシルフィードを呼んだタバサが追い打ちの魔法を放っている。
バージルはルイズに悠然と歩きながら近づく
「聞こえなかったのか?俺は失せろと言ったんだ」
バージルのその言葉にルイズは唇を噛み締める。
「逃げるわけ無いじゃないっ!あいつを捕まえれば、誰ももうわたしを馬鹿にしないわ。ゼロのルイズなんて呼ばないでしょ!」
「無謀と勇気の違いすらもわからんのか?愚かな女だ…」
398蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:37:45 ID:nJ1zP98o
「違うわ!!」
そう叫ぶとルイズは立ち上がり、破壊の杖を構え、小走りにゴーレムに近づく
「バージル!わたしは貴族よ!魔法が使える者を、貴族と呼ぶんじゃないわ。
敵に後を見せない者を、真の貴族と呼ぶのよ!」
高らかに宣言し、ルイズはえいっと『破壊の杖』を振りぬいた。
しかし何も起こらない。沈黙したままである。
「えぇっ!?なんで!?なんでなにも起きないの?」
ゴーレムはゆっくり立ち上がりルイズへと振り向く
目算破れ、慌てるルイズへとゴーレムの鋼の腕が今一度振り下ろされんとかかげられた。
「え?あ……」
腕が大きな影を作りルイズの視界を覆う、慌てて逃げようとするが恐怖のため足がすくんで動けない
体も縮こまり金縛りにあったかのように動けなくなってしまった。

「ルイズ!!ルイズーーーー!!!」
キュルケが叫び届かぬと知りながら必死に手を伸ばす
タバサは、己の使い魔シルフィードを使い、助けに飛ばそうと足掻く。
だが到底間に合わない。
もうだめだ、そう思い目を瞑る、ルイズに向かい鋼鉄の腕が振り下ろされた、その時

「おい!相棒!何する気だ折れちまう!」
―ガキィン!!!!ズゥォォォォン!!!!
金属と金属がぶつかり合う音、そして衝撃波が辺りを吹き飛ばす。
ルイズが恐る恐る目を開ける、すると目の前にはもはや見慣れた氷のように蒼いコートにオールバックにまとめた銀髪の青年
バージルが目の前に立ち、左手でデルフリンガーを持ち、その切っ先だけでゴーレムの拳を受け止めていた。
「ハァッ!」
という気合とともにデルフでゴーレムの拳を押し返す、そのままゴーレムは仰向けに倒れた、
目を点にさせルイズはバージルを見る、
「それが貴様の答えか…」
「えっ…?」
「真の貴族…か」
―あの時の俺は背を向け、結果母を失った…
バージルは昔の自分を思いかえす、力なく母を失った過去を。
399蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:38:17 ID:nJ1zP98o
「ルイズ、離れてろ…俺が片付ける」
「えっ…?」
―今名前…
ゴーレムが再び立ち上がる、それを見据えバージルがデルフを背中に納める
「おいおい相棒!俺っちつかわないのかよ!つか折れそうだったぞ!」
「黙れ」
そういうとバージルの手足が光り始める
彼の体内に残った僅かな魔力、それを自身の魔力で補い形作る。
本体はテメンニグルでなくしてしまったが、バージルの魔力で再び彼の手足に装着される
『閃光装具ベオウルフ』

バージルが宙へと飛び上がる、その高さはゴーレムと同じ高さにまで及んだ。
そのまま上空へ両手をかざし魔力を爆発させ急加速、そのまま隕石の様な唸りを上げ
ゴーレムの胸に向かいカッ飛んでいく。
―グゥオカァァァァァァン!!!!
すさまじい衝撃音とともにゴーレムが再び仰向けに倒れる。
ゴーレムの胸にはバージルの流星脚でできたのであろう惨たらしい窪みが出来上がっている。
そのまま地上におりるとそのまま加速して近づき倒れたゴーレムの脇腹に渾身のアッパーを入れる
―ドッグゥォォォン!という凄まじい音、もはや見ているものは笑うしかない
鋼鉄でできている故に超重量のゴーレムの身体が、浮いた。
空中に浮かび上がったゴーレムを追うようにバージルは自身の身体を縦に回転させそのままゴーレムの腹に
月輪脚を叩きこむ、そのまま地面に強烈に叩きつけられたゴーレムは見るも無残に砕け散った。

「はっ…はは…」
それを見ていたキュルケはもはや乾いた笑いしか出てこない
「……」
タバサにいたっては珍しく大きな口をあけて唖然としている
「もう…なんでもアリね…」
ルイズはただただ、自分の呼び出した使い魔の底知れぬ実力にもはや呆れるしか出来なくなっていた。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 05:39:09 ID:Yj+7QIKM
支援
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 05:46:45 ID:Yj+7QIKM
代理ます

847 :蒼い使い魔 第十三話:2008/08/07(木) 05:45:45 ID:VoG2wrSc
「おでれーた!おでれーた!なんだ今のは!」
「黙れ、ただ殴っただけだ」
そう平然と剣と会話しながら帰ってくるバージルにルイズ達が駆け寄る
「ちょっと!今の一体…」
「もうすごいわ!すごすぎるわダーリン!」
そうバージルを囲い騒ぎ立てる一行に
偵察から戻ってきたロングビルが話しかけて来た
「なっ…!なんですか!?今の音は!」
「ちょっとすごいのよ!ダーリンったら!」
とキュルケが興奮気味にロングビルに今あったことを説明していた。
「そ、そうなんですか…、それにしても」
ロングビルは破壊の杖を見る
「その破壊の杖ってどういうものなんでしょうね?」
「フン、それは俺の世界の武器だ、使い方位なら教えてやってもいいだろう」
「え?世界?ダーリンの世界って?」
その言葉にキュルケとタバサが反応した。
「その説明は後!」
ルイズによって追及は中断され、バージルが破壊の杖はM72ロケットランチャーという名称であり、その使い方と破壊力を説明した。
「なるほど、そう言うものなんですね…」
その説明を聞いていたロングビルの雰囲気が変わった。
ルイズの手からをロケットランチャーを奪い取るとこちらに構えだした。
「ご苦労さま」
「えっ?ミス・ロングビル、なにを!?」
「全員杖を捨てな!こっちには破壊の杖があるんだ!妙な事をしたらこいつを使うよ!」
唖然としながら突然口調まで変わったロングビルを見ながらルイズが聞く
「どういうこと…?まさかミス・ロングビルが…」
「そう。私が『土くれ』のフーケ。全く驚いたわよ。力の殆どを注いで気合入れて作ったゴーレムを、素手で粉砕しちゃうんだもの。
破壊の杖を使わせるのが目的だったんだけど、まさか使わないで倒しちゃうなんてね。ま、使い方教えてくれたんだし、結果オーライだわ。
さぁ!早く杖をすてな!そこのあんたもだ!早く剣を捨てるんだよ!」
そう言われ渋々杖をすてる三人、なげられた杖を確認しフーケはバージルへと視線をもどした…が。
バージルの姿が消えていた。
「どっ!どこだい!?どこにきえ「黙れ」」
その言葉とともに天地が逆さまになる。
いつのまにか後ろに立っていたバージルによって閻魔刀の鞘で足元を払われる、空中で回転させられ、
そのまま返す鞘で腹部を打たれ地面にそのまま叩きつけられる、仰向けになって悶絶していると
トドメと言わんばかりに鳩尾に鞘が叩き込まれた、
そのまま胃の内容物をすべてぶちまけ、フーケは意識を手放した。
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 05:47:41 ID:Yj+7QIKM
848 名前:蒼い使い魔 第十三話 投稿日: 2008/08/07(木) 05:46:18 ID:VoG2wrSc
「バージル!」「ダーリン!」
「いつの間に回り込んだの!?早すぎてなにもみえなかったわよ?」
「こんな三流に流される方がどうかしている。」
「なっ!もとはと言えばあんたが使い方しゃべっちゃうからでしょ!?」
「フン、さっさと帰るぞ…」
そう言うとバージルはフーケの髪の毛を掴みそのまま引きずるように馬車へと向かう
「ちょっと!一応フーケも女よ!もうちょっと丁寧に…」
そのまま馬車に乱暴に放り投げる、髪の毛がブチブチッ!と千切れる音が聞こえて来た
「なんか言ったか?」
手についた髪を不愉快そうに叩き落とすバージルをみてルイズは呟いた
「いいわ…もう…本当にあんたは悪魔だわ…」


849 名前:蒼い使い魔 投稿日: 2008/08/07(木) 05:46:49 ID:VoG2wrSc
以上でございます、本当にもうしわけございますぇんorz
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 05:56:45 ID:XMlA3+rD
乙でした。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 06:08:06 ID:JbvOCoWw
>>402
バージル強すぎだろww
ワルドとかどうやってこの先生きのこるんだw
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 06:11:07 ID:clYzmbCB
乙です。

>>404
久々にみたわ、きのこる先生www
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 06:44:11 ID:6VpHFwXT
バージルにーちゃん容赦無さすぎワロタwwwwwwwww
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 07:15:17 ID:YFPmdD6U
久々に頭の悪いフーケを見た
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 07:50:34 ID:4uA89zb3
前略オフクロ様――晴れて私はクロマティ高校へ入学できました―――
一日も早く学校に慣れて健やかな学園生活を送りたいと思います
………
………
ですが……
見慣れてない人たちに囲まれていささか戸惑っています……

辺りは何というか、日本じゃないです。まるで外国のおとぎ話にでてくるような世界が、
僕は道に迷わないに地図を予め書いてきてからきたから、ここで間違いないはず、
途中で誰かに呼ばれた気がして寄り道しただけだ、だからここはクロマティ高校で間違いがないはず!

僕は気がついたら小さな小さな桃色の髪をした、可愛い女の子が目の前にいる、
彼女は何やら喚いており、周りにいる彼女と同じような服装をした少年少女達が笑っていた。

……これはいけない……! 良く現状は把握しきれないけど、これは苛めという物なのか!
事情は分からないが、これは止めないといけない! 僕は勇気を振り絞って言う事にした。

「皆さんやめてください!彼女が怒っているでしょう!事情が分かりませんが
 ここはお互いよく話すべき事じゃないのでしょうか?」

……ダメだ、話が通じていない、皆様は一瞬キョトンとして僕の事を見たのだが、すぐにまた笑い始めた、
――恥ずかしい
、どうやら彼らは僕の事について笑っているらしい。
おや?そういえば、この中に一人だけハゲの優しそうなおじさんがいるぞ!彼に助けてもらお……

おや?僕の唇にとってもマシュマロのように柔らかい……
作者の限界です、一ヶ月ほどお待ちください
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:00:44 ID:3lDAP71k
>389
ネズミの恐怖……レギオンという漫画を読んでみるとよく分かる。オスマンの使い魔は単体だが、契約によって得た能力が『群れを率いる』だったなら?
想像するだに恐ろしい。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:06:29 ID:CyWwTQ2m
>409
レギオンと聞いて「俺が軍団(レギオン)だ」を思い出した俺、参上。
彼なら7万も同等の軍勢を持って殲滅できそうですな……。
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:30:05 ID:zrPOp5CP
だめだ……レギオンと聞くと、巨大な女王に率いられる珪素生物の群れを……
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:33:16 ID:5/KCIVDe
レギオンといえばクロノクルセイド
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:38:40 ID:Gafu/3OA
ガメラに出てきたレギオンを思い出した…
あれがもし召喚されたらハルケギニア全体の生態系がガラリと変わりそうだな。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:43:14 ID:zrPOp5CP
>>413
つまり、地球に飛んでくるはずの草体レギオンをルイズが召喚。
地球の平和が守られるわけですね!
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:57:26 ID:UANK6t8N
>>414
所がどっこい、ハルゲニアの意思がガメラを呼んで大惨事に

偶に思うが、ゼロ使の世界に怪傑ライオン丸とかのサムライ会うと思うか?
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 08:59:52 ID:YItY1Mzn
想定の範囲外過ぎる兄貴相手に
五体満足ですんでよかったね、おマチさん。
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:03:16 ID:Uv2U6LTs
蒼の人乙
どうやらギーシュやタバサのような惨劇は起こらなかったようだ。
だがまだワルドが残っている・・・。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:14:31 ID:qiNnp+n/
バージルさんが本気で殴ったら内臓破裂で終了だろうな…
反吐ぶちまけるだけで済んでラッキーだったと思うしか
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:18:10 ID:H7rlq2N1
レギオンというと、やはり個人的には、
「うぉ うぉ うぉ うぉれも いくぅぅぅぅぅっ!!」の人の印象が強いな。
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:27:04 ID:5FRP63dj
レギオンと言えばローマ軍だろ常考
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:33:39 ID:NVUI7gPw
私的にはレギオンといえば
「死者を呼ぶ者」「戦場の真理」を思い出してしまうのです
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:54:55 ID:SiMsGPqa
>>389

389様ともあろう御方がネズミを外見で判断されるとは何という事でしょう…。
お忘れですか?かの千葉浦安の一角を牛耳り、自らの王国とした恐るべき一匹の
ネズミの事を。千葉なのに東京と称している所がネズミ故の浅はかさなのか、はたまた
非常に高度な幻想種の思考によるものなのかは、議論すべき問題なのかもしれませぬが。

かのネズミはマシンガンをグネグネダンスで避けるわ、コンクリの壁を素手でぶち破るやら、
日本最強の幻想種『たーべちゃうぞー♪たべちゃうぞー♪』の人食いソングを唄う、緑のアレと
互角かそれ以上と噂されているではございませんか?妻離!オスマンの使い魔もやがて長じれば…であるやもしれないという
ことでございます…!
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:55:13 ID:qK6FPoGI
>>385
>>389

確かに群れとしての鼠は脅威であるが、単体として見たら食物連鎖の下っ端に過ぎんしなあ。
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 10:09:00 ID:cGOQYygO
人間を除けば哺乳類でおそらく最大の個体数を持っている
地球上で最も繁栄している種の一つだぜ?

数が多くてどこでも生きてけて凄い勢いで増えるってのは生き物として最大の強みだよ
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 10:19:50 ID:4Wxp0Tvl
何でベオヴォルフ持ってんですかww
アレって確か、ダンテが持ってった様な・・・・
共有・分割って出来ましたっけ?
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 10:25:47 ID:METm4z6j
みんなワルドがバージルに一方的にヤられるようことを言っているがワルドの通り名は「閃光」だぞ
光の速さで詠唱して杖を振れるんだからバージルぐらいわけないさ(棒)
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 10:37:22 ID:aelt6qm8
《ネズミに関するトリビア》
フランスにあるヴェルサイユ宮殿の庭園を上空から見ると、






あのネズミっぽく見える
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 10:45:18 ID:VQamthFf
ワルドはメガテンの閣下にマガタマでも入れてもらって悪魔化しないと無理だ
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 10:47:14 ID:xQqdRbUv
>>428
マガタマに負ける


それ以前に閣下の目に止まらない
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 10:56:50 ID:kLIxlXem
ワルドの場合閣下からマガタマ貰うんじゃなくて、ジェナ=エンジェルからアートマ貰う方がふさわしくないか?
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:03:36 ID:3YUz8H8E
蒼天とかペルソナとか最恐とか、バラエティー番組みたいな再現ドラマやりたいだけなら信者引き連れて理想郷にでも行けよ
蒼天はタバサの冒険読んでないアニメ派無視して原作と同じだから略とか手抜きすぎ
ペルソナは精神世界オンリーでハルケギニア関係ねえ
最恐は丸パク盗作で論外
まだトルネコみたいにハルケギニアの貴族どもの非人道的さを叩いてる方がまともなクロスと言える
海千山千の歴戦商人とは思えない下手糞な交渉もどきに目をつぶればだけどなw
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:07:36 ID:OXE/k1hr
>>431
はいはいワロスワロス

こう言えば君の気は済むのだろう?
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:22:15 ID:VQamthFf
>>431
んじゃよっぽど文章力あるみたいだから
叩いてるバージル・ペルソナ・エンジェル伝説・トルネコの完璧な話かいてくれよ
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:23:24 ID:JYytfdBa
>>433
蒼天はバージルちゃうねん…
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:27:28 ID:9nzHvLQp

ありがとうございますやっぱり原作イベントとの絡みが少ないのは問題でしたね。
とりあえずメインキャラ全員がペルソナに覚醒した後は一気に複線を消化しつつ話を広げていくことができると思うので、申し訳ありませんがそれまではスルー進行でお願いします。
やはり自分で読んでいるだけではどこが悪いのかわかりませんので、批評や悪い点の指摘はありがたいです。
ただ此処で始めたことですので、できればなんとか此処で完結まで頑張らせて頂きたいところ。
小ネタから発展したSSが此処の皆様の声援により此処まで続けてこれたので、此処で中途半端で投げだすのは嫌なのです。

それでは13:00より第八話投下させて頂きます、ご理解ご協力のほどお願いいたします。
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:31:32 ID:40wzBVq0
>>426
光の速さで負けフラグですね。分かります^^
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:34:42 ID:83IaZoFq
スプーンおばさんより海賊ネズミ一家を召喚。
438Persona 0:2008/08/07(木) 12:39:14 ID:9nzHvLQp
失礼致しました、リロードしたら名前が消えてた……
改めまして、ペルソナ0 第八話 13時より投下致します。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:39:41 ID:v8R6QBp9
支援
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:49:42 ID:NVUI7gPw
支援します
早いなぁ  これだから長期休暇はタマらん
441Persona 0:2008/08/07(木) 12:57:29 ID:9nzHvLQp
 Perosna 0  第八話


 ――その少しだけ前

 タバサはゆっくりとルイズの部屋を覗きこんだ。
 確かにキュルケとギーシュはその中に入って行った筈だが、そこには誰もいない。
 ふとタバサは最近読んだ本を思い出した。
 とある寄生生物に取りつかれた少女が次々に知り合いに種子を埋めていき、いつの間にかその親友以外は皆化け物になっている。
 そしてある日親友はその事実に気づいてしまい、震える声であなたの中に何が巣くっているの!? と聞くのだ。
 寄生生物に取りつかれた少女はまるで食虫花のように顔を真っ二つに開くと……
「中に誰もいませんよ」
 そう言って親友に向かって襲いかかる、あの本の結末はどうなったのか?
 思い出そうとしても思い出せず、嫌な妄想を振り払うようにタバサはそっとアンロックを唱えルイズ部屋へと踏み込んだ。
 放課後三人であんなに生傷を作りつつ何をやっているのか? それを知ろうと思った。
「おかしいところは、ない」
 一つたりともおかしいところはない、至極一般的な学生の部屋だ。
 おかしな壁から植物が生えていたり、壁一杯に狂気じみた真言が書き込まれてたりはしていない。
 だが故にこそ部屋の真ん中にどでんと鎮座する“ルイズの使い魔”の姿は異常だった。
「何?」
 ルーンが輝くその表面が波打つように揺れている。
 ゆっくりと手を伸ばすと、固いものに触れる感触のあとゆっくりと腕が沈みこんだ。
「――!?」
 見ても反対側から手が突き出たりはしていない、次にタバサは左手も突っ込む。
 抵抗はあったがしかし左手も沈み込む。
 最後に意を決してタバサは頭を突っ込んだ、そこに見えるのは異様な世界だ。
 赤と黒の空と黄色く整地された地面、その上に並ぶさまざまな器具の数々。
 困惑に視線を彷徨わせているとその瞳に赤毛の友人がルイズと談笑しながら霧の奥へと消えていくのが見えた。
 嫌な予感が胸を満たし、気づけばタバサはつぶやいていた。
 ――行っちゃ、駄目!
 あっ、と思う間もなく乗り出した身体は内側の世界へと転げ落ちた。
 誰もいなくなったルイズの部屋にカランと大きな杖が転がる音が響いた。



442Persona 0:2008/08/07(木) 12:59:57 ID:9nzHvLQp

「いやぁ誰か来てくれて助かった助かった、このまま凍っちまうところかと思ったよ」
 からからと笑う剣の刀身には凍った赤い水が付着している。
 血であることは疑いようもない、だからこそあやしさ満点なのだ。
「さぁて早く引っこ抜いてくれよ嬢ちゃんたち!」
「ねぇ、貴方確かアニエスって衛士の使っていたインテリジェンスソードよね」
「そうさ人呼んでデルフリンガー様、悪いけど相棒のところまで連れてってくれねぇか?」
 そう言ったデルフリンガーに背を向けて、三人は作戦会議を始めた。
「どう思う?」
「言うまでもないね怪しすぎる、そもそもなんでこんな場所にいるのか分からない」
「そうよね、じゃあどうしましょう?」

 選択肢

 連れてってあげよう
>見なかったことにしよう
 今宵のペルソナは血に飢えておるわ


 ルイズの言葉に二人はこくりと頷いた。
 下手にかかわるより此処に置き去りにしていくのが無難だろう。
「ちょ、ちょっと待って、おいてかないでー」
 そのままデルフの隣を通り抜けて先へ進もうとする。
「全く青い服の坊主は俺っちをこんな訳の分からないところへ連れ込むわ、ちびっこは訳の分からない言いながら奥へと入って行くわ、ほんと今日は青い奴の厄日だね」
 ぴくりとルイズとキュルケが反応した。
「青い服の坊主ってサイトのこと!?」「青いちびっこってまさかタバサじゃないでしょうね!?」
 凄い剣幕で二人に詰め寄られ、デルフはたじたじになりながら言葉を返す。
「な、名前まではしらねぇよ! でもちびっこを追いかけて行った坊主の方は使い手のご同類だったぜ」
「何よ“使い手”って?」
「そりゃあなぁ、あー、あれぇ、確か此処に来る途中に……すまん、忘れた」
 その言葉にキュルケの額に青筋が浮く。
「溶かすわよ? このナマクラ」
「いやぁぁあ、やめてぇぇぇ」
 ギーシュはため息をつくとそんな二人と一本の様子にやれやれだぜと首を振る。
「これは今日中に帰るのは無理そうだな、ごめんよモンモランシー、必ず埋め合わせはするからね」
 そんなギーシュの耳にかすかな笑い声が届く、ふふふ、あはは、あははは。
 その声は譬えようもないほど楽しそうだった。



443Persona 0:2008/08/07(木) 13:02:05 ID:9nzHvLQp

「いくわよ、ペルソナァァァ!」
 ルイズはペルソナを発現させシャドウの群れにメギドを放つ、だがこれまでのシャドウと違いその体力をほとんど削りとることが出来ない。
 氷でできたカブトムシのようなそのシャドウはその角を高く掲げると、反撃とばかりにルイズに向かって突撃した。
「きゃぁぁぁぁぁぁあ!?」
「ルイズちゃんがピンチ!? 誰かなんとかするクマー!」
「守れよ!シグルズ!」
 慌ててギーシュがペルソナを繰り出し、一体を仕留めた。だが残る二体はチャージで力を溜め攻撃の機会を窺っている。
 もしあんなのを食らったら……
「これでっ!」
 キュルケが炎を渦を杖から打ち出すと、氷でできたその表面がゆっくりと溶け出す。そして原型が分からなくなったあたりで力尽きた虫がそうするようにひっくり返って足を痙攣させた。
「いくわよ、総攻撃!」
 ギーシュとキュルケ、そしてど根性で立ちあがったルイズの三人で残ったシャドウに突っ込みそして壊滅させた。
 だが戦闘終了後全員が荒い息をついている、氷の城に突入してからまだ時間はどれほども経っていないのに三人は既に疲労困憊だ。
「なんで、こんなに、シャドウが強いのよ」
「きっとこの場所を作った人の心の影が深いんクマよ、だからそれに釣られてそう言う場所が好きなシャドウが集まってきてるクマ」
「そんな、だってもし本当に此処がタバサの心の世界だって言うんなら……」
 どれほど小さな友人はその心に深い闇を抱えていたと言うのか? そう思ってキュルケはザリと唇を咬んだ。
「早く、助けてあげなくちゃあ」
「待ってくれキュルケ、ルイズがもう限界だ。今日は一旦……」
「ふざけないで! 親友が苦しんでいるって言うのにオチオチ休んでなんかいられないわ!」
 そう言って突き進もうとするキュルケと止めようとするギーシュ。
 そんな二人の口論を遮ったのは震える足で立ち上がったルイズだった。
「余計なお世話よ――ギーシュ。私はまだまだ、いけるんだから」
 考えてみれば一番多くのシャドウを屠ってきたのはルイズだ、その上唯一の回復魔法を持ったペルソナを使えると言うことで道中自然と無理をしてきた。
 一番消耗するのは当然だと言うのに、何故気付かなかったのか?
「ほら、先に進むわよ、ツェルプストー」
 右に左にと揺れる体で、しかし毅然と先頭に立って歩き出したルイズ。
 その姿を見れば頭に血が上っていたことは自明の理で、あたしらしくもないとキュルケは自嘲する。
 この先道のりはもっとつらくなる、降り注ぐ剣のトラップにも対応策を作らなくてはならない。
「やっぱり戻りましょうか、焦ってもタバサは助けられないわ」
 その言葉すら聞こえていなかったのか、ガゴンとルイズは扉を開ける。
 その先の広場には氷の女王が立っていた。
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 13:02:30 ID:c9GsjE29
>今宵のペルソナは血に飢えておるわ

この選択肢はねーよwwwwwwwwww
445Persona 0:2008/08/07(木) 13:04:22 ID:9nzHvLQp

「ふふ、ふふふふふ、あははは」
 氷のように蒼いドレスを纏い、その体よりもずっと大きな剣を抱えて、楽しそうに楽しそうに笑っていた。
「タバサ!」
 キュルケは呼びかけるが、しかしタバサは不思議そうに頭を掲げると。
「それは誰ですか? 私はこの城の主のシャルロットですが?」
 そう言って一礼する。
「あ、ひょっとしてあなた方は侵入者の方ですか?」
 にっこりと笑ったその顔はあまりにも可憐過ぎて、誰も何も言えなくなってしまう。
「だったら殺さなきゃ、みなのものー出会え、出会えー」
 その言葉と共にタバサの姿をした存在は走り去っていく、それと立ち替わった現れたのは一体の巨大な竜の氷像だった・
「小さきものよ、立ち去れ、此処はお前が来る場所ではない」
 竜のその言葉に三人は顔を見合わせた。
 これは、まさか……
「あの娘はお前の妻なのか?」
「親友よ!」
 キュルケは答えたが、しかし城全体から響く“ナレーション”にその声はかき消された。
『違う!』
 タバサと同じ声で“ナレーション”は謳う。
「お前とどのような関係があるのだ?」
「私はタバサを助けたいだけ、そこを通しなさい!」
 だがキュルケの言葉をナレーションは否定する。
『なんの関係もない』
 僅かに間をおいて、タバサの声で“ナレーション”は言った。
『ただ友達と言う幻想を見せてくれただけだ』
 キュルケは絶句し、いずこからか響いてくるナレーションを聞くことしかできなくなった。
「それでお前は命を捨てるのか」
 憐れむような竜の声。
「間違いない、イーヴァルディの勇者だよ。これは……」
 それは童話だ、ハルケギニアに住む者なら誰でも一度は耳にする英雄譚の原型、イーヴァルディと言う名の優しく勇者の物語。
 ならばその問いに返す答えは決まっている。
「それで私は命を……」『ええ、その通り、その為に私は命を捨てても構わない』
 その言葉を最後に争うような音が響き、ぷつりとナレーションは切れた。
 最後に聞こえてきたのは不確かだがきっと間違いなく、氷の決意を持つ友人の声。
「タバサ!?」
 それが合図とばかりに竜は吠え、咆哮と共に襲いかかる。

446Persona 0:2008/08/07(木) 13:07:05 ID:9nzHvLQp
エンカウント 孤独の魔竜

「敵シャドウ一体、強敵クマ!?」
「相手がなんだろうと、叩きのめして進むだけよ!」
 ルイズはふらつく足取りで杖を構え、魔竜に向かって爆発を放った。
 僅かにその顔が歪むのは疲労からか、それともどうせ爆発しかしないと見切りつつ使っている自分への嫌悪か。
 ペルソナに覚醒したことで威力が上がった爆発は、たやすく竜の体を打ち砕く。
「なんだ、意外と弱いじゃ……」
 爆煙の向こうから現れたのは、若干体を小さくした魔竜とその体から削りだされたであろう氷でできた三本の剣。
 剣はその体に巨大な血走った眼玉を持ち、ぎょろりとした動きでルイズを睨んでいた。
「分裂した!? 危ない」
 ギーシュは咄嗟に咄嗟にルイズを庇うが、しかしその剣の攻撃はギーシュのペルソナの弱点を突く攻撃を備えていた。
「がぁぁぁぁぁ!?」
 背中から突き刺されギーシュは絶叫する、それに勢いを得たのか剣はさらに剣を振るう。
 あっけなく、あまりにもあっけなくギーシュは崩れ落ちた。
「ああっ、ギーシュ!?」
 ギーシュを助けようとルイズはポケットから手持ちの水の秘薬を取り出すが、そのルイズに魔竜は容赦なく襲いかかった。

 ――ダイヤモンドダスト!


 竜の咆哮と共に霜の嵐が舞う、冷たい氷の刃が体中を切り裂いていく。
 遠くなる意識の向こうで、キュルケは確かにルイズの悲鳴を聞いた。


447Persona 0:2008/08/07(木) 13:09:33 ID:9nzHvLQp

「うう、ん……」
 キュルケはゆっくりと目を覚ますと、そこはさきほどの氷の城とは全く違う空間だった。
 闇の中に瞬く那由他の星と、その中で灯のごとく揺れるいくつかの輝き。
 今キュルケが立っているのはその輝きのなかに浮く小島のような部屋。
 白と黒のモノトーンの床には蝶の刻印がなされ、それを見ていると不思議と心が落ち着く。
 例えるなら闇夜に浮かんだカンテラのなかにいるようだった。
「私、死んじゃったの……?」
「そう、では……ない……」
 気づけば目の前には一匹の黄金の蝶がいる、不思議な声はそこから響いてくるようだ。
「私が…君を……招いた」
「貴方は、一体……?」
「私は……フィレモン…人の、意識と無意識の狭間に住まう、者」
 途切れ途切れの声、ただ一言を紡ぐことすら渾身の力を振り絞っていることが分かる。
「己が無力に血涙を流す、娘よ、汝に頼みが……ある」
「何よ、あたしは今それどころじゃ」
「代価として、君の力を導こう……」
 フィレモンはキュルケの体に黄金の燐粉を振り掛けると、力尽きるようにゆっくりと消えていく。
「人の心が変わ…我と……運命を嘲笑う我が半身…力を…喪失…因果の糸は切れ…やがて来る……絶対の死が」
「ちょ、ちょっとあんた……」
「行くがいい…資格無き娘……君に託……もう一つの月……その恐怖を覆い隠す霧に…………気を、付け…………て…………」
 ゆっくりと蝶が消えていくと同時に意識が遠くなっていく。
 最後にキュルケが聞いたのは遠ざかっていく「人の心に……光を…………」と言うフィレモンの言葉と。
 徐々に近づいてくる「絶対に、絶対にみんなにこれ以上ひどいことはさせんクマー!」と言う泣きべその叫び声。

 その狭間で、確かにキュルケは聞いた。

 ――我は汝 汝は我 我は汝の心の海より出でし者 我が現身よ今こそ我が名を呼びなさい

448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 13:13:52 ID:dSL+A/pd
支援!
449Persona 0:2008/08/07(木) 13:14:37 ID:9nzHvLQp
以上でございます。
次回キュルケのペルソナ覚醒とタバサの影戦の予定でございます。
これから忙しくなるので多少時間かかるかもですが、なんとか近いうちにお目見え出来るように頑張りますのでよろしくお願いします。

ところでモートソグニルは北欧神話で「疲れて溜息をつく者」の意で、ドヴェルグ(小人)のなかで一番偉い方らしいですよ。
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 13:17:35 ID:c9GsjE29
ニャル様がきやがるとでも言うのかー!?
とにかく乙。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 13:48:20 ID:H7rlq2N1
なんというニャル様の予感……
これは次回もwktkせざるを得ない。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 13:50:12 ID:+mp11pCo
ペルソナの作者様乙です
寄生生物の話って魔夜峰央の怪奇スペースハンド?
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 14:21:01 ID:/NR8ipl0
中に誰もいないとかスクールディズwww
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 14:38:42 ID:NVUI7gPw
メガテンを分からないので話に参加できない私

それはともかくブルース・ウェイン召喚なんてどうだろう
様々な道具もだが高い知略と陰湿な策略とセコい謀略を得意とする彼なら
ジョゼフのいい遊び相手になりそうだ
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 15:47:34 ID:VQamthFf
ニャルとかP3・4しかやってない新規はわかるんだろうかw
何だかんだいってP2は十年ぐらい前の作品だし
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 15:52:40 ID:NVUI7gPw
P3とか4と聞いて「かすみ、勝っちゃったぁ」
という謎の台詞が脳裏に・・・・・・・

天和三連発って何だよ!もう百円玉無いよ!




失礼、昔の悪夢が蘇ってしまって……
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 15:53:08 ID:H8hyAWq1
ペルソナやメガテンって言ったら金子さんの絵が浮かぶせいで
P3、4はなんとなく違う気がするんだよなー
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 15:54:31 ID:k/zPh7OE
P2、P3といえば対潜哨戒機(今もう対潜はずれたんだっけ)
P4といえばPentium4な俺が颯爽と通過
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 16:09:39 ID:+oVROtAJ
カービィ乙
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 16:31:55 ID:clYzmbCB
>>456
ソレは話すことすら憚られるネタですね?
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 16:54:04 ID:ONe6P8cE
>>449
GJ!
最近のペルソナは、這い寄る混沌分が足りなかったのでいい感じですよ。

>>457
一応、ペルソナ2から副島さんの絵だったりするんだけどね。
デザインは金子氏だけど。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 16:58:00 ID:Hzclr0so
ここってテンプレには無いけど実在の人物召喚はNGなんだよね。
それなら、がんばれタブチくんのヤスダとか、かっとばせキヨハラくんの仮面クワダーとかもやっぱダメなんだろうか。
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 16:58:50 ID:cZJsAEI5
ガウリイ呼ぼうぜ
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:03:43 ID:tjsX1FAk
漫画とかデフォルメされちゃった実在の人物はセーフじゃないの
曹操とか呼ばれてるし。
ルーデルの時に揉めたのはルーデル自身がマンガみたいな人物だったからで…。
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:11:48 ID:AF/Nm/s0
ルーデルが揉めたのは
出展として「急降下爆撃」(ルーデルの自伝)をSF小説と称して持ってきたから
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:25:19 ID:vJ7m7Csm
ルーデルはアンサイクロペディアですら事実を書く以上のことが出来にあからなあ
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:27:34 ID:wCbdSEEe
ペルソナが分からない人は「女神異聞録ペルソナ」をはじめとするペルソナシリーズを制覇するがよい

ま、一作目で挫折するのは目に見えてるけど
あなたが挫折しなくても、プレステが熱暴走で挫折するから
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:31:45 ID:OXE/k1hr
攻略本読めば7割方知ったつもりになれるよ!なれるよ!
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:37:28 ID:4wLzQkxN
有野課長とかもあったな。まぁ有野課長は『有野課長』っていうキャラクターだからいいのかもしれんが。

どっちにしろ線引き曖昧だからな。わからないときは素直に避難所へ行くべき。
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:48:12 ID:G72AFr2H
サイト・キュルケがペルソナ2罰仕様でフィレモン経由のペルソナ使いなら、
敵側にはこの二人のシャドウペルソナ持ったニャル様経由のペルソナ使いが出るってことだよな…ペルソナ2的に考えて…。
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:49:51 ID:Nv2SDmSa
一作目はゲーム中のあらゆる部分において忍耐力が試されるゆとり非推奨仕様だからなあ・・・
雪の女王編はクリアしたけど、本編はラスとダンジョンで投げた。
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:50:18 ID:vKM3EghS
初期には江頭2:50召喚もあったな
実在の人物でも漫画や小説のキャラならおkと思うよ
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 17:57:30 ID:H7rlq2N1
最初のセベクビルでモー・ショボーのバイナルストライク×4とかマゾ過ぎたなあ。
今も目を瞑れば思い出す、バックアタック→くちさけ×3とかレギオン×3とかナツカシス。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:12:49 ID:Wa8/5SdX
遅レスですが、おとーさん乙です
おとーさんと水の精霊との因縁に期待すたいっす
一体二人の過去にナニが?
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:23:20 ID:abZ+jYMZ
Hoiから持ってきたって事にしたらWW2辺りの人物なら大抵出せるんじゃ
と言ってみる
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:24:06 ID:VQamthFf
らっしゃーせが死んじゃったから
ニャルがちゃっかりあの世界使ってるわけだなw
つかクマは番長たちと会う前のクマなのかあった後のクマなのかまだわからんね
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:29:34 ID:Vq5VAynE
>>426
ワの字がバージルと戦うには悪魔と合体するしかないわ。
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:30:59 ID:k5cknsL/
魔獣合体ワルワルダー
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:35:13 ID:40wzBVq0
ワイアルド子爵に魔改造すれば、3分ぐらいは戦える…・・・かも?


