アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ7
(注意)
現在、したらば掲示板が2ch側の意見を無視して勝手な行動を繰り返しているということで
このレスを除く
>>1-8の上記テンプレは2ch側の判断で無効にさせていただいております。
(過去スレ/削除議論板参照)
※ したらばで、彼らの行動に反対する意見を書き込んだ場合は
すべてC・もしくはGとみなされて無条件でアクセス禁止になります。
(「李下に冠を正さず」の法則=「疑わしきは皆殺し」の原則」)
しがたって、彼らの行動に対する反対意見は
したらばに書き込まないでください。すべてこちらで引き受けます。
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※ したらばに参加する人間がこちら側で開催するロワ等に参加したい場合
問題はありませんが、ひとつだけ
したらば掲示板のバトルロワイアル運営をおこなっている人間は、
バトルロワイアルを専門におこなっている業者みたいなものです。
実際、こことほぼ同様の内容のバトル・ロワイアルを他の板でも行っている模様です。
つまり、ここの
>>1で書かれている掲示板でアク禁された場合は、
別企画の掲示板でも無条件で同時アク禁になることがあります
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したらば企画に参加したい場合は、プロキシの利用をお勧めします。
ホストをさらす行為も危険ですので、したらばに参加する気があるのならおやめください。
このスレでは責任もてません。
・参加者リスト・(作中での基本支給品の『名簿』には作品別でなく50音順に記載されています)
5/7【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/●エリオ・モンディアル/●キャロ・ル・ルシエ/○八神はやて/○シャマル/○クアットロ
5/6【BACCANO バッカーノ!】
○アイザック・ディアン/○ミリア・ハーヴァント/●ジャグジー・スプロット/○ラッド・ルッソ/○チェスワフ・メイエル/○クレア・スタンフィールド
5/6【Fate/stay night】
○衛宮士郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○ランサー/●間桐慎二/○ギルガメッシュ/○言峰綺礼
4/6【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○ルルーシュ・ランペルージ/●枢木スザク/○カレン・シュタットフェルト/●ジェレミア・ゴットバルト/○ロイド・アスプルンド/○マオ
5/6【鋼の錬金術師】
●エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○リザ・ホークアイ/○スカー(傷の男)/○マース・ヒューズ
3/5【天元突破グレンラガン】
●シモン/○カミナ/●ヨーコ/○ニア/○ヴィラル
4/4【カウボーイビバップ】
○スパイク・スピーゲル/○ジェット・ブラック/○エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世/○ヴィシャス
3/4【らき☆すた】
○泉こなた/○柊かがみ/●柊つかさ/○小早川ゆたか
3/4【機動武闘伝Gガンダム】
○ドモン・カッシュ/○東方不敗/●シュバルツ・ブルーダー/○アレンビー・ビアズリー
4/4【金田一少年の事件簿】
○金田一一/○剣持勇/○明智健悟/○高遠遙一
4/4【金色のガッシュベル!!】
○ガッシュ・ベル/○高嶺清麿/○パルコ・フォルゴレ/○ビクトリーム
3/4【天空の城ラピュタ】
○パズー/○リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ/●ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ/○ドーラ
4/4【舞-HiME】
○鴇羽舞衣/○玖我なつき/○藤乃静留/○結城奈緒
2/3【R.O.D(シリーズ)】
●アニタ・キング/○読子・リードマン/○菫川ねねね
2/3【サイボーグクロちゃん】
●クロ/○ミー/○マタタビ
3/3【さよなら絶望先生】
○糸色望/○風浦可符香/○木津千里
2/3【ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
○神行太保・戴宗/○衝撃のアルベルト/●素晴らしきヒィッツカラルド
2/2【トライガン】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド
2/2【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○Dボゥイ/○相羽シンヤ
2/2【王ドロボウJING】
○ジン/○キール
【残り69名】
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
【舞台】
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/f3/304c83c193c5ec4e35ed8990495f817f.jpg 【作中での時間表記】(0時スタート)
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
したらば組は移転するんじゃなかったっけ?
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、
>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
携帯からPCに変えるだけでも違います。
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、「ベリーメロン〜私の心を掴んだ良いメロン〜」を見るなどして気を紛らわせましょう。「ブルァァァァ!!ブルァァァァ!!ベリーメロン!!」(ベリーメロン!!)
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
【議論の時の心得】
・このスレでは基本的に作品投下のみを行ってください。 作品についての感想、雑談、議論は基本的にしたらばへ。
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては議論スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
とりあえず、したらば関係のスレは削除依頼だしていいと話あいは終わっているので
SSを投下しても削除依頼出されるだけなんだが
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NG協議・議論は全てしたらばで行う。2chスレでは基本的に議論行わないでください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。
上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
【予約に関してのルール】(基本的にアニロワ1stと同様です)
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行う
・初トリップでの作品の投下の場合は予約必須
・予約期間は基本的に三日。ですが、フラグ管理等が複雑化してくる中盤以降は五日程度に延びる予定です。
・予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【主催者や能力制限、支給禁止アイテムなどについて】
まとめwikiを参照のこと
http://www40.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/1.html
10 :
追加:2007/10/30(火) 21:29:48 ID:yNsj5CIF
現在、したらば掲示板が2ch側の意見を無視して勝手な行動を繰り返しているということで
このレスを除く
>>9-20のテンプレなどは2ch側の判断で無効にさせていただいております。
(過去スレ/削除議論板参照)
※ したらばで、彼らの行動に反対する意見を書き込んだ場合は
すべてC・もしくはGとみなされて無条件でアクセス禁止になります。
(「李下に冠を正さず」の法則=「疑わしきは皆殺し」の原則」)
しがたって、彼らの行動に対する反対意見は
したらばに書き込まないでください。すべてこちらで引き受けます。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
※ したらばに参加する人間がこちら側で開催するロワ等に参加したい場合
問題はありませんが、ひとつだけ
したらば掲示板のバトルロワイアル運営をおこなっている人間は、
バトルロワイアルを専門におこなっている業者みたいなものです。
実際、こことほぼ同様の内容のバトル・ロワイアルを他の板でも行っている模様です。
つまり、ここの
>>1で書かれている掲示板でアク禁された場合は、
別企画の掲示板でも無条件で同時アク禁になることがあります
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したらば企画に参加したい場合は、プロキシの利用をお勧めします。
ホストをさらす行為も危険ですので、したらばに参加する気があるのならおやめください。
このスレでは責任もてません。
>>8 正直言うと、多分裏切ったんだろう
もうこちら側には正当性はあるわけで
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:34:28 ID:xsVm3+3n
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>>11 スルーしましょうとか頭おかしいんじゃないですか?あなたたち!
東から日が昇る中、ビシャスは一人歩いていた。
その見るものに威圧感と恐怖を与える背中は、いささか落ち込んでいるようにも見えた。
それもそのはずで、彼は己が得意とする獲物である刀を手に入れるチャンスを失ってしまったが故に、僅かに気分を害しているのだ。
刀剣という獲物は彼にとって武器という意味を持つだけではなく、
抜き身の刃をイメージさせる風貌を持つ彼そのものを象徴する道具でもあった。
だが今彼の手元に刃は存在しない。
最初にその武器は支給はされてはいたものの戦闘により失われてしまい、
数刻前に二本の刀剣を持った少女を襲ったものの、まんまと逃げられてしまっていた。
故に彼は武器を求め、舞台の端であると確信しているA-1から東の方向へと向かっていた。
南に向かい傷の男と出くわすのは論外、北と西は禁止エリアと考える彼にとっては当然の判断だといえよう。
そうして彼が街の中を進んでいる時であった、天空から轟く男の声がビシャスの耳に聞えてきたのは。
『久しいな、諸君』
螺旋王と名乗る男の声が天から降り注ぐ。
まちがいない。これがあのフロアで言っていた放送とやらなのだ。
そう確信したビシャスは手近にあった建物を背に、周囲を見回し辺りの人の姿や気配を探した。
そして誰もいないことを確認すると、デイパッグの中から地図と名簿とペンを取り出し、放送の内容に耳を傾ける。
『さて、禁止エリアについて説明しようではないか。
死亡者から話しては、自我を喪失し、放送を聞き取れなくなる者もいるやもしれんからな。
B-1、D-5、G-6、以上を禁止エリアと定める』
どうやら、すぐ側が禁止エリアとなるようだ。だが大きく関係するわけでもない。
とりあえず南西には近づかないでおけば問題ないだろう。ビシャスはそう結論付けた。
そして禁止エリアの次に死者の名が呼ばれる。
呼ばれた人数は九人であり、どれもビシャスの知らぬ名ばかりであった。
もしかすれば、傷の男の名も入っていたのかも知れないが、生きていれば殺すだけである以上は深くは考えない。
それよりも、もっと懸念すべきことがある。それは宿敵であるスパイクの殺し方、ではない。
スパイクを殺すことは初めから決まっている以上深く考える必要もない。
気になったのは僅か数秒流された言葉。
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:38:06 ID:9ct8kSgG
『警告後一分以内に離れれば、首輪は爆発しない』
ビシャスはこの言葉が一番気になった。
なぜならば、剣を二本持っていた女はビシャスを禁止エリアに突入させるために
テレポートの装置を使用したと彼自身は判断していたからだ。
首輪の爆発まで一分の余裕があるならば、あの女の目論見は最初から無意味となる。
無論女も、放送で初めてこの事実を知ったのかもしれない。
が、自分を囮と使うギリギリの作戦を実行した人物としてはおそまつな状況といえるだろう。
「……いったい何故だ?」
ビシャスは女を見つけたときから今現在までのことを反芻する。
そう、たしかあの女を自分が見つけたのは偶然だった。
まるで、あの女が見つけてくださいとばかりに街の中を歩いていた。
後になって考えれば自分を餌にしていたように思えた、と女の姿が消えた後に考えれた。
だがよく考えれば、その後が妙だった。
なぜ自分の攻撃のタイミングを掴めたのか?
別に自身の一撃を避けられたのが不満ではない。
一般人だとあなどり、剣の技が鈍ったといわれるのが我慢ならないわけでもない。
鏡やらなにやらで相対位置を把握することぐらいは可能だろう。
疑問は、あの女はなぜ自分の攻撃する瞬間を地図の端に限定できたのかということだ。
もし自分が途中で攻撃を仕掛けたのならばあの女はテレポートするしかなく、
敵を禁止エリアに突入させるという策は失敗に終わるしかない。
そして、あの女のテレポートの装置になんらかの欠点があれば、あの女は窮地に陥る可能性がある。
もし、テレポートの装置に使用回数があれば貴重な一回を無駄にしたことになる。
もし、テレポートの装置に充填時間が存在するならばその間は無防備になる。
もし、テレポートの装置がランダムに位置を決定するならば砲弾の飛交う戦場に連れ去られる可能性もある。
もし、テレポートの装置の使用回数が一回ならばあの女は震えて膝を抱えていなければおかしいことになる。
どれかであった場合、あの女に自分を貶める余裕はなかったはずなのだ。
だというのにあの女は自分からまんまと逃げおおせた。運が善いにもほどがあるだろう。
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:38:44 ID:v+usD/wX
いや、同じ運が善いならば別の答えがある。
テレポートをしたのは支給された装置によるものではなく、エリア外に行ったからであるかもしれないということだ。
ビシャスは天空を見上げ、目を細めあるはずのものを見つめる。
おそらくはこの惑星上に、巨大なゲートがエリア外を囲むように建造されており、
エリア外にでれば惑星を一周して反対側のエリアにまわるような位相差空間ゲートが
参加者に見えないように設置されているはずなのだ。
位相差空間ゲート。それは位相差空間と呼ばれる別次元の空間に高速道路を組み立てたような代物だ。
このゲートを利用すれば位相差空間内を移動することができ、通常空間を移動する場合に比べ240倍早く目的地に到達することができるのだ。
自分が今立っている惑星がどれぐらいの規模かは不明だが、殺し合いに支障がでないように数秒でA-1からA-8にA-2からH-2へと
転移させることは不可能でもないだろう。もっとも生身で位相差空間に放り出され生存できるかという疑問もあるが、
参加者を閉じ込めるために禁止エリアで周囲を囲うのではなく、態々位相差空間ゲート作るという手段をとったのならば問題は解決済みなのだろう。
が、これらの推論は本当にエリア外が位相差空間ゲートでなければ成り立たない。
ビシャスは北方数百mにあるはずの禁止エリアを睨み、さらに思考の渦を深める。
禁止エリアの外に位相差空間ゲートがあるという推論は、
逃がした女が位相差空間ゲートの発生装置に使用制限がある場合の考えにしか過ぎない。
位相差空間ゲートの技術的な課題や問題が分からない以上、小型の装置と大型の装置のどちらにも無理があるようにも思える。
北に行き試せばすぐ分かるだろう。だがその場合の掛け金は自分の命。
螺旋王とやらが禁止エリアに入ったとしても一分の余裕があると言ったとはいえ、
自分ならば外に逃げ出すような輩はすぐに首輪を爆発させると思える以上は、あまり分がいい賭けともいえない。
他の参加者を脅して潜らせるという手段もあるが、鉄パイプ一本では限界がある。
とはいえ、今現在この事実に気づけたのはおそらく自分と女を含めたとしても数人。
態々爆死しに近づく者もいないことを考えれば、70人もの参加者の中でも2桁もいかない。
それを考えればエリア外が位相差空間ゲートという情報が真である場合、それを手に入れた際の恩恵は中盤までは活きてくるだろう。
後半になり知る者が増えれば、まったく意味のない情報となる。確認するのならば早い方が良い。
「その場合は……どういったリスクを背負うかが問題……か?」
ビシャスは一人悩む。
位相差空間ゲートについて。地図の外がいったいどうなっているのかという事態に。
試す試さないかも含め検討する。
【A-2/1日目/朝】
【ビシャス@カウボーイビバップ】
[状態]:健康
[装備]:鉄パイプ
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:参加者全員の皆殺し。元の世界に戻ってレッドドラゴンの頂点を目指す。
1:地図の外に出ればワープするかもしれないことについて考える。
2:武器の補充
3:皆殺し。ただし、武器が手に入るまでは戦う相手を選ぶ
4:スパイクと決着をつける
5:強そうな相手とは勝負を楽しみたい
4068 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:01:24 ID:???0
子ギル出して減りつつあるロリショタ分を補給すればいんじゃね?
4069 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:05:14 ID:???0
バカだな、それはドーラに渡す。
4070 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:05:35 ID:???0
どうすれば子ギルになるん?
能力的にはDSみたいに丸っきり弱くなったりするのかな
4071 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:06:00 ID:???0
子ギルはギルより強いです。
4072 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:06:11 ID:???0
アイテムが必要だから無理。
4073 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:09:00 ID:???0
そもそもアニメに子ギルなんぞ出てないから無理。
4074 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:09:29 ID:???0
>>4070 若返りの薬。
強さとかはさっぱり分からん(ネタで「慢心が無い分大人より強くね?」とか言われてた程度)
4075 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:09:57 ID:???O
>>4070 宝物庫のアイテム。魔力は下がるから一斉射撃とかは出来ないけど、その分上手く使うし、何より油断しない。大人ギルと違って。……あれ? こいつ子供の方が強くね? ってキャラ。
4076 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:14:46 ID:???0
ついでに性格は今のわがままギルとは正反対の超いい子。
この世で一番理解できないのは成長した自分だそうです。
けど根っこの部分は大人ギルと一緒で非常にシビア。
4077 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:18:05 ID:???0
子ギルなら、言峰とうまくやってけそうだがね、
いまいち大人ギルと言峰が十年間どうやって過ごしてたかイメージできんとです。
4078 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:19:24 ID:???0
お前ら本当にギル好きだな
4079 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:23:03 ID:???0
ワカメも好きだぜ
4080 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:24:52 ID:???0
それはそれとしてヴィシャスの話でもしましょうか。
つか、ビシャス?
すまん、普通にどっちでも違和感ない。
4081 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:29:12 ID:???0
公式でもwikiでもビシャスだな。
4082 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:31:11 ID:???0
身体能力的にはまあ常識範囲内なレベルなんだけど、メンタル面が強いよねえ。
躊躇しないでイケるのはや(殺)りやすい。
4083 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:32:10 ID:???0
ビシャスかヴィシャスかってのは
キャンディーかキャンデーかってのとなんか違うのかしら。
4084 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:33:49 ID:???0
ああ……俺が間違ってた。
投票時から空(ry
4085 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:35:24 ID:???O
ヴィラルとビラルではアイスクリームとソフトクリームくらい違うから間違えないでね☆
4086 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:37:31 ID:???0
ペロリ……この味はデヴァイス!
4087 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:42:04 ID:???0
むしろなぜ今まで誰もつっこまなかったのかと>wikiビシャス
ああ、そういや1stでも途中までかなみやフェイトの苗字が誤解されてたっけ……
4088 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:48:35 ID:???0
とりあえず自分の名前の間違いをキャンディーと一緒にされたら、○シャスさんからナマス切りにされると思いますよ。
4089 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 00:53:39 ID:???O
>>4086
純皇(ラインケーニッヒ)とか第三炎帝とかのことか―!
4090 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 01:00:45 ID:???0
未だにロワで「健吾」と勘違いされる「明智健悟」警視の事をたまには思い出してやっ(ry
4091 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 01:04:10 ID:???0
あれ、明智警視って名前じゃなかったの?
4092 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 01:05:35 ID:???0
ばかがいる……。
4093 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 01:06:49 ID:???O
阿笠博士じゃあるまいしw
4094 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 01:51:58 ID:???0
常にフルネームで呼ぶってどこのトミノ時空だw
4095 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 02:27:43 ID:???O
結局DG細胞は、制限等は後の書き手に丸投げで、そこで問題が出れば議論するでFAなのか?
4096 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 04:33:37 ID:???0
ふと思った、奴は予約期限とか知ってるのだろうか?
4097 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 08:25:17 ID:???0
その発想は無かった
4098 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 11:44:50 ID:???0
ルルのギアスなんだけど一話見ただけだと脳の何かを切り替えて洗脳するとは思えない。発動条件に目を合わせなければいけないってあるから、精々ちゃちな催眠術ってイメージがある。
脳の何かを切り替えるうんねんはccの台詞?もしくはルルーシュの考察?
4099 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 12:33:03 ID:???O
脳の何かを切り替えて洗脳と催眠術の明確な違いがよく分からんが
4100 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 12:39:02 ID:???O 可逆と不可逆じゃね?
4101 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 12:47:21 ID:???0 消防車組の投下を昨日からずっと待ってるんだが来ない……
遅れる宣言するなり破棄宣言するなりして欲しいなぁ
4102 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 13:51:25 ID:???0 寝落ち→起きたら学校か仕事かアルバイト→あ、しかも携帯忘れた
というコンボだってありえるさ
4103 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 14:07:01 ID:???0
ビシャスの話だが今直していて気づいた日本刀だけ間違ってなかった
4104 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 14:17:36 ID:???0
ビバップ勢への放置プレイっぷりは異常 ねぇ、そこの主人公とライバル……相棒と子供はなんとか回避
4105 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 14:22:52 ID:???0
だが空気
4106 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 14:34:05 ID:???O
ジェットが神憑り的な活躍をしそうなふいんきだよな
他がひどすぎるしわ寄せで
4107 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 14:42:14 ID:???0
神憑り的な死亡フラグもしょいこみそうな勢いだがな
エドだって時間制限イベントの鍵を握ってるさ!
4108 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 15:28:07 ID:???0
ビバップはネタとして弱かったかもな……
最大の弱点は舞姫と同じ、レンタルでしか見れないことだし
4109 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 15:51:31 ID:???0
>>4108 何を言う
うちの近くのレンタルビデオでは舞姫はあったがビバップはなかったわ!
……つーわけで目下、小説で確認中
4110 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 16:22:48 ID:???0
>>4108 えっ!?普通に、見えるサイト有るだろ?
と言ってみる
4111 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:20:44 ID:???0
>>4099
普通の洗脳は目になんかの映像を見せて思考をその通りに動かすイメージ(変な表現だな)
十円玉を振り子にしてやる感じかな?
脳のどっかを切り替えるのは念動力で脳のエンセフェロン(意味は知らない)とか何かを直接弄って
脳みそそのものを支配下におくイメージ。
4112 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:23:10 ID:???0
なんか事有る毎に暴れる奴等のせいで、大人しく弁えてる作品が、相対的に地味に見られてるみたいでヤだなあ。
4113 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:24:33 ID:???0
>>4112 目立たないということはそれだけ目につけられないということだ。
4114 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:36:11 ID:???0
んで暴れる奴等は「自分の好きな作品以外は屑だ」とか平気で言い出すからなあ……
まーいいけど。そいつら書くのは俺だし、殺すのも俺だし。
4115 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:40:19 ID:???0
>>4114 とりあえず、その作品も見てもいないのに死亡させるのはお勧めはしない。
そう思われたら信者が余計に暴れだす。
キチッと戦闘能力を把握してから殺すべきだ。
4116 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:47:42 ID:???0
>>4111 多分、脳に対する影響って視点だとその二つは大して変わらない。度合いが違うだけで。
バッカーノ原作に『詩人』って絶対遵守とよく似た能力のキャラ(後発)がいるんだが、そいつみたいな感じじゃね?
あの赤い光で催眠状態に叩き込んで、そこで命令することでそれに従わせる、みたいな。
二度目が効かないのも直じゃないと無理なのも距離に制限があるのも一度に何人でも使えるのも、それで説明できるとオモ
4117 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:55:02 ID:???0
>>4116 お 前 天 才
なるほどそれならギアスかかってる間の記憶もないのも説明つくな
4118 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:55:21 ID:???0
>>4116 なーる。サンキュー。
ちなみに気合で洗脳を跳ね除けるというのは脳の働きとしてはどうだろう?
と聞いてみる。教えてください。
4119 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:55:28 ID:???0
催眠術で「お前は死ね」って言って自殺させる事はできないけどな
「お前は鳥だから、空を飛べる。あそこのビルの上から飛べ」とかで殺すのなら可能だが
4120 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:57:46 ID:???0
そもそもギアスってマオの読心と同じタイプの能力なんだから、不思議パワー由来の超能力みたいなもんだろ
科学的に解説出来ないんじゃね? 多分。
4121 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:58:35 ID:???O
本当に飛べそうな香具師もいるから困る
4122 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 17:59:45 ID:???0
>>4121 紙使いならあっさりできそうだから困る。
4123 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:00:15 ID:???0
ビルの屋上から飛び降りて地面にぶつかっても死にそうにない奴もいる
4124 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:03:19 ID:???0
大丈夫、ちゃんと死ぬ奴も居るって。
4125 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:04:30 ID:???0
ところでFate勢の言う魔術or魔法となのは勢の言う魔法に違いがある可能性があるかもしれないのでFate勢はデバイスを使用できないかも知れないって話は結局どうなったんだ?
4126 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:05:09 ID:???0
そんな話あったっけ?
4127 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:05:35 ID:???0
どっかでちょろっと出てたな
4128 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:07:22 ID:???O
作中で描写された時点で決まる
以上
4129 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:18:56 ID:???0
>>4118 自分もあんまり詳しいわけじゃ無いんだが、『自分が操られている』ことに気付けなければどうしようもない、筈。
で、第三者の助けが無ければそれは不可能。というか、自分で解けるような催眠の場合、そもそも掛からない。
それを不思議パワーで無理矢理掛けてしまうのがギアスなんじゃないか……と考えてる。
だから、・強固な『何か』を持っている。・それを捻じ曲げられていることに気付く。
なら軽減ぐらいはあっさりできるんじゃないか、と言ってみる。ユフィ末期のあれはそういうものなんじゃないかなー、と。
具体例を挙げると、絶対服従入った我様が下僕認定した相手にそれを指摘されると解ける気がしなくもないw
4130 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:23:39 ID:???0
ギル様w
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる、死ね!!」
ギル「貴様誰にそのような世迷言を言っている、その罪万死に値する」
【ルルーシュ・ランペルージ 死亡確認】
こういうことか
4131 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:32:44 ID:???0
>>4125 すでにシャマルがゲイボルグ使用済みなので、それやると矛盾が発生する。
やるのならば自分なりの意見や考察が必要。
4132 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:50:48 ID:???O
というかただでさえ使用できる奴少ないのにさらに減らしてどうするよ。
4133 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:53:30 ID:???0
個人的には一般ピープルがデバイス使えてもおかしくないとは思うけどね。
原作で魔力があるとは明言してなくても無いとは限らないんだし。
4134 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:56:40 ID:???O
マ太郎がデバイスを使うとマ力が消費されミドルネームがなくなります
4135 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:57:45 ID:???0
設定でなのは世界の一般人にはないと明言されているので無理です。
4136 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:57:58 ID:???0
デバイスを使うのにリンカーコアが必要とかはあるよ。
すでにねねねではデバイス使用不可と作中で言われているから、
一般ピープルは変形形態を原始的な方法で使うしか手が残されていない。
4137 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 18:59:51 ID:???O
選民思想は崇高ニダ!
4138 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:12:27 ID:???0
>>4132 お前テッククリスタルどうする気よ
4139 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:12:53 ID:???O
>>4129 ユフィのケースは相手の意志がどうこうというより暴走の影響のせい?
とC.Cが考察してたような
どのみち推論でしかないけど
4140 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:17:45 ID:???O
とりあえずギアス破りは読みすぎるほど空気読んだほうがいいとは思う
発動そのものにもオリ制限ついてるんだし、場合によっては破ったキャラ信者認定されかねないぞ
とはいったものの、住人の層的にルルーシュのギアスが成功する図が想像できn(ry
4141 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:19:42 ID:???0
>>4138 元々『テッカマンエビルはテッカマンランスのテッククリスタルでは変身できない』
というルールがあり、汎用性に欠けるものだから原作設定に反する。
なのはのデバイスはレイジングハートが元々はユーノの物で、なのはは譲り受けただけという
設定だから多少の汎用性はある。
fateの宝具も士郎が使っているから、魔力ありなら使用可能ということになってる。
R.O.Dのアニタが宝具を発動したけど、アニタは異能者だから発動できた可能性あり。
没となったエア破壊の奴を見ると、紙使いは魔術を使用可能らしい。
4142 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:21:19 ID:???O
>>4136 使用不可とは言われてないぞ 使用不可みたいなもんだけど
4143 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:21:57 ID:???0
思った、異能キャラ→不思議理論で魔力使用可
魔力未使用キャラ→気合と螺旋力と説得力で使用可
使用できないとされているキャラ→あれ、ワカメは一般人以下?
4144 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:23:25 ID:???O
ルルーシュのギアスには「血染めの○○(←非マーダーキャラの名を入れて下さい)」的な展開を期待してる
あれほどマーダー増やしにもってこいな能力は他に無い 要するにルルーシュには是非失敗した使い方を
4145 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:30:25 ID:???0
>設定でなのは世界の一般人にはないと明言されているので無理です。 つまりなのは世界ではない人なら使えるという事だな!
4146 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:30:58 ID:???0
血染めのスバル ……うわすげえありそうだwww
4147 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:37:33 ID:???O
ルルのギアスはどう使われるのか非常に楽しみだなー
4148 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:48:16 ID:???O 予約期限切れが2人もいるッ!
4149 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:49:31 ID:???0 さあ来た、果たしてどうなるか
4150 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:50:36 ID:???0 \(^o^)/
4151 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:52:08 ID:???O さすが糞コテ、俺たちにできないことを平然とやってのける
そこにry
4152 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:54:28 ID:???O そ〜らをじゆうにっとっびったいな〜♪ はい!タケコプター!
4153 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:55:05 ID:???0 あ、今地図確認したらスカー禁止エリア内でやんの 首輪はエリア内に入ってから何秒で爆発だっけ?
4154 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:55:37 ID:???0 何も知らずにミクル伝説見た人ってこんな気分なんだろうな。
4155 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:55:39 ID:???O もうあれスルーでいいよな 突っ込むだけむなしいよな
4156 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:56:20 ID:???O
>>4153 まだ放送前なわけだが
4157 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:57:38 ID:???0 書き出しはまあまあかな、と思ったのに。多少下手な気もしたが、日本語も変な気はしたが!
それに、句読点なんかも打ってるし、まあ大丈夫かなと思ったのに……!
なぜここでタケコプターなんだwwwもはや笑いしか出てこねえwww
その上、放送って聞いたはずだろうがwww他作品道具www矛盾wwwある意味最強www
……いや、笑ってる場合じゃないけどね。悪い意味で爆笑させて頂いたよ。
4158 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:57:51 ID:???O
この展開は予想していなかった
4159 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 19:59:32 ID:???0
この発想はなかった・・・
4160 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:02:02 ID:???0
渾身のギャグなんだから笑ってやらないと失礼だな
4161 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:02:11 ID:???O
しかししかし、一番飛んでるのはアルでもタケコプターでもなく、作者の頭だったァ!
ドッ
おあとがよろしいようで……
4162 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:03:16 ID:???0
さ、次行くか
4163 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:03:46 ID:???O
これは酷い…
4164 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:04:35 ID:???O
白ひろし組予約したいお…
早く意志表明するお…
4165 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:04:50 ID:???0
逆に考えるんだ、仮投下スレに投下するくらいの頭はあるんだから成長の余地はあると……
うん、無理だ
4166 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:04:53 ID:???0
チーターマン並みのクオリティだぜ。
4167 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:05:24 ID:???O
議論の余地なく却下だな、こりゃ。
仕方ないから引率軍人組に予約入れようかな…
4168 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:05:33 ID:???0
何で投稿する場所間違えているんだ?
チラシの裏だろ書き込むべき場所はさ
4169 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:05:43 ID:???O
チーターマン! オレ!
4170 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:06:11 ID:???0
早速議論スレで発議されてるぜ
4171 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:07:55 ID:???0
>>4165 ……ただ単に作品投下スレの場所を知らなかったとかだったりして
4172 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:08:19 ID:???0
は、はやくあの人の書くジンを見たい。
4173 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:10:13 ID:???0
>>4171 それで正解だと思う。
4174 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:10:38 ID:???0
>>4161 ,  ̄ ̄¨ .
X / i \
┼ / / | \
十' |i ハ{ Vいハハ ヽ i
ぬ |ハイ 〜 ー'⌒ }ヘi |
か {.|'二厂ヽ´ ̄` ノ }r=、 |
し j く  ̄ ̄ レリ! ハl
お V ぃ { ____ 厂 /
る {__, ヽ マ二二ノ /| /
゚ っ \ ¨ イ 仏イノ'
_,工,___,'__|_
4175 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:18:55 ID:???0
ざわ……、ざわざわ
口調を直しして、支給品も直して、子供キャラがいてその視点で、色々直せば……うん、本編外のギャグとしては一流
4176 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:21:43 ID:???0
見てきた。
日本語は、まだわかる。技術が足りてないんだろう。
他作品支給品も、辛うじてわかる。決して許される事じゃないけど。
ただ、そもそも口調が違うっていうのはどういう事なんだろう。
4177 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:21:58 ID:???0
まだ例の作品を読んでない俺に、分かりやすく三行で顛末を教えてくれ
4178 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:22:47 ID:???O
カ
エ
レ
4179 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:25:16 ID:???0
>>4177 予想の斜め上を行く超展開
まあ破棄は確実
投下に「!!」がついてる時点で初めからネタか
4180 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:32:35 ID:???O
保守
4181 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:37:12 ID:???0
>>4177 俺たち 完全に 遊ばれてる なんか腹立ってきた
4182 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:38:32 ID:???0 は、早く東方不敗が大暴れする展開が見たい。
4183 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:43:58 ID:???O は、早くラッドがマジかよオイオイヤッベーヨ
4184 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:45:07 ID:???O ひま
4185 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 20:47:12 ID:???0 そんなことよりも俺は、今までにクロちゃん絡みの予約しかしてこなかった彼が、この空気の中で一体どういう展開にするのかが興味津々。
……ごめん、プレッシャーかけちゃったね。
4186 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:04:16 ID:???0 あーなんか投下スレに落としてるねー。 まあスルーで良いと思うけど。もう修正要求出てるし。 まともな会話が見込めないから、没確定だろうケド。
4187 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:05:22 ID:???O アク禁待ちですねー
4188 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:15:30 ID:5Az9U8120 トリップってどうやって決めるんですか?
4189 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:16:13 ID:???0 見てきた。最初の数行で頭がおかしくなりそうになったわ。 外人さんなのか?
4190 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:16:59 ID:???O 外人に失礼だろが
4191 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:18:53 ID:???O レス進んでるから消防車組の投下が来たのかと思った……
4192 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:19:44 ID:???O
>>4188 まずはトリップをつけたいと強く願うことから始めるのじゃ そしてググる
4193 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:24:55 ID:???0 ちょwww願ういらねえww いや、ある意味いるのか
4194 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:27:59 ID:???0 Gの発言が的確すぎて吹いたww
4195 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:53:45 ID:???0
>>4191 消防組の投下はあったみたいだけどな
4196 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:55:22 ID:???0 なあゴミが本スレに投棄されてんだが 何の冗談だこれは
4197 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:57:44 ID:???O
>>4195 十秒ほど考え込んでしまった
4198 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 21:58:43 ID:???0 避難訓練みたいなものだと思う
んだ。 問題書き手が来た時に、どういう対処をすべきかってことの再確認と、 実際にそれを実行してみる良い機会じゃないか。 慌てず騒がず 1)議論スレに発議 2)スルー徹底
3)修正不十分でNG 4)アク禁
で良いじゃないか。
4199 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:02:29 ID:???0
わざわざ仮投下するくらいだから、本スレ投下は別人だろうな
4200 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:04:21 ID:???0
現在の流れ
仮投下スレに駄文が落とされる
↓
ツチダマでNG発議される
↓
ツチダマ無視で投下スレに駄文が落とされる ←今ここ
↓
修正不十分でNG
↓
アク禁
4201 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:05:43 ID:???O
そもそもトリ違うしな
4202 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:07:35 ID:???0
>>4195 誰がウマイ事言えとwww
4203 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:16:12 ID:???O
前話と同じ面子での予約が多いな……
4204 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:17:53 ID:???0
まあ前回とかそれぞれ近くにいる状態で終わったケースが多いしな
4205 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:18:39 ID:???O
やべえ死臭がする……死ぬな楽太郎!もうちょいがんばれ!
……いや、死ぬなって書くと逆効果かな
楽太郎死ね!いま死ね!すぐ死ね!
4206 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:23:49 ID:???O
ムスカつよいこ、ムスカしなない
4207 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:25:50 ID:???O
やめてこのタイトルやめて
4208 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:29:09 ID:???O
ちょwwwサブタイネタバレまで踏襲じゃねーだろうなwwwwww
4209 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:33:29 ID:???0
まさかシンヤがここでリタイアとかねえよな
エビルになって大暴れするのを期待しているのに
4210 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:39:48 ID:???O
東宝不敗強すぎだろww
4211 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:40:17 ID:???O
変換ミスごめん
4212 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:40:37 ID:???0
管理人が騒いでいるな
さっそくアク禁かねw
4213 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:43:30 ID:1OeZ.dkE0
ヨーコはカミナと再会する前に死亡かね
4214 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:43:46 ID:???O
ちょwwwクライマックスすぎるwww
こりゃ東宝も永くねえな……
4215 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:46:04 ID:???0
楽しみだったのはよく分かるが実況自重しろ
そういうのは投下が終わってから感想スレで言ってやったほうが書き手も喜ぶぜ?
4216 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:46:32 ID:???0
家の崩壊程度で師匠が死ぬとも思えんが
4217 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:46:57 ID:???O
やっぱり殺伐としてるパートは面白いな
4218 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 22:59:41 ID:???0
投下が終わったと思ったらなにぃ!最近の書き手は化け物か!?
自分もさっさと書き上げないと。 4219 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:03:01 ID:???O
ゲェーッ!速筆超人!?俺もがんばろう……
4220 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:06:54 ID:???0家の倒壊どころか師匠なら制限下でも瓦礫に巻き込まれてもいきてはいるだろ
4221 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:09:52 ID:???O ですよねー^^
4222 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:11:05 ID:???0 それで死ぬようならどんだけ師匠低下させられてんだよと
4223 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:13:05 ID:???0 よし、粉塵爆発で師匠を殺そう。
身動きできないところに直撃させれば流石に逝ってくれるだろう。
4224 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:14:35 ID:???0 だが気をつけろ、粉塵爆発はそれなりに特殊な条件下だ
可燃性の粉塵をかなり大量に意図的撒くくらいでないと明確な殺傷力は起こしにくいぞ
4225 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:15:40 ID:???0
ていうかおまえらあれだ、師匠が着火点になりそうなものを使うとは思えんw
4226 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:16:58 ID:???0 東方が紅く燃えているから大丈夫。
4227 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:17:04 ID:???O
燃え盛る魂が起爆剤さ
4228 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:17:54 ID:???0
師匠はバトルロワイヤル自体の着火点だからな!
4229 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:21:01 ID:???O
命名:チャッカマン
4230 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:24:03 ID:???O
テンカマンヌノキレ
4231 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:28:35 ID:???0
>>4226-4227 納得しかけたじゃねーかwww
4232 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:42:49 ID:???0
シータは災難だな
今のところ出会うやつ全員まともじゃない
4233 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:45:18 ID:???0
ヘッドホン持ってるのが会長だからなぁ。しかも声ネタでトリック掛かってるし。
マオは外道マーダーとして突き進んで欲しいが。
4234 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:47:40 ID:???0
特定参加者によるマオの潰し方を思いついた私は負け組み。
かふかやエドやドモンや師匠やアルベルトじゃないぞー
4235 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:54:51 ID:???0
特定参加者のコンビによるマオ撃退法を開始前から考えていたどころか、
日出処の戦士の鎧使って●年シ■ュウ編風の登場シーンを構想していた俺は間違いなく負け組み。
4236 :やってられない名無しさん:2007/10/29(月) 23:55:29 ID:???O
わかった。ママのケツで圧し潰すんだろ!
火曜日分は後で
一つだけいえることは、また粛清かと
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:37:28 ID:2brwKs/r
_ 、_ ,. ,./i,.
、ヽ、 `ヽi、゙ヽ、 ,,.-‐'''""'''- 、 /i/ '"´'´''"i,
,r''´' ゙、 ,.-'".:.: : : `ヽ、 / ノ'i'
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`フ ./`'''7´ `y´ `ヽ、,.-‐''""'‐y'.:.:.:.:.:.:.:.:._,.-'"__,,. -''^ヽ、,_ヾ ヽ ヾ、 ソ
〈、_...... . . . . . ....:.:.〉、_l:.. /''" l:.:.:.:.:.:.:.:.:/-‐''´ _,゙i |'':.. . ....:.:.:.:>
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 ̄´-ニ',,. -'" `‐ --''゙、`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. . . ..l | | |.:.:.ノ ,.=-=、`' ' ' _二, i'.:.:.:ノ'"  ̄
ヽ、,,__,,,.-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ! | |.:/ '‐‐( Oi ゙i r' Oノ/_,ノ
゙ヽ、,,,_,,{゙、i,l |:.i, ,. 、`ー‐' ,. ヽ=' i
>>27 アニキャラ板で
_,,,,,.-''":l゙、'-'.:.゙、 ' ´i'ヽ、__ノi_ l、 / アニメのアイテム出して
___,,,,r''":::::::::::::::::::::!:.:゙、.:.:.:| i l i'、 `ヽ,ノi/ ̄ ̄` ''ヽ、
,,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.'i, ! ! `、二ニニソ/ ノ  ̄ヽ、_ 何 が 悪 い !
r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-.,,_::::::::::ヽゝ, ‐‐ |r' ,.-'"/::::::ヽ、
/`'''‐- .,,,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ‐- .,,_゙、__,,,,. -'ー‐' _,,.-'" /::::::::::::::::::゙、
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またアクセス禁止か
「おぉおおおおおおおおい!!戻れぇえええ!!戻るのだグラサン・ジャック!!
早く戻らんと寂しがりやの我が体が……」
ギャアギャアとうるせえガンメンモドキを尻目に、俺はジドウシャを駆り、真っ直ぐ伸びる道を突っ走っていた。
にしてもこのジドウシャって乗りモンは中々にゴキゲンなブツだ。
はじめはちと戸惑ったが、慣れれば難なくスイスイ動かせる。
イカした音をたてて、俺の顔にビュンビュン風を送ってくるコイツの操縦は、グレンのそれとはまた違った意味で快感だった。
「ひょおう!いいねいいねえ!何か気分がよくなってきちまったぜ!」
俺は上がりっぱなしのテンションに任せるまま、さらに“あくせる”を踏み込んだ。
その途端、吹きつける風が強くなり、周りを流れる景色は一気に加速する。
俺の横をすっ飛んでいく建物、建物、また建物。
どれもこれもどデカくて仰々しくて、見たこともねえ建物ばっかりだ。
もう、随分な数を追い越したってえのに、そいつらは尽きることなく、視界いっぱいに続いている。
「ちぇっ、キリがねえな……そもそも、ここは一体どこなんだ?」
ふと、そんなことがよぎった俺の頭に、あの獣人野郎が口にした「都」という単語が浮かぶ。
獣人たちの基地にして本拠地。ヴィラルの言う「螺旋王が治める、地上唯一にして絶対の文明」……まさかここがそうなのか?
……なるほど。そう言われてみりゃあ、気持ち悪ぃほど納得がいく。
これほど馬鹿みたいに建物が並んだ場所、いくら地上と言えども、そう何箇所もあるとは思えねえ。
はじめに喋ってたあのタコおやじが螺旋王だってことを考えりゃあ、ここが「都」ってのはまず間違いねえだろう。
どうやら、地上の支配者気どりの螺旋王様は、自分のお膝元でこのイカれた殺し合いを楽しむつもりらしい。
全く、たいした余裕だぜ。
「……だが、その緩みがテメエにとっちゃあ、命取り。
見てやがれ螺旋王。このカミナ様が今にここをおん出て、ほえ面かかせに行ってやるからよ!
人間様をなめんじゃねえぜッ!!」
唇を吊り上げ、俺は満面に不敵な笑みを作った。
だが……
「ブルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!」
その決意の余韻はまたも空気を読めないアンチキショウのせいで邪魔された。
突如として空中のガンメンモドキが急降下し、そのまま俺の頭に落っこちやがったんだ!
「グハアッ!!」
真上から直撃を食らった俺は、思わず運転に向けていた集中を邪魔される。
“はんどる”をとられ、ジドウシャの運転はハイスピードのまま右へ左へ、グニャグニャと揺れた。
「ッッッってえじゃねえかテメエ!!いきなり何しやがる!?」
「うぅるせえええ!!人の話を聞けっちゅうとんじゃああああああああああ〜〜〜〜〜!!!!
私は無視されるのが一番嫌いだっつってんだろうがぁぁぁああああああああーーーーーー!!!!!
私を無視るな!!体に戻らせろィ!!そもそもここはどこなのだ!!ついでにメロンを――」
「言いたいことだけ言ってんじゃねーーー!!!」
「ぶべら!!」
俺が左手で“はんどる”を取り戻しながら、右手でヤツを思いっきりぶん殴る。
空中で顔面を殴られたガンメンモドキは、そのままきりもみ回転しながらジドウシャの前方へと飛んで行き
そのまま地面へとキレイに突き刺さった。ちょうど、“∧”の形になるようにな。
このままだとヤツをひき潰し、“∧”を“W”にしちまうことを悟った俺は、しょうがねえから急ブレーキをかけた。
車輪が地面をこする耳障りな音を立てて、スピードがガクンと落ちる。
そしてジドウシャはヤツのボディの一歩手前でピタリと停まった。
「オォ、ア、オォウ……ヒ、ヒドイではないかグラサンジャック。
私はただ我が体のもとに帰りたいだけなのに、何でそんなに冷たく当たるのだ?
ハッ!まさかイジメか!?これが世に言うイジメというモノなのか!!?
イィカン!イカンぞグラサンジャック!!私のパートナーともあろうものがそのように破廉恥な……」
「相変わらず意味の分からねぇ野郎だなテメエは……
だから何度も言ってんだろうが!?俺様にゃあなあ、こんなとこでいつまでも油売ってる暇はねえんだよ!!
行きたきゃ一人で行きゃあがれ!」
「だーかーらアッ!私も何度も言っとるだろうが!
お前と私はパートナーなのだ!
私の本はお前がいなければただの紙!私がいなければお前はただの人間!殺し合いの場でそれはお互い困るでしょおおお!?
私とお前は二人で一つ!ワンフォーオール!オールフォーワン!
分かったか?理解したか?グラサンジャック?
……分かったら、後に続いて言ってごらん。ワンフォーオー……」
「悪ぃが、俺にはさっぱり分からねえ。ついでに俺には関係ねえ。それからお前はパートナーじゃねえ!!」
逆さまのまま、みっともねえ顔で訴えるガンメンモドキに俺はハッキリと言ってやった。
俺に殴られたせいで不細工に腫れ上がったヤツの顔を見ていると、さすがに悪い気がしてくるがソレはソレ。
いつまでも人の名前を覚えやがらねえ奴が悪い。
正直な話、俺にはコイツといつまでもジャレあってる時間はない。
思えばここに来て以来、俺は状況に流されっぱなしだ。
ガンメンモドキに喧嘩を売られ、決着もそこそこに指パッチン野郎とやり合い
わけも分からずでっけえ水溜りに飛ばされたと思ったら、緑のネエちゃんにいきなり撃たれて戦って
勝ったはいいが、未だこのザマ。
俺様としたことが、この殺し合いを止めるためにまだ自分からは何もやってねえ。
このままそうやってダラダラ過ごすのは、神が許しても、この俺が許せねえんだ。
……それに、俺はお前のパートナーにはなれない。
確かに、お前は悪い奴じゃねえ。
ちょっとと言わず、大分変で、多少と言わずかなり自分勝手だが、それでも根はいいガンメンモドキだ。
それは、この何時間か一緒にいて、よぉーく分かった。
けどな。
「……俺にはな、もう最高の相棒がいるんだよ。だから、テメエにゃ悪いが、パートナーになってやることはできねえんだ」
「な、ナニィ!?……ハッ、貴様まさか、現代の魔物のパートナーだったのかっ!?」
ガンメンモドキが黒目のねえ眼をカッと開き、こっちを見つめてくる。
その青ざめた顔は、少しショックを受けているようにも見えた。
「魔物云々はよく分からねぇが……とにかく最高の相棒だ。
テメェみたいにビームも出せねえし、空も飛べねえ。できるのは穴掘りだけ。
ちと暗いトコもあるし、お世辞にもモテるとは言えねえ。戦いにも不慣れだ。
そんでもって、今んとこは、あんまり自信もねえ。
だがな、俺にとっちゃ、ソイツがかけがえのない、唯一のパートナーなんだよ。
だから、そいつを差し置いて、テメエとコンビを組むつもりはねえ。そういうことだ」
俺が語り終えると、ガンメンモドキは毛のねえ眉を寄せる。
奴も奴なりにいろいろ考えてるんだろう。
少しの間があった後、少し真面目な顔をして、奴は俺に聞き返す。
「話が読めんな。何でそんな欠点だらけの奴が最高のパートナーなのだ?」
俺は期待通りの問いに唇を緩ませた。
「……ここまで一緒になったのも何かの縁だ。話してやるよ。相棒のことを。
一回しか言わねえから耳かっぽじってよぉく聞きやがれ!
アイツは、シモンはな――――
身振り手振りを交え、シモンの凄さを今、まさに語らんとしたそのとき
「――久しいな、諸君」
どこからともなく、その声は響いた。
◆
その放送が終わったとき、F-2の幹線道路に一人の男が立っていた。
青い髪を逆立て、刺青をした上半身を晒したその姿は、一見するとスラムの荒くれ者にも見える。
だが、男が纏う雰囲気は、外見よりもはるかに静かな、さめざめとしたものだった。
眼と口は白痴のように緩み、両の腕を力なく垂れ、背中に常の覇気はなく。
その表情は、まるでフリーズしてしまったモニターのようで。
シモン。
螺旋王がその名を読み上げて以来、カミナの思考は硬直したまま。カミナの体も動かないまま。
「シモンが死んだ」というその情報を量りかね、彼の精神は今、完全に停止していた。
カミナには、シモンが死んでしまったということがどうしても信じられなかった。
確かにシモンは強靭な肉体をもっているわけではないし、生き残るための狡知に長けているわけでもない。
だが、カミナは、シモンの『最後まで諦めない意志』を他の誰よりも知っていた。
誰かが絶望しそうな時、みんながもうだめだと天を仰いだ時、
それでも一人諦めず、ただただ黙って地を掘って、やがては向こうに突き抜ける。
そんなシモンの『意志の強さ』を知っていた。
だからこそ、誰がバカにしても彼だけはシモンを貶めなかったし
また、そんなシモンがいたからこそ、カミナはいつも前へひたすら前へと進むことができたのである。
そんなシモンが自分を残して逝ってしまうなど、あまりに現実感がなさすぎる。
だが、螺旋王がここで嘘を言う意味も分からない。
シモンが死んだという通達と、シモンが死ぬわけがないという心。
そのどちらを信じてよいか分からず、矛盾挙動に陥ったカミナは、ただただその場で固まっていることしかできない。
そうやって我を失っているカミナを、ビクトリームはしばらくの間、黙って見つめていた。
しかし、やがて、彼は何かを思いついたような表情を浮かべると、逆さになっていた体を元に戻す。
そして、Vの体勢で這いずりながらカミナへとにじり寄り、その言葉を、告げた。
「グラサンジャックゥ、もしかしてパートナーが死んだのかァ?そぉうなんだなァ?
ふむ、流石、お前があれだけ持ち上げたパートナーだ。
こ ん な に い い タ イ ミ ン グ で 死 ん で く れ る と は な 」
固まったカミナの眼がわずかに揺れる。
ビクトリームが浮かべる笑顔は、ひどく邪悪なものに映った。
◆
人という字は支えあってできていると古人は言った。
悲しいことがあったとき、ときに人はその気持ちを晒し合い、また、癒し合う。
共感、同情、受容、激励、叱咤―――
そのやり方は、時と場合、それから人によってもそれぞれ違うが
人間は苦しいとき、そのような手段を使ってお互いに支えあい、辛い生存競争を勝ち残ってきた。
そして、そのような行為の積み重ねは、やがて人間と人間の間に信頼を生み、それが結びついて絆となる。
そうやって絆を結んだ人間のことを私達はこう呼んでいる。
『仲間』あるいは、『相棒』と。
もし、ビクトリームにそうした『相棒』を持った経験があったなら、こんな発言は口が裂けてもしなかっただろう。
しかし、ビクトリームが今まで持ったことのある『相棒』は、この観念からはあまりに遠いものであった。
最たるものが、彼の前パートナー、モヒカン・エースだ。
モヒカン・エースは、心を操る魔物ゾフィスによって精神を支配された人間だった。
ゾフィスに都合のいいように、また、ゾフィスに反しない限りにおいてはビクトリームの都合のいいように
心と行動を操作された操り人形だった。
完全に操作されてしまった人間は、もはや人とは呼べない。
だから、支え合うことも、癒し合うこともしない。誰かと『仲間』や『相棒』になることもない。
モヒカン・エースは、ビクトリームの指示通り、ただ純粋に戦うための機能として動く。
そんな関係は実際のところ『相棒』でも何でもなくただの機械とリモコンでしかない。
しかし、ビクトリームにとっては、そういった関係こそが『相棒』であり『パートナー』なのだ。
結局のところ、彼にとっての『パートナー』とは、あくまで戦うための道具にしか過ぎなかったのである。
◆
――放送でシモンという名前が呼ばれたとき、私は密かにほくそ笑んだ。
何とついていることだろう!流石は華麗なるビクトリーム様!
できることならそう叫んで小躍りしたかったが、自分の体が逆さまなことに気づいて諦めた。ベリーシット。
ん?なァーんでそんなに嬉しいかって?決まってるじゃねえかあ!!
グラサンジャックのパートナーとやらがおっ死んじまったからだよ!!!
この勇猛果敢にして豪華絢爛、天網恢恢疎にして漏らさない、才色兼備なおしゃまなキューピー
ビクトリーム様のパートナーに選ばれておきながらそれを断り続けるとは
どうにもおかしいと思ったんだが、奴にもパートナーの魔物がいたのだと考えれば納得がいく。
そりゃあ、確かにもともとパートナーがいるなら、そいつと一緒に戦った方が断然いいに決まってる。
術の特性を生かした戦術と、巧みな連携プレーは一朝一夕で身につくモンじゃあないからな。
私だってできることならこんなクソ意地の悪いグラサンではなくて、愛しのモヒカン・エースと戦いたい。
だが、ここでそんな我侭を言っても何も始まらん!むしろ始まる前に我が人生が終わってしまう。
まずは、戦える状態を確保すること!それこそが先決なのだ。
グラサンジャックはことここに至ってもそのことに気づいていなかったようだが
さすがに自分のパートナーが死んだとなれば、気づかざるをえないはず。
さすれば、その後奴がどうするかなんぞは、どんな子猫ちゃんが考えても分かることだ。
おそらく、グラサンジャックはパートナーを失った時に
この華麗なるビクトリーム様が傍にいたことを涙を流して喜び、神に感謝するに違いない。
そして、デイバックの中から全てのベリーメロンを取り出して私の前に並べ、こう言うのだ。
「華麗なるビクトリーム様、私が間違っておりました。
今までの蛮愚極まる行いにもかかわらず、ビクトリーム様がこの私めを見捨てないでいてくださったことを
心から神に感謝いたします。
今更こんなことを言うのは全くもって恐悦至極なこととは存じますが
もしよろしければ私のパートナーになってはいただけないでしょうか?
もちろん、タダでとは申しません。
もし、パートナーになっていただけるのでしたら、この至高のメロンを全て貴方様に差し出します」
その後、全てを寛大に許し、パートナーにしてやることを承諾した私の行いに
グラサンジャックは三度涙を流して感動するに違いない。
それから、私は献上されたメロンを一人で全て食べ尽くしてから喜びの舞を踊り、奴の心遣いに感謝を示す。
奴はその舞いのあまりの素晴らしさに四度むせび泣き、そうして我らは本当のパートナーになるのだ!!
フハ、フハハ、フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!
さあ来いグラサンジャック!貴様を許す用意はもう全開バリバリだ!
さあやれ!土下座で向かって来い!カモン!カモン!カモンジャアアアアァァァック!!!!!!
どぉうした?恥ずかしいのか?心配するな。お前の感じやすい心なら全てお見通しよ。
だから安心してこの胸に飛び込んでおいで?
怖くないからさあおいで?
どうしたの?何で来ないの?
無視?無視なのか?
ハハハ……まさか、そんなハズは。
……あの?もしもし?
グラさん?
私のあまりに華麗なる未来予想に反し、グラサンジャックはピクリとも動かなかった。
放送以来、全く変わらない姿勢で道路の真ん中に突っ立ち、空中に視線を漂わせている。
そこには全てを理解し、私に許しを請う哀れな子羊の姿はこれっぽっっっっちも存在しなかった。
これはどういうことだ?まさか私の予想が間違っていたとでもいうのか?
いや!そんなはずはない!
そうだ!きっと突然のことにまだ事態が整理できていないだけに違いない。
パートナーの突然死という不測の事態に、どうしてよいか分からず戸惑っているのだ。
まったくしようのない奴だ。
そう結論づけた私は、逆さまになっていた体を正位置に戻し、Vの体勢でグラサンジャックににじり寄る。
奴が置かれている状況を親切にも解説し、驚喜をもたらしてやらんがために。
「グラサンジャックゥ、もしかしてパートナーが死んだのかァ?そぉうなんだなァ?
ふむ、流石、お前があれだけ持ち上げたパートナーだ。
こんなにいいタイミングで死んでくれるとはな」
私が奴の目を覗き込みながら、暖かい笑みを浮かべて言うと
今まで全く凍り付いていた奴の目がわずかに揺れた。
ふふん、ようやく私という存在の偉大さに気づき始めたらしい。
そう思い、私が引き続き奴に向かってありがたいお話を述べ立てていたとき、それは突然に起こった。
「これで貴様もちったあ学習したろうが。アァ〜ン?
