あの作品のキャラがルイズに召喚されました part101
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part100
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199715504/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ ___ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 `ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
>1乙
6 :
47の人:2008/01/11(金) 21:45:09 ID:x/df4aGF
>>1 乙です。
ところでこれからHitmanの第七話を投下してもよろしいでしょうか。
支援せざるをえないな
第七話 誘いの土人形 後編
調査団が学院を出発する頃、既に太陽は高く昇り、雲一つない快晴となった。
だが、深い森林の仲で馬車に揺られる一行は、時折横から流れてくる心地よい風を浴びる。
まるで、これからピクニックにでも行くかのような陽気に、溜まらずルイズは顔をしかめる。
隣にいる47はそれに気づいたが、敢えて何も声をかけない。彼女達の前に座っていたキュルケは風になびく長い深紅の髪を抑え、その隣のタバサは相変わらず読書に時間を費やしていた。
「到着する前に、少し聞きたい。フーケは、どんな人間なんだ」
ルイズの隣で小さくなり座っていた47は、その馬を操っているロングビルに唐突に尋ねる。
「そうね、集まった情報によると、女じゃないかって話がありますね。あと、トライアングルメイジクラスの実力を持っているらしいです」
「トライアングルメイジ……」
聞き慣れぬ言葉を耳にして、47は彼女の言葉を復唱する。
それを察したのか、ロングビルは彼に魔法についての説明を始めた。
魔法にはいくつか属性がある事、ドット、ライン、トライアングル、スクウェアの順に徐々に魔法使いのランクが上がって行く事を。
「つまり、フーケの魔法の系統は土、そして魔法の熟達度は第二位のトライアングル、という事だな」
「はい。集まった情報をもとにしていますから、正確ではないかもしれませんが。それにしても、随分の見込みが早いですね」
三十分にも満たない、僅かな時間で魔法の理屈を理解した47に、ロングビルは率直な感想を漏らす。
47は、彼女の賞賛に一度頷くと、流れる風景に目をやった。何か思案をしている様にも見える。
「ところで、少し話が変わるが。ミスロングビルはメイジだと言ったな」
「はい、そうですが」
「俺の知っている限りでは、メイジと貴族は同じだ。その貴方が、何故ミスタオスマンの秘書をやっている」
視線を風景に向けたまま47は尋ねたが、ロングビルは言葉に詰まっていた。中々言葉が出てこない。彼女の肩が微かに震えた直後、その理由をようやく語り始めた。
「はい。私は確かにメイジです。ですが、元メイジ、なのです」
「え……それって」
予想外の言葉に、ルイズが先に反応を示した。嘗ては、という事は、その原因は想像に難しくない。
没落した。ルイズ達の前に座っていたタバサが、読書をしながら呟いた。
正解とでも言いたげに、ロングビルは頭をたれる。馬車の揺れが、一瞬大きくなった。
もう、随分前の事ですから。ロングビルは独り言の様に言う。
没落した理由こそ語りはしなかったものの、その後に酒場で途方に暮れている所をオスマンにスカウトされた事を皆に語った。
「所蔵庫の、魔法で強化された壁を一撃で粉砕した相手です。けれども、いざとなったら、私が皆さんを守ります。それが、学院長との約束ですから」
>>1 ____
/ ヽ、ヽ
.| ヽ i
(^'ミ/.´・ .〈●)
.し彡 r、_) | 乙にございまする。
| '`ニニ'' /
ノ `ーm-i´
覚悟のような言葉を放つ。表情こそ伺えぬが、強い感情が露になっていた。
皆、何も言う事が出来ずに、押し黙る。只一人、47だけが思慮深そうに視線を落としていた。
「見えてきましたね」
それから、一時間程の後、ロングビルが声を上げるまで、誰一人として言葉を発するものはいなかった。
木々に囲まれ、忘れ去られていたような古い木組みの小屋に全員の視線が移る。その小屋こそ、フーケの潜伏しているという情報のあった場所だった。
タバサ、キュルケ、ルイズ、47の順に馬車から降りる。自然と、馬を操っていたロングビルが最後に降りる事になったのだが、その直前、ロングビルが何かにつまづいたのか、前のめりの姿勢となっってしまった。
反射的に一番側にいた47が彼女を抱きとめる。自ずと、二人の視線が合った。はっとなって、ロングビルは彼を視線から外すが、その頬は確かに高潮している。
「あらあら、ロマンチックな光景じゃない。騎士と姫君みたいな」
「な、なななな何を言ってるのよ!」
端から見ればまさにその通りと言った様子でキュルケがルイズの肩を小突く。
困惑したままキュルケに噛み付くルイズだったが、成る程この瞬間の47とロングビルの姿は中々様になっていた。
だが、47は自身の使い魔だ。それが、事故とは言え秘書と抱き合う。瞬く間に内側から熱いものが込み上げ、気がつけば使い魔を調教する為の鞭を懐から取り出していた。
「アンタはあ!」
続けて、二人が離れた頃を見計らって杖を振り落とす。47は何事かと驚きを隠せないようだったが寸での所で避けきる。
避けられた事で、余計にルイズの行動が荒々しくなる。最早駄々をこねる子供のように杖を振りまくる。その全てを47はやはりぎりぎりのところで避け続けた。
「使い魔のぉ!」
益々無気になるルイズに、やはりその鞭を避け続ける47。残された三人は惚けたままその光景を眺める。一体どうして、調査に来ているのに痴話喧嘩などしているのか。
「癖にぃ!」
仕方なしに、47は大きく振り上がったルイズの手を抑える。出来るだけ苦痛を与えぬよう手加減をしたが、身長差からルイズがつり上げられるような体制になり、彼女の表情にやや痛みが見える。
「すまない」
47は、ただその一言だけを告げて、力の抜けた彼女の手を離した。
「……この馬鹿犬!」
だが、ルイズの方は満足ではなかったらしい。渾身の力をこめて鞭を振り落とす。
乾いた、甲高い音が森林にこだました。鳥の群れが驚き、何処かに飛んで行った。
※ ※ ※
そーいや授業に出てなかったっけ支援
14 :
47の人:2008/01/11(金) 22:06:43 ID:x/df4aGF
すみません、前回の投下と同じく、書き込みが終わりましたと出るのですが、何故か反映されなくなってしまいました。
また、なのですが避難所に投下してきます。ご迷惑をおかけしますが、どなたか気がついた方、改めて代理投下をお願いします。
行数とかがアレなんじゃねーかな、と思いつつ代理やってみよう
16 :
47の人:2008/01/11(金) 22:13:01 ID:x/df4aGF
>>15 やはりそれですかね……
すみません、もう一度行数を踏まえて投下に挑戦してみたいと思います。
何気に前も代理したんだけど、その時は頭と尻の空白を削除したら投下できた
古小屋の中に入って行くルイズと47の後ろ姿を見て、キュルケだけでなく、タバサも笑いをこらえようと必死に口元を手で押さえている。
ロングビルに至ってはいち早く周囲を見回るとって何処かに行ってしまった。今頃、彼女は森の中で一人腹を抱えて笑い転げているだろう。キュルケは恨めしく思い、それでも二人の後ろ姿、取り分け47のスキンヘッドから視線を外す事が出来ない。
ルイズの放った渾身の一撃は、見事に47の頭頂部にヒットしてしまった。スキンヘッド故に、直接頭皮に鞭が叩き付けられる。
そして、ミミズ腫れになってしまったのだが、如何せん47はスキンヘッドである。額から、頭頂部をまたぎ後頭部にかけて奇麗に真っすぐ、腫れたのだ。
まるで、模様の様に見える、スキンヘッドに刻まれた一文字、47は相変わらずの無表情のまま、二三度頭をなでるだけに留まり、ルイズに付き従っている。
それが、三人には溜まらなくシュールに見えてしかたがなかった。だが、これで笑ってしまえば何より無粋というほかなく、込み上げてくるものを押さえつけなければならない。
二人が小屋の中に入ったのを見計らってから、ようやく二人は笑い出す事が出来た。
「何笑っているのかしらね」
当然、小屋の中にもその声が聞こえてくる。ここで、幸いだったのは47とルイズとでは身長差が随分あったという事だ。
ルイズが正面から彼を見上げても、ほんの少し額に傷がある程度にしか見えない。勿論、思った以上の力で鞭を振り下ろした事に対する懺悔の念はあるのだが、強情さが先走ってしまい中々彼を気遣う気にはなれなかった。
何より、今はやるべき事がある。ルイズは気持ちを入れ替え、フーケが持ち去ったという、破滅の書を探し始める。
書、という事は本の形をしているのだろう。ルイズはもう何年も使われていないような古ぼけた本棚を調べた。
だが、本棚に収まっていたのは何れも馴染みのある古本だけ。中には虫食いが酷く読めたものでないのもあったが、到底学院から持ち出されたとは想像出来ないものばかりだった。
室内には、他に机やタンスがあったが、出てくるのは何れも一目でガラクタと分かるようなものばかり。
めぼしいものが何一つ出てこない事に肩をうなだれていると、隅でうずくまる47の姿が目に入った。
「ちょっと、アンタ何をして……」
もし、其処が小屋の外だったならば、キュルケ達と同じ様に彼の頭のミミズ腫れを目にしてルイズは笑い転げていただろう。
もし、ルイズがもう少し心の広い人柄であったら、何事かと彼を気遣っていただろう。
もし、その場にいたのがキュルケだったらこっそり近づき、後ろから抱きついていただろう。タバサだったら、気には留めるが、直ぐに捜索に戻るだろう。
その何れにも該当せず、ルイズは足を止めていた。背中に、冷や汗が出ていた事にも、全く気がついていない様に、その場に立ち尽くしていた。
明確な殺意、ルイズがこの通りに受け取ったかどうかは知りようが無かったが、47がこの瞬間に放っていたのは確かにそれであった。
普段、無表情のままの彼からは想像もつかない程の怒気に、ルイズは金縛りにあったかの如く動けなくなってしまう。目を見開き、もの言わぬ口を何度か開閉させ、彼の背中をただじっと見据える。
その彼は、部屋の隅にあった箱の中に一冊の本があるのに気がついて、腰を下ろした。
その本は、とても固いカバーで閉じられていた。彼は、これを知っていた。彼のいた世界で、ファイル、とそう名称されたものだった。
何故、これが異世界にある。その疑問を浮かべる前に、彼はファイルを開いていた。そして、次の瞬間にはその手は、もう止まっていた。
19 :
47の人:2008/01/11(金) 22:19:05 ID:x/df4aGF
>>17 空白削除で出来ました! ありがとうございます。
理由は良くわかりませんが、では改めて投下再会です。
メモ帳からのコピーの際になんかなったんじゃねーかな
そして何つーか想像するとひどいことになってるな47、爆笑的な意味で支援
別SSスレでいろいろ議論されたんだが、とりあえず改行が多いと規制対象になるっぽい。
だから長くなるなら投下内容を2レスに分けたりするとあっさり通ったりする。
あ、そうそう支援
支援
47カワユスwww
何故、「これ」が「この」異世界にある。47は言葉にならないまま、何度もこの言葉を繰り返した。
オルトマイヤー。クラス1クローン。ファイルにとじられた紙には、彼の良く知る言語、英語で確かにそう綴られていた。
だが、意識がこの疑問の解決に集中しようとした矢先、大地を揺るがす激震が彼を襲った。間もなく、小屋が倒壊しそうな程の大きな揺れに、47は身を翻す。
側で、ルイズが腰を抜かしていた事にここでようやく気づくと、47は彼女をまた抱きかかえ小屋から飛び出した。
意識が定かでないまま、次に47が目にしたのは、学院を奇襲したのと同じ、巨大なゴーレムだった。
キュルケが彼に駆け寄り、フーケの罠だと告げた。ロングビルの姿が見えない事を心配していたが、47は彼女にルイズを預けると、背負っていたデルフリンガーを抜く。
「おぉおう?!」
何時もと明らかに異なる雰囲気を放つ47の、最も近くにいた彼もまた、恐怖に何も言えずにいた。
だが、47が彼を抜いた瞬間に、彼に力が流れ込んでくる。懐かしい感覚に、声を上げずにはいられない。
しかし、感傷にふける間もなくデルフリンガーは47によって、ゴーレムの右脚を切り裂いていた。
間違いない。これはガンダールヴだ。そう実感し、しかし、今の相棒に畏怖する。何者なのだ、と。彼は、ヴィンダールヴではなかったのか。
ゴーレムは右脚を失い、それでも直ぐに周囲の土をかき集め己の体を復元させる。47は眉をひそめたが、そのゴーレムの肩の上に人が立っている事に気づいた。
フードで顔を隠した人間だ。
先程の一閃の衝撃で舞い上がった風が、そのフードをも舞い上がらせる。フードの下には、皆にとっては見覚えのある顔があった。此処まで引率してくれたロングビルの顔だ。
信じられないと言った様子で目を丸くするルイズ達を他所に、ロングビルは47を見据えて微笑んだ。
「お前が、土くれのフーケという事か」
「そう。所で、その様子だと破滅の書が何か知っているみたいね」
「み、ミスロングビル、これはどういう事ですか!?」
困惑したまま、ルイズが声を荒げる。
ロングビル、いや、フーケは彼女を見下ろして、また微笑んだ。今度は妖艶な、それこそキュルケが足下にも及ばない程の笑みを。
「私は宝物を盗んで、貴族達が驚き戸惑うのを見るのが好きなの。だから、私は学院から破滅の書を盗んだのよ。
でもね、今回ばかりはこれが何なのかさっぱり分からなかった。分からないものはお金にならないわ」
「そこで、俺たちを囮に使って探ろうとしたのか」
「その通り。誰かが危険になれば、きっとこの書の使い方が分かるんじゃないかって。まあ、賭けみたいなものだったけど。こんなに早く分かるとは思わなかったわ」
「ああ、そうだな」
47が頷くより早く、ゴーレムの巨大すぎる拳が迫る。
だが、47はデルフリンガーで今度はこの拳を横一文字に切り裂く。二つに分かれた拳は、程なく土に戻り、大地へと溶けて行く。
それでも、フーケは余裕と言った表情のままだった。その通り、ゴーレムの拳が、再生される。土より生まれたゴーレムは、土ある限り幾らでも再生ができる。
ルイズ達魔法使いだけでなく、47もまたそれを悟る。
「確かに、これは破滅の書だ。これは、破滅を呼ぶ」
そう言い、47は懐から掌に収まる黒い物体を取り出して、フーケに見せつけた。フーケのみならず、その場にいた全員が彼の手にしたそれが、マジックアイテムかと凝視する。
魔法の力が込められたマジックアイテムならば、確かにフーケとも渡り合えるかもしれない。しかし、そんな様子は全く見られない。
はったりか。舌打ちをしてフーケはゴーレムに踏みつぶせと指示を出す。破滅の書の使い方を、きっと彼は知っている。
ならば、使わざるを得ない状況に追い込めば良い
>>21 ただ、改行を使わないと読みにくくてしょうがないんだがな・・・
演出の上でも改行と空白ほど大事なものはないんだし
・・・まあ、その分も分ければ関係は無いんだが
そして支援
結構あっさり正体ばらしたな支援
「動くな」
ところが、47が突然言い放ったこの一言で動けなくなってしまう。
魔法でもない、怪しげな呪いでもない、只の言葉だが、それを前にして何も出来ない。
「少しでも動けば、お前のマントに括りつけた爆弾を爆発させる。黙って降りてこい」
続けて彼が発した言葉に、フーケは目を見開く。爆弾を一体何時仕込んだというのか。恐る恐るマントの下を探る。
確かに、彼女の心当たりの無いものが括りつけられていた。やはり掌に収まるぐらいの小さな円形の黒い物体だ。
爆弾がどういうものなのか、知らないフーケではない。小さいとは言え、密着上体で爆発されればどうなるか。
だが、眼下の男が持つもので、一体どうやって爆発させるというのか。
これこそはったりとは思えなかった。仮に、はったりだとしても分が悪すぎる。
驚くべき事だが、フーケは47に対して明確な恐れを抱いてしまっていた。この男からはどうあがいても逃げられない。魔法を使えない相手でありながら、そう思わせるだけの何かを感じとる。それは、長く盗賊をやっているが故に磨かれた感覚が故なのかもしれない。
分かっていた。学院長室で、調査団に加わった時から。彼を敵に回しては行けない。それでも、フーケは抗った。男に。伝説に。
47の背後の大地が大きく盛り上がる。それは直ちにゴーレムのそれと同じ拳となり、後ろから47を狙う。
ため息をつく。刹那、47は後方からの土塊を薙ぎ払い前に駆けた。妙に軽い自分の体に違和感を覚えながら、デルフリンガーでゴーレムを切り刻む。何処を裂いたら効果的か、瞬時に判断しながら。
ゴーレムの再生が追いつかず、バランスを崩して転倒するまで時間と呼べる程の時間はかからなかった。
フーケは、十数メートルもあるゴーレムの肩から投げ出される。此処から落下すれば、幾ら大地とは言え重傷を負うのは間違いない。だが、最早受け身を取る素振りは見せない。
ただ、急激に近づいてくる大地が霞んでいくのだけは、理解していた。
支援
28 :
47の人:2008/01/11(金) 22:30:13 ID:x/df4aGF
以上です。支援、助言ありがとうございました。どうも文頭文末の空白を消去すれば投下出来るみたいです。
さて、フーケは死んだのかどうか等は次回までの楽しみにしていただければ。
原作を知っている人ならある意味馴染みの深い単語を多く入れてみましたが、これ以降、徐々にhitman色が濃くなってきます。
ところで、今回は分かりやすいかと思って名前欄に仮の名前を入れてみたのですが、どんなものでしょうか。
乙でした〜
次の投下予約をしたいのですがよろしいでしょうか?
道は開いているぞ支援
手が早いな47(暗殺者的な意味で)
行数に関しては、多少余裕を持つように分割する量を調節したほうがよさそうだね
32 :
つかつか:2008/01/11(金) 22:35:15 ID:3ww6Q/C7
では、その次に予約 支援
33 :
虚無の王:2008/01/11(金) 22:35:18 ID:AonFGKZ9
支援〜
では私は「ゼロの斬鉄剣」さんの投下終了10分後に予約させて下さいな。
てか常に本分行頭に空白入れてるのなんで?
普通しない事をしてるのが一因ジャマイカ
35 :
虚無の王:2008/01/11(金) 22:35:33 ID:AonFGKZ9
あ、では「つかつか」さんの次で
ゼロの斬鉄剣 7話 ―土くれのフーケ―
学院を統べる男、オールド・オスマン
伝説のメイジと謳われ名声を欲しいままにしてきた。
―が。
グー・・・
自室の机に突っ伏して寝ている。
どうやら差し込む日差しの陽気に負けてしまったようである
ふと、小声で”サイレント”の呪文
唱えたのは秘書であるロングビルであった
「ふふ・・・」
扉を出て行く秘書がむかったのはオスマンの部屋の下にある“宝物庫”
扉には魔法がかけられさらには頑丈な鍵までもがついている
「(・・・・チッ、いまいましい・・・)」
扉に悪態をつくロングビル。
「だれだ、そこで何をしている!」
突然声をかけられたが場慣れしているのだろか、落ち着いて応対する。
「あ、ミスタ・コルベール。」
「おや、ミス・ロングビルではありませんか、一体どうしたのです?」
などと質問をしてきたので適当にあしらうロングビル。
食事にも誘われたが丁重に断り、残念そうに去るコルベールを見送ると
「(フン、あたしゃハゲチャビンには興味は無いのさ。)」
しかし、と壁をさわりため息をつくロングビル
「頑丈・・・ねぇ。」
なにや腹に逸物のあるロングビルであった。
その日の夜-
コンコン
「は〜い、どなた?」
「拙者でござる。」
ぱぁっと明るくなるのはキュルケである
「まあ!ダーリン、やっとわかってくれたのね!」
五ェ門に飛びつくキュルケ
「いや、別の用件だ。」
支援します。
>>34 コピー→ペーストをすると空白が出来るのです。多分、コピーする段階で余計な所までしているのが問題ではないかと。
五ェ門反応薄っ支援
なんだと、ちょっとつまらなそうな顔をするキュルケ
「折り入って頼みがあるのだが。」
五ェ門からお願いされるなどとは思っても見なかったキュルケは目を輝かせる。
「なに?ダーリンの頼みならなんでも聞いてあげてよ?」
五ェ門は手にした剣を差し出す
「あら、この剣はたしか・・・」
「いかにも、拙者が拾った“デルフリンガー”だ。」
まじまじと剣を見るキュルケ
「見ちゃいやん!」
突然の奇声に嫌悪感をあらわにするキュルケ
「気味の悪い剣ね、溶かしちゃっていいかしら?」
「そうしたい所なんだが、この剣が言うには“魔法”を無効にすることが出来るらしいのだ・・」
ああ、と理解するキュルケ
「それじゃ、あたしはその剣に魔法をぶつければいいのね?」
「左様、お願いできるだろうか。」
かしこまる五ェ門
「お安い御用よ、ついでだからタバサも呼んでみる?いろんな魔法でためしてみましょうよ。」
「かたじけない。」
「お姉さま、何を読んでいるの?きゅい!」
窓際にいる少女に話しかける竜
「・・・喋っちゃだめ・・・」
「きゅい(ごめんなさいなのね!)」
「・・・秘密。」
トントン
「・・・誰?」
「タバサ、夜分にすまないが・・」
ガチャリ
「どうしたの?」
言い終わる前にすばやく扉を開けたタバサ
一緒にいたキュルケが理由を説明する。
「・・任せて。」
その様子を窓越しに眺めていたシルフィードは
「(・・・見えなかったのね!きゅい!)」
そうして一行は敷地内の広場に向かう。
それを窓からみていたのは―
「(な!なんでゴエモンがあの二人と・・・)」
そう思うとルイズは矢も盾もたまらず飛び出す。
支援しえーん
虚無の王さんの後に投下予約
「いくわよー」
「ばっちこーい!」
呪文が詠唱され
「ファイヤーボール!」
ドシュゥ!
デルフリンガーに当たる直前、巨大な火球何事も無かったかのように姿を消す。
「すごいじゃない、その剣。」
「へへ、姉ちゃんはわかってるね!」
ボソボソと呪文が聞こえる
「ウィンディ・アイシクル」
氷の氷柱がいくつもデルフリンガーめがけて突進するが直前で
「・・・効かない」
たちまちかき消されちょっとショックをうけるタバサ。
「だろ、ゴエモン兄!どんなもんだい!」
なるほど、これはかなりいい拾い物をしたらしいと思う五ェ門
「ちょっと、あんたたち!」
いっせいに振り返る
「あたしを差し置いて、使い魔になにをやっているのかしら?」
大分お怒りのようだなので一同は理由を説明する。
「・・・じゃあ余計許せないわ!なんであたしを差し置いてやったのよ!」
それは、と言葉が詰まりそうになる五ェ門。
「だって、あなたの魔法はいつも的外れじゃないの。」
ルイズの魔法は威力こそあれ大雑把なのだ。
「うっさいわね!いいわよ!そこまでいうならやってやるわ!」
そう言い切ると、デルフめがけて呪文を唱える
「へっへ、いくらやってもむだ・・・・」
「ファイヤーボール!」
ズガーン!
「あ・・・・」
なんと、ルイズの魔法はデルフを大きくそらして、塔の壁に当たってしまったのだ。
「これは思わぬ好機のようね。」
夜の散歩で思わぬ光景を見たロングビル、その口元は暗闇に怪しく輝いていた。
そうきたか〜
そしてなんという連続投下支援
「あーあ、壁にひびが・・・。」
塔の壁には大きなひび割れが姿をあらわしていた。
「あのあたりって確か・・・。」
「・・・・宝物庫。」
あちゃあと、頭をかくキュルケ
「ルイズ、どうするのよ!」
「どうするっていっても・・」
学院の宝物庫には希少なマジックアイテムなどが眠っている。
その壁を壊したとあっては下手をすれば停学物である。
ふと、五ェ門が地面から“なにか”が迫ってくるのを感じ取った
「おぬし等、ここを離れたほうがよさそうだ。」
ルイズたちもただならぬ気配を感じその場から離れる
そしてデルフリンガーが据えられていたあたりから
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
なんと見る間に巨大なゴーレムが現れたのだった。
「な、なんなの・・・?」
ゴーレムの肩にはいつの間にか人影が現れている。
大きさは30メイル程であろうか、ルイズのつくったひびめがけゴーレムは
拳を振りかざす、瞬間
ズシーン!
地響きがあたりを走る。
ひびが入ったところは見事な大穴があけられていた、ゴーレムの肩から穴へ向かう人影
「あれは、盗賊!」
飛び掛ろうとルイズ達、しかし
「やめておけ、この距離では間に合わない。」
五ェ門がルイズたちを制止する。
「な、何でとめるのよ!あんたもアレ位ならその剣で一発でしょ!?」
勢いがそれてしまい軽い混乱状態になるルイズ。
「考えても見るのだ、この時間に不可抗力とも言える力でルイズが壁に穴を開けた
、そこへで都合よく賊が入るというのはいかにも怪しい。」
五ェ門の言葉に落ち着きを見せるルイズ
「ならば、賊はこの学院に長らく潜伏していた者であろう。」
「まさか!」
「十分ありえる事だ。とにかく今追えば罠に嵌るやもしれん、朝まで待とう。」
五ェ門の長い経験がそう告げる、召還されるまでは世界中を股にかける大泥棒の一味であったのだから。
五ェ門の説得にしぶしぶ応じる3人。
大穴を明けられた宝物庫に大きな字が刻まれていた
「封印の環とその魔法の書、確かに領収しました 土くれのフーケ」
翌朝、学院は蜂の巣をつついたような騒ぎとなっていた
あつまった教師たちは部屋の中央に並ぶ4人を見つめている。
「―以上が私たちの見た全てです。」
現場近くにいたルイズたち4人は会議室で昨日の件を報告した
「ふむ、なるほどのう。」
一通りの説明が終わった後がやがやと騒がしくなる
「土くれのフーケめ、魔法学院にまで手をだすとは・・・・」
「衛兵も平民では役に立たん・・・」
「当直のシュヴルーズ先生はいったい何をしていたんだね!?」
名前がでたとたんビクリとするシュヴルーズ
「も、もうしわけございません・・・」
パンパンと、手をたたくオールドオスマン
「それまで、この度の一軒はなにもシュヴルーズ先生一人の責任ではない、
大体いままでまともに当直をこなした教師はここに何人いるのかのう?」
一瞥するオスマンに声も出ない教師たち
「これが現実じゃ、それよりフーケを捕まえ取り戻す事を考えんといかんのう。」
「しかし、居場所もつかめないとあっては・・・」
そのとき、ミス・ロングビルが扉をあけ入ってきた。
「昨日の賊の居場所が判明しました!」
ざわめく会議室
「今朝方から姿がみえんとおもっていたが・・・仕事が速いのう。」
「ええ、朝起きたらこの騒ぎでしたので、早速調査を開始していました。」
「ふむ、して賊はいずこへ?」
一息いれるロングビル
「土くれのフーケと思われる賊は学院から3時間ほどはなれた農村にある廃屋にいると思われます。」
ふうむ、とヒゲをいじるオスマン
「して、その根拠は?」
「今朝、廃屋に黒ずくめのローブをきた怪しい人物が出入りしていたのを見かけたと近在の農民から聞き出しました。」
考え込むオスマン
「ふむ、どうやら本物のフーケのようじゃのう、さて・・居場所が割れたい以上これを追撃せねばなるまい、どうじゃ?フーケの首を挙げて名をあげる機会じゃぞ?」
しかし、教師たちは一様に黙り込む
「(やれやれ、なんと情けない・・・)」
「私がいきます!」
声を上げたのはルイズであった。
「ミス・ヴァリエール、君では無理だ!」
ひとりの教師が声を荒げる
「だって、こんなに集まっていて誰一人杖をあげないじゃないですか!」
「あたしたちも一緒にいきます!」
ほっほっほ、と笑うオスマン
「よろしい、ミス・ロングビル、彼女たちをフーケのアジトへ案内するのじゃ。」
「オールド・オスマン!」
どよめく会議室
「なに、心配はなかろう。彼女たちは敵を見ておる、そのうえミス・タバサはまだ若いというのに“シュヴァリエ”の称号を与えられてると聞いておる。」
言葉に詰まる教師たち
「ミス・ツェルプストーは優秀な軍人を輩出している家系の出で実力も折り紙つきともきいておる。」
そしてルイズに目を向ける
「ミス・ヴァリエールも・・・その、優秀なメイジを輩出している公爵家の出じゃ、期待はできるじゃろう。」
最後に五ェ門に目をむける
「なにより、ミス・ヴァリエールの使い魔は得体の知れない剣術でグラモン元帥の子であるギーシュ・ド・グラモンを完膚なきまでに討ち果たしたというではないか。」
笑顔が戻るオスマン
「ミス・ロングビル、彼女たちを頼みましたぞ。」
「心得ましたわ、オールド・オスマン」
そうして一向はロングビルの先導の元、フーケの隠れ家に向かうのであった。
つづく
投下完了しました、支援感謝します。
47 :
つかつか:2008/01/11(金) 22:48:47 ID:3ww6Q/C7
投下乙一どぇス。
では、後続の皆様のためにも早めに落としますか。
GJ
泥棒としての格が違うんだったさすが五ェ門
49 :
つかつか:2008/01/11(金) 22:50:21 ID:3ww6Q/C7
※ねたが(激しく)カオスです。
「……なんだって?」
眉をひそめ、怪訝な顔でレッドは尋ねると、
ルイズは唇をかんで背を向け、鼻先をつんと上に向けた。
「……なんでもないわよ。気のせいよ、気・の・せ・い・!」
両手を腰に当てて、あさっての方向に胸を張る。
そんなルイズの行動を見て、レッドは首を傾けて頭上にはてなマークを浮かべた。
(変な女だな……オレが何かしたのか……?)
ルイズからしてみれば言いようのない気持ちの現われだったのだが、
レッドは理解不能とばかりに眉をひそめた。照れ隠した心は、レッドにはあまり伝わっていなかった。
それに、レッドはここでさらに一歩踏み出し、無粋にもルイズの内面をのぞく輩ではない。
人の内面に、心にずかずか土足で上がりこむことの無礼さを、むなしさを、
レッドは3年以上にも及ぶ旅路の中で経験していた。
「……なぁ、なんか知らないけど……機嫌なおしてくれ。オレの居心地が悪い」
「…………誰のせいだと思ってんのよ……!」
ルイズのつぶやきは小さすぎて、空気を軽く震わせただけで聞こえなかった。
四、五話
斬鉄乙
そして支援
支援
五右衛門いい!!
自然体でもいろいろとスーパーな奴だな。
アニメでも非常に多芸だったし。
流れ星を地上からぶった斬ったりもしたし。
後ろでルパンが「うっそで〜〜〜?!」とか言いながら目を丸くした直後にCM
53 :
つかつか:2008/01/11(金) 22:52:35 ID:3ww6Q/C7
「ふぅん、そうね……じゃあ、話を聞かせて!」
「はな……し?」
ルイズは大げさに振り返り、「そ!」と短く言った。
マントがレッドの視線の直ぐ横を掠めて、ゆらゆらとなびいた。
「あんたの話よ。ドットとはいえ、ギーシュを倒せる位に強い『ぽけもん』を使えるんでしょ?
そのことも含めてぜーんぶ、包み隠さず私に教えなさい!」
レッドは帽子のつばを掴み、ぐっと深くかぶりなおした。
そのせいで、無愛想でしかし凛々しくも感じる表情に一瞬『陰』が入ったのが、
ルイズにはわからなかった。
――遠慮なく踏み込んできたな……この女は、どうやらオレとは違う……か。
「……オレのことなんて聞いても、つまんないだけだぞ……まぁ、
別に話してもいいけど、その前に理由を教えてくれ。何でいきなり? オレ(平民)なんかのことを?
ん……?」
「べ……別にいいじゃない! あ、そうよ! あんたは私の使い魔なんだから、
ご主人さまである私は、あんたのことちゃんと知っておかなくちゃいけないのよ……よ!」
そっぽを向いて、半ば耳をふさぎたくなるような金切り声で言った。
「わかった!?」
「………………」
レッドは皮肉めいた笑みを浮かべ、ふっと鼻で笑った。
「……オーケー、そこまで言うならおしえてやるさ。オレの退屈な昔話をさ……」
支援
55 :
つかつか:2008/01/11(金) 22:53:41 ID:3ww6Q/C7
希望を胸に すべてを終わらせる時…!
ポケモン金銀は発売延期、発売日は未定です。 弁天道
ちょっwwまてww
おいwwwwwwwww
なにがあった
59 :
つかつか:2008/01/11(金) 22:57:27 ID:3ww6Q/C7
レッド「チクショオオオオ! くらえカンナ! レベル42で覚えたての新必殺ロケットずつきィイ!!」
カンナ「さあ来いレッドオオ! 実は私は“はねる”で死ぬぞオオ!」
ゴシカァン!!!
カンナ「グアアアア! こ、このミス・クールビズと呼ばれる、四天王のカンナが……
こんな小僧に……バ……バカなアアアアアア!!!!」
――――――ズドドドドド!!
カンナ「グアアアア」
ワタル「カンナがやられたようだな……」
シバ 「ウーハー! ……奴は四天王の中でも最弱……」
キクコ「レッドごときに負けるとは、四天王の面汚しよ……」
レッド「くらええええ!!!!」
メメタァ!!!
3人 「グアアアアアアア!!!」
レッド 「……やった……ついに四天王を倒したぞ!
……これでグリーンのいるチャンピオンへの扉が開かれる!!」
グリーン「よく来たなポケモンマスターレッドよ……待っていたぞ……」
ギイイイイイイ……
いやいやいやいや、まてまてまてまてまて支援!
なんという支援
ちょっ、おま
支援
これは面白すぎる支援
これは普通に支援するべきかツッコミ入れるべきかとにかく支援!
65 :
つかつか:2008/01/11(金) 22:59:40 ID:3ww6Q/C7
レッド 「こ…ここが四天王の城最期の部屋だったのか……! 感じる……グリーンのP力を……」
グリーン「レッドよ……、戦う前に一つ言っておくことがある! お前は俺を倒すのに『なみのりピカチュウ』
が必要だと思っているようだが……別になくても倒せる」
レッド 「ゲェ――――ッ!? な、 何だってェ――――!!?」
グリーン「そしてミュウツーは手に負えなくなったので、ハナダの洞窟へ解放しておいた。
あとは俺を倒すだけだな。クックック…………」
ゴゴゴゴ!!
レッド 「フ……上等だ……オレも二つ言っておくことがある。このオレに生き別れた父親
がいるような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ! あとサントアンヌ乗らないで
友達から波乗りもらって進んだから、未だにオマエがあそこにいる気がしたが、
別にそんなことはなかったぜ……!」
グリーン「……そうか」
レッド 「ウオオオ!! いくぞォォオオオ!!!」
グリーン「さぁ来い、レッド!」
レッドの絆がチャンピオンを倒すと信じて……!
これは…この展開は…!
我々は"この展開"を知っているッ!
支援
67 :
つかつか:2008/01/11(金) 23:00:53 ID:3ww6Q/C7
……最後までプレイしてくれてありがとうございました!
※細く、じゃなくて補足。『P力』=『ポケモン力』
もい色々ぶち壊し
だがそれがいい支援
69 :
つかつか:2008/01/11(金) 23:02:11 ID:3ww6Q/C7
「……ってわけさ。オレはポケモンリーグで優勝して、一応
チャンピオンってやつになった……」
言い終わるとパンと手をたたいて、気だるげに椅子にもたれかかった。
あまり人には言いたくない話だったのか、力なく天井を見上げる。
対するルイズは話の要所要所で理不尽にツッコミをいれたものの、
最後のほうになると意外と熱心に聞き惚れていた。
「へぇ、じゃああんたってぽけもん使いの中では一番なんだ。
……でも、なんか最期の終わり方が無理やりじゃない? なんていうか……
まるで打ち切られた小説か何かのような投げやりさを感じるんだけど……」
「気のせいだ。間違いなく」
レッドが背もたれにもたれかかる。椅子からぎしっと鈍い音がした。
ルイズが顔をうつむけ、息をつく、それは安堵の息なのだが、
レッドにはため息に似ていると思い、なんとなく重く聞こえた。
「でもよかったわ」
「…………?」
なにが? とでも言いたげに、レッドはルイズを見た。
ルイズはレッドの無言の問いかけを待っていたかのように微笑むと、
自身も仰向けに寝転んで、沈みのいいベッドにその小さな存在の全てを委ねた。
「あんたがただの平民じゃなくて、って意味よ。もし私がただの平民なんて召喚したんなら、
ヴァリエール家、末代までの恥になるところだったわ」
ごろりと転がってレッドの方を向く。その顔は半分まぶたが落ちていた。
支援
よかった……
そのまま終わらないで本当によかった……!
支援
72 :
つかつか:2008/01/11(金) 23:04:58 ID:3ww6Q/C7
「……使い魔っていうのはね、召喚したものの実力を測るいい目安なの……
だからね、わたしはちゃんと……ううん、ちょっとおかしいけど、あんたみたいな
不思議な特技をもつ使い魔を召喚できたからうれしいの……よ。
こ……れで……わたし、は。『ゼロ』……だなんて、よ……ばれ……な………………」
最期まで口にすることはなく、不自然なまでに急に襲い掛かってきた
睡魔に耐え切れず、あえなくルイズは意識を手放した。
ルイズの口からリズムよくすーすーとした寝息が聞こえたのを確認して、
レッドは腰に付けていた、空になったモンスターボールを手に取った。
「……ごくろう、エーフィ」
ぼそりと言うと、レッドの後ろ――いつからいたのだろうか? ――すなわち椅子の背後から、
紫色の生き物が現われた。
額にルビーのような石を光らせ、猫のような狐のような体つきのポケモン『エーフィ』は、
すかさず頭を撫でるレッドの手に気持ちよさそうに振られ、可愛らしく「フィ!」とないた。
途中から、2つ別れになっている尻尾を子犬のようにぱたぱた揺らし始める。
「……【さいみんじゅつ】。明日の朝までは目覚めない……
人の過去をしゃむにに詮索、聞き出したんだ。このくらいはしてもいいかな……」
本当はこのまま【ゆめくい】なり【あくむ】なりの一つでも掛けてやりたいのだが、
(もちろん死なない程度に)あいにくとそれが出来るやつは、手持ちにいない。
レッドは深い眠りの世界へ行っただろうルイズを一瞥し、
エーフィを使って体に毛布を掛けさせると、音もなく部屋の扉を開けた。
入ってくる光に照らされたルイズをもう一度一瞥するとエーフィをボールに戻し、
足音を殺して静かに部屋を去った。
73 :
つかつか:2008/01/11(金) 23:06:17 ID:3ww6Q/C7
投下終了。支援が 計 画 通 り !
もういろいろ楽しかったよ。では次の方どうぞ〜
GJ
なんという悪乗りw
75 :
虚無の王:2008/01/11(金) 23:07:20 ID:AonFGKZ9
乙です〜
では10分ちょい過ぎ頃から投下します
>>73 乙でした
だけどいくら急いでるからって、前に投下した人から10分はあけてな
感想が書けないから
GJなんだが・・・
なんかすごく負けた気分だ
78 :
つかつか:2008/01/11(金) 23:09:20 ID:3ww6Q/C7
いやん、ミスった。
65は「波乗り」じゃなくて「居合い斬り」でした。すみません+支援
本塔と火の塔の間に、コルベールの研究室が在る。
実験時の騒音と異臭が原因で、職員寮塔を追い出された発明家の根城。それは、見るも粗末な掘っ建て小屋だ。
空との出会いを切っ掛けに、小屋はみるみる歪な成長を遂げた。
増築に増築を重ね、改築に改築を加えた末に生まれた木造の怪物は、至る所から黒煙を吐いている。
局地地震を奇跡的に生き延びた研究所だが、その内部は無事に程遠かった。
どこへともなく逃げ出した数多の実験動物供は、毒を持っている事を除いて比較的無害な連中ばかり。
それよりも、化学系の研究室が問題だ。
結局、学院の水メイジが総動員で凍結処理。その間に漏れ続けた七色の煙は、42歳独身の教師から、嫁候補に加えて、老若男女を分け隔て無く遠ざけた。
書物は堆い山を作り、その内の三割は火災なり、水没なり、奇怪な化学変化なりで、永遠にその価値を失った。
制作途中にあった、様々な機械も災禍は免れ得なかった。
空から預かったエアトレック関連の品々が、概ね無傷で済んだ事だけが、不幸中の幸いだった。
「で――――」
オスマンは窓枠に肘をついた。屋外が必ずしも安全とは言い切れない。それでも逃げ場はおろか、足の踏み場すら無い室内よりはマシだろう。
「間違いは無いのかね?」
答えは無い。それでも、オスマンは重ねて問う必要を覚えなかった。
コルベールが見せる表情。苦渋と驚愕とに表情筋の悉くを引きつらせる顔は、百言を費やすよりも雄弁に、その心情を物語っていた。
「これは何かの間違いです」
震える声が言った。コルベールは喘ぐ様にして、息を飲み込んだ。
書簡に記された情報を、正しく解釈しなければならない。誤解を避けて、適切な事実に辿り着かなければならない。
その為にも、兎に角、頭に充分な酸素を送り込んでやる必要が有る。
「間違いとは?」
「それは……我々の工房は、設立から未だ半年を経ていません」
その発展と膨張は急激な物だった。雇用した職人は大半が外国人。
そして、コルベール、空、二人の経営者は、現場に常駐している訳でも無ければ、当直も無い。
「なるほど。君達の預かり知らぬ所で、何かが起きている可能性も否定出来ない、と」
「兎に角、時間を頂きたい。ミスタ・空に確認を取り、調査する時間を……」
コルベールは両手を振り回して訴えた。
これは、彼個人に限らない。興奮したトリステイン人が共通して見せる癖だった。
「もし、望ましい結果が出なかったら?」
答えは返って来ない。今度はオスマンも黙っている訳にはいかなかった。
コルベールは、考える事を避けている様に見える。その背中を叩いてやる必要が有った。
「明後日の終業式、姫殿下が行啓される」
それまでに、問題を解決しておかなければならない。最低限、その目処を付けておかなければならない。
魔法学院の存在意義は、貴族の子弟をして王権への奉仕者として育成する事にある。それは決して、王政府に盲従する木偶を育てる事では無い。
王家と門閥貴族は一定の緊張関係に有る。それ故に、王政府は絶えず学院の経営に介入を目論んでいる。
その名分を与える事は、何としても避けなければならない。
「成果の有無に拘わらず、捜索隊は午後の内に帰還する」
何しろ、ロングビルと空を除いては、全員が学生だ。
今夜には舞踏会が有り、週明けの終業式を経て、そのまま夏季休暇に突入する。この時間制限は当然の理だった。
空が帰ったら、思う存分、確認をすればいい。その答えに応じて、調査の計画を相談するのもいいだろう。
だが、事の如何によっては、その余地も無い。
「その時は、“炎蛇”の力を当てにさせて貰うよ」
20!?支援
「これが“圓月杯”?」
偵察に当たっていた空とタバサ。そしてルイズとキュルケの四人は、小屋の中で合流した。
何しろ、外は日差しが強い。鎧戸を開け放ったばかりの室内は、ひんやりと涼しかった。
ギーシュは一人、庇の下で見張りに立っている。
一同は空が手にする一対の円盤を見下ろす。
結局、小屋の中には、他に何も発見出来なかった。フーケの影や形は勿論、ここ最近の内に誰かが利用した痕跡も見当たらない。
「確かに、これで間違い無いけれど……」
キュルケは宝物庫を見学した事が有る。当然、圓月杯も目にしている。この円盤は、確かに目的の品だ。
「とても杯には見えないわよ」
「私も、あの時は、そう思ったわ」
何故、これが杯なのか。その疑問が解消された訳では無い。今はそこに、もう一つ感想が付け加わる。
「これ、ウィールじゃないの?」
その呟きに、タバサはコクコクと頷く。
学院長秘蔵のマジックアイテム“圓月杯”。それはキュルケの言う通り、どこからどうみても、エアトレックのウィールにしか見えなかった。
「なんで、そんなのが秘宝なのよ?」
「珍しかったからじゃない?」
タルブで大量に部品が見つかったとは言え、今でも充分に珍しい。
とは言え、その稀少さが、必ずしも価値に直結するとは限らない。
“土塊”のフーケはマジックアイテムを好む盗賊として有名だ。苦労して盗んだお宝には、何の魔法も付与されていなかった。
その事実に失望し、遺棄したのだろうか。
「で、これからどないする?」
圓月杯を手の中で弄びながら、空は尋ねた。
それが何であれ、盗まれた秘宝は取り戻した。
ここで引き返すのか。それとも、時間一杯フーケを探索するか。
「決まっているでしょう。フーケを探しましょう」
国中を荒し回り、魔法学院にまで手を伸ばした盗賊を放置は出来ない。ルイズは勇ましくも言い放つ。
これは、トリステイン貴族の沽券に関わる問題だ。図らずも、その犯行を幇助してしまった、自責の念も手伝った。
「撤退」
「タバサに賛成一」
二人は当然の様に言った。
トリステイン貴族ならぬ身としては、その名誉も沽券も知った事では無い。手掛かり一つ無い相手を、延々捜すなど馬鹿げている。
「何か知らへんか、秘書さんに聞いてみるか」
質問では無く、訊問の意味で、空は言った。タバサだけが、それを理解した。
タバサは鎧戸から、そっと外を窺う。
ロングビルは一人、馬車の番。何らかの目論見が有るなら、絶好の機会だ。
そろそろ、何か仕掛けて来ても良い様な物だが……
「うわぁああっっ!!」
不意に、ギーシュの悲鳴が聞こえた。
何事だ?
