アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2
・参加者リスト・(作中での基本支給品の『名簿』には作品別でなく50音順に記載されています)
7/7【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/○エリオ・モンディアル/○キャロ・ル・ルシエ/○八神はやて/○シャマル/○クアットロ
6/6【BACCANO バッカーノ!】
○アイザック・ディアン/○ミリア・ハーヴァント/○ジャグジー・スプロット/○ラッド・ルッソ/○チェスワフ・メイエル/○クレア・スタンフィールド
6/6【Fate/stay night】
○衛宮士郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○ランサー/○間桐慎二/○ギルガメッシュ/○言峰綺礼
6/6【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○ルルーシュ・ランペルージ/○枢木スザク/○カレン・シュタットフェルト/○ジェレミア・ゴットバルト/○ロイド・アスプルンド/○マオ
6/6【鋼の錬金術師】
○エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○リザ・ホークアイ/○スカー(傷の男)/○マース・ヒューズ
5/5【天元突破グレンラガン】
○シモン/○カミナ/○ヨーコ/○ニア/○ヴィラル
4/4【カウボーイビバップ】
○スパイク・スピーゲル/○ジェット・ブラック/○エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世/○ヴィシャス
4/4【らき☆すた】
○泉こなた/○柊かがみ/○柊つかさ/○小早川ゆたか
4/4【機動武闘伝Gガンダム】
○ドモン・カッシュ/○東方不敗/○シュバルツ・ブルーダー/○アレンビー・ビアズリー
4/4【金田一少年の事件簿】
○金田一一/○剣持勇/○明智健悟/○高遠遙一
4/4【金色のガッシュベル!!】
○ガッシュ・ベル/○高嶺清麿/○パルコ・フォルゴレ/○ビクトリーム
4/4【天空の城ラピュタ】
○パズー/○リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ/○ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ/○ドーラ
4/4【舞-HiME】
○鴇羽舞衣/○玖我なつき/○藤乃静留/○結城奈緒
3/3【R.O.D(シリーズ)】
○アニタ・キング/○読子・リードマン/○菫川ねねね
3/3【サイボーグクロちゃん】
○クロ/○ミー/○マタタビ
3/3【さよなら絶望先生】
○糸色望/○風浦可符香/○木津千里
3/3【ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
○神行太保・戴宗/○衝撃のアルベルト/○素晴らしきヒィッツカラルド
2/2【トライガン】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド
2/2【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○Dボゥイ/○相羽シンヤ
2/2【王ドロボウJING】
○ジン/○キール
【残り82名】
・参加者リスト・(作中での基本支給品の『名簿』には作品別でなく50音順に記載されています)
6/7【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/○エリオ・モンディアル/●キャロ・ル・ルシエ/○八神はやて/○シャマル/○クアットロ
6/6【BACCANO バッカーノ!】
○アイザック・ディアン/○ミリア・ハーヴァント/○ジャグジー・スプロット/○ラッド・ルッソ/○チェスワフ・メイエル/○クレア・スタンフィールド
6/6【Fate/stay night】
○衛宮士郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○ランサー/○間桐慎二/○ギルガメッシュ/○言峰綺礼
4/6【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○ルルーシュ・ランペルージ/●枢木スザク/○カレン・シュタットフェルト/●ジェレミア・ゴットバルト/○ロイド・アスプルンド/○マオ
5/6【鋼の錬金術師】
●エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○リザ・ホークアイ/○スカー(傷の男)/○マース・ヒューズ
5/5【天元突破グレンラガン】
○シモン/○カミナ/○ヨーコ/○ニア/○ヴィラル
4/4【カウボーイビバップ】
○スパイク・スピーゲル/○ジェット・ブラック/○エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世/○ヴィシャス
3/4【らき☆すた】
○泉こなた/○柊かがみ/●柊つかさ/○小早川ゆたか
4/4【機動武闘伝Gガンダム】
○ドモン・カッシュ/○東方不敗/○シュバルツ・ブルーダー/○アレンビー・ビアズリー
4/4【金田一少年の事件簿】
○金田一一/○剣持勇/○明智健悟/○高遠遙一
4/4【金色のガッシュベル!!】
○ガッシュ・ベル/○高嶺清麿/○パルコ・フォルゴレ/○ビクトリーム
4/4【天空の城ラピュタ】
○パズー/○リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ/○ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ/○ドーラ
4/4【舞-HiME】
○鴇羽舞衣/○玖我なつき/○藤乃静留/○結城奈緒
3/3【R.O.D(シリーズ)】
○アニタ・キング/○読子・リードマン/○菫川ねねね
3/3【サイボーグクロちゃん】
○クロ/○ミー/○マタタビ
3/3【さよなら絶望先生】
○糸色望/○風浦可符香/○木津千里
3/3【ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
○神行太保・戴宗/○衝撃のアルベルト/○素晴らしきヒィッツカラルド
2/2【トライガン】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド
2/2【宇宙の騎士テッカマンブレード】
○Dボゥイ/○相羽シンヤ
2/2【王ドロボウJING】
○ジン/○キール
【残り77名】
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
【舞台】
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/f3/304c83c193c5ec4e35ed8990495f817f.jpg 【作中での時間表記】(0時スタート)
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、
>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
携帯からPCに変えるだけでも違います。
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、
>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
携帯からPCに変えるだけでも違います。
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、「ベリーメロン〜私の心を掴んだ良いメロン〜」を見るなどして気を紛らわせましょう。「ブルァァァァ!!ブルァァァァ!!ベリーメロン!!」(ベリーメロン!!)
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
【議論の時の心得】
・このスレでは基本的に作品投下のみを行ってください。 作品についての感想、雑談、議論は基本的にしたらばへ。
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては議論スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NG協議・議論は全てしたらばで行う。2chスレでは基本的に議論行わないでください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。
上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
【予約に関してのルール】(基本的にアニロワ1stと同様です)
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行う
・初トリップでの作品の投下の場合は予約必須
・予約期間は基本的に三日。ですが、フラグ管理等が複雑化してくる中盤以降は五日程度に延びる予定です。
・予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【主催者や能力制限、支給禁止アイテムなどについて】
まとめwikiを参照のこと
http://www40.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/1.html
「……あれ?」
しかし引き金は微動だにしない。
まさかとは思ったが、引き金の重さまで精巧に再現するとは正気の沙汰とは思えなかった。
「そこに、誰かいるの?」
仕留めそびれたうえ、漏らした呟き声に気付かれてしまったらしい。
撤退が頭をよぎる。しかし甲冑はのらりくらりと歩み寄ってくるものの、特に敵意や緊張感を示してはいない。
銃を構え直し、再度慎重に狙いを定める。的がこちらへ向かって動いている分、先ほどより随分楽だった。
照準が整ったそのとき、雲の切れ間からいささか強く月灯りが差した。
甲冑はあっと声をあげる。狙われていることに、ようやく気付いたようだ。
「撃っちゃダメだ!」
攻撃するなと訴えているようだったが、いまさら待ったはなしだ。まずは一人、順調に点をあげさせてもらうことにする。
今度こそは確実にやれるよう、肩に力を込め、引き金を両手で思い切り引いた。
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/25(火) 00:40:59 ID:TIK4SdxO
烈しい破裂音が轟き、次いで短い金属音が響く。右の頬に鋭い痛みが走った。
衝撃に圧された手で胸を強打し、うしろによろめいて、椅子の下の固い床でしたたか尻餅をつく。
青い髪の束が、ふぁさ、と落ちた。
「へ? へ?」
こなたは煙を上げる銃口と駆け寄る甲冑を交互に見比べるばかりだった。
頬から血の糸が垂れ、顎の先から滴になって床へと落ちた。
がしょん、がしょん、がしょん。金属音はすぐそばから響き、かすかな振動すら伝わってくる。
巨体がいよいよ目の前に迫る。文字通り、目の前が真っ暗になった。
甲冑は目にもとまらぬ早業でこなたの腕を捕らえ、拳銃を取り上げる。抵抗する気にはなれなかった。
「撃っちゃダメだったら。兆弾して危ないだけだよ!」
甲冑の言葉は、耳に入らなくなっていた。
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/25(火) 00:45:06 ID:TIK4SdxO
銃が本物であるということは、この『ゲーム』は『ゲーム』でなく、ほんとうの殺し合いということになる。
同時に、胸躍らせながら眺めていた『演出』で首を刎ねられたモロトフが、作り物である必然性も失われるわけである。
そしてゲームの目的は、“唯一人の”優勝者を選び出すことであって。
参加者一覧には親しい友人や、妹同然の従妹の名があって。
目の前で人が死んだ?
この手で他人を殺そうとした?
自分や知人が、生命の危機に瀕している?
――わけがわからなくなった。
薄ぼけた月明りの中、こなたはただ呆然と巨大な甲冑を眺めつづけていた。
【G-3/空港-ロビー/一日目-深夜】
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:右頬に銃創、呆然
[装備]:なし
[道具]:デイバッグと支給品一式、不明支給品0〜2個
[思考]:え? サバゲじゃなかったの?
【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイバッグと支給品一式、エンフィールドNO.2(弾数5/6)、不明支給品0〜3個
[思考]:青髪の少女に対処
【エンフィールドNO.2】
軍用回転式拳銃。装弾数六発のダブルアクション。ムスカ大佐が使用していたのがこれといわれている。
アルのテンプレ修正
誤 不明支給品0〜3個
正 不明支給品1〜3個
すごく……不当なハンディです……
E-4、ヨットハーバー。一通り名簿と支給品を確認した私は、その見慣れぬ施設に足を踏み入れた。
左手に液体燃料式のランタンを持ち、用心深く歩を進める。
周囲は見渡す限り、輝く水で覆われている。塩の臭い、一瞬で嗅覚がそこが海に面した場所である事を察知する。
中々不思議な光景だった。
桟橋にロープで括り付けられているいくつもの小型の船舶。
風力で動く酷く原始的なものが大半、奥の方にはおそらく何らかの原動機を積んでいると思われる大型のものが並んでいる。
いっそ船で沖に……などという考えも浮かんだが切り捨てる。
私にはこの銀色の首輪の束縛がある。
主催者が何を考えているかは不明だが、不用意な行動は命取りになる。
そう首輪だ。
触って確かめた限り、金属である事は分かるが詳しい材質や内部の構造にはまるで見当が付かない。
錬金術の基本原理は【理解】【分解】【再構築】の三要素。
特に最も重要となるのが対象物の構成元素や特性を"理解"する事である。
つまり明らかに未知の物質を錬金術の対象にする事は出来ない。
そもそも鋼のならともかく、私個人はこのような金属の錬成はそれほど得意では無かった。
しかし今優先すべきは目下に迫る危険への対処。つまり――
「そこにいる事は分かっている。出て来い」
「……おや。中々無用心な背中かと思えばそうでもない、という訳ですか」
多数の船舶の影、丁度私の背後から一人の若い男が姿を現した。
透き通るような銀髪、冷たい印象を与える眼鏡、そして知性と閃きに満ちた瞳。
男は身にまとったスーツは遠目にもその質の高さが伺えたし、ネクタイからワイシャツに至るまで本人の几帳面な性格が滲み出ているような整然さに溢れていた。
醸し出す雰囲気は達人のソレではない。
だが、明らかに只者ではないと感じさせる特徴的な"何か"を持っている。
それは心技体で表すならば、"心"の煌き。大都市に設置された国家図書館の書庫にも匹敵するような抜群の知の匂いだ。
そして不屈の精神力。明らかに気の抜けない相手である事は確かだ。
男は見る限り丸腰、加えて自らの肉体を駆使して戦うアームストロング少佐のようなタイプにも見えない。
とはいえ無用心に近付くのは問題外。慎重に事は進めるべきだ。
ランタンを構えたまま、体勢は崩さず。
どのような攻撃が来ようとも対応出来るように細心の注意を払う。
だが、次に男が発した言葉は思わず拍子抜けしてしまうほど意外なものだった。
「――失礼、何か火種になるようなものをお持ちでしょうか?」
眼鏡の男はそう問い掛けると質の良さそうなスーツの胸ポケットから長方形の紙箱を取り出してこちらに見せる。
私はそれに見覚えがあった。もちろん煙草という概念に、という意味ではない。
それは"アイツ"がいつも吸っていた煙草と同じ銘柄のものだった。
「……煙草を吸うのか」
「いえ、普段はほとんど。ただ……こういう特別な状況で"コレ"が支給されたのも何かの縁かと思いまして」
答える男の表情は不自然な程余裕に満ち溢れていた。涼しげな佇まい。
思わず私は若干の苛立ちを覚える。
こんな危機的な状況にも関わらず、何一つ焦りや戸惑いを感じていないような男の態度に対してだ。
正直、どう対応すべきか決め兼ねる。
この男は怪しい。胡散臭いというよりも、"腹の探り合いで数歩先を行かれている"ようなイメージ。
錬金術師は高い戦闘能力を誇る兵士であると同時に、優れた研究者でもある。
肉体派の国家錬金術師として通ってはいるものの、政治家としての手腕や話術にはそれなりの自信は持っていたものだ。
故に初対面の相手にここまで流れを持って行かれるのは中々久しい体験だった。
そう、"安易な行動"を取る事は出来ないと感じさせるだけの高い能力を男は有している。
微妙な沈黙。私が特別なリアクションを取らない事に痺れを切らしたのか、男は胸ポケットに再度煙草を仕舞った。
「自己紹介がまだでしたね。私は警視庁刑事部捜査一課の明智と申します。
本来ならここで警察手帳をお見せしたい所なのですが……生憎とソレも没収されてしまったようで」
「――私がゲームに乗っているとは考えないのかね。
それに少なくとも君は、身体を使って戦うのは得意では無いように見える。
"煙草の火"を求めると言う事は、私にそれなりの距離まで接近するのを許しているように思えるのだが?」
男、明智健吾は口元に微笑を浮かべると楽しそうに数回喜びの声を漏らした。
こちらを試しているのだろうか、中々嫌味な男だ。
「……順を追って解説致しましょう。そうですね、まず一つ目の質問について。
あなたがゲームに乗っている可能性は……私見ですが一割以下でしょうね」
「ほう、そこまで断言するか。まさか理由が無いわけでもあるまい?」
随分と言い切ったものだ。
一割以下、と言ってはいるものの、彼は"私がほぼ確実にゲームには乗っていない"と判断しているに違いない。
初対面の人間にここまで言えるのは余程の馬鹿か天才のどちらか。
「ヒントは3つあります。まず私の姿を確認した後、すぐさま襲い掛かって来なかった事。
次に姿を見せた私に対して"何一つ"牽制を行わなかった事。
そして何よりあなたが軍服を着ている事……そう、軍属の人間が上二つの行動を取らない。
すなわちゲームに乗っていない証拠に他なりません」
「……それだけか? 確かに芯は通っているが、一割以下とまで絞り込めるようには思えんが」
確かにゲームに乗った好戦的な人物であれば、最低でも牽制は欠かさないだろう。
しかし、それなりの理由があってソレを行わないパターンも十分に考えられる。
頭上に輝く黄金の月がゆらりと輝いた気がした。
私は明智の更なる"推理"の続きを待った。
「そうですね……この三つでは精々三割以下が限界でしょう。
ですが私には決定的な武器が一つあるのですよ、『ロイ・マスタング大佐』」
「ッ!?」
あまりにも聞きなれた名前、加えて階級。
明智の言葉を聴いた瞬間、私、ロイ・マスタングは思わず胸元から支給された武器を取り出し、ソレを突き付けていた。
コレは最後の最後まで取っておきたかった切り札だったのだが仕方がない。
銃。黒光りする、か弱い女や子供老人であろうと人間を殺す事が出来る魔の兵器。
そしてソレを模したレプリカを。
普通の人間にとっては完全にハズレ支給品だっただろう。
――だが私にとってコレは最高の武器となる。
「おや、そんなものを持っていましたか。銃器の類は所持していないと思ったんですが……」
「どういう、ことだ?」
「……錬金術、古代から中世にかけて行われた"金"や"賢者の石"に関する学問。
現代における化学の根本を成す――例えば、かのアイザック・ニュートンも高名な錬金術師であったと言われています。
ですが……あなた方の言う錬金術とはまたソレとは別の技術なのでしょう、<<焔>>の錬金術師よ」
明智は相変わらず嫌味な笑顔のまま、次は私にとって最も聞きなれた呼称を口にした。
その態度は明らかに不遜。
そしてそれは私と相容れる事がないと確信させるには十分過ぎる程だった。
光を受けて軽く反射する眼鏡。逆行に遮られ上手く見る事が出来ない男の瞳がやけに不気味だった。
そして私は決意した。
もう、遊びはここまで。
どんな手段を使って私の情報を得たのかは知らないが、奴はあまりにも不可解すぎる。
「……全て、お見通しと言う訳か。明智よ、ハボックの煙草を出せ」
「ハボック……? この煙草の持ち主の名前ですか?」
「そうだ、構えろ。餞別だ――見せてやる」
左手に持ったランタンに意識を集中。液体燃料式のソレの火力を調節し、シャッターを全開にする。
加えて瞬時に有効射程までの空間を認識。
そして、燃焼の三要素である【燃焼物】【酸素】【点火源】を準備する。
燃焼物は明智が億劫げに構えた部下であるハボックの物と同じ銘柄の煙草。
点火源は手に持ったランタン。
そして酸素だ。空気中の酸素濃度を錬金術を用いてコントロールする。
私と男の距離は約数メートル、だがこの程度の調節児戯に等しい。
イシュヴァールの殲滅戦を思い出せ。
私は何を焼いた?
女だ、老人だ、罪の無い無邪気な子供だ。
軍人としては部下を守るため、最後まで前線に出て戦った勇敢な上司なのかもしれない。
だがそれは所詮"勝った側"の理論。
イシュヴァールの民にとって私は殺人鬼、ただの悪鬼に過ぎない。
断末魔をあげ、消し炭になっていく人間をどれだけ見たのだ。
真っ黒い炭にあらゆる元素が消失し、完全な『C』になって行く、その光景の担い手は誰だ。
ああ、それも私だ。
人の皮一枚レベルの火力調整すら可能。
それがアメストリス軍中央司令部所属ロイ・マスタング、通称<<焔>>の錬金術師。
――燃えろ。
両手の掌に予め書いておいた錬成陣に力を込める。
円。錬金の流れを作り出す、循環の象徴に向けて。
「!? これは……まさか、こんな事が……ッ!!」
明智の憎たらしい笑顔が"消失"する。
続けざまに、ヨット場に苦い煙草の匂いが出現。懐かしい、国を思い出させる匂いだ。
その顔面に刻まれたのは驚き、そして在り得ない物を視認した者が見せる恐怖の感情。
明智は手に持った煙草を忌々しいものでも見るように投げ捨てた。
ソレは奴の隣、何も無い海面に落ちて見えなくなった。
私は完全な火力調整の下、火種になって見せた。
もちろん、奴ごと燃やし尽くしてしまうようなヘマをやらかす訳がない。
完璧に"煙草の先端部分だけ"を燃やした。
その際少々大きな爆炎を発生させたが、それはただの威嚇。
奴は煙草を持つ指先にすら火傷を負ってはいない。
「お前は一つ勘違いをしていたようだな。どうやって知ったか知らんが、錬金術を手品か何かだと思っていたか?」
「ええ、正直予測はしていましたがここまでとは。……ですが、もはや確定的なようで」
若干乱れた髪を気にもせず、明智は少し下がっていた眼鏡を元の位置まで戻す。
そして自信満々に言い放った。
「ロイ・マスタング大佐、あなたはゲームに乗っていらっしゃいますね?」
「――正解だ」
「くッ!!!」
爆炎。人一人十分に殺傷させうる炎の渦を発生させる。
だが明智は予想外なまでに俊敏な身のこなしで私の炎を回避した。
相手の対応に私は思わず感嘆せざるを得なかった。
どうして中々。
今回は完全に"焼失"させるつもりでやったのだが。
■
「くッ!!!」
巨大な炎の塊が私の足元に発生した。
だがこのような展開もある意味予定通り。
彼がいつ攻撃してきても構わないように、全身の神経を張り巡らせていたのだから。
横に思いっきり身体を飛び退かせ、その炎から身を守る。
「……中々いい動きだな、明智。だが次は外さんぞ? そもそも『一割以下』という件はブラフだったのだろう?」
「ッ、ええ。元々、相当高い確率でゲームに乗った人間である事は予想していましたから」
「……参考までに聞いておこうか」
完全に、力関係の構図は逆転した。
私の表情に先ほどまでの余裕は無い。
地面に膝を付きロイ・マスタングを睨み付ける私と、こちらを見て口元をにや付かせる彼。
既に支給品の『参加者詳細名簿』によって彼の情報を知り得ていたアドバンテージなど、この圧倒的な力の前には無力。
推理のタネ明かしをこんなに追い詰められた状態でやった事は無かったな。
思わず無様な私自身を笑い飛ばしてやりたくなった。
「簡単な推理です。鍵はあなたが持っているそのランタンですよ。
このヨットハーバーにおいて、そんな物を使う必要は全く無いんです。
なぜなら、ここには既に"十分な程の照明"が焚かれているのですから」
「ほう」
私は辺り一面に設置された球場のライトにも匹敵する照明具を指差しながら告げた。
そう、このヨットハーバーは十分過ぎる程明るいのだ。
その証拠に――私はランタンを持っていない。
「しかし、あなたはランタンの灯を消そうとはしなかった。
加えて武器を一切持っていないにも関わらず、全く動揺が見られなかった。
いかに軍属の人間であるとは言え、ね。
そして、最後に元々私が知り得ていた<<焔>>の錬金術師という異名……ソレはつまり、ランタンの火こそがあなたの武器である証拠」
「……なるほど、だが信じられたのか? その話素振り、貴様一切錬金術を知らない国の出身だろう?」
ロイ・マスタングは「その発想は無かった」という表情を一瞬だけ顔に浮かべたが、すぐさま厳しい顔付きを取り戻す。
ゆらゆらと揺れる真っ青な海面を背に、私は更に推理を続ける。
「そう。正直半信半疑でした。ですが私が火種を要求した時におかしいと思いませんでしたか?
"どうしてお前は自分のランタンを使わないんだ?"ってね」
「!!」
「おそらくあなた自身も知らず知らずの内に、自らを炎と結びつけて考えていたのでしょう。
だから、自分が火種を要求された事になんの疑問も持たなかった。
この時点で半ば確信しました。……まぁ、予感めいたものも多々ありましたが。
そして、最後にあなたの眼――職業柄、"殺し"を決意した人間には少々見慣れていますので」
男の眼――それは、爛々と燃え盛る太陽のような瞳をしていた。
野望、野心、そして遙かなる向上心。
天を、高みを目指す強欲なまでの彩りに満ちた視線。
だが私は見逃さない。
その輝きの中に、僅かな黒点にも似た曇りが存在する事を。
そしてソレは犯罪芸術家「高遠遙一」にも似た殺意を押し殺した人間の眼なのだ。
「ふふふ……面白いな、明智よ。こんな状況でなければ私の部下にしてやってもいいくらいだ」
「……どうですかね、あなたで私を容易く御せるとは思えませんが」
私達は共に低い笑い声をあげた。
皮肉、牽制、冗談、短い会話であったが相手は相当に出来る男であると理解し合っている故の行動。
「本当に残念だよ。君のそのキャリアもここまでだと思うと」
「――マスタングさん、一つだけあなた方の錬金術について聞いてもよろしいでしょうか」
「……言ってみろ」
最後、そんな言葉を意識する。
いや……ここで命を投げ出す気は毛頭無い。
「昔、世界とはエネルギー・液体・固体・気体の四大元素から成ると考察した研究者がいましてね……。
そして、それぞれが火・水・土・風に対応する訳なんですが……。
あなた方の世界における"火"と相反する元素とは何ですかね?」
「ッ!? 燃え――」
「勝負は預けておきますよ!! "無能"大佐!!」
今日二度目のダイブ。
今度は硬いコンクリートの上ではなく海の上へ。
丁度彼の視界からは死角に当たる部分。そう、唯一ヨットが無い場所へ。
追撃の炎が上がる。
私が先程まで居た場所で凄まじい爆音が響くが、さすがの火炎も海の中では無力だ。
買い換えたばかりのスーツが台無しになってしまう、がそんな事を考えている場合ではない。
学生時代のサークル活動で時々泳ぎに行っていた経験がココで役に立った。
息継ぎをせず相当な距離を、素潜りのままマスタングの射程範囲から逃れなければならない。
なにしろ頭の上、数十センチ上はまさに"火の海"なのだから。
■
「ちっ……見失ったか」
火上するヨットの群れを前にして私は立ち尽くしていた。
手応えは正直、無い。
奴が海に飛び込んだ瞬間、確かに炎を練り上げたものの、またしても回避されたのだ。
ランタンの火を消し、デイパックの中に戻す。
正直意外だった。
まさか"ランタンを付けたまま行動している"というだけで、あそこまでの推理を働かせる人物がこのゲームに参加しているとは思わなかったのだ。
他の着火装置として、私に支給された道具の中に『拳銃型ライター』という絶好の道具が入ってはいた。
しかし、コレはある種諸刃の剣である。
なにしろサイズが大き過ぎることに加え、『銃であること』が露骨に警戒心を与えてしまう。
「……先に中尉とヒューズの情報を聞き出すべきだったか」
『あなたはゲームに乗っていらっしゃいますね』
私に問い掛けた明智の言葉はまさにその通りだ。
私はゲームに乗った。
あの螺旋王ロージェノムという男は気に入らない。
そして奴の意思のまま、また殺し合いに身を落とすのも躊躇われる事ではあった。
だが。
名簿の中に見つけた在り得ない名前、そして部下、親しい人間の名前を見つけた瞬間そんな想いは霧散した。
――何故、あいつが居る?
『マース・ヒューズ』
それは既にこの世にいるはずの無い人間の名前。
他に『リザ・ホークアイ』やエルリック兄弟の名前もあった。
ほんの数日前、確かにこの眼で死を見届けた筈の男が、私の親友がこのゲームに参加している。
そんな事実を知った以上、私は行動しない訳にはいかなかった。
「二度も……お前を殺させる訳にいかんぞ、ヒューズよ」
私は足元に一つ落ちていたハボックの煙草を拾うと、錬金術を使わずライターで火を付ける。
久しぶりに味わう煙草は正直さほど美味くは無かった。
だが、この一服が私の決意を更に固める事となったのもまた確かだ。
今回は相手を侮り様子を見たため、取り逃がす事態となった訳だ。
私がゲームに乗っている事が多数に知られるのは不味い。
なれば再び殲滅戦の時のような修羅になる、これしか残された道は無いだろう。
そして、奴らと共に生きて必ず帰還する。
……そんな手段しか私は取る事が出来無い。
火の海を背に私は歩き出した――次の獲物を求めて。
【F-4 ヨットハーバー周辺 一日目 黎明】
【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師】
[状態]:健康、両方の掌に錬成陣
[装備]:ランタン、拳銃型ライター
[道具]:支給品一式、ランダム不明支給品x2
[思考]
基本思考:知り合い以外の全参加者を殺害、脱出の道を探る。
1:リザ・ホークアイ、マース・ヒューズを探して守る。
2:エルリック兄弟を守る。
3:それ以外の参加者の殺害。
4:発火布の手袋を探す。
[備考]
※ロイは原作のヒューズ死亡直後から参戦。
■
「私とした事が……少しばかり泳ぎ過ぎてしまったようです」
泳ぎに泳いで私が辿り着いたのは先ほどまで居たヨットハーバーの対岸にあるゴミ処理場――その対岸だった。
普通にまっすぐ泳いでいれば簡単に陸地に付けたものを、まさかこんな遠回りをしてしまう羽目になるとは。
金田一君のボケが私にも僅かながら伝染しているのかもしれない。
私は服を脱ぎ、海水を絞りながら考える。
何とか無傷でやり過ごす事は出来たものの、今の状況は相当に思わしくない。
まず支給品。
この『参加者詳細名簿』と言う物は全体を見渡してもかなりの当たりに違いない。
参加者の簡単な人間関係や、通称。能力などが大雑把ながら記述されている。しかも顔写真付きである。
だが――
「能力よりも、あだ名や通称の方が充実していても大して役に立たないのですがね……」
例えば先ほどのロイ・マスタングならば彼が炎を使う錬金術師である事など一文字も書いていなかった。
確かに【通称】の欄に『<<焔>>の錬金術師』と書いてはあるものの、ソレぐらいのものである。
女性関係にだらしないだとか、無能大佐と呼ばれる事もある、といった余分な情報は全く持って役に立たないのだ。
他の人物に関しても、ワカメだのミジンコチビだのオレンジだのヘタレだのV様だの童貞だの慢心王だの、どうしてここまで意味の無い情報ばかりが書かれているのだろうか。
『詳細名簿』と言うよりも『噂帳』とでも名づけた方が良いに違いない。
確かに顔写真が付いている、と言うのは大きなアドバンテージにはなるのだが。
他の支給品として例の煙草と訳の分からない双銃。
銃……なのだが、実弾を装填するための機構が何処にも見当たらないのだ。
加えてマガジンもデイパックの中には入っていなかった。
レーザー銃かと思い、壁に向かって引き金を引いて見たのだが当然何も起こらない。
故に扱うために何か特別な資格が必要なのかもしれないと判断した。
せいぜい威嚇程度にしかならないため、先ほどは相手を刺激しないためにしまっておいたのだが。
水を絞り終えたスーツに袖を通す。
染み込んだ塩分が最悪の感触をプレゼントしてくれる。
特注のお気に入りなのだが、どこか他の服に着替える必要も出てくるだろう。
先ほどの青色の軍服と身に纏った短髪の男、ロイ・マスタングと言ったか。
彼のようにゲームに乗った人間が多数出現するのはおそらく必然。
しかも私は彼らに比べれば力自体も乏しく、特別な能力などは何も無い。
だが、同じくらい主催者に向けて反旗を翻す人間が存在する可能性も高い。
その為にすべき事は――つまり、そんな人間を団結させる事だ。
幸いにも私にはこれから役に立つのかイマイチ不安ではあるが、詳細名簿という武器がある。
高遠遙一の存在も気になるし、金田一君や剣持君ともコンタクトを取っておきたい。
やらなければならない事は山済みだ。
「今回の私は完全な探偵役……では無くて、一人の剣闘士という訳ですか。それもまた面白い」
ここでは解決する役目、ではなく私は板状の駒の一つに過ぎない。
人々のやり取りを外部から眺めている立場では無いのだ。
ですが……解き明かして見せましょう。
このバトルロワイアルという一つの大事件を。
ソレが私、明智健吾に課せられた使命なのですから。
【E-4 ゴミ処分場・対岸(マップ右上) 一日目 黎明】
【明智健吾@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康、ずぶ濡れ
[装備]:クロスミラージュ@魔法少女少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ4/4) x2
[道具]:支給品一式、ジャン・ハボックの煙草(残り18本)@鋼の錬金術師、参加者詳細名簿、予備カートリッジ8
[思考]
基本思考:犯罪芸術家「高遠遙一」の確保。ゲームからの脱出。
1:ゲームからの脱出。ゲームに乗っていない人間を探す。
2:金田一、剣持を探す。
3:高遠遙一を確保する。
[備考]
※ジャン・ハボックの煙草@鋼の錬金術師、二本消費
※参戦時期は未定(高遠を最低でも知っている段階)
【参加者詳細名簿】
参加者のプロフィールや能力が簡易的に記された名簿……の筈なのだが、その実態は単なる噂帳に近い。
間違いは一切書かれていないのだが、裏情報やTIPSのような項目が中心で例えばロイの項目であっても、炎の錬金術とはどのようなものなのか、という解説は皆無。
しかしあだ名や通称などの項目は充実しており、相手を罵倒する際には役に立つ事間違いなし。
ちなみに参加者の顔写真付き。どんなアングルかは人物によって異なる。
48 :
少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理):2007/09/25(火) 03:38:17 ID:k5nEM0BV
古手梨花がそれを見つけたのは、山を下り始めて三十分ほど経った頃の事だった。
(くすくす・・・随分とまた無用心ね)
進行方向の向かって正面。大木の根元に小柄な影が蹲っているのを確認し、梨花はほくそえむ。
尻尾のような飾りと見たこともない服装だが、おそらくは自分と同年代か少し上程度の少女だろう。
地面に色々な道具――おそらくは支給品だろう――を広げている。
(さて、どうしようかしら。利用するのもいいけど・・・)
そう考えながら少女の様子を見る。
・・・どうやら手に持ったものをいじくるのに夢中で、こちらにはまったく気づいていないようだ。
(やっぱり、殺せるときに殺しておかないとね)
鞄からゆっくりとスタンガンを取り出し、軽く構える。準備は万端だ。
一呼吸の間をおいて、少女に向かい一歩を踏み出す。そして・・・
「・・・!?」
「っ・・・!」
二歩目を踏み出そうとした瞬間、少女がこちらへと振り返った。
その視線に怯えと警戒の色を察知し、軽く歯噛みする。
(気づかれた!?・・・いえ、落ち着きなさい、クールになるのよ梨花。まだ充分に挽回できる状況よ)
さりげなくスタンガンを後ろ手に隠しながら、すぐに強張っていたであろう表情を笑みへと変えた。
「みー、やっとで人を発見したのですよ」
笑顔は元々、獣の行う威嚇という行為だった・・・何処で聞いたのかも解らない雑学を思い出しながら、
長きを生きる魔女は少女を安堵させるべく、巧みに笑顔と言葉を連ねる。
「大丈夫なのです、ボクは怖い事をする気は・・・」
その言葉を遮るように、少女が手にした物体をこちらに投げつける。
孤を描いた小さな“それ”は梨花の体に当たり、そのまま足元へと転がる。
「みー、本当に大丈夫なのですよ?」
「・・・・・・ぅぅ」
梨花は不安げな顔を作り、少女へと一歩歩み寄る。
しかし、返って来たのは微かな声と投擲の第二波、第三波。
こんなに入るのかと思うほどの荷物が飛んできたのだ。
飛来する傘やらペットボトルやらを梨花はなんとか避ける。
(そもそも、傘などはこちらまでの飛距離すら稼がなかったが)
49 :
少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理):2007/09/25(火) 03:38:41 ID:k5nEM0BV
やがて、梨花が『やはりこの娘はここで殺しておこうか』などと考え始めたとき、不意に少女が動きを止めた。
投げられる物が尽きてしまったのだろう。じっと鞄へ視線を送っている。
(ふふ・・・よくも、てこずらせてくれたわね)
後ろ手でスタンガンを握りなおしながら、ゆっくりと少女に近づく。
「怯えなくても大丈夫なのですよ。にぱー」
もちろん、笑顔は絶やさない。邪気の無い笑みを装いながら、少しずつ歩を進める。
その時・・・少女が鞄の中から鋼色の何かを取り出すのが見えた。
(しまった!?)
死の予感に思わず目を瞑ってしまう。雛見沢での日々が脳裏を駆ける。
程なく身体を襲う衝撃に、古手梨花の意識は奪われ・・・
50 :
少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理):2007/09/25(火) 03:39:11 ID:k5nEM0BV
「あれ?」
・・・なかった。目を開くと、少女の姿が忽然と消えている。視線を落とすと、足元に転がるのは黒い鞄。
その場に残されたのは散乱する道具と呆然と佇む梨花。そして草を掻き分ける微かな音のみ。
逃げられた・・・よほど恐ろしい顔をしていたのか、こちらの殺気とやらを読んだのか・・・
(なんにせよ、うかつだったわね)
逃げられたことに微かな不安と怒りが込み上げるが、頭を振ってそれを追い払う。
殺気のような物を読まれたとしても、決定的と言える証拠は無かったはずである。
だから、逃げられてもそんなに問題視することは無い。
それに命の代わりと言ってはなんだが、少女は数多くの物を残していってくれたのだ。
「大漁大漁なのです。にぱー」
雰囲気を打ち消すように呟き、梨花はその場に転がっている物を拾い集め始めた。
パンや水を袋にいれ、支給品であろうタイマーと傘を手に取り・・・傘の異様な重さに気づく。
(くすくす・・・こんな物騒な物まであるのね・・・私には無用の長物だけど)
傘の内部に仕込まれた銃に、思わず自虐的な笑みを浮かべる。
おそらく使いこなせはしないだろうが、それでも何かの役には立つだろうと鞄に突っ込む。
傘はつっかえる事もなくスムーズに鞄の中に消えた。
「・・・・・・・・・」
目の前で起こった異様な事実を軽く無視して、梨花はもう一つの物体へと目を注ぐ。
それは一番最初に投げられた物体。掌に余るくらいの大きさのタイマーらしきものだった。
(時報の機能でもついてるのかしら?まあ、陽動くらいには使えるかもね)
そんな事を考えながら、魔女は自分のツキに笑みを浮かべる。
(6とまではいかないけれど、順調にいい目がでてるわね。私の運も捨てた物じゃ・・・)
と、そこまで考えたとき・・・梨花の手元からポンッという間抜けな音が響いた。
51 :
少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理):2007/09/25(火) 03:39:45 ID:k5nEM0BV
『おっぺけぺ〜のぺ〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
後方から聞こえた物凄く大きな声に、森の中を走っていたアルルゥは首をすくめ、その動きを止めた。
恐る恐る後ろを振り向き、何の気配も無いことを確認すると再び山を駆け下り始める。
その手に抱えられている物は鋼色に輝く扇子。
ついさっき、見知らぬ少女から逃げるときに持ち出した、たった一つのもの。
(ちなみにアルルゥが逃げ出した原因は・・・単なる人見知りである)
「おとーさん・・・」
それの持ち主である仮面の青年の姿を思い浮かべながら、少女は麓へと駆け下りてゆく。
・・・アルルゥは全く気づいていなかった。
聞こえてきた奇声が先程、自分に話し掛けてきた少女の声で、
奇声をあげた原因が自分がいじっていた支給品―時限バカ弾にあるという事を。
【C-6山中 1日目 深夜】
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:時限バカ弾で混乱、数秒程度で通常復帰
[装備]:スタンガン
[道具]:荷物一式×2、ロベルタの傘@BLACK LAGOON
[思考・状況]
1:おっぺけぺ〜のぺ〜
2:南下して町へと向かう
3:ステルスマーダーとしてゲームに乗る
基本:自分を保護してくれそうな人物(ひぐらしキャラ優先)、パーティーを探す
最終:ゲームに優勝し、願いを叶える
【C-6山中 1日目 深夜】
【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:健康
[装備]:ハクオロの鉄扇@うたわれるもの
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ハクオロ等の捜索
2:ハクオロに鉄扇を渡す
基本:ゲームには乗らない
※アルルゥの支給品『時限バカ弾』は破裂して失われました
※梨花の奇声はエリア周辺に響いたと思われます
※『時限バカ弾』
時限タイマーを巻いた状態で対象に貼り付けて使用。
制限時間が来ると破裂し、貼り付けられた対象がバカな事を叫んだり踊ったりする。
おそらく、数秒程度で普通の状態に戻ると思われる。
投下します
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
にゃはははぐるぐるでがらがらでどかんどかんぼーぼーなのです〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
byわひゃはyふぁらうぇおいjwみょ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
ふぁけjひぁおうぇじゃだこぇえrふぁwfみおpmじゅえ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜
おっぺけぺ〜のぺ〜…………
◇ ◇ ◇
いきなり殺し合いをしろ、なんて可笑しなことを言われたら、誰だって必然と視野が狭くなるもの。
灯台下暗し――なんて諺があるが、暗くて見失ってしまうようなものは、何も手元にあるとは限らない。
「まぁ。今まで気にも留めませんでしたけれど、ここから見える月夜もなかなかのものじゃありませんの」
空に上る満月を見ながら、獣耳の女――カルラは、物思いにふけるような素朴な笑顔を作る。
「まったく、こんな厄介なことに巻き込まれたりしなければ、今頃ウルトあたりと一緒に月見酒と洒落込むところですのに」
素朴……そう、月を見上げる彼女の笑顔は、確かに素朴だったのだが、
「ねぇ? そうは思いませんこと?」
見事すぎる真円から視線を外し、目の前に立つ少女へと被写体を移したその瞳は、どことなく妖艶にも見えた。
深夜の森を行き来する風は、冷たい。
漆黒のレオタードにマントベースとしたバリアジャケットを装備し、煌びやかな金髪を闇に引き立てさせている少女――フェイト・T・ハラオウンの格好は、見るからに寒そうだった。
むき出しの太腿に鳥肌が立っていることにも気づかず、一点に見つめるは、闇の奥に潜みし者。
寒さを忘れさせるほどの存在が、そこにいた。
寒さを忘れさせるほどの失態を、やってしまった。
寒さを忘れさせるほどの誤解を、生んでしまった。
「あ、あ…………」
やらかしてしまった失敗への後悔のせいか、それとも単純に、カルラへの恐怖からくるものか。
分からない。分かるのは、自分が彼女に攻撃を仕掛けてしまったということだけだ。
普段の冷静な思考が、取り戻せない。
タヌ機による幻覚作用が齎した最悪な不幸――親友が人を殺す、という悪夢がフェイトを混乱の渕に追い込んでいた。
目の前の女性は誰か? 耳や尻尾など、獣の象徴的なパーツを宿しつつも人型を成すその姿。アルフやザフィーラと同じ使い魔なのだろうか。
そもそも自分は、殺戮を続けるなのはを追ってここまで来たはずなのに。当のなのはは何処に消えてしまったのか。
「なのは……どこ?」
カルラに目の焦点を合わせようとせず、フェイトはキョロキョロと辺りを見渡す。
見知ったはずの親友は、やはりいない。既に移動してしまったのだろうか。
だとすれば、このままここで無駄な時間を使ってるわけにはいかない。
「…………通る」
殺し合いに乗った親友――高町なのはを止める。
フェイトは意思を強め、見失わない内になのはを追おうと、再び進み出そうとするのだった。
それこそ、降りかかる火の粉、行く手を阻む障害は、全て蹴散らしてでも。
「あらあら。殺気を放っても臆せずに向かってくるなんて……本当に困ったお子様ですわね。忠告しておきますけれど、わたくし、そんなに優しくありませんことよ」
微笑の影に強大な剣気を隠し、カルラは杖を構えるフェイトに向き直る。
ホーホー、と何処からか梟の鳴き声が聞こえてきたような気がした。いや、ひょっとしたら虫の鳴き声だったかもしれないし、周囲の参加者が高笑いでもしていたという可能性もある。
なんにせよその瞬間、開戦の鐘の音としては十分な――音が、鳴り響いたのである。
「ランサーセット」『Get set』
フェイトの足元に輝きを放つ魔法陣が形成され、周囲に雷の光球が三つ、発現する。
高速直射弾『フォトンランサー』。フェイトが最も得意とする、雷撃系の攻撃魔法である。
「ファイア!」『Fire』
フェイトと、その手に握られた杖――デバイス『S2U』の声が重なり、三つの光球は複雑な軌道を描きながらカルラへと伸びる。
一つは直線的に真っ直ぐと、一つは螺旋を描きながら相手を錯乱させ、一つは横合いから低速で移動し時間差で攻める。
数多くの戦を経験してきたカルラといえど、さすがに自由自在に軌道が変化する矢というものは初めてだった。
まず一つ目に襲ってきた直線的な光球は、跳躍一蹴、地面を強く踏み込み空へと避ける。
そして二つ目に襲い掛かってきた螺旋軌道の光球は、回避では防御で攻略する。
カルラは跳躍したその先――高く聳える木の枝を掴み取り、そのまま猿のような機敏さで、生い茂る木の葉の群集に逃げ込む。
それが隠れ蓑となり、光球は多くの枝と葉に阻まれ、カルラの下に届くことなく拡散した。
途端、衝撃で舞い落ちる木の葉の雨中から、カルラが飛び出す。
(我ながら品のない戦法ですこと。森を飛びまわって攻撃を回避するなんて、まるでキママゥじゃありませんの)
余談だが、キママゥとはカルラが居た世界『ウィツァルネミティア』に生息する猿のことである。
木の上から飛び出したカルラが向かう先は、魔法陣の上で光球の操作を行っているフェイト。
カルラの想像以上のスピードに目を白黒させつつ、残った三つ目の光球を引き戻そうとする。が、
時、既に遅し。カルラはフェイトの眼前に立ち、フェイトの額を目掛けて右腕を伸ばす。
「おイタはいけませんことよ」
大人女性特有の、優しげだがどこか迫力のある微笑を見せ、フェイトの額にデコピン一閃。
普段、大人の男四人がかりでも持ち運ぶのが困難な大剣を振り回すカルラのデコピンは、もはや単なるお仕置きのレベルを超越していた。
ピンッ、と指が弾かれ、後方に飛ばされるフェイト。数多の魔法戦を経験してきた彼女でも、デコピンで攻撃されるのは初めてだった。
「――ぅあっ!?」
デコピンといえど、怪力カルラの繰り出す攻撃の前に、超軽量級のフェイトが飛ばされない理由はなかった。
地を転がり、綺麗な金髪を土に汚す。ダメージ自体は大したことはないが、精神面――命を懸けた戦闘でデコピンを繰り出す――という衝撃的な出来事に、フェイトは面食らっていた。
「アルカス・クルタス・エイギアス 煌きたる天神よ いま導きのもと降りきたれ……」
立ち上がりながら、フェイトはブツブツと何かを呟く。
その複雑な言語様式が何を意味するものかは分からなかったが、フェイトの足場に形成された陣が未だ消えぬことに、カルラは警戒した。
(ウルトやカミュが術を使うのと似た雰囲気……まだ、何かがきますわね)
フェイトから距離を取り、来るべき何かに備えるカルラ。
その間も、フェイトは呪文の詠唱を止めなかった。
「サンダー……フォール!」
瞬間。
フェイトとカルラの周りに取り囲むかのような雷の帯が出現し、バチバチと火花を撃つ。
傭兵としてのカンか、カルラはその雷で出来た円陣からこれまでにない危険信号を感知し、行動を移した。
そして、天雷は降り注いだ。
◇ ◇ ◇
「…………やった?」
砂埃舞う森林地帯。焼け焦げた草の大地に立っていたのは、フェイトただ一人だけだった。
獣耳の怖い女の人はいない。影も気配も見当たらない。
クロノのデバイスを通して放った魔法、死ぬことはないはずだが。
「……!」
消えたカルラを捜すフェイトの視線の先、その場に倒れた一本の木を発見して、顔色が変わった。
長さはそれほどでもなく、太さは人間の女性といった細い倒木。
サンダーフォールの範囲雷撃に耐え切れなかったのだろう。根元からポッキリと折れ、大地に力なく横たわっていた。
所々に、紅い血を付着させて。
「――――――――ぁ」
嫌な予感を感じた。
最悪の結果が頭を過ぎる。
カルラは何処に消えたのか。
倒木に付着した血は誰のものなのか。
分からない。違う。考えたくない。
しかし、脳は無意識の内に思考を始める。
ひょっとしたら、下敷きにしてしまったのではないか?