こんな状況じゃあ、どこにいるかも分からねーパートナーを探そうなんて、馬鹿のやることなんだよ馬鹿の。
そんなことをするよりも、もっと近くにお前のことを見てくれている人が……フゴオオオォォ!?!?」
一瞬、何が起こったか判らなかった。
顔面に強烈な衝撃が走ったかと思うと、私の視界は一瞬にして回転し、空を飛ぶ。
続いてコンクリートに叩きつけられる鈍い痛みと、口いっぱいに広がる血の味が続く。
私の鼻が折れているのに気づくのと、私がグラサンジャックによって殴られたのだと気づくのとはほぼ同時だった。
「な、何をするのだグラサンジャ……」
「黙れ」
思わず息を呑んだ。
それほどまでに、グラサンジャックの声には凄みがあった。
私が呆気にとられていると、ゆらゆらと体を不安定に揺らしながら、奴がこっちに近づいてくる。
得体の知れない恐怖を感じ、逃げようと頭を起すが、その動きは一瞬だけ遅かった。
思い切り振りぬかれたトー・キックが私の顎を捉え、路上の石ころのように滑った私は、ガードレールへと激突する。
目を開けてみると、そこには私の歯が二本、落ちていた。
「テメエに…………んだ」
はっきりしない口調でブツブツと何かを呟きながら、またゆらゆらと歩いて来る。
奴はさっき蹴りぬいた顎辺りを思い切り握ると、そのまま私の頭を片手で吊り上げた。
逆さまな姿勢のままで持ち上げられた私は、半ば無理矢理に目を合わせられる。
先ほどは何も映していなかったそこには、今や、得体の知れない黒い炎が燃え盛っていた。
「テメエに何が分かるんだ!!」
今度は、はっきりとした口調で吼えたグラサンジャックは、私の顎を支点にそのまま頭部を地面へと投げつける。
さすがの私も度重なる暴力の連続に気が遠くなりそうになるが、気をしっかり持ち、辛うじて意識を保つ。
……だが、それは単に次の痛みを味わうことを意味していただけだった。
「テメエに……テメエなんかに……シモンの何が分かるってんだ!!
シモンとは、ジーハ村を出たときからずっと一緒で!地上に出てからも一緒で!
一緒に月へ行こうとも約束したんだ!それを!それをテメエは!!
『いいタイミングで死んだ』だと!?ふざけるのもいい加減にしやがれ!
そんなふざけたことを言っときながら、パートナーになれだあ……?
承知できるわけねえだろうがンなことよう!!
テメエごときにシモンの代わりができるわけねえだろうが!!!
シモンはテメエなんかよりずっと勇敢で、強くて……そんでもってシモンは……ちきしょう……」
グラサンジャックの足が一寸の情けも容赦もなく、私の美しい頭部に振り下ろされる。
荒れ狂う暴雨のようなそれに必死に耐えながら、私は奴が涙を流しているのに気づいた。
蹴りながら、踏みながら、目からは絶え間なく水が溢れ出していた。
その涙は私の偉大さに感動して流されたものでないことだけは確かであったが
私には、何故奴が泣いているのか、それがさっぱり分からなかった。
というよりも、パートナーの死ごときで何故それほどまでに悲しめるのか、私には全く理解不能だったのだ。
「ハア……ハア……ハア……」
しばらくそれが続いた後、暴力の嵐は唐突に止んだ。
奴が疲れたからなのか、それとも、別の理由があったのかは、私には分からない。
奴は少し息を整えた後、黙ってカートに戻り、乗り込んだ。
そして、意識が朦朧としている私に対して緑色の球体をいくつか放り投げると、静かに言った。
「そいつは手切れ金だ。くれてやる。
だから、テメエは二度と俺の前に顔を出すな」
間もなく、エンジンが始動する音がして、カートが発進した。
倒れたまま横に目を遣り、そこにあるモノを確認する。
そこには案の定、よく熟れたベリーメロンが4つ転がっていた。
いつもはメロンを見た瞬間に湧き上がるあの強烈な愛情が、何故か今は全く生まれなかった。
◆
ジドウシャで景色をぶっとばしながら、俺は怒っていた。
ついさっきと同じように走っているはずなのに、何故か俺の心はちっとも晴れやかじゃない。
理由はなんだ?はっきりしている。
シモンだ。あの放送で呼ばれたシモンの名前が、俺をこんなにも苛立たせている。
俺の心の中では、シモンは生きていると言う天使の俺と
シモンはもう死んじまったんだと言う悪魔の俺が今もまだ、激しい戦いを繰り広げていた。
どちらが勝ったにせよ、湧いてくるのは激しい怒り。
このふざけた殺し合いをおっぱじめやがった螺旋王への怒り。
そうやって人間をゴミとも思わず虐げる獣人への怒り。
俺の時間を無駄に浪費させたヤツラ――指パッチン、ガンメンモドキ、そして、隣の女への怒り。
あれだけでけえ声で言い合いをしたにもかかわらず、隣の女はまだ目を覚ます様子がねえ。
そのキレイに整った顔だけ見てりゃあ、村一番の生娘が地上に遊びに来て昼寝しちまったって言っても余裕で通りそうだ。
……だが、俺は知っている。コイツがそんな生易しい人間じゃねえことを知ってる。
俺は、ジドウシャの椅子にとりつけられたでっけえ銃に目を遣り、あのときのことを思い出す。
こいつは、初対面の俺たちに向かって、容赦なくこいつをぶっぱなしてきやがった。
あのときは運がよかったから避けることができたが
ちょっとタイミングがずれてたら、今頃、ミンチ肉になってるとこだ。
それに、コイツは自分の奴以外にもう一つデイバックを持ってやがった。
それはつまり、コイツはもう人を一人殺してるってことだ。
……そして、それがシモンでない保証はどこにもねえ。
シモンの顔を思い出す。
泥まみれで穴を掘る一生懸命なシモン。ヨーコと話して笑う無邪気なシモン。ラガンでガンメンに立ち向かう勇敢なシモン。
そのシモンの笑顔を今隣に座っているこいつが奪ったのかと考えると、俺の胸の中がじんわりと熱くなる。
さっき、ガンメンモドキにシモンを馬鹿にされた時に感じたのと同じ、あの熱だ。
気づけば俺は片手を“はんどる”から離し、その細い首に指を巻きつけ――
「……何、やってんだ俺は」
指が女の首に触れる寸前。俺はかろうじて思い直し、手を“はんどる”へと戻した。
同時にブレーキをかけ、ジドウシャを道の脇に止める。
……さっきから、どうかしている。
この女のことにしてもそうだし、ガンメンモドキのことにしてもそうだ。
確かに、アイツの物言いには腹が立った。はらわた煮えくり返って口から出そうにもなった。
だが、あれほど痛めつけることはなかったんじゃねえのか?
あれじゃまるで。
「まるで、俺があいつを殺そうとしてるみたいだったじゃねえか……」
あのとき自分がどういう状態だったのか、はっきり言ってよく覚えてねえ。
頭に血が上っていて、何だかよく分からないままにアイツをぶん殴っちまったのは確かだ。
殺す気が本当になかったのかと言えば……正直、怪しい。
「どうにもいけねえな。思ったより疲れてるみてえだ」
俺は気を落ち着けるために飯でも食おうと思い、足元のデイバッグに手を突っ込んだ。
バッグの中からパンと水を取り出し、流し込もうとしたそのとき、俺はその光景を目にして驚いた。
俺が車を停めてる道の向こう、小さな川みてえな側溝に、一人の男が飛び込んでいくのが見えた。
随分と焦っていたらしい。こっちにはまったく気づいていないようだ。
全身を血に塗れさせ、同じように血に塗れた刃物を手に持って、側溝へと飛び込んでいく男。
そいつは、驚くべきことに俺の知っている顔だった。
それがシモンだったなら、俺の胸の炎もスッキリ消えたかもしれなかったが
残念ながら、そいつは逆に怒りをたぎらせる薪みてえな知り合いだった。
口の端からチラチラ見える鮫のような歯。片目を隠した長髪。
間違いねえ。
「ヴィラル…………」
俺はその獣人の名を、怒りに任せて呟いた。
【F-3 大きな道路沿い・1日目 朝】
【カミナ@天元突破グレンラガン】
[状態]:激しい怒り
体力中消耗・左肩に中程度の裂傷(激しく動かすと痛みが走るが、我慢できないほどでは無い )マントを脱いでいる
[装備]:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、
モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン(あと9秒連射可能、ロケット弾は一発)を搭載したゴーカート
[道具]:支給品一式、ベリーなメロン(3個)@金色のガッシュベル!!(?) 、ゲイボルク@Fate/stay night
[思考・状況]基本:殺し合いには意地でも乗らない。
1:ヴィラルに対処する
2:放送に対して動揺
3:ゴーカートで道なりに走ってみる。
4:ヨーコと一刻も早く合流したい
3:グレンとラガンは誰が持ってんだ?
4:もう一回白目野郎(ヒィッツカラルド)と出会ったら今度こそぶっ倒す!
※グレンとラガンも支給品として誰かに支給されているのではないかと思っています。
※ビクトリームをガンメンに似た何かだと認識しています。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
※ゴーカートの動かし方をだいたい覚えました。
※ゲイボルクの効果にまるで気づいていません。
※1/4メロンは海に出た際、落っことしました。どこかに流れ着いても、さぞかし塩辛いことでしょう。
※向岸流で流れ着いたメロンが6個、F-1の海岸線に放置されています。
※シモン死に対しては半信半疑の状態です。
【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:気絶中? カミナのマントによって拘束中 極度の疑心暗鬼 魔力消費 大
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(その他、ランダム支給品が0〜2、本人・カミナ・ビクトリーム確認済) 、
ジェレミアの支給品一式(その他、ランダム支給品が0〜2、シャマル・カミナ・ビクトリーム確認済)
[思考・状況]
1:八神はやてを守る
2:六課メンバー以外、全て殺す
3:けれど、なるべく苦しめたくない
4:ゲイボルクを投げたのに…
※宝具という名称を知りません
※現在、彼女の持ち物はカミナが所持していますが、
ランダム支給品の中の何かをどこかに隠し持っている可能性があります
※ゲイボルク@Fate/stay nightは舞台のループを認識していないようです
【F-3/下水道/1日目/朝】
【ヴィラル@天元突破グレンラガン】
[状態]:脇腹に刺し傷(応急処置済み)、極度の体力消耗、衣服が濡れている
[装備]:ワルサーWA2000(6/6)@現実
[道具]:支給品一式、バルサミコ酢の大瓶@らき☆すた、ワルサーWA2000用箱型弾倉x4、ランダムアイテム1(重いもの)
[思考]
基本:ゲームに乗る。人間は全員殺す。
1:今は休まねば…
2:蛇女(静留)に味わわされた屈辱を晴らしたい。
3:『クルクル』と『ケンモチ』との決着をつける。
4::螺旋王の目的とは?
[備考]
螺旋王による改造を受けています。
@睡眠による細胞の蘇生システムは、場所と時間を問わない。
A身体能力はそのままだが、文字が読めるようにしてもらったので、名簿や地図の確認は可能。
…人間と同じように活動できるようになったのに、それが『人間に近づくこと』とは気づいていない。
単純に『実験のために、獣人の欠点を克服させてくれた』としか認識してない。
◆
「………………」
私はグラサンジャックが去った後、一人、献上品のベリーメロンを貪りつつ、地図を睨んでいた。
グラサンジャックと離れてしまった以上、私もいよいよマジで身を守る方法を考えた方がよさそうだからな。
さっきの放送、シモンという名前に気を取られて、危うく聞き逃してしまうところであったが
私にとって聞き逃してはならない名前がもう一つ含まれていた。
素晴らしきヒィッツカラルド。
はじめにグラサンジャックと出会った遺跡で会ったもう一人、クリーム色のスーツの男は確かにそう名乗っていた。
もし放送が正しければ、あの男は私達と分かれた後、3時間足らずのうちに殺害されたことになる。
あれほどの男が半日もたないとは、ここは私が考えていた以上の伏魔殿らしい。
そうと分かった以上、こんなところに長居は無用。
さっさと我が体と合体し、モヒカン・エースを探さなければならない。
……ああ、そうだとも。
もう、グラサンジャックのようなコンチクショーの力なんぞアテにするものか。
だいたい、あんな下品な刺青をして、あんな下品なサングラスをかけている暴力男が、私のパートナーであるはずがないのだ。
呪文が出たのは何かの間違いに違いあるまい。
やはり私のパートナーはモヒカン・エースただ一人。
一刻も早く合流し、このビクトリーム様が本来の力を発揮できるようにしなければな。
その暁には……生意気なグラサンジャックめ……まず貴様をはじめに血祭りにあげてくれるわ!
「覚えてやがれェ!!フハ、フハ、アーハッハッハッハッハッハッ……ジュボジュボ」
笑いながら、地上に置いたベリーメロンに齧り付く。
いつもは甘いはずのメロンが、何故だか今はおいしくなかった。
「……さーて、愛しのメロンちゃんも食い終わったことだし、そろそろ我が体のところに帰るとしようかァ!!」
私は、丸齧りしたメロンをその場に放置すると、顔を上げた。
体の位置はもう大体見当がつけてある。
やはり、もといた所に帰るには、もと来た道を帰るのが一番確実ってモンだろう。
私はそう結論づけ、これからは海の方へ向かって飛ぶことに決めていた。
途中、明らかに不自然な移動があったが、まあ、何とかなるさ。
「ビィクトリーーーーーーーーム!!!!!!!」
何だかモヤモヤしたままの気持ちを振り払うために、私はいつものように高らかに叫び、そして天へと舞い上がった。
だが……
「もう、お出かけどすか?もうちょっとゆっくりしていかはったらいいのに」
飛び上がった私に、何者かがのしかかり、地面に押し倒した。
「イっテェーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」
顔が地面に押し付けられ、さっきグラサンの野郎にやられた鼻がジンジンと痛む。
少しでも状況を確認しようと、目を横に向けると槍の穂先みたいのものがちらついているのが見える。
……オイオイオイオイ!!
「そのまま、動かんでおくれやす。
ウチな、今、ちょっと嫌なことがあって、機嫌が悪いんどすわ。
だから、言うこときいてもらえへん場合は、いろいろと保証しかねますえ?」
私は体をジタバタさせ、何とか襲撃者から逃れようとあがいていたが、その言葉を聞いて動きを止める。
どうやら上に乗っているのは女のようだ。
ベリィシィィィッッッッッット!!!ええい!次から次へと襲ってきよってからに!!少しは休ませろってんだィ!
私はとりあえず、おとなしくして、様子を見ることにした。
なぁに、不意打ちできたのに、いきなり殺ろうとしなかったんだ。
いきなりは殺されんはずだ。……多分な。
「争い合うような叫び声を聞いてここまで来てみれば
……あんた一体何者や?ここで一体何を?それから……」
女は何か気になることがあったのか、不意に言葉を止め、少しの間黙る。
とりあえず服従するフリをして脱出のチャンスを覗うつもりだった私は「今かっ!?」と目を見開きそして
次になされた質問で、残された時間が思っているよりも少ないことを知った。
「あんたの首輪、どこへ行ったんどすか?」
我が体の美しさをこれほどまでに恨んだことはない。
【F-2/フェリー発着所付近/1日目/朝】
【ビクトリーム@金色のガッシュベル!!】
[状態]:身体部分がD-8に放置 カマイタチによる小程度のダメージ カミナの攻撃による中ダメージ
鼻を骨折。歯が二本欠けています
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、CDラジカセ(『チチをもげ』のCD入り)、ランダム支給品(0〜2個)、魔本
ベリーなメロン(3個)@金色のガッシュベル!!
[思考・状況]
1:上に乗っている女に対処
2:わが身体、行方不明! はやく回収しなければ…
3:もうグラサン・ジャックには頼らん!早くモヒカン・エースと合流せねば。
4:カミナに対し、無意識の罪悪感。
5:F-1海岸線のメロン6個に未練。
※参戦時期は、少なくとも石版から復活し、モヒカン・エースと出会った後です。
※会場内での魔本の仕組みに気づいておらず、半ば本気でカミナの名前が原因だと思っています。
また、耐火加工についても気づいていません。
※モヒカン・エースがゲームに参加していない事にも気づいていません。
また、身体の事で頭が一杯になっているため、名簿確認や支給品確認の必要性にも気づいていません。
※地図すら見ていないため、身体の位置もわかりません。
※分離中の頭と身体の扱い(禁止エリアでどうなるのか?など)は、次回以降の書き手さんにお任せします。
【藤乃静留@舞-HiME】
[状態]:健康 、衣服が濡れている
[装備]:雷泥のローラースケート@トライガン
[道具]:支給品一式、マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ、 巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、
ランダムアイテム1(本人確認済み)、ジャグジーの首輪、包丁
[思考]:
基本思考:なつきを守る。襲ってくる相手には容赦はしない。
1:目の前の生き物を問い詰める
2:3〜6のため、ひとまずF-5の駅に移動
3:なつきを探す事を最優先する。
4:なつきの事を知っている人間を探す。
5:豪華客船にゲームに乗っていない人間を集める。
6:首輪を詳しく調べられる技術者を探す。
7:あまり多人数で行動するつもりはない。
【備考】
※「堪忍な〜」の直後辺りから参戦。
※マオのヘッドホンから流れてくる声は風花真白、もしくは姫野二三の声であると認識。
(どちらもC.C.の声優と同じ CV:ゆかな)
ウルフウッドは、ぼんやりと歩きながら放送を聞いた。
九人、死んだらしい。うち一人は自分のしわざというわけか。
その事実は別に、何らの感慨も引き起こすものではなかった。
誰が何人死のうと関係ないのである。ついでに、自分が何人殺そうと。
ゲームに乗ると決まったときから、他の誰かは単なるマトだ。
マトについた名札に興味を持つ射手がいるとでも?
…違う。
(ワイもまた、単なるマトや。ここではな)
地獄の旅路、その直中にいるウルフウッドにとって、
畢竟、この殺し合いはすでにその程度のものだった。
殺して自分が最後の一人になろうが、そのへんで誰かに殺されようが、
それは砂蒸気(サンドスチーム)の食堂車で遊ぶポーカーの勝敗と、とくに大差はない。
最初から行き先の決まった運航を、早くするわけでも、遅くするわけでもないだろう。
ウルフウッドは、自らの業に乗って殺し合いに参加する。
銃の示した道もまた、これであったから。
(おんどれ…)
手元の銃を見下ろして思う。
お人好しの銃だ。
どんな現実を前にしようと、誰かに生命のあることを尊び続ける男の銃。
失われるもの、救いきれなかったものを見て涙を流す、あの男の銃。
…つまり、そういうことなのか。
引き金を引いて弾が出なかったのは、そういうことなのか。
だとしたら、どこまで人をなめくさる気だ!
耐えがたい怒りが噴出しかける。
今の彼には怒りでしか表わしえないそれは、あるいは悲鳴であったのかもしれない。
「生き方が違いすぎるんや」
吐き捨てた。
心中のもやをふり払おうとして失敗し、
そばにあったごみ箱を蹴りつけた。
中身もなく軽々と飛び転がっていくその音を聞いてから、
ばかばかしい感傷に自分で自分を笑いたくなった。
ウルフウッドはおもむろにデイパックを開き、地図を見る。
あてもなく北を目指してきたわけではない。
銃の残り弾数は、たった四発。
一人一発で片付けていっても、単純計算、六十九人残ってしまう。
徒手空拳でもやれるだけはやってみせるが、どうせやるなら銃がいい。
そして、予備弾なり新たな銃なりを手にいれるに適した場所といったら、
保安官事務所、もとい警察署がまずはその筆頭。
なければ、駄目もとでショッピングモールを回る。
やたらと水に恵まれたおかしな街とはいえ、人が住む場所ならば武器屋のない道理はないはずだ。
とはいえ、それは次善の策でしかなく、あまり当てにはしていない。
わざわざ支給品として武器を配布されている以上、
この殺し合いの会場内にそれ以上の余計なものは用意されていない公算が高いとウルフウッドはにらんでいた。
であれば、武器は他の参加者から奪い取れという話になるし、その方が格段に確実となる。
(カモがネギしょって来るんなら、苦労、あれへんねんけどな)
支援
今、探しているのは、銃を持った参加者だ。
遭遇次第、手早く殺してそれを奪い取るべく。
弾数が多ければなお理想的。
さすがに中身を確かめてから殺すというわけにはいくまいが…
「食パンしかないんかい。ノド乾いて貼っ付くわ、アホ」
食糧の包みを開きながら、ウルフウッドは愚痴った。
誰の気配もない街は、不快な思いをあおる一方。
生活していた住民がある一瞬を境に、まとめて姿を消してしまったような風景。
どこかに石碑でもあれば、赤いペンキで『KNIVES』と書き残してやりたいところだ。
味も素っ気もないパンの二枚目を喉の奥に送り込んだ頃、彼は橋を越えて警察署の間近に迫っていた。
【B-6・北西の端・道路/一日目/朝】
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン】
[状態]:かなり不機嫌
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾4/6)@トライガン
[道具]:支給品一式 (食糧:食パン六枚切り三斤+四枚、ミネラルウォーター500ml三本)
[思考]
基本思考:ゲームに乗る
1:自分の手でゲームを終わらせる。警察署を目指す。
2:銃を持った人間を確認次第、最優先で殺してそれを奪う。
3:女子供にも容赦はしない。迷いもない。
4:警察署で武器を調達する。無ければショッピングモールへ。
5:できればタバコも欲しい。
[備考]
※迷いは完全に断ち切りました。ゆえに、ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの鬱屈した感情が強まっています。
4237 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:01:04 ID:???0
問題の作品を読んだが…
これは棒読みってレベルじゃねぇ〜ぞww
4238 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:06:10 ID:???O
>>4234 多分、あの主人公を使ったネタだと予想
4239 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:14:14 ID:???0
シモンに先立たれ、ヨーコにも死なれたカミナを見ていてどうもデジャブを感じると思ったら、アレだ
1stのカズマが陥った状況とほとんど同じなんだ
いや別に不満があるわけじゃないしむしろ「これはカミナ主役フラグか!?」とか期待してるんだが
不思議な事もあるもんだねーと
4240 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:14:51 ID:???O
そういやフィーロって一応の主人公だったんだな
アイザックだと思ってたから今の今まで違和感なかったけど
4241 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:25:49 ID:???0
怖いのはアンチマーダーの槍兄貴だ
4242 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:47:33 ID:???O
フィーロはバカレベルが低いからどうしても影が薄くなる
そういえばアニロワ2ndって良い意味でバカだらけだよな
4243 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:51:12 ID:???0
悪い意味でのバカもいるけどな
さっそく減ったけど
4244 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:51:27 ID:???0
1stといえば、序盤にマーダーが暴れたい放題暴れて死んでいったよなあ。
今回のマーダー陣は展開を温存しながら動いている感じ。
もしかしたらマーダーの絶対数はほとんど減らずに対主催の人数だけが
すり潰されていくんじゃないかとか思う月曜の深夜。
4245 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:53:03 ID:???O
そこから盛り返していくから燃えるんじゃないか
4246 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:53:15 ID:???0
>>4242 ほのぼの主人公コンビのことかー
うーむ。読子スパイクの放置っぷりが激しい。
なんでだろう?
絡める可能性のあるはやてに対しても放置済みだし。
4247 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:54:34 ID:???0
なんという投下・予約ラッシュ
4248 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:54:57 ID:???O
>>4244 それはアリだな
4249 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:55:31 ID:???O
たしかにな……
なんか最近の放送でボケシーンがあったが内容が思い出せない\(^o^)/
クールに登場してクールに撃たれてクールに再生して
マーダーに襲われてるおにゃのこを助ける展開をちらと期待したが……
モロにジンと被ってる件\(^o^)/
4250 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:57:39 ID:???O
うん、序盤から中盤にかけてはとことん対主催を追いつめてほしいな
4251 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 00:58:24 ID:???O
そして終盤さらなる追い討ちを!
4252 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:00:09 ID:???O
なんだろう
ロイドに言いくるめられる展開しか見えないんだがw
4253 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:00:29 ID:???0
だが俺はマーダーを対主催者に覚醒させてみせるぜ!
4254 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:01:42 ID:???0
ならばマーダーをさらなるマーダー色に塗り固めてくれる!
4255 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:03:02 ID:???0
ふははははは!!ならばマーダーの武装強化を任せてもらおうか!!
4256 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:03:34 ID:???O
うん、それ死亡フラグ。
4257 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:04:09 ID:???0
>>4247 なんというか、様子見てあのキャラが投下されてから別のキャラと絡ませて……とプロット考えてたんだ
うおっ!予約されてやがる
4258 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:05:05 ID:???0
逆に対主催でまともな戦力どのくらいいるんだ?
4259 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:05:12 ID:???0
だが待ってほしい。
マーダーである以上、壮絶に死ぬことは避けられない。
となると、この厨装備もうれしい。
4260 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:06:09 ID:???0
まあ、マーダーを増やしすぎると当然マーダー同士の殺し合いになるからな。
それより、勘違いフラグを育てまくる方がおいしいかもしれん。
4261 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:06:12 ID:???O
なんか中性的なやつもやたらと多いような
特に絶望とかどうやったら指向性持たせられるんだよw
4262 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:07:00 ID:???0
だがマーダー同士の潰しあいがあることも忘れてはならない
どうせ対主催の人間巻き込まれるけどなw
4263 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:07:57 ID:???O
清麿の疫病神っぷりに期待
4264 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:08:21 ID:???0
>>4257 よう、ついさっきの俺
正直、もう寝る所だったし明日も遅くまで自由な時間が取れないから
「予約は明日でいっかな〜?」とか思ってたんだが…
複数用意してたネタがどんどん使えなくなってるのを見て「やべぇ!?」と思わず予約
実質一日半でどこまでかけるか…目覚めろ俺のラディカルグッドスピード!!
4265 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:10:19 ID:???0
>>4252発狂状態なのに説得とか出来るものなのか…?
あー、でも思考が単純化してるらしいし、ロイドなら機転を効かせて何とか…?
4266 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:11:16 ID:???0
東方不敗やシンヤに真正面から対抗できる対主催は戴宗、ヴァッシュ、Dボゥイくらいかな。
厳しいねマジ。
だがそれがいい。
4267 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:12:09 ID:???O
俺の知ってる作品で主戦力になりそうなのは
スバル、読子、清麿+ガッシュ、ランサー、ギルガメッシュ、ドモンってところか…
他にも一般人よりは上ってレベルなら
クレア、士郎、ジン、ヒューズ、アルフォンス、なつき、ホークアイ、あたりかな。
4268 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:12:10 ID:???0
舞衣さんはあのAAのようにきっとロイドを恫喝してくれるはず
4269 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:15:52 ID:???O
クレアやジンとなつきが同列なことに吹いた
たしかにちゃんとやれば強いんだが……
でもやっぱり吹いた
4270 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:18:01 ID:???O
まあクレアならどんな超人にも勝てそうな気はするけどw
4271 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:19:01 ID:???O
クレアの戦闘は書くのが難しそうだな
4272 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:21:26 ID:???O
小細工は一切通じない感はあるな。むしろ逆手に取られそうなw
超人の超能力でガチンコ勝負して沈めるしかない
4273 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:22:24 ID:???0
むしろ俺はクレアとジンの掛け合いが見たいぜ
つーかジンってバッカーノの連中とは大抵ノリノリで話せそうな気がするのは何故なんだぜ
4274 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:23:55 ID:???O
ジンがバカ達と同類…?
4275 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:24:29 ID:???O
クレアに超人級を何人か沈めさせたい俺がいる。
とくに神父を沈めさせたいw
4276 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:26:01 ID:???0
バカップルとジンなら軽妙かつまるで無意味、しかしやたらとカッコいい掛け合いが見られそうだが。
…書くほうの難易度が洒落にならんくらい高いな。
4277 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:26:09 ID:???0
ジンだったらバカップルをうまく扱えても不思議じゃない気はする。
4278 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:26:47 ID:???0
独断と偏見で分類
【マーダー寄り】
ティアナ、シャマル、はやて、クアットロ、ラッド、チェス
言峰、マオ、ロイ、スカー、ヴィラル、ビシャス、かがみ
東方不敗、高遠、ムスカ、舞衣、可符香、千里、ウルフウッド、シンヤ
【対主催寄り】
スバル、士郎、ランサー、ルルーシュ、カレン、ロイド
アル、リザ、ヒューズ、カミナ、ニア、ジェット、こなた、ゆたか
ドモン、アレンビー、金田一、剣持、明智、ガッシュ、清麿、ビクトリーム
パズー、シータ、ドーラ、なつき、静留、奈緒、ねねね、ミー
糸色望、戴宗、ヴァッシュ、Dボゥイ、ジン、キール
【のんき】
アイザック、ミリア、イリヤ、スパイク、エド、フォルゴレ、読子、マタタビ
【自己中】
クレア、ギル、アルベルト
4279 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:27:34 ID:???O
ロワ的に無意味かつシュールでスタイリッシュな会話とか無理ですw
そのうえところどころにフラグ散りばめられたりするんだぜ、きっと
4280 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:31:52 ID:???0
>>4278 一つの枠として存在してる【自己中】に吹いたwww
しかも他二人と比べるとアルベルトがキャラが違いすぎるwwwww
違うんだよ!!あのオッサンはただ戴宋に会いたくて周りが見えなくなってるだけなんだよ!!…って結局これも自己中かw
フォルゴレはああ見えて普通に対主催だと思うんだぜ
かがみは…微妙な所だなー
現時点では完全にマーダーと対主催のど真ん中にいる感じ
そして最後に
>【対主催寄り】
>ビクトリーム
えー!?
4281 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:33:43 ID:???0
マーダー及びマーダー候補が21人。
オラワクワクしてきたぞ!
4282 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:33:44 ID:???O
【流されてる】
絶望、かがみ、パンツ
4283 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:36:31 ID:???0
対主催はなー
何人かマーダー行きがありそうだしー
主力筆頭の二人が誤解フラグで潰しあいしそうだしー
先行き不安いっぱいだぜー
4284 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:38:59 ID:???O
奈緒って対主催だったのか
ふつうに忘れてた
4285 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:41:52 ID:???0
はっきり言って、外部戦力連れ出すかショートカットでもしない限り、螺旋王with獣人(ガンメン)軍団に勝てる気がしない。
誰が生き残っても。ガンダムやナイトメアフレーム持ち出しても。ツチダマ軍団とはわけが違うんだよなぁ、今回の相手……
そしてそんな状況下で、後半終局への舵取りできる書き手が現れるかも不安。
一番心配なのは、現時点でそういう難しい状況が待っているってことを何人が理解しているか……書き手読み手問わず。
ネガティブな書き込みでゴメン。
4286 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:42:00 ID:???0
奈緒はどっちでも行けそうだけどなー良くも悪くもギル次第というか
多分言葉にすれば【適当】
4287 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:43:04 ID:???O
【しもべ】
奈緒、カレン、キンダニ
4288 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:43:19 ID:???0
自己中枠に戦力固まり杉ww
この三人で普通にマーダー全員と渡り合えそうな
4289 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:44:07 ID:???0
いやあ、参戦時はネタキャラになるかとも思ったもんだがムスカの活躍はすばらしい
4290 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:44:35 ID:???0
>>4285 正直、制限なしなら衝撃のおっさんだの東方先生だの我様だのといった超人通り越して
魔人レベルの連中が獣人軍団に負ける図のほうが思い浮かばない。
4291 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:44:57 ID:???O
クレア「なぜなら強者のみが自己中になれるからだ」
クレア「そして俺は強者だ」
4292 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:47:41 ID:???0
>>4291 志村ー、ワカメ!ワカメー!
4293 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:48:39 ID:???O
>>4291 おまえはガンメン相手じゃ手も足もでないだろうなw
4294 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:49:28 ID:???0
>>4285 誰かがグレンラガンに乗れば、だいたいどうにかなると思う
問題はそこまでの経緯だよなぁ
4295 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:50:10 ID:???O
なんかギルだけでなくクレアのAAも欲しくなってきたw
4296 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:51:25 ID:???0
確かにクレアは対人ではかなり強いだろうけど
対ロボや対軍には向かないだろうなぁ
4283 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:36:31 ID:???0
対主催はなー
何人かマーダー行きがありそうだしー
主力筆頭の二人が誤解フラグで潰しあいしそうだしー
先行き不安いっぱいだぜー
4284 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:38:59 ID:???O
奈緒って対主催だったのか
ふつうに忘れてた
4285 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:41:52 ID:???0
はっきり言って、外部戦力連れ出すかショートカットでもしない限り、螺旋王with獣人(ガンメン)軍団に勝てる気がしない。
誰が生き残っても。ガンダムやナイトメアフレーム持ち出しても。ツチダマ軍団とはわけが違うんだよなぁ、今回の相手……
そしてそんな状況下で、後半終局への舵取りできる書き手が現れるかも不安。
一番心配なのは、現時点でそういう難しい状況が待っているってことを何人が理解しているか……書き手読み手問わず。
ネガティブな書き込みでゴメン。
4286 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:42:00 ID:???0
奈緒はどっちでも行けそうだけどなー良くも悪くもギル次第というか
多分言葉にすれば【適当】
4287 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:43:04 ID:???O
【しもべ】
奈緒、カレン、キンダニ
4288 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:43:19 ID:???0
自己中枠に戦力固まり杉ww
この三人で普通にマーダー全員と渡り合えそうな
4289 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:44:07 ID:???0
いやあ、参戦時はネタキャラになるかとも思ったもんだがムスカの活躍はすばらしい
4290 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:44:35 ID:???0
>>4285 正直、制限なしなら衝撃のおっさんだの東方先生だの我様だのといった超人通り越して
魔人レベルの連中が獣人軍団に負ける図のほうが思い浮かばない。
4291 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:44:57 ID:???O
クレア「なぜなら強者のみが自己中になれるからだ」
クレア「そして俺は強者だ」
4292 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:47:41 ID:???0
>>4291 志村ー、ワカメ!ワカメー!
4293 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:48:39 ID:???O
>>4291 おまえはガンメン相手じゃ手も足もでないだろうなw
4294 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:49:28 ID:???0
>>4285 誰かがグレンラガンに乗れば、だいたいどうにかなると思う
問題はそこまでの経緯だよなぁ
4295 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:50:10 ID:???O
なんかギルだけでなくクレアのAAも欲しくなってきたw
4296 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:51:25 ID:???0
確かにクレアは対人ではかなり強いだろうけど
対ロボや対軍には向かないだろうなぁ
4297 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:51:50 ID:???O
カミナ「ギィガッドリルゥゥウゥゥゥ!!!」
ゆたか「ぶれいくーーーー!」
4298 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:52:43 ID:???O
ゆたか「ゲホ、ゲホッ」
4299 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:52:49 ID:???0
>>4294 まぁ最悪、アークグレンラガンにパワーアップしちゃえば圧倒的な質量差で獣人だろうが螺旋王だろうが…
4300 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:53:44 ID:???O
気づけばコクピットにロージェノムが……
4301 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:54:15 ID:???0
その前にロワ会場が滅亡するわw
4302 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:54:25 ID:???0
ちょっとうろ覚えだけど、たしか螺旋力が発現した時の輝きってのは緑色だよな?
そして、ジンの右腕がクリムロワイヤルを求めた時の輝きの色も緑色だ。
つまり、ジンの右腕に秘められた力の正体には、螺旋力が大きく関わっているんだよ!!
4303 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:54:26 ID:???0
本職が殺し屋だしね。
でも、いつの間にかコックピットを葡萄酒状態にしてるってのも。
4304 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:55:13 ID:???0
>>4285 四天王が全員生存してるからなぁ
シトマンドラ&グアームコンビでもそこそこ苦戦したのに、更にそこにチミルフやアディーネも加わるとなると…
ただ、ここまで来るとロワ関係ないがチミルフとアディーネの共闘をすっごい見たい俺がいるw
4305 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:55:17 ID:???0
>>4296 ガンメンを軽く乗っ取るクレアが目に浮かぶ……、て
そっか、ガンメンがたくさん出てきたらそれ奪えばいいじゃん
4306 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:55:39 ID:???O
・←アークグレンラガン
〇←地球
4307 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:55:47 ID:???O
主催者→対主催
新しすぎるぞロージェノムww
4308 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:56:14 ID:???0
ゆたか「ら、らがんいんぱくとー!!」
ゆたか「ぜぇ、ぜぇ……」
4309 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:57:37 ID:???O
>>4302 な、何だって――!?
4310 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:57:56 ID:???0
だめだ、ゆたかにスーパー系は危険だ……って事でガンダムに乗せようぜ!(まさに外道
4311 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:59:23 ID:???0
>>4305 人間の螺旋力があれば、ガンメン自体は気合いで奪い取れるからなー
ここぞとばかりに戦力が無い一般人にガンメンで頑張って欲しい所だ
ただしやりすぎると「スパロワ乙」になるという諸刃の剣だよな、これ…
4312 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 01:59:26 ID:???0
>>4310 問題ない、病弱とかそころへんは全部螺旋力でどうにかなる!
4313 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:00:18 ID:???0
アークが出たら多分口上を言うだけであっさりと勝利するぞwww
なんでただ喋っただけであんな爆発が起きるんだよあのロボ…
4314 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:00:57 ID:???0
>>4311 むしろ「グレンラガン乙」だな
この展開どうみても原作第二部だし
4315 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:01:18 ID:???0
最終的に主催者はアンチスパイラルに…………
……制限全解除されても、誰も勝てない気がしてきたw
4316 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:01:54 ID:???0
>>4312 「螺旋力って便利ねー(二次創作的に)」
……今更ながら、グレンが通ってよかったのかもしれんと思った
仮投票も本投票も票数ギリギリだったんだよなぁ…
4317 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:02:17 ID:???0
>>4315 シモン死んじゃったしなww
4318 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:02:37 ID:???O
クレア「俺に……いや。俺たちに、ロージェノムが倒せないわけがない」
カミナ「なぜなら、俺たちがそう信じたからだッ!!」
クレア&カミナ「俺を誰だと思ってやがるッ!!!」
4319 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:03:47 ID:???0
>>4315 流石にアンスパは無理だwww天元突破出さなきゃ勝てねぇwwwww
でも他作品のキャラの必殺技撃つ天元突破とか凄い見てぇ!!見てぇもんは見てぇんだ!!
そしてどんどん話がロワから離れていってるなw
4320 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:04:07 ID:???O
こなた一番身近なのに空気wwwww
4321 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:04:36 ID:???0
>>4315 そしてそのまま対主催者側も各作品からロワに参加していない仲間がやってきたり、
平行世界のグレンラガン大集結でアインソフオウルってみたりの前代未聞の虚無エンド目指そうぜ
あとは後日
うpはしてるが、例の話し合いはゼロに近い
_ 、_ ,. ,./i,.
、ヽ、 `ヽi、゙ヽ、 ,,.-‐'''""'''- 、 /i/ '"´'´''"i,
,r''´' ゙、 ,.-'".:.: : : `ヽ、 / ノ'i'
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`フ ./`'''7´ `y´ `ヽ、,.-‐''""'‐y'.:.:.:.:.:.:.:.:._,.-'"__,,. -''^ヽ、,_ヾ ヽ ヾ、 ソ
〈、_...... . . . . . ....:.:.〉、_l:.. /''" l:.:.:.:.:.:.:.:.:/-‐''´ _,゙i |'':.. . ....:.:.:.:>
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ヽ、,,__,,,.-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ! | |.:/ '‐‐( Oi ゙i r' Oノ/_,ノ
゙ヽ、,,,_,,{゙、i,l |:.i, ,. 、`ー‐' ,. ヽ=' i わかんないのかい
_,,,,,.-''":l゙、'-'.:.゙、 ' ´i'ヽ、__ノi_ l、 / だまされたんだよ
___,,,,r''":::::::::::::::::::::!:.:゙、.:.:.:| i l i'、 `ヽ,ノi/ ̄ ̄` ''ヽ、
,,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.'i, ! ! `、二ニニソ/ ノ  ̄ヽ、_
r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-.,,_::::::::::ヽゝ, ‐‐ |r' ,.-'"/::::::ヽ、
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話合いなんてとっくに終わってるじゃねーかww
マジGだなお前wwww容量の無駄遣いすぎてふつーに吹くわwwwww
女が、いる。
白い裸体にブラジャーとパンティーだけという、一歩間違えれば痴女扱いされて人を呼ばれても仕方のない格好の女だ。
場所は倉田屋というラーメン屋。
いかにも『場末』という雰囲気を醸し出す、下着姿の女とはこれっぽちの関係性も持ち合わせていない建物だ。
つまり、結論を述べるとすれば動機を場所ではなく、自分自身に。
生来の特殊な性癖を持った女がふらりとそこに立ち寄った、と考えるのが最も妥当だろう。
変質者か露出狂。いや、やはりストレートに痴女と表現してしまった方がやはり歯切れが良い。
だが、しかし。
いくつかの状況を説明する要素を付加するとしよう。すると、この状況は全く別の様相を見せてくる。
一つ。彼女の目の前に一人の少年が在る事。
一つ。少年の首筋に包丁が突き刺さっている事。
一つ。その少年は既に命を持たない器に過ぎず、概念的な意味を取捨すればただの肉塊となっている事。
一つ。彼を殺したのがすぐ側で立ち尽くす、女――八神はやてである事。
肉体的にはおそらく彼女は"少女"と"女"の丁度、境界線辺りに位置するだろう。
年齢的にも十九歳と極めて微妙なラインだ。
加えて幼い頃から様々な数奇な運命と戦って来た彼女は、精神的にも非常に達観している部分がある。
しかし彼女はある意味、恵まれた環境に身を置いていたと言えるのかもしれない。
彼女は知らなかったのだから。
つまり劣情や情欲、人間の脳の最奥である"本能"に身を任せる卑俗なニンゲンなんてものは、これっぽちも頭の中に存在しなかった。
自らに興奮を抱き、明確な暴力でもって性的干渉に及ぼうとする者。
少年の妙に焦ったような手つき。血走った眼。荒い息。
だけど、それ以外の何か感覚的な要素から少年がこの行為、つまり『レイプに慣れている』と察知した。
瞬間、背筋に走った身の毛も弥立つような嫌悪感を覚えた。
何もかもが彼女を攻め立てた。何も分からなかった。頭が壊れてしまいそうだった。
そして、在り得ない自らの境遇に泣き喚く彼女は、確かに"少女"だった。
少女が、いる。
首筋、見事なまでに頚動脈を突き破り、血管を破裂させた鋭利な刃物を紅の液体が伝う。
血の海で溺れるように逝っている少年、呆然の表情で立ち尽くす少女。
この場面を切り取って一つの写真として見た場合、おそらく誰もが情事のもつれであると認識する筈だ。
事実、その推察は外れてはいない。
確かに少年、間桐慎二は八神はやてを暴行しようとしたのだ。それは紛れもない真実。
ただしもう一つ、世界の真実へと繋がる扉を開けば、両者の間に『愛』を例とした清らかな要素がまるで存在しなかった、芽生える余地さえなかった事も容易く明らかになる。
なにも、間桐慎二という少年が女と見れば襲い掛かる無差別的な強姦魔であると言いたい訳ではない。
彼はそう、一言で表すならば小さかった。
限りなく矮小で、俗物的で、小物という表現がこれ以上ピッタリくる人材も珍しいと感嘆する程に、だ。
そして彼にとって、自らの中に眠る出来損ないの魔術回路に関するコンプレックスは並大抵のものではなかった。
故に彼は魔法を憎んだ。魔法使いを憎んだ。
そして心の奥底では妬ましさと同じくらい、舞踏会での綺麗なドレスに憧れるシンデレラにも似た羨望の心を持っていた。
故に彼は八神はやてを襲った。
『魔術師』という部類の人間に醜悪なまでの劣等感を抱きつつも、彼らを掌握し、支配する事に悦楽を感じる彼らしい行動だった。
そして脅える少女に対して、下衆びた笑いと湧き上がる性欲を抑える事が出来なかった少年は、非常に彼に相応しい呆気ない最期を迎えたのだ。
そう、少女の心に狂おしいまでの絶望を残して。
■
多分少しだけ落ち着いたのだと思う。
はやては頭の中に残る、重いものを引き摺るような感覚を振り払い、時間を確認するため時計を探した。
そう、腕に、時計はないのだ。つい先刻、服と一緒に取り外してしまった。
それでも普段の習慣だろうか。思わず身体に目が行く。ああ、改めて自分の身体を見ると、本当に酷い格好だ。
水が上手く排水溝に集まるように、若干傾斜が掛かっている厨房の床を血が流れ、そして爪先に触れた。
靴とタイツを脱いでしまい、裸足だった故の出来事だ。
足の指の隙間に進入して来る生暖かくて、少し粘つく液体の感触はこれ以上ないくらい最悪だった。
――気持ち……悪い。
そんな無言の叫びは一体、何に向けられたものだったのだろう。
少なくとも肌と少年の血液が触れる面積が増加した事に対する嫌悪感、ではないように思える。
はやては考える。
その原因は今も目の前でダラダラと血を流し赤いプールの形成に一役買っている、
名前も知らない少年の死体そのものについて、だろうか。
これも、違う。
この手に感触こそないが、自分が目の前の少年を殺したのは紛れもない事実だ。
だけど、その亡骸を、私は訳が分からなくなるくらいの時間見つめていた。
生理的な不快感なんて領域はとっくに飛び越えてる。
赤とピンクと肌色が描く色彩の乱舞は眩し過ぎて、目に焼きついて離れない。脳に嫌、と言うほど刷り込まれている。
私を追い詰めているのは、彼の"死体"ではなくて、もっと別の何かだ。
それでは自分自身、飛び散った紅の液体で肌をまだらに染めている、この身体に対してだろうか。
乱暴に掴まれた二の腕の辺りが赤く腫れ上がっていた。
そっと、何を確かめるようにもう片方の手で触れてみる。
痛、い。
ビリッと皮膚の下、神経を通して電撃が走った。
白と赤のコントラスト。肌の白と鬱血した皮膚の赤。
とはいえ、毎日生活して行く上でこの程度の怪我は何度も経験している。
問題は身体の痛みじゃない。心、だ。
ホラー映画やサスペンス映画のような作り物の恐怖ではない。
昆虫や気味の悪い物体を見た時に感じる生理的嫌悪とは若干、似てはいるがまた違う。
人が怖いという感覚。掌はまだ震えている。
今まで私の周りにあんな行動に出るような人間は誰一人として存在しなかった。
明確な悪意と狂気とそして、自分自身が性欲の対象として見られいる事を痛いほど実感するような目付き。
ギラギラと欲望に燃える獣のような――
「ッ!! 濡れ鼠やね……服……着な、あかんか」
少年の瞳の怪しい煌きを思い出して、もう一度背筋にミミズが這ったような悪寒が走った。
はやては頭の中にこびり付いた垢を振り払うように、思考を必死で切り替える。
ガチガチと奥歯が勝手に噛み合わせを確かめている、そんな現実を無視するように。
でも、分かっていた。
その判断は至極当然の結論のように見えるが、その実明確な"逃避"であると言う事を。
自らの罪から逃げて、当たり前に在る風景に溶け込みたいのだ、私は。
……どないしたらええんやろ。
ひとまず言える事。とりあえず、自分は――正常だ。
大きく息を吸って深呼吸。ちゃんと、心と身体が繋がっている。狂ったりはしていない。
まだ手は震えるし、頭の中はグルグル回っている。
犯してしまった罪の重さも、その結果負わなければならない責任も十分理解している。
そして先程出会った、あの神父さんの言葉の数々。これも心にグサリと突き刺さっている。
『自分の願いを叶えるということは、誰かの願いを妨げるということだろう?』
『誰かを否定することでしか肯定できぬ願望があるのなら、何を躊躇うこともない。
自らの意思で他者を蹴落とし、その先へと進みたまえ』
『―――気をつけたまえ。これより君の世界は一変する。
どのような変化かは分からぬが、自らの淵を覗いた人間は、決してそのままではいられない。
ならば、自身を自身足らしめる一片だけは、全てを賭して護り抜け。それだけが、今の君に残された矜持だ』
私が私である理由。八神はやてを八神はやてとして決定付けるもの。
それに順ずる要素は色々あるように思える。
だけど、神父さんが言いたかった事は多分、私のあの台詞に向けられていたものなのだと思う。
「……誰かの命を奪って叶える願いなんて、絶対に間違っとると思います」
再度口に出してみる。一字一句間違ってはいない。
それだけこの言葉は私にとっても重い意味を持っているのだから。
そして、神父さんに出会った数時間後、皮肉にもその言葉を自らの手で否定する事になってしまったけれど。
――なんて、無様なんや。
大切な人の命を守りたい。
皆で笑いあえる世界に帰りたい。
力のない人を救いたい。
誰も殺したりするつもりはなかったのだ。
だけど、そんな自分なりの流儀を貫き通す願いは叶わなかった。
ううん、違う。叶わなかったなんて、嘘。どうする事も出来なかったのだ。
ただ怖かった。私は、どうしようもなく無力だった。
だからと言ってあそこで平静を保ったまま、あの男の子に犯されれば良かったのかと聞かれればさすがに……ノーだ。
いくら何でも彼の衝動を受け入れるだけの度量はない。
加えて、大人しくレイプされてもおそらく最後には……殺されていただろう。
整然とした論理で彼を殺した事実を正当化しようとする"鬼"が私の中に潜んでいる。
確かに現実の世界でも正当防衛として十分に認められるケースなのだ。
だけど、私が人を殺したという事実は変わらない。
私の願い。
皆で揃って、出来るだけ多くの人と一緒にこの空間から脱出したい。
そんな希望を込めた花を私は摘んでしまった。
矛盾、している。
■
もう……訳が分からんわ。
面倒や。全部全部ただの夢だった、そう断言出来ればどれだけ幸せな事なんかなぁ。
いっそ何もかも捨てて殺し合いに乗ってしまおうか。
神父さんも言ってたやん。
「殺してしまえばそれまでだ。二人を殺し三人を殺し、五人目を殺す頃には、殺すべき相手を悪と考えるように歪んでいることだろう」ってな。
きっと楽になれる。頭の中をグチャグチャにしているノイズも映像も全部消えてなくなる。
狂気に身を任せ、血を啜り、颯爽と戦場を駆ける女殺し屋みたいな感じでなー。カッコいいやん。
「……って、アホか」
はやてはペシと自分の頭を軽く叩いた。
乾いた小気味の良い音が寂れた店内に木霊する。
……無いわ、正直。
神父さんの台詞は胸でズキズキと痛いし、どんな理由があれ、自分がとんでもない事を仕出かしたのは十分に理解出来る。
でも、そんな殺意の連鎖なんて悲しすぎる。耐えられへんよ、先に私が潰れてまう。
そして、はやては決心した。
ギュッと拳を握る。素肌に当たる朝方の空気は少しだけ冷たい。
……そう、私は皆を守りたいんや。
六課の皆を、力のない今もどこかで震えている人達を。
この気持ちは何も間違っていない。私のこれ以上ないくらいの本音やもん。
『他者を殺してまで叶えたい願いは悪であるから、そんな願いは消してしまっても構わぬとな』
ここで見事な逆説。この言葉凄く、痛いなぁ。
――正義の為に悪を廃し、自らの手を血で染める覚悟がないのならば、最後までその意地を貫き通せ。
神父さんが言いたかったのって、きっとこういう意味なんやと思う。
うん、駄目やった。いきなりあなたの言葉、反故にしてしまったわ。
だけどな――
「神父さん……ゴメンな。私、馬鹿やし、臆病や。だから、あなたの言う通り他人を蹴落とすなんて出来へんよ。
でもな――同じくらい私は欲張りなんや。ふふ、意地汚いやろ?
だから何もかも守ってみせるし、もう……あんな悲しい出来事二度と起こしたりせえへん。
矛盾してるって説教くらっても今度こそ絶対絶対、曲げへん。何とかしてみせる、命だって賭けたる! それが私の……意地や」
もう何処にいるのかも分からない黒衣の神父に向けて、そして自分自身に言い聞かせるように一言で言い切る。
結局、私はこんな不器用な答えしか出せなかった。
あの男の子は最後に誰かの名前を呼んでいた。
つう事は多分、誰かこの空間内に知り合いがおるって事。
当面の目的としては、まずその顔見知りを見つけて彼を殺してしまった事を謝罪する。その為に動こうと思う。
もちろん、簡単に許して貰えるなんて思ってない。
ボコボコに殴られたり、銃で撃たれても……我慢する、いやしてみせる。殺されても――文句は言えない。
そして平行して戦う力のない子を保護する。出来れば六課のメンバーとも合流したいな。正直……今は会うのが少し辛いけど。
私に、そんな事をする権利があるのかは分からない。
けど男の子の命を奪ってしまった私がここで罪に押し潰されて自殺したり、他の人間を殺めたりするのが絶対間違っているのは分かる。
だってそれじゃあ、まるであの子の死が無駄死にみたいやないか。
多分、彼にも何か願いがあったんだと思う。
最初に出会った時、アレだけ脅えていたんやもん。
だから、私には出来るのはそういう困っている人達を守ってみせるんや。
さっきの――私が出来なかった事を今度こそ、な。
■
名前も知らない男の子の死体をラーメン屋のすぐ近くの土の中に埋葬した。
店内の血痕は拭っても拭っても消えなかった。心苦しいが放置するしかないようだった。
だが、しかし。
問題はそれだけではなかったりする訳で……。
「……どないすればええねん」
神父さんの言葉を噛み砕き、何とか自分の中で整理を付け終わった後、はやては自分の在り得ない格好を見て、少しそわそわしながらもう一度溜息をついた。
■
簡単な論理だ。
ひとまず、私はあの後、少年を埋葬する事から着手した。
そして、その時私はブラとパンティーしか身に着けていなかった。
彼は全身血塗れだった。
私は迷った――つまり、服を着たほうが良いのかどうか、と。
もちろんご存知の通り、八神はやては花も恥らう十九歳の乙女である。
素っ裸に近い格好で、道の往来へと繰り出し、穴を掘って人一人を埋める作業を行う事など出来るはずもない。
それにどちらかと言えば奥手な方だ。
というか、下着だけで太陽の下に出るなど変態以外の何者でもない。
しかし……少年の身体を見るとそんな意識も若干緩んでしまう。
彼は全身を頚動脈から吹き出した血液でコレ以上無いほど赤く染めている。
死者を冒涜するつもりは無いが、さすがに六課の制服を濃い赤へとカラーチェンジさせるのには勇気がいる。
だが、死体を埋葬をしない訳にはいかない。コレはせめてもの謝罪と償いなのだ。疎かになんて出来ない。
どうすれば……と考えながらふと、ガラス張りの店内から外へとはやては視線をやった。
そして――すぐ近くに、とても土の柔らかそうな雑草やら花やら沢山生えている地面を見つけてしまった。
周りに、私のゴクリという唾を飲み込む音が響いたような気がした。
「私、もうお嫁に行かれへん……」
ちょっとだけ涙を目尻に溜めながら、自分の更に赤く染まった下着と肌を見ながらはやては呟く。
結局……やってもうた。
下着一丁に靴だけ履いて、地面に穴を掘る女……マジありえへんわ。
というか私が穴に入ってしまいたいくらい……。
「――って、何微妙に上手い事言ってんねん!? …………はぁ」
自分を元気づけるためにツッコミを入れてみるもやはり不発。
効率を考えた行動は、実に理知的なレディに相応しいものだったと思う。
だがその裏側で繊細な乙女ハートが傷つけられた事は紛れもない事実。
地面はまるでプリンかゼリーのように奥の方にあったスコップを使って簡単に掘り返す事が出来た。
土と一緒に何故か様々な動物の骨が出て来た……おそらく、元々墓の一種だったのだろう。
私の睨んだ通り、普通なら数時間は掛かるだろう穴掘り作業がなんと二十分も掛からずに終了したのだ。
こんな短時間とはいえ、下着姿で労働に勤しむなん――はッ!?
瞬間、私の中に稲妻が走った。
そして思い出す。自分がとんでもない思い違いをしていた事を。
そうだ。そもそも『服を着て、穴を掘ってから、死体を運ぶ時にもう一度服を脱いだら良かった』のではないだろうか。
というか『死体を血だらけのまま埋めるのではなく、布か何かで血液を拭き取ってから運べば良かった』のではないか。
いやいやいやいや、待て。
一応、両方ともいくつか否定材料があるにはある。
例えば彼が息絶えた時点で、切断された頚動脈から凄まじい量の血液が噴射され、私の身体は赤く染まっていた事。
覚悟を完了したとはいえ、自分で殺した相手の身体を綺麗にする、というのは少し戸惑いを覚えてしまうという事。
血液に濡れた下着のまま、制服に袖を通すのはまるで六課を汚すような気がして、思わず考えから避けてしまったという……
――ッッ!?