一同は色めき立つ。
「いい声」
最初に動いたのはタバサだ。エアトレックで加速した蹴りを一閃、鎧戸を破るや、窓から飛び出す。
着地の際、目にした影が、敵の位置と、なによりその巨大さを教えてくれた。
小屋の向こうに、巨大なゴーレムの姿が見えた。全長凡そ30メイル。
肩の上には、黒ローブのメイジが佇んでいる。
「急いで」
土塊の巨人がゆるりと脚を上げるのを見て、タバサは言った。
小屋を踏み潰される危険は無い。相手の巨大さ故に距離感が掴み難いが、まだ大丈夫だ。
だが――――
大地が爆ぜた。
ゴーレムの超重量に土飛沫が小屋よりも尚高く舞い上がり、砂煙が巻き起こった。
勿論、立ってなどいられない。小さな体が1メイルも浮き上がり、タバサは手を付いて着地する。
二歩目よりも早く、タバサは駆けた。
“牙の玉璽〈レガリア〉”は加速性能が高い。忽ちトップスピード。ライダーが未熟とは言え、その対地速度は70q/hを超える。
跳躍。小屋の三角屋根を蹴って、更に跳ぶ。
出入り口から、二人を抱えた空が飛び出した。
ゴーレムの二歩目――――。
丸太が踊った。粗末な掘っ建て小屋は、その震動に耐えられなかった。
最初から釘の一本も打たれていなかったかの様に、バラバラに崩れ落ちる。
ギーシュの悲鳴は物音にかき消されて、誰の耳にも届かない。
タバサは杖を振るう。このゴーレムに有効打を与えられる攻撃魔法は持ち合わせていない。
使うのはレビテーション。足場を作って、更にもう一っ跳び。
小さな影が、ゴーレムの巨体に吸い込まれた。
刃にも似たウィールがみっしりと密度の高い土壁を捉えた時、タバサは一瞬にして、肩の高さまで駆け抜けた。
黒ローブのメイジに動揺が走った。ゴーレムの死角に消えた相手が、いきなり、眼前に“出没”した。その俊敏は、人を超えている。まるで、鳥だ。
黒メイジは迷わず退いた。機先を制された。相手の方が、呪文の完成が早い。
大気中の水蒸気が凍り付き、無数の刃に変わる。タバサ得意のウィンディ・アイシクルだ。
ゴーレムの肩が抉れた。二桁の刃が次々と着弾。堅固な体躯を削り飛ばした。
黒メイジはゴーレムの影に身をかわしていた。背に対し、垂直に立っている。
相手の攻撃魔法を凌いだ事に安堵したのも束の間、肩を乗り越え、少女が現れる。
激痛が走った。使い手の背よりも長い杖に備えられた、四本の皮ベルト。先端のフックが柔らかい肉に食い込んだ。
そして襲い来る“牙”のウィール。
血風が生まれた。刃状のウィールが黒メイジの体に“道”をきっかり三周刻み付けた。皮ベルトでその体を引き摺り、ゴーレムの背を疾走する。
「がっ……!」
苦鳴を上げながらも、黒メイジは呪文を完成させる。ブレイド。杖に魔力を渡らせ、剣と変える魔法だ。皮ベルトを切断。
タバサは真っ逆様に転落した。反転、着地。敢えて、ゴーレムの股下を抜ける。
黒メイジからは、ゴーレム正面が死角。体勢を立て直すなら、距離を取るよりこちらの方が安全だ。
「やっぱり」
タバサは呟く。トリックの瞬間、引き裂いたローブの下に、黒メイジの顔が見えた。確かにロングビルだ。
タバサの姿を確認して、キュルケは杖先から火球を解き放った。ゴーレムの真横目掛けて放たれた炎は、そのまま熱源を追って背後に消える。
キュルケは舌打ちした。火球はゴーレムの肘に弾けて消えた。
誘導性能を持ち、障害物越しの攻撃も可能な魔法だが、さすがに動く盾をかいくぐれる程の能力は無い。
支援
ギーシュは丸太の下から這い出した。
ワルキューレを盾にした御陰で、殆ど無傷で済んだ。
「……とは言え、僕に出来る事は無さそうだな」
ギーシュはゴーレムを見上げた。上半身が嫌に遠く見えた。頭部は青空に霞んでいる。
この怪物を相手に、ワルキューレが何の役に立つだろう。
土塊の巨人がもたらす圧倒的な威圧感は、自分とフーケとの間に横たわる、土メイジとしての格の差その物だ。
「いや、そうでもあらへん」
茫然自失の呟きに、答える声が有った。空だ。この期に及んで、笑みを浮かべている。
空は興奮していた。
純粋にライダーとしての実力で言えば、タバサは決して優れていない。
だが、彼女には魔法が有る。レビテーションを利用する事で、中空に擬似的な足場を作り、本来不可能なトリックを可能にする。
同時に思い出したのが、同じくレビテーションを水平に作用させる事で、車輪を持つワルキューレに高速性能を与えていたギーシュの姿だ。
「雪ん子!ボーズ!」
空は二人を呼び寄せ、耳打ちする。
キュルケは再び火球の呪文を唱え――――ゴーレムの頭部が変形してゆく事に気付いた。
「おかしな土メイジが増えたこと!」
全く、ゴーレムは人間型が相場だ。なのに、ギーシュは訳の判らない形のワルキューレばかり作り、今、フーケは頭部に見張り台をこさえている。
放った火球は、案の定、防壁で止まる。
ルイズは杖を構える。昨晩、ゴーレムの片腕を斬り飛ばした凝集爆発。
狙うは膝だ。あれだけの巨体が、片脚で自重を支えきれる訳が無い。
と、ルイズは呪文を躊躇した。ゴーレムが一歩を進めようとしている。今、脚を破壊すれば、間違い無くこちらに倒れて来る。
体を貫く震動に、ルイズは悲鳴を上げた。浮き上がった体は、とうとう落下する事が無かった。
空だ。ルイズの柳腰を抱えて、降り注ぐ土砂の下を突破する。
広場を濛々と土煙が覆った。
ルイズは激しく咳き込む。辺りは何も見えないが、それはフーケも同じだろう。
空は両手を翳した。風の境界面に手を添え、空気の積み重なりを崩す。
森の中を泳いでいた微風は、突風に姿を変え、砂煙を忽ちに洗い流す。
「凄いっ……」
その光景を、ルイズは呆然と見つめていた。
空は笑みを零した。
左手の甲で、ルーンが怪しい光を放っている。伝説の使い魔“ガンダールヴ”のルーン。
その名称を知ったのは、三月ばかり前の事だ。
一同は二手に分かれていた。
片や空とルイズ。
もう一方には、残る三人。
タバサがキュルケを助け、ギーシュはワルキューレで脱出した結果だ。
「ルイズ、魔法用意しとき」
空に促されて、ルイズは呪文を詠唱する。
ゴーレムは左右に散らばる目標を、順繰りに睥睨した。攻撃目標の選定には、さしたる時間を要さなかった。
今、この中で、有効な打撃力を持っているのは一人だけだ。なら、その相手を潰せばいい。
「迷わんでええ。面白い物が見れるで」
自身に向けて身を捻るゴーレムを凝視しながら、ルイズは呪文を続けた。腰に回された腕が、今は心強かった。
いざとなれば、空は自分の翼となってくれる。ならば、恐れる必要は何も無い。
ゴーレムを挟んで対面。
タバサが身を屈めていた。何をしているのだろう。
空が言う様に、面白い物かはともかく、奇妙な姿勢なのは確かだ。
杖を握る手は地面スレスレ。頭を低め、腰を持ち上げる。クラウチング・スタートと言う用語を、ルイズは知らない。
そしてギーシュが杖を振るった時、一枚のマントが、はらりと舞い落ちた。
ルイズは唖然とした。
タバサが消えた。どこに行った?どうなっている?
ゴーレムに向かって、タバサは真っ直ぐに駆けた。
ギーシュはレビテーションによる、車体の加速になれている。
その助力と、自身の脚力、“牙の玉璽”が小さな体を100km/h超まで加速する。
死角に飛び込んだ事。何より、想像を絶する速度が、ルイズにタバサの姿を見失わせた。
タバサは自身の足下で起こる変化を感じ取った。
刃の様なウィールが走行しながらに展開、外径を増して刃その物へと変わって行く。
“玉璽”が地面を噛んだ。
勿論、少女の細脚でその運動エネルギーを吸収し切れる訳が無い。タバサは杖を振るう。レビテーションを、今度は制動に使う。
タバサは利き足を振り抜く。
刹那、“玉璽”が吠えた。猛烈な制動エネルギーを転換、大気を斬り裂く衝撃波を生み落とす。
土塊が弾けた。いかなる風よりも速く、鋭い超音速の“牙”はゴーレムの足関節を後方から噛み破った。
ゴーレムの動きが止まった。頭部から巨人を操るフーケは、鋭敏に異変を感知した。
フーケは迷った。
足関節は完全破壊に至っていない。だが、このまま活動を続けて、影響が無いかどうか。同じ攻撃を連発されれば、両断される恐れも有る。
ゴーレムの腕を一撃で破壊した、恐るべきメイジ。
脚部を噛み破った“牙”の担い手――――奴には顔を見られている。
どちらを優先して始末するべきか。
その迷いが、ゴーレムの動きとなって現れた。
ルイズに迫ろうとしていた巨人は、タバサに向き直ろうと身を起こす。
「今や!ルイズ!」
その時、ルイズは呪文を完成させていた。
爆発のエネルギーを一点に凝集する“爆風の道〈ブラスト・ロード〉”必殺の魔法。“無限の爆轟〈インフィニティ・デトネーション〉”。
ジェット噴流が大気を貫き、ゴーレムの膝が爆音と共に砕け散る。
片膝を失ったゴーレムは、右後方へ向けて、ゆっくりと倒れ込んだ。
あれだけの巨体が地面に叩き付けられて、無事に済む筈が無い。濛々たる土煙の中、一瞬、へし折れた腕が踊って見えたのは、決して錯覚では無いだろう。
タバサは屈み込んでいる。杖を振るう、その表情は苦痛に歪んでいる。
魔法の助力有りとは言え、トップスピードから殆ど0距離で停止する急制動。その負荷は大腿の筋繊維を容赦無く破壊した。
ギーシュは自らを治癒する少女に駆け寄り、その肩にマントをかけてやる。
キュルケは土煙の隙間から、“空”を見上げている。頭上を影が過ぎる。タバサの風竜シルフィードだ。
万が一に備えて、後を追わせていたのだろう。帰り道は快適そうだが……さて、馬車はどうする?
「空!風を!」
ルイズは叫んだ。
折角、ゴーレムを倒したのだ。この土煙に紛れて、フーケ当人に逃げ出されては目も当てられない。
「いや……」
大気の動きを介して、空は異変を感知した。
フーケが逃走を図る心配は無い。だが、それは決して良い報せでは無かった。
影が落ちた。土煙が晴れた時、一同は声を失った。
そこには、何事も無かったかの様に、巨大なゴーレムが屹立していた。
「再生した……?」
さしものキュルケも、顔色を失った。
超重巨大にして堅牢無比。挙げ句、再生能力まで持っている。
こんな化け物を、どう相手取れ、と言うのか。
「退却」
タバサは呟く。
最低限の目的は果たした。欲を張っても良い結果に繋がらない事は、経験で知っている。
今なら、安全に退ける手段も有る。
風竜が降りて来る。二人は迷わず、その背に飛び乗る。ギーシュも後に続く。
「どーする?」
圓月杯を見せつけながら、空は尋ねた。退くか、それともフーケ逮捕に拘るか。
ルイズは杖を手に、一歩踏み出した。
「空、あんた言ったわね。私を誰もが認めるメイジにする、て」
このゴーレムを倒し、フーケを捕らえれば、誰もが認めてくれる。誰も自分を“ゼロ”とは呼ばなくなる。
「勝ち目はあるんか?」
「私は貴族よ。魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃないわ。後を見せない者を貴族と呼ぶの」
「答えになってへん。こないな所で、盗賊相手に死んだら犬死にや」
ルイズは唇を噛んだ。それでも、退きたくは無かった。
空の御陰で、幾ばくかは自信を持てる様になった。仲間達は、自分を“ゼロ”と蔑む事も無くなった。
だからこそ、彼がラグドリアン湖で立てた誓いを果たしたかった。
もう、自分の知らない所で、得体の知れない事を考えて欲しくは無かった。
「勝ち目はある!」
頭上から風が降って来た。背後の声に、ルイズは弾かれた様に振り向いた。
三人を乗せた風竜が降りて来る。
ギーシュは二人のすぐ後に飛び降りた。
「ボーズ。なにか考えが有るんか?」
「考え、と言う程の物じゃないが……」
ギーシュは土メイジだ。フーケとゴーレムの恐ろしさは誰よりも理解している。
同時に、その限界も察している。
「無償の再生能力など存在しない。あれはゴーレムが勝手に再生したんじゃない。フーケが修復したんだ。破壊を続ければ、いずれ精神力が底を尽く」
「無茶よっ!」
キュルケは叫んだ。
タバサの脚は治り切っていない。本来が風メイジ、秘薬等の触媒無しとあっては、治癒にも限界が有る。
“牙”はもう撃てない。
頼れるのは、ルイズの爆発だけだ。
「トライアングルと消耗戦をする気!?」
同じ魔法を使う場合でも、階位が上がれば精神力の消耗は半減する。
現状、ルイズのメイジとしての格が何れに該当するかは不明だが、トライアングル以上は考え難い。
ルイズは固唾を飲む。
凝集爆発は何発も撃てる魔法では無い。対し、ゴーレムの作成はどうだろう。
“ゼロ”の身とあっては、それがどれだけの精神力を要求する物なのか、見当も付かなかった。
「どないする?チャレンジしてみるか?」
その問いに、ルイズは微笑を返した。
「フーケはトライアングルよね?」
「そう聞いとる」
「トライアングルに勝てるなら、私はそれ以上のメイジ、て事よね?」
「そうなるな」
「私が勝ったら、“王”と認めてくれる?」
「せやなあ……」
“道”を極めた者を“王”と呼ぶ。
“爆風の道”がルイズ一人の道である以上、“王”を称するなら、他系統のトップと対等の力を示す事が条件だろう。
トライアングルでも上位であろう、フーケに勝てるなら、辛うじて条件は満たしている。
(ま……“爆風”はルイズ本来の“道”とは違うけど――――)
「ま、ええやろ!」
空は快諾した。
今後を考えるなら、自信と、なにより欲を付けさせた方がいい。
「こいつに勝ったら、お前は“破烈”の王様や!」
ルイズは頷くと、ゴーレムに向き直った。
「股関節を狙うんだ。的の動きが小さいし、修復には手間がかかる」
「倒れる方向は計算せんでええ。拙い思うたら、ワイがフォローする」
二人の声に背を押されて、ルイズは呪文を詠唱する。ゴーレムの脚が上がるが、お構いなしだ。
線で目標を捉える事が出来る凝集爆発は、手持ちの魔法の中でも比較的狙いが付け易い。杖先より迸った閃光は、過たずゴーレムの腰を粉砕する。
視界が弾んだ。
巨人の上半身はそのまま落下、自らの脚に浴びせ倒しを喰わせて崩れ落ちた。
その衝撃は、歩行時の比では無い。地上のルイズとギーシュは堪らず転倒する。
波の様に迫り来る土砂は、とうとう二人に振りかかる事は無かった。空が両手を翳して、風を作る。
精神力が怪しくなれば、フーケは逃亡を図るだろう。視界は出来る限り、確保しておいた方がいい。
さあ、どうだ――――?
これは半分、作り直すも同じだろう。フーケはあの巨大なゴーレムを、再び立ち上がらせる事が出来るのか。
今度の震動は軽かった。空が土煙を吹き飛ばした時、ゴーレムは片膝に手を付き、立ち上がろうとしていた。
乾いた唇を嘗めると、ルイズは再び杖を握り締めた。
* * *
荒い呼吸に、ルイズは肩を揺らしていた。
吹き飛ばす度に、ゴーレムは地響きと共に立ち上がった。
無償の再生など有り得ない。ギーシュはそう言った。こうもしつこく立ち上がられると、その言葉を疑いたくなる。
本当にフーケは精神力と言う代価を支払って、このゴーレムを修復しているのだろうか。
タバサの風竜は上空を遊弋している。いざとなれば、三人を攫って逃走に移る構えだ。
翼上の二人は目を皿にして、ゴーレムとルイズの姿を見守っている。
ギーシュは空の横に立っている。ゴーレムが歩行する度、崩れ落ちる度、強かに転倒する。
「ボーズも竜の上、居ったらどうや?」
「戦う事を奨めた身だからね。今回は大した事も出来てないし、ここで付き合うよ」
支援
支援
ルイズは再び、呪文を唱える。
元々、メイジと言う兵力自体が、持久力に乏しい。恐らく、この一発で決着が付く。気迫と共に、杖を振るう。
と、視界がぶれた。膝から不意に力が抜けた。
――――気付いた時、ルイズは後から空に抱えられていた。
「……あれ?」
「ここまでやな」
空は上空の二人に合図を送った。ルイズはよく頑張ったが、この辺りが退き際だろう。
「空?」
「もうちょいやったと思うたんやけどな。ま、これも経験や」
「わ、私は大丈夫よ。ちょっと蹌踉けただけで……」
「もう、凝集爆発は撃てへんやろ」
ゴーレムが迫る。ルイズを抱えて、空はその足下から飛び出した。
風を捉えて滑空を始めた時、震動に弾むギーシュと高速型ワルキューレの姿が見えた。良し。転倒はしていない。
風竜に接触する為、ゴーレムと距離を取る。
ルイズは肩を落とした。
フーケを倒せば、自信が持てる。そう思った。胸を張って、家族に会える。そう思っていた。
だが、結局、自分は土のトライアングルメイジに、全く太刀打ち出来なかった。
これでは、空に出会う前と、何も変わっていないではないか。
「僕は君を大した物だと思う」
目に見えて落ち込むルイズを慰めたのは、ギーシュだった。
「あれほど巨大なゴーレムを作り出す事の出来る土メイジは、トライアングルにも滅多に居ないんだ。それと、ここまで戦った。少し前は“ゼロ”と呼ばれていた君がだ。もう、誰も君を馬鹿に出来る筈が無い」
「でも……」
地響きが下腹を打った。
ゴーレムは動きが鈍い。その歩幅にも関わらず、歩行速度は人間と大差が無い。
これなら、追いつかれる前に、風竜に乗り込めるだろう。最悪、森に逃げ込む手も有る。
風竜が降りて来る。まずギーシュが乗り込み、翼上からルイズに手を伸ばした。
ルイズは背後を振り向いた。
ゴーレムがゆっくりと、だが圧倒的な威圧感を以て迫って来る。よく見ると、その形状には歪みが見える。
フーケも限界が近かった。ギーシュの言う通り、無償の再生など存在しなかったのだ。
後一度、あの巨体を打ち砕く事が出来ていたら、もう修復は不可能だったに違いない。
後、一発。後、一発で勝てた。たったそれだけの魔法を放つ意志の力が、自分には足りなかった。
そう思うと、悔しくてならなかった。ルイズは桜色の唇を噛み締める。
と、砂で汚れた桃色の髪に、大きな掌が乗せられた。
「あー、そないな顔すな。ワイが何とかしたるさかい」
「空?」
「使い魔の手柄は、御主人様の手柄やろ。まあ、見とれ」
ルイズは呆気にとられた。
確かに、空は極めて高い戦闘力を持っている。だが、その特性は抜群のスピードと、変幻自在の運動性だ。
とてもでは無いが、ゴーレムを沈められるだけの攻撃力を持っているとは思えない。
「大丈夫や。こいつを使わせて貰う」
「て、それエアトレックのウィールでしょう!?」
空が差し出して見せたのは、圓月杯だ。
そんな物で、どうゴーレムを破壊するのか。それ以前に、エアトレックが何処にあるのか。仮に有ったとして、義足の空がどうやって、それを使うのか。
さて――――空は迷った。
まともに説明する時間は無さそうだ。なんと言おう。
支援
93 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 23:24:38 ID:Z6ftPzHF
支援
支援
「あー……そう見えるかも知れへんけどな。こいつは違うねん」
「え?」
「せやから、ウィール違うねん」
「じゃ、なんなのよ?」
「“狂風神の雫〈Moon struck drop〉”」
ルイズは怪訝な顔をした。
それはなんだろう?水精霊の涙と同じ様に、精霊の一部だろうか。どんな力が有るのだろうか。
空はルイズを翼上に押し上げた。
「危ないから、目一杯離れとき。こいつの効果範囲は半端やない」
「あんたは大丈夫なのっ?」
「使い手吹っ飛ばす武器もあらへんやろ。雪ん子!」
空は身振りで離陸を促した。
タバサは黙って従った。不安を感じないでは無いが、出来もしない事を口にする男でも、ましてや自殺志願者でも無い事はよく知っている。
と、車椅子が浮いた。
ゴーレムが歩調を早めた。逃走を阻止するつもりだろう。
空は反転。ゴーレムへと車輪を進める。見せつける様に、圓月杯を頭上に掲げる。
「空!」
ゴーレムの動きが止まった。風竜が飛び立ったのは、同時だった。
空は頬を掻いた。
どうやら、圓月杯は遺棄されていた訳では無いらしい。また、自分を除く、捜索隊の誰かが目当てと言う訳でも無いと見える。
一体、フーケは、ロングビルは何を考えているのだろう。
「と、と……」
再び、大地が揺れた。ゴーレムが進撃を再開した。
この圓月杯を使うには、ちょっとした作業が要る。その余裕を、フーケが与えてくれるかどうか……。
空はデルフリンガーを抜き放つ。
お喋りなインテリジェンスソードは一言も発しなかった。
「ん?どないしたんや、デル公」
「――――……ああ、久しぶりだねえ、相棒。俺の事を忘れちまったのかと思ってたよ」
「まあ、そう拗ねるなや。仕事や仕事」
「で、俺は何を斬ればいいんだね?あのゴーレム?ぞっとしないねえ」
「いんや。何も斬らへんでええ。時間稼いで来いや」
「時間稼ぎ?」
空は答えなかった。車椅子を加速させるや、デルフリンガーを思い切り放り投げた。
エアトレックの加速、ガンダールヴの能力、空の膂力が重なり、3s超の大型剣は殆ど直進弾道で城塞状に築かれたゴーレムの頭部、その内壁に突き刺さった。
「わっ!」
フーケは声を上げた。
地上30メイルの目標に剣を投げつける人間は勿論、それが実際に届くと言うのも想像を絶していた。
「こいつは、おでれーた。まさか、ぶん投げられるとはねえ……て、秘書のおばちゃんじゃないかね」
「誰がおばさんだっ!」
フーケ=ロングビルは激高した。
このインテリジェンスソードなら、空が鞘にも入れずに学院内をうろちょろしていた頃、目にしている。
まさか、こうも口が減らない奴だとは思わなかった。
全く、剣を喋らせようなどと、こいつをこさえたメイジは、一体、何を考えていたのだろう。
支援
「おばちゃんよ、気を付けた方がいいぜ。相棒は本当に酷い奴なんだ。絶対、何か企んでる」
「お・ね・え・さ・んっ!」
「そいつは図々しくないかい、秘書さんよ。四捨五入したら三十路だろ」
「するな!」
「小母様とか御婦人辺りで妥協する気はないかい?」
「それよりも、空の奴が何だって?何を企んでる、て?」
「そいつは、俺にも判らねえけど……目離さない方がいいんと違うかい?」
それもそうだ。所詮、インテリジェンスソードに喋る以上の真似など出来はしない。
ゴーレムの堅固を頼って、つい、気が緩んでいた。
ロングビルは銃眼から眼下を覗き込む。
刹那、浮遊感が体を襲った。
空の忠告に従い、タバサは目標から距離を取った。車椅子の姿を、瞬く間に森が飲み込んだ。
小高い樹々の上から、ゴーレムの上体だけが覗いている。
「これじゃ、様子が判らないじゃない」
「大丈夫」
ゴーレムの動きさえ見えれば、大体の状況は読める。その姿が消えた時は、どんな形にしろ、決着した時だろう。
淡々と呟くタバサと対照的に、ルイズは不安そうに眼下を見下ろしている。
それは、ギーシュとキュルケも変わらない。
四人の誰一人として、圓月杯の能力は知らないのだ。本当に、あの巨大なゴーレムを破壊出来るのだろうか。
と、内耳が悲鳴を上げた。不意の気圧変化に、一同は思わず耳を押さえた。
――――顔を上げた時、森の中央にゴーレムの姿は無かった。
どんな物も見えなかった。
ただ、真っ黒な壁が、天まで立ちはだかっていた。
一同は唖然とした。それが、巨大な竜巻である事を理解するまで、数秒が必要だった。
猛り狂う竜が、土砂を巻き上げ、森を飲み込み、天へと登って行く。
ルイズは震えた。歯の根が合わなかった。圓月杯――――“狂風神の雫”の力は、想像を絶していた。これほど強力な魔法兵器は、見た事も聞いた事も無かった。
最早、ゴーレムも広場も跡形も無い。放っておけば、森を根刮ぎ吹き飛ばしかねない勢いだ。
「空は!?」
狂風神の力を解き放ったのは空だ。広場に居た空だ。
使い手を吹き飛ばす兵器は無い。空はそう言った。
この地獄の様な光景を前にしては、とてもそんな暢気な言葉を信じる事は出来なかった。
「空を助けて!」
その声に、タバサは青ざめた顔で頭を振った。風メイジの彼女には、あそこで何が起きているのかが、よく判った。
荒れ狂う突風は、どれほど控え目に見積もっても風速80メイル。その暴風下では、飛び交う小石や木片でさえ、甲冑や城壁を容易く穿つ凶弾に化ける。
あんな所に飛び込んだら、命が無い。
「そんな……」
茫然自失の声に、答える者は無かった。
誰もが凍り付いたかの様に、ただ眼前の光景を見つめていた。
支援
支援
支援
自分が倒れている事に気付くには、時間が必要だった。
自分がどこに居るかに気付くには、更に時間が必要だった。
一体、何が起きたのか。それはとうとう理解出来なかった。
ロングビルは地面に倒れ伏していた。体が言う事を利かなかった。手足が悴み、耳が千切れそうだった。
吹き荒ぶ風が体温を奪い去り、神経と言う神経を凍り付かせていた。
「くっはあ〜っ……たまらへんっ!ひっさしぶりやあ〜。どっこもイカれてへんし、こら、ごっつラッキーやわ」
頭上から声がした。聞き慣れてはいるが、耳にはしたく無い声だ。足音と共に近付いて来る。
足音……?
ロングビルは目を見開いた。驚愕が、グズグズと言う神経を引っぱたいた。
この男の声は聞き慣れている。何故、足音がする?
身を起こそうとした時、激痛がそれを拒んだ。腹部に手を当てると、ぬるりとした感触が帰って来た。
まずい――――焦燥感がロングビルを襲う。
水系統は得意では無いし、この傷を治せるだけの精神力も残ってはいない。
「いや、ホンマ、感謝感激やわ!まさか、あないな所にこいつが在りよるなんてなあ……秘書はんが盗み出してくれへんかったら、ずっと気付かへんかった所や」
背後で足音が止まった。
おかしい。この男は車椅子の筈だ。
何故、足音がする?何故、こんな高い所から声が降って来る?
「感謝の標言うんも、なんやけどな。チャンスくれたる。ホンマなら、助ける義理無いんやけど」
「……チャンス?」
漸く、声が出た。
「こいつはウィールやあらへん……咄嗟に出たけど、悪う無い設定やわ」
何を言っている?
足音が頭の方に移動した。首を返すと、屈み込む様にして覗き込む、空の顔が有った。
「さて、取引と行こうか」
森を蹂躙した竜巻も、長くその場に留まっている事は無かった。
徐々に力を弱め、雲間から森へと頭を降ろし、そして単なる風に変わった。
タバサは風竜を飛ばした。
ルイズは無意識の内に、手を組んでいた。
空は無事だろうか?
「空!」
その面積を倍に増した広場の真ん中で、空が手を振っている。
ルイズは歓喜の声を上げた。三人の顔にも明るさが戻った。
風竜の着地を待たず、ルイズは飛び降りた。
空はにこにこと上機嫌に笑っていた。隣に横たわる人影。あれが、フーケだろうか?
傍まで駆け寄った時、ルイズは意外な物を目にした。
空は脚を黒い布地で覆っていた。どうやら、フーケのローブの様だ。
「ああ、これか?実は脚がちと、巻き込まれてもうて……」
元々義足だからどうと言う事も無いのだが、ズボンが千切れ飛んでしまった。
あまり見た目の良い物でも無いので隠している、と言う。
「別に怪我した訳やあらへんし、心配要らへんで」
支援
支援
支援
支援
ほっとしたのも束の間、ルイズは再び仰天した。
空の隣に横たわる女性は、ロングビルだ。意識が無い。深手を負っているらしい。
あの竜巻に巻き込まれたのだろうか。思えば、彼女の事はすっかりと忘れていた。
「ああ、こっちも心配要らへん」
相も変わらずの笑顔で、空はアッケラカンと言った。
「こいつがフーケや」
「え?」
ロングビルがフーケ?どう言う事だ?
「そう。彼女がフーケ」
困惑していると、背後から声が寄って来た。タバサだ。
「ダーリン、大丈夫!?」
「ミス・ロングビルがフーケ?どう言う事だね?」
キュルケにギーシュも、次々風竜から飛び降りて来る。
「どうもこうもあらへん。そう言う事や」
ルイズは困惑した。どうなっているのか、いまいち良く判らなかった。
学院長の秘書が盗賊。そう言われて、俄に信じられる筈も無い。
「ま、詳しい事は帰り道にでも話す。取り敢えず、事件解決や」
「……そうなの?」
戸惑いながらも、ルイズは圓月杯を受け取る。
その表面には、マジックで文字が記されている。
『Welcome to nightmare』
その文字を、ルイズは読む事が出来なかった。
* * *
一同は風竜で帰還した。
空が施した応急処置。そして水メイジならぬ身の不慣れな治癒魔法で良しとするには、ロングビルの負った傷は深過ぎた。
馬車を置き去りにする羽目になったのは、止むを得ない所だ。
盗まれさえしなければ、後で誰かに回収して貰う事も出来るだろう。
一人の教師に命じて圓月杯を宝物庫に戻すと、オスマンは報告を求めた。
ロングビルがフーケであった事実は、老学院長に少なからぬ衝撃を与えた様だった。
「美人だったもので、何の疑いも無く秘書に採用してしまった」
「どちらで採用されたんですか?」
聊か思慮の無い独白に、ルイズは当然の質問を返した。
支援
支援
支援
支援
「街の居酒屋じゃ。わしは客で、彼女は給仕じゃった」
オスマンが語った事の経緯と採用の理由――――愛想良く酒を勧め、散々におだてあげては媚びを売りに売り、ついには少々おいたをしても怒らない――――は、それなりに男の浪漫を含んでいたが、それ故に、年頃の女生徒には決して理解されない物だった。
ルイズは軽蔑的な目線で沈黙を守り、キュルケは呆れ返り、ギーシュは紳士らしい謹みでコメントを避ける。タバサは窓の外を眺めて、ただ一言呟いた。
「死ぬには手頃な日」
何時が?誰にとって?
それは語るまでも無い事だった。
オスマンは態とらしく咳を払い、厳めしい顔を取り繕った。
「さて、君達は良くフーケを捕らえ、“圓月杯”を取り戻して来た」
フーケ=ロングビルには医務室で治療を施している。
城の衛士にも報告を送ってあるから、今日の内にも引き取りに来るだろう。
「それにしても、フーケは何故、学院に戻って来たのでしょう?」
そのまま逃げていれば、こうして捕縛される事も無かった筈だ。
「さてのう……」
ルイズの疑問に、オスマンも首を捻る。
まあ、その辺りは、衛士なり判事なりが聞き出すだろう。取り立てて気にする事でも無い。
「君達の“シュバリエ”の爵位申請を王宮に出しておいた。追って沙汰が有るじゃろう」
その言葉に、ルイズは目を輝かせた。帰省前、家族に最高の手土産が出来た。
ギーシュとキュルケも、同じ様に喜悦の表情を浮かべている。
既にシュバリエであるタバサには精霊勲章を申請した、と言う。
嬉しいのか、どうでも良いのか、鉄面皮の少女はいつもながらに無反応だった。
と、ルイズの目に、自分以上に嬉しそうな空の顔が止まった。
「オールド・オスマン。あの……空には何も無いんですか?」
「残念ながら、彼は貴族では無い」
「なーんも要らへん!なーんも要らへん!」
空は陽気に手を叩いた。
いかなる恩賞も得られなかった異邦人は、この場の誰よりも御機嫌だった。
「ルイズの栄達はワイへの御褒美同然やろ。こんな嬉しい事、あらへんっ」
「さてと、今夜は“フリッグの舞踏会”。今日の主役は君達じゃ。せいぜい着飾るのじゃぞ」
一同は一礼して立ち去る。
「ああ、ミスタ・空。少しいいかね?」
オスマンは空を呼び止めた。
「ああ、ルイズ。先行っとってや。女の子は色々と時間かかるやろ」
「あんたも、ちゃんと準備しなさいよ」
ルイズは一言言い置いて、立ち去った。
学院長室には、空とオスマンだけが残された。
オスマンは厳めしい顔のままだが、相変わらず、とは違った。少なくとも、それは取り繕った表情では無い。
支援
支援
支援
支援
支援
「で、なんやオスマンの爺さん?」
「なに、ちと昔話を聞いて欲しくての」
「は。雪ん子やないけど、ホンマ今日死ぬんと違うか?」
「あの“圓月杯”を手に入れた時の話じゃ」
空の悪態を無視して、オスマンは続けた。
30年前の出来事だ。
森を散策していたオスマンは、ワイバーンに襲われた。
その危機を救ってくれたのは、一人の少年だ。
一体、どんな技術を用いたのか判らない。ただ、彼が走り抜けただけで、恐るべき怪物は地面に墜落、そのまま動かなくなった。
よく見ると、少年は傷だらけだった。オスマンは学院に招待した。
少年は傷が癒えるまでの間、逗留した。
立ち去る際、礼として置いて行ったのが圓月杯だ。
「彼は言っておったよ。遠い未来に現れるであろう、全てを背負って尚、飛べる翼を持つ者の為、自由と言う言葉の本当の意味を識る者の為に、わしにあの“圓月杯”を託す、と」
「詩的な奴っちゃ。で、その阿呆の名前は?」
「“石の王”キリク」
思った通りの名だった。そして、恐らく自分の知るキリクでは無いだろう。
タルブに没したと言う“渡り鳥”同様、平行世界の人間だ。
「彼はこうも言っておった。八人の“王”に一人、極めて危険な男が居る、と」
あの男が欲していたのは、大空でも自由でも無い。ただ己一個の欲望だ。
そのためだけに、あの男は全ての者達から大空を、自由を奪い去ろうとした。
自分はそれを阻む為に戦ったのだ、と。
その言葉を、空は黙って聞いていた。
どこの世界に行っても、自分とあの生真面目一本な堅物は、対立する運命に有るらしい。
水と油。とことん合わないのだろう。
「で、そのキリクは、どこ行ったんや?」
「東へ行く、と言っておったよ。そちらに、元の世界へと帰る手掛かりが有りそうだから、と」
「なるほど。やっぱり東かい……しっかし、爺さんも意地悪いのう。そう言う話有るんやったら、もっと早う教えてくれても、ええような物やったんと違うか?」
自分が元の世界に帰れる様、協力する。元々、大して当てにはしていた訳では無い。
だが、こうも重大な情報を隠していたとあっては、約束を守る気が無い以前に、妨害の意図さえ持っていたかの様ではないか。
「わしも歳でな。今まで忘れとったんじゃ。悪く思わないでくれ」
全く悪びれた様子も無く、オスマンは言った。
「所で、ミスタ・空。君は元“王”じゃったな」
「せや」
「何の“王”だったのかね?」
「前も言うたやろ。“空の王”や。実際には、“空の王”に最も近い、止まりやったけどな」
話は終わった。空は一礼して、車輪を返した。
「ミスタ・武内」
ドアノブに手をかけた時、オスマンが言った。
空は扉を開けて、辺りを見回したが、どこにも人影は無かった。
「……誰も居らんへんで?」
「そうか。気のせいじゃったか。今夜の舞踏会。君も楽しんでくれたまえ。ミスタ・空」
支援
支援
空は学院長室を後にした。
全く、偶然とは有る物だ。ルイズに召喚されて以来、自分は『空』としか名乗っていない。
ただの気紛れで、特に理由は無かった。
そして、六年前の決裂以来、キリクは決して自分を名前で呼ぼうとはせず、依怙地に『武内』と呼び続けた。
最近では完全に他人と言わんばかりに、『武内空』とフルネームで呼んでいる様だ。
勿論、平行世界の人間のやる事だから、一から十まで全てが一致しているとは限らない。
それでも、オスマンはキリクの語る『危険な風の王・武内』と『ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔・空』を結びつける事が出来ずにいたのは確かだった。
そう過去形だ。オスマンの中で、疑念は確信へと変わっている事だろう。
「やれやれ……さすがワイの曾爺さんやわ」
ある時点から疑われているとは思っていたが、最初から確信的に疑われていたのは、全く想像外だった。
アルヴィーズの食堂、上階のホールは、舞踏会の準備に追われる使用人達で大わらわだ。
どうやら、料理人達も学院側と和解したと見える。
辺りを見回すと、道行く少年少女は誰もがそわそわと落ち着かない様子だった。
“フリッグの舞踏会”で共に踊った男女は結ばれる、と言う伝説が有るらしい。
夏季休暇を前にして、意中の相手が決まっていない者など、そうは居ない。
なるほど、巧いタイミングに、巧いイベントが有る物だ。
「ミスタ・空!」
それは、女子寮塔に向かおうとした矢先だった。
振り向く先には、コルベールが立っている。
ロマンチックなイベントから予め除外されているであろう男は、やはりロマンチックとは程遠い表情を顔に貼り付けていた。
「一体、どう言う事なんですか?ミスタ・空っ」
コルベールが案内したのは、研究所の裏庭だった。
複雑怪奇な掘っ建て小屋の融合体と、高い本塔の陰になった手狭なスペースは、人目を避けるにはお誂え向きだ。
室内に入ってしまえば良い様な物だが、生憎、今はとても人が入れる状態では無い。
空を招き入れるや否や、コルベールは詰問を始めた。
空は怪訝な顔をした。
後めたい事なら、山とやっているが、それだけに特定してくれないと、反応のしようが無い。
「貴方の銃と、“空飛ぶ蛇くん”ですっ。何故、それが内乱に使われているのですか!」
「は?」
空は首を傾げた。本当に、身に覚えの無い事だった。
あの二つは、自分にとっても極めて重要な兵器だ。そう、おかしな所に流出させるつもりは無い。
「……身に覚えが無いのですか?」
怒りが半ば、疑念が半ば、と言う声だった。何か誤解しているのだろうか。
「何の事やねん。一体?」
「これです」
コルベールから一通の書簡を受け取る。
空はぎょっとした。先日、起きた叛乱事件。叛乱側の使用した兵器として、後込め式の長銃と、魔力を探知して誘導する魔法兵器の記述が有った。
「こう言う真似するんは、あいつやな……」
支援
支援
支援
支援
空は額を叩いた。
兵器を開発したなら、それを的確に運用出来る人材が必要だ。空は“白仮面”と共に、めぼしい人間を集めて、促成の訓練を施した。
その中に、没落貴族が居た。リッシュモン高等法院長の食客だ。
男の名をした女メイジ。父は嘗て法院に地位を得ていたが、冤罪により爵位を失った、と言う。
両親は国家を怨んで自殺。その後、一人で生きて来た、と言う件の女は、王家を仇として憎んでいた。
この手の人間は、正直に厄介だ。目的や忠誠よりも、復讐を優先する。
それでも使っていたのは、短期に人材を確保する必要に迫られたが為だが、どうやら裏目に出たらしい。
「……はー。やられたわ」
「では、これは何かの間違いなのですか?」
「あの二つ使われたんは、間違いないわ。新しい物売るんやったら、教官も用意せなアカンやろ。訓練しとった奴の一人が、持ち出して荷担しよった」
「なるほど……」
疑念が残らず消えた訳では無いが、コルベールは半ば、安堵した。
空が悪意を以て叛乱や暴動を煽っている。その明白な傍証が、少なくとも、自分の中では消えた。
「……ま、でも丁度ええん違う?」
だが、オスマンにとっては、そうでは無い。空の雇用した人間が、叛乱に荷担したのは事実だ。
どう納得させる――――そう考えた矢先だった。
コルベールのささやかな安堵を、空は一言で打ち砕いた。
「……それは、どう言う意味ですか?」
「貴族は機械の価値を認めてへん。せやかて、自分らが痛い目に遭ったら話も変わって来るやろ。或る意味、お前の発明品広める、良いチャンスやんか」
「じょ、冗談ではありませんっ!」
コルベールは叫んだ。
確かに、パトロンは欲しい。発明品を認められたい。魔法のあり方を変えたい。
だが、血が流れる様な事態を引き起こしてまで、その夢を叶えたいとは思わない。
「何、言うとるんや。お前、そう言う事も考えた上で、発明しとったんやなかっんか?せやなかったら、“空飛ぶ蛇くん”なんぞ作らへんやろ」
「私はただ、貴族、平民問わず部隊の火力を底上げして、犠牲者を減らす為に……」
「あんなあ、コッパゲ……」
コルベールが作成する様な発明品は、最初、教育が有る一方で、伝統への拘りが薄く、上昇志向の強い下級貴族に普及する。
それはやがて、平民の所まで降りて行く。
「下級貴族が上見たかったら、下克上しか有らへん。それに、平民は訓練しても魔法使えへんやろ。連中にして見たら、6000年の間、人間の格好した異生物に支配されとった様な物や。半端に力を手に入れたら、貴族に向けたくもなるわい」
「それは、彼等を決して幸せにしないっ!」
「阿呆っ。連中に後先考える頭なんぞ付いとる訳あらへんやろ。あー言うんはな、世に出したらそうなる。そう言う物や」
「だから、それは様子を見ながら、少しずつ……」
「世の連中でも、おかしな方向行かん様に、コントロールしながら、か?」
空は笑った。
嘲笑とは違う。今日の彼は極めて上機嫌だ。
この瞬間、暴漢に刺されても、まだ笑っているかも知れない。
「思うとったより、ゴーマンな奴やったんやなあ、コッパゲ。神にでもなったつもりか、おのれはー。まあ、お前はホンマモンの天才やさかい。自覚有るのはええこっちゃけど」
寧ろ茶化す口調で、空は言った。
コルベールに言葉を失わせるには、充分な一言だった。
「た、確かに私は傲慢なのかも知れません……だが、細心の注意を払わなければ、世が混乱する。多くの人が不幸になる。それは断じて避けねばならない……」
「お前の夢を棄てても、か?」
「時間をかけるだけです。私の代で駄目なら、後継者を捜す事だって……」
「お前、ホンマ人がええなあ」
苦笑しながら、空はコルベールの肩を叩いた。
支援
支援
支援
支援
「あんな。世の中っちゅうのは、ぱんぱんに張った水バケツみたいな物やろ。なんやそこに新しい物入ってくりゃ、細波も立つし波紋も出来る。そら零れ落ちる者かて当然、出て来るわな」
「だからこそ、その波を最小限に抑える為に……っ!」
「阿呆っ。ワイもお前も神様違うんやで。んな落ち零れたクズの面倒なんぞ、人間様がいちいち見切れるかい。ボケッ」
笑顔の空に、コルベールは今度こそ凍り付いた。
笑って言うべき言葉とも、笑える言葉とも思えなかった。
「ワイの世界に、フランス言う国有ってな。昔、平民が貴族と坊さん皆殺しにして国乗っ取ったんやけど、そん時は悲惨な物やったわ」
フランス革命は欧州の大国に拭い難い傷跡を残す事となった。
莫大な資産が流出した事も有るが、知識層が軒並み消えた事が何より大きかった。
最も危険な甲板で指揮を執る勇敢な士官達を失った海軍は、正常な機能を失った。
陸ではナポレオンが一人気を吐いたが、将軍として一軍を統括出来る人材は、彼自身を置いて、とうとう他に現れる事が無かった。
勿論、二○年に満たぬ政権で、無教養な樽屋の息子を師団長ならともかく、将軍にまで育成出来るだけのシステムを構築出来る筈も無い。
「ま、この国は貴族が強いし、政体にも今の所、破綻は見られへん。どうあっても、平民にやられる事なんてあらへんやろ。その点は安心してええけどな……
お前がやっとるんは、或る意味、同族を滅ぼすんに荷担しとる様な物やわ。ええ加減、腹括っとき」
その言葉を、コルベールは全く聞いていなかった。
魔法学院の中年教師は、空が立ち去った後も、凍り付いたかの様に立ち尽くしていた。
「『技術に善悪は無い。使い手が決める』――――何か有ると、科学者、技術者は大抵この一言で逃げよる」
空の言葉が、脳裏を過ぎった。
研究には必死なっても、それが世に与える影響には目を向けない。
客観的な事実についてはペラペラと喋るが、自分自身の考えについては、子供同然の事も言えない。
お前がそうした人間で無いのは有り難い――――
あの時は、嬉しく思った物だった。
自分が評価されたからでは無い。空が自らを、そうした人間では無い、と宣言してくれた様に感じたからだ。
なるほど。確かにそうだ。空は、自身の行為が世に与える影響を考えもしない人間では無かった。
知って尚、断行する人間だった。
コルベールはまた、共に“ディスク”を飛ばした日の事を、あの時、共に見上げた“空”を思い出した。
「東方、ですか」
「東方や」
「東へ!」
「東へ!」
無意識の内に涙が零れた。
二人で同じ“空”を見上げていたのだと思っていた。
同じ理想を抱いていたのだと思っていた。
体の奥からわき起こる、未来への希望に胸を押されて、共に叫んだのだと思っていた。
「なのに……あなたは……あなたは……」
嗚咽が漏れた。
彼はただ、己一人の欲望の為だけに、世界を血で染め上げようと言うのだろうか。
そうまでして、何を欲しているのだろうか――――
気付くと、研究室だった。
何とか片付けた作業机。その上では、新式の蒸気機関に関する設計図が乗っていた。
コルベールは机を叩いた。繰り返し叩いた。涙が設計図に落ちる。
設計図を掴み上げると、コルベールはズタズタに引き裂いた。無惨に荒れ果てた研究室に、紙片が雪と舞った。
42歳の少年は、声も無く泣き続けた。
支援
支援
空は本塔に向けて、車椅子を漕いでいた。
先の戦いでジーンズはズタズタになってしまったが、幸い似た物を用意してあった。
羽織袴とまではいかないにしても、異邦人たる者、正式な場では異邦人らしくしておくべきだろう。
車椅子の背で、デルフリンガーが鳴った。鞘に収められたインテリジェンスソードは喋る事が出来ない。
それでも、しつこく身を震わせる。
「なんやねん、一体」
空は仕方なく、鞘を払った。
「相棒は本当に酷い奴だねえ」
「何言うとんのや。今更」
「なあ、相棒。あの御主人様はいい娘だと思わないかね?」
「それも今更や。何言いたい?」
「泣かせる様な真似は、して欲しくないねえ。気が滅入っちまうよ」
「ワイかて出来れば、そうしたい思うとるんやけどなあ」
「何、企んでるね?」
「なーんも。ワイはなーんも、企んでへんよ。せやかて、オスマンの爺さんが、夏季休暇です、はいさよなら、てな具合に解放してくれるヘタレにも見えへん」
空はバルコニーに続く階段へと乗り付けた。会場から、明かりと歓談の声が漏れて来た。
舞踏会はもう始まっている。中を覗くと、着飾った生徒や教師達が、見た目ばかりは豪華な料理を囲んでいた。
ホールの中央では、キュルケが何人もの男達に囲まれ、笑っている。
「あら、ダーリン。後で踊りましょう」
「おう」
男子生徒達は怪訝な顔をする。
空は車椅子だ。にも関わらず、ダンスを誘った方にも、応じた側にも、その遣り取りに疑問を覚えた様子が無い。
空は会場をゆっくりと横断する。
何だか、おかしな雰囲気だ。恋の花咲くフリッグの舞踏会。男子生徒の数が聊か少ないのはどう言う事だ。
そう言えば、キュルケの周りに居るのは、一年生が主だった。
時折、舞踏会と言うよりも、出征前の様に緊張した面持ちの上級生を見掛けるのも判らない。
「――――なーんや、嫌な予感がするわ」
ぐるりを見回す。
大きなテーブルでは、黒いパーティドレスに身を包んだタバサが、一心不乱に料理と格闘を続けている。
小柄な体躯に似合わぬ驚くべき健啖ぶりだ。一人で鮭一尾を丸ごと使った冷製を平らげかねない。
その足下を見て、空は肩を竦めた。
ヒラヒラと舞うスカートの影に見え隠れするのは、“牙の玉璽”だ。そこまで、気に入ったか。
空の姿に気付くと、タバサはウィールをコロコロと転がして寄って来た。
空はその顔に手を伸ばすと、眼鏡を外し、また戻した。
「……何?」
「いや。折角、めかしこんどる訳やしな。眼鏡外したらどうかと思うたんやけど……どっちも可愛ええやん。よう似合っとる」
タバサは体ごと顔を逸らすと、両頬に手を当てた。
空は苦笑した。その顔を窺い知る事は出来ないが、多分、この娘は、こんな時でも無表情なのだろう、と思った。
と、タバサは後向きに空の横まで滑ると、耳元に口を寄せた。
「聞きたい事が有る」
「なんや?」
そっと囁く声につられて、空も小声になった。
「宝物庫に戻した圓月杯の事」
「あれが、どないした?」
「私は“宝物庫に戻した”と言った」
「戻しとらんのが有るとでも?」
支援
支援
支援
支援
タバサは目を細めた。
圓月杯の特長は三つ。
エアトレックのウィールに酷似している事。片面には見た事も無いルーンが記されている事。片面中央にはスカルマークの浮き彫りが有る事。
あの小屋で見たそれを、空はルイズに手渡した。その筈だ。
なのに、どうしても違和感が払拭出来ない。
「もし、お前が考えとる通りやったら?」
「貴方は以前、言った。何か有れば、手を貸してくれる、と」
「ああ。憶えとる」
「貴方には恩が有る。また頼る事が有るかも知れない」
「いつでも言いや」
二人はそこで別れた。タバサは再び鮭への攻撃を再開した。
重厚壮麗な樫の扉が開いた。
「ヴァリエール公爵家が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜り〜!」
控えの衛士が主役の到着を告げる。
空は溜息を漏らした。
ピンクブロンドの髪をバレッタで束ね、純白のドレスに身を纏ったルイズの可憐な美しさには、素直に感心させられた。
胸元が大きく空いている事だけが、少し心配だった。引っかかる場所も無い癖に。ゴテゴテのデコレーションドレスにでもした方が良かったのではないか。
楽士達はまずは静かに、そして流麗に音楽を奏で始めた。
ルイズの周りには、多くの男子生徒が群がり、盛んにダンスを申し込んでいる。
フーケの一件、シュバリエの爵位授与の噂を耳にしていた事もあったが、なにより、着飾った少女の愛らしさは、少年達の思考を麻痺させ、“ゼロ”の悪名を忘れさせるに充分な物だった。
あちここちらでパートナーを見付けた生徒達は、優雅にダンスを始めていた。
キュルケは社交ダンスと言うには、聊か情熱的が過ぎる身のこなしで、相手を振り回している。
まあ、相手もまんざらでは無さそうなのだから、それで良いのだろう。
タバサは料理だけが相手と決めているらしい。
ルイズは誘いと言う誘いを断わり、静かな歩調でホールを泳いでいる。
空の前で、その足を止める。
二人は満面の笑みを交わした。
「やったやん、ルイズ」
どこにそんな余地が有ったのか。ルイズは益々顔を弛めた。
シュバリエは功績に対してのみ与えられる爵位。実力の証明だ。
これで、胸を張って帰省が出来る。自分の“道”は“爆風”――――今なら、両親の前でも、そう言える気がする。
「ありがとう」
少し照れた様子で、ルイズは言った。
空を召喚した時は、絶望もした。
契約に至るまでには、面倒も有った。
契約をしたらしたで、ろくに役立つ気が無いかの様だった。
そんな空が言ったのだ。
ワイが“空”の飛び方、教えたるっ――――
それまで、“塔”に閉じこめられている気分だった。一切の光が差さぬ、暗く冷たい塔だ。
そこに、風が吹き込んだ。
風を辿ると、細い亀裂が見えた。亀裂から差し込む光が見えたのだ。
「あんたの御陰だわ」
「ワイは大した事、しとらへん。そら最初は、上手に育ててやるつもりやったけどな」
「実際、そうしてくれたでしょう」
「違う違う。ワイは結局、ちいとばかり手添えてやっただけやったわ。そしたら、ルイズは自分でぶっ飛んでいきよった。それこそ、爆風みたいにな」
「ありがとう」
ルイズはもう一度、言った。
支援
支援
支援
「それにしても、あんたがラグドリアン湖で立てた誓い。もう叶っちゃったわね。今度は私の番ね」
「ワイが帰るんを、手伝ってくれる、て言う?」
「冬が来たらね」
「冬か……」
周囲では少年少女達が踊っている。
不思議と顔を強張らせていた上級生の男子も、今は手を取るパートナーだけに目を向け、笑みを浮かべている。
空は車輪を僅かに引くと、恭しく一礼した。
「一曲、踊って下さいませんか?レィディ」
ルイズは一瞬、困惑した。車椅子の相手にダンスを申し込まれるのは、想像外だった。
それでも、結局の所は笑顔で差し出された手に応じた。
今まで、この男がして来た事を考えれば、踊るくらいの事は造作も無いだろう。
奇異の視線が、ホールの中央に集中した。
清楚可憐な少女と、車椅子の男が踊っている。
小気味良く駆動輪を退き、進め、軽やかに回転さえして見せる。
なるほど、確かにダンスになっている。寧ろ、健常者以上に優雅な動き。
ルイズは歓声を上げた。空はその細腰を頭上高く抱え上げるや、独楽の様に回転した。
視界が飛ぶ様に回る。モーターホイールを利した高速回転。鳥になった気分で、ルイズは大きく腕を開く。
回転が止まった。
空はほっそりとした体を抱き止めた。
ルイズは声を上げんばかりに笑っている。最高の気分だった。
空もまた、御機嫌だ。
この日、二人はそれぞれ違う物ではあるが、一つの念願を果たしたのだ。
幸福な二人に、方々から拍手が上がった。
この時、数人の男子生徒がそっと退室した事に、ルイズは気付かなかった。
拍手が止んだ時、観衆が割れた。恐ろしく派手で悪趣味な服装ながら、整った容姿の少年。ギーシュだ。
女生徒達は一斉に振り向いた。
グラモン元帥の子息もまた、フーケ捕縛に一功あり、爵位を得ると聞いている。
その事実は、権威主義の貴族達をして、平民に敗れた過去を忘れさせるに充分な物だった。
一人の女生徒が歩み出た。ケティ・ド・ラ・ロッタ。以前、二股をかけられた事を知って、ギーシュを振った過去が有る。
移り気な少女は、そんな過去を綺麗に忘れていた。
「私と一曲踊ってい――――」
「すまない。急いでいる」
ケティは唖然とした。ギーシュは少女を一顧だにせず通り過ぎた。今までに無かった事だ。
ギーシュはホール中央に向かっている。目当ては同じく爵位を得た、ヴァリエールの息女と言う事だろうか。
「ミスタ・空」
ケティの予想は外れた。
ルイズが飛び切りの笑顔で振り向いた時でさえ、ギーシュは目線の一つも送る事が無かった。
その目はまっすぐ、車椅子の平民に向けられている。
「話が有る。申し訳ないが、お付き合い願いたい」
「なんや、ボーズ。また決闘かい?」
「……そんな所だ」
ホールは騒然とした。
ギーシュの態度は、あまりに唐突だった。舞踏会の最中に決闘を挑む不作法も信じ難い物だ。
一体、何が起きているのだろう。ルイズの顔に、この時、初めて陰が差す。
ギーシュの表情。そこには決闘に挑む騎士の勇気も、聖戦に挑む戦士の義憤も見られない。
青ざめた顔は、まるで、断崖を見下ろす遭難者の様だった。
――――To be continued
支援
支援
145 :
虚無の王:2008/01/11(金) 23:42:56 ID:AonFGKZ9
今回はここまでです
皆様、御支援有り難うございますっ
支援
支援
支援
支援
支援
……重い!重いよ!
