アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ4
・参加者リスト・(作中での基本支給品の『名簿』には作品別でなく50音順に記載されています)
6/7【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/○エリオ・モンディアル/●キャロ・ル・ルシエ/○八神はやて/○シャマル/○クアットロ
6/6【BACCANO バッカーノ!】
○アイザック・ディアン/○ミリア・ハーヴァント/○ジャグジー・スプロット/○ラッド・ルッソ/○チェスワフ・メイエル/○クレア・スタンフィールド
6/6【Fate/stay night】
○衛宮士郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○ランサー/○間桐慎二/○ギルガメッシュ/○言峰綺礼
4/6【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○ルルーシュ・ランペルージ/●枢木スザク/○カレン・シュタットフェルト/●ジェレミア・ゴットバルト/○ロイド・アスプルンド/○マオ
5/6【鋼の錬金術師】
●エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○リザ・ホークアイ/○スカー(傷の男)/○マース・ヒューズ
5/5【天元突破グレンラガン】
○シモン/○カミナ/○ヨーコ/○ニア/○ヴィラル
4/4【カウボーイビバップ】
○スパイク・スピーゲル/○ジェット・ブラック/○エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世/○ヴィシャス
3/4【らき☆すた】
○泉こなた/○柊かがみ/●柊つかさ/○小早川ゆたか
4/4【機動武闘伝Gガンダム】
○ドモン・カッシュ/○東方不敗/○シュバルツ・ブルーダー/○アレンビー・ビアズリー
4/4【金田一少年の事件簿】
○金田一一/○剣持勇/○明智健悟/○高遠遙一
4/4【金色のガッシュベル!!】
○ガッシュ・ベル/○高嶺清麿/○パルコ・フォルゴレ/○ビクトリーム
4/4【天空の城ラピュタ】
○パズー/○リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ/○ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ/○ドーラ
4/4【舞-HiME】
○鴇羽舞衣/○玖我なつき/○藤乃静留/○結城奈緒
2/3【R.O.D(シリーズ)】
●アニタ・キング/○読子・リードマン/○菫川ねねね
3/3【サイボーグクロちゃん】
○クロ/○ミー/○マタタビ
3/3【さよなら絶望先生】
○糸色望/○風浦可符香/○木津千里
2/3【ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
○神行太保・戴宗/○衝撃のアルベルト/●素晴らしきヒィッツカラルド
2/2【トライガン】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド
2/2【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○Dボゥイ/○相羽シンヤ
2/2【王ドロボウJING】
○ジン/○キール
【残り75名】
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
【舞台】
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/f3/304c83c193c5ec4e35ed8990495f817f.jpg 【作中での時間表記】(0時スタート)
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、
>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
携帯からPCに変えるだけでも違います。
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、「ベリーメロン〜私の心を掴んだ良いメロン〜」を見るなどして気を紛らわせましょう。「ブルァァァァ!!ブルァァァァ!!ベリーメロン!!」(ベリーメロン!!)
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
【議論の時の心得】
・このスレでは基本的に作品投下のみを行ってください。 作品についての感想、雑談、議論は基本的にしたらばへ。
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては議論スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NG協議・議論は全てしたらばで行う。2chスレでは基本的に議論行わないでください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。
上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
【予約に関してのルール】(基本的にアニロワ1stと同様です)
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行う
・初トリップでの作品の投下の場合は予約必須
・予約期間は基本的に三日。ですが、フラグ管理等が複雑化してくる中盤以降は五日程度に延びる予定です。
・予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【主催者や能力制限、支給禁止アイテムなどについて】
まとめwikiを参照のこと
http://www40.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/1.html
夜闇の中、月明かりを受け煌く金色が揺れていた。
十字架だ。それを首から提げているのは、西洋の黒い僧服を纏った長身の影。
言峰綺礼、聖杯戦争というバトルロワイアルの監督役であった神父―――しかし、今は参加させられる側。
その表情は常と変わらない。癖のある前髪の下から覗く黒瞳は、僅かに細められている。
西へと歩き出したあと、彼は幾つかの情報、推測を得ていた。
まず一つ。それは、原因の分からない魔術回路の不調だ。
本来、聖堂教会の人間にとって、魔術というのは最大の禁忌だ。だが、彼は遠坂時臣に師事し、数多くの魔術を修めていた。
―――自らの心に空いた虚、それを埋める術を魔道の鍛錬に見出せるかという試みは、全くの見当外れであったが。
ともあれ、言峰綺礼はれっきとした魔術師でもある。魔術回路に不自然な負荷が掛かっていればそうと知れる。
結論を示すなら、彼の身体に刻まれた魔術刻印―――言峰の家系が伝える、過去の聖杯戦争で使い残された令呪―――を消費しなければ、常の効果には届くまい。
一流の域にある治癒魔術とて、致命傷を癒すには及ばないだろう。
だが、それだけなら大きな問題ではない。言峰綺礼は、元より魔術を以って戦場に臨む者ではないからだ。
聖言、秘蹟、祝福された武装―――そして何より、鍛え抜かれた肉体を以って魔を撃滅する神罰の担い手。
言峰綺礼が直に戦いに臨むのは、必ず聖堂教会の代行者としてだ。
やろうと思えば、足場の悪い森林の中を時速五十キロメートルで疾走できる。細剣の投擲によって生木を貫通させられる。防弾装備さえあれば、機銃弾の嵐を真っ向から突っ切ることもできる。
―――無論、何の魔術の助けも借りず。
しかしそれ故に、二つ目の問題が重い。即ち、身体能力の低下。
秘門まで極めた八極拳士であれば―――と言うより、武術の類の鍛錬を積んだ者ならば、座り、立ち上がるだけでも体内の不調は把握できる。僅かな違和感を感じた彼は、その場で幾つかの套路を試したのだ。
その結果分かったのは、単に筋肉が衰えているのとは違い、発揮できる最大の筋力が落ちているということ。通常の行動では何ら問題ないが、戦闘での無茶はできまい。
少なくとも、一瞬で十メートルを跳躍するような超人芸は不可能だろう。
原因は全くの不明だが、二つの―――制限とでも呼ぶべきものが存在することを裏付ける情報。
そしてそれこそが、最大の解を示す。
優秀な螺旋遺伝子を持つ個体を選び出す為の生き残りゲーム―――螺旋王ロージェノムとやらは、確かにそう言った。
ならば何故、参加者が本来持っている能力を制限するような真似をする?
『優秀な螺旋遺伝子を持つ個体』が指すのは、単純な能力値の高さではない―――そう考えると、逆に個体差を中途半端に残した理由が分からない。
圧倒的な能力値が選定の邪魔になるというのなら、あの男―――モロトフとやらのような存在は、最初から排除しておくべきだろう。
完全に制限するか、極端な話、能力に差のない人形にでも精神を移し変え、そして争わせればいい。
そして、今はデイパックの中に納まっている槍。
考えれば、それぞれに異なる武器が支給されるのもまた不自然。わざわざ殺し合いなどさせるのだから、機械的検査では『優秀さ』を測定できぬのだろう。
では、運だけで生き残る弱者が出てきてしまえば? 当然、あちらの目的は果たせない。否、失敗と分からぬままに失敗するという、最悪の状況に陥ることとなる。それさえ考えていないほど愚鈍ではあるまい。
能力をある程度平均化へと近付けながら、しかしトップとボトムの差は莫大、弱者が運に頼って勝ち残ることも充分にあり得る―――
この不自然を、容易く解決する仮定がある。
優秀な個体が云々というのは建前で、実際の目的は別―――そう考えるのが自然ではないか。
言峰綺礼、彼がその考えに至ったのは、聖杯戦争が同様の構造を持っていたからだ。
共通するのは、参加者に伝えられた殺し合いの目的と、その実情が全くの別ということ。
制限と幸運から生まれるのは、弱者であっても強者に勝てるのではないか、あるいはゲームそのものを打破できるのではないかという希望。
だが、誰かが希望を抱くということは、誰かが絶望するということだ。弱者の希望が潰えた時に生まれるものか、強者が制限と不運によって敗北した時に生まれるものかは分からないが。
つまり、ロージェノムの目的は―――憎悪と苦痛、悲嘆と憤怒、歓喜と快楽、あらゆる感情が互いを喰らい合う、この状況それ自体ではないのか。
何にしろ、言峰綺礼の行動は変わらない。
あの正義の味方が他人の幸福に至福を感じるように、彼は他人の不幸に至福を感じる。それをより多く観られるよう、場を動かしていくだけだ。
故に、自身を正と信じる者こそが、彼にとっては望ましい。
例えば、衛宮士郎のような。
例えば、パズーのような。
―――例えば、八神はやてのような。
■
「むう……」
H-2と3の境界線上、木々の一つに背を預け座り込む人影があった。影は小柄で、肩の細さから女性と知れる。
グレーを基調とした服を着た彼女は、あぐらをかいた上に一枚の地図を広げていた。
「……拙いなあ、チャンスではあるんやろうけど……」
彼女、八神はやてが夜闇の先に見たのは、学校へと入っていく人影だ。
それはいい。元より学校を通過する際は、人を探す心算だった。
だが、その人影が二つだったのがまずい。やたらと金色に光っていた鎧姿と、影のように付き従うもうひとつ。
たとえ出会った人物がゲームに乗っていたとしても、単独であれば対処することは決して不可能ではない。だが、二人が相手であればその難易度は急激に上昇する。
ましてや武装の差すら測れないのであれば、乗り込むのは自殺行為に等しいだろう。
はやての武器はトリモチ銃と―――『レイン・ミカムラさん愛用のネオドイツマスク』は使えまい。そこらで拾える石くれの方がまだマシだ。
対して相手の武器は、少なくとも防具が一つ。あの黄金の鎧だ。そして、はやてに鎧を素手で破れるような腕力はない。
彼女は地図を見下ろし、思案を続ける。
「選択肢、というか取れるルートは、と……」
一つは、予定通りに学校を経由してモノレールの駅に向かうというもの。
メリットは、あの二人との情報交換や、あるいは強力な仲間を作れる可能性があるということ。
デメリットはその逆。つまり、あの二人を敵に回してしまう可能性―――そうなれば、無傷で逃げられることは期待出来ない。
二つ目は、このまま森沿いを進み、H-1の中心辺りから一気にモノレールの駅まで全速で進むというもの。
距離およそ七百メートル、全力疾走ならば、足場の悪さを考慮しても精々五分。近場で狙撃が可能な高所は、学校とモノレールの駅ぐらいだ。
あるいは彼女の親友のように、キロメートルオーダーでの遠距離砲撃が可能な者もいるかも知れないが、広範囲を恒常的に探知できる手段を併せ持っているとは考え辛い。何故なら、それならばとうの昔に吹き飛ばされている。
そこで、八神はやては気付いてしまった。幸運にも、気付けた。
「あかん、モノレールは使えへん……大きい上にレールまである。ついでに場所が高いなんて、格好の的やないか」
例えば、森の中で座り込んでいる彼女を狙撃によって仕留めるには、精密かつ高度な索敵、測距、射撃能力が必要とされる。
だが、モノレールに乗った所さえ確認すれば、軌道を破壊するだけで事は済む。十メートル単位の距離を、高速の車両ごと落下―――常人であれば確実に即死、デバイスのない魔導師でも似たようなものだ。
そして、レールを破壊できるだけの能力を持った参加者が、はやてが知るだけで七人はいる―――今は六人だが。
彼女自身とスバル、ティアナ、エリオ、キャロの五人は、デバイスさえあればその程度の破壊力は軽々と叩き出す。
次いでクロ。全身から開いた砲口全てからミサイルが放たれるなら、小型のものであっても支柱の一本ぐらいは崩せるだろう。
最後に、ロージェノムに殺された、モロトフという男。口訣と共に放たれたあの光爆ならば、レールどころか車両そのものを消し飛ばせるに違いない。
また、本人にその能力が無くとも、爆薬の類が支給されれば、タイミングを図って崩壊させることも可能だろう。
つまり、現状―――モノレールを利用することは、開けた道を歩き続けるのと同等以上に危険だということだ。
―――実際には、はやてが警戒するような『長距離狙撃、大規模破壊を可能とする能力』は軒並み制限され、代用可能な道具も数少ないのだが、全知ならぬ身が知り得ることではない。
だが、数は少なくとも存在する以上、彼女の判断は賢明だと言えるだろう。
ただし、
「……詰んでもうた」
その賢明さの代償として、打つ手の多くを失ったのだが。
クロに伝えた『西回り』が守れないことが確定した以上、
「引き返すしかない、ゆうことやなあ……」
やれやれ、と吐息した彼女は立ち上がる。
デイパックへと地図を収め、ひとまずは神社に向かおうと決定、歩き出す。
―――その視線の先で、金色の何かが揺れた。
咄嗟にトリモチ銃を構え、はやては目を凝らす。
二メートル近い長身と、それに見合う肩幅。首から提げられた金色の十字架が、月明かりを反射していた。
ゆっくりとこちらへと歩いてくるその影が、黒い神父服を翻す。
―――『僕が会ったのはコトミネっていうデカイ神父だけだよ』
コトミネ、と読める名前は、名簿の中にはひとつだけ。『言峰綺礼』……コトミネキレイ、だろうとはやては考えた。パズーと同じ側から来ていたのも道理に適う。
あるいは、彼女自身がそうしたように偽名を使った可能性もあるが、それは考えても仕方がない。何より、パズーは特に警戒しろとも言っていなかった。ならば、ゲームに乗ってはいないのだろう。
意を決し、はやては声をかけた。
「言峰綺礼さん……ですか? あたしは―――」
■
「あたしは、石田幸恵いいます」
その言葉を聴いた瞬間、言峰綺礼は右脚で地を蹴った。
自分の名前を知っているのは、衛宮士郎、ランサー、ギルガメッシュ、イリヤスフィール、そしてパズーと名乗った少年のみ。この女はその誰でもない。
そして何より、石田などという名前は名簿の中には存在しなかった。彼の名を知る、偽名を使い銃を構えた女―――あの少年に出会い情報を引き出した『ゲームに乗っている』人間ではないのか。
彼とて殺されてやる気はさらさら無い。先制攻撃で抵抗力を奪おうと考えたのなら、一辺の躊躇も無く行動に移す。
六メートルの距離を一息で殺しつつ長身を回し震脚、右半身にて靠法一打。女の身体を軽々と吹き飛ばし、傍の樹に叩きつけた。
呻きを聞き流し、鋼じみた硬さに握り込まれた左拳の一撃。締めていた脇を開き、遠心力を乗せる。
コンパクトな円弧を描いた拳が着弾し、粘着質の音が響いた。
―――八神はやてにとって致命的だったのは、男が神父だという先入観。その戦闘力を、さして高いものではないと考えてしまったこと。
神父は眉一つ動かさず、粘性の液に塗れた拳を見つめる。
そして、口を開いた。
「……殺意のある反撃ではない。敵意は無かった、ということか?」
トリモチによって樹に接着された拳を見つめ、神父はそう言った。
およそ二歩。それだけ離れた距離で立ち上がった彼女に向けて。
「……本当の名前を、聞かせてもらおうか」
■
―――言峰綺礼にとって誤算だったのは、八神はやての対応能力。制限下とはいえ、一般人ならば初手で即死しかねない拳技を生き延び反撃さえしてのけたのは、実戦に身を置き続けた彼女の経験ゆえだ。
打撃による骨折はデイパックで緩衝することによって防ぎ、背を樹に打ち付けたときは受身を取った。
身を捻って離脱し、右手に持っていたトリモチ銃を撃ち放つ。下半身不随だった頃ならいざ知らず、今の八神はやてに不可能なことではなかった。
彼女は、腰の土を払いつつ立ち上がった。神父に対する敵意のないことを示すため、銃とデイパックをゆっくりと地面に置く。
偽名に気付く判断力と、先ほど見せたあの動き。体格に見合わぬ速度、素手とは思えぬ攻撃力は、確固たる技術に基づいたものだ。
知りえる筈の無い名前を出したことと、偽名を使ったことが迂闊だったとようやく気付いた。
「八神はやて、です。あなたの名前は、パズー君から聞きました」
「あの少年からか……紫色の短剣を持っていただろう。私に支給された品だ。
シータという少女を、このゲームに参加させられた者達を絶対に救うと息巻いていた……誰かを殺すという覚悟も無く」
神父は、暗い息を吐く。その声は絶望でも諦観でもなく、ただ―――
「あの少年は、殺さぬ限り傷つけることは厭うまい。なまじ殺さぬという覚悟を持つが故に、な。
そして自らが悪と定めた者に刃を突き立て、殺してしまえばそれまでだ。二人を殺し三人を殺し、五人目を殺す頃には、殺すべき相手を悪と考えるように歪んでいることだろう」
「そんな、こと……」
「ない、とは言い切れまい? 何かを愛する……譲れぬものがあるのなら、それを侵すものを悪と断ずるのはヒトとして当然の反応だ。
それに良心の呵責を覚え苦悶するか、受け入れてしまうかは分からんがな」
―――三日月のように歪んだ口元だけが、その心中を語っていた。
頭の隅で、何かが警鐘を鳴らす。
「……おっと、本題を忘れていた。八神はやて、君は、この狂ったゲームの盤上でどう動く?
何を思い、何を救い、何を侵し、何に到ろうとする?」
「……あたしは、このゲームの支配者、ロージェノムという男を逮捕し、皆を救い出すつもりです」
「救い出す、だと?」
人ではない何かのように男は笑う。それは、人外の悪意を煮詰めたような笑みだった。
「あの男は、生き残ったものの願いを叶えてやるとそう言った。では、如何なる代償を支払ってでも叶えたい願いを持つものにとって、このゲームこそが救いではないのか?」
その声を聞き、八神はやては直感した。この男の言葉を聞いてはいけない、何か、気付くべきではないことに気付いてしまう、と。
だが、それは、
「誰かの命を奪って叶える願いなんて、絶対に間違っとると思います」
―――あまりにも、遅すぎたのだ。
■
その言葉を聞いた時、言峰綺礼の心中に沸きあがったのは歓喜だった。
それは、かつて衛宮士郎と教会にて対峙したときと同じ感情。
「誰かの命を奪って叶える願いは間違っている、だと?
奇妙なことを言う。自分の願いを叶えるということは、誰かの願いを妨げるということだろう?
誰かを傷つけてまで叶えたい願いだ。生半可な覚悟ではあるまい―――命を奪うのと何が違う」
「……せやけど、あの子達は、決してそんなことを願いません。それだけは確かです。あたしは、そんな仲間を助けたいと思うてます。
大事な人の命を、誇りを、守ろうとするのが悪や、言いたいんですか?」
言葉を重ね、意思をぶつけることによって、神父は傷を切開する。
八神はやての抱える歪みを、闇を、ひとつずつ暴き出していく。
「守りたいものがあるのが、君だけだとでも思っているのかね?
自身が守りたいものの為に、それを脅かす悪を打ち倒す―――なるほど確かに正義の味方だ。
だが、君がそうして踏み付けた者達の願いはどうなる? 君は、それら全ての願いを悪だと断じたのだ。
他者を殺してまで叶えたい願いは悪であるから、そんな願いは消してしまっても構わぬとな」
「あたしは、そんな―――」
その言葉を聞いた時、八神はやての心中に沸きあがったのは困惑だった。
それは、自身の正義が揺らぐ感覚、足場が今にも崩れそうな浮遊感を伴っていた。
誰かを殺してまで自分の願いを通すなど、絶対に間違っているという信念。
だが、その信念こそが、誰かを傷つけ、絶望させるかも知れないなどということは―――考えたことも、なかったのだ。
「そんなつもりではない? 確かに、君が願っているのは誰かを守りたいということだ。それに違いはあるまい。ならば―――」
沢山の人が、多くの犠牲を支払った上で自らの生がある。それを理解しているが故に、命の全てを使い果たしても誰かを守りたいと、そう覚悟することができる。
そんな純粋さを備えていたのが、八神はやてという人物だった。
「―――祝福しよう。
喜びたまえ。君の願いは、ようやく叶う」
「……何、やて?」
「誰かを守りたいのだろう? 分かっていた筈だ。明確な悪がいなければ、その望みは叶わない。
何故ならば、君が望んでいるのは『誰かを守る』ということだからだ。それは『誰かに無事でいて欲しい』という願望とは、表層で相反せずとも奥に秘めたものは真逆だ。
たとえそれが君にとって容認しえぬモノであろうと、正義の味方には倒すべき悪が必要なのだから」
だから、理解できてしまった。
八神はやてが持つ最も純粋な願いと、最も醜悪な望みは同意であると。
騎士カリムの予言。管理局システムの崩壊を告げる詩を聞いたとき、自分なら世界を守れる、守りたいと、彼女はそう考えた。
それは、確かに正義だった。だがそれ故に、何よりも醜い呪いだった。
そう、何かを守ろうという願いは、同時に、何かを犯そうとするモノを、望む事に他ならない――――
「だが苦しむことはない。人間とは、他者の不幸の上でしか幸福を謳歌できぬ獣の名だ。
誰かを否定することでしか肯定できぬ願望があるのなら、何を躊躇うこともない。自らの意思で他者を蹴落とし、その先へと進みたまえ」
その苦悶を覆い隠すように、神父は言う。
『敵ができて良かったな』と。その言葉こそが、胸の奥を突き刺した。
左手を樹から引き剥がし、呆然とする彼女の横を通り過ぎ、
「さらばだ八神はやて。そして、最後の忠告だ。
―――気をつけたまえ。これより君の世界は一変する。
どのような変化かは分からぬが、自らの淵を覗いた人間は、決してそのままではいられない。
ならば、自身を自身足らしめる一片だけは、全てを賭して護り抜け。それだけが、今の君に残された矜持だ」
最後に、本心からの忠告を残して歩き去る。
―――その背中に、懐古と回顧を浮かべながら。
【H-2/森と市街地の間/一日目/黎明】
【言峰綺礼@Fate/stay night】
[状態]:健康 左手にトリモチがへばりついてます
[装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:荷物一式 支給品0〜1(本人確認済)
[思考]
1:殺し合いに干渉しつつ、ギルガメッシュを探す。
2:シータに会えばパズーの伝言を伝える。
※制限に気付いています。
※ストラーダはデイパックの中です。
【H-3/森と市街地の間/一日目/黎明】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康 茫然自失
[装備]:トリモチ銃@サイボーグクロちゃん
[道具]:支給品一式 レイン・ミカムラ着用のネオドイツのマスク@機動武闘伝Gガンダム
[思考]
1:自分の信念が正しいのかという迷い。困惑。
2:東回りに観覧車へ。クロと合流する。
3:主催者を逮捕するのは、果たして正しいのだろうか?
※ムスカを危険人物と認識しました
※シータ、ドーラの容姿を覚えました。
※モノレールに乗るのは危険だと考えています。
※言峰については、量りかねています。
16 :
飾られた虚実 ◆AaR9queMcU :2007/10/06(土) 20:08:49 ID:K2R/aoA7
何の変哲のない道路を歩く一人と一匹……
「…………」
一人の方はやや疲れ気味の表情で。
「…………」
一匹の方はやや苛々気味の表情で。
「なぁヴァッシュ」
と一匹。
「なんだいクロ?」
と一人。
「オイラは何時になったら暴れられるんだ?」
「いや、僕に聞かれても困るんだけど……」
「かーっ!!これからこいつで思う存分暴れられると思ったのによー、だーれも出て来やしねー!」
「まぁ、暴れる前に仲間になってくれる人を探さないとね……」
「「はーあー……」」
辟易した表情で溜め息をつく一人と一匹。
無理もない。いままでの道すがら参加者はおろか生物の一匹とも遭遇していない。
途中立ち寄った下水処理施設にも人は居らず、ごうんごうんと浄化槽の起動音が鳴り響くだけだった。
月は沈み空はすでに赤みがかっており、夜明けが近いことを知らせる。
なんの変哲のないアスファルトの骨材もはっきりとし始め、ちらつき始めた街灯も明かりを消してゆく。
周りに見える建物のシルエットも、はっきりと見える部分と陰る部分とに分かれ始めていた。
こっちの夜明けもそう変わらないんだな……
と、ヴァッシュはそう思うと同時にあまりにも平和すぎるこの光景が非道な殺し合いの場になるんだということを思い出し顔を曇らせる。
「どうしたんだ?」
「いや、こんな平和な光景なのに、ここが殺し合いの場所って思ったらついね」
「ほーん、オイラにはわかんねぇや」
フツーの町でフツーに破壊活動を行っているクロにはあまりわからない感情だった。
とにかく傍から見れば、とんでもなく平和ボケした連中に見えただろう。
そう、物陰から盗み見ている一人の女、クアットロもそうだった。
□□□□□□□□□□□□
「クソッ!!」
クアットロは悪態をつきながら逃げていた。
いや、彼女に言わせればこれは戦略的撤退、すべてはあの男を始末するための然るべき工程なのだ。
遠射創から流れ出る血は未だ止まっていない。
失血は致死量には至らない程度であるが、それは彼女を疲弊させるには十分な量だった。
このまま垂れ流しておく訳にも行かないが、今はあの男から距離をとる方が最優先だ。
早く、早く、早く!
そう一通りの答えを出すと、クアットロは南西へと飛んだ。
ある程度距離をとった思える場所へクアットロは着陸する。
そして即座に目立ちにくい場所に身を隠し、簡単な止血処理を施すと、
キャロとティアナから奪った支給品を一通り確認しこれからの行動について思案し始めた。
まずはあの男を殺すための駒が必要だ。
あの距離を拳銃で狙撃出来るほどの腕の持ち主、仕留めるのは簡単ではない。
同じだけの技量、出来ればそれ以上の技量を持った駒が必要だ。
だが、並みの人間なんかでは話にならない。
まあ弾除けやら囮くらいにはなるだろうが。
幸いにもここは殺し合いのための場、都合のいい人間もいるはずだろう。
それに、ISや支給品といった駒を手に入れるための手段も持ち合わせている。
加えてこの狂気と疑心あふれるこの場こそが自分にとって最大のアドバンテージとなる。
そう、すべては自分が生き残るための駒、取るも取られるも、自分の手という盤上で躍らせればいい。
それこそ私にとって最大で最高の快感。
しかしそれには多少なりにも探す労働という枷が付いてくる。
致し方ないとはいえ、直接的な肉体的労働は気がすまなかった。
それから開放されるためにも一刻も早く駒となる人間を捜すこと。
それが、今一番の最善策だ。
そこで現在の位置を把握するため地図とコンパスを取り出す。
記憶していた地図の通りに飛んでいたなら今は博物館付近にいるはずだ。
地図を開きコンパスで方位を示した。
おかしい。
何度繰り返し確認しても、ここはD-4地点ではなく、そこから少し西寄りのE-5地点だった。
そう、彼女はD-4地点へ向かったはずだった。
だが先ほどの出来事で動揺した彼女は不安定なまま飛行を続けた挙句、記憶していた地図の方角よりも西寄りに飛行していたのだ。
何たる失態、これではまるで自分がかき乱された馬鹿と同じではないか、まったく忌々しい!
だが、この失態は彼女にとってむしろ良い方向に進んだ事象かも知れない。
地図とコンパスをしまい込み、その場を立ち去ろうとしたその時、一人の男と一匹の猫が現れたのだった。
緊張感のかけらもないアホ面を下げた赤いコートの男。
そしてデイパックを背負っているところ意外普通の黒猫だった。
あの猫、喋っているということはネコ型の使い魔か、生物兵器の類だろうか。
とりあえずこちらには気付いていない様だった。
二人と一匹は会話を続けている。
「ところでよぉ、これからどこへ行くんだ?」
「とりあえず、一番近いデパートで仲間になってくれそうな人を探してみようかと思うんだけど、異論は?」
「無ぇ、んで、さっきから気になってたんだけどよぉ。」
「ん?どうしたんだい?」
「そこにこそこそ隠れてるやつ、そろそろ出てきたらどうだ?」
□□□□□□□□□□□□
こちらの存在はすでに気付かれていた。
どうする、このまま交渉に出るか?それとも逃げ出すか?
決めかねるクアットロに声が掛かる。
「俺たちはゲームには乗っていない!きみもゲームに乗っていないのなら返事をくれ!!」
コートの男がそうこちらに告げる。
あの男たちはおそらくゲームに乗っていないだろう。
乗っているのならすでにこちらを殺しに来るはずだ。
まあそれもあちらの策のうちかも知れないが、このまま黙っていてもこちらの状況がかえって悪くなるだけだ。
事が起こってから逃げ出すことも出来なくは無いだろう。
「どうした?出てこれねぇならオイラ達がそっちに行くぜ?」
「わ、わかりましたわぁ今そちらに参ります」
物陰から現れたのは一人の女だった。
「私もゲームには乗っておりませんわ。」
そういうと両手を挙げ敵意が無いことを表した。
その顔は苦痛にゆがんでいる。
どうも左肩を怪我した様で布が巻かれていた。
それに気付くとヴァッシュは素早くその女の下へ駆け寄る。
「大丈夫か?まさか、誰かに襲われたのか!?」
「……ええ、つい先ほど、なので人に遭うのが怖くて隠れてたんです。」
女は酷く怯えていた。
ふるふると肩を震わせ今にも泣きだしそうな表情だった。
うふふ……いいカモがやってきてくれましたわぁ)
クアットロは心の中でほくそ笑み、こいつらをどう巧く扱うか思案をめぐらしていた。
この男見かけ以上にお人好しそうだ、涙のひとつでもみせればコロリと信じてしまいそうなほどに。
それにこの猫だ、何時からかは知らないがこちらの様子に気付いていた。
支給品を使った様子は無かった。
何らかの索敵能力があるのは間違いない、大いに使える駒になってくれるだろう。
「それで、襲ったのはどんな奴だったんだ!?」
クアットロは一部始終起きたことを話した、もちろん虚偽や誇張を織り交ぜながら。
「なのでまだあいつが近くに居るかもしれません、なのでその……」
「ああ、君をその襲った奴から守ってやる、いいかいクロ?」
クロは銃を構えつつ答える。
「もちろんだ、それにその襲ってきた奴と暴れられるんだ、文句なんか付け様がねぇ!」
「なら決まりだ。仲間探しは一時中断、ひとまず今は彼女を守ること、それとその襲ってきた黒服の男を止める!」
彼女を守るため、黒服の男を止めるため、一人と一匹はその現場へと向かい歩き出す。
その彼女こそが一連の事象の張本人だとも知らずに。
E-5/町周辺/一日目 早朝】
【クロ@サイボーグクロちゃん】
[状態]:良好 少しハイになっている。C-5へ移動中
[装備]:ナイヴズの銃@トライガン 残弾×6+予備弾30
[道具]:支給品一式 錆びた日本刀@機動武闘伝Gガンダム
[思考・状況]
1.とりあえず今はクアットロを襲った奴を何とか説得する。
2.はやてとの約束を守りつつ東回りに観覧車へ 。
3.はやてより先に観覧車にたどり着く。
4.あ〜、早く暴れてえ〜!
※クアットロを除く【魔法少女リリカルなのはStrikerS】の参加者の容姿と概要、及び時空管理局、なのは世界の魔法に関する(クロの理解の範疇での)知識を得ました。
※全身の武器は全て没収されています。
【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン】
[状態]:良好 C-5へ移動中
[装備]:ミリィのスタンガン 残弾8
[道具]:支給品一式
[思考・状況]基本:絶対に殺し合いを止めさせるし、誰も殺させない。
1.とりあえず今はクアットロを襲った奴を何とか説得する。
2.ナイヴズの銃は出来るだけ使いたくない。
3.ランサーが次に会ったときに怒ってたら、とりあえず謝り倒しながら逃げる。
※ある程度クロとの情報を共有しました。
【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:銃撃を受けた左肩がまともに動かない C-5へ移動中
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品×1〜3
[思考]:1.勝ち残り、ドクターの元へ生きて帰る
2.駒(クロ、ヴァッシュ)を使って、黒服の男(ウルフウッド)を始末する。
3.善良な人間の中に紛れ込み、扇動してお互いを殺し合わせる
4.出来る限り自分は肉体労働しない
5.可能であれば『3』のために首輪を集める
※キャロ殺害の真犯人です
※また、その犯人を黒服の男(ウルフウッド)ということにして二人に伝えています
※黒服の男(ウルフウッド)に恐怖を感じています。また、顔が割れた可能性が高いとも思っています
※支給品はすべて把握しています (何が入っているかは以降の書き手さんにお任せします)
「やはり私はこの世界でもこんな扱いなのか……」等、意味の分からない事を呟きつつうな垂れる久我を慰め、お互いの能力・情報等について話し合った結果、様々な事柄が似ているようで食い違っている、ということが判明した。
久我の推測も含めて纏めてみると
・今回の殺し合いは蝕の祭や聖杯戦争をモデルにした物
・テッカマンとHiMEとサーヴァントは似たような存在
・螺旋力=高次物質化能力=魔術に近い特殊な力
・螺旋遺伝子を持った者=特殊能力者
・この殺し合いの参加者は皆、何かしらの特殊能力を持っている
ということになるらしい。
何と言うか……ここまで明晰な頭脳を持ちながら“うっかり”で俺に襲い掛かってきたあたり、どこぞの赤い悪魔を彷彿とさせる。
“うっかり”俺に襲い掛かってきたとはいえ、この殺し合いの分析を進め冷静に脱出への道を探していた久我と比べて、自分は何をしていたんだろう。
(結局───聖杯戦争でセイバーや遠坂に助けられてばっかりだった頃と何も変わっていないじゃないか!)
先程の行為を水に流し、なつきに尊敬の念すら抱き始めた士郎だったが……
「しかし……衛宮と私達の知り合い全員が何らかの能力者と言う事はやはりドモンも何らかの能力を隠している可能性が高いな」
やはり彼女は“うっかり”だった。
「ドモン?」
彼女の知り合いは鴇羽、結城、藤乃の三人だった筈だけど───?
「ああ、お前に会う前に出会った子供だ。本人が言うには何の能力も持っていないらしいが、これだけ能力者が多い中で1人だけ能力を持っていないというのはやはり不自然───」
尚も続けようとするなつきの声は、しかし士郎の怒声に遮られた。
「こんな危険な所で子供を1人きりで放置するなんて、何考えてるんだ!?」
本当かどうかは分からないにしても、本人曰く何の能力も無い子供を殺し合いの場所で放置。
『正義の味方』を理想とする士郎にとって決して許せる行為では無かった
「お、落ち着け衛宮。私にも事情がっ!」
「事情?」
冷静に考えてみたら、久我だって好きでドモン君を放置してきた訳じゃないだろう。
(まさか自分の下着を持った俺を見つけたからそのまま追いかけてきた、何てこと無いだろうし。何か深いわけが……)
「あ、ああ。2人で歩いていたら全部燃えたはずの私のアレを持った男を見つけて───」
ああ、なんて事だ。
先程から考えていた事だが今確信が持てた。
目の前にいる女は───間違いなく、遠坂クラスの“うっかり”だ。
この殺し合いの場で、自分の下着を手にした男を見たくらいで取り乱して子供を放置するなんて。
なんて───無様。
「ってそのままドモン君を置いて俺を追っかけて来たのかよ!こんな危険な場所で無力な子供を1人きりにするなんてっ!!すぐ戻って守らないと!」
「その必要は無いッ!」
今にも駆け出さんとする士郎の前に叫び声と共に天から1人の漢が降臨した。
その漢こそ第13回ガンダムファイト優勝者にして現キングオブハート、ドモン・カッシュ。
衛宮士郎に無力な子供扱いされた漢だった。
■■■
ここで時間は少しさかのぼる。
士郎やなつきと出会う前、可符香と別れてしばらくたったドモンは、少し迷っていた。
(先程はあの少女の雰囲気に押されて納得してしまったが……やはり問答無用で参加者に襲い掛かるのは違う気がするな)
殺し合いに乗った強者と闘うのは問題無いし、殺し合いに乗ってしまった弱者を倒すのも致し方ないだろう。
殺し合いに乗っていない強者と闘って拳と拳で分かり合い且つ経験を積むというのも素晴らしい案に思える。
───だが、殺し合いに乗っていない弱者と闘うのは正しいのだろうか?
(強くなる……、俺の求める強さは弱者を蹂躙して得る強さなのか?)
時間がたてばたつほど、迷いは強くなる。
(否!真の強さとは強敵とのファイトを通じてこそ得れる物!弱者を蹂躙して得る強さなど、紛い物にすぎん!)
そうと決まれば迷いは無い。
高速道路に飛び移り、ドモンは力強い足取りで走り始めた。
強者と弱者を判断する為に彼が取った方法とは敢えて目立つ行動をとる、という方法だった。
高い所を走っていれば嫌でも目に付くだろう。
それを見たときの対応は3つ。
・不意を付いて襲い掛かる
・情報収集・仲間集めの為に接触する
・逃げる
襲い掛かってくる奴とは問題なく闘えるし、近づいてくる者はある程度の自信があるのだろうからファイトして貰う。
そして逃げる人は追いかけて保護する。
この時に殺人鬼と勘違いされてしまう可能性もあるが、一般人とガンダムファイターの追いかけっこの結果は火を見るより明らか。
追いついて理由を話して納得してもらえば問題ないだろう。
方針を定め気配を探りながら走っていたドモンは2人組みの少年と少女を見つけた。
ここからでは何を言っているのか良く聞こえないが、なにやら揉めているようだ。
反応を判断して強者なら闘う、弱者なら保護する。
そう思いつつ二人の方へ近づいていったドモンは驚くべき言葉を耳にした。
「ってそのままドモン君を置いて俺を追っかけて来たのかよ!こんな危険な場所で無力な子供を1人きりにするなんてっ!!すぐ戻って守らないと!」
俺を置いて、と言う事は俺を発見したが接触しなかった、という意味だろうか。
高速道路を走っていれば発見される事自体は不自然ではないが…。
……いや、待て。それだけでは名前を知っている理由にはならない。
まさか、風浦、あるいはエドとの会話の時点で監視されていたのか?
そして、何らかの事情で監視を放棄した?
こちらも警戒していたのに平然とその警戒を破り一方的に監視していたとは恐ろしい技術。
だが無力な子供だと?
年齢で見ればどう考えてもあの二人の方が年下。
ということは俺の力など子供の程度のものという比喩か?
一瞬で様々な考えが脳裏に浮かぶ。
だがドモンのキングオブハートとしての誇りと本能は考えるより先に体を動かし、
「その必要は無いっ!」
雄たけびと共に飛び降りていた。
■■■
そして時間は現在に戻る。
「この俺を前にして無力な子供を守る、とはよくぞ吠えた!そこまで言うのなら貴様らの実力見せてもらおう!」
「───ッ!?」
空から降って来た男は此方への殺気を隠そうともせず、ファイティングポーズをとっている。
常人なら即死───とは言わないまでも唯ではすまない高さから飛び降りてもかすり傷一つ負っていない。
向けられる殺気の質はサーヴァントにも劣らない。
間違いなく自分とは格が違う。
歯向かえば間違いなく殺される。
それでも───いや、だからこそ子供を守ることを否定されたのは許せなかった。
「子供を守ることの何がいけないんだ!」
「まだ言うかっ!もはや問答無用!それ以上吠えたければこの俺を倒してからにしろっ!」
駄目だ。完全に話が通じない。
男が恐ろしいスピードで突っ込んでくる。
投影する暇もない。
───やられるっ!?
「衛宮ッ!!」
その窮地は久我によって救われた。
とっさに銃を作り出し、威嚇射撃。
全弾外しつつ相手の動きを止めるとは相変わらず凄まじい銃の腕だ。
「くそっ!やるしか無いのか!?」
投影開始。
呪文を唱え双剣を作る。
見たところ無手の男はこちらの能力を警戒したのか仕掛けてこない。
かといって此方から仕掛けることも出来ない。
先程見せた身体能力───そして何よりも英霊とも比肩しうるその存在感。
少しでも動けば一瞬でやられてしまうだろう。
互いに動けず、膠着したまま時は過ぎる。
(こうしてる間にもドモン君は……)
どこかで1人で怯えているはずの少年を思う。
怖いだろう、淋しいだろう。
これ以上こんな所で時間をかけるわけには行かない。
しかし相手の能力を考えれば一瞬で倒す事など論外、それどころか逃げ切ることすら難しいだろう。
なら残された方法は一つ。
(俺が───時間を、稼ぐ!)
「久我!あんたは先に行けっ!」
「しかしそれではお前が───」
彼女の葛藤は良く分かる。
2人でも勝ち目は薄いのに、俺1人で挑めば敗北は必死。
それでも俺は───正義の味方は───
「ドモン君をこれ以上1人で怖がらせておくわけにもいかないだろ?」
俺を見捨てて逃げる形になることに抵抗があるのか、久我はなかなか頷いてくれない。
どうしたものかと悩む脳裏に浮かんだのは一人の英霊の背中。
『ああ。時間を稼ぐのはいいが──― 別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?』
あいつは───あの憎らしい弓兵は、敵う筈の無い狂戦士にも挑んでいった。
「それに───俺1人であいつを倒してしまっても構わないだろ?」
「───分かった。放送までは出会った場所で待っている。……死ぬなよ」
説得は無駄だだと悟ったのか久我はドモン君の所に向かってくれた。
彼女なら、ドモン君を守って、最終的にはこのふざけた殺し合いを潰してくれるだろう。
久我とドモン君の事を一時的に忘れて、意識を正体不明の男に向ける。
眼前の敵を倒すことは出来ないかもしれない。
それでも、後に続く人たちがあいつを倒せるように───無駄死には、しないっ!
(案外、似たもの同士だったのかな)
あれだけ馬が合わないと思っていた男と同じ行動をとっている自分に苦笑しつつ───
衛宮士郎は、格闘王に刃を向ける。
■■■
「ドモン君をこれ以上1人で怖がらせておくわけにもいかないだろ?」
「───ッ!?」
この言葉を聞いた時のドモンの感情は、最早言葉で表せるものではなかった。
眼前の2人の眼にも映らぬ早業に恐怖を抱き、攻めあぐねていたのは事実だった。
こちらが仕掛けたと思った瞬間、女は虚空から銃を取り出し、こちらに射撃してきたのだ。
あまりの出来事に一瞬動きが止まってしまったが、弾丸はドモンをあざ笑うかのごとく全て外れた。
女だけではない、もう1人の男の方が双剣を手にした瞬間も視認することが出来なかった。
相手の一挙一動に注目していたのにも関わらず、だ。
にも拘らず隙だらけなのが恐ろしい。
打ち込む隙は随所にある。
だが打ち込んだ瞬間、眼に映らない速さで、女の銃で眉間を撃ち抜かれるかもしれない、男の双剣で斬り伏せられるかもしれない。
そんな恐怖があった。
だが───
『ドモン君をこれ以上1人で怖がらせておくわけにもいかないだろ?』
曲りなりにもキングオブハート。
ここまで言われて引き下がる訳にはいかない。
かと言って怒りで暴走すれば勝ち目はない。
侮辱された怒りも、相手の力への恐怖も、全てを受け入れつつも揺らがない、澄んだ水のような心。
すなわち───明鏡止水。
幸いにして残った方は剣士。
自分の力を全てぶつければ───勝機はあるっ!
「キングオブハートを───舐めるなァツ!」
我が心明鏡止水、されどこの掌は烈火の如く。
眼前の強敵に、ドモンは己の拳を向けた。
【A-4 川岸 一日目 早朝】
【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康。明鏡止水
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:己を鍛え上げつつ他の参加者と共にバトルロワイアルを阻止し、螺旋王をヒートエンド
1:目の前の少年と全力で戦う
2:積極的に、他の参加者にファイトを申し込む (但しある程度の力を持ったもの限定)
3:ゲームに乗っている人間は(基本的に拳で)説き伏せ、弱者は保護する
※本編終了後からの参戦。
※参加者名簿に目を通していません
※正々堂々と戦闘することは悪いことだとは考えていません
※士郎・なつきはかなりの腕前だと思い込んでいます。
【玖我なつき@舞-HiME】
[状態]:疲労(中)、チェスに軽度の不信感
[装備]:ライダースーツ@舞-HiME
[道具]:支給品一式、風華学園高等部制服@舞-HiME、不明支給品2(本人確認済み)
[思考]
1:チェスの元に行く。
2:放送まではA-6で士郎を待つ
3:舞衣、静留、奈緒と合流する
4:この殺し合いから脱出する
[備考]
※チェスの名前をドモン・カッシュだと思っています
士郎の情報を元になつきは以下の仮説を立てました。
・今回の殺し合いは蝕の祭や聖杯戦争をモデルにした物
・テッカマンとHiMEとサーヴァントは似たような存在
・螺旋力=高次物質化能力=魔術に近い特殊な力
・螺旋遺伝子を持った者=特殊能力者
・この殺し合いの参加者は皆、何かしらの特殊能力を持っている
※参戦時期は蝕の祭が終了した後です
【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)
[装備]:干将莫耶(投影)、デリンジャー(2/2)@トライガン
[道具]:支給品一式、暗視ゴーグル、デリンジャーの予備弾20
[思考]
1:目の前の男を何とかして、なつきとドモン(チェス)と合流する。
2:殺し合いを止める。
3:イリヤの保護。
4:できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は――
※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。
真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。
※本編終了後から参戦。
※士郎はなつきが凄まじい銃の腕を持っていると思い込んでいます。。
「螺旋博物館……ですか」
D‐4の中心に位置する博物館の入り口で、明智健悟はそう呟いた。
建物は名前の通り綺麗に捩れた螺旋形をしており、見たところ2階建て程度の高さである。
清潔に保たれた玄関にはたったいま明智が呟いた、館の名を示す看板が掲げられていた。
それも、近代的な館の外装には不釣り合いな木版画風の、妙に迫力のあるデザインの看板である。
「やれやれ、螺旋王という方は妙なところで凝り性のようだ」
周囲には誰もいないにも関わらず、明智は再び声に出して呟いた。
一度ずぶ濡れになった衣服は大分乾いてはきたが、肌に張り付く不快感が完全に消えた訳ではない。
「何か、面白い展示を行っているといいのですが。金田一君や剣持警部はこのような場所を訪れようともしないでしょうし」
螺旋、それは自らも螺旋王と名乗ったあの男の言葉の中に、度々含まれていた単語だ。
その言葉を冠した博物館ともなれば、螺旋王の意図、引いては事件解決の手がかりとなるような情報を見つけられるかもしれない。
たとえ、それが全て螺旋王の用意したものであったとしても、自分ならそこから何らかの情報を掴み取ることができる。
明智はそう判断し、博物館へと足を踏み入れた。
入り口は自動で、螺旋形に開いた。
博物館に入るとすぐに案内所らしきところに出た。しかし、人の気配はない。
無人の受付け所がどことなく不気味な雰囲気を演出している。
明智は案内用に置かれていたパンフレットを一枚取ると、近場の椅子に腰を下ろし読み始めた。
「『いがいとしらないみぢかな螺旋!〜じんたいからうちゅうまで〜』……名前の通り螺旋をキーワードにした博物館ですか。それにしても螺旋形に開くパンフレットとは読みづらい」
ぼやきつつも、どんなささいな情報も見落とすまいと明智はパンフレットを読み進める。
その目付きは、事件現場で犯人逮捕のための証拠を探す名探偵そのものだ。
パンフレットには館内地図と展示の概要が、子供向けの分かりやすい表現で記されていた。
ちなみに、文字の配列も螺旋形である。
来館者は入り口を起点に、時計周りに展示物を見て回ることになっているようだ。
螺旋形に延びた廊下を歩き、途中設けられた部屋でテーマ毎の展示を見て、また廊下に戻り次の展示室へ向かうという順路である。
最後に廊下は館の中心へと至り、来館者は螺旋階段で2階へ移動するようになっている。
1階部分が常設展示なのに対し、2階部分は期間限定の特別展示に割り当てられていた。
「なるほど。しかし対象年令の低いテーマ名だ。
詳細名簿を見た限り、参加者の平均年齢はここまで幼くはないように見えましたが。
螺旋王の趣味と考えていいのでしょうか?」
無人の博物館に明智の独り言が空しく響きわたる。
1階の、常設展示用の部屋は3つ設けられていた。
展示テーマはそれぞれ「どうぐにもなる螺旋!〜おとこのロマンだ〜」
「きみのなかの螺旋!〜じんたいのふしぎ〜」
「うちゅうのなかの螺旋!〜すごくでかいぞ〜」
と書かれていた。
それぞれ概要も記されているのだが字が大きく内容も幼稚なため、得られる情報は少ない。
どういう訳か2階部分の展示に関する記述はなかった。
「とりあえず見て回りましょうか。螺旋王のセンスを拝見するためにもね」
明智はそう言って、螺旋形に配置された椅子の一つから立ち上がった。
言葉を返すものはこの場におらず、明智の靴音だけが博物館の壁に吸い込まれていった。
一つ目の部屋に展示されていたのは、要するにドリルだった。
さんさんと輝く照明の下、手動の穴堀り機やら電動ドリルやら重機の模型やら、そういったものが説明用のキャプションとともに展示されている。
多少なりとも期待していたような、明智にとって未知の情報は何も記されていない。
変わったことと言えば、部屋の床全てに段差があり、降りから途中で登りに変わり入り口へと戻るそれを、来館者が螺旋を描くような形で移動しなければならないことぐらいである。
明智は一瞬展示品を武器にできるのでは、と思ったが「ここにあるものはレプリカです。よいこはさわらないでね」と書かれた説明書きを見てそれを諦めた。
「特にこれといったものは無いですね。螺旋形に書かれたキャプションもまた、大変に読みづらいですが」
明智はそれだけ言うと、示された順路通り時計周りに部屋を一周して、次の展示室へと向かった。
結果から言えば後の2つの部屋でもたいした発見は無かった。
2つ目の部屋は結局人間のDNAの構造について淡々と説明してあるだけであり、3つ目の部屋は星や銀河の運動を螺旋と絡めて述べただけのつまらないものだった。
少なくとも、そこには明智から見て目新しく思える物は何もなかった。
「展示の一貫性もありませんね。後は2階部分ですが」
館の中心部に至り、2階へと続く螺旋階段の前で明智は立ち止まった。
明智の目の前には館の入り口と同じような扉があり、明智の侵入を拒むかのように固く締め切られていた。
そして扉には『特別展示準備中』と螺旋形に書かれた紙と、螺旋状に目盛りを減らしていくタイマーのようなものが取り付けられていた。
「一定時間生き残った者にしか見せたくない物、という訳ですか」
明智は顎に手をやりふむ、と考え込むように息をもらした。
確か螺旋王は、最初の説明のときに『優秀な螺旋遺伝子を求めている』と言っていた。
「螺旋遺伝子がどういうものかは分かりませんが『優秀』とはまた曖昧な表現だ。
最初に見せしめとなったあの男のように単体での破壊力に優れた物を指すのか。
それとも単にどんな状況でも生き残ってしまうような運の強い者を言うのか。
あるいは私のように推理力に優れた者を指すのか。
甚だ分かりにくい。
これを見る限りでは、この場で長く生きた者はその分だけ他より『優秀』である、という解釈はできますね」
この場にいない螺旋王へのイヤミをぶつぶつ呟きながら、明智はじっくり扉とそこに貼られた物を観察する。
よく見ると『特別展示準備中』と書かれた紙には小さな文字で続きが書かれていた。
「『特別展示に入場される方は螺旋に類する物を持参ください。開封、未開封は問いません』
……入場制限付きですか。『螺旋に類する物』というのも良く分かりませんが」
この博物館の展示を見る限り、どうとでもこじつけられるような気がする。
明智はため息をついた。どうもこの先に進まないとこの博物館の核心には触れられないようだ。
強度を確かめてみたが、手持ちの道具で強行突破できるようなやわな作りでもないようである。
明智はこれ以上の捜査を一旦諦め『目盛りの減り具合からして入場可能になるのは明日の正午ちょうど』であることを確認すると、もときた廊下を引き返した。
誰もいなくなった廊下で、螺旋の扉は沈黙を保ち続けていた。
螺旋のタイマーは、今はただ静かに時を刻んでいる。
その先にある物を守るかのように、ただ静かに。
それが何を齎すかは、まだ、誰も知らない。
「さて、今のところ妙な扉の他にこれといった収穫は無かった訳ですが」
受付けまで戻った明智は、最初に座ったのと同じ椅子に再び腰を下ろしていた。
相も変わらず無人の受付所は、明智が立てる音を除けば、しんと静まりかえっている。
「それにしても、この博物館はひどい」
明智はそう言うと、なっていないと言わんばかりに目を閉じ指を組んだ。
そして、誰もいない博物館で滔滔と説教を始めた。
「まず展示の流れが分かりにくい。
螺旋を共通項にしたつもりでしょうが括りがあまりに広すぎる。展示内容の変化に見る者がついていけなくなってしまいます。
展示自体も単調なものです。目を引く配置をしている訳でもない。ただ物を置き文字で説明するだけでは見る者が飽きてしまう。
意図は分かりませんが、パンフレットの書き方を見たところターゲットには子供を想定しているのでしょう。それならば一層音声なり映像なりで工夫をこらすべきです。
照明の強さも問題です。
物によっては貴重な展示物を傷つけかねない。その辺りについて考慮しているかどうか非常に疑わしい。
それに、2階への移動手段が階段しかない、というのは論外です。
そもそも、博物館というものは『訪れた全ての人が快適に利用できる施設である』ことが大前提です。
床に段差を設けていることもそうですが、バリアフリーの概念が欠如していると言わざるを得ない。
その意味では順路の最初と最後が接続されていないことも、利用者に余計な手間をかけさせるという点では同様の欠点です。
まぁ、2階部分への入場制限については何らかの意図があるものとして大目に見ましょう。
ですが、総合的に見て螺旋王は、博物館の管理人としては最低であると言わざるを得ない」
次々と自らが感じた不満点を皮肉げに並べ立てる。
その姿は成績の悪い生徒を諭す教師のようである。
それを聞く者は館内にはいないが。
明智は一通り語り終えると満足したのか、煙草を一本取出し火を付けた。
深く煙を吸い、味わうようにゆるゆると吐き出す。
立ち上る紫煙が、無人の博物館に溶けていった。
明智は再び口を開いた。
「……少しは燗に触りましたか、螺旋王?」
ゆっくりと、視線を上に向ける。
ゲーム脱出のための手がかり探しと知り合いの捜索。
それらの他に、ゴミ処分場から博物館に至るまでの道程で、明智は一つの問題について思考を巡らしていた。
参加者達の監視方法についてである。
監視カメラを張り巡らしているのか、それとも監視衛星でも飛ばしているのか、それは分からない。
だが、螺旋王が何らかの方法で自分達の言動を監視していることは間違いないと、明智は考えていた。
(何か仕込むとしたら、この首輪などは打ってつけですね)
そうは思ったが確証もないため、何か監視のヒントを掴めないかと、館に入ってからはわざわざ口に出すまでも無いようなことまで声に出し、監視者の反応を見ることにした。
相手の感情を刺激した方が反応を得られる可能性が高まるだろうと、口にする言葉はわざとイヤミな内容にしていた。
さすがに悪口程度で首輪を爆破されることもあるまい、という計算を働かせた上でのことである。
軽い腹いせ程度のリアクションを期待していたのだが、たとえ何も反応が得られなかったとしても、明智には何の損失もない。
そして、明智が煙草を一本吸い終えるだけの時間が過ぎても、博物館は依然として静寂に包まれたままだった。
「無視、ですか。まぁ、私の皮肉程度に反応するような小物には、このような舞台の主催者はつとまらない、ということですね」
思惑が外れはしたが、明智の声に落胆の色はない。そればかりか明智の思考は既に次に何をするべきか、というところに移っていた。
(代わりに気になる物も見つけましたし)
最早口に出して言う必要もなく、明智は先ほどの扉を思い浮かべた。
あの螺旋形の扉の先は、必ず調査しなくてはならない。
(さて、ここへは明日の正午以降にまた戻ってくるとして、それまでどうしますか)
他の施設にもここの2階部分のような要素が隠されている可能性は高い。
それらの情報を集めて回り、明智の推理力と掛け合わせれば、このゲームからの脱出に大きな助けとなるだろう。
引き続きマスタングや高遠のような要注意人物の確保と、脱出の助けとなる人物の捜索も続けたい。
問題は歩いて移動するかモノレールを経由するか。
施設が点在し、選ぶ指針も無い以上決め手に欠ける。
(とりあえずは、放送を聞いてから決めるとしますか)
明智は椅子に深々と身を沈めると、螺旋形の窓から差し込む朝日を浴びながら、新しい煙草に火を付けた。
【D-4 一日目 早朝 放送前】
【明智健吾@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康、服は生乾き
[装備]:クロスミラージュ@魔法少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ4/4) x2
[道具]:支給品一式、ジャン・ハボックの煙草(残り16本)@鋼の錬金術師、参加者詳細名簿、予備カートリッジ8
[思考]
基本思考:犯罪芸術家「高遠遙一」の確保。ゲームからの脱出。
1:ゲームに乗っていない人間を探しつつ施設を回る。
2:金田一、剣持を探す。
3:明日の正午以降に博物館の先に進む。信頼できる人物にはこのことを伝える。
[備考]
※参戦時期は未定(高遠を最低でも知っている段階)
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
「嫌ぁ!来ないでぇ!」
こなたは逃げていた。
すぐ後に迫ってくる、中身が空っぽの甲冑からだ。
甲冑はどれだけこなたが逃げようと、ぴったりと追いかけてくる。
こなたには分からなかった。あの甲冑は何がしたいのだろう、何を言ってるんだろう、こなたに追いついたら何をするんだろう?
