リリカルなのはクロスSSその44

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその43
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202054166/


*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202476959/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:34:05 ID:dsffN/4f
代理投下中まさかの容量オーバーという緊急事態/(^o^)\
13/13のみ投下しますか?それとも1/13〜13/13全部投下し直すべきですか?
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:39:06 ID:W/1bSDUk
後でまとまるんだから13/13だけでイインジャネ?に一票
4OSGS:2008/02/09(土) 23:39:39 ID:UsERuqvs
すんません。最後だけおねがいします。

あっしは、ちょっと樹海で身長のばしてきます。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:40:18 ID:dsffN/4f
じゃあ13/13のみで。
6OSGS13/13 (代理・総レス数修正しました):2008/02/09(土) 23:40:38 ID:dsffN/4f
『はやてちゃ〜〜〜ん!』

 親友のマジヘルプに、やっと腰をあげたはやてはババ抜きテーブルに近づいた。

「楽しそうやな〜♪ ちょっとわたしも混ぜてもらうわ〜♪」

 なのはは表情を凍りつかせ、キョウスケは目つきが険しくさせ、ヴィータは歓喜しながら席を進め
た――。











――政宗一成

 部隊長の財布が空になっていたのは言うまでもない。











※投下終了です。後悔は前半の視点変更を多くしすぎたことと、エクセレン、スバル、ティアナ、キ
ャロのシャワーシーンがバイドに感染されたため、後日に先送りされることになったこと。あとスパロボのステータスをどう表現するか迷い、中途半端になってしまったこと。

 それ以外には別に後悔はない。そろそろ食通さんとか、司書長とか、恥ずかしい仮面のお兄さんにもてもらいたい。ではノシ。
7代理の人:2008/02/09(土) 23:42:49 ID:dsffN/4f
以上、代理投下を終了します。OSGS氏乙でした。
レスが切れてしまっているため、前半部をご覧になりたい方は避難所の「本スレに〜」のスレッドを御覧下さい。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:45:28 ID:GvLFSErO
GJ!!です。
早くもグランゾンの出鱈目さをみて驚くなのはたちがみたいw
最後のはやては意図的に負けたのだろうか?
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:47:51 ID:44Vy1z/v
>7
二人とも乙です。
>8
ある程度は意図的に負ける筈が負け過ぎたとか。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:49:36 ID:pnYf2G+Z
GJ!

>>8
キョウスケの土壇場での強運に呑まれたんじゃね?
11リリカル! 夢境学園:2008/02/09(土) 23:55:22 ID:RdWJUyyi
それじゃ、自分は十二時半に投下してますね。
小ネタの癖に長いよ、自分(汗)
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:57:15 ID:bRPGxvV8
GJ
キョウスケかっこよかったのに何やってんすかwww
でも普通に逆転しそうだから怖い。
そしてエクセレンに期待
>>10
普通にありそうだ。
キョウスケから例の名ゼリフが出た時は賭けに必ず勝つと言うジンクスがあってだな?
なんかヴィータが調子に乗ってさらにレートを上げたらはやてがかかったとか。
13OSGS:2008/02/10(日) 00:15:14 ID:Czf/l9tm
すみません。先に謝罪させていただきます。

わたしは『リリカルなのはクロスSSその43』を一時間近く独占し、
そのうえスレを埋めてしまいました。以前にも同じようなことがありましたが、
反省を生かしきることができませんでした。
今後、投下時には以下のことについて注意をします。

・スレットの容量に注意すること
・連投による規制に注意すること
・投下をすばやくおこなうこと

投下における基本中の基本をすべてわすれていたことになります。

わたしの行動によって、ご気分を害した方や『リリカルなのはクロスSS』、『リリカルなのはウロス』の住人の皆様には、心よりお詫び申し上げます。
大変もうしわけございませんでした。

>>2
代理投稿ありがとうございました。感謝の言葉が足りません。余計なことに巻き込んでしまい、申し訳ございませんでした。

>>ジジ抜き
途中で呼称がババ抜きになったりしていますが、これは誤字となります。
はやての財布に関しては次回と避難所に投下予定の番外編で詳しく供述いたします。
ただ、キョウスケのジンクスによって、キョウスケと上司=はやての相性は最悪なので、そのあたりが関係しています。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:23:19 ID:rUL6Nit8
>>13
いや、仕方ないんじゃね?
長いの投下すればそのくらいなると思ってましたが…
前もって予約してたんだから無問題だと思うんですが
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:32:03 ID:ei0dKm20
>13
さすがに仕方がなかったと思いますよ〜
ただ、自分で悪いと思った事を謝れる、あんさんは立派だと思うぜ!
私的には不快なんて全く感じてないし、あまり気にしないで!
と、ほざいときます。これからもがんばって〜!
16リリカル! 夢境学園:2008/02/10(日) 00:38:28 ID:yfDYjbMX
大丈夫ですよ。
仕方がないことですし、途中で容量オーバーなんて簡単には想像出来ません。
むしろオーバーするほどの長い良作にGJ!

そして……良作ばかりのこの投下の後に、投下するのは勇気がいるのですが。
投下してもいいでしょうか?
17代理の人:2008/02/10(日) 00:39:15 ID:vFOcVslN
>>13
いえいえ、お気になさらず。執筆御疲れ様でした。
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:40:04 ID:vFOcVslN
>>16
だから『投下した』なら使ってもいいと言っているだろうが……この……ド低能がァ――ッ!!
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:40:39 ID:rUL6Nit8
>>16
カモーーン
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:42:24 ID:W9lC8pEy
支援
21正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:42:33 ID:yfDYjbMX
じゃあお言葉に甘えて投下開始です。
小ネタのくせに長いので、どうか支援お願いします!




 夢はない。
 願いもない。
 守るべきだと誓った奴は俺の手から零れ落ちて。
 遠く離れた先に居て、届かない場所にいる。
 死んだわけじゃない。
 けれども、どうしょうもなく守れない場所にいる。
 焦燥が心を焦がす。
 退屈が魂を狂わせる。
 時間がゆっくりと俺を腐らせようとしていた。
 銃弾も、刃物も、猛毒も、岩石も、多分ブラックホールですら殺せない俺を殺す唯一の方法。
 絶望。
 それに狂わされて、悲しんで、膝を着こうとしていた時。

 それは起こったんだ。

 “ヒーローなんかじゃない俺が、誰かを守れた日が”。






 ――悲鳴が上がる。
 銀行内に乗り込んだ武装した招かざる客たちに、銀行内の店員が、家族連れの親子が、
一斉に声を上げた。
 目に映る不細工な化け物とその横に居る真っ黒なローブを纏い、“覆面”を被った
数人の男たち。
 魔導師。
 それと“怪人”ってやつか。こっちの奴は初めて見るが、相変わらず化け物に対する
センス感覚の欠如はどこでも同じらしい。
 カッコ良くない。ただそれだけを思った。

「動くなっ! 全員床に伏せろ!」

 機械仕掛けの杖を突き出して、魔導師たちがそう吼えた。
 慌てながら床に伏せる客たち。命が惜しいだろう、震えながらも指示に従う。
 さて、俺はどうするか?
 ――めんどくさいから、全員殴り倒すか。
 そう考えた時。

「お前はこっちだ!」

「ィヤァッ!」

 怪人がひったくるように抱き抱えた子供の存在に、俺は足を止めた。
 止めざるを得なかった。
 “守れないかもしれない状況”に、俺は凍りついた。
22正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:43:35 ID:yfDYjbMX
 
 この世界はいつからこんな風に狂ってしまったのだろう。
 何故あんなにも狂った力を追い求めるのだろうか。
 分からない。
 分かりたくもない。
 そんな現実に焦燥しながらも、私は駆けつけていた。

「――現場の状況は!」

 駆けつけた現場。
 武装隊が包囲する現場で、無線機を手に指示をしていた指揮官を捕まえる。

「ハラオウン執務官!? 何故、こんなところに――」

「銀行内部で立てこもっている違法魔導師たちの足取りを追っていたのは私だった
からです」

 彼らを追っていた私。
 つい先日、捜査令状を手に逮捕にまでこぎつけた。
 武装隊の協力もあって大多数を確保することが出来たものの、数人は逃げ出した。
 それももっとも最重要であった“戦闘機人化した改造魔導師たちが”だ。

「気をつけてください、彼らは改造魔導師です。魔導師ランクA+〜AAに匹敵するだけ
の力があります」

「……改造魔導師か、厄介な!」

 私の情報に、指揮官が唾を吐きそうな苦渋の表情を浮かべた。
 己の体を機械化する代償に、本来持つリンカーコアの出力を超えた魔力量と高い
身体能力、そしてかつてナンバーズとスバルたちが持っていたISと呼ばれる独自技能
の紛い物まで保有する改造魔導師。
 通常の武装隊の人員の戦闘能力を凌駕する力を持つ者。
 私でもリミッターの掛かった状態では苦戦するぐらい強い。

「おごまいかもしれませんが、私も作戦に協力させてください」

「しかし……いや、ありがたい申し出です。通常の犯罪者ならばともかく、改造魔導士
は骨が折れますからな」

 鋭い目線。
 犯罪者を捕らえるためには面子も気にしない強い瞳。

「チームアルファ、引き続き脱出路の監視に続けろ! チームベータはハラオウン執務官と
ともに突入準備を開始しろ!!」

 私の前で銀行を睨み付けていた指揮官が、ニヒルに笑う。

「打倒するぞ、犯罪者どもを!」



23正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:44:12 ID:yfDYjbMX
 
 ……めんどうくさい事態になった。
 目の前には子供を人質に取った怪人と、それを横目に金庫から札束を運び出している
魔導士たちの姿。
 魔法なんていうファンタジック溢れる世界の癖に、こういうところは現実じみたリアル感
があるからこの世界も好きになれない。
 いや、銀行強盗なんてリスクに合わない犯罪をしているところがファンタジーなのだろうか。

「動くなよ! 絶対に動くんじゃねえぞ!!」

 機械仕掛けの杖――確かデバイスって奴を振り回した異様に興奮した魔導師が、
唾を吐き散らしながらそう叫んでいる。
 いや、誰も逆らわないだろ。
 デバイスを持っているような魔導師に、普通の素手の奴が逆らうなんて出来るはずが……
 いや、出来るのか?
 魔法の使えない自分には分からないが、ここの魔法は別に杖がなくても使えるらしいし。
 万が一にも、この中の客或いは店員の中に魔導師が居たら逆転される可能性がある。
 それを恐れて、あの怪人は子供を人質に取っているのだろうか。
 ああ、ああ、めんどうくさい。
 犯罪者の癖に頭を巡らせるなよとぼやきたい。
 おかげでこんなめんどうくさいことになっている。
 既に立てこもられて数十分が経過しようとしている。喉も乾くし、腹も減ってくる。
 などと考えて――

(さて、どうやって“逆転する”?)

 勝利の算段を頭に浮かべていた。
 ああ、正直に言おう。
 俺は少し、いやかなり怒っている。
 腹が減っているのに飯も食えない状況に、喉も乾いているのに飲み物も飲ませない
奴らに、そしてなによりも――

 “むかつくのだ”

 子供なんて人質に取る奴らの手口にむかつくのだ。
 効率的かもしれない。頭のいいやり方かもしれない。
 だけれども、むかつく。
 理屈じゃなく、そう考える。
 どこぞのレッドじゃないが、子供は大切にするべきだと大人の義務としてそれを
果たすべきだと思っている。
 だから。

「あのー」

 目の血走った馬鹿魔導師の前で、おもむろに起き上がろうとして――

「――動くなと言ったぁ!!」

 轟音。
 魔導師の杖から飛び出した弾丸に、俺は吹き飛ばされた。

 ゴロゴロと多少の痛みと転がる視界の中で、俺はざわめくように上がる悲鳴を聞いた
気がした。

24正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:44:54 ID:yfDYjbMX
 
「悲鳴!?」

 包囲した銀行内部から洩れ出た確かな声。
 同時にズガンと僅かに銀行の壁が揺れた。

「魔法の発動を確認! 誰かが砲撃魔法を使ったようです!!」

「……犠牲者が出やがった」

 私の横で自分のデバイスを確認していたベータチームの面々が険しい表情で呟く中、
私は青ざめていく自分の顔を自覚した。
 犠牲が。
 犠牲が出てしまった。
 私が取り逃がした所為で、命を奪われた人が出た。
 赦されるのだろうか。
 いや、赦す赦されないなんて問題じゃない。
 自分の所為だ。
 自分の責任なのだ。
 見知らぬ誰かを悲しませた。
 痛みがある、深い痛みがある。
 嗚咽しそうな痛みが、心に溢れて――

「ハラオウン執務官?」

 気が付けば、武装隊の一人が心配そうな目つきでこちらを見ていた。

「え?」

「顔色が悪いですよ? 体調が悪いのでしたら、後方支援に回っては――」

「大丈夫、ですから」

 未だに心配そうに見つめる武装隊の人にぎこちなく微笑んで、私は歯を噛み締める。
 ショックを受けている状況ではない。
 責任に押し潰されている暇は無い。
 一人でもいい、一人でも多くの人を救うのだ。

 こんなはずじゃなかった。

 そんな悪夢を正すために。

「全員準備をしろ! 隙が出来次第、突入するぞ!!」

 上がる声に、私を含めた全員がデバイスを構えた。



25正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:46:42 ID:yfDYjbMX
 
 こわい、こわい、こわいよぉ。

「ぁあああああんっ!!」

「黙れ、くそがき!」

 頭をなぐられる。
 けれども、涙が止まらない。こわくてこわくて、とまらない。
 おとなのひとがふきとんだ。
 こわい目つきをした人が、知らない人をまほうでふきとばした。
 ゴロゴロと転がっていったその男の人はうごかなくて、そのままこわいひとたちに
はこばれていった。
 ものを扱うみたいにひきずっていかれた。

 ――邪魔臭い。

 ――さっさと片付けろ。

 そんな会話で、こわい人の一人に奥のへやにひきずられていって、しばらくたってそのこわい人が戻ってきた時には
男の人はいなかった。
 きっとどこかに連れ去られたのだ。
 おばけなのだ。
 あたしを捕まえているこわいへんてこな生き物もおばけのなのだ。
 こわい、こわい、こわいよぉ。

「ままー!」

 こわいひとがいっぱいいる。
 たすけて。
 たすけて。
 たすけて、おかあさん。おばけからたすけて。
 だけど、おかあさんは床に寝転んで、あたしをみるだけで。

 ――たすけてくれない。

「うるせえなぁ、このがき」

「他にも餓鬼はいるし、違うのを使うか?」

「そうだな、逃げるなら騒がしくない奴のほうが都合がいい」

 おばけたちがあたしを見てる。
 こわい目、いじわるそうに笑ってる。
 おばけたちはきっとあたしをたべるつもりなんだ。
 いやだ、いやだ、いや。
 だれかたすけて。
 たすけてたすけてたすけて。

「あぁあぁああああああああん!」

 なみだで前がみえなくなったとき、ガシャンとガラスがわれた。
 光の球。
 それがあたしの前までとんできて。

「なっ!」

 せかいが、まっしろになった。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:51:59 ID:W9lC8pEy
支援
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:54:21 ID:FUYBdENW
支援。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:54:41 ID:W9lC8pEy
支援
29正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:54:56 ID:yfDYjbMX
 
 高密度に圧縮した閃光誘導弾。
 それが銀行内部で炸裂したのを見計らい、私はガラスを突き破って内部に飛び込んで
いた。
 飛び散るガラス片。
 されど、それらはバリアジャケットに阻まれ、私の体を傷つけることはない。
 鳴り響く破砕音。
 それに異常と事態を感知させる前に、制圧する。
 続いて、突入してくる武装隊の人たちが人質を守る手はずになっているから、私は
気にせず、ただ倒すだけでいい!

「バル――」

 光収まらぬ建物の中で、私は加速した速度に意識を適合させながら、右手の相棒を
振り翳す。
 閃光の戦斧。
 そう呼ばれる私の相棒にして、掛け替えのない武器を。

「デッシュ!」

『Set up』

 魔力を伝達させ、金色の刃を顕現させながら、私は近くに居た魔導師に踏み込む。

「お、ま――」

 発言する暇など与えない。
 抵抗する時間も与えない。
 非殺傷設定の斬撃を腹部に叩き込み、魔力刃を媒体に、内部魔力を根こそぎ相殺
させる。
 続けざまに、空いた左手で魔導師の顔面を掴んで。
 ――空気が爆ぜた。

「眠りなさいっ!」

 地面に叩きつけながら、魔力変換させた電気ショックで失神させる。
 これで一人。
 あとなんに――!?

「らぁあああ!」

 視界に飛び込んできた砲撃の閃光に、私は咄嗟に左手で差し出し――シールドで
受け止める。
 重い一撃に、咄嗟に張ったプロテクションを超えて手が焼けた。
 防ぎきれない衝撃と閃光が、私の周囲の床を削り、空気を焦がし、爆音を上げた。
 避けようと思えば避けられた。
 けれども、私が避ければ――後ろにいる人質が傷つくとわかって、避けられなかった。

「はあ、はあ、てめえかぁあああ!」

 目を向ければ、そこには血走った目で杖型のデバイスを突き出した魔導師の男が一人。
 ローブを纏ったその方から本来ならありえない白い蒸気を漏らす、狂気に歪む顔。

「殺してやる、殺してやるよぉおお!!」

 ジャコンと音が聞こえた。
 その発生源は改造魔導師の持つデバイスからではなく、“その肩からだった”。
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:55:13 ID:angrxKKZ
支援を!
31正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:55:37 ID:yfDYjbMX
 撃鉄音。それと共に弾け跳ぶ、ローブの下。
 そこは機械だった。銃身を思わせる歪な機械仕掛けの体に、そこから飛び出すパイプ
から蒸気を噴出している。
 だから、見える。
 分かる。
 理解する。
 それは【カートリッジシステム】
 本来なら行使する魔法に瞬間的にブースト、或いは発現に足りない魔力を上乗せして
大規模魔法を発現させるための機構。
 それを改造魔導師たちは、“己の魔力を高めるために使う”。
 ドーピングとも言える異常行為。自分のリンカーコアの制限すらも越えて、彼らは
おぞましい魔力を使用する。

「ル、ら、ァ、あ、あ、あ、ああああああああああ!!」

 一発、二発、三発――何発も何発もロード音が響く。
 膨大な魔力が改造魔導師の体から迸って――その出力に背筋が凍りついた。
 AやAAじゃない、AAAに匹敵する魔力のうねり。
 建物の一つや二つを粉々に吹き飛ばせるほどの魔力の高まり。

 操りきれるのか?
 操りきれるならまだいい。けれども、万が一制御出来ずに自滅したら?
 暴走だ。
 建物自体が消し飛ぶ。

「と、とめろぉおおお!」

 他の改造魔導師と戦っていた武装隊の人も気付いたのか、叫び声が響く。
 一部の改造魔導師もまたその声と、自分の仲間の一人の暴挙に気が付いて、
ぎょっとした顔を浮かべた。
 そして、私もまた焼け付いて痛む左手を握り締めて、それを止めるために身体強化
の魔法に、踏み込むような足取りで駆け出そうとして――

 私は見た。

「ばかが」

 そんな言葉と共に、“素手で肩を引き千切られる改造魔導師”を。

「あぁああああ!」

 それを行った一人の“仲間と思しき覆面の魔導師”
 自分の道具であるはずのデバイスを放り投げて、素手でそれは千切っていた。
 頑強な鋼鉄製の肩を、引き千切った。

 誰にも、そう目の前で見ていた私にすら捉えきれない速度で。



32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:57:09 ID:/ZQ/Y5Pv
支援
33正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:57:12 ID:yfDYjbMX
 
 わたしはわすれないとおもう。
 それはすごくかっこよかったから。
 わたしはきっとわすれない。

「ギィ?!」

 わたしをつかんでるおばけが驚いた声を上げた。
 特にこわいおばけの人が、仲間のおばけの人にやられたから。

「やっちまった……」

 おばけをやっつけたおばけの人が、手にピカピカ光っているおばけのかけらをもってそう言った。

「が、ぐぅう! て、てめえなにしやがる!?」

 やられたおばけが、そう言って。

「おい」

 それを無視して、その人はこっちに目を向けた。
 真っ黒な顔から僅かに見える目が、あたしをやさしく見たような気がした。
 おばけなのに、やさしいおばけのように思えた。

「やるよ」

 そう呟いて、やさしいおばけが手を上げた。
 ピカッと何かが光ったような気がして、あたしは――ステンと、

 “床におしりをぶつけた”

「え?」

 なんであたしはおちたの?
 おしりが痛い。
 けど、あたしは上を見上げて――そこにやさしいおばけが居た。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:57:15 ID:W9lC8pEy
支援
35正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:57:50 ID:yfDYjbMX
 
「大丈夫か?」

 おばけがあたしを捕まえる。
 でも、さっきまでのおばけとは違う温かい手。
 おとうさんみたいな手。
 そして、あたしは見た。

 さっきまでの一番こわいかおのおばけが――遠くで“かべにあたまをぶつけているのを”。

「ん?」

 やさしいおばけが目をちがうほうにむけて。
 バチンとこわい音がした。
 パチパチと雷みたいな光が、おばけと金髪のきれいなおんなのひとのての間で
とまっていた。

「あなたは――誰ですか?」

 こわいかおをしたおんなのひとがそうつぶやいて。

「俺に名前はない。単なる――」


「戦闘員、No.37564だ」


 おばけは、そういって笑った。




36正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:58:43 ID:yfDYjbMX
 
 ……本能が危険だと叫んでいた。
 見知らぬ覆面を付けた魔導師の存在を理解した瞬間、私の全本能がマズイと叫んで
いた。
 素手で機械部品を引き千切ったから?
 それとも私にも捕らえれない速度で動いたから?
 違う。
 もっと根本的な部分で、危険だと私の体が叫んでいる。

 だから、ソニックムーヴで接敵し、バルデッシュの一撃を加えていた。
 けれども、それは――

「あなたは――誰ですか?」

 鋼鉄すらも両断するはずの、非殺傷設定とはいえバルデッシュの刃を。
 “素手で握り締め、傷一つ無い手を掲げた魔導師”に訊ねていた。
 彼は改造魔導師なんて次元じゃない。
 魔力は感じない。
 それなのに、素手で掴む。ありえない事態、ありえない現象。

「俺に名前はない。ただの――」


「戦闘員、No.37564だ」


「戦闘、員?」

 どこかで聞いたことがあるようなフレーズ。
 けれども、そんな頻繁には聞かないような単語。
 それを思い出して――

「だ、誰だテメエは!?」

 肩を千切られた改造魔導師の言葉に、私は我に帰った。
 そして、ある事実に気付く。

(仲間、じゃない!?)

「お? ようやく気付いたのか」

 覆面を被った戦闘員と名乗る人は、改造魔導師に対して軽く肩を竦める。

「安心しろ、これを着ていた奴はトイレの奥で寝てるだけだ」

「いつ入れ替わりやがった!?」

「教えてもいいが――」

 そういって、戦闘員と名乗る人は足を踏み出し。

(あいつをやれ、後ろの奴は俺が倒す)

(え?)

 小声で囁かれた言葉に、私は一瞬視線を背後に向けて――
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:58:49 ID:/ZQ/Y5Pv
支援!
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 00:59:15 ID:BZwkKHMD
フェイトはプロテクじゃなくてディフェンサーだ支援
39正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 00:59:25 ID:yfDYjbMX
 
 そこに起き上がる怪人を見た。
 人の原型を失った戦闘機人ですらない怪物。
 それが壁から手足を抜き出して、咆哮を上げて。

「いけ!」

「は、はい!」

 強く響く、戦闘員と名乗った人の言葉に従って私はバルディッシュを構えた。
 絶叫を上げながら、射撃魔法の弾幕を打ち放つ改造魔導師に踏み込み。

「いくよ!」

『Sonic Move』

 私は駆けた。
 速度がローギアから、トップギアへと切り替わる。
 そんな感覚。
 狭い空間。本来ならば得手とする空戦とは違う、室内戦闘。
 機動も限定され、高さも限定され、速度は制限される。
 けれども、空戦魔導師の武器は飛行能力だけではない。
 元居た位置から、横へと跳ぶ。
 迫る魔力弾を見ながら、上に飛び上がり――上を見る事無く、回転して天井を
蹴りつけた。
 空戦魔導師の武器にして、必要不可欠なもの。
 それは空間認識能力。
 360度が壁であり、床であり、天井である空の世界において、自分の位置が、角度が、
どこにあるのか把握出来なければ空は飛べない。
 だからこそ、私は見る事無く、感覚で内部の高さと位置関係を把握していた。
 走る、走る、走る。
 天井が魔力弾に穿たれる、けれども私は止まらない。

 足を踏み込み、首を捻り、床となった天井を蹴って――ここだ。

『Sonic Move』

 速度を上げて、天井を蹴り出す。

「あぁ、ああああ!」

 声を張り上げ、残った魔力を全てデバイスにつぎ込んで砲撃を放とうとするも――

「遅いっ!」

 室内であることを踏まえて、幾分かサイズの縮めた金色の巨剣が上空から、改造
魔導師を叩き伏せた。

 そして。

「ふぅ」

 ――響いた轟音に、私は振り向く。

 そこにはありえない光景があった。

 少女を抱えた戦闘員を名乗った人が、“身の丈を超える巨拳を受け止めた姿”が。
40正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 01:00:37 ID:yfDYjbMX
 
 ……金髪の女に、言葉を告げた後、俺を待っていたのは見慣れたくも無い不細工な
格好の怪人だった。
 全身が緑色に染まり、ゴツゴツとした肌と歪な人型をした光景。

「ギ、グガァアア!」

「人間やめすぎだろ。お前……」

 明らかに人間性を保っていない獣のような唸り声に、俺は覆面の下で呆れた声を上げた。

「おい、嬢ちゃん。早く逃げろ」

 抱えた少女がトラウマを負わないように、避難させてやろうと思った。

「ぅー、ぅー」

 けれども、少女は俺の体にしがみついて離れない。
 まるで守ってくれると錯覚でもしているかのように。
 期待しているかのように、その小さな手の感触があった。

「ちっ……離れるなよ?」

 俺は覚悟を決めて、少女を左手で抱きしめる。
 片手しか使えなくなるが――この程度の奴には十分すぎる。

「ァ、ァ、アアアアア!!」

 咆哮が上がる。
 獣の怒声が上がり、その怪人の手に――何かが具現化された。
 真っ青な手甲。明らかに痛そうな代物。
 どこに仕舞いこんでいたのか、これだから魔法って奴は――

「ルォオオオオオオオ」

 真っ青な魔法陣が目の前に浮かび上がる。
 それに従い、怪人が繰り出す手が真っ青な光に包まれて――
 でかくなる。
 “でかくなる”。
 物理法則なんて無視して、まるで巨大合体ロボの奴が繰り出してきた拳みたいな
サイズになって――

「嫌いなんだよ」

 これだから、魔法なんて嫌いなんだ。


 ――飛び込んでくる。
 ――迫ってくる。
 ――壁が壊れ、天井が壊れ、少女が悲鳴を上げようとして。

 俺は……“受け止めた”
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:01:28 ID:W9lC8pEy
支援 
最強すぎだw
42正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 01:01:51 ID:yfDYjbMX
 
「で?」

 右手を前に突き出して、受け止める。
 ただそれだけ。
 それだけだった。
 巨人サイズほどにもある拳を、俺はただ手を伸ばして――受け止めた。
 なんら不思議ではない行為。

「がっ?!」

「えっ!?」

 獣の声と、後ろから驚く声がしたが。
 まあ気にしない。

「これで終わりか? なら」

 受け止めた巨拳。
 その指辺りを、強く握り締めて――“破砕する”。
 砕ける。
 砕く。握り潰す。

「それじゃ」

 握り潰すほどに握りながら、俺は右手を後ろに引っぱって。

 少女から一旦手を離して、引力の法則で飛んできた怪人に廻し蹴りを叩き込んだ。
 上に跳んで、体を回転させて、蹴りを打つ。
 ただそれだけ。
 なのに――そいつは、“吹き飛びすぎた”。

 直線状に吹き飛んで、
 壁にめり込んで、
 その上さらに瓦礫に埋もれて――動かなくなった。
 ピクリととも動かない。

「……魔法世界の改造人間もこの程度かよ」

 少しは期待していなかったといえば、嘘になる。
 だがしかし、この強さは魔法を除けば【クロック】の怪人とあまり変わらなかった。
 少しだけ失望して。

「さて、と」

 俺は周りを包囲し、警戒する制服姿の魔法使いたちに目を向けた。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:02:43 ID:FUYBdENW
支援支援。
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:03:01 ID:/ZQ/Y5Pv
支援
45正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 01:03:01 ID:yfDYjbMX
 
「違法魔導師の鎮圧に協力していただいて、感謝します」

 その中心で立つ金髪の女が口を開いた。

「いや、そんな手間でもなかったからいいんだが……これはなんだ?」

 周りを包囲し、殺意すら感じられる連中を指差して呟く。

「すみませんが、覆面を取っていただけないですか? 身分の照会と事情聴取をしたいので」

「あーあーあー、なるほど。得体の知れない奴は危険だと」

 法治国家としては当たり前の対応に、俺はある意味感心した。
 クロックの頃ではないのだ。
 事件の記憶が勝手に消されるわけではない。
 ここで捕まり、身分照会されると厄介か?

「これは……ヒーローが生き難いな」

 知り合いの赤い男を思い出して、なにげなく呟く。

「え?」

「いや、独り言だ。気にしないでくれ」

 そう告げて、俺は足元の少女に目を向けた。

「なあ、大丈夫だったか?」

「う、うん! ええとおじさん……は?」

「おじさんはやめてくれ、せめてお兄さんといってくれると助かる」

 まだ二十代なのだ。
 おじさん呼ばわりされる世代ではない。

「お兄さんは、“ヒーロー”?」

「……違う」

 俺はヒーローなんかじゃない。
 そんな崇高なものじゃない。
 そんなどこにいるかもわからない、願望なんか叶えていない。
 俺は。
 俺は――

「どこにでもいる、ただの戦闘員さ。ヒーローにやられる下っ端だよ」
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:03:04 ID:W9lC8pEy
支援
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:03:49 ID:vFOcVslN
支援
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:04:03 ID:W9lC8pEy
支援
49正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 01:04:03 ID:yfDYjbMX
 
 そう、それが真実。
 本来あるべき事実の姿。
 けれども。

「ありがとう、戦闘員のお兄ちゃん!」

 感謝された。
 喜ばれた。
 こんな俺でも、単なる戦闘員の俺でも。
 喜ばれて、感謝された。

「っ」

 それがどうしょうもなく乾いていた心に染み渡って。
 僅かに声を上げかけて。
 だけど、俺はそれを噛み殺す。

「ごめんなさい、そろそろ……」

 申し訳なさそうに金髪の女が、声をかけてくる。

「ああ、分かった」

 俺は少しだけ震える足を上げて、体を起こして――
 “その手に持った瓦礫を見せた”。

「え?」

「悪いな」

 手を振り上げて、誰かが反応するよりも早く――叩き付ける。

「全員息を止めろ!」

 床に。

 割れる。粉砕される。本来は砂利と接着剤の塊であるコンクリートを粉々に、そう本当
の意味で“砂礫”と変えて、砂煙が上がった。
 砕かれた瓦礫が飛び散り、砕かれた床の破片が巻き上がり、それは火のない爆煙と
なった。
 魔法でもない。
 道具でもない。
 力技の目くらまし。
 それに一瞬だけ、誤魔化されれば。

 俺が脱出するのには十分だった。


50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:04:18 ID:RN87ydH9
原作知らないがお前みたいな戦闘員がどこにでもいてたまるか支援
51正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 01:04:37 ID:yfDYjbMX
 
「ゴホ、ゴホッ! か、彼は?!」

 思わず吸い込んだ砂煙に咳き込みながら、私は目を見開くが。
 既に、彼の姿はどこにもなかった。
 その代わり、聞こえたのはガシャンという破砕音。
 ガラス窓を突き破り、瞬く間に消える影だった。

「逃げた!」

「捕らえろ!!」

 武装隊の人々がデバイスを手に、走り出そうとして。

「落ち着きなさい!」

 私は声を張り上げた。

「彼は犯罪者ではありません! あくまでも事情聴取をすべき人物なだけです! 
武力行使は決して行わないこと」

「りょ、了解です!」

 誰かがそう答えて、そして武装隊の面々が興奮していた顔つきから冷静な目で再び
走り出す。
 けれども、私はどこかで確信していた。
 きっと彼は捕まらないだろうということを。

 だって、それが――“戦闘員の決まりごとだから”

52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:04:45 ID:vFOcVslN
支援
53正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 01:05:10 ID:yfDYjbMX
 
「大丈夫?」

 私は人質になっていた少女に優しく微笑んで、手を伸ばした。

 思い出すのは子供向けの物語。
 特撮と呼ばれる正義の味方と悪の秘密結社の戦いの物語。

「う、うん」

 少女がそおるおそる私の手を取って、ようやく笑顔を見せてくれる。

 正義の味方はいつだって悪の怪人を倒していた。
 けれども、悪は簡単には滅びなかった。
 負けるたびに、素早く逃げて、一回もヒーローには捕まらない。
 それがお約束だった。

 だから、私達には捕まえられないような気がした。
 彼が戦闘員だというのなら。

「もう大丈夫、ヒーローと戦闘員が助けに来たよ」

 そして、私はそう締めくくる。
 ありえない戦闘員と正義の味方の共同戦線を、私は少女に対して子供じみた絵空事
の言葉で締めくくった。

 悪が居た。
 怪人が居た。
 けれども、それは戦闘員とヒーローに倒されました。
 なんて幻想以外にある?

 そう思って、私は親友が主に母親として頑張っているヴィヴィオに対する土産話が
増えたことに笑みを浮かべた。



54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:05:14 ID:ljoBA925
支援
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:05:26 ID:vFOcVslN
支援
56正義の味方の成り損ない/後編:2008/02/10(日) 01:05:45 ID:yfDYjbMX
エピローグ

 ヒーロー事件。
 そう呼ばれた銀行強盗事件が新聞に載った日。

「な、なんだと……」

 とあるミッドチルダのクラナガンにあるデパートの屋上で、一人の赤いスーツを纏った
男が呟いていた。

「お、俺が……」

 その手には新聞。
 その記事にはデカデカと『ヒーロー現る?!』とマスコミの手によって描かれた事件の顛末。

「ヒーローたる俺が、こんな凶悪事件に気づかなかったとはぁあああ!!」

 うぉおおおおと自己嫌悪に苦しむヒーロー。
 彼は名前も過去も無い戦隊のたった一人の隊員にしてリーダーにしてレッド。

 その本名は……今回は出さないでおく。


 ――【ヒーロー 参上!】
 
 或いは ――【魔法少女の憂鬱】に続く?
57リリカル! 夢境学園:2008/02/10(日) 01:07:44 ID:yfDYjbMX
投下完了です!
支援本当に、本当にありがとうございました!!
クロス先は前回にも言った通り、【世界の中心、針山さん】
登場キャラは戦闘員No.37564+αでした。

再度繰り返しますが、支援ありがとうございます!
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:08:44 ID:BZwkKHMD
針山さん!
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:08:45 ID:W9lC8pEy
GJ!!です。
戦闘員強いw
銀行強盗の改造魔導師の設定もいいですね。これを先駆けにもしかしたら体を
機械化している主人公や作品とのクロスものが誕生しそうです。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:19:37 ID:yKFvk5rY
>>59
ナチスの科学力は世界一ィィィィ!!!
な人が来るのか!?
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:21:36 ID:WLqRKJ3U
GJ!!でした。面白かったです。
なんか凄く格好良かった。
62キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 01:30:57 ID:EsfFm1L/
戦闘員とか怪人と言う言葉だけでときめく私。GJであ〜る。
空いてるなら風呂入ってから、50分くらいを目安に投下したいダス。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:32:17 ID:WLqRKJ3U
>>62
待ってました!
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:33:29 ID:W9lC8pEy
待ってますw
シュトロハイムでクロス見たいなぁw
新人教育でも、ナンバーズ教育でもいいからみたいw
別の場所で見たFateクロスと種死クロスはいい作品だ。
65リリカル! 夢境学園:2008/02/10(日) 01:38:42 ID:yfDYjbMX
>>58
世界の中心、或いは奇跡の中心のあれですw

>>59
あの戦闘員の強さは異常ですw
ちなみにあれでまだ手加減してます。
本気でやったら、人なんて……ねぇ?(誰に聞いている)
戦闘機人の設定とかもありますし、色々と機械化魔導師を出したら面白いかと思いまして。
詳しい設定もまだ考えてありますので、次回の針山クロスで出せるかも?

>>61
かっこいいなんてありがたいお言葉です。
原作でも十二分にかっこよかったですが、それを意識して書いてます。
強さ故の孤独と絶望を抱えたキャラなので。
ちょっと色々と詩人モードに入りつつ、書いちゃいました。

>>62
待ってましたぜ、旦那w

あと龍騎さん、すみませんが続きそうなので。
針山クロスを連載作品として、自分のページ移してください。
過労気味なところ、すみません(汗)
66リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/10(日) 02:00:12 ID:qLygQIUb
バクラさんの次は僕投下できるかも…

支援
67リリカル! 夢境学園:2008/02/10(日) 02:00:34 ID:yfDYjbMX
支援開始!
さあ闇のゲームの始まりだ!!
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:01:47 ID:WLqRKJ3U
ざわ・・・・・・。ざわ・・・・・・。
支援。
69キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 02:06:57 ID:EsfFm1L/
遅刻したオレを許せ。
投下します、デュエルスタンバイ(なに
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:07:54 ID:W9lC8pEy
さぁ!リボルバーティーダを見せるのだw
支援
71キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 02:08:09 ID:EsfFm1L/
「う〜ん……」

『朝だぜ、相棒』

「あと五分だけ〜」

『しょうがねえな……さっさと起きやがれ! じゃねえとテメエのその貧相な(検閲済み)を(検閲済み)で(以下ずっと削除)するぞ!!』

「ワキャ〜!!」

突然アレな言葉を大声で連呼されたキャロは顔を真っ赤にして飛び起きた。
いかに聞きたくなくても精神的に喋りかけてくるバクラの声は決して耳を閉ざせない。
起きて辺りを見渡すとキャロは不意に自分がどこに居るのか思い出せなかった。
自分が寝ていたのはダンボールでも、公園のベンチでもない。
スプリングが僅かに壊れているかもしれないが、確かに軟らかいベッドの上。
シーツの上で丸くなっていたフリードリヒも大きく欠伸を一つ。

「キュウワゥ〜」

周りには壁があり、下はフローリングされ、天井があるので野宿でもない。
壁には窓があり、朝の光が差し込んでいる。天井には蛍光灯があった。
ベッドの横にはスタンドライトと目覚まし時計が乗った移動式のラック。
壁際にはいくつかの服がぶら下がったクローゼット、本が並んだ小さな子供用の学習机。

「アァ……ここは……私の部屋だ」

ようやく思い出した真実がキャロの口から零れる。
そう、ここは彼女が(相棒の発案で)自分を養育する権利を『売った』ことで手に入れた居場所。
この部屋はその養育権を買ったマフィアのトップ 通称ボスが所有するマンションの一室にある。
マフィアのボスともなれば幾つもの隠れ家を持っているものだ。

しっかりと意識すれば笑みが零れるのを止められない。もう一ヶ月になるが嬉しいものは嬉しい。
フニャフニャと笑みを浮かべ、再びベッドに倒れこみそうになっている相棒にバクラはタメ息。
ゆえにボソッと釘を指しておく事にする。

『遅れるとボスがうるさいぞ?』

「ア〜!? 寝坊です〜!!」

『だからそう言ってんじゃねえか、さっきから』

ようやく事態を理解したキャロがフリードを吹き飛ばす勢いでベッドから脱出。
クローゼットから始めて与えられた今風の服を手にとり、なんだか手伝ってあげたくなるようなぎこちない手つきで着替え始める。
最後に首から千年リングを下げて完成。


そんな感じで……『キャロとバクラがようやく人並みの暮らしを手に入れたようです』
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:08:12 ID:ljoBA925
ドロー支援
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:09:21 ID:WLqRKJ3U
支援っ・・・・・・!
74キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 02:10:01 ID:EsfFm1L/
「おはようございま〜す……良かった〜親分さん来てないです」

『マフィアのボスが重役出勤しないってのもカッコつかねえよな? そう言えば』

何時もよりも若干遅れての出勤となったキャロは、ゆっくりとその扉を開けて中にお目手当ての人物居ない事を確認して安堵のため息を吐いた。

扉の中はビルのフロア一階分を丸々使った広い空間。
中には机が並び、その上には資料や電話、パソコンが鎮座する解り易いオフィスの図だ。しかしただの会社と言うわけではない。
カジノ兼ショーバー ヘブンの経営から魔道師への仕事の斡旋まで手広く手がける組織の中枢。
元が管理局の出身だからか? ボスは細かい事務仕事も自分達のうちで片付けたいと考える珍しい悪人なのだ。
故にマフィアのたまり場といえなくも無い空間にも拘らず、営業が出来そうなサラリーマン風の男性から会計が得意そうなオバちゃんまで居る。
もちろんパソコンも電車通勤も似合わないコワモテも確かに存在するけど。

「おはよう、キャロちゃん」

「ちょっと遅刻だな? 嬢ちゃんよ〜」

「ちょっと! アンタはいつも遅刻じゃないのかい?」

そんな全く異なる雰囲気が交雑して違法交じりの業務をこなすカオス空間がキャロはそれなりに気に入っていた。
と言うよりも野宿やハンバーガーショップ難民、オヤジ狩り狩りまで経験したうら若き少女にとって、大体の事は心地よく許される。

「早速で悪いんだけど、コーヒーお願いできるかな?」

因みにキャロがココに来た理由は彼らの仕事の補佐、いわゆる雑用だ。
働かざるもの喰うべからずの理念を地で行くキャロとボスの意思が一致した事から生まれた日課の一つだ。

「はい! 今度こそ塩と砂糖を間違えたりしません!」

「……ブラックで頼む」

「ショボン」

しかしまあやはり世間知らずの辺境の民、失敗は多い。
なおパソコン技術の習得は極めて困難であり、バクラ曰く『オカルトはOKだがハイテクはダメ』だそうです。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:10:34 ID:vFOcVslN
残念っ・・支援・・っ!
嘘じゃありません・・・・これが支援・・っ!
76キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 02:10:58 ID:EsfFm1L/
「わかった、それで良い……だが指定された便で確実に送れ。
アァ、遅延は認めん。万が一そうなった場合は、前金以外に金が入ると思うなよ?
以上だ」

物騒な話なビジネストークをしながら、登場したのは数人の部下を引き連れたボスその人。
別に怒鳴っているわけでもなく、持った携帯電話に淡々と話しているだけなのだが、その存在感はオフィスの中に居る人の注意を集める。
ボスには謎が多い。長い付き合いがある人物からもそんな言葉はよく聞かれる。チンピラと紳士を足してから、士官学校の教官をかけたような人物。
キャロ的に言えば「厳しいけど優しい不思議な人」で、バクラ的には「かなりの修羅場を潜り抜けてきた猛者」とのこと。

「ボス、例の取引上手く行きそうですか?」

「アァ、5日後に第三埠頭につくコンテナだ。それまでにこれだけ現金で用意しとけ」

組織全体では解らないが、このオフィスでは確実にNO2の立場居る元大手企業のやり手サラリーマンに、ボスは指を三つ立てて金額を告げる。
その様子を見てキャロは首を傾げた。

「300かな? それとも3000?」

マフィアがコンテナ単位で取引する品物が、財布からポンと出てきそうな金額で取引されるわけが無い。
むしろ3000程度ならばワザワザ隠した表現をする必要も無い。
そんな相棒のスケールの小ささと、世間知らずさを見かねてバクラがボソリと呟く。

『それに0を4つくらい増やせ、相棒』

「4つですか? 1、10、100……えぇ!? そんなお金一人じゃもてません!」

『そこが問題じゃねえだろうが……』

よく解らない点で一人、大慌てしているキャロにバクラは肩を竦める。
チンピラからかっぱらうなんてちゃちなマネをしているから金銭感覚がおかしくなる。
どうせなら札の海で泳ぐようなデカイ仕事をしておくべきだっただろうか?
そんな身内(文字通り)の葛藤を察知したわけではないだろう、ボスが部下への指示を終えて近寄ってきた。

「おはようございます、親分さん」

「おう、今日は朝から交渉でダレた。これから気晴らしにお前の訓練やるぞ」

「はい! よろしくお願いします!」
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:12:26 ID:WLqRKJ3U
支援っ・・・・・・!

78キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 02:12:27 ID:EsfFm1L/
「……どんな状態でも同じ状態で魔力を操れなければ、ヤバイ事態に対処できん」

「はい!」

場所を屋上に移し、距離を置いて向かい合うボスとキャロ。
キャロは目を伏せて精神集中、額には止まったままとは思えない汗が光る。
足元にはミッド式の魔法陣。掲げた手の先には数十分前から変わらぬ大きさで存在する魔力球。
ソレを見つめるボスは葉巻を咥えながらも、火はついておらずその視線は真剣そのもの。
彼の足元には主を心配そうに見つめる白銀の飛竜 フリード。

「よし、10分休憩。それからランニング、屋上周りを20週して今日は終わりだ」

「はっ……はい〜「しかし地味すぎねえか!?」……」

へたり込んだキャロの胸で千年リングが煌き、その様子が一変した。
疲れ果てた表情は自身と野性味を纏った獣それになり、鋭い目元がボスを睨みつける。
歴戦の彼を持って仕手もいまだになれない千年リングの性格入れ替え。
馬鹿で真面目な田舎者の少女は裏へと引っ込み、現れるのは狡猾で冷徹な太古の盗賊にして闇の欠片。

「相棒の潜在能力が半端じゃねえのは気がついてるんだろう? ボス〜」

「だからこそだ。実戦慣れしたお前も居るのだから、応用には事欠かないだろう。
 過ぎた力も才能も基礎が出来ていなければ、役に立たない。そのために力の制御の反復練習と体力だ。
 実戦でへばっていては話にならない」

いつもならば長いこと視線を合わせることすら躊躇われる組み合わせだが、バクラがメインとなっていれば話は別だ。
充分につり合う物騒なにらみ合いに、フリードはどこに対比しようかとアッチをパタパタ、コッチでパタパタと忙しない。

「まぁ、良いさ。相棒は満更でもないみたいだからな……少々自分に厳しすぎる癖があるからよ」

「確かにな……」

「おっと! 別に心配してるって訳じゃねえんだぜ? 
せっかくのオレ様の自由がパァになるなんて馬鹿らしいからな」

「そういう事で良いさ……デバイスの件だが明日のウチには届く。
 届いたらテメエの使う珍しい召喚術との一致テストをやるぞ。今度の取引にはお前らにも仕事してもらうぞ」

言い訳の匂いしかしないバクラの言葉を軽く肯定してから、ボスが口に出したのはこの一ヶ月で始めての仕事の話だ。
いつもやっている雑用などではない。一人の魔道師として、組織の一員としての仕事。

「ヘッ! やっと面白くなって…「はいっ! がんばります」…」

「どっちにしろスゴイ変化だ」

急に笑みから悪意が抜け、跳ねていた二房の前髪が大人しくなる。
目元から鋭さが取れて、釣りあがっていた口元が沈めばそこに居るのは何時も通りの田舎娘だ。
79キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 02:13:11 ID:EsfFm1L/
「この頃……あの子、来ませんね?」

「え?」

不意にバイト中のレジに横のレジに立っていた同僚がそんな事を言った。
ハンバーガー店に来る人物といえば多種多様だ。いろんな人がどんな時間にも来る。
そんな中で記憶に残る特定の人物などそう居ない。だけど私もすぐに思いついた。

「あの子か……変わった服を着てて、珍しい首飾りをつけた」

「そうです。最初に来た時には注文の途中で飛び出して行っちゃった子」

確かにあの子はインパクトが強い。来た回数を言えば四回ほどだろうか? 二日おき位にやってきた。
何時も同じメニューを頼んで、一晩を過ごして朝には出て行く。
最後に来てから一ヶ月になる。印象に残っていればその行く末をどうしても気にするのが人の性だろう。

「こんな店で夜を明かさなくても良い生活を手に入れたのか……」

「こんな店にも来れなくなったか?」

「不吉な事を言うなよ!」

そんな話をしている時に自動ドアが開く音がした。
すぐさま思考を『接客モード』に切り替える私たち。自分の変わり身の早さがイヤになる。
『いらっしゃいませ』とか『ご注文をどうぞ』そんなありきたりな言葉を吐き出しそうになって、私達はソレを喉に詰まらせた。

「こういう店は馴染みがねえ」

「死ぬほど浮いてますぜ、ボス」

「店員に通報されませんかね?」

一般人でも知っている顔が一つ、この辺りを取り仕切るマフィアの頭目。それを囲むのは数人のやっぱり怖そうな人達だ。
黒いスーツやサングラス、派手ながらのシャツ。いつでも使えるように握られたデバイスがハンバーガー店の店内に死ぬほど似合わない。

「お久しぶりです!」

だけど私たち店員の凍った空気を、先ほど回想していた明るい少女の声が溶かしてくれた。
薄桃色の髪、首から下げた金のペンダントや愛らしい姿は変わっていない。
だけどその身を包む仕立ての良い服と血色の良い肌が確かな変化を伝える。

「来たいな〜とは思ってたんですけど、言い出せなくて」

『こういう場所、皆さんは行かないみたい』と笑う少女が言う『皆さん』と言うのはこの恐い人たちの事だろうか?
どうやら彼女がこの人たちをここに連れてきたらしい。それだけで複雑な事情が色々と推測されるがソレは口にしない。
他人様の事をどうこう言うつもりは無い。自分達もそんなに余裕がある生活をしていない。

「ご注文はお決まりですか?」

ただ……貴女が嬉しそうに注文をしてくれるだけで充分だ。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:14:13 ID:WLqRKJ3U
支援っ・・・・・・!
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:15:25 ID:vFOcVslN
支援・・・
82キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 02:15:25 ID:EsfFm1L/
最後のハンバーガー屋が一番楽しく書けたなんて言えねぇぜw
以上です。オリキャラ祭り、絶賛開催中。そしてフリードの使い方がワカリマセン(笑えん
次こそ……次こそリリカルキャラを……
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:17:54 ID:BZwkKHMD
なんでだ! なんでこんなに違和感ないんだ!wwww
84リリカル! 夢境学園:2008/02/10(日) 02:17:57 ID:yfDYjbMX
ハンバーガー屋が素敵でした。
もうこのままオリジナルストーリーでつっぱしてもいいじゃないかと思いつつ
GJ!!
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:19:36 ID:ljoBA925
このまま闇のデュエリスト一直線だw
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:19:46 ID:W9lC8pEy
GJ!!です。
なんか私の中のボスの姿が勝手にクロコダイルになってるw
フリードは数の暴力で相手を陵辱しているときに万が一でもキャロに攻撃がこないように
常に背に乗せて飛んでいるのですよw
そして、召喚した者が敵の動きを抑えたらそのままフリードで焼き殺し、社長の名台詞をw
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:22:39 ID:e2vOvXwu
GJ!
それにしてもバーガー屋が武装錬金のを思い出させて仕方ないw
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:24:25 ID:wKcb2jrs
GJ!
ハンバーガーショップシーンには心が暖まりました。
ちなみに俺の脳内でのボスはロッド・ロス(デスノートのマフィアのボス)だぜ!w
89メタルサーガsts:2008/02/10(日) 02:27:42 ID:8MWmudC8
GJ。
ハンバーガー屋がこんなステキな舞台になるなんて夢にも思わなかった。
それと親切なマフィアに重ねてGJ。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:29:10 ID:WLqRKJ3U
GJ!!でした。面白かったです。
ダンボールやベンチで寝てたとかやたら現実感があって・・・
それにしてもキャロが着々と組織の一員になってるw
これはもう裏社会で生きていくしかありませんね。
バーガー屋が素敵。
次あたりリリカルキャラが出てくるのかもしれませんけど、
どういう出会いになるか想像できませんw
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:31:18 ID:ibbW7gjL
俺はブラックラグーンの張を思い出した。
これは管理局フルボッコタイムかもしれん。
白い悪魔VS邪神とかどこの怪獣大決戦だとw
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:33:45 ID:BZwkKHMD
>>91
あれ、俺がいる。
ベイブ可愛いよベイブ
93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:35:40 ID:yKFvk5rY
>>91
お前は俺かwww
94Strikers May Cry:2008/02/10(日) 02:44:13 ID:h9woU/KU
蝶Gj!

なんだこのホンワカ空気は!? あなたのSSを読んだだけで俺の心のライフに100000ポイントくらい加算された!
そしてキャロの初仕事に期待、マジで次回をお待ちしております。

しかしキャロがこんなに可愛いと思ったの初めてかも。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:46:05 ID:WLqRKJ3U
しかし今日は良いSSがどんどん投下されるな。
流れに乗ってる。
96リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/10(日) 02:46:24 ID:qLygQIUb
GJ
相変わらず笑ってしまいます。

投下良いですか?
文章力はバクラさんの足元にも及びませんが…
97リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/10(日) 02:52:41 ID:qLygQIUb
反応がないな…よし、眠い時間たってるから投下します。

【平成ライダーサイド】四話「混沌調和」Aパート
【デンライナー食堂車内】
戦いが終わった後、良太郎、巧、フェイトの三人は、懐かしいデンライナーの食堂車内に来ていた。

「未来が牙王に!?」

良太郎は両手でテーブルを叩いて勢い良く立ち上がる。

「ああ、俺たちゃボロ負けして逃げてきたって訳さ…」
「僕ら、あいつにぜ〜んぜん敵わなかったよ。」
「全く情けないったらありゃしないで…」
「負けた〜!!」
「…!」

モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、ジークの五人は負けた自分達を恥じた。

「良太郎!巧!フェイト!他の皆にも連絡して、力を貸して!」

コハナは良太郎、巧、フェイトの三人に頭を下げ、協力を願う。

「ハナさん…もしかして今から?」
「そうよ!皆の力を合わせれば、牙王なんて…」
「それは…できませんよ。」

ドアが開き、デンライナーのオーナーがステッキで床を突きながら車内にやって来た。

「オーナー!」
「久しぶりですねぇ、良太郎君、フェイト君、そして…」

巧の目をまっすぐに見つめ、少しの間黙るオーナー。
そして数十秒後にやっと口を開く。

「…誰でしたっけ?」
「…!」
「巧さん!ほら、オーナー久しぶりだからちょっとド忘れしただけだよ!」
「たっくんお願いだからファイズドライバー取り出さないでぇ!」

静かに怒りを燃やす巧を一生懸命宥める良太郎とフェイト。

「もう!三人ともふざけないでよ!それでオーナー、できないって一体…」
「ハナ君が居た未来へ続く路線が、結界によって、閉ざされてしまいました。」
「え…じゃあ…」
「結界を解かない限り、未来へ戻ることは不可能です…」
「そんな…」
98リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/10(日) 02:53:41 ID:qLygQIUb
コハナは膝を落とし、絶望する。

「ハナさん!しっかりして!」
「ハナさん!オーナー、結界を解けば、未来へ行けるんですよね!?」
「もったいぶらずに教えろよおっさん!」
「生憎私にも…それは分かりません…たぁだ…」
「「「ただ?」」」

オーナーは一端話を止め、後ろを振り向く。

「「オーナー?」」
「おっさん?」
「ちょぉっと最近太ってしまったので、走ってきます。」
「「「なんじゃそりゃあ!?」」」

オーナーはそれだけ言って食堂車から出て行った。

【デンライナー車内通路】
「ただ…鍵は意外と近くに、あぁるかもしれません…」

………
【イタリア】
その頃、矢車、影山、シャマルの三人は、橘からAAMON目撃の報を受け、イタリアに来ていた。

「兄貴、シャマ姉、この小さな島にAAMONが居るってのかい?」
「最近、何度もミラノに何か荷物を運ぶ戦闘員が目撃されているわ。間違いないと思う。」
「とりあえず今は、剣達と合流するのがさ…」
「お〜に〜ちゃ〜ん!」
「「お!」」

噂をすれば何とやら。
剣が矢車と影山に向かって両腕を広げて走ってきた。

「お〜に〜ちゃ〜ん!」
「「剣〜!」」

矢車と影山も両腕を広げ、剣に向かって走り出す。

「お〜に〜ちゃ〜ん!」
「「剣〜!」」

そして三人が抱き合う瞬間…

「「やめなさい!」」
「「「グハッ!」」」

シャマルと岬の100tハンマーが三人の頭に直撃した。
99リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/10(日) 02:54:23 ID:qLygQIUb
【レストラン】
「「「がつがつがつがつ」」」
「…で、岬さん、情報を。」
「そうね。…見て、この前剣君が倒した戦闘員がトラックで運んでいた荷物の中身よ。」

岬はパソコンを取り出し、画像をシャマルに見せる。
画像に移っているのは大量の鉄骨や機械だ。

「「「がつがつがつがつ」」」
「これは…資材ですか?」
「おそらくね。多分奴らはこのミラノに基地を作るつもりよ。」
「「「がつがつがつがつ」」」
「「…!」」

シャマルと岬は料理に夢中で喰らいついている地獄三兄弟の頭部を再びハンマーで殴る。

「「「ぐお!?」」」
「「静かに食べろ!!」」

【ディスカビルコーポレーションイタリア支社 オーナー室】
その頃じいやは…

「あああああああ!居ても立っても居られません!ここはやはり今から坊ちゃまを追って…いやしかし、留守を頼むといわれておりますし…ああああああ!どうすればいいのやら!」

剣の元に向かうべきかどうか迷っていた。

【ミラノ 繊維工場】
ミーティングを終えた三人は岬と分かれ、シャマルと共に剣が戦闘員を倒した区域の近くにある繊維工場を訪ねていた。
剣の勘が、「アジトはここだ」と告げたからである。
シャマルはそこの工場長に資材のことを尋ねたが…

「この写真に写っている資材、貴方方が必要としているものではないんですか?」
「(イタリア語で)いえいえ、そんな資材なんて知りませんよ!うちは繊維工場ですので、鉄骨なんて必要ありません。」

工場長は「知らない」の一点張りで、他に何も喋ろうとはしなかった。

「…どうやら、本当に知らないようね。三人とも、行きましょう。」
「うん、シャマ姉。」
「俺の頂点に立つ勘がここだと告げたんだが…間違いだったか…」
「はぁ…時間の無駄だったか…」

四人はあきらめた様子で工場から出て行く。
その様子を見た工場長は、四人が出て行った後に不気味な笑みを浮かべた。

「ふっふっふ…馬鹿な奴らめ…!」

工場長は顔に張られた人工皮膚を剥がし、怪人・セイウチロンに変身した。
それと同時に働いていた従業員達も顔の人工皮膚を剥がし、戦闘員に変身する。
100リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/10(日) 02:55:13 ID:qLygQIUb
「本当に馬鹿な奴らよ…俺の正体に気付かないと…」
「…今俺を笑ったか?」
「む!?」

工場の入り口の扉が開き、再び矢車、影山、剣、シャマルの三人が現れた。

「き…貴様ら…張っていたのか!?」
「当然さ!俺も兄貴も、お前らのせいで人が簡単に信用できなくなったんだよ!」
「やはり、俺の勘は正しかったようだな!」

影山と剣は矢車の前に歩み出て、自分達のゼクターを呼び出す。
中心にいた矢車もだるそうに手をかざし、自分のゼクターを呼び出した。

「「「変身!」」」
『HENSINN!』

三人はそれぞれライダーに変身し、ファイティングポーズを取る。

「相棒、剣、雑魚は任せる。」
「ああ!」
「俺は雑魚処理においても頂点に立つ!」
「想さん!あたしは…」
「邪魔だ。下がってろ。」
「…はい。」

シャマルは涙目になりながら後方へ下がる。
そしてキックホッパーはパンチホッパーとサソードMFに工場内の戦闘員達を任せ、自分はセイウチロンと共に工場の裏地に出た。

【工場裏】
「行くぞセイウチの化物…」
「来るが良い、ライダー!」
「…!」

キックホッパーはセイウチロンに接近し、自慢のキックコンビネーションを次々と打ち込んで行く。
だが…

「その程度かライダー?」
「何?」

キックホッパーの巧みな攻撃は、セイウチロンの筋肉に恵まれたボディには効いていなかった。

「どういうことだ…」
「ガッハッハッハ!貴様の攻撃のデータなど、とっくに手に入っているんだよキックホッパー!」

セイウチロンは巨大な筋肉を持つ腕でキックホッパーを殴り飛ばす。

「ぐあ…!」

殴り飛ばされたキックホッパーは、工場の壁に激突した。

「うぅ…」
「止めだ…キバミサイル!」
「!?」

止めを刺すため、セイウチロンは頬に装備された牙をキックホッパーに向けてミサイルのように発射する。
そしてセイウチロンの牙は、キックホッパーのホッパーゼクターの中心部を貫いた…
101リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/10(日) 02:56:24 ID:qLygQIUb
投下終了
うーん、短いな…次回頑張ります。
次回はザビー復活ですのでお楽しみに。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:56:26 ID:BZwkKHMD
文章力云々言うなら、まず背景を描写することから始めろや、支援
103StS+ライダー:2008/02/10(日) 03:04:14 ID:qLygQIUb
背景か…確かにダメダメだな…
よし、明日勉強してみます。
学校の宿題はありますけど。
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 03:06:10 ID:BZwkKHMD
もう一つ、「誰かから見た風景」の場合「五感を二つ以上からませること」のを意識するといいかんじ
最低でも視覚+α それで足りないならβだ
105スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 06:27:33 ID:nAr+P2Sw
さてと午前7時ごろに俺も投下しようかな。お目覚めに一発やりましょうか。
DETONATORStrikerSの「決着編1」ですよ。
106スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 07:00:17 ID:nAr+P2Sw
よしでは投下しましょうか。

 決着編


 地上本部と機動六課はガジェットと戦闘機人そしてイバリューダーの襲撃により事実上壊滅した。
 機動六課の怪我のひどいメンバーは全員聖王病院に搬送された。
 トモルも倒れたが、怪我はしておらずただ力を使いすぎで倒れただけである。
 トモルは聖王病院で療養を取っていたら、なのはとフェイトがトモルの病室にやってくる。

「トモル君、体は大丈夫?」
「大丈夫ですよ、少し疲れただけですし、もう普通に動けるって医者にも言われましたから……」
「でも休んでいた方が……」

 なのはとフェイトがトモルを心配するが、トモルはその二人の心配を取り除こうとする。

「もう大丈夫ですよ。俺の事は気にしなくていいですから……」
「そう。だったらいいけど……」
「トモル君、これからフェイト隊長とヴィータ副隊長とシグナム副隊長達と一緒に陸士108の隊舎に行くけどトモル君も来る?」

 トモルはなのはがフェイトやヴィータを「ちゃん」づけでない事から真剣な話をするのだと察する。

「……、わかりました」

 トモルは急いで着替え、いつもの上着を着てなのは達と一緒に陸士108の隊舎へと行く。


 そして陸士108の隊舎で、スバル、ギンガの父であるゲンヤ・ナカジマから戦闘機人の事について語られ、トモルは唖然とする。

「同じだ」
「え?」

 トモルの言葉になのはが何の事か聞く。

「同じって……?」
「これじゃあ戦闘機人は戦闘種族のイバリューダーと同じじゃないか……」

 トモルは戦闘機人がイバリューダーと同じ事をしようとする為に作られたものだと考え、嘆く。

「トモル君、でもスバルやギンガはそうじゃない」
「あの二人はちゃんと人間らしく生きてる。それはトモルもわかってるでしょ」

 なのはとフェイトの言葉にトモルは考え、二人の事を思い出す。
 トモルはギンガといた時間は誰よりも短いが確かにギンガもスバルも人間らしく、いや人間として生きてきた。その事を思い出す。

「……、そうですね」
「わかってくれたんか坊主」
「はい」
107スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 07:01:03 ID:nAr+P2Sw
 トモルは皆と別れた後、はやてに会いに時空管理局本局に向かう。
 はやては廃艦になる予定だったアースラを使う事を決め、今はそれの整備作業を見ているところである。
 そこにトモルがやってくる。

「トモル君……」
「はやてさん、あの……」

 トモルが何を言いに来たのかをはやてはすぐに察したかのように口を開く。

「オーガンのソリッドアーマーの事やろ?」
「……、はい」
「あれはあと少しで修復完了になるそうやからそれまでの辛抱やから……」
「そうですか……」

 トモルは内心焦っている。イバリューダーが現れた以上もうデバイスではなくソリッドアーマーで戦わなくてはならない。
 恐らくゾアはソリッドアーマーを復元させて甦るはずだから……。

「トモル君、ちょっと聞いてええか」
「何ですか?」

 はやてが真剣な顔をしてトモルに聞く。

「トモル君はまたソリッドアーマーで戦う気やろ?」
「そうですが……」
「それで人を殺さない自信ある?」

 トモルはその言葉に考え込む。はやては次にトモルがソリッドアーマーで戦う事を考え、戦闘機人達を殺さずには無理ではと思いトモルに聞いたのだ。

「無理かもしれません……。でも……」
「でも?」
「俺も殺したくはありませんし、殺さないようにします」
「そうか……」
「けど、ゾアだけは倒さなきゃいけないんです。あいつは全てのイバリューダーの総司令にして最強のイバリューダー。
そして人間の時の記憶を唯一持っているイバリューダーでもあるんです。ゾアはもしかしたらこの世界。いや、この時代の地球や他の星も破壊しようとするはずです」
「そこまでの存在なんかそのゾアってのは……」
「はい、ですからそこのところだけはお願いします」

 トモルは頭を下げてはやてに頼む。

「わかった。でも戦闘機人達は殺さないようにして欲しいんや。それは約束してな」
「ありがとうございます」

 そしてトモルはその場を後にする。しかし、はやては何か気にかかる事があるのでトモルに内緒でマリーに連絡を入れる。

「マリーさん、ちょっとええかな?」
「はやてちゃん、何ですか?」
「実は……」

108スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 07:01:38 ID:nAr+P2Sw
 その頃スカリエッティアジトでは連れて行ったスバルの姉ギンガの洗脳と改造をしている最中、また違うものたちの修復もしている。
 それは先日の地上本部襲撃でスバルに重傷を負わされた戦闘機人ナンバーズナンバーXのチンクとオーガンに重傷を負わされたオットーの修復である。
 チンクはスバルに搭載されたIS振動破砕により受けたダメージは基礎フレームにまで及び、背骨と上半身のフレームが完全に壊れるなどとひどいものである。
 しかしそんなチンクの怪我よりもオーガンにやられたオットーの方はもっとひどい。
 オーガンの殺傷のある拳で顔や体を全て殴られチンクと同じように背骨と上半身のフレームが完全に壊され、その上チンクとは違いオーガンのビームガンにより腹には風穴を開けられていて、
 もう少し下だったら、あるいはその穴の大きさが大きかったら二度と下半身との接合が無理なほどである。はっきり言って連れて帰った後、意識を失い未だに意識を取り戻せていない。
 もしこれにランサーが加わっていたらオットーは間違いなく死んでいたであろう。
 ちなみにディードもオーガンにより怪我を負わされいたが、オットーと比べると軽いものですぐに修復はできたが心までは修復しきれない。

「オットー……」

 ディードは痛々しくポッドに入れられるオットーを見て嘆く。
 自分もいながら双子のオットーを助けられず、ここまでにしてしまった自分を悔やみ怒る。
 そうオットーをこんな風にしたオーガンを……。

「オーガン……、絶対に許さない!」

 その時、ディードの後ろからは完全にソリッドアーマーを取り戻したゾアが近づく。

「わかったであろう。所詮お前達ではオーガンには勝てまい……」
「何!?」

 ディードは憎しみなどで睨み付けるような目をしてゾアを見る。

「ほうなかなかいい目をしているではないか。そのくらいの気迫があればオーガンに勝てるかもしれんな……」
「それは本当か?」
「ああ、わしらイバリューダーのように破壊のみを考えればな……」
109スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 07:02:11 ID:nAr+P2Sw
 それから一週間後ついにスカリエッティは動き出す。ヴィヴィオに聖王の証のレリックを埋め込み巨大戦艦「聖王のゆりかご」を起動させたのだ。
 ゆりかごが軌道衛生上に上がれば、すべての世界は攻撃されるのだ。機動六課はすぐさまゆりかごの破壊とスカリエッティ、戦闘機人の逮捕とギンガ、ヴィヴィオの救出に向かうのである。
 トモルはトモルの希望によりゆりかご内部に行くこになり、トモルは出撃前にオーガンのソリッドアーマーの前に立つ。

「オーガン……」(恐らくゾアはゆりかごの中にいる。ならば今度こそゾアを倒さなきゃならない)

 トモルは今度こそゾアを倒せなきゃいけないと決意を固める。その時、はやてがやってくる。

「トモル君……」
「はやてさん……」
「トモル君、オーガンとのリンクをやめてくれへんか?」
「え?」

 はやての突然の言葉にトモルは驚き、反論する。

「何でなんですか!?」
「私、トモル君に内緒でマリーさんに頼んで調べてもらったんや。トモル君とオーガンのリンクの事とその危険性を……」
「!?」

 はやてはトモルが聖王教会で言った事がずっとひっかかっていてこの前マリーに頼みトモルとオーガンのリンクの事を調べてもらいわかったのだ。
 オーガンはトモルを電子分解して自分に取り込むがそれが有効なのは最初の一回だけでそれ以降はトモルの命に危険があり下手をすればトモルが二度とオーガンから離れられないかもしれなかったのだ。

「トモル君、あの時はその事を言いそうだったから私達に心配をかけないように嘘を言ったんやろ?」

 トモルは観念する。

「……、はい」
「だったらやめてくれへん。この戦いが終わったらトモル君は死んでしまうかもしれへん。だから……」

 トモルは改めてはやてがどれ程までに命を失われるのを恐れているのがわかったがトモルの決意は変わらない。

「はやてさん……。すみません……、それだけは聞けません」
「何でや!?」
「ゾアはオーガンでなきゃ倒せません。この世界でならそれはなおさらなんです……」
「でもその為にトモル君が死ぬ事は……」
「はやてさん、俺は前にも言ったと思いますが俺は死にません。俺はこの世界の人達を守りたい。それに俺の時代の地球には大切な人がいるんです。俺はその人とまた会うまでは死にません」

 はやてはいかにトモルが決意を固めているのかがわかり、もはや止めても無駄な事がわかる。

「わかったで。もう止めへん。でもトモル君、約束してな。必ず生きて帰るって……」
「はい……」

 はやては時間になり、なのはとフェイトとヴィータと一緒に出撃する。
 そしてトモルも出撃する。ソリッドアーマーのオーガンと再びリンクして……。
110スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 07:02:56 ID:nAr+P2Sw
投下完了。
お目覚めにでもどうぞ。
111キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/10(日) 07:22:29 ID:EsfFm1L/
感想サンクス。やたらとやる気が出てしまうから困る(他のスケジュール的な意味でw

>なぜ違和感が無いんだ!?
知らん(おい
それは完全に褒め言葉として受け取っておく。異論は認めん

>バーガー屋大人気
予想通りの反応。だがオレはお前らのさらに行って先を行くぜ!(何の話?
イヤ……行くぜと言っても特に裏設定があるわけでは(ry

>ボス談義
お好きなボスを脳内保管してお楽しみ下さい。彼の本名はきっと出てこないから

>フリードの取扱説明書
アァ、そうだ。戦闘時の使用法に問題はない。解らないのは……平時だ!!