でもコルベールのやることって確かにこの話のようになりそう
GJ
支援
支援
支援
誰もハリー・ポッターからハーマイオニーを召喚ってやらないのか?
支援
支援
支援
支援
支援
支援
支援
支援
支援
なんだこりゃ、ツールか荒らしか
どっちゃにせよこんな場末でそんなことやってなに考えてんだか
支援
支援
乙でした。
世界は変化を待ち望んでいる。それは平和?
それとも戦争?答えは誰も知らない。なんてフレーズがふと頭に。
支援
皆さん乙です。今夜はいい夜だなぁ。
>前スレ1000
柴咲コウのやってたツンデレキャラのポジションにルイズか。
乙した
しかし、話分けた方がよくないですか?
登録も大変そうだし
乙でした
それじゃ、投下しますねー
wktk
level-6「価値」
気を失った女性の襟首をつかむ左腕
振り上げた右腕が、右の手のひらが振り下ろされる
パァンと乾いた音が響く、叩かれた頬は赤く染まっていた
「っ…」
苦しそうな声、だが気にせずもう一度頬を叩く
「……、痛ったいわね……」
さらに振り下ろされた手のひらを左手で受ける
「あら、起きたのね」
フーケの頬を叩いていたのはキュルケ
「それならもう一発!」
左手でフーケの、ミス・ロングビルの右頬を叩く
その反動で倒れた
「このガキッ!」
怒りが込みあがり、起き上がろうとした時
「あら? 私、怒ってますのよ?」
素早く抜き出した杖をフーケの額に当てる
ニッコリと笑うが、目は少しも笑っていない
「今この場で、消し炭にしてあげてもよろしくてよ?」
「………」
冗談ではない、『それ以上何か言えば、即殺してあげる』とキュルケの目が語っていた
「それで、何か聞きたいことがあったんでしょ? ルイズ」
「え、ええ」
幾度と無くキュルケと喧嘩してきたルイズだが、本気で怒っている姿を見て驚いていた
「えっと、ミス・ロングビル、どうしてあんな事を?」
は? とフーケとキュルケが同時に言った
何を言っているんだこいつは、と言った表情
「ルイズ、本気で言ってるの?」
「あああたり前じゃない!」
「何のためって、宝物庫からお宝を盗むために決まってんじゃないさ」
いつもとは違う、学院長秘書『ミス・ロングビル』の喋り方ではない
猫を被るミス・ロングビルではなく、土くれのフーケの地であった
「それ以外に何の用があって宝物庫に行くのさ」
自嘲気味にそう言うフーケ、だがルイズはそれだけには見えなかった
「本当に……、それだけ?」
チーフ、我々はここで支援します。
いつでも投下を
しえん
前かがみのルイズ、その瞳はフーケを映す
この眼、あの子と同じ目をしているじゃないか
そう、心の中まで覗いてくるような……
「そ、そうだよ! お宝盗んで売り払えば金が手に入るじゃないかい」
一瞬の狼狽、たったそれだけの言葉に、ルイズは引っかかった
「『お金』が欲しい、ね」
「ああ、金があれば何でも出来るだろ?」
「まあ、そうよね」
同意したキュルケの故郷はゲルマニア、金があれば貴族にでも成れるという他の三国とは違う特異な国
『地獄の沙汰も金次第』といっても納得できるほどの『お金』を重視した大国
「それなら、私が給金を出すから雇われない?」
さらに、は? とフーケとキュルケとタバサも加わった
「ルイズ、精神力の使いすぎで頭がおかしくなったの?」
「ち、違うわよ! 第一あんなのじゃ全然疲れないわよ!」
え? とキュルケは驚く
あれだけの大爆発を起こしながらまったく疲れていない?
「あんた、どういう精神力してるのよ」
あれほどの爆発、スクウェアクラスでも起こせるかどうかわからない
とりあえず、キュルケには全精神力を搾り出しても無理だった
「普通よ、普通! 全然違うみたいな言い方やめてよね!」
どう考えても違うと、キュルケとタバサは思った
「ちょっと待ちな、私のゴーレム破壊したのは……」
「私よ!」
胸を張るが胸が無い、口に出せば地獄を見るだろう
「……は、ははは、ははははは!」
途端に笑い出すフーケ、すでにタバサがサイレントを掛けているので周りには聞こえない
「ははははは! まいったね! 『ゼロのルイズ』が私のゴーレムを破壊するなんて!」
「ちょっと! 私はゼロじゃないわよ!」
ガア! と噛み付くように反論する
「それで、どういうつもりだい? このまま城の衛士にでも引き渡せばそれで終わりじゃないのさ」
「それもそうね、でも何か引っかかっちゃって気持ち悪いのよ」
「私が、って事かい?」
「いえ、そうじゃないわ」
何か引っかかる、気持ちが悪い、それはフーケ自身の事ではなく
ルイズ自身の気持ち、踏み潰そうと迫ってきた時見えたフーケの顔
酷く辛そうな、今にも泣き出しそうな顔に見えていた
もっとも、自分の魔法でゴーレムを吹っ飛ばしたときの高揚でルイズはすっぱり忘れているが
「ともかく! 貴女には二つの選択肢しかないわ!」
「私の提案を断って牢獄へ行くか、私に雇われて泥棒をやめるか、さあどっち?」
「………」
フーケは考えた、まともに働いた金で、『彼女達』を養うか
いつ手が回るとも知れない悪事で得た金で、『彼女達』を養うか
稼げる金で言えば、明らかに後者だがそれゆえに危険
「……、いくらだい?」
「うーん、そうねぇ……」
『ヴァリエール』
知らぬものは居ないほどのトリステイン有数の大貴族、そこの子女ともなれば小遣いでも相当なものになるだろう
「うーん……、ミス・ロングビルの希望額はあるの?」
「最低でも年1500エキューは必要だね」
これだけあれば、とりあえず食うには困らないだろう
「1500エキュー!? か、かなり……」
ルイズは指を折り始めた、ひいふうみい……をトリステイン風にして
しかし、流石と言うべきか
驚きながらも出せない金額ではない、と言っている様なものだった
ちなみに、平民は年間で約120エキュー、下級貴族は約500エキューほど使用する
「どうだい? それ位出せりゃあ、雇われてもいいがね」
もっとも、フーケの選択肢は一つしかない
『ルイズに雇われること』、断って監獄行きになればそれこそ終わりだ
そう言う訳でどうせなら、そこそこの値段を吹っかけてみたが
「わかったわ、年1500エキューね」
「おでれーた、娘っ子は余裕があるな〜」
その返答にデルフリンガーが反応した
「あるわけ無いでしょ! いろいろと……」
何かぶつぶつと呟くルイズ
「あはははは! ほんと、面白いガキだね」
「ガキって言うんじゃないわよ!」
「逃げるなんて考えないのかい?」
「その点は安心よ、チーフに追いかけさせるから」
と顎でチーフをさす
「こいつ、走り回るだけで何もしてなかったじゃないさ」
「あのね、チーフは手加減してたのよ? 本気だったら貴女もう死んでるわよ」
「へぇ、どう──」
そう言おうとした瞬間、カチリとフーケの額にはハンドガンの銃口が突付けられていた
あまりの速さにその場に居た誰もが気が付かなかった
チーフがハンドガンを突きつけてから約3秒
「チチチチチーフ!?」
何をしているのか理解したルイズ、チーフはそれを気にせず己に起こった状態を考える
ただ、ハンドガンに手を掛け、銃口をフーケに向けただけだ
だが、その速度が異常、以前ならば考えられない速度
ルイズと契約する前からこの状態になる事が度々あった
武器と認識できるものならば、その手に持つだけで反応する
契約してからは身体機能と、それに付随するかのようにアーマーの機能上昇が顕著に現れた
有効稼働率は100%を超え、本来なら絶対に在り得ない状態
100%を超えて動けば、自身とアーマーに損傷が発生するはずだ
それなのに200%を超えていたフーケ戦でも、全くの異常なし
異常が無いことが異常だった
「やっぱ相棒はすげぇな、本気なら永遠に動かなくなってたところだな」
うんと頷く?デルフ、それを聞いたフーケの顔から血の気が引く
ルイズやキュルケも同様、そしてタバサはその速度に驚愕した
恐らく対峙して、杖に手を掛けようとしたときには死んでいるだろう
いや、すでに持っていても呪文を唱え始めたときには死んでいるかもしれない
この使い魔を敵にしたらどれほど恐ろしいのか
タバサは知らない、チーフがコヴナントになんて呼ばれていたかを
「わわわわわかったでしょ!?」
銃をしまうチーフを見て、あまりの出来事にルイズの声が裏返る
「これは失礼を」
逃げられない事を悟ったのか引きつった顔を抑え、口調が丁寧になりミス・ロングビルその者に成った
「これでよろしいですか?」
「え、ええ、それで良いわ! それと、給金渡すんだから泥棒なんてもうしちゃ駄目だからね!」
「わかっております、ルイズ御嬢様」
ニッコリと、淑女の仮面を被った、いや『狡賢い大人の女』が居た
────────────────────────────────────
今巷で話題の土くれのフーケ、事もあろうに魔法学院のひよっ子共に負けて捕まった
そのうちの一人が給金を出すからと言われ雇われた
さて、仕事は?
「何させればいいのかしら……」
この始末だった
「それは後でいいだろ、ついてきな」
ぞろぞろと5人で上るのは階段、その終着点は学院長室
来る前に着替えたロングビルがノックすると、中から「入ってよいぞ」と聞こえてきた
「オールド・オスマン、お話が」
騒ぎが起き、コルベールに叩き起こされたオスマン
眠そうな眼が5人を見ていた
「どうしたのじゃ?」
「はい、彼らが土くれのフーケを撃退したと報告に」
「なんじゃと!?」
オスマンとコルベールが驚いた
「話によると、相当な怪我を負わせたとの事です」
「ええ、襲ってきたので私が火達磨にして、タバサが氷漬けに、とどめにルイズが爆発させましたわ」
ぶるっとオスマンが震えた、その惨状を想像するだけでちびりそうになった
「ですが、逃げられたようです」
「秘薬を用いた水メイジの治療でもすぐには治らないでしょうね」
打ち合わせもしていないのに不都合無く進んでいく話
ルイズとタバサとチーフは女の黒い部分を見た
「そ、それはすごい。 ミス・ロングビルはその光景を見ていたのかね?」
「はい、かなりの悲鳴を上げてました。 もしかしたら……」
「死んでいるかも、と言う事かね?」
「その可能性が高いかと」
うーむ、と唸るオスマン
ロングビルを見て、一言
「それは素晴らしいの! この事が事実なら君達にはそれなりの褒美を与えなければならんな」
支援
沿い円」
褒美と聞いてキュルケの目が輝いた
「そうじゃのぉ、宮廷に『シュヴァリエ』称号の授与を申請しておくかの」
「「シュ、シュヴァリエ!?」」
ルイズとキュルケの声が重なる、シュヴァリエとは国に対して大功を収めた者に送られる貴族称号
家柄など内因的な要素を度外して、外因的、実力実績のみに評価され叙せられる
つまり、実力ある者しか戴けない名誉称号である
「うむ、スクウェアクラスのメイジをもすり抜けて貴族の財宝を荒らしまわる盗賊を懲らしめたのじゃ、当たり前じゃろう?」
オスマンは遠回りにスクウェアクラスメイジ以上の実力と言っている様なものだった
「おお、ミス・タバサはすでにシュヴァリエ称号を所持しておるから、精霊勲章かの」
「そうなの!?」
小さく頷くタバサ、ルイズは通りでと言った感じ
「そうとなれば早速書簡を書かなきゃならんので解散じゃ!」
机の引き出しから紙を取り出し、立ててあった羽ペンでさらさらと書き始める
「おっと、忘れとった」
「ちーふ殿、少しばかり話があるのだが良いかね?」
その言葉を聴いて振り返ったのは3人、ルイズとタバサとチーフ
キュルケは浮かれ構わず、さっさと出て行った
「ほれほれ、ちーふ殿に話があると言ったじゃろう」
「いえ、関係あります! チーフは私の使い魔ですから!」
「ほ? 契約したのかね?」
「はい」
オスマンは嬉しそうにうなずいた
支援
「それは良かった、ミス・ヴァリエールの進級一時保留は取り消しとし、正式な進級とする」
「ありがとうございます!」
「ならば、わしも約束を守らねばならんな」
それを聞いて顔をしかめたルイズ、タバサも少しだけ表情を変える
約束、チーフを元の世界に返す方法
「世界でも初のことじゃから、それなりに時間が掛かるとは思うがの」
「それじゃあ、チーフ君、君のルーンを見せてもらっても良いかな?」
コルベールが、チーフに刻まれているルーンを調べると言ってきた
だが、使い魔のルーンらしきものは見つからなかった
「私覚えてます」
「それは良かった、この紙に書いてくれるかね」
さらさらと、書き写す
「この形だったと思います」
それを見たコルベール、一考した後
「オールド・オスマン、見たことはありませんか?」
「む? ……、これは見たこと無いの」
「私もです、調べておきます」
「うむ、それでは解散じゃの」
オスマンは手をひらひらと動かし、これで用件は終わりと言った
それを聞いた3人は、学院長室を後にした
「本当に良い子じゃのぉ」
「何か?」
「いや、なんでもないぞ」
つぶやき、髭を触るオスマンはどこか嬉しそうだった
支援
「はあ、頑張らないとね」
「ほんと、気持ち悪いわね……」
二人がぶつぶつ言い合っているのを横目に、タバサは後回しにされていた約束を果たして貰おうと動いた
立ち上がり、向き直り杖でチーフを軽く突付く
「約束」
「授業は良いのか」
「問題ない」
そう言って二人は歩き出した
「ちょっとルイズ」
「ああ!? 何よ!」
いつの間にか口喧嘩を始めていた二人
キュルケはマシンガンの如く暴言を吐きまくるルイズと止めて、二人の後姿を指した
「タバサがダーリンを連れてっちゃったわよ?」
それを聞いた瞬間、ルイズはテーブルを叩きながら立ち上がり駆け出した
「ちょっと待ちなさいよ!」
あわててそれについていくキュルケであった
支援
シエン
支援
あと亀だけど
>なにや腹に逸物のあるロングビルであった。
ふたなりアッー!
──────────────────────────────────
「入って」
連れて来られたのはタバサの部屋
中で話を聞きたいらしいが
「ちょぉぉっと待ちなさい!」
待ったが掛かった
「チーフを部屋に連れ込んで何する気!?」
肩で息をしながらルイズが聞いた
「約束」
「約束!?」
コクリとうなずくタバサ
「約束って何よ!?」
「戦闘技術の提供だ」
「せんとうぎじゅつ?」
「ああ、教えると約束した」
ああ、そうだったわねと思い出したルイズ
「それなら私も参加するわ!」
といきり立つが、ついていけるとは思っていなかった
ルイズは魔法関係の知識は学院随一を誇るだろうが、軍事方面の知識は薄いと思われた
戦術から戦略、隊形や近接戦闘、話を聞いても理解するのに苦労するだろう
「構わないが……」
「大丈夫よ! そのくらい簡単よ!」
と自信満々で答えたルイズ
「はぁはぁ、私も、いいかしら?」
「ああ」
息切れを起こしているキュルケも参加を申し出た
sienn
支援
支援」
支援
しぇん
し〜えん
支援
「入って」
再度催促、ルイズ・キュルケ・チーフ・タバサの順で部屋に入った
扉を閉めると同時にカチリと鍵が閉まる
「───」
魔法が発動して、鍵に強力なロックが掛かった
「───」
さらに別の魔法、サイレントを掛けた
「タ、タバサ?」
これでほぼ密室、この部屋で殺人が起きても誰も気が付かないだろう
「邪魔されたくない」
それはいいのだが、やりすぎではないだろうかとルイズとキュルケは思った
タバサはベッドまで歩み寄って座る、そしてチーフを見ていた
ルイズ、キュルケもそれに続いて座りチーフを見る
「始めて」
チーフは3人の前に立ち、自分が受けてきた訓練内容を話し始める
一日中、数百リーグを重さ百数十キロの装備を背負って踏破
一日中、あらゆる武器と兵器の知識を座学で習う
一日中、射撃と格闘訓練、格闘訓練のほうは死者が出るほどの激しいものとなる
それを年単位で行い、常人なら容易く脱落する訓練を耐え抜いた者達が正式なスパルタンとなる
チーフも同様、訓練を耐え抜いた一人である
「す、凄すぎるわね……」
「女性が出来る物じゃないわね……」
聞きながら黙々と書き綴るタバサ
C\(しーえん)
支援
「女性も何人かこなして、スパルタンになっている」
「う、うそでしょ?」
「本当だ」
事実、女性のスパルタンも存在したが、今ではチーフが最後の一人となっている
「次は訓練内容だ」
と、それを聞いてルイズとキュルケがごくりと喉を鳴らす
「各々にあった訓練内容を提示するが、ルイズとキュルケは受ける気はあるか?」
「内容によるわね」
「同じく」
一目でわかる、二人は体を全く鍛えていない
メイジは言葉を綴り、魔法を発生させて攻撃するだけなので当たり前か
「悪いことは言わない、やめておくべきだ」
「うん、そうする」
「ダーリンが言うならしょうがないわね」
あっさりと言った、ルイズはタバサと二人きりにさせないため、キュルケは単純に興味があっただけ
訓練をまともに受けようなんて思っていなかった
「だから、人の使い魔をダーリンなんて呼ぶんじゃないわよ!」
と、いつもの口喧嘩が始まるの中、チーフはタバサに施す訓練内容を話す
教えて欲しいと言ったのは近接格闘技術、タバサは提示した技術の中でポピュラーな『剣』を選んだ
素晴らしい魔法の才能を持つタバサは、近接戦闘の才能まであるかはわからない
だが約束したからには、全てを教えるつもりだ、全ての技術を吸収したタバサは、稀に見る『魔法剣士』になるであろう
そして思う
「……、益々ファンタジーだな」
>>200 しかしスパルタンの中には女性もいたはずな罠
支援
支援
支援
支援
────────────────────────────────────
具体的な話が終わり、いよいよ実践……
と言うわけには行かなかった
キュルケが突然声をあげ、とある事を言い出した
「舞踏会! 『フリッグの舞踏会』よ!」
そう叫びながら、タバサを引っ張っていった
ベッドにしがみついてまで抵抗したタバサだが
一大イベントに心ときめかせるキュルケの腕力に負け、キュルケの部屋へとさらわれた
「ああ、確かそんなのあったわね……」
ベッドから降りて、自分の部屋へ戻るルイズ
それに付いて歩くチーフの耳には「ああ、めんどうだわ」と聞こえた気がした
支援
sienn
>事実、女性のスパルタンも存在したが、今ではチーフが最後の一人となっている
チーフがその女性スパルタンの最後かと思ったじゃねえかw
支援
────────────────────────────────────
「相棒、なんでそんなに緊張してるんだ?」
デルフに手を掛け、テラスから辺りを見回す
暗闇に落ちた学院の外には囲むように幾つもの光が点っている
「こういう時が一番危ないからだ」
「それはどういうこったい?」
学院の外には息子娘のために派遣された幾つもの部隊が駐留している
その部隊数は100を超え、人数は5000を超える
鉄壁と言って差し支えないが、それが油断を生む
「杞憂であればいい」
そこへ
「こんなところで何してんのよ」
白のパーティドレスで身を包んだルイズが声を掛けた
「警戒だ」
「警戒? あんなに護衛が居るのに?」
学院の外の光を見る、多数の親馬鹿が使わした光だらけ
「完璧と言うものは無い」
「まあ、そうだけどね」
背後からは楽士が奏でる音楽と生徒達の楽しそうな声が聞こえる
チーフにとっては、決して聞けなかったであろう声だ
「ねえ、チーフ」
ルイズが問いかけるがチーフは返さない、それを気にせず続けて言った
「チーフは、帰りたい?」
これも答えない、いや、答えは最初から出ている
だが、その答え通りにすると彼女は、ルイズはどうなるのだろうか
見えない未来に、チーフはどうするべきか悩んだ
支援
支援
しえーん
「俺は──」
「こんなところで何してるの? お二人さん」
細かい装飾がされ赤いドレスを着たキュルケが邪魔するかのように現れる
「なによキュルケ、取り巻き放って置いていいの?」
「構わないわ、それよりダーリンだし」
「だから──」
何時も通り、よくも飽きずに口喧嘩
その光景を見てると、指で突付かれる
料理が盛られた皿を手に、黒いパーティドレスに身を包むタバサが隣に立っていた
「食べる?」
「いや、遠慮しておく」
「そう」
と言って皿の料理を食べ始める
夜空には双月、遍く世界を照らす
その風景をどう取ったのかは、チーフのみが知る
あの時の夜空と同じ、何も変哲も無い安全な世界
チーフが求めていた、世界がここにあった
支援
支援
支援
支援
────────────────────────────────────
3人はホールの中へ戻っていた、それぞれがそれぞれの楽しみ方をしている
チーフはそれを見守るだけ、戦うだけのために作り上げられたチーフはそれ以外の方法を知らない
物思いに耽るわけでもなく、彼女らに危険が及ばぬようただ警戒する
そこに現れたのは
「こんなところで何してるんだい?」
金色の巻き毛をした少年、ギーシュであった
「そちらこそ何をしている」
「いや、その……」
チーフの物言いに少しおびえ、言葉が詰まる
「謝ろうかと、思ってね」
ハハ、と力なく笑った
「俺より、3人に謝ってきたらどうだ」
「もう謝ったよ、モンモランシーとケティにはボロボロに言われちゃったけどね」
「そうか」
「その、すまなかった」
「ああ」
「許してくれるかい?」
「そう思ってるなら、次は誰も傷つけないようにしろ」
「ああ、そうするよ」
相当凹んでいたので居たんだろう、先ほどと同じように力なく笑った
投下してもいい?
支援
支援
sien
>>222 これが終わった後にな
他投下予約してる人っていなかったけ?
「そうそう、今噂のフーケを撃退したのってチーフじゃないかい?」
「違う」
「あれ? てっきり……」
「撃退したのはルイズだ」
「……、なんだって?」
聞き間違いかと思ったのだろう
「ルイズがフーケを撃退した」
「それは本当なのかい?」
「ああ」
「は、ははは、やっぱり只者じゃなかったんだね、ミス・ヴァリエールは」
「どういう事だ?」
「そのままの意味だよ、チーフのような強い使い魔を召還したんだ」
「『メイジの力を知るなら使い魔を見ろ』って言葉があってね、この言葉の意味を始めて納得したよ」
「噂じゃ、トライアングルクラスって言われてたフーケを撃退したと聞いても納得さ」
「そうか」
「……、謝る時二人の顔を見て思ったよ、僕は何をしてるんだろうって」
「守るべき女性を傷つけてしまった、男としてどうかしてたんだね」
「チーフのように強くなるには、どうしたらいいんだい?」
「出来ることをすればいい、そうすれば自然と強くなる」
「難しい事言うね」
「簡単だ」
実際、チーフは自分に出来ることしかしていない
言い換えれば、自分にしか出来ないことをやってのけただけ
自信や危機感など捨てている、常に全力で出来ることだけをやる
「なら、僕も出来ることだけをするよ」
「僕に師事してもらえないかい?」
「何?」
「出来ることをやるんだ、今チーフが言ったとおりにね」
「厳しいぞ」
「覚悟してるさ」
夜は更けていく、ここに一人、男が生まれた
・・・と支援
sienn
sienn
以上で投下終了です
改行と書き込まれないエラーで手間取りまくり
サブタイつけて見た
支援
sien
最近のギーシュのかっこよさは異常
乙
乙ですー
邪気眼が投下される予感
使徒を越えた使い魔
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199715504/62-63 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199715504/565 第1話使い魔召還ー3
一体あなたを放漫にさせるのは誰なのか。
あなたの持っているもので譲り受けたものはあるのか。
神の子と悪魔の子の区別は明白である。
全ての偽り真理から出るものでない。 出典「シンジと水晶のテオーリア」著碇シンジ
リヴィヴァーダでキッシング王の命を受けバクトリア領を攻め、多額の略奪品を得て帰国する。
第23砲兵准将で陸軍参謀に勤務中、民間人を虐待した罪で捕らえられ、非公開の軍法会議の結果、
有罪となり地位を剥奪された上、東エコールの聖魔神島へ終身禁固を言い渡される。
ボルダー将軍や友人は再審の要求を出し、新たな証拠を捏造し真犯人はガライドラ将軍であること証明する。
しかし軍上層部はガライドラ将軍を審判した結果、無罪であるとして釈放した。
軍部内部で二分する(ry
犯されそうだったのでエクスプローションをぶちはなった。
フッと翳った面持ちで
「乙女は守られた。」
「それあんたマジでいってんの?」
カチャカチャ
シンジはブログにハルゲニア日記を書き込みながら己の略歴をルイズに伝えた。
使い魔の変わった部分は退屈とは無縁であり、独特な感性にルイズは唖然する。
だめだ完全に外れだ。
使い魔の役割を簡潔に説明し終え
予習の為に本を流し読み、紅茶を飲み、着替えてベッドでヨガ体操をしたりしてさっさと就寝することにする。
寝息を立て始める。
月明かりが投じた淡い光に照らされルイズの輪郭は薄れていく。
「…………」
終わの見えない時間は慣れている。
醒めた大気が頭を包む。
綾波はいない。グルもいない。
見知らぬ風景には違いないが目新しさはない。
無垢であろう少女は、追懐にしか姿を顕さない。
シンジはいそいそとベッドに潜り込む。
条例違反を見据えた男は如何様にも強くいられるものなのだ。
「小学生か・・・トウジの妹より上玉だし問題なし」
to be continued
プロフィール
世を忍ぶ仮の名:碇シンジ
真名:タカシ
学年:第三東京中学校2年A組
学位:医学、法学、経済学、考古学・・・の博士号を取得済
階級:特務機関UNTSO特務上級大将
流派:激魂粋陣剣真聖魔斬流
クラス:エンジェル
ランク:SSS
属性:使徒属性
時給:870万円(支払いは現金のみ)
能力:魅了の微笑み
能力:必殺爆錬紅白斬
能力:ヒーリングエッジ
装備:炎火牙旋剣
断刀閃の鎧
義心鷲の冑
想光雷壱の盾
備考:中性的な雰囲気を持ち神聖で端麗な美貌。女と見間違われることもしばしば
しかしながら男を感じさせる一面も。微笑むとぬれる。
グリーンベレーでモサドを一人で壊滅。
エール大学医学部を僅か半年で主席卒業。
一話終了です。
主人公はエヴァンゲリオンの碇シンジです。
終わりまでがんばります。ので応援よろしく!
予感当たった\(^o^)/
支援
>>242 本当に心の底から喜んでいると言えるか?喜んでいる振りをしているだけではないのか?
支援シナクテヨカータ
支援は取り消し
>>242 お前は今泣いて良い! 泣いて……良いんだ……ッ
やべ、一つ抜けてる・・・
「はあ、頑張らないとね」
「ほんと、気持ち悪いわね……」
から始まるレスの上にもう一つ入るんですが、何で抜けたんだろうか・・・
ちょっとトイレ行ってる間に何事だ
>>240 , ;r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、
,r'";;;;:::::;彡-=―-=:、;;;;;;ヽ、
/;;ィ''"´ _,,,,....ニ、 ,.,_ `ヾ;;;;〉
`i!:: ,rニ彡三=、' ゙''ニ≧=、!´ 屋上へ行こうぜ・・・・・・
r'ニヽ, ( ・ソ,; (、・') i'
ll' '゙ ,;:'''"´~~,f_,,j ヾ~`''ヾ. 久しぶりに・・・・・・
ヽ) , : ''" `ー''^ヘ i!
ll`7´ _,r''二ニヽ. l キレちまったよ・・・・・・
!::: ^''"''ー-=゙ゝ リ
l;::: ヾ゙゙`^''フ /
人、 `゙’゙::. イ
>>240 なんつーか死ねって感想以外思い浮かばない。
お前ら釣られすぎだろ
>>252 預言者が降臨された
つーかさ、真面目な話もうあの記す事すら憚られる邪鬼眼は荒らしとみなして完全スルーが
一番いいんじゃね?
一々騒ぎ立てるだけで喜んでそうだし
グッジョブww
>>256 だな、
ちゃんと投下予約して、ちゃんと終わった後に投下されるんだし、スルーすべきかと
・・・ただ、名前にタイトルぐらいは書いてほしい所
いや、本文でNGはできるんだけどさ
これはどう考えても釣りだろww
さすがにこれをマジで書いていたら小学生の文集レベル
っつうかさ、これ明らかに原作ないよな?あっても元ネタは二次だろ?
釣りかどうかは知らんが、スレ違いだぜ
投下のマナーはちゃんとしてるんだよな
それ以前の問題だけど
262 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:39:49 ID:jVlBqPk+
投下OK?
道はまっすぐ開けているようだ、支援
265 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:42:39 ID:jVlBqPk+
巨大ゴーレムの肩の上にフーケが立っている。
どうやら、食事に誘いに来たと言うわけではなさそうだ。
隣には白い仮面を付けた男が立っている。
脱獄を手伝った貴族だろうか?何もしゃべらない。
「相変わらずいい女だな、フーケ。」
「あんたこそいい男ね、スネーク。」
RPGを構える。
「そんな物騒なもの構えないで頂戴。」
「そっちこそ、ゴーレムなんて何のつもりだ?」
ゴーレムが右手を振り上げる。
「チェルノボーグのバカンスは楽しかった、って言いに来たのよ!」
拳が振り下ろされる。
跳んで回避。先ほどまで立っていたベランダは粉々に破壊されていた。
ゴーレムをよく見ると体が岩で出来ている。。
まともにやりあって勝てるとも思えない。
デルフを掴むと一回までかけていった。
支援
>>264 投下以外はコテはずした方がいいっすよ
267 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:43:38 ID:jVlBqPk+
「なによ!なんなのよ、あのオヤジ!」
荒々しくグラスをテーブルに置くルイズ。
中のワインが少しこぼれる。
体から怒りのオーラを放出している。
ザ・フューリーの灼熱の炎ですら小火に見えるほど怒っている。
「バカにしてる、バカにしてる、バカにしてるわ!使い魔のクセに生意気なのよ!」
「ルイズ、飲みすぎだよ。」
「飲まなきゃやってらんないわ!大体ねぇ、あのスネークってば…。」
ワルド相手に絡んでいる。
その怒り方はまるで子供が親に反抗するかのようだ。
「あんな奴、ゴーレムに潰されてぺちゃんこになっちゃえばいいんだわ!」
とその瞬間、
ドゴォオオオン!!!!!!!!!!
二階で凄まじい音がした。
その音が合図だったかのように、宿の扉が音を立てて開く。
「伏せろ!ルイズ!」
ルイズに向かって矢が飛ぶ。ワルドが叫ぶが間に合わない。
妙にゆっくりと矢が飛んでいる。
それに体が物凄く鈍間だ。これじゃ、いくらゆっくり矢が飛んでいてもよけられない。
私、死ぬのね…。
こんなことなら、スネークと仲直りしておくんだったな。
ごめんね、スネーク。
死を覚悟し、目を瞑るルイズ。
しかし、いつまでたっても矢が刺さった感触が無い。
変わりに地面に押し倒される。
目を開けると黒い影が自分に覆いかぶさっている。
「伏せろと言われたらすぐに伏せろ、ルイズ。」
268 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:44:15 ID:jVlBqPk+
「スネーク!!」
ルイズが悲鳴を上げる。
スネークは黙ってルイズを抱えて、キュルケたちが作ったテーブルのバリケードの裏に避難した。
「怪我は無いか、ルイズ?」
先ほどの仕打ちにもかかわらず、やさしく問いかけるスネーク。
スネークの肩を見ると、先ほど当たったのか、矢が刺さっている。
「スネーク、肩!」
「俺のことはいい。怪我は無いな?」
ルイズに怪我が無いのを確認すると、ルイズの頭を撫でた。
「子爵、こいつらは?」
「おそらく傭兵だろう。」
「だろうな。さっき上でフーケに会った。アイツが雇ったんだろう。」
傭兵達の動きの一つ一つに無駄が無い。戦いに慣れている。
向こうもこっちにメイジがいるのを知っているのか、無理に攻めようとせず、こちらの消耗を待っているようだ。
時間稼ぎも兼ねているのだろうか?
「どうする?このまま持久戦というわけにも行かないだろう?」
「それもそうだな…。それより君、肩は大丈夫かね?」
「…少し時間を稼いでくれ。」
そういうなり、腰からナイフを抜き出し、自分の肩に突き立てた。
ルイズが小さく悲鳴を上げる。
「何してるの!?」
「矢を摘出しているだけだ。」
肩から肉とともに、矢が抉り出された。血が流れ出る。
そこにすぐさまタバサが水の魔法で治療する。
傷なんてなかったのように綺麗になるスネークの腕。
「…すまない。ありがとう。」
「朝の借り。」
タバサの頭を撫でるスネーク。
また険しい顔に戻り、ワルドと作戦を立て直す。
269 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:45:04 ID:jVlBqPk+
なに?
あの使い魔、いつの間にタバサと仲良くなってんのよ?
朝の借りって何なのよ!
スネークは、わ、私の使い魔なんですからね!
勝手に他のメイジになつかないでよね!
「ルイズ。」
「何よ!?」
「以上が作戦だ。理解したか?」
「え?」
その場にいた全員がルイズの方を見る。
短くため息を付いた後、スネークがもう一度説明をする。
「作戦はちゃんと聞け。」
「あ、あんたの所為だからね!!」
華麗にスルーしたスネークは、もう一度作戦の内容を確認した。
「これよりチームを アルビオン組み 陽動組み の二つに分ける。
アルビオン組みは ルイズ スネーク ワルド
陽動組みは キュルケ タバサ ギーシュ
アルビオン組みはなんとしてもアルビオンへ渡り、手紙を奪還する。
陽動組みは出来る限りここで傭兵部隊をひきつける。」
ルイズが心配そうな顔をする。
何だかんだ言って、キュルケたちのことが心配なのだろう。
「なに、別に命をかけて傭兵をひきつけろと言うわけではない。
危なくなったら逃げろ。死ぬ事は許さん。全員が学院に帰還する。」
「心配しないで。たかが平民の傭兵に遅れは取らないわ。」
「油断はするなよ?頼んだ。」
スネークがカウントダウンをし、スタングレネードを炸裂させた。
傭兵達に向かってソーコムを発砲しつつ、裏口へ走る。
途中の矢はタバサが風の魔法で防いだ。
裏口の外には傭兵はいなかった。
「月が明るすぎる。出来るだけ早く桟橋にいこう。」
ワルドの声と共にルイズたちは桟橋へ走った。
支援
271 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:45:46 ID:jVlBqPk+
一方こちらは陽動組み。
閃光で目を一瞬潰されたおかげか、ルイズたちの脱出は気づかれていない。
ギーシュのワルキューレが厨房の油を撒き散らす。
この歌劇の主役はキュルケのようだ。
「君はこんなときにも化粧をするのかね?彼らは殺すものの顔など気にしないよ。」
ギーシュが言うように、キュルケが化粧をしている。
「年頃の女はね、すっぴんで人前に出るのは大罪なのよ。」
油を撒き散らしながら宙を舞う鍋に向かって杖を振るキュルケ。
たちまち油に引火した炎が『女神の杵』亭の入り口を火の海にする。
今まさに突入を開始しようとしていた傭兵部隊は突然の炎にたじろいだ。
「そういうものなのかい?」
「知らない。」
タバサは杖を振って炎を操りながら答えた。
キュルケが色っぽい仕草で呪文を詠唱する。
髪が焔のようになびき、うっすらと紅く光り、あたり一面は火炎地獄と化した。
「名も無き脇役の皆様方。あなたがたがどうして、あたし達を襲うのか、まったくこちとら存じませんけれども――」
キュルケが微笑を浮かべ、一礼する。
ただ、その微笑は焔のように恐ろしく、美しかった。
「――この『微熱』のキュルケ、謹んでお相手つかまつりますわ。」
焔が踊る。
キュルケの杖にあわせて、焔が傭兵を襲う。
負けじと弓矢で応戦するが、タバサの風の前では無力だった。
「使えない傭兵だね。あれしきの炎で逃げ出すなんてさ。」
「あれでよい。」
「あれじゃああいつらを倒せないじゃない。よく無いわよ。」
「奴らが分散した。これだけで目的は果たされたのだ。」
「は?」
フーケはスネーク達がアルビオンへ向かった事に気がついていなかった。
仮面の男に言われて、初めて人数が足りない事に気がついた。
「この私を出し抜くなんて、やっぱりやるねぇ、あの使い魔。」
苦々しげに呟くフーケ。
「私はラ・ヴァリエールの娘を追う。」
「私が殴る分も取っときなさいよ。」
「保障はしない。」
そう言うなり暗闇に消えた。反論する暇さえ無い。
女心を考えない男だ。フーケは「勝手な人。」とだけ呟いた。
下から傭兵の悲鳴が聞こえた。
『女神の杵』亭の中から吹き付ける烈風が業火をさらに強力なものとする。
「付かない連中だね!どいてなさい!」
ゴーレムが目を覚ました。
272 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:46:26 ID:jVlBqPk+
傭兵が逃げ出す。
それを見計らったかのように、『女神の杵』亭の壁が音を立てて破壊された。
「あら、あの婚期逃したオバサンもいたんだったわね、まるで空気だったから忘れてたわ。」
「私はまだ23よ!」
怒号して、ゴーレムを操るフーケ。
ギーシュがすかさず花びらを錬金する。
「何をする気、ギーシュ?」
「言ったろう。この歌劇の主役は君だと。」
薔薇の造花を華麗に振り、薔薇の花びらを油に錬金する。
「引き立てお疲れ様!」
止めと言わんばかりの灼熱の焔が地を這い、辺りを焦土に変えながら油に引火した。
「くっ!」
とっさに飛び降り、何とか黒コゲは避けるフーケ。
ゴーレムが崩れ落ち、炎が消える。
「見事なものね。敵ながら天晴れだわ。」
「お褒めの言葉ありがとう。いい加減あきらめなさい。」
「調子に乗るんじゃないよ小娘。」
杖を振り、錬金をするフーケ。しかし何も出ない。
「あら、打ち止め?」
キュルケも同じく、魔力が切れたようだ。
お互いに杖をしまい、ファイティングポーズをとる。
「「戦いの基本は格闘!!!」」
とんだ御転婆だ。これじゃあ婚期も逃すだろうな。
273 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:46:58 ID:jVlBqPk+
キュルケとフーケが焦土の真ん中で殴りあっている頃、ルイズたちはようやく桟橋に到着した。
辺りは山ばかりで、潮風もない。何処に桟橋があるのか。
「アレが桟橋よ。」
そういって指差したのは巨木の枝に船がぶら下がっている。
この巨木が桟橋なのだ。
「驚いたな。」
「アンタの世界には船とか、桟橋とかないの?」
「どっちも海にある。船は空を飛ばないしな。」
もう一度桟橋を見上げる。
高い。高すぎる。エレベーターは何処だ。
こんなのを階段で上りたくない。
「“パッと行く”とか、ないのか?」
「何言ってんのよ。さっさと上るわよ。」
元気よく登り始めるルイズ。若さを感じる。
その五分後、
「スネーク、負ぶって。」
「自分で歩け。」
これにて投下終了
支援ありがとうございました
GJ
「付かない連中だね!どいてなさい!」
↓
「使えない連中だね!どいてなさい!」
かにゃ
支援
276 :
蛇の使い魔:2008/01/12(土) 01:55:55 ID:jVlBqPk+
>>274 ありがとうございます。最近eのキーの調子が変で…
グランドセプとオートVの3D酔いも手伝って
ちょうしに乗って続きを書いてみましたが投下してもよろしいですか?
深夜の投下が何だ!俺が全部支援してやる!
それでは行きます
やわらかるいず3話
ズッタカタン、ズッタカタン ズッタカタンタンタンタン、タン、タタタタン
ーーー途中経過略ーーーーー
みんなで武器屋さんにやってきた
「ちょっとなんであんたたちがいるのよ?」
「もちろん面白そうだから」
「興味ある」
「まぁ・・・・いいけどね」
「やい、若奥様共 このシュペー卿の剣なんかおすすめだぞ」
「うーん いいものだけど これいくら?」
「これくらい」
「ちょっと目玉が飛び出すほど高いんだけど」
「やっぱ、無理か」
「もっと安いのは無い?」
「じゃあ、これなんかどうだ?」
「何この剣」
「この剣とはご挨拶だな 俺様はデルフリンガー様だ」
「インテリジェンスソードだ」
「凄いです、剣が喋ってますよ」
「俺様的にはお前が戦車だって事の方が驚きだ」
「とりあえず持ってみなさい」
「はい、持ってみます」
「おでれーた お前使い手か、よしお前俺を買え」
「よかったじゃない やわらか戦車 じゃあこれにするわ」
「毎度あり」
「自分の武器は自分で持ちなさい はい」
むぎゅう
「お・・・重いーーーー動けないーーー」
「あ、やっぱり つぶれた」
「頭から落として・・・・確信犯だろ」
「おーもーいー」
「おでれーた ここまで弱い使い手は初めてだ おでれーた」
ズンズカズンズンチャン 〜終われ〜
「つうか、これから先オレ様に出番あんのか?これ?」
ズンズカズンズンチャン 〜今度こそ終われ〜
後どう見ても「一階」でなければならない所が「一回」だったり
やわらかるいず4話
ズッタカタン、ズッタカタン ズッタカタンタンタンタン、タン、タタタタン
ーーーーーー途中経過略ーーーーー
100年前から伝わる秘宝 破壊の杖? がフーケに盗まれたので皆で取り返しにいきました
「ふっふっふ」
「ミス・ロングビルあなた土くれだったのね」
「そう言う事、さぁおとなしく手を上げて プルンプルンした破壊の杖?の使い方渡しなさい さもないと人質の保障は無いよ?」
「くぅ・・・・迂闊だったわね」
「不覚」
「私の事はいいから、そのなんかプルンプルンした破壊の杖?で私ごと攻撃しなさい」
「よし、わかったわ ルイズ!!」
「「え?」」
「えいっ」
プルン
「「わーーーーホントに振りやがった!!」」
「何もおこらないわね?」
「「私たちが怒ったわ!!」」
「余裕ある」
「でも本当になんなのかしら この杖?」
「それ、杖じゃないですよ」
「え、あんたこれの使い方わかるの?」
「はい、これの使い方をお教えしますからルイズさんを解放してください」
「まずは使い方を教えな」
「わかりました・・・・ではまず、火をおこして下さい」
「ふむふむ」
「次に表面が狐色になるぐらいまで焼いて」
「ほうほう」
「いい匂いがしてきたら食べ時です このわさび醤油でどうぞ」
「ああ、ありがとう むぐむぐ・・ごくん・・・・・美味しい って食べ物だったんかい!!」
「はい、本当はチクワって言います」
「あったまきた あんたらぶちの・・・めし・・・・・・」
グキュウルゥルウウギュウウウ
「お・・・お腹がぁ・・・・」
「百年前のチクワですもんね・・・・」
「・・・・・そうなるわよね・・・・」
「自業自得・・・・ムグムグ」
「ちょっと!!タバサ何食べてるの!!」
「平気、鍛え方が違う」
ズンズカズンズンチャン 〜終われ〜
学園に戻った後の学長室
「オールド・オスマン」
「なにかね コルベール君」
「あのフーケだったとはいえお腹を押さえて涙目でうずくまってるロングビルは・・・」
「萌えたの」
「萌えましたね」
「ふふふふ」
「はははは」」
「「ファハハハハハハハ」」
「この変態どもがぁーーー!!」
ドカーーーン
「「たいきゃーーく」」
ズンズカズンズンチャン 〜今度こそ終われ〜
投下しゅりょーーー それーーーお布団に全速で退却ーーーだーーー
しえん
投下乙
オスマンとコッパゲダメだwww
まぁ、涙目おマチさんが萌えるのは激しく同意するがな!
武器屋の親父のビジュアルがジミヘンおじさんに変換されてしまった俺はどうしたら?
割り込み失礼。
今までで新撰組の人間が召喚されたネタってあったっけ?
今、唐突に「壬生義士伝」の吉村貫一郎が召喚されるネタが
頭に浮かんだんだが。
幕末系はほぼありませんね。
クロスなら良くある『るろうに剣心』からもなかったはずです。
まあ、斉藤一なら銃士隊に所属しててリシュモンとか悪即斬してそうですけど。
>>289 剣心を召喚。
「使い魔なんて、そんなの嫌でござる!働きたくないでござる!!」
……剣心は剣心でも、『るろうニート』の方でしたorz
291 :
ゼロと疾風:2008/01/12(土) 09:28:35 ID:aE8eXU57
お久しぶりです
十時半ごろ登校したいのですがいいですが?
