あの作品のキャラがルイズに召喚されました part106

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part105
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1201088153/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/



    ___              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!



     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,     本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし    ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ     本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l      ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
              ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。



   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’      ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:00:00 ID:snncxsJY
ハイテク兵器 vs 剣と魔法。縛りはスレタイとガイドラインを参照。
分からない場合は半年ROMるか、過去スレを見て勉強しましょう。

・sage厳守。行くべき所が有りません。軍板の温情に感謝致します。
・書きこむ前にリロードを。マナーとして。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。分断防止のため。
・SS投下中の発言は控えてください。
・支援は50レスに1回。
・嵐、煽り、気に食わないコテは徹底放置。自然現象として脳内あぼーんしましょう。
・品性に欠けるレスはなるべく付けませんよう。
・気に食わないレスを、気に食わないコテハンまたは気に食わない人間のものと根拠無く認定するなかれ。
 ループ禁止。対策としての『萌え』などには書き手も読み手も極端な反応をしないこと。
 そんなことより海産物の話でもしよーぜ。
・以上を守らないものはぬるぽと見做し、鉄槌制裁( ・∀・)つ=■彡☆))`Д´)されます。

前スレ
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第58章
http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1187502563/

保存庫
ttp://shizuoka.cool.ne.jp/fantasure/
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/
ttp://powlow.breeze.jp/jfs.htm

分家
http://jbbs.livedoor.jp/movie/4152/fjieitai.html
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:00:30 ID:snncxsJY
参考資料

自衛隊公式サイト
http://www.mod.go.jp/
戦略、戦術について
ttp://www.d1.dion.ne.jp/~r_dom/lans_index.htm
自衛隊の装備について
ttp://www.military-powers.com/

戦術の世界史
ttp://www.k2.dion.ne.jp/~tactic/

京大RPG研究会
ttp://www.ku-rpg.org/
ttp://www.ku-rpg.org/trpg/population.html 中世の人口

Dragon's Lair by Water Dragon
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/esse.htm 中世とF世界の食事
ttp://wdragon.fc2web.com/fg/index.html 中世ヨーロッパの装い(下着含む)

Wiki
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?%BB%F1%CE%C1 資料

小説の書き方参考
ttp://www.feel-stylia.com/rc/creative/ ←【重要】
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:00:54 ID:snncxsJY
関連サイト
「帝國召喚」(作:くろべえ/分家皇軍スレ)
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/index.html

「輸送戦記」(作:Call50/本家)
ttp://homepage2.nifty.com/Call50/

分家まとめサイト
ttp://www.geocities.jp/wimsigma/

SSの書き方
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan01.html
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan02.html
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:01:02 ID:WrUjoYp0
だれだFスレのテンプレ書いたやつw
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:01:59 ID:+o5fenRn
軍板からそんなもん引っ張ってくるとは
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:15:26 ID:Ak5TOUBa
スレたておつー
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:18:34 ID:sYesFcvR
>>1乙
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:22:42 ID:am+JDzpk
またHか! いい加減にしろブォケ
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:25:56 ID:sYesFcvR
  /:::/::::/::::::::::::l::::::::|:::::::l:::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::i::::::
  /::;イ::::i::::::::::::::| ::::::l|;::::::li;::::::::|、;::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::l:::::
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  |::l | ::::|::::::::-i-L;;_l .|!i:::::l ヽ::::l  ヽ、__;;;;::::| :::::::::::::::::l::::
  |:! .|::::::l::__;;;|_ l:::l`ヽヽ;:::l ヾ;レ‐'''゙゙´\ :::::| ::::::::::::::::l:::::
  l!  .|:::/ ___ノ,ィ'ト|''=ミ、 ヾ!  ,r-=fニミ;;弍;;| :::::::::::::::l~゙'i  ああこんな子も・・・
    l/ ,/ト、::l゙__゙ヾ::ii::|ヽ  ,/  .|:::illi:::゙ii/ |:::::::::::::::j¨゙ l
   /⌒ヾ、|/`fト l ゙K);j .l'⌒''h.   K);;;;ッリ l:::::::::::::/ .ノ 
  /‐-、 `iノ /'ヽ|、   ノ    ヾ、     ,/  |:::::::::::/=7゙
 ./ 、. ヽ |゙V,_  l:::i、 ̄ 丶    ゙''ー-‐''  ,l::::::::::/|:;/
 i  '゙ヽ_j-'   .|::::|.\   ‐-        ,,イ::::::::/ ,l/
 ヽ    ヽ   jl:::::l.   ヽ、      , ''゙ /:::::::/゙`ヽ、
  ヽ、.     /ヽ::::|    ,,`=ー '''i´    /:;/レ'〉;:;:;:;:,.,\

                     __
                 _, '"´      `丶、
                /            \
                  / ,' /  / /  ヽ   `ヽヽ
               l l j __ // ,イ   、ハヽ   }! ハ
               l l 「 j_从7ヽハ  !七大 ` } リ }/
                | l Vf゙i圷/ jl ノィアト、ヘ// /
                  j l  l  V_:ソ  ´  V:リ /jイノ     想像するだけで・・・
               ,' ハ ヘ.       '  ` ,'  l !
                / / l  ヽ   ー ‐  .厶 |ハ
                //' ∧  弋ト 、 __ , r<7  l ヽ
          / / / ∧   Vー、 Kヽ{   ヽ  ヽ
         /  /./  /¨}   ',__∧_j_l::::ハ   \ }/
         ,′  l {  /:::/   /::::ヾ ☆Y:::ハ    X
         {   V r'::::::/   /::::::::::\__j:::::入xぅ/  \
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:34:31 ID:7ZAZKFmw
●     「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠〜〜〜┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃  ●  ∫ ずっとわたしをい〜んつもい〜んつもみ〜んつめてなぁさぁ〜い
┠〜〜〜┘  よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ〜
┃         おしおきするのふぅ〜らりふぅ〜らりふぅ〜らちなやつうは
┃          (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃           どんたーちきかないからねいーいーわ〜けは
┃            たちみーつ〜んかれたかぁ〜ら
┃             ね・え・かたをっかしてよっ
┃              す〜き〜よ〜ンなんてうそ〜よっ
┃               き〜ら〜い〜ンこれもうそだわん
┃                ないないないぃだめよかんちがいぃ〜〜〜〜〜っ
┃                 だからすぅきぃよっなんていわない
┃                  のんのんのんどっこかへいったら
┃                   ぜえったいにっゆるさないからねぇ〜〜〜〜ん  ・・・だぁって
┃                    ほんと〜はだれ〜よ〜りそンばンにンいンたあ〜いの
┃                     あ〜い〜の〜く〜さ〜り〜でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ

12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:42:05 ID:sYesFcvR
                      __
                 _, '"´      `丶、
                /            \
                  / ,' /  / /  ヽ   `ヽヽ
               l l j __ // ,イ   、ハヽ   }! ハ
               l l 「 j_从7ヽハ  !七大 ` } リ }/
                | l Vf゙ / jl ノ ヘ// /
                  j l  l --o--  --o-- /jイノ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               ,' ハ ヘ.       '  ` ,'  l !    < ルイズも キッ!キッ!キッ!
                / / l  ヽ  ----  .厶 |ハ      \_____
                //' ∧  弋ト 、 r<7  l ヽ
          / / / ∧   Vー  ヽ{   ヽ  ヽ
         /  /./  /¨}   ',__∧_j_l::::ハ   \ }/
         ,′  l {  /:::/   /::::ヾ ☆Y:::ハ    X
         {   V r'::::::/   /::::::::::\__j:::::入xぅ/  \
         ヽ  l  { :::/   /::::::::::::::::::V://∠     ',       ─┼─
          }  ! j/  /:!::::::::::::::::::∧V _二}:ヽ   /       ─┼─
          /  /  {   〈:::::::l:::::::::::::::/:| j/ -ーソ:::ノ   /         │ 
                                               | | /
                                                _/
私が貧乳で魔法ができないのは別に基地外だからじゃない。          
ビッチなわけでもない。                                  
無駄に魔法を使って平民を召喚するぐらいなら、今は自分のスタイルを貫きたい。
こんなことって
貴族のがさつで無神経な姫様には絶対に理解できないだろうし、してほしくもない。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:47:20 ID:sYesFcvR
社長がゼロの使い魔の世界に召喚されたようです。
ttp://www30.atwiki.jp/shachozero/

最近こういうの多いな
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 13:50:47 ID:CJLLhCDe
>1 乙
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 14:40:17 ID:DvbHiRyT
ピンポンパンポン〜名作のその後のお知らせです。

前スレでも話題にある通り、ゼロのgrandma外伝が作者さんのサイトで公開中です。
詳しくはぐぐってお探しください。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 14:44:50 ID:MOS4J05D
投下してもいいでしょうか?
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 14:46:20 ID:1NmmqSmR
題名とクロス作品名をどうぞ
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 14:46:20 ID:yx6KhUQ6
>>16
まあなんだ。題名ぐらい書け
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 14:47:17 ID:WBiCL9rN
>>16
初めてならキャラはいいから題名だけでも
連載なら両方よろしく
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 14:48:11 ID:OoNidA6x
>>16
前スレにどうぞ
21角のある使い魔:2008/01/27(日) 14:48:36 ID:MOS4J05D
すみません。
初投下です。BAROQUEから角女召喚です。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 14:49:50 ID:WBiCL9rN
>>21
OK
もし10レス前後なら前スレがまだ容量余ってるよ
23角のある使い魔:2008/01/27(日) 14:52:46 ID:MOS4J05D
では前スレに投下させていただきます。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 15:19:02 ID:br+9Dv43
wikiのほうが閉鎖って書いてるんだけどマジ?
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 15:20:11 ID:uWMED1WF
これからまとめってどうなるん?
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 15:20:37 ID:BoSzx3rK
>>13
しかし、すごく魅かれるww
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 15:25:20 ID:WBiCL9rN
>>25
ただの荒らしでしょ 誰かが戻してくれたよ
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 15:25:56 ID:1NmmqSmR
>>24-25
ageないように。ただの荒らしの仕業。
角の人、こちらでもGJしておきます。
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 15:28:01 ID:iKgM58wN
>24
どっかの馬鹿が荒らしたんだろ。
漏れが今見てきたが普通だったぞ。

そういや馬鹿が改悪した方はwikiのバックアップのログすら残って無くてワロタw
30メロン名無しさん:2008/01/27(日) 15:49:19 ID:jqA3Wkgt
ルイズ「ねぇねぇ、ガンダムのパイロット、生きてる?
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:01:58 ID:X13RdY9l
誰か言うやつが必ず出るかと思ったがお前か
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:18:52 ID:56EO1e8A
>>23
前スレが埋まってたんでこっちの方で感想を
今まで召喚された中でも最も扱いの難しいキャラだと思うが、続きを楽しみにしてる
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:27:49 ID:vO0ZXdGr
自衛隊がF世界に〜のテンプレで吹いたwww
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:28:51 ID:vO0ZXdGr
すまんこ
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:45:51 ID:2ejFcVGm
マルコメが召喚してたらギャグにしかならんだろうなw>角
36閑人A:2008/01/27(日) 16:52:56 ID:AoS/1gbu
5分後に投稿していいすか?
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:54:25 ID:yS/pCDGK
かもん
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:54:39 ID:WBiCL9rN
光路郎支援
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 16:55:27 ID:zS8UmdNJ
自衛隊員召喚か…佐藤三佐召喚とか?

ルイズ「畜生、いつか殺してやる」
40もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 16:58:45 ID:AoS/1gbu
.
「冗談じゃねえ! 冗談じゃねえ!! 今度こそ本気で冗談じゃねえぞ!!」
「はあ……まあ、たしかに、そうかもねえ……」
 才人の怒声に、褐色の肌と豊満な肉体を持つ女性――キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・ツェルプストーが、溜め息を洩らしながら、呟くように同意する。

 こんなはずではなかったのだ。
 今頃この自室は、本来ならば濃密な色気と媚香が漂う、愛の空間と化しているはずだったのに。


 才人の意識が回復してから、はや一週間。
 もはや恒例行事と化した観のある、ルイズと才人の大喧嘩。
 その怒声は、本来、分厚い石壁で遮られているはずの隣室にまで聞こえて来る。
 キュルケは、そのおぼろげに伝わってくる罵声を、聞くとも無く聞きながら、改めて、あの平民の少年は大したものだと思った。
 少なくとも、貴族に向かって、あそこまで対等に喧嘩が出来る平民など、キュルケは知らない。
 例え相手が、『ゼロ』のルイズであったとしても――いや、ルイズであればこそ、並みの平民なら、正面切って逆らったりは出来ないはずだ。彼女の気位の高さを、キュルケは十分に知っていたから。

 確かに彼女の母国ゲルマニアは、能力や金次第で平民でも貴族株を買う事ができ、ハルケギニアの他の国家ほど、貴族と平民の壁は厚くは無い。
 だがそれでも、平民出身の貴族から、その卑屈さが抜けきるまでは四代かかるとまで言われており、いわんや市井の平民など、やはり貴族に膝を屈する事に何の躊躇いも持ってはいない。
 だが、彼は――いや、ルイズが召喚した彼らは、そんな平民たちとは、全く違う。

 キュルケは、そんな彼らに興味を持った。
41もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:00:27 ID:AoS/1gbu
.
 二人目のニヒルな長身の方も捨てがたいが、やはり、一人目の少年の方が、キュルケの女心は大いに刺激された。
 自分の主を“無力な女の子”扱いする神経も相当のものだが、その子を護るために戦い、傷つき、瀕死の重傷を負いながらも、なお闘志を燃やし続ける、その根性。
 助太刀に入った、もう一人の平民に、敢えて剣を突きつけ、余計な真似をするなと叫ぶ、そのプライド。

――いい。あの子、いい。
 
 身震いするような感動とともに、キュルケはそう思った。
 何よりも、それがヴァリエール家の関係者を誘惑するという、ツェルプストー家の家風にも添う。そう思った瞬間に、彼女の興奮は倍増した。

 壁を通して聞こえる口論も、そろそろ終盤らしい。
 そうなると、彼はいつもルイズの部屋から蹴り出されるか、自分から出て行くか、だ。その後どこで寝ているのかは知らないが。
 ともかく、そうなったら、この部屋に連れ込もう。
 連れ込んで誘惑しよう。
 そのために部屋の照明も凝ったし、必殺のベビードールにも着替えたし、演出は完了! という状態だったのだが、……彼女の部屋に引っ張り込まれた才人が始めたのは、ルイズに対する不平不満を、キュルケにぶちまける事だった。

「だから言ってやったんだよ! 『使い魔品評会』だか何だか知らねえが、何でおれが犬猫やトカゲに混じって、かくし芸なんざしなきゃならねえんだってさ! そしたらアイツ、何て言ったと思う!?」
「さあ?」
「素直に言う事聞く分、まだ犬猫の方がマシだってよ!! ひとさらいが、どこまで図に乗りゃ気が済むんだ!!」
「ひとさらい?」
「そうだよ! おれが何でこんなエセ・ハリーポッターな学校で、ガキのお守りなんかしてると思う? あの幼児体型が、無理やりおれを召喚しちまったせいだ! おかげで家にも帰れやしねえ! ひとさらい以外の何だって言うんだ!!」
「まあ、あんたの気持ちは分かるけどさ。……で、どうするの?」
「え?」
「だから、品評会よ。――出るの? 出ないの?」
 キュルケがそう言った途端に、才人はそれまでの騒ぎっぷりが嘘のように、静かになった。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:00:34 ID:iK+FvB7D
支援
43もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:01:31 ID:AoS/1gbu
.
「出れねえ、よ」
「出れないって……どういう事? 実は出たいって事なの?」
「それはいやだ……。おれは人間だ。人間である以上、犬猫に混じって一芸披露なんて、死んでもいやだ。……でも、出るのもやむなしかな、とも思ってる。おれはルイズに命を救われた借りがあるからな」
「……」
「でも、分かってるんだ。出たところで、おれは何も出来ねえ。そもそも、おれはただの高校生だったんだ。ドラゴンとかグリフォンとか、いるだけでも珍しいような連中相手に、勝てるわけがねえ」
「……まあ、確かに難しいかも、ねえ」
「結果としてルイズにまた、恥をかかすだけだ。『ゼロ』のルイズの使い魔は、芸をやらせても、やっぱり『ゼロ』だってな。芸無しのおれが笑われるのはともかく、そのせいで、あいつが笑われるのは、一番いやだ……!」
「ふ……ん」
「出る以上は……勝ちたい。出たくねえがな。でも、勝てねえ。せめてあと一週間ほど時間があればともかく、本番はあさってだっていうんじゃ、な……」

 キュルケは妙に感心した。
 なんのかんの言って、この少年は、やはりルイズのことを考えているのだ。

 そのとき、ドアが凄まじい音を立てて吹き飛ばされた。
「ルッ……!?」
 ルイズ・ラ・ヴァリエールが、両目を光らせ、そこに立っていた。
「こんの、ばか犬ぅぅ〜〜〜〜!! 御主人様にさんざん逆らった挙げ句、よっ、よっ、よりにもよって、ツェルプストーの部屋なんかに……!! アンタ一体どういうつもりなのぉぉぉっ!!」

 その瞬間、才人も、それまでキュルケに見せていた真剣な顔が嘘のように、牙をむく。
「ああ!? おれがどこにいようが、おれの勝手だろうが!!」
「そんな勝手が許されるわけ無いでしょっ!! アンタはわたしの使い魔なのよっ!!」
「部屋から出てけっつったのはテメエだろ!? 命令どおり出て行ってやったまでだろうがっ!!」
「それでも、行っていい部屋といけない部屋があるのよっ!!」
「そんな事、おれが知るかっ!!」
「いいかげんにしなさいっ!!」
 キュルケが腰に手を当てて、まるでダダッ子を見る母親のような顔で叫ぶ。
44もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:02:58 ID:AoS/1gbu
.

「ルイズ」
「あによ?」
「彼――サイトから聞いたわよ。品評会の話」
 ルイズはじろりと才人を睨む。が、フンと鼻を鳴らして、手にした紅茶を一口すする。
 キュルケが淹れてくれたものだ。本当はツェルプストーの部屋など、一秒だって居たくは無いのだが、才人を残して出て行く気にもなれない。

「――で、あんたもコイツの肩を持つの? 使い魔に“使い魔品評会”に出なさいって言った、わたしが悪いって、そう言いたいの?」
「いいえ。そんな事は無いわ。あたしだって、これでも使い魔を使役する身だもの」
「だったら――」
「でもねルイズ。彼の言い分も、もっともだと思うのよ。使い魔使い魔って言ったところで、それ以前に彼も一人の人間なの。もっと気を使ってあげてもいいんじゃない?」
「冗談じゃないわよっ!! 使い魔に気を使う御主人様なんて、聞いた事も無いわ!!」
 金切り声を上げるルイズに、キュルケは深い溜め息をついた。

「でも少なくとも、彼はあなたに気を使ってるわ」
「何言ってるのよ? ここまで御主人様に逆らう使い魔なんて――」
「いいから聞きなさい!」
 そう言うと、キュルケはちらりと才人を見た。
「おい、まさか――」
 才人が何かを言おうとした瞬間、
「サイトが品評会に出たくないって言ったのは、何も自分が、犬猫と同列扱いされるのが気に入らないからってだけじゃないの」
「おい、やめろ!!」
 しかし、キュルケはやめない。
「彼はこう言っていたわ」
 さっき才人が言った言葉。それはこの際、ルイズに聞かせておいた方がいいと思ったからだ。

「品評会に出たところで、自分は気の利いた芸など何も出来ない、ただの平民だ。そして、本番で自分が恥をかくということは、アンタに恥をかかせる事だ、ってね」

45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:04:25 ID:yS/pCDGK
支援
46もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:05:02 ID:AoS/1gbu
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「ホントなの……サイト……?」

 ルイズが、一瞬呆けたような表情をして、そのまま才人を振り返る。
 才人は才人で、顔を真っ赤にさせて、
「なっ、何で言うんだよっ!!」
 が、キュルケはそのクレームを右から左に受け流し、
「あら、まずかったかしらぁ? ――で、その言葉を受けて、御主人様の意見は?」
 その悪戯っぽい流し目を、才人からルイズへと切り替える。が、その先にいたのは、才人以上に頬を紅潮させて俯く、桃髪の少女。
 そして、お互い見つめ合っては、気まずそうに目を逸らす。

「ああ!! もうやってらんねえ!!」

 耐え切れなくなったのか、才人はそう叫ぶと、そのままキュルケの部屋を出て行ってしまった。
 ルイズはそんな才人を、当然のように――追わない。依然として、耳まで真っ赤になりながら、
「ねえ、あの、キュルケ?」
「なによ」
「あいつ、本当に、そんなこと言ったの? わたしに恥をかかせたくないって……?」
 もじもじと訊いてくる。……必死になって、喜びを抑えているのがバレバレだ。
 キュルケは、ルイズの質問には答えなかった。彼女が答えるまでも無く、それは才人の態度を見れば、一目瞭然だったからだ。
「……あんたたちって、ある意味、これ以上は無いくらい、お似合いなのね」

――やってらんないのは、こっちだわ……。
 
 キュルケはしみじみそう思った。
 そして、ふと思い出す。
「ねえルイズ、あなたが召喚したのって、二人だわよね? もう一人のニヒルな人はどうしたの?」
 そう訊かれた途端、ほころんでいたルイズの表情が、ふっと翳る。
「知らないわ」
「知らないって、――どういう事?」
「どういう事って……とにかく、サイトと違ってカザミは扱いにくいの。雰囲気怖いし、冷たそうだし。使い魔のクセに、滅多にわたしの部屋に寄り付かないし」
「まあ、確かに……サイトよりは気難しそうよね」
「今頃どこで何やってるんだか……」
 ルイズはそう呟いた。

――当然、彼は彼で危機に瀕していることなど、少女には気付く由も無い。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:05:46 ID:nnc53WSw
神も仏もいなかったとしても、仮面ライダーはいるぞ支援
48もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:06:50 ID:AoS/1gbu
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 ゴーレムの肩から、学院の塀までの8mほどの空間を、風見は助走もなしに、一気に飛び移った。
 女が、怯えた顔を、ますます引きつらせて、こっちを見る。

――確か、ミス・ロングビルとかいったか、この女。

 あれから風見は、何度となく学院長室のオスマンを訪ね、話をしている。
 オスマンの秘書である、この女性の顔も、当然憶えていた。
 どうする?
 自問自答する。
 V3としての姿を見られた以上、このまま帰すことは出来ない。
 しかし、だからと言って、どうやって口を封じる?
 まさか、殺すというわけにもいかない。
 参ったな……。
 そんな困惑が、風見の眉間に、より深い縦ジワを刻み込む。

「――あ、あんたさぁ、一体、何者なの……?」

 ロングビルが、半笑いかつ半泣きという、なんとも形容しがたい表情で訊いてくる。
 秘書として会った時は、もう少し物腰丁寧な女性だったと思うが、まあ、無理もない。
 ここまで怯えては、地金が出るのも当然だろう。
 普通の人間がイキナリ、あんな異形の姿に“変身”なんぞした日には――それを目の当たりにした日には、そのくらいの反応は当然だ。
 だが、――風見は思い出す。
 かつて日本でデストロンと戦っていた時、自分の正体を知る者は少なからずいた。
 立花藤兵衛、珠純子、少年仮面ライダー隊の面々。
 ならば、この女性も――自分が人間である事をキチンと理解させれば、いま見たことも口外しないと約束してくれるかも知れない。
49もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:08:09 ID:AoS/1gbu
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「俺は、風見志郎。そして、仮面ライ――」

 口を開いた瞬間だった。
 風を切る凄まじい音とともに、ゴーレムの拳が迫る。
 身を捻って塀から飛び降りる。
 地上10m近い高さだ。たとえ風見といえど、変身もせずに飛び降りては、ただでは済まない……はずだった。
 だが、ルーンの力で身体能力を向上させた彼は、猫のようなしなやかさで、地上に降り立つ。そして、そのまま身を投げ出して転がった。――さっき彼が着地したポイントを踏みにじろうとしたゴーレムの踵を、間一髪、躱したのだ。
 だが、攻撃は終わらない。
 二転、三転、風見が再三迫り来るゴーレムの足裏を、転がりながら避ける。が、大股で踏み込み続ける巨大な足は、転がりながら避けるには、やはり限界があった。
「くたばりなっ!!」
 いつの間にか、ゴーレムの掌に移っていた女が叫ぶ。
 ゴーレムの五歩目の足が、風見を捉えた。
 だが、ロングビル――フーケは気付いた。
 その手応えが余りにおかしいことに。

――うそだろ……!!

 重量にして数十トンはあろうかという、ゴーレムの足。
 その巨大な足が、……徐々にだが、地面から持ち上がりつつある。
 もはや疑うまでも無い。あの男だ。あの“ばけもの”が、踏み潰されるどころか、その足を……!!

「はっ、離れろぉっっ!!」

 フーケが、我を忘れたかのようにヒステリックに叫ぶと同時に、ゴーレムの足が宙にめがけて蹴りを放った。たまらず、遠心力で吹っ飛ばされる人影。
 だが、彼はそのまま、空中で身体を回転させると、こともなげに着地する。
「“ばけもの”め……!!」
 

 赤い複眼を光らせた、異形の男がそこに立っていた。


 だが、フーケには、先程までの怯えは、もはや無い。
 さっきのように、間合いに入られてしまえばともかく、この『土くれ』のフーケが錬成したゴーレムと一対一で対峙して、戦える亜人など、この世にはいないからだ。
 だが、グズグズはしていられない。
 さっきのフットスタンプの地響きは、確実に学生寮か、職員寮に轟きわたっているだろう。早くケリをつけないと、誰かがやってきて、面倒な事になる。
「恨むんじゃないよ……。あんたが悪いんだからね……!!」
50もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:09:29 ID:AoS/1gbu
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 風見――V3は困惑していた。

 ゴーレムに踏み潰されそうになった時、反射的に変身してしまったが、それでも、改造人間としてのフルパワーを、普通の人間相手に振るう気は無い。彼はそこまでプライドの低い男ではなかった。
 しかし、ゴーレムの掌から自分を見下ろしているロングビルは、いかにも戦意横溢しており、もはやいかなる問答も、一切無用だと言わんばかりだ。
 彼女からすれば、学院に忍び込んだ、得体の知れない亜人を仕留めようとしているだけなのだろう。
 そう考えれば、ますますもって彼女を傷つけるわけには行かない。
 しかも、さっきの地響きのおかげで、グズグズしてると、また誰かやってくるかも知れない。
(どうする……!?)
 しかし、彼は、ロングビルが勝負を焦る本当の理由――彼女も自分と同じく、第三者の眼を恐れているという事実を知らない。

「いくよっ!!」
 フーケのゴーレムが、自分の右腕を掴み、いきなり根元から千切り取った。
「なに?」
 だが、次の瞬間には、V3は正確に彼女の意図を汲み取った。
 千切り取られた右腕が『練金』で、突如、腕の形をした鉄槐に変化したからだ。

「そぉれっ!!」
 もぎ取られた自分の右腕を、ゴーレムは鋼鉄の鞭として、V3に叩きつける。
「くっ!!」
 さすがに彼も、こうなっては顔色を変えざるを得ない。
 さっきの“踏みつけ”も強力だったが、今度の攻撃はそれ以上だ。おそらく、まともに喰らえば、今のスペックアップしているV3といえど、ただでは済むまい。

「悪く思うなよ……!!」
 彼は、事ここに及んで、――ようやく戦うことを決意した。
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:09:45 ID:yS/pCDGK
支援
最近火柱キックの原動力が足に入った原子炉と知って吹いた
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:10:23 ID:yG5ceNXv
ランボー召還
53もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:11:00 ID:AoS/1gbu
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 V3は、ジャンプして鉄腕から身を翻すと、そのまま塔の壁を蹴り、ゴーレムに向けて跳んだ。

――V3“26の秘密”の一つ、V3反転キック。

 戦うといっても、女に直接、暴力を振るうわけではない。
 彼女が自分と戦うよすがとなっている物体――ゴーレムを破壊すれば、ことは足りる。
 そして、いまや大地さえも抉り取る自分の技を受けて、こんな木偶人形が無事でいられる訳が無い。
 その予測は正しい……はずだった。

「なにぃっ!?」
 V3の蹴り足が、いとも容易く巨体を貫き、ゴーレムの背後にあった壁まで破壊し、校舎に大穴を開けてしまったのだ。
 いかに巨体とパワーを誇るフーケのゴーレムと言えど、所詮は土製のものでしかない。
 破壊力を増したV3の技が相手では、威力がありすぎて、貫通してしまうのだ。
「ちっ!!」
 技の威力が増大しているのは分かっていた。にもかかわらず、パワーを調節し損なった自分に舌打ちしながら、V3は、そのまま壁に沿って落下し、校舎を背にして着地する。
 そして、そこから振り仰いだ光景は、彼をギョッとさせるに充分だった。

 ゴーレムは再生していた。
 さっき、反転キックで空いたはずの胸の大穴は、もこもこと胸部周辺の土がうごめき、見る見るうちに塞がりつつあった。
 これでは、例え威力を調節したとしても、おそらくキック系の技では、どれも結果は同じであろう。
 いっそのこと、逆ダブルタイフーンで、吹き飛ばすか?
 しかし、そうなると、やはりロングビルの身がただでは済まない。
(どうする……!?)

 そして、両者に等しく女神が笑いかけたのは、まさにこの瞬間だった。
 V3には冷笑を。フーケには微笑を。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:11:54 ID:yS/pCDGK
支援
55もう一人の『左手』(その8):2008/01/27(日) 17:12:08 ID:AoS/1gbu
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 ゴーレムの肩に屹立する彼女は、気付いてしまったのだ。
 眼下の異形の亜人が、ゴーレムごとぶち抜いた校舎の壁。それこそ、彼女が狙う『破壊の杖』が眠る、魔法学院宝物庫の壁である事に。
 そして、彼らの戦闘が立てる轟音に気付き、駆けつけた、哀れなる最初の“第三者”が、この場にいたことを。

「平賀ぁっ! 逃げろぉっ!!」

 V3が叫んだ時は遅かった。
 おそろしく間抜けな顔をして、そこに呆然としていた才人。
 まあ、学校の校庭で、体長30mほどある粘土の巨人と、仮面ライダーが格闘しているシーンを見れば、とっさに思考停止状態になるのも無理からぬ事なのだが……。

 彼が何故、こんな時間にこんな場所をうろついていたのか。
キュルケの部屋を飛び出したはいいが、いまさら照れ臭すぎてルイズの部屋にも戻れず、寒夜の散歩としゃれ込んだ才人が、校庭の轟音に気付き、駆けつけてきた――という事など、V3にもフーケにも分かりようは無い。
が、そんな事情は分からずとも、V3にとって事態を悪化させるには、才人の存在は充分過ぎた。
 フーケは、凶器として使用していた鉄腕を、本来の右腕として再生させると、逃げる事すら忘れた少年を、たちまち捕獲してしまったからだ。

「動くんじゃないよ昆虫男っ!!」

 その怒号は、V3の体を縛り付けるには、充分な威力を持っていた。
56閑人A:2008/01/27(日) 17:13:35 ID:AoS/1gbu
今回はここまでです。
ではまた。
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:15:20 ID:NoWb4hm9
あいかわらずいいところで切るなぁ、GJ!!
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:15:43 ID:2ejFcVGm
飲み屋の女将みたいに愚痴聞いてるキュルケにワラタ
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:16:13 ID:iClZreai
お疲れ
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:16:42 ID:BoSzx3rK
なんていい所で終わりやがるww
このドSめww
GJ
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:18:36 ID:qfPTGlLF
乙です。サイトええわぁw
ところでV3のコンパウンドアイってさ……「緑」じゃなかったっけ?
62神の左手は黄金の腕:2008/01/27(日) 17:20:44 ID:08Xi9rdU
閑人さんGJ! シーンを盛り上げるのが上手いですね。
さて間をおいて30分から投下します。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:28:45 ID:87Tx0bY3
鬼だ……SS書きの鬼が居るッ!!
ライダーの強さを書きつつ、才人の人間らしさを書きつつ、戦いの最高潮で続きにするその魂ッ! まさに鬼!
もはや乙としか言葉が出ない!
64神の左手は黄金の腕:2008/01/27(日) 17:31:09 ID:08Xi9rdU
決して広くない寮の一室で二人の間に沈黙が流れた。
今日の試合やキュルケとのPK勝負の事を話している間は気にも留めなかった。
しかし話題が尽きてしまうと、そこで会話は途切れてしまう。
組んだ手を頭の後ろに回した仰向けの姿勢で彼は黙って私の話を聞いていた。
下は硬い石床のみだというのに、この待遇に関して文句を言われた事は一度もない。
“武者修行の旅を続けていた頃は雨露を凌げるだけでもマシだったぜ”
それが唯一、スポーツ以外の事で彼が明かしてくれた過去の話。
彼は自ら進んで自分の事を話そうとはしなかった。
そこに私はゴールドアームとの心の壁を感じていた。

「……なあ」

不意にゴールドアームが口を開く。
彼から語り掛けてくる事は非常に珍しく、私は期待に胸を膨らませて彼の言葉に耳を傾けた。
それがたとえ自分の過去でなくても、彼が何を言うのか興味があった。
ほんの小さな切欠であろうと分かり合えると思っていた。
しかし、その彼の問い掛けは私を酷く失望させる物だった。

「何でクラスの連中はシエスタ達を試合に誘わねえんだ…?」

まるで当然の事のように彼はそれを口にした。
ゴールドアームが遠い所から来たのは知っている。
最初は魔法さえも知らなかったのだから余程の物だろう。
だけど貴族と平民の格の違いぐらいは子供だって判る事じゃない。
そんな事も知らない彼に呆れるように私は答えた。

「平民なんかが貴族と一緒に試合できる訳ないじゃない」

平民は食事さえも同席する事は許されない。
それが試合になど参加して、運悪く貴族に怪我をさせたらどうなるか。
個人の不始末では決して済まされない、家族も一緒に罰を受ける事になる。
お互いの立場が違いすぎる。そんな両者が一堂に集って試合など夢物語もいい所だ。
これはハルケギニアの常識と言ってもいい。
だけどゴールドアームが人前で言い出さなくて良かった。
そんな事になっていたら私はいい笑い者になっていただろう。

刹那。鈍い音と衝撃が部屋中に響き渡った。
見ればゴールドアームの拳が壁に食い込み、そこに亀裂を走らせていた。
見上げた彼の視線は睨むかの如く鋭く、自分の呼吸さえも儘ならない。
まるで彼の手で心臓を鷲掴みにされた気分だった。

「……それは、本気で言っているのか?」
「あ、当たり前じゃないっ! 平民と貴族は違うのよ!」
「同じ人間じゃねえか。どこが違うって言うんだ?」
「生まれが違うのよ! 平民に生まれたら一生平民のままなのよ!」

それに抵抗するように必死で言葉を紡ぐ。
自分の使い魔に脅かされたのでは主人としての立場はない。
そもそも、こんな話でどうして彼が怒るのか理解さえ出来なかった。
だけど彼女の想像は確信に到った。
それは決して交じり合う事はなく永久に並び続ける平行線。
たとえ、彼の言うように互いの全力をぶつけ合っても埋まらない溝。
ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールとゴールドアームの『世界』は決定的に違う物なのだ…。
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:32:19 ID:qfPTGlLF
正々堂々と支援開始!
66神の左手は黄金の腕:2008/01/27(日) 17:32:34 ID:08Xi9rdU
烈火の如く怒り狂うかと思われたゴールドアームは静かに立ち上がった。
彼女を一瞥した後、部屋の扉をゆっくりと押し開ける。
そしてルイズに諭すように一言呟いてから部屋を後にした。

「何よ、もうっ!!」

ゴールドアームが去ってしばらくしてから、彼女は扉に枕を投げつけた。
やり場のない怒りをぶつけられた枕が音も立てずに床へと落ちる。
最後に彼が向けた視線に込められていたのは怒りではなく失望だった。
それが叱責されるよりも何よりも彼女には辛かった。

私は何も間違っていない。
ゴールドアームの考え方がおかしいのだ。
それに過去の話を聞かせてもくれないのに、何でシエスタの話なんてするのか。
いずれは頭を冷やして戻ってくるに違いない。
彼女の耳にゴールドアームが呟いた言葉が反響する。
しかし、その意味など彼女に分かる筈も無い。
確かめるように彼女はゴールドアームの言葉を反芻する。

「……“生まれは選べなくても生き方ぐらいは選べるはずだ”」


ゴールドアームは屋外で風の鳴る音に耳を済ませていた。
頭に上ったオイルを冷ますのには外は丁度良い冷たさだった。
ルイズに悪意はない。そのいう社会で生きていたのだから当然の事だ。
この世界にだって問題がある訳じゃない。
社会制度が正常に機能しているなら、それは文句を言うべき事じゃない。
……ただ自分の信条とは噛み合わなかった、それだけの事だ。
立場も生まれも考えも全てが関係なく、どんな奴とでも全力でぶつかり合う。
そんな場所さえも提供されない事に憤りと悲しみを感じる。

しかし、それだけではない。
彼は“ある疑念”により心の平静を欠いていた。
それが故に、激昂する自身を抑える事が出来なかったのだ。

ゴールドアームが降り立った地は彼等が“聖地”と呼ぶ場所だった。
そこにはハルケギニアの技術では考えられない産物が多数存在していた。
恐らくは自分と同様に別の世界から召喚された物だと大凡の検討はついた。
しかし、何の脈絡もなく喚び出されたのではない。
そこにあったものは例外なく全てが『兵器』だった。

彼の脳裏に甦るのは兵器として改造された、かつての自分の姿。
強制引退させられたアイアンリーガーの末路であるアイアンソルジャー。
その呪縛から解放され、俺はアイアンリーガーとして再起した。
…俺は兵器なんかじゃないと心から信じている。
それなのに、あの“聖地”での光景が頭から離れない。
数多の兵器の中に埋もれた自分の姿を…。
67神の左手は黄金の腕:2008/01/27(日) 17:34:18 ID:08Xi9rdU
「俺の名前はゴールドアームだ! くだらねえコードネームで呼ぶんじゃねえ…!」

雄叫びのようにゴールドアームは叫んだ。
ルイズの言葉が焼き付いたようにメモリーから離れない。
そうなるように生まれた者はそのようにしか生きられないのか。
兵器の素体として造られた俺は兵器でしかないのか。
自分がアイアンリーガーだと思い込んでいるだけの、ただの殺戮道具なのか。

「…………」

迷いを振り切るように彼は立ち上がり、セットポジションを取る。
あの時の事をゴールドアームは生涯忘れないだろう。
自分がずっと投げたいと思っていた球を投げた、あの瞬間を。
決してアイアンソルジャーには投げる事の出来ない、真のアイアンリーガーの球。
それを投げられれば彼はもう一度確信できるのだ、自分がアイアンリーガーであると。

ワイルドアップの体勢から全身に迸るエネルギーを腕に集中させる。
魂を込めて放たれた直球が夜の闇を切り裂いて飛んでいく。
しかし、それはゴールドアームの投げたい球ではなかった。
球威も速度も彼の全力の投球とは程遠く、
人間相手ならまだしも並のアイアンリーガーには通用さえしないだろう。

彼の性能の低下は急速に進んでいた。
磨耗した部品の交換は勿論の事、精製されたオイルさえも満足に手に入らない。
軋む駆動系の音が耳障りなノイズとなって残響する。
いつかはアイツ等との野球さえも出来なくなるだろう。
残された時間をどのようにして過ごすべきか、彼は決断に迫られていた…。


「えいっ!」

深夜、彼女は日課にも似た魔法の練習を行っていた。
ゴールドアームが戻ってくる気配もなく、居た堪れなくなった事も原因の一つだ。
幾度となく失敗し爆発が起きようとも彼女は杖を振るい続ける。
それは胸に渦巻く感情を吐き出す作業のようにも感じられた。

ゴールドアームの言葉を何度反芻しようとも答えは出ない。
生まれの時点で人の生き方は決まってしまう。
魔法を使えない私がヴァリエール公爵家の三女として生まれたのが良い例。
それでも貴族を辞める訳にはいかず、せめて気概だけでも誇り高くあろうと足掻くのみ。
ちい姉さまだって病弱に生まれたが故に、家を離れる事さえ出来ない。
ゴールドアームが言っているのは夢物語でしかない。
人は定められた轍の中しか走れない荷馬車のようなもの。
決して運命という枠から外れる事は出来ない。
だけど、心のどこかでは僅かな期待もしていた。
ゴールドアームなら運命さえも打ち壊せるかもしれないと。

あの日、眼に焼き付いた閃光がそう思わせるのかもしれない。
ギーシュとの決闘で見せた輝きを放つ直球。
ストライクコースを全て塞いだ鉄板のようなバットをワルキューレごと打ち砕いた力強さ。
血を一滴も流す事なく終わらせた誇り高き決闘として語り継がれる伝説の魔球。
あれ以降、彼は二度とその魔球を見せてくれなかった。
きっと受け止められるキャッチャーがいないから。
だけど、もう一度だけこの目で見てみたい。
そして叶うならば自分の手で投げてみたい。
それが出来たなら、きっと私は変われるような気がした。
68神の左手は黄金の腕:2008/01/27(日) 17:36:18 ID:08Xi9rdU
そんな余計な事を考えていたのが悪かったのか。
杖を振り下ろした瞬間、頭上に聳える塔で爆発が巻き起こった。
全く見当違いの方向で起きた爆発に、驚く前に呆れてしまう。
だけど被害が塔で済んだのは幸いだった。
何重にも魔法を掛けてある上に頑丈に作られているのだ。
ちょっとやそっとの衝撃では物ともしない。
これがコルベール先生の研究室だったら大事になっていた。

しかし安堵したのも束の間、彼女の頭に砂にも似た何かが掛かった。
それを拭い取ったルイズが指先で摺り合せる。
瞬間。彼女は事実に驚愕した。
手に触れた物は間違いなく塔の外壁、その残骸。
トライアングルのメイジでさえも傷付ける事さえ叶わないと言われた、
宝物庫の外壁が私の失敗魔法で損傷したのだ。

理由などは判らない。
喜ぶべき事かどうかも判らない。
だけど、それよりも今すぐに先生に知らせないと…。
走り出そうとした少女の背後に影が落ちる。
月光を遮る巨大な土人形。
それはルイズなどには目もくれずに亀裂の走った外壁に拳を打ち込んだ。
たちまち音を立てて崩落する塔の外壁。
そして、その直下にいるルイズへとその破片が雨霰と降り注ぐ。

その瞬間、私は死ぬのだと理解した。
まるで運命であったかのように当然のように事実を受け止めた。
拳大でも死に至るというのに瓦礫は私の身体さえも大きい。
魔法も使えない私にはどうする事だって出来はしない。

直後、一陣の風が吹いた。
私がいた場所の石床が瓦礫に押し潰されて砕け散る。
巻き上がった砂埃の中、私は誰かに抱えられている事に気付く。
鎧のような金属の冷たさが衣服越しに伝わってきた。

「バカ野郎! 簡単に諦めるんじゃねえ! 
 試合で見せたテメエのガッツは偽物か!?」

耳元で響く怒号に思わず耳を塞ぐ。
砂埃が収まっていく中で浮かび上がる特徴的なシルエット。
銅像のようでありながら生命の炎を宿す瞳。
彼は私の窮地に駆けつけてくれた。
それがチームメイトとしてなのか、使い魔としてなのかは判らない。
…けれど、私の目には知らず涙が溢れていた。

私を下ろし、ゴールドアームは真っ向からゴーレムを睨み見上げる。
背番号を背負ったその後ろ姿は、巨人よりも遥かに大きく力強いものに見えた…!
69神の左手は黄金の腕:2008/01/27(日) 17:38:22 ID:08Xi9rdU
以上、投下終了。次回で最後です。
平民云々でゲルマニアの事を教えなかったのはルイズの意固地の所為だと思ってください。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:44:19 ID:iClZreai
おつかれー
71閑人A:2008/01/27(日) 17:45:59 ID:AoS/1gbu
>>61
え、そうだったけ……?
むかし、再放送で見たときは、何か赤かったような気がしたけど……まじ?
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:53:59 ID:qfPTGlLF
乙!
ゴールドアームかっこいいなぁ……
つかアイアンリーガーはそろいもそろって熱すぎる!

>>71
マジ。そもそも「赤い仮面のV3」なんだから目まで赤かったらまずいでしょ
ttp://streaming.yahoo.co.jp/p/y/taa/10071/
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:54:06 ID:RvLsBwNU
「赤い仮面のV3」の目が赤かったらどんな配色になるか考えればおのずと解る事也
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 17:58:17 ID:sYesFcvR


>>30
言うと思った
75ゼロの少女兵器:2008/01/27(日) 17:59:36 ID:ODgtRPlE
良作の後だと、ものすごく引け目を感じまくりますけど、
投下予約をさせていただきます。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:01:05 ID:WBiCL9rN
>>71
これから他のライダーを出すとは思えないが確認した方がいいですね
一覧
ttp://www.youtube.com/watch?v=71dSuSPXtR8&feature=related
77ゼロの少女兵器4 1/6:2008/01/27(日) 18:01:38 ID:ODgtRPlE
   『異邦人』

「ところでルイズさん。使い魔って具体的に何をすればいいのですか?」

 エグゼリカは魔法とはこれまで無縁に過ごしてきたので、まずは基本的なことより聞いた。

「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」
「えーと、視覚と聴覚のリンクですか……、ん〜、新規での端子の拡張とかは無いみたいですけど…」

 エグゼリカは即座に自己診断を開始するが、感覚共有を行うような拡張部分は見当たらない。

 あれ? 何かメモリによく分からない領域が発生してる。
 解析は…、ダメね、弾かれた。
 んー、何だかプログラムっぽいなぁ。
 うわぁー、変なウィルスとかじゃないといいなぁ…。
 ていうか、恒星間航行まで可能にしてる科学が魔法に負けているよぉ。

「…ねえ、ねえってばッ!」
「あ、はい、何でしょうか?」

 ルイズは思考の海に沈もうとしていたエグゼリカを呼び起こす。

「あのね、主人のことを無視しちゃ駄目よ。
 まあ、とりあえず、目や耳になるのは無理みたいね。
 人が使い魔になった例は無いそうだから、多少のイレギュラーは仕方がないか」

 ルイズは肩を落として嘆息する。

「それから、使い魔は主人が望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」
「あのぉ…、少なくとも私ってルイズさんよりこちらの世上には疎いですよ。
 まあ、サンプルと時間と資金と情報があれば可能だと思いますけど…」
「それって、使い魔を持ってる意味が無いじゃない…」

 ルイズは、やっぱ早まったかな〜、と更に嘆息する。

「ん〜、そして、これが一番大事なのだけど………。
 やっぱいいや、これこそ一番期待できないわ」

 ルイズはエグゼリカを見ながら、今までで一番のため息をつく。

「あの、言われる前に勝手に判断されるのも困るのですけど…
 差し支えなければ言ってもらえませんか?」

 エグゼリカには、誰かの役に立ち、貢献したいと思う『心』がある。
 このまま無能という、不名誉なレッテル貼りは避けたい。
 エグゼリカは、ずずいとルイズに詰め寄る。
78ゼロの少女兵器 2/6:2008/01/27(日) 18:01:59 ID:ODgtRPlE
「う、まあ、一応言っておくわ。
 使い魔は、主人を守る存在であるのよ。
 その能力で、主人をその身に迫る脅威から守り抜くのが一番の役目。
 ………でも、貴方じゃ無理でしょ?」

 ルイズはエグゼリカの全身を見る。
 ルイズとさほど変わらないスレンダーな体つき。
 闘争とは無縁そうな、にこやかな表情を浮かべる温和な顔。
 とてもじゃないが、メイジの護衛なぞ出来そうにないとルイズは思った。

 しかし、エグゼリカの答えはルイズを驚かせるものであった。

「それなら、私の専門みたいなものですよ」
「え? どうゆうことよ?」
「私、これでも軍属でしたから」

 まあ、帰還不能になってまいすけどね、と付け加えてエグゼリカは答える。

「じょ、冗談でしょ?」
「これでも私は軍にいた時は常に最前線に投入されて、
 そりゃもう活躍したんですよ……。
 あ、その目は信じてないですね」

 ルイズは半眼になり見ていた。

「あ〜、はいはい、信じてあげるわ。
 まあ、この件はもういいわ。
 とりあえず、貴方には私の身の回りの世話と雑用をやってもらうわ。
 それなら特に問題なくできるでしょ?」
「う〜、信じてもらわなくてもいいです…」

 いずれ見せる機会があったら信じさせますので、とエグゼリカは言い。
 はいはい分かったわ、とルイズは返す。

「家事には自信がありますよ。おとうさんの世話で結構慣れていますし、
 そういった事そのものも私は好きですから」
「そう、ならそっちで頑張ってもらおうかしら…。
 あのさ、ところで『それ』って貴方のものなの?」

 ルイズはエグゼリカの背後の白くデカイ『それ』を指さす。
79ゼロの少女兵器4 3/6:2008/01/27(日) 18:02:27 ID:ODgtRPlE
「あ、これですか?
 ん〜、まあ、私のものというか、一応私の管制下にある訳だから、私のものといってもいいのかな…」
「で、何なのこれ?」
「まあ、移動デポというか応急ベースというか…。
 簡単に言うなら、私の家みたいなものです。
 あ、そうだ、カルナダイン、ルイズさんに挨拶して。
 今日から私たちの上位管制官になる人だから」

 カルナダインって誰よ、とルイズが言うとした時。

『初めまして、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 私の名前はカルナダイン。
 エグゼリカをバックアップするのを任務とする支援機材艇です』

 突然と響いてきた、抑揚を欠いた女性の声にルイズは驚き、
 エグゼリカの方に向き、これ誰、と言いたげな顔をする。
 エグゼリカはこれですよ、と『それ』を指さす。

「え? なに? 中に誰かまだ居るの? それともガーゴイルか何かなの?」
「えっとですね。カルナダインはこの支援艇を制御する人工知能です」
「じんこうちのう?」
「ここがファンタジーな世界なのを忘れていた…。
 まあ、簡単にいうなら、お喋りする不思議な船だと思ってください」
『エグゼリカ、それはあんまりです』

 すかさず突っ込みが入る。抑揚の欠けた声で。

「ところでさ…、今さら聞くのも何だけど…、貴方って何者?
 誰でも知ってそうな事を知らなかったり。
 なのに、喋る船なんて変なのを持ってたりとか…」

 ルイズの質問に、エグゼリカは立てた人差し指をほほに当てつつ考える。

「ルイズさん。私がこの世界の者ではないと言ったら…、
 信じます?」
80ゼロの少女兵器4 4/6:2008/01/27(日) 18:03:33 ID:ODgtRPlE
 ところ変わって、トリステイン魔法学校敷地内、女子寮塔のルイズの自室。
 ルイズはエグゼリカの持ち込んだ携帯端末を、夜食のパンを手に握りながら見ていた。

「どうです? 信じてもらえましたか?」

 携帯端末のディスプレイには地球の町並みが映し出されていた。
 天を衝くような巨大な塔が乱立し、
 その間を、馬に引かれることもなく自走する馬車が無数に走っている。
 帆が無い代わりに、鳥の様な翼を持った船が飛翔して行く。
 海の上には都市を一つ丸々詰め込んだような巨大船が航行している。
 そこにはルイズが今まで見たことも無い世界が広がっていた。

 エグゼリカはルイズに、自分がこことは違う世界の者だと説明するためにそれを見せていた。
 ただし、見せているのは地球のものだけであった。

 そして、自分が『人間』ではない事も告げていなかった。

 ルイズの話を聞く限りで、この世界では支配階級である王族と貴族が絶対者として君臨している。
 そして、被支配階級である平民は最低限度の生存権はあるであろうが、
 人権だなんて無きに等しいであろうことも想像できた。
 もし自分が『人間』ではないと発覚したら?
 おそらくは平民以下の扱いを受ける可能性もある。

 でも、いつかは自分が『人間』ではない事を告げられるかな?
 ルイズさんってちょっと強引なところもあるけど、根はいい人そうだし。

「はあ…、とりあえずエグゼリカ、貴方がハルケギニアの人間でないことは信じるわ」

 それどころか、この星の者でもないのですが、とエグゼリカは心の中で思うが口には出さない。
 エグゼリカは、それも仕方がないか、と思う。

 この世界には『魔法』という中途半端に万能な特殊技術が存在する。
 六千年以上の歴史を重ねながらも、地球でいうなら17世紀レベルで文明が停滞している。
 足元の大地が実は丸い球体であるのも知らないだろうし、
 空を超えた先に宇宙が存在するというのも言わずもがなであろう。

 人は自らの認識を大幅に超えてしまうものは、理解し受け入れるのは難しい。

「エグゼリカがただの平民ではないのは分かったわ」
「……今は、そう思ってもらって結構です」

 エグゼリカはそう言って嘆息する。

「ところでルイズさん、お願いがあるのですが…」
「何かしら?」
「私はルイズさん、貴方の使い魔をやることは了承しました。
 でも…、いつかは私を元の世界に帰して欲しいんです」
「それは…」

 駄目よ、と言いかけたところでルイズは止めた。
 エグゼリカがあまりに真剣な目であったからだ。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:10:34 ID:/FjTPmd4
しえん
82ゼロの少女兵器4 5/6:2008/01/27(日) 18:11:22 ID:ODgtRPlE
「ルイズさん。もし貴方が何も知らない異郷の地に、
 自分の意志にも関係なく飛ばされたらどう思います?
 私にとってあの世界は掛け替えのないところなんです。
 それに…、私は行方不明の姉を捜さないといけないんです……」
「エグ…、ゼリカ…」

 深く沈んだ表情をするエグゼリカを見て、ルイズはかける言葉を失う。
 ルイズは悩んだ。特に『行方不明の姉』という言葉を聞いて。
 自分にも二人の姉がある。
 もし、二度と出会えない、という状態になったら、自分も深く沈みこんでしまうであろう。
 しばらく二人の間を沈黙が支配する。

「あー、もうッ! エグゼリカッ! 顔を上げなさいッ! 私の使い魔ッ!!」
「ルイズ…、さん?」

 エグゼリカは、突然に大声を上げつつ立ち上がるルイズに驚きつつ顔を上げる。

「私こと、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールがここに貴族の誇りにかけて誓約するッ!!
 今は貴方を元の世界に帰す方法は分からない。
 その手掛かりすらも全く無いわ。
 でも、エグゼリカを必ず元の世界に帰してあげるわッ!
 だから…。
 その時が来るまでは、私の使い魔としての使命を全うしなさいッ!!」

 ルイズはエグゼリカに向かって、立てた人差し指をビシリと向ける。

「…返事は?」
「あ、は、はい」

 そう言われてエグゼリカは姿勢を改めて正し。

「私こと、エグゼリカはここにトリガーハートの誇りにかけて誓約します。
 ルイズさん、貴方の誓約が履行される事を信じ、
 主の身を守る為に使い魔としての使命を全うさせていただきます」

 と答える。
83ゼロの少女兵器4 6/6:2008/01/27(日) 18:11:49 ID:ODgtRPlE
「『約束』ね」
「はい、『約束』です」

 二人は自然と笑顔になる。

 二人の間には『約束』ができた。
『コントラクト・サーヴァント』による『契約』よりも大事な、
 とても大事な二人だけの約束であった。

「ふう…、じゃあ今日はもう寝ましょうか?」

 ルイズはそう言いつつ、クローゼットの方へと歩き出す。

「あの、私はどこで寝ればいいんでしょうか?」
「あ〜、そうだったわね…」

 ルイズは思案する。
 普通の使い魔であるのなら、床で寝かせても構わないであろう。
 しかし、エグゼリカは平民ではあるが、女の子だ。

「今度、ベッドを運び込ませるから、それまではこのベッドに一緒でいいわ。
 はい、あとそのまま寝るのもあれだから、これに着替えなさい」

 ルイズはそう言いながら、エグゼリカの分のネグリジェを手渡し、自分はとっとと着替えていく。

「うわぁ、すけすけでえっちいなぁ…」

 エグゼリカはそう言いながらネグリジェを広げてみる。
 ちなみに体形が似た者同士であるので、問題無く着られます。

「…早く着替えなさい」

 は、はいぃ〜、と答えつつエグゼリカは手早く着替える。
 そして二人はベッドの中へと潜り込む。

「とりあえず、明日から洗濯とかの雑用をお願いね」
「はい、わかりました」
「ああ、あと、さっき言ってたトリガーハートって何?」
「それは…、いずれ教えます。…きっと」
「そう、ならいいわ。
 おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
84ゼロの少女兵器:2008/01/27(日) 18:12:52 ID:ODgtRPlE
投下は以上にて。
支援ありがとうございました。

ギーシェ戦まで繋げようとしましたが、思ったより長くなって断念。
むむ、修行不足やね。


あと、まとめサイトを編集してくださってる方へ。
これをお使いください。
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou25378.txt
8547の人:2008/01/27(日) 18:16:29 ID:LeOiohWi
>>84

乙です
最近規制に巻き込まれ続けて全く顔を出せなかったのですが、エグゼリカが始まっていたのですね。
期待しています。次回も頑張ってください。

ところで、これからhitmanとのSSを投下したいのですが、その前に相談したい事が。
実は前回の第八話を投下する際、重要な部分が抜け落ちていました。

そこで、今回は訂正を含めた第八話を投下するのが良いのか、それとも、訂正はwikiのみに止めて第九話を投下するのが良いのか、
どちらが良いのでしょうか。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:27:37 ID:0ok5mNsj
俺としてはズンズン先進んで欲しいところだが、
重要な部分か…
大きいとこを占める伏線ならもう一度投下した方がいいかもですな
8747の人:2008/01/27(日) 18:29:08 ID:LeOiohWi
あ、すみません。第九話は既に完成しているので

訂正版第八話投下後第九話投下という流れでいこうかと。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:29:36 ID:yS/pCDGK
>>84
乙!
志村ー、ギーシ「ュ」ギーシ「ュ」
>>85
えーと、どっちも見たいので九話お願いしたいです
後でwikiで訂正八話が見れるんですよね?
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:30:56 ID:RvLsBwNU
ひとまず8話再投下を支持に一票
続けて9話でも多分無問題(ここは投下予定者次第だが)
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:31:36 ID:0ok5mNsj
両方かぁ…
なら一気にいっちゃていいんじゃないでしょか
91Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:34:43 ID:LeOiohWi
では第八話第九話まとめて投下五分後に始めます。