ひょっとしたら、倒木の下にいるのではないか?
血を流し、息絶えた状態の、彼女が。
自分と戦っていたカルラが、
死んでいるのでは、ないか?
「――――――――ッ」
言葉が、出なくなった。
非殺傷設定があるから、クロノのS2Uがあるから、相手が死ぬことはない。そう思って攻撃魔法を放った。
しかし、そのせいで木が倒れた。その先に彼女がいて、下敷きにされてしまったのだとしたら。
――死ぬ。間接的だが、自分が殺した。
「…………わたし、が?」
殺すつもりなんてなかった。殺戮に走ってしまった友人を止めるため、ちょっと退いてもらおうと思っただけなのに。
事故、じゃ済まされない。元はといえば、フェイトの放った魔法が原因だ。
たとえその気がなくても。あの人は、
フ ェ イ ト チ ャ ン モ 、 コ ロ シ チ ャ ッ タ ン ダ ネ
なのはの声が、聞こえてきたような気がした。
どうしようもない絶望の中で、フェイトは膝を折り、落胆し、項垂れて、
「………………………………」
泣きたくなった。
「――ぁっ、イタタ……まったく、驚かされましたわ」
「…………!」
涙が溢れ出す――その間際、フェイトの涙腺を閉めるきっかけとなったのは、ひょうひょうとした女性の声だった。
倒木が持ち上がり、その下から獣耳の女が姿を現す。
頭部から血を垂れ流し、痛みに苦しむ顔をしているにも関わらず、手では軽々と倒木を持ち上げている。
若い女性が血を垂らしながら木を持ち上げる。その光景にも驚かされたが、それよりも何より、
「…………生き、てた」
――殺して、なかった。
その現実に、フェイトはいたく喜んだ。
「『生きてた』、と。そう言いましたわね、今。自分であんなことをしておきながら、そんな口を叩きますの?
……これはさすがのわたくしでも、ちょっと怒りましたわね。
子供にはお仕置きで済ませようとも思いましたけれど……そういうわけにはいかなくなりましたわ」
起き上がったカルラの表情から、微笑が消えた。
そして次の瞬間、ブンッ! という大音量の風を切る音が。
――ドズンッ
カルラを殺していなかったという喜びから一転、眼前に振り下ろされた倒木を見て、フェイトは表情を失った。
ほとんど顔スレスレで下ろされた倒木は、カルラが一歩前に脚を踏み込んでいたら、フェイトの頭をグチャグチャに粉砕していたであろう体積。
それを棍棒のように扱うカルラの怪力もそうだったが、
「子供を甚振るのは趣味ではありませんけれど……!」
傭兵が全力で敵を殺しにかかる際の、本気の正気の剣気を超えた殺気。
それを剥き出しにしたカルラの迫力に、フェイトは恐怖した。
「う、うぅ……」
実力……いや、違う。『覚悟』が違いすぎた。
身も心も、全て捧げた主ハクオロのため。楽しく過ごした仲間たちと、一緒に帰るため。また、平穏を取り戻すため。
カルラは戦うのだ。死ねないのだ。降りかかる火の粉は何度も振り払い、押しのけてでも進まなくてはいけないのだ。
片やフェイトは、親友を取り戻すため……本当に、そうだったろうか。
あれは本当に真実だったのか。なのはが、あんなことをするというのか。
今では、全てがまやかしであったようにも思える。それに、振り回されていただけのようにも思える。
だとしたら――フェイトはとんだピエロだ。真面目にショーを見に来てくれたお客に、悪戯をするような悪いピエロ。
必死に生きようとするカルラを殺害一歩手前まで追い込み、自分勝手な妄想で全てを台無しにしようとしてしまった。
こんな茶番には、もう付き合いたくない。心底そう思った。
『……Prease Master』
声が、聞こえた。
破壊的なカルラのものでも、猟奇的ななのはのものでもない。
もっと穏やかで、冷静で、お母さんみたいな声。
『It believes』
(……S2U…………)
『Friendship with the friend』
平坦な声で、単調に言葉を紡ぐS2Uの声帯が、義母であるリンディの励ましにも思えた。
――――なまえを、よんで――――
「なのは…………」
呟く。小さくもしっかりと、会ってもう一度呼びたい、その名を。
「なのは、なのは……なのは」
「……その『ナノハ』というのは、あなたの恋人か何かかしら? それとも家族?」
フェイトの呟きを聞き漏らさず、興味を持ったカルラが尋ねてみる。
フェイトは、カルラのその問いを拒絶することなく、立ち上がって正面から返答する。
「友達だ」
ハッキリと、言い切る。
S2Uは言った。友達を信じろと。きっと、バルディッシュやレイジングハートでも同じことを言ってくれる。
なのははフェイトを救ってくれた、掛け替えのない友人だった。そのなのはを、友達であるフェイトが信じないで、どうするんだ。
「私は、なのはに会う。友達に、会いに行くんだ」
「……そう。それが、あなたを『突き動かしていた力』だったのですわね。それが分かれば、十分……」
フェイトがS2Uを構え、カルラが先程の倒木を拾い直す。
それぞれの武器を片手に、譲れない思いを胸に。
再び、衝突を。
「ブレイズキャノン」『Blaze cannon』
杖の先端をカルラへ向け、魔力を集中させる。
「……参りますわ!」
倒木を槍のように突き構え、フェイトへ向けて突進する。
「ブレイズキャノン」『Blaze cannon』
杖の先端をカルラへ向け、魔力を集中させる。
「……参りますわ!」
倒木を槍のように突き構え、フェイトへ向けて突進する。
「……ファイア!」『Fire!』
S2Uの先端から、閃光の帯が放出される。
カルラは倒木を前に突き出し、襲い掛かってくる砲撃を正面から突破しようと直進する。
「わたしは……!」
意地と意地とのぶつかり合い。思いと想いとのぶつかり合い。
より強い方が勝つ。そんな気がして。
「なのはに、会うんだァァァァァァッ――――!!!」
フェイトは、友達の名前を精一杯叫んだ。
衝突は、轟音と閃光を放って、終焉を迎える。
◇ ◇ ◇
「ブレイズキャノン」『Blaze cannon』
杖の先端をカルラへ向け、魔力を集中させる。
「……参りますわ!」
倒木を槍のように突き構え、フェイトへ向けて突進する。
「……ファイア!」『Fire!』
S2Uの先端から、閃光の帯が放出される。
カルラは倒木を前に突き出し、襲い掛かってくる砲撃を正面から突破しようと直進する。
「わたしは……!」
意地と意地とのぶつかり合い。思いと想いとのぶつかり合い。
より強い方が勝つ。そんな気がして。
「なのはに、会うんだァァァァァァッ――――!!!」
フェイトは、友達の名前を精一杯叫んだ。
衝突は、轟音と閃光を放って、終焉を迎える。
◇ ◇ ◇
そこには、極めて明確な勝敗結果が示されていた。
先程まで構えていた杖はカード形態に戻し、立ったままの状態で、横たわる女性を見つめる少女が一人。
地面に仰向けになりながら、開けてきた朝空と少女の顔を見つめる女性が一人。
「…………負けて、しまいましたわ」
どこか陽気に聞こえるのは、彼女の楽天的な性格故のことだろうか。
大した悔しさも見せず、カルラが終わりを告げた大地に倒れていた。
「ウルトやカミュの術も凄かったけれど、あなたの術の規模も相当なものでしたわよ」
「…………ありがとうございます」
笑顔で相手を称賛するカルラとは反対に、勝者であるはずのフェイトは、居た堪れない気持ちでいっぱいだった。
元はといえば、勘違いから始まった戦い。フェイトがもっと冷静であれば、回避できたはずの戦いだった。
なのに、双方とも引き下がることが出来ず……結果的に、カルラをここまで傷つけてしまう結果になってしまった。
落ち度を感じてしまうのは、しょうがないことであった。
「……ごめんなさい」
「あら、あなたが謝ることはありませんわ。これは、戦なんかよりももっと不条理で救えない、殺し合い。血も涙もなくて当然ですわ。ささ、遠慮なさらずこの首を持っていきなさい」
「! ……しませんっ、そんなこと」
「クスクスッ、分かっていましてよ。あなた、優しそうな瞳をしていますもの。見ていると吸い込まれそうな、そんな素敵な瞳……」
カルラとフェイトは互いの視線を交差させつつ、その魅力に引き込まれ合っていた。
さっきまで戦いを繰り広げ、互いにいがみ合ったていたはずなのに。今では、全てが分かり合えた気がする。
「よろしければ……名前を教えていただけるかしら」
「……フェイト。あなたは?」
「カルラ、ですわ。別に覚えていてもなんの得もない、つまらない名前でしてよ」
カルラのふざけたような物言いが、妙に心地よい。
殺し合いという不安な境遇に置かれた中で、少しだけ元の世界の暖かさを取り戻せたような、そんな気がした。
背後に死神が迫ってきていたことに気づけなかった。
それは、一瞬でも殺し合いの世界から脱線してしまった意識のせいなのかもしれいない。
――バッ、と即座に飛び起きたカルラは、全身で覆い隠すかのように、フェイトの身体を抱きしめる。
「か、カルラさん!?」
いきなり何をするのか、フェイトは赤面しつつも混乱を覚え、カルラの腕の中でされるがままに抱きしめられていた。
その時の視界に映ったものは、ただ一つ。
穏やかな笑顔から一転して、
ドンッ、ドンッ、ドンッ、
一頻りの銃声の後、笑顔から苦悶の形相へと表情を作り直す、カルラの姿だった。
その後のことは、よく分からない。
カルラはフェイトを抱きかかえたまま走り出し、森の中へと疾走を開始する。
あの銃声はなんだったのか、カルラはどうしてこんなにも強く、フェイトを抱きしめるのか。
その時はまだ、何も分からないでいた――
◇ ◇ ◇
人気の薄くなった森の奥まで連れて来られ、フェイトはやっと、状況を理解した。
「あ、あ、あ……」
差し伸ばした手――カルラの背中辺りから、ヌメッとした感触を感じる。
そして、暖かさも。
確認するまでもなかった。自分の手にカルラの血が付着したことも、カルラの背中にどうしてこんな液体が付着しているのかも。
「カルラさん……あの時、誰かに撃たれて……」
「……あらあら、そんな泣きそうな顔をしちゃって、せっかくの可愛らしい顔が台無しですわよ」
不思議だ。どうしてこの女性は、こんなにまで完璧な笑顔を作れるのか。
「ほら、笑ってくださいまし。あなたにはやらなくてはいけないこと、会わなくてはいけない友達がいるのでしょう?」
「でも、でも……」
拒絶するようなフェイトの声にも押し負けず、カルラはあくまでも、地の笑顔を通して語りかける。
「もう一度、聞きますわよ。フェイト、あなたには会わなくてはいけない友達がいるのでしょう?
その子の名前を呼んであげなさい。わたくしに聞かせてみせなさい。あなたには、悲しむ必要性なんてないのですから」
カルラが見せてくれた極上の笑顔は、どこか痛々しくて。見ているだけで、涙がとめどなく溢れてきて。
「わたしは……なのはに……」
もう一度、確かめるかのようにその名を呼ぶ。
もう二度と、この気持ちを失わないように。
もう二度と、目的を見失わないように。
「なのはに、会いたいぃぃ……………………………………」
目から大粒の涙をたくさん流し、フェイトは、号泣しながらカルラにそう言った。
「……その言葉さえ聞ければ、わたくしはもう満足ですわ。そうだ、あなたが無事に友達と再会できるよう、おまじないをかけてあげましょう。
目を瞑って、泣くのをやめて、気を休めて……」
フェイトは、カルラに言われたとおりに行動し、そこで背中に違和感を感じた。
トンッ、という首筋を打つような音がした直後、フェイトの身体はぐったり崩れ落ち、そこで意識を失う。
泣き疲れて眠ってしまったような――そんな表情を見せる幼子に、カルラはよしよしと頭を撫で、静かに布を被せて上げた。
◇ ◇ ◇
何が「おっぺけぺ〜のぺ〜」だ。
正直、あんな状態になってしまった時はどうなるんだろうかと心配したものだったが、意外と早めに効果が切れたようで助かった。
バカになっている最中に誰とも遭遇しなかったことは、運が良かったとしかいいようがない。
あの尻尾の子には報復が必要ね……フフフ……いえ、それにお礼も必要かしら。
なにせ、現在のこの状況を招く、きっかけを与えれてくれたんですもの。
「……つくづく、子供運がないですわね、わたくしも。まさか、襲撃者があなたのような可愛らしい娘だなんて」
「フフフ……あれだけ大きな戦闘音をたてれば、誰だって気になって調べてみようとするものよ。すぐにその場を立ち去らなかったのは、失敗だったわね」
バカから平静に戻った私――古手梨花は、あの尻尾の少女を捜して森を彷徨っていた。
その最中に見つけたのが、殺し合う二人の女たち。
尻尾の少女と同族のようにも思える大人の女に、どういう仕組みかは知らないけれど杖から電気を発していた少女。
私は二人の死闘を終始観戦しながら、機会を窺っていたのだ。――漁夫の利を得る、絶好の機会をね。
「みー。もう一人の女の子はどうしたのですか? あの子も殺してあげないと、ねこさんはガクガクブルブルが治まらないのですよ」
「ああ……あの子なら、とっくの当に逃げてしまいましたわ。せっかく助けてあげたというのに、薄情な子。きっと、あなたの顔も見ていないんじゃないかしら」
「それはそれは、ご愁傷さまなのです。かわいそうだから、もうこれ以上苦しまないように、楽に殺してあげるのですよ。にぱー☆」
私は満面の笑みを見せながら、銃を内蔵した傘を突きつける。
女は既に死を受け入れたのか、木に凭れ掛かったまま静かに目を瞑った。
「何か言い残すことはあるですか? 今が最後のビッグチャンスなのですよ」
「遺言……ですか。そんなもの特にはありませんけれど、残念といえば残念ですわね……」
「みぃ? ここで死んでしまうことがですか?」
「後悔……というほどのものでもありませんけれど。叶うなら、もう少し居たかったですわね……あの居心地のいい食卓に……」
「食卓? ごはんが食べたいのですか? 心配しないでも、天国へいけばお腹まんぷくで、ペコペコフラフラになることもないのですよ」
「それもそうですわね。もっとも、天国なんてところに行けるかどうかは、イマイチ自信がないですけれど」
「大丈夫なのですよ。もし地獄に落ちても、ボクには全く関係のないことだから、安心して逝ってくるといいのです」
「……あなた、歳の割に意外と毒舌ですのね」
「? 何を言っているのかボクにはよくわからないのですよ」
「あらあら、それは困りましたわ」
「あはははは〜」
「ふふふふふっ」
「じゃあ、死になさい」
◇ ◇ ◇
『それは俺の芋だァーーーー!』 『バカっ、テメー一人で食いすぎなんだよ!』
『クロウ、あなたもいい加減にしておきなさい』
『若様、おかわりはどうですか?』 『あらあらウフフ』
『おいしいねーユズっち』 『はい……』
『うぅ……聖上ぉ……某は、某はぁ……』 『ちょ、トウカさんそれお水じゃなくてお酒じゃないですか!』
『やれやれ……』 『おとーさん、たいへん』
あの、騒がしくも楽しかった団欒の日々。
悲しみを招くような戦乱もあったけれど、あの楽しい日々があったから、今まで頑張ってこれた。
もうあそこに戻れないんだと思うと、心が悲しくなってくる。
(もう少しだけ、あの場にいたかった)
(みなさんと一緒に、もう少しだけ)
(ごめんなさい……あるじ様。わたくし、どうやらここで退場みたいですわ)
◇ ◇ ◇
後に残ったのは、怪しく笑う青髪の少女が一人。
木に凭れ掛かったまま、体中を銃弾で貫かれた死体が一つ。
「まずは一人……そろそろ夜も明けるだろうけど、まぁまぁの滑り出しといったところかしら。
役に立ちそうな支給品も手に入ったことだし、早めにこの場から立ち去ったほうがいいわね」
カルラを銃殺した古手梨花は、彼女の四次元デイパックを回収し、その場を離れる準備を進めていた。
震源地から少し離れているとはいえ、あの戦闘音を聞きつけた参加者がまだ湧いてこないとも限らない。
それらと接触するというのも手だが、近くに死体がある以上、無駄な誤解をされる危険性もある。
「尻尾の少女に金髪の少女も……今のところは保留ね。幸いにも私の正体はバレていないようだし、放っておいても大丈夫でしょう」
古手梨花は子供らしからぬ妖艶な笑みを浮かべ、その場を去って行く。
「こわいこわい。あんなところで人が死んでるなんて、ねこさんはますますガクガクブルブルのニャーニャーなのですよ」
異常としか取れないような、無邪気な発言を残して。
◇ ◇ ◇
風が吹く。
その風は、少女を覆っていた布をバタバタとはためかせ、空へと舞い上げる。
むき出しにされた少女は目元に涙を溜め、すぐ傍で起こっていた惨劇に気づけぬまま、朝を迎える。
カルラが死亡前、フェイトに被せた布――『透明マント』が、梨花の目からフェイトを救ったのだ。
だが、死は免れても、悲しみから逃れることは出来ない。
フェイトは目を覚ましたあとも、きっと泣きじゃくることになるのだろう。
分かり合えた、戦友になれると思えた女性の、死を受け止めて。
【D-7 森林・1日目 早朝】
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:健康
[装備]:スタンガン@ひぐらしのなく頃に
[道具]:荷物一式×3、ロベルタの傘@BLACK LAGOON、ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾:残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)@HELLSING、
:カルラの不明支給品ひとつ(カルラが扱える武具ではない)
[思考・状況]
1:南西の町方向へ移動。
2:ステルスマーダーとしてゲームに乗る。チャンスさえあれば積極的に殺害。
基本:自分を保護してくれそうな人物(ひぐらしキャラ優先)、パーティーを探す
最終:ゲームに優勝し、願いを叶える
【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:気絶、疲労大、全身に軽傷、背中に打撲
[装備]:S2U(元のカード形態)@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム残数不明
[思考・状況]1:なのはに会う。それ以外の思考は停止中。
[備考]:タヌ機による混乱は治まった様子。
【カルラ@うたわれるもの 死亡】
[残り71人]
※午前四時ごろ、D-7の森林地帯にて、大規模な戦闘音と閃光が発生しました。
※カルラの支給品『透明マント@ドラえもん』は、風に飛ばされD-7の何処かに放置されています。
ですが、布の生地自体が透明なため、著しく見つけにくくなっています。
透明マントは子供一人がすっぽりと収まるサイズ。複数の人間や、大人の男性では全身を覆うことできません。
また、かなり破れやすいです。
終了
「ウ、ウヌゥ……」
会場の一角に停泊する、殺し合いの場には不釣合いなほど豪華に飾り立てられた豪華客船の、医務室のベッドのシーツの上。
「こ……、ここはどこなのだ!き、清麿はどうなったのだ?」
そこから、金髪の、小柄な姿が、飛び起きた。
正直な所、ガッシュはまだ現状を良く理解してはいない。突然、謎の場所に呼び出され、突然、殺し合いをしろと言われ、
そして―――突然、自らの最も信頼するパートナー、高嶺清麿と引き離された。
わかっているのは、そのくらいのものだ。自らを呼び出し、「螺旋王」と名乗った者の正体はおろか、その「螺旋王」に
挑みかかって返り討ちにあった異形も、今自らのいる場所も、高嶺清麿がいる場所も、
「ど、どうなったのだ?どうなっているのだ……?」
何も、わからない。
ガッシュは、焦った。ここに飛ばされる前の記憶によれば、ここは「殺し合い」の場であるらしい。
ガッシュも、戦いを知らないと言うわけではない。これでも、魔界の王候補の一人。高嶺清麿と共に、多くの敵と戦い、多くの仲間と
助け合って、多くの危機を乗り越えてきているのである。
しかし、今までは、仲間がいた。ティオも、キャンチョメもいた。何よりも……、清麿がいた。
「はっ!き、清麿が危ないのだ!」
突然、ハッとしたように立ち上がるガッシュ。螺旋王から、この殺し合いゲームの説明を受けた時まで、清麿が側にいた事を思い
出したのである。
彼のパートナー、清麿は普通の中学生である。いや、頭脳は普通どころか、超が付くほどの大天才であるが、肉体的な能力は
所詮、普通の中学生である。
今までは、二人で力をあわせて困難に立ち向かい、幾多の危機を乗り越えてきたが……それも、清麿の心の力と、ガッシュの術、
その両方があってこそのものである。
今、二人が離れ離れになったこの危機的状況で、もしも凶悪な敵に襲われたら……。
清麿も、ガッシュも、生きてはいられないだろう。
「こうしてはおれぬ、いかなくてはッ……!?」
清麿を死なせたくない―――清麿を探して、必ず助ける。
強い決意を胸に秘め、全速力で走り出すガッシュ。そしてその直後、支給品のディパックに足を取られて、スッ転ぶガッシュ。
「いたたた、そういえば、これを忘れておった……」
これは、たしか螺旋王から渡された、いろんなアイテムの詰まったタカラ箱。よくよく考え直せば、清麿に出会う前に別の悪い
敵に見つかってしまう可能性もある。そうならない為には、このディパックから、何か身を守れる物を出す必要がある。
「この中に……、何か良いものが入っておればよいが……」
祈る様な気持ちで、ディパックの中身を漁るガッシュ。始めに手に触れたものは、フカフカしてやわらかくて、暖かい……
「ネズミ、か?」
……クリクリした丸い目を持って、尻尾の先にフサフサの毛玉を持つネズミのような生き物。とある世界では、「爆弾生物」
との異名を取り、金に目が眩んだ運び屋を何人も爆殺した、歩くA級危険物ポルヴォーラ。それが、ガッシュの前に現れた。
見れば、足に足輪と重りを括り付けられている。これで勝手に歩いて勝手に爆発という事態を防ごうとしているのだろう。
「オヌシも、どこかからこの変な場所に飛ばされたのか?」
しかし、ガッシュは、ポルヴォーラを知らない。だから、この毛だるま生物が、「武器」として支給されたなど、思いも寄らない。
精々、自分と同じように世界のどこかから螺旋王と名乗る男に連れてこられた生き物、としか思ってはいなかった。
人間界ならいざ知らず、この程度の異形なら、彼の故郷の魔界には掃いて捨てるほどいる。
「……」
「……」
「……………………」
だから、この魔物も話が分かる、と思い、話しかけたガッシュであったが……、帰ってきたのは長い沈黙だけ。
「オヌシ、もしかして喋れないのか?」
「……………………」
「……スマヌ、聞いた私が間違っておった」
何を言っても暖簾に腕押し、首をかしげるだけのポルヴォーラは、身を守るのに役に立たないと判断し、デイパック漁りを
再開するガッシュ。やがて、一つの紙包みを取り出し、開けた……までは良かったのだが。
中から出てきたのは、武器でもなければ防具でもない。チョコである。ネオホンコンのとあるお偉いさんが愛したチョコを、
ありったけ集めて袋詰めにしたお菓子セット。平時ならこれを見た子供は大喜びするものであるが、あいにくとガッシュの
身を守るためには、全くもって役に立ちそうもない。
「……、こんなものではどうにもならぬのだ……ハァ……」
ガックリとうなだれるガッシュ。半ば諦めかけた表情でデイパックをひっくり返し、振った。
ゴ ト ッ
すると、一冊の赤い本が、医務室の冷たい床の上に転がり出てきた。魔物の術を使うための本、赤い魔本。ガッシュの本。
ガッシュは、それを見るなり、今にも万歳をしそうな勢いで喜んだが、やがて元のようにうなだれてしまう。
「本があっても、清麿がいないと意味が無いのだ……」
医務室の床に座り込み、しばしの間いじやけるガッシュ。傍らではポルヴォーラが、支給品から引っ張り出した板チョコを
勝手に齧っており、その咀嚼音だけが医務室に響き渡る。
ガタゴトッ!
「ウ、ウヌッ!い、今の物音は一体何なのだ?」
静寂を打ち破り、突如別の部屋から、聞こえてくる物音。なにやら硬いもの同士がぶつかる音や、刃物がガチャ付く様な、
耳障りな音が次から次へと漏れ出してくる。
ガッシュは、ポルヴォーラと板チョコ以外の支給品をあわててデイパックの中へとしまいこみ、そろりそろりとドアへと忍び
寄り、耳を鍵穴に押し付け、全神経を集中させて隣の部屋の様子を探った。
「……切る?……〆る!?おおおおお、恐ろしい話が聞こえるのだ……!」
その結果は、最悪。少し音源が遠すぎるため、正確な話は聞き取れないが、切るだの〆るだのと、会話の所々に物騒
極まりない単語が混じっているようだ。
ガッシュは、医務室で震え上がり、あちこち見回して別の出入り口が無いかどうか探すが、あいにく、医務室の出入り口は
一つしかないようだ。それはつまり、ここから逃げ出そうと思えば、必然的に声の聞こえるほうに近づくこととなり……
おそらく、戦っているか殺しの相談でもしているだろう連中の前へと無防備に姿を現さなければならない、という事になる。
あれ?投下宣言あったっけ?
「逃げられぬ……となれば、あやつらが居なくなるまで、ここで待つしかないのか……?」
冷汗まみれの顔でそう呟くガッシュ。しかし、ここで待っていても、助かるとは限らない上、隠れて時間を無駄にすれば
無駄にするほど清麿が危険な目に会う確率が高くなり、無事に出会える確立は下がっていく。
で、あるから、奇襲をしよう。と、ガッシュは考えた。
一気に突っ込んで、驚かせるか何かして隙を作った後、息が続く限り全速で逃走する。それが、ガッシュの考えうる限り、
最良の方法。
「今行くぞ、清麿ッ!」
デイパックを背に背負い、頭にポルヴォーラを乗せて、いざ発進。覚悟を決めて飛び出し、人影が見えたら声を上げる。
首絞めティオもかくやと言わんばかりの形相で、両手を大きく振って全速前進するガッシュ。医務室から少し進み、船の
大広間に出ると、そこには人影が一つ。ガッシュに気が付いた様子で、両腕を構え、迎撃の態勢をとる。
そして、ガッシュと人影が今にもぶつかろうとする瞬間……
「ちょーっと待った待った待ったァァー!爆発するーゥゥ!」
人影と共に大広間に居た一羽のカラスが、大きな叫び声をあげ、大広間は凍りついた。
「……つまり、あたしたちの話し声にびっくりして出てきた、ってワケね。」
騒ぎが一段落し、互いの情報交換を終えた後の大広間。青い髪の少女がガッシュに話しかける。
「そうなのだ。切るとか、〆るとか聞こえてきて驚いたのだ。まさか、こんなことをしているとは、思いもしなかったのだ」
そういって、傍らのテーブルを見つめるガッシュ。そこに用意されていたのは、豪華に飾り付けされたテーブルクロスと、
大きな皿。奇妙な形の反りが入った大きなナイフに、ブリ。まごうこと無きブリ。青の背に、銀の腹を持ち、体の中央には
金のラインが入った息のいいブリが、飾られたテーブルの皿の上で、ビチンビチンと音を立てて跳ねている。
「ま、このお嬢さんとのお近づきのしるしに、ケーキカットならぬブリカットとしゃれ込もうと思ったってワケさ。ちょうど
都合よく、俺のディパックから出てきたもんでね。あ、あとカット用のナイフもね。俺も、探し人はいるんだけど、そいつ
なかなかにしぶとくてね、そー簡単にくたばりゃしないだろうから、今はアレンビーちゃんと親睦を深めるのが先決だと
思ってさ。彼女の話によれば、彼女の探し人も相当タフだっていうし。それに、このブリも早いところ喰ってしまわない
と痛んじまう……etc」
黒いカラスが、青い少女につつつーっと近づいていく。羽ばたきもしないのに宙に浮いているように見えるのは、目の
錯覚なのだろうか。水の入ったワイングラスを傾けながら、アレンビーに向けて話しかけ続けている。
「とりあえず、お互い怪我もしなかったみたいだし、それはよしとしてさ。あんたの話してくれた清麿、だっけ?そのコ、
武芸の心得も無いんでしょ。じゃあ、急いで助けに行ったほうがいいんじゃないの?」
「そ、そうなのだ!急いで欲しいのだ!急がないと清麿が危ないのだ!」
カラスの話をスルーして、ガッシュに語りかけるアレンビー。ガッシュはハッと顔を上げ、力説する。
「それじゃあ急いだほうがよさそうね!荷物を纏めて探しに出ましょ!」
青髪の少女アレンビーは、そう言うなり各自の荷物をチャッチャと纏め始める。
「ガッシュは、私の背に乗って。ポルヴォーラってのは、頭の上でいいよね。ブリは……尻尾掴んで持っていけばいいか、
いざとなったらリボンの代わりとまでは行かなくても、鈍器くらいにはなるだろうし」
あっという間に荷物は片付き、出発の準備が整った。ガッシュを背に乗せ、ポルヴォーラを頭に載せて、ブリを右手に、
火の灯ったカンテラを左手に付かんだアレンビーは、そのまま走り出すと、豪華客船の最上甲板へ、あっという間に
たどり着いき、そこからそのまま陸地目掛けて飛び降りた。
「おーい!あんたどうしてこっちこないんだよー?」
初対面時はあれほど引っ付いてきたのに、ガッシュとの合流直後から常に一定の距離を保ち、一向に近づいて来ようと
しないカラスに、高く飛び上がったままアレンビーは問いかけたが、
「アレンビー!オレはいつでも遠くからお前のことを見守っているよぉーん!」
カアスから返ってきた返事は、これだけ。
「可愛いけど……バカな女」
これが、現時点におけるキールの認識するアレンビー像であった。
【E-3/豪華客船最上甲板上空5m/1日目/深夜】
【機動武闘伝Gガンダム@アレンビー・ビアズリー】
[状態]:健康
[装備]:背中にガッシュ、頭にポルヴォーラ、右手にブリ、左手にランタン
[道具]:支給品一式、ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる)
爆弾生物ポルヴォーラ@王ドロボウJING
不明支給品1〜3(本人確認済み、少なくともブリよりリーチの長い近接武器は入っていない)
[思考]
基本思考:螺旋王にドモンとダブルゴッドフィンガー!
1:高嶺清麿を最優先で捜索!
2:ドモン及びジンを捜索!
3:悪いヤツにはビームブリをブチかます!
4:強い人が居たら、ファイトしてみたいと心の片隅では思ってたり……
[備考]
※いきなりキールに口説かれてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。
※シュバルツと東方不敗は死人と認識。
※キール、ガッシュと情報交換済み
【キール@王ドロボウJING】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、ジンの仕込みナイフ@王ドロボウJING
[思考]
基本思考:とりあえず、さっさと会場から逃げ出す
1:仕方ないので高嶺清麿を探してやる
2:アレンビーと二人でウエディングブリに入刀したい
3:ジンも探さしてやるか
4:ポルヴォーラには近寄りたくないけど、アレンビーが襲われれば駆けつける
5:他にも女性が居たら口説くつもり、野郎には興味なし
[備考]
※いきなりアレンビーを口説いてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。
※アレンビー、ガッシュと情報交換済み
『警告します。禁止区域に抵触しています。
あと30秒以内に爆破します』
無機質な声が響き渡る、それと平行して放送の声が聞こえる。
「圭一君!」
「レナ、逃げるぞ!」
『――えられた!、 これもひと・・・』
そういうが早く、俺はレナの手を掴み、正反対の方向に向かって一気に走り出す。
その首輪を見ると、首輪のランプが赤緑に点滅している。
放送は今なお続くが、そんな話に耳を傾けている暇は無い。
チクショウ、警告だけしてそのまま爆殺ってか!ありえない、ありえないんだ絶対にッ!
あの屑野郎がこんなことで自分の楽しみを放棄したりはしない、だから絶対に助かるッ!
信じろ、信じるんだ圭一!自分を信じろッ!
『――7時より A-4・・・』
程なくして自分の首の点滅が消え、俺はその場にへたり込む。
助かった・・・。いや、今はそれ所じゃない!一番重要な点を聞き逃しちゃ絶対にマズイッ!
隣のレナをチラッと見る。レナは俺に引き吊られる形で一緒に地面に座り込むことになっていた。
レナの首輪だけが光ったりといったようなおかしいことにはなってはいなかった。
いや、今はまず放送に耳を傾けるべき・・・・・・
『・・・ワハハハ――』
その不快な声とともに、あの仮面の男の立体映像は消え去った。
よかった、みんな無事だ。そうさそうだ、そうだよな。
俺たち部活メンバーが、こんなことで脱落するわけが無い!
あの策士である魅音の奴はこんなことではうろたえる訳がねえ。
沙都子は自慢のトラップワークで飄々と生き延び、梨花ちゃんはにぱー☆と笑いながら他の誰かをファンクラブにしている。
そんな光景が、不謹慎ではあるが浮かんだ。ふいにレナから声がかかる。
「圭一君、みんな・・・みんな無事だったね。」
「ああそうさ、俺たち部活メンバーはこんなことでやられたりはしないからな。」
俺はレナの手を引いて立ち上がり、ズボンについた土を払う。
レナが不意に口を漏らす。
「でも、19人も死んでいる・・・。」
「四分の一か・・・くそっ・・・。」
まだ俺たちはこの殺し合いに巻き込まれてから誰にもあっていない。
だから19人の人間が死んだかと言われて、俺はそれを実感として感じることが出来なかった。
最初の広間には様々な人間が居たことからも、実は俺たち二人以外に誰も居ない。それは無いだろう。
たまたま隣の人間が信頼の出来る仲間だったからこそ、放送を信じないという選択肢が与えられている。
そんな幸運、いや、奇跡に感謝しなくてはいけないのだ。
奇跡、そう、奇跡なんだ。俺たちは出会いも奇跡なら、経過も奇跡だった。
奇跡は間違いなく起きている。それは証明されたんだ。
「なあ、レナ」
「何?圭一君」
「やっぱり、俺たちはツイてる。いや、奇跡はちゃんと起きてたんだ。」
「ただの小学生や中学生の集まりに過ぎないはずの私たち部活メンバーが・・・」
「誰一人欠けることなく残っている。だから俺たち部活メンバーは、絶対にこの悪魔の脚本を打ち破る。」
「圭一君・・・・・・」
レナが相槌を打つ形になる。俺はそのまま話を続ける。
「だから、仲間を探そう、みんなだけじゃない。この馬鹿げた殺し合いを止めさせたいと願う人はきっと居る。
俺たち部活メンバー、そして他の誰かを信じあおう。仲間と一緒にこの惨劇を絶対に止めよう」
「うん、圭一君。レナも、レナも圭一君と一緒に頑張るから・・・」
「さあ、仲間を探そう。信頼しあえる、仲間を探しに行こう。」
レナの手を取り、俺は歩き出す。
ん・・・ちょっと待て圭一、何か忘れてないか・・・・・・
ああっ!放送をメモするのを忘れた!
俺は数歩歩き出した足を止め、レナの方向に情けない顔で向き直る。
レナが疑問符を浮かべたような表情で声をかけてくる。
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】
[状態]:健康、おでこに少々擦り傷
[装備]:赤い魔本@金色のガッシュベル!!
[道具]:支給品一式、ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム
[思考]
基本思考:螺旋王を見つけ出してバオウ・ザケルガ!
1:なんとしてでも高嶺清麿と再開する
2:ジンとドモンを探す
3:ブリ喰いたい
[備考]
※色々あったので名簿の確認はまだ。
※魔本が清麿以外にも読める可能性は全く考えていない
※キール、アレンビーと情報交換済み
「圭一君、どうしたの?」
「すまんレナ、放送の内容をすっかり忘れてしまった。教えてくれないだろうか」
レナの表情が変わる。あの表情はまさか・・・
「放送を忘れちゃったうっかりやの圭一君かぁいいーーーー、おっ持ち帰りぃぃぃぃぃ」
「だあああああ、レナ待て!、今はそれ所じゃないだろうがああああ」
レナが緩みきった表情で思いっきりじゃれてくる。というか首が絞まってるって、ギブギブギブだから!
・・・レナに散々弄り倒されながらも、俺はなんとかレナを落ち着かせるという任務を成功させる。
抜け目の無いレナは俺がくだらない妄想をしている最中にきちんと放送をメモしてたらしい。
おかげで禁止エリアに突入して、またドカンの危機を受けることは無いのだ。
そう、俺の横には信頼できる仲間が居るし、これから向かう先には人が居て、信頼しあえる仲間になる。
そんな根拠の無い妄想なら、俺は信じることが出来た。奇跡の存在を確かめることが出来たからこそだ。
窓の外にあの変態仮面の顔が映る。とともに放送が始まった。
やかましい声が耳をつんさき、ようやく禁止エリア情報を伝えはじめる。
俺は取り出しておいた地図を取り出し、情報をメモする。
苛立ちすら覚えるその声とともに、死亡者の名をメモするべく名簿を取り出す。
「圭一君、どうしたの?」
「すまんレナ、放送の内容をすっかり忘れてしまった。教えてくれないだろうか」
レナの表情が変わる。あの表情はまさか・・・
「放送を忘れちゃったうっかりやの圭一君かぁいいーーーー、おっ持ち帰りぃぃぃぃぃ」
「だあああああ、レナ待て!、今はそれ所じゃないだろうがああああ」
レナが緩みきった表情で思いっきりじゃれてくる。というか首が絞まってるって、ギブギブギブだから!
・・・レナに散々弄り倒されながらも、俺はなんとかレナを落ち着かせるという任務を成功させる。
抜け目の無いレナは俺がくだらない妄想をしている最中にきちんと放送をメモしてたらしい。
おかげで禁止エリアに突入して、またドカンの危機を受けることは無いのだ。
そう、俺の横には信頼できる仲間が居るし、これから向かう先には人が居て、信頼しあえる仲間になる。
そんな根拠の無い妄想なら、俺は信じることが出来た。奇跡の存在を確かめることが出来たからこそだ。
窓の外にあの変態仮面の顔が映る。とともに放送が始まった。
やかましい声が耳をつんさき、ようやく禁止エリア情報を伝えはじめる。
俺は取り出しておいた地図を取り出し、情報をメモする。
苛立ちすら覚えるその声とともに、死亡者の名をメモするべく名簿を取り出す。
――俺は開いた口が塞がらなかった。タチの悪い冗談だろ?
タバコは咥えていないはずなのに、ポロっと落ちた気がした。
銭型のとっつあんに、五ェ衛門。あの殺しても死ななそうな二人が死んだって・・・・・・?
放送が嘘であることはあの変態仮面の性格からしてありえないだろう。
だが、ありえないはずの二人の死、これは一体どういうことだ・・・・・・。
不覚にもありえない二人の死から、そんな都合のいい考えをしてしまった自分が情けない。
涙は出ない、流さない、流せない。
それが次元大介という男だから、悲しむ暇なんて許されないのだ。
俺は帽子を深く被り直し、しばしの間黙祷を捧げる。
――とっつぁん、まさかあんたが死ぬとは思わなかったぜ。化けて出てきたりするなよ。
――五ェ衛門、毎度毎度女に騙されてたけど、また騙されて殺されたなんて言うなよ。
――悪いなおまえら、俺にはまだまだやることがあってな・・・・・・、後でゆっくり頼むぜ。
・・・それから少しして、隣の男に話しかける。
「なあ、ソロモン」
「なんでしょうか?次元」
「予定変更だ、探し人が増えた。」
「どうしたんですか急に?・・・・・・ああ。」
「ま、そういうことだ。手の掛かる相棒が気になっちまってよ」
隣の男は変わることなく微笑を浮かべ、無表情な人形を抱っこし続けている。
本当に食えない男だが、少なくとも背中から刺されるといった事態にはならなそうだった。
「本当は信頼できない奴とは行動したくない、と言いたいところだが・・・・・」
「あなたのお友達が死んでしまったから、・・・ですかね。」
「そういうことだ。ま、慣れない武器だとどうなるか分からなくなったからな。」
と言って、俺は手元のカスタムオートを見せる。
「ちょっと俺には手の余る代物でな。」
「これはこれは、先ほどもお目にかかりましたが本当に常識外れなサイズですね」
「人間じゃないお前さんなら、問題ないんじゃないか?」
「さあ、僕はよくわかりませんね」
「ま、そういうわけでよろしく頼むぜ。」
「改めてよろしくお願いします。」
先ほどのやり取りから、成り行きでお互い情報交換は済ませていた。
ソロモンが手を伸ばしてきたからしょうがなく握手してやったが(その後は蒼星石という人形ともすることになった。)
完璧な信頼は置けないとはいえ、これからは一緒に協力する。だからこそこっちから手を伸ばすことにしてみた。
「さて、じゃあ行きましょうか次元」
「おう」
この古びた高校の探索は既に済ませており、ここには誰も居ないことは確かめた。
探索の途中にソロモンが拡声器を拾っていったほかに、役に立ちそうなものはなかった。
拡声器もこの殺し合いで何に役立つのか疑問だが、ソロモンの奴があるに越したことは無い。
とかなんとかで持っていくことになったっけな・・・・・・。
そんな調子でギシギシと床のなるこの高校の階段を下りていると、ふいにソロモンの奴が声を出す。
「おや、あそこに誰か人影が見えますね。」
「どれどれ・・・」
仕事柄目には自信がある俺だが、あの樹々が生い茂る山を見て人を発見できるほどじゃない。
ソロモンは自分からペラペラと喋ってくれた身の上話は、どうやら嘘って訳じゃなさそうだな。
「彼らは残念ながら小夜のようではありませんでしたが、何か知っているかもしれませんからね。」
「じゃあ、そいつらとうまく接触できるように動くとするか」
「ええ、そうしましょう。」
ソロモンはやはりというか小夜に入れ込んでいるらしく、ちょいとつついてやったら熱く反論してたっけな。
女の話は相棒の件からして面白くないものだが、ソロモンにとって音無小夜は相棒以上にお熱な女らしい。
ま、言って聞かないなら忠告してやる義理は無いなんて考えつつ、そういうわけで行動開始することに
私は圭一君と談笑しながら、目の前にそびえる古びた高校へと歩いている。
圭一君はまず人のいそうな施設に向かってみようと言い、私はそれに従うことにした。
人と接触することで情報を得るのは大事なことだ。今のところ私たちは今まで誰とも会っていない。
だからこそ情報を得る必要がある。そうでなければこの殺し合いでうまく立ち回ることは出来ない。
だが、もう一つ私は、先ほどはかぁいいモードで誤魔化した圭一君の言葉を反芻し続けていた。
「信頼しあえる、仲間」
そう、私にとっては隣の圭一君であり、魅ぃちゃん、沙都子ちゃん、梨花ちゃんのことである。
あのゴミ山で仲間と誓い合い、圭一君が私を引っ張り上げてくれた手は今でもかぁっと熱くなるときがある。
それはあの出会いからであり、先ほども放送のときも熱くなるのを感じていた。
でも、それじゃあいけないと私は分かっている。私は幸せを蝕む敵を倒さなくてはいけない。
信頼しあえる仲間なんて、私たち以外に誰が居る?19人も人が死んだのに・・・・・・
そんな状況下で信頼しあうほど私はお人よしではない。敵になる可能性があるならば速やかに排除するべきだ。
そんな仲間は何も出来ずに敵にやられた19人の中には居るに違いないかも知れない。違いない。違いない。
でも、圭一君は信頼しようと言った。私が一番信頼している圭一君はそう言っている。
だから自分の思考に忠実になれない。迷っている。迷うのはいけないことだって知っているのに
こんな考えはきっと相談できない。だから今なおその言葉について考えをめぐらせていた。
そうこうしているうちに目の前に高校の正面にたどり着く。
圭一君があまりにも無警戒だから人が居るかどうか見たほうがいいと忠告するが、分かってる分かってると流す。
私と圭一君が校門の死角から様子を見る。・・・人の気配はしない。そういう結論を出したので、進入することにした。
校内に入ろうと思った矢先に、私の前に金髪の優男と帽子を被った髭男が出てきた。
優男は小さな人と手を繋いでいる。髭の男は銃に手をかけている。
相手は銃を持っているッ!この状況はヤバイッ!!!
>>82 すみません、コピペが終わったようなので早く投下しようと焦ってしまい、宣言を忘れてしまいました、ごめんなさい。
銃を避けるために移動し、戦闘態勢に入るはずだった。
だが、私達が行動に移った段階で相手は沈黙し、圭一君はこの状況下でただ鉈を構えているだけだった。
戦意が無い?と思ったが早く、圭一君が大声で叫んだ。
「聞いてくれ!俺はこの糞ッ垂れな殺し合いには乗ってねえ、信じてくれ!」
すると二人と一つの人影がこちらに向かってくる。
だが髭男が銃から手を離していないところから見て、警戒はまだ解いていないらしい。
だからこそ私もいつでも踏み込んでナイフを差し込めるように警戒を解かない。
ああ、リーチが足りない。圭一君の鉈なら・・・・・・
このコンバットナイフは鉈よりはずっと扱いやすくていい武器だが、リーチで劣るのが痛い。
この状況下ではリーチの差が少なくない優劣を生み出す。圭一君は鉈を下ろして相手を見据えている。
もうこの状況下で焦ってもどうしようもないと判断し、相手の警戒を緩めるためにこちらの警戒を少し緩めることにした。
「僕はソロモン・ゴールドスミスと申します。あなたと同じようにゲームには乗っていません。」
「ソロモンさん、俺は前原圭一って言うんだ。よろしくな」
圭一君が金髪の男と握手を交わす。圭一君は何も考えずに笑って握手をしている。
ソロモンという男は微笑を浮かべたまま、表情を殆ど変えずに握手を交わした。
程なくして髭男も挨拶をする。
「自分は次元大介ってんだ。ま、よろしくな」
「・・・・・・竜宮レナです。」
次元という男は手を出さない。私を警戒しているのかもしれない。
まあ、それは私の行動に少し問題があったことで、次元さんを攻める訳にはいかない。
圭一君と握手をしたソロモンという男は私にも手を伸ばす。
「よろしくお願いしますね、レナ」
「よろしくお願いします。」
私と握手するときは表情は微笑からよりにこやかな笑いに変化する。
それにつられる形で私は笑顔を浮かべ、握手することにした。
別に面白くもなんとも無い私を見て表情が変わるとは、一体どういうことなんだろう?