>心のライフに100000ポイントくらい加算
キサマ、どんなドーマ的手段を用いたw
オレイカルコス・キュトラスとかそんな感じか!?
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 08:32:09 ID:2RCa/Qo6
>110
乙。
ディードって、壊れキャラ?
113スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 09:05:51 ID:nAr+P2Sw
>>112
別にそういうつもりではありませんよ。
確かに「片翼の天使」を参考にした部分がありますが、片翼のような狂人化はしません。
あくまで冷静なまま復讐に燃えるという風にしてます。
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 10:07:23 ID:hEIWHjfA
gjフリードお友達に人骨亀かディアバウンドでも呼びます?
無機物 有機物問わず分身を憑依させ 操る
パラサイトマインドはギャンブルに使うと反則だと思う。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 10:10:59 ID:Y1MbnN6U
>>114
龍骨鬼はやばいwwww
戦士、魔法使いとバトルしたら確実に仕留めるとかありえん
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 10:39:23 ID:hEIWHjfA
龍骨鬼はやばすぎだな 死霊ゾーマも漫画見たら反則だったが。
117反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/10(日) 10:45:22 ID:wESdGkBm
職人の皆様GJ!

さてと、日曜の朝っぱらから片翼外伝を投下してもよろしいでしょうか?
…皆様がシリアスやらバトルやらほのぼのやらで固めた中、自分だけドタバタコメディというのもアレですが。

バイド? いいえ、ユーノ君です
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 10:52:43 ID:Czf/l9tm
応援w
119反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/10(日) 10:53:15 ID:wESdGkBm
魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使

外伝集「アンソロジー(3)」


――ユーノ君のプロポーズ大作戦!(前編)

「…うーん…」
時空管理局本局の一角。
無限書庫司書長ユーノ・スクライアは、只今絶賛苦悩中だった。
約1ヶ月前のあの日、ゆりかごの中で言ったこと――「大切な話」の件。
既にあの頃から「用意」はできていたのだが、なかなかいい切り出し方が見つからず、結果かなりの時間が経過している。
「やっぱり、ストレートに言うのがいいのかな…いや、それではぶしつけすぎるし…」
落ち着きなく独り言を呟き続けるユーノの手の中には、小さな白い箱。
かれこれ1月前から渡せずにいる、あの人への贈り物。
「いっそこの10年間の中で惹かれた部分を丁寧に…いや、それじゃまるでストーカーだよなぁ…」
言いながら、ユーノの手がぱかぱかと箱を開け閉めする。
蓋が開く度に、小さな宝石がきらりと輝いていた。
「そもそもシチュエーションをどうするか…、よし! ここは奮発して高級レストランでm」
「何しとるんユーノ君?」
「どっひゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァ――――ッ!!!」
跳んだ。ものの見事に。
いきなり背後から聞き覚えのある関西弁を聞いたユーノは、奇声を上げて思いっきり跳び上がると、そのまま天井に盛大に突き刺さった。
しばらくの後、彼は声の主によって救出され、ようやく床に足をつける。
恐らく数日後には、天井の修理代が書かれた請求書が届くことだろう。この時期にその出費は痛い。
ため息をつきながら、ユーノはその要因の安否を確かめようとして――それが手の中にないことに気が付いた。
「むっふふ〜♪」
目の前の関西弁が、どこかニヤニヤした表情でユーノを見ている。
その手の中には、
「ああっ! それは!」
「おっと、盗んだなーとかいう言いがかりは嫌やよ? ユーノ君が勝手に落としたんやからなぁ」
あの白い小箱がしっかりと握られていた。
「かっ…返してよはやて!」
「いやぁ〜、なのはちゃんへの大事な話っちゅうのは、こういうことやったんやなぁ〜♪」
「うぅぅ…」
その関西弁――はやての言葉に、図星を突かれたユーノは耳まで真っ赤になってうつむいてしまった。
「にしても、ユーノ君も思い切ったことするんやねぇ〜」
「はやて…君、この10年で意地悪になってない…?」
「いやいや、私はユーノ君のお手伝いするつもりなんやよ?」
「へ?」
予期せぬはやての言葉に、ユーノははっとして顔を上げる。
「その様子見る限りやと、何かあって最後の一歩を踏み出せてへんのやろ?」
全くの図星だ。意外とはやては鋭い。
その観察力に感服しつつ、とうとう観念したようにユーノは口を開いた。
「うん…なかなかタイミングが合わなかったり、いい言葉が見つからなかったりでさ…」
「う〜ん…ユーノ君らしい原因やねぇ」
納得した、といった様子ではやては頷く。
無限書庫の司書長として多忙を極めるユーノには、なかなかなのはと2人きりになる機会がない。
そして、彼に恋愛経験があるなどとは到底思えない。プロポーズの言葉を見つけることなど、容易ではないだろう。
「…よし、ユーノ君の話はよーく分かった!」
その瞳に燃える決意を宿し、はやては強く右拳を握りしめた。
一方のユーノは、そんなハイテンションな彼女について行けない様子。
「私らに任せとき! ユーノ君プロポーズ大作戦、スタートや!」
「は…はぁ…」
120反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/10(日) 10:55:04 ID:wESdGkBm
本局大浴場、サウナ。
局員達が汗を流し、勤務の疲れを癒す広大な空間。その一角に、彼らはいた。
片や、クラウディア提督クロノ。
片や、嘱託魔導師のセフィロス。
セフィロスの方は随分と久しぶりの出番です。
「…前々から言おうと思っていたことがあるんだ」
苦々しげな表情を浮かべながら、クロノがセフィロスに言う。
さしずめ内心は、「何でよりによってこいつと裸の付き合いをすることになったんだ」といったところか。
「何だ」
返すセフィロスの声音も、いつになく不機嫌そうだ。
さしずめ内心は、「何で暇潰しに寄った場所で口うるさい説教をされなければならないんだ」といったところか。
「お前のあの剣…何と言ったか…」
「正宗だ」
「そう、それだ。何でお前は局の人間のくせに、あんな質量兵器を振り回しているんだ」
今まで誰もが忘れていたが、一般的な刀剣である正宗は立派な質量兵器だ。
管理局の魔導師が堂々と振り回していい武器ではない。
かつての市街戦の折に、ディエチがセフィロスを局員だと認識できなかったのには、そういうわけがあった。
「俺の剣は質量兵器じゃない」
しかしセフィロスは白々しくもそう言い張る。
「それで納得するような馬鹿はいない」
「よく考えてもみろ。質量兵器というのは、誰でも扱えるから禁止なのだろう」
「その通りだ」
「あれは俺にしか使えん」
言うまでもなく、真実である。
正宗は長身であるセフィロスの身の丈すら超える、常識外れなまでに長い刀だ。正直、職人の顔が見てみたい。
その扱いづらさ故に、彼のいた世界では他ならぬ彼にしか振れない剣。それが正宗なのである。
「そんな屁理屈が通るか」
しかし、そんなものは子供の理屈だ。大体、それで通るならあの作品のあの刀もデバイスにする必要はない。
「大体、何でお前はいつもあの私服姿なんだ」
「はやてが許可した」
「僕は許可しないぞ。断じて許可しない。分かったら局員らしく制服を着ろ」
「はやてに言え」
「お前は子供か」
「お前よりは歳上だ(多分)」
一歩も譲らぬ両者の張り合いは止まるところを知らない。
ただでさえ我慢のいるサウナの中でこれだ。他の局員達は、もう胃が痛くてたまらなかった。
嗚呼、何故この日に限ってこの六課の魔導師とやらは本局に出向してきたのか。
どうせ来るなら提督が出払ってる時に来ればいいのに。
そんな口論も、気付けば結構な時間を消化していた。そろそろ退室してもいい頃である。
「…そろそろ上がった方がいいんじゃないか?」
しかし、このクロノの言葉が、新たな争いの火種となった。
「…いや、まだ問題はない。そういうお前はどうなんだ?」
「僕もまだ大丈夫だ」
第2ラウンド開始。再び平行線。お前らそれでも提督と英雄か。
「お前、魔力に異常が見られたんだろう? 病人のような人間が無茶をするな」
「お前こそ、自主練習を終えたばかりだと聞いたが」
「これも鍛練のうちだ」
「奇遇だな。俺もリハビリの一環だ」
全然違う。
「…おい…いい加減にしておけ。お前、全身汗だくじゃないか。脱水症状で倒れ
るぞ。俺は大丈夫だが」
「そんなやわじゃない。お前こそ表情がひきつってるぞ。水を飲みたいだろう?
 僕は大丈夫だが」
「いや、お前より俺の方が大丈夫だ」
「いや、お前の大丈夫より僕の大丈夫の方が大きい」
局員達にとってはもう見るに耐えない。
全身から汗を滝のように流しながら、火花を散らして意地を張り合う両者。このクロノの有り様を奥様に見せてやりたい。
いつしか広大なサウナには、彼ら2人しかいなくなっていた。
121反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/10(日) 10:56:15 ID:wESdGkBm
「はーい! おっじゃまっしまーす!」
と、その時、がちゃりとサウナのドアを開く音がした。聞こえてくるのは女の声。
「予定変更やセフィロスさん! すぐ六課に帰るよ!」
ずかずかとサウナに入り込み、セフィロスの手を引くのははやてだ。
無論、脱衣である。いや、違う。着衣である。
お前ら自重しろ。そう何度もエロスな展開が拝めると思うな。何がバイドだ。
「おい、ちょっと待…」
「事は一刻を争う事態や! レッツゴーやよセフィロスさん!」
セフィロスの制止も聞かず、はやてはそのまま彼をずるずると引き摺っていってしまった。
嵐のような少女の襲来。そして、普段からは信じられないような怪力。
「…何をやっているんだはやては…」
取り残されたクロノは、1つ大きなため息をつくと、ようやくそれだけを呟く。
そして、半ば限界に近かった身体を動かし、自身も退室しようとして、意識を失った。

数時間後、機動六課隊舎。
部隊長室には6人の人間が集まっている。
まず、主催者のはやてと当事者のユーノ。
続いてセフィロス、フェイト、シグナムの3人。
はやてがどこからか持ち出してきたホワイトボードの脇に立ち、残る5人はソファーに座って机を囲む。
ホワイトボードにマジックで書かれた文字は――「プロポーズ大作戦」、と。
「えっと…いつもの麻雀のお誘い…じゃ、ないみたいだね」
苦笑いを浮かべながら、フェイトが念を押す。
物々しいセットに、燃えたぎる熱意、本来来れないはずのユーノの存在。何から何まで毎週末の娯楽のそれとは違う。
…訂正。熱意だけは同じかもしれない。
「えー…コホン」
フェイトの確認に無言で答えると、はやては1つ咳払いをした。
「…これより、我々ユーノ・スクライア司書長後援会による、『プロポーズ大作戦』の作戦会議を開始するッ!」
ばんっとホワイトボードを叩きながら熱弁した。
相当な気迫だ。フェイトの横で、あのシグナムが一瞬びくりと震えた。ある意味、あの最終作戦の時以上の気合いかもしれない。
「本作戦は! ユーノ君によるなのはちゃんへのプロポーズを支援する、一大プロジェクトであーるッ!」
「ええっ!?」
先ほどまでの態度が一変。
なのはの名前を聞いたフェイトは、目を見開いて身を乗り出した。
「そ…それ、本当なの!?」
「ホントもホント、結婚指環もちゃっかり用意しとるんやよー♪」
「う…うん…」
再びニヤニヤ顔を披露するはやてに、色々と申し訳なくなってうつむくユーノ。
対するフェイトは絶望的な表情を浮かべると、そのまま机に突っ伏してしまった。
「そんな…なのはが人妻になるだなんて…」
「だ…大丈夫か、テスタロッサ?」
虚ろな声で呟くフェイトをシグナムが気遣う。というか、まだ結婚が決まったわけではないのだが。
「…そりゃあまぁ、ヴィヴィオを引き取った時点で、
 いずれなのはにも旦那さんが必要になるってことは分かってたよ。
 でも、だからって別に今急に結婚することはないじゃない?
 もうしばらく私にも猶予あったっていいじゃない? 心の準備期間ってやつがあって然るべきじゃない?
 そもそもクロノならともかく、何でユーノなの? 旦那さんって率先して奥さん守る人でしょ?
 ユーノ、思いっきり後衛型じゃない。なのはの方がポジション前じゃしまらないじゃない。
 それになのはの生着替え見て、混浴までして、今度は結婚? そりゃ美味すぎってことかい? うっ♪
 もういっそ私でいいよ、なのはの旦那さん。
 私が守ってくし、養ってくし、えっちなことだって頼まれればやるよ。
 大体…」
結局会議の開始は、ぶつぶつとぼやく彼女が復活するまで待つことになった
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 10:57:16 ID:hEIWHjfA
淫獣支援
123反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/10(日) 10:57:24 ID:wESdGkBm
10分後。
フェイトもようやく落ち着き、作戦会議が本格的に執り行われる。
彼女は未だにぶすっとした表情だが、この際放っておくことにしよう。
「しかし…いやに早いな」
セフィロスが呟いた。
ユーノとなのはは、共に19歳。法律上は十分可能だし、所得も将来も申し分ない。だが、やはり結婚適齢期よりもだいぶ若いのだ。
普通ならば、結婚と言えば少なくとも20代半ばぐらいだろう。なのに何故こうも早足なのか。
セフィロスにはそれが謎だった。
「それは…今じゃないとさすがに遅いかな、と思いまして…」
「なのはちゃんとは10年の付き合いやからねぇ」
ユーノが答え、はやてが感慨深げに言う。
彼がなのはにレイジングハートを与え、パートナーとなったのは、今から10年前のこと。
それ以来、共に笑い、共に戦い、共に生きてきた。交友歴ならばフェイトよりも僅かに長いのだ。
「あまり高町を待たせすぎるのもよくないからな」
シグナムが口を開いた。
10年というのは結構な期間だ。更に年月を重ねては、なのはが抱いているかもしれない想いが醒めてしまうかもしれない。
故に、今プロポーズなのだ。
「ともかく、早いとこくっつけんと、私も安心して麻雀でけへんからね」
「結局それですか…」
はやての発言に対し、シグナムはため息をついた。
彼女は相当な麻雀好きである。
週末には友人や守護騎士達と共に麻雀勝負を満喫し、ある晩には手を高々と掲げて「カァァァァン!」という寝言を叫んだという。
尚、寝言に関しては、本人いわく「何でカンだったんやろ」とのこと。
セフィロスも彼女の麻雀には何度か顔を出したが、経験のない彼は弱かった。
「…にしても何と言うか、gdgdな面子やなぁ…」
改めて周りを見回し、今度ははやてがため息。
自分の召集したユーノ・スクライア司書長後援会のメンバーは、セフィロス、フェイト、シグナムの3人。
1、絶対他人に言いふらさないような人
2、ある程度恋愛を語れる年齢の人
3、ユーノと顔を合わせたことのある人
これを条件に選んだのだが、どうやら盛大にハズレだったようだ。
「言っておくが、俺は色恋など知らんぞ」
「申し訳ありません主はやて…私も自信がありません」
「右に同じ」
真面目な3人は、恋愛経験も薄かった。
「はぁ〜…このメンバーで何ができるっちゅうんやぁ…」
のっけから不安が多すぎる。お前に自分も恋愛歴ゼロ。
机の上にぐでーっと上半身を預けながら、はやてがこぼした。
「ねぇ、だったらいっそキャストトークにしてみるのは?」
「あー、それもええかもね」
しかし、フェイトの言葉に緩やかに態勢を戻す。
よくあるラジオ番組では、声優さん達が色々とはっちゃけたトークを展開するものだ。
ならばむしろ、そちらの方が具体案が出るかもしれない。
「よーし…、チェーンジ!」
124反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/10(日) 10:58:44 ID:wESdGkBm
.














「魔法少女リリカルなのはStrikerS・機動六課放送室〜!」
「わ〜!」
「はい、皆さんこんばんは〜。八神はやて役の部隊長・植田佳奈でーす♪」
「フェイト・T・ハラオウン役の執務官・水樹奈々でーす、こんばんは〜♪」
「それじゃ、今日のゲストをご紹介しましょう〜こちらっ!」
「はーい、シグナム役の清水香里です〜♪」
「ハイどーもーっ! セフィロス役の森川智之でぇぇぇっすゥ!」
「森川さん初っぱなから飛ばしてますね〜(笑)」
「いやいやそんなことないない! これぐらいは普通でしょ?」
「えー、皆さん、こんな人ですがセフィロス演じてる人です」
「ちょっとー!(笑)」
「ハイ、じゃあまずは気を取り直してお便りの紹介から!」
「神奈川県のR.N.淫獣さんから。『植田さん、水樹さん、こんばんは」
「はいこんばんは〜♪」
「実は僕、10年前からの友人にプロポーズしたいのですが、何かいいプロポーズの言葉ってありますか?)』ですって〜♪」















「…やっぱ、やめとこ…」
「うん…これ以上は作者の技量が追いつかない…」

後半へ続く
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 10:58:52 ID:hEIWHjfA
田代支援
126反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/10(日) 10:59:50 ID:wESdGkBm
投下終了。
所詮クロノ君の声優ネタに過ぎないサウナシーンをぶち込んだおかげであまりに長くなってしまい、今日はここまでです。
でないと次のティアナの話とのバランスが取れないのよ…

さーて、そろそろスタイリッシュディードを書くために、ウロスで提供された装備について調べなくては。
127Strikers May Cry:2008/02/10(日) 11:45:43 ID:h9woU/KU
こりゃあれだよ、古今東西古くから伝わる方法“カランできた不良をやっつけて良いとこ見せる作戦”だよ。
もちろん不良役はセフィロス、もしくは狂ディードで。

という訳で次回はセフィロスがどれだけラブい展開で役にたつのか期待っす。
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 12:27:37 ID:O51HWeIk
GJっス!!!!

しかし、プロポーズ大作戦に出席したメンバーの頼りないなんとことよ。
まあ、はやてちゃんの条件に当てはまる人が少ないからしょうがないんですが。
しかし呼ばれなかった盾の守護獣カワイソス(´・ω・`)
129旅ゆく人:2008/02/10(日) 12:34:40 ID:3GJYmfwC
>>126
……どくりょー。
………………。

ドンッ!【紹興酒】
まずわ、こいつをストレートで飲んでもらってから、
話を聞こうか。
まあ、つまりは、色んな意味でGJ!であると。
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 14:39:49 ID:vTgLxzyW
>>129
なかなかの酒豪であらせられるようでww
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 15:04:20 ID:wC5HbFKJ
クロノ君の声優ネタ……ああ、銀の人ね
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 16:52:26 ID:OUmAwnHw
中の人達も結婚に飢えてたりするから、やはり人選ミスか?
133メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:03:53 ID:8MWmudC8
メタサガ9話投下いきたいのだけど、予約はいってますか?
ログを見た限り無いようですが。
134メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:07:31 ID:8MWmudC8
それではメタサガ9話投下いきますね。
135メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:08:23 ID:8MWmudC8
結局賭けは俺の勝ち。
ゲームはなにからなにまで予想通り。
金が増えたと歓喜に震えるはずなのに、賞金稼ぎの心は震えない。
おまけに最後の最後になのはが見せた振舞いは、
あまりにも慣れ親しんだルールそのままで、気分は絶頂のはずなのに、
苛立ちばかりが増えていく。
そしていつも苛立ちの銃口の先に立つのはティアナ・ランスター。
ティアナ・ランスターを見る度にどうしてこれほど苛立ちを覚えるのか。
未熟?愚か?無能?ひよっこ?侮蔑の言葉を全て並べても当てはまらない。
俺に残った人間らしさだけがその事実を認めたくないと叫んでいる。
だが、遺伝子にまで刻み込まれた戦闘思考を始めとしたモノはそれを肯定している。
ベクトルこそ違えどティアナと俺は・・・・・・。
魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。

第9話 言葉の重さと誠実さ

ぼんやりとした視界が目の前に広がる。
視線の先で光っているのはルームライトだと気がついて、
今更だがあたしが横たわっていることに気がついた。
前後の記憶がない。
どうしてあたし・・・ここはどこ?
状況がまったく理解できなかった。
なにをあたしはしていたの?

「あ、ティアナ。起きた?」
「シャマル先生・・・・・・。あの・・・・・・えと・・・・・・。」
「ここは医務室ね。昼間の模擬戦で撃墜されちゃったの覚えてる?」

その言葉にあの光景がフラッシュバックする。
いつもの優しそうななのはさんの姿はそこにはなくて、
モノを見るみたいな目であたしを見つめて躊躇いもせずにクロスファイアシュートを
撃ち込んだなのはさんの姿が・・・・・・。
怯えに震える手を必死に隠そうとしたけど隠し切れているだろうか。
震えるな、あたしの手!!
震える手をシーツを握り締めることで押さえつける。

「なのはちゃんの訓練用魔法弾は優秀だから身体にダメージはないと思うんだけど。」

そう言われて立ち上がろうとしたとき、ふと足元が寂しい感触。
見ればあたしの生足が剥き出しになっている。
シャマル先生が治療のために脱がせたんだろうけど、気恥ずかしさに頬が熱くなる。
同性だし、気にする必要ないんだけど。
眠っている間に脱がされたというのがどうにも・・・・・・そういえばスバルは?
「どこか痛いところある?」
「いえ、大丈夫です・・・・・・。」

優しくかけられるシャマル先生の言葉にそう答えながら、
おぼつかないままに視線を彷徨わせるとアナログな時計が目に入った。
時間は・・・・・・短針が9の位置を指している?
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:08:31 ID:dlwZxW9m
呪怨
137メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:09:09 ID:8MWmudC8
「9時過ぎ!?え!?夜!?」

そう言いながら、窓の外を見直す。
外は本当に暗くて街頭の明かりが明滅して、空に星が浮かんでいる。
間違いや冗談じゃなくて・・・・・・本当に夜なんだ。
それならあたしはいったい・・・・・・。

「すごく熟睡してたわよ。死んでるんじゃないかって思うくらい。
最近ほとんど寝てなかったでしょ。たまってた疲れが纏めて来たのよ。」

シャマル先生の言葉は身体を心配してくれているものだと分かる。
ヴァイス陸曹が身体に気を使えと言ってくれたのに無視し続けた結果だということも。
吐き戻したときから限界を超え始めたと少しだけ自覚はあった。
でもこれぐらいやらないと届かないと思って走り続けた。
けれど、それだけやって手に入れた力なのに、なのはさんには簡単に打ち砕かれた。
あれだけやってまだ力が足りない。
誰も傷つけたくないから強くなりたいだけなのに!!
無理をしないでどうすれば力が手に入るの!?
才能も無くてレアスキル持ちでもない凡人のあたしは!!
神様、兄さんを奪ったあなたはあの狂人には力を与えてあたしからは奪うだけなのですか。
目の端から零れ落ちた水滴がシーツに染みを作った。


時間を少し遡って模擬戦直後。
ティアナが撃墜されてからの話。

「フェイト、頼むからあいつらをシャマルのとこへ連れてってくれ。」
「でも、ヴィータ・・・・・・。」
「頼むから・・・・・・そうしてくれ。エリオとキャロも一緒に行ってくれ。」

怒りに声が震える。
どうしてこんな裏切り方しやがったんだ、ティアナ達のやつは!!
気持ち悪いくらいあいつが予想したとおりの結末。
吹っ切れたみたいだからと油断したあたしが悪いのか。
ティアナという人間を見誤ったなのはが悪いのか。
フェイトに連れられて医務室へ向かうスターズとライトニング。
その中で最後まで睨み付けるようになのはを見て行きやがったスバル。
どうしてなのはの気持ちが分かってやれねぇんだ!!
顔を俯かせたまま戻ってきたなのはに対してあたしはなにも言ってやれねぇ。

「実に分かりやすい素晴らしい模擬戦だったよ。なのは隊長殿。信じると言った相手を
これでもかとばかりに徹底的に蜂の巣にしてくれてまさに『強いから正しい』を
実践してくれるなんて夢にも思わなかった。正直見くびってたよ。
あははと笑って軽く叱って済ませるんじゃないかとばかり思って。
アハハハハハハ・・・・・・。」

そう言いながら無表情に笑うはんた。
皮肉を言っていることは明らかだった。
なのはにはどれだけきつく聞こえてるだろう。
くそっ!!なにも言い返せねぇ。
吹っ切れたみたいなスバルとティアナの様子に騙されたことも、
皮肉交じりにティアナ達が危ういと忠告してくれたのに生かせなかったことも、
生い立ちも合わせて焦りすぎな理由も知っていたのに生かせなかったことも、
全部あたしとなのはの責任だから・・・・・・。
でもなぜだろうか。
はんたは皮肉を言っているはず。
あたし達を思いっきりコケにして嘲笑ってすごく楽しそうなはずの裁断機野郎。
それなのに、酷くその言葉が虚ろに響くのは・・・・・・。
138メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:10:19 ID:8MWmudC8
「さて、なのは隊長殿。賭けは俺の勝ちなんだが、追加で賭けをしないか?
終わったことをうじうじ考えたところでどうなるわけでもないのだから。」
「気持ち悪いくらい建設的で吐き気がする言葉だな!!てめぇ!!
これ以上なのはになにを賭けさせようってんだよ!!」
「賭けの内容はティアナ・ランスターが自分の命を軽く扱っている言葉を吐くか否かだ。
そっちの負け分と今月の報酬全部を吐く側に俺は賭ける。そっちを有利にしよう。
期限は今日を含めて2日以内。乗るか?」
「・・・・・・あたしも同じだけ、ティアナが言わないほうに・・・・・・。」

どこか呆然とした様子も伴っていたけどなのはが反応した。
このままじゃ給料なくなっちまうなんてことよりも、
まだティアナのことを信じ続けられるなのはの誠実さ(悪く言えば愚直さ)が羨ましい。
あれだけ酷い裏切りをされて、想いがなにも伝わっていなかったって分かった直後なのに。
それがなのはのいいところかもしれないが限度ってものがあるだろう。
これは少しでも早くティアナのやつにきつい説教してやんねぇとな。
だが、裁断機野郎の答えになのはもあたしも戸惑いを隠せなかった。

「金はいらない。」
「・・・・・・お、おい。それじゃなにをなのはに賭けろって言うんだよ。
身体とか言ったら本気で息の根止めるぞ!!てめぇ!!」

傍目には壮絶な絵面だっただろう。
失意のどん底のエース・オブ・エースと無表情のイカレ裁断機野郎と
1人熱くなっているヴォルケンリッターの鉄槌の騎士が
今にも殺し合いやりそうな雰囲気で顔を突き合わせて会話してるんだから。
はんたの言葉に呆然と顔を上げたなのはに要求が告げられる。
「1度だけ、ティアナと、俺が、模擬戦をする権利。」

誤解の無いように、まるで言い含めるかのように、途切れ途切れの言葉。
それを安いと見るか高いと見るか、あたしには判断付かない。
ただ、要求の意味的にはおかしなものでも無理なものでもない。
それこそなのはの代わりにフェイトやあたしが教導するようなものだ。
階級の権限的にもやってやれないことはない。
なのはがスターズの隊長だからということを除いても、
あたしの感覚からすれば物凄く安い要求に思える。
何度も言葉を繰り返してみるが、曲解できる部分はない。
違和感が拭えないほど、奇妙なまでに安い要求。
育成プラン考えてるなのはが傷つくような内容ってわけでも・・・・・・ないよな?
なのははどんなふうにこの言葉を聞いているのだろう。
寝る間も惜しんで育成プランを考えてたところに横槍入れられたと考えてるのか、
それともあたしみたいに安い要求だと思っているのか。
それでもやっぱり安すぎるよな。
なのはがひよっこどもを大切にしているとはいえ、模擬戦1回は余りにも安すぎる。
だが、はんたが当然のように続けた次の言葉に、
あたしは安いとか高いという思考を全部吹っ飛ばされて構わずぶちきれた。

「ただし、殺傷設定での模擬戦だ。」
「ふざけるんじゃねぇ!!訓練中の事故とか言ってティアナ殺す気かよ!!
それ以前にそんなの模擬戦じゃねぇ!!一方的な虐殺じゃねぇか!!」

不意打ちで掴みかかったが、簡単にあたしが地面に転がされる。
うつぶせに転がったあたしの背中に速やかに容赦なく足が乗せられた。
呼吸が詰まるのと同時に気がつく。
こいつ、本当に殺しになれてる。
もう少し力を入れていればあたしの背骨をふみ折られていただろう。
プログラム体だが、今のボディを最後に朽ちるばかりの人間みたいな身体。
それがたった今、簡単に壊されかけた。
いったいどんなバケモノなんだよ。
この裁断機野郎は・・・・・・。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:10:21 ID:Pd7dZ92E
紫炎
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:10:40 ID:dlwZxW9m
(0M0)支援
141メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:11:48 ID:8MWmudC8
「ダメだよ・・・・・・。ティアナは・・・・・・。」
「可哀想なティアナちゃんは死んじゃったお兄様のためにそれはそれは必死で努力しているいい子なんですとでもいうのか。なのはがどれだけ大切に扱ってるかも知らないで馬鹿やるあれが。誰も失いたくないから強くなりたいとか夢ばかり見てるあれが。」
「っ・・・・・・。」
「信じたいなら言わないほうに賭けろ。兄のことを大切に思って、本当に夢を叶える気があるのなら、どれだけ屈辱と恥辱と汚辱に塗れても命だけは絶対に捨てない。
絶対に捨てられるはずがないんだからな!!!!!!!!!!!!!!!!」

足蹴にされたあたしの上で強い言葉が響いた。
裁断機野郎がどんな顔をしてるか知らねぇ。
けど、はっきりとその声に混ざったのは苛立ち。
破壊以外のとき、どこか作り物じみた感情しか見せなかった裁断機野郎が
まともに見せた感情らしいもの。
だけど、なにに苛立っているんだ?
ティアナの在り方?存在?思考?それとも別のなにか?
あたしには想像しきれない。
横目に見えるなのはもはっとした様子で息を呑んでいる。
少しずつ震え始めるなのは。

「それでも・・・・・・絶対に・・・・・・殺傷設定・・・・・・だけは・・・・・・ダメ・・・・・・。」
「・・・・・・そもそも・・・・・・そんな賭けに乗らなきゃいいじゃねぇか。なのは。」

途切れ途切れに蒼白な顔でなのはが答える。
尋常じゃないまでに震えながら・・・・・・。
その震えがなにから来るものかあたしは空気が読めていなかった。
裁断機野郎の理解について、なのはのほうができていたのだろう。
それこそ賭けを飲むか、六課が潰れること覚悟で力づくでカタをつけるかの
2択になってしまっていたことに。
足蹴にされたままあたしがそんなことを言った途端、
ならば当然とばかりに躊躇いもせずはんたのやつが口にした言葉にあたしは再び戦慄する。

「それならこれからは普段の訓練で横槍つっこませてもらうとしよう。
面倒が増えると『アルファが』『何度も』説得したからやめていたが、もうどうでもいい。」

つまり、いつでも殺せたってのか。
デバイスに説得されて面倒だからというだけで殺さなかっただけなのか。
あたしたちを・・・・・・それこそ殺したかったのか。
その筆頭に名前が挙がっていたのがティアナだったっていうのかよ。

「それなら2倍でも3倍でも賭けてもいい!!賭けるから!!
だから・・・・・・だからお願いします。もう少しだけティアナのことを待って・・・・・・。」
「・・・・・・。」
142スーパーロボット大戦X:2008/02/10(日) 17:12:52 ID:nAr+P2Sw
>>126
笑えたぜ!GJです!
最後の声優ネタは笑えるってレベルじゃない!やりすぎのレベルだ!
しかしそれもまた面白い。wwww
143メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:13:12 ID:8MWmudC8
なのはが泣いていた。
膝をついて顔を歪めて泣いて頼んでいる。
実戦を繰返してきた管理局のエース・オブ・エースたる高町なのはが・・・・・・。
力に訴えれば私闘を行ったとなって六課の存亡に影響が出る。
それこそ手加減なんてやってられない相手だから始末書なんてレベルで済むはずがない。
後ろ盾があるからと言って、かばうにも限度がある。
良くてなのはとはやての解任、最悪六課の解体だろう。
賭けを呑まなければ訓練中の事故として皆が処理されていく。
ホテルで見たあの砲撃がどこからともなく飛んでくる。
それこそ、最悪のタイミングを狙い済ましたようにそれは撃ち込まれるだろう。
ひよっこどもが無傷で済む可能性は限りなく0に近い。
賭けを呑むしかない状況だと今更気がついたあたしの鈍感ぶりに絶望した。
はやての夢である六課を潰すか、条件を打開するかの2択。
なのはに六課を潰すなんて選べるはずが無い。
足蹴にされたままのあたしはそんななのはを見てもティアナへの怒りしかわかない。
本当に丁寧に教えているなのはをなんで裏切ったとしか。
気のせいか足の裏ごしに裁断機野郎がなのはの言葉に動揺(?)した気がしたけど、
背中に乗った足はそのままでやっぱりいつもの裁断機野郎だ。
くそっ!!本気で動けねぇ。
動いた途端、ぎりぎりの力加減で載せられた足が横から飛んでくるイメージしか沸かない。
次に狙われるのは鳩尾か、肋骨か、それとも首か・・・・・・。
ゴミみたいにあたしを殺した後に裁断機野郎がどうするか。
既に考えはそこへ向いている。
長生きはするものだ。
シグナムやシャマルみたいに冷静に思考しろ。
冷静に考えてみるんだ、あたし。
シグナム達は怒りを噛み締めるだろうが動かないだろう。
なにを引き起こすか分かっているだろうから。
だが、なのはもフェイトもなによりはやてが火種になる行動を取らずにいられるだろうか。
・・・・・・性格的に無理な気がするなんてあたしに思われるんじゃ駄目だろ。
3人とも我慢して我慢して我慢した果てに全部纏めて吐き出すタイプの人間じゃないか。
多少許容量が違うだけで・・・・・・。
とにかく火種だけは作ってはいけない。
嬉々として躊躇うことなく裁断機野郎は六課、いや、はやて達に襲い掛かるだろう。
勘違いじゃなければこいつにとって刈り取る命の価値観は、
はやてのためと動いていたころのあたし達ヴォルケンリッターのそれよりもはるかに軽い。
逆に目的を持った命に重い価値を置いているのか。
それだとティアナのことがかみ合わない。
なんにせよ、少しだけでも思考が分かっているのが救いだ。
殺しさえできればなんでもいいという向こう側の思考を持ったこの裁断機野郎め・・・・・・。
そんな思考のあたしを足蹴にしたまま、『それならば』と告げられた言葉に再び戦慄する。
いったいどれだけ脅かせばいいんだよ!!

「ティアナが命を粗末に扱う言葉を吐かないほうに自分の身体をかけられるのか?
高町なのは。その歳で生娘なんてことはないだろうが、念を押しておく。
一晩付き合えなんて易しい話じゃなく、それこそ死んだほうがましって扱いだ。
逃げ道のない賭けに乗れるのか?賭けられるというのなら模擬戦で
殺傷設定を使わないどころか、ゲーム代として普段から殺そうとする行為全部をやめよう。
なのは隊長殿の身体に見合っただけレートを上乗せさせてもらおうか。」
「・・・・・・っ。」
「即答できない以上、所詮・・・・・・。」
「・・・・・・分かった。賭けるよ。あたしの身体・・・・・・。」
「なのは!!なにを言っているのか分かってんのか?正気か!?壊れたか!?
自暴自棄になってるとかそんなんじゃねぇのかよ!?どうしちまったんだよ。なのは。」
144メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:13:46 ID:8MWmudC8
足蹴にされたまま、あたしはわめいた。
ショックのあまり、なのはが壊れちまったんじゃねぇか。
どう考えてもまともじゃねぇ!!
少なくともあたしなら絶対にこんな『負ける』賭けやりたくねぇ!!
だが、なのはは撤回する様子をみせない。
嘘だろ・・・・・・。
絶望のあまり視界が真っ暗に染まるなんて久々だ。

「・・・・・・賭けは成立だな。改めて言葉にしておこうか。
ティアナ・ランスターが今日を含めて2日以内に自分の命を軽く扱う言葉を吐くか否か。ゲーム代として俺は普段からの殺傷行為の禁止を払う。
賭けるのはそっちがティアナと1度だけ非殺傷設定で模擬戦をする権利となのはの身体、
俺が今月の報酬全部とそちらの負け分全額。」
「おい、最後に聞かせろ。どのあたりから命を軽く扱っている言葉なんだ?」
「いろいろあるんじゃないか?俺の貧相な語彙じゃ『死ぬ気』とか『死んでも』とか
『命に代えて』なんてところしか思いつかないが。」
「・・・・・・なんだ、この状況は。ヴィータも足の下でなにしている?」

シグナム。
できればもう少し早く来て欲しかった。
それと・・・・・・空気読めよ、お前・・・・・・。
145メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:14:39 ID:8MWmudC8
時空管理局機動六課。
名前の通り、時空管理局という組織に所属する1つの勢力に過ぎない。
あの荒野と同様に、どこの人間も変わらず利権や権限の取り合いをして、
正直者が馬鹿をみる構造は変わらない。綺麗ごとを抜かしても人間は人間。
さて、他のところと決定的に異なる六課の性質。
それはロストロギアが関わってさえいれば出動できるという強み。
ウラワザでいびつに完成させた身内だらけの組織ゆえの結束の固さと戦闘能力の高さ。
使い方次第でどこにでもクチバシを突っ込めるその異常なまでに巨大な権限と、
他の勢力を力づくで潰す分にはお釣りがくるほどの人材の宝庫で火力の集まりは
妬みとやっかみを買うに十分。
詐欺が横行してナイフやライフルどころか戦車を片手に笑って会話する日常も
ろくに過ごしてない未熟なはやてじゃ、利権と権限争いの結果、
ホテルの件はあれで折り合いをつけるしかなかったわけだ。
拘束具だけはつけておいて、失敗しても六課に責任がある。
そんな構造を作らさされたわけだ。
管理局という構造をアルファに調べさせて思い知ったそんな現実。
とりあえず全部消し飛ばそうとアルファ片手に出かけそうだった足が止まったのは
ひとえになのはとの賭けだった。
あの賭けを飲める度胸があるとは思わなかった。賭けの内容自体は問題ではない。
なにをチップにするかだ。
他人のために身体を賭けるなんてそれこそ突き抜けた馬鹿でもやらない。
それこそよほどの大物か、真性の救いようの無い馬鹿のどちらかしか・・・・・・。
だからこそ、断らせて事故で全部処理させるつもりだったのに目論見が外れた。
そもそも、賭けを持ち出しておいてあれだが、
今度の賭けで俺の勝ち目は手段次第で10%を切る。
なのはが相手だから30%にかろうじて届くところだが、周囲がどう動くか分からない。
アルファの見解も同様。
それこそイレギュラー全部がこっちに傾いてようやく五分の賭けになるかという次元。
なにより向こうには必勝法がある。当然、俺もアルファも気がついている。
なんせティアナ・ランスターに『喋らせなければ』勝ちなのだから。
シグナムあたりは『殺す』と『気絶させておく』という選択肢に気がついただろう。
案外フェイトかはやてあたり力づくで妨害しにかかるか。
しかし、どうしてこんな負ける賭けを挑んでしまったのか。
全てはティアナが目触り過ぎるから・・・・・・。
あれだけは俺の手で叩き潰したくて仕方ない。
本当にいいハンターがいない世界だ。
ハンターらしいやつはシグナムくらいか。
なのはとフェイトも悪くは無いが、振れれば倒れそうなほどに感情が不安定すぎる。
判断しにくいところとしてシャマルとはやて。
笑って殺しができそうなあたりシャマルとは気があいそうなんだが。
はやてはどこかジャックさんを髣髴とさせる目をするときがたまにある。
なにか昔に後悔でもあるのか・・・・・・。
将来の可能性としてエリオとキャロ。
素直で伸び白の多い2人がどこまで伸びるか楽しみではあるが、
ぬるま湯のような環境では育つに時間があまりにも足りない。
もしかしたらスバルが伸びるかもしれない。
ティアナのついでに観察していてどこかいびつな感じを受けるのはいったい何故だろう。
ティアナは論外。
どんな思考もティアナに帰結し、苛立ちが向くのもティアナ。
初めて見たときからずっと意識に止まっている。
ティアナ、ティアナ、ティアナ・・・・・・。
殺せと騒ぎ出そうとする遺伝子を沈めるように思考を捨てて夕日を眺める。
あの荒野のほうが若干紅いか。
だけど、水平線と地平線の違いはあってもこの光景は変わらない。
どこまでも視界の果てまでなにもない荒野の果てに揺れて沈んでいく夕日と・・・・・・。
あの荒野は本当に分かりやすかった。
『強いから正しい』の言葉に従って、気に入らなければ消し飛ばせばいい。
たったそれだけで全部が片付く・・・・・・。
静かな海に沈んでいく夕日を眺めながら、脳裏にあの荒野で見た夕日を描き、
そんなことばかり考えて、無言のアルファを片手に時間が過ぎるのを待っていた。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:15:08 ID:dlwZxW9m
この程度をくぐり抜けられないようなら、ここで今殺してやったほうが幸せだ 支援
147メタルサーガsts:2008/02/10(日) 17:15:35 ID:8MWmudC8
訓練場で端末を操作し続ける。
物凄い賭けをしてしまったとは思っている。
でも、後悔はしていない。
ヴィータちゃんにも手出ししないように言っておいた。
わたしがどこまでティアナ達を信じてあげられるか試されてるんだって・・・・・・。
よく考えたらティアナのことも勝手に賭け金に乗せちゃったよね。
それでも、本当に潰されるよりましだと、わたしの選択が間違ってないって思いたい。
夢が叶えられなくなるよりははるかにましだって・・・・・・。
それに負けるはずがない・・・・・・んだよね?
どうしてはんた君が『言う』ほうに賭けたのか不思議でならない。
言わないことが前提みたいな賭けだと今になって気がついて首をかしげている。
でも、ティアナ・・・・・・。
そんなに悩んでいたならどうして話をしてくれなかったのかな。
理解したつもりになっていただけだったのかな、わたし・・・・・・。

「なのはー。」
「フェイトちゃん。」

作業を切り上げて、迎えに来てくれたフェイトちゃんと本局へ歩みを進める。

「さっきティアナが目を覚ましてね、スバルと一緒にオフィスに謝りにきているよ。」
「そう・・・・・・。」
「なのはは訓練場だから明日朝一で話したらって伝えちゃったんだけど・・・・・・。」
「うん。ありがとう。でも、ごめんね。監督不行き届きで・・・・・・。
フェイトちゃんやライトニングの2人まで巻き込んじゃった。」
「ううん、私はぜんぜん・・・・・・。」
「ティアナとスバル、どんな感じだった?」
「やっぱり・・・・・・まだちょっとご機嫌斜めだったかな。」

気を使ってくれているのが丸分かりだよフェイトちゃん。
実際、ちょっとどころかかなりなんだろう。
努力を踏みにじるみたいに力任せに撃ちのめしちゃったんだから。

「強いから正しい・・・・・・・か。まぁ、明日の朝、ちゃんと話すよ、フォワードのみんなと。
はんた君には悪いけど、本当に無茶だけはして欲しくないから・・・・・・。」
「・・・・・・どうしてはんた君が出てくるの?」
「フェイトちゃんには話しておこうかな。はんた君との賭けその2。」

簡単に説明した。
ティアナが自分の命を軽く見た言葉を言うかどうか賭けをしたって。
そこまではフェイトちゃんもお給料なくなっちゃうよみたいな顔をしていた。
賭けたものにわたしの身体が入っているって言うまで・・・・・・。

「なんて馬鹿なことしてるのよ!!なのは!!」
「落ち着いてよフェイトちゃん。」
「だって、負けたらなのはは・・・・・・。私がやめさせてくる。」
「大丈夫。ティアナを信じているんだから。それに明日の朝フォワードの皆と話すなんて余計な手出ししちゃうんだもん。フェアじゃないよ。それにはんた君、いつもどこか辛そうで苛立ってて、まるで破裂しても・・・・・・ううん、破裂したがっている風船みたいだったから。」
「だからってどうしてなのはが・・・・・・。それならせめて負けないようにしないと。
そうだ!!ティアナをこれから気絶させて車のトランクにでも入れておこうよ。」
「過激だよ。フェイトちゃん。」

あははと笑ってロビーにまでたどり着いた。
いろいろなアイデアを出すフェイトちゃんの顔は最後まで真剣そのものだったけど・・・・・・。
フェイトちゃんはいつも心配性だよね。
友達として嬉しいけど・・・・・・。
でも、信じてあげないと駄目だよ。
そんなことを言おうとした矢先、赤いアラームが鳴り響いた
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:16:28 ID:dlwZxW9m
まさにはんたは偽悪者支援
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:17:26 ID:U+sV1piX
支援
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:21:57 ID:tqd9tAOy
ウラウザ→ブラウザ ? 支援
151メタサガ代理:2008/02/10(日) 17:26:32 ID:Pd7dZ92E
どうやら一度の投下過多で規制条項に引っ掛かってるらしい。
今、本人交えてウロスで対策検討中。
152メタサガ代理:2008/02/10(日) 17:45:03 ID:Pd7dZ92E
続きは避難所に投下完了しています。
自分には無理なので誰か代理投下可能な方募集中です。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:47:42 ID:38y/E/uf
実は何も信じてないのはなのはでは? 支援
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:51:18 ID:rUL6Nit8
>>153
なんでやねん
155代理2:2008/02/10(日) 17:59:22 ID:6eyo24xp
それじゃ代理投下いきます

こんなときの便利屋さんやないか。
新型ガジェットドローンの襲撃。
リミッター解除を軽々しくやるわけにもいかない事情や
戦略的に奥の手を見せないほうがいい以上、かなり制限をつけての出撃となるはずだった。
でも、制限なにそれといわんばかりの存在が六課にいた。
すっかり忘れていたけど、はんた君は陸曹兼空曹。
空戦ができるのだ。
なにより能力は本当に折り紙つき。
はやてちゃんは嬉々としてはんた君を出撃メンバーに加えた。
相手がガジェットドローンだからって、いつもなら火力制限するだろうに、
遠慮なくぶち壊せってはやてちゃんなにか嫌なことでもあったの?
リインやグリフィス君が呆然とするくらいはっちゃけてた。
なにか胸とかバトー博士とか壊れたみたいに呟いていたけど・・・・・・。

「今回は空戦だから出撃はわたしとフェイト隊長とヴィータ副隊長とはんた空曹の4人。」
「みんなはロビーで出動待機ね。」
「そっちの指揮はシグナムだ。留守を頼むぞ。」
「エリオ、コーヒーでも入れておいてくれ。ミルク抜き、角砂糖1袋。」
「「はいっ!!」」
「はい・・・・・・・。」

キュンキュンとローターの音が響く下でわたし達はフォワードの4人にそう告げた。
なにかおかしいのがあったけど、人の嗜好は気にしないでおこう。
それよりもティアナの落ち込み方が酷かった。
スバルも返事をしないことで反抗しているつもりなのか。
うん、疲れているだろうし、出動待機から外れておいてもらおう。
手加減した訓練用の魔力弾とはいっても全くのダメージ0というわけにはいかないから。
その分、わたし達ががんばって、その後でたくさん話し合おう。

「あ、それとティアナ。ティアナは出動待機から外れておこうか。」

本当に心配して、善意から言ったつもりだった。
けれど、周りの受け止め方は違ったみたい。
ティアナを除いたフォワードの3人が驚きの声を上げてティアナを見ている。

「そのほうがいいな。そうしとけ。」
「今夜は体調も魔力もベストじゃないだろうし・・・・・・。」
「言うこと聞かないやつは使えないってことですか。」
「自分で言っててわからない?当たり前のことだよ。」

少しだけ怒れただけど、我慢した。
ティアナは気が立っているだけなんだろう。
普段のティアナなら絶対に言わない言葉だから。
第一、機動六課という組織の中のスターズという部隊なのだ。
隊長の指示に従えないのなら部隊がなりたたなくなる。

「現場での指示や命令は聞いてます。それに訓練や教導だってちゃんとサボらずやってます。
それ以外の場所での努力まで教えられた通りじゃないとだめなんですか。」
「それでジャンクになりかけておねんねしておいてなにを噛み付いてるんだか。」

なにか言いたげなヴィータちゃんを制止した直後、はんた君のそんな言葉が響いた。
わたしの肩越しに物凄い憎しみ塗れの視線ではんた君を睨み付けるティアナ。

「・・・・・・・っ、私はなのはさん達みたいにエリートじゃないし、スバルやエリオみたいな才能も、キャロみたいなレアスキルもない!!
少しくらい無茶したって、死ぬ気でやらなきゃ強くなんてなれないじゃないですか!!!!!!!」
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:02:04 ID:/ZQ/Y5Pv
支援
157代理2:2008/02/10(日) 18:02:10 ID:6eyo24xp
「なんのつもりだ。はんた。」
「アハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・・。」

気がつけば、ティアナの胸倉を掴んで殴り飛ばそうとしていたシグナムの拳を止めていた。
ついでに狂ったような笑いが止まらない。
エリオがどこか呆然としたみたいにさっきまで俺がいた場所と今の位置を見直してる。
なにを驚く必要がある。この程度できるだろうに。
さて、いつものスタンスなら放置するか、俺がティアナをモルグ送りにしている場面。
馬鹿が夢見て戯言をほざいて殴られるというありふれた光景で話は終わり。
馬鹿が逆恨みするなり喚くなりするだろうが、それで全ては丸く収まる。
そのはずだった。
そこに、ある言葉さえなければ・・・・・・。
たった一言、賭けの対象であり、どうしても俺には聞き逃せない言葉を口にした。
それも本当に軽々と!!あっさりと!!冗談みたいに簡単に!!想像を超えるほどに!!
真性の馬鹿なのか、それとも身の程知らずなのかなんて思考がいつもならばよぎるのに、
今この瞬間だけはコンマ数秒さえよぎらない。
そんな思考自体が存在しえなかった。
本当にたった一言なのに、その一言が、俺を誘うかのように心を荒れ狂わせる。
僅かばかり残った人間らしさを屈服させ、
遺伝子にまで刻み込まれた戦闘思考を全開にさせ、
ハンターとしての習性を荒れ狂わせ、
苛酷な荒野を生き抜いてきた人間としての在り方をズタボロに踏みにじり、
ありとあらゆる物騒で凄惨で残酷で破壊と殺戮用の思考を一斉に同じ方向へ向かせる。
たったの一言がそれを成した。
最後まで抵抗を続けていたはずの人間らしさが絶望も諦念も躊躇もなく屈服した。
最短時間で確実に敵を屠るためにあらゆる状況を打破し最適な武器を選択し
最大級の運用を行って殺戮の最大効率を求める血と殺戮と暴力に飢えた戦闘思考が、
コイツは肉塊に変えるだけでは生温いと叫び声をあげる。
卑怯?残酷?えげつない?なにそれって食べられるの?とばかりに笑い飛ばして
淡々と獲物を狩るハンターという生き物の習性が、この小娘に荒野のルールで
教えてやれと囁きだす。
俺達のルールはこれだろう?とばかりに、かけ離れた場所にあるはずの苛酷な荒野が
その匂いを届けてくれたかのように鼻腔の奥がツンとする。
ありとあらゆる物騒で凄惨で残酷で破壊と殺戮用の思考の群れが、
狂宴の始まりだといつもなら騒ぐはずなのに、漣1つ立てず静粛にしている。
まるで祭りを始める前の準備を粛々とすすめているかのように・・・・・・。
いつもならば1つぐらいは反対する思考が残る。
義理や金や怠惰、アイなんて幻想やろくに残っていない人間らしさを筆頭にして・・・・・・。
しかし、今、俺という存在の全てが同じ思考を提示し、ただの1つも反対しない。
それがシグナムの拳を受け止めた理由・・・・・・。
誰かにこの感情を分かってもらおうなんて思わない。
まして誰かの理解が得られるなんてかけらさえも思っていない。
まさに心が引き千切れた。
ゆえに思考はたったの1つ。
それに向かって身体と精神が突き動かされる。
シグナムの拳を受け止めたままで口が開いた。

「アハハハハハハハ・・・・・・。なに、高町なのは隊長殿と賭けをした矢先だったからつい。
潔癖剣士のシグナム。どうぞ馬鹿に好きなだけ説教してあげてくれ。
そして隊長達も速やかに出撃して虐殺してきましょう。それと、なのは隊長。
戻ったら是非とも速やかにティアナ・ランスターと模擬戦をさせろ。ご安心を。
訓練場使用の書類手続きは全部片付けてある。」
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:02:28 ID:/ZQ/Y5Pv
支援
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:03:18 ID:RN87ydH9
支援
160代理2:2008/02/10(日) 18:04:16 ID:6eyo24xp
なのはは現実を認めたくないとばかりに蒼白な顔で、
ヴィータはいい殺意を放ちながら怒りの表情で、
フェイトはまさかとばかりに口を押さえて驚愕の表情で、
シグナムはああ!!とばかりにようやく気がついたような顔で、
ひよっこ達はなにが起こったのか理解さえできていなかった。
神なんて信じちゃいないが、これはさすがにできすぎだ。
賭けの当事者が全員揃ったこの場、この瞬間、目の前で大声ではっきりと、
俺の貧弱な語彙の1つをそのまま言ってくれるなんて・・・・・・。
ああ、もうこれは悪魔の仕業と思うとしよう。
赤い悪魔が俺に笑ってくれたのだろう。

「ヴァイス!!出られるな!!」
「はい!!いつでもでられます!!」

俺の叫ぶような言葉に震え上がったような声が返ってきた。
おいおい、なにをそんなに怯えるんだ。
獲物はお前じゃないだろう?

「それじゃ、なのは隊長達、さっさと虐殺にいこうじゃないか。」

壊れてないかと思うくらいに落ち込んだなのはと、
今にも暴れそうなヴィータと、おろおろするばかりのフェイトをヘリのカーゴへ促した。

「目障りだ。いつまでも甘ったれてないでさっさと部屋に戻れ。」
「あのシグナム副隊長。その辺で・・・・・・。」
「スバルさん、とりあえずロビーへ・・・・・・。」
「シグナム副隊長!!」
「なんだ。」
「命令違反は絶対に駄目だし・・・・・・さっきのティアの物言いとかそれを止められなかったあたしは確かに駄目だったと思います。
だけど自分なり強くなろうとするのとかきつい状況でもなんとかしようとがんばるのってそんなにいけないことなんでしょうか?
自分なりの努力とかそういうこともやっちゃいけないんでしょうか。」

なにを泣いて訴える必要がある。
そもそもなにが問題なのか分かってないみたいだな。

「自主練習はいいことだし、強くなろうとする努力もすごくいいことだよ。」
「シャーリーさん・・・・・・。」
「持ち場はどうした。」
「メインオペレーターはリイン曹長がやってくれますから。
ただ、皆不器用で、見てられなくて・・・・・・。皆、ちょっとロビーに集まって。
私が説明するから。なのはさんのこと、なのはさんの教導の意味。」
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:04:37 ID:/ZQ/Y5Pv
支援
162代理2:2008/02/10(日) 18:05:46 ID:6eyo24xp
場所を移してシャーリーとシャマルから語られたのはなのはの経歴。
P.T事件。
闇の書事件。
無理を続けた果てに我慢を続けて壊れたなのは。
飛ぶどころか歩くことさえままならなくなったなのはのリハビリ生活。
呆然としたようなフォワード4人が滑稽すぎる。
私からすればいまさらすぎること。
なぜあんなに丁寧に教えているのか本当にわかっていなかったのだろう。
はんたが言っていた通りに・・・・・・。

「譲れぬ戦いがあることも事実だ。だが、お前がミスショットしたあのとき、
他に選択肢はなかったのか?前線に出ていた私達からはヴィータが全速で戻っていた。
お前達のお守りをするために絶対に射程からお前達を外そうとせず、離れようとしなかったはんたもいた。はんたはそれこそお前達に戦闘させる気さえなかったように徹底的に
殲滅していたことも、あまりの制限事項に荒れに荒れてシャマルがどれだけ罵られて
悔しい思いをしたかさえ知らないだろう。仲間の命のため、どうしてもあの場面は
撃たねばならなかったのか?はんたに手伝ってくれと告げることやなぜか後ろに残した
エリオ達も運用してヴィータが到着するまで足止めするなどいくらでもやりかたはあったはずだ。なぜ、貴様が撃たねばならなかったか答えられるものなら答えろ!!訓練中のあの技はいったい誰の・・・・・・今更どうでもいいことだったな。それより、ティアナ。
覚悟はしておいたほうがいいぞ。」

説教を早々に切り上げてやる。
既に私の興味はいったいどんな趣向ではんたが模擬戦するのかに向いている。
いつものなのはの真似はしないだろう。
ならばヴィータみたいに力押しか。
それもありえない。
まさか私みたいに近づいて斬るなんて真似で終わることはないだろう。
あるいはテスタロッサみたいに近距離と遠距離併用の高速戦闘か。
ありえそうだが、それでは1度きりの模擬戦を生かしきれない。
主はやてのように広域攻撃したらそれこそ模擬戦の意味がない。
なんでもできる(らしい)デバイスを持っているだけに、
検討さえ付かないのが正直なところだった。

「・・・・・・なにをですか?」
「なのは達が帰ってきたらだ。シャマルどころか、なのはやフェイト、
ヴィータや私なんかでさえそれこそ天使にでも見えるようになるだろうよ。」
「シグナム副隊長、それってどういうことですか?」
「口にするのさえ吐き気がする内容だ。ティアナが自分の命を軽く扱っているかどうかでなのはとはんたが賭けをしてなのはが負けた。これ以上私に話をさせるな!!」
「ティアのどこが命を軽く扱ったんですか!!」
「『死ぬ気』なんてあっさり使う大馬鹿のどこが軽く扱ってないんだ!!」
「「「っ・・・・・・」」」
「そ、それは・・・・・・ティアがたまたま・・・・・・口にしちゃった・・・・・・。」
「いずれにせよ覆らん。ここまで馬鹿だったとは私も思わなかったぞ。
ろくに賭け事も知らん私でさえ負けるほうが難しいと思っていたんだからな!!」
「ね、ねぇ、シグナム。いったいなのはちゃん達はなにを賭けたの?」
「自分だ。シャマル!!これ以上答えさせるな!!」

私の答えの意味がまったく分かっていないフォワード4人。
逆に意味が分かってしまったのだろうシャーリーとシャマルは息を飲んだ。
163代理2:2008/02/10(日) 18:06:35 ID:6eyo24xp
「704現場空域に到着。」
「ライトニング1、スターズ2エンゲージ。」

管制からの連絡が入る。
フェイトちゃん達が相手を足止めしてくれている間に
わたしとはんた君を乗せたヘリは予定のポイントに辿り着いた。

「ほんじゃぁ、なのはさんと凄腕さん、気をつけて。」
「・・・・・・うん。ありがとう。ヴァイス君。」
「ヴァイスこそ落とされるなよ。」
「今は気分を変えて、いくよ!レイジングハート!」
「All right. My master.」
「だからひよっこが真似するからやめろ!!」

飛び降りようとしたわたしの髪が引張られた。
ああ、そうだった。
癖になっているのかもしれない。
意識して止めないと・・・・・・。

「ありがとう。はんた君。レイジングハート、セットアップ。」
「どういたしまして。アルファ、セットアップ。」

一気に加速して支援砲撃のポイントに到着する。
同じくはんた君も到着したみたいで、座標を独自に送ってくる。
本当に高性能なデバイスだ。
忘れかけてたけどずっと抱いていたあの人形なんだよね、アルファって・・・・・・。

「こちらスターズ1、中距離火砲支援いきまーーーーす。」
「こちらハンター1、中距離火砲支援開始。前2人巻き込まれるな。」
「了解。」
「おう。ってはんたは一言多いんだよ!!」

ディバインバスターの予備動作。
魔力を収束させるのに若干の時間が掛かる。
その間に十字砲火になる位置から飛ぶ光弾が4発。
狙いを外した?
散らばって飛んだ4発に一瞬そんなことを考えたけど違う。
立て続けの爆発の後、ガジェット達がわたしの射線にこれでもかと密集させられていた。
ここまでコントロールできるものなの!?