間があった事と、訂正のお詫びという事で、HITMANの映像もyoutubeから引っ張ってきました。
イメージを膨らませていただくのに役立てば、と思います。

ttp://jp.youtube.com/watch?v=pSU43H1LYGs

ttp://jp.youtube.com/watch?v=dBFqxLuPI-k&feature=related

92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:35:53 ID:0ok5mNsj
OK、
支援いたしあす
コレ読んだら仮眠取るか…
93ゼロの少女兵器:2008/01/27(日) 18:36:08 ID:ODgtRPlE
>>88
うわん、間違えてた。
後で、単語登録を直さないとな。
94Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:39:02 ID:LeOiohWi
 第八話 二重スパイ(訂正版)

 
 フーケを魔法学院の生徒、しかも今まで魔法を成功させた事が無い人間が捕らえた、というニュースは直ぐさま学院内だけでなく、大陸全土に広まった。
 勲章が授与される、そう決まったのはルイズ達が学院に戻った次の日の事で、フーケという人物を捕らえたその影響の大きさを嫌でも伺い知れる。
 勿論、彼女を捕らえたのはルイズではない。彼女の使い魔、47だ。当初、ルイズはまるで自分だけで捕らえた様な言われ方に困惑していた。
 キュルケや、タバサ、何より47も勲章を授与すべきではないのかとオスマンに進言する。オスマンは全てを見透かしたかの様に長い髭を指すって笑った。
 結果として、キュルケ、タバサ両者ともに勲章とまでは行かないが、相応の功績が認められる事となった。
「ありがと。これで私達も一躍時の人よ」
「……だって、本当に私だけじゃないし、捕まえたのは47だし……」
 勲章授与のパーティーが開かれる城へは、特別に城からの馬車で送迎される。
 その中で、キュルケはルイズにお礼を言った。今までにない、真摯な表情にルイズは伏し目がちに応えた。
 彼女の隣には47がいる。これからパーティーが行われるとあってか、馬車に居合わせた全員は一様にして気分が高潮しているのだが、彼は不機嫌ともご機嫌ともとれない表情のままだ。
「その、ごめん。本当なら、47が勲章をもらうべきなのに」
「気にはしていない。使い魔としての責務が果たせれば、それで十分だ。勲章など、俺には似合わない」
 幾ら、フーケを捕らえた主たる人物とは言え、使い魔には勲章は与えられない。
 確かに、この世界にとって常識とは言え、今回ばかりは彼女の中で申し訳ない気持ちが生まれる。
 ゴーレムを破壊し、フーケが落下してくる時も47は真っ先に彼女のもとに駆け、彼女を受け止めてみせた。
 放っておけば重傷、最悪意識が戻らない可能性だってあった。それをいち早く察知した彼は、あくまで捕らえる事を第一に考えて行動した。
 二度も危険から守ってくれただけでなく、フーケを捕らえる。その場に居合わせた全員から賞賛の的になり得るというのに、それでも使い魔としての責任を優先する。
 使い魔がそうだというのに、自身はどうだろうか。成功だと思った何かの魔法で、フーケの盗みに結果として加担してしまった。
 調査団に志願したのもその尻拭いの為。にもかかわらずゴーレムが現れた時、何も出来なかった。
 ただ、悔しい。彼女の中で、劣等感が明確となる。その頃には、もう、会場の城が姿を現していた。
 


 ※    ※    ※



「なあ相棒」
「……なんだ」
「ゴーレムと闘っていた時、さ。確かにアンタからガンダールヴの力を感じたんだ。一体、どういうことだろうな」
 華やかなパーティーが行われる中、47は人気の無いバルコニーに出て、冷えた空気を味わう。
 その最中、背負われたデルフリンガーがずっと疑問に感じていた事をようやく口にした。
 確かに、コルベールと話をした時、47はヴィンダールヴの可能性があると言っていた。ところが、ゴーレムと闘った時のあの姿はガンダールヴそのもの。
 何故、異なっているのか。これがどうしてもデルフリンガーの中で燻り続ける。
 47は暫し考えてから、左手の手袋を外した。そして、月の光にその手を掲げる。
「こいつぁ……」
 デルフリンガーは、まるで信じられないと言った様子でため息をついた。
 彼の左手に、ルーンが刻まれていた。右手に刻まれたルーンとはまた異なる模様をしている。当然、ルイズと契約を交わした時には無かったものだ。
「これが、ガンダールヴなのかもな」
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:39:35 ID:7ZAZKFmw
>>91
ふぐの毒を使わず拳銃で射殺した俺が支援
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:44:22 ID:Ak5TOUBa
ヤメッヤメ〜〜!
ナ〜ニヤッテンダヨォッ!
支援
97Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:44:45 ID:LeOiohWi
 47は呟く。そして、再び手袋をはめると室内へと目を向けた。
 丁度、ルイズが勲章を授与される所だった。普段の彼女とは打って変わった、豪華なドレスに身を包んだ姿に、一瞬目を奪われる。
「似ている」
 自然と、そんな言葉が漏れていた。
 47が暗殺した、クローンの少女の姿は今でもはっきりと脳裏に焼き付いている。
 首に毒材注射をする直前の息づかい。死ぬ間際の筋肉の微弱な硬直。パーティー会場の様子もあってか、普段よりもはっきりと。彼が、暗殺したターゲットの事を意識しているのは少し珍しかった。
 普段なら、直ぐにでも思慮の外に行くはずだ。だが、今は何故か違う。
 そうさせている主たる原因は、恐らく彼が目にしたオルトマイヤー文章だろう。クローンを作り出す方法を記した文章、クローン技術の粋を集めたとも言えるであろうこの文章が、英語で記されている上に何故この世界に存在するのか。
 47自身の例をもとにして考えてみれば、同じ様にこの世界に召喚された人間がいて、その人間が持ち込んだ、というのが妥当であろう。
 では、その人間は誰なのか。
 そもそも、オルトマイヤー文章はクラス1クローンという極めて完璧に近いクローンを生みだす技術を記したものだ。
 例えば、これと、47の遺伝子情報さえあれば、幾らでも47と同じ人間を生み出す事が可能という事になる。そんな危険きわまりないものがそう簡単に外に持ち出される可能性などあるだろうか。
 学院の所蔵庫に保管されていたのならば、オスマンやコルベールが何か知っているに違いない。
 まずは彼らから話を聞くべきか。最悪、この世界にクローン技術を研究している者がいるかもしれない。
 であれば、同じくオルトマイヤー文章の発端となった47が命を狙われるのは無い話とも言い切れないだろう。
 彼は、この世界で主にもまだ明かしていない自身の秘密に、久方ぶりに思慮を巡らせていた。
 胸元から写真を取り出す。一人の少女の姿が映っている。或は、これでずっと抱いていた違和感を解消出来るかもしれない。
 勿論、ルイズはターゲットではないし、今は主だ。暗殺など、思案する余地もない。
 これ以上深く考えるのは危険か。47は一度会場に戻り、側にいたウェイターを呼びつけ飲み物を用意するよう頼む。ウェイターは別段47を怪しむ様子も無く、一礼してから立ち去った。
 流石に夜風にずっと当たっていたのが悪かった。冷えた体が微かに震える。
 近くの柱にもたれて、会場内を一瞥していると、音楽が聞こえて来た。どんな曲目かは分からなかったが、リズムは聞き慣れていた。三拍子の、やや軽快なワルツだ。程なく、其処に居合わせた老若男女が踊り出す。
 そういえば、ルイズは何処だろうかと目を細めていると、袖を引っ張られる様な感覚を覚えた。
「踊る相手がいないのよ。使い魔として、付き合いなさい」
 それが、ルイズであると47は視線を落とさずとも気づく。
「ワルツなら一応、踊れる」
「そう、それなら良いわ」
 彼女からしてみれば、使い魔とともに、このような場で踊るなど恥ずかしい事この上ない事だ。それでも、彼女はパートナーとして47を選んだ。
 彼女なりのやりかたでのお礼、47に拒む理由は無かった。幸い、ワルツの基本的な所は知っている。
 彼女の手を取りやすいよう、少し、前屈みになる。周囲の視線が集まって来た。今回のパーティーの主役が使い魔と踊っているのだ。当然の事だろう。
 だが、47は別段気負うつもりは無い。寧ろ、より目立つ様に踊ってやろうと思った。此処に、魔法使いを目指す一人の少女がいる事を誇示する様に。
 彼女もクローンかどうかなど、問題ではないのだ。其処にいるのは、自身の主だけ。
 音楽が盛り上がる頃を見計らって、ステージの真ん中にステップで駆けた。ルイズは驚き、顔を赤くする。
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:44:59 ID:0ok5mNsj
訂正版キタ
支援
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:45:01 ID:yS/pCDGK
支援
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:45:23 ID:sYesFcvR
支援
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:45:45 ID:sYesFcvR
支援
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:46:31 ID:sYesFcvR
支援
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:46:56 ID:sYesFcvR
支援
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:47:23 ID:sYesFcvR
支援
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:47:54 ID:ODgtRPlE
ID:sYesFcvR
落ち着け。

支援
106Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:47:57 ID:LeOiohWi
「もっと、自信を持つべきだ」
「……え」
「例え、お前と瓜二つの人間が居たとしても、お前はお前だ。そのお前が、魔法を使える様になろうと努力している。結果、俺を召喚して、その俺が、フーケを捕らえた」
 ルイズは、唖然としたままワルツを踊る。心なしか、そのステップ一つ一つがはっきりしていた。
「でも、フーケを捕らえたのは……」
「47だ。ルイズの使い魔のな。だから、自信を持つと良い。ゼロのルイズではない、と」
 47は、決してルイズに目を合わせないまま話を続ける。
 別に、彼女の目を真っすぐ見たまま話をするのが恥ずかしかった訳ではない。
 毅然とした態度で踊っていた方が見栄えがするからだ。
 音楽が終わる頃には、観客が皆、二人のダンスに見入っていた。キュルケや、タバサもその中にいる。
 皆がこのダンスに惜しみない拍手を送ると、ルイズは深々と一礼した。47もそれに倣う。
 すると、貴族の男達が次々と彼女にダンスの申し入れをしてきた。たちまち、ルイズの周りに人が集まる。
 初めての体験に、感情が高ぶるルイズだったが、既に47が会場から姿を消していた事に気づいてはいなかった。



 ※     ※     ※



「……ん」
 冷ややかな空気が頬に当たり、そこでフーケは目を覚ました。
 ルイズ達の居る外れ。レンガ造りの塔の地下に設けられた牢獄には、他に収容されている人間の姿が無かった。
 余程、平和なのだろう。もし、自分の生まれがこの国だったらと、フーケは唇を噛み締めた。多分、もう盗みを働く事は出来ないだろう。
 そして、自分の身元がばれるのも時間の問題だ。
「自業自得、か」
 ため息をつきながら、寝ていたベッドの上に座り直す。時折、壁にともされた炎が揺らめく。彼女と、炎以外には動く者はまるでない。
 ぼんやりと、天井を見上げる。どのくらい眠っていたのだろうか。ゴーレムから落下して、直前に47が抱きとめてくれた辺りで意識を失っていた。
 思えば、何故彼は助けたのだろうか。あのまま、素直に激突でもさせてくれた方がある意味では助かったというのに。
「ふう、全く迷惑な事をするわね」
「そうか。すまなかった」
 不意に出た独り言に応える者が居たのか。フーケはぎょっとして正面を向く。幾ら明かりがあるとは言え、暗がりで声の主がよく見えない。
 声には聞き覚えがあったが、少なくとも警固兵ではなさそうだ。影がゆっくり近づいてくる。次第に、顔立ちがはっきりしてきた。
「貴方は……どうして」
 其処に立っていたのは、紛れも無く自分を捕らえた男、47だった。
 しかし、眼前に立つ男の姿が中々受け入れられず、フーケは気がつけば自分の瞼をこすっていた。
「どうしたのかしら。今はパーティーの真っ最中でしょう」
「此処から逃がしてやる。その代わり、俺の質問に答えてほしい」
「質問……」
「破滅の書。あれの情報は、何処から手に入れた」
 47はそんな彼女に対して、淡々と質問を投げかける。
 フーケは、相手が47だと知ると妙に落ち着きを取り戻していた事に幾ばくか驚いたが、ベッドから立ち上がり、鉄格子に近づく。
「ガリア王国に私が盗みをしていた時に聞いたのよ。それを手にした者は、破滅を自在に操れるって」
「……ガリア王国」
「そう。トリステイン王国のすぐ側にある国。それだけのすごい書物なら、きっと盗み出せばトリステイン王国は大混乱する、とね」
 果たして、フーケの言う事は的を射ていた。この世界がクローン技術をそのまま利用出来る程科学技術が発達しているとは思えない。だが、魔法という未知の力であれば代用など難しくはない筈だ。
 問題は、英語をハルケギニアで通じる言語に翻訳出来るかどうかだが、これも持ち込んだ者がいると仮定するならそう難しくないだろう。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:48:56 ID:sYesFcvR
支援
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:49:01 ID:0ok5mNsj
支援
なんかもう俺の分の支援なくても大丈夫っぽいな…
109Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:50:56 ID:LeOiohWi
「それで、他にはあるかしら」
「ああ。お前の腕を見込んで。情報屋として俺の為に動いてほしい。勿論、相応の報酬は出す」
「……え」 
 フーケは言葉に詰まった。確かに自分の盗賊としての能力は、情報収集の面でも十二分に発揮出来る。だが、何故一介の使い魔がこのような事を依頼するのか。
 とは言え、フーケにしてみれば、ここから脱出出来るのは嬉しい限りだ。盗みをしなくとも47がたった今懐からちらつかせている金貨という報酬が手に入るのも良い。
 自分でも驚く程に早く、この交渉は成立した。彼が何を考えているかまでは分からなかったが、一度投獄され、失うものは失っている。この際、そんな事はどうでもよくなっていた。
 47が細い針金の様な者を錠の鍵穴に差し込み、二三秒程動かすとあっという間に鍵が開いた。肝心の警備兵は交代をする為に宿舎に向かっているのだという。
 即ち、警備に穴があく事を示している。まさにその通りで、二人が牢獄から外に出る間、そしてフーケが一目のつかない所に行くまでの間、誰一人としてすれ違う事が無かった。
 遠くから聞こえてくる華やかな音楽や声が、まるで夢のようですらある。
「仕事の話の前に、私も聞きたい事があるわ」
 その音楽を背景に、フーケは47へずっと疑問に思っていた事を投げかける。
 47は振り向く事も無く、何だ、と小さく応えた。
「どうして、私が、ロングビルがフーケだと分かったの」
 間髪入れず、フーケは続けた。
 そう、まだロングビルと名乗っていた時、彼女は自身がフーケであるという素振りを全く見せていなかった、筈だった。
 にも関わらず、47は初めからそれに気づいていたかの様な行動を先に取っていた。これが、フーケに取っては疑問であり、何より盗賊としての恥の他に無い。
 47は、やや歩いて、ああ、その事かと前置きをしてから淡々と言葉を発する。
「確信ではなかった。ただ、馬車に乗って移動していた時、お前はゴーレムが所蔵庫の壁を一撃で破壊したと言った。……しかし、あの壁は二回の衝撃でようやく壊れた。
一回目はミスルイズの魔法、二回目にゴーレムの行動で、な。あの場にいたのは、俺と彼女だけの筈。であれば、状況説明する時は、ゴーレムは二度攻撃を加えて壁を破壊した、となる。
しかし、お前はそうは言わなかった。それは、お前があの場に居合わせたから以外には考えられない。大方、ゴーレムを使って壁を破壊しようとしても、出来なかった。
そこへミスルイズの魔法が発生した。チャンスと考えてゴーレムであの壁を粉砕したのだろう」
 フーケは、絶句した。何も言えない。正確には、口は動いているのだが、言葉が全く出てこないのだ。
 たった一言、それも、不意に器から溢れた雫をすくうような一瞬の出来事で、彼は全てを見抜いていたというのか。
 改めて、恐ろしいと知る。フーケは、心臓が激しく鼓動するのを懸命に抑えながら、前を歩く男の背中を見やった。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:51:04 ID:0ok5mNsj
でも止めないっ
支援
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:51:12 ID:sYesFcvR
支援
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:51:44 ID:42Nrg7XP
支援
113Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:53:26 ID:LeOiohWi
「それで、私は何をしたら良いのかしら」
「……レコンキスタ、というのを知っているか」
 それから、素早く茂みに隠れ、早々に二人は仕事の内容を話し始める。47が言ったレコンキスタという言葉は、フーケも余り知っているものではなかった。
 ただ、アルビオン王国にて国家転覆を目論む組織、というぐらいの、実に大雑把なものだ。勿論、実在するかどうかも彼女の知りうる無いようでは判断のしようも無い
 47はややあって、側の茂みの中に手を突っ込んだ。そして、その中から一体の若い男の死体を引きずり出す。
 黒いローブで全身を覆い、闇夜に乗じて行動するにはうってつけの姿だ。瞼や口は閉じられており、死ぬ間際の恐ろしい表情は影も無い。
 ただ、首に出来た、血の滲んだ細い糸の様な傷を見れば、フーケとてどうやってこの男性が息絶えたのかを推測するのは容易だ。
「どうしたのよ、これ」
 突然、47がこのような死体を引きずり出した事に嫌悪感を覚えるが、冷静に一息ついて追求する。
「俺が、牢獄に侵入する前に、こいつがうろついていた。どう見てもこの城の者ではない。気になってな。
適当に尋問にかけたらレコンキスタの者だと白状した。何でも、お前をスカウトしに来たらしい」
「……それで、用済みになったから始末したのね。酷い人。ルイズが聞いたら嘆くわよ」
「そうだな。所詮、俺と、ミスルイズとでは住んでいた世界が違いすぎる」 
「何よそれ……。全部分かりきっているみたいな言い方ね。とにかく、私はレコンキスタとは何も関係ないわ。彼の方が先に助けに来たのなら話は変わっていたけれど」
 フーケが皮肉を言ってみせる。ところが、47はまるで聞こえていないといった様子で死体を茂みの中に戻す。
 端から見れば其処に死体があるなどと想像もつかないくらい、奇麗に茂みの中に死体が隠された。余程の事が無い限り、警備兵がこの茂みの中を捜索する事も無いだろう。
「さて、仕事の確認だが、お前にはそのレコンキスタについて調べてほしい。それと、この世界で起きている事で瓜二つといった言葉に関係ある事も、どんなに小さくても良い。情報を集めて来てくれ」
 まるで死体を隠す事など議論するまでもないとでも言わんばかりに終わらせると、直ぐさまフーケに二つの仕事を依頼する。
 前者は覚悟を決めて取りかからなければならないような内容だったが、後者はどうしても不可解さがあった。
「そうだな、出来れば、クローンという言葉に繋がる情報であればある程良い」
「その、それはそんなに難しくなさそうだけど……」
「かも知れない。だが、俺にとって重要だ」
 或は、この世界にとっても。そこまで言いそうになり、47は慌てて噤んだ。現段階ではこれ以上の情報を彼女に渡すのはまずい。
 フーケはやはり怪訝そうな表情であったが、お互い危険な道を歩いて来た者同士通じ合う何かを感じたのだろう。
 それ以上の詮索をする様子も無く、一度頷いてから闇夜にとけ込んで行く。その素早さは、流石盗賊だと47も賞賛せずにはいられないものだった。
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:53:29 ID:C5hEMbJQ
支援
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:53:40 ID:0ok5mNsj
支援
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:53:41 ID:sYesFcvR
支援
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:54:36 ID:C5hEMbJQ
支援
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:54:54 ID:sYesFcvR
支援
119Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:55:08 ID:LeOiohWi
第八話以上です。実はロングビルの正体をどうやって47が知ったのかがぬけていたので、それで今回訂正分とさせていただきました

続いて第九話です。前回投下時に彼に殺された男性はワルドではないかという話が出ましたが、
それらを含めてかなりhitman色が強くなってきます。では
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:55:17 ID:sYesFcvR
支援
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:56:03 ID:C5hEMbJQ
続き支援
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:56:27 ID:Ak5TOUBa
ブラッドマネーやりながら支援
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:56:30 ID:sYesFcvR
支援
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:56:58 ID:0ok5mNsj
8話乙、なるほどそこか
何とも細かいところで気づいたもんだw
恐るべき洞察力

では続く9話支援
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:57:22 ID:sYesFcvR
支援
126Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 18:57:55 ID:LeOiohWi
 第九話 書き直された真実



 影が、大地に転がる一体の亡骸を見て、舌打ちをした。
 そっと、首筋に手を当てる。其処に出来た細い傷は、硬質な糸上の物で強く締め付けられた傷で間違いない。
 次に、ローブをめくり、両の掌を調べる。どの指先にも、爪が無くなっていた。相手に激痛をもたらす様な強引なやり方で剥がされたのだろう。酷く痛んでいる。
 尚かつ、ぐにゃりとした指先は、既に骨を折られた事を暗に示す。瞼を恐る恐る開けてみると、眼球が刳り貫かれている。
 他にも、ローブに隠れてはいたが幾つもの拷問の痕があった。とても、全て確認出来る様な生易しい物ではない。吐き気を覚え、影は亡骸から離れる。
「魔法を使わないで、此処まで出来るとはな。余程の死線をかいくぐって来たのだろう」
 それとは別の影は後方から亡骸を見下していた。こちらは比較的冷静に、しかし何処か怒気のこもった口調で語る。
 二つの影は、お互いに黒いローブを頭から被り顔はおろか、どんな姿かも視認出来ない。
 だが、それらは申し合わせた様に無言のまま亡骸を抱え上げる。男性一人分とは言え、二人掛かりで持ち上げられない程ではない。
 周囲に人の気配がない事を確認してから、ゆっくりと森の茂みを進む。
「やはり、偏在を使うべきじゃなかったのか」
「……それは逆に危険だ。側にフーケも居る。下手に魔法の気配を放つのは良くない。
それに、生身の人間を向かわせたお陰で、彼女に接触した者がどういう人間か分かった。それを踏まえれば、俺達の名が知られた事は大した問題ではない」
「それは、どういう意味だ」
「直に分かる」
 先導する影は明らかに動揺していたが、後続する影は冷静に相手を諭し続ける。最後の突き放す様な一言には腹を立て、低く唸る様な声が聞こえた。
「フーケを仲間に出来なかった事の方が私達にとっては問題だったとでも」
「そうだな。当初の計画にズレが生じている。……違うか」
 前を歩く影が舌打ちをする。どうも、それは後ろについて歩く影が苦手だった。何を考えているか分からない。
 或は、何か、自身が想像もつかない様な途轍もない事を企んでいるのかもしれない。そう懸念してしまう事もある。
 だが、言っている事は何時でも事実だ。フーケ程のメイジを仲間に出来れば、十二分に戦力になり得る。だが、先を越されてしまった。
 相手が相手なだけに、裏切らせる事は難しいだろう。これ以上計画を送らせる事も難しい。しかし、上手く行けば彼らを纏めて懐柔させる事も出来る。
 その手段を、影は知っているが故に、笑い声を漏らす。
「今、迎えに行くからね……」
 影が独り言を呟く。それきり、闇の中へと姿を消した。
 


 ※    ※    ※



 至極当然として、フーケが脱走した事は城から離れた学院にも伝わって来た。魔力が使われた気配がなく、煙の様に姿を消してしまった為に足取りが全くつかめていないらしい。
 尤も、初めから魔法を使えない47が脱走の手引きをしたのだからそうなって当たり前だ。既に、フーケは彼の依頼を遂行する為に各地を飛び回っている。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:58:10 ID:0ok5mNsj
支援
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:58:28 ID:sYesFcvR
支援
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:59:05 ID:C5hEMbJQ
支援
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:59:34 ID:2ejFcVGm
ワルドだったらここのSSでの最速死亡記録を更新できたのにw支援
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:59:59 ID:sYesFcvR
支援
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:01:15 ID:sYesFcvR
支援
133Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 19:02:18 ID:LeOiohWi
 ただ、尋問の果てに処分した男の死体が見つかったという話が、何時まで経っても聞こえてこないという事には違和感を覚える。
 誰かが発見したのなら、フーケが自らの保身の為に抹殺した、巻き添えを食らったと考えるのが普通だろう。ところが、それが無い。
 故に、考えられるのは一つ。あの場に、他に誰書いたという事だ。下手をすれば、顔を見られた事になる。恐らく、その相手もフーケを引き入れようとしていた者だろう。
 ところが、47が先回りをしてしまった為にそれが出来なかった。或は、戦いを挑む事は出来たのかもしれない。しかし、それをしなかったのは目立つ行動を控えたかったから。
 即ち、完全に城や学院とは無関係の外部の人間。
「なあ相棒。学院長から直々に話って、一体なんだろうな」
 授業が始まる直前、ルイズと別れた47は一人学院長室に向かっていた。オスマンが、直接47と話をしてみたいというのが事の発端だった。
 使い魔が直々に呼び出されるという話は、聞いた事が無い。ルイズがしきりに自分もついて行くと言って聞かなかったが、授業もあるという事で結局47が一人で行く事になってしまった。
 無論、そちらの方が都合がいいと47が一人結論に至る。相手が何を聞きたいかは定かではないが、こちらが聞きたい事は山ほどある。一度歩いた道を、そのままなぞり真っすぐ学院長室へと向かう。
 学院長室には、オスマンの他に、コルベールの姿もあった。二人とも、例の破滅の書を見合い何かを話していたようだったが、47の存在に気づくと、その手を止めて真っすぐ彼を見る。
「わざわざ済まないのう」
「いや、こちらも話をしておきたい事があったからな」
「……破滅の書の事じゃな」
 47は頷く。二人の表情が固くなった。どうやら彼の想像通りだったようだ。取り分け、オスマンは47に対する警戒心を露にする。
「先ず、初めに言っておくと、あの破滅の書は正確にはオルトマイヤー文章という。そして、俺の良く知る言語、英語で表記されていた。
恐らく、この世界で生きている者では一生涯かけても解読する事は出来ないだろう。仮に、解読出来たとしても、これを利用するのは無理だ」
 沈黙が降りる。コルベールは狼狽気味にオスマンの次の言葉を待ち、オスマンはというと、ただじっと47の顔を覗いている。
「何故、これが此処にある」
 やがて、47が先に沈黙を破った。突きつける様な言い方で、一歩オスマンに歩み寄る。
 必然的に、47がオスマンを見下ろす姿勢になるのだが、オスマンには全く怖じ気づいている様子はない。
「それについて、やはり話すべきかの……」
 観念した様にため息をついてから、オスマンがこの破滅の書の経緯を話し始めた。
 それは、47の予想を大きく超えた物以外の、何物でもなかった。
 嘗て、オスマンがこの学院の学院長に就任した直後の事だ。まだ若い魔法使いであったオスマンは、魔法薬の実験の材料を求めてある森の中を散策していた。
 其処で、ある一人の老人と出会った。古ぼけた服装から、何処かの平民には違いなかったが、酷く衰弱していた。オスマンが治療に当たろうとすると、それを拒否して彼に一冊の奇妙な本を託した。
 それまで多くの書物を拝見して来たオスマンが、初めて見る極めて固い装丁を施した本だった。中身を見ても未知の言語、とても解読出来る物ではない。
 それよりも、この老人を助ける方が先決だとオスマンが抱き上げようとすると、老人はそれすらも拒否した。
 もう、自分は逃げる事は出来ないと。この破滅の書を、安全で、誰の手にも届かない場所に保管してほしい。何れ、この本の内容を知る者が現れたら、渡してほしい、と。
 そして、持っていた刃物で自らの首を切り、絶命してしまった。

134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:02:37 ID:0ok5mNsj
>>130
そこは俺も惜しいと思ったw
支援
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:03:12 ID:C5hEMbJQ
支援
136Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 19:05:43 ID:LeOiohWi
 目の前で鮮血が吹き上がり、目眩がする。だが、すぐ側に人の気配を感じると、一目散にオスマンは今来た道を逆に駆けていた。
 どう考えても危険すぎる。この本を捨てて逃げる手段もあった筈だが、どういう訳だか、それが出来なかった。
 そして、彼との約束通り、この書物を学院の所蔵庫の最深部に保管する事となり、今に至る。
 これまでも、信頼のこえるコルベールとともにこれに書かれた言語の研究を行って来たが、一文字も理解出来ていない。どんなハルケギニア語或は外部大陸の言語とも類似点が無かった。
 何故、その書を、さらりと47が知っていると言えるのか。オスマンは椅子に深く座り直してコルベールを見た。
「ええ、と。その、つまり……。ミスタ47、英語というのは……」
「この世界の言語ではない。俺のいた世界、その中のアメリカやイギリスなどで話されている言語だ。当然、この世界の人間が知る訳が無い」
「で……では」
「そうだな。疑わしかったが、これではっきりした。信じがたいのだが、俺は召喚の儀式で異世界とやらにやってきたようだ」
 コルベールは絶句した。思い出してみれば、召喚の儀式の時にも、彼は同じ事を口走っていた。
 だが、外部の大陸ならまだしも、異世界は流石に予想の範疇を超えている。まさか、使い魔の儀式で平民ではなく、異世界の人間を召喚をしたなど、思案する事もなかった。
 ところが、オスマンは冷静だった。暫く長くのびた髭をさする。
「ふむ、そうなれば色々と話の都合が付くには付くの。本当にこの書は命を引き換えにしてでも守らなければならなかったのかね」
「守る、というより情報を外に漏らしては行けないという事だろう。こんな技術が存在すると知れれば、まさに破滅を呼ぶ事になる」
「……破滅の書、いや、オルトマイヤー文章とは一体何なんじゃ」
 一呼吸置いて、47は言った。クローンを生み出すものだ。
 当然、二人はクローンが何かを知る由もない。47は、一から、丁寧に説明を始めた。彼らがこの技術を使わない保証は無い。
 故に、その手段など、重要と思う部分は敢えて伏せたまま。
 必要な事を説明するのには流石に時間がかかった。それでも、その話にオスマンとコルベールは揃って真剣な眼差して耳を傾ける。
 47の話が終わる頃、狼狽気味だったコルベールの顔には畏怖が宿り、オスマンは侮蔑に似た面持ちを浮かべていた。
「クローンか。恐ろしい技術じゃな」
「ああ。この世界では、もしかしたら魔法を応用すればクローンを作り出せるかも知れない
「しかし、分からんの。何故、この文章を持ち出した老人は、その場で燃やし尽くそうとしなかったのか」
「ああ、それなら……。その本を見せてくれないか」
「別に構わんが――」
 オスマンが手にしていたオルトマイヤー文章を掲げた。その刹那、室内に空気が抜ける様な、乾いた音が微かに響いた。
 だが、その軽い音に反して、椅子に座っていた筈のオスマンが、突然大きく後ろに吹き飛ばされた。側にいた、コルベールもまた、突如身にかかった巨大な圧力で体が後方へとのけぞる。室内の中央のデスクに乱雑に積まれていた書物や紙も、急激に舞い上がる。
 衝撃は直ぐに止み、後にはまるで突風でも発生したかの様な乱雑な部屋が其処にあった。47はというと、最初からこうなる事を見透かしていた様に、シルバーポーラーを携え唖然とする二人を眺める。
 ひっくり返ったままどういう事か尋ねるオスマンに、47は端的に応えた。処分しようとしても、処分出来ない。言い換えれば、処分出来ない理由がある。有効活用する手段を模索していたのか。
 それでは、自ら命を絶った理由が説明出来ない。そうなるからには、自分が余程追い込まれていた何かがある筈だ。
 処分しなければならないのに、それが処分出来ない訳、それは、破滅の書そのものが処分出来ない仕掛けが施されているからに他ならない。
 47はそう確信していた。程度はどうあれ、この世界でのその仕組みは、恐らく魔法。燃やす事も出来ない、切り刻む事も出来ないよう仕掛けられている。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:05:53 ID:sYesFcvR
支援
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:06:32 ID:sYesFcvR
支援
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:07:16 ID:sYesFcvR
支援
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:07:25 ID:7ZAZKFmw
>>133
×誰書いた
○誰かいた

支援
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:07:55 ID:sYesFcvR
支援
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:09:01 ID:sYesFcvR
支援
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:09:47 ID:sYesFcvR
支援
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:11:14 ID:sYesFcvR
支援
145Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 19:12:39 ID:LeOiohWi
 それを実証する為に、彼はシルバーポーラーでオルトマイヤー文章を撃ち抜こうと引き金を引いた。
 結果は、まさに目の前の光景の通り、文章は撃ち抜かれる事を拒む様に反発し、衝撃が起こった。
 原因を理解し、オスマンは幾分落ち着いた様に椅子に座り直す。コルベールはというと、大事な書物が撃ち抜かれたと酷く困惑し、オルトマイヤー文章に傷がついていないか丹念に調べ始めた。
 勿論、47の推測通り何処にも弾痕は愚か、へこみ傷も無い。それどころか、先程まで感じなかった魔力が、この文章から溢れている。
「そんな……」
 あり得ない。コルベールは目を見開いて嘆いた。確かに、トラップになり得る魔法は存在する。しかし、こんなに完璧に隠す魔法など、彼は知らなかった。
「……どうやらこの本を所有していた者は、只の魔法使いという訳でもなさそうじゃな」
 オスマンとて、それは同じだ。微かに唇を震わせる。永久魔法はあるにはあるが、オスマンですらそれを、これほどまでに完璧に、且つ、隠蔽させて施すのは難しい。
 しかし、今それを懸念する時ではない。47の方へと向き、オスマンはやや荒くあごをさする。
「ところで、これがミスタ47のいた異世界の書物として、じゃ。そちらの世界でもこの文章は危険なものじゃったのかな」
「ああ。そうだな。極めてごく一部の人間にしか知られていない。多分、数える程だろうな」
「ふむ……では、何故君が其処まで、その危険性を含めて知っておるのかのう」
「ふん、分かっているだろうに」
 意地悪そうな笑みを浮かべたオスマンに、47は含み笑いで返す。コルベールはというと、少しの間を置いて、彼ら二人の言っている意味を理解した。
 クローンを生み出す超機密文章。それを知っている。知っているという事はこの文章を書いた者か、或はその関係者。
 47は、唐突に両手の手袋を外して、手の甲を彼らに見せた。
 其処にあったのは、左右の手の甲にそれぞれ刻まれた、形の異なるルーン。右手に刻まれていたのは、儀式直後からあったヴィンダールヴと思われるルーンであったが左手に刻まれていたのは、またも未知のルーン。
「俺は、このオルトマイヤー文章に記されているクローンだ。完璧に近い、クラス1と呼ばれる、な。……このルーン、使い魔一匹に対して複数刻まれるのか」
「……いや、それはあり得ません……、しかし、これは……」
「ああ。俺は今、二つのルーンを持っている。恐らく、俺自身がクローンという事に原因があるのだろう」
 其処まで言って、47は手袋をはめ直す。そして、オスマンに近づき、声を潜めて続きを話し始めた。彼の表情が珍しく強張っている様に見える事にオスマンは気づき、背中に冷や汗が伝うのを感じた。
「俺は四人の人間のDNA、こちらの世界では魂と言った方が通じやすいだろうが。とにかく四人の人間の情報を一人の男に集めて生み出された。
皆、闘う事に関してはプロフェッショナルだった者ばかりだ。即ち、俺は今、四人分の魂を持っている。仮に、ルーンが一人に一つ刻まれるとするなら、四人分のルーンが刻まれても然程疑問ではない」
 珍しく饒舌になっていた自分をいぶかしく思いながらも、47は続ける。
 既にコルベールの目が、点になっていた。余りのも突拍子も無く、しかし現状を把握するのに最も適した論理。コルベールは受け止めるだけで精一杯だ。

146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:12:41 ID:IP+Z6twE
支援
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:13:14 ID:0ok5mNsj
支援
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:14:11 ID:sYesFcvR
支援
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:14:24 ID:Ak5TOUBa
4ッつとかやべえwww
支援
150Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 19:14:56 ID:LeOiohWi
「当然、俺の言っている事は推測だ。異世界の人間が、未知の世界で自然と変異したというのもあるかもしれない」
「ふむ……。一理あるのう。じゃが、ミスタ47もクローンとすると、何故そんな風に生み出されたのじゃ」
「気づいているだろうに」
 47がオスマンを睨む。にも関わらず、オスマンは笑ってみせた。
 ギーシュとの決闘での圧勝。たった一人でつちくれのフーケの生み出したゴーレムを、完膚なきまでに破壊した実力。
 それらは、彼がただの平民ではないかという大方の推測をねじ曲げるのに、十分すぎるものだ。生徒達の数人は気づいているのかもしれない。
 47が、戦いに、取り分け相手を抹殺するという点において非常に優れているという事に。
「人を殺す為のクローン人間とはのう……。難儀なものじゃ。決闘の時も、殺そうと思えば、直ぐにでも殺せたのか?」
 静かに、47は頷く。コルベールは突拍子も無いオスマンの質問に眉をひそめて47を見た。そして、急にはっと目を見開いて、彼に歩み寄った。
「数日前、学院の近くの貴族が死にました。不審な死に方だったのですが……いや、まさか……。その、貴方が……?」
 これには、47は首を横に振る。まるで知らないと言った体で肩を竦める。
「ミスタコルベール、それは幾ら何でも失礼じゃぞ」
「……あ。す、すみません」 
「ともかく、破滅の書の中身が分かった以上、そう簡単には処分出来ない。所蔵庫を更に強固にして、より厳重に保管する他になさそうじゃな」
 オスマンが小さくため息をつく。
「すまないの、時間を取らせて。話は以上じゃ」
「いや、こちらも聞きたい事を聞けた。感謝する。ああ、それと……」
「分かっておるよ。君から破滅の書に関して有益な情報を貰った。その代わり君は自身の秘密を教えてくれた。言わば、交換じゃな。誰にもこの事は言わない。無論、ミスルイズにも」
 47は一瞬だけ彼らを睨んで踵を返す。最後に、コルベールが何か言いたさそうに口元を歪ませていたが、目線をそらして扉を開けた。
 丁度、授業が一コマ終わった時間と一緒だったらしい。幾人かの生徒と、教師の姿が見られる。皆、次の授業の準備などで急がしそうに動いている。
 ふと、47は自身への視線の様なものを感じて周囲を見渡す。それから、頭をふって遅い朝食にありつこうと、足を厨房へと向けた。

151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:15:18 ID:sYesFcvR
支援
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:15:24 ID:IP+Z6twE
ということは、あのスキンヘッドに三つ目のルーンが浮かぶのかw
支援
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:15:27 ID:yS/pCDGK
原作しらないが47凄いんだな
まさか最終的には四つのルーン勢揃い?
支援
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:15:53 ID:sYesFcvR
支援
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:17:01 ID:sYesFcvR
支援
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:18:17 ID:sYesFcvR
支援
157Hitman ZERO the assassin:2008/01/27(日) 19:18:24 ID:LeOiohWi
以上です。長々と支援ありがとうございました。

原作は洋ゲーなので、ひとまず>>91のトレーラーを参考にしていただければ幸いです。

訂正箇所は、第九話をまとめwikiの方に上げていただいた時にしようかと考えています。

では
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:19:51 ID:sYesFcvR
支援
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:20:14 ID:0ok5mNsj
乙っした〜GJ!
いやぁ、全然元ネタ知らなかったのにここまで引き込まれて
今では最も楽しみにしてる作品の一つですわw

次回も頑張ってくだされ
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:20:21 ID:sYesFcvR
乙です
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:20:39 ID:Ak5TOUBa
乙&GJ!
ヒットマンテイストでいいね。支援してる間に俺の47死んだwwwww
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:21:11 ID:C5hEMbJQ
グッジョブ!
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:29:12 ID:42Nrg7XP
今投下OKでしょうか?
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:30:00 ID:eH0/QoHX
タイトル次第です
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:30:11 ID:7ZAZKFmw
>>163
だ、誰だ貴様! 名を名乗れ!!
166“微熱”の使い魔:2008/01/27(日) 19:33:42 ID:42Nrg7XP
改めまして

よろしければ、投下したいのですが
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:34:40 ID:eH0/QoHX
come on
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:34:49 ID:WKvPklIH
ばっちこーい
169“微熱”の使い魔10−1:2008/01/27(日) 19:35:31 ID:42Nrg7XP
 キュルケはその日、いつもよりも数段早く目を覚ました。ふわあ、とあくびをしてから横を見やると、いつも自分よりも早く起きている“使い魔”がまだ寝息をたてている。
 無邪気な寝顔。ブラウンの髪の毛がかすかに揺れて、“ひかえめ”な胸が上下している。
 キュルケはその頬を軽くつついてみる。
 ぷにぷにとした肌ざわり。
 何度かつつくと、ううん、とエリーは声をあげる。けれど、起きたわけではない。
 エリーの、“ううん”が面白くて、キュルケは何度も頬をつつく。
 ぷにぷにぷにぷにぷに。

 「……あ、おはようございますう……」

 調子に乗りすぎたのか、エリーは目を開けて、むっくと起き上がった。キュルケの扇情的なものとは対照的な、地味で露出の少ない、まあ普通の寝間着。

 「おはよう、エリー」

 ちょっと残念に感じながら、キュルケは可愛らしい“使い魔”に微笑みかけた。


 朝食を終えた後、キュルケは教室へと向かった。その横に、エリーはいない。
 大体いつも一緒に授業を受けるのだが、時にエリーは錬金術の調合を行ったり、他の使用人たちを手伝ったりして、錬金術に使う材料をわけてもらったりする。
 今日も、新しい調合を試してみたいから、と言って授業にはこなかったのだ。
 それに関して、キュルケがどうこう言うことはない。
 使い魔とて、四六時中いつも主と一緒というわけではないのだ。まして、エルフィール・トラウムは人間の少女である。
 と、何か声がする。見てみると、“ゼロのルイズ”こと、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが使い魔と何か言い合っていた。
 言い合い、というより、ルイズが文句をつけているのを、使い魔である才人がへえへえと聞き流しているというのが正しい。
 あの森で狼に襲われた一件以来、二人の距離は縮んでいるように思われる。いや、ルイズが積極的(おそらく本人の度合いでは、だろうが……)に縮めている。
 当初傍目から見ても、険悪な雰囲気であったのに。
 今でも仲がいいとは言いがたいが、それでも最初の頃のような殺伐としたものは感じられない。

 ――ま、いい傾向よね。

 キュルケは微笑する。
 あのままの状態が続けば、ルイズはいずれ、“ぷっつん”して、才人のみならず、エリーにまで何かしてきたかもしれない。
 何故、エリーが。
 それは、才人のルイズへの反抗とか、無関心さは、少なからずエリーのせいでもあるからだ。
 本人たち、特にエリーのほうはまるでわかっていないようだが、才人がエリーを憎からず思っているのは、間違いない。
 それはまだ恋という炎にもなっていない、種火のようなものかもしれないが、そんなものでも状況次第ではとんでもない炎となる。
 特に才人のエリーを見る瞳……は、実に面白い。
 時にはそのまま同世代の少女を、時には母親を、時には妹を見るように、エリーを見ている。
 最初の出会いからして、才人はエリーにそういうものを抱きやすかったのだろう。
 召喚によって見知らぬ土地に連れてこられ、是非もなく使い魔にされて、文句を言えば鞭で叩かれる。
 そんな不安だらけの状態で、同じ使い魔という立場にあり、普通に接して、優しくもしてくれる。しかもそれが可愛い女の子とくれば、男はたまらないだろう。たとえ、同性であっても嬉しいはずだ。
 ルイズは気に入らないのだろうが、好意を持つなというほうが無理である。
 エリーと、才人。
 二人とも生まれ育った文化圏はまるで違うものだろう。
 けれど、両者ともに、“異なるもの”を受け入れる土壌のようなものがあったようだ。おそらくエリーは環境的に、才人は性格的に。それが反応しあったということもあるかもしれない。

 「おはよう、キュルケ」

 考えごとをするキュルケに、同級生の男子が声をかけてくる。ただのクラスメートではなく、キュルケの“ボーイフレンド”の一人だ。

 「おはよう、ホンドシュー」

 キュルケは優雅な仕草で挨拶を返した。

 「今日は可愛い使い魔と一緒じゃないのかい?」

 「まあね。あら、あなたあの子に興味があるのかしら?」

 「いや、そうじゃあなくて……。最近あまり話すこともなかったから、ワインでも飲みながらゆっくりと語り合いたいと思ってね……。今夜あたり、どうかな」
170“微熱”の使い魔10−2:2008/01/27(日) 19:37:57 ID:42Nrg7XP
 “ボーイフレンド”の提案に、キュルケはふむ……と考える。
 そういえば、ここ最近夜のお付き合いのほうは、てんでご無沙汰だった。いくらキュルケといえども、エリーのような少女がいるのに、遊び相手の男を引っ張り込むわけにはいかない。
 単に“遊ぶ”だけなら、キュルケから向こうの部屋を訪ねてもよさそうなものだが。あるいは、興味の優劣が男よりもエリーのほうへかかっていたせいもあるかもしれない。
 かといって、生来の“男好き”といってもいい気質が変わったわけではないが。

 「やっぱり、あの噂は本当なのかい?」

 キュルケがどう返答しようかと考えていると、ホンドシューはぼそりといった。キュルケに向けて、というのではなく、思考が無意識に漏れ出たというところか。

 「どんな噂よ」

 「いや、別にたいしたことじゃあないさ」

 鋭く問いかけるキュルケに、ホンドシューはおどけるように言った。ごまかしたつもりだろうか。

 「もう一度聞くわ。どんな噂」

 柔らかだが、喉元を締め付けるような口調で、キュルケは問いただした。

 「本当に、大したことじゃあないんだよ。ただね、その……君が変わった趣味になったとか、ならなかったとか、そんなことなんだ」

 「ふーん。へえ。で、私がどんな趣味を持つようになったっていうのかしら?」

 「そのだね、つまり、ええと、なんていうのかな? その年下の女の子を可愛がるようになったとか、まあ、そんなことなんだよ」

 「は?」

 キュルケはわけがわからなかった。受け取りかたによっては、キュルケが下級生の女子でもいじめるようになったととれなくもない。
 しかし、ホンドシューの口調などからして、どうもそうではないようだ。そうではなくて、むしろ、この場合は。

 「つまり、私が百合の花にでも目覚めちゃったとか、そういう噂かしら?」

 百合の花。いわゆる、レズビアン。

 「まあ、そういうようなものかなあ?」

 「そういうものってねえ……」

 キュルケは腹が立つよりもあきれてしまう。ほんのちょっと男と夜を過ごさなかったくらいで、何でそこまで話が飛躍するのだ。

 「ばっかばかしい。どうすればそんな噂が出てくるのかしら?」

 つぶやいてから、キュルケは気づく。
 原因はおそらくエリーだろう。
 男好きで有名な女が、男遊びそっちのけで、いきなり女の子にいちゃいちゃべたべた(あくまで偏見だが)し始めたら、なるほど確かにそう受け取られる可能性はある。
 それに、年下の子といえば、親友のタバサもそうである。気質はともかく、実年齢より幼く見えるあの少女と仲がいいことと、エリーのそれを関連付ければ、そんな噂が出てくるのかもしれない。
 さらにもう一つ。
 キュルケはルイズのほうを見た。
 ルイズに対して、キュルケが色々とちょっかいを出しているのは、学院でもけっこう知られている。それは性格上のことや、家同士の関係のことが、主な理由(実際そうなのだが)とされていた。
 が、それをエリーやタバサのことに関連付けると、好みの子にちょっかいをかける、という図式になりはしないか?
 あくまで予測。しかし、そうはずれてもいないのでは?
 キュルケは頭に手をやって、ため息を吐いた。本音では、大声でそれは誤解よ、誤解なのよと言ってまわりたいが、そんなをことしたって無駄なのは、嫌でもわかる。むしろ逆効果――余計に噂をあおるだけだ。

 「ホンドシュー、悪いけど……お誘いはまた次の機会に、お願いできないかしら」

 さっきまでは、久々だし誘いを受けるのもいいかな? と思っていたが、これを聞いてしまった後だと、何だか噂を消すために遊ぶようで嫌だ。
 火遊びはあくまでも、遊びとして純粋に楽しみたいのだ。たとえどう噂されようが。
 それがキュルケなりのこだわりだった。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:38:04 ID:7ZAZKFmw
私怨
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:38:09 ID:sYesFcvR
支援
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:38:59 ID:sYesFcvR
支援
174“微熱”の使い魔10−3:2008/01/27(日) 19:39:01 ID:42Nrg7XP
 昼下がり頃、ギーシュ・ド・グラモンは物思いにふけっていた。
 その傍らでもぐもぐ言っているジャイアントモールの頭を撫でながら。
 青春とは何だろうか。恋愛とは何だろうか。
 最近、そんなことばかり考えているような気がする。
 きっかけは、二股がばれたあの事件からだろう。
 ぶっちゃけて言えば、ギーシュはモンモランシーとケティ、二人の少女にふられた。
 その直後に起こった、才人とのゴタゴタでギーシュの中では一時有耶無耶になっていたが、一時はあくまで一時。
 ふられたことについては、今から考えれば自業自得なのでしょうがない。それでも、ショックはショックだ。
 プレイボーイを気取っていたが、モンモランシーのことは本気だった。だから未だに尾を引いている。
 あんなことしなきゃ良かった。こうすれば良かった。今さらながら、後悔だけが起こる。
 自己嫌悪の悪循環。
 こういう場合、自分はどうすべきなのだろうか。
 少女たちへの謝罪。それは、すませた。いずれも、許してはくれなかったが。
 モンモランシーにはまた殴られ、ケティにはまた泣かれた。
 あれ以来、気軽に女の子に声をかけることはできなくなった。
 恋愛はゲーム。そう友人たちにうそぶいてみせたこともあったのに、今では恋という言葉や文章を見るも少々つらい。
 恋愛博士。
 そんな風にマリコルヌに自慢してみせたこともある。
 でも、今では。

 ――いや、そうじゃない。

 ギーシュは首を振る。
 恋愛というものには、嫌でも“痛み”がつきまとう。それが両者か、あるいはどちらか一方かの違いはあるだろうが。
 それを、理解していなかっただけなのだ。
 ふう、とギーシュは頭を抱えた。どうしてネガティブなことばかり考えてしまう。
 ある人は言った。世界は観る者の認識によって姿を変える
 実際今のギーシュの世界は鉛色の変わりつつあった。
 その中で救いといえるのは、愛しき使い魔ヴェルダンデ。
 陰鬱な気持ちの中で、もう一度、ヴェルダンデの頭を撫でた時。
 とことことことことこ……。
 ギーシュのすぐそばを、小さな生き物が走り去っていった。

 「何だあああ?」

 ギーシュは叫びながら振り返る。
 これが猫か犬なら珍しくはない。蛇やカエルでもだ。おそらくは誰かの使い魔なのだろう。
 しかし、今走っていったものは。

 「子供?」

 緑の服と帽子の、小さな子供がすばしこい動きで走っていたのだ。その背中に、体躯に見合った小さな籠をしょって。
 その小さな子供は、女子寮の方向へと走っていったようだったが。

 (使用人の子か? しかし、ずいぶん小さかったな……)

 大きめにみても、せいぜい三歳児くらいの背丈だったように思う。
 何となく気になり、ギーシュは後をつけてみることにした。
 女子寮にいけば、またぞろモンモランシーやケティと顔を合わせるかもしれない。そんな考えもあって、今までは近づかないようにしていたのだが、好奇心のほうが勝った。
 勝ったというよりも、好奇心にかられて一時失恋のことを忘れていたのかしれなかった。
 ギーシュはふらふらと女子寮の前まできたが、周辺を見ても、あの緑の子供はどこにもいなかった。
 あるいは、幻覚だったのかもしれない。

 「僕も相当疲れてるなあ……」

 ギーシュは自嘲した。
 しばらくその場に立ち尽くしていると、いきなり鼻にくる異臭が漂ってきた。

 「うう……! げほ、げほ、げほ! なんだあ?」
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:39:45 ID:sYesFcvR
支援
176“微熱”の使い魔10−4:2008/01/27(日) 19:40:15 ID:42Nrg7XP
 ギーシュがむせながら周辺をきょろきょろしていると、女子寮の一室の窓が開かれ、そこからうっすら煙が出ているのが見えた。
 どうもにおいのもとはあそこらしい。
 じっと見ていると、窓から一人の女の子がひょこりと顔をのぞかせる。

 ――秘薬の調合でもしていたのか? いや、まさかぼやだろうか?

 ギーシュはちょっと心配になって、少女に声をかけた。

 「おーい、そこの君―! 何かあったのかー?」

 「大丈夫ですー! におい出しちゃってごめんなさいー」

 少女はギーシュの声に、ちょっとあわてた声でそう言った。
 やっぱり少女の部屋がにおいの原因らしい。
 しかし、けっこう離れたギーシュの位置からでも、つんと鼻にくるにおいなのだから、部屋の中はかなりきついことになっているのではなかろうか。

 「まあー火事とか、事故じゃないのならいいんだけどね」

 ギーシュは目の前が女子寮であることを思い出した。あまりこのあたりに長居しないほうがよいだろう。においが嫌だというのもある。

 ――しかし、この子……。

 どこかで見たような気がするな、とギーシュは考える。女子寮にいるということは生徒か? だったら別に見覚えがあっても不思議じゃないが、制服をきていない。

 「ん?」

 思い出した。やはり見た覚えがあるわけだ。
 この少女は、キュルケの使い魔である少女。エリーとかエルフィールとかいう名前だったか。
 と、すると、顔を出したあの部屋はキュルケの部屋か。
 エリーが平民ながら、爆弾や薬を作れるという話は聞いていた。ならば、あのにおいは何かを作った際に出たものなのかもしれぬ。

 ――そうだ、さっきの子供。

 ギーシュは少しにおいにむせながら、やってきた理由を思い出す。

 「そうだ、ねえ君。このへんで、緑の服の子供を見なかったかい? こう、ちっちゃな籠をしょってたんだけど……」

 「緑? 籠?」

 エリーは目をぱちくりさせていたが、ひょいと首を引っ込めてしまう。と、思うと、またすぐに顔を出した。
 ただし、一人ではなく、小さな人形、ではない。小さな子供を抱えて。

 「ひょっとして、その子供って、この子ですかー?」

 「あ、そうそう! その子供……。いや、って、何で女子寮に子供が? まさか……」

 まさか、あの子供は、キュルケの。キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーの。

 「キュルケの、隠し子かい?」

 「…………キュルケさんが聞いたら、怒りますよ」

 とんでもねーこと言う人だなあ、という顔でエリーは緑の子供……妖精を抱えながらギーシュを見る。

 「え……じゃあ、君の弟か何かかい?」

 さすがにエリーの子供という発想はなかったようだ。
 違いますよー、とエリーは笑った。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:40:21 ID:sYesFcvR
支援
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:40:43 ID:sYesFcvR
支援
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:41:03 ID:sYesFcvR
支援
180“微熱”の使い魔10−5:2008/01/27(日) 19:41:05 ID:42Nrg7XP
 ほんの数分前。エリーはこのハルケギニアにきてから、初めてのへ新調合に挑戦していた。
 今のエリーからすればちょっと高めのレベルのアイテムだったが、材料にいくつか余裕があり、最近調子もいいので、やってみることにしたのだ。
 調合するアイテムは、“悪魔の息吹”。
 赤の中和剤。ケムイタケ。黄金色の岩(硫黄)。これら三つを組み合わせてできる、アイテムである。
 本によれば、強烈なにおいを発生させる、一種の催涙弾のようなものであるようだ。
 作ろうと考えたきっかけの一つは、この間狼の群れに襲われたことから。
 あのような場合、下手な爆弾よりもこういったもので、群れを無力化、あるいは惑乱させるもののほうが有効かもしれない。
 エリーはそんな風に考えたわけだ。
 そして、調合の結果はというと……

 結論から言えば、成功した。

 したのだが。

 「うえ、おえ……ごほ、げほ!!」

 エリーはものすごい勢いでむせ返った。
 完成した悪魔の息吹は、思った以上に効果が強いらしく、近くにいるだけでそのにおいが目や鼻にしみまくる。
 その上調合過程で発生したにおいと合わさり、部屋はえらいことになりつつあった。
 これは、やばい。
 新調合へのいきごみで、ここがアトリエではなく、“ご主人様”であるキュルケの部屋であることを忘れていた。
 おかしなにおいがしみついたりすれば、おしゃれな彼女は激怒するかもしれない。鷹揚な彼女だが、そういうことに関してはやはり気にするのだ。
 あるいは、錬金術にはまりこんだエリーのほうが、少々鈍感すぎるのかもしれないが。

 「窓、開けないと……」

 エリーはむせながらも出来たばかりの悪魔の息吹を厳重に袋へしまいこんで、窓へ向かおうとした。
 その時、部屋がノックされる。

 ――うえ!?

 一瞬、エリーはドキリとした。
 キュルケが帰ってきたのか、あるいは、強烈なにおいに他の生徒が抗議にきたのかもしれない。

 「は、はああい!」

 エリーは内心やべえと思いつつも、無視するわけにもいかないので、おそるおそるドアを開ける。

 「――うわあ! すごいにおい……だね!?」

 ドアを開いた途端、可愛らしい悲鳴が下のほうから上がった。
 おや、と視線を落とすと、籠をしょった緑の服に帽子の小さな子供が、げほげほと咳き込んでいる。
 ……妖精だ。

 「おねーさん、約束どおり来たよ。うえ、げほ…」

 妖精はそういって笑顔を向け、また咳き込んだ。

 「君は、ポポルだよね?」

 「そうだよ。ぼくはねえ、行商をやってるんだ。良かったら何か買っておくれよ」

 妖精ポポルはそういうと、よっこいせと籠をおろしてみせた。

 「へえ……こっちでは、どんなのが……って、それどころじゃない!」

 エリーはあわてて窓辺へ走り、窓を開け放った。
 新鮮な空気が部屋へと入り込み、同時に部屋に充満しつつあったにおいが薄らいでいく。
 ほう、とエリーは息をついた。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:41:23 ID:sYesFcvR
支援
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:41:44 ID:sYesFcvR
支援
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:42:07 ID:sYesFcvR
支援
184“微熱”の使い魔10−6:2008/01/27(日) 19:42:36 ID:42Nrg7XP
 と、そこへ、

 「おーい、そこの君―! 何かあったのかー?」

 下から声がかかってきた。

 「へ?」

 見ると、寮の前に一人の男子生徒が立ち、こちらを見上げていた。


 「……まあ、そういったわけなんです。すみません」

 説明を終えたエリーは、ギーシュは頭を下げた。

 「いや、僕に謝ることでもないと思うけど、でも、あのにおいはまずいかなあ」

 ギーシュは苦笑する。

 「それはそうと……君は変わった知り合いがいるんだね?」

 そう言いながら、ギーシュはポポルを見る。

 「まあ、知り合いっていうか……」

 「妖精か……。おとぎ話でしか聞いたことのない相手に、こんな風に会えるとはね」

 「お兄さんも、何か買ってく? 色々といいものがそろってるよ」

 ポポルはギーシュを見上げて、にんまりと笑ってみせた。
 可愛いらしいが、どことなく不気味でもあった。やはり、人ならぬもの。古代の精霊につらなるものである、ということかもしれぬ。

 「そろってるって……」

 見たところ、ポポルの籠は小さく、そんなに量があるようには見えない。

 「今日はぷにぷに玉がたくさん入ってるんだ。あ、この火蜥蜴の鱗もおすすめだよ」

 そういって、ポポルは妙な草やら石、それにどうも幻獣のものとしか思えない鱗や羽毛を取り出してきた。
 数や種類……どう考えても、籠の中に納まりきるとは思えない量である。

 ――どういう仕掛けだ? 先住魔法でもかかっているのか?