ソロモン・ゴールドスミス・・・・・・か。
握手を終えたソロモンさんがさらに口を開く。
「この子は蒼星石です。私の優秀なパートナーでして、魔法の力で動いている人形なんですよ。」
蒼星石という男の子みたいな人形はぎこちなく歩き、圭一君と私の前で握手を交わす。
・・・魔法なんて嘘みたいだ。嘘みたいか・・・・・・、何かがおかしいような・・・。
私はこのやりとりに違和感を感じつつも、彼らと情報交換を交わす。
ソロモンさんの言う小夜という探し人。そして自分自身のこと
次元さんが言う青い狸とあの仮面の男のこと、次元さんの仲間のこと
あのルパンの三代目だとか、翼手の存在、青い狸といった漫画にしかありえないような話が次々と飛び出る。
圭一君はそれに殆ど疑問なんて持たない様子で、ペラペラと私たちのことを喋っている。
圭一君はこの状況下で手持ちの情報が持つ価値についてまったく理解をしていないようで、あの地図の外のことまで話してしまった。
ソロモンさんが、蒼星石という人形について話し始めた。
「この子は私の支給品なんですが、これが蒼星石との契約の指輪です。」
そう言って指輪を見せる。やっぱり何かおかしい。違和感じゃない。
「この指輪を通じて私と蒼星石は心が通じ合っているんです。
そして、蒼星石は彼女の姉妹である人形を探したいといっています。」
クールになれ、レナ。どこからおかしい、どこがおかしい?よく考えろ・・・・・・
「この子のほかにも、同じような人形の姉妹が居て僕達はその・・・」
「嘘だッ!!!!!!」
私は気がついた。絶対に間違いなんかじゃない。だから言ってやった。
ソロモンは少し驚いたものの、動揺している様子は無い。
しかし人形のほうはそうでない。誤魔化しきれない。動揺している・・・・・・。
だから私が気がついたことは間違っていない、それを裏付ける動きをその人形はしていた。
次元のほうはというと、疑問を浮かべた様子で私を見ていた。
「嘘だなんて酷いですね。レ・・・」
「いいや、嘘だよ。私の目は絶対に誤魔化せないッ・・・」
言ってやる、私は相手に主導権を与えないように続ける。
「どうして嘘をついてないなんて嘘をつくのかな?かな?」
「だから嘘では・・・」
「嘘を付くんじゃないッ!!!!」
相手に弁解の余地を与えない、そのまま続ける。
「レナはちゃーんと知ってるんだよ。名簿あったよね、名前が・・・」
「蒼星石、ってね!!!!」
私があの放送の内容をメモしているとき、名簿の中でひときわ難しい漢字が並んでいる下りが確かに存在した。
ちょっと読むのに苦労したが、あの中には蒼星石という名前が存在したはず。いや、存在している。
あの動揺こそが証拠である。
私は明確な証拠であるはずの、ここに居るならかならずあるはずのアレを確認する。
リボンを引っ張るとすぐ取れた。私の考えの通りにリボンの下から、首輪が現れた。
「これは何なのかな?かな?」
「・・・・・・おいソロモン、こいつぁどういうことだ?説明してもらおうか。」
証拠を見せ付ける、次元は少なくない動揺をしているようだ。圭一君はまだ間抜け面を浮かべている。
ソロモンのほうはというと、蒼星石とともに謝罪をし、これまでの経緯を説明し始めた。
次元大介との接触時のほか、他の参加者とうまく交渉をするためであり、信頼できるものには説明する予定だった。
そして、そうでない参加者を場合によっては・・・殺す。たしかに筋は通っている。
だが、それは私たちも交渉の余地が無いなら殺す。そういうことを意味している。
私は今殺し合いに乗ってないからよかったものの、ソロモンと蒼星石は私の『敵』になるかもしれなかったのだ。
「こんなことをしている人は、レナ信用できないかな?かな?」
「ごめんなさい・・・。ソロモンさんをそんなに攻めないで、協力した僕のほうこそ悪いんだ。」
「そういう話じゃないかな?かな?ソロモンと蒼星石はレナ達を騙して殺そうとしてたかもしれないんだよ。」
そう言うが私はコンバットナイフを構えて戦闘態勢を取る。そして目の前のソロモン達も・・・
「みんな、やめろ!やめてくれ・・・
なんでこんなことするんだよ!俺達は殺し合いをするんじゃねえ!惨劇を止めるために居るんだろうが!」
さっきまで馬鹿みたいに呆けてた圭一君が私達の前で盾になる。ああ・・・邪魔だ邪魔だ。
圭一君が私のほうに向き直る。
「レナ、俺は言った!信頼できる仲間を探そうって
レナはソロモンさんを信用できないかもしれない。でも俺はちゃんと謝罪して説明してくれたソロモンさんは信用できるッ!
この人は殺し合いなんてしない!俺がそれを保証するッ!!!
だからレナは、俺のことだけでいいから信じてくれ!こんなことはもう止めてくれ!
誰かを疑うのはもう沢山なんだよおおおおおおおッ!!!!!!!」
勝手なことを言うだけ言って、圭一君は続ける。
「聞いてくれソロモンさん、次元さん、蒼星石。レナはただ嘘が許せないだけなんだ。
決してあんた達と敵対したくてこんなことを言った訳じゃない、信じてくれ・・・。
もしこれであんた達が怒ったなら俺はいくらでも謝る。
だから、だからそれで気が済むなら許してくれッ!頼むッ!!!!」
沈黙は一瞬、私は・・・・・・大好きな圭一君に従うことにした。
「ごめんなさい、ソロモンさん、次元さん、蒼星石ちゃん。」
私が戦闘態勢を解くと同じく、ソロモン達も戦闘態勢を解いた。
それから私達は許しあい、疑わない、嘘は付かないということ誓うことにした。
飛んだ茶番だ。
でも圭一君の真剣な表情の手前、無碍には出来ない。だから私は圭一君の望みに従う。
次元さんはそういうのが嫌いらしく、後ろのほうで苦笑を浮かべてぶつくさすまんね、とか言っていた。
次元さんは正しい。圭一君がどれだけ弁解しようとこの男、ソロモン・ゴールドスミスのことは信頼なんか出来ない。
協力した蒼星石は嘘は付いてる様子は無いが、この男との協力関係から信頼できる要素は薄い。
そういう意味では次元さんだって信頼できない。しかし信頼できないことは信頼できる。それだけは確かだ。
その後、信頼の証として支給品を含めた手の内を全て見せあうことにする。圭一君が支給品の食料を取り出す。
そういえばお腹がすかないかという圭一君の発言から、みんなで朝食を取ろうということになった。
そして私達は落ち着いて食事が出来る教室に移動し、談笑しながら食事を取る。
圭一君はまるで雛身沢に帰ってきたみたいに面白おかしく場を盛り上げて楽しく食事をしていた。
何も気が付いてない圭一君だけが
それから私達は今後のことについて話し合い、人が集まりそうな市街地に向かうことに決めた。
この辺りには人が居ないのは私たち自身の情報交換から明らかであり、私達5人の知り合いが向かいそうな施設。
ここから近い病院、図書館、映画館を探索することに決めた。
「それじゃあ、早速行こうぜ。善は急げだ!」
圭一君はやはり屈託の無い笑いでみなを引っ張るように我先にと歩き出す。
本当に圭一君は分かってない。ああもう・・・・・・イライラするなぁ・・・。
「待って、圭一君。提案があるの」
「ん?レナ、なんだ?」
私は圭一君に鉈とナイフを交換してくれと頼んだ。
かぁいいものがあったらぜひ自分の手で掘り出したい。そんな風に誤魔化して交換した。
信頼できるものが少ない今の状況下では、せめて武器ぐらいは信頼の置ける鉈にしたい。
圭一君はナイフを片手に、意気揚々と進み、遅れて蒼星石が歩き出す。
それ意外は、・・・・・・動かない。
「どうしました?レナさん」
「ソロモンさん、私は後ろから圭一君のことを見て居たいから、先に行ってくれませんか?」
「・・・一つ言っておきたいことがあります。」
「何なのかな?かな?」
「僕のことを疑うのは構いません。しかし小夜に何かするつもりなら、容赦はしませんよ。」
「それなら私だって同じ、圭一君や私に何かするなら容赦しない。」
真剣な表情を見せたソロモンはやり取りを終え、ヤレヤレと言った様子で歩き出す。
他にも言いたいことはあったが圭一君との約束の手前、あまり不振なやり取りは出来ない。
最後に残った次元さんにも声をかける。
「悪いな嬢ちゃん、自分も前を歩きたい気分じゃないんでな。」
「信頼できない、って言ってもいいんですよ。」
「そう言われると弱いなぁ・・・」
やり取りが終わり、私と次元さんは最後尾から互いの距離を開けて歩き出す。
これがお互いの距離、信頼できないもの同士のね
状況を確認しろ、レナ。
信用できるのは私と圭一君だけだ。
圭一君はさっきからイライラすることばかりやってるけど、私を騙そうなんて気は微塵も感じられない。
だからこそ圭一君に先頭という目を頼み、私は後方から監視する。
信頼できないのはこの三人、特にソロモン、ソロモン・ゴールドスミス、そして蒼星石。
特にこの二人は要注意であると頭に叩き込む、手は割れたとはいえいつでも裏切ることは出来る。
先ほどのやり取りから、ソロモンが何を考えているのかよーく分かった。
音無小夜、ソロモンの最愛の人。ソロモンの表情からも容易に存在の重要性が分かる。
ソロモンが私達を騙そうとしたことの理由が、ようやく推理可能になる。
音無小夜を生かす為に邪魔な存在を騙し討ちで排除し、優勝する。自然な考えだ。
しかしこの考えでは、蒼星石の存在がキーとなっている。
ソロモンが蒼星石を騙しているのか?それとも蒼星石とは互いに守るべきものの為に協力している?
蒼星石との情報交換から考えるに後者の可能性が高い、
だが、いずれにしろ決定的なキーを得る機会は無い。今この状況下でこちらから動くことは難しいだろう。
圭一君を裏切れば、それこそ私がみんなから攻められてもおかしくない。それでは駄目なのだ。
私がこれからすべきことは裏切りの証拠を押さえ、速やかに敵となった存在を排除する。
本当は次元さんも信頼が置けないのだが、次元さんも胸中は実のところ一緒のようである。
ソロモン達が信用できない。そういう意味で私達の利害は一致している。この線だけは部分的に信頼できるといっていいだろう。
本当は次元さんの後ろを歩きたかったが、この状況下でこれ以上の贅沢は望めない。
しばらくは、相手の出方を見続けるしかないだろう。私が気を抜いてはいけないのだ。
クールになれ、クールになるんだ竜宮レナ。もう二度と"い"やなことは起こさせない。
状況の確認、行動方針の確認を私は終えた。
やはり、圭一君は甘い。この状況下がどれだけ危機的か分かっていない。
情報交換をして分かったことから、私達のような普通の中学生では漫画の世界に出てくるようなやつらにはかなわない。
圭一君がべらべら喋ってしまったから、もうハッタリなんて使えるわけが無い。
ソロモンが嘘を付いているかもしれないが、他に違和感は無かった。
完全に信頼できるわけじゃないが、あの青狸の存在からして、普通では及ばないような存在が居ることは間違いない。
それを考慮に入れれば、ソロモンは強力な力を持ち、もしかしたら私達が束になってもかなわないかもしれない。
ああ、危機的だ危機的だ。考えること、やることはまだまだ沢山ある。
巨大な力を持つソロモン、蒼星石達ローゼンメイデン
どうやって尻尾を掴む・・・敵はどこだ、敵はどこだ、敵はどこだ・・・・・・。
ああ疲れる、圭一君は本当に何も考えてなくて本当に気楽そうだ。
そんな私のことを気遣ってくれない圭一君の様子が、私のイライラに拍車をかけていた。
鉈を掴む手に力が篭る。見てろ・・・私は絶対にお前達なんかに屈しない。
圭一君に手を出してみろ・・・・・・。おまえたちがどんなバケモノだろうと、一撃で叩き割ってやる。
一撃で駄目なら、*ぬまでバラバラにしてやる・・・・・・。
圭一君が教えてくれたオヤシロ様の奇跡は、私が絶対に守るんだから。
「……ミス・ヴァリエール! ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
教員の怒鳴り声に刺激され、ルイズは机に突っ伏していたその身をがばっと引き起こした。
涎の垂れた口元を拭おうともせず、ぼやけた頭を振って周囲の光景を確認する。
そこは、無数の椅子や机と黒板の置かれた教室内。タバサやキュルケ、ギーシュやモンモランシーといった級友の姿が窺える。
……どうやら、こともあろうに授業中に居眠りをしてしまったらしい。
恥ずかしさに口を噤みながら、ルイズはクラスメイトたちの笑い声を浴びせられて顔を赤面させる。
その笑いの渦中に、やたらと聞き慣れた男の声が混じっていた。
異変を感じ取るように訝しげな顔で横を向くと、隣の席には黒い短髪に平凡な様相を構えた、平民の少年がいた。
「ルイズは相変わらずドジだな。迂闊者っていうかさ」
「な、なんでアンタがここにいるのよ!」
「いちゃ悪いかよ。俺はルイズの使い魔だぞ」
「いちゃ悪いのよ! アンタは私の使い魔で平民! ここは貴族の学び舎よ! 犬は外で洗濯でもしてなさいよ!」
晒してしまった失態からくる恥ずかしさを怒りに変えて、まるでその少年が全ての元凶であるかのようにルイズは非難を浴びせた。
少年はちぇっ、と言い捨て、素直に教室を退出していく。
そうなのだ。使い魔は主人の命令には逆らえない。
召喚された時点でその主従関係は絶対であり、例外が生まれることはないのだ。
「だから、アンタはこの私に絶対服従でいなければいけないの! 分かった!?」
「はいはい分かりましたよ御主人様。俺は平民であって使い魔、ルイズは貴族であって主人。近いようで遠い関係だよなコレ」
場所を寄宿舎の外に移し、少年は洗濯をしながらあーあと空に向けて溜め息を吐く。
その横顔を見て、ルイズは自分の頬が薄紅色に染まっていることも気づかずこう発言した。
「で、でもまぁアンタも使い魔にしちゃ結構やるほうだし、そんなに遠くはないんじゃないかしら」
「? 遠くないってなにが?」
「だ、だからその…………カ、カ、カカカカンケイ…………とか」
「カンケリ? ルイズ、カンケリがしたいのか? つーかこの世界にもカンケリなんて遊びあるんだ……」
「な、なななななななななな違うわよ耳腐ってんじゃないのこのバカ犬!」
「イタっ、イタタタタ!? 耳引っ張るなよ!」
茹蛸みたいに顔を火照らせて、ルイズは少年の耳を力いっぱい引っ張った。
……何故だろう。この少年の前に立つといつもこうだ。
言いたいことが言えなくて、発言を失敗するたびに胸が締め付けられるように苦しくなる。
病のようで怪我のようで、そのどちらでもなくて。
ルイズは純真な瞳に笑う少年の素顔を映し、正体の掴めぬ感情に胸を焦がすのだった。
「……ったく、こんなガサツで乱暴な性格だから、みんなに『ゼロのルイズ』なんて呼ばれるんだよ。少しはシエスタとかを見習えよな」
「そ、それは昔の話じゃない! っていうかなんでそこでシエスタの名前が出てくるのよ!」
「え? い、いやぁ〜なんでだろうなぁ……ハハハ」
冷めた笑いではぐらかす少年の胸ぐらを揺さぶりながら、ルイズはまた怒り出す。さっきから顔を真っ赤にさせっぱなしだった。
……少しは素直にならないとね。
表の思考ではなく、本能でルイズはそう思った。
このまま意地を張ってばかりでは、いつかきっと後悔してしまう……そんな予感を本能が感じ取っていたから。
「……もう、ゼロのルイズなんかじゃない」
「分かってるよ。ルイズはもう立派な――」
「そうじゃない! そうじゃなくて……その……私には…………才人、がいるから」
「へ? オレ?」
おどけた表情で言葉の意味を探る少年に、ルイズは依然赤面したまま、思いのたけをぶつける。
「……私には、『才人』がいるから! だから……だからもう『ゼロ』じゃない。才人が、才人さえいれば私は……」
意を決した反動で涙まで流す健気な少女に、少年――平賀才人は優しく微笑み、その小さな頭にそっと手を置いた。
◇ ◇ ◇
今宵の城は、漆黒ではなく真紅に染め上がることだろう。
爆砕か、炎上か、血染か、それとも――真紅を超越した『虚無』か。
「我が名はルイズ! ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール!」
杖である戦鎚を振り、唱える。
「宇宙の果てのどこかにいる私のしもべよ!」
サモンサーヴァントだけは自信があった。
「神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!」
あの召喚の儀式の日が、全ての始まりだった。
「私は心より求め、訴えるわ!」
ルイズと、才人の。
「我が導きに、答えなさい!」
運命の出会い――。
『…………まずは悲しい知らせから――!』
バトルロワイアル会場の中心地に位置するホテルという名の巨城。
その最上階にて、ルイズはグラーフアイゼンを振るい、破壊の力を行使する。
爆音が木霊し、壁が、天井が、床が崩壊。ほぼ同時に始まったギガゾンビの定時放送すら、その轟音で掻き消した。
横に、縦に、斜めに自由自在に振り回し、まるでウサ晴らしをするようにありったけの魔力をぶち撒ける。
これまでの激戦で損傷が進んでいた巨城はすぐにその身を揺るがし、ボロボロと破片を零していく。
『――涼子、前原圭一、竜宮レナ、古手――』
放送は既に、ルイズの耳には入っていなかった。
ギガゾンビの声を掻き消すほどの音も原因の一つだが、ルイズにはもはや、誰が死のうがどこが禁止エリアになろうがどうでも良かったのだ。
ホテルを壊して、目に入った人間は殺して、グリフィスの下へ、才人と一緒に帰る。
それだけ。たったそれだけで、才人は帰ってくる。
誰にも邪魔はさせない。朝倉涼子も問題じゃない。
才人と一緒にいれば、なんだって出来る。
だって才人は、ルイズが召喚した世界でたった一人の平民の使い魔だから。
神聖で、美しく、そして強力なゼロの使い魔だから。
「私はもう――ゼロじゃない!」
懐に忍ばせておいた才人の眼球を取り出し、屋外へと飛翔する。
天高く舞い上がったルイズは手の平に才人を転がし、同じ視点で崩壊していくホテルを見下ろした。
未だ鳴り止まぬ轟音は、依然として破壊が続いている象徴でもある。
スプーンで半分だけ掬ったアイスのように、ホテルは中途半端な半壊状態を迎えたところで鳴動を止めた。
このコンクリートの巨城は、ルイズにとっては砂の城だ。
そう形容するくらいに脆く、崩れやすく、壊しやすい。
才人と再び出会うための、単なる糧に過ぎない。
「見て、才人。お城が崩れていくわ」
地上から舞い上がってくる突風を受けて、ルイズの桃色の髪が揺れた。
生気を宿さない眼球は何も言わず、ただ死んだ瞳に崩壊寸前の巨城を映す。
「召喚魔法は一生で一度きりのもの。使い魔は生涯添い遂げるべきパートナー。私にはもう、才人しかいない」
ルイズが召喚した使い魔は、人間だった。
ルイズが召喚した使い魔は、平民だった。
ルイズが召喚した使い魔は、才人だった。
「もう一度やり直そう、才人。あの召喚の儀式から、私たちの出会いから――」
グリフィスはそれを叶えてくれる。
壊して、殺して、ぶっ壊して、皆殺しにすれば、才人は戻ってくる。
ルイズはグリフィスの虚言に一欠けらの疑念も持たず、ただ単純に――すごい、と思った。
「帰ろう、才人」
――そこにはいないはずの才人と交わす、二度目のファーストキス。
突き出した唇は空を捉え、ただ唯一といえる彼の象徴は、何も返してはくれなかった。
今は、まだ。
でも、これが終われば、きっと。
グラーフアイゼンを頭上高く振り上げ、彼女の内に眠る潜在魔力を解放させる。
生み出された特大の鉄球の数は、一発。その一発に、ルイズの魔法の特性である『虚無』の力を加える。
「これが、決まれば!」
鉄球を狙い、グラーフアイゼンを当てんと振り被る。
虚無により強化された、本来の使い手であるヴィータのものを越えるシュワルベフリーゲン。
命中すれば半壊状態のところで食い留まったホテルも爆発と共に弾け、辺り一帯は焦土と化すことだろう。
そこに、ルイズ以外の生存者はいない。
「――っぉわれろおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
呂律の回らない口ぶりで叫び、ルイズはグラーフアイゼンを振り下ろした。
「やめなさあぁぁぁぁぁぁいっ!!」
「――ッ!?」
鉄槌が鉄球を穿つ――その直前だった。
ルイズの横合いから飛び込んできた黒い斧が、振り下ろされたグラーフアイゼンを弾き、同時に鉄球を空高く打ち上げた。
ホテルを狙うはずだったシュワルベフリーゲンは空中で花火のように霧散し、黒味がかってきた空を茜色に染める。
バランスを崩したルイズはなんとか体制を立て直し、謎の乱入者へと矢庭にハンマーを向けた。
その場にいたのは、ルイズと同様に魔法の杖を持った、飛翔する女の子。
白を基調としたロングスカートは、平凡な小学三年生の女子児童が思い描く、典型的な魔法少女の兵装。
胸元で結ばれた大き目のリボンが際立ち、またそのリボンのイメージとは対極に位置する厳格な瞳を、ルイズに向ける。
「なによ……なんなのよアンタ!」
歳相応とはいえない殺気の込めれらた睨みを利かせ、ルイズは少女を牽制する。
だが少女はそれをものともせず、怯むでもたじろぐでもなく真っ向から視線を合わせていった。
純白の清楚なバリアジャケットに、使役するは親友が愛用していたインテリジェントデバイス。
闇を貫く雷神の槍、夜を切り裂く閃光の戦斧――その名は、バルディッシュ・アサルト。
そして使い手は、『魔砲少女』、『管理局の白い悪魔』など、呼び名を悪名の如く周囲に認知させ、若輩を意識させないほどの実力を持った一流の魔導師。
「高町なのはとバルディッシュ・アサルト――これ以上の破壊は見過ごせない!」
杖とは形容しがたい戦斧を構え、飛翔する少女は高らかにその名を宣言した。
――狂った。邪魔が入って、何もかもが狂ってしまった。
直感でなのはを外敵と捉えたルイズは、奥歯を噛み締め、憤怒の思いを逆巻く風に乗せた。
あと少し、あと少しで終わったのに。いつも、いいところでいつもいつもいつも、邪魔が入る。
「どうしてホテルを破壊しようとするの? それに、なんであなたがヴィータちゃんのグラーフアイゼンを……」
「……キュルケにシエスタに、アンリエッタにタバサ……こっちに来てからは朝倉涼子! みんな、みんな才人と私の邪魔をする!」
慟哭を鳴らし、ルイズが雄叫びを上げた。
子供とも女とも思えない、獣性を帯びた咆哮はなのはを唖然とさせ、身を引き締めさせた。
同時に、虚無の力を更に行使する。
グラーフアイゼンにこれでもかというくらい魔力を込め、その形状を変えていった。
ハンマーヘッドの片方に推進剤噴射口が現れ、もう片方にはスパイクが取り付けられる。
通常のハンマーフォルムに比べ、近接戦闘に特化した変形形態ラケーテンフォルム。
『鉄の伯爵』と呼ばしめる戦鎚型アームドデバイス、グラーフアイゼンのもう一つの姿である。
「殺して、壊すだけで終わるの! だから、だから……だから大人しく殺されなさいよぉぉぉぉぉ!!!」
『Raketenhammer』
貴族の優雅さなど欠片も見せず、ルイズは感情のままになのはへと突進した。
ロケット噴射による推進力がルイズの速度を加速させ、回転。遠心力も味方に付け、グルグルと円盤のように回りながら大気を巻き込む。
なのはは咄嗟に防壁を張るが、グラーフアイゼンのラケーテンハンマーは基礎的なプロテクションなどで防げるものではない。
(すごい勢い……! ひょっとしたら、ヴィータちゃん以上――!?)
絶大な威力を防ぐには敵わず、魔力防壁はガラスのように砕け、飛び散った。
破壊力は強大でもそのコントロールはまだ不完全なのか、空中でグルグル回り続けたままのルイズの隙をつき、なのはは距離を取る。
「バルディッシュ、お願い!」
『Haken Form』
なのはの声に答えた機会音声がスイッチとなり、バルディッシュ・アサルトの形状を変えていく。
変形前を斧と言い表すならば、この変形後のハーケンフォームはその名の通り鎌。
グラーフアイゼンのラケーテンフォルム同様、近接戦闘に特化した直接攻撃タイプの形態である。
「うわぁあぁああああぁぁあぁあああぁぁぁあぁぁあぁぁあっぁぁ!!」
力任せに突っ込んでくるルイズはグラーフアイゼンを使いこなしているというより、武器として利用しているだけのように思えた。
デバイスと意思疎通を図り、共に戦略を組み立てるなのはとレイジングハートのような関係とは違う。
グラーフアイゼン本来の使い手であるヴィータ以上にムチャクチャな攻撃方法――それを見て、なのはは再度思う。
ヴィータは、いったいどうなってしまったのだろうか。
主である八神はやての死亡と同時に、彼女の守護騎士であるヴィータとシグナムの二人も消滅したものだと思っていた。
しかし先ほどのホテル倒壊と同時期に行われた放送――告げられた死亡者の中には、確かにヴィータの名前があった。
真相が分からない。シグナムはまだこの世界に存在しているのか、ヴィータは誰かに殺されてこの世から消えたのか。
ルイズの持つグラーフアイゼンに訊けば、何かが分かるかもしれない。が、今はまだ。
そもそも、悲しんだり考えたりする暇はないのだ。
(ホテルには、まだみさえさんやガッツさんがいる。これ以上壊させるわけにはいかない……全力で止めてみせる!)
なのはは向かってくるルイズと真っ向から対峙し、加速するハンマースパイクをバルディッシュの刃で受け止めた。
圧し掛かってくる力は過去ヴィータと交戦した時と等しく、重い。
でも、挫けたり諦めたりすることはできない。普通の少女みたいな甘えは、なのはには許されない。
守りたいものがある。友達と、仲間の、大切な命。失うわけには、いかない!
「死ね! 死ね! 死になさいよォォォォォ!!」
「……ぜったい、ダメェー!」
何度も何度も打ち込まれる鉄槌を、バルディッシュの一薙ぎで全て振り払った。
どうにかしてルイズからグラーフアイゼンを奪取し、無力化しなくてはならない。
故になのはは不得手な近接格闘戦に挑むが、使い慣れない鎌は振るうだけで疲労が溜まる。
そのため、隙も生じやすい。
「!」
がむしゃらに振り回され続けてきたグラーフアイゼンが不意に軌道を変え、なのはの顎下を狙ってきた。
バルディッシュの間合いを縫うように潜り込まれた一撃は、バリアジャケットに包まれていない頭部を掠めようとしている。
反射的に身を引いてそれを回避するが、そこからさらなる隙が生まれてしまった。
横合いから、真っ直ぐな軌道で振るわれるグラーフアイゼン。
バルディッシュのか細い柄がそれを防ぐが、発生した衝撃はなのはの小柄な身体を容易く吹き飛ばした。
流星のように煌びやかに、暗闇を帯びてきた市街地へとなのはが落下する。
受身として即席の防御魔法を展開するが、それでも落下の勢いを減少させるほどの効果しかなく、音を立ててビルの壁へと衝突した。
「――っいたた……大丈夫、バルディッシュ?」
『Yes, it is safe』
「にゃはは……やっぱり、フェイトちゃんみたいにうまくはいかないね」
コンクリートでできた壁に激突――常人、しかも小学三年生の少女ともあれば、笑って済ませられるものではない。
だがなのはは、普通なら大怪我のところを掠り傷程度で抑え、バルディッシュも目だった損傷はなかった。
戦いは始まったばかり、これからが本番。泣き言を言う暇も、言うつもりも、なのはとバルディッシュにはない。
(接近戦で対応するのは不利……かといって遠距離攻撃を仕掛ければ、あの子はシュワルベフリーゲンで攻撃してくる。
もし流れ弾が一発でもホテルに命中すれば、中にいるみさえさんたちが危ない……なら!)
なのは立ち上がり、再び飛翔した。
空中で待ち構えていたルイズは未だ牙を剥き出しにした状態。
戦意を治めず、むしろ高ぶらせて、まずは目の前の邪魔者を排除しようと躍起になっていた。
ホテルからの注意は逸れている――引き離すなら、今がチャンス。
「あとで絶対、お話は聞かせてもらうから。でも今は――」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
再び突進してきたルイズに対し、なのははバルディッシュで受けようとも範囲攻撃で反撃しよともせず――身を翻し、急加速で撤退した。
頭に血が上っているルイズは逃げる敵に意識を奪われ、闘争本能のままになのはを追跡していく。
高速で飛行する魔法少女が二人、戦地をホテルの外周へと移す。
――これは、序章のほんの一部。
【D-6・上空/一日目/夜】
【ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔】
[状態]:精神完全崩壊/グリフィスへの絶対的な忠誠/全身打撲(応急処置済み)/左手中指の爪剥離
[装備]:グラーフアイゼン(ラケーテンフォーム)(カートリッジ二つ消費)@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:平賀才人の眼球
[思考・状況]
1.殺す(なのはを)
2.壊す(ホテルを)
3.生き返らせる(才人を)
[備考]:第三放送を聞き逃しました。
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:全身に軽傷(掠り傷程度)、友を守るという強い決意、やや疲労
[装備]:バルディッシュ・アサルト(ハーケンフォーム)(カートリッジ一つ消費)@魔法少女リリカルなのはA's、バリアジャケット
[道具]:グルメテーブルかけ@ドラえもん(回数制限有り:残り18品)、テキオー灯@ドラえもん、支給品一式
[思考・状況]
1:ルイズをホテルから引き離し、無力化する。
2:グラーフアイゼンを奪取し、ヴィータがどうなったかを訊く。
3:シグナムが存在しているかを確認する。
4:フェイトと合流。フェイトにバルディッシュを届けたい。
5:はやてが死んだ状況を知りたい。
6:カズマが心配。
◇ ◇ ◇
破壊神が通り過ぎた跡は、それはそれは無残なものだった。
八階建てという、高く堅牢な誇りを掲げていたホテルという名の巨城は面影もなく崩れ落ち、今や元の半分、四階フロアまでを残すのみとなっていた。
五階から上は既に残骸として地に落ち、周囲に散らばっている。
ガッツや野原みさえがホームとしていた三階フロアも、上の階層から雪崩れ落ちてくる天井やら何やらによって、凄惨な有様となっていた。
壁に穴が空いているのも別段珍しくはなく、中からでも日の落ちた世界が一望できる。
崩れゆく鳴動は止まった。だが、これで崩壊が終わったとはとても思えない。
三階フロアの天井は現在進行形でパラパラと崩れ落ち、なおも残骸の数を増していっている。
いつのことだったか――野原みさえは、家族の住まうマイホームがガス爆発により崩壊した時のことを思い出した。
あれは一瞬の内に弾け飛んだ分ジリジリと迫る恐怖は感じ取れなかったが、このホテルの状況は違う。
いつ来るかは分からないが、いつか必ず来るであろう完全倒壊の時。一秒後か、一分後か、一時間後か、考えるほどに怖くなってくる。
関東大震災などがこんな感じだったのだろう。日頃テレビのニュースで見る被災者の方々の気持ちになり、みさえはその身を震わせた。
「ガッツ……それに、ゲインさんやキャスカさんは……?」
身体が満足に機能するのを確認した後は、改めて周囲を見渡した。
確認できるのは、乱雑に散りばめられた瓦礫の山々のみ。ベッドやら電話やら冷蔵庫やら、室内にあったはずのものは全て埋もれ、その姿を隠している。
見当たらないのはホテルの備品ばかりではない。ガッツやベッドで寝ていたはずのゲインもまた、その影をどこかに潜めたままだった。
まさか、彼等も生き埋めになってしまったのだろうか……渦巻く嫌な予感に駆り立てられ、みさえは足場の整わない残骸の上を歩く。
「あっ……痛ッ!?」
そこでようやく、自分の足が負傷しているという事実に気づいた。
瓦礫の破片に足を躓かせ、転倒。原因となった左足は青く膨れ上がり、今頃になって痛みを訴えかけてくる。
どうやら軽い打撲のようだ。これしきの怪我、ホテルの負った被害状況を考えれば随分と程度が低い。
みさえは意識を奮い立たせ、立ち上がろうと力を込める。その背後から、
「フリーズ。動くなです人間」
土埃に塗れた人形が、銃を突きつけてきた。
「あなた……どうして!?」
「まったく、あんな大爆発が起こったっていうのにしぶとい人間ですぅ。まぁ、そのおかげで翠星石も自由になれたわけですけど」
その人形――翠星石は、取り上げたはずの銃を構え、今にもみさえの後頭部を打ち抜かんと牽制している。
「爆発……? 爆発って……あ」
翠星石の言葉で、みさえはようやく思い出す。
あれはたしか六時丁度、ギガゾンビの声がしたと思った瞬間の出来事だった。
凄まじい怒号と地震のような波に襲われ、すぐに天井が崩壊してきたのだ。
おかげでみさえも翠星石も、放送での死者や禁止エリアの情報を聞き逃してしまった。
しんのすけは無事なのだろうか、蒼星石は無事なのだろうか、考える暇もなく、自分の命を拾うことに精力を注がなくてはならない状況に陥る。
結果として、二人はホテルの倒壊にあっても即死は免れた。その際翠星石は意識を回復させ、同時に強奪された銃も奪還することに成功したのだ。
みさえは微かに振り向き、翠星石のやや後方に目を向ける。
そこに転がっていたのは、引き裂かれ、使い物にならなくなっていた誰かの四次元デイパック。
おそらく翠星石は、あのデイパックから零れた銃を回収したのだろう。だとすれば、あのデイパックは銃を取り上げていたガッツのものに他ならない。
彼のデイパックがあのような無残な姿を晒しているということは、つまり――
「ガッツ……ねぇ、ガッツはどうしたのよ!」
「あんなデカ人間しらねーです。ま、大方この瓦礫の下のどこかで野垂れ死んでるんじゃないですか。翠星石には関わりのないことです。それよりも」
翠星石は突きつけた銃口をみさえの旋毛にグリッと押し付け、覇気を込めた声で言う。
「よくも! よくも翠星石をあんな目にあわせてくれやがりましたねぇ! 人間如きにあんな仕打ちを受けるなんて屈辱ですぅ!」
「仕打ちって……あなたがトンチンカンなことを言ってるからお仕置きしただけよ! それの何がいけないわけ!?」
「あーもう! これだから知能の低い人間の相手をするのは嫌なんですぅ! 今の状況が分かっていないですか!? お前は今から翠星石に殺される運命にあるのです!!」
癇癪を起こしたように顔を染め上がらせ、翠星石は力の限り銃の引き金を引いた。
銃声が鳴り、黒く開いた口から殺意の弾丸が飛ぶ――が、それは狙っていたみさえの後頭部を逸れ、天井へと放たれる。
何が起こったか理解できない翠星石は、同時に自分の身体がみさえの手によって乱暴に振り回されていることを知った。
隙を突き、小さな人形の身体を捕縛した――このまま投げ飛ばし、抵抗するつもりか。
翠星石は考えたが、答えはまるで見当違いであり、みさえの行動の真意も一瞬が過ぎる内に知ることとなる。
「――危ない!」
時間差で届いたみさえの危機を知らせる声は、翠星石に事態を把握させた。
振り回された体勢のまま、視覚でも確認する。
翠星石とみさえの後方に、剣を振るう褐色肌の女剣士がいた。
みさえに気を取られている間に、この女は翠星石の背後に忍び寄っていたのか――ようやく自分がとんでもない窮地にあったことを自覚した翠星石は、遅すぎる恐怖に身を震わせる。
あと数秒遅れていたら真っ二つという状況だった。げんこつの恨みは消えないが、この時ばかりはみさえの機転に感謝せざるを得ない。
というか、この女剣士はいったい誰だ。翠星石は一瞬考え、すぐにキャスカという名のミニ人間がいたことを思い出した。
「……スモールライトの効果が切れたのね。それにその剣も……最悪」
「うっ…………ぐぅぅぅ……」
キャスカが握っているのは、翠星石の銃と同じくガッツが預かっていたはずのエクスカリバーだった。
あれが彼女の手に渡っているということは、やはりあのズタズタに引き裂かれたデイパックはガッツのものなのだろう。
だとしたら、なおさら彼の安否が気に掛かる。みさえは未だ姿の見えぬ仲間を捜したい衝動に駆られるが、どうやら眼前の女騎士はそれを見逃してはくれないようだ。
獰猛な獣のように声を漏らし、現状が把握できていないのであろうキャスカは、混乱気味にみさえと翠星石を襲った。
グリフィス以外は敵。これはキャスカが定めたルールのようなものであり、目に付く人間、殺せるチャンスがあれば、深く考えずに襲えという本能からくるものだった。
女と人形のように小さな子供……戦力的に見てもなんら問題ない。右足は骨折により使い物にならなくなっていたが、腕さえ動けば十分に殺せる。
キャスカはエクスカリバーの柄を握る力を強め、片足で跳躍してみさえに飛びかかった。
巻き起こる剣風は、みさえのような平凡な主婦には到底回避し切れぬ代物だったが、キャスカが満身創痍なこともあってこれは難なく回避する。
「ねぇ、ちょっと落ち着いてよ! おち……落ち着きなさいってば、ねえ!」
攻撃を回避しつつキャスカを宥めようとするみさえだったが、混乱の度合いが強いのか、彼女は剣を収めようとしない。
朝比奈みくるという少女を殺害し、ゲインやセラスに手傷を負わせた凄腕の女剣士――ガッツは保護対象として捉えていたが、やはりセラスの言うとおり彼女は殺し合いに乗ってしまったようだ。
相手が刃物を持っている以上、翠星石のようにげんこつやぐりぐり攻撃で鎮圧することは難しい。大人しく逃げるのが得策かと考えたが、みさえ自身も怪我人の身。
いつ崩壊するとも分からないホテル内を、キャスカの剣をかわしつつ負傷した足で脱出する自信はなかった。
何より、ここにはまだガッツやゲインがいるはずである。彼等の安否を確かめるまでは、安心して避難などできるはずがない。
「くあああああああああああああッッ!!」
「――ッ!?」
気合の咆哮と共に、キャスカはエクスカリバーを大きく振り上げた。
その奇声に一瞬怯んだみさえは瓦礫の足場につんのめり、転びそうになった身体を寸でのところで制御する。
その間、回避行動はままならず、停止したみさえの上空から真っ直ぐな一閃が振り下ろされた。
「――――」
目を瞑り、覚悟を決めた。
これはもう避けようがない。恐れから来る痺れが身体を固めさせるが、死にたくないという強い意識はまだ保っている。
たとえどうしようもない窮地だとしても、みさえは願った。
助けを。ピンチを救ってくれる、ヒーローみたいな誰かを待ち望んだ。
――その脳裏に荒くれた大男の姿がよぎったのは、否定しない。
「お前はッ!」
(……え?)
突如、キャスカの驚きに満ちた声を耳にし、みさえはそっと瞼を開けた。
気づけば、両断されるはずだった我が身は五体満足のまま存在している。
いったいどうして――答えを求めた視界の先で、キャスカの剣を一心に防いでいる男の姿があった。
「ガ――」
その名を呼ぼうとして、みさえは異変に気づく。
目の前で自身を守る障壁のように君臨している男は、脳裏をよぎった彼ほど大柄な体躯ではない。
晒した上半身に包帯を巻きつけ、荒い息遣いでなんとか立っているその男は――ゲイン・ビジョウだった。
「ゲイン・ビジョウ!」
「よぉキャスカ。一度は撤退したかと思ったが出戻りか? そんな傷まで負って、そこまでして生き残りたいか?」
――昼に起こった闘争を再びなぞるかのように、ゲイン・ビジョウとキャスカの二人は対峙する。
ゲインはみさえがベッドの傍に立てかけて置いたバットを得物とし、キャスカの剣を防いでいた。
調子が万全ならば両断することも容易かったであろう代物だったが、キャスカ自身もいっぱいいっぱいらしい。
エクスカリバーを握る手はどこか弱々しく、数多の兵士を率いていた頃の力強さは感じられない。
「驚かせてしまってすまない、ご婦人。少し尋ねたいんだが、君はシドウヒカル、もしくはセラス・ヴィクトリアの知り合いか?」
「両方よ! 二人は今外に出てていないけど、あなたの看病をしていたら突然ホテルが崩れ出して、っていうか今も崩れてる真っ最中で……」
「なるほど……なんとなくだが、状況は把握した。ここにキャスカがいる理由は後でゆっくり聞くとして、とりあえず彼女には眠ってもらわないと……な!」
降りかかる刃の切っ先をバットで流し、ゲインはキャスカを沈静化させようと腹部に蹴りを放つ。
だが負傷している身とはいえ、剣を持った傭兵に安易に隙が生まれるはずもなく、ゲインの一撃は空振りで終わった。
「相変わらず鋭いな。女性のものとは思えぬ剣捌きだ。……それだけの力を持ちながら、自分のことしか考えていないってのがマイナスだがな」
見た目にそぐわぬ豪快さもまた、女性のステータスの一部。ゲインはそう捉えていた。
だがその力を自分のため『のみ』に使うとあっては、とても褒められたものではない。
血気盛んなレディは嫌いではないが、少々痛い目を見てもらう必要がありそうだ……ゲインは疼く脇腹を押さえ、キャスカの剣とバットを交わした。
(自分の命に、興味などはない……。私は決めたんだ。グリフィスを優勝させ、鷹の団を再興する)
囁くように発した言葉は、ゲインの耳には届いていなかっただろう。
ゲインは思い違いをしている。キャスカは決して自分が生き残りたいがために戦っているのではなく、ただ一人、敬愛した男の無事を祈り剣を振るっているだけなのだ。
(グリフィス……ジュドー……ピピン……リッケルト……コルカス)
誰にも思いつかないような知略と、カリスマ性溢れる指揮でみんなを率いてくれたグリフィス。
投げナイフを得意とし、何事もそつなくこなす参謀役でもあったジュドー。
巨漢を盾にして何度も敵兵の応酬を食い止め、白兵戦の要として活躍していたピピン。
幼いながらも常に皆のことを思い、鷹の団を支えていてくれたリッケルト。
身勝手ではあるが、いざという時には誰よりも果敢に敵に攻めていったコルカス。
何ものにも変えがたい、鷹の団の戦友たち。
(……ガッツ!)
一年前に鷹の団を去り、仲間を、グリフィスを裏切り我が道を進んだ――今はもういないガッツ。
(ガッツも、私も、いらない。グリフィスが、いれば……)
ふと、自分でも驚くくらい仲間に対して献身的な思いを抱いていることに気づく。
その正体は、あの一年を無駄にしたくないという意地か、未だ潰えぬグリフィスへの思いか、傍を離れていったガッツへの怒りか――。
(深く……考えるなキャスカ。私はただ、敵を斬る。それ、だけでいい……!)
エクスカリバーの握り手に再度、力を込める。
グリフィス以外の敵を消す。ガッツであろうと、誰であろうと。そのためにもまず、この場を生き延びてやるんだ。
「いくぞ……ゲイン・ビジョウ!」
「やれやれだな……」
鷹の団の千人長たる女戦士は、たった一人の男と残してきた仲間のために剣を振るう。
黒いサザンクロスの通り名を持つエクソダス請負人は、その肩書きの誇りに掛けて、脱出を願う者たちでのエクソダスを目指す。
観戦するしか道が残されていなかった主婦は、自分にでき得る最善の行動を模索し、そして速やかに取り掛かる。
他者を恨んでばかりの人形は、いつの間にか姿を消していた。
――これは、序章のほんの一部。
【D-5/ホテル3階(倒壊寸前)/1日目/夜】
【キャスカ@ベルセルク】
[状態]:左脚複雑骨折+裂傷(一応処置済み)、魔力(=体力?)消費甚大
:疲労大、全身各所に軽傷(擦り傷・打撲)、軽い混乱症状
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night
[道具]:なし
[思考・状況]
1:目に付く者は殺す
2:他の参加者(グリフィス以外)を殺して最後に自害する。
3:グリフィスと合流する。
4:セラス・ヴィクトリア、獅堂光と再戦を果たし、倒す。
[備考]:第三放送を聞き逃しました。
【ゲイン・ビジョウ@OVERMANキングゲイナー】
[状態]:疲労大、全身各所に軽傷(擦り傷・打撲)、腹部に重度の損傷(外傷は塞がった)
[装備]:悟史のバット@ひぐらしのなく頃に
[道具]:なし
[思考・状況]
1:キャスカを止め、ホテルからエクソダス。
2:市街地で信頼できる仲間を捜す。
3:ゲイナーとの合流。
4:ここからのエクソダス(脱出)
[備考]:第三放送を聞き逃しました。
【野原みさえ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:中度の疲労、全身各所に擦り傷、左足に打撲
[装備]:スペツナズナイフ×1
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ガッツ本人と、戦闘中のゲインの援護になるような物を掘り起こし、キャスカを止める。
2:ホテルが完全に崩壊する前に逃げる。
3:セラスら捜索隊と合流。
4:契約によりガッツに出来る範囲で協力する。
5:しんのすけ、無事でいて!