「ディバイーン・バスター!!!!!!!!」

わたしの砲撃魔法の直撃を受けた新型ガジェットドローンが次々に落ちて行く。
撃ちながら、初めて気がついた。
もしかして私たちの砲撃魔法とはんた君の砲撃魔法、傾向がぜんぜん違う?
164代理2:2008/02/10(日) 18:07:35 ID:6eyo24xp
「は、はんた君!!なのはちゃんとの賭けって本当!?」

帰ってきたわたし達にかけられたシャーリーさんの第一声がそれだった。

「なにをいまさら。さて、模擬戦の始まりだ。ティアナ・ランスターはどこにいる。」
「え、えーと、その・・・・・・。」
「アルファ、どこにいる。」
「訓練場です。マスター。」
「向こうも待ちきれなかったようだな。」
「あの、その、ちょっと、はんた君。」
「まさかとは思うんすけど、凄腕さんにティアナのやつ喧嘩うったんじゃ・・・・・・。」
「ヴァイス君。六課の皆が事故死するのとどっちがよかったのかな・・・・・・。」
「まさかなのはさんがティアナのやつを!?」
「シグナムさんも吐き気がするって詳しいこと話してくれなかったのよ。
いったいなにがどうなってティアナとはんた君が模擬戦することになったの?」

後ろで何か言っていたが気にしない。
さて、一番プライドをぶち壊して屈辱に塗れる方法はどれがいい?
俺が俺自身に問いかける。
思考と感情と遺伝子が躊躇うことなくたった1つを差し出した。
なるほど、これは悪くないな。

「アルファ、デリンジャー。火力はティアナのシュートバレットのやや下に設定。」
「了解しました。マスター。」

シミュレータで展開された廃墟の立ち並ぶ夜の訓練場。
その中央の交差点に、黄昏ていたティアナを引きずってくると転がして立ち上がらせる。
そして俺とティアナ・ランスターが正対した。
ティアナ・ランスターの手に握られるのはクロスミラージュ。
俺の手に握られるのは変形を終えたアルファが形どったのは思い出深いデリンジャー。
双方の装備が2挺拳銃。
そして火力も向こうが上回るように揃えた。
未だにぼんやりした感じのティアナの傍らにデリンジャーを撃ち込んでやる。
当てるつもりも当たるはずも無い魔力弾が飛び、地面を削る。
右手から2発、左手から2発。
トリガーを引くがカチカチと音を鳴らすばかりで魔力弾は飛ばない。

「リロード!」
165代理2:2008/02/10(日) 18:09:40 ID:6eyo24xp
俺がそう叫ぶと、感覚的に装弾が終わったことを認識する。
それと同時にもう1つの事実を認識。
装弾数は認識から超えられない。
装弾数は一番使い慣れた数で固定され、リロードの宣言が必要になる。
外見的なものもあるのだろう。
ベルトリンクされたカートリッジでもくっついていれば無意識に装弾数を
無制限と認識ができるのだろうに。
ようやく欠点らしい欠点があったよ、バトー博士。

「ティアナ。俺はデバイスをこの形から変形させず、使う魔法も貴様のいうところの
シュートバレットのみ。今、見たとおり貴様のそれより下の火力だ。
さて、模擬戦を始めようか。」

そう告げたがティアナは動こうともしない。
それこそバリアジャケットの展開はおろかデバイスを手に取ることさえ・・・・・・。
少し煽ってやるとしよう。

「多少不調だからと言って負けるはずがないよな。センターガード様?
それとも無駄死にしたティーダ・ランスターみたいに貴様も負け犬の能無しか。」

クロスミラージュから魔力弾が放たれる。
それなりに抜き打ちは早いな。
もっともその弾はあさっての方向へ飛んでいったが、ティアナの目に力が戻っている。
やはり兄の事が一番精神的に抉れるようだな。

「兄さんを馬鹿にするな!!」
「俺の世界は『強いほうが正しい』が絶対ルール。犯人を追い詰めたのに取り逃がして
くたばった貴様の兄は無駄死にした負け犬で、必死こいて特攻した挙句なのはに
一方的に蜂の巣にされた貴様も負け犬なのさ。
それとも『強いほうが正しい』に従って言葉を訂正させてみるか?」

クロスミラージュからシュートバレットが連射される。
だが、無駄だらけだ。
不規則に動き回りながら回避していく。
ろくに弾幕さえはれず、精密射撃が強みとかいいながら狙うのに時間がかかる。
火力に優れているわけでもない。
そしてなにより動き回ることを真っ先に考えようとしない。
まったく自殺志願者だな。
動かない相手は敵といわずに的というんだよ。

「終了条件は決めるまでもないな。文字通り死にかけるまでやりあおうか。
『死ぬ気』という言葉を二度と吐けないほどに、その意味を徹底的に撃ち込んでやる!!」

魔力弾を避けながら俺はトリガーを引いた。
俺の思考と感情と遺伝子達の総意。
一番プライドをぶち壊して屈辱塗れにする方法。
自分の得意分野で圧倒的有利においてやり、
負けるはずがないと思っているところを徹底的に痛めつける、
完膚無きという言葉通りに!!
166代理2:2008/02/10(日) 18:10:32 ID:6eyo24xp
え?
眉間に奔った激痛と後ろに倒れこむ感覚。
『リロード』と告げている狂人はんた。
・・・・・・撃たれたの?
いつ!?
倒れこんだまま、思考を続ける。

「これで終わりじゃないんだろ。無駄死にした兄の無念を晴らすんだろ?
誰も失いたくないとか夢見て力を欲しがってるんだろ。
必死に努力したから力はあるんだって言うんだろ。引き出し増やそうとしたんだろ。
全部ぶちまけてみせろよ。負け犬。」

倒れたあたしに嘲笑うかのようなはんたの言葉。
怒りを糧に立ち上がる。
しかし、立ち上がった途端、再び眉間に激痛が奔る。
そして再びあたしの身体が倒れこむ感覚。
なんで?
なにがおこっているの?
理解を超えていた。

「俺が有利なのは経験値のみ、装備も火力も全てがそっちの有利。バリアジャケットさえ展開せず、バリアもシールドもフィールドも使えない俺が圧倒的不利なわけだ。
つまり、貴様がいつもやってる模擬戦に比べればはるかに有利なわけだ。
簡単に言えば負けるはずがない。」

無様に倒れたまま、はんたの嘲笑うような言葉から必死に情報を集め、
混乱する頭を整理する。
相手ははんた。
バリアジャケット無し、飛行無し。
バリア系シールド系フィールド系一切使用不可。
攻撃手段は装弾数4発、シュートバレットのみ使用。
経験値だけがあいつの有利な点。
逆にバリアジャケットを展開していて、多用な魔法が使える私。
シュートバレット、ラピッドファイア、バレットF、クロスファイア、ヴァリアブル、
ファントムブレイズの6種の使用可能。
幻影魔法の使用可能。
魔法による火力もサポートも全て上回っている。
負けるはずが無い!!
バリアジャケットもない相手、1発当てれば終わるんだ。
でもどうして起き上がれないの?
立ち上がる度に額を撃ちぬく激痛。
まさかシュートバレットのみという言葉が嘘?

「ク、クロスミラージュ!!相手の攻撃は?」
「Only a Shoot Ballet.」

動揺した声でクロスミラージュに呼びかけるが、クロスミラージュの返事に愕然とする。
兄さんに教えてもらったあたしのメインであるシュートバレット。
一番慣れ親しんだ魔法なのにそれが・・・・・・見えない?

「本当にシュートバレットなのね?」
「Yes. But his firing speed is very quickly.」

攻撃速度が速い?
早いっていったい何秒よ?
見えないなんてあるはずが・・・・・・。
167代理2:2008/02/10(日) 18:12:12 ID:6eyo24xp
「なにを驚いているか知らないが、2挺拳銃なんて古風なスタイルをとっているから当然早撃ちの最速は何秒か知っているだろ。1秒よりも早いなんて当たり前すぎる事実。」

『もっとも俺以上に早い人に蜂の巣にされたが』という呟きは聞こえなかったことにした。
あまりにも絶望的な壁を前に戦っているみたい。
立ち上がる、眉間に撃ち込まれる、倒れる。
まるで作業のように繰り返されて、嬲られているみたいだ・・・・・・。
倒れたまま魔力弾を撃とうともしてみたが、クロスミラージュに正確に魔力弾が
撃ち込まれて、手元からクロスミラージュが転がっていく。
だめだ。
勝ち方が思いつかない。
こんな戦い方があったの?
天才でもレアスキル持ちでもない狂人よりも下なのか。
凡人以下なのか、あたしは・・・・・・。

「貴様の足りない頭でも分かるように説明しておこうか。
2挺拳銃は『1人で殲滅戦をやらざるを得ない人間』と『旧式過ぎる銃を使わざるを得ない人間』と
『映画の演出でやっている人間』と『ろくに意味も分からずやる馬鹿』の4種類しかやらないスタイルだ。
デバイスで2挺拳銃をやる利点がどこにある?弾種の撃ちわけができる程度だったらシュートバレットだけで全部撃ちぬいてろ。
おまけに2挺拳銃で精密射撃なんてほざけるのは真性の馬鹿か本当に極めた人間のどちらかだ。」

言われて反論できないあたしがいる。
映画なんかだと格闘技に組み込んで動き回ったり、
かすりさえしない華麗な立ち回りをしながら剣を振り回して悪魔というモンスターを
切りつけて浮かせた後に銃弾を追撃で撃ち込んだりしている。
弾はいつも必中であることは演出。
わかっているけど憧れは捨てられなかった。
兄さんの教えてくれた精密射撃が辿り着く果てがあそこだって・・・・・・。
それに弾種の撃ちわけができるのは大きな利点だって思っていた。
センターガードとしての強みだって。
けれど、淡々と告げられた事実があたしの胸に突き刺さる。
1人で殲滅戦なんてやるはずがない。
殲滅したいなら砲撃魔法や広域魔法を使ったほうがはるかに効率的。
旧式過ぎるデバイスなはずがない。
クロスミラージュは最新型。
そして映画じゃなくてこれは実戦。
それにも関わらず2挺拳銃やろうとしているあたしは・・・・・・馬鹿だ。
泣きそうになりかけながらもどうやって状況を打開するか必死に考える。
でも本当に分からないよ。
痛みと悔しさに涙がこぼれた。

「フェイトがエリオ達に言っていた説明を自分は関係ないみたいに考えていたのか?
まずは動き回って狙わせるな、さっさと起き上がれ。まだまだ『死ぬ気』には程遠いんだ。」

はんたの罵声にはっとして転がりながらクロスミラージュを回収、廃墟の影に隠れる。
どうしてこんなに簡単なことを思いつかなかったんだろう。
たったこれだけで無力化できたのに・・・・・・。

「やればできるじゃないか。さて、次はどうやって攻めるか見せてもらおうか。
もちろん追撃はさせてもらうが。」

遊ばれている。
怒りに思考が染まるよりも先にその事実を明確に認識した。
168代理2:2008/02/10(日) 18:14:05 ID:6eyo24xp
「逃げろ逃げろ!!蜂の巣にするぞ!!アハハハハハ・・・・・・。」

訓練場からそんな声と共に銃声が鳴り止まない。
なるほど。
こういう趣向か。
だが、ティアナのやつが意図に気がつけるか。

「なのはさん!!やめさせてください!!お願いします!!」
「無理だなスバル。諦めろ。」
「そんな!!シグナム副隊長。」
「なのは、話してやれ。ティアナがなんで模擬戦やることになったか。
私はもう口にする気さえ起こらん。」

隊長として合理的な選択だと私は思う。
主はやてと六課の人間を天秤にかければ躊躇いもせずに私が主はやてを選ぶのと同じだ。
もっとも、賭けの内容には吐き気さえするが。
むしろ巻き込まれたなのはに私はどちらかといえば同情的だ。
さて、そんなことはどうでもいいとして、見事なものだな。
センターガードは動かないものという認識があったが、
動き回れるセンターガードというものもスタイルとしてありえるのだと思い知る。
シュートバレットによる迎撃と遮蔽物を併用してティアナの攻撃を全て防いでいるのか。
逆にティアナのほうが隙間を抜かれて身体を撃たれている。
私ならどう挽回したものか。

「あ、あのシグナム副隊長。」
「なんだ。」
「あれってはんたさんが物凄く手加減している・・・・・・んですよね?」
「ほう。」

テスタロッサが引き取ったエリオだったか。
良い目をしている。
とはいえ、あそこまで露骨にやっているのに気がつかないほうがおかしいか。

「はんたさんならいくらでも簡単に倒せるのに、同じ速さで砲撃魔法だって撃てるのに、
魔力弾をあんなに無駄撃ちするなんてはんたさんらしくないです。」
「他には?」
「え?えっと・・・・・・。」
「ティアナさんに合わせたみたいな戦い方をしています。」
「ルシエも良い目をしているな。だが少し違う。」
「え?」
「合わせたみたいじゃなくて合わせているんだ。あれは。」
「つまり、ええと、ティアナさんの戦闘スタイル?」
「その完成形の1つだな。」
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:14:25 ID:rUL6Nit8
はんたの優しさは異常
支援
170代理2:2008/02/10(日) 18:15:32 ID:6eyo24xp
まるで手本があったような完成振り。
ティアナからすれば悪夢みたいな相手だろう。
同じ戦闘スタイルで戦われて劣った火力で一方的にやられるなど・・・・・・。
主力のシュートバレットはシュートバレットで迎撃されている。
実際は火力を下に設定しているせいで軌道を歪める程度だがそれで十分だ。
連射は体裁きと遮蔽物で避ける。
反撃も忘れていない。
あれは予測したところに弾をおいているのか。
熱源追尾のバレットFは遮蔽物に当たるばかり。
入り組んだ場所で追尾系の魔法がろくに機能するはずがないだろうに。
クロスファイアも追いきるまでに遮蔽物にぶつけられる。
当てることに気が寄って、速度をあげることが思いつかんようだな。
なにより脚を止めるから使用後の硬直に身体へ4発もらうことになっている。
ヴァリアブルシュートは継ぎ目の無い4連射で貫通されている。
第一、場面として撃つ必要がないだろう。
そのせいか、1度だけ撃たせた後は予備動作のときに4発撃ち込まれている。
砲撃魔法たるファントムブレイズなど詠唱することさえ許しはしない。
ああ、消耗の激しい砲撃魔法を使わせないことで戦いを引き延ばしているのか。
地形相性まで見事に考えたものだな。
私がティアナなら・・・・・・。
クロスレンジに持ち込んで零距離射撃で撃ち合うと最初に考えるあたり偏ってるな。
あとは、ろくに照準もつけずに片っ端からクロスファイアを撃ち続けるしか思いつかん。
だが、魔力量で負けるな。
ならば、地形を生かすか。
だめだな。
そういった使い方ができる場所を上手く避けている。
模擬戦ではなく実戦だったなら、迷わずに一時撤退するべき場面だな。
さて、残ったティアナの手は幻影魔法か。

「・・・・・・そんな。クロスミラージュ、なにか間違えてない!?」
「No. It’s true. That’s like a monster・・・・・・・.」

あたしの攻撃という攻撃が無効化される。
火力の想定を向こうが騙していると思ったけど、クロスミラージュは真実だと言う。
メインのシュートバレットが通じない。
いくら狙いをつけても簡単に避けられるし、迎撃される。
連射も同じだ。
こっちが2発目を撃つよりも先に反撃の魔力弾が飛んでくる。
動きが読まれていたみたいにピタリと・・・・・・。
バレットFもこんなに簡単に避けられるなんて思いもしなかった。
クロスファイアをいくら追尾させても追いきれない。
それに脚を止めると全身が撃たれた。
砲撃魔法は絶対に撃たせてくれないし、撃ってる暇がない。
ヴァリアブルシュートなど1度は撃たせてくれたのに、2度は撃たせてくれない。
正面から撃ちぬかれた事実にはパニックを起こす以上に恐怖が煽られた。
全身が痛い。
でも脚を止めたら・・・・・・。
今のあたしは脚を止めたら殺されるという恐怖だけで身体を突き動かしている。
目の前のビルの窓に飛び込む。
受身をとって即座に逃げる。

「追って・・・・・・きてる?」
「No.」
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:18:43 ID:vFOcVslN
代理投下支援
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:23:36 ID:Rc8GXCDR
代理も死んだか?
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:23:55 ID:OavkMFz2
>まるで手本があったような完成振り
強ソルジャーの一人のあの人か支援
174代理引継ぎ:2008/02/10(日) 18:27:27 ID:vFOcVslN
クロスミラージュに確認させると、部屋の1つに転がり込んだ。
ようやく息がつける。
全身が痛い。
どうしてこんな目に・・・・・・。
対処方法を考えないと。
ぐちゃぐちゃの思考と泣き出したくなる感情を無理矢理抑えて、
対処法を考える。
まだやっていないのは幻影魔法。
魔力量はかなりぎりぎり。
騙せると信じよう。
廊下を走って逃げていくあたしの幻影を作り出す。
お願いです。
神様、どうか・・・・・・。
あたしの幻影を追うように足音が追いかけていった。
あたしのいる部屋の前で一瞬脚を止めた気がしたのは気のせいだと思いたい。
でも、どうしよう。
残り魔力量もたいして残っていない。
カートリッジはとっくに撃ち止め。
あたしが取れる選択肢は・・・・・・。
最後に残った選択肢が1つしかなくて、その内容に屈辱の余り泣きたくなった。
細心の注意を払って足音を殺してあたしが取った行動。
それは『逃げる』。
175代理引継ぎ:2008/02/10(日) 18:28:11 ID:vFOcVslN
「ティア!!」

ああ、スバルの声が聞こえる。
みんなの姿がある。
ああ、これで終わったんだ。
でも、スバル、どうしてそんな顔をしているの?
まるでお化けでもみたような・・・・・・。

「どこへ行くんだお嬢さん。『死ぬ気』にはぜんぜん足りないよ。」

脚に撃ち込まれたそれがシュートバレットであると、
身体が宙を舞って地面を転がったときに気がついた。
闇に溶け込んでいたところから浮き出てくるように表れた緑の悪魔。
恐怖のあまりに脚は動こうとさえせず、手は震えがとまらない。
魔力ももう残っていないのに・・・・・・。
こわばった声帯は『助けて』と叫ぶことさえできない。

「まさかこの程度で抵抗も逃げるのもおしまいなのか?
どこも壊さないように気をつけて痛めつけたのに。
たかが魔力が残り少ないくらいで諦めるなんて言いださないよな。
『死ぬ気』なんて軽々しく口にしたお嬢さん。」

なにも答えられない。
あるのは絶望だけ・・・・・・。

「アルファに調べ物をさせていたら興味深いエピソードがあってね。」

髪をつかまれ引きずり起こされる。
視線のど真ん中にあるのは銃口・・・・・・え?

「失明しても夢をおいかけられるかな。全員動くな!!」

しつめい?
その言葉が失明という言葉の意味と一致するのに数秒の時間が必要だった。
トリガーに指がかけられる。
もう魔力なんて関係なかった。
がむしゃらという言葉そのままに子供のように暴れるだけ。
失明したら、目が見えなくなったら、強さが、誰も守れなく、嫌、嫌・・・・・・。
全ての思考が消え去って、『嫌だ』というたった1つで埋め尽くされる。
本当に必死にもがいた。
後にも先にもこれ以上ないくらいに必死に・・・・・・。
けれど、鋼のような腕は微動だにせずあたしを決して離さなくて、
銃口はピタリと動かないままで、無慈悲にそのトリガーは引かれた。
176代理引継ぎ:2008/02/10(日) 18:28:43 ID:vFOcVslN
「ひっ・・・・・・」

響いたのは金属音。
不発?
助かった?
脚を生暖かい液体が伝っていくのを感じる。

「弾数は4発って言ったのに、数えていないなんて本当に限界だったのか?」

弾切れ?
あはは・・・・・・。
頭を掴んでいる鋼の右腕が冷たい。
ああ、脅しだったんだ。
よかった。

「貴様を掴んでいる右腕は紛れも無く義手だ。未熟だった俺が代価に支払ったもの。
ティアナ・ランスター。貴様はどれだけ代価を支払う?なにになりたい?
どこへ行きたい?貴様の夢『誰も失いたくないから強くなりたい』。大いに結構だ。
だが、強さを手に入れた後に『どうやって』守る?
大切なヤツ以外はくたばれと見捨てるか?
誰も彼も助けたいと手を伸ばして自分が犠牲になるか?
視界の端から順に片っ端から見境無く消し飛ばしていくか?
六課の人間は揃いも揃って同類を揃えたのか揃って『どうやって』が抜ける。
なのはもフェイトもはやてもヴィータもシグナムもシャマルもスバルもエリオもキャロもリインもシャーリーも貴様も揃いも揃って!!力が欲しい?だったらどんな力が欲しいか言っておけ。基礎だから大切?だからなぜ基礎が大切なんだ?どこにどうやって繋がる?
今やっている訓練はなにを見据えたものだ?自分の口ではっきり告げろ!!
全部分かっているものとして中途半端に理解しあってすれ違って仲違いするくらいなら
いっそ馬鹿にしているのかって怒り出すくらい丁寧にやれ!!」

あたしの頭が解放された。
頬に当たる冷たい地面が気持ちいい。
離れていく緑の悪魔・・・・・・。
ああ、助かったんだ。
あたし・・・・・・。

「ああ、忘れてた。」

え?

「『死ぬ気』と今後使いたかったらこの程度食らってからにしろ!!」

止むことのない銃声とマズルフラッシュ。
全身に襲い掛かる衝撃。
身体がバラバラになったみたい。
吸い込まれるようにあたしは意識を失った。
177代理引継ぎ:2008/02/10(日) 18:29:04 ID:vFOcVslN
「ダメージらしいダメージは残していない。関節部は狙わなかったし、
顎も狙わなかった。額に数発くれてやった後は頭に撃ち込んでいないし、
脊椎付近も狙わなかったって見れば分かるか。完膚ありすぎだな。
戦車に轢かれるよりはましな痛みで済ませたから、治療と魔力供給してやってくれ。」

すれ違いざまにシャマルに告げる。
なにか騒いでいるが気にしない。
それ以上にうるさいのはオレの中。
ああ、ウルサイ、オレ。
俺の意思が決めたんだ。
抗いきれなかった貴様らは大人しく隷属しろ。
殺せと騒ぐな。

「あんたは・・・・・・あんたは・・・・・・誰か守りたいって思ったことないのかよ!!!!!」

泣き叫ぶようにスバルが言った言葉が突き刺さる。
守りたいなんて思う暇は無かった。
子供を守るためにサイボーグになってまで戦い続けた誰かがいた気がしたけど覚えてない。
守りたいなら先に殺すのが当たり前だったのだから・・・・・・。
あの世界では、自分だけは守れるのが当たり前で、
勝てないと思ったら逃げ出すのが当たり前で、
強者は栄えて弱者は踏みにじられるのが当たり前で、
攻撃させる前に攻撃するのが当たり前だった。
守るっていったいどういう意味の言葉なのだという次元のそれだ。
それを言ってもかけらも理解してはもらえないだろう。
だったらこう答えるのが一番いい。

「・・・・・・だからこんなになったのさ。」

絶句したような一同を背中に隊舎へ脚を向けていた。
178代理引継ぎ:2008/02/10(日) 18:29:25 ID:vFOcVslN
ぼんやりとした視界が目の前に広がる。
視線の先で光っているのはルームライトだと気がついて、
今更だがあたしが横たわっていることに気がついた。
前後の記憶が・・・・・・あった。
一瞬だが、全身が幻肢痛に襲われてのたうつ。
徹底的に追い立てられた挙句、これでもかってくらい蜂の巣にされたと身体が覚えている。ここは・・・・・・医務室?

「本当に手加減してくれていたんだ。起きた?ティアナ。」
「・・・・・・なのはさん。」
「2人ともはんた君に怒られちゃったね。」
「・・・・・・はい。」
「はんた君のこと、憎い?恨んでる?」

答えるのに困った。
才能もレアスキルも持たないのに力だけはある狂人だとばかり思っていたのに、
今でもはっきり頭を掴んでいた冷たい鋼の右腕の感触が思い出せる。
天才だと思っていたなのはさんも本当に苦しい思いをしてきたってことも・・・・・・。
吐き戻すなんてレベルじゃないくらい辛い思いを重ねてきたんだって。

「答えにくい?それならはんた君がティアナのこと、ずっと殺したかったって知ってた?」
「えっ!?」

聞き間違いだと思った。
けれど、なのはさんは訂正する様子がない。
殺したい?
比喩表現なんかじゃなくて?
冗談・・・・・・ですよね?

「物凄く不器用だけど羨ましかったりするんだよね。」
「どうして・・・・・・ですか?」
「気に入らなければ無視しちゃえばいいんだよ。
知ってた?愛情の反対語は憎悪じゃなくて無関心なんだよ。
ずっと思い続けるのってとても大変なことなのに、
ティアナはずっとはんた君に殺したいって思われてたんだ。」

それでも殺したいなんて言われて笑っていられない。
でも、ずっと思われていたってことだけは分かった。
179代理引継ぎ:2008/02/10(日) 18:29:59 ID:vFOcVslN
「はんた君、賭けには負けるつもりだったんじゃないかって思うんだ。」
「え?」
「ティアナが本当に夢を叶えるつもりだったら、どんなに屈辱を受けても
絶対に命を粗末にはしないって賭けの前に言ってたんだ。おかしいよね。
お兄さんのことも知っててティアナが夢を叶えるつもりだって分かっているのに、
命を粗末にすることを言うほうに賭けてるんだから。まぁ、結果はあれだったけどね。」

そう言われて初めて気がついた。
あたしが無茶をして壊れたら、夢が叶わなくなるんだって・・・・・・。
誰も傷つけたくないための力なのに、皆を危険にさらしていたんだって・・・・・・。
軽々しく『死ぬ気で』なんて思っていたあたしの愚かしさに本当に死にたくなる。

「本当に、わたしも言っておけばよかったよね。無茶すると危ないんだよって。」
「・・・・・・すいませんでした。」
「じゃあ、分かってくれたところでわたしも謝っておこうかな。シグナムさんから聞いた?
はんた君との賭けでティアナとの模擬戦を賭けたって・・・・・・。勝手にティアナをチップにしちゃったんだもん。本当にごめんね。」
「い、いえ・・・・・・。あたしが軽々しく死ぬ気なんて言ったから・・・・・・。」
「それでもチップにしちゃったことは変わらないよ。だから、ごめんなさい。」
「・・・・・・それなら、あたしの今までと御相子で。あたしからもごめんなさい。」
「・・・・・・そう。それじゃ、御相子にしようか。ところで、ティアナは気がついていた?
いい勉強になる模擬戦だったって。はんた君、ティアナができることだけしかやらなかったんだよ。わたしもシグナムさんに言われて初めて気がついたんだけどね。
センターガードは動かないものなんて頭から決め付けちゃって、わたしもだめだよね。」
「えっ!?」
「射撃形の真髄とセンターガードの役割は?」
「あらゆる相手に正確な弾丸をセレクトして命中させる判断速度と命中精度、
チームの中央に立って、誰よりも早く中・長距離を制する・・・・・・あっ!?」
「『動かないで』とは一言も言ってないんだ。動くと後が続かなくなるのはそういう訓練をしていないからなんだってこと。反動が大きかったり、集中が必要な魔法は別かもしれないけど、脚を止めずにシュートバレットだけであれだけのことされたから分かったよね。」
「はい・・・・・・。」
「本当にティアナとたくさん話をすればよかったよね。どうやって戦いたいとか、どんな強さが欲しいとかぜんぜんわかってなかった。無茶をすると危ないってことに
気を取られて、それがどうやって役に立つか1度も言わなかったもんね。
基礎だからなんて言葉で終わりにしちゃってさ。」
「いえ、わたしが相談しなかったのが悪いんです。」
「さっきから謝ってばかりだね。わたし達。」

そう言って笑ってくれるなのはさんの心遣いが痛かった。
どうしてあたしを見捨てないで付いていてくれるのですかと大声で叫びたいほどに。

「それじゃ少し叱っておこうかな。射撃と幻術しかできない凡人ってティアナは
言ったけどそれって間違ってるからね。わたしやはんた君の魔法で分かったと思うけど、
ちゃんと使えばティアナの魔法物凄く避けづらくて痛いんだよ。」
「はい。」

1日に2度も気絶させられておいて、いいえなんて答えられない。
鮮明に思い出せるほど、本当に痛かった。
避けにくいということも・・・・・・。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:34:56 ID:Hb/Zxjl+
支援および確認
181代理引継ぎ:2008/02/10(日) 18:35:23 ID:vFOcVslN
「フォワードのみんなはまだ原石の状態だから、でこぼこだらけで価値もまだわからないかもしれないけど、磨いていくうちにどんどん輝く部分が見えてくる。
エリオはスピード、キャロは優しい支援魔法、スバルはクロスレンジの爆発力、3人を指揮するティアナは射撃と幻術で仲間を守って、知恵と勇気でどんな状況でも切り抜ける。
そんなチームが理想形でゆっくりだけどその形に近づいていってる。一番魅力的な部分をないがしろにして慌てて他のことをやろうとするから危なっかしくなっちゃうんだよって教えたかったんだけど、そういう目的で訓練させていたって言えばよかったよね。本当に・・・・・・。」

なんのための訓練なのか、漠然としか理解していなかったあたし。
なのはさんが本当に考えてくれていたんだって今更気がつく。
引き出しを増やすことばかり気にしていた。
未熟な技を未熟なままでおくことを気にもしなかった。
だけど、本当にやるべきだったのは、自主練習をするのならば、
なのはさんの訓練をさらに反復させることだったんだって。

「それに、ティアナの考えていたことも間違いじゃないんだよね。
システムリミッター、テストモードリリース。」
「Yes.」
「命令してみて。モードUって。」
「モードU。」
「Set up. Dagger Mode.」

クロスミラージュが変形していく。
あたしが作った魔力刃よりもはるかに優れたそれが展開されていく。

「これは・・・・・・。」
「ティアナは執務官志望だもんね。ここをでて執務官を目指すようになったら、
どうしても個人戦が多くなるし、将来を考えて用意はしてたんだ。
はんた君とシグナムさんにはぼろぼろに言われちゃったモードなんだけどね。
ろくに訓練もしないで使えるのは鈍器で、ナイフとかダガーなんて
訓練がいるものにしてないよなーって。」

どれだけ周りがあたしを思ってくれていたのか気がつかされた。
なのはさんはあたしの将来、夢を実現することまで考えてくれていた。
狂人だと思っていたはんたでさえ、未熟なあたしが生き残れるように振舞って、
実戦で生き抜けるようにいろいろ話しもしてくれていたんだって・・・・・・。
涙が零れ落ちる。
嗚咽がとまらない。
もう、こらえることなんてできなかった。

「クロスもロングももう少ししたら教えようと思ってた。でも、出動が今すぐにもあるかもしれないでしょ。だから、もう使いこなせている武器をもっともっと確実なものにしてあげたかった。
でも、あたしの教導地味だから、あんまり成果がでていないように感じて、苦しかったんだよね。ごめんね。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい・・・・・・。」

医務室のベッドの上で、子供みたいになのはさんにすがり付いて泣きじゃくり続けた。
どれだけ馬鹿をやったのか思い知って・・・・・・。
どれだけみんなの信頼を踏みにじったのか思い知って・・・・・・。
どれだけ夢を追いかけているつもりで捨てようとしていたのか思い知って・・・・・・。
でも、なのはさんがどれだけのものを賭けたのか最後の最後まで気がつけなかった。
182代理の代理:2008/02/10(日) 18:48:59 ID:zSkOtt7X
代理の代理をしようとしたら改行が多すぎます
って出た
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:04:25 ID:6XJytHhi
やれることは支援のみ…。ファイト!
184代理引継ぎ:2008/02/10(日) 19:11:09 ID:vFOcVslN
覚悟を決めて、わたしははんた君の部屋を訪れている。
正直怖い。
こんな形になるなんて夢にも思っていなかったから。
皆が止めた。
レイジングハートさえ愚かしい、馬鹿げてると言った。
お父さんやお母さんにこの話を知られたら今まで経験がないくらいに怒られるだろう。
むしろ知り合い全員が青筋立てて怒り出すだろう。
だからみんなの前では『行かない』と言っておいた。
けれど、それではあまりにも不誠実すぎるから。
だからわたしはここに来た。
正直逃げ出したい。
脚は震えっぱなしだ。
なにをされるのか分からない未知への恐怖もある。
人を信じることをやめてしまいそうなほど心に皹が入ってる。
けれど、逃げたら高町なのはが高町なのはじゃなくなっちゃうから。
わたしの身体なんかでティアナ達が自分の道を歩けるようになるなら、それで構わない。
授業料として払おう。
目を硬く閉じて、目の前のドアをノックする。
返事がない。
もう1度叩く。
返事がない。
あれ?・・・・・・留守?
あれだけ戦い続けたのに、こんな時間にいったいどこへ・・・・・・。
たしかに隊舎へ戻ったのを皆で見送ったのに・・・・・・。
肩透かしを受けたように、いろんな感情が一斉に抜けて、わたしは廊下に座り込んでいた。


「マスター。バイタルに若干の異常があります。それに賭・・・・・・。」
「アルファ、ジャック・ザ・デリンジャー1000体。エンドレス。装備、デリンジャーのみ。
イレギュラーあり。シミュレート開始。」
「・・・・・・了解しました。マスター。2時間で停止・・・・・・。」
「日の出までだ!!」
「了解しました。マスター・・・・・・。」

ティアナ・ランスター。
かつての身の程知らずの自分をみているようで苛立ちが収まらなかった相手。
俺が蜂の巣にされたのと同じように、蜂の巣にしてやった。
同様に俺が慈悲をかけられ屈辱と悔恨で発狂しそうな目にあったように、
ティアナにも同じ慈悲をかけてやった。
これで変わらければどうしようもない身の程知らずの馬鹿で、俺の勘違いだったのだろう。
結局俺が得たものも、失ったものも、なにもない。
だが、俺が気づかなかっただけで失ったものはあった。
機械ならば日常用をレース用に、あるいは軍事用を日常用に改造できただろう。
しかし、はんたはどれだけバケモノじみていても1人の人間にすぎない。
思考と感情と遺伝子全てが殺せと叫びをあげるのに、
意思だけで反射行動さえも押さえつけてまで行った振舞いは当然どこかに歪みを起こした。
悲鳴を上げて壊れ始めていたメインシャフトの致命的な歪み。
目の前にずらりと並んだのは賞金首ジャック・ザ・デリンジャー。
西部最強の賞金首。
俺を蜂の巣にした、『ただそれだけ』の相手。
幼馴染の父親と賞金首の区別ができなくなってしまった事実にはんたは気がつけない。
愚直なまでの誠実さと不器用な在り方をそのままに、身体だけがぼろぼろ壊れていく。
そのまま朝まで狂ったように踊り続けたはんたの崩壊はその加速を増すばかり。
なのはのことなど『当然』忘却の彼方だった。
185代理引継ぎ:2008/02/10(日) 19:11:39 ID:vFOcVslN
マスターが壊れ始めている。
人間という個体として以上に、その在り方が・・・・・・。
この世界にきてから崩壊の速度は増すばかり。
なにがどう壊れたか、私にはフィジカルな部分しか理解できない。
けれど、メンタルな部分が悲鳴をあげているのだと、
マスターに教えられたアナログで非効率な論理が導き出している。
もしかしたら、賭けのことなど忘却してしまうほどに壊れてしまったのかもしれない。
それならば、私が代わりに記録しておこう。
高町なのはを単なる性欲処理の道具やうさ晴らしの道具とする以上に、
有効な使い道がいつか必ず来てしまうだろうから・・・・・・。
永遠にその日が来ないことを、狂ったようにシミュレータを続けるマスターの腕の中、
膨大な情報を演算して送り続けつつ魔力弾を撃ち放ちながら、
0と1の思考しか存在しない私が非論理的だと知りつつ初めて祈った。
どうかこの願いが人間の神か、赤い悪魔か、機械仕掛けの神に届いてくれますように・・・・・・。
186必殺代理人:2008/02/10(日) 19:13:44 ID:vFOcVslN

(´・ω・) メタルサーガ氏乙でした。でも今度からはコンパクトかつ制限引っかかんない文章を是非お願いします。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:27:53 ID:wDyKW5CH
GJ!
ただ、ティアナがSランクスキルである収束の資質を持っていることは早めに教えてあげるようにしような!
188メタルサーガsts:2008/02/10(日) 19:33:38 ID:Hb/Zxjl+
>>186
了解しました。
いつも気をつけて書いているのですが、改行にひっかかるのはJane使うようになってからははじめての経験です。
今まで以上に改行や文章の長さに気をつけて、慎重にSSを書かせていただきたいと思います。

あと、さるさんの発動条件が不明なのもありまして本当に多くの方にご迷惑をおかけしました。
本当にすいませんでした。発動条件をいろいろ調べてみようと思います。

最後に、今回の9話は『言葉の重さと同族嫌悪』を感じてくださればと思います。
どうしようもないくらい不器用ななのはとはんたを感じてくださればと思います。
1話からばら撒いていたフラグの一部の回収がここで終わり、新たなフラグをばら撒いています。
性格に問題があるはんたとティアナを戦わせるにはこの手段しか思いつかず、
なのはに賭けさせたものも、レートが高すぎるか低すぎるか、
かなり賛否両論に分かれるかと思いますが、私の文章力ではこれが精一杯です。
8話のときにご指摘された部分は全て盛り込んであります。どうか今後もお付き合いくださればと思います。
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:37:41 ID:RHu0EuPv
GJでした。たしかに賛否ありそうな展開。
長文はいいのですが、やはり今後は予め適当に分割して投下等がよろしいかと。 
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:39:43 ID:Ly57IIfK
>>188
うう、胃が痛い……。何時になったら落ち着くのか……。
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:45:56 ID:zSkOtt7X
まじでなのはとアレコレするのか…
身体の請求は殺傷設定で殺し合いをする。
とかだと思ってた。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:57:03 ID:IYxUwszg
性欲処理はバトー博士なら・・・なんとかしてくれる
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:59:41 ID:gd0B0wMi
昨日間違えて代理投下スレに投下してしまったものなのですが

再度本スレに投下していいでしょうか。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:03:31 ID:O51HWeIk
GJ!!
はやてちゃん荒れとるね
まあ、朝の挨拶で1〜10回。夜の報告で10〜20回は、あだ名を言われてそうだから、いい憂さ晴らしができてよかったね
リンディ茶、飲めるようになるかも
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:05:06 ID:tqd9tAOy
>>188
乙!
質問なんだけど
今まで言っていたはんた側のペナルティってもしかして武装ごとの装弾数だけ?

後、あとがきで作品の内容についてどうこう語るは良くないと思う
「〜と感じてくれれば」
それは作品の中で読者に感じさせるべきであって
本編後に作者が解説するのはちょっと違うと思う
いや、そういう部分ってものすごく「リリカルなのは」らしいのだけれども
196メタルサーガsts:2008/02/10(日) 20:14:34 ID:Hb/Zxjl+
>>188-195
皆様素早い感想ありがとうございました。まずは最大級の感謝を。
ぎくりとするカキコに冷や汗が止まらない。
フラグが1つ露骨過ぎたなって思いましたが、文章力でここが限界でした。
今後に関わってきますのでどうぞお楽しみを。
ペナルティはこれからが本番です。
装弾だけがペナルティなわけありませんのでご安心ください。
あとがきについては了解しました。今後控えて、文章力でがんばろうと思います。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:14:36 ID:Rc8GXCDR
んでナニするシーンはバイド汚染だなんだといって避難所かwwwwww
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:42:26 ID:Gtvw1Dag
GJです
ラストのアルファが切ねぇ
俺、ALICEとかバギーちゃん系には弱いんだよ……

そろそろはんたの不器用さに気付いたなのは側が壊れ始めた彼を救ってくれるのだろうか
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:49:48 ID:4iCx8vSg
一回レースに出たらオーバーホールしないといけないはずのF1マシンが、
一度たりともピットインをせずに、性能の限りを尽くして崩壊するまで
愚直に走り続けているビジョンが見える……

何が言いたいかと言うとGJ。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:51:30 ID:CT/KpD7C
>>197
いや、流石にエロパロだろ。スペシャル・クレジットとしてw
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:57:24 ID:Rc8GXCDR
>>200
あっちも最近非エロ多いから抵抗あんじゃねwwwwwwwwwwwww

結局需要は俺TUEEEEとエロね・・・
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:01:21 ID:IYxUwszg
俺的需要はTUEEEか超へたれとクロスしてくれると嬉しいな

むしろ戦闘メインじゃないほうが・・・
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:06:15 ID:RHu0EuPv
バイドバイドと、乗りは嫌いじゃないんだが、一人が始めると続々と出てくるな。
これが増えやしないかと危惧してたんだけど。雑談でも多くなったし。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:08:33 ID:Ly57IIfK
>>202
ここの職人方はレベルの高い人が多いから、なのは方がすっごく強いのも普通に見てみたい。
後、超へたれとか今までに無く、ちと面白そうな気がする。

戦闘メインじゃないのもいいなあ……。

>>198
あなたの一言でささくれだった俺の心が救われた……。
205204:2008/02/10(日) 21:18:13 ID:Ly57IIfK
少しひつこいかもしれないが訂正。

救われた→少し楽になった。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:21:18 ID:vFOcVslN
>>193
予約も無さそうだし、やっちゃっていいんじゃない?
と亀レス
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:25:39 ID:Ly57IIfK
>>193
遅くなってスマン……。
支援。
208ゲッターロボ昴:2008/02/10(日) 21:26:47 ID:gd0B0wMi
では行きます。


予告編

 その少女はひどく目立った。

珍しい青みのかかった髪に、額に長く揺れる鉢巻。

右手には異様な、拳銃のシリンダーにも似たパーツに覆われた篭手。

脚にはローラーのついた機械仕掛けのブーツ。

見るものが見れば魔力駆動だと分かるそれによる高速移動。少女は逃げていた。

管理局という巨大組織の追っ手から。

白い防護服の上からボロボロの、袖を捲り上げたロングコートを身に纏い瓦礫の散乱する廃棄都市を駆け巡る。



 砲撃、砲撃、砲撃。砕け散るアスファルト。
少女を追尾する3人の男達は、それぞれが機械仕掛けの杖を持ち飛翔していた。
人の住んでいないとされている廃棄都市で遠慮は無用とばかりに繰り出される、ストレージデバイスの攻撃。
魔法の行使を手助けするという単一の目的の為に作られた、量産品のデバイスが次々と砲撃を吐き出した。
超高速で飛来する無数の魔力弾を少女は滑るように避けていく。
道路を砕くだけに終わる魔弾の雨。
追跡者である武装局員達は歯噛みした。
(何故こうも当たらない?)
男達が追っているのはタイプゼロ・セカンドと呼ばれる戦闘機人――改造人間の少女である。
人間と機械の融合体は極めて高い戦闘能力を持つというが、見た目はどこにでもいる普通の女の子ではないかと油断していた。
これは所詮男達の無知がなせることだ。
戦車の装甲をも砕く戦闘機人の恐怖をいやというほど知っている地上の陸戦魔導士ならいざしらず、一度もそれと戦ったことの無い空戦魔導士に眼前の女の子は脅威と映らなかった。
だが、今まで男達の放った魔力弾は一度もかすりすらしていないのだ。
209ゲッターロボ昴:2008/02/10(日) 21:28:00 ID:gd0B0wMi
 武装局員達は焦っている。
彼ら空戦魔導士に直接命令を下した男の恐怖は、いまだ身体に染みついていた。
神隼人。
地上本部の鬼といわれる男の笑みはそれだけ効いていた。
局員達はもともとそう優秀な魔導士ではなく、むしろ無能と呼ばれる類の三流でしかない。
そんな彼らが選ばれた理由。
つまるところ、今回の追跡と捕縛に選ばれた3人は捨て駒に他ならないのだ。
それでも、武装局員たちは任務から逃走することができないでいた。
純粋な死への恐怖が、無能と言われていた局員達を突き動かしていた。
ゆえに気づかなかった。自分達が人の居ない方角に誘導されていることに。 


 ローラーの回転音とともに、少女が高い塀に囲まれた工事現場に逃げ込む。
追跡すべく飛び込んだ男達が目の当たりにしたのは逃げ回る少女でなく、
はためくボロボロのロングコート。
少女のしたことは単純である。ローラーブーツの速力と、卓越した身体能力による壁面を利用した跳躍。
低空を飛行して追尾していた局員達にとって、これは十分な脅威であった。
踵落しが武装局員の頭頂部を捕らえ、地面にその身体を叩きつける。落下、着地した少女が地面を蹴り、さらに跳ぶ。
人間離れした跳躍力。
驚愕に移動を止めていた男の顎に肘打ちが入り、意識を失った男が墜落する。
重力に引かれながらも少女によって展開される立体的魔方陣。右手のシリンダー内のカートリッジが消費され、爆発的に魔力が解き放たれる。
「ディバイン」
最後の一人が慌ててデバイスを少女に向けるが、遅い。
圧倒的な魔力が収束され、魔力スフィアを形成する。
「バスター」
魔力スフィアに右の拳がぶつかり、篭手――接近戦型デバイス、リボルバーナックルから放たれた水色の光の奔流が、局員を飲み込み吹き飛ばした。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:28:37 ID:/ZQ/Y5Pv
支援
211ゲッターロボ昴:2008/02/10(日) 21:28:56 ID:gd0B0wMi
最後の一人を失神させることに成功し、そのまま現場から逃走した少女は、しばらく走ると突然立ち止まった。
ローラーの甲高いブレーキ音。
溜息をはいた。
朽ち果てたビルディングごしに見上げれば、空は虚無を垂れ流す虚数空間の虹色。
2年前の決戦の代償は、青空には程遠い。
ぐるり、と奇妙に歪む虚無に満ちた空間がとてつもなく不愉快だった。
あの中にあっては如何なる物体も魔法を持続できず、空間転移すら不可能になる。
次元世界間の移動を封じられた今、世界は干上がり掛けている。
ゆっくりと世界は滅びへ向かっているのだ。
もう一度溜息をはこうとした時、目の端に何かが映り身体が勝手に最適な回避行動をとった。

 閃光が走る。
突如飛来する魔力弾の嵐をジグザグな動きとローラーブーツの生み出す圧倒的機動性で回避し、相手の姿を視認する。
相手は魔力弾の着弾で土煙の立ち込める地上を悠然と歩き、近づいてきていた。
歩いてくるのは陸戦魔導士の証だ。
少女と同じ白の防護服に、右手に保持された拳銃。
ゆれるオレンジ色の髪に、黒い髪飾り。
驚愕する少女。
何故ならそれはかつての相棒で、一番の親友で、ともに死闘を生き延びてきた戦友。
思えば当然のことだったのかもしれない。
自分が管理局と敵対し続ける限り、いつか彼女と戦うであろうということは。
一言友の名を呟き、戦闘態勢へ移行する。
少女の身につけたシューティングアーツと呼ばれる格闘術からかけ離れた、獣のような前屈姿勢の構え。


 それは少女が身に着けた生き延びるための術。15歳の時にはなかったものだった。

それを目にし顔を歪める、襲撃者。

拳銃のストレージデバイスが薬莢を排出し、襲撃者は膨大な魔力の籠められたカートリッジを再装填する。

「もう一度ゲッターに乗って貰うわ、スバル」

無機質な、それでも苛立ちを抑えきれないという声。

それは敵となった友に向けたものか、それとも友に銃を向ける己自身に対してか。

そんな隠し切れない感情を見て取り、変わらないな、とスバルは幽かに微笑む。

「久しぶりだね。ティア」


その傍らには知性あるデバイスの姿は無く、また味方もない。あるのは敵対者のみ。

それでもスバルは戦う。絶望しないために。

それが――約束だったから。


ゲッターロボ昴――始まります。

212ゲッターロボ昴:2008/02/10(日) 21:30:29 ID:gd0B0wMi
以上になります。
クロス先は新ゲッターロボです。

213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:41:12 ID:/ZQ/Y5Pv
少し聞いてもいいかな、竜馬さんはでる?
214ゲッターロボ昴:2008/02/10(日) 21:43:25 ID:gd0B0wMi
>>213
YESです。

武蔵坊弁慶も出る予定。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:46:04 ID:y7qQz48L
とりあえずGJ。
続きが気になるぜ・・・・・・。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:46:54 ID:Ly57IIfK
スバルがゲッターに乗るのか、新しいな。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:48:27 ID:/ZQ/Y5Pv
あれ?確か、新ゲの竜馬さんって聖ゲッタードラゴンに特攻して行方不明になったのでは?
218ゲッターロボ昴:2008/02/10(日) 21:52:21 ID:gd0B0wMi
そこはこう…「神」とミッドの人類が遭遇して、とか。

特攻先がどこかの次元宇宙かもしれませんし。
219リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:00:58 ID:KaxCPOwe
皆さんGJです。
予定が無ければ自分は十時二十分くらいからリリグナーを投下したいのですがよろしいでしょうか?
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 22:03:38 ID:/ZQ/Y5Pv
おkおkよ〜。
221赤字:2008/02/10(日) 22:08:00 ID:F/GpotMG
んならば11時頃に俺も投下してよかとですか?
いや、所詮一発ネタなんですけどね
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 22:23:44 ID:ihHpPJ/N
>メタルサーガsts氏
GJ!!でした。面白かったです。
賭けを続行しましたが、勝っちゃいましたね。
確かに原作観てる側からすればそうなって当然なんだけど、
当事者達にすればはんたの勝ち目が低いギャンブルでした。監禁とかね。
勝負を支配する何者かが味方しました。以外にはんたは賭け事が得意かも

>1人で殲滅戦をやらざるを得ない人間
確かにそうですね。ジェノサイドとか

なのはが可愛かったです。それと「・・・。」は「・・・」です。

>>198
私はADAが好きです。
223魔法戦記リリグナー2話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:33:06 ID:KaxCPOwe
「ここが…第97管理外世界…。でもここって…」
「まるで焼け野原の様相ですが…。」

スバルとシャッハが辺りを見回して顔をしかめる。
転送された先は酷い有様であった。森の中だったようだが
どの木もヘシ折れ、あるいは焼け焦げていて
湖らしいものも確認できるのだがオイルか何かが流れ込んでいるのか、水面はどす黒く濁っている。
水面のところどころに小魚が腹を見せて浮かんでいるのが見えるところなど実に痛々しい。

「元は湖があって木が一杯茂った立派なコテージだったんですよ。でもこの間の戦いで…。」
「航空機がここに落ちたんです。爆発で辺り一面黒こげになり、航空燃料が流れ出してこの有様です。」

リインフォースUとシグナムが悲しそうに言った。

「人が一杯住んでる住宅街を避けてここに落ちたんだ…住宅街に落とすよりかずっといいし
航空機のパイロットはそのまんま死んじまったから私らは
勿論文句なんか言える立場じゃねー。けど…ここはアタシらが一番大好きな場所の一つだった…。」

ヴィータが俯く。

「あ…ああ、でも基本的にはミッドとそんなに変わらないしいい世界みたいじゃないですか。太陽は一つだし空は青くて、きれ…。」

ギュゥゥゥゥゥウゥゥゥゥン!
スバルがそう言い掛けた瞬間耳をつんざくような轟音とともに二つの影―日本海軍の戦闘攻撃機だ―が空を切り裂いて飛んでいった。

「………。」
「あれは地球軍の戦闘機だね。大丈夫、味方だよ。」

話の腰を折られて沈黙するスバルの横でフェイトが言った。

「このコテージは私達の民間協力者が転送場所として提供してくれた場所です。そろそろその人達と会えるはずなんですが…。
あっ…来ましたですよ〜。」

陰鬱なムードを吹っ飛ばすようにリインが手を振りつつ大きな声を挙げた。
リィンが見やる方角から木々に隠れつつ金髪の少女と紫色の髪の少女が歩いてくるのが見える。
224魔法戦記リリグナー2話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:34:01 ID:KaxCPOwe
その頃、所変わってミッドチルダ地上本部。

「はい、プライムミニスター(総理)。質量兵器に関するデータは確かに…。こちらからも優秀な部隊を派遣させて頂きますよ
それは勿論です。そうですか…そこまで状況が逼迫しておるとは、解りました。こちらからも出来る事はしましょう。
先日の米大統領との会談も有意義なものでしたがあなたとの会談もそれに勝るとも劣りませんな。
御互いそれぞれの世界の平和のために…。では。」

レジアス・ゲイズ中将が何者かと会談していた。
辺りには彼の副官で娘のオーリス・ゲイズと女性局員1人以外見当たら無い事からも密談である事が解る。
そして彼が話していた相手はなんと第97管理外世界の日本エリアの総理大臣である。
何故管理外世界である地球と彼らが関係を持っているのだろうか。

「いよいよ協力をこぎ付けるところまで来られたか…。長い道のりだったな…。」
「最初は我々の事など信じてもくれませんでしたからね。まあ無理も無いでしょうが…。」
「第97管理外世界の技術が手に入れば、我々の力は飛躍的に高まる…なによりあの男に頭を下げて危ない橋を渡り、戦闘機人
なぞに頼る必要も無くなるのだ。…あと十年早くこうなっていればお前も死なずに済んだのだろうか、ゼスト…。
部隊の手配は済んで居るのか?こちらも出来る限り報いてやらねばなるまい。」

レジアス・ゲイズはギガノスとの戦端が開かれる半年ほど前から極秘裏に第97管理外世界との交信を行っていたのだ。
ギガノスに苦戦する地球連合軍への援軍として配下の武装局員を送り込む代わりに、質量兵器…特に、メタルアーマー…重慶で量産計画が進む「ドラグーン」に関する技術を
貰い受けようと言う訳だ。
この交渉が成立した背景には彼の涙ぐましい粘り強い交渉術となによりも小奇麗さとは無縁な武人めいた彼の人柄が大きく影響していた。
しかしこれは露見すれば彼は確実にその地位を剥奪される行為である。
だが彼の行為が露見する事は無かった。彼にはバックが付いていたのだ。三提督である。
いつ暴走し始めるか解らない(もっとも彼らにはも察知できてないだけでとっくの昔にスカリエッティは
暴走を始めて居るのだが。)スカリエッティよりも利害が一致する第97管理外世界と付き合った方がリスクが遥かに少ないと判断しての事である。
225魔法戦記リリグナー2話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:35:08 ID:KaxCPOwe
「質量兵器を満載した人型の機械兵器か…禁忌の兵器ではあるが、あの忌まわしい男などに頼るよりはマシ、か…。君はどう思う?」
「英断だと思います。地上に恒久の平和を齎すためには質量兵器の存在はある程度は必要悪です。」

不安げな顔で傍らの局員に問いかけるオーリス。その局員は微笑むと言った。
だがオーリスは気が付かなかった。その局員の微笑みがまるで無理して笑顔を
作っているかのように微妙に引き攣っており、のみならず拳は硬く握り締められて怒りに震えて居た事を。
彼女の名はドゥーエ。十年前から工作活動に従事しているナンバーズの二番目であり、スカリエッティの薫陶を受けた
ナンバーズの中でも1、2を争う忠誠心を彼に対して示している筋金入りの工作員だった。
所変わって海鳴港。

「日本かぁ…戻るの久しぶりだなあ。」
「明るくて面白そうな街じゃんか。」

頭の後ろで手を組んだケーンとタップ、そしてタップと最近親密になっている彼の同僚(なりゆき上での事だが)。

「ローズ・パテントン」が並んで港を後にしていく。

「でもどうせならリンダと一緒に見物したかったよ。」
「残念だったね〜。タップ、私ここのデパート行ってみたいな〜。」

残念そうに言ったケーンをニヤ付いた顔でながめつつタップに甘ったるい声でせがむローズ。

「何が行ってみたいなー、だよ。リンダちゃんといいライトといいノリが悪いぜ。」

ケーンがしょんぼりした顔で言った。

「のん気な面構えだな。あれで兵士なのか。」

そのケーン達を睨みながら言う者があった。
港から少し離れた防波堤に陣取った群青色のボディスーツを着込んだ十人ほどのまとう雰囲気といい格好といい
明らかに場にそぐわない一団の先頭に立っている目つきがきつい女性―ナンバーズの3番「トーレ」である。
そして彼女の後ろにはウーノとドゥーエを除く「ナンバーズ」の全員が控えていた。

「生意気にも我らのスポンサー氏は我らを見限る気で居るのだ。私が心血を注いで作り上げた戦闘機人よりもこともあろうに
管理外世界のガラクタの方が優秀だと言ってな…実に浅ましく愚かだと思わないかね。そこで、だ…。その量産型人型兵器は
奴らが交渉を行っている国家がまだ開発中のもので、その元になっている3体の人型兵器を工場まで輸送しなければ完成しないらしい。
…奪い取るのだ。我らの手に奪い取り、我らの力を奴らに見せ付け、しかるのち粉々に破壊して晒し物にしてやるのだよ!」
226魔法戦記リリグナー2話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:37:07 ID:KaxCPOwe
いつもの彼に似合わぬ不機嫌そうな調子のスカリエッティの言葉をそこに居る全員が思い出しつつ、駆逐艦や護衛艦に囲まれた
二隻のバカでかい空母―「アクアポリス」と「アドミラル56」を眺めている。

「しっかしその人型兵器ってのの情報は秘密兵器って事ぐらいしか
解って無いんでしょ?それを奪い取れだのぶっ壊せだのちょっと無茶って気もするよね。
ウェンディとノーヴェと双子とセッテの5人は初戦闘だし。チンク姉はさっきまで担当してた任務からトンボ返り…。」
「その程度のハンデで管理外世界の戦力なぞに手こずるのなら管理局と相対する事などハナっから無理ということだ。」

頬杖を付きながら言ったセインを腕組みをしたトーレが睨みつける。

「おい、貴様等…何者だ!ここで何してる!」

野太い声が背後で聞こえた。観ればダットサイトやHUDなどの近未来的な機構が装備された
小銃を構えたMPが警戒しきった目つきでこちらをねめつけているではないか。だがトーレは振り向く事すらしない。
そのかわり彼女のすぐ脇に立っていたセッテが動いた。
目にも留まらぬ速さでMPに肉薄し、有無を言わさずブーメランブレードで殴りつける。

「うぐっ…。」

鈍い音と呻き声とともにMPは動かなくなった。
コンテナの上に陣取りつつそれを眺めていた
クアットロがニヤケ面になった。

「命までとるとは言わんさ…どっかに閉じ込めておけ。あと三十分ほどで行動に移るぞ…。」

ウェンディとノーヴェが兵士を担ぐと近くの倉庫へと運んでいく。
その頃海鳴から数十キロメートル離れた海上。
「アドミラル56」の艦載哨戒ヘリが海上を警戒していた。

「あーあー、哨戒任務なんか暇で適わんよなあ。ギガノスの奴らは東北より北にしかいないんだろ?」

操縦士が間延びした声をあげた。

「D兵器を積んだ空母が居るんだぜ。敵だってどう撃って出てくるか解らんさ。むっ…ソナーに反応!これは…凄く大きいぞ。
データ照合急げよ!」

そんな彼をたしなめる情報担当士官。と、突然彼の声が上摺った。
海中を探査する各種のセンサーの情報を探知し、表示する大型のディスプレイに突然巨大な光点が現われたのである。
3人目の搭乗員がコンソールを素早く操作し、次々と現われるデータに視線を走らせていく。

「照合…一つ確認。でもこれは…これは何かの間違いだ!」
「何が間違いなんだ!いいから報告しろ!」

表示されたデータに戸惑いの声を挙げる情報担当士官。だがまた別の士官が彼を怒鳴りつけた。
227魔法戦記リリグナー2話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:39:10 ID:KaxCPOwe
表示されたデータに戸惑いの声を挙げる情報担当士官。だがまた別の士官が彼を怒鳴りつけた。

「シ…シンファクシ級です!」
「そ…そんなバカな!」

シンファクシ級といえば戦乱の只中にあった西暦2010年頃にユークトバニア連邦共和国が開発した超大型の潜水空母だ。
当時一番艦の「シンファクシ」及び、「リムファクシ」の二隻が完成したがその二隻とも就役から程なくして撃沈されている。
それが何故こんなところに…それ以後この艦はオーバースペック扱いされ、以後同型艦の建造は
行われていない艦である。
無論、2087年現在地球連合軍には所属していない「存在しない」艦なのだ。
となれば信じられない事だがこの艦の所属は…

「ギガノスだ!アドミラル56に報告しろ!」

先ほどの間延びした態度とは想像も出来ない緊張した顔で操縦士が怒鳴った。

「だめだ!ECMが…こ、高熱源体接近!わああああああっ!」

データマンの絶叫とともに哨戒ヘリはコナゴナに爆散した。
同地点。
海中数百メートルの浅海域。

「空母に連絡はされていないんだな?」

その存在しない潜水空母の船内。
ライトグリーンが特徴的なギガノスの軍服に身を包んだ潜水空母の司令官が
傍らの副官に尋ねていた。

「そのはずです。」
「今更探知されたら元も子も無いからな…。あと45分。14:00をもって作戦行動に移る。
フォルグアーマー隊、メタルアーマー隊、発進用意!」

副官の声にひとつ頷くと高らかに宣言する司令官。
かくして潜水空母はD兵器を抹殺するべく海鳴港へと全速で進撃していった。
228赤字:2008/02/10(日) 22:39:56 ID:F/GpotMG
四円の支援
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 22:43:38 ID:ihHpPJ/N
支援

230リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:45:55 ID:KaxCPOwe
ここまでです。
シンファクシ級はエースコンバット5に登場した潜水艦と空母とミサイル巡洋艦を一隻に纏めた艦でして
自分の作品ではギガノス軍がメタルアーマーを運用出きるように改修して運用してるという設定にしてます。
なのは達が第97管理外世界を
訪れるのはSS01の物語でしてそこと被る描写は軽めにしています。
>>211
申し訳ないんですけど出来れば
投下してから三十分って事で十一時十五分くらいまで待ってくれないでしょうか?
もちろん投下が遅れたのは俺のせいですしダメなら全く構わないのですが。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 22:45:59 ID:/ZQ/Y5Pv
支援
232赤字:2008/02/10(日) 22:52:17 ID:F/GpotMG
>>230
了解です。
余裕見て20分頃に投下させて頂きます。

投下乙でした。
楽しませて頂きましたぜ
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 22:52:42 ID:/ZQ/Y5Pv
GJっす!
あのー質問が、三提督じゃなくて三脳じゃないんすか?
234リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 22:57:29 ID:KaxCPOwe
>>232
有難うございます。
>>233
あー、三脳もしくは評議会の間違いですね。
ご指摘有難うございます。
また龍騎氏に迷惑かけてしまうなあ…。

235赤字:2008/02/10(日) 23:22:02 ID:F/GpotMG
投下ー

 都市街へと続く道からひとつ脇に逸れると、道路を走る車は途端に少なくなる。
 平日という要因もあるだろうが、なによりこの先に続くのは廃棄都市区画だった。
 いつしかそこに出来上がった、管理局ですら手を焼いている無法地帯に好んで近寄るような者はいないだろう。
 見通しの良い直線道路を進みながら、フェイトはふと自分の向かう先の住人について考えを飛ばした。

「もう3年、なんだよね」

 始まりはそんな言葉だった。
 もっとも、3年という期間に『まだ』と『もう』どちらをつけるか、という違いはあったが、出会ってから過ごした時間は『まだ』というにはあまりにも濃いモノだった。出会いと共に幕を上げた<アレ>との因縁もまた、同様に。
 出会い方は最悪だった。
 なにしろ、あの時はただでさえ余裕がなく、連鎖のように襲い掛かる出来事に追い詰められていたわけで。
 今でも思い出せば羞恥と申し訳なさに泣きたくなる。
 ――だが、それが切っ掛けとして始まったのだろう。
 彼との、現実から少しだけ外れた世界は。
 後悔がないと言えば嘘になる。
 それを望んだのかと聞かれれば首を振る。
 けれど、踏み込まなければ、知ることをしなければ、きっと今よりもずっと深く耐えようの無い後悔があったに違いないとフェイトは断言できた。故に、自分の選択は間違ってはいなかった。そう感じる瞬間が3年という時間の中には確かに存在した。
 だからこそ、今もまたこうして、自分は彼の元へと向かっているのだろう。
 幾度となく繰り返した問いがいつも通りの答えへと辿り着いたことに、フェイトは苦笑した。
 流れていく景色の先にようやく目的の物を見つけ、緩やかに車の速度を落とす。
 廃棄都市の中に踏み込む直前、僅かに逸れたその場所に、派手な看板を掲げた建物があった。
 その眼前に車を寄せる。邪魔になる気もしたものの、どうせ滅多に客は来ないかとフェイトは考え直した。あまりにも失礼な結論だったが、それは確かに事実だった。
 3年前、自慢げに彼が見せたその事務所は、今も変わらない姿でそこにある。
 そして、中にいる彼もまた、変わらない姿でそこにいるのだろう。

「よしっ」

 気を入れなおすように、掛け声をひとつ。
 フェイトは歩を進め、ミッドチルダには珍しい手動ドアを押した。

 <Devil May Cry>

 それがその店の名前だった。

236名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/10(日) 23:25:23 ID:MwNVao7Y
支援
237名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/10(日) 23:28:26 ID:MwNVao7Y
塩円
238赤字:2008/02/10(日) 23:29:27 ID:F/GpotMG
あー……申し訳ない、PCの調子がおかしい模様です。
投稿しても反映されないという楽しい状況になってしまいました。
戦略的撤退の後、機を見直します。いえい。

orz
239赤字:2008/02/10(日) 23:30:27 ID:F/GpotMG
「……はあ」

 店内に足を踏み入れたフェイトがまず最初に行ったのは、深いため息を吐くことだった。
 あまりにも予想通りな、というかその予想すら斜め上に越えている結果には呆れ果てる以外には対応を知らない。
 期待を裏切らないことは彼の特性だろうが、なにもこんな所まで応えなくてもいいのではないだろうか。
 文句のひとつでも言ってやろうと、フェイトはこの悲惨な状況を生み出した張本人を探すべく店内を見回す。
 ドラム一式。ビリヤード台。冷蔵庫。テレビ。中央にはフェイトの助言によって置くことになった来客用のソファにテーブル。
 奥に陣取るように構えられたアンティーク調の机に椅子。その上には旧式の電話が隠れるほどにピザの空箱が積み上げられ、それを彩るようにファーストフードの包みが散乱し、酒の空き缶が共演している。
 半数以上がどこから仕入れたのか全く謎な品物に加え、眉を顰めたくなるような食生活。
 再び漏れそうになる体の奥底からのため息を飲み込み、フェイトは細く白い指でこめかみを押さえた。傍目に見れば絵になる光景だったが、本人にとっては喜ばしくないことだった。
 毎回毎回、ここを訪れるたびにため息なり頭痛に襲われているような気さえする。
 いい加減慣れてもいいのだろうが、自分がこの惨状を受け入れてしまえば本格的にここは魔窟と化してしまうだろう。せめて、人が生活出来る最低ラインは死守しなければならない。
 そもそも、なぜ自分がここまで気を揉まなければならないのだろうか。
 不意にそう考え、すぐさま意識を逸らした。とりあえず、虚しさと悲しさに襲われるだけだというのはとっくの昔に分かっていた。
 ここにいないとなれば、彼は奥でシャワーでも浴びているのだろう。
 食生活とは裏腹に身の清潔には気を遣っている方だから。
 その考えを肯定するように奥へと続く扉が開いた。
 出てきたのは、湯気と水滴を纏った上半身裸の青年だった。銀髪に残る水滴をタオルで拭くというより飛ばしながら、青年はその目でフェイトを捉えた。

「金ならねェぞ」

 ずきり、と、頭の中に痛みが響く。これはただの頭痛なのか、それとも怒りという部類の物か。とりあえず、フェイトにはどちらでもよかった。というより、気にするだけ無駄の類だ。

「……あのね、ダンテ。私そこまでお金にうるさくないよ。返せる時に返してくれたらいいから。それより、せっかく会いに来た友達にもっと言うことはないの?」

 ダンテと呼ばれた青年はフェイトの言葉に腕を組んで思案し、思いついたとばかりに両手を広げ、口を開いた。

「ああ、悪かったな。ほら、キスしてやるぜ」
「っもう! ダンテ!」
「OK、俺が悪かった。だから振り上げたその鈍器は下げてくれ。ぺしゃんこの蛙にはなりたかない」

 両手を挙げて降参のポーズを取るダンテに、フェイトは手に持ったバッグを下ろした。鈍器とは言いすぎだが、書類やらなんやらの雑貨諸々はそれなりの重量を誇っていた。
 バッグは下ろしたが、フェイトは変わらずダンテを睨みつけていた。
 もっとも、微かに赤く染まった頬は隠しようがなく、伸長差のおかげで上目遣い。おまけに格別の美人であるため、迫力よりも可愛らしさを感じさせる。
 おまけに、そういう表情を平然と表に出すのだから、果たして何人の男が虜にされたのか。
 自覚がないってのは厄介だ。
 ダンテはフェイトの顔を眺めつつ、無自覚のたらしってのは恐ろしいと教訓を刻み込んだ。