ラーメン屋の店内で外からの視線に脅えるように突っ立っていた、はやての表情が凍った。
もう一つ、忘れていた事があったのだ。
「……下着……真っ赤やん」
ポタポタと太股からふくらはぎ、足の甲と血液が流れ落ちる。
純白のブラジャー&パンティー(過去形)は、いつの間にかドギツイ色の勝負下着に成り果てていた。
白い部分の方が少ない、いやもはや白は存在しないと言ってしまっても良いかもしれない。
赤い。スペインの闘牛でさえ、少し躊躇してしまうのではないかと言うぐらいの純赤である。
というか股座の部分が若干透け――
「くぁwせdrftgyふじこlp;@!!!!!!!」
はやては顔を真っ赤にして厨房の奥へと飛び込んだ。
そして衣擦れの音と蛇口を全開にする音、激しい水音が間髪入れずに響く。
声にならない悲鳴が倉田屋の中で木霊した。
■
落ち着かんわ……スースーする。いや……ありえへんって。
なんで替えのアレぐらい置いてないんよ?
タイツがあるから大丈夫、なんて思えるかアホ。
数十分後、はやては"何故か"豊満な胸とスカートの端を抑え、デイパックを"二つ"背負って倉田屋を妙に内股になりながら後にした。
結局、ソレらを再度身に着ける事は出来なかった。
とりあえず、身体に付いた血だけは全て洗い流した。
とはいえ一度脱いだ下着を再度着ける、という行為は脱いだ靴下をもう一度履く事と酷似している。
妙に落ちつかない、不自然なくらいにソレらが汚らしいものに思えてしまうのだ。
ちなみにコレは日本人特有の穢れの意識に起因しているのだが、そんな事は今は大して関係ない。
一度乾かしてみようかとも思ったが、どちらにしろパリパリになって、もはや下着ですらなくなってしまいそうだったので却下した。
うん……それにな。
何だかんだで自分が殺してしまった相手の血液が自分の身体に付着している、という感覚が怖かったんや。
そもそも、あんな事があった後やしな。よりによって下着が……という感じ。
死体運びの際にヘマをやらかさなくても、初めっからこうなる事は目に見えて明らかだったかもしらん。
「えと……とりあえず……デパート、やね」
幸い、東回りのルートを取るならば、そこにはデパートがある。
おそらくランジェリーショップも店内にあるはずだ。いや、というかないと様々な意味で困る。
確か十一時からG-6が禁止エリアになる筈なので、ある程度早めに移動しなければ行き先を塞がれてしまう。
ある程度の今後の計画を立て終わり、はやては安堵の息を吐いた。
そして、思い出した。自分の手元には未だに先程出会った読子・リードマンのデイパックが存在する事を。
別れたのは放送前の筈なので、もうそろそろ二時間になる。
しかし、一向に二人が帰ってくる様子はない。……どうなってるんや?
「ちょっと……だけ」
左右に首をキョロキョロと振り、はやてはそのデイパックの中身を覗き込んだ。
ここまで来るとひとまず中身だけでも確認しておいた方が良いと判断した故の行動である。
もしかしたら、中に自らにとって有益な道具――つまり、デバイスが入っている可能性もある。
ソレならば話は早い。二人と再会した時に何とか譲って貰えるよう交渉に持って行きやすい。
が、それ程容易く事が運ぶ訳もなかった。
入っていたのは全参加者に須らく支給される各種支給品と白いハンディのようなものが付属したスピーカーだけ。
この状況で拡声器を使用するなどただの自殺行為。完全なるハズレ……
「待った……コレ使えるんちゃう? いや、でもな……」
はやてはその白い機械を見つめながら、しばらく何かを考え込んでいた。
そして、数分後、震える手でソレのスイッチを入れた。
■
『あーあー、あーあー……ちゃんと電源入っとるんかなぁ、コレ?
……ええかな?
えーと、いきなりこんな声が聞こえて来て、ビックリしている人もいると思います。
私は――ううん、私だけやない、同じような考えを持っとる人の言葉、全部を代弁して言わせて貰います』
ここで一息。
喋っている最中に誰かに攻撃を受ける事を考えて、ラーメン屋の中から拡声器だけを出して使用している。
さあ、しっかりせえ、八神はやて。
もう、後には引けん。賽は投げられた、ルビコンを渡る気持ちでってな。勇気を……勇気を出すんや。
『――皆、迷っとるやろ?
おっかない、他人が信用出来ない、死にたくない……何もしないでいても、そんな気持ちばかり湧いて来る。
いっそ、殺し合いに乗ってしまおうか。そうすれば楽になれるんじゃないか。
分かるで……私もほんの今の今までそーんな、グチャグチャした考えで頭の中が一杯やった』
はっきりとした言葉へと自らの思考を変換しながら一言一言、自らに言い聞かせるように。
少し前の自分を、罪の意識に潰れ掛けた自らに宛てた言葉でもある。
『せやけど、ちゃうで。
これは夢なんかやない。全部、全部現実なんや。
今、銃や刃物を持って目の前の誰かを手に掛けようとしている人がいたとしたら、もう一度考えて見て下さい。
あなたの目の前に居るのはちゃんとした人間。
私達と同じように息をして、笑って涙も流すし、ご飯だって食べる、血の通った人間なんや!
人形なんかやない。本物の……人なんや』
自分は卑怯だ。
もしもこの場であの少年を殺してしまった事を懺悔出来たら、どれだけ楽になれるだろう。
だけど、同じくらいソレは怖い。もしも、その事実が六課の皆に知られてしまったとしたら?
今まで築き上げて来たものが一瞬で崩れ落ちてしまいそうで、考えただけでも胃の中がキリキリする。
それに人殺しの言葉なんて多分信じて貰えない。
でも、駄目だ。そんなんじゃ、今私がこんな事をやっている意味がない。
これは激励。迷っている人達に向けたメッセージなんだ。
だから、出来るだけ余分な情報を交えるべきじゃない。
『そして……な。今、一人で脅えてる子がいたら聞いて欲しいんよ。
私が、そして同じような気持ちの人が絶対他にもおる! だから心配する必要なんてないんや!
必ず助けたる、そんで皆一緒にココから脱出して、ロージェノムを捕まえるんや!』
護ると殺すは一蓮托生。
他の人間を護るという事は、襲い掛かってくる"悪"人の願いを廃するという事。
でも本当にそうなん? 何とかする方法ってないん?
分からん、全然さっぱりや。やから、今は全部や。全部やったる。私がやれる事、一切合切。
『それと……そや、制服! 茶色い布地で胸の部分に黄色のプレートが付いてる制服を着ている人間を探してください。
その人達は皆、私の仲間――五人……今は四人に減ってしもうたけど……四人とも、本当に信用出来る仲間です。
名前は……すいません。今は……言えません。
だけど、私はコレから北に向かうつもりです。
例の制服を見かけたら声を掛けて下さい。多分、後は声で分かって貰えると思います。
最後に……皆、絶対に諦めたりしたらあかんで!!』
言いたい事を全部ぶちまけて、拡声器の電源を落とす。
壁に凭れ掛かって、床にペタンと座り込む。左胸に恐る恐る手を当てる。
心臓は予想通り、物凄い勢いでドクドクと脈を打っていた。
顔も多分真っ赤。改めて、自分はとんでもない事をしてしまったのではないかと思えて来る。
「……あかん――ここを早く、離れんと」
おそらく、今の声を聞いて誰かがこのラーメン屋に飛んで来る筈。
そして、このタイミングで現れるのはおそらく"ゲームに乗った"人間。
しかも全く迷いを持たない部類の、だ。
そして、今そんな人間と出くわしてしまったら、正直どうすればいいのか分からない。
身を護る為に相手に銃を向ける――のには、やはり若干の躊躇いがある。
それが、あの男の子のような悲しみに心を支配された人間ではなくても、だ。
拡声器をデイパックに放り込むとはやては倉田屋を飛び出した。
しかし本当にあの二人は全然帰ってこないな、と頭を捻り、そしてスカートの下から吹き込んで来る慣れない風に頬を赤らめながら。
【G-5/道/一日目 午前】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康、上下下着無し(下はタイツのみ着用)、赤面、強い決意
[装備]:H&K MP7(40/40)+予備弾40発@現実
[道具]:支給品一式、トリモチ銃@サイボーグクロちゃん、レイン・ミカムラ着用のネオドイツのマスク@機動武闘伝Gガンダム 、
読子の支給品一式と拡声器、支給品一式(食料:缶詰)/テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード、血に染まったはやての下着(上下)
[思考]
基本思考:力の無いものを救い、最終的にロージェノムを逮捕する。
1:慎二の知り合いを探し出して、彼を殺した事を謝罪する。
2:戦う力のない人間を救う
3:北上してデパートへ行って下着を入手
4:東回りに観覧車へ。クロと合流する。
※ムスカを危険人物と認識しました
※シータ、ドーラの容姿を覚えました。
※モノレールに乗るのは危険だと考えています。
※言峰については、量りかねています。
※G-4を中心とした3x3マスにはやての声が響き渡りました。
すいません。はやての思考欄に
5:読子達にデイパックを返したい
を追加でお願いします。
支援
>>61 |,,r''´ ̄ `''‐|_ ,-‐‐- ,,__,, -‐ 、
r´``'‐-=-‐'"´`':、 {,, -‐r‐ 、__r‐、>ノ
`-ト(ミ)‐(ミ)t,,ri'´ ,, -‐''''''''''‐- 、 lj ̄`- ' l`‐' リ
゙i ,,┴‐-,, 'ノ ,ィ´: : : : : : : : ノ、:\ レ _,,.`´,,_ l´
l "''"゙''''''゙ /~ /:::: : : : : : :;' ツ ゙i: :i, lヽ l
ヽ__∠_| |::::: : ; ''' ´ l: :l l__i、,,-‐-,,ノ_
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確かにそちらが出て行けばこちらは何もしないという形で話し合いは終わってるが
どうなっているのかね
うむ
先端に鋭さを秘めたシャープなフォルムが、水を切りながら爆音を撒き散らす。
時刻は、一般大衆が通学や出勤に出向く頃。ライトを灯さずとも、前方の様子は楽に把握できた。
水上を駆ける男二人乗りのオートバイ。その運転手が、横目にチラッと視線をやる。
自身が乗る水上バイクなどとは、比べものにもならないほどの巨大な船体――あれが、運転手たちの目的地である豪華客船だろう。
陸地が近づいてくると、水上バイクは徐々にスピードを緩め、適当な桟橋を見つけてそこに停車する。
水上バイクは運転手の付き添いが背負っていた四次元デイパックに収納され、二人は改めて側に聳える巨大船を見やる。
庶民なら誰もが憧れるであろう豪華絢爛な全景。清潔感を漂わせる純白のフォルムは、直視もしがたいほど。
殺し合いという前提を考えれば、臆病者が隠れ家とするのに適しているようにも思える。
逆に、狡猾な殺人者が身を潜める居住区としても使えそうだ。
その巨大すぎる船体からは、人の気配が感じられない。
だが、運転手の男は特別躊躇する様を見せることもなく、豪華客船内へと足を伸ばした。
すっかり明るくなった外とは違い、内部の通路は微かに薄暗い。
何者かが意図的に暗くしているのか、それとも元々この程度の光量なのか。
どちらにせよ、目的の部屋を目指すには十分な照明だった……その目的の部屋が、そもそもどこにあるのかわからないのだが。
二人の男は虱潰しに船内を徘徊し、程なくして食堂室に辿り着いた。
入り口を潜ってみると、そこは今まで通ってきた通路とは違い、眩しいほどに明るい部屋だった。
室内には大きめのテーブルが複数台置かれており、片隅にはバーカウンターまでもが設置されていた。
正に、豪華客船の食堂を名乗るに相応しい広さと言えよう。
見ると、片隅にあるバーカウンターのさらに端っこに、背広の男が一人座っている。
半透明な液体の注がれたワイングラス。両脇には複数のナイフとフォーク。
食堂内に残っていた食材を使って調理したのだろう、食べかけの料理が盛られた銀食器も確認できた。
そして肝心の男はというと、食休みでもしていたのか、手にイタリア語表記のハードカバー小説を携えている。
男は二人の闖入者の存在に気付くと、静かな動作で本を閉じ、立ち上がった。
「なにやら騒がしい声がすると思えば……」
突然の無礼な来客ではあったが、男は礼節の成った作法でそれを歓迎する。
「最初の来訪者があなたとは……いや、些か驚きですよ。剣持警部」
食堂室で対峙する、警察と犯罪者。
犯罪芸術家を自称する『地獄の傀儡師』高遠遙一。
警視庁刑事部捜査一課の警部、剣持勇。
そして彼に同行してここまで来た、ガッシュ・ベル。
異様な空気に包まれる食堂室。
犬猿の関係にある二者の再会は、どのような展開を見せるのか――
◇ ◇ ◇
「さて」
場所は変わらず、食堂室。
ややサイズの余るテーブルを挟み、剣持とガッシュ、高遠の三人は、二体一の形で向かい合っていた。
「さて、じゃねぇ! これはいったいどういうことなのか……説明してもらおうか、高遠遙一ィッ!」
テーブルを叩くと同時に口火を切ったのは、剣持勇だった。
「どういうこと……とはまた、質問の意図が飲み込めませんね。何か疑問点でも?」
「どうもこうも、ガッシュたちを使ってここに人を集めようとしたこと、
俺たちに一時休戦なんつーメッセージを残したこと、その他諸々全部だ!」
テーブルを乗り越えんばかりの勢いで、剣持は高遠に肉薄する。
その迫力たるや、数々の凶悪犯を検挙してきたベテラン刑事ならではの凄みがあったが、高遠もその程度で気圧されたりはしない。
直接的、もしくは間接的に殺人を繰り返し、幾度逮捕されようとすぐに脱獄を果たす、奇術師のような犯罪者。それが高遠遙一だ。
客観的に見れば、豪華客船の食堂室。見方を少し変えれば、殺し合いの一空間。
場の状況を考えるならば、この二通りの答えが出せるだろう。
だが、この二人が一対一となっている今の構図は、実のところ警察署の取調室となんら変わりない。
犯罪を実行する者と、それを暴き裁く者。
正義と悪の関係を明確にするため、刑事である剣持は犯罪者である高遠に詰め寄る。
「私の考えは、そこにいるガッシュ君たちに全てお伝えしたはずですが。
いえ、それでも納得できない。信用などもってのほか。剣持警部、あなたはつまりそう言いたいのでしょう?」
「ああ、そうだ。幻想魔術団の左近寺殺し、その後の脱獄、その他諸々、おまえにゃ罪状が山ほどあるんだ。
いくら今が一大事だからってなぁ、危険な殺人者を野放しにしておくほど、俺も耄碌しちゃいねぇんだよ!」
片や猛剣幕で、片や不敵なほど冷静に、敵同士の間柄にある二人は、口論を続ける。
付き添いでやってきたガッシュは、剣持の態度の変貌ぶりに目を白黒させ、話についていけない様子だった。
そもそもガッシュは、高遠が前科持ちの犯罪者であるという事実すら、今の今まで知らなかったのだ。
お互いの共通認識を元にした会話に、まだ子供のガッシュは、小まめに目配りしながら静聴することしかできない。
「ところで、つかぬことをお聞きしますが……ずいぶんと服が汚れているようですね。なにかあったのですか?」
終着の見えない口論を続ける中、ふと、高遠が剣持の身の汚れを指摘した。
見ると、剣持が普段着としている背広は煤と土に汚れ、少々乱れた頭髪も相まって、どこか草臥れた印象が感じられる。
これは、剣持にとって忘れがたい例の一件――枢木スザクとヴィラルを巻き込んだ紛争、そのときの副産物だ。
その外見は傍から見たらやや汚らしく、街を歩くのも恥ずかしく思えるほど。だが、それがいったいなんだというのか。
「いえ、答えずとも私にはわかりますよ。剣持警部、あなたは既に知っているんじゃないですか? この殺し合いの、実状を」
長く瞬きをしながら、高遠はゆっくりと、そう問いかけた。
「……なにが言いたい?」
「警察という立場からして、現状、最も危険視するべき人物はいったい誰か。その、答えはなにかという話です」
服の汚れを指摘し、そのままの流れから、高遠は含みのある問いを促した。
これがいったいなにを意味するというのか。“いつものように”第三者の立場であったならば、すぐには理解できなかったかもしれない。
だが剣持は、自分の身がどうして汚れたのか、その根底にどんな人物のどのような思惑があったのかを思い出し、言葉を詰まらせた。
声には出さずとも、相手を蔑むような冷笑で剣持を見つめる高遠。
剣持はそんな高遠相手に、普段の覇気ある反論を出せないまま、奥歯を強く噛み締めた。
両者ともにそのまま黙りこくり、しばし睨み合う。
隣で冷や汗を浮かべながら唸るガッシュの声だけが、音として存在した。
「……チッ」
均衡を破るかのように、剣持が舌打ちをした。
テーブルを拳骨で一回殴りつけると、それに驚いたガッシュを促して、椅子から立ち上がる。
「おや、どこへ行かれるのですか?」
「おまえみたいなやつと、一分一秒も同じ空間にいられるか。俺とガッシュは帰る」
高遠とはろくに視線も合わせず、剣持は背を向けて食堂出入り口へと歩を進める。
「まさか、あなたともあろう方が職務放棄ですか?
地獄の傀儡師を前にして、手錠を嵌めるでもなく、武器を奪うでもなく、ただ見逃すと?」
「見逃す? ふざけたことぬかすな。今逮捕しても意味がない、そう考えただけだ」
「なるほど。決着は法が裁きを下せる世界にて……ということですか」
ふふっ、と。今度は声に出しての冷笑。いや、もしくは嘲笑。
剣持はそれに対抗心を燃やしたのか、一度だけ振り向くと、
「勘違いするなよ。おまえがここに立て篭もっている以上、俺はおまえから目を離さん。
逃げようとしたり、怪しい動きを見せようもんなら、力ずくで止めてやる。
なにを企んでるかは知らんがな、これからおまえがやらかすこと、全部俺が見張ってやる。
そこんとこ、肝に銘じとけ!」
そう甲高く言い切ってみせ、顔を赤くしながら再び出入り口へと進み出した。
高遠はその様子を見てやれやれと首を振り、剣持とガッシュが出入り口を潜るか潜らないかというところで、再び、
「ああ、そうそうガッシュ君。そういえば、他のお二人はどうしたのですか?」
と質問し、根が素直なガッシュは、足を止めそれに返答した。
「ウヌウ、アレンビーとキールなら、今は別行動中なのだ。二人とも、今頃は清麿たちを見つけておるかもしれぬ」
「そうですか。では――金田一君や明智君がここに訪れるのも、時間の問題かもしれませんね」
ガッシュの回答にそう返した高遠。その語り口には、確かな含みがあった。
されども、剣持は足を止めない。なにも聞かなかったかのように、足早に食堂室を離れていく。
そのペースに慌てたガッシュも、早足で剣持を追いかけていった。そして、食堂室には高遠一人が残される。
「…………ふぅ」
高遠は深く、呆れた風に溜め息をついた。だが、顔は微かに笑っている。
そのまま立ち上がると、すっかり冷めてしまった朝食を生ゴミに捨て、食器類は適当に流し場に放り込む。
船長室の本棚から持ち出した本はバーカウンターに放置し、そのまま食堂室を出ていく。
その足取りは軽快で、天敵との衝突など微塵も意に介していないようだった。
薄暗い通路を一人歩く高遠の胸中に、どのような思惑が渦巻いていたかはわからない。
確かな事実として、剣持という刑事――脱獄囚の身である高遠にとって最も警戒すべき人物の来訪は、彼になんの変化も与えていなかった。
◇ ◇ ◇
金田一、明智、剣持――高遠を犯罪者であると知る三人が、いつかここを訪れるであろうことは予期していた。
特に、警察であるがため市民の信頼を得やすいであろう明智と剣持の存在は、高遠にとって疎ましいことこの上ない。
が……それも最初期の悩みであり、休戦メッセージを伝えた今となっては、特別慌てることでもなかった。
犯罪者。だがしかし、この世界においては脱出派――高遠が演じている配役がそれだ。
先ほどの剣持のように、自らの職を矛にして無理矢理高遠を処断しようとしても、他者がそれに同調するとは限らない。
剣持に付き添っていたガッシュがいい例だ。
彼は高遠が犯罪者であると知ってなお、最後まで高遠自身に敵意を向けることはなかった。
剣持の証言だけでは、脱出派を自称する高遠を敵と見なすことができなかったのだ。
今の高遠は、言ってみれば『心を入れ替えた元犯罪者』。
個人的な因縁や恨みがあるならともかく、そのような人物を貶めようなど、高遠の犯歴を知らぬ第三者ならまず思わない。
それでもあの剣持は高遠を悪だと断定し、周囲にもそのイメージを植えつけようとするかもしれないが、彼にそこまでの発言能力があるとは思えない。
でも今は悪いことしないって言ってるんだし、ここは信用してあげてもいいんじゃない?――それが良識人として当然の反応だ。
また、そういった力に任せた善悪の断定は、集団の調和を崩しかねず、最悪疑心暗鬼を引き起こす恐れすらある。
さすがの剣持とて、そこまで愚かではないだろう。混乱を防ぐため、高遠の正体を語るかどうか一考するはずだ。
そして恐らく、金田一や明智なら休戦メッセージを聞いた途端に高遠の思惑に気付き、彼の正体を広めることをやめるだろう。
この、誰が敵で誰が味方か、明確な図がない実験場。言葉一つでは、善悪を決定付けることなどできはしない。
警察であろうと、探偵であろうと。
天敵を前にした高遠、彼が成すべきは、慌てふためいて目の前の障害を排除することではない。
あくまでも、善良な高遠遙一として、第三者たちの信頼を築く。金田一、明智、剣持たち以上に。
それが達成できれば、いざ殺人が起こったとしても、高遠が無闇に疑われることはないはずだ。
「……とはいえ、初の来訪者が彼とは、私も運が悪い」
剣持は金田一や明智ほど聡明というわけではないが、正義感だけは人一倍強い。
刑事という職務に誇りを持っている彼だ、金田一たちの言があるならまだしも、単独である限りは高遠を疑い続けるだろう。
彼と行動を共にするらしいガッシュもまた、純真そうな子供であるがゆえに、剣持に肩入れする可能性は高い。
瑣末な勢力には違いないが、後々の障害と成りうるなら、小さな芽の内に葬っておくのも一つの手か。
「と考えたところで、手元にはこの玩具とナイフのみ……リスクや手間、あらゆる面から見ても、それは無茶無謀無駄というものですか」
一頻り考え抜いて――高遠はもといた情報管制室の椅子に腰を下ろす。
監視カメラの映像に人影はなし。剣持とガッシュは、既に船の外に出たらしい。
彼らが今後どうアクションを起こすかはわからないが……どう転んだとしても、それは高遠の思慮の範疇だろう。
この実験の参加者全員が、剣持のような愚直な正義感を持った者でもない限り、高遠の優位は崩れない。
だからこうして、待ちに徹する。剣持の来訪も、結局は些事でしかない。
「……いっそ、金田一君や明智君との正面切っての前面対決というのもおもしろいかもしれませんね」
高遠がフッと微笑んだ――そのときだった。
「――っ!?」
不意に、体が揺れた。体だけではなく、椅子が、床が、天井が、船体自体が揺れている。
(地震? いや――)
ほどなくして揺れは収まった。すぐさま監視カメラで船内を見渡してみるが、特に変わった様子はない。
(外でなにかが起きた――? まさか、あの二人がなにか思慮外のアクションを起こしたというのか?)
剣持とガッシュが船を出て行ってから、そう時間は経っていない。
今の揺れが人為的なものだとしたら、関わっているのは十中八九あの二人に違いない。
(外に出て確かめてみるか……それとも、次の来訪者が訪れるまで待ちに徹するか)
乱れた着衣を整えつつ、高遠は次なるアクションを想定する――
◇ ◇ ◇
支援
豪華客船の停泊する埠頭、その岸壁に腰を下ろし、剣持は煙草を吸いながら海を眺めていた。
吸引した煙を空に吐き捨て、憂鬱顔で波濤の伸び縮みする様を観察している。
その背中にはどこか哀愁が漂っており、背後に立つガッシュが声をかけるのを躊躇うほどだった。
「……なぁにやってんのかねぇ、俺は」
視線を海に向けたまま、剣持が悔いるように呟く。
その様子に黙っていられなくなったガッシュは、躊躇いがちに言葉を投げかける。
「ウヌ……剣持よ、これからいったいどうするのだ? やはり、高遠の言うように他の者を集めるのか? それとも……」
「……正直言うと、まだ悩んでる。刑事として、高遠と仲良しこよしするわけにゃいかんし……
かといって、このまま高遠の正体を悪戯に広めるのも、周りが混乱するだけだ。
だからといって、あいつがなにかやらかすのを黙って見ているわけにもいかん」
「ウヌウ、ならばどうするのだ?」
ガッシュが問いかけると、剣持はまだ火の点いた煙草を地面で消し、立ち上がり際に答える。
「見張る。やつがなにを企んでいようが関係ない。それが実行に移しづらくなるよう、ここで見張り続ける。
俺からことを荒立てる気はないさ。しばらくは、な。……それに、こりゃ情けないことなんだがな。
ここで待ってりゃ、いつか金田一たちもやってくるんじゃないか、あいつらと一緒ならどうにかなるんじゃないか。
そう思うんだよ……そう、相手があの地獄の傀儡師、高遠遙一でも、ってな」
スッと立ち上がった剣持の瞳には、確かな決意の色が浮かんでいた。
正義感に奮い立つ男の佇まい。それは、三十代後半の草臥れた様相を微塵も感じさせない。
金田一や明智のような明晰な頭脳は持ち合わせていない。だが、彼とてノンキャリアで警部の座まで上り詰めた実績を持つ。
その最大の要因が、市民を守りたいという正義感だ。この正義感だけは、誰にも負けない。
出会った頃とはまるで違う印象を肌で感じ、ガッシュはその高い体躯を見上げながら言う。
「私は、高遠のことはよく知らないのだ。だが、どんなに根が悪い者でも、懸命に説得すればわかってくれると思うのだ。
パティやビョンコがそうであったように……だから、剣持が必死に説得すれば、きっと高遠も」
「つまりガッシュ、おまえは高遠を信用したいってわけか?」
「ウヌ……だが、ゾフィスのようにどうしようもなく悪い者もおるのだ……ひょっとしたら、高遠も……」
「おいおい、どっちなんだよ」
言いたいことはわかる。ガッシュも剣持と同じで、高遠については計りかねているのだ。
信じるべきか、疑うべきか。答えが出せないから、こうやって側で見張ることしかできない。
清麿や金田一ならもっとベストな選択ができたのだろうが、この二人ではこれが限界だった。
「なぁガッシュ。おまえ、将来の夢ってなんだ?」
剣持は、申し訳なさそうな顔で立つガッシュに失笑し、こんな質問を投げかける。
「ウヌ? 夢……それならあるぞ! 私の夢は、優しい王様になることなのだ!」
「優しい……王様ぁ〜!? くく……くはははは、なんだそりゃ!」
「ヌゥ〜! 笑うなんてひどいのだぁ!」
「はははははっ、はっ、いや、すまん。いい夢じゃねぇか、優しい王様、ね」
子供ならではの夢らしい夢、幼稚園児などがよく憧れる「ウルトラマンになりたい!」なんていうのと同程度のものだと思っているのだろう。
魔界の王を決める戦いなどという異世界の抗争は、剣持が知るよしもない話だ。
だが、笑うことなどできはしない。ガッシュにとっては大真面目な『夢』であり、その夢は今も実現に向かっている。
もちろん、剣持とてわざわざ爆笑するためにこのような質問をしたわけではないだろう。
含み笑いの裏に、年の功を感じさせる優しげな眼差しが窺えた。
「ガッシュ。刑事ってのはな、おまえみたいな子供の夢を守るのが仕事なんだよ」
「ヌ?」
剣持の大きな手が、ガッシュの小さな頭を優しく包み込む。
「そりゃ、善悪がはっきり分かれる世界だ。きれいごとだけじゃやっていけないし、汚ねぇ現場もたくさんあった。
だけどな、そういうのは全部、市民の平和と安全を守るためにやってることだ。少なくとも、俺はそのつもりで続けてきた。
けど……俺はここにきていきなり、前途ある若者を死なせちまった。守ってやることができなかったんだ。
クルクル君を殺した野郎のことを考えりゃ、高遠なんかに構ってる暇はないのかもしれない。
……でも、ま、ウダウダ考えても始まんないしな! 俺は俺の職務を全力で全うするだけだ!
ガッシュ……おまえみたいな夢を持った子供を、こんなところで死なせやしない。俺の命に代えてもだ!」
なんという、直向な正義。悪の組織と戦うヒーローなどではない。あくまでも、一人の刑事として。
スザクのときのような悔しい思いをしないためにも、剣持は今ここで、ガッシュに己の職務を果たすことを誓うのだった。
「剣持……」
ガッシュのくりくりとした大きめの瞳が、爛々と輝く。
それは、剣持に対する尊敬の眼差しであるようにも思えた。
「私も……私も! 我が身に変えてでも剣持を守るのだ!」
「見くびるなよ? 俺は子供なんぞに守ってもらわにゃならんほど弱くねぇやい」
「ウヌウ! 私だって、普通の人間よりはずっと丈夫なのだ! いざというときは、剣持の盾にだってなろうぞ!」
ガッシュの人知れぬ決意を他所に、剣持は声に出して呵呵大笑する。
ガッシュが人よりもずっと頑丈な魔物であるなど、やはり剣持は知らない。
その実は人間と魔物だが、剣持にとってはどこまでいっても大人と子供なのだろう。
互いに立場の相違はあれど、信頼する心には変わりない。
剣持はガッシュを、ガッシュは剣持を、ともに共通の信念を燃やす存在だと、認めていた。
「あーその剣持っての、できたらやめてくれないか? 呼び捨てにされるのはまぁ別にいいんだが、子供に苗字を呼び捨てられるってのはなぁ」
「ならば、なんと呼べばいいのだ?」
「剣持さん。もしくは剣持警部」
「ウヌ……長くて呼びにくいのだ」
「ははっ、そうかい。なら下の名前、勇って呼べ。これなら問題ないだろ?」
「ウヌ! では、これからは剣持のことを勇と呼ぶのだ! よろしく頼むぞ勇!」
ガッシュの元気のいい返事を褒めるかのように、剣持は彼の頭をわしゃわしゃと撫で回した。
異変に気付いたのは、そんなときだった。
「ん? ガッシュ、なんかおまえの背中、光ってるぞ?」
「ウ、ウヌ?」
剣持に指摘され、ガッシュは背負っていたデイパックを下ろす。
その様子は、誰が見てもわかるほどに強く、そして眩しく変貌していた。
「これはどうしたことなのだ……ま、まさか!」
ハッとなにかに気付いたガッシュは、慌てながらもデイパックの口を開き、中から一冊の本を取り出した。
表紙は赤く、裏表紙も赤く、だが眩く発光する本。
懐中電灯のような人工的な光ではなく、線香花火のような幻想的な輝き。
得体の知れぬ光に剣持は首を傾げ、ガッシュは驚きから脱せずにいた。
「光る本とは、またけったいなもんがあるんだなぁ。こいつはガッシュの支給品か?」
「そうだが……なぜ、私の本が輝いているのだ? まさか、近くに清麿が――!?」
本の突然の発光が、パートナーである高嶺清麿の存在を感知したと思ったらしいガッシュは、付近を忙しなく探し回る。
一方の剣持は、不可解な現象にただただ唖然とするばかりだ。
とりあえず、発光の源である赤い本を手に取り、観察してみる。
「豆電球でもくっついてんのか? にしても、難しそうな文字が書かれてんなぁ。何語だこれ?」
表紙を艶かしく見回し、次いでペラペラと中を捲ってみる。
その間際、ガッシュは海に向かって「清麿ォー!」などと叫んでいた。
その声を背景音に、剣持はなおもページを捲る。
すると、あるページに差し掛かったところで、ふと手が止まった。
それまでと同じで、珍妙な文字列が綴られた一頁。だが、そこには剣持が手を止めるだけの理由があった。
「なんだこりゃ……ここだけ読めるぞ? えーと……第一の術……ザケル?」
と、口にした瞬間。
剣持の背後、緩やかな波が漂うだけの水面から、轟音が鳴った。
即座に振り向くと、空中を目視できるほどの強力な電撃が奔り、それが水面に衝突して、巨大な水柱を上げる。
舞い上がった飛沫は雨となって剣持に降り注ぎ、豪華客船は衝撃の余波を受けたのか、微かに揺れていた。
そして剣持はその光景と合わさって、もう一つの衝撃映像も目にしてしまった。
水面を叩いた突然の電撃、それが、岸壁に立つガッシュの口元から放たれたところを。
「……え?」
「……ウヌウ」
開いたままの本を持ち、呆然と立ち尽くす剣持。
電撃を放った反動で、僅かの間気を失っていたガッシュ。
二者が視線を合わせ、それでも状況が飲み込めない。
語るべき事実はただ一つ。
両者が持つ共通観念、正義の心に呼応した赤い魔本が、不思議な力を齎した。
その結果として、清麿にしか読めないはずの本を、剣持が読んでしまった。
つまり、そういうことだ。
【E-3/豪華客船内・情報管制室/1日目/午前】
【高遠遙一@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康
[装備]:スペツナズナイフ@現実x6
[道具]:デイバッグ、支給品一式、バルカン300@金色のガッシュベル!!、豪華客船のメインキーと船に関する資料
[思考]
基本行動方針:心の弱いものを殺人者に仕立て上げる。
0:善良な高遠遙一を装う。
1:外の騒ぎを確認しに行くか、ここに留まるか考える。
2:しばらくは客船に近寄ってくる人間に"希望の船"の情報を流し、船へ誘う。状況によって事件を起こす。
3:殺人教唆。自らの手による殺人は足がつかない事を前提。
4:剣持とガッシュのことを気に留めておく。今のところは特に問題ないと判断し、保留。
5:剣持と明智は優先的に死んでもらう。
6:ただし5に拘泥する気はなく、もっと面白そうなことを思いついたらそちらを優先
[備考]
※【希望の船】
高遠が豪華客船に人を集める為に作り上げた嘘。
主な内容としては
・対主催グループの拠点を築く
・船の鍵を探す(実際には高遠が所持)
・金田一達へのメッセージ
で構成されています。
※船の起動に螺旋力が関わっている可能性あり。また他の道具を使って起動できる可能性も。
【E-3/埠頭/1日目/午前】
【剣持勇@金田一少年の事件簿】
[状態]:背中を強く打撲、刑事としての使命感、ヴィラルに対する憎悪、高遠遙一への疑念
[装備]:ガッシュの魔本@金色のガッシュベル!!、巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、
スパイクの煙草(マルボロの赤)(18/20)@カウボーイビバップ
[道具]:ドミノのバック×2@カウボーイビバップ
[思考]
基本:殺し合いを止める
1:……え?
2:豪華客船付近に留まり、高遠が行動を起こさないか見張る。
3:高遠の言葉に乗って集まってきた人物の対処をどうするか考える。
4:殺し合いに乗っている者を無力化・確保する。
5:殺し合いに乗っていない弱者を保護する。
6:情報を収集する。
[備考]
※高遠揺一の存在を知っているどこかから参戦しています。
※スザクの知り合い、その関係について知りました。(一応真実だとして受け止めています)
※ヴィラルがどうなったのかを知りません。
※ガッシュ、アレンビー、キールと情報交換済み
※高遠を信用すべきか疑うべきか、計りかねています。
※ガッシュの持っていた名簿から、金田一、明智、高遠が参加していることを把握しました。
※ビシャスの日本刀は、持ち運びにくいためガッシュのデイパックに移しました。
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】
[状態]:健康、おでこに少々擦り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム、ビシャスの日本刀@カウボーイビバップ、水上オートバイ
[思考]
基本:螺旋王を見つけ出してバオウ・ザケルガ!!
1:……ウヌウ。
2:なんとしてでも高嶺清麿と再会する。
3:剣持と行動。剣持を守る。
4:ジンとドモンと金田一と明智を捜す。
[備考]
※高遠を信用すべきか疑うべきか、計りかねています。
※剣持、アレンビー、キールと情報交換済み
※聞き逃した第一放送の内容を剣持から聞きました。
――やはり体が重い。
ドモン・カッシュは高速道路を爆走しながらも、そう確信していた。
違和感が確信に変わったのは先程の双剣使いの少年と戦った時からだ。
僅かだが常に両手両足に何か重りをつけられているような重さを感じるのだ。
先程の少年あたりならば問題はないが、シャッフル同盟クラスの相手には致命的な遅れとなるだろう。
(ならば尚更あの少女の言うように修行を積まねばならんな……)
と、そんなことを考え、分かれた道を右に向かって進んだころ、スピーカーから耳障りな声で死者の名が読みあげられる。
その放送の中でドモンは意外な名前を聞くことになる。
「シュバルツだと……!?」
シュバルツ=ブルーダー。
ネオドイツのガンダムファイター。ゲルマン忍法の達人で自分を導いてきた謎の覆面男。
その正体はデビルガンダムに取り込まれた兄・キョウジが自分のコピーとしてDG細胞で作り上げたサイボーグである。
だがシュバルツはガンダムファイト決勝戦でオリジナルである兄と共に死亡したはずだ。
その男の名が何故呼ばれるのか? まさかデビルガンダムが再活動を始めたというのか?
様々な推論がドモンの頭の中を駆け巡る。
と、そこでドモンはある恐るべき可能性に思い至ることとなる。
即ち『この会場内にはシュバルツを倒すほどの強敵が潜んでいる』という可能性である。
その可能性にドモンは思わず息を呑む。
はっきり言って自分はまだ未熟だ。
シュバルツにも一度は勝ったものの、二度は勝てる自信はない。
その男を倒したとなれば自分より実力は上――そう考えねばなるまい。
「……もっと強くならねば」
想いが口を突いて出る。
シュバルツが、兄が何故ここにいたのかは気になるが螺旋王に直接訊けばすむことだ。
そのためにも今は修行を積まねば――ドモンはそう意志を固めるとスピードを上げて高速道路を西へと突き進むのであった。
***
第1回放送時、時刻にして6:00。
傷の男――スカーはその時刻にはすでに禁止区域であるB-1ではなくA-3の地図で言うと右隅あたりにいた。
元々体力の回復を図るためギリギリまであの場所を動かないはずであったスカー。
だが実際は自らのミスで愛くるしい猫の写真を粉砕してしまった直後、行動を開始した。
というのもこれから戦って行くに当たり、脇腹と右手の傷が気になったのだ。
特に右手の傷は“破壊”を切り札とするスカーにとって致命傷となりかねない。
だが処置をしようにも、布すらないこの状況ではどうしようもない。
故に彼は移動を始めた。海から川といったの水辺に沿って。
そのルートを選択した理由は特に無かったが、彼の故郷が水の少ない土地であった故の珍しさもあったのかも知れない。
そして程なくして発見した民家に忍び込み服を発見。
川の水で傷を洗うと、服を千切って作った布で傷口を覆い、処置を始めた。
そんな時であった。彼がその放送を聞いたのは。
「死んだか、鋼の錬金術師」
スカーは川のほとりでそう呟いた。
それと同時、自身の心の隅に黒いものが沈んでいく。
すべての国家錬金術師に自分の手で裁きを与えたかった――だが、もうそれも叶わないようだ。
ならば残ったもう一人、焔の錬金術師はこの手で確実に殺そう。
そして元の世界に帰り、国家錬金術師を、ホムンクルスを殺すために目の前の命をすべて奪おう。
そう、仄暗い決意をスカーが固めていたときだった。
遥か頭上から声がかけられたのは。
「おい、そこのお前!」
視線を上げると高い建築物――スカーは知らないが高速道路の橋脚である――の上に男がいた。
赤いマントをなびかせて、一人の男がこちらを見下ろしている。
「お前はこの殺し合いに乗っているのか?」
――殺し合いに乗っているか、だと?
答えは簡単だ。このふざけた殺し合いに巻き込まれずとも、自身が出来ることなど最早壊すことしかないのだから。
「ふん……その殺気が答えというわけか」
男は不敵に微笑み、高所からスカーの目の前に飛び降りる。
スカーは構える。そこには僅かな油断もない。
この世界には錬金術を使えなくとも相当な実力者がそろっている。
右手と両脇腹の怪我――授業料としては高かったがその教訓はスカーの中に完全に根付き、油断を消し去った。
最早スカーの思考はたった一つ。目の前の男がどんな存在であろうと全力で叩き潰すのみ。
だがそれはドモンも同じだった。
目の前の男の構えは明らかに何らかの武術を――それもかなりのレベルで――体得している構えだ。
シュバルツを倒したのがこの男でないと言う保証はない。ならば持てる全力を持ってこの男と戦うまで。
「行くぞぉっ! ガンダムファイト、レディィィィィゴォォォォォ!」
ドモンの宣言を鬨の声として二人の男はぶつかり合った。
ファーストヒットは同時。轟音と共に互いの拳同士がぶつかり合う。
――重い!
それが拳をあわせたドモンの感想であった。
男の体がアルゴのような2m近い巨躯だからというだけではない。
その一撃にしっかりと腰が入っている。弛まぬ基礎鍛錬を行ってきた証拠だ。
「ならばッ!」
ドモンは走りながらのヒット&アウェイに切り替える。
スカーもそれに習い、二人は川縁を併走しながら拳打を交し合う。
「おおおおおっ!」
咆哮と共に2m近いスカーの巨躯から一撃が繰り出される。
更にそのすべては力任せなどではなく、円の動きを持った無駄のない一撃だ。
例えるならばそれは激流。流麗であると同時に触れたものすべてを巻き込む破壊の流れの如し。
「ぬぅん! 肘撃ち! 裏拳! 正拳! とぉりゃあああああああ!」
対するドモンの攻撃。
その激しさはスカー以上。鋭い一撃を雨霰と叩きつける。
例えるならばそれは烈火。相手を容赦なく侵略し焼き尽くさんとする灼熱の炎の如し。
二人は併走しながら何度もぶつかり合い、拳を交わしていく。
そして拳を通し、得た感想は一致する。
((この男……できる!))
ドモンは思う。
傷面の男の動きはまさに攻防一体。
サイ・サイシーの少林寺拳法にも通じる流水の如き受け流しと洪水の如き攻め手。
油断すればその濁流を髣髴とさせる流れに巻き込まれることは確定!
スカーは思う。
目の前の男の攻撃はまさに苛烈の一言。
こちらが1を与える間に相手は2や3を返してくる。
更には一撃一撃も無視できないほどに強烈で、気を抜けばその炎に灼かれることは必死!
「うおおおおおおおおっ!」
「はぃぃぃぃいいいいっ!」
空中で蹴り同士がぶつかり合い、互いにその反動を利用し距離をとる。
そして決して構えを解くことなくドモンは名乗りを上げる。
「俺の名はドモン・カッシュ! 流派東方不敗継承者にしてキング・オブ・ハート!
名を名乗るがいい、傷面の男!」
「己の名は捨てた。それに今から死に逝く者に名乗ったところで意味はない」
この台詞を吐くのはここに来て二度目だ。
だがその反応は似ているようで決定的に違っていた。
黒の男は死者のような笑みを浮かべたが、目の前の男は生き生きとした不敵な笑みを返したのだ。
「フッ、この俺を前にして良くぞ吠えた! ならば拳に訊くまでだ!」
その言葉と同時、再び激突する両雄。
先程までとは一転し、二人の男は足を止めたまま至近距離で打ち合う。
至近距離での打ち合いは攻撃の速さよりも“繋ぎ”が重要視される。
打ち、払い、薙ぎ、蹴り、突き、捌き、かわし、避け、止め、流し……
数多の選択肢から最良の次手を選択し、如何にして無駄なく接続するか。
それこそが密着状態での勝敗を決定付けると言っても過言ではない。
そしてその結果はドモンの優勢という形で現れ始めた。
その原因は二人の戦闘スタイルにある。
かたや1年間、様々な形での1対1の戦いを続けてきた男。
かたや奇襲殺法・一撃必殺を心掛け、暗殺を行った男。
どちらが優れているというわけでもない。ただ、この場ではドモンの方が有利であった。
「どうした! 貴様の力はその程度か!」
そう言いながらも油断はしない。
何故ならば、不利でありながらも傷の男の殺気は一つも弱まっていないからだ。
と、ドモンの技の継ぎ目を狙い、スカーが脚払いを仕掛ける。
スウェーではかわしきれないと判断し、宙へと跳ぶドモン。
だが、それこそがスカーにとっての目的。素早く態勢を立て直し、右腕を振るう。
それ見てドモンは思う。
(あの豪腕、当たれば無傷とはいかんが、防御に徹すれば決して耐え切れないほどでは――)
だがその考えは右腕から放たれる殺気によって否定された。
ドモン・カッシュは幼少の頃から文字通りその半生を闘いへと投じてきた。
だから気付いた。この一撃は文字通りの“必殺”の技だということに。
「う、おおおおおおおおおおおっ!!」
裂帛の気合をもって空中で身をひねり、マントで相手の視界を遮る。
0.001秒でも時間を稼げればいい。
――果たして、その願いは叶えられた。
空中で回転することで僅かに落下タイミングをずらしたドモンはその回転を生かしたままスカーの右腕を受け流す。
その結果、薄皮一枚分の差で回避に成功する。
力を殺ぐことなくかわされた矛先は背後の建物の壁へと突き刺さる。
と、その男の右腕から紫電が走った瞬間、轟音と共にドモンの背後の建物が粉々に砕け散った。
「!!」
馬鹿力で砕いた――否、そんなものではない。
僅かに触れただけのマントがボロ布と化している事実がそれを物語っている。
どうやら原理は分からないが、あの右腕の一撃は触れただけで“破壊”する力があるらしい。
そんなものを人の身で受ければどうなるかなど考えるまでもない。
まさに文字通りの“一撃必殺”。
攻撃力だけに限定するならば、ドモンがこの世界に来るまでを含めて、これまで戦った相手の中でもトップクラスに分類されるだろう。
ここで常人ならばその威力を警戒し、または恐怖するはずであった。
だが、その凶悪な業を目にしたドモンの心は高鳴っていた。
今まで戦ってきた相手にもこれほどの破壊力を持ったファイターはいなかった。
未知の技と強敵に、格闘家としてのドモンの心は否応無しに高まってゆく。
出来うることならばもっと拳をあわせていたいが、そろそろ突き止めなければならない。
先程から拳をかわすごとに伝わってくる男の感情の正体を。
***
スカーは驚愕した。
先程の一撃はタイミング、速度共に完璧。まさしく不可避の一撃のはずであった。
だが目の前の男は超人的な身のこなしと恐るべき勘の良さによってそれを覆した。
『単身でアメストリス兵十人分の戦力に匹敵する』と言われるイシュヴァールの武僧にもこれほどの手練がいただろうか?
答えは否。そう、認めよう。目の前の男はまごう事なき本物の強者だ。
だが自分も錬金術師やホムンクルスを皆殺しにするまでは死ぬわけにはいかない。
右手の種がばれた以上最早隠し立てする必要もない。再度“破壊”を仕掛けようと構えたそのときであった。
「――貴様に聞きたいことがある」
目の前の男は視線をはずさずに問いかける。
「貴様は何故戦う。先程から貴様の拳からは怒りと悲しみが伝わってきた……
だから分かる。貴様は決して殺人を楽しむタイプの人間ではない。
ならば何故、この殺し合いに乗っている!」
ドモンの問いにスカーは答えない。
だがドモンはサングラスの奥にある目を見据える。
拳を通して伝わる怒りと悲しみ。そしてそこに理由を問った時の“自分ではないものへの”敵意が混ざるとなれば答えは自ずと姿を現
す。
それが自分の良く知るものならば尚更だ。
「……復讐か」
スカーの体がピクリと動く。それは肯定のサイン。
「それならば一つ忠告しといてやる……復讐は何も生みはせん。
それどころか貴様のその怒りと悲しみは誰かに利用され、更なる悲劇を引き起こすだろう」
その言葉はまるで預言者のように確信に満ち溢れていた。
だがその言葉はイシュヴァールの惨劇からのスカーの人生すべてを否定する言葉でもあった。
人には例え挑発だったとしても許せぬ言葉があるのだ。
「貴様に――何が分かる!」
***
挑発したつもりはない。ただ、事実をぶつけただけ。
怒りと悲しみのまま動き、母の敵に騙され、兄を追ったという自身の過去にあった事実を。
「分かるさ……何故ならばかつて俺もそうだったのだからな!」
紫電を放ちながら破壊の右腕が迫る。
必殺必壊の魔腕――迸る殺気の大きさからして今度のは掠っただけでも大怪我を負ってしまうだろう。
だがそれを目の前にしてもドモンの心は研ぎ澄まされていた。
その心、明鏡止水。怒りも悲しみも超えたところにある極地。
怒りによって揺らいだ拳はあっさりとかわされ、逆に懐にもぐりこまれる。
驚愕するスカーとサングラス越しに視線を合わせたまま、
「貴様が破壊の腕ならば、俺は黄金の指ッ!」
カウンターとして放たれたのは掌底。
壁すら砕く一撃がスカーの額に直撃する。更にドモンはそのまま体ごと数メートル跳躍し――
「必ィッ殺!! シャァァァァイニング、フィンガァァァァァ!!」
かつての愛機・シャイニングガンダムの必殺技の名を叫びながら、スカーの体を大地に叩き付けた。
***
スカーを大地に沈めたドモンは額に浮かんだ汗をぬぐう。
紙一重の勝利だった。男がもう少し冷静であったならば闘いは長引き、また違う局面を見せていたであろう。
それによく見ればこの男、すでに脇腹と右手に傷を負っている。
(この男が五体満足であれば負けていたのは俺の方だったのかもしれん)
世界は広い。世の中にはまだまだ見知らぬ強敵がいるのだ。
と、そこでドモンは奇妙なことに気付く。
闘いに集中していて気付かなかったが、先程までと周囲の風景が一変しているのだ。
戦闘を開始したときにはアスファルトだった足元もいつの間にか鬱蒼とした木々の茂る山の中へと変わっている。
確かに移動しながら戦っていたが、それでも精々1km程度が限界だろう。
だというのに周囲を見回しても木ばかりで、先程まで隣にあったはずの川の姿すら消えている。
「……どういうことだ?」
疑問は深まるばかりだが、それよりも当面の問題は倒したこの男をどうするか、と言うことだ。
この傷の男、放っておけば弱者と言えど容赦なく殺すだろう。あの殺意はそういうものだ。
だが、ドモンも一度は復讐に身を焦がした身。このままこの男の命を絶つことには躊躇いがあった。
そして何よりあれほどのファイトをした男をむざむざ死なせたくは無かった。
「――先程のファイトはいいものだった。
あれほどの闘いが出来るならばこの男も別の道を歩めるはずだ」
独り言のように呟いた。だから、
「――最早戻れはしない。そして戻る気も、ない」
返答が返ってきたことに驚愕した。
「なっ!?」
しばらくは起き上がれまいと踏んでいたのだが、すでに復活していたというのか!?
身構えるドモン。しかしスカーは倒れたままで、右腕の『破壊』を地面に向けて発動する。
その瞬間地面は粉砕されて大量の土煙と爆風を上げ、更に数本の大樹をドモンに向かって倒れこませる。
「おおおおおおおおおおおおっ!」
倒れこむ木々をかわすドモン。
だが土煙が晴れたとき、スカーの姿は煙のように掻き消えていた。
「くっ……逃げられたか」
あの状態で何処か遠くに行けるとも思わないが、本気で隠れられては見つけるのも一苦労だ。
ドモンは最後に見たあの男の赤い瞳を思い出す。
怒りと憎しみに囚われ、復讐することでのみ自分を保つ。
あれではまるで地球に下りたばかりの自分そのものではないか。
あのままではこの会場にいるであろう外道に利用され、奴自身も死ぬだろう。
――ならば奴を止めるのはこの俺の役目だ。
かつて兄が、シュバルツが自分にしてくれたように。
ドモンはそう決意するとスカーの姿を探すためにその場を後にした。
そしてドモンが去ってから約10分後。
倒れた木々の間の地面がかすかに動き、土を振るい落としながら褐色の巨躯が姿を現した。
そう、スカーは先程巻き上げた土砂の下に自分自身を隠したのだ。
隠れられるかどうかは一種の賭けだったが、どうやら自分はその賭けに勝ったようだ。
スカーは土を払い、倒れた木に背中を預ける。
――ここはどこだ。
確かに攻撃を喰らう前までは川縁の変わった石畳の上だったはずなのに、目が覚めた時には深い森の中だった。
ドモン・カッシュと名乗ったあの男に運ばれたのかとも思ったが、奴自身も戸惑っている様子だったし、そうではないらしい。
どうやら、この舞台自体に妙な仕掛けがあるようだ。
だがそこまで考えたところでスカーは膝から崩れ落ちる。
無理もない。ドモン・カッシュの一撃は制限下で無ければコンクリート壁すら砕く威力を持つ。
制限されているとはいえその直撃を喰らったのだ。
数秒意識を失っただけですんだスカーの打たれ強さが異常なだけである。
さらにそこに“破壊の力”を連続して使ったのだ。
先程から僅かばかり回復した体力もすぐに底を突いてしまった。
スカーは自らが倒した巨木に背を預け、息をつく。
『それならば一つ忠告しといてやる……復讐は何も生みはせん。
それどころか貴様のその怒りと悲しみは誰かに利用され、更なる悲劇を引き起こすだろう』
あの男はイシュヴァールの惨劇のことも何も知るまい。だから勝手なことが言えるのだ。
国家錬金術師によって引き起こされた大虐殺のことを。悪夢としか形容しようのないあの光景を。
だが――あの男が最後に見せた曇りのない澄んだ目。
かつて同じ復讐者だったというのならば、どの様な体験をすればあの境地に辿り着けるのだろうか。
それは敵意か、それとも羨望か。その答えに辿り着く前にスカーの意識は闇へと落ちて行った。
【H-4/山中/1日目-朝】
【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:己を鍛え上げつつ他の参加者と共にバトルロワイアルを阻止し、螺旋王をヒートエンド
1:傷の男(スカー)を止める
2:積極的に、他の参加者にファイトを申し込む (ある程度力を持った者には全力、ある程度以下の者には稽古をつける)
3:ゲームに乗っている人間は(基本的に拳で)説き伏せ、弱者は保護する
4:一通り会場を回って双剣の男(士郎)と銃使いの女(なつき)と合流する
[備考]:
※本編終了後からの参戦。
※参加者名簿に目を通していません
※地図にも目を通していません。フィーリングで会場を回っています
※正々堂々と戦闘することは悪いことだとは考えていません
※なつきはかなりの腕前だと思い込んでいます。
※自身の能力が落ちているという感触を得ました
※マントはボロボロになってしまいました。
【スカー(傷の男)@鋼の錬金術師】
[状態]:左脇腹と右脇腹、右手の親指を除いた四本それぞれ損傷中(応急処置済)。疲労(大)、気絶中
[装備]:なし
[道具]:
[思考]
基本:参加者全員の皆殺し、元の世界に戻って国家錬金術師の殲滅
0:……
1:皆殺し
2:現在位置を確認し、回復したら中央へ向かう
[備考]:
※スカーのディパック(中身は支給品一式、猫の写真@アニロワ2ndオリジナル×50、
時計仕掛けのブドウ@王ドロボウJING×9(ダンボール入り))がA-4あたりに放置されています。
※スカーの破壊によってH-4で数本の木が倒壊しました。
その音は周囲に響いた可能性があります。
面白くない
4322 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:04:54 ID:???0
>>4308 カミナに全力で投げられたらそれだけでゆーちゃん死んじゃいそうで怖いよ…
頑張れコアドリル!!
4323 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:04:59 ID:???0
>>4321 久保乙
4324 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:05:10 ID:???O
長生きしたければ空気になれ
4325 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:05:19 ID:???0
むしろクレアだったら「俺が世界の中心だ」とか言って
グレンラガンで地球まるごと取り込みそうな気がする。
なんでも可能と信じているキャラだけあって不可能を可能にする意志は薄めだから、
逆に言うとそこ止まりな気もするが。
4326 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:06:06 ID:???0
アークグレンラガンって全長何キロだっけ?