6:しんのすけを見つけたら、沙都子の所に戻る。キャスカを監視。グリフィス(危険人物?)と会ったらとりあえず警戒する
基本行動方針:ギガゾンビを倒し、いろいろと償いをさせる。
[備考]:第三放送を聞き逃しました。
【翠星石@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:全身に軽度の打ち身(左肩は若干強い打ち身)、頭が痛い、全身各所に擦り傷
:服の一部がジュンの血で汚れている、左肩の服の一部が破れている、人間不信
[装備]:FNブローニングM1910(弾:4/6+1)@ルパン三世
[道具]:無し
[思考・状況]
1:あんなバカな人間共は放っておいて、さっさとここから逃げるです!
2:真紅や蒼星石と合流するです。
3:まずは魅音を殺してやるです。
4:水銀燈達が犯人っぽいから水銀燈の仲間は皆殺しです。
5:水銀燈とカレイドルビーを倒す協力者を探すです、協力できない人間は殺すです。
6:庭師の如雨露を探すです。
7:デブ人間は状況次第では、助けてやらないこともないです。
基本:チビ人間の敵討ちをするため、水銀燈を殺してやるです。
[備考]:第三放送は聞き逃しました。
※ゲインのデイパック:
【支給品一式×2、工具箱 (糸ノコ、スパナ、ドライバーなど)】
みさえのデイパック:
【糸無し糸電話@ドラえもん、銃火器の予備弾セット(各40発ずつ)、ウィンチェスターM1897の予備弾(30発分)、石ころ帽子@ドラえもん、スモールライト@ドラえもん(電池切れ) 】
バトーのデイパック:
【支給品一式(食糧ゼロ)、チョコビ13箱、煙草一箱(毒)、 爆弾材料各種(洗剤等?詳細不明)、電池各種、下着(男性用女性用とも2セット)他衣類、茶葉とコーヒー豆各種(全て紙袋に入れている、茶葉を一袋消費)】
ロベルタのデイパック:
【支給品一式×6、マッチ一箱、ロウソク2本、9mmパラベラム弾(40)、ワルサーP38の弾(24発)、極細の鋼線 、医療キット(×1)、病院の食材、ドラムセット(SONOR S-4522S TLA、クラッシュシンバル一つを解体)、クラッシュシンバルスタンドを解体したもの】
翠星石のデイパック:
【支給品一式×4、オレンジジュース二缶、ロベルタの傘@BLACK LAGOON、破損したスタンガン@ひぐらしのなく頃に、ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾:残弾5発、劣化ウラン弾:残弾6発)@HELLSING、ビール二缶、庭師の鋏@ローゼンメイデンシリーズ】
パチンコ、パチンコの弾用の小石数個、トンカチ、ウィンチェスターM1897(残弾数3/5)、支給品一式、空のデイパック、スペツナズナイフ×1、銃火器の予備弾セット(各120発ずつ)、首輪
がホテル内、もしくはホテル周囲の瓦礫の下に埋もれています。全て破損状況は不明。
※ガッツの持っていたデイパックが崩落により損傷、中身が全て吐き出され、使い物にならなくなりました。
カルラなんて死んでいいよ
ローゼン勢頑張ってるな
他のひぐらし勢も頑張れ
124 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/25(火) 13:45:35 ID:IIm9byVK
マーダー化した梨花ちゃまとこなたの勝負希望上げ
マタタビ投下します
H−6の山の中、何かが飛んでいた。
それは銀色に輝く流線型のフォルム。
スズキ目 アジ科 ブリ属の魚、そうブリが空を飛んでいた。
無論ただのブリが空を飛ぶわけがない。
詳しい原理は不明だがラジコンで操作可能な機械でできた空を飛ぶメカブリだった。
ただし別に空を飛ぶ以外に別の機能はなく本来ならハズレ支給品であった。
だが人によってはハズレだった物が他の者にとっては当りになることがある。
空を飛ぶメカブリの上に一つの影があった。
もちろん人ではない。人ならメカブリに乗ったところで出力が足りず浮かぶことすら不可能。
乗っているのは猫。猫らしからぬ猫だった。
ボロボロのマントを纏い右目のところに海賊のようなアイパッチ、前足(もはや両手というべきか)で器用にラジコンを操作している。
その名はマタタビ、国宝級に器用な猫。
マタタビはこのバトルロワイアルに参加する気は欠片もなかった。
もともとかなりのものぐさであり生涯のライバル兼悪友であるクロ曰く「世界一快楽に溺れやすい猫」と言わしめたほどであったため『やりたいヤツがやってればいい』と思っており
殺し合いはキッド以外とはする気もなかった
余程のことがない限り、通りすがりの猫で済まそうと考えていた
そんなことをメカブリに乗りながら考えていると暗闇の中に建物が見えた。
H−6の温泉施設だった。
この猫とりあえず一っ風呂浴びようとしている。なんて猫だ。
しかしそんな考えは温泉施設の全貌がわかってくるとどっかへ消えていた。
地図に温泉と記されているこの施設はパッと見廃墟と言ったほうが適切であるほど荒れ果てていた。
二階建ての木造建築であるがガラスは割れてるし廊下に穴は空いて埃は溜まりっぱなしだった。
唯一正常に稼動していると言っていいのは奥にある温泉ぐらいだった。
こんなボロボロの建物だがここを一通り見て回ったマタタビはぼそっとつぶやいた。
「あぁ…この温泉直したい」
そう、さっきからものぐさだの面倒臭がりだの言ってきたが、この猫大工仕事だけは非常に熱心であり、こわれた建物を見ると思わず直したくなってしまうほどだった。
「えぇと…ここをこうしてと…」
あぁ!もう設計図まで引いてる!完璧に直す気満々である。
「ようし!いっちょやるかぁ!」
こうして一匹の猫が己の欲求に従って行動を始めた…バトルロワイアルなど完全に無視して…
【H-6 温泉 1日目 深夜】
【マタタビ@サイボーグクロちゃん】
[状態]:良好
[装備]:大工道具一式@サイボーグクロちゃん、マタタビのマント@サイボーグクロちゃん
[道具]:デイバッグと支給品一式、メカブリ@金色のガッシュベル!!(バッテリー残り95%)
[思考]:
1、この建物を直す。
2、誰かが来たら作業を手伝わせる。
3、出来ればキッド(クロ)とミーとの合流。
4、戦いは面倒だからパス。
5、暇があれば武装を作る。
[備考]
大工道具は初期支給品の一つです。
中身はノコギリ、カンナ、金槌、ノミ、釘
建物の修理はおよそ24時間で完了します。
妨害行為などで時間が延びることがあります。
修理に手を貸す人がいれば修理完了までの時間は短くなります。
H-6の周囲に建物を修理する音が響いています。
【メカブリ@金色のガッシュベル!!】
ガッシュベル本編でガッシュを誘い出すために作られた。
劇中の描写ではガッシュが全力疾走しても追いつけないぐらい早く飛行高度は際限がなかった。
バトルロワイアルでは飛行可能高度に制限があるため高度は10〜15メートルが限度、スピードは時速5〜10キロ程度とする
乙
ここまで感想
>>46 まで
>明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕
大変面白く読ませていただきましたが
ちょっと・・・が多いような気がします。
>>53 まで
>少女の幸運と少女の不幸
アルルゥの「おとーさん・・・」 に萌え
>>77 まで
「友達だ」
カルラが一瞬でやられてしまいました・・・ちょっと残念です
>>85 まで
◆Yf4GQL3Gk6
>[装備]:背中にガッシュ、頭にポルヴォーラ、右手にブリ、左手にランタン
可愛すぎますww
>>106 まで
>Lie!Lie!Lie!
状況表は残して置いてください
>>120 >「ゼロのルイズ」(前編)
翠星石ww
後編が楽しみです
>>128 まで
マタタビの欲求!!
短く簡潔で面白いです。どうなるか期待してます
一応忠告。
ここはスレタイどおり【アニメキャラ・バトルロワイアル2nd】の作品投下スレです。
ただしロワ企画を目の敵にしている荒らしによって【アニメキャラ・バトルロワイアル(1st)】の作品がコピペされています。
1st企画に興味をお持ちの方は
http://www23.atwiki.jp/animerowa 2nd企画に興味をお持ちの方は
>>1からのテンプレをご覧ください。
なお荒らしは反応すると増長しますので、
私はこれ以降はこのスレに書き込みません。
質問等は
>>1からのテンプレを読んでしかるべきところでお願いします。
違うだろ?
:... : : :/ : : :| : : : : : : : :トヽ:..ィ⌒l : ヽ\: : :.:\::ll! l!::._:: -=ァ:::.:::___:::::
:.:.:..:./:|: ! : :| : : : : :.:.:.:.:ト_:V∠:.|:.:.:.:.l:.:.:\:.::.::.:l! l!‐ _..=-‐ 二ィ /::::
/:.:.:.!l:.|:.|:.:.:.:lヽ:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ. lハ:.l:.:.l:.l:.:、ヽ:.::.l! ‐ ´_..-  ̄/イ└ォ:::
:.:.:.!:|l:∧|、:.:.ヽヽ:\:.ト、ヽ\ j/|イ:.|:.::.__ノ7´ ,ィ L = 二イ:{_.イ /:::
:.:.:.|:|:l| ∧\:ヽ:ト\:.ド\ヽー イ\ }r^'´_ィ l! ー' r=‐ 二イ=、j∠ィ:::
ヽ:.:!:トV{ 仆.、ヽト\ヽ〃 ソ仆} }ハ V イ ,.-┐ イ⌒!/ /:7_,7:::
、:.\ヽト {:{{:l{:外zイ八ドイ{:l{:刈 /イヘ r:7' /r=l!`l!:.l! 〃 /__:.{(::::::
:.\ト┬トヽニ斗彳  ̄ =`ミ゙く/_ イ{:.:.`l! ハ! l! |:l! l!=‐  ̄_..ィ:::::::
/:.lレ:ベヽ ´ , ィ、__'__ ヘ、 ` /、小:ヽV! l!:.≧= ´ _ ァi::7´ }::.:::.::::::
|:.:|!ー- ':\ 〈 Vーーl/}! /:::::` ー-l! l‐´ _,.-::.´l! |/ / , ‐┐
|:.トヽ :::::::::::/ヽ.. Vヽ-- 'Vイ ヽ:::::::::::::::::l! _ ..イ }::__::.l! l! !_.::/ /:
ト:.! ::/ ヽ  ̄ ̄ / }:: ,・ トl! /::.::ノ ´ /_..! ´_.ィ::/ / -
{ トヽ ト、 ! |::‘・;-イ l!/ _ l´/ _..=‐´ァ::./ //
.l |:::\ | ー 、 , -‐ ´j: ,;.;j_イ_ イ:;| |::.7__ ..ィく_:/ // /:
|!::. . ,ト、 ヽ丶 / /´ イ ; :, ;’|;/;,:::;:| |:::.:::.:::Ljァ' {__/::./ /::::
ヽハ::. ,'ヽ.` ー ---‐ ´ / ,ォ,;:.:|;:;,;::.:::.::∨;;::.:::.:::.:::7⌒i::.〈__/::::::
一応忠告。
ここはスレタイどおり【アニメキャラ・バトルロワイアル】の作品投下スレです。
ただし一般人を目の敵にしている荒らしによって【ロリショタバトルロワイアル】の作品がコピペされています。
ロリショタに興味をお持ちの方は
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/8274/ ノーマルに興味をお持ちの方は板のテンプレからご覧ください。
なおロリショタは反応すると増長しますので、
私はこれ以降はこのスレに書き込みません。
質問等は
>>1からのテンプレを読んでしかるべきこのスレでお願いします。
139 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/25(火) 22:53:52 ID:4WSR3MWc
ここはカオスなスレですね
「あのタコハゲ! ぶっ飛ばしてやる!」
E-1にある水族館、大きく開いた入り口のある正面玄関を裏に周り、小さな裏口を潜ったところにある事務所内。
菫川ねねねは、そこで螺旋王ロージェノムと名乗る男に対して怒りを顕にしていた。
ねねねは異能を何も持たず、紙を操る力もなければ、銃を扱った経験もなく、みせしめとして殺害されたテッカマンランスに対応する
力すら持たない一般人である。だが、かつては作家界の『剛田武』と呼ばれていた女はこの程度のことでは怯まない。
自分はポール・シェルダンではないのだ、好きなようにやらせてもらう。
もっとも、菫川ねねねという作家は13歳の頃にデビューしてから24になる今日まで
おしかけファンや変態ストーカーにアンチファンなど多数の人物に襲われ、読仙社などの大規模な組織に連れ攫われるなど、
命の危機や誘拐という単なる一般人が遭遇する危機に陥る確立が非常に高いため、このような事態に慣れてしまい、平常心を保てているのかもしれないが。
ともかく、ねねねはロージェノムの所業に怒りを感じ反旗を翻そうと決めた。
(でも、これからどうする?)
ロージェノムとやらに反旗を翻すのはいいとして、ねねねの頭には何も具体策など浮かばない。
精々爆弾を誰かに外してもらって、ロージェノムを誰かに倒してもらうという他人任せな案しか、ただの作家でしかないねねねには思いつかなかった。
とはいえ、このまま黙って事態が解決するのを持つつもりもなければ、誰かが助けてくれることを待つつもりもない。
下手をすれば、ロージェノムの言うとおりに最後まで殺しあうはめになるのかもしれないのだから。
(そういえば、このデイバッグの中には何が入ってる?)
ねねねは自分に渡されたデイバッグに意識を移す。
たしか、殺し合いをするための道具が入っているとハゲが言っていたはずだ。
異能など使えないねねねにとっては、あるもので現状を乗り切るしかない。
とはいえ、密かにどのような道具が入っているかと、作家としての好奇心が刺激されてもいたが。
ねねねは順にデイバッグの中から取り出したものを、側にあるテーブルの上に並べる。
鞄の中に入っていたものは「地図」「コンパス」「筆記用具」「水」「食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ぬいぐるみ」「冊子」「アクセサリー」であった。
ずらっとならんだ物から、役立ちそうなものを探そうとねねねは物色し始める。
そんなときだった彼女の耳に、英語で話しかけてくる女の声が聞えたのは。
『すいません』
ねねねは物色をやめる。いったい誰だ?
自分に声を掛けてきた人物に探すために辺りを見回す。だがいくら部屋の中や入り口などに目を向けても、誰も見当たらない。
空耳だろうか?
『前です、目の前です』
どうやら空耳ではないらしい。体の前方へと視線を向ける。
くりくりとしたつぶらな瞳と目が合った。
目の前にいるのは、オレンジ色の毛皮に緑色の帽子、赤い蝶ネクタイといった衣装。
犬なんだか何なんだか、よくわからない頭。ずんぐりとしたオバQ風の二頭身。
いちおう、愛くるしい感じなテディベアと思われる人形。
名はボン太君。はたして、これが喋ったのだろうか?
『違います、その人形ではありません。私はあなたの手元にいます』
そう言われたねねねは視線を下にずらす。そこには緑色の宝石がついているアクセサリーが転がっていた。
ねねねは頭上を仰ぎ見る。
拝啓。父さん、養母さん、今時のアクセサリーって喋るものなのでしょうか、教えてください。
特にコンピュータ開発をしている父さん、AIとかってこのサイズで実現可能なのですか?
ねねねは少々予想外の展開に微妙に現実逃避をした。だがそんな場合でもないと思い直し、意識を現実へと戻す。
この程度、紙使い四人と壁すり抜け能力者二人に出会うことに比べれば、喋るアクセサリーに出会うことなど珍しいわけがない。
右手でアクセサリーを掴み上げ、話しかけてみる。
「……で、あんた何?」
『始めまして、私はマッハキャリバーと申します。あなたは?』
どうやら、話が通じない相手ではないらしい。会話を続けることにする。
「私は菫川ねねね、あんたもくだらないゲームに巻き込まれた被害者?」
『……それは、どういうことですか?』
マッハキャリバーは不思議そうに疑問を投げかけてくる。どうやらなにも知らないらしい。
ねねねは自分がここに連れてこられた経緯。そして、螺旋王ロージェノムのことをマッハキャリバーに伝えることにした。
ねねねが現状を伝え終わるとマッハキャリバーは、
『ねねねさん、申し訳ありませんが名簿とやらを開いてくれませんか?』
そう言った。疑問に思いながらもねねねは聞き返す。
「どうして?」
『集められた八十二人の中に、私の相棒も含まれているかもしれません』
たしかに、マッハキャリバーの言うとおりである。むしろ知り合いが巻き込まれているかもしれないと最初に心配するべきだった。
ねねねは名簿を開き、マッハキャリバーと共に覗き込む。どこに目があるかは分からなかったが。
『私の相棒だけではなく、他の仲間達もいるようです』
「そう、私の方も二人ほど巻き込まれちゃってるみたいね」
ねねねは見た。二人もいないであろう珍しすぎる名を持つ女と、自分の家に住む居候の少女の名前を。
『そうですか、ならば一刻も早く探さないと』
もちろん、ねねねもそのつもりだ。ミニブックに絡まないようにマッハキャリバーを首にかけ、
デイバッグの中に入っていたものを急いで中に入れ戻す。
そして、最後に分厚い冊子を片付けようとした。
(ん?)
そして、気付く。その分厚い冊子の表紙に書かれた文字に。
『詳細名簿+』
その簡単な一文だけが冊子に書かれていた。完全詳細名簿とはいったいなんなのか?
名簿とは違うのか? これも個人に支給されるアイテムなのか? プラスがあるならマイナスもあるのか?
読んでいる時間もおしい急がなければいけない、とねねねは思うものの、
「マッハキャリバー、ちょっと待って。これ読んでから」
興味を多大に刺激され読んでみることにした。
ページを開くと陽気そうな典型的なアメリカ人の顔写真とその人物のプロフィールと思われる文章が載っていた。
ねねねはアイザック・ディアンという人物のプロフィールを読み進める。
そしてかの人物が泥棒であり、不死の酒を飲んだ不死者であることを知った。
ねねねは書かれていたことに驚きつつも、好奇心から次のページを開く。
詳細名簿には読子やアニタ達に比べても、遜色劣らぬ異能や経歴を持つ多数の人物や自分と同じような一般人たちのプロフィールが載っていた。
思わず、これらの人物を主人公にした話を複数頭の中に練り上げてしまうが我慢する。
自分のプロフィールやマッハキャリバーの知る六課メンバーの詳細が合っていたことから、ここに載ってある情報は事実であると検討できる。
詳細名簿からはマッハキャリバーは名前を知らなかったため始め気付けなかったが、クアットロというサイボーグが危険な人物だと写真から確認できたこと、
そして技術者と思しき面子がいたのがラッキーだった。爆弾首輪を外すということにも期待できそうだ。
そういえば、元エージェントであるあいつはどうだろうか?
彼女ならば爆弾を解体できそうなものなのだが。
※ ※ ※
「爆弾を〜解体しましょ♪ 爆弾を〜解体しましょ♪ とっとと〜解体しましょ♪
でも、マニュアル読んでから解体し〜ましょ〜♪」
ぺら ぺら ぺら
カチッコチッカチッコチッカチッコチッカチッコチッカチッコチッカチッコチッカチッコチッ
どっごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
※ ※ ※
『周囲に人影なし』
「そうか……寂しいもんだな」
カバンを担ぐ少年が、一人呟いていた。
浅黒く鞣革のような皮に巌のような鍛え抜かれた肉体を持っているが、その顔は幼く、年の頃は十七といったところだった。
第三者がこの光景を見ていれば、不審に思っただろう。
少年、衛宮士郎は一人しかいなかった。なのに、「会話」をしている。
彼はカバンを担ぎ直し、川沿いに土手を駆ける。
街灯は点いているものの、人影は一切なく、精神の弱いものなら異常をきたすような、不気味な光景だった。
もっとも彼、衛宮士郎にとって、この程度の不気味さなど意にも介しなかった。
彼は十三という若さで、一人で山へ篭り夜叉猿という化け物と戦いへ向かったのだ。
不気味と思う感情など、そのときにどこかへと置いてきた。
「本当に殺し合いなんて行われているのか? タイガーは戦いを見るのは好きだけど、殺し合いを楽しむような人とは……」
『だが、あの女は少女を殺した!』
「……そうだよな。あの娘、死んじゃったんだよな。タイガーさんのせいで」
士郎は光成に対して、少なからず感謝していた。
自分は死闘を何度も経験する必要があると感じ、死闘の機会が多いタイガーコロシアムへの参加をタイガーへ願い、叶えてもらった。
今の自分があるのは、タイガーのおかげだといって良い。
そのタイガーが、殺し合いを始めた。それが自分や範馬独歩や拳王と名乗った男だけの戦いなら分かる。
「世界で一番強い」という男なら一度は憧れ、捨てる夢を今だ求め続ける馬鹿だからだ。
そういった男は、死闘の果てに命を落としも恨み言はない。
光成もそういう男たちの戦いが見たくて、地下闘技場トーナメントを開催したはずである。
なのに……
「殺しちまったんだな。タイガー」
ひたすら冷たく、腹の底から響く声で確かめるように、もう一度告げる。
女が死ぬのは、母親が殺されたときから、士郎の望むことではない。
『応。我々がすることは、民間人の保護! そのためには覚悟と再会する必要がある!』
「分かっている、零。何度も聞かされたって」
カバンから声が上がり、それが自然であるかのように士郎は返事をする。
彼は一時間ほど前に、零と名乗るカバンと出会った事を思い出していた。
駄目だ、普通に当てにできない。
まあ、普通に技術者をあたっていった方がいいだろう。どこにいるのかも、どうしているのかも分からないが。
他にも詳細名簿のメリットはある。
探さなくてはいけない人物達の容姿の写真が貼ってあることだ。これで幾ばくかは探しやすくなったはずだ。
だが同時にデメリットがある。行動に対する思いが書かれていないことだ。
それは一番重要なことだとねねねは思う。
例えば『君が僕を知っている』でデビューした13歳の菫川ねねねがなぜ本を書き始めたのかで、
金儲けをしたいから書いたと解釈するのと、読ませたい誰かのために本を書いたと解釈するのでは、大きく違うのだ。
故に、真に危険人物と断定できる人間と、実は危険人物ではない人間との差が分かりづらい。
もっとも、目下のところは危険と思われる面子に近づかなければいいだけなのだが。
ねねねがこの詳細名簿の欠点に気付けたのは、作家という心理描写や読み手を騙すトリックを熟知する職業についているからであり、
実は自分の知り合いの善良な人間が、とてつもないことを犯していたということを知っていたからでもある。
ねねねは名簿をマッハキャリバーに見えない位置にずらし、読子・リードマンの欄を開ける。
そこにはいかに彼女が本好きか、いかに彼女が紙を操れるのか、アニタや自分といかなる関係かが書かれてあった。
そんな読子・リードマンのプロフィールの中にこんな一文が書かれてある。
『読子・リードマンは先代である十五代ザ・ペーパーことドニー・ナカジマを殺害、一年後に十六代ザ・ペーパーに就任。
なお、ドニー・ナカジマと読子・リードマンは非公認ながら恋愛関係にあった』
ねねねはその一文を読んでも驚きを表情にだすことはなかった。なぜなら、書かれているであろうことを予想していたからだ。
ねねねは思い出す、あの時の夜を。読子・リードマンをザ・ペーパーという紙使いだと知った事件のことを。
自分に語ってくれた真実を。泣きながらも、自分を助け出してくれた女の言葉を。
だから信じられる、彼女のことを。
だが、他の参加者は読子のことなど知らないのだ。もし、そんな状態でこの詳細名簿のことを見せればどうなるのか?
そして、読子・リードマンのプロフィールを知られてしまったら? あまりいい結果になるとはとても思えない。
(……たく、しょうがない)
ねねねは思考の海から這い出し、読子・リードマンとアニタ・キングのページを破り取る。二人の秘密やアキレス腱は誰にも見せたくない。
惨劇の後、士郎は気がつくと、川原で佇んでいた。
静かな音を立てて流れる川に向けていた視線を、星の瞬く夜空へ向ける。
星が、自愛に満ちた母親をかたどっているように錯覚した。
少し視線を下げると、繁華街が見える。だが人の気配はなく、寂れた感じを受けた。
ため息をつき、光成が言った殺し合いをしてもらうという言葉に呆れながらデイバックをあさった。
武器には興味は無い。適当な魔術用トレーニング機器が無いか探しているのだ。
もっとも、無くても構わなかった。上は繁華街、重りになるものなど、いくらでもあるだろう。
この殺し合いという異常な場でも、士郎は強くなる事を第一に考えていたのだ。
しかし、中から見つけたのは、食料や地図など以外には紙があっただけだ。
光成から自分に対するメッセージがあるのかと思い、強化外骨格「零」と書かれた紙を開いてみる。
ドズンと、重い音が静かな川原に響いた。
紙を開くと同時に現れたカバンに驚き、紙を上下を反対にしたり、上を見たり、下から覗いたりする。
それは不気味に思っての行動ではなく、単純に好奇心から紙を隅々見ているように見えた。
その彼に、カバンから声がかけられた。
『少年、現在の状況の報告をお願いする!』
一瞬、士郎はポカンとするが、気を取り直す。
「 そうか、あんたが強化外骨格「零」というのか。俺は士郎、よろしく」
『了解。士郎は我々の名を知っているのか。覚悟の行方を知らぬか? 最初の場所で悪鬼に宣戦布告を行った男だ』
「ああ、あの人か。強そうだったな。ごめん、今は知らない」
『そうか……』
気落ちしている零に苦笑を浮かべる。随分と人間臭いカバンだと士郎は思ったのだ。
「そう落ち込むなって。俺も、覚悟って奴に会いたいから、探すの協力するよ」
『まことか!!』
「ああ。その代わり、覚悟って奴との手合わせをお願いしてもらえないか?」
『何故だ? 回答を求む』
「親父を超える為さ……」
『父親?』
零に対して頷く。彼の胸中にあるのは、なぜかかの世界最強の男に挑む、自分の母親。
彼女の、最初で最期の母親としての言葉が、士郎の胸を焦がす。
復讐の念と、最強の渇望を混ぜて胸に無理矢理秘めさせる。
タイガーコロシアムを通じて、最強となるべく戦っているのか、タイガーに対して復讐する為強くなっているのか、多少分からなくなっていた。
それでも、母親の死は今の自分の原点といえる。ゆえに、彼は強くなり続ける事をやめない。
例え、それが途方も無い道のりだとしても。
「ああ、地上最強になる、それが今までの俺だし、これからの俺だ。 そのために戦い続ける必要がある」
『士郎。父親を超えるのは男子の本懐! なんら恥じることなど無い!!』
「ありがとう。そろそろ行こうか。覚悟に会うんだろ?」
言いながら、無造作にカバンを掴む。その士郎の様子に、零は慌てる。
『待て! 我々の重さは……』
「よっと」
士郎は難なく、カバンを担ぎ上げた。
その様子に、ほう……っと零は吐息をつく。
「これくらい重いほうが、ウェイトトレーニングとしては丁度良いさ。いや、軽いくらいかな?」
『ふむ。随分鍛えているようだ。これなら、覚悟ともいい勝負になるかもしれない』
「もちろん、そのつもりさ。そして、勝つのも俺だ」
『言うではないか。覚悟との再会、楽しみが増えた』
士郎は笑みを浮かべて、川原を駆けた。
一人と三千の英霊が宿ったカバンは、宵闇に包まれた道を何の恐れも無く進み続ける。
『いったい何を?』
「人間誰しも知られたくないことがあるってだけ。女には特にね」
ライターをポケットから取り出し、二枚の紙を火で炙る。
火はたちまち紙に燃え移り、ねねねは側にあった灰皿に燃える紙を捨てる。
詳細名簿が複数存在しないのならば、これで読子とアニタの情報は自分しか知らないことになる。
もっとも、テレパシーを使える能力者等もいるこの状況では、どれだけ秘密が漏れないかは不明であるが。
(さてと、随分時間が立っちゃったわね)
ねねねが時計を見ると、二時を回っていた。名簿を読むのに時間が取られたらしい。
遅れた分は急がなければ。とりあえずの目的地は本が一番あるところ、つまり図書館。
本ある所に、紙使いあり。
「わるい、時間が掛かった」
『いえ、仕方ありません』
ねねねの謝罪に名簿はそう返し、
『ですが、相棒達は本当に見つけられるのでしょうか?』
続けてそう言った。
この舞台には、多数の実力者達がおりその大半は道具を用いず、もしくは代用しやすい者達がほとんどなのである。
スバルも戦闘機人モードになれば単独で戦えるが、はたして他の六課メンバーはデバイスなしでこの状況を乗り切れるのだろうか?
ゆえに非難とも取れる言葉がでる。
ねねねにはデバイスの考えなど分からないし、表情をうかがい知ることもできない。
それでも、非難されているかもしれないと思っていても言葉を紡ぐ。マッハキャリバーを安堵させるために、自身を鼓舞するために。
右手の親指で自分の胸を指し、息を吸い込み、口を開く。
「安心すれ、俺がついてるんだ。ハッピーエンド間違いなし!」
現在、その一人と三千の英霊は、コンクリートで舗装された道を下っていた。
零の探知能力を頼みに、覚悟を探しているのである。
しかし、零は探知能力が下がっているらしく、数百メートル単位でしか人を察知できないらしい。
『この謎、いずれ解き明かす必要がある。強化外骨格のときにも影響が出なければ良いが……』
「そうか。それにしても人が見つからないな」
士郎は、ランニングには丁度良いと言いながら、街を全速力で駆けていく。
無防備だが、その姿は例え襲われても返り討ちにするという考えゆえであった。
やがて、病院を前にし、零と士郎が会話するため止まる。
九十キロはあるカバンを担いで全力疾走したというのに、士郎は涼しげな顔をしていた。
『随分鍛えられているな。その肉体、どういった経路で手に入れた?』
「十三まで親父とお袋に鍛えられたのさ。その後は自己流」
『……覚悟も、十三までは兄と一緒に父親に鍛えられていた』
「へぇ……兄貴がいるところまで一緒か」
『だがその兄に、覚悟は父親を殺された。散は悪鬼となったのだ』
「嫌なところまで似ているな。」
苦笑をしながら、零の語る覚悟は本当に自分に似ていると思った。
それは、運命を感じるほどに。
一瞬、自らの体が異常な熱を発し、周囲の空間を歪ませた錯覚に陥った。
戦いの予感に、士郎は比喩でなく身体を熱くする。
(もう、戦いたくなった)
そう、士郎は覚悟に、戦う運命を感じたのだ。
退屈を紛らわせる存在として鍛えられた士郎。無力な人を守るために鍛えられた覚悟。
鍛えられた目的は違うが、鋼の肉体を持つ二人。神が仕組んだのか、出会わないはずの二人に接点ができた。
二人の戦士が出会うとき、もたらすのは死闘か、共闘か。
それは、天に煌く星しか知らなかった。
【E-1 /水族館事務所内/1日目/黎明】
【菫川ねねね@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康。
[装備]:マッハキャリバー(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
[道具]:支給品一式、詳細名簿+@アニロワオリジナル、ボン太君のぬいぐるみ@らき☆すた
[思考]
第一行動方針:誰か人を探す。
第二行動方針:図書館に行く、誰も見つけられなければ本がある場所へ。
第三行動方針:アニタ、読子、スバル、ティアナ、キャロ、エリオ、はやて、シャマルを探す。
第四行動方針:とりあえず、クアットロや詳細名簿に載っていた危険人物と思しき面子には気をつける。
最終行動方針:打倒タコハゲ、そしてハッピーエンド。
[備考]:詳細名簿+はアニタと読子のページだけ破り取られています。
※詳細名簿+について
『詳細名簿+は、男女別男先あいうえお順に各参加者のプロフィールと顔写真が乗っています。
プロフィールの詳細はもう一つの詳細名簿と違い、各参加者との関係、これまで実行してきた行動、
技能や異能等を中心に事実関係を重視した情報が載っています。
ですが、なぜそういう関係となったのか。なぜその行動をしたのかなどの心理は書かれていません』
【F-4、病院前/1日目・深夜】
【衛宮士郎@Fate/staynight】
[状態]:グラップラー
[装備]:強化外骨格「零」(カバン状態)@覚悟のススメ。
[道具]:支給品一式。未確認支給品0〜2。
[思考]
1:特に何も考えていない。
2:誰かみつけ、勝負を挑む。
了解です
振るう暴力を裁きの雷と言い放ち、自身を神と名乗る傲岸不遜な男――ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。
狂王の実験場に落とされて間もなく一つの命を奪い、月の出る夜空に哄笑を響き渡らせる。
そのけたたましい笑い声にか、それとも彼の足下に転がる死体から広がる異臭のせいか、
そこに一人の男が近づいて来ていた。
簡素な着物に赤いスカーフを纏った長身の東洋人。
片方の手にバックを提げ、もう片方の手には水筒を吊ってゆっくりと道を歩いてくる。
様は静かであったが、その細い瞳に映るは剣呑な揺らめき。
その男の名は戴宗。国際警察機構、最強の九大天王が一人――神行太保・戴宗。
自分に酔っていたムスカも、影の中から月明かりの元へと踏み出されればその男に気付く。
「……なんだ東洋人か。私の世界には必要ないな。ここから帰り次第国ごと滅ぼしてやろう」
無礼で挑発的な発言。だが、戴宗はそんな相手の不遜な態度を無視して静かに問うた。
「こいつをやったのはお前さんかい?」
戴宗が指す「こいつ」とは、勿論彼の眼前に横たわる黒焦げた遺体のこと。
細い目が見つめる先には、まだ若かったであろうと思われる小柄な亡骸が薄煙を上げている。
「神に逆らった愚か者の末路だよ」
にへらと笑いながら答えるムスカの眼には、狂気と自信が満ち溢れ爛と輝いている。
一方、そんな彼へと向けられる戴宗の眼は至って静。
――何時何時此の身が如何なろうと、何処で死のうと誰も悲しまない。だから、如何な任務にも耐えられる。
戴宗が仲間に繰り返し聞かせた言葉であり、また彼自身にとっての矜持でもあり覚悟。
彼は今までこの言葉の通りに生きて来たし、これからもそうであることは変わりはない。
命はすでに国際警察機構に預けた身。例え、死を賭せと命じられても迷いなく殉じる覚悟が彼にはある。
が、しかし! 眼前に横たわる少年はそうではなかったはずだ。いや、ここにいる誰もが!
訳も解らぬままに見知らぬ場所に落とし込み、素性も知らぬ同士を殺し合わせるあの男――螺旋王。
奴も勿論許す事ない大悪。いずれは落とし前ををつけさせなければならぬ!
して、目の前の男。神と嘯き、自分勝手な都合で年少の者をいとも容易く殺めたこいつ。
混乱する機に乗じ、跳梁跋扈して己が勝手な願いを達成せんと無辜の者を襲うこいつ。
こんな奴を何と言う?
簡単明瞭! たった一言――外道と言う。
◆ ◆ ◆
戴宗は片手に提げたバックを落とす。
続いてもう片手に持った虎柄の水筒から一口取って喉を鳴らすと、それも地面に落とす。
そして、空いた両手を握り締め、ゴキリを音を鳴らすと一歩前へと足を踏み出した。
「このラピュタ神に素手で挑もうというのかね?」
対するムスカは、眼前に迫る相手の心の内に秘めたものが読めぬのか余裕綽々。
相対する者の返事を待たずして手を突き出し、稲妻を走らせた。
ドンッ、と響く音とともに身動ぎ一つ取らなかった戴宗の身体に薄煙が上がる――が、それだけだ。
神を名乗る男はこの時初めて目を見開き、意も介せぬように歩みを止めぬ相手にたじろいだ。
戴宗が一歩前に出れば、一歩下がる。もう一歩前に出れば、もう一歩下がる。
神の雷が通じない。何故か――と、ムスカは困惑する。だが真実はそうではない。
雷だからこそ通じないのだ。
国際警察九大天王。その末席に身を置く神行太保・戴宗。またの名を――『人間発電機』
ピタリと足を止め次いで突き出された戴宗の拳が、ブンという羽虫の様な音と共に薄い光を纏う。
その原理はムスカが背負うエレキテル――電磁誘導装置、それと同じ。
異なる点を上げるならば、
エレキテルの方はあくまで誘導装置であって蓄電はできても、それ自体では発電することができぬと言うこと。
そして逆に、戴宗の有する特異な能力はその名の通り自らの身体で以って電気を起こす事ができる。
その発電量。例えば目の前の総合病院。それが使用に必要とする量を賄うことも容易い。
戴宗の全身を駆け巡る電流は身体の中で螺旋を描き、強力な電磁力を発生させる。
そして、エレキテル同様に大気を操り戴宗は拳の先に電磁場によって作り上げた気の拳を纏う。
これが人間発電機と呼ばれる戴宗の力。名づけて――噴射拳。
彼は内に巡る膨大な電力を雷として発するのではなく、己が身体を武器とするために操る。
九大天王の中でも単純戦闘に特化した能力で、末席と言えど、こと単一同士の格闘戦となれば一、二位を争う。
仇敵であるBF団の十傑集においても、彼と格闘戦を演じられるのは衝撃のアルベルトのみと言われるぐらいだ。
その有形無形の圧力に、戴宗と対峙するムスカの頬に冷や汗が垂れる。
しかし、彼もまた伊達に神を名乗る男ではない。
一度効かぬなら二度目を。二度目も効かぬなら三度目をと、再び稲妻を空中に奔らせた――が!
彼の目の前で、戴宗が姿を消した。
放たれた稲妻は虚しく宙に霧散し残光だけを残す。
サングラスをかけているので、閃光に視力を奪われたなどということはない。しかし、見失った。
戴宗は何処に? 霞と消えたか。いや、彼はムスカの背後に立っていた――。
戴宗は常に人間発電機と呼ばれはしない。彼を呼ぶものは皆こう呼ぶ――神行太保、と。
神行法。それが今の一瞬の種明かし。
強力な電磁の力を脚へと転じればその脚力は常軌を逸し、駆ける速さは音の速さにも達する。
先に拳へと発した様に、気を足元に置けばその歩み神をも目を見張る。故に神行法。
この能力こそ、文字通り彼の右に立つ者は居ない。故に彼は呼ばれる――神行太保・戴宗、と。
彼がそれに気付くよりも疾く戴宗は拳を突き出し、ムスカに衝撃の一撃を見舞った。
神の鉄槌ならぬ、義憤の鉄拳。喰らったムスカはアスファルトの路上を何度も転がる。
次いで倒れた者を鞭打つように降り注ぐのは、爆散したエレキテルの残骸だ。
車に跳ねられた様な衝撃に、指一本動かせなかったムスカではあったが
この期に及んでなお彼の傲慢な姿勢は変わらず、あくまで不敵。その態度は崩さなかった。
「……き、貴様。神に向かって拳を振るうとはこの身の程しらず、め。報いを、受けるぞ」
対する戴宗は一つ嘆息すると、その手をムスカの額へと伸ばす。
「お前さんには、ちぃと眠ってて貰うぜ」
瞬間、電流が戴宗よりムスカへと流れ出し、その衝撃が不敵なムスカの意識を奪った。
「……やーれやれ、だ」
そう一人ごちると、戴宗は気絶したムスカと小さな遺体を抱え上げ目の前の病院へと入り込んだ。
◆ ◆ ◆
冷たいコンクリートの床の上。狭くて暗い物置の中にムスカの身体を横たえると
戴宗は彼が持っていた荷物の検分を始めた。
すでに死んでいた少年――エドの遺体はここではなく霊安室へと預けてきている。
そして、外道であるムスカの命を奪わないのは、何も情けからという訳ではない。
いるかどうかは知れぬが、あの少年の身内や仲間がここにいるやも知れない。
ならば、仇は譲るべきだと……そう考えた結果であった。そして、いなければその時こそ自分が討てばよい、とも。
「なんだこりゃあ……」
まず鞄に手を差し込んで最初に出てきたのが、大量のチョコレートだった。
確かにチョコレートはエネルギー豊富で、この様な状況ならばありがたいものかも知れなかった。
だが、大酒呑みの戴宗はどちらかと言えば辛党で、甘いものは好みではない。
「酒でも出てくりゃあ、ありがたいんだがなぁ……」
とは言いながらも、一つ包みを剥がしては口に放り込む。
世界最強候補の一人である戴宗ではあったが、ここに来てより何やら調子が悪い。
腹が減っているわけでもないというのなら、やはり酒抜きのせいかと戴宗は考える。
よもや何らかの術のせいかも知れぬが、そうなると戴宗には手が出ない。戴宗は根っからの武闘派だ。
「……言ってみるもんだな」
と、戴宗がバックから抜き出した手には一本の洋酒の瓶が握られていた。しかし――、
「空っぽかよぉ……」
残念ながら、もうすでに封は開けられており、中身も失われた後だった。
戴宗は他にもないかとバックを漁るがもう出てこず、空になった瓶を逆さに振るも一滴も酒は垂れてこない。
「……未練だぜ」
考えれば、あの男はこの酒を飲んでいたのか。しかし、あのような妄言が飛び出すとはどんな悪酔いか。
などと考え、戴宗は酒瓶への未練を払う。
一通り検め終わると戴宗は曲げていた膝を伸ばし立ち上がる。
その手にはチャラチャラと音を立てる細長い投げナイフが幾本も握られていおり、
「こいつは没収……」という訳で戴宗のバックの方へと収められた。
戴宗は物置部屋を出る際に、床に投げ出されたムスカの方を見やる。
ピクリともしない。死には至らないが相当の電流を流し込まれている。
戴宗の見立てでは、気を取り戻すのに半日。それから身体を動かせるまでにもう半日。そういう按配だ。
それでも、一応と扉に安物の鍵を掛けて戴宗はその場を離れた。
「衝撃の旦那に、十傑集がもう一人。それなのに、こちらときたら俺一人かぁ……」
その上、まだまだ未知の存在が多数いるという……。最初に出会った男が男だっただけに気は滅入る。
せめて一清でもいれば釣合いが取れるのに、と考えても詮無き事。
「……まずは、酒だな」
暗澹たる思いを胸に、戴宗は病院を出て月夜の下を一人歩いていった。
【D-6/総合病院近く/1日目-深夜】
【神行太保・戴宗@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:若干の疲労
[装備]:
[道具]:デイバッグ、支給品一式(食料-[握り飯、3日分][虎柄の水筒(烏龍茶)])
アサシンナイフ@さよなら絶望先生×12本
戴宗に支給された何か(1〜3つ)※戴宗は確認しています
[思考]:
基本:螺旋王の打倒
1.どこかで酒を調達したい
2.死んでいた少年の身内や仲間を探す
3.半日ごとぐらいにムスカの様子を見に病院へと戻る
4.不義は見逃さず。悪は成敗する。
※登場時期は、アニメの1話開始直前です
◆ ◆ ◆
パタン……と、薄い扉が閉まる音がしてからすぐのこと。
立ち上がらないはずの男が事も無げにすっくと立ち上がった。
とても戴宗の鉄拳や電撃を受けていたようには見えない様子だ。
「……くっくっくっ。馬鹿な男め。ラピュタは滅びぬよ。いつまでもな」
サングラスの位置を直すと、男――ムスカは静かに身体を震わして笑い始めた。
その笑いと共に失われていた自信と妄執がまたむくむくと湧き上がって来る。
「不死の酒か、なるほど。これで私も名実ともに神人の仲間入りと言う訳だな」
――不死の酒。ただの人に不死をもたらすと言う、錬金術が生み出した究極の万能薬。
しかもムスカが飲んだものは、知恵の浅い錬金術師が模造した不完全品ではなく完全なる不死の酒。
ムスカは己の右手を見ながらほくそ笑む。
「まさかとは思っていたが、不死は真実だった」
完全な不死者とそうでない者。その差は極めて大きい。
完全な不死者は、不完全な不死者を一方的に『喰う』ことができるのだ。
しかもそれは、相手の命を奪うだけでなく記憶や技術、ありとあらゆるものを奪う事ができるのだ。
ムスカは考える。一人だけではないだろうと、他にもこの実験場には不死者は存在するだろうと。
でなければ意味はない。そして、螺旋王と名乗ったあの男もきっとそうであるに違いない。
ならば、それらを全て喰うことができれば……!
「私はラピュタ王国を復興する神だけに留まらず、――万能の神となるのだ!」
ムスカは想像する。螺旋王の目的を。
神の候補者を集めては、それらに喰らい合わさせて知識を濃縮し、最後の一人を彼が喰らう。
そうやって超常的な知識と力を手に入れてきたのだろうと。ならば――、
「螺旋王ロージェノムよ! 私は宣言しよう!