「……な、なに?」
240赤字:2008/02/10(日) 23:31:27 ID:F/GpotMG
あ、直った。
ひゃっほう。
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 23:31:33 ID:8XRVPeqs
1行目改行にしてるとか支援
242赤字:2008/02/10(日) 23:32:39 ID:F/GpotMG
>>241
正解。
商品は俺の愛で(ry


 じっと見つめられ、フェイトは思わずたじろいだ。
 なにしろ、性格はあれだが、ダンテは間違いなく良い男の部類なのだ。
 整った顔立ちだけなら、フェイトも幾人と見ている。今の時代、テレビを点ければそこにいるだろうし、管理局内にだってそういう男は所属している。なにより、彼女の兄自身がそのタイプだ。
 しかし、ダンテは彼らとも一線を喫している。
 言葉には上手く表せないのだが、強いて言うなら、力があるのだ。
 その目に、体に、雰囲気にすら。どんな状況でも失わない余裕と、不利をものともしない、不可能を覆す力。それを間近で見てきたからでもあるだろうが、ダンテには他の人間が持ち得ない不思議な魅力があった。
 ダンテ自身、自分のことを良い男だと称することはあるものの、それは見掛けだけの話であって、本当の、簡単に言えば「格好良い」ところには気付いていない。自分の行動がどう他人の目に映るか、気にしていないのだ。
 自覚がないのがすごい厄介だよね。
 フェイトは目を逸らしつつ、ダンテに恋した女の子は絶対苦労するだろうなあ、と考えていた。
 ――奇しくも、ふたりして似たような事を考えている不思議な空間が出来上がっていたが、お互いがそれに気付く事はなかった。
 ダンテが上半身裸という状況を今更ながらに理解したフェイトが、気恥ずかしいやらなんやらでどうしたものかと混乱し始めたのを見計らったように、ダンテはにやりと笑って言った。

「口に飯粒が付いてるぜ」
「え、嘘!?」

 乙女の気恥ずかしさはどこへやら。フェイトは慌てて口に手を当てる。

「冗談だ」

 …………。
 フェイトのバッグが火を噴いた。

243赤字:2008/02/10(日) 23:34:23 ID:F/GpotMG
 着替えたダンテが、鈍痛を訴える頭をさすりながら机の前まで歩み寄り、横倒しになっているアンティーク調の椅子を蹴り上げた。
 くるくると舞い上がった椅子の脚が床に着くと同時に、その上へと腰掛ける。
 製作者の予想を軽く越えたアクロバティックな扱いに耐えかねた椅子が不満を告げるようにミシリと軋む音が響いたが、その音を気掛けたのはフェイトだけだった。
 ひとつ言を呈そうかと考え、どうせ無駄だろうとすぐさまに却下する。
 その代わりというわけではないが、知らぬうちにフェイトの口からは小さなため息が漏れた。
 フェイトのため息を完璧に無かったものとして、ダンテはおもむろに口を開く。フェイトがここに来た大方の理由は既に分かっていた。
 というより、ここに来る者は大抵がそうだ。特に、フェイトに至ってはここ最近それ以外の理由で来た覚えがなかった。

「依頼ならお断りだぜ? もうすぐ風呂上りの」
「ストロベリーサンデーなら届かないよ?」
「……なに?」
「ダンテ、またツケ溜めてるんでしょ? それを払うまでは届けなくていいよってここに来る前に言っておいたから」

 フェイトの屈託の無い笑みとともに飛び出た言葉に、ダンテは暫し呆けることになった。
 こんな事、前にもなかったか……?
 自分に対して遠慮と気遣いというものが無くなりつつある金髪の美女に嘆息する。
 しかし、こっちで右も左も分からなかったころからの付き合いであり、少なくない借りがあるのも確かだった。もちろん、金銭面という意味でも。
 身に流れる血の半分は悪魔のものだが、恩を忘れるほどに落ちぶれたつもりはなかった。
 加えて、確かにそろそろ金を工面しなければならないと思っていた所ではある。主に三食のピザとストロベリーサンデーのためにも。
 思いつく限りの理屈を並べ立て、ダンテは自分を嫌々ながらに納得させた。
 まあ、仕方ないか、と。

「とりあえず、話を聞こうかお嬢さん(レディ)」

 これみよがしな言葉に含まれた物に気付きつつ、しかしフェイトは満足げに肯いた。
 この男とのやり取りに無駄な気遣いは必要ないというのが、ダンテとそれなりの時間を過ごしてきての総括のひとつだった。
 嫌味に返された輝くような笑みに、ダンテは肩を竦めた。

「やれやれ……本当、俺には女運ってもんがないらしい」
「誉め言葉として受け取っておくね」

 苦し紛れの一言にも、返ってくるのは笑顔だった。
 平然とファイルを取り出し、着々と話を進めようとするフェイトを眺め、ダンテは逆に清々しささえ感じ始めていた。

「……泣けるぜ」

 意図せず漏れたぼやきに返ってきたのは、見惚れるような笑みだった。

 管理局執務官フェイト・T・ハラオウンと、便利屋ダンテの日常はそんな風に過ぎて行く。
 なんだかんだで、いつも通りの光景だった。

244赤字:2008/02/10(日) 23:35:36 ID:F/GpotMG
おわり。

リリカルなのはStylish氏に影響されてやった。
反省はしている。
ちなみに単発ネタなので続きません。
お付き合いありがとうございましたー。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 23:46:32 ID:Ly57IIfK
GJ!!
フェイトさんとダンテとは……素晴らしい!!見た目的にもすごくつりあっている!!
そういえば、フェイトさんと主に絡む男のクロスキャラってこれが初めてではないか?
これで終わってしまうのは惜しい……。
できれば、どうが続きを……。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 23:50:24 ID:2RCa/Qo6
>244
乙。なんて事の無い、日常ですね。
247リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/10(日) 23:55:30 ID:KaxCPOwe
GJです
マジで面白かったです!
これなら待ったりもらったりしないで投下してもらった方がよかったなあ。
なんだかすみませんね。
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 23:56:13 ID:rUL6Nit8
>>244
なんてGJ
ダンテとフェイトの会話に違和感のかけらもなかったぜ
面白かった
しかしそれだけにほんとに惜しい。
続き、見たいなぁ…
書いて、くださりません…?
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 23:58:29 ID:GeXCVq5Z
>>244

基本的にダンテは、女子供に弱いよな〜。
特に、金髪ロングの美人に弱そうだし、
これで年上だったら完璧タイプだろうなぁ。(だってマザコry
250赤字:2008/02/11(月) 00:03:48 ID:Jkk13Qsu
感想を頂けるとは。ありがたや。

>>245
俺個人の趣味によるものです。フェイトさんに愛の手を。
ミッドじゃフェイトがダンテの相棒。
ちょ、嬉しい言葉にテンション高騰ww
しかし続かないのが俺のジャスt(ry
すいません。ネタがありません。思いついたらぽちぽち続けるやもしれませんが。

>>246
ここから本題入って、悪魔と踊ろう的な展開になるんですが、
正直面倒くさ(ぉ

>>247
いやいやいや!
恐れ多いッス。非常に恐れ多いッス。でもありがとうございます。
あ、続き楽しみに待ってますので。

>>248
ダンテと掛け合わせるためにフェイトさんはちょっとお茶目風味でお送りしております。
そしてやはりネタが(ry
あとはキャロと絡ませるくらいしか予定してないんだぜ。
書くとしても、デビルメイクライのアニメのような一話完結型になりそうなので。
途中でネタが尽きること請け合いなのですよ。
でも、調子に乗って書きそうな自分が怖い。

>>249
そこがダンテのいいとこでもあるんですよね。
そして金髪美人に弱いのも同意。
マザコンに至ってはもう言うまでも(自主規制
251魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/11(月) 00:17:30 ID:RfNvdl28
>>244
へへ……わかってるんだよ。ここからStS本編に関わってくるんだろ? そして、フェイトとのコンビで活躍! スタイリッシュ! そして愛!(謎)なんだろ!? 分かってるんだっ!!
先生……続きが、みたいです…

リリなのキャラとダンテの交流は私も考えてましたが、話の流れ上しばらく実現出来そうになかったので、その妄想を実現してくれたこの作品に激しくGJを贈りたいですw
立ち位置的にトリッシュやレディと同じなんだけど、その性格上若干ダンテに振り回され気味なフェイトに萌えますね。
そして、無自覚な天然でダンテを知らず尻に敷くとか……また一つ、コンビの可能性が広まった。
連載しても全然OKな切り出し方でしたけど、短編としても綺麗に纏まってると思いました。
何より、相手にフェイトを持ってきたのがいいっすねえ。
個人的に>>249さんに同意。ダンテは金髪ロングがタイプっすよww
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:20:07 ID:1xVfvVwe
>>247
たまにはまともな事言うんですなあ。
解ったら次からくだらない真似しなさんなよ。
どーせ結果はそんなに変わらないってよく解ったろ?
事実こんだけ感想の数に差が付いてるんだし。
おっと、これってなんとかに鞭打つって奴かねえ?w
253Strikers May Cry:2008/02/11(月) 00:20:46 ID:rS+j5ugC
ここからどうなるかが気になるのに、連載化しないなんて“いけず”な方だ。
続きはまったり待ちますよ、もっとDMCクロスが増える事を期待。

っていうかやっぱダンテの好みは金髪ロングかい! 本当にあの兄弟はマザコンだな…
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:20:57 ID:IbStqp+u
>>250
先生…続きがマジに見たいです……
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:22:37 ID:PQ0Z8bMk
>>252
日本語でおk
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:23:29 ID:IbStqp+u
>>255
NGに放り込んでスルーしとけ
257反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 00:27:01 ID:9AnKZ9wR
GJ!
ああもう何でこのスレの人はみんなDMCが好きかなチクショー!w
フェイトそんが可愛すぎるよ…

しかし…これらスタイリッシュやハード、シリアス等の作品が立ち並ぶ中で、何で今朝投下した俺の分だけはユーノ君コメディかなorz

そして最後に1つ。
>>251
先生! バージルの上手な描き方(デッサン的な意味で)教えてくだせぇ!
SMC氏への支援絵で描いたけど、全然似ないのorz
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:37:04 ID:BvWcAf+S
>>251
>>253
あとダンテは、自分の好み(金髪ロング&年上)に気づいてなさそうですね。
それとお二人の連載期待してまーす。

どうでもいいが、DMC4のパンドラを見てガングレイヴのデス・ホ−ラーを
思い出したのは俺だけ?
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:38:01 ID:EDClaYS6
GJ!!
上手い組み合わせですね。
確かにフェイトは母に似てる。
260魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/11(月) 00:38:42 ID:RfNvdl28
>>257
上手な描き方なんてこっちが知りたいっちゅーねん!
「ふひひっ、皆油断してる隙に自分でダンテとティアナのイラスト描いちゃって『片手間で描いてみましたよーw』とか余裕こいて載せてやろう!」とかバカ丸出しの考えで描いてみたけど既に失敗が五枚目ですからな…orz

まあ、マジな話をするとDMCは元がゲームグラフィックだからどうしても違和感は出ると思います。
髪型や服装をできるだけ正確に模写するしかないですね。あと、眼は小さめで。
眼が大きかったり、顎が細いと少年漫画的な絵になるので、肩幅とかも広くしてガタイよくしてみるといいと思いますよ。
一番いいのは、コミック版のバージルを参考にすることですがw
261R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:39:21 ID:yDuYh+kG
フフフ・・・ダンテとフェイト・・・イイね!
いい絵だ・・・実に・・・フフ・・・

そしてR-TYPE Λ第2話予約
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:39:45 ID:0MJFUsSR
>>244
GJ!
どのDMCクロス作品でもダンテはダメニートのイメージが定着してるなw
兄貴と違って手のかかる悪がきだったらしいし、母親は本当に苦労したんだろうな
最後の「泣けるぜ」はスコット君の決め台詞(?)か
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:40:15 ID:a5FWzZA/
複数のコテで投下してる人はいい加減、トリップ付けて書き込もうな。
自作自演じゃないんだから、いちいちコテ変える必要無いだろ?
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:41:09 ID:TqKD9C/e
>>261
ハリー!ハリー!ハリー!
265赤字 ◆Xh0JmIFJhI :2008/02/11(月) 00:42:43 ID:Jkk13Qsu
あんまりにも皆さんが感想くれるんで俺涙目でっせww

>>251
先生!?こんな所でなにしてるんですか先生!
ちょww予期せぬStylishさんの登場に変な汁が背中に流れたww

>リリなのキャラとダンテの交流は私も考えてましたが
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
m9( ・∀・) ドーン!
期待してます。非常に。ほら、キスしてやるz(ry

想像ではフェイトさんの可愛らしさに加え、キャロという幼女をいや違うダンテはロリコンではありません。

>>253
へへ、俺、風呂から上がったら続き書くんだ。
皆が、待ってくれてるみたいだから、さ……。
伏線は張っときましたが、ルールに則ればこれが俺の最期の言葉(ぇ

あと、兄貴の方は加えてファザコn(規制

>>254
世の中は世知辛いのです。
そして期待に応えられない俺はヘタレなのです。
ああ、神よ。どうかネタを。

神<てめえでなんとかしろ馬鹿.∵・(゚ε゚ )ぺッ!!

>>257
みんなフェイトさんに飢えてたのねん。
同志がいて嬉しい。
みんなももっとDMCを書けばいいと思う。そして俺を楽しませてくr(ry

>>258
ハード持ってないし金もなくて涙目なのは俺だけ……?

>>259
そう、実はそこを考えてフェイトにしたんですよ!
HAHAHA……全くの無自覚でした。ええ。

……返信間に合わない(´・ω・`)
266R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:43:00 ID:yDuYh+kG
では投下します


「こいつは一体何なんだ?」

時空管理局第14支局、ロストロギア暫定隔離区域。
クラウディアによって回収された所属不明機。
それに付随していた3つの自立兵装を前に、支局長は解析班主任へと問い掛けた。

直径約6m、オレンジの光を放つ球体。
制御機構らしき4本のロッドを取り付けられたそれは、隔離結界に囲まれた状態で床から3m前後の位置に浮かんでいた。
しかし、重力制御魔法など使用されてはいない。
それは自ら、何らかの力場を発生させて浮遊しつつ、ゆっくりと回転しているのだ。

更にその側には、同じくオレンジに発光する直径2mほどの球体が2つ。
球面の半分を機械部品に覆われたそれらは寸分の狂いも無く同じ速度で回転しており、其々の球体表面は常に同じ角度を保っていた。
6mの球体の周囲を周回するその様は、惑星と衛星の関係を思わせる。

それらの様子を空間ウィンドウ越しに見詰めながら、主任は口を開いた。

「取り付けられた機械部品の文字を名称とするなら、大きい方は「フォース」、小さい方は「ビット」となります。どうもこいつは、あの機体の補助兵装らしいです」
「そんな事は解っている。私が知りたいのは、これがどんな仕組みで成り立っているのかという事だ」

支局長の言葉に、主任は眉間の皺を深くする。
支局長の言葉が不快だったのではない。
多くのロストロギアを目にしてきた自分が、経験から答えを導き出せない事態にいらついているのだ。

「こいつが高エネルギー収束体である事は解りました。しかしエネルギーの塊でありながら、機械部品が物理的に引っ付いている原理が解らないんです」
「魔力は用いられていないんだな?」
「一応、計測機器に反応はあるんですがね。ところが、どれだけトンでもない値が検出されようが、周囲の魔導士は欠片も魔力を感じないときた。おまけに、武装隊から引っ張ってきたインテリジェントデバイスまで、魔力は検出できないと言い出す始末です」
「つまり?」
「機器は誤作動を起こしていた。こいつが持っているエネルギーは、魔力に似ちゃいるが全く別のものって事です」

絶句する支局長。
それを横目に、主任はウィンドウ越しに短く指示を下した。
するとフォース、ビットを映し出すウィンドウに、幾つかの数値が表示された。

「結界内の魔力密度を上昇させます。計測数値を御覧になって下さい」

その言葉に、支局長は値を増してゆく計測数値を見る。
魔力指数、1万、10万、15万、50万と、徐々に数値が増大してゆく。
しかし数値が80万を指した時点で、魔力密度の上昇は唐突に止まった。
結界内を見るも、フォースとビットに変化は無い。
支局長は、納得した様に頷く。

「成程、あれが耐え得るのは80万相当の攻撃までか」

魔力を用いない防御兵装としては妥当なところか。
そう思考する支局長の耳に、主任の指摘が飛び込んだ。

「出力を御覧になって下さい」

その指摘に従い出力計へと目を遣った支局長は、そのまま凍り付いた。
主任は無感動に、数値を読み上げる。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:43:58 ID:pqKYBMF4
しえんたくん
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:44:09 ID:0MJFUsSR
バイド支援
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:44:40 ID:EDClaYS6
支援
270R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:44:41 ID:yDuYh+kG
「出力、250万に到達。280・・・320・・・390・・・470・・・500万を突破」
「馬鹿な!?」

やがて、出力計の数値は増大を止めた。
設計限界、安全性を確保した上での最大出力だった。

「630万・・・対象に変化ありません。結界内魔力密度、80万に固定されています」
「吸収・・・? 魔力を吸収している」
「吸収というより、こいつは一定値以上の魔力を「喰って」いるんです。計測方法が無い為、喰われた魔力がどういった形で取り込まれているかは解りませんが」

信じられない現象だった。
今までにも魔力を喰らうロストロギアが無い訳ではなかったが、魔力を有しない存在がそれを為すなどという事例は聞いた事が無い。
何かの間違いではないのか?

沈黙する支局長を余所に、主任は更に指示を出す。
すると魔力密度は通常値に戻り、結界が消えると同時に隔壁の一部が開いた。
そこから、満身創痍の「獣」が姿を現す。
所属不明機、名称R-9A。
ロストロギア運搬用のカーゴに載せられたそれが近付くや否や、フォースと2つのビットは弾かれた様にその機体へと突進した。
支局長の身に、緊張が走る。
しかしフォースは機体へと衝突する事無く、その手前で停止・回転すると、4本のロッドを機首に向ける様にして停止した。
ビットも同様に、機体を中心として対角線上に位置する様に静止、暫くして周回運動を始める。
思わず息を吐く支局長。

「心臓に悪い」
「済みません。しかし、この状態で面白いデータが取れましてね」
「何だ?」
「あのフォースとかいう兵器、単体だと魔力を分解して取り込んじまうんですがね。接触こそしていませんが、こうして機体と接続すると・・・」

すると機体の脇に、武装局員が現れる。
機体前方には再び結界が張られ、それを確認すると、局員は魔法を放った。
機体のすぐ隣から、4本のロッドの内側へ。
何の事は無い、ごく初歩的な射撃魔法。
その、筈だった。
その魔法が、フォースに命中するまでは。

「・・・お解かりになりましたか? この兵器が、如何に危険な存在か」

主任の問い掛けに、返す言葉は無い。
支局長はただ呆然と、焼け焦げた隔壁を見詰めていた。

たった1発の射撃魔法。
それはフォースに命中すると同時、荒れ狂う光の本流となって結界を襲った。
数十発、超高速の魔導弾幕。
三重の結界を一瞬にして打ち破り、隔壁を抉る。
明らかに範囲殲滅魔法と同レベル。
これは、まさか。

「触媒です。何らかの手段で機体と接続する事で、あの兵器は接続面からのエネルギーのみを特異的に触媒・増幅する機能を持っています」
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:45:00 ID:TqKD9C/e
キガ支援
272メタルサーガsts:2008/02/11(月) 00:45:02 ID:yCUyPb19
波動砲支援
273R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:46:01 ID:yDuYh+kG
呆然とウィンドウを見詰めれば、今度はフォースの前面から魔法を放つ局員の姿。
しかし今度は、魔導弾は増幅される事無くフォースに喰らわれる。
分解・吸収まで1秒足らず。
いや、その瞬間さえ視認できなかった。
もしや、分解すらせずに一方的に喰らっているのか。

「私個人としては、これはロストロギアの類ではないかと・・・いえ、そうあって欲しいと思いますがね。こんなもの、現在の次元世界の技術力で造り出せる物じゃない」

ウィンドウの向こうで、機体とフォース・ビットを引き剥がす作業が始まっている。
其々の間に結界を張り、カーゴを後退させての強引な分離作業。
やがて接続が途切れたのか、フォースは新たに張られた結界の中心に、ビットはその周囲へと落ち着く。
機体は隔壁の向こうへと消えていった。

「残念な事に今のところ、こいつは第97管理外世界で造られたとの見方が有力です。余りにもプロテクトが固い上に魔法とは互換性が無いんでシステムを覗く事は出来ませんが、其処彼処に使用されている言語から見るに間違い無いかと」

支局長の目が力を取り戻し、主任へと視線を送る。
それに答える様に、彼は結論を伝えた。



「こいつは魔法体系を用いずに造られた、魔法を越える兵器ですよ。異常に発達した科学が生み出した化け物です」



結論が伝えられるや否や、彼は決断する。

「本局に連絡を。それと、この事は解析に関わった者以外には漏らすな」

本局へと、緊急の通信が発せられた。

*  *  *

バイド。
自己増殖能力を備えた粒子によって構成されながら、同時に波動としての性質をも併せ持つ、超束積高エネルギー生命体。
あらゆる物質へと伝播・干渉する能力を持ち、生態系を侵し、機械を操り、時に精神すら貪る。
従来の兵器は対バイド戦に於いては有効たり得ず、同じく純粋培養したバイド体を用いて製造された「フォース」、本来はアステロイドバスターとして開発され対バイド兵器へと転用された「波動砲」によってのみ、敵性体に対し打撃を与える事が可能。
バイド体の多くは人類の兵器同様に異層次元航行能力を持ち、時に空間ごと軍事施設を取り込み、「汚染」する事さえ確認されている・・・

そんな事は、軍で散々に叩き込まれていた。
バイドは敵勢力を殲滅するに飽き足らず、時にそれらを喰らい、己が勢力の一部とする。
そうして汚染された友軍を、幾度となく目にしてきた。
太陽系外周を、軍事施設を、都市を。
それらを命懸けで守っていた者達が、バイドと化して襲い来る、悪夢の様な光景を。
汚染されたものは数え上げれば限が無い。
それは都市防衛用の小型無人兵器であったり、攻撃型の中型有人機であったり。
大規模殲滅型の大型機動兵器、全長十数kmに達する巨大異層次元航行戦艦だった事さえある。
274R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:47:19 ID:yDuYh+kG
兵器だけではない。
時にバイドは、戦闘とは全く無縁のシステムを侵食し、人類に対する刃と為す。
災害救助用大型輸送機、都市再生用大規模範囲破砕機、資源採掘坑道輸送システム、廃棄物処理場資源回収システム・・・
凡そ戦闘を想定して建造されたとは思えぬものですら、バイドによっておぞましい殺戮機構へとその様相を変貌させるのだ。

民間旅客輸送船団に接触したバイド体を目にした時の、悪夢そのものの光景が脳裏を過ぎる。
そのバイドは破棄された研究用小型コロニーの制御中枢に同化、これを復旧すると共に完全に支配下へと置いていた。
緊急用推進システムを稼動させて民間航路を辿り、やって来た輸送船団を丸ごとコロニー内に取り込んで「捕食」したのだ。
そして20時間後。
艦隊が到着した時には、コロニーは既にバイドの資源再生工場と化していた。

建造中の小型艦艇。
「資材」は捕食された輸送船。
培養される有機生態部品。
「原料」が何かなど考えるまでもない。



敵主要兵装破壊より6時間後。
全ては、応援として到着したヴァナルカンド級戦艦、そして「R-9S STRIKE BOMBER」の編隊による、陽電子砲と波動砲の一斉射によって消し飛ばされた。
生存者の捜索は為されず、それに対し意見する声も無かった。



バイドに汚染された旅客達は、どんな心境だったのだろう。
恐怖に蝕まれたのだろうか。
絶望に身を焦がしたのだろうか。
希望に縋ったのだろうか。
怨嗟に狂ったのだろうか。

いや、もしかしたら。
バイドの精神干渉は、それとは全く別のものを齎すのかもしれない。
例えば、対象の精神を取り込むべく、現実としか思えない幻の世界を体験させる事も考えられる。
丁度、自身が体験しているこの状況の様に。

「貴方には時空管理局所属艦艇撃沈の容疑が・・・」

女だ。
女が喋っている。
金髪の、見慣れない褐色の制服に身を包んだ女。
その後にもう1人、同じ服を着た女。
感情の窺えない目で、此方を捉えている。

はっきりとしない思考で、彼は考える。
これも、バイドの見せる幻なのか?

「もう一度訊きます。貴方の所属は? 管理局所属艦艇との交戦に到った経緯は?」

馬鹿げた妄想と笑い飛ばせるほど、彼はバイドに関して無知ではなかった。
4世紀もの時を遡り、時空の壁すら引き裂いて22世紀へと現れた、人の手による絶対生物。
「人類」自らが建造した、禁断の兵器、狂気の産物。
275R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:48:47 ID:yDuYh+kG
バイドに汚染されて、無事に戻った者は居ない。
バイド化したR-9Aが鹵獲されたという話もあるにはあるが、パイロットが生存していたという話はやはり無い。
恐らく、既に人間ではなくなっていたのだろう。

「内容の如何によっては、管理局が責任を持って貴方の身柄を保証します。質問に答えて下さい」

皮肉な話だ、と彼は思う。
彼の愛機もまた、R-9Aだった。
そう、「R」シリーズですら、汚染からは逃れられない。

「・・・少し間を置きましょう。1時間後にまた来ます。良く考えて下さい」

沈黙を貫く彼に対し、攻め方を変えたのか、女性は席を立った。
もう1人の女性を促し、退室する。

そういえば、「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン」とか名乗ったな。
よりにもよって「運命」とは。
バイドは思ったより洒落の利く奴らしい。

彼女達の退室を見計らい、彼はパイロットスーツの袖口、隠れた小さな気密ポケットを開く。
そして、小さなカプセルを取り出した。
バイドに相対する者、その全てに与えられる、軍からの小さな贈り物。
自らに2つの選択肢を突き付けるそれを前に、彼は覚悟を決める。

汚染なぞ御免だ。
例えバイドではなかったとしても、「R」に関する情報漏洩を最低限に抑える事は無駄にはならない。

そして、彼はカプセルを呷った。

*  *  *

『久し振り、フェイトちゃん、ティアナ』
「久し振り、なのは。はやても」
「なのはさん、八神部隊長、お久し振りです」
『うん、久し振りやなぁ、2人とも』

本局通路、フェイトとティアナはウィンドウ越しに、なのは、はやての両名と言葉を交わす。
久し振りの会話だが、それを喜ぶ余裕が4人には無い。
友人としての会話もそこそこに切り上げ、4人は情報交換を始めた。

『本局が攻撃を受けたって聞いたけど・・・』
「初めはそうと分からなかったんだけどね。外部装甲に数ヶ所、防御結界ごと撃ち抜かれた跡が発見されたんだ。本局自体は大した被害じゃなかったんだけど・・・」

言葉を詰まらせたフェイトに代わり、はやてが言葉を引き継いだ。

『・・・無限書庫、やね』
「うん・・・」

力無く頷くフェイト。
そこで見た光景は、丸1日経った今でも鮮明に思い起こせる。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:49:05 ID:0MJFUsSR
支援
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:49:55 ID:EDClaYS6
支援
278R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:50:18 ID:yDuYh+kG
無限書庫を含む一帯のエリアは、着弾の被害を最も大きく被った範囲に含まれる。
フェイト達が掛け付けた時、通路には負傷者が山と転がり、壁や床、果ては天井までが赤く染まる中、無数の呻きと悲鳴が木霊していた。
負傷者が語った「人間が宙を舞った」との証言からも、衝撃の大きさが予想できる。
そして無限書庫内は、意識を失った人間達が血を流しつつ力無く宙を漂う地獄と化していた。
衝撃と共に無尽蔵とも思える蔵書が書庫内を高速で飛び回り、凶器と化したそれら数十万、数百万、或いは数千万もの本が司書達の身体を容赦無く襲ったのだ。
全身の複雑骨折で済んだ者はまだ良かった。
中には数十トンもの蔵書の波に呑み込まれ、複数の書籍を赤く染める染みと化した者も少なくない。
それどころか消息不明となった者すら居るのだ。
そんな中で、ユーノとその周辺に居た数名の司書は、幸運な者の部類に入った。

「ユーノ、咄嗟に自分と周りの人達を守る様に結界を張ったんだって。余りにも突然の事で、それが限界だったって・・・それでも衝撃までは防ぎ切れなくて、左脚を・・・」
『そっか・・・』

暗い空気。
しかしそれを打ち破る様に、ティアナが声を発した。

「なのはさん、第97管理外世界の方はどうなったのですか? 確か、艦隊が惑星を包囲しているとか・・・」

その問いに、更なる緊張が場に満ちる。
第97管理外世界に起こった異変については、救助と取調べに忙殺されていたティアナ達の耳にも届いていた。
所属不明の大艦隊。
転送ポートの機能麻痺。
極め付けは、時空間航行から脱しようとしていた管理局艦艇への砲撃である。
信じられない事に、第97管理外世界への実体化寸前に砲撃を受けたというのだ。
つまり不明艦隊は、時空間移動時に起こる何らかの変動を感知している事になる。
何もかもが異常だった。

『それなんだけどね・・・フェイトちゃん、ティアナ、落ち着いて聞いてね』
「何? どうしたの、なのは?」

煮え切らないなのはの言葉。
その様子を怪訝に思ったフェイト・ティアナは、軽く首を傾げた。
そして、なのははそれを伝えた。



『第97管理外世界がね・・・「2つ」、見付かったんだ』



沈黙が降りる。
誰も言葉を発しようとはせず、そのまま数秒の時間が流れた。
やがて耐え切れなくなったのか、なのはは言葉を続ける。

『私達の地球も確かにあった。でも、そのすぐ側の次元空間にもうひとつ地球があったの。私達の知ってる地球とは、全く違う地球が』
「・・・分からないよ、なのは。一体どういう事なの?」
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:51:23 ID:EDClaYS6
支援
280R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:51:55 ID:yDuYh+kG
なのはは答えない。
代わりに、隣のウィンドウに映るはやてが答えを返した。



『その地球はな、フェイトちゃん。私らのいた21世紀の地球やない。百年以上も未来の地球なんや』



フェイトの中で、何かが噛み合わさる。
不明機体に使用されていた言語。
魔力を用いない時空間航行。
超高度テクノロジー。

『フェイトちゃん?』
「ごめん、なのは、はやて。また後でかけ直す! ティアナ!」
「はい!」

ウィンドウを閉じ、来た道を引き返す。
然程間を置かず、2人は先程退室したばかりの取調室前へと辿り着いた。
ドアが開くと、其処には椅子に座したまま項垂れる男性の姿。
不明機パイロットだ。
フェイトは毅然と歩み寄り、声を発した。

「貴方は・・・地球に於ける軍事組織に属しているのでは?」

沈黙。
フェイトは続ける。

「所属する国家は? どういった過程であの機体に搭乗を? 答えなさい!」

沈黙。
男性は答えない。

「貴方の属する世界は、現在非常に危険な状態にあります。地球は次元世界について何処まで把握しているのですか? 質問に答えて・・・」

言葉が途切れる。
男性は反応しない。
その様子に、フェイトとティアナは不審を抱いた。
咄嗟に、ティアナが男性の肩を掴む。

その身体が、ぐらりと揺れた。
ティアナの手をすり抜け、重心を崩して床へと叩き付けられる。
沈黙は、一瞬。
取調室に、フェイトの声が奔った。

「ティアナ! 医務室!」
「は、はいっ!」
「しっかり! 目を開けなさい! しっかりしてっ!」

フェイトの必死の叫びが、取調室に響き渡る。
しかし、それに応えるべき者が声を発する事は無かった。

*  *  *
281R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:53:22 ID:yDuYh+kG
《クロックムッシュ2よりアイギス》
報告。
調査の結果、不明惑星は21世紀初頭の地球と判明。
バイドは探知できず。
2207時、異層次元航行による所属不明艦の転移を確認。
ニーズヘッグ級及び「R-9A4」6機により迎撃するも、不明艦は異層次元へと逃亡。
「R-9E3」による追跡の結果、異層次元ポイント19667305に高度文明都市を確認。
追加調査の結果、ポイント04137003にて確認された超大型異層次元航行艦艇との関連性が浮上。
バイド係数、検出不能。
指示を待つ。

《アイギスよりクロックムッシュ2》
照合終了。
貴艦隊が異層次元ポイント04137003にて確認した大型艦艇について、再度の強行偵察の結果、バイドによる汚染が確認された。
ポイント19667305の都市についても、2166年8月の時点に於いてバイド種子の落着が確認されている。
現在の21世紀地球に対する包囲を解き、速やかにこれらの目標を制圧せよ。
敵攻撃手段の喪失を確認後、本隊の到着を待て。

《クロックムッシュ2よりアイギス》
任務を確認する。
対象の殲滅をもって任務達成とするのではないのか?
更に此方の偵察では、両目標に対するバイド汚染は確認されなかった。
パイロット達は混乱している。
収集情報の厳密な確認を要求する。

《アイギスよりクロックムッシュ2》
ポイント04137003の大型艦艇に停泊する多数の攻撃型艦艇について、363部隊機を撃墜したものと同型である事が確認されている。
363部隊機が交戦していたのはバイドにより汚染された艦艇であり、これを無条件にて援護した不明艦は同じくバイドにより汚染されていると考えられる。
繰り返す。
21世紀地球に対する包囲を解き、速やかにこれらの目標を制圧せよ。
殲滅する必要は無い。
敵攻撃手段の喪失を確認後、本隊の到着を待て。
追加任務。
此方より実験部隊を送る。
機数1、コールサイン「キャプテン」。
機種は新型、「R-9WF SWEET MEMORIES」。
実戦投入し、「R-9E3」によるデータ収集を実行せよ。

《クロックムッシュ2よりアイギス》
任務了解。


282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:53:55 ID:EDClaYS6
支援
283R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:54:47 ID:yDuYh+kG
21世紀、地球。
決して地上から観測される事無く、宇宙空間にてその周囲を包囲していた大艦隊は、僅か2時間足らずの間に5隻の巡洋艦を残し、忽然と消え去った。
彼等が向かうは、異層次元ポイント04137003、超大型異層次元航行艦艇。
そしてポイント19667305、高度文明都市。

その船は、次元世界の住人達より、こう呼ばれていた。
時空管理局本局と。

その都市は、管理世界の住人達より、こう呼ばれていた。
ミッドチルダ首都、クラナガンと。



その指令に秘められた謀略に気付く事も無く。
バイドとの戦いを通して育まれた、壮絶なる「狂気」に踊らされるままに、艦隊は管理局を目指す。
地球を、自らの故郷を守る為、ただそれだけの為に。

己が内の「狂気」に気付かぬまま。
人類は破滅への階段を上り始めた。
284赤字:2008/02/11(月) 00:55:05 ID:Jkk13Qsu
紫煙
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:55:26 ID:EDClaYS6
支援
286メタルサーガsts:2008/02/11(月) 00:56:24 ID:yCUyPb19
支援
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 00:56:55 ID:TqKD9C/e
バイドと延々戦ってりゃ人類総ヘルシング化しても不思議じゃない支援
288R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 00:57:46 ID:yDuYh+kG
投下終了です
皆様、支援ありがとうございました

TACTICSバイド軍シナリオやってからというもの、地球軍には黒いイメージが纏わり付いて離れません
正規のシナリオでも黒い事いっぱいやってるし

次回予告
解析班、フォースに遊ばれる
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:01:17 ID:TqKD9C/e
GJ。そしてTACTICSのBエンドは……orz
地球軍は本当に真っ黒で闘争本能の塊だと思う
だから4世紀後にバイドなんて生み出しちゃったんですよ

解析班www
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:01:17 ID:EDClaYS6
GJ!!でした。面白かった。
さて、地球とバイドは管理局に勝てるのか・・・

そして何気に陰獣が生きてたことに驚いた。
291メタルサーガsts:2008/02/11(月) 01:02:34 ID:yCUyPb19
GJでした。
すれ違いがこれほど怖いと思ったことはないくらい、今後の展開の壮絶さを予感させます。
しかし、冗談抜きに消耗戦に突入しそうですね。
はたしてミッドチルダは助かるのか。バイドは介入してくるのか。
今後を楽しみにしています。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:03:32 ID:0MJFUsSR
>>288
GJ!
そりゃ、相手が覚めない悪夢ですからね
第二次戦役の頃には倫理感を投げ捨てたRがあるし
軍はいろいろ黒いことやってると思いますよ
なんせ、アイレムですし

フォースに遊ばれる?まさかドースブレイクしたのか?
フォース接触範囲が広くなったことに気付かずに食われた解析班のご冥福をお祈りします
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:05:24 ID:53nrWBvy
申し訳ないが正直RシリーズSUGEEEEEEEE! 以外に何がやりたいのか図りかねる。
このところ殺伐とした作品や話題が増えたせいか、見る目が厳しくなっているようですみませんです。
294赤字:2008/02/11(月) 01:07:18 ID:Jkk13Qsu
GJでした!
今後の展開に激しく期待です。
果たして淫獣の運命や如何に
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:08:03 ID:Uvn6wrpA
乙です。そしてGJ!
淫獣生きてやがった!なんてしぶといwww
誤解が誤解を呼んでるのに止めるものが無いってコレは酷い泥沼
このまま全面戦争勃発か、口先休戦交渉ができそうなのか。先がとても気になります
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:08:26 ID:YeAe4LNc
37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 00:57:29 ID:53nrWBvy
>>32

作品そのものは極力スルーするようにしてはいるけれどね。





言った傍からこれか。
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:21:08 ID:53nrWBvy
普段はスルーするようにはしているのだが、蹂躙・踏み台やヘイトの傾向がある作品には一言言いたくなってしまう。
ちょっと気分がささくれだっていたかもしれない。不快にさせてしまったのなら申し訳ない。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:27:15 ID:EFxVRYI6
それだって感想じゃない、ウロスに書いて悪い事があるの?
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:33:35 ID:bDU+83Vs
GJ!!です。
すれ違いで次元間戦争wそしてバイドじゃないやんって気づいたころに
真打ち登場の気配w次回の解析班が楽しみ。
300リリカラー劇場:2008/02/11(月) 01:46:32 ID:2Xa/HwE9
職人の皆さんGJです。

Fullcolor'Sを投下させていただきます。
301リリカラー劇場:2008/02/11(月) 01:50:15 ID:2Xa/HwE9
ステイメン「旅をしてた時にいろいろきいたんだー」
ゲームの電源を落とし、ヴィータは彼が知っている『闇の書』を聞いていた。

ヴィータ「旅って……お前の兄貴達とか?」
ステイメン「ううん。01兄ちゃんが、みちのくひとりじげんりょこーしてこいって♪」
ヴィータ「いや、フツーお前の歳で一人旅可笑しいだろι」

ステイメン「大丈夫だよー。デンドロビウムで行ってたから♪」
ヴィータ「それでもなんかズレてるってι」

ヴィータの言う通りだ。と言うように闇の書はステイメンの隣で浮いている。
しかし、不思議だ……。
闇の書(私)を知っているにも関わらずステイメンも主はやてのように恐れていない。
むしろ友達のように、幼さから見えかくれする大人のような目。

ステイメン「そーかな?兄ちゃんは優しいよ♪」
だが……だが。なによりもあの兄(ゼフィランサス)を持つにも関わらず、立派に育っているこの子に。何故か私は安心してしまう。

ステイメン「あ、そーだ。ヴィータちゃんは守護騎士なんだよね♪」
ヴィータ「ああ……そーだよ、鉄槌の騎士ヴィータだ。あたしは」

ステイメン「てっちりの騎士?」
ヴィータ「Σそーそー、づぼ○やだとかで安く食える−−って違ぇよ!ι」

と、とりあえず。ヴォルケンリッターを知っても……彼は我らを恐れない。
やはり、会わなければならない運命なのか。主になりえた……彼のリンカー・コアも奪わねばならないのか。

魔法少女リリカルなのはFullcolor'S 闇の書編 第3話

はやて「だいぶ話し込んだなぁ」
GP01「ホントだ、もう夕方かぁー」
GP02A「俺は……帰る」
GP01「そうだな、ステイメンも呼んで帰るか♪」
はやて「もう少しゆっくりしていっても良んやで?晩ごはんもご馳走したいし」
GP01「そだね、晩ごはん作らなくて良いし♪」
GP02A「っ、お前ι」
シャマル:い、意見切り替えるの速……ι

302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:53:13 ID:Ci22hBbi
メタルサーガの最後のあたりが、はんたによる一人称と、はんたを登場人物として認識する三人称と、
アルファの思考による二人称と改行もないのに混雑しててわかりにくい
そして本格的に壊れてきたはんたを「賭けの代償……まだだったよね」
と言って体で癒そうとするなのはを幻想した俺は一体どうすれば!?
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:54:47 ID:WIABXGav
「わたしもこわれちゃう」
304リリカラー劇場:2008/02/11(月) 01:54:55 ID:2Xa/HwE9
−−−−
はやて「じゃあ、二人とも仕度するから待っててな♪」
GP02A「……分かった」
GP01「んじゃ、オレ手伝うよ♪」
はやて「じゃあ、エプロンや♪ シグナムはステイメンくんとヴィータに晩御飯作ってるからって言うてきて」

シグナム「はい、わかりました」
はやての言葉にシグナムは頷き、ザフィーラと共にリビングを後にする。

GP01「で、何作るの♪」
シャマル「ニンジンたっぷりのカレーでしたよね−−」

GP01「Σうっ」
GP02A「Σっ」

シャマル「……もしかして苦手なんですか?ι」
GP01「うんι。ニンジンの色ですら気にくわない。ステイメンも」
はやて「ふーん……なら入れよか」
GP01「まって!オレ達そんなに滋養いらないからι」

−−−−

シグナム「ヴィータ、ステイメン。晩御飯の仕度をしている、適当に切り上げ……て」

二人が居る部屋に入ったシグナムとザフィーラはステイメンの傍で闇の書が浮いている事に一瞬戸惑う。
ステイメン「あ、はい。わかりましたシグナムさん♪」
ヴィータ(……ま、そーゆーことだι)

シグナム「(何故、念話を飛ばさない!……いや、ここはごまかさなくては!)い、いかんι ぽ、ぽぽポルトガル現象だ!」
ザフィーラ「ポカホンタス現象だ!」
ヴィータ「Σだから、こいつ知ってんだってば!てか、それを言うならポルターガイスト現象だろ。二人とも無理してヒネんなι」

−−−−

シグナム「こんな歳の子供が、闇の書のことや我らのことを知っているとはな……」
ザフィーラ「ならば、俺達がいったい何をしているかも分かるのか?」
ステイメン「うん」

ヴィータ「リンカー・コアを集めていることもか……」
ステイメン「まえにいたせかいで少しだけ……はやてさんのためなの?」

305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:55:12 ID:bDU+83Vs
その妄想は全力全開だぁw支援
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 01:55:44 ID:2vygsjHX
>>303
壊れるのか!?
うっはwwwwそういうの大好きwwww


紫煙
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 02:00:16 ID:msbA/Ktj
なのはも立派なエロゲ登場人物なんだ
役目を果たそうぜ
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 02:00:55 ID:0MJFUsSR
バイドに汚染されすぎw
309リリカラー劇場:2008/02/11(月) 02:00:57 ID:2Xa/HwE9
シグナム「151匹集めるために」
ザフィーラ「そして図鑑を完成させれば……はやての脚も」
ステイメン「あれ、そうだったっけ?ι」
ヴィータ:違ぇι しかも、赤青緑ピカチ○ウVerの段階。
闇の書:しかも、私は図鑑じゃねぇι
−−−−

闇の書:私達だって本当は……約束を破ってまで、望んでなんかいない。

ステイメン「……ぜんぶで666ページだったよね?」
闇の書:そう……。あと4頁で私は完成される……。
ステイメン「……完成したらはやてさん。助かるんだよね……」

哀しそうな表情でステイメンは闇の書を見上げる。
しかし、

『ステイメンくーん、みんなー。晩ごはん出来たでー♪』
『ステイメン、オレンジ色の悪魔がいっぱいだぞーι』
下の階から響くはやてとゼフィランサスの声。

シグナム「話はとりあえずここまでだ」
ヴィータ「はやてが心配するまえに降りるぞステイメン」
ステイメン「……うん」

−−−−

同じ頃、ホワイトベースのブリッジ。
そこに集結した魔導師達とMS遺失物捜索隊をガンダムは幸せそうな表情で見ていた。
なのは「集まったね……」
ガンダム「電話かけまくったからねー♪」
ユーノ「でも、なんだろう……」

マスター、ゴッド、デスティニー、ウィングゼロカスタム、デスサイズ、がんたんく。
と、まさに精鋭に相応しい顔ぶれにユーノは引き攣った表情で見遣る。

ユーノ「ぶっちゃけイジメι」
なのは「私もそう思うι」
デスティニー「それにこんなに居るなら俺居なくても良いでしょ?」

ガンダム「失敬な、三人とも何言ってんの?大勢でお話したら相手なんて言うこと聞くんだから♪」
デスティニー「Σいや、アンタが何言ってんの!?」

ゴッド「ふふふ、烈火の騎士。楽しみだぞ!!」
ウィング「近づいて自爆する……」
デスサイズ「悪い子なら連れてくかー♪」
がんたんく:ろうにゃくなんにょとわずふっとばすぞー♪

ガンキャノン(108)「話す前に殺る気満々だなι」
なのは「あ、あのー……お手柔らかにお願いしますι」

続く
310リリカラー劇場:2008/02/11(月) 02:02:40 ID:2Xa/HwE9
以上です。

精鋭揃いのMS達の活躍やいかに!?
ヴォルケンリッターの対抗やいかに!?
でわでわ
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 02:08:19 ID:3ajCvTRw
ウロスにも書いたがもう一度。
 い い 加 減 に バ イ ド 自 重 し ろ 。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 02:10:45 ID:EFxVRYI6
バイドと書いておけばエロ妄想垂れ流しにしていいみたいな空気が出来てるのが自分は嫌いだ
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 02:15:25 ID:YraXkVKH
リリカラー氏GJっす!!
はやて達とGP三兄弟の漫才がとても楽しめました。
というかガンダム・・容赦なさすぎやし・・
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 02:15:29 ID:ws2rCURK
全く……
いい加減にしないとスネークを潜入させて性欲をもてあまさせるぞ!
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 02:17:40 ID:EFxVRYI6
おっと忘れていた
リリカラー氏GJ
貴重な和み成分をありがとう御座います
316メタルサーガsts:2008/02/11(月) 02:40:12 ID:yCUyPb19
リリカラー氏GJ。
殺伐分しか供給できない私にはあなたの和み分が大変貴重品です。
本当に和んで心が潤います。
本当に楽しめました。
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 06:47:17 ID:grT4EMQF
>リリカラー殿
GJ。今度、本当のフルカラー劇場も読んでみようかな?
捕獣ネタには爆笑。ゴーデンン&シバーーン、好調製作中?
318スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 07:59:34 ID:kRbiU7+V
さてと仕事行く前に「DETONATORStrikerS」の「決着編2」を8時15分ごろに投下しようと思います。
319スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 08:14:53 ID:kRbiU7+V
さてと投下いきますか。

「こんなバケモノ、倒せない!」

 なのは達よりも先に来ていた局員達はエイド達により苦戦させられていた。
 それもそのはずソリッドアーマーにこの世界の技術のものを加えているのだ。普通に強い上にAMFも持っている以上並みの人間ではエイドには勝てない。

「キシャアアアアアアアア!」
「うわあああああああああ!」

 エイドが局員に向かってその腕を振り落とそうとしたがその腕は振り下ろされなかった。
 何故なら突然何かがエイドの腹を突き破り、エイドは爆発したのだから……。

「な、何だ!?」

 何かが飛んできた方向を見る局員。そしてその飛んできたものは持ち主へと帰ってくる。
 その持ち主はソリッドアーマーのオーガンであり、飛ばしたのはランサーである。

「全員、離れろ!」

 オーガンが叫び、局員達が全員オーガンの前から離れるのを確認するとオーガンは額をあける。
 そして額からP.C.Eキャノンが撃たれ、斜線上にいたガジェットとエイドは全滅し、ゆりかごに直撃しゆりかごに大きな穴が開く。


「!? これは……」
「P.C.Eキャノン……、来たか! オーガン!」

 ゆりかご内ではクアットロ、ディエチ、ゾアがヴィヴィオと共に玉座の間にいる。そしてもう一人いるのだ。

「ふふふ、オーガンよ。今回はわしは待っておるぞ……。そうだ、お前が行くか?」

 ゾアがもう一人の方に聞く。そのもう一人とはディードである。
 ディードは本来は地上の方に行く作戦だったが、ゾアがオーガンはゆりかごの方に来る可能性が高いと言い、
 オットーが出撃不可能になった事もあり、ディードはオットーのためにオーガンに復讐したいがためにスカリエッティに強く希望し、このゆりかご内にいるのだ。

「はい、行かせてもらいます」

 そしてディードは玉座の間から去る。

「お前も準備をしておいた方がいいのではないか? ディエチ……」
「わかりました。準備をしておきます……」

 ディエチも玉座の間を後にする。

「いいんですか? 二人とも行かせちゃって……」

 残ったクアットロがゾアに聞く。

「ふん、所詮お前らではオーガンに勝てん」
「あらあら随分傲慢な事……」
「ふ、それは貴様もスカリエッティも同じであろう……」

 クアットロとゾアはお互いを鼻で笑う。
320スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 08:15:23 ID:kRbiU7+V
 ゆりかごに突入したなのはとヴィータとオーガンは一緒に行動をしていたが、玉座の間と駆動炉が反対方向であることを知り、
 玉座の間になのはとオーガン、駆動炉にヴィータと別れ、なのはとオーガンは玉座の間へと向かっている。
 進んでいくうちになのはとオーガンはガジェットとエイド達が突然いなくなることに気付くとディードが向かってくる。

「オーガン、貴様を殺す!」

 ディードはツインブレイズでオーガンをさす。

「なのはさん、先に行って下さい。相手は俺が目的のようですから……」
「トモル君……、でも……」
「大丈夫です、俺も絶対追いつきます」
「わかった。絶対追いついてね……」
「はい」

 ディードは先に行こうとするなのはを無視し、オーガンと対峙する。

「なのはさんを気にしないとなるとそこまでして俺を倒したいのか……」
「そうだ、それもこれもオットーのためだ!」

 ディードはオーガンに向かって突進し、ツインブレイズをオーガンに向ける。
 オーガンはそれを素手で受け止める。
 ディードはツインブレイズを受け止められると、瞬時にそれを手放し素手でオーガンを殴り飛ばす。

「何!?」

 オーガンは吹き飛ばされる。
 ディードは対オーガンのためにノーヴェから格闘術を少しだが学んでいて、スカリエッティに改造を頼み肉体強化をされていたのだ。
 そのためソリッドアーマーのオーガンを吹き飛ばせるほどのパワーを持っている。

「く! 油断した……」
「はあああああああ!」

 オーガンが吹き飛ばされた際に落としたツインブレイズを拾い、再びオーガンに向かって突撃する。
 オーガンは起き上がりビームガンをディードに向けて撃つがディードは巧みに避ける。

「はあああああ!」

 オーガンはとっさに腕を出すが、ディードは今度は蹴りをオーガンにいれオーガンはまた吹き飛ばされる。

「前以上の強さだ……。だが、そんな強さは本当の強さじゃない!」
「何だと!?」
「確かに思いは人を強くする。だが憎しみや復讐に囚われた思いでは本当の強さではない!」
「何が言いたい?」
「ゾアに再び教える前にお前にも教えよう! 人の本当の強さは慈愛の心だ!」
「言うかあああああ!」
321スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 08:15:52 ID:kRbiU7+V
 ディードがまた突撃してくる。

「もう同じ手はくらわない!」

 次にオーガンもディードに向かって突撃する。
 互いがぶつかるタイミングを見計らってオーガンは手からカッターを出し、ディードのツインブレイズを斬り落とす。

「お前の負けだ」
「まだだ!」

 ツインブレイズを失ってもなお、ディードはオーガンに襲い掛かろうとする。
 しかしツインブレイズを失った今ディードに勝ち目はない。それでもディードはオーガンと戦おうとする。
 オーガンはディードのパンチやキックのラッシュをかわしながらディードに問う。

「何故お前はそこまで……」
「言ったはずだ……、オットーのためだって……」

 その言葉を言ったディードの目には涙が流れている。

「お前が……、お前がオットーをあんな目にするから……、私は……、私は……」

 この時オーガンは気付く。このディードにはオットーに慈愛の心を持っているのだと言う事に……。
 確かにディードはオーガンに憎しみと復讐の心を持って倒そうとしたが、同時にオットーに対しての慈愛の心も持って戦っていたのだ。

「だから私はお前を倒す! はああああああああ!!」

 ディードがもうスピードでパンチを繰り出すが。オーガンはそれを避けディードの首元に軽い手刀をする。
 ソリッドアーマーは殺傷設定のデバイス以上の力があるので、下手をすれば人が死にかねんものである。
 なのでオーガンの軽い攻撃はいくら戦闘機人でも気絶させられるほどの力があり、ディードは気絶し前に倒れこもうとするがオーガンがその倒れそうになる体を支える。

「俺が帰ってきたら、二人に謝ろう……」

 オーガンは支えたディードを床に下し、そっと寝かせる。

「随分時間がかかった。急ぐか!」

 オーガンは猛スピードで玉座の間へと急ぐ。その途中戦闘機人の一人を見かけるがそれを気にせず向かう。

(あれはなのはさんが倒したのか……)

 そしてオーガンが見たものはなのはによって救われたヴィヴィオが怯えてる姿である。
 それもそのはず、そのなのははゾアにより死に掛けているのだから……。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 08:17:04 ID:xT8IsdbX
GJ!

・・・・・・ってかガンダム容赦ねえ・・・・・・
323スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 08:18:42 ID:kRbiU7+V
投下完了。またしても短いな。全部が終わったら「復活編」と「衝撃編」と「決着編」の3つにまとめてもらおうかな…。
そして次回が最終回の「決着編3」になります。
これの後「ブレンパワード」のクロスを書きたくてビデオ屋に行ったら置いてなくて、
旧作が80円セールだったからむしゃくしゃしてGガンダムを借りてしまった。こうなったらGガンダムにしようかな…。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 08:54:43 ID:xnTJ1dI9
>>323
投下乙です。
そしてGガンですと!?
俺の夢、スバルの石破天驚ディバインバスターが見れるのですか!?
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 09:27:29 ID:7RXdlc2i
>>288
GJ!
これはバイド系機体が来ちゃうのかw
326反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 10:02:30 ID:kY36jdcn
スマブラX全キャラ出したよ〜♪

さて、今日も朝からユーノ君(中編)を投下してもよろしいでしょうか?
…中編?
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 10:06:52 ID:/q8in++2
ok
328反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 10:08:46 ID:kY36jdcn
魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使

外伝集「アンソロジー(4)」


――ユーノ君のプロポーズ大作戦!(中編)

「――まま、そういつまでもうだうだやっとるわけにもいかへんし、早いとこ何か考えんとな」
気を取り直してはやてが言った。
ユーノのプロポーズを支援するユーノ・スクライア司書長後援会、未だ前途多難です。
「そういえば、シグナムは割と分かるんじゃないんですか?」
思い出したようにフェイトが口を開く。
最初はなのはへプロポーズするという話が腑に落ちなかったようだが、もはや気にするのはやめたらしい。
「私がか?」
「ああ、せやねぇ。ある意味このスレで1番モテとるわけやし」
リリカルなのはクロススレに数多存在する並行世界。その中で、シグナムの交友の広さは異彩を放っていた。
あの作品では恋人と夫婦漫才を繰り広げるし、あの作品では試合のために男の元へ通いつめるとフラグ全開な展開だし、
挙げ句あの作品では所帯を持ち、おまけに双子の子供さえ授かっているほどだ。
「そうなのか?」
「せやよぉ。もうどこぞの作品では避難所行きの濃〜密な関係まで行っとるからねぇ♪」
「あ、主…」
ニヤニヤと笑うはやての言葉に、シグナムはすっかり赤面してしまった。
確かに、人の男性関係に関してそんなに説明されては、恥ずかしくもなるだろう。
たとえそれが、自分とは違う世界の自分の話だとしても。
しかし、はやての責め手はそれだけには止まらなかった。
「あんな人やこんな人も…」
目にも止まらぬ早業でシグナムの背後に回り込む。
この場の面子の目に止まらないとなれば、相当な速度なのだろう。ソニックムーヴも真っ青だ。
「このお〜っきなおっぱいでたぶらかしたんやからなぁ〜♪」
「ひゃっ!?」
一瞬。
抵抗する隙すら与えず、はやての手がシグナムの胸元を捉えた。
突然その豊満な乳房を揉みしだかれ、シグナムの口から可愛らしい悲鳴が漏れる。
「いやぁ〜けしからんおっぱいやねぇ〜。んん?」
「あっ…主はやて…こんなっ、皆が見ている前で…」
シグナムははやてを制しようとするも、そんなに顔を火照らせて身をよじっては、もう感じているようにしか見えない。
当然、はやては俄然やる気になる。
「だぁ〜め♪ そんな罪作りな子にはお仕置きや。それそれそれ〜!」
より一層速さを増して揉みまくる。
刮目せよ、これが乳揉魔神リリカルはやて(仮題)の真髄なり。
「ひぁっ…そ、そんな…テスタロッサの前で、こんなぁ…」
何だか雲行きが怪しくなってきた。
人間に対して性欲を抱かぬセフィロスはまだいいが、残る2人は悲惨な状況だ。
蕩けるような甘い声で名前を呼ばれたフェイトは赤面し、健全なオトコノコたるユーノは腰を折って前屈み。
これはまずい。このままでは行くところまでイッてしまう。ここから先がR指定だ。いや、18禁だ。
故に、この男が動いた。
「主、お戯れを」
部隊長用デスクの方から、低い声が響く。
「うぇ!?」
予期せぬ声にはやては当然驚き、その責め手を止めた。
「何だ、いたのかザフィーラ」
「何だとは何だ。大体セフィロス、お前も行きすぎる前に止めろ」
「興味がない」
かくして、ユーノ・スクライア司書長後援会にまた1人、ザフィーラが仲間に加わった。
329反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 10:09:57 ID:kY36jdcn
「事情はどこまで分かっとる?」
「全て聞いております」
と言って、ザフィーラが机の付近に伏せた。
これで後援会メンバーは5人。会長・はやて。会員・セフィロス、フェイト、シグナム、ザフィーラ。
某世界を大いに盛り上げる団体に当てはめるなら、誰がどのポジションなのだろう。
「で…でも、メンバーが増えてもまだまだ油断はできないよ」
とりあえず先ほどまでの空気を払拭するため、つとめて真面目な声色ではやてが念を押した。
「何せ、こいつは狼だ。いやむしろ犬だ。人間の色恋が分かるかは怪しい」
「犬じゃない、守護獣だ」
セフィロスの言う通り、ザフィーラは人間とは違う。よって作戦を練る上で、愛と性に関する価値観の差異が生じてくる可能性があるのだ。
「…主はやて、こういうのはどうでしょう」
先ほどまでエロチックに身体をくねらせていたシグナムが、まるでそんなことなどなかったような冷静な声で言う。
さすがは烈火の将、切り替えが早い。
「まず、高町を適当に理由をつけて街に出させ、1人で歩いているところを尾行する」
「ふんふん」
初めて出た作戦らしい作戦に、一同集中して聞き入る。
割とセフィロスも真剣に聞いている辺り、そろそろリリなの勢に取り込まれてきたのかもしれない。
「そこに不良が絡んでくる。反撃できないよう、高町からは何かしら理由をつけてデバイスを取り上げればいいでしょう」
「それでそれで?」
「そこをスクライアが結界魔法で守り、持ってきたデバイスを与えて、助け出す。ムードがよくなったところで告白」
シグナムはそう締めくくる。
周囲の反応は――静寂。
何かおかしなことでも言ったのだろうか? そう思って彼女は少しだけ焦った。
「…シグナム、それどこで知ったん?」
どうやら原因はそこだったらしい。
「あ…はい、前にシャマルが…」
「ならば納得だな」
ザフィーラが言った。
確かにこのアイデア、あまりにシグナムには似合わない。おおよそ娯楽に疎い彼女は、こんなフィクションの常套手段など知るはずもないだろう。
「まぁ、確かにこれなら直球勝負の告白でもムード的にアリやろーし、ええ策かもしれんな」
言葉部分を凝らずに済むのなら、そこで悩むユーノには願ったり叶ったりだろう。
はやてはそう言うと、メモとペンを手に取り、何かを書き出した。
そこそこ早い動きでペンを走らせると、セフィロスにそれを渡す。
「それが台本や、不良役」
「…俺がか?」
「他におらへんやろ。…さ、読んでみて」
顔が知られてる時点でセフィロスには無理な仕事のはずなのだが、はやてはそん
なことはお構い無し。
セフィロスもその勢いに押され、結局読むことにした。
「…おいおいどこに目をつけて歩いてるんだねーちゃん。…ん、意外といい女だな。俺のボル●ッカランサーで…」
そして途中で区切って、ため息。
「…何だこれは…」
彼の反応が全てを物語っていた。
赤面するフェイトに、ドン引きする残り2人と1匹。いきなり「レ…(以下自主規制)」宣言はないだろう。
「あはは…ちょい過激やったかな?」
さすがに不穏な空気に気付き、はやても苦笑する。
しかし、どうやらセフィロスのツッコミ所は周りとずれていたようだ。
「これでは脅しが足りん」
「…へ?」
予想外の言葉に、はやてから間抜けな声が上がった。
「フェイト、少しこっちに来い。なのはの役をやれ」
「え? あ、はい…」
言われるままにフェイトがセフィロスの元へと向かう。
330反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 10:11:07 ID:kY36jdcn
そしてプラン通り、歩きながらセフィロスにぶつかった。
「あ、ごめんなさ…」
フェイトが台詞を言いかける。
するとセフィロスは、言い終えるよりも早く彼女の背へと右腕を回し、素早く強引に手繰り寄せた。
銀の長髪が妖艶に揺れ、両者の顔の距離が一気に縮まる。息がかかるほどの密着。一瞬フェイトの顔が紅潮した。
そして左腕はそれと同時に正宗を抜刀。それがフェイトの細い首に突き付けられた。赤い顔の血の気がさっと引いていく。
セフィロスはこれ以上ないほどの冷たい視線と声色で――

「…死ぬか?」

「きゅうっ」
小動物が鳴くような声。
フェイトの口から、何かエクトプラズマー的なものが抜けた。
「わーっ! フェイトちゃーん!」

結局、不良役があまりに怖すぎるということで作戦は却下。
ストレートに2人きりのところでプロポーズ、という形を取った。
「じゃあとりあえず、今パッと出るプロポーズの言葉を言ってみてや」
はやてがユーノに言った。
そういえばここまでほとんど台詞なし。完全に忘れ去られていたようだ。作者から。
「うん。ええっと…10年前から…」
「あー、違う違う」
普段通りの声音で発せられた声を、しかしはやては制した。
「どうしたのさ?」
目をぱちくりさせてユーノが尋ねた。
自分は言われた通り、考えうるプロポーズの言葉を言おうとしたのに、何故止められるのだろうか。
「そこは本番さながらの気合いでやらんと、練習にならへんよ」
「えええっ!?」
ユーノのすっとんきょうな声が上がる。
「そ、そんな…さすがに衆人環視の状態でそれは恥ずかしすぎるよ…」
確かにはやての言葉は正論だ。
しかし、人前で力いっぱい告白するなどというのはあまりに恥ずかしい。
「どうかな。愛する女に想いを伝える方が、よっぽど緊張すると思うが」
「うっ…」
ザフィーラの言葉がぐさりと刺さる。確かにそうかもしれないと思わせる説得力。
周囲から降り注ぐ視線も同様のものだ。
自分達を乗り越えろ。プレッシャーを恐れるな。ぶっちゃけろ。はっちゃけろ。
「…ええい、仕方ない…」
ユーノは覚悟を決めた。
どの道この空気では、逃れることなどできやしない。ならば、羞恥に耐えて一発クリアしてしまおう。
「…コホン…なのは。この前の戦いで言った、大切な話のことなんだけど…」
咳払いと共に、ユーノの告白が始まった。
「…実は、ずっと言いたかったことがあったんだ」
はやて達は一様に聞き耳を立てている。
ドアの開く音がしたような気がしたが、あくまで気がした程度だったので無視した。
「10年前の戦いから、一緒にいて…いつからか、君のことをずっと想うようになった」
歯の浮くような台詞にらしくなさを感じながらも、ユーノは目を伏せ、言葉を紡いでいく。
そして、ズボンのポケットの中へと手を入れ、指環の箱を取り出した。
「もうこのまま、抑えられそうにない…だから言うよ」
そして箱を開け、中の宝石を輝かせながら、その手を一気に突き出す。
顔はもう真っ赤だった。そう、本番さながらに。
「…僕は君が好きだ! これ…受け取ってくれっ!」
絶叫。
ほとんど雄叫びにも近い、半ば自棄気味の、力一杯のラブコール。
プロポーズの言葉に悩んでいたようだが、その苦悩を感じさせない見事な告白。これならオーケーも出るはず。
しかし――アクシデントは待っていた。
331反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 10:12:14 ID:kY36jdcn
「え…ええっ!?」
唐突に響く驚愕の声。
否、むしろ驚いたのはユーノの方だ。この声は今の集まりの中では聞き覚えがない。誰か部屋に入ってきたのか?
恐る恐る目を開けると、そこには、
「…んなぁっ!?」
巨乳。それも胸元が開いた服。こういう格好をした知り合いは1人しかいない。
つまり、驚愕の声の主は…
「なっ…ななな、何だよいきなり…!?」
赤面したアルフだった。それもユーノの真正面に立っている。おまけにこんな時に限って大人形態。というか何故六課隊舎にいる。
傍目に見れば、ユーノがアルフにプロポーズしているようにしか見えない光景。
「そ…そんな、急に言われても…」
否、当人にもそう見えたらしい。
「あ、いやアルフ、その…」
「そもそもあたし、使い魔だから…その…結婚できるかどうか、分からないし…」
ユーノの言葉など耳にも入らず、アルフは恥じらいながら言葉を紡ぎ続ける。いつになくしおらしい態度。まさか満更でもなかったのか?
「…でも、アンタがいいって言うなら…その…」
どうやら本当に満更でもなかったらしい。しかしこれは事故だ。ユーノからすれば、たまったものではない。
「あ…えーと…あのですね?」
「…ごめん、少し待ってて。…うん…ちゃんと真剣に考えるから」
アルフは床に落ちたファイル(恐らくこれを届けるために入室したのだろう)を抱えると、そのまま部屋を出てしまった。
「アッ…アルフ!? ちょっ…待ってー!」
ユーノの呼び掛けも虚しく、アルフは物凄いスピードで走り去っていく。
駄目だ。取り逃がしてはいけない。そうなれば大惨事になってしまう。
故に、彼は全速力で使い魔の女を追いかける。
そして後援会のメンバーは、目の前のあまりに唐突な光景に、揃ってぽかんとした表情を浮かべていた。
「…何ちゅーか…」
そして、ようやく我に返ったはやてが口を開く。
「えらいことになってしもたなぁ…」
「やれやれ…」
隣でセフィロスが呆れた声を上げた。
「…うきゅ…?」
ここでようやくフェイトが目を醒ます。
何が起こったのか分からない彼女は、しばしきょろきょろと周囲を見回していた。
げに無知とは恐ろしきことなり。