「グリフォン隊心得!」
「「「「え、えんじょい&えきさいてぃんぐっ!!!」」」」
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:35:55 ID:E5PvTyLx
>>426
カオスヒーローになるか外道スライムになるか、両極端な気がする。

いや、いっそ
「私は『悪魔』魔剣士スパーダ……、コンゴトモヨロシク」
になったら面白いかm(ry
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:36:19 ID:jTAudOlq
ワルドとマーラ様が悪魔合体と申したか。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:38:37 ID:k/zPh7OE
合体と聞くと某平社員と社長が釣りに出かける漫画や映画をだな(ry
483ルイズと無重力巫女さん:2008/08/07(木) 18:39:28 ID:Gafu/3OA
どうも、ご無沙汰です。
予約などが無ければ十分後に投稿をします。
もし良ければ支援のほう、よろしくお願いします。

後お絵かき掲示板で絵を描いてくれた人に一言。

    _人人人人人人人人人人人人人人人_
    >  あ り が と う ! ! !   <
     ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

    \  \\       ____         // / /
  <         __   _____   ______            >
  <        ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、           >
  <        'r ´          ヽ、ン、            >
  <       ,'==─-      -─==', i           >
  <       i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |          >
  <       レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||          >
  <         !Y!!/// ,___,  /// 「 !ノ i |         >
  <        L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|          >
  <        | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /          >
  <        レ ル` ー--─ ´ルレ レ´          >
    / /        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     \\ \ \
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:40:32 ID:H7rlq2N1
いっそワルドにマニトゥが憑依すればいいじゃないかな。
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:42:44 ID:H7rlq2N1
>>483
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>  ゆっくり投下していってね!!!  <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
486名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/07(木) 18:42:48 ID:m9//z/lG
支援準備
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:44:07 ID:u6bnPo49
実在だとロシアのプーチンとか呼んでみたいがモロひっかかるというかガチでヤバイ人だからな

それはともかく支援
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:47:01 ID:ZN5Md0rk
人修羅「待ちたまえ!悪魔になるってことが、どんなことだか分かっているのか!?」
一同(す…すごい説得力だ…)ガビーン
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:47:20 ID:ELtL8TkU
>>471
オレは逆に本編クリアして力尽きた。PS本体がな。
490ルイズと無重力巫女さん:2008/08/07(木) 18:48:14 ID:Gafu/3OA
今まで大地を照らしてきた太陽は傾きはじめ、待っていたと言わんばかりに二つの月が天へと登り始めてから約数時間。
漆黒と月明かりが、そして一部の世界では人外が支配する様な時間、人っ子一人おらず冷たい風が吹いている中庭の片隅で灰色のローブを纏った女性が息を潜めていた。
スクッと立ち上がると辺りを見回し、ここら辺を巡回しにくる守衛がいないことを確認した。
そして次に懐から魔法を使役するメイジの証しでもあり貴族の命でもある杖を取り出すと軽くルーンを唱え宙に浮き、すぐ後ろの城壁の上に降り立った。
日中にはここに何人かの守衛が背中に弓と鉄製の槍を背負い警備に就いている夕方になれば全員が学院内の見回りをする。
それが済めば学院長や各教師、男子寮塔と女子寮塔に各四人ずつ交代制で警備を行う。後に残った教室や食堂には一人だけ。
昼は常時警備、夜には交代制ということである。
警備についていない守衛達は自分たちの寄宿舎でポーカーに興じたり、食事をとっている。
彼女は怖れもせずに堂々と歩く。
やがて学院の中でも一番大きい本塔との距離が近い場所にまで来ると再び辺りを見回した後、フライの呪文を唱えた。

足の踏み場がなさそうな本塔の外壁だが実は大きくせり出ている壁があり、それを足場にした。
ローブを纏った女性はゆっくりと外壁の周りを歩き、一定の場所に来ると足を止めた。
「……ここか。」
そう言うと足で外壁を二、三回小突いた。
もちろんそんなもので外壁が崩れてしまえばいいのだが所詮そんなことが起こるはずもなく、小さな舌打ちをする。
そろそろ仕事に入りたいのだがここであと一時間弱は突っ立ていなければいけない。
ローブの女は少し緊張した顔でその場に待機した。


魔法学院にある女子寮塔の一室。
本来生徒一人だけ。それと二、三年生だと使い魔が一体いるがそこには二人いた。
二人の内ピンクのブロンドヘアーが特徴的な女子生徒がテーブルに積まれた様々な本を読んでは床に置き、テーブルにある新しいのを取っていく。
そしてもう一人は派手なピンクブロンドと正反対の黒いロングヘアーと腕部分の露出が若干多い紅白の服を着た少女が向かい合って座りのんびりとお茶を啜っている。
ゆっくりと過ごしている黒髪の少女。――霊夢―を見てピンクのブロンドヘアーの少女。――ルイズ―が口を開いた。
「ねぇ…少しは本を読むの手伝いなさいよ。」
「アンタが私にもうちょっと字を教えてくれたらね。」
恨めしそうな言葉はしっかりと伝わったのかどうかわからない態度で霊夢はそう言った。
それに対しルイズはグゥッと小さく唸った。
ここ最近、色々と予定に予定が積み重なってしまい、霊夢に字を教えられない日が続いていた。
霊夢は未だに彼女の世界で言う「ひらがな」レベルの文字しか理解できない。
ルイズが今手に持っているのやテーブルなどに錯乱している本は魔法関連の難しい書物である。
当然霊夢には読めず、代わりにルイズが数十冊もある分厚い本の中から召還に関した物が書かれていないかを調べているのだ。
491ルイズと無重力巫女さん:2008/08/07(木) 18:51:05 ID:Gafu/3OA
霊夢も最初はそんなルイズを見守っていたのだが途中からお茶を飲んでくつろいでいる始末である。
「駄目ねぇ、全然そう言う物は書かれてないわ。」
そう言ってルイズは白い表紙の本をベッドに投げた。
霊夢の方は先ほどと変わらずのんびりと夜を過ごしている。
「あんたって本当ノンビリしてるわね…うらやましいわ。」
「あら、こう見えても心の中では色々考えてるのよ。それよりもあの薔薇、どうしたの?」
彼女が指さしたタンスの上には昼にギーシュがルイズに渡した薔薇が置かれていた。
「あぁあれね。ギーシュがこの前ゴーレムでアンタを殴ったからってその謝罪に…って。」
「ギーシュ…?」
それを聞いて霊夢は首を傾げる。まさか忘れてしまったのだろうか?
しかし、すぐに思い出したかのような顔をして掌をポンと叩いた。
「あぁ、自分のことを薔薇って呼んでてモグラを連れてたあのキザ男の事ね。」
「えぇ、でも今私の部屋に余っている花瓶がないのよね。どうしようかしら?」
「庭に植えてあげればいいんじゃない?私には薔薇を一日中眺めるなんて趣味はないし。」
どうやら彼が純粋な善意で渡した薔薇はルイズの予想通り、お気に召さなかったようだ。

「どっちかって言うと花を貰うのも悪くはないけど、個人的には金一封や菓子折りとかの方が良かったわ。」
「アンタ…すっごい厚かましいわね。」
とりあえず薔薇のことは明日考えるとして再び調べ始めたのだが結局見つからず。
気づけばすでに消灯時間―といっても一部の生徒はまだ起きているが――であるためとりあえずこれもまた明日となった。



場所は変わり再び本塔の外壁。ふたつの月明かりが薄くぼんやりと世界を照らしている。
そんな暗い時間に塔のぼったローブの女は手にナイフを持ち何か作業をしていた。
レンガ造りの外壁にずっと昔に出来た大きな隙間に刃の部分を差し込み上下に動かしている。しばらくするとポコッとレンガが一個外れた。
外れたレンガは地面に向かって落ちていき、下から何かが砕ける音が聞こえた。
本塔とその中にある宝物庫の扉にはセキュリティが敷かれていてスクウェアクラスでさえ突破は難しい。
しかしそれは中だけの話である。
セキュリティも扉などにしかされておらず外壁はほぼ何の施しもされていない普通のレンガ造りである。
だからこそこうして丈夫なナイフを使い、テコの原理を利用して実行に及んだのだ。

そうしていく内にレンガに出来た穴が大の大人一人分にまで大きくなると彼女は宝物庫の中へと侵入した。
宝物庫の中には明かりをともしたカンテラが均等に天井からぶら下がり辺りを照らしている。
彼女はその光だけを頼りに宝物庫を急いで探索し始める。なんせ外とは違いかなり蒸し暑い。
翌朝までこんな蒸し風呂部屋みたいなところにいると蒸しパンみたいになってしまう。
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 18:53:58 ID:QjR9dEfm
しえん
493ルイズと無重力巫女さん:2008/08/07(木) 18:58:53 ID:Gafu/3OA
様々な貴重品や宝石、書物、金品には彼女は目にもくれず奥にあるガンメタリックカラーの箱を手に取る。
ズッシリとした重み、中身は相当の重量である。獲物の重量感じれば感じるほど達成感が沸々と沸いてくるのだ。
しばらく感傷に浸りたいがそれはこの学院を出てからにしよう。
学院から出た後もしばらくはここの関係者として生活しなければならないのだ。
それにこの箱を何処に保管しておくか…時間的余裕はほぼ無いのである。
箱を両手に持ち、そのまま元来た道を辿って帰ろうとするが一つやり残したことを思い出した。
「おっとと…忘れるところだったわ。」
その場で箱を冷たいレンガ造りの床に置くと腰に差していた杖を取り出し先ほど箱が置かれていた床にルーンを唱えた。

杖をしまい再び箱を持つと穴をくぐり外へと出た。
外のすずしい風が顔全体をなで、肌にべっとりとまとわりつく汗を払おうとしてくれる。
そんな自然の息吹に包まれながらもルーンを唱え地上へ降りていった。
ローブを被った女は小さな声で笑い、あっさりと仕事が終わったことに少し安心感を覚えた。
地面に足をつけたとき、ふと空を見てみると人影が見える。彼女箱を背中に担ぐと急いで何処へと走り去っていった。

「ふぅ〜…やっぱり夜中に空を飛ぶってのも良い物だわ。」
霊夢は月明かりが照らすトリステインを一人ブラブラと飛んでいた。
先ほどまでルイズと同じベッドで寝ていたのだがちょっとした悪夢にうなされ無理矢理叩き起こされたのだ。
当分饅頭とかの御菓子は食えそうにない。
夜中にはあまり散歩したことはないがやはり夜は昼とは違う一面を見せてくれる。
昔から草木も眠る丑三つ時とか…深夜三時から五時の間、霊が――しかし偶に午前三時から神社に来てる半霊や亡霊もいるが――――彷徨ったり。
人よりも賢く、長寿である妖怪達が活発な時間帯である。特に吸血鬼や悪魔などが。
そんな時間帯を彼女は周りを気にせず飛んでいる。画家が見ればすぐさまそれを絵に写そうとするほど優雅であった。
このまま森に行こうとしたがふと学院の真ん中にある塔から一筋の光が漏れていることに気づいた。
「何かしら…?」
不思議に追った霊夢が近づくと塔の外壁に不自然な穴が開いており、そこから中の光が漏れているようだった。
丁度霊夢が余裕で入れる穴が一つ出来ていた。少し興味に惹かれた彼女はスッと中に入った。
中には金や銀などで装飾を施された酒杯や剣、盾。魔理沙が見たら間違いなく全部盗っていきそうな数々の本やマジックアイテム。
どうやらここは宝物庫だったらしい。なんで学院にこんな部屋があるのかと疑問に思ったがすぐにそんなモノはポイッと捨てた。

ふと奥の床になにやら字が書かれている。
少し調べてみようと思い足を一歩踏み出すとふと足下にあった黒い長筒を蹴飛ばしてしまった。
霊夢はその長筒を手に取ると丁度筒の真ん中に割れ目の様な物があるのがわかった。
「これは…何かを入れる物ね。この筒の大きさから考えるとかなり大きいけど…。」
長筒は丁度霊夢の身長と彼女の頭一個分を足した長さである。
中に入っているのはたぶんこの学院の設計図か馬鹿みたいに長い杖か…それとも。
中身が気になったのだろうか霊夢は長筒の上部分を手に取るとゆっくりと抜いた。

そしてその筒に入れられていた物を見て霊夢の表情と体の動きが止まった。
彼女の口から出る呼吸音が唯一、無音の宝物庫に響いていた。
そんな霊夢の目の前にある床にはこう記されていた。

「『破壊の杖』確かに領収いたしました。 土くれのフーケ」
494ルイズと無重力巫女さん:2008/08/07(木) 19:02:08 ID:Gafu/3OA
これで今回の投稿は終了です。
次回からはフーケ探しにはいると思います。
これからもだんだんと期間をなるべく自分の努力で狭めていきます。
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 19:07:01 ID:clYzmbCB
乙です。

悪夢とはまさかゆっ(たっ大群!? なにをするきさまらーー!!)
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 19:19:41 ID:Xl3qJ30i


   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>  ゆっくり次話に期待してるよ!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
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 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
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497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 19:20:12 ID:cL3IX9P6
GJ!
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 19:44:45 ID:s0L2t6CV
>>496

             ムシャ       
      ∩___∩             
      | ノ      ヽ          あいつら・・・以外にウマかったな
     /  ●   ● |        
. ((  |    ( _●_)  ミ ・
    彡、   |∪}=) ,ノ ∴
     /    ヽ/^ヽ ヽ  。
     |      ヽ \ |
     |      ヽ__ノ
                                                         r―-、  __ . -―,
                                                         {:.゚:.:.:::::`´.:.:.:.:.:.。.:|
                                                         !゚____/`´`ヽ.:.:。/
                                                                _,,....,,_  
                                                              -''":::::::::::::::`''丶、
                                                             ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::\_,. -‐ァ
                                                              |::::,-' ̄ヽ、ヽr-r'"´  (.__ 
                                                            _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 19:49:45 ID:kdyq5YUn
AAは無駄に容量くうからやめようや・・・
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 20:05:09 ID:40wzBVq0
夏休みですからー。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 20:57:28 ID:Xl3qJ30i
>>499
すまん・・・
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 20:57:56 ID:Vq5VAynE
メガテンとか悪魔関係のキャラがよく召喚されてるからそろそろ魔王の中の魔王と言われるルイ閣下を召喚

・・・ハルケギニアの全存在が平伏する展開にしかなりません。俺TUEEEなんて可愛いもんです。ありがとうございました。
な事にしかならんか。
503異世界BASARA:2008/08/07(木) 21:00:13 ID:YEm/OWzp
暑い時こそ気合!気合じゃああぁ!!
続きを投下してもよいでしょうか?
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:01:09 ID:H7rlq2N1
>>502
サイファー氏は出したが最期どんなSSでも陳腐化してしまう死亡フラグだからなあ。
厨設定のリトマス試験紙とも言う。

>>503
ばっちこーい。
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:04:45 ID:gPr9olIR
>>475
つまり騒乱記バージョンのジョージ六世様を召還すると。

さておき支援
506異世界BASARA 1/5:2008/08/07(木) 21:04:53 ID:YEm/OWzp
「ウジマサ!」
「何だ?この爺は」
現れた老人、氏政を見てギーシュと傭兵のメイジは声を上げる。
氏政は地面に突き刺した槍を引っこ抜くと、尻餅をついているギーシュに向き直った。
「ふん、威勢よく出て行った割には情けない姿じゃのぅ」
その一言にギーシュは顔を真っ赤にした。
「う、うるさい!これから巻き返すんだ!逆転するんだよ!」
ギーシュは薔薇を握り締めて立ち上がろうとした……が。

氏政は槍の柄をギーシュの足に引っ掛けた。

派手に転び、ギーシュは顔を地面に強く打ち付ける。
「何をする!邪魔しないでくれ!」
「今のお主なんぞ蚊ほどの役にも立たんわい、ここはわしに任せておけい」
「ウジマサだってもう年なんだから無理は出来ないだろう!?」

「その坊やの言う通りだ、爺は船の中でブリミル様にでも祈ってな」
と、2人のやり取りを見ていた傭兵のメイジが口を開いた。
「最も、船に逃げても全員捕らえるがなぁ……」
そう言ってそのメイジは馬鹿にするように笑い出す。
周りのレコン・キスタ兵もつられて笑い出した。


「わしをただの爺と侮るでないわあぁぁぁーーー!!」


「この北条氏政、年老いても武士!武士の意地があるっっ!!!!」
氏政は槍を豪快に振り回しながら叫ぶ。
「その意地にかけて、力の無い女子供に手を出すお主等を……」
と、振り回していた槍を止め、その矛先をレコン・キスタ兵に向ける。



「見過ごすわけにはいかんのじゃあぁっ!!!!!」
507異世界BASARA 2/5:2008/08/07(木) 21:07:40 ID:YEm/OWzp
「……爺と思っていたが、見上げた騎士道精神じゃねぇか。分かった……俺もそれに応えよう」
傭兵のメイジは杖を掲げて兵に合図を送ると、その杖を氏政に向けた。
「遠慮なく叩き潰してやる」


(う、ううむ……ああは言ったがあの人数……ちと厳しいのぅ)


氏政は改めて相手の数を見て、眉間に皺を寄せる。
鍾乳洞の港には敵が約50……だがその内上からも増援が来るであろう。


(やはり“あれ”を使うしかないわい)


氏政は懐に手を入れて“あれ”を掴む。
突然この世界に飛ばされた彼は“あれ”を3個しか持っていない。その為、出来るだけ温存していたのだ。

氏政が取り出した物を見て、ギーシュは首を傾げた。
手にしていたのは、何やら茶色くて三角のオブジェであった。そして氏政はさらに意味不明な事をしだした。
その三角の物体を頭に乗せたのである。


(ウジマサが本格的にボケ始めた……)


ギーシュは氏政に哀れみの目を向け、自分の最期を覚悟した。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:08:31 ID:4wLzQkxN
支援するしかあるまい
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:08:40 ID:lROmK3XN
しえん
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:08:59 ID:OtSHKUkJ
鬼神の如く強くなるフラグktkr
511異世界BASARA 3/5:2008/08/07(木) 21:10:36 ID:YEm/OWzp
「誰でもよい!わしの頭に火を放て!!」
氏政の言葉に、一同はさらに唖然とした。たまらずウェールズが口を開く。
「もういい!もういいから大人しく戻ってくれ!自殺してどうするんだ!」
「だ、誰がそんな事するか馬鹿もん!いいから頭のこれに火を放たんか!」


「じゃあ俺が点けてやるよ」


そう言ったのはレコン・キスタ兵の中にいた傭兵メイジだった。
杖を振って再びフレイム・ボールを唱え、氏政に向けて放ったのである。
「しょえええぇぇ〜!!」
まさか敵から火を放たれるとは考えてなかった氏政は、驚いて尻餅をついてしまった。
それが幸いしたのか、放たれたフレイム・ボールは顔にではなく、頭に乗せていた茶色い何かに命中した。
「何をするか貴様!わしは武士でも老体じゃぞ………んん?」
と、氏政は妙な声を上げ、すっと立ち上がった。
「おお?おおおぉぉぉぉ〜!!」
すると、氏政の体に異変が起こった。
手が震え、次第にそれが体全体が伝わり始める。顔にもみるみる生気がみなぎっていく感覚を感じた。
「きたきたきたああぁぁぁーーーー!!!」
氏政は突然跳ね起きると、栄光槍を手に走り出した。それを見たレコン・キスタ兵は各々に武器を構え、氏政に向かって駆け出す。

敵は皆、氏政を見て勝てる相手だと思っていた。
年老いた老兵……誰もがそう考えていたのだろう。兵の殆どが何の警戒も抱かず、その老兵に斬りかかった。



しかし次の瞬間、最初に突撃したレコン・キスタ兵が氏政の槍で薙ぎ払われ、吹き飛ばされた。
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:11:24 ID:lROmK3XN
しえん
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:13:46 ID:IzJXVIpy
支援
514異世界BASARA 4/5:2008/08/07(木) 21:14:37 ID:YEm/OWzp
ギーシュが、傭兵のメイジが、周りの兵達が予想外の光景に目を疑う。
たった1人の、それも年老いた氏政に敵が次々と倒されていく……
一体この老人の何処からそんな力が出てくるのか、その力の正体は、氏政が頭に乗せた茶色の物体だった。


この頭に乗せた物体こそ、北条家に伝わる『北条家最高灸』……
あらゆる身体疲労に効果があり、若かりし頃の活気を蘇らせる万能のお灸である。


「ほりゃああぁ〜!!」


氏政がブンッ!と槍を振るった。予想以上に速い振りに敵は追いつけず、再び5人の敵兵が吹き飛ばされた。
「ひょ〜ひょっひょっひょ、余裕!余裕じゃあ〜!」
氏政が自身ありげに言うと、傭兵メイジが歯軋りをしながら睨みつけてきた。
だが、氏政はそれでも余裕の態度を崩さない。
「どうした若いの?今なら謝れば許してやらん事もないぞ?」
「っっ!ふざけるな死に損ないが!!」
メイジは怒りを露にし、杖を氏政に向けて言葉を吐き散らした。


「随分と激昂しているな、セレスタン」


その時、階上から誰かの名を呼ぶ声がした。
その声に傭兵のメイジ……セレスタンは顔色を変えて振り向いた。
「マツナガ様……!」
「ほう?苦戦しているようだな。所詮は有象無象の兵……こんなものか」
声の主は一歩ずつ薄暗い階段を降りていく。次第にその姿もはっきりとしてきた。
そしてその姿を見て、次に驚いたのは北条氏政だった。


「き、貴様はまさか……!松永久秀!!!」
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:16:40 ID:Gafu/3OA
支援
516異世界BASARA 5/5:2008/08/07(木) 21:18:54 ID:YEm/OWzp
「ほう?これは驚いた。卿も来ていたか」
松永は氏政の姿を見つけると、口の端を吊り上げて言った。
「貴様……独眼竜に斬られたと聞いておったのに……何故ここにおる!?」
「ふむ、どうやら地獄の閻魔にも愛想を尽かされたようでね」
松永はくぐもった笑い声を上げるが、氏政は緊張した顔つきで松永を見ている。
何故なら氏政は彼の性格を知っているからだ。
自分の欲望を満たす為ならば何でもする男……好きなように破壊し、奪う。
氏政のいた戦国の世で、独眼竜の持つ竜の爪を一度は奪った男……
それが松永久秀である。

「さて、今は卿の“過去”を貰う気はない」
と、松永は笑うのを止めて顔を上げる。
「私が欲しいのは……」
松永はその欲望の矛先を、若きアルビオンの王子に向けた。




「ウェールズ・テューダー、卿の“愛の証”を頂こう」
517異世界BASARA:2008/08/07(木) 21:21:52 ID:YEm/OWzp
投下終了です。
北条家最高灸……オスマンやマザリーニにも薦めたい一品ですね。
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:22:43 ID:DljJpZv9
>松永はその欲望の矛先を、若きアルビオンの王子に向けた。
>「ウェールズ・テューダー、卿の“愛の証”を頂こう」

アッー
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:30:00 ID:bYQnZLaw
>>502

メガテンだったら金剛神界送りにされるはずがハルケに送りつけられた真1の3人組なんてどうだ?
強さ的にはあの時点でタイマンでタバサに2,3歩及ばず、皆で力を合わせればカリーヌにも勝てる位で丁度良いと思うんだが。

とりあえず閣下よりかは話は成立するだろ。
520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:33:54 ID:Yhfvw86m
>北条家最高灸……オスマンやマザリーニにも薦めたい一品ですね。

それは・・・・w
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:35:09 ID:METm4z6j
ペルソナからピアスを付けた少年は喚ばれてないんだな
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:48:10 ID:77mCATFy
>>521
P3主人公以上の無口だからなぁ。
「はい/いいえ」しか言わないんだ、基本。
重要な場面なら少しは言ってるんだけど。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:50:05 ID:G7Dj6vrH
無口、名無し型主人公を出すとぶっちゃけオリキャラでしかなくなりそうだしなぁ。
コミカライズされてる奴の方がいいんじゃない?
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 21:59:54 ID:YPOYFa7D
上田版なおりんはいいキャラしてたな
リスクジャンキーな点があったようだけど
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 22:02:58 ID:dk3NKMxQ
BASARAの人乙ー
松永の言う愛の証が気になるところ

>>502
メガテンどころかあらゆる文献でもチート扱いされてる閣下がピンチになってるところは全く想像できんからな。
閣下で話を作れる人がいたら尊敬する。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 22:13:03 ID:XhyUbfEf
>>525
召喚時の台詞が

『面白い…、貴様、神にも背く力を欲するか…。ならば、憎み、殺し、犯し、堕ちろ…。魔王ルシファーが、直々に腕に抱いてやろう…』

で、ルイズが反レコンキスタになって、ハルケギニアのブリミル教徒全部を相手に大立ち回りを演じるSSですね。分かります。

……ごめん。昔書こうとして難しさに放り出しちまったよ
527鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/07(木) 22:13:52 ID:tjsX1FAk
はーい原作とオリジナルの間を漂うわたくし参上。
余談ですが安田均のファンタジー・ファイル「キャラクターコレクション」の上下を各巻55円で買いましてね。
これが中々いい資料になりそうです。

さて、予言。
1時までに次の話を投下する。
繰り返す。
1時までに次の話を投下する。
over
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 22:15:40 ID:S71xxWYa
了解です。期待して待ちます。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 22:18:25 ID:YlZhfl1a
>>527
投下する時間はそんな曖昧にじゃなく、もう少ししっかり指定したほうがいいと思う
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 22:24:34 ID:7P1IEAHY

他の作者がやりづらくなるだろうに
531鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/07(木) 22:31:54 ID:tjsX1FAk
ごめんなさい。
んじゃきっかり1時に投下しますのでそれまではフリーで
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 22:45:06 ID:4wLzQkxN
どっちにしろやりにくいと思うが。
普通にそのときの投下状況見て○分後に投下でいいと思う。

まぁその時に投下が続いてあるとは限らないし、何か明確なルールがあるわけでもないんだけど・・・
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 22:47:47 ID:d8r2F4zm
鋼の人早いなぁ……
まあ、俺が遅いだけなんだけどね。日常会話考えるのが難しいなぁ……
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:11:42 ID:AsEif8g9
もともと進行が早くて作者さん達が大量にて
いま二人待ちなのでその後投稿しますねって意味でも予約なんだから
自分の予定で何時ごろが都合がいいから前もって予約って物はいらないと思う

ようは投下準備が出来たら投下宣言
で先に投下宣言してた人がいたらその後ろに予約かまたの機会にするか
言えばいいだけだと思うんだが
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:17:10 ID:HukLeNeL
そうなんだよなぁ
ポンと遠くに投下予告を投げられるとやりづらいっしょ
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:27:06 ID:v8R6QBp9
何はともあれ支援する
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:28:23 ID:JYytfdBa
まぁ投下する時そんなに前のまで確認しないしね。
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:35:36 ID:FbJTZLU2
史実の松永は確か寵童経験があったな

アッー
539名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:43:44 ID:krxBzV8x
戦国時代の武将のたしなみらしいよ、衆道。
むしろやってない方が変に思われたって話もある。
農民出身の秀吉だけは例外的にソッチの気が無かったんで、
心配した側室が話し合って(!)絶世の美少年と二人きりにして覗き見してたら、

秀吉「おお、お主ちこうよれ。耳をかせ」
側室(おっ、流石の殿もヤルか!? ガバッと行くか!)
秀吉「お主、年の近い姉か妹はおらぬか?」

太閤さんは筋金入りのノンケだったというお話でしたとさ。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:46:38 ID:EfDISA5Q

金田一少年の事件簿からジョゼフがあのキャラを召喚した話を書いてみたんですが、ジョゼフやそのキャラ主役と言うよりヤンデレシャルルが出来上がっちゃった・・・・・
投下してもいいですか?
あと、初めて投下するんですが、何か注意事項とかありますか?

541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:48:25 ID:rTtkuxQS
鋼の人と被らないように注意しな。
誤字脱字に注意して、sageて名前にも注意しろ。
後はフリーダムにGO
542名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:49:17 ID:9MLyR7by
1から10みれば注意事項のってるぜ!

さぁ、問題ないとおもったら投下するのだ!

支援要員はっぱいいるぜ
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 23:53:32 ID:b+ic5o70
小ネタならいいけど
ルイズが召喚したんじゃないなら避難所向けなのかもしれない
よく知らんが
544精錬なる復讐者:2008/08/07(木) 23:55:11 ID:EfDISA5Q

「あなたは弟を殺したい訳じゃぁない。ただ、許せない。」

「自分はこんなにも駄目で、馬鹿で使い物にならないのに、
なんで弟はあんなに高潔で素晴らしい精神に溢れているんだ」

「自分はこんなにも醜いのに何で弟はあんなに美しいんだ」

「自分は嘘つきで、嫉妬深くて、ちっぽけなのに、何であいつは正直で精錬なんだ」


「・・・何でこんな惨めな思いをしながら生きていなくちゃいけないんだ」



「あなたは彼が憎い、けれど殺したいんじゃあない。
ただ、堕ちて来て欲しいだけだ。
自分と同じ位置に来て欲しいだけだ。
違いますか?」

「ああ、その通りだ・・・・だが無理だろう?
あいつは、あいつのいる場所は俺なんか絶対に手に届かない場所にいる。
あいつは手に入る筈だった権力が手からすり抜けていっても、
素直に喜んでにこりと笑って。
『おめでとう、兄さんが王になってくれて、ほんとうによかった。
ぼくは兄さんが大好きだからね。
僕も一生懸命協力する。
いっしょにこの国を素晴らしい国 にしよう』なんていうような奴だぞ?
俺なんかとはいる次元そのものが違う」


「ならば私がその望み、叶えて差し上げましょう」

「何?」

繭を潜めてジョゼフは男を見る。
男は大仰な仕草でこちらに手を差し出した。

「あなたが私の指示に寸分違わず従ってくれるというのであれば、
おキレイで優しくて、誰からも愛される。
そんなあなたの弟が壊れ、歪み、堕ちてゆく。
そんな最高の悪夢歌劇(ナイトメアオペラ)を
プロデュースして差し上げましょう!」

「お前は・・・・一体」


「まぁ、私のことはこう呼んで下さい」

地獄の傀儡師と


545精錬なる復讐者:2008/08/07(木) 23:59:46 ID:EfDISA5Q


それからのジョゼフは人が変わったかのようだった。


まず、これまでの卑屈で暗い表情がなりを潜め、笑顔で家族に接するようになった。

そして、シャルルに自分が王になったらこんな政策がしたい、こんなプランがある。などといった具体的な理想を語るようになったのだ。


それはガリアにとってとても優しい、とても美しい時間だった。

ジョゼフが正式に王に指名された事が発表された数ヵ月後、変死体となって発見されるまでは。

546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:00:52 ID:wSndw/AD
>>543

いや、別にルイズ以外が召喚での分も別にわざわざ避難所に行く必要はないぜ。
つーか、似たような話もうこれで何回目だろうか?
547精錬なる復讐者:2008/08/08(金) 00:05:06 ID:z+fcYUIK

明らかに風魔法で殺されたと分かる体中の切り傷。

犯人は風のメイジと思われた。

だが犯人は発見されなかった。

候補者が多すぎて。

風石の名産地であるガリアには優秀な風魔法の使い手は大勢いた。

シャルルを初めとする王家の人間を含めて。

魔法を使えないジョゼフを殺すのは簡単過ぎた。

故に優秀かそうでないかは問題ではなかった。

シャルルを王にしたい人間は大勢いた。

ジョゼフが王になることに納得がいかない人間も大勢いた。



しかし、ジョゼフがいなくなってしまった以上、シャルルが王になるしかなかった。

そうなるしか『なかった』のだ。


シャルルが王となった。

ガリア国民は諸手を挙げて歓迎した。

シャルルは次々と画期的な国策や外交手段を打ち出してガリアを更に強大な国家へと発展させていった。

548名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:17:03 ID:MZgF+PGy
投下止まった?
一応支援
549精錬なる復讐者:2008/08/08(金) 00:17:53 ID:z+fcYUIK

全てはうまく回っているようにみえた。

そう、見えた。


しかし、数年後、シャルルの娘シャルロットがトリステインに留学となった、その年。


「きゃあああああああーー!」

「か、カステルモール団長・・・・!」





王の側近、騎士が次々と暗殺される事件が起こった。

殺された者はいずれも王に対して忠誠心厚く、シャルルを積極的に王にと推した人物達ばかり。

それは奇妙な事に。

全ての事件にはジョゼフが殺された時と全く同じ状況で殺されていたのだ。

もちろん、誰も警戒していないわけではなかった。

あるものは屈強な傭兵を優秀なメイジを何人も雇い入れて自分の護衛に当たらせた。

その誰一人にも気づかれることなく、『いつの間にか』殺されていた。


あるものは『アンロック』の使用できないマジックアイテムの鍵を寝室の部屋に幾重にも掛けて休んだ。

それが抉じ開けられた形跡が全く無いままベッドの上で息絶えていた。


そしていずれもその傍らには血文字で「どこにいるのですかどこにいるのですかどこにいるのですか」と延々と書き綴られていたのだ。


ガリアは震え上がった。

これはジョゼフの呪いだと。

自分を殺した犯人を捜して回っているのだと。


馬鹿なと一笑に伏せる者は極めて少なかった。

皆が多かれ少なかれ、ジョゼフを疎んでいたのだから。


次に殺されるのは自分かといや自分かと震えていた。

550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:18:41 ID:9LVJOWFA
しえn
551精錬なる復讐者:2008/08/08(金) 00:19:42 ID:z+fcYUIK