早く行けよwww1時間目もう終わってんぞwww
というのはさて置きどうぞどうぞ
今日は休みだろww 支援
節子、登校じゃなくて投稿や。
295 :
ゼロと疾風:2008/01/12(土) 10:13:32 ID:aE8eXU57
本当だ・・・投稿が登校になってる
時間は少し早いですが投稿を開始します。
296 :
ゼロと疾風:2008/01/12(土) 10:14:25 ID:aE8eXU57
ゼロと疾風 食堂での出来事
掃除は思ったより早く終わり、二人は昼飯を食べに食堂に来ている。
とりあえず、チップは目に前のものを見て考えていた。
ルイズが言うには、最初、俺のことを完全な無能と思っていたらしく、まともな食事を用意してなかった。次からはこれよりはまともな食事が出るらしい。
ストリート育ちのチップから見たら、たいていの物は『まともな食事』である。
しかし、いまチップの目の前にあるのは黒いパンの形をした物体とスープらしい液体だ。
これが食べ物か?さすがのチップも首をかしげる。
目の前の物体からは変な臭いを発している。一応、黒い物体はコゲや炭ではない。
試しに口に入れて噛み千切る事にした。うまく噛み千切れない。前にアンジの所で食べたSURUMEのようだ。
何とかして噛み千切る。口の中で噛んでみるが口の中の水分がどんどん奪われていく。味は全くない。
スープの方はまだ何とか飲める。感想を言うと、水の中にコンソメスープを少し入れた感じだ。
ルイズの食事やその量を見る限り、厨房の残飯をあさった方がいいかもしれない。むしろ、残飯の方が一般家庭の食事より豪華かもしれない。
そんな食事に四苦八苦していると、チップの耳にある怒鳴り声が聞こえた。
余談だが、このチップの食事はミス・ロングビルが作ったオールド・オスマンのボケ防止(及び日頃のセクハラの仕返し)用の食事である。
297 :
ゼロと疾風:2008/01/12(土) 10:15:18 ID:aE8eXU57
ルイズは『何かを成す』、この言葉について考えていた。
たしかに、魔法は『何かを成す』ための一つの手段でしかない。
魔法の使えない平民でも有名な者もいる。簡単なところで作家や詩人だ。
いままでルイズは魔法のことばかりに気をとられ、その先のことは全く考えてなかった。
『何かを成す』といってもいったいなにをすればいいのだろう?
チップの発言によってルイズの価値観は少し変わった。
何も残さない貴族より、何かを残す平民の方が価値のあるものに思えてくる。
もし、自分が魔法を使えたとして何も残すことが出来なかったら、私は平民以下であろうか?
今まで考えなかったことだ。いざ考え出すと一向に答えを見つけ出すことが出来ない。
そういえば、チップはいったい何を成すつもりなのだろう?自分であんなこと言ったからには何か目標があるに違いない。
「チップ、『何かを成す』って言ったけど・・・」
ルイズはチップの方を見たがそこにチップはいない。
「あれ?」
すると、食堂中に凄い轟音が鳴り響いた。
皿が割れ、机が砕ける。人々のざわめき。
ルイズはそれらの音がした方向を見た。
ルイズの目に入ったのは
顔を真っ赤に晴らし倒れているギーシュ、
なにが起こったのか解らない様子のメイド、
そして、ギーシュの目の前にすごい表情で立っているチップであった。
298 :
ゼロと疾風:2008/01/12(土) 10:16:52 ID:aE8eXU57
ルイズが周りの生徒からの聞き込みで解ったこと。
・ギーシュの二股がシエスタというメイドのせいで発覚。
・直後、ギーシュはその二人から別れを告げられる。
・ギーシュは腹を立てメイドをしかりつけていた。
・そうしていたら、チップの跳び蹴り(JD)がギーシュの顔面に炸裂。
・ちなみに、今はギーシュが起き上がりチップに正々堂々の決闘を申し込んでいる。
・そんでもって、チップはそれを受ける。
・場所はヴェストリの広場
ちょっとはいい奴かなーって思ったが駄目だ。奴は馬鹿だ。やっぱり、自分はハズレくじを引いたのだ。先ほどの『何かを成す』発言も大して考えないでだした、口先の言葉に違いない。
しかし、使い魔を守るのも主人の役割だ。とりあえず、チップを止めなくては、平民がメイジに敵うはずがない。
チップのメイドを助けギーシュを蹴っ飛ばした理由は単純だった。
ここにいる人間全てが憎かったからである。
おそらく、この世界にもストリート又はそれに似たものがあるだろう。
そこにいる人間は、こんな馬鹿げた連中に贅沢をさせるために犠牲になっているのか?
俺の苦悩は、ジャン、トニー、マクファーソンなどのストリートにいた子供たちの死は、こんな奴らの幸せのためにあったのか?
エリカとの出会いによって少しは裕福な人間に対する理解はあったつもりだ。
しかし、それは間違いだったとチップは確信した。
チップの胸の中にはどす黒い怒りが込みあがってくる。
「広場って言ったな」
昨晩の探索、ギーシュやこれから決闘の野次馬になるであろう人間の動きから、広場の場所は大体わかる。
しかし、チップの足に何かが絡みつき、チップを広場に行かせるのを止めようとする存在があった。シエスタである。
「何処のどなたか存じませんが、止めてください。平民が貴族に敵うはずがありません」
チップが表情を見る限り、本当に平民は貴族に対して恐怖を抱いているらしい。
「そのメイドの言うとおりよ。チップ、すぐにギーシュに謝りなさい」
「ミス・ヴァリエール!」
「ンだ?テメーにはかんけいないだろ」
「関係あるわよ!!私はあなたのご主人様なんだから、あんたが怪我させるわけにはいかないの!!」
ルイズの目を見る。
チップに対して少しの恐怖を抱いてはいるが、それに屈しようとはしない。それにチップのことを本気で心配している。いままで出会った奴等とは違った強さをチップは感じ取った。その目には、どことなく惹かれるものがある。
「安心しろ、俺は負けねェ」
そうチップがいうとコインを上に投げる。コインが落ちるときにはチップの姿は消えていた。
「へ?」
しっかり、シエスタは足にしがみついていたのに、チップは軽々とそれを外してしまった。
「まったくあの馬鹿、シエスタだっけ?広場に向かうわよ」
「は、はい!! ミス・ヴァリエール」
こうなっては見届けなくてはならないだろう。
それに、いざとなったら自分が守らなくてはならない。
ルイズとシエスタは広場に向かった。
299 :
ゼロと疾風:2008/01/12(土) 10:18:38 ID:aE8eXU57
まぶしい太陽、雲は適度にあり風もある。温度・湿度共に絶好調。
洗濯、遠足、更にはスポーツで軽く汗を流すetc何をやるにしても吉と出るような天候だ。
しかし、こんな天気の中行われるのは決闘である。
ヴェストリの広場。
暇をもてあました貴族達はこの広場に集まってきた。そして、これから起こる勝敗の決した、と言っても良い戦いに興奮している。
その中、まさに特等席に陣取っている二人に女性がいた。
一人は赤髪の女性、キュルケある。
もう一人はそんなキュルケの親友タバサである。
青い髪、幼い体つき、低い背。容姿はキュルケのまったく逆といっていい。ちなみに性格もまったく逆だ。
こんな、タバサだが実力はこの学校で指折りである。
「タバサ、あなたはチップとギーシュ、どっちが勝つと思う?」
「・・・わからない」
キュルケは黙ってタバサのほうを見た。
普段なら「興味ない」とでも言いそうな彼女である。今回の決闘には少し興味があるということだろうか。
「たしかに、コルベール先生はチップのことを凄腕の傭兵と言っていたけど、ギーシュも実力はあるわよ」
普段、なよなよした態度を取っているギーシュだが戦闘能力や成績は上の下ぐらいには入るだろう。ドットメイジの癖に。
「おそらくチップは対メイジ戦もこなしてきた傭兵」
「何でそんなことわかるのよ」
「体に刻まれた傷痕を見ればわかる。魔法によってつけられたものと思われる傷痕がある。多分・・・その傷をつけたメイジの実力も高い。そのような存在と戦って生き延びる。相当な腕。コルベール先生もそれで判断したのだと思う」
「へー」
そういえば、気絶しているチップを運んだのはタバサだったようなきがする。それにしても、そんな傷痕を観察するなんて。
「タバサが男の体に興味を持つなんてねー」
タバサはそんなキュルケの冗談を無言で聞き流した。
広場にチップが到着したのはちょうどその時だった。足音ひとつたてずに。
タバサはチップを見た。彼女が今まで見た傭兵たちと見比べると細身である。
しかし、近くで見なければわからない。チップの体は異常だ。余分な筋肉は全くない。
一種の完全体といっても良いかもしれない。
どのような訓練や修行がそのような体を作るのであろうか。
しかし、タバサが最も注目したのはチップの眼である。激しい怒りを放っている。
そうか・・・彼も自分と同じ復讐者。
しかし、どことなく自分とは違う。タバサはそんなチップの眼に一瞬惹かれた。
広場でチップとギーシュはにらみ合っている。
ギーシュは薔薇の造花を振ると七体のゴーレムが現われた。ギーシュ自慢のワルキューレである。
「おいギーシュがいきなり本気だぞ」
「平民相手にムキになるなよ」
「でも、あいつは凄腕の傭兵なんだろ?」
「あくまでコッパゲ先生の評価だ。根拠も証拠もねーさ」
周りの生徒からはざわめきが聞こえる。
「君は凄腕の傭兵らしいね。ならば僕も最初から本気を出させてもらうよ」
「くだらねぇ、御託を並べるなら早く始めやがれ!HEY・COME ON!!」
ギーシュとチップの睨み合いは更に激しくなった。
チップがこっちのほうを見た。
「キュルケ!合図しやがれ」
「わかったわ」
HEVENN
OR
HELL
広場に緊張が走る。チップの眼からは怒りが完全に消えていた。目の前敵を倒す、そんなことだけを考えている眼だ。
ギーシュもそんな気を感じ真剣な顔になる。もしその顔で普段の生活を行ったのなら、近寄ってくる女子は軽く倍になるだろう。
LET’S! LOCK!!
一瞬だった。
タバサは凄腕の傭兵と呼ばれるチップの戦いを今後の参考にしようとチップを見ていた。
しかし、一瞬にしてチップの姿はタバサの視界から霞んで消えた。
300 :
ゼロと疾風:2008/01/12(土) 10:19:20 ID:aE8eXU57
投稿終了です
ギャグが少なくてさびしいところですが、フーケが破壊の杖盗むところは、ギャグ重視にしたいと思います。
少し相談なのですが、
タバサの冒険みたいな外伝書いたら、避難所に投稿が良いですか?
そこで引くな!乙!
いい所で終わりすぎだw
乙です。ところで自分も投下したいのですが、予約は入ってない…ですよね?
無ければ5分後に投下!
商業作品じゃないんだから変な切り方はやめろよな。
ここはそういうのが多すぎる。商業主義の悪い影響受けてんじゃねーよ。
305 :
ワラジムシ:2008/01/12(土) 11:01:09 ID:r+C3hoPA
――――――Sな使い魔 第2話 主【つかいま】
春の使い魔召喚儀式の場は、異様な空気に包まれていた。
教師であるコルベールを始め幾人かのメイジが、召喚された者に対して警戒の姿勢を取っている。残りの大多数も、状況は読めないものの険悪な雰囲気を察して静かに見守っている。
そして最後に、ふいんき←なぜか読めない なごく一部の人間が「平民召喚とかwwwwwねーよwwwww」などと厨な事をしている。主に太ましい男子生徒とか。
そして呼び出されし者もまた、周囲の人間に対し警戒と困惑の念を抱いていた。
彼は諸事情により目立つような行動を避けなければならなかったのだが、ここに着いて早々大勢の注目の的になってしまったのでは台無しだ。
この場の人間全員を抹殺してなかった事にするという、まさに外道なプランを考えたのは、困惑のあまり落ち着きを欠いていたからだと思いたい。
周りを取り囲む人間の中で一際自分の事を警戒してくる禿頭の男と目を合わせた後、彼は諦めたかのように警戒を解いた。
――どうせ我が輩はこの世界では無敵に近い。1億℃の業火にも耐えうる我が輩の体を以ってすれば、多少攻撃を受けたとしても大事には至らないだろう。
実際この時点の彼は、核攻撃を受けても死なないと言うチート的な硬さを誇っていた。だとすれば、侮るのも無理はない。
彼が警戒を解くのを見届けた上で、引率教師・コルベールも警戒を解いた。
もし彼が自分の生徒に危害を加えようとしたら、己の全力を以ってして目の前の存在を排除するつもりだったが、どうやら向こうはそのつもりは無いようだ。
――しかし、あの使い魔は何者だろうか。全く底が知れない。自分などではここにいる生徒を逃がすだけで精一杯で、相手を倒すシーンが想像出来ない。
しばしの諮詢の後、コルベールは教師の顔に戻ってルイズに指示を出す。
「さあ、契約を」
「で、でも先生…」
「早く。彼の気が変わらないうちに」
……何だろう。何なんだろう、私の使い魔は。怪物かと思ったら平民で、でも変な威圧感を出して、そんでもってコルベール先生はめがっさ警戒してて――
ええいっ!何で私が悩まなくっちゃいけないのよ!私はメイジなのよ。で、あいつは使い魔なのよ!だったら私に従うべきじゃないの!
い、いいわよ。私が、け、けけけ契約してあげようじゃないの!ホ、ホントは平民とキ、キ、キスするなんて嫌なんだけど、なんか雰囲気的に拒否できないっていうか、そんなこといったら先生睨んできそうだし……
ノーカンだからね! こんなのカウント無しだから! 契約の為に仕方なくやるんだから! これは神聖な儀式であって、キスとは別物なんだから!
……でもあの男、案外…いい男。――いや、そういうことじゃなくって、たとえどんな人でも…ん、でもまあ、どうせなら…。
「もし? 聞こえてますか、ミス・ルイズ?」
「はっ! …あ、はい。契約ですね。します。今すぐします」
OK、悩んだら負け。やろう。
契約の呪文を唱えてあいつに口付けを……背、高いわね。届かないんじゃないの?
「ちょっとしゃがみなさいよ」
…聞こえてないの? まったく、しょうがないわね。だったら私が――
ズキュウゥゥン
「おぉーっ」
「やっ、やったッ!! さすがルイズ」
「自分から飛びついてキスをするとは…」
「あらやだ。私のお株をとられちゃったじゃない」
「…積極的」
306 :
ワラジムシ:2008/01/12(土) 11:09:45 ID:r+C3hoPA
なぜか書き込めない。
書き込みましたと出たのに表示されてない?
307 :
ワラジムシ:2008/01/12(土) 11:10:36 ID:r+C3hoPA
すみません、避難所行きます。
支援
>>304 別にどうでもいいじゃねーか
そんなことでgdgd抜かすぐらいなら、来なければいいじゃないか
刮目して待て!は戦前からの日本の創作もののお家芸だ。
何を今更。
つまり>304はドーテーソーローなのですな。
忍耐がたらんのだ
源氏物語とクロス
最終話 雲隠の帖
とかやらないだけマシだろ
お前ら乞食に構うなよ・・・粘着されるとウザい。
避難所を眺めつつ支援?
避難所見てきた。
書き込み失敗の原因は一行の文字数制限とかじゃないのかなぁ?
誰も代理しないならドキドキしつつやってみるけれど、おk?
支援しまふ
あら、IDかぶり?
さて、この話のもう一人の主人公に目を向けよう。
彼は警戒を解いた後、いかにも手持ち無沙汰な様子で辺りをじっと窺っていた。
正直この状況を持て余していたのだ。
周囲の視線全てがこちらに向けられている。それは、彼の突然の出現に驚いたという視線ではない。むしろ突如現れた事に関しては、さほど驚いていないようだ。
人間の感情には疎い彼であったが、己が注目の的になっていることぐらいは理解していた。
そんな中、自分と並び視線を一挙に集めている人間、禿頭の男と何事か話している桃色の髪の少女の存在に気付き、この状況を招いたのは彼女ではないかと考えたのは、ある意味当然と言えるかもしれない。
折しもその少女は彼の許にやってきて、何事か喚いている。ここは一つ事情を聞いてみたい所だが、残念ながら彼は此処の言語を習得していないのだ。
当然、彼女の発言の内容も今の彼には理解できないので、しゃがめと言われても無反応のままだ。
そして、彼女が飛び付いて来たときもまた、反応しなかった。
何をされても無傷で乗り切れる自信があったから、様子見も兼ねてノーリアクションで体当たりを待ち受けた。
なすがままに抱き付き→キスのコンボを受ける彼だったが、ここで異常に気付く。
「あwせdrftgyふじこlp――光栄に思いなさい!(ビシッ!)」
唐突に、言葉が分かるようになったのだ。
さらに、なぜか熱くなる体。またしても我が身に降りかかる謎の現象に、そろそろウンザリしてくるころだ。
「ちょっと! 無視? 決めポーズ無視とはいい度胸してるわね。いいこと、貴方は私の「おい」なったn――な、なによ何か文k「貴様、今何をした?」…悉くスルーしないでよね。まったく。
まあいいわ。今のは契約の儀式。聞いたことくらいはあるでしょ? これで使い魔としての契約を結んだことになるの。私と契約を結んだこと、感謝しなさい!」
「…ふむ、では、ここの言葉が分かるようになったのも“契約”とやらのせいか?」
「そうじゃないの? でも人間と契約したなんて例は聴いた事ないからはっきりとは…え!? 言葉が分からなかったの? ってことは、一体どこの国から来たのよ!?」
「下だ。ところでさっきから体が熱いのだが、これもお前のせいか?」
そう言って、押さえていた手を放す。
「そうよ。使い魔のルーンが刻まれたの。(シタ…全然聞いたことない)…あれ。まだ体が熱いの? 普通ならもう終わってもおかしくないんだけど。コルベール先生、これは成功してるんですか?」
その言葉に禿頭の男が反応し、彼の元へ寄ってくる。
(先生? あれが教師だとすると、残りの者は生徒といったところか。あれを抑えれば後は与し易いか…)
「これは…ルーンを刻んでいるということは、契約自体は成功しているはずだが…。何らかの力の干渉があったのだろうか。人を使い魔にするのは無理があるのか? いや、天地開闢六千年、人を使い魔にした記録はないが、使い魔にはできないという記録もない。
いやまて始祖ブリミルの使い魔は武器やマジックアイテムを使いこなすと言われているこれは竜や獣などでは当然使いこなすどころか持つことさえもままならない
つまりブリミルの使い魔が人間または亜人である可能性が非常に高いということであり古代では人が使い魔という事例も有り得たのではないだろうか
いやしかし現代ではそのような話は聞いたことがないこれはまさかレジデンドオブサンの陰謀では…」
「先生! 途中から話についていけません!」
少女の言葉でやっと長い考察を止め、我に帰った教師が新たな指示を出した。
「すまない。夢中になってしまった。――そうだね、たしかにルーンを刻んでいる最中のように見える。
ちょっと失礼。……はっきり見えないが珍しいルーンですな。おそらく契約が複雑で時間がかかっているのでしょう。しばらくこのまま様子を見ましょう」
支援
2分後
「あ〜もう早く終わらないかしら」
「そうあせらないで。…確かに遅いが」
3分後
「先生、これ、本当にうまくいくんですか?」
「おそらく…。それとも、もう一度コントラクト・サーヴァントしてみる…」
「結構ですっ!」
5分後
「先生、この場合私2年生へ進級できますか?」
「…学園は手厚く歓迎するよ」
7分後
「先生、さっきからまわりがざわ・・ざわ・・煩いです」
「うーむ。幸いこれが最後の召喚だから帰らせてもいいのだが…」
11分後
「先生、なんか暑くなってきました。それとあいつのルーン、ものすごく光ってます。…関係ある気がします」
「……。使い魔の彼は平気なのか?」
「平然としてますね。…皆はどこに?」
「さっき帰したでしょ」
13分後
「先生、熱気で揺らめいて見えます。あいつが平気でいられるのが不思議でなりません」
「そろそろ自然発火してもおかしくない頃だと思うんだが」
「な…一段と光が!? うおっ、まぶしっ!」
「終わった…ようだね。しかし、何故こんなことに?」
さて、何故だろうか。
通常、ルーンが刻まれる際に対象となる者は高温の熱を感じる。どのような作用の元、この熱が発生するかは解明されていないが、可能性としては以下の3パターンが考えられる。
1 空中でルーンが形成され(その際に熱が発生)それが身体に付着
2 体表の成分がルーンに変換され、熱量が生じる
3 体内で熱が発生し、熱症がルーンの形に発生する
この内、2と3は文字通り身体に刻み込まれるわけである。1にしても、付着したルーンが容易に落ちないよう体表に何らかの補強が行われていると見て間違いない。
ここで彼のスペックを確認してみよう。
・一億℃の熱に耐えうる
・核でも死なない
これに瞬きで銃弾をキャッチできることも併せて付け加えておく。
だとすると、はたして彼の身体にルーンを刻むことができるのだろうか。
結論はこの通りだ。コントラクト・サーヴァントも十分頑張ったと思うが、この常識外れの存在相手では力不足だったようだ。
兎にも角にも契約は終了した。あとは魔法ではなく言葉を交わす時だ。
光が収まるのを待って、ルイズ達は彼の下へ駆け寄った。
なにも彼の身が心配だからというわけではない。
あの膨大な放射熱に晒されたにもかかわらず平然と立っている様を見せ付けられると、それまでの心配が馬鹿馬鹿しく思えてくるのだ。
むしろあんた何者だとか何か変なことしたのかとか、そっち方面で色々聞きたいことが出てきたのだ。
だが、世の中には本音と建前という物がある。
この状況で始めに掛けるべき言葉は大抵決まっている。
「あ、あんた…。な…いや、どうやって……。あ。そ、そうだ。あんた平気だったの!? あんなに熱かったのに…」
「……。私はそれほど熱を感じませんでしたよ。よく知りませんが、私自身にはあまり影響が出ないようにされていたのではないでしょうか」
「あ、えぇ? …そうなの? ふぅん。私はてっきり…。てか、口調変わったわね…」
いきなり出端をくじかれたルイズは、後に続く質問を飲み込んだ。
――怪しい。
確かに前例のない事だから何が起こってもおかしくない。だが、この状況はいささか不自然だ。
草が萎れ、周囲が揺らめいて見えるほどの熱気を放っていたというのに、中心にいた人物が大して熱を感じていないということがあるのだろうか。
それにあいつの仕草然り態度然り、どことなく胡散臭いのだ。
「ねえ、あんた。本当に何とも――」
「貴方、なかなかハンサムね。お幾つかしら? 差し支えなければ、伺っても宜しくて?」
ルイズの言葉を遮って、背後から質問が飛んだ。
振り向かなくても判る。こんなことを言うような人は、ルイズの知る限り一人しかいない。
「ツ ェ ル プ ス ト ォ ォ ォ ! あんた何初っ端からモーションかけてんのよ!?
あんたの一族とは先祖代々色恋沙汰を繰り広げてきたけど、人の使い魔に手を出したのはあんたが初めてよ!」
「そりゃ、確かに私の家系は多情だけど、獣かn…コホン、動物は射程圏外よ。大体あなた、奪えそうな殿方がいないじゃないの。これじゃ私もこうするしかないわよねぇ?」
「…しし失礼な。そういう思考を捨てろって言ってるのよ! なんであんたの所はそんな嗜好ばっかりなのよ…。第一私にも婚約者の一人や二人くらいいるわ!」
「子供の口約束はノーカンよ〜?」
「なんですって! あんた大概にしないと――」
残りの言葉は発せられなかった。否、発せられたが誰の耳にも音波は到達しなかった。
音が一切聞こえない。困惑するルイズの前に青髪の少女が進み出、杖を一振りした。途端、静寂が破られる。
「サイレント…?」
呟くルイズを一目した後、少女はルイズと話していた赤髪の女性に向かい、たしなめるかのように言った。
「少し遊びすぎ。そろそろ教室に帰るべき」
「あら、御免なさいね。ついつい面白くなっちゃって」
どうやら二人は友人らしい。
「貴女は…確か風竜を召喚した子ね…」
「タバサ」
「そう。えっと、タバサは…キュルケもだけど、なんで此処に残ってたの?」
「私はあなたが召喚した使い魔に興味があったからよ。結構…いい男だったことだし」
「うん。こっちはだいたい想像通り」
「それでね? この子の二つ名を知ってるかしら。…知らないわよね。名前も知らなかったんだし。この子はね、『雪風のタバサ』っていうの」
「え? もしかして冷房の代わりに…」
「勘違いしてほしくないんだけど、私はそんなに強く誘った訳じゃないのよ? 元々この子も興味があったから此処に残ったのよ。まあ、確かにこの子のおかげでそんなに暑くなかったけどね…」
「どうだか…。まあいいわ、とりあえず教室に帰りましょ」
「…姦しいとはよく言ったものだ」
「何かおっしゃいましたか、コルベール先生?」
「いや、なんでも。さて、教室に向かう前に一つ大事なことを聞き忘れていたね。失礼ですが、貴方のお名前を教えていただきたい」
「ふむ、人間は名乗らねばわからんのか…。ネウロ、“脳噛”ネウロと呼んでください」
――また出た。あの胡散臭い笑顔だ。やっぱりこいつは信用できない。
「で、あんた何者よ」
―時は色々すっ飛ばしてその日の夜。場所はルイズの部屋である。
ルイズはその後幾度か質問をぶつけてみたが、その都度うまくはぐらかされてしまい、未だ己の使い魔の全貌を掴めずにいた。
だが、この使い魔はどうやら人のいる所では話したくないようだと気付き、こうしてこの日の終わりに改めて訊ねてみたのだ。
そして、その読みは当たっていたようで……。
「我輩か。我が輩はネウロ。『謎』を喰って生きている魔界の生物だ」
そいつは真顔でそんなことを言ってのけた。
そんな与太話めいた事をあっさり信じられるわけもなく、すぐさまルイズは反論した。
「はぁ〜? あんた何言ってるのよ。そんなの信じるわけないじゃない。もし本当なら証拠を出してみなさ…」
言いながら気付く。召喚に成功したと確信を持ったあの時。爆煙の向こうに一瞬何かが見えた気がしたが、あれは…。
「証拠か。ならば、こんな物でどうだ?」
そう。確かにそれは、あの時見えた怪物の頭だった。
「ひゃっ! じゃ、じゃあ、あんた本当に…?」
「そうだ。だが、我が輩は事情があって下手に地上で目立てない。我が輩の正体を迂闊にばらすような事があったなら、貴様の全存在を跡形なく抹消するのでよぉ〜く注意しろ」
――私、本当にとんでもないものを召喚しちゃったの!? …で、でも、こんなすごそうなやつを召喚したんだったら、召喚者である私も凄いって事に――
「さて、そういうわけで地上の人間を一人、我が輩の奴隷にんgy…もとい良き協力者として確保したい所だったのだが、ちょうど良いな」
「ひょ?」
「使い魔の契約か。自ら進んで我が輩のしもべとなるとは見上げた根性だな」
「ちょ、ちょっ、おまっ、それちが…」
おまけ
NGシーン Take 2
「おや、どうした。感動の余り言葉も出ないか」
怒りをブチまける
ニア引出しから鞭を取り出す
全面降伏する
「…悪い使い魔にはお仕置きが必要なようね。いいわ、しっかり体に教えてあげるわ……?」
「ほう。こんな物まで用意しているとは手回しが良い。とりあえず、この鞭はしっかり有効活用させてもらうぞ。
…まずは、今からだ(ニヤリ)」
「ちょ、ちょっと、御主人様にそんな事していいと、あ、ちょっとまって、ちょっと、
アッー!」
─────都合により、番組を変更してお送りしています。───────
∧
|| | |
|| | rt! |
__ _⊥⊥ / l!__ __ _ tirit
,_,,.. .-‐ '''""~""'‐- 、、∧.::::::::::::::::::」 r|::::::::::::::::::::', 〔77〕
/ ',:::::::::::::::l | :|::::::::::::::::::::::', 」___L
|i゜゜| lヨ lヨl::l | :|.:. lヨ lヨ lヨ l | ∧__ __._| | |. :. :. :. :. :. :. :. :
_ _,, . -‐::''.."." ¨¨´ .. |i王| lヨ lヨl::l | :|.:. lヨ lヨ lヨ l | | | :::: ::::::::::::| | | .,"'`',:'':'`'`',
.:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, |i王| lヨ lヨl::l | :|.:. lヨ lヨ lヨ l | | | :::::: | | |.,"'`',:'':'`'`',:'':'`
.:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`',:'':'
.:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',,.:.:.:.:.:.:.:.:.,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`'`:,,,,.州州洲'`キ
.:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`',:'':'`'`',:'':'`.,"'`',:'':'`',:,,,,.州州洲'`キrキ州洲'`キキキ
────────────────────────────────
投下終了です。
今回もgdgdな投下になってしまいました。
ダメダオレハヤクナントカシナイトorz
ーーーーーーーーーーーーーーーー
以上です。どなたかお願いいたします
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
GJでした!
ルイズってかなり性格弱気なんだよね
ルイズが貴族らしく振舞える使い魔はいないのか
……代理投下終了。
初めての代理なのでドキドキしつつ投下。
途中、2つめの文(代理投下1スレ目)で文字数200文字オーバーがあったのと、
本文最後のやつが行数オーバーだったので適当に分割させていただきました。
一列の文字数のわかるテキストエディタの使用をお勧めします。
では名無しに戻るぜ!
ワラジムシ氏GJ!('◇')ゞ
327 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 13:00:59 ID:OCA0W1CU
>>325 いかん、総悟の事を思い出しちまったww
328 :
327:2008/01/12(土) 13:01:36 ID:OCA0W1CU
あげてしまった・・・ごめん
次投下してもよろしかったでしょうか?
支援
>329
じゃあその次行かせて下さい
ゼロの斬鉄剣 8話 ―異世界の痕跡―
馬車は学院を出、一路フーケの隠れ家と思しき場所へ向かう。
「・・・・」
馬車を操るロングビルは背後からの視線を感じ取り振り替える
「・・・ええと、私になにか?使い魔さん。」
「いや、なんでもない。」
むっとする顔をするルイズ
「ちょっと、ゴエモン!何色目をつかってんのよ!」
顔をしかめる五ェ門。
「む、そうではない。」
「やっぱりゴエモンの好みはミス・ロングビルのようなお淑やかなタイプなのかしら?。」
体を寄せるキュルケ
「よさぬか、二人とも。」
「ふふ、仲がよろしいんですね。」
ロングビルが一言
顔を真っ赤にするルイズ。
「ち、違います!」
ニヤつくキュルケ、無言で五ェ門を見つめるタバサ。
「コホン、それよりミス・ロングビル?」
何でしょうかと、顔は振り向かず応答する。
「貴方は元・貴族っていうお話ですが、どうして下野なされたのですか?」
ロングビルが微かに震える
「(余計な事を・・・だから貴族のガキは!)」
はぐらかそうとしたとき、五ェ門がルイズを叱る
「ルイズ、聞くだけ野暮という物だ、話したくない理由なのだろう、察してやれ。」
言い返せなくなるルイズ
「ミス・ロングビル、変な質問して悪かったわ、ごめんなさい。」
素直に謝罪するルイズ
「いえ、お気になさらずに。」
僅かに声がうわずるロングビル
「(余計なお節介ね・・・。)」
支援でござる
村に到着した一行は馬車を預け、問題の廃屋へ向かう
廃屋は森を抜けた所にある広場の真ん中に建つ小さな小屋だった。
「さて、どうしましょうね?」
木陰からキュルケ。
「妙だ。」
なにが妙なのと一同
「盗賊の隠れ家にしては、妙だといったのだ。確かに廃屋ではあるがこのような場所では森から容易に様子を伺えるし、なにより敵が近づいたかは森が邪魔をして分からぬではないか。」
「で、でも罠があるかもしれませんわね。」
ロングビルが一言
「うむ、だがこのように開けた場所では罠の種類は限られてくる。仕掛けるとすればおおかた小屋に突入したときにゴーレムが襲ってくるというような事であろうな。」
ロングビルは一瞬硬直する
「(な、なんて奴だ。全部お見通しってわけかい・・・・)」
背筋に冷たいものを感じるのであった。
「では、ここは拙者が小屋へ行こう、ルイズ達3人は万が一のとき支援を頼む。」
コクリとうなずく3人
「では、行って参る。」
そういうと五ェ門は森を抜け小屋へ歩いて向かう、予想通り何事もなく小屋へ入る五ェ門
「部屋にも罠らしいものは・・・無さそうだ
部屋の中央に立派な布にくるまれた物を見つける
「これ、か・・・」
五ェ門は布から中身を取り出す
布から取り出された中身をみて五ェ門は絶句し、その姿を見る。
「このような物がこんなところに・・・・」
五ェ門はすばやく包みなおし、懐に奪われた“宝物”を懐にいれ小屋をでる
「(この気配・・・やはり!)」
五ェ門の前から土が盛り上がり、見る見る形作られていく
「あ、あのゴーレムが!」
ルイズ達は五ェ門を支援するため森を出てくる。
「ファイヤーボール!」
キュルケが魔法をはなつも
「土が多すぎてびくともしない!」
僅かに削れるもののゴーレムを形作るのはこの場に有り余る“土”だ。
タバサもキュルケに続いて杖をふり、竜巻をつくるもやはり結果は同じ
執筆速度が異常でござる支援
ゴーレムがルイズ達のほうへ体を向けようとすると
「隙あり!」
キィン!キィン!キィン!」
五ェ門の斬鉄剣がゴーレムに斬りつける
ガラガラガラ・・・・
「や、やったわ!」
「(おかしい、ゴーレムとやらから“気配”が消えない・・・)」
手ごたえはあったものの、しとめたとは思えなかった五ェ門。
その勘はまもなく実証される。
ゴーレムは再び土から再生し、ルイズめがけて拳を振りぬく
「南無三!」
間一髪、ルイズを神速とその跳躍で助け出す
「ルイズ、なぜ引かなかった!」
「あ、あたしは貴族よ!貴族が敵に・・・敵に背を向けられるわけ無いじゃない!」
五ェ門はルイズを叱ろうとはしなかった、己も“武士道”という精神を持っていたからだ。
しかし
「お主には、その気概はまだ早すぎる・・・」
聞こえるか、聞こえないかの言葉で呟く五ェ門。
ルイズをタバサたちに預け、背中に抱えた剣を取り出す
「お!もしかして兄貴は俺っちをつかってくれるのかい!」
ずっと鞘に収められてたのでいまかいまかと待ち続けていたデルフは大喜び。
「お主は頑丈か?」
妙な質問をされてすこしと惑うデルフだったが
「あたぼうよ!そんじょそこらの剣にはまけねーぜ!」
口元が笑う五ェ門
「そうか、では早速役に立ってもらうぞ!」
そう一言呟くと五ェ門はゴーレムにとびかかる
「(ふん、いくらやっても無駄さ!)」
森の影からフーケは笑みを浮かべる
デルフーーー支援
五ェ門はゴーレムの足元から足場から足場へと飛び跳ね、ゴーレムの頭上へ到達する
「デルフ、あとで拾ってやる。」
「えっ!えっ!?」
そういうと五ェ門はゴーレムの頭にデルフを突き刺す
「ふん、思ったとおりだな」
「さ、さすがゴエモン兄だな、巧い使い方するぜ!」
ゴーレムはたちまち動きを止めてしまった
デルフがゴーレムの魔力を吸い取り始めている
「だ、だがよ、兄さん。この大きさのゴーレムだと吸い取るまで時間が・・」
「その心配は無い。」
一言だけ呟くと五ェ門はゴーレムから飛び降りる。
キィン!キィン!キィン!
五ェ門は飛び降りがけにゴーレムを斬りつけていく、そして
「ルイズ、魔法だ!」
その光景を眺めていたルイズは突然声をかけられ、言われるがまま杖をふりかざす。
「っ!えーい!」
やけくそ気味にファイヤーボールを撃つ
魔法は命中して爆発をおこしゴーレムは粉々にくだけ四散する。
デルフで脚をとめ、五ェ門がゴーレムをきりきざみ脆くなったところをルイズの失敗魔法―もとい
強力な爆発によってゴーレムはその原型をとどめぬほど見事にバラバラになっていた。
「これだけバラバラに飛び散った上、魔力もすいとられていればゴーレムもひとたまりも無いわね。」
あっけにとられた顔をするキュルケ
「ひ、ひでぇぜ・・・ゴエモン兄・・・」
ゴーレムが砕けた後、デルフリンガーは地面に突き刺さる。そして即回収され、文句をいう暇もなく鞘に収められるのであった。
「な、なんてこと・・・・」
一方のロングビルは顔面蒼白だ。
なにせ渾身の魔力を使い精製したゴーレムがこうもあっけなく砕けてしまったのだ。
巨大なゴーレムを作るにはそれなりの魔力が必要だ
一部がばらけても、魔力を帯びた破片が傍にあればそれだけ早く、少ない魔力で再生は可能であるが
こうも見事に四散するともう手の施しようが無い、完敗である。
しかし、まだ証拠をつかまれたわけではないと、あえてルイズたちの前に姿を現す。
「み、みなさん大丈夫でしたか?」
偶然を装い森から姿を現す
「ミス・ロングビル、無事でしたか。」
ルイズは声をかける
「申し訳ありません、みなさんにおいていかれ怖くなってその場からうごけなくなりました」
なかなかの役者である。
ところで、とキュルケ
「お宝は見つかったのかしら?」
「うむ、拙者の懐にな。」
そういうと取り出し中身を見せる
「・・・・なあに、このへんなわっか?」
それは奇妙な姿の環であった、よく磨かれているのか光っている、が魔力は感じ取れない
おなじく盗まれた魔法書とやらもまったく魔力の反応が無い。
「拙者は、これの使い方を知っているのだ。」
と、おもむろにロングビルに近寄る
「こう、使うのだ!」
ガチャン!
「へ?」
ロングビルは一瞬何をされたか分からなかったが
手元を見ると、環が手を固定しているではないか。
「もう猿芝居はよすのだな、“土くれのフーケ”」
く、と顔をゆがめるフーケ
「くそ・・・最初から分かっていたのね・・・・。」
いままで確信が持てず“ロングビル”を演じていたフーケは己がピエロであったことを悟らされる。
「この環は“手錠”といってな、拙者の世界の拘束具で悪党を捕らえるのに使うのだ。そして特にこいつは特別製。」
手錠にくくりつけられた紐を引っ張りフーケを引っ張る
「並の人間では到底抜けるのは不可能だ。」
フーケは観念し、ひざをつく
「あたしは、まだこんなところで・・・・」
五ェ門はそんなフーケをただ見つめていた。
「(なぜ、銭形の手錠とこの警察手帳が。どうやらオスマンとやらに詳しい話をきかねばならんな。)」
夕焼けにうかぶ五ェ門の顔をルイズたちは不安そうにみつめ、学院へ戻るのであった。
なんでんなもんが秘宝なんだ支援
学院に到着した一行はすぐさまオスマンとコルベールに出迎えられる
「・・・ミス・ロングビルがフーケじゃったとは・・・」
学院の衛兵たちに連れて行かれるフーケを見送るオスマンとコルベール
「オスマン殿、このお宝について話があるのだが。」
「わしも、お主らに話がある、立ち話は何じゃから学院長室にきてくれぬか。」
一行はコルベールの先導のもと、学院長室へ。
「さて、おぬしらの今回の働きは学院としても非常に誇らしい。」
ヒゲをいじりながら笑顔を浮かべるオスマン
「あの土くれのフーケを捕らえたとあっては学院としては、おぬしたち“3人”に“シュヴァリエ”の
称号を与えるよう王室に上奏するつもりじゃ。」
えっという顔をするルイズたち
「ほんとうですか?オールド・オスマン!」
キュルケが笑顔になる
「ああ、もっともミス・タバサはすでにこの位にあるので、精霊勲章となるじゃろうな。」
ルイズはあまり面白く無さそうに返答する
「・・・学院長」
なんじゃね、と顔をむけるオスマン
「ゴエモンには、その・・・何にも無いんですか?」
オスマンの表情が暗くなる
「彼は貴族ではなく平民じゃ、残念じゃが王室からはなにも無いじゃろう」
「そんな!」
「ルイズ、拙者にはそのような称号は不要、案ずるな。」
ふう、と息を漏らすオスマン
「じゃが、学院としてはその功に報いたい。よってゴエモン君には金貨1200枚を褒章として出す。これで勘弁してくれんかのう?」
「そういうことならば、ありがたく受け取るとしよう」
おとなしく受け取ってくれる事に安堵するオスマン
「では、本日は本当にご苦労じゃった、宝物は戻ってきたことじゃし、この騒ぎで今夜予定してた“フリックの舞踏会”は延期とするが1週間後にまた執り行うこととする。」
「では、皆さんは各自お戻りなさい。」
コルベールが一言
「ゴエモン君は残りたまえ。」
五ェ門だけ残されることに少々不安に感じたがおとなしく戻るルイズ
「・・・・さて、何から話そうかのう」
「まず、拙者の取り戻したこの道具について伺いたい、これは一体どこから?」
「ふむ、その奇妙な環はな・・・確か30年程前のことじゃったのう」
まてー!
「へっ!のろまの衛兵ごときにつかまるかよ!」
―当時は今のフーケのように世間を騒がせていた盗賊がおってのう
“血煙のマウスボーイ”という悪党で、押し入った先の家族を殺され、若い女であれば乱暴されてから殺すという非常に残忍な奴でな・・・当時のワシも捜索隊として陣頭指揮に当たっていた―
「ここは、どこだ?ルパンを追っているうちにおかしなところへ迷い込んでしまった・・」
「‘」(’)&)‘“’#&()‘’(!‘)(’)」
「ん?なんだぁ?」
素っ頓狂な声をあげるのは“銭形”
ルパンを追っていくうちに不思議な場所に迷い込んでしまう
迷い込んだ先でなにやら騒ぎになっているのに気がつく
先頭をはしっている男が月明かりに照らされたとき
「あいつ、血を浴びているな・・・」
銭形はひとまず目の前に現れたただならぬ男を捕まえるのが先決だと立ちふさがる
「なんだ、あいつは!どけ!殺すぞ!」
なにやら怒鳴っているようだが銭形には通じない
「ええい、この銭形から逃げられると思うな!」
銭形がどく様子を見せないのでマウスボーイは杖を振りかざす
「死ね!」
危険を感じた銭形はとっさに身をかがめる
真上を巨大な氷の氷柱が突き抜ける
「あいつめ、得体の知れない武器をもっているようだな!」
「ちっ、はずしたか」
だが反撃が無いということは前にいるのは平民、逃げていくだろう
そして逃げたところをすれ違いざまに殺ってやる
そう考えていたが、目の前の平民は逃げるどころかこちらにつっこんできた
あまりにも意外な対応に驚くマウスボーイ
とっつぁんはハイスペックだからな支援
その隙に銭型に懐にもぐりこまれる、それが命取りになるのであった
「どっせーい!」
銭形必殺の背負い投げが決まる
「ぐあ!」
あまりのことに受身すらとれずのた打ち回るマウスボーイ
「公務執行妨害の現行犯で逮捕だ!」
ガチャン!
尚も暴れるが顔面に鉄拳が命中し沈黙する。
まもなく男を追っていたと思われる衛兵―にしてはずいぶん古めかしい格好だと思う銭形
「<そこの平民、よくやった!>」
わけの分からない言葉にたじろぐ銭形
「え、えーと・・・英語でもないのか?」
「<それにしても只の平民がコイツを捕らえるとは!>」
「あ、アイムソーリィ!アイアムアペーン!」
ここは引いたほうがよさそうだと判断した銭形はとりあえず来た方向にもどることにした
「そいつはおいていくから、なんかあったらICPOの銭形までたのむ!」
・・・
・・
・
「思えば、不思議な男だった、礼をしようとしたのだが何もせずそのまま立ち去ってしまった。」
「(間違いない、銭形だ。)」
「そのとき、男が残していったのがこの環と見たことも無い言葉でかかれた本じゃった。」
環とは手錠、本とは警視庁の警察手帳のことである。
「(日付は拙者がきた時間より7年ほど前、となると銭形は戻ることができたようだな。)」
「その後捕らえられていたマウスボーイを絞首台に送ることができてのう、残されたのはその精巧な細工を施された環というわけでな、わしが貰い受け宝物庫に納めたのじゃ。」
ふう、とためいき
「今頃どうしているかのう」
「ところでオスマン殿、その男は“ゼニガタ”とかいってなかったか?」
「ふむ、たしかいっておったのう、聞いた事も無い言葉じゃったが、たしかにいっておった気がする」
ふむ、と五ェ門
「その者ならば、拙者とおなじ世界から来たのだ」
「世界とな?」
オスマンは体を乗り出す
「左様、拙者はこの地とはまったく別の、いわば異界からきたのだ。そしてその盗賊を捕まえたのは
拙者もよく知っている人間なのだ。」
ふむぅとうなるオスマン
「異界の言葉といい、ゴエモン君の剣といい・・・信じざるを得ないようじゃな。」
「いや、それよりその銭形だが、元の世界に戻っているのだ。」
「なんと。」
「この本は銭形の身分を著す手帳で、日付が拙者のいた時間から7年ほど前となっている。拙者はこの銭形とは召還される少し前にも会っているのだ。」
ほっほっほとうれしそうにするオスマン
「そうか、無事でいたか・・・。一言礼をいいたいものじゃな。」
オスマンは天を仰ぐ
「さて、次はこちらのからの話なんじゃが・・・。」
「拙者に答えられるのであれば。」
ふむ、とうなずくオスマン
「ゴエモン君、いままでその左手に異常を感じたことはあるかね?」
五ェ門には心当たりがある
ギーシュと決闘したとき
デルフを拾い上げたとき
そしてフーケと戦ったとき
「うむ、突然光だして刀の太刀筋がよくなった、敵がいなくなったら光が消えていくのだ。」
やはり、と後ろにいたコルベール
「・・・どうやら、ゴエモン君は本物の“ガンダールヴ”のようじゃな。」
「ガンダールヴ?」
「いかにも、ガンダールヴとは今から6000年ほど前になるか、われわれの偉大なる始祖・ブリミルには
しもべがおってのう、その伝承によればそのうちの一人は{ガンダールヴはあらゆる武器をつかいこなす、そして始祖の呪文の間守り続けるため盾となる}とあってな、その名前とゴエモン君のルーンの文字が同一なのじゃ。」
あまりのことに言葉を失う。
「その伝承どおりなら、君はガンダールヴで、その主たるミス・ヴァリエールは・・・」
「虚無の属性・・か。」
「さよう、始祖ブリミルは虚無の使い手であったのでな・・・。」
沈黙が包む
手帳の紛失はまずいw支援
「ま、ほとんどが伝承での出来事でな、本当のところは分からんのじゃよ。」
だが、と声をかけるオスマン
「とはいえ君が優れた身体能力と剣の腕をもつことはすでに学院が認めておる。当院としてはゴエモン君
にできるだけここにとどまってもらいたいのだ。」
「拙者、いつかは元の世界に戻りたいと思っている。」
がっくりうなだれるオスマン
「しかし、そういうことであるのならば拙者はこの世界でやり遂げねばならぬことがあるようだ。ただ、帰れなんだときはここで骨を埋めるのも悪くは無い。」
そうか、そうかとオスマン
「とにかく、今回はご苦労じゃった。たいした事はできんが、困ったことがあったら相談に乗ろう。」
「かたじけない。」
ふかぶかと頭を下げる五ェ門
「ところでオスマン殿」
なんじゃね、と顔を上げるオスマン
「フーケはどうなる?」
ため息をつくオスマン
「近日中に王都から衛兵がくるので引き渡す、アレだけのことをしでかしているのじゃから
縛り首は免れんのう。」
オスマンは窓から星を眺めていた
五ェ門は察してオスマンの部屋を辞するのであった。
つづく
支援感謝!