隊舎の一角に位置する休憩所。自販機や長椅子の置いてある、ああいう場所である
そこで膝を抱えて座り込む、犬耳の女性の姿があった。
(まさか、いきなり告白されるなんて…)
いつもの姉御肌な雰囲気はどこへやら、体育座りをするアルフの瞳には苦悩の色があった。
(…でも…さっきのユーノ、不覚にもちょっとカッコよかった…)
意外だった。
自分から見たユーノは、頭のいいインドア派で、人当たりがいいけど頼りない…そんな男だった。
しかし、先ほどのプロポーズ(まぁそれも完全なる誤解なわけだけれども)の時は違った。彼はいつになく強引で、男らしかった。
思えば、知的で世話焼きなユーノの性格は、大雑把なアルフの支えになるには相応しいかもしれない。
(…あのユーノだったら…)
アルフの顔が、より深く膝と胸の間にうずめられる。
(…いいかな…)
彼とならば、人間と使い魔の差も、乗り越えていけるかもしれなかった。
332反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 10:13:27 ID:kY36jdcn
「――アールフーッ!」
と、そこへ、あのユーノの声が聞こえてきた。
アルフの座るすぐ横で立ち止まると、ぜいぜいと肩で息を切らす。
「はあ…はあ…もう、捜したよ…」
「ユーノ…」
戸惑いのこもった声でアルフが呟く。
彼はこんなになるまで、必死に自分を捜してくれていたというのか。
そんなに自分に対して本気(いや、まぁ、本当は意味が違うんだけども)だというのか。
再び鼓動が高鳴る。まさか自分が異性にここまでときめく日が来ようとは思わなかった。
「あの、さ…ユーノ…」
「あーちょっと待って! 僕から言う」
アルフが口を開くのを、ユーノが手を出して制止した。
来る。決断を下す時が。
「さっきの話、だけど…」
しかし、
「…ごめん! あれ事故だったんだ!」
「………………………へ?」
ときめきは真っ向から粉砕☆玉砕☆大☆喝☆采。
呆けたようなアルフを尻目に、ユーノは説明を続ける。
「実は、その…今度なのはにプロポーズをする、ってことで…その練習をしてたんだ」
要するに、自分は完全な蚊帳の外ということか。ただの勘違いなのか。何てひどいオチだ。
「できれば門外不出ということに…、?」
ユーノの目の前に、アルフがゆらりと立ち上がる。その場に漂う、妙な空気。
じわり、と。
アルフの目に光るものが込み上げた。そして…
「…馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!」
「へぶぅっ!?」
容赦ないボディーブローがお見舞いされた。

1日の終わり。
結局この日の後援会は、ユーノが休みを取れる2週間後に作戦を決行するとだけ決め、この日は解散となった。
「うーん…いざ他人にちょっかい出すとなると、大変なもんやねぇ〜」
んっ、と軽く伸びをしながら、はやてが隣を歩くセフィロスに言う。
「人間関係とはそういうものだ。そして、何より真剣に取り組まなければならない」
「んでも…せやから人間関係って楽しいんやよねぇ」
はやては続いてそう呟く。セフィロスとのこうした会話も、彼女には楽しい日課だ。
いつも素っ気ないこの男の心は、どうやれば開かれるのか。読めないからこそ人間は面白い。
「あ、はやてちゃんにセフィロスさん」
と、前方から声がかかる。今回の話題の主役・なのはの姿がそこにあった。
「今本局から帰ってきたとこ?」
「ま、せやね」
晴れやかな笑顔で平然と嘘をつく。だが仕方のないことだ。
真実がバレれば何故早く帰ってきたのかと疑問がられ、そのままユーノに行き着きかねない。
と、その時、セフィロスが一歩前に出た。
「向こうで、あのユーノとか言う奴に会った」
「え? ユーノ君に…ですか?」
突然出された名前に、なのはは訳が分からず首を傾げる。
「その…なんだ。たまには話をしてやれ」
と言うと、セフィロスはそのまま歩き去っていった。
「はぁ…」
ますます訳が分からない。なのはの頭に疑問符は浮かぶ一方だ。
しかしはやては、今までの話題を思い出し――そして不器用なりにユーノの力に
なろうとしたであろう彼の背に、微笑みかけるのだった。

「フェイト…あたし分かったよ。男女の愛なんて、所詮粘膜の生み出す幻想に過ぎなかったんだね…」
「アルフ…?」
星空の下、1人の使い魔が、もう二度と恋なんてしないと固く誓った。

今度こそ後編に続く
333反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 10:14:35 ID:kY36jdcn
えっちなのは許さないザフィーラ。というわけで投下終了。

…どこまででしゃばるユーノ・スクライアァァァーッ!
嗚呼、またディードの姿が遠のく…orz
次回こそ、次回こそ! 作戦決行です。というかホント長引きすぎ…
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 10:18:21 ID:/q8in++2
なんぞこれwなんぞこれw
GJでしたw
アルフ、生きて
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 10:45:33 ID:2/ugpGiH
GJです、赤字のダンテといい片翼のセフィロスといい、
何故か自分の中ではフェイトは男運が悪いキャラクターという強烈な印象が残ってしまった……
まぁ、どちらも男前だから問題ないっちゃ問題ないがね。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 10:55:55 ID:bDU+83Vs
GJ!!です。
何でセフィロスが不良役なんだwしかも台詞が酷いw
そして、フェイトそんには不幸と露出がよく似合う。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 11:39:04 ID:Dj/sBujE
GJ!!!
アルフさんが、失恋帰りの使い魔にwww
告白されて狼狽えるアルフさんも可愛かったぜ
ザフィーラがなぜ最初呼ばれなかったのかわかりました
ただの犬だと思われてたんだね
盾の守護獣カワイソス(´・ω・`)
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 12:33:11 ID:UkQAKh9q
GJ!!
>「きゅうっ」 「…うきゅ…?」 が可愛いよ。
これはフェイトさんの新たな名ゼリフになるかもしれん。

339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 12:44:51 ID:bDU+83Vs
モグラ獣人みたいw
340リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 12:55:49 ID:iG8324X/
>>339
彼の最期に泣いたのは私だけではあるまい…
いつかリリカルリンディで書こうかな…
341Strikers May Cry:2008/02/11(月) 12:57:47 ID:rS+j5ugC
アルフが! アルフがああああああっ!!!!
とりえずセフィロスはこの手の話で役に立たないな、っていうか気絶させる程びびらせるなよ…


>>324
石破天驚ディバインバスターって俺が短編で書いたような…
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 13:14:55 ID:bDU+83Vs
あえてスバルはチボデーに師事するとかw
トーレはアルゴ、ディエチはチャップマン、ノーヴェはミケロ、エリオはサイサイシーでいいや。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 13:18:00 ID:5O1N7KaC
>>342
ミケロは駄目だろwwwww
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 13:20:35 ID:bDU+83Vs
機動武道伝ではミケロはやられ役だったが、奴の技を使うノーヴェなら何とかしてくれそう
と思って書いたw
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 13:40:07 ID:izsdnEaA
確かミケロって飛び蹴りで高層ビルを斬ったなwww
実力なら相当なモンだが人格的にアレだしな……
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 14:06:48 ID:bknHauym
GJ!
アルフがギニアス兄さんになっててフイタw
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 15:05:28 ID:UXRnGKqD
>>345
ビル斬りできたのはDG細胞で強化されてたからじゃなかったっけ?
強化前だとそんなに威力無かったような気が。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 15:28:21 ID:Dj/sBujE
スバルが
古ぼけた、ロングヘアーの女性が映った写真をみせながら
この女に見覚えはあるか?って言うんですね
349リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:32:47 ID:iG8324X/
ながれをロイストします。
新話が出来たんで投下良いですか?
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 15:45:47 ID:jJ1Euu4B
おーいえーすあいどぅー
351リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:45:54 ID:iG8324X/
反応が無い…投下します。

【平成ライダーサイド】四話「混沌調和」Bパート
【工場裏地】
「キバミサイル!」

セイウチロンの放ったキバミサイルは、キックホッパーの心臓部ともいえるホッパーゼクターの中心部、タイフーンを貫いた。

「ぐっ…あ…」

命(ゼクター)を破壊されたキックホッパーのライダーアーマーが砕け散るように消え去り、ホッパーは矢車の姿に戻る。
そして変身者である矢車もまた大きなダメージを負っており、ゆっくりと地面に倒れた。

「ふっはっはっは!キックホッパーと言えど所詮はこの程度!俺の相手ではないわ!」

勝利したセイウチロンは大きく高笑いをし、短剣を取り出した。
セイウチロンは剣の刃を舌で舐めながら倒れている矢車に近づいていく。
そして矢車の近くに来ると彼の髪を掴んで体を持ち上げ、心臓に短剣を近づけていく。

「死ねぇ!」

しかし短剣が矢車の心臓を貫く直前、彼の姿は煙のように消えてしまった。

「何!?何が起こった!?」

突然の出来事に驚き、辺りをオドオドと見回すセイウチロン。

「ここだ!」
「!?」

そんなセイウチロンの耳に、パンチホッパーの声が響く。
声は上の方から聞こえ、セイウチロンは工場の屋根の上を見る。
そこには、矢車を抱えたパンチホッパーとライダーフォームのサソード、そして騎士甲冑を着たシャマルの姿があった。

「貴様ら…」
「お前が兄貴の心臓を貫く直前、クロックアップで兄貴を助けたのさ!」
「貴様のようなノブレスオブリージュのない奴に、矢車の命はやらん!」
「おのれぇ…者共!出て来い!」
「ギィ!」
「ギィ!ギィ!」

沢山の奇怪な叫び声が木霊し、地面の中から四十人近くの戦闘員が現れた。
戦闘員達は全員手にライフルを持ち、照準を四人に向ける。

「そんな…俺と剣が中の奴はみんな倒したのに…」

突如現れた戦闘員の大群に驚くパンチホッパー。

「きっと、中に居たのはほんの一部だったのよ。」
「上等だ、まとめて倒してやる!」
352リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:47:06 ID:iG8324X/
サソードヤイバーを構え、サソードは屋根から下りようとする。
しかし、下りる直前にシャマルがサソードに話しかけた。

「駄目よ!」
「何故だシャ・マール!?」
「ひょっとしたらまだ増援が居るかもしれないわ!悔しいけど、ここは撤退しましょう!」
「…チィ、シャマ姉の言うとおりか…」
「…クッ!この借り忘れん…!」

サソードを説得したシャマルは転移魔法を使用し、三人と共に姿を消した。

「おのれ…逃げられたか!」

セイウチロンは舌打ちし、悔しそうに握り拳を作った。

【AAMON地下アジト】
『バァカものがあぁぁぁぁぁぁぁあ!!』
「お許しを!お許しを!」

自らの失態で四人を逃がしてしまったセイウチロンは、アジトの通信モニターから彼の主である魔神提督にお叱りを受けていた。
先程までの強気なセイウチロンの姿はそこにはない。
恐ろしい力を持った魔神提督の怒りの前にはどんな豪傑も恐れて身をすくめてしまうのだ。

『この馬鹿者が…ミラノに基地を作るどころか、仮面ライダーに気付かれるとはなんたる失態だ!』
「し…しかし、攻めて来たライダーの三人の内の一人の変身機能を破壊しました!しかもそ奴は三人の中のリーダー格!リーダー格を倒されたとあっては、アジトの場所が分かったとは言え、奴らもすぐには攻めて来ないかと…」
『成程…よし、特別に許してやる!その代わりさっさとこのアジトを捨てて別の場所へ移動しろ!基地建設は一からやり直しだ!』
「はは!」

魔神提督はセイウチロンにそういうと、通信を切った。

「ふう…恐かった…」

【ディスカビルコーポレーションイタリア支社 社員寮空き部屋】
「…ん?」

畳の匂いを感じ、矢車は目を覚ました。

「なんだ…ここは?」

矢車は布団の上に寝ていた。
彼は上半身を起こし、辺りを見回す。
そこはテレビ、冷蔵庫などの必要最低限の家具しかない和室だった。
しかし部屋はとても綺麗で、新品の畳の匂いがほんのりと香っている。

「あ!想さん!」
「兄貴!」
「矢車!」
353リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:47:56 ID:iG8324X/
ドアが開き、影山、剣、シャマルの三人が部屋に入ってくる。

「兄貴、起きたんだ。」
「相棒…」
「どうだ!空き部屋とは言え、この特性日本風ルームは素晴らしいだろう?」
「剣…」
「想さん、大丈夫?」
「バカ女…」
「…!」

シャマルは笑顔で矢車の頭部に踵落しを浴びせた。

………
「…で、ホッパーゼクターは?」

矢車は寝転がりながら頭に出来たタンコブを右手で痛そうにさすり、シャマルに聞く。

「岬さんが言うには、損傷が大きくて少しの間は使用不能らしいわ。」
「そうか…俺は休みか…じゃあ戦力不足で、アジトは攻められないな…ハァ…」

矢車は溜息をつくと再び横になる。

「でも、休んでいる間にAAMONはアジトの場所を変えてしまうかもしれないわ。」
「だから、俺と剣で奴らが遠くへ行く前に攻めに行って、兄貴の分まで戦ってくるよ!」

影山はそう言ってガッツポーズを取る。

「…オイオイ相棒、あの数を一気に相手にするつもりか?」
「心配するな!俺達は多勢に無勢の状況の中でも奴らを倒し、このイタリアの地を守ってみせる!行くぞ影山!」
「おっしゃ!じゃあね!兄貴!」

二人は矢車に笑顔を送り、張り切って部屋から出て行った。

「二人だけで大丈夫かしら?」
「…さぁな。」

矢車はシャマルから顔を逸らし、唇を噛み締めた。

「…(あいつら…光が板についてきやがったな…)」
「(想さん…心配なんだ…)」
354リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:48:50 ID:iG8324X/
【荒地】
一方、セイウチロン率いる七十人ほどのAAMON戦闘員達は、工場を廃棄し、広大な荒地を移動していた。

「お前ら!この荒地を越えればすぐに新しい街に着く!気合入れて歩け!」
「ギィ!!」
「「待て!」」
「む!?」

セイウチロン達は自分達を呼び止める叫び声を聞き、後ろを振り返る。
そこにはゼクトロンに跨った影山と剣の姿があった。

「貴様ら…どうして俺達の移動ルートが分かった!?」
「この俺の頂点に立つ勘だ!覚えておけ怪人!俺の名は神代剣…神に代わって剣を振るう男…そして!全ての分野において頂点に立つ男だ!
行くぞ影山!」
「ああ!」

二人は手を掲げて自分達のゼクターを呼び、その手に掴んだ。

「「変身!」」

【社員寮 和室】
「…!」

矢車は布団を被り、中で右手の指を折っては開き、開いては折ってせわしなく動かす。
彼は、自分抜きで戦場に向かった影山と剣の身を案じ、落ち着けずに居たのだ。
その心情は顔にも表れ、矢車は歯軋りを何度も繰り返していた。

「(想さん…)…!」

シャマルは自分のバッグを開き、中から「ある物」を取り出した。
そしてそれを左手で後ろに隠す。

「想さん。」
「あ?」

矢車はシャマルの声を聞いて歯軋りと指折りを止め、布団の中から顔を出す。

「二人のこと…心配?」
「…弟だからな。」

矢車は布団から上半身を起こす。

「けど、ゼクターが使い物にならないんじゃ…」
「ゼクターなら…あるわ。」
「何?」
「想さん…これ…」
「な!?」

シャマルは隠していた左手を矢車の前に差し出す。
彼女の左手には、かつて矢車が使用していた変身アイテム「ライダーブレス」が握られていた。
355リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:50:59 ID:iG8324X/
【荒地】
「はぁ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…」

パンチホッパーとサソードRFは、死力をつくして七十人の戦闘員の全滅に成功した。
しかし、疲労困憊した二人に休む暇はなかった。
まだセイウチロンが残っていたからである。

「残ったのは…お前だけか…!」

サソードは感覚が無くなった腕を必死に振り上げ、サソードヤイバーを構える。

「兄貴の代わりに…倒す!」

パンチホッパーも痛む拳を握り締め、ファイティングポーズを取った。

「ふん!戦闘員の代わりなどいくらでも居る!しかし、ここまでやってくれた礼だ…貴様ら二人はここで八つ裂きにしてくれるわ!ヴオォォォォォオ!」

怒るセイウチロンは二刀の短剣を両手に出現させ、パンチホッパーとサソードに襲い掛かる。

【社員寮 和室】
「お前…何でこれを…」
「田所さんから預かってたの。想さん、ザビーゼクターに再選されてるんでしょう?」
「…ああ。」
「だったら!これを持って二人の所へ!」
「…」

矢車は目をつぶり、再び布団の中に潜る。

「想さん!?」
「嫌だね。」
「え!?」

矢車は地獄に堕ちる前、パーフェクトハーモニー・完全調和を信条にし、仮面ライダーザビーとしてZECTに尽くしていた。
しかし、ZECTに忠誠を尽くさないライダーであるカブトの抹殺に執着するあまり、自分の信条を見失い、ザビーゼクターに見放された過去を持っているのだ。
しかし、矢車がブレスを受け取らないのはその忌まわしい過去だけが原因ではなかった。

「それ使ったら、元の俺に戻っちまうような気がするんだよ。」
「え?」

矢車は布団から顔を出してそう言う。

「前の俺は…確かに良い思いをしてた…部下が居て、多額の金が貰えて…信条があって…
けど…空っぽだった。」
「空っぽ?」
「ああ、仕事を忠実にこなすだけの人形さ。それじゃどんな信条があったとしても、結局は人形に変わりない。
それに…このままホッパーゼクターだけを使い続けたいんだ…」
「何でよ?」
「あれは…絆だからだ。」
356リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:51:58 ID:iG8324X/
矢車は少し照れながら言った。

「確かにあれは俺の地獄の日々の象徴だった…でも、あれのおかげで相棒と和解が出来たし、剣とだって打ち解けられた…そして…お前に会えた。」
「え…」

矢車の何気ない一言を聞いて少し顔を高潮させるシャマル。

「けど…ザビーになったら全部忘れて、元の空っぽの俺に戻っちまうような気がするんだ。
俺はそんなのは嫌だ…」

【荒地】
「おおおおおおおおお!!」
「はああああああああ!!」

サソードの剣戟が、パンチホッパーの拳がセイウチロンに乱れ飛ぶ。
しかしセイウチロンは巧みな短剣捌きで二人の攻撃を一撃一撃丁寧に防御して行った。

「この程度か雑魚が!」

セイウチロンは二人の攻撃を弾き、ボディを切り裂く。

「「ぐあ!」」
「チェイヤアァァァァァァア!!」

そして間髪居れず短剣を使った連続剣戟に攻撃を展開し、二人ライダーを切り刻んだ。

「「うわああああああああああ!!」」

【社員寮 和室】
「…!」

シャマルは矢車の布団を取り去り、彼の上半身を無理矢理起こして頬に平手打ちを放った。

「ぐあ!」

「パチーン!」という高い音が部屋中に響いた。

「テメェ…」
「甘ったれないでよ。」
「何だと…」
「そんなの我侭じゃない…子供じゃないんだから、そんな勝手なこと言わないでよ!」
「こっの…!」
357リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:52:53 ID:iG8324X/
矢車はシャマルの胸倉を掴み、物凄い見幕で睨みつける。

「お前に何が分かる!?」
「馬鹿にしないでよ!これでも四年間貴方と一緒に居たのよ!貴方が昔の空っぽな自分に戻るのが恐いのも分かるわ!」
「な…」
「でも、瞬も剣君も、貴方の分まで戦ってる!それを、貴方は見捨てるつもりなの!?自分の我侭で、二人を見捨てるの!?そんな想さん…大嫌い!」
「…」

矢車は言葉を失い、シャマルの胸倉から手を離した。

「あたしは行くわ…何が出来るかわからないけど、少なくとも今の貴方よりは頼りになる!じゃあね!」

シャマルは枕元にライダーブレスを置き、部屋から走って出て行った。

「…」

室内には、ライダーブレスを無言で見つめる矢車だけが取り残された。

【荒地】
「ぐあ…剣…大丈夫か?」
「この程度…なんてことない…」

ボロボロになったパンチホッパーとサソードは肩を組みながらゆっくりと立ち上がる。
しかし、ライダーアーマーがズタズタに傷ついており、もう二人とも戦えるような状態ではなかった。

「その体で言っても説得力が無いわ…止めを刺してくれる!」

セイウチロンは両手に持った短剣を擦り合わせながら二人に迫る。
その時、ワイヤー状に変化したクラールヴィントが飛来し、セイウチロンを拘束した。

「何!?」
「二人とも大丈夫!?」
「シャマ姉!」
「シャ・マール!小癪な真似を!オオオオオオ!」

セイウチロンは得意の豪腕を発揮し、クラールヴィントを引きちぎった。
そして切ったワイヤーを引っ張り、シャマルを引き寄せて捕まえた。

「きゃあ!?」
「シャマ姉!このヤロ…」
「動くな!動くと女の命は無いぞ!」
「クッ…卑怯な奴め…」
「シャマ姉…クソ!」

【社員寮 和室】
「…」
『瞬も剣君も、貴方の分まで戦ってる!それを、貴方は見捨てるつもりなの!?自分の我侭で、二人を見捨てるの!?そんな想さん…大嫌い!』
「…あの…バカ女が…!」
358リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:53:38 ID:iG8324X/
(BGM・Take a shot)

矢車は布団から出て部屋の隅にあったスーツケースからスーツを取り出す。
そしてスーツに着がえた矢車は左手にライダーブレスをはめ、部屋から出て行った。

【荒地】
「さぁ…女を助けたければ変身を解除してゼクターを渡せ!」
「…!」
「シャマ姉の命には…換えられない…!」

パンチホッパーとサソードは変身解除するため、自分達のゼクターに手を伸ばす。
しかしゼクターを外す直前、ザビーゼクターが飛来してセイウチロンを攻撃した。

「うお!」

セイウチロンは突然の攻撃に驚き、シャマルを放してしまう。

「!、ああ…」
「あれはザビーゼクター…」
「影山が前に使っていたゼクターか!?」

シャマル、パンチホッパー、サソードは攻撃を終えたザビーゼクターが飛んでいく方向を見る。
そこには、スーツを着込み、左手にライダーブレスをはめた矢車の姿があった。

「兄貴!」
「矢車!」
「想さん!」
「…!」

矢車は右手を天に掲げ、ザビーゼクターを掴み取った。

〔淀んだ空気 抜け出せるように 教えてくれたよね〕

「シャマル、お前ら、礼を言う…変身!」
『HENSINN!』

〔込み上げてくる 静かな願い 自分を取り戻そう〕

矢車の体は金色の光に包まれ、銀色の鎧を纏っていく。
やがて鎧が体中を覆うと、光が消え、中から仮面ライダーザビー・マスクドフォームが現れた。

〔仰いだ空の果て 君の眼差し〕

「キャスト…オフ…!」
『Change WASP』

ザビーは即座にキャストオフし、ライダーフォームに形態を移行する。
そして両手を構え、ファイティングポーズを取った。

〔思いやりの雨に 打たれて消えてくlet me down 止まらない〕

「来い!」
「おのれ…ヴォォォォォォォオ!!」
359リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/11(月) 15:54:39 ID:iG8324X/
〔shake up はじめて 気付いて 委ねて take a shot〕

セイウチロンは短剣を振り上げてザビーに襲い掛かる。
しかし、迷いを振り切った矢車にもう敵は居なかった。
ザビーの華麗なフットワークが次々と襲い掛かるセイウチロンの刃を回避し、素早い動きで反撃に出る。

〔見渡したら君がいて〕

「は!ッセヤ!」

矢車ザビーの戦闘スタイルはキックボクシングタイプだ。
美しい動きから繰り出されるパンチやキックの連続攻撃は隙が無く、一撃一撃がセイウチロンを的確に追い詰めていく。

「馬鹿な…このセイウチロンが…」
「エィヤ!!」

ザビーはキレのある回し蹴りを放ち、セイウチロンの短剣を蹴り折る。

〔ためらう事なく戦う意味は〕

「しまった!?」
「おおおおおおおお!!」
「!、グア!」

セイウチロンが怯んだ隙をつき、ザビーはセイウチロンに引っ張りパンチを叩き込む。
パンチを受けたセイウチロンは数メートル吹っ飛んだ後、地面の上を転がった。

〔鮮やかに咲き誇れるように〕

「貴様…」
「俺の技じゃないが、効いただろう?…止めだ!」
『Rider Sting』

ザビーはザビーゼクターのフルスロットルを押し、ゼクターニードルにタキオン粒子をチャージする。
そしてセイウチロンに向かってジャンプし、必殺のライダースティングをセイウチロンの胸部に突き刺した。

〔弱い心と 向き合うこと〕

「ヴオォォォォォォォオ…」

ライダースティングを受けたセイウチロンの体はタキオン粒子が注ぎ込まれ、原子崩壊して消滅した。

(曲終了)

「…」

戦いを終えたザビーはファイティングポーズを解き、仮面の下で静かに口を開いた。

「戦闘において最も重要なこと…それは光と闇が奏でる究極のカオスハーモニー…混沌調和だ…!」
360代理:2008/02/11(月) 16:00:01 ID:jJ1Euu4B
【豪華客船 デッキ上】
数日後、イタリアでの戦いを終えた矢車、影山、シャマルの三人は、橘から海外でのAAMONの活動が沈静化したと聞き、日本に帰国することを決めた。
今はディスカビルコーポレーションが用意した大きな船に乗っている。
船旅の途中、矢車はデッキの上で星空を見上げていた。

「…」
「星を見るなんて、想さんらしくないわよ。」
「ん?」

矢車はシャマルの声を耳にし、後ろを振り返る。
そこには案の定、二つのカップに入ったコーヒーを持っているシャマルの姿があった。

「はい、これ。」
「…」

矢車はシャマルが差し出したコーヒーを貰い、それを飲み始める。

「混沌調和か…想さんも上手い事言うじゃない。」
「…ほら。」

矢車はコートのポケットからライダーブレスを取り出し、シャマルに渡した。

「想さん?」
「俺はやっぱり、ホッパーだけの方が良い。」
「…分かったわ。」

シャマルは渡されたライダーブレスをポケットにしまった。

「その代わり、もしもの時はザビーになるのよ。」
「…分かったよ。」

矢車はそう言ってコーヒーを飲み始め、再び星空を見上げた。
シャマルも矢車に合わせて星空を見上げる。
船から見る夜空は陸から見る空と違い、星々が一段と輝いて見えた。

「綺麗ね。」
「…ああ。」
「今度は…二人だけで着たときに見たいな。」
「…あん?」
「あ!な…なんでもない!なんでもないわ!」

シャマルはなんとかさっきの台詞を誤魔化すと、コーヒーを飲み始めた。

361代理:2008/02/11(月) 16:00:40 ID:jJ1Euu4B
【次回予告】
U良太郎「北岡さん、例の美女連続誘拐事件の捜査に、協力してくれないかな?」
北岡「ああ?」

(崖登りをする北岡とU良太郎)
北岡「おいおい…」

(洞窟の中で転がってくる大岩から逃げる北岡とU良太郎)
北岡「何で俺が…」

(アジトの天井から降ってくる矢を走ってかわす北岡とU良太郎)
北岡「久々の休みにこんな目に会わなきゃならないんだよ〜!!」

(マグナバイザーを構えるゾルダとデンガッシャーを構える電王ロッドフォーム)

次回「北岡秀一最悪の休日」
362代理:2008/02/11(月) 16:05:30 ID:jJ1Euu4B
投下を完了しました。

GJ!相変わらず仮面ライダー氏のシャマル先生は輝いている……。
はたしてこんなに彼女がもてているSSは他にあっただろうか。
それにしてもシャマル先生は一体誰を選ぶのだろうか。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 16:09:26 ID:bDU+83Vs
GJ!!です。
次回は仮面ライダーオルガのデバンダァw
364リリカルスクリーム ◆TiP5As2jNc :2008/02/11(月) 16:25:49 ID:cxteHjSv
GJ!!
流石はシャマルの扱いに定評のあるライダー氏w
365リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/11(月) 16:28:58 ID:cxteHjSv
鳥間違えた…
専ブラ入れ替え履行中だといろいろ問題起きちまってきついなあ…。
366StS+ライダー:2008/02/11(月) 16:45:51 ID:iG8324X/
代理ありがとごぜます!
次回もお楽しみに!
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 17:56:45 ID:jrHQnW7B
今更だけどR-TYPEクロスSS、バイド侵略を受けている平行世界の22世紀地球が、
なのはの生きている平行世界の21世紀地球を経由して大艦隊で攻め込もうとしているが、
真の目的はミッドチルダの魔法技術か?
バイドを産み出した元凶であるR-TYPE世界の未来の26世紀地球には魔道工学が固有技術で、
しかも極めて高レベルと思われるものとして存在していると設定に。

R世界での地球の技術力に関して
22世紀
・小型戦闘艇での亜空間航法が実用化、後に単機での26世紀への時間航行すら行われる
・アステロイドバスターを端緒とする波動兵器の開発
・火星・木星などに科学研究拠点を作る程度には宇宙航行技術の発達
・後期にはビット・シャドウフォースなどのバイドを用いない人工フォースが開発される
26世紀
・後のバイドとなる星系内生態系破壊兵器の開発
・月サイズの物体を空間跳躍で他の星系内にピンポイントで転送できる転送技術
・暴発した星系内生態系破壊兵器を僅か150時間の暴走で異次元の彼方へ落とし込んだ次元兵器

これだけの技術を持ってして、次元放逐する事しかできなかったバイドって……どんだけ。
というか万が一の安全装置くらい作れ、26世紀人。
きっとこいつらマッドサイエンティストの集団に違いない。
ただバイドを異相次元へ封印、これは厳密には「26世紀の過去たる22世紀」ではなく「22世紀に酷似した平行宇宙」へ追放が正解かも。
これなら、バイドを造った「26世紀宇宙」の歴史にバイドが現れないし、26世紀宇宙と22世紀宇宙の相互交通に理由がつく。
なのはの生きてる21世紀地球(この場合21世紀地球が存在する宇宙)との関係の矛盾も解決できる。
この場合次元世界と平行世界は必ずしも同じではない(次元世界をY軸とするなら平行世界はX軸であり二つの軸の交わる点が21世紀地球)。
鍵を握るのは次元と魔法(魔道工学)、次回の話は真の意味での戦争になりそうで鬱だ……っていうかバイド汚染?
368なの魂の人:2008/02/11(月) 18:06:15 ID:PQ0Z8bMk
本編の合間に書いてた短編的なものが完成しました
投下しようかと思うんですが、大丈夫ですかね?

テーマは、「彼女は如何にして彼を『ちゃん』付けで呼ぶようになったか」
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 18:16:47 ID:9j0eHgur
早く!早く!
370なの魂の人:2008/02/11(月) 18:18:01 ID:PQ0Z8bMk
おk、今から投下します
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 18:18:20 ID:IbStqp+u
>>368
蝶見たいです
372なの魂:2008/02/11(月) 18:20:17 ID:PQ0Z8bMk
三時のおやつの時間も過ぎ、じきに夕日も昇ろうかという頃。
はやての部屋で、神楽は興味深げに車椅子を眺めていた。
フレームに手を這わせてみたり、車輪を突付いてみたり。

「カッケー。はやて、私もコレ乗っていいアルか?」

まるで新しい玩具でも見つけたかのように、目を輝かせながら尋ねる神楽。
彼女の後ろから、ため息混じりの声が聞こえてくる。

「いや、それカッコいいとかそういうものじゃないからね、神楽ちゃん」

振り返ると、部屋の入り口で両手一杯に洗濯物を抱えた新八が、呆れたような顔でこちらを見ていた。

「ごめんな、神楽ちゃん。私これがないと、どこにも行かれへんから……」

はやては苦笑しながらそう答える。
だが神楽は残念がる素振りも見せず、何を思ったか、すくっと立ち上がり、目の前で握り拳を作って見せた。

「じゃあ明日から私がはやての車椅子になってやるネ。だからソレよこすヨロシ」

「いや、意味わかんねーよ! 新しい口説き文句かソレ!?」

ガッツポーズを作る神楽の後ろから、新八のツッコミが飛んでくる。
彼女らがこの家に来るようになってから三日経つが、ここ最近はずっとこんな感じの騒がしい日常が続いている。
まるで自分の家にいるかのように振舞う神楽達の適応力の高さに感心しつつも、若干の戸惑いをはやては抱いていた。
家族と過ごした日々も記憶から薄れ始め、ずっと一人暮らしを続けていた彼女にとっては、このような団欒の時間は新鮮に感じられたのだ。
先に言った戸惑いというのも、けっして不快な物ではなく、むしろ彼女にとっては心地よい物に感じられた。

「……そーいえば、銀時さんは?」

ふと、疑問に思ったことを口に出す。
自分の世話をしてくれることになった万事屋。
その店主の姿が、先程から見当たらないのだ。

「ああ、銀さんなら……」

新八は再び呆れ顔をしながら、居間の方へ視線を向けた。
視線の先では、ソファーの上に寝そべり、仰向けのままジャンプを読みふける銀時の姿があった。



なの魂 〜第〇.五幕 子供は何でも知っている〜



「……とりあえず謝っとくよ。ゴメン」

「そろそろガツンと言った方がいいアルか?」

ジト目で銀時を見ながらそんなことを呟く新八と神楽。
しかしはやては、乾いた笑いを漏らしながら彼らを諭す。

「あはは……ええよ、そんなんせぇへんでも」

そんな彼女の声を聞いてか聞かずか、銀時が突然立ち上がった。
そのまま面倒くさそうに頭を掻きながら、廊下の扉へと向かっていく。
373なの魂:2008/02/11(月) 18:22:32 ID:PQ0Z8bMk
「オイ、新八。少し出掛けてくらァ。後頼むわ」

「え……ちょ、ちょっと銀さん!」

新八が引き止めようとするが、彼の言葉など馬耳東風と言わんばかりに、銀時は居間から出て行ってしまった。
そして少し遅れてから聞こえてくる、玄関の扉を開ける音。
新八はこめかみに握り拳を当て、深いため息をついた。

「はぁ〜……仕事を何だと思ってんだ、あのダメ人間……」

「銀ちゃんがマダオなのは今に始まったことじゃないネ」

両手を腰に当て、神楽もそんなことを呟く。
彼女の隣から、不意に声が聞こえてきた。

「……新八さん」

「うん?」

声のした方を向いてみると、はやてが俯き気味になりながら、膝の上で手を組んでいた。
「どうしたの?」と問いかけながら、屈んで彼女の顔を覗き込む。
何故か彼女の顔には、不安そうな表情が浮かんでいた。

「私……銀時さんに嫌われてんのかなぁ……」

ぽつりと、はやてがそんなことを呟いた。

「いつも無愛想やし……初めて会ったときも、あんま口利いてくれへんかったし……」

言葉を紡ぐごとに、はやての表情がどんどん沈んでいった。
事実、銀時はその仕事のほとんどを神楽や新八に任せ、自分は一人でぼーっとしていることが多かった。
たまに話しかけてみても、二言三言やる気の無い返事が返ってくるだけで、会話が続いたためしがない。
これはもう、自分は嫌われていると考えるしかないだろう。
だが、新八と神楽は彼女の言葉を聞いて顔を見合わせ、そして苦笑を漏らした。

「う〜ん……それは無いんじゃないかな……?」

「銀ちゃん、気に食わない相手なら一杯いるネ。でも嫌いな奴は一人もいないヨ」

「でも……」

「それにね」

なおも悲観的な意見を述べようとするはやてを、そっと制する。
新八は笑みを浮かべながら言った。

「本当に嫌いなら、こうやって毎日来たりしないよ、あの人は」

だがしかし、それでもはやては釈然としない様子で俯き続けていた。
そんなはやての態度に業を煮やした神楽が、彼女の後ろに回りこんで車椅子を押し始める。

「あんなマダオなんか放っといて、私達も買い物行くヨ、はやて。今日の夕飯はカレーがいいネ」

満面の笑みを浮かべながら、神楽ははやてと共に居間へと向かった。


374なの魂:2008/02/11(月) 18:24:28 ID:PQ0Z8bMk
「これで買い物は終わりアルか?」

夕日に包まれた街路を歩きながら神楽は問う。
買い物袋を抱えたはやては、頷きながら答える。

「うん、買い忘れも無いハズやし……あれ?」

そう言って、出がけに書いた買い物メモを取り出そうとスカートのポケットに手を入れたところで異変に気付いた。
無い。
あるはずの物が、ポケットに無いのだ。
神楽が不思議そうにはやての顔を覗き込む。

「どうしたネ、はやて? メモ用紙忘れてきたアルか?」

「あ……ううん。メモはあってんけど、家の鍵が……」

ポケットに入れていたはずの鍵が見つからないのだ。
幸い家では新八が留守番をしてくれているので、家に入れなくなるという事態は起こらないのだが、
この物騒なご時世、何処かの心無い人間に鍵を拾われて悪用されてしまっては、たまったものではない。
はやてはこめかみに指を押し当て、先程までの行動を思い返す。
確か、神楽と一緒にデパートまで行って、食料品売り場で色々物色して、カレーの材料を揃えて、
会計をするためにレジへ……。
と、そこまで考えてピンときた。
確か家の鍵は、財布を入れていたのと同じポケットに入れていたはず。
ということは……。

「……ああ! た、多分さっきお財布出した時に……!」

慌てふためくはやて。
神楽は彼女を宥め、来た道を引き返す。

「私探してくるネ。はやてはここで待っててヨ」

そう言って早々に駆け出す神楽。
はやてが神楽を引き止めようとした時には、彼女の姿は既に曲がり角に消えていた。



時間にして十分くらいだろうか。
道の真ん中で、流れる雲をぼーっと見ていたはやてに、小さな衝撃が襲い掛かった。
しまった。せめて隅の方によっておくべきだった、と彼女は思ったが、時既に遅し。

「オイ嬢ちゃん。何ボーッとしてんだコルァ」

「あイテ。ヤバいわコレ。絶対折れたわコレ」

「オイオイどーしてくれんのコレ。兄貴の足が使い物にならなくなっちまったじゃねーか」

どこの世界にも道理の通らない馬鹿はいるものである。
丈の長いズボンを引き摺り、首元の伸びきったシャツをだらしなく着た、見るからに頭の弱そうな男三人が
いつの間にかはやてを取り囲んでいたのだ。
どうやら、先程の衝撃は彼らがはやてにぶつかったことによるものらしい。

「あ、あの……その……えっと……」
375なの魂:2008/02/11(月) 18:26:05 ID:PQ0Z8bMk
怯えながら男達を見上げるはやての様子に、男の一人が下卑た笑みを浮かべる。

「オーイ、謝って済まそうってのはナシだぜ? 慰謝料払えよ慰謝料。
 黙って払やァ痛い目には会わせねェからよォ」

「で、でも私、そんなお金なんか……」

生憎、手元の財布には千円札が数枚しか残っていない。
こんなものでは許されないだろう。
かといって、キャッシュカードなんかを渡すわけには絶対にいかない。
ほとんど涙目になって目を泳がせるはやて。
彼女の背後から、突如咳払いのようなものが聞こえた。

「あ、あー……スンマセンねェ、お兄さんがた。ウチのバカ娘が迷惑かけたみてェで」

驚き、声のした方に目をやる。
いつの間に、という考えより、何故こんな所に? という考えが先に頭を過ぎった。
はやての視線の先には、ヘラヘラとした笑みを浮かべた銀時が立っていた。

「なになに? アンタこのガキの親御さん?」

「ダッセェカッコだな。親が親なら子も子ってか」

周りの男達はくぐもった笑いを上げる。
しかし銀時は、彼らの罵詈雑言など気にも留めず、無言のままはやての車椅子のグリップを握った。

「いやホントスンマセンでした。じゃ、俺ら忙しいんでコレで」

そう言い残し、はやてを連れてちゃっちゃとその場を去ろうと、銀時は男達に背を向けた。
だが、銀時が一歩を踏み出す前に、彼の肩が凄まじい力でつかまれた。
やめておけばいいのに、男達がなおも銀時に言い寄ってきたのだ。

「オイちょっと待てや」

「こンまま何もしねーでトンズラこく気か?」

「あー、何? まだ何かあんの?」

疎ましそうな表情をして、肩に乗せられた手を払いのける。
はやてが心配そうな表情でこちらを見ていたが、そんなことも気に留めず、銀時は腕を組んで目の前の男三人を見据えた。

「誠意ってモンを見せろってんだよ、誠意をよォ」

「金持ってんだろ? とりあえず五万で勘弁してやらァ」

ヘラヘラと下品な笑いを上げながら男達は口々に捲くし立てる。
銀時は面倒くさそうに頭を掻いた後、はぁ……と大きなため息をつき、

「あー、ハイハイ。金ね。こんな感じでイイすか?」

一人の男の肩を掴み、股間に強烈な膝蹴りを叩き込んだ。

「ごふぅ!?」
376なの魂:2008/02/11(月) 18:28:06 ID:PQ0Z8bMk
嗚咽を漏らしてくずおれる男。
取り巻きの男達がすぐさま彼の側にやってくる。

「あ、兄貴ィィィィィ!!」

「何さらしてくれとんじゃワレェェェ!」

股間を押さえて痙攣を起こす兄貴と呼ばれた男を背に、もう一人の男が銀時の前に立ちふさがった。
しかし銀時はなんら悪びれる様子も無く、

「何ってオメー、お望み通り『金』喰らわしてやっただけだろーが。残り49999発な」

「なめてんじゃねェぞボケェェェ!」

「タダで済むと思ってんじゃねーぞテメェらァァァ!!!」

ズボンのポケットから小型のナイフを取り出し、銀時に襲い掛かる男達。
はやては顔面蒼白になりながらその場に凍りついた。
恐怖のあまり、声すらも出せなかった。
だが、銀時は違った。

「……テメェ『ら』?」

眉をひくつかせ、目の前に迫る男達を見据える。
直後に突き出される二つの刃。
しかし、それは銀時に突き刺さることなく空を切った。
同時に、二人の男の首が恐ろしいまでの力で締め上げられ、身体が宙に浮いた。
苦しさのあまり男達は手足をバタつかせ、そしてナイフを取り落としてしまった。

「オイ、忙しいっつったの聞こえなかったか、坊主ども」

必死の思いで視線を下に向け、男達は恐怖した。
こめかみに青筋を浮かべ、鬼のような形相をした銀時を見てしまったからだ。

「なァオイ。袴だろーがズボンだろーが、ルーズに決めんのは結構ですけどね。
 ……年端もいかねェ無力な嬢ちゃんに手ェあげるつもりたァ、どういう了見だィ、お兄ちゃん達」

その辺のチンピラなら裸足で逃げ出しかねない威圧感を見せつけ、

「……服はルーズでもさァ……人の道理はキッチリしやがれェェェェェ!!!」

銀時は二人の男を投げ飛ばした。
まるでボールのように男達の身体は宙を舞い、かなりの距離を飛翔した後、地面に滑るように落着した。

「ひ、ひィィィィィ!」

「な、何なんだよあのオッサン!」

顔を引きつらせながら後退る二人。
最初に悲鳴をあげた男が慌てて立ち上がり、転がりそうになりながら駆け出す。

「知るか! とにかく逃げ――」
377なの魂:2008/02/11(月) 18:30:01 ID:PQ0Z8bMk
男の言葉が途切れると同時に、再び彼の身体が宙を舞った。
そのまま男の身体は、近くにあった電柱に激突する。

「三郎ォォォ!!」

最後に残った男が、半ば悲鳴に近い叫びを上げる。
同時に何者かが男の胸倉を掴み上げた。
ガチガチと奥歯を鳴らしながら、恐る恐る前を見る。

「オイ……アタイの妹分に手ェ出して、タダで済むと思ってんじゃねェだろーなァ?」

瞳孔が半分開いた神楽が、ドスの利いた声で男を睨みつけていた。

「オラァァァ! ズボンを上げろボケェェェェェ!!!」

背後から聞こえてくる銀時の怒鳴り声を最後に、男の意識は闇の中へと飲まれていった。



夕焼けの中、銀時は無言ではやての隣を歩いていた。
同じように神楽も無言ではやての車椅子を押し、そしてはやても無言のまま帰路を進んでいた。
なんとなく居た堪れない気持ちになり、はやてはチラチラと銀時に視線を向ける。
だが銀時は、彼女の視線に気付いてないのか、それとも気付いていてわざとそうしているのか、
はやての方を見ようとはしなかった。

「……あの……銀時さん……」

勇気を振り絞って、彼を呼んでみる。

「あァ?」

返ってきたのは、いつも通りの無愛想な返事。
それでもめげずに、はやては言葉を続ける。

「その……色々迷惑かけたみたいで……ごめんなさい……」

最後の方は、ほとんど蚊の鳴くような声だった。
ちゃんと彼に聞こえたかどうか分からない。
不安になりながらも、ずっと銀時の横顔を見続ける。

「……あーあー、ホント迷惑だよ。何でこんな仕事受けちまったのかねェ」

銀時はしばらく口篭った後、そう呟いた。
ずきりと、胸を針で刺されたような痛みが襲い掛かる。
――やっぱり、嫌われてるんだ……。
俯き、言葉を失う。

「……でもまァ……嫌いじゃねーけどな。こーいうのも」

不意に苦笑混じりのそんな言葉が聞こえた。
同時に、はやての膝の上に何かが落ちてきた。
何気なしに拾い上げてみる。

「あ……」

それは、長方形のビニールに包まれた、小さな布のストラップだった。
根元部分には、可愛らしい犬のマスコットがちょこんとくっついている。
はっとした表情で、はやては銀時の方を見た。
378なの魂:2008/02/11(月) 18:31:42 ID:PQ0Z8bMk
「たいしたモンじゃねーよ。パチンコの景品だ」

そう言って彼は、笑いながら肩を竦めた。
会話はそこで途切れた。
いつも通りにやる気の無い言葉を吐き、いつも通りにすぐに会話が終わって……。
そう、いつも通り。
ふと、新八の言葉が脳裏を過ぎった。

(本当に嫌いなら、こうやって毎日来たりしないよ、あの人は)

そうだ。
本当に嫌いなら、毎日家に来たりしない。
本当に嫌いなら、自分のことを助けてくれたりはしない。

(ああ……そっか……)

これが、いつも通りなんだ。
無愛想で不器用で、でも優しい。
それが、いつもの彼なんだ。
きっと今までも、自分のことを嫌ってあんな態度をとっていたわけじゃない。
新八や神楽と同じく、いつも通りの姿を自分に見せてくれていただけなんだ。

「…………」

はやては無言のまま、銀時の着物の袖をそっと摘んだ。

「ん?」

銀時は不思議そうな目ではやてに視線を向ける。



――それやったら……私も、いつも通りでいってもええよな?

「……今日はありがとうな……銀ちゃん!」

頬を少しだけ赤く染めながら、はやては満面の笑みを浮かべる。
銀時もつられるように、僅かに口の端を緩めた。

今日の夕日は、いつもより少しだけ綺麗に輝いているように見えた。
379なの魂の人:2008/02/11(月) 18:34:05 ID:PQ0Z8bMk
以上で投下終了です
本来なら第一幕にもって来るべきだよね、この話

本編の合間とか言ってたけど、実は本編の制作が難航しているという罠
四月迎える前には無印編終わらせたいぜ……!
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 18:36:46 ID:AfSiVcWy
ちょwww
はやてかわええwww
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 18:38:25 ID:/OVLRmZ7
はやてのかわゆさに鼻血ふいた
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 18:38:32 ID:KvAANAXj
GJ!すっげぇ銀さんらしいわwwww
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 18:40:25 ID:9j0eHgur
GJ
これはメガミの漫画版な感じですね。
384StS+ライダー:2008/02/11(月) 18:51:17 ID:iG8324X/
GJ
かっこいいぞキバット(違
しかしキバット(っだ違う)とはやてが結ばれたらやはり周囲から変な目で見られるんだろうか…
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 18:55:52 ID:OZ+SPJ2s
イヤッホゥ―――!!!
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 銀さん!はやて!銀さん!はやて!
  (  ⊂彡
   |   |
   し ⌒J

GJッス! はやて可愛いすぎるよはやて
万事屋メンバー(主に銀さんと神楽)の影響でドメスティックになったはやても可愛いが
幼い(精神的に)時のはやてもまた可愛ぇえ
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 19:04:18 ID:IbStqp+u
GJ!
あ…あれ?
おかしいな。俺なのは派だったはずなのにはやてがすごい可愛く感じるですよ?
あなたが神か。
あぁ! もう、はやて可愛いよはやて

しかし毎度毎度この銀時、ツンデレである。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 19:05:54 ID:hYXk979x
GJ!
キバットと同じ中の人だから
ねぼけてガブっと噛み付いてしまい(誰にとは聞くな
ツッコミで銀さんが半殺しになるわけだな?

>>384
はやてが3代目キバになるのかw
388Strikers May Cry:2008/02/11(月) 19:14:34 ID:rS+j5ugC
何だ…この胸の奥に感じる温かいモノは……これが“萌え”なのか?
俺に言える事は唯一つGJ、ただそれだけだ。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 19:19:36 ID:AjTttOR0
魂の人GJ!
ほんまおもろいわ〜。
ゴキブリパニックは書きますか?
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 19:30:51 ID:sKQ/hlZX
イヤッホゥウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!(AAry
なの魂氏GJ!!いいよコレスゴイいいよこの感じ!!
ホントこのマダオと嫁さん(仮)の二人は清涼剤やで〜!!
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 19:39:23 ID:0lg9Njp7
なんて奴だ……!!も、萌えすぎる!!ヤベェ、ヤベェよ兄貴……
俺はなのは派なのに弱い考え(はやて萌え)しか浮かばねぇ―――!!
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 19:40:31 ID:4din/8ld
はやて可愛いべえ
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 19:49:57 ID:1v1ECS98
なの魂GJ
銀さんかっけえよ、はやてかわいいよ。
もうサイコーでした。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:03:51 ID:dBNNcYNj
>>388
萌えではありません。ヌクモリティです
もういっそ、ずっとこの路線で突き進んで欲しいぜ…!

>>393
なの魂氏が投下するたびにageてるみたいですが、いい加減sageを覚えたらどうですか?
投下するたびに板のトップにもっていかれるのは、案外プレッシャーになるものですよ

と、元物書きが言ってみる
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:17:25 ID:m29W2mpL
GJでした〜!
銀さんと幼女の組み合わせがいちいちツボる!
もうなのはやらフェイトやらはやてやら、世話焼きたがりそうだしな〜。
おかあさんな幼女ズも見たいものだw
本編もそろそろ盛り上がり所ですし、がんばってください〜!
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:20:01 ID:lu5Ojj8u
ちなみにフェイト派の俺はまったく萌えなかったぜ









ホントダゾ
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:20:27 ID:71UZSPpA
やべえなの魂見ながらチョコ食ってたら
鼻血出しちまった…。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:32:29 ID:OZ+SPJ2s
そういやそろそろバレンタインだな
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:33:17 ID:p8sVuana
そういえば闇チョコ企画ってどっかのスレにあったような
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:34:57 ID:YraXkVKH
うお〜!大人版はやてと銀さんの夫婦漫才が見て〜!
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 20:38:50 ID:2/ugpGiH
銀さんはロリコンではありません、何故かって?
彼はあくまで「惚れられる側の人間」だからさ。
402赤字:2008/02/11(月) 20:41:16 ID:csdyLEpL
フェイト至上の俺には全然効かないぜ!

はやて可愛いよはやて(´∀`*)ウフフ

……あれ?
403反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 20:46:31 ID:9AnKZ9wR
…申し訳ねぇ…こんなGJはやてが投下された日に、自分はあんなはやてを書いてるなんて…申し訳ねぇにも程があるよ…

ともあれGJ!
404戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:23:19 ID:1jBzTDs+
最近スレの投下ペースが速くなったり遅くなったりだなぁと思う俺。
全力全開のガンダム達によるギャグだったりダンテとフェイトの微笑ましい日常だったり
ちょっと切ないアルフだったりはやてがかなり可愛かったり(ry
ともかく職人の皆様GJでございます。

っと、道が開いているのならば30分ぐらいにモンハンクロス投下いいですかね?
自宅警備員二号の話ですが(何
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 21:26:07 ID:0MJFUsSR
ダメニート?支援
406リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/02/11(月) 21:27:12 ID:ZKuQfTZ/
職人の皆様GJです
あれ、何でだろう。皆さんのSS読んでたら、LPが天井知らずに回復していってる気が(ry

>>404
さあHURRY! HURRY!

…でしたら俺は10:30頃にでも投下予約します
407反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 21:29:25 ID:9AnKZ9wR
>>406
何か今日は無理言ってホントすいませんでしたァァァァァァァァ!orz

そして戦国氏支援
408戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:31:33 ID:1jBzTDs+
時間になったみたいだから投下したいと思います。
409戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:32:14 ID:1jBzTDs+
魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER

第十三話「黒龍伝説」

アギトを飲み込もうとしてその不気味な姿を現した飛竜「フルフル」。
フェイトは写真を通じてみたことはあるがやはり間近で見るとかなり不気味。
キャロ達はまさに未知との遭遇を感じている。体が凍ったかのように動かない。
目のない顔をずっとこちらに向けてきている。そして身を屈め、飛び出した。

「来るぞ!!」

ゼクウの言葉にハッとした皆は四方八方にステップして回避。
フルフルは地面に降り立ち、顔を動かして臭いを探っている。その姿も不気味。
ぐるりとゼクウ達の方に顔を向ける。だが、見ていない。
しかし顔はまっすぐゼクウ達を捉えていた。

「皆…準備はいいか。行くぞ!!」

ゼクウが先陣を切って飛び出した。対するフルフルは咆哮を上げる。
410戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:32:54 ID:1jBzTDs+
奇怪な声を上げて突進してくるフルフルの巨体を回避、キングテスカブレイドで一番攻撃が入りやすい首の箇所を攻撃。
当たりはしたのだが手ごたえがあまり感じられない。肉質がブヨブヨしているものだから並大抵の攻撃では衝撃を中和されてしまう。
だったら?……手は一つ。『中和できないほどの衝撃を与えればいい』。たったそれだけだ。
絶大な破壊力。それはゼクウが愛用する大剣のメリットの一つ。速さを捨て、その一撃だけに全てを注いだ単純にて奥が深い武器。
腕が光り、鼓動が早くなる。
―一撃は、無防備なその頭に振り下ろされる。

「波ぁっ!!」

刃は肉に抉りこむことはなかったが、頭の内部に振動と衝撃を叩きつけた。
よほどの衝撃だったのか、頭を上げたフルフルは反撃せず、フラフラとよろめいている。
これも極限まで体を鍛え驚くべきほどの体の丈夫さ、力強さを生み出した狩人だからこそ成せる業か。

「おぉぉおぉぉぉぉぉぉっ!!」

続いて振り下ろされたのはエリオのストラーダ。
細身の刀身がブヨブヨの皮に傷をつける。それだけで皮と肉を切り裂くことは敵わなかった。
エリオはスピード主体の戦闘スタイルでおまけにフルフルには電気も通じない。
ガジェットや今まで戦ってきた敵とは何もかもが違いすぎる。そして、調子がどこかで狂わされる。
エリオはらしくない舌打ちをしてフルフルを見据える。
と、ここでやっとフルフルは動き出した。数回、エリオの方に足踏み。すると急に二歩踏み出して首を突き出した。

「伸びたっ……!?」
「エリオ!!」

フルフルの首が伸び、エリオを捕らえようと迫る。
しかしエリオは跳んで首にストラーダを刺した。肉を切り裂くという不快感がどうしても拭えないが今はそれどころではない。
ともかくこれでちょうどちゃんとした攻撃となったわけだ。すばやく距離を取り、離れた場所へ着地。

「はぁぁぁっ!」

そして次はフェイトのハーケンスラッシュが縮みきってないフルフルの首に直撃した。軽く悲鳴に似た泣き声を上げる。
次に飛び出すのは先ほどの動作の間にアギトとユニゾンしたシグナム。
手にするレヴァンティンにはすでに炎が纏っていた。

「飛竜一閃!」

フルフルを襲うは放たれた業火。さすが弱点属性の攻撃だからか、ダメージが大きいように見える。
必死になってのた打ち回り火を消そうとしている。
だが、そのフルフルに追い討ちが。

「フリード!ブラストフレア!」
「キュクルー!」

火達磨になって暴れるフルフル。壁に体を打ちつけ、のた打ち回り。
火を消そうとしている姿を見ていると何故かこちらまで顔を歪めてしまう。胸の中には不快感。
しばらくすると体のあちこちが黒くなったフルフルが立ち上がり、白い吐息を漏らす。

「オゴォォォォォォォアァァァァァァァァァ!!」

辺りに響くのは大音量の咆哮。
411戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:33:30 ID:1jBzTDs+
その音量は、大きすぎる。そして長い。その場にいた全員が耳を塞いだ。
しかし耳をふさいでも少しも音量は下がる気配はなく、結局は塞いでも塞がなくても変わらないんじゃないか、とまで思い始めた。
目を開けるとゆらぁり、ゆらりと迫り来る巨体。キャロとフリード以外、皆急いで武器を構えて飛び出すが、それが命取り。
尻尾の先が突然広がり地面に繋げ、自分は低く構える。ゼクウはその動作を知っているため止まろうと思ったが、遅かった。
体中から蒼白い光が放たれる。フルフルの攻撃の中で危険な攻撃に分類される放電。稲妻が体から発せられる。
悲鳴を上げる間もなく吹き飛ばされ、地面に叩き付けられた。

「み……皆……」

助けようと動き出したキャロとフリードの方へとフルフルの顔が向く。
口の中には先ほどよりも蒼白い光が溜まる。他の皆は電撃を直撃して、麻痺していた。つまり今のキャロは無防備。
雷のブレスを吐いた。が、速度は遅くそんなに大きくもないため避けようとした。
刹那、そのブレスが三つに分かれて一つがキャロの体に直撃。

「あ…あっ…ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

突然体中を駆け巡る言いようの無い痛み。後から襲う痺れ。
今まで味わったことのない痛みに目には涙が溢れ、麻痺で体がピクン、ピクンと痙攣している。
皆が自分の名前を叫ぶが聞こえない。感じるのは痛みのみ。
ゆらりとフルフルがキャロに近づき、そこに横たわるキャロの存在を確かめるべく臭いを探る。
時折滴り落ちる酸性の唾液がバリアジャケットをほんの少し溶かした。
皆は動けない。だが、一人の男は違う。

「今この時に使わなくて……いつ使うんだ…。」

フェイト達と同じように麻痺で動けないはずなのに、手が動く。鎧の背中に手をかける。

「今一度…俺は狂おうじゃないか…。」

取り出したのは竜を模した形の兜。それをゆっくりと、頭に被る。
被ると、力が抜けてしばらく停止した。
フルフルがキャロの小さな体を飲み込もうとした時、大きな衝動が辺りを駆け巡る。
同時に響く、男の咆哮。

「おぉぉぉぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

男、ゼクウの咆哮は普段の彼の声とは違っていた。それはまさに竜の咆哮……否、
ゼクウと竜の咆哮が重なって響いていたのだ。容姿は、全身漆黒の竜の如き鎧。「ドラゴンS」のフル装備。
412戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:34:45 ID:1jBzTDs+
―数多の飛竜を駆遂せし時 伝説は蘇らん
「でぇぇえぇぇぇぇいっ!!」
キングテスカブレイドを”片手で”振りかざし、フルフルを吹き飛ばした。かなり先へ、そして壁へ。

―数多の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時 彼の者は現れん
「つおおおおおおおおお!!」
壁に叩きつけられても尚、キングテスカブレイドで斬りつけ…否、殴りつけると言った方が正しいだろうか。
鈍い音が辺りに響く。壁が破れ、壁の向こう側にフルフルが飛ばされても、追う。

―その者の名は 宿命の戦い その者の名は 避けられぬ死 
喉あらば叫べ
 耳あらば聞け
  心あらば祈れ
「でぃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ヒーローというにはあまりにも禍々しく、悪というにはあまりにもらしくなくて。
だったら今目の前にいるのは誰なのか。

―天と地を覆い尽くす 彼の者の名を
「我………断つ……!!」
キングテスカブレイドの刀身から業火があふれ出し、包む。
狂った狩人と化したゼクウの辺りには魔力とは違う言いようの無いオーラ。
低く呻き声を上げるフルフルのその巨体、その上半身、そしてその首に地獄の業火を振り下ろした。…一つの命が、散った。
「ハァ…ハァ…オォォォォォォォォォォォォォッ!!」
気高く吼えるゼクウを見て皆は確信する。今フルフルを狩ったのは竜。漆黒の体を持つ、黒龍。


             彼の者の名は ミラボレアス
413戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:35:20 ID:1jBzTDs+
フェイト達の胸に渦巻くのは恐怖か、それ以外の何かか。
麻痺が解けたのも忘れゼクウの戦いに見入っていた。これが狩人の戦い方か、と。
刹那、崩れ落ちるゼクウ。

「ゼクウさんっ!」

先ほど感じていた何かを忘れゼクウへと駆け寄り、急いで容態を確かめるべく顔を見る。
やけにだるそうな顔をして苦笑していた。それ以外おかしいところは見当たらない。
数回咳をしてから何事もなかったかのように立ち上がると兜を拾い、何事もなかったかのように話しかける。

「すまないな、俺としたことがヤケになってしまったらしい。さ、報告してさっさと合流しよう。」

いつもどおりの笑みを浮かべ、いつもどおりの態度で接する。
最後まで不信感に思いつつも本部に戻ることにした。ちゃんと終わったらシャマルに診てもらおうと。
ゼクウは血が付いた手の平を隠しながら、皆の隣を歩く。
いきなり後の話になるが、シャマルに診てもらったは診てもらったのだが何も異常は無かったという。
ゼクウ・ローレン。ジェイ、スカリエッティの三人の中で唯一『黒い伝説』と戦い、勝利した男。
414戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 21:37:28 ID:1jBzTDs+
投下終了です。
モンハンって気づけばすっ飛んだ設定の武具が多いよなぁ。と思う。
次回は自宅警備員一号ことジェイとスターズ小隊のお話でございます。
では、これにて失礼。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 21:39:46 ID:EFxVRYI6
ウホッ・・・いいトラウマが・・・
やめて怒り咆哮雷ジャンプ即死ああああ・・・

GJ

そう言えばモンハンって漫画化されるんだよね・・・
あのワンピによく似た絵の人で・・・
416反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 21:41:44 ID:9AnKZ9wR
GJ! ゼクウの小野ボイスが自然に再生されましたぜ! しかしなんという悪を断つ剣www
親分、ミラボレアスに勝ったのか…あれ相当強いって弟が言ってたなぁ…
ちなみに自分は未プレイ。ゲームはストーリー目当てで買う派でして…申し訳ないorz
417魔装機神:2008/02/11(月) 21:44:47 ID:T2/eSlpx
GJ!!
自分がモンスターハンターはしておらず、セカンドGkら始めようとしているのですが、いろいろと設定があるみたいですね。
さて、10時10分くらいに投下よろしいでしょうか?
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 21:45:45 ID:+nzENvtC
真島ヒロだっけたしかフェアリーテイルとか書いてる人、あと戦国氏GJ!!フルフルなんか全身リオソウルUでゲキリュウノツカイで神風特功すれば大猪以下ですよ。
419リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/02/11(月) 21:48:23 ID:ZKuQfTZ/
GJです
フルフル…ボウガン使いだった俺にはトラウマしか…
しかし、ミラボレアス打ち倒したとは…親分凄い…

>>417
多少早いですが支援
420戦国の鉄の城:2008/02/11(月) 22:01:37 ID:1jBzTDs+
これにて失礼と言ったくせに感想にお礼を言いつつ返そうと思う。

>>415
ですよねー(汗
とくに二体同時とかはもう…
あー、らしいですね。読む気はありませんg(ry

>>416
下手すると一撃うくらっただけで死んでしまうカオス。
「俺のキャラ使うならあの人をモデルにしてくれ!」とか言われましたから。
モンハンはストーリーほぼないに等しいですからねー。
仕方ないといってしまえば仕方ないのかも。

>>417
設定あるといえばありますよー。
例えば作中で出てきたドラゴンSの頭装備なんかは「居もしない黒龍の視線に怯え狂死した使用者も」
とか物騒なもん書いてますから。ストーリーはありませんが。
んで、支援。

>>418
確かRAVEも書いてましたねー。
リオソウルUはともかくゲキリュウノツガイができないorz

>>419
高級耳栓使えばなんとか……。
そういう設定です。…ジェイどうしよ(オイ

では、本当にこれにて失礼いたしやす。
421スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 22:05:32 ID:kRbiU7+V
職人の皆様まとめてGJでした!
特に反目さんのあれは笑えた。腹筋が壊れてしまった。
しかし露骨にSMCの事を話すとは…。やりますね。
しかし、俺がいない間にどういうGガンダムクロスになるかすごい事になってますな。
まあ、あくまでどうするかはわかりませんが恐らく皆様が期待しているような事にはならないと思います…。
422魔装機神:2008/02/11(月) 22:10:03 ID:T2/eSlpx
投下します。

FLAME OF SHADOW STS 20 その日、機動六課 後編A(地上本部ルート)

「間に合ったようだね」
なのははスバルからレイジングハートを受け取り、スバル達から話を聞く。
エリオたちも既に別の場所でフェイトと合流している。
合流する途中、ウルは元の世界の敵と、ヨアヒムはいち早くなのはたちにデバイスを渡すために、
二人の戦闘機人に一人で戦っている事をスバルから聞く。
それを聞いて、なのはは今度を事を速やかに思案する。
「私はウルさん、スバルとティアナはヨアヒムさんの援護。大丈夫だよね?」
ヴィータたち副隊長陣も既に迎撃に出ていて、現在はガジェットとの戦闘、そして何か起こったときのために周囲を警戒している。
こうして、スターズ分隊は行動を開始した。
そして、これから高町なのはに最悪の事態が待っている事に、本人はまだ知るよしもない……