どうしても、恐ろしい方に想像が行ってしまう。
――下手なホラーなんかより、ずっと怖いよ!
こなたは既にかれこれ小一時間ほど走り詰めていた。それだけ同じ時間恐怖に晒され、肉体も精神も疲弊している。
限界は、近かった。
「待ってってば!そんな大声出しながら走り回ったら目立って危ないって!」
アルフォンスは追いかけていた。
結局、自分から走って逃げた少女を放っておくことは出来なかったのだ。
アルフォンスは、少女が錯乱した原因は自分にもあると思ったのだ。
そもそも全身甲冑だし、極めつけに中身が無いことまで見せてしまった。
少女の反応はいささか過剰だとは思ったが、アルフォンスは当然の反応だと思ったのだ。
――とにかく、このままだとあの女の子が危ない。
兜とデイパックを拾ってから追いかけたため、そして錯乱した少女の想像以上の健脚とアグレッシブな行動のため思った以上に時間がかかった。
しかしアルフォンスの体力には限界が無く、少女には限界があった。
少女はもう、目の前だった。
「何、あんた、何!」
「ええと僕は……ちょっぴり鎧が不思議な錬金術師さ!」
「嫌ぁ!来ないで!憑き殺される!解剖されるぅ!」
「なんかグレードアップしたー!」
……二人の鬼ごっこはまだまだ続いた。
49 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 18:19:09 ID:1PfBJ4tc
■
そして、ついにこなたは崩れ落ちるように倒れた。
限界を超えて酷使した足は痙攣し、息は驚くほど荒い。そんな身体に反して、心は驚くほど静かだった。
諦め、といった方が早いかもしれない。
――私、ここで死ぬんだ。
話に聞いていた走馬灯は流れなかった。
ただ薄暗い空を見つめながら、ガッシャンガッシャンと鎧が近づいてくる音を聞いていた。
そして、甲冑はとうとうこなたに追いついた。
お願いだから、苦しくないように殺して。そう言おうとしたが、荒い呼吸の音しか出なかった。
甲冑はこなたを覗き込むように膝を着き、告げた。
「水、飲める?」
こなたは思った。怪談のオチってこんな感じだっけ?
53 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 18:20:22 ID:1PfBJ4tc
アルフォンスは水の入ったボトルを差し出しながら、少女を観察していた。
こちらを警戒しているものの、やっと落ち着いてくれたようだ。
「……殺さないの」
「殺さないよ、僕はこんなゲームなんかに乗ってない」
呼吸が落ち着いてくるのを待って、少女の口元にボトルを持っていく。
少しの逡巡の後に少女は水を含み、咳き込んだ。
「まずはうがいをして、食道が開いて飲みやすくなるから」
もう一度ボトルを持っていくと、今度はうがいをしてから水を飲んだ。
アルフォンスは、ひとまず安心した。
とりあえず暴れて逃げようとはしないので、少しは信用してくれたと思っていいだろう。
後はある程度は隠れられる場所に移動して、話し合おう。
ふと、アルフォンスは少女が虚ろな瞳でこちらを見ていることに気がついた。
「……何かな?」
「本当に、殺さない?」
「うん、何にもしないよ」
「本当に」
「うん」
「……ひっく、うぁ、うぁぁぁぁぁぁぁん」
「わっ!」
突然泣き出した少女に、アルフォンスは戸惑った。
泣き出した理由が分からないし、泣いた女の子をうまくなだめる方法などアルフォンスはよく知らない。
しかし、この状況はあまりよろしくない。
現在地は走り回ったせいでよく分からないが道路の真ん中で、見つけてくれと言わんばかりの場所である。しかも、泣き声という音源つきだ。
焦るアルフォンスを尻目に、少女が泣き止む気配はない。
アルフォンスが混乱した頭でオロオロとしていると、呆れたような声をかけられた。
「おいおい、お前さんいつからロイのやつと同類になった?」
どこかで聞いたような声だと、アルフォンスは思った。
弾かれたように振り返り、アルフォンスは自分の正気を疑った。
「いやまだロイの方がマシか?少なくともここまで泣かせはしないしな」
「ギャー!お化けー!」
「何言ってんだお前?」
声と同様に呆れたような、それでいてどことなく嬉しそうな表情でマーズ・ヒューズ中佐はそこにいた。
すぐ後でぺこりと頭を下げるハチマキをした少女もいたが、驚いているアルフォンスの目には入っていなかった。
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 18:23:48 ID:1PfBJ4tc
■
腰を据えて話し合うには見晴らしが良すぎて危険だったし、こなたを休ませたかったため四人はF―4の東側の橋の下へ移動した。
こなたは歩くほどの体力も残っていなかったので、アルフォンスが抱きかかえて運んだ。
軽い自己紹介とスバルの簡単な時空世界のガイダンスを聞き、アルフォンスは再会してから疑問に思っていたことをヒューズに尋ねた。
その答えは、予想外のものだった。
「はぁ?俺が死んだはず?」
積み重ねられたテトラポットの上に座り、マーズ・ヒューズは疑問の声を上げた。
自分が死んだはずだと聞かされれば、当然とも言える。
アルフォンスだって訳がわからない。死んだはずの人物が、目の前でピンピンとしているのだ。
死んだということにして実は生きていました、という事情かとも思ったがヒューズの口調からそんな気配は微塵も無い。
しかもヒューズにゲームに呼ばれる直前の日時を聞いたところ、それはアルフォンスにとってはもはや過去の時間だった。
「どういうこった、これは?」
「一つだけ、心当たりがあります」
「……なんだ」
「……完璧な、人体練成」
アルフォンスの言葉に、ヒューズは深く溜息をついた。
なるほど、確かに死んだはずの人間が歩き回っていることの説明にはなる。
しかし、ヒューズには死んだときの記憶は無い。死者を蘇生させた時に何か細工をしたのか、それともアルフォンスの記憶が違っているのか。
そこで、ヒューズはスバルのことを思い出した。彼女は自分たちとは別の、おそらく技術的には先を行っている世界の出身だ。
「スバルちゃん、君のところの技術で人間一人を完璧にコピーすることはできるか?」
「え、え〜と、私も詳しいことは知らないんですけど」
「有るか無いかだけでいい。詳細なんてどうせ分からん」
「……完璧ってわけじゃないですけど、人の複製を作って記憶を植え付ける技術なら有ります」
スバルの答えに、ヒューズは頭を抱えた。
自分が既に死亡していて、しかも今の自分が複製かもしれない可能性が現実味を帯びてきたのだ。
それだけではない。あのロージェノムという男の持つ技術が想像以上だということなのだ。
ひょっとしたら、このゲームは何回も繰り返されたものかもしれない。正直あまり考えたいことではなかった。
「パラレルワールド説ってのはどうかな?」
今まで黙っていたこなたが、口を開いた。
三人の視線が集中し、こなたは居心地が悪そうに頬を掻く。
「あ、それならあたしも知ってます」
「手短に頼む」
あれ、説明バトンタッチした?
スバルが言い出しっぺをみると、こなたはどうぞどうぞといった感じで手を差し出している。
自分の発言を後悔しながら、スバルは軽く内容をまとめて話し出した。
「……簡単に言っちゃえば『もしも』の世界ってやつです」
指をぴッと立て、説明する。
例えば一つの世界で、その世界を揺るがすほどの事件が起きたとする。
そこで『もしも』、世界を揺るがすほどの事件が起きなかったらどうなったのか。
事件が起きた世界の場合と、事件が起きなかった世界の場合と二つの可能性が出てくる。
そういった大きいことに限らず、遅刻した遅刻しなかった、指を鳴らしたときにうまく鳴った鳴らなかった、そんな感じに世界は常に分岐している。
だいぶ大味ではあったが、そんな説明だった。
「つまり、アル君はヒューズさんがこのゲームに呼ばれなかった場合の世界から呼ばれたんじゃないかってことです」
「……つまり俺が呼ばれた呼ばれてない辺りで世界が分岐したかもしれないってことか」
「いやまあ全部推論なんだけどね。これだ、ていう証拠はないんだし」
最後にこなたが話を締める。確かに、あくまで可能性の話で確証は無いに等しい。結局は情報が足りないということだ。
とりあえず、ヒューズの精神を大なり小なり揺さぶった話はここまでとなった。
63 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 18:27:39 ID:1PfBJ4tc
■
「とりあえず、こなたちゃんが回復するまでここで待機だな」
「あの、私のことならお気にならさずに……」
「少なくとも走れるぐらいには休んどけ、いざって時に走れないんじゃ危ないしな」
互いの知り合いなどの情報交換の後にそんな会話があり、四人はしばらく橋の下に留まることになった。
テトラポットで入り組んでいるため居心地は多少悪そうであったが、アルフォンスの錬金術ですぐに改善された。
スバルとヒューズが交代で見張り番を担当し、こなたは思い切って眠らせることになった。
アルフォンスは見張りをさせると逆に目立つので、こなたの近くで座っている。
「……いや、やっぱり眠るのは無理があると思う」
「横になるだけでいいよ。こんな状況じゃ仕方ないし」
独り言のつもりだったこなたの言葉にに、アルフォンスが答えた。
アルフォンスは暇だったので、眠るまでの間の話し相手になろうと思ったのだ。
「……そういえば、初めて会ったときとは感じが違うね」
「あ〜あれは、そのごめん」
アルフォンスは初め何のことかと思ったが、それが撃たれたときのことだと思い出した。
「別に責めてるわけじゃないよ。まあ甲冑着て歩き回ってるなんて不審者だし」
「……違うんだ。私さ、銃を撃ってみるまで本当に、ただのお遊びだと思ってたんだ」
こなたの目に、また涙がにじんで来た。
引き金の重さが、銃を撃った反動がまだ手の中に残っているようだった。
「アル君じゃなかったらさ、私、人殺しになってたかな?」
甲冑だけのアルフォンスだったからこそ、こなたは人殺しにならずにすんだ。
もしアルフォンスじゃなかったら、こなたは人を撃ち殺してたかもしれない。
「私さ、怖いよ。アル君を撃っちゃったよ。殺し合いなんかしたことないよ。ただの女子高生だよ」
段々と、こなたの語気が荒くなってきた。
一歩間違っていれば人殺しになっていたという忘れていた事実を、こなたは痛烈に思い出していた。
怖い、怖い、生きたい。人殺しなんかしたくない、殺されたくなんかない。
また、こなたの心は壊れ始めた。思考がまとまらない、身体が震えて止まらない。
「やだよ、死にたくないよ、生きたいよ、かがみとつかさとゆーちゃんと会いたいよ」
「僕も、兄さんと早く会いたい」
アルの静かな言葉と、頭に置かれた手がこなたを止めた。
こなたはアルの顔を見たが、兜でしかないアルの表情はこなたには読み取れなかった。
「一緒に探そう。僕も生きたいし、怖いし、兄さんに会いたい」
自分だけが、怖いわけじゃない。死にたくないわけじゃない。
こなたはそんな当たり前のことを、やっと思い出したのだ。
「今はちょっと休んで、それからみんなを探しに行こう」
「……うん」
一人じゃないということは、思った以上にこなたを落ち着けた。
不安はある、恐怖もある、けれども今度はこなたの心を壊すまでにはいかなかった。
こなたは目を閉じ、横になった。頭に置かれた手がひんやりとして気持ちよかった。
そして、隅っこでアルフォンスとこなたの分の支給品を確認しているヒューズはずいぶんと居心地が悪かった。
途中でこなたの様子がおかしくなったが、アルフォンスのおかげで手荒なことにならずホッとしたりもしたが。
まあ、若いってことはいいことで。そう思うことにした。
――まだ話し合わなけりゃならんことは沢山あるんだがな。
首輪のこと、螺旋王のこと、個人的には一番気になる自分の死亡した状況、ざっと考えただけでもこれだけはある。
焦ってもしょうがない。そのことはヒューズも承知しているが、どうしても焦ってしまう。
――俺も、少し落ち着くか。
タバコが欲しいとは思ったが、残念なことに支給品の中にタバコは見つからなかった。
66 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 18:29:56 ID:1PfBJ4tc
【F-4/東側の橋の下/一日目/黎明】
【チーム:前線局員とデスクワーク軍人改め、引率の軍人と子供たち】
[共通思考]1:殺し合いには乗らない。互いの仲間や殺し合いをしたくない者と合流、彼等を守る。
2:首輪の解析・解除が可能な者を探す
3:主催者の打倒・ゲームからの脱出
※首輪から、会話が盗聴されている可能性に気づきました。
※盗撮に関してはあくまで推測の域なので、確定ではありません。
※螺旋王には少なからず仲間・部下がいると考えています。
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:リボルバー・ナックル(左手)@魔法少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ6/6)
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム不明(本人確認済み)、予備カートリッジ数12発
[思考]:
基本:殺し合いには乗らない。仲間や殺し合いをしたくない者を守る。ヒューズ、アル、こなたと行動。
1:あれ、あたし空気?
2:こなたが回復してから行動
3: 共通思考1と2の達成の為、人が集まりそうな駅を目指す
【マース・ヒューズ@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:S&W M38(弾数5/5)
[道具]:支給品一式、ロイの発火布の手袋@鋼の錬金術師、S&W M38の予備弾数20発
エンフィールドNO.2(弾数5/6)、アルとこなたの不明支給品2〜5個
[思考]:
基本:殺し合いには乗らない。スバル、アル、こなたと行動。
1:首輪に関する考察を続ける
2:こなたが回復してから行動
3:共通思考1と2の達成の為、人が集まりそうな駅を目指す
【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパッグと支給品一式
[思考]
基本:殺し合いには乗らない。スバル、アル、こなたと行動。
1:兄を探す
2:こなたの友人を探す
3:共通思考1と2の達成の為、人が集まりそうな駅を目指す
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:右頬に銃創、疲労大、精神は安定はしてないが安静
[装備]:デイパックのストラップ
[道具]:なし
[思考]
基本:死にたくない。柊かがみ、柊つかさ、小早川ゆたかに会いたい。
スバル、ヒューズ、アルと行動。
1:今は休んで体力を回復
2:怖いのは私だけじゃない
※支給品は次の書き手の方にお任せします。(タバコの類はありません)
※こなたの体力が回復するには最低2時間ほど必要です。
※それぞれの作品からの参加者の情報を共有しました。
灯台で拡声器を用いてきたミリアを引っ張り、東屋に連れ込んでからどれくらい時間が経ったのだろうか。
ミリアを東屋に連れ込んだ張本人である少年、金田一一はひどく疲れていた。
――深夜、東屋、男女二人きり、そして疲労。
このフレーズから何かやましいことを想像した諸兄もいるかもしれないが、勿論そのような事態にはなっていない。
というより、実は奥手の一とあっけらかんとしたミリアでは、そのような事態が起る筈もなかった。
……では何故、一は疲労しているのか。
それは、体ではなく口を動かし続けていたことに原因があった。
「……とまぁ、そんな感じで京谷の奴は尻尾巻いて逃げ出したんだ」
「へ〜〜、そんなにすぐに消えた本の謎を暴いちゃうなんてすっご〜〜い!!」
「あ、ありがとう。……で、そろそろ――」
「ねぇねぇ! 他にも何か君が出遭った事件はないの!? ユキヤシャやジェイソンみたいな怪物が出てくる怖い話!」
――つまりは、そういうことであった。
東屋で自己紹介をした際に、つい祖父の金田一耕助という探偵であり、自分が今までにいくつかの事件に出くわしたことを話してしまった事が運の尽き。
好奇心旺盛なミリアは、一からひたすらにそれらの事件について尋ねてきたのだ。
「ねぇ、もっと事件の話聞かせてよ!」
「う〜ん、そうだなぁ、それじゃ次は俺がオッサンと喫茶店に行った時の……って、そうじゃなくって!!」
ミリアの口車に乗せられて数時間。
話をしつづけた一はようやく、ミリアの催促を断った。
「俺ばっかりこんなに話しててもしょうがないしさ、そろそろ君のことも教えてくれないか?」
「私のこと?」
「あぁ。まだ名前くらいしか聞いてないしさ。色々知っておいた方が、今後役に立つと思うし」
「言われてみるとそうだね! ……こほん。改めましてこんばんは。私はミリア・ハーヴェントと申すものであります!」
「いや、だから名前はさっき聞いてからさ――――」
一はやや呆れながらも、ミリアの話を聞き続ける。
しかし、それは一の頭をさらに悩ますこととなり……
「――えーっとね、その時は確かアイザックと一緒にメジャーリーガーの格好をしてマフィアの頭をカッキーンってしてね! それで……」
「ちょ、ちょっと待った! 少し待ってくれないか?」
止まることを知らないミリアの話を一は無理矢理止める。
「一つずつ確認していいか? えっと……君はまずアメリカ人なんだよな?」
「うん、そうなるねー」
「えっと……日本に来たことは?」
「ないよ〜。でも一度行ってみたいと思ってるよ! ニンジャとかサムライに会ってみたいしね!」
その言葉を聞いて一は改めて頭を抱える。
見た感じから百も承知であったが、これでミリアは日本語圏に住む人間ではことが発覚した。
そうなると、一の中には一つの疑問が思い浮かぶ。
……何故、自分は目の前の米国人の言葉が聞き取れるのだろう、と。
自慢ではないが、一は自分があまり英語の成績のよくない高校生だと自覚している。
今までに何度か事件などで外国の人間と会話したこともあるが、彼らは大抵が日本語に精通した人物であり、会話に苦労することは無かった。
だからこそ、日本語を流暢に喋れないであろうミリアと自分が普通に会話出来てる現状に疑問を抱かざるを得なかった。
「……ちなみにミリアさん、俺の言葉分かりますよね?」
「今更何言ってるの〜? 当たり前じゃない」
「そ、そうっすよね……あ、アハハ」
考えられる可能性は二つ。
一つはミリアが実は日本語に精通していることを隠しているということ。
だが、この可能性はすぐに却下できるだろう。
何故なら、意思疎通が出来ない振りをしてを何かを企むのならともかく、こうやって普通に会話している以上、隠す理由など何も無いはずだからだ。
すると、残る可能性はただ一つ。
主催者のロージェノムとやらが何らかの手段を使って、それらの言語の障壁を取り払ったという可能性に限られてくるだろう。
ロージェノムからしても、最初のあの場所での自身によるルールの説明は、殺し合いを円滑に進めてもらう為に皆に聞いてほしいところのはず。
そのような場合に、参加者の中で自分やミリアのように言語形態がバラバラであると問題がある。
ならば、どうするか?
答えは簡単で、「そのバラバラの言語形態を一つにしてやる手段」を用いればいいのだ。
その技術がルール解説後、現在に至るまで用いられているのだとすれば自分とミリアがこうして普通に会話できているのも納得がいく。
……しかし、そのような技術は、一の知る限り日本どころか世界各地何処を探しても確立されていないはず。
思えば、自分の首にも取り付けられた首輪爆弾もかなりの性能を持っているように思える。
ならば、ロージェノムは一体その技術をどこで手に入れたのか?
一の疑問はそこに集結するわけだが、今はそれを考えていても何も始まらない。
彼はもう一つの疑問をミリアにぶつけた。
「えっとミリアさん、もう一つ聞きたいんですけど……泥棒をやっていたってのは……」
「本当だよ。アイザックと一緒に色んなものを盗んだんだよ。チョコレートとか美術館のドアとか!」
どうやら、目の前の女性。
ただのアメリカ人ではなく、前科のあるアメリカ人のようだった。
しかも、少し風変わりな格好で風変わりなものを盗んでゆくというスタイルの。
一は、咄嗟に自分が何度か出会った事のある怪盗を思い出してしまう。
「だけど泥棒は犯罪っすよ。そんなこと繰り返してたら……」
「その辺は心配無用よ! 罪滅ぼしだってきちんとしてるんだから!」
「罪滅ぼし……?」
「そう! 富豪の遺産相続を巡って家族がどろどろした人間関係になる前にその遺産をまるごと頂いたり! 私達、イブちゃんのために頑張ったんだから!」
呆気に取られあいた口も開かなくなってしまう。
しかし、それを効きとして喋るミリアの目からは悪意など全く感じられない。
高遠のような冷酷さも、怪盗紳士のような不敵さも全く無い。
そこにあるのは、楽しそうな感情のみ。
一は、そんな彼女を見ているうちに、殺し合いに乗っていないならばひとまずは保留しておいていいか、と考えるようになる。
今は泥棒を捕まえるよりも先に殺し合いを止めるほうが優先すべきだろうから。
◇
互いに自己紹介が終ったところで、次は二人の知人の確認に入る。
「俺はあの最初に螺旋王が話をしてた場所で、剣持のオッサンと明智さんと一緒だったけど……ミリアさんは誰か知り合いいますか? そのアイザックさんって人の他に」
「うん。アイザックのほかにはね、ジャグジーっていう子とチェス君がここには来てるみたいなの。ほら、ここにも書いてるでしょ?」
ミリアはそう言って、デイパックから名簿を取り出すと一に見せる。
確認すると、確かにそこには「ジャグジー・スプロット」「チェスワフ・メイエル」の両名の名前が載っていたのだが……
「へ〜。名簿なんて入ってたのか、このカバン」
「え? 今まで確認してなかったの?」
「ま、まぁ、色々あったっすから。ミリアさんをここまで引っ張ったり話をさせられたりで……へぇ、こんなに参加者がいたん…………!?」
そこで一は気付いた。
自分や剣持、明智と並んで書かれていたその名前に。
「高遠遙一……!! こいつもいたのか」
「知り合い?」
「えぇ。……知り合いって言えば知り合いだけど……出来れば来てほしくなかった知り合いです」
高遠遙一。自称、犯罪芸術家。
北海道の死骨ヶ原ホテルでの連続殺人を皮切りに、誘拐事件にかこつけた殺人を示唆したり、推理作家の遺産相続ゲームに潜伏したり……一からすれば、いわば宿敵ともいえる存在であった。
「へぇ〜。そんなに危険な人なんだ」
「ここでも何か変な事考えてなければいいんだけど……」
恐らく彼がこの地に来て何もしない、ということはないはず。
きっと彼のことであるから、この殺し合いが正当化されている状況下でどのようにして芸術的な殺人を行うか、企てていることだろう。
ならば、一はそれを止めるまでだ。
(高遠……俺は必ずアンタの芸術とやらを阻止してみせるよ。そして、この殺し合い自体も止めてみせる!)
それが、名探偵と呼ばれた祖父を持つ者としての、そして幾度と無く高遠の関わる殺人事件に出くわしてきた自分自身の使命なのだ――彼はそう感じていた。
そして、その為にも今後は同じ意志を持つ仲間と合流すべきであろう。
そう。例えば、自分と同じく高遠を追っている剣持や明智といった知人ならば、きっと協力してくれるはずだ。
ミリアが楽しそうに話す「アイザック」という人物も、ミリア同様に根っからのワルでないだろうから恐らくは……。
「そんなわけでミリアさん、ひとまずは、そのアイザックさんやオッサン達を探して――って、何してるんすか!!」
決意を固め、ミリアを向き直った時、一は思わず驚いた。
何故なら、目の前でミリアは一のデイパックをひっくり返していたのだから。
「何って、決まってるでしょ? 道具のチェックよチェック! 装備のチェックは登山の基本だよ!」
「いや、これは登山じゃないし…………」
「地図にコンパス、鉛筆に水と食料、ランタン、名簿……う〜ん、ここらへんはみんな一緒だねぇ」
一の言葉を無視するようにミリアは彼の荷物を並べて確認する。
彼女の言葉を信じるなら、どうやらこの地を行動するに当たっての基本的な装備は全員のデイパックに収められているようだった。
そして、彼は、そんな基本的な装備の横にやや離れておいてあったいくつかの道具を目にする。
「あれ? こっちのって……」
「そっちのは私の荷物には入ってなかった奴だよ。きっとランダムに入れられてるんだね! 私のスピーカーみたいに」
言われてみれば、ミリアが持っていた拡声器は自分のカバンには入っていないようだ。
その代わりに彼の荷物に紛れていたのは…………
「……わ、腕章?」
「腕章だね」
白地に何かのアルファベットの『F』をシンボルにしたような紋章が描かれた腕章。
一の荷物にはどうやら、そのようなものが入っていたようだった。
「こんなん何の役に立つっつうんだよ、まったく……」
「うーん……あ! もしかしてこれをつけてると、どこかのお店で優待サービスを受けられるとか!」
「まさかそんなわけが……って、なんかもうつけてるし」
気付けば彼女は既に腕章を自分の腕につけていた。
その顔は妙に嬉しげだ。
「あれ? もしかしてハジメ君、これ欲しかった? いらなそうだから貰ったんだけど」
「い、いや、いいです。どうぞどうぞ」
「ありがとー! それじゃ、代わりにこれあげるね!」
そう言って手渡されたのは、ずっしりと重みのある金属製の篭手。
それは指先まで覆うタイプのようで、手首のあたりに歯車状の大きなリングがついているのが特徴的であった。
「なんかね、これリボルバーナックルっていうみたいなんだけどね、弾を使って攻撃出来るんだって」
「弾って……ってことは銃か何かか?」
「う〜ん、私にはよく分からなかったや。でも、これさえあれば熱いお皿や鍋も簡単に掴めるよ! 便利だね!」
――と、深夜番組の通信販売のようなノリでその篭手をミリアは薦めてくる。
一は篭手を使うような武術など使えるはずも無かったが、折角の好意なのでそれを黙って受け取ることにした。
もしかしたら、本当に何かも役に立つかもしれない、ということで。
むしろ一が気になったのは、自分に配られたもう一つの道具。
それは、先ほどまでの腕章や篭手と違い、自分でも扱えるかもしれない武器だったのだ。
「大砲……いや、バズーカか?」
「みたいだねぇ」
説明書を読めば、見た目通り、それは携行用の大砲だということだ。弾薬も3発分付属してある。
「ねぇ、試しに一発撃ってみようよ!」
「だ、ダメダメ!! ためし撃ちなんてしたら、また大きな音が出ちまうよ! それに弾が3発じゃ勿体ない気がするしなぁ」
「ぶー、ハジメ君のケチ〜」
「そんな顔しないで下さいよ……。俺が悪者みたいじゃないっすか」
「だって実際ケチじゃな〜い」
頬を膨らますミリアに一は困惑してしまう。
……だが、それと同時に彼は一応、護身の為の武器が手に入ったことに安堵もしていた。
出来れば使いたくないが、もし殺し合いに乗った参加者が襲ってきたら……もし、高遠が何かの凶行に至ろうとしたら……。
一がそんなことを考えていると――
「それじゃ、そろそろ出発しよっか!」
「って、え? あ、ちょ、ちょっと!!」
気付けばミリアは荷物をまとめて東屋を出ようとしていた。
一は急いで荷物をデイパックに詰め込み、大砲を片手にするとその後を追う。
「出発って……どうする気っすか?」
「勿論、アイザックやジャグジーにチェス君、それにケンモチさんやアケチさんを探すんだよ。ハジメ君もそう言ってたじゃない」
「ま、まぁ、そうですけど……」
「それじゃ、そういうわけでしゅっぱーつ!!」
「――って、ちょっと待った待った!!」
有り余った元気を振りまきながら歩みを進めるミリアを、一は呼び止める。
「出発って言っても、まだどこに向かうかとか決めてないじゃないっすか」
「大丈夫大丈夫、もう決めてあるから! まずは映画館に行こ!」
「映画……館? どうしてそんなところに?」
「だって、映画館ならきっと楽しい映画をやってるだろうし、楽しい映画をやってるなら人も集まるでしょ? で、その集まってきた中にアイザックもきっといるはずってわけ! どう? 完璧な作戦でしょ!」
そんな突拍子も無い理屈に金田一は再び唖然としながらも、一考する。
確かに映画館などという娯楽施設ならば、殺し合いに乗った人間よりも自分達と同じような、殺し合いに乗っていない人物の方が集まりやすいかもしれない。
それに、人を探す意味でも映画館方面に向かい、市街の中心に近づいたほうがいいだろう。
「分かりました。それじゃ行きましょっか」
「うんうん。それじゃ、改めてしゅっぱーつ!」
こうして少年と少女は明るくなりつつある空の下を歩き出した。
彼らはこの舞台にて、主人公として物語を動かしてゆくのか? それとも脇役として物語を裏で支えてゆくのか?
彼らがこれから行く先で出会うのは、心許せる同士か、それとも殺し合いに乗った襲撃者か?
その結果、彼らに待ち受ける運命は、悲劇か、それとも喜劇か?
更にその先に待つのは、生か死か。
これは彼らの物語が終わるまで分からずじまいだが、一つだけ確かなことがある。
それは、あと数刻でロージェノムによる放送が始まるという事だ。
【D-2/路上/1日目-早朝】
【金田一一@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康
[装備]:ドーラの大砲@天空の城ラピュタ、リボルバー・ナックル(右手)@魔法少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ6/6)
[道具]:デイバッグ、支給品一式、大砲の弾3発、予備カートリッジ数12発
[思考]
基本:ジッチャンの名と自身の誇りにかけて殺し合いを止める。
1:ミリアと行動。まずは映画館方面へ
2:剣持や明智、アイザック達を探す
3:他にも意志を同じにする参加者がいないか探す
4:高遠が芸術犯罪を行おうとしているのなら阻止する
【ミリア・ハーヴェント@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康。
[装備]:拡声器、珠洲城遥の腕章@舞-HiME
[道具]:デイバッグ、支給品一式
[思考]
基本:アイザック達を探す
1:金田一と行動。映画館へGO!
2:剣持や明智たちも探す
3:金田一からもっと事件の話を聞きたい。
※少なくとも「悲恋湖伝説」「雪夜叉伝説」「瞬間消失の謎」については把握済み
※両名の不明支給品は全て出きりました。
86 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 22:17:09 ID:ylC/TAUz
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:53:11 ID:LjjjgLa0
ではテンプレ議論いきますか
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
ここからか?
全部見直しか
それもいい方法かな
削除議論板でいわれてたけどさー
うーんと?
こまかいところ?
細かいところってどこ?
/\
/ || .\
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,/ ,.个、r'´~:::::\:::::::´゛`'i、
/ /,.i'||::::\::::::::::::::\::::::::::: 'i,
/ / l、.||:::::::"\;;_;ィ' 'i;\:::::: 'i,,r"´~,,ir-、,
/___/___ i、_||t;r'"´_\__'i、_\,.r´`,r´ } ]
\ \ ヾ||,i / ゞ,イ゜ .r゜ } ] したらば掲示板では専ブラを使い
\ \ . ||{ゝ‐- <,...r‐=F,/"~`゛'-、__.ノ_ .ノ 我々の議論は一切無視するようだ
\,. -‐ ''\゙´||iゝ∠..ノ^ゝ.,,/i'"´~~゛'‐ 'i,_, li、.,_
/'\ ':;|レ''i, t . / >ィ‐"´~‐- 'iO ,ノ}‐-``'i, ならば我々は
/ \ ,,.:;||;;;;;i, -/‐: ゞ'´~` 'i_,.ィ'゜;;;;;;;;`i. 'l, 独自で企画を立ち上げようではないか
,i \;;;;;;||;;;;;;;×___ノ`'´`i i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`i 'l,
/ ::::::: ,;;;;;;;;\||;/;;;;;;ミ≧≦彡"ノ人 ノノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´ ノ
,/ ::::::::.;;;;;;;;;;;;;;;||;;;;;;;;,r'´/ ヽノ|.;;;<`-ィ'´r';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; `l
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ゝ、., ,:i i. 'i. i,,.. `i゙||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.i ;;;;.i';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
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>>90 削除議論板でいわれてましたが、
ここが適切な場所ですよ?
このスレの自治はこのスレで決めます。
正当な権利ですので
93 :
そんなことより:2007/10/08(月) 00:13:05 ID:vgb1iNwE
テンプレにこれ↓を入れるべきではなかろうか
-------------------------------------------------------------------------------------
2chのAA・ムスカAAは、Windows+IE、フォント「MS Pゴシック 中(12ポイント)」(IE標準)の状態で、 最適表示になります(ズレのないAAが見られます)。
※右のAAのズレない環境が標準です。 | | __ | ,、-.-.,.、 | _,、-‐‐-、 |
|r;;;;;ノヾ| /:::/>、 |〔::::□□〕| 〕===〔 |
|ヒ‐=r=;'|〔::::w从vソ| |;w;从;vソ |{リ >= r=´{ |
| ヽ Д/ |ミ;;;0' ゚ヮ゚ノ | ヘ ゚ο゚ノ' |( ж }|
IE5.5と6では『ギリシャ語[αγωなど]』と『キリル言語[ёДЖなど]』のフォントが各々異なり、主にモナー系のAAがズレます。(大抵のムスカAAは問題なし。)
Windows2000・XPの場合。
インターネットオプションから、フォントを各々「MS Pゴシック」に変更するとズレが直ります。
Windows95・98・98SE・Meの場合。
MS PゴシックをIE5.5/6で日本語以外にも使えるようにするパッチの案内に従い、 対応フォントのインストールと設定をするとズレが直ります(但し、自己責任)。
MS Pゴシックがない環境の場合 モナーフォント・IPAモナーフォント
Macの方は マック(Mac)でアスキーアート(動物・植物アスキーアート図鑑)を参照してください。
MS Pゴシック・モナーフォント・IPAモナーフォントのいずれかがインストールされていれば多分きちんと表示されます。
AAを貼るとずれる コピペの際の注意 (モナー系アスキーアートの描き方。)
------------------------------------------------------------------------------------
まあ、ようするにしたらばと手を組む理由が何も無いということだな
細かいこととはいうが、重要なことまで全部決めるし
めちゃくちゃやりすぎたよ
>>93 ワロスww
839 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:08:46 ID:FbPXcbuf
つーか、隔離所兼避難所のスレを2ちゃんに立てておくべきかもな。
「感想雑談議論スレ」とかにして。
で、文句は全部そこで、ソレ以外は全部スレ違い、ってことにでもして。
ソコでなんか一人芝居続けても、週一ぐらいで「貴方の要求には根拠がありませんね。終了」って書いときゃ終わりだし。
まーこのまま放置でも削除されるとおもうけどね。あの日本語通じなさっぷりは心象最悪。削除人も人間ですよ?
840 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:09:43 ID:o//y2abk
つうか削除議論板とか言ってるけどさあ。
アニロワ民が全員削除議論板見てるわけねえだろ常識的に考えて。
あれだけ反したらばを主張しておきながら、議論するのに他のスレを見るのは当たり前という態度。
頭は大丈夫ですか?
あ、議論したいんじゃなくて自分が主張した嘘を後付で誤魔化そうとしているだけか、サーセンw
まあそもそもGのレス自体、俺らみたいな自分の愉悦のために遊びたい人間以外は見てないけどな。
なんかいってるっすよしたらば
常識的に考えて、「このスレはしたらばのスレとも当スレとも関係ありません」と
コピペして回ればいいだけじゃんw
このスレで決まっても無いことを勝手にやるなよwwww
てか、アニロワ民ってwwwwwwwwwwwww
/ , \
/ / l アニロワ民 ヽ
,r' / ヾ,、 ゙,
. / イ/ ` ` 、 }
{ i | ゙ 、,,`' 、 , j
レ'、, | ,:r'"''‐ `'゙、 ,、‐‐、 l 我等の自治に反対するものは
ゝ」、 、 , ,、‐''゙゙、゙'、-――t'''/ / l |
,ゝ‐、_,',. ' ,O 〉 V .( ゙, j i 全て削除対象ということだ
',.ヽソ. '、,,、 -'" / / j
'‐レ゙ .,r' ノ
l` ` 、 i'" ゙ヽ、,/
. ゙、 ,,、 -‐'" ノ ヽァ、
゙、'´ .. ,r゙ ノ ヾ^゙ヽ、
. ゙, ./ ,、r' / \
!、 / ,、r'" / /`'ー-
`'''"入 ̄ ,、r ''" ,、/ /
く .Y'" .,、r'"/ /
/" ` 、', ,、r''" /_____/
,、 - ''"´ ̄ ̄`゙i zz,,,/ \
,、 '" ,、 ''" | / \
なんでみんな蒸すかなん?w
なんとなく
バトロワっていうとみんなムスカってる
100 :
なら俺も:2007/10/08(月) 00:55:08 ID:P/qkSkO0
/ / ゙i, ヽ
j ,ィ/ | |
lィ' ,ィ/j/ | iリ
| /l / '"` | j
リ! /,ノ _,、-''''` /リ __________
| _.._ l/ ,.--;==ミ 、 ___,.ノ /{.○-゙‐rV /
ヽ,/`ヽヽト、 ´ {,.○-`‐‐ 、,.-ト| ,ノ< ハッハッハ! 見ろ!
∧ ̄ ゙i, `ヽ,r'´ ノ. ゙、--‐''´| \ 人がゴミのようだ!
| | ̄ ゙i ヽ、 __,,、-'" ,-、,:‐、〉 /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\\/. | \\\ i
\_'i ___\\\|
ヽ `ー─''''"´\\\
ヽ j\\\".;":;"." :
".;":;"." :".;":;". \ / \\\".;":;"." :
.;".;: .;" \ ______ /´ \\\ ".;":;"." :
: ゴ オ ォ ォ …… ! !".;" \\\ ;": ..;.;".;":
;" .;".;": _.;.;_".;": \\\ ド カ ァ ン !
.;".;": ..;.;".; ζ /_.;_/| .;".;", _ \\\ .;".;.;".;":.
.;".;": ..;.;".;": ;:'.;| ΓΓ | |;":从へ_/| . \\\"_.;__..:
从へ从へへ从 ; ζ | Γ从 | |;:.. |从Γ | | 从へ从∠___/| :
( ⌒( ⌒ ) ζ | 从Γ | |.:;. |从Γζ.;".. .;. \ |ΓΓΓ| | |
( ⌒ ⌒ ⌒ ); | ΓΓ | |.;;::|ΓΓ | | ( 从へ ;: |从ΓΓ| | |
Σ( ⌒( ⌒ ) ζ ( ( ) )⌒ ) ( 从へ从)_.;:.;|Γ从Γ| | ( | |
( (( ( ⌒ )) ) 从 Σ( ⌒( 从へ从) ∠___/| (( ⌒ ( 从へ从) .;".;:;
Σ (( ( ⌒ )) ) )(( ⌒ ( 从へ从) .;".;:;|ΓΓΓ| | );:; .;".;": ..;.;";":
(( ⌒ ( ( ) )⌒ );:; .;".;": ..;.;";":|从ΓΓ| | );:; .;".;": ..
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
>ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
反論:いらない
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191637331/101 ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
議事録みたいに記録していこうか、
842 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:41:19 ID:FbPXcbuf
つかいつの間にかアニロワ民全員が敵になってるよGw
馬鹿Gそれ本音www建前はお前自称アニロワ民だろwwww自分で外部の人間語ってるんじゃねえよwwwww
そしてそんな一人芝居は削除に全く関与しません、って事、アレだけ削除板で暴れておきながら読み取れなかったのかよw
さすが無脊椎動物wwwもはや知能と言うレベルですらないwwwww
843 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:44:56 ID:VJsAcd77
>>839 2ch上の避難所は企画中に立てたスレをそのまま利用する形ですでに存在してるっぽいが
844 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:46:34 ID:o//y2abk
>>841 1.「自分に反論する者は全て一つの勢力の者だけのはずだ」という
ゴキブリルールの下、ここはアニロワ支部に認定された。
2.削除人へのアピールの一環。要するにここの意見がしたらばの意見だとでっちあげたい。
1か2かそれとも両方か、お好きな方をどうぞ。
議論板では第三者にさえ散々うざがられてたし、
削除人が2ch最悪板の「名無し」を知らないとは思えないけどな。
842 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:41:19 ID:FbPXcbuf
つかいつの間にかアニロワ民全員が敵になってるよGw
馬鹿Gそれ本音www建前はお前自称アニロワ民だろwwww自分で外部の人間語ってるんじゃねえよwwwww
そしてそんな一人芝居は削除に全く関与しません、って事、アレだけ削除板で暴れておきながら読み取れなかったのかよw
さすが無脊椎動物wwwもはや知能と言うレベルですらないwwwww
843 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:44:56 ID:VJsAcd77
>>839 2ch上の避難所は企画中に立てたスレをそのまま利用する形ですでに存在してるっぽいが
844 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/08(月) 00:46:34 ID:o//y2abk
>>841 1.「自分に反論する者は全て一つの勢力の者だけのはずだ」という
ゴキブリルールの下、ここはアニロワ支部に認定された。
2.削除人へのアピールの一環。要するにここの意見がしたらばの意見だとでっちあげたい。
1か2かそれとも両方か、お好きな方をどうぞ。
議論板では第三者にさえ散々うざがられてたし、
削除人が2ch最悪板の「名無し」を知らないとは思えないけどな。
>馬鹿Gそれ本音www建前はお前自称アニロワ民だろwwww自分で外部の人間語ってるんじゃねえよwwwww
>そしてそんな一人芝居は削除に全く関与しません、って事、アレだけ削除板で暴れておきながら読み取れなかったのかよw
アニロワ民なんて言葉誰が使うんだwww
さすがしたらばのアニロワ民さまは日本語の使い方が上手でつね(藁)
137 名前:施工士@削除屋 ★ 投稿日:2007/10/07(日) 20:27:29 ID:???0
えー内輪喧嘩なら余所でやってくれませんかねぇ。。
削除依頼した側:依頼を出したら削除判断が出るまでおとなしく待ちましょう 異論に対する反論は「簡潔に」
削除依頼に異論がある側:削除依頼に対する異論を「簡潔に」表明して削除判断が出るまでおとなしく(ry
書き込んでる人以外の目も気にしましょう。。
件のスレッドに関係のない人にとってはどっちもどっち。。
結局は内輪喧嘩だと削除人は断じている。しかもどっちもどっちって言われている。
正直俺もそう思う。削除人が出てくるような話では無い
まあ、ここで話あえばいいんだよ
相手側が来れば、な
来ないんじゃ仕方ないよな
あいつら絶対来ないんじゃね?
2chの「荒らし」がいやで逃げ出したようなチキンがwww
それだったら欠席裁判でも知らない
削除議論みて興味もってきてみたんだが、これテンプレ変えようとしている人は何がしたいの?
まさか投票やらなにやら全部最初からやりたいのか?
乱立にはなるがそれなら別スレではじめた方が早い様な気がするんだが……。
来いとは言ってるし、ここの自治の話だからな
>>111 さあ・・・まあ、どこまで許容できるかって所もあるよね
相手次第かな?
もうそこは別と判断したほうがよさげ
>>111 マジメな人っぽいので言っておくと、
>>1に
・投下作品についての感想、雑談、議論その他モロモロは以下のしたらばにて行ってください。
がある以上テンプレを変えたいならしたらばに来るのが当たり前。でもここで暴れている人はしたらばに決して来ない。
スレの運営形態がどうであろうと問題ないのは削除議論スレで述べられた通りだね。
そして
>>103>>104の通り、同一人物が複数IDを使っている可能性が高い。
要するに一人〜少数の荒らしが暴れているだけの可能性が高い、ということ。
本当に楽しみたくてここの運営の仕方に文句があるなら違うスレを立てればいいんだからね。
スルーしてくれると助かります。
あいつぜってーこねーよw
削除議論スレでフルボッコにされて敗走したんだからよw
>>117 同意、俺たちが何しようが2chのスレなんだから自由だよな
アニロワ民はそれを妨げるほど偉いんですね
,..-‐−- 、、
,ィ":::::::::::::::::::;;;;;:ii>;,
/:::::::::::::::;;;;;;;;iii彡" :ヤi、
i::::::::::::;:"~ ̄ ::i||li
|:::::::::j'_,.ィ^' ‐、 _,,. ::iii》 ,. ‐- .. _
|:::i´` `‐-‐"^{" `リ"゙ / __ `` ー- 、
ヾ;Y ,.,li`~~iノ , ィ/ ゝヽ ̄ヽ ー- '
`i、 ・=-_、, .:/ _ / { {ヽ、_ ヽ' ノ_,.〉
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│ ムスカ. |
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│異議あり!フルボッコにして敗走なんていつ誰がしたのかね?
>>116 了解しました。
少なくともこのスレタイとそこからの流れ見るとずっと荒らしが憑いててこりゃ避難もやむなしかと思います。
以後スルーします、というか企画自体にはそれほど興味ないので退散します。
ご迷惑おかけしますた。
>>115 いや、最後のレスが先月だから誰も見てないっぽいぞ。
「これは、まったくしたらばとは関係ない」とも書いてるし、
別のロワ始めるなら丁度良いんじゃないか。
まあ誰も敗走などしてない
オレは中立だが、>1にリンクがあるからコピペしたって文句を言われる筋合いは無い
ここで雑談している人たちの言ってる事は正論だね
124 :
120:2007/10/08(月) 01:45:14 ID:aNdKotO6
× 企画自体
○ 運営自体
>>120 実際は、まだ企画の話し合いが続いているのにも関わらず強行したというのが真相かな
だからそこの埋め合わせですよ。
向こうは向こうでいろいろ話しているようですけど、こちらにもこちらでいろいろあるわけです
ですので、そこを埋め合わせしながら再構成もしくはリスタートですかな
↑の言うとおり、これからどんどん積極的に話し合いましょう
>>123 まったくだよな〜
アイツラ低脳なゴキブ無脊椎生物リだからここでその意見に
反対する事もできねーんだよ
根拠もねーのに自作自演とか言い出すし
まぁ無視するほど俺たち多数派の意見は有利になるからいいんだけどなw
既に投稿されているSSもあるからな
だから
>>114のスレを再利用したら?
まだ9レスだけだから大丈夫だと思うぞ。
別居すれば、わざわざしたらばと張り合う必要もあるまいに。
まあ、このスレが終ったら臨時で再利用してもいいかな
いや、わざわざ終わるまで待つ必要ないだろ。
これまでのレスを見る限り、早い内に別のロワを始めたいみたいだし。
そこは、
乱立スレだから落とした方がいいかもしれない
あくまで各板にバトロワは一つだけでいい。迷惑がかかる
そういえばキャプテンってどうしてるんだ?
追い出されたっきりだったはずだが
>>131 じゃあしたらばで企画してるロワと、
君ら?がやりたい新企画ロワを、
このスレの中だけでやるのか。 ややこしくないか?
>>128>>133 言った通り、テンプレを変えたいなら現テンプレに乗っ取ってやるのが当たり前。
現テンプレを無視して議論しても当然承認されない以上、したらばに来れない連中はその時点でどんな奴らか知れる。
万一ここのしたらばが敵対者を全て排除しているという不健全極まりない形を取っているなら、
あなたの言うとおり違うスレを使えばいい。そこがいやなら違う板に違うスレを立てればいい。
もしこれが真実ならしたらばのやり方を嫌った人達がたくさん移ってくるはず。でも彼らはしない。
その時点で何が本当の目的なのか、彼らがAAやコピペを平気で行っている時点であなたなら分かるはず。
ここで雑談を開始したり、引き伸ばそうとしたりする人物はほとんど荒らしと見なしてくれると助かる。
要するにスルーしてほしい、ということです。
そいつもどっかでスレ作ってたような…
>>134 そのテンプレがおかしいといっているのがわからない?
日本の憲法をアメリカの進駐軍が決めて憲法変える際はアメリカに行って憲法作り直せとかかれてたら
アメリカに行って憲法改正発議ださないといけないのか?
それじゃアメリカのいいなりでしょう?
2ch側にだって主権あるんだよ。それが受け入れられないなら革命っていう方法だってある
主権ってもんがない、訳のわからないテンプレには従えない、そういうこと
>>136 だから別のスレでやるように提案してるんじゃないの?
なんていうかな、名称合戦なんだよねこれ
したらばサイト側は2chで行われるアニメキャラ・バトルロワイアルの企画の名称だけほしい
それ以外の一切の運営は2chからはシャットアウトしたいようだ
こちら側は、2chで行われるアニメキャラ・バトルロワイアルの運営権は2chが持つべきだと
この差かな
アニメキャラ・バトルロワイアル2という企画名は一つしかないからそれの奪い合い
>>138 >>114のスレもその名を冠しているんだから、
ここで暴れてないでそっち使えばいいじゃん
あれは重複スレだから原則放置対象
落ちなければ再利用でいいんじゃないか?
むこうの出方次第・・・かな
,..-‐−- 、、
,ィ":::::::::::::::::::;;;;;:ii>;,、
/:::::::::::::::;;;;;;;;iii彡" :ヤi、 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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|:::::::::j'_,.ィ^' ‐、 _,,. ::iii》 < とりあえず飯でも食っておちつきたまえ
|:::i´` `‐-‐"^{" `リ" |
/ ,.,li`~~`ヽ \________________________
/ r―0――――――┐丶
| |___0__o__,! l ゴーハンが
゙、 l / ノ ゴーハンがムースカ君♪
ヽ、ヽ、――0-⊂二二ニ⊃
>-‐(⌒)== | |
(_ノ ̄  ̄ \__ (⌒)
/ └┬' ̄
/ _____ ⊥-‐(∬∫) 、
,,,-―''^ ̄ ( (∫∬∬) ) ̄`ー-、
`ー-ニ二ニ-‐'
今二時だよw
w
>>140 そこが落ちるのを望むなら重複で削除依頼して新スレ立てればいいし、
再利用するのならさっさとすればいいのに・・・。
なんでそこまでして居座って喧嘩したいんだか
こんなんだから削除議論で迷惑かけるわけだ、俺も退散しよ
削除依頼は別の方がしてらっしゃる
147 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 03:20:36 ID:De4D2RCN
あまり乱立はしないでください
とっととテンプレ改正議論しろよ
「ん〜ふふっふっふっふっふ〜ん、ふっふっふ〜ん、ふっふっふ〜ん……」
B-6にある学校の職員室の椅子の座りながら、ロイド・アスプルンドは童歌を口ずさむ。
職員室は綺麗に整ってはいるが、夜にも関わらず真っ暗だ。唯一の灯りは、彼の支給品である携帯電話の液晶画面のみ。
(うんうん……見れば見るほど面白いねぇこの支給品。ただの携帯電話かと思いきや幾重にも趣向がこらしてある)
ロイドに与えられた支給品、携帯電話には様々な機能があった。
その一つが参加者全員の写真である。80個もある人物データは彼の脳髄を刺激させた。
とても本名とは思えない名前がのっていることや、名前に並び……何もかもが矛盾だらけだったからだ。
(この名前の並び方、イレブンの言語で使われている『50音順』がベースなのかな。
だとしても……変だ。この携帯電話の文字、参加者全員は読めないんじゃないの?
僕はスザクくんとも普通に話せるし、イレブン言語も少々かじってる。でもそれは例外。
ブリタニア人が皆イレブンの言葉を話せるわけじゃないのになぁー。
しかし僕に支給されたあの本の文字は、読めなかったし……そうゆうことなんだろうね。
それに名前の順番も気になる。
この『スバル・ナカジマ』って子、髪の色は変わってるけど名前から判断すればどうみてもイレブンだ。
でも『ナ』ではなく『ス』でのってるんだよねー。なんで姓名がひっくりかえってるんだろ?
この『素晴らしきヒィッツカラルド』ってのが『ヒ』じゃなくて同じく『ス』なのを考えれば、
この子の名前が通称名、もしくは『スバル』が苗字で『ナカジマ』が名前……ああそうか、『同じ』とは限らないか)
ロイドはこの世界に招かれてからのことを振り返る。
螺旋王ロージェノムにあっけなく殺されたランスロットのような機体に変身する男。
紙使いのアニタ、得体の知れぬ力を秘めていた相羽シンヤ。
自分の生きていた世界では想像はしても、決して現実には出来ないような力を彼らは持っていた。
あれほどの技術を彼はこれまで噂でも聞いたことはなかったし、概念すら知らなかった。
彼はまだこの世界に言語の垣根が存在していないことを知らなかったが、
ここまで自分が流暢に日本語がわかる違和感に、薄々は感じていた。つまり――
(自分の『常識』の範疇で考えるのは危険かもねぇ……他の誰かに会ったら何か情報が聞けるかもしれないし。
相羽君たちが戻ってきたら色々と聞いてみよう。んーやっぱり『電話番号』くらいは教えておけばよかったかなぁ)
ロイドは携帯電話の電話帳をチェックする。
そこにはこの町の地図に書かれた特定の施設の電話番号が登録されていた。
これを使えばそれらの施設内のどこかにある電話に繋がるのだが、
彼は名簿の存在のほうが気になっていたので、アニタたちの話す機会を逃してしまっていたのだ。
(電話しても誰もいなかったら意味ないし……学校は大体調べちゃったから、ちょっと暇なんだけどねぇ)
今から数時間前、アニタ・キングと別れた後、ロイドはすぐに学校の内部を調査した。
「王立螺旋北高校」と表札に書かれていたこの施設は一階建てで教室も指で数える程しかなく、時間はかからなかった。
内装もいたって普通の作りで、どこにでもある学校の机と椅子が並べられているだけ。
この時のロイドはあまりにも何の変哲もないこの事実に落胆して、速やかに携帯電話の調査に移項したのだった。
ただ、あの時は気にもとめなかったが、一つだけ奇妙なことがあった。
それはどの教室の黒板にも……大量の落書きがなされていたのことだ。
その量は黒板を埋め尽くすほどの数で、書かれていた文字は『7年空気ヨマコ先生!』や
『原作では出ないのに主役ってどうよ!?』など意味のわからないものばかり。
誰かのイタズラにしては手が込んでいることから、ロイドは消すことをしなかったのだが。
(やっぱり後回しにはせず、今やっとこうか)
電話帳から名簿に切り替え、更にボタンを操作し……ロイドは携帯をある画面に変更させた。
それは『現在位置座標』という名の機能。ロイドはその中から、自分の項目をクリックする。
表れたのは無機質なスペースと『パスワードを入力してください』というメッセージ。
これを看破しなければ、先に進めないというわけだ。
ロイドは一度は断念したパスワード解析を暇な時間を利用して解析してやろうと考えたのだった。
(僕の生年月日、血液型、出身、プライベート、交友関係、好きな言葉……さっきは思いつくままやってみたけどダメ。
これはイレブンの言語しか入力出来ないみたいだからスペルミスもチェックしたけどやっぱり全部アウトだった。
んー……これを支給した螺旋王の気持ちになって考えてみようかなぁ? 支給した僕は軍人であり学者。
この現在位置座標を使いこなせば間違いなく僕にとって有利になる。パスワード解析も得意だから無駄にはならない。
ただし奇襲、撤退がいつでも思いのままなんだよね。誰にも会わずに一人勝ちする事だって可能だよね。銃はあるんだし。
ということは、パスワードは誰もが知りえるものであり、かつ誰かに接触しなければわからない情報かな?
それならば僕の独走は防げるだろうし。ま、さ、か、『支給品』ってことはないよね……ってあらぁー!? )
『ラセーン』という効果音と共に表れるロック解除のメッセージ。携帯電話のモニターが目まぐるしく情報を出す。
そこには確かにロイドの現在位置と周辺地図が表示されていた。
そう、現在位置座標開示のパスワードはまさに支給品の正確な名前を入力することであり、
即ちロイドのパスワードは『携帯電話』だったのだ。
(なるほど……情報が欲しければ誰かに接触するしかない、か。
今回はたまたま『携帯電話』だったからよかったけど、場合によっちゃ当事者も知らない支給品もあるかもしれない。
でもパスワードが用意されているという事は……80人全員に聞いて回れば全部解読できるということかな?
うーん、主催者側が用意した道具なんだから、みんなの顔を覚えたらこいつを分解して技術を知る。
あわよくば首輪分解の為の資料に使えないか考えていたんだけど、いい抑止力になってるねぇ……んん!? )
ロイドは勢いよく立ち上がり、職員室から飛び出す。
そしてそのまま数メートル先にある一つ教室の扉を勢いよく開け、そのまま黒板に書かれている文字をなめ回すように見る。
そしてある一つのワンフレーズを見つけると、左右の口端を吊り上げた。
(ざぁーんねぇーんでした! この黒板の文字、やっぱり重要なメッセージだったんだね……螺旋王直々の。
『携帯電話をスペース内に向かって打ち込めってさー!』……この落書きの、ワンフレーズ。
まさか携帯電話という文字の事をだったとはねぇ〜。
ということは他にも何か手がかりになるヒントがこの中に隠されてるかもしれないんだなぁ。
でも黒板はこれ一つじゃないし、黒板一つあたりに書かれている落書きの量の半端じゃない。骨が折れそうだ。
あーなるほどぉ、これは参加者に直接会ったほうが手っ取り早いぞっていうメッセージでもあるのか。
そうだよね。持ち主である僕のパスワードのヒントなんて書いても損はないもんねぇ。
ま、相羽くんがここに来るまで僕は動けないんだし、しばらくは重要な『パーツ』探しでもしてみようか。
この携帯電話にも、まだまだ他の機能が隠されてるかもしれないしね……のってきたぁ〜! )
「ん〜ふふっふぅ、ふっふっふぅ〜ん、ふっふっふぅ〜ん、ふっふっふぅ〜ん♪
ん〜ふふっふぅ、ふっふっふぅ〜ん、ふっふっふぅ〜んふふぅ〜ん、そぉれ! ん〜ふふっふぅ……」
学校内に上機嫌な1人の男の鼻歌が流れる。
彼の研究者としての暴走は、しばらくは止みそうにない。
たとえ、もう少しで放送が流れる時間であることを思い出したとしても。
【B-6・学校のとある教室内/一日目/早朝】
【ロイド・アスプルンド@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康
[装備]:ニードルガン(残弾10/10)@コードギアス 反逆のルルーシュ
[道具]:支給品一式、携帯電話
[思考]
1:シンヤが戻ってくるまで校舎内を探索。
2:携帯電話と黒板に書かれた落書きをもっと詳しく調べてみる。
3:シンヤが持ってくる首輪を分解してみる。
4:スザクとの合流。
【携帯電話】
@全参加者の画像データ閲覧可能。
A地図にのっている特定の場所への電話番号が記録されている(どの施設の番号が登録されているのかは不明)。
全参加者の現在位置表示システム搭載。ただしパスワード解除必須。現在判明したのはロイドの位置のみ。
パスワードは参加者に最初に支給されていたランダムアイテムの『正式名称』。複数回答の可能性あり?