「兄さんの呪い?馬鹿だね皆は。あんなに優しい兄さんが人を呪える訳無いのに」

この国の王となり誰からも慕われ「精錬高潔な人物」と誰もが疑っていないその男は、そっと手に持った日記帳に愛おしげに頬を摺り寄せる。

そこには兄の全てが書かれていた。

魔法が使えず、常に周囲からの声無き嘲笑に晒されていて苦しかったこと。

生きる事自体が苦痛で仕方が無かったこと。

自ら命を断てればどれほど楽だろうと何度も発作的に自殺を図りそうになったこと。

弟に・・・・自分に嫉妬し、憎くて仕方が無かったこと。

そこには自分が知らなかった、いや、見ようともしていなかった兄がいた。

「兄さん・・・・・」

シャルルは嬉しかった。
嬉しかったのだ。

兄が笑うようになってくれて。

王にと望まれたことで自信がついたのだろうか。

ジョゼフは自分に対して様々な国策や今後のガリアをどうして行きたいかと言った展望を顔を輝かせて教えてくれたのだ。

『俺は魔法が使えない。そんな俺だからこそ国を根底から支えている平民の気持ちが分かると思うんだ。俺はいつか、魔法に頼らずに国が発展していけるような体制を作っていきたい』

日記にもそう書かれていた。

しかし、兄が次の王だということが発表された日付から様子が変わり始める。

そこにはジョゼフが身の危険を感じ始めたことが書かれていた。

自分が王になれないことを予感する文章が書かれていた。

『俺はいてもいなくても同じだ。シャルルに俺の考えている政策を話しておいたから、シャルルなら・・・きっとあいつならうまくやってくれるだろう。シャルルが話した政策なら誰も反対などしないだろう。シャルル、後は頼む・・・・俺はもう、疲れ』

そこで日記は途切れていた。

兄の予言は当たっていた。

今の自分は兄の考えた政策を使って賢王と呼ばれている。

兄ならばどうするだろうかと考えて国を治めている。

自分は、自分こそが、兄の劣化コピー。

552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:21:06 ID:wSndw/AD
支援
553精錬なる復讐者:2008/08/08(金) 00:21:41 ID:z+fcYUIK

「陛下」

突然背後に現れた影に驚きもせず、シャルルは少し視線を動かしただけだった。

この男はいつでも神出鬼没だ。

だが、この男こそが自分に兄の苦しみを教えてくれ、そしてそれを晴らす為の手段を与えてくれたのだ。

「ありがとう、ヨウイチ。君の策謀がなければここまでうまくはいかなかったよ。兄さん亡き後もよくこの国に残ってくれたね」

「いいえ、私はジョゼフ様の使い魔でありますれば。その弟君の役に立とうとするのは当然のことかと」

「ふふ、そうだね。もう下がっていいよ」

「は」

そして現れた時と同じように音もなく消えていくその男。

唇を歪めてシャルルは兄の日記帳を撫でた。

「兄さん・・・・待ってて。全部、ぜぇんぶ、壊してあげるから」

554精錬なる復讐者:2008/08/08(金) 00:22:45 ID:z+fcYUIK


許さない。
絶対に許さない。

兄を殺した人間を。

兄を追い詰めたこの国を。

兄が疎まれる原因となった魔法を。

その魔法を作った始祖ブリミルを。

始祖ブリミルを崇め奉るこの世界を。




そしてこの自分自身を。

劣化コピーの自分がいなければ兄は殺されなかった。

自分がいなければ兄しか王位を継げる人間はいないのだから。

自分の存在が・・・兄を殺した。

「待っててね。兄さん・・・・」

そこにはかつての高潔で善良な人格者などいなかった。

そこにいたのは、暗く、濁った瞳を持って。
兄の影を追い求める一人の男だった。

全てを壊そうとする破壊者だった。


金田一少年の事件簿より地獄の傀儡師 高遠 遙一を召喚。

555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:24:35 ID:m50bcKzq
なんというヤンデレ
これは間違いなく ガ チ ホ モ
556精錬なる復讐者:2008/08/08(金) 00:25:34 ID:z+fcYUIK
以上で投下終了です。

トリックも考えられればいいんですけどねぇ
生まれて初めての投下だったのですかいかがでしたでしょうか(ビクビク)
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:27:15 ID:MZgF+PGy
高遠乙
ってジョゼフ死んだらシャルルの堕ちる様見れんやん!?
契約違反だよ傀儡子さん!
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:28:30 ID:Oj4SWCdj
ジョゼフだったら自分の命をベットしても契約しそう
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:29:55 ID:wSndw/AD
乙。
しかし、これって原作でも1歩間違ってたらヤンデレシャルルになってた可能性もあるんだよねえ。
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:30:21 ID:RPpLi1Kn
>>556
GJ!
殺されるまでの数ヶ月間、
もしジョゼフの心に憎しみ以外の何かが芽生えていたのなら彼はもしかしたら幸せだったのかもしれない。
続きがあるとするならこの分だと探偵役はタバサがやるんだろうか?
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:30:48 ID:VaJPasFC
GJ。

で、そっちの元ネタは知らんけど、精錬なの?
清廉じゃなくて?
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:32:25 ID:yy4fMoV6
こいつは実に乙
短編として楽しめました

>>557
つスキルニル
地獄の傀儡師ならこいつを使ったトリックを思いつく位朝飯前な気がする
563精錬なる復讐者:2008/08/08(金) 00:34:38 ID:z+fcYUIK
・・・・間違えた・・・・・
なんという馬鹿なミスを・・・・
素で間違えてしまった・・・・TT
精錬⇒清廉
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:36:14 ID:xrb8f2py
スキルニルにジョゼフの血を与えてジョゼフ本人は死ねば
ジョゼフスキルニルがシャルルの堕ちる様を見られる

ジョゼフならこれで納得しそうな気がする
565名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 00:51:49 ID:01J/vYws
個人的にゼロ魔で一番ぶっ壊れてる人物はシャルルだと思ってるから
全然違和感を感じなかったw

「疑うことを知らない」ということは「疑うことしか出来ない」ことよりなお悪い。

という言葉の具現化のような男だと思ってるから地獄の傀儡子にかかれば簡単にマリオネットになっちゃうよなぁ
566鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 00:59:43 ID:wMMzVxTu
清廉な〜の方お疲れ様でした。
高遠は事件簿第一部(?)のラスボスもやってましたね。
と、予告時間になってきたので、投下させていただきます。
567鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 01:01:55 ID:wMMzVxTu
 空賊船として偽装されたアルビオン王党軍最後の戦艦『イーグル』号。巡航速度と小回りに優れ、戦列艦等級では最小の4級艦に分類される。
その運動性と引き換えに砲撃能力は低い。アルビオン内乱で王党軍の誤算があったとすれば主力であった空軍の大部分が貴族派についてしまったことだろう。
『イーグル』号がその中に含まれなかったのは、当艦が内乱当時に船員訓練の為の練習艦として運用され、直接空軍の指揮系統に置かれていなかったから、という
『偶然』だった。
 
 
 一方、アルビオン内乱の序章を繰り広げた当時のアルビオン空軍旗艦であり、現在貴族連合『レコン・キスタ』の空軍艦隊旗艦となった『ロイヤル・リヴソン』号改め
『レキシントン』号。戦列艦等級では搭載可能人員・火砲共に最多となる1級艦であり、両舷側あわせて108門の砲門を揃えている。
艦齢も古く乗員も熟練の船乗り達に取り仕切られ、戦時であれば数頭の竜騎兵も搭載し戦場を渡る雄雄しき空軍の華であった。
 
 
 その『レキシントン』号は今、随伴する味方艦と共に岬の突端に立てられたニューカッスル城をアルビオン標準高正1200メイルの高度を保って包囲していた。
 因みに『アルビオン標準高』とは「アルビオンを中心としての標高差」を表す。始祖ブリミルの降り立った地とされる首都ロンディウムを0として上方向には正、
下方向には負で表示される。世界の上空を漂うアルビオンならではの単位だろう。
 包囲のまま城を睨むようにたたずむレコン・キスタの艦隊は、時より砲撃を行うものの、それによって王党軍に被害を出すことは少なかった。
 木で出来た艦艇を撃沈するならともかく、堅い壁に『固定化』を施した城を落とすのは用意ではない。そのため貴族派はニューカッスルを陸上から包囲することで
補給の道を絶ち、篭城する王党軍を枯死させる手段に出たのだ。…もっとも、拠点という拠点を落とされた今の王党軍に補給の手などあるはずはないと高をくくってもいる。
 
 
 
 暗闇の中を船が進んでいく。ルイズは洞窟特有のひやりとした風を頬に感じた。
 アルビオン標準高負400メイルにある人工的に作られた孔であった。位置的にはニューカッスル城の真下に位置し、外見からは雲に覆われて見る事が出来ない。
 『イーグル』号は明かり一つない洞窟の中を気流の流れや洞窟の壁面を覆うわずかな発光性の苔などを頼りに進んでいた。
「熟練の、本物の船乗りでなければこの隠し港へ行くことは困難だ。そもそもが城を秘かに脱出する為に掘られたものでね、3等艦以下の艦艇でなければ
通過する事もままならない」
 甲板に立って客人のエスコートを買って出たウェールズ王太子は、呆然とするギュスターヴ、ルイズ、ワルドに向かってそう告げた。
ギュスターヴは軍隊運営というともっぱら陸の人であったので、こういう船を駆る守人の気風が珍しかった。
「しかし小型艦ではこの狭い路を通るのは怖いですな。わずかな操作ミスで壁面をこすりそうだ」
「なかなか判ってるじゃないか子爵」
「これでも軍人の端くれですので」
「『レコンキスタ』の叛徒共はその辺りが分かってなくてね。あいつ等は駄目だ。船は大きく、砲がたくさん積めればそれで良いと思っている。
お陰でまた今日のように無事に戻ってこられたというわけさ」
 船乗りとして空を駆けた人間が持つ深い目で暗黒の行路を見るウェールズは、星ひとつ浮かばない夜の空に向かって船が飛ぶような錯覚をルイズに与えるのだった。
 
 
 
 『前夜祭は静かに流れ』
 
 
 
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 01:02:12 ID:tHpcZetm
支援するぜ
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 01:04:04 ID:V3SvzPbL
sien
570鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 01:04:42 ID:wMMzVxTu
 程なくして『イーグル』号、そして後続する『マリー・ガランド』号はニューカッスルの地下に作られし秘密の港へと到着した。
 そこは堅い岩肌を削って作られたドームに、半円状に突き出た岸から桟橋を伸ばした姿をしている。
 二隻の船は桟橋を挟むように投錨した。『マリー・ガランド』号の本来の持ち主達はここへ連れてくる前にカッターボートに乗せて放出した。
運がよければ陸にたどり着くか、何処かの船が拾ってくれるだろう。
 『イーグル』号へ渡されたタラップをウェールズをはじめ乗員たちが降りていくと、岸では船を待っていたらしき兵士らが迎えてくれた。
 その中で一人、背の高いメイジらしき男がウェールズに近寄ってくる。
「殿下。これはまた、たいした戦火でございますな」
 長い月日を生きた証たる顔の深い皺を緩ませて男は言った。
「喜べ、パリー。荷物は硫黄だ」
 その声に岸で迎えていた兵士一同がおお、と歓声をあげる。
「火の秘薬でございますな。であれば我等の名誉も守られるというもの」
「うむ。これで」
 兵士達の熱い視線を受けるウェールズは、ほんの少しだけ声を揺らがせる。
「王家の誇りと名誉を叛徒へ示しつつ、敗北する事ができるだろう」
「栄光ある敗北ですな!…して、叛徒どもから伝文が届いておりますゆえ」
「なんだね」
 言うとパリーは懐から一巻きの書簡を取り出してウェールズに手渡した。
「明日正午までに降伏を受け入れぬ場合、攻城を開始するとのこと。殿下が戻らねば、ろくな抗戦もできぬところでしたわい」
「まさに間一髪というところかな。皆の命預かるものとして、これで責務もはたせるというもの」
 伊達にそう言ったウェールズと共に、兵士達は愉快に笑った。
 
 笑いあうウェールズ達をルイズはどこか哀しい気持ちで眺めていた。
 どうして彼等は笑えるのだろう。この場で敗北とは死ぬ事のはずなのに。
 そんなルイズの心中を知ってか知らずか、ウェールズはパリーの前に三人を呼び寄せる。
「パリー、この方達は客人だ。トリステインからはるばる密書を携えてきてくれた大使殿に無礼のないように」
「はっ。…大使殿。アルビオン王国へようこそ。大したもてなしはできませぬが、今夜は祝宴を開くつもりです。是非とも、ご出席願います」
 老メイジはそう言って深く頭を下げた。
 
 
571鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 01:06:22 ID:wMMzVxTu
 ウェールズの案内の元、港を離れ、ニューカッスルの城内へ三人は入った。長い抵抗を続けた城は、倒壊こそしてはいないもののあちこちの壁にヒビや割れが見え、
行き交う人々も少なく、そして疲れているように見える。中には、怪我が治りきらず包帯を巻いた者も少なくない。
 三人がたどり着いた一室。それはウェールズ王太子の私室だった。
 一国の王子らしからぬ、粗末な部屋である。木枠のベッドに机が一つ、壁に申し訳程度に壁にはタペストリーが飾られている。
 引き出しより宝石箱を取り出したウェールズは、その中に納められた、便箋も封筒も擦り切れてボロボロになっている手紙を拡げる。
何度も読み返しているのだろうことが想像できた。
 ウェールズはそれをいとおしげに読み直すと、端に口付けてから封筒に戻した。
「アンリエッタが所望の手紙はこれだ。確かに返却するよ」
「ありがとうございます」
 礼をしてルイズはそれを受け取り、慎重にしまい込んだ。
「明日の朝、非戦闘員を『イーグル』号に乗せて退避させる。トリステイン領内に下りる事は出来ないが、カッターボートで近くに滑降させることは出来るだろう」
 ウェールズの声の淀みなさに、たまらずルイズは聞いた。
「殿下…もはや王軍に勝ち目は無いのでしょうか」
「ない。我が軍は300、向こうは5万で城を囲んでいる。援軍が期待できない篭城というのは既に戦術としても戦略としても負けているのだよ」
「そんな!」
 冷厳なウェールズの言葉にルイズの淡やかな期待が打ち崩される。
「しかも向こうはアルビオンのあとはハルケギニア各国へ侵攻するつもりだ。であれば亡命も選択できない。亡命先を真っ先に戦火に巻き込むことになる」
「しかしその…姫様の手紙には…」
 ルイズはウェールズが密書を見た時、そして今さっき手紙を渡してくれた時のしぐさが脳裏を巡った。任務を負う時アンリエッタは
「婚約が破棄になるような内容が書かれている」と言った。それはもしや恋文ではないのか。それも、始祖や精霊に誓うような熱い手紙。
であればアンリエッタは手紙だけではなく、ウェールズの身の安全も図りたいはずである。たとえ、結ばれなくても。
 複雑な相を浮かべたルイズをみて、ウェールズは話した。
「……確かに、アンリエッタの手紙には亡命を勧める旨が書かれていたよ」
 その言葉に静かに会話を聴いていたはずのワルドは顔を強張らせ、ルイズはハッと顔を上げた。
「…しかし、僕はここで誰よりも先んじて名誉と栄光ある討ち死にをするつもりだ」
「そんな…姫様のお気持ちはどうなさるのですか」
 絶望が身体を包んでいるようにルイズは思えた。
「僕一人の命でトリステイン何万という人命を危うくしろと、その責任をアンリエッタに負わせと、君は言うのかね?ラ・ヴァリエール嬢」
 ウェールズはあくまでも冷厳に、緊張した声でルイズに宣告した。
 それは不退転の意思。アンリエッタの招く手を払い、国に殉じるという強い思いだ。
 
 突きつけられたものに蒼白となったルイズの肩に、ウェールズの暖かい手が置かれる。
「君は正直すぎるな、ヴァリエール嬢。それでは大使は務まらないよ。しっかりしなさい」
 声は一転して穏やかで、暖かな優しさを含んでいた。しかしそれも今のルイズにはウェールズの死出を演出しているかのように思えてならない。
「しかし、滅び行く国への大使には適任かもしれないね。明日滅ぶ国ほど正直なものはない」
「そんな…そんな、こと…」
 ウェールズは言葉にならないルイズを励ますように軽く肩を叩いた。
「…さて。そろそろパーティの時間だ。君達は我らが迎える最後の賓客。どうか出席してほしい」
 これ以上の説得を拒むような力強い声だった。
「……わかり、ました」
 苦々しく答えてルイズは部屋を出て行った。ギュスターヴもそんなルイズを追う様に、ウェールズへ一礼して部屋を出た。
 しかしワルドは一人、佇まいを直しながらも退室の気配を見せない。
「…何か御用かな子爵」
「恐れながら、一つお願いしたい議がありまして」
 恭しげにもワルドはウェールズへ歩み出る。
「ふむ」
「実はですね…」
 静かにワルドは懐に暖めていた案件をウェールズに伝えた。
 ウェールズは得心が行ったように頷いて答える。
「私のようなものでよいのなら、喜んでそのお役目を引き受けよう」
 
 
 
572鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 01:08:18 ID:wMMzVxTu
 陽も落ち、月明かりが差し込むほどの頃。ニューカッスル城の大ホールではこの日のためにと蓄えの中に残された新鮮な肉菜を放出して、ささやかながらも
宴が開かれた。酒が入って陽気になった国王ジェームズ一世は、同じく酒の深い臣下達とともに笑いあっている。
 ギュスターヴは壁際でグラスを片手にどんちゃん騒ぎを始める兵士達や、その家族として付き添っていた婦女らを眺めていた。
「傷はどうよ?相棒」
「まだ痛むが、まぁ大丈夫だよ。それにしても…」
 ギュスターヴの視界の端端で繰り広げられる喜劇。明日までの命と悟りきり、せめて絶望を笑い飛ばすために騒ぎ立てる兵士達は、一国の主だった
ギュスターヴには心肝を寒くするものがあった。
「…侘しいものだな。敗軍というのは」
 そんなギュスターヴを客人と思っても声をかけるものが少ない中で、ウェールズは努めて相手をしてくれた。
「やぁ」
 好青年然としているウェールズへ、会釈をしたギュスターヴ。
「ラ・ヴァリエール嬢の使い魔をやっているという剣士の方だね。トリステインは変わっている。人が使い魔をやっているとは」
「トリステインでも珍しいそうだ」
 ははは、と笑うウェールズ。
「……しかし、300でも部下が残っただけで幸運だ。内乱の途中から造反者が続発してね。空軍旗艦として建造した『ロイヤル・リヴソン』を始めとして、指揮系統ごと
貴族派につかれたのさ」
「組織ごと?」
「ああ。…これも僕ら王族が義務を全うせず今日まで生きてきたからだ。だからこそ、僕は明日それを果たさねばならない」
「王族としての使命……」
 
 
 嗚呼、ギュスターヴは思わずに入られなかった。なぜなら己はその王族の使命を殺し、なぎ倒して生きてきたのだから。
 義弟に使命を果たせぬ『出来損ない』と叫ばれながらもその首を刎ねた。
 実弟がその使命のために奔走するのを助けても、それを叶えることもできなかった。
 そして今、異界、異国の王族が斃れようとしている中で、王族の使命を掲げて死に行く若者を目の前にして、ギュスターヴは考えるのだった。
 人は過去から何を譲られ、何を未来へ託すのだろうか、などと。
 
 
 
 ホールを辞したギュスターヴは、心身穏やかではいられなくなっているだろうルイズの様子を見るべく、用意された部屋へ続く廊下にいた。
 今宵も異界の双月は二色の光を投げかけている。
「やぁ。使い魔の…」
 そんな廊下の壁にもたれてギュスターヴに声をかけたのはワルドだった。
「ギュスターヴ」
「うむ。失礼。…君に言っておきたいことがある」
「何か?」
「明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる」
 ギュスターヴの目が大きく開かれた。
「……こんな時にか」
「こんな時だからだ。ウェールズ王太子に媒酌をとってもらい、勇敢なる戦士諸君らを祝福する意味でも、決戦の前に式を挙げる」
 朗々とワルドが言い放つ。それは一応は正論としてギュスターヴは理解した。
「…そうか」
「君は明日の朝、『イーグル』号で先に帰国したまえ。僕とルイズはグリフィンで帰る」
「長い距離は飛べないんじゃないのか」
「滑空して降りるだけなら問題ないよ」
「そうか…じゃあな」
 それを今生の別れかの様にワルドは立ち去るギュスターヴを見送った。
 その姿が夜闇に見えなくなると、口元を弛ませて嗤うのだった。
 
 
 
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 01:09:44 ID:3RlYLzYm
支援
誤字→グリフィン
574鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 01:10:18 ID:wMMzVxTu
 用意されていた部屋で、ルイズは明かりも入れずにテーブルに突っ伏していた。
「…ルイズ」
 呼び声に顔を上げたルイズの瞼は、月明かりのような弱い光の中でも判るほど、泣き腫れている。
「ギュスターヴ…」
 ルイズは立ち上がるとギュスターヴに飛び掛るように組み付く。鳩尾に顔を埋め、嗚咽を雑じらせている。
「どうして!どうして!みんな、笑ってるの?!明日にはもう死んじゃうんでしょ?…どうして…」
 そんな稚いようなしぐさを見せる主人を、無言のギュスターヴは大きな手のひらで撫でてやるのだった。
 
 
「姫様が…恋人が、大事な人が死なないでって、逃げてもいいって言ってるのに、どうしてウェールズ王太子はそれを無視して、死のうとするの?」
「…ルイズ。貴族ならそれがわからないわけじゃないだろう。人と国を治めるものは自分の命を費やしてでもそれを守らなきゃいけない」
 それがギュスターヴに答えられる数少ない言葉でもあった。
「だけど!もうアルビオンは滅んじゃうのよ…一体何を守るっていうのよ…」
「それは俺にもはっきりとは言えない…でも、上に立つ人間というのは、たとえ一人でも部下が居れば、逃げることは出来ないんだよ」
 自分がそうであったように。
 
 
 
 ひとしきり泣いたルイズは力なく立ち歩き、しつらえられたベッドに身を投げる。
「…もういや。早く帰りたいわ。遺された人がどれだけ悲しむか、考えもしない人ばかりで」
「そんなことを言うなよ。明日は結婚式なんだろう?」
「…え?」
 綿の枕に顔を擦り付けながらルイズが聞き返す。
「ワルドが明日、ルイズと結婚式を挙げる、ウェールズに媒酌を頼むんだ、って息巻いていたぞ」
「知らないわ、そんなの…」
 泣き疲れたのか、徐々にルイズの意識と声は途切れ途切れになっていく。
「もう、どうでもいい…。皆、馬鹿ばっか…」
 そう言ったきり言葉がでない。暫くすると静かに寝息が聞こえてくる。
 
 ギュスターヴはベッドのルイズに毛布をかけてやると、静かにルイズの部屋を後にした。
 しかしその足は、自分に与えられた部屋へは向いていなかった。
575鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 01:13:15 ID:wMMzVxTu
投下終了。今回は短く、ちょっと暗め。
「グリフィン」ですが私は今まで一貫して「グリフィン」と書いてますけど、障るようなら修正します。
…実は簡単な記述上のトリック(?)がアルビオン編では仕込んであるのです。次回で都合アルビオン編最終回。
では。
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 01:14:54 ID:3RlYLzYm
乙でしたー
グリフィンとも言われてるみたいですね
勘違い指摘申し訳ない
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 01:30:37 ID:p/pm/U5A
投下乙。

…ところで、ロイヤル・「ソヴリン」とマリー・「ガラント」ですぜ、旦那。
578鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/08(金) 01:37:33 ID:wMMzVxTu
アウチ。そこは修正します…
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 02:04:11 ID:vvPgMLaE
GJ!でした。
王太子って書いてあるのってはじめてみたかも。
王政なのになんで皇太子かなーって思ってたから、なんだか嬉しかったり。

がんばってください
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 02:05:02 ID:jOftoZcK
ちと聞きたいんだが、ゲームの天使創造のクロスって需要ある?
三人称の練習がてらに書こうと思ってるんで、需要ないなら他のに
切り替えようと思うんだが。
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 02:18:24 ID:Obh9timW
>>580
懐かしいネタを…スクウェアのあまり知られていない名作ですな
どんな状況から始まるのかくらい知りたいです
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 02:23:12 ID:jOftoZcK
スクウェアじゃなくてエニックスじゃー。

それはおいといて。
一応オーソドックスなルイズ召喚物でゲーム終了後を予定。
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 02:26:54 ID:wMMzVxTu
哀しいエンディングからどうするのかwktk
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 02:31:32 ID:g0AiS5B9
ソウル3部作はどれもエンディングが哀しい
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 02:47:05 ID:yy4fMoV6
>>582
それってひょっとして天地創造のことか?

とりあえず、書きたいなら気の向くままに書けばいいと思う
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 03:32:06 ID:JVWpID5M
あー、天地創造か。クインテットのやつだよね。
一瞬、天使同盟と混同してしまったよ。
俺はクインテット作品だとスラップスティックにやたらハマったなぁ。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 03:46:42 ID:lVbjpfcS
スラップスティック懐かしいw
適当にセッティングしてるとボスで詰まる結構シビアなバランスが良かった。
他にはメタルマックスとかアーマード・コアとか好きだったなぁ。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 03:46:57 ID:pX5/5p9Y
ガイア幻想紀もいいよね
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 04:04:21 ID:g0AiS5B9
スラップスティックか…
メカローズで一回投げたな…
おかげで、ローズとメカローズだけ名前を覚えてるぜw

そして、ソウルブレイダーはやっぱ知名度が低いみたいだな
マルトーあたりに「そう、あ ん た の 肉 だ よ 」と言わせてみたいが、
人間のマルトーが言ったら意味が変わっちまうか
590ゼロの写輪眼:2008/08/08(金) 04:38:14 ID:dvXklrbS
夜分遅くすみません。今から(短いですけど)投下して良いですか?
召喚するのはあの兄貴です。俺tueeeeeになると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 04:42:12 ID:hU8x/xrN
なん・・・だと・・・?支援する
592ゼロの写輪眼:2008/08/08(金) 04:43:40 ID:dvXklrbS
では投下します。

死の淵にあって、彼は満足だった。
彼の体は不治の病に冒され、余命幾許も無い状態だった。そんな状態でも薬を使って無理に体を動かし、彼の目的である最も愛する弟のためにその命を使うことができたのだから。
といっても、不安要素は残っている。自分に協力したあの男が弟に余計なことをし、全てを弟に明らかにしてしまうのだけは何としても避けたかった。それを防ぐための芝居、そして仕掛けは施してあるが、それでもあの男の底知れなさを考えれば十分ではないかもしれない。
しかし、もしその仕掛けが破られたとしても、彼は大丈夫だと思った。弟のことを愚直なまでに思いやり、青臭いとも言える理想を曲げず、それに向かってひた走っているあの少年がいるのだから。彼ならあの男を、そして男に取り込まれてしまった弟を止めることができるだろう。
決して折れることの無い少年のまっすぐな目を思い出しながら、笑みを浮かべて彼は死を受け入れた。もはや自分がするべきことは何も無い。そう思ったから。
彼は安らかに死を受け入れ――――
「……あんた誰?」
 少女の疑問に満ちた声を聞いた。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 04:46:35 ID:fT+m4TFa
支援だよ!!
594ゼロの写輪眼:2008/08/08(金) 04:48:47 ID:dvXklrbS
あけたりすんの間違えた、サーセン。

 ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエールは目の前の出来事についていけなかっ
た。
 発端は使い魔を召喚して自分の属性を決める春の召喚の儀。進級の試験の意味合いも持
っているこの儀に日頃から『ゼロ』と呼ばれ続けてきたルイズは並々ならぬ覚悟で持って
臨み、
 どかーん  一回目、失敗
 どこーん  二回目、失敗
 ちゅどーん  三回目、失敗
                 以下略
 と、いつものごとく失敗続きであった。
 生徒から野次を飛ばされ、教師にもこれが最後といわれてルイズは極限まで集中して叫
び、
「宇宙の果てのどこかにいる、私の僕よ! 神聖で美しく!! そして、強力な使い魔よ
!!  私は心より求め、訴えるわ!!! ……我が導きに、応えよっ!!!!」
 杖を振り下ろした。
 途端、今までの爆発よりも更に大きな爆発が起きる。
 周囲には黒煙が立ちこめ、何も見えない。周りの生徒達は咳き込み死ながらルイズの文
句を言っている。しかしルイズそれらの声も気にならない。
 ルイズは、今回の召喚に何かしらの手ごたえを感じていたのだ。今までの何も出なかっ
た爆発とは違い、何かを呼び出した感覚があったのである。
「げほっ……つ、使い魔は……!」
 煙を払いのけ、爆発の中心に近づいてみる。
 すると、男が一人、仰向けに倒れていた。
 ただ男の格好はハルケギニアではまるで見かけないものだった、というかむしろ怪しす
ぎる格好だった。
 男はメイジのようにマントを全身に纏っている。ただそれだけだったらまだよかったの
だろうが、その黒いマントには赤い雲の模様数多く刺繍されており、その模様には不気味
さを感じてしまう。足にはサンダルをつけ、手足の指は黒く塗られておりその一指には文
字のようなものが描かれた指輪をつけていた。黒髪の下には端整な顔立ちがあり、その若
々しさからまだ二十歳を過ぎたくらいだと知れる。そして何かの文様、これは紋章だろう
か? が描かれ、それを横一文字に走る傷が刻まれた額当てをつけていた。
怪しい姿をした男を見下ろし、ルイズは立ち尽くす。
 ついさっきまでこんな男などここにはいなかった。つまるところ、こいつがここにいる
のは、
「わたしがこいつを召喚した、ってこと?」
 呆然と、ルイズは呟くのだった。
 ふと、そこで男の眉がぴくりと動いた。額に手を当てながら身を起こし、首を振る。
「……何だ……? 俺は、どうなった……?」
 そして、そんなことを口走った。
 ルイズは自分が呼び出したのが訳の分からない男だということに困惑しながら、男に聞
く。
「……あんた誰?」
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 04:51:26 ID:hU8x/xrN
支援
596ゼロの写輪眼:2008/08/08(金) 04:53:39 ID:dvXklrbS
 男は困惑していた。確かに自分は死んだはずである。弟に自分の持つ瞳力を託し、力尽
きたはずだ。その自分が何故、生きているのだろうか?
 それに、自分の状態もおかしかった。最後に行った弟との戦いで、身に付けていた装備
は失われたはずである。だが一通り確認してみたところ、それら全て、それも属していた
組織の証たる外套込みでそろっていた。更におかしいのは、自分の体の状態だ。既に彼の
体は不治の病に冒されて、死が避けられない状態になっていた。だが今は、病による動機
も、心の臓の痛みも無い。それどころか軽いくらいだ。かつての男の全盛期に迫る状態を
体は取り戻していたのである。
 だが、極め付けにおかしいのは……
(……周囲の状況だ)
 男の冷徹ともいえる観察眼が、周囲の状況を見極め始める。
 周囲には黒い外套とブラウス、そしてなぜか杖を持っている少年少女たちが人垣を作っ
ている。人垣の更に外にある建物や周囲を囲っている石壁を見るに、どうやら今自分がい
るのは建物の中庭に当たる部分らしいが、それにしても自分が今までいた場所とは違いす
ぎる。
(時空間忍術で移動させられたか? だが、それならなぜ装備、いや、これは今はどうで
もいい。俺の体が元に戻っている?)
 医療忍術による蘇生も考えには浮かんだが、そもそも自分が抱えていた病はそれすらも
受け付けないものだったのだ。すぐさまその考えを打ち消すが、ますます状況が分からな
くなってくる。
 そんなときだった。目の前に来ていた、身長の低い桃色の髪を持った少女が声をかけて
きたのは。
「……あんた誰?」
 困惑がにじむ声だった。
 男は未だに状況掴みきれていないまでも、どうやら敵意や害意は無いと判断し、少女に
答えてやった。……まあ知ればすぐに敵意を向けてくるだろうが、それももう慣れてしま
っているし、覚悟していたことだ。それに弟のことが終わった以上、無理に相手を殺す必
要も無い。すぐにでもここを去ればいい。
 彼は、自らの名を口にする。
 それは自らの一族を皆殺しにした、木の葉最悪の抜け忍の名。
「……俺はイタチ……うちは、イタチだ」
597ゼロの写輪眼:2008/08/08(金) 04:55:24 ID:dvXklrbS
 今日はここまでです。とりあえず、パワーバランスには気をつけていきますので、
これからよろしくお願いします。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 04:57:24 ID:fT+m4TFa
うむ、乙。
今後の展開を楽しみにしている
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 05:13:34 ID:jOftoZcK
さっき書いた天地〜のだけど、とりあえず最初だけできた。
投下してもおk?
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 05:31:58 ID:4PxMongG
メガテン系といったらやっぱり人修羅ですよね。
今度はライドウと戦うらしいけど実力的にダンテ>ライドウですよね?
アクマの人応援してます。
601名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/08(金) 05:32:49 ID:fe9CA5N3
>>599
かもーん
602天地の人:2008/08/08(金) 05:37:21 ID:jOftoZcK
んでは投下しま。元ネタはSFCの天地創造。

光と闇の使い魔
第0章 ――とある酒場にて――

 ――『彼』の話を聞きたいって?
 珍しい事もあったものだ。『彼』の話を聞きに来たのは君が初めてだ。
 おっと、気を悪くしたかな。いつもは船に関係することばかり話してるものでね。

 ああ、『彼』の事はよく知ってるよ。『彼』の事を調べるのはとても興味深いからね、まぁ私の数少ない趣味さ。

 『彼の伝説』至る所に存在する。
 例えばフランスに昔からあるおとぎ話で、杖を携えた少年が暗君を倒すお話はとても有名だ、絵本にもなっているね。
実のところ、かの王を暗殺したのは『彼』ではないのだけれど、少なくともその少年は関係者だったという資料は残されている。

 そも『彼』の伝承を遡ると、実は文明発祥の時代まで遡ることができる。
 いや正確には、それ以上遡るための資料がないと言ったほうがいいかもしれない。
 アフリカにその頃に描かれた壁画が残されているんだけど、『彼』の特徴と一致する人物の絵が複数箇所で発見されている。
 他にもチベット仏教の経典には、『輪廻の外に在る者』『未来の導手』『昼と夜の間に立つ人』という
称号とともに『彼』の名が残されていて、その扱いは最高指導者であるダライ・ラマと同等であるともされているんだ。
ただ、ラマたちと異なっているのは『彼』は輪廻する事無く――つまり死ぬこと無く、今もどこかで生きているとされている点だね。

 他にも『飛行機』を発明できたのは『彼』のおかげだという話もあるし……そうそう、ファーストフードの
代名詞であるハンバーガーの考案に協力した、なんていうのもあるね。
 冗談みたいだろう?同一と思われる人物が世界各地の異なった時代に――しかも20世紀まで、その痕跡を残してるなんて。
 頭の固い学会の連中が否定し続けているのも無理ないさ。
 世界は物理法則の名の下に、そうあるべくしてなった。これは、ただ一度だけ学会に提出された論文を
読んだ学者の言葉だけどね。
 世界が『なぜこのままでいられるのか』、それを考えもせずよく言うもんだとおもうよ

 他にも………


 ………。

 ………。

 ………。

 いや、そうか。失礼した。
 ここにいる時点で気づくべきだった。
 君は、わざわざ『私』に『彼』の話を聞きに来たのだからね。
 

 いいだろう、話そうじゃないか。

 この私――クリストファー・コロンブスが見聞きし、調べ上げた本当の物語を。

 光と闇の使者、『アーク』によって創りだされた『天地創造』の神話を……。
603天地の人:2008/08/08(金) 05:40:12 ID:jOftoZcK
うは・・・保存する前の奴載せてた・・・欝だ氏のう。
こっちのタイトルが正しいでつ。


創世の使い魔
第1章 ――白い鳥――


 どこまでも澄み切った蒼天を、白亜の鳥が飛んでいく。
 目的地を目指して、海を渡り、山を越え、風を受けて飛んでいく。

 その鳥は世界中を見てまわり、見つめてきた。
 切り倒され、少しずつ営みの領域を減らしていく森を。
 追いやられ、住処を失っていく鳥達を。
 狩られていく動物達を。
 そして、人間達を。
 総てをつぶさに、見つめてきた。

 鳥は、悲しくはないと思った。
 それこそが、この星の正しい姿なのだから。
 正しく進化と滅びが生み出される世界が、そのありようを受け入れたのだから悲しくはない。
 ただ、さびしいだけ。



 その鳥は世界中を見てまわり、見つめてきた。
 しかしそれも、もうおしまい。
 夢は終わる。歪みは正され、総てはあるがままに戻る。
 だから、鳥は向かう。あの地へ。あの森へ。あの村へ。

 必ず帰ると約束した。
 だから、向かう。
 
 ゆっくりと、天空を往く鳥は高度を下げる。
 鳥の視界に広がる森が徐々に広がっていく。
 その森の中にある小さな村、そこへ向かって降りていった。
 嗚呼、もう名前も思い出せないけど、あの村こそ約束した場所! あの家こそ約束した場所!