 ギーシュは籠をようく見てみたが、どう見てもサイズが小さいだけの普通の籠だ。

 「へえ、こっちにもあるんだ…。おお! コウモリの羽や牙も!?」

 エリーのほうはそんなことは気にするでもなく、ひたすらポポルの見せる“商品”に声をあげていた。

 「ほう……変わった鉱石だな。……猫目石? ふうん、けっこういい宝石になりそうだなあ」

 気がついた時には、ギーシュもポポルの“商品”をあれこれとっていた。
 ここで、ギーシュは完全にあることを失念していた。
 今いる場所がどこか。
 そして、今の自分を見て穏やかならざる感情を抱きつつある人間がいることに、まったく気づいていなかった。

 「ギーシュ……」

 見事な金の巻き毛の少女が、わなわなと震えながら、自分と、そしてとなりの少女を睨みつけていることに。
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:42:37 ID:sYesFcvR
支援
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:43:03 ID:sYesFcvR
支援
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:43:27 ID:sYesFcvR
支援
188“微熱”の使い魔:2008/01/27(日) 19:43:42 ID:42Nrg7XP
今回は以上です
支援をしてくださったみなさん、ありがとうございます
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:44:03 ID:sYesFcvR
支援
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:44:55 ID:sYesFcvR
乙です
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:47:05 ID:4VPsLRTN
投下乙

ギーシュよ、安らかに眠れ Amen
192名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/27(日) 19:49:08 ID:MpH6psbL

そして支援砲撃
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 19:56:31 ID:dQtfV11r
微熱の人乙ー
次も待ってます
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:01:51 ID:cziym3GC
ガンバレ、愛の戦死ギーシュ
GJ
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:09:28 ID:eC19uuR8
うわっ、まるでホラー映画のような区切り方GJ!!
乙でした。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:20:09 ID:yhyjf0Hb
乙乙。
まさに愛の戦死wwww


47の人もGJです。原作を知らないままだけど
読み始めてここまでのめりこんだのは初めてだ。続き待ってますぜ
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:23:10 ID:VGLB93ar
47の人、微熱の人、乙。
そーいや先日映画館に行ったんだが、「HITMAN」の予告が流れてて吹いた。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:46:46 ID:LeOiohWi
乙です。
ギーシュはどうしても薄幸になってしまいますね

hitmanの映画予告でもやはりアヴェ・マリアがBGMで嬉しかったり。
読んでいただいている全ての人に感謝します。
199DOD&M:2008/01/27(日) 20:54:21 ID:xy6DKMgH
久しぶりに一機投下させてもらってよかですか
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:55:09 ID:cziym3GC
支援
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:55:24 ID:ODgtRPlE
いけいけGOGO!
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:55:25 ID:BX1SnmU5
支援
203DOD&M:2008/01/27(日) 20:56:10 ID:xy6DKMgH
っと、5分後に行きます
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:58:55 ID:RvLsBwNU
age予告に支援はできない
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:00:09 ID:qfPTGlLF
キュルケ祭り
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:05:46 ID:Ak5TOUBa
DODの人支援するよっ!
207DOD&M:2008/01/27(日) 21:09:10 ID:xy6DKMgH
遅れてすんません、行きます。


「しかし、戦争。戦争ね……俺たち、とんでもない場所に行こうとしてるんだなぁ」

 サイトはそう言いながら、知らずの内に握り締めていたデルフリンガーの柄の感触を確かめながら、隣に座っているルイズに声をかけた。
 今は空を飛ぶシルフィードの背に乗り、タルブへと向かっている最中である。
 この場にいる全員が思っている事を、わざわざ口に出すサイトに対し、今更とは思うものの、皆がその首を縦に振った。

「言い出したのはあんたでしょ? 考え無しよね、もう」

 王女から授けられた水のルビーを指にはめたルイズが、それを眺めながら返す。
 戦争と言う非日常に足を踏み入れようとする中で、軽い口を叩く事でその緊張を紛らわせる為だった。
 シュヴァリエの称号を持っているとはいえ、たかだか魔法学院の一生徒である者と、その使い魔が二組で、戦局をどうこう出来るとは端から思っていない。
 サイトがこれで相当な腕前なのは知っている。タバサが優秀なメイジである事も分かっている。だが、それだけでどうこう出来る問題ではない。乗りかかった船ではあるが、改めてルイズは嘆息をした。
 山岳地帯を越え、景色に緑が目立つようになってきた。しかし、目立たぬ様にと低空飛行の上、速度を抑えている為に目的の地点まではやはり時間がかかる。
 焦燥感に駆られた表情をむき出しにしているサイトに、振り返りもせずにタバサは言ってのけた。

「大丈夫。きっと」

 それはまるで自分に言い聞かせる様でもあった。
 いつもと変わらぬ無表情ではあるが、それでも良く見れば普段とは違っている。
 自分ひとりが慌てていても仕方が無いと悟り、サイトは凝り固まっていた肩を片手で揉み解しながら、上空を仰いだ。
 巨大な戦艦が並んでいるのが見える。その砲門から放たれる轟音が耳に入る度、彼は思わず身を竦ませていた。ルイズも同様で、元々優れていなかった顔色に青みがさしている。
 最も、引き返そうという意見を出すつもりは無いらしい。懐に忍ばせてあった始祖の祈祷書と水のルビーを交互に眺め、彼女は乱れかけた息を整えた。
 (始祖ブリミルよ、どうか私達をお守りください……)
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:09:10 ID:KOtftw+6
支援します
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:10:10 ID:ODgtRPlE
支援
210DOD&M:2008/01/27(日) 21:11:22 ID:xy6DKMgH
 四十五キロもの重量を誇る鉄塊が、戦場で鈍い唸り声を上げる。
 敵の血肉を喰らい、猛り狂う刀身は陽光すらも飲み込む暗さを持っていた。
 一つ、二つ。振るう度に対峙する者を容赦なく血の海に沈めるそれが、肝心の相手には届かない。
 兵士の海の中、鬼神の如き形相でカイムはひたすらに剣を振り続けていた。
 神経を集中させ、叩き付けられる様な殺気を受け止め続けるのは、元の世界から慣れていた事ではある。
 しかし、極度の緊張が彼を疲労を急速に早めていた。
 本来の対手であるワルドは打ち合いを続けない。数合の打ち合いをおざなりに続けると、カイムに殺到する兵士の中に紛れ、姿を消す。
 そして、時間を置いて死角より現れ、数合。それの果てしない繰り返しであった。

「…………!」

 四方から放たれた矢を鉄塊の一振りで弾き落とす。既にカイムを相手に接近戦を挑もうと言う者は少なくなっていた。彼の戦いぶりを見ていれば誰とて向かって行きたくないと感じるのは当然の事だ。
 絶え間なく撃ち続けられる矢に、カイムは舌を打つ。
 このままではジリ貧である。契約者とて体力は無限ではない。
 ワルドを殺してしまえば、ブラックドラゴンも共に果てる。そうすればここから一旦離れ、休息も取れようと言うもの。
 牽制の射手を鋭い追い足で仕留めると、不意に足元が炸裂し、カイムの視線を遮った。火の魔法での足止めだった。
 舞い上がった土埃、その中に、周りから向けられるただの殺気とはレベルの違う物が感じられる。
 刹那、咄嗟に持ち上げた鉄塊から凄まじい衝撃が伝わった。

「…………ッ」

 勢いのままに後方へと弾き飛ばされる。腕の筋肉が引き攣った様に痺れ、鉄塊を持つ手を緩ませた。
 ぎっ、と歯を食い縛り、目前の長剣を突き出した男の姿を見やる。ワルドだ。
 彼は尋常でない量の汗をかき、呼吸を乱しているカイムを実に愉しそうに眺めながら、手にした剣を芝居がかったポーズで振って見せた。
 その足元に、小さく霜が張られてある。剣の魔力が溢れ出ているのだろう。
 気付けば、同じ様な平原が続いていた筈だが、今立っている場所には明らかな見覚えがある。
 行軍で踏み荒らされたそれではなく、魔力と魔力のぶつかり合いによって出来た地の爪跡。
 ――――成る程、舞台ね。
211DOD&M:2008/01/27(日) 21:13:02 ID:xy6DKMgH
 鼻を鳴らしてカイムは態勢を整えた。視線を動かさずに後方に篭手を突き出すと、乾いた音が鳴り響く。射手はまだまだいるらしい。
 しかし今はそれに気を取られている暇はなかった。一瞬でも目の前の男から目を逸らせば、それは即死を意味する。
 カイムの心が渇いて行く。この場所、先日ワルドに土を付けられたこの舞台で、奴を必ずこの手で殺してみせると、口を大きく開いて猛った。

「…………!!」

 声は出ない。一見すれば間の抜けた行為にも見えるそれが、周りの兵士達にとっては竜の咆哮の様に感じられた。
 彼から放たれた殺気が、空気をびりびりと震わせる。
 ただ、対峙するワルドだけが涼やかな表情を見せていた。そして、肩に剣をかけ、空いた手を突き出す。
 ――――かかって来い。
 指をくいっと曲げてカイムを見やる彼の挑発に、更に激する。
 鉄塊を背に直し、ワルドに向かって駆けながらカイムは腰の剣を抜いた。
 奴を殺すのはこの剣でなくてはならない。ブラックドラゴンによって没落した王家の剣、その契約者を狩るのにこれ以上の得物があろうか。
 全体重を載せた上段からの切り下ろしを、迎え撃つワルドが両足を地に埋めながら受け止めた。
 そのまま、身を寄せて鍔迫り合いに展開する。
 擦れ合う剣と剣が、彼等の目の前に火花を散らせる。膂力には絶対の自信を持っていたカイムであるが、やはり先日の手合わせから分かっていた様に、ワルドは互角の物を持っている。
 このままでは埒が明かぬと感じたのは両者同時であったのだろう。まったくの同タイミングで後方に飛びずさると、互いにその剣の魔力を放出させた。
 彼等の手によって生み出された火炎弾と氷の牙が中空でぶつかり合い、空気が悲鳴を上げる。
 ほぼ一瞬の内に火炎弾は氷を溶かし、氷は火炎弾をかき消した。魔法の威力も互角。
 その様子に、ワルドはやれやれと肩を竦めておどけた様に笑った。だが、顔全体に包帯を巻き、その隙間から重度の火傷の跡を覗かせる彼がすると、その笑みはおぞましいとしか表現の出来ぬ物になる。
 どこからか息を呑む音が聞こえた。あの笑みに当てられた者が出したのだろうが、今のカイムにとって、そんな微弱な音すらが耳障りだった。
 限界まで研ぎ澄まされた集中力は、離れた場所にいる人間の呼吸音どころか心音すら明確に聞き分ける。
 それが苛立ちを助長した。

「…………!」
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:13:15 ID:yS/pCDGK
ようやっとエンシェントドラゴン倒した支援
213DOD&M:2008/01/27(日) 21:14:40 ID:xy6DKMgH
 脇に構えた剣で地を擦りながらワルドに斬り上げの一刀を見舞った。
 上体を反らし、そのまま身を捻ってそれを回避したワルドは、返しの突きをカイムの額へと繰り出す。
 柄を落とし、その軌道を反らしながら放った回し蹴りは、しかしワルドの身には当たらなかった。
 咄嗟に前方に踏み込み、カウンターで叩き付けたワルドの頭突きが、カイムの鼻をぐしゃりと潰した。
 よろめき、たじろいだ彼を、追撃の横薙ぎが襲った。タイミングとしては完璧である。
 殺ったとワルドが確信したのも束の間、気付けば鈍い痛みが彼の顔面に走っている。
 意趣返しとばかりのカイムの頭突きが、ワルドに突き刺さっていた。

「…………」
「…………」

 互いに間合いを取り、零れ落ちる鼻血を拭いもせずに彼等は睨み合う。
 カイムの脇からは薄く血が滲んでいた。先程の横薙ぎは完璧にかわした訳ではなく、刃の根元は受けてしまっている。更には兵士を相手にしていた際から蓄積されている疲労と、おまけに鼻血。
 カイムには体力的に余裕があまりない。機先を取り、畳み掛けねばとワルドに斬りかかった。
 だが、焦れば焦る程に剣筋は鈍り、逆に手傷を増やしていくばかり。
 それから二十合を数えた辺りで、呼吸を乱したカイムの腿に鋭い痛みが走った。

「…………!」

 射手。その存在を忘れていた訳ではないが、まさかこんな状況で撃って来る者がいようとは……! 自らの不覚に血を吐く様な叫びを内心でもらす。
 カイムの膝が崩れかけた所に、ワルドはそのまま地を大きく踏み鳴らし、先程浴びせ損ねた横薙ぎを再び放った。
 不味い! 大きく目を見張り、剣を構えるも体勢があまりにも悪い。
 受け止めた剣ごと身体を跳ね飛ばされたカイムは、放り投げられたボールの様に宙を舞い、そのまま倒れた。
 早く立ち上がらなければ、と思う物の、背中の鉄塊を取り出すには、既に剣を掲げて飛び込んで来ているワルドを止めるには間に合うまい。
 歯を食い縛って上空を睨むカイムが見たのは、絶望ではなかった。

「おおおおおおおお!!」

 見慣れた影が真上を通り過ぎたと思った瞬間、そこから降ってきた者の雄叫びと共にワルドの身体が先程のカイム同様にして地に叩き付けられていた。

「随分と男前になってるじゃねえか、カイム」

 倒れたカイムに人のいい笑みを浮かべて手を差し伸べた男、サイト。
 忘れてはいなかったが、改めて彼は思っていた。
 孤独ではない、と。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:15:33 ID:KOtftw+6
支援
215DOD&M:2008/01/27(日) 21:16:05 ID:xy6DKMgH
相変わらず短くてすんません。
今回ここまでです。あじゅじゅしたー。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:16:45 ID:Ak5TOUBa
乙じゅー

短くても次回待つよ
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:19:23 ID:KOtftw+6
GJ
次回も期待しています
21814才のひろゆき:2008/01/27(日) 21:25:24 ID:HA4rZaR4 BE:565757748-PLT(13931)
俺はまだ小説1巻しか読んでないけど、俺の大胆な予想をここで公開しようと思う

ルイズは魔法へたくそ。 でも失われた系統「虚無」を使いこなせるようになるんだろ!?

絶対そうだ!そうに違いない!

どうなんだ?
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:28:14 ID:ODgtRPlE
答え。
『王道展開』
22014才のひろゆき:2008/01/27(日) 21:30:09 ID:HA4rZaR4 BE:424317964-PLT(13931)
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:31:41 ID:E1HiOHoc
流れ切るようで悪いが最近思ったんだが、
初代ガンダールヴ=仮面ライダーアギト

…いや、トリニティフォームで槍と剣使ってたんで。
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:33:32 ID:/2MW7+hq
>>221
そんなネタを書いたら破壊の鎧としてG3システムが保管されてそうだ
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:36:54 ID:7+Qp/ek8
>>221-222
それ、マジで見てみたいんだが、その場合は誰が召喚されるんだろう?
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:37:46 ID:r2IZQ8Ab
オムロン
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:39:22 ID:yS/pCDGK
>>222
死人(しびと)の鎧とか言う名前でG4をだな
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:41:00 ID:uP2cI8eX
>>223
そこでギルスを召喚して……だめだ、ルイズに死亡フラグが立ってしまう
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:41:31 ID:XxfR5ahT
フーケさんが装着するんですね?
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:42:58 ID:0RxLzH7R
>>223
G3を使うのなら氷川じゃねえの?

229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:45:24 ID:/2MW7+hq
G3の唯一の失敗してる点は、必殺技が火器なとこだと思うんだ。
エネルギー全部まわして使ったら動けなくなる必殺パンチとかつけるべきだったんだよ
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:49:37 ID:uP2cI8eX
そもそも小沢さんいない、電力もろくにない、弾薬補充きかないあの世界でG3動くのか?
ただの置物にしかならん気もするが。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:51:02 ID:yS/pCDGK
>>229
火器は誰が使っても一定の効果を挙げられるってのが強みだと思うんだ
ほとんど効かなかったけど
最後人間力で殴ったけど
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:51:23 ID:r2IZQ8Ab
電力についてはコルベール式練金充電法で完璧だろう
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:52:05 ID:qfPTGlLF
左肩ナイフ>>>>>>>>>ただの人間の力>>>>>>>>>>シャイニングカリバー
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:52:44 ID:0sgXTCU8
姉がらみだとZXも面白いとは思うが、SPIRITSで物語が進行中だからなあ
ハルケギニアに一番受け入れられやすいのは、案外アマゾンかも
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:55:01 ID:uP2cI8eX
>>234
ルイズと「ト・モ・ダ・チ」してるアマゾンがまず目に浮かび

大切断で血しぶきをあげるワルドが思い起こされた
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:55:28 ID:/2MW7+hq
>>231
まあ特撮のお約束というかね。ライダーの必殺技は白兵からの一撃だよなってことさ。
それにそれって『G3じゃなくて火器が強いんじゃン?』って結論と表裏一体だと思うンだ
最後不器用な氷川くん殴ってたけど

いい加減スレ違いなンで銃つながりでコブラ召喚とか言ってみる
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:56:16 ID:7+Qp/ek8
アマゾンが素直に使い魔役をやるかどうかはさて置き、
どう転んでも、ルイズにとっては胃が痛い展開が続くだろうな。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:59:57 ID:yS/pCDGK
>>235
ガゾートで
ギーシュ
トモダチ
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:01:34 ID:0sgXTCU8
ルイズは外見子供だし、言うこともやることも当初はガキだから、相性は悪くないはず
とりあえず薬を見つけて調合することはできるから、ルイズも妥協できるだろ
そしてアマゾン最大の敵は胸がない行き遅れのアカデミーの研究員ではないか
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:02:55 ID:3co2+h3J
>>225
しかしG4システムは予知能力者の支援があって初めて100%の効果を発揮する訳で
単体ではG3とそう変わらないんじゃないかな
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:04:20 ID:7ZAZKFmw
>>239
エレオノール17歳と3650+α日か
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:06:21 ID:uKM3vD/G
ともだちで21世紀少年思い出した
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:10:04 ID:ODgtRPlE
ハルケギニアの一年は384日じゃけぇ。
エレオノールの年齢を地球の暦に換算すると…

おや? お客さんのようだ。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:11:53 ID:9DK13OL7
過ごした年月で考えると、384×27か?
ん、誰か戸を叩いているな
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:13:31 ID:r2IZQ8Ab
エレオノールは俺の嫁……という強者はいないようだ
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:15:35 ID:nnc53WSw
>>234
アマゾン「ルイズ泣いてた…つらい・…悲しい……でも……泣くな。オレがいる!!オレが行く!!」



ルイズ「世界なんか……いらないわ。“虚無”の力があったって……世界を自由にできたって……
     一人ぼっちの世界じゃないの!!アマゾンは……アマゾンは……わたしだけのために来てくれたのよ!!」

こうですか。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:17:55 ID:Wtfx89IN
アマン゛ソだな
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:20:28 ID:7ZAZKFmw
241 :アカデミー :2008/01/27(日) 22:04:20 ID:7ZAZKFmw
検閲済み

243 :アカデミー :2008/01/27(日) 22:10:04 ID:ODgtRPlE
検閲済み

244 :アカデミー :2008/01/27(日) 22:11:53 ID:9DK13OL7
検閲済み
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:22:05 ID:0sgXTCU8
真面目な話、アマゾンの体はエレオノールにとって垂涎の研究材料だからなあ
上手く行けば改造手術でカトレアを治すこともできる
アマゾンの体は古代文明の秘術で改造されてるから、メイジに再現できてもおかしくはない

…ちょっとがんばってみようかなあ

>>238
共食いフラグかw
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:23:53 ID:NoWb4hm9
>>245
うまいこと調教したら可愛くなりそうだと思うんだが…
もらっていいの?
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:24:32 ID:c/34RxOT
>>246
SPIRITSの熱さは尋常じゃないw
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:25:00 ID:kiIgjqXj
>>244
地球より1年が19日長いわけだから、
365÷19≒19
で、19年ごとに1歳余計に歳をとって…ん?誰だこんな時間に。
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:26:35 ID:/2MW7+hq
>>249
ガガの腕輪とギギの腕輪の力に魅せられて狂気に走るエレオノールなんて浮かぶ俺は色々とやばいのか。
確かあの腕輪って片方持ってるだけで失明だって治るからな
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:32:29 ID:bW3rlWjF
そーいやアマゾンの最後の敵も名前がゼロだったな
だからなんだって話だが
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:32:51 ID:56EO1e8A
>>253
タバサの方がヤバくね?
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:33:58 ID:mDAZUrrt
つまりアマゾンめぐってスクウェア関係という事か
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:36:35 ID:0sgXTCU8
>>256
もう一人いるぞ

ジャングラー見て狂喜するコルベール先生が
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:44:47 ID:OoNidA6x
>>215
DODの人ktkr!
カイムもサイトもかっこよすぎるGJ!
あじゅじゅしたー!
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:47:12 ID:nnc53WSw
>>237
寝床:床でも平気or自分で作成
食事:学園周辺の森から調達
鞭:かわされまくりorそもそも当たってもダメージにならない

……ルイズ涙目。

>>256
まぁ、アマゾンの野性味(つーか野生そのものだがw)にキュルケがメロメロになるのはデフォだな。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:48:27 ID:/cLpgHTc
この流れでなぜか、鍛えまくって自力で元気になるちぃ姉さま、
仮面ライダー姉鬼(アネキ)とかゆー妄想が。

こー、10年ほど前にカトレアが召喚しちゃったんだよ、斬鬼さんとかを。
そんで響鬼さん召喚して先住妖怪とかと戦う虚無鬼ルイズのピンチに現われてだな。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:50:50 ID:xq1nZJoq
>>260
つまり変身を解除すると着替えが必要になる訳だな
そして顔だけ解除が出来なくて素っp(ry
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:53:02 ID:A0Bsr8Pc
>>261
頭隠して体かくさず!

けっこう仮面召喚は避難所行きかな
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:54:46 ID:VCuVwBoi
DOD>>御久し振りです
思うんですがカイム、随分と能力抑えられてる様に感じるのですが
ゲームしかやってない人間が言うのも何ですが、彼、アンヘルと契約してからは
洒落抜きのパラメータ誇ってたかと
子爵殿も、ドラゴンと契約したから?(+改造復活人間の恩恵?)
DOD2の軛アンヘルとカイムですら、あの能力ですし

無礼文、失礼
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:56:40 ID:2H5oft/G
>>261
ルイズが鬼に変身できるようになるも顔だけ解除が出来ない。
    ↓
素っ裸になる。
    ↓
ぶっちゃけ見れても全然有難みが無ぇ、と言われる。
    ↓
いきなり赤い鬼になって炎の音撃棒で泣くまで叩くのを止めない!


ですか? 
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 22:57:09 ID:CgLDhkCt
>>240
ベーススペックはG3-Xを上回っているっぽい。
ただし装着員がパワーに耐え切れずに死んでしまう。

あとG3・G3-X弱ええて言ってるやついるけど
G3の標準火気は劇中の話からすると対グロンギ(クウガの敵)用の神経炸裂弾だぞ。
幹部級のやつでも倒せたあれが効かないアンノウンがタフなだけで
G3は十分強いんだぜ。なにより後の強化装甲装着型ライダーの元祖をバカにするな!

以上、スレチすんません
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:01:12 ID:xq1nZJoq
>>262
題材が題材だからと言って、あんまりやりすぎると避難所でもダメになる可能性あると思う
したらばって規約的にエロは本来NGだそうだし
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:03:06 ID:xWETJ3H2
>ドーン!!!!

と喪黒福造召喚ないすかね。
どうしても魔法使いになれる怪しげなアイテムを売られてひどいめにあうルイズしか思いつかないんですが。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:18:25 ID:/2MW7+hq
>>265
むしろ元祖はライダーマンじゃね?改造してるのは右手だけで他はヘルメット付属の強化スーツだったような
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:27:05 ID:1sLsEgYP
誰か浦沢直樹作モンスターのヨハンで書いてくれないかなぁ。長編で。
ハルケギニアには奴の毒牙にかかりそうなキャラ沢山いそうだ。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:29:52 ID:H9HtPlZz
みんな改造人間の悲しみとか人造人間のもどかしさみたいな話が好きみたいだな?

>>246
チラ見して漢堂ジャンと思ったのは俺だけでいい………。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:35:59 ID:MtUO2s9X
全身武器の004なんかガンダールヴにぴったり
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:36:53 ID:hh7IHF1J
善と悪、二つの心を持ってしまった後のキカイダージロー召喚というのはどうだろう。
自分自身の存在への葛藤がかなりのものですけど、書く難易度はかなり高い。
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:37:51 ID:yS/pCDGK
よしライダーマンだ
ただしSICの
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:42:20 ID:hh7IHF1J
そんなにライダーマンに拘るなら、Hybrid Insector版はどうだろうか。
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:44:11 ID:qbd596xG
>>274
俺の科学は完全無欠だ
とでも言って欲しかったのかもしれんがね
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:45:06 ID:uP2cI8eX
>>274
あれか、コッパゲのおっさんと背中合わせに立ち並びながら
「俺達の科学力は完璧だ」
とでも言わせるつもりか
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 23:45:16 ID:xq1nZJoq
>>274
あのライダーマンは確かに格好いい
だが、あれを題材にすると三次創作と言われる可能性があるのがネックだな
その辺がちょっと微妙なんだよね
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 00:02:15 ID:vO0ZXdGr
ルイズに中村が召喚されました

中村「ハルケギニアって何ですか」
ルイズ「ボケッ!」
BLAM!!
ルイズ「この大陸のことだよ!これだから学も教養もない馬鹿犬は!」
中村(畜生いつか殺してやる)
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 00:19:10 ID:ideTazWd
サーカスキャラいないなあ
一年中咲く桜を召喚とかもいいけど

お嬢召喚とかも見たい
召喚したはいいが、ルイズ以外に見れる人が限られてる、コルベール、タバサ
アンリエッタ、ウェールズはじめニューカッスル城の人々とかしかお嬢が見えない。
アンリ誘拐事件の時も、ルイズがディスペルマジック使う間もなく、お嬢が姿見せないなあと思ったらいつのまにかウェールズ昇天。
一体この子は…?
というところまでがプロローグ。
本編はルイズが夏期休暇で帰郷するところから
重病で余命いくばくも無い公爵
何故か時々女っぽい性格に変貌するエレオノール
これまた重病で療養中のカトレア
果たしてお嬢はこの世界で寿退社できるか…?
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 00:25:18 ID:T7OrUX74
お嬢もいいか、くろねこ(みたいなもの)を召喚したい

ワルドの前に立ちふさがり
「蹉跌を踏むわけには(ry」とか
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 00:55:52 ID:1v/Nrx5e
一年中咲く桜と聞いてツインテール石馬戒厳を思い出したのは俺だけで良い
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 00:57:38 ID:kF3jfPSF
ルイズがアマゾンを呼ぶなら、やっぱギーシュにはモグラ獣人を呼んで貰いたいな。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 00:58:16 ID:90wsbaZE
ニトロワか……ニトロワの事かー!?
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:13:17 ID:MUQcCcuM
アムロ召喚

ルイズにムチで叩かれて
アムロ「ぶったね!?二度もぶった!!父さんにも叩かれた事無いのに!!」
ルイズ「ああ!ぶったさ!!」

城の牢に投獄されて
「僕が、一番、ガンダールヴを使いこなせるんだ・・・」

もちろんワルド=シャア


まぁそれ以前に、ニュータイプに目覚めた以後のアムロには誰も触れる事すら出来んが
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:20:40 ID:pCaAGKsl
今とつぜん俺の頭になにか降りてきた
かなり古いネタだが

グランディアとのクロスとかどうだろうか

ジャスティン召喚したら熱い展開になるだろうし
フィーナもいいなぁ、いい姉御になるだろうし

……またなにか降りてきた

ガイア(幼虫)との戦闘時のリィンとか呼び出したら面白くね?
ガイアに喰われたと見せかけて召喚
そして、いろいろあったあとでエンディングのとこに帰還
……やべぇ夢ふくらみすぐる

くそぅ、卒論でいそがしいのになんでこんなこと思いついてんだ!!
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:30:58 ID:BoELop9u
>>285
むう、それは逃避エネルギー!

逃避エネルギー
やらなくてはいけないことがあるにも関わらず、「人は別のことをついやってしまうと、そっちの方がはかどってしまうのはなぜか」
・・・そこには逃避エネルギーと呼べる何らかのエネルギーが何らかの形で人間に影響を与えているのではないか・・・という理論。
しかしこれを論文にまとめようとすると逃避エネルギーがはたらいてしまうためなかなか論文にまとめられないのであった。

〜ToE ミンツ大学のある学生の論文より抜粋〜

287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:33:49 ID:UFdMEYLX
コルベールは頭皮エネルギーが少ないんだな。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:35:50 ID:csgxoc4A
>>286
お前、エターニアスレ見てるだろ


現基知に載ったらしいな>逃避エネルギー
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:40:42 ID:NmkzgZCF
>>287
誰がうまいk(ry
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:56:48 ID:Qr58MZXh
>>279
サーカスキャラと言って一番初めに元ドラゴンの保育園の先生を思い出す俺は異端
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 02:03:33 ID:iqi+0YFn
サーカス?ああ、カレイドスターか
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 02:19:30 ID:Hd9DSJFj
ゾナハ病と戦う銀髪のにーちゃんだろ。
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 02:22:43 ID:P5InHFJZ
>>290
俺は保母な姫様、もしくはエターナル金髪ロリの息子
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 02:45:03 ID:IjcDXjil
>>290
某打ち切りロボットアニメが浮かんだオッサンは
俺ぐらいのものだろう。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 02:48:52 ID:KAEIODlw
ベラルコ団長のバイオサーカスが出てくる俺は異端
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 02:52:34 ID:iQWzKWiC
>>294
ノシ OPは好きだったんだが……。
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 07:33:20 ID:awaTfhd1
>サーカス
いま〜〜〜わったしはこばるとのか〜ぜ〜
ふぃ〜リング、あめ〜〜りか、いん、あめり〜〜か〜〜
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 08:31:06 ID:sXuSW7Zp
高速スピナーのサーカス少年が思い浮かんだ。
美人の姉と足の悪い弟がいたんだっけ。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 08:55:22 ID:g8mDi7DT
>>286
 今、私はレポートを書かねばならない。期日も迫っている
 だが、何故かモニターにはこのスレが映っている

 そうか、これが逃避エネルギーか。
 世界にはまだまだ私の知らない事が一杯だ
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 08:57:23 ID:zENSLlx1
>>298
小暮宙太か…懐かしいな…
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:23:57 ID:WMW83enU
>>284
ワルド「如何にガンダールブとはいえ偏在を含めた5対1なら!」
アムロ「そんな理屈!」
ワルド「ギャァァァー!」

島本版から召喚されました。
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:26:12 ID:Wog2t4gT
モニターを素手でぶち割るアムロだっけ?
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:29:47 ID:WMW83enU
それは「冒険王」版じゃなかったっけ?
「くそっしょうがねえな」「ざまあみろ」など口の悪いアムロ
宇宙用のズゴックやゾック

島本版は脱出装置が針金で固定されていたりだった気がする。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:58:13 ID:h5iMEdOa
島本の濃ゆいキャラってなんか召喚されてたっけ?
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 11:00:21 ID:R29niNGt
wikiのサガフロ的読んだ。ゼロの使い魔は一話しかみてないけどクォリティ高いスレだと思った
306サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:01:14 ID:sGfj9Gx6
司令塔、投下許可求めます!
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 11:04:34 ID:WMW83enU
>>304
Gガンのキャラクターデザインに協力していたはず

だからドモンや師匠は島本キャラと言えない事も無い。
308サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:07:39 ID:sGfj9Gx6
今、一体何が起こった?
上半身を丸ごと吹き飛ばされた、自分が生み出した巨大なゴーレム・・・の残骸が崩れ落ちていくのを唖然として見上げながら。
―――『土くれ』のフーケは、誰でもいいから教えて欲しいと、そう思った。

ある教師から聞き出した情報によれば、今回自分が狙っていたお宝のある宝物庫は物理的な衝撃に弱いらしく。
壁自体はかなり分厚いが、結局良い方法も思いつかなかったので強攻策で30メイルはあるゴーレムで壁をぶち壊そうとしたのがついさっき。
しかしかなり頑丈な壁で中々破れない、それどころかヒビ一つ入る気配の無い壁に業を煮やしかけたその時―――

彼方から飛来してくる光弾に気付いたのは僥倖だった。
あのまま咄嗟に飛び降りて『レビテーション』をかけてなかったら、きっとゴーレムごと自分も消し飛んでいたに違いない。
だが一拍置いて起こった突風でフーケの正体を覆い隠していたローブは飛んでいってしまったし、握っていた杖も手から離れてどこかに転がっていく。
もっともそっちはあらかじめ予備の杖を持ち歩いているので、すぐにそれを抜いた。

光弾がUターンしてくる。そしてその正体が何なのかはっきりと確認したフーケはあんぐりと口を開けた。
光り輝くガーゴイル。しかしその翼は羽ばたかず、背中から空気か何かを噴出させる事で宙に浮いている。
収束された魔力のオーラとは違う、しかし遥かに力強さを感じさせる光。
今の状況も、自分がしていた事も忘れて、思わず見入った。
―――我に返ったのは、そのガーゴイルが気に掛けるような声を発した時である。

「あ、あの、大丈夫ですか?」
「へっ、あ、な、近寄るんじゃないよ!」

咄嗟に杖を向けた。ガーゴイルは見掛けに似合わない、慌てた声で両手を挙げた。

「ち、違うんです!さっきのおっきなのを倒した時に巻き込んじゃって怪我させたのかと思ってつい!
あの、確かこの学院で働いてる人ですよね?見覚えがあるんですけど・・・」

――こいつ、私の正体に気付いてないのかい?――
丁度良い。このまま誤魔化してしまおう。
309サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:12:29 ID:sGfj9Gx6
「え、ええ。オールド・オスマンの個人秘書をしているミス・ロングビルです。先ほどのゴーレムを止めようと駆けつけたんですが・・・」

名うての盗賊であるフーケ――またの名をミス・ロングビルにとって、咄嗟の演技は朝飯前である。
その時近づいてくる複数の足音と声。

「これってガーゴイル?」
「ミス・ロングビルから離れなさい!」
「わ、ち、違うんだ!魔法は止めて!」

ガーゴイルは擬似的に意識を埋め込まれた魔法人形の事だ。
が、それでもこのガーゴイルは、今まで見てきたどんなガーゴイルよりも反応が人間っぽい。
それにこの声、どこかで聞いたような。

「僕だよ、ほら、タバサの使い魔の巴武士だ!」
「う、うう嘘おっしゃい!あんたガーゴイルじゃないのよ!そんな訳無いでしょ!」
「でもちょっと待ちなさいよルイズ。この声、確かにタバサの使い魔の彼と同じよ?」
「彼の言っている事は本当」

場に更に1名追加。タバサが武士とルイズ達の間にフワリと舞い降りた。
・・・何故か杖以外にも服を抱えていたが。
何気に顔も青い。髪とはまた別の意味で青い。つーか青白い。死人みたく。
そして実際、彼女は気分が悪かった。地面に足が触れた途端、ついに限界が来たらしく。

「・・・ばたんきゅう」
「「タバサ―――――っ!!?」」
「えええ!?ちょ、ちょっと誰か来なさいよ!衛生兵!えいせいへーい!!」



今宵の魔法学院の夜は、騒がしく更けていく・・・・・・






                     サーヴァント・ARMS:第8話 『舞踏』ダンスパーティ





タバサがぶっ倒れてしまった事で、フーケの犯行を見ていたとされる面々は翌朝に学院長室に呼び出される事となった。
ちなみにタバサが倒れた原因は武士にあるらしい。
早めに学院に戻ろうと飛ばした結果1000リーグ以上の距離を2時間弱で飛んできたので、
流石に魔法で風の障壁を張って軽減していても、腕の中に居たタバサには負担が大きすぎたようだ。
それでもまだ武士は本気じゃないのだが。
310サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:14:24 ID:sGfj9Gx6
朝食後、授業を免除されて呼び出されたルイズ、キュルケ、タバサ、涼、隼人、武士は学院長室に居た。
待ち受けていたのはコルベールと昨日武士が現場で鉢合わせたミス・ロングビル、そして言わずもがな、部屋の主のオールド・オスマンである。
使い魔組3人は『土くれ』のフーケの事はサッパリ知らなかったが、学院長からの説明でとりあえず名うてのメイジであり盗賊でもあるというのはよく分かった。
なにせ隼人が相手にしたギーシュのゴーレムとは桁が違う。見た目よりも質を重視するタイプという感じだ。
そして―――何よりオスマンが気になったのは、そのフーケのゴーレムを一撃で撃破したという武士の事についてである。

「とにかく礼を言わせて貰おう。あの宝物庫には生徒や教師の貴重品以外にも王宮の方から預かっているものも在っての。
おそらくフーケはそれを狙っとったんじゃろうが、君のお陰でそれを防ぐ事が出来た。心から感謝しておる」
「いえ、あの、僕はその、あの大きなゴーレムが暴れてるのを見て、それで高槻君や隼人君やタバサの友達や学院の皆に何かあったら大変だと思ったからしただけです」
「フォッフォッフォッ、良い子じゃのう君は。・・・ところで、少し教えて欲しい事があるんじゃが・・・」

微かにオスマンの目が細くなる。
気配も変わった。何処と無く涼の両親に似た雰囲気だ。
つまり、一見するとそうでもないが、実はかなりの実力者という事。
オスマンに退室を促されてコルベールが出て行った。
ミス・ロングビルの場合は、既にこれからの話の内容に関わってしまっている為残ってもいいのだろう。武士の主人であるタバサも以下同文。
涼やルイズ達も退室を促された。が、武士から話を聞いて大体の展開が読めていたので、

「多分きっと、俺と隼人も関わっている話だと思うんでここに残らせてください」
「そ、それなら私は使い魔の主人なんですからその話を聞く権利があります!」
「ミス・ヴァリエールと同じ意見というのは気に食いませんが、私も以下同文ですわ」

そういう事になった。





「『あーむず』・・・とな?それが君達の持つ力の事かね?」
「はい。ナノマシンというとても小さな機械の集まりでできた一種の生命体みたいな物で、普段は今みたいに他の人と大差無い様に見えるんですけど・・・」

涼は右袖を捲り上げながらそう解説し、一旦区切ると右腕に力を込める感覚で発動させる。
次の瞬間、異形の腕に一変していた。
311サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:16:29 ID:sGfj9Gx6
「発動すると、ナノマシンの増殖と配列の組み換えによってこうなります」
「なんと、まあ」

まさしく唖然呆然といった体でオスマンは呟きを漏らす。ルイズもキュルケもロングビルも目を見開いていた。
タバサだけ表情は変わらない。それでも視線は涼の右腕に固定されている。
大木が途中からへし折れるような音が重なって響くと、涼同様左袖とズボンの両裾を捲り上げた隼人と武士もARMSを発動させていた。
隼人の左腕は盾と片刃剣が一体化したような造形に。武士の両足は膝から足首近くまでの部分が普通の二倍以上の太さに。
しかし変貌した部分とそこから先の生身の部分はハッキリと一体化して繋がっていた。

「発動するとどうなるのかね?」
「こうハッキリと発動させる必要はありませんけど、身体能力が上がったり、ARMSの種類によって色々な能力が得られます」
「つまりその『あーむず』の種類によって発動の際に変化する部位や特性も違ってくるのかの?魔法の系統のように」
「まあそんな所です。戦闘用に特化したのもあれば、索敵向けのARMSもありましたから」
「ふむそうか・・・ならばミス・ロングビルが見たと言う、ミス・タバサの使い魔のあの姿はどう説明してくれるのかのう?」

使い魔組除く全員、武士に注目。
しかし口を開いたのはやはり先ほどから説明役に徹している涼である。

「ARMSの発動にも種類があるんですよ。今みたいに一部だけ発動させるのでも色々種類があって」

数秒足らずで巨大な拳と化した涼の右腕に大砲のような砲口が生まれる。

「こんな風に変わったり、最終形態だとさっきの武士の様に外見全体が変化するんです」
「ううむ・・・・・」

重々しい唸りがオスマンの口から漏れた。発せられる雰囲気の余りのシリアスさにロングビルが思わず目を見開くほどだ。
名家の子女子息の生徒が集う魔法学院の教師達の頂点に立つには、それなりの力を持つだけではやってけないのである。

「1つ聞かせとくれんか」
「何ですか?」
「わしはこの学院の院長じゃ。この学院の生徒やここで働く教師やその他の者達の安全を保障せなければならん立場にある。
トライアングルクラスの実力を持つと言われるフーケのゴーレムを一撃で倒せるだけの力となれば、それは大層なもんじゃろう。
もし君達が学院の人間にその力を振るう場合、それなりの対応をせなければならなくなるんじゃが・・・」

深いシワが刻まれた眉の向こうで、オスマンの瞳が鋭く光った。

「別に俺達、そんなつもりありませんよ。大体、ARMSが復活したのだってこの世界に来てからだし、俺達の目的は一緒にこの世界に来た筈の仲間2人を探して一緒に元の場所に帰る事なんですから」
「ちょ、ちょっと帰るなんてそんなの聞いてないわよ!?勝手にそんな事許さないんだからね!アンタは私の使い魔なんだから―――」
312サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:18:05 ID:sGfj9Gx6
ガツンッ!!

「テメェ、勝手に人を変な所攫っといて勝手な事言ってんじゃねえ!」
「ダーリンを召喚しちゃったのは私なんだけどね」
「あ、そういえば久留間さんもやっぱりこの世界に来てたみたいだよ。昨日まで行ってたガリアって国で会ったんだ」
「マジか!?」
「うん。でも向こうで出会ったイザベラって子と色々あって、その子にリーダーとしての心構えとかを叩き込んであげるわって張り切ってたけど・・・」
「相変わらずだなオイ」
「貴方とそっくりだった」
「ゲ、ちょっとそりゃ聞き捨てならねえな。一体俺の何処がアイツに似てるってんだ?」
「・・・手が早い」
「ああ、確かにそうだよ」
「武士にまで納得された!?」
「だ、だからいい加減にしなさいよアンタはぁ〜〜〜〜〜!!」

「・・・・・・と、とりあえず、1人は居場所が分かったみたいです」
「「そ、そうかの(ですか)・・・」」

どうも遅かれ早かれ話のどこかでドタバタが混じるのが最近の彼らの定番らしい。



結局話は頭に血の上ったルイズと隼人のせいで有耶無耶になったが、一応涼達がARMSの力を振りかざして学院の人間に危害を加えない限り、
オスマンも涼達の人探しに協力すると約束してくれた。
それに宝物庫の襲撃の件で少なからず感謝していたらしい。後日それなりの謝礼も出してくれるそうだ。
最低限ルイズ達の世話になっているから衣食住は保障されているとはいえ、やはり世界が変わっても金は天下の回り物なのは同様。
貰うのは武士だが、これは非常用の資金という事で3人で共有する方向で使い道は決定している。

その日の夜に行われたのはフリッグの舞踏会。
吹き抜け構造のアルヴィーズの食堂の2階部分にある大きなホールでは着飾った生徒達がパートナーと共にステップを踏み、
相手が居ない者や休憩中の者は日頃よりも一層豪華な食事に舌鼓を打っている。

今日の主役はタバサとその使い魔である武士だった。
学院を襲撃したフーケのゴーレムを倒したのは武士らしい、と既に学院中にその話は伝わっていた。どっから聞きつけたのやら。
ちなみに当人達は踊る事無く壁の花に徹している。お互いあまり目立つのは好みじゃないらしい。
時折、武士が空になったタバサの小皿を持って料理の補充をしに行き来していた。

タバサがパクついていたハシバミ草のサラダが皿から全て消えた。
武士がタバサの口元に付いたドレッシングに気付いて拭い取った。
頭を優しく撫でながら、目線をタバサの高さに合わせてにっこり微笑する。
タバサの頬が軽く手に染まった。しかし嫌がっている様子は無い。
兄属性と妹属性を持つ者同士、相性は抜群のようだ。

―――――――つーか、和む。

313サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:20:35 ID:sGfj9Gx6
そのタバサのただ1人の親友と言えるキュルケは、露出の多いパーティドレスに身を包んで思春期の野郎ども・・・
げふんげふん、取り巻きの男子生徒達に囲まれてちやほやされている。
隼人はご馳走を前にここぞとばかり食い溜めしていた。その様子はキャラは違うが、某赤貧マルチドライバー高校生に通じる部分がある。
と、キュルケが取り巻きから抜け出して隼人の腕に抱きついた。
顔を真っ赤にしてキュルケの胸から抜け出る。

隼 人 は 逃 げ 出 し た 
し か し キ ュ ル ケ に 回 り 込 ま れ た 

・・・キュルケ、隼人の天敵確定。
キース・ホワイトを倒した彼も、色気にゃあ敵わなかった。
恵に知れたらどうなる事やら。


涼はバルコニーで双月を見上げながらワインを啜っていた。
ルイズの姿は無い。あの後涼を部屋から追い出して1人、絶賛立て篭もり中だ。
原因はどうも涼がARMSについて隠していた事らしい。力を隠していた事が、ルイズのコンプレックスか何かに触れてしまったようだ。
もしくは受け入れるのを拒否した、と言うべきか。
少なくとも今晩は部屋の中に入れないのは確実だろう。

――カツミ、今回も絶対お前を見つけ出して、一緒に元の世界に帰るからな――

もしかすると彼女も見ているかもしれない、赤と青の月にそう誓う。




「ちょっとー、テファー?こっち来てみてよ」
314サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:22:23 ID:sGfj9Gx6
ある森の中の家の前で、黒髪の少女が夜空を見上げて声を上げた。
夜闇のせいで分かり辛いが、彼女が着ているのは青みがかった黒色の水兵服に似たデザインの衣装である。
人それを、学生服と呼ぶ。

家の中から現れたのは艶やかな金色の髪の少女。
長く突き出た耳はハルケギニア全土で恐れられるある種族の証なのだが、黒髪の少女は一向に気にするそぶりを見せない。
当たり前だ。種族がどうであれテファは彼女の恩人で、とても良い子だから。
一体彼女の何処に、恐れる必要があるというのか?
・・・年頃の少女としては、テファに装備された特大胸部装甲は充分脅威だったりするけれど。

「ほらあれ、今日は月がこんなに綺麗よ」
「うわぁ、本当ですね」

――ねえアリス、異世界の月も結構良いと思わない?――

黒髪の少女は、胸の中でそう問いかける。



そうかもね―――と、小さな少女の声が聞こえた。





=============
NGシーン:完全形態発動後の定番

「う、うう嘘おっしゃい!あんたガーゴイルじゃないのよ!そんな訳無いでしょ!」
「ちょっと待って、今元に戻るから!!」

数mはある翼や身体が瞬く間に縮んでいく。
そして数秒足らずでガーゴイルの居た場所に立っているのは、1人の少年だった。


・・・裸の。


「「「あ」」」


「・・・中々ご立派」


突如始まったストリーキング騒ぎを眼下に、武士の学生服一式を抱えたタバサが宙に浮いたまま静かに親指を立てていた。
つーか、見たのか?
315サーヴァント・ARMS:2008/01/28(月) 11:24:55 ID:sGfj9Gx6
投下完了・・・ギャグ以外で変身後の服ネタやってる作品って結構少ない気が。
内容が中途半端気味で失礼。
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 11:28:18 ID:g8mDi7DT
おつー

・・デルフは完全スルーですかw
まぁ、ARMSにはあんなモンいらんわな
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 11:53:56 ID:XLKJ0Ig+
>流石に魔法で風の障壁を張って軽減していても、腕の中に居たタバサには負担が大きすぎたようだ。

最終形態は飛ぶ衝撃波でビルなぎ倒してたから
本気で飛んでたらタバサが一瞬でミンチになりそうだ
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:38:15 ID:RjLLU5Yl
>>317
本気なら音速越えは確実だからな。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:42:35 ID:KAEIODlw

アームズはサラリーマンと主婦のおかげで生身のほうが強そうに見えて困る
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:46:27 ID:oaR8i2kr
ホアンもね
超能力すげぇ
321名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/28(月) 12:58:30 ID:hy+2RbFU
>> 319,320
激しく同意。まさにサラリーマンも主婦もあそこまで行くと超能力者ですし、
7万の軍勢に反物質砲が炸裂するのが見たい……。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:17:00 ID:mXyakHxk
ただの虐殺じゃん
半分くらいは操られてるだけの味方だし
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:20:40 ID:9AzH+nvn
個人的にはARMS連中が圧倒的戦力を持て余しつつ、
どこまで不殺を貫けるか、という展開を期待してるけどね。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:29:16 ID:rlCjF/lI
大きすぎる力を持った善良な存在の苦悩って奴だわね。
原作の方で既にそれにより撃ち鍛えられる過程を経ているので、結論を抱いた状態でどう行動するかを期待。
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:34:33 ID:z5kDNF0f
>>304

アイアンリーガーも島本和彦キャラ原案
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:51:34 ID:fl3t/jV6
>>325
なんか島本和彦が関わるとノリが熱くなるのがデフォになってるような……
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:55:45 ID:g8mDi7DT
ところで、ARMSが召喚っていうことは、聖地からわき出す兵器はなんだ?

やっぱり、ハンプティ・ダンプティが・・・
328名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:57:44 ID:LN/4H3/u
隕石がごろごろあるとか
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:59:35 ID:4wHKEWFd
島本といえばライブアライブを思い出す
まあ中世編の方が好きだが
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 14:05:36 ID:z5kDNF0f
>>327

モデュレイテッド達かも
「今度こそ・・・・今度こそ僕達は君達を・・・・超えてみせる!」
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 14:15:46 ID:g8mDi7DT
いずれにせよ、エルフは全滅。でなきゃ聖地完全封鎖
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 14:17:25 ID:oaR8i2kr
アリスの部屋で武士が選ばなかった超絶武器の数々とか。
ワルドが偏在にそれぞれ持たせて、それぞれが涼たちと一対一で戦っていく……とか。
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 14:25:52 ID:YQ6X4eY0
>>332
そのブツの詳細が判らない以上、止めた方がいいと思う
つーか、そもそもあれは武士の精神世界での出来事で、ずらりとあった武器の数々は
要するに武士が選ぶ白兎の進化の形態を判りやすく形にした物じゃないか?
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 14:29:28 ID:Hd9DSJFj
>>319
そのサラリーマンも到底敵わないという全盛期のジジイとかどんだけ強いんだw
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 14:32:52 ID:fl3t/jV6
もし隼人のじーさん召喚されたらオスマンとはウマが会いそうに無いような。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 15:26:23 ID:OaJ/rYyv
つーか、このままだと、ヴァイオレットが地球側から隼人達を捜索に来るよな

時空を切り裂くARMSの力なら、ハルケギニアに自力で来れる
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 15:29:13 ID:iqi+0YFn
不屈闘志なり炎尾燃なりを呼べばルイズのコンプレックスも解消されそうだな
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 15:42:10 ID:SfLWHSv8
>>336
スミレの姉さんは別に時空は切り裂いてないぞw
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 15:45:46 ID:oaR8i2kr
>>337
7万の兵と相対して
デ「相棒なら、形の上での勝利以外の何かをもたらすことが出来るだろうよ」
不屈「何を言ってるんだデルフ!7万対2、たかが6万9998人差、形の上だって勝ってみせる!」

こうですか、解りません!
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 15:49:58 ID:WMW83enU
>>337
オスマン「退学だ!」
不屈闘志「校長!ここに「土くれのフーケを学園の生徒が捕らえる」と言う号外を飾りたくありませんか!」

341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 15:58:31 ID:WVrvE0vl
>>337
サカキバラ先生を召喚して

ルイズ「ワルドさまが裏切り者だなんて…どうすればいいの…」
サカキバラ「ルイズゥー!!先人の偉大な言葉を教えてやる!!

『そ れ は そ れ !
 こ れ は こ れ !!」


ルイズ「そ、そうか!」
そんな展開で
342ワラジムシ:2008/01/28(月) 16:24:40 ID:de/eRaJb
予約が無いようでしたら、30分ごろから第三話を投下したいと思います。
翌日朝〜昼までの予定です。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:29:12 ID:OaJ/rYyv
レポートを急いで書かねばならないこの時に、逃避力が私に妄想を送り込む

 AIRのラストから、カラス状態の国崎召喚
 しゃべるカラスとして、ルイズの使い魔として穏やかな生涯を送ろうとするが、やはり
歴史のうねりがゆるさなかった。トリステインをアルビオン艦隊が侵略する
 デルフリンガーに触れ、膨れあがり人型を取る霊気。発動する法力が大地を揺るがす。
黒い翼の翼人と化した国崎が、デルフリンガー片手にアルビオン艦隊とガチンコ勝負!