それ以外の機能に関しては詳細不明。
【教室の黒板】
全ての教室にこれでもかというくらい落書きでびっしり埋め尽くされている。
そのほとんどが意味不明な文章ばかりで、役に立たない情報が書かれている。
ただし、人によっては重要な情報、ヒントが書かれている可能性はある。
投下完了しました。
たくさんの支援ありがとうございました。
――それは不幸な出会いだった、というべきなのだろう。
自らの行使した破壊の力によってバラバラに引き裂かれ、千切れ飛んだ『ソレ』を見下ろしつつスカーはそう思った。
このような場所で、このような瞬間に出会わなければ、『ソレ』はもっと違う未来を迎えることが出来ただろう。
……いや、しかし矢張り同じ結果に終わっていたのかもしれない。なにしろ眼前で無残な姿を晒す『ソレ』は、
国家錬金術師をはじめとしたアメストリス人程ではないにしろ、スカーの――いやスカー”達”の宿敵と言っても過言ではない存在なのだ。
(……考えても詮無きこと、か)
まとまらぬ思考を振り払うかのように、スカーは頭を振るう。
そして、眼前の『ソレ』に頭を垂れ、「すまなかった」と一言呟き、身を翻した。
確かに『ソレ』をはじめとしたモノたちは宿敵だ。だが、国家錬金術師達のように憎しみと憎悪の対象にしている訳ではない。
だからこそ、スカーは『ソレ』に謝罪し、哀悼の意を述べた。
(兎も角、今は体力の回復を第一に考えるとしよう。そして、その間に……)
千切れ飛んだ『ソレ』の目は、ただ月明かりを反射するだけの瞳は、静かにスカーの背を映していた。
■
時は僅かに遡る。
スカーは自らが破壊した倉庫の残骸の中に紛れて体を休め、受けた傷へ適当な処置を施すべく自身のデイパックを開いていた。
最初にこの会場の地図やコンパスを取り出し、次いで参加者名簿、水や簡易食料を取り出していく。
(このような小さいデイパックにどうやればここまで物を収納する事が出来るのか……。
周囲の建物と同じく、己れが知らぬ……いや、アメストリスでは到底有り得ぬ様な技術を使用している、ということか)
やがてスカーはデイパックから一まとめにになったメモ用紙を取り出す。
そしてそれと同時に、そこに書いてある基本支給品の目録の存在に気付いた。
「チ、せめて包帯だけでもあればと思ったが……矢張りそう上手くはいかんか」
そこに書かれていた品物は、全て既に足元に広げてしまっている。
傷の処置を行う為に治療道具が欲しかったところだが、無いのであれば仕方が無い。
ならば、とスカーは唇を湿らす程度に水に口を付けた後、再びデイパックを漁り始める。
参加者達にランダムに配られる別途支給品、その中に治療用の道具、そして戦闘用の武器が含まれている可能性を考慮してのことだ。
しかし、スカーはデイパックの中に入っているであろう武器に期待を寄せてはいなかった。
あの黒の男のような強者が闊歩するこの殺し合いの地では、初めて手に取るような武器よりも、
この破壊をもたらす右の腕と、鍛え上げられた己が体の方が、遥かに信頼に値する。
が、今自分が一体どのような武器を所持しているのかは把握しておいた方がよいだろう。
自らが窮地に陥ったとき、それが活路を切り開く為の標となる可能性もあるのだから。
ほどなくスカーは、デイパックの中から底の浅いダンボールとそれに詰められた果物を取り出す事に成功した。
(……ブドウ、か?)
ダンボールの中に詰められていた果物、それは薄緑の果皮を持つ、白ブドウと思しき物だった。
思しき、とわざわざ付けたのには理由がある。
このブドウの果実は、ひとつの例外も無く全ての果皮に時計のようなものが張り付いていたのだ。
少なくとも、スカーはこのように面妖なブドウを見たことは無いし、聞いたことも無い。
さてどうしたものか、と考えているとダンボールからひらりと紙切れが落ちた。
それを摘み上げ、そこに書かれていた文字を読む。
『時の都アドニス特産・時計仕掛けのブドウ。
最高の収穫時をコンマ一秒も逃す事無く収穫した一品。
この至高の逸品を食す際には一分一秒の間の鮮度落ちにも気を使うように』
…………何なのだろうか、この妙に時間に口うるさい説明書と思しきものは。
これを書いた人物の前で遅刻したらどうなるのやら。いきなり手に持った得物で首を刎ね飛ばすような真似でもしてくるのかもしれない。
それは兎も角、少なくともこれは食しても何の問題も無いらしい。
ならば、とダンボールの中からひとふさ取り出し、実を一つ摘み、口の中に放り込む。
奥歯で実を挟み潰すと、ぷちゅ、という音が聞こえてきそうな心地良い感触ともに、口の中に爽やかな酸味が広がる。
そして、その酸味が口の中を占拠したその時、その酸味の中でほのかな甘みが自己主張を開始した。
甘みはすぐさま勢力を広げ、酸味を飲み込もうとする。しかし酸味も負けじと押し返す。
そのままそれらは混ざり合い、スカーの口内を何ともいえぬ甘酸っぱい味覚で満たしてくれる。
それに少し気を良くしたスカーは、ブドウの実を二度、三度と口へ放り込む。
そしてそれらを咀嚼するうち、妙な事に気付いた。
(このブドウは確かに美味い。だが、何というか……まるで、個性が欠落しているかのようだ)
当然ながら、スカーは美食だのグルメだのという趣味を持ち合わせてはいない。味覚はせいぜい人並みだ。
にもかかわらず、このブドウに対してそのような違和感を抱いた。
舌に自信のある人間ならば、一口目でそれとはまた別の、しかしより確かな違和感を覚えるやも知れない。
……が、いずれにせよこれは美味で、特に体に害となるものは含まれていない、というのは確かな事だろう。
再びもきゅもきゅとブドウを食べつつ、更にデイパックを漁っていく事にする。
そして、次にスカーが引き当てたものは手紙を出す際に使われるものと思われる茶封筒だった。
中には何かがぎっしりと詰まっているらしく、封筒は大きく膨れていた。
少々訝しみながら封を切り、中身を確認する。
その瞬間、スカーの脳髄を雷光が駆け抜けた。
スカーが封筒から取り出したもの、それは写真だった。何十枚もの写真が一括りにされ、封筒の中に入っていたのだ。
そしてそれらの写真の被写体、それは――――――猫、だった。
最初の写真には、寄りかかるようにして玩具の銃を持ち、どこかへ狙いをつけているように見える猫が。
次の写真には、大き目のカップの中に入り、顔だけを覗かせてカメラの方向を向いている子猫が。
その次の写真には、隣に座る猫に顎の下を舐められ、なんとも気持ちよさそうに顔を緩める猫が。
更にその次の写真には、背中にひよこを乗せ、重そうにふらふらしている子猫が。
次の写真にも、その次の写真にも、その次の次の写真にも、なんとも愛らしい猫の姿が映し出されていた。
スカーの手は、それらの写真を確認していくうちに、はっきりそうと分かるほど震え始めた。
この殺し合いの場で支給されたもののうち二つがブドウと猫の写真などと言う全く戦闘に役立たないものでは、
怒りで身を震わすのも無理はない……というか、当然だろう。
んが、スカーの震えはそれが原因ではない。ならば見事にハズレを引き当て殺し合いに恐れをなしたか、と思うかもしれないがそれも違う。
事実、周囲を見回し周囲に人の気配が無い事を確認し、再び写真へと目を落としたスカーの表情は、そう…………。
――――……和んでいた。
多くの者はそれを向けられただけで身を竦ませる程の鋭い眼光を発する目は優しく細められ、
彼がどこまでも厳格で頑な人間であるという事を伝えている横一文字に結ばれた口は見事に緩み、
イシュヴァールに生まれ、今日まで過酷な運命を背負ってきていたその浅黒い肌にはほんのりと赤みがさしている。
そしてスカーはそのような表情で、「…………にゃんこ……」等と呟き写真を眺めている。
そう、彼は、スカーは、
大の猫好きだったのだッ!!!
その後数分間、スカーはもきゅもきゅとブドウを食べつつとてもとても幸せそうな表情で猫の写真を眺めていた。
が、ブドウをひとふさ食べ終えたところでハッと正気に戻り、自分の今為すべき事を思い出す。
(いかん、己れとした事が……。兎も角、この猫達の写真は一旦後回しにしよう。
まずは残りの支給品を確かめねば。…………それが済めば、またゆっくり眺めることが出来るからな)
やっぱり正気に戻ってなかったかもしれない。
その思考は兎も角、スカーは再び自らのデイパックを漁る。
最早デイパックの中には最後の支給品しか残っていなかったので、すぐに引っ張り出す事に成功した。
――さて、ここで皆さんに質問をしたいと思う。
猫は数千年の昔から人々にペットとして飼われ、愛され続けてきた。では、そんな猫にライバルがいるとすれば、そのライバルとは?
そう、犬である。犬は猫と同じく古より人と共に歩んできた、人々のパートナーとも言うべき存在と言えるだろう。
両者は遥か古代より人と共にあった。故に両者の、そして両者のうちどちらかの派閥に所属する人々の確執は筆舌尽くし難いものがある。
どれ程両者の関係が壮絶で泥臭いものであるか伝えるために、とある二人の兄弟の話を例に出してみよう。
彼らは物心ついた時より盗み、壊し、殺し、故に周囲から人非人よ鬼畜よと蔑まれながら生きてきた。
故に、彼ら兄弟の結束は固く、彼らの絆は何者にも断ち切ることが出来ぬものだった。
が、ある時兄(猫派)が弟(犬派)に黙って、こっそりと鎧の中に雨に打たれていた子猫を隠したのだ。
その時の会話が以下のものである。
『鎧の中にネコなんか入れんなよな兄者』
『だってかわいそうじゃあないか』
『だいたい俺はイヌ派なんだよ!! ネコなんざペッ!!!』
『きっ……貴様私を比類なきネコ派と知っての暴言か!!』
『はっ!! ネコは自己チューで嫌いだね!!』
『なにを!! 他人に尻尾を振ってヘイコラしている畜生のどこがいいか!!
貴様のようなふぬけた奴にニャンコの愛らしさなど一生理解できんわ!!』
『言ったなこのクソ兄者!!』
嗚呼、なんという事であろうか!
何よりも固く、そして美しい筈だった兄弟の絆は、犬猫の派閥争いの前に無残にも引き裂かれてしまったのである!!
……と、このように犬派猫派の争いは非常に苛烈なものなのである。
で、あるが故に。
「あ゛」
スカーが最後に取り出した支給品が犬のぬいぐるみで、
猫派全開のスカーが殆ど条件反射で『ソレ』に対し全力全開天上天下一撃必殺のパゥワーを込めて右腕の破壊の力を行使したとしても、
誰も彼を責める事は出来ないだろう。
――そして、話は冒頭へと繋がるのであった。
【B-1/海岸沿いの倉庫/1日目-早朝】
【スカー(傷の男)@鋼の錬金術師】
[状態]:左脇腹と右脇腹、右手の親指を除いた四本それぞれ損傷中。中程度の疲労。 にゃんこ……(*´Д`)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、猫の写真@アニロワ2ndオリジナル×50、時計仕掛けのブドウ@王ドロボウJING×9(ダンボール入り)
[思考]
基本:参加者全員の皆殺し、元の世界に戻って国家錬金術師の殲滅
1:皆殺し
2:猫の写真を眺めつつ回復に努め、回復したら中央へ向かう
[備考]:スカーの近くにはバラバラになった犬のぬいぐるみ@サイボーグクロちゃん が放置されています。
【猫の写真@アニロワ2ndオリジナル】
愛くるしい猫達の写真。本当にただそれだけ。
しかし、ある意味最強の支給品と言えない事もない。
【時計仕掛けのブドウ@王ドロボウJING】
時の都アドニス編(アニメ3〜4話・原作1〜2巻)に登場。時の都の主マスターギアによって時間のくびきにかけられたブドウ。
実際の味の程は不明だが、このブドウ達が時間に支配されながらもこっそりと育んでいた『渾身のひとふさ』は王ドロボウをも唸らせる逸品。
【犬のぬいぐるみ@サイボーグクロちゃん】
ミーくんが変装のために使用する、どこか間の抜けた感じのする犬のぬいぐるみ。
元々はミーくんが初恋の相手である、とある捨て犬に告白する為に使われたもの。ちなみに初恋の結果は結果は悲しい失恋でした。
そして、私は舞い落ちた。
痛みはなかった。一瞬で終わる殺傷に、痛みの有無はない。
そもそも、私には痛みという概念がない。
切り裂かれようと傷を作ることはなく、血を流すこともない。
痛み、死、両方に伴う苦しみ、それら人間にとってマイナスとなる概念が、私には存在しない。
今さらだ。私は、そういうものなのだ。
私という存在に、死はない。
それでも死に近しい概念を探すというのなら……消滅、或いは忘却。
これらは言葉による関連性から考えられるとおり、同じようでまったく違う。
苦しみという概念の有無もそうだが、生を終えるのと、存在自体が無くなるのと、他者に忘れ去られるのとでは、何から何まで違いすぎるのだ。
どれが他者、世界によってベストで、私に相応しいかは分からない。
答えなど知りはしない。誰も。知りたいとも思わない。知ろうとも思わない。知ったところで、どうにもならない。
私という存在は、主役ではない。かといって、脇役というわけでもない。しかしながら、観客でもない。
あえて言うなら、舞台上の小道具。それが、私という存在に最も合致する。
人が生み出し、人が使い、或いは使われないかもしれない。
私という存在は、その程度のものでしかない。
――しかし、私はただこの一時だけ、そのルールに抗ってみようと思う。
私という存在、その限界を一跨ぎして、感性を持った傍観者として振舞う。
私の願いは、ただそれだけだった。そしてそれは、この世界の摂理に反するものでもあった。
だからといって、誰かから文句を言われるものでもない。
この程度の事象、世界の推移にはまったく支障なく、誰の行く末に影響を与えることもない。
私にできるのは、見て、感じて、想うだけだ。
干渉は愚か、他者や世界はその事実すら知り得はしない。
……唯一、『彼女』なら、もしくは彼女と同種の人間なら――いや、やはり不可能だろう。
私はただの傍観者だ。口伝者になる術は持ち合わせておらず、資格もない。
それが私という存在である――
私という存在は、彼女という存在の終わりを見た。
誰に看取られることもなく、誰に干渉することもない、そんな終わり方だった。
彼女という存在の周りには、私という存在、その同類とも呼べる存在が散乱し、その身に彼女の内容物を纏っている。
概念的なものを問い詰めれば、彼らは存在と称すには至らないほど矮小なものであり、私もまた同じく。だが、あえて『彼ら』と呼ぼう。
彼らが纏っているのは、鮮烈な赤。人間の体内に循環しているという、血によるものだった。
彼女は何を思い、彼らを血に染めたのか。私には分からない。私は彼らと同じ存在であり、彼女ほど崇高な存在ではない。
ただ、今の私は彼らの一歩先に立つ傍観者だ。ならば知識を得て、考察するほどのことも許されよう。
彼女はきっと、彼らを血に染めるつもりなどなかった。不可抗力だった。不可抗力といえば、彼女の死自体もそうであると考えられた。
私は知っている。彼女の最後の表情を。苦痛に歪む顔を。生に執着する瞳を。無念に沈む肌の艶を。
全てが不可抗力であると言えた。彼女は死を受け入れたくなどなかったのだ。私はそう考える。
だとしたら、受け入れたくないという彼女の意志を無視し、強引に死を押し付けた存在はなんなのか。
それも私は知っている。彼女に死を与えたのは、未だ私と彼女の前に悠然と聳える、彼に違いない。
彼――と度々用いるのも、傍観者を徹する上で不備が生じる。ここは率直に、『剣』と称そう。
あの剣が、彼女に死を与えた。そして彼女がその死を拒絶できなかったのは、剣という存在が、彼女という存在を打ち負かしたからだ。
剣と人間の優劣の差など、私にはわからない。そもそも、私は彼女という存在と剣という存在、双方について詳しくはない。
私が知っているのは、こうして広がっている結果だけだ。
風が全てを切り裂き、彼女に死を与え、私が残されたという、結果。
知ったところでどうすることもできないのは、前述のとおり。
この結果が意味を成すには、この場に彼女と同等の資格を持つ存在が訪れる必要がある。
故に、私は待った。時間という概念すら、私にとっては人間のそれと大きく違うが……どちらの概念で捉えても、そう長くは待たなかったと思う。
一人の男がやってきた。私という存在と、彼女、そして剣を見つけた。
もっとも男にとっての私は、存在と呼べるものですらない。私を極めて根本的な概念でしか捉えていないはずだ。
そういう意味では、剣も所詮は剣という存在でしかない。今、男の瞳に映っているのは、死を迎えた彼女の遺体のみだろう。
光か、それとも音か、もしくは単なる偶然か。男がこの場に訪れた経緯は、定かではない。
ただ、男にとってこの場の惨状は予想だにしないものだったらしく、頭をボリボリと掻きつつ顔を歪めていた。
この表情は、おそらく『怒り』というものだろう。男は、彼女を見て怒りを覚えている。
彼女の何が、男をこれほどまでに怒らせているというのか――いや、男の怒りの矛先が、何も彼女であるとは限らない。
おそらく、男は彼女の死に、彼女に死を与えた存在に対して、怒っているのだ。
男は彼女に黙祷らしきものを捧げると、改めて周囲を見渡した。私もまた改めて、この場の状況を観察してみようと思う。
部屋。民家。散乱する血と、私と同種の存在。聳える剣。死を迎えた彼女。訪れた男。私に把握できたのは、この程度だ。
観察を終えると、男はまた頭をボリボリと掻き出した。誰にでもなく言葉を吐くが、私に聞く耳はない。
さすがの私も、耳まで得ようとは思わなかった。傍観者に必要なものは、既に得ている。
その後の男の挙動だが、数秒どうするか考えた仕草をした後、私と彼女の前から一端姿を消した。
何もせずに去るのかと思いきや、姿を消したのはほんの数瞬。無数の白い布を抱えてくると、それを彼女の上に被せていった。
おそらく、血を気にしたのだろう。男にとって、もしくはこの世界の置かれている環境にとって、血は色々と厄介な概念らしい。
臭いか、色か、まぁそんなところだろう。男は、彼女の遺体から丁寧に血を拭っていく。
そして、彼女は綺麗になった。剣につけられた無数の傷跡が消えることはないだろうが、血塗れのまま取り残されるよりは幾分かマシなはずだ。
194 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 00:07:38 ID:wFuNGgLA0
アッーーー!!!
名無しに変えるの忘れてたorz
195 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 00:09:07 ID:g8XCLHe60
乙
某弓兵の台詞が出た時点でああ、士郎死んだなと思った訳ですがココで引きとは
まるでなつきが強キャラみたいな誤解をされつつあるのがw
196 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 00:48:49 ID:hWn/16qQO
投下乙
何もかも螺旋なのに吹いた
しかしなかなかいいフラグが立ったなあ
197 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 00:57:40 ID:g8XCLHe60
乙
これは面白い、螺旋的なアイテムといえばやっぱりコアドリルかね。エアでもいけるかなw
明智の煙草がその頃には吸い尽くされている予感
198 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 00:58:09 ID:/9ZobTJY0
投下乙。
こういう頭脳系のキャラは見てて格好いいな。
独り言が伏線とか流石。
199 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 01:00:44 ID:uKjC8jho0
乙です。
やけに独り言を……と思ったら伏線だったとは。
イヤミっぷりもきいてきて明智節が増してきたw
200 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 01:03:31 ID:YFQ/Jxm.0
乙ー。
流石螺旋王だ、螺旋だらけでもなんともないぜ!
>螺旋に類する物
ジンのコートの出番ですね! ……え、駄目?
201 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 01:10:36 ID:GRQgqFNYC
明鏡止水ワロタw
202 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 01:26:15 ID:xRL98k62O
乙です。開封、未開封を問わないとはなんとも良心的。
良い伏線の仕込ませ方でGJでした。
203 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 08:48:18 ID:H1yxARvI0
今回は色んな施設があるから、どう活かすかも書き手の腕の見せ所か
男は一息入れると、彼女の下から離れ、剣に歩み寄った。顎に手をあて、数秒睨み合う。
何を思ったかは分からない。男はおもむろに剣を掴み取ると、それを肩に下げていたデイパックに入れた。
剣という存在は、突き詰めていけばただの物だ。男に抗う術はなかった。それは、私も同様ではあるが。
そして男は再び彼女に歩み寄り、しゃがむ。また何かしら言葉を発すると、一瞬拝むような仕草をして、彼女を抱え立ち上がった。
どうやら、彼女と剣を連れてこのまま退室するらしい。それが男の選択だった。
誰に文句を言われる行動でもない。が、このままでは私が困る。このままでは、私だけがこの場に取り残され、傍観者としての勤めを果たせなくなってしまう。
……勤め、などと言うのはおこがましかったかもしれない。これは、言うなら私の趣味、道楽だ。
私という存在に、果たして趣味や道楽といった概念が意味あるものなのか……そんなものは思慮の範囲外なので、捨て置く。
訴えかけることもできず、自己の存在をアピールすることもできず、私は傍観者としての終焉を迎えようとしていた。
だが、奇跡は起きた。男が部屋の出口に向かう寸前で、直下の私に気づいたのだ。
男は彼女を一端床に下ろし、私を粗忽に摘み上げる。扱いに文句を言うつもりはないし、不満もない。
ただ一言注文を述べるとするならば、私も連れて行って欲しい。もちろん、語りかけることはできないが。
すると私の喋らざる願いが通じたのか、男は私を懐にしまうと、再び彼女を抱え上げ、今度こそその場を退室した。
傍観者としての私の任は、もう少しだけ続く。
ひとまずは、舞台を移すとしよう。
◇ ◇ ◇
(休み話)
優秀な螺旋遺伝子を持った生命体を選出するための殺し合い。
それとはまた別の世界、別の次元、別の話として、『魔界の王を決める戦い』に没頭する二人組がいた。
窪塚泳太とハイド。人間と魔物の子供による二人組は、此度の実験にはまるで関係のない部外者だ。
しかしどういった不幸か、彼らは直接的ではないにしろ、螺旋王の実験によって窮地に立たされていた。
ガッシュや清麿のように拉致され、魔界の王を決める戦いの舞台から一時的に下ろされたわけでもない。
強いて言うならば、舞台に参加するための入場券を、螺旋王に奪われた。その程度の被害。
その程度が、泳太とハイドにとっては死活問題だった。
なにせ、その入場券というのは他ならぬハイドの魔本であり、魔界の王を決める戦いは、この本がなければ成り立たない。
この戦いにとって魔本は武器であり、生命線だ。
普段は術を発動するための起動キーとして機能するが、これが燃やされると、即座に敗戦が決定してしまう。
本を失うこと、イコール魔界への強制送還。これは、魔界の王を決める戦いにおける抗いようのないルールだった。
泳太とハイドの二人とて、このルールは理解している。理解しているからこそ、現状のピンチに苦しんでいるのだ。
泳太は、いつの間にかハイドの魔本をなくしていた。
どこかに置き忘れたり、落としたのではない。殺し合いをするためのアイテムとして螺旋王に奪われたのだ。
もちろん、泳太がそんな事実を知るはずもない。だからこそ、今もこうして本を探して街を彷徨い歩いていた。
隣で早く見つけろ、早く見つけろと騒ぐハイドを疎ましく思いながら、泳太は見つかることのない本を探し続けた。
一日、一日、また一日と、不毛であるとも知らずに、懸命に捜索を続けた。
そして、不幸は起きた。
いつものように本を探して街を歩いていたある日、突如として、ハイドの姿が透けてきたのだ。
この瞬間、泳太は悟った。ああ、どこかでハイドの本が燃えているのだと。
ハイドが騒ぐ。オレの身体が、オレの本が、と。騒いだところで、泳太にはどうすることもできない。
本の行方は分からぬまま、ハイドは敗者として魔界に送還されていく。
ただ、無念だけが残った。他の魔物との戦いによって本を燃やされたならともかく、こんな形でハイドと別れることになるとは。
悔しさを噛み締めながら、泳太とハイドは別れを惜しみ、堪えきれずに泣いた。
こうして、一組の魔物とそのパートナーが、人知れず魔界の王を決める戦いから脱落した。
下手人は、強いて言うなら螺旋王、もしくは紙使いの少女、もしくはあの剣なのだろうが、その事実を知る者は一人として存在しない。
(休み話 終わり)
◇ ◇ ◇
204 : ◆AZWNjKqIBQ:2007/10/07(日) 09:20:18 ID:LXYK.f.Y0
MAPです。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/3a/c96a9b4efd736507881dfba0a4f4c08c.jpg 205 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 09:27:01 ID:TxL5/EBQ0
MAP乙です
206 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 12:47:29 ID:1/Cawkfc0
地図お疲れ様です。
まだまだ人がいっぱいだなぁ
207 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 15:10:16 ID:sAby.aBA0
そういや静留が予約されて思い出したんだが
静留の着ている服って船で調達した服だよね
状態表に書いておいた方がいいんじゃ
208 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 18:37:19 ID:..iJoVac0
投下乙でした
とりあえずこなたは収まったか……少し不安も残るが
ここで出たパラレルワールド説も今後いいフラグになるような気がする
あとスバルの思考欄見て吹いたww
確かに今回目立ってないわな
209 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 18:37:34 ID:bGLfKjWg0
空気カワイソス
とりあえずこなたが落ち着いたみたいで一安心か…
210 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 18:51:44 ID:Pb/sGuLw0
みんな「らしく」描かれたいいSSでした。
同作品キャラの合流は死亡フラグ?
211 :早まるなそれは孔明のワ:早まるなそれは孔明のワ
早まるなそれは孔明のワ
212 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 19:22:16 ID:8or09s.U0
スバルの思考欄吹いたwwwとにかくGJ
…あれ?アルの基本思考間違ってね?一緒に行動する相手にアルって入ってるんだが
213 : ◆1sC7CjNPu2:2007/10/07(日) 20:01:12 ID:Ovx2FAoE0
>>208 実はパラレルワールド説書いてからグレンラガンの多次元宇宙の話見ました。
>>209 スバルを絡ませる話が思いつきませんでして……スバルが好きな人、すいません。
>>210 「らしく」ってのは嬉しいです。
>>212 毎度お馴染みのミスっす、Wikiで修正しますOTZ
あと以下もWikiで修正します
※アルの参戦時期はヒューズ死亡後のいずれか
※こなたの参戦時期は原作終了後
※アルは錬金術を使用したため疲労小
214 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 20:32:05 ID:hWn/16qQO
投下乙
早々に同作品キャラ合流か…
しかし、スバル空気w
ひとつ指摘。
スバルは機動六課制服なんで、ハチマキはしてないはず。まあ大したことじゃあないが
215 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 20:58:16 ID:Ovx2FAoE0
投下乙
しかし映画館までの道は遠いぞミリアw
でも途中でアイザックと普通に合流しそうだな
216 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 21:00:12 ID:UX8Pbwec0
投下乙
ミリアは本当に和むなぁ。アイザック共々いい清涼剤になりそうだ。
217 : ◆lbhhgwAtQE:2007/10/07(日) 21:00:47 ID:U46wQ9SQ0
投下完了しました。
指摘点がありましたらドゾー
あと、投下完了報告って、予約スレとこっちの両方でするべき? それともどっちか片方でおk?
>>213 投下乙!
こなたはひとまず落ち着いたかぁ……。
スバルが何気にパラレルワールド理論を説明したりして頭良さそうに見えて困るw
218 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 21:06:06 ID:hWn/16qQO
投下乙
ミリアに引っ張られっぱなしの一、いいコンビになりそうです
219 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 21:07:57 ID:7p2mZLa6C
スバルは一応座学の成績は優秀だし頭は悪くないんだ、要領が悪いだけで
220 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 21:12:08 ID:UX8Pbwec0
>>217 投下完了報告はどちらでもいいかと思います。
むしろ投下開始報告を両方に、せめてageで片方に宣言したほうが個人的にはありがたく……。
221 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 21:50:11 ID:GMCnwCxc0
◆n5a5sXxJlE氏投下乙。
ワカメの食料品が缶詰だったりするから、まっいか。
地図の件はいいとは思う。
そろそろ名簿をよましてあげてもいいとは思うんだ。
ねねねしか知り合いいないけど。
222 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 21:58:56 ID:WUnDkXa6C
平和にも程があるw
白い建物、白い壁、そして、暗い通路を歩いていた。
悪臭の蔓延する我が家から場を移し、男が私と彼女を連れ込んだのは、清潔な印象を漂わせる大きな建物だった。
おそらく、病院というものだろう。人間のための医療機関と記憶している。
だが、医者は愚か一切の人気もない。例え医者がいようとも、既に死を迎えた彼女を癒すことはできないだろうが。
男と彼女と私、三者しか存在しないかのような静謐な場。薄暗い廊下を越えて、さらに奥へと移動する。
霊安室。辿り着いた部屋には、そう書かれたプレートがかけられていた。
死者を安置する部屋……ということだろうか。男は、この部屋に彼女の遺体を預けるつもりらしい。
白のようでいて実は灰色な、簡素なパイプベッドへと、彼女の遺体を寝かす。
その表情は、いつの間にか穏やかなものになっていた。
男は懐から私を取り出すと、一瞥してから神妙な顔つきになる。何を思っているのだろうか。
私に微細な表情から人の感情を読み取る能力はなく、男の本意は分からなかった。
男は私を彼女の遺体の上に乗せると、荷物を置いたまま霊安室を退室する。
ふと、彼女の遺体の横にもう一つ、別の遺体が安置されていることに気づいた。
若干黒いのは……こげている、のだろうか。辛うじて少年と判別することができる。
彼もまた、彼女とは違った方法で、死を迎えたのだろう。おそらくは、彼女同様あの男に連れられて。
ということは、あの男は葬儀屋かなにかだろうか。髭面や格好からはイメージできないが、職業など見た目で判断しきれるものでもない。
正体不定の怪しい輩ではあるが、男は彼女から血を拭い、黙祷を捧げ、ここまで運んでくれた。
私としては、あまりに悪い印象は感じていない。
そして、数分。男はやや険しい表情で、再び私と彼女の下へ戻ってきた。
すると物言わぬ彼女に一言二言言葉を発しながら、自分の荷物を探り出す。
取り出したのは、数冊の本だった。
全部で9冊、文庫サイズであるそれから一冊を手に取ると、男は彼女の前で音読し始めた。
なんと言っているかは、聞く耳持たぬ私には理解できない。死者へ送る経でも唱えているのだろうか。
本は小さいながらも数百ページはあるかと思われたが、男は1分もしない内にそれを閉じ、彼女の遺体の上に置いた。
結局何がしたかったのだろうか。私には分からないが、男は満足気だ。
そして男は自身の荷物を再度肩に下げ、また霊安室から出て行ってしまった。
数秒、数分待つが、帰ってくる気配はない。……私と彼女は、今度こそ取り残されてしまったのだ。
223 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 22:14:24 ID:UX8Pbwec0
こいつらマジで何の為に来たんだw
◆n5a5sXxJlE氏、食料は大丈夫でしょう。ミーくんは口がないけどクロは普通の食事も食べれるし。
地図も多分問題ない……と思う。
224 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 22:31:03 ID:bGLfKjWg0
俺の中でスカーの株価が世界恐慌で大暴落、ってカンジだ
ハガレンはまだ途中までしか見てないんだがこんなキャラだったのか、スカー!w
225 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 22:36:31 ID:PkACQ7oI0
投稿スレ鯖堕ちしてね?
226 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 22:40:26 ID:UX8Pbwec0
投下乙です。
スカー猫好きだったんかw
時計じかけブドウ旨いのに……スカーの野郎……。
>>225 2ちゃん全体が落ちてる
227 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 22:48:50 ID:GRQgqFNYC
これはアルと写真を奪い合うしかないなw
228 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 23:28:03 ID:wpRYp2Jc0
なにこの巻末おまけ漫画のスカーww
229 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 23:30:33 ID:S6T96Ffw0
>◆n5a5sXxJlE氏
ひとまず投下乙です。
地図に関してはちょっと気になるかな? と思いました。
・今までに他のSSで、ループの記載に関する記述が無い。天才系キャラも多数居るのに、誰一人気付かなかった、というのは?
・わざわざループの記述を、敢えて分かり難い形でMAPに書き加える意図が不明。
食料に関しては僕個人では判断付きかねます。
が、ガソリンとか使いようによっては色々と活用できるので、本来なら支給品扱いにするのがベストだろうな、とも思います。
もっと言えば、登場話での荷物確認で指摘されなかったのも若干不自然かも。
ツチダマ行き?
230 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 23:33:30 ID:S6T96Ffw0
あと、文中の句読点抜けが多いことや、改行が殆ど無かったりするのは直すべきだと思いますよ。
推敲は幾らしてもし過ぎる事はありませんし、そのための予約期間でもある訳ですから。
231 :名無しセカンド:2007/10/07(日) 23:56:14 ID:j5yxkFMY0
◆n5a5sXxJlE氏投下乙
ちょいと問題があるようですが、そこら辺は教訓にして次回に生かしてください。
◆/eRp96XsK.氏投下乙
スカーがwww
私の傍観者としての役目は、唐突に終わりを告げた。
何も起こらない霊安室、動かない彼女と、その隣の彼の遺体。
変化のない世界を観察しても、ただ退屈なだけだ。
少し残念だが、私はここで役目を終えるとしよう。
だが最後に――彼女の死について、考察してみたいと思う。
彼女は、自分の死をどう受け止めているのか。
死に際の表情は、明らかに無念が残っていたように思える。しかし今は、至って穏やかな顔つきだ。
私という存在は、彼女という存在の全てを知りはしない。いや、実際のところは欠片も知りはしないだろう。
私は単なる傍観者だ。口伝もできず、ただ己の見解を胸に秘めるのが精々、存在する意味すらない。
彼女にとっての私は、単なる繊維の集合体でしかなかったのかもしれない。
私にとっての彼女は、もしくは……母のような存在だったのかもしれない。
だからこそ、見届けたかったのかもしれない。彼女の死後を、僅かでも。
あの男に、今一度感謝しておこう。彼女をここに連れてきてくれたことに。
そして願わくば、彼女の死に意味を持たせてくれますように。
私はただ、思うだけしかできない。もうすぐ、思うことすらできなくなる。
私は人間ではない。
私は存在ですらない。
私は、ただの紙だ。
◇ ◇ ◇
神行太保・戴宗という『男』が、『彼女』を発見したのは、まったくの偶然だった。
酒を探し求めて街をさ迷い歩く中、通りがかった倉田家という民家から、強風の逆巻く音と窓から飛び散る紙が窺えた。
家の中で倉田さんが何かやっている。普通に捉えればその程度、通行人に興味を与えるものでもない。
ただし、今の環境は殺し合いだ。参加者の中に倉田家の住人などおらず、会場内に自分の住居を持つ者などいようはずがない。
ならば、中にいるのは不審者……もとい、殺し合いの参加者に他ならない。
戴宗は興味本位で倉田家の門をくぐり、そして見た。
床中に散布する、鮮血を纏った紙。カマイタチのようなもので切りつけられた家具の数々。
突き刺さっている仰々しい造形の剣。小隅で燃え盛る本。そして、少女の死体。
「あーりゃりゃ、まーたかい」
酒を探して街を歩いていたら、またもや子供の死体と遭遇してしまった。
今が殺し合いの最中とはいえ、これは褒められた偶然ではない。戴宗は頭を抱えた。
戴宗は、既に姿を消している下手人に途方のない怒りを覚え、彼女に黙祷を捧げる。
見るに、年の功は先ほどの義手の少年よりやや若い。12、13……大作とほとんど同じ年齢に思えた。
草間大作。国際警察機構に所属するエキスパートにして、戴宗の後輩。彼にとっては、息子同然のような存在であった。
12歳という若さで、いきなりジャイアントロボという巨大すぎる力を背負わされた少年。
この舞台には呼ばれていないが、彼もまた、覚悟もないまま戦場に立たされた子供には違いない。
(12の時分……俺は自ら望んで、エキスパートとして育てられた。
だからこそ、様々な任務も遂行できるし、死をも覚悟できるのかもしれねぇ)
だが、彼女は違う。大作と同じくらいの時分にいきなり殺し合いを強要され、そして死んだ。
(いきなりだ。なにもかもいきなりだ。俺が12の時分……同じような境遇に置かれて、耐えられたか?
適度にトチ狂って自滅、が、まぁいいとこだろうな。この嬢ちゃんもあの少年も、大作となんも変わんねぇ。
気づいたらBF団に父親を殺されて、ジャイアントロボを背負わされた大作と……いや、もう手遅れな分、大作よりひでぇ。
そんな子供に、俺は何ができる? ……何もできやしねぇ。俺は、なにもかも遅すぎた)
大人として、正義の心を持つ者として、何もできぬまま彼女の死を見つめるのが辛かった。
改めて辺りの惨状を見渡す。部屋中に広がる傷跡……まさか、下手人はあの素晴らしきヒィッツカラルドだろうか。
いや、だとしたら彼女の身体が真っ二つになっていないのはおかしい。
この場に放置された剣は、血痕がついていないところを見るに凶器ではないだろうが、武器が残されているというのも不可解だ。
十傑集の仕業ではないにしろ、十傑集やエキスパートのような能力を持った人物の仕業、と考えるのが妥当か。
彼女の殺害犯が誰にしろ、この場を去った後なのは明白。あてのないまま追うのも愚。
「待ってな嬢ちゃん。とりあえず血ぃ拭いてやる」
232 : ◆hNG3vL8qjA:2007/10/08(月) 00:38:36 ID:zaI74Qt.0
仮投下スレに投下します
233 : ◆hNG3vL8qjA:2007/10/08(月) 00:49:02 ID:zaI74Qt.0
投下完了しました。
234 :名無しセカンド:2007/10/08(月) 01:02:07 ID:NKI4hCpA0
投下乙です。
ロイド超たのしそうw
そして黒板ネタがこんなところに。
235 :名無しセカンド:2007/10/08(月) 01:27:58 ID:ekNKXQfM0
ちょwwwロイドさんの羊ktkr
絶望先生の黒板ネタをヒントにするという発想にやられた。
現在位置表示システムは、リレー小説であるという以上扱いが難しいけど、上手く機能すればおもしろくなりそうだね。
個人的にはおkかと思います。
236 :名無しセカンド:2007/10/08(月) 16:21:05 ID:MFL242IA0
ってゆーか、仮投下の中で問題ないっぽいSSはテケトーに本スレ投下して貰う?
荒らしが頑張ってるっぽいけどまあ専ブラだし気にもならんが。
237 :名無しセカンド:2007/10/08(月) 17:14:15 ID:32tHYG820
してもらいたいつうか是非そうして頂きたい・・・
とりあえず◆/eRp96XsK.氏のは代理依頼出てるから誰か手が空いてる人がいたらして頂きたい・・・
238 : ◆hNG3vL8qjA:2007/10/08(月) 17:30:47 ID:pxqOd0aw0
問題がなさそうなので本投下させていただきます。
239 : ◆hNG3vL8qjA:2007/10/08(月) 17:43:06 ID:pxqOd0aw0
投下しました。
支援ありがとうございました。
240 :名無しセカンド:2007/10/08(月) 17:45:17 ID:7IVu.rsY0
投下乙です
241 : ◆/eRp96XsK.:2007/10/08(月) 17:49:46 ID:o/by7w6A0
>>239 乙です。
そういえばロイドさんはシンヤ待ちなんだよなぁ、そのシンヤはこれから修羅場に巻き込まれる可能性が高いし、
下手すれば昼まで学校に缶詰になる可能性もあるのか……w
と、続けて本投下いきます。
242 : ◆/eRp96XsK.:2007/10/08(月) 18:00:10 ID:o/by7w6A0
投下終了です。
支援有難うございました。
243 : ◆1sC7CjNPu2:2007/10/08(月) 18:04:51 ID:7IVu.rsY0
投下乙です
別件ですがWikiに載せてくれた方、修正ありがどうございます。
あと、指南されたスバルのハチマキの所を修正しました。
ならば、せめて彼女を供養してやろうと、戴宗は一旦部屋を出た。
家中からタオルやらTシャツやら、とにかく血を拭えるものを掻き集め、再び彼女の下へ戻る。
彼女は先ほどの少年と同じく、病院に運んでやろう。予定よりも早いが、あの自称神がどうしているかも気がかりだ。
それにはまず、彼女にこびりついた血をどうにかしなければ。道中他の参加者と遭遇して死体愛好家に間違われでもしたらたまらない。
戴宗は彼女の遺体から一頻り血を拭い終わると、放置されていた剣に歩み寄る。
形状からして異質な剣。少女殺害の何かしらの手がかりなのだろうが、戴宗はこの剣自体が下手人であるなどというまさかの発想には及びつかない。
放置されているのは剣のみ。一緒に切り裂かれたのか、壊れたデイパックと支給品らしきものが無数散乱しているが、一々拾ってはいられない。
「ちぃっと失礼するぜ嬢ちゃん。このままここに取り残されんのもあれだろ、せめて静かに眠れるとこに連れてってやる」
戴宗は剣のみを自身のデイパックに回収すると、彼女の遺体を担ぎ、退室しようとした。
のだが、寸前でふと、足元に落ちていた何かに気づく。
(こりゃあ……)
戴宗は彼女を一旦床に下ろし、足元に落ちていた一枚の紙を摘み上げる。
なんてことはない、手の平大のただの紙。その紙面には、血文字で――ねね――と、書かれていた。
(……ダイイングメッセージ、ってやつか? ねね……ねね……たしか、名簿の欄にねねねってのがあったな。
だとすると、そいつが犯人か? ……いや待てよ。これは殺し合いだ。相手殺すのに一々名前名乗るか?
元々知り合いだったって可能性もあるが……確率でいやぁ、仲間のほうが高い、か?)
顎に手を沿え、しばし考え込む戴宗。
紙面に残された血文字の意味は図りきれないが、どうやら菫川ねねねという人物が、彼女となんらかの因縁を持っているようだ。
手がかりはないが、酒のついでに探しとくとするか……戴宗は血文字の紙を懐にしまい、再び彼女の遺体を抱える。
目指すは病院。酒を見つけるどころか二体目の死体を見つけてしまったというのが不本意だが、黙って見すごすこともできない。
「ったく、こちとらエキスパートはエキスパートでも、死体運びのエキスパートじゃねぇぞバーローめいっ!」
◇ ◇ ◇
「どういうこったこりゃあ……?」
特に誰に見られることもなく、無事病院の霊安室まで彼女の遺体を移送した戴宗だったが、ついでに寄った物置小屋では思わぬ惨状が出来上がっていた。
用心のために拵えたチェーンロックは乱暴に破壊され、中はもぬけの殻。
半日は感電して動けぬであろうと高を括っていたのだが、あの自称神ことムスカはどうやったのか、軟禁から逃れていた。
何者かが逃亡を手助けしたのか、それともあの男に感電を看破するほどの潜在能力が秘められていたのかは、定かではない。
ただ事実として、既に一人の少年を殺めた危険人物が野に舞い戻り、再び殺戮を働こうとしている。
「やーっちまったなぁ……もうちょっとしばきあげとくべきだったか」
ムスカを逃がしたのは、彼を甘く見ていた戴宗の落ち度だ。
奴が既にここを離れたというのであれば、追撃し、今度こそ殺意の芽を摘まねばなるまい。
酒もまだ仕入れてねぇってのになぁ……戴宗はぼやきながら、荷物を置いておいた霊安室へと向かう。
重たい印象を感じる扉を開け、二人の死者が待つ部屋へと帰還する。
少年の遺体にも少女の遺体にも、特別変化は見られない。あの男が八つ当たりに悪戯でも働いていないかと心配したが、どうやら杞憂で済んだようだ。
「手向けの花でもありゃいいんだがなぁ……おっと、花とはいかねぇが、たしか……」
楽しみも喜びも人生半ばで捨て、あの世へと旅立ってしまった二人の子供を不憫に思った戴宗は、おもむろに荷物を探り出す。
取り出したるは、全9冊の文庫小説セット。可愛らしいイラスト付きのそれは、殺し合いの支給武器などとは到底思えぬ代物だった。
だが悲しい現実として、これは戴宗に配られた支給武器であり、使い道のないものでもあった。
「あの世へ旅立つ餞別代わりだ。母ちゃんってガラじゃねぇが、安らかに眠れるよう、この戴宗さんが読み聞かせてやるよ。
えーなになに……
ただの人間に興味はありません。宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。ペラッ。
さぁさぁ、とっととバニーちゃんになるのよ! いやぁぁぁぁぁやめてぇぇぇぇ!! 長門は何事もないように読書を……
って、なんだぁこの奇怪な本は……つーかそもそも、おれぁこんなとこで読書してる暇はねーんだった。悪ぃな嬢ちゃん」
彼女の傍らにポンと本を置き、戴宗は今度こそ二人の死者に別れを告げる。
「続きが気になるようならまた持ってきてやらぁ。冥土の土産、あっちで堪能してくれよぉー」
……彼女が実は本嫌いであるなど、戴宗には知るよしもないことだ。別に皮肉で言っているわけではない。
これ以上、ここに子供を連れてくるようなことはあってほしくねぇもんだ……戴宗は呟き、再び野に帰る。
そして、彼女の側には一冊の本と、血文字が記された一枚の紙が残された。
>>183 ちょいまて
仮投下ということは一回別のサイトで投下されていてそれをこぴぺしてるってことだよな?
違うか?
189 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 19:59:27 ID:ArlfgBOv
175 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/10/08(月) 19:52:54 ID:I0Q9QduD
190 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/10/08(月) 19:59:34 ID:I0Q9QduD
こういうのって削除依頼だせないの?
【D-6/総合病院内/1日目-早朝】
【神行太保・戴宗@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:若干の疲労
[装備]:なし
[道具]:デイバッグ、支給品一式(食料-[握り飯、3日分][虎柄の水筒(烏龍茶)])
アサシンナイフ@さよなら絶望先生×11本、乖離剣・エア@Fate/stay night
『涼宮ハルヒの憂鬱』全巻セット@らき☆すた(『分裂』まで。『憂鬱』が抜けています)
不明支給品1〜2個(確認済み)
[思考]:
基本:不義は見逃さず。悪は成敗する
1.あーの男(ムスカ)どこ行きやがった。
2.どこかで酒を調達したい。
3.菫川ねねねを捜し、少女(アニタ)との関連性を探ってみる。
4.死んでいた少年(エド)の身内や仲間を探してみる。
最終:螺旋王ロージェノムを打倒し、元の世界へと帰還する
[備考]:※ムスカが病院内にいることには気づいていません。
※アニタの死体は病院の霊安室に運ばれました。『ねね』と血文字で記された紙と、涼宮ハルヒの憂鬱@らき☆すたが側に置かれています。
※ハイドの魔本@金色のガッシュベル!!は、エアの被害を受けた際燃え尽きました。ハイドも魔界に送還されました。
【『涼宮ハルヒの憂鬱』全巻セット@らき☆すた】
柊かがみの愛読書の一つ。なにを隠そう彼女はラノベ好きなのである。
親友のこなたはアニメ版ハルヒの大ファンだが、活字慣れしていないのか原作は未読。
『憂鬱』『溜息』『退屈』『消失』『暴走』『動揺』『陰謀』『憤慨』『分裂』の全9冊セット。
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`ヽ,-‐' !  ̄ ̄~ : : : : :、_/::::::::)` 私を呼ぶ声が・・・っ!!!
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ヽ ` , : : : : / `i'
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まあ、仮投下を規制する方法は簡単
したらば掲示板において仮投下ならびに本投下したものを
こちらで再度張りなおす必要は無い。
こちらで張る行為をする場合は要請に基づいて当スレッドで協議する
の一文でもこちらに付け加えればおk
なるほど
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、
>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
携帯からPCに変えるだけでも違います。
↑本当にムダな文書だらけだな
削るところしかない
200 :
こんな感じ?:2007/10/08(月) 22:31:38 ID:XMC9H2dC
【書き手の注意点】
・トリップ必須。(要検討)荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、
>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします(不要)
・無理して体を壊さない。 (不要っていうかそこまでやったら馬鹿)
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。(不要)
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない (完結の必要なし)
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。 (お前らが一番先走ってる)
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。 (不要)
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。 (細かすぎ不要)
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
(それをいうなら最初からしたらばで全部やれよ)
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
(ここらへん却下)
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
(余計なお世話)
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。 (不要)
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。 (不要)
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
(余計なお世話)
・叩かれても泣かない。 (いつもなきまくってるだろうが)
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。 (不要)
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。 (不要)
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。 (不要)
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。 (不要)
・適切なところで改行をしましょう。 (不要)
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。 (不要)
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。 (自由、不要)
・人物背景はできるだけ把握しておく事。 (不要)
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。 (不要)
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。 (不要)
・一人称と三人称は区別してください。 (いらない)
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。 (いつもご都合主義だろ芙蓉)
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。 (いらない)
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。 (書き手の好きにしていい)
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。 (不要)
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。 (矛盾)
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。 (不要)
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。 (不要)
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。 (不要)
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。 (不要)
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。 (特に必要ない)
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。 (書き手が好きに動かせばいい)
201 :
こんな感じ?:2007/10/08(月) 22:34:29 ID:XMC9H2dC
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。 (余計なお世話)
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。 (余計なお世話)
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。 (不要)
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。 (不要)
・『展開のための展開』はNG (意味わかんね不要)
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。 (当たり前不要)
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。 (当たり前不要)
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。 (大きなお世話)
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。 (大きなお世話)
携帯からPCに変えるだけでも違います。 (大きなお世話)
,..-‐−- 、、
,ィ":::::::::::::::::::;;;;;:ii>;,
/:::::::::::::::;;;;;;;;iii彡" :ヤi、
i::::::::::::;:"~ ̄ ::i||li
|:::::::::j'_,.ィ^' ‐、 _,,. ::iii》 ,. ‐- .. _
|:::i´` `‐-‐"^{" `リ"゙ / __ `` ー- 、
ヾ;Y ,.,li`~~iノ , ィ/ ゝヽ ̄ヽ ー- '
`i、 ・=-_、, .:/ _ / { {ヽ、_ ヽ' ノ_,.〉
/ヽ '' :/_ -ァー- 、_ ... -‐ ';;;;;;;;;;;;;ヽヽ、 `>、..ノ=┘
_ ノ ` ‐-、、ノ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ `ー '!
, -‐;;7;;;/iーニ二,.フ_/;;;;;;;;;j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>‐'
/;;;;/;;//〉' , ヽ、>\;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ' ´
/;;;;,';;;;>;;;/ ! ` ヽ;;;;ノ;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,.. -‐ '"
/;;;;;;{;;;;;ヽ;;| ! ,-‐´/;;;;;;;;;;;t;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,. -‐ ' ´
;;;;;;;;|;;;;;;;;;ヽ`ー'、__ノ='/;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、;;;;;;/
;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;`!//;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
┌‐────┐
│ ムスカ. |
├───‐─┴────────────────────────
│ムダなルールが多すぎる!
└─────────────────────────────‐
ここはムスカがルールを決めるスレでつか
とりあえず他所で仮投下したものは多重になるので
こちらでは張らない、はる場合はこちらで相談というルールでいいね
反対する理由はない
____,,....,,__
,.、-‐ ' ´ ゙`'‐、
,ィ'´ _,,..、、--‐‐---、., l
( ,.、ィ'´ i⌒i `Y
Y´ _,.、-‐'"_゜,´、ニ`゙、`ェ_.l
├r'i´、-‐'"´__,,..、、..,,__ ``‐、
├'、,.、-‐'"゙`'-、.,_ , ._-"゛゙`i‐'
ィ'、~i ,,.. (´._“,ィ '、;.“.,)‐iO
l´ ii `'‐‐' r .i``'´ 'l
ヽ` , . `、'‐'"゜`_'´゚`゙,' {
,r ' `゙ニ、-゙`'"´_``,´ l
l `'‐---‐'´ ∠___,,..、、 ,-‐,‐‐'''>‐- 、.,_
>-、,_ -‐ _,ィ'´, ;="゜ r'_=___,'´ `'‐、
>>203 __,,.、-、, -‐''l i .i i i‐`'‐- 、,、..,,,___,,..r';;="゜ , ヽ
,r‐r'´'_,ィ'´ `/`'‐,---`‐‐‐'''";;="゜ / ヽ 同意してやろう
,ィ' /`'゚`':,/-, ,;;;="゜ / l
,r' フ`‐,''- ' ,;;;="゜ ./ .l
,i' ,i `‐-' ,;;;="゜ /´`゙`/ /´`゙`/ / `l
l / / ,;;;="゜ l // / ./ / l `l
l / ,;;;="゜ ><'´ '‐--.┘ i l 'l
/ ./ ,;;;="゜ l´ ノ l´ ノ i l l
l / ,;;;="゜ `´ ` ‐´ i l
そしたら読むのにこことしたらば行ったりきたりしなきゃなんないの?
どうせしたらばはしたらばで勝手にまとめるんじゃね?
こっちには関係ない
問題は無いな
ここで議論したって反映されないんじゃないの
ここの自治の問題だから無問題
まああとでしたらばに通告しておいて
それでも張られれば削除依頼
だおー
ところで君たち雑種共は『SEX』について知っているのかね?
仮投下→認められたらここに本投下
だと思っていたんだが
仮投下で認められればそれで終わりでええやん
いきなりだった。
汝を殺害するという思考が言葉を介さず炎となったかのように、草を松明の如く燃え上がらせる。
いや、違う。エリオは両手で握る偽・螺旋剣の柄に汗を滲ませながら思う。
――もし避けていなかったら、松明になっていたのは、僕らだ。
ぞくり、とする。もし、なのはさんの教導を受けていなかったら、体が動かず、自分は炎に包まれていただろう。
そう、そこらで燃え盛る草のように。
炎の先を見やる。白みかかっているとはいえ、未だ闇色の世界。それを引き裂く赤い光の中、それとは対照的な男が佇んでいた。
蒼い軍服。短い黒髪に、右手に拳銃、左手にランタンを握っていた。
炎……シグナム副隊長と似た能力かな。
ならば、あの銃はデバイスか、それに値する何か……と思考を巡らせるエリオの前を、ランサーが遮るように立つ。
対峙する、蒼と蒼。だが、けして混ざり合わぬと宣言するかのように、ランサーは短剣を突きつけた。
「よう。問答無用たぁ、穏やかじゃねぇな」
「無論だ。こちらも、穏やかに済ますつもりなど、微塵もない」
それは、今から貴様らを殺すという宣言。非殺傷設定という『殺さない事が当たり前の戦場』に身を置いていたエリオにとって、初めての殺意。
その響きに、一瞬だけ縮こまった心臓に活を入れる。
――覚悟は、とうに決めたはずだ。
「そぉかい。そんじゃあ――こちらも往かせてもらうぜぇ!」
瞬間、ランサーの体躯がバネのように縮み――跳ねた。
地面スレスレを這うような、肉食獣に近い疾走。両の瞳を剣呑に煌かせた彼は、右の手で握り締めた刃を神速で薙いだ。
速い。そして、鋭い。まるでカマイタチだ。
しかし、神速といえども、距離を詰めるには数瞬という時間が必要だ。
もっとも、彼の得物が槍であったのなら、その程度のタイムラグを物ともせずに、男の心臓を刺し貫いた事だろう。
だが、ランサーが右手に持つのは、その名を冠す槍では断じてなく、宝具と比べれば貧相とも言えるハンティングナイフ。
そして、身体能力の制限。それらが、間合いを詰める時間を一秒近く引き延ばす。
たかが一秒。されど一秒。戦いという刹那の命のせめぎ合いにおいて、それは永劫とも言える隙である。
そして軍服の男――ロイはその隙を無駄にする愚か者ではなかった。
「遅い」
――右の手で握られた拳銃が火を噴く。それはありきたりな比喩表現に非ず、現実をそのまま描写した故の言葉。
轟! と燃え盛る紅蓮の炎が、一直線にこちらに向かってくる。
全てを侵略する赤色は、進行方向を的確に阻み、ランサーの疾走を阻害する。
ちぃ! と、真横に跳ね、射線から退避する。
だが、すぐさま第二射が放たれる。着地とほぼ同時に放たれたそれであったが、さすが英霊というべきか、
着地と同時に転がるようにしてそれを回避。そしてそのまま腕に力を込め、炎の射程外まで一気に跳び上がる。
ロイの視線は――未だランサーに注がれている。
今だ! と。だんっ、と地を蹴り、エリオは疾駆する。
未だ宙を奔る灼熱を横目に、結論付ける。
(駄目だ、バリアジャケットなしじゃ耐え切れない!)