確か、100万人の人間が乗れる戦艦が変形合体した物だから…とりあえずロワ会場よりも余裕ででかいか
4327 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:07:48 ID:???0
>>4323 違う、違うんだ! 確かに因子が足りない番人の事も頭をよぎったけど、俺は某魔を断つ剣のつもりd(ry
4328 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:08:03 ID:???O
クレア「俺はアンチスパイラルから世界を救ってみせる」
クレア「なぜなら、大切なお客様がいるからだ」
4329 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:09:00 ID:???O
そろそろクレア自重
4330 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:09:23 ID:???0
とりあえずゆたかが「私を誰だと思っているんですか!!」と
腕組みしながら啖呵を切るシーンを妄想してニヤニヤしてるのは俺以外にいるんだろうか
4331 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:10:18 ID:???O
>>4330 俺いつ書き込んだっけ
4332 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:12:20 ID:???0
お前ら本当にゆたかが好きだなw
たまにはこなたのことも思い出して(ry
4333 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:12:26 ID:???0
>>4320 もしもこなたが最終決戦まで生き残って、ガンメンに乗り込んで戦う事があったら
きっと溢れるオタパワーを強大な螺旋力に変えて一騎当千の戦いぶりを見せてくれる筈…
と思ったが、こなたってロボアニメはあんま好きじゃなかったのを思い出したorz
k4334 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:12:30 ID:???0
>>4320 身近と言えば絶望も絵柄をパロったり4話のアレがネタになったりしてるな。
あとFateの原作者がグレン信者なんだっけか
4335 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:13:02 ID:???0
>>4327 旧神ED風にしたら非難轟々じゃすまねーぞ!w
4336 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:13:40 ID:???0
>>4326 大きさ的には
天元突破グレンラガン>超銀河グレンラガン>アークグレンラガン>グレンラガン>グレン>ラガン
天元突破グレンラガンで銀河レベル
超銀河グレンラガンが惑星レベル
グレンラガンは普通の巨大ロボットレベル
でアークグレンラガンはその間くらいかな
まあ、ラスボスは精々ラゼンガンレベルにしとかないと収拾つかない
4337 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:16:23 ID:???0
螺旋力前回でガンメンを操るゆたかの後部座席でただハドロン砲を撃ちまくり
美味しいとこかっさらって高笑いするルルーシュを幻視した
4338 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:16:31 ID:???0
>>4336 天元突破は銀河レベル軽く超えてね?
同サイズのグランゼボーマが両手にそれぞれ銀河掴んでこねこねしてビッグバン起こしたりとかしてるし
4339 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:16:55 ID:???O
>>4333 「ああもう、やる気ないなら代わんなさいよ!」とでしゃばって操縦管を握ったかがみが
螺旋銃をうちまくるが下手くそすぎて即撃沈という展開が浮かんだ
4340 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:17:43 ID:???0
幼女を働かせるなよルルーシュ…
いや、実際は一歳違うだけだけどさぁw
4341 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:18:36 ID:???O
おい、老けすぎだぞルルーシュ
4342 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:19:05 ID:???0
うーん…ゴズー(雑魚ガンメン)にミーくんを加えて、隠し味にスバルを少々…
4343 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:19:18 ID:???0
天元突破の腹から超級覇王でぶっ飛んでいく先生を幻視した
4344 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:20:22 ID:???0
このときはまだ、ムスカ優勝エンドを迎えることを誰も知らなかった。
4345 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:20:46 ID:???O
ゴズー……ゴズー……コスー……バルサミコスー……
あははバルサミコスー
4346 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:21:47 ID:???O
>>4344 あるあ……あるある
4347 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:21:56 ID:???0
アニロワ2ndの面子で天元突破だしたら、各キャラの特徴とかにじみ出るんだよね
ビシャスで刀とか、ビクトリームでV字ビームとか
4348 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:22:30 ID:???0
>>4343 マーダーだが、東方不敗やアルベルト辺りなら生身でそれを…
いや流石に銀河サイズじゃどうしようもないか
4349 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:22:54 ID:???O
ギガキールロワイヤル!
4350 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:23:03 ID:???O
やめろよ―
楽太郎が絶体絶命な事を思い出してブルーな気分になったじゃないかw
4351 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:23:13 ID:???0
師匠で顔とかな。
ヴィラル優勝エンドになったら、螺旋王怒るかな?
4352 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:24:06 ID:???0
>>4343 東方不敗「やれぇい!ゆたかぁぁぁぁぁぁぁ!」
ゆたか「ちょうきゅうはおう!でんえ〜だん!」
4353 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:24:14 ID:???0
>>4347 Vの体勢を取る天元突破想像したら腹筋が崩壊したぞ、どうしてくれるwww
なんとなくだが、もしV様がラストまで生き残ったらアーテンボローポジションになりそうだな
生き残れる可能性はかなり低そうだが
4354 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:24:54 ID:???0
>>4348 天元突破が出るのは認識(≒気合と覚悟)が具現化する空間だから、まったく問題ない気がするw
4355 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:26:01 ID:???0
>>4351 そーいや、ヴィラル優勝になったら螺旋王的には不満が残りそうだなww
ロージェノム「何故優勝たし」
ヴィラル「そりゃないっすよ……orz」
嗚呼これが中間管理職
4356 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:26:36 ID:???0
ゆーちゃん大活躍すぐるwwwwww
こなたやつかさやかがみを差し置いてゆたかがここまで優遇されてるなんて当選当初は予想もしなかったぞ…
むしろみなみが居ない事でズガンも覚悟していたのに…やっぱ初期装備がコアドリル&まさかのシモン早期退場が効いたな
4357 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:26:51 ID:???0
>>4351 螺旋王「なんで螺旋族もっと頑張らんのん?(´・ω・`)」
4358 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:27:02 ID:fP96AsMEO
>>4354 やべえwwwガンダムファイターインフレフラグじゃねーかwwwww
グレンラガンにげてー!
4359 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:27:14 ID:???0
>>4330 とりあえず口上を数パターン考えている
4360 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:27:40 ID:???0
>>4349 何そのシモン覚醒ネタで考えてた技名
4361 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:28:39 ID:???0
螺旋王「ヴィラルさぁ。空気読めよ」
4362 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:29:06 ID:???O
ヴィラル優勝ネタに激しくワラタwwww
螺旋王どうするんだろ
4363 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:29:20 ID:???O
>>4360 サーセンwwwww
でも自分もシモン覚醒に期待してたクチだから同士っすよ同士!
4364 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:29:28 ID:???0
ゆたかはある意味1stのしんのすけポジションだな
いや、完全に斜め上方向に突っ走っている気がしてならないがw
4365 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:30:12 ID:???O
公務王カワイソス……w
4366 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:30:35 ID:???0
>>4355 ジョーカーとして参加させたのに、特に凄い支給品も支給してないし…
……なんでヴィラル参加させたんだよロージェノムw ただいじめたいだけじゃないのかwww
4367 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:31:23 ID:???O
ロージェノムはドS
4368 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 02:31:33 ID:???0
この熱すぎる流れを見て、鬱蒼とした優勝or全滅ENDに持ち込みたい気持ちが沸々と……
おまえら妄想もいいですが、対主催なんてのは面倒くさいフラグ云々を順序付けて処理してかなきゃならないんだからな。
こんなのロワ終盤に携わった書き手しか理解できない苦労だろうけど。
まあまいどばかばかしいお話を
フラグなんて処理しないで
適当にやりゃいいやん
「ねぇ、ちょっと待ってキール! 」
「んー何か落し物でもしたのかい?
こぼれ落ちる君の美しさなら俺が一秒単位で拾っているから安心してくれよ。さぁ早く俺に愛の遺失物届けを……」
「ほらあれ! あそこには誰かいないのかな? 」
アレンビーが指を差す先にあるもの。それはエリアE-4に聳え立つごみ処理場だ。
彼女が予定の指針である北東とは別の方角の建物に興味を持つのも無理はない。
仲間探しのために都市部へ向かうとはいえ自分たちの移動手段は徒歩。
この広い世界で尋ね人を全員見つけるには、太陽が何回地球を周っても足りない作業になるのかもしれないのだ。
彼女が手間を惜まないはずがなく、目と鼻の先にある建物に食いつくのは自然な行為だろう。
「地図を見る限りじゃあそこはごみ処分場みてぇだ。高貴な俺には一生縁のない所だな」
「でも、誰もいないなんて言えないでしょ? ごみはごみでも『人ごみ』に会えたらラッキーじゃない! 」
「そんな五月蝿い連中、すでに『生ごみ』にされてるかもな。かーそれにしても翼の折れる仕事だぜぇ。
そもそもだな、人探しとか郵便配達には鳥にだってちゃんとその道のプロってもんが……」
「泥棒は見つけるのが本職でしょ。ほら、行こうよ」
渋るキールをなだめ、アレンビーはごみ処理場へと進んでゆく。
東から差し込む太陽の光が、彼女のボディラインとブリにコーディネイトをしている。
そこはかとなくただよう薄幸さ、川の上流のようなブルー・アイズ・ブルー。
これら全てのシェークが醸す美しさにキールは芸術だ、とつぶやいた。
どんなにヘソを曲げていても、女のソレはこの好色鳥にとって特効薬クラスの『気分治し』。
■ ■ ■
アレンビーたちがごみ処理場に向かう少し前、エリアD-3南東。
そこには高速道路を降り終えて、軽快に入り口を飛び出す2人組みがいた。
「よぉ〜し高速道路おしまいィィ! 」
「おしまいィィ!」
「そしてッ!見、え、て、き、た、ぞ、ごみ処分場ォォォォォ! 」
「ごみ処分場ォォォォォ! 」
「親父の奴、どんな顔するかなぁ……今すぐにでも連絡とりてーなァ! 」
「テレフォンだね! 」
「記憶を失くしたはずの俺たちがガン首揃えてやってくる……びっくりするだろうなァ!」
「ショッキングだね! 」
「でもよ、俺たちはそこを狙うんだ! そのままノリと勢いで押し切っちまうんだよ! 」
「おもいッきりにね!」
「だが親父のことだからきっと顔を真っ赤にして説教してくるんだろうなァ!『別れなさい、ロクな女じゃないよ!』ってさァ! 」
「うん! 午後まで怒られそうだね! 」
半裸男とハッピー女。己が道をひたすら走る天然勘違いカップルは、相変わらず楽しく笑いあっていた。
彼らの騒動にはいつも幸せが満ち溢れていて、世を偲ぶ市民たちを楽しませる。
彼らを知る者はみんな口を揃える。
『あの2人が泥棒だって!? そりゃ大変だ。さっきすれ違い様に、私の腹の虫を盗んでいったんだよ! 』と。
今回の騒動は親愛なるお父上、螺旋王が中心。2人の結婚に反対して頭が茹蛸になっちゃった。
だが負けない。アイザックたちは自分たちのヴァージンロードよろしくスパイラルロードをひた走る。
「ところでアイザック、ポロロッカ星ってどんなどころだっけ? 」
「おいおいミリア、今ポロロッカはこの宇宙上で最もホットな星なんだぜ!? もうすぐ14年に一度の春が訪れるんだからなぁ! 」
「ホットでスプリングなのォーッ!? 」
「そう! まるで温泉みてぇにそこら中の地面から桜吹雪が湧き出すんだ! 」
「それホントォ!? 」
「あ……いやぁーどうだろうな。今は工事中かもしんねぇ。今度の春には間に合わなくなるかもなぁ……」
「じゃあ間に合わせればいいんだよ! 」
「それだァーーッ!! 王子様権限を使ってみんなに協力してもらえばいいんだ! 」
「アイザックあったまいぃー! ダンゴーだよダンゴー!」
「よぉーし、そうと決まれば善は急げだ。行くぜごみ処分場ォォォォォ! 」
「ごみ処分場ォォォォォ……ってあれ? アイザック、誰かが私たちより先に走ってるよ!? 」
■ ■ ■
アイザックたちがアレンビーたちを呼び止めたのは、彼女たちがごみ処理場の入り口に入ろうとしていた瞬間だった。
ここで彼女に先に処理場に入られては、サプライズが水の泡。説得が失敗するかもしれない。
アイザックたちは思いつく限りの言葉で説得をし、なんとかアレンビーたちを引きとどまらせる。
アレンビーは突然の質問にあっけにとられていたが、彼らが剣持の友人である金田一一と一度接触していたことを知ったので
戸惑いながらも次第に彼らの勢いに打ち解けていった。
「ら……螺旋の王子様!? 」
「そぉーゆぅーわけなんだよ! 」
「COOLでしょ! 」
……はずだった。
お互いの住んでいた世界のことや、自分たちがこの場所で知り合った仲間、第一回放送の内容の情報交換はまだいい。
しかしここから先が悪かった。
ごみ処分場には自分たちの結婚を許そうとしない父である螺旋王がいることや、ノリで結婚の許しを得ようとしていること。
またそのための「ノリで押し切る作戦」を実行するにあたって、侵入の一番手の譲渡。
そしてこの「実験」がポロロッカ星の入国審査であり、アイザックはポロロッカ星人であるという驚愕の真相。
「その、カ……カフカって子や一は一緒じゃないの? 」
「今は別行動さぁ! あいつらも用があるみたいだしな」
「多分あっちの方にいると思うよ! 」
高速道路を指差しながら笑うミリアに、アレンビーはただ口を開いて相槌を打つしかなかった。
見るからに怪しい格好だが、とても嘘をついているようには見えない純朴な視線。
見るからに怪しい演説だが、すでにキールと出会っているため頭ごなしに否定しきれない異世界の紹介。
そして口伝いでは知っているものの、アレンビー自身が直接死体を見ていないという事実がよりリアルさを増す。
「ア、アタシ、一の仲間の剣持のオジサンさんから人が死んでる話を聞いてるんだけど」
「だから言ったろ? その死んだ人ってのは脱落者。つまり元の世界に返ったってわけだぁ。安心したまえ」
「でも死体を見間違うかなぁ……剣持のオジサン、嘘をついてるようには見えなかっ」
「死体? いやだねぇ、殺人事件なんて、実際に起こるわけないじゃないか!
これは言ってしまえば……アレンビーからすれば夢の世界のようなものなんだ。だから現実と体は別々。
つまり、脱落したそいつは意識だけが元の世界の体に戻り、こっちの死体はそのままなのさ! 」
「リアル&ファンタジーなんだね! 」
「へ、へぇ〜……ははは」
アイザックとミリアの満面の笑みと喜びのダンスにアレンビーはさっきよりも口を大きく開けた。
何がなんだかわからなくなってきたらしい。彼女もいつのまにか彼らにつられて笑い始めていた。
しかし彼女はハッと思い出す。そう、頼れるストーカー鳥キールだ。
いい加減で大口だが、女好きである彼ならきっと自分の代わりに『お前ら何言ってんの?』で手助けしてくれるはず。
彼女は空を見上げて救済の視線を向ける。言葉はでない。しかし伝達はアイコンタクトだけでも充分。
「なるほどねぇ。螺旋王ってのも空気が読めない頑固ジジイってわけだ。
ミリアちゃん、本当は君と一晩語り明かしたかったんだけど、もうツバがついちゃってるのなら俺は引くぜ。悔しいけど。
目の前で結婚式挙げられる位なら、既に俺は経験アリよ。愛とナンパと説得にかけちゃ俺はその道のプロなんだ。
だから君たちの縁結び、良かったらこの幸せの青い鳥に任せてくれないか? 」
そこは紺でしょ、とアレンビーは心の中で叫んだ。
■ ■ ■
アレンビーの視線に構わず、キールはアイザックたちに自慢のトークマシンガンを浴びせている。
結論から言うとキールは御伽噺のようなアイザックたちの話をほぼ真実だと受け止めていた。
『ポロロッカの王子が地球人の娘との結婚を許されず、父親のわがままに振り回されて試練を受けさせられる。
挙句の果てに記憶喪失にまでさせられ、この場所で死んだ者は魂だけが元の世界へ戻る』
なぜなら、こんなことは彼にとって理解の範疇だったからだ。
幽霊船、時の都、爆弾生物、不死の都、夢の世界の牢獄、仮面武闘会、色彩都市……飽くなき泥棒稼業の毎日。
物だって町だって欲だって夢だって太陽だって盗んできた。
記憶喪失だの異世界だのは彼にとって『近所で猫が行方不明になりました』レベルなのだ。
さすがに星(生まれ)が違う人間に出会うのは初めてのことだったが、だからといって驚くことでもない。
ポイントは『未知の世界でもいかに自分らしく行動できるか』、これに尽きるのだ。
タネがわかればこっちのもので、後はいつものように茶化して欺いて何かお宝を頂戴すれば万々歳。
そもそもお宝目的でここに来たわけでもないのだし、
キールにとってはアレンビーがいなければさっさと死んでトンズラすれば終わる話なのだ。
「じゃ、早速俺たちは親父のところに行くぜ」
「2人の結婚を許してくれるようにお願いするの! アドバイスありがとうキール」
「ミリアちゃんたちは、説得が駄目だったらどうするんだい? 」
「「やっつける!」」
「おいおい、結婚後の親との付き合いも考えろよー」
「「んー……じゃあ逃げて隠れる! 」」
「愛の逃避行もオツなもんだが、それは最後の手段だ。心から祝福してくれる人は、一人でも多くいたほうがいいんだぜ? 」
「大丈夫だよ! ね、アイザック! いざとなったらッ!」
「そう! いざとなったらッ! 俺の……」
「ちょ、ちょっと待って!! 」
アレンビーはキールを掴んだまま走り、アイザックとミリアから少し離れる。
再び自分に渋るキールをなだめ、彼女は耳打ちをした。
(ねぇ! ちょっと本気であの2人のこと信じてるの? )
(ああそうだぜ。いい話じゃねぇか。恋に勘違いはあるけど偽はないからな)
(だって……ポロロッカとか、王子様とか、そりゃガッシュや剣持のオジサンのことがあるから違う世界ってのは本当っぽいけどさ)
(あのなアレンビー、死ぬのが嫌な気持ちはわかるが今回は話が別だぜ?
生き残ったらポロロッカ星に移住するだけ。死んだなら元の世界に還る。そんだけじゃん。
第一俺たいはお堅い壷頭の八つ当たりのはけ口になってるんだぜ。全く危うく損をするところだったぜ。
人探しも手間いらず。清麿たちも見つけて死なせてやればいい。ぶっちゃけほっとけば勝手に死んで還ってくれるんじゃねーの?
それと、俺を引き止めてるのは、海のように青い君だという事を忘れちゃダ・メ・だ・ぜ? )
(で、でもさ、彼らがその『偽』だったとしたらどうするの? なんか、想像を絶するというか。
アイザックたちだって『カフカ』って女の子に言われて初めて記憶喪失に気がついたんでしょ?
あの人たちあんまり頭良くなさそうだし……流石のアタシでも素直にハイそうですか、とは言えないよ)
(頭が固いねぇ。君は今誰と愛を語り合ってるのか忘れたのかい。君の世界に俺のように喋る鳥はいる?
ここで君の方程式は通らないぜ。第一、カフカって子が元からアイザックの知り合いだっただけなんじゃねーの。
俺がもしあのゴールイン直前の2人を騙すんなら、殺した分だけキャッシュバックの幸せプランを薦めるぜ?
ポロロッカの話を知らずに、螺旋王の実験とやらをただの殺し合いと勘違いしてる奴になら尚更だ。
……アイザックはともかく、ミリアちゃんは見え見えの嘘に簡単にひっかかるとは思えねぇけどなぁ。
俺様だって一応汚い仕事柄で食ってるだしよ、人を見る目は結構自信あるほうだぜ? )
(ア、アタシだって本当ならそれでいいけど……)
(ふーん、じゃあ賭けをしようぜアレンビー。イカサマ無しの50/50、聞いてくれるかい)
■ ■ ■
(おいミリア、アレンビーとキールは一体何を話してるんだろうな? )
(なんだろうね? あたしたちに知られちゃマズイ事かな? )
(マズイ事ってなんだ?……うーん……)
(マズイ事……マズイ事……うーん……)
(( パ ー テ ィ ー !? ))
(おいおいおいおいこれってまさかあの2人……)
(そうだよ! そうに違いないよ! あの人たちもハジメとカフカなんだよ! パーティしてくれるんだよ!)
(そうか……皆して祝ってくれるなんて、幸せ者だなぁ俺たち)
(ハッピーエンドだね!)
(でもなぁ……たった4人でのパーティを2回もやるなんて寂しいよなァ! どうせだったら人が多いほうが良いよなァ!)
(いっそ2つのパーティを一緒にやっちゃえばいいんだよ! )
(やっぱそうだよなぁ! そうすれば4プラス2で6人パーティ! 2人の3倍だぜ3倍!)
(でもあたしたちは気づかないフリをしなきゃいけないんじゃないかな? )
(うまい事ハジメたちと会わせることが出来ればいいんだが)
(あたしたちがパーティの事に気づいていないようにして、なおかつうまく会わせなきゃダメだね!)
(ん〜そうだな……ん?待てよ、オイオイミリア! これでもし親父を説得できたら……親父もパーティに加えるってのはどうだ! )
(すごーい! お父さんも加わって7人! ラッキーセブンだよォォォアイザックゥゥゥ! )
(よおっしゃァァァ燃えてきたァァァァ!!)
「あーミリアちゃんに王子様、ちょっといいかな」
「ん〜何だキー……ってうおおおッ! すげーぞキール! それどうやってんだァ!? 」
「アイザック! が、合体だよ!合体! 」
「皆どうしてそうやって次から次へと手品を思いつくんだぁ!? 」
「イリュージョンだね! 」
楽しそうなミリアたちの声援が辺りに響く。
そんな彼らとはうってかわって、アレンビーはいつもより深刻な顔をしていた。"凶器”として右手に溶け込んだキールを携えて。
標的は半裸で構えるアイザック。目的は“手品”という名の“賭け”。
アイザックの話が真実なのかを確かめるのは、まず彼が嘘つきではない事を確認しなければならない。
『アイザックがこの会場にいる全ての人間から手品で殺されたという名目を手に入れなければならない』のは真実なのか。
自分たちの一撃で全てがわかるはず。無論本当に殺すつもりはない。
ただ、腕か足に軽く当てて負傷の状態をチェックし、治りの経過を調べるだけだ。
アイザックの言葉を借りるのならば彼は刃物で突き刺されてもすぐに傷が治る体になっている、というわけだ。
ではタネも仕掛けも無い『これ』のダメージを受けても、彼の怪我は完治するのか。
「大した事はねーよ。意識を集中して、銃を撃つイメージでとにかくぶっ放したいと思えばいいんだ。
照準は気にすんな。初っ端から馴染むわけじゃねぇよ。ただし威力の調整に注意してくれ。俺もアイザックも共倒れになる。
名前は、『キールロワイアル A LA Allenby(アレンビー風)』でいいかな? 」
「ううん……名前はもう決めてあるの。初めてキールロワイアルの話を聞いたときから」
「じゃあ聞かせてくれよアレンビー。ネオノルウェーの天才による、この世界での記念すべき初のロワイアルを。
あのおバカで幸せ一杯な新郎新婦への祝砲をなァッ! 」
アレンビーの右腕とキールの融合体が緑色の輝きを魅せる。張り詰めた空気が音を鳴らす。
銃口は大きく開かれ、光り輝くエネルギーが渦巻いている。賽は投げられた。
それは王ドロボウの愛用の品。放たれる刺激は、まるで杯に弾けるアペリティフ。
あとはお好きなように口付けをするだけ。
「ノォォォォォォォォベルゥゥゥゥゥゥゥ…………ロワイアルッッッ!!」
■ ■ ■
■ ■ ■
「ンモー! 手品をやらせてくれってならそう言えばいいのによォ! 」
「いいのによォ! 」
「悪いね。だがマジックにはサプライズは多ければ多いほどいいだろう? 」
「キール、よくしゃべる癖に変な時だけ気ィ使ってんじゃねーよ……って鳥なのに喋ってるゥ!? 」
「えェー!? キールが喋ってるゥー! 」
「今頃になってかよ……それより、本当だったんだな。人サマの体がリアルタイムで完全修復するのを見たのは初めてだぜ」
「またまたぁ〜そっちこそ旨い手品だったぜ? ポロロッカの試練……まだまだ先は長そうだけどなァ! 」
「頑張れアイザック! あたしも頑張るよッ!」
「お詫びと言っちゃあ何だが、このキール、螺旋王子とその未来のご婦人に挙式の手続きを申し入れたき……」
「俺たち!嘘つかない! 」
「嘘つかない! 」
「話聞けよ。まぁいいや、じゃあ前祝いということで2人に俺の美声を送ろう! え〜ゴホン。
日は白く、町に照り、枝枝からァ、もれるささやき……葉むらのかげにィ〜おお愛するひとよ……」
2人と1羽が談笑している横で、アレンビーはただ呆然と彼らを見ていた。
威力を抑えていたとはいえ、彼女は確かに怪我をさせるつもりで撃ったのだ。手品でもないのに。
しかしどうだろう、結果はご覧のとおり。アイザックはノーベルロワイアルの弾を受けながらも傷を回復させたのだ。
傷の治り方にキールも当のアイザックたちも驚いているのだから、
彼らが螺旋王に呼び出される直前までいた世界では有り得ない技術なのは間違いない。
(ポロロッカ星のパワーなんだろうか……すごい。ということはやっぱりアイザックはポロロッカ星の人間?
じゃあこのまま生き残って、アイザックが螺旋王を説得すれば皆でポロロッカにいける?
前の世界にも未練はあるけど……この世界で出会った良い人たちには、もう会うことは出来ないんだよね。
ガッシュ、高遠、剣持のオジサン、アイザック、ミリア、あと一応キール。それに……君に二度と会えなくなるのは寂しいなぁ)
アレンビーは自分が担いでいたディバッグを開けてポルヴォーラを取り出す。
両手で抱っこをするように支えられた愛玩動物は、つぶらな瞳でアレンビーを見つめながら、彼女の胸に顔をうずめた。
アレンビーもポルヴォーラの背中をなでながら、優しく微笑みかける。
(ドモンはこの話を聞いたらきっと元の世界に帰っちゃうんだろうな……大事な人、ここにいないもんね
今のアタシには、どっちに行くほうが幸せなんだろう)
アレンビーは自分が小さかったころを思いだす。
戦争のせいで亡き者にされた自分の両親。そして戦災孤児として一人ぼっちだった自分。
トラウマは、幼い彼女の心に少なからず傷を残している。
自分のことを母親のように擦り寄ってくれるポルヴォーラが、アレンビーには昔の自分に見えた。
(でも……魂だけがこっちにあるのなら、アタシのいた世界の、アタシやドモンの体はどうなってるんだろう。
……それってヤバくない!? みんな、死んでる死んでるって大騒ぎしてるんじゃないの!?
いや、アタシはまだいいよ。でもドモンはよくない! 急いで帰らなきゃ! 待ってる人がいるんだから!)
アレンビーが気にかける人物――ドモン・カッシュ。彼にはレイン・ミカムラという相思相愛の恋人がいる。
アレンビーがドモンへの思いを譲るほどのベスト・カップルだった。その二人の仲がこの実験のせいで引き裂かれようとしている。
ドモンの幸せは自分の幸せ。それがあの時、ドモンに告白の後押ししたアレンビーのけじめだった。
アレンビーの心に、あのときの思いが甦る。
■ ■ ■
「よぉーしそれでは俺たちはこれから、このごみ処分場に侵入して親父の隠れ家を見つける! お前たち、準備はいいか! 」
「バッチリだよアイザック! 」
「こっちもOKだ。そっちはどうだいアレンビーちゃん」
「いつでも良いよ。急いで螺旋王を探さないと……アイザック、ミリア、絶対説得しなきゃダメだよ! 」
「まぁ〜かしとけって! いざとなったら俺の……」
「それは説得の時までとっとけよアイザック。切り札は最後に出すから切り札なんだぜ? 」
「わぁかってるって! 周りに流されず!自分で流れを生み出す! ポロロッカ魂ってヤツを見せてやるさ! 」
「反逆だね! 」
「その通りだ! あ、そうそうキール。親父の説得が無事すんだら一度ハジメたちにあったほうがい〜んじゃないかなぁ? 」
「あなたたち、あの2人と相談する必要があると思うの! 」
「んー……なんか面倒くさいことになりそうな予感だぜ」
「どのみち清麿やジンを探すんだからいいじゃない」
「いやむしろその逆さァ! 人が増える分楽になるであろう事さァ!」
「合体だね! 」
陸上競技のスタートラインのように横一文字に並ぶ3人と1羽。視線の先は全員はごみ処理場の入り口だ。
作戦は単純。螺旋王の隠れ家への入り口と、どこかに隠れているかもしれない参加者をみんなで探す。それだけだ。
アイザックはポキポキと両手の骨を鳴らし、ミリアはぐるぐると首を回し、キールは毛づくろいして準備をしている。
そして……ひと際深刻な表情で深呼吸するアレンビー。
(探すしかないよね。探して探して探しまくって……この事をみんなに知らせなきゃ。
ドモンだけじゃない。ポロロッカに興味を持ってない人も、自分の帰りを好きな人に待たせている人もきっと沢山いる!
元の世界へ帰りたい人にこのことを話して、『帰して』あげなきゃね! )
深い鏡の池に写るような、愛に仕える各々の思い。
しかし彼らの心には、風しのび泣く黒いやなぎのシルエットが……。
夢を見ましょう。いまはそのとき。
【E-4/ごみ処分場前/1日目-午前】
【チーム:ポロロッカ・ザ・ホットライン】
[共通思考]
1.螺旋王(親父)に会って、話し合いで解決できないか挑戦してみる。
2.其々の思いを成し遂げる
※アイザック&ミリアは螺旋王からの試練の突破と2人の婚約の承諾。
※キールは自分が本当の意味で死ななければOK。
※アレンビーはこの世界から帰りたい人を元の世界へ『帰す』(つまり殺害)。
3.螺旋王の二の次だが、互いの知り合いを探す。
4.目指せポロロッカ(もしくはこの世界から逃避行)。
※殺し合いの意味を完全に勘違いしています(アイザックに課せられた試練で、終了条件は全員に手品で殺される事。)
※アイザックはポロロッカ星の王子で、螺旋王は彼の父親。それを記憶喪失で忘れていたと思い込んでいます。
※この世界は死ねば元の世界に帰還。生き残ればポロロッカへご招待されると勘違いしています。
※それぞれの作品からの参加者の情報はおおまかに共有してます。
【アイザック・ディアン@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:ボロボロになったパンツ一丁
[道具]:支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、ずぶ濡れのカウボーイ風の服とハット(※本来アイザックが着ていたもの)
[思考]
1:ゴミ処分場に向かい、そこに隠された王城への入り口を探す。
2:親父の説得が終わったら、ミリアと結婚してポロロッカの王様になる。赤い宝石はミリアへ結婚指輪として贈ろう。
3:パーティー楽しみだなミリア! みんな一緒にやれば楽しいだろうなァ! あとでハジメたちと合流しようか?
[備考]
※アイザックの参戦時期は1931年のフライング・プッシーフット号事件直後です。
※一と可符香、キールとアレンビーはそれぞれ自分たちに内緒でパーティの開催を考えてると勘違いしています。
【ミリア・ハーヴェント@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:拡声器、珠洲城遥の腕章@舞-HiME
[道具]:支給品一式
[思考]
1:ゴミ処分場に向かう。
2:ジャグジー、チェス、剣持、明智、高遠、ドモン、清麿、ジンを探す。
3:パーティー楽しみだねアイザック! みんなでやればもっと楽しそう! あとでカフカたちと合流しようか?
※少なくとも「悲恋湖伝説」「雪夜叉伝説」「瞬間消失の謎」については把握済み。
※可符香とアイザックの話を全面的に信用しています。
【アレンビー・ビアズリー@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康 (キールロワイアルのアレンビーVer.『ノーベルロワイアル』修得)
[装備]:背中にブリ
[道具]:支給品一式、ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる)
爆弾生物ポルヴォーラ@王ドロボウJING
注射器と各種薬剤、スコップ
[思考]
1:とりあえずごみ処理場に侵入。螺旋王か他の参加者を探す。豪華客船にゲームに乗っていない人間を集める。
元の世界に帰りたい人は帰してあげる。最優先でドモン。清麿、ジン、金田一、明智、ジャグジー、チェス。
2:ごみ処分場捜索後は北東に進み、人の多そうな町の中心部に向かう予定。
3:悪いヤツにはビームブリをブチかます!でも強い人が居たら、ファイトしてみたいと心の片隅では思ってたり……。
[備考]
※いきなりアレンビーを口説いてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。
※シュバルツと東方不敗は死人と認識。
※ガッシュ、剣持と情報交換済み。
※高遠を信用できそうな人物と認識。
※第一放送の内容を把握しました。
【キール@王ドロボウJING】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、ジンの仕込みナイフ@王ドロボウJING
[思考]
1:元の世界に帰ろうがポロロッカに行こうがどっちでもいいけど、とりあえずごみ処分場にいく。
2:人探しも豪華客船にゲームに乗っていない人間を集めるのも面倒臭くなってきた。
3:アレンビーと二人でウエディングブリに入刀したい。
4:他にも女性が居たら口説くつもり、野郎には興味なし
[備考]
※いきなりアレンビーを口説いてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。
※ガッシュ、剣持と情報交換済み。
※高遠を信用できそうな人物と認識。
※第一放送の内容を把握しました。
真一文字に寝そべり、波に揺られるまま、かがみは水面を漂っていた。
貝を抱えるラッコのように、腹の上でひたすら大切に、妹の生首だけを抱き締めて。
やや流れの速い川をくだり、大きな橋の下をくぐって、いつしかかがみは海に流れ出ていた。
「潮風が気持ちいい……」
さざ波の音や海鳥の鳴く声が、途切れること無く鼓膜を優しく撫でる。
陸を離れるまで昂り続けていた感情も、今となっては嘘のように思えるほど穏やかだった。
かがみはつかさの首を手に取り、自分の顔と向き合うように掲げる。
水に浸しつづけたそれはくしゃくしゃにふやけ、もはや原型を留めないほどに歪んでしまっていた。
それでも、つかさと居られると思えば、そんなものは些細なことでしかなかった。
二人で過ごせるということが、何より大切だったのだから。
「これで、よかったんだよね。これからはずっと、つかさと……」
『ビィ――――――――――――――――――――』
しかし、永遠に続くと思っていた二人の時間は、あっさりと終焉を迎えることとなる。
センチメンタルな独り言を掻き消し、けたたましいブザー音が鳴り響いた。
「な、なに、なんなの!?」
耳障りな音響はかがみの体内に共鳴するように振動を伝え、緊迫感は鼓動を高鳴らせた。
戸惑うかがみを嘲笑うように、やがてブザー音はフェードアウトする。
そして一定の音量で安定すると、それに被さってまた別の音声が響いた。
『この界隈は現在、進入禁止エリアと定められている。速やかに移動を開始し、当該エリア外へと退避せよ』
聞こえたのは、主催ロージェノムの声だった。二度と耳にしたくはなかったが、そんなことを考える場合ではない。
禁止エリア。聞き覚えの無い単語だったが、意味するところの見当はつく。警告に従わなければ、首輪の爆弾が作動するに違いない。
背筋に悪寒が走る。既に一度、実際にそれが破裂するのを見ているのだ。これが脅しでないことは理解済みである。
作動したとて、不死身であるかがみの首はすぐに元通りになるだろう。
それでも、首を刎ねられるという未知数の痛みを味わうことには変わりない。そんな体験は、御免被る。
「でも、でもっ。ああっ、もぅ、どこへ逃げろっていうのよぉ!!」
されど、周囲は見渡す限りの水溜り。どちらへ泳げば禁止エリアを脱することができるのかはわからない。
たった今警告が始まったということは、エリアの端に触れてしまったに違いない。
そう考え、パニックを起こしながらも海面を右往左往してみる。だが、警告音は一向に止まなかった。
追い討ちをかけるように、螺旋王はかがみに冷徹な最後通告を突きつける。
『――残り十秒だ。急げ』
「急げったって……んあっ!」
緊張に身を強張らせるあまり、脚が、それもあろうことが両脚が、一度に吊ってしまった。
突然の痛みに動揺し、海水を大量に飲んでしまう。下半身に力が入らず、身体が少しずつ水中へと引きずり込まれていく。
抱えていたものを無意識に手放し、腕を振り回して必死に浮き上がろうとするが、もがけばもがくほど身体は水に沈む。
「ひゃ、ごほ、げほっ」
鼻腔の粘膜に触れた潮水が、激痛を伴い体内へ次々と侵入する。
『8、7、6』
かがみの余命を告げるカウントダウンが開始された。しかしそれを聴く余裕すら、今のかがみには存在しない。
『5、4』
「ばっ、あぼぼぶぼ」
いよいよ頭頂部まで水に浸り、天に翳した手先だけがじたばたと海面で飛沫をあげる。
『3、2』
「がぼがぼごぼ」
視界が暗くなり、朦朧としてくる。
『1』
「ごぽ……」
頭の中が真っ白になった。
◆
123 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 07:11:02 ID:HDqBqPR4
千里の苛立ちは頂点に達していた。螺旋王に対するやり場のない怒りに、小さな胸は強く締め付けられた。
腐葉土を踏み締める足取りは重く、肩は小刻みに震え、吐く息は荒い。
ふと、握り締めたコンパスに視線を落とす。ひと呼吸を置いてから、力任せにそれを足元へ叩きつける。
コンパスは手応えの無い音とともに、湿った地面にへばり付いた。
がたがたと雑音を発しながら、コンパスの針はひたすら踊り狂っている。この森へ迷い込んでからというもの、ずっとこの調子なのだ。
つい先ほど、市街地の外れに辿り着くまでは、何ら異常は無かったというのに。
おかげで現在自分がどこに居るのか、どちらへ向かって歩いているのか、皆目見当がつかない。
されど、苛立ちの原因は、ただそれだけではなかった。
午前六時。千里の起床予定時刻に、螺旋王の放送は始まった。
きちんと整頓された荷物の、一番上に詰めておいた筆記具は既に手の中にあり、万端の備えで放送に臨む。
『殺し合いは――あまり、はかどって……』
冗長な駄弁を聞き流し、いよいよ脱落者の発表が近付くと、千里の心は大いに昂った。
“実験”の進行度合いを知ることのできるそれは、千里にとってなにより重要な情報である。決して聞き逃すわけにいかない。
だが、その瞬間は唐突に訪れた。
『さて、禁止エリアについて説明しようではないか。
死亡者から話しては、自我を喪失し、放送を聞き取れなくなる者もいるやもしれんからな』
「……へ?」
千里は目を丸くする。放送で流されるのは、脱落者の情報だけではなかったのか。
「禁止、エリア、て……」
『B-1、D-5、G-6、以上を禁止エリアと定める』
螺旋王は坦々と英数字の羅列を述べる。千里はほぼ反射的に、人名が並ぶはずであったメモ用紙に、それらをきっちりと書き連ねた。
B-1、D-5、そしてG-6。記入した内容に間違いは無い。脳を小突く重たい声が、耳鳴りでもない限りは。
『最初に言った通り、ここに足を踏み入れれば、首輪が爆発する事になる。
そう、始めに我に歯向かってきた、あの男のように血肉の塊と化すだろう』
禁止エリア。その名の通り、侵入することを禁じられた区域。何人も寄り付くことのない、デッドスペースである。
……デッドスペース。口にするのもおぞましい。その邪悪な響きに、千里の精神は急速に蝕まれていく。
『もっとも、この場には字が読めぬ者がいるのでな。警告後一分以内に離れれば、首輪は爆発しない』
会場を虱潰しに踏破すること。それが千里の目的であり、また至福でもある。
だが補足説明によると、当該エリア内で行動可能な時間は一分。たった一分で、中を調べ上げることなどできるはずがない。
入れない。調べられない。きっちりできない。無情な現実に打ちひしがれ、千里は枯葉の絨毯に膝を衝いた。
『戦わずして吹き飛ぶ事ほどつまらぬモノはないのだからな。十分に、気をつける事だ』
「きっちり……したい……のに……」
『さて、最後の一人を目指す者、このゲームを破壊しようと目論む者』
「……うっ、うう……う」
『どちらにとっても感心があるだろう、死亡者の発表に』
「うな――――――――――――――――――――――――――――――――――っ!!」
千里の理性はいよいよ崩壊した。傍らに広げた地図を乱暴に拾い上げ、そして絶叫する。
地図の両端を握り締め、外側へと力一杯引っ張る。地図は中央を縦方向に走る折り目に沿って、綺麗に真二つになった。
……そこからは、一切の記憶が無かった。完全に自我を喪失していたらしい。
「もう、どうしてくれるのよ。折角立てた予定が、全部台無しじゃない!」
落とした顔を両手で覆い隠し、首を左右に振るいながら千里は嘆く。
唐突な場面転換のおかげで自分の居場所すらわからず。禁止エリアの存在するせいで、会場を隅々まで調べて歩くこともできず。
死亡者数を聞けなかったために、今後のペース配分を考えることもできない。すべてが曖昧模糊とした、まさに最悪の状況。
「禁止エリアなんて設けるくらいなら、はじめから小さな会場にすればいいでしょう。どうしてわざわざ無駄な土地を用意するのよ。
いま先進国の人口密度は飽和状態なの。こんな少人数のために割く土地なんか、これっぽっちも余ってなんかいないの。
科学者なら、そのくらい分かっているでしょ? 現代人としての身の丈くらい、きっちり弁えなさいよっ!」
実験という語に固執するあまり、螺旋王イコール科学者という誤解が生じていたが、千里にそれを気に留める余裕はない。
ある意味では、千里は螺旋王の考えにいたく共感していた。
安定した現代社会の恩恵に感け緩み切った人類を、互いに競わせ、篩いにかけることで、有能な人間のみを選び出す。
その一点に措いては、千里はこのゲームが開催されたことに感謝の念すら覚えている。
しかしながら、過程についてはその限りではない。螺旋王という人間のやり方には、疑問視すべき点が多すぎた。
この度知らされた、禁止エリアの概念もそのひとつである。
デッドスペースを生じさせるばかりか、主目的である競争行為以外での脱落者を生み出す可能性をもつそれ。
まさに百害あって一理なしの、大失策に他ならない。
千里は考える。螺旋王が有能な科学者だというのであれば、実験そのものの無駄も最小限に留めるべきであると。
「ああ、もう。考えただけでイライラするっ!!」
頭を掻き毟りたい衝動を呑み込みながら、千里は足元のコンパスを思い切り蹴飛ばした。
コンパスは小気味好い音を立てながら短い間隔で三回ほどバウンドした後、真っ直ぐに地面を転がる。
やがてコンパスは大きな倒木にぶつかると、その場で仰向けに倒れた。
その様子を目で追ってから、千里は溜息を吐きながらコンパスを回収に向かう。
使い物にならない道具を所持し続けることも苦痛だったが、屑籠以外にゴミを棄てるという行為はさらに許し難いからだ。
土まみれに汚れたであろうコンパスの下へ辿り着き、気だるげに上体を落として手を差し伸べる。
「え……っ?」
コンパスを握り締めたそのとき、視界がおぼろげな白い光に包まれた。
慌てて後ずさり、謎の光源から充分に距離を取る。しかし光はすぐに弱まり、間もなくして消えた。
それだけでも驚くに値する出来事ではあったが、事態はさらなる展開を見せる。
千里は眼を擦り、唖然とした。大口を開いたまま、光の現れ消えたただ一点を見つめる。
視線の先には、ほんの数秒前までは無かったはずの、全身ずぶ濡れで横たわる少女の姿があった。
◆
「かはっ!」
喉を逆流する異物感に苛まれ、かがみは堰きたてられるように身を起こした。
口の中は粟立った塩の味で満ちており、不快感などという言葉では表しきれない。
「がほ、げほげほ、おぇっ」
さらに込み上げるものを感じ、咳き込みながら海水を勢い良く吐き出す。
見てくれに構ってなど居られない。とにかく早く異物を排出することを、体内の自浄作用が訴えた。
「よかった。やっと意識が戻ったのね」
背中を撫でる感触にはっとして、涙をぼろぼろ溢しながら声の主を見遣る。
すぐ隣に、かがみの背中へと手を伸ばす、髪を真ん中分けにした少女の姿があった。その腰には、二本の刀が提げられている。
「……いやっ」
半ば恐慌し、少女を反射的に突き飛ばした。少女は小さく呻きながら、べったりと尻餅をつく。
少女の怯んだ様子を確認し、かがみはすぐさま逆方向へと駆け出そうとする。
「あぐぅっ!!」
ところが、踏み出した右脚に激痛が走り、再び地面に突っ伏してしまった。
すぐさま上体を捻って少女へ向き直り、上目遣いで様子を窺う。
相手を不用意に刺激した上、逃げることもできない。絶体絶命の状況に、かがみの心臓は破裂しそうなほどに早鐘を打った。
しかし少女は得物を抜きもしなければ、殺意に顔を歪めてもいなかった。
「まったく、不躾な人ね。あなたは学校で、人工呼吸をしてもらった相手には仇で返せとでも教わったの?」
突き飛ばされた少女は不機嫌に眉を顰め、スカートの泥を入念にはたきながらゆっくり立ち上がった。
人工呼吸という語を聞き、頭に疑問符が浮かぶ。そういえば、自分は海で溺れていたはずだ。
いまだ脚がいうことを聞かないことからして、あれからそう時間は経っていない。
それなのに、どういう訳か海岸も見えない森の只中に居て、さらにこの少女が自分の面倒を看ていたのだという。
「怯える必要はないわ。少なくとも、今あなたに危害を加えるつもりはないもの。
それに考えてもごらんなさいな。あなたを襲おうと思うなら、普通は目を覚ます前にやっているはずでしょう?」
「…………」
まるでこうなることが想定済みであるような口振りにやや疑念は残るものの、彼女の言い分はもっともである。
まだ安心はできないが、ひとまず敵意はないと判断しておくべきだろうか。
それに、咄嗟に逃げることの叶わぬ今、彼女にこれ以上の不信感を与えるのは危険極まる。
体格はほぼ互角。丸腰、それも動かない脚を引いて喧嘩を吹っ掛けたところで、まず勝ち目は無い。
「まあいいわ。無事だっただけでも、運が良かったんだから」
どこか意味深な言葉を吐き棄て、少女はかがみへ歩み寄る。そして右の手を、かがみの眼前へ差し出した。
一瞬びくりと身を縮こまらせるが、右手を掴んでしまえば逆に危険は少ないと思い至り、すぐに平静を取り戻す。
かがみは厚意の手を素直に受け取ると、自重の殆どを少女に支えられながら、恐る恐る傍らの倒木に腰掛ける。
肌に貼り付く湿った衣服に不快感を覚えつつ、かがみは少女へ向けてぎこちない笑顔を見せた。
「あ……ありがと」
「どういたしまして」
搾り出すように吐いた謝意に、少女の眉間に寄った皺はたちどころに消え去った。代わりに、人受けの良さそうな笑みが浮かぶ。
その屈託の無い立ち振る舞いを見ていると、かがみは彼女に抱いた疑念を申し訳無くすら感じ始めた。
「その、さっきは……ごめん」
「気にしないで。きちんと反省のできる人は、嫌いじゃないから」
さっぱりとした口調で、少女は応えた。どこかしら上から目線を感じるが、その気性が逆に安心感を与える。
かがみもまた、仲間内では保護者的な役回りにあることが多かったが、それとはまた違った印象である。
言うなれば、彼女のそれはリーダー的な気質で人を惹きつけるのを得意とするような感覚だった。
その安堵に包まれたためだろうか。かがみは、忘れかけていた重要なことをようやく思い出した。
つかさが、どこにもいない。
128 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 07:16:13 ID:HDqBqPR4
「そうだ、つかさ! つかさは!?