あとまとめwikiで話をupしてくれた人にこの場を借りてお礼を申し上げます
乙〜
銭形どうやって帰ったんだwww
乙
とっつぁんの能力は異常w
GJ
銭形さすがだな
本来、ルパン一味の誰よりも強いんだから当然といえるけど
乙です。
今回は特に楽しませてもらいました。
続いて作品を落とさせてもらいます。
タイトルはいいのが思いつかなかったので適当です。
何かいいのを思いついたら差し替えさせてください。
ルパンの居場所を察して、こんじょ〜で帰ったに違いないw
彼女は気が付くと青空の下でたくさんの人間に囲まれていた。
みんな一様にマントを羽織って目の前に居る人物をあざ笑っていた。
「子供だ。ルイズが子供を召喚したぞ」
「流石はゼロのルイズだ。 とてもじゃないが真似できないぜ」
「真似したくないけどね」
見た所、学生のようだ。
それにしてもなんて程度の低い。
他者を貶める事でしか自分の優越感を守る事が出来ない、まるで子供だ。
人間の教育がどんな物なのかは知らなかったが彼女の周りには道徳観念のよく出来た人間
ばかりだった。
つまるところ人間に対する過大評価があった訳だが。
『私が飛べない事で苛められたのはいつの事だったのだろう?』と、ここまで考えて思考
を中断する。
もしかしたらここはとんでもない辺境なのか、もしくは異世界である事も考えた。
だとしたら自分がフェザリアンである事を話すのもまずいのかもしれない。
相手がどんな文化を持っているのか分からないのだ、もしかして精霊使いやファザリアン
を目の敵にしているかもしれない。
ちょうど総本山に帰る途中で、翼を隠せるようなローブを着ていたことに安堵した。
注意深く、周りの人間の指を確認する。どうやらリングマスターは居なさそうだ。
ルイズがモニカを召喚しました(仮) 第1話
"ゼロのルイズ"と呼ばれた彼女が『やり直しを要求します』とか"ミスタ・コルベール"と呼
ばれる人物―多分ここの責任者だろう―が『使い魔』とか『神聖な儀式』とか『伝統』と
か『進級』がどうとか言っている。
大体自分の置かれている立場については大体分かったが、見知らぬ他人の進級の為に使役
される立場に落とされるなんて冗談ではない。
契約しなきゃ留年だというなら留年して不幸になってしまえー
「アンタ誰?」
「礼法がなってないわ。
見た所学生のようだけど、人に名前を聞く名前を聞くときは自分から名乗るものだって習わなかったの?」
「……ルイズよ。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
"de" つまり貴族様である。
モニカも長ったらしい名前を聞いて偉そうな態度で接してくるのは偉そうな身分の人間だ
からだと理解した。
だいたいが長ったらしい名前の人間は性質が悪いと学習済みである。
斬鉄の方乙そしてGJでした
とっつぁんすげえw
「モニカよ。モニカ・アレン。
私をここに呼び出したのはあなたかしら?」
「そうよ。 あなたは私のサモン・サーバントの魔法で呼び出されたんだから私の使い魔
になりなさい」
いきなり命令形。 流石貴族様だ。
だがモニカにとってむしろ話の内容の方が重要だった。
機械の補助と精霊使い2人で行った英雄召喚のような大規模魔法を学生の少女が行ったと
言うのだ。
これが本当ならもう異世界大決定である。
おそらく自分の知らない未知の魔法技術なのだろう。
いや、この世界の魔素の密度から調査しなおす必要があるかもしれない。
「それにしても、とんだ野蛮な地域に呼び出されてしまったものだわ」
「ややややや野蛮ですって?」
ため息をつくモニカ。
怒りでぐるぐるになるルイズ。
「神聖な儀式で、人間を召喚して働かせる民族の何処が野蛮じゃないの?」
「だってあんた平民じゃない。 平民が貴族の為に働くなんて当然の事よ」
「キシロニア連邦は民主主義だから貴族と言う身分が無いだけ。 私は平民じゃないわ」
「キシロニアレンポウ? 何処の田舎よ」
「自分が知らない地名を田舎と決め付けるのは文明人としてどうかと思うわ」
「じゃあ何処の国よ?」
「国の名前よ。 王や貴族と言うものの変わりに議会政治で国を運営しているわ。
人口は少なく見積もって400人位かしら?」
「小国も良い所じゃない!」
「それは仕方ないと思うわ。 戦争で大分死んでしまったもの。
今は復興中よ。」
時空融合計画で大多数が他の世界へ避難した事は言わない。
流石に信じてもらえないだろうから。
「じゃあ、あんた魔法使えるの?」
「勉強すれば普通使えるものでしょう?」
「嘘おっしゃい! 平民に魔法が使えるわけ無いじゃない!
嘘をつくならもっともっともらしい嘘をつくことね!」
どうやらここでは一握りの人間しか魔法を使う事が出来ずしかもそれが遺伝するらしい。
魔法が使えるものをメイジと言い、それが貴族階級を作っているようだ。
異世界へ渡った人間達が"グローシアン"と言う特権階級を作り上げた事を考えると人間と
言うものは実の所どこも変わらないのではないか? とも思う。
「とにかく私は王家に連なるヴァリエール家の三女なんだから平民なんかとは違うのよ」
「なら貴族の何処が優良種なのか証明して見せて欲しいものね。
『貴方』が『私』に勝てそうなのは年齢くらいに見えるのだけど?」
ルイズは考えた。
『ゼロのルイズが使い魔の平民に論破されてやんの』とか言う野次は当然無視である。
彼女自身そもそも魔法が使えない。
年下相手に取っ組み合いで勝っても大人気ない。
編み物で勝負とか言っても受けてもらえないだろう。
しばらく考えて勝てそうなものを見つけたので言ってみる。
「えっと…そう!胸とか!!」
13歳に勝ち誇るな。
どんぐりの背比べみたいな洗濯板を見ながら内心『2年後を見てなさい』とか思いつつ
モニカは話す相手を変える事にする。
「あなたじゃ話にならないことは分かったわ。
この"神聖な儀式"の監督をしているのはそちらの先生かしら?」
「ミス・アレンだったかな?
私がこの生徒達を引率しているジャン・コルベールだ」
「じゃあミスタ・コルベール。
私が彼女と契約しなかった場合どうなるか教えてちょうだい」
このコルベールという人物は学園の中でもルイズに同情的な教師の1人だ。
彼女が影で努力をしているのを一番評価しているのもおそらく彼だろう。
加えて魔法は破壊だけに使われるべきではないとの信念の持ち主で、聞いた事も無いよう
な遠い国から召喚されたであろう目の前の少女にも同情的な想いなのであった。
詰まるところ苦労人であった。
おかげで生徒から影でコッパゲと陰口を叩かれる程である。
しかしながら自分の立場は教職なのであり目の前の少女に使い魔になってもらわなければ
ならない。
しかたなく彼は対話を開始する。
「彼女は留年と言う事になるな」
「留年させておけばいいじゃない」
にべも無い言葉。
くじけそうになったがコルベールは話を続ける。
乙です
やはり来ていたのかとっつぁんw
「いや、しかしだね…」
「むしろ使い魔を召喚する力量を問うのが今回の試験の目的なのだとしたら私を召喚した
時点で十分なんじゃないの?」
「…古今東西、人を使い魔にした例はないが、春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆる
ルールに優先するんだ。
従って彼女の呪文で召喚されてしまった君が契約するまでが試験対象になる」
「例外は?」
「ない」
「ルールじゃ仕方が無いわね。
じゃあ、そのルールを制定した人か、ルールを管理している人に会わせて頂戴。
古今東西、人を使い魔にした例は無いと言ったわね?
本当に異邦人が召喚された場合に相手の意思を無視してまで使い魔にしなければなら
ないのか確認を取るわ」
「あー…そんなに契約が嫌かね?」
「その契約の呪文はあんなドラゴンも制御下に組み入れてしまうのでしょう?
絶対に魅了の呪文が織り込んであるわ。
お断りよ」
示す先には風竜の子供、確かにあんなのが暴れだしたのなら、ただじゃすまないだろう。
コルベールは少女の観察眼に舌を巻きながら仕方なく契約の一時延期を告げるのであった。
/*/
流石に部外者を学園の中に入れるのに書類が必要だと言われて30分ほど待たされた後に秘書の女性に案内されて階段を上り始めた。
秘書の名前をロングビルと言うらしい。
どこか作った様に感じたが、貴族とか平民とかそんな環境では地のままで過ごすのも難しいのだろうと勝手に解釈した。
長い階段を抜けて建物の最上階―――学長室まで通される。
席には年をとった学長と思われる老人と、未契約の使い魔に対して監修の義務があるコルベール。あと留年が掛かっている当事者のルイズ。
「ワシがこの学院の学院長を務めとるオスマンだ」
「聞いていたのより真面目そうな人ね」
「………ミスタ・コルベール。 ワシの事をなんと言って話して聞かせていたのかね?」
「いえ、事前に話を聞かせていたのはミス・ヴァリエールです。
今後、使い魔として共同生活を送る可能性があったので、私が交流を推奨しました。
もっとも間違っているとは思わなかったので否定しませんでしたが」
「おぬしがワシの事をどう思っとるのかよーく分かった」
オールド・オスマンが今期の査定を付けはじめる。
もちろん場の空気を和ませる為のギャグだ。
目の前の男が慌てふためくのを見るとついやりすぎてしまうのは仕方あるまい。
ほーれほーれ。
「そろそろ本題に入らせてもらうけどいいかしら?」
「ああ、すまなかった」
「『春の使い魔召喚の儀式において、それが何者であれ、呼び出された以上、術者の使い魔としなければならない』
このルールは人にも適応されるものなのかしら?」
「春の召喚儀式と言うか…サモン・サーバントの呪文はお互いがお互いに必要な者を引き合わせる呪文じゃ。
仮にサモン・サーバントを唱えなおしたとしても、お前さんの前にゲートが開くだけじゃな。
そして召喚儀式の本義は使い魔によって本人の適正を確定して専門課程に進む為の準備を促す事じゃ。
結局、お前さんが使い魔をやらない限り彼女は留年する事になるの」
「一つ付け加えるなら、サモン・サーバントの魔法は対象を指定できないと言う特性があります。
先天的に適性が決まっていてミス・ヴァリエールがあなたを指定したという訳ではないのです。
私としても彼女が留年してしまうのも忍びない。
どうか契約を行ってはいただけないでしょうか?」
「それは、いつまで?」
「一生です」
「話にならないわ」
捨て犬のような目でコッチを見てくるコルベール。
いや、お前がそんな顔しても可愛くないから。
コッチ見んな。
「大体、貴族でもない人間がこうして交渉の場を作ってもらったって言うのにごちゃごちゃ屁理屈をならべないで頂戴。
ちゃんと可愛がってあげるから、私の使い魔になりなさい」
彼女の名誉の為に補足しておくと性的な意味ではない。
「じゃあ、今抱えている問題点をあなたにも分かるように例え話をする事にしましょう。
あなたは貴族だと言っていたから自分の領地があるはずよね?
例えば隣の領地を治める領主があなたの領地に居る平民を攫って行ったらあなたはどうするかしら?」
「決まってるじゃない、ツェルプストーになんか小鳥一匹でも渡すもんですか!」
「…多少私怨が混じってる気がするけど執政者はそう考えるのが普通よ。
それに私は議長の娘と知り合いだから今頃大変な事になっていると思うわ」
この世の終わりのような顔をするルイズ。
召喚した相手が、どこかの国の代表の娘のご学友だと分かったからだ。
更に言うと、その国の領主は他国に小鳥一匹渡す気が無いような人間がそろっているらしい。
下手を打つと後々国際問題になりかねない。
例えばキシロニア連邦とトリステイン王国を結ぶ航海路が発見されたとかした場合だ。
何しろ奴らは人口400人になっても戦争しているような戦闘民族なのだから
「あー、しかたないかの」
「ちょ、ちょっとだけ、もうちょっとだけ待って下さい。
ミス・ヴァリエールはとても勤勉な生徒なんです。
実技の成績はどん底ですが魔術理論・地理・社交・宗教、すべての筆記試験で優秀な成績を残しています。
週末も街に繰り出すことなく実技の訓練をしている事を知っています。
そんな彼女の努力がふいになってしまうのは忍びない。
もう一度考えてはくれませんか?」
留年して来年サモン・サーバントを唱えても現れるのは目の前の少女。
つまりここで相手の了承を得なければ永遠に進級できない不可避の罠なのだ。
「…使い魔と言うのは必ずコントラクト・サーバントを受けないといけないのかしら?」
「コントラクト・サーバントを受けると使い魔のルーンが体に刻まれる。
遅かれ早かればれてしまうだろうね。
そして使い魔を獲得せずに進級した生徒と言う前例を作るわけには行かない」
「じゃあ、使い魔のルーンは足にあることにすればいいわ。
お風呂には一人ではいる事にすればばれる事はないでしょうし
あなたが卒業するまで使い魔のフリをする事にするわ。
使い魔召喚の儀式が2年生への進級試験を兼ねているのだからあと2年間ね。
それでいいでしょう?」
「いいの?」
「別に私もあなたを困らせたくって契約を拒否しているわけじゃないもの。
私が2年我慢すればあなたの一生が助かると言うならそうするべきだわ。
…あとはこの2人をどう説得するかだけど…」
相変わらず捨て犬のような目をしているコルベール。
縋る様な目をしたルイズ。
2人の視線をうけてオールド・オスマンは深いため息をついて、それからこう言った。
「わしゃ何にも聞かなかった事にするよ。
進級おめでとう。 ミス・ヴァリエール」
シエン
元ネタは何だろう。
以上です。 支援いただきありがとうございます。
彼女の出典はグローランサー3のモニカ・アレンです。(知らない人はとことん知らないんだろうな)
簡単に彼女の事を紹介するとフェザリアン(魔法の代わり科学技術に優れる翼人みたいなもの)と人間のハーフです。
母親がフェザリアンなのですがハーフなので羽根が小さく飛べません。
父親が失踪しておりその事でいじめを受けた経験があります
CV:南央南
>>364 乙です。特殊技能に頼らず口で勝負する主人公が魅力的だ。
乙です。元ネタ知らないけど面白かった。
自分の状況を正しく認識し、堂々と交渉する姿は見ていて気持ちいい。
契約なしなのも新鮮な展開。続き期待してます。
グロランは1しかやってないから名前しか知らないな
そーか、こういうキャラなのかいい感じだ
まあそれはそれとして
×南央南
○南央美
さすがに人の名前間違えるのは失礼だw
すげえ、全く状況に流されていない。
タイトルに反して軸がぶれてないよ!
GJ
絶対こんな所覗いてないだろうけど南央美さんごめんなさい。
あとがき(?)の誤字はまったくノーチェックでした。
次からチェック対象にします。
>>364 乙。
モニカエンドか、否か。それが問題だ。
まあリングを装備して交換用の精霊石も所持してるだろうし、大丈夫か。
今後に期待。
乙
GJ
相変わらずフェザリアンのすかした喋り方は癇に障るぜ乙。
なーに、ルイズの万年癇癪と比べりゃマシマシ(w
ルイズの尊大で横暴な態度もかなりムカつくけどな
横暴と言えば初期の沙織さん
>>376 初期というか幼少期というか
でもほら、子供のころに男の子を馬にするぐらい普通だよね!
【んなわけねー】
沙織さんが召喚されたらかぜっぴきは嬉々として馬になるだろうなw
嬉々としてどころか恍惚としてるだろうな。
380 :
ゼロの魔人:2008/01/12(土) 16:16:54 ID:GfgH+ESC
徐に続きを投下しに来ましたが、宜しい様ですか?
後、wikiに御纏め頂き感謝の極みです。
支援いたす
ルイズが半覚醒すると、其処は柔らかなベッドの上だった。
首だけを擡げ周りを確認すれば、馴染みの重厚な調度品や家具。
青に淡く光る何かが見て取れ、其処が寮の自室である事を認識させる。
窓から差す穏やかな光は、双月の明かりである事が窺え、今が夜である事を教えた。
寝起きの弱い少女は再度、枕に頭を投げ出すと重い思考の海に沈む。
(体。重い……動く気しないわ。
はぁ……お腹すいたぁ。今日の夕食なんだったかしら?
まぁ……もぅ、なにも残ってないだろうけど。
それにしても体があちこち痛いわね。
フフッ……あんな大爆発、間近で食らっちゃったんだもの。
むしろ、この程度で済んで幸運ってやつかしら?)
取り留めの無い事を考えながら自嘲を零し、微睡みから解放される。
意識して息を深く吸い込み、体の隅々に空気を送り込むと、
今まで思惟に掛かっていた靄が散り、頭の中がはっきりとした。
ゆっくり背筋を伸ばし、今し方考えていた事を再び転がす。
(あれ? 私なんで寝てたのかしら?
爆発で失心しちゃったの? ううん……あの時はまだ起きてたし。
記憶もはっきりしてる。
その後……そう魔人。 魔人を召喚してぇ……
契約したんのよッ! 私が? 魔人とォ?!
たしかぁ……ヒトォ……シュラ? ヒトシュラだったわよねッ!
魔人よ魔人ッ! 神にも近しき使い魔よッ!
ウフフ……ウフフフフフフ……)
今度は悦びの笑みを湛え、ベッドの端から端をもんどり打ち身悶える。
次第に激しさを増す寝返りは勢い余り、その身を中空へと投げ出させ、
突然襲う浮遊感にルイズは全身を強ばらせた。
しかし、一向に床への衝突が無い事に不安を募り、
薄く片目を開けて状況の確認をすれば、青く光るラインが目に止まる。
気付けば、それが支えてくれていたお陰で落ちずに済んだようだ。
(こんなの……私の部屋にあったかしら? 綺麗な光。
それに温かいし。スベスベしてて気持ち良い……
これを抱いて眠ったら、凄く気持ち良いんじゃ無い?
きっとそうに違いないわッ!)
姿勢を立て直して床に足を付け、
一目で気に入ったそれを認めるべく目を配り、ギョッとした。
その、淡く光る青いラインは、黒く呪咀的な斑紋様を縁取る様に彩り。
目線を上げれば、赤く揺らめく対の瞳が見下ろしている。
ヒトシュラがそこに佇んでいた。
「なッなッ――」
指を突き付け、なぜ此処に居るのか問い詰めようとするも、
口腔が渇き上手く声に出せない。
仕方なく、穴が開く程に睨み付け、抗議の眼光を射る。
ヒトシュラは、その熱視線に何ら反応も示さず、
ベッドサイドの、小さいテーブルに置いてあるガラスの水差しから、
傍らのコップへ水を移し、それをルイズの前に差し出した。
興奮醒め遣らぬ面持ちのルイズは、反射が遅れるも、
出されたコップを奪い取り、一気に飲み干して溜飲を下げる。
冷えた水は、状況を明確にさせる事に十分な効果があった様だ。
高鳴る動悸を静め、抑えた声色でヒトシュラに話し掛ける。
「アッ……アリガト、アンタが私を運んだの?」
上目遣いに質問すると、首肯でそうだと示し、
殊の外、素直な反応に安堵して、次の言葉を繰る。
「アンタ、私の使い魔なのよね?」
今度は、心持ち自信無さ気に質問し、先と同様の肯定を受け取った。
一つ一つ。今にも溢れかえる疑問を解消しながら、質問攻めは続く。
「私の云う事、なんでも聞くの?――」
「いったい何処から来たのよ?――」
「アンタ、魔人なのよね?――」
気分も乗り、快調に問い掛ける。
ヒトシュラの反応は一貫して淡白なものであったが気にはならない。
己が失心した事なぞ、忘却の彼方へ追いやり、その存在に夢中となった。
「――魔人なんでしょ? なんかやって見せてよ」
凝り固まった問題も粗方消化して、今度は品定めへと推移する。
期待になだらかな胸を満たす最中。
不意に動きだしたヒトシュラにルイズはたじろぐも、
己が右手を掬い取られ固まった。
「ッ!?」
急に鋭い痛みが走り、指先の状態に気付く。
喉元まで出かかった抗議の罵詈を押し止め、それを見やると、
爪は縦にひび割れ内出血し、指の腹が火傷で赤みを帯びている。
今の今まで感じもしなかった疼きは、意識しだすと忽ち大きなものとなった。
(ッ……早く水魔法で治癒してもらわないと)
思い至って、医務室に赴くべくドアの方へ歩きだす。
しかし、ヒトシュラは緊と手を握り締めて、放す気配を感じられない。
「チョットッ! 痛いんだから離しなさいよッ!
医務室行かなきゃ酷くなっちゃうじゃないッ!」
遂に我慢が限界を越えて叱咤する。
噴出する怒りで、温かい光の膜に包まれている事には気付かず、
乱暴に手を振りほどくと、目先のヒトシュラを睨み付けた。
(チョットは良い使い魔かと思ったけど、御主人様に牙を剥くなんて最ッ低!
魔人ってのも疑わしいわッ! やっぱり何処かの部族の平民なのよッ!
斑紋様とかツノとか、名前もダサいし。半裸だし。
指だってコイツに握られた所為で艶々のピッカピカじゃないッ!
痛みなんて全然感じないんだからッ!
髪もしっとりとして焦げ目もないし。こんな清々しい気分久し振りぃ……)
綺麗に蘇った指先や髪を眺め、晴れ晴れした気分に癒されると、
何故先程まで激昂していたのか分からなくなる。
ぼんやりと指の股から使い魔を見やり、先刻発した言葉を手繰りながら唐突に悟った。
「やッ……やるじゃない」
何かしら敗北を感じたのか、誰に示すでもなく精一杯に強がって見せ、
突如、脈絡なく人差し指を立て、使い魔としての役割を熱弁した。
「いッ……良いッ? まず使い魔は御主人様の目となり、耳となるのよッ!
つまりアンタが見るもの聞くものは、私も見えるし聞こえるって事。分かった?」
得意げに云ってみせたが、何も見えない。聞こえない。
だが、それは使い魔が魔人な為だろうと一蹴し、返事も待たずに次へと進む。
「んじゃあ次ね。二つ目は、魔法使いに欠かせない秘薬の原料や、鉱石を見つけてくる事よッ!
って……チョットちゃんと分かってんの?」
先とは打って変わり、厳しく問い質す。
手早く、添え付けの戸棚から珍しい薬草や鉱石、高価な秘薬を取り出し並べると、
用法効能を質問し、淡々と答えるヒトシュラに意識せず気を良くした。
「まッ……まあまあね。
最後は一番重要よ。心して聞きなさいッ!
使い魔は、その身を挺して御主人様をあらゆる危険から守護するのッ!
凄く名誉な事なんだからッ! で、アンタってどのくらい強いの?」
期待と不安でなだらかな胸を膨らまし、好奇の眼差しを爛と輝かせ、具に観察する。
一寸の間の後。ヒトシュラは強張った動作で腕を前方に交叉させ、
力む様に全身を収縮して身を屈めた。その動作に合わせ、大きな揺れが湧き起こる。
ルイズは突如の厄災に狼狽え、如実に激化する地震にへたり込んだ。
しかし、目の前で今にも何かを解放せんとするそれに、
嫌な胸騒ぎをおぼえ、しがみ付き、その行動を制止させる。
「チョ……チョットもう分かったから。分かんないけど分かったからッ!
ストップストーップッ! 止まれなさいッ!」
ルイズの訴えは功を奏したのか、ヒトシュラは腕の交叉を解き、
地震の治まりと共に、自然体となった。
ドッと押し寄せた疲労に足元覚束ず、そのまま使い魔にもたれかかり、思考を冷やす。
重厚なドアの向こう側や階下から漏れる喧騒、自室の酷い有様に、
既に学院全体で多大な被害を受けた事が手に取る様に分かる。
自然の驚異とは恐ろしい。しかし、その猛威に抗う術はない。
誰の所為でもない。それは紛れもなく自然現象なのだから。
ルイズは口中で何事か呟き、使い魔の胸から離れると、
億劫そうに着衣を脱ぎ捨てヒトシュラに押し付けた。
「これ……洗濯しといて」
抑揚ない声で、そう云い切り、全裸でクロゼットへ足を向ける。
ふらつく足取りで、其処へ辿り着くと、チェストの引き出しからネグリジェとショーツを取り出し、
生気の感じられない面持ちで、ものういそうに、それを身に付けた。
次いでベッドへ赴くと倒れ込み、マットレスに身を沈め、
シーツを手繰り寄せると、頭までそれを被り白く小さな塊となる。
「私……寝るから……部屋、片付けといて。
そこの椅子、勝手に使って良いわ。
朝になったら起こすのよ?」
シーツの塊から腕のみを出して大雑把に指差し務めを云い付けると、
出した手を引き込み、次いで言葉を付け加える。
「さっきのアレ、禁止だから」
云い終えてルイズはその意識を手放し、現実からの逃避を果たした。
385 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 16:29:14 ID:FRRD0TlW
支援
まあ起きて至近距離に発光刺青の半裸魔人がいれば驚くわな
sageそこねたorz
支援
毎度短くて申し訳ない。
以上にございます。
心はアルビオンの彼方なのに全然話が進まないorz
乙ー。
のくたんってまだ積んでるんだよなー……
それはともかく、この人修羅ってルイズが癇癪で口走ったことを真面目に受け取って暴走しそうだよなぁ。
「私の使い魔はあんたのよりずっとすごいんだから!人修羅、ツェプルストーの使い魔より強いところを見せてやりなさい」
ぷちっ
「人修羅!宝物庫をゴーレムが……あいつをやっつけなさい!」
メギドラオンでおマチさんとゴーレム、宝物庫ごと本塔崩壊
乙!
仮にフレイムがメガテンサラマンダーの親戚みたいなもんだと思ってレベルも大体その辺りで考えても30付近か
召喚の状況的にもキュルケが自慢するとは思えないがもし引っ張りだされたらフレイム涙目でひっくり返ってお腹を晒すしかないな
支援できなかった……orz
小ネタ
GS美神極楽大作戦より小隆起がしょうかんされました
「ルイズ、あなたにはこのバンダナを差し上げましょう」
「よろしくたのむぞルイズ」
「しゃ、しゃべったー」
「さて、修行内容ですか超ウルトラスペシャルデンジャラスコースと極楽コースの二つがありますがどちらにしますか」
「ちょ、超ウルトラスペシャルデンジャラスコースで頼むわ」
ルイズ 修行中不慮の事故で死亡END
無効、吸収、反射耐性持ちの敵がいると問答無用で
万能属性の地母の晩餐2連続ぶっぱして瞬殺するなんてボスは人修羅ぐらいだな
扱いにこまるルイズにちょっと笑い。
>>388 メギドラオンならまだいい。ダイン系まで使う可能性が…
メガテンシリーズの魔法ってどれくらいの規模なんだか未だによく分からん
ペルソナのアニメ始まったけど参考になるんだかどうか
P3FESのエリザベスは?
メギドラオンでございますと申したか
>>395 設定では悪魔は人間界では10%の力しか出せないらしいからどんなんなんだろうな?
10%以下でも人間など歯牙にもかけない力みたいだけど。
銀魂のさっちゃんが召還されたらどうなるんだろうか?
銀さんに向かう偏りまくった愛情がどこに行くかによる。
>>400 銀さんに惚れる前に召喚されたら確実にそっちでもOKだろうな
誰か二年生時の名前持ちキャラのクラス分け表もってないか。。。
こういう事?
さっちゃん召還
↓
ルイズに鞭ぶたれる
↓
マゾ発動
ルイズと同じクラス
ギーシュ キュルケ モンモン マルコメ
違うクラス
ギムリ レイナール
タバサがよくわからん…、メインキャラなのに・・・
タバサは寮の階が違うだけだ。
一年は違うクラスで2年から一緒って認識でおけい?
>>408 wiki行けよだから
ここはお前の為の良い子相談室じゃねえんだよ
>>409 Wikiいったんだよ
タバサだけ明記されてねーんだよ
じゃあ原作買え
一応、手元にあるわい
一年時のクラス分けは5巻で明記されてるんよ。
で、ギトー先生の授業のときにタバサいない。
だから別クラスだと思うんだが、確証がとれんのよ
>>395 ピクシーのジオ1〜2発で成人男性は死ねるらしいよ。
ここに書くようなことじゃないだろうアホが
避難所行ってこい禿
ちょっとまて
いつからこの手の話が本スレNGになった・・・?
ああうぜえ
なってませんな。
話題つーかグダグダやってんのがうぜぇ
>>415 一部のアホが自治気取ってるだけ。
避難所の設定考察に持ち込むほど重くない質問なら
こっちでもたまに出てる
「わからん教えろ」
「そうは言われてもわからん」
「ともかくわからん、教えろ」
で、だらっだら居座る奴には冷たい。
ごく普通の事だと思うけども
まぁあーだこーだ文句いってるのは単発IDなんですけどね
てか知ってれば教えりゃ済む事だろうに
一々「自分で調べろ」と長引かせる事でもないだろう。自分は知らんならそん時に知らんとでも言っとけば良し
ちなみに俺は知らないよ
最初にウィキペディア勧めたヤツに至っては確認すらしてないしな。
アニメだと最初の錬金のときは同じ教室なんだが……
そもそも教室制なの
アメリカみたく教科選択してやってるとかあるかも
魔法なんて個性が強いし
一年生は5巻で教室制なのが明記されてるんだが、2年以降の記述場所がわからんのよ…
>>412 ヒントその2
ギトーの授業中、コッパゲが教室に来た時「滑りやすい」で笑いを取った人物は誰?
>>426 はうあ!
OK,把握
ギトーvsキュルケの辺りばっかり呼んでた・・・orz
>>406にもう書いてくれてたのにな。
あせらずよく読んであげんさい
乙
其は華麗なるガンダールヴ
もともとタバサは任務関係があるし、
居ない時もあるだろーよ
そう
突然ですが二話投下おk?
35分頃に
>>395 ごく一般的な成人男性で1LVにちょっと届かないくらい。
ガキとタイマンはって勝率4割くらいらしい。
おっと支援
じゃあ開始します
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 二話
「では、頼みましたぞ」
「よく分かりませんが……、ミス・ヴァリエールとその使い魔から目を離さなければ良いのですね? それにしても平民を召喚するとは……」
コルベールと向かい合っていた教師が、ぶつぶつと呟きながらルイズと綾時を追って行く。
角を曲がった所まで見届け、さて。と、コルベールは学院長室へと足を向けた――、
「ミスタ・コルベール」
「――オールド・オスマン」
が、いつの間にか目的の人物が背後に立って居た。
二人は言葉を交わさずに、頷き合っただけで、急ぎ足で学院長室へと向かった。
あれ? 書き込まれてない?
それとも俺の方がバグってるのか?
コピペミス?
長文過ぎんのかな。話が書き込めない
でも「書き込みました」ってはなってんだけどなぁ
避難所へレッツラゴン
とりあえず避難所の方には投下出来たので、どなたか代理お願いします
では、代理投下させていただきます。
よろしいですか?
256 名前: ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 [sage] 投稿日: 2008/01/12(土) 20:46:21 3DuYJkv.
本スレの方に投下出来ないのでこちらに
原因は不明。改行の多さ等が考えられるが、書き込みに成功したとは出ているので、やはり不明
お手数ですが、どなたか代理お願いします
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 二話
「では、頼みましたぞ」
「よく分かりませんが……、ミス・ヴァリエールとその使い魔から目を離さなければ良いのですね? それにしても平民を召喚するとは……」
コルベールと向かい合っていた教師が、ぶつぶつと呟きながらルイズと綾時を追って行く。
角を曲がった所まで見届け、さて。と、コルベールは学院長室へと足を向けた――、
「ミスタ・コルベール」
「――オールド・オスマン」
が、いつの間にか目的の人物が背後に立って居た。
二人は言葉を交わさずに、頷き合っただけで、急ぎ足で学院長室へと向かった。
お願いします
困ったなぁ。二つ、夜空に煌々と浮かぶ月を見上げ、僕は溜息を吐いた。
つい先程の事だ。我がご主人様――ルイズなんたらヴァリエールちゃんに、使い魔とは何かの説明を受けた。最後まで聞き、どうやら雲行きが怪しくなって来たと、僕は思った。
イゴール氏の話を察すると、どうやら僕はこの世界で何かを成す事を任されたらしい。
――ちなみに、ここはまったくの異世界か、もしくは地球とは別の遥か遠い惑星だと考えている。後者の方が確率は高そうだ――。
しかし何をやれば良いのかは検討も付かない。だから、とりあえずは流れに身を任せようと思ったんだけど……、ちょっと待遇があんまり過ぎやしないだろうか。
その上、
「リョージ君。こっちだ」
「ああ、はい」
早速現地人には超警戒されている。
頼まれた洗濯を夜の内に済まそうと思い、夜の校舎を暫らく歩いた所で、先程の先生――コルベールさんに捕まった。洗濯の事を話したら、場所を案内すると言う事で、ついて来られまでした。
相当、怪しまれている。
「ここが洗濯場だ。――貸したまえ。手伝おう」
「いえ、結構ですよ」
やんわりと断る。
しかし、そうか。と答えただけで帰る様な素振りも見せないコルベールさん。
どうしたものかな。…………。
「コルベールさん」
「何かね?」
「えー、とですね。……僕は、別に貴方達に危害を加えたりはしませんよ。あの子を取って食べようとも思ってないし」
「――気付いていたのか」
「そんなに敵意を向けられれば、流石に」
「……」
……あれ? 会話が終わっちゃったぞ?
「あのー、分かってもらえました?」
「あまり信用出来ないな」
「正直ですね」
とりあえずルイズちゃんの洗濯物を洗いながらなので、コルベールさんの表情は確認出来ない(彼は背後に立っている)……、ってうわ。これ下着だよ。良いのかなー。
「あー、ちゃんと説明しましょうか? それでも信用出来ないなら、僕にはもうどうにも出来ませんけど」
「……お願いしよう」
「はい。ではまず、さっきから貴方達を警戒させている魔力について。理由は簡単、僕は人間じゃありません。そうだなぁ……、元居た所では『死の宣告者』と呼ばれてましたね」
「『死の宣告者』? 自分を「安全だ」と売っている様には思えない名だ」
コルベールさんが不審そうに言う。まったくだけど、事実は事実だし。
「そうですね。でも、別に自ら望んで名乗っていた訳ではないんですよ? ただ、僕の親に当たる存在が、死神とか、そう言うモノだったんです。僕の権限は即ち、親である『死』の到来だった。
……まあ、今はその心配は無いんですけどね。こっちの月は、僕の知っている月ではないようですから」
「月?」
「ええ。まあ、それは追々。とりあえずさっき漏れちゃった魔力は、ちょっと召喚の衝撃に驚いちゃっただけです。
普段はちゃんと今の通り、普通の人間同様に振舞えます。無闇に悪用したりする気はありませんよ」
「……ふむ」
説明している内に、洗濯が一通り終わってしまった。
とりあえず洗った物を近くにあった籠に入れて、身体の向きを変える。
コルベールさんは顎に手を当て、少し考えに耽っている様だ。
数秒程唸っていたが、僕を向いてコルベールさんが言った。
「同じ話をして欲しい人が居るのだが」
「構いませんよ」
「では、付いて来てくれ」
今までよりは幾分か優しい目付きになったコルベールさんが、首で僕を促した。
僕は洗濯籠を持って、彼の背に付いて行った。
「なるほど。大体の流れは読めたわい。ええと、モチヅキリョージ君?」
「はい」
僕が案内されたのは、この学校の校長先生――正確には学院長らしいけど――の所だった。
オールド・オスマンと名乗ったその老人にコルベールさんに話したのと同じ内容の話しをして、途中で僕がここの人間ではない事も明かした。
『死の宣告者』についての説明に関しても、ペルソナ能力、シャドウやニュクス、勿論『彼ら』についても説明した。
途中からコルベールさんの表情が、疑心ではなく探究心や好奇心に満ち満ちて来ていた事については、敢えて触れなかった。
「俄かには信じ難い話じゃがのう……」
「そうですか? 魔法なんて物も存在している訳だし、それほど貴方達の常識離れした話でもないかと思いますが」
「それもそうじゃが……まあ良い。わし等が幾ら考えても無駄じゃろ。とりあえず君には……」
「失礼します」
オールド・オスマンの声を遮り、女の人が部屋に入って来た。その手には、何やら分厚い本。それにしても……わーお、美人さんだ。
「例のスケッチの件ですが……」
「おお、ミス・ロングビル。見付かったかの?」
オールド・オスマンが席を立つ。
「はい。ただ……」
「どうしました?」
今度はコルベールさんがミス・ロングビルと呼ばれた女性に近付く。
「一応、見付かりはしたのですが、その……、とにかくこれを」
近くにあった机にミス・ロングビルが本を広げ、ページをめくる。その両脇に立って本を覗き込むエロ親父二人。
……僕も行こうっと。
三人の更に脇から本を覗き込む。古い本なのか、ページが酷く痛んでいた。
「スケッチって、僕の左手のコレの事ですよね? あ、同じ文字ですねー。何て書いてあるんですか?」
その本のページには、僕の左手に彫られた文字を同じ文字が描かれていた。
それについての説明らしき文も、長々と。ちなみに日本語ではないのでまったく読めない。
「まさか……これは……」「俄かに信じ難い事態がまたしても、じゃの」
ううむ。とエロ親父達は二人して唸り、見詰め合い、頷き合う。
そして僕を見た。
「な、何ですか?」
「もうちょっと話、付き合ってくれんかの?」
「え、ええ。構いませんけど……」
「ミス・ロングビル、お茶!」
「……はい」
ふんぬ。と、オールド・オスマンとコルベールさんは腕まくりをして、僕を囲んで小さな机に座った。
……もう暫らく、ルイズちゃんの部屋に戻るのは遅くなりそうだ。
しえん支援
結局、僕が開放されたのは明け方、空が白み始めてからだった。
オールド・オスマンとコルベールさんはまだ話し込むらしく、僕は道も分からないのに部屋から放り出された(ミス・ロングビルはとっくに眠りこけてしまっていた)。
一応、この時間には起きている筈だから、その辺のメイドに聞けとは言ってくれたものの……。
それにしても、伝説とは、また話が大きくなってしまったなぁ。
伝説の使い魔、ガンダールヴ。これこそ俄かには信じ難いが、どうやら本当らしい。
オールド・オスマンとコルベールさんに武器を持たされた時にルーンが輝き、自分の身体能力が格段に向上したのが分かった。
彼等は、恐らくそれがガンダールヴとしての力なのだろうと言っていた。
影を払う者としての、こちらの世界での役割が伝説の使い魔。なんだろうか――――、
「わっ」「きゃあ!」
物思いに耽っていた為か、周りの状況を掴めていなかった。
どんっとお互いに何の加減も無く、僕と大量の洗濯物を抱えたメイドさんが激突した。
「っとと。大丈夫? ――って、うわ」
僕の自分の洗濯物――と言ってもルイズちゃんのだけど――を床にぶちまけてしまった。つまり、汚れた。
「あちゃー……」
「あ、ご、ごめんなさい! 貴族の方に……!」
「いや、良いよ。それに僕は貴族じゃないしね」
洗濯物を拾うついでに、慌てて謝り出したメイドさんの荷物を拾い集める。
「え? 貴族じゃないって……、ああっ! そんな、お手を煩わせて!!」
ずどんと僕を突き飛ばして自分で荷物を拾い集めるメイドさん。
今のはワザとじゃないよね?
「ふう、と。まあ、ごめんね。……これから洗濯? 僕も一緒に行って良いかい?」
「あ、はい、勿論です……じゃなくて! 私達に申し付ければ、わざわざご自分で行かずとも……」
「いやだから、僕がその、君達みたいな立場だからさ」
「え? ――あ、もしかして、ミス・ヴァリエールの使い魔さん?」
「そう、それ」
まあ! と、洗濯を集める手を止めて、メイドさんが声を上げる。
なんか既にメイドさんに知られるような事態になっているらしい。わあ、僕って有名人。
「分かりました。こちらです」
いや、場所は知ってるんだけどね。
おマチさんフラグか支援
「あれ、ルイズちゃん――じゃなかったご主人様。もう起きてたの?」
メイドさん――シエスタと言っていた――との洗濯を終えてルイズちゃんの部屋の近くまで送ってもらい、さてと向かったら、当のルイズちゃんは部屋の前で友人らしき女の子と話していた。
「あんた、何処に行ってた――」
「これがあんたの使い魔? まあ、ホントに人間なのねぇ」
何事かを叫び散らそうとするルイズちゃんを押し退け、ずいっとやたらグラマーなルイズちゃんの友人らしき女の子がしげしげと僕を眺めて来た。
ルイズちゃんやオールド・オスマン達の話を聞いて察したけど、どうやら人間を召喚する事自体珍しい、て言うか前例が無いらしいなぁ。
「ちょっとあんた、人の話をね――」
「流石はゼロのルイズねえ」
「――ッッ! キュルケーッ!!」
ギャアギャアとルイズちゃんとグラマーなお友達――キュルケ?――が言い争いを始めたので、洗濯物だけそっと置いて、僕は退散する事にした。
さて。一つ分かった事がある。眠くはならないけれど、どうやらお腹は空くらしい。
可哀想な声で鳴いている自分のお腹を摩り、当ても無く校舎を散策してみた。
今頃、ルイズちゃん達は朝食だろうか。
「あ、リョージさん!」
「ああ、シエスタちゃん」
後ろから掛かった声に振り向くと、シエスタちゃんが小走りで近付いて来ていた。あ、胸が揺れてる。おっきーなー。
僕の目の前で止まり、にこやかな笑顔を向けて来る。おお、眩しい。
「どうしたんですか? こんな所で」
「うん、ちょっとね。――あのさ、僕がご飯食べられるような場所無い?」
「え? 朝ご飯、まだなんですか?」
「うん」
「それじゃあ、厨房に――」
「リョージーッ!」
さっきの小鳥の囀りの様な声とは正反対。猛獣の怒号の様な……て言うか実際に怒号を発しながらまたも僕の後ろから足音を響かせているのは――、
「やあ、ご主人様」
「あんたまた勝手にふらふらして! 授業に行くわよ、付いて来なさい! ほら!」
「ありゃあ。じゃあまた今度ね、シエスタちゃん」
「は、はい」
ルイズちゃんに腕を引っ張られながらも、何とかシエスタちゃんにお別れの挨拶を。
ああ、何か僕は振り回されてばっかりだな。こっちに来てから。
ルイズは困惑していた。
分かんない。分かんない分かんない分かんない分かんない――!
さっき食堂を出た時にミスタ・コルベールに呼び止められ、何を言われるかと思ったら「リョージ君を召喚した事を誇りに思いなさい」だなんて。
意味分かんない。何あれ。平民なのに! その上勝手に出歩いてふらふらしてご主人様に自分で着替えをさせやがって。しかもしかもしかも、一回戻って来たかと思ったらまーたふらふらして今度はメイド口説き!
こんな奴を召喚して何を誇りに思えって? はん。アホか。ハゲの所為で直射日光受け過ぎて頭が馬鹿にでもなってるんじゃないの?
眉間にシワを寄せながら、ルイズはギリギリと歯軋りをしていた。
まったく。本当に、笑い話。平民が使い魔なんて。お母様やお父様、姉様達になんて言えば良いのか!
やっぱり自分のゼロのルイズ。ほら、あいつらまた私見て笑ってやがる。顔覚えたかんな。
「あーもー最悪!」
――洗濯は、してくれたけど。
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 二話・了
263 名前: ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 [sage] 投稿日: 2008/01/12(土) 20:52:23 3DuYJkv.
以上です。ご迷惑をおかけしますが、どなたかお願いします
------
以上ッ!
代理投下を完了したッ!
ありがとうございました!
今自分で見てて思ったけど、接続詞打ち間違い過ぎだろ、俺……
>454
投下乙でした。
まぁ、誤字については、まとめに入った後にでも直せばいいと思いますよ。
GJ
乙
乙〜
相変わらずルイズが何様やねんって態度ですな。
投下させていただきます。
闇が割れた。
表現としては詩的だが、あくまでも散文的な意味合いで闇の黒色が薄まった。
オーク鬼という明確な危機からわたしを救い出そうとしてくれる救世主に対し、乙女心
という濾過装置を通して見た結果、そのような錯覚を感じてしまったわけではない、はず
だ。その女性が登場することで、確かに闇の黒色が薄まった。
躊躇することなく歩を進め、闇と同じ色のスカートを揺らめかせて年若い女性が近寄っ
てくる。腰に提げた短杖は彼女がメイジであることを示し、ところどころがひび割れ、柿
色に日焼けした木の肌が、メイジとしての年季を如実に物語っていた。
踵の高いミュールを鳴らし、オーク鬼の前にまで来ると腰に手を当て相手を見上げた。
それだけで言い寄る男もいそうなくらいに見事な色艶のブロンドと同じ色の柳眉を逆立て、
「出かけたと思ったらこんなところで女の子相手に油売り? 何様のつもりよ」
「いやいやいやいや、違うんだよ」
オーク鬼の語調から怒気が失せている。わたしの挑発により赤みがかっていた顔色も元
に戻っていた。
「あんたは見てなかったから知らねえだろうが」
「あんた?」
薬指の先で眼鏡の縁を持ち上げるその仕草は反論を許さない。
「あ、いや……姐さんは見てなかったから知らねえだろうが、このガキから先につっかけ
てきやがったんだ。オレぁむしろ被害者なんだぜ?」
鎧兜に身を固め、二メイルを超える巨体を有し、野生動物の俊敏さと精鋭兵の手練、鬼
の腕力を合わせ持つオーク鬼の傭兵が、一見柔弱にも見える一人の女性に押されている。
わたしはふわふわと夢見心地で傍観していた。確かな実力に裏打ちされた自信が啖呵を
小気味よくしているのか。ただ感情に任せて喚くだけのわたしとはものが違う。
安っぽい言葉で言い表すとすれば、姉さまとは別の意味でのわたしの理想がそこにいた。
「だったら何よ。それくらい笑顔で受け止めてあげればいいじゃない。お客様は神様だっ
て商いの基本をお忘れ?」
「いや、だけどよ」
「だけども何も無いよ使い走り風情が。あんたの仕事はここじゃなくて出張先でしょう。
それ以上口答えするようなら借金倍に増やすからね」
「そ、そりゃ無法ってもんだ」
なるほど、金貸しと債務者の関係だったのか。それにしても強気が過ぎる。
「どっちが無法だか。暗がりで女の子をいじめたりして」
まくし立てながら、わたしとオーク鬼の間に割って入った。
「あんたが夜市から裁かれるようなことになってみなさい。こっちにだってどれだけ迷惑
がかかってくるか」
わたしの手をとり、引き寄せる。
胸ポケットから取り出したハンカチでゴシゴシと顔を拭われた。見るからに子ども扱い
だが、オーク鬼の時とは違い、不思議と逆らう気になれない。されるがままに顔の泥を綺
麗に落とされ、ついでに涙の跡までふき取られた。
「ごめんなさいね。うちの馬鹿、本当に馬鹿でのろまで乱暴者で。夜市の中でぐずぐずす
るなって口を酸っぱくして言い聞かせてきたのに聞きゃあしない。後でお仕置きしておく
から許してね」
髪についた土埃をはたかれ、服の乱れを整えられ……本当に子ども扱いだ。
「ほら、あんたはさっさと仕事に行く! そんな所で突っ立ってたら百年たっても借金が
減らないよ!」
オーク鬼の巨大な尻を蹴飛ばし、わたしの手を引きさっさと歩く。
強引だ。だが逆らえる気がしない。オーク鬼を圧倒しているから? 違う。もっと根本
の部分で逆らえないような気がする。出会ったばかりのこの人に頭が上がる気がしない。
どこかで会ったような……しかしこれだけ印象的な人間を思い出せないわけがない。
「あまり慣れていないようだけど、夜市は初めて?」
眼鏡の淵が闇を受けて銀色に光った。
「ああいう手合いは少なくないから気をつけてね」
握られた手が温かい。この温もり、やはり覚えがある。初対面のはずなのに。
「私の名前はエレオノール。あなたは?」
「えっ……ルイズ」
「ルイズね。いいお名前」
後ろを振り返ると、すでにオーク鬼は見えなくなっていた。貸主にせっつかれて仕事に
出たのか、それとも闇に隠れてしまっただけか。どちらにせよ二度と会わないことを祈る。
後方が暗くなるに従って前方がひらけてきた。おとぎ話に出てくる鬼火じみた青い光が
目に入る。あれが夜市?