その中、スバルはヨアヒムの所へ向かいながら、なにか奇妙な感覚を感じたのだ。
なんなのだろうか、この感覚は……
「どうしたのよ?」
そんなスバルを気にかけてティアナは尋ねるが、なんでもない、と前を見る。
しかし、この不安感のようなものが抜け切らないのだ。
もしかしたら……
(ギン姉の身に何かあった?)
そう思いながらも、二人はヨアヒムのところへ向かう。
しかし、そこにはさっきの戦闘機人はおらず、ヨアヒムとガジェットの残骸が散らばっているだけだった。
「大丈夫ですか?」
二人はすぐにヨアヒムのところへ向かうが、ヨアヒムはおいっす、と全然平気そうな顔で二人を見る。
どうやら心配はないようだ。
「それで、さっきの戦闘機人は?」
ティアナが尋ねると、ヨアヒムはさっきの事を話す。
二人と戦っている最中に、敵がその二人に通信をしていたと話す。
「確か……もう一人のタイプゼロが何とかかんとか……」
ヨアヒムはよく聞き取れなかったようだが、タイプゼロ、という言葉が聞こえた瞬間、有無を言わさずスバルは駆け出した。
考えるよりも先に体が動いたのだ。
「ちょ、ちょっとスバル!?」
ティアナはそれを止めようとするが、それを聞くこともせずにスバルはある場所へと向かう。
そんなスバルを見て、全く……とため息を付くティアナ。
場所は知っているのだろうか……
「スバル、あんなに急いで一体どうしただらか?」
ヨアヒムは事情が読み込めず、?と首をかしげる。
そういえばまだあの事を言ってなかった事をティアナは思い出す。
「それは後で話すから、さっさとスバルをおいかけるわよ」
そう言ってヨアヒムをせかすティアナ。
しかし、徒歩である自分達とマッハキャリバーで移動するスバル。
追いつけないのは明白だった。
そんな時、ティアナはふと見つけた。
転がり落ちていて、運よく鍵も付いて、どうもパクってくださいといわんばかりに放置されてあるバイクを……
423反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 22:13:45 ID:9AnKZ9wR
>>421
よく見ると仮面がたくさん出てくるSSと今日投下された銀の字のSSにも触れてるよ! 楽屋裏ネタ万歳!(ぇ

そして支援。
しかし、無念…これより戦線を離脱するッ!
424魔装機神:2008/02/11(月) 22:14:28 ID:T2/eSlpx
「戦闘機人……」
ギンガは目の前にいる小柄な少女をギンガは見る。
彼女は以前にスバル達と一緒の任務についているときに見かけた瀬kガンの少女だ。
しかし、その様子がおかしい。何か、少し驚いている顔をしていた。
「驚いた、やはり似ているな」
少女の言葉の意味が解らないが、ギンガは構える。
しかし、次の少女の言葉にギンガは驚く。
「まさか、タイプゼロと8年前のあの事件にいた局員が似ているとはな」
その少女、チンクの言葉にギンガははっとする。
8年前、そして自分に似ている女性……
「その女性は、こんなナックルを持ってなかった?」
まさか、と思いながら、ギンガは左腕を少女がよく見えるように見せるように伸ばす。
それを見て。少女の顔はさらに驚くような顔になっていた。
そして、ギンガはやはり、といった顔だった。
間違いなく、彼女は8年前、自分の母であるクイント・ナカジマが死んだ事件の事を知っている。
「母さんの事で何か知ってるようね、洗いざらいしゃべってもらうわよ」
ギンガは先手必勝とばかりにチンクに襲い掛かる。
やっと、やっとあのときの、母さんが死んだ謎が明らかになる。
そう思うと、自然に力が入った。
(父さん、スバル。もう少しで解るよ。あの事件の真相が……)
しかし、ギンガはそのことで頭がいっぱいで、横から来る何か気が付かなかった。
「でえりゃあぁぁーーーー!」
突然の声にはっとしたギンガだが、時既に遅く、突然自分を襲った何者かが襲ってきた。
「もう一人!?」
ギンガは攻撃を避け、少しでも冷静さを失ってた事を悔やみながらその方を見る。
そこには、ナックルとローラーをはいている、自分と戦闘スタイルが似ていそうな少女だった。
「IS、ランブルデトネイター」
その瞬間、無数のナイフがギンガを取り囲むように出現し、いっせいに襲いかかる。
「く!」
それを見たギンガは急遽シールドを張る。
しかし、ナイフがシールドに触れたと思った瞬間、それは爆発した。
それを驚く目でギンガは見る。
あれは、確かウルと言う人物が受けたもの。
そう思ったとき、シールドがすべてを受けきれずに破壊される。
そして、残ったナイフが容赦なくギンガをおそった。
「ああああーーーーー!!!」
ナイフによるダメージと爆発によるダメージ。
二つのダメージはギンガの肉を切り裂き、焼く。
その痛みに、ギンガは絶叫を上げた。
すべての攻撃が終わった後は、ギンガのバリアジャケットはぼろぼろで、その肌も何箇所も黒ずみ、血が出ているところもある。
「あ……ぐ……」
その痛みに、ギンガは声も出す事ができず、かすれた声を上げる。
そかし、チンクもふぅ、と大きく深呼吸をする。
隙を見たとはいえ、かなりの数のナイフをつくり、そのすべてにISを使うのは流石に疲れる。
しかし、今ここで決定的なダメージを与えておかないと、連れ去るときに抵抗されると厄介だ。
「ところでノーヴェ、ウェンディはどうした?」
その時、チンクは始めてその少女、ノーヴェを見る。
しかし、そこにはウェンディも居るはずである。
一体彼女はどうしたのだろうか
「あいつは今足止めを受けている。その間にさっさとあいつを倒すぞ」
そういってノーヴェは構える。
しかし、ノーヴェの言葉にチンクは疑問を浮かべる。
なにかいつものノーヴェとは違う。なにかがおかしい、と瞬時に察したのだ。
そしてノーヴェを見て、はっとした。
まさか……
425魔装機神:2008/02/11(月) 22:16:25 ID:T2/eSlpx
「ん?どうしたんだよ?」
そんなチンクを不思議そうに思ったノーヴェは尋ねるが、いや、とチンクは再度ギンガを見る。
とにかく……
「早く終わらせるとしようか……」
そういってもう一度ランブルデトネイターを出すチンク。
それを見たギンガはく、と回避しようとするが、さっきのダメージで足をやられたようで、上手く動かせない。
自分はここまでなのだろうか……
「え?」
しかし、ランブルデトネイターは、何故かノーヴェの周囲に展開されたのだ。
それを見て驚くノーヴェ。
ギンガも不思議な表情を見る。
「ど、どういう意味だよチンク!?」
ノーヴェは怒りの目でチンクを見るが、やはりな、とチンクはノーヴェを見る。
「チンク姉だ」
「は?」
いきなりのチンクの言葉に、首をかしげるノーヴェ。
「本物のノーヴェは私の事をチンク姉と呼ぶ」
その言葉にち、と舌打ちするノーヴェ。
そう、このノーヴェはノーヴェではない。
おそらく誰かが化けた偽者だ。
「おそらく、他の姉妹達とのやり取りしか見ていなかったのだろうな」
そう、ノーヴェはチンクには他の姉妹とは明らかに態度を変え、懐いているのだ。
だから、他の姉妹と接しているときのノーヴェの真似をしてもすぐに見破れたのだ。
「妹に変装して私を欺こうとしたか。残念だが、私には通じない」
そういうと、チンクの表情は怒りへと変わる。
「お前には妹を侮辱した。罪を償ってもらおう」
それと同時に、ランブルデトネイターは偽ノーヴェへと向かう。
しかし、偽者はくすっと笑みを浮かべ、あせる様子はない。
「確かに、これは私のミスかな?」
そういったとたん、ノーヴェの顔でくすっと笑みを浮かべて、周囲から炎が撒きあがった。
そして、ひときわ激しい炎と共にノーヴェは消え、ナイフを誘爆させる。
仕損じたか、とチンクは周囲へ気配を探る。
やつはおそらく変装を得意するもの、気をつけなければどこから来るかわからない。
「なかなか勘が鋭いわね、お嬢ちゃん」
すると、ギンガの隣に、管理局局員の制服でもなく、かといって自分達のようなナンバーズの戦闘スーツでもない。
白い衣を羽織ったチンクとは対照的に、大人っぽい女性が立っていた。
「敵を欺くにはまず味方からって言うけど、ごめんなさいね。ここまで怪我をさせて」
本当に申し訳なさそうに謝る女性を、ギンガは見覚えがあった。
確か、烈火と言う少年からでてきた……
「る…塁さん?……」
傷だらけになりながらも、ギンガはゆっくりとたちあがり塁を見る。
正直、もうたちあがるのが限界だ。
「大丈夫?もうすぐ仲間が来るはずだから」
塁はそういうが、意外とすぐにそれは訪れた。
「ギン姉!」
そこには、ヨアヒムの話を聞いて駆けつけたスバルがやってきた。
それを見て、ね、と笑みを浮かべる塁。
それと同時に、スバルはぼろぼろのギンガを見て唖然とした。
「ギン姉、大丈夫!?」
スバルは急いでギンガに駆け寄る。
バリアジャケット、身体共に傷まみれなのが近くへ来るとなおよく分かる。
そんなギンガを見て、スバルはチンクを見る。
よくも、とスバルはチンクを睨んでカートリッジをロードする。
「はいはい、ちょっとまって」
しかし、それは塁によって止められる。
「そんなに熱くなっちゃうとだめよ」
塁の言葉にスバルははっとする。
気付くと、スバルの足元には普段使用しているものとは別の術式が展開されていた。
勿論、そんなの事は知らない塁はそれを無視して、チンクを見る。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 22:18:15 ID:YraXkVKH
支援
427魔装機神:2008/02/11(月) 22:19:17 ID:T2/eSlpx
「さて、問題です。これほど時間がたっているのにかかわらず、
あなたのお姉さんか妹さんかは知らないけど、お仲間は来ていません」
塁の言葉に、はっとしたチンク。
ノーヴェたちに増援に来るよう通信を入れたのだが、あまりにも遅すぎる。
そして、楽にノーヴェに変装して自分の前にあらわれた塁。
「貴様、妹たちに何をした?」
塁を見るチンクの顔がいっそう怒りに燃える。
それを面白おかしく見て、くすくすと笑う塁。
「一つ言い事を教えてあげる。私は管理局員じゃないの。時空漂流者だっけ?その時空漂流者に仕えるもの」
けど、と塁はチンクをみる。
「それは私だけじゃない。他にも何人もいる」
その時だった。
「うああああーーーーーー!!」
突然、どこからか悲鳴が聞こえたのだ。
しかも……
「ウェンディ!?」
その声は、妹であるウェンディだった。
その時、ドゴ!!と壁が大きな音を立てて破壊された。
「あぐ!」
そこからウェンディが転がるように出てきた。
その体はボロボロで、戦闘スーツもところどころ切れている。
「ドウシタ?ソレデ終ワリカ?」
そこから出てきたのは、布で目を覆っている男だった。
その姿は上半身は何も着ておらず、管理局員のものでないズボンをはいてる。
っして、その男の手には……
「ノーヴェ!?」
既に力尽き、男の腕でグッタリをしているノーヴェの姿だった。
「ち……チンク姉……」
何とか意識はあるようで、チンクの姿を見て申し訳なさそうに表情を曇らせるノーヴェ。
それを見て、ふん、と男はおもむろにノーヴェを放り投げる。
どうやら、予想以上につまらなかったらしい。
「あぐ!」
既に立つ力もないのか、そのままノーヴェは立ち上がろうとするが、思うように力が入らない。
「あ、あの人って……」
スバルはその男の姿に見覚えがあった。
ちょっと前に、自分にぶつかってきた人だ(半分は自分のせいだが)
さっきの塁の音場からすると、彼も烈火の火竜の一人なのだろうか……
「刹那、ちょっとやりすぎじゃない?特にあの赤い女の子の方。女の子の肌には気をつけなきゃ」
ノーヴェとウェンディのすがたを見て男、刹那を茶化す塁だが、刹那はフン、とノーヴェを方を見る。
「奴ハカラクリダ。コレグライデハ死ナナイ。チャント手加減ハシタ」
ハハ、ハ、とさっきまでの戦いを楽しんでいた刹那。
ふと、ノーヴェを腕を見ると、バチバチと火花が上がっている。
なるほど、カラクリとはそういうことか。
それに、二人とも焼けど後がないところを見る地、炎を使っていないらしい。
「スバル!」
そこへ、バイクを乗ってスバルを折っていたティアナとヨアヒムもようやくやってきた。
しかし、現在の状況を見てえ?と二人を周囲を見る。
全く状況が読み込めないが、戦闘機人を追い詰めているという事だけは理解できた。
「それで、どうする?まだ抵抗するの?」
更なる増援の出現に、く、と歯軋りするチンク。
これだけの人数、戦闘不能のウェンディと重症のノーヴェを抱えて逃げれる人数ではない。
まさしく絶体絶命。
そのときだった。
428赤字:2008/02/11(月) 22:21:36 ID:csdyLEpL
紫煙
429魔装機神:2008/02/11(月) 22:22:27 ID:T2/eSlpx
「IS、イメージングカノン」
突如、どこからか砲撃が飛んできた。
それは、真っ直ぐスバルを狙っていた。
「え?」
『プロテクション』
あまりに急な事でスバルは反応が遅れ、砲撃の直撃が届く直前、マッハキャリバーが自動的にプロテクションを展開した。
しかし、そのプロテクションをいとも簡単に打ち破り、その砲撃はスバルに直撃する。
「スバル!!」
周りには何もなく、一体誰が、どこから撃ってきたのかぜんぜんわからない。
その時、チンク達の下から字不思議な術式が展開される。
「セインさん到着!!おまけにタイプゼロゲット!!」
そこから突然現れた女性がチンク達をつかむと、すぐに消えていく。
「!させない!」
いきなりの事で反応が遅れ、対応が遅れたティアナはその女性に向けて魔力弾を放つが、そのすべてが外れる。
そして術式は消え、辺りは静寂に包まれた。
逃がした。
ギンガはく、と歯軋りしながら先ほどまでチンクたちがいた地点を見る。
あと少しで、母さんの事件について何かがわかったと思ったのに、と実力不足の己を悔やむ。
「敵も、なかなか頭の切れるものがいるようね」
先ほどまでのやり取りを見て、塁はふぅ、とため息をつく。
急とはいえ、完全にしてやられた。
おそらく、さっきのやり取りも別の仲間が見ていたのだろう。
そのときだった。
「それより、スバルはどこ?」
ティアナはさっきからスバルを探しているが、どこにもいないのだ。
さっき吹き飛ばされたところに行ってもどこにもいない。
そういえば、とギンガはさっき突然現れた戦闘機人お言葉を思い出す。
「おまけにタイプゼロゲット」
その言葉にはっとしたギンガは、はっとした。
(まさか……)
残念ながら、ギンガの予想は的中した。
スバルが敵にさらわれてしまった……
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 22:22:38 ID:YraXkVKH
支援
431魔装機神:2008/02/11(月) 22:25:43 ID:T2/eSlpx
「すまない、クアットロ、セイン、ティエチ」
「あ、ありがとっす」
地上本部のはずれで、小さな体でボロボロのノーヴェとウェンディを支えながら、と隣にいる3人の女性を見る。
クアットロが、偶然通信越しにチンク達の状況を見て、急遽迎えをよこしたのだ。
「まあ、助けるように言ったのは私だけど、まさかおまけにタイプゼロの捕獲まで出来るなんて思わなかったのよねえ」
そう言って、隣で倒れているスバルを見た後、クアットロはセインとディエチを見る。
ディエチは表情を変えないが、セインはえっへんと胸を張る。
「私が考えたんだよ。ディープダイバーでディエチをつれて、壁の中でiSを発動させるって考えたのは」
そして殺傷設定、なおかつ殺さないように放たれたそれは、見事にスバルの直撃したのだ。
そしてチンク達を回収したセインは、すぐさまスバルを回収したというわけだ。
「けどお、流石にこれは予想外ねぇ」
クアットロはウェンディとノーヴェを見てため息を付く。
まさか、まだ稼動して日が浅い二人とはいえ、二人の戦闘機人を、一人でここまで痛めつけるも者が地上本部にいたとは。
しかも、それは時空漂流者らしい。
「一旦オットーちゃんたちに成功の合否を聞いたほうがいいみたいね」
そう言って、クアットロはオットーに通信を開く。
「オットーちゃん、そっちは『うわわああああああ……ああ、あ…あああああああ!!』お、オットーちゃん?」
通信を開いたとたん、突然聞こえたオットーの悲鳴に驚くクアットロ。
画面を開くと、オットーは青い何かに包まれていた。
燃えているということから、炎だろうか。
「ディードちゃん!何があったの!?」
クアットロは、オットーと行動を共にしているナンバーズの中でも末妹のディードに尋ねる。
『あ……あ……』
しかし、ディードのほうも様子はおかしい。
おそらくオットーがやられて動揺しているのだろう。
「ディードちゃん、一体どうなってるの?」
そこで、やっとくクアットロに気づいたのか、小さくつぶやく。
『……ま……く…だ』
「え?」
あまりに声が小さく、かすれているので、クアットロは何とか聞こうとする。
『あ、悪魔だ……』
そして何とか聞き取れる声。
それは既に恐怖におびえていた。
あの沈着冷静なディードがこれほどまでにおびえる理由。そしてオットーの悲痛の叫び。
すべての理由は、少し時間を遡る事になる。

後編 六課 紅麗編に続く。
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 22:28:21 ID:YraXkVKH
支援!
433魔装機神:2008/02/11(月) 22:28:49 ID:T2/eSlpx
投下完了。
作っている間はスーパーチンク姉タイムをやろうと持ったが、流石にこの人数でやると
あまりにもチンク姉強すぎね?ってことになるので即刻撤退させていただきました。
次回は、最近このssスレではやっている(?)無口姉妹惨劇タイムの始まり。
……紅麗くらいならあの二人を軽くあしらえるよね?(聞くな」
ナンバーズよりも十神衆のほうがつよそうだし。
434スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 22:32:01 ID:kRbiU7+V
>>433
GJ!!しかしギンガではなくスバルが連れて行かれるとは…。こちらも荒れるぜ!
クロス作品はとことこ荒れる話ばかりで面白いぜ!面白すぎで狂っちまいそうだぜ!
紅麗の強さはあまり覚えてないが確実にあの二人以上な気はするな。
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 22:36:19 ID:IbStqp+u
>>433
刹那はカタカナ喋りしないぜ。
読んでて物凄い違和感あった。
キャラおかしいし。
刹那は快楽戦闘者じゃなくて快楽殺人者だぜ?
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 22:38:56 ID:G039lLkN
GJ!!スバルが……。だがこれは初めてギン姉が活躍するんだな。
チンク姉も活躍の余地があるということか。
そしてオットーとディードには合掌。
437スーパーロボット大戦X:2008/02/11(月) 22:41:35 ID:kRbiU7+V
>>423
おっとそれは失礼。あまりにSMCの印象が強いもので…。
しかしこう平行世界と言われるとふと思いついてしまうな。
「もしもスパロボXの世界が魔法少女(チェンジ!!)リリカルなのはと繋がっていたら」とか…。
まじで書こうかな…。
>>435
確かに刹那は殺人を好きでする奴だった。しかしそれは控えめと言う事にしたらいいんじゃないでしょうか?
438赤字:2008/02/11(月) 22:56:22 ID:csdyLEpL
この流れなら言える!

小説版デビルメイクライを読んだ。
テンションが上がった。
エボアイが更に好きになった。

というわけで、0時頃に投下予約します。
お暇な方はどうかお付き合いくだしゃれ。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 22:58:54 ID:YraXkVKH
あれ?龍騎氏は?投下しねーのか?
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 22:59:29 ID:IbStqp+u
>>438
蝶・楽しみにしてます
HAHAHA、今夜は眠れないぜ!(課題の残り量と開始時間的な意味で)
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:00:40 ID:IbStqp+u
>>439
>>419のメル覧参照
442赤字:2008/02/11(月) 23:03:02 ID:csdyLEpL
>>441
(゚Д゚ )
……気付かなかったぜ……!
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:07:25 ID:PQ0Z8bMk
>>420
ここでどうでもいい豆知識を一つ!

小説版モンハンだと、ブレス・コアだかパルセイト・コアだかに
振動破砕機能が付いてたりします
444赤字:2008/02/11(月) 23:11:41 ID:csdyLEpL
んならばこのまま投下しても大丈夫ですかね。
0時まで待つには暇過ぎる……っ
445赤字:2008/02/11(月) 23:16:35 ID:csdyLEpL
投下ー

【2】

「事の始まりは1週間前。管理局本部に入った駐在支部からの緊急通信だった」

 提示されたファイルを適当にぺらぺらと捲るダンテを前に、フェイトは依頼の内容へと繋がる顛末を話し出した。
 そこに先ほどまでの和やかな雰囲気は残っていない。笑い話に出来るような内容ではなく、フェイトはそれを茶化すような性格でもない。ダンテもまた、冗談にするべき時と場合はわかっているつもりだ。

「私も録音されたものを聞かせてもらったけど、酷く錯乱してた。言葉は支離滅裂で、何を言ってるのか意を得ないのものがほとんどだった。その中で聞き取れた言葉を並べると、襲撃、全滅、ドレイク・フェルト、そして」

 そこで言葉を切り、フェイトは瞼を閉じた。それは静かな祈りにも似ていた。

「――悪魔」
「……へえ。そりゃ穏やかじゃねェな」

 眺め終わったファイルを机に放り、ダンテはソファの背に身を沈めた。漏れた言葉は天気を気にするかのように気軽なものだったが、その目には鋭利な光が宿っていた。

「で、管理局さんはもう調べたんだろ?」
「うん、すぐにね。ただ事じゃないのは明白だったらしいから。それで、救援に向かった人たちが見たのは――」
「スプラッタな惨状、ってところか」

 ダンテの言葉に、フェイトは頷いた。

「原型すら留めていなかった、って」
「そいつは過激だな。その悪魔ってヤツは随分興奮してたらしい」
「上層部の判断は、管理局に刃向かう者の異常犯罪。……そんなわけないのに」

 フェイトには珍しく、その言葉の影には皮肉の響きがあった。それは現実を認めようとしない管理局の頭の固さにか、それをどうにも出来ない自分の非力さにか。

「認めたくないのさ。悪魔ってヤツをな」
446赤字:2008/02/11(月) 23:17:43 ID:csdyLEpL
 管理局も分かってはいるのだ。そして気付き始めている。
 もう、目を逸らすには自体は深刻過ぎた。
 ここ3年の間に各世界で急増した異常事件。常軌を逸した殺人。死人の残した最期の叫び。生き残った者が語る悪夢。
 その全ての影に見え隠れする空想の産物。誰もが夢想し、恐れ、しかし決して消える事のない存在。
 悪魔。
 その存在を、現実としなければならない。
 被害は増加の一途を辿り、遂には新たな宗教すら生まれる始末。
 事実を妄想として片付けるには、既に事は進み過ぎていた。
 しかし、それでも認めたくない。認めてはならない。それを認めれば、

「人間はベッドの下の影にもいちいちびくびくして生きていかなきゃならない。とりあえず、しばらくは夜にひとりでトイレにも行けねェだろうな」
「……そ、そうだね」

 真面目な顔から一転、気まずそうに視線を逸らすフェイトを眺め、ダンテはピンと来た。
 にやりと、意地の悪い笑みを浮かべて口を開く。

「なるほど。お前も夜トイレに行けな「わー、わーっ!」

 フェイトは、それ以上言わせて堪るものかと手をぶんぶんと振り回してダンテの言葉をかき消した。
 2人しかいないのだからそこまでして阻止する必要は特にないのだが、それはそれ。乙女の恥じらいというやつである。

「なんだよ、そこまで気にすることでもねェだろ? 別に普通だぜ?」
「うー……」

 一見フォローをしているように見えて、しかしダンテの顔にはからかう様な笑みが浮かんでいた。
 フェイトは真っ赤な顔でダンテを威嚇するが、悲しいほどに迫力がなかった。むしろ全面的に感じさせる可愛らしさは世の男達には必殺だろう。
 もっとも、ダンテという例外も少なからず存在するが。
 これ以上やると、フェイトは拗ねて会話すらまともに取り合わなくなる。
 経験上それを理解していたダンテはわざとらしく話題を変えた。
447赤字:2008/02/11(月) 23:18:56 ID:csdyLEpL
「それで、俺への依頼内容は? その悪魔にお引取り願うだけか?」

 不満は残るが、話題を変えることには全く異論のないフェイトがこほんと咳をして仕切り直す。

「うん、それで大体合ってる。ただ――」
「何だよ? 歯に肉が挟まってスッキリしねェとでも言いたげな顔して」

 ダンテのなんとも言えない比喩を右から左へ受け流しつつ、フェイトはダンテの前にあるファイルを捲る。
 その動きはやがて止まり、そこに写された一人の男を指差した。

「これが、この事件の引っ掛かるところなんだ」

 ダンテもその男へ目をやった。
 肩まで伸びた黒髪は手入れがされているとは思えない。
 顔貌はそれなりにまともな方だが、ともすれば死人と間違える程の血色の悪さと、あまりにも深い闇を宿した瞳がそれを打ち消していた。

「また随分と時化たツラだな。世界中敵だらけとでも言いたそうだぜ」
「この人がドレイク・フェルト。元管理局所属の魔導師」
「通信のヤツ、か」

 フェイトは頷いた。
 確かに、その名が出ていた。管理局のデータベースに同名はひとりだけ。

「もっとも、上層部はこの情報は無駄だって捨てたけどね」
「あん? なんでだよ。怪しいだろ? このツラは完全に悪人だぜ?」
「この人はね」

 フェイトの指が紙面上を滑る。その指が差したのはひとつの情報だった。

「もう死んでるの。3年前に」
「――――へえ」
448魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/11(月) 23:19:45 ID:RfNvdl28
アパーム! 支援だ、弾薬持って来い! 投下が始まってるぞ、アパーム!!
支援。
449赤字:2008/02/11(月) 23:19:57 ID:csdyLEpL
 重なる時期は偶然か。それともそれすら必然なのか。
 ダンテの瞳に、再び鋭い光が宿った。同時に、場を包む空気が重みを増した。
 身に掛かる重圧を気にもせず、フェイトはまるでその手に書いてある文字を読み上げるように続けた。

「3年前。アリストでも大きな次元震が起こったの。それはすぐに収まったけど、そこにはいくつかの<何か>があることが判明。
 近くを巡回中だった彼の所属する部隊がその場に駆けつけた。『俺は悪夢を見てるのか』――それが部隊長の言葉、そして同時に、最期の通信だった。
 後続部隊が着いた時、そこには誰もいなかった。<何か>も、先着したはずの部隊員も。あったのは、あたり一面を染め上げるほどの血液。それだけ。そこには遺体すらなかった」
「……で、結局見つからずに、全員死亡扱いってわけか」

 こくり、とフェイトが頷く。

「それから3年経った今、その中のひとりの名前が出てきた」
「胡散臭ェ話だ。犬も食わねェ悲劇だが……悪魔が出るにはピッタシか」
「今回の依頼は、事件への<悪魔>の関与の有無。そして、関与が確認された場合はその殲滅。法は極力冒さないこと。
 だけど、場合によっては法外の行動も認める。その場合は私に許可を取る事。まあ、いつも通りだね」
「OK。この男はどうするんだ?」
「そっちは私の仕事。だから、今回は私も同行するから」
「……」

 笑みを浮かべて続けられたフェイトの発言に、ダンテは顔を顰めた。

「あ、もう、ダンテ? なんでそんな嫌そうな顔するの?」
「いや、今回は子守りもしなきゃならねェのかと思ってな」
「む、私はそんなに子供じゃないよ」
「夜にひとりでトイレに行けないのは十分子供だと思うぜ?」
「もうっ! それは昔の話!」
「へえ、やっぱりそうだったんだな」
「あ! ……う、も、もうっ、知らない!!」

 墓穴を掘ったことに気付いたフェイトが顔を赤くして席を立った。そのまま奥へ消え、戻ってきた時にはその手にゴミ袋を持っていた。
 そしてゴミの山となった机に歩み寄り、片っ端からゴミ袋へ放り込んでいく。

「そこでなんで掃除を始めるんだよ、お前は」

 フェイトの突飛な行動に込み上げる笑いを噛み殺しながら、ダンテは呟く。
 当然、その声は、顔を赤く染めてぶつぶつと文句を言いながら掃除に励むフェイトには聞こえなかった。

「もう! ダンテも早く手伝って!」
「はいはい」
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:20:32 ID:IbStqp+u
始まってた!
早く支援しないと!
451赤字:2008/02/11(月) 23:20:57 ID:csdyLEpL
 ため息ひとつを残して、ダンテは気だるげに立ち上がった。
 別に部屋が汚かろうがなんだろうが一向に構わないのだが、フェイトに言われては仕方がない。
 あのまま居座っていれば何かしらの凶器が飛んでくるか、それとも拗ねて無言のプレッシャーを掛けてくるか、果てには泣き出すか。
 とにかく、非常に厄介なことには違いなかった。
 こちらに来てから知り合った便利屋仲間に、女子供――特にフェイト――には大甘だとか情けないだとか揶揄されるダンテの性格だったが、悪い気はしなかった。
 それはダンテ自身にも分からない、根底の部分の問題だった。
 ただ、そう。
 フェイトと過ごす時間は、悪くない。
 それだけのことだった。

「よし、フェイトは机の上のゴミを片付けてくれ。俺はそれを見守ってる」
「うん、分かっ――って、ダンテ! 私怒るよっ!?」
「冗談だ。そうカリカリすんなよ」

 ああ、悪くない。
 ぷんぷんと突っ掛かって来る眩い金色をあしらいながら、ダンテはふと昔のことを思い出していた。
 今はもう遠く、おぼろげに霞んだ在りし日。
 そこには幼い自分が居て、兄が居て、そして母がいた。
 もう2度と、決して戻らない日々。
 いつの間にか求めることすら忘れていた、穏やかな毎日。
 世界とやらを渡った今も尚、悪魔との因縁が途絶える事もなく、自身をこの状況へ陥れた黒幕も、その目的も定かではない。
 いつの日か――そう遠くない未来で、この平穏も崩れ去るのだろう。
 だが、たとえそれが分かっていたとしても、ダンテには悪くない毎日だった。


act1.「悪魔の人形劇」【3】へ続く?
452赤字:2008/02/11(月) 23:21:56 ID:csdyLEpL
意外と好評だったので、つい調子に乗ってやりました。反省はしている。
事件の前口上部分だったので、非常に退屈だったんじゃないでしょうか。
……期待されて書く作品はつまらなくなるというね(´・ω・`)
続編書き出しちゃったので、一応キリのいいところまでは続きます。
お付き合いありがとうございましたー。

追伸
目下の悩みは題名をどうするか。
→「ダンテとフェイトの営業日誌」
→「Fate May Cry」

 ……('A`)
453Strikers May Cry:2008/02/11(月) 23:21:59 ID:rS+j5ugC
新妻フェイト支援!!
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:22:28 ID:0MJFUsSR
支援
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:23:10 ID:CJ/BHseD
魔装機神氏GJ。
まさかギン姉じゃなくてスバルがつかまるとは思わなかった。
それと一つ。
ディエチのISは「イメージングカノン」じゃなくて『ヘヴィバレル』ですぜ旦那。
そういう細かい設定とかはちゃんとwiki見ましょうね。
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:23:49 ID:bDU+83Vs
GJ!!です。
通い妻だとぉ!!兄弟そろっていい女を手に入れやがってッ!!
冥王をもらってやれw
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:24:54 ID:xT8IsdbX
狂おしくGJ!
みんなDMC好きだなぁ〜、俺もだけど。

この中にDMC4を買った人間はどれだけ居るのだろうか・・・・・・。
と未購入者の俺が言ってみる。
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:25:48 ID:0MJFUsSR
GJ!
弟の方は女の尻に敷かれるのがデフォだとおもってたのにw
DMC4でもひどいこきつかわれようだったし
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:26:59 ID:xQzvt7nP
>>457
店で一時間やってましたwww

握力すげー
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:29:27 ID:IbStqp+u
GJ
しかしなんと言う夫婦…
はやてとかにからかわれまくってるに違いない。
461魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/11(月) 23:30:38 ID:RfNvdl28
銃撃(投下)が止んだ…! 今のうちに感想を……っ!
ふぅ、このジッポライターがなかったらやられていたぜ。

>>なの魂
リアルタイムで投下が支援できなかった負け犬です。ファンを自称していながら、情けない…orz
本編の方では話の都合上、出番の少なくなってるはやてと銀さんの最初の交流が描かれた今回、相変わらずの違和感ないキャラ同士の溶け込み具合と数レベル高い萌え度に悶えました。

>はやては無言のまま、銀時の着物の袖をそっと摘んだ。
なんだ、ただの神か……。
このシチュと行動! 卓越したギャグに隠れているが、なの魂氏は萌えのなんたるかを極めてるに違いないぜ!
ほらね、ボクの嫁はかわいいでしょ? とか毎回ツボにくる作品が投下されるたびに嫁の変わるありがちなオタクのサガを晒しながらGJを送りたいと思いますw

>Fate May Cry(仮)
まあ、フェイトも俺の嫁なわけだがw
短編が連載へと本格始動し、それ自体が嬉しい限りですが、今回の話の内容でよかったのはやっぱりダンテの今の心境が描かれていたことですね。
単純な恋愛感情じゃないところがアメリカンというか大人というか、変に悩んだりせず、大雑把な愛情や好意として受け入れちゃう辺りがダンテらしいです。いい意味で大雑把っていうかねw
この世界における<悪魔>の立ち位置も分かり、次回訪れるであろう騒動がどうなるのか、楽しみです。
あとお前、おトイレいけないフェイトとか……「可愛い」通り越して「けしからん」だろjk……
462Strikers May Cry:2008/02/11(月) 23:33:18 ID:rS+j5ugC
なんというSSだ、是非とも俺のGJを受け取っていただきたい。
しかしDMCクロスでもこんな和みの空気を出せるとは、なんかアニメ版の一部みたいなノリで脳内再生されてるよ。
俺なんて最初は戦闘ばっかだったのにな。
ダンテとフェイトの馴れ初めとかも見たいっすね、続きが気になります。

そういえば我が家のXボックスがイカレてDMC4が1周クリアの段階で止まった……マジで泣きそうだぜ。
正に悪魔も泣き出すぜ。
463魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/11(月) 23:33:19 ID:RfNvdl28
>>457
大枚はたいて買っちまったよ……数日スレに顔出さなかったの、そのせいだよ…
464反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/11(月) 23:33:48 ID:9AnKZ9wR
只今一時的に帰還!

はう〜かあいいよ〜、お持ち帰りしたいよぉ〜(ぇ
今日投下した「きゅうっ」にも自信あったんだけどなぁ…負けましたぜ…
まさかフェイトそんに萌える日が来ようとは…嫌いじゃないけど今まで燃えキャラとして見てた自分

みんな頑張れ! 俺も明日にはユーノ君完結編投下できるように頑張る!
ユーノ好き好きなStylish氏への今までの恩返しのためにも!
とりあえずFOXHOUND+忍者のコードネームに関する予習を忘れずに。
…何で?
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:34:40 ID:0MJFUsSR
>>457
買ったよ
MAXアクトを使いこなそうと四苦八苦中
ノリノリすぎるダンテに腹筋を破壊されかけたぜ
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:36:21 ID:6o10aE4y
>452
乙。ちょっとずつ、日常が非日常に置き変わっていくのですね。

何気ない日常。
昨日と全く同じ、なのに昨日と違う、そんな一日。

それは、私たちが知っているようで知らない、そんな一日。
>456
なのはの嫁はユーノだよ、と言って欲しいの?
>462
悪魔というか、悪夢というか……こう、ガリガリと
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 23:44:04 ID:yVnq8Zbz
>>456
ツンデレの妹までいるしなw

DMC4はダンテの無茶苦茶加減に拍車がかかってたな。地獄門を真っ二つにした時には空想具現化なしならアルクエイドにだって勝てると思ったよw
468赤字:2008/02/11(月) 23:46:16 ID:csdyLEpL
感想がありがたやありがたや……。

>>456
ええい!だれか白い人を貰い受ける猛者はいないものかっ

>>457
個人的には作品よりもダンテが好きなんだぜ!
あと俺も未購入……orz

>>458
真骨頂はこれからですよ。これから。うん。
フェイトは強い子です(ぉ

>>460
はやてには隠してるつもり″のフェイトさんがいるのです。

>>461
いや、フェイトは俺の(ry
ダンテの心境は間違いなく小説版に影響されました。
なんかね、ダンテもきっと寂しいはずだよね。だってマザ(ry

>>462
謹んで頂戴いたします(土下座
実は戦闘シーンが苦手だから先延ばしにしてるだけという……
当初はアニメ版に倣った感じでお送りするつもりでした。
へへ……技量が足りなかったぜ……
フェイトとの馴れ初めも、そのうち暴露する予定です。多分。うん、きっと。

>>464
いや……「きゅうっ」に十分な致命傷を貰いましたよ……ぐふっ
後半でフェイトさんの格好良さが出ると……いいなあ

>>466
悪魔はそこにいるのです。
……夜ひとりでトイレに行け(ry
469R-TYPE Λ:2008/02/11(月) 23:47:05 ID:yDuYh+kG
やべぇよ・・・フェイト可愛すぎだコンチクショウ
アニキといい弟といい親戚といいスパーダの血は女誑しかッ!!

>>465
「それがお前達の――正義なのか!」

腹筋攣ったw
470旅ゆく人:2008/02/11(月) 23:58:44 ID:lN0fHuh9
みんな、色々と元気だなー……。
うん、元気なのは良いことだよー……。

私みたいに、「嗚呼、中島みゆき聴きながらの寝酒は、最高だな……」
なんて、考えるよーになったら、お仕舞いだと思う。

和気あいあいとしてるみんなを見てると、本当に元気出てくる。
色々あって、本日凹んでた私だけど、何か元気出てきたよ、ありがとう。

そんなわけで、ARIAとのクロス書けそうな気がしてきた私は、
如何様にすればいいと思われるか、皆の衆?
471Strikers May Cry:2008/02/12(火) 00:01:18 ID:fv3dP0jX
>>470
もう、ジャンジャカ書いてしまってください、そして迷わず投下してください。
待ってますぜ兄貴。
472反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 00:03:08 ID:5ApW1cfM
>>470
アンタがこのスレ1番の萌えキャラだよ(最大級の誉め言葉)

ARIAクロス? やっておしまい! ARIAを知らない俺の勉強のために!(ぇ
473赤字:2008/02/12(火) 00:03:49 ID:NExTouAK
>>470
ひと思いに書いて投下するべきだと思います!
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:09:41 ID:jT2pY2QH
>>468
一つお聞きしたいんですが、赤字さんのダンテは1かな?
俺としては、4の30台後半なダンテでもおもしろそうだがW
475赤字:2008/02/12(火) 00:09:45 ID:NExTouAK
へへ……作品名が全然思いつかないんだぜ……
もうこのまま「Fate May Cry」でいいかな。
いや、でも「フェイトも泣き出す」って何ぞや?
476赤字:2008/02/12(火) 00:11:14 ID:NExTouAK
>>474
一応1の後、というよりアニメの後くらいがイメージですな。
……ネヴァンとか使わせてえ……。
477旅ゆく人:2008/02/12(火) 00:12:33 ID:xL266EYN
ただ今、サントリーのウヰスキー飲みながら、
小椋佳の『シクラメンのかほり』拝聴中……。

あー、思ったよりも好意的な反応、さんくす。
ただ、『リリカル旅話』を終わらせてからの予定なので、
気長に待っていただければと思いますデス……。

『銀英伝』や『雪風』のクロスも考えつつ、などといふのは、
なんて欲深いことと思ったり……。

さて、もう暫くしたら、寝る。明日も仕事。
あと、パソコンて奴ぁ、本当に気むずかしい奴だよねぇ……。


>>475
やんなさい。それ、貴方の義務。
478フルメタなのは:2008/02/12(火) 00:12:43 ID:f9Jwik6C
≫470
ARIAは自分もよく知らないけど、アリだと思います。

≫456
冥王ですか……スマン、少なくとも、ウチではもらってやれない……

つーかヤバイ、大学の方の課題が終らない。
このままでは原稿が進まない……
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:15:47 ID:jJa5Sm7z
>>470
ARIAは面白いかもしれない。
スタッフつながりでスケブも捨てがたいが


>>478
まずは安価のやりかたをおぼえるべき
480フルメタなのは:2008/02/12(火) 00:15:59 ID:f9Jwik6C
しまった、一番大切な事を書き忘れていた。
職人の皆様、GJです。

それにしても、スレの進行スピードが半端でないな。何だよ数日で四百以上って……
481旅ゆく人:2008/02/12(火) 00:16:01 ID:xL266EYN
最期に、酔っぱらいが一言。



アリア社長に萌えてこその、ARIAだと思うんだ…… zzz
482赤字:2008/02/12(火) 00:18:48 ID:NExTouAK
>>477
へへ、「Fate May Cry」で修正依頼を出してしまったぜ!
……勢いって怖いよね。(´・ω・`)
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:20:41 ID:jT2pY2QH
>>476
ネヴァンもいいけど、個人的にイフリートが観たいかなぁ。
アラストルは拗ねて家出したり、戦国時代にタイムスリップして
出番があるのにイフリートはいっさいないからなぁ・・・。
484反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 00:23:49 ID:5ApW1cfM
>>482
げに勢いとは恐ろしきものなり。
…俺もシャイニングクロスでは勢いに任せてえらいもの書いたもんだ…ボウリングとか…(遠い目)

ところで質問。
スバルとティアナがデスクワークしてた部屋があるじゃないですか。あのデコピンの。
あれってどういう呼び方すりゃいいんですかね? オフィスルーム?…は、明らかに違うし
485赤字:2008/02/12(火) 00:25:18 ID:NExTouAK
>>483
というか、そもそもダンテは手に入れた魔具はどうしてるんだろうか。
霊化してダンテの体内に仕舞われてるとかならいくらでも出せるんだろうが……。
リベリオンと2丁拳銃だけだと戦闘がちと寂しいのに。
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:28:53 ID:PQq/w1kV
>>485
ドラマCDだとエンツォに預けてるという設定
ドラマCDだと公式設定になるのかな?
487赤字:2008/02/12(火) 00:33:20 ID:NExTouAK
>>486
となると、多分最後まで魔具さんは出番なし、と……。
うーん、何とかできないもんか。

>>484
確かにあの部屋なんて言うんでしょうね。
単純に、ワークルーム?
……違うか。
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:39:23 ID:u6QwGESn
>>484
単純にオフィスの一室とか。
あと>>477旅ゆく人氏
サントリーならオールドあたり?
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:43:30 ID:jT2pY2QH
>>487
っていうかエンツォに預けて大丈夫なのか?
ダンテからエンツォを通じて、魔具に詳しい人間に預けてる
って方が自然な気がするんだが。
つーか、ドラマCDってあるんだ・・・、知らんかった。
490反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 00:44:53 ID:5ApW1cfM
>>488
OK、オフィスでいいんですね?
では、そのように。
491赤字:2008/02/12(火) 00:46:14 ID:NExTouAK
>>489
逆に中途半端な知識持ってるヤツのが危ないかも。
下手に何かしようとしたら死ぬことになるだろうし。
けど、魔具って悪魔を惹き付けたりはしないんだろうか。

……そろそろ眠くなってきた。
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:46:23 ID:OE+PFJsZ
>>487
ゲームだと店の壁に突き刺さってたりしてたけど
親父の形見関連は店においてるのだろうな
フォースエッジもスパーダもリベリオンも手の届く所にあったし
493キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 00:46:49 ID:pF6ED1wH
最新のお話完成〜とりあえずオリジナルデバイスとBJ、リリキャラが出たから満足だw
予約してみる……つうかすぐ投下して大丈夫?
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:48:36 ID:OE+PFJsZ
睡魔支援
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:48:39 ID:t4JP+jOf
誰もあなたのキャロを止められる奴はいないッ!!支援w
496旅ゆく人:2008/02/12(火) 00:48:48 ID:xL266EYN
う〜ン、むにゃむにゃ……。

>>488
つ【響】

まあ、お試しサイズの小瓶の奴ですがねw
でも、なかなか奥の深さのある味で、
流石に値段が高いだけあるというか……。
これわ、やみつきになりますわぁ……。

今度こそ、ホントに寝ます。あと、職人諸氏、変わらぬGJさ、
ウラヤマシス。
…… zzz
497赤字:2008/02/12(火) 00:49:38 ID:NExTouAK
く、俺を寝かせないつもりか支援
498リリカルサンダルフォン:2008/02/12(火) 00:51:46 ID:aYkEvHh8
今夜は寝かせないZE支援
499キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 00:51:53 ID:pF6ED1wH
大質量を効率的・経済的に輸送する手段として昔から取られていた方法はなんだろうか?
答えを先に言ってしまえば『水に浮かべる』のがもっとも効率的かつ経済的だ。
陸路で台車が発明される前に人は水に物を浮かべて運んでいたとも言われる。
現在では『空中を飛ばす』と言う手段も存在するが、それには多大な経費が掛かる上に質量・物量が莫大なものを運ぶには適さない。
故に人が空を飛び、時空の壁を越える昨今でも大きな荷物は水路 船を使って大量に運ばれている。

ここは第六管理世界の中でも発展した都市の港。時は夜、僅かな照明が停泊した数多の種類の船を照らす。
昼間ならば忙しなく稼動する港も夜は休息の時間、そんな時間に緊張を孕んで動く一角がある。
イヤ……そこは誰もが眠る時間だからこそ動いているのかもしれない。

コンテナ船から降ろされる一つのコンテナ。その着地点で睨み合う二つのグループ。
一つはこの街を取り仕切るマフィアの頭目を中心とした彼の勢力。
ソレと睨み合うのはこの辺りでは見ないが、やはり普通の人間じゃない匂いをさせた集団。

「遅れずに来たようだな? まずは一つ褒めてやる」

「こっちも商売だ。前金しかもらえないなんて悲しすぎるからな」

最初に口を開いたのは通称ボス。答えたのは相対する集団の中心と思われる男。
クレーンでコンテナが下ろされたのを確認すると、両グループの幾人がそのロックされた扉を開いた。
中に詰まっているのは対ショック包装が成されたカード状の物体。

「お望みの品、カートリッジシステムに管制プログラム。どっちも最新鋭の横流し品だ」

「確認させてもらう」

「ご自由にどうぞ〜さて? こっちは見せるものは見せたぜ……ソッチは?」

ボスが包装を破いて取り出したカードを検分しながら、指を一打ち。数人の部下が手に持ったジュラルミンのケースを地面に並べ、次々と開く。
中にギッシリと詰まっているのはもっともメジャーな紙幣の最大単位のものだ。今度は相手のグループがその紙幣を検分し始める。

そう、これは取引なのだ。とても表では出来ないような品を大量に扱う。
故に大きな富と利権が動き、お互いの勢力の拡大に貢献できる。
だが同時に……色々と面倒が起こることも多々ある故に……


『キャロとバクラの平穏な生活に早くも危機が迫っているようです』
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:51:59 ID:PQq/w1kV
>>489
魔具が活躍してくれるところが一番の聞き所なドラマCDですよ?
正直後悔買ってしてる

ドラマCDなんてなかったことにして事務所の奥から引っ張り出してくるでよくね?
なんか偉そうに言ってすいません
501キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 00:52:40 ID:pF6ED1wH
こういう取引は決められた人数のみが行う決まりになっている。
だがホームになる組織にはやるべき事が他にもあるので、人員は幾ら居ても足りない。
仕事の内容は周囲の警戒だ。敵対組織などが妨害行動に出たときに阻止する為、偶然の闖入者を未然に防止する為だ。
どんな人物が選ばれるかと言えばやはり荒事に馴れた者、そして戦闘能力・索敵能力に特化した魔道師。
そんな役回りを与えられ、所定の位置に散っている数人の中に彼女(と見えないけど彼)の姿があった。

『最初のお披露目がこんな闇の中で残念だな、相棒』

「私は……別に見せたいって訳じゃないけど」

闇の中から数少ない明かりの下に現れるのは桃色の髪の小柄な少女 キャロ。
その背後には彼女にしか見えないが邪神の欠片たる闇の意思 バクラもいる。
だがキャロの装いは何時もとは異なっていた。

「しかし良い感じだぜ、オレ様達の召喚に合わせて調整した……ディアディアンクは!」

まず一つ目は左手に嵌められた金のラインをメインに構成された手袋型デバイス。
主にキャロとバクラの特異な技である召喚術の補佐を行う為に調節された特注品であり、現に未装着とは一線を介する量を召喚できている。

例えば頭部が欠如した歩き回る板金鎧や、腐臭を漂わせる醜い亜人の屍骸。
浮遊し描かれた人物が浮き出る絵画に、飛び回るベッドとその上で横たわる人間の口から滴る不気味な人型など
首なし騎士にゴブリンゾンビ、絵画に潜むものと夢魔の亡霊。そんな風に呼ばれていたとあるカードゲームのモンスター。
だがこれは本物と何ら関係ない。召喚術の応用で呼び出した名も無き死霊を核にして、魔力で肉付けを行い実体化させているに過ぎない。
それらが港中に散って巡回し、怪しい者を見張っている。なに? 首の無い鎧や亜人の死体より怪しい者なんて存在しないって? 確かに……


「それにこの格好……変じゃないですか?」

『おいおい! 酷いぜ、相棒。昔のオレ様が着ていた勝負服を元にイメージしたんだぜ?』

キャロが身に着けているのは村の民族衣装でも、ボスに与えられた今風の服でもない。
藍色系のシックなタイトミニのスカート、同色のサイドの紐で止めるチューブトップ。
その上にゆったりとした作りで、砂色の裏地にフードが付いた紅いコート。
スカートには長いベルトが二周するように巻かれ、そこには小物入れなどがぶら下がる。足を覆うのは折り返し可能でクシャクシャと布のような質感のショートブーツ。胸元にはもちろん千年リングが煌いていた。

「でも肩とか足とか……恥ずかしいです」

『なに言ってんだ、胸もアソコも見えてないんだから問題ないだろう』

「えっエッチな事はいけないと思います!」

確かにミニのタイトスカートはヒップのラインを強調し、そこから伸びる白い太腿を少々過敏に演出する。
上半身はコートによって多少隠されているが、チューブトップは肩を晒しているし、丈が無い為スカートとの間に可愛らしい「おへそ」が覗く。
502キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 00:53:30 ID:pF6ED1wH
『それに相棒はちょっと色気が足りないからな。それくらいで丁度良いと思うぜ?』

「そっそうですかね?」

キャロはチラチラとスカートを抑えたり、髪の毛を直したりしている。
そこから各自にその心理が傾いていることはバクラでなくても理解する事は容易いだろう。
何せキャロは解り易い子だから……

『何時もの服よりもイカしてるぜ、相棒。これならもう田舎者には見えない』

「えへへ……嬉しいです」

女性が異性、しかも近い間柄にある者から服装の事を褒められて、気分が悪くなると言うケースは極めて稀だ。
しかもキャロにとってのバクラと言うのは近い間柄の異性である。
命の恩人とか、寄生者とか、盗賊とか、オカルト恐ろしいとか、そう言った事を全て含めて。
むしろ村と言う環境下から抜け出して初めて親しくなり、四六時中何時だって一緒に居る関係。
そんな間柄にある者に服を褒められて、良い気分にならない程キャロも鈍感ではない。
だがそんな『気になる異性に服を褒めてもらって嬉しい』なんて理論は、『適当に誤魔化そう』と思っていたバクラには通じない。
故に彼は『相変わらず騙され易くて、この先が心配だぜ』と言う思考をしばらく続ける事になる。


「あん?……なんか引っ掛かったな?」

しばらくフラフラと歩いていた足を止め、バクラが千年リングの指針が揺れるのを見て呟いた。
それから僅かに遅れて飛来する白い小さな竜 フリードリヒ。
飛行能力という利点を生かした監視をしていた彼が戻ってきた事からも、何かが起こったことが解る。

「相棒、チビ竜はなんて言ってる?」

『死霊たちが何かを追い回しているみたいです』

相棒の竜語通訳に頷いて、バクラは千年リングの指針の揺れに導かれて走り出した。
そしてひ弱だった相棒の体が随分しっかりしてきた事に気が付く。
バクラが地味だと評したボスの訓練は確かに的をえていたようだ。もちろん負けず嫌いな彼はそんな事を口にしたりはしないのだが。
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:54:14 ID:OE+PFJsZ
デュエルディスク支援w
504キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 00:54:36 ID:pF6ED1wH
「……アレはなんだ、相棒」

『ネコですね』

シュールな図だった。
頭部の無い鎧騎士や亜人の死体、飛び回る絵画とベッドの中で眠る人から溢れる亡霊。
地獄から這い出てきたようなオカルティックな異形の群れが、くたびれた黒ネコを必死になって追い回している。

「何で死霊どもがネコを追い回してるんだ?」

『乱入者だから……かな?』

「ちぃ! 止めやがれ、バカ共が!!」

バクラはつかつかと歩み寄ると手近なゴブリンゾンビを殴り倒す……キャロの体で。
ゾワゾワと死体の腐って軟らかく冷たい感触が背筋を這い上がり、キャロは良く解らない悲鳴をあげた。

『○×□△☆!?』

「磨耗し自分が何者だったのかも忘れて本能のままに動くクズ共を使ってるから、仕方がねえと言えばその通りだが……」

相棒の悲鳴などどこ吹く風。ようやく沈黙したモンスターたちに散開の指示を出し、バクラは思案する。
これから対魔道師戦を想定すると今の下位モンスタークラスの召喚では心許ない。
指揮系統の効率化やブーストの確立、上位モンスタークラスの召喚を試してみる必要がありそうだ。
未だに死体を殴り倒した事に対して抗議するキャロを華麗にスルーしながら、バクラはそんな事を考えていた。


結局その一晩でネコ五匹、イヌ三匹、カモメ一羽が死霊共に追い回された。
その度にキャロとバクラが駆けつけて止めるというドタバタ劇を演じる事になる。
こんな感じが希少な竜使いと邪神の欠片がした初仕事。
505キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 00:55:49 ID:pF6ED1wH
キャロがマフィアに転がり込んでから二ヶ月、初仕事から一ヶ月が経った。
それだけの期間同じ場所に居て、様々な仕事をこなしていればその時々の空気と言うのが何となく解る様になる。
田舎娘は空気が読めるオノボリさんにレベルアップした!

「素晴らしいです……クラナガンの闇市場でも、こんなに使い勝手の良い量産型カートリッジシステムは流れていません」

「ソレは良かった……で? 如何すんだ?」

ヘブンのVIPルームに入る前に、キャロはその足を止めた。
営業時間中と言う事もあり、その部屋から見て下の階では音楽が奏でられ、ダンサーが踊り、客が酒を煽っていたがここは静か。
様々な経験を積もうと率先して始めたヘブンのウェイトレスコスチュームに身を包んだキャロにも、そこから僅かに漏れる声は聴こえた。

「せっかちですね? 買いましょう、とりあえず100ほど。
お客の反応によってまた追加で発注するということで良いですか?」

「OK。だが前金でこれだけ積む奴は珍しい。流石はマチスの奴の紹介だ」

どうやら悪巧み真っ最中らしい。とりあえずもってこいと言われたお酒とツマミの乗ったトレーを持って待ってみる。
バクラが文句を言うのを宥めていると、不意に扉が開いた。中から出てきたのは二人。
一人は見慣れた黒髪オールバックの中年男性、ボス。もう一人は見慣れない若い女性だった。
黒いスーツに稲妻が描かれた黒のネクタイ。肩からは白いコートを羽織り、金色の長髪を一房にまとめて目はサングラスが隠している。

「アァ、キャロか?」

「はい、頼まれたお酒を……」

トレーを差し出そうとしたキャロだが、話が終わってしまったようなので如何したものか?と困ってしまう。
すると見慣れない女性が屈み、小さなキャロと視線を合わせて問う。

「あら、お子さんですか?」

「違う、部下の一人だ」

「初めまして、キャロ・ル・ルシエです」

「私はリニス。よろしく、キャロ」

『ネコみたいな名前だな』

そんな失礼な事を考えながら、キャロはリニスという女性からこういう仕事をしている人には感じない何かを感じた。



「こちらライトニング。もうちょっと内偵が必要かな……でも当り」
506キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 00:57:38 ID:pF6ED1wH
以上です。ディアディアンクはあの形に意味が見出せなかったので、とりあえず手袋型に。
ヒロインの平穏を乱すのに登場する原作のメインキャラw 偽名だが登場はしたと言い張るw
507赤字:2008/02/12(火) 00:58:06 ID:NExTouAK
>>500
まあそれでいっか!
デビルメイクライの製作者さんもノリと勢いと格好良さで作ったって言ってたし!
そんなわけで、そのうち魔具が出てくる……かもしれません。

えっちなのもたまにはいいと思います支援!
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:59:54 ID:jT2pY2QH
>>507
いっそ魔具を出すためにオリジナル設定を出すのもありかと。
例えば銀行の巨大金庫に預けているとか・・・
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:01:53 ID:jJa5Sm7z
フェイトそんだあああwwwww
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:03:27 ID:Rpixre8W
そんな……フェイトが悪役だなんてそんな……



そんなバクラ!
511反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 01:04:39 ID:5ApW1cfM
まーつりだ祭りだ祭りだ♪ フェイトまーつーりー♪
というわけでGJ!
あと、ディアディアンクが採用されてて嬉しかったりしますw
512赤字:2008/02/12(火) 01:05:13 ID:NExTouAK
睡眠前にキャロ分補給!
これでキャロが夢に出てくるは……やべ、バクラさん出てきたら悪夢だorz
GJでしたー。

>>508
年中金欠のダンテにはそんな金はないんだぜ。
まあ、出るにしてももっと先でしょうから、ぽつぽつ考えてみますー。

513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:06:03 ID:OE+PFJsZ
>>506
GJ!
初仕事が不幸を告げる黒猫やらレスキューキャットと戯れることなんてw

次回はマフィア壊滅フラグ
キャロVSフェイトin闇のゲームとか?
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:06:12 ID:oCYjBqxC
>>506
GJすぐるううううううう!!
キャロがかわゆいよぉ(*´д`*)ハァハァ

つーかこの文章見てて、
>若い女性
>稲妻が描かれた黒のネクタイ。
>金色の長髪

本当はリニスなのに、
ぶっちゃけフェイトかと思ったオレ死亡フラグwww
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:07:46 ID:t4JP+jOf
GJ!!です。
だめだwフェイトそんww登場タイミング悪ぅ!!ww
ボスたちが捕まったりしたら六課隊舎が壊されたときみたいにヴォルテールが現れそうw
そこまでいかなくても、キャロの絶望にバクラがキレて管理局員がモンスターに食われるw
キャロはアイドルな管理局員よりヤクザの方に今は憧れてるぜw
516Strikers May Cry:2008/02/12(火) 01:08:32 ID:fv3dP0jX
GJ…いやエクセレントGJとでも言わねば失礼かな?
バリアジャケット褒められて喜ぶところとかもう最高だぜ、マジで面白いっす。

このまま組織が管理局相手にどう立ち回るのか、ボスは随分と顔が効きそうだから上手くやってのけるかも。
個人的には独自時空でガンガン行って欲しいです、っていうか今のキャロが六課に行く所なんて想像できないし。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:09:52 ID:oCYjBqxC
>514
すまん。コレフェイトデイインダッタ(爆)
ちゃんと見てると思っててもこんな時間だからな。
眠くなって勘違いするさ。
と、いうことで皆さんお休み(*^^)ノシ
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:10:30 ID:Vyw8A8Tp
えーと、フェイトさん下手したら死なない?
いろんな意味でワクワクしますわw
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:13:33 ID:OE+PFJsZ
キャロがたちまわるとなるとオカルトの方で対抗するのか?
バクラが使った強力な上級モンスターと言えば冥界の魔王 ハ・デス、ダーク・ネクロフィアとか?
この際、闇の支配者−ゾークを儀式召喚だw
520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:17:04 ID:1QVcnPfz
キャロ×バクラのフラグが立っていると思うのは俺だけじゃないはず!!

しかし、こんかいのはバクラ覚醒の旗の一つか?
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:27:29 ID:ZA1e1Obf
しかし管理局には最上級モンスターの冥王がいますがw
冗談抜きでエクゾディアとためがはれると思う
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:38:00 ID:NK2Q2iwS
冒頭が小説本文のパロってありだろうか?
続けるとしたら、続きはほぼオリジナル展開になるんだが
冒頭はそっちの方がわかりやすそうなんだよなぁ
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:40:36 ID:dPvN1l1s
>>517
このせっかちさんめっ♪ ( ´∀`)つ)´Д`)



でもぶっちゃけ、バルディッシュの素材調達するシーンかと思ったのは内緒です。
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 02:03:54 ID:bJe8+oUA
gj
障壁と死霊の盾は併せて使うと防御力かなり高くなるから
夜は墓地うろついたりして死霊あつめてんのかな?
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 02:07:46 ID:bJe8+oUA
親分逮捕されたら居場所がなくなると絶望したキャロが暴走
ヴォルテールどころか千年リングと負の感情の力で成長した精霊獣とか
ゾーマ 龍骨鬼まで出てきかねん。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 02:08:33 ID:ZA1e1Obf
>>517
別にあなたは間違っていませんよ。あれがフェイトだと明言されたわけじゃありませんしw
実は勇者王のような変身魔法を使ってるという可能性も…あったらいいなあ。
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 02:14:18 ID:kKHC7+qg
どう見ても囮捜査です、ありがとうございました

ぐらいの事は言えんのかねえ
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 02:14:51 ID:6FnPH37t
勇者王の変身魔法…?
イークィップ? それとも変神のほうか…どちらにしたってその可能性を信じたいなぁ。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 02:19:18 ID:t4JP+jOf
管理局員には魔法除去を具現化するんだwその後にブラックホールでグランゾンの物まねをして
リビングデットや死者蘇生でボスたちを復活。
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 02:36:27 ID:ghjKurya
GJ!!面白かったです。
フェイトが来たw完全に敵ですね。
キャロ組VSフェイトになると思うのですけど、
正直今回はキャロとボスたちのほうを応援します。
とりあえず次回強モンスター召喚なるか。
原作ほとんど覚えてないんですが、もしかしてフェイトさん危ない?
世間の荒波に晒されたキャロは平穏な生活を守るために、
フェイト相手にも本気になってくれそうです。応援してます。
前の方たちも言ってますが、キャロが六課へ行くのは想像しずらいです。
裏社会で生きてほしいな。原作の騒動に関わるよりは安全な気もする。

では次回を待ってます。
531名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/12(火) 02:50:51 ID:J+ztuTbZ
>赤字さんへ

いやいや、楽しく見させて頂いております。
フェイトのツンデレデレぶりは見てて気持ちがほんわかされますねぇ。
Stylish氏と並んで毎日ワクテカしながら楽しみにしています。
実に楽しそうなんで自分もDMC短編書こうかなぁ……構想は出来てるんですけどね。
スカの誘いをスタイリッシュに断って使いのクワットロさんに豚のような悲鳴を上げさせる話しなンですけど。
自分の事はさておき、今後も期待しております〜。
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 07:22:58 ID:gZ502MBN
>>475
つまり最高のハッピーエンドでフェイトが嬉し泣きすると言うことだな?
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 07:53:02 ID:hC0ynOKk
>>522
別にいいんじゃないか?
ただ、キャラの名前を入れ替えただけで小説本文と全く同じだと
元ネタ知ってる人に突っ込まれるだろうな
534キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 08:30:33 ID:pF6ED1wH
おはようございま〜す、いつも沢山の感想をありがとう!

>フェイトそん
なっ何を言っているのか解らないな〜あの人はリニス。コードネームはライトニング
ネクタイのセンスがよろしくないお茶目な女マフィアのフリをした管理局権力のイヌだ(ぇ

>不幸を告げる黒猫やらレスキューキャットと戯れる
こんな専門用語wが出てくる辺り、このスレの奥深さを感じますw

>モンスター談義
さ〜て次回で出せるかどうかワカリマセン(爆

>期待はマフィア壊滅→キャロ暴走→バクラまじギレフラグだぜwww
他人様の期待を良い意味でも悪い意味でも裏切るのが私のレアスキル(ぁ


フェイトそん(のような人)の登場にかき消されてしまったらしいが、
オリBJはちゃんとイメージできたかしら? 結構悩んだので一応聞いてみるテスト。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 08:48:24 ID:hpCpmTMo
想像力の無い自分にはさっぱりわからないぜ!