ランサーならば、一度や二度程度なら耐え切れる事だろう。
それも然り。確かにランサーは万全な状態ではない。
だが、それでも彼は英霊だ。
その称号を得るに相応しい最低限の耐魔力が存在しているのだ。
だがしかし、エリオ・モンディアルという少年は、デバイスが無ければせいぜい『訓練を受けた子供』程度である。炎の直撃を喰らい、生き残る術はない。
(けど、今なら!)
構えた銃口は、未だランサーを捉えている!
行ける、と確信したエリオは、すぐさま偽・螺旋剣を槍のように構え――突貫する。
放たれた矢のような、疾風の如きその速度。しかし、焔の錬金術師を前にしては、それは愚鈍すぎる程に遅かった。
それも然り。エリオとランサーは接近しなくてはダメージを与えられない事に対し、ロイは動きに応じて炎を放てば事足りる。
構え、駆け、武器で斬りつける。それに対し、武器を向けて炎を解き放つだけのロイが圧倒的に有利な事は、考えるまでもない。
そう、多少の数的不利も凌駕できるほどに。
すう、と左のランタンが向けられる。夜を引き裂く明かりは、すぐさま人と酸素を喰らいつくす化物に変質し、暗闇を駆け抜けていく。
「そんな――!?」
完全な不意打ちだった。当然だ。先程まで銃しか使っていなかったというのに――!
驚愕に見開かれたエリオの瞳。そこに映るロイは、満足気に笑った。
「だまし討ちも立派な戦略だよ、少年」
返答はせずに、剣先を地面に突き立て、地面を蹴り飛ばす。加速のスピードが跳躍のエネルギーに変質し、地を這う炎の舌スレスレを、跳ね上がる事によって回避。
すぐさま追撃のために落下しようとして――銃口と目が合った。
「兵は拙速を尊ぶものだ。確かに君たちは速いが――まだまだだ!」
あと数瞬、それで焼き尽くされる。
まずい、と思う暇もない。ない、のに。体は自身の危機を感知し、既に動き始めていた。
そう、それは体が覚えていたから。高町なのは一等空尉が定めた訓練メニュー、それらが体に染み付いていたからに他ならない!
右腕の袖が焼け、爆ぜる。露になった腕から伸びた紫電が、ヘビのように偽・螺旋剣に巻きついた。。
それは彼の力。魔法による変換のプロセスを踏む事なく電気を発生させる、プロジェクトFの残滓が生み出した特異能力。
その雷光は剣先に収束し――雷と化しロイへ放たれた。
「な――ッ!?」
錬金術だと!? と、ロイが驚愕の呻きを漏らす。
回避できるタイミングではない。ロイはすぐさま拳銃型ライターを放り投げ、自身は後ろに跳ぶ。ロイに向かっていた雷光は逸れ、拳銃に収束する。
雷は高いところに落ちる。魔法として放ったのならともかく、ただの雷として放てば物理現象に左右されるのは自明の理だ。
しかし、エリオは当てるつもりなどなかった。元より、射撃魔法は得意な方ではないのだ。
――そう、獣の如く地を駆ける、ランサーから気を逸らせればよい!
「おらぁ!」
地に落ちた雷光と同じか、はたまたそれより速く駆けたランサーが、ハンティングナイフを槍の如く突き出した。
心臓目掛けて放たれたそれであったが、しかし、ロイは背を逸らす事によって回避する。
ランサーが顔を顰めた。足りない。間合いが圧倒的に足りていない!
「……ッ! 燃えろ!」
ランタンから伸びた紅のヘビがランサーへと伸びる。それを横に滑るように移動して回避しようとする。
その刹那、ロイは鮮烈な笑みを浮かべ――
「爆ぜろ!」
酸素と水素の密度を制御。酸素を吸い膨れ上がり、水素を喰らい――炸裂。
自分より遥か大きなモノを喰らったヘビの如く、炎はその太さを変え、ランサーを飲み込む。
「が――ッ!?」
爆風によって吹き飛ばされたランサーが苦悶の声を漏らす。
距離は広がり、またもやロイの間合いへと移り変わった。
追い討ちをかけるように放たれた炎を避けながら、彼はエリオの元へ向かう。
「ちぃ! これじゃ無理だ。得物の不利もあるが、体が本調子じゃねぇってのも効いてやがる。
あちらさんも本来の武器って感じじゃねぇが……支給品と能力の相性がいいらしい。
下手すりゃ、このまま追い詰められる」
「それで、どうする気ですか?」
まさか、このままじゃ勝てない、という為だけに戦いの場で話しかけて来たわけではあるまい。
それに等しい事を言うと、「ああ」と短く答えた。
「二、三秒……いや、一瞬でも構わねぇ。奴の動きを止めろ。俺が仕留める」
◆ ◆ ◆
追撃の炎を回避すると、二人は合流した。なにやら話をしているらしい。
恐らくは、どうやってこの状況を切り抜けるか、という事だろうが――
(無駄だ)
見る限り、二人は接近戦を得意とする者たちだ。故に少年が雷光を放った時は少々肝を冷やしたが、あれも危機から除外しても構わないだろう。
不意打ち気味に放たれたからこそ驚いたが、見る限り制御には手馴れてはいない。むしろあれは、武器に纏わせ斬り付ける事が本来の扱い方であろう。
問題ない。そう結論付けた瞬間だった。
「む……?」
散! と二人が離れる。
蒼い男は後方へ、赤髪の少年は迎え撃つように前進。
少年を囮にし、蒼の男は背後へ回るという心積もりか。
ならば、とロイは後退し、駅のコンクリート壁に背を預ける。
これで、死角は減った。左右から来られても対処は出来るし、駅の上から落下してくる、という奇襲じみた攻撃も音で感知できるはずだ。
だが、少年は狼狽した風もなく、こちらに向かって疾駆してくる。
作戦内容を知らされていない、のだろうか?
それとも、この程度では防ぎきれない策があるのか?
(どちらにしろ、これ以上考えて分かるものではない)
螺旋状の剣を振り上げ、疾駆する少年。その足元を中心に酸素と水素の濃度を変化させ、ランタンから微かな火を送り込む。
そして――爆裂。土とコンクリートの境界付近だったのか、土とコンクリート片の壁が吹き出す。それらが煙幕と化し、少年の姿を覆った。
少々火力が強すぎたか、と次に放つ時は水素を減らすべきだと思考した――その瞬間だった。
寒気。今までの先頭経験が告げる、自身の危機。
それに従い真横に移動。刹那、先程まで立っていた場所に何かがぶち当たった。
「コンクリート片……だと!?」
煙が晴れる。
そこには、剣ではなく拳大のコンクリートを握る少年の姿があった。
「当た――れぇ!」
右の腕から紫電が吹き出す。それをコンクリートに巻きつけ、放つ!
くそ、と転がるようにそれを回避。壁に着弾したそれは、更に細かなコンクリートと紫電を撒き散らす。
「やってくれるな、少年。いや――紫電の錬金術師! だが、」
雷光の速度で放たれるコンクリート片に水素を纏わせる。暴れ回る紫電は、熱と火花を伴っている。
すると、どうなる?
ドドン! という重なり合うような炸裂音。宙を駆けるコンクリート片は水素を喰らい、その場で爆散する。
「――ッ! はぁあああ!」
遠距離攻撃は不可能。そう結論付けたのか、少年はジクザクに疾走する。
甘い、と酸素と水素を一気に引き上げ、爆発の領域を一気に拡張する。
瞬間、何か感じるモノがあったのか、少年は慌てたようにバックステップで距離を取る。
そして――爆!
コンクリートが砕け、破片が熱で溶解する。細かに砕けた欠片は噴煙となり、視界を遮った。
だが、とその噴煙に向けて灼熱を放つ。
これで噴煙に紛れて攻撃する、という策は封じた。左右から来られても、防ぎきる自信はある。
さあ、どう出る――?
◆ ◆ ◆
エリオとロイが接戦を繰り広げている、その遥か後方。
ランサーは植林された街路樹に立ち、それを眺めていた。
「ちいとばかし不安だったが……あの坊主、やるじゃねえか」
コンクリート片と能力を併用した遠距離攻撃を、咄嗟に思いついた事もさすが、と言える。
別に、本来ならその程度の方法、思いついて然るべきである。
だが、戦いは酒を飲み続けているようなモノだ。
テンションが上がるにしろ下がるにしろ、普段の状態とは比べ物にならない程、精神は移り変わる。
そう、戦いとは技術だけで勝てるモノではない。
紅蓮の炎の如く心を燃やしつつも、奥底には冷静な自身を残す――例えるならば、凍りついた炎のような心が必要なのだ。
そして、エリオ・モンディアルという少年も、未熟ながらもその炎が芽生えている。
(坊主を鍛えた奴の顔を見てみたいぜ。あんなガキをあそこまで強くするほどの鍛錬――正気とは思えねぇ)
白いバリアジャケットを纏った教導官が聞いたら「し、心外ですよ!」と怒られそうな事を考えながら、じっくりと機を待つ。
タイミングがズレたら避けられる。元々、この武器には慣れていないのだから、それも当然か。
故に、本来の『着弾』スピードより、後2〜3秒ほど、多めに見ておいた方がいいだろう。
「おっ」
爆裂。コンクリートが捲れ上がり、破壊の嵐が吹き荒れる。
巻き起こった噴煙。それに向けて炎を放つロイ――行ける。
「打ち砕く――」
ぎぎっ、と街路樹が軋んだ。
僅かに弓なりに反ったそれに体重を預け――戻る力と跳躍力で一気に跳ね上がる。
空から見下ろす風景は――ああ、よく見える。
噴煙に向け、牽制の炎を放つロイの姿が!
「――鋼の散弾!」
宝具でもなんでもない、ただのナイフ。それを、槍投げよろしく投擲する。
本来なら下作も下作。当然だ。人間の腕力でナイフを投げたところで、飛距離は数メートルがいいところだ。
そう、本来なら、だ。
彼は人間であって、けれども人間とかけ離れた存在――即ち英霊だ。
例え制限されているとはいえ、その身体能力は人外の域。鈍く輝く刃は、弾丸の如く疾駆する!
◆ ◆ ◆
噴煙は晴れ始めた。
少年の姿はない。どこに消えた、と視線を左右に彷徨わせ――
「……ッ!?」
体中に存在する全細胞が警鐘を鳴らした。
それは、圧倒的な危機のため。先程のコンクリート片など豆鉄砲だと、体中が告げていた。
殺気の根元と思われる上空に視線を向ける。
そこには、あの蒼い男が、射抜くような視線をこちらに向けていた。
いや、向けているのは視線だけではない。
右の手で握ったナイフ。それを、こちらへと狙い定めている。
馬鹿め、と笑おうとし――驚愕した。
当然だ。投擲されたナイフ。それは、まるで弾丸のように宙を駆け抜けていたのだから!
しかし、とロイは嘲るような笑みを浮かべる。
どうやってあのような加速をつけたのかは知らないが……恐れる事はない。
見たところ、あれはただのナイフ。掌で握り、切りつける。そういった用途を想定されたモノだ。
神速で駆ける事による空気抵抗に、耐え切れるワケがないのだ。
避けるまでもない。そう、思った。
◆ ◆ ◆
耐えられるはずがない。宙に滞空するランサーはそう思っていた。
あれはただのナイフだ。宝具でもなく、魔術的に強化されたわけでもないのだ。それが、英霊たるクー・フーリンの力に耐え切れるはずがないのだ。
いや、違うな。ランサーは猟犬の如く剣呑な笑みを浮かべる。
――――耐えてもらっちゃぁ、困んだよ。
そう。普段ならばともかく、身体能力に制限を課せられたランサーにとっては。
◆ ◆ ◆
当然の帰結というべきか、ランサーとロイを繋ぐ道筋の半ばで、ハンティングナイフを朽ちた。
刀身が砕け、鈍色の破片と化す。
無力化したか、と動こうとして、未だ細胞たちが危機を訴えている事に気づく。
(なんだ……?)
既に危機は去ったはずだ。ならば、一体――
「……ッ!?」
刹那、ずれていた歯車が噛み合った、そんな唐突さで『先程から体中が訴える危機』に気づいた。
ざあ、と血の気が引いていく。
慌てて距離を取ろうとし、ごん、とコンクリートの壁がぶち当たる。
ああ、糞。なんという事だ。先程までは頼もしかった分厚い壁は、今は囚人を捕らえる鉄格子程度の意味しかないではないか!
◆ ◆ ◆
崩れ落ちていくハンティングナイフを、満足気に見やる。
そう。崩れてもらわないと困るのだ。
今の自身は制限に囚われ、技にも普段のキレがないだろう。
それが、本来の得物でないのなら、尚更だ。
雑魚ならまだしも、あの軍服の男は強者だ。自身が放つナイフなど、軽く避けられてしまうだろう。
だが――細かな弾丸ならばどうだ?
散弾銃よろしく、鋼の粒を放てば、どうだ?
避けられるはずがない! なぜなら、アイツは壁に背を預けているではないか!
回避のルートは、圧倒的に狭まっている!
◆ ◆ ◆
考える間もなく、体を横にずらす。
だが遅い。遅い遅い遅い! 神速の弾丸を前にして、それは亀の如く愚鈍だ!
晴れかけていた噴煙に、円形の穴が瞬時に複数穿たれる。
それから刹那の間を置かず、腹部に衝撃。
「が――!?」
突き刺さったそれは、もはやナイフと呼べるモノではなかった。
まるで、散弾銃の弾丸だ。
それらは肉を裂き、骨を破砕し、内蔵を引っ掻き回し、壁面を穿った。
べたり、と。アーティスト気取りの不良どもが書いた壁画のように、壁面に赤い花が描かれた。
「は――、まさ、か」
上空で滞空する蒼い男を見る。
(これを、狙ったというのか)
足がふらつく。引き裂かれた腹からは、ミンチ状になった内蔵が止め処なくこぼれ落ちてく。
視界が歪む。足がふらつき、口からは血液がこぼれる。
死が、近い。
痛みもどこか遠い。脳内麻薬が分泌されだしたか、それとも神経も死に始めているのか。
ああ、死ぬ。ロイ・マスタングという男は、ここで、この場所で、何も成せずに。
――駄目だ。
不意に、思考が火花のように爆ぜた。
駄目だ、駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!
私は、こんな場所では死ねない。
エルリック兄弟が、部下が――親友が、まだここに居るというのに。
「ぐ、は、ああ、ぁ」
けれど、駄目だ。この傷では助からない。
ならば、せめて、せめて――
既に噴煙はなく、赤髪の少年の姿は曝け出されていた。
悲しそうな瞳。恐らくは、このような死に様を見るのは初めてなのだろう。
未だ。右の手はランタンを握り締める。
それを用い、傷口に炎を放つ。こんな状況でなければ腹の虫が鳴くような音と共に、腹部の肉が焼ける。
(これで、失血は、止ま、る)
後は、とランタンを掲げる。
瞬間。エリオに向けて灼熱が放たれた。
避ける暇など、与えなかった。
◆ ◆ ◆
ランサーが地に立つその瞬間、爆発の音を聞いた。
それは、あの軍服の男が何度か放ったモノと、同じ。
「あの野郎……あれくらってまだ生きてやがるのか!」
ダンッ、と地を蹴って駅へと向かう。
焦げた草むらを抜け、砕けたコンクリートを蹴り飛ばし、二人が居た場所へと疾駆する。
そして――それを見た。
砕けたコンクリートの上で、ボロ雑巾のような状態で倒れ伏す赤髪の少年を。
「おい! 大丈夫か坊主!」
思わず声を荒げてしまう。
それも然り。エリオの状態は酷いモノだった。
慌てて武器で受けようとしたのか、右腕は消し炭となっていた。幸い、というべきか失血の心配はない。皮肉な事に、傷口は炎によって炙られ、血液の流出を止めていた。
そして、右側面。レアでお願いします、とウェイターに頼めばこの状態で出てくるのではないか、という有様だった。
まだ幼さを残していた顔も、右部分は醜い火傷で覆われていた。
「あ――ランサー、さん」
擦れた声で、エリオが呟いた。
よし、と頷く。少なくとも、意識はしっかりしているようだ。それに、傷は深いものの、呼吸も脈拍もある。
地面に落ちた偽・螺旋剣を見る。
(腐っても宝具、ってわけか)
もし、爆発そのものを体で受け止めていたら、この程度では済まなかっただろう。
きっと、腹部まで吹き飛び、内蔵が焼きつき――苦しみぬいて死んだ事だろう。
だが、宝具という存在が、炎を僅かながらに受け止めた。気に入らない奴のモノであるため、好きではなかったのだが――今は素直に感謝しておこう。
「とりあえず病院だ。早めに処置しねぇとマズイ」
「……いいですよ、ランサーさん。今の僕じゃ、」
足手纏いになりますから、と言いたかったのだろう。
だが、それを無視してランサーはエリオを担ぐ。
「馬鹿いうんじゃねぇ。ここで放置して死なれてみろ、目覚めがわりぃだろうが!」
そう言って、ランサーは道路を神速で駆け出した。
◆ ◆ ◆
54 : ◆ZJTBOvEGT.:2007/10/09(火) 01:23:57 ID:yEUjmrmo0
御意見、感想に感謝を。
>>253 心配な部分は、まさにそこでありまして…
・頭が真っ二つになったりバラバラになったりすれば、さすがに死ぬ。
分離中に身体が破壊されても、もちろん死ぬ。
・呪文とは関係ない力で分離するので、首だけで行動するのはとくに無制限。
という認識のもとに書いたのですが、
そのあたりの考え方が違和感を与えないかどうかが不安でした。
朝になって、決定的なまずさを指摘されていれば破棄、
そうでなければ本投下しようと思います。
255 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 01:46:53 ID:ZDnJoyDg0
>>254 >・呪文とは関係ない力で分離するので、首だけで行動するのはとくに無制限。
参考にしていいのかどうか物凄っっっっっっっっっっっっくグレーゾーンなのですが……
金色のガッシュの設定本・金色のガッシュまるかじりブック2の中に、「Vの体をもとめて」というコーナーがありまして
まぁ掻い摘んで説明すると、自分の胴体を無くしてしまったビクトリームがあちこちのV字状の物と合体しながら胴体を捜す、という物語なのですが
とりあえず、この話を基に考えれば『首だけでの行動には制限は無い』という認識は間違っていないように思えます
……ただですね……これ、全ページの隅にイラストが1枚ずつかかれて話が進行するという、パラパラマンガのような小ネタにすぎないんですよね…
それとは別問題として個人的に気になるのは
『この状態でビクトリームの頭部ないし胴体が禁止エリアの中に進入したらどうなるか?』ですね
頭部が禁止エリアに進入した結果、胴体が爆発するとかになるんでしょうか?
うーん…別ロワの話になってしまいますが、漫画ロワのDIOのように、心臓だけでなく頭部にも爆弾が装着されていた、とか…?
256 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 01:49:46 ID:1jbE7odo0
投下乙!
あらぬ方にかっ飛んでいくゲイボルクがなんか間抜けで笑ったw
頭だけって不利になってるような気がするんで問題ないと思う。
257 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 02:02:37 ID:2lXmdxSUO
ゲイボルグ哀れw 面白かったGJ!
SSについて私は特に問題を感じませんでした
258 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 02:05:27 ID:Ck9MhIDc0
ダマりに行きますか。
259 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 02:07:58 ID:3wom36SY0
>>254 ひとまず投下乙です。内容はGJ。
ただし、やっぱり議論は必須だと思います。Vの分離は遅かれ早かれ問題になると思われますので。
この機会に纏めちゃうのが良いと思いました。
あと、やっぱりゲイボルグの行方は描写必須かと。
260 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 02:09:03 ID:2lXmdxSUO
ゲイボルグはカミナが持ってるじゃん
261 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 02:09:41 ID:1jbE7odo0
>>255 確か頭と体って感覚共有(っていうのもなんか変だけど)してなかったっけ?
だから体が死んだら頭も突然死ぬんじゃない、かな?
うろ覚えなんで誰か詳しい人ツチダマのほうによろ。
262 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 02:29:48 ID:3wom36SY0
>>260 体の近くまで飛んでったのと勘違いしてたスマン
263 : ◆oRFbZD5WiQ:2007/10/09(火) 03:12:09 ID:rB13NuRk0
これより投下を始めたいのですが、支援できる人、というか、起きてる人いますかー?
十分返事なかったらねまふ……
264 :名無しセカンド:2007/10/09(火) 03:13:54 ID:Ck9MhIDc0
寝かさん!支援します!
265 : ◆oRFbZD5WiQ:2007/10/09(火) 03:14:40 ID:rB13NuRk0
OK、どうせ明日は授業ないしとことんいくよ
それじゃあ、お願いします
ロイ・マスタングは死に掛けていた。
血液は多量に流出し、内蔵はほとんどミンチと化していた。骨は砕け、内蔵を包むモノはすでにない。
水風船が歩いている、まさにそんな状態だ。もっとも、破裂した時に飛び出すのは冷たい水にあらず血と臓物なのだが。
『螺旋下水処理場』という建物を横切る。だが、既にロイにそれを理解する能力はなかった。
ぐにゃりぐにゃり、と。まるで水中にいるかのように、視界は歪んでいる。
あの灰色の霧は――ビルか? 遠くに見える幅広いヘビは……道路、だろうか?
だが、と頭を振る。
まだ戦える。大雑把な判別はつくのだ。人間を認識する事くらい、まだ可能なはずだ。
そう、まだ戦える。
右手は未だランタンを握っている。バックはあの戦いで落としてしまったらしい、どこにもない。
だけど、別に構わない。火はあるのだ。まだ、戦えるのだ。
それらを確認した、その時だった。
「よう、大佐」
聞き知った声が聞こえたような気がして、そちらに視線を向けた。
ブロンドのおさげに赤い外套。そして、小柄な体躯。エドワード・エルリックであった。
「妙な事やってるみてぇだな」
妙な事? と一瞬、怪訝に思うが、すぐに納得する。
この殺し合いに乗った、その事だろう。
だが、それの一体、どこが妙な事だと言うのか。
「俺やアルに中尉、そして中佐……いや、今は准将か。それを守るって話だよ。
なにトチ狂ってやがんだ。確かにアンタは気に入れない事はしやがるが、んな馬鹿な事をする奴じゃなかったろうが」
トチ狂うか、確かにそうかもしれない、と自嘲の笑みを漏らした。
その狂気の元は、おそらくはマース・ヒューズ。死したはずの、ロイの親友だ。
彼を二度も死なせるわけにはいかない。そう、誓ったのだ。
「馬鹿いってんじゃねぇ。中佐がそんな事されて喜ぶとでも思ってんのか。
……いや、そんな陳腐な説得なんて意味ねぇな。だから、俺の言葉で言わせてもらうぜ。
大佐。アンタの行動は等価交換の基本原則に反している。
一人や二人を救うために、何十人も殺したんじゃワリに合わないのは当然だ。
そんな状況での誓いなんて、紙切れよりも薄っぺらい」
黙れ、と言うように炎を放つ。
灼熱はエドの体躯に吸い込まれ――爆裂。がしゃん、と金属質の破片が地に落ちる音が、どこか遠くで聞こえてきた。
(金属、音?)
怪訝に思いよく見ると、それはエドワード・エルリックでは断じてなく、赤いポストであった。
ああ、私はこれに向かって会話していたのか、と思うと、たまらなくおかしくなった。どうやら、自分が考えている以上に、命は危ういバランスで保たれているらしい。
「――――ぁ」
笑おうとして、笑えない事に気づいた。
いや、確かに自分は笑っている、とロイは認識している。
だが、声が遠い。自分の声だというのに、遥か遠方から響いているような気がしてならない。
これでは、自分が笑っているかどうかもわからん。脳内麻薬も肉体の危機を察知し、過剰に分泌しだしたのだろう。すべてが、おかしくて、たまらない。
このゲームも、この無様な自分も、何も成せず果てようとする自分すらも!
だが、と。笑みを噛み殺しつつ、ゆっくりと歩む。
誰か一人でも、殺さねばならない。
遥か遠方に見える灰色の蜃気楼――即ち、デパートを見やる。
とりあえず大きそうな建物だ、と辺りをつけたロイは、足を引き摺りながら前へと進んだ。
命の灯火は、消えかかっている。それでも、彼は――
【F-5/下水処理場付近/一日目/早朝】
【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師】
[状態]:内蔵に多大な損傷 多量の失血 肋骨が何本か欠損 視力障害 聴力障害
[装備]:ランタン
[道具]:なし
[思考]
基本思考:目に付いた『人らしき影』を殺す
1.出会った参加者を殺す
2.灰色の巨大な蜃気楼(デパート)へ向かう
*ロイのデイバックはF-5の駅近くに落ちています
*下手をすれば歩いているだけで死ねる状態だが、気力で保っている
*知り合いに出会っても、おそらく気づけないでしょう
◆ ◆ ◆
ランサーの腕の中、エリオは軍服の男を思い出す。
最初、問答無用で襲い掛かってきた時、あの濃密な殺気から彼を冷酷な殺人鬼と結論付けた。
けど……それだったら、あの瞳はなんだったのだろう?
鋼で内蔵を引っ掻き回され、それでも、「まだやる事が残っている」と叫ぶように瞳を爛々と輝かせた彼。
あれは、どういった意味があったのだろうか。
>◆oRFbZD5WiQ
勉強したらー?
(もしかして、この殺し合いに知り合いが――)
なるほど、それは確かに同情できる。
出来うる限り助けたあげたい。そう、心から思う。
だが。
この状況下で、そんな事を言っている暇はない。
いつ、どこで知り合いが死んでしまうかもわからないのだ。そして、知り合いを殺すのは、あの軍服の男なのかもしれない。
同情はしよう。悲しんでもあげよう。だが、殺されてはあげられないし、知り合いを殺させるわけにもいかない。
そう、みんなと一緒に日常に帰りたいと願うのは、彼だけではないのだ。
(日常……か)
そっと、右腕に、いや、右腕があった場所に視線を向ける。
そこには何もない。ただ、焦げ付いた断面が見えるだけだ。
もう、自分の相棒を、ストラーダを握れないかもしれない。そう思うと、知り合いが死ぬ、という想像とは別の寒気が込み上げてきた。
【F-6/E-6に近い道路/一日目/早朝】
【ランサー@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)、現在全力疾走中のため、徐々に疲労上昇
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図と名簿を除く)、ヴァッシュの手配書(一枚)、
不明支給品0〜2個(槍・デバイスは無い)
[思考・状況]基本:このゲームを管理している奴らとの戦いを愉しませてもらう。
1.エリオを病院に連れて行ってやる。
2.言峰、ギルガメッシュ、ヴァッシュの三人に借りを返す。
言峰とギルガメッシュは殺す予定(ヴァッシュについては不明)。
3.ゲームに乗った強者と全力の戦いを愉しむ。
4.できればまともな槍が欲しい。
5.ゲームに乗っていない相手でも実力を測るくらいはしたい。
※右腕欠損から、エリオは手合わせ相手から除外されました。
【エリオ・モンディアル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:右腕欠損 右半身に火傷
[装備]:偽・螺旋剣@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、防水性の紙×10@現実 、暗視双眼鏡@現実
[思考・状況]基本:このゲームの破壊。
1.腕……
2.話しても殺し合おうとする人間ならば殺す覚悟。
3.ランサーについていく。
4.仲間と合流。
*顔から足先まで、右の部分が満遍なく焼けています。
*今のところ命に別状はないものの、かなりの範囲に火傷を負ったので、
そのまま放置しておくのは危険。
*腕の欠損以外は身体能力を束縛するものは、今のところない
投下終了です。
支援、ありがとうございました。
247 :
修整:2007/10/09(火) 03:30:23 ID:I/Lw7f6O
なるほど、それは確かに同情できる。 出来うる限り助けたあげたい。そう、心から思う。
だが。この状況下で、そんな事を言っている暇はない。
いつ、どこで知り合いが死んでしまうかもわからないのだ。そして、知り合いを殺すのは、あの軍服の男なのかもしれない。 同情はしよう。悲しんでもあげよう。だが、殺されてはあげられないし、知り合いを殺させるわけ
にもいかない。
そう、みんなと一緒に日常に帰りたいと願うのは、彼だけではないのだ。
(日常……か)
そっと、右腕に、いや、右腕があった場所に視線を向ける。
そこには何もない。ただ、焦げ付いた断面が見えるだけだ。
もう、自分の相棒を、ストラーダを握れないかもしれない。そう思うと、知り合いが死ぬ、という想像とは別の寒気が込み上げてきた。
【F-6/E-6に近い道路/一日目/早朝】
【ランサー@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)、現在全力疾走中のため、徐々に疲労上昇
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(地図と名簿を除く)、ヴァッシュの手配書(一枚)、
不明支給品0〜2個(槍・デバイスは無い)
[思考・状況]基本:このゲームを管理している奴らとの戦いを愉しませてもらう。
1.エリオを病院に連れて行ってやる。
2.言峰、ギルガメッシュ、ヴァッシュの三人に借りを返す。
言峰とギルガメッシュは殺す予定(ヴァッシュについては不明)。
3.ゲームに乗った強者と全力の戦いを愉しむ。
4.できればまともな槍が欲しい。
5.ゲームに乗っていない相手でも実力を測るくらいはしたい。
※右腕欠損から、エリオは手合わせ相手から除外されました。
【エリオ・モンディアル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:右腕欠損 右半身に火傷
[装備]:偽・螺旋剣@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、防水性の紙×10@現実 、暗視双眼鏡@現実
[思考・状況]基本:このゲームの破壊。
1.腕……
2.話しても殺し合おうとする人間ならば殺す覚悟。
3.ランサーについていく。
4.仲間と合流。
*顔から足先まで、右の部分が満遍なく焼けています。
*今のところ命に別状はないものの、かなりの範囲に火傷を負ったので、
そのまま放置しておくのは危険。
*腕の欠損以外は身体能力を束縛するものは、今のところない
微調整は後でしよ
266 名前: ◆oRFbZD5WiQ 投稿日: 2007/10/09(火) 03:31:17 ID:rB13NuRk0
支援ありがとうございます。
そして、おやすみ……
267 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 03:34:57 ID:Ck9MhIDc0
深夜の投下乙です!
熱いバトルだ。ランサーとロイの駆け引きは二人とも戦闘に慣れた人たちである
だけに手に汗握るものが。エリオも頑張った。
大佐の今後に期待。
268 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 03:49:10 ID:2lXmdxSUO
大佐がやけに格好いいなw
手に汗握るバトルを有難う、投下GJ!
手に汗握る…(藁
|,,r''´ ̄ `''‐|_ ,-‐‐- ,,__,, -‐ 、
r´``'‐-=-‐'"´`':、 {,, -‐r‐ 、__r‐、>ノ
`-ト(ミ)‐(ミ)t,,ri'´ ,, -‐''''''''''‐- 、 lj ̄`- ' l`‐' リ
゙i ,,┴‐-,, 'ノ ,ィ´: : : : : : : : ノ、:\ レ _,,.`´,,_ l´
l "''"゙''''''゙ /~ /:::: : : : : : :;' ツ ゙i: :i, lヽ l
ヽ__∠_| |::::: : ; ''' ´ l: :l l__i、,,-‐-,,ノ_
__ 〉二ヽ/こ-、|_ l i ,. --、__, -- 、 l ノ _,, -‐ ''''〉,,- ,,__V_,,-'::l``''‐- 、,,_
_,, -‐'' _,, -‐''}:::::::○:::::::::l ⌒゙i- ,,_ `>l‐'、:::::ノ l、::::::ノ〈i , -‐ '''´ / l`l:::::::::::○:::::::} ヽ :::::::`''‐ 、
/::: '' '‐--ッ ゙i`‐'´ `''‐''ノ < ̄ `''‐- 、{ j ' ' /l/ '--‐ッ ゙i `‐ '´ `'‐' }<⌒ ::::::ヽ
/::::: , <´ \ / > _ \l -‐ー‐- l'´ / \ 丿 `> :::::::l
:::::: :l `'‐ 、_ y''´_, -‐ '"´ l } l ` /l , `'‐ 、,_ \__ /_, -‐'' , ::::l
::: ::l ``'´ l rl_`'‐-ー--'__), l `‐-/‐'' :l ::::l
:::l ○ __,,,,,, ,-‐''´{‐- ,,_ミv彡_,,-‐l`'‐、_ l ○ ::l ::::::l
:::::l , -‐''  ̄ / l`''ッ‐'´' ; \ / \`''‐- 、,,__ ::l ::::::l
::::::l / / 〉' ,' ', ヽ ___〉 \, :::l ::::::l
___ :::::l / ,  ̄フ / ,' ; l \_ \ :::::l ::::::l
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:::::ヽ ( ノ / ,l ,, -‐''-、' ,,-l l `l ○ ::::::/ :::::l
l:::::::: / / -='´‐' ̄`‐-‐ '''`、_,, -''-‐' l ヽ :::::::l :::::ノ
/::::: / / , -、 , -、 l ヽ ::::::l ::::::ノ
/::::: / l `- ' `- ' l \ ::::::l _,,-''
l:::::: / l l ヽ :::::::l'´
l:::::: / l l ヽ :::::::l
. l:::::: _,,ィ',, -‐ '''‐- l l l :::::::l
何かやってたのかね
>>222 ここの住人にとってはあまり面白くないようだ書きなおし給え
>>249 したらばのアホ評価には正直うんざりさせられる
投下スレ立てるなとかいったり修整したりしていったい何がしたいんだよお前らはw ここなんかほっといてりゃいいのにw
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 08:30:07 ID:YCVDsRFO
俺はしたらばのやつとは関係ないから
「よ…よすのだグラサン・ジャックぅぅぅ、いつまでも、こーしているわけには、イカンだろぉーがぁぁ…」
カミナが殴るのをやめたのは、別にガンメンモドキのあわれっぽい声に罪悪感を覚えたからではない。
単にくたびれただけである。ついでにこいつの言うとおり、こんな場所であまり長いこと油を売っているわけにもいかなかった。
殺し合いだかなんだか知らないが、大グレン団の鬼リーダーがやるべきことは変わらない。
螺旋王をぶっ倒す。邪魔するやつはぶん殴る。それだけだ。
デイパックを拾い上げて歩き出す。
どこにいくのか? そんなものは、歩いて決める。
まずはシモン、ヨーコと合流すべく。
どこにいるのか? 決まっている、自分の歩いたその先だ。
押しつけられた殺し合いに乗るようなシケた考え、大グレン団にありえない。
だったら当然あいつらも螺旋王をノすことだけを考えているはずで、
目指す先が一緒なら、向かっていればすぐ見つかる。 そういうことだ。
「ぐずぐずしちゃあいらんねえよなぁ、兄弟」
「おうともよ、わがソウゥゥゥル・ブラザー、グラサン・ジャックよ」
「……」
カミナは、いつの間にか横にいたVを、無言で蹴った。
だいたい、Vの先端あたり。具体的に言うと、下端。
転がるV。うめくV。もだえるV。
「ブルルゥゥゥアアアアア? な、何をするぅう?
私と貴様は兄弟ではないのかぁぁぁぁぁ?」
「てめぇじゃねんだよ、てめぇじゃあああ。
なんでオレとテメェが兄弟よ、ああん?」
「魂と魂が通じ合・え・ば、その瞬間から我らはブラザァァ…
ああっ、やめろ、やめてくれえええ、股間の紳士を踏・む・なぁぁぁ」
「いつ通じたよ? いつ?」
カミナの踵が圧力を増す。
赤くなるV。青くなるV。
顔色がチカチカ変わって、忙しいことである。
「思い出すのだグラサン・ジャック。
われらが宿敵、指パッチンを、力を合わせて撃退したときのことをぉぉ」
「あん?」
「キサマは私の本を読めていただろうがっ
それこそがわれらの、運命の証よぉ」
顎に指を当て、首をかたむけ、ほんのちょっとだけカミナは考えた。
まあ、力を合わせたと言われればその通り。
先ほどは魔本とやらが読めたから、あの指パッチン野郎に対抗できたらしい。
身をもって体験しているのだ。 こればっかりは認めてやろう。
だが。
「人の名前を変えてんじゃねえっつってんだろ、このクサレガンメンモドキが〜」
「ワァァァァオッ? 電気アンマ、電気アンマはよせぇぇぇ、
ソコは敏・感なのよォォ、ワァァオッ? ワァァァァオ…」
それとこれとは別問題というやつ。
カミナは本格的にぐりぐりと踏みにじるだけ踏みにじり、
しまいには気色わるくなって、走り込みから思いきり蹴飛ばした。
Vは、宙に舞った。光のヨダレを吹いた。
そして力なく落下した。
カミナの気も、すんだ。
「いよし」
「ベェェリィイシィィィィット! いよし、じゃねえだろクソッタレがぁあ」
なにやらパワフルにスピンしながら立ち上がってみせたVは、
しかしすでにカミナの視界の中には無かった。
気をとりなおして、とりあえずどこか適当な方向に歩いていき始めている。
「ま、待て、無視するなぁ、
このビクトリーム様は無視されるのが一番キライ」
「うるせ」
振り向きもしない、華麗な後ろ蹴りが炸裂。
ダッシュで追いかけた甲斐もなく、Vはまたも大地に転がっていく。
「何故だぁ、何故そこまでつれないのだぁグラサン・ジャックぅぅ、
私の火力は貴様にとってチャーミングではないのかぁぁぁ?」
カミナは歩みを止めない。 ガン無視である。
パートナーなんぞになってやる気はこれっぽっちもない。
イヤだと思えば死んでもやらない。 それがカミナという男。
なんか、いやに低姿勢になっているのがますます気にいらなかったのだ。
「む?…そうかそうか〜、むっふっふ。
ウワサに聞くツンデレとは、貴様のことかグラサン・ジャック」
「……」
よくわからないので無視。
もう殴って疲れるのもうんざりだ。
「素直になれないギザギザハートが貴様の態度をツンツンさせるのだぁ。
だが心配するなグラサン・ジャック、貴様の本心は誰より私が知っているぅ〜!
海より深きわが愛は閉ざされたココロのトビラを開くだろう、マイ・スウィート…」
「……」
「おおっ、おおっ、届いたか、わが真心。
遠慮することはなぁい、この胸に飛び込んで…
ブルゥアアアアア何をするだぁぁぁぁ」
予定は変更された。
カミナは、もうちょっと疲れることにした。
「ふ、不覚よぉ…ま、まさか、ヤンデレだったとは」
その辺の蔓草やら何やらでがんじがらめに念入りに縛られたビクトリームは、
立ち去るグラサン・ジャックをひくひくと痙攣しながらにらんでいた。
ここでやつを逃がすわけにはいかない。
モヒカンエースを発見するまではそばにいてもらわねば、呪文が全然使えないのだ。
しかもやつめ、デイパックまで奪っていった。魔本だけを放っぽり出して。
「チィクショアアアア、逃がすかぁぁぁ」
ここで黙って引き下がるビクトリームではない。
グラサン・ジャックは大変なことを失念していった。
そう、ビクトリームの頭は身体と分離できる。
これは彼が彼として最初から持っている能力であり、呪文とは関係ない。
魔本を口にくわえて浮上。
「ヴルアアアアアッ」
『ぶ』がうまく発音できないが気にしない。
頭部に蓄積されたダメージは、合計したらすでに1000は超えている予感がしたが、
とにかく今ここで追いつかなければ、次に呪文が使えるのがいつになるかわからない。
そしてなにより…やつは、メロンを持っている!
「ヴルアアアアアアアッ」
「…ッ? ついてくんじゃねえええええっ」
走って逃げるグラサン・ジャック。
だが遅い、こっちは空を飛んでいるのだっ。
とでも言わんばかりの加速を見せるビクトリーム。
「う、うおおっ? 早えぞド畜生ォォォォッ」
「ヴルゥアアアアアアアアッ」
追いかけっこはしばらく続いた。
グラサン・ジャックは意地になっていたらしかったが、
ビクトリームは切実であった。
かかっているものが大きければ、それだけ力も出るというものだ。
そして、ついに。
「ブラアアアアッ」
一瞬、蹴つまづいたグラサン・ジャックの真正面へ、
ビクトリームは躍り出ることに成功。
魔本を口から放して勝利を高らかに宣言してやろうとする…が。
「っ、どいてろ首だけガンメンがぁぁッ」
「ぼあっ?」
グラサン・ジャックのヤクザキックが顔面を直撃。
そのまま踏み倒されて、水面に…
水面。
たくさんの水。
湖か。違う。
木がない、草がない、土がない。
「ヴルアアアアアアッッッ?」
「なっ、んじゃこりゃあーーーーッ」
見渡す限り、そこはなぜか海だった。
文字通り、とりつく島もないくらい。
問答無用で、そこは海だった。
かつて湖の騎士と呼ばれた女、シャマルは、修羅の途を征く準備を完了していた。
用意したのは、あの男の支給品に含まれていたバルカン砲。
説明書によれば肩にかついで使うらしいが、非力なシャマルには持ち上げられる重さですらないそれ。
宝の持ち腐れを、彼女はよしとしなかった。
そこで、テーマパークの事務室などを探し回ってキーを手に入れ、二人乗りのゴーカートを調達。
その座席上でバルカン砲をうまい具合に取り出し、助手席に搭載する形をとったのだ。
デイパックの中に入れれば重さは存在しなくなることに気づいたからこそとれた手段であった。
二人乗りとはいえバルカン砲などを乗せた隣に自分が乗ったら、まともに動くか心配ではあったが、幸いにして問題なく走ってくれる。
重心の関係から、急ブレーキをかければバルカン砲が転げ落ちる危険をはらむものの、これ以上の贅沢は言っていられない。
メリーゴーランドの正面に陣取り、試射を開始。
予備弾の類は見当たらない。大事に使わなければならないため、引き金をひくのは一瞬。
銃身のうなりも一瞬であったが、それだけで十分すぎた。
射線上にあった木馬達が突風になぎ倒され、ばらばらに飛び散った。
そうとしか見えなかったのだ。
これで人間を撃つのなら、撃たれた者は痛みを感じるヒマすらあるまい。
おそらく、かすめただけで生命はないだろう。
今のシャマルにとっては、まったくうってつけの武器であった。
この試射で、ただ上に載せただけであるせいだろう…集弾率が劣悪きわまりないという問題点も明らかとなっている。
遠くの敵を狙い撃つに無理があるのなら、それなりの使い方を考えるまでだ。
これに、先ほど使ったばかりの因果逆転の槍ゲイボルクがあれば、自分は決して無力ではないはず。
最初の部屋で螺旋王ロージェノムに手向かったあの男クラスの存在につけ狙われても、一矢報いるくらいはできそうだ。
主、はやてを探しに行こう。機動六課のみんなも強い子達だ。
みんなそろえば、きっとこんな状況もどうにかできる。
そのためにも、みんなの生命をおびやかす人々は、全排除。
そう、みんなを守るためなのだ。みんなに会うまでに、可能な限り『完全な安全』を確保するのだ。
アクセルを踏み、スタートを切る。
が、思わぬBGMの乱入にブレーキを踏み込み、耳を澄ます。
一体、誰の仕業か。なんのために。近くを誰か通っているのか。
あれこれ考えているうちに…
チ〜チチッチ おっぱ〜い ボイン ボイ〜ン(ボイン ボイ〜ン)
チ〜チチッチ おっぱ〜い ボイン ボイ〜ン(ボイン ボイ〜ン)
もげ もげ もげ… ウゥ〜ワォ!
「……」
どうしてくれるんだろう。私の決意。
シャマルは、片手に保持していたゲイボルクをとり落とした。
ひとつ溜息をついて落ち着く。
ゲイボルクを拾って、音楽の響いてくる方角を見極める。
支給品の磁石を合わせて見るに、どうやら西。
海か、海なのか? 海の向こうから何か来ている? そんな馬鹿な。
しかし、支給品のことを考えてみると、
海の上を歩けたり飛べたりする何かがあっても別段おかしくはない。
とにかく見なければ。見て確かめなければ。
展望台の場所は園内地図を見て覚えている。 西側の岸付近にあるからちょうどいい。
歌詞を全力で聞き流しながらシャマルは走り、数分で目的地に到着。
狙撃を警戒しつつ露天展望台を駆け上り、そこから発見できた豆つぶを備え付けの望遠鏡で確認すると。
「……」
ありのまま、今見たものを記そう。
そこにいたのは、空飛ぶ顔つきのV字にまたがった、ガラの悪い入れ墨男だった。
片手に、多分CDラジカセ…をぶら下げて、半分開いたデイパックからメロンをぼしゃぼしゃ落としながら、こっちに向かってやってくる。
どうも、今流れているこの曲は、彼の仕業であるらしい…
「…ぁ〜」
その場にぺたんと座り込んだシャマルは、深呼吸を二回。
わりと頑張って気を取り直してから、展望台を降りにかかる。
必要なのは、迎撃だった。
「ブルゥアアアァァッ、さっさと止めんかぁ」
「止めろって言ってもなぁー、俺にはさっぱりわからねぇ」
いきなり海上に出現したカミナとVは大混乱しつつも、
最寄りに見える陸地への上陸をすぐさま決めた。
これだけ広大な水溜まりを初めて見るカミナはワクワクしないわけでもなかったが、
持っている剣が水に濡れたらサビることくらい経験則で知っているのである。
だから今は、Vの頭上に居座り続けている…
Vの方は重くてしんどくて死にそうで、しかも身体が置いてけぼりになっているため
気が気でないものの、手足のない自分ではどうにもできないので頭上の男にまかせざるをえない。
支給品の中から、今の状態をどうにかできる何かをあさる仕事を。
よりにもよって、そうやって最初に出てきた支給品が、カミナにとってはよくわからない機械。
適当にがちゃがちゃやれば何か起こるだろうと思っていじってみたら、大音量の謎歌が。
そして今に至っているわけで、Vの体力はもはや限界に近いようだった。
「も、もういいグラサン・ジャック、次だ、次の何かをあされェェェ」
「待ちな、こいつをしまってから…うぉっと」
「…? どああああああああっ、何をしているか貴様ああああああああ」
Vが目撃したものは、カミナの半開きのデイパックから転がり落ちたメロン達。
ぼしゃりぼしゃりと落っこちて、沖合のゆるやかな波にさらわれていく。
…Vの速度が、格段に上がった。
「うおおっ、いきなり速くなんなテメェッ?」
「ヴェェリィィイイイイメェロォォォォン! イッツマイハァァァァァァァァァァァァ」
ここでひとつ、彼らは幸運に救われていた。
この付近で起こっていた潮流は、偶然にも向岸流だったのである。
メロンの流されていく先が陸地であったから、彼らは助かった。
もしこれが逆であれば、彼らはふたりとも力尽きて水没し、死亡者二名となっていただろう。
もっとも、その幸運も、どこまで続くかは誰にもわからないのだが。
今は、ふたり、砂浜にへたり込み、ゼェハァと肩を揺らしていた。
…一人は、首だけだが。
支援
「どういうことだぁ、わが身体はいずこ?
あそこに置いてけぼりのまま、どこぞに飛ばされてしまったとでも言うのかああああ」
「知らねえよ、ったく…」
カミナに言わせてみれば、どこにいようがやることは一緒なのである。
なので、すぐに歩き出す。歩けば、まわりのことも勝手にわかってくるだろう。
デイパックふたつを拾い上げ、少し歩いてからふと振り向く…
カツカツと響いた音がなんだか気になってみれば。
「喰ってんじゃねぇよ…つか、そいつは俺んだ!」
「ブルゥアアアアア、喰わずにやってられっかぁぁぁ、
うう、しょっぱい、海は私の涙なのかっ? クゥゥッ」
「だから喰ってんじゃ…」
…今回の幸運、ふたつ目。
意地汚くメロンをかじるVに、カミナは生命を救われた。
奪還すべくまたボコろうと走り出していなければ、
カミナの全身は血煙と化していただろう。
突如として巻き上がる多量の砂がカミナとVの頭上に降り注いだ。
「ば、爆発っ?」
「上だぁー、上から来るぞグラサン・ジャック。
おのれ、わがメロンを砂に埋めよってからにいいっ」
言われた通りに上を見るカミナ。
砂煙の中、土手の上からのぞく銃口がぎらついた。
こればかりは、カミナにとってもよくわかる機械。
多分、銃だ。それもメチャメチャ強力な。
「…誰だ、テメェは?」
おさまった砂煙の向こうから、
なにか妙な機械に乗った女が顔を出した。
「ごめんなさいね。
今死ぬあなたに名乗る名前はないわ」
銃身うなる。
爆音、再び。
二度目の射撃も仕損じたことを直感したシャマルは、
すぐさまゴーカートをバックさせ、バックのまま砂浜沿いの道路を走っていく。
バルカン砲の銃口は前にしか向かないし、かろうじてできる上下射角の調整も
助手席への積載作業をやりなおす形をとるしかない。
こうも取り回しが悪すぎる以上、二人以上の接近を許せば待つのは死だ。
あのV字が男の支給品ではなく、参加者の一人である可能性が高いとわかったのは収穫だった。
名簿にグラサン・ジャックなる名前が見当たらなかったことも気がかりではあるが…死体にしてしまえば一緒である。
さて、彼らはどう出るか。
この火力を見せつけられた以上、そうそう気楽に歩き回ろうとは思うまい。
今は下で様子をうかがっているところだろう。
とはいえ、まったく安心というわけでもない。
自分がこれを入手したように、あちら側にも対抗できる何かがある可能性もまたある。
警戒すべきは、あのVだ。あれは空を飛び、男一人乗せて西から海を越えてきたのだ。
なんにせよ、こちらの姿はすでにさらしてしまったし、手札の一枚目も知らせ済み。ここで逃がせば不利は否めない。
賽は投げられた。なら早期決着あるのみである。
敵の位置を確かめるべく、一旦ゴーカートを降り、そっと土手の下をのぞき込む。
「ぅおぉぉぉい、コラァッ、誰が今死ぬだとぉ?
死んでねえじゃねえか、この大ウソツキ野郎ぉッ
俺を誰だと思っていやがる!」
シャマルは、あきれた。
逃げることも、隠れることもせず、男はこっちに全速力で走ってくる。
さっきの威力が目に入っていなかったのだろうか?
予想外すぎるリアクション。正直、これはまずい。
かなりの速さで近づいてきているせいで、バルカン砲の照準の合わせようがない。
銃座も何もない、ただ乗っかっているだけの砲で、あれをどうすればいいのか。
かくなる上は仕方ない。適度に接近させたところで、手札の二枚目を解禁…ゲイボルクを使うか。
そこまで考え、シャマルははたと思い出す。
あのVはどこにいった?
今、あの男のそばにいないということは…
空を見上げる。果たしてそこに、やつはいた。
しかもなにやら怪しげな光を放って。
「今だぁあ、グラサン・ジャックぅぅ、魔本を開け、そして唱えるのだぁぁ」
まずい。
今すぐにでも何らかの攻撃が始まろうとしている。
迷っている時間はない。
空中のアレをゲイボルクで仕留め、素早くゴーカートに乗り、
一旦引いて体勢を立て直すしかないだろう。
(どこかしら、心臓)
などと思わなくもないが、繰り返そう、時間がない。
真名を解放…シャマルは渾身の力で槍を、投げた。
「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ、ボルク)ッ」
制限ありとはいえ、この宝具は間違いなく敵の心臓を追跡し、突き刺さろうとする。
言い換えれば、敵の心臓に突き刺さるという因果に可能な範囲で近づくわけだ。
そして今回も、その性質に槍は忠実であった。
『Vの心臓めがけて、槍は飛んだ』のだ。
シャマルの目にそれがどう映ったかは別として。
「…え?」
シャマルは見た。
Vに向けて投げつけたゲイボルクが、空中でキレイに方向転換。
あさっての方角に向けて飛んでいき、やがて力を失い落っこちていくさまを。
アイスクリーム屋とおぼしき建物の屋根に、情けなくも音を立てて突き刺さったさまを。
「なに、これ?」
「ケンカの最中にヨソ見してんじゃねえぞパァーンチ!」
シャマルもまた、力なく崩れ落ちた。
テンプルにキレイな一撃をもらって。
支援
「魔本を忘れていくヤツがあるか、こんのバカチンがーッ」
「ケンカにゃ勝った。それでいいだろーが」
生き残るために即興のチームプレイを演じる羽目になった二人は、
たった今倒した女の所持品をあさりつつ、そこそこに険悪な空気を発していた。
もっとも、その見事な連携の真相はというと、各々が好き勝手に走り出した結果に過ぎなかったのだが。
それはさておき、デイパックをふたつ持っていたこの女。
これが何を意味するのか、二人ともすでに理解していた。
正真正銘、こいつは殺し合いに乗っていて、すでに一人を仕留めているということ。
先ほど投げたあの槍でか、それとも超強力銃によるものかは不明。
両方とも、回収した今となっては自分達のものであるから、気にすることもないのかもしれないが。
「どうするのだ、グラサン・ジャック」
「あん?」
「この女をどうするのかと聞いているのだ」
Vの視線はいつになくするどい。
女を生かしておけば、また自分達に害をなすだろう。
その程度の可能性は、誰にでもわかるところ。
カミナは、大して考える素振りも見せずに答えた。
「ふんじばって、連れて行く」
「なんと、どうする気だーっ」
「どうもしねえよ、殺し合いには乗らねえ。それだけだ。
このカミナ様はそうやすやすと言いなりになる男じゃねえんだよ」
脱いだマントで女を縛り上げてから担ぎ、
ゴーカートに乗り込んだカミナはあちこち調べ回し始める。
「ガンメン…じゃねえな、どうやって動かすんだ、こいつは」
「ベェリィィシィィット、自動車も知らんのかグラサン・ジャック」
「知らねえな。知らねえけど、要は気合いだろ。
…おっ、こいつで走るのか、で、曲がるんだな?」
「ま、待て、私を置いていくなぁぁ、
いいか、まずはわが身体を回収だ、おい、聞けぇーっ」
なんとなくで要領をつかまれつつ、
ゴーカートはバルカン砲を乗せたまま走り出す。
…行く先は? 運転手その人が走って決めることだろう。
踏み出したその先は、大地に見せかけた薄氷かもしれないが。
【F-1 テーマパーク西端海岸線付近・1日目 早朝】
【カミナ@天元突破グレンラガン】
[状態]:体力中消耗・左肩に中程度の裂傷(激しく動かすと痛みが走るが、我慢できないほどでは無い) 、マントを脱いでいる
[装備]:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、
モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン(あと9秒連射可能、ロケット弾は一発)を搭載したゴーカート
[道具]:支給品一式、ベリーなメロン(7個)@金色のガッシュベル!!(?) 、ゲイボルク@Fate/stay night
[思考・状況] 基本:殺し合いには意地でも乗らない。
1:ゴーカートで道なりに走ってみる。
2:シモンとヨーコとさっさと合流したい。ついでにガンメンモドキとは別れたい。
3:グレンとラガンは誰が持ってんだ?
4:もう一回白目野郎(ヒィッツカラルド)と出会ったら今度こそぶっ倒す!
※グレンとラガンも支給品として誰かに支給されているのではないかと思っています。
※ビクトリームをガンメンに似た何かだと認識しています。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
※カンでゴーカートを走らせているため、危険きわまりないです。
※ゲイボルクの効果にまるで気づいていません。
※1/4メロンは海に出た際、落っことしました。どこかに流れ着いても、さぞかし塩辛いことでしょう。
※向岸流で流れ着いたメロンが7個、F-1の海岸線に放置されています。
【ビクトリーム@金色のガッシュベル!!】
[状態]:身体部分がF-8に放置 カマイタチによる小程度のダメージ カミナの攻撃による中ダメージ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、CDラジカセ(『チチをもげ』のCD入り)、ランダム支給品(0〜2個)・魔本
[思考・状況] 1:わが身体、行方不明! はやく回収しなければ…
2:正直な所グラサン・ジャックと気が合いそうに無いが、モヒカン・エースと合流するまでは一緒に行動する。
3:モヒカン・エースと再会したら目に物見せてくれるわぁ!!…それまでは、できる限り丁重に扱う。
4:F-1海岸線のメロン7個に未練。
※参戦時期は、少なくとも石版から復活し、モヒカン・エースと出会った後です。
※会場内での魔本の仕組みに気づいておらず、半ば本気でカミナの名前が原因だと思っています。
また、耐火加工についても気づいていません。
※モヒカン・エースがゲームに参加していない事にも気づいていません。
また、身体の事で頭が一杯になっているため、名簿確認や支給品確認の必要性にも気づいていません。
※地図すら見ていないため、身体の位置もわかりません。
※分離中の頭と身体の扱い(禁止エリアでどうなるのか?など)は、次回以降の書き手さんにお任せします。
【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:気絶中? カミナのマントによって拘束中 極度の疑心暗鬼 魔力消費 大
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(その他、ランダム支給品が0〜2、本人・カミナ・ビクトリーム確認済) 、
ジェレミアの支給品一式(その他、ランダム支給品が0〜2、シャマル・カミナ・ビクトリーム確認済)
[思考・状況] 1:八神はやてを守る
2:六課メンバー以外、全て殺す
3:けれど、なるべく苦しめたくない
4:ゲイボルクを投げたのに…
※宝具という名称を知りません
※現在、彼女の持ち物はカミナが所持していますが、
ランダム支給品の中の何かをどこかに隠し持っている可能性があります
※ゲイボルク@Fate/stay nightは舞台のループを認識していないようです
[モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン]
GUN−HO−GUNSの1、モネヴ・ザ・ゲイルが使用したバルカン砲。
彼は他にも建物を数軒まとめてなぎ倒す威力の片手用ガトリングガンを両手に装着して使用しているが、
そんな彼が切り札として持ち出したことから、このバルカン砲はその上をいく威力を最低でも持っていることになる。
また、バルカン砲部分をパージすることでロケット弾を放つこともできる。
逆を言うと、パージしなければロケット弾は使えないものと思われる。
モネヴはこれを肩にかついで使用していたが、並の人間が生身で扱える重さではとてもないだろう。
[CDラジカセ@現実]
何の変哲もないCDラジカセ。カセットテープも再生できる。
電池式だがプラグもあるので、電源さえ確保できればずっと使える。
[『チチをもげ』のCD@金色のガッシュベル!!]