「今日のご用事は?」
「えっと、あの、わたし、使い魔を召喚しようとして、それで」
「ああ、使い魔を買いにきたのね」
半ば駆けるように進めていた脚の動きを緩め、手をつないだまま、エレオノールはわた
しの横についた。まるで仲の良い姉妹が散歩をしているかのような状態になり、ここでわ
たしはようやく気がついた。
「そうよね、あなたみたいな魔法使いさんなら使い魔は必須だものね」
闇の中でもそれと分かる美しいブロンド。若干釣りあがった眼が確かな意志を感じさせ
る。体積にして数倍はあるオーク鬼をものともしない勝気な態度に、どちからといえば細
身の体。間違っても口には出せないが、控えめな胸周り。黒を基調とした服装。
あらゆる点で対極にあるが、それでもわたしは思わずにいられなかった。
「実はわたしも夜市で店出してるのよ」
この人は、姉さまに似ているんだ。
何も似ていないのに似ているとはおかしな話だが、似ているものは似ているのだから仕
方がない。雰囲気が似ているというわけでもない。では何が似ているのかというと……分
からない。強いて言うとすれば、けして強く出ているわけでもないのに逆らいがたいとこ
ろだろうか。
わたしが没意義な考え事に精を出している間にも、夜市と思しき灯りがずんずんと近づ
いてくる。そうだ、肝要な事はエレオノールと姉さまの共通点ではない。エレオノールが
夜市で店を出しているという一点だ。
「あの……夜市って……ええと、その……何なんですか?」
少しだけ悩んだが、敬語を使うことにした。助けてもらったということだけではなく、
使い込んだ杖から推測されるメイジとしての力量、服の仕立てや眼鏡、換金性の高そうな
装身具等から平民ではないであろうことを推し量ってのことだ。命の恩人を値踏みしてし
まう自分のせせこましさが哀しい。
「夜市は夜市でしょ。読んで字のごとく夜の市場」
説明になっていない。
「そうじゃなくて」
「取り扱うものは不可思議な物からつまらないガラクタまで。店主は基本的に人間じゃな
い。客にはたまに人間がいる。でもほとんど人間じゃない。例えばルイズちゃんみたいな
魔法使いとかね」
メイジも人間の範疇に入ると思うが、わたしは人間ですなどと言って恐ろしいことにな
っても困るので黙っていることにした。それよりも質問だ。
「ルールがあるとかそういう……」
「ああ、ルールね」
この点は絶対に確認しておかなければならない。オーク鬼がルール云々と言っていたの
は忘れていない。種族単位のルール破りで知られたオーク鬼が気にするくらいだから相当
なものだ。
「そうねえ。盗んじゃいけないとか、殺しちゃいけないとか。詐欺も駄目だね」
「だからそうじゃなくて! 夜市独特のルールが知りたいんです」
「夜市が嫌うようなことをしちゃいけないってのがルールになるわね。逆に言えば、それ
以外のことなら何したってかまわない」
「夜市が……嫌う?」
「そう。虎の客が小鹿の店主を食べるようなことがあっちゃ困るでしょ? 夜市はちょっ
と特殊な客、ちょっと特殊な物を扱う市場として、粛々と運営していくことを望んでる」
ここでようやくオーク鬼がわたしを食べなかった謎が解けた。蝙蝠から吸血鬼まで参加
する市場であれば、そのような決まり事があるのも頷ける。しかしエレオノールの説明に
一つだけ気になることがあった。
「夜市って生きてるんですか?」
「そりゃもちろん夜市だからね」
やはり答えになっていない。
「どこにあるんですか?」
「どこでもないどこか」
とりあえずハルケギニアのどこかではあるのだろう。今はそれで充分だ。
「夜市自体は動かないけど、入り口はいろんなところを移動してるらしいわよ。ルイズち
ゃんもそこから来たのよね?」
材料が揃いつつある。臆断が推断に変わろうとしている。
「ここから帰る方法って……」
「用事さえすませば夜市が送り帰してくれる。ただし」
エレオノールの表情が変化した。恐ろしげ、おどろおどろしい雰囲気を出そうとしてい
るが、根本の部分ではおどけている。妹にせがまれた姉が曰くありげな怪談を話してやる、
そんな表情だ。
「何も買わずにグズグズしてると夜市に取り込まれる。気をつけてね」
どこまで本当かは分からないが、夜市が生き物である以上はそんなこともあるのかもし
れない。せいぜい心に留めておこう。
さて、情報が集まった。
わたしはサモンが失敗した結果ここに飛ばされたと思っていた。だがそれは乏しい材料
から無理やりに導き出した推測であり、エレオノールの説明やオークの台詞などを加えて
考えれば当然結論も違ってくる。わたしは移動したのではなく、夜市の入り口を召喚して
しまったのでは? サモン以外は爆発、サモンは転移という形で失敗する、というのは今
考えてみると少々無理がある。それよりは夜市を――正確にはその入り口を――召喚した
と考える方がしっくりくる。市場とはいえ、生きているのだから。
もしそうだとすれば、わたしの人生で初めて呪文が成功したという記念すべき事態を迎
えているわけだが、市場を使い魔に……というのはちょっと御免こうむりたい。秩序だっ
た市場運営を目指している夜市としても本意ではあるまい。使い魔になってしまえば、ま
ず市場としての機能を果たせない。強引に契約したとしても、確実に夜市の機嫌を損ねる
ことだろう。そうなれば、オーク鬼やエレオノールでさえ恐れる夜市の力が闖入者たるわ
たしに向けて振るわれることになる。論外だ。
そもそもわたしが呼び出したものはうつろう入り口であり、夜市そのものではない。夜
市は動かないし動かせない。勝手気ままに居場所を移す入り口だけを使い魔にしてわたし
に何のメリットがあるというのか。ツェルプストーやマリコルヌにも笑われる。
では契約はできないのか? サモンを成功させたものの、呼び出したものがあまりに埒
外だったため、わたしの力量では押さえつけることができず、このまま適当な物を購入し
てスゴスゴ帰らざるをえないのか? そうは思いたくないというか思わない。これはサモ
ン・サーヴァントの解釈の問題だと思う。
夜市の入り口を召喚した。人間ではまず行くことができない不可思議な市場だ。当然市
場には人ならぬ存在が闊歩している。闊歩しているどころか店頭に並んでいることだって
あるだろう。それらも全てひっくるめての夜市だ。夜市を召喚したということは、中の者
も同時に召喚したということになる。
エレオノールの言っていた言葉を思い出す。「ああ、使い魔を買いにきたのね」これだ。
夜市の中の者もわたしに召喚された。ということは、わたしと契約することができる。た
だし誰でもいいというわけにはいかない。店主や客を捕まえて契約するなどという行為を
夜市が気に入るとは思えない。無法な真似は、災いという形でわたしに返ってくることだ
ろう。
「ルイズちゃん」
だが夜市の法に従って購入した生き物と契約を交わすのであれば? 客に対しても店主
に対しても夜市に対してもわたし自身に対しても引け目が無い。大手を振って学院に帰還
を果たすことができる。
「ルイズちゃん?」
他の人間が無料で使い魔と契約する中、わたしだけが金銭を必要とするのは業腹だが、
選択肢の多さは他の追随を許さない。洪水の誰かさんのように、丸っこくてヌメヌメして
いて気色の悪い水棲生物を使い魔にすることもない。
「ルイズちゃんってば」
これはわたしが他者に比べて劣っているのではなく、あくまでも他者とは違っていると
いうことだ。他者とは違う形でサモンを成功させ、他者とは違う形でコントラクトも成功
させる。使い魔を手に入れるため対価を支払うというのも立派な個性。
「ルイズちゃん!」
始祖ブリミルよ、わたしのようなゼロのルイズにもチャンスをお与えくださりありがと
うございます。この機会を逃すことなく、見事……。
「ル! イ! ズ!」
「……え?」
「何を考え事してるのよ。何回話しかけても上の空なんだから」
自分の世界へこもってしまう。それは自覚している悪癖だが、自覚しているからといっ
て改められるわけではない。
足が止まっていることに気づいた。
辺りが薄明るくなっていることに気づいた。
自分達のいる場所が、道程ではなく、すでに目的地だったことに気づいた。
目で見、鼻で嗅ぎ、肌で感じ、ああ、所謂市場とは違うんだな、と思った。
金臭さ、薬臭さ、土や植物の匂い、香料、染料、各種香辛料に人の汗や果物の匂い、そ
れら既知の物をはるかに上回る量の未知の匂いが混ざり合って混沌としている。市場一つ
があらゆる匂いを網羅していて、エレオノールの言っていた「夜市ではなんだって売って
いる」という大袈裟な謳い文句に真実味を与えていた。
幾本かの棒を組んで作られた簡易的な篝火。太い木の枝にぶら下げられたランタン。ゆ
らゆらと宙で揺れる鬼火。石に立てかけられた松明。それぞれの店舗が必要と思われるだ
けの灯りを使っているせいで、ぼんやりとした照明が点在している状態にある。自然、そ
れぞれの店もぼんやりとしか見えないことになり、獣ならざるわたしの目では大まかな形
を見て取る程度しかできない。
客の入りはごく寂しく、市場特有のざわめいた空気、喧騒めいたものが取り払われてい
る。とるにたらない些事で盛り上がる常連と店主、買い叩こうとする者、素性の悪い客を
適当にあしらう故売屋、冷やかしを追い払う苛立った声……それら市場の活気を形作る騒
音が無い。
聞こえるのはどこからともなく耳に入る歌ばかり。声に聞き覚えがある。この声は……
道で出会った蝙蝠だ。空を飛ぶ二匹の蝙蝠が、甲高い声で交互に歌を歌っている。曲調か
ら判ずるに、どこかの地方の童歌だろうか。まるでわたしの燦然たる未来を祝ってくれて
いるようで、少なからず興奮してきた。
世界最高の使い魔を買って帰ろう。事が事だけに、父さまだって一万エキュー……は無
理にしても、八千……いや五千……うん、三千エキューくらいは出してくれるはずだ。わ
たしは使い魔と力を合わせてアカデミーに入る。アカデミーで成果をあげて、姉さまの病
気も癒してさしあげる。もう誰もゼロのルイズなどという二つ名で呼んだりはしない。
「イキハヨイヨイカエリハコワイ……」
「コワイナガラモトオリャンセ……」
「トオリャンセ……」
とりあえず以上です。
原作を見る限りでは、夜市は人を順応させる力を持っているとしか思えません。
ごく普通の女子大生が動く死体の群れを見ても全く動じない素敵な市場、それが夜市。
乙でした
乙でした
やはりエレオノールさんか……
元ネタが分からないから続きが気になりまくりです
お疲れさん
投下してもいい?
支援!
げ、Mg35RIcvだったか。
よく見てなかったマジすまん。
477 :
473:2008/01/12(土) 23:51:58 ID:0DNEcRJA
(スレ見直して)
あー…そういう事ね。
失礼しました。
こう、ダメな奴は文章をスクロール中に
チラッとみるだけでも香ばしすぎて胸焼けしてくるから困る。
でも却下しても
>>468のような人はきっと問答無用で投下しちゃうんだろうなあ。
ID変わる前で本当によかった
・・・なるほど、こりゃひでぇな。
IDって0時書き換えだっけ?
ちょっと押す事もあるよ。
ローカルルールに「投下確認の時にはタイトル明記」をつけたくなるぜ
こ、これはサイコフレームの共振。投下拒否の意識が集中しすぎてオーバーロードしているのか!?なのに恐怖は感じない。むしろ暖かくて安心を感じるとは。
名無しとageでの予告は却下
と言う不文律を常識人は持つ
そう言う考えでイインジャネ?
名無しに関してはシリーズ物はつける。
小ネタは名無しでもいいけど予告段階で小ネタと申告のほうが良くないか?
>>488 シャアw
PSのΖと逆シャアやりたくなって来た、あれの映像だけでどんぶり三杯はいける。
>>489 お前が言ったから不文律じゃなくなったじゃまいか
493 :
松下:2008/01/13(日) 00:27:41 ID:5ac108Lu
なんだ、この流れは? では名乗らせてもらおうか。
松下改め、パナソニック一郎です。5分後に投下予約。
パナソニックwww
これより支援する
支援しまーす
投下開始。ちょっと長いかな。
トリスタニアでの騒動から、2ヶ月ほど過ぎた。季節は夏の盛りを過ぎ、秋を迎えていた。
ルイズと松下、それにシエスタは、ルイズの実家であるラ・ヴァリエール公爵家へ馬車で向かっている。
女王陛下からの、アルビオン共和国侵攻への『参戦要請の詔勅』を携えて、だ。
一応『タルブ伯爵』として貴族位を持つ松下は、ルイズと同じ馬車に乗っていた。シエスタは従者用だ。
「結局、夏休み中には帰省ができなかったのか。後始末がいろいろあったからなあ。
で、ルイズ。きみの家は、ゲルマニアとの国境を守っているのだったな」
「そうよ、隣が忌々しいツェルプストーだもの。いざこざは絶えないけど、なんとかやっているわ。
近くのワルド子爵領は、半年前に王家に没収されたらしいけどね」
「国家への反逆者の上、アルビオンの皇太子殺害犯だからなぁ。正体は妖怪バックベアードだったが。
それはいいとして、学院を出て二日目に領境到着、そこから半日で屋敷だったな。
……領地の総面積は1000平方リーグ(q)ぐらいかな? 田園や農村ばかりのようだが、それなりだな」
ルイズが鼻を高くする。
「こう見えても、わが公爵家は、国内随一の名門で有力貴族ですもの!
ご先祖様は王様の庶子だから、王位継承権だってあるのよ、一応」
「それでも、トリステインの国土面積の70分の1程度だろう。
ガリアやゲルマニアの同程度の貴族なら、1万平方リーグは持っているレベルになるな」
1000平方qと言えば、香港やニューヨークよりやや小さいが、東京都の半分ほどはある。
仮にトリステインを近世の日本と比較すれば、北海道と沖縄を除いた総面積約30万平方qの70分の1、
つまり約4300平方qで、だいたい福井県ぐらいはある。
親藩にして国持の大大名、数十万石という世界になるわけだ。ルイズが威張るのも無理はない。
奥軽井沢に買ってもらったぼくの領地は、まあそれよりは狭かっただろうか。
タルブの伯爵領もいずれは更に拡張し、アルビオン、トリステイン、そしてハルケギニア、世界全体を征服しよう。
国境のない世界共同体、『千年王国』の建設こそ、我が究極の目的なのだから。
警戒レベルを下げつつ支援
「でも姫様も枢機卿も、『士官増員のため学徒動員も辞さない』なんておっしゃっていたけど、
そんなに士官が足りないのかしら。アルビオン遠征なんて数十年振りらしいし」
「近現代の国家間戦争が、総力戦になるのは止むを得ない。
本来『メシア』であるぼくは無駄な戦いはしたくないのだが、これも千年王国建設のための布石だ。
ゲルマニアとの連合もなったし、艦隊などの総数比較からも、戦力的にはこっちの有利だ。
なるべく被害を最小限に抑えて、アルビオンを早期降伏に追いやりたい」
松下の大口に、ルイズが小ばかにしたように呟く。
「まだそんな、たわ言を言っているの?
あんた、自分がメシアとか千年王国とか、そんなこと本気で信じているわけ?」
だが、松下は動じない。彼は本気で、そう信じている。
「ああ。ぼくはそのために生まれてきたのだ。様々な預言書に記されたとおりだ。
ぼくは苦難と迫害に遭って死ぬが復活し、十二使徒と悪魔軍団を従えて世界を統一する。
それからあとは、唯一なる神に任せよう」
ルイズは、はあっと溜息をついた。
「……あんた、絶対早死にするわよ。賭けてもいいわ」
「なぁに、すでに一度死んでいるさ」
領内の村の旅籠で昼食をとり、村人に屋敷へ来訪の旨を知らせさせる。
しばらく寛いでいると、大きなワゴンタイプの馬車がやってきた。
「あ! あれは姉さまたちの馬車だわ!!」
ルイズはいそいそと外へ出て、馬車を出迎える。
馬車から降りてきたのは、ブロンドで眼鏡をかけた顔立ちのきつい女性と、
桃色の髪をした可愛らしい顔立ちの女性。
ともに20代半ばという感じだが、胸の大きさは桃色髪の方がはるかに上。
胸以外の全てを足して2で割れば、ルイズが出来上がるであろう二人だ。年齢は3で割ればいいだろうか。
ルイズは桃色の髪をした女性に、満面の笑顔で駆け寄った。
「ああっ、ちい姉さま! カトレアちい姉さま!」
「ルイズ! お帰りなさい、ルイズ! 待っていたのよ!」
「……ねえ、私もいるんだけど? このエレオノールを無視できるほど、ちびルイズは偉くなったの?」
アイマスからプロデューサーさんを召還
支援
ルイズがカトレアに抱きついたまま振り返る。
「……ああ、ついでにエレオノール姉さま、お久し振りです。
バーガンディ伯爵さまとのご婚約、おめでとうございました」
「『ました』? あなた、知ってて言ってるでしょうが!! 婚約は解消よ、解消ッ!!」
エレオノールは癇癪を起こしてルイズに掴みかかるが、ひょいひょいと避けられる。
「そうそう耳や頬をつねられっぱなしじゃ、たまりませんものねぇ。ほほほほほ」
「まぁ、ルイズも成長したものねぇ。うふふふふふふ」
と、エレオノールが松下に気付いた。やや見下した感じで声をかける。
「お話は伺っておりますわ、ええと、ミスタ・イーツラフ・メフィスト・ド・タルブ伯爵?」
「いや、イチロー・マツシタだが」
「失礼いたしました。私はラ・ヴァリエール公爵家長女で、王立魔法研究所(アカデミー)の研究員、
エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール。
こちらは妹のカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ。
父はただいま外出中で、明日の午前中には戻って参ります。
母カリーヌが晩餐の席を設けてお待ちしておりますので、どうぞゆっくりとご逗留下さいませ」
悪名高いアカデミーの研究員か。まあ、『アカデミー・フランセーズ』の設置はこの頃だが。
そしてカトレアの方は家名が違う。跡継ぎはルイズかエレオノールの婿で、彼女は親類の養女にでも入ったか。
大貴族だし、複数の領地を併せ持っているだろうから、捨扶持をあてがったのかも知れない。
姉たちの乗ってきた大型の馬車に乗り込み、数時間ほどかけて城へ向かう。
格式にうるさいエレオノールは、松下やシエスタと同乗するのを嫌がったが、カトレアの笑顔に負けて承諾した。
「しかし、召使いどころか、動物だらけじゃないかこの馬車は。猛獣もいるぞ」
「ちい姉さまは、動物が大好きなのよ。また増えましたわね」
「何しろ病弱で、領内から出られないんですもの。だから、自然とペットが増えてしまって。
手狭ですみません、マツシタ伯爵。うふふふふ」
支援
エレオノールが嘆息する。大体獣臭くて、カトレアの馬車に乗るのはあまり気が進まなかったのだ。
「動物好きってレベルじゃないわ、いい加減にしなさいよカトレア。
犬や猫や小鳥ならいいけど、ニシキヘビや虎や熊やライオンまで拾ってくることはないでしょうが!
学者として言わせてもらえば、自然のものは自然に任せるのがいいの!」
しかし、カトレアとルイズは華麗にスルーする。
「最近はツグミを拾ったのよ。羽根を傷つけていたから、家で治療しているわ」
「わあ、見せて! 見せて!」
「あんたらねぇ……ちっとは長女である私を敬いなさいよ」
松下はシエスタに傅かれつつ、右手でライオンの喉を撫でてやっている。
獣を従える『神の笛・ヴィンダールヴ』の効果で、動物を馴らすのはお手の物だ。
「まあ、この子が見知らぬ人にこんなになつくなんて!」
「ぼくも動物の扱いには慣れていますものでね。愛と知恵があれば、野獣は家畜となります。
爪も牙もない人類の方が、よほど凶暴で馴らしにくいものですよ。ははははは」
《狼は小羊と共に宿り、豹は子山羊と共に伏す。
子牛と若獅子と、肥えた家畜は共にいて、小さい子供がそれらを導く。
牝牛も熊も共に草をはみ、牛の子と熊の子とは共に伏し、獅子は牛のように干し草を食らう。
乳飲み子は毒蛇の洞穴で戯れ、乳離れの子は手をまむしの穴に入れる》
(旧約聖書『イザヤ書』第十一章より)
その夜、一行はラ・ヴァリエール城に到着し、厳格な公爵夫人とともに静かに晩餐をとった。
8歳の子供であろうが、松下は伯爵で勅使だ。それなりに豪勢な部屋に通され、就寝する。
シエスタはメイド部屋で、神とブリミルとメシアに祈りを捧げてから、眠りについた。
ルイズは久し振りにカトレアに抱きしめられながら、すやすやと眠った。
支援
翌朝。当主、ラ・ヴァリエール公爵が、外出先から空飛ぶ『竜籠』に乗って帰還した。
年の頃は50過ぎ。豪華な衣装に身を包み、白いものが混じるブロンドの髪と、立派な口髭がある。
左眼にはグラスがはまり、炯炯たる眼光を撒き散らす。その威厳は、まさに王侯である。
すでに連絡は、フクロウのトゥルーカスから届いている。
公爵は執事ジェロームに手短に命令し、勅使と家族をバルコニーにある朝食の席に集めた。
朝食を終えてから、ルイズと松下より、公爵に勅書が手渡される。その文面は、分かりきったものだ。
「参戦要請の詔勅? 拒否する。わしはもう軍務を退き、兵を率いる世継ぎの男子もおらんのだ」
「おやおや、強気ですな。枢機卿から『国家の敵』呼ばわりされますぞ、ぼくのように」
公爵は無表情のまま、言葉を続ける。
「タルブ伯くん、『鳥の骨』にこう伝えてくれ。
この戦は間違った戦だ。攻める方は守備の3倍以上の兵力があってこそ、確実に勝てる。
敵軍は5万、我が方は連合しても6万に過ぎない。そのうえ敵は空の上におり、こちらは補給路の確保も難しい。
拠点を得て、空を制してなお、この数では苦しい戦いとなろう」
ごく正論だ。敵には地の利があり、兵力も充分。タルブで多くの艦隊を失っても、なお余力がある。
「戦争は、流血と砲火ばかりとは限らん。外交も経済も諜報も立派な戦争だ。
我々は、あの忌々しい大陸を封鎖してしまえばよい。そうすれば、向こうから和平を言い出してくるわい」
松下は、臆することなく意見を述べる。彼は『対アルビオン最前線基地』の責任者なのだ。
「生ぬるいですなぁ。それではやつらを付け上がらせるだけでしょう。
いずれ必ず、やつらはトリステインを攻めてきますよ。
和平条約が紙切れに過ぎないのは、タルブを見れば分かります。
それに、やつらがガリアあたりと連合して、逆に我々を包囲したらいかがします?
ゲルマニアとて、アルビオンに発する共和政の脅威があるからこそ我々と連合したまでであって、
また内部分裂して裏切ることも考えておかねばなりません。そうすれば、この国はお仕舞いですぞ」
ルイズはハラハラして、松下を制することもできない。
姉たちも呆気にとられて、二人を見つめるばかりだ。
支援
松下は考える。
これは、地球の歴史における『英蘭戦争』だ。
制海権ならぬ制空権を早めに抑えねば、トリステインは空から押しつぶされる。
それに、空軍国であるアルビオンの空中艦隊は、悪魔の力で急速に再建されてしまった。ガリアとの繋がりも掴んでいる。
早く叩かねば、トリステインも千年王国も、アルビオンとガリアに併合されてしまうだろう。
もっとも、英蘭戦争では最終的に、敗れたオランダの統領が英国王になる(名誉革命)という奇妙な結果になったのだが。
「とにかく、わしの兵は出せん。代わりにカネを出そう、軍役免除金だ。
どうせ戦争騒ぎで、国庫はカラ同然であろうが?」
「いえいえ、奇特な資金源がありましてね、国民に重税をかけなくてもよくなったのですよ」
「ほう? きみは『悪魔』を使えるという噂だが、まさかそやつが資金源なのかね?」
「慧眼、感服いたします。実はその通りなのですよ。このことはいままでひた隠しにしていたのですが」
公爵がぷっと吹き出し、高笑いした。
「ははははッ!! 悪魔! 悪魔か、確かにそうかもな! 戦争は悪魔の所業だ!」
「同感です。しかし、神も怒れば戦争の形で人類に罰を下すもの。
神聖皇帝などと僭称し、思い上がる暴虐アルビオンを、断固膺懲(ようちょう)すべきではありませんか」
「トリステインを愛していない、異邦人のきみに、それを口にする資格はない。
それになんだ、きみは『千年王国』とやらの教えを説き、信者を集めているそうじゃないか?」
ここまでぼくの教えは届いていたか。ちょうどいい、空気を読まずに説教してやろう。
「ええ、その理想郷建設のために、ぜひともアルビオンを抑えなくてはならないのです。
ぼくはトリステインの人民も、アルビオンにいる人民も、等しく愛しています。
あらゆる国民がその国境を打ちこわし、真の自由人として独立し、世界を一つに……」
その時、いままで黙っていた公爵夫人が、まなじりを決して叫んだ。
「やめなさい! なんという異端、なんという危険思想!!
このカリーヌ・デジレの面前で、二度とそのような言葉を口にしてはなりません!」
ルイズは、いや家族一同は震え上がる。あの『烈風カリン』が怒れば、それはもう恐ろしいことが起きる。
支援
公爵は苦笑して、笑い話にしようと努力した。
「ははは、できるならばやってみるがいい。いままで沢山の聖人や王者が企て、皆失敗しておる。
それを、きみがまたやって失敗してみせてくれたところで、わしには興味ないね」
「それはエゴイストというもんだ」
「きみのような異能児と議論して、不愉快な時間を過ごしたくはない。
さあ、話はこれで終わりだ。帰りたまえ、タルブ伯爵。ルイズは戦争が終わるまで、ここにいなさい」
ここにいろ。それは、親として当然の命令だ。
だが、ルイズはもう成人だ。親にいつまでも自分の運命を決められたくはない。
「……わ、私も、参戦します!」
公爵は、やんわりと末娘をたしなめる。
「馬鹿をいうもんじゃない、小さなルイズ。戦場がどんなに恐ろしいところか、分かっていないね。
お前はきっと、あまりに恐ろしくて死んでしまうよ?」
「そうです、ルイズ。貴女は戦場より、宮廷でのお喋りに精を出すべきです。
せっかく女王陛下の直属の女官なのですから、そろそろ毛並みのいい貴族と婚約しなくては。
あのワルドのような、売国奴にはならない男とね」
ルイズの決心がまた揺れる。
「け、結婚なんて、まだ早いですわ」
「何を寝ぼけたことを。貴女はもう16歳、成人ではありませんか。
病弱なカトレアは仕方ないにしても、選り好みしていてはエレオノールのように、
27歳で未だに独身という恐ろしい運命が待ち構えているのですよ?」
「は、母様! それは言わないお約束」
「お黙りなさい、この鋼鉄の処女」
「あらあら、大変ねぇ」
松下はこきっと首の骨を鳴らし、咳払いをして発言する。
「そういうわけにも行きませんな。ルイズは女王陛下直属の女官、彼女が従うべきなのは親より女王です。
女王陛下の勅命にあまり逆らうと、『国家の敵』認定が出て、公爵家も取り潰されますぞ」
「なんですと! 口を慎みなさい!」
公爵は、渋面のまま妻を制した。
「いやカリーヌ、このところ『鳥の骨』が不逞貴族の取締りを強化しているのは知っている。
あやつは、自分の権力を安泰にするとともに、王権を強大にすることを使命としているからな。
まあただでは潰されんが、ルイズの身に危険が及ぶようなら、わしは反乱する。
ゲルマニアにもガリアにも頼らず、独力でマザリーニの皺首を刎ねてみせるわい!
いいか、しかとそう伝えろ! ……ではルイズ、お前の好きにしなさい」
(つづく)
読みふけってたら支援忘れたorz
ゴメンなさい&GJ。
投下終了、支援感謝。
ようやっと原作6巻に入りました。やれやれ、先は長いなあ。
数字的なものはあまり自信がありませんが、こんなもんでしょうか。
では、また。
GJでした
パナソニック頑張ってるなww
乙です
しかしパナソニックww
なんという男気
しかしパナソニックww
ナショナル一郎乙www
ソニーに負けるな!支援
って書こうと思ったらもう投下終わってたw
公爵かっこいいなぁ
パナソニックってwwwあまりにメタすぎね?
おぉっと、GJでした。
次回の投下、お待ちしております。
熱い展開だwwww乙様!
投下していいですか?
パナソニック自重wwwww
乙
マザリーニはどの世界でも大変だなw
レンズマンのウォーゼル召喚考えてみたがヴェランシア人についての記述が少なすぎ
ドラゴン・レンズマンは近所に売ってないしなあ
いろいろと短いけどドラゴンボールで召還
「バイバイみんな」
「我が導きに応えなさい!」
「やったわ!サモン・サーヴァントに成功した!」
「わ、悪い界王さま、ここしか思いつかな…ありゃ?ここどこだ?」
>>523 何つータイミングで召喚するんだ
つーか、
悟空だけ召喚→地球消滅
セルも一緒に召喚→ハルケギニア消滅
になるな
どっちにしてもあんまりだw
>>519 タイトル次第
投下確認のときはタイトルを明記すべき
>>523 投下の前に元ネタ、及び召喚キャラの記載ををした方がいい
正直、どっかの馬鹿の所為で警戒レベルが上がってる
>>525 まったくこの愚か者めが! アレに決まってるだろうがアレに!
へ? もし違ったら? お許し下さ(ry
>>526 指摘サンクス。
神の盾、左手に魔剣、右手に槍を持ち、主を守るガンダールヴ。
神の笛、主のためにあらゆる幻獣と心通わせ、巧みに操るヴィンダールヴ。
神の本、叡智とその手に持った道具で主を支えるミョズニトニルン。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ、かの名は・・・。
幼き異邦人
ガイ魔王との戦いが終わってから数ヶ月、それぞれの居場所に戻っていった修太たちは、ふとした偶然から再会した。
修太たちの会話は他愛のないものだった。
内容はシンの故郷を見つけて墓を建てよう、尼蛭の親を探そう(これに関しては尼蛭自身が『自分で探す』と言い張って固辞した)、などであった。
談笑が続く中、修太は鏡みたいな物を見つけた。
それと同時に、みんなと別れる直前にイワンが言った事を思い出した。
「あの洞窟から脱出する直前、俺はシンの心に語りかけた。俺なりに別れを告げるために」
そう言ったイワンの表情はどこか暗かった。
「しかし、俺が別れを告げた直後、シンが言ったんだ」
イワンは続けた。
「『ガイ魔王が溶岩の中に消えた直後、とんでもない未来が見えた。チビだけが異世界に迷い込み、そこで数年間にわたって戦う未来だ。この事はチビだけに伝えてくれ。他の連中には、チビが異世界に行くまで黙っていてくれ』と」
シンが見ることが出来たのは『確定した=変更出来ない』未来である。
既に覚悟を決めていた修太は、迷わず鏡みたいな物に近づいた。
炎修太、仲間たちからの愛称は『チビ』。
修太が消える瞬間を、イワン、一輝、ウォン、ミカ、尼蛭以外の人たちも目撃したため、周囲は大きな混乱に包まれた。
修太が目を覚ますと、目の前にはピンク色の髪の少女がいた。
その少女が、隣にいるハゲに何かを訴えかけた(日本語ではないため修太には何と言っているのか分からなかった)が却下されたらしく、こちらに顔を向けた。
そして少女は何かを唱えてから修太に唇を重ねた。
修太は驚いたが、その直後胸から走る激痛に襲われた。
激痛の余り呼吸が出来なくなった修太を、少女は力強く抱きしめた。
激痛が収まり、ようやく呼吸できるようになった修太に少女が話しかけた。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ・・・・・・」
少女が言っている言葉が日本語に聞こえるが、少し前まで酸欠状態だった修太がそれを認識するのには、十秒ほどかかった。
(あれ、さっきまで何言ってるのか全然分からなかったのに・・・?)
「お姉ちゃん、誰? ここ、どこ?」
「私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。そしてここはトリステイン王国の魔法学院。それと、私の隣にいる人はこの学院の教師、ジャン・コルベールよ」
「よろしく」
「ところで、貴方のお名前は?」
ピンク色の髪の少女、ルイズに名前を聞かれた修太は即答した。
「修太、炎修太」
「ホムラシュータ?」
「お姉ちゃん達に合わせると、シュータ・ホムラになるかな」
そこにコルベールが割って入った。
「ミス・ヴァリエール、彼のルーンを確認したいのですが」
「あ、はい。ねぇシュータ、ちょっと服を脱いでくれる?」
「え?」
「ルーンの形を調べるだけだから」
「うん…」
修太は上着とシャツをめくり、胸に刻まれたルーンをコルベールに見せた。
それを見たコルベールの顔が青ざめるのを、ルイズと修太は見逃さなかった。
「ミスタ・コルベール?」
「ああ、失礼。ミス・ヴァリエール、明日、シュータ君と一緒に私の研究室に来てください。理由はそのときお話しますから」
「…はい」
こうして、春の使い魔召喚は終わり、解散となった。
空を飛んで学院に戻る生徒たちの姿を見て驚きつつも、修太は彼らが向かう方向へと歩こうとしたが、何故か足がふらついてしまった。
それを見たルイズは、修太には歩けるほどの体力が残っていない事に気付き、彼を抱き上げてから学院へと歩いていった。
ルイズに抱かれながら、修太はふと考えた。
「ぼくは何と戦うんだろう?」と。
神の盾、左手に魔剣、右手に槍を持ち、主を守るガンダールヴ。
神の笛、主のためにあらゆる幻獣と心通わせ、巧みに操るヴィンダールヴ。
神の本、叡智とその手に持った道具で主を支えるミョズニトニルン。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ、かの名は…。
彼らは魔法が使えないその少女を『ゼロ』のルイズと呼んだ。
少女は魔法が使えない事に苦しんだ。
何故か修太には、仲間たちと少女が重なって見えた。
次回、『踊る火炎人形』。
修太が操るのは地獄の業火。
火傷と熱中症には御用心。
よかった…まともな作品だ
支援
かなり短いですが投下終了です。
召喚されたのはかなり昔にコロコロで連載されていた漫画『サイファー』のキャラクター、チビこと炎修太です。
これは期待でくる
支援
乙!
スゲーうろ覚えだけど肉の塊みたいなのが触手で人殺したりそれをテレポート能力者が協力してたりした漫画?
続けて投下予告 五分後にいきまっせー
うおっ、終わってた!
GJですた
コロコミかぁ…
この年になると流石に読んでねぇな
作品によっては大人になっても楽しめるのもあるらしいが
乙
GJ
>>540 アルバイト探偵だし、白泉社の漫画じゃなくて講談社の小説の方じゃないか?
>>530 うわぁ、なんてこったい、俺の早とちりか。お許し下さいぃぃ。
続いて支援。
>>543 多分そうなんだろうけど、こっちがまず頭に浮かんでねw
>>542 なんと!
マジか!マジだ!ありがとうございます!
早速読んでくる
あと支援
サイファー懐かし過ぎて涙出てきた。
ともかくGJでした!
気がむいたら出いい、『駆けろ!大空』も読んでくれ。
ベタといってもかまわない、肌に合ったら読んでみてくれ。
549 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 08:00:10 ID:Mq79f2gw
ディセプティコン・ゼロの続きはまだでしょうか?
名探偵モンクを召喚してくれ!
>>522 ウォーゼルとはまた渋いチョイスを。
旧版絵(真鍋博)のウォーゼルだったら「こんなのドラゴンじゃない!」とルイズちょっと泣くかもしれないが。
投下予告と聞いて飛んできたんだが、まだか
投下予告からすでに8時間以上たってる
おまけに(声帯使って)しゃべらんぞ、ヴェランシア人は
ウォーゼルに限らずレンズマン呼んだら騙し系イベントのことごとくが潰れる
彼らの思念に対抗する術はハルケギニアの誰にも無いのだから
投下できなかったか、出来ていなかったかの二択か?
あ、俺前者
GJ
乙
良い
面白
GJ
えっ!?いつの間に!?
頑張れ
インディペンデンスTを召喚
筆が進みません…
本編よりも、使えない小ネタが沸くほうが多い…
ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」でも読め。
一皮剥ける。
小ネタをつなげて本編にしちゃえばいいじゃない
まだ早いんだよww
せめて一巻部分が終わるまで保存したいw
>>554 フーケはともかく、ワルドは絶対許してもらえないだろうな
ヴェランシア人には敵への慈悲という感覚が一切ないし
>>554 一般レンズマンが他人が隠そうとしている心まで読めるかどうかよく分からないんだよね。
1stレンズマンを読む限りではできないんじゃないかと思う。
あと、第2段階レンズマンを読むと、強い心の持ち主は自然に思念障壁をはれる、というような
記述もあるね。
>>568 ただ銀河パトロール隊員が異文明の国家間のゴタゴタに介入するかな?
介入するとして、なんの法律に基づいて物事の是非を判断するのだろう。
>>570 銀河文明的かボスコーン的か、の判断基準しかなさそうだ
独立レンズマンは自己の判断で行動できるから、何やってもお咎めはないし
鉄の騎士ギア・フリード召喚、デル公は破壊される。
カミナの他に天元突破で色々な人召喚
キタン・・・新黒の兄弟結成
ニアニア・・・ガンダールヴ+超運動能力+「たーんと召し上がれ」
螺旋王・・・ギーシュフルボッコとハーレム作成
公務王・・・使い魔の仕事をこなしデルフと鉈の二刀流、鞭で打たれても大丈夫。
ロージェノムは召喚のタイミングがシモンにやられた直後か生体コンピュータ化以後かでかなり変わるよな
>>570 未開の惑星に民主主義を導入して文明化し、銀河文明の一員にする、じゃね?
星系内の問題のデルゴン上帝族問題にも積極的に干渉してるし、個々の判断で介入しそう。
3話出来ましたので投下予約よろしいでしょうか。1400からの予定。
なのはさんについては全力で設定にツッコミが入りますヨ支援
ではこれより投下します。あとトリップ付けてみました。
設定に対するツッコミは歓迎します。今までのものもこっそりまとめで手直しさせていただきました。
使い魔とか。
第3話 魔法
翌日。
いつものように朝早く起きたなのはは、日課のトレーニングに行こうとして、ふと足を止めた。
ルイズが起きた時、そばにいないのはまずいのではないか。
いずれ彼女の起きる時間などが判れば、その辺の塩梅は何とかなるだろうが、初日から目の前にいないのはまずい。
思い直したなのはは、トレーニングはあきらめて、昨日の続きをすることにした。
ただのデータとは違い、こういうまったく未知の情報の処理はさすがにデバイス任せには出来ない。単純に丸ごとコピーしておく記録はともかく、一度は自分の頭で咀嚼しておかないといけない。
ちなみに彼女がこうも必死になっているのは、後々帰れた時、こういったことをすべて報告書として上層部に提出しなければならないからである。
何しろ完全に未知の次元世界との初接触である。責任は重い。まあ、個人的な興味もあることはあるが。
そうして自分なりに整理したデータの打ち込みを続けていると、やがてルイズが目を覚ました。ハンディパソコンをしまい、ベッドの脇に侍る。
「おはようございます、ご主人様」
掛けられた声に、一瞬ルイズはびっくりしたようだが、昨日自分が使い魔として自分――なのはを召喚したことを思い出したようだった。
服を着替えさせろという要求にも、なのはは素直に従った。高位の貴族は自分に出来ることでもあえて使用人にやらせるということをさすがになのはも知っていたからだ。
雇用政策の一環として。
ルイズの方も、実際のところ、ごく普通に実家のメイドに命令するような口調になっていた。年格好や雰囲気が近いせいもあっただろう。
その後の洗濯も、なのはが素直に了承したため、なんのトラブルも起きなかった。
なのはが同性の年長だということも大きかっただろう。
とりあえず洗濯物をまとめたあと、洗濯場のおおよその位置をルイズに聞き、なのはは現地へと向かう。
途中で同じような荷物を抱えたメイドらしき少女に出会った。
「あ、すみません、洗濯物の洗い場はこちらでいいんですか?」
見知らぬ女性に声を掛けられたメイドは、一瞬とまどったものの、その姿が昨日の夜、まかないの夕食をもらいに来た女性のものであると気がついた。
「あ、確か、タカマチナノハさんでしたよね。ミス・ヴァリエール様の使い魔になった」
「はい、そうです。なのは、とお呼びください」
「あ、はい、こちらこそ。私はシエスタと申します」
何となく意気投合した二人は、仲良く洗濯場で洗い物をすることになった。
洗濯板相手に二人で格闘する。
「こういう上質の布地は洗うのに神経使いますね」
「洗剤のない洗濯がこれほど大変だとは思わなかったなあ」
「洗剤? なんですか?」
「あ〜、洗濯用の石鹸なんだけど……」
「石鹸って、アレですか? 貴族の方がお風呂で体洗うのに使う」
「あ、あるんだ、石鹸」
その時、ふとあることに気がついて、なのはは洗っていた下着を見た。ルイズのパンツだ。
自分たちが履いているものと変わりばえしなかったのでつい見過ごしていたが、こうして隣でシエスタが洗っているものと見比べると、明らかな違いがある。
こちらのにはゴムが入っていた。シエスタが洗っている下着は紐だ。デザインも違う。
(アレかなあ、石鹸もこのゴムも、貴族が魔法で作っているのかな)
だとしたら貴族が力を持っているのも、そして6000年も工業化が起こらずに来ている理由も何となく納得できた。
(なんか妙に便利すぎ、っていうか、魔法はともかく、その背景にある知識が変にアンバランスだわ)
秘薬なるものも存在しているから、案外化学水準などは工業化されていないだけで意外と高いのかも、と、なのはは思った。
洗濯物を二人で干した後は朝食である。昨日の夕食時に二人して気がついたのだが、ルイズもさすがに年上の女性を犬猫同然に扱うわけには行かず、かといって同席させるわけにも行かなかったので、下働きのまかないを分けてもらおうということにしたのだ。
ついでに、なのははシエスタらメイド達に頼んで、貴族に対する給仕のやり方を教えてもらうことにした。この先出かけた時など、ルイズの世話は必然的に自分の仕事になる。そう思ってのことだった。
幸い、なのはには実家の翠屋でのアルバイト経験があった。学院での給仕も、厳密な作法があるわけではないので、なのはにも勤まりそうであった。
ものはついでと、予備のメイド服から自分にあったサイズのものを貸してもらう。着替えがなかったので、なのはとしてもむしろありがたかった。
着替えた際、シエスタをはじめとするメイドの女性達が、自分の下着をやけに興味津々の目つきで見ていたのが気になったが、そこはとりあえず考えないことにする。
後で調べないといけないな、とは思ったが。妙齢の女性にとって替えの下着の確保は重大なことなのだ。先ほどの洗濯で考えたこともある。
ルイズは自分の使い魔がメイド姿で給仕をしているのには驚いたが、『後々のための勉強です』と耳打ちされ、なんだか顔がほてってしまった。
喜びと照れくささの入り交じった、不可解だが悪くはない気持ちだった。
朝食が終わると授業である。教室は石造りの大学のような感じであった。
大きな階段状の部屋で、一番下に教壇がある。その後ろにある黒板を見て、なのはは思わずめまいがした。
「ん? どうかした?」
「いえ、ちょっと」
なのはは聖祥小学校時代、社会科の授業でのことを思い出していた。課題授業で、『身近なものの歴史をしらべる』というものだった。なのはがその時アリサ達と一緒の班で調べたのは、文房具であった。
鉛筆や消しゴム、黒板やチョーク、定規といったものの歴史を調べて、みんなの前で発表した。まさかその時の知識がこうも生きてくるとは予想もしていなかった。
黒板やチョークが出来たのは、地球では19世紀である。パンツのゴム紐とかもだ。産業革命以降、爆発的に科学や技術が進歩していく中での事である。
(社会背景は17世紀くらいっぽいのに、日用品は19世紀くらいかあ。この差を、魔法が埋めてるのかな? 化学とかの参考書、見せてもらった方がいいかなあ)
そう思うと、これからの授業にも俄然興味がわいてきた。
「……ずいぶん熱心そうね」
ルイズは舞い上がっている年上の使い魔を見て、そっとため息をついた。
ルイズと一緒に教室に入った時、なのはは態度にこそ出さなかったものの、心底びっくりした。
教室内が見たこともない動物たちのオンパレードだったからだ。猛獣のたぐいならまだしも、目玉のお化けだの下半身が蛇になっている狼だの、ゲームの中にしか出てこないような異様な魔物がわんさかいたのだ。
そういうのがいるらしいことは昨日の夜の質問で理解していたが、見ると聞くとは大違いである。ただ、今が授業の前であることを考えて、具体的な質問をすることは遠慮するなのはであった。
そうこうしているうちにルイズはいつもの席に座る。なのはも隣に座ると、机の下で何か妙なものを広げはじめた。
「なにそれ?」
ルイズが聞くと、なのはは手を止めて答える。
「あ、これ、魔法のこととかを調べるためのものです。こっちでいうとマジックアイテムみたいなものだと思えば近いかと。ほとんど魔法は使ってないんですけど」
ちなみに魔法を使っているのは辺境調査時のための個人魔力による充電システムだけである。
「ふーん、ま、授業の邪魔にならなければいいわ。物音とか立てないでね」
「はい」
どうやらよく判らなかったようでスルーしたらしい。と、その時。
「あら、ミス・ヴァリエール。寂しくなって実家からメイドさん連れてきたの?」
妙に妖艶な女性の声がした。なのはが振り向くと、そこには声に違わぬ妖艶な女性が大きなトカゲとサンショウウオの合いの子みたいな生物を引きつれて座っていてた。
「キュルケ!」
ルイズの声が尖る。
「これは私の使い魔よ。メイドじゃないわ!」
「そう言われてもねぇ」
なのはの服装は朝のメイド服のままだ。
「ちなみに私の使い魔はこれ。さ、ご挨拶しなさい、フレイム」
先ほどのトカゲが丁寧に頭を下げる。よく見るとしっぽのあたりに炎が揺れていた。
なのはも釣られて何となく頭を下げる。
「なのは、いちいち頭下げなくてもいいわよ、ツェルプストーの使い魔なんかに」
「っていわれましても……」
とりあえずなのはは黙ることにした。ついでにどうやらご主人様のライバルらしい女性の方に目を向ける。
褐色の肌をした、実にプロポーションのよい女性であった。男性なら目を離せなくなりそうな胸が大きな存在感を放っている。それを見た時、なのはは親友でもある上司のことを思い出していた。
彼女は女性の胸を揉むのが大好きなのだ。女性でありながら。
ふと、彼女たちのことを思い出した時、レイジングハートから警告が来た。
(“マスター、警告します。例の使い魔契約の術式より、心理抑制の反応あり。遮断しました”)
(……そう。あり得るわね。記録だけして、以後も自動ブロックして)
(“了解”)
ありそうな話だ、と、なのははその魔法の非人道性については流した。使い魔の存在意義を考えれば当たり前のことだ。この術式が主に対する絶対的忠誠心を埋め込まないだけましとすべし、と、考えることにする。
この術はそれこそ6000年前から伝わるような代物なのだから。
(ヴィヴィオ、お母さん、しばらくお家に帰れなさそう。ごめんね)
そして、おそらく今頃半狂乱になっていそうな義理の娘と金髪の親友をなのはは思う。親友が別の事件解決直後で非番だったのは幸いだ。自分が行方知れずになったと聞いたら、その捜索に全力を尽くすと同時に、ヴィヴィオのもう一人の親にもなってくれる。
(さ、感傷はここまで。今のわたしは、自分に出来ることをしないとね)
なのはは意識を、先ほどからしょうもない口げんかをしているご主人様の方に戻した。
たわいもないやり取りを聞いていると、どうやら相手の方が一枚上手というか、余裕があるようである。
ご主人様は彼女のことを毛嫌いしているが、キュルケというらしい女性の方は、ライバルであると同時にいじりがいのある妹みたいな目でご主人様を見ているのがありありと判る。少なくとも嫌ってはいない。
後で愚痴を聞いた方がいいかも、と、内心なのはは思った。
丁度その時、教師と思われる女性がやってきて、二人のいがみ合いも自然に収まった。
「みなさん、春の使い魔召喚は大成功のようですね」
紫色のローブを纏った、ふくよかな中年女性が生徒達に声を掛ける。
と、ルイズがうつむいたのを見て、なのはの顔が少し曇った。
「ご主人様」
なのははルイズに声を掛ける。意図的に、心細げな細い声にして言葉を続ける。
「私では……不満ですか? 不足ですか?」
「っ! そ」
怒鳴りそうになったルイズの口をすかざすふさぐなのは。そのままにっこり満面の笑みを浮かべ、
「授業中ですよ」
とだけ言って主を解放する。
再び前を見るルイズの表情には、生来の負けん気が戻っていた。
と、それを見計らったかのように、壇上の教師の声がルイズとなのはの上に落ちてきた。
「まあ、とっても変わった使い魔を召喚した方もいるのですね」
聞きようによっては侮蔑であるが、彼女から発せられる雰囲気にはそんなところはなかった。むしろ、よく主人を支えてくれる、いい使い魔を引き当てたみたいですね、というニュアンスを纏っていた。
だが、やはりそういう空気を読めない輩というものはいるようで、すかさず今度は間違いなく侮蔑を含んだ合いの手が飛んできた。
「ゼロのルイズ! 召喚できないからって、実家からメイド呼んでくるなよ!」
だがルイズはあわてなかった。そう。先ほどのやり取りで、ルイズは理解していた。
ここで自分が怒ったりあわてたりしたら、それは自分の使い魔を蔑むことになる。そして、ひいてはそれを召喚した自分をも。
「あら、残念だけど、彼女は実家のメイドじゃなくて私の使い魔なの。メイドみたいに引き抜くのは無理よ、マリコルヌ」
「な……!」
マリコルヌと呼ばれた少年は絶句していた。
sien
支援
「ま、見ての通りの美人さんだからあなたが興味を持つのは判るけど、人の使い魔にそういう目を向けるのは問題ではなくて? 風上のマリコルヌ」
と、おやおやという目でルイズとマリコルヌを見ていたなのはの耳に、反対側の席から小さなつぶやきが聞こえてきた。
「あら、ルイズにしては見事な切り返しね」
「でも詰めが甘い。50点」
どうやら先ほどのキュルケという女生徒が、そのさらに隣にいた人物と話しているらしい。
「う、うるさい! 使い魔に負けてるくせに!」
「なんですって! どこがよ!」
せっかくつかみ取った優勢が、瞬時に泥仕合に落ちていた。
「少なくとも胸で負けてる!」
「うっさいわね! この風邪っぴき!」
「僕は風上だ! 『ゼロ』のルイズ!」
その瞬間教室が爆笑に包まれた。生徒の大半の視線が、ルイズの胸に向いている。
なのはは一人視線をそらす。と、その視界に一人の少女が映った。さっきキュルケと話していたと思われる、彼女の反対側に座る少女だ。
その青髪に眼鏡の少女は、ほかのみんながルイズを見つめる中、一人自分の胸元を見つめていた。
なのはは礼儀正しく、自分も下を見た。
この混乱は、ルイズをはじめとする主要な人物の口に赤土の粘土が張り付いて強制的に黙らされたことにより、無理矢理収められた。
ルイズは口に粘土を貼り付けたまま、授業に集中している。
なのはも一緒に授業に集中していた。
内容は大変におもしろいものであった。プライドが高いのか、やや自分の使う土がいかに大切かを持ち上げるところはあったものの、土の属性、特に『練金』の魔法がどれだけ深く生活に密着しているかは、はしりを聞いただけでも理解できた。
彼女が何度か魔法を使った時の記録も、レイジングハートがスキャナを使ってばっちり記録していた。
そんな授業の半ばで。
「では、実際にやってもらいましょう。そうですね、ミス・ヴァリエール」
そのとたん、教室内の雰囲気が一変した。
「ミセス・シェヴルーズ!」
「やめてください! 危険です!」
「先生は一年時、ルイズを教えていませんよね!」
怒号のような叫びがあちこちから上がる。
訝しがる中、ルイズは怒りで顔を真っ赤に染めて立ち上がった。口から粘土を引っぺがしつつ叫ぶ。
「やります!」
そう答えると、杖を片手に、のしのしという擬音がぴったり当てはまるような歩き方で下りていった。
その様子にきょとんとするなのは。そんな彼女に、キュルケが声を掛けてきた。
少し……支援しようか
「ね、使い魔さん」
「あ、なんでしょうか。あと、わたしのことはなのはとお呼びください」
キュルケは小さく頷いた。
「ではなのは、改めて言うけど、危険よ。机の下に隠れていた方がいいわ」
ふと見ると、前の方の席の生徒達が皆机の下に隠れている。
「いったい何故……」
「忠告はしたわよ。さ、フレイム」
そういうと同時に、彼女もそそくさと机の下に隠れてしまった。
「なんなんだろう……」
なのはは再び視線をご主人様の方に戻す。彼女は教壇の前で、石ころを前に、先ほど習った呪文を一心に唱えていた。
(“マスター、異常です”)
そこにレイジングハートからの念話が割り込んできた。
(異常?)