 ・・・んなアホなこといってないで、さっさとレポートを書き上げよう
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:30:00 ID:OaJ/rYyv
支援ですよー
345ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:36:02 ID:de/eRaJb
投下する前に補足を。
前回の投下の際、代理投下で本スレに投下された物が最後の部分が途切れていました。
本スレでしか見ていない方は、代理投下スレか保管庫で確認をお願いします。

第3話 華【はな】

――早朝
トリステインの空は清々しく晴れ渡っている。
だが、この部屋の主はそんな清々しさとは無縁のようだ。

「……倒せない…あの竜巻…風に…竜巻相手じゃ……」


「E缶だけは!」

謎の言葉を叫んで飛び起きたルイズ。その表情を見る限り、悪夢にうなされていたであろう事は想像に難くない。

「あれ? 私……確かはっぱ隊に盾を貰いに行って……?」

夢と現の境目をさまよっていたルイズだったが、ふと我に返ると顔に焦りの表情を浮かべて辺りを伺った。

「……いない? よかった、全部夢だったのね。
あはは、ですよねー。召喚なんて私にできる訳……」

何故か自嘲気味になりながら、安堵のあまりベッドに倒れ込むルイズ。
できる事ならこのまま二度寝してしまいたいと思いながらも、窓に差し込む光の加減でそんな時間的余裕は無いと判断する。
冷静な判断を下せる辺り、結構眠気は飛んでいるようだ。悪夢で飛び起きたのだから当然かもしれないが。
結局ルイズは朝の支度のため、不承不承ながら瞼をこじ開け――

きっかり3秒後、先程を上回る勢いでベッドから跳ね起きた。
346ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:38:21 ID:de/eRaJb
「ゆ、夢。そうよ、これも夢なのよ。あはは、私ったら、早く目を覚まさないと、あは、あはh(ドスン)
……痛い。さ、最近の夢はリアルね。痛みまで感じるなんて……」

激しく取り乱している上に現実逃避も入っているが、目の前の光景を考えるとそれも仕方ない。
ルイズが目にしたのは、己の使い魔の寝姿。別に目つきが怖かったり歯茎がキモかったりしたわけではない。
普通の顔、普通の姿、普通の寝相である。ただ一点、天井を背に逆さに眠っている事を除けば。

目を覚ましたら、自分と向かい合うように人が寝ていたなどということは、めったにある事ではない。ルイズが驚くのも当然だろうか。
いくら現実逃避を図っても、この非常識な光景を目にしては、昨日の出来事を現実と認めざるを得ないだろう。
召喚の儀式で胡散臭い輩を召喚したことも、そいつがふざけた宣言をしたことも全て実際に起こったことだ。
そして、そいつが使った数々の奇怪な能力も……。
あれ? そんな凄い能力を持ってるなら、使い魔として従えて皆に力を見せ付ければ評価うなぎのぼりじゃね?
実際にそう考えたかは定かではないが、ルイズはルイズなりに現実と向き合って、こちらの世界へ帰ってきたようだ。

「あいつ、私のことナメてるんじゃないの? 使い魔としての自覚が無さすぎよ!
昨日ちゃんと朝起こすように言っといたのに。それに洗濯もやっとけって……言った、はず。…よね? 何故かしら。昨夜のことを思い出そうとすると頭が……。
と、ともかくあいつ、この時間になっても眠ってるなんて。たまたま私が早く起きたから良いようなものの、これじゃ時間までに私を起こせたか怪しいものだわ。一体どうするつもりだったのよ!」

口の中で呟いているだけだったのが、最後には吼えるようにネウロへの不満をぶちまけるルイズ。
すると、その声で目覚めたのか、はたまた最初から起きていて全ての話を聞いたのか、ネウロの背が天井から離れた。

――そしてそのまま体ごと天井から離れ、先ほどまでルイズの寝ていたベッドの上に落ちてきた。ご丁寧にも、首に直撃するような位置に肘を構えて。

「おや、起きていたのか。せっかく我輩が優し〜く起こしてやろうと思っていたのに。――チッ」
「あ、あんた今舌打ちしたでしょ!? 絶対してた! あれのどこが優しいのよ、ボディープレス…いえ、ショルダータックルなんて明らかにわざとじゃない! 大体あんた――」
「そろそろ支度をしなくてもいいのか?」
「ぐっ。た、確かにそうね。あんた、着替えを……」
「ほう。手伝ってほしいか。よし、まずは靴をなm「何でもない」…なんだ、つまらん」

347ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:41:03 ID:de/eRaJb
「……あんた、昨日の夜に色々と凄い事をやってたわね。どうやったのか教えなさい」
「魔界777ツ能力〈どうぐ〉のことか。あれは、我輩の食事――謎解き――を円滑に進めるための道具だ。探偵としての必携品だな」
「へえ……(聞きたかった事と微妙に違う。それに、探偵?)ところで今食事って言ってたわね。昨日も謎を食べるとか言ってた気がするけど、そんな亜人なんて聞いたことないわ。あんた、どこから来たの?」
「貴様も気付いたか。そうだ。我輩はこの世界の住人ではない」
「なっ! それって……」

「我輩は魔界から良質の謎を求めて地上へとやってきた。だが、地上に出た途端、貴様の放った魔法とやらに巻き込まれてこの世界へ連れてこられた。
この世界には、テレビや列車、インターネットといった物は存在しないな? 我輩が行こうとしていた所にはそういう概念が存在して、魔界にもその情報は流れ込んできた。どうやらかなり遠い所に連れてこられたようだな」
「そんな……。じゃあ、あんたが元々いた魔界ってとこはどうなの? まさか、東方から来たんじゃ……」
「それも違うな。ここの空を見てすぐに別の世界だと気付いた」
「空? もしかして、月が1個しかないとか、逆に4個もあるとか、そんなの?」
「いや、ここでは太陽がサボらずきちんと動いていた。あんな風に誰に言われるでもなく動いているのは、魔界ではまず見られない光景だからな」
「何よそのでたらめな世界は……。それにしても、ここに来たのが初めてというわりに、随分この世界に詳しいんじゃないの?」
「夜の内に、この世界の知識は一通り頭に入れた。魔界生物の我輩に、睡眠はほとんど必要ないのでな」
「え? ど、どうやってそんなことを?」
「ここの図書館の蔵書を全て読破した。この世界の文字は我輩の知るものとは異なっていたが、なに、大した問題ではない」
「嘘……あんたそんなに凄いの!?」
「当然だ。魔界の謎を食い尽くした我輩にとって、そのような事など苦にならん」

(あいつ、凄いマジックアイテムを持ってるんじゃないかと思ってたけど、そこまで凄い奴だとは思わなかったわ。最初見たときはただの平民かと思ってがっかりしたけど、これはとんでもない大当たりだったようね)

ネウロと話していく内に、己の使い魔の廃スペックさに気分が高揚していくルイズ。
召喚した使い魔はメイジの力量を測る指標とも見られているだけに、今までゼロと呼ばれ侮られていた身にとっては嬉しいこと極まりないのだろう。

(それだけ凄い能力を持っているのなら、多少の我が儘には付き合ってあげなきゃ駄目ね。寛大な心で接してあげようじゃないの)

決意を新たに部屋を去るルイズ。しかし扉を開けたところで、向かいの部屋からも人が現れたのを目にした。

昨日の召喚を終えた後で絡んできたキュルケ(絡んだのはネウロにであって、ルイズはむしろ自分から絡んで行ったのだが)だ。
気が大きくなって落ち着いたルイズだから分かるが、キュルケは自分の使い魔を自慢したくてしょうがないようだ。あまりにタイミング良く部屋を出たことからも、それは察することができる。
ここらで一発出鼻を挫いてやるのも良いかもしれない。キュルケの使い魔自慢を聞き流しながら、ルイズはそのように考えていた。
そして、キュルケの話が途切れるのを待ってこう切り出した。

「確かにあなたの使い魔も凄いけど、私の使い魔は輪をかけてすごいわよ。見てなさい。今に驚きで口をあんぐりあけるんだからね」

そう宣言して、閉まった扉を再び開ける。だが、そこにネウロはおらず、机の上に何かが載っているばかり。

「確かにスタイルはAAランク+ってとこだけど、あの人そんなに凄いの? 私には唯の平民にしか見えなかったけど。あら、その紙は何……」

“我輩はこの学院の周りの探索に出かける。
 代わりに貴様の仲間を置いておいた。
 これと仲良くやっていろ
                    ネウロ”

そう書かれた紙を持って震えるルイズ。その脇には――

「あ、あたしが、俎板の仲間ですって!? …あの馬鹿犬、ギッタギタにして殺してやるぅぅぅっ!」
「えー、ル、ルイズ?いきなりどうしt…ちょっ、ルイズ!? 何いきなり杖を抜いて……タッ、タバサ! いないの? 誰か、誰でも良いからこの子を――」

その後、この場では何とか取り押さえられたものの、ルイズは教室でも一騒動起こし、罰として教室の清掃を命じられた。
348ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:43:46 ID:de/eRaJb
昼休み。未だにルイズの機嫌は直っていない。普通これだけ時間がたてば、ちょっとは落ち着いてくるものだが、彼女の場合は教室での騒ぎで怒りゲージが最大まで復活したため未だ消費しきっていない。
よりにもよって、ルイズの二つ名である“ゼロ”を茶化すのに、彼女のモンゴル平原を引き合いに出してしまったのだ。

「あの○米今度会ったら〆る」

物騒なことを呟きながら、食事の席を立ったルイズ。その場を去る前に、隣の席に目をやる。そこにはいないあの男の事も、ルイズの苛立ちを高める一因となっている。
昨日の内に頼んでいたネウロのための食事だが、彼の特殊な食性も相まって、当人がこの席に着くことはなかった。
一時は気を持ち直し、普通の食事を取らせることも考えたのだが、いくらここアルヴィーズの食堂が食の千年帝国と呼ばれていようとも、謎を食事として出すのは不可能であった。
結果、朝食は手付かずのまま残り、昼食のホワイトシチューは用意されなかったものの、席はそのまま残ることとなった。

怒気を発しながら食堂を退出しようとしたルイズだったが、途中男子生徒の固まっている辺りで液体の入った小瓶を拾った、もとい蹴飛ばした。
小瓶は茶色のマントを羽織った生徒の足元へと転がり、それを拾った少女がルイズの元へ渡しに来た。

「あ、ありがとう。でもこれ私のじゃないわ」
「あら、そうなんですか?」
「ええ。そこに落ちてたから、多分あの男子の中の誰かのね。ちょっと!」
そう声をかけて、振り向いた男子達に拾った小瓶を見せる。
「これ、ここに落ちてたんだけど、誰のなの?」

ルイズの言葉に反応して、幾人かの男子がもっとよく見ようと身体を近づけた。隣の者と言葉を掛けあう男子もいる中、ルイズはある男子の様子が気にかかった。
その男子は小瓶をしばらく見つめると、弾かれたように正面を向いて我関せずの態度を取っている。だが、その手は服の上から何かを探すように、忙しなく動いている。
何か心当たりがあるのかと尋ねてみたかったが、それより先に、小瓶を鼻に近づけた一人の男子が解答を発した。

「これ、モンモランシーの香水じゃないのか?」

その言葉を聞いた瞬間、彼女は全てを察したかのような表情になり、ある男子に視線を定めた。

「ちょっと、ギーシュ。あんたもしかして……」
「だよな、ギーシュ?」

ルイズの言葉に被せるように、解答の続きが語られる。ギーシュと呼ばれた少年は、目に見えてうろたえ始めた。

「な、何の話だい? 何故いきなり僕の名前が……」
「だって、お前モンモランシーと幼馴染なんだろ? だったら、これがモンモランシーの作った物なのか分かるんじゃないか?」
「へ。あ、ああ。そういうことか。あはははは。そうかそうか。
えー、それで、これか……。あー。多分違うな。うん。いや、絶対に違う。誰か別の人のだな」

そう断言するギーシュ。何かもう 必 死 だ な としか言えない。

「見ただけで分かるのか? ちゃんと匂いも確認しろよ」
「う。そ、そそそそうだな。あー、うん。これは違うな。とりあえず、この香水は預かっておこう。安心したまえ。このギーシュが責任をもって持ち主の元へ返しておこう」

ヒョイ

「あれ?」

ヒョイ ヒョイ

「……えー、ミス? それは僕が返して――」
「もう、持ち主の元に返ったのでは?」
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:43:49 ID:9AzH+nvn
しえん
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:45:43 ID:OaJ/rYyv
しーえん
351ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:45:52 ID:de/eRaJb
「そ、それはどういう意味かな?」
「言葉通りの意味ですわ? ギーシュ“さま”」

そう言って、ギーシュの手から小瓶をかわし続けるのは、それを拾いルイズの元へ持ってきた少女。顔には微笑を浮かべている。

「これ、ギーシュ“さま”のですよね?」
「な、何のことだい? 僕はそんなもの知らないよ。ミス――」
「あら、随分と他人行儀ですわ。いつものようにケティと呼んで下されば良いのに」

微笑を浮かべたまま、ギーシュとの会話を続けるケティ。この中の誰が気付いていただろうか。
最初にギーシュ達に小瓶を見せて以来、彼女がずっとその微笑を崩さなかったことに。彼女の目がずっと笑っていなかったことに。
ケティの発言を受けて、周りの男子は一斉に騒ぎ出す。しかし、当人であるギーシュとケティは周囲の騒ぎには一切関心を向けず、ただ双方を見詰め合っている。

「それで、この香水、ギーシュ“さま”のですよね」
「え。い、いや、そ、そんなことは」
「ありますよね。ギーシュ“さま”のですね。幼馴染の方から貰ったのかしら? うらやましいですわ。そんな幼馴染がいて。さぞかし良い“ともだち”なんでしょうね」
「あ、あはは」
「あはははははっ」

「絶交、しちゃいましょうか?」

もはや、周囲の者は揃って口を噤んでいる。二人の対決の行方を、そしてそこから予想される結末を、固唾を呑んで見守っている。この戦い、どちらに分があるかは誰の目にも一目瞭然だ。

「ま、まってくれ。モンモランシーとはそんな関係じゃなくて、ただの友人――」
「やっぱり。この香水、ギーシュ“さま”が貰った物だったんですね?」
「あ」
(あぁ〜)
(やっちゃったか)
(これは決まったな)
「言ってましたよね? 僕という薔薇を独り占めできるのは君だけだよ。って」
「いや、あの、これはその……」
「ギーシュ様?



さよなら」

次の瞬間、薔薇は紅葉になった。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:47:32 ID:9AzH+nvn
紫煙
353ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:48:31 ID:de/eRaJb
決着が着いた後も、誰一人としてうなだれるギーシュに声をかける者はいない。いっそ胸が空くほどの、凄まじい敗北っぷりだった。
そんな中、一人の生徒がギーシュの許へ歩み寄る。傍から見れば慰めようとしているようにも取れるだろう。だが、事情を知る者からはギーシュオワタという言葉が漏れ出る。

「ギーシュ?」
「ほっといてくれ。僕は今……モ、モンモランシー!?」
「どうしたのかしら。その手形は」
「あ、こ、これはだね……」
「そんな関係じゃない? ただの友人? へえ。どういうことかしらねぇ」
「モンモランシー、聞いていたのか! いや、違うんだ。あれは言葉の綾で……」
「あら、何をそんなに慌てているの? 私と貴方は“そんな関係じゃない”んでしょ? “ただの友人”なのよね? だったら慌てる必要なんて無いじゃない」
「モ、モンモランシー。どうか落ち着いて。話せばわかる――」
「落ち着く?私はいたって冷静よ。貴方のほうこそあせっているように見えるわよ?」

そう語るモンモランシーの手には、いつの間に掴んだのか、ワインボトルが握られている。
冷静といいつつも、怒髪点を突いているのは誰の目にも明らかだ。

「ギーシュ、貴方少し落ち着いたほうがいいんじゃないかしら?
少し、頭冷やしましょうか」

その言葉が終わるや否や、モンモランシーはワインボトルをギーシュの脳天に振り下ろした。
ボトルは粉々に崩れ、ギーシュはその場に片膝を付いた。その眼が軽くイっちゃってるのは気のせいではないだろう。
モンモランシーは、ケティと同じく一度も振り返らずにその場を後にした。

周囲の者が慌てて駆け寄るが、ギーシュからの反応は無い。これは相当ヤバい状態ではないだろうか。
と、ギーシュが突然立ち上がり、ルイズの方を向いた。

「ルイズ、何ということをしてくれたんだ!」
「あ、貴方が二股なんか掛けるから悪いんじゃない……」
「何を言う! 僕は薔薇だ! だから女性は皆薔薇の周りを舞う蝶だ!
薔薇は蝶や蜜蜂を介して後の世代へと種を残す! そして集まった蝶の数が多ければ多いほど、その確率は高いものとなる!
故に美しい薔薇は数多くの蝶を集め、種を残す確率を高める! これは自然の摂理なのだ!
その事が判らない者が、気安くそのような事を言わないで貰いたい! 薔薇は、薔薇は気高く咲くのだぁぁぁっ!」

辺りはシンと静まった。誰も「そのまま美しく散れよ」などとは声をかけない。今のギーシュは赤ワインと周りに湧き出る小さな薔薇で姿まで薔薇の化身と化している。
そんな中、ルイズは気圧されながらも言葉を返した。

「そんなの、振られた側の勝手な理屈じゃない。蝶だって、一つの薔薇に沢山の蝶が群がってたら、他の薔薇へ行ってしまうわ。
蝶のことを考えない薔薇に未来は無いのよ!」
「薔薇を、なめるなぁっ! 決闘だ!」
「え!? 私はただ、一女性として聞き逃せない発言を――」
「問答無用! ヴェストリの広場で待つ!」
354ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:51:46 ID:de/eRaJb
「……行っちゃった」
「あいつ、何考えてるんだ?」
「言ってる事はともかく、あの気迫は凄まじかったな」
「それに、あの姿も凄かったな。おれ、思わずギーシュの背後に薔薇が見えちまったぜ」
「あれ? 俺だけじゃなかったのか?」
「僕もだ」
「……ボクにはギーシュの頭から何かが噴き出しているように見えたけど」
「え?」
「……これ、ワインだけじゃなくて他の味がするんだが」
「たしか、殴った時にボトル砕け散ってたよな」
「あいつの様子も普段とはかなり違ってたよな」
「……」

次の瞬間、彼らは示し合わせたかのように、ギーシュの後を追う者、水メイジを探す者の二手に分かれた。

「おや、ミス・ロングビル。随分長い中座でしたね。それに、その杖はどうされたのですか?」
「ある生徒が恋愛関係をこじらせたようで、ちょっとそれに見入ってましたの」
「ほう。そういった事をするのも構いませんが、やはり生徒は学業にも力を入れてもらわないと」
「あら、恋愛は若い内が華ですよ? まあ、あのボトルはやりすぎでしたけど」
「経験者は語るという奴ですか?」
「ええ。あれは当たり所が悪ければ……」
「? よくは分かりませんが、それで魔法を使って手助けを?」
「ええ、まあ……(多分あれなら致命傷にはならないはず。多少頭がふらつく程度でしょう)。それにしても、若いって羨ましいですね」
「ミス・ロングビルも、その、十分お若いですよ」
「あら、お世辞がお上手ですね」
「いや、そんな……あはははは」
「おほほほほ」
「……はぁ」
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:55:21 ID:516yzUV5
>アルヴィーズの食堂が食の千年帝国と呼ばれていようとも

マルトーさんがあのシェフになっとる!?w
支援
356ドSな使い魔:2008/01/28(月) 16:59:02 ID:de/eRaJb
以上で投下終了です。ついでに、どうでもいい補足を。

ギーシュの豹変については、彼は最初からやればできる子だと思っていました。
豹変第一号は彼に決めてました。

ワインボトルの件は、たしかこれで人を殴り殺したという事件を聞いたことがありましたので、魔法で補正を行いました。
多分、ブラックジャックで殴った程度に軽減されるんじゃないかと思います。

食の千年帝国云々に関しては、魔法学院自体が長い歴史を持っているとのことなので、食堂自体もその位の歴史を持っていてもおかしくないのではという思い付きから出したものです。
けっして至高にして究極な料理を出すというわけでは……D・C・DCSDCSDCSゴシカァン! 御免なさい。おまけ、あるんです。
見たいですか?

もしそうなら、もう一レス消費したいと思います。
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:59:19 ID:9AzH+nvn
まだ読んでないけど、
まさかドーピン(ry 

支援
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 17:02:09 ID:OaJ/rYyv
かもーん

あの絵柄のルイズが見える
謎の豹変をするワルドも見える
359ドSな使い魔:2008/01/28(月) 17:12:05 ID:de/eRaJb
では行きます。

NGシーン Take 3

ある日、学院内で殺人事件が発生した。
被害者はこの学院の生徒、ギーシュ・ド・グラモン。
何者かに物凄い力で側頭部を殴られて殺害された。
容疑者となったのは4名。
殺害直前に恋愛関係のトラブルがあった二年生のモンモランシー・ド・モンモランシと一年生のケティ・ド・ロッタ
トラブルの元となった香水を拾い、モンモランシー・ケティ両名に渡した事を責められたメイドのシエスタとある使い魔である。
当初犯人と目されていたのは、ギーシュの人間離れした殺され方から、魔法を使える2名だった。
だが、容疑者の一人の推理により、意外な真相が発覚した。
なんと、容疑者とは思われていなかった、コック長のマルトーが犯人であったのだ。
犯行の動機はギーシュの手元に渡った香水のビン。
実は、マルトーは水の秘薬を用いて危険な料理を作っていたのだ。
だが、その秘薬が入ったビンが何かの手違いでギーシュの手に渡り、マルトーはその事実を隠すために、ギーシュを殺害したのだった。
犯行を告白した後、マルトーはその料理を体内に取り込み、人間離れした怪力で逃走を図った。
幸い、薬の効果が不完全だったのか、マルトーはすぐにその場で取り押さえられ、事なきを得た。
なお、その際に発した音が特徴的だったため、この事件を語るときにはそのゴシカァンという擬音が必ず引き合いに出されたという……

もちろん没ネタです。
没にした理由は、ギーシュが死ぬから、ではなく、先に本スレで誰かが言ってたからです。



それにしても、どうしてこんな下らないネタを書くときのほうが執筆速度が速いのでしょうか。
最後に、支援していただいた方、本当にありがとうございました。今回初めて問題なく投下できて、やっとワラジムシレベルに到達した思いです。
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 19:29:29 ID:qOkjJhxZ
>>359
馬鹿野朗wwwマルトーの声が大塚ボイスに脳内変換されるようになっちまったじゃねーかwww
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 19:37:24 ID:X/nySwoq
はて、書き込めない?
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 19:59:55 ID:t6H83Fwm
どれどれ・・・
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:00:26 ID:t6H83Fwm
大丈夫のようだな
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:00:43 ID:ljRxQo/y
ts
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:01:43 ID:z5kDNF0f
磁界王マグニートー召喚とか

「踏みにじられる苦しさ」を知ってるからルイズに味方してくれると思うんだ
一人の少女を救うためゾンビ化したヒーロー軍団に単身立ち向かったりしたし
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:05:59 ID:OXJy4yxL
>>「踏みにじられる苦しさ」

そうきたらこの人だろ、「和久平八郎」
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:09:13 ID:fl3t/jV6
>>365
まあゾンビの奴だと死んじゃったけどね。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:18:17 ID:7SVADl/F
犬夜叉なら使い魔としてはあたり
けっこうサンデー作品多いな
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:23:29 ID:awaTfhd1
>>343
葉鍵系少ないなあ、
AIRの国崎が翼人がフツーにいる世界にきたらどう思うかね?

ラストで自殺した刹那の川澄舞召喚
ゼロと馬鹿にされるルイズ。爆破魔法で世界を滅ぼす妄想に夢中の危ない少女。学院の屋上でタバサ似の少女召喚。○ぐあって電波使いに。>ルイズちゃん。電波届いた?
次姉カトレアの謎の死を追うため教皇庁潜入のルイズ。軟禁された部屋で謎の少年召喚。○ぐあって不可視の能力使いに。
実は宇宙人の子孫だったシエスタ。ルイズが召喚した薄い胸のおねーさんに包丁持って追いかけられる。>シエスタさん、あなたを殺します。

とかそんなのも…
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:34:50 ID:vS688ouI
>>369
個人的な意見としては、葉鍵系は何というか独特で読む気にならん。
もう古典になりつつあるから、書く人減ってるのでは?
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:41:57 ID:lRFSLSv8
古典って事はないでしょ。TH2もリトバもクラナドも葉鍵だ。
鍵はともかく葉は、うたわれから二作品ほど召喚されてるから、少ないって程でも無いし。
372異世界BASARA:2008/01/28(月) 20:52:09 ID:FpuuZSDo
誰も予約ないですか?
9時あたりに投下しようと思うのですが。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:54:38 ID:X/nySwoq
古典といえば古典だな。では、古典中の古典から

 マルチ召喚!バッテリーとメンテはコッパゲで解決。その健気さはルイズの頑なな心を溶かしていく

 藤田浩之召喚!熱いハートとクールな頭脳を秘めた退屈男、魔法学院に爽やかな風を吹かせる
サイトと違って常識人だから決闘とかはしないけど
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:55:18 ID:X/nySwoq
待ってましたー支援ですよー
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 20:58:55 ID:kF3jfPSF
>>370
ONEの人の浩平召喚は続きを熱望してる
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 21:01:15 ID:lJEYTZxt
ホンダム支援
377異世界BASARA 1/5:2008/01/28(月) 21:02:51 ID:FpuuZSDo
では、アンアンがルイズの部屋にきた後の続きから…

「ごめんなさいルイズ・フランソワーズ、こんな夜更けに来てしまって……」
ルイズのベッドに腰掛けたアンリエッタはルイズと、未だに簀巻きにされている幸村に言った。
「お気になさらないで下さい。でも……何故1人で学院に?」
アンリエッタはいつもの明るい笑顔でなく、寂しそうに溜め息を吐いて言った。
「……結婚するのよわたくし……」
「……おめでとうござ……」


「けけけ結婚!?結婚とは破廉恥いぃぃぃぃっ!!!」
「あんたはちょっと黙ってなさいっっ!!」


叫ぶ幸村にルイズの拳が炸裂する。
幸村は再びボインボインと転げ回った。
「ハァッ……ハァッ……!……も、申し訳ありません姫様、本当に無礼な使い魔でして……」
「い、いえ、良いのですよ……おかげで、少し緊張が解れました」
アンリエッタは一度深呼吸をすると、ルイズ達に打ち明け始めた。

「実は、あなた達にお願いがあって来たのです」

そしてアンリエッタは今のハルケギニアの政治情勢を話し始めた。
アルビオンの貴族達が反乱を起こし、王室が今にも倒れそうな事。そしてその後はトリステインにも攻めてくるであろう事。

「それで私はゲルマニアの皇帝に嫁ぐ事になったのですが……」
「ゲルマニアですって!あんな野蛮な成り上がりどもの国に!」
抜群なプロポーションを持った天敵の姿が頭に浮かび、ルイズは声を荒げて怒りを露わにする。
「仕方がないのよ、同盟を結ぶ為なのだから」
「姫様……」


「したがって、彼等は私の婚姻を妨げる材料を探しているのです」
378異世界BASARA 2/5:2008/01/28(月) 21:07:08 ID:FpuuZSDo
「まさか……姫様の婚姻を妨げる物が?」
「おお!始祖ブリミルよ!この不幸な姫をお救い下さい!」
アンリエッタは顔を手で覆い、床に崩れ落ちた。
「言って姫様!姫様の婚姻を妨げる物とは一体何なのですか!?」
「……それは、私が以前したためた一通の手紙です……」

アンリエッタが言うにはこうだ。
ある一通の手紙がアルビオン王家のウェールズ皇太子の下にある。
もしそれが反乱勢に渡り、明るみに出たらトリステインは一国で立ち向かわなくてはならなくなってしまうと言うのだ。
アンリエッタの頼みとは、その手紙を取り返して欲しいとの事であった。
「お任せ下さい姫様!この私めがその手紙を取りに行きましょう!」
「でもルイズ!危険だわ!今のアルビオンは貴族と王党派が争いを繰り広げているのよ?そこに赴くなんて!」


「うぅぅおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!」


そこまで話していると、突然幸村が雄叫びを上げる。
さらに、ブチブチと縛っていた紐が切れる音がした。

「ぬおぉぉぉぉ!!どりゃあぁぁぁぁーっっ!!!!」

一際高い声と共に、幸村を拘束していたシーツは破れて簀巻きから解放された。
(こ、こいつ……その気になればいつでも自由になれたんだ……)
ルイズは心の中で密かに思った。

「拙者にお任せあれ!ルイズ殿の御身の為ならば、千の敵をも蹴散らして見せましょうぞ!!」
幸村は拳を強く握り締め、アンリエッタに向かって叫んだ。
「何と勇敢な使い魔なのでしょう。こんな使い魔を持ったあなたが羨ましいわ」
「い、いえそんな……馬鹿でどうしようもない使い魔ですわ」
まだ拳を握り締めている幸村の頭を押さえながら、ルイズは頭を垂れる。
「そんな事ありませんわ、ルイズ・フランソワー……」


と、突然アンリエッタの言葉が途切れた。
379異世界BASARA 3/5:2008/01/28(月) 21:10:14 ID:FpuuZSDo
不思議そうな顔をしているアンリエッタ姫に、ルイズは首を傾げる。
よく見ると、自分の後ろ……部屋の入り口の方を見ている。それに気づいたルイズは振り返った。


大きく開いた穴の端から、青い羽のような何かが揺れている……


ルイズは最初分からなかったがしばらくして思い出した。
あれは確か……あいつの使い魔が頭に被っていた頭巾の飾り……
(ウ、ウジマサ!はみ出てる!頭の飾りがはみ出てしまっているよ!!)
(ひょぉ!?い、いかんわい、ちょっと下がろうかの……)


「何してるんだお前等?」
「「しええぇぇぇぇぇぇ〜〜っっ!!??」」


すると、さらに別の声が聞こえて穴の影から誰かが悲鳴を上げながら現れた。
出てきたのはルイズの思っていた通り、北条氏政とその主人のギーシュだった。
「ん?おおルイズ……と、お前は前に一度見たな。アンリエッタだったか?」
さらにその後ろから現れたのは前田利家であった。
「あんた達……まさか盗み聞きしていたの?今の話を!」
「い、いや姫様の後を追ってきてみれば君の部屋の前に来たから……いやそんな事より!」
ギーシュはバッと立ち上がると、アンリエッタの前で跪いた。
「姫殿下!どうかその困難な任務、このギーシュ・ド・グラモンにも仰せつけ下さい!」

「お、おおそうじゃ!わしも行くぞ!!」

続いて氏政がフラフラと立ち上がって言った。
「わしがお供なら道中も楽しかろう。それに!あの盗っ人のフーケを捕らえたのは何を隠そう、このわしじゃ!!」
「あんたはずっと隠れていただけじゃない!」
ルイズがすかさず氏政にツっ込む。
今来たばかりの利家は、話の内容が解らず頭を掻いていた。
380異世界BASARA 4/5:2008/01/28(月) 21:12:13 ID:FpuuZSDo
「グラモン?あのグラモン元帥の?」
「息子で御座います姫殿下」
「あなたも私の力になってくれるのですか?」
アンリエッタの問いにギーシュは「それはもう!」と大きく一礼する。
「いや……娘よ、わしは?北条を知らんのか?わし、偉いんじゃぞ?」
その横で、氏政が自分を指差しながら寂しそうに呟いた。

その一方、利家は幸村から事の成り行きを説明していた。
「ふむ……文を取り戻すのか……」
「何が書かれているかは見当もつかぬが、ルイズ殿の住まう国の危機なれば拙者も働くでござる!」
幸村は意気揚々と答える。もはや、ここにいる殆どの者がこの任務に疑問を持っていなかった。

だが、利家だけは様子が違っていた。
顎に手を掛けてしばらく考え込むと、アンリエッタに歩み寄って行く。
「アンリエッタ、アルビオンという国に文を取りに行けばよいのだな?」
「はい、ゲルマニアとの同盟の為に、取り戻さなければ……」


「本当に文だけでいいのか?」


利家は真剣な顔で問い詰める。
アンリエッタはその思いを隠しているつもりだったが、利家はちゃんと見抜いていたのだ。
彼女が取り戻して欲しいものが手紙だけではない事を。
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 21:12:17 ID:mXyakHxk
しえ
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 21:14:37 ID:7RbBZcU1
犬千代様はたまに確信をつく支援
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 21:15:43 ID:Oa3jalnu
さすが妻帯者
384異世界BASARA 5/5:2008/01/28(月) 21:16:21 ID:FpuuZSDo
「……………」
「そ、その……私は……」
まるで心を見透かされたかのような言葉に、アンリエッタは利家から目を逸らす。
「……まあよい……よし!それがしも一緒に行……」


「ダメよ!!」


利家が「一緒に行きたい」という言葉を言おうとしたその時。
ルイズが横から勢いよく割って入ってきた。
「あんたが来るって事はキュルケも一緒に来るんでしょ!?あんなゲルマニアの女となんか行きたくないわ!」
「そんなケチな事言うな。お前、キュルケ殿の友達だろ?」
「と、と、友達?わわわ私があのお熱のキュルケと仲が良いと本気でおお思っているのかしら?」

「使い魔さん」
ルイズが顔を真っ赤にして怒っている中、アンリエッタは幸村に何かを手渡した。
見てみると、宝石の埋まった指輪だ。
「これは何でござるか?」
「母君から頂いた『水のルビー』です。ルイズは今……あんな状態ですし、後で渡しておいてくれませんか?」
そうして、利家の首根っこを掴んで揺さぶっているルイズを見た後、アンリエッタはさらに続けた。
「この任務には、トリステインの未来がかかっています。旅の途中で何者かの妨害があるかもしれません……」
アンリエッタは心配そうに俯く。
だが幸村は不安そうな顔も見せず、目の前の王女に言った。


「心配は無用にござる。どのような敵が立ち塞がろうとも、この幸村が蹴散らして見せまする!!」


投下終了です。
次回はフーケと、あの男が少し出てこれるとこまで書けるだろうか……
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:05:59 ID:DimQimCE
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:10:51 ID:9AzH+nvn
戦国BASARAはやった事がないけど、
幸村は暑苦しいぐらいに無駄に熱血だなぁ。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:15:12 ID:fl3t/jV6
よー知らんが、上司の信玄と、
名前呼び合いながら殴り愛するような人間だからなあ。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:23:51 ID:IjcDXjil
>>387
これか。

ttp://www.youtube.com/watch?v=hRsTO0kkO0g

声もカズマさんだし。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:24:30 ID:KlYU3H96
幸村=ドモン、信玄=東方不敗のインスパイアなんだよ

しかもガンダムファイト前の若い頃。無駄に暑苦しいのはそのせいですぜ
390ゼロの少女兵器:2008/01/28(月) 23:23:56 ID:9AzH+nvn
投下予約します。

30分より予定。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:30:30 ID:UOX+H8Jh
以遠
392ゼロの少女兵器5 1:2008/01/28(月) 23:30:42 ID:9AzH+nvn
   『ゼロという名』

「さて、どうしたものかなぁ」

 エグゼリカは道に迷っていた。
 朝早くに起き、主たるルイズを起こす前に洗濯をしてしまおうかと思ったのだが、
 洗濯をする水場がどこにあるのだかを聞いていなかった。
 ルイズを起こして聞くのも手であったが。

「可愛かったなぁ」

 起きている時はクルクルと表情が様変わりしているが、
 寝ている様は、天使のようだ、という表現がぴったりであった。
 ほほをつつくとむずがる仕草は、なんとも凄まじい破壊力であったのだ。
 それを起こすなんてとんでもない。

「なんだか、妹ができたみたい」

 そんな事を言ったら本人は憤慨するだろうけど、と心に思う。
 そんな事を思いながら歩いていると、視界の隅に一人のメイドを認識する。
 肩口まで黒髪を伸ばし、黒い瞳の素朴な可愛らしさをもった少女であった。
 手には洗濯物らしきものを抱えている。

「あの、すいませーん」
「はい、何でしょうか?」
「洗濯場の場所を教えて頂きたいのですが」

 声を掛けられたメイドは振り返り、エグゼリカの姿を見る。
 可愛らしく整った顔、上質そうな白いワンピースを着た少女。
 初めて見る顔であるが、貴族ではないかとメイドは思案する。

「お渡しいただければ、私が洗っておきますが」

 貴族だという結論に達し、そう答えるが。返ってきた答えはメイドの意表を突くものであった。
393ゼロの少女兵器5 2/8:2008/01/28(月) 23:31:39 ID:9AzH+nvn
「そうもいきません。これは私の主たるルイズさんより承った仕事ですから」

 その言葉にメイドはあっけにとられる。
 しかし、その言葉に含まれたルイズという単語と、
 エグゼリカの左手の甲に刻まれたルーンから、ある答へとたどり着く。

「もしかして…、ミス・ヴァリエールの使い魔になったという…」
「知っているの?」
「はい。なんでも、召喚の魔法でよく分からないでっかい何かを呼び出し、
 その中にいた平民の方と使い魔の契約をしてしまったと噂になっています」
「ふふ…、そうなんですか。
 あ、名乗るのを忘れてたね。
 私、ルイズさんの使い魔をやらせていただいている、エグゼリカっていいます」
「これはご丁寧に。
 私はこの学院に貴族の方々をお世話するために、
 ここでご奉公させていただいているシエスタっていいます」

 二人はにこやかな表情で頭を下げあう。

「あ、洗濯場でしたらこっちです。
 私も行くところでしたから」

 シエスタは踵を返して歩き出す。
 その後ろに追従しながらエグゼリカはシエスタに言葉をかける。

「すいませんけど、お願いがあるのですが…」
「はい、何でしょうか?」

 シエスタは笑顔で答えた。
394名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:31:50 ID:UOX+H8Jh
下げ損ねました、すみません。
支援
395ゼロの少女兵器5 3/8:2008/01/28(月) 23:32:19 ID:9AzH+nvn
「何? その格好は…」

 ルイズの起き抜けの第一声はそれであった。

「え? 似合いませんか?」

 エグゼリカはその場でクルリとターンする。
 何故か、その格好はメイド服であったが。

「いや、似合っているとは思うけど、何でそんな恰好なの?」
「今後、ルイズさんの使い魔としてお仕えするわけですが、
 シエスタさんに借りて“らしい”格好をしたのですけど」

 シエスタって誰よ、とルイズは思うが、この学院に奉公しているメイドであろうと結論する。

「まあ、いいわ…
 エグゼリカ、下着と服」
「はい」

 エグゼリカはすぐさま下着と服を用意する。
 ルイズは下着を身に着けると、再び声をかける。

「服」
「はい」

 エグゼリカはすぐさま意を察し、ブラウスを着せていく。
 その最中、胸のあたりを見て。

 勝った、とエグゼリカは心に思う。

「ねえ、何か今、ムカつく事があった気がするんだけど?」
「気のせいですよ」

 エグゼリカはさらりと流して、ルイズの着替えを終える。
396名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:32:21 ID:UOX+H8Jh
支援
397ゼロの少女兵器5 4/8:2008/01/28(月) 23:32:47 ID:9AzH+nvn
 二人が部屋を出ようとすると、隣の部屋のドアも開き、
 中より燃えるような赤い髪の少女が現れた。
 エグゼリカとルイズよりも高い身長、彫りの深い顔、
 メロンでも詰まっているかのように突き出た胸が艶めかしい。
 ブラウスのボタンが胸の谷間をのぞかせるまで開けられ、むせるような色気を放っている。
 二人にとっては、正に対極の存在の権化ともいえる。
 彼女は二人を見ると、にやっと笑った。

「あら、おはよう。ルイズ」

 ルイズは顔をしかめ、嫌そうに挨拶を返す。

「おはよう。キュルケ」
「そこに居るのが、貴方の使い魔?」

 キュルケが馬鹿にした口調でいった。
 しかし、嫌味はあまり感じさせない。

「そう…」

 ルイズが感情を高ぶらせ、言葉を発しようとするが、
 エグゼリカがそれを押しとどめるように前に出る。

「初めまして。私の名前はエグゼリカと申します。
 この度、ルイズさんの使い魔をやらせていただく事になりました
 以後、よろしくお願いします」

 エグゼリカはメイド服の裾を軽く持ち上げ、うやうやしく挨拶をする。
398名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:32:47 ID:UOX+H8Jh
支援
399名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:33:08 ID:UOX+H8Jh
支援
400ゼロの少女兵器5 5/8:2008/01/28(月) 23:33:10 ID:9AzH+nvn
「あら、『ゼロのルイズ』のにしては、できた使い魔じゃないの。
 ならば私も名乗らないと貴族として礼節を欠くわね…。
 私の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。
 二つ名は『微熱のキュルケ』。
 貴方のことは気に入ったから、キュルケと呼んでくれて結構よ」

 キュルケは胸を見せつけるように突き出し名乗りを上げる。

「はい。キュルケさん」

 エグゼリカとキュルケは笑顔で向かい合う。
 しかし、ルイズはその様子が気に入らなかった。

「エグゼリカ。ツェルプストーの人間に礼節なんて必要ないわッ!」

 ルイズは怒りも露わに言い放つ。
 エグゼリカは、挨拶は大事ですし、と困った顔をし。
 キュルケは、挨拶は大事よぉ、と笑顔で言う。

「うううう、うるさいわねッ!
 と、とにかくツェルプストーの人間だけは、
 ツェルプストーの人間だけはダメなんだからッ!」

 ルイズはそういいつつ、歩いていってしまう。

「まったくルイズは…。
 エグゼリカ、貴方も災難ね。あんなのが主だなんて。
 もし嫌になったら、いつでも私のところにいらっしゃいな」
「ふふ…、その必要は無いと思いますよ。
 ああ見えても、使い魔思いの方ですよ。
 では、失礼しますね」

 エグゼリカはルイズを追うように歩きだすが、キュルケが呼び止める。

「ちょっと待って、エグゼリカ。
 …その、なんというか、あの子って余裕の無い子だからさ。
 …貴方が、支えてやってくれない?」

 エグゼリカは振り返り、笑顔で答える。

「はい! そのつもりです」
401ゼロの少女兵器5 6/8:2008/01/28(月) 23:33:39 ID:9AzH+nvn
 アルヴィーズの食堂の前でそれぞれ朝食をとる為に別れた二人であったが、
 今は教室に向かうべく並んで歩いていた。

「…だからツェルプストーの人間とは先祖代々…。
 って、エグゼリカ。聞いてるの?」

 エグゼリカは、さっきからキョロキョロと周りを見回し、落ち着かない様子であった。

「あ、はい、すいません、ルイズさん。
 私、学校とかに通ったことなんてなくて、つい緊張してしまいまして…」

 ルイズは軽く嘆息し、平民ならしかたがないか、と心に思う。

「まあ、慣れてない内はいいけど、使い魔である貴方の恥は私の恥でもあるのだから、
 あまりみっともない事はしないでよね」
「はい、わかりました。ルイズさん」

 そんな会話を交わしつつ、教室へと到着した。
 教室内に入ったエグゼリカとルイズを待っていたのは、
 奇異なるものを見る視線と、押し殺したような嘲笑であった。
 ルイズはそれらを無視しながら席へと向かう。

 うわぁ〜、万国ビックリ不思議動物園だなぁ…。

 エグゼリカは教室の後部に視線を向けつつそう思う。
 中に浮かぶ目玉。足が六本の爬虫類。その他大小様々な獣が、争うことなく並んでいる。

「ルイズさん。私はどこに居たらいいでしょう?」
「あ、そうね…、あの中に混じってろってのもあれだから、
 とりあえず、私の隣で後ろの人たちに邪魔にならないように控えてなさい」

 エグゼリカがルイズの隣に並び立とうとしていると、
 教師らしき、ふくよかな中年の女性が教室に入ってくる。
 彼女は教壇に立つと満足そうに微笑みつつ言う。

「皆さん。春の使い魔召喚の儀は、大成功のようですわね。
 このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、
 様々使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」

 シュヴルーズは教室を見回し、ルイズのところで視線を止める。

「おやおや。変わった使い魔を召喚したのですね。ミス・ヴァリエール」

 エグゼリカを見てとぼけた口調で言うと、教室中がどっと笑いに包まれた。
402名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:33:44 ID:UOX+H8Jh
支援
403ゼロの少女兵器5 7:2008/01/28(月) 23:34:16 ID:9AzH+nvn
「ミセス・シュヴルーズッ! 違います。
 ゼロのルイズは召喚できなかったから、
 そこいら辺を歩いていた平民と契約してしまっただけです」

 その誰かが言った言葉に、嘲笑の渦はさらに激化する。
 そんな中でそれらに参加していないのは、
 エグゼリカとルイズ、キュルケとその隣に座って本を黙々と読み続ける、
 青い髪の小柄な少女ぐらいであった。
 ルイズの顔は赤く染まっていき、今にも激昂しそうであった。

「ミセス・シュヴルーズッ!!」

 ルイズが立ち上がろうとした瞬間、教室内の嘲笑を全て吹き飛ばすかのような声が響き渡った。

 静寂が支配した教室内の視線が、一か所に集まる。
 そこにはエグゼリカが居た。

「エグゼリカ?」

 その使い魔の主であるルイズも、きょとんとした顔で見ている。

「ミセス・シュヴルーズ。貴方は教師であり、教え子を導くべく、
 模範とならなければならないはずですよね?」

 エグゼリカはそう言いながら、教壇へと歩を進めていく。
 シュヴルーズは、そ、そうですね、と近づいてくるエグゼリカを見ながら答える。

「しかし、ミセス・シュヴルーズ。
 私の主、ルイズさんが嘲笑されるような状況を作り出したのは貴方です。
 教師たる者、軽率な発言は控えるべきだと思いませんか?」

 シュヴルーズは固まりつつエグゼリカの言葉を聞いた。
 何故だか、この目の前のメイド服を着た使い魔から目を離せない。
 そして、絞り出すように声を出した。

「そ、そうでしたね。
 ミス・ヴァリエール。教師らしからぬ発言をしてしまった事を許してくださいね?」

 それを見てエグゼリカは生徒たちの方へ向き直り。

「授業を中断させてしまい、申し訳ありませんでした」

 軽く頭を下げ、ルイズのもとへと戻っていくのであった。
404名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:34:19 ID:UOX+H8Jh
支援
405名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:35:02 ID:UOX+H8Jh
しえん
406名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:35:18 ID:UOX+H8Jh
支援
407名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/28(月) 23:35:53 ID:UOX+H8Jh
支援
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:40:28 ID:lhLM/ZCa
支援
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:40:27 ID:G84HNoAz
支援
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:42:13 ID:lhLM/ZCa
支援
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:43:56 ID:lhLM/ZCa
支援
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:44:18 ID:t6H83Fwm
支・援
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:46:09 ID:lhLM/ZCa
支援
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:46:43 ID:G84HNoAz
投稿しすぎだとかでいきなり規制になりました

避難所に貼っておきますので、
どなたか代理をお願いします。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:48:27 ID:lhLM/ZCa
支援
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:51:19 ID:lhLM/ZCa
代理支援
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:53:54 ID:lhLM/ZCa
支援
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:56:34 ID:lhLM/ZCa
支援LV9
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:57:24 ID:/ZEZqRP1
支援
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:57:45 ID:lhLM/ZCa
支援
421ゼロの少女兵器5 8/8:2008/01/28(月) 23:58:38 ID:9AzH+nvn
 シュヴルーズの授業はその後、滞り無く進んでいく。
 エグゼリカは学校の授業そのものにも興味はあったし、
 魔法という特異なる特殊技術にも興味があったので、
 熱心に聴講し、ときおりルイズに質問をしていく。

 で、でたらめにも程があるなぁ…。

 エグゼリカは心の中でそうつぶやいた。
 目の前で、『錬金』という魔法で小石が真鍮に変化した時は、
 質量保存の法則に謝れ、と言いたくなった。

「では次は、ミス・ヴァリエール。あなたに『錬金』を実践していただきましょう」

 その瞬間、教室内に動揺が走る。
 キュルケはそれを止めさせようとするが、ルイズは余計にやる気を出してしまう。

「エグゼリカ、悪い事は言わないわ。物陰に隠れなさい」

 キィルケはそう忠告し、机の下に隠れる。
 視界の隅では、青い髪の小柄な少女が、こっそりと教室を抜けていく。

 き、気のせいかな? 敵に戦線を突破された時のような焦りを感じる。
 こんなところで…、何故?

 答えは爆音と共にやってきた。
 ルイズが『錬金』の魔法をかけた小石が爆発を起こしたのであった。
 エグゼリカはすぐさま駆け寄ろうとすると、視線の先でルイズが立ち上がり、淡々とした声で言った。

「ちょっと失敗したみたいね」

 無論、生徒たちが文句の声を上げる。

「ちょっとじゃないだろッ! ゼロのルイズッ!」
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよッ!」

 あはは…、これはさすがに、擁護できないなぁ…。

 エグゼリカはそう思いつつ、自らの主が『ゼロのルイズ』と呼ばれている理由を知った。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:00:33 ID:lhLM/ZCa
エグゼリオ変動重力源召喚
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:01:06 ID:mzDDe2fX
代理乙
作者GJ
しかしシュブルーズ弱いよ
424ゼロの少女兵器:2008/01/29(火) 00:01:13 ID:9AzH+nvn
今回は以上です。
なんか色々とご迷惑を、おかけしています。
支援いただきありがとうございました。


構成力の不足から、未だギー(ry 出ず。
次回こそは…。


あと、まとめをサイトを編集してくださってる方へ。
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou25505.txt
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:03:42 ID:KAEIODlw
乙!
今でも置いてるゲーセンあるかな
>>421
>キィルケはそう忠告し
キュルケ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:06:02 ID:ySPYRuK7
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:17:55 ID:FidqQdjD
乙であります
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:20:55 ID:JnXzBA1z
>>422
バスターマシン7号召喚と申したか
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:59:35 ID:BneyDgcF
小ネタですが今から投下させていただきます。
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:01:26 ID:+DRDVrbE
題名とクロス作品名、召喚キャラクターを述べよ(配点10点)
431Z武さん、使い魔として召喚される:2008/01/29(火) 02:02:15 ID:BneyDgcF
平民であるZ武洋国さん(3Z)が、トリテイン魔法学院の使い魔召喚の儀式で
生徒のルイズ・ド・ラ・ヴァリエール嬢に召喚されるという珍事が起こった。
Z武さんはコントラクト・サーヴァントの際に、ルーンが刻まれる痛みで
コロコロから転げ落ち、手羽先のようなものをバタつかせながら悶えたらしい。
そのあまりにも滑稽な姿は、まわりにいた生徒達から爆笑を誘ったという。
当授業で監督に当たっていたニシベール教師は、
「長い間教師をしてきたがあんな使い魔を見たのは初めて、最初はどこかの亜人かと思った」
と困惑気味だった様子。
学院でメイドとして働いているイニスタさんは、
「学院を無い足で器用に歩く姿は見てて面白カッタワ」とカタる。
だが後にZ武さんは、伝説の虚無の担い手ガンダールヴだということが判明した。

「召喚された時は手も足も出なかったのさ〜でもこれからは神の左手として頑張るのさ〜」
と、Z武さんは左の手羽先のような物にいびつな形で刻まれたルーンを見せ、得意気にカタった。
しかしZ武さんを召喚した当人であるド・ラ・ヴァリエール嬢は、使い魔がカタワだということに不満足な様子だ。
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:10:24 ID:ot9c2oes
死ね、人間の屑
433名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/29(火) 02:14:29 ID:CvB1LtGu
>431
あ〜、常識と言うものを考えましょうね。
実在の、しかもまだご存命の方をネタにするのは一般常識からしてどうかと思いますよ
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:15:04 ID:WPhHXHWN
>>431
あー、御免。はっきり言うわ


消えろ


最早ここまで来ると「これはひどい」とか言う気にもなれん
障害者に対する侮蔑の意思がありありと見て取れる
つーか、それしか感じられん
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:16:13 ID:+DRDVrbE
触れず触らず透明あぼーん

そして、そう、おっぱいの話を始める時間のようだ
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:17:36 ID:n5t4UZyz
世の中にはやって良い事と悪い事があってな。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:20:22 ID:uCsnOutp
おまえそれ障害者に対する差別だぞ。
消えろ屑。
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:30:38 ID:NROqFKTD
分別つかないガキの来る場所じゃねーぞここは
いっぺん死んでこい、屑め
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:31:18 ID:QcqJuTIG
ギャグで済むものとすまない物の区別が付かないのか確信犯でやってるのか…
知らなかったんなら次から気をつけようね
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:40:13 ID:I3XnRn/E
いや、もう次はないだろう
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 03:22:17 ID:SGGqxMHH
こんなの一切触れずにスルーすることを覚えような
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 03:33:11 ID:giUrKzow
>>332
ワルドにはライバルキャラとしてアドバンストARMS辺りを持たせた方が良いのでは?(グリフォン隊隊長だけにグリフォンとかw)
宝物庫に破壊の杖の代わりにARMSのコアがあると設定すれば問題のでは。……まぁ、適正因子の問題は残りますが。
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 03:59:20 ID:CQZbO1it
ダ・サイダーが召喚される妄想でもするかな。
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 04:03:50 ID:lqUJCQgp
実在の人物で、ウォン・フェイフォン召喚。

恐らくルーン無くても、普通にどうにかなるな。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 04:32:13 ID:sEmqJPYi
>>428
「お姉さま〜」とルイズについて行くノノ
(よく似た色の髪で姉妹に見えないことも無いがどう見ても逆!)
と突っ込まれる(アホ毛込みで180センチの長身)

 食堂で皿やらなべを割るノノ
 ヴェルダンデにじゃれ付かれ「止めてください止めてください 止めろ!この馬鹿モグラ!」
でギーシュと決闘
 宝物庫の壁を割るノノ
 フーケ討伐もしくはアルビオン行きでは留守番
ルイズのピンチに覚醒 ワープで登場
タバサ「学園からどうやって…」 ノノ「ワープです!もはやお姉さまとノノの絆に距離は関係ないのです!」

人間以外が相手なら無敵モードだが
バスターマシン形態にはロボット三原則が働いているっぽいから
人間相手にはガンダールブ+デルフ装備な女の子として戦う

秘密兵器とかエルフが涙目になる以外は普通に進行するね。
446閑人A:2008/01/29(火) 05:06:40 ID:H3sQCASI
こんな時間に誰もいないだろうけど、一応投下予約を。
447閑人A:2008/01/29(火) 05:08:52 ID:H3sQCASI
.
「かっ、風見さんっ!! おっ、おれの事はいいから、このクソ女を……うぁぁぁぁ!!」

 ゴーレムが、少し手に力を込めただけで、才人が、その勇ましい発言内容を、あっさり覆す呻き声を上げる。
「余計なこと言うんじゃないよ坊や」
 女は、そう言いながら、ゴーレムの肩から地上のV3を睨みつけた。
 
 V3は己の迂闊さに、ほぞを噛んだ。
 眼前のミス・ロングビルが戦いを挑んで来たのは、あくまで、この自分――V3を、学院に仇なす不審な亜人と判断したからだ、そう思っていた。
 だが……違う!
 仮にも教育機関の構成員たる者が、不審人物を取り押さえる為の戦闘中に、人質を取るような真似をするはずが無い。
 この女は、もとより、ただの秘書などではなかったのだ。
 なぜ気付けなかったのだ!?
 もし、もっと早く気付いていれば、……こんな結果にはならなかったものを!

「それとも試してみるかい? 私のゴーレムが坊やを握り潰すのと、アンタの跳び蹴りと、どっちが早いか?」
「くっ……!!」
 それを試す気は、さすがにV3には無かった。

「このゴーレムの“眼”は、アタシと繋がってるんだ。下手な真似をしたら、すぐ分かるんだからね」
 そう釘をさすと、フーケは、そのまま自分を乗せた巨大な掌を壁の穴につけ、校舎の中に侵入した。
 
 もとよりV3は、壁の向こう側が、魔法学院の宝物庫である事実を知らない。
 なにより『土』系のメイジが錬成したゴーレムが、術者と五感まで共有できるのかどうかなど、知る由も無い。
 逆にフーケは、オスマンの秘書として、風見や才人がこの世ならぬ別世界の人間である、という情報を聞いていたので、安心してハッタリをかます事が出来た。
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 05:11:28 ID:JxxtqqkL
SIREN
449もう一人の『左手』(その9):2008/01/29(火) 05:12:21 ID:H3sQCASI
.
 女が、壁の穴から潜り込んで数分後、何者かの足音が聞こえてきた。
 謎の地響きを調べに来た者。その二人目がようやく現れたのだ。
 しかし、その人物が、V3にとって、事態を好転させる存在であろうはずが無い。
(まずい。)
 V3は反射的に変身を解いたが、しかし現れたのは、生徒や名も知らぬ教師ではなく、コルベールであった。

「かっ、かっ、カザミさん! これは一体どういう事かね!?」
 風見は思わずホッとしたが、当のコルベールは狼狽しきっている。
 まあ、それも当然だろう。身長数十mのゴーレムが、校舎の壁をブチ破って、中に手を突っ込んでいる“絵”を見れば、冷静でいろと言う方が難しい。
「コルベール先生、騒がないでくれ。――木偶人形の左手を見ろ」
「あれは……!!」
 さすがに理性的なコルベールは、人質としてゴーレムに握られている才人を見た瞬間、全ての成り行きを察したようだった。
「今は……様子を見るしかない……だから、騒がないでくれ、先生……!!」

 結果として、二人は、女が1・5mほどの細長い木箱を抱えて、再び壁の穴から出てくるまで、動く事が出来なかったのである。

「あらあら、ミスタ・コルベールじゃありませんか? こんな夜更けにどうなさったんです? 夜更かしは育毛の敵ですわよ」
「ミス・ロングビル……!?」
 フーケは、壁の穴から外を覗き、無粋な見物人が一人増えている事を確認したが、全く動じなかった。目的のものを手に入れた以上、学院長秘書としての顔は、もはや必要ないと見極めたのだろう。
「あら、色男に戻っているじゃないの、昆虫男さん? 確か、カザミシロウ、とか言ったっけ?」

――ぎりっ。

 風見の奥歯が凄まじい歯ぎしりを立てる。
450もう一人の『左手』(その9):2008/01/29(火) 05:13:47 ID:H3sQCASI
.
「ミス・ロングビル!! 一体、何をやっているのかね!? これは全部貴女の仕業なのか!?」
 コルベールが、この一目瞭然の現実を信じられないように叫ぶ。
 フーケは、そんなコルベールに流し目を送ると、
「いいえ、全部だなんてとんでもない。少なくとも、どうやって破ろうかと苦心していた宝物庫の外壁を、いとも簡単に蹴り破ってくれたのは、そこのダンディさんですわ」
「なっ!?」
 コルベールが、驚きの表情で、風見を見る。
「そうそう、宝物庫の扉を開けるより、物理的な力で破った方が早いと教えてくれたのは、貴方でしたわね、ミスタ・コルベール」
 今度は、風見がコルベールをじろりと睨む。
 眼下の二人を嘲弄し終わると、フーケはそれまでのお上品な口調を、がらりと変えた。

「さあ、ご協力感謝するよ昆虫男!! 謝礼の証しとして、この坊やは適当な所で解放してやるよ。もっとも、アンタらが私を追わなかったらの話だけどね!!」
「俺たちが追わなかったとしても、貴様が平賀を殺さない保障がどこにある!?」
 女は、にやりと口を歪めた。
「無いさ、保障なんてね。――ただ、私が嫌いなのは、偉ぶった貴族だけなんでね。行きがかりとは言え、人質の平民を殺すような寝覚めの悪い真似をする気は無いさ……多分ね」

 恐らくは、それも嘘ではなかろう。
 この女は、無用な血は流さない。それを誇りとさえしているようだ。だが、それと同時に、血を流す事をためらう甘さも持ち合わせていないだろう。自分が、少しでも追う素振りを見せたら、躊躇無く才人を殺すはずだ。
 風見は、屈辱の中でそう判断した。
 才人は、失神したのか、もはやピクリとも動かない。

 風見は叫んだ。
「いいだろう、行け! その代わり平賀を殺したら、俺は貴様を絶対に許さんぞ! それだけは覚えておけ!!」
「カッ、カザミさんっ!?」
 コルベールが青い表情で振り返るが、風見の眼差しがコルベールに向けられる事は無かった。
 彼女は、その言葉を聞いてニヤリと笑うと、
「そうかい。じゃあ、見逃してくれる御礼をしなきゃねえ……!!」

 その瞬間だった。
 ゴーレムの巨大な爪先が、風見を襲った。
「ぐふぅぅっ!!」
――完全に不意を突かれた。
 風見は、躱しもならず、数十トンの威力を持つサッカーボールキックを、どてっ腹に喰らい、文字通り虫けらのように吹き飛ばされ、塔の壁に激突した。
「カザミさんっ!!」

「きゃはははははっっ!! ミスタ・コルベール、オスマンのスケベジジイに伝えておくれ!! 『破壊の杖』は、この『土くれ』のフーケ様が、確かに戴きましたってねぇ!!」
451もう一人の『左手』(その9):2008/01/29(火) 05:16:02 ID:H3sQCASI
.