イタリアの映画スター、パルコ・フォルゴレの大ヒット曲のCD。
本人が無償でファンに贈呈することもあるようだ。
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1104401581/412-413 外部掲示板、最悪版のスレ内容、巨大AAなどのコピペ荒らしです。
IDを変えて複数人を装っています(発言103-105参照)。
スレタイとは別内容の企画をスレ内ですると言い出しており、
スレ違いだからと他への移動を何度も勧められるも、一貫して無視し続けています。
削除議論板での発言を参照していただければ分かる様に、日本語が通じません。
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266 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 17:10:31 ID:ugI5J1Mx
ワロタwwwww
スレタイとは別内容の企画をスレ内ですると言い出しており、
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スレ違いだからと他への移動を何度も勧められるも
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虚偽報告じゃね?wwwwwwwwwwwwwwww
やれやれ
内輪喧嘩を潰すために削除人を使うとは
アホ杉
風景が薄い青色で染まっている静かな街中で、柊かがみは先刻より数えて何度目かになる小さな悲鳴を上げた。
「アイタタタ……」
裸の男との不幸な邂逅の後、その男の持ち物であったローラーブーツを拝借して、
当初の目標であった風浦可符香を追い始めた彼女であったが、
それまで走り続けていたことによって脚に溜まっていた疲労と、
南――海の方へと向かうにつれて下り坂になる地形。さらに、履きなれない車輪のついた靴。
それらに、運動音痴というほどではなくても、決してそこまで運動が得意という訳ではない彼女は悪戦苦闘し、
勢いよく転んでは度々身体を傷つけていた。
もっとも、柊かがみの身体はすでに不死者のソレになっているため、小さな掠り傷などはたちまちに消えてしまう。
アスファルトの上に尻餅をつきながら、彼女はそれを直視して不死者としての実感を高めると共に、
繰り返しこけたせいで膝の部分に真ん丸な穴を開けてしまったハイニーソックスに溜息をついた。
傷つかない身体に任せていささか無理をしてしまったと、解れや汚れの見える衣装に自省する。
ともかくとして、先程よりかは僅かに慎重になった柊かがみは、その後一度も転ばずに進む事に成功し、
B-3エリアを東西に結び辿ってきた北よりの道と合流する丁字路へと到達した。
そこで、彼女は改めて目標の位置を確認すべく、支給品であるレーダーをポケットから取り出した。
「――ゲッ!」
少女としてはいささか下品な呻き声を洩らしてしまったのは、レーダーに驚くべき変化があったからだ。
柊かがみは朝日が見える方角――東へと視線を移し、逆光でシルエットとなっている高速道路を見る。
勿論、普通の人間である彼女の目には何も捉えられる者はない。
しかし、彼女はついさっきそこを高速で移動していく者を手の中のレーダーで見たのだ。
ドモン・カッシュ。そう名前のついた反応がスッと高速道路に沿って東隣りのエリアへと消えてしまった。
「……く、車……かな?」
そう柊かがみは静寂な路上で一人ごちる。
視界の開けた丁字路の真ん中から見渡せば、路上に駐車された乗用車などがいくつも確認できる。
実際の所は解らないが、映画やTVドラマの中では止まっている車やバイクなどを「直結」させて
それを自分の足とするのはよく見かけるシーンだ。高速道路を走って行った事からもその可能性は高い。
ドモン・カッシュという人物はそういう知識に長けており、そういう風にこのエリアを去ったのだろう。
……と、柊かがみは常識的な結論を出した。まさか、「走っていった」などとは思いもつかない。
そして、そうなると困ったな。とも、彼女は考える。
自分には車の直結は元より、そもそも運転免許も、車を運転するための知識もない。
レーダーの範囲からは消えてしまったが、おそらくは更に東のエリアへとどんどん行ってしまうだろう。
せっかく見つけた人間の一人ではあったが、追いかける手段は彼女にはない。
一つ溜息をつくと、改めて最初の目標であった風浦可符香の現在位置へと目を向ける。
「こっちもマズいわね……、急がないと」
柊かがみが真っ直ぐに南下しているのと同じように、風浦可符香もこの地点を越えて真っ直ぐに南下していた。
その歩みは順調で、もうすぐ南の端へと辿り着こうとしている。
エリアの境界を越えてしまってはせっかくのレーダーでも捉える事はできず、下手をすれば見失いかけない。
すぐに追う必要がある……と、足を進めようとした時。彼女はソレに気付いた。
「…………う、嘘でしょ?」
暖かな陽の光を浴び、ゆっくりと思考を重ねながら休憩したことによって冷静さを取り戻し始めていた彼女の心が
にわかに粟立ち始める。
それは、彼女が妹の亡骸を道端に見つけ出した時と同じ種類のモノ――恐怖だった。
アイザック・ディアンと名前のついた反応が、動いている。しかもこちらへと向かって。
そのスピードは決して遅くはない。ここで留まっていれば時機に再会を果たす事になるだろう。
「(――殺したはずなのに!)」
手の中で暴れる銃の感触。耳をつんざくけたたましい銃声。ガクガクと揺れる男と暗闇に散った血液。
どれも、実感として身体に残っている。半時間も経っていない、つい先程のことだ。
なんでだろう? と柊かがみは考える。
誰かが死体を移動させている? ――そんな訳がない。男の周りに他者の反応はない。
ならば、思いつくのは――、
「(――不死者!?)」
とりあえずは、それしかない。実例は自分自身だ。不死者が存在するということは知っている。
そして、柊かがみはいままで失念していたある可能性に行き当たった。
それは、――この場に自分以外の不死者が存在するという可能性。
思い返せば、不死者の酒に添えられていた説明書には不死者の特性に加え、「不死者が不死者を倒す方法」も書かれていた。
不死者が不死者を倒す方法――そんなものは、その酒を飲む者が唯一の不死者ならば必要ないものだ。
不死身の身体というものに対して、柊かがみは希少性が高そうだという印象だけでそう思い込んでいたが、
自分の他に不死者が何人いてもおかしくはない。むしろ、その説明からはそれが必然だと思えた。
「……ど、ど、ど」
どうしよう? という言葉が口からでない。恐怖のあまりに漏れ出すのは意味をなさない吃音のみだ。
不死者は絶対的に有利だと言う前提で物事を進めてきたが、それは今覆ってしまった。
今思えば、あの男が何も手にせず裸で近寄ってきたと言うのも怪しく思える。
あの男が本当に不死者なのかということは、今からでも偽名のルールによって確認することもできるが、
もし本当にあの男が不死者で、自分を狙っていたのだとしたら……。喰われるのは、間違いなく体格的に劣る自分だろう。
「(――逃げないと!)」
とりあえずはそれしかない。この場所に幾人かの不死者が存在するのだとしたら、不死というのはアドバンテージにはならない。
むしろ銃弾もすべて消費してしまった今、自分自身はそこらの女子高生とたいして変わりないのだ。
それに、あの男が銃弾に撃ち貫かれる様を自分に置き換えた場合。とてもじゃないが、自分はそれに耐え切る自信がない。
例え相手が不死者じゃないとしても、自分が不死者だと相手にばれればどんな殺され方をするか……。
「うわあああぁぁぁぁぁぁぁーーッ!」
思い浮かぶのはありとあらゆる残虐な方法で殺害される自分自身のイメージ。
柊かがみは朝日に背を向けると、悲鳴を上げながら広い道路を西へと懸命に走った。
不死者になんてならなければよかった。妹と一緒に死ねていたらよかったのに……と。
しかしそれももう叶わない。一度不死者となればもう安らかな死は望めないのだ。
彼女に残された道は誰も彼もを殺す非道の道しかない。
自身以外の全ての者を殺害し、螺旋王に全てを元通りに戻してくれと願う他にはないのだ。
【C-2/北東の端・路上/一日目/黎明】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:疲労、恐慌、不死者
[装備]:軍用ナイフ、防弾チョッキ、UZI(9mm.パラベラム弾:0/50)、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:デイバッグ、支給品一式(水入りペットボトル×1消費)、レーダー、かがみの靴
[思考]
基本:優勝してつかさを生き返らせる
1.アイザック・ディアンから逃げる
2.つかさの仇をとるため人間を探して殺す
※風浦可符香を最優先
※今までよりかはやや慎重に相手を吟味する
※初めて出会う人間に対しては、偽名を名乗ってみて相手が不死者かどうかを確認する
※相手が不死者であったら、隙を見て喰う。敵いそうもなければ逃げる
3.つかさを埋葬するために戻る
※つかさを殺したのは武器を必要としないくらいの強者だと思っています。
※かがみの不死はBACCANOのアイザック、ミリア等と同じものです。
※かがみに支給されたレーダーは同エリア内のキャラ名と位置が表示されます
◆ ◆ ◆
自分の存在が一人の少女に絶望的な恐怖を与えている。
そんなことは露ほどにも知らない男――アイザック・ディアン。
柊かがみが走り去って後しばらく経ち、朝日もその姿が完全に見えかかってきたという頃に彼はそこに現れた。
相変わらずの裸姿で足取りも軽く、そのまま道路を真っ直ぐ突っ切って南の路地の中へと通り過ぎてゆく。
迷いを微塵も見せずに去っていってしまったが、別に彼は考えなしで行動しているという訳ではない。
彼には彼なりの理由があって南を――正確には港を、更に限定すれば灯台を目指している。
自分自身が海の真ん中からスタートしたこと。
そこから陸地に上がればすぐに二人の男と出会えたこと。
さらに、その次に出会った少女が水兵(セーラー)服を着ていたこと。
それらを踏まえてアイザックは他の人間も海辺にいるのでは? と大雑把ながらに推論を立てた。
そして、海を観察するに最適な場所と言えば――、
「――灯台だっ!」
と言うことで、彼は一路灯台を目指して南へと向かっていたのだった。
彼方に見える、朝日を跳ね返して輝く海に向いアイザックは軽快に狭い路地を駆け抜けてゆく。
◆ ◆ ◆
さらに時は進み、朝を迎える寸前。チュンチュンと雀の鳴き声がはっきりと聞こえるようになってきた頃。
柊かがみの探し人であった風浦可符香は、街中にポツンとある小さな公園の中で朝食を採っていた。
錆の浮いた腰ぐらいまでの低い柵。風に揺られてギィと軋んだ音を鳴らす小さなブランコ。
象の姿を模したファンシーな滑り台。作りかけの山が放置されたままの小さな砂場。
そして、そこにさんさんと降り注ぐ朝日と、ほどよく流れる海からの涼風。
「絶好の朝食日和ですね。気持ちのよい朝に食べる朝食はまた格別です」
小さな公園の隅、塗装の半分剥げたベンチに座り風浦可符香は膝の上にお弁当を広げていた。
「全国駅弁食べ歩きセット」――それこそが、彼女に支給されていた食料である。
彼女は、その中でもとりあえずはオーソドックスな幕の内弁当を一番最初の食事として選択し、
だし巻き卵などを頬張っては一人悦に浸っている。
その所作から行楽ムードを振りまいている風浦可符香だが、その身に纏っている制服もまた
先程まで着ていた血塗れだったものとは変わっていた。
「さすがドモンさん。持って行けなんて言うから何かと思えば紳士さんですね。」
風浦可符香は、ドモン・カッシュから受け取った荷物の中から一着の制服を見つけた時、そんなことを一人ごちた。
それは、セーラー服であることは同じだったが、襟にレースが入っていたり4つボタンだったりと、
それまでに着ていたオーソドックスなものと比べれば、かなり上品で可愛らしい感じがするものだった。
「あんな適当な誤魔化しがいつまでも通じる訳がありませんし、
それを見越してこんなものを用意してくれたドモンさんは本当に優しい人です」
誤魔化しとは彼女がドモンの前で語った血糊についての言い訳だ。
幸いなことに単純な彼には通じたが、そういった相手ばかりではないという事は冷静に考えれば解る。
夜が明けて、ますます血糊が目立つ様になってきた今、新しい制服を得られたのは彼女にとって僥倖であった。
制服と同じく血糊がびっしりとこびり付いていた聖剣も、公園内の水道で洗われて今はピカピカと陽光を反射している。
少なくとも誰かがルミノール液なんかをかけたりしないかぎりは大丈夫だろう。
「――ごちそうさまでした」
最後にうずらのゆで卵を飲み込むと、風浦可符香は丁寧にごちそうさまをして残った物をゴミ箱へと放り込んだ。
その後、朝日の方へと向かって信仰する神へのお祈りを手短にすませると、雑多に物が並べられた地面へと目を向ける。
そこには彼女自身が支給された物と、ドモン・カッシュより譲り受けた支給品がずらりと並んでいる。
聖剣と、今着ている制服に関してはその使い方になんら疑問を抱くことはなかったが、残りの物はやや不可解だった。
一つは抱えるほどの大きさがあるエメラルドグリーンのガラス管。
これは聖剣と一緒に入っていた風浦可符香自身の支給品で、陽の光の下で見てみれば綺麗な物ではあるが、
改めてじっくりと観察してみてもその用途は知れない。付属のメモにも、ただ「アンチ・シズマ管」とだけしか書かれていなかった。
ガラス管の両端についている蛍光灯と似た感じの金属の端子から、それは少なくとも電化製品のように見えるが……、
「うーん……。どこかに挿す……のかな?」
それをどこでどうすればよいのかは、やはり皆目検討もつかなかった。
もう一つは、新しい制服と合わせて入っていたドモン・カッシュの支給品だ。
綺麗なクロムメタルの2メートル足らずの鎖があり、その片端に50センチ程の太い杭。もう片端に大きなわっかが付いている。
メモによると名前は「ライダーダガー」と言うらしいが、どこがライダーでどこがダガーなのか風浦可符香には解らない。
とりあえずの印象は、大型犬やテントの端などをつなぎ止めておくための杭と鎖といった程度でしかない。
「うーん……。千里ちゃんだと喜びそうではあるんだけど……」
ぶっとい金属の杭は刺すための武器として使えなくもなさそうだったが、自分の細腕では刺すのは無理。
そう判断すると、風浦可符香はそれを他に広げていた地図やコンパス共々、鞄の中へとまとめて仕舞いこんだ。
「さてと……」
と、風浦可符香が鞄を担ぎ、改めて出発しようと公園の出口へと身体を向けると、そこには彼女を凝視する裸の男が立っていた。
◆ ◆ ◆
たまたま通りかかった公園の中に一人の少女を発見した時、アイザックは「しまった」と思った。
食事を済ませ、物珍しい雑多な道具を地面に広げて弄り回しているその様は、どう見ても――、
「(……あれは、手品のタネを仕込んでいる最中だよなぁ)」
手品師がそのタネを仕込む現場を見てしまう――それは、最大のタブーだ。
その禁忌を犯したことに対し、アイザックの胸中に罪悪感が満ちてくる。
とりあえずは見なかったことにするしかない。と、そぉっとその場を去ろうとしたのだが、それは一歩遅く、
道具を鞄に仕舞いこんだ手品師の少女と目が合ってしまった。
◆ ◆ ◆
風浦可符香の目の前に裸の男がいた。裸といっても下着ははいているので全裸と言う訳ではないのだが、
この暖かなぽっかりとした日差しと合わせて考えると、目の前の男はどう考えてもストリー……、
「(――いや、そんなはずがありません。R18指定を受けたわけでもないのに突然そんな人が現れる訳がありません)」
唐突で不可思議な出会いに風浦可符香の頭は回転を始める。
目の前の男は「何者」なのか――?
「ゴメンッ! わざとじゃないんだッ!」
機先を制したのはアイザックの方だった。
風浦可符香が一言も発する間もな素早くに土下座をすると、すまないすまないと繰り返し謝った。
その勢いはすさまじく、これはある意味相手を退けさせるアグレッシブな攻撃的謝罪。と言える程でもあった。
「………………」
先手を奪われた風浦可符香は、彼女にしては珍しく僅かながらに同様していた。
また変な人が現れたぞ。などと、自分を棚に上げてそんなことを考えている。
「(……困ったなぁ)」
困惑する女子高生の前で、裸同然の格好で土下座する男。
ともすれば、いや普通に考えても誤解を招きかねない光景であった。そして、それはしばらく続く……。
◆ ◆ ◆
「……手品、ですか?」
突然の出会いの後、とりとめもなく一方的に語られる男の話を要約すると、
自分とミリア以外の人間は全員手品師で、彼はその全員から手品で殺されなければいけないのだと言う。
しかも、すでに2回も「殺されている」らしいのだが……。
「(新しいタイプの人ですね……)」
ともかくとして、そうと解れば話は早い。風浦可符香にとって取るべき手段は一つだけだった。
「じゃあ、私も手品を披露するんでアイザックさんはそこに立ってください」
と、アイザックを小さな砂場の真ん中へと誘導する。
アイザックは「種を見たけど見てないことになってるから」とか「痛くしないでくれよ」などと言いながらも素直にそこに立つ。
風浦可符香はそんな言葉を適当に聞き流しつつ、ベンチに立てかけてあった聖剣を持ち上げると――、
「うわぁ、綺麗な剣だな。俺、そんな綺麗な――ぁ!」
ズッ――と、聖剣をアイザックの胴体の真ん中へと刺しこんだ。まるで手品師の様に。
しかし、勿論彼女は手品師でも奇術師でもないので……。
刺されたの方はアイザックは、突然の痛みに加え、体内に異物が進入する違和感と、内蔵が持ち上げられる不快感の
三つの感覚に襲われると、一言も発する事もなく白目を剥き、お腹に剣を刺したまま砂場の上へと倒れこんだ。
そんなアイザックをどうということもないといった感じで見ていた風浦可符香は、今度は返り血を浴びない様
慎重に剣を胴体から抜き取ると、再びそれを洗浄すべく公園の端に設置された水道へと持っていく。だが――、
「あれ?」
蛇口を捻って水を出し、剣をそこへと持ち上げると――そこには何故か一滴の血もついてはいなかった。
「あぁ、びっくりした。今度こそ本当に死んだかと思ったよ」
背後から聞こえる男の声に風浦可符香の身体がビクリと揺れる。
慎重に振り返ると、そこには殺したはずのアイザックが何事もなかったかの様に立っていた。
まるで、先程のことが本当に手品だったかのように。
風浦可符香は知らない。本当に不死者なる者がここに存在するということなど。
そして、不死者が「同じダメージに関しては馴れる」などということも。
それ故に、今回はそれこそ奇跡のような早さでアイザックが復活したということも。
知らないが故に、風浦可符香の目の前に現れたソレはまさしく彼女の夢見る奇跡――ポロロッカそのものだった。
◆ ◆ ◆
「あなたはポロロッカ星人だったんですね!」
可愛い水兵服を着た手品師の、突然の変貌にアイザックは目を丸くした。
目をキラキラとさせて迫ってくるが、彼女の言うポロロッカ星人とは一体……? いや、まてよ。
「ポ、ポ、ポロロッカ……、どこかで聞き覚えがあるような……? 確か、ハゲのおじさんが……」
この時、アイザックの頭の片隅に引っかかっていたのは、最初の場所で聞いた「ボルテッカ」である。
割と近い気もするが決してポロロッカではない。だが、風浦可符香も、そして彼自身もその間違いには気付かない。
「思い出せないんですか? ……まさか、記憶喪失! まるでピアノマンみたいですね!
でも、大丈夫です。私が一緒に行って、ポロロッカ星へと帰してあげますから!」
目の前の少女が言っていることがまったく解らないアイザックであったが、ノリに乗せらやすい性格のためか
どうやらそれは記憶喪失のせいらしいと彼女の言葉を鵜呑みにしてしまった。
言われてみれば、あの電車から降りた後の記憶が欠落しており、記憶喪失だというのなら合点はいく。
そして、ここからとってもおかしな二人の勘違いスパイラル(螺旋)は加速してゆく――。
「俺って、実は地球人じゃあなかったんだなぁ。いや、薄々そうじゃないかと思ってたんだけどな」
「間違いありませんよ。あなたみたいな人がポロロッカ星人でなければ、他にポロロッカ星人なんていませんよ」
「じゃ、じゃあミリアは? ミリアもポロロッカ星人だったっていうのか?」
「ミリアさんって誰ですか?」「実はかくかくしかじか……」
アイザックは更に洗いざらいにと自身の事を語る。自身の事に限らず、語ると言うことが好きな男なのだ。
そして、風浦可符香は彼の発言を一つ受け取るごとにうんうんと頷き、脳内にある大きな妄想を組み立てていた。
そして――、
「 わ か り ま し た ! 」
風浦可符香は一体何が解ってしまったと言うのだろうか? それは――、
「アイザックさんとミリアさんは、ロミオとジュリエットなんですよ!
そして、アイザックさんのお父さんはあの螺旋王さんです。
そして、地球人との恋を許さない厳しいお父さんは、あなたの記憶を奪い二人を別れ離れにしました!」
その衝撃の新事実に、まるで足元が崩れ落ちたかのような衝撃をアイザックは受け、地に膝をつく。
「しかし! 安心してくださいアイザックさん。あなたのお父さんはそこまで冷酷ではありません。
これは二人の愛が本物だと認められるために必要な試練なのです!」
そうだったのかと。試練という言葉を耳にしたアイザックの身体に、今度は沸々と力が沸き上がり、再び彼を立ち上がらせた。
「あなたがこの試練を乗り越え、再びお父さんの元へと辿り着いた時。
その時こそ、二人の愛は認められ。そして、ポロロッカ星には14年に一度の春が訪れるのです!」
おぉ……と、天を仰ぐアイザックの口から感嘆の溜息が漏れた。
麗らかな日差しの下、幼児向けの小さな公園の真ん中で、顔を紅潮させて大いに盛り上がる裸の男と、聖剣を掲げる女の子。
第三者が見れば、「あぁ、本当に春だなぁ……」と、そんな風に思わせる面白い光景であった……。
◆ ◆ ◆
もう明るくなった路地の上を、二人の男女が楽しそうに駆けている。
それこそ今にもスキップしそうなぐらい、口から歌が流れ出てきそうなぐらい楽しそうに。
「それで、アイザックさんは今どこに向っているんですか?」
その片方の少女である風浦可符香が尋ねると、もう片方の男であるアイザックは鞄から地図を取り出し、
目をキラリと輝かせてそれに答えた。
「ここさ!」と言って自信満々に指差したのは――「ゴミ処分場」だ。
それに対して、どうして? という顔を少女が浮かべるとと、男は自信満々に自説を披露する。
「俺の親父は螺旋の王って名乗ったろう? つまりは、キーワードはその螺旋だ!
螺旋と言えば渦巻き。渦巻きと言えばトイレに流れる水と一緒で真ん中に集まる!
そして! この地図の真ん中にある集める場所と言ったらそう! この――ゴミ処分場だ!
そこに向かって、まず親父と話をしてみる。話し合えば解決できないことはないからな!」
牽強付会にも程があると言った感じではあったが、元々そんな風である二人にとってそこは気にならない。
「すっごいです! さすがはポロロッカの王子様。名探偵ですね!
でも、本当にそんな場所に王様が住んでいられるんですか?」
そんな当たり前の疑問に、アイザックはチッチッチッと口の前で指を振る。
「まだまだ甘いなワトソン君。そんな所だからこそ隠れる場所としては最適なのさ!
それに知っているかい? 残り物には福がある。捨てる神あれば拾う神あり――つまりは!
誰にも見向きされない、このゴミ捨て場こそが――」
「「――真の自由人(ポロロッカ)の桃源郷(パラダイス)!」」
最後のセリフをはもると、遂におかしくなったのか二人はアハハ、アハハと笑い始めた。
アハハ、アハハと楽しげな、とても陽気で場違いな――そんな、笑い声を新しい朝に木霊させながら、
本当に本当に、見ている方が心配になるぐらいに楽しそうに朝日の下を駆けていった。
【C-3/市街地/1日目-早朝】
【アイザック・ディアン@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:ボロボロになったパンツ一丁
[道具]:デイバック、支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師
ずぶ濡れのカウボーイ風の服とハット(※本来アイザックが着ていたもの)
[思考]
基本:螺旋王の試練を乗り越え、ミリアと結婚してポロロッカの王様になる
1.まずは螺旋王(親父)に会って、話し合いで解決できないか挑戦してみる
2.そのためにゴミ処分場に向かい、そこに隠された王城への入り口を探す
3.赤い宝石は、ミリアへ結婚指輪として贈ろう
※アイザックの参戦時期は1931年のフライング・プッシーフット号事件直後です
※殺し合いの意味を完全に勘違いし、終了条件は全員に(手品で)殺される事だと思っている
※自分はポロロッカ星の王子で、螺旋王は父親。それを記憶喪失で忘れていたと思い込んでいます
※この殺し合いの儀は、自分に課せられた試練だと思い込んでいます
【風浦可符香/@さよなら絶望先生】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、私立真白学園制服(冬服)@らき☆すた
[道具]:デイバック×2、支給品一式(食料-[全国駅弁食べ歩きセット][お茶])、支給品一式
ライダーダガー@Fate/stay night、アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION
血塗れの制服(※元から着ていた物)
[思考]
基本:優勝してポロロッカ星に入国する
1.アイザックを利用して、自分がポロロッカ星に入国するための方法を探る
2.アイザックとミリア以外の人間は障害なので排除する
【私立真白学園制服@らき☆すた】
ラッキー☆チャンネルに出演している小神あきらが通っている学園の制服。
上のセーラー服は白を基調に黒いラインで、前は4つボタン。襟にレースがあしらわれている。
下のプリーツスカートは黒を基調に白いライン。
【ライダーダガー@Fate/stay night】
ライダーが通常時に使用していた武器。
50センチ程の杭-2メートル足らずの鎖-わっかという構成で、主に杭を投げて攻撃手段とする。
杭にはまったく返しや出っ張りがないのだが、一度ささると抜けにくいという特性がある。
魔力を持ってはいるが、宝具というわけではないので、通常の手段でも破壊可能。
【アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION】
シズマ博士が完成させたシズマドライブに対して、フォーグラー博士が作った特殊なシズマ管。
全部で3本存在し、3本合わせて使用しないと本来の効果は発揮されない。
859 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 00:19:23 ID:/MPv3jph
今日もゴキブリは元気だなあ。
えーと、とりあえず今後の展開を予想しつつ対策を考えてみよう。
未来を知り、覚悟すると言うことは『幸福』であるッ byプッチ
Gが俺ルール全開で議論を自演する。G以外は無視。
↓
新スレテンプレは従来どおり。多分それにGが噛み付く。交流所荒らしの時と同じ流れになるだろう。
↓
新スレは無効だとか議論に従えとか、Gがなんか適当なことを喚きだす。
ここまでは容易に予想できるね? ではその次。
そういう時にどうするか?
答え:何もしない。今までどおりに専ブラで無視し続ければいい
幾らGが何を喚いたところで、それは何の意味も無い。
削除人が動くなら、真っ先に削除されるのはGの発言群。
削除人が動かないなら、これまでどおりの素無視で問題なし。
で、万が一削除人が騙された場合。しかしこれでも全く問題は無い。
「複数の派閥があるなら、別スレですれば良いんじゃないですか?」の一言で完了。
交流所と違い、SSの投下という運用実績が生じる為、自称「G派」は全く言葉の裏づけを作れない。
また、交流所と違って、専ブラでのスルーが極めて容易であることも大きい。
結局Gは粘着荒らし程度しか出来ることは無く、無視し続けられるだけ、と。
もうさるさる避け虫に永久就職するしかないねえw 金払うのは(ネカフェに)Gだけどwww
860 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 00:27:28 ID:/MPv3jph
つか、Gの言うしたらば派とやらと2ちゃんねる派とやらの「2つの派閥が存在する」って状況を演出しても、Gにはメリットなんて無いんだけどなあ。
「それぞれ別のスレでやってね」と言われてハイ終わり、だから。
まあ、それで問題大きくして削除人動かしたとして、真っ先に痛い目見るのはGなんだけどなw
861 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 00:37:20 ID:/MPv3jph
あと名称問題を持ち出してくる可能性が非常に高いが、
「アニロワ2nd」と「アニメキャラ・バトルロワイアル2nd」の差異で区別する等、幾らでも躱せる手はある。
正当性云々は、寧ろGの方にこそ証明する手立てが無いので言い様が無い。
862 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 01:02:46 ID:STKplfy6
殺虫剤置いとく。
「SS投下スレの住人とはSSを投下する人間のことである」
葉鍵の頃からGが越えられない絶対的な壁だな。
863 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 02:09:09 ID:eMReoG8U
アニロワ見てないからGの事なんかとっくに忘れていた。
864 名前: ◆ncKvmqq0Bs 投稿日:2007/10/09(火) 07:19:50 ID:KEmMoQV+
あー、長かったなG撲滅誘導作戦。
アニロワ毒吐きで、削除以来に視線を向けさせるため自演をし、削除依頼で我こそは正統と感情的に言い出すまでわざと感情的になり、
暴発して本スレで証拠つくり、のための大々的な荒らしをするまで証拠を求め、そこで、スレに固執する発言をするまでスレ違いだと主張したり……
第4フェイズまで見事に俺の誘導にはまってくれてありがとう。
お礼に一つ教えてあげよう。
君みたいに、削除議論までやってきて自己の正当性を語る荒らしが抹消されないため絶対にやってはいけないことって知ってる?
それは、「スレと、そのルールに固執する発言を大々的におこなうこと」だよ。
俺こそが、このスレで正しいんだ!ルールはこうするべきなんだ!と荒らしが声高に主張すると、どうなるか分かる?
「そうですか、ならあなた方はこちらでそうやって活動してください、我々は別の分家スレを立てて活動しますので、
あなたのところではそれが荒らしでないと言い、それ(荒らしの内容 今回ならコピペ)をやりたいなら貴方のところで。
我々は、それを荒らしとみなし、スレを運用させますので。お互い、スレ違いは誘導しあう、と言うことでいいでしょう?」
と言い出されてその瞬間詰むんだよwなにしろ、荒らしの行為を明確にスレ違いにして、受け皿をはっきりと用意できるからなw
ラウンジクラシックでまったく同じ目にあったの忘れたんかお前www2回も同じトラップに引っかかるなよwww
さぁて、最後の第5フェイズは何を荒らし行為とみなすかスレの詳細を、バカが喚かないように「2chで」決めて分割するだけ。
あとは、荒らしたら坦々と削除依頼を出すだけだ。
865 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 12:08:32 ID:jGCHRh4d
あんたは好きではないけど方法は正しいと思う。
だけど他スレ住民にしてみりゃただでさえCに乱立されて、さらに荒らしに一スレくれてやるのはあまりよい気はしないと思わないでもない。
どうせIDいらないんだし他板に移動とかどうなんだろね。集客力的に今のとこはベストか?
866 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 14:57:33 ID:/MPv3jph
乱立スレってのは、只でさえ少ない書き手が分散してしまう可能性の有るモノを言うんだ。
GだのCだののアレは、乱立スレといっても、実質的には只の隔離所だし。
あんなのに引っかかる書き手は書き手未満。空気読む能力的に。
867 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 16:57:32 ID:dNRqmN7c
そういうことじゃない。
他スレ住人にしてみれば板を圧迫する+似たような名前のスレが落ちずに残り続けるのは困るだろうって事なんだよ。
自ロワのことしか考えないのは傲慢だろう?
まあ、逆に言えばもう一つくらい増えても誤差だから自治スレに荒らし来るよりはよいと考えてくれるかもしれんけども。」
868 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 16:59:47 ID:3EOuTADr
削除依頼ktkr
またしたらば派の陰謀だのなんだのぬかすんだろうかな
どんなポカやらかすのか楽しみだw
869 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 18:07:03 ID:PLcf9K/0
さっそくGが議論スレに突貫している件。
これを見る限り奴は昨日の夜8時から今日の朝6時+
12時、そして夕方にかけてスレに張り付いている事になる。
……今日って平日だよな?
870 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 18:15:43 ID:rmah9/za
ドラキュラをも上回る超不健康生活だなw
夜行性+起床時はほとんど(全部?)ネット閲覧って・・・
871 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 19:44:32 ID:hMLFGhYU
ゴッキブリ!ゴッキブリ!
283 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 20:57:31 ID:miglzRZR
どうしても彼等は反対者は一人だと思い込みたいようだなあ
まあIDそのままで自演してる例もあるし、
そう多くないだろうな
それはわざとやってんじゃねーかなとも思うんだ
ただ、もし仮にバトロワスレを二つとか3つとか
この板の中で乱立するような事があるのなら
それは避ける行動を取らざるを得ないだろう
また、したらば掲示板のサイト管理者が別板への移動を仮に決断したら
このスレに止める権利はない
でも、したらばはこの板じゃなくても2chならどこでもよかったりな
>>281-282からはそんな感じもするよ
ただ利用するだけって感じだな>したらば
夜明けの高速道。
黒い道とグレーの壁が延々と続くそこを、衝撃のアルベルトは東に向かってひた走る。
腕を組み、葉巻を吹かしながらの高速度走行。
上半身を全く動かさずしてアスリート以上のタイムをはじき出すそれは
身体能力に欠ける人間には決して真似できない超人芸である。
しかしながら、アルベルトはBF団にその名を連ねる裏世界のトップ10、十傑集が一人。
このくらいの芸当は朝飯前であった。――本来ならば。
現在、アルベルトの額にはいくつもの汗の玉が浮かんでいた。
呼吸は不規則に乱れ、心臓は明らかにいつもよりアップテンポにビートを刻んでいる。
また、走行に伴う振動が伝わるたび、先ほどの戦いで受けた傷がジンジンと痛みを主張する。
ただ走る程度でこの体たらく。
そんなことになってしまったのは何故か。
もちろん、この世界が一定以上の超越的能力に対して課している制限も理由の一端を担っていたが
もっとも大きい要因は、単純に、彼が大きく消耗していたという事実であった。
(くっ……思ったよりも疲労が大きい)
アルベルトは歯噛みする。
彼は東方不敗との戦いで、予想以上のダメージを被ってしまった。
ここが殺し合いゲームの盤の上であることを考えると
初っ端からこのようなアドバンテージを背負うのは正直、好ましくない。
もし、この不完全な状態のまま、もう一度、東方不敗クラスの人間と戦うことになれば、今度は命の保証がない。
一般論で言えば、ここは一刻も早く休養をとり、体力を回復させるべきだ。
しかし、彼は、衝撃のアルベルトはそうしなかった。
彼には今や休むことのできない理由があった。
(戴宗……貴様はどこにいる?)
神行太保・戴宗。
BF団の宿敵、国際警察機構の幹部であり、自分から右目と無二の親友を奪った男。
彼の生涯最大のライバルと言っていい人間。
二人は既にお互いの手の内を知り尽くすほど、死合いを重ねていたが、未だその決着は着いていない。
いや、正確には着いていなかったというべきか。
(あんなものが、あんなものが決着などと……ワシは絶対に認めんぞ)
アルベルトがこの世界に召喚される直前にエージェントとして参加していた一つの作戦
上海油田壊滅作戦の過程において、彼は確かに戴宗を打ち破り、息の根を止めていた。
だが、それは、長年戦い続けてきたライバル同士の決着としては、あまりに不本意なものであった。
作戦の最終局面、戴宗は仲間を逃がし、上海油田を守るためにあえて自ら盾になり、命を散らしたのだ。
彼はアルベルトと力の優劣をつけることよりも、仲間を、世界を守ることを選んだのである。
だが、アルベルトにとって、その結末は、到底納得のいくものではなかった。
(ワシとお前の決着はお互いの全てを出し切り、ぶつかることによってのみ着けられるはずだった!
ワシとお前の戦いは、十傑集と九大天王の戦い、BF団と国際警察機構との戦いだ。
その高貴な戦いが、あんな形――ワシとお前の実力以外で決まることなど許されん!)
彼はそのように考え、望んでいた。
しかし、その望みは戴宗の死によって永遠に絶たれ
彼はこれ以降、悔恨を抱えながら生きねばならないはずだった。
――もし、この場に呼ばれることがなかったなら。
走りながらスーツの内ポケットに手を差し入れ、一瞬で引き抜く。
その手に握られていたのは、一枚の紙。この殺し合いの参加者名簿。
アルベルトはその中の一点を見つめると、口の端をわずかに上げ、薄く笑った。
このゲームが始まってから何度目になるか分からない確認作業。
彼が見つめるそこには一つの名前が間違いなく書かれていた。
――神行太保・戴宗
嘘かもしれない。同名の別人かもしれない。もしくは何かの罠かもしれない。
その記述を否定する理屈はいくらでもこねることができた。
だが、そんな瑣末な理屈はどうでもよい。
戴宗がこの場にいる。戴宗ともう一度戦える。
そう考えるだけでアルベルトの胸は自然と躍った。全身に負った傷も心なしか軽く感じられた。
それは、失ったモノへの飢えがもたらす、この上ない興奮だった。
だから、アルベルトは休むわけにはいかない。
戴宗は自分との決着よりも、正義やら仲間の命やらを重んじる男。
もし、殺し合いに巻き込まれた弱者や、殺し合いに乗った悪党を見たならば、強きを挫き、弱きを救うだろう。
自らの命を顧みず、あの上海油田のときのように。
もしかしたら、戴宗はその果てに命を落とすかもしれない。あのときと同じように。
それだけは、それだけは何としても阻止しなければならない。
そんなことになってしまえば自分はもう耐えられないことをアルベルトは知っていた。
だから、会わねばならない。戴宗が生きているうちに、一刻も早く。
そして決着を。今度こそ正々堂々、正面から決着をつけるのだ。
◆
「むっ!?」
高速道の途中、A-6とA-5の境界付近に差し掛かった時、アルベルトは不意に足を止めた。
そこは今までと何の変わりもない高速道路。黒い道とグレーの壁と銀の照明だけがただ立ち並ぶ、そんな場所。
しかし、彼はその景色に潜むわずかな違和感に気がついていた。
「出て来い。ワシに隠行は通用せんぞ」
どこも同じに見える壁の一点、照明の支柱を設置するために壁が凹んでいる一点を睨みつけ、言い放つ。
一瞬の沈黙の後、照明の支柱の裏側、コンクリート壁との間から人影が現れた。
出てきたのは、派手なマスクを被り、軍服を身に纏った長身の男。
その身体は肉付きがよくガッチリとしており、とてもあの狭い隙間に潜んでいたとは思えない。
「私の隠れ身の術を見破るとは……貴様、只者ではないな?」
「フン、幸いなことに忍者の同僚には恵まれておってな。そのテの術は一通り経験済みよ」
彼の隠れ身はゲルマン流忍術熟練の技であり
余程のことがなければ見抜かれることのない代物であったが、今回ばかりは相手が悪かった。
マスク・ザ・レッドや直系の土鬼、混世魔王・樊瑞といった
一流の忍者・道士たちの技を日常的に眼にしているアルベルトにとって
この程度の隠れ身を見破るのはさほど難しいことではなかったのである。
「で、貴様一体何者だ?こんなところでコソコソと……何をしていた?」
アルベルトが問う。その語調は、静かながらも剣呑なものであった。
「私の名はシュバルツ・ブルーダー!殺し合いをするつもりはない!
身を隠したのは、相手が何者か知れなかったが故、様子を見ようと考えてのこと。
どうか許してもらいたい」
シュバルツはいつもの堂々とした調子でこれに答える。
隠れ身を看破されたにもかかわらず、その声にさしたる動揺は見られない。
だが……
(厄介なことになったな……)
覆面の裏の顔に一筋の汗が流れる。
外面こそ平静を保っていたが、シュバルツは内心焦っていた。
彼は先ほどの邂逅の後、少しの逡巡を経て、ドモンと名乗った少年に接触することを決めていた。
少年がどういうつもりで偽名を使っているのか、正直、見当もつかない。
だが、何にせよ、年端もいかない男の子を一人で殺し合いの場に放置するわけにはいかない。
そう判断したのである。
赤い髪の少年には、男の子に接触し、保護した後に追いつけばいいだろう。
まだ、そんなに遠くには行っていないはずだ。
万が一見失ってしまった場合だが、そのときは……残念だが諦めるしかない。
だが、赤髪の少年も自分も目指す目標は同じ。いる場所は違えども、お互いに縁があれば、再び会うこともあるだろう。
彼がアルベルトの気配を感じ取ったのは、そうして考えをまとめ、少年の後を追おうとした矢先だった。
一瞬、接触することも頭をよぎったが、こうしている間に少年に何かあったら大事だ。
知り合いでなければ声をかけずにやり過ごすつもりでいたのだが、まさか発見されるとは夢にも思っていなかった。
シュバルツは注意深く、目の前の人物を観察する。
黒いスーツに片眼鏡の中年男性。全体に上品な雰囲気を漂わせており、外見だけなら上流階級の人間にも見える。
だが、それが、彼の本質でないことは、彼の発する雰囲気から明らか。
一片の隙もなく地面に屹立したその身体からは、押し殺された闘気と殺気が漏れ出し
今にもシュバルツに向かってその牙を剥かんと構えているかのようだ。
話をしてみなければ男がどういう人間かは分からないが、第一印象だけでものを言うなら
どちらかと言えばこのゲームに乗りそうな、暴力的な人間に思える。
身体能力の方も、ここまでの走行を見ている限り、ガンダムファイターと互角かそれ以上。
もしも、ここで話がこじれ、戦うことになれば、苦戦は必至だろう。
(ここはできれば穏便に済ませたい……だが、もしもこの男が殺し合いに参加するというのなら!!)
シュバルツは拳を硬く握り、気を張り詰める。
男が殺し合いに乗っている人間だとしたら……みすみす見逃すわけにはいかない。
しかし……
「そう構えるな。心配せんでも貴様を殺す気などない」
アルベルトが返したのは、案外と穏当な返事であった。
彼は、シュバルツがその応えの意味を飲み込み終わり、警戒を解くのを待ってから言葉を続ける。
「申し遅れたな。ワシの名はアルベルト。
シュバルツよ、貴様に聞きたいことがある。戴宗という男を知らんか?」
白い頭巾を被り、赤と白の民族衣装に身を包んだ東洋人の若者。
手や足からジェット噴射のように衝撃波を出す拳法の実力者――
戴宗の特徴を聞いたシュバルツの頭に、東方不敗の姿が思い浮かんで消えた。
「いや、残念ながらそんな人物は知らんな」
「そうか」
アルベルトは、気のない調子で返事を返す。
この80余名の人間がいるこの会場でただ一人の人間の行方を問うたところで
有効な情報がそうそう得られないことくらい、彼は初めから予想済みだった。
だから、この後にする提案についても事前に抜かりなく用意ができていた。
「では、お前に伝言を頼みたい。もし今後、戴宗に会うことがあれば……」
◆
「分かった。戴宗とやらに会ったときは、その言葉、間違いなく伝えよう。
……だが、貴様、その男とはどういう……?」
伝言を聞き終わったシュバルツは引っ掛かりを感じずにはいられなかった。
アルベルトが託したそれは、ただ単に仲間と合流するためのものにしては
いささか不可解なものだったのである。
生じた疑問を解消するため、彼は目の前の男に対し、質問を試みようとする。
だが、それは、完全な質問の体をなす前にアルベルトの一言によって打ち消される。
「詮索は無用。貴様はただ伝言を伝えてくれればそれでよい」
「なっ!」
「ワシにはお前達といちいち話をしている時間はないのだ!」
シュバルツにとって、この答えは予想外のものであった。
……しかし『答えられない』という答えはある意味で彼が抱いた違和感を払拭する。
つまり『答えられない』ということは、アルベルトと戴宗は『他者に知られたくない関係』だということだ。
少なくともアルベルトにとっては。
だが、もしそれが正しいとすると、また新たな疑問が生まれざるを得ない。
すなわち「この場において『他者に知られたくない関係』とは一体何か?」ということである。
シュバルツは、表情を変えないアルベルトの顔を見据えたまま考える。
しかし、彼の頭に答えが浮かぶことはなかった。
実は一瞬だけ「まさかおホモだちかっ!?」という考えが浮かびかけたのは秘密だ。
「そう怖い顔をするな。貴様が納得いかんのもまあ、分かる。
……だから、タダで伝言を伝えてくれとは言わん。取引といこうじゃないか」
アルベルトの一言で、思考の堂々巡りから現実へと引っ張り戻される。
「……取引だと?どういうことだ?」
ワケが分からぬまま、シュバルツは思ったことをそのまま口に出す。
「もし貴様がワシの伝言を引き受け、かつ、これ以上の詮索をしないというなら……
ワシもお前の伝言を一つ預かってやろう。ワシもお前が誰にどんな伝言をしようと詮索はしない
しかも……」
言いながら、彼はズボンのポケットへと手を伸ばし、何かしらの道具を取り出した。
シュバルツは警戒し、身を硬くするが、次の瞬間にはそれが武器でないことを理解する。
アルベルトの手の中で朝日を受け、銀色に鈍く輝く長方形の機械――それは、ボイスレコーダーだった。
「貴様の場合は、肉声伝達のサービスつきだ。こうしておけば貴様の仲間にワシが疑われることもあるまい?」
「……なるほどな」
「どうだ?リスクなしで仲間と会える確率が上がるのだ。悪い話ではなかろう
ああ、貴様の声をネタに仲間に取り入り、不意打ちされるのが心配か?
それなら、ワシが信用ならん奴だということを伝言と一緒に吹き込んでおくことだな。
幸い、このレコーダーは旧式でな。編集機能までは付いておらん」
その真偽を確かめるため、シュバルツはレコーダーを手に取り、機能を確かめる。
なるほど。一通り見た限りでは、確かに編集機能は付いていないようだ。
だが、やはり引っかかる。妙な言い回しの伝言も。彼が纏う物々しい雰囲気も。
シュバルツの本能は、目の前にいる男の潜在的な危険性を鋭く嗅ぎ取っていた。
アルベルトがもしも、何かしらの陰謀を企んでいるとするならば、ここでその芽は摘んでおかなければならない。
「……三つ質問がある。伝言への詮索以外でだ。
両方の質問に納得の行く答えが返ってきたならば、この取引、乗ってやろう」
「……いいだろう。言ってみろ」
若干不愉快そうな表情を見せるアルベルト。
だが、彼は物怖じすることなく、むしろはっきりと質問を口にした。
「一つ!貴様は結局、殺し合いに乗っているのか否か!?
二つ!貴様はこれ以後もこの『取引』とやらをやり続けていくつもりなのか!?
三つ!この『取引』を断った人間をどうするつもりなのか!?
自らの主張を通したくばこの三つ揃い、全て明確にお答えいただこう!」
目を見開き、指を突きつけて詰問する。
アルベルトは不機嫌な顔のまま、低い声で答えを口にした。
「……よかろう。
一つ、ワシはこんな馬鹿げた殺し合いに喜び勇んで参加するほど阿呆ではない。
二つ、その通りだ。
三つ、どうもせん。交渉が決裂したなら、黙って去るだけだ。ただ……」
瞬間、空気を切り裂く鋭い音が響く。
頭がそれを何か理解する前に、シュバルツの身体は素早く反応し、身をよじっていた。
次の刹那、さっきまで、彼の頭があった空間を細長い何かが貫通し、壁に突き刺さった。
警戒を強めながら、横目でそれを見る。
刺さっていたのは、アルベルトが咥えていた葉巻だった。
「ワシの時間を必要以上に浪費させる輩に容赦はせん。
さあ!ワシは答えたぞ!そっちの答えを聞かせてもらおうか」
言葉に反応し、シュバルツが向き直るのと、頬に熱を感じたのとはほぼ同時だった。
覆面が切れ、赤い血が滲んでいる。
アルベルトが口から放った葉巻は、顔をかすっていたのだ。
その事実を認識した時、彼の答えは決まった。
◆
「さあ!ワシは答えたぞ!そっちの答えを聞かせてもらおうか」
「いいだろう。こちらの答えは……NOだ!」
そう言い放つとともに、シュバルツは即座に構えを作り、臨戦態勢に入る。
「……どういうつもりだ、貴様」
口調が震えている。
もはや、彼の不機嫌は静かな怒りの域にまで達しようとしていた。
「細かい事情はよく分からんが、貴様の心は今、戴宗という男に会いたいがあまり、焦り、乱れきっている!
そのような曇った心では、例えお目当てに再会したところで幸せな結果は招くまい!
むしろ、貴様の荒れた心は暴力を呼び、力無き人々を傷つけるだろう!
ならば、今ここでその心、私が叩きなおしてくれるッ!」
シュバルツは毅然と言い放つ。
彼が納得できなかったのは三つ目の答え。自分の足を止める人間は容赦なく殺すという意味の返答。
その言葉は、止める側の人間の事情を等しく考慮しないということを示している。
力の無い人間が話しかけてきたアルベルトを頼っても
赤い髪の少年のような正義バカが仲間に誘うためにしつこく勧誘しても
彼はやはり、自らの道を塞ぐ者に対しては非情だろう。
少し質問を投げかけただけで脅しをかけてくる短気さからも、それは容易に読み取れる。
だから、シュバルツは取引を否定した。代わりに、純然たる対抗の意志を示して見せた。
それに対してアルベルトは――
296 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 22:51:07 ID:oVRPqis.0
>痛くても辛くても戻らないから
三者ともカッコ良くて素晴らしい戦いでした。
風前の灯となったロイが新たな火種になれるのか期待大。
>極大射程
終始コミカルなノリで進行しつつも次回は……な展開。
なんですがビクトリームの体がどうなるのかが気になって仕方ありません。良い意味でバカすぎるw
>新しい朝が来た
誰かは脱落する。そう思っていた時期が私にもありました。
蓋を開けてみたらなんという異次元。カフカに付いていける生命体が存在するなんて……アイザック、おそろしい子…!
297 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 23:41:34 ID:D5h62R6E0
新しい朝が来た投下乙です
ちとアイザックがバカすぎる気もしましたが、相手がカフカならしょうがないと思えてしまうw
誰かかがみを救ってあげて、やり方は自由で
298 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 23:45:58 ID:tJ7CWo420
馬鹿と電波の組み合わせが凶と出るか吉と出るか…怖いな
しかしアイザック、SS書かれる度に不死者じゃなかったら致命傷級のダメージ食らってるなw
299 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 00:49:14 ID:uObdoWrA0
高遠なんだが船の資料からいきなり名簿の存在に考えがいくのは
さすがにいくらなんでも頭よすぎね?
300 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 01:02:47 ID:bYLPwWTY0
>>299 高遠ではよくあること。
あいつの探偵能力と鼻の利き具合は異常。
301 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 01:10:28 ID:oTLMPCcs0
というか金田一の犯人達のトリック考える思考回路は異常。
そして、それを解く金田一も異常。
302 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 07:38:52 ID:atnANCfM0
ていうかそんな複雑なトリックじゃなくてもバレずに殺せるのにそこまでトリックにこだわる思考が異常
「クク……フフフ……アハアーッハッハッハッ……分かった。よく分かったぞシュバルツ・ブルーダー……
――そんなに死にたいのなら、ワシがこの手で地獄に送ってやるわァ!!」
吼え、そして走る。
風のように一瞬で間合いを詰めると、その両腕が、バルカン砲のように唸り、凄まじい連撃を繰り出した。
だが、その嵐のような拳は一撃たりともシュバルツの身体を捉えない。
暴風に晒される柳のようなスウェーバックが、全ての拳に空を打たせていた。
「ハーッハッハッハッハッ!未熟未熟ゥ!威勢がいいのは口だけか!?」
ギッという鈍い音が鳴る。
シュバルツがアルベルトの右腕を上からの左腕で押さえ込んだのだ。
パンチの威力をそのまま利用し、彼は素早く懐に入り込むと、上半身を右腕の下にあてがい
そのまま――投げ飛ばした。
「うおおおおおおおお!!??」
細く、長いアルベルトの肢体が勢いよく、コンクリートの地面に叩きつけられる。
普通の人間ならば、これだけで尋常でない痛みを受け、そのまま大地に沈む羽目になるだろう。
しかし、不幸なことに、衝撃のアルベルトは普通の人間ではなかった!
「調子に乗るなぁ!!」
両腕をコンクリートが砕けるほどに地面へ叩きつけ、彼は受身をとっていた。
投げの衝撃を殺しきるや否や、そのまま腕を支点に長い足を半円状に振るい、シュバルツの足を刈る。
「うおっ!」
「ここまでだぁ!!」
足を振るった余勢をかって、そのまま足先から空に飛び上がるアルベルト。
星の重力は浮き上がった男を吸い寄せ、再び地面へ戻そうとする。
彼はその力に逆らわず、利用して、更なる一撃を覆面の戦士へと試みる。
シュバルツは先ほどの足払いで態勢を崩されており、アルベルトのエルボードロップを避ける手段はない
――かに思えた。
「フン!」
シュバルツは崩れかけた態勢をわざと自分からさらに崩し、ブリッジのような形で頭の後ろに手をつく。
そしてそのまま、足を跳ね上げバック転。その足の先にはアルベルトの顎があった。
「グオオ!!?」
下顎部を蹴り抜かれ、ほんの一瞬だけ意識を飛ばされかけたアルベルトだったが、地上に落ちるまでには
正気を取り戻し、両手を地面について間合いを取った。
一方のシュバルツも蹴りを放った一回目から続けてバック転を行い、後方へと退避していた。
高速道路の中央線を挟み、二人の男が再び向かい合う。
かがみ、アイザック・ディアン、風浦可符香 投下します。
344 名前: ◆AZWNjKqIBQ 投稿日: 2007/10/09(火) 19:25:59 ID:123UgdKs0
投下終了しました。支援感謝です。
345 名前: ◆LXe12sNRSs 投稿日: 2007/10/09(火) 22:26:27 ID:lDkTKfRo0
鴇羽舞衣、シモン、ニコラス・D・ウルフウッド、チェスワフ・メイエル、ジェット・ブラック、ティアナ・ランスター予約します。
346 名前: ◆5VEHREaaO2 投稿日: 2007/10/09(火) 23:57:39 ID:/fYb.jkI0
こ、今度こそ大丈夫かな?
読子、スパイク、はやてで予約します。
347 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 00:33:26 ID:kZC8/tTY0
10/11(木) 1:00ごろに期限が切れる予約
◆10fcvoEbko氏 ミー、クレア
10/12(金)に期限が切れる予約
◆LXe12sNRSs氏 鴇羽舞衣、シモン、ニコラス・D・ウルフウッド、チェスワフ・メイエル、ジェット・ブラック、ティアナ・ランスター
◆5VEHREaaO2氏 読子、スパイク、はやて
348 名前: ◆RwRVJyFBpg 投稿日: 2007/10/10(水) 07:25:57 ID:GPnLEvqY0
衝撃のアルベルト、シュバルツ・ブルーダー投下します。
書いている途中で展開が変わってきてしまったせいで
夜に投下するつもりが朝になってしまいました。
大幅に遅れて申し訳ないです。
あんまおもしろくねえな
「フン……意外とやるではないか」
「そちらこそな。プレッシャーに見合うだけの実力は持っているというわけか」
お互いの実力を讃えあいながら、二人のファイターは相手の隙を狙い、睨み合う。
しばしの沈黙が続いたあと、二人は同時に両腕を広げて構えをとり、そして叫んだ!
「シュトゥルム・ウント・ドランクゥゥゥゥッッッ!!!!」
「うおあああああああああああああ!!!!!」
シュバルツの首から下が高速回転を始め、やがて見えなくなる。
今や、彼の体は、首の付いた黒い竜巻と化していた。
滑稽な姿と侮る無かれ、なぜなら、彼を覆う竜巻は、全てを切り裂く真空の刃なのだから。
自らを、一個の風の弾丸と化し、体当たりで敵の威力を打ち砕く。
それがガンダム・シュピーゲルの、それを操るシュバルツ・ブルーダーの必殺技!
シュトゥルム・ウント・ドランクなのだ!
一方のアルベルトも、使う技は奇しくもシュバルツと同系統。
自らの衝撃波を体の回りにまとわせて、自らの四体を紅い竜巻と化す。
不細工な姿と笑う無かれ、なぜなら、彼を包む竜巻は、全てを打ち砕く闘う鎧なのだから。
自らを、一個の雷の剣と化し、体当たりで敵の威力を打ち砕く。
それがBF団十傑集の、衝撃のアルベルトの必殺技!
ちなみに名前はまだ無い!
黒と紅、二つの竜巻が逆向きの疾風を起こしながら睨み合っている。
逆巻く風は壁と為り、中央線の上空で、既に火花を散らしている。
「行くぞ!」
「応!」
気合一閃。二つの竜巻は一気にその距離を減じると、轟音をあげてぶつかり合った。
お互いがお互いを弾き合い、また引き合って、弾き合う。
そうするうちに黒と紅、二つの風は混ざり合い、やがて、一つの竜になる。
中央線の上空に天高く舞い上がるノワールとルージュのつむじ風の中で、二人の男が殴り合っていた。
その様はさながら、阿修羅の拳闘。
いくつもの腕がお互いを捉えて叩きあい、いくつもの傷が刻まれていく。
二色に絡む、疾風のヴェールに包まれたその中心で、男達は潰しあう。
シュバルツの左フックがアルベルトの右頬を捉えれば、黒い竜巻がその気勢を増し
アルベルトの右ストレートがシュバルツの鼻をへし折れば、紅い竜巻が猛威を奮う。
どちらも退かず、一進一退。風の中の攻防は全くの互角だった。
ていうか表現方法が陳腐
だが、全ての物事に終わりがあるように、この戦いにも終わりはやってきた。
不意に、紅い竜巻がその円周を膨張させ、黒い竜巻を飲み込んだ!