(“イエス。今まで記録したものとは、まったく異なる魔力の流れが生じています”)
(それって、彼女の魔法?)
(“はい。詳しく説明している時間はありませんが、このままだと”)
(このままだと?)
(“物質崩壊による爆発が生じます”)
(え……)
平たく言うと核爆発である。なのはが思わず冷や汗を垂らした瞬間、
カッ!
(“Protection”)
閃光とともに教室内に爆風が渦巻いた。
「ご主人様!」
防御魔法で爆風をやり過ごしたなのはは、あわてて壇を駆け下りていく。
思ったより威力はなかったが、危険度は極めて高い現象である。
(“放射能その他の異常は感知されません”)
実際、爆風が収まると、そこには衣服の一部が破れたルイズと、目を回しているシュヴルーズがいた。二人とも目立つ外傷はないようである。
(“エネルギーの大半は魔力に還元された模様です”)
(……どういう失敗よ、それ)
ミッド式やベルカ式ではやろうと思っても出来ない事である。物質の魔力変換というのは。
それよりも今は、ルイズの無事を確認する方が先である。
「大丈夫ですか!」
そう叫ぶなのはに、ルイズは言った。
「ちょっと失敗しちゃったみたいね」
「「「どこがだ!」」」
机の下から頭を出した生徒達から、一斉にツッコミが入る。
「いつもいつも、成功率ゼロのくせに!」
そんな中なのはは、黙ってマントの前を止め、破けた服を見えないようにした。
「相変わらずね、ルイズは」
ほこりをはたきながら、キュルケはまわりを見る。と、その視界に意外なものが入ってきた。
ある意味見慣れたものではある。隣に座っていた親友だ。彼女の顔は、何故かモードが切り替わっていた。ごくまれに見かける、何かに注目する顔。
普段の彼女の顔は、読書時以外は『無関心』という札が貼られていることが多いというのに。
「どうしたの、タバサ」
「見間違いじゃなければ」
その視線は、ルイズと使い魔の女性……なのはの方を向いている。
「彼女、魔法を使った」
キュルケも思わず、なのはのことを注目していた。
おかしいな……、支援はどうしちゃったのかな……
過疎してる時だけ応援するふりをして、投稿で支援しないなら、応援の意味ないじゃない……
冥王支援
悪魔でもいいよ・・・・・・悪魔らしいやり方で支援させてもらうから
投下終了です。
一応wikiなどで調べられることは調べているのですが、結構見落としや勘違いも多いので、
公式設定に関するツッコミは大歓迎です。
意図的な改変部や伏線になっているものには手が付けられませんけど、
勘違い系の場合は丁重に受け止め、まとめの方で修正していきたいと思います。
では、またよろしく。
物質の変換不可能とか、バリアジャケットわすれてないか!?
支援の言葉がみんな魔王すぎる
魔砲の人GJ
バリアジャケットってか、リアクターパージか
支援間に合わなかった乙
非人道的だとかアンタが言えることじゃねーよ冥王が
心配してくれる人間をフェイトしか出さないとか死ねよガチレズ
あと、シュヴルーズ先生、まだ独身だったような…
>>596 なのはさんはヴィヴィオのママで、ヴィヴィオのパパはユーノです。
つまりなのはさんはユーノの嫁です。間違わないように
魔砲の人乙
>シエスタをはじめとするメイドの女性達が、自分の下着をやけに興味津々の目つきで見ていたのが気になったが
確かにハルケギニアにブラジャーは存在しないからなぁ。
乙
GJ
面白
>>597 1巻64Pより
「ゴゴ、ゴールドですか? ミセス・シュブルーズ!」
魔砲乙
見事です
考察頑張れ
good!
続き楽しみにしてます
平成モスラのデスギドラでクロス作ろうと思うんだが・・・誰を主にしたらいいか迷ってる・・誰か猫の手を貸してくれ
設定頑張れ
なのははイイ!
直接行動のトップバッターではあるけどな、フェイトが性格的にも立場的にも
ユーノは調査支援系統に全力を尽くすのが(良くも悪くも裏方)
一番だと自任して行動するから表立たないだけ、いつのまにか居て仕事は済ませてる
で、第三者的に見ておくびにも出さないが、なのは(正しくはA’sまでのレギュラーメンバー全員)は
その事実を的確に把握している
[山本弘]MM9な話を見たい
クロス先との文化衝突とコミュニケーションを描ききってくれ!
ゼロ魔は実質、異星人とのファーストコンタクトなんだ
>>613 白旗は徹底抗戦の表明だったりするのかw
三話40分から投下おk?
支援
無能はいかん
変態は褒め言葉
支援
とりあえず…、支援…、しよっか……
支援
支援
おい。ま た だ よ
書き込めねぇ。何なんだこれ
もうしばらくやって無理だったら避難所の方に行ってきます
支援
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 三話
何が起きたのか。それを正確に理解出来た者は、一人も居合わせていなかった。
ミス・シュヴールズの授業だった。何を血迷ったのかミス・シュヴールズが、『錬金』をルイズにやらせたのだ。無論、反対するキュルケの奮闘もあった。
しかしそれも虚しくルイズは錬金を開始。他の生徒達は机や椅子の下に隠れたが、綾時や他の使い魔達の殆どは訳も分からず棒立ちのままだった。
綾時がようやく危険性に気付いたのは、ルイズが杖を振り上げた時。何が起こると分かった訳ではなかったが、勘が告げたのだ。危険、と。
ルイズが杖を振り下ろし、いつも通りの爆発の光が見えた所で、綾時が動いた。
爆風がルイズを襲うよりも早く、綾時がその場で大声を張り上げたのだ。
大半の生徒は爆風とほぼ同時に発せられたその言葉を聞き逃した。ただ彼が何事かを叫んだだけ、としか認識出来ていなかった。だが、タバサだけは、確りと語呂も聞き取れていた。
綾時が発した言葉。「テトラカーン」。魔法の様だが、そんな魔法は聞いた事が無い。
だが結果として、それは(恐らく)魔法だった。綾時の叫びと同時に硝子の様な壁が、綾時を含めた全員の前方に発生し、爆風や爆発で吹き飛んできた物を爆心地の教卓へと跳ね返したのだ。
幾つかの机や粉々になった木片がルイズの目の前に積まれ、全員の視線が綾時を捉える。
当の綾時はと言えば、あちゃーっと頭を掻きながら、何とも微妙な表情をしていた。
支援
四人の間に会話は無い。黙々と、一応は一部に集められていた塵の山を少しずつ崩し、丁寧に片付けていく。
一人の表情には怒りが浮かんでいる。浮かんではいるが、それは右半面だけで、左半面の表情は緩んでいる。綾時はいつだかに見た阿修羅男爵を彷彿とさせていた。
一人の表情には特にいつもとの変わりは無い。ただその瞳は、興味深げにチラチラと綾時を見ていた。
一人の表情には疑問と嬉しさが混じっていた。親友がようやく異性に興味を持ったと。本当はまったくの勘違いだが、彼女はそう信じ、しかし何故この男なのか、と首を捻っていた。
一人の表情には焦りと苦笑が浮かんでいた。どうやって誤魔化そう。て言うかいっその事打ち明けた方が楽な気もするけど、オールド・オスマンやコルベールさんに止められてるしなぁ。
黒、桜、青、赤。全員が違う色の髪を揺らしながら、四人は掃除をしていた。
他スレだと分割を増やすと投下できたそうな
支援
支援
経緯は簡単だった。結局、誰もが今の出来事に疑問を浮かべたままだったが、ミス・シュヴールズが授業を切り上げ、ルイズに片付けを命じた。無論、綾時の手伝いを込みで。
ルイズは生徒が全員帰った所で、綾時にさっきの事を問い詰めようと考えていたが、どうも二人の同級生が残っている。
何だ? と不審に思った所で、片方は自分の大嫌いな人間である事に気付いた。
「ちょっとキュルケ、何? 私をわざわざ馬鹿にする為に残りでもしたの?」
がるる、と牙を向けるルイズに、キュルケは違う、と手を振る。
「タバサがあんたの使い魔に用があるんだって」
「リョージに?」「え、僕?」
またもルイズは露骨に眉間にシワを寄せる。綾時は驚いた様で嬉しそうな顔をしていた。
何だってこいつは、こうも……。
猛禽類を彷彿とさせる霊長類の視線等まるで物ともせず、タバサはお目当ての人物に接近した。
タバサは無表情で綾時を見詰め、綾時はにこにこと人懐っこい笑顔をタバサに向けた。
支援
「あなた」
「うん、何?」
「さっきは、何? あなたは、何者?」
タバサの問いに、綾時の顔が困り顔に変わった。
「あー……うん。ちょっと僕だけの問題じゃないから……そうだね、掃除が終わったら教えられるかもしれない」
「手伝う」
え。とキュルケが声を上げる。
あのタバサが、人を自分から手伝う? もしかしてルイズの使い魔の事が、好き? しかし、他にも良い男はいっぱい居るだろう。ああ、でもでも彼女がそう思うなら……。
頭の中が情事しか詰っていないキュルケには、やはりそうとしか思えなかった。ルイズも実は似た様な事を考えていた。
唯一その言葉の真意を理解したのは、相手である綾時だけ。そもそも、昨日もミスタ・コルベールから同じ様に見られていたのだから、気付かない筈も無かった。
「お腹空いたなぁ」
綾時は、一人ごちた。そう言えば昨日から何も口にしていない。
現在片付けをしているのは、彼一人である。
ルイズは途中で空腹に耐えかねて食堂に行き、綾時を呼びに来たミスタ・コルベールに丁度良い、と綾時はタバサとキュルケについて事情を話して連れて行って貰った。
二人を一旦教室から出した後、コルベールが綾時について少々叱ったのは言うまでも無い。
それが大体十分前の出来事だった。
掃除は一応は四人で進めていたし、もう少しで終わりそうだった。
「あの、リョージさん?」
聞き覚えのある声に、綾時が首だけ振り向かせると、そこにはあのメイドさん、シエスタの姿があった。
「シエスタちゃん」
「もしかして、朝ご飯もお昼ご飯も、まだなんですか?」
「この通りだよ」
へらっと、綾時は両手を広げてみせる。
まあ、シエスタは口に手を当てた。
「けどもうすぐ終わりそうなんだ。……でも、終わっても、僕は何処でご飯を食べれば良いのかな」
「それなら私、手伝います。ご飯もご馳走出来ると思いますよ」
「ホント? じゃあ、お願いしようかな」
掃除は二人になり、表情は嬉しさが二つになった。
支援
支援
どんっ。と、ルイズは顔面をテーブルに強打した。自らである。
今、視界に移った物は何だ? 見知った顔だった気がする。
野郎、メイド服なんか着てデザート配ってる。女子に愛想振り撒いてる。既に虜の女子も居る。
ああ、何でこう。頭が痛くなる事ばっかりなのかしら、あいつ。
「リョージ……」
何やってんのよ。と、ルイズは呟いた。
食堂内の視線を集めながら、リョージはデザーを配って歩いている。しかもメイド服。つまり女装。
しかも何のギャグだろう。似合ってる。ルイズは頭を抱えてしまった。もうやだやだやだやだやだ。
しかもしかも。またルイズの神経を逆撫でする様な出来事が、今そこで起きた。
「どうしてくれるんだ! 君の所為で二人の女性が傷付いてしまったじゃないか!」
「も、申し訳ありません……」
ギーシュの野郎がメイドを虐めてる。あのメイドは今朝綾時に口説かれてた子だ。ほっとこうかしら。ああ、でもギーシュったら何かムカツクわ。だって今のって、どう考えてもあいつが悪いでしょ?
視線で綾時と捉えながらも、耳はギーシュ達のやり取りを聞いてた。器用なルイズである。
要するに、シエスタが落し物を拾ってその所為でギーシュの二股がバレてギーシュはメイドに八つ当たり。恥ずかしい奴だ。ルイズは色んな鬱憤を込めて一発ぶん殴ろうと席を立った瞬間、
「決闘だ!」
何か話が進んでいた。あれ? ギーシュが決闘決闘騒いでいる相手は、ウチの使い魔じゃあないか?
「――――あいつは、何でこう、ホント、に…………!」
「ル、ルイズ! 手から血が出てるぞ!?」
メイド服を脱ぎ捨ててギーシュの背に付いて行く綾時に、更にルイズが鬼の形相で付いて行った。
支援
支援
同刻、学院長室。
オールド・オスマンとミスタ・コルベールによって、所々を伏せて、綾時に関する説明がタバサとキュルケに行われていた。
ミスタ・コルベールは不本意であったが、オールド・オスマンが「タバサになら教えても問題ないし、勝手に調べられるよりは良いだろう」との事で、結局説明会が開かれていた。ちなみにキュルケもオマケとして参加した。
そんな時、勢いよく学院長室の扉が開かれた。
「大変です! オールド・オスマン!」
「どうしたね? ミス・ロングビル」
「ヴェストリ広場で決闘が……」
「決闘? まったく、暇を持て余した貴族ほど――」
「問題はそこではありません!」
常から考えられない程に息を荒げるミス・ロングビルに、さしものオールド・オスマン達も驚く。
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン。そして相手は、ミス・ヴァリエールの使い魔、あの少年です! 教師達は眠りの鐘の使用をと……」
ミス・ロングビルの言葉を聞き、オールド・オスマンの目が険しくなった。
「昨日の話の限りでは、信用の置ける人物じゃがの……、万が一もある。コルベール君、様子を見に行ってくれ。ミス・ロングビル、眠りの鐘、場合によっては使用の許可を。ほれ、君達も行きなさい」
『分かりました』
四人が声を揃え、学院長室から飛び出していく。
ふむ。と髭を弄りながら、オールド・オスマンは遠見の鏡に向けて杖を振った。
支援
支援
僕は、一体何をやっているんだろう。
石人形に、されるがままに殴られているんだ。
向こうでは、ギーシュとか言う子が高笑いをしている。
ああ、後ろの方ではルイズちゃんが何か叫んでる。
でもごめんよ。今、力を使ったら、きっと僕は……、
君達を殺してしまう。
――綾時には確信があった。今、『戦おう』とすれば、間違い無く自分の理性は失われる。
『彼』のペルソナ、タナトスと同じ姿でも無く、恐らくは、ニュクス・アバターの様な姿でもない。確証は、無いが。
とにかく、彼が力を解放したその先。あの召喚の際に漏れ出した力の源。それが何を意味するのか、彼には分からない。
ミスタ・コルベールには「驚いただけ」と言ったが、あれは嘘だった。本当は、魔力が滾り、自分の身体が変貌しそうだったのを必死で止めたのだ。
今までに感じた事の無い程の邪悪。それに自分が変わりそうだった事を、彼は恐れた。
だから後先考えずにシエスタを庇ったものの、どうする事も出来ずに、ただ殴られている。
嫌なんだ。僕は。
誰も、殺したくなんか無いんだ。
『死の宣告者』なんて、まっぴらだったさ。
どうして僕は、僕なんだろう。
分からないよ。
―なら、乗り越えなきゃ―
「――――」
頭の中に、『彼』の声が響いた。聞こえる筈の無い、『彼』の声が。
―僕は乗り越えた。そして、辿り着いたよ。『答え』に―
瞼の裏に『彼』の姿が浮かぶ。人々のココロと向き合い、悠然と立ち向かう『彼』の姿が。
学校の屋上で、絆で結ばれた大事な人達に囲まれた、『彼』の最期の姿が。
そうか。辿り着けたんだね。
「――分かったよ。僕も、乗り越える」
決意の心が、新たな力を呼び覚ます。
「――――」
支援
支援
それはミスタ・コルベール達が広場に着いた瞬間に起きた。
ギーシュのゴーレムに無抵抗で殴られ続けていた綾時の身体が青白い光に覆われ、ゴーレムが吹き飛ばされた。
綾時を纏う光は天を突き、やがてその輝きを失っていく。
誰もが、目を疑った。光が消えた時、そこに立っているの綾時ではなかった。
かと言ってそれは、死を司る神や、ましてや、逃れられない死を運ぶ夜の化身でも無かった。
神々しさとも言える白さを持つ人型の異形。左手には唯一、名残を感じさせる幾つもの黒い棺桶を繋いだ鎖が握られていた。
これがペルソナ能力? いや違う。変身するとは、言っていなかった。ミスタ・コルベールは目を細める。
しかしてその正体は、綾時だったモノ自身の口から明かされた。
「僕はヒトの心の海よりい出し者。永劫の守護者――メサイア」
言葉と同時。腰から生えた一対の翼を持った腕が広がる。そこでようやく全貌が窺えた。
「天使様……」
誰かが、そう呟いた。
支援
支援
綾時は自分に満ち満ちて行く力を実感した。
懐かしく、暖かい。これが自分の本当の姿なのだろう。
自分の胸を撫で、拳を握り締める。
――僕は、『君』の心になれたんだね。
「う、うわぁぁああああああ!!」
ギーシュの絶叫が響き、綾時はようやくその存在を思い出した。そうだ、決闘中だった。
何だか大人気ない気もするけど、決闘は決闘。それにシエスタちゃんの名誉の為、少し懲らしめてやらなきゃ。
先程吹き飛ばされたゴーレムが剣を持って疾走する。綾時はそれに向かって、右の人差し指を立てた。
「メギド」
瞬間、指先から光弾が発射され、ゴーレムが跡形も無く粉砕される。
辛うじて原型を止めていた剣が宙を舞い、ギーシュの目の前に突き刺さった。
「ひぃっ! う、わわ、わ……ゴ、ゴーレムッ!!」
悲鳴を上げながらギーシュが杖を振り、六体のゴーレムが地面が出現する。今度は最初から各々武器を持っていた。
それを見て、む。と綾時が今は能面の様な顔を顰めさせる。
一々破壊するのは面倒だ。かと言って大技を使えば、ギーシュも巻き添えになってしまうだろう。
テトラカーンも、流石に6体も相手では効果が無い。
色々と考えている内に、ゴーレム達が綾時の眼前まで迫っていた。そこで、綾時の頭の中に小さな閃きが起きる。
支援
支援
支援
支援
「よっと」
ぐんっと浮遊高度を上げ、両手を下に翳す。
これならば大丈夫だろう。
「メギドラオン」
先程とは非にならない程に大きな光弾が二つ撃ち出され、円を描きながら纏まって立ち尽くす6体のゴーレム目掛けて飛んでいく。
無論ギーシュが反応出来る筈も無く、ゴーレム達は光弾の直撃を受けた。
ドンッ。と爆発音が響き、その時発せられた光の余りの眩しさに、周りに人間が目を瞑る。
数秒して目を開けると、音の余韻が響く中、大きくへこんだ地面を背に、ギーシュの前に立つ綾時の姿があった。
「参った?」
「ま、まい、った」
綾時がいつもの笑みを浮かべ、ギーシュは白目を向いて気絶した。
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 三話・了
以上。細々切ったらいけました
元ネタ知ってる人は「ニヤリ」と出来るような小ネタを入れたりしたいんだけど、中々難しい
あと>>gaJIZww+ おまい頑張りすぎwww
支援
乙!
ペルソナ系はやったことないけどメガテンの魔法を使うスタンドくらいの認識でok?
乙です
>>597 なんでユーノがパパなんだ?
ユーノ厨おかしいだろw
>>656 その通り。実際アニメのペルソナはスタンドにしか見えないしね
>>656 作品によっちゃ取替え可能ということも忘れないでくれ
魔砲使いのやつトリステイン(もしくはハルケギニア)と管理局の全面戦争になるといいなあ
>>658 チッ バレた。
んでもエンディング後、ヴィヴィオが無限図書館に出入りしてたりするのはマジなんだけど
パパと呼んでるのはないんだよね;
>654
乙、主人公とおかーさんは更新止まってるみたいだから、貴殿の綾時召喚に期待させてもらいます。
>658
早くこのスレを見ている人は……の項目を見るんだ!
しえん
>>658 まあ、ともかく何だ
頭、冷やそっか……
平民を絶滅させてメイジによる共産主義社会を作る方が
生産性も軍事力も桁違いに大きくなって有利なのに
なんで6000年も平民が生き残ってるんだろう
赤狩りもあったかもな
というかここはゼロ魔のクロス小説投稿スレだ。
なのはの話題はスレ違いだ。
というか6000千年も経てば
どこかしらで平民にも魔法が使える血筋が混じって、
ほとんど全ての人間が魔法を使えると思うんだが…
原作内でも没落した貴族が魔法を使った盗賊や傭兵になってたよな…
そいつらが子供作れば、なあ…
>>666 労働力として比べれば、平民全体>人数差の壁>メイジ全体だからじゃね?
貴族がどんどん繁殖して平民を圧倒すればいいだろ?
>>666 解)いないと貴族の欲望やらなんやらの捌け口がない。労働力とか経済面でもいないと困る
貴族がごく少数である以上そこまでやろうとすると確実に痛い目を見る。ガンダールブの逸話でもある様に
貴族や王族であっても魔法が使えるだけで所詮人間だしな。不死とか蘇生はやはり難しいみたいだし
メイジだけで世界を創った場合間違いなく混沌の時代が始まりますがそれでもいいの?
674 :
670:2008/01/13(日) 15:08:57 ID:mPVbVGlW
6000千年ってなんだよ俺www
まぁやっぱこの辺は原作者がなんにも考えてないだけだと思ふ。
>>674 が真理を口にした
図書館で叫んだり床でぐるぐる回ってたりする人だからなぁ、ヤマグチ
まあ、何も考えずにテンプレなファンタジー世界を描くと意外と整合性取れてるもんなんだよなあ。
メイジはエルフに狩られて増えなかったのかもな
この世界と1年が同じという保障もあるまい。
一日が22時間くらいだったりするのかもしれん。
他にも。
2000年くらいたった後に、俺たちの歴史ってもっとあるんじゃね?
それこと5000年の伝統はあるさ!
と、捏造したりしたのかもシレン。
貴族の血が混じってようが、学ぶ場所がなけりゃ魔法は使えないんじゃね?
平民がいる理由は簡単。
魔法で食い物が作れないから。
少なくとも、つい最近代用肉が登場するまでの六千年間、魔法で食い物は作られていない。
その代用肉だって、調理しなきゃ食えないし、その調理も魔法じゃ出来ない。
その辺が魔法の限界ってトコかな?
ぶっちゃけ杖さえ作りゃ誰でも使えたりしてな。
貴族が畑を耕したり家畜の面倒を見たりをしたがるわけがないしな。
乗用の動物の世話やら観賞用の草花の世話だって、実際にやってるのは平民なんだろうし。
平民が滅びて一番困るのは、他でもない貴族だぜよ。
むしろつえを作る方法を忘れたら世の中平和になる
貴族たちの神ってブリミルだけど
平民にも神は居るのかな?
農耕神みたいなのが。
むしろ6000年経っても新しいスポーツが生まれないことに驚愕
野球とか野球とか野球とか・・・・
あ、野球厨で申し訳ない
魔砲使い>>乙です(_ _)
なのはとフェイトの関係>>設定資料集等読んでいないので憶測になりますが、
二人の間に友情以上の存在が有るのは確かかと
ただ、それが恋をする愛情か、友情が昇華した愛情かは分かりませんが
なの×フェイ疑惑は多いですが、あくまでもそれは二次創作上の設定
個々人の趣味・嗜好かと
ユーノ>>現状、なのはに最も近い男性(はやてに対するヴェロッサに近い?)
一説に因れば、『幼馴染の関係が発展し、しかし時間の経過と共に感情(友情と愛情)
が混じり、どっちつかずの状態になってしまった』らしいです
とは言えEDの風景を見る限りでは、父親代わりになっているのor父性を見出している
とも考えられますが
>>592 BJって、魔力で物質を変換・再構築でしたっけ?
記憶では、(純魔力ではないにしろ)魔力で編んでた様な・・・・
あ、でもそれだと魔力枯渇時の説明がつかないか
>>611 同意です
だから、六課の新人は今一ユーノの凄さが分からないとか
>>656-660 分かり易いペルソナの説明、有難う御座います
興味はあれどプレイした事が無かったので
アニメ版は、確かにスタンドですねw
長文、多謝です(_ _)
投下中の方>>もしいらっしゃったら、被ってしまい、申し訳ありません(_ _)
しかしクィディッチみたいな意味不明なルールは困る。
ご都合主義にもほどがあるだろアレ。
>>680 平民数十人で耕す耕地を土ドットメイジ1人でまかなえる
治水も収穫もゴーレムで楽勝
コルベール後10年で6000年を超える変化があるんだろうなぁ
ってか「コルベール暦」が「宇宙世紀」みたいに使われそうだ
>>688 宇宙世紀と聞いて
ファーストガンダムにでてくる「宇宙世紀0079〜
の「宇宙世紀」の部分がコルベールになって聞こえてきた
もう一度言う
面倒臭い事は全部平民に投げた
これでFA
人類は自らの行いに恐怖するときが来るというわけか。
ツァーリボンバーがカタコンベで爆発してハルケギニア消滅とな?
>>688 とはいえ、精神力の限界が厳しい。
円環少女の魔法世界だと、その制約がない上に全員が魔導師だから世界が無茶苦茶に発展してるんだが。
具体的に、メイジの数って平民に比べてどれぐらいなのかね?
>>693 さすがに李氏朝鮮末期の両班とまでは行かないだろうな
>>690 だがこれからは違うな
すげえ混乱が……既にそうか
やっぱり滅亡エンドだろうか……
>>685 スポーツだけでなく、技術レベルも大した進歩がなさそうだな。
始祖の祈祷書やオルゴールから、
6000年前に製紙技術やオルゴールを作れるぐらいの機械技術は確立されているけど、
そっからまったく技術レベルが発展してないようだし。
>>693 ちょっと前に言ったけど、
没落貴族の子孫がほぼ全ての平民の血筋に混じってると思ふ。
傭兵や盗賊になった元貴族が結構な数居るからな。
じゃなきゃスリなんぞにならなくても魔法の使い手として引く手あまただろう。
実は魔法を使える人間って平民レベルでも珍しくないんじゃない?
それにゲルマニアじゃ貴族≠魔法使いじゃね?
まぁ一枚噛んどいてなんだけど、
これ以上やるなら避難所の考察スレに移動かな。
SSのネタになるかもしれないし、不毛だとは思わないけど、
原作者が考えていないであろう事で本スレをこれ以上消費するのはどうよw
>>693 まずはハルゲ世界の総人口からわりださないとねぇ。
今手元に原作ないからどうにもなんないが。
>>692 ツァーリボンバが爆発してもロマリアの一部が削れるだけだと思うよ
そして「覇壊の宴」へ
予約無いみたいなんで投下するよー(^o^)ノ
元ネタ:みどりのマキバオーよりマキバオーとチュウ平衛
今回でラストです
マッチレースの内容は学院の正門からスタートし周囲を一周するといったものだった。
その距離はおよそ5000メイル、かなりの長コースだがマキバオーも経験したことがない距離ではなかった。
正門前では一人の私腹を持て余した金持ちの生徒がブックメーカーとなり机を広げていた。
その前には行列が出来ている。
果たしてそのオッズはギーシュが1.1倍なのに対しルイズは60.0倍、何ともやる気の無い数字だった。
マキバオーは先程の厩務員に馬具一式を着けてもらっていた。
「がんばれよ白いの、私も一口お前さんに賭けさせてもらったよ。あんな血統だけの馬に負けないどくれよ」
「んあ、ありがとなのねおっちゃん」
馬具を装着したマキバオーは不安そうにルイズに訊ねる。
「でも大丈夫なのね?僕に乗れるか心配なのよ、落ちたら危ないのよ」
馬鹿にされたと思ったルイズは自信たっぷりに返す。
「危ない?私を誰だと思ってるの。小さい頃から乗馬は得意だったんだから、あんたを乗りこなすことなんて簡単よ」
プロフィールに書いてあったんだからそうに違いない。
マキバオー達は線が引かれたスタートラインまで移動する。
ルイズはマキバオーにぴょんと飛び乗った。そのおかしな格好に廻りから笑い声が飛んだ。
「いいぞルイズ!お似合いだー!」
「これから競馬をするっていうのに犬に股がってどうすんのよ」
ルイズは一気に赤面し勝負を受けた事を後悔した。
「言わせとけ、たれ蔵の走りを見たら仰天するぜ。それより手綱しっかり握しめとけよルイズ」
チュウ兵衛はルイズに励ますように言った。
二頭の間に太っちょの少年が立ち空砲を鳴らしレースはスタートした。
スタート同時にマキバオーはギーシュの前を行き差をぐんぐん広げる。
生徒達は大型の鏡に魔法で映し出されたその光景を見て歓声を上げた。
「どうなってんだあの白いチビ!めちゃくちゃはえーよ!」
「どうしたギーシュ!犬に前を走られてるぞー!」
ルイズはマキバオーの速さに驚き言われた通り手綱を強く握り直す。
「ちょっと速いじゃないのよ!」
「んあ、だから競走馬って言ったでしょ」
ルイズは初めてマキバオーが競走馬だということを理解した。
出だしだけかと思っていたがレースは残り半分を切っても前を行くのはマキバオーだ。
「ムチ持ってんのかギーシュ!前行け前ー!」
「あいつ馬乗ったことあるのかよ、さっきから全然差が縮まらねーじゃねえか」
始めはマキバオーの走る姿と速さに歓声を上げていた生徒達だったが
ほとんどがギーシュに賭けていたのでしだいにギーシュに対する罵声に変わっていった。
レースはマキバオーが大差をつけたまま残り800メイルまで差し掛かった。
「こっちは有り金注ぎ込んでんだ!負けたら承知しねーからなあ!」
「ふざけんな殺すぞギーシュ!」
マズイ…生徒達の野次が聞こえる。このまま負けたらみんなに腹いせで何をされるかわからない。刺されるかもしれない。
追い込まれたギーシュはある策を考えつく。
それは自分が乗ってる馬ごとフライの魔法をかけるといったものだった。
精神力を著しく消耗するが重力ごと負荷が無くなった馬は格段にスピードが増す。そういうことにしておこう。
レース終盤、ギーシュは驚異的なスピードで追い上げ30馬身差以上あった差を一気に詰め寄った。
「いいよー来い来い来い!ここからここからー!」
「まくれギーシュ!差せー差せー!」
生徒達の想いが通じたのか遂にはギーシュはマキバオーを抜いた。
「よっしゃ!もう来るなよ白いのー!」
「そのままーそのままーッ!」
チュウ兵衛とマキバオーも前を走るギーシュのスピードに驚く。
「何だあの馬はえーじゃねえか。たれ蔵!まだ足は残ってるな!」
「んあ!まだまだ行けるのね!」
「よし、向こうが貴族の馬ってんならこっちは野生の走りってもんを見せてやろうぜ!残り200振り落とされんなよルイズ!行くぜたれ蔵!」
チュウ兵衛はそう言ってマキバオーの頭に噛みついた。
>688
幾ら耕したって、種蒔いて世話しなきゃ野菜は育たんよ。
野菜の世話なんて細かい真似、ゴーレムじゃ不可能だと思うし。
肥料だってこの世界じゃたぶん堆肥だろうし、そうすると貴族は近づきたがらんだろ。臭いし。
臭わないような距離じゃさらにゴーレムの操作なんて無理だ。
このへん姉妹スレで書いてるSSあったな。
以下引用
貴族は戦を担い、発明を担い、外交を担い、経済を担う。それによって国体を維持し、文明を発展させてゆく。
貴族は国の分解、崩落を防ぎ、そして繁栄させてゆく。貴族がいるからこそ、国は国として成立する。そんな我々のために、平民が滅私の心で奉公するのは当たり前ではないか。我々は国を支えている。
平民が少しばかり辛かろうが苦しかろうが、そんなものは我々貴族の重大な責務に比べれば真綿の如く軽い。貴族はだから、平民に心を向ける必要も理由も全くありはしない。
この論理には、平民側の視点などカケラも入っていない。全て貴族の貴族による貴族の為の論理に他ならない。
貴族はこうする。だから平民はこうしなければならない。貴族はこうしてやっている。
だから平民はこうあるべきである。つまるところそういうことである。まず貴族ありき。
そしてそこから貴族に出来ないこと、やりたくないこと――そういうものの穴を埋める形で、平民の役割が勝手に配置されている。
この論理を裏返しにすればこうなる。
我々平民は生産の維持、拡張を担っている。市場の形成、維持、食料の供給を担っている。そして貴族の身の回りの世話まで担ってやっている。ならば魔法しか取り得の無い諸君ら貴族は、せめてその命を賭けて働くべきである。
こう考えれば、貴族と平民の間に優劣など何もないではないか。命を賭ける仕事だから偉いのか?頭を使う仕事だから偉いのか?
下らないことこの上ない。平民達だって命を賭けている。馬車馬のように働かされて、ロクに食べ物も与えられずに死んでゆく者もいるのだ――・・・。
うわ、長文で割りこんじまった(恥
済みません支援
「んあああああ!」
「え?え?」
マキバオーの体は上下前後にバネのように激しく動く。それはもうロデオ状態だった。
ルイズは片手で手綱を掴み片手でスカートを押さえる。大したもんだ。
一回は逆転したレースだったが最後の直線マキバオーは加速しまた差し返してゴールした。
「こんなもん八百だ八百!」
「何が『僕に賭けといてくれたまえ』だ!金返せてめえ!」
ギーシュは暴徒と化した生徒達に襲われた。
「んは、久しぶりに思いっきり走った気がするのね」
「なかなかの走りっぷりだったぜたれ蔵。あーあ、あのやろう袋にされてら、良い気味だぜ」
「んあーでもちょっと可哀想なのね」
チュウ兵衛とマキバオーはギーシュを見て笑い合った。
ルイズがマキバオーから降りる。
「…あんた本当に競走馬だったのね」
「やっと信じてくれたの?でも君もよく僕に乗れていられたのね。凄いのよ、勘助くん仕事無くなるのよ」
「しかもただの競走馬じゃねえぜ。日本じゃ白い奇跡って言われてた程の強い馬だったんだぜ」
「んは〜やめてなのね親分テレるのね」
マキバオーは頭をポリポリとかく。
そっか、本当に強い馬だったんだ…、ルイズは考える。
「あんた達名前は何て言うの?」
「何だよ今更だな。俺はチュウ兵衛様、こっちはたれ蔵、いや違った正式名称はうんこたれ蔵だ」
「ウンコ・タレゾー?」
「うんこのとこで切らないで欲しいのね!それに僕の名前はマキバオー、ミドリマキバオーなのね!うんこたれ蔵は親分に不本意な形でつけられた名前なのよ」
「たれ蔵てめえ!俺がつけてやった名前が気に入らねえってのか!」
「出来ればカッコイイ方の名前で呼んで欲しいだけなのね」
「なんだとてめえ!」
ミドリマキバオー…名前はマキバオーって言うのか。
ルイズはマキバオーに思い切って聞いてみた。
「ねえマキバオー、またレースに出てみる気は無い?」
「んあ?」
>>670 可能性@
貴族は繁殖力が低いため数が少ない
可能性A
魔法を使うには両親ともに魔法が使える必要がある。
(平民と貴族のハーフでは使えない)
>>688 ワルキューレ7体作って動かしたら1時間持たずに魔力切れにならない?
しかも視覚は共有できないみたいだから細かい作業はギーシュが一体ずつ監督する必要がある。
プロ農民2〜3人に負けるかも?
トリステイン王国首都郊外にあるトリスタニア競馬場
そこにマキバオー達の姿はあった。
【始祖ブリミル賞】
賞金総額4万エキュー
距離 芝 2400メイル
秋のトリスタニア競馬場で行われるGTレース。ハルケギニア中から
そして聖地、東の地から強豪馬が集まる世界最大のドリームレースでもあり。
国境、歴史、種族を越えた最強馬決定戦でもある。
┌───┬───┬───┬───┬───┬───┬────┐
│ 6. │ 5. │ 4. │ 3. │ 2. │ 1. │ トリスタニア │
├─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼────┤
│K│J│I│H│G│F│E│D│C│B│A│@│ 9R. │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────┤
│ヤ│.ロ |. ル |. ラ│ ミ│.ビ |. ヘ |. タ .|. ソ│.ゲ│ガ│エ.│ 発 走 |
│マ. | .マ│.イ│.イ│ ド│.ン |. イ .|. レ |. ラ│.ル |. リ│.ル | .15:40 │
│グ. | .リ .| ズ. | .ジ |. リ. |. ビ│ ミ│チ│ ト .|. マ│.ア│サ├────┤
│チ. | .ア│カ.│ン│.マ│.ン |. ン│チ│.ブ│.ン |. ノ.│.レ│ 第75回 │
│ノ │.シ |. ワ│グ│キ│.ヴ│ノ │ビ│.ア│.ス│.ヒ│ム│ │
│ボ. | .タ. | .イ│ヘ│バ│ ィ.│イ.│.ッ│ル│││カ.│ │ 始 │
│ル│.ノ.│.イ |. リ .|. オ |. ン│.ジ│チ│.ビ│プ│.リ.│ │ 祖 │
│ │.ホ | |. オ | |. │ダ│ │ │.オ |. レ | │ │ .ブ │
│ │.ウ | |. ス│ │││ │ │.ン│.ッ│ │ │ .リ │
│ │ │ │ │ │ル│ │ │ │ク.│ │ │ .ミ │
│ │ │ │ │ │ヴ│ │ │ │.ス│ │ │ .ル. │
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 賞 │
│牡│牡│牝│牡│牡│牡│牡│牝│牡│牡│牡│牡│ │
│ 5.│ 5.│ 4.│ 5.│ 4.│ 5.│ 6.│ 4.│ 5.│ 5.│ 5.│ 4.│ GT │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│東│呂│鳥│東│鳥│呂│下│鳥│有│下│賀│聖│ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│56│56│53│57│45│57│57│53│57│57│56│56│ │
│ ス│ エ.│ オ│ カ.│.ル│ ジ│.ア.│.ジ│.ア.│ ミ.│.ダ│.ツ.│ │
│ テ│ ド│ レ.│ ッ.│ イ.│ ュ.│.ン.│ .ョ│ ン.│ ル│.グ│.ノ │ │
│ フ│ ガ│││ コ│ ズ│ リ.│.ド│ ン.│ ド│.コ.│ ラ.│.マ.│ │
│ ァ.│││ ノ │.イ│ ・ │ オ│ レ.│ ・.│ レ.│ ・.│ ス│ ル│ │
│ ン│ ・ │ ・ │.イ│ ト.゙│ ・.│.ア.│.ム│ ア.│デ│ ・.│ │ │
│ ・.│.プ│ ヨ.│ ・.│ ・.│ チ│ シ.│ ル│ ス│ ム│ ホ.│ │ │
│パ│ ラ.│ メ │.カ.│ ラ.│.ェ.│. ュ│ タ.│ ・.│││ ワ│ │ │
│ キ│││ │ ラ.│ ・.│ザ│ ・ │ │ ス│ ロ.│ イ│ │ │
│ ス│ ド│ │ │.ヴ│││ シ.│ │ボ│ │ ト.│ │ │
│ エ│ │ │ │ .ァ│ レ.│ ュ.│ │ リ.│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ リ.│ │ タ.│ │..ッ│ │ │ │ │
│ │ │ │ │.エ.│ │ ル│ │ チ│ │ │ │ │
│ │ │ │ │││ │ ケ│ │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ ル│ │ │ │ │ │ │ │ │
│─│貴│貴│─│貴│平│平│貴│貴│貴│貴│.エ│ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│…│…│…│…│×│○│…│…│△│△│◎│…│ │
│…│△│…│…│△│◎│…│…│…│▲│○│…│3歳以上 │
│…│×│…│…│▲│○│…│△│△│…│◎│…│.牡・牝 │
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴────┘
オッズ
Aガリアノヒカリ 3.2 .Dタレチチビッチ 18.1
Eビンビンヴィンダールヴ 3.5 .Iルイズカワイイ. 18.7
Bゲルマンスープレックス 4.2 .Fヘイミンノイジ 54.8
Cソラトブアルビオン 6.8 .Kヤマグチノボル. 68.0
Gミドリマキバオー 8.2 @エルサレム. 71.8
Jロマリアシタノホウ 10.7 Hライジングヘリオス 82.0
支援
支援、ちょwwwネタな馬多すぎwww
世界各国の国王、重要人、貴族、平民そして10万人の観客が見守る中
トリスタニア競馬場にファンファーレが鳴りひびきレースはスタートした。
―各馬ゲートインからいっせいにスタート。
第2コーナーを廻ったところで先頭は予想通りガリアノヒカリ。
さらに各馬一団となってゲルマンスープレックス、ロマリアシタノホウ、タレチチビッチ、エルサレム、ソラトブアルビオン
ルイズカワイイ、ヘイミンノイジ、ビンビンヴィンダールヴ、ヤマグチノボル、ライジングヘリオス
マキバオーとつづいております。
第3コーナーを廻って第4コーナーにかかったところで、
先頭は予想通りガリアノヒカリ、マキバオーは大きくぐぐっとあいて、10馬身といったところでしょうか
さあ!最終コーナーを廻って、直線だ。
各馬いっせいに鞭が入る。
おっと、後方から猛烈な勢いで追い込んでくる白い影。
ミドリマキバオーだ!トップのガリアノヒカリ懸命の疾走。
これをマキバオーが必死に追いかける。
マキバオー速い。先頭集団に並んで一気に抜き去った!
その差2馬身から3馬身!ガリアノヒカリはもう来ないか!
2位以下を大きく引き離して、今ゴールイン。マキバオー圧勝!
第75回始祖ブリミル賞制したのはミドリマキバオー!!
マキバオーこれで前回のアンリエッタ女王杯に続き負け無しの4連勝!まさに白い珍獣白い奇跡であります!
あっと今、馬主兼騎手であるラ・ヴァリエール嬢がファンの声援に手を振って応えてます!
ここにハルケギニアの歴史に名を刻むであろう新たな最強馬が誕生しました!
―完―
何気にルイズに投票したのキュルケとタバサ位だと思うんだが的な紫煙
支援
>タレチチビッチ
殺すぞ
てか、ジュリオに勝てる気がしねえwww
ここまで読んでて思ったんだけど
ダンスインザウィンドってラノベご存知の方おります?
負けるなよヴィンダールヴw
エルフまで出場してるww
ジュリオなんで競馬にでてんだよ。
いいのか神官
GJ!
そしていろいろとちょっと待てww
競馬ってのは本来貴族の賭け事だからな。
赤鉛筆加えて目を血走らせるような物だけじゃないはず。
だとしたら、妙にお高くとまったエルフや神官が出ても問題はない。
コルベール先生がマシン馬で出場してれば完璧だったな
マシン馬じゃだめだろwww
乙ですた〜。
マキバオーの人、乙でした
笑わせて貰いましたwww
>>714 ノ
>>706 これ以上は考察スレいこ。
今見てきたら、血筋についてはばっさり斬って捨ててるレスがついてて噴いた。
アレは反論のしようがねえ。
>>722 いるし…。
このスレ住人のネタの幅の広さはおかしい。
アレの、競馬ならぬ競竜にキュイキュイは面白そうだと思うんだ
馬も貴族なみに血統で出走資格が制限されたりするのかな
ぜひともハルケギニア大陸騎馬横断レースの開催を!
姉妹スレか、それは
>>725 作者が人間をやめていて、テストで質問を質問で返すと0点の漫画だな
機動戦士ガンダムよりアムロ
>>725 アンアンが「不安だよォ〜!!ねぇ〜!!失敗したらどうしよォ〜!!」とか裏で泣きながら主催するのか
誰か夕なぎの街クロスを書かないかなぁ。
最近、やっと、やっと続刊が出たんだぜ?
ガンダムSEEDよりキラ・ヤマト
パワポケ3より亀田と主人公(完結後)
>>723 面白そうだw
問題はどうやって混ぜるかだな。
競馬なら競竜がハルケギニアで開催されてるって設定ならいいのかね。
血統チェックで韻竜だとバレちゃうがな
逆に考えるんだ、韻竜の血が流れているが実は、その種類の竜が大量に確認されていると
ミスター味っ子が召還されていたら
ぶっちゃけ、クーが喋れれば即座に使い魔確定なんだけどねぇ・・・
女王騎士物語という打ち切りくらったまんががあってな
>>742 いえ、競翔竜のダンスインザウィンド号と申しました
あと、そいつはQooじゃなくてCooだった気がシマス
>>737 「料理は味が勝負、アイディア次第で色んな味が出せるんだ!
今日の舞台は古いお城、この勝負受けてやる!
たった一つの真実見抜く! 見た目は子供、頭脳は大人!その名は!」
『ミスター味っ子!』
あれ? 何か間違えてるような……
なに?天狐のクーちゃんと申したか?ヴァリエール家のお稲荷様?
気まぐれ屋だけどルイズに興味もてば意外となじむかも。使い魔としては当たりだと思う
空幻狐は、当たりどころのさわぎじゃねえ…
ぶっちゃけ、ちゃっちゃと帰ってしまいそうである
>>743 おぉ! Cだったか。大いなるCだったか。
すまんな。
しかしあれって4回だっけ?
思えば遠くへ来たもんだ。
大いなるC・・・・
ルイズ「イア!イア!クトゥルー!クトゥルー・クフアヤク・ブルグトム・ブグトラグルン・ブルグトム!アイ!アイ!クトゥルー!!」
姉妹スレが増殖してるんだがテンプレに記載した方が良くないか?
なんか藤井八雲を召喚とか、突然頭に浮かんだ。
あれのご主人もツンデレだし。
エースコンバット04よりISAF召還
>>748 ふんぐるい・むぐるうなふ・くとぅるぅ・るるいえ・うがふなぐる・ふたぐん
訳・ルルイエの館にて死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり
じゃなかったか?
その呪文はハスターへの祈祷によるバイアクヘー召喚呪文のはず
うぼぁ!!なんという致命的なミスを・・・・あぁ、窓に!窓に!!
:::::::::::::::::::::::::::::::::|,..-──- 、 |:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::| : : : : : : : : : \|:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::| : : : : : : : : : : : |:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::|::,-…-…-ミ: : |:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::|:i '⌒' '⌒' i: ::|:::::::::::::::::::::::::::::::::
>>754 呼んだ?
:::::::::::::::::::::::::::::::::|:| ェェ ェェ |: :|:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::|:| ,.、 |: :|:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::|:i r‐-ニ-┐ |: :|:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::|ゞ ヽ 二゙ノ イゞ:|:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::|\` ー一'´丿 |:::::::::::::::::::::::::::::::::
>>753 フィレンギ人の舌先三寸に対抗できるゼロ魔キャラが何人いるのやら。
ルイズとか即行で言いくるめられちゃうだろうな。
竜といえば、龍が憑いているドラゴンガールを知っとる奴は自分以外におらんかー!!