ねぇ、つかさのく……い、いや、私の他に、何か流れて来なかった?」
焦燥しながらも機転をはたらかせ、軌道を修正しつつ質問を投げかける。
妹の生首を抱えていたなどと告白しては、異常者扱いされるのが関の山である。尤も、既に正常でないことは自覚しているが。
「そうね、あなたが倒れている他には何も無かったけど……」
軽く腕組みをしながら、少女は応える。
「それにしても、おかしな人ね。全身塩水まみれだったり、流れるなんて言い回しをしたり。
まるで今し方まで、海の中にでも居たみたいじゃない」
さらに首を傾げて、怪訝そうに眉間に皺を寄せた。彼女の言動に、かがみもまた顔を顰めた。
おかしなことを言うのはどちらか。かがみにとっては、水のないことのほうが余程奇怪なのだ。
海から遠く離れたこの場所に、身動きの取れないはずの自分が居ることが。
「それはこっちの台詞よ。なんで海に居たのにいきなりこんな森の中に倒れてたのか、わけわかんないわ」
「……え?」
少女は目を見開き、身を乗り出してかがみへ強い好奇の視線を寄せる。
「ねぇ。その話、少し詳しく聞かせてくださる?」
愚痴まがいな言い回しで吐き捨てるように言ったつもりの言葉。その何気ない一言に、少女は異様なほどに関心を示していた。
◆
「……わかった!」
首を左右に傾けてばかりいるかがみを尻目に、広げた地図と睨み合いながら、少女はひとり満足げに頷いた。
そのはしゃぎ様は、さながら積年の研究が実を結んだ科学者のようである。
「この会場は、東西南北の端同士が繋がっているんじゃないかしら」
それというと、RPGの世界地図なんかによくあるあれだろうか。それと現在の状況が、どう関係するというのか。
百歩譲ったとて、この悪夢と楽しいテレビゲームとの接点は、これっぽっちも見当たらないが。
「まず、あなたが流されていたのがB-1。出発点がここで、川の途中で見た大きな橋と、鳴り出した首輪の警告音がその証拠。
警告が鳴り始めてから六十秒以内にここへ来たということは、七時零分には西の端ぎりぎりに居たことになるわね」
半分ずつに分かれた地図の上でペンの頭を行ったり来たりさせながら、少女は爛々と目を輝かせている。
「私はA-1の西端に辿り着き、やはりこの森の中に居た。そして真っ直ぐ数百メートル程歩いてきて、ここであなたと遭う。
私が移動してきた方角がほぼ真北だとすれば、全部辻褄が合うのよ」
なるほどたしかに、その理屈ならば点と点とが綺麗に線で結ばれる。その理屈が、現実に通用する概念ならば。
どう頭を捻ったところで、到底納得はできない。非現実的にも程がある、突飛な妄想である。
「でも、そんなことができるわけ……」
「できるわけがない。でも、この際そうでも考えなければ、一から百まで全部が有耶無耶になってしまうだけ。
街や海から森の中への唐突な場面転換は、既に起きてしまった事実。私達の常識からは、どのみち逸脱しているわ。
ならいっそ、この現象の法則性だけでも突き止めておきたいと思わない?」
「はぁ……そういうもんですか」
かがみは同調とも異議ともつかない、中性的な反応を返した。
なんだか問題点を擦りかえられた感はあるが、一理ある意見な気もするからタチが悪い。
常識外れの出来事が幾度となく起こっているのは紛れもない事実であり、今更概念がどうこうと考える次元にはないのだろう。
それでも、首を縦に振る気にはなれなかった。ほんの少しでも、数奇な現実から乖離していたかったのかもしれない。
とうに実証済みであるこの不死の体を現実のものと認めることを、未だ心のどこかでは拒んでいるのと同じように。
「でも、どうやって確かめるのよ。仮に、ここから西の端に出られたって、向こうは禁止エリアで首刎ねられるわよ」
屁理屈は承知の上での反抗だった。言い切ってから、今居るエリアから逸れれば解決する話であることに思い当たるが、まぁいい。
できれば、そんな証明をしたくないというのが、一番の本音であるのだから。
「そうね。実際に試してみれば、一番手っ取り早く真相が分かる。
あなた、なかなか飲み込みが早いわね。じゃあ、早速実験してみましょうか」
しかし反意のつもりの一言は、流れに竿をさす結果を招いてしまった様子だった。
二枚の地図へ向ける好奇心に満ちた目をそのままこちらへ向け、少女はかがみへじわじわとにじり寄った。
「え、ちょっと……まさか」
嫌な汗が頬を伝う。思わず逃げ出したい衝動に駆られたが、この倒木の椅子から離れるのは容易ではない。
逃げなければ。でも、どうやって。堂々巡りをしているうちに、少女はかがみの胸に手を着き、思い切り突き飛ばしていた。
「げぇっ!?」
掴まるべき支えなど無く、かがみの体はあっさりと後方へ投げ出される。
一瞬の浮遊感の後、かがみの視界は明転した。
光の幕が晴れたとき、そこに緑の木立は存在しなかった。
さらに地面までもが消え去り、体は冷たい水溜りに放り込まれる。
波の音。潮の香り。海鳥の声。問答無用で、そこは海だった。
『この界隈は現在、進入禁止エリアと』
「やかましい!」
二度目となる警告を一蹴し、海面で必死にもがくかがみ。一分間の猶予を認識しているので、先刻ほどの焦りはない。
「ぶは、がほげほ」
とはいえ、吊ったままの脚を引きずる状態に変わりはなく、かがみの体はぐんぐん水に沈んだ。
「ぺっぺっ。ええと、木の後ろのところで、背中からワープしたから……」
脚の痛みに四苦八苦しながらも、冷静かつ迅速に思考を廻らせ。
「こっち!」
正面へ向かって水を数回掻き分けると、かがみは三度、淡い光に包まれた。
◆
「おんどりゃあ、いきなり何さらすんじゃ!!」
森の中へ実体化した瞬間、かがみは目と鼻の先で待ち構えていた少女に食って掛かる。
少女は動じることも無く、ロケットの打ち上げに成功したNASA研究員のような面持ちでかがみを見詰めた。
「ああ、やっぱり思ったとおりだったわ。これでひとつ、曖昧だった事象がきっちりと証明されたのね」
「はいはい、そいつはようござんしたね。お陰で私ゃ、危うくまた溺れかけたわよ」
下目遣いで厭味たらたらに突っ掛かるかがみ。しかし少女は反省の色を示すどころか、呆れ半分に手の平を振るった。
「まぁ落ち着きなさいな。そんなに鼻息を荒げて、あなたったらサルみたいよ。
人っていうのは、常に知的好奇心を満たし続け、それにより進化をしてきた生き物なの。
物事をきっちり明確にするということは、身を張ってでも尊ぶべきものなのよ」
「言わせておけばいけしゃあしゃあと……そんなら、自分の身張ればいいでしょうが!」
「あら、だって向こうは海なんでしょう? 初めから濡れねずみのあなたが行くほうが、負うべきリスクが軽く済むじゃない」
「ふざけんな!!」
いよいよ殴り掛かりたい衝動に駆られる。だが同時に、手応えのないやりとりに空しさを覚え、かがみは少女から顔を背けた。
こうしてそっぽを向き、ひとまず曲者を視界の外へ追い出すことで、場の空気を切り替える。
日常の中で身に付けた、勝ち目の無い言い争いを終結させる最善の策であった。
尤も、それが泣き寝入りの一種であるということも理解はしていたが。
「それにしても……」
「……なによ」
不機嫌に鼻息を吐きながら、かがみは横目で少女の方を見遣る。
何度目ともつかぬ疑問の表情を浮かべ、少女はかがみの足元を見つめていた。
「靴だけを脱いで海に、って……もしかして、あなた自殺志願者?」
「あ…………」
かがみは、しばし沈黙した。そういえば、あのケースは何と表現すべきなのだろうか。
自殺がしたい訳ではなかったものの、当たらずとも遠からずのシチュエーションである。
世捨て人を気取ったという意味では、やはり自殺にあたるのだろうか。
やや思案し、溜息。考えるだけ馬鹿馬鹿しくなって、単純に否定しておくことにした。
「そう。なら、いいのよ」
「いや、何がどういいのか意味が分からんのだが」
自己完結する少女に呆れて溜息を吐く。少女の顔にはどこか安堵の色が浮かんでいたが、特に追及する気にはなれなかった。
「ところで、自己紹介がまだだったわね。あんまり興味深い話題だったものだから、つい興奮してしまって」
「えっ?」
少女の唐突な話題変更に、かがみは戸惑いを覚える。正確には、自己紹介という行為に対する動揺であった。
目まぐるしく移り変わる状況に感けて、彼女が不死者であるかもしれないということを失念していた。
厭世的な気分に入り浸り、もはや他の参加者に出遭う可能性など思考の外に放り出してしまっていたらしい。
ここでひとつの分岐点が生まれる。名を名乗ることを、相手が不死者か否かの判定に用いるべきかということだ。
「私は木津千里。アニロワ高等学校の生徒よ。あなたは? 珍しいデザインの制服だけど、どこの生徒なの?」
低確率ながら、疑われるリスクを負ってでも相手が不死者かどうかを確認すべきだろうか。
それとも、ここは素直に本名を名乗って、信用を崩さないべきだろうか。
「えと……り、陵桜学園、高等部……」
千里の振った話題に乗り、ひとまず時間を稼ぐかがみ。制服についての雑談でも交わしていれば、少しは尺が取れるだろう。
何せ命に関わる選択である。慎重に判断材料を並べ、じっくりと吟味したい。
「ふぅん、中高一貫校というやつかしら。道理で、洒落た制服を着けていたわけね」
「そ、そうなのよ。なかなか可愛いし、気に入ってるんだ。いいでしょ?」
「……」
「……」
「……それから?」
ところが、その目論見はたったの一言で消化されてしまう。
まだ結論は出ていない。仕方なく、付属情報で茶を濁すことにする。
「さ、三年……」
「私よりひとつ年長だったの。人は見かけによらないわね」
「あはは、よく言われる。目は尖ってるくせに顔は丸っこいとか」
「……」
「……」
「……で?」
またも一言で途切れてしまう。その上、返しを考えることが想像以上に思考領域を奪い、結局何も結論は出せていない。
さすがにこれ以上主旨を逸れては、それ自体怪しまれる要素になりかねなかった。
それに、初対面の相手と共有し得る学校についての話題など、そう次々と出るものでもない。
「あの……えと」
「ああ、じれったい。早く名前を言いなさいよ! 私はもう、きちんと名乗ったでしょう。
一方的に相手の事だけ知ろうだなんて、虫が良すぎないかしら。それとも、何か後ろめたいことがあるとでもいうの?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「だったら、はっきりなさい!」
癇癪を起こす千里。どうにも彼女は、堪忍袋の容量が小さいらしい。
自他共に認める短気なかがみがそう感じるほどなのだから、相当に気が短い人物なのだろう。
かがみは慌てふためきながら、ついに決断をする。
「ふ……風浦可符香」
そうして、咄嗟に浮かんだ名前を口走った。口走ってから、途方も無く自虐的な気分になる。
何故よりにもよって妹殺害の容疑者の名が出るのか。自分でも理解不能であった。
尤も、全くの適当な名前をでっちあげる訳にもいかず、参加者の中で知っている名が他に無かったのだから仕方ない。
青いアホ毛が脳裏を過ったのは、そこまで自分への言い訳を煮詰めた後のことだった。
「へぇ……そう。変わった名前ね」
千里はかがみにじわりと詰め寄り、口元に微笑を浮かべる。ただし、目は笑っていない。
嫌な汗が背中を伝う。もしや、嘘をついていることがばれたのだろうか。
まさか、そんなことはないだろう。あの大人数の中から、彼女の知り合いを引き当ててしまうことなど。
そもそも、可符香は常人離れした異能を持つ殺人鬼なのだ。自分と同じ学生の身である千里に、関わりがあるはずがない。
そう、信じたかった。しかし、千里は悪戯な笑顔を見せ、きっぱりと言い放った。
「でも、それはあなたの名前じゃないわ。あなたの嘘は、私にはきっちりお見通しよん。
何か思うところがあってのことでしょうけど……残念だったわね、“柊かがみさん”」
かがみは、全身から血の気の引いていくのを感じた。
136 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 07:23:01 ID:HDqBqPR4
「やあぁぁあぁぁぁっ!!」
「なっ?!」
気付けば、かがみは千里に掴みかかっていた。痛む脚に鞭打ち、一気に肉薄。さらに腰の刀に伸びる手を叩き落とす。
「あ、あなた。いきなりどうしてしまったの!?」
「てえぇぇえぇえぇぇいぃっ!!」
渾身の力を込め、かがみは千里を地面へ押さえつけた。そして腹部に圧し掛かって、脚での抵抗を防ぐ。
「今更しらばっくれないで。あんたも、不死者なんでしょ!」
偽名が通じず、本名を見破られたということは、千里もまた、かがみと同じ不死者に違いない。
「……は?」
千里は目を丸くした。最後までシラを切るつもりらしいが、そんなことは構わない。
「そう簡単にやられてたまるか……喰われる前に、こっちが喰ってやるッ!!」
よもや、血迷っている暇はない。やられる前に、こちらから仕掛けるしか生き残る道はない。
「な、なにをするの! ちょっと、やめなさい!!」
両脚と左手とでしっかりと動きを封じてから、震える右の手をじわり、じわりと、千里の頭へと差し伸べる。
そして指先が彼女の艶やかな黒髪に触れた瞬間……視界が暗転した。
黒く長い髪が、蛇の如く四肢に纏わりつく。次いで強いガム臭がしたかと思うと、突然目の前が真っ暗になった。
「な、なんなのよ、これ……ぎゃ!」
突然の怪異現象に怯える最中、胸倉を掴まれ地面へ叩きつけられる。
堪らず這い逃れようとするも、途端セーラー服の襟を引っ掴まれ、首が絞まって身動きが取れなくなってしまう。
「ぐへぇ!」
鳩尾に正拳が食い込み、黄味がかった胃液を吐き出す。飛び散った水滴が、陽光を受けてきらきらと輝いた。
千里は仰向けで悶えるかがみの体を跨ぎ、前屈してかがみの顔を覗き込んだ。
「どうしてくれるのよ、これ」
低い声でぼそりと言い放ち、千里は自らの頭を指差した。彼女の髪は、生物のように荒々しくうねり続けている。
「ど、どうって言われても……」
不死者に対する恐怖をも忘れるその剣幕に、いよいよ半べそになるかがみ。
髪が乱れたことに憤りを感じているようだが、普通そのためだけにここまで怒るものだろうか。
第一、触れただけで髪が暴走するなどと誰が予想できるというのか。
しかしそんな言い分を聞き入れてもらえるほど、事態は甘くなかったようである。
「これ、セットし直すのにどれだけ苦労するか、あなた解っているの?」
菱形の眼をぎらつかせ、少女は恨めしそうにかがみを睨み付けた。
かがみは愕然とした。髪のセットのためにこれだけの恐怖に晒されている事実には、もはや開いた口が塞がらない。
「きっちり、落し前つけさせてもらうわよ。きっちりと……」
「ひぃっ……!!」
そして、かがみは地獄を見た。
◆
140 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 07:26:05 ID:HDqBqPR4
「まったく、そういうことは先に言っておきなさい。いきなり馬乗りになられたって、どうしていいか困るわよ」
髪を櫛やらブラシやらで整えながら、千里は説教を垂れた。語気とは裏腹に、表情はどこか晴れやかである。
対照的に、かがみは心身ともにズタボロの状態に陥っていた。
千里の報復は執拗に続き、もはやストレスの捌け口にされたとしか考えられないほどに粘着質であった。
背中に跨ってツインテールをぐいぐい引っ張られたり、未だ痺れの抜けない脚を踵で思い切り踏みつけられたり、
あらぬ方向に鼻を捩じられそうになったり、刀の柄を尻に突っ込まれたり……思い出すだけで背筋が凍り付く。
結局たっぷり十分近く嬲られ、かがみは号泣しながらひたすら許しを乞うほかなかったのである。
「次からは、きっちり確認してから行動すること。わかった?」
「はひ……ごべんなざい」
真っ赤に泣き腫らした目を擦りながら、かがみは鼻声で応える。
彼女が不死者であるというのは全くの誤解であった。
名乗った偽名を見破られたのは風浦可符香が彼女の知人、ちなみに彼女と同じ女子高生であったためで、
本名を言い当てられたのは、つかさの名を聞いて、関連のありそうな名を言ってかまをかけただけだったという。
まったくもって、独り相撲の嬲られ損だったという訳だ。
「それにしても……また興味深い話を聞かせてもらったわ」
そして騒動を鎮めるにあたり、不死者に関する情報を洗い浚い吐かされてしまうこととなった。
不死の酒の基本情報に始まり、アイザックというもう一人の不死者の存在まで、知っていることは全部話した。
だが、致し方なかった。こうでもしなければ、拷問は夜まで続く勢いだったのだから。
「たしかに、あれだけ苛め……揉み合いになったっていうのに、今は傷ひとつないわね」
かがみの肢体を舐めるように眺めながら、千里は唸り声を上げた。
体中に満遍なくついた痣はひとつ残らず消えており、かがみの全身は血色の良い肌色に戻っていたのだ。
転嫁されたストレスによってやつれた、幽霊のごとく蒼白な顔面を除けば。
「う、うん、そうなのよ。信用してもらえてよかったわ」
苛めてる自覚あったのかよ、と突っ込みたいところだが、ここはぐっと堪える。
できるだけ千里を刺激しないように、細心の注意を払わなければならない。
どうやら千里はかがみの話を真と受け取っているらしく、疑心を深めることだけは免れひとまず安堵する。
ところが、千里の次なる挙動はかがみの思考の斜め上を行くものであった。
「でも、不死と証するにはちょっと生温いわね。より本格的な実験をしてみましょう」
「え…………?!」
実験という語に嫌なデジャヴを感じるかがみ。刹那。ずぷり、という耳障りな音と共に、全身がどっと熱くなった。
何が起きたかわからず、かがみは首を曲げ、自分の体を眺めた。見ると、腹に棒状の何かが突き立っている。
かがみの腹を、千里の持つ刀が貫通していた。
「な……な……」
その事実を認識した途端、その熱さが痛みであることに気付く。だが、痛いという心の叫びすら、幾ら捻り出しても声にならない。
両手で傷口を庇うが、止め処なく溢れ出る血液は五指の間からするすると零れ落ちていく。
四肢が痺れ、急激な脱力感に襲われる。口から、ごぽ、と血の塊が飛び出した。
足ががくがく震え、もはや自分で立っていることもままならなくなる。地面に突っ伏すと、血の海が盛大に飛沫を撒き散らした。
どくどくと血は流れ、頭の中が徐々に空っぽになっていく。痛いという感覚は、既になかった。
自らの血で深紅に染まった手をただ茫然自失として見詰めながら、かがみは死んだ。
◆
143 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 07:31:23 ID:HDqBqPR4
数十秒の後、かがみの体は何事も無かったかのように元の姿を取り戻していた。
腹部を襲った痛みは綺麗さっぱり消え去り、残ったのは肉を引き裂く刃の感触と、
地べたに這い蹲って情けなく悶絶していたという記憶ばかりだった。
一方の千里は、物欲しそうにかがみを見詰め、指を唇に添えて恍惚の表情を浮かべていた。
「すごい……あなた、本当に死なないのね」
「だからそうだって何度も言ってるじゃない!! ってかさ千里さん、これって立派な殺人っすよ、マジな話!!」
半狂乱になりながら、かがみはあらん限りの大声で千里にブーイングを浴びせた。
今にもはち切れんばかり青筋を立て、目は真っ赤に充血している。
ところが千里はやはり受け合おうとせず、唇に添えた人差し指をかがみへ向けながら言った。
「あら、死なないと理解したうえで刺したんだから、殺意があったわけじゃないわ。
第一、あなた死んでないじゃない。傷痕も残ってないし、何も気にすることはないわ。
それに、あなただって不死者を一度殺してるんでしょ。これできっちり痛み分けじゃない」
「どこがどう痛み分けなのよ……!!」
暖簾に腕押しな態度にまた腹を立てるが、震える拳をゆっくりと鎮め、さらなる罵声を浴びせることは思い止まった。
千里は不死の体を持つかがみに少なからぬ興味を示しており、また刀を抜かせる事態だけは避けたかったので。
◆
「ふぅ……さて、気分……いや、あなたの誤解も晴れたことだし、そろそろ行きましょうか」
「は? 行くって、どこへ?」
この上なく反抗的な眼つきで千里を睨み付けるかがみ。千里は再度人差し指を立て、かがみへ言い聞かせるように得意気に言った。
「決まっているでしょう。アイザック・ディアンを捜すのよ。捜し出して、喰われる前に喰ってやるの。
さっきあなたが、私を喰おうとしたときのように、ね」
「あ、あれは喰われるかと思って咄嗟に……」
「問答をしている暇はないわ。こうしている間にも、状況は刻一刻動いているのよ。
こんなところで油を売っている時間は、一秒たりともありはしないの」
言い切ると、千里はかがみの手を強引に引き寄せる。今さっきの再生により、吊った脚は元の通りに動くようになっていた。
「……離してっ!!」
だが、かがみは動こうとはしなかった。千里の手を振り解き、彼女へと背を向けた。
「どうしてしまったの、かがみさん」
「行きたくない……」
かがみは、くぐもった声で答える。
「は? あなた、何を言って……」
「私はもう、どこにも行きたくない!!」
「…………」
かがみの尋常でない拒絶ぶりに、さしもの千里も言葉を失った。
かがみは、震えていた。地面のただ一点を、焦点の合わない視線で見詰めている。
「私……恐いのよ……独りで歩くのが」
のらりくらり、かがみは枯葉を踏んで千里から遠ざかっていく。
「だから、こうして私が一緒に行ってあげるじゃない」
「違う! 私は、つかさが居ないと歩けない! つかさが居なきゃ、何もできないのッ!!」
かがみはその場で座り込み、膝を抱えて小さく縮こまった。
突然訪れた心情の変化に自分でも戸惑ったが、考えてみれば当然のことだった。
死にたくないと足掻いたのも、かがみ自身の意志というよりは、単純な生存本能が働いたに過ぎない。
当面の危機を脱した今、かがみの行動の決定権は、かがみ自身の意志に戻されている。
そしてかがみは、つかさの形見すら失い、生きる糧を完全に見失っていた。
146 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 07:36:50 ID:HDqBqPR4
「あのままずっと、つかさと二人一緒で居られると思ってた。
なのに、私はつかさと一緒に居られる手段さえ失くしてしまった!
私にはもう、何も残ってない。何もしたくないし、する理由も……」
「寝言は寝てから言いなさいな!」
すぐ背後からの怒声に驚き、かがみは首を捻った。次の瞬間、かがみの体は地面から無理やり引き剥がされた。
千里はかがみを抱え上げ、自分の足で直立させると、今度は両手をかがみの肩に置き、神妙な面持ちでかがみを凝視した。
「あなたの決心は、そんなに容易く投げ出してしまえる程度のものなの?
死ねない身体になってまで全力を尽くそうと思ったのは、ただの気まぐれ?
一度は失敗したとはいえ、あなたは妹のために何かしようと努力したんでしょう。
それなら、もう少し頑張ってみなさいよ。最後まで、自分の思う道を進むべきだわ。
妹のために。何より、あなた自身の、つかささんの姉としての誇りのために」
千里の目には、情熱の火が宿っていた。その真剣な眼差しに、かがみの鬱屈した心は強かに打ちのめされた。
「姉としての、誇り……」
かがみは、心の片隅に置き忘れたちっぽけな勇気と、海のように深い罪悪感を感じていた。
私は、何をやっていたんだろう。今、私がこのゲームから目を背けたら、つかさは二度と帰ってはこない。
つかさは、私のすべてだった。こうして失ってみて、その気持ちが揺るぎないものであることにも気付いたはずなのに。
このまま逃げ続けても、いずれ自分は死ぬ。死ねない体になったって、何もしない人間が勝者になることなんてあり得ないのだ。
それならば、居直ってでも最後まで戦い抜く道を選ぶべきではないのか。否、そもそも、他に道など無かったはずである。
つかさが生きられる唯一の可能性が、そこにあるというのなら。
私はそれを、自らの手で投げ出そうとしていた。つかさがもう一度、自分に微笑みかけてくれる未来を。
こんな風に叱咤をされなくとも、わかっていたはずなのに。諦める事など、できるはずがなかったのに。
「私……どうかしてた。ごめんね、つかさ。つかさを見殺しにするなんてこと、私にできるわけがないじゃない……」
涙が、止まらなかった。悔しくて。悲しくて。何より、自分のしてきた決断が、どうしようもなく情けなくて。
千里はかがみの肩をしっかりと握ったまま、さらに力強く訴えた。
「行きましょう。行って、つかささんを救い出すの。あなたの……他の誰でもない、あなた自身の手で」
「うん……うん……」
そして、かがみは感じていた。ああ、彼女はやはり、弱者を導くリーダーの器を持つ人間なのだと。
弱りきってしまった自分を立ち直らせるために現れた、掛け替えのない存在なのだと。
「わかってくれたなら、いいのよ……」
千里はかがみの肩から手を持ち上げると、そのままかがみの顔へとゆっくりと手を差し延べる。
しかし、その表情に先程までのリーダーの面影は無く、目はいつか見た菱形をしていた。
「……へ?」
そういえば、何やら背筋に悪寒がする。そう、千里の頭に触れてしまったときに感じた、あの感覚である。
しかし気付いたときには既に遅く、千里は指先でかがみの頬を撫で……思い切り抓った。
「いだだだだだだだだだだだだだだ!!」
かがみは、重大なことを忘れていた。感動的な台詞を吐いたこの女は、どうしようもなく凶悪な粘着質暴力女、木津千里なのだ。
いくら口先で美辞麗句を並べようと、その本質が変わることはない。
こうしてかがみが、御人好しにも彼女の気遣いに幾度となく騙されてしまうのと同じように。
「わかったら、今後は手間をかけさせないでね♪」
「……ふぁい」
かがみの胸で膨らみだしたちっぽけな勇気は、一気に萎えてきってしまった。
◆
「見えた、ショッピングモールよ。やっぱり、ここはB-8で正しかったようね」
そんなこんなで、千里とかがみの数奇な二人三脚が幕を開けた。
彼女の目的ははっきりとは聞いていないが、一応は同一の目的を持つ者同士、ひとまず行動を共にするのも悪い話ではない。
幾らつかさの為に奮起したとはいえ、この会場を一人歩きするとなると、やはり足が竦んでしまう。
あんな扱いをされても、一人で行動するよりはやはり心強く感じる部分はある。
尤も、攻撃性はあれど自分と同じ女子高生。大して戦力に変化はない。うまく事が運ぶのかは、かなり疑問である。
だが逆に、とんとん拍子で事が運んだとして。千里と二人きりになってしまったら、それこそ最悪である。
死ねない体を玩ばれ、延々と虐待され続けることになる。彼女が飢えに堪えかね、死に果てるまで。
それだけは、何としてでも避けなければならない。頃合を見て、彼女を排除しておかなければ。
別に彼女と友達になろうというわけではない。適当に利用して、適当に乗り捨てればいいだけの話である。
「何をやっているの、かがみさん。早くこっちへいらっしゃい。急がないと、陽が暮れてしまうわよ!」
「わ、わかってるわよ。今行くー!」
しかし、やるべきことは数あれど、今は彼女の逆鱗に触れないことだけを考えていたほうが良さそうだ。
悩ましげに溜息を吐き、かがみは歩き出す。その胸に、つかさの姉としての誇りだけを抱いて。
【B-8/森のはずれ/一日目-午前】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:不死者、ずぶ濡れ
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:つかさのために、もう少し頑張ってみる
1:千里を刺激しないよう細心の注意を払いつつ同行
2:アイザック他、不死者を捜して喰う
3:頃合いを見て千里を殺す。でも報復を受ける事態は避けたいので慎重に
[備考]:第一放送を聴きましたが、つかさの名前が呼ばれたということ以外は覚えていません(禁止エリアはB-1のみ認識)
会場端のワープを認識
【木津千里@さよなら絶望先生】
[状態]:健康
[装備]:ムラサーミャ&コチーテ
[道具]:普通のデイパック、支給品一式(食料-[1kg.のカレー3缶][2リットルの水3本]、狂ったコンパス、まっぷたつの地図)
[思考]
基本:きっちりと実験(バトルロワイアル)を終了させる
1:ショッピングモールへ向かう
2:アイザックを捜し出し、かがみに喰わせる
3:残ったかがみをきっちり片付ける方法を探す
4:糸色望先生と出会ったら、彼との関係もきっちりとする
5:螺旋王の運営方針に強いフラストレーションを感じている
[備考]:死亡者を聞き逃した
会場端のワープを認識
不死者について説明書程度の知識を得た
つかさが生存者と誤解
[補足]:千里のコンパスは、ワープを利用した際の磁気の異常により故障しました
つかさの首(首輪なし)は場外に流れ去りました
高町なのはは、ティアナ・ランスターにとって特別な人だ。
力を求めて道に迷っていた自分を、心から心配してくれた恩人だから。
流石に恥ずかしいので、面を向かって言うつもりはない。無論、誰にも話すつもりもないが。
ふと、考えてしまう。
……あの人なら、こんな異常な状況でどうするんだろう?
……きっと、絶対に諦めないだろうな。
勝手な幻想で、決め付けかもしれないけど――私はそう信じている。
■
ティアナ・ランスターが目を覚ましたのは、明智健悟が駅を出ておおよそ一時間ほど立ってからだった。
加えて言うなら、ジェット・ブラックとチェスワフ・メイエルが駅を通り過ぎてからもおおよそ一時間でもある。
『おはようございます、マスター』
「……クロスミラージュ?」
ティアナは首筋を押さえながら、ソファから身を起こす。
荒立っていた気持ちは、強制的に眠らされたおかげで落ち着きを取り戻していた。
周囲を見渡すと、どうやら場所は駅の詰所のようだ。どういう理由か、自分を捕らえたはずの明智という男は見当たらない。
――ダメ、ぜんぜん状況が分からない。
机の上にある、双銃に目を向ける。分からなければ聞けばいい、簡単なことだ。
『マスターは錯乱しているところを明智健悟警視に無力化されました。一時間ほど前のことです』
「……ああ、そう」
主の失態を何のフォローも無しに報告する相棒に、ティアナはちょっぴり傷ついた。
続けて話を聞くと、どうやらクロスミラージュは支給品として明智という男に支給されたらしい。
当初はおもちゃのふりをして様子を探り、男が安全だと判断しコンタクトを取った。
そして錯乱していたティアと出会い、無力化した。
『その後マスターを説得することを約束し、彼とは別行動を取ることになりました』
「……そう」
ティアナは考え込む。明智という男の、真意についてだ。
見当はつく。おそらく先ほどのジェットという男と同様に、ティアナを懐柔するつもりなのだろう。
キャロの事を思い出し、苦い思いが蘇る。
――同じような手に、二度も引っかかるもんですか!
「……殺し合いを優位に進めるために、手ごまが必要ってとこかしら」
『……マスター?』
「敵を見かけたら襲い掛かる狂犬だと思っているなら、それが妥当かな」
『マスター!』
あまりにも物騒な主の言葉に、クロスミラージュは焦った。
目覚めてからの様子で落ち着きは取り戻したものと思ったが、どうやら精神の変調は続いているようだった。
必死になって、続ける。
『Mr.明智がマスターを拘束しなかったのは、私を信じた故の行動です!』
「違うわよ、クロスミラージュ」
ティアナは、どこか底冷えする声で否定した。
その瞳には、暗い憎悪が浮かんでいる。
「機動六課の人間以外は、全員この殺し合いに乗っているのよ」
さも当然のように、彼女は言った。
クロスミラージュは一瞬、目の前にいる人物が分からなくなった。
――これが本当に、自分の主なのか?
――いったい彼女に、何が起きたのか?
その答えは、まるで計ったかのように本人の口から告げられた。
「私の目の前で、キャロが殺されたわ。わざわざ私が殺したみたいに見せかけてね。
その後は親切面して接触してきて、危うく懐柔されかけたの」
クロスミラージュに、その話を確認するすべはない。だからといって、鵜呑みにするつもりもないが。
彼は悩む。どうすれば、主の正気を取り戻せるのか。
『マスター、少なくともMr.明智はこの殺し合いに乗ってはいません。私が保証します』
「……そう?」
『また、彼と同様に殺し合いに乗っていない参加者は他にもいるはずです。
まずはそういった仲間を集めることを優先すべきでは』
「……ああ、そっかなのほど。そういうことね」
ティアナは、納得したかのように頷く。
すんなりと説得が成功したようで、クロスミラージュはホッとする。
しかし機械であり本能というものから無縁のものである彼は、それでも何か嫌なものを感じていた。
そして、世の中には嫌な予感ほど当たるという法則がある。
「アンタ、偽者でしょ」
案の定だった。しかも予想しなかった言葉である。
ティアナの視線は本気のもので、冷ややかなものだ。
冗談であって欲しいという彼の願いは、どうやら聞き届けられそうにはない。
「そもそも、目が覚めたら自分のデバイスが転がってたって状況から疑うべきだったのだのよ。
これも、懐柔の手段の一つでしょう?そうよね?うんそうなのよ。それなら、納得がいくもの」
自分自身を無理やり納得させるように、ティアナは一人で呟く。
その間にクロスミラージュは自身の全機能をフルに稼動させ、次の手を捜す。
必ず、説得しなければならない。
クロスミラージュは、彼女のパートナーだ。故に、ここで終わるつもりはない。
自身のことも、彼女のことも、こんな所で終わらせるわけにはいかないのだ。
『高町なのはが今の貴女を見れば、どう思うでしょうか』
まずは軽いジャブから牽制して……と考えて、実は苦し紛れに放った言葉はクロスミラージュの予想外の効果を挙げた。
良い意味にも、悪い意味にもだ。
ティアナは雷に打たれたように硬直し、目を見開く。
「ああ、そうだなのはさんだ。なのはさんがいれば『どうにかなる』」
どうしてこんな簡単なことに気がつかなかったのか。そう彼女の顔は語っていた。
その時のクロスミラージュの複雑な思考回路を簡単にすると、次の通りである。
――あ、やべ、地雷踏んだ。
事実、やばいものを踏んだ。
ティアナは、魔法を行使する。
使用する魔法の種別は、変身魔法。魔力の光に包まれ、ティアナの姿が変わる。
その燈色の髪は、栗色に。
その体は、成人の大人のものに。
その声は、あの人のものに。
「『私』なら、きっと大丈夫」
ティアナ――『高町なのは』の姿を被ったティアナは、優しげに微笑んだ。
クロスミラージュは、彼女の行動を考察する。
元々、彼女の本質は不器用なものだ。劣等感や焦燥感をうまく処理できず溜め込み、爆発させてしまうこともあった。
そんな彼女が、錯乱して無差別に襲い掛かるほどのストレスを受けたのだ。心は無意識に、逃げ場を求めるだろう。
そして逃げ場の一つとして、『高町なのは』の存在を見つけたのではないか?
――もちろん、そんな誤魔化しがいつまでも続くわけがない!
人に名を聞かれたら、きっと彼女は名簿に載っていない『高町なのは』と名乗るだろう。
そのことを突かれたら、彼女はどう反応するのだ?
それに機動六課のメンバーと無事再会できたとしても、平穏無事に終わるのか?
不安の種は、無尽蔵に湧き出てくる。
デスクの上で激しく明滅するクロスミラージュに、ティアナはいつの間にか近づいていた。
震える手でクロスミラージュに触れ、待機モードである金属製のカードに戻す。
銃器にトラウマがあるとは知らない彼は、それを破壊のための前準備と捉えた。
短い人生?だったかと絶望しかけるクロミラージュに――優しい言葉がかけられた。
「お願い、クロスミラージュ。手伝って」
先ほどとは打って変わって、真摯な声だった。
そろそろ、クロスミラージュのAIは爆破しそうである。
『……何を、手伝えばいいのですか?』
「この殺し合いを、止めるの」
姿を変えたことで、その思考すら変えたのだろう。
戦闘力を持たない民間人は優先的に保護。殺し合いに乗っている者は、無力化して拘束。
急激な方針の転換だが、機動六課としては正しい選択だ。
しかし、クロスミラージュの目的は成されていない。
彼の目的は、主を正気に戻すことだ。『高町なのは』のように振舞う彼女は、とても正気とは思えない。
だが彼の言葉では、彼女の心には届かない。
「11時くらいに明知さんが戻ってくるんだよね。それじゃあ私たちは周りを回って、他の参加者がいないか探してみようか」
『分かりました、Mr.明智が戻ってくるまで後2時間ほどあります。時間的余裕は十分にあります』
主を助けるには、スバル・ナカジマが必要だ。
自分よりももっと深く確かな絆がある彼女の言葉と拳なら、主は正気に戻るかもしれない。
クロスミラージュはそう結論し、広域探査を行う。
駅を通り過ぎ、螺旋博物館へ向かっただろう二人の人物については報告しない。
できるだけ、他の参加者との接触を避けるためだ。わざわざ導火線に火をつける理由は無い。
――スバル・ナカジマが近くにいればいいのだが。
都合のいいこととは承知しつつも、彼はそう願わずにはいられなかった。
――Mr.明智と六課のみなさん、ごめんなさい。とりあえず私は頑張りましたので。
【D-4・D-4駅駅員詰所/一日目・午前】
【ティアナ・ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:精神崩壊、『高町なのは』の外見、(血塗れ)
[装備]:クロスミラージュ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ4/4) x2
[道具]:なし
[思考]
基本思考:『高町なのは』のように行動する
1:殺し合いを止める
2:周囲を探索し他の参加者を探す。
3:11:00までにはD-4駅に戻る
[備考]
※キャロ殺害の真犯人はジェット、帽子の少年(チェス)はグル、と思い込んでいます。
これはキャロのバラバラ遺体を見たショックにより齎された突発的な発想であり、この結果に結びつけることで、辛うじて自己を保っています。
この事実が否定されたとき、さらなる精神崩壊を引き起こす恐れがあります。
※銃器に対するトラウマはまだ若干残っていますが、相手に対する殺意が強ければなんとか握れるものと思われます。
※冷静さを多少欠けていますが、戦闘を行うことは十分可能なようです。
※血塗れですが、変身魔法により隠されています。
※『高町なのは』に変身することでまともな思考に戻っています。
しかし矛盾を指摘されたり、ジェットや帽子の少年と出会ったらどうなるか分かりません。
[全体備考]
※D-4駅には戦闘の痕跡が残っており、明智の上着が放置されています。
企画の話も進んでないから少しは話し合うか
「おいおいなんだよ、逃げんのかあ? 鬼ごっこかあ!?
いいねえ、いいねえ、まさに命懸けのゲームってカンジになってきたじゃねえかよオイ?
ええ? どうする、どうするの、どうしちゃうのねえ!!?」
背後から、下卑た男の笑い声が聞えてくる。
この煩い追っ手を撒くのも、僕にとっては極めて容易い事なのだが、
僕は決して逃げているワケでは無い。あくまで後退しているだけだ。
人間は、我々ラムダに比べれば非力で劣った存在だ。
だが、時として侮れない動きを見せることがある。
事実、自分はこれまでに、そういった場面に何度も出くわしている。
昨晩、苦汁を舐めさせられた時のように。
これがもしテッカマン・ランスであったならば、敵に背を向けることなど決して無かっただろう。
『虫ケラに臆する必要など無い!』等と言いうかもしれない。
馬鹿げたプライドだ。
だが、僕の目的は唯一つ。
人限共や己のプライドなどどうでも良い。
ただ一人、兄さんをこの手で殺すことが出来たなら、それでいいのだ。
そのために、最も効率の良い行動を取る。ただ、それだけだ。
さあ、気高き獅子として、間抜けな兎を狩ってやろう。
さて、そろそろ良い頃合だ。
「あれあれ? もう追いかけっこは終わり?
いいの? こんな狭い路地じゃあ逃げ場ねえぞ? おいおい、撃っちゃうよ、蜂の巣だよオイ!?」
男が、ノコノコと僕の目の前に姿を現す。
迂闊な人間だ。自ら墓穴に飛び込もうとは。
「つーかさあ、こんな狭いトコに逃げ込んじゃってどうすんの? 逃げ場ないじゃん!
何、お前って馬鹿なの? 後先考えずに走り出しちゃう馬鹿なの!?」
「それは、お前自身のことだろう……?」
言うが早いか、地面を蹴る。
そして、次の地面を蹴る!
そしてまた、次の地面を……!!
「お、おお!? 何だコリャ? ゴムマリかテメェは!?」
“3次元的”な動きに対応できない男の戸惑いが手に取るように分かる。
そう、確かにこの、四方を壁に囲まれた狭い路地において、平面状の“2次元的”な動きでは回避できる範囲が著しく制限される。
だが、僕にとっては、この壁は地面も同然。
すなわち、跳躍と共に壁を蹴り、また壁を蹴るという、ジグザグの回避運動が可能になるのだ。
人間如きが、この縦横無尽の動きについてこられる訳が無い。
案の定、男は僕を目で追うので精一杯、とても銃を撃っているだけの余裕も無いようだ。
無理も無い。そもそもあの銃、確かに威力は高いが、その大きさから見るに、長距離射撃に特化した狙撃銃なのだろう。
とてもこのような至近距離での乱戦に対応できるとは思えない。
さあ、もう終わりにしてやろう。
こんなところで、こんな奴に、無駄に時間を浪費してやる義理も道理も無い。
「死ねッ!」
跳躍の軌道を男の体へと向ける。
このまま、串刺しに――――
「お前さ、完全調子に乗ってるよな。『僕は超人! だから死んだりする筈無い!』ってよォ!?」
瞬間、男と眼が合った。
ドォン!!
男の銃が火を噴く。
だが、照準は明後日の方向だ。僕に当たる筈は無い。
そして、その制御するに余りある威力の代償、強力な反動が男の体を――
しまった!
「簡単なことだよなあ? どんだけピョンピョン跳ね回ろうが、
結局お前は俺様のトコに突っ込んで来るんだよ!
『一撃必殺!』とかカッコ付けたがる勘違い野郎はなぁ!?」
発砲の衝撃によって、男の体が、僕の射線上から外れる。
既に最後の壁を蹴った今、空中での方向転換は不能。
紙一重で、男に攻撃を回避されてしまう。
だが、問題はそれだけでは無い……!
「で、避けさえすりゃあ、次にてめぇを狙うのも簡単だよなあ!?
何せ、さっきまで俺が居たところにテメェが突っ込んで来るんだもんなあ!?!?
この近距離、その崩れた体勢……コレでもまだ避けられるッてんなら……避けてみやがれ!!」
「ちぃッ、人間の分際でッ!!」
なんと言うことだ! またしても、人間如きに一杯食わされた状況に陥っている!
だが、この“瞬間”はまだ終わらない!
奴にはまだ、重大なライムラグ――銃の再装填という時間――が残っている。
残されたこの“瞬間”、無駄にはしないッ!!
奴が2度目の引き金を引くより前に、その首、落としてやろう!
「オラァッ、死んじまいなぁぁぁあああッ!!」
男が、引き金を引く。
「死ぬのは貴様だぁああッ!!」
剣が空を切る。
そして、結末が訪れる。
ドゴォォオオン!!
響き渡る轟音。
それは果たして、ライフルの着弾音か?
それとも、剣の生み出す衝撃か?
――否!
「そこまでだッ! この勝負、東方不敗、マスターアジアが預かったッ!!!」
それは、第三の闖入者が巻き起こした爆音だった。
「……誰って?」
その白スーツの男の一言で、僕はやっと我に帰ることが出来た。
そして、状況をなんとか理解しようと勤める。
突然現れた、この老人。
恐るべき速度で2人の間に突入したというだけでも驚嘆すべきだが、それだけではない。
その一瞬の間に、僕の腕を抑え、男の銃を足で踏み据えたのだ。
崩れた体勢からの一撃とは言え、僕の攻撃を止めるとは、この老人……一体!?
「つ、つーか、人の喧嘩の邪魔するたぁ何様のつもりだこのジジィ!?
人が折角気持ちよくやってたのに、このオトシマエどうつけるつもりだァ!?
あー決めた、もう決めた! てめえから先にぶっ殺してやるぜ、覚悟しなぁああああああ
あああああああああああんじゃこりゃあああああああああああ―――――!?!?!?」
「今はおぬしには席を外して貰おう。今はこの小僧の方に用がある」
言い終わらない啖呵を引きずりつつ、そのまま白スーツの男は空の彼方へと飛んで行ってしまった。
アレも支給品の一つなのだろうか。老人のデイバックから飛び出した、小型の飛行機のような何かと共に。
それはそうと――
「ちぃッ、いつまで腕を掴んで――」
ペースを握られたままの現状に苛立ち、掴まれた腕を力任せに振りほどこうとしたが――断念する。
出来ない。力もさることながら、この老人、全く隙が無い。
悪手を打てば、そのまま一気に斃される。そんな凄みを、この老人は持っている。
「ほう、相手の力量を測るぐらいのことは出来るようだな」
じろりとこちらを睨む、その眼力。
矢張りこの老人、只者では無い……!
「貴様、何者だ……?」
「人に名を聞くのなら、先ずは自分から名乗ったらどうだ?」
張り詰めた空気が、ピリピリと肌を刺す。
一触即発の緊迫感が、空気を刺激物へと変質させてゆく。
「僕は、エビル。誇り高きラダムのテッカマン・エビルだ。 改めて聞こう。貴様の名は?」
「我が名は、東方不敗、マスターアジア。覚えておくが良い!」
バチバチと、目の前で火花が散る。
そんな錯覚が、身を焦がす。
「……そのマスターが何の用だい? わざわざ僕に殺されに来るとは、殊勝な心がけじゃないか」
殺意と敵対心を向き出しの僕に対して、しかしこの老人は一歩も怯まない。
「童が、抜かしおる。だが、一々貴様の戯言に付き合う暇も無い。
一つだけ答えろ。貴様、あの螺旋王とやらについて、何か知るところは有るか?」
……この期に及んで、情報を求めるとは老獪な。
「あんな奴のことなんて知らないね。冥土の土産をあげられなくて残念だけど」
緊張が高まってゆく。
その最後の一線が破られる瞬間が近づく。
だが――
「そうか。ならば、もう貴様には用は無い。『今は』、な」
「何……?」
この男、ここに来て……どういうことだ!?
「まさか、このまま逃げるつもりなのかい、ご老体?」
「ふむ。ここで貴様と遊んでやるのも一興。
だが、生憎と儂には、貴様の相手をしてやる、義理も道理も無いのでな」
飄々と答えるこの老人。
しかし、僕はこの老人の真意を測りかねていた。
「まさか、そんな下らない事を聞くためだけに、この場に飛び込んで来たのかい?」
「フン、何を馬鹿な。儂はただ、貴様らの様な『騒乱の種』をここで散らすのは惜しい、そう考えただけのこと。
貴様らが暴れてくれる方が、人数が減って有り難いと言うものよ」
「へえ、大した自信だ。だが、過ぎた自信は身を滅ぼすよ?
このまま、僕がおめおめと貴様を逃がすとでも思っているのかい!?」
そのまま、開戦の火蓋を気って落とそうと構えた僕を、
まるであざ笑うかの様に、その男はニヤリと笑った。
「まだまだ青いな。精進が足りん」
「――!!」
先制の一撃を、食らわせるつもりだった。
だが、そこにはもう、男の体は無かった。
地面を蹴った老人の体が、吸い込まれるように上空へと上ってゆく。
老人が、飛んでゆく!
「飛行能力だと!? 人間がどうやって――」
その時、老人の手元で、何かが光る。
あれは――糸!?
そう、あの糸だ。見覚えがある!
忘れもしない、あれは昨晩、あの少年が使っていた――
「フン! 小癪な小道具ではあるが、中々どうして使い勝手が良いものよ!」
これは……またしても一杯食わされたのだ!
先ほど、白スーツの男を連れ去った、妙な飛行機。
あの老人はその飛行機に、あの極細の鋼線を結んでいたのだ。
そして、自分はそれにつかまり、悠々と逃げおおせる。
……その主管、あまりにも鮮やか。
みるみると、老人の姿が小さくなってゆく。
「待てッ! 行く前に答えろッ!!
貴様、相羽タカヤという男を――テッククリスタルという結晶の事を、知らないか!?」
それが、僕に残された、せめてもの代償行為だった。
だが、その結果は臨むべくも無く。
「知らぬ! だが、覚えておいてやろう! 貴様と再びまみえる、その時までな!
それまで、精々暴れるが良い! 滾る本能の赴くままに!!
では、さらばだ!!」
そして、老人の姿は、完全に視野の外へと消えていった。
「……」
その場には、僕一人だけが残された。
「フ……」
傷も無い。奪われたものも無い。
「フフ、ククク、ハハハハハ」
手強い敵を相手にしながらも、損失という損失も全く無い。
「ハハハハハ、アーッハッハッハッハ!!」
だが。
「クソッ!!」
ドゴォッ!
僕の拳を受けたビルの壁に、円形の傷跡が刻まれる。
だが、その程度では発散しきれないモヤモヤが胸の中に立ち込めていた。
不快だ。極めて不快だ。イライラする。
「ああ……早く、早く会いたいよ、兄さん……」
一人、荒野に立つ。
我が心の平穏は遠く。
【B-7北西部/路地/一日目/朝】
【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:健康。苛立ち。
[装備]:カリバーン@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、ファウードの回復液(残り700ml)@金色のガッシュベル!!
[思考]
1:適当な参加者を殺し、首輪を手に入れる。
2:制限の解除。入手した首輪をロイドに解析させ、とりあえず首輪を外してみる。
3:テッククリスタルの入手。
4:Dボゥイの捜索、及び殺害。
【???/1日目/朝
【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康。
[装備]:フラップター@天空の城ラピュタ、 超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾20/25)
[道具]:支給品一式(ランダム支給品0〜1を含む)、ファイティングナイフ
[思考]
基本方針:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)
1:地面に降りる。
2:清麿の邪魔者=ゲームに乗った参加者を重点的に殺す。
3:基本方針に当てはまらない人間も状況によって殺す。
※フラップターに乗って飛行中。
【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:中程度疲労。全身、特に腹にダメージ。螺旋力増大?
[装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム、レガートの金属糸@トライガン
[道具]:支給品一式、ソルテッカマン一号機@宇宙の騎士テッカマンブレード
[思考]:
基本方針:ゲームに乗り、優勝する
1:一時休息を取る。
2:情報と考察を聞き出したうえで殺す。
3:ロージェノムと接触し、その力を見極める。
4:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける。
5:できればドモンを殺したくない。
※フラップターに結ばれたレガードの金属糸で飛行中
・参加者リスト・(作中での基本支給品の『名簿』には作品別でなく50音順に記載されています)
5/7【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/●エリオ・モンディアル/●キャロ・ル・ルシエ/○八神はやて/○シャマル/○クアットロ
5/6【BACCANO バッカーノ!】
○アイザック・ディアン/○ミリア・ハーヴァント/●ジャグジー・スプロット/○ラッド・ルッソ/○チェスワフ・メイエル/○クレア・スタンフィールド
5/6【Fate/stay night】
○衛宮士郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○ランサー/●間桐慎二/○ギルガメッシュ/○言峰綺礼
4/6【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○ルルーシュ・ランペルージ/●枢木スザク/○カレン・シュタットフェルト/●ジェレミア・ゴットバルト/○ロイド・アスプルンド/○マオ
5/6【鋼の錬金術師】
●エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○リザ・ホークアイ/○スカー(傷の男)/○マース・ヒューズ
3/5【天元突破グレンラガン】
●シモン/○カミナ/●ヨーコ/○ニア/○ヴィラル
4/4【カウボーイビバップ】
○スパイク・スピーゲル/○ジェット・ブラック/○エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世/○ヴィシャス
3/4【らき☆すた】
○泉こなた/○柊かがみ/●柊つかさ/○小早川ゆたか
3/4【機動武闘伝Gガンダム】
○ドモン・カッシュ/○東方不敗/●シュバルツ・ブルーダー/○アレンビー・ビアズリー
4/4【金田一少年の事件簿】
○金田一一/○剣持勇/○明智健悟/○高遠遙一
4/4【金色のガッシュベル!!】
○ガッシュ・ベル/○高嶺清麿/○パルコ・フォルゴレ/○ビクトリーム
3/4【天空の城ラピュタ】
○パズー/○リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ/●ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ/○ドーラ
4/4【舞-HiME】
○鴇羽舞衣/○玖我なつき/○藤乃静留/○結城奈緒
2/3【R.O.D(シリーズ)】
●アニタ・キング/○読子・リードマン/○菫川ねねね
2/3【サイボーグクロちゃん】
●クロ/○ミー/○マタタビ
3/3【さよなら絶望先生】
○糸色望/○風浦可符香/○木津千里
2/3【ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
○神行太保・戴宗/○衝撃のアルベルト/●素晴らしきヒィッツカラルド
2/2【トライガン】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド
2/2【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○Dボゥイ/○相羽シンヤ
2/2【王ドロボウJING】
○ジン/○キール
【残り69名】
参加キャラの限定をしちゃうと、参加できないのは永遠に参加できないと思うんだ
それはいえるかも
『地響きがする――と思って戴きたい』
店を出て少し歩いた時点で、スパイクは読子がデイパックを置き忘れたことに気付いていた。
『地響きといっても地殻変動の類のそれではない』
指摘してやろうとしたが読子は再び読書に夢中になっており、スパイクの声を届かせるには結構な手間がかかると予想された。
まぁいいか、スパイクはそう思った。
『一定の間隔をおいてずん、ずん、と肚に響く。所謂これは跫なのである』
どうせ中には大したものは入っていなかった。
高価そうなペンダントはスパイクの手で、本人は気付いていないが、読子の首へと移されている。
『たかが跫で地響きとは大袈裟なことを――と、お考えの向きもあるやもしれぬが、これは決して誇張した表現ではない』
それに、先程のはやてという女はしっかり者のようだった。
後で追い付くと言っていたし、ついでに持ってきてくれるかもしれない。
『振動は、例えば戸棚の中の瀬戸物をかたかたと揺らし、建付けの悪い襖をぎしぎしと軋ませ、障子紙をびんびんと震わす程の勢いであった』
読子の本を読むスピードは大したもので、かなりの分厚さであるそれを歩きながらであるにも関わらず、ついさっき読み終えていた。
『子の刻である。折からの雪が、しんしんと江戸の町に降り積もっている』
読み終えてしばらくは頬に手をあてぽ〜っと陶酔の表情を浮かべていたのだが、それが済んだと思ったら再び1ページ目に戻り、再読を始めた。
『つまり冬場の深夜である。だから殆どの者は眠っていた』
スパイクにしてみれば、下らないことでぎゃあぎゃあ騒がれるよりは、おとなしくしてくれている方がありがたい。
『当然音はなく、その所為か余計にそれは遠くまで響いた。』
だが、隣でえんえん本の内容を読み上げられるのは、うっとおしくて仕方がなかった。
「やかましい」
「耳を澄ますと、その重低音……ああっ!本、私の本っ!」
スパイクが本を取り上げる。
すると読子は幼児のような慌てぶりで、本を取り返そうと飛び付いてきた。
頭上に掲げると、本しか見えないといった様子でぴょんぴょんジャンプを繰り返し手を伸ばしてくる。
スパイクは押しつけられる体をうっとおしそうにはねのけながら言った。
「うるせぇつってんだ。読むんなら声に出さずに読め。ぶつぶつ呟かれると気持ち悪いんだよ」
「あ、ごめんなさい。私、そんなことしてました?」
照れくさそうに笑いながら、眼鏡を押さえる。
「素敵な文章だと思って、つい」
「だからって2回も3回も読むのかよ」
そもそも本を読まないスパイクには理解できない感覚だ。気持ち悪いものでも見るかのように本の表紙をにらむ。
「面白い本は何度読んでも面白いですよ。
一度読んだ本はそうでない本より少し面白がるのに手間がかかるだけだって、その本の作者さんも書いてます。
ほんとにその通りだと思います」
「そんなもんかねぇ」
「ちなみにその本は47人のお相撲さんが偉い人のお屋敷を襲撃するとっても斬新なお話なんですよ」
「どんな話だよっ!?」
スパイクは思わず本を地面に叩きつけ、土に汚れる直前で読子によってジャンピングキャッチされた。
「本〜〜。駄目ですよ、乱暴しちゃあ」
読子は倒れこんだ姿勢のままスパイクを叱った。
鼻がすりむけていることなど構いもしない。
スパイクは相変わらずの本への執着ぶりに引きつつも、ちょうど読子の意識が読書から外れたので、デイパックについて伝えることにした。
「そりゃ悪かった。ところでリードマン」
「はい?」
本をしっか、と抱き締めながら立ち上がり、ずれた眼鏡を直す。
「お前荷物忘れてきただろ」
「え?あ〜、本当ですねぇ。さっきのお店に置いてきちゃいました」
自分の体をあちこち見下ろしながら言う。
「どうする、戻るのは面倒だぞ」
そこそこの距離を歩いてきた。はやては未だ追い付く気配もない。
「ん〜、別にいいです。もともと私のじゃありませんし、本はちゃんと持ってきてますから」
「その本ももともとお前のじゃないんだが。まぁ、それならとっとと先を急ぐか」
「ご飯はスパイクさんのを分けて貰えばいいですし」
「戻るぞ」
スパイクは全力で道を引き返し始めた。
来た道を戻る途中で放送が流れた。
「何か鳴ってますよ」
「町内放送か何かだろ」
「死亡者とか禁止エリアとか言ってますけど」
「見た目より物騒な街なんだな」
「なるほど。確かに、人の気配のしない街ですねぇ」
「オンセンってのは寂れた街にあるもんだって聞いたぜ」
「なるほど。ところで八神さん、追い掛けてきませんねぇ」
「死体でも隠してんじゃねぇのか」
「なるほど。って、そんな訳ないじゃないですか」
そんなことを話しているうちに、いつの間にか放送は終わっていた。
「……まさか本当に死体を隠してたとはな」
「凄いですスパイクさん。どうして分かったんですか?」
スパイクと読子が昼食をとったラーメン屋の、そのすぐ近くの路地裏で二人は身を潜めていた。
二人の視線の先には、ついさっき別れた八神はやての姿がある。
だが、そこにいたのは先程までの理知的な印象を与えるきっちりしたスーツ姿の女ではなかった。
まず下着姿である。血で真っ赤に染まっているのもお構いなしで土を掘り返している。
そして、はやての脇には死んでから間もないと思われる死体が置かれている。
現在のはやては、下着姿で黙々と穴を掘るという、凄惨な光景を繰り広げていた。
真剣な表情からは、昼食を振る舞ってくれたときの溌剌とした様子は完全に消え去っている。
「何で服を着てないんでしょう?」
「血が付くのが嫌だったんだろう。余裕だな」
「あ、見てください。骨、骨が出てきましたよ!」
スパイクは気付かれないように慎重に顔を出した。
確かに掘り返した穴から骨らしき物体がでてきたようだ。
「前に殺した奴の分って訳か。よく見りゃ土を掘るスピードも早すぎる。
どうやら、殺した奴は毎度あそこに埋めてるらしいな」
「ええ?じゃあ八神さんはずっとこの辺りに住んでるんですか?」
「というよりあの店に、だろうな。
俺だって一歩間違えれば今頃あそこに埋まっていただろうさ」
出会い頭に発砲されたことを思い出しながら、納得したようにスパイクは言った。
「でもでも、スパイクさんを撃ったのは勘違いって言ってましたよ」
「最初奴は俺達が二人だとは知らなかった。
2階から降りてきたお前に2対1じゃ適わないとみて、咄嗟にそう嘘をついたんだろ」
「そんな風には見えませんでしたけど……」
「目の前の現実から目をそらすな。
考えても見ろ、奴は俺たちに本当なら窃盗と不法侵入で突き出すところと言った。
そんなことを言うのは警察か、その家の持ち主だけだ」
「あ……」
真実に気付き悲しげに読子は目を伏せた。私達騙されてたんですね、と呟く様が痛々しい。
「とってもいい人そうだったのに……。どうして殺人なんて」
「そうでもしないと、この街では生きていけないのさ」
「え?」
怪訝そうにスパイクを見る。
スパイクははやての行動を冷徹な眼差しで観察しながら言った。
「さっきお前が自分で言っただろ、リードマン。
この街は人の気配がしなさ過ぎる。確かにそうだ。
これだけ歩いて出会ったのはあのはやて、これも今となっちゃ偽名かもしれねぇが、あの女ただ一人だ」
神妙な顔でうなずく読子を横目で見ながら、スパイクは続ける。
「恐らく、この街はなりは綺麗だが実情はかなり悲惨で、ほとんどスラムみたいなもんなんだろう。
だから、ああやって何も知らない連中から金品を奪いでもしないと生活が成り立たないのさ。
それならさっきの物騒な内容の放送だって合点がいく」
「そんな……。……私、あの人と話してきます!」
「行ってどうする!」
飛び出しかけた読子を、スパイクの鋭い声が制した。
固まった読子の背中に向けて言う。
「行ったってどうにもならねぇよ。俺達にできることなんざ、何もありゃしねぇんだ」
重々しい口調で話しながらスパイクは、何となく煙草が欲しいと思った。
視線を空へと向ける。薄汚い路地の壁の上に、恨めしいほど青い空が広がっていた。
「……わかり、ました」
押し殺したように呟かれた読子の言葉は、かすかに震えていた。
ゆっくりとした足取りで路地裏に戻る。
その背中には自らの力の無さに対する絶望が重くのしかかっていた。
「……デイパックは、置いていきます」
かすれた声で紡ぎだされた言葉に、スパイクはそうか、とだけ答えた。
重苦しい沈黙が路地裏に満ちた。
スパイクは再び視線を薄幸の女に移す。死体はほぼ埋め終えたようだ。
誰かは知らないが死んだ者はこの場でのルールをわきまえていなかった己の無知を、あの世で呪うしかないだろう。
すぐに、あの女は家の中に戻るだろう。
そして、自分達が立ち去れば、この場のことは全てお仕舞いとなる。
読子を見る。あれだけ執着していた本を脇に置き、膝を抱えていた。
丸められた背中は、小刻みに震えている。
スパイクは大きく息を吐いた。
本ばかり読んでいても暮らしに困らなかったのだろうこの女にいきなり突き付けるには、辛過ぎる現実だったか。
だが、いつまでもこの場に留まる訳にもいかない。
自分達にできることはせいぜい温泉に入り、この街に僅かばかりの金を落としていくことだけである。
その内の何割がこの街のために使われるかは分からないが。
スパイクは、努めておどけた口調で言った。
「にしても、あの女あんだけ汚れたら下着だって透けかねねぇぞ。
分かってんのか?」
「…え?み、見ちゃだめです!」
スパイクが考えた程沈んではいなかったのか、読子は想像以上の大声をあげてスパイクに掴み掛かってきた。
「声がでけぇよ!聞こえるだろうが!」
「スパイクさんだってぇ!と、とにかく見ちゃだめですぅ!」
腕を掴み路地に引きずり込もうとする読子にスパイクは抵抗する。
「馬鹿野郎、あんなガキの裸見ていちいち喜ぶか!
そんだけ元気があるならとっととここから……」
『くぁwせdrftgyふじこlp;@!!!!!!!』
スパイクの言葉を遮るように、二人の間に奇声が飛び込んできた。
声のした方に顔を向けると、女の姿は既に無く、奇声は店の中から女があげたもののようだ。
続いて大慌てで作業するような騒がしい音が、スパイク達のところにまで響いてきた。
スパイクはゆっくりと顔を、腕を掴んだままの、読子へと戻した。
「……見ろ。見つかっちまったじゃねぇか」
「……多分、スパイクさんが悪いんだと思います」
そのままの姿勢で二人ともしばし固まる。
やがて家の中から立てられる音が止んだ。
スパイクと読子が次の行動をとりあぐねて息を殺していると、
結構な時間をおいてラーメン屋の窓のが開き、スピーカーだけがにゅうと姿を現した。
「本人は姿を見せないな」
「そりゃ、あんな姿見られたら恥ずかしくて表になんて出れませんよ」
スパイクは、こいつにも人並みにそういう感覚はあるのかと思ったが、口には出さないでおいた。
スピーカーがガガ、と耳障りな音を立て声を発する。
『あーあー、あーあー……ちゃんと電源入っとるんかなぁ、コレ?
……ええかな?
えーと、いきなりこんな声が聞こえて来て、ビックリしている人もいると思います。
私は――ううん、私だけやない、同じような考えを持っとる人の言葉、全部を代弁して言わせて貰います』
下着女の言い訳が始まった。
『――皆、迷っとるやろ?