「とりあえず、もう一度確認するが、確かに盗られたのは『破壊の杖』だけなんじゃな?」

 宝物庫にところ狭しと並べられた、数々のマジックアイテム。
 目録を片手に確認作業をしていた数人の教師たちが、オスマンの声を聞いて、顔を上げる。
「――はい、確かに、他に盗られたものは無さそうです」
 オスマンは、コルベールに目をやる。
「ミス――いや、あの女性が手に持っていたのは、1・5メイルほどの細長い木箱でした」
 コルベールが重い眼で、そう頷いた。

「しかし、ミスタ・コルベール、……本当にミス・ロングビルが、あの『土くれ』のフーケだったのですか……? 私には何だか、とても信じられないのですが……」
「わ、私が嘘をついてると言うのですかっ!? ミセス・シュヴルーズ!!」
「そうは申しませんけど、――ねえ、学院長……?」

 ミセス・シュヴルーズは、オスマンを振り返った。
 壁には、黒々とした文字で、
『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』と書かれている。
「いや……たしかにこれは……ミス・ロングビルの筆跡じゃ……」
 オスマンも、その墨痕累々たる“犯行声明”を睨み、深い溜め息をつきつつ、宝物庫を見渡した。

 コルベールは、壁に叩き付けられた風見を介抱し、その足ですぐさまオールド・オスマンの私室へ飛び、事の顛末を話した。
 最初は、寝入りっぱなを叩き起こされて、少々不機嫌だった老人も、やがて事態の重大さを悟ると、すぐさま全教員を起こし、宝物庫の現場検証を開始したのである。
 
452もう一人の『左手』(その9):2008/01/29(火) 05:17:10 ID:H3sQCASI
.
 風見は、“目撃者”として、自分も現場検証に立ち会うと主張したが、さすがにコルベールが聞き入れなかった。
 喰らったのはゴーレムの蹴りである。
 叩き付けられたのは、城壁並みの厚みを持つ塔の外壁である。
 いかに改造人間の風見志郎といえど、――しかも、蹴り飛ばされた時、彼は変身を解除していた。
 コルベールならずとも、彼にこれ以上の活動を許す気にはならなかったであろう。
 そして、代わりといっては何だが、“目撃者”風見と、“人質”才人の主として、ルイズが現場に呼び出されていた。
 たまたま彼女と喋り込んでいたキュルケも、何故かついてきたが、教師たちは面倒くさかったのか、キュルケを追い出さなかった。

「オールド・オスマン、これは魔法学院への、いや、トリステイン王国への重大なる挑戦と受け止めるべきです!! すぐにでも王宮へ使いを走らせ、王室衛士隊の出動を要請しましょう!!」
「いや、トリスタニアに頼るまでも無い。我ら魔法学院教師だけで追跡隊を編成しましょう!! 降りかかった火の粉は、自らの手で払うのが貴族の慣わしというもの!!」
 ミスタ・ギトーが勇ましく叫ぶ。
 いや、ギトーだけではない。男性教諭の何人かは、彼の強硬意見に賛成の声を上げる。

「なっ、何を言ってるんですっ!? フーケはサイトを――わたしの使い魔を人質に取っているんですよっ!!」
 ルイズが金切り声を上げて、ギトーを見上げるが、彼は冷たく言い放つ。
「分からんのかミス・ヴァリエール。これは非常事態なのだ。たかが平民一人の命と、宝物庫のマジックアイテムが釣り合うと思うのかね!?」
「でっ、でも……!」
「しかも『破壊の杖』といえば、ただのマジックアイテムではない。数週間後にアカデミーが、研究のために引き取りに来る予定があったほどのレア・アイテムなのだ。それを、むざむざ奪われましたなどと……そんな事が言えると思うか!!」
「そんな……!? じゃあ、面子のために、わたしの使い魔を身殺しにするって言うんですかっ!?」
「面子ではないっ! これはメイジとしての誇りの問題なのだっ! 君とてメイジの端くれならば、理解できぬはずがあるまい!!」
「ならば先生は、メイジに使い魔を見捨てろとおっしゃるんですかっ!?」
「使い魔使い魔と君は言うが、所詮は単なる平民ではないか!! そんな下賎な命など、我らが誇りと、重さを測る価値も無いわ!!」

「――そこまでにしたまえ」
 肺腑を貫くような重い声でオスマンが言った。
453もう一人の『左手』(その9):2008/01/29(火) 05:19:03 ID:H3sQCASI
.
 その瞬間に、宝物庫に満ちていたざわめきは、ぴたりと聞こえなくなった。
 当然であろう。――真顔になった『偉大なる』オールド・オスマンの前で、私語の出来る者など、この学院には一人もいない。

「ミスタ・ギトー」
「は、はい」
「君の言い分も道理ではあるが、わしはそれを正しいとは思わん。人命よりも尊いアイテムなど、この世にありはせん」
「しかし、学院長!」
「今一度言う、――わしは君の意見を正しいとは思わん」
「……はい」
 
 さすがに、そこまで言い切られては、この短気な教師もぐうの音も出ない。

「さて、ミス・ヴァリエール」
「はっ、はいっ」
「ミスタ・コルベールの話じゃと、フーケは、平民は殺さんと言ったそうじゃ」
「そっ……それを……信用しろって言うんですか……!?」
「わしは信用できると思う」
「何故ですっ!?」
「わしは、これでも二ヶ月間、秘書と学院長という立場で、彼女と接してきた。正体こそ見抜けなんだが、それでも、人を簡単に殺せる女性ではないと断言できる」
「……」
「どのみち、どこへ逃げたかさえ分からん。後を追おうにも、夜が明けぬ限り足跡も追えぬ」

 確かに、フーケほどの大盗賊が、闇にまぎれて逃げた以上、素人がデタラメに追っても、捕らえるのは困難だ。それは子供でもわかる理屈である。
「じゃあ……学院長は、どうなさるって言うんですか……!?」
「……とりあえず朝になってからじゃ。朝になったら学院の周囲の森を、しらみつぶしに捜索しよう。生徒たちも動員してな。もしフーケが、君の使い魔を解放しておったならば、必ず見つかるはずじゃ」

 オスマンはそう言ったが、ルイズは、もはや泣き顔を隠さなかった。
 もう二度と才人と会えないかも知れない。そう思ったら、何故か、胸が張り裂けそうだったからだ。

「とにもかくにも、今晩はこれで解散じゃ。どのみち明日は払暁には動き出さねばならん。今のうちに眠っておくべきじゃろう」
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 05:21:01 ID:9T17g5PW
支援
455もう一人の『左手』(その9):2008/01/29(火) 05:21:49 ID:H3sQCASI
.
 その声は、有無を言わさぬ雰囲気を持っていた。
 そして、半ばホッとした雰囲気すら伴って、教師たちはぞろぞろと宝物庫から帰って行ったが、廊下からあくびが聞こえた瞬間、ルイズは、そんな教師たちに殺意すら覚えた。

「ルイズ……あたしたちも帰りましょう」
 それまで黙っていたキュルケが、かつて無いほどの優しい声で、ルイズに囁く。
 気が付けば、宝物庫に残っているのは、ルイズとキュルケ、そしてオスマンとコルベールの4人だけになっていた。
 先祖累代の宿敵といえど、まさかこんな状況で憎まれ口を叩くほど、キュルケは空気の読めない女ではない。
「あんたの気持ちも分かるけど、今はもう、どうしようもないわ。サイトの無事は、始祖ブリミルにお願いしましょう」
「……」
「大丈夫よ。あたしもあなたの三倍、祈ってあげるから」
「――いや、その必要は無い」


 その声に、その場にいた全員が、振り返った。
 宝物庫の重い扉を開けて、入って来たのは風見志郎だった。


「なっ、何やってるんだカザミさん!? 君はこんなところに来れる体じゃ――」
「カザミィィッッ!!」

 コルベールが、風見に寄ろうとした瞬間には、もう遅かった。
 ルイズの拳が、風見のボディに叩き込まれていた。
「ミス・ヴァリエール! やめなさいっ!!」
 しかし、そのコルベールの声も、いまのルイズには届かない。

「あんた――あんたがついていながら、何でサイトがこんな目に! こんな目に遭わなきゃいけないのよっ!!」
(ぐっ!!)
 風見は、その一撃に思わず声を上げそうになる。
「あんた、カイゾーニンゲンなんでしょっ!? 普通の平民じゃないんでしょっ!? なのに……なのに……何でサイトを守れなかったのよぉっ!!」
 そして、7発目の鉄拳制裁が、みぞおちに決まった時、風見は思わず、膝をつきそうになった。

「……え?」
 その、余りにも予想外な反応に、ルイズは一瞬ぽかんとする。

「やめなさいと言ったでしょう!! 彼は、サイト君を助けようとして、フーケのゴーレムのキックをまともに喰らったのですよ!!」
 ルイズは、呆然となった。
「先生……、あの、フーケのゴーレムって……たしか身の丈30メイルほどあって、宝物庫の壁を外からぶち抜いたっていう、アレ……ですよね?」
 キュルケが、おそるおそる訊いてくる。
「彼でなければ、即死だったでしょう。今、立ってここにいる事が奇跡だと――」
「余計な事はいいんだ。先生」
 風見の錆びた声が、コルベールの弁護を遮る。
 そして、さらにオスマンが、風見を遮った。

「それで……カザミくん。さっきの君の台詞は、ありゃ、どういう意味じゃ?」

 風見は、目を光らせ、答えた。
「言葉通りの意味ですよ、Mr.オスマン。――平賀はまだ生きている。そして、あの女の居場所も分かっている。だから、これから俺は救出に向かう。そう言ってるんです」
456もうひとりの:2008/01/29(火) 05:24:09 ID:H3sQCASI
投下は以上です。
こんな時間に御支援ありがとうございます。
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 05:29:41 ID:JxxtqqkL
左手氏、投下乙です。
これが本当のサッカーボールキックか?
何気にフーケがえげつない置き土産で噴いたw

そして、SIENしたつもりが、SIRENになってて俺涙目。
さて、あと2時間ちゃんと寝るか。
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 05:32:34 ID:qLEsIRXh
ぬおおまたいいところで区切るw
459u^:2008/01/29(火) 05:40:50 ID:IAuO0sje
左手さん、投下乙です^^
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 06:22:49 ID:w6XS8HUx
左手さん乙!

あんたはまた良いとこで切るな!
Sかっ!オールド Sマンかっ!
次回も楽しみにしてるぜ!
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 07:07:59 ID:T2M5UzH4
乙&GJ
マチルダ姐さんに、才人から風見の「父よ母よ妹よ」聞かされフラグキタ?
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 08:59:41 ID:HMWvIGJu
左手の人GJ&乙!
やっぱり村枝ライダーは熱いなぁ……
会社のPCからだからニヤニヤを抑えるのに一苦労だよw

>>424
確かエグゼリカって完全状態ならバスターマシンにも匹敵するぐらいの火力持ってなかった?
レコンキスタ涙目にしかならないと思うんだが…
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 09:31:31 ID:Uky9hti3
るいずととらもう見れんかなーー
うそとらの他キャラ召喚モノも見たいっす
漢字変換しにくいのでSSに登場させにくいキャラNO.1の
「?」(←ひょう)とか

464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 09:32:19 ID:Uky9hti3
あ、やっぱ変換出来て無い!(金偏に票)
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 09:42:23 ID:YPJwvaoX
>>431
ちょwwwww乙武さん何してはるんすかwww
466名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/29(火) 10:11:41 ID:yU1GMm3O
「?」手書き入力ならでるな。
467名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/29(火) 10:12:38 ID:yU1GMm3O
……あれ?
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 10:14:48 ID:iWQPcu7t
>>445
とちゅうまで書けてる、「ノノが召還されました」があるんだが。
投下してみていいかしら。
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 10:16:00 ID:iWQPcu7t
>>467
あなたのパソコンでは表示できても2chでは表示できないってことだね。
ほかの漢字でも発生する事態だ。
470468:2008/01/29(火) 10:20:35 ID:iWQPcu7t
ってごめん、もう電車の時間だわ。気にしないでください。
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 10:39:06 ID:8Mdbkw5/
イッテラ
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:16:06 ID:Uky9hti3
>>463
「そうです。なんでも、あの墓石の銘を書き込めるものがあらわれたら、その者に御札を渡すようにって」
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:18:30 ID:UKmEQEz2
V3ホッパーうめぇw
でもこのダメージだと鞭打って再起不能フラグが・・・
それにV3存命の事実と世界扉の存在を知ったらバダンはどう動くだろう・・・
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:26:53 ID:8Mdbkw5/
>>431
つまんね死ねよカス

100点
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:29:12 ID:kwatNaLv
>>456
しかしフーケさんは今頃破壊の杖の使い方が分からなくて困ってそうだなw
メイジじゃない才人が知ってるとは考えんだろうし、このSSの才人は空気読めるから知らん振りしてそうだし
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:29:20 ID:pds1NmBU
デストロン幹部は召喚直前にZXが倒してしまっているから、もしバダンが攻めてくるならV3とは絡めづらいキャラが登場する事になるな。
クロムウェルが持つアンドバリの指輪が、もし怪人に効くのなら……再生怪人(主にザコが数に任せて)が襲い掛かってくるのか?
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:37:04 ID:GfcOwse2
>>475
V3でフーケが奪った破壊の杖の正体……
・マシンガンアーム
・カメバズーカ
・リボルケイン

リボルケインって剣じゃなくて杖扱いなんだってね
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:41:36 ID:S5O9q7YB
>>477
リボルケインを挙げてライドルを忘れるとはまだまだだな
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:43:15 ID:FkK05Ipz
リボルケインだとてつおが出てくることになっちゃわないかw
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 12:45:03 ID:HMWvIGJu
そこで、同じく行方不明中のヒロシの出番ですよ!
ネオ・ショッカー大首領倒した後、スカイも魔法陣でハルゲニアに飛ばされていたとかで…

ヒロシがシエスタの曾祖父とかだったりしたら大笑いwww
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 13:07:26 ID:kwatNaLv
>>478
才人がデルフじゃなくてライドルを使うと申すか
wikiで調べてみたらすげー高性能なんだなライドル、デルフの勝ってる所が魔法吸収しか無い

>グリップ部分にあるL・R・S・Hの各スイッチを操作することにより、以下の形態に変化する。
>Hボタンを押すと剣形態・ライドルホイップとなる。磁力の流れる剣となっており超電気という電気を放電することも可能
>Sボタンを押すと棒形態のライドルスティックとなる。怪力改造人間のパワーをもってしても曲げることすらできない強度を持ち、打撃とともに強烈な電磁波を放つほか防御用にも使われる。
>Rボタンを押すとライドロープとなる。グリップの一方をベルトにセットすることで捕縛した敵に高圧電流を流すことができる。
>Lボタンを押すと高飛びの棒ほどの長さに伸びたロングポールとなる。最大10mまで延伸可能。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 13:22:06 ID:sEmqJPYi
>>477
つボルテックシューター
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 13:36:13 ID:GfcOwse2
>>481
特撮世界のアイテムは基本dでもでないとなw
>>482
ボルテックシューターは形がまんま銃だしね
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 13:46:59 ID:Trq2P32B
凜の巻も出たって事で、まぶらほの凜が召喚されるのはどうだろう
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:11:14 ID:ACfVM3zL
ボルテックシューターと聞いたらシルベルヴィントしか思いつかないスパロボ厨の俺

迷子になったマサキ召喚とか
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:14:36 ID:aYi9ijr6
ロボものとのクロスの場合、ロボをロボのまま出すってのは難しいのかな。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:15:11 ID:eZhI9hmf
>>485
サイバスターがねぇ、強すぎるのよ。
ガンダールブで使いこなされたら、どうにもならないぐらい。

ネオグランゾンと互角以上だぞ、真のポゼッションに成功したサイバスター。
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:17:40 ID:kWIrLUFx
ガンダムでも真ゲッターでもガオガイガーでもメカゴジラでもイデオンでもゲッターエンペラーでも召喚してしまえば問題はない
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:38:13 ID:Uky9hti3
もう少し手近なとこでオーラバトラーかあ

ショウの代わりに才人がバイストン・ウェルに
16話「魔法学院上空」
でガラリアのバストールとともに、ダンバインごと召喚。
ルイズの使い魔となってすったもんだあったげく、バイストンウェルに再召喚
…しかし、真のハルケギニアの危機はその数ヵ月後だった!

ハルケギニア各地に4つの超大型飛行戦艦が…

さてオーラーマシンは、ハルケギニアでどうなる?
@地上界と同様、性能アップ
Aバイストンウェルとどっこいくらい
B逆にパワーダウン

バランス的にA、Bにしとけば何とかハルケギニア全戦力結集で…せめてオーラバリアーは外そう
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:44:53 ID:DyNtMx4j
ゼロ魔世界って、月が二つあるんだよなぁ?…ケインツェルが来たらガンダールヴどころじゃなくね?
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:47:22 ID:AtMMbz8T
オーラバリアーに魔法吸収能力を与えて、
稼働エネルギーの補給はそれでしか出来ない
という足枷を付ければバランスが良くなるかもしれん。

それに付随して、吸収した魔法によってオーラソードに属性が付くとか。
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:51:57 ID:sEmqJPYi
>>489
リーンの翼から迫水王を呼んで
序盤は剣術とリーンの翼で戦ってもらう

タルブの村で半壊したバストロールを発見
(シェスタはガラリアの孫)
レストアして使用する

オーラはパワーアップしているが半壊しているので差し引きマイナス

とかは?
493名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:57:55 ID:Uky9hti3
いっそ物語開始10年前くらいにジョセフにショットを召喚させ、才人召喚時点でハルケギニアでオーラーマシンが使用されている状況に…
ただ材料に使う大型の昆虫型の幻獣ってそんなにいるかな?
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:59:36 ID:aYi9ijr6
ハルケギニア性のオーラーマシンの材料は龍です
特に韻龍は上等の材料です
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:00:46 ID:aYi9ijr6
「独立型戦闘ユニットシルフィードなのね。操作説明をするのね?きゅいきゅい」
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:01:18 ID:Uky9hti3
タバサ「召喚できた…いい材料(ポッ)」
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:01:35 ID:sEmqJPYi
カレンデバイスキター!
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:04:30 ID:c2m6AL7H
>>489
別にショウのままでいい気が

それに、その展開だとパワーダウンは不可だろうね
弱体化してるとダンバインとバストールだけでオーラロードを開く事が出来るか
怪しくなるし、そもそもそんな状況でそう言う発想が出てくるかどうか

>>491
それだとメイジ以外オーラマシン使用不可にならんか?
オーラマシンのエネルギー源って乗り手のオーラ力だし

>>494
きゅいきゅい逃げてー!
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:12:23 ID:v/r00Fm/
オービタルフレームが混ざってるw
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:22:06 ID:Z+LGSq7H
もう一人さん乙。
サイトの武器ばっか話してるけど、サイトにもバイクないと風見の移動に追いつけないよ。
馬の並足や駆け足に合わせて風見のほうがトロトロ運転するのは美しくないのでサイトにも足が欲しいかな。
孤独の戦士仮面ライダーと併走するラブラブサイドカーか……
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:23:46 ID:qWp4jWQm
ネイキッドジェフティ召喚

キスできねええええええつーか俺TUEEEEEEE
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:24:22 ID:GfcOwse2
>>500
ここはライドロンで
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:28:18 ID:eZhI9hmf
武器のついたバイクならガンダールブで何とかならないかな?
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:30:21 ID:9OIwaOCN
今まとめでDOD&Mを読んだんだが、嫌な予感しかしないのは何故ですか?
そして、こんな俺はやはりトラウマになってるのでしょうか?
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:39:39 ID:qtuaf/pF
フリッフリッ
506名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/29(火) 15:52:23 ID:zRp6fdad
>>504
よう、俺。
ライライ・バハラグ・ゼノギアス・DODで、俺の中ではスクウェアはゲームメーカーではなくトラウマメーカー。
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:59:42 ID:m/HUgU7D
何度も議題に挙がったが、スクウェア三大悪女からバハムートラグーンの王女ヨヨを召喚。
アンリエッタ王女に共感を覚えて『せめてこの人には思いを遂げて欲しい』と尽力するのか、それともヨヨの人生を聞いて『こうはなるまい』と思うのか。
ルイズではなくアンリエッタを更正させるチャンスの到来か。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 15:59:52 ID:xONfMC7X
仮面ライダーのバイクって一秒か二秒で時速300キロくらいに加速できるんじゃなかった?
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 16:03:41 ID:9VJ6/ZNY
スクエアと聞いてデュープリズムのミント召喚。
ルイズやギーシュが飛び蹴りで沈められるところしか思い浮かばねぇ……。
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 16:34:21 ID:pliUTXEJ
スクエアならエッグマン。

>>503
デスモドゥスと申したか。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:11:41 ID:pIIyH2Kf
何故この流れでサガシリーズや聖剣伝説やライブアライブが出てこない?
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:13:12 ID:kDfxKaf1
>>510
ハンティングホラーでも良いぜ
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:18:42 ID:fo0C69ny
むしろビッチ系ヒロインの被害者がルイズに呼ばれたとき
アンアンを果たしてどんな目でみるのかとても楽しみだ
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:27:05 ID:qT+qwv29
一線は越えてねえから大丈夫じゃねえ。
ビッチ系ヒロインの被害者って一線越えて裏切られたんだから。
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:36:10 ID:3WUX84hy
つかそんなキャラがサイトと同じように振る舞うかね?
同じように振る舞わないとあの展開にはならんぞ
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:36:16 ID:GfcOwse2
そんなにビッチキャラは浮かばんなあ…
連載中のなら一人思いつくけど
>>508
ものによる
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:41:09 ID:Z+LGSq7H
>>510
もれなくエセルが付いてきます。
ああ、ルイズのツンデレに耐えられるサイトだからエセルにもハァハァできるか。
って、エセルが稼動状態ならナイアさんが世界をループさせてる真っ最中じゃん。
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:47:40 ID:RAny5cXC
>>517

そういえば、ライトノベル板の本スレでカトレア=未来のルイズ説の話があったなあ。
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:57:31 ID:E6Uu6cpi
ネイキッドはやばすぎる、ブレード2発でボスが死ぬんだぞww
ダメージドジェフティならそこまでバランス崩壊にならないかもしれない。
近接戦闘しかできないから高機動戦闘の本領発揮的な。
520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:59:13 ID:JnXzBA1z
>>509
ミント様は俺も思った
魔法よりも飛び蹴りのが強いとかメイジ涙目
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:03:28 ID:giUrKzow
『ベイダー卿がゼロのルイズに召喚されたようです』を見てふと思ったのですが、仮にオスマンが元ジェダイという設定でも納得できるのは僕だけでしょうか?
テンプルを去った『失われた20人』という20人のジェダイがいるそうですが、もしもそうならば意外と納得できるのでは?
年齢も300歳だとか化け物染みていみすしw
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:14:56 ID:fazap3sp
アンリエッタがマスター・ヨーダを召喚するのなら見たい
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:22:43 ID:qWp4jWQm
>>519
アージェイトならゼロシフトタックルで一秒以内で倒せますwww
つかダメージでもOFは論外だw
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:24:01 ID:VSmN3WLu
リボルケインだのボルテックシューターだのライドロンだの
RXどころかBLACKすら未誕生の世界であるSPIRITSから
どうやって引き込むつもりなんだか
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:26:03 ID:ZY3fwpv3
>>522
渋い爺さん系キャラを呼ぶと誰が呼ぼうと
説教くらうゼロ魔キャラしか想像できない。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:35:35 ID:nngxo1Tv
>>524
BLACKはともかくRXなら過去、未来、異世界とか関係無く来れる気がする
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:35:57 ID:kwatNaLv
>>525
アクエリオンの不動司令召喚したら凄いだろうな
言ってることの意味はよく分からんけどとにかく凄い人だしw
(ある意味島本キャラに通じるところがある)
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:36:45 ID:FidqQdjD
手塚良庵が召喚されました
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:37:15 ID:DxYtK/vU
マクロス7のミリアを召還したいのだが、説教だらけになりそうで考え中。
ツンデレ・ピンク髪・つるぺたと娘と勘違いして説教で半分埋まりそう。
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:37:56 ID:kWIrLUFx
スマブラX亜空の使者にルイズが逆召喚されました
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:40:09 ID:c2m6AL7H
>>526
仮面ライダーSPIRITSの作中にRXが出てきたなら或いはそう言う手も使えるかも知れないけど
実際にはそうじゃないからな
明らかに禁じ手
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:42:24 ID:RrIXX5C4
>527
ゾンビウェールズのアンアン誘拐イベントで

アンアンの身代わりになる→決定的な場面で影武者を演じていた事をバラしレコンキスタ涙目

な事になるんだなw
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:50:19 ID:c7qvsql5
>>498
きゅいきゅいで思い出した。使い魔といったら小動物…のようなもの。

BIO・MEAT…B・M召喚……
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:54:54 ID:idvghavr
>>21,23
ルイズの夢の中の描写から見て、上田信舟版?
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:04:58 ID:QyvpET1Z
>>533
それ、召喚された時点で世界が終わるよ
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:11:54 ID:ktfeatpv
俺、TUEEEEEEEEEEE!! じゃなくて、
俺、YOEEEEEEEEEEE…… で、京極堂シリーズの関口先生召喚希望
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:19:07 ID:rO2qpRmO
OFならドロレス召喚はちょっと見てみたい
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:19:37 ID:cAeS3Es5
>>507
ルイズが召喚した場合よほどのことがないとギーシュとの決闘イベント発生しないだろうな……
何せ人のこと言えないからなぁ
539名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:34:30 ID:9jl59+3o
ああ、黒獅子理央さま呼びたい。いつの時点かによるがw
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:45:36 ID:+uFxkG7q
>>341
仮面ライダーシリーズ全般という括りはダメかい?
スピリッツ+平成ライダーとか……
541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:50:34 ID:ZY3fwpv3
>>540
それ採用だ!
ティガ主役の超ウルトラ8兄弟なんてものがでるんだから
仮面ライダーでやったっておかしくはない。
542名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:51:36 ID:H0HiJrsa
>538
ああいう女は自分のやった都合の悪いことは着脱自在に忘れるんだぞ
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:54:29 ID:IGlIEq6r
ジルオールから東方の博士こと虚無の子シャリを・・・
ルイズやアンリエッタよりまずタバサが闇に堕とされそうだな・・・
544名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:56:08 ID:VSmN3WLu
風見の召喚元世界をSPIRITSと区切った段階で
それはどう考えても完全に禁じ手登録だ
仮に「RX最終局面で全員集合以降」に世界とタイミングを設定してあれば
それもアリに出来るが
545名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:58:53 ID:E6Uu6cpi
>>537
ドロレスは見たことないんだよね。
ノウマンとかはやばすぎるけどw

>>542
あのビッチはなぁ〜……
2周目以降はとりあえず教会ぶっ壊すよな。
546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 20:05:17 ID:ZBlEULrN
>>512
輪廻から消えた無気力サンダルフォン召還と申したか

テファ(の胸に)姉の面影を見いだして時々狂化したりするんだろうな


>>539
初期なら嬉々として闘りに行きそうな……
誰がメレポジションになるんたろ?
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 20:33:46 ID:ktfeatpv
>黒獅子理央さま
誰が召喚するかが問題だな
548名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 20:34:09 ID:3WUX84hy
>>540,541
とりあえずアレだ。作者でもないのに好き勝手言って周りから反感食らうのはやめとけ。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 20:34:46 ID:rq8HFq5B
>>543
シャリ呼ぶと、始祖の願いを叶えるんじゃないのか?
願いの新旧、善悪に関わらず全ての願いをただ救うだけだし
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 20:48:36 ID:GfcOwse2
>>543
それよりフェティ様だろ?もしくはネモ

ネモ「喋ったなどと恐れることはない。
俺は破壊神ウルグの円卓騎士が一人、名前を知るものネモさまなのだからな!」
ルイズ「……」
キュルケ「……」
タバサ「……」
ルイズ「うそくさ」
キュルケ「人相は悪いけど破壊神って、ねえ」
タバサ「どう見ても猫」
ネモ「お前らなあ〜!」
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 20:48:42 ID:TupfkIMe
>>510
ヴェドゴニアから伊藤惣太召喚を考えると…。
…血を失うと変身するという設定は良いんだがなぁ。
いちいち血を吸わなければ元に戻れんのが問題か。
吸血鬼になった状態で召喚してもあまりかわり映えしないしなぁ。
というか彼はペドゴニアでもあるんだっけか。

いっそのことキメラヴァンプでも召喚したほうが喜びそうだなぁ。
召喚したとたん食われそうな気もするけど。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 20:52:52 ID:IGlIEq6r
>>549
シャリが叶えようとするのは主に死者の願いだからやっぱそうなるのかなぁ
あの子は使い魔にしたところでルイズじゃとても使いこなせるようには見えないし・・・
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:01:08 ID:c2m6AL7H
>>551
>いちいち血を吸わなければ元に戻れんのが問題か。
そこが最大級のネックだな
元に戻るまでの間は最悪、近づくだけで殺されかねないほどの非常に危険な状況だし

完全に吸血鬼になった、つまりリァノーンエンド後だと……何が何でもリァノーンの元に
戻ろうとするだろうね
下手すると契約のキスすら拒む気が

そう言えばあの作品の吸血鬼って素でガンダールヴの如く振舞えるな
(基本的に武器限定と思われる)サイコメトリーみたいな事出来るし
554つかいま:2008/01/29(火) 21:02:47 ID:+DRDVrbE
流れちょっと切るね。
お客さん、第十話できたあるよ。投下よろしいあるか?
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:03:43 ID:y+vz0huu
なんかちょっと前にランス(アリスソフト)が召喚されるのを見た気がしたんだが気のせいだったかな
過去ログあさってもまとめWikiみても見つからん
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:09:28 ID:AnzXsVx7
とりあえずここじゃないだろう>Rance
1/2期待
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:12:18 ID:L8mO8mpT
おとぎ奉りから 朱雀

ルイズとの契約によりガンダールブのルーンが刻まれるのは面白くないので
朱雀とサイトが契約していたらのifの話

”汝が奉り人か?”
(?なんだ?)
”汝が奉り人か?”
(やばい・・・意識が薄れ・・・て・・・)

「おいあの平民様子が変じゃないか?」
「オスマンサンコン オスマンサンコン」

何も無い地平線しか見えない空間にサイトは立っていた

「なんだここは」
(?鳥)
”汝よ 汝の最も大切なモノは・・・”
「大事なもの?そうだな・・・ノートパソコンだろ・・・ゲームに・・・やっとアポ取った出会い系は大事だな・・・家族に友達・・・それにやりたい事がある」
「未来・・・っていうのが一番正しいかな」
”ならばその未来をいただこう・・・”
「!!」

ガッガッガッがっがっGA
「うわあぁわわわあああああ」

ガバ
「ハア ハア ハア」
「どうしたの?」
(ゆ・・・夢か・・・)

続きは阪神が優勝したら書く
558つかいま1/2 第十話 格闘! 舞踏会 1/6:2008/01/29(火) 21:13:49 ID:+DRDVrbE
では、投下開始ね。


地球、日本国、東京都練馬区、『猫飯店』にて。時刻は夕方。
長髪眼鏡の男が、誰もいない空間へ話し続けている。傍らには、かちかちとノートパソコンを操る美女。

「じゃからシャンプー、おらの話を聞くだっ! 乱馬が失踪した今こそ、シャンプーはおらと……」
「招き猫に向かって何話しかけてるか、ムース。私、乱馬以外の男と付き合う気ないね。
 今、日本最大的電子掲示板使って情報収集してるとこある。静かにするよろし!」
ばっしゃんとシャンプーがムースに水を浴びせると、ムースはアヒルに変身した。
「がーっ、ぐわぐわぐわっ」
「まったく、騒がしいね。……でもこの掲示板、有益な情報あるのか、いまいち分からないね」

一方、お好み焼き屋『うっちゃん』にて。賑わう店内に、天道あかねも来ていた。

「はあっ……乱馬が失踪して、そろそろ3週間になるわね……。
 Pちゃんもどこかへいなくなっちゃったし、どうしようかしら……」
「天道あかね、邪魔者は消えた。さあ、そろそろ僕の愛を受け入れるのだ(すりすり)」
「結構ったら結構ですっっ。(どかっ)」
どこからか湧いて出た九能を、天道あかねが店の外へ蹴り飛ばした。
店の主人・久遠寺右京は、別に気にもとめない。いつもの事だ。

「せやねえ、このまんま学校休み続けてたら、乱ちゃん退学かもせえへんで。
 あの変態校長が喜びそうやなあ、そろそろゴールデンウィークやけど。はい、豚玉」
「そうかも知れないけど、それどころじゃないでしょ。最近良牙くんも見ないなぁ……」
「そら、いつもの事やんか。案外乱ちゃんみたく、鏡の中に迷い込んでるんと違うかぁ?
 まぁコロンのばあちゃんがヒント持ってたんやし、妖怪つながりで八宝斎のじじいにでも聞いてみたらどーやろ」
「そうねぇ、おじいちゃんの知識や蔵書は、大したもんだし。いろんな奥義書も持ってるもんね、盗品だけど。
 皆を集めて、もうちょっと調べてみましょう」

「……ところで、あかねちゃん」
「何? おかわりはもういいわよ」
「今確か4月の末やんか。うちらいつまで高校一年生のままやねん」
「それだけはつっこんじゃダメよ、右京」

かくして、乱馬と良牙がいないまま、日常は続いていた。
559つかいま1/2 第十話 格闘! 舞踏会 2/6:2008/01/29(火) 21:15:34 ID:+DRDVrbE
さて、場面は異世界ハルケギニア、トリステイン王国。
トリステイン魔法学院では、姫殿下を迎えての『フリッグの舞踏会』が催されていた。
らんまはキュルケ・タバサとともに、ドレスに着替えて会場に集まる。

「ほえー、食堂の上にこんなダンスホールがあったんだな」
「これから絢爛豪華な舞踏会の始まりよ、ランマちゃん。……タバサは料理に夢中みたいね。
 背は低いけどスタイルいいから、結構似合うわよそのドレス」
「下着まで女物にするのは、ちょっと抵抗があったがな……えーと、姫様とルイズは?」
「一応主賓だから、準備が整い次第入場じゃない? そう言えば、あのリョーガって男の子はどこ?」
「さーな。あいつ、超人的な方向音痴だし。俺も今夜は料理に舌鼓を打たせてもらおうか、いっただっきまーす」


 「びゃんど〜〜じょぼぼ〜〜ん」「じゅびじゅぶじゅべ」「ぶべぼあ?」


宴もたけなわ、料理も減り続け、マルトー親父たちも大忙し。
タバサもらんまも、どこからか忍び込んだ怪しい僧侶も、ダンスそっちのけで食べ続ける。
キュルケは男たちに取り巻かれ、談笑に花を咲かせている。そして、ようやく主賓たちの登場だ。

「ラ・ヴァリエール公爵家令嬢、ミス・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの、
 おなーーーーーーーーーりーーーーーーーーーーー!!」

「「おおーーーーっ」」

桃色の髪をポニーテールにし、華麗なドレスに身を包んだルイズが、しずしずと現れた。
黙っていれば、ルイズはとても可愛らしい。胸はゼロだが。
「だが、それがいい!(にやっ)」
「ちぇっ、ずん胴のちんちくりんの洗濯板がいいなんて、てめーらロリコンかよ。
 けど、タバサはそれより小せぇなー。こんだけ食べてんのに、どこ入ってんだ?」
「余計なお世話」
「どうなんでしょーねー。胃袋が異常に大きいか、スタイルは変わらなくても体重だけ増えてたりして」


「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下のおなーーーーーーーーーりーーーーーーー!!」

いよいよプリンセスの登場だ。今までルイズやらんまやキュルケに群がっていた男たちが、一斉に振り向く。
「う、麗しきプリンセス、どうかこのぺリッソンめと、ダンスのパートナーを」
「いえ、このスティックスこそ」「このギムリ」「レイナール」「ギーシュ」「マリコルヌ」「ペイジ」「ジョーンズ」
上座に座った姫殿下に群がる男子学生らを、傍らに立つ黒衣長身の男が叱り付ける。

「下がれ、悪童ども! 姫殿下がきさまらのご相手をなさると思ったか!!」
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:17:21 ID:AtMMbz8T
しえん
561つかいま1/2 第十話 格闘! 舞踏会 3/6:2008/01/29(火) 21:17:34 ID:+DRDVrbE
彼は、品評会でも姫殿下の傍近くに控えていた衛士だ。立派な貴族のようである。
年の頃は20代半ば、長身長髪でヒゲがあり、目は鷹の様に鋭い。
男たちはうぐっと黙るが、ルイズは思わず声をあげる。
「あっ……ワルド子爵!」
「わるど? なんでい、その悪役っぽい名前は」
「悪役とは失礼ね、王国のエリート部隊・魔法衛士隊の一つ、グリフォン隊の隊長よ!
 私が小さいとき、よく家に来ておられたわ。それに、彼は……私の、許婚なの」

「許婚、かぁ。まぁ貴族にゃいるんだろーな、そういうの」
「両親が決めた事だけど、貴族の跡継ぎや令嬢はそうやって結婚するものよ。
 ……そーいやランマ、あんたもいるそうじゃない、許婚。どんな男性なの?」

らんまが遠い目をする。そう言えばもう、20日ほども会っていない。
「……俺、許婚が二人と一方的婚約者が一人いるんだよな。あとストーカー。
 どいつもこいつも、そんじょそこらの男よかよっぽど強いぜ。
 今世話になってる家にいるのはよー、がさつで乱暴者で不器用でカナヅチで、嫉妬深くて意地悪くて、
 へちゃむくれのオタンコナスで、そいつの手料理食べたら寝込んじまうような奴さ」
「……今あんたを世話してあげてんのは私だけど、そいつも大した言われようね……」


「は、は、はくしゅっ! くしゅん!」
「あらあかね、風邪気味? 暖かくして、早く寝なさいね」
「そーね、かすみお姉ちゃん。……誰か噂でもしてるのかしら」


と、どこからかもう一人の男がすっ飛んできた。
「乱馬、きさまあっ! あかねさんの悪口は許さーん!!(ばきっ)」
「あら、リョーガ」
「いちち……よー、シャルロット。言っとくがな、おめーとはダンスしねーぞ」
「誰がするかっ、オカマ野郎! 今の暴言を取り消しやがれっ(ひゅっ)」
「やるかっ、このブタ! 上等じゃねーか、『ガンダールヴ』がなくてもおめーなんかなぁ(しばっ)」
らんまと良牙は、場所もわきまえず喧嘩を始める。ルイズはおろおろするばかり。

「や、やめなさ「やめろっ、そこの二人! 殿下のご臨席の場で、狼藉は許さん!」
ワルドが二人をばしっと叱り飛ばした。ルイズもびくっとして、背筋を伸ばす。
「わ、ワルド様……すみません、私の躾が足りませんで」
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:17:46 ID:AtMMbz8T
しえん
563つかいま1/2 第十話 格闘! 舞踏会 4/6:2008/01/29(火) 21:19:46 ID:+DRDVrbE
しかし、ワルドはルイズに優しく微笑む。
「君が謝る事はない、僕のルイズ。そこのバンダナの男、招かれもせずに宴席に乱入し、
 あまつさえミス・ランマを殴りつけるとは何事だ。この『閃光』のワルドが叩き出してやる」
スッ……とワルドが、細身の剣のような『杖』を抜く。
「おもしれえっ、やってもらおうじゃねえかっ!」
「おいおい、挑発に乗るなよ噛ませブタ。痛い目見るぜ」
「誰が噛ませブタだっ、あとでてめーもきっちり殴って……ぐえっ」

良牙は『エア・ハンマー』に吹っ飛ばされ、壁にめり込む。
「不粋な真似は好まない。彼を倒した後で、ルイズ、君のダンスパートナーを務めよう。
 姫殿下やミス・ランマともね。ふふふふふ」
「こっ、このキザ野郎〜っ」「ここで喧嘩することないでしょっ、外でやんなさいよ!」

だが、異常な耐久力を誇る良牙は、この程度では参らない。
「ふん、これしきの衝撃波で、俺をどーにかできると思ってんのか!
 食らえ『獅子咆哮弾』!!(ドオオオン)」
「!!」
ワルドは咄嗟に空気の盾を張り、気弾を防ぐ。
「これは……まさか、先住の魔法か?」
「まだまだっ、『爆砕点穴』!!(ドッ)」
良牙が床に指を突き刺すと、そこが爆発して破片を撒き散らす!
「うおっ!?」

ワルドも少々油断していたようで、足に床の破片を食らう。彼の目が吊り上った。
「きさま……姫殿下への刺客か、あるいは忌まわしきエルフか……?
 しからばこちらも本気で行かせてもらおう! 食らえい我が蒼き雷、『ライトニング・クラウド』!!」
ワルドの杖から強烈な稲妻が走り、良牙を襲う!
「ぐわあああああーーーっっ!!」

吹っ飛んだ良牙はテーブルの上に落ち、熱いスープを入れた鍋が空中に飛び上がる。
「良牙!!」「きゃああ!! わ、ワルド、やりすぎよ!」
「ふっ……死んだか?」
良牙に駆け寄るらんまの頭にスープ鍋がぶっかかり、男乱馬に戻った。
「ぶわちちちちち、てっ、てめえワルド、何てことしやがる! おーし、次は俺が相手だ!!」

「ランマ! 待ちなさいよ!」
「何でい、止めんなよルイズ!」
「いーから、そのドレスを脱ぎなさい」
「うぐっっっ(ぴしっ)」
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:20:27 ID:AtMMbz8T
しえん
565つかいま1/2 第十話 格闘! 舞踏会 5/6:2008/01/29(火) 21:21:31 ID:+DRDVrbE
らんまのドレスを着たまま、乱馬は男に戻ってしまった。どう見ても変態だ。
「ミス・ランマのドレスを奪って纏い、僕のルイズにぞんざいな口を利く……。
 どこから湧いて出た、変態の無礼者め。きさまもこの男のようになりたいのか?」
「ぬわにい〜〜っ、誰が変態だ、このロリコン野郎!!」
乱馬は、顔を赤らめながら、ばっとドレスを脱ぎ捨てて構えを取る。

「何だロリコンとは? 僕はそんな悪口を聞いたことないぞ」
「いい年こいた大人がなあ、ルイズみてーなちんちくりんのつるぺた少女と恋愛すんのを、
 ロリコンって言うんだよ、この変態やろーっ!!」
「だっ、誰がちんちくりんのつるぺたよっ!」
「ほう……それでは、ドレスのみならず下着まで女物を纏った男を、変態と呼ばずに何と呼ぶ?
 僕にはそっちの趣味はないぞっ(びしっ)」

そう、ワルドの指摘する通り、乱馬は女物の下着を身に着けていた。やっぱりどう見ても変態だ。
「……(ぶるぶるぶるっ)……ちっ、ちっくしょおおおおお!!」
乱馬は猛烈な勢いで、ダンスホールから逃げ去った。
「……あんの、バカ……」「終わったな……」「涙目だったぜ」「しばらく立ち直れないかもな……」

乱馬は泣きながら使用人控え室に飛び込み、男物の服を奪い取って着ると、
例の棍棒とデルフリンガーを持ってホールに戻ってきた。この間、僅か30秒。

「早かったな……」「なんて気持ちの切り替えの早さ……!」(どよよっ)
「ランマ! もうやめなさい!」
「うるせえっ! 今度こそワルドをぶっ殺して、良牙の仇を討ってやる!!」
「人を勝手に殺すんじゃねえ、ボケッ(ぐい)」
「どわっ!?(どてっ)」

伸びていた良牙に足首を掴まれ、前のめりにこけた乱馬に、アンリエッタ姫殿下が近寄り、しゃがみこむ。
「か・わ・い・い……」
「は?」
「この鉄棒可愛いっ、私のものっ。さあジュリエット、私と踊りましょう(ぐいっ)」
「どわっ、何すんだ姫様!? これのどこがジュリエットだ、離せよっ」

それを見ていたマザリーニは、ハンカチを取り出し、涙を拭う。
「ああ、姫殿下……王位継承という重圧からか、すっかりあーぱー娘に育ってしまわれて……。
 国政を預かるこのマザリーニ、とうてい早死にはできませぬ(しくしくしくしく)」
「あら、何が悲しいのセバスチャン? 元気を出してもう泣かないで」
「セバスチャンではありませぬっ、このマザリーニをお忘れですかっ」
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:22:09 ID:AtMMbz8T
しえん
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:22:56 ID:FidqQdjD
支援攻撃だっ
568つかいま1/2 第十話 格闘! 舞踏会 6/6:2008/01/29(火) 21:23:43 ID:+DRDVrbE
ふーっ、とルイズが溜息をつく。アンリエッタは鉄の棍棒を奪い取り、満面の笑顔だ。
「まぁ三人とも、姫様とこのルイズの顔に免じて、争うのはおやめなさい。
 武道会、もとい『フリッグの舞踏会』を再開しましょう!」
「ジュリエットかんわいいよぉ〜、お持ち帰りぃ〜(くるくる)」

ワルドも、ふっと笑って杖を収める。
「……ま、よかろう。ところでミス・ランマはどちらだ?
 盗賊フーケを撃退して秘宝を奪還し、本日の品評会で優勝した、あのマドモワゼルは」
「ここでいっ(ばしゃ)」
乱馬が水差しの水をかぶり、女になる。ついでに良牙にも水がかかり、Pちゃんになった。

「おお、ミス・ランマ! さっきの、おさげの男と同じ服……これは、一体?」
「まぁ、これこれこーいうわけでな、俺はお湯を被ると男になっちまうんだ。
 ガサツなのは育ちのせいだ、勘弁してくれ。ほら、これがデルフリンガー」
「そ、そうだったのか。なんと可哀想なマドモワゼル! 安心したまえ、僕は女性には優しい。
 さぁメイドたち、彼女を着替えさせてあげたまえ」
「「はい、ワルド様!」」

シエスタたちがらんまに群がり、更衣室に押し込んで新しいドレスに着替えさせる。
どうにか場が丸く収まり、一同は安堵した。ルイズは「ランマと踊りたかったな……」と呟いた。

「やれやれ、良牙のせいで酷え目に遭ったぜ。……ん、ワルド、まだ何かあんのか?」
「姫殿下がお呼びだよ、マドモワゼル・ランマ」
「ミス・ランマでいいよ、くすぐったい。……ルイズも一緒か、何でしょー姫様?」

アンリエッタ姫殿下は、すうっと目を細め、真剣な顔つきになる。
「何処に目が光っているか分かりません。パーティーが終了してしばらくしたら、ご相談があります。
 ルイズ、ワルドとともに、学院長室に集合してください」

(続く)
569つかいま:2008/01/29(火) 21:25:20 ID:+DRDVrbE
投下終了、支援謝謝ねー。
では、再見!
570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:33:16 ID:QcqJuTIG
1/2の人乙でした
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:35:52 ID:pIIyH2Kf
乙っした!!大きいか小さいかではない。おっぱいその物こそが偉大なのだ!!

ところで、ここの行数と文字制限ってどれだけだったっけ?
明日辺りに1話目投下できそうなので聞いておきたい
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:44:37 ID:wOTqul68
1/2の人
乙です。
いやー全員が高橋留美子のキャラに見えるw
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:48:41 ID:+aBxLQqw
らんまのノリだな
今さらだが、ゼロ魔世界は、さまざまな作風を違和感なく再現できる舞台なんだな
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:50:43 ID:AtMMbz8T
>>571

>>1を見れ
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:00:33 ID:v9mNX5iJ
>>557
ルイズが朱雀を宿したほうが面白くなりそうだ
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:06:54 ID:TOwmc5Li
1/2の人乙です
しかし、もうまとめにうpされてるww早いなw
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:09:07 ID:ot9c2oes
>>575
さて、ルイズが奉るものは何でしょうか?

1:貴族の誇り
2:優しいちぃ姉さま
3:幼馴染みにして忠誠の対象であるアンアン
4:幼い頃からの憧れの婚約者ワルド
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:12:46 ID:Q+osxxFG
>>577
5:己の関東平野

に1万ペリカ
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:18:35 ID:owANOf9g
6:忍耐
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:22:25 ID:L8mO8mpT
むしろ眷属を使い魔として呼び出してしまい
契約する前に食われて学園が大騒ぎ
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:37:24 ID:ZBlEULrN
>>575
だが四神は見鬼や神器使い位にしか見えない訳で……
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:40:55 ID:Yoo1WNQK
ブルーノ(ダイナマイト刑事)召喚したら
雑貨だろうが食品だろうが人だろうが
何もかもエモノなってガンダールヴのルーン乱用ですかw
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:44:25 ID:ot9c2oes
>>581
見鬼に見えるならメイジに見えてもいいんじゃね?
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:45:45 ID:v9mNX5iJ
>>581
召還した一瞬だけ全員に朱雀が見えてルイズ気絶、夢の中で契約してルイズにルーンが刻まれる。
それをコッパゲに説明してなんとか留年をまぬがれる。
これならなんとか大丈夫か?
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:57:16 ID:kNfBVVvd
魔法使いと召喚師を読んで思ったんだが、召喚師の属性とかってヴィン補正で
全属性召喚可能とかにはならないのか?まあ今のところサモン系で召喚されているのが
霊と獣属性のクラレットと誓約者のハヤト、抜剣者のアティ先生だけだからそれほどのことでもないだろうが。
586書いてる最中にみつけたので:2008/01/29(火) 23:00:34 ID:F1XIA59d
>>585
間違いなく全属性召喚になると思うが
サモンナイト側の「真名はその家の秘伝」ってのと
本人の魔力の質は影響されるであろう、という判断から
あえて、使わせない方向にしてる。
587Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:07:32 ID:m5FpE1Q7
 23:30頃からWizardry4.0を投下させていただきます。同じ期間をワードナ視点で綴っていきます。
 よろしいでしょうか?
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:07:53 ID:F1XIA59d
支援しまー
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:15:26 ID:kNfBVVvd
>>586
なるほど。まあ秘伝って言っても作中じゃあんまりそれっぽい描写がないから
重要性がよくわからないけどな。(まともに秘伝っぽいのはミニスのワイヴァーンと
ウォーデン家の召喚武装ぐらいか)
とにかく完成楽しみにしています。
>>587
自分も支援
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:19:12 ID:F1XIA59d
>>589
参考にしたのは、ミニスの「他の家に教えるわけがない」発言かな。
たぶん、教えてるのは蒼だけだと思ってる
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:20:23 ID:L8mO8mpT
地 玄武
水 青龍
火 朱雀
風 白虎

の対応でいくと玄武はギーシュ
青龍はモンモラシー
朱雀はキュルケ
白虎はタバサ辺りが適当か

でも眷属が魔法学院の宝物庫を目指してやってくるとかいう話ならば書けるかな
アルビオン戦役とかやってる場合じゃ無くなるけどな
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:24:46 ID:owANOf9g
支援
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:25:10 ID:SYYS9DTN
本当は玄武では水属性で、青龍は木、白虎は金なんだがなw
風は木の方が近いんじゃね? 生命力だから水でもこの場合(ゼロ魔的には)構わない気もするが
しかし三つ被ってるからって四大と五行を無理遣りすりよせんでも……
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:27:11 ID:c7qvsql5
ルドラサウム大陸の朱雀がキュルケに召喚されて、主ともどもコルベールを気に入るとか
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:27:49 ID:DyuhKNJH
戦国自衛隊とかジパングみたく、数百人規模の集団が
まとめて召喚されるってのは、このスレでの扱いになるかな?
今んトコ、男塾1号生全員ってのが最大っぽいんだが・・・。
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:29:49 ID:fSgr+JmC
>>587
おや久々。支援
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:30:22 ID:AnzXsVx7
>>591
その対応表はありえない
木:青龍=風
火:朱雀=火
土:(黄龍)=地
金:白虎=地
水:玄武=水
が普通の風水だろ
598Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:31:28 ID:m5FpE1Q7
 では予告通り、僭越ながら行かせてもらいます。今度はワードナの日記から抜粋。
 期間的にはまとめサイトに載っているルイズ日記同様、原作小説第1巻の部分。
 ワードナ側としては「Wizardry4 ワードナの逆襲」真のエンディング到達後と思ってください。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:32:32 ID:F1XIA59d
支援!
600Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:32:47 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 アミュレットを返してエセルナートに戻ってきたが、相変わらず私を狙う者は絶えない。まぁ100年前までの自分の所業を省みれば至極当然ではあるが。
 刺客連中を死なない程度に叩きのめして追い払っているが、それにしてもいい加減飽きてきた。同じ連中が懲りずに二度三度と挑戦してくる事もザラにあるのだから困ったものである。
 今の私にとって、エセルナートはもはや解き方が充分過ぎるくらい分かってしまったパズルのようなものだ。ここですることがなくなりつつある今、私は何処に向かうべきか?