 木で作られた大きな家の前に、鳥は羽を羽ばたかせながら降り立った。
 帰ってきた、とうとう帰ってきた!
 鳥は喜びに心を震わせた。
604天地の人:2008/08/08(金) 05:41:14 ID:jOftoZcK
 
 やがて鳥の体から、まばゆいばかりの光があふれ出した。
 そして光は、ゆっくりと鳥の体から離れていく。
 光は、人の形をしていた。

 顔は見えない。ただ、穂を垂れる麦畑のような髪だけが分かる。
 鳥には見覚えがあった。誰だろう、知っているけど思い出せない。

 その少年はやがて、鳥には聞き覚えのない――だが、懐かしくもある声を発した。
「キミは、もう自由だ」
 少年は笑っている、顔は見えないけど鳥はそう感じた。
「星の意思に翻弄される事はない。その役目は僕だけで十分だ」
 鳥の後ろを少年は指差す。
 その先にあるのは、一枚の鏡だった。
 鏡に映るのは、誰も見た事のない新天地。

 羽を羽ばたかせる。
 体は重いけど、まだ飛べる。

 ―――さぁ、往こう。

「さようなら、元気で――もう一人の僕」



古き空の思いを胸に、新たな空に思いを馳せて――。


――白亜の鳥は飛んでいく。
605名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/08/08(金) 05:42:34 ID:fe9CA5N3
支援
606天地の人:2008/08/08(金) 05:43:42 ID:jOftoZcK
とりあえず、以上。
ルイズが出るのは次の回って事で。
607ルイズの大冒険:2008/08/08(金) 06:29:08 ID:U3ReN6EZ
投稿していいですかね?
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 06:32:41 ID:pX5/5p9Y
やりたきゃやればいい。
来るもの拒まずだ。

来い!!
609ルイズの大冒険2-1:2008/08/08(金) 06:35:17 ID:U3ReN6EZ
 学園の責任者であるオールド・オスマンは、美しい秘書をからかうという至福の時を過ごしていた。
 秘書のロングビルは清楚で実務能力に優れた才媛であり、さらに目に楽しい曲線を描く腰の線を冷やかしても本気では怒らないという、まさに男にとってひとつの理想の結晶だった。
 そんなオスマンのもとに難題を持ち込んだのは、学園の教師の一人であるミスタ・コルベールその人だった。
 オスマンは軽く片眉をあげると少し考える表情をし、件の難題と直接向き合うことをコルベールへと伝えた。
 つまり、使い魔となった平民、武器屋トルネコとの直接交渉に乗り出したのである。

   ***

「なるほど」
 トルネコの主張を一通り聞いた後、オールド・オスマンはヒゲをしごきながら思案の表情をして見せた。
 場所はトリスティン魔法学園の学園長室だ。来客用のテーブルの片方にはオスマンとコルベールが座り、反対側には『穏やかな表情』を浮かべたトルネコと、青い顔をしたルイズが座っている。
 ミス・ロングビルは部屋の隅に控え興味がないように見えるが、優秀な秘書である彼女が事態の推移に興味を持っていないはずがなかった。
 オスマンはすでにトルネコの表情の真の意味に気づいていた。
 コルベールからの報告によれば、トルネコはトリスティンから遠く離れた場所から――少なくともサモン・サーヴァントが知られていないほど遠方からの被召喚者だった。
 そんな彼が、本来、文化習俗のまったく違うここトリスティンでそんな余裕のある笑みを浮かべられるはずがないのだ。
 トルネコの表情は、彼が自分たちにまったく気を許していないこと――商人として、足元を見られないために余裕の表情という鎧をまとっていることを意味していた。
 そして、それがまったく自然なものに見えている。
 手ごわい相手じゃな、とオスマンは思った。

「トルネコ君、だったか」
 オスマンは言った。
「君の主張は筋が通っている。だが、現実問題として契約の儀式は済み、君にはルーンが刻まれている。ここまではいいかね?」
 はい、とトルネコが首肯する。実際、トルネコの左手にはルーンが……ひどく特徴的な、珍しい形のルーンが刻み込まれている。
「正直に語ろう。我々としては、生徒の将来と君の主張を天秤に書けた場合、生徒のほうが重くなってしまうのは仕方がない」
 ルイズが始めて希望を見出したかのように視線を上げる。
「それに、君が他国の有力者の庇護下にあったとしても、君が今いるのはここトリスティンであり、問題の解決には時間がかかる。ここまでは?」
 またしてもトルネコは鷹揚に首肯した。
610ルイズの大冒険2-2:2008/08/08(金) 06:38:05 ID:U3ReN6EZ
 ルイズ以外の全員が気づいていた。これは、トルネコとオスマンの、言葉を介した戦いなのだ。
 トルネコは、自身が他国の有力者の庇護下にあり、今回の件がある種の犯罪であると断じている。
 それに対し、オスマンはトルネコが何を言おうとここトリスティンにいる以上いくらでももみ消せるとほのめかしている。
 もちろん、双方の言葉にはそれぞれの正しさと嘘がある。トルネコのために他国の権力者が動く保証はない。
 だが、トルネコの処遇が政治的問題になる可能性が否定できない以上、学園側は軽率な行動に走ることはけっしてない。
 また、トルネコの主張を保証するものがない以上、学園側にはトルネコの主張を無視して問題を押しつぶすという選択が常にある。
 結局のところ、双方が揉めているのはトルネコがこの学園でどのような処遇を受けるかという交渉に過ぎない。妥協し、調整し、双方の面子を守る。
「こうしよう」
 とオスマンは提案した。
「我が学園は、その全力を持って君が元の場所へ帰るための方策を探す努力をすると約束しよう。その間、君はどうかミス・ヴァリエールの使い魔を勤めてはくれないか」
 ここらあたりが現実的な妥協点だろうとオスマンは思った。もちろん、オスマンに正直にトルネコが帰還するための方策を調べる気などない。
 これは時間稼ぎそのものであり、トルネコがここトリスティンで使い魔として生きていくための方策を探る、そのための先延ばしの手段に過ぎない。
 この露骨な提案にトルネコがどうこたえるのかと身構えたが、トルネコは肩をすくめてオスマンの提案を受けた。
「わかりました」
 穏やかな声に肩透かしを食らう。ずいぶんと素直だな、と思ったところで反撃が来た。
「では、進捗状況の報告について話し合いましょうか。いえ、私が皆様を信頼していないわけではないのです」
 トルネコは言った。
「ですが、私が遠く離れた地でひどく不安である点はご理解いただけると思います。どうか、調査の進捗状況について報告していただくという、その点については是非にお願いしたい」
 ふん、とオスマンは内心に思う。なかなか食えない狸じゃわい。
611ルイズの大冒険2-3:2008/08/08(金) 06:39:49 ID:U3ReN6EZ
   ***

 結局のところ、話し合いは学園側がトルネコの帰還手段を探すこと、その間トルネコがルイズの使い魔を勤めることで落ち着いた。ただし、その立場はただの使い魔というよりは、ルイズと契約した平民の使用人という立場に極めて近い。
「助かりました」
 ミスタ・コルベールがお礼を述べるのに、苦い顔をしてみせる。
「何を言う。我々がどれだけのものを譲歩させられたか」
 さすがは歴戦の商人だとオスマンは思う。

 学園に呼び出された際、トルネコには拠るべきものは何もなかった。そこから口八丁手八丁だけでどれだけ多くのものを引き出したか。
 本来、平民であるトルネコは文句ひとついえずにルイズの使い魔となってもおかしくなかった。そこで、いるかどうかもわからない権力者の庇護をほのめかし条件交渉のテーブルに着いた。
 そこからはトルネコの独壇場だった。トルネコの出方を探るためにオスマンがあえて敵対的な出方をしたことすら逆手にとった。
 オスマンがトルネコの主張を認める代わりに使い魔になれと脅したのに対し、それを受け入れることで極めていい条件での使い魔生活を約束させた。
 特にトルネコが主張したのが、彼が個人として他者と交渉する権利だ。
 ルイズの使い魔ではなく、あくまでもトルネコ個人として物事を解決する権利。
 もちろん、他者はトルネコをルイズの使い魔としてしか扱わない。そのなかで、どれだけのことができるのか。
 さて、とオスマンは思う。あの百戦錬磨の商人を、ルイズは御することができるだろうか。
 トルネコとの付き合いは、ルイズに普通の使い魔を相手にする何倍もの経験をつませることになるだろう。努力家の生徒のことを思い、オスマンはまぁなんとかなるわい、とそれ以上の思考を放棄した。

 オスマンも、国中の権力者の子弟があつまる学園の責任者だ。オスマンの普段のふざけた言動も行動も、いざとなれば大抵の問題は解決できるという自負ゆえだった。
612ルイズの大冒険2-4:2008/08/08(金) 06:41:27 ID:U3ReN6EZ
   ***

 そのころ、トルネコは学園の使用人用の部屋のひとつを与えられ、持っていた荷物の整理をしているところだった。
 ルイズと同じ部屋に暮らすという事態は何とか回避した。なんといっても彼は妻帯者であり、子供とはいえ妻以外の女性と同衾するような気はなかった。
 というのはもちろん学園側に伝えた嘘だ。

 トルネコは始終浮かべていた表情を消した。妻と子供、そして仲間以外の前では見せたことのない、素の表情。
 トルネコも商人として大成するまでの間、ただ遊んでいたわけではない。苦労もし、屈辱も覚え、不安に怯えた夜もあった。
 常にある、商売が失敗する不安。旅に出ている間に、美しい妻が変心して自分を捨ててしまう不安。魔物に狙われるようになってからの、自らの命に関する不安。
 そして、ただの商人に過ぎない自分が、あの頼もしい仲間たちの足かせになってしまう不安。

 その全てを押し殺し、あるいは克服して歩んできたのがトルネコだった。トルネコは自分の両手を見た。ごつごつと硬くなり、多くの傷を持つ大きな手。
 ただ金勘定をしていただけではこうはならない。時には剣を取り、時には盾を握り戦ってきた両手。妻を愛した手。子供を抱き上げるための手だ。
 その手を見ているうちに、トルネコはざわついていた心を落ち着いていくのを覚えた。
 冷静に、広げた荷物の確認に入る。

 付き合いのない街で、いきなり高価な武器を売買するのは現実的ではない。信用を築き、互いの気心がつかめてから商売を大きくしていくのが常道だ。
 そのため、トルネコが持ち込んだ武器防具はそれほど特別なものはなかった。
 これらを換金し、この国の商人の間に食い込み、商売を広げていく。

 事実上、まったくのゼロから始めることになる。その困難さと挑戦しがいを考え、トルネコはゆっくりと、商売用ではない笑みを浮かべていった。
 窓の外には、二つの月が昇っている。
613ルイズの大冒険:2008/08/08(金) 06:43:42 ID:U3ReN6EZ
ここまでで。
実は書きながら眠っちゃってたんですが、おきたら完成してました。
ありがとう妖精さん、ありがとう!
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 07:03:30 ID:7iJceCQu

ルイズ蚊帳の外w
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 07:22:21 ID:xZmjG8Lh
トルネコの人、避難所の更新報告スレと全力でSS職人を応援するスレへ行ってきてください。
タイトルが別作品とかぶってるとかでWikiに登録できないらしいです。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 07:23:24 ID:m/8LHtUm
>>613
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1184589269/904
ダイの大冒険のダイ召喚のとタイトル被ってるみたいです。
タイトル変更を強くオススメします。
617ルイズの大冒険:2008/08/08(金) 07:30:39 ID:U3ReN6EZ
了解です。
自分はwikiが良くわからないので、登録してくれる方に感謝を。

タイトルを、
ルイズの大冒険
から
トルネコの大冒険・不思議な使い魔
に変更をお願いします。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 07:43:37 ID:BEs2j3yX
天地の人も写輪眼の人もトルネコの人も乙なのです

特に天地創造はあまり知られてないけどめっちゃはまった作品なのでとても嬉しいです!
続き楽しみに待ってますね♪
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 07:44:07 ID:JmUX0x49
乙です
トルネコの心情がよく描かれていて面白いなぁ
ゲーム以外ではギャグ4コマくらいのイメージしかなかったからw
今後も楽しみにしてます
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 07:49:43 ID:7K+IWCK7
???トルネコの言ってることが真実かどうかわからないのになんで信じてるんだろう。
ここはオスマンが何を考えてるのかも描写して欲しいところ。
でないと、一方的に言い分を聞き入れているだけの、ただのアホウにしか見えない。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:05:12 ID:BzFVFU6e
>>620
判らないからああならざるを得ないんだよ
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:14:24 ID:j3O8pFzL
>>620
原作でもルイズはサイトの故郷を田舎扱いはしたが異世界とは信じてなかったじゃん
だから神視点から見てる俺らはともかく、一般的にはハルキゲニア世界のどこかの国から
呼び出したと考えるのが自然なんじゃないか?このSSでは商人と王族は密接な関係である事が
設定の一つに加えられているんだとは思うけど
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:24:29 ID:ISkPRUOO
朝起きて鋼の人の作品が更新されてるこの至福
天地創造もついに来たかぁ、思い出深いゲームだから
楽しみにしてるよ
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:25:04 ID:j3O8pFzL
その上でトルネコがああいうハッタリをかませば真実がわからん以上は態度を軟化させる
必要があると思うが。
もし変なリモコン持った男が大声で「言う事を聞かないとこれで爆弾を作動させるぞ」
とか言ってたとして、何の疑いもなく捕まえられるか?
トルネコの交渉はそういう類のものだと思うが
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:29:00 ID:BzFVFU6e
夏休みだしなぁ
頓珍漢ないちゃもんをつける輩はいるものだ
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:31:22 ID:0OiL/GuL
他のメイジとは違い、オスマンとコルベールは自分が世界の全てを知っているわけでは無い、ただの人間に過ぎない事をちゃんと理解している。その上で『もしも』を想定して行動しているように思える。
トルネコの言葉を真実、それとも虚偽と捉えているかはさておき、彼が歴戦の勇士である事は感じ取れているのでは無いだろうか。もしもの場合を恐れてしまうほどに。
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:44:16 ID:M8b+2b/Z
どうでもいいが七万の兵士のところまで書いた人ってどれぐらいいるっけ?
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:45:42 ID:ATp7l5UY
どうでもいい事なら聞くな
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 08:54:47 ID:pX5/5p9Y
一番最初に書かれた長編SSって何だ?
630627:2008/08/08(金) 08:56:54 ID:w0rdWsdi
>>628
そんなに冷たくしなくたっていいじゃん…
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:02:37 ID:ujp9kx/d
ちゅーか、7万までテンプレで進むのか?
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:07:56 ID:Kls7LKPg
そんな当たり前の事に気付くようなら、こんな質問する訳ないじゃない
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:09:33 ID:0i60EjLa
トルネコを投下しているヤツは前もそうだったけど>>1読め

以下トルネコのバカさ加減

それはそうとトルネコ、自分は武器商人云々というけど、ハルケギニアの基準で平民がさらわれたぐらいで戦争に結びつくかねえ。
>「では、話し合いましょうか」
普通に考えてそんな国この世にございませんと一蹴されるか、殺されてなかったことにされて終わりじゃね。
これも周囲の知力レベルが著しく低くそうな予感。

そのハッタリで首を絞めてる気がする。なにせただの平民のオヤジ、厄介そうならまず殺してなかったことにするこれ最強。

>あなた方は、他国の人間に内容を知らせないままに契約を強要し、それが当然と言う態度をとった
これよく使われる口上だけど、誰が元祖?テンプレでもあるの?

というか、知らない国で自分基準の価値観を持ち出していいのかね商人が、トルネコちと軽率。
平民に拒否権はない、契約強要は当たり前で拒否れば貴族を侮辱した罪で裁判なしで即死罪だったらどうするんだろう。

ちなみに拉致られて使われることを拒否れば殺されることがリアルでありえる北の国があるよね。どこかの半島に。

拉致られた立場でハッタリ効かせても交渉どころか自分で崖っぷちに臨んで立ってる。分が悪すぎ。
わが国は貴国と国交はない、だが軍事力は絶大で私はその国の重要人物である。
ああ国交がない国の方ですか、ならここで殺されれても貴方のことは伝わりませんね。でわ、死んでください。
トルネコ終了。

そういや某北の国も正式な国交がないんだよね。拉致った人の国と。
ちなみに某宗教国家は酒を持ち込んだ時点で問答無用で逮捕、
直接でなくとも王族に不敬な言動を取れば外国人でも逮捕する国もある、リアルで。
この世には自分の国の常識では測れないことがいくらでもあるね。
当然、商人がそういった国の常識や禁忌に神経を尖らせる事例はいくつもある。有名なのは味の素事件。

歴史に実例があるけどよ。
恫喝外交を成立させるためには目に見える力の裏付けがないと。
ペリーの黒船来航が好例。

日本で外国人を無礼うちで殺したことで戦争になったのは生麦事件が有名だね。
目に見える軍事力の背景がなければ余計なリスクをしょい込むだけ、
まあ、このトルネコはバックがないから殺されるだけで終わりだけどね。

ちなみに大航海時代には現地人にヨーロッパ人が殺された事例はいくらでもあるよ。
コンキスタドールといった侵略目的でやってくる連中もいたからね。
日本の戦国時代に訪日した宣教師や商人が殺された記録があるし、まあ当時宣教師はどこの国でも結構殺されてるけど。

トルネコもな
孤立無援で社会戦しかけられたら終わりだな、まあ自分から仕掛けて墓穴を掘ってるわけだ。

あんな口八丁の恫喝が通用するならオレオレ詐欺に騙されるジジババ・レベルだが
作者も流石にそこまで貶めて書きはしないだろとおもいきやコルベールには通用してると、あれ?

ましてこのトルネコで不思議なのが、相手の情報をほとんど引き出さないうちに自分のほうから唯一といってもいい手札をさらし高圧的な態度にでたこと。
印象を悪くする高圧的な態度は具の骨頂、まして自分の足場を固めないうちに期待できるかどうかもわからない外圧を引き合いに出すのは商人のやることじゃない。
交渉は仕掛ける側が相手と平等以上の立場にならなければ成立しない、完全に失敗している。
公開された外交の場ではない場所で、権利を主張しても黙殺されるか、いなかったことにされるのがオチ。
現実にね。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:15:19 ID:l/XJXq1l
しかし的をついてるなこんな長文なのにすっきり読めた
ねーよって言う展開には>>633みたいな頭のいいやつのダメ出しが必要だな
よく言ってくれたこれからもバンバンダメ出ししてくれ!
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:15:32 ID:pX5/5p9Y
夏ですなあ
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:16:33 ID:yy4fMoV6
夏ですねぇ
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:16:55 ID:N26hcqd+
夏ですねぇ。
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:18:15 ID:3Z39zUOv
夏なんだなぁ……。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:21:36 ID:PbBCv6Vu
しょーもない毒長文と小説。天秤にかけるまでもないわ
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:22:00 ID:wdYDBRYx
スルーと毒吐きの利用を覚えような。
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:23:14 ID:ZQIRlwTU
夏なんだなでも聴いてくるかな
642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:25:35 ID:TU5qdzpQ
小説じゃない長文ははなから読んでないから問題なす
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:26:06 ID:JVWpID5M
長文なんていらねえよ、夏
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:28:12 ID:7K+IWCK7
でもなー、トルネコって身一つで召喚されたんだろ。
いくらなんでも口先だけで交渉もといハッタリができるのは無理じゃね。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:28:32 ID:M8b+2b/Z
>>628
ですよねー^^^
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:31:16 ID:iyhSf5nd
私女子高生だけど>>633-634は無いって思うの
早速だけどダメ出ししとくね。
バレバレの自演するとかねーよwww
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:41:27 ID:pX5/5p9Y
と、とりあえず来月の25日はゼロ魔15巻の発売日ですね
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:44:46 ID:MPEMtf+t
まあ、一応竜や巨人や悪魔とガチでタイマンはれる男だからなあ、
あの状況でそのくらいのハッタリかませる度胸がなければやってられんだろう。
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:50:46 ID:IqP6uOqt
>>633
単に毒吐きのレスを複数コピペして繋げただけじゃねーかwwwww
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:51:48 ID:N26hcqd+
トルネコってドラクエシリーズ最強キャラだからなw
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:51:51 ID:IfExyvcm
>>633

見方の一つではあるとは思いますが、毒吐きスレで語る内容だと思われますよ。
といいますか、荒らしさんの多数出現と不毛議論勃発は寂しいですので、そっちで
やってくださいと伏してお願いを。

そしてもう一つ。『こうすれば一発で解決じゃん』系のネタなど言いたくなる事も
作品見てるとある時もありましょうが、何となく事態が進んでしまう事なども、世界には
結構転がっているものでございます。『槍の名手が偽装火事の策に引っかかり、飛び起きて
槍を持たずに外に出て捕縛されてしまった』等という逸話があったかと思います。

突っ込もうと思えば、『馬鹿だな。追われてる事が分かってるなら警戒すべきじゃないか』と
言う事も出来るでしょう。ですが、それは結果論にしか過ぎません。当人達の間では、それが
精一杯だったという事もあるものでございます。そのように作中で成立した事情の夢想もまた、
面白い作業と思いますよん。
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:51:59 ID:YDejQESg
最初に交渉から入る話は理解できなくて拒絶反応起こすのが居るんだよな。
まあ仕方ない。暑いし。
DQの戦士系キャラの強さは武器による部分が大きいから、バランス調整も少しはしやすいかねえ。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:52:02 ID:pX5/5p9Y
俺のトルネコ像はWよりもギャグ王で連載してた不思議なダンジョンのトルネコのほうが強いんだぜ
ギャグ王と言っても誰も覚えちゃいないカリか
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:52:10 ID:8RM9c6dK
>>634
的をついているってどこの方言ですか?
あと日本語書く時は、句読点使ったほうがいいですよ。
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:53:54 ID:0i60EjLa
13 名前:名無しさん 投稿日: 2008/08/08(金) 08:30:52 ID:SP/j17C6
上から目線で価値観真っ向否定して、クロス側の価値観を絶対として進めたり、
いつでもどこでも最強で苦戦もせずクロスキャラtueeeee!!なら蹂躙系だろう。

第一、一人別世界の価値観の平民側と長く続いてきた底の世界に住む人の価値観なら、
普通なら「自分の価値観絶対! この世界の価値観は否定しまくってやるぜ!」なんて発想浮かばんだろ、まともに社会に出てる人間なら。
周りを自分に合わせようとするんじゃなくて、自分を周りに合わせるけど絶対理解できないところだけ反発とかが関の山じゃないか?
後者も、毎度毎度じゃなくて、意味ある形で結晶化させられれば1,2度無茶したって「蹂躙だ!」なんていわれんだろ。

トルネコ作者さん見事に前者に当てはまりますねえ。
ところでゼロ魔否定と説教が好きな貴方は薔薇&提督の人ですかw
656名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:55:08 ID:/63s5U0s
どう見てもダイナマイトを使ってないダイナマンですね、わかります。
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 09:57:21 ID:IqP6uOqt
>>655
ID:0i60EjLa
お前はコピペしか出来んのかwww
658名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:01:11 ID:pX5/5p9Y
>>656
覚えているやつがいたー
ガンガン派生の雑誌だったがおもしろかったなあ
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:05:35 ID:P2klSu9l
ウンコはトイレでしましょうね……


個人ですらドラゴンを切り倒しゴーレムを叩き壊し
仲間と一緒なら魔王とだって張り合える歴戦の勇士トルネコ相手に
交渉で正面から互角にやりあったオスマンを褒めるべきだろ常識的に考えて……

デスピサロと戦った後のトルネコに万が一実力行使に出られたら
下手すりゃ全員殺されてもおかしくないレベルだぞ
くぐった修羅場の数が違いすぎる

トルネコをその辺のピザ商人と一緒にしちゃいかんよ


660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:07:09 ID:NXKMhhNf
>>633
× でわ
○ では
君はこんな所に居るべき人間じゃない
まずはたのしいこくごを読むことをオススメする
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:08:26 ID:pX5/5p9Y
このトルネコではダジャレアタックはしないんだろうな
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:10:43 ID:hQmYnF1M
トルネコの最終兵器「商人の皆さん」は流石に使えないだろうけど、
にしても世界を救った英雄の一人だろうに、常考……
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:18:14 ID:0i60EjLa
>つまり、使い魔となった平民、武器屋トルネコとの直接交渉に乗り出したのである。
だからさ、学園長が何で平民のそもそも言ってることがホントかどうだか定かでないおっさんと交渉するんだよw
まず前提からしておかしいよねw

>なくともサモン・サーヴァントが知られていないほど遠方からの被召喚者だった。
>それに、君が他国の有力者の庇護下にあったとしても、君が今いるのはここトリスティンであり、問題の解決には時間がかかる。ここまでは?」
そこでなんで、相手のルールに合わせる必要があるんだよ?
つまりハルケギニア諸国と国交が無いトコからきたか、ウソじゃん。
逆に言えば要するに、トルネコ自身も連絡が取れないということだろ、
つまりトルネコをどう料理しようが先方には伝わらんわけだ。

何を危惧する必要があるのかね?交渉の必要性すらねえじゃん。

>ルイズ以外の全員が気づいていた。これは、トルネコとオスマンの、言葉を介した戦いなのだ
あほか?戦いどころか取引にもなってないだろ、
よーくかんがえてみな。トルネコ作者。

おまえが日本と国交が無い外国に拉致されたとしよう、
でもって犯人におれを解放しなければ母国がだまっていないぞと、
言ってみろよ。一笑に付されるのがオチだぜ。
なぜなら、お前を奴隷にするのが目的であって日本と取引するつもりが毛頭ないからさ。
おまえがトルネコに憑依してゼロ魔を貶めながらやっているのはそういうこと。
わ か り ま し た か ?

>さて、とオスマンは思う。あの百戦錬磨の商人を、ルイズは御することができるだろうか。
だいたいさ、交渉する商人を書きたいならドラクエだけじゃなくてジェノバの商人でもやれ。

蹂躙することしか頭に無いバカにはコピペで十分だと思ったが
ここまで懇切丁寧に直接行ってやらなきゃ理解できないか。

やれやれだぜ。
664名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:22:36 ID:k+SvAEwC
>>663
だから毒吐きで言えとwww
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:22:41 ID:QsgErTZf
         __ , -------- 、__
      , - ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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   / :::::::::;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;:::::::::::::::ヽ
   i゙:::;:::::||::::::ii:::::::::::||::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::゙i
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 . i゙::::::i     ''''''''''' '───' |;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::|
  .|:::::::|,-====-´  ゙ヽ,,,,,,,,,,,,、    |:::::::::::::::::::|
  |;::::::::|,-----、    ~ニニ,,_`    |:::::::::::::::::::|
  `ヽ、i (、i´ノ     ´い,, ノ '    |;;;::::::::::::::/   なんで、このスレ自分で書きもしない批評家気取りがすぐ沸いてしまうん?
  .   i ^~~~ー==--  ー'-+、     / ゙-、;;;;/
     {      ヽゝ          '-'~ノ
    λ   ''゙゙゙'''-''---、       /-'^
     ヽ,    ^~^         (
     /  `丶 、     , -   /^l
     |   /( ノ `''''''´~  __, - '  ゙i、
    {  / /| ̄ ̄ ̄ ̄   _,- '¨ }
    {/ /  ゙ー────'~   \|
    /               ヽ  \
666名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:26:36 ID:qwFHF+CA
>>659
そう設定しちゃうと後がキツい気が……
いざって時に実力行使で全部いつでも粉砕できるとなるとパワーバランスとるの難しそうだ。


ここぞ一発、条件が超がつくほど厳しい代わりに、
艦隊すら余裕で粉砕するとかの無茶さ加減なら、バランスとってここぞでぶっちぎるとかなら書けるけど
いつでもハイパワーってのは書くのが意外ときつかったり……
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:27:37 ID:qwFHF+CA
○艦隊すら余裕で粉砕するとかの無茶さ加減なら、バランスとってここぞでぶっちぎるとかなら書けるけど

×艦隊すら余裕で粉砕するとかの無茶さ加減なら、バランスとってここぞでぶっちぎるとか書けるけど

すいません
668名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:27:55 ID:CQdNq1sE
>>665
自分で書けないから嫉妬しちゃうんですよ
あと夏だから
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:30:43 ID:j8VF/r4r
>>663
腹でも下したか
ウンコしたけりゃトイレ行って来いって言ってるだろ

学園長が交渉した理由は簡単だ
戦ったら絶対に勝てない相手な以上トップが交渉する以外どんな手段がある?
魔法一発で黙らせられる平民にしか見えていないアホにはわからんだろうが
ドラゴンすら倒せる超一流の戦闘技能者を怒らせるという
とんでもなく危険な状況だったんだ
その場を収める為の交渉がどんだけ綱渡りだったんだか
それこそオスマンの手腕あればこそうまくいったんだろうに
670名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:32:16 ID:OCwA/FVL
トルネコの人663みたいな頭悪いやつに絡まれて大変ですな。
まあ、夏だから小学生とかもいそうだしな・・
671名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:47:03 ID:4GrgRx/i
>666
自分の力を抑える枷の開放条件が超厳しい変わりに
千を超える枷の最初の一つが開放されると
恒星が超新星爆発を起こす人ですね わかります
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:49:48 ID:UHp0ho/D
思うんだが

今後、ちょっと荒れるような作品が出るたびに
「お前は薔薇提督の人か」
なんて言われるのか?
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 10:53:30 ID:hQmYnF1M
>>672
違うな。
自分の気に入らない作品に全てそうレッテル貼りする頭の可哀想な子が一人二人いるだけだ。
投下する職人さんも善良な読み手も気にするようなもんじゃない。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:01:36 ID:JmUX0x49
しかしソレに反応して話が大きくなってしまう罠
いい加減スルーの魔法を覚えて欲しいもんだぜ
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:11:44 ID:x/8PplUF
まあ不思議のダンジョンではスライムにボコられたり
くさったパンを食ったり落とし穴にはまったせいでたおれたりで
しょっちゅうももんじゃに蹴り出される人でもあるけど
676名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:19:01 ID:TC8RdA3U
8月6日にふと「はだしの使い魔」の続きが読みたいと思った。
再開はないのだろうか…………。
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:27:47 ID:ckcnWoWw
ゼロス呼ぼうぜ
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:51:03 ID:dwccmXbp
少しはタバサをみならって欲しいもんだ。
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:55:58 ID:HlCFPJjW
ああ、タバサはかわいいよな。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:58:10 ID:M4VMtW4k
タバサといいみなみんといい長門といい、好きなキャラがみんな無口で平坦な俺が颯爽と通過
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 11:58:44 ID:+AfOuRzI
ぎぎぎ
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:10:39 ID:/S+5cJrd
>>680
あれ?俺いつの間に書き込んだっけ?
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:21:40 ID:X+2oZJEw
>680は>682の偏在
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:23:05 ID:IfExyvcm
>>682

ゴゴゴゴ…。

我が凍った時の世界の片鱗…。

垣間見てくれたかにゃん?(はあと)
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:28:37 ID:ZQIRlwTU
>>677
どのゼロスだ
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:30:28 ID:RQJH8kbG
>>674
要するに、ノーリスクで言いたい放題言いたい荒らす側に一方的に都合の良い理屈を
俺達に実行して欲しいと言う事だね?

さてそれは、どのような下心があっての事か、スルーしない愚かな俺達に教えてくれないかい?
687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:32:37 ID:Vxv5UviH
ゼロスといっても色々いるよな
自分はBSのやつを思い出したけど
遺伝異界に本来の意味での異界の魂習得ってことになるのかな
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:33:04 ID:qWTbe6Zf
>>685
ゼロスって複数いたのか?
689名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:34:05 ID:vxbuWF1Q
>>686
スレが荒れてたら嫌気をさして離れる奴もいるし、
これから投下したい奴もしにくい空気作るからだろ。
湧いたら隔離所に誘導レスつけてそっちで思う存分やるほうが健全。

第一食いつく奴がいるからアンチでなく愉快犯としてやってる奴もいるんだぜ。
690名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:35:59 ID:ZQIRlwTU
>>688
俺が知ってるのは神様とテイルズのとスレイヤーズの
691名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:39:16 ID:RQJH8kbG
>>689
それは「放置すればそのうち改善する」というほぼ無根拠な希望に基づくものだね
そして「食いつく奴がいるから」とギーシュ並みの責任転嫁までして従えと
692名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:42:56 ID:vxbuWF1Q
>>691
ん? 愉快犯にはエサを与えず放置が最大の対策だし、
本当に居丈高になって批評してる奴は誘導レスに従わないなら
ルールに従うつもりがないってことを周囲に知らしめる結果になるだけだが。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:45:42 ID:CwV9+YEY
うん、従って。

 ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?

がこのスレのルールだから
それが嫌だったら運営で議題化して承認とってスレルール変えてね
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:47:02 ID:RQJH8kbG
>>692
こういう時に最も有効な方法は 相 手 を 馬 鹿 に す る 事
スルーするのは愚策でもあるが、えてして言う奴がたいがいスルーしていない
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:49:22 ID:vxbuWF1Q
>>694
解ってて馬鹿やってる奴に馬鹿って言っても痛くも痒くもないだろ。
愉快犯に煽りによる私怨って動機を加えたら長期粘着って結果しか生まないと思うんだが。
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:49:52 ID:wOk0QEEE
早く夏休みおわらねぇかな( ´ー`)y-~~
697名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:51:30 ID:RQJH8kbG
>>695
なら現状はもう手遅れって事だね
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 12:57:27 ID:hQmYnF1M
>>697
そう思うなら、こんな手遅れなスレには来ない事をオススメするよ。
その方が君の精神衛生にもいいだろうし、このスレ住人も君のうざい自己主張見なくてすむし。
さようなら。
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:14:36 ID:HlCFPJjW
>>688
フロントミッション3rdのとか。
700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:20:48 ID:8nZeAKf/
もしトルネコが「賢者の石」を持ってたらウェールズ達勝ちそうだと思った。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:23:16 ID:k+SvAEwC
>>699
人じゃねーだろw
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:23:17 ID:wMMzVxTu
ルイズがアストロノーカの宇宙農家セット(土地付き)を召喚したら
というのが浮かんだが手の作品で一杯でどうしようもなかったり。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:36:02 ID:5bBNBDhl
>>702
やあ、たぶん同じスレにいそうな人。
アーカイブズで復活してよかったね!