今回こそは私が貴様を喰らい、その玉座から貴様を引きずり落として見せるとな!」
ムスカは笑う。誰に憚ることなく高らかに声を上げ哄笑する。
まるで現世に生れ落ちてきたばかりの赤子の様に。
「私こそが! ラピュタの王こそが、新世界の神に相応しい!」
【D-6/総合病院・物置部屋の中/1日目/黎明】
【ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ(ムスカ大佐)@天空の城ラピュタ】
[状態]:完全な不死者(※)、気分高揚
[装備]:
[道具]:デイバック、支給品一式(食料-[大量のチョコレート][紅茶])、不死の酒の空き瓶
[思考]:
基本:螺旋王を喰って新世界の神となる
1.他の不死者を探して喰う(酒を探して、誰かに飲ませて喰う)
2.東洋人(戴宗)に復讐する
3.パズーらに復讐する
※耐久力においては、制限がかかっているため完全な不死ではありません
※エドワード・エルリック(@鋼の錬金術師)の遺体は病院の霊安室に移動されました
172 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 05:34:28 ID:+5/GIrG0
糞スレ乱立させるな
殺人狂
(隔離された場所での殺し合い? いーね、いーねぇ、実にいい。最高じゃねぇか)
新しい玩具を与えられた少年のようにウキウキと街を闊歩する男、彼の名をラッド・ルッソという。
表の顔はルッソ・ファミリーきっての殺し屋、裏の顔は欲望の赴くままに生きる狂った享楽殺人者、それがラッド。
そんな彼にとって、バトルロワイヤルの舞台は素敵なテーマパークでしかなかった。
ラッドの瞼の裏に浮かぶのは自信満々のモロトフの笑み、無惨に散った彼は最期まで自分の優位を疑っていなかった。
この場所にはそんな奴らがごろごろしている、それを自由に殺してまわれる――まさにラッドにとっての天国だ。
そして、同時にモロトフは相当な実力者だった。
螺旋王に迫った時の瞬発力、飛び切りの威力の光線、ラッドが相対したところで一瞬で葬られてしまうだろう。
つまりこの場所では、ラッド自身もいつも以上に死に近い場所にいる。いつゴミのように殺されるか分からないということだ。
だがそれさえもラッドが喜ぶ要因にしかならない。殺すか殺されるかの緊張感、それはラッドが大好きなものなのだから。
結果、ラッドはゲームがはじまった直後から獲物を求めて夜の街を徘徊している。
デイパックをまさぐって一本のナイフを取り出すなり走り出したその姿は、まるで早く遊びたくてうずうずしている子供のようだった。
ラッドの目的は一つ、螺旋王を殺す、それだけだ。参加者を殺して殺して殺しまくる事はラッドにとって過程にすぎない。
他人を殺し合わせて自分は高みの見物、モロトフなど歯牙にもかけないという態度、螺旋王はラッドが蛇蝎のごとく忌み嫌う類の人間だ。
螺旋王を観測者の立場から引き摺り下ろし、殺す。それがラッドの頭の中では規定事項なのだ。
KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! 抑えきれない殺意を身に纏いラッドは獲物を探す。
そしてゲーム開始から十数分後、ついにラッドに見初められてしまった哀れな犠牲者が現れる。
街灯に照らされる道路の脇を、銃を構え慎重に歩いている少年、犠牲者の名前は高嶺清麿。
何の自信が有るのか周囲の確認もせずに堂々と夜道を歩く。ここが殺し合いの舞台でなく、アメリカの一都市だったとしても実に危険極まりない行動だ。
暢気に生きてきた少年が不相応な武器を手に入れたことで自分が特別な者になったと思い込んでいる、清麿の後ろ姿からラッドはそう判断した。
背中から滲み出ている緩い雰囲気、死という冷たい現実を理解していなそうな子供、無意識に舌なめずりをするラッド。
そして清麿の注意が背後から逸れた瞬間を見計らって、ラッドは行動を起こした。
「よ――――――ぅ坊や、夜道は危ないぜぇ……何せ、俺みたいな危ない奴がごろごろしてるからなぁ」
後ろから忍び寄り、清麿が振り向くよりもはやく無防備な首筋にナイフを突きつける。
刃物を突きつけられた清麿の身体が僅かに震える、その感触に喜悦の笑みを浮かべながらラッドは言葉を続ける。
「子猫ちゃんみたいにビクビク震えちゃってさぉ、可愛いったらありゃしないぜ。
さっきまで勇ましく武器を構えてたのによぉ、これじゃあ折角の武器が可哀想だろ。なぁ、そう思わないのか? どうなんだよお―?
というわけでこの素敵な銃は俺が貰いま―す、ありがとよ。ああ、心配はしなくていいぜ。今後は俺が存分に有効活用してやるからな。
ん、有効活用ってどれくらい使えば『有効』になるんだ? 百人? 五百人? まさか千人以上殺さなきゃいけね―のか?
やっべ、そんなに殺したら銃の方がいかれちまうよ! 悪いな、今の無し、有効活用は無理! 仕方ないからこの銃は精々有効利用させてもらうぜ! さて――」
相手が返事をする暇を与えずに、矢継ぎ早に語るラッド。
獲物を前にハイになっているその姿は紛れもない快楽殺人者である。
そしてそんな狂人と相対する事になってしまった不幸な少年、高嶺清麿。
彼はラッドのスピーチを微動だにせずに静かに聴いていた。怯えも怒りもせず、ただ静かに聴いていた。
黙考する清麿、彼は果たしてその心中で何を考えているのか? だがそんな清麿の反応を全く気にせずにラッドは語り続ける。
「お前はこう思ってただろ『こんなに凄ぇ武器を持っていれば誰にも負けるはずがない、俺は強い、俺は死なない、つまり俺は安全だ』ってなあ!
それでなっ、俺にとっては超ハッピー、お前にとってはアンハッピーなことにそういう奴を殺すのが俺は大好きなんだ。
という事で俺は今からお前を殺しま――ス! でよぉ、その間お前はどうするんだ? 逃げる? 抵抗する? 諦めて死ぬ? 俺と殺し合う?
自殺してみる? 命乞いする? 謝る? 泣き叫ぶ? 怖い? 悔しい? 切ない? それとも怒ってる? なあ、どうなんだよ――?」
そうして存分に語り尽くしたラッドは気分も上々に話を終えた。
では、獲物との触れ合いに満足したら次はどうするのか――最後の仕事に、実際に清麿を殺すという作業に取り掛かるに決まっているではないか。
だが殺すのに必要な動作は腕に少し力を入れるだけだ、パーティの最初の殺しとしてはあまりに味気ない。
だからラッドはあえて清麿の正面に身を移した、清麿の最期の表情を脳裏に強く焼き付けるためにだ。
しかしラッドの清麿殺害ショーはここで一時停止する事になる。
なぜなら覗き込んだラッドが目の当たりにしたのは、恐怖に震える少年の顔ではなく、死を覚悟しつつもそれに必死で抗おうとする戦士の顔であったのだからだ。
清麿をただの少年だと思い込んでいたラッドからすれば正に青天の霹靂だ。軽い朝食をとろうと豚を料理していたら、それが突然理性を持った人間に化けてしまったのだから。
流石にこれにはラッドも動揺し、表情が僅かに崩れる。それを機とみたのか、おもむろに清麿は口を開いた。
「俺は……死にたくない。俺が死んでも、たぶんみんなは俺を覚えていてくれる、俺の死を悲しんでくれる。
それはガッシュに会う前の俺からすれば本当に夢のような事だから、嬉しい、凄く嬉しいんだ…………でも、それじゃ駄目なんだ。
みんなと過ごす喜びを思い出したから、みんながいい奴だって知ってるから、みんなには笑っていてほしいから悲しませたくないから――俺は死にたくない」
ハイテンションに言葉を次々と吐きだしていたラッドの喋り方とは裏腹に、清麿は一語一語がはっきりと相手に聞こえるに抑揚をつけてゆっくりと喋る。
ラッドの自分の考えがしっかりと伝わるように細心の注意を払って清麿は言葉を紡ぐ。
「それにガッシュと約束してるんだ。あいつが優しい王様になるのを俺は手伝う。だからまずは螺旋王って奴を倒して日本に帰らなくちゃいけない。
そして実のところ俺自身があのおっさんを看過できない。無理矢理人を集めて殺し合いを強制し、それを実験だゲームだと称する。
螺旋王は俺が今までに出会った相手の中で……一番の悪だ。そんな悪を俺とガッシュは絶対に許さない。仲間を集めて、必ず打倒する!
そして、俺はまずあんたに仲間になってほしい。その力を人殺しに使うのではなく、俺たちのために貸してくれないか?」
行われたのは説得もとい勧誘だ。相手は殺人鬼、当然失敗した場合に清麿の命はない。
だがそれは清麿にとって些事でしかない、ガッシュと共に魔界の王を目指す事を決めた時点で死ぬ覚悟はできている。
だからリスク覚悟で想いを伝えた。真の悪人でさえなければ話は通じる。
例え相手が殺し合いにのっている人間だとしても、誠意をもって接すれば心は通い合うはず――それが清麿の導き出した答え。
(あれあれあれあれぇ? なんなのコイツ? なに一端の戦士みたいな顔しちゃってんの?
おっかしいなぁ? どう見てもゆるゆるだよなぁ? 群れるだけ群れて安心してる羊の臭いがプンプンしてるよなぁ?
口を開いても出てくるのは夢想論だしよ、いつもの箱入りのお坊ちゃんと何も変わんねーはずだよなぁ?
なのになんでそんな煮るなり焼くなり好きにしろって目をしてんだよっ! つまんね―じゃん! しらけてきたっつ―の!)
だが清麿の願い空しくラッドに話は通じていなかった。
たしかにラッドは情もあれば愛もある人間、真の悪人と呼べるほど悪に染まってはいない。
しかし……ラッドは狂人だった。考え方からして常人とは一線を画する。
ラッドにとって重要なのは清麿が殺すに値する人間かどうかのみ、そしてそれを判断するのはラッドの直観。
清麿の命を賭けた身の上話も、ラッドにとっては無意味な単語の羅列でしかなかった。
よってラッドの返事は、当然清麿には好ましくないものになる。
「ハぁ? なんで? それってなんか俺に得あんの? お前が何かしてくれんの?
いや口は開くな、答えなくていい。お前に何も期待してないから、だからお前は何もしなくていい。
ただ俺に殺されてくれればいいだけだから喋る必要なんてない、理解したか?」
交渉は決裂した。清麿の首に今も突きつけられているナイフ、その握りに力がかかる。
――だがそれ以上の動きはない。
最悪の答えを突きつけられても清麿は動かない、ラッドを真正面から見据えるのみ。
そして対するラッドも動かない、いまだに清麿という人間をはかりかねている。
死を覚悟している者を殺すのは彼の趣味ではない、殺したくない。
死を身近に感じずにぬくぬくと生きている奴は絶好の獲物だ見逃せない、絶対に殺す。
しかしいくら考えたところで答えはでない……だからラッドは無理矢理答えを出すことに決めた。
「ハハ……ハハハ……ヒハハハ、畜生っ! 苛立つぜぇ! イライラするのは身体に悪いってのによォ!
…………ったく、解った、良く解った。俺はお前を殺したい、でもお前は死にたくない。平行線だ、お前も困るだろ?
だから取引だ。お前の覚悟を見せろ、このナイフで片手の指を全部掻っ切れ。それで俺が満足したら仲間にでもなんでもなってやるよ」
そう言い放ち、ナイフを道路に放り投げる。
表向きは有りがちな話だ。要求をするのならそれなりの誠意を見せろ、というやつだ。
しかし、勿論ラッドの目的は違う。これはラッドが気分良く清麿を殺すための儀式なのだ。
――自らの手で五本の指を切断する。
一見、最初の指を切り落とす勇気さえあれば、後は同じ事を繰り返すだけなので何とか可能な事のように思える。
だが、事実は違う。一本目は踏ん切りさえつけば誰にでも切り落とせる――二本目以降が真の地獄なのだ。
一本目を切断した時の痛みが絶えずフラッシュバックし、恐怖と身体の拒否反応が精神を蝕む。
その状態で指の切断を続ける――不可能だ。あまりの恐怖と激痛に耐え切れずに恐慌状態に陥る、それが末路。
そんな恐慌状態に陥って、一点の迷いもない眼差しと覚悟を感じさせる表情を失い、ただの緩い人間になった清麿をラッドは殺す。
ラッド自身は手を下していないのに化けの皮が剥がれた、所詮はその程度であり清麿は最初から温い人間だった、という訳だ。
では、もし清麿が見事やり遂げた場合にラッドはどうするのか? 清麿の覚悟が本物だとするとあながちありえない話ではない。
しかし、ラッドはその場合の事は殆ど考えていない。自分にとって面白くない場合の事をわざわざ考えるなんて馬鹿馬鹿しいからだ。
だがおそらくは、緊張がきれて気絶し手から血を流しながら倒れている清麿、彼を放置していくことになるだろう。
殺意の対象でなくなった以上は興味がないし、仲間でも友達でも婚約者でもない奴を手当てしてやる理由もない――
だがこの要求に対して清麿がとった行動は、ラッドの予想の斜め上をいくものだった。
ラッドが地面にナイフ投げやるやいなや、清麿はそれを拾い上げ――自らの右耳にその刃を当てたのだ。
そして一息もつかず、即座に耳に刃を入れる。新品のナイフの鋭利な刃は骨の無い柔らかな肉を易々と切り裂き、清麿の右耳は頭部から切断された。
予め決まっていた事を清麿はただなぞっただけ、そんな事を考えてしまう程に清麿の一連の挙動には全く迷いがなかった。
予想外の出来事に動きを止めるラッド、そんな彼に対して清麿は再び口を開く。
傷口からポタポタと垂れる鮮血を拭おうともせず、今まで通りにラッドを真正面から見据えながらだ。
「指は駄目なんだ。この指は、この手は……魔本を持つために……ガッシュと共に戦うために……絶対に失えない。
でも……! それ以外の場所ならこの耳のように、目でも足でも何だってくれてやるっ! 俺はここで終わりたくない!
ガッシュと共に螺旋王を倒し元の世界に戻る……そのためなら俺自身がどれほど傷つこうと構わない! それが俺の覚悟だっっ! 」
清麿の激しい啖呵、それが終わったときに訪れたのは静寂だ。
聞こえるものも動くものも周囲には何もない。僅かな風のみを感じながら、一メートルも離れていない至近距離で二人は睨みあう。
曇りのない真剣な眼差しに激情をこめて睨む清麿。痛みに僅かに顔を顰めてはいるが、たった今身体の一部を喪失したようにはとても見えない。
そんな真摯な眼差しをラッドは黙って受け止めている。清麿の耳から垂れる血だけが時間の経過を示すこの睨みあいは永遠に続くかのように思えた。
……しかしそれから数分後、夜の街にはラッドの高らかな哄笑が響いていた。
「ハハッハハハハハハハハハハハハハハハ……うぉぉっぉうぉぉっぉ、オマエ馬鹿? それとも天才? つ―かなんで耳切ってんの?
訳わかんなくね? どう考えたらそうなるの? ヒハッ……ハハハハ……やっべ、やっべぇ、緩い馬鹿かと思えばすげぇべ。
ハッ! サイコ―、マジ最高、超面白れぇぇぇ―――――テンション上がってきたぜ―! ハハ……ヒャハハハハハハハハハハ――――」
笑って笑って笑って笑って、狂ったようにラッドは笑い続けている。清麿に向けられていた殺意など影も形もない。
その心底楽しそうな笑い声はラッドの心境を如実に伝え、聞く者にもそう悪い気分は与えないのだが……激しく場違いだった。
「おい、そろそろ笑うのをやめて答えを聞かせてくれないか」
いい加減業を煮やした清麿が呼びかけ、やっとラッドの笑い声は止んだ。
そして清麿は殺意を収めたラッドを相手に詳しい情報交換や今後の方針について話をしようとする。
しかし次のラッドの言葉は、清麿の意気込みを消沈させた。
「……おぅ、無視してゴメンな! おかげでテンションが大分溜まった、ありがとう、本ッ当にありがとう!
これで気分よォく思う存分に人を殺して回れるぜ。ってことでじゃあな! ……傷は早めに手当てしておけよぉ――――」
あろうことか爽やかな笑顔で上の台詞を放つなり、スキップをしながら去っていこうとしたのだ。
最早どこから突っ込めばいいのか解らない。我慢に我慢を重ねてきた清麿でさえも慌てて呼び止めた事を後悔したほどである。
だが仲間になるという約束をした事を持ち出すと、びっくりするほどあっさりとラッドは清麿の仲間になることを了承した。
そして清麿が自己紹介と情報交換を行う旨を伝え、移動中にそれを行うことを決める。
移動の目的地は落ち着ける場所、意外にもラッドの方から清麿の傷を早めに手当した方がいいという提案が出たのだ。
少し釈然としない思いを抱えるものの清麿に異論があるはずもない。
そして二人は歩き出した、ひとまずは傷の手当てをする場所を探すために、やがては螺旋王を打倒するために――
「そういえばお前武器もってないな。武器は大事だぜ。人間は武器と共に進化してきた、武器あっての人間だ。
マシンガンが一丁あれば、そこら辺の悪ガキにだってジャック・ディンプシーをぶち殺せるんだぜ。ちょっと待ってろ、余ってる俺の武器をやるよ。」
「俺の支給品はあんたに奪われたんだけどな。……っと、有難う。ん、これってマシンガンじゃないか。なんで使わないんだ?」
「気がのらねえ。さっきはナイフで切り裂いてやりたい気分だったし、今は相手を殴り殺したい気分だ。
シュッッ……シュッッ……シュシュシュッっ……折角の舞台なんだ、色々やって目いっぱい楽しまないと損だと思わないか?」
「やっぱり俺にはあんたが理解できない……ともかく殺しだけは絶対にやめてくれよ……」
【高嶺清麿@金色のガッシュ】
【状態:螺旋王に対する激怒、右耳欠損、軽い貧血】
【装備:イングラムM10(9mmパラベラム弾32/32)】
【所持品:イングラムの予備マガジン(9mmパラベラム弾32/32)×5、支給品一式(ランダム支給品0〜2を含む)】
【所持品:清麿の右耳、支給品一式】
【思考・行動】
基本方針:螺旋王を打倒して、ゲームから脱出する
1:ラッドと情報交換をしたい
2:ひとまずは傷の手当をできる場所を探す
3:ガッシュ、フォレゴレとの合流
4:螺旋王に挑むための仲間を集める、その過程で出る犠牲者は極力減らしたい
【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
【状態:健康】
【装備:無し】
【所持品:超電導ライフル@天元突破グレンラガン、ファイティングナイフ、支給品一式(ランダム支給品0〜1を含む)】
【思考・行動】
基本方針:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)
1:基本方針に当てはまらない人間も状況によって殺す
2:ひとまずは仲間である清麿に同行
状態表訂正
【8-A 路上 一日目 深夜】
【高嶺清麿@金色のガッシュ】
【状態:螺旋王に対する激怒、右耳欠損、軽い貧血】
【装備:イングラムM10(9mmパラベラム弾32/32)】
【所持品:イングラムの予備マガジン(9mmパラベラム弾32/32)×5、支給品一式(ランダム支給品0〜2を含む)】
【所持品:清麿の右耳、支給品一式】
【思考・行動】
基本方針:螺旋王を打倒して、ゲームから脱出する
1:ラッドと情報交換をしたい
2:ひとまずは傷の手当をできる場所を探す
3:ガッシュ、フォレゴレとの合流
4:螺旋王に挑むための仲間を集める、その過程で出る犠牲者は極力減らしたい
※石版編終了後のどこかから呼ばれています
【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
【状態:健康】
【装備:無し】
【所持品:超電導ライフル@天元突破グレンラガン、ファイティングナイフ、支給品一式(ランダム支給品0〜1を含む)】
【思考・行動】
基本方針:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)
1:基本方針に当てはまらない人間も状況によって殺す
2:ひとまずは仲間である清麿に同行
※フライング・プッシーフットに乗り込む少し前から呼ばれています
いいからしたらばに帰れ、な
振るう暴力を裁きの雷と言い放ち、自身を神と名乗る傲岸不遜な男――ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。
狂王の実験場に落とされて間もなく一つの命を奪い、月の出る夜空に哄笑を響き渡らせる。
そのけたたましい笑い声にか、それとも彼の足下に転がる死体から広がる異臭のせいか、
そこに一人の男が近づいて来ていた。
簡素な着物に赤いスカーフを纏った長身の東洋人。
片方の手にバックを提げ、もう片方の手には水筒を吊ってゆっくりと道を歩いてくる。
様は静かであったが、その細い瞳に映るは剣呑な揺らめき。
その男の名は戴宗。国際警察機構、最強の九大天王が一人――神行太保・戴宗。
自分に酔っていたムスカも、影の中から月明かりの元へと踏み出されればその男に気付く。
「……なんだ東洋人か。私の世界には必要ないな。ここから帰り次第国ごと滅ぼしてやろう」
無礼で挑発的な発言。だが、戴宗はそんな相手の不遜な態度を無視して静かに問うた。
「こいつをやったのはお前さんかい?」
戴宗が指す「こいつ」とは、勿論彼の眼前に横たわる黒焦げた遺体のこと。
細い目が見つめる先には、まだ若かったであろうと思われる小柄な亡骸が薄煙を上げている。
「神に逆らった愚か者の末路だよ」
にへらと笑いながら答えるムスカの眼には、狂気と自信が満ち溢れ爛と輝いている。
一方、そんな彼へと向けられる戴宗の眼は至って静。
――何時何時此の身が如何なろうと、何処で死のうと誰も悲しまない。だから、如何な任務にも耐えられる。
戴宗が仲間に繰り返し聞かせた言葉であり、また彼自身にとっての矜持でもあり覚悟。
彼は今までこの言葉の通りに生きて来たし、これからもそうであることは変わりはない。
命はすでに国際警察機構に預けた身。例え、死を賭せと命じられても迷いなく殉じる覚悟が彼にはある。
が、しかし! 眼前に横たわる少年はそうではなかったはずだ。いや、ここにいる誰もが!
訳も解らぬままに見知らぬ場所に落とし込み、素性も知らぬ同士を殺し合わせるあの男――螺旋王。
奴も勿論許す事ない大悪。いずれは落とし前ををつけさせなければならぬ!
して、目の前の男。神と嘯き、自分勝手な都合で年少の者をいとも容易く殺めたこいつ。
混乱する機に乗じ、跳梁跋扈して己が勝手な願いを達成せんと無辜の者を襲うこいつ。
こんな奴を何と言う?
簡単明瞭! たった一言――外道と言う。
◆ ◆ ◆
戴宗は片手に提げたバックを落とす。
続いてもう片手に持った虎柄の水筒から一口取って喉を鳴らすと、それも地面に落とす。
そして、空いた両手を握り締め、ゴキリを音を鳴らすと一歩前へと足を踏み出した。
「このラピュタ神に素手で挑もうというのかね?」
対するムスカは、眼前に迫る相手の心の内に秘めたものが読めぬのか余裕綽々。
相対する者の返事を待たずして手を突き出し、稲妻を走らせた。
ドンッ、と響く音とともに身動ぎ一つ取らなかった戴宗の身体に薄煙が上がる――が、それだけだ。
神を名乗る男はこの時初めて目を見開き、意も介せぬように歩みを止めぬ相手にたじろいだ。
戴宗が一歩前に出れば、一歩下がる。もう一歩前に出れば、もう一歩下がる。
神の雷が通じない。何故か――と、ムスカは困惑する。だが真実はそうではない。
雷だからこそ通じないのだ。
国際警察九大天王。その末席に身を置く神行太保・戴宗。またの名を――『人間発電機』
ピタリと足を止め次いで突き出された戴宗の拳が、ブンという羽虫の様な音と共に薄い光を纏う。
その原理はムスカが背負うエレキテル――電磁誘導装置、それと同じ。
異なる点を上げるならば、
エレキテルの方はあくまで誘導装置であって蓄電はできても、それ自体では発電することができぬと言うこと。
そして逆に、戴宗の有する特異な能力はその名の通り自らの身体で以って電気を起こす事ができる。
その発電量。例えば目の前の総合病院。それが使用に必要とする量を賄うことも容易い。
戴宗の全身を駆け巡る電流は身体の中で螺旋を描き、強力な電磁力を発生させる。
そして、エレキテル同様に大気を操り戴宗は拳の先に電磁場によって作り上げた気の拳を纏う。
これが人間発電機と呼ばれる戴宗の力。名づけて――噴射拳。
彼は内に巡る膨大な電力を雷として発するのではなく、己が身体を武器とするために操る。
九大天王の中でも単純戦闘に特化した能力で、末席と言えど、こと単一同士の格闘戦となれば一、二位を争う。
仇敵であるBF団の十傑集においても、彼と格闘戦を演じられるのは衝撃のアルベルトのみと言われるぐらいだ。
その有形無形の圧力に、戴宗と対峙するムスカの頬に冷や汗が垂れる。
しかし、彼もまた伊達に神を名乗る男ではない。
一度効かぬなら二度目を。二度目も効かぬなら三度目をと、再び稲妻を空中に奔らせた――が!
彼の目の前で、戴宗が姿を消した。
放たれた稲妻は虚しく宙に霧散し残光だけを残す。
サングラスをかけているので、閃光に視力を奪われたなどということはない。しかし、見失った。
戴宗は何処に? 霞と消えたか。いや、彼はムスカの背後に立っていた――。
戴宗は常に人間発電機と呼ばれはしない。彼を呼ぶものは皆こう呼ぶ――神行太保、と。
神行法。それが今の一瞬の種明かし。
強力な電磁の力を脚へと転じればその脚力は常軌を逸し、駆ける速さは音の速さにも達する。
先に拳へと発した様に、気を足元に置けばその歩み神をも目を見張る。故に神行法。
この能力こそ、文字通り彼の右に立つ者は居ない。故に彼は呼ばれる――神行太保・戴宗、と。
彼がそれに気付くよりも疾く戴宗は拳を突き出し、ムスカに衝撃の一撃を見舞った。
神の鉄槌ならぬ、義憤の鉄拳。喰らったムスカはアスファルトの路上を何度も転がる。
次いで倒れた者を鞭打つように降り注ぐのは、爆散したエレキテルの残骸だ。
車に跳ねられた様な衝撃に、指一本動かせなかったムスカではあったが
この期に及んでなお彼の傲慢な姿勢は変わらず、あくまで不敵。その態度は崩さなかった。
「……き、貴様。神に向かって拳を振るうとはこの身の程しらず、め。報いを、受けるぞ」
対する戴宗は一つ嘆息すると、その手をムスカの額へと伸ばす。
「お前さんには、ちぃと眠ってて貰うぜ」
瞬間、電流が戴宗よりムスカへと流れ出し、その衝撃が不敵なムスカの意識を奪った。
「……やーれやれ、だ」
そう一人ごちると、戴宗は気絶したムスカと小さな遺体を抱え上げ目の前の病院へと入り込んだ。
◆ ◆ ◆
冷たいコンクリートの床の上。狭くて暗い物置の中にムスカの身体を横たえると
戴宗は彼が持っていた荷物の検分を始めた。
すでに死んでいた少年――エドの遺体はここではなく霊安室へと預けてきている。
そして、外道であるムスカの命を奪わないのは、何も情けからという訳ではない。
いるかどうかは知れぬが、あの少年の身内や仲間がここにいるやも知れない。
ならば、仇は譲るべきだと……そう考えた結果であった。そして、いなければその時こそ自分が討てばよい、とも。
「なんだこりゃあ……」
まず鞄に手を差し込んで最初に出てきたのが、大量のチョコレートだった。
確かにチョコレートはエネルギー豊富で、この様な状況ならばありがたいものかも知れなかった。
だが、大酒呑みの戴宗はどちらかと言えば辛党で、甘いものは好みではない。
「酒でも出てくりゃあ、ありがたいんだがなぁ……」
とは言いながらも、一つ包みを剥がしては口に放り込む。
世界最強候補の一人である戴宗ではあったが、ここに来てより何やら調子が悪い。
腹が減っているわけでもないというのなら、やはり酒抜きのせいかと戴宗は考える。
よもや何らかの術のせいかも知れぬが、そうなると戴宗には手が出ない。戴宗は根っからの武闘派だ。
「……言ってみるもんだな」
と、戴宗がバックから抜き出した手には一本の洋酒の瓶が握られていた。しかし――、
「空っぽかよぉ……」
残念ながら、もうすでに封は開けられており、中身も失われた後だった。
戴宗は他にもないかとバックを漁るがもう出てこず、空になった瓶を逆さに振るも一滴も酒は垂れてこない。
漏れてくるのは僅かに臭う山葡萄の香りのみ……。
「……未練だぜ」
考えれば、あの男はこの酒を飲んでいたのか。しかし、あのような妄言が飛び出すとはどんな悪酔いか。
どうせ碌なものではない――そう考えを切り替え、戴宗は酒瓶への未練を払う。
一通り検め終わると戴宗は曲げていた膝を伸ばし立ち上がる。
その手にはチャラチャラと音を立てる細長い投げナイフが幾本も握られていおり、
「こいつは没収……」という訳で戴宗のバックの方へと収められた。
戴宗は物置部屋を出る際に、床に投げ出されたムスカの方を見やる。
ピクリともしない。死には至らないが相当の電流を流し込まれている。
戴宗の見立てでは、気を取り戻すのに半日。それから身体を動かせるまでにもう半日。そういう按配だ。
それでも、一応と扉に安物の鍵を掛けて戴宗はその場を離れた。
「衝撃の旦那に、十傑集がもう一人。それなのに、こちらときたら俺一人かぁ……」
その上、まだまだ未知の存在が多数いるという……。最初に出会った男が男だっただけに気は滅入る。
せめて一清でもいれば釣合いが取れるのに、と考えても詮無き事。
「……まずは、酒だな」
暗澹たる思いを胸に、戴宗は病院を出て月夜の下を一人歩いていった。
【D-6/総合病院近く/1日目-深夜】
【神行太保・戴宗@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:若干の疲労
[装備]:
[道具]:デイバッグ、支給品一式(食料-[握り飯、3日分][虎柄の水筒(烏龍茶)])
アサシンナイフ@さよなら絶望先生×11本
戴宗に支給された何か(1〜3つ)※戴宗は確認しています
[思考]:
基本:不義は見逃さず。悪は成敗する
1.どこかで酒を調達したい
2.死んでいた少年の身内や仲間を探す
3.半日ごとぐらいにムスカの様子を見に病院へと戻る
最終:螺旋王ロージェノムを打倒し、元の世界へと帰還する
※登場時期は、アニメの1話開始直前です
◆ ◆ ◆
パタン……と、薄い扉が閉まる音がしてからしばらくのこと。
戴宗に痛めつけられ、ピクリとも動けなかったはずの男が弱々しいながらも身体を起こした。
「よ、よくも……あいつめ。私は神なんだ、ぞ」
サングラスの位置を直すと、男――ムスカは彼を痛めつけた東洋人が去った扉を睨み付ける。
「……しかし、幸運の女神はまだ私を見放してはいないようだ」
何故、ムスカが戴宗の鉄拳や電撃を受けたにも関わらず、こうも早く回復できたのか?
鉄拳の一撃は元よりそれ程の威力は込められてなかった。戴宗の目的はあくまで武器を奪う事をだったからだ。
しかし、次の電撃はそうではない。殺しはしないまでもそう簡単には回復できないだけの量を戴宗は込めた。
ムスカは自信の両の手の平を見つめる。エレキテルの力ではあるが、何度かここから雷を放ったのだ。
その雷――何故、ダメージになるのか? 答えは簡単。電気抵抗がそこに熱を生み出すからだ。
電流が全身を駆け巡ることによって発生する熱。それによって、一人の少年は命を失った。
そしてその雷を放ったムスカは、エレキテルのもたらす二次作用として電流に対する抵抗が少ない体質へと
変質していたのだった。
それは、エレキテルを装備し全身に電気を纏う者に対する、エレキテル装置そのものの電磁ガード。
その不可視のフェイルセイフが、あの時エレキテルが破壊された直後も身体に少し残っていたのだ。
結果、ムスカの身体を駆け巡った電流は地に拡散し、戴宗の意図したものよりもはるかに少ないものとなった。
何度か手を握り身体が動く事を確認すると、ムスカはズボンの裾に手を伸ばして、
隠し持っていた1本の投げナイフを取り出した。
僅かながらに焦げが浮いてはいるが、使用に当たっては問題ない。
「待っていろよ。神への反逆は、神罰を持って迎えられる事を貴様に思い知らせてやる」
そう言うと、ムスカは自分の鞄を背負いなおし、ナイフを片手に扉へと立ち向かった。
【D-6/総合病院・物置部屋の中/1日目/黎明】
【ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ(ムスカ大佐)@天空の城ラピュタ】
[状態]:激しく疲労、背中に打撲
[装備]:アサシンナイフ@さよなら絶望先生
[道具]:デイバック、支給品一式(食料-[大量のチョコレート][紅茶])、葡萄酒の空き瓶
[思考]:
基本:すべての生きとし生ける者に、ラピュタ神の力を見せつける
1.まずは、この部屋より脱出する
2.東洋人(戴宗)に復讐する
3.パズーらに復讐する
最終:最後まで生き残り、ロージェノムに神の怒りを与える
※エドワード・エルリック(@鋼の錬金術師)の遺体は病院の霊安室に移動されました
※エドワード・エルリック(@鋼の錬金術師)の荷物は病院の前の道路上に放置されています
あー、
したらばに投稿できるようになったんで
そっちに移動してくれ
才能とは、必ずしも本人が望むものが与えられるわけではない。
偏食家なのに料理が上手かったり、荒事が嫌いなのに腕っ節が強かったり、欠片の興味もないのに美的感覚に優れていたり。
本が嫌いなのに、『紙』が使えたり。
別に、紙が使えること自体を疎ましく思ってきたわけではない。ただ、違和感を感じる程度のことだ。
姉二人は、世間一般で言うところの所謂『ビブリオマニア(蔵書狂)』、それも真性。
好きこそ得意なれ、とは言うが、どんな本が好きだとしても、本の原質たる『紙』を自由自在に操れるわけがない。
好意的に解釈して、超能力。それでいて、異質。偏見の意を込めるなら、化け物。
誰に非難されたわけでもない。違和感は覚えど、不快感を得るような能力でもない。便利な力、そして仕事道具だ。
話はちょっと変わるが、昔の日本には、二宮金次郎という人物がいたらしい。小学校などによく置かれている、あの銅像の少年だ。
よくは知らないが貧しい家に育った農民らしく、勉強をする暇もなく労働に勤しむ毎日だったそうだ。
そこで金次郎は、薪を運ぶ移動時間に、本を読んで勉強することを考えたそうだ。なんという発想。
金次郎の像を初めて見たときは、そうまでして本が読みたいか、と別の意味で感心したものだ。
昔の人の考えることは分からない。異国であろうがなかろうが。
「……ねぇー、毎日そんなに本読んで、楽しい?」
満天の星空を険しい形相で睨みながら、気だるそうに声を漏らす。
問いかけの形式ではあったが、その対象は学校の校庭に佇む二宮金次郎の像――つまり、これは単なる独り言だ。
銅像である金次郎に、応答の手段はない。理解する頭もない。そもそも聞く耳もない。
「あたしの周りってさ、やたら本好きな人が多いんだよね。お姉ちゃんに、同居人に、友達に」
指を一つ一つ折りながら、その人数を数えてみると、ほとんどの顔見知りが本を好いていることが発覚する。
「……はぁー」
今さら、本当に今さらだが、みんなどうしてそんなに本が好きなのかな、と頭を捻った。
つい先日の話になるが、通っている中学校で授業参観があった。その日の授業のテーマが、読書感想文だったのだ。
最初は乗り気ではなかったが、友人に背中を押され、珍しく率先して本を読もうとした。
そして、拙いながらも感想文を書いた。大勢の目の前で披露もした。でも、やはり、
アニタ・キングは、本が嫌いだった。
「漫画ばっか読んでると馬鹿になるってのは聞いたことあるけどさ、本ばっか読んでるとウチのお姉ちゃんたちみたいにグータラになっちゃうよ」
――螺旋王ロージェノムによって開幕された、殺し合いという名のストーリー。そのオープニング後。
アニタは、どことも知らぬ学校の校庭に飛ばされていた。
見た目はアニタの通う西浜中学校に似てなくもなかったが、日本の学校など皆似偏った造りをしている。
アニタの隣でいつもと変わりなく本を読んでいる二宮金次郎とて、作り手が同一人物かは知らぬが、いくつの学校でこうしていることか。
分かるのは、ここが日本のどこか、もしくは日本の地形を真似て作り上げた舞台であるということのみ。
根拠はこの銅像だ。いくら金次郎が有名とはいえ、日本以外の国ににまで浸透しているはずがない。
じゃあ、あの螺旋王とかいうおじさんは日本人なのだろうか。いや、国籍などどうでもいい。
殺し合いとか、馬鹿じゃないの? アニタが抱いた感想は、それのみだった。
人が変身して、ビームを放って、それだけでも御伽話なのに、螺旋王は複数の無関係者を集めて殺し合いをやれという。
きっと、本の読みすぎなのだろう。孤島殺人事件とか、くだらないサスペンスものに影響されたに違いない。
紙上の創作物に感化されて、現実にまでそれを持ち込む。悪い意味で感受性豊かな人間はたまにいるが、これはその極みだ。
「さっさと帰りたいけど……ねねねぇ置いていったらミーねぇもマーねぇも怒るだろうしなぁ。っていうか、ねねねぇが一番怒る」
この地に飛ばされてからも冷静に――ただ状況を冷めて見ていただけだが――振る舞ったアニタは、現在位置、参加者、支給品、各基本情報を確認し、この先の指針を決めた。
結論として、殺し合いには乗らない。あの変身男のようなヤツとやり合う気など毛頭ないし、力のない弱者を殺めるのも気持ちのいいものではない。
だからといって絶望的になることもなく、とりあえず唯一の知り合いであり、警護対象であるねねねを捜そう、という結論に至った。
菫川ねねね。現役――現在は活動休止中だが――の小説家であり、アニタが住まう家の主。
アニタは香港でねねねと知り合い、半ば成り行きで、日本を訪れてまで彼女のボディガードを続けている。
三姉妹探偵社の末っ子として、お世話になっている世帯主を放ってはおけなかった。
……というのは建前。
「って言っても……ねねねぇどこにいんのかなー。あの性格からしてどこかに留まるはずはないと思うけど……」
気丈に振舞ってはいたが、アニタも本心では不安――いや、寂しがっていた。
桃色のショートカットにお団子頭。衣装は、白を基調として両肩と短パンにあずき色をアクセントとした、半袖の功夫服。
動きやすい仕事着が纏うのは、12歳という実年齢よりも若干幼く見える容姿。ミルクを溺愛し、ねねねにちびっ子と称されることもしばしば。
そんなアニタの肩は、どことなく縮こまっていた。
アニタは『紙使い』としての能力を活かし、これまでもスパイ映画に出てくるエージェントのような仕事を生業としていた。
人間の死に不慣れというわけでもない。危機的状況にも免疫がある。
だがさすがに、未知の人物に拉致され殺し合いを強要されたともなれば、動揺せずにはいられない。
ここはどこなのか、これからどうなってしまうのか、ねねねはどこにいるのだろうか、一人でいるのは寂しい、
首筋がひんやりして冷たい、他にはどんな人がいるのか、本当に生きて帰れるのか――
物事を客観的に見つめ、落ち着いた態度で常識人ぶるのは、アニタの精一杯の虚勢だった。
彼女の精神は、真の心は、酷く脆いビスケットのようなものだ。熱い抱擁がなければ、ふやけるか崩れるかしてしまう。
彼女を包むのは、ほとんどの場合において姉であり、最近は友人や同居人が加わり始めてきた。
要するに、アニタは強がりであり、同時に寂しがり家でもあるのだ。
ねねねと合流するという目的も、使命感に促されるよりは、安心感を得たいという意のほうが強い。
返事が返ってこぬことを承知で金次郎に話しかけたのも、また同様。
歳相応な本質に、歳不相応な取り繕いをして、ようやくアニタは自分を保つことができる。
「適当に歩いて捜すしかないか。できればねねねぇ以外、誰とも会いたくないけど……ゲッ」
やる気のない歩調で進み始めたアニタの願いは、一秒もしない内に打ち崩されることとなる。
◇ ◇ ◇
螺旋王の姿が闇に消え、目を瞑り――そして開き――次に視覚が捉えたのは、どこかの住宅街だった。
空の情景は闇夜、時計が示す時間は深夜零時。静けさに包まれた町々からは、人気が感じられない――だが。
(いるんだね……タカヤ兄さん。この会場の、どこかに)
相羽シンヤ――それは、過去に捨てた名。
今の彼は、ラダムのテッカマンエビル。悪魔の力を身につけた、邪悪なる復讐鬼。
もっとも、エビルの力を解放するキーであるテッククリスタルを取り上げられた今、彼はテッカマンであってテッカマンではない。
「螺旋王の言っていたことはどうやら本当のようだ。さて……ブレードの力を失った兄さんが、どこまで生き延びられるか……いや」
打ち消し、シンヤは支給された参加者名簿を目で追っていく。
そして、その名はあった。相羽タカヤ……という本名ではなく、『Dボゥイ』という呼び名で記載された、テッカマンブレードの名前。
兄にしてライバル。家族にして宿敵。シンヤが越えるべき壁。それがDボゥイだった。
「別れ際に放った言葉……まさか忘れちゃいないよね。兄さん、あなたは、僕が、殺す」
陰湿な呟きを続けながら、シンヤは幽鬼のように町を徘徊する。
この会場内のどこかに、相羽タカヤはいる。共振はできなくとも、兄弟間で流れる不思議なシンパシーのようなものを感じるのだ。
どこへ逃げようとも、どこへ隠れようとも、ブレードとエビルは必ずこの舞台で鉢合わせることとなる。予感ではない、確信を感じた。
シンヤの目的は実兄との決着であり、殺害だ。それ以外の他者に興味はない。
障害になるようなら排除。面倒そうなら無関与。Dボゥイを捜す足として使うのも良し。
だがその前に、まずは確認しなくてはならないことがあった。
螺旋王によって制約をつけられた自身の力、そして障害と成り得る他参加者の実力……ブレードとの戦いを円滑に進めるべく、シンヤはまずこの二つをリサーチをしようと思い立った。
「まずは、犠牲になってもらうとしよう。この地に集められた人間共と、この僕、その差を測る測定器としてね……」
◇ ◇ ◇
「まさか、いきなり子供に出くわすとはね。だが、僕の殺気に警戒できるほどには場慣れしているようだ……」
広く開けた校庭のど真ん中で、一人の男が悠然と構え、小柄な少女がそれと対峙していた。
ベーシックなジャンパーにジーンズというラフなスタイルの、長身の男性。
それと向き合っているのは、先ほど金次郎に別れを告げたばかりのアニタ・キング。
学校を出てねねねを捜しに行こうと決断し、いざこれからというときに出くわした、競争相手。
もちろん初対面の人物だ。初対面ではあるが、これだけは言える。
彼は、この殺し合いに乗っている。その証拠として、アニタを映す瞳に殺気を滾らせ、右手には凶器に成り得る剣が握られていた。
「誰、あんた」
「これから君を殺す男さ。それだけ知れれば、十分だろう?」
アニタの無愛想な質問を二言で切り、シンヤは駆け出した。
右手に構えた剣を平に向け、疾走の状態からいつでもアニタに斬りかかれる体制で迫る。
会話の余地なし、見境のない殺戮者だ、応戦しろ――アニタは即座に対応を切り替え、臨戦モードに入る。
むき出しの太腿――そこに備え付けられたホルダーから、数枚の紙を手に取る。
する次の瞬間、紙はアニタの手の中で脈動を始め、一秒もかけずに一本の棒へと姿を変えた。
既にシンヤはアニタの間合い付近まで踏み込み、ブレーキをかけている。同時に、剣の切っ先はアニタの顎下を狙い打った。
が、アニタが作り出した紙の棒が、寸でのところでそれを弾く。弾いた後も執拗にアニタへと刃を向けるが、それもまた弾く。
「こ……のっ!」
アニタは紙の棒でシンヤの剣を大きく払い、後方に跳躍して距離を取った。
シンヤは矢継ぎ早に連撃を繰り出そうとはせず、やや驚いた表情で、体勢を立て直すアニタを見やる。
「……へぇ、驚いたな。硬質化する紙、か。それが君の武器かい?」
「教えてやらないよーだ、べー」
舌を出し、アニタは嫌悪の意を込めてシンヤを挑発する。
シンヤその挑発に気を荒立てるよりもまず、虫ケラ同然と認識していた人間の子供が、思わぬ戦闘技術を持っていたことに感嘆した。
今の攻防、剣で斬りかかったシンヤに対し、アニタは数枚の紙を結合、棒状に変形させ、刃を交わした。
シンヤの繰り出す剣に反応したという点もそうだが、紙を武器とした点が、なにより興味深い。
そういう性質の武器なのか、それともそういう力を持った人間なのか、真実は定かではない。
『紙』を変形・硬質化し、自由自在にコントロールする――これこそが、『紙使い』と呼ばれる異能者の持つ術。
アニタと、ここにはいないアニタの姉二人も、ねねねの警護を担当していた三姉妹は、皆紙使いの能力者だった。
紙使いにとって、紙とは武器であり、防具であり、傀儡であり、愛すべき書物の源だ。
もっとも本嫌いのアニタはその枠から外れるが、優れた紙使いであるという点では変わりない。
しかも、三姉妹の中でもアニタは接近戦を得意とする切り込み役だ。刃物で武装した男を相手にする程度、恐れるはずがない。
とはいえ、
(……なんか違和感あるなぁ。いつもと違うっていうか……紙が思い通りになってくれない感じ)
普段使っている包丁の切れ味が急に悪くなったような……紙を操る際、アニタはそんな些細な違和感を感じ取っていた。
この違和感が、螺旋王が施した能力制限によるものであるということを、アニタが知るよしはない。
もっとも、アニタにとっての制限は本当に些細なもので、違和感を覚える、その程度でしかない。
マギーのように傀儡を操れるわけでもなく、紙の硬質化とそれによる近接戦闘を主とする彼女にとっては、この制限による支障はほとんどない。
だが、そもそもな話。
(……紙、足りん)
シンヤの剣に対応するため、リーチの長い棒を作り出したが、それだけでアニタの持つ紙残数は二割を切ってしまった。
紙、というありふれたものを武器にできる反面、何かしらの武器を形成する際には、それなりの枚数を必要とするのが紙使いの制約。
アニタが所持していたのは、参加者なら誰にでも支給されているであろうメモ帳の紙だけだ。
僅か百枚程度のそれに、一戦を凌ぎきるほどの活躍は期待できなかった。
(どうせなら、ケチらず家にある本全部支給してくれたらよかったのに)
姉たちが買い込んだ、無駄に多い書物の数々を頭に思い浮かべる。
数千冊の本の山に埋もれたときは、本当に死ぬかと思った。文庫からハードカバーまで、あの一冊一冊の本を紙に換算したとしたら、いったい何枚になることか。
考えただけで怖気がする。しかし、今はそれくらいの枚数の紙が欲しい気分だった。
「紙で戦う人間か……若干イレギュラーだけど、兄さんと戦う前の肩慣らしには……ちょうどいい!」
一瞬、笑みを零すシンヤ。余裕を見せる柔和な笑み――だがそれはすぐに変貌し、狂気を纏ってアニタに襲いかかった。
(――ッ!? は、はやっ!)
その速度は、初撃とは比べものにならない。
まるでさっきのは単なる小手調べ、と言わんばかりに、アニタの正面から剣を振るう。
反応するだけで精一杯だったアニタは、その薙ぎを弾くのではなく受け止めようとするが、
――紙の棒はものの一撃で壊され、無機質な紙に戻ってヒラヒラと宙に霧散した。
(ヤバッ!)