○月○日
 信じられない事が起きた。
 すべては私の前に突然銀色の鏡のようなものが出現したことから始まった。鏡の中には桃色の髪の少女がいて、杖を片手に何やら言っていた。デュマスを使ってみると、どうも私を使い魔として召喚に応じさせたいらしい。
 昔の私であれば一笑に付していたのだろうが、術式が私の知らない者だった事もあり興味が湧いたので鏡の招じ入れるがままに足を踏み入れたところ……私はエセルナートとは違う世界にいた。
 私を召喚したのはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。この異世界の中の国・トリステインにある公爵家の三女であり、トリステイン魔法学院の生徒らしい。学校行事の一端で使い魔を召喚し、契約を結ぶそうだ。
 そばにいた教員らしき男の話によると、普通はドラゴンやサラマンダーのような魔法生物が召喚されるもので、私のような人間が引っかかるのは非常に稀のようだ。ルイズ嬢は粗相をしでかしてしまったかのように動揺を隠しておらず、教員達や学院長も当惑していた。
 周囲の人々は皆エセルナートのどの言語とも違う未知の言語で話しているが、何故か今の私にはデュマスなしでもそれが理解できる。恐らくあの銀色の鏡を抜けた際に言語知識を授けられたのだろう。
 但しその言語知識には文字や数字は含まれていないようで、本を見せてもらっても謎の記号が書き連ねられた謎の文書にしか見えない。使い魔は文盲でも務まるからいいのかもしれないが、これを何とかしないと人生の楽しみが半減だ。
 ともあれ彼女との使い魔契約は延期され、当面は学院の客間での寝泊りということになる。今も会議室では学院長や教員達が私の処遇を論議中だ。
 空を見上げると、月が二つある事に驚いた。改めて自分が異世界に来た事を実感する。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:33:05 ID:fSgr+JmC
支援

>>595
船ごと来てる連中もいる
集団はできる限り避けた方がいいかもな。ギャグぐらいじゃないと収集つかない
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:34:03 ID:F1XIA59d
支援
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:35:59 ID:UHEUwPoO
>>597
青龍や朱雀ってみてたら鬼目のKYO思い出した

てかあれがガンダールブになった日には…
604Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:36:43 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 信じられない事が起きた。
 すべては私の前に突然銀色の鏡のようなものが出現したことから始まった。鏡の中には桃色の髪の少女がいて、杖を片手に何やら言っていた。デュマスを使ってみると、どうも私を使い魔として召喚に応じさせたいらしい。
 昔の私であれば一笑に付していたのだろうが、術式が私の知らない者だった事もあり興味が湧いたので鏡の招じ入れるがままに足を踏み入れたところ……私はエセルナートとは違う世界にいた。
 私を召喚したのはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。この異世界の中の国・トリステインにある公爵家の三女であり、トリステイン魔法学院の生徒らしい。学校行事の一端で使い魔を召喚し、契約を結ぶそうだ。
 そばにいた教員らしき男の話によると、普通はドラゴンやサラマンダーのような魔法生物が召喚されるもので、私のような人間が引っかかるのは非常に稀のようだ。
 ルイズ嬢は粗相をしでかしてしまったかのように動揺を隠しておらず、教員達や学院長も当惑していた。
 周囲の人々は皆エセルナートのどの言語とも違う未知の言語で話しているが、何故か今の私にはデュマスなしでもそれが理解できる。恐らくあの銀色の鏡を抜けた際に言語知識を授けられたのだろう。
 但しその言語知識には文字や数字は含まれていないようで、本を見せてもらっても謎の記号が書き連ねられた謎の文書にしか見えない。これを何とかしないと人生の楽しみが半減だ。
 ともあれ彼女との使い魔契約は延期され、当面は学院の客間での寝泊りということになる。今も会議室では学院長や教員達が私の処遇を論議中だ。
 空を見上げると、月が二つある事に驚いた。改めて自分が異世界に来た事を実感する。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:38:13 ID:fSgr+JmC
支援
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:38:42 ID:gNF3aPFw
>>595
エスコンから2つの国が吹っ飛んで来たのもある
現実で言うならアメリカが2個ぐらい飛んで出た感じ
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:38:57 ID:fSgr+JmC
投下ダブってますぜ。焦らずに支援
608Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:39:39 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 教職員会議に呼ばれ、突っ込んだ質問を受けた。エセルナートの事、私が使える魔法の事、今後の希望の事など。
 エセルナートの事については訝しく思っていたようだが、彼等の目の前でハリトやマラーを使ってみせると納得した。彼等の知る魔法とは全く異なる大系であり、それを使う私もまた彼等の知らない世界の存在であると認めたようだ。
 このハルケギニアという世界では魔法使い(メイジ)が貴族階級を占めており、旧帝国のように魔法を重視した社会のようだ。
 異世界からの人間、それも私レベルともなると存在そのものが高貴とされるようだ。戦士や盗賊さえも実力と運さえあれば一国一城の主になれるエセルナートとは随分違う。
 こちらからは逆に使い魔の契約について質問してみたが、予想通りとはいえ主側が強い立場らしい。私が「随分一方的な契約なんだね」と皮肉を含ませて言ってみたら、オスマン学院長は汗を拭きながら申し訳ない済みませんとお辞儀を繰り返していた。
 コントラクト・サーヴァントの実例をいくつか見せてもらったが、あのぐらいであれば私にも解除はできる。
 2年間彼女の面倒を見てやり、卒業した際彼女が嫌であれば解除して彼女の元を去ればいい。たったそれだけの事なのだが、前例がないばかりに彼等はまだ会議を続けている。
 御苦労な事だ。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:40:54 ID:AtMMbz8T
支援
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:41:20 ID:F1XIA59d
支援

雑談自重
611Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:42:21 ID:m5FpE1Q7
>>607
はぅ!迂闊でした。
>>604は捨てて下さい(>>600の一部です)。

○月○日
 私自身が望んで召喚に応じたということで契約の魔法まで完了。
 彼女が呪文を詠唱すると地面に魔法円が描かれ、その真ん中で接吻をすることで術式は完成。齢300以上の爺をファーストキスの相手にしてしまった(所作から推測)彼女だが、むしろ光栄だと嬉しそうにしていたのが幸いだ。
 その際私の左手に刻印された未知のルーン(この世界でも珍しいものらしい)が気になったので自分でも調べてみたが、どうやらこれは主であるルイズ嬢と私を繋ぐ「鎖」のようなものらしい。或る程度の行動を制限する力はあるが、逆に恩恵を与える事もできるようだ。
 異世界という概念はこのハルケギニアという世界では説明しづらい上政治的にいろいろ面倒な事になる為、私は遙か東方にあるらしいロバ・エル・カリイエという所から召喚に応じたメイジということになった。
 彼の地については召喚された際一部記憶が抜けてしまったということでごまかすことにする。
 この双月の異世界ハルケギニアで私を待ち受けている運命は何か?新しいパズルを前に、私の心は久しぶりに躍っている。
612名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:44:21 ID:AtMMbz8T
支援
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:44:29 ID:fSgr+JmC
支援
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:44:40 ID:F1XIA59d
支援
615Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:45:53 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 使い魔としての生活が始まった。
 人間、それもメイジということもあり、主・ルイズと同じ食堂で朝食。
 異世界の料理はどんなものか、正直なところ期待半分・不安半分であったが、幸か不幸かリルガミンのそれとあまり変わりなかった。
 ここで崇拝されているのは始祖ブリミルという神。強力な魔法を使うだけでなく、ハルケギニアに存在する4王国(ここトリステインの他にアルビオン、ロマリア、ガリア)は彼の3人の息子と1人の弟子が初代国王だったらしい。
 ルイズに頻繁に話しかけてきた色黒の少女はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー(長いフルネームだ)。
 何でもゲルマニアから留学してきているが、ツェルプストー家はヴァリエール家と伝統的に仲が悪いようで、私がキュルケ嬢と話していると機嫌がよろしくない。もっとも私の見た感じではルイズがキュルケ嬢に遊ばれているような感じだ。
 彼女の二つ名は「微熱」、その名の通り火属性の魔法を使いこなす。
 そのキュルケ嬢と一緒にいることが多いのがタバサという寡黙な少女(こちらはフルネームを教えてくれなかった)。眼鏡をかけた小柄な娘だが、十代でシュヴァリエの爵位を得ているエリートらしい。
 グラマラスで色黒、社交的なキュルケ嬢と、細身で色白、無口なタバサ嬢の関係はまさに対照的だが、その二人がつるんでいる事が多いというのも妙な話だ。
 ただタバサ嬢のの眼鏡の奥にある瞳の奥に、何か暗い炎が見え隠れしているような気がする。彼女の二つ名は「雪風」だが、その仮面の下には何があるのだろうか?
 この世界の魔法使いには皆二つ名があるようで、それが自身の得意分野をアピールする看板のようなものらしい。
 で、我が主ルイズは「ゼロ」。どんな魔法でも何故か爆発になってしまう、成功率ゼロだからだそうだ。今日の授業でもそれが発動してしまったが、その時気付いたことがある。
 あの爆発のプロセスは、私が持つ最強の攻撃魔法ティルトウェイトに良く似ていた。
 物質を結びつけて物体としている力を束ねて爆発的な力を生むのだが、あまりに強大すぎる為爆発自体は異空間の中で行わせ、物質界へは熱と衝撃のみをもたらすようにするあの魔法である。
 無論最高位クラスでなければ使いこなせず、実践経験が浅いであろう魔法学院の生徒には明らかに不似合いだ。
 そしてもう一つ、全ての魔法があのような爆発になるということ。ライト(ロミルワ相当)でもサイレンス(モンティノ相当?)でも、
 何はともあれ、文字が読めなくては考察と推測しかできない。今日からルイズに教えを請う事になったが、早いところ体得しなければ。

 学校が終わった後、学院寮付近にある手頃な空き地を貰ったのでそこを使って地下室を作る。
 いつものようにティツロウェイトを使ったのだが、見学に来ていた教員や生徒達は皆驚いていた。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:48:15 ID:fSgr+JmC
支援
617Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:49:50 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 大人げのない事をしてしまった。
 いつも薔薇の造花を持ち歩いている色男のギーシュという少年が二股をかけていたのだが、それがちょっとした事で本命の少女に分かってしまったらしい。
 で、そのきっかけを作ってしまった平民であるメイドの少女に八つ当たりを始めたので、義憤を抑えきれずに喧嘩を売ってしまった。
 「グラモン元帥の御曹司は平民の少女に当り散らすのが関の山かね」「魔法なしでこの老骨が相手をするのがそんなに怖いのかな」等々。
 今思うと汗顔の至りだが、若人達に囲まれていて心も若い頃に返ってしまったのだと自分自身に言い訳。

 少年は「青銅」(土属性らしい)のドットメイジということで、大地から戦乙女の姿のゴーレムを造り上げてぶつけてきたので少なからず驚いた。
 エセルナートでも四大の概念はあったものの、攻撃的な魔法の使い方としては非常に稀。私もかつてアースジャイアントやアイアンゴーレムを使役していた事があったが、あれはどちらも戦場ですぐに造り出すものではない。確かに、単なるお坊ちゃんではなかった。
 だが残念な事に、彼には経験が不足していた。私が感心してゴーレム達を眺めていたのを、恐怖の余り棒立ちになっていると誤解したらしい。
 予想通り、ワルキューレ達は甲冑で身を固めた人間同様関節部の装甲が脆弱だった。その攻撃をかいくぐって短剣を斬りつけるだけで、ワルキューレ達は破壊された。最後は残っている6体全部をぶつけてきたが、それも同じ運命を辿った。
 万策尽きた彼は負けを認めたので、件のメイドに詫びを入れさせてケリはついた。が、私の心中にはまたケリのついていない問題がある。

 戦いが始まった時、クリスナイフを抜こうとした際左手に僅かながら熱を感じたので見てみたところ、コントラクト・サーヴァントの際に刻印されたルーンが発光していた。
 そしてそれから全ての動きが非常にはっきりと見え、相手の攻撃の軌道がまるで空間の中に線を描いているように予測することができた。
 脚も馬のように駆けることができ、まるで羽が生えたように軽々と跳べる。手にした短剣も刃を触れただけで金属を薄紙のように両断した。
 これもコントラクト・サーヴァントの効果なのかとルイズに聞いてみたが、彼女も分からないようだ(表情から察しても隠している様子はない)。読み書きができるようになれば自分で調べられるのに、非常にもどかしい。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:50:01 ID:F1XIA59d
支援
619Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:52:44 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 ルイズに頼んでいくつか「実験」をさせてもらった。
 まずはルーンの効果。彼女を標的にハリトをかけてみたが、全て跳ね返された。やはり使い魔は主を攻撃できないようになっているらしい。
 ディオスは問題なくかかったから、攻撃的か否かを行為で判定して制限をかけているのか、殺意や害意の有無が判断基準なのか、それとも両方なのか?
 そして彼女の魔法が全て爆発するという事実の確認。爆発は全く制御できない訳ではなく、爆心地の指定ぐらいはできるようだ。おまけに呪文の無効化も受け付けないから、汎用性はないが用途を限れば効果は充分だろう。
 やはり才能がない訳ではない。むしろずば抜けた才能を持っていながらそれを発現する方法が誤っているだけのようだ。
 四大全ての魔法が爆発になってしまうことを考えると恐らく鍵を握っているのは第五の元素・虚無だろう。だが虚無はこの世界では禁忌の存在のようで参考文献が乏しいらしく、王室の最高機密文書にも記述があるかどうか怪しいというレベルらしい。
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:53:21 ID:F1XIA59d
支援
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:54:26 ID:0eack15s
支援
622Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:54:26 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 授業がない日ということで、ルイズに町への案内を頼んだ。。
 着いた町は城下町ということだが、さすがにリルガミン程ではない。もっとも建物の造りや町並びの構造などは似通っている。手足が2本ずつの知的生命体がやることは、どの世界でも大差ないようだ。
 まず買ってもらったのはマント。ルイズによればマントはハルケギニア全土でメイジの印であるそうで、「ワードナほどの高位メイジがマントなしなんて格好がつかないし、主の私も笑われちゃうでしょ」とのこと。
 古書店では「始祖の祈祷書」「イーヴァルディの勇者」「炎の予言」を入手。どれも胡散臭い偽書じゃないかとは言われたが、全くの根も葉もない嘘というものは逆に書きにくい。千の嘘の中に一の真実がすくい出せるかもしれない。
 帰り道に寄った武器店を冷やかしで覗く。店主は口八丁手八丁でなまくらを高値で売りつけようとしたが、どれもこれも問題外と一つ一つ問題を連ねてやったらおとなしくなった。
 殆どが使い物にならないものばかりだったが、一つだけ興味深い掘り出し物があった。インテリジェンスソードだ。
 店主と口論していた剣は自らをデルフリンガーと名乗った。錆は浮いているものの、十分使用には耐えられる状態。
 店主はこの剣を厄介者扱いしていたようで、提示した価格もかなり安値だったのが幸いした。
 用が済んだので学院に戻ろうとしたところ、キュルケ嬢とタバサ嬢に遭遇。キュルケ嬢はたまたま会ったと主張していたが、学院から我々をつけてきていたらしい(タバサ嬢は足の速い使い魔を持っているので足代わりにされた模様)。
 キュルケ嬢からどうしても受け取ってくれと言われたので剣を貰ったのだが、ルイズから凄い目で睨まれた。女同士の争いは恐ろしいものだ。
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:56:05 ID:AtMMbz8T
支援
624Wizardry4.0:2008/01/29(火) 23:57:40 ID:m5FpE1Q7
○月○日 未明
 昨日、学院宝物庫に賊が入ったと聞かされた。犯人は「土くれ」のフーケといい、領収証を置いていったらしい。洒落が利いていると軽口を叩いたら、ルイズに八つ当たりの爆発魔法を喰らった。
 何でも貴族ばかりを標的にしている愉快犯じみた盗賊だそうで、貴族の三女である彼女にとっては腹立たしいだけのようだ。口は災いの門である。
 盗まれたのは「破壊の杖」。使い方が分からない為封印されていた代物のようで、悪用されたらどんな事になるか分からないらしい。
 が、フーケの潜伏先が掴めたにもかかわらず教職員連中は軍隊を派遣してもらおうだの何だのと言いぬけて、自分が行こうという者は皆無だ。
 そんな役立たず連中を尻目に立ち上がったのが我が主ルイズ、それとキュルケ・タバサ(彼女達にはとことん縁がある)。無論私も同行する。
 道案内はフーケの居場所をつきとめたオスマン学院長の秘書・ロングビル嬢が務める。フーケの逃走を許さない為にも、この夜のうちに襲撃をかけることとなった。

○月○日 昼過ぎ
 事件は意外な形で解決した。ロングビル嬢はフーケだったのだ。
 行きの馬車で妙に引っかかるところがあったのでいくつか罠のある質問をしてみたところ、引っかかってくれたので警戒できたが、学院宝物庫の罠に引っかからなかったのも納得がいった。学院長自らが情報漏洩をやっていたわけだ。
 とはいえ乙女達も頑張ってくれた。ルイズは魔法失敗の爆発を攻撃に使う術をうまく攻撃に活かしてくれたし、キュルケは炎の魔法、タバサは風の魔法でフーケのゴーレムを攻撃、破壊に成功した。
 ゴーレム破壊に成功して浮かれていた一瞬の隙を突いてロングビル=フーケは我々の後ろを取って杖を捨てさせたのだが、私の魔法が杖なしでも使えるということを彼女は知らなかったようだ。
 マニフォを喰らって動けなくなってもらったところを捕縛して御用。学院に戻って衛士隊に引き渡して決着。
 ルイズの話では貴族の財産を大量に荒らしまわっていたので死罪は免れないとのこと。正直なところ、あれほどの才能を消してしまうのはあまりに勿体ないが、彼女自身の行いの結果である以上仕方がない。
 ルイズとキュルケ嬢はシュヴァリエの称号の授与、元からシュヴァリエだったタバサには精霊勲章の叙勲が決定。
 但しルイズ自身は第一功労者である私に何の沙汰もないのはどういう事かと怒っていたのに驚かされた。人間といえども使い魔は使い魔、主の所有物同然でありその所有物に叙勲などありえないというのがこの世界の常識だが、彼女はその常識に異議申し立てを行ったのだ。
 結局私自身が肩書きなど望んでいない事、主の出世は自身の地位(と収入)の向上にもつながるから受け取ってくれと説得して不承不承ながらも納得した様子。
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:57:46 ID:F1XIA59d
支援
いいな、コレwww
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:58:59 ID:0eack15s
支援
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:59:49 ID:fSgr+JmC
支援 マニフォは地獄だなw せめてカティノなら
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:01:26 ID:FA/0ms2d
ラハリトを打つブラックバス支援
629Wizardry4.0:2008/01/30(水) 00:03:44 ID:m5FpE1Q7
○月○日
 今日はフリッグの舞踏会というお祭りの日らしく、学院全体が浮かれた雰囲気に包まれている。
 ルイズは後から行くという事で先に会場にいたのだが、周囲から話しかけられることが多くなった。どうやらフーケの件で有名になったらしい。
 久しぶりにギーシュとも話し込むこととなった。どうやら以前の敗北で自信が揺らいできているらしいようだったので、自分の欠点が分かったと前向きに考えていけと回答したところ、迷いが晴れたようだった。
 そうこうしているうちにルイズが到着。一張羅と思しき最高級のドレスに身を包み、見違えるようなその姿に少なからず驚く。
 彼女の踊りに誘われたので応じたのだが、まだまだ不慣れの為合わせるのがやっとだった。必死になっている私の顔を見てしてやったりと言いたげに微笑を浮かべていたが、不思議と嫌な気分はしなかった。

========================================
 以上です。
 現時点では次が1.5巻として原作にはないオリジナルエピソード(ルイズ・キュルケ・タバサ・ギーシュ・モンモンの5人パーティーでワードナ作の地下迷宮に放り込まれる話)を予定しています。
 せっかくワードナ卿に来てもらっているんだから地下迷宮での実戦訓練はやってもらわないと。
 それでは皆様、ありがとうございました。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:04:13 ID:1BkXinO9
>>628
貴様、犬マユ読者か!
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:11:21 ID:BvbKNoCF
乙!
日記形式は展開スピードが尋常じゃないな
まさか一回の投下で一巻分を丸ごと見れるとは思わなかった
>>630
なんで通じるんだよwwww
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:11:43 ID:TXSonjgr
乙でした
ティルトウェイト解釈はアスキー版だっけ?

初めてって言ってた練習スレの頃から格段に良くなりましたね
これからも頑張れ!
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:12:24 ID:KlIqM1Ce
乙!
面白かった。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:13:20 ID:EEOOEA47
すっげえおもしろかったw
635Wizardry4.0:2008/01/30(水) 00:15:11 ID:4Nq+uCgc
>>631
 小説形式と違って細部をスキップできますから。それでも難しい……。
 長編をちゃんと完結させている人は偉大だと思います。「ご立派な使い魔」の人とか(爆笑)。

>>632
 ティルトウェイトの描写は「隣り合わせの灰と青春」の描写から。
 らんまの人やSPIRITSの人と比べると段違いですが、箸休めにしていただければ幸いです。
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:30:54 ID:s9QLNYnn
隣り合わせの灰と青春っつーとWiz小説の名作ですね。
こういう知的なワードナの爺さんや、使い魔をちゃんと尊重してるルイズは大好きなので、続き楽しみにしてます。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:36:31 ID:hQQpkCwC
>>631
決まってるだろ!俺も犬マユ読者だからだ!
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:47:10 ID:gMpOxHGz
Wiz小説っつーと和風Wizを思い出す…

あの中じゃ誰がルイズの召喚に適しているだろうか
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:48:28 ID:LrKzyC16
>638
漫画版のほうでいこう。
死んだ真壁を召喚できる。
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:50:36 ID:6FrBmwuA
>>635
気軽に読めるのは個人的に好印象です。
ともかく、乙&GJでした。

>>591
どこかで見覚えがあると思ったが今思い出した
その対応、魔界塔士サ・ガだな!?
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:06:55 ID:GbmORRgS
エセルナートとは懐かしい。
ログアウト文庫的世界観ですか。

日本のワードナ様は 米国のワードナ様より
仕事熱心だったが、果たしてこのワードナ様の就業時間は
どうなっているんだろうか?

642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:04:06 ID:4k6hubEM
小ネタですが今から投下させていただきます。
643Z武さん、学院生徒と決闘する:2008/01/30(水) 02:05:08 ID:4k6hubEM
先日トリズィテイン魔法学院に召喚されたと伝えた、神の悪戯カタワールヴことZ武洋国さん(3Z)が
同じく学院生徒のニーシュ・ダ・トシモンさんと決闘をするという事件が起きた。
事の発端は学院をコロコロで移動していたZ武さんがニーシュ・ダさんと接触したことが始まり。
この接触に怒ったニーシュ・ダさんは、
「カタワは通路の隅でも這いずり回ってろ」と、吐き捨てた。
これに対しZ武さんは、
「コロコロに乗ってる時は健常者の方が避けるのは常識なのさ〜でもそっちがその気ならただじゃスルメよ」
と、手羽先のような物をバタつかせながら立場をわきまえない態度をとった。
Z武さんは朝食時に、床にスープとパン一つという貧相なメニューに対し、
フォーク、ナイフの食器類だけはフルコース料理の様に数多く用意されるという嫌がらせをされて気が立っていたという。
決闘の内容は相手がカタワということもあり、公平的に腕相撲ということにになったのだが、
Z武さんはこの勝負に手も足も出なかった。

Z武さんの主人であるルイズ・ド・ラ・ヴァリエール嬢は、
「決闘なら決闘らしく命がけの真剣勝負をして欲しカッタワ、差別はいけないと思う」
と胸中をカタった。
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:05:25 ID:vBVho5fp
タイトルをどうぞプリーズ
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:07:03 ID:onxa25ZZ
だからいっぺん死んでこいやボケ。
お前みたいなクズくるんじゃねーよ。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:08:13 ID:vBVho5fp
つーか、また貴様か!
「実在の、なおかつ存命の人物」はダメだってんだろ!
しかもカ○ワとかもろ差別用語しれっと使ってんじゃねぇ
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:11:41 ID:BvbKNoCF
ヒント:コモンマジック・スルー
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:15:31 ID:EEOOEA47
なんか無性にガロードとティファを召喚したくなった
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:41:34 ID:D6Ij4n2o
>>648
止せ、ハルケギニアを砂糖漬けにするつもりか
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:45:58 ID:EEOOEA47
>>649
セットで召喚された時点で
・着替え→彼女いるからNG
・キュルケ誘惑→彼女いるからNG
・ワルド→好きなら結婚でよくね

あれー。やつら、どこでも二人だけの世界作っちゃうからなー
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:54:20 ID:GuvJVLi6
ワードナー召喚 乙です。
此処でもダンジョンを造るんですか・・・
あの人らしいと言えばらしいが・・・まさかダンジョンの中に例の兎も放つのですか?(((゜д゜;)))ガクガクブル

しかし、ワードナーがパートナーになったおかげでウィズ世界の呪文を会得して『ゼロ』から脱出の可能性が出てきてる事にルイズは気が付いてるかな?

そういやダンジョンで思い出しましたが、迷宮職人さん最近来てない・・・ (´・ω・`)
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:00:01 ID:awRc5k/A
>>650
それどころか
・契約のキス→彼女いるからNG
と言う罠

大変だ、話そのものが成り立たない
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:02:54 ID:EEOOEA47
>>652
そこはティファとルイズのキスで。


……想像したらwktkがとまらなくなった
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:05:21 ID:6Ict7876
>>652>>650
そこはホラ、アレだ、ハルケギニアに来た時点で気絶してたことにすればおk
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:05:36 ID:E8SP33gK
本編前のティファ召喚

……だめだ。剣振ってるところが想像できない
656名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:06:13 ID:6Ict7876
>>652>>650
そこはホラ、アレだ、ハルケギニアに来た時点で気絶してたことにすればおk


そして二人に刻まれるルーン
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:08:37 ID:BvbKNoCF
ガンダールヴだからって剣を振る必要はない
話を進められるなら始祖の使い魔のルーン完スルーでもできんこたないんじゃないか?
658名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:18:27 ID:E8SP33gK
>>657
完全スルーは新しいかもしれない

ガロにガンダールヴつけたら
何を持たせても武器になっちまう気がするぜ!

ルイズもガロに惹かれるだろうが、目の前の砂糖漬け空間には対応できまい…
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:22:27 ID:h0lZx3er
ティファなんか召喚されたら、正体隠してるフーケとかワルドとかたまったもんじゃないな。
実はかなりのバランスブレイカーじゃないか?
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:31:08 ID:BWLOkSb9
>>659
いやほら、最終回後だったらNT能力なくなってるし。
「召喚されたら能力戻ってました」みたいなのでも面白そうではあるが。
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:44:55 ID:k381qCG/
ティファとテファがごっちゃになってきた
えーっと、召喚されるのはNTの胸革命だっけ?
で、アルビオンにいるのがかないボイスのロリロリエルフでいいんだよな?
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:49:58 ID:LrKzyC16
まぜるなwwwwwwww
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 04:12:47 ID:KR37NQBS
>>660
なくなったというよりは、NT能力があっても単にそういうものとして気にしなくなっただけなんじゃないかな?

クロスボーンとXはマジ名作。アストレイXも好き。
Xのつくガンダムは不遇だけど名作が多いんじゃよー
664閑人A:2008/01/30(水) 05:06:07 ID:zb0rGuxx
え〜〜、またまたこんな時間ですけど、一応投下予約します。
665もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:08:38 ID:zb0rGuxx
.
「カザミ……本当なの? サイトが生きてるって……信じていいのねっ!?」

 先程まで悪鬼のような形相で、風見の腹筋にグーパンチを打ち込んでいたルイズが、いきなりふにゃっと歓喜に緩んだ。――この使い魔は、愛想こそ無いが、嘘はつかないという事を知っていたからだ。

「ああ。いま奴は、この学校から南南西の方角に約5kmのポイントを馬車で移動中だ。目的地がどこかまでは、分からんがな」
「5……“きろ”?」
「ああ、こっちの言い方だと5“リーグ”と言った方がいいのか」
「サイトは?」
「ロープで縛られて、荷台に転がされている。……無事だよ。呼吸も顔色も変化は無い」

「でっ、でも、何で分かるのよ、そんな事まで……!? まるで、見てきたような言い方じゃない!?」
 風見の正体を知らないキュルケが、ルイズやコルベールを振り返る。

 コルベールは思わず、その視線を躱したが、彼やオスマンほどに『カイゾーニンゲン』の詳細を理解していないルイズは、キュルケの視線を受けて風見を見上げた。
 その眼差しに、説明しろという意思を込めて。そして、キュルケに説明するふりをしながら、わたしにも理解できるように言いなさい、という意思も込めて。
 風見は溜め息をついた。

「コルベール先生、アンタにいつか話した、V3ホッパーの話を覚えているか?」
「ああ……確か、私の記憶が間違ってなければ……上空高く打ち上げて、そこから“敵”の位置やアジトやらを探るための『目』だとか?」
「そうだ。つまり……この世界流に言えば、俺の“使い魔”のようなものだ。それが今、この学校の遥か上空から、女を見張っている」
「使い魔ぁ!?」
 
 キュルケとルイズは、その単語に驚いて、目を見合わせる。
「カザミ、あなたってメイジだったのっ!?」
「ちょっと待ちなさいよっ! あんた言ってたじゃないのっ! 魔法の無い国から来たって!?」
「だから言ったろう、『のようなものだ』と。俺はメイジじゃないし貴族でもない。だが、俺の意思で自在に操作できる“物体”を持っていることは、間違いない。――それを便宜上“使い魔”と呼んだだけだ」
666もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:10:07 ID:zb0rGuxx
.
 ルイズは納得のいかないという顔をし続ける。
 キュルケは、全く以って意味が分からないという表情を崩さない。

「まあいい。君がそういう“しもべ”を所持している事は聞いておった」
 オスマンがその一言で、なおも説明を要求する気配が濃厚な、二人の少女を抑える。
「それで、カザミ君、――君は一体、どうしたいのかね?」
「馬を一頭、お貸し願いたい」
 風見の視線が、さらに硬くなった。

 オスマンは、風見とゴーレムとの戦闘模様を目撃してはいない。
 だが、それでも、この老人には分かる。
 コルベールが言うように、眼前の青年が、その毅然とした表情の裏に、どれほどの苦痛を封じ込めているのかも。
 馬を一頭、ということは……それほどの全身の悲鳴をこらえながら、なおも独りで行く気だというのか……!!

「死ぬ気か……カザミ君?」
「まさか」
「ならば、――少々メイジを甘く見過ぎてはおらんかの?」
 風見は答えない。
 もっとも、その質問に答えるには、風見にとっては、対メイジの戦闘経験が、余りにも少なすぎるせいもあるのだが……。

「悪いが……君の申し出は、断らせてもらうしかないようじゃ」

 オスマンは言った。
「悪く思わんでくれよ。君を行かせて、結局人質の少年もろとも死なせるような事になれば、わしは――」
 そう言って、オスマンはルイズをちらりと見ると、
「わしは、ミス・ヴァリエールから、使い魔を全て取り上げてしまう事になるでな」
「……そう、か」
 風見はうつむいた。

 あるいは、この老人ならばとも思ったが、……やはり、予想は覆らなかった。
667もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:12:25 ID:zb0rGuxx
,
(どうする……!?)

 いまの体調では、おそらく変身したとしても、フルパワーの6割ほどしか動けまい。
 いや、それは問題ではない。
 おそらく困難なのは、戦うことではなく、殺さぬように手加減する事だ。
 全身を、絶え間ない電流のような激痛が走っている。
 だが、それでも、まだ状態はマシだというしかない。
 おそらく、ルーンが刻まれる前だったら、この改造強化された身体でさえ、立てるようになるまで二日はかかっただろう。――あのゴーレムの蹴りは、それほどのダメージだったのだ。
 それはいい。動けるならば、それに越した事は無い。
 だが、痛覚を中途半端に遮断されたおかげで、ボディの状態が正確に把握しづらい。それが困る。
 この体調で、山道を駆ける馬車を追うのは、かなり厳しい。
 だが、……どのみち、休養を取る気など無い。
 女の顔と嘲笑、そして才人の失神した姿が頭にこびりついて、とても寝てなどいられない。
 ならば、するべき事は決まっている。

「では――失礼する」
「待ちたまえ」
 オスマンが、行こうとする風見を呼び止める。
「念のために訊くが……これからどうするつもりかね?」
 知れた事、と言わんばかりの表情で、風見はオスマンに目を向ける

「馬が使えなければ、二本の足を使うまでだ」

 そう言って、振り返ろうとした瞬間だった。――“それ”が視界に入ったのは。

「カザミ君、君の気持ちも分かる。分かるが、もう少し落ち着いたらどうじゃ」
「カザミさん、いまの体調で、フーケのゴーレムと戦えると、君も本気で思っているわけじゃないだろう?」
「何カッコつけてるのよカザミっ!! 怪我人のあんた一人で行かせたら、御主人様が笑われちゃうでしょっ!!」
「――って、ルイズ、あんた行く気なのっ!?」

 風見の周囲で、老人・中年・少女二人の、四つの声が錯綜する。
 しかし、いま彼の耳には、そのいずれの声も届いてはいなかった。
668もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:14:49 ID:zb0rGuxx
「カザミ……君……!?」
 オスマンが最初に、彼の異変に気付いた。
 風見の見開かれた目が、宝物庫の一角に向けられ、全く微動だにしていないことに。
「……どうしたんじゃ?」
 そのオスマンの問いには答えず、風見の脚は、引き寄せられるように、“それ”に向かって踏み出していた。
 一歩、また一歩、……まるで夢遊病のようなおぼつかない足取りは、決して、彼の身体に残留した深いダメージのせいだけではない。
 そして、とうとう風見は、“それ”に触れた。

 ルーンが輝くのが分かる。
 たしかにコイツは、ある意味『兵器』だ。あらゆる武器を使いこなすと言われた、このルーンなら、“これ”を『武器』の延長線上にある存在と認知しても、何ら不思議ではない。
 そして、輝くルーンから流入してくる圧倒的な情報は、“それ”がまだ『生きている』ことを教える。

「Mr.オスマン……確かここは、マジックアイテムとやらの保管所だったな」
「ああ、そうじゃが……」
「ならば、何故こんなものがここにある?」
「“こんなもの”とは、それか? その『黒金の馬』の事かね?」
.
「くろがねの……うま……」
 
 コルベールが、思わず口を差し挟む。
「カザミさん、それは、かつてロマリアから送られた、『場違いな工芸品』と呼ばれる存在の一つだよ。いつ、誰が、どこで、何のために作ったのかサッパリ分からない。構造を調べようにも分解すら出来ない」
「……」
「君が何故その物体に、そんな表情を向けるのか分からないが……一体どうしたんだね?」

 風見は答えなかった。
 ただ、全身から込み上げる震えを、ガマンできなかった。
 もはや、指先から爪先まで駆け巡る痛みすら、気にならない。それほど有り得ない事だったのだ。――こんなところで、こんな異世界で、自分の分身にめぐり合おうとは!!

「『黒金の馬』、か……。上手いネーミングをつけたものだな、全く……」

「君は、知っておるのか、まさか、それを……!?」
 滅多に動じぬオスマンが、信じられないものを見る目で、風見を見る。
「ああ、知っている」
 風見は、さっきまでの苦渋の表情が嘘のような、むしろ誇らしげな顔で答えた。


「コイツの名はハリケーン。俺の相棒だ」

669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 05:15:13 ID:k381qCG/
馬がないなら当然足だな支援
670もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:17:45 ID:zb0rGuxx
.
「あいぼう……?」
「はりけーん……?」
 4人はぽかんとなった。
 
 相棒とは、我ながら上手く言ったものだな。
 風見は、心中苦笑する。
 たしかに――相棒だ。仮面ライダーが“ライダー”と呼称される由縁。
 このマシンを、まさに分身のごとく自由自在に、あらゆる場所で乗りこなす。
 そのライディングテクニックがあればこそ、俺たちは“仮面ライダー”なのだ。

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ……あんた何言ってんの? これは王宮から魔法学院に預けられたマジックアイテムなのよ。まさか、わたしたちが知らないと思って、デタラメ並べてネコババしようなんて――」
「ハリケーンっ!!」
 風見が、ルイズの声を遮るように叫んだ。

――ドルン!! ドルンドルン!! 

 風見の一喝と同時にそのマシン……ハリケーンのエンジンに火が入る。
 オスマン、コルベール、ルイズ、キュルケの4人は……もはや声もない。
 彼は、そうするのが当然である、と言わんばかりの自然さで、ハリケーンに跨った。
 変わらない。
 たとえ、世界が入れ替わっても、コイツの乗り心地だけは変わらない。

「Mr.オスマン、馬はもう要らなくなった。代わりにコイツを返して貰う」
671もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:19:48 ID:zb0rGuxx
.
「返してもらうって……こいつはたまげたわい……!!」

「学院長」
 呆気にとられるオスマンに、ルイズが駆け寄る。
「カザミを行かせてあげてください。いま、サイトを救えるのは、彼だけなんです! お願いします!!」
「ルイズ!?」
「ミス・ヴァリエール!?」
 キュルケとコルベールが、驚きの声を上げる。
 この少女は、自分の使い魔が、どういうコンディションか聞いていなかったのか?

「確かにカザミは、無愛想だし、目付き悪いし、言うこと聞かないし、いま大怪我してるかも知れないけど、それでも、こいつが」
 そこでルイズは、一度言葉を切り、
「――いえ、わたしたちが行かなきゃ始まらないんです! カザミが危なくなったら、わたしが助けます! だから、行かせてください、お願いしますっ!!」

 オスマンの深い目が、必死になってそう訴える少女を見つめる。
「……その言葉の結果が、いかなる結末を迎える事になっても、誰も責任は取れんのじゃぞ、ミス・ヴァリエール。それでも良いのじゃな?」
 その問いに、ルイズは答える言葉を持たない。――だが、ルイズはもう、うつむかなかった。
 彼女には分かっていた。自分がこのまま、何も為さず、まんじりと座して夜明けを待つことなど、到底出来そうもないことを。

「仕方ない、かの……」
 オスマンが、何かを諦めたかのように、何かを吹っ切ったかのように、微笑んだ。

「――あっ、ありがとうございますっ!!」
 そうだ、それでいいんだ。 何を迷っていたんだろう。 使い魔を助けるのは主の勤め! わたしがサイトを助けてあげなくて、一体誰が、あのばか犬を救い出せるっていうのよっ!!
 その思いは、悲壮感に沈みこんでいたルイズの心を、鎖から解き放つカンフルとなった。

「さあ、行くわよカザミ、準備はいい!?」
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 05:19:58 ID:k381qCG/
ハリケーンって時速何kmくらいでるんじゃろ? 支援
673もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:21:23 ID:zb0rGuxx
.
「ちょっ、ちょっと待ちなさいルイズ!」
 キュルケが、ハリケーンのタンデムシートに座ろうとするルイズを引き止める。

「宜しいんですか学院長!?――いや、カザミの体調じゃなくて、あの『黒金の馬』のことですわ!!」
 さすがのキュルケも、うろたえた声を出す。
「あたしはゲルマニアからの留学生ですが、失礼ですけど、いま学院長がなさった決断が、トリステインにとって、取り返しのつかない事態を招きかねないのは分かりますわ!!」
「取り返しのつかない事態?」
「あの『黒金の馬』は、確か、ロマリアから送られた国宝なんでしょう!? それを平民に勝手に与えてしまうなんて、……下手したら外交問題ですわよっ!!」
 
 そう、確かにキュルケの言う事は正しい。だが、オスマンは深沈たる眼差しでかぶりを振った
「『勝手に与えた』と言うならば、そもそもあれは、我々が“勝手に”所有権を主張し、使い方さえ理解できず、ついには“勝手に”蔵に放置するしか出来なかった代物じゃぞ?」
「しっ、しかし!!」
 オスマンは、なだめるようにキュルケに言う。
「ミス・ツェルプストー、あの『馬』のいななきを聞きたまえ。まるで喜んどるようじゃないか? 久しぶりに主に出会うて、喜び勇んどるようじゃないか?」
「学院長……」
「『黒金の馬』はフーケに盗られて、永久に失われたことにしておこう。ここにあるのは、彼の愛馬『ハリケーン』じゃ。よいな?」

 そう言って、オスマンは、キュルケを見、ルイズとコルベールを見、そして、風見を見た。
「Mr.オスマン……済まない」
「やれやれ、若い者にはかなわんの」
 老人のその目は、笑っているように見えた。
 その老熟と寛容を併せ持った眼差しは、風見の知るある人物にそっくりであった。


「ありがとう。――おやっさん」


 風見は、そう照れ臭げに呟くと、そのままハリケーンのアクセルを吹かし、壁の穴から闇の中に飛び出していった。
 一緒について行く気満々だったルイズを取り残して。

「こら〜〜!! 何で御主人様を置いて行くのよ、ばかばかばか〜〜〜!!」

674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 05:22:39 ID:k381qCG/
流石にメットも無しにタンデムは危ないよなあw 支援
675もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:23:05 ID:zb0rGuxx
.
「目が覚めたかい? 坊や」
 風の冷たさで、才人が意識を取り戻した瞬間、つやっぽい女性の声が聞こえた。
 
「ここは……?」
 体を起こそうとした途端、“床”がガタンと地震のような振動を起こした。肩が捻り上げられるような衝撃が才人を襲う。
「いででっ!!」
 その時になって、ようやく才人は、自分が後ろ手に縛り上げられている事、また、“床”だと思っていたのが、荷馬車の荷台だという事、さらには、馬車が走っているのが、石ころだらけの暗い林道である事に気付いた。
 そして、御者席に座り、その馬車を猛烈なスピードで走らせる女性……!

「あんた、一体何者なんだ……!?」

 女は、御者台からちらりと振り返ると、フードを取った。
「そういや、お互い自己紹介がまだだったねえ」
「あんた、……ミス・ロングビル、じゃない……のか?」
 すでに捨てたはずの名で呼ばれ、女はくくくっ、と笑った。


「わたしの名は『土くれ』のフーケ。ロングビルってのは、むかし近所に住んでた行き遅れのオバサンから借りた名前さ。よろしくね――ガンダールヴ」


「ガン、ダム……?」
「おや、まだコルベールやオスマンのエロジジイから、何も聞いてないのかい?」
「おれはヒラガサイトだっ! そんなモビルスーツみたいな名前じゃ――ぐむっ!?」
 才人はだんご虫のように、いきなりうずくまり、丸くなった。
「くくくっ ――舌噛んじまったかい? 山道の馬車は揺れるからねえ」
676もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 05:24:38 ID:zb0rGuxx
.
 むかついた。
 この女が、自分をゴーレムで握り殺しかけたという事以上に、自分について自分以上に何か知っているらしいという態度が、才人には非常に気に食わなかった。
 だが――、

「安心しな、そんなに怯えなくても殺しやしないよ」

 そう言われた瞬間に、恐ろしいほどの恐怖が背筋に這い登ってきた。
 そうだ、おれは、――この女の顔を、はっきり見てる。
 普通、こういう場合って、くっ、くっ、くっ、……口封じに……!!

「きえええええぇぇぇぇっっっ!!!」

 悲鳴にもならない悲鳴が、才人の口から迸った。
 そして、自分がどういう体勢なのかも省みず、馬車から飛び降りて脱出を図ろうとしたが……、
「えっ、えっ、ええ〜〜〜!!?」
 後ろ手に縛られたロープが、なんと馬車の荷台に結びつけられていたらしい。両肩が脱臼せんばかりの激痛が走った。そして、そのまま荷台に置いてあった、細長い木箱に、いやというほど脳天をぶつける。
 才人は、再び失神した。

「まったく、……あんた馬鹿じゃないの?」

 再び意識が戻った時、才人は山小屋の中で、床に転がされていた。
 それをフーケが呆れたような顔をして、見下ろしている。
「感謝して欲しいもんだわね、命を救ってあげたんだから」
「へ?」
 その言い草の、あまりの意外さに、才人はキョトンとなった。
「分からないのかい? もしアンタ、あのまま馬車から飛び降りてたら、受身も取れずに、石に頭ぶつけて死んでたよ」
 才人はそう言われて、――馬車の荷台から見た、街灯一本ない暗闇の眺めや、5秒に1度は、石を踏んでゴツンゴツンに揺れていたデコボコの山道を思い出し、ぞっとした。

「あんたみたいな向こう見ずなガキが、ガンダールヴなんて……信じられないよ、まったく」
 そう言いながらフーケは、背中に回された才人の両手のロープを解き、
「ホラ、食いな」
 と、パンを差し出す。
「え?」
「いらないのかい?」
「え、あ、いや、――ありがとう」
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 05:28:23 ID:k381qCG/
あ、姐さん優しいw 支援
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 05:49:35 ID:CTGvWBR/
支援
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:12:42 ID:FYMgdE0r
ん、規制入ったかな?
680もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 06:21:05 ID:zb0rGuxx
はい。規制喰らっちまいました。避難所行きます。
681u^:2008/01/30(水) 06:21:56 ID:ZdTm3YSg
良いところで規制が・・・・・;;
とにかく支援を!
682もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 06:24:33 ID:zb0rGuxx
と思ったら、書き込めるようなんで、また続き投下します。


 そのパンは、半ば硬くなっており、ろくに味もしなかったが、それでも才人は、貪るように食い尽くした。思い返せば、彼は夕飯を食べていなかった。
 例の『使い魔品評会』の出場問題で、ルイズを怒らせて、抜かれてしまったのだ。
 しかし……。

「あの――?」
「なんだい」
「わざわざロープを解いたのは、おれにこのパンをくれるため、なのか?」
 そう、おずおずと訊く才人に、フーケはフンと鼻を鳴らして、
「当たり前だろ? それともあんた、犬食いがしたかったのかい?」
 と言った。
 才人は数瞬、あっけにとられたが、――どうやら、メイジである彼女は、現役高校生の腕力による逆襲など、全く歯牙にもかけていないらしいと、ようやく理解した。

「さて、それじゃあ、本題に入ろうかね」
 目の前に置かれたのは、1,5mほどの細長い木箱。
 
「アンタは、自分が“ガンダールヴ”だという事実を、まだ認識していないらしいけど……少し試させてもらうよ」
 そういうと、『練金』で小さなナイフを錬成し、才人の傍らの床に投げ刺した。
「抜きな。左手の甲のルーンが見えるようにしながらね」
 
 才人は未だに何の事か分からない。
 しかし、こんなナイフ一本で、巨大ゴーレムを自在に錬成し、操作する女に逆らう気は起きない。
 そして、ナイフを――言われた通り左手の甲を見せながら――抜いた瞬間、ルーンが煌煌と輝いた。
「なっ!?」
 いや、それだけではない。
 ルーンが輝いた瞬間に、いまだ残る両肩の痛みが消え、体が軽くなった……!?

683もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 06:25:46 ID:zb0rGuxx
.
――パチン!!

 フーケが指を弾いた瞬間、ナイフがいきなり土に変化した。
 彼女が『練金』を解いたようだ。
 まるで理科の授業で、物質の腐食と風化の超早送りVTRをみせられたようだった。

「そのルーン……やっぱり本物だったか……わたしは盗賊の神様に感謝すべきだねえ」
 涎をたらさんばかりの笑顔を見せ、
「まさか、どうやって身柄を抑えようか悩んでいた、当の本人が、自分から飛び込んできてくれるなんてねえ……」

「なあ、ちょっと待ってくれよ、説明してくれよ。おれ、あんたが何を言ってるのか全然分からないんだよ」
 さっきの怪現象はなんだったんだ!? そういや、ギーシュとかいうキザ野郎と決闘した時も、剣を握った瞬間に、体から痛みが抜けた。いや、それだけじゃない。その剣で、等身大の金属人形を、真っ二つにした……このおれが……!?
 今まで知らなかった自分自身の情報を突きつけられ、才人は狼狽する。

 そして、フーケは言い放つ。

「もう分かってるんだろ? あんたはあらゆる『武器』を使いこなす。――あんた自身の力じゃない、全部そのルーンの力さ。伝説の使い魔“ガンダールヴ”のルーンのね」

――伝説の、使い魔……? なんだそりゃ……!!?

「さあ、説明は以上だ。その木箱を開けて、『破壊の杖』の使い方を教えてもらおうか? そいつが魔力に反応するタイプの、単なるマジックアイテムじゃないっていうのは、ディティクト・マジックでもう分かってるんだ」
「教えるって、……おれが?」
「分かった事を素直に全部言ってくれれば、――無事、魔法学院まで送ってやるよ」

 つまり、期待通りの情報を言えなければ、命は無い。
 そういう事か……!?
 殺すのか、殺すのか、おれを、殺すのか、おれは、殺されるのか!?
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:26:30 ID:FYMgdE0r
W支援だ
685もう一人の『左手』(その10):2008/01/30(水) 06:27:46 ID:zb0rGuxx
.
 もう、否も応もなかった。
 才人は、眼前の木箱を引っくり返し、夢中で、蓋とおぼしき板を引っぺがした。
 
 中に入っていたのは、長さ1・2m程度の……。
 これって、あの、たしか、――ガンダムで、ザクとかドムが使ってた、アレ?
 でも、たしか『杖』って……。これ、杖でも何でもねえじゃん。

 おそるおそるフーケを見上げる。
「なにグズグズしてるんだいっ!! さっさとしなっ!!」
 その一喝に、才人は反射的にその“物体”をつかむ。
 ルーンが光る。
 その瞬間に、この“物体”に関する、おびただしいデータが彼の脳内に流入してきた。


「ひいいいいいぃぃぃっっっ!!!」


「なっ、なんだいっ! どうしたんだいっ!?」
 目を見開いて、発狂したように取り乱す才人。まるで、白昼に幽霊でも見たような絶叫をあげ、山小屋の隅まで転がって、がたがた震える。
 フーケは、何が起こったのか分からず、目をぱちくりさせた。いくら何でも、この反応は予想の斜め上を行き過ぎている。それともまさか、呪いのアイテムなのか!?
「おいっ! 坊やっ!! 答えるんだ、アレは一体、何だったんだよっ!!?」
「――かっ、かかかか……」
「か?」


「かめ……ばずーか……!!」


 哀れなる『土くれ』のフーケは、……その才人の言葉の正確な意味を、知らなかった。
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:29:00 ID:FYMgdE0r
カメバズーカかよっ!?支援
687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:29:41 ID:BWfyqKqq
カメバズーカかよwwwwwww
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:30:55 ID:k381qCG/
カメバズーカの情報が入ってきたらそりゃ混乱するわw
689閑人A:2008/01/30(水) 06:31:20 ID:zb0rGuxx
投下はここまでです。
ものの見事にネタバレされてしまいましたが、
『破壊の杖』=かめ。という図式を思いついて、初めてこれを書き始めたので、
パクリじゃないッス。
690名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:33:04 ID:FYMgdE0r
乙ー。
スピリッツだと虎の人のバズーカの方がまだ覚えが有ったがカメの方はなー。
691名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:42:35 ID:k381qCG/
カメバズーカって単発なんだろうか、それとも何発も撃てるんだろうか、もしくは全く撃てないんだろうか
続きが気になるぜw
692名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:49:34 ID:AflIoSfq
左手さん乙っす!
まさか怪人の類がここにきてこんな風に登場するとはwwwwwwww

何にせよGJ!そして次回も楽しみにしてるぜ!
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 06:57:59 ID:QgQnE0cx
サイトが北野君みたいになっとるwww乙
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 07:09:09 ID:BWfyqKqq
>>689
GJ!

もうこうなりゃシエスタの曾祖父がヒロシだったとしても驚かんw
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:04:57 ID:7rDdiQRu
カメバズーカでぐぐってみたが…

なんじゃこりゃwwそら脅えるわwww
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:11:52 ID:Wd7KZQ+u
このおマチさんはかなり頭が良いな。
697名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:26:02 ID:AFRmr75w
やはり聖地にはプルトン爆弾やキングダークが転がっているのだろうか
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:30:27 ID:nKvjty+J
V3だしカメバズーカなら納得できるな

ただそこに費やされた人体改造や作られた理念、使用法やその結果を
ルーンを通して与えられたら

そりゃ気絶してもおかしくないおぞましさだよなぁ
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:39:27 ID:FBFKMmAX
>>657-658
> 使い魔のルーン完スルー
使い魔自身が変な能力を持ってる場合、
正体不明の第四の使い魔が召喚されたんだ、
ってことにしちゃうのはいいかもしんない。

んでテファがサイトを召喚。
700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:41:46 ID:nKvjty+J
>>699
サイトからしたらルイズよりも
嬉しいというかアタリなご主人だなそれ

でも巧く立ち回らないと
レコンキスタによって戦火スレ行きになる悪寒
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:53:10 ID:CXxzM1Z/
昨今、ヒーローというものが量産されまくってる世の中だが、
やはり仮面ライダーってのはヒーローの「オリジナル」と言っていい格好良さだよなぁ。

まぁ、俺はライダー派なだけで人によってはウルトラマンなり悟空なりと色々あるだろうがな。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 09:10:20 ID:QhscYRjy
正義マフラーの原点だしね。
「向かい風に立ち向かいたなびくマフラー」のデザインに故石森氏もいろいろ話してるけど、「向かい風」が何を指すかにもいろいろ解釈できるよな。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 09:35:15 ID:frpXCOcd
>>643
>神の悪戯カタワールヴ

10点
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 10:00:26 ID:NgCElyTu
>>691
たしか『つづけて千ぱつもうてる』ぞ
ビルくらいなら簡単に吹っ飛ばす。
東京だって壊滅だ!
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 10:22:20 ID:2Kvs6Ew9
>>672
サイクロン号は時速700km 300馬力だそうで
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 10:23:43 ID:ziW1lye0
狂う前の平井和正作品が見たいな。
アダルト・ヤングどちらかの犬神明とか8マンとか幻魔大戦…
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 10:37:27 ID:E8SP33gK
カメバズーカwwww


ティファなら第4使い魔もいけるか……
戦闘力皆無なバランスブレイカーって素敵
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 10:45:53 ID:wYJjhj/h
>>698
大砲バッファローで
「これで危険な発破作業で死ぬ人が居なくなるぞ!」
と喜んでいる結城丈二とかを幻視してショックで気絶

とか…

709名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/30(水) 11:05:35 ID:0yowLsw5
聖戦記エルナサーガからエルナが聖短剣と一緒に召喚されました、と妄想。
彼女はハルキゲニア以上に魔法が当たり前(平民でも魔法が使える)の世界にいて、
魔法を全く使えないことで闇の姫御子として忌避される存在だったからルイズとは共感出来るかも。
性格は正反対だけど。
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:16:20 ID:5PZ8KZDF
杖と呼ぶからにはカメバズーカの甲羅だけなんだよ!とか言ってみる。
ジジィもおとなしい亜人なら埋葬してやるだろうし
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:20:06 ID:fhg7J1Md
バカ野郎!バズーカを甲羅からひっぺがしたに決まってるだろ!!

それにしても、エルナサーガだのおとぎ奉りだの、お前等どんだけマイナーなんだよw
712名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:23:40 ID:QhscYRjy
なんだ、甲羅だけなら核爆弾はついてないじゃん。
大丈夫大丈夫。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:26:48 ID:BvbKNoCF
>>711
つまりカメバズーカの甲羅(バズーカ込み)を装着してガンダールヴのルーンとコルベールの協力による背中だけ改造人間なサイト爆誕か
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:28:20 ID:ozZ0YaN2
そこでカメかww

ちょっと前にこのスレ見つけてから続きが楽しみでしょーがない。
閑人A氏に感謝感謝。


まとめにあるドモン召喚とブラックアウト召喚の続きも気になるけど
打ち切り・・・?orz
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:35:59 ID:+aQaQBFW
>>713
なぜか「ズゥ〜カァ〜!」しかしゃべれなくなります
716名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:39:22 ID:ziW1lye0
Gガンねたならあれだな
マンダラガンダム召喚でラスト、ジョセフの召喚したDG細胞にルイズが取り込まれ(ネオ・アルビオンのビッグ・ベン砲とかが見たい)
キラウの一声で色んな世界の使い魔連合が集結し(つまりまとめサイト中の使い魔全部)…
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:48:38 ID:KWk22okM
仮面ライダーに登場した数々の破壊兵器。
ロマリアにはそんな物がいっぱいあるじゃないか。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:51:22 ID:v6JPPD0U
原子爆弾!?
ちょ、これヤバイだろカメバズーカw
サイトビビッたの判るわー。
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:52:43 ID:nKvjty+J
というか
氷漬けになった各組織の怪人が保存されていたりしてな

まるでデビルマンのデーモン一族だwww
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:02:16 ID:eJRWfK+J
>>718
sageような?
それはともかく、ライダーの敵役は死ねば爆発するからなー…普通に考えると危なすぎる
クウガかアギトでそれを押さえる為に地下で敵倒してた事があったような
どっちの作品だったか忘れたけど
ライダーにばかり目がいきがちだけど、怪人のスペックも洒落にならない事を忘れてはならない
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:10:57 ID:o7g4lSTQ
戦闘員ですら普通の人間の16倍の身体能力だからなぁ
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:12:31 ID:3aw2s6im
16倍の戦闘力をもつ戦闘員と無改造生身素手で戦えるやつもいるんだよな。
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:15:29 ID:GuvJVLi6

この流れだと、タバサが吸血鬼を討伐しに行ったら
相手はブラック将軍だったという展開もあるのか?(^_^;)
724名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:23:13 ID:wYJjhj/h
まあ戦闘員なんて
ちびっ子二人に不意打ちで絞め殺されたり
正面から女性に負けたり
数人居てもバイク屋の親父に突き飛ばされるわけですが…
プロレスラーには数人居ても勝てない

カタログスペックどおりの奴は10人に一人ぐらいで後は一般人並かそれ以下の虚弱体質なんじゃね?
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:26:05 ID:BvbKNoCF
>>724
"一般人"の平均が段違いなんだろ
726名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:29:13 ID:rAPS2hlW
>>718
あの時代の特撮、SFに原子力は当たり前の装備だぞ。
夢の高出力無限エネルギーとして。

それより前のレンズマンの無慣性装置「バーゲンホルム機関」なんぞ
ウランだかプルトニウムが当たり前のように使われているぐらいだし。
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 12:33:22 ID:AkHBPm3Q
でも、大幹部怪人と生身で渡り合った赤心小林拳師範とかいるしなぁ
おやっさんもタイマンなら戦闘員に勝てるらしいし……二人掛かりでは負けるけど

まぁそろそろ、ライダースレに言ったほうがよかんべぇよ
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:05:12 ID:bnIEZ3Y5
GODの改造人間は、偉人とかだったりするし、
召喚すると酷い事になりそうだな。
ヒトデの人とか。

729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:11:46 ID:tl7E6Pko
>>720
たぶんクウガのサソリ怪人の時
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:22:34 ID:J5cBV2er
あのさ原子爆弾に固定化かけちゃってたら爆発しないと思うんだよね・・・
いや無視してくれ
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:23:08 ID:ME0lczlc
>>725
ライダーの世界にはこの概念が有るんだな?

・――人類皆強大。
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:27:53 ID:TDRrtY/y
グロンギより頑丈な一条さんとかな
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:44:45 ID:8Vv8C8Nt
固定化の範囲設定があいまいで対象物周辺の空気まで一緒に固定化しちゃうミスとか無いのかな。
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:47:39 ID:bsG/urc1
空中元素固定装置と申したか(´・ω・)
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:54:25 ID:8S/dis/3
気づいたのは相当あとになってからです。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:56:27 ID:pks7EHsV
>>724
定期的に日干ししないとしけってしまう人達もいるしな。

ヤツデンワニとリジェ召喚でも書くかな………。
737薔薇乙女も使い魔X−4:2008/01/30(水) 13:56:42 ID:fhg7J1Md
歌:倖田來未だな?
738薔薇乙女も使い魔X−4:2008/01/30(水) 13:57:48 ID:fhg7J1Md
ぎゃあああああああああ
名前消し忘れたああああ

夜勤明けに、何やってんだ私は・・・恥ずかしい
早く寝よう
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:00:27 ID:BvbKNoCF
>>738
罪なので罰としてズゥーカァーで喋りなさい
なんとなく。
740名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:05:07 ID:6Bd0ceSp
>>738
投下はまさか今夜ですか?
…無茶はしないで下さいね
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:11:09 ID:SJ5WgqUk
>>731
ちきしょうもみじ饅頭噴いたw
742名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:22:14 ID:onxa25ZZ
>>729
小型核爆弾並だっけ?
クウガのパワーも上がっていたといえ相当のエネルギーを
蓄えていたんだろうな。
743名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:33:43 ID:8S/dis/3
軽率な行動ばかりとったのはほんとうによく知らなかったからです
744名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:36:00 ID:UrC7+XxL
カメバズーカテラ吹いたwwwwww そりゃあ怯えるわwww

>>709
聖短剣あればデルフいらなくね? と思った。
つか七万の軍勢を前にするのならシャールヴィを…。
745名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:45:40 ID:pks7EHsV
>>743
IDが男帝位乙
746名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:51:21 ID:8S/dis/3
知っている話と知らない話があることは本当です
747名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:55:52 ID:ziW1lye0
どこだったかな…戦闘員の日常を描いているサイトがあって
せっかく出世して怪人になったのにライダーに殺された先輩を思って泣いたり
意外に幹部が部下思いで大事な作戦の戦闘員の母親が病気なんで会わせてやろうとしたり
748名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:58:05 ID:fPd70b4w
仮面ライダーになりたかった、でぐぐると泣けます
749名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:00:02 ID:hUTjR+8z
>>747
どっかの絵師の保管庫だったはず
俺ライダー系のやつ
750名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:02:08 ID:ziW1lye0
>>748>>749
そうそう、これっす!
この戦闘員氏にぜひハルケギニアに…
751名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:04:29 ID:QhscYRjy
もうあいつに戦いを強いてやるなよ、もうただの人でいいさ。
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:06:16 ID:qR66aSeV
流石にその話はスレ違いだろ。
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:07:09 ID:qR66aSeV
書き込む前にリロードするべきだったな。

>>750
二次創作の二次創作になるんで無理じゃね?
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:10:55 ID:8S/dis/3
本当にすいませんでした
755名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:11:36 ID:hUTjR+8z
三次創作になりますね
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:12:55 ID:fPd70b4w
ルイズと共に戦う姿は死ぬほどかっこよいが、やつは喫茶店のマスターでいてほしいw

やるなら自分のサイトでやろうなw
757ゼロの夢幻竜:2008/01/30(水) 15:21:18 ID:BmmXIBtc
皆さん今日は。
予約が無いのでしたら25分から投下して宜しいでしょうか?
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:23:42 ID:vR1RQ3W2
>>757
支援砲撃準備OK
1525より支援砲撃を開始する
759ゼロの夢幻竜:2008/01/30(水) 15:25:29 ID:BmmXIBtc
では投下します。

ゼロの夢幻竜 第二十三話「密会」

ご主人様の様子がおかしい。いつもと違って落ち着きが無い。
そうラティアスが思い始めたのは学院にトリステインの王女様なる人がやって来た時だった。
朝、連絡をするでも無く勝手に学院長先生に会いに行ったかどで叱られるかと思っていたのだ。
しかし、後回しにしていた仕事を終えてから会ったルイズにはそんな雰囲気が少しも見られなかったからである。
いたく上機嫌だったと、良く言えばそうかもしれないが、悪く言えばかなり何かに浮ついた調子で、しかもその度合いはかなり凄い物だった。
昼食の時もフォークから肉が逃げるのに気付かなかったし、午後に自身で取り決めた自習でさえもその進み具合は捗々しくなかった。
あそこまで何かが抜けた主人をラティアスは見た事が無い。
そして夜も更け、彼女達は今部屋にいるわけなのだが、ルイズの調子は相変わらずだ。

「ご主人様。そろそろ消灯の時間ですから着替えたほうが宜しいかと……」

だが、ラティアスの言葉はあっさり聞き流されたようだ。
ルイズは相変わらずベッドの上で枕を抱き締めつつごろごろと転がっている。
およそ二、三時間前からこんな調子だ。
その様子にラティアスはつい溜め息を吐く。
そんな時、部屋の戸がノックされた。

「こんな時間にどなたでしょうか?」

ラティアスはもう一度ルイズに向かって話しかけるが、ルイズの反応は変わる事は無かった。
しかし、次のノック音で彼女の表情は一変した。
長く二回、そして短く三回。
ルイズは枕を放り出してから急いでベッドから身を起こし、椅子にかけてあったブラウスに袖を通す。
その顔は明らかに今までのものとは違っていた。
ラティアスはその代わり映えに驚きつつも、ドアをゆっくりと開ける。
そこには真っ黒な頭巾を被っている何者かがいた。
ラティアスは一見、不審者と思って身構える。
だがそれはルイズの一言で抑えられた。

「待って、ラティアス。この者は……怪しい者じゃないわ!」

では一体誰なのだろうか。
なで肩であるのと身長からして女性である事は違い無さそうであるが。
その人物はルイズとラティアスを戒めるように、口元に伸ばした人差し指を当て、音をたてない様に注意をさせる。
そしてマントの隙間からやや小振りな杖を見せる。
杖を持っているという事は相手が貴族でありメイジであるという証だ。
成程、ルイズが気の立つラティアスを制止した訳である。
杖が振られると細かい光の粒子が部屋の彼方此方に向かって飛び散る。

「ディティクトマジック?」

その魔法の名前はラティアスも知っていた。
とは言っても、ルイズが自室で勉強している傍らで覚えた物に過ぎないが。

「何処に耳があり、目が光っているか分かりませんもの。こうしなければ安心できません。」

それは正に緑地帯に吹く涼やかな風のような女性の声だった。
やがて何も自分達の会話を盗み聞きする者がいないと分かると、彼女は頭巾を取った。
その下から現れたのはアンリエッタ王女であった。
その気品溢れる佇まいは、ラティアスをその場で固まらせるほどであった。

「姫殿下!」

760名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:25:34 ID:vR1RQ3W2
支援
761ゼロの夢幻竜:2008/01/30(水) 15:26:43 ID:BmmXIBtc
ルイズは咄嗟に片膝を着く。
王女はその様子を見て、にっこりと笑ってから言う。

「お久し振りね。ルイズ・フランソワーズ。」

それからアンリエッタは感無量の表情を浮かべてルイズに歩み寄り、ひしと抱きつく。

「ああ、ルイズ、ルイズ!懐かしいルイズ!こうして会えるのが如何ほどの幸せか私には皆目見当がつかない!」
「姫殿下、いけません!こんな時間に、このような下賤な場所に護衛も無しにお越しになられるなど。」

ルイズは頭を下げたまま答える。
しかしアンリエッタはその空気を解す様に柔らかい声で言う。

「ルイズ・フランソワーズ!私達の間にその様な堅苦しい行儀が必要な事などこれまでただの一度も無かったのはあなたが一番良く知っているじゃない!あなたは私にとって、この御世で一番大切なお友達の一人なのに!」
「も、もったいないお言葉で御座います。姫殿下。」
「ああ、お願いだからそんな他人行儀な事は止してちょうだい!そんな事はもう宮廷で沢山なのだから!ここには枢機卿も、母上も、近付こうと寄って来る宮廷貴族もいないのですから!
この御世において私が心を許せる友人はもうあなた一人だけなのよ。あなたにまでそんな余所余所しい態度をされたら私は私でなくなってしまいそうだわ!」
「姫殿下……!」

ルイズはそっと顔を上げる。
アンリエッタはその顔を感慨深げに見つめた。
それから直ぐに近くで滞空しているラティアスの存在に気付き、ルイズに問いかける。

「あれはあなたの使い魔?まあ、竜を召喚したなんて素晴らしいわ、ルイズ。」
「はい。ですがこの竜はただの竜ではありません。ラティアス、王女様に挨拶なさい。」
「分かりました。」

ルイズはそう言ってラティアスを促す。
ラティアスは人間形態になり、最初にルイズが取った姿勢と同じ姿勢をしてから挨拶をする。

「ええと、今晩は、王女様。お会い出来て光栄です。」

その流れにアンリエッタはきょとんとしてラティアスの口元をまじまじと見つめる。
いつもの事だとラティアスは思う。
主人の許可を貰って自身の能力の一端を誰かに明かせば、十中八九同じ反応が返ってくるからだ。
そしてアンリエッタは新しい玩具を与えられた子供の如く、ラティアスの周りを見回してから驚きの声を上げる。

「ルイズ……これは大昔に絶滅したとされる韻竜なのですか?!」
「それが……私にもよく分からないのです。しかし!私には勿体無いくらい有能な使い魔です。
人語を理解するほど聡明、心の声で話しかけ、風竜よりも速く空を駆け、スクウェアメイジも敵わぬ幻術を幾つも使い、強力な技を持つ……ラティアスを使い魔に出来た事は姫様とお友達になれた事の次に幸せな事です!」

次に……かぁ、とラティアスはちょっぴりしょんぼりして思った。
まあ、この場の空気を読めばそう言うしかないだろうけども。
アンリエッタはそれから直ぐにラティアスを眺めるのを止めて挨拶をする。

「こちらこそ。今晩は。使い魔さん。」

ルイズから一応の説明と紹介を受けたアンリエッタは、流石に王女の貫禄という物があるのか、それ以上不躾な質問をしてくる事は無かった(学院の生徒ならば質問攻めに会う)。
ラティアスはかしこまってもう一度お辞儀をする。
頭を上げてすぐに見たアンリエッタの顔は、ほうっと溜め息が出るほど美しかった。
一体ご主人様と王女様はどんな間柄なのだろうか?