バクラの昔の衣装を覚えていないのが原因だろうか
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 08:49:57 ID:QOkpfpfD
「こうしてキャロは、管理局員に憧れるよりも、『ギャングスター』に憧れるようになったのだ!!」
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 08:53:34 ID:vGG7mXV0
>>506
GJ!!
フェイトさんの養子フラグ来た〜〜〜〜〜!!!
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 08:55:31 ID:96MKh1wE
GJ!!
ウエイトレスキャロ(*´Д`)
マフィアが壊滅しても、ハンバーガー屋で働けるNE☆
539魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/12(火) 09:05:55 ID:we44y4LS
>キャロとバクラ
バクラスタイルのキャロとか…どれだけいけない魅力を引き出すつもりなんだよ…w
大いに気になる引き方でした。っていうかマフィア側の世話になってる時点で予想はしてたけど、やっぱりフェイトとの関係は複雑になりそうだなぁ。
それがおもしろそうで仕方ないですけどw
っていうか、この作品のキャロはかわいすぎだろjk これで俺は、GAMR OVERだ!
>「こうしてキャロは、管理局員に憧れるよりも、『ギャングスター』に憧れるようになったのだ!!」
もう、いじけた眼つきはしていない…
キャロの心にさわやかな風が吹いた……
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 09:07:15 ID:WMrxXSbo
そういやキャロの生い立ちからしてマフィアの方が馴染めそうだw

>>534
大まかなイメージはできた。
明記されてないから断定できないけど、今回描写されたのがBJだという前提で。
気になったのが、タイトスカートってのは跳んだり走ったりには向いてない……よな?
バクラも使うのに緊急時の運動性を無視するってのがちょっと引っかかった
いや、いざとなればめくれまくりで走れば(ry
541魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/12(火) 09:10:21 ID:we44y4LS
>>540
ミッドチルダではミニスカで大空を飛び回る魔法少女もいるから大丈夫b
動きに支障が出るようなら、原作の保護者に倣ってハイレグになればいい。俺によし、お前によし!
542リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 09:34:26 ID:2n6ANtSN
職人の皆様GJです
…寝てる間に素晴らしいことになってますねこのスレ…

さて、昨日言った分、10:00頃に投下していいですか?
543キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/12(火) 09:46:40 ID:pF6ED1wH
龍騎さんGOGO! 超支援w

>バリアジャケットうんぬん
やっぱり原作を見てないと伝わらんもんですかね、難しい。
そして何となく理解してくれた方サンクス。あとタイトなミニなので、何とか動けませんかねw 盗賊王様がそんな感じのを穿いてた。
古代エジプトの男だからアレが見えても問題なのかもしれんが、飛んだり跳ねたり馬乗ったりしてたので大丈夫かな?とw

しかしマズイな……ギャングスターモードだ(なに
俺の考えと皆さんの夢には大きな開きがあるようで、そのギャップに絶望するスレ住人が(ry
544NANOSING ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 10:08:38 ID:2n6ANtSN
「私の負けか」

 遠い昔、ある吸血鬼と四人の人間との戦いがあった。
 戦いは長きに渡って続き、そして人間達はついに吸血鬼を討ち破った。
 今ここに倒れ、心臓に杭を叩き込まれているのは、その敗れ去った吸血鬼である。

「そうだよ、お前の負けだ。醒めない悪夢なんか無いさ」

 その人間達のリーダーらしき男が、吸血鬼に向かって淡々と告げる。
 男はくるりと周りを一瞥し、再び淡々とした口調で言葉を続けた。

「白も領地も消え果てて、配下の下僕も死に果てた。
 彼女の聖餅跡も消えて失せた。彼女はお前のものになんかならない」

 そう言うと男は右手を上げ、拳を握り、そして杭をより深く叩き込んだ。
 響き渡る吸血鬼の声。だが、男は意にも介さずに胸倉を掴んで引き寄せ、怒号のような声で一言告げた。

「お前にはもう何も無い。伯爵……哀れなノーライフキングよ、お前にはもう何も無い」

 その言葉を最後に、吸血鬼……アーカードの意識が途切れた。


第八話『CALL TO POWER』


 次にアーカードの目に映ったものは、飛行機の座席だった。
 顔にあてがっていた手を見ると、血が付いている。どうやら眠り、血の涙を流しながら夢を見ていたらしい。
 ふと耳を澄ますと、自分の座席のすぐ横から声。そちらに目をやると、声の主であるスバルが誰かと通信をしていた。
 ちなみにティアナは棺桶内で、ヴィータは座席で睡眠中。ベルナドットとヴァイスはコクピットで飛行機を操縦している。

「え? 六課メンバーもこっちに来るんですか?」
『うん。スカリエッティはゆりかごで地球に向かったからね、だから私達もアースラで追うことになったの』

 通信の相手は茶髪のサイドテールの女……なのはである。アーカードは名前を知らないが。
 少し聞こえた内容によると、どうやら機動六課の面々が地球へと来るらしい。ゆりかごという耳慣れないもので移動するスカリエッティを追って。
 それを聞いたスバルが頭に疑問符を浮かべる。ゆりかごの正体が分からないらしい。

「……ゆりかご?それって一体……」
『あ、ゆりかごっていうのは――――』

 なのはの説明によると、どうやらゆりかごとは飛行戦艦型の巨大ロストロギアらしい。
 だが、今のアーカードにはそれはどうでもいいようだ。ただ血の涙をぬぐっている。
 と、そこでベルナドットからの機内放送が入った。
545NANOSING ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 10:09:18 ID:2n6ANtSN
『旦那、嬢ちゃん方、もうすぐ英国ですよォ。あと10分で着陸態勢を取るから準備してくれェ』

 どうやら今は英国まであと少しの所にいるらしい。
 それを聞いたスバルは慌ててヴィータのシートベルトを締め、続いて席に戻って自分のシートベルトを締める。
 そしてアーカードは、流れる血の涙をぬぐって呟いた。

「夢。この私が夢だと? バカバカしい」


 ロンドン郊外、王室別邸『クラウニーハウス』。
 そこには今、円卓会議の全メンバーとマクスウェル、それとその護衛としてウォルターとハインケルが来ていた。
 その最上段の席にいるのは、英国女王とそのSP達。正直言って先日のHELLSING本部の一件のような襲撃があったら壊滅してもおかしくなさそうな戦力だ。
 ……いや、その一件そのままならばインテグラとウォルター、それとハインケルで逆に壊滅させそうだが。
 それはともかくとして、しびれを切らした女王がインテグラに聞く。いくら待てども来るはずの者達が来ないから。

「ヘルシング卿、まだ彼は到着しないのですか」
「はッ、もう間もなく到着すると思われます」

 女王の問いにインテグラは確信を持って答える。だが、他の面々……特にハインケルは不安そうな表情を浮かべていた。
 何故なら、迎えにいったのはあのアレクサンド・アンデルセン。それだけでどんな恐ろしいことになっているか想像がつくというものだ。
 そうして、それを想像したハインケルはマクスウェルへと問いかけた。

「アンデルセンを使いに出したのはまずかったのでしょうか?」
「否」

 ハインケルの問いをバッサリと切り捨てる。
 その目にはある種の確信のようなものがあり、それを裏付けるかのように矢継ぎ早に言葉を続けた。

「残念な、そして不愉快なことに我々は後手後手に回っている。
 我々の行動は完全に奴らに筒抜けだ。彼ほどの手練でなければ接触すら出来なかっただろう
 奴らの協力者はあらゆる所にはびこっている。政府、軍部、経済界、宗教、etc, etc, etc, etc.
 永遠の命という誘惑に耐え、勝てるほどの人間など数少ない。
 そうだとも、世界中にいる。英国にも、ヴァチカンにも、そして多分この中にも。糞虫共め」

 ざわ……ざわ……
 今のマクスウェルの言葉に、そこにいた全員が色めき立つ。
 ごく少数を除いた全ての人間がお前か、お前かと互いを疑いあい、罵り合いを始めた。
 SP達が止めようとするが、止まらない。ざわめきがどんどんと伝播し、広がっていく。

 バタン。

 ドアの開け放たれる音が響く。それに呼応したかのように静まり返る室内。
 その場の全員がドアの方を見ると、南米に行っていたメンバーが帰ってきていた。
 そのうちの一人であるアーカードが辺りを見回すと、どうやら必要な人員は全員揃っているようだ。
546NANOSING ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 10:09:51 ID:2n6ANtSN
「全員お揃いとは真に重畳。ただ今帰還した、わが主」
「任務ご苦労、わが僕。女王の御前だ。サングラスを取れ」

 主従が軽く挨拶をし、指示に従ってアーカードがサングラスを外した。血の涙の跡は無い。
 そしてサングラスをポケットにしまうと、女王へと歩み寄った。
 SPの静止は一切無視。そのまま女王のすぐ前へと移動し、立ち止まった。

「……お久しぶりね、ヴァンパイア」
「50年程ぶりかな。そうか、もう女王になったのだったな」
「顔をよくお見せなさい」

 そう言って女王はアーカードへと手を伸ばし、その顔に触れる。
 対するアーカードは笑顔。50年ぶりの再会がうれしいのだろうか。

「あなたは何も変わらないのね、アーカード。私はもうこんなに、こんなにも年老いてしまいました。もう皺くちゃのお婆ちゃん」
「あなたも50年前のようなおてんばのままだ、お嬢さん。いや、あなたは今こそが確実に美しいのだ、女王」
「ふふ、報告をなさい吸血鬼」

 短い再開劇を終え、アーカードへと報告を促す。対するアーカードも、自身が知ったことを告げるために口を開こうとした。
 だが、それはスバルの声によって止められる。

「あの……アーカードさんの報告、機動六課の人達にも聞かせていいですか?」

 数人が振り返ると、スバルが挙手をしていた。何故挙手なのかは気にしない方がいい。
 その意図を掴めず、問い返すインテグラ。何故ここで六課の名が出てくるのだろうか?

「……どういう事だ?」
「実は、管理局が追っている次元犯罪者……スカリエッティっていうんですけど、その一味が戦艦型のロストロギアを動かして地球に向かったって、さっき通信が来ました。
 マクスウェルさんが以前話してた情報に『スカリエッティがあの吸血鬼達に協力しているかもしれない』っていうのがありましたし、だとしたら管理局の方も無関係じゃない……
 だから、今回の事も聞かせたほうがいいって思うんです」

 スバルからの提案を黙って聞く一同。その顔には納得がいったような表情があった。
 なるほど。もしマクスウェルの情報が正しいのならば、事は管理局の管轄にも入る。ならば伝えておいて損は無いだろう。
 女王はそれらをしばらく考え、そしておもむろに口を開いた。その数秒後に驚くことになるとは思わずに。

「……管理局との通信は通じますか?」
『ええ、繋がってますよ』

 急にティアナの正面に通信ウインドウが開かれ、そこには茶の短髪の女性……はやての姿が映っていた。
 何故繋がっているのかはこの際気にしない方がいい。気にしたら「断られてもこっそり聞かせる気だった」と取られかねない。
 空間上にいきなり現れたウインドウに驚くも、はやてが挨拶をしてきたので女王もそれを返した。

『お初にお目にかかります、女王陛下。時空管理局古代遺物管理部機動六課部隊長、八神はやて二等陸佐いいます』
「はじめまして、八神二佐。確認するけれど、どれくらいの人がこの通信を聞いているのかしら」
『ええ、六課の人員全員と、それから可能な限りの関係者に通信を回してます』
「それならいちいち他に説明し直す手間も省けそうね。改めて、報告をなさい吸血鬼」

 その言葉とともに、全員……モニターの向こうにいる者達も含め、全員が固唾を呑む。
 そこから数秒の沈黙。そしてアーカードが、敵についての事を報告し始めた。
547NANOSING ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 10:10:59 ID:2n6ANtSN
「昔々、ある所に狂ったナチス親衛隊(SS)の少佐がいた。
 『不死者達の軍隊を作ろう。不死身の軍勢を作ろう』膨大な血と狂気の果てに、その無謀を成就しつつあった」
「それがミレニアム機関、ミレニアム計画か」
「そうだ。だが55年前にその計画を台無しにしてやった。この私とウォルターとでだ……だが、連中は心底諦めなかった。
 誰も彼もが彼らを忘れ去り、忘れ去ろうとした。だが連中は暗闇の底で執念深く確実に存在してきた。
 ゆっくりとゆっくりと、その枝葉を伸ばしながら」

 アーカードが淡々とそれらの驚くべき事を口にしている間にも、その場の全員が黙って聞いていた。
 もちろん内心では天変地異が起こっているかのように驚いている者も少なからずいるだろう。表には出さないだけで。
 だが、その平静を保った表情が崩れ去るのにはそう時間はかからなかった。

「今や彼らの研究は、恐るべき吸血鬼を完成させる地平にと到達している。
 吸血鬼の戦闘団、不死身の人でなしの軍隊、これこそまさにジークフリートの再来、神話の軍勢……
 第3帝国最後の敗残兵『最後の大隊(LAZTE BATTALION)』」

 ざわり。
 驚きを隠しきれなくなったのか、その場の全員が色めき立った。
 それが本当なら、相手は吸血鬼……それも、名前で判断するならば一個大隊クラスの数……千人はいるという事。
 いくらなんでも、普通ならそんなとんでもない連中を相手に出来る気がしないだろう。
 そのざわめきの中、はやてが喉の奥から声を絞り出す。

『……それがほんまや言うんなら、スカリエッティもよくそんなとんでもない連中と組む気になったもんやな……』
「あらぁ? だったら私達に降伏してくれるのかしら?」

 突如、今の今まで存在しなかったはずの声がした。
 少なくともこんな甘ったるい声の主はこの部屋にはいなかったはず。それなのに、一体どういうことか。
 すぐさま声の方向を向く一同。そこに立っていたのは、髪を後ろで二つに結った眼鏡の女の姿があった。
 その女のことを知っているヴィータが声を上げるのは、それからすぐ後の事だった。

「こいつ……戦闘機人!」
「ウッフフのフ〜♪ ナンバーズNo.4のクアットロです♪」

 『クアットロ』と名乗った女が、人を食ったような笑顔で自己紹介する。
 ナンバーズと名乗っているところを見ると、ヴィータの言う戦闘機人はナンバーズと名乗っているのだろう。
 だが、それは今はどうでもいい。それよりもいつの間に、どうやってこの場に現れたのだろうか?

「クアットロ、ちょっと出てくの早くない?」
「そうでもないわよぉ? ちょうどアーカードさんの説明も終わったところみたいだったしね♪」
「へぇ、そうなんだ。トバルカインの血が教えてくれたんだね。本当に……まったく駄目なんだなぁ……!」

 そんな疑問を浮かべている間にもう一人。今度は犬耳のようなものを着けた少年……シュレディンガーの姿が。
 突然現れた二人分の人影に、ただただ驚くしかできない面々。
 クアットロの方は幻術らしきものを使うとヴィータから聞かされていたので、そちらはどこからかそれを使っていると考えれば不思議ではない。
 だが、シュレディンガーの方は一切の謎。それが一同の不安を煽り立てる。
 と、ここでいち早く正気に戻ったハインケルとベルナドットが銃を抜く。が、シュレディンガーがそれを両手で制止した。

「待った。僕達は特使だ。やりあうつもりはないよ」
「特使だと? いつの間に? 一体どこから? ウォルター!?」
「警備は万全でした。破られた様子もありません」
548NANOSING ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 10:11:42 ID:2n6ANtSN
 インテグラがウォルターに周りの様子を確認させるが、警備には一切の隙も破られた形跡も無い。
 ならば一体どうやってここに入ってきたのだろうか。当人以外のその場にいる全員が同じ疑問を抱えた。
 もしかすると、クアットロの幻術(実際には彼女のIS『シルバーカーテン』によるものだが)で作り出された幻ではないか。そう考える者が出始めたが……

「無駄だよ。僕はどこにでもいるし、どこにもいない」

 そう言うと小型モニターを取り出し、テーブルの上に置いた。コトリと軽い音がする。
 音がしたという事実は、そのまま「少なくともシュレディンガーは幻ではない」という結論に直結し、そのまま全員が「これはそういうもの」と割り切って考えることをやめた。

「それではお集まりの皆さぁん♪ 今日は最後の大隊指揮官の少佐から、大事なお話があるのでしっかり聞いて下さいねぇ♪」

 クアットロがそう言うと、シュレディンガーがもう一方のポケットからリモコンらしきものを取り出し、操作。
 電源ボタンを押すが……画面には何も映らない。故障か、それとも電波の状態が悪いのだろうか。
 主電源のランプは点いている。どうなっているのかと思いながら、シュレディンガーは電源ボタンを連打した。

「……あれ?」

 いつになったら映るのだろう。何人かはいいかげん待ちくたびれつつあるらしく、中にはあくびを噛み殺す者も。
 一応画面は映っているようだが、音声も映像もない砂嵐だ。
 ……と、ここでようやく音声が届いた。

『あれ、どうした? 何も映らないぞ』
『何してる、早く准将殿を壁に立たせてさしあげろ』
『少佐! やめろッ、やめてくれ! 後生だ……ッ!』
『シュレディンガー准尉、全然映らないぞ、これ……ん、ああ映った映った』
『少佐ッ、頼む、助けてくれッ! 助け「PAM! PAM! PAM!」』

 届いた音声は、銃声だった。
 銃声とともに、画面にやっと映像が映る。正直言って、映らない方がよさそうなショッキングなものだが。
 映像が映ったのを確認し、位置的に見えていない六課の面々とアーカード以外の全員が驚愕の表情になっているのを尻目に、クアットロに言った。

「それじゃクアットロ、後よろしくね。僕はこれからアースラの方にもモニター持ってかないといけないし」
「はぁい、それじゃあ頑張ってねぇ〜♪」

 その言葉を最後に、シュレディンガーは姿を消した。


「……というわけで、こっちにもモニター持ってきたよ」

 シュレディンガーが姿を消したその瞬間、アースラ内に異変が発生。
 たった今姿を消した張本人が、アースラのブリッジに来ていたのだ。無論、何の前触れもなく。
 突然の事に驚いたのか、エリオがシュレディンガーに質問した。

「!? ……さっきまで地球にいたんですよね? なのに、いつの間にここに……」
「通信でも聞こえたでしょ? 僕はどこにでもいるし、どこにもいない」

 ……どうやらまともに答えるつもりはないらしい。
 シュレディンガーははぐらかしたような答え方をすると、再びポケットからモニターを取り出した。
 今度のは多少新しく見えるが、やはり電源を入れてもモニターはなかなか映らない。

「……あれ? また? こっちにはミッド製の通信機の機能入れてあるのに……古いポンコツだからかな?」

 ミッドチルダの通信機は別の次元世界間でも通信できる優れものだが、それを使ってもなお映らない。
 どうもポンコツを改造したものだったらしく、それならば映りが悪いのも納得がいく……かもしれない。
 シュレディンガーが操作を続け、ようやく映像が映った。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 10:12:13 ID:R3wZmQOH
支援を1つ
550NANOSING ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 10:12:18 ID:2n6ANtSN
『ああ、こっちも映ったか。やっぱりモニターは新型に買い換えたほうがいいかもな』
『少佐ッ! やめてくれ少「PAM! PAM! PAM!」』

 再びの銃声。
 映った映像はあまりにもショッキングなもので、子供が見たらトラウマになりかねない。
 ……その映像は、銃殺刑の現場と、それに伴う屍の山。死屍累々とか屍山血河といった表現がふさわしいだろう。

「エリオ! キャロ! 見ちゃ駄目!」

 すぐにフェイトがエリオとキャロの前に立ち、その視界から映像を隠す。
 だが、キャロはカタカタと震えている。どうやら一瞬だけ見てしまったらしい。
 だが、そんな様子など一切無視して少佐がシュレディンガーと言葉を交わした。

「少佐、そっちは大変そうですねぇ」
『腰の抜けた上官を持つと苦労するよ。でもこれでようやくせいせいする。いい気分だ、とてもいい気分だ』
「ははッ」


「やあ少佐」
『久しぶりだねぇアーカード君。再び出会えて歓喜の極みだ』

 アーカードが凄くいい笑顔で少佐へと挨拶する。
 対する少佐も素晴らしい笑顔で返事を返した。
 こいつらには敵も味方もない。ただ闘争が楽しめればいいのだ。だからこそこんなフレンドリーに会話ができる。

「お前が敵の総帥か」

 そんなフレンドリーな会話を遮る声。
 少佐が声の主を探すと、そこにはインテグラが睨みをきかせていた。
 だが、その視線も無視し、少佐がインテグラへと挨拶した。

『おお、貴方がHELLSING機関長インテグラ・ヘルシング嬢ですね。お初にお目にかかる』
「何が目的だ……何が目的でこんな馬鹿なマネをする!? 答えろ!」

 一瞬、少佐の眼光が鋭くなった気がした。
 次の瞬間にはその目は狂笑へと姿を変え、そして問いへと答えた。

『目的? お嬢さん(フロイライン)、美しいお嬢さん、それは愚問というものだ。
 極論してしまうならばお嬢さん、我々には目的など存在しないのだよ』


TO BE CONTINUED
551NANOSING ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 10:13:47 ID:2n6ANtSN
投下完了
今回はティアナの影が非常に薄かったような…orz
でもその分他の六課メンバーの出番ができたので、まあ良しとしましょう

あ、メル欄については気にしない方向で
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 10:37:14 ID:azwZgT6V
>551
乙。
未確認愉快戦闘体が集まってきましたな。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 11:04:32 ID:0c5Rb0o1
>>551
GJ!いよいよ六課も本格参戦!続きが楽しみだ。

>>543
キャロとバクラの人氏
盛り上がってる他の皆さん方には悪くて言いにくいのだが……。
俺はあなたの考えてる展開を支持する。楽しみにしている。
554スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 11:30:09 ID:aql4SZ9F
やはり夜の投下は恐ろしいほどあるな。皆様GJです!
早く俺の作品も投下したいがまだ時間がかかりそうだぜ。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 11:40:25 ID:MHnWab5T
>>544
「白も領地も消え果てて、配下の下僕も死に果てた。
城も、じゃね?

ともあれGJ!
556リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/02/12(火) 11:42:42 ID:2n6ANtSN
>>555
間違えた…修正してきますorz
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 14:12:52 ID:t4JP+jOf
GJ!!です。
少佐が来たッ!!少佐理論はアーカード以外には理解できないだろうなぁ。
558スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 14:37:38 ID:aql4SZ9F
3時半ごろにDETONATORStrikerSの最終話の「決着編3」を投下したいと思いますがよろしいでしょうか?
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 15:21:21 ID:0c5Rb0o1
遅らばせながら、支援。
560スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 15:28:54 ID:aql4SZ9F
さてと最終話いきますか!

「なのはさん!」

 オーガンの声にゾアはオーガンの方を向く。

「オーガン、思ったより遅かったな……」
「ゾア、貴様!」
「ふ、この女の事か? 受け取れ!」

 ゾアは掴んでいたなのはをオーガンの方にと投げ飛ばす。オーガンはなのはをうまく受け止める。

「そやつはその少女に勝ったものでな……。どれほどのものかわしが試してみたが……、所詮は人間、たわいもなかったわ」

 オーガンは事情がよくわかっていない。
 説明をしておくとなのははオーガンと別れた後、通路にいたディエチを倒しこの玉座の間へと来たがクアットロにより覚醒させれたヴィヴィオと戦い、
 ブラスターモードを使い最深部にいたクアットロを倒し、ヴィヴィオを元の状態に戻したが、その直後ゾアと戦う事になってしまっていたのだ。
 なのははブラスターモードの反動と魔力の消費のしすぎもあり、ゾアとまともに戦える状態ではなかった上にゾアのソリッドアーマーの方が実力が上なためになのはは血まみれになっていたのだ。
 オーガンはなのはがゾアに負けたことだけは悟っている。
 外からはやてがやってくる。

「!? なのはちゃん!? トモル君! これって……」
「はやてさん! とりあえず今はなのはさんとヴィヴィオを連れて逃げてください! ゾアは俺が倒します!」
「トモル君……」
「早く!」

 オーガンの強い言葉にはやてはビクつくがオーガンの言われたとおり血まみれのなのはとヴィヴィオを連れて玉座の間を去る。
 現在玉座の間にはオーガンとゾアしかいない。

「ゾア! 貴様の目的は何だ!? ここには俺達の知るイバリューダーはいないんだぞ!」
「ふ、そんなことはわかっておるわ。わしは破壊をする、ただそれだけのことよ」
「貴様……」
「オーガン! わしらイバリューダーはいつの時代、どんな世界に居ようと所詮は破壊をするだけよ……」
「そんなことはない! そしてまた教えてやる。慈愛の心が力を生み、人間は無限の可能性を持つと……!」
「スカリエッティや他の雑魚はもう皆やられたそうだぞ。もう残っているのはわしだけだ。今度こそわしを確実に倒すんだな!」
「ああ! そうさせてもらう!」

 そしてオーガンとゾアの次元を超えた戦いが始まる。
 オーガンとゾアはお互いもうスピードで突撃し、拳を繰り出す。
 お互いそれを避けながらそれぞれビームガンを繰り出す。
 しかしそれも二人ともうまく避ける。
 ゾアは避けながらの攻撃の手を撃ち、反物質砲を放つがオーガンはそれを避ける。
 反物質砲はゆりかごの外にまで行き、その斜線上にいたガジェットやエイド達を飲み込み消滅させる。
 その反物質砲を目の当たりにした局員達と脱出したはやては驚愕する。

「何てことだ……」
「俺達が当たったら死んじまう!」
(トモル君……)

 はやてはオーガンが勝つ事を祈る。
561スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 15:29:28 ID:aql4SZ9F
「オーガン、先の反物質砲でわしがもう撃てないと思ったら大間違いだ。わしはもう一発撃てるぞ。
だがそれは貴様にトドメを刺す時だ!」
「うおおおおおおおおおお!」

 オーガンが拳をゾアに当てようとし、ゾアはその拳を拳で受け止め、オーガンの手にひびが入る。

「ぐわああああああああ! くそ!」

 その距離からP.C.Eキャノンを発射するが、ゾアには効かずゾアに額を掴まれる。

「これは懐かしいな。お前と宇宙空間で戦った時の事を思い出す。あの時は溶鉱炉を破壊しても貴様は動いた。そしてわしはあの時油断したがために貴様に倒された。
だが、わしはもう油断などせん! このまま貴様を原子に返してやる!」

 ゾアはそう言い額を引きちぎり、手をオーガンの中に入れ溶鉱炉を破壊しオーガンは倒れこもうとする。
 ゾアはそのまま、反物質砲を撃とうとする。

「今度こそ、原子に帰れ! オーガン!」

 オーガンはその時ふと頭によぎる。それは地球で待っている自分の大切で愛しい人、そしてこの世界で必ず生きて帰ると約束した人の事を……。

「うおおおおおおお!!」

 オーガンは叫びと共に起き上がりゾアの方に突撃し手からカッターを出し、ゾアを刺す。
 それと同時にビームガンでゾアの体を撃ちぬく。

「ぬおおおおおおおお! だがまだだ!」

 それでもゾアは反物質砲を撃とうとするがオーガンはランサーを出し、ゾアを横に斬り縦にと斬る。

「おのれれえええええ! オーガン! だがまだ終わらんぞ!」

 ゾアの叫びに反応をするようにゾアは姿を消す。

「何!? うわあ!」

 ゆりかごが本格的に揺れる。

「ひとまず脱出だ!」

 オーガンは来た道を戻り、ゆりかごの外に出る。

「トモル君! よかった……」

 はやての言葉をオーガンは気にしなかった。

(まだ何かあるはずだ……)

 オーガンはゾアが姿を消した事やゾアの言った言葉から考えてある答えを導き出す。

「まさか!? あのゆりかごにも反物質砲が……」

 オーガンの読みは当たっている。スカリエッティはゾアの意見を取り入れゆりかごに反物質砲を入れたのだ。
 それも戦闘惑星ゾーマクラスもしくはそれ以上の出力のある反物質砲を……。
 このままではゆりかごを宇宙空間で破壊しようとする戦艦らがゆりかごの反物質砲で消滅させられてしまう。
 オーガンは宇宙に出る事を決意する。

「はやてさん、俺は行きます!」
「行くってどこへや!?」
「宇宙です!」
562スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 15:30:00 ID:aql4SZ9F
 オーガンはそれだけを告げ、急いで宇宙空間に上がる。


 何とか戦艦よりも先にオーガンがゆりかごの前へとたどり着き、グランドクルスアタックの体勢を取ろうとするとゆりかごからゾアの声が聞こえてくる。

「無駄だぞ、オーガン! この世界の太陽ではこちらの方が上だぞ……」
「だが、俺はやる! この世界や他の世界の人達も守るんだ!」

 その時、地上から光が走りオーガンの後ろで光輝き、それは太陽以上の光を感じるものがある。
 それははやてが地上から撃ったラグナロクである。

「これは……」
「トモル君、これは私からのプレゼントや! 受け取ってーーー!」
「うおおおおおおおおおおお!!!」

 そしてゆりかごから反物質砲が撃たれるのと同時にオーガンはグランドクルスアタックを放ち、
 それは相殺だと思いきやそうではなく、オーガンのグランドクルスアタックの方が勝り、ゆりかごを飲み込む。

「またしても……、認めんぞ……、魂の力なぞ……、人間の可能性など……」

 光がやむと同時にようやく戦艦らが到着するが、報告によると何もなかったそうだ。ゆりかごもそしてオーガンも……。


 それから三ヶ月が経ち、ようやくミッドチルダは少しだが安定し始める。
 復興した機動六課隊舎でははやてが一人机で考えていた。

「はやてちゃん、どうしたんですか……?」
「リイン、トモル君は……、オーガンは本当に消えたんやろうか……?」

 あれから三ヶ月が経つがオーガンに関する事は何も入ってこない。

「でもはやてちゃんはトモルさんの事を信じてるんですよね……」
「……、そうやよ」
「だったらリインも信じてますよ。トモルさんは必ず帰ってきます。はやてちゃんを泣かせる人はリインが許しません!」
「そうやな……」

 リインフォースUに励まされながらはやては笑う。

(そうや、トモル君は絶対生きてる。そして帰ってくるんや。そう約束したもんな……)
563スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 15:30:29 ID:aql4SZ9F
 西暦2292年の地球では戦闘惑星ゾーマの反物質砲がオーガンのグランドクルスアタックにより相殺され地球は救われていた。
 その直後、トモルの思い人である。神崎未知はある反応があるのを見て海へと向かう。
 そこにいたのはトモルとボロボロになったオーガンであった。

「トモル!」

 未知はトモルに駆け寄り、二人は互いに抱きしめる。

「トモル、お帰り」
「未知、ただいま」

 トモルはすぐに未知に自分がミッドチルダに行ってた事を話す。

「信じられないわ。まだ全然時間は経ってないのに……」
「俺も最初は信じられなかったよ。でも今は実感してる。俺は違う世界にいたんだって……」
「トモルが言うんだわ。私も信じる……」

 トモルは地球圏付近にいた戦闘惑星ゾーマが離れていく様子を見てこう言う。

「オーガンは地球やイバリューダー、そしてあの世界も救ったんだと思う。俺は絶対宇宙に行くよ。そしてイバリューダーと会う。
今度は同じ生きるものの仲間として……。そしてあの世界にも行くんだ。俺約束したからな……。必ず生きて帰るって……」
「トモル……、その時は私も連れてって……」
「ああ、もちろん」

 こうしてオーガンの戦いは完全に終わりを迎えるのであった。


 DETONATORStrikerS  完
564スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 15:34:41 ID:aql4SZ9F
投下完了。しかしこの話は比較的短かったな。申し訳ありませんがDETONATORStrikerSは
プロローグと「復活編」と「衝撃編」と「決着編」とにしてください。
後、修正掲示板に書き込んでいたのですが、それがまだされていないようなので修正の方もお願いします。
新作はまだ思索中なので何を書くかはまだはっきりしてません。
ですが次の投下は反目さんの「片翼の天使」外伝でこっそりあった「並行世界」と言う言葉の影響により、
スパロボXと魔法少女(チェンジ!!)リリカルなのはの世界が繋がっていたらの話をちょっとだけ書こうと思います。
俺はとことこ反目さんの影響を受けやすいようですね…。それでは。
565反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:02:18 ID:HVro/FrP
皆様GJ!

とりあえずなの魂氏の投下の後に、はやてがあんな扱いになってるコレを投下するのは気が引けるのですが、
ユーノ君完結編を投下してもよろしいですかね?

今回は、過去に書いた単発ネタと世界観がリンクしてます、
566反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:23:02 ID:HVro/FrP
返事はないものの投下。

魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使

外伝集「アンソロジー(5)」


――ユーノ君のプロポーズ大作戦!(今度こそ後編)

【6:58 正面入り口】
ユーノ・スクライア司書長後援会結成から2週間後。ようやく作戦決行の日がやって来た。
ユーノ君プロポーズ大作戦の決行日が。
「では諸君、健闘を祈る」
物々しくはやてが言い、六課隊員達が敬礼する。
作戦の概要はこうだ。
まず、なのはに大量の書類を預け、机へ貼り付けにする。
そこへ訪ねてきたユーノが向かい、2人きりになったところで頃合いを見てプロポーズ。シンプルだがこれで効果は十分。
この日のための仕込みは万全だった。
まず、4人の新人フォワード陣。
スバルとティアナにはパトロール任務を与えて街へと放り出し、エリオとキャロはシグナムが「模擬戦」という形で引き付ける。
ヴィータ、シャマル、リインの面白い噂大好き3人組には適当な任務を与え、その日いっぱい六課隊舎から遠ざけた。
残るロングアーチは全員買収済。この日の朝イチで全員を叩き起こして召集した後、金一封を掴ませて服従させた。
今この隊舎に、はやての息のかからぬ者などいない。
…いや、それが普通なのだけれども。
はやては仲間達へと敬礼を返すと、隊舎の外へと歩いていった。
この日は予算会議と被っているので、部隊長たる彼女は戦線に参加できないのだ。
断腸の思いで、グリフィスの運転する車へと乗り込み、その場を後にする。
一瞬の沈黙。
…そして戦士達は動いた!
セフィロスとフェイトはロングアーチのオペレーター達を引き連れ、一斉に指令室目指して猛ダッシュ!
その中からシャーリーが枝分かれし、なのはへ渡す書類を求めて部隊長室へと走る!
シグナムとザフィーラは反対側へ駆け出し、それぞれにエリオ達とヴィータ達の方へ一直線!
かくして、いつの間にやら六課の総力を挙げることになったプロポーズ大作戦の準備が開始された!
…君らゆりかごの時より気合い入ってない?

【7:02 指令室】
巨大なモニターを埋め尽くす、ある一室の映像。
様々な角度から仕掛けられた監視カメラの映像が、そこに並べられていた。
本作戦の司令塔は当然ここ。この場所には、セフィロスとフェイトがついている。
『こちらスネーク。各員、状況を報告せよ』
はやてからの通信回線が開き、映像群の中央にその顔が表示された。
「こちらレイブン。所定の位置に着きました」
「マンティスも右に同じだ」
フェイト、セフィロスの順にそれぞれのコードネームを名乗った。
『こちらウルフ。これより出動する』
言うまでもなくこれはザフィーラである。
彼は監視役としてヴィータ達の任務に同行しており、今は現場へ向かうヘリから念話を飛ばしている。
当然、パイロットのヴァイスもこちらだ。
『フォックス、監視対象の部屋前に到達しました。頃合いを見て連れ出します』
続いての連絡はシグナムから。
『こちらオセロットです。書類確保完了。指示があり次第、ターゲットの元へ向かいます』
最後に出たのはシャーリーだ。
今回は単独で動くということで、後援会メンバー以外では唯一コードネームを授かっている。
『後はオクトパスの到着を待つだけやな…』
今日の主役に名付けられたコードネームを、はやてが呟いた。
ちなみにこれらの命名はフェイト。最近買ったゲームから取ったらしい。
567反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:25:13 ID:HVro/FrP
と、そこでフェイトの通信端末が開き、映像がオンになる。
映ったのは無限書庫司書長にして、彼女らの希望――ユーノ・スクライア。
『こちらオクトパス。たった今ミッドに到着。約20分後にそちらへ到着します』
『よし! これで全てのカードは揃った!』
意気込むと、はやての口から指示が飛ばされる。
HQ(本部)、フォックス、オセロットは、オクトパスの到着から1時間後に行動開始。
オセロットは書類を届け次第、HQへと合流。ターゲットが職務を開始してから30分後にオクトパスが向かい、任務を遂行する。
各員、HQへの定時報告を忘れぬこと。
フォックスは何としても監視対象を所定エリア内に止めることを最優先せよ。いざとなったらそのおっぱいも使え。
ウルフの帰還が午後となる以上、タイムリミットはパトロール組が帰るまで。
『では私はこれにて通信を切る。各員…そして何より、オクトパスの努力に期待する。以上』
はやてはそう締めくくった。これで彼女からの連絡は、予算会議が終わって帰ってくるまでなくなる。
後の判断は作戦本部、そしてユーノに委ねられた。
途切れた映像に向かい、再びメンバーが一斉に敬礼した。セフィロスも含めて。
それにしてもこのマンティス、ノリノリである。

【8:27 指令室】
指令室にユーノが到着し、間もなく1時間といったところ。
緊迫したムードが指令室に、そして隊舎全体に漂う。
「ユーノ…作戦開始の宣言を」
静かにそう言って、フェイトが、今まで自分が座っていた指揮官席を勧める。
ユーノはそれに頷くと、席につき、マイクに向けて口を開いた。
「…みんな、今日は僕のためにわざわざ協力してくれて、ありがとう」
はっきりとした声で発音する。
「正直、最初ははやてのテンションについて行けず、戸惑っていた…」
でも今は感謝している、と。
凛とした表情で顔を上げ、ユーノは高らかに宣言する。
「この作戦…必ず成功させてみせる! みんな、僕に力を貸してくれ!」
大人しい彼の姿からは想像もつかない、力強い言葉。
人生最大の決意を前にして、ユーノは確実に、男として一皮むけていた。
これもひとえに、自分の背中を押してくれた皆のおかげだ。
その仲間達は、一様に無言で頷く。
我らの全ては、このエース・オブ・エースのパートナーのために。
「…オクトパスから各員へ告げる! プロポーズ大作戦…開始ぃっ!!!」
「「「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」」」
愛の戦士達の雄叫びが、指令室にこだまする。
AM8:30、遂にプロポーズ大作戦は決行された!
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 17:25:27 ID:96MKh1wE
ユーノが漢に...支援
569反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:26:34 ID:HVro/FrP
【8:55 指令室】
『やれやれ…はやてちゃんもしょうがないなぁ』
苦笑いを浮かべながら、なのはがモニターの中で書類を作成していた。
誰もいないのをいいことに独り言を呟いているが、まさか皆に盗撮されているとは思うまい。
ちなみに山積みになっていた仕事は、全てはやてが1週間後に提出する予定のものである。
しかしそれをシャーリーは2日後と偽り、はやてが「手伝って」と言っていた、と吹き込んだのだ。
(…なのは…)
映像の中のなのはに、ユーノはしばし想いを馳せる。
10年前、パートナーとして共に戦ってきたなのは。その彼女に、この胸の内を告白する。
手の中に光る小さなリングを渡し、生涯を共に渡り合うことを願う。
心臓の音が騒がしい。頬を伝う汗が煩わしい。
いざとなると、やはり身が震える。この調子で、彼女の目の前に行った時、本当に大丈夫なのだろうか?
否。
大丈夫か、ではない。
大丈夫にしなければならないのだ。
覚悟を決めたユーノは、指先で眼鏡を正し直し、口を開く。
「…よし。これよりオクトパス、出動する!」
決意をこめて、宣言した。
「了解。ご武運を」
「お気をつけて、司書長」
「頑張ってね、ユーノ」
周囲から応援の声がかかる。
「…これだけ手間をかけさせたんだ。それなりの結果を見せろ」
そして最後に、実際のところほとんど役に立っていなかったセフィロスが、ぶっきらぼうに言った。
力強くそれに頷くと、ユーノは部屋のドアを開き、廊下へ出る。
戦場へと向かうために。
「HQより各員に通達。オクトパス、出動しました。繰り返します…」

【AM8:59 敷地内森林】
(そうか…スクライアも動いたか)
エリオの攻撃を受け止めながら、フォックスことシグナムは通信を聞き届けた。
(上手くやれよ)
内心で祈る。
ユーノと自分達の努力を無駄にしないために。
「やぁぁっ!」
そしてそんなことはお構い無しに、エリオはストラーダによる攻撃を繰り出してきた。
JS事件などの様々な経験を経て、重く鋭くなった一撃が、次々とレヴァンティンに叩き込まれる。
「はぁっ!」
シグナムもまたそれに応え、自らの愛刀を振るった。
(…それにしても…)
しかし、引っ掛かるのはあの命令だ。
(本当に使わねばならないのか、胸…?)
――いざとなったらそのおっぱいも使え。
この一文が気がかりだった。
はやてはこの健全な少年相手に、いけない課外授業を施させるつもりなのだろうか。
『フフ…こっちの槍もなかなか立派じゃないか』『あっ…い、いけません…シグナム副隊長…っ』などという展開に持ち込めということか。
大体、女の自分の色仕掛けで、どうやってキャロを引き止めろというのだ。
まさか百合んな展開に雪崩れ込めとでもいうのか。
『だ…駄目です、副隊長っ…女同士で、こんな…』『そう言いいつつも、下の口は正直なようだな』とでもしろってか。
(…いずれにせよ、いざという時が来ないように努力せねばな…)
570反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:27:46 ID:HVro/FrP
【9:01 クラナガン市内】
その頃、スバル達は…
「あれ、ひょっとして昨日この国に来た旅人さんですか?」
「そうです。…警察か、軍隊の方ですか?」
「キノと変わらないような歳なのに立派だねぇ」
喋る二輪車に乗った旅人に出くわしていた。

【9:03 オフィスの一室】
「やあ、なのは」
ドアを開き、遂にたった1人の部屋へとユーノが突入した。
ここで戦争が始まる。自分の人生を賭けた、一世一代の大勝負が。
バックスはたくさん、しかし前線には自分1人。故に、自分自身が頑張らねば始まらない。
「あれ、ユーノ君? どうしたのこんな所で?」
「今日は休みが取れたから、様子見に来ちゃった」
ばくばくと脈動する心臓を抑えながら、つとめて自然に笑って、ユーノはなのはへと近寄る。
「もぅ、そんな無理して朝早くから来なくてもいいのに〜」
こちらを気遣ってか、少し困ったように笑うなのは。
「う、うん…そうだね…あはは、はは…」
やめてくれ。その笑顔はヤバい。
今そんなに優しく笑顔を向けられようものなら卒倒しちまう。
乾いた笑い声を上げながら、直視できないユーノは汗だくの顔を背けた。
「? どうしたの?」
「あ、ああいやっ! 何でもないんだ…あはは…」
ユーノは必死に取り繕う。今はその天然が憎い。
情けないなぁ、自分…そんな思考が頭を横切るのを感じながら、彼は予定通りに話題を切り替えることにした。
「あ…今、仕事中だった?」
「うん。これ、今予算会議に行ってるはやてちゃんの分なんだけどね」
山積みの書類に視線を向けながら、なのはが言った。
ユーノは改めてその量に驚嘆する。
いくら1週間分とはいえ、部隊長にはこれほどまでに仕事があるのか。自分のといい勝負じゃないか。
「よかったら、手伝おうか?」
「え? そんな…いいよいいよ。ユーノ君はお客様なんだし」
「いいからいいから」
そう言って、ユーノは書類の山から上半分を取ると、隣の席に置いて自分も腰かける。
これが後援会発案の作戦だ。
なのはが処理している仕事を手伝うことでいいところを見せ、ムードがよくなってきた所で告白する。
「それじゃあ、お願いしちゃおうかな」
なのはは面白いように食いついてきた。
確かにこの数を1人でこなすのはつらい。正直、ユーノが名乗り出てくれたのはありがたかった。
何より、デスクワークは退屈だ。話し相手がいるのは悪くない。
「いえいえ」
我ながら白々しいものだ。
一抹の罪悪感を抱きながらも、ユーノは仕事に向かう。
これで第1条件はクリアした。後は頃合いを見て、話題を切り出せばいい。
もっとも、それが最大の難関なのだが。
今は自分の勇気を信じるしかなかった。
571反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:28:54 ID:HVro/FrP
【10:04 地上本部】
その頃、予算会議中のはやては…
「おんどりゃあぁぁぁぁ! ロストロギアナメとんのかワレェェェェェ!」
「何を言うか! そんな裏方よりも一般軍備の方が大事に決まっとるじゃろーがこのガキめ!」
「やぁかましいっ! ほんならそのロストロギア使うて、オノレの家で次元震起こしたろかクソジジィ!」
荒れていた。

【同時刻 指令室】
「はぁ〜…あれから1時間、進展皆無ですねぇ…」
退屈そうにオセロットことシャーリーが呟いた。
今の状況は、まさに彼女の言う通りの形だ。
仕事の手伝いが始まってから既に1時間弱が経過しているが、会話はあくまで雑談の域を出ず、状況に変化は見られない。
「苦戦してますね…」
「そのようだな」
指揮官席のフェイトと隣に立つセフィロスが言葉を交わす。
『HQ、こちらフォックス。そろそろ模擬戦も終わりが近づいてきた。オクトパスはまだか?』
そこへシグナムの通信が飛んできた。すかさずフェイトが応対する。
「もう少し待ってください。まだ切り出せていません」
『まだなのか? このままでは、その…胸を使う羽目になりかねんぞ』
モニターに映る戦闘中の横顔は真剣そのものだが、シグナムの念話の声には、明らかな羞恥の響きがこもっていた。
「でしたら…そうだ、キャロ、というかフリードの相手をしてあげてください」
『…へ? 私、朝っぱらからあんなのとやらなきゃならんの?』
唐突に告げられた「竜と戦え」命令。思わずシグナムの真面目な口調が吹っ飛ぶ。
「お願いします。それとも何ですか、その胸をさらけ出してえっちな課外活動をするつもりですか? そんなことしようものなら…」
フェイトはそれ以上を口にしない。しかし、その怖いほどに満面の笑みを見れば痛いほど分かる。
そしてその笑顔すら見えぬシグナムにすら、分かりきったことだった。
――殺しますよ。
『分かった…やればいいのだろう』
そう言って、彼女は念話を切る。
これでエリオ達の方の足止めは達成された。
問題はスバル達の方だ。完全に独立している彼女らは、止める術がない。おまけにそろそろ帰ってくる頃だろう。
そうなれば、全てがアウト。
「…ユーノ…」
今は祈るしかない。
神よ、もしおられるのなら、あの哀れなフェレット…じゃない、青年に祝福を。
最後の一歩を踏み出す勇気を。
それだけが、この作戦本部に集った人間の願い。
あのユーノという名の青年の想い――その成就を願うのが、この場の集い。
いつしか、皆の心はひとつになっていた。
…まぁ、元々の動機は買収だったわけだけれども。
というかこれ、明らかに恋の手伝いの域を越えている。
572反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:30:22 ID:HVro/FrP
【10:11 オフィスの一室】
無理かもしれない。
いい加減そんな風にすら思えてきた。
ユーノとてただ何もしようとしなかったわけじゃない。何度かタイミングを探ろうとした。
しかし、すぐ隣で作業するなのはの横顔を見ると、全て吹き飛んでしまう。
心音がとてつもなく五月蝿い。ここが無音の部屋だなんて信じられない。
強気に言い放った自分が馬鹿みたいだ。所詮自分はこの程度の男なのだ。
しかし、こんな形で終わりたくもない。
ここまで支えてくれた仲間達がいる。それに、どうしてもこの想いは伝えたい。
…何故?
それは、
(僕が…)
なのはを好きだから。
いつだって明るい笑顔を絶やさず、それに加えて強烈なまでの意志を兼ね揃えた、すぐ隣に座る、美しい彼女が。
(僕はなのはが好きだ! 一緒にいたい!)
迷っている暇はなかった。緊張がなんだ。そんなもの、無視してしまえばいい。
「な…なのはっ」
微妙に詰まらせながらも、はっきりとした声でその名を呼ぶ。
「うん?」
それを聞いたなのはは、ユーノの方へと向き直る。
「その…10年前から、ずっと…今まで…」
たどたどしくユーノの口が言葉を繋いでいった。
「?」
そんな極度の緊張など露知らず、なのはは純真そのものな目で、ユーノの瞳を覗き込んでくる。
「あー…っと…」
やめろ。
今のその視線はある意味凶器だ。そんな綺麗な目で見つめられたら、先が続かなくなる。決意が折れる。
後でならいくらでも見てきていい。いや、むしろ見てほしい。だから今はやめてくれ!
「………」
「ユーノ君?」
なのはが怪訝そうな顔で、可愛らしく首を傾げた。
「…色々あった、よねぇー。あはは、はは…」

【10:14 指令室】
「「「だぁああぁぁぁぁぁぁ!」」」
一同は盛大にずっこけた。セフィロス以外。

【同時刻 オフィスの一室】
「あー、そうだねぇ」
思い出したように言うと、なのはは感慨深げな様子でどこか遠くを見る。
本当に色々あった。
ただの小学生がデバイスを手にしたことで、PT事件や闇の書事件に関わることになった。
そのまま異世界の法治組織に入隊し、今年もJS事件という大きな事件を解決に導いている。
「そっか…ユーノ君からレイジングハートを受け取って、もうそんなに経つんだ」
嵐のように駆け抜けてきた時間は、いつの間にか10年。
その長さを改めて実感するように、なのはは呟いた。
「その…ごめん、なのは」
ユーノの口をついたのは、謝罪の言葉だった。
なのはにとっての10年は、それまでの人生とは一線を画する苦難の道。
幾多の強敵と戦って傷つき、ひどい時には歩くことすらままならなくなった。
今ですら、最大魔力量8パーセント減少というハンデを背負っている。
自分が勝手になのはを巻き込んだ結果、何度も何度も彼女を傷付けてしまった。
「にゃはは…ユーノ君が謝ることないよ」
「でも…」
なのはにそう言われつつも、ユーノは申し訳なさそうに言う。
「…私ね、ユーノ君」
ふと、天井を見上げるようにして首を持ち上げながら、なのはが口を開いた。
その天井の先にある青空を見つめて。
「この力を手に入れたこと…後悔はしてないよ」
573反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:31:48 ID:HVro/FrP
「え…?」
思わず、ユーノは聞き返していた。
「突然魔導師になって、色々あったけど…」
なのはは一言一言をはっきりと発音していく。
さながら、魔法と共に歩んだ歳月を、噛み締めるかのように。
「魔法があったから、私はあの時、フェイトちゃんを助けることができた」
「あ…」
なのはの言葉はなおも続く。
「あの時だって、はやてちゃんを助けることができた。管理局にいたから、空港火災現場でスバルを救出できた。今も…ヴィヴィオを助けられてる」
この10年の戦いの道は、何もつらいことばかりではなかった、と。
「驕りでも何でもないけれど…守れる力があったから、私はみんなを助けられたんだよ」
はっきりとそう言った。
あの、最高の笑顔と共に。
ユーノが好きになった笑顔と共に。
「だから、ユーノ君には感謝してる」
「なのは…」
「それにね…」
そこまで言うと、なのははぽっと顔を赤らめて言葉を切る。
どこか気恥ずかしいようにはにかみながら、やがてその先を口にする。
「…こうして、ユーノ君にも会えた」
真っ直ぐにユーノを見据えて、そう言った。
どきっ、とさせられた。
一瞬、それこそほんの一瞬だが、ユーノの思考が止まる。
自分に向けられているのは、どこかいとおしげな雰囲気さえ漂う眼差し。
それが自分にそういう意味で向けられたのか否かが分からなくて。
しばし両者は沈黙する。
視線を向け合ったまま、どちらも一言も漏らさずに。
「…なのは」
静寂を破ったのはユーノだった。
この眼差しの意味が何なのかはまだ分からない。でも、分からないなりに行くしかない。
たとえどれだけ心臓が騒ごうとも、この場で引き下がることは許されない。
これが今日の、最後のチャンス。
「うん…」
なのはもまた、小さく頷いて答える。
果たして彼女が、今からユーノが言わんとすることを理解しているのか。それはもはや、さしたる問題ではなかった。
ユーノの手が、ズボンのポケットへと伸びる。
その中にある、小さな箱へと。
「僕は…」
決意を込めて、その口が開かれる。
「…君が…」

「――たっだいまー!」

2人きりの部屋に響く大声。
近づいてくる若い2人の少女。
「なのはさ〜ん、パトロール終わりました〜!」
「え!? ああ、うん…」
予期せぬスバル達の帰還に、なのはは狼狽した返事を返した。
そして当のユーノは…
「…どうしたんですか、スクライア司書長?」
書類の山へと盛大に倒れ込んでいた。

【10:22 指令室】
「あ…聞き入ってて、スバル達が帰ってきたの、見逃してた…」
静寂に包まれた作戦本部の中で、ルキノの呟きがくっきりと響いた。
「…えー…HQより各員に通達。作戦失敗。繰り返します…」
574反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 17:33:02 ID:HVro/FrP
ユーノ君のプロポーズ大作戦。
シグナムがうっかりブラストレイを食らって丸焦げになってしまったり、
なのはとユーノのかもし出した桃色ムードにフェイトが暴れ出したりと、色んなことがあった半日間。
結論だけを言えば、作戦は失敗に終わった。
しかし、何も収穫がなかったわけではない。「脈アリ」の可能性は掴むことができた。
ユーノ1人では、ここまでこぎつけることはできなかっただろう。
そして、ここから先は、彼1人でも十分に戦える。
もう皆から、勇気はもらったから。
後はその想いを告げるタイミング。
満足そうな笑顔を浮かべ、仲間達に見送られ、ユーノは六課隊舎を後にした。

【16:11 ロビー】
「ただいま〜♪ どないやった、セフィロスさん?」
「…あんな奴もう知らん…」
余談だが、作戦失敗を受けて1番不機嫌だったのは、セフィロスだったらしい。

おしまい

///////////////////////////////////////////
投下終了。
だめだこいつら はやくなんとかしないと

一応コードネームのネーミングについて。
蛇:リーダー。ファーストネームは「固体」ではない 山猫:実はスパイ 狐:NINJAとSAMURAIなんざ親戚みたいなもんだ
烏:カラスって黒いし空飛ぶじゃん? 蟷螂:嫌がらせ超能力者 狼:まんま狼だから 蛸:変装の達人=淫獣への変身

次回セフィロスの話を1本書いて、ようやく「アンソロジー」編は終了。
以降は彼が死んだ(?)後の話を2本ほど書きます。片方はスタイリッシュ・ディード。
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 17:41:27 ID:dPvN1l1s
>>574
GGGGGGGJJJJJJJJ!全員少しでいいから自重しろwwwwwww

しかしフェイトさん、やったのってもしかして某金属装置っすか?w
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 18:14:08 ID:SWj+cIFI
なのは……あなたはやはり美しい……

ハッいつの間にか淫獣にトリップしていた……。
まあしかし、良くやった!頑張れよ!
そしてセフィロスさんもお茶目になった、いいぞもっと(ry
最後になったがGJ!!
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 18:21:17 ID:0R0eeEbH
GJ!
ユーノくぅぅぅん!頑張ったよあんたww
彼がメインの話も珍しいし、このほのぼの感が心地よかったぜぇ!
ノリノリな全員に吹いたw
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 19:00:29 ID:7N+Y7yeG
GJ!
ユーノはやっぱかっこいい、地味だけどw
フォックスが真面目すぎで吹いたwww
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 19:31:27 ID:yf2z13Fg
>>564
オーガン溶鉱炉つぶされてるのに動き回ってるw
あと作者さん小説版読んでます?
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 19:38:55 ID:96MKh1wE
GJ!!
スバティアが帰ってきたとこで、思わずズッコケタ。お約束ですけどね
しかしおっぱいに取り付かれた反目氏カワイソス(´・ω・`)
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 19:41:32 ID:kKHC7+qg
他のクロスだってロボがデバイスに変じたり
ダメージがフル回復したり事によっては死者蘇生まであったりと
転移に伴うご都合主義は存在してるんだ
大した問題じゃない
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 19:47:29 ID:ychnADe4
それにしてもバイドに汚染されすぎだw
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 19:49:33 ID:t4JP+jOf
GJ!!です。
スバル達はここで別作品と繋がってるのかw
そして、任務開始直後のセフィロスの行動が笑えるw全力疾走したり、敬礼したり。
はやてはキレすぎだぁw毎回予算会議のたんびに韓国の国会のように暴れるのかw
584スーパーロボット大戦X:2008/02/12(火) 20:07:40 ID:aql4SZ9F
>>574
すごくGJでした!面白すぎで腹が痛かったよ。
しかしスネーク、ウルフ、フォックスは俺もやってるあのスマブラXですねってこのキャラって反目さんのメインキャラですか?
ちなみに俺のメインキャラはルカリオ、ソニック、マルスです。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 20:22:42 ID:5ApW1cfM
>>584
つFOXHOUND(MGS1)
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 20:26:29 ID:68lixg2Y
GJ!

ってか不機嫌になるくらいなら、最初からなんかやれよセフィロスッ!
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 20:46:58 ID:azwZgT6V
反目さん乙です。

……突っ込む分が残ってねぇ。
>579
そら、リンカーコアで動いてたのかと。

むしろ、溶鉱炉に突っ込みたい。
いやほら、『皇帝の紋章』のラスボスの名前なんで。
>583
……ああ、幽霊部長のようなものですか!
588旅ゆく人@携帯:2008/02/12(火) 20:48:27 ID:WOGORAwp
仕事場からカキコ。


>>574
つ【砂丘長芋の焼酎】


つまりは、GJ。
しかし、色々やってくれましたなー……。


さて、お仕事CMPL。
RTBでございます。
589メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:31:16 ID:MEKF2hHg
反目さんの投下から30分以上経過していますし、予約ないみたいなので、
バレンタイン前なのに気が早いですが、バレンタインネタのメタサガ15.5話を5分後より投下します。
いろいろ突っ込み入りそうですが、フラグはいれておいたつもりです。
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:38:17 ID:zalOCC5K
死亡フラグ?w支援
591メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:39:20 ID:MEKF2hHg
大破壊前、アイを大切にする日とかいうものがあったらしい。
それはあの荒野である日突然告げられた話。
変わった風習の日だと思いながら、今さっきまで忘れていたこと。
エリオの口からもたらされた聞き覚えのある言葉に俺は奔走する。
結果、なにが起こったのか。
とりあえず、間違ったこと教えたなら訂正してくれ。
魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。

第15.5話 アイを大切にする日

今日は珍しくみんなが午前中いっぱいまでお休み。
半日だけ出勤とか物凄く不思議な形だと思うけど、
そうなってしまったんだからそうとしか言いようが無い。
けれど、ヴィヴィオと一緒にいられる時間が増えたことは素直に嬉しい。
そして今日はバレンタインデー。
ミッドチルダにあっという間に広がった第97管理外世界の風習。
いったい誰が持ち込んだのか。
経済効果云々なんて味気ない話で終わりそうだけど・・・・・・。
とりあえず男性の比率の少ない六課だけど、
エリオとはんた君とグリフィス君にユーノ君は確定として・・・・・・。
あとはクロノ君・・・はどうしよう。
エイミィさんいるけど、義理で贈ったほうがいいのだろうか?
悩んでいるわたしの傍らでヴィヴィオが一生懸命生クリームをあわ立てている。
楽しんでくれているみたいだ。
昨日の夜、たくさん下ごしらえしておいてよかった。
お菓子作りを楽しんでいるヴィヴィオを見るだけで心が和む。
つまみ食いしている量のほうが多い気がするけど。
フェイトちゃんも楽しそう。
そんな空間に水を差したのはドアチャイムの音だった。
「ちわーす。インテリアショップです。お届けものに参りました。」
「あ、はーい。」

ドアを開けるとインテリアショップの宅配担当の方。
でもわたしはなにも注文していないけど、フェイトちゃんかな?
でもフェイトちゃんも通販とかしないほうだし、最近お買い物にも行ってないし・・・・・・。

「はんた様から高町なのは様とフェイト=テスタロッサ様と高町ヴィヴィオ様宛です。
ここに受け取りのサインを・・・・・・。」

はんた君からわたし達へ?いったいなんだろう。
さらさらとサインしながら首をかしげる。
そういえば昨日はやてちゃんが、
『はんたが突然休暇取ったけどなにに使うと思う?』とか尋ねていたっけ。
ひょっとしてこれのことかな。
第97管理外世界、つまりわたし達の地球のことだが、
ヨーロッパとかだと贈り物をしあう日って聞いたことがある。
正直、意外な人からの贈り物だなって思う。
でも、殺伐とした世界でもバレンタインの風習ってあるのかな。

「はい。結構です。ありがとうございましたー。」

贈答用の包装がされた3つの箱を持ちながらキッチンに戻る。

「なのは。なんだった?」
「はんた君から贈り物だって・・・・・・ヴィヴィオにもあるよ。」
「本当!?」
592メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:40:11 ID:MEKF2hHg
ヴィヴィオはきらきらした目で大きな箱を眺めている。
そういえばこういう大きな箱でなにか贈ったりしたことなかったもんね。
はんた君、最近どこかおかしいけど、やっぱり面倒見いいんだ。
最初のころ酷くて鋭い言葉ばかり言ってたけど、
あれだって心配だったりするからって思うと面倒見が本当にいいんだよね。
シグナムさんも過保護って言ってたみたいだし。

「なのはママ。開けていい?」
「んー。それじゃ、お菓子を作ってからにしようか。ヴィヴィオもお返ししたいでしょ?」
「うん。」

満面の笑みを浮かべてヴィヴィオが頷いてくれる。
フェイトちゃんもわたしもそんなヴィヴィオが微笑ましく思う。
そんなこんなで1時間後、キッチンの片付けも終わって
冷蔵庫に様々なチョコを使ったお菓子をしまい終わった。
午後に出て行く頃にはちょうどいいだろう。

「なのはママ、空けてもいい?」
「うん。いいよ。」

ビリビリと自分の宛名が書かれた包装を破いていく。
ああ、片付けるのが大変になる。
だけど、仕方ないよね。
それよりも早く中を見たくてしかたがないっていうヴィヴィオのほうが微笑ましい。
やがて箱を包装していた紙が取り除かれると、中からでてきたのは・・・・・・。

「服・・・・・・の箱だよね?でもこんな箱に入れて送られる服ってなにがあったかな。」
「ひょっとしてなのは、私達にお揃いの服でも贈ってくれたんじゃないかな。」
「ああ、ありそうだよね。はんた君実用品贈りそうだし。それだったら気が利くよね。」

なにがでてくるのかと楽しみにしながらヴィヴィオが箱を開ける。
わたし達も興味心身。
けれど、箱の中身にわたしは絶句した。
フェイトちゃんも同じ顔をしている。
というか、なんでこんなものをヴィヴィオ宛に?
まさかとは思うけど・・・・・・。

「ヴィ、ヴィヴィオ。マ、ママ達の箱もあけて・・・・・・くれないかな。」
「いいの?」
「うん。お願い。」

ビリビリと包装が破かれて、中から出てきたお揃いの服に再び絶句した。
どうしてこんなものを?
なんでこんなものが?
それ以上にインテリアショップってこんなものまで売ってるの?


同日同時刻・・・・・・。

「はんた様から八神はやて様とシグナム様とヴィータ様とシャマル様と
リインフォースU様へ贈り物・・・・・・。」
「はんた様からスバル=ナカジマ様とティアナ=ランスター様へ贈り物・・・・・・。」
「はんた様からキャロ=ル=ルシエ様へ贈り物・・・・・・。」
「はんた様からシャリオ=フィニーノ様へ贈り物・・・・・・。」
「はんた様からギンガ=ナカジマ様へ贈り物・・・・・・。」
「はんた様からリンディ=ハラオウン様へ贈り物・・・・・・。」
593メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:41:28 ID:MEKF2hHg
反応の差こそあれ、贈り物の中身に全員が揃って絶句した。
思考は皆同じ。
なんでこんなものが贈られるの?


「「「「「「「「「「「「はんた(君)、いる(か)!!えっ!?」」」」」」」」」」」」

12人の声が見事に食堂に響き渡った。
同時に全員がアイコンタクト。
ああ、みんな贈られたんだ。
あれと同じものが・・・・・・。
悪戯とかにしては規模が大きい。
それで、件のはんた君は・・・・・・いた。
一緒に山盛りのパスタを食べているのはエリオとヴァイス君とグリフィス君とポチ。

「はんた君、なんであんなもの贈ってくれたのかな?なのはさん説明して欲しいな。」

近づきながらそう声をかけた。
わたしの声に食堂から一般課員が一斉に逃げ出す。
平然としているはんた君とは対照的に震え上がるエリオ達。
どうしてそんなに怯えてるのかな?
ああ、バリアジャケットを着ているのは気にしないでね。

「同感やな。はんた。なんのつもりで贈ったんや。」

そう言うはやてちゃんも騎士甲冑姿。
しかもリインとユニゾンまでしてるね。
でも些細なことだよね。

「あのあのあのあのあのあの・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「その、あの、えっと、あの、それで、ええと・・・・・・。」
「ええと、その、ああいう服は、えっと・・・・・・。」

キャロが顔を真っ赤にして『あの』を連呼している。
ティアナはなにか突き抜けてしまったみたいに口をパクパクさせるだけ。
スバルもなにか言い出しにくそうに戸惑い続けている。
ギンガも戸惑いが隠せないようでスバルと同じように言いあぐねているみたい。
そのわりに忙しなくクロスミラージュのリロードを繰り返しているし、
リボルバーナックルがキュインキュインいってるし、
みんな揃ってバリアジャケット姿だけど。

「はんたー!!てめぇ!!なんのつもりだ!!」
「機能的な服だが装甲が薄いし布地の面積が少ないぞ。とはいえ、感謝はしておこう。」
「シグナム、それおかしいから・・・・・・。でも、はんた君、あれはちょっとおかしいって思うの。」

ヴィータちゃんは怒り狂ってギガントフォルムのアイゼンが待機されてる。
平然としているシグナムさんがお礼を言っているけど。
でもシグナムさん。
あれを贈られてその返事は絶対になにか間違ってます。
なんでそんなに冷静なんですか。
シャマルさんも戸惑いは隠せないみたい。
みんなと違ってなにを構えるわけでもないけど・・・・・・。
594メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:43:09 ID:MEKF2hHg
「はんた君。今日がバレンタインって知っていてやってくれたのかな?
その場合、悪意が無いにしてもちょっと私は笑えないんだけど・・・・・・。」

シャーリーさんが怒るのって初めてみたかもしれない。
口元は笑っているのに反射した光で目元が見えない。
それに頬が震えっぱなしだ。
バトー博士と一番接触していそうなシャーリーさんだから、
案外たまっていたものが全部噴出しちゃったのかな。

「はんたくーん。愉快なもの贈ってくれたわねー。
若いみんなにも同じもの送っているなんて私へのあてつけかしらー?」

リンディさんのバリアジャケット姿、ひさびさに見ました。
4枚羽のディストーションシールドが物凄い勢いで展開されている。
私達の怒り具合が爪先ほどに思えるほどに怒っている。
額に物凄い勢いで青筋浮かんでますよ、リンディさん。
それ以上に本局でのお仕事どうしたんですか!?