ということでちょっとまじめにプロット立ててみるかw
原作の流れなんてまったく関係ないことになりそうだけどな!
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:40:44 ID:k8rwlYek
原作無視の作品にするにあたってどの辺までなら許されるのだろうか
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:41:39 ID:EhviGLCm
>>702-703
ヴェルダンテ大活躍という事でよろしいか?
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:51:01 ID:WWCxbAVy
人の褌で相撲とらずに最初からオリジナルで書いてくださいとしか
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:55:55 ID:GLbB6suC
ゼロ魔の中の登場人物が召喚されるとかどうだろう
ウェールズとか
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 13:59:54 ID:s1XfJCnh
>>707
タバサ召喚とアンアン召喚とルイズ召喚がそれぞれ小ネタであるな
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:00:03 ID:TU5qdzpQ
国が大変なのに使い魔なんぞやるわけねぇ
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:01:26 ID:9LVJOWFA
>>709
じゃあウェールズがアンアン召喚。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:09:18 ID:E266uehZ
トルネコの本スレのあれ、毒吐きは毒吐きで吐けとは思うが間違いではないんだよな・・・・
でもそれだとトルネコが萎縮しすぎて面白くなくなるし。
後、オスマンはトルネコとの交渉でただものじゃあないとは感じてるがさすがにドラゴンすら倒せる超一流の戦闘技能者
なんて話しただけでわかるか普通。
本スレの669のようなレスは的外れ。

712もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:15:33 ID:whkhhnYo
10分後に投下します。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:19:13 ID:E266uehZ
支援OK
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:21:03 ID:cGCVPa0v
♪らーいだー らーいだー  らーいだーの投下だー

支援しないという選択肢なぞ存在せんな
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:24:04 ID:JmUX0x49
お待ちしておりました支援
716Persona 0:2008/08/08(金) 14:26:46 ID:xZmjG8Lh
それじゃあ左手さんの後、3時前後から予約させてもらいますね。

717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:27:33 ID:E266uehZ
OK支援します。
718もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:27:36 ID:whkhhnYo
.
「貴族の方々が、平民に何をしようが、我々に何が出来ると言うんだ。たとえどれだけ理不尽であっても、これが始祖ブリミルの定めし世界の理(ことわり)であり、法(のり)なのだ」


 その悲痛な台詞に、才人は返す言葉を持たなかった。
 彼女の父親は、次の瞬間にはハッと我に返り、済まなさそうな表情を向けたが、詫びの言葉は来なかった。――だが、そんなことは才人にはどうでもよかった。彼が言った台詞は、まぎれもない真実なのだから。

 足元がふらつくような感覚をこらえ、才人はシエスタを追って厨房に入る。
「シエスタ……」
 何を言えばいいのか、まったく整理もつかないまま才人は口を開く。
「はい?」
 シエスタの笑顔に取り乱したところはない。もうパニックは脱したというところなのだろうが、帰省の理由を訊かれたときの彼女の反応を鑑みれば、シエスタが、次なる奉公先とやらに、どれだけ多大な恐怖を抱いているかは歴然だ。
 思えば、学院での才人の話を家族にしていた時から、彼女の様子は妙におかしかった。彼女なりに、懸命に現実から目を逸らし、今この瞬間の団欒をぶち壊さないように、全力の努力をしていたのだろう。
 才人は、おそるおそる口を開く。
「おれに……何か出来ることは、ないのか……?」

 だが、少女は寂しげに微笑むと、きっぱりと言い切った。
「ありません」


 時代劇でよく見る光景。
 悪代官が村娘をさらい、屋敷に連れ込み、帯を掴んでくるくる回す。あ〜〜〜れ〜〜〜という声とともに、半裸に剥かれた娘が、悪代官のぎらぎらした欲望の前に差し出される瞬間だ。そして、この瞬間こそ、ヒーローが颯爽と登場するタイミングでもある。
――だが、ハルケギニアに水戸黄門はいない。暴れん坊将軍も、柳生十兵衛も、座頭市も、椿三十郎も、桃太郎侍も、眠狂四郎もいない。

 シエスタが去り、がらんとした厨房で、才人は自分の無力さに、歯ぎしりする思いだった。
 あの少女は、決して涙を見せる事はないだろう。明日になれば、こともなげに笑って、新たな奉公先に歩み始めるはずだ。『人食い』と呼ばれた高級官吏のもとへ。
 そんな健気な娘を救えずして、何が伝説の使い魔だ。何がガンダールヴだ。――もっとも、才人は今の時点で、ガンダールヴの具体的な由来や能力に関して、あまり詳細な知識を得ているわけではないのだが。
 
 だが、何より彼は――衝撃を受けていた。
 才人は、ようやく思い知ったのだ。
「平民のくせに生意気よ」
「貴族に向かって、そんな口を利いていいと思っているの」
 ルイズが、事あるごとに口にする言葉。一億総中流の日本で育った才人には、たわ言にしか聞こえない、その台詞の本当の意味を。
 現代日本――民主主義とは、根本から違うハルケギニアの社会構造。
 魔法学院で生活していた時は、周囲が貴族ばかりだったがために、逆に自分は彼らを人間として認識する事が出来た。だが“個”としてではなく“階級”として貴族が存在する社会――身分制封建世界の理不尽さを、才人は、やっと肌で理解したのだ。

 どうすればいい?
 どうすれば、彼女を救える?
 時代劇宜しく、代官屋敷に殴りこむか?
――んなバカな!?
 貴族の権利が法で保障されている以上、平民一匹が玄関先で土下座したところで、あしらわれておしまいだ。
剣を抜いても、たちまち兵隊に囲まれて、その場でなます斬りにされるか、生き延びたとしても逮捕に投獄、そして処刑が妥当なところだ。裁判が行われるかどうかさえ疑問だろう。
719もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:29:31 ID:whkhhnYo
 そもそも権力に対抗できるのは暴力じゃない。それ以上の権力だけだ。――いくら才人でも、その程度の常識はある。
 伯爵という官位と、宮廷勅使という官職が、どれほどのものなのかはピンと来ないが、それでも一介の平民に、手が出せる相手ではないだろう。そんな貴族を相手に立ち向かえるコネの心当たりがあるかと訊かれれば、
(ある)
 才人は、そう答えざるを得ない。

 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。

 才人をハルケギニアに召喚した少女。
 トリステイン屈指の名門ヴァリエール公爵家の末娘。
 あの娘ならば、おそらくは可能だろう。その例の伯爵に圧力をかけ、シエスタを学院付けのメイドに戻す事が。そして、そうであるならば、そうすべきなのだ。それこそが、何よりもシエスタ本人のためなのだから。
 だが、……才人の心には、躊躇がはしる。

「もう二度と顔を見せないでッッ!!」
 そう叫んだルイズの顔が、大写しで脳裡の画面に現出するからだ。

(いまさら、どのツラ下げてノコノコ頼みに行ける? おれとあいつは仲直りさえしたわけじゃないし、学院のメイドだと言っても、シエスタ自身、ルイズとは何の関係もない。その子に同情して助けてあげたいから力を貸せ、なんていくら何でも唐突過ぎる)
 もし再会したとしても、イキナリそんな話を持ち出せば、まるで頼み事があるから取りあえず仲直りに来ました、と言っているようなものではないか。才人としても、それは余りにも心外だった。
 頼れない。
 いくら何でも、図々しすぎる。
 そもそも、この封建的理不尽が、ハルケギニアの日常茶飯事だとするならば――シエスタと家族には気の毒だが――その救済をルイズに頼むこと自体筋違いな気がするし、そもそも自分の依頼をルイズがまともに理解できるとも思えない。
「だって仕方ないじゃない。そういうものなんだから」
 平然とそう言われたとき、おれは一体、ルイズにどういう言葉を返せばいいんだ?

 いや、そもそも、ルイズは無事なのかッッ!?
 そう思った時、焼け付くような胸の痛みが才人を襲う。
 どうすればいい?
 おれはどうすればいいんだ!?
 平賀才人は、膝を着いて、頭を抱えた。


\\\\\\\\\\\

(決まっているでしょう!!)
「まず、わたしを頼りなさいよっ!!」


 そこには見知らぬ天井があった。
 ルイズは、自分が羽布団を跳ね除け、ベッドの上で身を起こしていたことに、そのとき初めて気付いた。
 自分が寮で使用しているものよりもさらに豪奢なベッド。いやベッドだけではない。その部屋にある調度品は、すべて最高級の素材と職人たちの手によって作られたものである事は、公爵家の娘である彼女には、一瞥で分かるものばかりだった。
 つまりここは、魔法学院ではない。
「ここは、どこ?」
 
 その問いに答えたのは、ルイズの傍にいた姫殿下。何の前兆もなく、寝言ともに突然跳ね起きた少女に驚きつつ、その驚愕を上手く隠し切れない不器用なアンリエッタ。
「ここは……トリスタニアの王宮ですわ。ルイズ・フランソワーズ」

 そして、周囲の者たち。
「やっと目を覚ましてくれたのね……本当に良かった」
 いつもの悪態に似合わぬ優しい言葉をかけてくるキュルケ。
「君は、丸二日も眠っていたんだよ」
 ホッとしたように椅子にへたり込むギーシュ。
「……」
 タバサの無表情は相変わらずだが、今日の彼女はいつもに比べて、目元が穏やかである気がする。
 羽帽子を脱いだワルドもいる。
 そして――、

「ルイズ」
720もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:31:17 ID:whkhhnYo
.
 歳の頃は五十過ぎ。白髪混じりの金髪と美髯をくゆらし、国内随一の名門の当主たるに相応しい威厳を放つ人物。
 そして、その長女。
 父親譲りの金髪と、母親譲りの強情さを見事に融合させた妙齢の女性。
――ルイズの父親、ラ・ヴァリエール公爵。そしてその長女、エレオノール・アルベルティーヌ。

「おっ、おとうさまっ……!? それに、姉さままで……ッッッ!?」
「何があったのかは、すべて姫殿下と枢機卿から聞いた。――大変だったようだな」
「ジェームズ陛下とウェールズ殿下に失礼はなかったでしょうね、おちびルイズ?」
 ルイズは、状況が読めずにぽかんとなった。

 二日も寝ていたって、わたしが?
 それに、魔法学院の級友たちはともかく、王政府の有力閣僚として城に詰めているはずの父や、トリスタニアの“アカデミー”で研究に従事しているはずの姉が、何故ここに?
――そして少女は、脳裡に湧き出す、それら全ての疑問より更に優先すべき事実を確認する。

「サイトは……どこ……?」

 それは幼児が母親の行方を求めるような、余りにも自然の問いかけであったろう。
 だが、その言葉を発した瞬間、一同の表情に、さっと翳りが生じた。
 あの剛毅で知られた父でさえもが、娘たる自分から目を逸らしている。
 あの驕慢で知られた姉でさえもが、妹たる自分から目を逸らしている。
 いや、それだけではない。その名を口にした途端、この部屋に何とも形容しがたい、居心地の悪い空気が漂ったの事に、さすがにルイズといえども、気付かざるを得なかった。

「……そっ、それよりルイズ、あの時起きた爆発なんだけど――」
「話を逸らさないで。サイトはどこ?」
 懸命に気を利かせた台詞を、あっさり瞬殺されてしまうギーシュ。
 そして級友の配慮を、一撃で斬って捨てたルイズに、さっきまでの寝起きの表情はカケラもない。その眼光には、あくまでも事実を冷静に受け止めようとする、理性の輝きが含まれていた。


 ワルドが静かに口を開いた。
「彼はここにはいない。君も知ってのとおり――」
「ワルド子爵っ!?」
 エレオノールが反射的にワルドを振り返り、ヒステリックな金切り声をあげる。
 昏睡状態から覚めたばかりの末妹が、いきなり投げかけられた厳しい現実を受け止めきれるとは、この厳しくも優しい姉には、とうてい信じがたい事だったからだ。
 だが――、
「いいの。姉さま」
 そう言うとルイズは、さきほどギーシュに向けた冷静な眼差しを、今度は姉に向けた。
「わたしは本当の事が聞きたいの」
 そして、その形のいい頤(おとがい)をワルドに向けると、さっきまでの言葉を続けるように静かに頷き、ワルドも、婚約者に応えるように口を開いた。

「君の使い魔が、ぼくたちとは別ルートでアルビオンに上陸し、何とかして君と連絡を取ろうとしていたのは間違いないようだ」
 そう言って、彼はギーシュやキュルケ、タバサの方にちらりと眼をやり、さらに言葉を続ける。
「そして、いま現在、君の使い魔は二人とも消息不明だ。カザミと呼ばれる男がアルビオンにいる事は間違いないが、サイトという名の少年が目撃されたのは、『イーグル』号から脱出する君たちの小型艇を救うために、風竜の背に乗って飛び立ったのが最後だ」
「……そう」

 一隻の戦列艦を丸ごと包んだ爆発に、騎乗していたドラゴンごと巻き込まれた少年の姿。断末魔の悲鳴のように、彼が叫んだ自分の名前。
(やっぱりあれは、現実だったんだ……ッッッ!!)
 胸を抑えて俯くルイズに、アンリエッタは駆け寄った。
「ああルイズ、このおろかな王女を許して頂戴。わたくしの無謀な頼みのせいで、貴女の大事な使い魔さんを……ッッッ」
「いいえ姫さま、そのような――」
 何かを言い返そうとするルイズの小さい肩を、アンリエッタは抱き締める。
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:31:36 ID:1rEyCD15
>>663
これだから引きこもりはだめだな。社会に出て人と会話する努力をしような。

722もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:33:25 ID:whkhhnYo
.
「もう何も言わないでルイズ・フランソワーズ。子爵から聞きました。わたくしの依頼がなければ、そもそも貴女と使い魔の彼が仲違いする事もなかったと。ならば、彼が貴女と別行動を取り、彼だけが天に召される原因となったのは、わたくしではありませんか」
「ひめ、さま……」
「恨んでください。憎んでください。それで貴女の気が晴れるならば、わたくしをいかように扱って下さって結構です」
 そう言って、ルイズの顔を覗き込む王女の顔には、涙が光っていた。
 事実、アンリエッタの心は、この小さな友人への謝意で一杯だった。ウェールズを想う自分のワガママが、この少女から大事な使い魔を奪ってしまったと思えば、詫びる以外に何が出来たであろうか。

 そんな姫君の肩に、ヴァリエール公爵が言葉を投げかける。
「姫殿下。娘への勿体無き御言葉、父として礼を申し上げます。ですが、これ以上の御言葉は過分にございます」
「いいえ、そんな――」
 しかし公爵の視線は、何かを言わんとした王女ではなく、半身ともいうべき使い魔を喪失した娘に向けられていた。厳格なはずの父親が滅多に見せない優しい瞳。
「ルイズ」
「は、はい」
「お前が気落ちするのは当然だ。だが、いつまでも悲しみに溺れていては、人は駄目になる」
「……」
「いますぐ、その少年を吹っ切れとは言わぬ。だが、彼の想い出に囚われるのではなく、彼の想い出自体を誇りとしてやりなさい。――お前にはそれが出来る」
「お父様……」
 真っ赤に腫らした瞳で、少女が父を見上げた、まさにその瞬間だった。

「心配ない」
 そのとき、この場にいた全員がタバサを振り返った。
 王女アンリエッタが入室してもなお、無言で礼を返すだけだった寡黙な眼鏡少女が、いま初めて、この部屋で言葉を発したからだ。だが、彼女の発言内容は、この部屋の全員をさらに、改めて驚かせるに充分だった。

「サイトは生きている。さっきわたしの使い魔から報告を受けた。彼は今、タルブという村にいる」

 使い魔? 報告? タルブ? さっきって、いつの間に?
――いったい何を言っているの、この子は?
 誰もが、その言葉に呆然とするしかなかった。タバサの言動は、文字通り、才人の死を嘆くルイズを慰めていた先刻までの場の空気を、蹂躙する存在以外の何者でもなかったからだ。
 一方タバサは、それだけ言ってしまうと、先程までの寡黙な少女に戻ってしまった。まるで、言うべき事はすべて言ったと言わんばかりに。そして、その態度が、タバサという少女をよく知らない者たちに、さらなる混乱を与える。

 まあ、無理もない。
 キュルケはそう思う。
 彼らは、タバサの使い魔シルフィードが、絶滅危惧種たる韻竜である事実を知らない。
 そして、タバサが半ば強引に、才人の騎乗する風竜の鞍上に、人態に変身したシルフィードを乗せた事実を知らない。
 だから空中に放り出された才人を、シルフィードが救出する可能性についても、やはり知らない。
 突然の才人の生存報告には驚いたが、それでもキュルケやギーシュには、聞けば納得できる以上の話ではないのだが、それでも、タバサの発言の詳細を語ることは出来ない。それをするためには、必ずや彼女の使い魔が韻竜である事実に触れねばならないからだ。
 面倒にかかわる事を人一倍厭うタバサにとって、王女や公爵、さらには現職のアカデミー職員の前や魔法衛士隊長の前で、自分の使い魔の正体をばらす行為は、絶対に避けねばならない。
 タバサ本人以外にそれを認識しているのは、この場ではキュルケとギーシュだけだ。
 だから、タバサ本人が再び口を閉ざしてしまった今、タバサの発言に対してキュルケたちが何かを言う自由は、彼女たち自身にもないのだ。

 だが、不可解な眼鏡少女の発言と態度に戸惑う者たちの中で、ルイズだけが、その驚愕のベクトルを異にしていた。
(嘘でしょ……!? だったら、さっきの夢って、正夢だったって事……ッッッ!?)
723もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:35:29 ID:whkhhnYo
.
 才人として眼を覚まし、言葉を聞き、人と接し、そして感じたもの。
 あの時、ルイズは才人本人に成り切っていた。
 記憶の共有などといった次元の話ではない。
 夢の中で少女は、ヒラガサイトである自分を、全く疑っていなかった。
 敢えて表現するなら、まさしく才人の五感が生中継で、昏睡中だった彼女の脳に、余すところなく送信されていたというべきなのだろうか? いやむしろ、その情報を受信するために、彼女の脳は自ら昏睡状態になったのではないだろうか?
(なんのために?)
 決まっている。
 視覚、聴覚――五感の一つだけではない。
 思考、感情、それによって喚起された記憶や知識など、それらを含む膨大な量の情報を、使い魔から受信するためには、彼女の脳が覚醒状態であっては、もはや処理し切れないからであろう。
“使い魔は主人の目となり耳となる能力を与えられている”
 もし、この正夢がそうなのだとするならば、自分たちの絆は、まさしく始祖ブリミルの保障するところであろう。だが、そう手放しで喜んでもいられない。

 あの正夢がすべて事実であるならば、才人は、あのシエスタとかいうメイドに多大なる同情を抱き、ハルケギニアの貴族社会に確たる絶望を抱いた事になる。それは歓迎すべき事ではない。
 何より彼は、貴族社会との唯一の手蔓であり、独力でアルビオンまで追って来たはずの自分と接触する事に、はっきりとためらいを覚えていた。ルイズからすれば、いまさら何を迷っているのかと怒鳴りつけてやりたいところだが、それも仕方がないと言える。
 あの時、二度と顔を見せないでと泣いたのは自分なのだ。才人がふたたび自分と邂逅する事に躊躇を感じても、それは無理もないだろう。ただ追って来ただけならばともかく、その上で頼み事が在るならば、それは尚更だ。

(いや、それだけじゃない……)
 昏睡から覚めた瞬間に、深層意識で繋がっていた才人の故郷に関する記憶や知識は、煙のように消え失せたが、それでも彼の価値観に触れたルイズの記憶までは消えはしない。
(あいつは……本当に、わたしなんかの想像できない世界から来た人間だったんだ……)
 異世界から召喚されたという才人や風見の言葉を、いまさら疑うこともなかった。日常で垣間見る彼らの言動や行動基準は、ルイズにとって充分すぎるほど異質なものだったからだ。
 だが、それでもハルケギニア以外の世界など想像すらした事もない少女にとって、改めて触れた現代日本の価値観は、今から思えば、全く理解できない異様なものであった。
 少なくとも、貴族と平民とに同じ権利が保障される世界など、少女からすれば、なぜ社会として成立するのかさえ理解できない。いわんや、そういった身分階級そのものさえ存在しない世界など、野蛮という言葉以外で形容することは、絶対に出来そうもない。

 素直に喜べる要素など、あまりにも在り得ない。
 ルイズはむしろ、あの少年が、どこか遠いところに行ってしまったように感じていたのだから。

 だが、もうそんな事にこだわっている場合ではない。
 夢は、才人が絶望に頭を抱えたところで終わっていた。だから少年が結局、葛藤の末にどういう行動を選ぶのか、ルイズには知るすべはない。
 宮廷勅使モット伯の悪評はルイズも耳にしていた。もし才人が、このままモット伯の屋敷に乗り込むようなことがあれば、彼は確実に無礼討ちにされてしまうだろう。それだけは避けねばならない。
 もし才人が自分と連絡をとることを優先すればよし。だが、メイドが伯爵に身体を汚されるとすれば、それはやはり屋敷に上がった初日の晩であろう。才人がメイドを本気で守ろうとするなら、その日のうちにメイドか伯爵か、どちらかを止めるしかない。
 そうなったら、居場所どころか生死さえ不明な主を頼らず、迷いに迷った末に徒手空拳で貴族の屋敷に乗り込むような愚行を、――才人ならばやりかねない。
 貴族といえど鬼ではない。最悪でも、全てを投げ出して頼めば、伯爵もメイドを解放してくれるかもしれない。才人ならばそう考えるだろう。ルイズにはそれが分かる。
 だが、少年には気の毒だが、ハルケギニアは、彼が考えているほど甘い世界ではない……。

「姫さま、竜籠の手配をお願いできますか?」

 そう言って振り返ったルイズの表情は、アンリエッタが知らない厳しいものであった。
 まだ間に合う。
 もし、さっきの正夢がリアルタイムであるならば、まだ時間はある。メイドがモット伯の屋敷に行くのは、明朝のはずだからだ。

「わたくしを宮廷勅使モット伯の屋敷まで行かせて頂きたいのです」
724もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:37:00 ID:whkhhnYo
.
 風見志郎がニューカッスルに到着したとき、すでに王党派がトリステインに撤退して丸二日経っていた。

 勿論、万人に理解できない形で終戦を迎えた混乱が、たった二日で収まるはずもなく、ニューカッスルは混乱と恐慌と興奮でごった返していた。だが、そんな貴族派の兵隊や傭兵たちの中に、風見を見るや、妙に落ち着かない素振りを見せる者が少なからずいる。
 風見としては、それを気にするつもりはない。ある程度予測できる事だったし、逆に彼らの反応が無ければ少し困っていたところだ。そもそも戦勝で調子に乗った兵たちに、いちいち因縁を吹っかけられるよりは遥かにマシだ。
 だが、それ以上にわけが分からないのが、今のアルビオンの、この状況だ。
 五万を数えた貴族派の大軍団が、わずか三百の王党派を殲滅するどころか、撤退の手助けさえ実施していたと聞く。一説では、撤退用の艦船の提供さえしていたという成り行きは、その場にいた末端の兵たちにはサッパリ理解できなかったに違いない。
 いわんや、その場にいなかった風見には、この終戦の事情を知るためには、想像の羽を広げる以外に方法はない。

(まあいい)
 重要なのはそこではない。
 王党派の総帥たるウェールズは、いまだ『レコン・キスタ』との細かい交渉のためにニューカッスルに残留しているとも聞く。これまた風聞で、一度殺されクロムウェルの“虚無”で蘇生されたとも聞くが、そんな事は問題ではない。
 彼の目的はウェールズではなく、王子の傍にいるはずの“ブイスリー”なのだから。
 そして、『レコン・キスタ』の兵たちが、無造作にうろつく自分に、妙な反応を示す理由も風見は承知している。彼自身の立てた仮説に従うならば――そして、その仮説の正しさは“ブイスリー”の存在によって証明されたわけだが――そろそろ迎えが来るはずだ。
 風見は手近の食堂に入り、とりあえず一番安いメニューを頼む。
 そして、十分ほど経った頃だった。

「ガンダールヴのカザミシロウ、ですね?」
 そう言って話し掛けてきた一人の女が、目深に被った黒いフードを、はらりと脱ぐ。
「そういうアンタはミョズニトニルン、だな?」

 女の面相に見覚えはない。
 だが、その額に刻まれたルーン文字は、自分と同じく“主”を称する何者かによって刻まれた、使い魔の証であることは一瞥で知れた。
「わたしのことは、シェフィールドとお呼び下さい」
 そう言って女は微笑する。
「クロムウェル大司教閣下が、あなたとお会いになりたいそうです。御足労願えますか?」
「会う理由は、俺にはない」
「閣下の意思を無下に断ると? クロムウェル閣下は、いまやアルビオン全土の支配者なのですよ?」
「俺が尊重するのは、尊重するに価すると俺が認めた奴だけだ」
「なるほど……やはり貴方は、カザミシロウに間違いないようですね」
 そう言ったシェフィールドの笑顔に、ゆっくりと怖いものが内包されてゆく。
 そんな笑みに今更たじろぐ風見ではない。だが今は、依怙地になっている場合でもない。
「ウェールズに会わせろ。それが条件だ」
「……」
 眼から笑いを消したシェフィールドだったが、ややあって頷いた。
「分かりました。閣下に代わって約束しましょう」

“ガンダールヴのカザミシロウ”
 このシェフィールドと名乗る女は、確かにそう言った。
(どうやら予想通りだったな)
 風見は女に続いて道を歩きながら、そう思う。
 王党派の“赤い悪魔”とやらに対抗するために、『レコン・キスタ』が額に文字を刻んだ男を大陸から呼んだ事は、道すがら耳に入れた。その男こそが、かつて自分をハリケーンごと撃墜した、例のV3であろう事は容易に予想できる。
 ならば、自分が風見志郎の素顔で、城下をうろつけばどうなるかは、火を見るより明らかだ。そして、その予想はまんまと図に当たった。
――それはあくまで結果論に過ぎない。理屈としては支離滅裂だ。
 コルベールが聞けば、或いは、そう言うかも知れない。
 だが、風見は自分が出した結論に自信があった。

 始祖ブリミルの使い魔は四人。
 神の左手ガンダールヴ。
 神の右手ヴィンダールヴ。
 神の頭脳ミョズニトニルン。
 そして、記す事さえ憚られたという第四の使い魔。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:38:52 ID:PIRllgFq
sien
726もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:39:43 ID:whkhhnYo
.
 コルベールはかつて、自分と才人に刻まれたルーンがガンダールヴのものであると言い、自分たちと同じく、虚無の使い魔のルーンをその身に刻む「召喚されし人間たち」が、現世に出現している可能性を、風見に示唆した事があった。
 そして、彼はこうも言った。
 おそらくその使い魔は、一人ずつではない。ガンダールヴが二人同時に召喚されている以上、他の使い魔たちも複数でハルケギニアに召喚されている可能性は大きい、と。
 そして、すでに風見は自分以外のV3と、一度相まみえ、攻撃を受けている。
 さらに、ティファニアが召還したという、まだ見ぬ自分――“ブイスリー”。

 もはや事実は歴然だ。
 この世界に出現している“虚無の使い魔”たちは、合計八人。
 そのうちの半数は、無限に散らばる平行世界の日本から、半ば強制的に召喚された風見志郎――仮面ライダーV3。
 おそらくは自分が、もう一人の“神の左手”として召喚されたように、彼らもまた、もう一人の“虚無の使い魔”として、ハルケギニアへの滞在を余儀なくされているのだろう。
 ティファニアが“ブイスリー”以外の使い魔を召喚していないのは気になるが、それでも風見は“ブイスリー”と同じく、胸にルーンを刻んだ改造人間――カメバズーカを知っている。もしかしたら奴の存在こそが、ティファニアにおける“もう一人”なのかも知れない。
 そして、彼がそう思った瞬間に、女が足を止めた。

「ここですわ」

 そこは、一見何の変哲もない煉瓦造りの平屋だった。
 六千年の王家を駆逐した男の居館にしては、地味だなと風見は思ったが、考えてみれば終戦直後の混乱の中で、これみよがしな大邸宅を接収せぬ慎重さは、さすがだとも言えた。なにせ撤退に賛同せぬ王党派の残党が、いつ襲撃してこぬとも限らないのだから。
 本当に安全を確保したければ、こういう地味な居館を転々として、居場所を掴ませない方がいいに決まっている。
 どうせ彼らはいずれ、王都ロンディニウムのハヴィランド宮殿に入城する身分なのだから。

 衛兵の敬礼を黙殺で返した女は、正門ではなく通用門を開け、中に入ると、ふたたび怖い笑顔で風見を振り返った。
「さあどうぞ。閣下も殿下も、そして“ブイスリー”も貴方をお待ちですわ」


))))))))))))))))))

(脚が痛え……!!)
 
 才人は心中の愚痴を懸命にこらえた。当然の事ながら、彼の体調は万全ではない。
 いま彼は、モット伯の屋敷に向かう街道を、けがの痛みをこらえながら歩いているが、それは無論、シエスタの知るところではない。才人は、シエスタ本人はおろか、その家族にも無断でモット伯に会う決心をしたからだ。

 夜道には街灯一本すらないが、天空の双月が発する月光は、夜道の暗さを全く意識させない。便利な世界だ。つくづく才人はそう思う。
 タルブの村はラ・ロシェールからさらに向こう。つまり魔法学院からは早馬で二日以上の道程だ。ルイズに話を通してからではシエスタが汚されるまでに間に合わない。
――そう判断した才人は、単身、その悪評名高い貴族と直談判をしようと思ったのだ。
 
 勿論、手ぶらでは話にならない。
 最悪の場合、才人は、自分がヴァリエール公爵家の末娘の縁者である事実を話す覚悟を決めていた。それで事態がどう転ぶかは分からないが、仮にも貴族の端くれならば、公爵家の縁者を無下に扱うこともないだろう。
もっとも、それはルイズが生きていればこその話であったが……。
(生きてろよルイズ)

 そう思いながら、ルイズに会いにもいけず、こんなところで痛む体を押して死地に向かっている自分を顧みると、そのムチャクチャさに思わず失笑が込み上げてくる。
(いったい何やってるんだよ、おれは?)
 本音を言えば、今すぐにでも魔法学院に飛んで帰り、ルイズの無事を確認したい。学院で確認できなければ、もう一度アルビオンに行っても構わない。
 だが、蒼白になりながらも懸命に涙をこらえ、家族とともに無理やり笑って、最後の晩餐をつつくシエスタを見捨てる事など、少年には到底出来ない相談だった。

「なあデルフ」
「あん?」
「おれって、バカ?」
「相棒……そいつは一周遅れの疑問だよ」
 呆れたように剣が呟く。
 だが、同時にどうしようもない愛情を込めた口調で、デルフリンガーは言った。

「でもまあ、小賢しいよりはマシなんじゃね?」
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:40:10 ID:E266uehZ
支援
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:40:23 ID:PIRllgFq
支援。
729もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:40:41 ID:whkhhnYo
.
 ふふん。
 そう言われて才人は笑った。久しぶりに浮かべる、自嘲ならぬ不敵な笑み。
「そうだよな。迷ったあげく何もしないなんて、それこそおれのキャラじゃねえや」
 とりあえず行動しよう。考えるのは後からでいい。平賀才人は本来、そういう人間ではなかったか?
 そう考えると、わずかだが楽になった気がしたのだ。

 その時だった。
「きゅいきゅい!!」
 上空から、聞き覚えのある獣声とともに、青い巨体が舞い降りてきた。
「何でサイトがここにいるのね!? 大人しく寝てないといけないのね!?」
「シルフィード!?」
 トリスタニアで、タバサに報告を済ませたシルフィードが、いまタルブに戻ってきたのであるが、……当然才人にそんな事情は分からない。彼に分かるのは、これから先は痛む足を引きずって歩かずに済む。ただそれだけの事。

「シルフィ!! お前を男と見込んで頼む!! 手を貸せっ!!」
「きゅいきゅいっ!! サイトったら失礼ねっ!! シルフィは女の子なのねっ!!」

 そう喚いたシルフィードに、頭をかじられそうになったが、才人が必死に謝ると、青い幼竜は、その大きな舌でれろりと彼の顔面を舐めた。そして人懐っこい声で、
「まあでも、シルフィを見込んだってサイトが言うなら、シルフィも力を貸していいのね」
 と言った。
「マジか!? ありがてえ!!」
「でも、あとでいっぱいいっぱい、お肉とお魚をシルフィにご馳走するのね。約束なのね!」
「ああ。肉でも何でも腹いっぱい食わせてやるよ」
「きゅいきゅいっ!! じゃあ、早く乗るのねサイト! サクッと行ってサクッと帰るのねっ!!」


 無論、才人としては、この無邪気にハシャギまわるドラゴンを、殴り込みの道行きにする気は無い。用件はあくまでも脚代わりになってもらいたいだけだ。だが最後に、このおしゃべり韻竜と会えて、僅かでも心なごめた事実は、彼の心から最後の躊躇を消し去った。
(肉はまあ、おれから食わせてはやれねえだろうが……まあ、しゃあねえわな……)
 少年は身体を引きずって、巨大な青い背中に乗り込むと、叫んだ。

「よし、行くぜシルフィード!!」
730もう一人の『左手』(その35) ◆utAARsQ0ec :2008/08/08(金) 14:41:20 ID:whkhhnYo
今回はここまでです。
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:42:56 ID:PIRllgFq
投下乙でした。
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:43:04 ID:k+SvAEwC
投下、乙
ああ、きゅいきゅいと才人を見てると和むなぁ
あとガンダ風見が久しぶりに出てきたw
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:43:25 ID:E266uehZ
投下乙
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:47:46 ID:cGCVPa0v
>>「ありません」
……そうなんだよなぁ
封建制ではこれが「正しい」んだよなぁ
だからシエスタの笑顔が悲しい
心の底で号泣してるだろう笑顔が悲しい
だから頑張れ   頑張れサイト
何もしないのが賢いなら何も考えず、感じたままに一撃をかます馬鹿なお前はそれでいい
そして和むぞきゅいきゅい

次も頑張ってくださいな  期待しちゃいますから
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:51:14 ID:+AfOuRzI
ああああああああ!
いいところで終わった!
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 14:59:17 ID:CmqVMMss
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!なんという生殺し。
左手の人はホンマモンの鬼や・・・・。
だがGJと言わざるを得ない。
737Persona 0:2008/08/08(金) 15:02:10 ID:xZmjG8Lh
それでは投下致します。
ペルソナ0第九話 

738Persona 0:2008/08/08(金) 15:02:57 ID:xZmjG8Lh
 タバサはきつく唇と噛みながら目の前の少女を睨みつける。
 蒼と白のレースがふんだんに使われたドレスを翻しながら、くるくると舞い踊る少女を見ていた。
 迷い込んだこの場所で現れたもう一人の自分の姿を見ていた。
「貴方は、誰?」
「もう分かってるんじゃない?」
 もう一人のタバサは姉を慕う童女のように笑う。
「わたしはあなた、あなたはわたし。“タバサ”を殺したい“シャルロット”としてのあなた」
「――!?」
 もう一人のタバサは、いやシャルロットは笑う。
 まるで汚いものでも見るような眼でタバサをあざ笑う。
 そんな折、氷の天幕の向こうから一人の女性が現れた。
「かあ、さま……!?」
「おお、寂しい思いをさせてしまったわね。私の可愛いシャルロット」
 つかつかと危なげない足取りで女性はシャルロットの隣へと歩み寄り、そしてその頬に惜しみないキスの雨を降らせる。
「かあさま!」
 タバサは叫ぶは女性はまるでタバサのことに気がついていないようにシャルロットに夢中だ。
 そんななかでシャルロットだけが子供特有の残酷な目でタバサを見ていた。
「お母様、シャルロットを抱きしめてくださいな」
「勿論です、私の可愛いシャルロット」
 そう言って親子はぎゅっと抱きしめあう、その光景に胸が締め付けられたタバサは思わず走り出していた。
「かあさ――!?」
 そんなタバサの頭上から赤い液体が降り注ぐ。
 前しか見ていなかったタバサは防ぐ暇さえなくまともにそれを被ってしまった。
 ぬるついた感触と鉄錆の匂い、すぐにタバサはそれが何なのか気がついた。
 血だ。
「あ、ああ……」
「たとえかあさまが元に戻っても、血塗れのわたしを抱きしめてくれる訳ない」
 母に抱きしめられながらシャルロットは笑う。
「いや……」
「あなたは二度と“シャルロット”へは戻れない」
「いや……」
 笑い掛ける自分と同じ顔の少女の言葉にタバサは一歩後ずさる。
「“タバサ”と言う人形に成りきることも出来ない」
「――!?」
「だってそう、初めは利用するために近づいたツェルプスーの娘にあっさり懐いてしまったんだから」
 くすくすとシャルロットは笑う、もう一人の己をあざ笑う。
「けれど気づかれてる」
739Persona 0:2008/08/08(金) 15:04:09 ID:xZmjG8Lh
 夢見るような表情でシャルロットは母の胸へと顔を寄せた。
「“タバサ”がキュルケを利用するために近づいてきた薄汚い娘だって気付かれてる。」
「違う……」
「だから“タバサ”はずっと一人、ずっとずっと一人きりでもがき続けるだけ。叔父様を殺すなんて無理だってわかってるのに、いつかやってみせる? ばっかじゃない?」
「違う……!」
「本当はもうとっくの昔に諦めてる、けれど諦めたことを認めたくないから人形のふりをして逃げてるだけ。おかしい、おかしい、ああ、おかしい」 
「違う!!!!」
 血を吐くようなタバサの叫びを、シャルロットはやはり嘲笑う。
「だからこそこんな童話に縋りたいんでしょう? 誰も助けてはくれない自分を、なんの報酬も望まずに助けてくれる勇者様」
 そう言ってシャルロットが投げ捨てたのは、何度も何度も読み返されくたびれた絵本、『イーヴァルディの勇者』
「やってこない勇者を待ち続……」
「黙れ!」
 タバサはマントの内側に仕込んでおいた予備の杖を抜き放つと、シャルロットに向かって突貫した。
「お前なんか……」
 唱えたのはタバサがもっとも得意とするウィンディ・アイシクルの呪文。
「私じゃ……」
 憎悪を冷やし固めたような鋭利さを持ついくつもの氷柱が宙に浮かび、シャルロットへ向かって殺到する。
「なっ!?」
 だがその氷柱が貫いたのはシャルロットを庇った母の姿。
「あ……」
 タバサの脳裏に自分の代わりに毒の杯を呷った母の姿が何度も何度も明滅する。
「あああああああああああああぁぁぁぁぁ!」
 絶望に揺れるタバサの手に、シャルロットの手が重なる。
 母の姿をしたものの顔からカランと白い仮面が転げ落ち。
 次の瞬間、タバサの体から闇が溢れた。

 一人の少年がその部屋に駆け込んできたのは次の瞬間のことだった。
「くそっ、また間に合わなかったのか……」
 右手に“平和の作り手”たる銃を構え、背中に“かつての相棒を模した剣”を下げた少年は苦い言葉を吐いた。
「けど救ってみせる、絶対に……」
 少年は銃を構え、
「――ガルム!」
 己のなかのもう一人の自分を解き放つ。
 


740Persona 0:2008/08/08(金) 15:05:57 ID:xZmjG8Lh

「やめろクマ、やめろー!」
 クマのぬいぐるみのような体を剣が引き裂いていく、だがクマは何度切り裂かれようとその度に立ちあがった。
 まるで何かに取りつかれたようにシャドウたちに向かっていった。
「クマっ!?」
 だが勝てない、それどころか手も足も出ない。
 傷だらけになりながら、クマは地面をたたいた。
「なんでクマにはなんの力もないんだクマ!」
 みんなが倒れている、ルイズもギーシュもキュルケも。
 動けるのはクマしかいないのに。
「なんでクマはこんな役立たずなんだクマ!」
 クマは泣きながらもう一度向かっていくが、しかし再度剣のシャドウに斬りかかられるだけ結果となった。
「クマァァァァ……!」
 倒れたクマを容赦なく氷でできたドラゴンが踏みつぶす、メキメキと音を立てクマの“殻”がきしみを上げる。
「ごめん、ルイズちゃん、キュルケちゃん、ギーシュ」
 クマは泣いた、今この時ほど自分の無力を情けなく思ったことはなかった。
「クマじゃみんなを助けられないクマ」
 ぎゅっと拳を握る、ルイズたちに酷いことをしたこいつらが許せない、初めてクマの心に“憎悪”と言う感情が芽生えた。
 許せない、許せない、許せない。

 ゆ・る・せ・な・い。

 ――がぁぁぁぁあ!?