「ご主人様。王女様とはどういったお知り合いなんですか?」
「私は姫様が御幼少のみぎり、畏れ多くもお遊び相手を務めさせて頂いたのよ。」

ラティアスの質問に、ルイズは昔を懐かしむように目を瞑って答える。
王族の人間とそれほどまでに身近な付き合いが出来る。
ラティアスは常日頃からルイズの実家、ラ・ヴァリエール家の凄さを聞かされていたが改めてそれが伊達ではない事に気づかされた。
その間にアンリエッタはベッドに腰掛け、低く暗い声で話す。
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:26:54 ID:vR1RQ3W2
支援
763ゼロの夢幻竜:2008/01/30(水) 15:27:57 ID:BmmXIBtc
「あの頃は今と違って悩みも制約も無かったから毎日楽しいものだったわ。でも今の私は小さい籠に無理矢理押し込められた鳥の様。何一つ自由な事等無いのだから。」

外の月を見つめながらアンリエッタは小さく溜め息を吐いた。
その物憂げな様子に気付いたルイズはすかさず彼女に質問をする。

「姫様、如何なされたのですか?そんな風に溜め息を吐かれたら私の心も沈んでしまいます。悩みでもお有りなのですか?」
「いえ、何でもないのよ。気にしないで。悩みなど……」

そう言ってアンリエッタは口ごもる。無理にでも隠そうとしているのが明らかだった。

「そんな!私に出来る事なら何でもいたします。例えこの力が微力その物であるにしても、お友達である姫様がお抱えの悩みが解決する一端を担えるのなら、喜んで尽力を尽くします!」
「私をお友達と……ああ、ルイズ・フランソワーズ。有り難う……」

アンリエッタは嬉しさのあまり涙ぐむが、直ぐに気を持ち直して静かに語りだす。

「今から言う事は決して誰にも話してはいけません。……私はゲルマニアの皇帝に嫁ぐ事になったのですが……」
「ゲルマニアですって?!あんな野蛮で成り上がり共の国によりにもよって何故姫様が?!」

いきなりの爆弾発言にルイズは憤慨する。
しかしアンリエッタは別にそれを宥めるわけでもなく続ける。

「仕方ないの。あなたは『白の国』アルビオンが今どうなっているかご存知?」
「はい。確か貴族が力を付け始めて王室を打倒しようとか、共和制を布こうとか……でも何故それが?」
「アルビオン王家が倒れるのは最早時間の問題です。反乱軍が共和制の発布を宣言し共和国が打ち立てられれば、次は私達の国を襲ってくるでしょう。彼らの目標にはハルケギニアの統一という夢があるようですから。」
「ハルケギニアの統一ですって?!」
「そうです。それに対抗するには、トリステインは強大な力を持つゲルマニアと同盟を締結しなければならないのです。そしてその道程の一つに私とゲルマニア皇帝との婚姻があるのです。」
「そうだったのですか……ああ、姫様、国の為とはいえなんと御労しい……」

ルイズは悲しげな表情をして顔を伏せる。

「いいのよ。好きな相手と結婚するなんて王族の娘として生まれた以上、最初から出来ないも同然だもの。ところで……アルビオンの貴族達はトリステインとゲルマニアとの同盟の一歩といえる私の婚姻を妨げようと躍起になっています。」
「まさか、姫様の婚姻を妨げる様な何かがありますの?言って!姫様!」

興奮した調子で問いかけるルイズ。
その様子にアンリエッタは決心したようにはっきりとした口調で話を続けた。

「それは……私が以前したためた一通の手紙なのです。それがアルビオンの貴族の手に渡ったら、彼等は嬉々としてそれをゲルマニア皇室に届けるでしょう。」
「それは一体どのような内容の手紙なのですか?」

婚姻諸共同盟が破綻しかねないという代物だ。
恐らく相当不都合な事が書かれているのであろう。
アンリエッタはゆっくりと目を瞑り、首を振った。

「それはとても言えません。しかしその内容を読めばゲルマニア皇室は私との婚姻を間違い無く反故にするでしょう。そして同盟は成立せず、トリステインは一国でアルビオンに立ち向かわねばならないでしょうね。
いえ、それだけならまだしも、ゲルマニアが我々に対し弓を引く事も考えられます。」
「そんな!」

手紙が齎す壮大なカタストロフィにルイズは絶句する。
敵に回すのがアルビオンだけなら、対抗する手段は幾らでもあるだろう。
だがトリステインに対して十倍近くの国土を持ち、富国強兵の姿勢を取っているゲルマニアまでもが攻撃に加わるとなれば最早絶望的だ。
両国軍に攻め込まれでもしたら、恐らくトリステインはどれだけ粘っても一週間と持たないだろう。
そしてその後は……焦土の中で両国の隷属として生きていかなければならない……
考えるだけでも身の毛がよだった。
ルイズは息せき切ってアンリエッタに訊ねる。

764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:28:16 ID:vR1RQ3W2
支援
765ゼロの夢幻竜:2008/01/30(水) 15:28:59 ID:BmmXIBtc
「一体、一体その手紙というのは今何処にあるのですか?!」
「今、手紙はアルビオンにあるのです。」
「何ですって?!それではもう……」
「落ち着いて、ルイズ。その手紙を実際に持っているのはアルビオンの反乱勢ではなく、彼等と骨肉の争いを繰り広げているウェールズ皇太子が持っているのです。」
「プリンス・オブ・ウェールズ?あの凛々しき王子様が?」

ルイズの言葉にアンリエッタは頷く。

「そうです。王家が倒れればウェールズ皇太子は息つく間も無く反乱勢に囚われてしまうでしょう。そしてあの恩も、礼儀も、恥も知らない貴族たちの手によって縛り首にされてしまいますわ!
その際にあの手紙も明るみに出てしまったら、我々は破滅の一途を辿る事になるでしょう!」

アンリエッタはそう言ってベッドに身を横たえる。
その顔にはいつも国民に振りまいている笑顔の残滓すらも無かった。
そしてルイズはルイズで暗い面持ちをしていた。
その時事の次第を傍で聞いていたラティアスはもしやと思う。
まさか一国の姫様がこんな所に出てまで、雑談を楽しませてまで自分に頼みたい事というのは……
それが本当の事だとすればとんでもない事だ。
一介の生徒に内乱状態の国に行かせて、決死行をさせるなど。
それも、昔からの友人に同情心を引き出させてからというという、考え付く限りかなり残酷なコネで。
そこまで考えが及んだ時にはラティアスはもうルイズとアンリエッタの間に割って入っていた。

「まぁ、どうしたのです、使い魔さん?」
「王女様。お願いです。ご主人様にそんな危険な事はさせないで下さい!」
「あの、私はまだ何も言っていませんが……」
「横で聞いていても話くらいは分かります!ご主人様にその手紙を取ってきて欲しいと……そうおっしゃりたいんですよね?」
「単刀直入に言えば……そうなります。」

アンリエッタはすまなさそうな表情をしてラティアスを見る。
だがラティアスは彼女を厳しい目で見つめた。
あまりに唐突な横槍に、ルイズはラティアスをどかせる。

「ラティアス!王女様に失礼じゃないの!謝りなさい!」
「いいえ、謝りません。ご主人様の命令でもそれは致しかねます。」
「どうしてよ?!」
「ではその理由についてお話します。アルビオンという国は今争いが起きているんですよね?どうやってそこにこっそり行くんですか?」
「後で考えるわ。」
「じゃあ、上手くいったとしてどうやってその皇太子さんとお会いするんですか?」
「それも後で考えるのよ。」
「それじゃ手紙を上手く手に入れたとしてどうやってそこから脱出するんですか?」
「その時になったら良い案の一つや二つは浮かぶでしょ。」
「それって結局何にも考えてないって事じゃないですか!」

ラティアスはルイズの無為無策ぶりに思わず嘆息してしまう。
例え、これが栄誉ある任務であったとしても、碌に策も立てず実行するなど自殺行為に等しい。
だがルイズは頑として聞かない。

「うるさいわね。あなたは私に黙ってついて来ればいいのよ。メイジと使い魔は一心同体なんだから。それに、メイジの問題に使い魔が首を突っ込んでいいわけないでしょ!」

首を突っ込める使い魔がいるのも考えてみれば不思議な話だが、それは黙っておく。
だが、ラティアスとてそれで言い合いを終えたわけではない。

「だとしても!二つ返事で返すような安請けあいはしないで下さい!これがどれ程危険なのかご主人様は分かっているんですか?!自分に出来る事か出来ない事か弁える事は大事な事ですよ!」
「分かっているからこそ尚の事じゃない!それに姫様は私をここで躊躇う様な者じゃないと判断されたから、私に手紙を取り戻す任をお与えになられたのよ!」
「‘支援’も何も無いんですよ!身一つで行けと言うんですよ!それでもですか?!」
「あんたも一緒よ。そりゃ……私は自分の力をしっかりさせなきゃいけない、あんたに頼ったままの今をどうにかしなきゃいけないってのは分かってるわよ。でもこれは別よ。
分かった?分かったなら‘はい、と言います’と言いなさい。」
「……はい、と言います。」

766ゼロの夢幻竜:2008/01/30(水) 15:29:43 ID:BmmXIBtc
もう何を言っても通じないだろう。
ラティアスはその気迫にたじたじになり、もうそれ以上抗弁するのは止めにした。
それからルイズはラティアスの頭をわっしと掴んで無理矢理アンリエッタに向かって頭を下げさせた。

「申し訳御座いません。使い魔がとんだ無礼を致しまして……」
「いえ、いいのよ。ルイズ・フランソワーズ。その使い魔さんが今言った事は隠しようも無い事実なのだから。私を非情な者と思うかもしれないでしょうけど、どうか、どうか許して。ルイズ。」
「そんな許すも許されないも御座いません。姫様の理解者でありお友達であるこの私が、忠誠に誓ってお力を添えなければ一体誰がこの危機を救えるでしょうか?」
「ああ、素晴らしい物です、忠誠と友情は!王宮に戻れば周りの人間にとって形骸でしかない様な物なのに、あなたはそれをしっかり守っている!この友情と忠誠を私は一生忘れないでしょう!」
「光栄で御座います、姫様。例え地獄の釜の中だろうが、竜のアギトの中だろうが、姫さまの御為とあらば、何処なりと向いますわ!
姫さまとトリステインの危機を、このラ・ヴァリエール公爵家の三女、ルイズ・フランソワーズ、見過ごすわけにはまいりません!急ぎの任とあらば早速明日朝にでも出発致します!」

二人ともすっかり上機嫌だ。
だが悪い言い方をすれば、出来の悪い芝居を見ているようにも見える。
一方、ラティアスは今ではルイズの腕を抜けたので人間形態のまま椅子につき、テーブルに片肘をついて『芝居の見物人』に徹している。
彼女は正直自分の進言が一蹴されたので少々お頭に来ていた。
国の都合で好きでもない人と結ばれるのは、種が違うとはいえ生き物の雌として確かに同情すべき所なのかもしれない。
だが手紙の一件は、内容を幾らでも誤魔化して衛士隊にでも親衛隊にでも、任せる事が出来るからだ。
万が一、その内容が任せた者達に知られたとしても、王女の権限でどうにでも出来るからだ。
ラティアスにとって、最初こそ可愛げがあって気品も溢れるように見えた一国の王女は、もう無責任で我が侭で甘えん坊な一人の少女にしか見えなくなっていた。
問題の内容にしても、そんなに人に読まれるのが不味い手紙なら、最初から出さなければ良い事ではないか。
そして出してしまった事を迂闊にも忘れたどころか、あまつさえこの状況。
全部王女の身から出た錆である。
そんな事を思っていると、部屋の扉がノックも無しに勢い良くバタンと開いた。
そこから二人の人間が折り重なって出てくる。
見ると、あのモンモランシーがギーシュに馬乗りになって彼を殴り続けていた。

「ギーシュ!あんたって人は私にもあの一年生にもお仕置き受けたのに、今度はヴァリエールに近付こうっての?!女の敵ぃ〜っ!もう一度私が直々にお仕置きしたげるわ!」
「ぐえっ!ちっ、違うよ、モンモランシー。僕はアンリエッタ姫殿下がこの部屋に入っていくのを見てだなぁ……ギャッ!」
「言い訳を言うんならもっと頭良さそうな事にしなさいよ……って、アラ?」
「ど、どうしたんだい、モンモランシー。」

どうやらモンモランシーの方が先に部屋の中の状態を把握したようだ。
そしてあまりに空気を読んでいない闖入者が、揃って赤面するのに時間はかからなかった。
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:30:47 ID:vR1RQ3W2
支援
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:31:07 ID:KlIqM1Ce
支援
769ゼロの夢幻竜:2008/01/30(水) 15:35:02 ID:BmmXIBtc
投下終了します。書こう、書こうとやっていると、思いの他長くなりました。
残りの分も近日中に投下出来たらと思います。
ではまた近い内にお会いしましょう。

P.S まとめwikiに行って気付いたのですが、11話と17、18話のタイトルかぶってますね。
編集して宜しいでしょうか?
それとサブタイトルから察した方もいるとは思うのですが21話から二部という事でよろしいでしょうか?
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:42:13 ID:vR1RQ3W2
771名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 16:50:08 ID:zc5fei4p
おつー

部下の諌言を聞き入れないなんて……上に立つものとして最悪だぞルイズ……
このままじゃマジでエヴァのミサトさんみたいになりかねんぞ
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 16:51:39 ID:8S/dis/3
本当にごめんなさい
知らなかったんです
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 16:53:13 ID:8S/dis/3
こんなことをしてすいません
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:37:21 ID:fPd70b4w
上に立つものの諫言のありがたみがわかる歳でもあるまいて……
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:37:51 ID:fPd70b4w
ごめん。
>>774
部下の諫言、の間違い

なんかボケてた
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:38:48 ID:yLVSByNa
夢使いの誰か召喚してよ。
777名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:51:35 ID:KlIqM1Ce
つまり、語尾に『どり〜む』とか付けてしゃべる、
妻からもらった拘束着を普段着とするおっさんを
召喚しろと言ってるのだな?

わしは願い下げじゃわい。
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:52:24 ID:8S/dis/3
こんなことになるなんて思いませんでした
どう謝っていいのかもろくにわかりません
つまらないことして、何をしたらいいのかわからなくて
もう叫んだりはしません
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:56:00 ID:qR66aSeV
>>777
ばっか違ぇよほらアレだ、双子の妹が魔物使いの引きこもり少女呼べってことに決まってんだろ?
書かないけどな。
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:57:43 ID:k381qCG/
>>779
武蔵野で学園長してる幼女(見た目)じゃねーの?
いや、書いても仕方ないけど
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 18:05:35 ID:nJhoyAgn
>>777
今は無きEログインのリプレイのアレか・・・アレまだ続いてるんだっけ?
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 18:11:16 ID:k381qCG/
>>781
何でそんなピンポイントな情報は覚えてるのに、アニメ化したことは知らないんだよw
マジレスするとゲーム自体のサポートは続いてるし、同じ作品のキャラがこのスレに召喚されてる
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 18:18:28 ID:g+VLvQIh
アニメしか知らないけど面白かった、PS2版も買うつもり。
エログインは見てたけど読者参加ゲームとかのページ飛ばしてたからなぁ…
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 18:19:05 ID:8S/dis/3
大学で勘違いしました 日本語の正しい使い方ができると思ったからです
人と関わってたのは本当です
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 19:53:31 ID:VqrRCfrd
急に止まった?
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 19:57:53 ID:8S/dis/3
本当に悪かったと思ってます
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:02:38 ID:3NK1NJhz
神秘の世界エルハザード

788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:06:02 ID:2K/WyfJf
カメだが1/2の人乙。
しかし、乱馬も良牙も危ない発言が多すぎるw
乱馬が実は水をかぶると女に変身できる男だとばれてしまいそう。
それとも婚約者が女でも、乱馬ならどっちも大丈夫だからとか
ルイズやタバサは考えているのかw
789ゼロの少女兵器:2008/01/30(水) 20:21:02 ID:KlIqM1Ce
投下予約します。

30分ごろより投下します。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:23:01 ID:fk2jB4Ga
>>787
陣内殿でも召喚するつもりかえ?
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:26:54 ID:JnWDzRxR
しーえん
792名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:28:23 ID:7Oh4v73A
夢幻竜GJ
もっとよく聞いてよく考えるんだヴァリエール

兵器支援
793虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 20:30:14 ID:jyM33Vom
支援支援、少女兵器さんの後に投下予定を入れてみる
794ゼロの少女兵器6 1/7:2008/01/30(水) 20:30:54 ID:KlIqM1Ce
  『食後の一幕』

 ルイズの失敗魔法によりめちゃくちゃになった教室を、
 エグゼリカとルイズは手分けをして片づけていた。
 罰として与えられた片付けは魔法の使用を禁じられていたが、
 エグゼリカはもとより、ルイズはまともに魔法を使えないので、あまり意味はなさなった。

 ルイズはエグゼリカが、
 大人でも動かすのに苦労しそうな机を一人で動かしてしまうのに驚いたりしたが、
 使い魔に付与されるという能力の一部だと納得し、追及はしなかった。
 
「ねえ、エグゼリカ…」
「はい、なんですか?」

 エグゼリカが振り向くと、そこには沈痛な表情をしたルイズがいた。

「貴方は…、笑わないの? 私の事を…」
「何故笑わないといけないんです?」

 エグゼリカは不思議そうな顔をして首をかしげている。

「何故って、貴方の主人様がとんだ無能だってことよ…」

 口元には自嘲の笑み。

「そもそも私には、ルイズさんを笑う理由がありません。
 第一、私は魔法だなんて縁の無いところから来たんですから。
 それに…、ルイズさんは諦めてないでしょう?」
「そ、それは…、当り前じゃない」

 首肯したルイズを見て、エグゼリカは笑顔になり。

「なら大丈夫です。
 私は何があってもどんな事があっても、諦める、なんてしませんでした。
 なら、その私の主たる人も、決して諦めない人だと信じています」

 そんなセリフを言いきる自分の使い魔を見て、ルイズは少し赤くしながら。

「ま、まったく、使い魔に諭されるメイジだなんて…、ぜ、前代未聞もいいところね」

 こ、この子ははずかしいセリフをさらりと言うわね、とルイズは小声で言う。

「と、とりあえず、昼食前までには片づけを終わらせちゃうわよッ!」
「はいッ!」
795ゼロの少女兵器6 2/7:2008/01/30(水) 20:32:48 ID:KlIqM1Ce
 片付けが終わった後、ルイズには先に食堂へと行ってもらい、
 エグゼリカはカルナダインへと来ていた。
 何故であるかというと、この星は思っていたより危険だ、と感じ、
 自衛の為の武装の必要性を感じたからであった。

 物理法則の諸々を馬鹿にするような魔法という特殊技術。
 いや、ある種の血統に左右されるのだから特殊能力ともいえる。
 特に、自らの主のルイズの魔法の失敗によって引き起こされる爆発現象は危険だと思っていた。

「ねえ、カルナダイン。この爆発をどう思う?」

 エグゼリカの視線の先のコンソールには、
 ルイズの失敗魔法による爆発の瞬間が映し出されている。

『直接観測をしていないので断定できませんが、
 物質がエネルギーに直接変換されていると推測されます』
「やっぱりそう思う?」
『しかし、不可解な部分も残ります。
 熱や光などのエネルギーに100%変換されていた場合、
 爆心地にいたルイズが生存していた事が説明できません。
 推論ですが、大部分が熱や光でない、『何か』他のエネルギーに変換されていたのだと思われます』
「まあ、どのみち情報不足は否めないね」

 エグゼリカは立ち上がると、兵装ハンガーへと向かう。

『今後の方針は?』
「私はルイズさんの使い魔をやりながら、足で稼ぐ情報収集。
 カルナダインは空間干渉フィールドを使用してもいいから、
 分かる範囲で魔法の解析をして頂戴」

 そう言いながら、エグゼリカは兵装ハンガーより、手甲状の物を二つ取り出し、
 メイド服のスカート内へと吊るす。

「んじゃ、そういうことでよろしくね」

 そう言い、エグゼリカは食堂へと向かった。
796ゼロの少女兵器6 3/7:2008/01/30(水) 20:34:44 ID:KlIqM1Ce
 コルベールは一冊の古書とエグゼリカの左手に現れた使い魔のルーンのスケッチを携え、
 学院長室へと向かっていた。
 急ぎ足で歩を進めるコルベールの顔には、
 何か新しい発見をした時のような歓喜、
 畏れ多いことに触れてしまった畏怖、
 その二つがない交ぜになったような表情が刻まれていた。

「オールド・オスマン、大変ですッ!」

 コルベールはノックをするのも忘れて、学園長室の扉を開け放った。

「大変なことなど、あるものか。すべては小事じゃよ。
 ふむ…、たしかミスタ・コルベールじゃったかな」

 そう答えたのはセコイアの重厚な机に肘をついて、白い髭と髪をゆらす老人、
 トリステイン魔法学院の学園長のオールド・オスマンであった。
 その隣には秘書のミス・ロングビルが控えている。

「いや、本当に大変なのです。これを見て下さい」

 コルベールは古書とルーンのスケッチを広げる。

「ふむ、『始祖ブリミルの使い魔たち』かの…。
 そんな古書なんぞ漁っている暇があるのなら、ボンクラ貴族どもから…」

 ふと、オールド・オスマンの言葉が止まる。
 視線がルーンのスケッチへと向けられ、その目には厳しい光が宿る。

「ミス・ロングビル。席を外してもらえんかの」

 そう言われ、ミス・ロングビルは部屋から出て行き、
 残された二人はそれを見届ける。

「さてミスタ・コルベール。詳しい話をしてもらおうかのう」
797ゼロの少女兵器6 4/7:2008/01/30(水) 20:37:07 ID:KlIqM1Ce
「んふふ〜、美味しぃ〜」

 エグゼリカはアルヴィーズの食堂の厨房の隅にて、ケーキを食べつつ幸福そうな顔をしていた。

「しっかし、エグゼリカの嬢ちゃん、さっきのとそのケーキで食い足りるのかい?」

 そう話しかけたのは四十過ぎの太った体形の男、
 このアルヴィーズの食堂のコック長のマルトーであった。

「ええ、もともと小食ですから、あれだけで十分です。
 ああ、でも甘いものは別ですよ」

 周りではシエスタを含めたメイドたちが、うんうん、と頷いている。

「食べておいて言うのもなんですか、私が食べてもいいのですか?
 これ、貴族の方々に出すデザートですよね」
「ああ、いいんだよ。どうせ奴らは食べ物に敬意なんて持ち合わせて無いからよ。
 ちょいとばかし材料をちょろまかしてもバチは当たらないし、
 エグゼリカの嬢ちゃんみたいに幸せそうに食われたら、
 ケーキにとっても本望ってもんよ。だから気にせず食ってくれ」

 マルトーは笑顔で言い放つ。

「でも、もらってばかりじゃ気が引けますから、
 何かお手伝いできることはありませんか?」
「ん〜、別に恩を押し売りしてる訳じゃねぇから別にいいんだが……。
 おい、シエスタ! エグゼリカの嬢ちゃんに手伝えることはあるか?」

 声をかけられたシエスタは、軽く考えるそぶりをして。

「なら、デザートの配膳を手伝ってくださないな」

 はい、とエグゼリカは笑顔でうなずき、シエスタの後へと続いた。
798ゼロの少女兵器5 5/8:2008/01/30(水) 20:41:08 ID:KlIqM1Ce
「エグゼリカ。貴方、何をやってるの?」

 ケーキの配膳をしているエグゼリカの姿を見て、ルイズは嘆息混じりにそう言った。

「それはですね。食事として、賄いのご飯を厨房でいただくことになったので、
 その対価としてお手伝いをさせていただこうと思いまして」

 エグゼリカはニコニコしながら説明する。

「ああ、もう。その様子じゃあ、何を言ってもやめそうにないわね。
 とりあえず、私の使い魔としての働きに支障をきたさない範囲でやること!
 いいわね?」
「はい、わかりました」

 そう答え、エグゼリカが配膳を続けていくと、
 金髪巻き髪でフリルのついたシャツを着た、いかにも気障そうなメイジを中心にして、
 男子数人が談話をしていた。

「なあ、ギーシュ。お前、今は誰とつきあっているんだ?」
「誰が恋人なんだ? ギーシュ」

 気障そうなメイジ、ギーシュは男子たちから囃し立てられる。

「つきあう? はは…、僕には特定の女性はいないよ。
 僕という薔薇とは、多くの多くの女性を楽しませるために咲くのだから」

 私は願い下げだなぁ、と思いつつエグゼリカが配膳と続けていると、
 ギーシュのポケットより紫色の液体の入ったガラスの小瓶が落ちていくのを見た。

「歓談中に申し訳ありません。
 ミスタ・ギーシュ、これを落とされたようですが?」

 エグゼリカは小瓶を拾い上げ、ギーシュの視界に入るように机に置く。
 ギーシュは小瓶をちらりと見るが、あとは無視して会話を続けようとする。

 ん、どうやら今は渡すなって事かな? 

「失礼しました。私の勘違いのようです。
 もし持ち主に心当たりがありましたら、厨房に預けておきますので…」

 エグゼリカはギーシュの意を察し、小瓶を持ち上げようとするが、
 ギーシュの周りにいた男子たちは意を察せなかったようだ。

「お? その香水はもしや、モンモランシーの香水じゃないのか?」

 男子の一人が、小瓶をひょいと取り去ってしまう。

「そうだ! その紫色は、モンモランシーが自分のためだけに調合している香水だッ!」
「そいつをギーシュが落としたってことは、つまりお前は今、
 モンモランシーとつきあっているんだな?」
「違う。いいかい? 彼女の名誉のために行っておくが…」

 ギーシュが何かを言いかけた時、それを遮るように栗色の髪の少女が声をかけてきた。
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:41:45 ID:mESJwJz+
支援
800ゼロの少女兵器6 6/7:2008/01/30(水) 20:42:12 ID:KlIqM1Ce
「ギーシュさま……。やはり、ミス・モンモランシーと」

 その少女は、瞳から涙を溢れさせる。

「ああ、誤解だよケティ。
 いいかい、僕の心に住んでいるのは、君だけ…」

だよ、と言いかけたところで、またしてもギーシュの言葉は遮られる。
頭の上からワインをかけられながら。

「だ、誰だ…」

振り返ると、そこには見事な金髪縦巻きロールの少女がいた。

「ギーシュ。二股って噂は本当だったのね?」
「モ、モンモランシー、違うんだ…。
 こ、これは、なんというか…」
「「最低ッ!!」」

 ギーシュが、モンモランシーとケティとの間に挟まれてしどろもどろにしていると、
 二人の少女はギーシュのほほを挟むように叩き、足早に立ち去ってしまう。
 沈黙が流れた。
 ギーシュはワインを取り出したハンカチで拭きながら立ち上がり、
 芝居がかった仕草で言った。

「ふう…、薔薇の存在の意味を、あのレディたちは理解していないようだ」

 はあ…、こんな人を好きになっちゃうなんて、あの子たちも可哀想だね。

 エグゼリカはそんな事を思いつつ、ケーキの配膳を続けようとするが、ギーシュが呼び止める。

「待ちたまえ。そこのメイド」
「はい、なんでしょうか?」
801ゼロの少女兵器6 7/7:2008/01/30(水) 20:43:26 ID:KlIqM1Ce
 ギーシュはエグゼリカの所までやってくると、見下ろしながら言い放つ。

「君が軽率に香水の瓶を拾うから、二人のレディの名誉が傷ついた。
 どうし…」
「ちょっと、まちなさいよ」

 そこへ割って入る声があった。

「私の使い魔に、因縁を吹っ掛けないでもらえるかしら」

 ルイズがそう言いつつ、エグゼリカとギーシュの間へと割って入る。

「何だい? ミス・ヴァリエール。君には関係無い…、訳ではないか…。
 ああ、すまないな。どこかで見た顔かと思っていたら。
 ゼロのルイズ、君の使い魔だったね。失念していたよ。
 はは、まったく、無能なご主人様と下僕のせいで、僕はとんだ恥をかいてしまったよ」

 ギーシュは大仰な仕草で、ルイズに対して悪意のこもった言葉を浴びせる。

「それはご愁傷さま。エグゼリカ、行くわ…」
「待ちたまえ」

 エグゼリカの手を引き、立ち去ろうしとしたルイズを、ギーシュは呼び止める。

「僕の気がすんでいない。勝手に完結しないでほしいな」
「どうすれば気がすむのよ? まさか決闘とか言うんじゃないでしょうね」
「はは、まさかこの僕が、レディと決闘だなんて…」

 する訳無いだろう、と言いかけたところで、エグゼリカが言葉を挟む。

「私はそれでも構いませんよ」

 柔和な笑顔で、エグゼリカはそんな言葉を言い放った。
802ゼロの少女兵器:2008/01/30(水) 20:44:32 ID:KlIqM1Ce
今回は以上。


あと、まとめサイトを編集してくださってる方へ
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou25647.txt
803虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 20:49:09 ID:jyM33Vom
少女兵器さん、乙っす

それでは、投下・・・していいよね?
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:50:02 ID:KlIqM1Ce
支援砲撃開始します
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:50:12 ID:7Oh4v73A
少女兵器の人GJ
兵器でも物食べるんだ……

虚無の人支援
806虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 20:51:23 ID:jyM33Vom
level-7 「交渉」

 アンリエッタがルイズの部屋を訪れた同時刻、図書館の一角『フェニアのライブラリー』

「あの爺、何が『この本を戻しておいてくれんかのぉ?』よ、自分で戻せっての」

 と毒づいていたのはロングビル、杖を手に取りフライで飛び上がり、数十冊の本を手早く元有った場所に収める
 文句を言いつつも、その雑務を素早く終わらせる器量をロングビルは持ち合わせている
 むしろ、この程度の雑務を手早く終わらせられないとオスマンの秘書を勤められない
 オスマンはその有能ぶりを高く評価し、与える年給は下位貴族のそれを余裕で超える
 ごく最近だが、さらに給与額が上がっている
 それはロングビルの評価がまた上がったと言うことを表していた
 だが評価が上がった理由は、彼女自身見当もついていなかった

「ったく、めんどくさいねぇ」

 給金をあげてもらったんじゃ仕方ない、とその期待にきっちり答えているロングビル
 本を納め終わり、床の上に降り立つと同時に声が響いた

「土くれのフーケ、だな」

 その言葉を聞くと同時に、杖を振り向ける
 杖の先には全身を包むマントを羽織り、顔に仮面をつけた人物、声からしておそらく男
 自分の正体を知るメイジらしき男に、殺気を込めて問いかける

「誰だい、あんた」

 少なくともこの区画には教員か許可をもらった者しか入れない
 ロングビルが聞く限り、このような声の教員を知らない

「誘いに来た、マチルダ・オブ・サウスゴータ」

 それを聞いて顔色が変わる、かつて捨てた、いや、捨てらされた懐かしき名前
 名実共に消えた貴族の一つ、それを知る者は居ないはずだが仮面の男は迷いなく言い切った
807虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 20:52:20 ID:jyM33Vom
「もう一度、アルビオンに使える気は無いかね? マチルダ」

 その言葉にロングビルの顔に激情の色が現れる

「お生憎、父を殺し、家名を奪った王家なんかに使える気なんて無いね」
「勘違いするな、誰も今ある王家に仕えろとは言っていない」

 変わらぬ顔のロングビル、男は気にした様子もなく喋り続ける

「無能なアルビオン王家は近々倒れる、我々の手によってね」
「我々?」
「そうだ、我々の名は『レコン・キスタ』、ハルケギニアを統一し、『聖地』を奪還するために国境を越えて集まった貴族連盟だ」
「そして今我々は有能なメイジが一人でも多く欲しい、協力をしてもらえないかね?」

 仮面から覗く瞳は熱に侵され濁っている、掲げた目標に酔い、その難しさを理解していない
 ハルケギニア統一は万が一で出来るかもしれない、だが聖地奪還はそれの何十倍も難しい
 なにせ、あそこには『エルフ』が居るのだ
 歴史上何度も連合軍が侵攻したが、一度として勝利を収めていない
 国でさえ不可能な事を、一組織が出来るとは思えない

「馬鹿かい、あんた。 そんなこと無理だってのがわかってない様だね」
「いいや、我々にはエルフを駆逐する力がある」

 仰々しく腕を広げる、その姿を見て反吐が出る

「知るかってんだい、それにもう私は雇われているんでね。 丁重にお断りさせてもらうよ」

 男が溜息をひとつ、その動作はごく自然に行われた

「……そうか、それは残念だ」

 一瞬、高速で引き抜かれた杖が淡い光を放つ
 瞬間、ロングビルは飛び退き本棚を盾にして駆ける

「我々の事を知られたからには、死んでもらうしかないな」

 切り裂かれる本棚をよそに、男の冷徹な声が響いた
808虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 20:53:46 ID:jyM33Vom
─────────────────────────────────────────

 空気を切り裂き、見えない疾風がロングビルに襲い掛かるが
 身を翻し、その弾道を見切り避ける
 場所はすでに屋外、逃げる為図書室を抜け出したのはいいが攻撃が的確で激しい

「失敗したかね……」

 遮蔽物が少なすぎる、このままでやられかねない
 木の陰に飛び込み、杖を振るう
 人間大のゴーレムが5体、そこから瞬時に錬金を掛け鋼鉄としたが

「やばいね」

 冷や汗を流しながら舌打ち、ゴーレムを壁にしようとした途端難なく切り刻まれ崩れ落ちる
 初級の魔法とはいえ、その威力たるは鋼鉄をも両断する
 逆に言えば、初級なのにこの威力は確実にスクウェアクラス。

 躍り出て、反撃に移れば忽ち切り刻まれるだろう
 さらにこちらの位置を確実に把握して攻撃を仕掛けてきている
 あの気配、やるとは思っていたが強すぎる

「中々機敏なことだ」

 男の姿は見えないが、声が響いてくる

「ッ……」

 危険を感じ取り木陰から飛び出ると同時に、木が両断され音を立てて倒れる

「そろそろお終いにしよう、マチルダ・オブ・サススゴータ」

 たいした感情が込められていない言葉、飽きたと言わんばかり放たれた風の刃
 ロングビルの周囲には遮蔽物がない、避けるのも間に合わない

「ッ!」

 光る杖を見て自分の終わりを覚悟した、一瞬、あの子の笑顔が浮かび詫びてしまった
 パンッと両手を打ち合わせたような軽い音が響いた
 一向に来ない攻撃に疑問を感じ、恐る恐る瞼を開くと壁になる様に立っていた人物が見えた

「あんた……」

 剣に手に持つチーフがそこに居た
809ゼロの少女兵器:2008/01/30(水) 20:54:11 ID:KlIqM1Ce
支援射撃

>>805
エグゼリカは甘党だそうです。
有機部品も有るので、その維持のためです。
なので小食。
810虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 20:56:01 ID:jyM33Vom
「おいおい、なんだこのにいちゃんは?」
「さあな」

 カタカタとしゃべるデルフリンガーに軽く返すチーフ

「相棒、さっさと帰らねぇと娘っこがギャーギャーわめくぜ?」
「そうだな」

 暗闇の中に居る男を気にせず、チーフとデルフが喋る

「………」

 予想外の闖入者に、口を歪めた男
 一直線、仮面の男がロングビルを殺すには、先にチーフを何とかしなければならない
 だが簡単な話だ、“両方纏めて潰せばいい”

「─────」
「相棒!」
「解っている!」

 淡い光を捉え、小さく呟いた男の声を拾ったチーフは咄嗟にロングビルを引き寄せ、抱き抱える
 途端、チーフとロングビルの周囲が陥没する
 仮面の男が放ったのは『エアハンマー』、その威力は人を簡単に押しつぶす

「チッ」

 何をしたのかわからないが二人は潰れていない
 舌打ちをした男はもう一度杖を振るおうとする

「ッ!?」

 が、それをキャンセルして飛び退く
 ほんの刹那に居た場所から、先が尖った土の槍が穿たんと次々と飛び出す
 その隙は大きく、致命的だった

「終わりだよ」

 杖を構えたロングビルが言い切った時には、小さな閃光を放ちながら剣を振るうチーフが男に肉薄していた
811虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 20:58:37 ID:jyM33Vom
「クッ!」

 高速で振るわれたデルフリンガーが男の体を、──捕らえなかった
 薄皮一枚を断つだけに至り、男は避けきる

「お、今の避けるなんてにーちゃんやるじゃねぇか!」

 デルフの褒め言葉を聞き流す男、避けて当然といった感じだった

「やれやれ、今日は付いていないようだ」

 杖をチーフに向けて佇み、軽口を叩く

「そりゃそうだろ、アンタはここで捕まるんだからね」

 不法侵入に傷害、さらには殺人未遂、十分にお咎めを受ける内容
 そんな会話を聞き流すようにチーフがデルフを横に構え、最短距離で詰めてくる
 高速で迫るチーフに向かい杖を振り、鋼鉄を両断した疾風を放つが先ほどと同様に剣で掻き消される。

 ただの剣なら一撃の下、切り落としている筈だが
 そうならないのは強力な「固定化」か特殊な効果を付加されたマジックアイテム類だからか
 その剣を持つ本人については色々推測はできるが確証はできない
 飛び退きながら剣を杖で受け、3メートルほど飛ばされる
 予想以上の腕力に驚き、痺れる手を振りながら一言

「いいや、遠慮させてもらおう」

 高速で回した思考の結果、「この状況はよろしくない」

「逃げれるとでも?」
「勿論だとも」

 烈風が巻き起こると同時に、粉塵も舞い上がり視界が一気に悪化する
 仮面の男は不利と悟り、逃げることを選んだ

「それでは、また会おう」

 チーフは咄嗟に銃を構えるが動体反応が一気に遠ざかっていく、すでにこの距離では当たらないと銃を下ろした
 粉塵が収まると、背後から声が掛かる
812虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 21:00:00 ID:jyM33Vom
「はぁ、助かったよ」

 振り返るとロングビル、よく見ると片足で立ち、幾つか切り傷が出来ていた

「大丈夫か」
「何とかね、アンタが来なけりゃ死んでたわ」

 乾いた笑い声で言った

「そうか、それで何があった」

 アンリエッタを送り届け、部屋に戻っているところにあの光景
 音も無く木が倒れ、ロングビルが必死に走っている
 どうみても異常だと思われる光景を目にして駆け出していた

「さあね、私を誘いに来たといってたわ」
「誘い?」
「ああ、少し聞いただけなのに目的をベラベラ話し始めて、誘いを断ったら襲ってきたんだよ」
「『我々の事を知られたからには、死んでもらうしかないな』だって?」
「勝手に聞かせておいて知られたからには死んでもらうとか馬鹿じゃないのさ」

 憤慨してイラついた声を上げる

「これだから貴族は嫌いなんだよ……!」
「いつも勝手に物事を進めて、周りのことなど考えもしやがらない!」

 悔しげに言ったその表情は複雑、過去に相当の出来事が有ったようだが他人が口出しすべき事ではない

「落ち着け、治療が先だ」
「ん? ああ、これくらい何とも無いさ」

 そう言いながらも足を引きずっている、肌の切り傷も深くは無いが浅くも無い

「医療室へ行くべきだ」
「大丈夫だって言ってるじゃないさ、あんたもしつこいね」

 肩で息をしている、服を濡らす血も結構な量だ
 それを気にせず、背を向け歩き出すロングビル

「ねーちゃん、相棒の言うこと聞いた方がいいぜ?」
「ちょッ!?」

 普通に歩くより遅いロングビルを背後から抱え上げる
 勿論お姫様抱っこ、慌てふためくのを無視して走り出す

「お、降ろしなよ!」
「無駄無駄、相棒は頑固だからね」

 ヒヒヒと笑うデルフ

「そういうことだ」

 デルフの答えに肯定したチーフ
 そのロングビルの顔は赤くなっていたとかデルフが言っていたが、事実は闇の中に消えた
813虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 21:01:06 ID:jyM33Vom
以上で投下終了です
戦闘シーンは怖い、いろんな意味で
814名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:01:14 ID:KlIqM1Ce
しえん
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:02:11 ID:1Tq+kGTb
GJ!
意外とウブなおマチさんにワロタw
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:06:04 ID:7Oh4v73A
希望の人GJ
817名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:08:03 ID:6Ict7876
私怨
818名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:16:12 ID:yLVSByNa
支援狼牙
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:28:32 ID:mdX2payg
おマチさんw

ぶらいだるおひめさまだっこです?
820名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:37:42 ID:BWfyqKqq
>>802
少女兵器の人乙!

>エグゼリカは兵装ハンガーより、手甲状の物を二つ取り出し

ディアフェンドかよ…
室伏だな。ワルキューレが室伏されてギーシュ涙目な結末しか思い浮かばないwww
821虚無と最後の希望:2008/01/30(水) 21:46:02 ID:jyM33Vom
>>819
ブライダルです、お姫様抱っこです
822名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:56:00 ID:mdX2payg
>>821
わーいです おつなのです
823名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:13:44 ID:ziW1lye0
>>709
エルナ・サーガとは懐かしいネタですな。この場合、武器屋で埃かぶっとったのはデルフでなく
統魔雷剣(トゥアラテイン)になるんでしょうか?

つかディムロスとアヌビス以外にも他作品のインテリジェンス・ソードもっとないかなあ。
たまには女性系インテリジェンス・ソードにドキドキするデルフとか見たいっす。
十六夜さん(とらは3)×デルフ
天野先輩(久遠の絆)×デルフ

とかで。


しかし、才人が十六夜さんや天野先輩持つとどうなるんだべ?
剣のいろんな情報が頭の中に流れてくるという事は、十六夜さんや天野先輩の3サイズや、経験の有無、体験数、
週に何回するのか、と言った情報もすべて才人の頭に…
824名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:14:57 ID:fPd70b4w
>>823
ちょっとキーボードにおちた鼻血を拭いてくる…

あと、オルディエ(ラグナロク)も追加で
825名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:20:19 ID:fuE6LnND
>>823
ガンダールヴのルーンの力でもインテリジェンスソードとかそれに類する物だと
そこまで詳細には判らないって気がする
つーか、もし判るならゼロ魔原作でも最初からデルフの真価を発揮出来てる筈
826名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:24:44 ID:q7b/AiuR
>>820
この日、マリコルヌという少年がずだ袋を振り回す少女の姿を目撃しているが、
それがギーシュであったと知るのは後のことである。


こうですか! わかりません!
827名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:27:12 ID:ziW1lye0
>>825
ええい、それぐらい根性でなんとかせんか!
私的には十六夜さんの初体験の相手を(耕介が初めてじゃなかったっぽい)
ちなみにとらは3じゃなくてとらは2キャラね。3だと微妙。

ちなみに400歳くらいだから6000年は生きてるデルフが惚れたらロリ?
828名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:34:44 ID:vR1RQ3W2
>>826
この童、要らぬのなら貰うぞ!
829名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:39:39 ID:UnJN2OzI
亀レスだが
>ガロード&ティファ召喚

聖地には、巨大構造物に意識を移した始祖ブリミルがいて、メイジや“虚無”の存在意義
を全否定してくれやがりますか?
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:42:55 ID:TPieIxbl
悪魔城ドラキュラXの剣魔とか
あいつツンデレ
831名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:51:33 ID:8S/dis/3
よく話してみました
悪かったのは結局自分だと分かりました
本当にごめんなさい
832名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:55:02 ID:T3sMeA1l
>>827
十六夜さんと聞くと、どうしても木刀片手に何でもできる念法使いを思い浮かべてしまう。
あいつ召喚したらTUEEEEどころじゃないな

ルナ・サーガで思い出したが、エルナ・サーガとエルハザードをどっちがどっちか
わからなくなるのは俺だけでしょうか
833名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:56:49 ID:GuvJVLi6
まとめの更新履歴を覗いたら
少し書き足された『災いのタバサ』があったぞ!
834名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:59:16 ID:mdX2payg
>>833
修正が避難所にきてた。
作者さん本人が自力で修正できたっぽい。

ということは5話もいずれくるぜ
835名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:03:25 ID:tFotmFsD
ビューティフル・ドリーマーから夢邪鬼を呼んだら
836名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:05:02 ID:nXfk/H1Q
史上最強の弟子より「叶翔」

アイツに誰かを守り抜かせてやってくれ・・・。
837名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:06:19 ID:B9MWCYPZ
>>835
あれ結局夢オチだっけ?
とりあえずサイトとルイズが冷凍睡眠に入ったけど
ルイズだけ失敗して酷い姿になってる夢を見させられるサイトが
838名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:16:39 ID:fPd70b4w
>>829で妄想してたら変なものができてしまった
839名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:17:36 ID:ztrbs/Cj
20分から投下予約していいですか
初投下で首領パッチいこうと思います
よろしくお願いします
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:18:58 ID:CsR6ezfs
おやびんwktk
841ハジケる使い魔  1/4:2008/01/30(水) 23:19:50 ID:ztrbs/Cj
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
失敗すること数回。それでもルイズは諦めることなく高らかに叫んだ。
そしてとうとうルイズの呼びかけに応え、煙の中からそれは姿を現す。

「……何?」

 しなびた、例えでも何でもなく本当にしなびていたその使い魔は、一言つぶやくとその場に仰向けに倒れた。
 それを見たルイズはやるせない気持ちになった。
 珍しい生物を召喚して周りを見返そうと決心して挑んだ『サモン・サーヴァント』。
 確かに見たことも聞いたこともないような生物だが、死にかけでは自慢もできない。
 回りの生徒達はその使い魔の様子を見て、ルイズを囃し立てる。

「なんだあの生物!?初めて見るぞ!」
「でも見ろよ!ピクリとも動かないぜ!」
「さすがはゼロのルイズ!死体を召喚か!」

 その声で我に返ったルイズは、近くで監視している教師に声をかけた。

「ミスタ・コルベール!もう一回召喚させてください!」
 
 コルベールはルイズと、さっきからため息ばかりの珍獣を交互に見て口を開いた。

「それはダメだミス・ヴァリエール。春の使い魔召喚は神聖な儀式だ。好むと好まざるにかかわらず、その生物を使い魔にするしかない」
「でも、こんな今にも死にそうな」

 なおも食い下がろうとするルイズを手で制し、コルベールは続けた。

「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。確かにかなり弱まっているようだ。だがそれならはやく契約し、治療してやりたまえ」

 ルイズはがっくりと肩を落とすと、もはやピクリとも動かない使い魔の元へ近づいていった。
 すでに死んでしまってるのでは?なんて思ったが顔を近づけると、弱弱しい呼吸音が聞こえたので生きているようだ。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 
 ルイズは自分の唇を、そっとその生物の唇に触れさせた。
 瞬間。

「ううう……ドンパッチ!!」
「きゃあ!」

 それはルイズを押しのけ、2,3メイル近く飛び跳ねると、そのまま綺麗に着地した。コルベールの頭の上に。
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:20:06 ID:3NK1NJhz
濃度が高くて発酵が止まってただけなのね納得
水で薄めたら泡が出てきたよ
843ハジケる使い魔  2/4:2008/01/30(水) 23:20:36 ID:ztrbs/Cj
「な、なに!?」
「な、なんだ!?痛!離せ!」

 呆然とするルイズと、慌てるコルベール。当の珍獣の方はというと、残り少ないコルベールの髪の毛を引っ張っている。

「オレ帽子ですから!オレ帽子ですから!」
「しゃ、しゃべった!?」
 
 ルイズが素っ頓狂な声を上げる。
 生物かどうかも怪しいと思っていた使い魔は明らかに人語をしゃべっている。
 とっさのことで状況が呑み込めないルイズに、コルベールが助けを求める。

「痛たたた!ちょっと!ミス・ヴァリエール!降りるよう言ってください!」
「え?あ、スイマセン!ちょっとあんた降りなさい!」

 話は通じるのかしらと不安に思いながら最初の命令を下す。
 声をかけられた使い魔はルイズを見下ろすと目を見開いた。

「もしかしてオレって帽子じゃねーの!!!?」

 コレって話が通じてるって言うのかしら?
 ルイズは滅茶苦茶不安になった。

「ええと、うんそうよ。あんたは私の使い魔になったの。ちょっといいから降りなさい」

 再度告げると、使い魔はピョンとコルベールの頭の上で跳ね、ルイズの目の前に着地した。
 コルベールが頭をさすりながら、恨めしげな目で見つめている。

「初めて見ますが、亜人か何かの一種ですかね」
 
 また暴れるのを警戒してだろう、少し緊張した声だった。

 ルイズは改めてその使い魔を見てみた。
 さっきまでしなびていたのが嘘のように、生き生きとしている。
 体全体が赤く、丸いフォルムにトゲトゲが付いたシンプルな形は、
 小さな子供が「太陽」をお絵かきしたらあんな風になるのではないだろうか。
 さらに大きな目と口、ひょろっと長く飛び出た白い手足もまるで子供の落書きだ。
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:20:47 ID:8S/dis/3
知らない話がほとんどなのは本当です
何をしたらいいのか分からないんです
845ハジケる使い魔  3/4:2008/01/30(水) 23:21:21 ID:ztrbs/Cj
「あんた名前は?」
「ピエール!!ピエール!!」
「ピエール?ピエールって名前なのね?」
「いや首領パッチだけど」
「ド……ドンパッチね?」

 ピエールって何?という疑問は残ったが一応素直に応えてきた、やはりかなりの知能を持っているようだ。

「私はあんたの敵じゃないから落ち着いて。言葉通じるのよね?あんた何者?」
「魚!!私は魚!!」

 飛び跳ねる首領パッチを見てルイズは前言撤回した。コイツただのバカかもしれない。

「とりあえずルーンを確認させてくれないか?」

 いまだ警戒を解かずコルベールが首領パッチに近づく。
 ルイズはよくコレに声をかける気になったな〜と、人事のように感心していた。
 首領パッチはコルベールが近づくとはねるのをやめて聞き返す。

「ルーン?」
「体のどこかが熱くならなかったかい?そこに『使い魔のルーン』が刻まれているはずなんだが」
「ああ、これ?」

 そう言うと首領パッチは左手を差し出した。
 コルベールが差し出された左手の甲に描かれているルーンを確認する。
 そこにはでかでかと汚い字で……

 「無敵要塞ザイガス」と書かれていた。

「無敵要塞ザイガス!?…………珍しいルーン……ルーン?ていうかコレはルーンなんですか?」
「私に聞かれても」
「ああ後コレ」

 そう言って首領パッチは左手の掌を広げて見せた。
 そこには正真正銘の使い魔のルーンが刻まれている。

「ふむ……こっちが本物か……これはこれで珍しいルーンだな」

 コルベールはスケッチを取ると、一連の騒ぎで若干引き気味の回りの生徒達に帰るように指示した。
846ハジケる使い魔  4/4:2008/01/30(水) 23:22:02 ID:ztrbs/Cj
「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」
「あいつ『フライ』はおろか『レビテーション』さえまともにできないんだぜ」

 同級生達から悪口を言われたルイズだったが、今まで感じていた悔しさに比べれば弱くなっていた。
 自分は使い魔召喚の儀を成功させたのだ。
 一旦落ち着くと、ルイズは首領パッチの召喚を、なかなかすごいことなんじゃないかと考え始めていた。
 確かに見た目は悪いし、行動も意味不明だ。だが逆に言うと珍獣だ。しかもしゃべる。
 そうだ、もう自分はゼロではないんだ。
 ルイズは大きく息を吸うと、堂々と使い魔に指示する。

「じゃあ行くわよ」

 返事が無い。
 後ろを向くと確かにさっきまでそこにいた首領パッチの姿が消えている。

「うそ……」
 
 慌てて辺りを見回す。広い草原には首領パッチの姿も隠れれそうな場所も見当たらない。

「ちょっと!どこよ!出てきなさい!」

 ゼロの二つ名を数分で返上なんていくらなんでもそれは酷すぎる。
 ルイズは空を飛んでいる同級生達の方をちら見した。
 青い空に黒いマントのメイジたちがポツポツと浮かんでいる。
 その姿はさほど小さくなっていない、まだ学院に付くまでは時間があるはず。
 気づかれる前に見つけないとまた何て言われるか……と。
 違和感を感じ、再び級友たちのいる空を見つめる。
 黒い点々の中に、一つだけ大きめの赤い点があることに気づく。
 目を凝らしてよく見るとそれは間違いなく、ルイズが呼び出した使い魔首領パッチだった。

「あいつ空も飛べるの!?」
 
 ルイズの呟きを聞くものはそこには誰一人としていなかった。
847名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:22:41 ID:HFETI7mc
チィっ、首領パッチ召喚ネタ先にやられちゃった、じゃ俺は天の助で書くか支援
848名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:22:57 ID:8S/dis/3
間違いがあったと思います
849名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:23:22 ID:CsR6ezfs
コッパゲとルイズよく無敵要塞って読めたな…乙
850名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:23:34 ID:ztrbs/Cj
以上です
こんなの首領パッチじゃねーぬるすぎ
と思われたらスイマセン
もっとハジケつつゼロ魔のキャラたちを食わないようにがんばります
851名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:26:58 ID:wxrdc0to
ドンパッチって今売ってるの?
852名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:29:26 ID:g4LZIgJb
853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:30:05 ID:BWfyqKqq
>>826
ツカイマグルイの人、お願いだから続き書いて下さい。マジで頼みます。
シグルイをきっかけにゼロ魔を知ったし、あのSSが無ければ多分ずっとこのスレの事も知らず
じまいだった。
>>828
誰が上手い事言えとwwwww

あー、童って会社としては『トリガーハート・エグゼリカ』が初めて作ったゲームだったんだよな?
処女作にもかかわらずこんだけ人気出たんだから『トリガーハート・エグゼリカ2』製作して
くれんかなぁ…
854名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:32:07 ID:6Bd0ceSp
>>853
それ何てオレwww
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:34:44 ID:fPd70b4w
具現化した妄想をどう処分すべきか。
形式がト書きだから、まとめページに保管された日には首をつらなきゃならん
かといって、このまま削除も……
856名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:35:44 ID:6Bd0ceSp
>>855
練習用スレに投下してみたら?
あるいは外部サイトの理想郷とか
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:36:23 ID:xgrkQt6/
>>838
一体なにを妄想したんだw
>>857がリクエストと判断する!