一瞬の交錯で、武器を失った。そして、剣撃はまだ来る。
アニタはたった一撃で窮地を感じ、顔を歪ませた。
次、斬り込まれたら、防げない――直感でそう感じてしまい、さらに反応が遅れる。
次、斬り込まれたら、死ぬ――悲観的なことに、そんな結論にまで行き着いてしまった。
死が訪れる瞬間は、たとえ一瞬のことであろうと感覚的にスローで感じると、以前テレビかなにかで見たことがある。
今が正にそんな状況だ。両者の間に数枚の紙が舞う中、確かに動き、アニタに接近する剣、その刃。
あれがアニタの皮膚を裂き、あるいは肉を貫き、やがては骨を断ち、命を奪う。
駄目だとは思いつつも、グロテスクなイメージ映像が連想され続け、そして果てには、
(ミーねぇ! マーねぇ!)
走馬灯の下準備でも見せるかのように、家で待つ姉たちの姿が脳裏に映し出された――
『……まぁ〜! まーまーまーまーまー! 見て見てマギーちゃん! この本屋さんの山! どこから見るか迷っちゃう〜』
『姉さん……あそこと、あそこも……あとあそこの向かいと、あそこの斜向かいと、あそこもそう』
『本当だわ〜! もうここには本屋さんしかないみたーい!』
『……そんなに慌てなくても……本屋さんは逃げないよ』
『逃げないけど、夜になったら閉まっちゃうじゃない!』
『大丈夫だよ……今日は二人だけだから、ゆっくり見て回れる』
『そうね、アニタちゃんもいないことだし……このお店に置いてある本、全部ください!』
あぁ、見える……神保町を駆けずり回り、全財産を使い果たして街中の本屋を廻る姉たちの姿が……
そうして姉たちが訪れた本屋は売り物をすべて買い占められ、営業不可能となって潰れる。それが一件、また一件……
やがて神保町は営業停止の本屋だらけの廃れた町となり、姉たちは一生本を読むだけで、それ以外に関しては怠惰な生活を続けるのだ……
――【R.O.D -THE TV- BAD END】
(って、ふざけんなッ!!)
恐ろしすぎる未来図によって意識を覚醒させられたアニタは、無意識の内に太腿に手をやっていた。
残り二十数枚の紙、それらをすべて解き放ち、目の前のシンヤへと放つ。
中途半端に硬質化した紙々は、吹雪のような勢いを伴って正面からシンヤを襲う。
アニタの起死回生の反抗に怯んだシンヤは、僅かに剣を振るうの速度を落とした。
その隙を縫い、アニタは身体を屈め前転。シンヤの股下を潜り、再び距離を取る。
「……やってくれる」
そんなこともできるのか、と感心半分、よくもやってくれたな、と怒気半分で、シンヤは纏わり付いた紙を払いつつ、アニタを睨む。その頬には、微かだが血線がついてさえいる。
ラダムに見定められたテッカマンであるシンヤを、このような人間の子供が……シンヤを包む怒気の割合は徐々に激しさを増し、殺気から遊び心を除去していく。
相手を怒らせた。アニタはそう確信し、次はもっと鮮烈な一撃が来るだろうとも予想した。
紙の残量は――もしものときの切り札として、服と短パンの間に忍ばせた『名簿』を除けば――ゼロ。
そろそろ引き際か、とは思うものの、一歩後ずさるごとに、シンヤから感じる殺意の念は拡張していっているような気がする。
このままいけば、飲み込まれるのも時間の問題か。アニタは足が竦む前に、どうにかこの場を切り抜けようと判断した。
アニタとシンヤ、両者が三度交戦するかと思われたそのとき――
「こんばんはぁ〜♪」
――アニタのものでも、シンヤのものでもない。まったくの外野から、ひょうきんな声が届いた。
その声質のあまりの場違いさに、アニタとシンヤは同時に左方へ振り向いた。
そこは、ちょうど校庭の出入り口となっている裏門。そこに、銃を構えた男性が立っていた。
細身すぎる体に、医者というよりは科学者を思わせる白衣。
知的な格好に相応しい眼鏡をかけ、表情は意図を掴ませぬ――悪く言えば不気味なほど――にこやかだった。
白い歯を露出して、健康的に笑っているのではない。口は閉じたまま、何かしら企んでいそうな不快な笑み。
そして、銃を持っている。銃口が狙うのは、もちろん校庭に対峙している二人の男女だ。
怪しすぎる闖入者にアニタとシンヤの二人は一旦互いに対する警戒を解き、改めて、白衣の男を警戒し直した。
「あれぇー、お邪魔だったかなぁ?」
「誰だ、おまえは?」
「おじさん、誰?」
双方から名を訊かれ、白衣の男は声調も表情も態度もまったく変えずに答える。
「あ、僕? 僕はロイド・アスプルンド。ブリタニア軍に所属するしがない技術者です。どうぞよろしくー。
ああ、あとそれからアニタ・キングくん。僕はまだ29歳だから。おじさんは遠慮してほしいなぁ。
それからそっちは、相羽シンヤくんだね? 年上の人には敬語を使ったほうがいいよ。見ず知らずの人にもね」
仮にも銃を構えている人間が、こうも恐ろしく感じないのはなぜだろうか。
ロイドと名乗ったその男は、以前飄々とした態度のまま、二人の名を添えて語りかける。
「ちょっと待った。今、あたしの名前……アニタって」
「おもしろいね。僕はあんたなんて知らないが……どこで僕の名を?」
アニタ・キングと相羽シンヤ。この二人は互いに名乗ってもいなければ、もちろんロイドと顔見知りというわけでもない。
ロイドが二人の名を言い当てることができたのは、いったいどんな手品なのか。二人の興味はその種に向いた。
特にシンヤは、ロイドがこの会場内で唯一自分の名を知る人物、Dボゥイと面識があるのではと期待したが、
231 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:26:09 ID:gkv/+3rc
「ん〜? なんてことはないよ。僕の支給品の中に、君たちの顔写真が入っていただけさ。
君たちの反応を見るに、アレの信憑性は確かなようだね」
ロイドが明かした種の内容に、シンヤはつまらなそうに顔を顰めた。
「……で、用件はなんだい? まさか、考えもなしに僕たちの戦いに割って入ったわけじゃないだろう?」
「おじさんも、この変な殺し合いに乗っちゃったクチ? 銃持ってりゃあたしたちのことも楽に殺せるとか思ったわけ?」
二人にとって、ロイドは試合中のリングに乱入した傍迷惑な観客でしかない。
このまま飛び入りでバトルロイヤルへと移行するならそれも結構。三竦みの状態で、各々攻撃体勢に移るかと思われたが、
「殺し合い? 僕が? まっさかぁ。興味ないね。この銃は単なる自衛のためさ。撃つ気なんてないよ」
張り詰めた空気をぶち壊すかのごとく、ロイドは甲高い声で苦笑して見せた。
その独特のペースに、アニタもシンヤも調子を崩されっ放しだった。
よく言えば無害そうな、悪く言えば癪に障るロイドの態度。言葉の中に真意が含まれているかも分からず、掴みどころがない。
下手に相手をするのも面倒だ。そう考え至った両者は、
(……無視しよう)
(……始末するか)
まったく方向性の異なる対処法を定め、行動に移そうとする。
しかし、シンヤの殺意の矛先がロイドに変わる寸前で、彼は思いも寄らぬ言葉を口にした。
「殺し合いなんかに興味はないけどね、現状の奇妙な境遇には興味深々だよ。特にこの首輪」
そう言って、ロイドは銃の握り手とは逆の手で、自身の首に嵌っている機械を小突いた。
「触ってみた感想だが、どうにも単純な金属で作られているとは思いがたい。
まぁ繋ぎ目がしっかりあるから作りは案外単純なのかもしれないけれど、
本当に螺旋王が言うほどのシステムがこの首輪の中に凝縮されているんだとしたら、ぜひ覗いてみたい。
ちょーっと分解して調べてみようと思ったんだけど、自分の首に嵌ってるのじゃどうにも作業しにくくてね。
そこで、君たちに声をかけたわけさ。悪いようにはしないから、僕にちょこっとだけ……」
「首輪を弄らせろって?」
「そのとーり!」
「ふざけんなッ!」
「いやぁお恥ずかしぃー!」
首輪をちょっと分解してみる、と簡単には言うが、その機能は爆弾だ。
下手に弄れば誘爆は免れない。それを、自分のじゃやりにくいからという理由だけで、他者に提供してくれなど言語道断。首をよこせと言っているようなものだ。
洒落で言っているのか本気で言っているのかは知らないが、アニタは割と真面目にロイドを怒鳴っていた。
しかし、ロイドをこの場にそぐわぬ邪魔者として排除しようとしたシンヤは、
「へぇ……おもしろいね。まるで、この首輪を片手間で外せるかのように言ってくれる」
意外にも、ロイドの言葉に新たな興味を示した。
「ロイドと言ったね。本当にこの首輪が外せるのかい?」
「自信はあるけど、サンプルを入手して一度構造を確かめてからのほうが確実性が高いね」
「サンプルか……つまり、自由に弄くれる、人の首に嵌っていないモノが欲しいと。なら、僕が今すぐ用意してあげてもいいが……」
チラリと、シンヤは横目でアニタの首下を見やる。
襲い掛かってきたときのような、強烈な眼光ではない。だが、その不気味具合はこれまでとは比較にならない。
食い入るような視線は、アニタではなく、あくまでもアニタの首輪にいっている。それ以外は邪魔、とでも言いたげな風だ。
このままでは、『首から首輪』を外すのではなく、『首輪から首』を外しかねない。
本能でシンヤの目論見を悟り始めたアニタの肌は、次第に冷や汗を帯びてすらいた。
「あー、それは困るなぁ。僕はこう見えてフェミニストでね。女の子には紳士的なんだ。
殺し合いに興じるような野蛮な人間ならともかく、女の子の首から採取したサンプルなんかじゃ、いつ手元が狂うとも限らない」
注釈のように添えたロイドの言葉が、シンヤの視線をアニタの首下から逸らした。
そして……シンヤの表情は一瞬あ然とし、徐々に笑みを纏い出す。
「ふ……ふふっ、ははははは。そうか、なるほど。それなら仕方ないな。じゃあロイド、こうしよう。
僕はこれから、君の分解作業を手伝うために、首輪のサンプルを手に入れてくる。君はここでそれを待っていてくれればいい。
そのかわり、もし首輪の解除が可能になったら、真っ先に僕の首輪を外して欲しい。どうだい?」
「交換条件で協力してくれるということかい? なんだか僕的にオイシイ条件ばかりで悪いなぁ。それじゃあお願いするよ?」
シンヤは剣、ロイドは銃をそれぞれ納め、約束を交わした。
首輪を提供するかわりに首輪を解除するという……裏に潜む思惑が計り知れず、決して関わりたくはない協定だった。
ロイドとの約束を取り付けたシンヤは、去り際にアニタを一瞥し、小さな声で「運がよかったね」と零した。
アニタは返答することもなく、ただ遠ざかっていくシンヤの背中を見送った……。
◇ ◇ ◇
終わってみれば、特に負傷したわけでもなく、疲れ果てたわけでもなく。ただメモ帳の紙を失い、気づかれしたくらい。
これを安く見るか高く見るかは、相羽シンヤの正体を知らぬアニタには判断がつかない。
が、あれがシンヤのすべてだとは思い難かった。ロイドの横槍が入ったからいいものを、あのまま続ければ、紙のないアニタは確実に……
「あー! もうムカツクー!」
「酷いなぁ。仮にも命の恩人に対して、ムカツクはないんじゃないの?」
シンヤが去った後、アニタとロイドは校庭に残り――紙を拾っていた。
このゲームでは、武器とて有限ではない。再利用の効くものは、極力リサイクルする必要があった。
その紙の回収作業にロイドが付き合っていたのは、単にシンヤが戻ってくるまでの暇潰しに他ならない。
「別におじさんに言ったつもりじゃないけどさ……それより、本当にここに残るつもり?」
「だからなんども言うけど、僕はまだ29だから。おじさんは失礼だから。
彼が戻ってくるまではここにいるつもりだよ。勝手にここを離れたら、今度は僕が殺されそうだからねぇ」
「そうは言うけどさ、アイツがどっかで誰かを殺して、本当に首輪を持ってきたらどうする気?
それからあたし12。おじさん29。倍以上。十分おじさんじゃん」
校庭に散らばった紙を回収し終え、ロイドはそれをアニタへ渡す。
くしゃくしゃになったり砂塗れになってしまったものばかりだが、使う分には問題ない。
紙を渡し終えると、ロイドは含みのない穏やかな笑顔でアニタへと言葉を続けた。
「そのときは、ありがたく分解させてもらうよ。中身が分かれば解体する自信はあるしね」
「……それ、マジで言ってるの? アイツが持ってくるのは、そこら辺に落ちてる首輪じゃない。
誰かを殺して、誰かの首を切って、そっから持ってきた首輪だよ!?
おじさんがあんなこと言ったせいで、誰かがアイツに殺されるかもしれないんだよ!?」
「それはそうだけど、あの場を切り抜けるにはあれしかなかったと思うけどなぁ。
彼に目をつけられた人には悪いけど、それは仕方がないことだよ。止められなかった僕らが悪い。
それに、一応これは殺し合いだよ? まさか、正義とは何かなんて恥ずかしい議論をふっかける気じゃあるまいね」
痩せ細った身体に平和ボケしたような笑顔を常備しているロイドだが、彼はこれでも軍人だ。
平和が綺麗事で片付かないことは重々承知しているし、生き死にがどれだけ不条理なものかも知っている。
おじさんという呼称を甘んじて受けるわけではないが、アニタにとって、ロイドのスタイルは悪い意味で大人すぎていたのだ。
「君に彼を止めることはできないよ。不思議な力を持っているらしいが、たぶん彼はそれ以上だ」
「それでも……」
「僕は一応、爵位持ちの貴族でね。フェミニストを語る気はないが、女の子をみすみす死にに行かせるつもりはない。
それに、殺し合いに乗らないにしても、君は君でやるべきことがあるんじゃないの?」
アニタには嫌味に聞こえたが、ロイドの表情には曇りがない。それだけ正論だということだ。
もちろん、アニタにだって優先すべき事柄はある。ねねねを捜し出して一緒に帰るという目的が。
赤の他人にピンチが訪れるかもしれない、などという程度のことに、首を突っ込んでいられない。
その間にねねねが誰かに殺されそうにでもなっていたら、後悔するのは、きっと自分だ。
「……割り切れとは言わないさ。君はまだ子供だ。子供は子供なりに、頼りがいのある大人でも見つければいいさ。
ああ、僕を頼るのはやめておくれよ? 僕はただ、面白おかしく未知の文明に触れられればいいから……ってあらぁー!?」
ロイドの言葉を最後まで聞かず、アニタは学校を出ようと歩き出してしまった。
その顔はどこか俯いて――いるかに見えたが、すぐに前を向きなおし、普段の溌剌な表情を取り戻していた。
まずは、ねねねを捜す。後悔したくないから。話はそれからだ。
「ちょっと待った! 行くならこれを持っていくといい!」
「ん? …………ゲッ! 本じゃん」
去り際、ロイドはデイパックから一つの書物を取り出し、それをアニタに放った。
掴み取ったそれは、やや大型なハードカバーの本。スカイブルー一色の表紙に、見慣れぬ文字のタイトルがついている。
中を開いてみるが、やはり難解な字面が広がっているだけ。なんの本なのか、アニタには理解不能だった。
「君にとって紙は重要なものだろう? ならそれあげるよ。僕が持っていても意味のないものだしね」
「……ありがと。でもこれ、なんの本?」
「あいにく、僕もその本に書かれている字はお目にかかったことがなくてねぇ。どんな本か興味があるのかい?」
「……まさかっ」
アニタは適当な礼だけを残すと、その本をデイパックにしまいつつ、校庭を後にした。
それを最後まで見送って、ロイドは校舎へと向かう。アニタの行く先を案じるような、優しい眼差しを残して。
◇ ◇ ◇
「……やはり、なんらかの手で力を抑制しているか。この分じゃ、テックセットしたとしてもどの程度までやれるか……」
校舎を背に、シンヤは住宅街を東に行く。
先ほどの紙使い、アニタとの交戦。シンヤの胸中には、相手の予想外の実力と変則的な戦闘方法よりもまず先に、自身の力の衰えを感じていた。
テッカマンになれずとも、シンヤは既に人間の枠を外れた存在だ。筋力、敏捷性、反射速度、どれも常人のそれを逸脱している。
だがそれも、なんらかの働きかけによって無意識の内にセーブされてしまっているようだ。
女子供の入り乱れるこの会場で、参加者たちが均等に殺し合えるよう、螺旋王が施した処置なのだろう。
ブレードとの手加減なし、全力での死闘を望むシンヤにとっては、厄介きわまりない。
「僕が望むもの……それは、兄さんを殺すことだ。それも、闇討ちや騙まし討ちじゃ意味がない。
力と力。ブレードとエビル、テッカマンとしての決着でなければ価値はない」
そのために成さねばならないことは三つ。
テックセットするために必要な、ブレードとエビル、二人分のクリスタルの入手。
Dボゥイこと、相羽タカヤの捜索。
そして、この忌まわしい『制限』の解除。
「兄さんが早々に死ぬとも思えないしね……まずは、面倒な方から片付けていくとしよう。
お楽しみはラストだ。そのときまで兄さん、せいぜい無茶をしないでくれよ」
一つの仮説として、シンヤは我が身にかけられた制限が、首輪の拘束によって齎されていると考えた。
根拠もない仮説中の仮説だが、首輪の存在はどちらにせよ疎ましい。
あのロイドという人間が利用できるなら、あえて使ってやろう。仕事を終えた後の処遇は……もちろん決まっているが。
夜、空はまだ暗い。
ゲームは始まったばかり。
これから朝が開け、日が頂点に昇るまでに、何人が死に、何人が涙を流すのか。
そして……相羽の兄弟が拳を合わせるときは、本当に訪れるのだろうか。
【B-6・学校敷地内/一日目/深夜】
【ロイド・アスプルンド@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康
[装備]:ニードルガン(残弾10/10)@コードギアス 反逆のルルーシュ
[道具]:支給品一式、携帯電話
[思考]
1:シンヤが戻ってくるまで校舎内を探索。
2:シンヤが持ってくる首輪を分解してみる。
3:その他、おもしろそうなものを見つけたら調べてみる。
4:スザクとの合流。
【アニタ・キング@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:紙×100
[道具]:支給品一式(メモ帳なし)、ハイドの魔本@金色のガッシュベル!!、不明支給品1〜3個(本人は確認済み。紙に関するものは入っていない)
[思考]
1:ねねねを捜す。進路は南。
2:どこかで紙を入手する。多ければ多いほど良い。
[備考]:
※参戦時期は6〜11話、ねねねが読仙社に攫われる以前。読子との面識はありません。
【B-6・学校付近/一日目/深夜】
【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:右頬に掠り傷
[装備]:アースの剣@金色のガッシュベル!!
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2個(本人は確認済み)
[思考]
1:適当な参加者を殺し、首輪を手に入れる。進路は東。
2:制限の解除。入手した首輪をロイドに解析させ、とりあえず首輪を外してみる。
3:テッククリスタルの入手。
4:Dボゥイの捜索、及び殺害。
【ニードルガン@コードギアス 反逆のルルーシュ】
ゼロ愛用の銃。
セラミックと竹を使用しているため金属探知器では探知できない。
しかしその威力はかなりのもので、通常の銃と同様にうまく当たれば死ぬ。
【携帯電話】
全参加者の画像データが入っている模様。それ以外の機能に関しては詳細不明。
【ハイドの魔本@金色のガッシュベル!!】
アニメオリジナルキャラクター、ハイドの魔本。色はスカイブルー。
記載されている呪文を読めば、持ち主であるハイドは呪文が使えるが、このロワにはハイドは出ていないので無意味。
ガッシュやビクトリームのものとは違い、普通に燃える。燃えたらハイドは魔界に送還されるものと思われる。
ちなみにこのハイドというキャラ、アニメ14話を最後に一切本編に登場しておらず、魔界に送還されたか生き残ったかも描写されていない。
【アースの剣@金色のガッシュベル!!】
百体の魔物の一人、アースが持つ剣。
二等辺三角形の巨大な刀身に柄を付けた、西洋のものとも東洋のものとも言えないフォルムをしている。
斬らずとも、触れた魔物の力を吸い取る効果がある。それ以外は普通の剣。
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:47:24 ID:HXu9QbDB
51レスってwwwwwwwww
限度あるだろwwwwwwwwwwwwwwwww
モノレールの駅のベンチに人影が一つ。その美しい銀髪が風によってなびいていた。
「どういう事なのよ、もう…」
白い雪のような少女、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは考えを巡らせていた。
あのラセンオウとかいう奴は私達に殺し合いをさせると言っていた。
しかも勝ち残れば願いを叶えるとも。人数や環境こそ違うが、かつて私が参加した聖杯戦争と同じような状況だ。
だが私はこんな殺し合いに乗るつもりはない。アインツベルンの悲願はあくまでも聖杯を手に入れる事であって願いを叶える事ではないからだ。よって乗る必要もない。
それでも、この戦いに乗る人間は他にいるだろう。生き残る為には戦わなければならないかもしれない。例え寿命が短かろうと私が殺されればシロウは怒り、そして悲しむと思うから。
「でも私1人じゃちょっときついかな…」
今の私は聖杯戦争当時のような有利な状態じゃない。
確かに私自身優れた魔術師ではある。しかしあのラセンオウに向かっていき、命を落とした男のような驚異的な戦闘力を持っている訳ではない。そして何より聖杯戦争を共に戦い、全幅の信頼を置いていた、あの鉛色の巨人はもはやいないのだから。
これ荒らしじゃねーか?
「はぁ〜…シロウが近くにいればいいんだけど」
シロウは今何処にいるのだろう。ここに転移される前は確かに隣にいた。凄い形相でラセンオウを睨んでいたのを覚えている。この状況だとやはりシロウを見つける事が最優先事項だろう。今一番信用出来るのは自分の兄であり弟でもある赤毛の青年、エミヤシロウだ。
「うん、まずはシロウ探そ。後の事はシロウを見つけてから一緒に考えればいいもんね」
ようやく行動の指針を纏め上げ、座っていたベンチから勢いよく立ち上がり荷物を手に取る。
「さて、シロウを探すにしてもまずは私がいる場所とシロウが行きそうな場所、何より支給品の確認をしとかないとね。私が扱える物があればいいんだけど」
ごそごそと中身を探るとチクリとした痛みが指先に走った。
「あいた!」
慌てて手を出すと少し血が出ている。今度は気を付けて手を突っ込み、恐る恐るそれを取り出してみると何かの欠片のようだった。
「何だろう?少し魔力を感じるけど…鏡…の欠片かな」
とりあえず60秒ほど時間が空いてれば普通に投下できるからもう少し早くても大丈夫なんだぜ支援
微弱な魔力は感じたが使える程ではないので再び中に戻し、今度は違う物を取り出す。
次に出てきたのはゴツい一振りの剣だった。先程の欠片とは違い、それなりに大きな魔力を感じる。
しかし自分が振り回すにはいかんせん大きすぎた。その上妙な術式が付与されているのも見てとれる。
(変わった魔術礼装ね。こんな術式見たことないわ。どんな効果なのかしら)
と調べている最中
「やぁ、そこのお嬢さん。こんな所に一人で大丈夫かい?」
唐突に声を掛けられ、咄嗟にその剣を握り後ろを振り向いた。が
「……誰?」
そこには割と珍妙な格好をした金髪の男が立っていた。しかもアゴが割れている。それなりに濃い顔つきだ。
「オイオイ、私が誰かって?絶世の男男子、イタリアの俳優…パルコ・フォルゴレさ!!知らないかい?」
「ふ〜ん…知らないわ」
ビシリ!
フォルゴレはショックを受けたのか一瞬硬直した。だがすぐ立ち直ったようで
「それは残念。これから覚えていてくれると嬉しいね」
などと言ってきた。変な奴だが悪い人間にはまず見えない。だがひとまずは警戒を解かずに接する事にしよう。
「それで私に何の用なの?私を殺すつもりなら止めた方がいいわ。こう見えても私強いんだから。この殺し合いに乗るつもりはないけど襲われたら容赦しない。シロウに会うまで殺される訳にはいかないんだから」
これはハッタリだ。今の状態と持ち物じゃ武器次第で一般人にも殺されるかもしれない。
「いやいやいや!私もこんな戦いには乗っていないよ?地図を見たら近くにモノレールがあったから使おうと思ってね。そしてここに来たらお嬢さんがいたのさ。一人じゃ危ないかもって声を掛けたんだけど…アハ、アハハハハ」
するとフォルゴレという男は焦り始めた。今のデマカセを信じたらしい。この様子だと強力な力を持っているわけでもなさそうだ。この分だと警戒は解いてもいいかもしれない。
「わ、私は知り合いを探しているんだ。高嶺清麿とガッシュ・ベルという名前なんだが」
それにしても…
「そういえばお嬢さんも誰かを探してるみたいだね。確かシロウに会うまで…と言ってたし。」
よく喋る男だ。
「おぉそうだ、お互い人探しみたいだし二人で一緒に探さないかい?その方が殺し合いに乗ってる人にも襲われにくいだろうし」
なるほど。要約するとこのフォルゴレという男は私と二人で行動したいようだ。確かにフォルゴレの言う通り一人で行動するのはあまり得策じゃない。ならば答は一つか。
「…いいわ、一緒に探しましょう。私の名前はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。シロウを見つけるまでよろしくね」
するとホッとした様にフォルゴレは笑い、
「そ、そうか!ではよろしくな、お嬢さん。なに安心したまえ。いざという時はこの鉄のフォルゴレが体を張って君を守るさ!」
などと宣った。ジッと観察して一言述べてみる。
「…震える足で言ってもあまり説得力ないわよ?」
「そ、そんな事はない!私は無敵のフォルゴレだぜ?」
こう言いつつも実はフォルゴレ、内心ビクビクである。
(こ、怖かった。声を掛けたらいきなり剣を向けられるんだからな。王を決める戦いよりもとんでもない事に巻き込まれてしまった…)
これから先を考えると途方に暮れそうなので、まずはイリヤスフィールに頼み事を伝えておくとしよう。
「一つ頼みがあるんだが聞いてくれないか?」
「え、何?」
「私に何かあったらこういう歌を歌ってくれないか?…〜♪」
「え〜」
かくして他愛ない会話を行いながら二人は互いの探し人を見つける為に共にモノレールを待つのだった。
【D-1/モノレールの駅ホーム/1日目-深夜】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル
[道具]:支給品一式、未確認支給品×1、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル
[思考]:シロウ何処かな?
行動方針:シロウに会うまで絶対生き残る
[備考]:魔鏡の欠片は3つ揃わないと意味がありません。残りも支給品として配布されている可能性があります。
お互いの探し人の情報を交換しました。
フォルゴレの歌を教えてもらいました。
【D-1/モノレールの駅ホーム/1日目-深夜】
【パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュベル】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、未確認支給品×3(本人確認済)
[思考]:殺し合いは恐いがイリヤスフィールを守る
行動方針:清麿とガッシュを探す
[備考]:お互いの探し人の情報を交換しました。
715 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 01:31:52 ID:WO0GNVOv
softbank219209194156.bbtec.netもGのIPのようですね。
48 :名無しセカンド:2007/09/01(土) 00:40:07 HOST:softbank219209194156.bbtec.net
【スパイラル〜推理の絆〜】
【美少女戦士セーラームーン(シリーズ)】
【ゼロの使い魔(シリーズ)】
【School Days】
【舞-HiME 】
716 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 02:21:23 ID:7aC3fYsG
どうでもいい
717 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 02:41:28 ID:GVBAWLhS
ディベート能力が必要な場では100%勝ち目が無いことを悟れよwwww
718 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 04:09:27 ID:WO0GNVOv
福島県〜埼玉辺りに住んでいる
219.209.194.156も同一のIP
ところでこのsoftbank219209194156.bbtec.netってIPを検索すれば分かるが、他のスレでも大概な荒らし行為を繰り返している。
被害を纏めて通報すれば何とかなるレベルかもしれんよ、マジで。
719 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 04:38:30 ID:GVBAWLhS
ググった。
…おいおい、こりゃ真性だな。
720 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 10:26:42 ID:WO0GNVOv
931 :host148-65-static.48-88-b.business.telecomitalia.it:2007/09/11(火) 00:57:57 ID:KCTATE+C
Rintaro Uchida
僕もラフィネ嬢と結婚したいです。
937 :softbank219209194156.bbtec.net:2007/09/12(水) 13:30:50 ID:UelfbQtL
Rintaro Uchida
闇の入口が見つかりません。
何か間違ってますか?
940 :209-128-75-180.bayarea.net:2007/09/13(木) 10:45:40 ID:SEDHyiYU
Rintaro Uchida
闇の入口が見つかりません。
何か間違ってますか?
フシアナトラップにひっかかる内田倫太郎君の図。
「あれ? 串刺したまんまじゃアクセスできないのか!?」と素ホストに切り替える慌てよう。
721 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 10:26:51 ID:7aC3fYsG
また活性化してきたねここ。交流所以外でどこで暴れてるの?
722 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 10:37:39 ID:WO0GNVOv
125.214.158.190
茨城の(特に日立地域)町BBSを中心に出没している一行荒らし
そして、それを避難する発言を「削除依頼」したのが
softbank219209194156.bbtec.net
芋の弦のようだ。
>>721 アニロワに粘着してる。
削除板で暴れて自爆していたIPがsoftbank219209194156.bbtec.net
茨城だったって
内田倫太郎か
内田林太郎じゃね?
闇の入口ってなんだろ
さあ
ここは内田倫太郎を登場させる流れでいいのか?
296 :
ぐだぐだ:2007/09/26(水) 23:56:06 ID:cNkZx5Z7
924 : ◆AZWNjKqIBQ:2007/09/26(水) 15:30:03 ID:dtXmGvOo0
質問に答えてくれた方は感謝。
前々から気になっていたんでね、ここに人がいる時に聞いておきたかったんです。
で、自分の意見を述べると……、
支給品を重複させることについては、程度の問題ではあるけど抵抗はない。
似たようなものばかりだと、展開も似かよりがちなる――こともあるかも知れないけど。
逆に、同じ物が複数あることでしか生まれない展開も存在する。
それは、一つの傷から同一の武器を持った人間があらぬ疑いをかけられたりとか。
一つだけでは達成できないが、二つあったことで達成できたという展開だったり、
同程度の実力者がそれぞれに同一の獲物を持つ事で生まれる僅差の戦いだったり、
他にも、同じものをそれぞれが持っていることによる心の繋がりであったり……。
と言う事で、全体で150ほど支給品があるとしたら、その内の3,4個に収まるぐらいならよいかなと。
一人の書き手としては、話の取っ掛かりとなる『特異』な部分が増えることに関してはむしろ歓迎。
不死者なんかにしても同様。イレギュラーな存在はそれ自体がネタの元になるから。
リレー企画としては、
意図を隠してなお物語りが狙い通りに進んで、「計画通り!」と言うのもよいし。
逆に全く想像もしていなかった展開を見て、「さすが、○○!俺達に(ry」というのも楽しい。
何が言いたいかと言うと、まぁ要するにちょっと用心しすぎじゃないかなと。
完結を前提としているせいか、無闇に無難な方、無難な方へと誘導してる感じがするよ。
超展開は論外かも知れないけど、書き手の裁量権にまで踏み込まれると臆する人も出てくるだろうし。
>>916 情報交換と記憶吸収を混同はしていませんよ。
あくまで書き手の視点から見た場合の、フラグや情報の移動の手間について似ていると言っているだけです。
今回、投下したムスカが不死者になるネタは撤回します。
意図は見え見えであったとしても、公言した段階ですでにメタレベルのフラグになってしまいますからね。
それは自分の好むところではありません。
したらばの仮投下スレに修正案を投下するので、そちらの方をよろしくお願いします。
てかもう(仮)投下スレで全部やれよ
迷惑だな
同意
1045 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:33:28 ID:???0
んー、毒というほどキツクはないが、本スレで言うのは憚れるのだが……
氏、ちょっと改行が多いかな、と思った。ソコまで酷いレベルじゃ無いけど。
もうちょい少ない方が文章が締まって読みやすくなると思うんだよね。
ただ、どこまで少なくするかとかは、好みなんかがあるから自身で試行錯誤するしかないのだけれど。
1046 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:36:10 ID:???0
>>1045 その書き込み読んでちょっと思ったが
内容じゃなくて文章力に関して専門に指摘する場所が
欲しいな〜とか思ったり。
1047 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:37:27 ID:???0
つ「批評スレ」
最近過疎ってるけどな!
1048 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:40:04 ID:???0
批評スレなんてあったのか・・・
1049 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:45:00 ID:???C
批評スレは基本書いた本人が持ち込む場所だからねぇ
指摘、ってなるとなぁ……SS初めて書く、って人が結構多かったしここにあってもいい気はするが
1050 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:47:11 ID:???0
本人からすりゃ大きなお世話って感じだと思うけどな
1051 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:50:03 ID:???0
人によるんだよなあ……
ただ、主観で悪いが、良書き手さん方は「まっとうな指摘」であれば、指摘されるのは吝(やぶさ)かでは無い気がするよ。
1052 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:52:20 ID:???0
さじ加減が難しいよな
やたら上から目線じゃダメだしかといって下手に出すぎてもダメ
とりあえず俺には無理だw
1053 :やってられない名無しさん:2007/09/26(水) 23:54:56 ID:???0
いやだから勝手に他人のSSを言い方悪いがダメだしするスレってどうよ
批評スレはそういう覚悟のある人だけがお願いするもんだし
1054 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:03:00 ID:???0
>>1053 普通に失礼全開になりうるので難しいところ。
つか、予約合戦激しすぎてワロタ
狙い固まりすぎだろ常考www
1055 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:03:02 ID:???0
うん?勝手に批評なんて言ったか・・・
基本批評スレは持ち込みだろ?
もし誤解与えたなら謝るわ、スマン
1056 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:03:10 ID:???0
あっはっはっはっは。散ったので寝ます。
予約合戦……おそろしい子……!
1057 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:07:04 ID:???0
シンジって誰だ…?
1058 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:08:23 ID:???0
ワカメじゃない?
1059 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:08:28 ID:???0
ワカメと言ったほうが通るなw
まあ盛況なわけで
301 :
:2007/09/27(木) 00:14:35 ID:3+NoZfgz
なんで
こんな
2ちゃんの企画(?)で
そこまで
言われないと
いけないのか
なあ
302 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:21:05 ID:02mfkH6S
熱すぎる香具師が多すぎ
だから内田倫太郎につけこまれるんだ
もっとKOOLになれ
303 :
ところで:2007/09/27(木) 00:26:13 ID:FXxDk7ju
304 :
白ロムさん:2007/09/27(木) 00:34:21 ID:3f4aogJk
ああいうのが出てきたら
それを対処するのがSS書き手の責務だと思うんだがな
不死になっても制限ありだから問題は無いはずなんだが
他のロワでもこういうのあまり問題にならんだろ?
1065 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:10:35 ID:???O
再びアイザックオワタ
1066 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:12:23 ID:???0
あーそうか、ワカメか!!
アッハッハッハ、学校の近くだったからシンヤの間違いなのかと思っちゃったんだぜ
1067 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:14:54 ID:???0
>>1061 しかし予約合戦を勝ち残った中で同作品キャラが合流するのは2作品だけな件について
いや、これでも多少多いかな?という気はしないでもなくもない…?
1068 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:15:11 ID:???0
>>1065 逆に考えるんだこれはアイザックが劉鳳並の死亡フラグ回避男になる第一歩だと。
1069 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:15:18 ID:???0
それでも…それでもアイザックなら我知らず周囲に幸福をまきちらしてくれる…!
しかし早くも不死V.S不死か 楽しみだな
1070 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:24:14 ID:???0
>玖我なつき、チェスワフ・メイエル、シュバルツ・ブルーダー、衛宮士郎で正式に予約
チェスもオワタw
1071 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:27:44 ID:???0
>>1070 いや、マヨラーだ。
マヨラーに期待するんだ。
1072 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:30:05 ID:???0
なんか新人の手痛いミスに熟練の人が温厚働かせてるみたいだなー。
ここは普通、被らせたほうがフォロー入れるべきだろうに。
1073 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:30:12 ID:???0
なんというヘタレ扱い
1074 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:31:05 ID:???0
>>1071 誰の事かは知らんが、とりあえず期待しとくw
1075 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:34:32 ID:???0
>>1074 ああ、期待は裏切らないと思うぞw
奴の事だ、きっと原作と同じく無駄な疑惑・不仲・崩壊フラグを立ててくれる……w
そのまんま誰か死ぬかもしれんがw
1076 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:34:59 ID:???O
そういえば我様の宝具は三つともまだ出てないのな
1077 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:39:24 ID:???0
鑑定前のアイテムが多すぎるからその内どっかに湧いて出るだろ
1078 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:42:16 ID:???0
さすがに今回は即日投下はないか…?
微妙にwktkしている自分がいるんだ。
1079 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:43:59 ID:???0
この辺の話題は雑談スレでしろよw
鑑定前のアイテムでも、本人確認済みのものは即役立つものではないってことだけは確定しちゃっているからなかなかむずかしいぜ。
1080 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:44:25 ID:???0
固有装備品か…
読子カートとか、スバルのデバイス(ねねねとは違う方)、キャロ(死亡済み)のケリュケイオンとか
クロちゃんのガトリングとか割と出てないのが多いなぁ。
1081 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 00:49:54 ID:???0
衝撃と東方は何時になるかな
307 :
ゴミばっか:2007/09/27(木) 00:58:45 ID:FXxDk7ju
>>306 なんか、本当に厨同士の会話って感じだな
ショッピングモール近くの住宅街、薄暗い街灯の下に一人の男が佇んでいた。
周りの闇に溶け込むような、ダークスーツと黒髪。
右目にはめられた眼帯が、光を反射して鈍く光る。
葉巻を吸う姿が非常にさまになっている。
衝撃のアルベルトは酷く苛立っていた。
幻夜の真意を確かめようとした矢先に、突然連れ去られたあげく、実験と称した殺しあいに参加させられた――。
十傑集にあるまじき失態に、生殺予奪権を握られているという屈辱。
まったく機能しない眼帯に、繋がりが感じられないサニーとのテレパシー。
全てが彼の苛立ちを増長させた。
だが同時に、アルベルトは心のどこかでやりきれなさを抱えていた。
原因ははっきりとしている。
戴宗との納得のいかない決着、それが全てだ。
その感情を隠すようにして、怒りを主催者へと向ける。
(見ておれよ、螺旋王とやら。この衝撃のアルベルトが引導を渡してくれる)
アルベルトに今のところ殺しあいに乗る気はない。
任務ならともかく、強要されて殺すのはアルベルトの本意ではない。
だが、それはあくまで脱出の可能性がある限りだ。
首輪を外しさえすればどうとでもなると思うが、それが無理な場合、気は進まないが、この馬鹿げた殺しあいに乗るしかない。
今、必要なのは情報だ。首輪を外にせよ、相応の技術と道具が必要になる。
となれば、他の参加者と接触するのが一番だろう。
現状を把握するために荷物を探る。地図、コンパス、水と食料など様々なものがあったが、真っ先に名簿を手にとる。
もしや、他の十傑集や九大天王がいるやもしれぬ、そんな思いで目を通したところ、彼は信じがたいものを見た。
神行太保・戴宗――――アルベルトが殺した男の名前だった。
その瞬間、アルベルトは混乱した。
戴宗が生きていた? いや、それはない。確かに自分の目の前で死んだ。ではなぜ戴宗の名前が――――。
思考が入り乱れるなか、一つのことを思い出す。
不老不死すら叶えるという螺旋王の言葉。
あれが偽りでないなら、いや、望みを叶えるというのが嘘でも、それだけの力を持っているとしたら――死者を蘇らせることも可能なのではないか。
その思考まで辿り着いたとき、アルベルトの心は歓喜で埋めつくされた。
今度こそ、戴宗との決着をつけることができる。
その考えは、先ほどまであったやりきれなさを跡形もなく吹き飛ばした。
投下こい!
316 :
:2007/09/27(木) 02:24:12 ID:FXxDk7ju
この>>310−315も迷惑だよな
317 :
ゴミばっか:2007/09/27(木) 02:25:09 ID:HqnD/zJq
310 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:12:43 ID:CFMwroBr
投下こい!
312 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:16:08 ID:CFMwroBr
314 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:17:55 ID:CFMwroBr
高揚感に浸りながらも考える。
戴宗と会わなければならない。しかし、闇雲に探したところでどうにかなるのか?
今度は地図を手にとる。ショッピングモールらしき店舗群が見えることからすると、ここは【A-7】のようだ。
思考を進める。
エリアオーバーの可能性もある地図の端より、中央に人が集まる確率は高い。
もう一度地図に目を落とすと、中央に向けて高速道路が近くから走っているのがわかる。これを利用しない手はない。
そう決まると、デイパックを地に置く。そして、
「はあッ!」
気合い一転、跳躍した。
ぐんぐんと地面が遠ざかる。
しかし重力には逆らえず、しだいに速度が落ちてゆき、ついに頂点に達する。
その頃にはすでに高速道路を発見していたので、落下するまでゆるりと風景を楽しむことにする。
そこで、アルベルトはまたしても信じがたいものを見た。
それは、自分とほぼ同じ高さにいる人であった。
◆ ◆ ◆
ショッピングモールの中心にある駐車場は、店舗の群れが放つ光で染め上げられていた。
殺しあいという異常な状況のせいか、どこか冷たい夜風が吹き荒れる。
そのなかで威風堂々と立ちながら、東方不敗・マスターアジアは思索に耽っていた。
選ばれた者たちによる殺しあい。
要するに、これはガンダムファイトのようなものだ。
闘って、闘って、闘いぬいた者には名誉と栄冠を。
違う点は、敗者には死を、勝者には自由を、という生存競争であることだ。
760 :736:2007/09/27(木) 01:49:02 ID:GuFN6dA60
>>744 まとめ乙
俺の嫁をよくも!とか言われないとように頑張るよ
761 : ◆8pP6SaUBG6:2007/09/27(木) 02:11:56 ID:YAplu1DM0
ようやくできあがりました。
携帯からなので投下速度遅いですが、支援お願いします。
762 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:13:47 ID:Lf3PfxiY0
しえn
763 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:17:34 ID:4GXLRjw.0
け、携帯から投下とかどうやるんだ支援
764 :736:2007/09/27(木) 02:22:05 ID:GuFN6dA60
まったり支援
765 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:22:30 ID:GuFN6dA60
いかん名前消し忘れOTZ
もう、馬鹿かと、アホかと
762 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:13:47 ID:Lf3PfxiY0
しえn
763 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:17:34 ID:4GXLRjw.0
け、携帯から投下とかどうやるんだ支援
764 :736:2007/09/27(木) 02:22:05 ID:GuFN6dA60
まったり支援
張り付いてるのかな?怖いわ
自分はなにを為すべきか、それが現在の課題だった。
先ほど名簿を確認したところ、シュバルツ、アレンビー、そしてドモンも参加していることがわかった。
(ドモンよ、やはりお前はこの殺しあいを止めようとするのだろうなぁ)
まだまだ未熟な、だがしかと成長してゆく、誰よりも熱い心を持つ弟子を思うと、自然と笑みが浮かぶ。
しかし、次の瞬間には表情を消し、冷徹な思考を進める。悲願である地球人類抹殺を完遂するために。
マスターアジアが見いだした、デビルガンダムの理想的な生体ユニット。それがドモンだ。故にこんなところで死んでしまっては困る。
いや、それたけではない、師匠として愛弟子をみすみす死なせたくはないのだ。
しかし、このゲームの勝者になれるのはただ一人。
ならば、ドモンらと協力し、脱出することは可能か?
しかし、それは不可能に思えた。
ワープなどの超技術を持ち、個人の戦闘力もかなりのものである螺旋王ロージェノム。おそらく、脱出や参加者の反乱への対策を、二重、三重にも張り巡らしているだろう。
なら、ドモンだけでも生き残らせるか? いや、それはできない。
果たさなければならないことがある。それまで自分は死ねない。
八方塞がりだった。しかし、解決する方法が一つ思い浮かぶ。
なんだろうと望みを叶える、ロージェノムはそう言った。
ならば、自分を生体ユニットとして組み込める体にできるのではないか? または、ロージェノムの持つ科学力で人類抹殺も可能ではないのか?
複数の案が思いつくが、これはあくまでロージェノムが望みを叶えることが前提となる。
そして、それは保障されたものではない。ロージェノムの力も未知数だ。
――情報が必要だ。
ロージェノムとは何者なのか? どれだけの力を持っているのか? このゲームの真の目的は? 参加者の選抜基準は?
この場で情報を集めるには三つの方法が考えられる。
一つは他の参加者から。
ロージェノムのことを知る人間がいるかもしれない。
もう一つはこのフィールドから。
8キロメートル四方という広大な土地を舞台にしたのだ。なんらかの痕跡が残っていてもおかしくはない。
最後の一つは――螺旋王ロージェノム自身から。
310 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:12:43 ID:CFMwroBr
投下こい!