おっかない、他人が信用出来ない、死にたくない……何もしないでいても、そんな気持ちばかり湧いて来る。
いっそ、殺し合いに乗ってしまおうか。そうすれば楽になれるんじゃないか。
分かるで……私もほんの今の今までそーんな、グチャグチャした考えで頭の中が一杯やった』
「やっぱり、相当苦しい生活をされてきたんですね」
「……ああ」
『せやけど、ちゃうで。
これは夢なんかやない。全部、全部現実なんや。
今、銃や刃物を持って目の前の誰かを手に掛けようとしている人がいたとしたら、もう一度考えて見て下さい。
あなたの目の前に居るのはちゃんとした人間。
私達と同じように息をして、笑って涙も流すし、ご飯だって食べる、血の通った人間なんや!
人形なんかやない。本物の……人なんや』
「……なんだ?」
殺人は生活のためであるしこの街では当然のことのようであるから、死体には触れずに下着姿を見られたことへの言い訳に終始するのだろう。
そう思っていたスパイクは予想とは違う話の内容に違和感を覚えた。
たった今慣れた手つきで死体を隠蔽した者の言葉とは思えない。
「……きっと私達に見つかったことがきっかけになって、改心しようって思ったんですよ」
「確かに声を掛けてくるまで妙に長い間があったが……。んなことあるか?」
『そして……な。今、一人で脅えてる子がいたら聞いて欲しいんよ。
私が、そして同じような気持ちの人が絶対他にもおる! だから心配する必要なんてないんや!
必ず助けたる、そんで皆一緒にココから脱出して、ロージェノムを捕まえるんや!』
「ほら見てください!
ロージェノムっていう人がこの辺りの人達に苦しい生活を強いている人で、八神さんはそれに抵抗することを決めたんです」
「俺達がクーデターの引き金になったってのか?いくらなんでも無理があるぜ」
目を輝かせて熱弁を振るう読子にスパイクは胡散臭げに応じた。
何か変だ、という思いが胸の中で増大していくのを感じながら。
『それと……そや、制服! 茶色い布地で胸の部分に黄色のプレートが付いてる制服を着ている人間を探してください。
その人達は皆、私の仲間――五人……今は四人に減ってしもうたけど……四人とも、本当に信用出来る仲間です。
名前は……すいません。今は……言えません。
だけど、私はコレから北に向かうつもりです。
例の制服を見かけたら声を掛けて下さい。多分、後は声で分かって貰えると思います。
最後に……皆、絶対に諦めたりしたらあかんで!!』
「既に犠牲者が……。
きっと凄く長い時間をかけて準備してきたんです。
仲間の人が潜伏してるって言ってるじゃないですか。
スパイクさんは最後に背中をちょっと押しただけなんです。
いえ、スパイクさんがいなくても八神さんはきっと近いうちに行動を開始するつもりだったんですよ」
「相当都合よく解釈してないか……それ?」
読子の想像が広がるのに比例して、スパイクの中の不安は大きくなっていった。
自分達が足場だと思っていたところが実は泥船の上だと気付いたような、そんな感覚だ。
そこまで喋ったところでスピーカーは引っ込んだ。
そして、それほど間を置かず、八神はやてと名乗った女が飛び出してきた。
気分が高揚しているのは確かなようで、頬を紅潮させている。
はやては不思議そうに一度だけ頭を捻ると、強い決意を感じさせる足取りで足早にその場から立ち去っていった。
「あ!八神さん行っちゃいましたよ。私達いなくなったと思われちゃってます。
早く追い掛けましょう。私達にもできることがあると思います」
「ああ…そうだな。あ、いや、本当にそうなのか……?」
「スパイクさん!」
全力で腕を引っ張る読子に引きずられながら、スパイクは思った。
俺達、何かとんでもない勘違いしてねぇか?
【G-4ラーメン屋そばの路地裏 一日目・午前】
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(残弾8/8、予備マガジン×2)
[道具]:支給品一式
[思考]
0.何かおかしくねぇか?
1.とりあえずオンセンに行ってから帰る。
2.読子と一緒に行動してやる。
【読子・リードマン@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:○極○彦の小説、飛行石@天空の城ラピュタ
[道具]:なし
[思考]
1.はやてに協力したい。
2.スパイクと一緒に温泉に行ってから帰る。
※はやてがやろうとしていることを誤解しています。
※国会図書館で隠棲中の時期から参加。
※冒頭の読子の音読は京極夏彦著「どすこい(仮)」から引用しました。
で、ルールとかはどうするんだ?
こんな腐ったルールじゃどうしようもあるまい?
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
↑これ、最初の一文以外いらないんじゃないか?
この中にアンチスパイラルならぬアンチロワイアルが潜り込んでるな
ジャンプロワのみならずここも壊滅させようってのか
ここがどこだか分からない。
今まで何をしていたのかも理解できない。
耳鳴りが激しく、耳朶が痛む。
だが私は虚無と言うべき暗闇の中を、重たくなった体を引きずりながらも進む。
ほの暗い川の中を泳ぐように進む。
己の望みを果たすために。
スベテヲモヤス
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
194 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:13:24 ID:J99GgCxn
F-5の街中を北上する四人組の一行があった。
スバル・ナカジマ、アルフォンス・エルリック、泉こなた、マース・ヒューズの四人である。
近接戦闘を得意とするスバル、頑強な肉体を持つアル、戦闘のできないこなた、特殊な力など持たないが抜け目のない軍人であるヒューズ
という四人であったので、自然とこの並びで進むこととなった。
その四人の表情は険しく、放送前の明るさなど微塵も存在していなかった。
一行が暗い理由は至極簡単、死者の名を告げる放送で全員の知人達が呼ばれてしまったからだ。
軍属であり人の死にある程度慣れているマース・ヒューズに対する影響は少なかったが、
他の三人とっては放送で告げられた名に対する影響はヒューズと反比例するかのように大きかった。
こなたが『放送で呼ばれた名は必ずしも死者であるとは限らない』と告げなければ折れてしまうかもしれないと思えるほどに。
故に三人は仲間達の生存を希望と信じ、とりあえずは人の集まりそうな病院の方へと進むことにしたのだ。
希望に対する疑心は大きく重い足取りではあったが、四人は着実に一歩一歩進んでいた。
「あれ?」
そんな時だった。先頭を歩くスバルが何かを見つけ、立ち止まったのは。
スバルが立ち止まるのに一テンポ遅れ、他の三人も立ち止まる。
「どうしたスバル?」
突然動きを止めたスバルにヒューズが疑問の声をあげる。
「いえね、あっちの方に人影が見えたような気がするんです」
スバルは路地裏の一角に一指し指を向け、ヒューズの疑問に答える。
ヒューズを含め三人はスバルの視線の先を見つめるが、何か気になるようなものを見つけられなかった。
「誰もいないよ」
こなたは目頭に手を当てながらスバルに言う。
「うん、気になるようなものはないよね」
「ああ、そうだな」
後の男二人もこなたに同意した。
だがそう言われても、スバル自身が納得できなかった。彼女は目の良さに自信があるのだ
「ヒューズさん、ちょっと見てきたいと思います。」
スバルはヒューズにそう言った。一度気になった以上は調べないと気がすまない。
ヒューズははやるスバルを前にし、少し悩みつつ口を開く。
「そうだな、もし敵だったら事だ」
慎重に行って損は無いとヒューズは判断する。
196 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:14:24 ID:J99GgCxn
呼吸の読めない者同士の集団行動は奇襲攻撃のいい的でしかない。
ならば、その可能性を一つずつ消していくべきだ。
「アル、俺はスバルのバックに付くが、罠かもしれねえからこなたを守れよ」
とはいえ、ヒューズはスバルが何かに気付いたこと自体が罠である可能性も忘れない。
心構えがあるのとないのとでは差がある。
イシュバール戦に参加していないとはいえ、軍人であるヒューズはそれを心得ていた。
「はい、分かりました。」
アルは力強く返事をする。もう失う恐怖など味わってたまるものかとばかりに。
「いい返事だ。いくぞスバル」
「はい」
ヒューズはスバルを先に促し、その後に続く。
そして、スバルがヒューズを案内した場所は数十mほど離れた所にある建物と建物の間であった。
ヒューズは離れたところにいるアル達の方へと視線を移す。
こなたが軽く手を振っている様子が見えた。
「リボルバーナックル、セットアップ!」
突如スバルが叫んだ。ヒューズはスバルの方へと視線を向ける。
そこには茶色い制服から、白をメインにした軽装となったスバルがいた。
一瞬の出来事で何時の間に着替えたのかヒューズは察知できなかったが、
錬金術を見慣れていたためこれは魔法の力なのだろう、と納得しておく。
「いきますよ、ヒューズさん」
スバルが先行し、ヒューズが路地裏の中に続く。
路地裏の中は薄暗くはあったが大人二人ぐらいなら肩を並んで歩いても、ある程度の余裕はあるほどであった。
また、薄暗いといっても日が昇った現在では、不気味さを演出する程度の薄暗さだ。
この場で奇襲をするのにベストとはいえない。
だが二人は、奇襲をするのにベストとはいえないことを認識しつつも慎重に進む。
どこで何が起きるか分からないからだ。
路地裏の中を二人は数十歩進み、スバルが見かけたと思われる存在を発見した。
198 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:15:50 ID:J99GgCxn
199 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:16:34 ID:zx/n+gA2
マース・ヒューズの友人である、ぼろぼろとなったロイ・マスタングの姿であった。
「ロイ!?」
ヒューズは変わり果てた親友の姿を見て思わず叫び、思わずスバルを押しのけ彼に駆け寄った。
「おい! しっかりしろ、ロイ!!」
ヒューズはロイの体を抱き上げ、揺さぶる。
だが何の返事も返さない。ヒューズは慌てながら心臓に耳を当てた。
とくん、とくん、という心臓の鼓動をヒューズの耳は確かに聴いた。
さらに、ロイの口元に手を当て呼吸があることを確認し、生きていることを確信する。
「大丈夫なんですか。その人」
「ああ、怪我はしているが気を失っているらしい」
ロイの顔を覗きこむスバルにヒューズはそう返す。
ロイの体はぼろぼろではあったが、辺りに血の跡が見受けられずヒューズは命に関わる負傷はしていないと判断した。
「ほうほうの体で逃げ出した……後って感じか?」
「いったいこの人に何が……」
「決まっている。殺し合いに乗った連中に喧嘩を売って返り討ちにあったのさ」
スバルの疑問にヒューズは即答した。
マース・ヒューズの知るロイ・マスタングは殺し合いに乗るような人物ではなかった。
イシュバール戦で、救えずに自分の手で葬った命を錬成しようとするほどのオオバカ者であり。
争いをなくすために大総統の地位を狙うような愚か者であった。
きっと、なにかの諸悪の根源が大総統であったとしても一人で決着をつけようとするだろう。
エドワード・エルリックとの決闘の際も昔のことを思い出し詰めが甘くなってしまうほどだ。
そんな彼をヒューズは殺し合いに乗る人間とは思えなかった。
「そうなんですか」
スバルはヒューズを信頼するが故に、疑わずに彼の言葉を受け止める。
201 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:18:22 ID:J99GgCxn
「ちょっと見ててくれスバル。俺は二人を呼んでくる」
「はい、分かりました」
自分のようなおじさんよりも、スバルのような少女に看てもらった方がいいだろうと思い、
ヒューズはスバルにロイのことを任せ、アルとこなたを呼びに行くことにした。
路地裏から這い出し、視線を彷徨わす。物陰に隠れながらこちらの様子を二人の姿が見えた。
ヒューズが手招きすると、二人は物陰から身をだし彼の元へと駆け寄る。
「ロイの奴がいた」
「マスタング大佐が!?」
ヒューズはことのあらましを二人に伝える。
路地裏の中を探索しボロボロになりつつも生存しているロイ・マスタングを見つけたというだけではあったが、
伝えておいたほうが物事がスムーズにいくだろうという判断をヒューズは下していた。
「二人とも付いて来てくれ」
ヒューズはそう言うと路地裏の中へと入っていき、アルとこなたも後へと続く。
そして、三人は見る。地面に頭を付けないように、バリアジァケットを解除したスバルに膝枕をされるロイ・マスタングの姿を。
「……いいご身分なことで」
ポツリとヒューズは誰にも聞き取れない程度の音量で呟いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
四人は近くの民家へとロイを運びこみ、ソファーの上に寝かせ毛布を被せた。
運ぶまでに罠などはなく、落ちついたのでロイの治療をすることなった。
「治療魔法とかは使えないの、スバルちゃん?」
「ごめん、そういう魔法も道具もないんだ」
こなたの質問にスバルは語気を弱めながら答える。
スバル・ナカジマはフォワードで戦う陸戦魔導師であり、自己修復機能を有する戦闘機人である。
故に彼女自身は治療魔法を習得する必要性はなかった。
そして、残された支給品は魔鏡の欠片であった。これではロイ・マスタングの傷を癒すことはできない。
「なら病院だな。とりあえずは、この家で出来る限りの手当てをしてから向かうのがいいだろう」
そうヒューズが結論をだす。その時、屋外から風に乗った女性の声が聞えてきた。
『あーあー、あーあー……ちゃんと電源入っとるんかなぁ、コレ?
……ええかな?
えーと、いきなりこんな声が聞こえて来て、ビックリしている人もいると思います。
私は――ううん、私だけやない、同じような考えを持っとる人の言葉、全部を代弁して言わせて貰います』
その声の主はスバル・ナカジマの所属する機動六課課長八神はやてであった。
三人の前で、スバルがまるで彫像のように固まる。
八神はやての宣言が終わるまで、全員が沈黙した。
『それと……そや、制服! 茶色い布地で胸の部分に黄色のプレートが付いてる制服を着ている人間を探してください。
その人達は皆、私の仲間――五人……今は四人に減ってしもうたけど……四人とも、本当に信用出来る仲間です。
名前は……すいません。今は……言えません。
だけど、私はコレから北に向かうつもりです。
例の制服を見かけたら声を掛けて下さい。多分、後は声で分かって貰えると思います。
最後に……皆、絶対に諦めたりしたらあかんで!!』
それを最後にはやての声は聞えなくなった。
いつまで経っても聞えなかった。
205 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:20:17 ID:J99GgCxn
「ねえスバルちゃん」
こなたがスバルに声をかける。
スピーカーから流れる女性の声は、スバルの名を挙げたわけではない。
だが、発言の内容とスバルの表情からおのずと声の主とスバルの関係は把握できる。
「……気にしないでこなた。北に行くのならそのうち会えるよ」
八神はやての声が聞えてきたのは南の方角としか分からない。
それでは合流できるかも分からない。いますぐ行けば合流は可能かもしれないが、それでも南のエリアを探し回らないといけないだろう。
だがそのためとはいえ、負傷したロイ・マスタングを南に連れていくのはまずい。
出血していないだけにロイ・マスタングの受けたダメージが怖い。
外傷ならば手当ては可能だが、体の内側の負傷であった場合は病院の機器が必要となるだろう。
もしロイが内臓を痛めていた場合は、出来うる限り早く病院に連れて行かねばいけない。
南のエリアを探索している暇などないのだ。
それを考えれば、スバルとしてははやてを探しに行こうとは口が裂けても言えなかった。
「探しにいけばいい」
だが、スバルの心情を察したヒューズは彼女と反対の答えを出す。
「えっ? でも」
「今見つけないと、次のチャンスがなくなるかもしれねえぞ」
ヒューズはスバルの言葉を遮り、自分の意見を告げる。
彼とて馬鹿ではない。スバルの考えた問題などすぐに頭の中に浮かんだ。
が、打算抜きでメリットデメリットを押し込め、スバルに仲間を見つけさせようと考えた。
スバルがいなければ、ロイを見つけられなかったかもしれないという思いもあったが、
それ以上に彼はスバル・ナカジマのことを気に入っていた。
「ロイの馬鹿がこんなんじゃなけりゃあ、俺かアルが付いて行くんだがな」
そして、一旦言葉を切り、険しい顔つき顔になり言葉を続ける。
207 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:22:31 ID:J99GgCxn
「一人で行けるな?」
ヒューズは真剣な表情でスバルの瞳を覗き込みながら、最後の決心を促す。
スバルにやらなければならないことがあるように、自分達にもやらなければいけないことがある。
故に瞳だけで決別と再会の意思を伝える。
自分たちはロイとこなたを守らなければいけない。
お前の仲間を探す手伝いはできない。
だけど一人で頑張れるな? と。
スバルはヒューズの言葉に少し、ほんの少しの間だけ悩み、力強く答えをだす。
「はい」
その返事を聞き、ヒューズは破顔する。
「そうか。なら気をつけていけよ」
そして、スバルの肩をポンと叩く。
が、今だ僅かに躊躇するスバルはロイ以外の全員の顔を見回す。
「マスタング大佐と合流できたんだ。次はあなたの番だよ」
「私達のことは気にしないで」
こなたとアルは、それぞれスバルに激励の言葉を掛ける。スバルが仲間と合流できることを信じながら。
そして、スバルの腹は完全に決まった。
「……ありがとう」
スバルは決意する。一刻も早くはやてを見つけ出し四人と合流することを。
四人が危機に遭う前に、帰って来ることを。
「とりあえず、俺達はこいつを手当てしてから病院に向かう。そこで落ち合おう。
もし、禁止エリアが敷かれちまったら、E-6,D-7,C-6の順に合流場所を変更だ」
「はい! 行ってきます」
ヒューズの言葉にスバルは強く返事を返し、部屋の戸を潜り、外界へと走り出した。
目指すは八神はやてのいるはずの南。一秒でも早く彼女を見つけ出し四人と合流する。
その目的を胸にしてスバルは駆ける。疾風の如く駆け抜ける。
だが、このときスバルを始め、四人はあるはずの物に気付かなかった。
ぼろぼろの体となったロイが辿った軌跡がなければいけないことを。
そう、負傷していたことを知るよしがなかったとはいえ、ぼろぼろとなったロイの体からは血は全く流れ出ていなかったということに。
ロイ・マスタングの体を蝕むデビルガンダム細胞が侵攻していることなど、四人は気付けなかった。
【F-5/一日目/午前】
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:リボルバー・ナックル(左手)(カートリッジ:6/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
道具]:デイバック、支給品一式(食料-[大量のじゃがいも、2/3][水])、ジャガイモカレー(特大)、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル!!、予備カートリッジ(×12発)
[思考]
基本:仲間を集めて事態の解決を目指す
1.はやてを見つけ、ヒューズ達の所へと戻る。
2.ヒューズに従って行動する
3.六課のみんなと合流する
4.キャロもみんなもまだ生きて居ると信じよう
[備考]:病院で合流。禁止エリアの具合によって、病院,E-6,D-7,C-6の順に合流場所を変更。
211 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:24:40 ID:J99GgCxn
スバルが民家から去った後、三人はロイの体を手当てするためにそれぞれ動きだそうとしていた。
「さて、と。俺は救急箱でも見つけるかね」
「じゃあ、私も手伝います」
「それじゃあ、僕が大佐を見ておきますね」
とそれぞれのやるべきことを決め、三人は腰を上げた。
そして、こなたとヒューズが別の部屋に探索しに行こうとしたとき、
二人の背中にソファーの上で眠るロイの側に寄っていたアルの声が掛けられる。
「二人とも、ちょっと待って」
アルの制止の声に二人は部屋の外から中へと視線を振り向かせる。
「大佐の腕が変なんだ」
そう言って、アルは二人に見えるようにロイの腕を挙げた。
その右腕は異常としか形容されない状態となっていた。
何時の間にか、銀色の鱗が手の甲から爪先を覆っていたのだ。
アルが袖を捲くるとその鱗はぎっしりと右腕を覆っているのが見えた。
見えない範囲の服の下は本当にどうなっているのか分からないほどに。
「……うっ」
その最中だった。唸り声を上げ、寝転んだままのロイが身じろぎをしたのは。
そして、ゆっくりと眉を挙げる。
意識が戻ったと考えたアルはロイの右腕を下ろし、彼の顔を覗きこみながら名を呼ぶ。
「マスタング大佐、僕のことが分かりますか?」
アルがそう言った刹那、彼の体である鎧の首筋から鈍い音共に銀色の蛇が生えた。
いや、それは蛇ではなかった。先ほど全員が眺めていたロイの右腕であった。
それがアルの首筋を貫いていた。
避けることは出来なかった。まさか知り合いに、仲間と思っている人物に襲われるとはアルは夢にも思えない。
「…………アル君?」
こなたは無意識にアルの名を呟いた。
だが、彼が返事をすることはなかった。ロイ・マスタングの貫手により、魂と鎧とを結ぶ血印を一撃で破壊されていたのだから。
F-5の民家には、生者と言っていい人間は状況の変化についていけないマース・ヒューズと泉こなた以外に残されていなかった。
214 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/05(月) 21:26:31 ID:J99GgCxn
【F-5/民家/一日目/午前】
【チーム:引率の軍人と子供たち】
[共通思考]
1.ロイに簡単な手当てを施す。
2.病院に進む。禁止エリアの具合によって、病院,E-6,D-7,C-6の順にスバルとの合流場所を変更。
3.ロイを病院の設備で治療したい。
4.主催者の打倒。またはゲームからの脱出
5.首輪の解析、解除が可能な人物、技術、物を探す
6.互いの知り合いや、ゲームに乗っていない者を探し仲間とする
7.殺し合いはしない
8.希望を持ち続ける
※首輪から、会話が盗聴されている可能性に気づきました
※盗撮に関してはあくまで推測の域なので、確定ではありません
※螺旋王には少なからず仲間や部下がいると考えています
※それぞれの作品からの参加者の情報を共有しました
【マース・ヒューズ@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:S&W M38(弾数5/5)
[道具]:デイバック(×2)、支給品一式(×2、-ランタン×1)、ロイの発火布の手袋@鋼の錬金術師、S&W M38の予備弾数20発、
エンフィールドNO.2(弾数5/6)、短剣×12本、制服のボタン(ロイ)、単眼鏡、
水鉄砲、銀玉鉄砲(銀玉×60発)、ジャガイモカレー(中)
[思考]
基本:主催の打倒。または脱出を目指して行動。仲間を集める
1.目の前の状況についていけていない。
2.デパートや病院等、人が集まりそうな場所を目指す
3.首輪や脱出に関する考察を続ける
4.子供たちが希望を失いそうになったら、しっかりと支えてやる
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:右頬に銃創、疲労・小
[装備]:
[道具]:デイバック、支給品一式、マチェット、チェーンソー、ジャガイモカレー(小)
[思考]
基本:死にたくないので助かるよう行動する。みんなと再会したい
1.…………アル君?
1.ヒューズに従って行動
2.柊かがみ、柊つかさ、小早川ゆたかを探す
3.大丈夫。きっとみんな生きてるよ…
※こなたの参戦時期は原作終了後
【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師】
[状態]:瀕死、DG細胞寄生(進行中)、視力障害、聴力障害
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1.?????
[備考]:全身がぼろぼろではあるが出血はなし。右腕がDG細胞によって完全に覆われており、
アルの鎧の血印の部分に突き刺さっている。アルの支給品一式はその場に転がっています。
【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師 死亡】
【残り68名】
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、
>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
携帯からPCに変えるだけでも違います。
ほぼいらない
だな
時計の短針が、きっちり西の数字を刺そうかという頃。
読子の残した拡声器で思いの丈をぶつけたはやては、北にあるデパートを目指して一心不乱に走っていた。
股下を通り抜けていく冷たい風が、はやての足を加速させる。
走るスピードが上がると、風が余計に冷たく感じ、また速度が上がる。
そうやって、はやての足はどんどんどんどん加速していく。
周囲の警戒を怠らせるほど、まるで全力全開の徒競走でもしているかのように。
なぜ、彼女はこんなにも焦り、スピードを出しているのか。
だって、なんや気持ち悪いんやもん!
と、彼女の今の気持ちを代弁するなら、これ以外にはないだろう。
考えてもみて欲しい。花も恥じらう乙女が、寒空の下で下着未着用。
……降りかかる精神的圧力は、並大抵のものではない。
吹き抜ける冷風の心許なさが羞恥心に上塗りされ、なおもスピードは上がる。
股下が寒さを訴えているにも関わらず、額から汗が滲み出るほどに。
「ここもあと二時間くらいで禁止区域か……万が一っちゅーこともあるやろうし、ここは回り道するべきやろか」
と、はやては地図でいうところのG-6とH-6の狭間辺りで葛藤していた。
制服の下の惨状を思えば、一刻も早くデパートに赴き例のブツを入手したい。
が、北への最短ルートであるG-6は、11時をもって禁止エリアに指定されてしまう。
もし、G-6を通過中になんらかのトラブルに巻き込まれ、身動きが取れなくなりでもすれば、即ドカン。
そんなお間抜けな最後を想定したくはないが、既に色々な出来事が起こっている現状、危険な藪からはできる限り遠ざかりたい。
というわけで、はやてはG-6を迂回し、H-6の北部を東に向かって走り抜けていた。
早く下着を入手したいという衝動はあるが、思考はちゃんと冷静に働いていたのである。
さらに途中、どのルートを通るか迷ったため、多少右往左往したことも付け加えておこう。
それで迷惑した人物が若干二名ほどいるが、柔肌の状況を第一に心配するはやてにとっては、知るよしもないことだ。
「そういや、パズーは今どの辺にいるんやろか……結構焦っとったからなぁ、禁止区域のこと忘れてへんやろか」
「なぁ、なにをそんなに急いでるんだ?」
ふと、あの危なっかしくも勇ましい少年のことを思い出していると――何者かの声が、走るはやてを呼び止めた。
「な……なんや、今の声? 空耳、やないよな」
「こっちだこっち」
足を止め、視線を右に左に。としているうちに、親切にも声はまた発され、はやてはその主が上にいるのだということに気付いた。
そう、上。森林内の地面に立つはやての上と呼べる場所は、一つしかない。
それは木の上だった。はやてのちょうど真上、一際大きく聳えるその大樹の枝に、声の主は悠然と立っていた。
「な――」
顔を上げ、思わず絶句する。
大樹というからには、当然その全長は人のそれよりもずっと高い。
そんな高さの木に易々と登り、枝の上に立ってなおバランスを崩さない卓越した体捌きは、元サーカス団員である彼だからこその技だ。
と、普通ならばその身体能力に目がいくところだろうが、はやてはなにもそんなつまらないことで驚いているわけではない。
もっと、視覚的にインパクトがあった。
もっと、脳髄に大打撃を与える映像だった。
もっと、まともな出会いがしたかったと――後々思うのかもしれない。
八神はやてに声をかけた木上の男、クレア・スタンフィールドは――腰にタオルを巻いただけの、『ほぼ全裸』だったのだ。
「なんやあんたぁー!?」
あまりにも自由自適で無防備な姿に、はやては思わず腰を抜かしてしまう。
脳裏に数時間前の強姦未遂事件の光景が過ぎり、背筋を怖気が駆け抜けた。
異常な状況下であるがゆえに、犯罪に走ってしまったあの少年とは違う。
本能で感じた。目の前の存在は、殺し合いなど関係なしに、生粋の変態だと。
「腰を抜かすな。さすがの俺も少し傷つく」
言うような気配は微塵も感じさせない飄々とした顔で、クレアは地表目がけて飛び降りる。
くるっと一回転しながら着地し、やはり身体能力が尋常ではないことをアピールするが、
あいにく彼の腰を覆っている布が捲れそうになったので、はやては目を背けてしまった。
「ど、どどどどどどちら様でしょうか?」
「動揺するな。まぁ言わんとすることはわかるがな。服はまだ乾いていないんだ。風呂上りで朝風を楽しみたい気分でもあったしな」
なにやら弁明をしているクレアだが、はやてにとっては知ったこっちゃない。
彼はどう足掻いても全裸であり、ここは室内ではなくお天道様の下であり、そして健全な婦女子の目の前だ。
そんな状況で、いかなる理由があればうろたえずにいられるというのか。
少なくとも、はやての繊細な乙女回路では許容しきれない問題だった。
「……声を聞いたんだ。この殺し合いという事態について、自らの見解を訴える女の声だ」
「えっ?」
クレアが切り出した本題に反応し、はやては僅かに視線を戻すが、耐え切れずにまたすぐ逸らす。
「この状況に戸惑い怯えている者を救済するかのような言葉だった。それがまたずいぶんと感情入っていたみたいでな。
それが悪意あるものには思えなかった。それで興味を抱いた俺は、こうして作業を中断し声の主を探していたんだが……」
視線は合わせず、耳だけを傾けてはやては考える。
つまり、この裸男ははやての拡声器による主張を聞き、ここまで全裸で馳せ参じてきたらしい。
そういえば、あのラーメン屋の外周エリアには温泉があった。となると、この男は温泉からやってきたのだろうか。
服が乾いていないだかなんだか知らないが、なにもそんな姿で来ることはないだろうに……と、はやては心中でぼやいた。
「そ、そですか。なら、こんなところで油売ってないで、早く声のしたほうへ向かったほうがいいんじゃないですか?」
経緯はどうあれ、このような人とはあまりお近づきになりたくない。
素直な感情でそう思ったはやては、他人のフリを決め込もうとしたが、
「なにを言ってるんだ。あの放送を行っていたのはおまえだろう?」
時、既に遅し。
「おまえ、日本人か? よくは知らないが、そんな特徴的な口調の人間はそうそういないだろう」
クレアがはやての盲点を突くとともに、一歩歩み寄り、一歩分退かれる。
名簿を見る限り、日本人らしき人物は相当な数がいたが、その中で関西弁の女性が複数いるかといえば、確かに疑問だった。
迂闊だった。あの放送はもとより人を集めるためのものではなかったため、本人特定の可能性など思慮の外だったのだ。
どうせ、寄って来るのは殺し合いに乗った人間。だから早々に立ち去る気でいたのに、不幸にもこんな変質者と遭遇してしまうとは。
回避しようがなかった偶然の不幸だが、禁止エリアを避け温泉に近寄ってしまったことが、はやての最大の不手際と言えた。
「た、確かにあの放送は私が流しましたけど……た、他意はないのでお構いなく」
「あの内容で他意がないわけがないだろう。それに、なにをそんなに怯えているんだ?
俺の格好に動揺しているのはわかるが、これは考え方を変えれば武器を持っていないというアピールでもあるんだ。
さっきも言ったが、俺はおまえの訴えに興味を持ち共感したからこそ、ここまでやって来た。
この悲惨な状況に怯える女を、この俺が助けてやろう、ってな」
クレアがまた一歩歩み寄り、はやては今度は退かなかった。
「私が……怯えてる?」
「ああ、そうだ。おまえがなにを見てなにを感じ、なにを思ってあんな真似をしたかは知らないが……
あれは、よほど切羽詰った人間じゃなきゃできることじゃない。なにせ、自分から殺し合いに乗った人間を煽っているんだからな。
もちろん、おまえの声を聞いて勇気を出す参加者もいるだろう。だが、そんな奴が声の届く範囲に必ずいるという保障はない。
そんなことは、誰でも考えつく。メリットとデメリットの比率に。それを理解してなお、おまえは訴えかけたかったんだ」
気が付くと、はやてはいつの間にかクレアの不敵な笑みに目を奪われていた。
「おまえは哀れな迷い子だよ。与える影響は二の次。ただ叫びたかったんだ。堪え切れなくなったら泣く子供と同じさ。
俺はそんなおまえに、少し同情したのかもしれない。なぁ、よければ俺に全部話してみないか?
なにがあったか全部。話せばスッキリするし、俺にもなにか協力できることが見つかるかもしれない。
俺は車掌だが、だからといって乗客以外を切り捨てる気は毛頭ない。助けを求めている奴がいれば助ける。
なぜなら、俺がそうしたいからだ。逆に、そうしたくなければしないがな。ムカツク奴は無視するし」
呆然と聞き入るはやてを眼下に、クレアは淡々と語り続ける。
クレアの考えを理解していくうちに、はやては次第に彼に対する印象を、『視覚的に変な奴』から『全体的に変な奴』に変えつつあった。
裸身がどうという話ではない。その滅茶苦茶な言動からもわかるように、クレアという存在は、はやてが未だかつて相対したことのないタイプの人間だった。
「私は……」
それでも、クレアの指摘が見透かしているかのように的を射ているのは事実。
不思議な言霊に先導され、はやては真実を語りたい衝動に駆られる。
自らが犯した過ちを、出会ったばかりのクレアに懺悔したくなったのだ。
ふらふらと立ち上がり、はやてはパクパクと口を上下させる。
なにもかも吐き出したかった。なおも心の中で渦巻く葛藤に、ケリをつけたくなった。
そうやって、はやてが上下する口に音を乗せようとして、
「私…………ヴァ!?」
不意に吹き込んできた風の悪戯が、クレアの腰のタオルを捲り上げた。
ぺラッと。いや、むしろペロンと。
そして、タオルに覆われていたアレがはやての目に飛び込んできた。
チラッと。いや、むしろモロッと。
「ヴァ、ヴァ、ヴァ、ヴァ」
もちろん、初めてである。
なにがどう初めてなのかは、語るのも野暮と言うものだろう。
その辺の事情については、絶賛赤面中のはやての顔を見て察してほしい。
「ヴァ――――ッ!?」
たまらず、はやてはその場から逃走した。
なにもかもがエキサイティングで、そのうえショッキングでもあり、チラリズムだった。
とにかく、筆舌に尽くしがたい状況に陥ったはやての乙女回路は、本能的にクレアからの逃走という命令を下した。
……だが、ここは整地された街路ではない。木の葉や小石、木の根が大地を敷き詰める森の中だ。
そんな場所で、我を忘れて走り出そうものなら……
「あべしっ!?」
当然、思いっきりすっころぶ。
「…………たたた」
柔らかな土に顔面から滑り込み、はやては鼻を押さえた。
思い切り転んでしまった。こんな見事な転びっぷり、本場のお笑い芸人でも真似できない。
鼻の穴がむずむずする。どうやら木の葉の欠片が入り込んでしまったらしい。
手の平がひりひりする。どうやら手をついたとき、軽く擦り切れてしまったらしい。
おしりがスースーする。木の間を吹ける風が、むき出しの臀部を刺激しているらしい。
(……ん? ちょい待ち。おしりがスースー……って!)
得体の知れぬ危機感を察知したはやては、うつ伏せに倒れたまま、がばっと後ろを振り向いた。
その視界の奥には、キョトンとした表情で立ち尽くすクレア。
目と目が合い、互いに「あっ」と口を漏らす。
視線の焦点は、二者の間、はやての天に突き上がった尻に向いた。
機動六課女子制服の短めのスカートが、転んだ際の衝撃で捲れていた。
ぺラッと。いや、むしろペロンと。
そして、下着を身に付けていなかったがために、それはむき出しの状態で露出してしまった。
チラッと。いや、むしろモロッと。
「…………あ、あ、あ」
「……さすがの俺も困惑している。だけど、たぶんここは謝っておいたほうがいいんだろうな。すまん」
結果から言って、クレアの先立っての謝罪は、残念ながら受け入れてもらえなかった。
その後のはやての阿鼻叫喚ぶりといったら、六課部隊長の体面もなにもあったものではなく、乙女としては当然の反応とも言えた。
顔を真っ赤にしながら怒るはやてにクレアは笑顔を作り、それを見てはやてはさらに怒った。
そんなやりとりが何回か続き、はやては結局クレアからの逃走を果たせないまま、主導権を彼に引き渡すこととなる。
――スバルやティアナ等、はやてを尊敬の眼差しで見る六課新人たちからしてみれば、意外な一面と捉えられていただろう。
だが、この喜怒哀楽に溢れた活発な姿こそが八神はやてという少女の素であり、本質なのである。
ヴィータやシグナムといった守護騎士たち、高町なのはやフェイト・T・ハラオウンといった親友たちに見せる、朗らかな笑顔。
騎士カリムによる管理局内部崩壊の予言、闇の書事件の罪悪感などで、しばらく靄がかっていた本性。
それは先の間桐慎二誤殺の件で再び失われつつあったが、今この瞬間だけは、本来の八神はやてとして存在していられた。
方法はどうであれ、その変化を齎す要因となったのは他でもないクレアであり、このことは当人たちも気付いてはいないのだろう。
今はただ、素の感情で言い争いを繰り返すばかりだ。
ただ、それだけ。
それだけのことが、はやてにとってなによりの清涼剤だった。
◇ ◇ ◇
「――で、そいつをここに連れてきたのか」
「ああ。言っておくが、人手として連れてきたわけじゃないぞ。温泉を利用する客として招いたんだ」
喋るトラネコのマタタビと、服はやっぱりまだ乾いていなかったため全裸のままのクレアの会話。
あのビックリドッキリハプニングの後、クレアはどうにかはやてを説得し、温泉まで連れてきた。
ちなみに、そのときの口説き文句がこうだ。
『なにがあったかは知らないが、話すにしてもひとっ風呂浴びて、頭をスッキリさせてからのほうがいい
それに、これは俺みたいな奴じゃなきゃ気付けないだろうが……血の臭いっていうのは、しつこく染み付くんだ。
簡単に落としきれるもんじゃない』
葡萄酒(ヴィーノ)の名で知られる伝説の殺し屋、クレア・スタンフィールドは、職業柄鼻が利く。
特に、血の臭いには敏感だ。本人はしっかり洗い流したつもりでいても、水洗だけでは肌に染み込んだ臭いまでは落とせない。
そこで、クレアははやてに温泉で改めて体を清めることを勧めた。クレアの指摘を気にしたはやては、それに乗ったというわけだ。
「あの女も、この僅か数時間でかなり波乱万丈な道程を歩んできたらしい。
それがまた酷いもので……いや、やめておこう。プライベートに関する話だしな。知りたきゃ本人に聞いてくれ」
「拙者には関わりのないことだ。あの女が客というのなら、おまえが勝手に持て成せ。興味ない」
「そうか」
器用に握ったトンカチで、木材に釘を打つマタタビ。その横で、クレアは鉋を削りながら喋っていた。
温泉に移動するまでの道中、はやてはクレアの口車に乗せられたのか、隠していた事情を全て暴露していた。
少年に強姦されそうになったこと、その少年に抵抗した結果、相手を殺してしまったこと。その、懺悔を。
事情を知ったクレアは、やはり同情した。ああ、そりゃ災難だったなと。純粋に可哀想だと思った。
一部では怪物などと呼ばれ恐れられるクレアだが、その性格は決して冷酷ではない。
自己中心的なのは否定できないが、他者に対する慈悲や哀れみの心は、ちゃんと持ち合わせている。
むしろ、彼は戦場で泣き叫ぶ子供がいたら、率先して助けるタイプの人間だ。
現実に甘いわけではない。そうするだけの余裕があるからこそ、彼はそうするだけなのだ。
だから、この殺し合いの現場でも、悠々と全裸で行動できる。服を着ていなくても、支障がないから。
ちなみに、クレアが客として招いた八神はやては、現在入浴中である。
クレアとマタタビは仕事場をわざわざ湯船の見えぬ範囲に移し、はやてが上がってくるのを待っていた。
「ま、人手が欲しいのは否定しないが、おまえが一人で十人分の働きをしているからな。別に困りは……」
「ああ、そのことなんだがな。悪い。ひょっとしたら、もうすぐおまえを手伝うことができなくなってしまうかもしれない」
手は休めず、不意にクレアがそんなことを漏らす。
やや遅れて「ハァ!?」と反応したマタタビを無視し、クレアは鉋を置いて明後日の方向を向く。
そこには、湯上りでほんのり顔が上気した八神はやてが立っていた。
◇ ◇ ◇
なんであんな迂闊なことをしてしまったのだろう、とはやては今さらながら不思議に思う。
迂闊なこととは即ち、相手に疑心を与えかねない強姦と誤殺の話を、クレアにひょいっと話してしまったことだ。
彼は車掌と言っていたが、本当は口の達者な弁護士か交渉人かなにかではないだろうか。
でなければ、あんな風に口軽く事情を話してしまえるわけがない。
それとも、単に自分の心がそれだけ磨耗していただけなのだろうか。
と、はやては数分前のことを思い返しながら、ピンク色に染まった裸身に六課の制服を着込む。やはり下着はない。
「石鹸のいい香りだ。血の臭いは完全に落ちたようだな。俺が言うんだから間違いない」
「それはおおきに。クレアさん、でしたっけ? そろそろ服を着たらどうですか?」
「すまん、まだ服が乾いていないんだ。だが、もういいかげん慣れただろう?
それに、タオルも短いものではなくバスタオルを巻いた。これでもう安心だ」
確かに風に吹かれて捲れるような心配はないだろう。だが、そういう問題ではない。ツッコむのも馬鹿馬鹿しいが。
湯から上がったはやては、その足で再びクレアの下に向かった。
そっと出て行ってしまってもよかったのだが、温泉にやって来た際、大工仕事をするトラネコの姿が目に入り、無視できなくなってしまったのだ。
思い出されるのは、喋る黒猫との邂逅。おそらくあのトラネコは、クロの言っていたマタタビに違いない。
当の本人ははやてになど興味がないのか、クレアに出迎えの挨拶をするだけで、自らの仕事に没頭していた。
声をかけようとも思ったが、まずは温泉に入り、落ち着いてから情報交換をすべきだと、そのときは判断したのだ。
「おいクレア! さっきの言葉はどういう意味だ!」
「すまないなマタタビ。俺はこの女と話さなきゃならないことがあるんで、少し席を外させてもらう」
「あ、待って。私もその猫さんに話したいことが――」
「そんなのは後だ」
マタタビに声をかけようとしたはやてだったが、クレアに遮られ、無理矢理連れられて行ってしまう。
なんとも自分勝手な男やなぁ、とは思いつつも、はやては流されるまま森の奥へと移動させられる。
タオルで覆う面積が増えたとはいえ、上半身全裸の男に手を握られるのはやはりいい気がしない。
顔が火照り、心臓の鼓動もどこかペースか速くなっているような気がする。
(本当に、変な人。こんな変な男の人に会うのは初めてや)
はやてはクレアの引き締まった上半身に目を奪われつつ、そう思った。
温泉敷地内の片隅で、クレアは足を止めた。どうやら、二人きりで話す空間が欲しかったらしい。
誰もいない森の中、少女の相手が熊さんなら童謡みたいでファンタジックだが、裸の男とあってはムードも台無しだ。
とりあえず、クレアは殺し合いに乗っているとかいないとか、そういう次元の人間ではないと思われるため、はやては命の心配だけはしていなかった。
が、それゆえに彼がなにを切り出すかまったく予想が出来なかった。
文句も言わず連れて来られたのは、クレアという人間に対して、微かに好奇心が働いた結果なのかもしれない。
「さて、まずはなにから話そうか……」
顎に手を当て天を仰ぐクレアは、一、二秒考える仕草をしてから、棒立ちのはやてを見つめる。
「そうだな、やはり最初は謝罪といこう。すまん。俺が悪かった」
にこやかな笑顔に反省の色を僅かに混ぜ、クレアははやてに頭を下げた。
謝られたはやては、なにがなんだか意味がわからない。目の前の男は、いったいなにをそんなに申し訳なさそうにしているのか。
「なぜそんな不思議そうな顔をする? まさか、俺がデリカシーのない男だとでも思ったのか?
だとしたら心外だ。こんな格好をしている俺が言っても説得力はないかもしれないが、
俺はちゃんと女性の羞恥心というものを理解している。いくらあれが風の悪戯だったとはいえ、非は俺にある。
それを認めているからこそ、こうやって改めて謝罪しているんだ。いや、本当に申し訳ない」
ああ、なるほど。そういうことか。
はやてはクレアが『アレ』を見てしまったことに対して謝罪しているのだと理解し、たまらず笑みを零した。
確かにあの事故による精神的被害は乙女の一大事といえたが、なにもクレアに悪意があったわけではない。
その辺ははやて自身も理解しているから、今さらとやかく言うつもりもなかったのだが、クレアはそれを気にしてくれていたというわけだ。
確かに裸という点を考えれば説得力はないが、はやてはクレアに対する認識を少しだけ改めた。
「あーあ、私、もうお嫁にいけへんかもしれんなぁー」
そんなクレアがおかしくって、はやての悪戯心がついそんなことを口走らせてしまった。
この、変だけど根はいい人そうな男は、どういった反応を見せるだろうか。そんな好奇心に駆られてしまったのだ。
「そうだろうな。だから、俺は考え決心した。俺は――おまえに対して責任を取ろうと思う。話の本題はそれだ」
と、予想外にも真面目に切り返してきたクレアに、はやては脳内で疑問符を浮かべる。
「責任? 責任って、なんの責任です?」
「だから、俺が、おまえのアレを見てしまったことに対する責任さ」
「いや、それはなんとなくわかりますけど、責任を取るってどうやって?」
クレアの真意が読めないはやては、純粋に首を傾げていた。
幼少から仕事熱心だったせいだろうか。その方面には疎いはやてとしては、本気でクレアの意図がわからなかったのだ。
そんなはやてに、クレアはさも当然という顔で言う。
「わからないか? ならストレートに言おう。俺と結婚してほしい」
瞬間、はやての世界が止まった。
目に映る光景が、凍りついたように動きを止める。
色彩豊かな森の情景が、灰色の絵の具で塗りつぶされていくような感覚だった。
「おまえも俺のアレを見てるんだし、おあいこだとは思うんだが、やはり男と女では精神的損害が違うだろうしな。
ただ償いをするだけじゃ男としてどうかとは思うし、このまま帰ったら、キースの兄貴に絶交されかねない」
口を開いてぽかんとするはやてを尻目に、クレアはのうのうと言葉を続ける。
「あ、ひょっとして愛のない結婚は嫌だとか思ってるか? 大丈夫、愛するから。
こんなことを面と向かって言うのは照れるが、俺はおまえに一目惚れしたんだ。
境遇に哀れんだとか、単にアレを見たことに対する責任を果たすためじゃないぞ。
もちろん軟派な態度で言っているわけでも冗談で言ってるわけでもなく、本気で言ってるんだから問題はないはずだ」
クレアの言っている意味がさっぱり理解できないはやては、返事も返せぬまま、ゆっくりと顔を赤らめていく。
「返事は今すぐ返してくれなくてもいい。だが、当面はおまえに付いて行こうと思う。
ここで待っていてもいいんだが、状況が状況だ。俺の知らぬところで、また誰かに襲われでもしたら大変だしな。
だから、俺はおまえを守りつつともに行動する。返事はここから出るときまでに考えておいてくれ」
上半身裸での告白。十九歳で初めて受けるプロポーズ。なにかもが、はやてにとって衝撃的だった。
「反応が薄いな。ひょっとして俺の言葉が信じられないか? 言っておくが、俺は無敵だ。
どんな敵が相手だろうと、絶対に死なない自信がある。なぜなら、世界は俺を中心に回っているからだ。
俺が殺される心配はないし、俺が守ると決めたものは、確実に守り通せる。
だから心配は無用だ。そしておまえも信じろ。俺が、絶対に死なない男だと」
人生で、これほど困惑したことはなかったかもしれない。
はやては、クレアという今までに相対したことのないタイプの男性に魅せられ、その場に立ち尽くした。
なにも考えることができない。股下の冷たい違和感も、今に限って言えば気にならない。
ただ胸が高鳴り、その理由もわからないまま、全身が高揚していく快感に捉われる。
はやての意識はクレアの真摯な瞳に奪われ、完全に我を忘れていた。
【H-6/温泉の外れ/一日目/昼】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康、上下下着無し(下はタイツのみ着用)、赤面、強い決意
[装備]:H&K MP7(40/40)+予備弾40発@現実
[道具]:支給品一式、トリモチ銃@サイボーグクロちゃん、レイン・ミカムラ着用のネオドイツのマスク@機動武闘伝Gガンダム 、
読子の支給品一式と拡声器、支給品一式(食料:缶詰)、テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード、
血に染まったはやての下着(上下)
[思考]
基本思考:力の無いものを救い、最終的にロージェノムを逮捕する。
1:クレアの求婚に困惑。人生で一度も体感したことのないような変な気持ち。
2:マタタビと話す。
3:慎二の知り合いを探し出して、彼を殺した事を謝罪する。
4:戦う力のない人間を救う。
5:北上してデパートへ行って下着を入手。
6:東回りに観覧車へ。クロと合流する。
7:読子達にデイパックを返したい
[備考]
※ムスカを危険人物と認識しました
※シータ、ドーラの容姿を覚えました。
※モノレールに乗るのは危険だと考えています。
※言峰については、量りかねています。
【クレア・スタンフィールド@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:自分への絶対的な自信、全裸(下半身にバスタオルを巻いている)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、マタタビの目玉入り瓶@サイボーグクロちゃん、フライング・プッシーフットの制服(天日干し中)
[思考]
基本:脱出のために行動する 、という俺の行動が脱出に繋がる。はやてと結婚する。
1:はやてを守りつつ彼女とともに行動。
2:マタタビには悪いが、はやてがここを離れるというなら温泉修繕の手伝いはやめる。
3:名簿に載っているのが乗客なら保護したい。
4:はやての返事を待つ。
[備考]
※クレアの参戦時期は『フライング・プッシーフット』の『車掌二人』の死亡後です。
※全身の血を洗い流しました。
ここで裏話を一つ。
言峰の言葉から狂い始め、慎二の横暴で加速し、自らの意志でどうにか軌道修正したはやての心は、クレアの思わぬ行動で急展開を見せる。
その裏側、はやてとは比較的関係のないところで、彼女に接触を図ろうと暗躍する影があった。
そう、スパイク・スピーゲルと読子・リードマンの二人である。
「もぉ〜! スパイクさんがのろのろしてるから、八神さんを見失っちゃったじゃないですか!」
「俺のせいかよ」
人気のない森の中。大胆なことに、そこはあと数時間で禁止エリアとなるG-6あたりだったろうか。
この現状を殺し合いと認識していないスパイクと読子には無用な心配ではあったが、このままここに留まれば首輪が爆発してしまう。
いくらなんでも、この実験のルールを認識もしないまま事故死したとあっては、笑い話にもならない。
だが、現実は非情である。この間抜けな二人に現実を教授してやれる者はこの場には居らず、勘違いだらけの珍道中はまだまだ続く。
「なぁ、リードマン。やっぱなんかおかしくねぇか?」
「もう、まだウジウジ悩んでるんですか? そうこうしている間にも、八神さんは一人ロージェノムさんと戦ってるかもしれないんですよ!?」
なにやら強い使命感のようなものを覚えている読子だったが、反対にスパイクのほうは、正体の掴めぬ違和感に捉われ続けていた。
はやてが真に伝えたかったこととはいったいなんなのか。今思うと、やはり読子の見解はどこか外れているような気がする。
スパイクは思考の海と森の大地を同時に進行し、今はそのせいで見失ってしまったはやてを探すため、彷徨い歩いてる最中だ。
どちらにせよ、読子の荷物の件もある。はやてとの再会は必須だろう。
スパイクは考え直し、はやての捜索に専念しようと顔を上げるが、
『なんやあんたぁー!?』
突如として響いてきた奇声に反応し、後ろを振り向いた。
「聞いたか、リードマン?」
「ええ。今の、八神さんの声でした」
「ああ。しかもありゃ悲鳴だ。こりゃ、面倒なことになってるかもしれねぇぞ」
「急ぎましょう、スパイクさん!」
スパイクと読子は声の響いてきたほうへ、一目散に駆け出した。
あの奇声、恐らくはクーデターがバレ、ロージェノムの一派に粛清されようとしているに違いない。
面倒事は御免だが、はやてには朝食を振舞ってもらった恩がある。それに、読子もやる気満々のようだ。
スパイクは急ぎ、先頭に踊り出ると、程なくして二つの人影を発見する。
「――ィッ!?」
と、その人影を発見するや否や、小さく喘いでなぜかユーターン。
後方の読子を立ち止まらせ、力ずくで彼女の顔を横に向かせた。
「ふ、ふパイクさん!? な、なんでふか、どうひたっていうんでふか!?」
「見るな。おまえは見るな。とりあえず待て。あれを大勢の目に晒すのは――残酷すぎる」
両手で読子の頬をサンドイッチにし、スパイクは彼女の視線を明後日の方向に誘導させようとする。
が、読子もそれに抗い、唇の尖った不細工面を作りつつも、スパイクの奥にいるはやてを視認しようと試みる。
おかしな攻防戦だったが、スパイクの表情は至って真剣な――哀れみの顔だった。
……スパイクが先駆けて視認したはやての姿は、よりにもよって天に向かって半ケツを晒している状態だったのだ。
あれはある意味、血に濡れて透けた下着姿を見られるより恥ずかしい。なにせ、ポージングがあり得ない。
読子がいくら理解ある同姓であろうと、あの姿をより多くの人間に見せるのは酷すぎる。自分だったら死にたくなる。
だから、衝動的に読子の視線を背けさせた。これ以上はやての傷を増やさないために。
これは、はやての人権に対する配慮などではなく、人として彼女に憐憫の情を抱いたからこその行動である。
……つまり、あんな格好をしているはやてに、スパイクは心の底から同情したのだ。
「ん〜……もう! いきなりなにするんですかぁ〜!?」
「怒るな。あと騒ぐな。とりあえず様子を窺うんだ」
拘束を解き、ぷりぷりと怒る読子を宥めると、スパイクは適当な茂みに彼女を連れ込んだ。
木々の隙間から、数十メート先にいるはやてを観察する。
どうやら、地面に倒れ込み半ケツを天に突き上げるという珍妙すぎる姿勢からは脱出したようだ。
ホッとするスパイクだったが、またすぐにギョッとすることとなる。
よく見ると、はやての側にいるもう一つの人影が、また常識ではあり得ない格好をしていたのだ。
「……おい、ありゃいったいどういう状況だ? あいつの側にいる男、なんでタオル一丁の裸なんだ?」
「わ、私に聞かれても……あ、それになんか、八神さん泣いてるみたいです……と思ったら怒ってる」
「おいおい、まさか、人気のない森で裸の男に襲われそうになったってんじゃないだろうな?」
「いえ、でもあの男の人、なんだか八神さんを慰めてるみたいですよ。謝ってる風にも見えます。あ、付いて行っちゃった」
「……さっぱり状況がわからん」
「わかりませんねぇ」
茂みの中でう〜んと唸る二人は、はやてと裸の男が去っていくのも構わず、その場で考え込む。
「少なくとも、あの男は八神の敵じゃないよな? だとしたら、例の味方か? 裸だったけど」
「う〜ん……そういえば、温泉ってこの近くじゃないですか? ひょっとしたら、温泉をベースにしているのかも」
「クーデターの前線基地がオンセン? いや、だとしてもフツー全裸で歩き回るか?」
「でも、あの人がロージェノムさん側の人間だとしたら、八神さんも簡単に付いて行ったりはしないでしょ?」
「ま、そりゃそうだが……」
そのまま茂みの中で数分、あーだこーだと話し合う。
その討論は一見真面目なように見えたが、話の本題は実際の事情には掠りもしていない。
傍から見たら馬鹿丸出しの、当人たちにしてみればたぶん大真面目な、二人だけの世界が続く。
「ってか、本人に直接聞いたほうが早いなこれ」
「そうですねー。私たちも温泉に向かう予定でしたし……とりあえず、温泉で八神さんと合流しましょうか」
勘違いは紆余曲折してさらに高速旋回しながらなおも加速していくが、やはり正す者はいない。
◇ ◇ ◇
「ここか? オンセンってのは」
「ですねー」
森をまたしばらく彷徨い歩き、スパイクと読子は湯気の立ち上る施設へとやって来た。
最初に目に映った建物は酷く廃れているようだったが、付近を回ってみると、湯はちゃんと存在しているようだった。
はやてと出会った町と同じで、人気はない。とりあえずはやてを捜すことにした二人は、温泉の外周を探索していた。
「気をつけろよ。ここが本当に八神たちのアジトだとしたら、罠の一つや二つあるかもしれねぇからな」
「はい。でも、肝心の八神さんはいったいどこにいるんでしょう?」
そもそも、二人ははやての後を追ってここに辿り着いたわけではなく、はやての味方らしき男が裸だったという判断材料から、ここに立ち寄ったにすぎない。
本人は北に向かうと言っていただけに、イマイチここにはやてがいるという確証が得られなかった。
(ま、いなきゃいないでこいつを風呂に入れるだけだがな)
と、スパイクは楽天的に考える。捜し人を見つけたのは、そんなときだった。
「あ、いました。はやてさんと、さっきの男の人です」
先ほどとまったく同じ状況。森の中で、以前より若干長くなったタオルを腰に巻いただけの裸男と、はやてが対峙していた。
そしてそれを覗き見するスパイクと読子も、反射的に茂みの中へと身を潜ませていた。
数十分前とは違い、今度は十分に声が聞き取れる距離だ。二人ははやてと裸男の会話に聞き耳を立て、デバガメのように様子を窺う。
聞こえてくるのは、なにやら異様に滑舌のいい男の演説のみ。聞き手に回っているのか、はやてはまったく喋っていない。
そしてその演説の内容がまたおかしなもので、二人から零れた感想は、
「これってひょっとして……愛の告白、ですか?」
「だな。しかもプロポーズだ」
と見事に合致した。
結婚だの、愛するだの、一目惚れだの、本気だの、守るだの、やたらと情熱的なことを語っているように見える。
しかしこれはどういうことか。読子の推測が正しければ今はクーデター真っ最中のはずの彼女らが、温泉で愛を語り合っているなんて。
「戦場で盛り上がる恋もあります。いわゆるつり橋効果ですね。はぁ……ロマンチックな恋愛小説みたい」
と読子は分析しているが、スパイクは険しい表情で再度考え直す。
この状況、やはりおかしい。おかしすぎる。自分たちは、なにか究極的にアホな勘違いをしているのではないだろうか……。
スパイクの疑念は、ここにきて再燃する。そもそもが遅すぎなのだが。
とにかく、今度こそ当人であるはやてに真相を問い質すチャンスである。
スパイクは腰を上げはやてたちの下に歩み寄ろうとするが、
「おい。おまえら、そんなところでなにをやっている?」
寸前で、いつの間にか後ろに立っていたネコに、呼び止められた。
ネコに、呼び止められた。
……ネコに。
「……ネコ?」
「……ネコ、ですね」
振り返り、唖然とするスパイクと読子。
彼らを呼び止めた声の主はどこからどう見てもネコであり、さらに詳しく説明するなら、二足で立つ隻眼のトラネコだった。
そのトラネコが、流暢に人間の言葉を喋り、スパイクたちを見上げている。
衝撃のあまり数瞬思考することを忘れてしまった二人だったが、やや遅れてそのあり得ない光景を受け止めると、
「ネコぉぉぉぉぉ〜!?」
大袈裟に驚いてみせたり。その声は、温泉全体に響き渡った。
【H-6/温泉の外れ/一日目/昼】
【マタタビ@サイボーグクロちゃん】
[状態]:健康
[装備]:大工道具一式@サイボーグクロちゃん、マタタビのマント@サイボーグクロちゃん
[道具]:支給品一式、メカブリ@金色のガッシュベル!!(バッテリー残り95%)
[思考]:
1:クレアからさっきの言葉の真意を問い質す。
2:クレアが駄目ならこの二人に手伝わせるか?