ブリミル  「よくここまで辿り着いたね、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール
       拒絶した人も、いるようだけど?」
ルイズ   「はい…。真実よりも、戦争を求めているんです」
ブリミル  「『戦争』か…。よくも飽きずに続けるものだ」
       『虚無』を神と等しく崇拝する者。力を利用しようとする者。
       かつて力を持っていた者。それぞれに『虚無』という言葉を捉えている
       そして、それがまた、次の戦争の銃爪となろうとしている……。
       でもそれは、ある意味では仕方が無い事かもしれない。
       僕らは『虚無』という幻想で繋がった世代なのだから……」
エイジスXIII「虚無が幻想だと言うのか!?始祖ブリミル自らが、何故そのようなことを言う!?
       己を幻と定義するなら、この超常はどう説明する!」
ブリミル  「それは、僕にある力によるものだ」
エイジスXIII「その力こそ、『虚無』と呼ばれる力ではないのか!?」
ブリミル  「そう思いたい気持ちは理解出来るけど、残念ながらそれは違う。」

ブリミル  「かつて、僕らは全ての価値観を失っていた。
       そんな世界で戦争が起きて、やがて『僕』が生まれた
       僕に何故力があったのか、それは僕自身にも分からない。
       人が言うように、時代が生んだ突然変異だったのかもしれない。
       だけど、僕の力は、道を失った人々にとって、新たなる価値観となってしまった。
       それが、『虚無』という言葉だ。僕の終わりと共に、『虚無』という言葉も消えるべきだった。
       けれども、それに囚われてしまった人々は、その『次』を求めてしまった」
アンリエッタ「『虚無』は未来を創らないのですね?」
ブリミル  「そうだ。
       それと同時に、過去にしがみつき、それを利用する事しか考えなかった者にも、未来は創れない」
エイジスXIII「うっ……。私にとって『虚無』とは、信じるべきモノなのだ!
        今になって『否定しろ』と言われても、それは不可能だ!」
ブリミル  「君自身がそれに陥っている限り、ロマリアにもハルケギニアにも未来は無い」

ブリミル  「そう、全ては幻≪イリュージョン≫だ。たとえ、どんな未来を垣間見たとしても、
       それを現実のものとしようとしない限り、それは、手には入らないのだから……
       虚無を求めて流離う時代は、もう終わったんだよ。
       そして、君達は新しい未来を創っていかなきゃならない」
アンリエッタ「『新しい未来を創る』…」
ブリミル  「それは、不可能な事ではない。そこにいる少年は、それを繰り返してきた。
       そうだろう? サイト・シュバリエ・ド・ヒラガ。いや、平賀才人君」
サイト   「えっ? 俺?」
ブリミル  「君は、ルイズの危機を、ことごとく救ってきた」
サイト   「俺はただ、ルイズのことを守りたいと思っただけで……。
       特別な力なんてない……わけじゃないけど、そんなのオマケだし」
ブリミル  「その心の強さが、君に未来を切り拓く力を与えたんだ。そして、それは平民の時代に必要な、希望の光だ。
       古い時代に左右されず、新しい時代を生きる力がある」

ブリミル  「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
ルイズ   「はい」
ブリミル  「君はサイトと結ばれて、初めて自分の力を見つめたね。『強くなりたい』とすら思ったろう?」
ルイズ   「サイトと生きる未来を、悲しい時代にしたくなかったから…」
ブリミル  「今も、自分の力を認めているかい?」
ルイズ   「仕方のないことだと思います。でも……出来ることなら、普通のメイジとして暮らしたい」
ブリミル  「ならば、『虚無』という言葉を捨てればいい。それで願いは叶うはずだ」

ブリミル  「これで、『虚無』と呼ぶべき者は、この世界にはいない。そして、僕も元いた場所に帰る」
エイジスXIII「行かないでくれ! 『虚無』が無ければ、我らはどうなる!?」
ジュリオ  「おやめ下さい!」
エイジスXIII「むっ」
ジュリオ  「そんなモノは無かったんですよ! 始めから…。」

ブリミル  「ルイズ、サイト、それにみんな…!古い時代は、これで終わりだ」
フッ
若気の至りってやつぁ怖いぜ
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:38:42 ID:EQY/Nstx
>>832
念法使いの人は敵も非常識に強いから俺TUEEEEE。けど、敵もTUEEEEEEEEEEEEE
でバランス取れてるからな。
恐ろしいことにDr.メフィストがそれほど強く見えないというバランスだから。
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:38:50 ID:Mhe8JlAS
>>853
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%A5
童はいっぱい出してますよ。「兎」もここが出しています。
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:41:45 ID:q7b/AiuR
>>853
>>828、そこは『このメイド』だろう」と思ったが、
そういう事だったのか、納得(笑)。
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:41:54 ID:ziW1lye0
たまにはバトルもの以外で、25歳まで留年して今だ処女のルイズが、25歳童貞の才人を召喚してエッチを勉強する話とか
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:45:24 ID:hwVFcZsV
>>858を見て、俺も妙な妄想を・・・
865名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:45:52 ID:3NK1NJhz
もうねなさい
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:46:55 ID:mdX2payg
誰このジジイ……Zzz

となるわけだ?
867名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:47:54 ID:egsZA21i
エレオノール女史はその頃もまだ未婚ですか>25歳処女ルイズ
868名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:50:40 ID:8S/dis/3
どうしたらいいのか分からなかったんです
よく話してみました ごめんなさい
869名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:54:00 ID:fPd70b4w
>>864
さぁ、書くんだ
書いて落として恥をさらすんd
870名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:02:23 ID:1tL8Mexv
魔太郎召喚。
ルイズに床で飯食わされて、
ウラミハラサデオクベキカ!
871名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:07:22 ID:PcwF99U6
ブリミル「やっときましたね。おめでとう! このゲームをかちぬいたのは きみたちがはじめてです
ルイズ「ゲーム?
ブリミル「わたしがつくった そうだいなストーリーの ゲームです!

こうですか!?分かりません!
872名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:12:02 ID:ovFLROD7
>>871
破壊の杖はチェーンソーなんだな?
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:13:01 ID:33yul9jG
>>871
なんというさが
これは元ネタ的にト書きでないと駄目だな
874名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:19:13 ID:u5pdW0hD
あー、パソコンの前に建つまでは書く気まんまんなのになぜかパソコンの前に
たったとたん無気力になって書く気なくなるのはなぜだろう?
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:20:28 ID:+nYOoL5H
あるある、と言わざるを得ない
876名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:21:08 ID:keRCfWBE
>>874
よう俺
877名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:23:21 ID:UvDU84dw
どうしたらいいのか分からなかったんです
知ったかを繰り返しました ごめんなさい
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:24:37 ID:Paepn1Q2
召喚シーンとその少し先までは書いたが数日たって読み直したらパソコンごと破壊したくなったは俺だけか?
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:25:37 ID:TNHja2BU
>>874
逃避エネルギーの性質の一つだな
いざ、それができそうになると急速にエネルギーが衰える
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:26:13 ID:0fQTGhOt
>>878
あるある。

そういう時は数日たっても恥ずかしくない文章を書けるように文才を鍛えるしか。
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:27:14 ID:w8S6VIgk
 勢いに任せて投下した後の皆様の反響をビクビクしながら待っているのは私だけだ、多分。
 あなたです、SS作家を伸ばすのも殺すのも。
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:28:06 ID:pOA5zj99
>>858
トリステイン、ロマリア連合の人物がシャイターンの門を出たらジョセフ率いる
ヨルムンガルド小隊が待ち構えていてルイズとサイトが最後の虚無の力で粉砕。
数ヵ月後、広場で大道芸を見物する二人の後ろに車椅子の元国王が…
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:31:37 ID:keRCfWBE
>>882
ロマリアからトリステイン行きの鉄道にのるサイトとルイズ、と申したか?
884ゼロの少女兵器:2008/01/31(木) 00:32:56 ID:Kx3menMc
>>878
以前、とあるエロパロスレに常駐して投稿してましたが、
今となって黒歴史ですなぁ…。

今でも、精神的には『クル』ものがありますね。
885名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:39:54 ID:CuV26BRP
>>882
夢の中でアハハ、ウフフフ、な夢見て顔を赤らめるルイズってことだなw
でもって「あの子許さない」ポジはおマチさんですかな?
886名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:41:36 ID:keRCfWBE
カリスポジはジュリオでおーけい?
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:45:35 ID:dvDEqdm0
>>882
>車椅子の元国王

ルイズとサイトにささやかな嫌がらせを企む元国王&元王女。
「私達は“悪役”ですもの、お父様」
「ああ、“悪役”だからな、娘よ」

ボンボン版の巻末4コマとごっちゃになったw
888名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:00:02 ID:dvDEqdm0
>>884
>「あの子許さない」ポジはおマチさん?

サイト「デルフリンガー(or『破壊の杖』)、売るよ!」

連投スマン。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:01:07 ID:etIJWqwS
>>861
エグゼリカ以外にも結構出してんだね。知らんかった。
しっかし何でまた麻雀ゲームばっかり出してるメーカーが、何をトチ狂ってあんな直球ド真ん中
の萌シューティングゲーをw

>>884
エロパロ板のエグゼリカスレで寸止めSS書いてたのあなた?w
890名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:02:13 ID:keRCfWBE
X好きの微妙な沸き方に噴いたwwww
891名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:05:52 ID:pAC8/xu2
ジャミルはコッパゲだな?
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:09:07 ID:keRCfWBE
コッパゲはキッドじゃね?
893名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:10:36 ID:mtYGmQ9H
別に黒歴史でもないけど、凌辱物を書いたあとは不思議と純愛物を書きたくなる
したっけX指定がもう書けなくなってしまったよ…
894閑人A:2008/01/31(木) 01:12:39 ID:3Uy75ljA
15分から投稿していいすか?
895名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:13:42 ID:N2l4pq2S
どうぞー
896名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:13:46 ID:CuV26BRP
支援する!
897閑人A:2008/01/31(木) 01:18:28 ID:3Uy75ljA
ぐおおおおおお!!!

で、で、で、データが、消えたああああああ!!

かっ、書き溜めた話があああ!!!!



すいません、しばらく来れそうにありません……。
898名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:18:39 ID:rzroA295
支援
899名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:19:05 ID:keRCfWBE
な、なんだってー
あれほどバックアップを取っておけ、と
こまめに保存しろ、といったのにいいいい
900名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:19:58 ID:N2l4pq2S
生殺しキタコレ
901名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:21:33 ID:3naA34md
ぎえー!読んでから寝ようと思ったのに!
ちゃんと別に保存しとくべきだったのだよ作者さん!
902名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:22:18 ID:QP0KNBce
司令部より通達、
只今より作品が投下されますので
各部隊は支援準備をして待機せよ!
903名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:23:07 ID:Eg3XYqWw
まあ、投下途中のイデ発動に比べたらな…
あれは本当に酷い生殺しだった
904名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:24:15 ID:CuV26BRP
そげなあぁぁぁぁぁ!!!!!
また生殺しぃぃぃぃぃ!!!!!!!!
905名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:24:44 ID:WhhBJ0/x
>>887
原作本編にも似たようなやり取りあったな。
「悪いことをするんだね、兄さん」
「そうだ、悪いことだ、弟よ」
だっけ?
906名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:26:55 ID:keRCfWBE
タバサは餌か!餌なのか!

キュルケがレオパルド……
レオパルドDなら違和感無いな

ギーシュは……
なんだろ?
907名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:27:32 ID:VSCCF6kc
読みたかったのに残念だ
908名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:28:20 ID:ShDgrHbA
ギーシュ:Gビット
909名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:29:16 ID:QP0KNBce
あのう・・・ガンダム系は姉妹スレのトレーズ様板じゃないのか?
910閑人A:2008/01/31(木) 01:31:53 ID:3Uy75ljA
……すいません。
いま、結構、真剣に半泣きですが、近日中にまた参上します。
911名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:32:19 ID:rzroA295
ああ!イデ発動してたのか……
作家さん、強く生きて下さい。
912名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:33:54 ID:keRCfWBE
>>909
な、なんだってえええええ
そういえばそうか……
913名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:35:39 ID:uC1Voup1
>閑人A氏
泣いていい、貴方は泣いていいんだ!
914名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:44:52 ID:mtYGmQ9H
>>910
変なタイミングでCtrl+Sやっちまったんかなぁ
いい勉強をしたと思うしかないよ
1回やると骨身にしみて2度とやらなくなるから大丈夫さ
915T−0:2008/01/31(木) 02:29:29 ID:duaJVeik
歩道が広いので、久しぶりに投下します。
916T−0:2008/01/31(木) 02:30:21 ID:duaJVeik
 機械である彼は、人間のように手触りなどを懐かしんだり、
 触覚から妙な馴染みを感じることは出来ない。
 だが、もともとから銃器のスペシャリストと設定されているT-800にとって、
 銃器の扱いは呼吸をするに等しい行為である。



                   T-0 15話


 
 月明かり照らす部屋の中に、カチャカチャと小刻みな音が不気味に響いている。
 ルイズは普段あまり聞き慣れないリズムを刻むそれを追い払うように寝返りを打ち、
 胸の辺りに無造作に掛けていた毛布を掴むと、頭からかぶり直した。
 しかし、布団をかぶって耳を閉じてみても、耳障りな音はやむ気配が無く、
 不規則なリズムをルイズの脳に刻んでいく。

 右向きに寝返りを打つ、左向きに寝返りを、今度はうつ伏せに、また、また――――――

 目を閉じたまま、片眉だけが痙攣したようにぴくぴく動き、
 イライラした感情が抑えられないことを体に伝える。
 また、彼女が中々寝付けない理由はそれだけではなく、昼過ぎまで続いたオスマンの昔話…… 
 その中に登場した『ある人物』について、およそ自分でも意識しないうちに考えているからでもあった。

 そんなルイズの吐き出しにくく、募る想いの一方で、音の発信源である当の本人はまったく無表情であった。
 無表情のまま、オスマンからそのまま受け取った(半ば強奪した)ショットガンを、
 まるで長年付き添っていた得物のように、流麗な手さばきで迷惑顧みずにガチャガチャいじくっていた。
917T−0:2008/01/31(木) 02:31:49 ID:duaJVeik
 目の前には組み立てが終わった新品同様のショットガンがある。
 ターミネーターはショットガンを手の中で反転させ、二つの目線をショットガンに集中させる。
 彼は銃を股の間に斜めに下ろし、椅子に転がしてあった6発の銃弾を掴んで一つずつ銃に込めた。
 そして一回、ポンプをガシャリとスライドさせると、ついでに受け取っていた大きな布袋を取り出して
 大雑把にくるんだ。
 いつでもすぐ取り出せるようにと、トリガーには指かけたままである。

 これを手に取った瞬間、わかったことがあった。
 このショットガンは間違いなく、嘗て人為的に手を加えられている中古品ということ、
 それも機械的なほど効率のいい手の加え方と、実践で幾度か使用したであろうこと。
 いうなれば銃の『経験』が、ただ手に取っただけだというのに手に取るように理解できた。
 情報が流れてきたのだ。まるでこの銃そのものが人工知能を持っていて、自分の行った経験を逐一記録しているかのように。
 しかもその記録は、機械媒体も通すことなくターミネーターの記録の中にするりと入り込み、イヤに鮮明に写りこんだ。

 そして流れ込む情報とほぼ同時に、熱が発生した。
 初めてここに来たとき、ギーシュとの決闘で感じたのと、同じ熱。
 極端な謎の過負荷は感じさせずとも、またしてもそれは先日記録した謎の熱の波長と非常に似通っており、
 同時に左手甲の部分に焼けるような謎の『痛み』を強く感じさせた。
 だが、これについては「考えてもわからないものだ」と、彼のCPUは既に判断を下している。
 無駄なことは一切省くように造られている彼は、今考えるべき内容は別と認識し、『痛み』のことは
 データを上書きしてメモリ・バンクにしっかりと保存した。

 ターミネーターはショットガンを肩に抱え、出入り口のドアを睨みつけ、塞ぐ様に立ち尽くした。
 
918名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:35:03 ID:Uo+qbI5n
おおお待ってたよ支援
919名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:35:06 ID:+nYOoL5H
支援ー
920T−0:2008/01/31(木) 02:36:59 ID:duaJVeik
 何かとカチャカチャ煩わしかった音が途切れ、ルイズはのどのすぐ下にまで迫ってきていたムカムカを、
 悶えきった上で今しがた、どうにか飲みこんでやった。
 眠れていないのをターミネーターに悟られるのは嫌だったが、人間的なものに興味を示さないだろう彼は、
 おそらく気づいてないだろう。仮に気づいていたとしても、どうこう言ってくるわけはないが。
 
(なによ、ガタガタうるさいと思ったら、急に静かになっちゃって……)

 頭の半分まで毛布をずらして、さっきまでうるさかった方をそっと見る。  
 ターミネーターは窓から入る光に半分だけ照らされ、布で包んだ銃を片手に
 こちらに背を向けて立っていた。
 正確に言うと扉の方をじっと睨みつけているのだが、横面さえ見えない今
 ルイズはターミネーターのやっていることの意味が、しばしの間わからなかった。
 ただ、眠らないのだろうか? と頭に思い浮かべたが、オスマンの思い出話がよぎり、
 風で飛ばされる紙くずのようにふっと考えを吹き消した。

『――堀の深い顔、凛々しい視線、逞しい体。
 よく見てみると、まるでガラス球のように綺麗だというのに、
 それはただ綺麗なだけで、一切の感情が見事に映っておらん。
 ワイバーンと遭遇したときよりゾッとした。意志有って命無き偽者の瞳。
 何もかもが……あのときと同じ』

 背筋を真っ直ぐにピンと伸ばし、それでいて石造のように微動だにしない彼は、
 確かに人間ではないのかもしれないと思えてきた。
 心の奥深く、深層意識では否定していたのだが、ルイズはターミネーターのことを人間であると
 信じていたかったのかもしれない。特にコレといった理由はわからないが、彼の冷たくて悲しそうな目を
 見ていると、そう思いたくなっていたのだ。 

 まぁ、それでもいい。
 ターミネーターはわたしの言うことをちゃんと聞いてくれるし、オスマンの話で戦闘的なことが強い事もわかった。
 理想的な使い魔に近いことになんらかわりはない、それをわたしが召喚した事実。
 使い魔が、メイジの実力を測る物差しならば、自分はきっと『ゼロ』ではなかったのだろう。
921T−0:2008/01/31(木) 02:38:39 ID:duaJVeik
 その事実が現実として理解できたことに、ルイズは思わず笑ってしまった。


 ばふっと毛布を被る。ターミネーターが一瞬ルイズの方を見たが、何もないとわかると視線を戻した。
(わたしは、ゼロなんかじゃなかった……!)
 心で思った途端に、感極まった感情が体中に一気に流れた。
 笑顔がさらににこやかなものになり、自身を抱きしめた手に力が篭って、ぐっとこわばった。
(ふふ、やだ、なんだか眠くなってきちゃった)
 普通興奮したときって、眠くなるものじゃないのかしら? などと疑問に思ったのと同時にあくびを
 かまし、ルイズはぼうっと輪郭のゆがんで見えなくなった天井を眺めた。

(……どうか、あの夢だけはみませんように) 

 ぱっと思い出した嫌な記憶を合図に、ルイズのまぶたはゆっくりと落ちた。
 
922T−0:2008/01/31(木) 02:40:26 ID:duaJVeik
 ■

 ミス・ロングビルは学院内の自室で、一枚の紙を真剣な表情で眺めていた。
 椅子に座り込み、机の上に広げられた一枚の紙は、机を多い尽くすくらいに大きいものである。
 彼女は腕を組んで、足を組み合わせた。次いで悩ましげに頭を傾けると、手に持っていたペンで
 頭の端を2、3回たたく。
 普段の――オスマンや教師達――に見せるのとはあまりにギャップの大きい態度であったが、
 それが様になっているのはひとえに彼女の容姿故のことだろう。 

「だーもう。なんなんだろうねここの宝物庫の念の入れ様は? スクウェア数人がかりの扉の固定化。
 それだけでも厄介なのに、物理的な破壊が困難なよう、ご丁寧に壁自体の強度もハンパじゃない、 
 ってんだからねーもう……」 

 背もたれに思いっきりもたれかかり、ため息をつく。
 眼鏡を邪魔くさそうに外し、ベッドに放り投げた。
 
「どっか穴があれば、と思ってわざわざ学院の内部地図引っ張り出してきたってのに……
 隣り合った壁は鉄扉と同様の固定化が掛けてあることがわかっただけで、てんで役にたちゃしない」

 頭を抱えて机にひじを突く。どうしようもないため息が、口の端から漏れた。

「ま、そーいいなさんなよ女主人。いつかきっといいことあるさね」

 机の側に立てかけてある剣がカタカタ体を揺らし、陽気な声で笑いながら言った。 
 剣は抜き身で立てかけてあった。刀身に銅色の錆が付着した、長さにして1,5メイルはある長剣。
 とても無骨なデザインをしており、ハルケギニアでは珍しい反りのあまりない片刃の剣。
 見栄えからしてロングビルのような美人女性にはミスマッチである長剣は、つばの部分が笑うのと
 同じリズムでカタカタ揺れている。 
 ロングビルは再びため息をつき、体を回して長剣と向かい合った。剣が笑うことをピタリと止める。

「ったく……ここんところいい収穫なしだよ」
「へー、たとえば?」
 
 ロングビルは苦笑いを浮かべつつ、皮肉めいた口調と共に長剣を睨んだ。
923T−0:2008/01/31(木) 02:41:25 ID:duaJVeik
「珍しいインテリジェスソードがあると聞いて盗んでみれば、さび付いて使えそうにないどころか、
 『伝説の剣だった』とか嘘ばっかりのお気楽能天気だったりしたことだとか……だね」
「……そりゃあ手厳しいねぇ。でも伝説の類ってのはホントだぜ〜。女主人、信じてくれよぉ」

 芝居がかった口調で話す長剣を無視すると、机に向き直って頬杖をついた。
 肘の下に潰れた紙は重さでクシャクシャになっていくが、そんなことはどこ吹く風と、
 ロングビルはぼーっとやる気なさげに目を細めた。

「あーあ、せっかく異世界のお宝がすぐ傍にあるってのに……」

 机に突っ伏して、紙の上に頬をぐりぐり押し付けた。
 紙が余計に皺をつくり、とうとう何ヶ所か破れ始めたが気にしない。

「なんでぃ、異世界のお宝ってーのは?」
「あんたの数十倍は価値があるお宝のこったよ」

 ロングビルはつぶやくと、めんどくさそうに顔を上げた。

「……お!」
「どしたい? なんかいい案でも思いついたん?」

 剣の質問を無視し、ロングビルはふふふと笑った。

「フフフフフフフフフ…………」 
「はぁ、不気味に笑うねぇ女主人。
 別嬪なのに行き遅れてんのはそのせいじゃガコッ!!」    

 いつの間にか接近していたロングビルは、一瞬の早業で剣を鞘に収めた。

「ったく、あたしゃまだ……23……だ…………よ……………」  

 言いながら虚しくなったのか、瞳に涙を浮かべると剣を放置してベッドに潜り込み……

 ロングビルは気の済むまで泣いたのだった。
924名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:43:11 ID:WhhBJ0/x
おマチさん可愛い支援
925T−0:2008/01/31(木) 02:43:42 ID:duaJVeik
投下終了。待っていてくれた人にありがとう! 
こんな時間に支援、感謝します。
926名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:51:52 ID:Uo+qbI5n
乙ぅー
ターミネーターのいるシーンは脳内で実写映像で再生される…ルイズ含めて
そしておマチさん可愛いよおマチさん
927名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:53:57 ID:dMbhvwVU
デルフてめぇ表出ろ!
おマチさん可愛いですよ支援・・・・じゃなくて乙。
928名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:06:00 ID:wVxiU1tP
駄作だけど作品の投下予約してもいいだろうか?
929名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:10:42 ID:dB2VDh2N
ageる奴にする支援は無い
930名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:19:48 ID:wVxiU1tP
反応無くて空しいけど20分頃から投下しまーす。
931名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:20:42 ID:PFt0e/Dj
だからsageろと
932タイトル:9ゼロ:2008/01/31(木) 03:23:03 ID:wVxiU1tP
    1

「あんた誰?」
 気づけば目の前から自分を覗き込むように見下ろしていた少女がそんなことを口にしたのを聞いて、坂上闘真は君こそ誰? なんて疑問を抱いた。
 いつの間にか寝転がっていたらしい。むくりと上体を起こすとずきりと頭痛を感じる。なんだか前後の記憶が曖昧だった。
 少女は背後にいた禿頭の男性と何事かを口論しているが、闘真はそんなことを気にすることもせず、ただぼんやりと記憶を辿る。
 ―――確か、僕は。
 思い出される記憶は端的だ。
 銃声。それも立て続けに。駆け出した横田。何分待っても戻ってこない。
 制御室へ。開け放された扉。漂う異臭。血塗れの床。べとつく血液。鳴らない警報。
 血に塗れた横田。助からない。血に汚れたプレゼントの箱。遺言と謝罪。死。
 突然の声。突然現れた宮根瑠璃子。奇妙な格好。足音。武装した集団。危険。致命的な死の気配。
 ひび割れたガラス。突破。無重力。落下。高度50メートル。迫る水面。着水―――。
 記憶はそこで終わっていた。気づけば此処に居たのだ。
「―――そうだ、スフィアラボ」
 慌てて周囲を見回すが、海と呼べるものは影も形も見当たらない。代わりに変なマントを羽織った自分と同じ年頃位の少年少女が闘真を見ながらくすくすと笑っている光景だけだ。
「おい、ルイズの奴平民を召喚したぞ」
「さすがはゼロのルイズだな。やってくれることが一味違う」
「ゼロが平民を召喚、ってどれだけ駄目なんだよ」
 ひそひそとそんな囁きあいも聞こえてくる。
 それに何故笑っているんだろう、なんて思っていると。
「ちょっと、あんた人の声聞きなさいよ!」
 至近に居た少女に怒鳴られた。
 闘真が視線を声の側へ向けると、ピンク色の髪の少女が顔を紅潮させて自分を見下ろしている視線とぶつかった。
 よく判らないがどうも怒っているらしい。
「あんたの名前を聞いてるのよ、私は! な・ま・え! 使い魔なんだからご主人様の質問にはとっとと答えなさいよ!」
 聴いたことの無い言語で闘真に向かって怒鳴りつけてくる。言語は知らないのに何で意味は判るんだろうなんてことを疑問に感じながらも、もう一つのことの方が気になったので。
「使い魔? ご主人様?」
「そうよ! 私があんたを召喚したんだからあんたは私の使い魔なの! で、私がご主人様!」
「………ええっと?」
「だああっ! だから名前は何だって訊いてるのよ!」
 苛立った声で少女は高圧的に問い掛けてくる。闘真はなんで怒ってるんだろう、と思いながら質問に答える。
「坂上、闘真」
「サカガミトウマ? 変な名前ね。―――まぁ、良いわ。この際その辺は気にしないでおくわ」
 そう言いながら少女はしゃがみ込む。目線の高さがちょうど闘真と同じくらいになった。その視線は鋭い。
「あんた、感謝してよね。こんなこと平民は絶対受けないんだから」
「?」
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 何のこと? と疑問に思ったが、それを訊くよりも早く少女はぶつぶつとそんな言葉を唱え。
 唐突にキスをしてきた。
 ―――え?
 時間にすればほんの数秒ほどの出来事だったのだが、その一秒で闘真の頭の中完全に白く染め上げられてしまった。
 キスが終わり、離れた少女の姿を眼で追いながら、呆然とした思考で今何が起きているのかを考える。
 全部夢? そう思ったが、全身ぐっしょりと水に濡れている自分の身体がそうではないことを証明していた。
 だから違う、と闘真は思う。根拠は無いが、五感で感じられる全てに強いリアリティがあった。少なくとも、これは夢じゃないと断言出来るほどの。
 背後の禿頭の男性に何かの報告をした少女は振り返り。
「あ、ルーンが刻まれるから気をつけてね」
「え?」
 ルーンって何? と闘真が問い返すよりも早く。
 左手の甲に焼け付くような痛みを感じて、闘真の意識は突然暗転した。
933タイトル:9ゼロ:2008/01/31(木) 03:24:35 ID:wVxiU1tP
     2

「って、ちょ、え!? 気絶した!?」
 ぱたり、と。サカガミトウマが起こしていた上体がそのまま元に戻ったのを見たルイズは、彼が意識を失っていることに気づいて思わず叫んでいた。
「おいおい、ゼロのルイズの使い魔は体力がゼロなのかよ!」
「まさしくゼロの使い魔、ってやつか」
 同じようにその光景を目撃していた学生達は一様に嘲るように、あるいは哀れむように笑い声を上げる。
 屈辱にうつむいて歯を食い縛るルイズの横を抜け、サカガミトウマの様子を覗き込んだコルベールはその手の甲に刻まれたルーンが見慣れないものであることに気づき、
さらさらと手帳に書き写し。
「はいはい、皆教室に戻るぞ。ああ、ミス・ヴァリエール。彼のことは私が運んでおくから君は先に行っていなさい」
 その声を聞いて周囲の生徒達は次々と宙に浮遊していく。―――ルイズを除いて。
 無言のまま歩き出したルイズを見て、底意地の悪い何人かの生徒はその去り際に。
「ルイズ、お前は飛ばないのか?」
「無理無理。ゼロのルイズが空なんて飛べるわけ無いだろ?」
「いや、飛べるだろ。魔法に失敗して爆発すれば」
「ああ、なるほどな! じゃあそれで来いよ、ルイズ!」
 そんな罵倒を口々に投げ掛け、笑いながら飛んで行ってしまった。
 それでもルイズは何を言い返すことも無く歩いていく。
 ただ耐えるように、歩いていく。
 勿論、普段だったら何事かくらいは言い返したかもしれなかったが、今回はさすがに言い返せるほどの気概は残ってはいなかった。
 満足に召喚の儀式さえこなせない自分。何度もの失敗の果てにようやく呼び出せたのは全身ずぶ濡れの得体の知れない『平民』。
 挙句の果てにその『平民』は契約のルーンが刻まれる痛みで気を失ってしまうほど貧弱だったのだ。
 これでショックを受けずにいられるほど、ルイズは豪胆ではなかった。
 しかも。
「……………あれ、私のファーストキスだったのに」
 ぽそりと呟いた声は、誰の耳に届くことも無く風に溶けて消えた。
934タイトル:9ゼロ:2008/01/31(木) 03:25:18 ID:wVxiU1tP
     3

 そこは血の海だった。
 どんな事柄よりも真っ先に脳髄にまで沁みるような明確な血臭は闘真の記憶の最奥に深く刻み込まれている。
 夢だ、と自己が認識出来る明晰夢の中で、闘真の視界が紅く染まっていく。
 やがて不明瞭な像が結ばれていき、それが人の形と成っていく。幾人もの人の形に。
 ただ、それらは人の形をしているだけだ。いずれも生きてはいなかった。
 幾つものヒトガタはまるで敷き詰めるように地面に倒れていたが、そのいずれもが五体のどこかしらを欠損し、例外無く紅かった。
 誰も彼もの顔が苦痛に、恐怖に歪み、恨みがましく闘真の顔を睨みつけながら、果てている。
 ―――ああ、なんてことだ。
 よく覚えている。曖昧な筈なのに、鮮明に記憶している。
 意識だけが溜息を零し、実際の闘真は口元に笑みを浮かべる。
「た、助けて」
 声が聞こえる。足元から誰かの声が。
「死にたくない」
 それは男だった。見苦しく地面を這いずりながら闘真から逃れようとしている男。
 見覚えのある男だったが、誰かは思い出せないし『今』の闘真にはどうでもいいことだった。
 ただ、自身の口元に浮かんだ笑みがより一層喜悦に歪み。―――やめろ。
「誰か」
 そのまま右腕を振り上げ。―――やめるんだ。
「呪われた子供め………」
 その手に握る真っ赤に染まった一振りの刀を。―――やめろおおお!
 振り下ろす。
 視界が更に紅く染まり、喜悦が全身を駆け抜ける。
「見事!」
 唐突に、父がどこからか現れそう叫ぶ。
「禍神の血、ここに開眼せり」
935名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:25:46 ID:dB2VDh2N
age荒らし認定
叩きこそすれ支援の必要なし
徹底無視、まとめwikiへの登録もなし、自力で入れて来たら強制削除
内容の如何によっては削除依頼も視野に入れる
それぐらいの対応前提でかまえとこう
936タイトル:9ゼロ:2008/01/31(木) 03:26:48 ID:wVxiU1tP
     4

 覚醒は静かだった。少なくとも、あの夢の絶望も興奮も残ってはいない。ただどうしようもない苦味だけが感じられた。
 此処は何処だろう。と、なんだか二度目のような錯覚を覚えつつ、闘真は朦朧とした意識のまま周囲を確かめようと身を起こした。
 ―――確かスフィアラボが良く判らない連中に襲われてそこから逃げ出して、それから。
 記憶が曖昧だった。ただ、いつの間にかびしょ濡れだった筈の衣服は完全に乾いていた。少なくともそれだけの時間が寝ている間に経過したと言うことなのだろうか。
 ―――寝ている間に………。
 そう、確かまるで理解出来ない夢とどうしようもない悪夢を見て―――。
「あ、起きた」
 少なくとも前者は夢ではなかったらしい。
 見慣れない室内だった。どことなく中世を連想させる古めかしい造りの部屋だ。
 すぐ傍に寝台が置かれていて、そこにあの少女が座っていた。それで初めて自分が床に寝転がっていたことに気づく。
 なんだか麻耶の部屋みたいだ、と思ったが少なくとも目の前の少女は麻耶とは似ても似つかない外見をしている。
 そもそも髪がピンク色なんて、日本人ですらないのではないだろうか。
 少女を見ながらそこまで考えた闘真はようやく思い出したように。
「えっと、君は?」
 そんなことを訊く。
 はぁ、と少女が溜息を吐く。何か呆れられるようなことを言ったのだろうか、と疑問に思ったが口には出さなかった。
「あのね、契約の時に名乗ったでしょう? 私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。王族にも通じる名門貴族、ヴァリエール家の三女よ」
「………???」
「判りやすく言うと、貴族よ。あなたを召喚したご主人様でもあるわ。サカガミトウマ」
「………僕、君に名前教えたっけ?」
「……………」
 はぁー、とルイズは物凄く深い溜息を吐く。吐かずにはいられなかった。
 どうやらこれは一から教えた方が良さそうだ、と決意する。
「あのね、良く聞きなさいよ?」
 そう前置いて、ルイズは闘真に向かって今の全てを語り始めた。
 自分が貴族であること。
 闘真が自分に召喚されたこと。
 召喚された以上闘真は自分の使い魔であること。
 契約の証明が闘真の左腕に刻まれているルーンであること。
 そして使い魔はご主人様には絶対服従でなければならないこと。
「―――ってこと。判った?」
「―――はぁ」
 判ったのか判っていないのか。闘真のどこかとぼけたような返答はどちらとも取れるものだった。
 しかし。
「え、じゃあ、君魔法使いなの?」
「って、それ一番最初に言ったじゃない! 私は貴族で、貴族である以上メイジであるのは当然のことでしょ!」
「そうなんだ」
「そうなのよ! で、魔法が使えない人間のことを平民って呼ぶの! で、あんた魔法使えないんだから平民でしょ? 平民、よね?」
 そういえば闘真が魔法を使えるかどうか訊いていなかったことを思い出して、ルイズは恐る恐る確認する。
 闘真は素直に頷いた。それにほっと胸を撫で下ろすルイズ。使い魔が主人である自分よりも優れたメイジだったらどうしよう、と一瞬考えてしまったのは絶対に内緒だった。
 こほん、と軽く咳払いをしてから。
「じゃあ、今度は私の番ね」
 ルイズは闘真を見下ろしながらそう言った。
「え?」
「あんたのこと、いろいろ訊かせてもらうわよ?」

937タイトル:9ゼロ:2008/01/31(木) 03:32:27 ID:wVxiU1tP
「―――――ふざけないでよっ!」
 一通りの事情を聞き終えたルイズは、それまでかろうじて我慢していたその叫びをあげずにはいられなかった。
 結論から言うなら、闘真は一切嘘偽り無く真実を語った。
 それは自分の名前が坂上闘真であるということから始まり、遺産と呼ばれる一人の男が残した超技術が溢れる世界から来たこともその中でもおそらく最大規模を有する遺産施設、
スフィアラボでアルバイトをしていたことも其処が突然襲撃されたことも窓から飛び降りて50メートル下の水中に逃れたことも全て語ったのだ。
 ただ、それがルイズには気に入らなかったらしい。
「なによそれ! なんなのよそれ! あんたの言い分が本当だとしたらそれって異世界っていうことじゃない! そんなわけの判んない道具なんて見たことも聞いたことも無いわ!」
「……………あ、そういえば此処って異世界、っていうことになるんだね」
 今更気づいたようにそんなことを口にする闘真。完全に本心から出ている言葉である、ということが判ってしまう程度にはこの短いやり取りの内に闘真のことを理解出来てしまっていたルイズは、
その暢気さに頭を抱えた。異世界なんて聞いたことないし、そんなことになっているのに落ち着いている闘真の天然ぶりは異常だ。
 ―――むしろ、最初から今までの全部が演技、とか?
 そうだとしたらとんでもない策士だ、と思ったが目の前の少年はそんな器用なことが出来るような人間にはとてもじゃないが見えなかった。
 そうやってルイズが頭を抱えていると。
「―――そうだ。スフィアラボだ」
 何かを思い出したように闘真は慌てて立ち上がり、そんなことを口にした。
「戻らないと。えっと、ルイズ、さん。僕を元の場所に戻してくれないかな?」
「無理よ」
 返答は冷たいものだった。
「そんな」
「一応念の為言っておくけど、私には無理、って言うことじゃなくてそもそも使い魔を元いた場所に戻すなんて魔法自体が存在しないっていうことだから」
 愕然とする闘真に追い討ちを掛けるようにルイズはそんな言葉を投げつける。
 ―――愕然としたいのは私の方よ。
 内心でルイズはそんなことを思っていた。
 確かに闘真の事情も深刻そうだったが、彼女の事情もまた深刻だったのだ。
 魔法学園春の使い魔召喚試験。
 これまでの半生で最大の大一番で引き当てた使い魔がこんな何の取り柄も無さそうな一般よりもぼんやりとした平民なんて、ルイズにとっては絶望でしかない。
 思い出されるのは召喚直後の師、コルベールとの会話だった。

『やり直しを要求します! ミスタ・コルベール!」
『それは認められない。速やかに契約を行いなさい、ミス・ヴァリエール』
『そんな! 相手は平民ですよ!?』
『召喚された以上は彼が使い魔です。例外は認められません』
『ミスタ・コルベール!』
『さあ、契約を!』
938名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:33:00 ID:A/sE3hZD
おかしいな……。どうして、sageないのかな……?
939名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:34:25 ID:vpB1bgWu

 こ れ は 酷 い

940タイトル:9ゼロ:2008/01/31(木) 03:34:37 ID:wVxiU1tP
ごめん。真剣にsage忘れてた。
自省してる。

それ踏まえたうえで続き投稿しても良いだろうか?
941名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:38:33 ID:kLhxqYPQ
sageろという忠告は投下前から何度もあった
それを無視して投下し続けた以上、もう投稿は控えた方がいい
もはや何を言っても、何をやっても叩かれるよ
942名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:41:04 ID:3Uy75ljA
>>940
いいんじゃないすか。
俺は結構面白かった。
元ネタも知らないし、行間が空いてないから、ちょっと読み辛かったが。
943タイトル:9ゼロ:2008/01/31(木) 03:41:50 ID:wVxiU1tP
うぐ、やっぱりそうか………。
荒らす意思は無かった。ごめん、といいつつ今回は引き上げる。
944名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:41:59 ID:A/sE3hZD
>>940
少し、頭冷やそうか……
945名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:52:34 ID:I4NOhqTe
間が悪かっただけだよ
最近変なのばっかでかなり敏感だから今
946名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 04:08:33 ID:+nYOoL5H
数日前に流れ着いたので、どマイナー作品で一つ書いてみた。
「閉鎖師」シリーズより、吸血鬼フィオナ・イストラッド。

って、>>950近いから自重した方がいい?
947名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 04:18:28 ID:dB2VDh2N
この時間帯なら問題無かろうて
責任持って次立てりゃ
あと残容量に引っかからないかだけだな、問題は
60k強有るからよほどの事がない限りレス数で埋まる方が早そうだが
948名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 04:22:46 ID:+nYOoL5H
了解した。それじゃ次から投下します。
949虚無のメイジと、吸血鬼:2008/01/31(木) 04:24:33 ID:+nYOoL5H
 燦々と日が照る日中は、吸血鬼にとっては至極暮らしにくい時間である。
 しかし、今この場に存在する吸血鬼――名をフィオナ・アイスハイムと言う――にとっては、
苦痛を呼び起こす物では、ありえなかった。『尊き三種』の一つであるラインゴルト氏族の直系、
アイスハイムを束ねる”蒼姫”は対吸血鬼属性の殆どを克服していたのだから。
 彼女にとっての日の光は、人間たちにとっての夜と同じ様に、眠気を誘う物でしかない。
 紅色の瞳に、空色の長い髪。縁のない眼鏡のレンズの奥には、面白いものを見つけた時のような、
光が宿っている。しかし、その視線の先には、何もない。
 その様子は、日の光に照らされたまま、虚空を見詰めている――と、凡百の人間には見えるだろう。
 しかし、常人ならざる感覚を持つ者にとっては、虚空に開いた穴を眺めている、と見える。

 ―――世界孔、という物がある。人の空想が異世界の法則と符合した時に生まれる、小さな孔。世界と
世界を繋ぐ孔。世界の境界を曖昧にして、世界の法則を混ぜ合わせてしまう孔だ。
 仮に、科学法則が支配する世界と、魔術法則――住民全てが魔法を使えるような世界が存在するとしよう。
 その二つを世界孔が繋げれば、魔術と言う新しい理論体系が科学世界に染み入り、世界法則を侵し始める。
 世界孔から踏み入ってきた魔術世界の住人たち。彼らは、魔術法則に基づいて生きてきたが故に、彼ら自身が
魔術世界の世界法則を体現している存在。彼らの魔術法則に基づいた認知枠は、世界を魔術法則に則った物
として捉えている。それが、科学世界への侵食を加速させる。
 ―――認識は、力なり。認識するが故に、世界は存在している。
 科学世界を、魔術世界の法則で捉える。それは認識と言う力を通し、魔術法則の因果を科学世界に構築して
いく。世界の法則は混ざり合い、一つになり――新たな完成を迎える。それが齎すのは破滅か、繁栄か、誰にも
判りはしない。そんなリスクを秘めた、世界の渡し舟。

 ただ、そんな事態は滅多に起こらない。
 先も記したが、認識は力なり。一つの世界には、その世界の法則を体現する者がいる。小さな歪は、そこで
暮らす彼らの認識によって修正され、消滅する。
 幾人かの空想の認識が開けた穴は、その世界で暮らす多数の人間の膨大な認識によって塞がれてしまうのだ。
 だから、開かない。何か特別な要因がない限りはすぐに閉じてしまう、小さな扉。それが世界孔。

 今彼女が眺めているのが、その世界孔だ。
 どこにでもあって、普通の人の、普通の認識で修復されてすぐに閉じてしまう儚い孔。
 それ自体は、何ら珍しいものではない。そこら中で見つけられる、ありふれたものだ。
 飽きるほどに目にしてきたはずのそれを、彼女は楽しそうに見詰めている。

 その世界孔は、虚無だった。触れた世界を飲み込み、少しずつ膨らんでいく虚無の力。
 そんな虚無の属性を持った孔を、彼女は見た事がない。何を目的として、この世界孔は開いたのだろう?
 そう思うと、その世界孔に対して好奇心が湧いた。
 世界孔をしっかりと認識する、それだけで孔は確固とした”強さ”を持った。後は、少し手助けを
してやるだけだ。己の確固たる認識を以て世界孔を補強し、押し広げていく。
 虚無の孔が、高さ2m、幅1m程になったときであろうか。漆黒のそれが、不意に銀色の鏡へと変わった。
 少しの驚きを顔に出して、吸血鬼は鏡の表面を注意深くなぞりながら、呟いた。

「……誰かを呼んでいる、のでしょうか」

 これを閉じるというのならば、簡単だ。先と逆の事をすればいい。己の認識を以て、握りつぶしてしまえば
それで終わり。この世界に何の痕跡も残さずに、この孔は消滅する。しかし、この鏡に何か惹かれる物を
感じるのもまた確か。
 帰れなくなるかもしれない、と言う予感はある。しかし、それでも構わなかった。領地を任せられる
人材も、既にいる。宿敵とは、最近はじゃれ合いになってきた。特に心配するべき事柄は見当たらない。
 考えていたのは数秒だけだった。ここ最近の退屈を、吹き飛ばしてくれるかもしれない。久しく感じて
いなかったそんな感覚を得た吸血鬼は、迷いなく鏡の中へと足を踏み入れていく。
 流れた空色の髪の最後の一筋が鏡に飲まれた瞬間、ひっそりと虚穴の変じた鏡は消え失せた。
 何の痕跡も、残さなかった。
950虚無のメイジと、吸血鬼:2008/01/31(木) 04:25:47 ID:+nYOoL5H
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは確かな手応えを感じていた。
 繰り返された爆発、数えること数十回。最初のうちは囃し立てていた他の生徒も流石に飽きたのか、
今となっては欠伸を漏らすだけ。少し大きな爆発が起きました、だから何ですか、といった風情である。
 しかし、爆発を起こした当の本人は今までとは全く違った感覚を感じていた。それ故に、濛々と立った
煙の中を見詰める目も期待に輝いている。

 徐々に晴れ行く煙の中、姿を現したのは一人の女性だった。

 背は、高い。膝まである長い空色の髪は、長さはともかくとして色はタバサに似ている。ルビーの瞳は、
気に入らない事にキュルケに似ていた。違いといえば、縁なしの眼鏡の奥で理知的な光を放っている事だろうか。
 キュルケの瞳は情熱の赤――この少女は色ボケと主張する――だが、目の前の女性の瞳は色にそぐわず、
氷の様な印象を抱かせる。

 「……あなた、誰?」

 周囲では、ここぞとばかりにからかう声が響いている。
 曰く、流石はゼロのルイズ、平民を召喚したぞ。
 曰く、流石はルイズ、俺たちに出来ないことを平然とやってのける。
 何十分の一かは人間が召喚された事に対する驚きや、綺麗な人だ等と言う感嘆の言葉だったりもするが、
それらはルイズの耳には入らない。普通の人間とは少し違う雰囲気に飲まれて、言葉が零れていた。誰、と。
 ポツリと零された言葉が届くには少し遠い距離だというのに、その女性は自分の方を向いて微笑みかける。
 その事に驚く間もなく、彼女が口を開いた。

「その問いに答えましょう。私は、フィオナ・アイスハイム・イストラッド。あなた方の知る生物で言えば――」

 からかう声の中でも良く通る、声。鈴が鳴るようでいながら、不思議と力強く聞こえる。
 そして、続けての内容に、周囲でざわめいていた生徒たちが、一瞬にして静まり返った。

「――吸血鬼、と表される存在です」


 何を言われたか分からない、と言った様子の生徒たちを気にした様子もなく、フィオナは自分に最も近い、
桃色の髪をした少女に向かって唇を小さく広げ、にっこりと微笑んだ。あたかも、牙を誇示する様に。
 フィオナの知覚は、意味知覚。その知りえる所は、来歴、行動原理、そして、機能。全てを知ると言った
ほどではないにしろ、存在を知覚しただけで人より多くの情報を得る事が出来るのは間違いない。
 少なくとも、隠し事など出来ないほどには――とは彼女本人の弁だ。
 それだから、何も言われない内から目の前の少女が自分を召喚したのだと言う事を知り、あの見た事もない
世界孔を開いた当人なのだと推測する事も可能だった。当然、何を目的としていたかも。

「あなたの名を、お聞かせ願えますか?名前には意味があり、言葉は名付け、意味は力。すなわち、名前は力。
 自らの本質を表し、時には偽装するそれを名乗り合うのは、互いを知る第一歩。お互いの存在を認定しあう、
 大切な儀式です」

 さあ――と促す言葉に、少女が口を開いた。周囲は未だ、沈黙に包まれている。
 その静寂を切り裂いて響き渡る少女の名乗りが、虚無の使い手と吸血鬼の、契約の判となる。
 漸く、周囲がどよめき始めた。吸血鬼と言う、最悪の妖魔の存在に。

「私は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あなたを召喚した、メイジよ」

 吸血鬼と言う存在がこの世界で何を意味するのか、意味知覚によって知っていたフィオナは、僅かに驚いた。
 己の告げた種族の名にも恐れを見せない、毅然とした態度。少しの驚きの後にやってきたのは、己を使い魔と
為す相手の持つ矜持への満足感。
 これならば、使い魔になってみてもいいだろう。人の一生など、自分たちにとっては瞬きの間に過ぎない。
 微笑みながら少女の名を口の中で一度転がし、頷いたフィオナは、次を促す言葉を紡いだ。
951虚無のメイジと、吸血鬼:2008/01/31(木) 04:27:16 ID:+nYOoL5H
 吸血鬼。ハルケギニアにおいて、最悪の妖魔。
 そんな危険な存在が目の前にいると言うのに、ルイズは不思議と落ち着いていた。
 ミスタ・コルベールが自分の目の前の吸血鬼に向かって、杖を構えたのが見える。
 当然だ、目の前にいるのは吸血鬼なのだから。
 しかし、彼女はそれに構わない。微笑んで、自分に向けて問いを投げつけてきた。

「良い名です。あなたは、私を使い魔とする事を望みますか?」

 反射的に、こくりと頷いていた。
 彼女は、きっと私を導いてくれる。そんな不思議な予感がする。
 これが錯覚じゃない保証は何処にもないけれど――

「受け入れましょう。では、契約を」

 信じてみよう、この予感を。そう思った時には、口が自然と呪文を紡いでいた。

「我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ……」

 固唾を飲んで見守る観衆の中、唇が触れ合う。元の世界において当代最強を誇った吸血鬼が、
”ゼロ”と呼ばれるおちこぼれのメイジと契約を交わした瞬間だった。
952名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 04:28:31 ID:+nYOoL5H
以上でございます。
元がめんどくさい設定の塊なんでくどいですけど、お見逃しを。

では次スレ立ててきますー
953名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 04:30:23 ID:+nYOoL5H
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part107
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1201721373/

次スレです。
テンプレは1だけでよかったんでしょうか。
954名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 06:09:54 ID:MhqBVuEZ
>>953

いいっぽいかな
955名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 06:54:31 ID:b5+8Kc6W
おお、また新たな吸血鬼が召喚されてきた。
元ネタ知らないですがwktkしてますよー。
956名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 07:13:18 ID:2+lPoSmu
いい雰囲気でござる。
とはいえその、召喚して切り、というのはとてもキリがよいので章分けには使いやすいのですが、
そこでは結局なにも語ってないようなものでして。
出来れば、というか是非早い次のリリースというかぶっちゃけギーシュ戦クリアくらいまで駆け抜けていただきたいっ!
雰囲気が大変よさげなので是非に、是非に。
957名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 07:31:13 ID:rNJliosO
書き手だって大変だっての
958名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 08:29:04 ID:edm+R/bd
あまり勝手な事は言わない方がいいぞ
959名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 08:36:41 ID:Kx3menMc
GJ!

元ネタはよう知らんけど、雰囲気がいいね。
文章の区切り方が上手いので読みやすい。
960名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 12:49:43 ID:GubhWuC2
埋めますか
1000なら元祖「こんな可愛い子が女の子の分けないじゃないか」、広場まひる召喚
961名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 12:56:30 ID:Q0bro872
元祖ってバーコードファイターじゃないのか?
というわけで1000だったらさくらちゃん召喚
962名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:04:10 ID:M7kVc566
1000だったらタイラント召喚やってみたい俺
勿論、契約前提で
963名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:14:06 ID:CGZgt34w
1000だったらアゼル・イヴリスを召喚してラリー・ニーヴンの「魔法の国が消えていく」状態にでもなろうか。
964名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:14:44 ID:b6lWC356
>>962
前のはひどかったからな。1000じゃなくても是非
呼んでみてくれい。グラサンのほうで。
965名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:14:47 ID:etIJWqwS
>>962
過去にゼットンとかブルトンとかと契約する話しがあったけど、強力過ぎてルイズの言うこと
聞いてくれるかどうかw
そういやウルトラマンレオの人、最近投稿しないなぁ…
ガンダールブレオキックとか見てみたいぞ。
966名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:15:40 ID:ShDgrHbA
1000だったら('A`)はゼロの使い魔のようです
967名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:27:11 ID:76LpE8pY
1000なら孔明召喚でワルドがげえっry
968名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:47:47 ID:Kx3menMc
埋めついでに小ネタを投下してもよですか?

FFシリーズより、とある召喚獣を召喚。
969名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:48:36 ID:8g7efSib
ネバーエンディングストーリーのファルコンを……
970名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:50:28 ID:CGZgt34w
ビスマルクなら良い。ごめん嘘。
971名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:52:01 ID:Kx3menMc
私ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、
数十回に及ぶ召喚魔法の失敗の果てに呼び出された『彼』を見上げた。

 巨人と見紛うばかりの巨躯を重厚な鎧にて覆い、
 兜からは長大な角状の物が突き出ている。
 手にはドラゴンすらも一撃で屠り去り、それどころか、
 強固な城壁すらも斬り裂いてしまいそうな大剣を携えている。

 そして、『彼』は巨大な馬に跨っており、
 しかもその馬は、三対六本の脚を持っていた。
 きっとこの馬は、『彼』が望むなら、空ですら駆け抜けるであろう。

 ルイズはこの神々しさすら感じさせる組み合わせに、
 一つの言葉が頭に浮かんだ。

『人馬一体』

『彼』らを言い表すのに、これ以上の言葉はあるまい。

「…後は、『コントラクト・サーヴァント』を行うだけね」

 ルイズは歩を進める。
 『彼』は最高の使い魔になるはず。
 これ以上を望むなんて罰当たりもいいところだ。

 しかし、『彼』は突然に駆け出す。
 六本の脚で大地をえぐりながらの、雄大さを感じさせる走りであった。
 そして、ルイズの横を駆け抜けていく。

「なッ! ちょッ!」

 すぐさま振り向くが、見えるのは『彼』の背中であった。
 そして、駆け抜ける先には一人の中年教師がいた。
 その頭が寂しい事になっている教師、コルベールの横を、
 『彼』は大剣を振り抜きつつ駆けた。

 斬!

 鉄!

 剣ッッ!!

 そして、『彼』は虚空へと消え去ってしまった。
 周りの者たちがコルベールの安否を確かめるべく視線を向けると。

         ラストドリーム
「ああッ!私の『最後の希望』がッ!」

 コルベールの頭髪が、残らず中に舞っていた…。


 FFシリーズより召喚獣オーディンを召喚。
972名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:53:43 ID:CGZgt34w
ちょwオーディン自重。
973名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:56:41 ID:Xn64b3Da
こんな血も涙も無い奴ぁ初めてだw
974名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:15:54 ID:BgBGuTC4
ラストドリーム噴いたw
975名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:19:21 ID:x9VtO+KI
そのルビは反則w
976名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:27:28 ID:Kx3menMc
うめ〜。


感想、ありがとうございます。

実は『ゼロの少女兵器』を書いてる者なのですが、
そっちが書き進まなくて、なおかつ逃避エネルギー
が働いてこんなモノを書き散らかしますた。

いやー、逃避エネルギーって凄いなぁ。
ネタを思いついてから書き終わるまで、
20分かからなかったよ。

では、本来の方へ戻ります。
977名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:28:02 ID:7P1h4ydo
1000ならキャロ召喚
978名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:39:57 ID:CGZgt34w
978なら零次とシャオムゥ召喚……無限のフロンティアに。
979名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:41:56 ID:PFt0e/Dj
1000なら冥王カナン召喚。
980名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:46:21 ID:30cGeA3m
>>1000なら続きが書ける
981名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:00:30 ID:gZen/RaS
1000ならチンク姉か、ドゥーエ姐召喚
982名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:21:04 ID:uC1Voup1
1000なら夜が来る!から七荻鏡花を召喚
983名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:26:03 ID:TuJ1a4vF
1000ならティナ召喚
984名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:32:09 ID:SKmOxn1o
1000なら使徒共々セリカ・シルフィル召喚
985名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:48:29 ID:BvV0lUgr
1000ならゾンバルト将軍召喚
986名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:55:25 ID:Xn64b3Da
1000なら召喚された刹那・F・セイエイがガンダムで武力介入する
987名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:59:06 ID:SKmOxn1o
1000ならレオハルトが対アルビオンでノブリス・オブリージュによって無双を披露
988名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:54:27 ID:XuG5MRaG
1000ならNANAYA召喚
989名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:02:30 ID:A/sE3hZD
1000ならアリス・イブ召喚
990名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:24:38 ID:5GHsXUPo
小ネタ限定でU-1召喚
991名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:47:01 ID:3NMKdC9g
お父さんのほうのナギ召喚
992名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:53:17 ID:m/2Dz/QW
1000ならルイズの鼻から虚無光線がでる
993名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:54:32 ID:rGNMm7s5
>>1000なら俺がアリスかうどんげ召喚してやるぜ!
994名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:54:49 ID:XuG5MRaG
1000なら次スレの100召喚
995名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:55:25 ID:XuG5MRaG
1000なら埋め立て完了
996名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:56:05 ID:IRMVj9mJ
1000ならアーマードコアで書く
997名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:56:58 ID:dmWr72VB
1000なら次スレに馬鹿が湧かない
998名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:57:33 ID:IRMVj9mJ
1000ならアサクリの人召喚
999名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:00:33 ID:9h7AUC+Z
>>1000なら今日久しぶりに投下
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:01:00 ID:XuG5MRaG
1000ならネタなし
10011001
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