312 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:16:08 ID:CFMwroBr
314 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:17:55 ID:CFMwroBr
320 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:26:49 ID:CFMwroBr
322 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/27(木) 02:28:24 ID:CFMwroBr
携帯でこんな事やりたくねえなあwwwww
ロージェノムはこのゲームを実験と称した。
ならば、この殺しあいをモニタリングしているのではないか。
また、参加者の脱出や反乱を防ぐためにも、監視している可能性は高い。
それならば、こちらから接触することは容易い。
反乱分子とみなされるリスクもあるが、ほぼ無いことだと推測する。
実験を円滑に進めるには、殺しあいに乗る者がより多いほうよいからだ。
情報と引き換えに殺しあいに乗るとなれば、ロージェノムにとっても悪い話ではあるまい。
問題はロージェノムが望みを叶えなかったときだが、相手の目的がわかれば利用することもできるだろう。
それに、広間でのロージェノムの言葉からすると、優秀な者を選び出すことが目的の一環のはずだ。勝者を無碍に扱いはすまい。
そして、マスターアジアは決断を下した。
このゲームに乗る――ただし、参加者から情報や考察を聞き出したうえでだ。
さらに監視方法を特定し、早々にロージェノムと接触しなければない。
懸念はある。参加者のなかに強敵がいるかもしれないことだ。
一瞬にして異形の鎧姿となった、モロトフという男を思い出す。
あの攻撃を受ければ、自分もただでは済まないだろう。
だが、とうに覚悟はできている。
デビルガンダムと会った日、いや、四年前のガンダムファイト優勝直後、あの寂れた風景を見たときから。
地図を見直す。自分が【A-7】にいることは間違いない。
わざわざエリアの端に来る者はいないだろう。そう推測し、中央に向かう道を探す。
ちょうど近くに高速道路があった。慣れない道を行くより、一本道のほうがよいだろう。
そう決めると、デイパックを下に置く。そして、
「かあッ!」
かけ声と共に地を蹴った。
風を切り裂き上昇する。それはすでに飛翔であった。
だがそれにも限界がある。速度を落としていく最中、目に高速道路を捉えた。
あとは落下してゆくだけだ。それまで暇を持て余すだけなので、夜景を楽しむことにする。
そこで、マスターアジアは予期せぬものを見た。
それは、自分とほぼ同じ高さにいる人であった。
◆ ◆ ◆
二人の視線がぶつかる。
その瞬間、研ぎ澄まされた五感、積み上げられた経験、第六感というべきものを含めた全てが互いに告げあった。
((目の前の男は――――強い!!))
落下してゆくなか、お互いの姿が見えなくなるまで睨み合う。
そして着地と同時に、相手へと向かって猛然と駆け出した。
数秒もせずに、お互いを遮る壁――ショッピングモールの店舗の一つが見え、二人はさらに加速する。
そして、同時に跳躍。十数メートルはある店舗を易々と飛び越え、屋上へと降り立つ。
ついに、二人は相対した。
もう一度睨み合いが始まり、張り詰めた空気が場を支配する。
緊迫した空気を先に破ったのはアルベルトだった。
「ジジイ、貴様何者だ。この下らんゲームに乗っているのか?」
殺気と威圧感の籠もった声を叩きつける。しかし、アルベルトにはわかっていた。
これは確認でしかないのだと。これから始まることの確認に過ぎないのだと――。
殺気や威圧感など、どこ吹く風といったマスターアジアが笑う。
「乗った、と言ったらどうする? 若造」
明らかに挑発だった。同時に、相手もこれが確認だとわかっている証拠でもある。
「どうもせん。わしは降り掛かる火の粉を払うだけだ」
アルベルトは猛禽のような笑みを浮かべ、返答した。
その答えに、マスターアジアはますます笑みを深める。
「ならば、わしらのやることは決まっておるな」
「ああ、そうだな」
一瞬の静寂。それはすぐさま打ち破られた。
「武闘家なら武闘家らしく、拳で語るまでよ!」
「ぬかせ! ジジイが!」
337 :
毒吐き進捗:2007/09/27(木) 02:35:04 ID:nK/P3aDq
1099 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 01:44:39 ID:???0
聖水とかにんにくとか十字架とか塩とか、ゾンビ特効みたいなモノって不死者に全く影響なし?
あと、いわゆる「唯一殺す方法」以外に殺す方法がないってのはなんか確認されている描写ってあったっけ?
諸々、設定について詳しく手っ取り早くわかる巻を教えてほしいんだぜ!
1100 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 01:46:01 ID:???0
ただの鎖だとしてもそこらへんの空間から不意に現れ、
自動的に相手を縛り上げる鎖は十分に恐るべき凶悪兵装だw
1101 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 01:46:13 ID:???0
原作1巻で設定されている、とアニメ見てない人間が言ってみる。
1102 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 01:47:53 ID:???0
よっしゃとりあえず一巻だな。
アニメ待ってたら不死者がいなくなりそうだw
1103 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 01:49:58 ID:???0
まあとりあえず不死者ってのは
十字架もにんにくも聖水もその手のやつとはまったく無関係な存在だから効果はないよ
1104 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 01:49:58 ID:???0
生きている不死者だからなー
死んでから不死者になった吸血鬼やゾンビとはまったく別物
1105 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 01:57:00 ID:???0
もう二時か…朝までには投下されんのかなぁ…
何かもう流れでgdgdになっちゃってはいるが、予約期限はしっかりと守って欲しいよなぁ…
1106 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 02:07:21 ID:???0
>>1105 今日中に投下されれば、御の字さ。
あの二人を書いてくれるんだから。
どっちも俺には無理。
マスターアジアが構えをとり、アルベルトは両手を赤く光らせる。
――闘いの火蓋が切って落とされた。
両者とも一足跳びに間合いを詰め、お互いの腕を打ち合わせる。
その瞬間、確かに大気が震えた。
それが二度、三度と繰り返されると、マスターアジアが攻勢に出た。
間髪なく打ち出される拳の弾幕。
常人には手が増えたとしか思えない攻撃を、アルベルトは全て受けきる。
弾幕の隙を抜い、アルベルトが反撃に出た。
動きを止めるためのボディーブロー。
それを避けられぬと悟ったマスターアジアは――防御をせず、逆に攻撃した。
顔面へのカウンター気味のパンチ。
互いの攻撃がしかと決まり、鈍い音が響き渡る。
マスターアジアの腹が抉れ、アルベルトの顔が歪んだ。
両者は一旦距離をとって対峙する。
「やりおるな、若造」
「ふん、貴様もな」
身体能力はほぼ互角――そう悟った両者は、どう攻めるか思案する。
先に動いたのはアルベルトだった。
力を溜めるように、背を反らしていく。
二つの手のひらに赤黒いエネルギーの奔流――衝撃波が生まれる。そして、
「かあッ!!」
気合いとともにマスターアジアを狙い撃った。
屋上を抉りながら一直線に迫り来る衝撃波。
マスターアジアの顔に驚愕の色が浮かぶが、すぐに元に戻る。
「はッ! これしきの攻撃、避けられぬとでも思うたか!」
そう言いながら横に跳ぶ。そして反撃に移ろうとした次の瞬間、目にしたのはこちらへと片手を向けるアルベルトの姿だった。
339 :
336へ:2007/09/27(木) 02:36:21 ID:FXxDk7ju
>一瞬の静寂。それはすぐさま打ち破られた。
>
>「武闘家なら武闘家らしく、拳で語るまでよ!」
>「ぬかせ! ジジイが!」
文章としてこりゃダメだろ
343 :
甘い。:2007/09/27(木) 02:37:51 ID:d8/xZnJb
状況説明だけで書かれた典型的な厨房の文章
-----------------------------------------------------------
先に動いたのはアルベルトだった。
力を溜めるように、背を反らしていく。
二つの手のひらに赤黒いエネルギーの奔流――衝撃波が生まれる。そして、
-----------------------------------------------------------
ここらへんとか特に
「なら、当たるまで続けるだけだ!」
左右の手から連続して衝撃波が放たれる。
しかし、マスターアジアは驚異的な身体能力と反射神経で衝撃波を避けてゆく。
「どうした? ジジイ。逃げてばかりではわしを倒せはせんぞ」
「ほざけ! 若造が!」
だがすでに、追う者と追われる者の構図ができあがっていた。
二人は隣接する店舗の屋上を移動してゆく。
その間も衝撃波の嵐は止むことがない。
結果、屋上の破壊が増えるのみ。
しかし、連続する破砕音は確実にマスターアジアに近づいていた。
「これで終わりだ!」
アルベルトが跳躍し、とどめとばかりに一際大きな衝撃波を放った。
それは確実にマスターアジアを捉えるはずだった。
しかし衝撃波が当たる直前、マスターアジアの姿が掻き消えた。
――いや、違う。当たる直前、大きく地を蹴り、空高く跳躍したのだ。
それをアルベルトの目は捉えていた。
落下しながら上をみる。
そこには、月光に照らされたマスターアジアの姿があった。
「今のを避けたのは褒めてやろう。だが、動きの不自由な空中でこれを避けられるかな?」
両手に衝撃波を生み出し、力を溜めてゆく。
そんな絶望的な状況で、落ちてゆくマスターアジアは確かに笑った。
「まだまだ甘い、甘いわ!」
マスターアジアの腰布がほどけ、宙に舞った。
手の動きに応え、腰布はマスターアジアを中心に螺旋を描く。
今度驚愕するのは、アルベルトの番だった。
舞っていた腰布が、弾丸の如く撃ち出されたのだ。
先ほどまでの柔軟さを微塵も感じさせず、腰布は一直線にアルベルトの頭部へと向かう。
935 名前:ツチダマな名無しさん :2007/09/27(木) 00:34:18 ID:GkfA5Aew0
なるほどね、要するに空気+ここの
>>895ってことか。
前書き手やってたロワではそういうのなかったからちょっと気になった。
936 名前:ツチダマな名無しさん :2007/09/27(木) 00:40:48 ID:c/FLLUns0
その空気がいつできたかってのは俺もよくしらないが、1stのときからそうだったんじゃない?
まあ他ロワからきた書き手もいるだろうけど、知らなかったとしても問題はフライング予約になるくらいで、実際誰もそれしなかったんだから結果オーライってことで。
937 名前:ツチダマな名無しさん :2007/09/27(木) 00:56:58 ID:u561Nt4w0
変な慣習だが少なくとも書き手はみんな納得しているんだから問題ない。
他ロワ出身の方のためにテンプレにいれといても良かったかもしれないけど、最初だけだからなー。
念のため、放送越えで書かないってのはわざわざ言わなくもどこのロワでも確立してるよね。
938 名前:ツチダマな名無しさん :2007/09/27(木) 01:32:38 ID:Pb5/xVoA0
とりあえずこれ以降は第一回放送まで普通に予約できるから
安心しろ、何に安心しろなのかイマイチわからんが安心しろ
939 名前:ツチダマな名無しさん :2007/09/27(木) 01:58:06 ID:ZksWAGSY0
俺が安心するお前に安心するな。
お前が安心する俺に安心するな。
お前が安心するお前に安心しろ。
940 名前:ツチダマな名無しさん :2007/09/27(木) 02:10:25 ID:A1Xrjkh20
兄貴語呂悪いよ兄貴
941 名前:ツチダマな名無しさん :2007/09/27(木) 02:35:17 ID:ZksWAGSY0
語呂が良けりゃ偉いのか!?
てめぇら全員うまい事言いやがれ!!
アルベルトも落下中である。避けるすべはないかに見えた。
しかし、アルベルトは両手に溜めていた衝撃波を噴射し、腰布の軌道から僅かに外れたのだ。
腰布が頭の脇を通り過ぎる。
「どちらが甘いか思い知らせてくれる!」
腰布を引っ張り、肉弾戦仕掛けようとするアルベルトだったが、それはマスターアジアの声で中断することなった。
「だから甘いと言ったであろうが!」
マスターアジアが急速に体を回転させ始めた。
すると不思議なことに、その動きに呼応するかの如く、腰布がぐにゃりと軌道を変える。
さらにアルベルトは驚愕することになった。
腰布が意志を持っているかのように、頭へと巻きついてきたのだ。
「うおおおおおぉッ!」
悲鳴をあげながらも腰布をほどこうとするが、腰布はますます頭を覆い隠してゆく。
ついに、腰布によって頭が見えなくなった。
「その首もらったぁ!!」
マスターアジアは回転を止め、腰布を渾身の力で引き、アルベルトの頭を切り刻もうとする。
しかし、それは不発に終わった。
「なにィ!」
手応えがまったくないことに驚きの声をあげる。
相手の頭があったはずの部分を注視するが、確かに首がない。
――では、なぜ手応えが?
疑問はすぐに氷解した。
にょきり、そんな音がするかのように、アルベルトの頭がスーツから飛び出したのだ。
その顔には怒りの色が浮かんでいる。
「このォ、クソジジイがッ!!」
怒声とともに衝撃波が放たれた。
それは、思いもよらぬ光景に硬直していたマスターアジアを直撃した。
352 :
あのさ:2007/09/27(木) 02:40:52 ID:FXxDk7ju
放送超えて書くのはよくあるだろ
叫び声多杉
356 :
だめだこりゃ:2007/09/27(木) 02:42:46 ID:FXxDk7ju
だめだこりゃ
「うおおおおおぉッ!」
今度は、マスターアジアが悲鳴をあげる番だった。
ふんばって耐えようとするも、足場のない空中ではそれもできず、吹き飛ばされる。
従って、次の出来事は必然だった。
「しまった! 足場が!」
屋上が途切れたのだ。
そのまま、マスターアジアは落ちてゆく。
アルベルトが追撃をかけるために走り出した。
今、立っている店舗は二十メートルはあったが、あのまま落ちても死なない相手だと確信していたからだ。
しかし、屋上の端に辿り着いたアルベルト待ち受けていたのは、またしても驚愕だった。
「うぉりゃああああッ!」
下から、マスターアジアが体勢を横にし、回転しながら空中を駈け上がって来たのだ。
よく見ると、屋上のすぐ脇の壁に腰布が突き刺さっている。
その腰布を高速回転する体で巻きとっているのだ。
そう理解したとき、マスターアジアが腰布を巻きとり終わり、勢いそのまま真上へと飛び出した。
「馬鹿め。先ほどの手はもう喰わんぞ」
真上にいるマスターアジアに対して、アルベルトが言い放つ。
そして今度こそと、両手を上にかざす。
それを見ても、マスターアジアは不敵に笑った。
「それはどうかな?」
落下してゆくなか、マスターアジアの掌か前に突き出され、大きく円を描く。
その軌跡には梵字が浮かび上がり、梵字による円が完成する。
アルベルトが衝撃波を放つのと、マスターアジアが奥義を放つのは同時だった。
「くたばれッ!」
「十二王方牌大車併!」
如何なる原理か――十二個の梵字それぞれから、小さなマスターアジアの分身が生まれ、突撃してゆく。
十二の分身と衝撃波がぶつかりあう。
轟音が響き、煙が立ち込める。
押し勝ったのは――分身のほうだった。
それでも七体は相殺して消え、残りの五体がアルベルトに襲いかかる。
作品のせいもあるけど、
なんか幼稚
363 :
・・・:2007/09/27(木) 02:45:08 ID:pyzWDkRo
>如何なる原理か――十二個の梵字それぞれから、小さなマスターアジアの分身が生まれ、突撃してゆく。
もうちょっと上手く表現できんかせめて
「ちょこざいなッ!」
全力でないとはいえ、衝撃波が押し負けたことに動揺しながらも、アルベルトは迎撃しようとする。
両手で一息に二体の分身を打ち据え、消滅させる。
しかしその間に、残りの三体はアルベルトを囲むように屋上に着地した。
「一斉に襲いかかるつもりか? だが分身ごときでわしを倒せるか!」
しかし、三体の分身はアルベルトの予期せぬ行動に出た。
屋上を殴りつけたのだ。
轟音が響き、足下が崩れるのをアルベルトは感じとった。
「これが狙いかぁ!」
上を見ると、もうもうとした煙で相手の姿が見えない。
急速に思考を回転させる。
上に跳ぶ――恰好の餌食だ。
横に跳ぶ――どこから飛んで来るかわからない腰布を避けるのは至難。
そのまま落ちる――態勢を崩すのは痛いが、迎え撃つには十分!
落ちることを選択すると、上に向けて衝撃波を乱射する。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、だけではない。
吹き荒れる衝撃波の嵐は煙を吹き飛ばす。
しかし視界が晴れるころには、マスターアジアが肉薄していた。
「ゆくぞ!」
「来いッ!」
天井を突き抜け落下してゆく最中、マスターアジアの攻勢が始まった。
足による高速連撃。最早常人には見切れないそれをアルベルトに放つ。
落ちながら闘う。そのうえマスターアジアは上で、アルベルトは下。
明らかに地の利はマスターアジアにあった。
そのためアルベルトは防御一辺倒になり、衝撃波を使っての移動も封じられる。
「ちぇりゃああああぁッ!」
「うおおおおおおおぉッ!」
お互い雄叫びをあげながら闘いを加速してゆく。
リアルタイムで評価されるなんて幸せですね
――このままではまずい。思考の大部分が防御に割かれるなか、アルベルトの戦闘経験が告げる。
数秒後に、アルベルトが床に叩きつけられるのは明白だった。
しかも、マスターアジアの連撃でますます加速していってる。
ここでアルベルトは賭けに出た。
防御せずに、敢えて攻撃を受けたのだ。
二撃、三撃とマスターアジアの攻撃が決まる。
「ふははははは! とうとう観念したか!」
「それはどうかな?」
攻撃をくらいながらもアルベルトは笑う。
そして次の瞬間、マスターアジアの両足を掴んだ。
マスターアジアの目が大きく見開かれた。
「貴様! 相討ちになるつもりか!
だが所詮は貴様が下! 意味などないわ!」
「いや、このまま心中する気はない。それにわしは勝つつもりだ」
そう言い放ちながらアルベルトは手を放した。
「手を放してどうする! 命乞いでもするつもりか?」
床に叩きつけようと、マスターアジアが自由になった足を振り上げる。
だがこのとき、マスターアジアは相手の攻撃方法を失念していた。
「こうするつもりだ!」
アルベルトが自由になった両手をマスターアジアのほうへと突き出し、すぐさま衝撃波を放った。
「うおおおおぉッ! その手があったか!」
下へと加速していたはずのマスターアジアが、横へと吹き飛ばされる。
その背後には壁が迫っていた。
態勢が不十分なままでぶつかれば、ただではすまないだろう。
しかし、それはアルベルトも同じだ。
床に激突するのは、あと僅かだろう。
しかし、さすがは東方不敗と十傑集。
素早く空中で態勢を立て直し、壁と床に足をつける。
そして、その反動で相手へと跳躍した。
空中で交差し、離れたところに着地し、また対峙する。
「このォ、クソジジイがッ!!」
「うおおおおおぉッ!」
「しまった! 足場が!」
「うぉりゃああああッ!」
「馬鹿め。先ほどの手はもう喰わんぞ」
「それはどうかな?」
「くたばれッ!」
「十二王方牌大車併!」
「ちょこざいなッ!」
「一斉に襲いかかるつもりか? だが分身ごときでわしを倒せるか!」
「これが狙いかぁ!」
「ゆくぞ!」
「来いッ!」
「ちぇりゃああああぁッ!」
「うおおおおおおおぉッ!」
ただせりふ抜き出しただけよ
>>370 本当だwwwwwww
説明いらないじゃんwww
三度目の睨み合いが始まった。
今度、緊迫した空気を破ったのはマスターアジアだった。
「若造、ここらで痛み分けにせんか?」
このまま闘えば相討ち、たとえどちらかが勝っても、勝者は瀕死だろう。
それでは意味がない、マスターアジアには為さなければならないことがあった。
「ふん、いいだろう」
素直に退いたのは、アルベルトも同じことを感じとっていたからだ。
戴宗との決着を優先するアルベルトにとって、それは不本意なものだ。
「よし、決まりだ。ならば名前聞いておこうか。武闘家どうし、倒す相手の名前は知っていたほうがよかろう」
「ふん、わしは武闘家などではない。だが、それも悪くない。よかろう」
「我が名は流派東方不敗、マスターアジア!」
「わしはBF団十傑集が一人、衝撃のアルベルト」
お互い名前を名乗り合うと、それぞれ反対の方向へと歩きだす。
「いずれ、また会おう」
マスターアジアが声をかけた。
「ああ。いずれ、また」
簡潔にアルベルトが返す。
そのやりとりには、全てがあった。
再戦の誓い、強敵への敬意、そして武人という生き物どうしの、奇妙な友情が――――。
はぁ?!!!!!!!!!!!!!!!
【A-7/ショッピングモールの店舗の一つ/1日目/深夜】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労大 頭と上半身、両腕にダメージ
[装備]:なし
[道具]:シガレットケースと葉巻 ※元から持っています
[思考]:
基本方針:戴宗と決着をつける
1:デイパックを回収し、高速道路経由で中央に向かう
2:脱出と戴宗の情報を集める
3:いずれマスターアジアと決着をつける
4:他の参加者と馴れ合うつもりはない
5:脱出不可能の場合はゲームに乗る
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※支給品一式は近くにあります
※ランダム支給品を確認していません
※素晴らしきヒィッツカラルドがいることを知りません(名簿を戴宗の名前で見終わったため)
【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:疲労大 全身、特に腹にダメージ
[装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム ※元から持っています
[道具]:なし
[思考]:
基本方針:ゲームに乗り、優勝する
1:デイパックを回収し、高速道路経由で中央に向かう
2:情報と考察を聞き出したうえで殺す
3:ロージェノムと接触し、その力を見極める
4:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける
5:できればドモンを殺したくない
[備考]:
※ガンダムファイト決勝大会の途中からの参加です(少なくともドモンVSアレンビー戦後)
※支給品一式は近くにあります
※ランダム支給品は確認してあります
378 :
ま:2007/09/27(木) 02:52:16 ID:EgXM8j/O
さ
に
厨
文
章
・・・なんてーか、すげーな。。。ムダに・・・
761 名前: ◆8pP6SaUBG6 投稿日: 2007/09/27(木) 02:11:56 ID:YAplu1DM0
ようやくできあがりました。
携帯からなので投下速度遅いですが、支援お願いします。
762 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/09/27(木) 02:13:47 ID:Lf3PfxiY0
しえn
763 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/09/27(木) 02:17:34 ID:4GXLRjw.0
け、携帯から投下とかどうやるんだ支援
764 名前:736 投稿日: 2007/09/27(木) 02:22:05 ID:GuFN6dA60
まったり支援
765 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/09/27(木) 02:22:30 ID:GuFN6dA60
いかん名前消し忘れOTZ
766 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/09/27(木) 02:34:54 ID:93kCbG2k0
支援DADADADADA
767 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/09/27(木) 02:54:21 ID:BfPDf.7s0
ギリアム・イェーガー!!!
燃えましたよ
更新ボタン何度も何度も押しましたよ
しかし初っ端からまたえらいガチバトルだなw
381 :
要約:2007/09/27(木) 03:00:22 ID:2jepbYSe
「このォ、クソジジイがッ!!」 「うおおおおおぉッ!」 「しまった! 足場が!」
「うぉりゃああああッ!」 「馬鹿め。先ほどの手はもう喰わんぞ」 「それはどうかな?」
「くたばれッ!」 「十二王方牌大車併!」 「ちょこざいなッ!」
「一斉に襲いかかるつもりか? だが分身ごときでわしを倒せるか!」 「これが狙いかぁ!」
「ゆくぞ!」 「来いッ!」 「ちぇりゃああああぁッ!」 「うおおおおおおおぉッ!」 「ふははははは! とうとう観念したか!」
「それはどうかな?」 「貴様! 相討ちになるつもりか! だが所詮は貴様が下! 意味などないわ!」
「いや、このまま心中する気はない。それにわしは勝つつもりだ」 「手を放してどうする! 命乞いでもするつもりか?」
「こうするつもりだ!」 「うおおおおぉッ! その手があったか!」
「若造、ここらで痛み分けにせんか?」 「ふん、いいだろう」
「よし、決まりだ。ならば名前聞いておこうか。武闘家どうし、倒す相手の名前は知っていたほうがよかろう」
「ふん、わしは武闘家などではない。だが、それも悪くない。よかろう」
「我が名は流派東方不敗、マスターアジア!」 「わしはBF団十傑集が一人、衝撃のアルベルト」
「いずれ、また会おう」 「ああ。いずれ、また」
ていうかせりふ抜き出しただけ。
これだけで十分すぎるほど状況がわかる
768 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:57:50 ID:jdoKvlKs0
投下乙!
なんという漢どもよw
ある種のお約束とも取れてしまうほどだが、漢たるもの、やはりこうでなくてはな!!
GJ!
769 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:59:33 ID:GuFN6dA60
>>767 投下終了宣言がまだだぜw
といってもなかなかこないので投下乙
まあ殴り合うだろうなとは思ってたがまじ思ってた通りだったww
770 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 03:00:15 ID:Lf3PfxiY0
GJ!
これぞガチバトル!中の人コラボとしても申し分無し!!
携帯でこれを投下とかあんた本当すげーよ……。
もうちょっと書く方法あるだろうに
彼等のウリナラルールでは
書き手はネ申で褒め称えないといけねーから
771 : ◆8pP6SaUBG6:2007/09/27(木) 03:01:32 ID:YAplu1DM0
途中で突然圏外になるアクシデントをくらいながらも投下完了。
こんな時間にもかかわらず、皆様がた多大なご支援ありがとうございました。
それにしても携帯投下は地獄だぜ。フゥーハハァー
gdgdだとか、戦闘シーンが間延びしすぎなどの毒、修正いつでも受け付けます。
■ ■ ■
欠陥がわかってるならさいしょから投稿するなというのは毒でも何でもねーぞ
まあ批評なんていっっっっっくらでもできるんだけどね(笑い
387 :
感想:2007/09/27(木) 03:16:31 ID:IImHcfdU
まあいかにも厨房というかなんというか
>>382の私怨の基地外さを見て、全体主義思い出した
気持ち悪い
わざわざ全体主義の観察に居座ってる人もご苦労さんです
主催者乙
重複スレあるんだからそっちを再利用するとか
全く考えられないのかお前達は
考えるわけないじゃん
迷惑な話だな
おすすめ2chにロリショタが
394 :
ちょwww:2007/09/27(木) 19:17:12 ID:V2StS3jo
ロリショタ、ギャルゲ、アニメかよ
しかもバトロワwww
もうちょっと健全な趣味もとうぜwwwwwww
395 :
厨が:2007/09/27(木) 20:10:36 ID:4jNdCRgy
そろそろ戻る時間だな
「それで、これからどうする気なのよ?」
つい先ほど、シモンと舞衣が出会った路地から数分歩いた位置にある喫茶店。
その店内に存在する椅子の一つに座りながら、舞衣がシモンに尋ねる。
「決まってる!!仲間を集めて、螺旋王をぶっ倒す!!」
テーブルを挟んで向かい合うようにしながら、答えるシモンの『言葉』は勇ましい。
だが、それは言葉だけだ。
喋っている彼の様子を見れば、大部分の人間はその言葉が信用に足るものではないと感じるだろう。
血走った目。青ざめた顔。絶えず音を鳴らし続ける白い歯。
そのどれもが、彼を『正常』では無いと証明している。
『おれ、こわいんだよ。
戦わなきゃ、戦いを止めなきゃ、仲間を作らなきゃ…
あんたを信じなきゃいけないのに、おれ、こわいんだ』
つい先ほど、彼自身が吐いた弱音。
運良く、最初の遭遇者である鴇羽舞衣を仲間にする事が出来た今でも、
シモンの中にある『疑心暗鬼』の黒い種は消え去っていない。
だが、そんな精神状態にあっても少年は、一心不乱に仲間を集めようとする。
『アニキならそうするから』『アニキに近づかなきゃいけないから』…まるで呪いの言葉のように、ただそれだけを唱え続けて。
それほどまでに、『アニキ』という人物が今まで彼に与えてきた影響は大きかったという事か。
先ほどの話を聞くに、今まで『アニキ』から受けた恩恵は、シモンにとっては計り知れない物だったのだろう。
しかし、その偉大な人物亡き今、少年の心は逆にその『アニキ』に縛り付けられてしまっている。
今のシモンは、悪い意味で後先を考えずに暴走している状態だ。
本来ならば、ここで舞衣が彼をなだめて押しとどめるべき立場にいるはずなのだが……。
(……ごめんね……私もさ、どうしていいのか…よく…わからないんだ)
自分が何をすれば、彼の中の黒い種を取り除く事が出来るのか。
冷静にそれを考える余裕は、今の舞衣には存在していなかった。
弟を殺され、弟を殺した自分の妹のように思っていた友人を殺して…
余りにも重過ぎる出来事を体験した舞衣の頭は、まだ薄ぼんやりと霧が掛かっている状態のまま、変わらない。
(何て言えば、シモンを止められるのか…何て言えば、シモンを救えるのかはわからない…でも)
ぐっ、とテーブルの下にある手を握り締める。
せめて、何があってもシモンは守る。今度こそ、守りきる。
もう……二度とあんな想いは味わいたくは無いから。
ほえ
398 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:33:04 ID:8oStttwN
「……そういえば…舞衣の武器って何なんだ?」
ふとそんな質問をされ、思わず舞衣がシモンの顔を見る。
「武器………?」
自分の持つ特殊能力、エレメントとチャイルドの事はまだ話していなかったはずだが…?
いぶかしげに目を細める舞衣に、今度はシモンが不思議そうな顔をした。
「コレの中に入ってなかったのか?俺のには、とりあえず武器になりそうなのはナイフしか入ってなかったけど…」
ああ、そういうことか。
ディパックを掲げているシモンを見てようやく合点が行く。
「支給された武器、って事ね……」
ふぅ、と思わずため息を付く。
つい先ほどまで茫然自失状態だった故に、支給品確認までは気が回っていなかった。
「ちょっと待って、今確認するから」
そういいながら自分のディパックを手元に引き寄せ、中を覗き込む。
コンパスや筆記用具にメモ用紙、ランタン、時計、水……大雑把に詰められているアイテムの中に、ふと奇妙な物を発見する。
「指輪…………?」
ディパックからその指輪をとりだししげしげと眺めてみるが、特に変わった点は見られない。
「もしかしてそれ、武器、とか……?」
「まさか……」
シモンにそう返事しながらも、なんとなく指に嵌めてみる。
そのまましばらく待ってみたが、特に何かが起きる気配は無い。
「どうみてもただの指輪ね……何でこんな物が支給されるんだか」
理解しかねる支給品に少し頭痛を感じ、思わず頭を抑えた。
指輪を外すのも億劫なので、気を取り直してそのまま再度物色を行う。
次に舞衣の目に入った奇妙なアイテムは……
「………ビニール袋?」
「は?」
「あ、待って。何か入ってる……」
ビニール袋ごと「何か」を取り出し、掲げ上げて中身を見てみる。
中に入っていたのは、木の枝とそれになっている幾つかの実。一瞬食料かとも思ったが、それにしては量が少なすぎると思い直す。
それにしてもこれ、どこかで見たような………?
「舞衣、今それを出したときにこれが零れ落ちたんだけど」
「え?」
声を聞きシモンの方を見ると、その手に握られているのは白い紙。
二つ折りされているそれを受け取り、中身を確認すると……?
401 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:34:28 ID:9d/HQGx9
『マタタビ:猫にマタタビ!これでシビアなアイツもイチコロだ☆』
思わず脱力し、顔面からテーブルに突っ込んだ。
「ま、舞衣!?どうした!?」
「あー……大丈夫よ……ちょっと主催者に対する疑問が湧いただけだから……はぁ…」
まさかこの殺し合いに自分に支給されたのが指輪にマタタビとは……。
螺旋王とやらは、自分に殺し合いをさせる気が本当にあるのか?
それにしてもマタタビね…そういえば昔、テレビの動物番組か何かで見たような記憶が……。
「け、結局それ……なんだったんだ?」
「あぁ、マタタビよマタタビ…参加者に猫でもいれば武器としても使えるだろうけどね…」
テーブルに突っ伏したまま、投げやりにシモンの質問に答える。
「マタ……タビ?マタタビって……何だ?」
「知らないの?よく言うじゃない、猫にマタタビって」
予想外の言葉に思わず顔を上げ、シモンの顔を見つめる舞衣。
まさかこのご時世にマタタビを知らない人間に出会うとは…。
舞衣の例えを聞いても、シモンは相変わらず顔をしかめて考えているままだ。
「結局、その…それ、食えるの?」
「ん?まぁ、食べられないって事は無いわ」
ふと、『マタタビ』なる名前の語源と言われる昔話を思い出す。
あの話が真実だとするならば、食べる事によるメリットはあれどデメリットは無いはずだ。
「むしろ体にいいかもね……精力とか付きそうだし」
「せいりょく?」
「あんた、精力ってのもわかんないわけ?精力って言うのは……」
ポカンとした表情のシモンに言葉の意味を解説しようとした舞衣の体が固まる。
『精力』……その言葉からまず最初に連想されたのは……まぁ……何というか……
花も恥らう年頃の乙女がそう簡単に口にしていい事では無いというか……
実際に日常生活でも使用される言葉であるし、今自分が考えている事の方がイレギュラーなのだろうが…
パッと思いついた物はそう簡単に頭から離れない訳で……
しかしこのまま意味を解説しないでいるというのも…目の前で不思議そうな顔をしている少年を見ていると無理そうで…
突然の極限状態の中で、舞衣は………………
「つ、つまりはその……気合いよ。気合い」
適当に思いついた近い意味の言葉を代用し、言葉を濁した。
間違いは言っていないはずだ…………多分。
「気合い………?」
鸚鵡返しに、シモンが呟く。
「そう、気合い……といっても、流石に申し訳程度だとは思うけどね…ハズレよ、これも」
このままこの話題を終わらせようと、マタタビをディパックの中に仕舞おうとする舞衣だったが………
「待ってくれ!」
その手を、シモンの悲痛な叫びが止めた。
「………どうしたの?」
思わず、シモンの顔を見る。呆然としてしまう程に、シモンの叫びには悲哀が満ちていた。
バッと、シモンが自分の手を舞衣に差し出す。
「た、頼む!!それ、俺にくれないか!?」
そう舞衣に懇願する少年の顔は、ただ事では無い。
息を荒くし、目を見開きながら必死の形相で舞衣に詰め寄ってくる。
「べ、別に構わないけど……」
シモンの様子に少し引きながらも、舞衣は彼にマタタビを渡した。
「あ、ありがとう……!」
手の上にマタタビが乗るや否や、それを握り締め、自分の胸元へ持っていく。
まるで、無くした自分の大切な宝物を、それで代用しているかのように。
404 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:36:07 ID:8oStttwN
「シモン………?」
「……昔……昔さ…村から飛び出して……アニキ達と一緒に旅していた時……」
ポツリ、ポツリとシモンが呟き始める。
「一回…腹が減りすぎて、気合いも何も入らなくなった時が合ったんだ……」
誰に聞かれたでもなく。誰に聞かせるでもなく。
「でも、その時は……ブータが、自分の尻尾を俺達にくれて…それを食べた事で気合いが入って…それで、敵も倒せて…」
舞衣からしてみれば、よくわからない固有名詞が含まれる言葉で。
「ア、アニキはいっつも言ってた……気合いだって…気合いがあれば、大抵のことは何とかなるって、笑ってた……」
…………ああ、そうか。
「だ、だから……だから、俺も何かあった時は…コレを食べて、気合いを入れて…そ、そうすればきっとアニキみたいに…!!」
シモンは、言い聞かせているのだ。舞衣にではなく、他でもない自分自身に。
「そうだ……コレがあれば俺もアニキに近づけるんだ……!!」
舞衣は、黙ってシモンを見つめる。
いつまでも、いなくなった人間を求める浅ましい姿。
不安で、怖くて仕方なくて……そして、その『代わり』を別のものに求める、哀れな姿。
そして、そのネガティブで醜い姿が、舞衣の中の何かに引っかかる。
―――――なんにもない、なんにも、ないよ。
―――――信じてもいいよ、あたしのこと。
「…………っ…」
なんだ。わかってみれば、簡単な事だ。
自分も、この少年と何ら変わらない存在じゃないか。
いなくなった弟の事を、忘れられなくて、追い求めて。
こんな場所で偶然出会った少年に、弟の姿を勝手に重ね合わせて。
407 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:37:30 ID:8oStttwN
「………私……もね……」
「え……?」
舞衣の呟きに、今度はシモンが反応する。
「……弟がさ、一人………いるんだ………」
―――――お姉ちゃん。
「昔から、病弱でね………だから……私が頑張って守ってあげなきゃって思って……」
―――――いつもごめんね、お姉ちゃん。
「いつも……あの子のために働いて……それで、不安にならないようにって、笑顔でいて……でも、それはさ…」
―――――お姉ちゃんが、重いんだ。
「あの子にとって、全然良い事じゃなくて……逆に……重荷になって……」
森の中。戦っている二つの影。見知った顔。緑色の炎。消えていくチャイルド。光。緑色の光。忌まわしい記憶。
「それで……その後……巧海は………」
――――お姉、ちゃん……
――――嘘……!駄目だよ、こんなの………!!
――――ごめんね……ありが……とう……
――――っ……あ……あ……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「巧海………は…………」
――――命………どうして……巧海を……?
――――巧海………が……どうしたんだ……?
『アンタが殺ったんじゃない!!アンタが!!!巧海を……!!!カグツチィィィィィィィィィィィィ!!!!』
「…………ごめんね……これ以上は……言えない、みたい……」
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
気まずい沈黙が、喫茶店内を支配する。
俯いたまま、何も喋らない舞衣。
その舞衣を見てもどうしていいのかがわからず、ただ手の中のマタタビを弄ぶシモン。
先に口を開いたのは、舞衣の方だった。
それは恐らく、逃避からだろう。
これ以上黙っていると、あの忌まわしい記憶が次々に蘇ってきそうだったから。
「……私のほうの支給品は、今の二つでおしまいね」
何度目かのため息を付きながら、事も無げにそう言う。
元より、HIMEの能力を持っている自分に取っては武器など無用の長物だ。
特に重要な事では無いと自分の中で結論付けた舞衣だったが……その事実を知らないシモンに取ってはそうも行かなかった。
「舞衣には武器……無い、のか?」
唖然としながら呟いたかと思うと。
「じゃ、じゃあ!!俺の武器、変わりに使っていいから!!」
なんと、自分の持っているナイフを舞衣に差し出したのだ。
「え……でも、あんたさっき持ってる武器はそれだけだって…」
「い、いいんだよ!俺は、その、そこら辺で適当なのを調達すれば…だから、舞衣は丸腰じゃ……!!」
遠慮している舞衣を物ともせず、半ば強引に自分のナイフを受け渡そうとするシモン。
一体、何をこんなに焦っているのだろう?そこまでしてくれなくてもいいのに。
そこまで大事にして貰うほど、自分は―――――。
「……別に……いいわよ、そんなの。私なんて……いつ殺されても、構わないんだから」
そう。そうなのだ。
自分にはもう、生にしがみ付くだけの気力など残っていない。
希望も、願いも、理由も、悲しみも…絶望すら、最早感じているのかどうかさえわからない。
胸の中にあるのはたった一つ、消えかけの蝋燭のような弱弱しい炎…目の前の少年、シモンを守りたいという想いだけ。
しかし、その炎は決して舞衣に希望を与えない。
今の彼女にとって、『誰かを守りたい』という事は、『誰かが無事ならば、自分はどうなっても構わない』という事と同意なのだから。
自己犠牲……エゴに満ちた贖罪とも言い換えられるその炎は、辺りを照らすことなくチリチリと舞衣の体を焼いていく。
まさしく、蝋燭の最後の灯火のように炎は更に燃え上がる。輝きを増しながら。さらに舞衣を傷つけらながら。
だが………………
突如、テーブルが音を立てて揺れる。
「ふざけんなッッッッッッッ!!!!!」
目の前にあるのは、今までに無い強い表情をしたシモンの顔。
「え………?」
何が起きたのか、頭の理解が追いつかない。
「そんな……そんなふざけた事言うなッ!!」
シモンの怒号と共に、自分の体が強く引っ張られるのを感じた時、
ようやく『シモンが怒りでテーブルに拳を叩き付けた後に、舞衣の襟元を掴んだ』という事実に気づく。
だが、今の自分の言葉の何がシモンの逆鱗に触れたのか…それはまだ舞衣にはわからなかった。
「いつ殺されても構わないとか、死んでもいいとか、そんな事は絶対許さねぇ!!」
キッと舞衣を間近で睨み付けながら、シモンの叫びは続く。
「俺はもう、仲間が死ぬのなんて見たくないんだッ!!」
その顔のほとんどは、先ほどまでの病的な様子のシモンから変わらない。
しかし、今の少年の目の奥からは……先ほどとは明らかに違う、強い輝きが見えた。
今にも暴走しそうな危うい力が多分に含まれていながらも、それでも尚その光は強い。
荒い息を付きながら舞衣を見据えるシモンの手は、未だに彼女を離そうとはしない。
そのまま、しばらくの時間が流れる。
数秒だったか、数十秒だったか、数分だったか……それを正確に認識できる余裕は、今の彼らには無かった。
沈黙を破ったのは、またしても舞衣の方。
「………手…離して…苦しいからさ…」
ようやくそれだけ言葉を搾り出す。
それを聞いた瞬間、彼はハッとしたように舞衣を掴んでいた手を離した。
「あ、その……ゴメン……」
頭に上っていた血が下がり冷静になったシモンが、バツが悪そうに舞衣に謝る。
その目からは、もうあの輝きは消えうせていた。
「………………」
シモンには何も答えず、ただつい先ほどまで掴まれていた首元をさする。
彼女の脳裏にあるのは、今のシモンの言葉。
(………死ぬのは……見たくない、か……)
譲れない強い気持ちが込められた叫びを聞いた時……炎が、少しだけ揺らめいた。
所詮、自分がしたい事は自分が救われたいが為のエゴにすぎない。
だが、どうせ同じエゴなら……せめて、少年が望む道を選んでみるべきか。
――――今の言葉は、シモンが自分のした事を知らないから言えた事だ。結局は、ただ死ぬのが怖いだけ。
心の中のどこかで、そんな声が聞こえる。
ああ、それも恐らくは真なのだろう。そして、舞衣はその事実を話す気にはなれない。
けど………もう、それでいいじゃないか。もう……それで。
投げやりのまま、乱暴にそう決め付ける。どうせ、今の自分には物事をまともに考える事など出来ないのだから。
だから、舞衣はシモンにこう言った。
「…わかったわ。私も、もう自分の命は捨てないようにする」
それでも………もし、誰かの命と自分の命のどちらかを選ぶならば、その時は……誰かの命を救う。
心の中で、そう一言だけ付け加えて。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
それから、舞衣は自分のHIMEの能力……すなわち、エレメントとチャイルドについてをシモンに説明した。
あまりにも突飛な内容に、流石のシモンも最初は不審そうな顔をしていたが、
実際に目の前でエレメントの生成を行い、軽い火炎放射や飛行をして見せたところ、驚きながらも納得してくれた。
シモンに話した内容は、以下の通り。
・自分のエレメントが出来る攻撃は、火炎放射による物のみ。
・また、腕を交差する事によりバリアーを作り出し、大抵の攻撃は防げる。ただし、守れるのは自分ひとりだけ。
・エレメントの効果で空を飛ぶことは出来るが、誰かを抱えたまま長時間飛行するのは難しい。よって移動には適さない。
チャイルドについては流石にこの場で呼び出す事はしなかったが、
とりあえず、『巨大な怪物を呼び出して攻撃させる』とだけ説明しておいた。
それを聞いたときシモンは『舞衣もガンメンを持ってるのか?』と言っていたが、
『ガンメン』なる物の意味を掴みかねた舞衣が逆に尋ねると、『じゃあ、別の物なのか…?』と言ったきり、黙り込んでしまった。
そして説明を終え、エレメントを消滅させた舞衣は、自分のディパックをテーブルの上に置きある物を探していた。
「仲間を集める、って言ってたわよね」
そういいながら、舞衣が自分のディパックから目的の物をを取り出す。
「あ、ああ……その…それ、何?俺のにも入ってたけど……」
舞衣が取り出したものを指差しながら、シモンが問う。
「見てのとおり、参加者名簿じゃない。もしかしたら、私の知り合いとかもいるかも知れないから…」
頭の中に、最初の犠牲者となった奇妙な鎧の男が浮かぶ。
あの男は、あの場にいた誰かと顔見知りのようだった。
ならば、自分の友人達も誰かがこの場にいるのでは……という簡単な推理である。
手早く、名簿の中に目を通す。
見知った名前は三つ。
すなわち……玖我なつき、結城奈緒、そして藤乃静留の三人である。
最後の人物の名前を見た瞬間、舞衣の表情に疑問が浮かんだ。
(どうして、会長さんが……?玖我さんに結城さんや私はHIMEだから呼ばれたとしても、会長さんには何も…?)
まさか、彼女もHIMEだと言う事か?…よく考えてみれば、その可能性は十分か。
「ま、舞衣…その……」
シモンが遠慮がちに舞衣に声を掛ける。
それを催促だと解釈した舞衣は考察を止め、名簿の中の名前を読み上げた。
「とりあえず、私の知り合いは三人いたわ。玖我なつきさんと、藤乃静留さんと、結城奈緒さん。
最初の二人は仲間になってくれそうだけど、最後の一人は……あまり期待しない方がいいかもね」
言いながら、最後に見た結城奈緒の姿を思い浮かべる。
些細なトラブルから、片目を負傷したその姿。
……少なくとも、あのまま誰かと手を組めるほどの余裕は無かったはずだ。
「とりあえず、玖我さんと結城さんは私と同じ力が合って…この二人が出すのはそれぞれ銃と爪だけど…、
武器が無くても、十分に戦える人たち。それから、最後の藤乃さんももしかしたら同じ力を…」
「い、いやそうじゃなくて!!」
突然自分の台詞を中断され、舞衣がキョトンとした様子でシモンを見つめる。
「……どうしたの?」
「いや、その……俺、文字が読めないから……これに何て書いてあるのかわかんないんだ…」
そう言いながら自分の名簿を掲げてみせるシモンに、少なからず舞衣は唖然とした。
(文字が読めないって……小学校も出てないの?)
「そ、その……俺の仲間…大グレン団の誰かもここにいるかもしれないし…でも俺これ読めないし…どうすればいいんだか…」
滑稽なほどにうろたえているシモンを見ながら、恐らく今までで一番大きなため息を付く。
「……わかったわ。じゃあ、とりあえず思いつくだけ知ってる人の名前を言ってみて。私がその人たちがいるかどうか探すから」
「あ、ああ……えっと…まず男が……ギミーに、ロシウに、キタン…それにえっと…リーロン…も男だよな…?それから他には…」
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
結局、シモンが一通りの名前を言い終わるのには十数分程の時間が掛かった。
「……これで、全部のはず……多分……」
流石に数十人はいる大グレン団全員の名前がわかる訳では無いが、とりあえず主要のメンバーは一通り告げたはずだ。
少し痛くなった喉を押さえながら、シモンはそう考える。
「……その、それだけ苦労させておいて言うのもなんだけど、シモンが言った名前のほとんどはここにはいないわ」
それを聞いた瞬間、シモンの心に安堵とも絶望とも取れない感情が浮かび上がる。
こんな殺し合いに巻き込まれた仲間がいないという安心と、こんな場所に仲間がいないという絶望。
だが、次に舞衣の放った言葉を聞いた瞬間…………
「ただ、二人だけ……ニアって娘とヨーコって人は、この殺し合いに参加してるみたい」
絶望が、心の中の全てを覆った。
「ニ……ア……?ニアだっ……て………!?」
ニアが。自分があそこで偶然出会った、あの少女が。自分に優しく話しかけてくれた、あの少女が。
この殺し合いの中に………イル?