ドラゴンガール? ああ、乳首が☆になってる女の子達のことね
女の子の龍人なら、ドラゴンハーフでもいいんじゃね?
最初の方から呼べば、力の使い方を知らなくて弱いしな
どっかでドラゴンキラーありますとかいう小説見かけたの思い出した
>>758 それじゃなくて、りぼんでやってた漫画のこと。
女性住人がそもそも少なさそうだから……orz
このスレを読み始めてからゼロ魔の世界は実験室のフラスコ(byギリ○ム)何じゃないかと思えてきた。
>>706 農業のことは分からんけど開拓されてない土地を一気に耕すのはゴーレム使えば楽勝じゃない?
そのあとを平民が整備すればすぐに農地になりそうなイメージなんだけど
>>761 タイトルは分かるけど、読んだのずいぶん前だから内容が思い出せない……
>>762 つまりギリさんとパワードスーツのゲシュちゃん召喚と?
土地の改良もしないと遺憾からどうにも
わかりやすい最初の問題としては小石等の除去か。
水戸黄門を召還したらどうなるんだろう
助さんと角さん付きで
>>766 将軍家の権威が全く通用しない状況だから、御老公のアイデンティティをごっそり奪っちまうだろうな
海外ドラマで
サブリナのセーレムとかアルフとか
奥様は魔女のサマンサ・・・とか
>>766 致命的な欠陥がある。その三人じゃなにもできないぜ
どんな事件の裏事情も調べられないから動けない
風車の弥七がいない黄門様なんて一般人と変わらないのさ
>>765 そこは錬金の魔法とか使えば
後はキテレツとかエンチャンターのハルヒコとかのような発明家(後者は機工魔術師で別物だけど)喚べば便利アイテム作ってくれるさ
畑を耕すデメキングレートを幻視したが気のせいと言う事にしておこう
なんかファミコンの水戸黄門を思い出すな。
ご老公一行が海外に進出するヤツ。
>>770 ハルヒコだと工房経由でそのまま帰りそうだな
ならここはファミコン版のシャーロックホームズでひとつ。
あまつかぜ〜
いっそのこと犬のホームズを
猫のホームズも捨てがたい
原作の薬中ホームズもなかなかだと思うが
GSホームズもつけるぜ
シャーリィ・ホームズは…………避難所かエロパロスレ行きだな。
>>777 あんなアヘン中毒なんていらね
そんなことよりも、トップをねらえ!よりオオタコーチを召喚で
考えたてみたが普通にトップになってしまった。
>>779 じゃあ、アリシア・Yで
【自力で帰れるとか窓に!窓に!オチになりかねない】
オオタコーチは開発屋の技能もあるってことを忘れてるからだろ?
バスターマシンは彼が基本設計してるようなもんだぜ
コルベールと組んだら人型マシンを作っちまうぞ
>>779 シャーリィはショタコンなんで学院生は食わないだろ
シエスタの弟がだれか食われるとは思うが
じゃあクトゥルフが関わってるホームズのゲームから(ry
>>778 Dr.カオスも喚ばなきゃな
……シェスタの祖父ポジ(しかも存命)とか破壊の杖エピソードとか何だこの出しやすさは
>>772 解る人が居るとは…
確かにハルヒコは世界の行き来自由だからそこら辺ネックだな
貴重な素材と引き替えに何日か滞在する程度かな?
シシュフール=ファダンリリルト=ダグリナート
トップをねらえ!NeXT GENERATIONよりシリウス同盟の理力使いを召喚
宇宙を生身で移動できてブラックホールも作れる
聖地からは光子魚雷やマシーン兵器、理力兵器がざっくざっく
>>761 なんかドラゴンが憑依してキスでうぼあーだっけ?
>>773 1ドットが発見の差になるアレだな
ソードワールドRPGリプレイ・Walzからカムカ村の5人を全員召喚、とか考えた。
落ち着け俺、もうすぐ最終巻発売だからソレ読んでからプロット練ろうぜ。
…ナジカ先生に「めっ」されて押入れに閉じ込められるルイズとか想像しちゃって…。
>>787 使い魔は先生で確定だな。
「うちの子らを、使い魔になんてさせません!」って
ウルトラマンの宇宙人から適当なものを召喚してみる
「ルイズくん、『私にハルケギニアをあげます』と言いいたまえ」
ならこっちはきかんしゃトーマスのパーシーを召還
>>788 エルフだから自慢にはなると思うんじゃがの。
でも精霊魔法の腕はブランシュのほうが上。
>>761 テラナツカシスwwww確かおでこ触って呪文で龍召還だったような。
りぼんネタならいっそのこと、魔法学院が雅な貴族系の白い制服と軍人系の黒い制服で二分されるとかやってみたいな。
>>764 スパロボ系で一番普通に役に立つのはファイターロアとコンパチカイザーだと思う。
コウタ抜きでアーマーだけ召還しちゃったルイズがファイターロアに変身して、
ダークブレイン配下のウルトラキラーとかライダーキラーと戦うんだ。
>>793 ガンキラーにも触れようぜ<ソレは違うMS
>>789
ならば、こちらは星一徹を召喚
虚無魔法養成ギブスをつけさせられるルイズがw
ええい、ならば、岩本虎眼先生で……むーざんむーざんorz
>>789 それも面白そうだが個人的にはダダ召喚を見てみてぇw
頭が良くて献身的なピグモンとか、寂しくなるとすぐすねるシーボーズとか、ただ寝てるだけのガバドンなら
おとなしい性格してるから使い魔として飼いならすことは簡単だろう
(ピグモン以外は役に立つかどうかは疑問、というより大きすぎて養えねぇw)
>>795 むーざん むーざん
ぴんくの ようじょ ずんずん
びっちにきとうしょ も〜ろたら
あ〜かいはな さいた
こうですか?
わかりません!
祈祷書もらっただけであかいはな咲かせるなw
決闘で伊達にされたギーシュが以前いたような…w<虎眼流
>>799 そういえば前にこんなのもあった
むーざん むーざん
きーんぱつの だーておとこずーんずん
るいずとしーきをあーげたら
あーかいまがくしさいた
>>710 GJ!
そしてこの実況をちゃんと一息で言い切らないとなw
>>796 でも、ピクモン頭が良いといっても小学二年生くらいの知能だぞwww
>>795 岩本徹三に見えた。
実は死んだのではなく召喚されていたと。
>>20 ルイズの淫壷の中で肉槍が卑猥にくねり出した。
まで読んだ。
806 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 21:53:21 ID:X0gvYD1N
聖闘士星矢THE LOST CANVAS 冥王神話の魚座(ピスケス)のアルバフィカ召喚
同じ薔薇使いながら思想や生き方が全く違うギーシュと良い対比になりそう。
ギーシュと違って外見の美しさにコンプレックス持っているし。
ただアテナに仕える黄金聖闘士が素直にルイズの使い魔になるのかだな。
あ、そうだ、ヤツデンワニ召喚しよう。シエスタのおばあちゃんはらんるで。
>>796 バトルナイザーを召還して好きなときに出し入れ放題とか
円谷的には旬のネタだし
>>806 乙女座や牡羊座があっさり迎えに来そうなのも…
>>807 最終決戦でルイズあぼん。
タバサとビダーシャルの娘の名前がルイズに。
>>806 毒薔薇まみれの生活してる人とキスしなきゃならない誰かの安否を忘れてるぞ
>>809 乙女座冥界の奥で瞑想してやがったしなw
順当に考えるとルイズに対してアテナである可能性を見出すとか……?
その辺前に妄想書き込んだ記憶があるなー
唐突にサガフロ2のギュスターヴなんか思いついたけど
よく考えたらどっちかの一方的な展開にならざるを得ない・・・かな
>>806 黄金聖衣なしでも十分やっていけそうだな。
じゃあキュルケに召喚された呉学人やコンボイ司令官が平時にそこそこ優秀そうな所を見せつつも
ここぞと言うときに大ポカをやらかしてゼロ魔キャラが頑張る展開に…
呉学人「私に策がありますのでここはお任せを…」
サイトその他「ウワァァァ!」
呉学人「ああっ何で私はこんな簡単なことを見落としていたんだ!」
頑固な堅物で平民だが伝統や貴族を尊敬するルキウス・ウォレヌスが召喚されたら面白いかも
>>807 ダイノガッツ溢れるシエスタの出来上がりと申したか
或いは恐竜やトリスタニア支店開店フラグ
つーか「他の世界に迷惑をかけるなブラ」とか爆竜がダイノアースからやって来て強制送還されそうだな
>>760 あの作品のキャラはいいのが揃ってるぜ。
だれか書いてくれないかな。
何か違和感というか不安を感じてたんだが、
>>811の発言で合点がいったw
誰かさん死ぬわw
エルフキャラ召喚ネタ少ないね?
リンクを召喚したら…やっぱ召喚した瞬間に周囲からフルボッコされて終わりかあ
>>784 GS美神にはオスマンが見鬼くん役で出てたなw
カオスと声が逆になる可能性もあったらしいけど、カオスはあれで正解だと思う。
あと、絶対可憐チルドレンもアニメ化するらしいがそんなに売れてたのかw
>>820 ソウルキャリバーな方向から召喚したらガードでなんとか……ならないか
>>820 戦ったら殺されそうな相手にいきなり殴りかかる人は少ないんじゃない?
とりあえず平和的に話し合おうとするんじゃないかな?
>>817
爆竜ブラキオサウルスが、
「I say yes ずっと君の側にいるブラ」
とか
「どんな未来も希望に変えるブラ」
とか
「ピンチな出来事押し寄せてきても、君がいれば乗り越えられるブラ」
とか
言いながら現れるのを幻視したw
>>821 絶対可憐チルドレンから末摘さんを召喚。
Mの人だからルイズにキツく当たられるほど喜びますw
油断して素顔を見ちゃうとタバサは泣いちゃうけど。
>>820 シークなら避けられる、ゼルダなら防御できる。
エルフ耳、ってことならSO2からあえてノエルさんとか、
時空異邦人KYOKOの響古とか。
>>824 「Nooooo!! この青とピンクはブラいらずブラ!」
と脳内で幻聴が響いたのは俺だけでいい
>>826 >エルフ耳
宇宙大作戦から、ミスタースポックを召喚。
まぁ、
「ミス・ヴァリエール。それは、非論理的です」
と言わせたかっただけなんだがw
>>821 兵部少佐を召喚するとだな、
ルイズがあのロリコンの射程圏内に入るのかが問題だ。
次投下予約しますがどうでしょう?
支援いたします
IDがテロで噴いた支援
どうやったら、そんな短時間で文章がひねり出せるんだ、支援
ゼロの斬鉄剣 閑話休題2 −使い魔たちと五ェ門の一日―
(時間軸はフーケ後からアルビオン潜入までのいずれか)
ある朝のこと
五ェ門がいつもどおり朝起きて洗濯へむかう時のこと
「おはようございます、ゴエモンさん!」
声をかけるシエスタ
「うム、おはようシエスタ。」
ここ最近いつもシエスタと毎朝交わしている挨拶である。
「シエスタもずいぶん早起きだな。」
などと言われているが、シエスタは最近五ェ門の起床時間にあわせて起きているのは
もはやメイドたちの間では公然の秘密であった。
「はい、これもお仕事ですから。」
笑顔で返すシエスタを毎朝見るのも五ェ門のひそかな楽しみでもあった。
「きゅーい!」
バサバサと空からシルフィードがやってくる
「おう、お主もはやいな。」
「(きゅい!早起きはきもちいいのね!)」
突然のことにすこし腰を抜かすシエスタ
「心配いらぬ、これはシルフィードといってな。タバサの使い魔だ。」
「(た、食べられるかと思っちゃった。)」
なんとか立ち上がるシエスタ。
「きゅい!」
「きゃ!くすぐったい!」
シルフィはシエスタから何の敵意も感じないと思うとすぐさま顔をなめだす。
「こやつはなかなかの甘えん坊、気に入ってもらえたようだなシエスタ。」
「ひ、ひええ。」
シルフィードはうれしそうに再び飛んでいった。
「さ、行こうか。」
ちょっとべたべたになってしまった顔をタオルで拭って洗濯場にむかうシエスタであった。
シエスタは最近この時間が楽しくてしようがないようでいつも五ェ門のとなりで洗濯をしている
「あらやだ、シエスタったらまたゴエモンさんの隣ね。」
「んもう、みせつけてくれちゃうわ!」
「うらやましい・・・。」
「シエスタ、拙者の分はもう終わったのだが助太刀しようか?」
思わぬ申し出に声が上ずるシエスタ
「は、はひぃ!あ、あの!お願いします!」
了解をえた五ェ門は自分が洗えそうなものをせっせと洗っていく
「(ゴエモンさんが近い・・・)」
意識が遠のくシエスタに
「シエスタ、如何した?」
「あ!はい、御免なさい!」
現実にもどされてちょっと残念そうなシエスタ
「今日は手伝ってもらってすみませんでした。」
「いや、気にすることは無い。」
「じゃ、また別のしごとがありますからこれで。」
名残惜しそうにさるシエスタ。
「(さて、拙者は鍛錬に励むとするか。)」
日課となっているランニングを始めるゴエモン
「ぐるるる!」
いつの間にかキュルケのフレイムがついてきていた。
「お主も一緒にやるのか?」
「(へい、アニキについていきます。)」
と言ってる様なきがした五ェ門は、フレイムを加えてランニングをするのであるが
フレイムは図体がでかい割にはけっこうすばやく動くので十分五ェ門についていける。
「なかなかいい動きだな、フレイム。」
こういう事であまりほめられないフレイムは実にうれしそうだ。
そうして日がある程度のぼるとランニングをやめ、ルイズの部屋にもどっていく。
「(やはり一人でやるよりは張り合いがあると一層の鍛錬になるな。)」
おもわぬ参加者に一人満足そうにする五ェ門
「ルイズ、朝だ」
ぴしぴしと頬をたたかれ、う〜んと、間延びするルイズ
「ん〜、おはようゴエモン。」
「おはようルイズ。」
そうして何時ものように着替えをして食堂へむかうのである
「じゃ、またあとでねゴエモン。」
ルイズは最近機嫌がいい。
「承知した。」
支援
>>813 ギュスターヴの術無効化設定をどうしたものかと考えたりはする
そのまま素直に適用すると魔法無効化しそうだし
五ェ門としては最近ルイズに余裕ができてきたことに安心をしている。
「おう!おはようゴエモン!」
「おはようマルトー殿、毎朝かたじけない。」
ハッハッハと、大声で笑うマルトー
「いいってことよ兄弟!いまさらじゃねえか、遠慮するな!」
そうやって朝食を済ませ待ち合わせの場所へ向かう五ェ門
「じゃ、いきましょっか!」
「うむ、今日はコルベール殿の授業であったな、課題はやったのか?」
「当然よ、抜け目はないわ!」
相変わらずの物言いだが近頃は表現も柔らかくなっている。
そして授業が始まる
「はい、課題を前にあつめたら授業を始めますよ!」
今日は教壇に見かけない箱が置いてある
「先生、その妙な箱は一体?」
モンモランシーが声をあげる
「コホン、今日の授業はコレが主役です。」
教室がどよめく
「今日は火の秘薬をつかった実験を行いたいと思います」
そういってコルベールが箱のなかに入れていた三角フラスコを取り出す。
中身には黄色がかったオレンジ色の液体
「(あの液体はもしや・・・・)」
五ェ門がどこかでみたような液体を見つめる
「おっほん、この液体は石炭から錬金の魔法で精製した秘薬がはいっております.
この液体は本来、火の魔法を効率よく働かせる役目をはたしますが−」
そういいながら得体の知れない箱へ注いでいく、箱の傍には鞴が据えられている
「この装置は火と秘薬を使った動力を得る装置なのですぞ!」
おお、と声をあげるのは五ェ門のみであった
「こ、コルベール殿、早く動かしてはくださらぬか?」
「・・・くぅう!ゴエモン殿はやはりわかっている!」
ではさっそくと、鞴をふかしはじめ、杖を穴のなかにいれる。
ポン!ポン!と音がなり別の穴からレッドスネークカモンよろしく蛇の人形が出たり入ったり
「鞴で秘薬を気化させ連続して点火すると、このように中で小さな爆発がおきて弁を押し上げるのです!」
ぽかーんと見つめる生徒たち
「素晴らしい発明だな、コレは拙者の故郷でいう“発動機”。」
支援するけど…
推敲ぐらいしてから投稿したら…?
楽しそうにコルベールと五ェ門は語り合うが既においていかれて
なんのことだかさっぱりわからないというような生徒たち−一人のぞいてだが
「(あれは面白い装置だ、蛇の部分を改良すれば・・・・。)」
そうにやけているのは風上のマリコルヌだがいったい何をするために使うのかは誰も知る由はない
しいていえば“欲望は進化を促す”とでもいうべきか、それはまた別のお話。
そうしてコルベールの授業がおわりルイズは五ェ門に質問をしてきた
「ちょっとゴエモン、コルベール先生の発明のどこがすばらしいのかさっぱり分からないわ!」
はははと笑う五ェ門
「そうだな、しいていえば馬より早い乗り物ができるというべきかな?」
「んもう、さっぱりわかんない!」
などというやり取りをしていたのであった
昼食時、五ェ門がデザートを配っているときのこと
「ケロケロ!」
音がしたので五ェ門は下を見る
「ケロロ!」
「おう、たしかモンモランシーの。」
その奇妙な模様の蛙は五ェ門がさらに盛っている“フルーツポンチ”をよこせといわんばかりに前足をさしだしてる。
「む?お主に持てるのか、こぼすなよ」
「ゲゴ!」
そういうと蛙は器用に飛び跳ねながらモンモランシーのところへ
「あら!ロビン、貴方が持ってきてくれたの?」
「ケロン!」
かえるに頬ずりをするモンモランシー
そこへ五ェ門が一言
「その蛙はモンモランシーの使い魔だったな。」
「あら、蛙ではなくて“ロビン”ですわ。」
ちょっとむくれるモンモランシー
「いや、これはすまなかった。そのロビンはなかなか器用で賢いな。」
笑顔になるモンモランシー
「ロビンをほめてくれてありがとう、ゴエモン。」
そんなやりとりをはなれた場所から
「・・・ゴエモンさん・・・。」
すこし複雑な思いをするシエスタであったが完全な誤解である。
支援・・・?
昼食後
五ェ門が昼の鍛錬をしようと外へでる、そこへ藁などを積んだ荷馬車がすれちがう
何気なく五ェ門が荷車をみると
「(あれは、竹ではないか?)」
荷馬車を止める五ェ門
「またれよ、そこの荷馬車」
「へえ、なんでございましょう?」
五ェ門は荷車から竹のようなものを指差す
「あの筒はいったいどこで?」
へんなことを聞くものだと五ェ門をみる農民
「へぇ、この筒はもともと東方からきた植物なんですがね、成長が早い割には使い道がすくなくて」
「どこに生えて折るのだ?」
「それならこのトリステインにも自生しておりますよ、ここから東に7000メイルほど離れた場所は
特に沢山自生しておりやすよ。」
「なるほど、いい事を聞いた。かたじけない。」
そう会釈すると五ェ門は進路を東に取る
「へんな奴だなぁ?」
と、わけのわからないような顔をして学院に届けるのであった。
五ェ門が山道を小一時間程すすんでいくと
「おお、これは見事な!」
目の前には鬱蒼と茂った竹林であった
「(日本の物とは種は違うようだが、これならば申し分ないな!)」
そういうと五ェ門は生えている竹を2〜3本分ほどちょうどいい長さで切りそろえ学院にもどっていく
「あら、ダーリンそれって?」
庭の広場で竹を置いていると後ろからキュルケが現れる
「コレは拙者の故郷では“竹”といってな、様々な加工ができる代物なのだ」
ふーん、とあまりきょうみがなさそうに
「じゃ、あたしはまた授業があるからまたね、ダーリン。」
そそくさともどるキュルケ
「キュルケ、すまないがフレイムを貸してくれまいか?」
「あ、いいわよ〜、自由につかって・・そのかわり・・・こんどはあたしもつかってね?」
何に使うのだとつっこみたくなるがすでに後姿は遠くである、まもなくフレイムがやってくる
「(お呼びでしょうかアニキ!)」
といっているかのようにやってきた。
見直し足りてるのかな、支援
>>840 あまり綺麗な文じゃなくて申し訳ないす
どうもそのまま浮かんだことを書き上げてしまうので
なるべく推敲を重ねていきたいとおもいます
エジソンの電球フラグ?
支援
「お主の尻尾の火を貸してほしいのだが。」
「(お安い御用で)」
といわんばかりに尻尾を差し出すフレイム
そこへタバサの使い魔、シルフィードがやってくる。
「(きゅい!ゴエモンはなにをやっているのね?)」
「(あっしにもわからんのよ)」
獣同士そんなやりとりをしているようだ。
ゴエモンは竹を細長くきり揃え、フレイムの火であぶる
「(きゅい、すっごい!どんどん形がかわるのね!)」
やがて形を整え骨組みが出来上がっていく
「(ゴエモンは編み物もできるのね!すごい!)」
手早く竹を編んでいく
作業を開始してわずか1時間半後
「(素晴らしい材質だ・・一見ただの竹だとおもったが竹より優れた柔軟性がある)」
五ェ門が作っていたのは“三度笠”であった
「火にあぶれば竹よりやわらかくなり、冷えると竹より頑丈になるようだな。」
そういうと早速作りたての笠をかぶる
「(旦那、格好いい!)」
「(いいな!シルフィもほしいな!)」
そんな視線に気がつく五ェ門
「もしかして、お主たちもほしいのか?」
そうだ、といわんばかりに首を振る両使い魔
「そろそろ日が暮れるな、厩舎でまた作業をしよう」」
そういうと五ェ門は2匹をつれ厩舎へ
「(きゅい!ゴエモンは藁もつかってるのね!シルフィ楽しみ!)」
「(あっしには何を作ってくれるんですか?)」
熱心に作業をするゴエモン、やがて完成した頃には夕飯の時間をとっくにすぎていたが
「うむ、できたぞ。」
まずフレイムに完成品をつける
足軽笠である。
「お主は水が苦手そうだからな、雨の日はせめて頭を守るといい。」
「(旦那、ありがとうございます!)」
至極満足そうなフレイム
……竹……発明……フィラメント?
支援
ごめん、順番取り違えた、orz
使い魔の間で三度笠が流行るのかw支援
「シルフィードにはこれだな」
そういうとゴエモンはシルフィードに可愛らしい角飾りを据える
ところどころに赤や緑の木の実がつけられている
「(きゅい!かわいいのね!ありがとう!)」
「それと、これはタバサにもっていってくれぬか」
「(お姉さまにも?)」
「聞けばタバサは祖国の任務であちこちを飛び回ることがあるそうだな。この藁蓑と笠をつければ雪や雨もしのぎ易いだろう。」
「(わかったのね!ありがとうゴエモン。)」
そうして二匹の使い魔は嬉しそうに去っていく
「では、拙者も風呂に入って寝るといたそう。」
こうして五ェ門と使い魔の一日は過ぎ去っていくのだ
完全な余談であるが、ガリアではのちにタバサが好んでまとっていた藁蓑と笠は「美しく、強くなれるように」という触れ込みで代々王家のお守りのような形で伝承されていくのだがそれはここでは語れまい。
>>838 ギュスさんゲーム内だと防具一切無しで術50%無効化だしね…(プログラム内でそうなってる)
固定装備のギュスの剣もあいまって75%無効化するし…
ギュス自身(-50%)&剣(-25%)&金属鎧(-15%)・篭手(-5%)・具足(-5%)で完全シャットアウトするしね…
以上、投下終了です
一ページ分ネタがまるまるぬけてしまっていたので後日別の話に組み替えて出しますorz
あと、もうちょっと誤字とか減るように
840氏の言うようにこれからは推敲は出来るだけかさねてから出していきます。
雪風から雪ん子に二つ名が変わってるw
それにしても五エ門も万能さは異常
ツルベールエンジンにも期待
藁蓑と笠をまとった特殊工作兵…木連の北辰の部下を連想してしまったw
>>852 術不能者が皆そうなのだとしたら、鋼鉄で武装した軍隊が異様に強かったのもよく分かるな。
あっちの世界だと、術と武術がほぼ等価だし。術の戦術価値を無力化すれば、術に頼らない戦術に特化した方が圧勝するわな。
五右衛門の人乙
この短時間で文章を書きあげられるって文才が全く無い私から見たら凄いことですよ。
またまた後世に残る話を作りやがるwwww
>>857 ただね、あれはあくまで"アニマの流れ"を阻害するものだから"魔法"がどうなのか分からないしね。(魔法とアニマが同じならまだしも)
逆にウィル召喚したとしても冷や水のアニマを見つけられるか分からないしね。クヴェル装備してない限り。
残鉄の人乙
投下速度速すぎww最近ほぼ毎日ペースじゃねーかw
>>862 >>858 ただ浮かんだ妄想等をそのまま書き上げたりしてるだけす。正直文法や誤字とかの指摘は申し訳ない気持ち
になるので、書き溜めておいてできるだけ校正していこうかと思っとります。
>>854 雪ん子タバサとくるとはwww
そのネタこんどやらせてくだ(ry
>>859 銭形もせっかく出たので今度また出したいすね。
>>853 投下お疲れ様。
突っ込みいれちゃったし、それに対する返信もあったので少し書いてみる。
推敲、というか区読点の使い方から見直すべき所が散見される。
あんまり突っ込んだ事を書くと、
「そんならお前が書け」
と言い出す人が居るだろうから厳しいことは書かないけれど。
小説と呼べるものを書く気があるのなら、
ラノベ以外の文章も普段から気をつけて読むようにして欲しい。
それだけで文章に対する意識が変わってくるはずだ。
がんばれ。
>>864 突っ込んでくれるだけでも書き手には大変ありがたい。
がんばります。
>>860 アニマというか術そのものだからな
術、魔法にある程度強いってぐらいの方がお話としては作りやすいかも。
いつの世代のギュス様を呼んでも物語になるからなぁ
>>863 どうぞどうぞ
あと竹があるなら竹の子掘って食おう
竹筒あれば炊き込みご飯もいけるはずだし
>>860 「アニマ=精霊」と考えると、使えそうな気はするが
後確か、金だけ術阻害能力がないはず
ネタはある
プロットも作った
でも文章がかけない
こんな人間はきっと多いはず
>>869 ネタはある
プロットも作った
山場は書き上げた
でも途中の繋ぎの文章が書けない
自分はこうです。
>>866 個人的に一番(フロ2歴史上)違和感無いのが南砦の…ってそれより
今気付いたが魔法吸い込むデルフと個人で魔法の聞きにくいギュス様が組んだら完璧に盾に…
今日は俺のクローンばっか居るなぁ、
あ、もう明日か
おかしいな、遍在は唱えてないはずなんだが
あれ?スキルニルが足りない……
こりゃこのスレでオフやったら死人が出るな。
ドッペルゲンガー見た的な意味で。
そういやこれ全部俺の偏在だってことに気付いた
>>872 素で魔法に強いしデルフで魔法吸収
さらにガンダールヴ効果付与……あれ?最強の戦士じゃね?w
>>871 山場だけ書いて途中ダイジェストの一発ネタにすれば良いじゃない。
>>882 たださ、魔法の効き辛いギュスターヴだとそもそも契約失敗、或いは成功してもガンダールヴの
ルーンの効果に不具合とかありそうだな
884 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 00:13:43 ID:K7X53EMl
>>829 ルイズに「ミス・ヴァリエール、貴方のその感情は非建設的かつ非論理的です」とか珍しい物を見るたびに「魅惑的だ…」と言うのか。
885 :
キムタク:2008/01/14(月) 00:14:26 ID:xA97UM1Q
ちょっといいじゃろかー?
あのーあれー、例によって投下に参ったんじゃよ。
ジークナオン。
支援
支援
>>820 亀だがジルオールからフェティ様召喚したら面白いかもしれん
問題はネタが分かる人がいるかどうかってことだ
支援
支援
支援
キムタクぅぅぅぅ支援!!
国の標語:朕はガンダムなり。
あれとそれらだけのああいう国、神聖マルコメ帝国。
これは、あれを目指す、そういう物語である。
こいつはかなりあれなので、時々セリフが直される。
『神聖マルコメ帝国AZ(あのゼロ)』
第四話 最大の敵
「前回のあらすじ……前回を見れ。」
ズガアアア
「くっ……あのーアンリエッタのビッチめ、この国王のわしをいたく気に入りましてな。
アルビオンとやらへの密使に仕立て上げたって寸法よ」
「それが信じられん。大体なんで僕も行く?」
「太っちょスキー、ホラ、使い魔と主は一心同体って気持ち……分かるでしょ?」
「……分かんないなあ。」
早朝。学院の正門に、ルイズとサイトが来ていた。ギーシュとヘビトカゲも。
「私とサイトだけでいいのに、なーんでギーシュにマリコルヌなんて、学院二大変態がついてくんのよ!
しかも、変態の使い魔まで一緒だなんて」
「まあ、ファーザーっておっさんはともかく、ギーシュの使い魔は強いからなあ。
姫様もなんか、道案内に強力なメイジをつけてくれるっていうし…」
そこへ、ペタペタと裸足でファーザーが、続いてマリコルヌがやって来た。
「ゲエ、ルイズと斉藤とギーシュとヘビとカゲ……5人!?」
「おいギーシュ、こんな朝っぱらからワインをラッパ飲みするな」
「(グビッ)ううー、諸君の正義は、い、いきり立っているかーーい?
(グエエー)ああー、ダメだあー」
絶対に人選に問題がありすぎる。この国は大丈夫なんだろうか。
支援
支援
支援
やがて、グリフォンを従えた若い貴族が現れた。
「(ザッ)あの……君たちが王女殿下に依頼された……?」
「あっ、はい! ああワルド子爵さま、お久しぶりです!」
ワルド。ああ、魔法衛士隊・グリフォン隊の隊長か。あの羽帽子と黒マントは確かそうだ。
噂には聞いているが、すごい美形……じゃない。
僕以上のデブだ。胴長短足で顔にはニキビが浮かび、髪はもさっとしてただ切っただけ、そして眼鏡。
声もボソボソと小さいし、1000%オターキングじゃないか。本物か?
「ああルイズ、久しぶりだな。えーと、こっちは初めまして。
僕はジャン・ジャック・フランシス・中森一郎・ド・ワルド。中森でいいです。あの、よろしく」
「……はぁ。あのー、マリコルヌ・ド・グランドプレです、よろしく。
あの、ひょっとしてグリフォン隊の?」
「ええ、あの、二つ名は『閃光』。『閃光』の中森っていいます。すいません。
一応グリフォン隊の隊長で、風のスクウェアメイジで、ルイズの婚約者です」
……は? ……え?
「ワルドさまぁ、6年ぶりかしら! お会いしとうございました」
ルイズが駆け寄ると、中森は別人のような大声で叫んだ。
「うるせえ! 中森って呼べっつってんだろ、『ゼロ』のルイズ! 女はてめぇだけじゃねえんだぞ!」
「ごめんなさい、中森さま! お願い許して」
「ケッ」
…………これは、幻覚だ。スタンド攻撃に違いない。
支援
4L94T/Ddが支援しすぎで規制かからないか心配です
ワルドぉ!?支援
突っ込みどころが多すぎるwwwwww
支援
一行は港町ラ・ロシェールへ向けて、強行軍で進んだ。
ルイズと同乗しているワルド、いや中森は確かに強い。
幻獣グリフォンを乗りこなし、襲い来る山賊を強力な風の魔法でなぎ倒す。
だが……だけど……!
「でえい、ブタとオタクの融合体、ブタッキーめがー!
このわしの面前でナオンとイチャつくなど、もう断じて許せねー!(ギャワー)
あのガキャ、ナオンを惑わす催眠ガスを、顔のブツブツから放っているとしか思えん。
もしくはヤツの家に伝説の木が生えてるんじゃろか?」
「……まあ、どうみてもモテないタイプの人種だもんなあ。
あんなのでもモテるなんて……なんか僕、勇気づけられた思いだ……」
ギーシュは、馬と同じ速度で走る使い魔ヘビトカゲに背負われ、ゲロを吐き散らしながらついてくる。
ついてくるな。そして死ね。
ラ・ロシェールに近づくと、風竜に乗ったナオンが二人やってきた。
キュルケとタバサだ。まさか、中森を追ってきたのか?
「まあ、いい男! 私は『微熱』のキュルケ18歳、まいったか」
「タバサ。二つ名は『雪風』」
……やっぱりか。なんかいま凄く、切ない気分だ。
激昂したファーザーは中森に殴りかかったが、ルイズ・キュルケ・タバサにフクロにされた。
なんか、羨ましいな。
しかし、これだけモテモテなのに、中森はあまり嬉しそうではない。
見れば見るほど、僕と同じようなMNO(モテない男)だ。どういうことだろう?
このパターンは初めてだな支援
ブタッキーかよ……支援
支援
ラ・ロシェールの宿『女神の杵』亭で2泊し、僕たちは浮遊大陸アルビオンへ行く。
僕はファーザーと同じ部屋だが、中森はナオン3人と一緒だ。
サイトはギーシュやヘビトカゲと同じ部屋らしい。可哀想に。
「おのれー、あのブタがわしよりモテるから許せん!(ダン)
ナオンオプションを三機もつけおって、コナミコマンドーの使い手か?」
「まあ、モテるし強いが、あの外見はなあ……。
ナオンには強気でも、男相手にはオタクでしかないし」
「この国王陛下がブタに遅れをとるなどー! わしが放射線状にレーザー一斉発射さえできたらー!!」
ギャーギャー煩いので、またファーザーを縛って窒息死させてから寝た。
翌朝。朝食(どうしてもトンカツ定食)を食べると、生き返っていたファーザーが宣言した。
「決闘じゃよー! あのブタをわしがかっこよく殺害して、ナオンあふるるハーレムを我が物とせん!
天も照覧あれ。(ゴオオオオ)」
「もう中森は忘れろ……っつっても、無理かなあ」
【決闘仮面AZ】
3度のメシより決闘が好きな危険宇宙人。
いままでに殺された回数は数知れず、勝ったためしがない。
なお負けると爆死するが、すぐに何事もなかったかのように生き返る。
背後から頭部を銃弾で撃ち抜かれても死なない。
座右の銘「いいんだよ、細けえ事は」
「殺したるキングの方がベターチョイスじゃったじゃろか?
じゃが、あれは暗殺者なんじゃしにゃー」
「似たようなもんだと思うが。」
支援
>>869 ネタ作ったし、ある程度のプロットもできてるからこれから書き始めてみる
支援
支援
【決闘仮面AZテーマソング】
どこの誰だか知らないけれど
一部のマニアは知っている
決闘仮面のファーザー様は 根性根性ど根性
代々血統 高血糖
「抜きな! どっちの血糖値が高いか、測ってもらおうぜ」
朝なのに 月の光に照らされて
ああルナティック 決闘仮面
「……もういい。主人にこれ以上迷惑をかけるな!(ガシッ)」
「ええい、放せばわかるし黙られい、わしの怒りはもう限界じゃよー!
そこなブタ、貴様に決闘を申し込む!! 地獄に落ちろーー!(バン)」
しかし、そこには恐ろしい罠が待ち構えていた。
「……あんたたち、人がイチャついてる時に、ノックもしないで入って来ないでよ!」
「子爵さまを巡って争う前に、こいつらを始末しなきゃ」
「了解」
な……、 あ……、 ら ? 【奥義・死の六分前(自分が)】
アーーーーーー 【死亡】
二人は血塗れで、自分の部屋に戻った。
「(べチャッ)ダメだ……中森にはどう足掻いても敵わん。
……とはいえ、3人のナオンによってたかって襲われたし、悲しむよりは喜んでおくか。
なあ、見知らぬおっさん?」
「フッ、死ぬも生きるも一緒じゃないか? マのつく男よ。
いや……助けるつもりですよ?」
(続くのか?)
子爵死ね支援
915 :
キムタク:2008/01/14(月) 00:28:45 ID:xA97UM1Q
投下終了した。
こいつらを書き上げるのは、腕慣らしにちょうどいい。
では、また来月。
子爵どうなるんだろう? 乙
もうなにがなんだかw
乙でした
ここまでぶっとんでいると、ある意味楽しくなるなw
キムタクのせいで笑い殺されたwwww
祝ってやる
乙
これは新しいパターンだw
これはひどいwwwwwwwww
せっかくサイトが召喚されてるのに話しにまったく絡んでないWWWWW
残鉄剣の人読点くらいつけたら?
>>684 遅レスだが言わずにはいられない
家 畜 に 神 は い な い ッ !
マルコメ乙!
俺の想像だが子爵の体型は
B110
W110
H111
と推測される!
「魔砲使い」
今までのSSとは違ってかなり興味深い内容
続き期待してまーす
世界考察やるんだったらクロスケのが良かった気もしないでもない
まとめでご立派な使い魔読んだ
これを考えた人病院行った方がいいwww笑いまくったわ!!www
正月休みで布教されたモンスターハンターにはまって筆がすすまねー
今のやつほっぽって小説版のエンタで書いてみようかな…左手にデルフの双剣とか……
さーて一週間もしないのに新スレかぁーはええな
>>930 あれはいい意味でぶっとんだ凄い作品だったよ。
あの、読みきりで投下していいですか?
sien
暗闇の中に、一人でいた老将が光を見出した時、双月の光を覆う、新たなる
光が地上に誕生した。
始祖ブリミルの時代の六千年後。
新たに生じたという伝説の書き出しはこのようになっている。
始祖の紀元からちょうど六千年後であったその日、トリステインの都である
トリスタニアの一角、ブルトンネ街の空は紅蓮の炎に包まれ、その下に広が
っていた白亜の町並みは、焼け焦げた無残な姿をさらしていた。
アルビオンでは密集していたレコンキスタの大軍が一瞬で蒸発し、ガリアで
は無能王の滞在していた離宮が王と共に地上から消え去り、ロマリアでは聖
都一の尖塔が崩れ落ち、広大なゲルマニアや東方の各地も炎上していた。
かつてない脅威と恐怖を世界中にもたらしたのは、二つの月を統一し、戦乱
で荒れ果てた国土に代わる緑の大地を征服せんとする月の女帝。
圧倒的な力で攻め寄せてきた彼女の前に、トリステイン王国の枢機卿、マザ
リーニは主立った貴族たちと共に跪き、嘆願していた。
「ほう、始祖の秘宝とな」
「はい。我が国に伝わる始祖の祈祷書とルビーを差し上げますゆえ、どうか
我が君をお返し頂き、その上で月にお帰り頂きたく」
「返せと言われてものう・・・いずれ汝らが主と仰ぐこの身じゃ。一度に二
人の主に跪けるのであるから、好都合と思うたのじゃが。
さてさて、気遣いをくんでもらえぬとは、残念なことじゃ」
床に向けられたままのマザリーニの顔が、怒りと屈辱で朱に染まった。
夜闇の色をした破廉恥な衣装―――見る者が見れば、バニースーツとの酷似
を指摘したであろう―――をまとい、同じ色のマントを羽織った女帝は、こ
の国の次期女王となる筈であった、アンリエッタ姫の顔をしていた。
一縷の望みと共に実行された秘宝献上。だが、そこに秘められた力を悟りな
がら、女帝はあくまで緑の大地に執着した。
「たわけ、このようなまがい物でわらわの目は誤魔化せぬわっ!」
その時、末座に控えていた桃色がかった金髪の娘と、そのかたわらに控えて
いた老人が立ち上がり、異口同音にこう宣言したという。
「よろしい。ならばお見せ致しましょう。虚無の使い手と、その使い魔の秘
たる力・・・・・・龍神の力を!!」
白亜の街の上空に光が走り、月の艦隊が消滅した後に、強大なる力をまとっ
た光が二つ、空を駆けていた。
一つは月の女帝の光。もう一つは主をかかえた老将の光。
「我は使い魔ガンダ―ルヴ。そして、東方の地を守護する龍神なり!!」
―「YAIBA」よりダークと共に暗黒空間に消えていた龍神を召喚―
お粗末さまでした。ひさしぶり、二回目なせいでどうすればいいのかよく分から
なかったので、誤りがあれば謝罪・訂正します。
乙
YAIBA……あのヤマタノオロチで終わっていれば名作だったのに、と誰もが思うあれか
あ、題名は『ゼロと龍神―双月の武士―』で。失礼しました。
>YAIBA……あのヤマタノオロチで終わっていれば名作だったのに、と誰もが思うあれか
あー、文字通り蛇足でしたね。いきなり数年後というのにも混乱しました。
次スレ立てるよ
アクエリオンからアポロニアスとセリアンの娘、アリシアを召喚。
どうなるかは俺にも分からないぜ!!
投下いいですか?
おそらくまだ大丈夫
支援
「で、アンタは別の世界から来たって言うのね?」
「ああ、そういうことだ」
武はルイズの部屋に連れて来られ、どこから来たのか、元居た所では何をやっていたのか等を聞かれていた。
「信じられないわね……」
「俺も最初は信じられなかったさ。だけど俺の世界には月は1つだけだし、魔法なんてものも存在しないからな」
しかし、どこからやってきたか分からない宇宙からの侵略者『ベータ』は存在していたが。
「……、アンタ、私を馬鹿にしているでしょ」
「疑うのは分かるが本当だ。この世界にこんな銃はあるのか?」
そう言い、机の上にピストル2丁と自動小銃、背嚢に入っていた短機関銃を机の上に置いた。
ルイズは自動小銃を手に取り、しげしげと眺めた。
「確かに無いわね……」
この世界はまだ薬莢という概念が無く、銃はマッチロック式かフリントロック式である。
武が召喚された時、ルイズに対して発砲したオートマチックのピストルはルイズが今まで持っていた「銃は一度撃つごとに次の弾を先端から込めなくてはならない」という固定観念を打ち破るには十分であった。
何しろ一度撃つごとに発射時のエネルギーで自動的に排莢と次弾の装填が行われるのであるから。
「……、信じるしかないようね、こんなもの見せられちゃ」
自動小銃を机に置きながら、未だに半分信じていないような顔で言った。
「今度はこちらが聞く番だ。俺が元の世界に戻る方法は?」
「無いわね。『サモン・サーヴァント』は呼び出すだけで、元に戻す呪文なんて存在しないわ」
「それじゃあその『サモン・サーヴァント』と言うのをもう一度やってみるというのは?」
「それも無理ね……」
「何でだ? やってみなくちゃ分からないだろ?」
「『サモン・サーヴァント』をもう一度使うには呼び出した便い魔が死なないといけないの。アンタ死にたい?」
……、もう一度死ぬなんて絶対にお断りだ。
「どうやら使い魔と言うのをやる以外に選択肢は無いみたいだな……。で、具体的には何をやればいいんだ?」
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ。でも、何にも見えないし、聞こえないわね」
「他には?」
「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」
「秘薬?」
「特定の魔法を使うときに使用する触媒よ。硫黄とか、コケとか……」
「残念だが俺は食用の野草を探すぐらいしかできないぜ」
ルイズは苛立たしそうに言葉を続けた。
「そしてこれが一番なんだけど、便い魔は、主人を守る存在であるのよ! その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目!」
「それぐらいしか無理だな」
自分は戦術機のパイロットではあるが歩兵戦訓練は受けている。そんな事など朝飯前だ。
「それと最後に洗濯、掃除、その他雑用。用は私の身の回りの世話ね。さてと、喋ったら眠くなっちゃったわ」
「おい、俺はどこで寝ればいいんだ?」
ルイズが右手で毛布を差し出し左手で下に向けて指差す。指差したのは、どう見ても床です。本当に(ry
「ハァ……、まあいいさ、床や地面の上で寝るのは慣れてるからな……」
しかしベッドの上で眠るのが一番であることは言うまでも無いのだが。
支援砲撃、重金属雲発生
このタケルなら一応外でサバイバルできるな
「文句があるのなら外で寝てもいいのよ」
非常にもそう言い放ちながらブラウスのボタンに手をかけ……っておい!
「ちょ、ちょっと待て! な、な、何やってんだよ!」
きょとんとした声で、ルイズが言った。
「寝るから、着替えるのよ」
「か、仮にも俺は男だぞ! 恥ずかしいとかそういう考えは無いのかよ!」
「男? 誰が? 便い魔に見られたって、なんとも思わないわ」
傷ついた、男として非常に傷ついた。謝罪と賠償を(ry
そんな事を考えているうちにルイズがショーツにまで手を伸ばし始めてたのであわてて向こうを向いた。
「ああ、そうそう」
何かが頭に投げつけられる。
「それ、洗濯しといて」
手に取ってみるとレースのついたキャミソールに、ショーツであった。
人使いの荒いご主人様である。
「……、俺も寝るか」
腕時計のアラームをセットし、毛布を被った。
目を瞑ると色んなことが頭に浮かんできた。
自分が戦っていた朝鮮半島戦線はどうなっているだろうか、自分の仲間たちは無事だろうか、そんな事ばかりが浮かびながら夢の世界へと潜った。
しぃえん
短いですかが投下終了
次回はそれなりに量があるので勘弁してください
戦争中の兵士召喚したら
元の世界がえらいことになるな
乙
乙であります
まあ、近代軍なら即座に代行が来るからさほど影響は無いと思われる。
古代の戦争で百人隊長や軍司令官が消えたら崩壊が始まるが
ネタばれだがオルタではA-01部隊の隊長が戦死してもすぐに後任が後を引き継いでるからな
そりゃな。
戦闘中に指揮官が死ぬことなんて十分想定できることだから、
当然その対策は立てていないと話にならん。
そのあたりの組織系統と、非常事態の権限委譲がスムーズに行くか否かが、
優秀な軍隊とそうでない軍隊の違いです。
現代になるほど軍という組織は完成に近付いていると思う
それでも英雄は生まれてくるもんだが
シモ・ヘイヘとか
>>959 トリステインもド・ポワチエが死んだ時ウィンプヘンがすぐ引き継いでたっけ
「ナポレオン -獅子の時代-」から、アルコレの戦いで橋を渡る途中のナポレオンを召喚して大陸軍涙目
あー軍ネタはこの辺にしておこう。
うるさい連中が叩くネタに使うから。
新城直衛とかあの系列キャラ召還するんでもなければそこまで軍事ネタは必要ないだろうし。
そういやガンパレの人が新城召喚してたっけ
そっちの続きはまだかな
新城続きキボンヌ
>>964 すまん、荒れる話題なのは知っていたが、次スレも立ったし、梅モードならありだと思った。
>>961 ヴィットマンはどうだろう
直ちゃん召喚
剣牙虎の代わりにティーガーを使用と申したか
自称神の子のアレクサンドロスでも召喚してみるか?
>>963 正直なところ、誰を呼んでもルイズが涙目になりそうだと思う。
泣きランキングは、
1.ナポレオンの母
2.ダヴー
3.ロベスピエール
逆にミラボーやナポレオン父はいいかもしれない。フーケは危ない。
マッセナやクートンはどうだろう
そうだ、織田信長を召還しよう
>>972 「どの」信長だよw
つーか、一応織田信長は召喚されてるぞ
お前さんが気に入るかはわからんが
>>972 どの織田信長だ?
総理大臣織田信長がお勧めだが。
いっそ各織田信長が各キャラに召喚されればいんじゃね
夢幻の如くの?
>>976 召喚者が足りるか?
有名な武将だけあって、いろんな作品に出てきてるが。
まぁ、濃いやつだけ選ぶことになるだろうが、趣味が分かれそうな。
>>968 どうせなら「ヴァルハラの戦姫」のミカエラ・ヴィットマンで
胸がでかいハッタリの趣味の戦艦を駆る織田信長なら召還されてるな
>>980 つ「夜明けの使い魔」
信長だけが召喚されたわけじゃないけどなー
戦国自衛隊ごと召還しちゃえよ
あれ、違う作品に
そういや前に
戦国ランスの上杉謙信で書くって言ってたやつ居なかったっけ?
大英帝国騒乱記からジョージ6世を召喚
そこで東京ガスCMのやけに陽気でフレンドリーな信長を召喚
・・・で、ルイズの部屋のクローゼットからあっさり帰ってしまいルイズ涙目
>>973 俺的には若本御大は信長よりは甲斐の蝙蝠だな。
>>988 東京ガス信長CM、最終回にちょっぴり涙目になっちまったぞ
・・・いっそうのこと二年生の使い魔全部を若本ボイス・キャラ祭化状態に(マテ)
>>985 黒騎士物語、ウサギの黒騎士、どくそせん
から3人の黒騎士を・・・
って、ウサギとどくそせんのは使い物にならねー
織田信長なら鬼武者からでしょ?
CV大塚明夫で3のラストが鳥肌立つくらいかっこよかった。
1000ならサクラテツ対話編より読者氏を召喚
物語崩壊しすぎるだろうが
若本・・・
町の発明おじさん召喚してコッパゲと意気投合ということか
この際、平成モスラの3代怪獣を呼び出すか
1000なら幸せウサギを呼んでみる
1000ならルイズヘイトが流行る
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。