それと同時に、穴だらけの覆面をした男――シュバルツが竜巻から飛び出してくる。
彼は竜巻を足で蹴って跳ぶように、バックステップで空中へと躍り出た。
「逃がすかァ!」
荒々しい声をあげ、シュバルツを追いすがるように飛び出したのは擦り切れたスーツの男――アルベルトだ。
彼もまた、竜巻を足場にジャンプ。シュバルツの上空を確保する。
二人が風の中から抜け出ると、逆巻いていた暴風は嘘のように収まり、消えてしまう。
「これで終わりだァッ!!」
「そうはさせん!」
上を取り、シュバルツに渾身の一撃を叩き込まんとするアルベルト。
そんな彼の下にあって、シュバルツは全く動揺していない。
冷静に額へと手を遣り、今まで隠しておいた武器を手に取ると、空中で素早く投擲する!
「喰らえっ!」
「あまァい!」
だが、現実はあまりに非情だった。
シュバルツが投げた起死回生の一手、虎の子のブーメランは
アルベルトが体を捻っただけであっさり虚空へと消えていってしまう。
「ぐっ……」
「フン、どうやらここまでのようだな」
覆面の下で顔を歪めるシュバルツを見て、アルベルトは勝ち誇った笑みを浮かべる。
有利な態勢。通用しなかった奥の手。そして万策尽きたと見える敵の表情。
彼は勝ちを確信していた。あとはこの振り上げた手刀を着地と同時に彼の心臓へと打ち込む。
ただそれだけでこの勝負は自分のものだ。
「十傑集相手によくぞここまでやったと褒めてやろう。
あの世の鬼にでも自慢するがいい」
アルベルトは皮肉を吐き、彼の心臓へと狙いを定める。
だが、その瞬間、シュバルツの苦悶の表情が嘘のように消え去った。
そう、本当に嘘のように。
「ガンダムファイト国際条約第2条……
破壊されたのが頭部以外であれば、何度でも修復し決勝リーグを目指すことが出来る……」
「なに?」
「生命の灯が消えない限り、勝利のチャンスは失われないということだ!」
確固たる意志を載せたその声に、アルベルトが一瞬の怯みを見せたその刹那、彼の右足に激痛が走った。
「うおおっ!!?」
何事かと眼をやれば、そこには金色に光るブーメランが深々と突き立っていた。
「馬鹿な!?これは、さっき確かにかわしたはずの……」
「教えてやろう。ブーメランは戻ってくるからブーメランと言うのだッ!!」
シュバルツは道路に着地すると、すぐさま思い切り後ろに跳ぶ。跳んだ先にはグレーの外壁。
そこを足場に三角跳びを行い、今度は逆に、シュバルツがアルベルトの上空をとる。
対するアルベルト。突然の足の負傷は彼のバランスを崩し、地面に尻餅をつかせている。
「とったぞ!」
シュバルツはそのままアルベルトへ向かい、渾身の跳び足刀を叩き込み――
「甘いな」
地上から空中へ。赤い波動が一直線に伸びる。
シュバルツはそのままアルベルトへ向かい、渾身の跳び足刀を叩き込む寸前で崩れ去った。
空中を飛んでいた影は、そのままの勢いに任せ、投げ出されるように地面に落ちる。
アルベルトは尻餅をついたまま、傍らの人影へと目を遣った。
それは、シュバルツ・ブルーダーだった。
その顔は、勝利の確信に満ちたまま、しかしその胸には致命的な風穴が開いていた。
刹那の後、思い出したかのように血液がその傷から流れ出す。
「フン、切り札を先に切った時点で、貴様は既に敗北していたのだ。
それが分からず徒に勝ち誇るとは……未熟とはまさに貴様のような奴のことを言うのだろうな」
右足に刺さったブーメランを引き抜きながら、衝撃のアルベルトは一人ごちる。
そう、彼の名はアルベルト。人呼んで衝撃のアルベルト。
全身から放つ衝撃波を武器とする、BF団十傑集の一人。
シュバルツ・ブルーダーは彼の二つ名を、その能力を知らなかった。
彼が知っていることといえば、せいぜい竜巻を出せることくらい。
ゆえに、シュバルツ・ブルーダーは、未知の衝撃波にその胸を貫かれ、死んだのだった。
【シュバルツ・ブルーダー@機動武闘伝Gガンダム 死亡】
だが、全ての物事に終わりがあるように、この戦いにも終わりはやってきた。
不意に、紅い竜巻がその円周を膨張させ、黒い竜巻を飲み込んだ!
それと同時に、穴だらけの覆面をした男――シュバルツが竜巻から飛び出してくる。
彼は竜巻を足で蹴って跳ぶように、バックステップで空中へと躍り出た。
「逃がすかァ!」
荒々しい声をあげ、シュバルツを追いすがるように飛び出したのは擦り切れたスーツの男――アルベルトだ。
彼もまた、竜巻を足場にジャンプ。シュバルツの上空を確保する。
二人が風の中から抜け出ると、逆巻いていた暴風は嘘のように収まり、消えてしまう。
「これで終わりだァッ!!」
「そうはさせん!」
上を取り、シュバルツに渾身の一撃を叩き込まんとするアルベルト。
そんな彼の下にあって、シュバルツは全く動揺していない。
冷静に額へと手を遣り、今まで隠しておいた武器を手に取ると、空中で素早く投擲する!
「喰らえっ!」
「あまァい!」
だが、現実はあまりに非情だった。
シュバルツが投げた起死回生の一手、虎の子のブーメランは
アルベルトが体を捻っただけであっさり虚空へと消えていってしまう。
「ぐっ……」
「フン、どうやらここまでのようだな」
覆面の下で顔を歪めるシュバルツを見て、アルベルトは勝ち誇った笑みを浮かべる。
有利な態勢。通用しなかった奥の手。そして万策尽きたと見える敵の表情。
彼は勝ちを確信していた。あとはこの振り上げた手刀を着地と同時に彼の心臓へと打ち込む。
ただそれだけでこの勝負は自分のものだ。
「十傑集相手によくぞここまでやったと褒めてやろう。
あの世の鬼にでも自慢するがいい」
アルベルトは皮肉を吐き、彼の心臓へと狙いを定める。
だが、その瞬間、シュバルツの苦悶の表情が嘘のように消え去った。
そう、本当に嘘のように。
「ガンダムファイト国際条約第2条……
破壊されたのが頭部以外であれば、何度でも修復し決勝リーグを目指すことが出来る……」
「なに?」
「生命の灯が消えない限り、勝利のチャンスは失われないということだ!」
確固たる意志を載せたその声に、アルベルトが一瞬の怯みを見せたその刹那、彼の右足に激痛が走った。
「うおおっ!!?」
何事かと眼をやれば、そこには金色に光るブーメランが深々と突き立っていた。
「馬鹿な!?これは、さっき確かにかわしたはずの……」
「教えてやろう。ブーメランは戻ってくるからブーメランと言うのだッ!!」
シュバルツは道路に着地すると、すぐさま思い切り後ろに跳ぶ。跳んだ先にはグレーの外壁。
そこを足場に三角跳びを行い、今度は逆に、シュバルツがアルベルトの上空をとる。
対するアルベルト。突然の足の負傷は彼のバランスを崩し、地面に尻餅をつかせている。
「とったどーーーー!」
◆
朝日の照らす高速道。
黒い道とグレーの壁が延々と続くそこを、衝撃のアルベルトは東に向かってただ歩く。
腕をだらんと垂らし、荒い息を吐きながらの低速度移動。
全身をフルに使って気張っても、成人男性の歩行速度を超えることはない。
シュバルツの服を使って応急処置を施した傷口の痛みを噛み締めながら
アルベルトはひたすらに考えていた。
こんなはずではなかったと。
アルベルトの算段。
それは、彼が現状で戴宗に辿り着くための最短ルートだったはずだ。
それがどうしてこんなことになってしまったのか。
初めに名簿で戴宗の名前を見つけた時点では、アルベルトの頭に
「早く戴宗を見つけなれば、奴は無茶をした挙句死んでしまうかもしれない」
という発想は微塵も存在しなかった。
自分も戴宗も元の世界では、世界十指に名を連ねようかという闘士。
いくらここが殺し合いの場とはいえ、そう簡単にやられはせんだろうとタカをくくっていたのである。
だが、先刻デパートで行われた激闘が、彼の考えを改めさせた。
東方不敗と名乗ったあの男は――あまりにも強かった。
自分と互角以上に戦える人間など、数名の他には存在しないと思っていたアルベルトにとって
偶然出会った老人と引き分けたという事実はあまりにショッキングだった。
彼が東方不敗との戦いの中で感じた死への恐怖は、連鎖的に戴宗の死をも意識させた。
一度、自覚してしまうと、もう歯止めは効かない。
甦った戴宗が自分とは会い見えぬまま、再び失われてしまう恐怖は、瞬く間に彼を侵食した。
だから、彼は一刻も早く戴宗を探すための策を必死で考えた。
藁にも縋る気持ちでデイパックをひっくり返してみたものの
人探しの役に立ちそうなものは、せいぜい旧型のボイスレコーダーのみ。
これにはさすがのアルベルトも絶望しかけたが、それでも頭を絞って自分なりの最善策をはじき出した。
まだ続くのこの文…
彼の立てた作戦はおよそ以下の通りだった。
1.他の参加者に接触し、戴宗のことを知らないか尋ねる
発信機受信機や照明弾の類を支給されなかった彼にとっては、自らの足のみが唯一の探索手段。
だから、まずは他の参加者に出会わないことには話にならない。
2.相手が戴宗のことを知らなければ、伝言を頼む
この舞台には80人以上の参加者がいる。
殺し合いが始まってから経過した時間も考慮すれば、1で運良く戴宗の情報を仕入れるのは至難の技だろう。
そこで、相手には戴宗への伝言を頼む。こうすれば、一人で探し続けるよりはいくらか効率がよいはずだ。
ちなみに、彼が先ほど伝言として用いたのは以下の文言である。
『アルベルトが15:00にE-3の豪華客船で待っている。
もし、お前が来なければ、ワシはBF団のやり方に則って動く。
そっちで勝手に探すことだ。再会を期待する』
“BF団のやり方”とは、無差別な破壊行為のことを指している。
これは、戴宗に危機感を抱かせ、豪華客船へと呼び込む餌であり
かつ、戴宗に出会えなかった際のアルベルトの行動指針でもある。
彼は強要された殺し合いを好むほど下種ではなかったが
偉大なるビッグ・ファイアの元へ帰るための殺人を厭うほど聖人でもない。
3.自分や戴宗の素性についての詮索、情報交換などは全て断る
彼はできるだけ早く戴宗を見つけなければならなかった。
そのためには、お喋りに無駄な時間を費やしている余裕など無い。
弱者と情報交換した挙句、変に懐かれたり、付き纏われたりしても厄介だ。
4.3の条件を飲んでもらう代わりに、ボイスレコーダーを使った伝言を一つ預かる
3の条件だけを一方的に押し付けた場合、不満を言う者が必ず出るだろう。
だから、取引の条件としてこちらも伝言を預かることにする。
自分の肉声が仲間に伝わるかもしれないというのは人にとっては大きな魅力になる。
仲間を探していない人物相手には使えないが、まさか、この会場で人を探しているのが
自分だけということは無いだろう。アルベルトはそう考えていた。
5.できるだけ戦闘は避けるようにする
この世界では、何故か戦闘による消耗が普段より大きい。
加えて、参加者の中には、東方不敗のような強者がまだまだいる可能性がある。
いつものように力に任せて戦い続けていては、戴宗を見つけるまでこちらの身が持たない。
ただし、戦闘を行わないことで、徒に時間ばかりが消耗されるようなら
躊躇い無く戦い、障害を排除するべきである。
……彼はこの項目をもう少し厳格に守るべきだった。
これが最善のはずだった。
これが最短のはずだった。
だが、結果はどうだ。望まない強者と望まない闘争をした挙句、満身創痍で長距離走もままならない。
この策ではやはり駄目なのか……だが、これ以上の策は今のところ立てることができない。
ならば、この策で行くしかないのか。
いや、そもそも策以前に自分には休息が必要だ。休んで体力を回復しなければ、それこそ、いつ殺されても不思議はない。
嗚呼、しかし、そうして時間を浪費している間にも、戴宗の命は危険に晒されている。
二人目に出会った男、シュバルツ・ブルーダーもまた、自分と十分に戦える強者であった。
この舞台には一体何人の兵が跋扈しているのか見当もつかない。
戴宗が仲間を救うために無茶をやり、命を落とす未来が、着々と現実味を帯びてきている――
不本意な結果に終わった策、思うようにならぬ身体、そして戴宗の死に対する恐怖。
様々なモノがアルベルトの精神の中で渦を巻き、うねり、蠢いていた。
それはゆっくりと、しかし確実に彼を削り取っていく――
◆
もう二度と手に入らないはずだったものが、再び手に入る位置まで降りてきて
しかし、自分の努力が足りないがゆえにまたとり逃してしまう。
これは、ある意味で、大切なものを初めて失うよりも辛いことだ。
何故なら、これを体験する者は、既に失われることによる痛みを嫌というほど知っているのだから。
かつてカミナを失ったヨーコやシモンなら、あるいは今のアルベルトの気持ちが分かるかもしれない。
だが、彼らは未だ、甦ったカミナに気がついていない。だから、今の彼らにアルベルトの気持ちは分からない。
もしかしたら、かつてシュバルツを失ったドモンなら、あるいは今のアルベルトの気持ちが分かるかもしれない。
だが、彼は未だ、甦ったシュバルツに気がついていない。
放送が、甦ったシュバルツの死を彼に伝えたならば
ドモンはアルベルトの気持ちが分かるだろうか?
【A-6/高速道路/1日目/朝】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労極大 全身にダメージ 右足に刺し傷(それぞれ応急措置済み)
スーツがズダボロ やや精神不安定
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 シガレットケースと葉巻(葉巻2本使用) 不明支給品0〜2(本人確認済み)
ボイスレコーダー@現実 シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム
[思考]:
基本方針:戴宗を一刻も早く探して合流し、決着をつける
1:戴宗を再び失うことに対する恐れ。そうならないために戴宗の情報を集める
2:休息をとり、体力を回復させる
3:脱出の情報を集める
4:いずれマスターアジアと決着をつける
5:他の参加者と馴れ合うつもりはない
6:脱出不可能の場合はゲームに乗る
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※素晴らしきヒィッツカラルドの存在を確認しました
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`‐- `;、;`‐.′;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: : -'";.ィ" .,".: まあ私の顔に免じて
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`、 丶;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;: 、 ヽ.、 ∴:
`‐、`、、冫;;;;;;;;;;;;;;;;;: ``'''〜、、,,,_ ,∵
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l゙;;: : : : : : : : : : : : : : : : `
でか
正直言って、普通につまらん
878 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 22:33:12 ID:+fG7JD7q
Gが人のいる所に来るのはいつものことだろ
葉鍵板でフルボッコにされては移民し、移民先の交流所でもフルボッコにされ、そして今はアニ2ndで居座っている
879 名前: ◆ncKvmqq0Bs 投稿日:2007/10/09(火) 22:54:20 ID:KEmMoQV+
>>876 おいおい、何を言ってるんだジョニー、したらばがGを嫌がって移転分離するじゃあないんだぜ?
「2ch側」としたらば側が話し合って「明確にお互いのスレ違いを規定」して、「違反したら削除依頼を出す」と決めて
平和的に「話し合いでお互いの合意の上」で、分離するんだ
その上で、スレを勘違いしてるお客には、削除依頼と誘導のカクテルをプレゼントするんだよ
もし、削除以来で不平が出れば、そのときのログをだす
880 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/09(火) 23:07:55 ID:/MPv3jph
んー、どうやら読み違えたかな。ID出ない板を候補に挙げてたから、
ここで移転先明言 → G先回り → 「じゃあそちらでどうぞ」
の上島コンボでもするのかと思った。
まー正直どうでも良いと思うよ。専ブラがちゃんと効いてるし、現状でも大して問題無いし。
新板で新しい客層を取り込めるかどうかが心配っちゃ心配かなー?
881 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/10(水) 07:10:14 ID:tlPubk0T
>>880 動くのは、削除人が動かなかった場合だから、そうと分かるまで2週間後くらいかかるから、その後だな
882 名前:最低人類0号 投稿日:2007/10/10(水) 17:24:56 ID:h2Gu7yjl
アニロワ2の0-1がじわじわ埋まって来ているがあれはGではないんだろうな。
どうせならキャプロワとかああいう廃スレを埋め立ててくれればいいのに。
思うんだが、
バトロワスレの企画別っていうのを同じ板の中で複数認めてしまったら
参加者だけが違うバトロワの乱立に対処できなくなるような
既に対処できていない。
まあ、バトロワは板に一つでまとめるべきでしょうと
「ジャグジーはん、船のエンジンってどうやって入れればええんかなぁ?」
「ふ、ふふふ藤乃さん!! 止めましょうよ、無理ですって!!」
隣でジャグジーが情けない声を出してうろたえている。静留は艶やかな笑顔の裏で彼について考えていた。
ジャグジーと出会って数時間、ある程度の人柄は掴めて来た。
彼は凄く純真で、そして臆病な人間。
だけど――強い。涙と震える声の裏側にあるのは紛れもなく、いくつもの修羅場を潜って来た強者の証。
ただ彼の腕っ節に関しては、正直心もとない。
自分がその気になれば三秒と掛けずに切り刻んでナマスにする事も可能である。
とはいえ、強さなんて曖昧な基準。
腕力や様々な特殊能力にしても最大の武器が最大の弱点になる事もある。
力が強いだけの者なんていくらでもいるのだ。
だけど、心が強い者は少ない。
初対面の人間に弱い人間を守るためならば、自分は人殺しだってする、などと告白出来る人間がどれだけいるだろう。
普通そういう事は思っていても言わないもの。
とんでもないお人よし……こういう状況では長生きしそうに無いタイプだ。
しかし山がそこにあるから登るのだ、と言ったのはどこの登山家だっただろう。
船がそこにあれば動かしてみたい、と思うのはある種の道理。
うちの考えはソレほど突飛だったのか、静留は少しだけ不思議に思った。
静留とジャグジーはクルーズ客船の中心、メインブリッジに来ていた。
浮かぶ絶景、様々な機器。もちろん静留に船の構造など分からない。故に総動員するのは勘。
手当たり次第触ってみて反応を見る。
「だ、駄目ですよ!! 勝手に触ったら怒られちゃいます!!」
「怒られるって……こないところに放置するほうが悪いと違うん?」
ジャグジーの言葉を話半分で受け流し、静留の探索は続く。
このガラスに覆われたメーターはなんだろう。そもそもこの規模の客船は何を燃料に動くのか。
根本的な知識が足りない。だから触れて確かめる。
別にスイッチを押したらミサイルが発射されたり、いきなり船が自爆したりする訳も無い。彼は心配し過ぎなのである。
人が造り出した機械だ。ある程度の簡略化はされているだろうが、素人でも分かる部分は必ずあるはずなのだ。
「ん……」
自らのデータベースでは覚束ない計器類が立ち並ぶ中、操舵用のアレ(よく映画などで船長が握っているハンドルのようなもの)の近くに明らかに妙な一角があった。
例えるならそこだけ車のキーを刺す部分を移植して来たような感じ。
もっと言えばデパートの屋上にある、百円を入れると動く変な機械の硬貨入れの部分だけ鍵穴に挿げ替えたような感じだ。
ソレはシックなデザインの室内において、分かり易いくらい異様な雰囲気を放っている。
なぜなら――
「なぁ、ジャグジーはん」
「は、はい」
静留とジャグジーはその明らかに後から付け足した感に溢れた物体を見下ろしながら顔を見合わせる。
「これ、なんだと思います?」
「……鍵……穴、じゃないですかね」
「やよねぇ……」
もう一度その"鍵穴"のような物が付いた物体に視線を移動。若干、形自体は歪ではあるが確かに鍵を刺すべき場所なのだろう。
そして考える。
おそらく自分達の頭に浮かんだ疑問は全く同じ筈。
だって、これはあまりにも……ちょっと、なぁ。
仕方なく静留は切り出す。考えている事は同じ。ならば、いつまでもモヤモヤしたままでいる意味も無い。
というか、とりあえず口に出してしまいたい。このままスルーし続けるのはどうにも困難だ。
「なぁ」
「はい」
「なんで渦巻きみたいな模様がついてるん?」
「…………それは、ちょっと……分からないですね」
二人は鍵穴を中心に右回りの螺旋を描く計器を眺める。そして、小さく溜息をついた。
沈黙が場を支配した。
だが、その時。
背後から紙束をグシャグシャにしたような音が響いた。
ノイズ。それは人の声を真空管、アンプを通して増幅する際に流れる独特の空震。
ブリッジの上部設置されたスピーカーを通して行われる船内放送の合図。
静留とジャグジーはすぐさま反応した。突然の襲撃者を迎え撃つが如く、音の方向へと向き直る。
数秒後、放送が始まった。
"船内におられます、お客様方各位に申し上げます。
本日はご乗船頂きまして、真にありがとうございます。
私――案内役を勤めさせて頂く、高遠遙一と申します……"
■
「……おい、デイパックの口ちゃんと閉めてあるか? 大丈夫か? ピッタリと密封してあるか?」
「なんでよーあんな所に閉じ込めるなんて、ポルヴォーラが可哀想じゃない」
アレンビーがぷうと頬を膨らませて反論する。
ご機嫌ナナメ、女性の心の動向には誰よりも敏感な事を自負しているキールでなくても、十分に分かる露骨な不機嫌のサイン。
確かに俺としてもレディにそんな顔はさせたくは無い。
だけど状況が状況だ。何しろ争点になってるのがポルヴォーラ。命に関わるなんてレベルを三段階ほど突き抜けている。
ここに居合わせたのが俺だった奇跡に感謝して貰いたいくらいだ。
「まったくよぉ、アレンビー。何度言やぁ分かるんだい? アイツは爆弾。それ以上でもそれ以下でも無いんだっつーの。
見た目に騙されてギューッと抱きしめでもしたら、その瞬間『ドカン!!』だ。
爆死するにしても一回じゃ足りねぇ、三回も四回も十回だって死ねるクラスの爆発さ!」
「爆発させなければいい話でしょ、キール。それにあなたも同じ動物同士、きっと良いお友達になれるわ」
未だ不満タラタラな表情のままぶー垂れるアレンビー。
背中に背負っているガッシュの深刻そうな表情とはあまりにも対照的。
彼女の機嫌が悪いのにはもちろん訳がある。
数分前、デイパックにポルヴォーラをしまうか否かで大論争を繰り広げられたのだ。
頭の上に爆発物を乗っけたまま、スキップしながら歩を進めるアレンビーにキールが忠告を促す、という形で。
結局、最終的にはアレンビーが折れた。
俺が無理やりに、それでも極めて慎重にデイパックにポルヴォーラを突っ込んだ時の彼女が見せた極めて嫌そうな表情は印象深い。
いや、まぁそういう所こそ可愛いと言えるんだが。もっとも、今の発言だけは頂けないけどな。
「分かってない、分かってないねぇアレンビー!! あんな爆弾生物と高貴なる生き物の俺様を同一視するなんて!!
レディにあるまじき失態だぜ?」
「どっちも愛玩動物じゃない。……それにポルヴォーラの方がそんな事言うキールよりよっぽど可愛いわ!」
「おい、おぬしら――」
「聞き捨てならねぇなぁ、アレンビー!!」
「何よカラスの癖に!!」
注意の喚起は文句の言い合いに、そして口論というか口喧嘩のレベルにまで発展する。
ギャアギャアと互いを罵り合う両者。
黒羽の鳥と青髪の美少女が取っ組み合いの喧嘩をする異様な光景へのカウントダウン。
改めて見なくても非常識な集団である。
個々人の主観に文句を付けても所詮議論は平行線に過ぎない。
もしこの場にアレンビーとキールの二人しか居なかったならば、おそらくこの醜い言い争いは放送が始まるその時まで続いただろう。
両者共に熱くなったら止まらない、分かり易く言えば熱血バカな側面を持ち合わせている。
ただ一つ違ったのは――彼女達は二人?組では無くて"三人?組"だった事である。
「いい加減にするのだ、おぬしら!!」
「あ……」
その呟きはどちらのものであったのだろう。
母音一つによって表現されたその言葉から二人の心情を抜き出すとすれば、おそらくソレは――忘却、の一言で言い表す事が出来るのではないか。
陽が、昇る。もう朝だ。
暗闇は姿を消し、存分に光を浴びあらゆる物体が元の色彩を取り戻す。
そう、だから二人の眼にも声の主の表情がよく見えた。
アレンビーの背中、凄まじい形相で両者を睨み付ける――ガッシュの姿が。
数分後。
アレンビーとキールはガッシュから説教を受けていた。
怒髪天。ガッシュは金色の髪を震わせて二人の前に腕を組み仁王立ちしている。
一方で、怒られる立場にいる二人の心境は同じ。
つまり――
『どうして"私(俺)"が怒られなきゃならないんだ。悪いのはあっちなのに』
両者のぶすっとした態度は変わらない。
ガッシュは小さく一回溜息を付くと、二人に向けてもう一度状況の確認を求めた。
「全く……おぬしらは事の重大さが分かっていないのか」
「まぁ、一応は……」
「私達は一刻も早く清麿やドモン、ジンを探さなければならないのだ。それに――」
「……ああ、さっきの男の人の言っていた事でしょ?」
地面に座らされていたアレンビーが呟く。
ポルヴォーラを巡ってアレンビーとキールが大立ち回りを披露したこれまた数十分前。
アレンビー一行はクルーズ客船の入り口付近で『高遠遙一』と名乗る男性と出会っていた。
彼は三人にある"重大な情報"を提供して来たのだ。
「ああ、"希望の船"とか言う奴だろ。人を探して歩き回るなら一緒にソレも宣伝してくれって言ってたねぇ。
にしてもあんな気が弱そうで貧弱な男にしちゃあ大胆な事を考えるもんだ」
「でも悪人には見えなかったし、凄い考えじゃないかな。礼儀正しくて良い人そうだったし」
出会った直後、彼は三人を船内へと誘った。
この船をベースに人を集め、大きな力を持ったグループを作りたい、彼はそう語った。
だが探し人がいるためその提案には乗れないと断ると、それではこの船の事を宣伝してくれないか、と頼まれたという訳。
「うむ。この状況にも関わらず誰よりも先に他の人間を率いて行こうとするリーダーシップ、中々大したものなのだ」
「うん、立派。あと……何だっけ。何か変な事も言ってたよね、"個人的なメッセージ"だっけ」
「あー言ってたな。確か……」
キールは思案する。記憶の扉をこじ開ける。
大体どんなニュアンスの言葉を言われたかならば、パッと思い出す事が出来る。
ただ完璧にその内容を再生するとなると別だ。
男が自分達との会話のラスト、"必ず"一緒に伝えて欲しいと念押しまでして来た事項。
それは――
「『金田一君、明智君、剣持君、一時休戦と行きましょう。君達との勝負はここから脱出してからと言う事で』だったか」
【F-3/都市高速道路上/1日目/早朝】
【アレンビー・ビアズリー@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康
[装備]:背中にガッシュ、右手にブリ、左手にランタン
[道具]:支給品一式、ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる)
爆弾生物ポルヴォーラ@王ドロボウJING
不明支給品1〜3(本人確認済み、少なくともブリよりリーチの長い近接武器は入っていない)
[思考]
基本思考:螺旋王にドモンとダブルゴッドフィンガー!
1:高嶺清麿を最優先で捜索!
2:ドモン及びジンを捜索!
3:豪華客船にゲームに乗っていない人間を集める
4:悪いヤツにはビームブリをブチかます!
5:強い人が居たら、ファイトしてみたいと心の片隅では思ってたり……
[備考]
※いきなりキールに口説かれてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。
※シュバルツと東方不敗は死人と認識。
※キール、ガッシュと情報交換済み
※高遠を信用できそうな人物と認識。
【キール@王ドロボウJING】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、ジンの仕込みナイフ@王ドロボウJING
[思考]
基本思考:とりあえず、さっさと会場から逃げ出す
1:仕方ないので高嶺清麿を探してやる
2:豪華客船にゲームに乗っていない人間を集める
3:アレンビーと二人でウエディングブリに入刀したい
4:ジンも探さしてやるか
5:他にも女性が居たら口説くつもり、野郎には興味なし
[備考]
※いきなりアレンビーを口説いてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。
※アレンビー、ガッシュと情報交換済み
※高遠を信用できそうな人物と認識。
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】
[状態]:健康、おでこに少々擦り傷
[装備]:赤い魔本@金色のガッシュベル!!
[道具]:支給品一式、ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム
[思考]
基本思考:螺旋王を見つけ出してバオウ・ザケルガ!
1:なんとしてでも高嶺清麿と再開する
2:豪華客船にゲームに乗っていない人間を集める
3:ジンとドモンを探す
[備考]
※高遠を信用できそうな人物と認識。
■
「なぁ」
「はい」
「……どう思う?」
「正直……信用できるか、難しい所だと思います」
「……私もやわ」
高遠遙一と名乗った男の放送が終わってから数分、静留とジャグジーは未だ船のブリッジにいた。
放送の内容は大雑把に説明するとこうだ。
まず彼、高遠洋一はゲームに乗っていない事を明示した上でこの船を主催者側に対する一大拠点にするつもりだと宣言した。
確かに移動可能であり、なおかつ数々の設備を備えたこのクルーズ客船は人が立て篭もるには絶好の場所だろう。
だが同時にそんな堂々と螺旋王に対して反旗を翻すような行動を取って大丈夫なのか、そんな疑問も当然ながら湧き上がる。
しかし彼は続けて「おそらくこの船は動かされる事を前提に設計されている。その証拠としてブリッジの舵の隣に分かり易い鍵穴があった。そしてその鍵はどうも他の参加者に支給されているらしい」とも言っていた。
つまり彼の望みは『出来るだけ多くの参加者にこの船の事を宣伝し、ここを脱出を目指すものの本拠地にしたい』という物だった。
平行して豪華客船の起動キーの捜索も頼みたい、との事。加えて既に何人か他の参加者にも協力を要請したらしい。
「難儀やなぁ。この放送、どう考えてもうちら当てやろ?」
「……ですね」
静留は逡巡する。それは明らかに自分達に対するメッセージである。
高遠遙一という人間がどんな人物かは分からない。
名前、そして先程の放送を聞く限りで判明する情報は精々日本人である事ぐらい。
元の世界で何をしていた人間なのかは一切不明だ。
そう、精確な身元は分からない。
元の環境でどんな人間だったかなど自由に偽れる。
英雄だった人間が"生き残る"為に殺人鬼に身を窶す可能性も、凶悪な殺人犯だった人間が"生き残る"為に先頭を切って脱出を目標に動く可能性も共に孕んでいる訳だ。
とはいえ――
うちとって多くの参加者がこの場所を目指して集まって来るのは非常に好都合。
「まぁいいわ。行きましょか」
「へ……それって」
ジャグジーが間抜けた表情を浮かべる。
予想外。その三文字を体現したような声色で奏でる。
「どちらにしろ、ここには仰山人間が集まるんやろ? とりあえず適当な所で戻って来るのは悪くないやろ。
案外、ジャグジーはんの探し人やなつきもやって来るかもしれんしなぁ」
「なるほど! ……で、でででも! 逆にゲームに乗った人間ばかりがやって来る可能性もありますよ!!」
ジャグジーの不安、いやどちらかと言えば男の頼みを聞くことに対する拒否感か。どちらにしろ的を得ていると静留は思った。
このゲームには明らかに常人とはかけ離れた能力を持つ参加者が多数参加している。
希望を掻き集めたはずの船が殺戮パーティの会場となる可能性もある。
とはいえ、情報が伝達されるのはある程度信用に足る人物が主なはず。
彼のこの言い分も臆病風に吹かれた訳ではなく、信用がいかないかもしれない情報を流した場合の危険性を考慮した発言に思えた。
ただ、ゲームに乗っていない人間が主に集まる場所、というのは非常に魅力的ではある。
自分達が流した情報のおかげでなつきと再会出来る可能性が高まるかもしれない。
仕方ない。静留は若干の罪悪感を覚えながら決心した。
少しだけ卑怯なやり方だろうが、今回だけは彼の"心の強さ"を利用させて貰うとするか。
「そん時はほら――ジャグジーはんがうちを守ってくれるんやろ?」
予想通りジャグジーはうろたえる。クリティカルヒット、まさにぐうの音も出ない、という感じ。
そ先程自らが強く言い切った言葉をそのままオウム返しされては彼が取れる行動はもはや限られてくる。
あとは最後の一押しで――
「まさか口からでまか――」
「そ、そんな事はないです!! 何があっても静留さんは私が守ります!!」
瞳を涙で塗らしてジャグジーが大声で言い切る。
頬は赤らみ、瞼から流れ落ちた液体が顎まで伝い流れる。
ここまで面と向かって言われるとさすがに確信犯気味だった静留も嬉しくなった。
最初はどうなるかと思ったが、十分に頼もしいではないか。
「ほな、決定やな」
「は、はい……あの……そういえば静留さん。ずっと気になっていたんですけど、"ソレ"なんですか?」
「ん……ああ、これな。これは――」
ぽんと手を叩き、ブリッジを出て行こうとする静留。
だがここでジャグジーがとある事に気付いた。いや、ようやく突っ込んだと言った方が正しいか。
静留は部屋でシャワーを浴びてからずっと妙な物体を首からぶら下げ、妙な靴を履いていたのだ。
「こっちは元居た場所を思い出させる、懐かしい人の声が入ったものやね……さすがにボリュームは切ってあるんやけど。
んでこっちがローラースケート。物凄いスピードで移動が可能、とか何とか」
そう呟くと静留は掛けてあったヘッドホンを掴むと名残惜しそうにソレをデイパックにしまった。
ジャグジーは静留の見せた物憂げな表情に一瞬、違う人間を見ているような気分になった。
「はぁ……そうですか」
「ジャグジーはんも支給品の確認はしたんやろ? 自分の身を守る武器ぐらいは準備しておいた方がいいんやないか?」
「……いや、それが……ですね」
支給品、と言う言葉を聞いた瞬間ジャグジーは気まずそうな表情を浮かべる。
静留は疑問に思う。それほどハズレの道具を引いたのだろうか。
ただ、自分に支給されたヘッドホンも大して役に立つ道具ではないし、もう一つの支給品も力はあるものの使用状況は激しく限定される。
大当たり、と手放しで喜べる引きでは無かった。ジャグジーのソレもまさか何もかもがハズレ、という訳でもあるまいに。
「重いんですよ」
「?」
「ちょっと在り得ないくらい重い銃とか……料理酢とか……」
そう呟きながらジャグジーがデイパックから取り出したのは、よくぞまぁここまで無骨な一品を造り上げたと感心したくなるような大型の銃だった。
説明書によると『ワルサーWA2000』と言う名前の銃らしい。とりあえず、手に持ってガン・ファイトに興じる武器としては不便と言わざるを得ない。
台座やスコープが付いているからにはおそらく狙撃銃なのだろうが……。
「……ジャグジーはん、やっぱりうちが前に出て戦おうか?」
「いえ、が、頑張ります」
「…………泣いたらあきまへんで」
訂正。
やっぱり「泣いてない、泣いてないよぉ」と泣きながら愚図つく彼を見ていると、うちがある程度は頑張らないといかんなぁ、と思えてくる。
まぁ、何よりもなつきが最優先であるという事は確定事項なのだけれど。
【F-3/道路/1日目/早朝】
【藤乃静留@舞-HiME】
[状態]:健康
[装備]:船で調達した洋服、雷泥のローラースケート@トライガン
[道具]:支給品一式、風花学園高等部三年女子制服@舞-HiME、マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ、ランダムアイテム1(本人確認済み)
[思考]:
基本思考:なつきを守る。襲ってくる相手には容赦はしない。
1:なつきを探す事を最優先する。
2:なつきの事を知っている人間を探す。
3:豪華客船にゲームに乗っていない人間を集める。
【備考】
※「堪忍な〜」の直後辺りから参戦。
※マオのヘッドホンから流れてくる声は風花真白、もしくは姫野二三の声であると認識。
(どちらもC.C.の声優と同じ CV:ゆかな)
【補足】
【マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ】
マオがいつでも付けているヘッドホン。C.C.(ロワ未参加、CV:ゆかな)の様々な声がエンドレスで流れ続けている。
C.C.に対する狂気じみた愛情によるものなのか、人の思考を読む能力で精神が崩壊しないようにするための措置なのか。
【雷泥のローラースケート@トライガン】
GUNG-HO-GUNSの一人、雷泥・ザ・ブレードが愛用する特殊ローラースケート。
雷泥の脚力が凄いのかローラースケートの性能が良いのか、数メートル程度の距離なら瞬時に相手の背後に回れるスピードを誇る。
直線以外にも円の動きを得意とする。ゴツゴツした荒野でも大丈夫。
【ジャグジー・スプロット@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康、涙
[装備]:ワルサーWA2000(6/6)@現実
[道具]:支給品一式、バルサミコ酢の大瓶@らき☆すた、ワルサーWA2000用箱型弾倉x4、ランダムアイテム1(本人確認済み・重いもの)
[思考]:
基本思考:主催者に抗う。
1:静留と一緒に行動する。
2:豪華客船にゲームに乗っていない人間を集める
3:アイザック、ミリア、なつきを探す
4:できるだけ殺したくない。
5:4が無理の場合、自分が戦う。
[備考]
※参戦時期はフライング・プッシーフット号事件の最中、ラッド・ルッソと出会った直後あたりで
【ワルサーWA2000@現実】
ドイツワルサー社のオートマチック式狙撃銃。
ボルトアクションの狙撃銃並みの命中精度をもち、H&K社のPSG-1と同様に高性能な狙撃銃として知られている。フラッシュハイダー(スコープ)付き。
総重量は8kg近くありながら、全長90cmと狙撃銃としては小さめ。
Fate/Zeroにて衛宮切嗣が使用。
【バルサミコ酢の大瓶@らき☆すた】
バルサミコスーでお馴染みのアレ。ブドウを原料とし、熟成して作られる調味料。1リットルのガラスの大瓶(中身入り)
独特の甘み、芳香は洋風料理に重宝する。魚介ベースのパスタなどに良く合う。
■
男女の二人組が客船から出て行く姿を監視カメラ越しに見送ると、高遠遙一は小さく溜息を付いた。
ここまで、計画は順調である。
参加者の中にあんな小さな子供や言葉を喋る鳥が存在している辺りが精々のイレギュラーか。
だがロージェノムの目の前で起こった非現実的なアクションと比べれば取るに足らない事象ではあるのだが。
私はアレンビー・ビアズリーの一行と接触し、とある協力を願い出た。
この豪華客船に信用出来る人物を集めて欲しい、建前上はゲームに乗っていない人間の一大本拠地を築くという計画だ。
【希望の船】
自分でも陳腐な名前だと思ったがこれが何よりも適している、そんな気がした。
もちろん真意は芸術的な殺人を行うための役者集めに他ならない訳だが。
だが、この行動にはいくつかの反論が挙がる。
一例として普段の自分であったなら素顔を見せたまま他の人間と接触するなど在り得ない行動である点。
加えて愛用の変装道具も所持していない。
つまり完全な"生の"高遠遙一として他の参加者との会話を行ったわけだ。
目も鼻も耳も何一つとして偽る事は出来ない。
しかもここは八十二人の人間が"確実に居る"という事が明示されている箱庭。
他人と接触し、提供した情報が鼠算的に拡散していく可能性を大いに秘めた状況である。
しかし静留とジャグジーという名前の二人組に対しては顔を出さず、声だけで計画の説明をした。
(ちなみにブリッジ内での会話は予め放送管を操作しておいたので、管制室には筒抜けだった)
では何故あの三人?組の前には姿を現したのか。
それは現実味を持たせるため、である。
例えばこの極めて限定された環境において最もやってはならないミスとは何だろうか。
簡単に思いつくのが『偽名を使う』事である。
まず空間に存在する人間が限られている以上、名簿という前提条件によって参加者以外の名前を名乗るというやり方は封じられている。
なぜならある程度頭の切れる人間ならば、このリストを発見した時点で全参加者の名前を頭に叩き込んでいる筈だからだ。
愚図を発見する為の踏み絵にも使えなくは無いが、逆に相手がある程度洞察力に長けた人間であった場合のフィードバックが怖い。
第一印象は他者との関係を築く上において何よりも重視すべき事項。
相手に"胡散臭い"というイメージを持たれてしまっては元も子もない。
ではいっそ『リストに存在する他人の名前を名乗る』という手段はどうか。
名簿に乗っている人間――例えば一番上にある日本人の男性名『相羽シンヤ』を使うとしよう。
つまりこれ以後、私は全ての人間に『相羽シンヤ』として認識される事となる。
犯罪者としての高遠遙一は消え去る。金田一達が流布するであろう私の本性も、高遠遙一ではなく相羽シンヤとなった私には関係ない。
全ては丸く収まる…………訳が無い。
コレは正直な話、相当に頭の悪い御粗末な偽装だ。
まずこのゲームの参加者は完全にランダムな母体から、個々人を抜き出して選出されたものでは無い。
おそらくコレは私ならば金田一や剣持、明智と言った知り合い関係を含むグループ単位でのノミネートなのだ。
そしてこの選出基準は他の郡体にも当て嵌まる筈。
例えば、
柊つかさと柊かがみ――同じ苗字、漢字を使用しない名前。おそらく血縁関係があると思われる。
エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリック――こちらも同じ。エルリックはそれほど一般的な性では無い。
クロとミーとマタタビ――日本式の猫の名前、おそらく何らかの組織におけるコードネームだと思われる。
軽くほぼ確定なものを挙げてみてコレだ。
つまり参加者の大半には"自らの知り合い"が存在する事となる。
そう……もしも『相羽シンヤ』として行動していた私が彼の知り合いに遭遇した場合は?
最悪、もはや喜劇のレベルだが本人と出会ってしまった場合はどうなるだろうか?
そこでチェックメイトだ。まるで先見性が無い。
当座を凌ぐための嘘だとしてもあまりにも愚か。
目的を最期まで生き残る、事ではなくて当分生き残るに設定しているのならばまだしもだが。
334 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:48:44 ID:zLUPGy9z
現実味を持たせる。つまりそれは『高遠遙一は信頼出来る』と思わせる事に他ならない。
だが、その為には三名ほどお邪魔虫がこのゲームには紛れ込んでいる。
奴らへの対策は主に二つ。
一つは対抗して『こちらも奴らの悪評を流す』というやり方。
これは悪くない。最終的に金田一とのイーブンゲームに持ち込めれば悪くない。
だがもう一つの方法、つまり『奴らに貶められる人間を演じる』というやり方も中々の物である。
他の人間を先導し、計画を立てる気弱ながら意志の強い男。
もしも私がそんな人間を演じ切る事が出来れば、自然と『金田一達が追い込まれる立場になる』のでは無いだろうか。
この【希望の船】計画は私自身が他の人間から信頼される、という目的も多分に含まれる。
参加者達が持つ最も普遍的な望み。ソレはずばり脱出。
無事にゲームから帰還する事が可能だとすれば大半の者が強い興味を示す筈。
だがそこまで大きく出るつもりは無い。精々主催者側に抵抗するため結集しましょう、程度だ。
とはいえそれでさえ十分な餌にはなる。
弱者、人探し、仲間探し……どちらにしても建前上ゲームに乗っていない物が集まる空間とは非常に貴重なのだ。
それに私のような、一見人畜無害を装いつつもその心は殺意に満ちた連中がやって来るかもしれないのは面白い。
故に私はこれから自らを『ゲームを打破する為、脱出する為、動いている正義感に溢れる人間』と見せ掛ける事とする。
勿論、心の弱い者の後押しをする事も忘れない。
だが、目指すは極上の殺人空間の構成。
どこかでお人よしの馬鹿、加えて高い戦闘能力を持つものを懐柔し私個人が殺して回るのも悪くは無いが、非効率的だ。
なぜならこの空間に存在する人間は誰もが警戒状態にあり、いつ戦いが起こっても可笑しくない。
もしも異能力者の戦闘に巻き込まれてしまった場合は?
8x8四方の正方形において、バラバラに散った参加者を探して回るのも一苦労だ。
そう、だから――集めるのだ。
このために用意したのが豪華客船の案内役としての高遠遙一と言うフェイス。
だが『凶悪な殺人犯らしい高遠遙一が客船に人を集めている』と判断するものも出てくるはず。
ここで最後のメッセージが生きて来る。
例え元の世界で殺人犯であってもこの空間で"必ず"ゲームに乗るとは限らない。
だが、会場には自らの手を汚す事を好む殺人狂も多く存在するはず。
そんな連中に比べれば私の存在など可愛いものだろう。
なぜなら所詮、私自身は特別な能力を持たない一介の奇術師に過ぎないのだから。
餌に釣られた人間は必ず――ここにやって来る。
それに姿を隠そうとしても限界があるのではないか、そんな気もしないではない。
私の支給品は訳の分からない人形と客船のメインキーに船内資料。そして暗殺用のナイフだった。
ここで注目すべきは"船内資料"について。
船の資料が支給されるのならば例えば更に詳しい情報が記述された地図や参加者の個人データを集めたものなどが支給されている可能性もある。
つまり初めから私の情報を握っている人間が金田一達だけ、と断定するのさえ危険なのである。
「まぁ……しばらくは出歩くのは止めておきましょう」
ここで待っていれば直におそらく金田一一行の誰かがやって来るだろう。
幸い船内には案内図などは一切無く、食堂から脱出ボート置き場まで地図を持たない人間は適当に歩いて探し回るしかない。
立て篭もるには絶好の場所。
まぁ、慌てる必要も無い。
ゆっくりと待てば良い、この絶望の城の奥で。獲物が餌に掛かる時を。
【E-3/豪華客船内・情報管制室/1日目/早朝】
【高遠遙一@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康
[装備]:スペツナズナイフ@現実x6
[道具]:デイバッグ、支給品一式、バルカン300@金色のガッシュベル!! 豪華客船のメインキーと船に関する資料
[思考]
基本行動方針:心の弱いものを殺人者に仕立て上げる。
0:善良な高遠遙一を装う。
1:しばらくは客船に近寄ってくる人間に"希望の船"の情報を流し、船へ誘う。状況によって事件を起こす。
2:殺人教唆。自らの手による殺人は足がつかない事を前提。
3:剣持と明智は優先的に死んでもらう。
4:ただし3に拘泥する気はなく、もっと面白そうなことを思いついたらそちらを優先
[備考]
【希望の船】
高遠が豪華客船に人を集める為に作り上げた嘘。
主な内容としては
・対主催グループの拠点を築く
・船の鍵を探す(実際には高遠が所持)
・金田一達へのメッセージ
で構成されています。
※船の起動に螺旋力が関わっている可能性あり。また他の道具を使って起動できる可能性も。
【スペツナズナイフ@現実】
説明不要のパロロワにおけるレギュラー支給品。
スイッチを押すことで刃が10mほど発射されるロシア軍愛用の特殊ナイフ。
その速度は弾丸並みで、死角から扱えばほとんど見切られる事は無い。
普通のナイフとしての能力も十分に備える。
350 名前: ◆10fcvoEbko 投稿日: 2007/10/10(水) 16:23:22 ID:XLBr3Q.o0
申し訳ありません。期限の延長を申請します。
351 名前: ◆tu4bghlMIw 投稿日: 2007/10/10(水) 21:43:23 ID:1Co8F6iY0
豪華客船組修正版投下します。どなたか代理お願いできないでしょうか?
352 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 22:31:49 ID:Z61d3snI0
おk
コピペきたから削除依頼だな
うん
鬱蒼とした木々に覆われた山。
その麓同士をつなぐために穿たれた長い長いトンネルの中を、小さな影が移動していた。
「う〜ん、思ったよりおっかないとこだなぁ。
ていうか、結構長いこと歩いてるけど、まだ出口じゃないのか〜」
技術面においては、天才的な才能を持つある科学者の手により生み出された、サイボーグ猫のミーである。
自らの生みの親であり親友でもあるその科学者の下に帰る方法を探すため、ミーは行動を開始しようと地図で現在地を確認したのだが。
「まさか地図に載ってるぎりぎりのところにいたなんてなぁ。『殺しあえ』って言われても、こんなとこに誰も来るわけないだろ、何考えてんだよまったく」
もしミーが『地図に描かれた先』に興味を持つことがあったとしたら、そのような場所に配置された意味に気づけたかも知れない。
しかし、市街地へと続くトンネルを早期に発見したことで、ミーがこの舞台の仕掛けに気付く機会は失われた。
「これってもしかして『お前なんかいらない』って意味なのかなぁ。
もしトンネルが見つからなかったら絶対道に迷ってたし。
オレ、もしかしたら盛大にイジメられてるのかも」
長く暗いトンネルの空気にあてられたのか、ミーの思考がネガティブな方向に傾き出した。
頭に被った妙な熱気を感じさせる帽子も、この状況ではただ暑苦しいだけである。
トンネルに入ったばかりのときはそれでも意気揚々とした歩みを見せていたのだが、現在は肩を落とし、意気消沈といった様子だ。
ミーが落ち込むのも無理はないと言える程に、トンネルの中は暗かった。
そして長かった。湿ってもいた。
一応山を通して道が明けられていはいる。
だが、あまり丁寧な工事とは言いがたく、全体的に妙にでこぼこしている。
何というか、無理やり形容するなら螺子に刻まれたギザギザ部分のような形だ。
おかげで歩き辛いことと言ったら無い。
おまけに工事が終了してから結構な時間が経っているらしく、山から浸食してきた水がどこかでぽたぽた落ちる音が聞こえる。
トンネル内が湿気を帯びているのはそのせいなのだろう。
一定間隔で滴り落ちる水音は、意識するようなレベルではないものの、気を落ち着かなくさせる。
「こんだけ歩いててもあんまり目が慣れてこないし。何かいたとしても分かんないぞ。
ここいかにも出そうな雰囲気だし。幽霊とか、『怪物』とか」
その言葉を待っていたかのように、何かがミーの足に絡みつき物凄い力で地面に引きずり倒した。
「痛ぇ!な、何だぁ!?」
顔面を強かに打ちつけた痛みに耐えつつ、大慌てでぶんぶん包丁を振り回す。
「誰だ!まさか本物じゃないよね!?」
蓄積された恐怖が爆発したのか、軽い錯乱状態と言った様子でめちやくちゃに暴れ回るが、何の手応えもない。
先の見えない不安がミーの恐慌をさらに深いものにした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
っていうか何かしろよ!?」
しばらくそうして暴れ回っていたのだが、余りにもリアクションが無さすぎたためついにそう叫んで立ち止まった。
ぜいぜいと肩で息をしつつ、慎重に相手の出方を伺う。
しかし、ミーの叫び声がトンネル内にこだまし、そして完全に消え去るまでの時間が経ってもミーを転ばせた相手は何の反応も示さなかった。
「何なんだよ……ってあれ?」
そこで足元に何か異物の感触があることに気が付いた。
「木の根っこ……?」
長い長い年月を掛けて少しずつ成長してきたのだろう。
そこにはトンネルの地面に亀裂を生みださせる程に力強く成長する、木の根が張り出していた。
根は中程に、気付かずに歩いたら危ないだろうな〜、と見たものが思ってしまうような半円を形づくっていた。
「なんだよォ……。まるっきりばかじゃん、オレ。しかも一人で。」
引きずり倒されたと思ったのは、ただ前のめりにぶっ倒れただけであった。
ミーは一人で騒いでいたことに何とも言えない気恥ずかしさを感じながら、再びとぼとぼと歩き出した。
「一人で勘違いした挙げ句大騒ぎしたりして、ほんと馬鹿だよ。
あ〜オレっていらない子なのかなぁ。
人気投票とかしたら絶対クロなんかより票が集まると思うけどなぁ。
このメタルのボディがイカスんだよ。子供はこういうの好きだし。
それにほら、普段ちょっと荒っぽい口調が身内相手だと丸くなるってのもツボっていうかなんていうか」
いつの間にか思考がポジティブに切り替わっていたのは、トンネルの出口が近づいていたからかも知れない。
黒一色だった世界をそこだけ切り抜いたかのように、ミーの視界の先にトンネルの向こう側の景色がぽっかりと浮かびあがっていた。
「お、やっと出口だよ。あ〜なんか色々と疲れた」
多少の脱力感はあるが、明確な終わりが見えたことでミーの足取りは軽くなった。
「よ〜し、何か元気出てたきたぞ」
トンネルを出ることでやっと自分はこの場でのスタートラインに立てるのだ、とでも言うように半ば駆けるように歩を進める。
ここを出たら街に行こう、多分爆発音がするところに行けばクロがいるだろう。
そしたらさっさと帰る方法を見つけてゴー君達に料理を振舞ってあげよう。
急がないとせっかくの高級食材の鮮度が落ちてしまう。
自分の作ったフルコースで歓喜にむせび泣くゴー達の姿を幻視しながら、ミーは軽やかにトンネルの出口にたどり着いた。
これから自分の進む道を見下ろしながら、辛かった過去と決別するかのように、これまで来た道を振り返る。
「不気味なトンネルだと思ったけど、終わってみると全然そんなことなかったな。
やれやれ、なんで『怪物』な」
「呼んだか」
「ぎぃやぁぁぁあぁぁあああ!?」
突如として頭上から降り注いだ声に、ミーの全身が波立った。
「い、今喋ったの誰!?」
声がしたとおぼしき天井部分を見上げる。
しかし、そこには誰もいない。
309 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 19:27:08 ID:jx4ovaBM0
皆、スパロボかニコニコでしかGガンを知らないとしか・・・
310 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 19:42:05 ID:Owxijd7IO
>>309 毒吐き向けだな
311 名前: ◆AZWNjKqIBQ 投稿日: 2007/10/10(水) 19:51:02 ID:y2vDogCs0
MAPです。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/e6/36dc2d65fbb13fa49a60aea60437e346.jpg 312 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 20:42:08 ID:9ETsLr8g0
>>311 乙ですー。
V様専用マスktkrwwwwwwww
313 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 21:48:44 ID:eJ7WbTZ20
カフカペアもV様ペアもいい味出してるなあ
カフカは内面描写を極力排除したほうが良いかも
こやつは何を考えているのか分からない方が面白い
>>311 乙
314 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 22:30:32 ID:atnANCfM0
>>311 乙
さて、今一番気になるコンビ槍兄弟はF-6か
・・・槍兄貴は病院行こうとしたけどどう考えてもあそこに寄ろうしても行けないだろうな
アニタのエア暴発ででかい音とか魔力の流れで戦闘が起きていると思うだろう
とすると・・・・・・温泉か?
315 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/10(水) 23:27:25 ID:Yyy2hPH60
>>311 乙です。Vワロタwwww
個人的にはルッソファミリーの今後に期待。
今いるトコから南にはいろんな人がい過ぎて展開が読めん……
「気のせいか…?でも確かに今『怪物』って」
「だから俺を呼んだか?」
「ああああああ!やっぱりぃ!!」
今度は後ろから声がした。
慌てて振り返るがやはり誰もいない。
「騒がしい奴だな。何だお前は?猫か?まあいいや、ちょっと話を聞いていけよ。
退屈していたんだ。実を言うと少し寝ていた」
さらに別の方向から声がした。
見ても誰もいない。
「寝ていたと言っても時間を無駄にしていた訳じゃないぞ。
身の振り方を考えるのに体を動かす必要が無かった、というだけだ。
頭はきちんと働かしていた」
視線を空振らせつつ、だんだん冷静さを取り戻してきたミーの思考の一部が聞いてねぇよ、と呟いた。
「俺はこの場でどうするべきか?
いきなりこんなところに連れてこられてさすがの俺も戸惑ったが何、
困ったときには基本に立ち戻ってみればいい。
おいお前、俺はいったい何だ?」
「何って……『怪物』って言ったらでてきたけどぉ〜」
何となくキャラが掴めてきた。ミーは割と惰性で首を振りつつ答える。
「そう。俺はあの黒服や白服連中にとっての『怪物』レイルトレーサーだ。
では何のために俺はレイルトレーサーになった?車掌として乗客の安全を脅かし列車の正常な運行を妨げる者達を喰らい尽くすためだ。
個人的にガンドール達との約束に遅れる訳にはいかないというのもある」
どうやら姿は見えないものらしい。ミーは声の主の探索を諦めた。
ただ話をするだけのものみたいだし危険はないだろう。
ミーの日常は順応性が高くないとやっていられない。
「いや俺を探せよ」
後ろから蹴飛ばされた。
隠れていたのはわざとだったらしい。
2291 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 18:19:58 ID:???0
>>2284 その上今もう一方の隣接エリアにはヒューズもいるし、どう転んでも美味しくなりそうだ
視力障害起こしてるから道間違えてもおかしくないし
2292 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 18:25:19 ID:???O
鎖、カイジと繋がると船の未来が絶望しかみえないw
2293 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 18:28:21 ID:???0
つまり限定ジャンケンでもやるのかw
2294 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 18:44:31 ID:???0
参加作品で船にまつわる悲劇といえば、幽霊客船殺人事件にアドウィナ・ウェイス号とか……
2295 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 18:51:17 ID:???0
誰かをトリックで殺人して、後続の人がそれを解けるかどうかで
犯人が見つかるかどうか変わるのも面白いかもな。
問題はそんな推理小説を書ける人がいるかどうかだが。
2296 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 19:31:42 ID:???0
>>2295 というかそれはすでに別企画なんじゃ……ミステリー好きとしては面白そうだけど
ロワは後続にわかるように書かないといけないからなあ
2297 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 19:40:02 ID:???0
>>2294 鍋入りの不死酒を支給すれば……
それはそうと、ランサーは言峰に会ったらどうするんだろうな?