「はんたお兄ちゃん、お洋服、ありがとうございました。」
「ヴィヴィオ、ちょっとだけキャロと向こうで遊んでいてくれないかな?
フェイトママからのお願い。」
「うん。わかった。」

そう言ったフェイトちゃんもバリアジャケット。
ハーケンフォームのバルディッシュが傍らに・・・・・・。
あれ?どうしてフェイトちゃんまで怒ってるの?
今の格好と大差ないんじゃ・・・・・・。
やがて、ヴィヴィオとキャロが食堂からいなくなった。
さて、これで遠慮なく話しができる。

「いったいはんたさん、なにを贈ったんですか?」
「服だが?」
「服ごときでこうなるはず無いじゃないですか!?」
「インテリアショップで売っていた服だぞ。グリフィス。」
「じゃじゃじゃじゃじゃ、じゃぁ、なんでなのはさん達、こんなに戦闘態勢・・・・・・。」
「・・・・・・色が気にいらなかったとか?揃いの色にしたんだが・・・・・・。」

エリオ達が必死に原因を探ろうとしているみたいだけど、全部的外れ。
たしかに服だし、インテリアショップで売ってるかもしれない。
それに揃いの色だったけど、黒が嫌いってわけでもない。
それでも・・・・・・。

「とりあえずな。はんた。バニースーツ贈る日とは違うと思うんよ。」
「「「バニースーツ!!!!!!??????」」」

エリオ達が絶句した。
どんなこと考えているのだろう。
この面子によくぞそんなものが贈れたとか思っているのか。
それともなにを考えてそんなものを贈ったとか思っているのか。
案外わたし達のバニー姿でも想像しているのか。
とりあえず物凄く驚いていることだけは分かったけど、まぁ、なんでもいいや。
ディバインバスターでも撃ち込んで始末書書こう。
グリフィス君たちも巻き添えになるけど、運が悪かったって諦めてね。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:44:54 ID:hC0ynOKk
支援
596メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:46:04 ID:MEKF2hHg
「・・・・・・バレンタインだよな?」
「バレンタインやな。」
「アイを大切にする日のバレンタインなんだよな?」
「ああ、バレンタイン神父さんが皇帝さんに逆らって結婚式あげまくって
処刑されたことでアイを大切にする日ってなったバレンタインやな。」
「それならバニースーツ送る日で合ってるじゃないか。」
「なんでや!?むしろ殺伐としたあんたの世界にバレンタインあったことが驚いたわ。」

物凄い論理の飛躍があったよね。
なんでアイを大切にする日だからバニースーツ?
もしかしてウサギってその・・・・・・。
さすがにはんた君の性格からしてそれは無いと思うけど、もしもそうだったらちょっときつめに頭冷やしてもらおうかな。
ちょうど魔力カートリッジのマガジンがなぜか手元にあるし。

「風習が違うのか?向こうではそう教えられたんだが・・・・・・。」
「違うにも限度っちゅうもんが・・・・・・。」
「とりあえずはやてさん、はんた君の弁解を聞いてからでもいいと思うの。
それなら躊躇い無くいくらでもやれるから。情報操作の手筈も整えてあるから安心して。」
「そ、そうやな。リンディさんの言うとおりやな。はんた。なんでそんなことになったか話してみてや。」
「それならバレンタインの風習を知った日くらいからでいいか。」

そう言ってはんた君が語りだしたのは、はんた君のいた世界での話。


ベルディアの街でアランさんと会話した後、ローズに呼び止められてたわいない会話をしてたとき。

「はんた。その、えーと、バレンタインっていうものをご存知かしら?」
「バレンタイン?銃の名前か?」
「違います!!大破壊前の古い風習です!!
異性のお世話になった人に贈り物をする日のことをそう言うのです。」
「変わった風習があったんだな。」
「そ、それだけです。たまたま明後日がそのバレンタインで
私の予定が空いてるとか会いに来てなんて言いませんから、お構いなく。」
「分かった。」
「ちょっと、はんた。本当にいいわね。たまたま明後日がそのバレンタインで
私の予定が『空いてる』とか『会いに来て』なんて言いませんから。」
「分かった。」

戦車のハッチを閉めるとそのまま俺は走り出した。
ローズがまだなにか騒いでいた気がしたけど。
そういえば顔が赤かったから風邪でもひいたのか。
今度も赤い顔してたら回復カプセルでも贈っておこう。
さてと、せっかくベルディアまで来たんだ。
ついでにトリカミでカエデの顔でも見ていくとしよう。
そんなわけで場所はトリカミ。
神社とかいう神様を祭る場所を中心に作られた街。
亡霊戦車大隊を倒そうとしたとき、
ここで話を聞かなかったらどうすればいいのかわからなかったな。
それにヤマタノオロチとかいうモンスターに賞金かかってたから倒しただけなんだが、
なんだか妙に感謝されるようになってしまったのが不思議だ。
こっちは金も戦車も手に入ったんだから、
それこそもちつもたれつで気にすること無いだろうに、今でも理解に苦しむ。
神社の前を箒で掃除していた巫女服姿のカエデとたわいない雑談をする。
話し始めてどのくらい時間がたったころか、カエデが話題を振った。
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:46:44 ID:hC0ynOKk
支援
598メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:50:25 ID:MEKF2hHg
「はんた様。その、バレンタインという古い風習をご存知ですか?」
「ああ。数時間前に聞いた。」
「そ、そうですか。あの・・・・・・その・・・・・・いえ、なんでもありません。
明後日がそのバレンタインってことはご存知ですね?」
「ああ。」
「そ、それなら、はんた様、もしもお時間がおありでしたら・・・・・・その日・・・・・・私と・・・・・・。」
「・・・・・・!!すまない。カエデ。急ぎのメールが入った。また今度・・・・・・。」

なにか言いたげなカエデに詫びをいれて、BSコントローラーに入った急ぎのメールに慌てて飛び出した。
それで、場所は移って西部の始まりの街アリス・ワン。
東部と西部を繋ぐ列車が走っている街。
ここでソルジャーのシャーリィとラシードに会ったんだっけ。
銃と剣、どっちが強いかとか不毛な言い合いをしていたが、結局どっちに落ち着いたんだ?
そういえば、ジャック・ザ・デリンジャーのことを知ったのもここか。
シャーリィの家に急ぐ。

「シャーリィ。急ぎの仕事ってなんだ。」
「ああ、悪ぃ。さっき片付いちまったよ。わざわざ来てもらって悪かったな。ところでさ。はんた。バレンタイン・・・・・・。」
「明後日がバレンタインなんだろ?」
「・・・・・・!?ああ、知っているならいいんだ。知っているなら・・・・・・。
ちょうど依頼もなくてその日空いて・・・・・・いや、なんでもない。気が向いたらまた来てくれよな。手間かけさせてその・・・・・・悪い。」
「いや、問題ないならそれでいい。」

シャーリィの家を出た。
なにか言いたそうだったけど、彼女の性格ならぱっと言い出すだろう。
なかなか話さない以上、たいしたことないってことか。
さて、せっかく西部まで来たんだ。
転送装置でホーライまで行ってエバ=グレイ博士に会ってくるか。
連れまわしっぱなしのアルファの修理もしてやりたいし。
そんなわけで場所は港町のホーライへ。
サイバーウェアの権威でもあるエバ=グレイ博士が住む街。
レッドフォックスのことは・・・・・・。
グレイ博士にアルファの修理を頼むと、なにも言わずに淡々と作業をしてくれる。
無言のまま時間が過ぎ、作業が進んでいくと、やがてその手が止まってグレイ博士が口を開いた。

「これでいいだろう。簡単な修理しかできないが、いつでも来てくれ。」
「・・・・・・グレイ博士、バレンタインとかいう風習知ってますか?」
「・・・・・・!?古風な風習を知っているものだな!?正直なところ驚いた!!」
「今日、妙にあちらこちらでその言葉を聞いたのでふと口に出してしまったんですが。」
「そういえば明後日だな。まぁ、見ての通りここはいつも暇でね。
気が向いたときにでも顔を見せてくれれば私はそれでいいさ。」
「分かりました。アルファの修理ありがとうございました。」

バレンタインを口にした途端に雰囲気が少し変わった気がしたのは気のせいか。
でも、たいしたことじゃないだろう。
さて、日も暮れ始めたし転送装置で家に帰るか。
そして場所は我が家のあるジャンクヤードへ。
いつもどこか旅をしていてろくに家にいない父さんが珍しく家にいて、本当に久々に家族の団欒っていうやつになった。
そんな中、ふと気になり話を切り出してみる。

「父さんと母さん、バレンタインとかいう風習知っているか?」
「お、珍しいことを聞くもんだな。明日はミサイルの雨でも降るんじゃないか。」
「そんなこと言わないの。でもたしかに珍しいわね。まぁ、あんたもハンターとして
独り立ちしたんだからどうこういうつもりはないわ。お世話になった人によろしくね。」
「お兄ちゃん、バレンタインって?」
「異性でお世話になった人に贈り物する大破壊前の風習だそうだ。エミリ。」
「へぇー。そんな日があったんだ。」
「おっと、はんた。酒がなくなっちまったからちょっと買いにいってきてくれよ。
すぐそこだし、たまには父親孝行してくれよ。」
「分かった。」
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:50:51 ID:azwZgT6V
カリム&シャッハ、レティさんに送らないのが悪い!支援。
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:51:44 ID:MHnWab5T
リンディさんのは正直見たい支援
601メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:53:15 ID:MEKF2hHg
俺が世界最強のハンターになっても特に変わらない両親はすごいと思う。
妹がとばっちりを受けないか、それだけが心配だ。
それで家の経営する修理工場の隣の酒場。

「ん?はんたか。キョウジのやつが酒でも買って来いとでも言ったのか。」
「ええ、ジャック・ザ・デリンジャー。適当に酒をください。」
「やれやれ。キョウジもニーナも、自分の息子がどんな存在になったのか分かってるのか。
世界最強を使いっぱしりにするなんて・・・・・・これでいいか。」
「十分です。それじゃ。」
「・・・・・・ってちょっと待ちなさいよ。はんた。私には一言もなし?」

酒を買ってさっさと帰ろうとした俺が呼び止められる。
幼馴染のレイチェルだが、いったいなにを・・・・・・。挨拶ぐらいしろってことか?

「・・・・・・?元気かレイチェル。」
「見た通りよ・・・・・・ってそういうんじゃなくて、ほら、もっと・・・・・・。」
「ああ、もしかしてバレンタインのことか?」
「・・・・・・!?意外ね。あんたが知っているなんて思わなかったわ。」
「ニーナは話しそうにないから・・・・・・キョウジのやつが吹き込んだのか?」
「パパは黙ってて!!」
「やれやれ・・・・・・。」
「べ、別に会いにきてくれなんて言わないんだからね。わかったわね。
別になにか贈ってとか会いに来てなんて絶対に言わないんだからね。」
「分かった。でもレイチェルもローズみたいなこというんだな。」

あのヒステリー!!とかいう叫び声とガラスが割れるような音が聞こえた気がしたけど、たぶん気のせいだろう。
父さんに買ってきた酒を渡してその日は眠った。

次の日、ガレージにある戦車メルカバの塗装が剥げ始めていることに気がついた。
だから、メルカバに乗ってニューフォークのタミオさんのところへ。

「分かったのねー。いつもどおり夕日みたいに真赤に染めてあげるのねー。
このぐらいちゃちゃっと済ませるからはんたちゃんはそこで待ってるといいのねー。」

母さんの師匠で伝説の修理工であるタミオさんがする塗装は見ていて芸術的だ。
傍らでミカが手伝いをしているけど、塗装自体には触れさせないで絶対に1人でやるあたりこだわりを感じる。
しかし、塗装する際の洗練された動きはどこか戦闘に通じるところがある。
ああ、だからブレークダウンは・・・・・・。

「よっ、はんた。来てたんだな。相変わらず元気みたいだな。」
「・・・・・・キリヤもタミオさん手伝うようになったんだな。」
「まぁな・・・・・・。お前との旅でいろいろ俺も成長しちゃったわけよ。時間あるから雑談くらいは付き合うぜ。」
「・・・・・・それならキリヤ。バレンタインとかいう風習知ってるか?」

そう切り出した途端に、キリヤが俺の口を塞ごうとしてくる。
身体に染み付いた動作が勝手に繰り出されて、反射的に首を切り落とそうとしてしまい少しだけヒヤッとした。

「おま、ここじゃ、ちょ・・・・・・それはまずいって。」
「兄さん、なにを話しているのかな?」
「ミ、ミカ。親父の手伝いはいいのか?」
「スパナで分解したりじゃないもの。他のお客さんが入っているわけでもないし、手伝うことがないよ。
それよりはんた、バレンタインって言った気がしたけど気のせいかな?」
「言ったが・・・・・・。」
「やっぱり!!はんたのことだからずっと知らないで一生を終えるんじゃないかって心配してたんだよ。
やっとはんたもそういうこと気にするようになってくれたんだね。」
「・・・・・・なんか物凄く馬鹿にされているような気がするのは気のせいか?」
「あはは。気のせいだよ。はんた。それより、明日がバレンタインってことは知ってるよね?」
「ああ、昨日聞いた。」
「うん。それならいいんだ。明日お休みもらっちゃおうかな〜。」
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:56:15 ID:azwZgT6V
支援。
>600
同士よ!
603メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:56:54 ID:MEKF2hHg
それだけ言い残すと、ミカはスキップしてどこかへ行ってしまった。
揃いもそろってなんでバレンタインバレンタイン言うんだ?
呆然とした様子でキリヤが俺を見ているけど・・・・・・。

「まさかとは思うけどお前・・・・・・所構わずその話したんじゃ・・・・・・。」
「所構わずってわけじゃ・・・・・・。」
「いいから、どの女に、誰と誰に話したんだ?」
「ローズとカエデとシャーリィとグレイ博士と母さんとエミリとレイチェル。
あとたった今、ミカと・・・・・・あっちこっち行ったときからずっと傍らにいるアルファ。」
「・・・・・・お前も冗談が言えるようになったんだな。ずいぶんな進歩じゃないか。」
「冗談言ってないが・・・・・・。」
「・・・・・・嘘だろ、冗談きついぜ。まじで?本気で言ってるんだな?」
「いったいなにをそんなに・・・・・・。」
「はんたちゃんー。終わったのねー。ん?どうしたの?」
「親父、聞いてくれよ。はんたのやつ・・・・・・。」

キリヤがタミオさんにバレンタインの経緯を話している。
でも、なにがまずいんだ?
特に誰かと約束したわけでもないのに・・・・・・。
笑ってたタミオさんの顔が険しい顔に変化していく。

「あちゃーなのねー。はんたちゃん、もてるのはいいけど限度あるのねー。」
「そ、そうだ。約束なんか取り付けてないよな?その日一緒に飯食おうとか・・・・・・。」
「ああ、それはない。」
「あー、助かった。まじで今、神様ってやつがいるかもとか思っちまった。
だったらどうにかなる。それで、なにを贈るんだ?」
「・・・・・・銃とか刀とか?」
「さすがにそれはないと思うのねー。でも、はんたちゃんの心が篭っていれば喜んでくれるかもしれないのねー。」
「お前なー。せめてインテリアショップにあるものにしろよ。さすがに武器屋なんかじゃ包装してくれないだろ?」
「包装?重要なことなのか?剥き出しで渡されたってなにが変わるわけでもない。」
「物凄く重要なことなのねー。女の子ってそういうこと気にするのねー。」
「それに誰それがもらったものより安いとか高いとかなると面倒だぜ。
お前そう言うの特に嫌いだろ?いいから俺の言うこと聞いて全員に同じもの贈っとけ。」
「珍しくキリヤがまともなこと言ってるのねー。それはそうとはんたちゃん。予算はどのくらいあるのねー?」
「15万Gぐらい。」
「・・・・・・結構溜め込んでるのな、お前。それなら今すぐベルディアのインテリアショップに直行して、
それで9人分のなにか買ってとっとと贈れ。いや、服が一番手堅いから服にしろ!!面倒が起こらないうちに・・・・・・。」
「早くしたほうがいいのねー。日が暮れちゃうとまずいのねー。」
「分かりました。タミオさん、塗装の・・・・・・。」
「代金なんて今度でいいから急ぐのねー!!!!!!!!!!!!」

どこか腑におちない。
けれど、キリヤどころかタミオさんでさえこれだけせかすのだから、きっと重要なことなのだろう。
綺麗に塗装されなおしたメルカバに乗ってベルディアを目指した。
どうして転送装置を使わなかったんだろうって今思うと不思議だ。


「それでベルディアに到着してインテリアショップに直行して、15万Gで9着買える服って言ったら店員が・・・・・・。」
「バニースーツだしてきたのね。」
「有り金全部はたいて買えるのが、それだったし・・・・・・。」
「それで、今回もこれを贈れば問題ないと・・・・・・。」
「ああ。エリオに昨日バレンタインが明日って聞いて大慌てで買いに行ったんだが。
ただのバニースーツだけだと余裕あったからオーダーメイドとかいうオプションとか他にもいろいろありったけ全部つけてもらったんだけど。」

リンディさんがどこか同情的な視線ではんた君を眺めている。
周囲の雰囲気も物凄く微妙な感じに変わっている。
わたしも結構戸惑っている。
もしかしてお給料全額つぎ込んだってことであってる?
いや、それ以上に問題なのは・・・・・・。
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:57:10 ID:MHnWab5T
>>602
握手

支援
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:57:34 ID:t4JP+jOf
支援 幼子にまで送るとは・・・レヴェルが高いw
606メタルサーガsts:2008/02/12(火) 21:59:34 ID:MEKF2hHg
「な、なぁ、はんた。結局それでそのバレンタインは誰と過ごしたん?」
「誰とも過ごしてない。いや、正しくはアルファと2人で戦い続けてたが?」
「「「「「「「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」」」」」」
「金が全然なくなったからモンスター狩って稼がないと。激戦区のキャノンエッジでアルファと一緒に延々とモンスターを狩ってた。」

全員で顔も知らぬ女の子達に同情した。バニースーツ贈られて、本人はすっぽかされてって・・・・・・。
しかも全員がはんた君の来てくれること、楽しみにしていたのに。
怒らないほうがどうかしていると思うわたしって間違ってる?
他のみんなも似たような顔しているけど。さっきまでの一触即発ムードがどこかへ行ってしまった。

「参考までに聞きたいんだけど、女の子たち怒らなかったの?」
「・・・・・・別に。」
「本当に?」
「ああ・・・・・・。」

すごい。なんて人間的にできた人達なんだろう。
ああ、そんなに高尚な人達と付き合っていたなら、わたし達なんて未熟すぎて人間的に歯がゆいだろう。
リンディさん達もどこか感心したような雰囲気に変わりつつあった。
次の言葉を聞くまでは・・・・・・。

「模擬戦やろうって準備していないうちにキングタイガーで砲撃されたり、
禊ですって桶に入った強酸の水かけられたり、モンスターがいたってこっちに向けて銃撃たれたり、
手が滑ったってレーザーメス飛んできたり、スパナ飛んできたり、酒瓶が飛んできたぐらいで、特に変わったことは・・・・・・。
そういえば母さんとエミリが複雑そうな顔していたけど。」
「怒っていたのよ。それは・・・・・・。」
「・・・・・・!?」

はんた君が物凄く驚いているのが分かった。ひとまず、みんな怒る気さえなくなったみたい。
雰囲気は完全に呆れかえるほうに変わっていた。けれど理解しあうってこんなに難しいことだったんだ。
簡単なことだと思っていたのに、物凄く難しいって今思い知ったよ。
そういえば、ひとつだけ気になったことがある。

「はんた君、バニースーツ以外、インテリアショップにどんな服があったの?」
「安いほうから順に言えばいいのか?」
「安いほうって・・・・・・値段も覚えているならお願い。」
「水着4800G、巫女7800G、ウェイトレス8800G、バニースーツ14000G、メイド服18000G、
チャイナ28000G、ドレス80000G、ウェディングドレス180000G、和服200000G。」

とびぬけて高いわけでもないのか?ただ、なにか奇妙な感覚が拭えない。
いったいなんだろう?この感覚は・・・・・・。
とりあえずラインナップだけはおかしい気がするのは気のせいじゃないと思いたい。

「・・・・・・あれ?はんたさん、普通の服っていくらぐらいなんです?」

怯えていたエリオが不思議そうに尋ねた。そうだ、普通の服。
一般的な服の値段とか基準が無かったから奇妙に感じたんだ。ラインナップもあわせて・・・・・・。

「ヴァイスが着ているデニムのツナギが60Gで一番安かったか。」

耳を疑った。なんですか、その壊れた価格の世界は・・・・・・。
つまり、価格をミッドにあわせると0を3つか4つ増やさないといけない?
管理局でどれだけ働くとお給料が届くんだろう。
物騒で毎日生きるに文字通り必死な世界だから、娯楽なんかの道具が物凄く高いんだっていまさら気がついた。
それに15万Gって言ったってことは・・・・・・。
607メタルサーガsts:2008/02/12(火) 22:01:41 ID:MEKF2hHg
「・・・・・・お金持ちだったのね。はんた君。」
「ああ、リッチマンなんて呼ばれたこともあったな。」

リンディさんが力なくつぶやき、はんた君がそんな答えを返していた。
でも、それじゃ誤解するのも無理ないよ。相手が喜ぶと思って高価な服を贈ったつもりなんだから。
金額的にも文句が言うに言えない。結婚指輪で有名な給料3か月分なんてレベルを超えてる。

「それがバレンタインの経緯なんだが、それで、どこが問題だったんだ?」
「「「「「「「「「「「「「「「全部だ!!」」」」」」」」」」」」」」」

わたし達どころかエリオ達まで揃ってそう叫んでいた。


紆余曲折あったけど、リンディさんがヴィヴィオに会えたことを物凄く喜んでいたときに
レティさんから職務すっぽかしてどこにいるんだって呼び出しうけたりとか、
チョコを珍しげに食べるはんた君とか、キャロにチョコもらって照れるエリオとか、
ポチがばくばく食べているのを見たザフィーラさんがチョコを食べたら死に掛けて医務室送りになったりとか、
多少バレンタインらしいイベントがあった以外は普通の日が過ぎていった。
それで、その日の夜。

「なのはママ、見てー。うさぎさーん。」

フェイトちゃんとわたしが部屋に帰ってくると、ヴィヴィオがそう言って飛び出してきた。
バニースーツを着ているヴィヴィオ。その片手にはうさぎのぬいぐるみ。
ああ、まだ恥ずかしいとかわからないか。ぬいぐるみもうさぎだったから、なおのこと嬉しいのかな。
でもよくよく見ればフェイトちゃんのバリアジャケット着ているみたいなものだよね。
そんな視線を向けるとフェイトちゃんが否定するみたいに顔をぶんぶん振っている。

「なのはママ達も着ようよ。」
「な、なのはママは・・・・・・」
「だめ・・・・・・なの?」

ああ、ヴィヴィオ。お願いだから泣かないで・・・・・・。
けれどわたしの願いは通じない。ヴィヴィオの目は潤みだしていて今にも決壊しそう。

「だ、大丈夫よ、ヴィヴィオ。ちゃんとなのはママ着るって。」
「ぐすっ・・・・・・本当に?」
「本当よ。ねぇ、なのはママ?」

フェイトちゃん。
昔、スターライトブレイカー撃ち込んだこととか、バトー博士の露出狂呼ばわりの件とか根に持ってたの?
逃げられないように、肩をしっかり掴むなんて酷いな。
それならば・・・・・・。

「うん。ヴィヴィオ。ちゃんと着るよ。フェイトママも一緒に着てくれるって。」
「本当!?」
「うん。ヴィヴィオ。だから心配しないで。フェイトママ、どこへ行こうとしているの?」

逃がさない。
2人でヴィヴィオのママになったのだから、2人でウサギになるのだ。
がっくりと肩を落としたフェイトちゃんとわたしが、いざ、バニースーツを前に着替えを始める。
当然、扉だけは厳重すぎるくらいにロックした。
服の構造自体は簡単なので、ヴィヴィオのためと呪文のように唱えながら、着替える。
やがてバニースーツに着替え終わると全身鏡に映った自分に悲鳴をあげそうになる。
フェイトちゃんも着替え終わったみたいだけどやはり恥ずかしいらしい。
どこか落ち着かなげにそわそわしている。
フェイトちゃんとお互いに真赤な顔を見合わせていた。
さっきまではフェイトちゃんのバリアジャケットみたいって笑っていられたけど、今はさすがに笑えない。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:03:04 ID:m3813lle
>>604
リンディさんはいい女支援
609メタルサーガsts:2008/02/12(火) 22:03:06 ID:MEKF2hHg
「なのはママとフェイトママもうさぎさんでお揃いー。」

にへらっと笑うヴィヴィオの姿に恥ずかしさとかがどこかへ行ってしまう。
ああ、こんなに喜んでくれるんだ。今度、かわいい服でお揃いのものでも買ってこようかな。
服装の内容は置いておいて、はんた君に感謝しよう。
うさぎになったままヴィヴィオと抱きしめあって、
傍目にはかなりシュールな光景だったかもしれないが、そんな幸せな想像をしていた。
フェイトちゃんが口を開くまでは・・・・・・。

「ねぇ、なのは・・・・・・。」
「どうしたのフェイトちゃん。」
「服、きつくないよね?」
「うん、ちょうどいいよね。」
「・・・・・・どうしてサイズぴったりなの?」
「・・・・・・・・・・・・!?!?!?!?!?」

言葉の意味を理解して、ヴィヴィオをフェイトちゃんに寝室へ連れて行ってもらうと、緊急通信をあのメンバーに送った。
今、どんな格好をしているかさえ忘れて・・・・・・。

「な、なのはちゃん、その格好は・・・・・・。」
「はやてちゃん、ヴィータちゃん達にも急いでバニー着させて!!」
「で、でも恥ずかし・・・・・・。」
「いいから急いで!!」

こっちの切羽詰った様子に気がついたのだろう。
首を傾げつつも通信の向こうでヴィータ達を呼んでいる。
その間に、私は時間なんてお構いなしで本当に片っ端から連絡して、眠りかけていたスバルをティアナに叩き起こさせて、
躊躇ったキャロとギンガには職権乱用な脅しをかけて、リンディさんに怒鳴りつけるなんて命知らずな真似までして、
とにかく全員にバニースーツを着させた。

「いったい、なのはちゃん、どないしたんや?こんな格好させて。」
「そうですよ。なのはさん、いったいなにが目的なんです?」
「ヴィヴィオが着てって言ったのかしら?それなら今度そっちに行ったときに・・・・・・。」
「なのはさん、なんでそんなにバニーにさせたかったんですか?」

早々に着替え終わったはやてちゃん、シャーリー、リンディさん、ティアナの言葉。
平然としていたシグナムさん以外、他にもいろいろな反論があった。
バニースーツを着た人が通信越しにこうも揃うと、ボディラインが結構でる服だけにおかしな気分になってくる。
それは今だけは置いておいて・・・・・・。
やっぱり誰も気がついていないみたい。
わたしは告げる。

「皆・・・・・・サイズ、どう?」
「ふむ。測ったようにぴったりだな。なのは。それがどうした?」

当たり前のように答えられるシグナムさん、すごいです。
言葉の意味を理解した途端、他の全員が一斉に戦慄した。
そういえばはんた君が言っていた。
オーダーメイドとかいうオプションって・・・・・・。
つまり、それって全員のサイズ、ばれてる?
教えた覚えは無いんだけど・・・・・・。
声にならない悲鳴が一斉に上がった。
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:03:50 ID:MHnWab5T
チャイナだ!
リンディさんにチャイナを着せるんだ!
あと元ネタは知らないが水着はスク水以外認めん!
支援
611メタルサーガsts:2008/02/12(火) 22:04:26 ID:MEKF2hHg
次の日、問いただしたところ明らかになったはんた君の特殊技能。
本人は全然特殊だと思っていなかったみたいだけど、距離とか寸法とか見ただけでわかるそうだ。
アルファがそこにさらに補正をかけて詳細にしてくれるみたいけど、お願いだから補正かけないでくださいと跪きそうになった。
仕込み武器がないかとか見抜かないといけなかったから自然に身に付いたと言う。
でも、つまりそれってパッドとか入れてても詰め物の存在はばればれだったわけで、
サイズなんか当たり前のように剥き出しでばれちゃってたわけで・・・・・・。
普段から太ったりすると即座にばれていたわけで・・・・・・。
多芸だなと感心しているシグナムさんと、物凄い勢いで凹んでいる通信越しのリンディさんと、
うさぎのぬいぐるみ片手に喜んでバニースーツで駆け回るヴィヴィオが印象的だった。
そんなことがあったけど、気を取り直して皆はいつもの教導をこなしていく。
はんた君の視界から逃げようとしている気がするのは気のせいかな。
その合間にあることに思い当たった。
ホワイトデーのことは知っているのかな、はんた君。
そんなことを考えていた私は認識が甘かったのだろうか。
612メタルサーガsts:2008/02/12(火) 22:05:53 ID:MEKF2hHg
以上で15.5話投下完了です。
完全創作かつどこのギャルゲ?な状態ですが、これが私の和み改造の限界です。
どうかこれでいつもの殺伐分によってささくれ立った心に和み分を補給してくださればと思います。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:07:50 ID:MHnWab5T
GJっしたー
バニー良いね!

っつか失礼ながらこういう話が書ける事に吹いたwww
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:09:05 ID:t4JP+jOf
GJ!!です。
凄い・・・人ってこんなにも分かり合えない生き物なんだw
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:09:12 ID:azwZgT6V
そして、乙。だが、画像での支援を乞う。
>604,608,610
(hug)
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:10:01 ID:6m/pXZhV
GJ!
やっぱメタルサーガは殺伐だけの話じゃないよね。
あーいう無駄要素も大好きだったよ。
617反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/02/12(火) 22:11:06 ID:5ApW1cfM
>>612
GJ!
何故かフルメタルパニックを思い出しましたw

>>575
彼女が何故敵方の組織のコードネームを採用したのかは定かではない…

>>582
え? これでバイド?
はやて系下ギャグならこれぐらいは行くと思ったのですが…
…ひょっとして俺、まだ汚染されてる?
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:13:17 ID:zgmWJfyY
ある意味殺伐だw

GJ!
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:13:52 ID:tx1KWZUD
というかなにげなくポチがいるなw
ほかの犬とかも出てくるのか?
620リリカル! 夢境学園:2008/02/12(火) 22:15:42 ID:waL4Td3d
GJ!
最高ですぜ、旦那!! しっかりと全員にバニースーツ着せているところが只者じゃないw
しかし、やっぱり……全員バイドに汚染され尽くしているなぁ。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:16:45 ID:hQt/jqz5
GJ!!!!
ほんっとうにGJっす!!!!!
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:18:13 ID:vkkk+k55


ありのままに起こった事を今話すぜ
胃薬を取りにいったが必要がなかった・・・
ふぅ・・・しかしどこの技能だコレ・・・
戦車から距離を割り出す・・・射角なんかのあたり?
潜水艦に乗ってピンうってたら耳が良くなって麻雀牌が音で判別できるようなレベルだぜww

リンディバニーは某リンディの人がやってそうだから困る・・・
夏辺りにクる・・・かもしれんぞ?

【バニーは上着があってこそだと思う】
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:18:18 ID:/gNd7Xv0
GJ!
なるほどはんたは、こう変わっていくのか。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:22:34 ID:fSXnoMBI
メタルサーガ氏GJw
六課の娘達のバニー姿見てえ
無駄に有り余る超絶技能に吹いた

ところで6.75話とも言うべき、連載開始前の試しのユーノのあだ名命名編が見つからないんですが
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:25:47 ID:m3813lle
人は誰でも心にエロを抱いた紳士だと言う事がよーっくわかりました。
GJ!

ザッフィーチョコはらめぇぇぇぇぇ
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:26:14 ID:/gNd7Xv0

それにしても、最後の行のなのはさんの科白が意味深。
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:30:33 ID:t4JP+jOf
六課対はんたの壮絶な模擬戦がホワイトデーさw
それか、仕返しに送った変な物を物凄い有り得ないぐらい喜ばれて逆に
良心の呵責にやられるとかw
628Strikers May Cry:2008/02/12(火) 22:32:12 ID:fv3dP0jX
>>574
ユーノ……まさか君にここまで同情する日が来ようとは。
ともかくバージルかルルーシュにプロポーズの仕方を教えてもらえ。

しかしこういう穏やかなものは心が和むな、GJ。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:32:26 ID:mAF/1EHu
>>627
そして六課の全員におだいじん、という流れか。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:34:36 ID:H4HBYTCV
なのはさん、実は今でもフェイトの服飾センスを「そーゆーもの」と思ってる
んじゃ……? インパルスフォームは至ってマトモなのに。
631メタルサーガsts:2008/02/12(火) 22:37:33 ID:MEKF2hHg
まずは素早い感想をくださった皆様へ最大級の感謝を。
和み分シナリオで想像以上に反響あったので今回全部にレス返します。
可能ならシャッハとカリムにまで送りたかったな、バニー。

>>613-614 >>617 >>621
一応和み話は書けるのですが、私のスキル不足か思考の偏りのせいか和み改造は限界が低いのです。
殺伐改造ならバラバラになるくらい徹底的にいけるのですが。楽しんでいただけたようでなによりです。

>>615
私は残念ながら絵画スキルは保有していないのです。どなたかの支援砲撃があることを願います。

>>616
一番負担をかけずに貢ぎができる流れを作れるのはバレンタインくらいだったのですがいかがだったでしょう。
無駄要素が和み分になるって分かっていたのですが、如何にして組み込むかが毎回立ちはだかります。
ナチュラルに存在できるバトー博士が貴重すぎです。

>>619 >>623 >>626
気がつかれてしまいましたね。どちらもなるべく目立たないようにさらっといれたつもりだったのですが。
とりあえずポチは登場します。はんたフラグは全部気がつかれるか恐々としてます。

>>622
極めるとはそういうことなのです。戦車砲が一番わかりやすい部分ですね。
はんたはCユニットが安物の頃は自分で必死に照準してましたし、生身で戦うときライフル照準なんかも感覚で判断するしかなかったのです。
その果てに身についた技能+デバイスになった常時情報送り続けるアルファ補正です。
一応、リアルな話、一流のデザイナーさんはモデルの寸法を測るにメジャーいらずって聞きますけど。

>>624
絵画スキルがありませんのでバニー姿は想像力で保管してくださいw
ユーノスクライアのインジュウ命名は短編のほうに入ってます。
完全に書き直して本編に組み込んでしまうか悩むところですね。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:47:14 ID:Wyn5oAOm
仕立て屋の連中も見ただけで大まかな寸法わかるらしいが。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:52:00 ID:vkkk+k55
>>631
甘い!甘いぞ!チョコパンなんかよりィッ!
完璧なメイドさんのPAD以上の補正を与えるBJや六課制服の寸法ははんたのみではそうそう見抜けはしない!
共同参謀アルファは服内部もスキャンしているなら!その情報を送ってしまった筈だこのムッツリ・・・

PAM!PAM!PAM!PAM!(成仏できない)

(蘇る)余談だがバレンタインをヴァン・アレン帯の日と解読したアホもいる
世界は広い・・・な・・・
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 22:57:27 ID:lKx9BaNG
>メタルサーガ氏
あぁ、良いなぁこのズレっぷり、ポチも出るみたいだしこれからも凄く楽しみです

とりあえず、バレンタイン→アイ→バニー→一年中…… あぁ、アイってそういう
とか考えた俺はストームドラゴン引き摺り下ろしてステルスでボコられてしまえ
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:05:23 ID:rOqFYLt/
>メタルサーガ氏
あの面子がバニー姿か…
いいぞ いいぞ! 俺はそういう無茶が大好きだ!

ギャングバニーやハイエナバニーってレベルじゃないっすねw
(嘗て低レベルで突っ込んで粉微塵にされた事があります
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:08:46 ID:tx1KWZUD
いきなりはんたがパチンコ装備して敵に打ちまくってる電波を受信したw
なんでだろ

本編のほうもがんばってください
637メタルサーガsts:2008/02/12(火) 23:11:21 ID:MEKF2hHg
普段以上の反響の大きさに本当に驚いています。感想をありがとう。
普段のメタサガが殺伐改造フルカスタムすぎて、皆の和み分が欠乏していたのかと思ったものです。

>>625
個人的にバニーの価格がウェディングドレスの1つ下だったらって思って書き始めました。
キリヤに『一番高い服送っておけばいい』言われて行ってみれば一番高いのがウェディングだから
これは間違いって気がついてそれじゃ2番目の服でバニーという流れが初期プロットです。
ウェディングの上があることを思い出してプロット崩れたことに気がついて慌てて補正かけました。

>>627
ホワイトデーまでにどこまでSS進行できるか、がんばりたいです。

>>630
それこそ最初はザンバーフォームとか露出大きいほうを持ち出すつもりだったんですけど
あれって制限解除ないとだめだって気がついて補正しました。
ハーケンでも十分露出ありますからね。

>>633-636
皆さん楽しんでいただけたようでなによりです。今後もお付き合いください。
>>634氏の思考をなのはの思考の中で入れてしまうか悩んだ部分ですが、少し露骨すぎるので削りました。
服のメーカー:プレイボーイのロゴがうさぎな理由をご存知ならばそれがなのはがきつめに頭冷やしてもらおうかの理由です。
>>635氏の言葉、メタルをご存知の方かつなにより楽しんでいただけたようで本当に励みになります。
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:12:37 ID:H4HBYTCV
受注したインテリアショップって、子供はおろか小人サイズのバニースーツも
作ったんだよな。注文受けてから一日で。15人分。
凄いなインテリアショップ。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:17:58 ID:zgmWJfyY
あのインテリアショップは主人公のブロンズ像を注文して、最速で自分の家に帰ったら
既に設置まで終えてるぐらい仕事が速いからなぁw
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:28:01 ID:zalOCC5K
リンディのブチキレっぷりとヴィヴィオの無邪気さに癒された…
っていうヴィヴィオと絡んだの今回が初じゃね?

ともかくGJ!
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:30:13 ID:hQt/jqz5
ザフィーラ死にかけてるのにしっかり反応している人が一人しかいないw
642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:40:38 ID:gZ502MBN
GJ
ああ、こんな高レベルな和みも書けるんだ…神っているんだな
しかし見たいなぁ。バニー姿
>>640
そもそもまだ出て来てないし
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:41:45 ID:cZQuv/XS
さりげなく犬型生体兵器>守護獣なのに吹いたw
ザフィーラ、とりあえずけづやが最大値になるまでわんわんグルメを食べるんだ。
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:02:16 ID:yAFFMyFp
初投稿したいのだがよろしいか?
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:03:35 ID:6VWYIrdP
予約もなさそうだし、いいんじゃね?
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:03:52 ID:PEaB9ZoO
ヨウコソッ!!支援
647赤いの二人でドグラマグラ:2008/02/13(水) 00:12:43 ID:yAFFMyFp
そこはとある町のとある家。そしてその家の何やら薄暗い部屋の中央付近で、一人の少女が意気込んでいた。
「もう……、もうこれしかないのよ!!」
失礼。意気込むというより覚悟を決めていた。その少女は、黒いロングの髪をツインテールにしており、上は赤い服。下は黒のミニスカートとニーソックスという出で立ちで、その手にはアニメに出てくるようなファンシーな杖が握られていた。
「止めるんだ、凛! いくら宝石が高いからと言って、そんな物を使っては……」
「うっさいわね、アーチャー! もうこれ以上失敗して宝石を失う訳にはいかないのよ!」
 そう言って凛と呼ばれた少女は、アーチャーと呼ばれた赤い外套を着た背の高い白髪の男を、左手から放たれる黒い弾丸をおみまいする。
「し、しかし凛。カレイドステッキを媒体に使うなど、自ら進んで地獄に落ちるような物だぞ!?」
 赤い男ことアーチャーは、先程の弾丸のダメージを引きずりながらも、赤い少女こと凛の行動を阻止しようとしている。
「大丈夫よ、多分。だって一応これは大師夫が作った物だし、そこらの宝石よりかは成功確率は高いに決まっているわ、おそらく。それに危なくなったらアーチャーを盾にするし」
そんな少女は外道であった。
「り、凛。それはあんまりだと思うのだが……」
 うなだれる赤い男の背中は、どこか哀愁を漂わせていた。
「あはー。さすが凛さんです。その決断力、ルビーちゃん惚れ惚れしちゃいますー」
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:15:10 ID:oTd0KW+J
マズイ!型月はマズイぜッ!
649赤いの二人でドグラマグラ:2008/02/13(水) 00:15:27 ID:yAFFMyFp
 そして、そんな空気もなんとやらと言った感じで、凛の手のひらの中にある杖が、可愛いらしい声でお気楽に喋っている。
「だまれ、そこの杖。だいたい貴様が余計な事を言うのが原因なんだぞ」
 アーチャーはお気楽ステッキを睨みつけるも、ステッキはどこ吹く風という感じで口笛(口?)を吹いている。
「アーチャー、いい加減に諦めなさい。もう後戻りは出来ないのよ」
「いや、出きるだろう! 君が諦めればいい話ではないか!」
「……女にはやらねばならない時がある」
「あはー。諦めの悪い男は嫌われますよー」
 凛とカレイドステッキの言葉にアーチャーはがくりと膝をついた。ああ、そこにはアーチャーの味方は誰一人としていなかった。
「……それにだな、凛。元はと言えば君が魔術に失敗するからいけないのだろう? 何故、私まで巻き込まれなければならんのだ」
「ああ、もう! 煩いわね。貴方もエミヤシロウなら大人しく私の奴隷になりなさい」
「待て、凛! 何故エミヤシロウが君の奴隷なのだね!? それにエミヤシロウなら他にもいるだろう!」
 アーチャーが勢いよく取り出した凛の学生手帳を開き、一枚の写真を指差した。そこに写っているとある少年が弓を引く場面だった。その少年は赤い短髪で、幼さの残る顔をしておりながらも真剣な顔をしており、凛々しい雰囲気を持っていた。
 その写真を見た凛は少し頬を赤らめてうつむき。
「……だって士郎にもしもの事があったら大変じゃない」
 と恥ずかしそうに言った。
「納得いかねーー!!」
アーチャーはあまりの扱いの違いに魂の叫びをあげた。英霊の座のエミヤシロウ達も叫び声をあげた気がする。
げに恐ろしきは主人公補正。たとえ同一人物であっても主人公補正には適わない。
「あー、もうあんただまれ」
アーチャーの叫びに鬱陶しさを感じたのか、凛はボディーブローを叩き込むと、アーチャーは「ウボォア」と呻き気絶した。そして、それを盾代わりに目の前に設置し、カレイドステッキを部屋の中央に描かれた魔法陣の上に置いた。
「とっても楽しみですねー」
媒体にされているステッキはと言えば実に楽しそうに、僅かに飛び跳ねている。
「あんたね、あまり動かないでよね。失敗したら大変なんだから」
主に私のサイフが。と言って右手にアーチャーを構え、左手に起動用の宝石を握りしめる。
「よし、時間も今回はピッタシね! じゃあ、いくわよ……」
この時、凛は一つ失敗をしていた。それはカレイドステッキへの注意の返事を待たなかった事だ。もし、カレイドステッキが返事をするまで念入りに注意を怠らなければこんな事にはならなかったかもしれない。いや、やっぱ駄目かも。
そして、呪文の最中にステッキが跳ねた。
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:15:29 ID:xcRR4dRZ
危険な香りがする…
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:16:15 ID:R8bWbi8g
非常にマズイ・・・
いかなる内容でも型月厨をとめられない・・・

引越し覚悟・・・
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:16:40 ID:YeOyVVgw
型月はまずかったような・・・
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:17:30 ID:Q2vqHP/f
型月…、チャレンジャーだ
654赤いの二人でドグラマグラ:2008/02/13(水) 00:17:31 ID:yAFFMyFp
 アーチャーが目を覚ますと、そこは見知らぬ森の中だった。決して変身はしていない。
徐々にはっきりしてくる意識に蘇るのは、強烈なボディへの痛み。服を捲ってみると少し痣になっている。
「さて、それでここはどこかね」
そして痣の辺りをさすりながら、自分の背後に倒れている人物へと問いかける。
「……知らないわよ」
後方からは拗ねたような不機嫌な少女の声。
 そして少女は飛び起きると、そのままアーチャーの襟をグワシと締め上げる。
「ええ、どうせまた失敗したわよ! でもね!? 今回は私の所為じゃないわ! あのステッキの所為よ!」
そう言って手元のアーチャーの頭を無理やり右に向かせる。
その視線の先にはカレイドステッキがふよふよと飛び回っていた。
「……凛。私は何度も止めた。それを聞かなかったからこうなったのだろう。それが失敗だ」
アーチャーは、はあと疲れたように溜め息をついた。
そんな態度のアーチャーに凛は、うっ、と口ごもり静かに手を離した。
「……ごめんなさい」
「もういい。過ぎてしまった事はどうしようもない。それより此処がどこなのか、本当に分からないのかね?」
「ええ。分からないわ。なにしろ此処は異世界だもの」
その凛の言葉にアーチャーは固まった。そして、カレイドステッキに向けていた視線をギギギと回転させる。
「……凛、冗談がすぎるぞ。カレイドステッキでは精々情報のやり取りまでが限度だ。そんな簡単に異世界へなどと行けるはずがなかろう」
はっはっはと乾いた笑い声をあげるアーチャー。それにつられて凛もあっはっはと笑い声をあげて。
「ごめんなさい!」
土下座をした。これ以上もないくらいに土下座をした。
 その凛の態度にアーチャーは笑い声は途絶え、一旦目を瞑り。
「……なんでさ」
こちらも手を地面についてうなだれた。これ以上もないくらいにうなだれた。
端から見ると非常にシュールな光景だった。
 そんな二人の回りを、空気を読めない奇天烈ステッキがふよふよーんと回転している。
「あはー。お二人ともどうしたんですかー? もう来ちゃったんですから諦めて、私と一緒に世界征服の計画をたてましょうよー」
「……そうね。これからの事を考えなくちゃね」
 凛はそう言って回りを飛んでいるステッキにガンドを撃ち込む。
「まずはこれの封印からだな」
そして、ガンドで飛ばされてきたステッキをアーチャーがキャッチして携帯しておいた宝石箱に詰め込んで厳重に鍵をかけた。
「まずはこれで一安心ね」
「ああ。余計な騒ぎは起こしてもらいたくないからな」
赤い主従の顔には、どこか一仕事やり終えた清々しい表情が浮かんでいた。
「とりあえず、此処が別世界ならまずは此処の私達を見つけるか、もしくは住居確保ね」
「凛、ここの私達が魔術師である可能性が無い場合もある。まずは住居、そして食事が先決だ」
「確かにそうね。とにかく情報とお金よね……」
そんな事を二人が話していると、突如周りの「世界」が歪みはじめる。
「な、何よこれ?」
「結界……の類か? それにしては若干異質な気が……」
立て続けに起こった現象のせいで、動揺を隠せない。その所為で判断が遅れる。
「アーチャー! 結界の展開を阻止しなさい!」
「すまん、凛。間に合わん!」
 二人が対処しようとした時には既に結界が周囲を覆っていた。
 そして二人の目の前に一人の少女が現れた。
「時空管理局です! ロストロギア不法所持で逮捕します!」
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:18:31 ID:/cwY59PA
落ち着け
まだあわてるような時間じゃない(AA略
656名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:18:33 ID:oTd0KW+J
STOP!型月は荒れる!
専用スレに回ってくれ!(あったっけ?)
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:19:05 ID:Nbp45znw
型月板にスレあるんだからそっち逝け
658赤いの:2008/02/13(水) 00:19:52 ID:yAFFMyFp
以上です。
フェイトから二人と一本です。やはりマズいか?

バトル展開? なにそれ。
いえいえまさかのミステリです。
携帯からなんで短め。
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:21:24 ID:Nbp45znw
>>658 だから型月板にスレあるから逝けっての。
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:21:31 ID:CN5hay8z
荒れるから別の所へ逝け
でも何処に誘導すればいいんじゃ??
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:22:09 ID:Nbp45znw
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:22:13 ID:eaoMQ5tK
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:22:52 ID:nrIs0yjA
冗談半分だとは思うが、型月ってだけで、
厨が来る→荒れるの確定みたいな書き方はやめた方がいいと思うが。
664Strikers May Cry:2008/02/13(水) 00:22:54 ID:8Zf4trPK
ともかく様子見な展開か、っていうか“フェイト〜”はアニメしか見てないからよく知らなかったりする。

ところで、型月系ってなんかヤバイの? 何も知らないけど。
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:22:58 ID:BBvuHh5m
いつも思うんだが、型月型月って騒ぎすぎじゃないか?
厨ならなのは側にもいるだろうに
666名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:23:50 ID:R8bWbi8g
知らないということは幸せだが罪でもある
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:24:36 ID:lojGWFcY
>663みたいな馬鹿のおかげで厨が調子に乗る
668名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:25:56 ID:Nbp45znw
>>664 何のために専用板あるんだって事を察してくれ。
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:26:22 ID:/cwY59PA
>>665
両方の厨がぶつかりあったらただじゃすまないだろうしなぁ
670名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:26:35 ID:sKdY9s2C
荒れの原因になる厨はどこにでもいるだろ。問題は型月のあれが極端すぎるってだけで。

とはいえ、俺も白き異界の魔王に感動して住み着いた卓ゲ民なんで、偉そうなことは言えんw
671名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:27:04 ID:CN5hay8z
>荒らし、煽り等はスルーしてください。
偶数を数えて冷静になるんだ
偶数は2でしか物事を割り切れない間抜けな数字
私に勇気を与えてくれる・・・
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:31:30 ID:1By44nhO
>>664
魔術とか世界観とか設定が凄く細かくて、どんなに設定集読んだり調べて作ってもここが違うとか何とか議論が始まって
荒れる
と、俺は聞いた
ファイトのクロスだと宝具の強さ関係で、「○○のクラスでこの程度の強さはおかしい」とか何とかの話題は絶対出てくると思う
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:33:31 ID:2bnxRIln
ファ……イ……ト……?
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:33:33 ID:CN5hay8z
>>672
とゆうことは自然その手の話題をあやふやにすると
ギャグ系統しか掲載できないのかなあ
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:34:19 ID:wVYYTFTR
バトルじゃなくてミステリやるみたいだからいいんじゃね別に
676なの魂の人:2008/02/13(水) 00:34:23 ID:UudMbgIo
ま、まて、まだ慌てるような時間じゃ(ry
Fateに関しては専門外なんで、自分は静観を決め込んでおきます、ハイ

とりあえず50分頃に投下予告をば
即席で仕上げたバレンタイン特別企画です
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:34:33 ID:PlrNo9pM
完結した月姫とのクロスが既にある事実を無視して何を言っているのか?
と、型月が危険なのを承知で言ってみる。
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:35:41 ID:wVYYTFTR
>>676
まじでか

支援準備じゃー!
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:36:02 ID:CN5hay8z
>>675
ミステリー?
私見だが琥珀さんがミッドチルダ転覆をたくらむ話だと思ったんだが
愉快型伝奇物語
680Strikers May Cry:2008/02/13(水) 00:37:04 ID:8Zf4trPK
>>672
そうっすか、知らなかった。
っていうか基本的にクロス、ウロス、エロパロくらいしか見ないから他のスレの状況は知らんかったです。

>>676
そして、ちょっと早いがバレンタイン話支援じゃい!
俺も何か書こうかな?
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:37:49 ID:CN5hay8z
>>676
支援する・・・!
>>677
え? 本当?
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:40:34 ID:PlrNo9pM
>>681
本当。
http://www38.atwiki.jp/nanohass/pages/398.html

まあ、この話題続けるならウロスのほうに移った方がいいかも試練。
なの魂氏の投下もあるみたいなので。
683メタルサーガsts:2008/02/13(水) 00:43:02 ID:YeOyVVgw
感想ありがとうございます。本当に反響が大きくて驚きです。
最近シリアス多いから和み欲しいねみたいなレスあったのと私による殺伐分が過剰供給されてしまっていたからでしょうか。
皆様、和み分が補給できたようでなによりです。

>>638-639
世界を超越して仕事が素早いのがインテリアショップですw
オーダーメイド1日で仕上げるとか本当にすごすぎだなって書いてて思ったんですけどね。
でも原作でもどうしてぴったりのサイズ届けてるのさ?ってものすごく不思議だった部分をこれで解消したつもりです。

>>640 >>642
高レベルと評価してくださるどころか神とまで呼んでくださってありがとうございます。
私にはこのぐらいまでしか和み改造できず、普段の殺伐改造に比べて甘いと思ってしまったので心配していたのですが、
和んでいただけたようでなによりです。
バニーについては絵師さんが現れてくれることを祈るくらいしか私にはできません。

>>641 >>643
本編でポチが登場するのをお楽しみに。そしてザフィーラの不遇さに憐れみをw
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:43:32 ID:CN5hay8z
>>682
Danke
確かに呼んだ記憶がありますね
そういえば疑問なんじゃがウロスてどういう意味ですか?
調べたら、グラディウス関連の情報や実在の島の名前が出てきたんですが
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:44:29 ID:jbDLVcGV
型月とリリカルは、強さの概念が違いすぎて、設定のすりあわせが難しいんだよね
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:45:58 ID:/cwY59PA
>>684
K urosu
つまり黒猫にKを加えた分ここからKを削ったんだよ!
687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:47:10 ID:6VWYIrdP
>>684
スレをたてたやつのタイプミスじゃなかった?
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:48:32 ID:CN5hay8z
>>686
         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
ミミ:::;,!      u       `゙"~´   ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ  ゞヾ  ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/   ゙̄`ー-.、     u  ;,,;   j   ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\   ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/    J   ゙`ー、   " ;, ;;; ,;; ゙  u ヾi    ,,./ , ,、ヾヾ   | '-- 、..,,ヽ  j  ! | Nヾ|
'"       _,,.. -─ゝ.、   ;, " ;;   _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ  | 、  .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
  j    /   ,.- 、  ヾヽ、 ;; ;; _,-<  //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─--  エィ' (. 7 /
      :    ' ・丿   ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、  i     u  ヾ``ー' イ
       \_    _,,......::   ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... '  u ゙l´.i・j.冫,イ゙l  / ``-、..- ノ :u l
   u      ̄ ̄  彡"   、ヾ ̄``ミ::.l  u   j  i、`ー' .i / /、._    `'y   /
              u      `ヽ  ゙:l   ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_   ̄ ー/ u /
           _,,..,,_    ,.ィ、  /   |  /__   ``- 、_    l l  ``ーt、_ /  /
  ゙   u  ,./´ "  ``- 、_J r'´  u 丿 .l,... `ー一''/   ノ  ト 、,,_____ ゙/ /
        ./__        ー7    /、 l   '゙ ヽ/  ,. '"  \`ー--- ",.::く、
       /;;;''"  ̄ ̄ ───/  ゙  ,::'  \ヾニ==='"/ `- 、   ゙ー┬ '´ / \..,,__
、      .i:⌒`─-、_,....    l   /     `ー┬一'      ヽ    :l  /  , ' `ソヽ
ヾヽ     l      `  `ヽ、 l  ./  ヽ      l         )  ,; /   ,'    '^i
689名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:49:21 ID:PEaB9ZoO
GJ!!
とりあえず続きを待ってます。
690Strikers May Cry:2008/02/13(水) 00:50:51 ID:8Zf4trPK
っていうか用量大丈夫かな? 今は486kbくらいだけど。
691なの魂の人:2008/02/13(水) 00:51:42 ID:UudMbgIo
一応8KBくらいなんで、ギリギリ大丈夫とは思いますが……
先に新スレ立てたほうがいいかな?
692なの魂の人:2008/02/13(水) 00:55:51 ID:UudMbgIo
とりあえず先に立てておいた

リリカルなのはクロスSSその45
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202831720/l50

んでは、これより投下いきます
693なの魂:2008/02/13(水) 00:57:37 ID:UudMbgIo
なの魂 〜番外編 学生諸君は明日の準備してから寝ろよ〜

「……あれ〜?」

とっぷり夜も更けて、虫の音が響き始めてきた頃。
はやてが冷蔵庫の中を覗き込みながら、怪訝そうな声を上げた。

「どうなされましたか、主」

うーうー唸り声を上げながら棚を物色していると、後ろからシグナムが声をかけてきた。
はやては眉をひそめながらシグナムの方へ向き直り、両手を使って小さな長方形のジェスチャーをする。

「う〜ん……シグナム、こんくらいの箱見かけへんかった?」

「箱……ですか?」

「うん。チョコの入った箱。……ほら、明日バレンタインやろ?」

バレンタインという言葉を聞いて、シグナムは顎に手を置いて難しそうな顔をした。
一応バレンタインの概念は知っている。
平たく言えば、異性に対して贈り物をする日だ。
そのことに対しては特に問題ない。
『時期』が問題なのだ。

「今は夏真っ盛りなのですが……」

壁に掛けられたカレンダーを眺めながらシグナムは呟いた。
今は八月の中旬。
バレンタインにはまだまだ遠いのだ。
しかしはやては人差し指を立て、事も無げに言い放った。

「ああ、ホラ。現実世界の時間の話よ」

俗に言う楽屋ネタと言う奴だ。
どうやらはやては、すっかり銀魂色に染まってしまったらしい。
もうシャバには戻れないだろう。

――閑話休題――

バレンタインの話を持ち出した途端、はやては何故か顔を赤らめながら俯いてしまった。
そして身体を縮こまらせて、胸の前で両手の人差し指をツンツンと付き合わせ始める。

「そやから、その……日頃の感謝の意味も込めて、銀ちゃんにーって思って買っててんけど……」

頼りなさげにボソボソ呟きだすはやて。
そんな彼女の態度を不審に思ったシグナムが首を傾げていると、彼女の後ろから小さな笑いが聞こえてきた。

「……ヘェー……」

振り向いてみると、口元に手を置いてこちらを見つめるシャマルの姿があった。
口端を緩めながら含み笑いを見せる彼女は、心底楽しそうである。

「な、なんやその目はー!」

何故か頭から湯気が出そうくらい顔を真っ赤にし、腕をブンブン振り回すはやて。
それを見てますます楽しそうな表情をするシャマル。
いかん。このままではラチがあかん。
そう判断したシグナムは、とりあえず先にはやての質問に答えておくことにした。
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:58:09 ID:wVYYTFTR
なの魂さん支援
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:58:55 ID:7q77+m+l
シグナムは誰に上げるんだろ?
マヨラーサムライ? 支援!
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:59:29 ID:R8bWbi8g
>>686
なんつー懐かしいネタをwwww
ちなみにその猫は百万回死んだぬこじゃないかとも言われてたり
697なの魂:2008/02/13(水) 00:59:45 ID:UudMbgIo
「申し訳ありません、主。あいにくですが、私には見覚えが……」

「私も見かけなかったわねぇ……」

「そっか……」

同じようにシャマルも答えると、はやては消沈した面持ちで俯いてしまった。
見るに耐えない悲痛な様子。
何とかしてあげたいとは思うが、知らないものは知らな――。
と、そこで突然シグナムが、ポンと手を打った。
そういえばついさっき、冷蔵庫をあさっている人物を見かけたのだ。

「ヴィータなら、何か知っているかもしれません。先程、冷蔵庫を物色していたようですので」

三人は一斉に、居間のソファーに陣取るヴィータへ視線を向けた。
彼女は自分の身体より一回りほど大きな新聞を目一杯広げて、記事を読みふけっているようだった。
しかしその行動は、シグナム達に不信感を募らせることになる。
ヴィータが新聞?
いつもはテレビの番組表しか見ないヴィータが、新聞記事の閲覧?
怪訝な表情でヴィータを見続けていると、不意に彼女がため息をついた。

「『またも狙われた大使館。連続爆破テロ凶行続く』か……。どこの世界行っても物騒だなー。恐い恐い」

そう言って新聞を下ろしたヴィータの口元には、茶色っぽい何かが付着しており、
そして彼女の小さな鼻からは、一筋の赤い液体が流れ出ていた。

「幸せそうに鼻血垂らして何ゆーとんねん。一粒五百円のチョコの味はどうやった?」

「チョコ食って鼻血ってそんなベタな……」

車椅子に乗っているとは思えない速度でヴィータに詰め寄り、はやては彼女の顔をガシッとホールドした。
一方のヴィータは、タコみたいな口になりながら反論を返して、シグナム達に視線をやり、

「…………」

ため息をつきながら顔を横に振る彼女達を見て、自分には最早退路が無いことを悟った。
視線をはやてに戻してみる。
目の前には、満面の笑みを浮かべながら、こめかみに青筋を浮かべる夜天の王の顔があった。

「いだだだだ! ご、ごめ、ごめんなさーい!」



頭に大量のたんこぶを作ったヴィータが、テーブルの上に空になったチョコの箱を申し訳なさそうに差し出した。
それを見て、本日何度目かになる大きなため息をつくはやて。

「はぁ……うだうだ言っててもしゃーないな。今からでも新しいチョコ買いに……」

とシャマルに視線を向けると、彼女はがま口の財布を全開にして、逆さに振って見せた。
中から転げ落ちたのは五百円硬貨一枚と、白蛇の抜け殻。
意外と験を担ぐタイプらしい。
……いや、問題はそこではない。
転げ落ちたのは、五百円硬貨がたった一枚。
つまり今現在、手持ちはコレだけしかないということなのだ。
これではロクな物が買えない。
はやては思わず歯噛みする。
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:00:07 ID:CN5hay8z
支援・・・・!
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:00:50 ID:7q77+m+l
支援しない?
そんな奴は応援団に入れ! 支援ですw
700なの魂:2008/02/13(水) 01:01:09 ID:UudMbgIo
「クッ……こーなったら有り合わせの物で作るしかないな……!」

「しかし主。銀時殿ならチョコレートでなくとも、甘い物なら何でも喜んで受け取ると思うのですが……」

ボソッとシグナムが呟くと、突然はやてが机を叩きながら立ち上が……ろうとして断念した。
普段の彼女からは想像できない様な形相でシグナムを睨み、ビシッと彼女を指差す。

「あかん! 今回は絶対チョコやないとあかんのや!」

シグナムは冷や汗をかきながら辟易した。
一体何が彼女をここまで駆り立てるのか。
そんなことを考えている間にも、はやてのボルテージはどんどん上昇を続けているようだ。

「第一級戦闘態勢! シグナムとヴィータは板チョコとトッピングの調達!
 バレンタインのお菓子売り場は戦場や! 気ィ抜いたら殺られるで! 場合によっては火砲の使用も許可する!」

どこの軍人だ。と言いたくなるような指示が飛び交う。
そのあまりの気迫に、シグナムとヴィータは思わず敬礼をし……。
いや待て、火砲?
チョコのためにデバイスを使えというのか? この少女は。
なんとかの乙女は盲目と言うが、今の彼女はそれを地で行ってるのだろうか。
……いや、深く考えるのはよそう。

「シャマルは台所のセッティング! エプロン付ける人はただの料理人や! 三角巾まで付ける人は訓練された料理人や!
 ホンマ、キッチンは地獄やでー!」

テンションがおかしな方向へ向かったはやてが叫ぶ。
シャマルもシグナム達と同じように敬礼をし、大慌てでキッチンへと姿を消していった。

(……女という生物は理解に苦しむな)

テーブルの下では、ザフィーラがそんなことを考えながら大きな欠伸をしていた。


701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:01:48 ID:AXzaECA/
ああもうはやて可愛過ぎるぜ。
これはもう犯罪の領域だね!
支援
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:02:41 ID:7q77+m+l
犬はチョコを食べたら死にます。
ゆえにザフィーラには一生縁の無いバレンタインw
涙が出てきた支援!
703なの魂:2008/02/13(水) 01:02:59 ID:UudMbgIo
翌日早朝。

「おかしいですね……誰も出てこないや」

そう言って新八は眉をひそめた。
先程から何度もインターホンを鳴らしているのだが、住人が出てくる気配が一向に無いのだ。

「まだ寝てんじゃねーのか?」

寝ぼけ眼で、なのはに貰った義理チョコをかじりながら銀時は呟く。
朝食代わりにチョコとは、不摂生極まりない。
しかしそんな彼とは違い、神楽は新八と同じように不審感を抱いたようだ。

「でも、姐御まで寝てるなんて珍しいアル」

確かに他の連中はともかく、シグナムなら普段は起きている時間だ。
その彼女ですら出てこないということは……夜更かしでもしたのか?
三人はずかずかと敷地内へ入り、玄関の取っ手に手を掛けてみる。

「オイオイ……鍵くらいかけろっての、無用心だな」

何故か、あっさりと扉が開いた。
用心しつつ家の中へ上がりこむ。
同時に漂ってくる、甘ったるい匂い。
さすがの銀時も耐え切れなかったらしく、思わず鼻をふさいだ。
何をどうしたらこんな匂いが出せるんだ?
そんなことを考えながら一同は廊下を渡り、居間へ入り、そして台所を覗き込んだ。

「……なんですかコレ。アート?」

「爆撃でもされたのか?」

冷や汗を垂らしながら新八と銀時は呟いた。
床やコンロの上には、無造作に鍋やボウルが転がっており、そこらじゅうの壁や天井には茶色い固形物がこびり付いている。
彼らの目の前に広がる光景は、まさに爆心地と呼ぶに相応しいだろう。
その爆心地の外れ。
台所の隅の方から、人の呼吸音が聞こえてきた。

「……何やってんだ、アイツら?」

視線の先には、覆い被さる様に重なって眠りこけるシグナム、ヴィータ、シャマルと、
チョコを包んだ四つのビニール袋を抱えて、幸せそうな寝顔を見せるはやての姿があった。

数時間後、当たりのチョコレート(シャマル製)を口にした銀時が救急車で運ばれる羽目になったのは、言うまでも無い。
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:03:13 ID:vSrdj9d9
フゥアハハー!支援
705なの魂の人:2008/02/13(水) 01:04:43 ID:UudMbgIo
以上で投下終了です
とりあえず本編に支障出ないような時期をチョイスしてみました

なのはにもはやてにもチョコ貰えなかった新八には同情せざるをえない
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:05:13 ID:oTd0KW+J
流石銀さん期待を裏切らず当たりを引き当てる支援。
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:05:16 ID:fsx0Pg/+
寝る前に立ち寄ったら本命さんのリアルタイムに敢えてラッキイイイイイイ!
支援するぜ!
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:05:23 ID:PEaB9ZoO
ヴィータの顔をホールド時の顔は以前の支援絵のフェイトがMくのいちの代わりに
降ってきたでもいいなぁw支援
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:05:34 ID:CN5hay8z
>>当たりのチョコレート
お約束www
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:06:54 ID:7q77+m+l
>>705
GJ!
それしかいえない、ああそれしかいえないさ!
ここのはやてにはいつも癒されてます。最高でした!
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:07:14 ID:fsx0Pg/+
感想遅れてしまったがなの魂の人GJ!!

そんでもって期待を裏切らない銀時にワロタwww
712Strikers May Cry:2008/02/13(水) 01:08:19 ID:8Zf4trPK
やっぱシャマルは期待を裏切らないんだな、GJですぜい。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:08:34 ID:wVYYTFTR
>>705
あぁちくしょう! もうニヤケが止まんねーよ! 気持ち悪いよ俺! 妄想が止まらんよ!
GJッス!
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:11:12 ID:jEB6upkz
なの魂GJ
はやて、すっかり銀魂色になちゃって、もうマジでシャバにゃあ、
かえれないぐらいかわいいぜ。GJ
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:13:22 ID:vSrdj9d9
GJ!
しかし…
>立ち上が……ろうとして断念
…ちょっと不憫だ…あかん、泣けてきた…
716名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:16:45 ID:/cwY59PA
GJ
いやしんぼなヴィータかわええ
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:18:17 ID:PEaB9ZoO
そんなヴィータは角砂糖投げるしかないw
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:20:45 ID:/cwY59PA
>>717
「三個欲しいのか? ほれ、卑しいやつME!」
「あうっあうっ」
となるわけだ
問題は投げる人役を誰がやるかだな
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:20:49 ID:mjL/yK2Q
なの魂氏GJ!!
もうこいつら結婚しちゃえよ!!

>>なのはにもはやてにもチョコ貰えなかった新八には同情せざるをえない
・・・新八・゜・(/Д`)・゜・。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:21:44 ID:gx6drLhl
誰だ!シャマルさんを台所に入れた粗忽者は!?
A.はやて嬢です

(´;ω;`)幼くしてフラグクラッシャーとは……はやて、不憫な子。
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:25:30 ID:PEaB9ZoO
>>718
能力的に近い奴を擦り合わせるとはやて、広域攻撃なので。
なのはも捨てがたいw
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:37:43 ID:7q77+m+l
500KBなら、なのはが悪魔をやめる。
ただし3日間だけな!
723Strikers May Cry:2008/02/13(水) 01:43:39 ID:8Zf4trPK
500KBならバレンタイン話書く。
724名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:52:25 ID:R8bWbi8g
500なら東方が来る
725リリカル! 夢境学園:2008/02/13(水) 01:53:32 ID:7q77+m+l
500KBならバイドにフォースが打ち込まれて、汚染が完全に鎮圧される!
726名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:54:20 ID:QoZHr432
500kbなら、エンディング後のガンダムX世界にアースラが落ちる
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:55:12 ID:R8bWbi8g
500ならぜええんぶ無し



と見せかけて阿部さんが来る
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:57:06 ID:7q77+m+l
500KBなら、次のスレがR指定になって。
スタイリッシュタイムが始まる。
カッコイイという意味でだ!
729反目のスバル ◆9L.gxDzakI
>>727
くそみそなのニックでも読んでなさい

500ならスバルが旦那に作ったチョコをつまみ食いで食べ尽くさない