3:この建物を直す。建物に来た奴には作業を手伝わせる。
4:建物が完成したらリザを待つ。
5:出来ればキッド(クロ)とミーとの合流。
6:戦いは面倒だからパス。
7:暇があれば武装を作る。
[備考]
※大工道具は初期支給品の一つです。中身はノコギリ、カンナ、金槌、ノミ、釘
※建物の修理はあとおよそ10時間で完了しますが、妨害行為などで時間が延びることがあります。
※クレアが手伝うことによって、完成予定時間が短縮されました。
※修理に手を貸す人がいれば修理完了までの時間は短くなります。H-6の周囲に建物を修理する音が響いています。
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(残弾8/8、予備マガジン×2)
[道具]:支給品一式
[思考]
1:ネコが喋ってやがるー!?
2:はやてに真相を問い質す。
3:とりあえず温泉に入る。
4:読子と一緒に行動してやる。
【読子・リードマン@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:○極○彦の小説、飛行石@天空の城ラピュタ
[道具]:なし
[思考]
1:ネコが喋ってるー!?
2:はやてに協力したい。
3:スパイクと一緒に温泉に行ってから帰る。
※はやてがやろうとしていることを誤解しています。
※国会図書館で隠棲中の時期から参加。
水を掻き分けて移動する。腹部の傷に容赦なく当たる水流に、ヴィラルは苛立たしげに顔を顰めた。
下水道の中ほどで立ち止まると、糞、と吐き棄て側面のコンクリートに腰を降ろす。天井には小さな電灯が並んでおり、内部は暗いものの真の闇ではない。
下水、そう呼ばれる地下水道は汚らしいものだと思っていたのだが、臭いこそあるものの、水は思いのほか澄んでいた。
いや――よく見れば下水の端に、滑った汚れが張り付いている。しばらく前は、生活廃水が流れていたはずだ。水が澄んだのは、
この会場から営みが消えてからだろう。
「……螺旋王も、一体なにを考えているのだろうな」
瞳を閉じながら、小さく呟く。声は思いのほか反響していた。
自分はこういった『索敵』は行わなかった。
小さな勢力には部下を向かわせるし、自分が向かうような相手はダイガンザンなどの戦艦でも確認している。
そう、ヴィラルは戦艦から射出され、目的地に降り立ち、愛機たるエンキで焼き払う――それが、今までの彼の戦い方だった。そして、
数日後にも同じような任務を執り行うはずだったのだが――
「いや、止そう」
考えても仕方がない。ありえたかもしれない未来を夢想し、現実から目を逸らすのはなんと愚かな事か。
自分は人間掃討軍極東方面部隊長なのだ。そのような些事を気にかけている暇があれば、一人でも多くの人間を殺さねばならない。
その為にも、今は休まねばならないのだが――
「……どうやら、そうも言ってられないらしい」
足音が徐々に、けれど確実にこちらに向かってきていた。
思わず舌打ちをしてしまう。万全の――いや、せめて十全の状態であれば、飛んで火に居る夏の虫とばかりにその命を断ち切ってやる自信はある。
だが――じくじくと痛む腹部の傷が、そして体全体を圧迫するように圧し掛かる疲労が鎖となり、ヴィラルの身体能力を奪っていた。
黒光りするワルサーを闇に突きつけ、立ち上がる。幽鬼のように、ゆらゆらと体が揺れてしまう。
銃という武器はあまり慣れてはいないのだが、今、この場面においては好都合だ。
なにせ、この狭い通路での遠距離武器だ。間合いにさえ入れなければ、例え立ち止まっていたとしても相手を殺す事が出来るだろう。
己の疲労を隠すように、力強く言い放つ。
「わざわざ殺されに来るとはな……つくづく愚かだよ、貴様らニンゲンは」
「はっ――誰が、誰に殺されるってんだ?」
自信に満ち満ちたその声、けれど、奥底には燃えるような怒りがあるように思えた。
それは、まるで炎。全てを覆い、焼き尽くす紅蓮の灼熱。
遠く響いていた足音は、既に手が届きそうなほどに近くから聞こえている。
「獣人倒すと心に決めて、ガンメン奪ってぶちのめす。妙な場所に連れてこられようと、貫き通すぜ男の意地を!」
小さな電灯に照らされ、ぎらり、と何かが輝いた。それがV字のサングラスだと気づいた瞬間、男は腰の剣を抜き放っていた。
「よう、まさかこんな場所で会うとは思わなかったぜ……ヴィラル」
V字のサングラスに覆われた剣呑な瞳、それを煌かせて、言った。
――しばし、秒針が半周ほど巻き戻る。
銃を構えたまま、ヴィラルは頭を回転させる。
(……誰だ、このハダカザルは)
青い短髪に、がっしりとした体躯。デイバックは右肩に引っ掛けている。
肌には刺青が彫られたその姿は、ニンゲンの中でも更に存在意義の薄い荒くれ者にも見える。
だというのに――この男はなぜ、自分を知っている?
(エンキを用いて焼き払った村の生き残り、か?)
なるほど、それは正しく思える。例えニンゲンであろうとも、仇の相手を覚える頭はあるはずだ。
だが――それならば、この男はなんだ?
圧倒的な力で捻じ伏せれば恐怖が残る。現に、獣人に対してレジスタンス活動を行っている黒の兄弟とて、真っ向からぶつかってくる事はなかった。
けれど、この男は、王都の戦士の如く真っ向から現れた。
ただの愚か者か、それとも――真っ向から戦っても勝てると思っているのか。
「どちらにしろ――腹立たしい限りだ!」
銃声が二つ、重なるように響く。大気を穿ち、宙を疾駆する鉄の弾丸。
左右に道はない。あるのは壁と下水だけだ、逃げ道などありはしない。
容易かったな、と思いながら銃を収めようとし――目を剥いた。
◆ ◆ ◆
獣の牙とは、引き千切るためにある。
そう、食いつき、引っ張り――そのまま千切るのだ。
故に、噛み付かれたからといって、引き剥がそうとすれば逆効果。獣の牙にプラスアルファを加える事になってしまう。
なら、どうしたらいい?
……簡単だ、逆に押し込めばいい。
「俺をっ! 誰だと思っていやがるッ!」
地を這うに肉食獣の如く体勢を低くし、疾駆。ざりっ、と背中の皮が削れるような感触に顔を顰めながら、剣を振り上げた。
「見下してんじゃねぇ斬りィ――ッ!」
心から湧き出してくる魂の叫びを剣に載せ、一気に振り下ろす!
だが、遅い。
ぎり、と痛みを発する左肩。それがカミナの剣から速度を奪う。
――そう、剣を振り下ろすには左手が中心である必要がある。
右手が張った状態では体を大きく傾けないかぎり、とてもではないが真下まで振り下ろす事など叶わない。
故にその剣捌きは、普段の彼よりも予備動作が大きく、そして愚鈍だった。
鋼の音色が二人きりの観客の耳に届く。
刃金と銃口が重なり合い、軋むような音を響かせる。
「知らんよ、ハダカザルの名前なんてなぁ!」
獰猛な獣のような――いや、そのものな表情を浮かべ、引き金を引く。
衝撃音。
跳ね飛ばされた剣を掴んでいたカミナは、まるでバンザイでもするかのように仰け反る。
sien
「はっ……消えうせろ、ハダカザル!」
(マズ――!?)
思考思考思考、思考だ! 考えろ!
親父の死骸を見た時のように、時間の流れが遅くなる。
ヴィラルの勝利を確信した笑みが腹立たしい、ゆっくりと引き金を引く指に焦りを覚える。
糞、と内心で吐き棄てる。
こんな時に、シモンがいてくれりゃぁ――
アイツは、いつでも諦めなかった。
そして、気弱なところもあるが熱いハートとクールな頭脳も持ち合わせていた。
そうだ、チミルフとの戦いの時もそうだった。
自分が無鉄砲に突っ込んで行った時に、策を用いて退けた。螺旋王直属の部下相手にだ!
(畜生。俺は……この程度の男なのかよ)
心の奥底にある炎が凍えるのを感じた。
極寒の中、潰えていく気合の炎。それが、ゆっくりと消滅――
――――ふと、誰かの泣き言と強がりが聞こえてきた。
(――こいつは)
深い深い穴倉の中。抜け出そうとして仲間を連れ出した時の話だ。
仲間だけじゃ不安なんで、村一番の穴掘り名人に声をかけた。だが、岩盤は崩れ、自分たちは閉じ込められた。
焦った。皆に発破をかけても、泣き言を言って掘るのを止めてしまった。
そう、もう駄目だと。
そう、ここで死ぬのだと。
――だから、あのひたむきな背中が輝いて見えた。
最後まで自分を信じてくれた、
最後まで諦めなかった、
それがシモンだった。
それが自分の魂の兄弟だった。
それが――相棒だった。
そんな彼に笑われなかった、
そんな彼を裏切りたくはなかった。
だっていうのに――
「なにやってんだ、俺はァァアァア!」
その叫びと共に、剣を放り投げた。
◆ ◆ ◆
男が叫び声と共に剣を投げ捨てるのを見て、頬に笑みが浮かんだ。
――諦めたか。
しょせんはハダカザル。威勢はよくても、結局は脆く、弱い生物だ。
散れ、と引き金を引き絞る。その瞬間、
「な――ッ!?」
赤い旋風が、眼前まで迫っていた。
慌てて頭を逸らすが間に合わない。ざり、と頬の肉がこそげ落ちた。
「ぐ――き、さま!」
「はっ。奇策はきかねぇ、って言ってたくせに、ざまぁねぇな」
赤い雫を垂らす真紅の槍。それを棒切れでも扱うようなぞんざいな握りで持つ眼前の男。
失態、なんという失態だ。そもそも、戦闘中だというのにデイバックを降ろさなかった時点で、バックに注意を向けるのは当然だろうに!
全身の血液が沸騰し、思考を犯す。咆哮を上げ、奴に掴みかかりたいという衝動に駆られる。
だが、その衝動も疲労には勝てなかった。
ほとんど連戦のこの状況、ここまで動けただけでも僥倖と言えるだろう。けれど、これ以上戦闘して、勝利するまで体が動くかどうか。
――自信は、なかった。
「貴様、名をなんという」
「へ、嫌な事は忘れちまう性質か? まぁ、いいぜ。その緩んだ頭引き締めた後、耳かっぽじってよーく聞きやがれ!」
ぶおん、と真紅の長槍を一回転。そして、その槍先を天井に――いや、天に向け、吼えた。
「狭い穴倉に押し込まれようと、天井拳で打ち砕き! 獣人どもを蹴散らして、向かう先は天の月!
大グレン団リーダー、カミナ様だ!」
馬鹿か、と内心で思う。
だが――その馬鹿が自分に傷を与えたのだ。甘く見ていて、倒されるのは自分だ。
噛み締めるように、呟く。
「カミナ、か。ああ、覚えたよ」
「へっ、今度は忘れねぇようにしとくんだな」
「ああ、忘れたくても忘れられん」
五メートル程度の距離を維持しながら、じりじり、と二人の足が動く。
それは、束の間の停滞。間奏のようなものだ。
そう――主旋律は、すぐそこまで来ている。
「カミナ、この勝負、預けるぞ!」
そう吼え、駆けた。
男の瞳が鮮烈なまでに鋭くなり、自分を射抜く。両手で握った槍を、草でも刈るように横薙ぎに振るってくる。
それを、ありったけの体力を使った跳躍で回避。轟、と寸暇の間だけ自分がいた場所に赤色の軌跡が描かれる。
「ぐ――!」
じわり、と傷口から血液が吹き出す。応急処置したとはいえ、この動作だ。開いてしまったらしい。
だが、あと数分だけ持てばいい!
滞空するヴィラルは、側面に手を当て――力を込め、急落下。カミナの元に疾駆する。
これで隙を見つけたら殺してやろうと思ったが……このカミナという男、随分と戦いなれている。この三次元の動作に、ぴったりと食いついてきている。
恐らく、今攻撃しても、その長槍で受け止められるだけだろう。
支援。
「なら!」
落下の速度を利用し、踵を振り下ろす。案の定、その長槍でガードしてくるカミナ。
だが、ヴィラルは焦る事無く更に力を込める。
カミナの表情が引き攣った。左肩の裂傷が疼きだしたのだ。
瞬間、ほんの僅かな間に力が緩まる。その間隙を縫うように――一気に押し出す!
「うお――ぁあ!?」
水柱を立て、下水に落下するカミナを確認する事無く、ヴィラルはすぐさま下水を逆走した。
呼吸は荒い。腹部の傷は開ききり、血涙を流している。
だが、いつまでもここで立ち止まっていれば、自分は殺されてしまう。そう、螺旋王の期待に添えないままに。
それだけは許せなかった。人に近い肉体になるという屈辱を受けながら、殺したのが一人だけとは、笑い話にもならない。
「この――待ちやがれ!」
背後から響くカミナの声に、思わず舌打ちを漏らす。
予想以上にリカバリーが早い。これでは、下水から出たとしても逃げ切れるかどうか――
そこまで考えて下水から飛び出て……それを見た。
「……はっ」
ああ。もし神という存在がいるとしたら、今くらいは感謝してもいいかもしれない。
目の前にある『ソレ』には車輪がついており、内部にはガンメンとは構造が違うもののコックピットのようなものがあった。
ヴィラルは知らなかったが、それはゴーカートと呼ばれる乗り物である。
「丁度いい、使わせてもらおう」
最初はデタラメにハンドルやペダルなどに触れ、この乗り物の反応を確かめる。
幸い、機械関連はガンメンの扱いで多少は慣れていた。起動さえすれば、後は様子を見ながら動かせるはずだ。
「この――ってっめえ! 人のモン勝手に使いやがって!」
「ッ!? くそ、動け!」
既にカミナは下水道から抜け出し、こちらに向かって駆けてきている。
追いつくまで、あと数十秒といったところか。
早く早く、という気持ちとは裏腹に、コックピットはなんの反応も返してこない。
糞っ! と。苛立たしげにペダルを踏み込んだ。
「ッ!」
瞬間、背後のシートに体を押し付けられるような感覚。それと共に、車輪が急回転し、運動エネルギーを地面に伝え加速する。
「……動いた、のか」
遠くで吼えるハダカザルの声を聞きながら、ふう、と息を吐いた。
ハンドルを回す。すると、車体もその方向に向きを変えた。どうやら、この乗り物はペダルとハンドルを用いて前に進むモノらしい。
道をジグザクに進み、追撃をさせないようにする。これが頭のよい奴なら目的地を理解できるだろうが、あのカミナという男は、さして頭が良さそうには見えなかった。
253 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/06(火) 23:02:57 ID:qK18NDHs
「早く、休まねば――」
一番手近な建物である空港。そこに入ると、格納庫らしき場所に入り込んだ。
中は異常な程にだだっ広い。本来は戦艦サイズのガンメンも入りそうなのだが、今はツギハギの見えないコンテナが複数、置いてあるだけだ。
「――ふう」
小さく息を吐き、シートに体を預けながら、そのコンテナを見やる。
サイズはみなバラバラだ。ガンメンが複数入りそうな物もあれば、ギリギリ一体入るかどうか、という物もある。
疑問に思い、ゴーカートを近くまで寄せてみるが、やはりツギハギは見えなかった。
「この首輪と同じ、か?」
自身の首を覆う金属質のそれに触れながら、少し残念そうに呟く。
もし開けられたら、そして運良く中にガンメンがあれば、クルクルやケンモチ、そして蛇女やカミナというニンゲンに苦戦する事はなかったろうに。
だが、無い物ねだりをしても仕方がない。それならば、この乗り物を調べた方がずっと有意義――
「む?」
そう思いながら背後に視線をやって、ようやくその存在に気づいた。
まず、デイバックが二つ。一人に一つだけ支給される物なのだから、おそらくカミナが殺して奪ったものだろう。
まあ、それはいい。武器や道具が増える事は喜ばしい事だ。だが、
「女……?」
金髪の女性だった。
豊満の体躯を覆うのは茶のスーツにタイトスカート。耳にはリング状のピアスが揺れている。
その豊満の体は、マントに縛られる事によって更に強調されたその姿は、とても蠱惑的であった。
ごくり、と一瞬息を飲むが、すぐさま頭を振る。
「全く、ニンゲンとは下劣な生き物だ」
女性を昏倒させ、縛り上げた男。その男がその後どうするか――想像に難くない。
もっとも、案外そちらの方がよかったのかもしれないな、とも思う。
その姿態を蹂躙されるのと、今ここで殺されてしまう事。どちらかといえば、前者の方がマシだろう。
す、と両手を女性の首に伸ばす。首は細く、獣人の力で握り締めれば、容易く引き千切れてしまいそうだ。
「運がなかったな、女」
そう言って、両腕に力を込め――――
「……なんだと?」
その違和感に気づいた。
◆ ◆ ◆
「畜生、逃がしちまった!」
がんっ! と地面に拳を叩きつけながら漏らす。
苛立ちがつのる。もし、あいつをこのまま放っておいたら、今度はヨーコたちも殺されてしまうかもしれない。
「いや――」
小さく呟き、頭を振る。
それでは、シモンの死を認めてしまったようではないか、と。
「俺は、自分の目でみねぇかぎり、ぜってぇ信じねぇ」
アイツがそう簡単にくたばるはずがない。カミナはそう信じていた。
だが、もし、もし本当に殺されていたら――
「そんときゃ、魂の底から泣いた後に、胸に刻めばいい」
悲しみという存在は図々しいものだ。
今まで大切な誰かがいた場所に、居なくなると同時に滑り込んできやがる。
そんな奴らをどう追っ払うかって?
簡単だ、泣けばいい。
心の底から、魂の底から泣きまくって、その濁流で悲しみなんぞ押し流す。
そして――空いた空洞には思い出を詰めるんだ。
そいつがどんな奴だったのか、
どんなすげぇ奴で、
どんなに助けられたかを。
誰かに、笑って語れるようにすりゃあいい。
「だよなぁ、親父」
父の亡骸を見つけた時を思い出しながら、剣を腰に差し、槍をバックに仕舞いこんだ。
やっぱり、剣の方が性にあっているな。そう思いながら、どこかに歩き出そうとして――
『あーあー、あーあー……ちゃんと電源入っとるんかなぁ、コレ?
……ええかな?
えーと、いきなりこんな声が聞こえて来て、ビックリしている人もいると思います。
私は――ううん、私だけやない、同じような考えを持っとる人の言葉、全部を代弁して言わせて貰います』
遠くから、誰かの声が響いてきた。
「な、なんだぁ!?」
ガンメンに乗って喋る時も、外からはこんな感じで聞こえてたよな、と思いながら、耳を欹てる。
『――皆、迷っとるやろ?
おっかない、他人が信用出来ない、死にたくない……何もしないでいても、そんな気持ちばかり湧いて来る。
いっそ、殺し合いに乗ってしまおうか。そうすれば楽になれるんじゃないか。
分かるで……私もほんの今の今までそーんな、グチャグチャした考えで頭の中が一杯やった』
「……そりゃぁ」
あのガンメンモドキの心ない言葉によって頭が沸騰した時、あの女を絞め殺してやろうかとは思ったのは確かだ。
遠くから響いてくる女の声を聞きながら、ふう、と息を吐く。
オーケー、落ち着いてきた。
やっぱりケンカは熱いハートにクールな頭脳だ。
「なんだ、マトモな奴も、いるんじゃねえか」
『そして……な。今、一人で脅えてる子がいたら聞いて欲しいんよ。
私が、そして同じような気持ちの人が絶対他にもおる! だから心配する必要なんてないんや!
必ず助けたる、そんで皆一緒にココから脱出して、ロージェノムを捕まえるんや!』
ガンメンモドキに、カマイタチのようなモノを放つ男、そしていきなり銃をぶっ放してきた女。
誰も彼も、妙な奴ばかりだ。
だから、こういう普通の言葉に、少しだけ安堵を覚えた。
『それと……そや、制服! 茶色い布地で胸の部分に黄色のプレートが付いてる制服を着ている人間を探してください。
その人達は皆、私の仲間――五人……今は四人に減ってしもうたけど……四人とも、本当に信用出来る仲間です。
名前は……すいません。今は……言えません。
だけど、私はコレから北に向かうつもりです。
例の制服を見かけたら声を掛けて下さい。多分、後は声で分かって貰えると思います。
最後に……皆、絶対に諦めたりしたらあかんで!!』
「――――ちょっと、待て」
この女、今、なに言った?
茶色の布地に、黄色のプレートがついた服――ああ、そりゃ分かるさ。けれど、
『ごめんなさいね。
今死ぬあなたに名乗る名前はないわ』
だけどそれは、自分たちに銃をぶっ放してきた、あの女が着ていた服じゃないのか?
「……へっ、そういう事かよ」
頭の中でピースが噛み合う。
――そうやって人を集めて、殺してるんだな、テメエらは。
怯えてる奴は、きっとなにか支えを欲しがるだろう。そしてこの声は、その支えになり得るものだ。
そうして現れた弱い誰かを、一人一人、殺して行ってるのだ、この声の主は。
「――んのやろう、ふざけやがって」
ぎり、と拳を握りしめる。
紅蓮の炎のような苛立ち。それと同時に、なるほどとも思えた。
シモンだって、いきなり後ろから刺されりゃ、諦めないも糞もねぇよな――と。
もし殺されたとしたら、この女が言ったみてぇな手で殺されたんじゃねぇのか? と!
「誰だか知らねぇが、んな企み、ぶっ壊してやるよ!」
剣を抜き放ち、天に突き付ける。
それは宣誓するように、それは宣言するように。
「このカミナ様がなぁ!」
258 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/06(火) 23:06:18 ID:qK18NDHs
【F-3/大きな道路沿い/1日目/午前】
【カミナ@天元突破グレンラガン】
[状態]:激しい怒り
体力大消耗・左肩に中程度の裂傷(激しく動かすと痛みが走るが、我慢できないほどでは無い )マントを脱いでいる
大きく動かしたため、裂傷の状態が酷くなっている可能性もあります。
[装備]:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、
[道具]:支給品一式、ベリーなメロン(3個)@金色のガッシュベル!!(?) 、ゲイボルク@Fate/stay night
[思考・状況]基本:殺し合いには意地でも乗らない。
1:あの女(八神はやて)……!
2:ヨーコと一刻も早く合流したい
3:ヴィラルを逃がした事に苛立ち
3:グレンとラガンは誰が持ってんだ?
4:もう一回白目野郎(ヒィッツカラルド)と出会ったら今度こそぶっ倒す!
※グレンとラガンも支給品として誰かに支給されているのではないかと思っています。
※ビクトリームをガンメンに似た何かだと認識しています。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
※ゴーカートの動かし方をだいたい覚えました。
※ゲイボルクの効果にまるで気づいていません。
※1/4メロンは海に出た際、落っことしました。どこかに流れ着いても、さぞかし塩辛いことでしょう。
※向岸流で流れ着いたメロンが6個、F-1の海岸線に放置されています。
※シモン死に対しては半信半疑の状態です。
※拡声器の声の主(八神はやて)、機動六課メンバーを危険人物と認識しました。
◆ ◆ ◆
「シャマル先生!」
はっ、と目を覚ます。
瞳を開くといつものデスク。六課の医務室であり、自分の城でもある場所だ。
いけないいけない、寝ちゃったみたい。そう思いながら、声の主の方に視線を向ける。
「あら、キャロ、エリオ。揃って怪我?」
訓練着を纏った幼い男女が、すぐ目の前で立っていた。
「はい、ストラーダで加速したら、道を曲がりきれずにぶつかってしまって」
「わたしは、なのはさんの魔力弾を避けようとしたら、フリードから落っこちちゃって」
……あらあら。
なんというか、ちょっと凡ミスかなぁ、とも思う。
けど、最近なのはちゃんの訓練も厳しくなってきたし、こういうミスが出るのも仕方のない事かもしれない。
「練習で良かったわね。もし本番だったら、治療する暇なんてなかったかもしれないわよ?」
「はい、なのはさんにもそう言われちゃいました」
キャロの言葉に、やっぱりね、と思う。
なのはちゃんの訓練は厳しいけど、それは本番で失敗しないために厳しくしているわけだ。
「とと、お喋りは終わりにして――クラールヴィント」
このくらいなら治療魔法だけで十分だろう、と指で待機していた相棒に語りかける。
すると、柔らかい風が吹き、二人の体を撫でていく。ゆるやかに塞がっていく傷口を確認すると、おしまいっ、と手を叩く。
「今度はもっと安全確認をちゃんとするのよ? 私やなのはちゃんもそうだけど、テスタロッサちゃんなんてすっごく心配するはずだから」
ちょっと過保護気味だから、と笑うとエリオも苦笑していた。おそらく、この前の休日の事を思い出しているのだろう。
「ありがとうございました。僕たちは訓練に戻りますね」
「シャマル先生、ありがとうございましたー!」
ええ、気をつけてね。そう言って手を振ろうとしたその時、なぜだか、奇妙な不安に囚われた。
あのまま行かせていいのだろうか?
このまま見送ってしまうと、世界が崩れてしまうような気がして、酷く恐かった。
「二人とも――!」
待って、と叫ぼうとした、その瞬間。世界は水面のようにゆらめき、溶けて行く。
それは夢の終り。現実への回帰。
幸せだった夢を潰え、暗く澱んだ現在に意識は戻る。そう、否応なしに。
目を覚ますと、自分はゴーカートの中で寝転んでいた。
なぜだか肌寒い。寝ぼけた頭で外を見ると、ここが倉庫のような場所である事が分かった。
……えっと、私……。
「気づいたか?」
不意に、見知らぬ男の声を聞いた。
そちらに視線を向けると、歯がサメのようになっている奇妙な男がいた。
どこの世界の住人だろうか? 少なくともミッドチルダでも地球でもないと思うのだが。
ああ、しかし肌寒い。自分が着ている制服は、こんなにも風通しが良かっただろうか?
そう思いながら視線を自分の体に落とし――
「……え?」
固まった。
自身の瞳には、やはり自身の処女雪の如く白い肌が映っていた。
その肌を覆うのはレースの上下だ。豊満な双丘を覆うそれは花の模様があしらわれ、肉付きのよい尻を覆う白い布地は、内部から圧迫されぴっちりとしている。
――数瞬の沈黙。
あー、今日のわたしってなんかすごく薄着ねー、とぼやけた頭が思考するが、すぐさま「んなわけねぇだろ」という正常な思考が押し寄せてくる。
下着姿の自分、目の前の男、暗い倉庫。
――これらから導き出される結論は一体?
「き、きゃあああ!?」
思わず悲鳴を上げて後ずさる。だが、ゴーカート内部でそうそう動けるはずもなく、すぐさま壁にぶち当たる。
性的な危機。それと同時に、ここが殺し合いの場だという事をようやく思い出した。
そう、殺し合いの場だ。法などありはせず、無法が法となるこの状態で、男と半裸の女。導き出される結論など一つしかない!
「怯える必要はない、少々確かめていただけだ」
確かめるってなにを!? とは思ったが、とりあえず今、ここで襲う気がない事は伝わった。
慌てて近くにあったマントで体を包みながら、問う。
「あの、それはどういう……?」
「隠す必要はない」
いや、普通に隠すわよ。
マントの端をギュッ、と握りながら、内心で怒りの言葉を呟く。
だが、この男が言った言葉は、シャマルにとって想定外のものだった。
「貴様、ニンゲンではないな?」
「――ッ!?」
心臓を鷲掴みにされたような、そんな感覚。
ぞくり、と寒気が這うように体を犯す。
(……この人)
なぜ、それが分かるのか。
確かに、自分は闇の書から生み出された騎士だ。厳密には人間とは言えない。
けれど、最近は体の変化もあり、人間に近くなっているというのに、この男は当たり前の事実を言うように人間ではないと口にした。
「そう不思議な事でもない。俺は獣人の中で鼻が聞く方ではないが、それでもニンゲンとそれ以外の臭いくらい、嗅ぎ分けられる。
だから、分からんのだ」
男が近づき、マントを引っぺがす。きゃっ、という小さな悲鳴を無視して、頭、背中、腕、臀部――それらを、確かめるように撫で回す。
男女間でのそういった経験のなかったシャマルにとって、それは顔から火が出るほどに恥ずかしい事だったが、ふと、気づく。
触り方に、嫌らしさがないのだ。なんというか、純粋に確かめようとしている、そんな触り方だ。現に、胸や秘所には一切手をつけていない。
「耳やツノもなければ、翼もない。尻尾もない上に、そして体毛も薄い。……まるでハダカザルそのものだ。
だというのに、臭いは微妙に違う。獣人には見えんが、かといってニンゲンとも思えん。
答えろ、女。――お前は一体なんなんだ?
ニンゲンのように穴倉から生まれた存在なのか、それとも、螺旋王に生み出された存在なのか?」
(螺旋――王?)
その言葉に、意識が覚醒しきる。
螺旋王ロージェノム。自分たちを集めて、殺し合いを強要した張本人。
なぜ、その名前が出てくる?
いや、それよりも。今は状況把握に努めるべきだ。
この男、殺し合いをしたくないからシャマルを生かしているといった感じでは断じてない。
これでも、昔はベルカの騎士として戦場を駆っていたのだ。危険な相手とそうでない相手の区別はつく。
下手な回答をしようものなら、すぐさま殺されてしまうだろう。
さあ――考えろ。どうやってこの場を乗り切る?
(確かこの人、言ったわよね。人間のように穴倉から生まれた存在か、螺旋王によって生み出された存在か、って。
それに、獣人って)
恐らく、獣のような部位を持つ人間が獣人なのだろう。そして、話の流れからして、獣人は螺旋王から生み出された存在。
つまりは、彼の言う獣人とは、シャマルの主の親友であるフェイト・T・ハラオウンのような存在、なのだろうか?
そして、人間は穴倉から生まれた存在だと言う――なら、獣人が地上で生まれた存在なのか。
――思考は加速し、頭脳の全細胞は情報処理に当てられる。
幸い、自分は八神はやてと居た。部隊を作る時、時空管理局の上官との腹の探りあいも何度となく見てきた。
だから大丈夫。きっと上手くいく。
「女、なにを黙っている」
「……こんな状況で言うのもなんだけど、名前を聞く時は自分から名乗るのが礼儀じゃないかしら?」
これは、一種の賭けだ。もしこれで逆上した襲い掛かってくれば、武器を持たぬ自分などすぐさま殺されてしまう。
だが、今の情報では足りない。この男を騙しきるには、情報が足りないのだ。
じっ、と男の顔を見る。
彼は「ふむ」と、それもそうだと言うように頷いた。
「ふむ。それは失礼をした。――俺の名はヴィラル。人間掃討軍極東方面部隊長、ヴィラルだ」
「人間掃討軍……」
それは、文字通り人間を掃討――即ち、殺す部隊なのだろう。
という事は、螺旋王が生まれた世界では、獣人が覇権を握っているという事か?
先ほど彼が言ったではないか、人は穴倉から生まれた存在だと。そして、地上には獣人が住まい、人間を狩る部隊まで存在している。
つまり――螺旋王が生まれた世界では、人間は霊長類と呼ばれるような存在ではなく、言うなればゴキブリのような存在なのではなかろうか?
台所に出て黒い悪魔たるそれをスリッパで叩くのと同様に、その世界では地上に現れた人間を人間掃討軍と呼ばれる存在が叩き潰している。
なるほど――だから、こんな微妙な表情をしているのか。
同類である獣人なのか、それとも汚らわしい人間なのか、判断に困ったからなのか。
なら――
「ヴィラルさんですね。私は――私はシャマル。機動六課と呼ばれる、隠密部隊の一員です」
◆ ◆ ◆
「隠密部隊、キドウロッカ、だと?」
「ええ」
知らぬ部隊だ。それに、隠密?
人間相手に、なぜそのような事が必要なのか。
それに、
「キドウロッカについては、今は保留しておこう。貴様はまだ、獣人なのか人間なのか、答えてはいないのだからな」
そう、それが一番の問題だった。
人間の間にも黒の兄弟や、その他、有名ではないもののレジスタンス組織はいくつか存在している。リットナーと呼ばれる村の人間どももそうだ。
そう言うと、シャマルと名乗った女はたおやかな笑みを浮かべ、答えた。
「私は人間型の獣人なの」
――ニンゲン型の、獣人?
その言葉は、酷く矛盾しているように思えた。
だが、シャマルは気にした風もなく、言葉を連ねる。
「ヴィラルさんは、地上に現れた人間を掃討する時、どうしてる?」
「なにを当たり前の事を――ダイガンザン、または他の戦艦から射出される」
「ええ――それは、当たり前の事よね」
なにか噛み締めるように頷くと、シャマルは「だけど」と前置きし、
「どうして人間が地上に出ている事に気づけるのか、それを考えた事はない?」
「……基本的には、末端の獣人がガンメンを駆り、地上を探索する。その時に見つけた集落に攻撃をしかけ、
末端の獣人ではどうしようもなくなれば、俺や螺旋王四天王が赴き、破砕する。
……考える必要などあるのか?」
「……だけど、それで分かるのは地上だけでしょう? でもね、私たち機動六課はね、穴倉にいる段階で人間たちを見張るの。
不穏な動きがあれば、すぐさま手近な戦艦に連絡を取って……その、ガンメンを射出してもらう。
……まあ、私たちはあくまで試作部隊だから、有名じゃないんだけどね。知らないのも無理はないかもしれないわ。
本格的な任務が与えられたのは、今回が初めてだもの」
本格的な任務? と小さくもらすと、シャマルは「ええ」と短く答えた。
「私たちは、螺旋遺伝子の実験を監視し、結果を螺旋王に報告するために、この場所に送り込まれた、いわばジョーカーみたいな存在なの。
……獣人だから、もしかして貴方も?」
「……ああ」
そこまで聞いてようやく納得した。
そうだ。自分はここに来る前に、螺旋王になにをされた?
――――人間に近くなる改造を、施されたのではなかったか?
それが出来るのだ。このように人間に等しい姿の獣人を作る事もまた、不可能ではないはずだ。
「理解した。それで、そのキドウロッカから参加した者は貴様だけか?」
「いいえ。あと五人ほどいるわ」
そうか、と。ここに至ってヴィラルは初めて名簿を開いた。
人間を殺し尽くすつもりだったので、見る必要性を感じていなかったのだ。
ざっと目を通し、カミナの名を苛立ちの眼で見やり――
「……なんだと」
そこにある、二アという名に度肝を抜かれた。
二アという名は知っている。知らぬはずがない。自身の主たる螺旋王の愛娘ではないか。
それが、なぜこのような場所にあるのか?
同名なだけかか、それとも――螺旋王自ら、ここに放り込んだのか。
「あの、他の人の名前を言いたいんだけど、いいかしら?」
「……ああ、頼む」
左手で顔を覆いながら、頭を冷やせと強く思う。
螺旋王には螺旋王の考えがあるはずだ。自分はただ、己の判断で動けばいい。
「八神はやて、スバル・ナカジマ、キャロ・ル・ルシエ、エリオ・モンディアル――この五人が、機動六課のメンバーよ」
「変った名だな……む、キャロ――?」
名簿に印をつけつつ、ふと感じた違和感に首を傾げる。
その名を、どこかで聞いたような――ああ、そうだ。
「シャマル、そのキャロという奴は既に脱落している」
「――――え?」
愕然と、呼吸も筋肉の動きも生命の瞬きすらも氷結してしまったかのように、シャマルの動きは止まる。
そんな、と小さく漏らす彼女の姿は酷く弱々しく見えた。
(糞、人間どもが――!)
ぎり、と歯を食いしばる。
本来、ニンゲンとは獣人に狩られるべき存在なのだ。間違ってもその逆はありえない。
その逆を行ったニンゲンは許せない。そして――同胞に悲しみを与える存在もまた、許せなかった。
◆ ◆ ◆
キャロが死んだ。
その言葉は短剣となり、シャマルの胸元に深々と突き刺さっていた。
「そんな――」
間に合わなかった。
こんな事にならないようにするために、自分は修羅の道に入ったというのに。
瞳を閉じれば、礼儀正しい幼い少女の姿がある。
竜と戯れ、そして時には凛とした面持ちで任務に挑む彼女。
それが、永遠に失われてしまったという事実が、酷く悲しかった。
そう、永遠に、だ。
螺旋王が、優勝した者の願いを叶えてくれると言ってはいたが――彼女にはそれが信じられなかった。
だって、それならフェイト・T・ハラオウンという少女はこの世に生を受けなかったはずだ。
プレシア・テスタロッサは、間違いなく天才だったはずだ。少なくとも、プロジェクト・フェイトを完成させる程度には。
その彼女が出来なかった事を、あの螺旋王という男が出来るとは、とても思えない。
だから、キャロ・ル・ルシエという少女は二度と戻ってはこない――
「嘆くな」
ふと、ヴィラルが低い声で言った。
「同胞が死んだ事を悲しむのは分かる。だが、この場に来た時点で、その可能性はあったはずだ」
違う。私たちはそんな可能性なんて知りえなかった。
けど、それを言ってはいけない。
ここでそんな事を言えば、せっかく首の皮一枚で繋がった命が不意になる。
「そんな暇があれば、一人でも多くの人間を狩るべきだ。そうだろう、キドウロッカのシャマル」
「……ええ、そうね」
そう……まだ自分の主は、八神はやては生きているのだ。
ここで挫けてはいけない。ここで立ち止まって、主が死んでしまったら、悔やんでも悔やみきれない。
「……あら?」
ふと、ヴィラルの腹部に視線を向ける。
そこには醜い赤色が張り付いていた。応急処置はしてあるようだが、既に開いてしまっている。
「ああ、これか? 少々不覚を取ってな」
「駄目よこれじゃ……ちょっと、失礼するわね」
そう言うと、ヴィラルの上着を脱がしにかかる。
そうすると、少しだけ不安が薄らいだ。
やはり、普段と同じ事を行うと、精神が落ち着くものなんなのね、と思う。
「な――なにを!」
「動いちゃ駄目、大人しくしてね」
上着を脱がす。傷口は――やはり開ききっている。今、こうやって座っているから血液自体は止まっているが、
このまま動けば血液が多量に流れ出す事だろう。
シャマルはまず、デイバックからペットボトルを取り出し、傷口を軽く濯いだ。
「ぐ――」
「はいはい、ちょっと我慢してね」
傷口の汚れを落すと、今度は自分の体を覆うマントを破る。そして、それを傷口に巻いた。
本当はもっと綺麗な布が欲しかったのだが、今は贅沢を言っていられる状態ではない。
ぎゅっ、と縛り血液を押し止めると、奪い取った上着をヴィラルに返す。もっとも、酷く濡れたそれを着る気はないようだが。
「……感謝する」
「ううん、礼はいらないわ」
だって、これは自分が落ち着くためにやったようなもので、普段のように他人を心配して行ったものではないのだから。
だが、ヴィラルは「いや」と頭を振って、言った。
「王都の戦士は礼儀を重んじる……シャマル、この礼は必ずすると約束しよう」
それだけ言うと、ヴィラルはそのまま横になった。
「少しだけ眠る。もし誰かが来たら起こしてくれ」
それだけ告げると、すぐさま寝息を立て始めた。
その、ふとすれば自分勝手な行動だが、シャマルにはそれに安らぎを感じていた。
まるで獣のような凶暴な顔。だが、幸せそうな顔で丸くなる姿は、見ていて微笑ましくなる。
「ふふっ」
そうして、シャマルは何時間かぶりに笑った。仮初めの笑みでもなく、自虐の笑みでもなく、心の底からの笑みを。
【G-3/空港/1日目/午前】
【チーム:Joker&Fake Joker】
【ヴィラル@天元突破グレンラガン】
[状態]:睡眠、脇腹に刺し傷(シャマルによって再度応急処置)、極度の体力消耗、衣服が濡れているが、上着は脱いでいる。
[装備]:ワルサーWA2000(3/6)@現実
モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン(あと9秒連射可能、ロケット弾は一発)を搭載したゴーカート
[道具]:支給品一式、バルサミコ酢の大瓶@らき☆すた、ワルサーWA2000用箱型弾倉x4、ランダムアイテム1(重いもの)
[思考]
基本:ゲームに乗る。人間は全員殺す。
1:……ZZZ
2:シャマルに礼を尽くす。
2:蛇女(静留)に味わわされた屈辱を晴らしたい。
3:『クルクル』と『ケンモチ』との決着をつける。
4::螺旋王の目的とは?
5:あのコンテナはなんなんだ?
[備考]
螺旋王による改造を受けています。
@睡眠による細胞の蘇生システムは、場所と時間を問わない。
A身体能力はそのままだが、文字が読めるようにしてもらったので、名簿や地図の確認は可能。
…人間と同じように活動できるようになったのに、それが『人間に近づくこと』とは気づいていない。
単純に『実験のために、獣人の欠点を克服させてくれた』としか認識してない。
B二アが参加している事に気づきました。
C機動六課メンバーをニンゲン型の獣人だと認識しました。
【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:疑心暗鬼 低 魔力消費 小 下着にマントを羽織った姿だが、近くに機動六課の制服がある。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(その他、ランダム支給品が0〜2、本人・カミナ・ビクトリーム確認済) 、
ジェレミアの支給品一式(その他、ランダム支給品が0〜2、シャマル・カミナ・ビクトリーム確認済)
[思考・状況]
1:八神はやてを守る
2:六課メンバー以外、全て殺すが、ヴィラルとはしばし行動を共にするつもり
3:けれど、なるべく苦しめたくない
※宝具という名称を知りません
※ゲイボルク@Fate/stay nightは舞台のループを認識していないようです
※格納庫の奥で音が遮断された為か、二人とも八神はやての声を聞いていません。
1328 :ツチダマな名無しさん:2007/10/29(月) 20:09:41 ID:M3cFIGH60
>>1327 参戦作品以外から支給品を出すのはNG、というのも問題として挙げられるかね
1329 :ツチダマな名無しさん:2007/10/29(月) 20:10:06 ID:1987fAxgO
>>1327氏の言う項以外にも
・前回のSSで放送が流れたはずなのに、今回の作品でまた放送が流れているという矛盾
・参加作品外からの支給品が登場している
という致命的な点があるので、この作品は修正が必要だと思います。
1330 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 00:37:36 ID:xLX8ATogO
>>参戦作品外の支給品
これだけでアウトだろ
現実にあるようなものならまだしもタケコプターでは話にならん
万が一この話が通ってしまったら、正に悪しき前例になるぞ
1331 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 13:36:36 ID:S8ROiDG60
上で騒ぎになっていたクロ死亡の作品をぱっと見て
・大佐は爆発させる物質があっても、火種ないと爆発はできないんじゃ?
原作でもラスト戦で水を変化させても、ライターがなければ爆発させれなかったような。
・なんで大佐、生きているの?
サイボーグのクロが粉々になる爆発を近距離で連発したに関わらず、
明らかに致命傷を通り越している大佐が爆発で死なず、無傷なクロが死亡する不思議。
悪運だけじゃ説明できないような。
・DG細胞っていいの?
感染するDG細胞は、下手すると会場がゾンビだらけの状態になるような。
というかこれは死者蘇生?
1332 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 14:01:13 ID:g4Yot/Ac0
>>1331 >・大佐は爆発させる物質があっても、火種ないと爆発はできないんじゃ?
クロが発砲し、その時の火花が誘爆。当然、クロが爆発の中心に。
>・なんで大佐、生きているの?
クロと大佐はかなり離れていた。よって爆風に巻き込まれていない。
さらに、クロの耐久も制限によって強めに劣化しており(ロワでは、
その性質上回復系や防御系の能力がキツく制限される傾向にある)、
さらに不意打ち状態だったので防御もできずまともに食らった。
>・DG細胞っていいの?
感染力をある程度制限する、という方向で議論されている。
ってか、終わったことを蒸し返さないでくれ。
1333 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 14:09:57 ID:S8ROiDG60
ああ、よく見たらクロの撃った拳銃が火種か。
大佐は爆発に巻き込まれてないよと言っているけれど、
クアさんが巻き込まれていると明言しているような。
クロも突撃しながら撃っていたし、やっぱり爆発に巻きこまれていないというのは変かなーと。
個人的には、(爆発の中心なのに)破損ですんでいるナイブズの銃も気になったり。
マイクロプラントって爆発したらどうなるんだろうか。
大規模なエネルギーが留まっているだろうし、割と洒落にならんような。
1334 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 14:50:20 ID:g4Yot/Ac0
>>1333 ここは修正議論スレ。クロの件で問題になった作品はもう議論が終わり、
wikiにも収録されている。
議論の俎上に乗せたいのならもう遅すぎる。それでもまだ何か言いたいなら
毒吐きに行ってくれ。
1335 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 14:51:26 ID:hITfNffM0
問題の過去ログをご覧いただいたのであれば、修正要求はしない方向で
解決したこともご存知のはずです。
またルール上の協議期間も既に終了しています。
1336 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 14:54:06 ID:Bc1.lXFI0
一応フォローしておこう。
開幕前の議論にも乗らなかった、いち支給品の爆発でフィールド全域が消滅、なんてことには、ロワの展開上なり得ない。
もし爆発が起こったとしても、制限が課されて小規模なモノになるだろう、ということを前提に……
・誘爆して爆発がより大きなものに→クロ死亡がより確実化
・破損するも誘爆しなかった
・そもそも誘爆する類の物ではない
・螺旋王の用意したレプリカである
・その他
これを決められるのは、次以降をリレーする人。そして、別に決めなきゃならない、とも限らない。
1337 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 14:55:47 ID:3lT8jSPA0
色々、思うこともあるがそういるルールなら仕方ない。
横から失礼しました。
1338 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 15:22:53 ID:3lT8jSPA0
>>1336 クロ死亡というか二人共死亡のほうがよくね?
という方なんですけどね、どちらかというと。
まあ、この話はこれで終わりということで。
1339 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 21:05:13 ID:sMp9cBTQ0
【勝利の栄光を ◆ozOtJW9BFA】
少々気になる点があったので、指摘・修正要求をします。
1.D-5の中心近くから1分でその外まで走りきった。
400-500mを一分で駆け抜けるには金メダルクラスの脚力が必要です。
ムスカ大佐は常人なので、もう少し端に近い位置にいたということにしてはどうでしょう。
2.”東洋人は武器を持っておらず、青い男は………………――勝った”の部分。
ムスカは以前、戴宗に目にも留まらぬ速さの攻撃で敗れています。
なので、ここではもう少し彼に慎重な思考をさせた方がいいのではないでしょうか。
3.”彼は第五次聖杯戦争のサーヴァント中で瞬間的な故にダブルキャノンは避けられて当然だった”の部分。
「……瞬間的な故に……」の部分のつながりがおかしいと思います。
何か間から抜けているのではないでしょうか?
……以上です。
1340 : ◆ozOtJW9BFA:2007/10/30(火) 21:36:14 ID:KsDcuShQ0
1の部分
こちらとしてはD-5の中心より少し右側よりはD-6までの距離は350m程を想定していました。
2の部分
ムスカは不屈の心は、この胸にの時点で精神・肉体共に激しく疲労しており、その状態から1分の全力疾走でさらに疲労し、判断力が低下してるとしてこうしました。
また、彼は真っ先に戴宗を狙わず、ランサーを狙い、殺すことで、ランサーの仲間であろう戴宗の隙を作り、そこを攻撃する考えであったということにしました
3の部分
切れてますね、続きはこうなっております 『』は追加部分
さらに彼は第五次聖杯戦争のサーヴァント中で瞬間的な『速度では最高クラスを誇る。 』
1341 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 21:37:27 ID:Bc1.lXFI0
便乗指摘。
ランサーが戴宗を犯人ではない、と判断する根拠が全く描写されておりませんが、
流石にそれは不味いのではないでしょうか。
密室内で、見ず知らずの人間が、仲間の死体と共に居て、
しかもその手には、実際に仲間を殺した凶器を手にしていた、と言う状況です。
普通の人間なら、確実に戴宗が犯人だと誤認する状況だと思います。
それを覆すのであれば、それなりの描写は不可欠なのではないでしょうか?
1342 : ◆ozOtJW9BFA:2007/10/30(火) 21:40:57 ID:KsDcuShQ0
その点については
「…テメェもオレと同じ口だろ、坊主の治療のための氷を持ってくるために坊主を一人にして、死なせちまった」
「それに、あんだけでかい声で叫んでたらさすがに聞こえてくるさ」
と、殺しに来たのなら戴宗が氷をもっている必要が無い、そしてエリオの遺体に直面した時の戴宗の叫びを聞いているとしてます。
1343 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 21:44:12 ID:rk/X5Uas0
>>1340 1はともかく、2の部分は作中の描写ではそれを読み取る事は難しいと思います。
地の文にその説明を追加した方がいいのではないでしょうか?
1344 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 21:45:00 ID:Bc1.lXFI0
つまり、戴宗が真犯人で無い、とランサーが判断した根拠は
・戴宗が氷を持っていた
・前SSにおいて、戴宗の「ちくしょうがあああああああ!!」 という絶叫を聞いた
この2点で宜しいでしょうか?
1345 : ◆ozOtJW9BFA:2007/10/30(火) 21:45:25 ID:KsDcuShQ0
了解しました、加筆修正します
1346 : ◆ozOtJW9BFA:2007/10/30(火) 21:47:35 ID:KsDcuShQ0
加えて、 男は部屋の中を見回している の部分で
ランサーと名乗った男は足元にあった血痕を見ながら言った、自分のではない、ランサーのでもエリオのでもない。
おそらくはエリオと争った人物の物だろう。
の病室を離れるまではなかった病室から病室の外に続く血痕を見つけていると
1347 :やってられない名無しさん:2007/10/30(火) 21:54:27 ID:KsDcuShQ0
ふむ・・・血痕か、それは納得するな
もし俺が犯人の立場ならそんなばれる危険犯してまでトリックまがいなことしねえよ
1348 : ◆ozOtJW9BFA:2007/10/30(火) 21:55:08 ID:KsDcuShQ0
すんません、トイレ言ってる間に弟が書き込みをしましたorz
1349 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 22:16:30 ID:EIVpTrBc0
わろたwww
1350 :ツチダマな名無しさん:2007/10/30(火) 22:30:41 ID:Bc1.lXFI0
>>1346 了解しました。
ただ、要はその部分がランサーの判断の肝である訳ですから、
もう少しその判断の根拠等についても描写しておいた方がよろしいかと思います。
修正お疲れ様です。
1351 : ◆/D6q5JErMM:2007/10/30(火) 22:41:59 ID:KsDcuShQ0
はい、修正版は仮投下スレに投下しておきます。
明日か今日中には投下しておきますので、意見を出していただきありがとうございます。勉強になりました
1352 :ツチダマな名無しさん:2007/10/31(水) 03:21:29 ID:/2Q3D30Y0
>>飛びまわる甲冑、つっぱしる四人 ◆Y7ZwBjIwBM
結局これについてはどうなったんだ?
致命的問題点多数なためNGもしくは修正確定と思われるが何の音沙汰もないので不安になってきた。
1353 :ツチダマな名無しさん:2007/10/31(水) 04:04:01 ID:NaR6eQlI0
何の音沙汰も無いのでNG濃厚
それだけの話さ
1354 :ツチダマな名無しさん:2007/10/31(水) 06:33:02 ID:Y6An17tM0
いやNG濃厚なのは当然として早いとこ結論を決めないと書き手が困るんでない?
結論がはっきりしてないから書きたくても書けんかもしれんし、あれがOKなのかと勘違いしてしまう人もいるかも
こういうのはキッチリ決めないと。きっちり
1355 :ツチダマな名無しさん:2007/10/31(水) 07:55:56 ID:NaR6eQlI0
投下が月曜で、応答期限が2日間。
だから今日の夜でNG決定。応答無しは厳罰対象だから……
ということでキッチリしてね?
1356 :ギガゾンビ様の足は・・・・・・:ギガゾンビ様の足は・・・・・・
ギガゾンビ様の足は・・・・・・
1357 :ツチダマな名無しさん:2007/10/31(水) 18:57:38 ID:egAKvK.60
>>1354は木津千里だったのかww
1358 : ◆DNdG5hiFT6:2007/11/02(金) 22:47:03 ID:yawJdcBY0
感想スレでも書いているのですがこちらでも。
スカーの錬金術については、アニメでアームストロングとの対決の際、
人間を狙ったにもかかわらず壁破壊をしている⇒アニメ版では多少影響あり?
と解釈してしまったのですが、
よく考えたら“エドの腕を破壊できない”っていう重要な展開があったんですよね……
それで修正案ですが
案1、VSアームストロングの話を”多少影響が出る”と判断し、
建物の破壊⇒壁の破壊にランクダウン
案2、VSアームストロングの話を”演出間違い”と判断し、
話の方向を“対象外のものにも若干影響”⇒“対象外のものを破壊できない”に修正する。
とりあえずどちらの方向でも修正できるように準備しておきます。
1359 :ツチダマな名無しさん:2007/11/02(金) 23:51:01 ID:Fe1dlIOo0
ところで、なんだか曖昧な状況なのでこちらも発議。
◆kILBiSHoqM氏の【ミー君怒りの鉄拳】について。
氏の発言が不明瞭なので、現状が掴めません。態度を決めて頂きたいです。
1.仮投下の物を完成品として投下扱いにする
2.完成できなかったものとして、破棄する
3.このまま「予約超過」な状態とし、完成次第投下するが、他に予約が入る場合はそちらを優先。恨みっこ無し。
このいずれかになると思うのですが……
正直、現状では修正議論を発議して良いのかどうかすら判断付けかねます。
一言コメントお願いします。
1360 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 00:09:10 ID:quMsRAT60
>>1385 建物じゃなくて街路樹なんかの生体にするのは?
いや、組成違うからちょっと無理があるかな?
あるいはわざと壊したってのもありかも、
1361 : ◆kILBiSHoqM:2007/11/03(土) 00:21:13 ID:ejerZpAgO
1の仮投下の物を完成品で投下でお願いします。
言動が不明瞭で混乱を招いた事を深くお詫びします
1362 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 00:38:38 ID:mMGo2AYQ0
>>1361 了解です。コメントしていただいてありがとうございます。
1363 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 13:00:56 ID:Qh5wSz3A0
>>1358 ノリで修正せずに、あのままでは駄目なんだろうか?