奴ならエリオの腕も治せるぞ、多分。
2298 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 20:11:00 ID:???0
ジャグジーってラッドの名前知ってたっけ?
列車の中でぶつかったときでさえ気づいてなかったはずだけど。
2299 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 20:34:56 ID:???0
なぁ…結局あの読子とスパイクのSSはどういう扱いになるんだ?
結局NGになるの?
後1時間弱で投下から48時間経っちゃうんだが……
「その俺が今ここにいる。列車に俺はいない。
ではトニーの仇は誰が討つ?乗客の安全は誰が守るんだ?
もちろん俺だ」
「矛盾してるだろ」
蹴られた頭をさすりつつ応える。
「矛盾していない。
たとえ矛盾していたとしても、その矛盾を俺自身の圧倒的な能力で無かったことにしてしまえるのが俺だ。
この場合はどうすればいいかと言うと『黒服や白服が乗客に危害を加えるよりも早く俺が列車に戻り事態を解決する』これだけだ。
簡単だろう?」
「……」
声の持つ自信とは裏腹の、言ってることの内容の無さにミーが言葉を失っていると。
「いや相槌打てよ」
また蹴飛ばされた。
どうやらわがままらしい。
「簡単だろう?」
しかもわざわざ聞きなおしてくる。ミーは仕方無しに口を開いた。
「そういうと簡単に聞こえるけどさァ。具体的にはど〜すんの?」
「具体的には、か。そうだな。まず考えたのはこの会場にいる者を皆殺しにしてとっととこのゲームを終わらせることだ」
ミーは息を呑んだ。
もし声の主がそうするつもりなら、今自分は最も危険な場所にいることになる。
「だがこの案はすぐに却下した」
ミーは息を吐いた。
「こぇ〜。びっくりさせんなよ、もう。変に間なんかとって」
「演出だ。で、何故だと思う?」
「なんで?」
蹴飛ばされたく無かったので即答した。後頭部が地味に痛い。
2300 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 20:41:21 ID:???0
NGっしょ。
要修正箇所の提示はされてるのにリアクション無いし。
2301 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 21:01:59 ID:???0
>>2298 アニメ/原作、一応両方確認したけどジャグジーはラッド個人に関しての知識はないね。
2302 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 21:03:31 ID:???0
>>2301 だよね。これは修正依頼を出した方がいいのか?
2303 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 21:08:18 ID:???0
そもそも本投下されなければ予約期限切れでその時点で本来ならアウトだからね、
一応修正依頼ちゃんとした形で出しておくほうがいいだろうけども。
2304 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 21:53:15 ID:???0
ここで言うことではないかも知れんが、どこで言うべきか分からんからここで言う。
基本的に修正不可能だな、と思ったときは、逃げないでちゃんと「破棄します」って言った方が良いよ。
責任放棄して逃げるのとか、企画全体から見れば迷惑行為以外の何者でも無いし。
前の闇の書のアレもそうだったけど、そういう初心者+空気読めない+責任感無い、とかだと、
ホント何時アク禁されてもおかしくない……と言うのはちょっと言いすぎかもしれんが……なあ?
2305 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:10:04 ID:???0
参加者に一人も知り合いがいないのってヴィラルとクレアぐらい?
2306 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:11:37 ID:???0
ヴィラルはシモン達と面識アリ。
2307 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:13:20 ID:???0
あとラッド
>>2306 会う前の状態で放り込まれてたはず
2308 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:18:16 ID:???0
>>2307 ラッドってジャグジーのことも知らないんだっけ?
直接会ってはいないけど手配書は貰っててもおかしくないな
2309 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:19:01 ID:???O
クレアはフライング・プッシーフットの乗客名簿をしっかり覚えてるだろうから、アイザック、ミリア、ラッド、ジャグジーの名前だけは知っているはずだけどな。チェスは偽名使ってたから知らないだろうけど。
容姿も覚えていそうだし。
2310 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:21:10 ID:???0
ラッドはジャグジーのこと知ってるんじゃないか?
フライングプッシーフット乗車前の「泣きながら仇討ち」の一件で。
2311 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:21:33 ID:???0
レイチェルの無賃乗車を見抜いたくらいだから乗客の容姿まで把握しててもおかしくないなー>クレア
2312 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:29:34 ID:???0
>>2306 >>2307 ヴィラル自身は知らないが、シモン・カミナ・ヨーコはヴィラルの事は知ってるな
ニアは…どうなんだ?元々は獣人側の人間だから知らない事は無いような気も…
2313 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:31:40 ID:???0
原作読めとは言わんが、とりあえずアニメ放映分は見てくれ、な。
2314 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:32:28 ID:???0
チェスって呼んでください!って、クレアには本名で名乗ってるけどね?相手が乗客名簿把握してる車掌だし
ただアニメで描写されるかわからない
2315 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:35:16 ID:???0
ラッドは、参戦時期が乗車前だから、
面識はないけど、手配書で顔(写真)と名前と素性は知っている。という状態だな。
2316 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:36:45 ID:???0
地味にロイドさんが知り合い消えちゃった予感
2317 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:40:06 ID:7mytOmjkO
>>2309 公の書類なんかでは偽名名乗れないから乗客名簿も本名のはず
2318 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:40:14 ID:???0
>>2309 チェスは乗客名簿には本名で載ってる。
どうやら乗客名簿とかは公式書類扱いにされて、不死者間のルールに反するらしい。
2319 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:42:23 ID:???0
あとはビクトリームも参戦時期によっては誰も知り合いがいなさそう
2320 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 22:55:33 ID:???0
なんでもありスレ……駄目だこいつら……はやくなんとかしないと……
2321 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:02:46 ID:???0
Rw氏はまだか?そろそろ日が変わっちまうぜ……
2322 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:04:11 ID:???0
>>2320 大丈夫だ1000いったから
2323 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:06:48 ID:???0
>>2322 日本語でおk
2324 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:08:14 ID:???0
>>2323 もう書き込めないって意味だろ
2325 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:12:14 ID:???0
>>2324 書き込めないと大丈夫になるとは思えんが……というか何が大丈夫かも分からんが。
2326 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:12:32 ID:???O
ウルフウッド大暴れの予感
2327 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:47:19 ID:???0
舞衣とティアナの同声優共演なんだが
会話できるかなこいつら、特にティアナ
2328 :やってられない名無しさん:2007/10/09(火) 23:54:09 ID:???0
>>2327 二人とも精神的にダメージ負ってる状態だからなぁ
舞衣…やや軽くはなったが未だに精神消耗中。割かし自分の命に対してなげやり
シモン…言わずもがな疑心暗鬼モード。どう考えてもまともに行動できなさそう
ニコラス…迷いはあるもののスタンスは無差別マーダー
チェス…殺し合いに乗ってるわけではないがクセがある
ティアナ…現在進行形でトラウマに苦しんでる。かなりの精神的衰弱
……ジェ、ジェットがんばれ!!超がんばれ!!
2329 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 15:40:52 ID:???0
シュバルツって2人のどっちか追っかけるんじゃなかったっけ?
2330 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 15:54:28 ID:???0
>>2329 「後を追おうとした矢先に発見された」って描写されてる。
どっちかつーと衝撃の人の時間軸が朝になってる=放送過ぎちゃってる事が気になった。
多分ミスだろうけど
2331 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 16:20:55 ID:???O
なぁ、シュバルツってDG細胞使って造られてんだよなぁ。シュバルツの死体って結構な危険物じゃね?
流石にスパロワの再来は無いと思うけど。
「殺すのは簡単だ。だが少し待て。本当にそれでいいのか?
車掌であると同時に俺は何だ?そう、殺し家だ。
殺し屋が殺す相手は依頼があって始めて生まれるんだ。
無差別に殺して回ってはそれはただの殺人狂だ。殺し屋ではない」
「あ〜、つまり『仕事以外の殺しはしねぇ』とか何かそういう、殺しの哲学みたいなもの?」
「まさにその通りだ。分かってるじゃないか」
なんか嬉しそうだ。
「まぁ個人的に気に入らなかったりしたら殺すけどな」
「守る気ねぇじゃねぇか!」
ミーが叫ぶと、声はその反応が楽しいのかくっくと笑った。
「まぁそういうな。
おまけに名簿を見ると列車の乗客名簿にあったものと同じ名前もあった。
車掌である俺自身が彼らを殺してしまっては本末転倒だ。
そういう意味でもこの案は却下だ」
「まぁ、却下してくれてよかったよ。って言っても一人で80人も殺せる訳ないだろ〜」
クロみたいな奴もいるのにさァ、と続ける。
「相手が誰でどれだけ数がいようと、俺が負けることはない」
「無理むり〜。だってすごい武器もってるやついるかもしれないぜ?
ほら、最初に爆発させられた奴みたいにさ」
「それでも俺が勝つよ。
たとえば俺が絶体絶命の危機に陥ったとしようか。
『俺』が『絶体絶命』とは言葉として矛盾している訳だが、理解を助けるための言葉の綾として適当に流してくれ。
そうだな、今お前が言った最初に爆発した男いるだろ。
あの男の放ったボルテッカなる光線が俺に向けて放たれたとしようか。
あれほどの威力の技をくらえば俺でもただではすまない。
だが、俺ならばどんな状況であってもそれを避けることができるし、たとえ回避不可能な状況であっても死ぬことはない。
そのときはきっと『俺に秘められたす真の力』とかなんかそういうものが覚醒して結局俺は生き残る。
何故なら世界は俺に都合が良いようにできているからだ」
この声そこそこの年に聞こえるんだけど実際は中2くらいなのかな、とミーは思った。
2332 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 16:46:23 ID:???0
予約スレで期限延長を申請してたけど予約期限ってもう延長できるんだっけ?
2333 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 17:00:34 ID:???0
てか、死体をDG細胞で弄ってできたアンドロイドなんで
胸に穴空いたぐらいじゃまだ生きてる気がしないでもない
2334 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 17:17:27 ID:???0
DG細胞ではなくアルティメット細胞なのかもしれない。
病院でレイン父に殺されかけてたからDG細胞よりも凶悪ではないっぽい。
2335 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 17:31:03 ID:???O
制度としての延長でなくて、温情的延長の申請じゃね?
2336 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 17:34:59 ID:???0
書いているのがクレアだからなぁ。
2337 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 17:41:53 ID:???O
ひろし対決は譲れない
2338 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 22:36:13 ID:???0
>>2331 スパロワがよく超展開の悪例に挙げられるけど、DG関連は凄く面白いんだぜ?
停滞もDG細胞と言うよりDG戦にフォルカが絡むことが決まってからだし。
2339 :やってられない名無しさん:2007/10/10(水) 23:07:14 ID:???0
死ぬほど亀だがはやて予約入ってたのな。どう転ぶかwktk
2340 :やってられない名無しさん:2007/10/11(木) 01:15:06 ID:???O
あーシュバルツ死んだかー
はじめの行動方針が面白そうだから期待してただけに、それっぽい事をほとんどしなかったのは残念だ
「う〜ん、あんたが凄いってのはよく分かったけどさぁ。でも殺しはしないんだろ?
だったらどうやって脱出するんだよ」
「具体的にはまだ何も考えていないさ。
というか、これからそのための行動をしようとしていたところだ。
だが問題はない。俺が『脱出したい』と思いながら行動すれば何か色々上手くいってその通りになる。
何故なら世界は」
「『俺に都合が良いようにできているから』ね。はいはい、じゃあ頑張って。
オレ、そろそろ行くから」
多分決め台詞のつもりなんだろな横取りしたらまた蹴られるかな、と思いつつミーはその場を後にしようとした。
一応脱出を目指すと言っているがこいつと一緒にいても多分無理だ。
今度は蹴られなかった。
「待てよ」
代わりにまた声を掛けられた。
「何だよォ」
振り返る。相変わらず姿は見えない。
ただトンネルが真っ暗な入り口を広げているだけだ。
「お前はなかなか聞き上手だな。お陰で退屈が紛れた。礼だよ、持ってけ」
暗闇から何かが飛び出してきた。
ミーは反射的にそれを受け取る。
「礼って。それ程のことをした訳じゃないよ。ま、くれるってんなら貰っとくけどさ」
何だ結構いい奴じゃん、と思いつつ自分が受けとめたそれを見た。
保存液らしきもので瓶詰にされた目玉と目が合った。
「いるかああああああああ!!」
ミーは瓶を全力で投げ返すと、声の主から一歩でも多く距離を取るために走りだした。
走りながら、もう絶対にここには来ないと固く誓った。
【H-7/道沿いに北に爆走中/1日目-早朝】
【ミー@サイボーグクロちゃん】
[状態]:走っているため体力消費中 精神的疲労(小)
[装備]:セラミックス製包丁@現実、アニメ店長の帽子@らき☆すた
[道具]:支給品一式、世界の絶品食材詰め合わせ@現実
[思考]:あいつ馬鹿だ!絶対馬鹿だ!
基本:殺し合いには乗らず、ゴー君の元へと帰る。
1:現状を打破する為クロに会う。襲われた場合は容赦しない。
2:トンネルにはもう行かない。馬鹿がうつる。
3:帰って絶品食材を振舞う
[備考]:
※武器が没収されているのに気がつきました。
※悪魔のチップの性能の悪さをなんとなーく感じ取っているようです(気のせいレベル)
※食材詰め合わせの内約はご自由にどうぞ。
994 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 18:33:32 ID:S91tJZs.0
そういうステータスってアニメでもでてたっけ?
995 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 18:37:13 ID:NG9iZ.Eo0
少なくとも対魔力と神性はアニメでも使われてるな。
996 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 18:49:16 ID:KonjFr0Q0
しきりなおしと矢避けもだ
しきりなおしは序盤のセイバーとの
矢避けは終盤あたりのギル様で、あれは数が数だったから完全には対処仕切れずにやられたはず
997 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 21:40:05 ID:PLrmteDY0
いや、矢除けは発動したけど、神性Bも発動して鎖ジャラジャラで負けたはず。
998 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 22:16:19 ID:ac8sqiks0
とりあえずアニメでの確認状況は
対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法などは防げない。・・・OK
保有スキルは以下のとおり。
戦闘続行:A…瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 ・・・?
仕切り直し:C…戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を戦闘開始ターンに戻す。・・・OK
ルーン:B・・・?
矢除けの加護:B…飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めているかぎりどのような投擲武装だろうと肉眼で捉えて対処できる。ただし超遠距離からの直接攻撃、広範囲の全体攻撃は該当しない。・・・OK
神性:B・・・OK
999 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 22:24:20 ID:PLrmteDY0
ついでにギル
クラススキル
対魔力:E…魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。
単独行動:A+…マスター不在でも行動できる能力。
保有スキル
黄金率:A…人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。
カリスマ:A+…大軍団を指揮・統率する才能。ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類である。
神性:B(A+)…最大の神霊適性を持つのだが、ギルガメッシュ本人が神を嫌っているのでランクダウンしている。
うむ。全スキルまったく意味がない。
1000 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/09(火) 22:39:22 ID:ac8sqiks0
つまり、だ
ギルこそが螺旋王打倒の参加者を率いて戦う男にふさわしい
ミーが走り去ってしばらくして、トンネルから一人の男が姿を現した。
「怒って行っちまいやがった。まさか俺の好意が通じなかったのか?」
声の主、クレア・スタンフィールドである。
未だ血に塗れているが、ほとんど乾いているため禍々しい印象は大分薄れている。
手はミーに投げ返された瓶を弄んでいる。クレアの支給品である。
説明書には『マタタビの目玉』とだけ書かれていた。
「『マタタビ』って猫っぽい名前だからちょうどいいサプライズプレゼントになると思ったのになぁ。
あいつ白目だったし。」
心底不思議そうに首を傾げる。
「まぁ、次にプレゼントを送るときはもう少し慎重に吟味するとしよう。
にしても、やっぱり体が上手く動かんな」
クレアがミーの視界から声を掛け続けたのは何もからかうためではない。
いや、何か騒がしい奴が来たみたいだからからかってみたくなったのは事実だが。
いや、声はすれども姿は見えずってされる側にしたらすっげぇ怖くね、とか思ったのも事実だが。
主目的はここに来てから違和感を感じていた体の調子を確かめるためである。
最初に声をかけたとき、クレアは本当にミーの頭上にいた。
天井部分のでこぼこの激しいところをとっかかりに、指を掛け気配を消して身を潜めていた。
クレア以外の人間が見れば平らと変わりないと思っただろうが。
何故ミーが見たときには誰もいなかったかと言うと、それより早く音も気配もなく死角に移動したから、という単純な理由である。
後は同じように、振り返るタイミングを見切って移動していただけだ。
諦められると淋しいので蹴飛ばしたが。
「相手の視界に入らず気配も感じさせずで声だけ聞かせる。
ってこれもできるようになるまで結構苦労したんだよな」
周りの者達には天才の一言で方づけられてしまったが。
もう慣れたとはいえやはり気分の良いものではない。
「だが、余り上手く行かなかったな」
やはり体の調子はよくない。
恐らくあの猫がもう少し冷静だったら、あるいはもっと熟達した人物であったら、自分の存在に気付いていただろう。
そういや何であの猫喋れたんだ。
「まぁ、俺からすれば大した問題じゃないな」
全ては自分に都合の良いようになり、自分ができると信じてできないことはない。
このようにデイパックの中を漁れば当然脱出に役立つものがでてくる。
クレアはデイパックの中から、赤い球体を浮かべ緑色に輝く液体を収めた一本の管を取り出した。
それを空中に掲げ、吟味するかのように様々な角度から眺める。
そして、クレアは管を空けるとその中身を一気に飲み干した。
上手そうに喉を鳴らしながら飲み、空になった管は放って捨てた。
「カクテルか。ちょうど喋り疲れて喉が乾いていたところだ。
水じゃ味気ないし。やはり、俺は世界の中心だ」
クレアの二つ目の支給品『ワシの梅サワー……』であった。
「では行くか。とりあえず温泉で血を洗おう。
乾きはしたが何かうっとおしくなってきた。
それに」
レイルトレーサーは、朝日と共に退散する。
後に残ったクレア・スタンフィールドという男が、行動を開始した。
【H-7/真っ直ぐ温泉に向かって移動中/1日目-早朝】
【クレア・スタンフィールド@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:自分への絶対的な自信
[装備]: なし
[道具]:支給品一式 マタタビの目玉入り瓶@サイボーグクロちゃん
[思考] 基本:脱出のために行動する 、という俺の行動が脱出に繋がる。
1:自分に攻撃してくる者に対しては容赦なく反撃する。
2;名簿に載っているのが乗客なら保護したい
3:リザ・ホ−クアイに興味(名前は知りません)。
※クレアの参戦時期は『フライング・プッシーフット』の『車掌二人』の死亡後です。
【梅サワー@3ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
ある時ある場所で、ある十傑集がある少年に飲み干されてしまったもの。
ある特殊なシズマ管に見た目がそっくり。
【マタタビの目玉入り瓶】
クロが昔マタタビから抉り取った目玉を保存していた瓶。見た目は結構グロテスク。
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\ \ ヾ||,i / ゞ,イ゜ .r゜ } ]
\ \ . ||{ゝ‐- <,...r‐=F,/"~`゛'-、__.ノ_ .ノ 転載完了です
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/'\ ':;|レ''i, t . / >ィ‐"´~‐- 'iO ,ノ}‐-``'i,
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毎度どうも
>>362 また予約延長とかやってんのかあのバカども
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
こうやってログ張っていただけることで
いちいちしたらばに出向いてカウンター上げなくてすむから
便利ですね
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ヽ;;;;;;l i ) V `'‐--─" l、__ ,ノ、
\ヽ ゝゝ , 〉  ̄ }ノ 思うんですが、したらばは一切
ヽ\ , /ノ 2ch側運営と話し合う気はないのではないでしょうか
\ト-i `''‐- 、,,,_ /‐'
l ヽ _  ̄ ノ
l゙ ゙i /
_,l ヽ /
,r'´ .l ,r‐- 、,_`'‐-─-- ,,_,,ィl` >
_ \ l/r'  ̄``'''─--─'´ノ-、
_,,-‐''"´ _,,二ニニ=-、______,,,,,--‐ッ‐' ``‐、,,_
かもな
【セカンドチャンス】修正
>>288 >ここが殺し合いゲームの盤の上であることを考えると
>初っ端からこのようなアドバンテージを背負うのは正直、好ましくない。
>もし、この不完全な状態のまま、もう一度、東方不敗クラスの人間と戦うことになれば、今度は命の保証がない。
この部分を
>ここが殺し合いゲームの盤の上であることを考えると
>初っ端からこのようなハンディを背負うのは正直、好ましくない。
>もし、この不完全な状態のまま、もう一度、東方不敗クラスの人間と戦うことになれば、今度は命の保証がない。
に訂正いたします。
>>316 状態表を
【A-6/高速道路/1日目/早朝】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労極大 全身にダメージ 右足に刺し傷(それぞれ応急措置済み)
スーツがズダボロ やや精神不安定
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 シガレットケースと葉巻(葉巻2本使用) 不明支給品0〜2(本人確認済み)
ボイスレコーダー@現実 シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム
赤絵の具@王ドロボウJING、自殺用ロープ@さよなら絶望先生
[思考]:
基本方針:戴宗を一刻も早く探して合流し、決着をつける
1:戴宗を再び失うことに対する恐れ。そうならないために戴宗の情報を集める
2:休息をとり、体力を回復させる
3:脱出の情報を集める
4:いずれマスターアジアと決着をつける
5:他の参加者と馴れ合うつもりはない
6:脱出不可能の場合はゲームに乗る
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※素晴らしきヒィッツカラルドの存在を確認しました
に訂正いたします。
そろそろテンプレの訂正・・・もとい改正に着手するか
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NG協議・議論は全てしたらばで行う。2chスレでは基本的に議論行わないでください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。
上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
【予約に関してのルール】(基本的にアニロワ1stと同様です)
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行う
・初トリップでの作品の投下の場合は予約必須
・予約期間は基本的に三日。ですが、フラグ管理等が複雑化してくる中盤以降は五日程度に延びる予定です。
・予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【主催者や能力制限、支給禁止アイテムなどについて】
まとめwikiを参照のこと
http://www40.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/1.html
【NGについて】
(不要)修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
(不要)NG協議・議論は全てしたらばで行う。2chスレでは基本的に議論行わないでください。
(不要)協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
(不要)どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
(OK)『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
(不要)1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
(不要)2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
(不要)3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
(不要)4.イベントルールに違反してしまっている場合。
(不要)5.荒し目的の投稿。
(不要)6.時間の進み方が異常。
(不要)7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
(不要)8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。
(不要)上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
(不要)例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
(不要)トーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
(必要)・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
(不要)ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
(不要)修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
(不要)書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
(不要)【予約に関してのルール】(基本的にアニロワ1stと同様です)
(不要)したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行う
(不要)初トリップでの作品の投下の場合は予約必須
(不要)予約期間は基本的に三日。ですが、フラグ管理等が複雑化してくる中盤以降は五日程度に延びる予定です。
(不要)予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
(不要)申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
(不要)【主催者や能力制限、支給禁止アイテムなどについて】
(不要)まとめwikiを参照のこと
(不要)
http://www40.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/1.html ほぼイラネ
彼女、柊かがみは走っていた。
自分を脅かす存在から逃げ切るために。
今はもう動かない、妹のもとへ戻るために。
■
(ここまで来たら、もう大丈夫かな?)
今まで走って来て何事もなかったのだから、ここまであの男が追いかけてくることはないだろう。
まさか、気配を消してどこかに潜んでいるのでは。
立ち止まり、恐る恐るレーダーを確認してみる。
……幸い、何の反応も見つからなかったようだ。
(……良かった。あれ以上は追いかけて来なかったみたい)
少しのため息と共に、胸を撫で下ろす。
あのまま遭遇していたならば、きっと喰われていたに違いない。
彼の右手が自分の頭に置かれる、そんな状況を想像するだけでも寒気がした。
私……怖いんだ。
何事にも恐れてはいけない筈なのに。
これからあの出来事の、何倍もの恐怖に立ち向かう必要があるのに。
殺さなくてはいけない。この身体を元にしてもらうために。
そして何よりも、自身の妹である、柊つかさの蘇生のためにも。
そうだ、あまり思考に耽っている相場ではない。
早くつかさのもとへ戻らなければ。あのまま野ざらしにしておくのは可哀想だ。
早くつかさを埋葬してあげなければ。腐敗していくつかさの姿なんて見たくない。
彼女は走る。
もう少しで待っているであろう、妹のもとに戻るために。
早く、早く戻らなければ。
…………戻らなければ?
■
呆然と立ち尽くすかがみの目の前には、柊つかさと思われる肉塊が転がっていた。
まるで再会を祝うための薔薇の花束のごとく、赤く、赤く染まり尽くした肉塊が。
「…………嘘。」
再会の言葉としては、あまりにも気の抜けた一言だった。
それもその筈、かがみは目の前の事態を、上手く飲み込めていなかったのだから。
え、何で。
こんなことはないよ。
こんなことってないよね。
「あの時」は綺麗だったのに。
あの傷以外は、綺麗だったのに。
嘘。
…………嘘!!!!!!
その頬に手を伸ばし、顔をこちらの方に向けようとする。
――頭の中からゼリー状の物体がこぼれ落ち、ブラウスが少しだけ汚れた。
【B-2/観覧車前 一日目・早朝】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:激しい動揺、不死者
[装備]:軍用ナイフ、防弾チョッキ、UZI(9mm.パラベラム弾:0/50)、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:デイバッグ、支給品一式(水入りペットボトル×1消費)、レーダー、かがみの靴
[思考]
基本:優勝してつかさを生き返らせる
1.! !? ? ! !
※つかさを殺したのは武器を必要としないくらいの強者だと思っています。
※かがみの不死はBACCANOのアイザック、ミリア等と同じものです。
※かがみに支給されたレーダーは同エリア内のキャラ名と位置が表示されています。
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、「ベリーメロン〜私の心を掴んだ良いメロン〜」を見るなどして気を紛らわせましょう。「ブルァァァァ!!ブルァァァァ!!ベリーメロン!!」(ベリーメロン!!)
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
【議論の時の心得】
・このスレでは基本的に作品投下のみを行ってください。 作品についての感想、雑談、議論は基本的にしたらばへ。
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては議論スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
まだ検討されてないのここくらい?
>ロワスレの繁栄や良作を望むなら
いや、こんな企画にそこまで忠誠を望められてもwww
太陽が湧き、月が沈もうとしていた。
黒い夜空を引きつれ夜の太陽は西へと沈み、昼の月が東より昇り赤い空を生み出そうとしていた。
そんな太陽の方向へと連れ立って進む人間が二人いた。
先頭で歩くはアフロで青いスーツを着た男、その後ろにいるのは長髪に白いコートを着た女であり、
静寂を守るように佇む街中を進んでいた。
そんな二人が街中を歩んでいるときだった。突如として静寂を打ち破る音が響き渡ったのは。
ぐ〜きゅる〜る〜ぐお〜ん
珍妙な音が二重に響き渡った。その音は人間が空腹時に消化器官から発せられる腹鳴り。
通称『腹の虫が鳴く』。
「腹減ったー」
男は現在の自身の状況を言葉で表す。
男の名はスパイク・スピーゲル。
ビバップ号で肉なしチンジャオロース等の貧乏メニューが主食のカウボーイ。
女の名は読子・リードマン。
本を読むためならば、三大欲求の一つである性欲を消去し、残り二つの睡眠欲や食欲すら忘却するビブリオマニア。
バトルロイヤル開始から数時間しか立っていないとはいえ、胃袋に元々何も入っていなかった二人に空腹が訪れるのは必然であった。
無論二人のデイパッグの中には他の参加者同様に食料品が支給されている。
とはいえ、スパイクの方は移動中に食料を摂取していた。
故に空腹感が強かった。摂取した量は雀の涙のため、余計に空腹感が襲ってくるのだ。
というよりも肉がなければ喰った気がしない。
さらに、水以外の食料と呼べるものは失われているという事実が拍車をかける。
「なあ、リードマン」
スパイクは何気なく読子に声を掛ける。
別に何か意味があったわけではない。侘しさを紛らわしたかっただけである。
だがすぐには読子は反応を返さなかった。
「おい、リードマン」
スパイクはもう一度読子の名を呼ぶ。
だが5秒、10秒とスパイクが待っても反応はない。
腹の虫が二重に聞こえた以上は、後ろから付いてきているはずだ。
そうぼんやりと考えながら、スパイクは後ろへと振り向いた。
そこにはやはり読子・リードマンがいた。
ただし、本を読みながら歩くという本好きにも程がある所業をしていたが。
「………」
スパイクは絶句する。すでに認知はしていたがこの女はどれだけ本好きなのかと。
転んだらどうする? 逸れたらどう合流する? ふだんからこうなのか?
スパイクの心の中で、リードマン株がアメリカの大恐慌も真っ青になる勢いで暴落していく。
「もう少ししっかりしろよ」
再び足を進めながら、呆れた口調で呟く。
もちろん、本のページをめくる音しか返ってこなかった。
数歩進み、無言でスパイクは立ち止まった。
もし自分が先導しなければこの女はどうするんだろう、という知的好奇心が彼の中で渦巻く。
そして、スパイクはあっさりと誘惑に負けた。
スパイクは横へと退き、読子に道を譲る。
読子はスパイクの前を通り過ぎ、先へ先へと歩いていった。状況の変化にも気づかずに。
「……よくついて来れたな」
あえて、口に出し嫌味を言う。だが読子はなんの反応も返さず本を読み続ける。
恐ろしい程の集中力である。思わず嗜虐新がそそられるほどの。
「何の反応も返さねえといたずらしちまうぞ」
そう言ってみる。返事は当然のことながら無し。
スパイクはにやりと笑う。お前が悪いんだぜと、心の中で呟きながら。
背後へと周り歩調を合わせ、いたずらをしようと身構える。
さて、何をしてやろうか?
仮を返す主義である以上は、先ほどの紙斬撃未遂のおかえしぐらいはしておきたい。
メガネをずらす。いや駄目だ、さきほどのように反撃されかねない。
巨大な胸を揉む。これも駄目だ、セクハラで訴えられれば普通に裁判直行コースだ。
チョップでもかます。泣き出したりしたら、あやすのがめんどくさい。
etc,etc,etc,etc,etc,etc,etc,etc,etc,etc,etc,etc
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ある程度考えいくつかの案を出してはみたが、ほとんど没となった。
どうやら割と出来ることは少なそうだ。とりあえずは、餓鬼の悪戯レベルで勘弁してやることにする。
リードマンのデイパッグの中にわざと乱暴に手を突っ込む。だが反応はない。
乱雑にデイパッグの中からペンダントを抜き出す。やはり反応はない。
ペンダントのホックを外し首へと掛ける。もちろん反応はない。
首紐に掛かる形となった長い黒髪を外へと出す。当然のことながら反応はない。
本を読んでいる間はもっと刺激的なことをしなければ反応はないようだ。
きっと本読み発電という装置があれば、この女は最高の素体だろう。
ぐ〜きゅる〜る〜ぐお〜ん
再び、二人仲良く腹の虫が鳴く。やはり暇つぶしでは腹は膨れない。
本を読んでも腹は膨れない。大食漢というわけではないがあの程度では腹は膨れない。
ならばどうすればいいか?
決まっている。どこからか食料を調達してしまえばいい。
「さて、うまい飯はどこにある?」
スパイクは読子の後に続きながら、右手の親指を目頭に当て、辺りに視線を彷徨わせる。
「おや?」
そして、前方数十mの所にある、鮮やかな赤色に縦に黒井文字が書かれている旗を見つけた。
その旗は数本あり、こんな文字が載っていた。
『一番人気 尾道ラーメン 600円』
『昼食にお勧め 店長自慢のカレーライス 500円』
スパイクは思わず笑みを浮かべる。
これで空腹からオサラバダ。チャーシューメンイタダキマス。カツカレーハオレノモノ。
ぐ〜きゅる〜る〜ぐお〜ん
同時に腹の虫も鳴る。まるで自身を満たす強敵を見つけ、歓喜する武道家のごとく。
スパイクは今だ本を読みながら歩く読子の首を、チョークリッパーを仕掛けるがごとく二の腕で締め上げる。
「てりゃ!」
「わっ!? いきなりなんですか?」
読子はいきなりのスパイクの暴力に講義の声を上げ、手足をじたばたと動かしながら抵抗を試みる。
だがスパイクは、そんな読子のささやかな抵抗すら力技でねじ伏せ、ラーメン屋と思われる建物へと引っ張っていく。
ぐ〜きゅる〜る〜ぐお〜ん
「ラーメンですね」
読子は腹の虫を鳴かせながら、目の前の店を見てそう呟く。
「食べたいな〜」
さすがの彼女も本の虫状態を中断されれば、食欲も湧き上がる。
「でも、誰もいませんね」
ガラス張りであるため、店内は外から丸見えである。
故に誰もいないことが見受けられた。それは客どころか料理人すらいないという事実を指している。
とはいえ、二人は質を追い求めるわけではないので、煮込んだチャーシュー程度充分であるので
入らないという選択肢は両名の頭には存在しない。逆に、ただ飯にありつけるというものだ。
そして、スパイクには料理に対する秘策があった。
「昔の偉い人はこう言った。料理は女の仕事」
彼の相棒が聞いたら泣き出し、家事を放棄するような台詞をぬけぬけと言い放った。
スパイクは読子に料理を作らせ、自分はノウノウと結跏趺坐の行をするつもりなのだ。
「あのぅ。コックさんは男の人が多いらしいですよ」
スパイクの男女差別極まった暴論に、どこかピントのずれた答えを読子は返す。
いまだ、スパイクの企みなど知らぬまま。
「料理の本ぐらい読んだことあるだろう?」
「……ありますけど」
「なら作れる」
「む、無理です。私生まれてこのかた……」
陰謀に気付いた読子の鼻先にスパイクは右掌を突きつける。読子は思わず黙ってしまった。
そして、戸惑う読子の言葉を片手で制した男は口を開く。
「偉大なるブルース・リー師父はこう言った」
「あのぅ。それってまさか……」
「考えるな、感じるんだ」
「暴論ですそれ」
そんなやり取りをしつつ、頭をホールドされている女と年上の婦女を捕まえた男は店内へと入っていった。
ちなみに店名は『全国のラーメンが楽しめる店倉田屋』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
八神はやては項垂れながら街中を歩いていた。
親に見捨てられた子供と思えるほどに覇気を失いながら、北へと進んでいた。
クロとの約束を守るために。
いや、クロとの約束がただ一つの自身を現世に繋ぎつける糸であるかのごとく、
観覧車へと向かうルートを歩んでいた。それ以外にはやてにできることはなかった。
言峰綺礼の言葉に縛られるはやてには、クロとの約束以外のことを考える余裕はなかった。
故に、ここにつれてこられてから、初めて無警戒に行動していた。
言峰綺礼の呪は、はやての思考を縛り短絡化する。
そんなはやてが無用心に歩いている時だった。
道先にある十字路にまっすぐ進んでいく影を見つけたのは。
はやては驚きつつも、慌てて電柱の裏へと隠れる。
影ははやての姿に気付かずに、十字路の右へと進んでいく。
いったい誰だろうか? はやてはそれをまず考える。
はやての眼には、人影は白い長衣を着た人物に見えた。
その白い長衣を着た人物にはやては心当たりがあった。
八神家の一員であり、機動六課の医療担当班に所属する湖の騎士シャマルである。
それは見間違えだったのかもしれない。ただの儚い幻想だったのかもしれない。
はやては心を期待で満たしつつ、曲がり角まで歩み寄り、壁に隠れながらも人影が去っていった方向を覗く。
だがそこには、騎士シャマルはいなかった。
代わりに、アフロの頭に青色のスーツを着た男と、その先を行く長髪で白いコートを着た女が見えただけだった。
どちらも捜し求めた人物でないどころか、クロやパズーや自身が知っている人物ですらない。
はやては失望しつつどうすればいいか迷った。あの二人に接触すべきだろうか?
先ほども二人組を見かけたが、自分では戦闘になった際に対処できないと判断したため会話すらせずに避けた。
だが、あの二人の場合はどうだろうか?
正直に言えば、あの二人が自分より戦力的に勝っているという姿が想像しにくい。
あの男はデバイス無しの自分よりも戦闘能力があるかもしれないとは思える。
しかし、女の方は真逆だ。どう見ても戦闘能力があるとは思えない。
先ほど言峰という戦闘能力がないと思われた神父に手痛い思いはしたものの、それでも女の方を脅威だとは思えない。
正直に言えば魔法無しのリィンフォースUですら勝てそうだ。
しかも何か書物を読んでいる。その本が重要であったとしても、あれでは襲ってくださいと言っているようなものだ。
そんなふうに思える女が、足を引っ張らないわけがない。
ここは接触するべきだろうか?
はやてがそんなふうに悩んでいる時だった。突如として変化が訪れたのは。
女の後ろを歩く男が、突然女のデイパッグに手を突っ込んだのだ。
果たしていったい何をしようというのか?
はやてには男の考えなど分からなかった。ある瞬間までは。
男はデイパッグの中から、ワイヤーのような物を取り出すと女の首へと掛けた。
はやては突然のことに驚きつつ、とっさに男へと銃を向ける。
男は女の首をワイヤーで絞めるつもりなのだ。
ゆえにはやては防ごうとした。この距離で当るかどうかも考えずに。
『誰かを否定することでしか肯定できぬ願望があるのなら、
何を躊躇うこともない。自らの意思で他者を蹴落とし、その先へと進みたまえ』
だが撃てない。はやては弾金を引くことができない。
言峰の呪が頭に響き、行動を阻害する。
他者の願いを否定するほど自身の信念は正しいのか?
優勝して願いを叶えるのは、間違っているのか?
今までのはやての人生を否定するような疑問が、彼女の行動を縛る。
しかし、はやてが弾金を引く必要はなかった。
女の首に手を掛けていた男は、あっさりと女から身を離し、辺りを見回していた。
いったい何なのだろうか? はやては状況が悪い方向に流れなかったことに安堵しつつも疑問に思う。
が、はやてがホッとしたのもつかぬまに男はすぐさま女にヘッドロックを掛けた。
首を絞め殺すつもりか!?
はやては再び岐路に立たされた。と思った。
だが男は、じたばたともがく女を引き釣り、飲食店の中へと入っていった。
あの男はいったい何がしたいのか? はやてには理解できない。
故にはやては想像する。あの男がこれから女性に何をするのかを。
薄暗い店内。二人きりの男女。自分より2,3歳ほど年上と思われる弱そうな女性。
推定85と思われる男を惑わす巨峰。男のにやりといやらしく笑う唇。殺し合いという極限空間。
殺せるチャンスなどいくらでもある状況で、男が女を捕まえる意味。
それらから、はやては結論を出した。
あの男は婦女暴行をしようとしているのだ。
はやては非男性経験が19年の処女であるものの、れっきとした女である。
人気の無い店で、あの男が女に何をするかは簡単に想像が付く。
薄暗く数坪ほどの狭い店内へと無理矢理連れ込まれる女。そこには誰も助けなど来なず、逃げ場すらない。
その場で、男は銃を突きつけ女に要求するのだ。
服を脱げ、下着を脱げ、俺に奉仕しろと。
女は泣き叫び、髪をつかまれ、床に押し倒されつつも必死に抵抗する。
だが抵抗むなしく、後には白い液体塗れになった女が店内に残された。
そんな状況を思い浮かべると、生理的嫌悪と共に寒気がしてくる。
生まれ故郷の大阪でも同じような事件が起こったことを考えると、この答えは間違ってはいないだろう。
ならばどうするか?
果たして、婦女暴行を阻止するべきなのだろうか?
はやては悩む。それは言峰綺礼の呪の範囲外の悩み。
80人を殺害し優勝という希望を得ようとしているわけではなく、世界の運命などまったく左右されない婦女暴行。
たった一人の女性の運命とその周囲の人物の感情しか狂わない事態。
はやては憤り、胸を切り裂かれる思いとなり、女性としての嫌悪感を感じ、
言峰の言葉を思い出し、守るという行為に対する疑念を感じ、悩む。
「……私はどうすればええんやろう?」
そして、彼女の下した結論は―――――――――
【G-4ラーメン屋店内 一日目・早朝】
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
[状態]:腹減ったー
[装備]:デザートイーグル(残弾8/8、予備マガジン×2)
[道具]:支給品一式(食料なし)
[思考]
1.オンセンに行く前に腹ごしらえ。料理はリードマンに作らせる。
2.とりあえずオンセンに行ってから帰る。
3.読子と一緒に行動してやる。
【読子・リードマン@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:お腹空きましたー
[装備]:○極○彦の小説、飛行石@天空の城ラピュタ
[道具]:支給品一式、拡声器
[思考]
1.○極○彦先生の本を読破する。
2.温泉に行く前に腹ごしらえ。
3.スパイクと一緒に温泉に行ってから帰る。
【G-4ラーメン屋から少し離れたところ 一日目・早朝】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:トリモチ銃@サイボーグクロちゃん
[道具]:支給品一式 レイン・ミカムラ着用のネオドイツのマスク@機動武闘伝Gガンダム
[思考]
1.婦女暴行を阻止するかどうか迷う。
2.自分の信念が正しいのかという迷い。困惑。
3.東回りに観覧車へ。クロと合流する。
4.主催者を逮捕するのは、果たして正しいのだろうか?
※ムスカを危険人物と認識しました
※シータ、ドーラの容姿を覚えました。
※モノレールに乗るのは危険だと考えています。
※言峰については、量りかねています。
投下終了。
400 :
ログ保全1:2007/10/12(金) 21:38:01 ID:pB9fWppG
1 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 22:02:01 ID:5x9.wqL.0
なんでもありスレpart2です
2 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 22:23:59 ID:hoEXug8o0
スレタテ乙ぶるわああああああああああああああ
3 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 22:39:10 ID:Fr7g9bmIO
乙。
感想以外雑談スレってとこかな?
議論までいかない疑問や指摘もここになるか。
4 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:03:14 ID:hoEXug8o0
ならば今話題の放送前に終わらしておきたいパートで雑談。
5 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:07:32 ID:gIfj/7KY0
エドのトコ、発電所がらみでどでかいイベント起こすには良いタイミングだと思ったり。
作中時間でも結構余裕あるし、放送直前or直後にイベント発動、って風にすれば……とかな。
大停電とか、電化製品暴走とか……??
まあ、肝心のイベントそのものが思いつかないから意味無いんだけどorz
6 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:07:37 ID:NBfI1OO60
エドで考察話か…。
ロワに一切貢献しないあさっての方向向いてる考察ならしそうなんだがw
7 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:08:38 ID:OnrPmCvg0
そんじゃまー、時間帯別表のコピペ&最新版に弄った奴を張ってみますか
再び、いつもの人勝手な事してゴメン
【黎明】
(無予約)
エド/マオ/シータ/ヴィラル/スバル/ヒューズ/泉こなた/アル
(予約済み)
ミー/クレア/シモン/舞衣/ウルフウッド/チェス/スパイク/読子/はやて
かがみ/間桐慎二/ギル/奈緒/言峰
【早朝】
(無予約)
剣持勇/ねねね/フォルゴレ/イリヤ/絶望/カレン/ルルーシュ/ドモン/士郎/なつき
Dボゥイ/ゆたか/木津千里/ヴィシャス/相羽シンヤ/ヨーコ/ジン/清麿/ラッド/東方不敗
クロ/ヴァッシュ/クアットロ/ロイ/エリオ/ランサー/戴宗
スカー/ロイド/金田一/ミリア/カミナ/V/シャマル/アイザック/可符香/高遠
静留/ジャグジー/キール/ガッシュ/アレンビー/マタタビ/衝撃
(予約済み)
ジェット/ティアナ
【放送前】
ホークアイ/ニア/ドーラ/パズー/ムスカ/明智
401 :
ログ保全2:2007/10/12(金) 21:41:05 ID:pB9fWppG
8 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:16:09 ID:NBfI1OO60
>>5 そういうの考えてみようとして、自分の中に
発電所の内部に関するイメージが全然無いことに気づいた。
9 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:24:56 ID:cdZlLIoQ0
>>7 このまま放送後に送ってもいい連中がちらほらと
……第一回放送が投下されてから、放送前の話を投下してもいいんだろうか?
いいなら問題なさそうだけど
10 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:27:35 ID:gIfj/7KY0
>>8 よし、じゃあ俺のメチャ曖昧な情報を披露してやる!
発電所っつうのは、特定のエネルギーを電力に変えるところ。
火力・水力・風力・潮力・原子力……といったところのコト。
ただ、水力はダムが必要。
火力と原子力はかなりでかい設備が必要になるのだが……あと燃料が大量に貯蔵してあることになり、文字通り火薬庫状態。
風力と潮力は、まあ有り得るカンジなんだが、俺が良く知りません。
そして最後の選択肢こそが……「螺旋力」だ!!!
未知のエネルギーで発電、っつうのも有り得る話なんですな。
内部は、まあ水なり蒸気なりでモーターを回して発電するので、そのためのでかい機械と管理部屋があるカンジだね。
あと、起こした電気は基本直流なので、それを交流に変える変電所も併設してるかも。
まあ、発電所なんかで下手に暴れたら取り返しのつかない大惨事になってもおかしくはねーぞ!
11 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:32:13 ID:cdZlLIoQ0
>そして最後の選択肢こそが……「螺旋力」だ!!!
内部にグレンラガンがあるのを想像したのはきっと俺だけじゃないぞー!
12 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:34:20 ID:XQxmFyG2O
螺旋力発電所って……人力?w
13 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:35:02 ID:gqaSiy760
>>11 起動した瞬間に首輪が爆破されそうだな。
起動キーがアレな豪華客船がカテドラル・テラだと思ったのは俺だけでいい。
14 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:37:45 ID:NBfI1OO60
>>10 おお、thk。そんなんなってんのか。
螺旋力は面白そうだが。エドの螺旋力ってチェスでもしたら発揮されるかな?
15 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:38:54 ID:hoEXug8o0
発電ねえ。シズマドライブか原子力か、それとも螺旋力か?
自分の発想だと各作品に関係する動力はそれぐらいしか……
そういえば、ゴッドガンダムって感情エネルギーを出力に付加していたっけ?
402 :
ログ保全3:2007/10/12(金) 21:42:42 ID:pB9fWppG
16 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:43:02 ID:OnrPmCvg0
>>13 ちょwwww月サイズwwww
アークグレンだとしてもでかすぎるってのに、カテドラル・テラとか絶対にロワ会場よりもでかいぞwww
しかし螺旋力で発電、となると…
>>12の通り人力以外だとすると難しいんだよな…
人間が持つ未知のパワー=螺旋力だし
……もしかしてあれか。今回未参戦だった某白い冥王とか某あかいあくまとかが発電所に囚われてバッテリーにされてるとかかw
17 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:44:37 ID:OnrPmCvg0
>>15 シズマドライブだとするとオイシイ展開を思いついたぞ…
アンチ・シズマドライブが『三本』用意されているとしたら、もしかしたらその用途は……
18 :名無しセカンド:2007/10/11(木) 23:50:33 ID:gIfj/7KY0
……と、唯の地図上の一点だったハズの施設が途端にアツいスポットに早変わり、っと。
コレが発想の転換、コレが螺旋の力だッ!!!
19 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 01:53:06 ID:6kknzP1s0
今んところ、あんまり触れられてない場所は卸売り市場、刑務所、デパート、フェリー発着所か。
ところでさ、高速道路ってどこが入り口と出口なの?
20 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 02:10:57 ID:joBzqZUY0
書き手が描写したところに出入り口があることになる。多少多目でも問題はないだろう。
21 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 07:49:43 ID:HkFQ8bho0
とりあえずアレンビー達が高速道路に上がったからあの辺には一個ある
22 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 10:22:48 ID:DD3R04J60
そういや高速道路E-3封鎖されてたなと思い出したが
このメンバーじゃ支給品と気づかず飛び越えて行きそう
23 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 14:20:31 ID:mUYdnQFU0
>>10 風力はでかい風車が並んでるから見ればわかる、「風力発電」で画像検索すれば出てくる。
潮力は海専用だからここは違うかな?海だとあと温度差発電・波力発電ってのもある。
他にはソーラーパネルが並ぶ太陽光、立地条件が限定される地熱なんてのも。
24 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 14:21:52 ID:eGDEsPl60
しかしポルヴォーラを抱えたままそんな危険なことするかな?
あいつ、ちょっと高い所から落としただけで大爆発するんだぜ……。
25 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 19:17:21 ID:baglIhRY0
発電所でできるのは最初から交流だってのは誰も突っ込まないのね。
電圧を変える変電施設とかも一緒にあると思う。
フェンスやカメラとかの警備体制はいいはず。(良くなかったら怖い)
あと、立地条件からすれば水力と風力は無いと思う。
水力は山の中でやるものだし(水を高いところから落とすために)、
風力発電するには周りの風通しが悪そうだから。
26 :名無しセカンド:2007/10/12(金) 20:57:52 ID:wtDDqlkIO
むしろ発電所は異世界からのエネルギーを云々ってフラグに使うとか…
エドが書けるなら書いてはみたいけど
人生は絶え間なく連続した問題集と同じだ。
揃って複雑、選択肢は極小、加えて時間制限がある。
一番最低なのは、夢のような解決を待って何一つ選ばないことだ。
最良の方法を瞬時に選べ、私たちは神とは違う。
万能でないだけ鬼に成る必要がある。
◇ ◇ ◇
某月某日明朝名もなき市街地にて――
微かな街頭に照らされるだけの心許ない道路は、なんとかバイクを走らせられる程度には明るくなった。
それでも、肝心の運転手――鴇羽舞衣には、免許証はもちろん、自動二輪車を動かした経験すらない。
たどたどしい運転は今にも転倒しそうな危うさで、どうにか二人乗りの車体を垂直に保つので精一杯。
周りの警戒は愚か、後ろの乗客の異常すぎるテンションにも気が回らなかった。
シモンは思った。
俺がやるしかない、と。
(ニア……待っていてくれ、ニア……!)
シモンがアニキと慕う男、カミナはもういない。
グレンの搭乗者であり、大グレン団のリーダーであり、何よりシモンの心の支えであった存在は、もうここにはいないのだ。
(……そうだ、アニキは死んだ。だから俺が、俺がアニキの分まで戦わなきゃいけないんだ……!
獣人たちを、四天王を、ロージェノムを倒して! 俺が……アニキにならなきゃいけないんだ!)
獣人の駆逐と地上の解放、それがシモンたち大グレン団の掲げる目標だ。
人間たちは、遥か昔から獣人たちの圧力により地中での生活を強いられてきた。
だが、それももうすぐ終わる。カミナやグレンラガンの勇姿に感銘を受け、集った仲間たち、大グレン団の結束力を持ってすれば。
(無理を通して道理を蹴っ飛ばす。できるさ、俺たちならきっとできる。そのためにも、早くダイグレン戻らなくちゃ!
ニアと、それからヨーコとも合流して……アニキなら、アニキならまずそうするはずだ!)
シモンの中で大仏のように力強く鎮座する『アニキ像』は、決して揺るがない。
幼少の頃より可愛がられ、誰よりも近くで見てきたその背中、その心意気、その生き様。
シモンは追いかけてばかりだった。昔からずっと、憧れのアニキの背中を見つめてばかりだった。
だが、見つめていた背中は、ある日突然消失した。
いつも追いかけていた目標を見失い、シモンは戸惑った。
明日から俺は、何を目指して進めばいい。何を信じて生きればいい。
自問して、そのたびにシモンの内にいるアニキが答えてくれた。
おまえが信じる俺を信じろ。
それは、シモンの精神を正常に繋ぎとめる薬であり、毒でもあった。
いつまで経ってもアニキという存在に固執し、泥濘から抜け出せない。
ニアと出会ってからも、新たな四天王と相対して、挙句ラガンに拒絶されても、それは変わらない。
シモンはまだ、カミナの死を乗り越えられていなかった。
ニアを助けたいという思い、そこに焦りが孕むのも、仕方がないことだった。
アニキならそうする――そう思わずにはいられなかったから。
重すぎたのだ。シモンにとって、カミナという存在は。
そして、カミナはもういない。
(だから、俺がアニキの代わりに――ん?)
血走った目で、シモンはゴーグル越しに進路方向を注視する。
朝焼けのおかげでだいぶ明るくなってきた街路、その路上に、人影が転がっている。
運転手の舞衣はバランスを保つことで精一杯なのか、数十メートル先のそれにはまだ気づいていない。
「舞衣、あれ見てくれ。あそこ、前のほうで誰か寝てる!」
「はい〜っ!? 寝てるって、ここ道路よ!? ってか私それどころじゃ……って、ホントだ」
シモンに促されて、舞衣も前方の人影にようやく気づく。
元々低速だったバイクのスピードをさらに緩め、ノロノロと接近していく。
徐々に、徐々に、路上に転がっているそれの実態が、シモンと舞衣の瞳に映し出されていく。
微かに黒ずんでいるように見えるそれは、どうにか人の形を保っている。
周囲の地面でアメーバのように広がっている染みは……血、だろうか。
いくら朝方とはいえ、こんな道のど真ん中で、人が寝ているはずもない。
とくれば、答えは単純。寝ているのではなく、起き上がれないのだ。
つまり。
「……おい舞衣、あれって……」
「まさか…………」
――脳裏を、不吉な影が横切った。
しかし、シモンも舞衣も、言葉にするには至らず。
唐突に、世界が途切れた。
◇ ◇ ◇
彼女にとって、炎は忌むべきものだった。
炎。それは彼女、鴇羽舞衣のエレメントの象徴ともいえるものであり、攻防の両方を担ってきた。
当初はオーファンと戦うための術として、かつてはHiME同士の争い、蝕の祭を勝ち抜くための術として。
そして現在は、82名による殺し合いを生き抜くための術として。
なぜ、炎だったのかは分からない。舞衣と炎になんらかの因果関係があるのか、それよる恩恵が与えられでもしているのか。
定かではない。どちらにせよ、舞衣は炎が、自身の持つ炎の能力が好きではない。
森を焼き、友達を焼き、闘争の渦中へと導いた……HiMEの能力。
こんな能力、いらなかった。こんなものがなければ、舞衣は今も弟の巧海と幸せに暮らせていた。
オーファンと戦って傷つくことも、シアーズ財団や一番地等とも無関係の日常を過ごし、命を焼き殺すことだってなかった。
望まざる能力。舞衣にとって炎は、カグツチを含めたHiMEの能力は、忌むべき力だったのだ。
舞衣は思った。
私はなぜ、生きているのだろう、と。
路上に転がっていた異物を確認し、遅行運転で進んでいたはずの数秒前。
舞衣の意識は気づかぬ内に一旦途切れ、いつの間にかバイクのシートから身を落としていた。
「あ、れ?」
弱々しい、少女とも聞こえるその声は、路地に転がるボロボロの身体から漏れ出ている。
ずぶ濡れだった制服を一瞬で乾かすほどに身を焦がし、爛れた顔に皹を走らせ、土埃と煤に塗れたその姿は、爆撃の残滓とも見えた。
が、彼女はまだ生きている。熱の篭った瞳で目の前の惨状を見渡し、混乱する頭で必死に状況を理解しようと努めた。
燃えている。何もかも燃えている。
乗り回していたバイクが、近隣の建物の外壁が、進路上に転がっていた『何者かの死体』が、粉々に砕け、燃え盛りながら散布している。
舞衣は思い出す。こんな状況に陥る寸前、自分はいったいどうしていただろうか。
バイクを運転し、転がっていた何かに近づき、どうやらそれが他の参加者の死体らしいと気づいて――そこで、意識が途絶した。
そして、気づいたらこうだ。
(だれかに、襲われた?)
そうとしか考えられなかった。
バイクを木っ端微塵にし、なにもかも吹き飛ばした惨状、爆弾か何かを投げ込まれただろうと舞衣は推測した。
(ふざけんじゃ……)
茫漠として定まらない脳裏に揺れる、数々の闘争とそこからの一時的な離脱、そしてシモンとの記憶。
この場にHiME同士の戦いなどという低俗な競争はない。あるのは、生きるか死ぬかの生存競争のみ。
舞衣は抗うつもりだった。もう二度と間違いは犯したくない、復讐心に駆られて友達を焼き殺すのも、後悔の念に苛まれるのも御免だったから。
シモンに協力し、ニアを助け出し、螺旋王に敵対するという形で、舞衣はこの世界を生きていこうとした、のに。
「……女の子の死体餌にして、寄ってきた女子供を爆撃、か。なるほど、外道やな」
自分と、そして数時間前まで同じようなことをしていた人物に向けて吐き捨てたセリフが、舞衣には酷く不快に感じた。
舞衣の生きようという意志も、シモンの膨れ上がりすぎた決意も、この男が全部台無しにしてしまった。
この、真新しい黒いスーツを着こなし、燃え盛る戦場をさも興味なさげに闊歩し、あろうことか神に対して祈りを捧げる仕草を見せる、ふざけた男に。
(こいつが……私を、シモン、を……!)