 まるで怯えるように氷のドラゴンはクマの体からその前足を退けた、さきほどまでクマを嬲っていた剣たちも委縮したように動きを止めている。
「クマは……ボクは…………」
 クマはぶつぶつと呟き続ける、その体からはゆっくりと黒い靄のようなものが立ち上り始め……
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 15:06:41 ID:Ert1Q6CW
しえん
742Persona 0:2008/08/08(金) 15:07:32 ID:xZmjG8Lh

「ヴァナディース!」
 猛烈な炎が燃え上がったのは次の瞬間だった、氷のドラゴンは凍った体が燃え上がると言う異常事態にその場を転げ回り、氷の剣は跡形もなく蒸発していた。
 立ち上がったクマは見た、満身創痍で立ち上がる赤毛の女神の気高き姿を。
「はぁい、お・ま・た・せ」
 傷だらけの体でしなを作るキュルケは、痛ましいと同時に酷く美しい。
 それと同時にキュルケの体から燃え盛るブレスレットを身につけた、炎のような深紅の髪の女性の姿が浮かび上がる。
『私は恋愛と豊穣司りし者ヴァナディース! 涙を流せし我が半身よ、その涙我が指で救い取り、輝く黄金へと変えてご覧にいれましょう』

 名乗りと共にヴァナディースは呪文を唱えると、気を失って浅い息を吐くルイズとギーシュに燃え盛る火炎を噴きかけた。
 だがその炎は二人の体を燃やすことなく、瞬く間にその傷を癒していく。
「さてとっとと片づけちゃいましょう、クマちゃんサポートお願いね?」
「おう、ぜーんぶクマにお任せクマ!」
 泣き笑いでクマは答えた。
 あれほど怖かった氷の竜が今は全然怖くない。
 ――いつの間にかクマの体からあふれ出した靄は跡形もなく消えていた。 



 
743Persona 0:2008/08/08(金) 15:09:28 ID:xZmjG8Lh
その入口を見つけたのは偶然だった。
 見知った匂い、懐かしい匂いに導かれるように徘徊している最中に、偶然入り込んでしまっただけ。
 本来ならあの場所からしか入れないはずなのに、とソイツはいぶかしんだがもともとまともな知性すら残ってはいない。
 だからきつい入口に無理やり体を押し込んで、あちら側の世界に体を滑り込ませた。
 あちら側に“彼女”がいることが、匂いと、そして見えない繋がりから分かっていた。
 ソイツは瞬く間に“彼女”が向かった方角を向けて身体を傾けると、まるで獣のように走りだした。
 高く、高く、吠え声を上げながら。
 ――……イィィィィィィズゥゥゥゥゥ!

 “大いなる冬”へと駆けつける。
 
 ――ルゥゥゥゥィィィィィィィズゥゥゥ!



 その後姿を眺めながら、一人の男がにやにやとした笑いを浮かべていた。
 すべてをあざ笑うかのごとき嘲笑は、その獣が行く先にも送られている。
 だがその男は同時に苦しそうに顔を歪めていた。
 見ようによっては半死半生の病人がまるで息絶えようとしている寸前まで、楽しい見世物に昂じようとしているかのように見える。
「素晴らしい。この“這い寄る混沌”の導きなしに、これほど素晴らしい闇を現出させるとは」
 その男は高々と笑い声をあげると、ゆっくりとその体を透けさせていく。
「そうでなくては“ペルソナ”を与えてやった甲斐がない、見せてみろ“平賀才人”お前の“願い”がどれほどの地獄を作り出すか、私はお前たちのなかでずっと見ているぞ!」

 くはははは、くはははははは、くはははははははははは。

 混沌とした笑い声を背に獣は走る、ただまっすぐに“彼女”のもとへ。
744名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 15:11:14 ID:hQmYnF1M
ヴァナディース≒フレイヤktkr支援
745Persona 0:2008/08/08(金) 15:12:00 ID:xZmjG8Lh
以上でございます。
次回は霧の晴れ、ひとつの謎が明らかになる第十話。
よけしければまたご支援くださいませ。
746名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 15:14:17 ID:66PM2d5t
この作者にしてこの切り方、間違いなく作者はドS
747名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 15:14:27 ID:M4VMtW4k
サイト「こ…この…まるで
『Falcon4.0で、撃墜された味方の仇討ちに残り2発のサイドワインダーをぶち当てようと虎視眈々と狙っていざ発射スイッチを押したらその瞬間にCTDしました』
みたいな生殺し感…」
ルイズ「いや、わかりにくいから」
748746:2008/08/08(金) 15:15:00 ID:66PM2d5t
投下来てた orz
>>746は左手宛
749名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 15:38:22 ID:YhDw3qaz
ペルソナ次回楽しみ。
750名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 15:45:34 ID:hQmYnF1M
>>745
乙です。
サイトはやっぱり異邦人っぽいけど、ニャル様とは無関係?
ペルソナが冥府の番犬にして獄卒のガルムって事といい、大いなる冬といい、
何かしら暗示的で北欧神話好きとしてはたまりません。
次回も楽しみにしています。
751名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 15:47:01 ID:p/pm/U5A
こ、このバカ犬ーっ!ということか? 乙
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 16:24:38 ID:hQmYnF1M
>>751
ペルソナの人のネタ潰しになりかねないから仔細は省くが、ガルムは冥府の入り口の番犬をしてて、
生者を現世に追い返し死者を冥府に閉じ込めて死者と生者を厳格に分かっているワンちゃんなのです。
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 16:32:48 ID:p/pm/U5A
知ってんだよオオォォッ!!
神話学者か うう・・うう・・・うおお おっ おっ オメーはよォォォォ(セッコ)

いやまあ知ってるけどね、それとかけたのかなって
ただでさえゼロ魔は北欧系ネーミングが多いからな
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 16:42:26 ID:hQmYnF1M
>>753
その返しをされると偉そうに解説したのが非常に恥ずかしいっすw
失礼しました。
755名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 17:13:55 ID:qwFHF+CA
今408・・・…あと1,2個SSがきたら次スレか。ここ最近は早いなあw
自分も一生懸命書こう。
756ナイトメイジ:2008/08/08(金) 17:16:42 ID:DniXkdWX
なにもないようでしたら20分に投下させてください
757名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 17:21:14 ID:DVYG+gSF
トルネコ…あんなに冷静な判断と打算を計算できる理知的な人物が

何故「伝説の勇者と世界を救う為の救世の旅」なんていう
胡散臭い上に当てのない旅に出たんだろう…
758ナイトメイジ:2008/08/08(金) 17:21:45 ID:DniXkdWX
王都を出て二日目
ラ・ロシェールに到着した馬車はこの町で一番の宿である「女神の杵」亭の前で止まり、ルイズ達はここを一夜の宿と決めた。
荷物を持って部屋に入り、一息ついたところでルイズが唐突に切り出す。
「ずっと思っていたんですけど……いくらお忍びで秘密の計画でも姫様に平民、しかもメイドの格好をさせておくわけにはいかないと思わうんです」
「そうですか?わたしはこれでもいいですけど」
「そうはいきません!それに、この宿の者達はみんな変な顔をしていましたよ」
理由は簡単だ。

まず馬車から降りるときのギーシュの行動。
「どうぞ、お手を」
「ええ、お願いします」
貴族に手を取られ、馬車から降りる世にも不思議なメイドが出現していた。

「女神の杵」亭に入ろうとしたとき
「いらっしゃい……ま……せ」
この宿の主な客層は貴族であるので従業員は貴族に対応する方法は十分に知っている。
「ええ、よろしくお願いしますね」
だが彼は今、混乱していた。
このやたら品のいいメイドはいったい何か。
おまけにメイドは手ぶら、後から宿に入ってきた貴族の方々が荷物を手に一杯持っている。
いったい何の冗談か?
この道十年以上のプロではあるものの、彼は動揺を隠しきれずにいた。

「でしたら皆さん私をメイドとして扱えばよろしいのではないでしょうか」
この場にいる貴族にそんなことできるはずもない。
服がメイドだろうがピエロだろうが水兵服だろうが王女は王女なのだ。
「というわけで、メイド役は姫様以外がやった方がいいと思うんです」
「私はよろしいですが、誰がやるのですか?」
「そりゃ……使い魔のベルが」
「えーーーーー」
眉は八の字、唇はゆがみまくり、おまけに心底嫌な声である。
そういえば、この使い魔は雑用が嫌でわざわざシエスタに妙なことをしていた。
「えーい、いいからやりなさい!」

というわけで、ベルと服を取り替えてみた。
「……」
ベルの胸はぶかぶか。
「あの……この服、胸がきついです」
アンリエッタの胸は明らかに締め付けられている。
ぶっちゃけサイズが合っていない。

というわけで、ルイズがアンリエッタと服を取り替えてみた。
「……」
ルイズの胸はぶかぶか。
「あの……ちょっと胸がきついです」
アンリエッタの胸囲は明らかにルイズの制服に収まる許容範囲外。
ぶっちゃけ服が小さいし、ボタンがはじけそうになっている。
「ベル!」
「ルイズ!」
「強く生きましょう」
「ええ、負けないわ。私たち」
ワケのわからないところで通じ合う二人であった。
「二人とも本当に仲がよいのですね」
限定的には全くその通りである。
759ナイトメイジ:2008/08/08(金) 17:23:17 ID:DniXkdWX
というわけで、ギーシュと服を取り替えてみた。
「まて、まちたまえ!やめてくれ。僕にはそんな趣味はない、ないんだ!あーーーー」

というわけで、ワルドと服を取り替えてみた。
「まてまてまてまてまつんだ!ひげはどうするんだい?そこ!カミソリを用意するのはやめてくれ!!」

「よく考えたら、今から服を取り替えたら余計おかしな感じで目立っちゃうわね」
「言われてみればそうなんだけどね」
そろそろ空腹を覚えたルイズ達は少し早めの食事をとっていた。
「そうよね。あれじゃコスプレにもなってないし……アンリエッタ、そこのお肉取って」
「コスプレって何よ。あんた時々、ヘンなこと口走るわね……って、姫様に何やらせてるのよ!」
「今はメイドのふりしないといけないんだからいいじゃない」
「少しは遠慮しなさいよ!」
一方的に一触即発となっているルイズの横でアンリエッタが不器用に切り分けた肉を差し出す。
「ルイズもどう」
「いただくわ」
ルイズはそれを当然のように受け取り、口に入れてかみしめる。
肉の脂がじわっと広がる。
「ねえ、ルイズ。あなたもメイドのアンリエッタさんの主人役が板についているわね」
「うぐ」
ガチンとフォークを噛んでしまう。
無意識に実家での習慣が出てしまった。
「ルイズ、気にしないで」
「でも、姫様」
そして、アンリエッタはルイズの耳元に口を寄せ、周りに──主に同席している男二人──に聞こえないようにささやいた。
「あのお二人が気の毒ですから」
二人、つまりワルドとギーシュはすっかり疲れて果てていた。精神的に。
おかげで食がなかなか進まない
「もっと、早く気づいてほしかったよ」
「まったくだ……」
先ほどの件でどのようなことになったか……二人の貴族としての、いや男としての名誉のためにあえて聞かないでいただきたい。
なお、ワルドの髭は無事であった。
ちっ
「さて、と」
焼いた肉を飲み込んだベルは跳ねるように立ち上がり、指先に付いた脂をぺろりとなめる。
「ちょっと、出かけてくるわね」
「どこに行くのよ、トイレ?」
「ちがうわよ」
「じゃあ、どこよ」
「風に当たってくるだけよ」
ベルは手をりながら、バタリと扉を閉める。
その後に聞こえた小さい足音もすぐに消えていった。
760ナイトメイジ:2008/08/08(金) 17:24:51 ID:DniXkdWX
日が沈んでから、まだあまり経っていない今は通りを行き交う人々も多い。
その中でも最も多いのは、明日の出向に備えている船乗り達だ。
逆に旅客がちらほらにしか見えないのは、アルビオンで起こった戦乱のせいだろうか。
ベルことベール・ゼファーはあるときは人の流れに身を任せ、あるときは逆らっていた。
風変わりな服に目をつけた船乗りが彼女の肩に手をかけようとするが、まるで霞みでもつかもうとしたかのように手は空を切ってしまう。
もう一度、と追いかけようとしたが既にベルの姿は人混みの中に隠れていた。
そうやって、何処かに向かい歩いていたベルは唐突にステップを踏み、路地の中に飛び込んだ。
もちろん追いかけていく者はいない。
普通ならそのはずなのだが、彼女に続いて黒いマントの男が飛び込む。
そして、路地に置かれた何が入っているかもわからない木箱の間をすり抜けて奥に走る。
少し──一分足らずだ──走ると男は足を止めた。
もう走る必要はないからだ。
この路地は行き止まり。奥にあるのは壁だけである。
そして、その壁を背にベール・ゼファーが男を待っていた。
「どんな用事があるかは知らないけど、レディをこっそりつけ回すなんてマナー違反じゃないかしら」
ベール・ゼファーは指を立てた右手を揺らしながら目の高さに上げていく。
「まずはその顔を見せてもらいましょう」
ぱちり。指を鳴らす。
同時に生まれた光の玉が、男とベール・ゼファーを照らした。
揺れる光のなかに男の顔が浮かび上がっていく。
ベール・ゼファーはその顔がいかなる物か好奇心を隠さずに両目を開いていたが、すぐに表情を曇らせた。
「ふぅ……」
男の顔など見える物ではない。
なぜなら、男の顔は白い仮面に覆われていたからだ。
「やぁめた」
万華鏡のように表情を変えるベール・ゼファーには既に好奇心は影も形もない。
代わりに憮然とした表情を男に見せる。
「少し相手してあげようと思ったけど、これじゃ興醒めね」
ベール・ゼファーが地面を蹴り、後ろに飛ぶ。
壁しかない後ろにだ。
「相手をして欲しかったら、もっと面白い物を見せなさい」
男の目の前でベール・ゼファーの手足が壁の中に吸い込まれていく。
慌ててももう遅い。
体も壁の中に入り、顔もすぐに消える。
気付けば彼女の姿はどこにも見えない。
男は壁に走り寄り、ベール・ゼファーが吸い込まれた壁を音を立てて殴りつけたが、堅い音を聞くだけに終わった。

***********************

今回はここまでです
たまには常連ボスキャラらしいこともやってもらいました
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 17:25:34 ID:+QbZR5ti
支援
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 17:27:28 ID:49Nu+Q9e
しえしえ
763名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 17:33:13 ID:06fiPJs0
>>757
アレは夢が「天空の武器を捜すこと」だったからじゃね?
そのために店ほっぽり出して旅してた訳だし。
船を出せるようにしてくれた恩義としてだったしな、勇者についてくこと自体は

ともあれベルの人GJ
764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 18:12:34 ID:UxyWcmuZ
ベルさまGJです。
おお、なんかベルさま格好良いですな〜。
何か遍在を見破った感じの退場の仕方だったけど、これを見てワルドは決闘イベント起こすんだろうか?
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 19:38:22 ID:9phFw6sh
Persona 乙
複線張りすぎて全部把握できんわw
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:04:34 ID:TQX6F93q
ここもスレが止まってる……ゴルゴムの仕業か!?
767人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:13:38 ID:TQX6F93q
こっちに誰もいない……のか?
20分になったら投下します
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:15:38 ID:rRQY30Fp
支援する!
769人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:20:26 ID:TQX6F93q
「……ちょっとコウジ。馬はどうしたの?」
「ああいや、ちょっと走って行こうと思ってね」

朝もやの中、屈伸運動など余念のないストレッチをする瀬川。
ルイズは目を閉じ、眉間の中心を指で押した。その後、たっぷり1分は考えて、もう一度繰り返す。
「……ちょっとコウジ。馬はどうしたの?」
「だから、走って行こうと思ってね」
深い深い、溜息の後、ルイズは一気にまくし立てた。
「ちょっと待ちなさいよ! いくらなんでも何考えてるの!? 馬より速く走れると本気思ってる!?」
「いや、まあ……言いたいことは分かるけど。多分、速いと思うよ」
この瀬川の台詞は、けしてふざけているわけではない。むしろ、大真面目な台詞だ。
さまざまな世界に存在する仮面の戦士の中でも、羽を装備したり時間を加速させる、重力を操るなど特殊能力で強化しない基礎能力では、
パワー、スピード、跳躍力のどれをとってもJは五指に食い込むのだ。
変身した瀬川はマラソンするペースでも100メイルを0,7秒で走る。
いや、精霊の力でさらに上乗せされるので、実際もっと速い。
変身前でも、1割程度の力は出せるので、この世界にきてから精霊の力で上乗せされた分を考えれば馬よりは上だ。
もっとも、日頃は時速1330リーグと音よりも速い愛機Jクロッサーがあるためわざわざ走ったりしないが、素でもそこらの火竜顔負けに速いである。
フーケのとき、数時間以上時間差を開けて出発した馬車と到着時刻が5分程度しか変わらなかったことからもその健脚ぶりが理解できるだろう。
フーケのゴーレムと、あっと言う間に距離をあけて姿を隠せたのもそのおかげだ。

一応、改造人間だから馬より速く走れるとはルイズに言ったものの、明らかにルイズは信じていない。
ルイズたちの常識論では、人間がそんな速度で走るとは思えないだろう。

けど、事実なのである。

ぶっちゃけ、瀬川に合わせて馬が走るのではない。瀬川が馬に合わせて走るのだ。
瀬川一人か、もっと速い乗り物があればもっともっと速く着くというこの現実に、ルイズはこめかみを押さえた。
「色々と非常識な体してると思ったけど、そこまで来るともう無茶ね……」
呆れた様子のルイズとは対照的に、さわやかな笑みの瀬川。
そこに、大きな笑い声が響いた。
「はっはっは! この大役を任されるとはどんな人物かと思ったら……面白いな、きみは」
朝もやの中から、羽根帽子をかぶり、髭のはやした男が現れた。その身なりから、明らかに貴族だと分かる。
二人が声のするほうに慌てて振り向くと、ちょっと肩をすくめて長身の貴族が説明を口にした。
「おっと、僕は敵じゃない。姫殿下より、君たちに同行することを命じられてね。
お忍びなので、部隊はつけられない……というわけで僕が選ばれた」
帽子をとり、優雅に一礼する同行者。
「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」
ワルドと名乗った男が指を弾くと、空から一頭のグリフォンが舞い降りた。
おお、あれがグリフォンか、カメラいやスケッチブックを持ってくればよかった――とそこまで瀬川が考えたところでふと気付いた。
ルイズの様子が、明らかに変であることに。いや、変と言うのは少々失礼かもしれないが……とにかく違和感を覚えるには十分だった。
そんなルイズが震えた声で目の前の男の名を呟くと、呼ばれたワルドは人懐っこい笑みとともにルイズに駆け寄り抱き上げた。
「久しぶりだな、僕のルイズ! 相変わらず軽いな、きみは! まるで羽根のようだね!」
770人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:21:12 ID:TQX6F93q
「……お恥ずかしいかぎりですわ」
目の前で突如起こった出来事に、完全に蚊帳の外状態の瀬川は、口をあんぐりあけたまま立ちつくした。
どうも、この二人知り合い……以上の関係らしい。
叔父などにしては親しすぎるが……かといって恋人と言うには年が離れている。
とにかくよくわからないが、邪魔してはいけないということを感じ取り、
忠実に、静かに伏せて待っているグリフォンに何となく話しかけてみる。
「君、しゃべれる?」
じっと瀬川を見つめた後、首を左右に振るグリフォン。
鋭い眼光だけでなく、深い知性を感じさせるその幻獣とともに、二人がじゃれあうのを眺める瀬川。
しばらく俗に言う二人だけの世界に浸った後、やっと瀬川の存在に気付いたかのように話し始める二人。
「僕のルイズ、君はよく知っているが、彼は?」
「あ、あの……私の使い魔のコウジです」
「瀬川耕司です、これからよろしくお願いします」
そう言って握手のため手を差し出すと、両手で強く瀬川の手を握り返してくるワルド。
「そうか、君がフーケをルイズと一緒に捕まえたという使い魔か! その勇気といい、先ほどの言葉と言い心強いな!」
形のいい口髭を揺らし、豪快に笑うワルド。体格もよく、瀬川より一回りは大きい肩を揺らしている。
なんとも気持ちのいい人物だなあと思う反面、ルイズの態度から多少危ないところがあると思ってしまう。
放っておくのも何なので、勇気を出して聞いてみる瀬川。
「あの……ルイズとは知り合いなんですか? 随分と仲が良さそうですが」
「ああ、ルイズは僕の婚約者さ」


「……は?」


打てば響くと言うように、何の臆面もなく即答するワルド。その答えに、思わず言葉を失う瀬川。
どう見ても、ルイズは12,3歳だ。その子の婚約者……?
もちろん、瀬川の知識の片隅に、地球の中世ヨーロッパなどは婚約などが速かったという情報はある。
だがしかし、瀬川の倫理観としていろいろぶっ飛んだ台詞で、そんな知識など因果地平の彼方に消えていた。
「ええ!? だってルイズはまだ中学せ……じゃない、12歳くらいじゃないですか!?」
ちょっときょとんとした顔になったが、直後火がついたように前より大きく笑い始めるワルド。
何かがツボだったのか、目元に涙が浮かんでいる。


「何を言ってるんだい! 僕のルイズは16歳だよ!」


ワルドに背中をたたかれる瀬川。瀬川はワルドの予想外の言葉に言葉を失った。
「え……、……えッ!?」
慌てふためく瀬川の様子を見て、さらにワルドは笑う。
771人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:21:43 ID:TQX6F93q
「まあ、女性にとって若く見えることは名誉なこと。僕のルイズ、気にする必要なんてないさ!」
そんなワルドのフォローが、余計悲しい瀬川だった。
だが、そんな瀬川を置いて、ワルドはグリフォンを立たせると、ルイズを抱きかかえ、グリフォンにまたがる。
「では出発だ! 本当に馬に乗らなくていいのかね?」
そんなワルドの声に、憮然とした表情で瀬川は答えた。
「……大丈夫ですよ、他人を見る目がなくても自分を見る目はあるつもりですから」



人のいい使い魔



「あの……大丈夫ですか? 俺がそっちに合わせますから、気にしないでください」
「気使いは無用だよ、僕のグリフォンはこのくらいでどうにかなるような訓練はしてないから」
「いやでもどう見てもかなり疲れてますけど……」
瀬川が後ろを振り向くと、首を下にうなだれ、荒い息をするグリフォンが、一休みを兼ねて水を飲んでいるところだった。
瀬川は、タオルを引っ張り出して汗を拭きながら、軽く水を口に含む。
なんとも奇妙な図だったが……驚くことに幻獣がへばり、瀬川はピンピンしているのだ。
最初にワルドが軽い気持ちで、瀬川に合わせてグリフォンを飛ばすと言ったのがこのグリフォンの災難だった。
早馬を走らせ続けるくらいの速度なら、グリフォンも息を切らすことなく飛び続けられただろう。
グリフォンは風の幻獣である。馬よりも速い程度ならそれを維持して飛ぶのも簡単だ。
だが予想以上に身体能力が上がっているようで、早馬の2倍速に近い速度で走り続ける瀬川。
それを相手にしては、並んで飛び続けると言うのは酷というものである。
ワルドがあえて障害物もあるが、飛べばなんてことのない最短距離を選んでハンデを縮めようとしたのだが……
30m以上平気でジャンプできる瀬川ではもはや飛べるのと大して差がない。
しばらく休んだ後、へとへとのグリフォンに足を合わせ、途中からスピードを落としていたが、
それでも日が暮れる頃にはラ・ロシェールの入り口に着いてしまった。


「結構近いですね。これなら一日で往復できそうです」
「どれだけ桁が外れてるのよ……」「いやはや、君は本当に平民か……?」


一人さわやかな瀬川を見て、二人が逆にげんなりとした調子で言った。
だが、瀬川は、さらに無茶苦茶なことをにこやかに言い放つ。
「さあ、今日中にアルビオンまで行きましょう! 一刻を惜しむ状況ですから!」
火急の状況とは言え、まだまだ走る気の瀬川をなだめるようにワルドはグリフォンに降りてこれからを説明する。
「いや、アルビオンが一番この大陸に近づくのは明後日だ。それまで船は出ないよ。だから、ある程度余裕を持たせて馬でも十分のつもりだったが……
 君が速すぎて予想以上に早く着いてしまったようだ」
「……船? 船ってここは渓谷じゃないですか。どこに海や運河があるんですか?」
「いやいや海を行く船じゃない。空を行く船に乗るんだ」
ワルドがことなげに言う。
瀬川は、『空飛ぶ船』という言葉に目を丸くした。この世界、グリフォンと言い、ドラゴンと言いポンポン空を飛ぶ。
もしかして、空の交通状況は瀬川の世界より忙しいのではないかと持ってしまうほどだ。
しかし、急ぐ時に限って2日の足止めとは。これが凶と出るか吉と出るか気が気でない瀬川。

首を一度コキリと鳴らし、街に入ろうとしたとき。
不意に空からたいまつが降り注いだ。

「なんだ!?」
「奇襲だ! 伏せろ!」
772人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:22:30 ID:TQX6F93q
ワルドの迅速な指示で、慌てて瀬川も頭を伏せる。
次の瞬間、矢が夕日の中降り注いだ。軽い音ともに、何本もの矢が地面に突き刺さる。
ルイズに向けて放たれた矢を、ワルドの風がまとめて吹き飛ばした。
「はあああああ……はっ!」
瀬川が、意識を集中させる。
矢が当たる直前、体に当たる部位に精霊の力を集めると、矢は突き刺さることなく地面に落ちていく。
瀬川の弱い精霊の力では、文字通りの反射――相手に矢を跳ね返す――は無理でも、体に突き刺さる前に、撃ち落とす程度のことはできる。
瀬川は地面に落ちている小石を拾うと、手首のスナップを利かせて、強く横回転させて矢を放つ人影に投げつけた。
弧を描くように、相手の迫る小石が、正確に木で出ていた相手の弓を貫通した。
横に移動を繰り返しながら、最低限当たる矢を弾き、小石で相手を傷つけることなく武器だけを破壊する。
そんな瀬川を見て、ルイズを退避させているワルドは小さく口笛を吹いた。
「なるほど、人を傷つけるのは好まない、ということか!」
ワルドが短く詠唱すると、風が発生し、今まさに瀬川に弓を射ろうとした男の弦がぷっつりと切れる。
そのまま、崖の上の男は盛大にすっ転んだ。
その様子を見て、瀬川はわずかにワルドに視線を向ける。すると、ワルドもそれに気付いたのか、口の端を僅かに釣り上げた。
「君が無駄な血を流すのを好まないと言うのなら、貴族としてその高潔な行いを助けるのは義務と言えないかね?」
瀬川も、親指をワルドに立てた。お互いが、お互いの言動を肯定する。
改造人間と、魔法衛士隊のタッグ。そこらの物取り風情が相手になるはずがない。
けして瀬川たちも相手を傷つけず、相手はその力量差から3人を傷つけることができない。
業を煮やした連中は、手に剣や斧、クワといった鉄器を持って、直接叩くべく駆け下りてきた。
だが、次の瞬間空から舞い起こった竜巻のあおりを受け、次々に倒れていく。
中には、降り切っておらず崖を転がり落ちる者もいた。
「おや。風の魔法じゃないか」
風で帽子が飛ばないように唾を軽く押さえながら、ワルドが呟いた。
したたかに硬い地面に体を打ち付けた男たちを尻目に、夕日の中見覚えのある影が下りてくる。
その存在の起こす風を感じて、慌ててクモの子を散らすように消えていく。
瀬川は、驚いた声を上げた。

「シルフィード!」

そう、確かに間違いなく森で何度なく見た――そして言葉を交わした――風韻竜がいる。
地面にゆっくり降りてくると、その背中には小柄な少女が乗っていた。
先ほどの大風を起こしたのは彼女だろうか。
シルフィの背中に乗っている少女は、人間になったシルフィにそっくりな青い髪と瞳だった。
おそらく、二人、もとい一人と一頭が並べば姉妹と思ってしまうだろう。
杖をふって小さな風を起こすと、シルフィの背中からゆっくり降りてくる少女。
いまいち、状況がつかめない中、その場を代表してワルドが少女に近寄っていく。
「すまないが、君は何者かな? 悪いが、あまり人に言えない都合で動いているんだ。返答次第によっては……」
ワルドは、言葉の中に丁寧ながらも最悪実力行使も辞さないことを織り交ぜていた。
しかし、そんなワルドの言葉を無視し、少女は瀬川のほうをじーっと見つめている。
瀬川もそれに気付いて、いったいなんだろうかを頭を悩ませている時、少女がすっと腕を上げた。
指でまっすぐ瀬川をさし、一言。

「昨日、話をしてもらう約束をした」

「は……?」
ルイズとワルドも、揃って瀬川を見る。
一斉に視線が集中した瀬川は、たじろぎながらも頭を回転させた。

   ちょっと待て。話をするって約束したのはシルフィだよな?
   なのに、なんでこの子が言うんだ? というか何で知ってる? 
   いやそもそもなんで今日ここに来ることを……「ってうわあああっ!?」
773人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:23:05 ID:TQX6F93q
「きゅいきゅい!」
シルフィが、瀬川にのしかかるようにじゃれついてくる。
つぶされてはたまらんと身をかわすと、シルフィはやっぱりこっちを追ってる。
もしかして……怒ってる!?
そこでやっと瀬川の頭の中で線が一本につながった。
シルフィは、かなりおしゃべりだったが、風韻竜であることを隠すために人前では話せないのである。
だから、今瀬川に言葉を話さず、行動で感情を示しているのだろう。
だとすると、先ほどの少女の台詞は、少女の言葉ではなく、シルフィの代弁で……
ちらりと少女を見る。
もう完全にこっちに興味を失っており、立ったまま黙々と本を読んでいる。
「悪い! 確かに約束したけどこっちにも都合があって……」「きゅい! きゅいきゅいきゅい〜!」
追いかけっこをする瀬川とシルフィを見て、ルイズとワルドはわけがわからないと顔を見合わせていた。

正直、助けてほしかった瀬川だった。



瀬川は英雄と呼ばれても差し支えない人間だ。
世界を滅ぼす悪魔と、精霊全ての代表としてたった一人で戦い、勝利した。
誰に誇るわけでもなく、誰かに知れることもないに、だ。
けして、その功績は称えることはない。けれど、けして色あせぬ英雄の心と力を持つ。
誰よりも真摯であり、人のために身を削ることを省みない。
そんな、英雄。