駄目なら案一でいいと思う。
漫画でもオートメイルの左腕が弾かれたりしているし。
1364 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 13:03:53 ID:Qh5wSz3A0
左じゃない右だった。
ほら、建築物の素材にタンパク質やら何やらが混ざっていたりするという
とんでも屁理屈とか。
1365 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 13:53:07 ID:7ACKclUsO
錬金術でなく馬鹿力で破壊したってのは?
1366 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 16:50:28 ID:0y75.Fhg0
スカーの錬金術は普通と違って
まず対象に触れ、対象を理解、分解の手順で行われるものだから
つまりあれは馬鹿力でOKじゃないか?
1367 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 16:52:18 ID:guqERRW60
分解失敗でも練成反応の火花出てたっけ?
1368 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 17:08:59 ID:0y75.Fhg0
練成反応は出てたはず
スカーは他の錬金術師と違って真理を見たり勉強して得たんじゃなくて兄の腕を移植したことで分解をできるようになったから
触れて理解、そして分解についてはマンガでもエドが指摘してスカーの分解を防ぎきってたなぁ
1369 : ◆DNdG5hiFT6:2007/11/03(土) 19:16:28 ID:egi.HUlQ0
皆さん御意見ありがとうございます。
意見を参考に色々考えたのですが
>>1360で指摘されているように
わざと壁を壊したってのもありかなぁ、とか思っています。
(『馬鹿力で壁を砕いた』にするとスカーの
“防御無効な一撃必殺”的な恐ろしさが薄れてしまうのではないか、
とちょっと思っていたりしたので)
とりあえず近日中にその方向で修正部分を仮投下スレに落としてみるので
それを見て改めて判断していただくというのはどうでしょうか?
1370 :ツチダマな名無しさん:2007/11/03(土) 20:07:21 ID:Qh5wSz3A0
>>1369さん。
それでいいと思います。
1371 : ◆DNdG5hiFT6:2007/11/04(日) 05:14:01 ID:gi.F7pAw0
修正差分、投下いたしました。
また突っ込みどころがあればお願いします。
1372 :ツチダマな名無しさん:2007/11/04(日) 11:47:20 ID:h1PT.71g0
◆DNdG5hiFT6氏投下乙。
修正はうまくいっていたと思います。
ドモンとスカーの迫力あるバトルがよかったです。GJ.
1373 : ◆5VEHREaaO2:2007/11/05(月) 22:17:23 ID:7BZQnF1E0
感想で言われていた疑問ですけど、
服はぼろぼろでも体の皮膚での侵食を見えないようにすると考えました。
裸というわけでもありませんし、シャツという存在もあるので、
DG細胞が見えないように隠す役割もはたせると考えています。
また、はやての放送に関する出来事の間でも侵食は進みますので、死に掛けのロイならば
乗っ取られるぐらいに侵食してもおかしくないとも考えています。
また、視覚障害でアル達のことを認識できていない可能性も自分の中では存在しています。
その辺りはあえてぼかしました。
1374 :ツチダマな名無しさん:2007/11/05(月) 22:43:39 ID:dFyrBe7A0
【出会いと別れ ◆5VEHREaaO2】
にて少々気になる点がありましたので指摘、修正要求をします。
・再生によってロイの腹を埋めたDG細胞に誰も気づかなかったのか?
原作の描写などを見る限り、欠損部分などはDG細胞の銀色で埋められると思われます。
服で見えなかったという可能性も、肋骨や内臓が欠損するほどの怪我で服が完全に無事ということはまずありえません。
発見された時点では侵蝕は進んでおらず、腹のケガに気づかなかった…という可能性も、流石に派手にえぐれて内臓が焦がされているような怪我に気づかないことはないかと。
またDG細胞に侵蝕された場合は治療可能なほど軽度でも身体の表面に転移したDG細胞が見られたりもします。
大まかな点では以上です。
1375 :ツチダマな名無しさん:2007/11/05(月) 22:44:27 ID:P4s9T7Es0
>負傷していたことを知るよしがなかったとはいえ、
>ぼろぼろとなったロイの体からは血は全く流れ出ていなかったということに。
ヒューズは「ひとつ屋根の下」で、血痕、付近に穿たれた鉄片、落ちていた制服のボタンから
ロイが大きな切り傷によって大量失血していると推測しています。
そして、実際にロイはランサーの攻撃により腹部を切り裂かれ、制服は血で汚れていると後の作品でも表されています。
その様な状態で、ヒューズがロイの傷の具合をすぐに確認しなかったり、出血していないことを見逃すのは
不自然だと思うのですが?
はいうp
, -‐‐‐‐-、、
,ィ´:.:.:.:.:.:, 、:.:.:.::.`ヽ、
!:.:.:.:,r'''´ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:|
t,:i´_ ,=ニ `ヾ:.:.:.:.|
`f´`r‐t___ノーレ‐,:ノ
!~´i リ;'
! ==' /ニ'
ヽ___ノ |
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ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;`;、t_フ'", 〉`// / `、___ノ´〉`/ ,ト-‐'´,ノ
` >,,,,,,,,,,;;;;;;;;/::::::::〉 / } {:::::::::::::::::::::/ )::::`‐t'´
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`i:::::::〈 '! ( |::::::::::::::::::/ ,ィ:::,::::::::::|
だからなんで他作品のアイテムだしちゃいけないのよ
「さて……どうしようか」
そう呟いた彼らの目の前にあるのは大きく二つに分かれた高速道路の分岐点。
片方は真直ぐ西に、もう一方は大きく曲がって南に続いている。
あの赤いマントの方のドモンの性格を考えるなら何も考えずに真直ぐ進む、というのがありえそうだ。
反対にドモンと名乗った少年のほうであれば人の多そうな下に行きそうな気がする。
なつきの方を見れば『どちらでもいいから早く決めろ』と言いたげに士郎の方を睨んでいる。
――何時の間に行き先を決めるのが自分の役割になったのだろう?
しかし事実何時までも悩んでいても仕方がないので、とりあえず西に進もうと提案しようとした――その時であった。
川向こうの――地図で言うショッピングモールあたりで建物が倒壊する音や銃声らしきものが聞こえてきたのは。
その音を聴いた瞬間、先程まで左右どちらにいくか悩んでいたはずの少年は踵を返して駆け出していた。
「!? 何処へ行く衛宮!」
「決まってる! あの場所へ行って、襲われている人を助ける!」
「な……!? 危険すぎる! 第一襲われている人間がいるとは限らん!
この殺し合いに乗ったもの同士が戦っているだけかもしれないだろう!」
「だからって……放っておく訳にはいかないだろ!」
先程までの優柔不断さはなんだったのかと思える頑固ぶり。
しかもそれが見ず知らずの人間を助けるためだというのだからお人よしにも程がある。
なつきが止めるのも無視して、今まで来た道を逆走しようとする士郎。
「待て!」
「何だよ、止めるっていうんなら、ここで玖我とはお別れ――」
「一度下に下りた私が先導したほうが早いだろう……急ぐぞ」
――結局のところ、玖我なつきもお人好しと呼ばれる人種なのであった。
****
そして数分後――丁度二人が高速道路を降りたとき、断続的に続いていた破壊音が鳴り止んだ。
それは戦いが終わった合図。つまりは自分たちが間に合わなかったと言う残酷な結果。
それでも士郎は走るのをやめない。
――傷ついて倒れている人がいるかもしれない。
――まだ、助けられるかもしれない。
たったそれだけの可能性で士郎の足は動く。
そしてそんな奴に付き合うと決めた以上、玖我なつきの脚も止まらない。
だから二人は一刻も早くショッピングモールに駆けつけるべく、最短ルート……
つまり、警察署の横から道に出て、後は道沿いに走るという単純なものを選択した。
だが、結果から見れば彼らはもう少し考えるべきだった。
ここは殺し合いが日常と化した世界だと言うことを。
黒衣の死神が道を歩いてやってくるという可能性を。
警察署の横を通り過ぎて道へ出ようとしたそのとき、士郎は久しく感じなかったその気配を感じた。
衛宮士郎はつい数ヶ月前まで濃密な殺し合いの中にいた。
だからまだ生々しいままに覚えている。背筋を凍らせるほどの純粋な殺気という物を。
それを感じ、本能的に首を向けた先にいたのは、黒く細長い影とその手に握られた“何か”。
それを見た衛宮士郎の取った行動は一つしかなかった。
――前に出ていた左手を伸ばし、なつきを突き飛ばす。
それと同時、先程までなつきの体があった場所――士郎の左肩を銃弾が貫いた。
「――ぐあッ!?」
なつきを突き飛ばしたままの不安定な体勢だったこともあり、士郎の体は銃弾の威力に吹き飛ばされる。
突き飛ばされて文句を言おうとしたなつきもその光景を目にして事態を把握する。
「このっ!」
なつきとてオーファン、そしてHiME同士の戦いを経験している身。
不安定な体勢を瞬時に建て直し、エレメントを召喚。黒い男に狙いをつける。
それは常人――否、普通の襲撃者であれば最善の方法であったはずだ。
その男、ニコラス・D・ウルフウッドが銃を求めていなければ。
なつきの銃を目にしたウルフウッドはディパックに手を突っ込むとあるものを放り投げる。
宙に放り投げられた物体――それは先程口にしていたただの水入りペットボトルである。
だがこの緊迫した状況下で無意味な行動は疑念を抱かせる。
――何故ペットボトルを投げた?
――もしやあれは特殊な支給品ではないのか?
――爆発物か? それとも毒か? それとも自分の想像もつかない魔法の物体?
生まれた疑念は幾つもの思考を生み、その分だけ体には躊躇が現れる。
だがその躊躇こそがウルフウッドの狙い。
ぺットボトルが地面に落ち、なつきが事態を把握したときには時すでに遅し。
触れられたと思った次の瞬間には左腕を完全に極められ、捻り上げられていた。
ピクリとすら動けない――いや、それどころか体の何処を動かしても左腕に痛みが走る。
腕一本で完全に相手を無効化する技術。背後の男が荒事に慣れた存在であることの証拠だった。
「――さっきまで持っとった銃はどこや」
耳元で囁くと同時、腕を強めに捻り上げる。
ただそれだけで間接、骨格、及びそれに繋がる筋肉すべてが痛みを叫ぶ。
なつきの額に脂汗が浮かびあがり、
「言う……ものか……貴様などに……!」
なつきにだってわかる。
ここで痛みに負けて話してしまえば自分は用済み、その時点で自分は殺される。
いいだろう。我慢比べだ。隙を見せたその瞬間、エレメントを再召喚して銃弾を叩き込んでやる。
だがなつきは理解していなかった。自分の背後にいる男が最早修羅に堕ちているということに。
「こんなとこに呼び出される以上、ある程度肝は据わっとるっちゅう訳か。
じゃあ――これはどうや?」
ウルフウッドはそう言ってなつきの小指に手を伸ばす。
そして無造作に、まるで庭木の剪定を行うように逆方向に折り曲げた。
「え――」
なつきは一瞬自身の体に起きた異常を理解できなかった。
だが次の瞬間、指先から全身の神経に炎が燃え移るように激痛が全身を蹂躙し、陵辱する。
あまりの激痛に声が出ない。悲鳴は肺から押し出される意味の無い空気の塊に取って代わられた。
「……次は薬指がええか? それとも中指がええか?」
台詞だけ聞けばウルフウッドが加虐趣味の持ち主のようにも聞こえる。
だがそうではない。ウルフウッドはこれが最も効率的だからそうしているだけだ。
断続的に襲い掛かる激痛の中、なつきもそれを理解し、戦慄する。
自分の腕を捻り上げているこの男は、必要と判断すればこの男はどんな恐ろしい手段もとるに違いないと確信して。
言えば殺される。だが言わなければ更なる激痛にのた打ち回る羽目になる。
進むことも引くことも出来ないこの状況になつきが歯噛みしたその時、
「玖我を……放せぇっ!」
背後から接近した士郎が投影した白剣・干将を振るった。
だが左肩を怪我した状態で振るわれた一撃など歴戦の殺し屋には通じるはずもない。
ウルフウッドは器用に体を捌き、長い脚で士郎の脇腹を蹴り飛ばす。
その一撃だけで士郎の体はまるで紙の様に吹き飛ばされ、大地に打ち付けられる。
「衛宮!」
その光景を見たなつきの声に焦りが混じる。
それは先程までのなつきの声と何処か違う色を含んでいたからだ。
その様子を見てウルフウッドは確信する。
この二人は他人のために命を懸けれる種類の人間なのだと。
他人の痛みを自身のような痛みに感じる美徳を持った人間――それならば、痛めつけるよりも手っ取り早い方法がある。
「もう一度訊くわ……お前が持っとった銃はどこや。
答えんのなら、こうするまでや」
そう言ってウルフウッドは倒れたままの士郎に向け、銃口を向ける。
「……!」
彼の予想通り、捻った左手を通じて少女の焦る様子が伝わってきた。
間違いない。こいつらは自分より人のことを心配する“お人好し”どもだ。
この方法は手の中の少女のような人間に対して、やたらと痛めつけるよりよっぽど効率的に話を進めることが出来る。
しかし状況は自分の有利に運んでいるはずなのに苛立ちは増している。
それは腐った行動を取った自分に対してか、それとも――目の前で立ち上がろうとする少年に対してか。
「……答え……るな……玖我」
肩を撃ち抜かれ、腹に一撃を受け吹き飛ばされ、その全身すでにはボロボロだ。
それでも士郎は玖我のことを心配していた。
自分は撃たれても構わないから、自分の命を優先しろと。
どうせ言えば二人とも死ぬ。ならばお前は生き延びろとその目が語っていた。
だが皮肉にも、なつきは士郎のその姿を見て決心する。
「……一つだけ、条件がある」
「……何や? 言うだけ言うてみい」
「衛宮には手を出すな。それが話す条件だ」
「玖我!」
咎める様に名前を呼ぶ士郎。そんな彼だからこそなつきは救おうと思う。
少年が我が身を省みず少女を助けたいと思うほど、少女は身を犠牲にして少年を救おうとする。
――それはあまりにも残酷で、同時に何よりもやさしく美しい矛盾だった。
「……考えとくわ」
ウルフウッドから返ってくるのはどちらとも取れる返答。
だがなつきはこれ以上粘っても、これ以上の条件を引き出すことは出来ないだろうと確信する。
情けない話だが今はこの男を信用するしかあるまい。
そう考え、なつきは口を開く。
「……私の銃は高次元物質化能力……特殊能力の類だ……
だから私以外にはこの銃は使えない」
その言葉にウルフウッドはぼんやりと最初の会場での出来事を思い出す。
まるで安物の小説の様に変身して見せたあの男――
つまりこの会場にはああいうのが山ほどいて、今自分が腕を捻っている少女もその一人というわけか。
自分に扱えない銃など、意味も無ければ興味も無い。
「何やつまらん。もうええわ」
そう言ってなつきの拘束を解くウルフウッド。
その行動に二人は驚きを隠せない。
だが、見逃してくれるというのならそれを拒否する理由は無い。
なつきはありえない方向に曲がった指を押さえながらもボロボロの士郎の下へと歩き出そうとする。
だが――
「もうええから――逝きや」
パァンという乾いた音が響くと同時、なつきの胸から鮮血が飛び散った。
呆然とする士郎の目の前で、なつきの細い体はアスファルトの上に力なく倒れこむ。
「く……玖我ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
士郎は傷ついた体を無理やり立ち上がらせ、倒れ込むなつきの体を受け止めようとする。
だがそれを留めたのはカチャリという撃鉄を起こす音だった。
見上げた視線の先にいるのは無表情のままで銃口をこちらに向けるウルフウッドの姿。
「恨み言ならあの世で聞くさかい堪忍してな、ボウズ」
咄嗟に反応しようとする士郎。
だが無常にも弾丸は発射され、立ち上がろうとしていた少年の体は1mほど吹き飛ばされるとそのまま動かなくなった。
少年は四肢を力なく投げ出し、大の字になって川縁に横たわっている。
それは死体のはずであった。だが、しかし――
――何か、おかしゅうないか?
何ともなしに少年を見ていたウルフウッドは違和感を感じ凝視する。
そしてその違和感の正体に気付く。
先程ウルフウッドが狙ったのは少年の“眉間”だった。
だというのに何故少年の頭蓋は原形を留めている?
そして注意深く観察すると仰向けになった胸は緩やかに上下していた。
そう、つまるところ、衛宮士郎はまだ生きていたのだ。
あの瞬間、士郎が反射的に行ったのは『投影』であった。
投影したのは無銘、しかも投影に至る八節のうち『構成材質の複製』と『製作技術の模倣』以外を無視した模造品としても三流以下の剣。
だがその構成速度は通常より遥かに速く、偶然も手伝いギリギリのところで銃弾を防ぐに至った。
しかし投影した剣が所詮出来損ないであったこと、ヴァッシュの銃の威力が重なり合い、
銃弾自体は防げたものの剣は一撃で粉々になり、その余波で額を強打してしまったのだ。
勿論そんなことはウルフウッドは知る由も無い。
だから単純に少女の銃のように何らかの特殊な手段によって防いだのだろうと考える。
そして死んでないのならば、今からもう一度殺せばいいのだ。
だが手持ちの銃の弾倉に残された銃弾はたったの1発。
瀕死の奴を殺すのに最後の一発を使うのも無駄が多い。
そこらへんの家のガラス割って、刃物代わりにでもするか――
と、そこまで考えたところで丁度自分と少年の中間あたりに黒光りする何かを発見する。
それは士郎が隠し持っていたデリンジャーであった。どうやら先程の衝撃で懐から転がり落ちたらしい。
銃を求めていたウルフウッドにとって、それを発見したことは渡りに船の事態であるはずだった。
だがウルフウッドの顔に浮かんだのは苦虫を噛み潰したような苦々しい表情だった。
しかしそれでも彼はデリンジャーを拾い、倒れたままの士郎に近づく。
士郎の瞳は明らかに焦点が合っておらず、意識があるのかどうかは判別できない。
だが、けじめとして一応言っておく。
「今度こそ、さよならや坊主」
そう言ってウルフウッドは動かない士郎の額にデリンジャーの銃口を押し当てた。
***
回る。廻る。視界が。世界が。ぐるぐると。狂々と。
(……まるで、螺旋だな)
玖我なつきは“死”を知っている。
否、“死に近いもの”を知っている。
かつて蝕の祭というHiME同士の争いで味わった消えていくと言う喪失感。
今なつきが味わっているのはそれに限りなく近しいものがあった。
だが、何かが決定的に違う。
冷たく、暗く、寒い――“これ”はもう戻ってこれないものだ、と本能が訴えかける。
次第に掠れゆく意識の中にいくつもの顔が浮かぶ。
――舞衣
後は任せたぞ。
お前ならばこの狂った世界を何とかしてくれるに違いない。
あの時だってそうだったのだから。
――ドモンと名乗った少年
偽名を名乗ったのはきっとこの狂った戦場での精一杯の自衛手段だったのだろう。
だから、どうか生き延びて欲しい。
――静留
お前の想い……誰かに愛されるということは満更でもなかった。
できればもうちょっと控えめに表現してくれたなら、私も上手く応えられたかもしれないのにな。
残された彼女がどうなってしまうのか。それが心配でたまらない。
奈緒、命、迫水、碧……そして母。今までの大小関わらず人生で関わってきた人間の顔が浮かんでは消えていく。
だがその走馬灯の中に、たった一つだけ異質な映像が紛れ込んでくる。
それは今現在なつきの眼球が映し出している映像。額に銃を押し付けられている士郎の姿。
それを見てなつきが思ったのはただ一つのことだった。
――アイツを、衛宮を死なせたくない。
共にした時間こそ僅かだったが、あいつがいい奴だって事ぐらいは分かっているつもりだ。
銃を手にして追い掛け回した自分をあっさり許し、更に自身を囮にして少年を探す自分を逃がした。
そして先程も自分を身を挺して庇い、更に自身の命よりも赤の他人である自分の命を優先した。
ああ、馬鹿にも程がある。自分が知る中でもここまで馬鹿な奴はいなかった。
だが――なつきはそんな馬鹿を嫌いではなかった。
その有り方は、まるで“正義の味方”だ。
だれもが子供の頃に憧れる無垢な幻想。そして大人になっていくうちに誰もが諦める夢。
それでもこの狂った戦場でさえも闘いを止めようと、人を救おうと真直ぐで有り続けようとする姿、正義を貫こうとするその姿勢。
それはきっと――間違いなどではないはずだ。
だから思う。ここで死なせてたまるものかと。何としてでもあいつを生かしたいと。
しかしそれは無理だ。なつきの体はすでに死に掛かっている。
死に掛かったものを動かす道理など世界に有りはしない。
――ドクン
しかしその決意は消えない。そこに有り続ける。
――ドクン ドクン
“道理”を引っ込め“無理”を押し通す強い“決意”。
――ドクン ドクン ドクン
それはなつきの消え行く命と“螺旋”を結んだ。
***
デリンジャーの引き金を引こうとしたウルフウッドは異様な気配を感じて振り返り、そこで見たものに驚愕する。
即ち、立ち上がった玖我なつきの姿に。
――アホな、立ち上がれるはず無い。
その証拠に胸には穴が開いており、そこからは未だに鮮血が流れ出している。
だがなつきの目はけして死者のそれではなかった。
その目に宿るのは緑色の螺旋――真直ぐな意思と閃光のような命の輝き。
そしてその螺旋は天を突き、無理を押し通す。
「来……いっ……デュラァァァァン!!」
それは本来ならばありえない光景だった。
この戦場の制限下ではチャイルドは出現しない。
事実、それは4人のHiMEがそれぞれ証明している。
だが、メタリックシルバーの巨狼は確かになつきの傍に現れた。
その無機質な瞳に緑色の螺旋を宿らせて。
「チッ!」
デリンジャーから2発の銃弾が放たれ、なつきの体に新しい風穴を開けていく。
そのどちらもが急所を的確に貫いた。
しかし、なつきの体は倒れない。そしてその目に宿る意志も消えない。
「ロォ……ド、シル……バ……、カ……トリッジ……」
一瞬ごとに意識が飛びそうになる。
肺に穴が開いているのか声も碌に出せやしない。
だがまだだ。まだ倒れるわけには行かない。
銃弾を込めろ。撃鉄を起こせ。照準を定めろ。意志を貫け。友を救え――引金を、引け。
「……ってェェェェェェェーッ!!」
なつきの咆哮と同時、銀色の閃光が放たれた。
***
結果から言えば、ウルフウッドはギリギリで“それ”の回避に成功した。
鍛え抜かれた戦士としての勘と優れた身体能力の賜物であった。
そして先程まで自分がいた場所を見て、驚愕する。
そこにあったのは自然現象などではありえない巨大な氷塊であった。
刹那ほどでも反応が遅れていれば自分はあそこで氷の棺桶の中にいただろう。
と、そこで先程まで自分が銃を突きつけていた少年の姿がないことに気付く。
恐らくは攻撃の衝撃波で水路に落ちたのだろう。
だがこの水路は案外流れが速い上に、3つに分岐している。
どこに流されたかは最早ウルフウッドには分からない。
しかし――
「……ホンマ、ついとらんな」
自分に出会ってしまったこの少女も、無駄に銃弾を浪費した自分も。
ウルフウッドは最初、二人を撃ち殺すつもりであった。
実際、視界に現れた二人組を見た瞬間はそう決断した。
初弾で少女を殺し、次弾で少年を殺す。迷うはずもない単純極まりない論理。
こちらに気付いた少年が少女を庇ったことは意外ではあったが、それもあくまでも想定内の出来事にしか過ぎない。
彼の行動を変えたのは、少女の両手にいきなり出現した二丁の拳銃であった。
まず考えたのは少女が早撃ちの名手である可能性。
かつての仲間の一人も早撃ちを得意としていた。
だがそれは明らかに違うとわかった。
ウルフウッドは見たのだ。少女の手の中に銃が出現する光景を。
そして考えたのは“そういう支給品”である可能性。
――念の入った参加者ならば説明書を破っている可能性もある。
そう考えたウルフウッドは少女と自分の間に十分な実力差があると確信した上で、情報を聞き出すことに決めたのだった。
だがその結果として、少女の銃は少女自身にしか使えないものという結果であり、
更には貴重な銃弾を3発も消費して殺せたのはその少女一人ときた。
だが、その少女についても不可解な点が多すぎる。
何故最初からあの銀色の獣を呼び出さなかったのか?
何故あの時、致命傷を負っていたにもかかわらず立ち上がれたのか?
そしてあの目に宿った緑色の光は一体何だったのか――?
その答えを探ろうとして倒れたままの少女に近づき顔を見下ろすも、
そこにあるのは生命活動を停止したただの死体があるだけだ。
ただし、一つだけ普通の死体と違う点を上げるとすれば、その顔には何かを成し遂げた者の笑みが浮かんでいたことだろうか。
生き残ったはずの自分が不機嫌極まりない顔をしていて、死んだはずの生者は対照的に満足げな笑みを浮かべている。
その皮肉にウルフウッドは更に顔を歪ませる。
更にせっかく手に入った武器も最悪だ。
デリンジャー。かつての知り合いであるメリル・ストライフが愛用していた銃。
現在手にしているのは平和ボケした男の銃に、共に旅した活発な少女の銃。
そんな奴らと一緒に馬鹿をやっていた“生きていた頃の記憶”が益々ウルフウッドを苛立たせる。
満足した死人と何処までも追いかけてくる過去(かつて)。
こうも念入りに自分をイラつかせるとは、神様はよほど自分のことが嫌いらしい。
「ハ……天国には来んなっちゅうことか……
……心配せえへんでもワイの行き先は一つしかないっちゅうねん」
少女の死体を盾にし、それを囮に年端も行かぬ少年を殺した。
これだけでお釣りが来るというのに今度は少女を殺し、その荷物を奪っている。
今から改心して聖者の様になろうとも地獄行きは決定したようなものだ。
――それなら、地獄で踊るだけや。楽しくもない、クソつまらんこの用意された地獄の中で。
ウルフウッドは残された二人のディパックの中身を移し終えると行動を再開する。
それは“銃”探しだ。
士郎のディパックの中から20発もの予備弾薬を発見したものの、デリンジャーでは流石に射程が短すぎる。
それに正直なところ、見るだけでイラつきが酷くなる銃など御免だ。
踵を返し、ウルフウッドはただただ最初の予定通り、銃を求めるために警察署へと向かう。
【A-6/水路/1日目/午前】
【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)、腹部、頭部を強打、左肩に銃創(流血中)、脳震盪
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1:玖我……
2:イリヤの保護。
3:できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は――
4:18:00に図書館へ行く
※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。
真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。
※本編終了後から参戦。
※士郎はなつきが凄まじい銃の腕を持っていると思い込んでいます。
※ドモンと名乗った少年(チェス)に軽度の不信感を持っています
※ドモンが弱者にも戦いを挑むつもりだとは気づいていません。
※士郎の情報を元になつきは以下の仮説を立てました。(士郎が何処まで信用しているかは不明)
・今回の殺し合いは蝕の祭や聖杯戦争をモデルにした物
・テッカマンとHiMEとサーヴァントは似たような存在
・螺旋力=高次物質化能力=魔術に近い特殊な力
・螺旋遺伝子を持った者=特殊能力者
・この殺し合いの参加者は皆、何かしらの特殊能力を持っている
※士郎の意識があるかないか、及び何処に流されているかは後の書き手さんにお任せします
【A-6/警察署前/一日目/午前】
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン】
[状態]:更に不機嫌。かなりイライラ
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾1/6)@トライガン,デリンジャー(残弾0/2)@トライガン
[道具]:支給品一式 (食糧:食パン六枚切り三斤+四枚、ミネラルウォーター500ml 2本)
士郎となつきの支給品一式、暗視スコープ、デリンジャーの予備銃弾20
なつきの不明支給品2(ウルフウッド確認済み)
[思考]
基本思考:ゲームに乗る
1:自分の手でゲームを終わらせる。警察署を目指す。
2:銃を持った人間を確認次第、最優先で殺してそれを奪う。
3:女子供にも容赦はしない。迷いもない。
4:警察署で武器を調達する。無ければショッピングモールへ。
5:できればタバコも欲しい。
[備考]
※迷いは完全に断ち切りました。ゆえに、ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの鬱屈した感情が強まっています。
※A−6の川沿いに謎の氷柱が出現しました。
またこの閃光を誰かが目撃した可能性が有ります。
「さて――どうすべきか」
一連の騒動を窓から見ていたアルベルトはそう呟いた。
自分は戴宗その再戦を果たすまで、死ぬわけにはいかないし、無駄な労力を浪費するのも望ましくはない。
更には幽鬼の様な気配を発するあの男から情報を引き出せるとも思えない。
だが戦士としてあの男の戦い様に如何ともしがたいものを覚えるのもまた事実。
アルベルトは迷った末、決断する。
その選択は――
【A-6/警察署/1日目/午前】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労大 全身にダメージ 右足に刺し傷(それぞれ消毒液や軟膏・包帯で応急措置済み)
スーツがズダボロ やや精神不安定
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 シガレットケースと葉巻(葉巻3本使用) 不明支給品0〜2(本人確認済み)
ボイスレコーダー@現実 シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム
赤絵の具@王ドロボウJING 自殺用ロープ@さよなら絶望先生
[思考]:
基本方針:戴宗を一刻も早く探して合流し、決着をつける
0:警察署に入ってこようとする男(ウルフウッド)に対処する
1:戴宗を再び失うことに対する恐れ。そうならないために戴宗の情報を集める
2:とりあえず南へ向かう
3:脱出の情報を集める
4:いずれマスターアジアと決着をつける
5:他の参加者と馴れ合うつもりはない
6:脱出不可能の場合はゲームに乗る
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※素晴らしきヒィッツカラルドの存在を確認しました
※ボイスレコーダーにはなつきによるドモン(と名乗ったチェス)への伝言が記録されていますが、
アルベルトはドモンについて名前しか聞いていません。
【玖我なつき@舞-HiME 死亡】
【――螺旋力、覚醒確認】
4951 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 10:04:43 ID:???0
結局、スパイクははやてと会えなかったんだな
次は温泉だし、拡声器の呪いを打ち破ったか
4952 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 10:06:43 ID:???0
>>4929 ミー君はともかく、マタタビは既に暴走フラグ立ってるじゃないか
後はどのタイミングで暴走するかだなー。もう少し温泉に人が集まれば対主催同士の乱戦も期待出来るが
4953 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 10:18:21 ID:???0
……マタタビが暴走してもなぁ。
もう、師匠にアルジャーノン発症してもらえばいいよ。
4954 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 10:40:28 ID:???0
それは事前投票でベターマンに票を入れるも結局まるで票が入らなくて絶望した俺に対する追い討ちと考えてよろしいか?orz
4955 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 10:42:31 ID:???0
ごめん。
代わりにゾンダー化させよう。
4956 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 10:45:55 ID:???O
それはガオガイガー入らなくて涙目の俺に対する(ry
4957 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 10:49:33 ID:???0
じゃあ、DG細胞は……精神力で撥ね退けられるから却下で。
アンチスパイラル化、聖杯の毒で黒化、ジェントルメン化、ミーくんと合体、
ホムンクルス化、不死者化、ラダム化。
これでどうだ!?
4958 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 11:14:57 ID:???0
普通に文章と展開でマーダー化させたい……が、
それを使用とすると往々にして次のリレーでフラグブチ折られるんだよなぁ……
4959 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 11:34:07 ID:???0
マーダーを増やすのはロワを進行させる(死人を出す)手段であって目的じゃないだろ。
ある程度統一された目的で動くグループができないと激戦に発展しにくいぜよ。
はやての拡声器とポロロッカーノはその意味でいい一石になってると思う。
4960 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 11:36:09 ID:???0
…と、えらそうに吠えてはみるものの、
人数に集まられると、把握してない作品のせいで手が出せなくなるジレンマ。
どうしたもんか。
4961 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 11:40:47 ID:???0
大丈夫。はやてが集団化してもなんとか繋いでみせる。
ルル達が絡まなければ。
4962 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 12:08:20 ID:???0
>>4947 貴重なマーダーがまた死ぬな
4963 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 12:32:20 ID:???0
前作のはやての思考が北上してデパートに向かうってなってるのにクレアたちのいる
温泉に向かうのはおかしいと思うんだが?
まだ投下されてないんでなんともいえないが。
4964 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 12:37:49 ID:???0
左のレールウェイは危険だって思ってるし、右の道には禁止エリアがあるから通らざるおえない。
まあ、川を泳いでブラなしすけすけワイシャツ、っていうのもそそるけどね
4965 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 12:41:04 ID:???0
んーと、いつか言おうと思っていた毒を今ここに。
>>4963みたいな方針って、出来るだけぼかしておいた方が次のリレーする人に優しいんだよね。
2〜3行でとりあえず方針決めました、とか、あまつ状態表内だけで決まった行動方針のせいでプロットが潰れるのが忍びない。
とはいえ、そういう根拠の薄い方針なら、同じく2〜3行で撤回しても良いと思うけど。
逆に、バッチリ根拠も描写した行動方針を2〜3行で撤回されるのも勘弁なんだけどな。
まあ、どっちにしろ方針はしっかり描写しようぜ、ってことで。
4966 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 12:59:32 ID:???0
スパロボのマサキみたいな方向音痴だったら
北に行くと言って、南の町にたどり着いたとしてもおかしくないんだけどなぁ。
4967 :4963:2007/11/04(日) 13:02:35 ID:???0
そういえば禁止エリアがあるんだったな
とはいっても少なくとも1時間はあるはずなんだけどまあ安全策をとったってことか。
4968 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 18:00:04 ID:???0
もう少しで書き込めなくなるからみんな遠慮してるのかな?
これだけじゃどうかと思うので毒
なんか全体的にロワが始まっているという雰囲気がないんだ
嵐の前の静けさだと思っていいんだよね?
4969 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 18:05:25 ID:???0
フラグとか遠慮せずにぶっ壊せる空気の読めない書き手さんが頑張ってほしい。
とは思っている。まあ、初心者さんでもいいから参加者の一人をズガンしてもらってもいいとは思っている。
マーダーやりすぎたら困るから、マーダー逝かせたい人は相打ちでお願いしたいけど。
4970 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 18:19:08 ID:???0
いやまあ、既に次スレ立ってるわけだが。
4971 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 18:27:40 ID:???0
一連の話、対主催話だらけになったのは、いっせいに予約したからだろう
だからと言って、今回一斉にマーダー寄りにすると、
殺しまくって、収集がつかなくなる可能性も
ということで、今回はみんな、状況を見ながら予約してるんじゃね
4972 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 18:31:14 ID:???0
>>4970 うお、マジだ
4973 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:00:49 ID:???0
ある程度対主催チームが出来上がったところで東方先生辺りが壊滅させてくれることを期待してる
4974 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:23:01 ID:???0
ラッドと東方不敗を適当なところにバラして不時着させれば、それなりに騒動を起こせるだろう。
4975 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:41:07 ID:???0
とりあえず、クレアとラッドは引き合わせないほうがいい。
ラッドが逝っちゃう。まあ、師匠が介入すればいいんだけど。
ラッドはソルテッカマンを着るのだろうか?
なんとなく防具は嫌いぽい。緊張感がなくなるから。
4976 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:46:09 ID:???0
クレアとラッドはまずい
クレアは作中でラッドを軽くいなしてる(ルーアの介入によりラッドは死ななかったがルーア、本人共に戦えばまずいと気づいていた)
そしてラッドは人間だけど人間の中でも超人の部類に入るほどの力を持っている(ルーアを守るために鉄塔に拳を叩きつける、その後左腕が肉が吹き飛び骨だけなったのにもかかわらず平然とルーアといちゃついている)
4977 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:53:10 ID:???0
つまり温泉に絶望先生達とはやてと読子スパイクを向かわせたところで、
マタタビを暴走させ、ついでに空からラッドを放り込めば完璧だって事だな! …………書ける気がしねぇw
4978 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:53:11 ID:???0
ラッドはソルテッカマン着ないだろうな
ラッドは絶対に自分は死なないって思っている奴をぶっ殺すことが目的だからソルテッカマン着たら相手が自分は死ぬかもって思っちゃうかもだし
それよりかがみをラッドと引き合わせるとおもしろいやもしれん
全くといっていいほど戦闘力が無いが普通の人相手に自分は殺せないと安心して不死者だけ恐れているかがみ
作中では不死身で自分は絶対に死なないと思っているであろうヒューイを殺してやろうと執念を燃やすラッド
かがみの無限精神崩壊が起こる
4979 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:54:08 ID:???0
>>4977 それ下手したら最強対主催チームになるぞ
4980 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:55:39 ID:???0
ID出なくても特定できるほど頭悪そうな口調は久々に見た。
はやてとラッドは絡ませたいなあ。個人的に。
……殺されるとまでは考えない辺りがはやての『甘さ』だよな。非常にラッド好みの。
4981 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 19:58:10 ID:???0
はやてはパロロワの死亡フラグアイテム拡声器持ってるからなw
一体どうやっなるのかが楽しみだw
4982 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:01:36 ID:???0
個人的に一番ラッドと絡ませたいのはクアットロ。
自分は安全なところにいて他人を踊らせることしか考えてない。
まさに最上級の獲物。
4983 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:03:27 ID:???0
最上級すぎるw
ラッドが嬉々としてぼこぼこにするのが容易に想像できてしまうw
しかしあのテンションでなんて言うかは想像できない
4984 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:18:02 ID:???O
そして、うっちゃり返り討ちにするかがみと
4985 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:19:12 ID:???0
逆にラッドの食指が動かない奴って誰だろう。
何時も死ぬかも分からないと思ってる奴……ってそんな奴いたっけ
4986 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:21:28 ID:???0
>>4985 歩く死亡フラグの主人公が
4987 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:22:28 ID:???0
自分の命を軽く見ている奴と言ったら間違いなく士郎
4988 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:22:51 ID:???0
>>4686 朝飯に箸休めまで作る和食特化の魔術師のことか
4989 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:22:54 ID:???0
ウルフウッドだろう。
自分をゾンビとみなして戦ってるんだし。
4990 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:23:34 ID:???0
ウルフウッドは多分おk
ヴァッシュも(多分)フィーロと同じ理由でおk
高遠は純粋に危機意識高めなのがグッド
士郎は……覚悟云々ではなく『そもそも自分の命に価値を感じていない』からなあ。どうなるんだろ。
4991 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:23:38 ID:???0
>>4985 絶望先生?
逆にカフカなんかは苛めそうな気がする。
我様も標的になりそう。
全ての本を読むまでは死ねないと思っているあの人はどうなんだろうか?
4992 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:25:34 ID:???0
我様はクレアと完全に同タイプだからな……
一応までに次スレ。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1194119251/ 4993 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:28:07 ID:???0
ねねねは違う気がするなぁ
死ねない、であって死なないじゃないから死んで本が読めなくなるのは嫌と思ってるだけだろうから自分は死なないっていうのとは違う気がするんだよな
4994 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:32:59 ID:???0
ルルってある意味天敵多いな、バッカーノだけでもクレアとラッド
2人のどっちかに遭遇したらギアスかけそうだけどあの2人に強い意思には制限ギアス効くかな?
4995 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:36:12 ID:???0
ラッドには恐ろしい曲解されそうで怖いなw
「やめろ!」
「ああ? 殺さずに済ますのをやめろってことか?」
……どこぞの『期待外れ』なヨルス婆さんみたいにならなきゃいいが。
4996 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:42:14 ID:???O
>>4994 そこまで制限の水準広げると不利すぎないか、ルルーシュ。
超人でもない連中の意志力で弾けるとなればいよいよ絶望くらいにしか効かんぞ。
絶望には当たらないがなw
4997 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:43:33 ID:???0
>>4993 ねねねは書くまで死ねない。
読子は読むまで死ねないだから、解釈が逆だ。
ラッドは性格が性格だから微妙にマーダーに向いて無いぜ。
4998 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:49:39 ID:???0
>>4997 ラッドは「私を殺して下さい」って目をした女が好みだから
そんなの見つけたら俺の愛人になれとか言いそう
4999 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:51:58 ID:???0
よし、5000は任せた!
名言頼んだぜ!
5000 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 20:53:07 ID:???0
「既に犠牲者が……。
きっと凄く長い時間をかけて準備してきたんです。
仲間の人が潜伏してるって言ってるじゃないですか。
スパイクさんは最後に背中をちょっと押しただけなんです。
いえ、スパイクさんがいなくても八神さんはきっと近いうちに行動を開始するつもりだったんですよ」
で、前すれの君たちが移動という話は、どーなったのかな?かなwwwww
無視なんだろw
310 :
高峰清麿の考察、王ドロボウの消失 ◆o4xOfDTwjY :2007/11/08(木) 00:17:54 ID:h12n85/a
未だ気絶したままのジンを見守る高嶺清麿は思考する。
彼はラッドやジンみたいに高い身体能力を持つわけでもなく、ましてや東方不敗や最初の会場で見たモラトフみたいな超人的な能力を持つわけでもない。
彼は一般人ともいえる身体能力しか持たないのだ。
しかし、彼には中学生とは思えないほどの並外れた天才的な頭脳がある。
そして、ガッシュと共に魔界の王を決める戦いを勝ち抜いてきた経験がある。
この頭脳と経験をフルに活用することが今の自分にできること、清麿はそう考えていた。
まず彼が最初に考えたことは先ほどの放送の内容だった。
東方不敗とジンの戦闘があったため、いったんは考えることを停止せざるを得なかったが、今なら幾分か時間はある。
禁止エリアと死者の情報以上に、ロージェノムは気になる発言をしていた。
――幼き少女が、螺旋の力に目覚めたのを、この目で見られたのだからな。
なんのつもりでこのようなことを言ったのかはわからないが、この一言は清麿に様々な可能性を見いださせるには十分すぎた。
――この目で見られた
つまりは、何らかの方法で参加者を監視しているということ。
放送でロージェノムは自らこれを露呈したようなものだ。
螺旋力というものに目覚めた少女がいたのがよほど嬉しかったのか。
それとも監視していることを参加者に気づかれようが大丈夫な自信があるのだろうか。
真意を知る術はないが、与えられた情報はありがたく使わせてもらう。
監視している可能性が高まった以上、これからの行動には注意を払わなければならない。
しかし、一体どのような方法で監視を行っているのだろうか?
清麿が立てた仮説は2つ。
場内に監視カメラが仕掛けられている、魔物の術のような特殊な能力によって監視されている、2つだ。
だが最初の説はほとんどないだろうと考えた。なぜなら、監視カメラなど仕掛けていたらすぐに参加者は気づいてしまうだろう。
首輪に仕掛けられているという考えもできるが、首輪をされた本人の映像が見られないどころか、そのカメラのレンズを隠してしまえば監視はできなくなってしまう。
ならば後者の仮説が濃厚だろう。
清麿は魔物の戦いの中で常識破りな能力と出くわしてきた。
電撃を放つ魔物、氷を生み出す魔物、重力を操る魔物、自分の体を変身させる魔物、バリアを発生させる魔物、更には人の心を操る魔物と、様々なタイプの能力を扱える魔物と出会ってきた。
魔界の王を決める戦いはその性質上、戦いに向いた能力の持ち主が多かったが、ティオやキャンチョメのような補助的な能力の持ち主もいた。
ならば、監視に向いた能力をもつ魔物がいてもおかしくない。
そして、この殺し合いには最初の広場で見たモラトフのような、魔物のような能力を持つ人間も参加していると考えてよいだろう。
そして、ロージェノムは監視に特化した能力を持っている、清麿はそう推測する。
しかし、例えそのような能力を持っていたとして、80人以上もの参加者を同時に、しかも長時間監視できるだろうか?
魔物の術を発動するには、魔本の持ち主の心の力が必要であった。
ならばそういった能力を使うのにも何らかの力が消費されると考えてもよい。
一度に80人以上の参加者を長時間監視などすれば、すぐにそのような力を消耗してしまうだろう。
ならばどのようにして監視を行っているのだろうか?
ロージェノムはこの殺し合いの目的を「優秀な螺旋遺伝子を持つものを探すため」と言った。
先ほどの放送でも「幼き少女が、螺旋の力に目覚めたのを、この目で見られたのだからな」と言っていた。
そもそも、螺旋力とはなんなのか?
清麿には思い当たる節があった。
魔界の王を決める戦いは100人の魔物を互いに戦わせ、生き残った最後の1人を王とするというシステムだった。
今行われている殺し合いと似たシステムだ。
その魔物の戦いの中での重要な点のひとつに、戦っていくうちに魔本に新たな術が現れ、それが使えるようになるという点があった。
螺旋力が目覚めるということを、魔物が新たな術を使えるようになるということと捉える。
魔物の戦いは王を決めることが目的であり、新しい術が使えるようになることはいわばそのための手段であった。
しかし、この殺し合いの場合は魔物の戦いの手段に当たることが目的なのではないのだろうか?
螺旋力という新たな力を発現させるために参加者同士を殺し合わせる。
そして、優秀な螺旋遺伝子つまり優秀な螺旋力を持つ者を発掘する。
仮に目的がそうだとしたら、全ての参加者は螺旋力という力を覚醒させる素質の持ち主なのだろうか?
だとしたら、自分みたいな一般人を集めて、その螺旋力というものを目覚めさせようとしているのだろうか?
清麿、ジン、ラッド、ヨーコ。今まで接触してある程度情報を得た参加者達だが、魔物のような特殊な能力は持ってなかった。
対峙したジャンパーの男や東方不敗もそうだった。
いや、あの老人はそうとも言い切れない。
倒壊した建物から生き延びるなど、人間の身体能力では考えられないほどの超人的能力を持っていた。
もしかしたら魔物でいう肉体強化の術のような能力を持っているのではないか?
それにこの殺し合いに参加している知り合いの、ガッシュとビクトリームも何らかの能力を持つ魔物である。
そう考えると、一般人、魔物、特殊な能力を持つ者、色んなタイプの参加者がいると言える。
ならば参加者の共通点はなんだろうか?
やはり、あのロージェノムが言った優秀な螺旋遺伝子を持つ可能性のある者と考えて良いだろう。
ならば自分にも、隣で気絶しているジンにも、螺旋力という力が眠っているというのだろうか?
螺旋力。この力の正体を知ることが、もしかしたらこの殺し合いを止めるためにも重要なことかもしれない。
途中で螺旋力に対しての考察に移ったが、監視について考え直す。
先に立てた、魔物でいう新たな術の発現=螺旋力の覚醒、それを参加者にさせることがロージェノムの目的だと考えた。
魔物が新たな術が発現することは、魔物同士が戦っている時が圧倒的に多く、ナゾナゾ博士はいち早くそれに気づいていて、あえて自分たちと戦うことでガッシュに新たな術を発現させた。
ならば螺旋力が目覚める場合も、参加者同士の戦闘中ではないかと考えられる。
ならば監視を、参加者同士の戦闘に限って行うと考えてみてはどうだろうか?
参加者同士の戦闘のみなら、監視のため能力を使う機会も減るだろう。
ならば、戦闘が行われることの判断はどうするのだろうか?
これは簡単だ。清麿の住む世界にもあるGPSと盗聴器。
これを首輪に仕掛けておけばすぐにわかる。参加者同士が遭遇しそうになったら監視を始めて、さらに盗聴器で戦闘が行われているかを確認すればよい。
ロージェノムの一言で様々な見解を立てた清麿だが、流石に集中して考えただけあって、少し疲れていた。
少し休もうと思って、デイパックから取り出した水を一口飲む。
そして朝食をとってなかったことを思い出す。
腹が減っては戦も出来ぬ、そう思った清麿はデイパックから食料を取り出した。
清麿に支給された食料は、コンビニで売っているようなおにぎりだった。
朝食で腹ごしらえを済ませた清麿は、デイパックからボールペンとメモ帳を取り出す。
先ほどの考察を記すためだ。
盗聴の可能性も頭に入れ、ロージェノムやこの殺し合いについての考察は筆談でやりとりする必要もあるだろうと判断した。
そのために、自分の考えを他の参加者に伝えやすくするためにも、考察をわかりやすくメモ帳にまとめた。
清麿はメモ帳への記入が終わって一息つくと、ソファーで横たわっているジンが動きだした。
ジンは上半身をゆっくり起こして清麿の姿を確認する。
「やあ、清麿。無事で良かったよ」
一時の沈黙。
ジンは清麿から視線を外して、シーツの被せてあるヨーコの死体の方を見た。
それに気づいた清麿は、重たい口を開いてジンにヨーコが死んだ事実を告げる。
「残念だが…。ヨーコさんは助からなかった」
「…そうか」
ジンは立ち上がり、ヨーコの亡骸へと向かって歩く。
シーツをゆっくりと捲る。体の血は拭き取られていて、胸の前で両手が祈るように組まれている。青ざめつつある死顔は、安らかな笑顔であった。
彼女が最後に何を思って死んでいったかは、ジンに知る術もない。
だが、あの時ヨーコは自分を守るために行動したのは間違いなかった。
今まで旅の行く先で出会う少女を助けてきたジンだが、今回は助けるどころか助けられてしまった。
「ごめん、おねーさん。オレ何もしてやれなかった。オレが言えた台詞じゃないけど、どうか安らかに」
黙祷を捧げたジンは、再びヨーコにシーツを被せた。
清麿の方へと振り返るジン。清麿は申し訳なさそうに頭を下げる。
「本当は埋葬してあげたかったが、俺にはあれぐらいしかしてやれなかった。すまない…」
「いや、よくしてくれたよ。それに怪我の手当てもなかなかの腕前だし」
そう言うとジンはソファーに座り込む。
医療関係の本を何冊か読んだことがある上に、魔物の戦いの中で実際に応急処置などを行った経験のある清麿は、民家で使えそうな治療器具を見つけて、ジンに的確な応急処置をしていた。
しかし、それは応急処置というだけで、ジンの状態は依然思わしくない状態だった。
清麿としては病院に行って、もっとジンに的確な治療をしたかったし、自分の右耳の応急処置もしっかり治療する必要があった。
そして、ラッドとも合流しなければならない。
「とりあえず、消防車まで行ってみたい。大丈夫か?」
「うん、なんとかね」
そう言って重い体を起こすジン。
清麿は先の考察をジンに話すべきか迷ったが、優先すべきはジンの治療だと考えた。
ラッドの安否も気になる。彼と別れた地点は消防車を止めた場所だ。
もし彼が生きているのなら、消防車のあった場所でジンの朝飯を待っているかもしれない。
逆に待ちくたびれて、新たな参加者を殺しにかかるかもしれない。できれば、それだけは避けたい。
ともあれ、まずは消防車へと向かうのが得策と考え、それを優先した。
2人はヨーコに改めて黙祷を捧げると、民家をあとにする。
ジンは民家を振り返り、隣の清麿にも聞こえないぐらいの小声で「おねーさん、ありがとう。後はオレに任せて」と呟いた。
【C-7/北東部/民家の前/1日目/午前】
【ジン@王ドロボウJING】
[状態]:中程度の疲労。全身にダメージ。左足と額を負傷(応急処置済み)、貧血。
[装備]:夜刀神@王ドロボウJING×2
[道具]:支給品一式、予告状のメモ、鈴木めぐみの消防車の運転マニュアル@サイボーグクロちゃん
[思考]
基本:螺旋王の居場所を消防車に乗って捜索し、バトル・ロワイアル自体を止めさせ、楽しいパーティに差し替える。
1:清麿と共に消防車に向かう。
2:ヨーコの死を無駄にしないためにも、殺し合いを止める。
3:そういや、ラッドの朝食準備しなきゃ。
【高嶺清麿@金色のガッシュベル!!】
[状態]:右耳欠損(応急処置済み)、軽い貧血
[装備]:イングラムM10(9mmパラベラム弾22/32)
[道具]:支給品一式(水ボトルの1/4消費、おにぎり2つ消費)、殺し合いについての考察をまとめたメモ帳、
イングラムの予備マガジン(9mmパラベラム弾32/32)×5、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル!!、無限エネルギー装置@サイボーグクロちゃん、清麿の右耳
[思考]
基本方針:螺旋王を打倒して、ゲームから脱出する
1:消防車へ向かう。
2:ラッドと合流。
3:病院でジン及び自身の右耳の治療。
4:頃合いを見計らって、殺し合いについての考察をジンに説明したい。
5:考察の真偽を確認するための情報収集。とくに螺旋力について知りたい。
6:ガッシュ、フォレゴレとの合流。
7:螺旋王に挑むための仲間を集める。その過程で出る犠牲者は極力減らしたい。
※清麿の考察について
・監視方法について
首輪にGPSと盗聴器を仕込んでいて、参加者同士の戦闘が発生した際に特殊な能力などで戦闘を監視しているのではないかと推測。
・螺旋力について
螺旋力の覚醒を、魔物の戦いにおける新たな術の発現と似たものと認識。
魔物の新術が発現することが戦闘中に多いことから、螺旋力の覚醒も戦闘中に起こるのではないかと推測。
一般人、魔物、特殊能力者等関係なしに、殺し合いの参加者全てに螺旋力覚醒の可能性が秘められているのではないかと推測。
上記の考察をメモ帳にまとめてあります。
※ヨーコの死体は、C7エリア北東部の民家にシーツを被せられた状態で放置されています。
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したらばで粛清開始だ
「猫が喋ってたなあ……」
「喋ってましたねえ……」
「まあ、話の分かる猫でよかったですね……」
「渋い猫だったなあ……」
かぽーん
「良い湯だなあ」
「そうですねえ」
言うまでもなく、ここはH-6温泉である。
「温泉って、良いモンだなあ……何気に新しいし、キレイだし……」
「何でも、潰れかかっていた温泉施設を一から建て直したそうですよ」
「奇特な奴だなあ」
「実に12時間足らずで修復しちゃったそうです」
「勤勉な奴だなあ」
「最初にあの猫さんが始めて、途中からあの男の人が協力したそうです。
で、居合わせた人たちで手伝って……私たちもちょっと手伝っちゃいましたしね」
「労働後の風呂ってのは格別だなあ」
「スパイクさんはほとんど何にもしてないじゃないですか」
「……」
「……」
「しかしあの男、尋常じゃない働きっぷりだったなあ……」
「『愛の力だ!』とか何とか言ってましたけど……
でも、あの猫さんが言うには、そのせいで当初の設計から大分ズレた方向に行っちゃったみたいですね。
ホラ、この温泉、和風の岩風呂なのに、マーライオンとか彫ってあるし。
本当はもっと、広くてそれでいて細部にもこだわった設計だったとか何とか」
「俺はそういうのは良くわからんが……」
「だから、混浴なのか?」
「ええ、多分……」
「……」
「……」
「というか、その紙を置け。話はそれからだ」
「いえ、それはその……防犯上の問題と言いますか……」
「風呂に溶け出したら汚いだろう」
「そ、そういえば、はやてちゃんと、まだゆっくり話せてませんね!」
「話を逸らすな」
「何か、どうも上の空っていうか、他のことで何やら手一杯っていうか……」
「まあ、猫とかが話しかけても、物凄い勢いで誤魔化してたしなあ……」
「やっぱり、何やら深い事情がおありなんですかねえ……?」
「さあなあ……また後でゆっくり話を聞いてやるかな……」
「……ん? なんか賑やかだな。 誰か来たのか?」
「じゃあ、そろそろ上がりますかね……」
「その前に髪を洗え髪を。何なら俺が洗って……」
「……」
「だからその紙を置け、紙を」
【H-6/温泉/一日目/昼】
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(残弾8/8、予備マガジン×2)
[道具]:支給品一式
[思考]
1: とりあえず温泉
2:はやてに真相を問い質す。
3:読子と一緒に行動してやる。
【読子・リードマン@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:○極○彦の小説、飛行石@天空の城ラピュタ
[道具]:なし
[思考]
1:まずは温泉
2:はやてに協力したい。
3:適当なところで帰る。
※はやてがやろうとしていることを誤解しています。
※温泉が(一応)完成しました。混浴です。
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、ヽ、 `ヽi、゙ヽ、 ,,.-‐'''""'''- 、 /i/ '"´'´''"i,
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ヽ、,,__,,,.-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ! | |.:/ '‐‐( Oi ゙i r' Oノ/_,ノ
゙ヽ、,,,_,,{゙、i,l |:.i, ,. 、`ー‐' ,. ヽ=' i 前スレの話は、完全に無視されたようだね
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