舞衣の中で、沸々と激情が燃える。
燃焼する怒りに身を委ねると、外傷と熱により苦しんでいたはずの身体は、意外にも自然と持ち上がった。
糸で吊られたマリオネットのように、緩やかに、それでいて確かな敵意を全身に宿して、舞衣は立ち上がる。
まだ男が気づかぬ内に、そっとエレメント――両腕に宝輪を具現化し、戦闘体勢を取る。
「……許さない」
その囁きで、男は舞衣のほうへ振り向いた。
顔を俯かせ、幽鬼のように立ち尽くす彼女を見て、男が何を思ったかは分からない。
ただ面倒くさそうに苦笑いして、軽く舌打ちをした後、右手に銃を握っていた。
「……寝とけや。死に掛けの女いたぶるんは趣味やない」
「ここまでしといて何言ってんのよ……!」
舞衣の両腕に装着された宝輪に、僅かな炎が宿る。
風華学園に現れる異形――オーファンを撃退するために用いられてきた炎は、今や人殺しの道具へと変わり果てた。
他のHiMEのチャイルドを、命を、そして今は、目の前の男を焼き殺すために。
それでも舞衣は、はち切れんばかりの感情を寸前で押し留め、男に尋ねる。
「なんでよ。なんで、こんなことするのよ? そんなに死にたくない?
誰かを蹴落として、誰かを殺して、誰かの大切なものを奪ってまで、生き残りたいわけ?」
「……それが、この殺し合いっちゅーもんやろ。……それにな。わい、とっくの昔に死んだ人間やねん。
この銃かて、今になって初めて握ったわけとちゃう。女の子に説教されて自分見つめなおすようなアマチャンともちゃう」
冷徹な眼光を放ちながら、男は黒光りする銃口を舞衣に向けた。
――キャロ・ル・ルシエの死体を餌に通行人を誘き寄せ、タイミングを見計らって近隣のビルの屋上から、手榴弾を投下する。
男が殺し合いに乗る上で最初に実行した狩りは、なんとも下劣で、人の道から外れたものだった。
しかし、それも今さらだ。
男は、一度は死んだ人間。言うならば、螺旋王によって無理矢理蘇らせられたゾンビだ。
そんな男に今さら人道を説いて、なんになるというのか。
これはやり直しの機会などではない。冥府へ旅立つ際の、ちょっとした寄り道のようなものだ。
螺旋王の実験を円滑に進めるための駒。それが今の男――ニコラス・D・ウルフウッドの役目なのだと悟った。
「……そっか。そうだよね。何勘違いしてたんだろう、私。シモンみたいな奴ばっかなはず、ないじゃん。
だって、殺し合いしてるんだもん。あんたみたいなのが、普通だよね。だってこれ、殺し合いなんだからさ」
舞衣の視線は、眼下の焦げ爛れたアスファルトに奪われていた。
何もかもが焼けた。バイクも、死体も、道も、シモンも、唯一燃え滓のような舞衣だけが残った。
少し前までは、シモンとこれからの方針を論じていたはずだったのに。展開が激変するには、あまりにも早い。
だが、正常だ。これがこの世界にとっての、普通なんだ。舞衣はようやく理解した。
理解して――もはや怒りしかなかった。
「……あんたは! あんたみたいなヤツを! 私は絶対に許さない――ッ! カグツチィィィィィィィィィィィッ!!」
怒りに狂った表情を、燃え滾るような赤で染めて――舞衣は、腹の底から我が子の名を叫んだ。
我が子、即ちチャイルド。HiMEの能力の根底にして、最強の保有戦力。
その実態は神話から抜け出たモンスターのようであり、HiMEの心象をその身に宿したものである。
舞衣の使役するチャイルド、カグツチは、記紀神話における火之迦具土神を模した火竜の化身だ。
その戦闘力は人智を超えており、高次物質化能力を中和できもしない人間が太刀打ちするのは到底不可能。
極論を言えば、チャイルドを出したHiMEを殺すのは、同じくチャイルドを有するHiME以外存在し得ない。
こんな殺し合いなど、HiMEが複数介入している時点で成り立たない……はずだ。
しかし、主である舞衣が呼びかけても――彼女のチャイルド、カグツチは答えてはくれなかった。
「……カ、グ、ツチ? なんで、どうして……?」
「……助け呼ぶつもりなら無駄やで。引き金引くのなんざ、一秒とかからん」
いっこうに姿を現さないカグツチ。訳が分からず、舞衣は呆然と立ち尽くした。
チャイルドの召喚は、螺旋王によって封じられている――そのような事実に気づく間もなく、舞衣は死の瞬間を直視する。
ウルフウッドに憐憫の情は欠片もない。銃口は逸れず、ぶれず、真っ直ぐ舞衣の胸元を射抜いていた。
あとは引き金を引くだけだ。たったそれだけで、舞衣は死ぬ。
……あるいは、それもいいか、と思った。
端から不要と感じ始めていた命、生への執着もなくしかけていた。
それを寸でのところで繋ぎとめてくれたシモンも、もういない。
これでいいか。これで終わろう、舞衣はシモンの熱弁を思い出しながら、再び諦めようとしていた。
(結局私は、いつだって奪われる側の人間なんだ。幸福なんて訪れやしない、勝ち取ろうにもいつも品切れ。
……あーあ、最後まで不幸だったなぁ……でも、ま、それも私らしいか)
カグツチが呼び出せない。銃弾くらいならエレメントでも防げるだろうが、今さらそんな気は起こらなかった。
巧海を失い、命を失い、今度はついに、自分を失う。それが鴇羽舞衣の末路なのだと、受け入れた。
「ふざけるなッ!」
――そのとき。
死を与える者とそれを受け入れる者、二者の間に、小柄な影が割って入った。
ブルーカラーだった服を土色と赤で汚し、それでもなお、常の勇ましさを誇示する少年こそ、シモンだった。
ウルフウッドが投擲した手榴弾の爆発に巻き込まれ、舞衣が掠り傷程度で生き永らえたのは、運が良かったとしか言えない。
しかしこのシモンも、キャロのように身体が木っ端微塵になることはなく、どうにか一命を取り留めていた。
ただ彼は舞衣とは違い、その姿を以前とはまるで違う様相へと変貌させていた。
「なんだよおまえ……ッ! 俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんだ……舞衣だって死なせやしない!
ニアを助けて、ヨーコを拾って、みんなで螺旋王を倒しにいくんだ……邪魔するってんなら容赦しないぞ!」
一本の小さなナイフを頼りに、シモンは舞衣を庇うように立ち、ウルフウッドに敵意を向ける。
ナイフで銃を持った殺人者に張り合うなど、冷静な思考のできる人間の行動とは思えない。
実際、シモンはとうの昔に冷静さを欠いていた。
ここに連れてこられ、ニアの存在を知り、そして襲撃された今となっても、それは変わらない。
ただ、死ぬわけにはいかない。がむしゃらに生きて、大グレン団のみんなで螺旋王を倒さなくちゃいけない――そういった願望に駆られているだけ。
自らが陥っている状況を理解し、打開することもできはしない。そういう意味では、シモンはもう手遅れだった。
一度は発狂し、熱意が冷めると同時に死を覚悟した舞衣とて、それは理解できた。
今のシモンは尋常ではない。尋常ではないが、だからといって何かができるわけでもない。
「……アホくさ」
鼬の最後っ屁として、勇猛に戦意を振り翳して……死のうとしている。ただそれだけだ。
「おまえ、わいが何もせんでも死にそうやんけ。死人に無駄弾使う気なんぞ起こるかい」
冷たく吐き捨てると、ウルフウッドは銃を収めた。
シモンと舞衣の殺害を諦めたわけではない。今さら撃つ意味がないと判断したからだ。
なにせ、一人は軽傷とはいえ心身ともにボロボロの状態。それくらいは、彼女の事情を知らないウルフウッドにも分かった。
そしてもう一人は、棺桶に片足を突っ込んだ状態―ーつまり、死ぬ寸前だ。
これから死に逝く者に、数少ない銃弾を割くのは不合理と言えた。
実際、シモンが死ぬ一歩手前であるという表現は、的を射たものだった。
それが誰でも理解せざるを得ないであろう決定的な箇所を挙げるなら、頭部。
シモンの頭部は脳天から額に欠けてパックリと割れ、夥しい量の血を外部に紛失、首から上を深紅に染めていた。
立ち上がってナイフを握っていること自体が、不思議なくらいの有様。
単なる女子高校生であれば、直視した瞬間に失神してもおかしくない。それほどの傷だった。
シモンが生きていた。だが、もうすぐ死ぬ。
新たに飛び込んできた情報を頭で整理して、それでもやはり、舞衣は絶望から抜け出せずにいた。
◇ ◇ ◇
「けったくそ悪い……」
いくら胸ポケットを探ろうとも、愛しの煙草の感触は戻ってこない。
胸糞が悪い。イライラする。いつものように血塗られた腕で人を殺め、外道として振舞ってきただけなのに。
ウルフウッドは思った。
……ひどく疲れた、と。
「……今さら後悔してどないすんねん。わいは死人やぞ。誰に恨まれようが関係あらへん。こんな悪夢さっさと終わらして、向こうでヨロシクやりたいわ」
シモンと舞衣を襲撃し、退散した後のウルフウッドの後姿は、とても穏やかなものとは言えなかった。
人を殺した後の背中など、どこぞの殺人狂でもない限りは後悔の念と罪悪感でいっぱいになるものだ。
それは、最強の重兵器を担ぎ砂漠の星を渡り歩いてきたウルフウッドとて、例外ではない。
人の死は嫌というほど見てきた。目の前で誰かを殺されるのも、誰かの目の前で殺すのも、それこそ星の数だ。
それでも、善良な女子供を死に至らしめ、その怒りの矛先を向けられるのは、気分がいいものではない。
憂さ晴らしに煙草が欲しい……心底からそう願い、しかし叶えられはしない。
「……いいかげん割り切れや、自分。女子供がどうやあらへんやろ……ああそうや、そうやな」
あの名も知らぬ少女の死体には、謝罪してもしきれないほどの祈りを捧げておいた。それで許されるとも思っていないが。
ウルフウッドは既に冥府魔道に落ちた愚者だ。それを自覚しているからこそ、あんな外道なやり方を思いつき、実戦した。
彼の目的はただ一つ。死んだはずのこの身がここに存在する意味……それを果たすだけだ。
殺し合い。つまりはそれだ。
迷いなどない。孤児院の子供たちと同年代くらいの少年を殺した今となっては、迷いも何もない。
胸糞は悪いが、それを受け止めて、殺し続けるしかない。それが、この地に存在するニコラス・D・ウルフウッドの意味だった。
「だからなぁ……せめて、煙草くれるくらいの温情は働いてくれや。聞こえてへんのやろうけどな」
人知れず、螺旋王に愚痴るウルフウッド。
覚悟だとか、迷いだとか、そういう次元の話ではない。ウルフウッドは逡巡する間もなく、既に外道なのだ。
初めてこの手を血で汚したあの日から、今に至るまで。人間は、そう簡単に変わりなどしない。
ただやはり、胸糞は悪かった。
それだけの問題だ。
◇ ◇ ◇
――いいか、シモン。忘れるな。お前を信じろ。俺が信じるお前でもない。お前が信じる俺でもない。お前が信じる、お前を信じろ。
シモンは思った。
俺は……俺が信じる俺を、最後まで信じることができたのだろうか、と。
(アニキ……俺、やっぱりアニキみたいに……)
虚ろな意識がガラスのように罅割れて、カミナの虚像を歪めていく。
カミナは死んだ。もういない。
分かっていた。分かっていたはずなのに、シモンはそれを乗り越えることができず、偶像のアニキに縋ってばかりだった。
(ニア……すまない、俺……)
――穴を掘るなら天をつく。墓穴掘っても堀り抜けて、突き抜けたならシモンの勝ち。
――シモンはシモンだ、カミナのアニキじゃない。シモンはシモン、穴掘りシモンだ。
答えは用意されていたはずなのに、掴み取ることができなかった。
シモンは、この殺し合いという環境に順応する前に、不遇な運命を迎えた。
(舞衣も……ごめんよ……)
シモンの瞳にはもう、泣きじゃくりながら死を嘆く舞衣の顔すら映っていない。
カミナやヨーコ、ニアやリーロン、ロシウ、ダヤッカ、キタン……仲間たちとの思い出、走馬灯で視界が埋め尽くされていた。
決意も無念も、全てが死という名の虚無に埋没されていく。螺旋王と敵対する大グレン団筆頭の意志は、ここで潰えるのだ。
(俺も、アニキみたいになりたかった。でも俺は、アニキにはなれなかったんだ)
最後まで間違いに気づくことはなく、シモンは『アニキ』という大きすぎる存在を抱えて、死んだ。
後に残されたのは、いつものように泣く少女だけだった。
◇ ◇ ◇
まるで、雨が降っているようだった。
爆発により炎上したバイクの破片は、未だにそこら中で熱気を作っている。
そのど真ん中に身を置いても、舞衣の心は冷めていた。すっかり乾いた制服も、頭から水を被ったかのように重い。
舞衣は思った。
どうして私は、いつも失う側なんだろう、と。
腕の中には、事切れたシモンの遺体。それを抱いて泣き喚いたせいか、服には血がびっしりこびりついている。
死因は失血死だった。バイク爆破の際に吹き飛ばされた身体は路上を転がり、頭皮を削ってそこから多量の血を奪い取った。
身体が粉々にならなかっただけマシと考えるか、即死でない分僅かでも生を謳歌できたのは幸いと捉えるべきかは、人それぞれだ。
どちらにせよ、シモンは死んだ。もういない。
巧海と同じように、もうこの手に戻ることはない。
あれだけニアを助ける、螺旋王を倒すと息巻いていた元気な姿は、もう戻ってこない。
舞衣は、もう何度目か分からない消失による悲しみを痛感した。
(なんでよ……なんで、いつもいつもいつも、私ばっかりこんな思いしなくちゃならないのよ……!)
シモンはこんなにも重傷を負ったというのに、当の自分は五体満足、出血らしい出血も見当たらない。
精々肘や膝が擦り切れて、ヒリヒリと痛むくらい。普通なら幸運だったと喜ぶべきなのだろうが、今の舞衣にはこの幸運も、神様の皮肉にしか思えなかった。
殺すなど生温い。許す限り生き永らえ、永遠に消失の苦しみを味わえと……そんな神託すら聞こえてくるようだった。
巧海を失い、命を自らの手で殺め、そしてこの世界でもこうして、シモンを失った。
会話など数時間しかしていないが、彼の志しは悲痛にもがく舞衣に多大すぎる影響を与えた。
だからこそ、彼に付き合おうとここまで来たのに。運命は、それすらも容易く刈り取る。
結局は、何も変わらない。
蝕の祭も、殺し合いも、舞衣が失う側の人間であるという現実は、何も変わりはしない。
(……もう、死んじゃおうかな)
今回ばかりは、本気でそう思った。
もう、失うのには疲れた。誰かに大切なものを奪われて、そのことに憤慨して、駄々こねて生き続けるのには。
立ち直ってまた前を進もうにも、待っている運命はまた同じものに違いない。
奪われて、嘆いて、その繰り返し。
何度後悔すれば許されるのか。
そもそも、なんで自分ばかりがこんな目に遭わなければいけないのか。
分からない。舞衣には何も分からない。
こんな不公平すぎる人生、もはや価値などない。
巧海もいない、命もいない、帰ったところで、待っているのはあの無神経な馬鹿面ぐらいだ。
やってられない。もう人生に未練などない。あるとすれば……
「……なんで、私はいつもこうなのかな? 私、そんなに神様に恨まれるようなこと、した? ねぇ、ねぇ?」
白く、そして青く。夜天が明けて、すっかり爽やかな景色になっていた空は、何も答えてはくれない。
それでも舞衣は、天を仰ぎながら懸命に語りかける。
「どうして? ねぇどうして? なんで、なんで私ばっかり、いつもいつも、こんな損な役回りばっかり……
HiMEなんていう訳の分からない戦いに巻き込まれて、今度は殺し合えって言われて、それで何?
真っ先に死んだのは私じゃなくて、巧海と同じくらいの男の子よ? 何よこれ、どう考えてもおかしいじゃない」
運命なんてものはきっと、誰かが面白おかしくなるよう仕組んだ下手な脚本なんだ。
舞衣というキャラクターは決して報われることのない悲劇のヒロインとして、一生涙を流し続けるだけで終わるに違いない。
「ふざけてるの? 私が落ち込むのを見るのが、そんなに楽しい? 悪趣味よ、そんなの……ええ悪趣味だわ!
私は、あんたの思い通りになんかならない! もう、失うのも奪われるのもうんざり!
私は……私は、あんたのオモチャなんかじゃないッ! あんたのオモチャにされて一生を終えるくらいなら、私は――」
シモンから離れ、天の向こうにいる誰かに訴えかける舞衣の表情は、明らかに狼狽していた。
それでいて、覇気は十代の女子高生とは思えぬほどに鋭い。
この世の全ての憎しみを背負って立つような、鬼神の如き勇ましさが、その顔には宿っていた。
「――……そこにいるの、誰?」
発狂する舞衣の口から微かに、凍てついた問いかけが零れた。
その照準は、騒ぎを聞きつけてきたのだろう、舞衣に恐る恐る近寄ろうとしていた、ある少年に向けて。
「ひっ……あ、あの僕……お姉ちゃんがここで泣いてるのが見えて、それで、その、どうしたんだろうと思って……」
おっかなびっくり返事を返す少年の容姿は、巧海やシモンよりずっと若い。
利発そうな顔つきに、服装はいかにもな金持ち坊ちゃまの礼装だった。
舞衣と同じく首輪をつけているということは、つまりは彼も、シモンと同じ殺し合いの犠牲者。
「ぼく、名前は?」
「え? あ、あの、僕は――」
「……ううん、ごめん。やっぱりいいや」
初対面の少年の前とあってか、落ち着きを取り戻した舞衣は、穏やかな声をしていた。
しかし、その瞳は虚ろで、整然としているかに思われた足つきは、フラフラしていてどこか危なっかしい。
悪く言えば酔っ払いのような、さらに悪く言えば、精神を磨耗した異常者のような危うさ。
この時点で舞衣が何を思い立ったのかなど、少年には分かりもしない。
ただ一つ決定的なことは、この場に踏み入れた不幸――それが、間違いなく少年の身に降りかかろうとしている。
「おねがいがあるの。決心、つけさせて」
「え?」
一言断って、舞衣は少年の首に手を差し出した。
そして、そのまま掴む。
掴んで、握り締める。
強く、強く、ありったけの力を込めて。
「……ッが、お、でぇ……」
少年のおどおどした表情は次第に苦悶に染め上げられ、か細い喘ぎを漏らしながら舞衣の手を外そうとする。
しかし、まったく抗えない。少年の首を絞める舞衣の手には、尋常でないほどの力が込められていた。
それこそ、殺さんばかり握力で。
「痛い? ねぇ苦しい? ……巧海や命やシモンも、あんたみたいに苦しんだんだよね。
本当なら、私が受けるはずの苦しみだったのにさ。……私、また一人になっちゃった」
右手と左手、両の五指が、それぞれ少年の首にめり込む。
親指はまだ発達しきっていない喉仏を潰し、人差し指の爪は皮膚を裂いて血が滲んでいる。
首輪のせいで締めにくかったが、少年の首が細いこともあってか、別段問題ではない。
「苦しいよね。でも、私はもーっと苦しいの……たった一人残されて、泣いて、嘆いて、もう疲れちゃった。
なんで私ばっかりこんな目に遭うんだろうって、考えたの。答えなんか、分からなかったけどさ……」
少年の顔色が、次第に青ざめていく。
血色のいい肌はどんどん生気を失っていき、瞳の色からも活力が見られなくなってきた。
「私は、許せない。あんたが許せない。私から何もかも奪おうとする……あんたがッ!
奪われるのはもうたくさん! また奪われて後悔するくらいなら……私はずっと一人でいい!」
少年にか、それともここには存在しない誰かにか、舞衣は怒りの赴くままに言葉を紡いだ。
聞いているかどうかは問題ではない。激情を発散する術として、舞衣は辺り構わず喚き散らす。
「私は――奪う側に回るッ! あんたなんか……死んでしまえぇぇぇぇぇっ!」
コキャッ、と。小気味のいい音が鳴ったような気がした。
その音がスイッチとなって、舞衣は叫ぶのをやめる。
そして、改めて覗く少年の顔は……初見の際の利発そうな表情は微塵もない。
肌は青ざめ、瞳は焦点が定まらない……完全なる、死者の顔だった。
「……なんだ、なんてこと、ないじゃない」
舞衣が首から手を離すと、少年の身体は一切の抵抗を見せることなく地面に沈んだ。
もう、自らの力で立つこともままならない。いや、できない。
少年は既に事切れていた。舞衣が首を握り締めただけで、あっけなく死んだ。
つまりは、そういうことだ。この、殺し合いというものは。
「あは、あははははは。なぁ〜んだ、全然たいしたことないじゃん。誰かから、大切な何かを奪うのってさ。
そうだよね、こんなに簡単だったんなら、罪悪感なんてあるはずないよね。みんな踊らされるはずだぁ。
奪われる側だった頃の私が、まるで馬鹿みたい。本当に、馬鹿だったんだ私。はは、ははははは。ははははは」
すっかり動かなくなった少年の死体を踏みつけてから、舞衣はあてもなく歩き出した。
その顔を、怨嗟を越えた、異常とも取れる哄笑で満たしながら。彼女は向こう側の境界線に踏み込んだのだ。
もう、あんな思いをする生活には戻らない。自分だけが苦しむ世界はもうたくさんだ。
心身を削られ、それでも絶望より怒りが先行した結果、舞衣は壊れた。殺し合いに順応するという形で、正常に壊れた。
彼女にはもう、何も残されてはいない。
大切なものも、守るべきものも、守りたいと思えるものも。
◇ ◇ ◇
朝焼けの眩しい光に照らされて、低速ながらも修復が始まる。
どんな傷を負おうとそれが死に繋がることはなく、かつての姿に維持しなおす。
そんな、不死者にとっては当たり前の活動が、昇り始めた日の下で行われている。
チェスワフ・メイエルは思った。
想定外――だが、悪くはない結果だ、と。
首を絞められ、呼吸困難に陥る苦しみとそれによる死はなかなかのものだったが……外的殺傷に比べれば、些か楽なほうではある。
不死者とはいえ、殺害に伴う苦痛が皆無というわけではない。痛みは一般の生者と等しく与えられる。
先ほども、チェスは舞衣に絞殺されて死んだ。だが、すぐに生き返った。
散々締め付けられて青くなっていた痣は、艶やかな肌色に戻っている。潰された喉や爪で裂かれた皮膚も、また同じく。
(彼女が玖我なつきの知り合いならば、あるいは……とも思ったが、予想の斜め上をいく顛末を迎えてくれたようだ)
なつきに失望し会場内をさ迷い歩く内、チェスはウルフウッドの放った手榴弾による爆音を聞きつけ、ここまで駆けつけた。
もっとも、辿り着いたときにはもうウルフウッドの姿はなく、息絶えたシモンの死体と、それを抱えて号泣する舞衣を見かけたのみ。
何者かに襲われ、何者かが死に、なつきの言っていた『鴇羽舞衣』の外見的特徴に酷似する少女が、何者かの死を悲しんでいる。
状況は決して良好とは言えなかったが、彼女が本当になつきの知り合いであるなら、利用価値は見い出せると判断したのだ。
しかし、いざ話をしてみればこのとおり。チェスは、あっという間に舞衣の手にかかった。
不死者でなければ、なんとも救えない散り方をしていたところだろう。
彼女が何を思い、何を決意して殺人者側に回ったのかは、図りきれない。
だが残った結果として、ゲームに乗った参加者が一人増えた。
つまり、生き残る上で邪魔となる存在を消してくれる人間が、一人増えたのだ。
舞衣がチェスの知らぬところで勝手に暴れまわってくれるなら好都合。
彼女はチェスを殺したものと思っているだろうし、ここに戻ってくることもないはずだ。
(ならば彼女が去っていった先……南東方面を避けて行動すれば、まだやりようはある――おっと、誰か寄ってきたようだ)
爆発音を耳にし遅れながらも偵察に来たのか、それとも未だ燃え盛っているバイクの残骸を察知したのか。
どちらにせよ、このような場に走りながら寄ってくるような人間だ。単なる殺人者である可能性は低いだろう。
(『不死者のチェスワフ・メイエル』ではなく、『無害で善良なチェスくん』として接触してみるか……)
決めると、チェスはまたその場に倒れこんだ。
◇ ◇ ◇
時は少しだけ遡る。
映画館入り口のロビー、頼りない電灯が照らす内部に、朝焼けが差し込んで微かに明るくなった頃。
小刻みに震える身体を懸命に押さえつけながら、彼女は思案を続けていた。
ティアナ・ランスターは思った。
やはり、自分は馬鹿だ。ヴィータ副隊長に叱咤されたあの日から、何も変わっちゃいない……、と。
キャロを不可抗力で銃殺し、罪悪感に苛まれながら民間人の男性に銃を向け、逆に拘束されてしまう体たらく。
おかげでいくらかは落ち着けたが、ティアナの身体の震えはまだ治まらなかった。
それを案じてか、ティアナを拘束し、成り行きで保護した体格のいい男性――ジェット・ブラックは、未だ彼女から目を離そうとしない。
彼からしてみれば、ティアナは訳も分からないまま殺し合いに参加させられ、動転して錯乱した可愛そうな素人。
ティアナが時空管理局機動六課に所属する魔導師であり、幾多の死線を乗り越えてきたことなど、露とも思っていないだろう。
当たり前だ。今のティアナは、どう見ても異常事態に混乱した小市民。救助される側の人間だ。
同僚である機動六課の面々、相棒であるクロスミラージュ、激励をくれる存在は身近になく、彼女は未だ、立ち上がることができないでいた。
「だいぶ、落ち着いたか?」
「……ええ」
ジェットの問いかけに力なく答えながら、ティアナは数時間前のことについて、もう一度思案していた。
キャロの突然の死。警告の意を込めて向けた銃口は、親友の身体を射抜き、命を奪い取った。これは、紛れもない事実だ。
だが、幾分か冷静になった頭で今一度考える。
あれは、本当に自分が撃ったのか?――と。
何も責任転嫁をしようというわけではない。ただ、ここにきて腑に落ちない点が思い浮かぶので、考えてみただけだ。
実銃でないとはいえ、ティアナは管理局勤めを志し今日に至るまで、ずっと銃型のデバイスを愛用してきた、いわば専門家だ。
そんなティアナが、誤って引き金を引き、それが顔見知りであるキャロに直撃するなど、どんな確率か。
例えば、こうとは考えられないだろうか――ティアナが誤ってキャロに銃口を向け、寸でのところで銃を引こうとするも、
そのタイミングに合わせ、何者かが遠方からキャロを狙撃、その結果をティアナが『自分が撃った』と誤認した場合は?
都合のいい解釈というのは百も承知だ。だが、冷静になろうとすればするほど、その可能性もありうるような気がしてならなかった。
(そういえば、私の持っていた銃の残弾……もし、残弾が一発も減っていなかったとしたら……)
ティアナはここにきてから、一発も銃を撃っていない――つまり、キャロを撃ったのも別人ということになる。
今まで考えもしなかったが、この腑に落ちない疑問点を解決するには、最も有効的な方法だった。
ティアナは取り上げられた銃の残弾を調べようと、ジェットに声をかける。
「あの――」
「落ち着いたってんなら、ひとまずは安心だ。俺はちょっと外の様子を見てくるから、しばらくここで待っていてくれ」
しかしジェットはティアナの言葉を遮り、映画館の外へと足を向けていた。
「え、ちょっと、待って。外の様子、って?」
「さっきの爆発音だ。誰かが、そう遠くない場所でドンパチやらかしてるらしい。まさか、聞こえてなかったのか?」
「あ……」
首を傾げるティアナを見て、ジェットは溜め息をつく。そして、映画館から出て行ってしまった。
近隣で爆発音が鳴り響いたのは、ほんの数十分前。まだティアナが荒れていて、とても目を離すことができない状態の頃だった。
近くということもあり気にはなったが、ティアナを放っておくこともできず、ジェットは彼女が落ち着くまで待っていたのだ。
しかし当のティアナは、そんな爆発音があったことすら覚えていない。
キャロの死で、頭がいっぱいだった証拠である。
(ダメだな、私……)
震える身体を体育座りの体勢で縮ませて、また思案の海に耽る。
銃の残弾を確かめるのは、ジェットが戻ってきてからにしよう。そう決めたところで、ある重大な点に気づいた。
(外……爆発音……あれ? そういえばキャロは――)
映画館。外。そう遠くない場所。路上に放置したままの、キャロの死体はどうなったのだろうか。
真実がどうであれ、仲間の死体の場所を知りながら放置しておくのは居た堪れない。
(強く、ならなきゃ。立ち上がって、前を見なくちゃ駄目だよね)
思い立ち、ティアナは自らの足で外へと飛び出した。
キャロをあの場所に放置しておくわけにはいかない。然るべき場所へ移してやろう、と。
それが、修羅道へと続く第一歩であるとも知らずに――
◇ ◇ ◇
燃え盛る鉄の残骸、蔓延する血と肉の焼ける臭い、そして血達磨と化した少年の遺体。
駆けつけた先に広がっていた光景は、まるで。
ジェット・ブラックは思った。
なんだここは、地獄か、と。
ジェットがティアナを宥めている間、ここで何が起こり、誰がどうなったのか、定かではない。
ただ確かな結果として、ここで誰かが爆発を起こし、バイクらしきものと人らしきものを粉砕し、血塗れの少年を作り出した。
犯人は既に去った後だろうか。ジェットはティアナから没収した銃を片手に被害現場を検分する。
そして、血塗れで既に死亡していた少年とは別に、割りと小奇麗な姿の少年が倒れているのを発見した。
「おいボウズ、生きてるか!?」
警戒しがちに歩み寄り、その少年を抱き起こす。
見たところ、目立った外傷はない。精々服が土に汚れているくらいで、それ以外はまったくの無傷と言っていい。
しかし意識を失っているのか、ジェットが揺さぶってもすぐには起き上がらず、何度か声をかけてやっと目を開いた。
「うっ……あぁ…………」
「……どうやら、生きてはいるみたいだな」
苦しそうに呻く少年の姿を確認し、ジェットは安堵した。
ここで何があったのか、そこで死んでいる少年は誰なのか、どこまで把握しているかは知らないが、事情を聞くにしてもここでは場所が悪い。
ジェットが少年を抱えて映画館に戻ろうとした――そのときだった。
「嫌ァァァァァッ! キャィヤァロロロオオオオオォォォォォッ――!」
眼前に広がる惨状を目撃して、絶叫するティアナの姿があった。
ようやく取り戻したかと思った整然さは表情からして崩壊し、涙と涎を垂らしながら頭を掻き毟っていた。
落ち着いたなんてとんでもない。さっきの十倍は取り乱し、感情を暴発させている。
このままでは、何をやらかすか分かったもんじゃない。ジェットはティアナを鎮めるため歩み寄ろうとするが、
「……ゥッ! 近寄るなァァァ!」
容姿端麗な外見からは想像もできないほどの声量で威嚇され、ジェットは思わずたじろいでしまう。
少年のほうもティアナの咆哮に驚いたのか、完全に覚醒しジェットの脚に縋りついていた。
「アンタが……アンタが、キャロを! よくも、よくもよくもよくも……アンタもグルだったの?
そうなんでしょ? 二人で私を嵌めようとして……その上、キャロの……キャロの身体をこんなにしてぇぇぇ……」
泣きじゃくりながら、ティアナはジェットと少年の二人を拒絶した。
彼女がなぜ再び発狂しているのか、ジェットには考えつかない。
『アンタ』というのが自分と少年のことを指しているのだとしても、いったい何がきっかけでこうなったのか。
異常患者の思考などジェットには理解しえない範疇だが、可能性があるとするならば、この惨事に散ったあの少年か。
いや、ティアナが主張するキャロという名前は、どう考えても女の子の名前だ。だとすれば、彼女の発狂の理由は一つしかない。
血塗れの少年ではなく、ティアナの足元に転がっている……少女らしき人物の、バラバラ遺体。
おそらくはジェットをここに呼び寄せた根底たる爆発の最大の被害者なのだろうが、その有様は見るも無残で、原型を留めていない。
なのに、何故ティアナはそのバラバラの遺体を、キャロという名の知人だと断定できたのか。
もしくは、落ち着きかけていた錯乱状態が再発し、この被害を誇大解釈しているだけなのかもしれない。
「落ち着け、そこに転がっているのは、お前さんの言うキャロって子じゃ――」
ジェットが負けずに弁解を試みるが、
「嘘だッッッ!」
すぐさまティアナの怒号に打ち消され、後ずさる。
決してジェットが臆病者なわけではない。そうさせるだけの意外な迫力が、今のティアナにあっただけの話だ。
「キャロはキャロよ! 私が……ううん、違う、アンタが殺したんだ! その銃で!
そうよ、私は騙されていた……けど、ようやく気づけた! アンタが、アンタがキャロを!
キャロをおおおおおぉぉぉぉぉ――――うぷっ、げ…………ぇぇぇぇぇ」
心臓がはち切れんばかりの勢いで喋っていたせいか、肉片に気持ち悪くなったのか、ティアナは堪えきれずその場に嘔吐した。
滝のように流れる胃液を全て吐き出すと、余韻に浸ることなく口元を拭う。そして、間髪入れずに再起した。
ジェットをキッと睨みつけ、脱兎のごとく逃げ出した。
去り際の言葉は何もない。ただ、その女の子のものとは思えぬ形相は、この世の怨念を一身に受け止めた、阿修羅の化身のようだった。
「クソッ、何考えてやがんだあの女……ッ!」
ジェットはすぐに後を追おうとするが、踏み出そうとした脚は、まだ名も知らぬ少年にひっしと抱き止められていた。
ティアナの覇気にやられたのか、小動物のように竦み上がり、振り払うのも不憫な様子に見える。
別に子供愛護団体に所属したつもりはないが、彼を無碍にしてティアナを追うというのも、それはそれで胸にしこりが残る。
それに、少年からはこの場で起こった一部始終を聞きだす必要もあった。
二兎を追える状況ではない。ジェットは決断し、ままならない歯がゆさを舌打ちに変えて、遠ざかっていくティアナの背中を見送った。
すぐ後ろで妖艶な微笑を浮かべる、チェスの腹の底も知らずに。
◇ ◇ ◇
視界に入ったのは、数多の肉片。
黒焦げに変わり果てたもの、辛うじて肌色を保っているもの、血の赤に染まったもの、大小様々な、人のバラ肉。
確証を得たわけではない。あれがキャロである証拠など、何もないのだ。
それでも。
ティアナは思った。
あれはやっぱり――キャロだった、と。
なぜなら、キャロの死体は確かにあそこに放置されたままであり、あの場所は、確かにキャロが息を引き取った場所だったから。
(やっぱり私のせい? 私があのとき逃げ出さず、あの男を早急に確保しておけば……キャロはああはならなかった!?)
動悸の激しい胸元を押さえながら、ティアナは懸命に走った。
あの場から逃げ出したくて、あの場にいる変わり果てたキャロと向き合うのが怖くて、たまらず逃げ出した。
ティアナが錯乱していた最中、爆発音が鳴り響いたと、あの男はいった。
キャロは、おそらくそのときに身体を破壊されたんだ。そうに違いない。
ティアナは心中で断言し、そして改めて、あの二人組に憤怒の炎を燃やした。
(私がキャロを殺したと思い込ませて……私を利用しようとしたんだ! なんて卑劣な……許せない、絶対に、絶対に許すもんか!)
遠方からキャロを狙撃し、勘違いをきっかけにティアナを錯乱状態に追い込む。知人を目の前で射殺されて、精神が揺るがない人間などいない。
そこからティアナと接触し、保護という形で銃を強奪。残弾を確認させないための意味もあったのだろう。
そして先ほどのような形でキャロのバラバラ死体を見せつけ、ティアナの精神をさらに壊し、あわよくば懐柔。
あのジェットという男と、爆発の最中にいたはずなのに、無傷にも見えた少年。二人でティアナを嵌めようとしたに違いない。
(あいつらの思い通りになんてなってたまるか……ッ! 私は騙されない。誰にも、誰にだって、私を謀らせたりは――)
ふと、ティアナは怒りの表情を収めると同時に足も止めた。
胸中に宿ったある不安を反芻して、顔の血色を青白く染め変えていく。
(……あいつらの仲間が、他にもいるとしたら? ううん、仲間じゃないにしても……あいつらと同じような奴等が、スバルや、エリオや、八神隊長を……キャロみたいに……)
――殺し合い。
自然と、脳裏に今回の趣旨である単語が浮かび上がってくる。
誰かが誰かを殺し、最後の一人になるまで続ける。それが殺し合いだ。
様々な謀略を巡らし、暴力を持って他者を制するのが当たり前の環境。
そんな状況下で、スバルやエリオやはやてが、ティアナと同じように騙されたら。キャロと同じように……殺されたら。
(ダメ! 絶対……! そうなる前に、敵は片っ端から確保して……ううん、それでもダメ!
確保なんかじゃ生温い。やらなきゃやられる……キャロみたいに、キャロみたいに殺されちゃう!
そうよ、あの男だって善人ぶって私を謀ろうとした。敵なんだ、ここにいる奴等はみんな、殺し合いに乗った敵……敵、敵、敵、敵!)
必死の形相で前を見つめなおすと、ティアナは再び走り出した。
ここに、六課が保護するに値するような民間人はいない。殺し合いという言葉に踊らされ、仲間を傷つける愚か者ばかりだ。
ティアナは、先ほどそれを思い知らされた。知るのが遅すぎたために、キャロを死なせ、供養しなければならなかった遺体をも破壊された。
既に手遅れになる一歩手前なのだ。このまま決断を遅らせていては、いずれはスバルたちも殺されてしまう。
(そんなの、私が絶対に許さない! 殺す……殺す、殺す、殺す! これは殺し合いなんだ!)
そしてティアナは心を閉ざし――聞く耳を失った。
行動方針を、見敵必殺へシフト。仲間を傷つける輩を、事前に排除する。
ここはミッドチルダではない。上司が見守ってくれている仕事場でもない。
本当の意味での、戦場なんだ――ティアナは、やっと『殺し合い』の意味を理解して、狂った。
◇ ◇ ◇
牧師が撒いた種は、大いなる少年を殺し、悲運な少女を狂わせ、不死の小悪魔を呼び、男に災厄を与え、また少女の精神を壊した。
この醜悪な連鎖こそが、この世界の美学であり、日常であると言えた。
殺め合い、求め合い、胸深く、哀しみの剣を突き刺して――また、誰かが狂う。
【C-5・北部/一日目/早朝】
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン】
[状態]:やや不機嫌
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾4/6)@トライガン
[道具]:支給品一式
[思考]
基本思考:ゲームに乗る
1:自分の手でゲームを終わらせる。進路は北。
2:女子供にも容赦はしない。迷いもない。
[備考]
※迷いは完全に断ち切りました。
※ウルフウッドの最後の不明支給品は、手榴弾@現実でした。
【C-5・南東部/一日目/早朝】
【鴇羽舞衣@舞-HiME】
[状態]:精神崩壊、全身各所に擦り傷、全身が血塗れ
[装備]:クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:シモンを手伝う
1:大切なものを奪う側に回る(=皆殺し)。進路は南東。
2:もう二度と、大切なものは作らない。
[備考]
※カグツチが呼び出せないことに気づきましたが、それが螺旋王による制限だとまでは気づいていません。
※クラールヴィントの正体に気づいておらず、ただの指輪だと思っています。HIMEの能力と魔力に近い物があるかどうかは不明。
※参戦時期の影響で、静留がHIMEである事は知りませんでしたが、ゲームに呼ばれている事から「もしかしたら…」と思っています。
※シモンが別の世界からやって来たのではないかと考えていますが、荒唐無稽な考えだとも思っています。
※帽子の少年(チェス)を殺したものと思っています。
※ポスティーノのバイク@王ドロボウJINGは、ウルフウッドの手榴弾によって破壊されました。
【C-5・映画館近くの路地裏/一日目/早朝】
【チェスワフ・メイエル@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、アゾット剣@Fate/stay night、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等)
[思考]
1:ジェットを利用できるかどうか見定める。
2:ゲームに役立ちそうな人間と接触する。
3:アイザック、ミリア、ジャグジーに警戒。
4:自分以外に不死者が存在するなら、喰われないよう警戒する。
5:舞衣が向かった先(映画館南東部)には行きたくない。
[備考]
※なつきにはドモン・カッシュと名乗っています。
※不死者に対する制限(致命傷を負ったら絶命する)には気付いていません。
※チェスが目撃したのはシモンの死に泣く舞衣のみ。ウルフウッドの姿は確認していません。
【ジェット・ブラック@カウボーイビバップ】
[状態]:健康
[装備]:コルトガバメント(残弾6発)
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム0〜1つ 本人確認済み)
テッカマンブレードのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード
アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION
[思考] 基本: 情報を集め、この場から脱出する
1:ティアナを追いたいが、ひとまずはチェスから事情を聞く。
2:種々の情報を得るため、図書館or博物館or警察署に向かいたい。
3:スパイクとエドが心配。
4:初対面の人間には用心する。
[備考]
※テッカマンのことをパワードスーツだと思い込んでいます。
※ティアナについては、名前を聞き出したのみ。その他プロフィールについては知りません。
【C-5・南西部/一日目/早朝】
【ティアナ・ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:精神崩壊、血塗れ
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1:スバル、エリオ、はやてが危険に晒される前に他の参加者を皆殺しにする。進路は南西。
2:映画館近辺には戻りたくない。が、あの二人(ジェットとチェス)はいつか殺す。
[備考]
※キャロ殺害の真犯人はジェット、帽子の少年(チェス)はグル、と思い込んでいます。
これはキャロのバラバラ遺体を見たショックにより齎された突発的な発想であり、この結果に結びつけることで、辛うじて自己を保っています。
この事実が否定されたとき、さらなる精神崩壊を引き起こす恐れがあります。
※銃器に対するトラウマはまだ若干残っていますが、相手に対する殺意が強ければなんとか握れるものと思われます。
【シモン@天元突破グレンラガン 死亡】
【残り73人】
※シモンの死体と荷物(フィーロのナイフ@BACCANO バッカーノ!、マタタビ@サイボーグクロちゃん(?)、支給品一式、ランダム支給品0〜1個(本人確認済み・武器以外ないし、シモンの理解できない物))は、その場に放置。
※キャロの死体は木っ端微塵に砕け散りました。原型を留めていないため、判別は不可能です。
間桐慎二は真っ黒なロッカーの中で震えていた、いい加減足が疲れてきたが逃げ出そうという考えは起きなかった。
金色のサーバントに万が一見つかってしまえば、どうなるか解らない。出会い頭に殺される可能性すらある。
しかしそんな状況は長くは続かなかった。
――も、もよおしてきた。
慎二は足をがくがくと震わせながらその衝動に耐える。
しかし我慢が近いうちに崩れるのは明白だった。恐らく約30分、間違っても1時間は持たないだろう。
仮に英雄王がそれを見つけたとすれば、その様な汚物を見せたものを生かしておく道理は無い。
このままこの場にいるという選択肢にはリスクが付随することになる。
――でもこのまま外に出てあいつと出くわしたら……
慎二の足を止めるものは、やはり同じ英雄王の存在。
ただ一人が存在している……それだけのことで身動きが出来ず、更には『つみ』の状況に陥ってる。
その相手は自身のことなど歯牙にもかけていないというのに。
――くそ、それだけ僕は安いってことなのか。
自分自身が情けなくなってくる。
取れる選択肢は2つ、逃げるか逃げないかだ。どちらを選んでも結果はそう変わらない。
ギルガメッシュがもう来なければ助かる、もう一度此処にこれば……
結局慎二は走った、やがて廊下が終わり上履き置き場が見えてくる
――ははは、いないじゃないか。おどろかせやがって。
引きつった安堵の笑み浮かべ慎二は心の中で悪態を付く。
確かにギルガメッシュの目的を見学とするなら、もうそろそろ終了しているころだろう。
加えて最初に職員室を見たのだ、今は正反対の方にいる可能性は十分にある。
……さまざまな例外を無視すればだが。
しかし慎二はどちらが生存率が高いかまで計算したわけではない。そんなことを考えるだけの余裕はなかった。
ただ無様なところだけはさらしたくないという安っぽいプライドと、もうあのサーバントは居ないのではないかという根拠のない感に従っただけ。
そしてバトルロワイヤルはその安直な考えに代価を突きつける。
「雑種……いや小石が、まだ此処にいたのか」
上履き置き場のその先、ちょうど出口に当たる所にそのサーバントはいた。
「あ、あ……」
慎二の体が震だす、圧倒的な死の前に命乞いなどという考えも浮かばなかった。
――やばい、やばい。何のこのこと出てきたんだよ!
ずっとロッカーの中似ればよかったという後悔で、思考で埋め尽くされる。
「どけ、めざわりであろうが!」
ギルガメッシュは固まった慎二のそばまで近寄ると、不快そうな言葉とともに拳を薙いだ。
「が!?」
鉛のような風圧が慎二を吹き飛ばす、木製の上履き入れに叩きつけられ全身が悲鳴を上げる。
「これ以上の収穫はないな……他を当たるか」
辺りを見回し、しかし慎二を一瞥もせずに英雄王は去っていこうとした。
助かった……そう思うよりも先に慎二は理解した。
今の一撃で殺されなかった理由は、自分はあのサーバントにとって殺すどころか直接触る価値もなかったということだ。
それを助かったとして受け入れるのは簡単だった。あとは這いずって逃げればいい、命は助かる。
だが……それは人間だろうか、それをして安いプライドまで売り払って何が生きているといえるのか。
そんな思考が頭を掠める。
仮に金色のサーバントが慎二を殺そうとした場合、慎二は迷うことなく命乞いをしただろう。
それは少なくとも今はこの場を何とかしのいで、後の機会に反撃するために行うと自分を納得させれるから。
納得させられる限り慎二はいくらでも逃げる事が出来たし、出来るだけ逃げるつもりでもあった。
先ほど職員室で英雄王と視線が合ったときのように。
――でも、この状況は違う。
相手はこちらを人間とも思っていない、実際に相対してそれが明確に理解できる。
加えてもう見なかったふりは出来ない、この状況で逃げれば一線を越える。譲ってはならない一線をだ。
魔術師の家系の長男として生まれながら、魔術を修める価値無しとされた自分。
それでも自分は魔術師を目指している、自身が目指す魔術師は至高の存在だ。
いかなる状況でもそんな屈辱は認めないだろう。
逆にいえばその様な選択をすれば自分は魔術師にはもうなれない、その選択をしたという事実はあきらめとなり夢も失う。
――捨てるわけにはいかない、安いプライドを。
立ち上がる、恐怖をかみ殺して。
――バカなことをやっている事はわかっている……下手を打てば殺されることも。
――だけどそんな目で見られることだけは避けなきゃならない。
「うおおおおぉぉぉぉぉぉllおおおおお!!」
雄たけびを上げて立ち上がる。
それを見たギルガメッシュは憤怒に顔を染めた。
「ゴミが血迷いおって……そんなに死にたいのか。」
その台詞とともに踵を返す、先ほど視界を邪魔したにもかかわらず殺さなかったのは王の慈悲である。
そして王の慈悲をゴミが無視した。それはギルガメッシュにとって万死に値する罪であった。
――手足を一本ずつへし折り、泣いて懇願させた上で頭蓋を潰す。
殺意をむき出しにした英雄王に向かって、慎二は右腕を振りかぶった。
「ふん!」
英雄王の素手による一閃で赤い花が弾けた。へし折れるでもなく吹き飛ばされるのでもなく慎二の拳の内容物がぐしゃぐしゃにシェイクされ血液が噴出する。
予想以上の激痛がはしるのに耐えながらも左拳を打ち込む。
この勝負は全力を費やしても勝てる見込みは限りなく薄い……ここで引いては慎二の勝利は万が一もなくなる。
だから、慎二は更に踏み出す。
「あああ!」
左拳もあっさりつかまれ。
「うっとおしいわ!」
……卵のように握りつぶされた。
左手の骨は粉々、右手にいたっては肉片が付いてるだけだ。もう両腕は使い物にならないだろう。
しかしそれで良い、とりあえずの目的は近くによること。最終的に一撃をかわせないほどの至近距離によれればそれで良いのだ。
そして現在ギルガメッシュの両の手は撃墜に使われた後だ。引き戻すには若干のラグがある。
「くらえよ……」
ニヤリと笑う。そしてそのまま英雄王の顔に向かって振り下ろした、頭を。
ギルガメッシュが慎二は激痛でひるむと侮ったがゆえのこの状況。しかし足りない、その程度の攻めでは英雄と人の差を越えることは出来ない。
事実弾いた腕は、すでに迎撃に動いている。
「つまらんな」
その退屈そうな言葉通りに英雄王の手はその頭を直前で捕らえ、地面に叩きつけた後に嬲りごろしにするだろう……だから。
「――――――――」
間桐慎二は全力で呪文を唱えた、その呪文は魔力のパスを作る方法。魔術回路そのものが意味を成していない慎二には無意味でリスキーなだけの呪文。
リスクの高さと知識から無駄だと決め付けて、初めから唱えなかった呪文。
それは平時ならば確かに無意味だっただろう、しかし命を賭けたこの状況。プライドをかけたこの場面で……魔術回路は慎二の言葉に答えた。
閉じられた魔術回路を魔力が駆け巡る、体が作り変えられていくような錯覚。
頭を掴もうとする英雄王の腕がスローのように感じる。
初めて起こる魔術回路の切り替えは、まるで無数の弦の振動が無限に拡散していくようだ。
膨大に膨れ上がっていく魔力に慎二の体は耐え切れない、視界が真っ赤に染まっていく。
――押さえつけろ、これはまだ途中経過に過ぎないんだ!!
必死の抵抗と制御の前に、だんだんと振動が収束していく。
その時間は長く……しかし現実では一瞬におこった。そうして生み出された魔力を一点に集中させる。
単純なまでのシンプルな魔術、身体強化の魔術が頭突きを加速させ……。
「ガッ?!」
英雄王がよろめいた、取るに足らないゴミと断じた男の一撃をくらって。
「ふざけるなぁあぁっぁあl!!」
咆哮とともに放たれた一撃は慎二の体に吸い込まれ、その腹部を貫いた。
血反吐をはいて下駄箱にめり込むほどに吹き飛ばされた慎二は、しかし苦しげに笑いながら言葉を紡ぐ。
――ここからが僕が『勝つ』ための本番だ。
「ははは、ざまあ見ろ。僕を侮るからそういうことになるんだ。」
言った瞬間、殺意が風とともに押し寄せた。原形すら残さんと、地面がはぜるほどの踏み込みを込めて拳が叩きつけられる。
そしてその一撃は、なおも紡がれる言葉で止められる。
「僕を殺すなら殺すがいいさ、抵抗は出来ないしね。でも忘れるなよ、取るにたらない僕にあんたは出し抜かれたんだ。」
その言葉こそが切り札、一撃を与えた行為とそれに伴うリスクや犠牲はこのための布石に過ぎない。
矢継ぎ早に言葉を叩きつける。
「このまま僕が死ねばそれはもう覆らない。あんたは、取るに足らない僕に出し抜かれて終わったままになるんだ!」
ギルガメッシュの顔は怒りではちきれんばかりになった。この羽虫を黙らせてしまいたい、その衝動が強く英雄王を支配する。
しかし先ほどの言葉を聞いた後ではそれは出来ない、小石に出し抜かれたまま終わるなどと英雄王としてあってはならない。
怒りを押し殺し、奥歯を鳴らしてギルガメッシュは拳を引く。
「よかろう……ならばもう一度挑んでくるがいい。いつ何時でもかまわん、貴様の準備が万全になったときに正面からねじ伏せてくれる。」
体中から発する怒気とその言葉を連れて、ギルガメッシュはあっけないほどあっさりと去っていった。
「あんな綱渡りの作戦がね……、ほっとけば無傷で切り抜けられたんだけどね、はは」
かすれた言葉とは裏腹に慎二は満足感に満ちていた。
驚異的なサーバントに対抗するためとっさに考えた作戦は、いずこかの英雄たる相手のプライドを利用すること。
成功率はまさに万に一つだったろう。
もしかしたら動くまでに瞬殺されていたかもしれない、魔術が出たことは奇跡に近い、言葉なんて気にもも止めずに攻撃されたかもしれない
……だけど成功させた
――自分に誇りを持つことが気持ちいい、なんて柄じゃないのに。
少し体を休めながら、慎二は今後について考える。するとふと冷静になった。
――いっ、今の状態は良く考えると不味いかな。多人数の殺し合いだってこと忘れてたしね……
特に両腕の怪我、一応口を使って縛っておいたが出血と激痛で視界がぶれる。
そもそも両の手が使えない時点でゲームに乗った者に見つかれば終わりだ。
とりあえず保健室とトイレに行かないと……そう思った慎二は学校の入り口に影が立っていることに気がついた。
「ホントついてないや。やってきた誰かさんが、殺し合いに乗ってなければいいんだけどね」
そう呟き起き上がった慎二の前にその男は現れた、そして……
「ほう、お前は間桐慎二か」
【H-2 学校、靴棚 一日目 早朝】
【間桐慎二@Fate/stay night】
[状態]:重症、両手が粉砕骨折 、腹部に大きなダメージ、魔力消費(中)
[装備]:なし
[道具]:デイバッグ/支給品一式(食料:缶詰)/テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード
[思考]
1:やってきた人物の把握、
2:ギルガメッシュとの約束は今、のところ挑むつもりはない
3:死にたくない、絶対生き延びる
[備考]:
※参戦時期はアニメ12話直後、バーサーカーと遭遇した瞬間。
※名簿も地図も確認していません。
※士郎と一緒にセイバーがいると思っています。
※クリスタルをただの観賞用の水晶だと思っています。
※十字架が武器であることに気付きました、ですが手遅れです。
※ギルガメッシュの横にいた女(奈緒)をギルガメッシュのマスターだと思っています。
※魔術は簡単なものしか使えず、続けて使用できるかどうかも不明です。
【言峰綺礼@Fate/stay night】
[状態]:健康 左手にトリモチがへばりついてます
[装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:荷物一式 支給品0〜1(本人確認済)
[思考] 見た事のある顔だな……どうするか?
1:殺し合いに干渉しつつ、ギルガメッシュを探す。
2:シータに会えばパズーの伝言を伝える。
※制限に気付いています。
※ストラーダはデイパックの中です。
一通りの説明を終えた奈緒は、校庭にある花壇で花相手に時間を潰していた。
「何が『理解した、正門付近の間取りをもう一度確かめたいゆえここで待っておれ』よ」
文句を言いながら、ぶちぶちと花びらを一枚ずつもいでゆく。哀れな白百合は数秒でばらばらにされてしまった。
次は……とひまわりに手を伸ばそうとしてふと気づく。
――もしかして、逃げ出すチャンスかな?
逃げ出したことがばれたときのことを考えれば寒気が走る……が、あのわずらわしさとストレスから開放されるのは魅力的だ。
悩んだ末くだした結論は。
「花占いで決めればいいか。ってなんで百合とひまわりがいっしょにあるのよ。」
ひまわりの花びらの枚数は百枚近い。
もちろん奈緒が数えている間にギルガメッシュはやってきた。
「花か……怒りを静めるにはちょうど良いな、この花畑をコレクションに加えよう。蜘蛛女、花壇の花を全てバックに詰め込め。」
いきなりやってきたギルガメッシュは唐突に指示を出した。
――はぁ!?なにそれ、私はあんたの女中じゃないわよ!?
そう思った奈緒だが、この英雄の機嫌がなぜか最悪であることを理解すると泣く泣く作業を開始した。
――ハイビスカスとかにして、とっと花占い終わらせて逃とけば良かった……
疲れきった奈緒をつれて、ギルガメッシュは学校を後にした。
【H-2 学校裏口、花壇 一日目 早朝】
【結城奈緒@舞-HiME】
[状態]:疲労(小)、眼帯を外したい
[装備]:衝撃のアルベルトのアイパッチ@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
[道具]:支給品一式、パニッシャー@トライガン、ランダム不明支給品x1 、花壇の土と花(花壇一つ分)
[思考]
基本思考:面倒なのであまり戦いたくない。ヤバくなったら真面目にやる。
1:疲れたので休みたい
2:とりあえず金ぴかと一緒に行動する
3:攻撃してくる人間を殺すのに躊躇いは無い
4:藤乃にはあまり会いたくない
【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:健康、やや不機嫌
[装備]:巳六@舞-HiME 黄金の鎧@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、ランダム不明支給品x1
[思考]
基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。【乖離剣エア】【天の鎖】【王の財宝】の入手。
1:他の施設および、人を探す
2:宝具、それに順ずる道具を集める
3:目障りな雑種は叩き切る
4:エレメントに興味
5:慎二からの挑戦はいつでも受ける