そしてその英雄は―――風韻竜の前で頭を下げていた。
「いや、本当に悪かった。けど、この国の一大事だったんだ」
完全完璧に平謝りの瀬川に、腕を組んでお怒りのシルフィと、瀬川を完全に無視し闇夜の中かかがり火で本を読む少女。
ワルドとルイズは、一足早く宿に入ってしまった。
だが瀬川は、きちんと帰ってもらってからとルイズたちに叱られる羽目になり……
街のはずれの人気のない場所にてシルフィに事情を説明することになった。
「しかし、なんで俺がここに来ると分かったんだ?」
「きゅいきゅい! お姉さまとお出かけして帰ったらコウジがどこかに行くのが見えたのね!」
「……それで追いかけてきたの?」
理由が理由になってない気がしたが、口にしたらシルフィがまた怒りだすので黙っておく。
ともかく、急ぎの様子で朝早く姿を隠して瀬川がどこかに行くのを、シルフィは見た。
で、なんとなく今日は帰らない気がして、約束破るんじゃないかと思って追ってきた。
お姉さま、飛ばれた少女はシルフィにとりあえずGOサインを出したらしい。

お姉さまとシルフィに呼ばれる少女を見ると、我関せずの様子で本を読んでいる。
正直、GOサインを出したと言うより、どっちでもいいから適当にいいよと返事をしたんだとしか思えない。
「君、その……名前は? 君がシルフィのご主人なのかい?」
ぱたんと本を閉じ、瀬川の顔を1秒ほど眺めた後、呟くように言った。
「タバサ。そう」
『タバサ』というのが名前で『そう』というのがシルフィのご主人であることへの肯定……だろうか。
また、本を開いてページをめくり始める。それ以上、口を開かない。
シルフィは元気すぎて困るくらいだったが、こっちはこっちでまた別の意味で困る。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:23:19 ID:6CHCtqsB
支援
775人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:23:37 ID:TQX6F93q
こっちに嫌悪などマイナスな感情を抱いている様子もない。
が、瀬川に対して完全に無関心なようだった。
あー、とかうー、とか手がなくつぶやきながらもどうにかしようとする瀬川。
そもそも、別に瀬川はタバサと話をする必要ないはずなのだが、元気ない子がいるとどうにかしたくなるのがこの青年の人の良さだ。
話を振ってみるが、「そう」の一言で流されてしまう。

どうしろと。

瀬川が肩を落とすと、瀬川の背中にシルフィがぶつかった。
「きゅい! こっちを無視しない〜!」
どうやら、タバサにばかり話しかけていたのがシルフィには不満だったらしい。
せっかくなおりかけてきたご機嫌もまた斜めになりつつあるのが見た目一発で分かる。
「ごめん、ごめん。それじゃ、昨日の続きを話そうか」
月光の下、大きめの石に瀬川は腰を下ろすと、続きを話し始めた。
昨日は、フォッグライダーと……先輩と戦ったところまでだった。
今日、話すのはフォッグとの戦いの佳境。全ての終わり。

  それで、僕はフォッグマザーの体内に入り込んだんだ。そこにいたのは、最後のフォッグの戦士だった……

朗々と、静かな夜空に瀬川の声だけが響く。
少しずつ進んでいく物語。
瀬川は、時々つまりながらも最後の戦いを話した。
地上全ての精霊が瀬川と協力し、40メイルの巨神となった瀬川は、世界を破壊する悪魔と正面から戦ったことを。
その戦いは、熾烈なものだった。
敵の首領であり、宇宙戦闘母艦であるフォッグマザーの放つ砲弾が、宮廷よりも大きな建物を一撃で粉砕し、山を吹き飛ばし、地形を変えていった。
瀬川は正面からその炎に飛び込み、拳を何度となくフォッグマザーに突き立てた。

「コウジは怖くなかったの?」
「いや、怖かったよ。でも、自分が負けて全てが失われてしまうことのほうが怖かった」

信じられない規模の戦いに対するシルフィの問いに笑顔で瀬川は答えた。
瀬川は、最後にジャンボライダーキックを放った時を思い出した。
あの時、大気圏を突破し、空の彼方から見た地球と蒼さと美しさは絶対に忘れない。
世界は美しい。だから、失われないように守る。

「………これで、俺の話は終わりだ」

僅かに降りた静寂の後、シルフィが手をたたく音だけが聞こえていた。
「俺のつたない話でも、楽しんでもらえてうれしいよ。けど、こうして話すとなんだか懐かしかった」
「コウジ! それで、最後はどうなったの? コウジは今ここにいるけど、小さくなれたの?」
「ああ、精霊が力を貸してくれただけで、俺一人で大きくなれたわけじゃないからね。
 精霊が離れると、俺も元に戻ったんだ。心を失っていた人々も、精霊の力で心を取り戻せたし――」
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:23:54 ID:6wyEYXgO
支援
777人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:24:12 ID:TQX6F93q
「話して」
突然、シルフィと瀬川以外の声が挟まれた。
驚いた顔で、声の元に瀬川は振り返ると、タバサはもう一度繰り返した。
「心を失った人々をどうして直したか、話して」
このときだけは沈んだ表情を見せるシルフィを瀬川は見た。
突然のことに何も言えなかったが、シルフィの表情から何か大切なことに関わるのだと思い、真顔になる。
「フォッグの瘴気が原因で、体の中の精霊の力を乱されたから心を失っていたんだ。
 だから、大神官ブレンが、体内の、精霊の力の流れを正常に戻したんだ。そのおかげで、また元に戻れた」
「精霊の力の、流れを元に戻す……あなたは、それができる?」
「いや、流れをつかむことはできるが、今は無理だ。精霊が力を貸してくれている時なら、できるんだけど……」

――知り合いに、そう言う人がいるのか?
喉まで昇っていたその言葉を瀬川は呑み込む。聞いていいことか分からない。
不用意に聞いていいものか、少し悩んだが……瀬川は聞かないことに決めた。
「…………」
完全に、無言。
夜風が草を擦る音がその場を支配していた。
無言。――それが意味するのは、はたして――。

「それじゃ、宿に行こうか。もう夜も遅い」
わざと声を弾ませて、二人に瀬川は話しかける。
ポンと、背中を押し、ルイズとワルドがいる宿屋へ直行する。
少しきしむドアを開けて宿屋を見回す。
一階で食事を取れるようになっていて、二階がどうやら宿になっているようだ。
夜も更けていたためか、客の姿はほとんどなかった。
「悪いけど、今から料理お願いできるかい?」
瀬川がカウンターで一人コップを磨いていた男に話しかける。
すると、男は愛想よく、
「はい、あの貴族さんたちのお連れの方ですよね? もし、あなたが着たら料理をふるまうよう前払いでいただいておりますので」
どうやら、ワルドが気を利かせてくれていたようだ。
3人(シルフィは人間の姿でいつもの服を着ている)で、テーブルについた。
大きく音を腹が立てる。慌てて、瀬川は腹を押さえた。
そういえば、今日は、昼過ぎからほとんど何も口にしていないのを思い出す。
あれだけ動いていたのに、それ以外に気をまわしていたので気付かなかったのが、ここにきて一気に来ていた。
「はい、おまち!」
次々と運ばれてくる料理に、瀬川は目を回した。いくらなんでも、3人で食べるには量が多い。
そもそも、ここに来るのは本来瀬川だけのはずだったのだから、その分量でいいに……テーブルいっぱいに料理が並んでいる。
「……うまい!」
一口、口に含んで、瀬川は正直にそう思った。
ワルドが、貴族も泊まれるここらで一番いい宿と言っていたが、それもうなずける。

視線を上げると、シルフィがすさまじい勢いで肉類を食べていたし、タバサも一定のペースでサラダをつついている。
うかうかしていると肉料理はすべてシルフィが平らげてしまいそうで、瀬川は急いで自分が食べる量だけは皿に取り分ける。
ご機嫌で騒ぐシルフィ。瀬川も腹の膨れもあって口数が増えていく。
タバサも、シルフィに絡まれたら、ではあるが話に参加している。
騒がしくなる一階の3人。
笑い声が絶えないその場に、4人目が現れた。
「本当に元気ね、コウジ。あれだけ走ったのに……」
寝るためなのか、マントを外したルイズが騒ぐテーブルを見て言った。
「悪い、起こしたかな?」
778人のいい使い魔:2008/08/08(金) 20:24:47 ID:TQX6F93q
「いいわよ、眠れなくて起きたから」
しかめっつらのルイズが、テーブルにつく。
そして、ワインを注ぐと、一気に飲み干してため息をついた。
「どうしたんだ? やっぱり機嫌が悪そうだけど……」
「違うわ、少し考えごとしてるだけ」
2杯目も一気に飲み干すと、ルイズは、ぼけーっと窓から見える月を眺めていた。
正直、未成年のルイズがこうもお酒を飲むのはあまりいいものとは思えない。
未成年の飲酒は、体の成長を阻害することもあるのだ、ルイズなら、なおさらそれを気にしてやらねばならない。
が、この世界ではルイズの年でも普通に飲むので、遠まわしに酒を飲むのをやめるように言ってみる。
「よかったら、話してくれないか? なんでも聞くよ? 飲んで潰れちゃうと話もできないだろうし、話して話して」
言っているそばからワインを口に含むルイズ。その後、無言でサラダをつついてから話し始めた。
「別に……子爵さまからこの勅命が終わったら結婚しないかって……」
「……結婚?」
「そう、結婚」
瀬川は、重くなった頭を手で思わず支えた。

婚約者、というのはまだ分かる。
婚姻の約束した者という文字通り、これから結婚しようと言う約束だからだ。
だから、別にルイズが20歳や25歳になってから、結婚するということもある。

けれど、今すぐ? (非常に失礼ではあったが)このルイズと……すぐに結婚?
ワルドに対してかなり心象が悪化していくのが自分でも自覚できた。
憎悪とはまた違うが、あまり近寄りたくないというもやもやを、どうにか瀬川は心の片隅にどける。

「それで、返事は?」
「……してないわ」
犯罪が未然に防がれたような安堵感をなぜか感じつつも、ルイズの複雑そうな表情に瀬川は気付いた。
「迷ってるのかい?」
「ええ。子爵様は好きだけど……まだ早い気がして。やりたいこともあるから……」
その答えを聞き、微笑とともに瀬川は頷いた。
「そりゃ早いさ。君たちの年ごろならやりたいことも多いだろう? 
俺の世界の話で恐縮だけどさ、26、7歳くらいで結婚する人が多いんだ。30歳超えてからの人もいる」
 この世界じゃどうかわからないから無責任なこと言えないけど、まだまだやりたいことを先にしていい年ごろだよ、ルイズ」
「……朝までひどい勘違いしてたとは思えない言葉ね」
瀬川は苦笑すると、ルイズの肩にポンと手をかけた。
「ごめんごめん。それで、やりたいことって?」
「別に……」
口をもごもごさせて……視線を左右に振るルイズ。
瀬川は、静かにルイズが答えてくれるのを待っていた。
しばらくして、ワインをまた一口飲んでから、ルイズが言った。

「誰からも認められるような……メイジになることよ」

その一言のあと、うつむいてしまうルイズ。瀬川は、明るい声でルイズの夢を肯定する。

「……いいじゃないか。なんで胸を張って言えないんだ?」
「だって……『ゼロ』の…… ひゃ!?」

パン!と大きい音が、宿に響く。瀬川がルイズの背中を痛くない程度に軽くはたいたのだ。
条件反射で背骨を伸ばすことになり、驚きながらもルイズは上を向いていた。
瀬川は上からルイズを覗き込んでいる。
今日初めて、瀬川とルイズの視線があった。

「別に今がどうだなんて、関係ないさ。信じれば、夢は必ずかなう。そのためには……」

瀬川は、ルイズの頭をなでながら、まっすぐに言った。
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:24:49 ID:pX5/5p9Y
SIEN
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:29:44 ID:SeC0q2ZP
支援
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:33:18 ID:X/Y1f1cb
支援
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:34:09 ID:rRQY30Fp
さるさんかな?支援
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:40:15 ID:BxLfPTsl
猿の場合は支援無意味よ
784代理:2008/08/08(金) 20:43:47 ID:9phFw6sh
「自分が夢を信じることさ。誰かに恥ずかしがる必要なんてないんだ。君は君だ。
ほかの人と比べて何になる。自分の信じたことなら、周りのことなんて気にすること、ないさ!」

笑顔で親指を立てる瀬川を見て、ルイズもつられたように笑いだした。
「前から思ってたけど……ずいぶん変わってるわよね。『チキュウ』はコウジみたいな人ばっかりなの?」
「いや、そういうわけじゃないけど……というかどういう意味だよ? ルイズこそ、考えすぎなんだ。
もっと楽しんでもいいと思うよ」
「あんな風に?」
ルイズが指さす方向には、うわばみの如く酒を飲み、真っ赤な顔でタバサに絡むシルフィ。
気付けば、料理もかなり平らげられている。
ルイズと瀬川が話している間に、タバサとシルフィがほとんど食べてしまったようだ。
……すさまじい大食である。どこに入ったかほとほと不思議だ。
「いや……ここまではどうだろ……」
「というか、彼女誰? お姉さまとか言ってるけど、どう見ても身長とか逆だけど」
「いや実際妹らしいし……いろいろあるんだろう」
どうにかフォローしつつ、話をそらそうとする瀬川に、シルフィが対象を変えて瀬川に絡んできた。
「悪口言ってる! きゅいきゅい!」

なんだか、半分宴会になりながらも、笑顔を絶やさず騒がしく夜は更けていく。
結局、つぶれたシルフィをタバサが運び、胸のつかえが取れたことと酒の酔いで寝てしまったルイズを瀬川が運ぶことになったのは言うまでもない。




で、そんなどんちゃん騒ぎの次の日――夜。

「……なんで気付いたらこんなことになってるわけ?」
「俺に言われても困るなあ……」
「ふむ、弱ったな」
「………」

瀬川たちは、完全に野党に包囲されていた。
次の日の出発のため、早めに手続きをとり、宿で英気を養っていた三人と、シルフィがごねたせいでまだいた一頭と一人で、合わせて五名。
宿をぐるりと包囲する野党が、今まさに宿に入ってこようとしていた。

テーブルの陰に体を隠す5名。
「まさかこちら妨害のため、ここまでするとは。いや向こうにとっても生命線である以上は当然か」
「とは言ってもどうします? こう、どちらからも来るとなると昨日みたいにやるのは難しそうですが……」

ワルドと瀬川が顔をしかめる。
瀬川は、とりあえず手元にあった木のコップを思いきり投擲した。
中に入ろうとしていた野党の一人が頭部にコップをぶつけられ、昏倒して倒れる。
「やはり、この包囲網を突破することが第一だ。一旦抜ければ、あとは一方向から迎撃できる。
 そのまま、桟橋へ直行できれば早いが……」
「むこうもそれは読んでるでしょうね、確実に」
785代理:2008/08/08(金) 20:45:49 ID:9phFw6sh
ワルドのエアハンマーが窓枠ごと数人を吹き飛ばした。
「それに、桟橋についても出発まで時間を稼がなくてはいけない。となると……」
「囮、が必要ですね」

瀬川は、全てを察して立ち上がる。
相手が姿を見せたことで、矢を浴びせようと一斉に弓を絞る野党たち。
しかし――
「遅い!」
瀬川の鋭い踏み込み。一瞬で甲冑をつけた野党たちに肉薄し、拳を振るう。
強く胸を叩く瀬川だったが、流石に変身前では甲冑ごしにダウンさせられるほどの力はない。
だが、相手が態勢を崩すだけで十分だ。

後ろから、2人の風の魔法が、態勢を崩した男たちを追撃する。
全員で駆けるため、玄関までの正面突破。ドアを蹴り破って、瀬川は外へ駆け出た。
途端、降り注ぐ矢。
「……ぐ、あっ!」
体全員を覆うように、自分の体内にある精霊の力を張り巡らせる。
しかし、それでは一か所あたりの守りが弱く、十数発の矢のうち二本が瀬川の右肩と左太ももに突き刺さった。
足を止めるわけにはいかない。
突撃手であり、後ろにいる人の道を切り開くため、屈するわけにはいかない!

黄色いブルゾンの血のしみが広がるのも気にせず、瀬川は跳躍。第二射を回避する。
そのまま、上空から強烈な蹴りを放つ。
地面が崩れ、その周囲にいた野党がバランスを崩す。
すかさず、五指を開き、相手の顔をつかむと地面に叩きつけた。
これなら、甲冑のつけた相手でも一撃で沈めることができる。

背後から、巨大な戦斧を振りかざす野党を、振り向きざまに姿勢を沈め、足払いをかける。
同時に裏拳を顔に追加。後ろに派手な音を立てて他また一人倒れた。
集まってくる野党たちを、傷つきながらも足を使って優位な位置を維持し、けん制する。
時間を稼ぐたびに、何度となく風の援護が瀬川を救った。

宿屋前にいた集団を蹴散らしたが、行きつく間もなく町の中へ消えていく5名。
そこで、やっと瀬川は一息をつく。
「うッ……ぐ……!」
肩と、足から矢を抜く。血がべっとりと付き、地面に血が滴った。
「大丈夫なの!?」
ルイズの、心配そうな声。瀬川は無理矢理になっていたが明るい声を絞り出す。
「た、いじょうぶさ……このくらいならね。それより、みんな。早く行くんだ。俺がここで食い止める」
「あとから、合流しようと思うが……運が悪ければ君を置いていくことになる。……覚悟はあるかい?」
ワルドが、真剣な顔で問いかける。
それは、最悪敵の真っただ中に一人残されるという事態への確認。

「もちろんです」

野党の声が、近い。
瀬川は、4名に背を向けると、野党の声のするほうにむけて構えをとった。
「わかった。君の覚悟、しかと見た。ならば、僕も誓おう。必ず、この任務を完遂すると」
言葉は、不要。瀬川は一度薄く笑うと、野党へ突っ込んでいく。
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:47:04 ID:k+SvAEwC
人がいいにも程がある支援
787代理:2008/08/08(金) 20:47:50 ID:9phFw6sh

「うおおおおおおおっ!」

瀬川の気迫が、咆哮が冷えた夜空にしみこんでいく。
旋風となった瀬川が、人波に呑まれていった。
振り下ろされる剣を、横から叩いて砕く。奔る矢を、受け止める。拳を打つ、打つ、打つ!
全方位、余すことなく敵だらけの中、腕を振るう。
また一人、また一人と倒れていく野党の中、瀬川は両足でまっすぐと立ち続ける。
けして、相手に大けがはさせない。誰一人として殺さず、意識を奪っていく瀬川。
そんな戦い方をしなければ、おそらく怪我もせず戦えただろう。
しかし、それはしない。決して、この力は人を傷つけるものではない。

守るための力なのだ。

脇腹を剣が貫くが、即座に反撃。矢を抜き放ち、逆に投擲。相手の武器を、拳で粉砕。
決して……膝はつかない。

いつの間にか、奇妙なこう着状態ができていた。
瀬川の力を知った野党たちが、先ほどまでのように攻め込もうとせず、一定の距離をとってただ包囲している。
瀬川は、その中、体に新たに刺さった矢を抜き放ち、闘志に満ちた瞳で周囲を見つめる。
その時、突如、大風が起こった。瀬川を中心に、周りにいた野党を吹き飛ばす。
「……タバサ!?」
空を見上げれば、直上には、ドラゴンに戻ったシルフィに乗る彼女の姿。
「コウジ! 乗って!」
シルフィが、急降下し、瀬川を乗るように急かす。瀬川は、高く跳躍すると、その背に飛び乗った。
「あなたには、まだ聞きたいことがある」
タバサが、呟くように言った。どうやら、彼女は瀬川を助けてくれるようだ。
彼女がもう一度杖を振ると、ただ完全にのびてなかった野党が再度吹き飛び、地面に転がっていた。

「わ、るい。助かったよ……」
息も絶え絶えに、お礼を言う瀬川。
きちんと言うつもりだったが、怪我のせいか呼吸が荒い。
「桟橋まで、言ってくれると助かる―――」

そこまで言った瞬間、街の一角が吹き飛んだ。
瀬川が目を凝らすと、そこから巨大な何かが立ち上がっているのが見える。
その肩に乗る、黒いローブの人影。
「まさか、あれは……フーケ!? 捕まったはずじゃ!?」
「嬉しいね。覚えててくれたなんてさ!
親切な人が居てね、私みたいな美人はもっと世のため人のため働けって出してくれたのよ!」
フーケが杖を振ると、ゴーレムが腕を伸ばしてシルフィをつかもうとした。
タバサが魔法を唱えると、竜巻が巻き起こり、ゴーレムにぶつかる。しかし、ゴーレムはびくともしない。
せいぜい、手を逸らした程度だ。
「こんどは泥じゃなくて岩で作った特製さ! そうそう簡単にいくと思わないことさね!」

「なら、直接、そっちを叩く!」
瀬川はシルフィから飛び降りて、ゴーレムの肩へ飛び乗った。
そこから、一気にフーケに走り寄る。
「はっ! そんなのは予想済みだよ!」
ゴーレムの拳が、守るようにフーケを包み込む。
一泊遅れて瀬川の拳が衝突するが、岩でできたゴーレムの腕にはヒビが一つ入るだけだった。
連続で拳を振るって、貫通させようとする瀬川。
だが、貫通するより早く、ゴーレムのもう一方の腕が瀬川に放たれた。
「く―――!」
ギリギリまで殴りつけていたため、無理な姿勢で回避することになりゴーレムから落下する瀬川。
しかし、それをシルフィがすくい上げた。
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:48:05 ID:JmUX0x49
あまりの人のよさに支援せざるを得ない
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:49:13 ID:7qwy1rjC
野党?野盗?夜盗? 与党?
790代理:2008/08/08(金) 20:49:51 ID:9phFw6sh
焦る瀬川―――時間がない。しかし、これを放置しては桟橋など簡単に破壊させてしまう。

いや……それだけではない。脇腹を瀬川は押さえた。血が、べっとりと手に張り付いている。
全身、矢傷や切り裂かれ、ブルゾンの黄色の部分のほうが少ないくらいだ。
一度、脇腹に剣が直接入ったのがまずかった。

「……シルフィ。一度だけ……一度だけでいい。ゴーレムの上まで飛んでくれないか?」
「きゅい!?」
「あと、その後俺を拾って桟橋に届けてくれ。多分……動けないから」
「コウジ、何をするつもり!?」
シルフィの言葉を遮って、タバサは「急いで」と指示を出す。時間は1秒すら惜しむ。
瀬川は、拳を握りしめ、呟いた。
「一瞬……一瞬でいい。3割でもいい。再現できれば倒せるはずだ……!」
ゴーレムが腕を振り上げ、暴れる中、シルフィが突っ込んだ。
腕をかいくぐって、シルフィが、ゴーレムの真上40メイルほどの位置に到達する。

「これが、俺の今の限界だ……行くぞ」

瀬川が、ゴーレムに向けて落下する。ゴーレムは、落ちてくる瀬川をひねり潰さんと待ち受けていた。
そんなことはもはや瀬川にとって関係なかった。

瀬川は、腕を剣のように振り上げ、念じた。瀬川の体は、精霊の力で動いている。
そのため、瀬川は精霊の力が無くなれば……死ぬ。
だが、そんなことはまず起こらない。かなり多量の精霊の力が瀬川に貯蔵されていることもある。
だがもう一つ大きな要因として、変身し、基本無尽蔵に精霊の力を使える時ならまだしも、平時は本能的にリミッターがつけられているからだ。
死を拒絶するするあらゆる生き物に存在する制限と、精霊がいる限り水車のように回り増える力の貯蔵。
無論、どうしようと人間一人が貯める力には限界がある。全てを使っても瀬川一人では変身できない。
せいぜい、変身した時の3割がやっと……いやそれ以下だろう。


だが、それを無視すればどうなるか。
制限を超えて、多量の力を使えば? 生を受けている限界までの力を振り絞れば?

そう―――



「ライダァァァアアア チョォォォップッッ!!」



瀬川の腕が、夜を切り裂く輝きを放つ。
精霊の力の輝きが、腕を包み込み、光の端となって伸びる。
瀬川は、腕をまっすぐ振り下ろした。
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:51:53 ID:9phFw6sh


ゴーレムの振り上げた腕にぶつかる。――一瞬でゴーレムの岩の腕が蒸発して結晶化した後、再度蒸発して焼失。

ゴーレムの顔に当たる。――両断される。

ゴーレムの胸に食い込む。――岩を蒸発させる熱量が、炎より激しく輝く。

ゴーレムの腹を切り裂く。――『仮面ライダーJ』の技の一つ、ライダーチョップの炸裂。


熱した刃でバターを切るように、股下まで一気に瀬川の手刀がゴーレムを切り裂いた。
切断面から超高熱を放ちながら、左右に別れて崩れていく。



「ウソ……なんだいあれ!? あんなのあり!?」
レビテーションで地面に着地し、仁王立ちする瀬川を見て叫んだ。
「まだ……やるのか?」
「いやいや、やらないさ! あんなことできるなんてあんた……何者だい?」

瀬川は、最後の力を振り絞って笑った。

「人間さ」

「ただの人間があんなことできるなんて思えないさ。けど、見逃してはくれるんだね?」
「待ってくれ。あなたを脱獄させて、こんなことをやらせたのは誰なんだ?」
瀬川は、去ろうとしていたフーケの背中に話しかけた。
「それは言えないね、そんなこと言ったら……いや」
そこまで言って、フーケは少し考え事をする顔になった後、肩をすくめた。
「ここで言わないとひどいことになりそうだね。それに、あんたとあいつ、どっちを相手にするかって言われたらあいつを選ぶさ」

あれは、一発かぎりで、瀬川は今にも倒れそうだったのだが、どうにか瀬川はそれを隠しているせいか向こうは勘違いしているようだ。

「依頼主は、あんたと一緒にいた貴族の……ワルドさ」

「何!?」

信じがたい――答え。
ありえない、あのルイズに見せていた顔は何だったのか――
そう思う瀬川を無視し、フーケはさらに言葉を重ねる。
「本当さ。あいつは、風のメイジだからね。『遍在』を使って同時に色々とできるってわけ」

「嘘……じゃないな?」

もう一度、念を押す。認めがたい事実に、足が崩れそうになるのをこらえる。
「待っておくれ。嘘をついたらあんたに何されるかわからないのに嘘つきはしないさ」
792代理:2008/08/08(金) 20:54:00 ID:9phFw6sh

ふっきれた様子でフーケは言った。
第一、 と前置きすると、長い髪を掻きながらさばさばとした笑みで、
「元々、誰にも肩入れしないフリーの盗賊のわたしが誰かと組んで、誰かのために……なんてちゃんちゃらおかったのさ。
 こんなことしてたら稼ぎも減ってあいつらを養えもしない」
「家族がいるのか?」
「おっと話しすぎたね」
ニヤッとフーケは笑うと、息を思いきり吸い込み、大声を出した。まるで、わざとそれを周囲に聞こえるようにするように。
「気を付けなよ! ここらにも、あいつの『遍在』がいるかもしれないからね!
 でもまあ、こんな時にしかけたらそれこそあたしが本当のことを言っちまったと告白するようなもんだけどね!」
それだけ言うと、けろっとした顔で、瀬川に近付くと、肩を叩いた。
「んじゃ、あとはがんばりなよ。わたしも途中までついてくんだし、守っておくれよ。
 ま、あんな力見せつけたあとじゃそう簡単に仕掛けてこないだろうけど」
「え……」
今度は、声を忍び、耳元に口をよせてフーケは言う。
「ちょっとアルビオンに行くんでね。こうなったらあんたらについてくのが一番さ。
 なに、桟橋まで着いたら距離をとってあの小娘にはばれないようにするから。
 急ぎなよ。もし、ここの『遍在』があんたのご主人の小娘と一緒にいるあいつとあったら、あいつは自分の正体がばれてるって気付く。
その前に船を出さなきゃ危ない」

シルフィが下りてくる。すると、突然のことに言葉を失っていた瀬川より速く、そそくさとその背中に乗るフーケ。
瀬川もまだ考えもまとまらなかったが、どうにかふらふらとシルフィに乗る。


――言えない。


――あれが、一発限りで……今の自分は全て使い果たし、ほとんどただの人間だということを。



全てを、本当にうまく運べるのか?



そう最後に考え……瀬川は意識を失った。
793名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:56:08 ID:9phFw6sh
代理終了っす
ライダー乙!
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:57:46 ID:pX5/5p9Y
000222!
続きに期待!!
変身したJを拝めるまで首を長くしてまってます。
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 20:58:33 ID:DBz2hCWi
作者さんも代理さんも乙っしたー。
ほんと瀬川さん良い人だなぁ…。
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:02:17 ID:pX5/5p9Y
前から気になってたけど、代理ってどうやってるの?
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:05:03 ID:FR642tvN
乙でした。瀬川人よすぐる…

>>796
どうっていうか代理スレに投下したのを誰かが適当にこっちに投下してるだけじゃまいの
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:05:08 ID:JmUX0x49
なんという人のいいライダー乙
タバサとの絡みも含めて次回も激しく期待してます
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:05:20 ID:SeC0q2ZP
作者&代理投下の御二方、乙です。
人の良すぎる使い魔って言いたくなるぐらい、瀬川さんええ人や。
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:07:18 ID:EhviGLCm
瀬川の人GJかつ乙、そして代理投下の人お疲れ様でした。
ホントいい人過ぎるよこのロリコン兄ちゃんは……。
なんかタバサ&シルフィやおマチさんまで合流しちまってどーなるんだろ?
次回も期待。

>>796
避難所の代理投下スレからコピペしてるんじゃないの?
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:13:10 ID:p5eKOctA
乙でしたー!

>>796
んー、もしかして避難所の存在しらないとか?
802名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:18:29 ID:6CHCtqsB
>>796

>>1を読むと幸せになれる。
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:20:56 ID:ISkPRUOO
帰ってきたら蠅様来てるー!
ひさびさにまたやるかなぁTTRPG
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:57:08 ID:HlCFPJjW
それにしてもこの時点でワルドの正体が完全にばれてるとは…新しい、惹かれるな…
805割れぬなら……(0/3):2008/08/08(金) 22:30:46 ID:kmeX7roU
投下予告

10時45分から作品を投下いたします。

もしも蒼天版曹操と賈言羽とあの人とあの人が召喚されたら。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 22:42:30 ID:4HM9SYem
sienn
807割れぬなら……(1/3):2008/08/08(金) 22:45:36 ID:kmeX7roU

森を焼く……
話を聞くと、賈言羽はプチ・トロワを出発する前からこの策を考えていたらしい。
事前に間者を放ち、村の情報を集めさせ、さらに森の複数個所に火薬の詰まった球を埋めさせてある。
後は合図一つでライカの森は火の海に変わるのだ。
これによって翼人達が焼け死ねば良し、逃げられたとしても、彼等は住居を失う事になる。

「先住魔法」

そこまで聞いたところで、タバサがごく簡潔に問題点を提起した。

「消火しきれない程、火勢を強くする事です。
 森の要所には火のメイジが8名待機しており、仕込んである火薬の量も併せて鑑みれば、消火しきるのは不可能かと。
 また、先住魔法は森の精霊の協力が無ければ有効に作用いたしません。
 森が焼ければ、翼人達の魔法も力を失う事となりましょう」

タバサは一瞬、妙に先住魔法について詳しい理由を訪ねてみたくなったが、すぐに考え直した。
翼人達にも気取られないように間者を張り巡らせ、さらに火責めの用意までしているような男が、まともに情報を明け渡すとは思えなかった。
むしろ、わざと疑念を抱かせるように喋っているかのようにさえ感じた。

「村人は?」

話題を変える。
少しばかり強引過ぎたかもしれない。

「森の半分は焼け残ると計算しております。
 また、この森は土壌が良く水源も近いので、焼け跡を畑に変えるのも簡単でしょう。
 まとまった農業生産が得られるまで多少の先行投資と2・3年の時間が必要でしょうが、
 既にガリア王は補助金の出資を承諾しております」

そこまで計算・準備をしているのかと、タバサはさらに警戒を強めた。
そして認識を改める、この男は本物ほ智者・賢者の類であると。
もしも賈言羽が敵にまわったら……首筋に感じた悪寒を、必死になって隠した。

「翼人は昼行性で、夜目もさほどきく方でもなし。
 決行は今夜、夜が明けるまでに決着をつけます」

「翼人が焼け残った森に再び住居を構える可能性は?」

「翼人は本来、好戦的な種族ではありません。
 わざわざ必争の地に居残る可能性は低いのではありますが、
 念のため、対策は考えてあります」
808割れぬなら……(2/3):2008/08/08(金) 22:47:05 ID:kmeX7roU

そうやって、計画の細部を詰めていた時だった。
タバサの耳に、足音が届いた。
ほぼ同時に賈言羽もその音に気づいたらしく、話を中断した。

「だれ?」

「ぼ、ぼくです……ヨシアです」



……中略……



ヨシアと途中から部屋に入ってきたアイーシャは、村の実情、翼人の生態、そして2人の馴れ初めの話をした。

驚くべき事に、その間シルフィードは黙ったままだった。
たぶん『賈言羽の目の前では絶対に喋らない』という約束を律儀に守ろうとしていたのだろう。

タバサは2人の話を黙って聞きながら、注意深く賈言羽を観察していた。
案の定と言うべきか、一度たりとも驚いた様子が無かった。
たぶん、全てが既出の情報だったのだろう。
さっきから『出ていく』だの『出ていく必要はない』だのと言い争っているが、おそらく、すぐに矛先はこちらに向かってくる。

「お願いです騎士様! お引き取りください! それかお城に訴えてください!」

ほらきた。
タバサは無言で賈言羽の方を向いて『どうする?』と視線で訴えた。

タバサにはもう、賈言羽が何と答えるのか予想がついていた。
『作戦は変更しない』
きっと賈言羽はそう言う筈だ。

賈言羽があらかじめあらゆる情報を集めていたのなら、
2人の話に未知の何かが無かったのなら、作戦を変更する理由は何も無い。
情に流されでもしない限り、作戦を変更するとは思えなかった。

「……一つ、策がございます」

賈言羽は数秒考え込んだ後、そう宣言した。
タバサは一瞬、己の耳を疑った。
809割れぬなら……(3/3):2008/08/08(金) 22:48:28 ID:kmeX7roU

「特に理由の無い敵対ならば、1度でも協力して何かをやらせれば、和解に導く事も可能でしょう。
 人間も翼人も森に生活の基盤を持っている部分は共通しております。
 故に森に火を放てば、人間も翼人も我を忘れて消火にあたりましょう」

「騎士様! 上手くいったらアイーシャと別れずにすむのですか!?」

「明朝の正午にでも実行いたします。
 ヨシア殿とアイーシャ殿はそれぞれの住処へと戻り、火の手を確認したらすぐに消火を呼び掛けていただきます。
 出火を事前に知っていたとわかれば、後々厄介な事になります故、できる限り不審な行動は控えていただきたい」

2人はやや緊張した面持ちで頷いた。

「くれぐれも普段通りの生活を心がけてくだされ。
 最悪の場合、今以上に両者の対立が深まる結果となりましょう」

もう一度、かなり力を入れて念を押す。

「やってみせます」

その力強い返答に満足したのか、賈言羽は僅かに眼を細めた。

「タバサ殿、作戦変更の通達、火薬の配置換えをして参ります。
 夜明け前に戻りますので、明日に備えて休息を」

そう言うと、賈言羽はヨシアとアイーシャと共に部屋から去っていった。
1人残されたタバサは、茫然としていた。
賈言羽という人物を、量りかねていた。
ガリア王と通じているかと思えば、まるでタバサを庇うかのような行動をとる。
綿密な計画、入念な準備をしていたかと思えば、この土壇場で作戦変更。

賈言羽が一体何をしたいのか、まるでわからなかった。

「何故……?」

気づけばそう呟いていた。

「すごい! すごいのね!
 感動したのね、憧れるのね!
 翼人と人間で恋仲なんてなかなかないのね!」

聞こえてくる声は、そんな実にどうでもいいものであった。
810名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 22:49:31 ID:pX5/5p9Y
SIEN
811割れぬなら……(4/3):2008/08/08(金) 22:49:58 ID:kmeX7roU

賈言羽の知力が諸葛亮よりも劣るなんて認めません。



次回、翼人との確執に決着。

月曜日、午後10時に投下予定。
812名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 22:58:55 ID:xy2mtj9n
孔明は政治家だからねぇ。
謀略の類は、裏社会とつながってたといわれる賈言羽の方が上だろうなあ。
813名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:02:20 ID:p/pm/U5A
知略はともかく、変態性なら圧倒的に蒼天孔明(重瞳版)に軍配が上がるな
814名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:24:27 ID:nZOrvOSg
孔明がまるで天才軍師みたいに思われるのは演義で神格化されたせいだからなぁ
並の軍師よりはそりゃ優秀だったんだろうけど、ガチ軍師どもに比べると……
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:24:28 ID:Kdko5/Av
はわわ軍師が変態と申すか
816変態といえば:2008/08/08(金) 23:24:34 ID:9e5xAx0C
変態で思い出したが、現在放映中の「ストライクウィッチーズ」から宮藤芳佳を
愛機(ストライカー)ごと召喚したら面白いかも?

デフォで治癒魔法使えるし、ストライカーで増幅されれば、広大・強固な防御魔法
と武器の攻撃力増幅(人工ガンダールヴ?)もOKだし(タルブ会戦では、一人だ
けで、レコンキスタ艦隊に一発の命中も許さずに全滅させそう)。

もっとも、本人の性格上、魔法学院の女生徒達の「胸」を揉みまくるかも・・・
同性とはいえ、ルイズの嫉妬が爆発するかも・・・
817名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:36:07 ID:CMa6uc0i
バッチグーを召喚。



ガンダールヴの力を得たバッチグーは、その力で大活躍!女の子に嫌われまくるのであった。
818名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:39:15 ID:8nZeAKf/
>>817
毒ガスの方が強い気がする。
早苗ならルイズは大切にしそうだな。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:46:21 ID:SlTvSBOP
>>815
董卓(注:ロリっ娘)と一緒にアッーな本を嗜む意味では或いは。

>>816
変態と言えば、バットマンと微妙に繋がりのあるスレイドを思い出す俺は希少動物に違いない。
820名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:47:03 ID:VG0je8vR
>>239
ピンクのおっさんを飲茶をいっしょにするなよ
おっさんはパワーアップイベントがほとんどなかったのに
最終決戦辺りまでいけたんだぞ
821名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:49:52 ID:84anddra
夏は暑い
822名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:53:51 ID:84anddra
夏は暑い
823名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 23:54:56 ID:ie0Wdbmx
現実の孔明は軍師としては定石に沿った安全策しか採れない中の上レベルなんだっけ?
内政や軍紀統率の能力は超人的だったけど、部下に任せられず全部自分でやらないと気がすまないから権力者としてはあまりよくないとも聞いたような
824名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:10:39 ID:tclVzNPG
熱血硬派くにおくん召喚
825名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:22:53 ID:E7luqM5M
男子の本懐の大木妹人召喚を一瞬だけ考えた
でも原作がなぁ……
826名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:35:12 ID:0vNNElRt
もしもゲドが召喚されたら……
とりあえず錬金の授業で説教かますな。
魔法観が違いすぎる。
827名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:36:56 ID:epZpZWlF
【国際】ロシアと親欧米国グルジアが戦争に!グルジア部隊がロシア軍機2機を撃墜。プーチン首相は「報復
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1218209525/



ロシアがグルジア空爆 南オセチア攻撃の報復 全面戦争に拡大も

【モスクワ=遠藤良介】世界各国の首脳が集い北京五輪が開幕した8日、ロシア軍機が旧ソ連、グルジアの
首都トビリシ近郊の軍基地を爆撃したほか、戦車からなるロシア軍の地上増援部隊を派遣した。
インタファクス通信などが伝えた。数発の爆弾が投下され、基地内には米軍顧問団が駐在していたという。
グルジアはこれに先立つ8日未明、同国北部で事実上の独立状態にある親ロシアの分離派地域、
南オセチア自治州への大規模攻撃に乗り出し、激しい戦闘で双方に多数の死傷者が出た。
同自治州の後ろ盾であるロシアがこれに対し、報復攻撃を敢行したものだ。
一方、グルジア側が、ロシア軍機2機を撃墜したとの情報もある。ロシアとグルジアが交戦したことで、
全面的な戦争に拡大する恐れが強まっている。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080808/erp0808082314011-n1.htm

グルジア、南オセチアに開戦 露と本格戦争の懸念拡大

【モスクワ=遠藤良介】世界各国の首脳が集う北京五輪の開催を目前に控えた8日、旧ソ連の親欧米国、グルジアが
同国北部で事実上の独立状態にある親ロシアの分離派地域、南オセチア自治州に対して大規模な攻撃に乗り出した。
同自治州では空爆を含む激しい戦闘で、多数の死傷者が出ている。プーチン露首相はこれに対し、
滞在先の北京で「報復」を宣言。同自治州の後ろ盾であるロシアも巻き込んだ大規模な戦争に拡大する懸念が出てきた。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:37:35 ID:epZpZWlF
【モスクワ8日時事】
インタファクス通信によると、南オセチア自治州での軍事作戦を開始したグルジアのサーカシビリ大統領は8日、
国家総動員令を発令、予備役に徴兵拠点に出頭するよう呼び掛けた。
同大統領は「国を救うにはこうするしかない」と述べた。
 大統領はまた、ロシア軍の軍用機数機が同日、グルジア領内を空爆し、人的被害が出ていると非難した。
グルジアのメディアは、同国中部ゴリなどがロシア機の空爆を受けたと報じた。(2008/08/08-17:30)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008080800658
829名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:42:07 ID:epZpZWlF
 グルジアは、カスピ海沿岸の巨大油田からロシアの領土を経ずに
地中海に至るBTCパイプラインの経由地点として、ユダヤ金融資本の
中核である大手石油会社にとって非常に重要性が高い地域である。

ユダヤ金融資本の世界覇権は石油ドル体制が基軸であり、近い将来に
国際基軸通貨がドルからユーロに移行しても、BTCパイプラインを通じて
カスピ海沿岸の石油資源を確保すれば、またイギリス・オランダ等の
親ユダヤ金融資本のEU諸国の力でEU政府や欧州中央銀行を乗っ取る
事が出来れば、世界覇権は何とか維持できるとの目論見もあるのだろう。

サーカシビリ親米政権を生み出した2003年の「バラの革命」と呼ばれる
政変、BTCパイプラインや南オセチア問題を巡るロシアとグルジアの対立は、
ロシアとユダヤ金融資本の間の戦いの代理戦争という見方ができる。

グルジアでは反ロシア感情が存在するという話もあるが、経済的にロシアに
依存しきったグルジアには反ロシア政策はそもそも許容されない。グルジア
では独立以来国民の生活難が続いており、近い将来にユダヤ金融資本の
支援で生まれた現在のサーカシビリ親米政権は崩壊して親ロシア政権が
誕生することは避けられないだろう。

現在ロシアでは、サハリンやシベリアの油田・ガス田から米英オランダ系
(=アングロサクソン・ユダヤ系)の大手石油会社が次々と追放され始めて
いるが、グルジア問題もこの一環と考えられる。

そして、『サーカシビリは以前には、モスクワとの経済関係については前向き
の発言をすることはまず無かったのに対し、権力を握った後は、彼は、ロシア
との経済関係はグルジアにとっては最大の重要課題であるとたえず繰り返し
ている。のみならず、以前には彼が崇拝していたのはジョン・ケネディであるが、
ある時期からプーチンに感銘を受けている、という情報を意識的にリークさせ
ている。』というロシアの新聞の分析は、サーカシビリは必ずしも反ロシアでは
ないことを示している様にも思われる。
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:42:13 ID:FSH7del0
>>826
召還されるんならこわれた腕輪の頃の青年ゲドがいいなぁ。
あの頃が一番カッコいい。
そうするとルイズがテナー役になるのか?…微妙にあってる気も。
ちなみにアニメは見てません。
831名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:43:40 ID:g1z57hYS
ゴグとマゴグがついに北方からやって来るのか
世界最終戦争の始まりだな
832名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:49:42 ID:RCUvFSrI
1話書きあがったけど夏の投下はやめときますわ
833名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:51:31 ID:ZETgReSr
>>832
そんなん報告せんでいい
834名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:59:03 ID:8sHW3R3F
平和の祭典で報復宣言とは中国面子を潰されたなw
あの国面子に異常に拘るのにまあ中は親露だったがどうなることやら
835名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:01:42 ID:tclVzNPG
ソ連軍召喚
836名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:01:45 ID:J8p03pPQ
ウルトラ5番目みたいにサイトが変身して戦うのはあり?
例えばサイトがアギトになったり実はパーマン1号だったとかそういうクロスの仕方
837名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:04:59 ID:uSV0BZur
>830
ピリピリして傲慢で、でもいつも何かに追い詰められたような……
テナーっていうより、アルハだな。

ああ、懐かしいな。ゲド戦記1〜3は初めて読んでから10年の間に、何度読み返したか。
10年目にテハヌーが出版されて飛びついて、で、がっかりしたもんだよ。
838名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:09:00 ID:rxFyf1zS
>>836
あんまりお勧めしない。
つーか、それは本当に厳密に言えば「あの作品のキャラ」ではなく
サイトの魔改造だと言われる可能性がある。
839名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:09:40 ID:hBzy2Cju
>836
「サイトじゃないあのキャラが召喚されました」がこのスレの趣旨だから、
投下するとしても避難所が無難。
その設定では、サイトともあのキャラとも言えないわけで。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:11:15 ID:4we9rJPa
>>835
粛清少女スター☆リン
841名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:11:21 ID:J8p03pPQ
止めたほうがいいようね
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:12:53 ID:FSH7del0
そもそもゲドのホームグラウンドは海だからハルケギニアに
召還されてもなーという気はする。

>>837
俺の中ではゲド戦記は全三部完結。その他の事は見えない知らない聞こえない。
843蒼い使い魔 :2008/08/09(土) 01:18:05 ID:GgoyLlE1
へぇーい、
14話書き上がりましたよと報告します
とってもほのぼのとしたおはなしですがおつきあいください
とりあえずかぶらないようなら25分くらいに投下します
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:21:09 ID:uSV0BZur
>>842
>俺の中ではゲド戦記は全三部完結。

それは正解である。
ちなみにゲド戦記のファンがル・グィンのほかの作品を読んでがっかり、という例は枚挙に暇が無い。
俺もそうだった。
社会人になって財布に余裕が出て、闇の左手を買って(当時まだテハヌーは出てなかった)がっかりしたのは遠い日の過ちだったなあ。
845名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:21:23 ID:J8p03pPQ
ほのぼのかあ
こいつはあ期待だ
846蒼い使い魔 十四話:2008/08/09(土) 01:25:23 ID:GgoyLlE1
「まさかミス・ロングビルが『土くれ』のフーケだったとはのぅ…美人だったもので
何の疑いもせず採用してしまった」
フーケを捕え、学院に戻ったルイズ達はオスマンに事の顛末を報告していた。
オスマンが言うには居酒屋でたまたま働いていたフーケを採用したらしい。
隣にいたコルベールはあきれ返っている。
「「「死んだ方がいい…」」」
三人は口をそろえて呟く、バージルはいつも通り壁に寄りかかっているが…
そんな下らない理由で命を落としかけたのだ、三人が刺すような視線がオスマンを見つめる

そんな三人の視線に気がついたのかオスマンが本題に入るため真剣な表情へと変える。
「さてと、君達はかの有名なフーケを捕まえた。『破壊の杖』も無事戻って来た、
これからは我々が責任を持って今まで以上に厳重に管理しよう、バージル君の話によると
かなり危険な兵器のようじゃからな。」
バージル以外の三人は誇らしげに一礼をする
「君たちの『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておこう。追って沙汰があるじゃろう。
ミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請をしておく」
ルイズとキュルケの顔がぱっと輝く、
「本当ですか!?」
キュルケが少し興奮気味に聞き返す
「もちろんじゃ、君らもフーケ討伐に加わったのじゃからのう。然るべき報酬を受けるのは当然じゃ」
その話を聞くとルイズはバージルを見る、相変わらずつまらなそうに壁に寄りかかり目を瞑っている。
「オールド・オスマン、私の使い魔、バージルには何もないのですか?」
バージルからオスマンへと視線を戻すとルイズはバージルについて尋ねる
「残念ながら、彼は貴族ではないからのぅ、爵位は授けられんのじゃ…」
「そんなくだらんものに興味はない、奴は賞金首なのだろう?俺は金でいい」
「そ、そうか、では報酬が届き次第追って連絡しよう」
それからルイズはバージルがそういうならと渋々と承諾した。
847名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:26:22 ID:KBt6ZVCa
I need more 支援
848蒼い使い魔 十四話:2008/08/09(土) 01:26:25 ID:GgoyLlE1
「そうじゃ、今日はフリッグの舞踏会じゃ。破壊の杖も元に戻ったことで、予定どおり執り行うぞ」
オスマンはポンッと手を叩き言うと、キュルケが嬉しそうに話す。
「そうでしたわ!はやく準備しなきゃ!」
「ほっほ、今日の主役は、見事フーケを討伐してみせたお主らじゃ、せいぜい着飾るのじゃぞ」
そう言うと、三人はそれぞれの自室へ戻ろうとする、
だがバージルはその場を動かなかった、
「ちょっとバージル、さっさと行くわよ」
「先に行け、俺はそこの爺に用がある」
そう言うとバージルは静かにオスマンを睨みつける、
「わかったわ、くれぐれも失礼のないようにね!あと舞踏会には必ず来るのよ!」
そう言うとルイズは学院長室から自室へと戻って行った。

ルイズ達が退室すると、学院長室にはオスマンとバージルの二人が残された
「さて、バージル君、君の要件はなにかね?と言っても大体はわかるがの…」
「フン…聞きたいことがある」
壁に寄りかかりながらバージルは続ける
「あの『破壊の杖』、どこで手に入れた?」
「ふむ、もっともな質問じゃの、君の話では君の世界の武器という話じゃったな、あれはのぅ…確か…」
そういうとオスマンは破壊の杖を手に入れた時の話を始めた、
それは約30年前、オスマンが森でワイバーンに襲われた時の事。
その時現れた恩人はもう一本の破壊の杖でワイバーンを吹き飛ばし、元からの怪我のせいで倒れた。
結局恩人は看護の甲斐無く死んだが、オスマンは 使われた杖を彼の墓に埋め、残りの1本を恩人の形見として宝物庫にしまい込んだという。
「ワイバーンが一撃で粉々になる程の威力じゃ。悪用されるのを防ぐ為に、というのも仕舞った理由じゃ。」
「次の質問だ」
そう言うとバージルは自分の左手のグローブを外し、手の甲をオスマンに向けて見せる。
「このルーンは何だ」
「うぅむ…ミスタ・コルベールの言う通り…やはりそれは『ガンダールヴ』のルーンじゃ…」
849名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:26:32 ID:MEtKY+LU
しえn
850蒼い使い魔 十四話:2008/08/09(土) 01:26:58 ID:GgoyLlE1
「『ガンダールヴ』だと?」
「ほっほっ、伝説じゃよ。あらゆる武器を使いこなし、その力は一人で一国の軍隊に匹敵する、
伝説の使い魔、それが『ガンダールヴ』という話じゃ、もっとも、わしも実物を見るのは初めてじゃがの」
「フン、それを確かめるためにあのガキとの決闘を見ていた、そういう事か」
「やはり君にはかなわんな、しっかり気がついていたとは、しかも攻撃してくるとは思わなかったがのぅ」
「この際だから一つ教えてやる、このルーン、俺に対し一度もそれらしい力を貸していない」
「なんじゃと?」
「あるとすれば、あの小娘へ対する忠誠心の刷り込み、いや、『洗脳』といったところか…」
そう忌々しくバージルは吐き捨てる。
「『洗脳』とは…いささか口が過ぎやせんか?」
その言葉はバージルの逆鱗を削ったのか、即座に閻魔刀を抜刀しオスマンの喉元へ突き付ける
「黙れ…!心を無理矢理こじ開けられ従わされる、その屈辱が貴様にはわかるまい!」
その眼に宿るは静かな、だが激しい怒り、あの盗賊との戦いもそうだ、
気がつけばあの小娘を救い、あまつさえ心を開きかけていた。
「すまなかった…君の気持も知らんで、わしが軽率じゃった…この通りじゃ、じゃからその刀を納めてくれ…」
オスマンが謝罪すると、バージルは静かに閻魔刀を納めた。
「(何と言うプライドの高い…ここらへんはヴァリエールといい勝負じゃな…)」
「と、とにかく、君のそのルーンは特別なものじゃ、必ずこの先、君に力を貸すじゃろう」
「フン…どうだかな」
そういうとつまらなそうにバージルは視線を外す。
「そう言えば、君の世界、というと君は別の世界から来た、ということかね?」
「…そうだ」
そう言うと、オスマンに自分の世界のことをぽつぽつと語り出したバージル、もちろん自分が半人半魔であることは伏せたが。
「にわかには信じられんの…別の世界とは…しかし、30年前のこともある…信じるしかないじゃろう…」
「フン、信じるも信じないも、貴様次第だ」
そういうとバージルは踵を返しドアの前まで進み、立ち止まる。
「もう一つ聞きたい、ここには図書館があるな?そこは俺も使えるのか?」
「なんじゃ、そういうことか、あそこは本来貴族しか使えんのじゃが、君が使いたいのならば自由にするがよい、手配しておこう」
「…」
その答えを聞くとバージルはドアノブに手をかける、そこにオスマンが声をかける
「バージル君、これはわしからの頼みじゃ、これからもどうかミス・ヴァリエールの使い魔として彼女を支えて欲しい、
もちろん君の生活と身分の保障はする、じゃからどうにか、頼めんか?」
「断る、と言ったら?」
「…その時には君を止めることはできん…残念じゃが諦めるしかなかろうて…」
「フン…考えておいてやる…」
そう言うとバージルは学院長室を出て行った。
その姿を見送りオスマンはソファに深く身を沈め、深くため息をつく
「あれほど会話していて疲れる相手は初めてじゃ…、ヴァリエールはよくあの重い空気に耐えられるのぉ…」
そう言うと先ほどの雰囲気を思い出したのか軽く身震いをする。
特に彼の逆鱗を削ってしまった時の事を、
「(おっそろしい刀があったもんじゃのぉ…それにあの男の魔力…ネジがはずれとんのか?まるでデタラメじゃ…)」
オスマンは密かにディテクト・マジックを行いバージルの魔力を計測した、
その結果彼の恐ろしい魔力を見て内心冷や汗をかいていた。
「まるで魔人じゃの…」
そうつぶやくとオスマンは大きくため息をつき、自身の使い魔であるネズミのモートソグニルを呼びよせ頭を撫でる
「モートソグニルよ…お主は心からわしを慕ってくれておるのか…?」
オスマンのその呟きを肯定するようにモートソグニルは気持ちよさそうに目を瞑った。
851蒼い使い魔 十四話:2008/08/09(土) 01:27:40 ID:GgoyLlE1
フリッグの舞踏会
ダンスホールでは優雅な音楽と共に華やかな舞踏会が行われていた
生徒や教師達が、豪華な料理が盛られたテーブルの周りで歓談している。
キュルケやタバサ、他の生徒や教師達も着飾り出席しているため、いつもとは違った雰囲気を纏っている
キュルケは女王蜂のようにホールに君臨し群がる男共相手と談笑し、
タバサは大量の料理と格闘している。ルイズはまだ到着していないらしい、姿を見ることはなかった。
学院長室から戻って来たバージルは中に入り食事をするわけでもなくデルフを立て掛けバルコニーに立ち
半ば趣味と化している二つの月を眺めていた。
すると近くに今まで食事をとっていたタバサが近寄ってくる、手に持った皿にはサラダが盛られていた。
「何だ…?」
「これ」
そう言って持っていた皿を差し出す、どうやらバージルに持って来てくれたらしい。
「フン…」
せっかくなのでタバサが持って来たサラダに手をつけようとしたその時、門に控えた呼び出しの衛士が、ルイズの到着を告げた。
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜〜り〜〜〜!」
ルイズは長い桃色がかった髪をバレッタにまとめ、 ホワイトのパーティードレスに身を包んでいた。
肘までの白い手袋が、ルイズの高貴さを美しく演出し、 胸元の開いたドレスが造りの小さい顔を宝石のように輝かせている。
主役が全員揃った事を確認した楽士達が、小さく、流れるように音楽を奏で始め、貴族たちは男女対になり、優雅に踊り始めた。
ルイズの周りにはその姿と美貌に驚いた男達が群がり、盛んにダンスを申し込んでいる。
それを全員断り、バージルの元に歩み寄ってくる。
「楽しんでるみたいね」
「…」
「フーケとの戦いの時…」
バージルを見ながら静かにルイズは話し出す
「ゴーレムから守ってくれて…そして初めて私の名前を呼んだわよね…」
「…」
「その…ちょっとうれしかった…」
そう顔を赤くしながら上目使いにバージルを見る。
「フン…覚えがないな…」
そっけなくバージルは言うとタバサの持って来たサラダに手をつける
「あっ、そのサラダ…」
「おい相棒!やめろ!」
ルイズとデルフが警告の声を上げるも間に合わずバージルはそれを口に運ぶ。
852蒼い使い魔 十四話:2008/08/09(土) 01:28:12 ID:GgoyLlE1
はしばみ草のサラダ、それを口にした瞬間、バージルの顔が険しくなる。
体中にダンテのリアルインパクトを食らったような衝撃が走る、デビルトリガーを引く寸前だ、
「ぐ……ぅっ……」
短くうめき声をあげる、苦い、とにかく苦い、枯れたはずの涙まで出そうだ、
「ちょっとバージル!大丈夫!?」
突如悶絶しはじめたバージルにルイズは急いでワインの入ったグラスを差し出す
「ぐっ…!」
バージルはそれを手に取るとぐいっと一気に飲み干した。
だが、その時、彼ははしばみ草の悪魔も泣き出す不味さに自身の事をすっかり忘れていた、バージルは酒に滅法弱いのだ、
ただでさえ不味いはしばみ草のサラダを食べ、苦手な酒まで飲んでしまった場合どうなるかはいわずもがな。
「がぁっ…!」
そう呻くとバタンとバージルは倒れ伏し、そのまま意識を手放してしまった。
「ちょっと!バージル!どうしたのよ!」
「意外な弱点」
そう騒ぐルイズをよそに、タバサはバージルの食べたはしばみ草のサラダを平気な顔をして口に運んでいた。
「おでれーた!流石の相棒も酒とはしばみ草には弱いか!」
愉快そうにカチカチと笑うデルフ。
「一緒に踊ろうと思ってたのに!どうしてこうなっちゃうのよーーー!!!!」
医務室に担ぎ込まれるバージルを見て、狙いが外れたルイズの叫びはいつまでもホールに響いていた。

853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:28:21 ID:uSV0BZur
しえん。
854蒼い使い魔 :2008/08/09(土) 01:29:02 ID:GgoyLlE1
はい、投下完了であります
第一部終了〜と…こんなオチでごめんなさい…
次はワルドきゅんか…
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:29:22 ID:uSV0BZur
はしばみ草恐るべし。
856名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:31:00 ID:M34aW6Z3
乙です〜

アレ、バージルって酒弱かったですっけ?
何か、本編でそう言う描写が無かったから想像出来ない;
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:31:00 ID:b3rZNH/x
タバサ「腕…へし折られた仕返し…」

こうですね、分かります。
858蒼い使い魔 :2008/08/09(土) 01:32:04 ID:GgoyLlE1
あ〜しまった、投下してからきがついた
コルベールを退出させるとこ書いてねーや
アハハごめん…
859名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:33:55 ID:KBt6ZVCa
はしばみ草はどんなキャラにも効果があるなw
ワルドは……まあ生き残れとしかw
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:36:30 ID:XrGGZd/1
お疲れ〜〜
クズなご主人様との踊りをこういうふうに回避するってのはうまいな〜〜
バー汁にはクズご主人様をまだまだ徹底的に罵倒したり痛めつけたりしてほしいな
でも、このままではいい子ちゃんになっちまいそうで心配
悪の街道を突っ走ってくれ〜〜〜
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:45:06 ID:OJJob2bP
プーチン、オリンピック会場で戦争の指揮執ってるのか。

カッコ良すぎるw
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:50:49 ID:VDT5jJno
ふと、

…あるドットメイジがものがたる。

ゼロのルイズときたらたいしたもんさ。
使い魔の召喚儀式でさえも、朝から晩まで爆発ばかり起こしてる。

なんて書き出しが浮かんだ。
召喚されるのはペンキをぬったのでないあの動物。しかも人語を解する。
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 01:54:53 ID:H+Bfqgl9
ぐららぁがぁぐららぁがぁ
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 02:06:37 ID:R9LKfZjA
>>856
ダンテがダンテって名乗る前の話を小説でやっててバージルはトニー(後のダンテ)と酒飲みで勝負して一杯目でダウンした経験が
小説とゲームの3は多分関係ない気がするけど
865名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 02:14:23 ID:M34aW6Z3
>>864
あー、あの小説でそんな描写有ったんですね
大学で立ち読みしただけなんで、殆ど流してました;
情報、感謝です
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 02:17:39 ID:Clrh82Jm
>>836
ウルトラマンAの場合は『人間との合体』『合体変身』っていう基本ルールがあったからな。
実際セブンなんか平成やXも合わせると人間体が三種類もある。
人間への憑依が当たり前のウルトラマンはともかく、ライダーやパーマンは本人の変身だからサイトを変身させるのは無理があるだろう。

もちろんそれを跳ね返せるだけの設定を作り出せるのなら別だが。
867カービィの人:2008/08/09(土) 02:27:32 ID:YWuZA1W1
こんばんはー。カービィの作者です。
第11話が書き上がったので投下しようと思ったんですが・・・

この時間帯だとさるさんくらいそうなんで明日の朝に投下したいと思います。
特に予約とかはしないんで、他の作者様は気兼ねなく投下しちゃってください

では、おやすみなさいノシ
868名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 02:28:35 ID:wN1WlAGJ
ギーシュにやられて瀕死の重傷を負ったサイトを助けるために、仮面ライダーに改造したとかw
869名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 02:37:29 ID:J5ApyulX
朝楽しみにしてる
870名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 02:40:33 ID:rpkcgboJ
期待しつつ就寝
871名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 02:48:06 ID:H+Bfqgl9
>>867
むしろ、正時3:00が挟まるから狙い目じゃね?
872名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 04:02:20 ID:i13jiJN8
>>866
アギトは人間ならば誰でもなることができる可能性があるって設定だからサイトがアギトのなっても問題ないんじゃないか?
他にもファイズのデルタは装着者を選ばないし、響鬼の鬼も鍛えれば誰でもなれる
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 04:52:33 ID:CyhzVvEn
>>872
でも、デルタは凶暴化して下手すりゃ廃人だし、響鬼の鬼の鍛え方は半端じゃないぞ
いくらサイトでもきついんじゃなかろうか?
874名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 05:04:05 ID:idTO9TpK
カービィの人復活したんだなぁと今更ながら実感が・・・お待ちしてますー
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 05:32:37 ID:4lu/CW50
480kb超えてたので、新スレ立てましたー。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part161
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1218227474/l50
876名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 05:42:15 ID:rxFyf1zS
>>872
大有り。
安易にそうすると、サイトのキャラクター(能力、そして性格面)を大きく変えざるを得ないから、
色々と面倒。
ぶっちゃけオリキャラ化し易いし。

つーか、そんな真似するくらいだったら素直に該当作品のキャラを召喚した方が手っ取り早い。
877名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 07:09:54 ID:t5XOqFRM
ごもっとも
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 07:23:22 ID:zsT560PF
>>872
つまり、あの作品の世界からサイトが召喚されました
ってのを書きたいのだろうか?
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 07:37:55 ID:IpG2Fg2W
サイトはサイトだからいいんじゃないか。ある意味ではルイズより不可侵。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 08:12:14 ID:SjVpyk98
ここは「あの作品のキャラがルイズに召喚されました」なんだし、
>>872 はこっち(↓)で書けば良いと思うんだ

【IF系】もしゼロの使い魔の○○が××だったら2
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 08:27:56 ID:tp9DKZct
バージルの人乙です
カービィの人マダかな
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 09:10:04 ID:sv51Jli4
>>872
取りあえずこれだけは言える





斬鬼さんマダー?
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 09:18:25 ID:J8p03pPQ
>>882
そこは裁鬼さんだろ
884トルネコの大冒険・不思議な使い魔:2008/08/09(土) 10:17:13 ID:W0lfGKgu
投稿してもいいでしょうか?
885トルネコの大冒険・不思議な使い魔:2008/08/09(土) 10:21:12 ID:W0lfGKgu
失礼、容量が不安なので、しばらく様子を見てから次スレに投稿をしてみたいと思います。
886名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 11:00:51 ID:CtVaDWF7
埋めるか?
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 11:07:10 ID:iAvsFaC3
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  | |   |ィ厂テトミ 从.{ f爪}「 〉|  ィリ                〆
  | |   |i {.辷リ      {心リ イ/ィ                 〆
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888名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 11:07:17 ID:+jK3WU9g
埋めよう
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 11:24:38 ID:0vNNElRt
500なら、ギーシュ戦の後止まっている続きがすらすら書ける。
890名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 11:50:49 ID:rpkcgboJ
500ならルイズに代わって俺がサイトを召喚。
891名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:01:37 ID:iAvsFaC3
500ならヒロフミスマッシャーがハルケギニアで火を噴くぜ
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:03:45 ID:SjVpyk98
原作最終回、地球に帰還したサイト=ブリミル=オールド・オスマンという電波をj

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893名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:04:33 ID:0vNNElRt
500なら、ボツにした小ネタを上手く修正できる。

あと、
「虚無と金剛石〜ゼロとダイアモンド」「さあう"ぁんといろいろ」
「エンジェリック・ゼロ」「狼と虚無のメイジ」「ゼロのイチコ」「ゼロと人形」
「ドクターウェストの華麗なる実験」「召喚!変態仮面!」「ゼロの使い魔―銀眼の戦士―」
「超1級歴史資料〜ルイズの日記〜」「AI使い魔タチコマンズ+α」「使い魔エイト」
「豆粒ほどの小さな使い魔」「虚無の使い魔と煉獄の虚神」「男達の使い魔」
「ツカイマグルイ」「0G」「ゼロのちグゥ」「ゼロの看板に偽り有り」
「へっぽこ冒険者と虚無の魔法使い」「スクライド・零」「最速の使い魔」
「雇われた使い魔」「ゼロと迷宮職人」「秘密結社ゼロシャイム総統ルイズ」
「とある魔術の使い魔と主」「ときめきメモリアル0」「ゼロの使い魔は魔法使い(童貞)」
「ゼロの家庭教師」「美的センスゼロの使い魔」「ゼロの独立愚連隊」
「ルイズさんとハヤテくんよ」「ゼロと聖石」「零魔娘娘追宝録」
「封仙娘娘異世界編」「ゼロの蝶々」「ボン太くん・イン・ハルケギニア」
「超魔王(?)使い魔」「宴はまろやか」「ルイズ・キングダム!!」
「ゼロの使い魔ももえサイズ」「オッツ・キイムの使い魔」「戴天神城アースガルズッ!」
の人たちが夏の間に続きを投下。
894名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:11:12 ID:1vHGjjzD
500ならストライクウィッチーズより基地ごと隊員たちを召喚
もちろんネウロイも一緒に。

ハルケギニアの大型河川って原作中に出てきたっけ?(ネウロイは水が苦手なので海や河川を渡れない)
895名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:23:06 ID:SjVpyk98
山や湖があるんだから、当然川も橋もあるハズ。
川の名やリアルの地形と一致するかは不明だが。
896名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:33:08 ID:SUbhoOsc
500KBならワンピースからロビンをモンモンが召喚して
ギーシュの玉を二輪咲きで粉砕
897名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:40:23 ID:EfOV28yu
500kbならソウルイーターのメデューサを召喚。
898名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:43:55 ID:ZfB3+uNG
500なら、投げっぱなしの続きを書く……
899名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:59:31 ID:rpkcgboJ
500なら俺がハルケギニアでブラジャーを開発
900名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 13:17:14 ID:tDQDtxwh
500なら半年以上止まったままのSSの続き書く
901名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 13:19:44 ID:f8p9xbU5
嘘だ!!!
902名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 13:33:51 ID:jp/TZz+y
500ならFEからナバール召喚
903名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 13:34:51 ID:EWTtd0VD
>>893 にあげられてないことに絶望シタッw
904名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 14:22:51 ID:xBxjzhc/
500ならフレイムヘイズの中から誰か召喚
905名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 14:36:43 ID:pd/WGmgp
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part161
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1218227474/
906名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 15:16:51 ID:UockSR83
埋め
埋めで思ったんだが、空気から土を錬金することは可能なんだろうか
907名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 15:17:27 ID:cB3+Ko0Y
シュヴルーズがやってなかったっけ。
それともあれは赤土飛ばしてたのか?
908名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 15:19:36 ID:FAqGLjGu
空気を物質として捉える事ができるかどうかがポイントだな
909名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 15:20:42 ID:wQ/sR0p7
           ミ   rfミミヾ    ,,  `ヾゞ
         ミ _ -―――- ,,_ ゙゙  ミ
       , -‐''´::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、 ミ
      /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ彡
      ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /:::::::::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
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      |/|:::::/ヽ、 | /  ,r'l  . |::::::イ    ヽ,|
    ,イ .l/ ,|く  /   ‐|   |/|ソノ     >
     | l  ii |  ソ   , -‐|      |´    /
     l l  ii | /, - '´  |      .|    /|
    ,','  ii ,l | O-―'  |       |    |
   ,','  ii ,|  |,ト'ー-- .f|      |     |
   ,','   ii |   |,|    ||     |     |
910名無しさん@お腹いっぱい。
             ,. -‐'" ̄ ̄ ̄`ー 、
           /            `ヽ、
          /  __        r‐─ 、 ヽ
          / /  `ヽ、    /    ',  ',
           i  i      `ヽ='"      }  i
         .{  l              l.  l
         .l  l              ヽ.  l__       >>1000……じゃなーい
         __l /      、 i j     _,.ァ'=//l
         lヘヽL======〉l L=='' ̄: : : l゙l ll/ .}
            マヽ「〈: : : : : : : 〉 ̄〈: : : : : : : :/ l lレ./
            マ '', ヽ: : : : : // l l. ヽ=='''"´ l l ∧
          マヘ   ̄ ̄   l l.       レ'′',     ___r─‐、
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