「何で……何でニアがここにいるんだよ!?」
思わず、両手を目の前のテーブルに叩き付けた。
どうしてだ?何故?だって、ニアは……あの男の………!!
「と、突然、どうしたの……?このニアって娘が、何か………?」
「………ニアは……螺旋王の実の娘だ………」
「娘……娘って……主催者の子供って事………!?」
自分の子供を、この殺し合いの中に放り込む?
螺旋王の常軌を逸した行いが信じられず、思わず呆然と舞衣が呟く。
「……そうだ……早く、早くニアを助けないと……」
そんな様子の舞衣を尻目に、シモンが自分のディパックの中を漁る。
その頭の中では、自身が考えうる最悪の想像が何度もリピートされていた。
ニアが………殺される。死ぬ。
アニキのように。また、自分がグズグズしているせいで、また。
ニアガ、シヌ?
「どこだよ……どこにいるんだよニアは……!?」
乱暴にディパックの中にある地図を引っ張り出し、テーブルの上に広げる。
その上をシモンの視線が目まぐるしく動き回るが、かといってそれで目当ての人物がどこにいるかわかる訳でも無く。
「舞衣!!これ、この地図に何が書いてあるんだ!?ニアの場所とか、載ってないのか!?」
地図の上に書かれた文字列を指差しながら、苛立ったままシモンが舞衣に叫ぶ。
言っている内容が支離滅裂な事にすら、今の彼は気づけない。
417 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:42:20 ID:8oStttwN
「え……い、いくらなんでもそんなのは載ってないわ。ただ、幾つか地名が書かれてるだけで……
ホテルとか、豪華客船とか…灯台とか……」
舞衣が例として読み上げた地名の一つを聴いた瞬間、シモンの頭に何かが引っかかった。
「ごうかきゃくせん……?」
「簡単に言えば大きな船よ…数千人単位で人が乗れるような豪華な…タイタニック何かが私は思い浮かぶけど」
大きな、巨大な船。その単語が、シモンの記憶の中のある物と結びつき……はじけた。
「………それだ……もしかしたら、そこにニアがいるかも!!」
「は、はぁ?何で、そこにその子がいるなんて事が……?」
突然シモンが導き出した結論に、舞衣が疑問の声を上げる。
「俺達大グレン団が暮らしてる本拠地、ダイグレンもでっかい戦艦だ!!
同じでかい船なら、ニアもそこを目指すかもしれない!!」
シモンの考察は完全にインスピレーションによるもので、根拠など何も無い。
だが、舞衣はそんな事よりも……シモンが言った、別の言葉が気になっていた。
「戦艦、ですって………?」
戦艦で暮らしている。確かに、今シモンはそう言った。
シモンが、最初にあった時から度々口にしていた単語……『大グレン団』。
その大グレン団なる組織の本拠地が、巨大戦艦?
シモンは、『アニキ』を螺旋王に殺されたという。
そして、その『アニキ』が生前に結成していたのが、他でも無い大グレン団で。
つまり、大グレン団という組織の正体とは…………
(螺旋『王』を倒す為に、行動している……ゲリラ組織のような物…!?)
まさか、こんな年端もいかない少年が、そんな組織に属しているというのか?
だが……もしそうだとするのならば、納得できる部分もある。
まず、シモンが余りにも当たり前の知識を知らなすぎる事。
つまりこれは、彼がそういった教育も受けられないような環境、
例えば……独裁者とそれに抗う民衆との争いが絶えないような貧しい内紛地域で生まれ育ったような………
(何を考えてるのよ私は…幾らなんでも、突拍子が無さ過ぎるわ)
思わず頭を抑え、荒唐無稽な考えを追い出そうと深呼吸する。
「そうだ、『豪華客船』だ……!早く行かないと、ニアが……!!」
そんな舞衣を尻目に、慌ててナイフを手に持ち、散乱している小物を自分のディパックに詰め込んで出発の準備をしているシモン。
だが、焦りで震える手は正確な作業を阻害し、手に持っていたディパックが軽いはずみで地面に落とされてしまう。
軽いディパックが落ちただけとは思えないような、激しい落下音が響き渡る。
そして、その拍子にディパックから零れ落ちたあるアイテムを見たとき………再び、舞衣の頭は混乱した。
「何よ……これ……」
思わず、そのアイテムを起こそうとそばに近寄る。
「ま、舞衣?それが何だか知ってるのか!?」
シモンにとっては、よくわからない存在だったらしいそれは…舞衣にとって…
いや、自分の知っている限りでは知らない人間はいないようなポピュラーなアイテムであるそれは………
「知ってるも何も……これ……バイクじゃない……!」
大人一人、いや、二人までなら乗せられるような、背もたれの存在する特徴的なバイク。
どう考えても、人が背負えるようなディパックに入る代物では無い。
だが……それでも確かに、このバイクは『今まさに舞衣の目の前でディパックから零れ落ちた』のだ。
「バイク?バイクって……」
「乗り物よ……それぐらいは、わかるでしょ…」
シモンの質問に機械的に答えながらも、舞衣の頭はまだ混乱から回復してはいない。
異常だ。何かが、異常だ。どこかがおかしい。
突然の殺し合い。そこで出会った奇妙な少年。そして、明らかに異常な特性を持つディパック。
わからない。何一つわからない。
「乗り物……つまり、これもガンメンか!!だったら、これに乗ってニアを……!」
今のシモンには、舞衣の混乱を察して行動する事など出来ない。
ただ、目の前に現れた、つい先ほどまでただのゴミだと思っていたそれに取り付き、どうにか動かそうと弄繰り回す。
(………違う……内紛地域とか、そんなレベルの話じゃない……)
必死でバイクのあちこちを調べ、動かし方を模索しているシモンを見ながらボンヤリとした頭で考える。
シモンの動きは、完全に『バイク』という物体を知らず、あたかも初めてそれに触れるような雰囲気が感じられた。
まるで、自分達とは違う文化……それどころか、自分達とは全く違う『場所』から来たような………?
「クソッ!!どうやったら動くんだよ!?」
苛立ったシモンの叫び。それを聞いた瞬間、ハッとした。
そうだ、少なくとも今は……そんな事を考えている場合じゃない。
シモンが『どこから来た』のであれ、今彼が感じている焦燥と恐怖は本物なのだ。
ならば、自分のすべき事は一つ。
「貸して。私も、バイクの運転なんかした事無いけど…少なくとも、アンタよりは動かせるわ」
目の前の少年を………シモンを、助ける事だ。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
「……よし、エンジンはかかった」
喫茶店前の道路、そこでシモンと共にバイクに跨りながら、舞衣が呟く。
最初から刺さったままだったエンジンキーは問題なく回り、ご丁寧な事にガソリンも満タンの状態だ。
ついさっき見た地図を思い出しながら、豪華客船への道を考える。
「豪華客船に行く道は、二つあるわ。博物館前からモノレールに乗るルートと、このまま直に豪華客船に向かうルート」
前を見たまま、自分の後ろで背もたれに掴まって座っているシモンに話しかける。
「も、ものれーる?」
「モノレールの方を選んだら、豪華客船までは早く着くけど、途中でニアって子に会える可能性は限りなく低い。
直で行く方を選ぶのなら、目的地までは時間が掛かっても、もしかしたら途中でその子に会えるかもしれない」
詳しい施設の説明は省き、要点だけを素早く説明する。
「え、えーと……」
「今すぐ考えなくてもいいけど、このまま映画館に着くまでには決めておいて」
「わ、わかった!」
答える声には若干の不安が感じられるけれども、それでも理解はしていると判断した。
「それじゃあ……行くわよ……」
発進の合図を口で出した後で、ゆっくりとアクセルを入れる。
見よう見まねで騙し騙しの、非常に危うい発進方法だ。もしもバイク運転の心得がある人物が見たら、血相を変えて止めるだろう。
(そういえば、玖我さんってバイクの運転出来るんだっけ……)
この会場のどこかにいるであろう、自分の友人の顔をふと思い浮かべた。
今のシモンほど彼女達を心配している訳では無いが、それでも合流できるのならば早いに越した事は無い。
(どこかで、会えればいいけど……)
そして仲間を求める二人を乗せて……バイクは、勢いよく走り出す。
【B-5 道路上・交差点付近 一日目 黎明】
【鴇羽舞衣@舞-HiME】
[状態]:精神的消耗(先ほどよりは軽くなっている)、ずぶ濡れ、若干の混乱
[装備]:クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS、ポスティーノのバイク@王ドロボウJING(運転中)
[道具]:デイバッグ、支給品一式
[思考]
基本:シモンを手伝う
1:シモンが決めたルートの通りに、豪華客船へ向かいニアを探す。
2:玖我なつき、結城奈緒、藤乃静留に会えたら仲間になってもらうよう交渉する。ただし奈緒は警戒。
3:とりあえず、生きる決心は付いた。だが、もし自分の命で誰かが助かるのであれば、その時は……。
4:シモンって…一体、何者?
[備考]
※「巧海を生き返す」ためゲームに乗るという手には、まだ思考が及んでいません。
※カグツチが出せないことに気づいていません。また、エレメントに制限が掛かっている事にも気づいていません。
※クラールヴィントの正体に気づいておらず、ただの指輪だと思っています。HIMEの能力と魔力に近い物があるかどうかは不明。
※参戦時期の影響で、静留がHIMEである事は知りませんでしたが、ゲームに呼ばれている事から「もしかしたら…」と思っています。
※シモンが別の世界からやって来たのではないかと考えていますが、荒唐無稽な考えだとも思っています。
※バイクは2〜30km程のスピードで走っています。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(ニア…………!!)
捜し求める少女の名を心の中で叫びながら、シモンは自分の胸元に手を当てる。
そこにはもう、故郷の土の中で見つけた、自分の大切なお守りは存在しない。
それでもシモンは、そこに何かがあるかのように、強く強くその場所を握り締めた。
(俺が、俺がニアを助けてやらなきゃ……!!今度は、俺がアニキにならなきゃ……!!)
たとえここに、今までずっと持っていた大切な物が無くても……
自分と、旅立つきっかけをくれたあのガンメンとの絆が無くても……
自分で、強くならなくてはいけないのだ。
(大丈夫、大丈夫だ……コイツもあるんだから……!)
ポケットの中に仕舞いこんだ、『マタタビ』なる実の事を思い浮かべる。
きっと、これを食べればあの時のように……アニキと一緒だった時のように……!
少年の言葉は、どこまでも勇ましい。だが、その心は未だに闇に包まれたまま。
それを払うであろう光……かの少女の姿は、まだ少年には見えていなかった。
【シモン@天元突破グレンラガン】
[状態]:健康、疑心暗鬼気味、焦り
[装備]:フィーロのナイフ@BACCANO バッカーノ!、マタタビ@サイボーグクロちゃん(?)
[道具]:デイバッグ、支給品一式、ランダム支給品0〜1個(本人確認済み・武器以外ないし、シモンの理解できない物)
[思考]
基本:兄貴のように大グレン団を結成し、螺旋王を倒す
1:モノレールルートで豪華客船に向かうか、直行ルートで行くかを決める。
2:豪華客船へ向かい、ニアを探す。ヨーコの事も少し気になる。
3:仲間を集めたいが、やはり疑心暗鬼が抜けない。
4:俺の、コアドリル………。
[備考]
※かなり疑心暗鬼気味ですが、舞衣はある程度信用したようです。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
※カミナ、及びヴィラルが参加している事に気づいていません。
(死んでいるカミナの名と、敵であるヴィラルの名は舞衣に伝えなかったため)
※コアドリルが無いことに気づいていますが、今はそれどころでは無いと誤魔化しています。
【アイテム補足】
【クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS】
ヴォルケンリッターが一人、湖の騎士シャマルの使用するアームドデバイス。別名「風のリング」。
攻撃能力は無いに等しいが、治療や通信、更に転送等の支援用途で本領を発揮する。
当たり前の事だが、魔力の無い人間には使用できない。
【ポスティーノのバイク@王ドロボウJING】
さすらいの謎の郵便屋、ポスティーノが愛用している緑色のバイク。
郵便物を入れるためだと思われる鞄が後輪の両サイドについているが、既に中身は没収されている。
ごく普通のバイクであり、他に特筆すべき点はないと思われる。
【マタタビ@サイボーグクロちゃん(?)】
何の変哲も無い、ごく普通のマタタビです。
疲れた旅人がこれを食べた所、元気が出てまた旅が出来るようになった…という逸話は有名ですね。
この逸話の通り、食べればちょっとは元気が出るかもしれません。
ちなみに、私達の良く知っているキウイフルーツもマタタビ科の植物なんですよ?
以上、CV遠藤綾でお送りいたしました♪
以上で投下終了ですー
くそなげー
431 :
はい定時:2007/09/27(木) 21:54:36 ID:D8TzhKcd
726 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 23:35:34 ID:m4SiLvRQ
キレイにコピペされた件w
727 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/26(水) 23:38:31 ID:WO0GNVOv
NGワードに引っかかって削除されてたから、言われて始めて気が付いた。
728 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/27(木) 03:05:01 ID:7W0yOPeh
G…盗用連投が本格的に荒らし扱いされそうだからってビビってんのなw
支援してくれるとはまあ、糞虫にも使い道があるってことかwww
729 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/27(木) 03:12:34 ID:VYN2XzSr
さるさる規制を気にしなくて済むのは誠に楽だ。
専ブラのおかげでSSだけ読めるし、便利なもんだな。
730 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/27(木) 03:24:15 ID:iDDnE8Ec
あいつら名前欄変えても意味ないのわかってんのかよwww
731 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/27(木) 03:32:25 ID:7W0yOPeh
343 :甘い。:2007/09/27(木) 02:37:51 ID:d8/xZnJb
状況説明だけで書かれた典型的な厨房の文章
これが批評wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
糞虫様は相変わらず最高に笑いのセンスに溢れていらっしゃいますwwwwwwwwwww
732 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/27(木) 08:39:16 ID:3Tlhd2sn
相変わらず、自演会話が会話になってないから たった1人でアホやってるって良く分かる
いや会話しなくても、別の人が同時に書いてるならああはならんからな
1144 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 19:39:27 ID:???O
逆に云えば今回素晴らしき人がまともなマーダーやりだしたら
あからさますぎるサラマン候補勢に確実にしわ寄せがきそうだがなw
原作でも出オチな公m(ryとか常時油断しすぎな金(ryとか虻蜂のエビ(ryとか
1145 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 19:41:49 ID:???0
素晴らしき人は攻撃がワンパターンなのがな…
1146 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 19:44:55 ID:???O
指パッチンコンビor対決までは生き長らえてもらいたい
1147 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 19:47:11 ID:???O
不殺のサラマンダーは長生きしたんだぜ!
1148 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 19:59:01 ID:???0
>>1145 画像、映像なら映えるんだが、文章だけだと素晴らしさは伝わりにくいよな
1149 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 20:01:33 ID:???0
予約の中に出会うの無理な組み合わせがあるような気がするんだが……大丈夫だろうか
1150 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 20:05:25 ID:???0
イリア組みはmapの人のミスだからねねねの進行ルート上に確実にあの二人はいるはず。
1151 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 20:13:38 ID:???0
どの予約も正直マーダー返り討ちしか想像できん
どれだけのマーダーが仕事をこなせるか、どれだけのマーダーが2話で退場するか……
この日曜日は地獄だ
1152 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 20:20:09 ID:???O
>>1148 つ「オドー大佐」
つ「ヴァーミリオン・CD・ヘイズ」
1153 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 20:22:03 ID:???0
>>1150 いや別の組の話
だけどごめん、気のせいだった
片方に乗り物&片方に方向オンチ設定でなんとかなりそう
1154 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 20:39:49 ID:???0
>>1152 オドーは参考になるな。指パッチンで叩き潰す以外の技が全く無いし。
まあ、空間殴り潰して防壁にするとかの小技はあるが。
ヘイズは無理だろww
1155 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 21:19:54 ID:???O
乗り物か
どこのことだろ
1156 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 21:22:57 ID:???0
銃の予備マガジンってやっぱり支給した方がいいのかな?
1157 :やってられない名無しさん:2007/09/27(木) 21:24:52 ID:???0
いや、別に無くても良いよ?
限られた残弾で戦う、ってのができるから。
多分どっかに「予備の弾丸」って支給品が出ると思うし。
433 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:40:21 ID:R3LJ2IRe
>>431 どうもしたらばの運営委員会さまの規格にあわない批評であったようですね
434 :
774:2007/09/27(木) 22:58:04 ID:hVbQVWHa
こういう書き込みがいやならそもそも最初から2ちゃんでやるな
表に出ると同時に、銃声を、ウルフウッドは聞いた。
とある中年男が変身すべく叫んだ合い言葉がそれによってかき消されたとも知らず、
現場に向かうべく駆け出す。
なじみの音だ。親代わりなどという肩書きをぶら下げたろくでなしを手にかけてからこっち、
ずっと、自分はあの音と共にあったのだ。そしてそれは、今とて同じ。
道を外した者は、外した道を歩き続けるしかない。
この手には銃、そして今や五体に染みつききった殺りくの業(わざ)。
ならばこの道、歩き抜く。生けども死せども、楽園(エデン)に踏み居ることの許されぬこの身なら。
なすべきことは決まっている。見敵必殺。今までと同じ。
頭に二発、心臓に二発。すみやかな安らぎをこの手で、即座に。
壁を背に、曲がり角に身を隠し、目的地に迫る…迫る。
そしてほどなく、ひとつの死体を発見する。
年端もいかぬ子供の死体と、血溜まりを。
孤児院で養っていた子供達と同じ年頃の少女が、
仰向けに天を見上げて、その長くもない人生を終えていた。
「けったくそ悪っ…」
ぼやきながらも、ウルフウッドはすでに状況の検分を始めていた。
心臓を貫通する銃弾の一撃。それに伴う失血、ショック死か。
仏にされた少女は見たところ、武器らしきものはひとつも持っていない。
殺されたあとに持っていかれたのかもしれないが、それにしては応戦した形跡すらもなかった。
一方的に殺害された可能性が非常に高いということだ。
続けて周囲を見よ。
円形に拡がった血溜まり、その先に点々と続く足跡を。
血を踏んでから去っていったそいつは、誰か?
ふところからタバコを取り出そうとし、持ち合わせがないことに気づく。
それと同時に聞こえてくる、時ならぬ幻聴。
(お腹の子にさわりますよ、あ・な・た)
「そらないわ、マイ・ハニー」
ミリィ・トンプソン。彼女にまとめて没収されたのかと、しょうもないことを考えた。
マッチもない。考えてみれば武器にもなるから、主催者に取り上げられたのだろう。
ウルフウッドはおもむろに死体を前にひざまずき、右手と左手、五本の指を組んで祈る。
一応、これでも牧師である。死んだものの安息を願ってやることくらいはできるのだ。
そして、これは同時に。
「すまんなぁ、ちびっ子」
純粋な謝罪の意味も兼ねていた。
死体の仰向けの襟首をつかみ上げ、乱暴にふり回す。
愛らしい死相が、ざくろのようにはじけた。
「なっ―――――」
屋上に伏せったまま、クアットロは呼吸を数瞬止められた。
そして次には銃声二発。にぶい衝撃。
思わず狙撃銃を取り落としてから理解した。自分に何が起こったのかを。
なんだこれ
「っぎぃ?」
左肩に一発、銃弾がめり込んでいた。
認識した瞬間に襲い来る痛覚。
いやしくも戦闘機人の四番機たる彼女である。
それしきでまいってしまうことはなかったが、
標的のあまりの非常識ぶりに、不慣れな感情を脳内でもてあます羽目となっていた。
それは普段、彼女と姉妹達が常に供給する側にまわるもの。
時空管理局地上本部を蹂躙したときもそうだった。
すなわち、能力差による圧倒的恐怖。
クアットロ自身は、そのような力押しに近い方法で味わわせるそれを、
なんともやりがいなく面白味もないと思ってはいたが、
まさか自分の身にふりかかる日が来るとは夢にも思っていなかった。
何故だ、何故だ。
子供の死体を盾にするだと? それが人間のやることか?
何故、拳銃で狙撃銃に対抗してくる? 何故、当てられる?
反撃されるはずなんか、なかったのに!
「じょ、冗談じゃ…」
南下を決心して移動を開始するなり、ティアナと入れ替わりにやってきたあの黒服の男を発見し、ずっと見ていた。
『善良な人間』ならばさっさと取り入る方針に変わりはなく、あの死体を前にどうするつもりか、屋上からこっそり覗いていた。
そこでふと思いついたのだ。このゲームからの脱出を目論むのならば、死体の首輪を回収し、調べる必要があるな、と。
それは、『善良な人間』を疑心暗鬼に追い込んでいく上でひとつのアドバンテージとなる。
首輪、なんとも魅力的なアイテムだ。持っていたらいたで、なんとでも使いようがあるではないか。
誰かの荷物にそっと放り込んでおくもよし。つまりそいつは、他人の首をはねたことになる。
自分で持っていてもよし。見せびらかすことで敵の短絡的な行動を誘うこともできよう。
そして自分のISは幻影能力、シルバーケープ。どんな人間にも、どんな生物にも変身できる。
首を切り落とす現場を目撃されたところで痛くもかゆくもないうえに、全てが自分の思うがままに運んでいくのだ。
生唾を呑んだ彼女は、即座に行動に移った。
以上のプラン、首輪が多くて困ることはひとつもない。
あちらは拳銃、こちらは狙撃銃。しかもこちらだけ一方的に敵の位置を把握していたのだ。
撃てばそれで終わり、あとはゆっくり首を切断すればいい。
…だが、その結果はどうだ。
世界はいつも、こんなはずじゃなかったことばっかりなのである。
常に他人を思い通りに踊らせてきた彼女にとって、それは理解の外だった。
とにかくもう、こうなっては勝ち目がない。
狙撃銃、レミントンM700は眼下の茂みに落下し回収は不可能。
キャロから奪い取った支給品の中に優秀な武器があったところで、
片腕が動かないまま戦えるほど甘い相手ではとてもない。
動く右手でデイバッグを素早く回収。
ビルの反対側から、クアットロは飛んだ。そして逃げた。
いや、これは逃げるのではない。戦略的撤退だ。
まずは、あの男を始末せねばならない。
こんなところに拳銃などというもので命中弾を出してきた以上、こちらの顔まで丸見えだったと思うしかない。
一刻も早く『善良な人間』に合流し、充分な戦力がそろい次第、あの男にけしかけるのだ。
疑心暗鬼とか、そういう趣味的なことはすべて、あの男が斃れてからだ。
夜天は白む。
バトルロワイヤルは、ユルイ考えを許さない…
ことの最初からウルフウッドは、少女の死体の銃創はライフルによるものだと理解していた。
ゆえにそれを警戒し、暗視スコープの照り返しを視界に収めることができたのだ。
ごく一瞬のことだったが、それが生死を分ける世界で生きてきたのは伊達ではない。
彼の住んでいた星自体がそういう星なのである。
443 :
修整してみた:2007/09/27(木) 23:04:44 ID:/Itr/Jxd
表に出ると同時に、銃声を、ウルフウッドは聞いた。
とある中年男が変身すべく叫んだ合い言葉がそれによってかき消されたとも知らず、
現場に向かうべく駆け出す。
なじみの音だ。親代わりなどという肩書きをぶら下げたろくでなしを手にかけてからこっち、
ずっと、自分はあの音と共にあったのだ。そしてそれは、今とて同じ。
道を外した者は、外した道を歩き続けるしかない。
この手には銃、そして今や五体に染みつききった殺りくの業(わざ)。
ならばこの道、歩き抜く。生けども死せども、楽園(エデン)に踏み居ることの許されぬこの身なら。
なすべきことは決まっている。見敵必殺。今までと同じ。
頭に二発、心臓に二発。すみやかな安らぎをこの手で、即座に。
壁を背に、曲がり角に身を隠し、目的地に迫る…迫る。
そしてほどなく、ひとつの死体を発見する。
年端もいかぬ子供の死体と、血溜まりを。
孤児院で養っていた子供達と同じ年頃の少女が、
仰向けに天を見上げて、その長くもない人生を終えていた。
「けったくそ悪っ…」
ぼやきながらも、ウルフウッドはすでに状況の検分を始めていた。
心臓を貫通する銃弾の一撃。それに伴う失血、ショック死か。
仏にされた少女は見たところ、武器らしきものはひとつも持っていない。
殺されたあとに持っていかれたのかもしれないが、それにしては応戦した形跡すらもなかった。
一方的に殺害された可能性が非常に高いということだ。
続けて周囲を見よ。
円形に拡がった血溜まり、その先に点々と続く足跡を。
血を踏んでから去っていったそいつは、誰か?
ふところからタバコを取り出そうとし、持ち合わせがないことに気づく。
それと同時に聞こえてくる、時ならぬ幻聴。
(お腹の子にさわりますよ、あ・な・た)
「そらないわ、マイ・ハニー」
ミリィ・トンプソン。彼女にまとめて没収されたのかと、しょうもないことを考えた。
マッチもない。考えてみれば武器にもなるから、主催者に取り上げられたのだろう。
ウルフウッドはおもむろに死体を前にひざまずき、右手と左手、五本の指を組んで祈る。
一応、これでも牧師である。死んだものの安息を、願ってやることくらいはできるのだ。
そして、これは同時に。
「すまんなぁ、ちびっ子」 という言葉には純粋な謝罪の意味も兼ねていた。
死体の仰向けの襟首をつかみ上げ、乱暴にふり回す。
愛らしい死相が、ざくろのようにはじけた。
「なっ―――――」
屋上に伏せったまま、クアットロは、呼吸を数瞬止められた。
そして次には銃声二発。にぶい衝撃。
思わず狙撃銃を取り落としてから理解した。自分に何が起こったのかを。
同じ言葉はくりかえさない
444 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:04:57 ID:8oStttwN
銃こそ日常の世界の中で荒事を生業とし、その中にあってなお図抜けた能力の持ち主として人類完殺を望む存在に見込まれ、刺客となった男なのである。
質量兵器そのものが厳密に取り締まられ七十余年、火薬のにおいを忘れた世界(ミッドチルダ)の人間に、及びのつくものではない。
少なくとも、銃器というアイテムの扱いにおいては。
むろん、そのような事情をウルフウッドが知るわけもなかったが、聞こえたわずかな悲鳴から、
照り返しと弾道から割り出した方角に向けて撃った二発の両方、もしくはいずれかが命中したものと判断。とどめを刺すべく銃を片手にビルへと乗り込む。
この銃もまた、反撃できた秘密のひとつ。
名匠フランク・マーロンによって調整されたそれは、ウルフウッドの生きる世界においてもありえぬ精度を誇る名銃。
その性能を活かしきることができるのは、同じくありえぬ技量を持つ人間のみ。たとえば、ヴァッシュ・ザ・スタンピードのような。
たかが拳銃だが、されど拳銃。持つ者が持てば、それこそ狙撃銃すらもしのぐ可能性を持った至高の逸品だった。
「かんにんな」
ウルフウッドは行きがけに死体に振り向く。
なかば自らの手によって、後頭部が爆裂してしまった頭を。
やさしい色合いだった桃色の髪も、血に染まりきって見る影もなかった。
こぼれそうな目玉が、今やにごった水晶体にウルフウッドを映している。
「そないな目で、わいを見るなや。
呪わんでもええ、わいの行く先はどうあがいてもな…」
自動ドアの先に足を踏み入れ、
数秒して、死体との間に透明な隔たりが生まれた。
「地獄や」
【C-5 映画館近くの路地裏 一日目 黎明】
【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:銃撃を受けた左肩がまともに動かない、D-4に向かって飛行中
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品×1〜3
[思考]:1:.勝ち残り、ドクターの元へ生きて帰る
2:まず全力で黒服の男(ウルフウッド)から逃げる
3:手段を問わず、黒服の男(ウルフウッド)を始末する。そのための人数を集める
4:善良な人間の中に紛れ込み、扇動してお互いを殺し合わせる
5:出来る限り自分は肉体労働しない
6:可能であれば『4』のために首輪を集める
※呼ばれた時期は地上本部襲撃後のどこかです
※キャロ殺害の真犯人です
※黒服の男(ウルフウッド)に恐怖を感じています。また、顔が割れた可能性が高いとも思っています
※レミントンM700はC-5、映画館近くの路地裏の茂みの中に放置されています
【ニコラス・D・ウルフウッド @トライガン】
[状態]:健康
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン 弾数×四発
[道具]:支給品一式、不明支給品×1
[思考]
基本思考:ゲームに乗る
1:自分の手でゲームを終わらせる
2:敵には容赦しない
3:ビル内を捜索し、狙撃手(クアットロ)を殺害する
4:子供の死体(キャロ)をきちんと葬ってやりたい
※参戦時期は教会での死亡直前あたりから参戦
※どうすべきか少し迷っている所もあります
※クアットロの顔は見ていません
「っぎぃ?」
>左肩に一発、銃弾がめり込んでいた。 認識した瞬間に襲い来る痛覚。
いやしくも戦闘機人の四番機たる彼女である。
それしきでまいってしまうことはなかったが、
標的のあまりの非常識ぶりに、不慣れな感情を脳内でもてあます羽目となっていた。
>それは普段、彼女と姉妹達が常に供給する側にまわるもの、
時空管理局地上本部を蹂躙したときもそうだった。
すなわち、能力差による圧倒的恐怖。
>彼自身は、そのような力押しに近い方法で味わわせるそれをなんともやりがいなく
面白味もないと思ってはいたが、まさか自分の身にふりかかる日が来るとは
夢にも思っていなかった。
何故だ、何故だ。
子供の死体を盾にするだと? それが人間のやることか?
何故、拳銃で狙撃銃に対抗してくる? 何故、当てられる?
反撃されるはずなんか、なかったのに!
「じょ、冗談じゃ…」
南下を決心して移動を開始するなり、ティアナと入れ替わりにやってきたあの黒服の男を発見し、ずっと見ていた。
『善良な人間』ならばさっさと取り入る方針に変わりはなく、あの死体を前にどうするつもりか、屋上からこっそり覗いていた。
そこでふと思いついたのだ。このゲームからの脱出を目論むのならば、死体の首輪を回収し、調べる必要があるな、と。
それは、『善良な人間』を疑心暗鬼に追い込んでいく上でひとつのアドバンテージとなる。
首輪、なんとも魅力的なアイテムだ。持っていたらいたで、なんとでも使いようがあるではないか。
誰かの荷物にそっと放り込んでおくもよし。つまりそいつは、他人の首をはねたことになる。
自分で持っていてもよし。見せびらかすことで敵の短絡的な行動を誘うこともできよう。
そして自分のISは幻影能力、シルバーケープ。どんな人間にも、どんな生物にも変身できる。
首を切り落とす現場を目撃されたところで痛くもかゆくもないうえに、全てが自分の思うがままに運んでいくのだ。
生唾を呑んだ彼女は、即座に行動に移った。
以上のプラン、首輪が多くて困ることはひとつもない。
あちらは拳銃、こちらは狙撃銃。しかもこちらだけ一方的に敵の位置を把握していたのだ。
撃てばそれで終わり、あとはゆっくり首を切断すればいい。
…だが、その結果はどうだ。
世界はいつも、こんなはずじゃなかったことばっかりなのである。
常に他人を思い通りに踊らせてきた彼女にとって、それは理解の外だった。
とにかくもう、こうなっては勝ち目がない。
狙撃銃、レミントンM700は眼下の茂みに落下し回収は不可能。
キャロから奪い取った支給品の中に優秀な武器があったところで、
片腕が動かないまま戦えるほど甘い相手ではとてもない。
動く右手でデイバッグを素早く回収。
ビルの反対側から、クアットロは飛んだ。そして逃げた。
いや、これは逃げるのではない。戦略的撤退だ。
まずは、あの男を始末せねばならない。
こんなところに拳銃などというもので命中弾を出してきた以上、こちらの顔まで丸見えだったと思うしかない。
一刻も早く『善良な人間』に合流し、充分な戦力がそろい次第、あの男にけしかけるのだ。
疑心暗鬼とか、そういう趣味的なことはすべて、あの男が斃れてからだ。
夜天は白む。
バトルロワイヤルは、ユルイ考えを許さない…
銃こそ日常の世界の中で荒事を生業とし、その中にあってなお図抜けた能力の
持ち主として人類完殺を望む存在に見込まれ、刺客となった男なのである。
質量兵器そのものが厳密に取り締まられ七十余年、火薬のにおいを忘れた世界
(ミッドチルダ)の人間に、及びのつくものではない。
少なくとも、銃器というアイテムの扱いにおいては。
むろん、そのような事情をウルフウッドが知るわけもなかったが、聞こえたわずかな悲鳴から、
照り返しと弾道から割り出した方角に向けて撃った二発の両方、もしくはいずれかが
命中したものと判断。とどめを刺すべく銃を片手にビルへと乗り込んだ。
この銃もまた、反撃できた秘密のひとつ
名匠フランク・マーロンによって調整されたそれは、ウルフウッドの生きる世界に
おいてもありえぬ精度を誇る名銃。
その性能を活かしきることができるのは、同じくありえぬ技量を持つ人間のみ。
たとえば、ヴァッシュ・ザ・スタンピードのような。
たかが拳銃だが、されど拳銃。持つ者が持てば、それこそ狙撃銃すらもしのぐ可能性を
持った至高の逸品だった。
「かんにんな」
ウルフウッドは行きがけに死体に振り向く。
なかば自らの手によって、後頭部が爆裂してしまった頭を。
やさしい色合いだった桃色の髪も、血に染まりきって見る影もなかった。
こぼれそうな目玉が、今やにごった水晶体にウルフウッドを映している。
「そないな目で、わいを見るなや。
呪わんでもええ、わいの行く先はどうあがいてもな…」
自動ドアの先に足を踏み入れ、
数秒して、死体との間に透明な隔たりが生まれた。
「地獄や」
【C-5 映画館近くの路地裏 一日目 黎明】
【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:銃撃を受けた左肩がまともに動かない、D-4に向かって飛行中
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品×1〜3
[思考]:1:.勝ち残り、ドクターの元へ生きて帰る
2:まず全力で黒服の男(ウルフウッド)から逃げる
3:手段を問わず、黒服の男(ウルフウッド)を始末する。そのための人数を集める
4:善良な人間の中に紛れ込み、扇動してお互いを殺し合わせる
5:出来る限り自分は肉体労働しない
6:可能であれば『4』のために首輪を集める
※呼ばれた時期は地上本部襲撃後のどこかです
※キャロ殺害の真犯人です
※黒服の男(ウルフウッド)に恐怖を感じています。また、顔が割れた可能性が高いとも思っています
※レミントンM700はC-5、映画館近くの路地裏の茂みの中に放置されています
【ニコラス・D・ウルフウッド @トライガン】
[状態]:健康
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン 弾数×四発
[道具]:支給品一式、不明支給品×1
[思考]
基本思考:ゲームに乗る
1:自分の手でゲームを終わらせる
2:敵には容赦しない
3:ビル内を捜索し、狙撃手(クアットロ)を殺害する
4:子供の死体(キャロ)をきちんと葬ってやりたい
※参戦時期は教会での死亡直前あたりから参戦
※どうすべきか少し迷っている所もあります
※クアットロの顔は見ていません
>>445 >>441 読みやすさをかんがえましょう
451 :
白ロムさん:2007/09/27(木) 23:14:24 ID:6MkUO2IG
782 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 14:44:28 ID:AUAkmWMIO
>>779 まとめGJ! すごく助かります。
783 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 14:47:00 ID:fp8UW1WQ0
マーダーまとめ乙
しかし16人もいるのか、一部どう転ぶか分からん連中もいるからどうなることやら
784 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:09:16 ID:sTSpqN6c0
割合的には16人ってそこまで多いとは思わないなぁ。
まぁ人外マーダーが多いからマーダー不足の心配はないだろうね。
なんとなくだけどラッドが1stのレヴィポジションになりそうな気がするw
785 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:14:01 ID:zUzSp6M.O
すこし失礼を。
今、書いているのですが、前の書き手さんの移動方針は厳守すべきでしょうか?
今のところ、移動開始直後に獲物を発見、そっちを追跡、という流れで書いているのですが。
786 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:17:25 ID:sTSpqN6c0
>>785 作中で納得できる理由が書かれていれば全然OKですよ。
というか前話と行動方針が矛盾してるって実は結構あったりするし。
787 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:18:21 ID:H4E1J9Hw0
マーダー目的で、獲物が見つかったから、そいつについていくのなら別にいいんじゃない?
いや、キャラによるとは思うけど…
788 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:24:10 ID:zUzSp6M.O
素早い返答に多謝。
このまま書き抜くとします。
789 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:34:15 ID:9b4.lHxIO
>>779 まとめ乙!
衝撃の人をマーダーと勘違いしてたw
790 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:37:38 ID:3Jbiwt8Q0
>>789 衝撃の人はとりあえず戴宋と決着を付けたいだけで脱出しようと考えてるからね
けどまぁ、脱出不可能だと判明したらばマーダー化するって言ってるけども…
791 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 20:07:24 ID:3ikSmPgw0
それにしても他のバッカーノキャラが全滅して
ラッド兄貴だけ帰還したら、
クレアもジャグジーもいない
↓
ずっとラッドのターン!!
↓
列車強盗成功 ヒャッハー!
な展開になるんじゃねww
792 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 20:09:18 ID:8BOLiitE0
まあ黒服相手にどこまでやれるかわからんけどな。
シャーネもいるし。
452 :
白ロムさん:2007/09/27(木) 23:15:38 ID:6MkUO2IG
793 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 20:36:19 ID:WX9xlEi20
衝撃の人は今度こそ戴宗と決着つけてもらいたいものだ
794 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 21:37:06 ID:gfWGa/Sw0
しえん!
795 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 21:46:21 ID:wz.MR6gMO
支援
796 : ◆WcYky2B84U:2007/09/27(木) 21:48:22 ID:GuGLfsZo0
投下終了しました。支援ありがとうございます
気が付くと食料品ばっか支給してる罠…
797 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 21:51:44 ID:7TM5MfN60
投下乙でした!
グレンラガンと舞姫を知らなくてもビビッと来るぐらいこれは良いクロスオーバー。
思考と行動、どちらも自然で良かったです。
舞が微妙に爆弾持ちなのも今後に期待が出来るところですね。GJ!
798 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 21:55:18 ID:sd.ZWeSk0
投下乙です!!
舞とシモンの関係がいいなぁ。行動方針にも納得。
しかし、行き先が豪華客船ってテラ激戦区www
にしても、マタタビ=気合いにはワロタww
799 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 22:00:19 ID:kObnpCWU0
GJ
混乱状態の舞カワイソス。
二人の世界の差が良く出てて楽しかったです。
800 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 22:06:11 ID:AfptnpRU0
おつー!
シモンがちょっとやばいかもしれませんね。
でも舞が支えてくれるか?
頑張れシモンと舞!
801 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 22:25:50 ID:gfWGa/Sw0
乙です!
いつ爆発してもおかしくない二人の今後が恐ろしい。
文章からただよう欝な雰囲気も良かったです。
802 : ◆ZJTBOvEGT.:2007/09/27(木) 22:57:29 ID:C5AWfaOk0
>>796 ここまで見事にリレーをしていただけるとは…
綿密な描写に頭が下がります。
及ばずながら、私も投下を開始します。
803 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 22:59:26 ID:FRhej3Lk0
sienn
804 : ◆ZJTBOvEGT.:2007/09/27(木) 23:06:04 ID:C5AWfaOk0
以上であります。
…キャロには生きていて欲しかったよ。
でもこれはロワだ、泣かない…
修正。思考の数字を揃えます。
【C-5 映画館近くの路地裏 一日目 黎明】
【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:銃撃を受けた左肩がまともに動かない、D-4に向かって飛行中
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品×1〜3
[思考]:1:.勝ち残り、ドクターの元へ生きて帰る
2:まず全力で黒服の男(ウルフウッド)から逃げる
3:手段を問わず、黒服の男(ウルフウッド)を始末する。そのための人数を集める
4:善良な人間の中に紛れ込み、扇動してお互いを殺し合わせる
5:出来る限り自分は肉体労働しない
6:可能であれば『4』のために首輪を集める
※呼ばれた時期は地上本部襲撃後のどこかです
※キャロ殺害の真犯人です
※黒服の男(ウルフウッド)に恐怖を感じています。また、顔が割れた可能性が高いとも思っています
※レミントンM700はC-5、映画館近くの路地裏の茂みの中に放置されています
454 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:23:25 ID:qg5RgGDb
>804 : ◆ZJTBOvEGT.:2007/09/27(木) 23:06:04 ID:C5AWfaOk0
>以上であります。
>…キャロには生きていて欲しかったよ。
>でもこれはロワだ、泣かない…
たかが二次のネタ小説でなんのギャグ?
お墓つくってやろうぜ
456 :
これでいいか:2007/09/27(木) 23:33:48 ID:iXFW7bO7
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〜 & | き :::|
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| ろ ::::::|
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| の :::::|
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| ∬ ∬:::| チーーン、、、
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i;:.l ノ ・゚・。・ソ゚・゚・。・ ゚・。・゚ .:.//\\:: . ・。・。・。・。・ ゚・。・。・゚・
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i;: ;|: :; ;~ : : : ; : : : }:::| ̄ ̄|:| ̄ ̄|:| ̄`| |,!=====/ | =======| |´ ̄|:| ̄ ̄|:| ̄ ̄|:::{ ´⌒`ヾソ|: : : : : : : :~ ::
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丶 : ;;;;;;;;;;゙゚″ .;;;;;;;;;;;;;;;;;;!l, .'っxr='" .,サ;;: ゙,il`゙’:,llll゚ト ``: ,."
丶 : ;;;"''-、;;、.′;;;;;;;;;;;;;;;;゙!ll,,,: : : : : ..i、";;;: lll .illll,,," .ir`
'. `;;;;;;;i'`、;;;:.丶;;;;;;;;;;;;;;;;;;: ゙゙゙゙゙゙゙サ'冖"` : .ll,, `: ~” :.y-、
`. :;;;;;;;;、‐;;;;;;;゜;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: :゚゙゙lllllll,ea,e│ 丶
`:、 、.;;;;;;'、`、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: : 、 7: :
>>458 呼んだかね?
`‐- `;、;`‐.′;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: : -'";.ィ" .,".:
`丶 : ;;;;;;;`;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: 、 : : ,‐.、
`、 丶;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;: 、 ヽ.、 ∴:
`‐、`、、冫;;;;;;;;;;;;;;;;;: ``'''〜、、,,,_ ,∵
l;;;;;;;゙、;;;;;;;;;;;;;;;;;;: ```'…-、.、 "
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{;;;;;: : : : : : : : ``゙゙` .`
l゙;;: : : : : : : : : : : : : : : : `
でかっwww
そういえば、過去にサブカルで
俺の
>>1のやり方と違うとかなんだと叫んでdionが暴れてたなぁ
同じ奴か?
こいつらの体制はいつまでたってもまったくかわらねーな
都合が悪いことは全て荒らしにする
同じことやって交流所で全部はじかれただろうに…
匿名掲示板のルールも、意味も全て潰してまで
交流所企画のロワを広めたいのかねこいつら
465 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 03:02:19 ID:k7S4bPWy
もはや2chのよさを悉く潰してるよねこのバトロワの運営って
匿名掲示板なのに強制的に名前名乗らないと意見一切聞かないとか
煽りにいちいち削除以来だしたりとか
こいつらのやってる内容は何からなにまで潔癖すぎ
狂ってる。あきらかに。だから交流所でも削除人に無視られるんだよ(藁
キャプテンが荒らしだっていうけど、
キャプテンが削除依頼だされて
2chで規制されたことあったのか?一度もないだろ?
人を荒らしとののしるんだったらそのログを出せよ(笑)
そのキャプテンに荒らされる(というよりもキャプテンの支配が怖いから)
逃亡しただけなのに荒らしだとか
テラワロスwww
>>458-459まで削除依頼とはな
参加者の応援も許さないって?
ムスカは立派にこのロワに参加してますしアニメキャラですが何か?
>>461 『基本的に、』SSの投下のみ ということは
『応用的には』SSの投下以外もOK
したがってどう考えてもその削除依頼は違法ですが
なるほど
削除依頼頼みの運営体質か
根本的な問題は
今のバトロワ運営してる管理者とその仲間が
ちょっとしたことですぐに傷付きやすく
そのくせプライドだけは糞高いから
そういう人間としてはゆとり世代のクズが
書き手にまわると自分の書いたSSが世界最高だと常考してしまい
その常に気が張っている状態でまた運営に当たっているから
すぐにちょっとあおられただけで荒らしだってわめいて
削除依頼だしたり削除依頼が通らないからしたらばで
自分たちが我慢せずすぐに削除できる体制にしたり
してるだけじゃないかって気がしてきた
お前たち、ここは基本的にSS投稿専用や、
意見は出るべき所に出てやりたまへ
ここが出るとこ
なんでしたらばは2chを無視するの?
>>470 ココではスルーすればいいよ、マジにイカレてる奴にはなに言ってもしょうがない
とイカれた人が申しております
475 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:02:48 ID:Uwi4Wn2u
2chの企画の運営は2chでやるというのは
イカれた意見でありスルー対象
むしろしたらばの方が
バトルロワイアルしたいが為に
狂ってないか?
事態が分からないまま、それでも何とかしようと周りを見渡して。
視界の端に見知った桃色の髪を見つけたような気がした瞬間……
僕はまた違う場所へと転送されていた。夜闇の中、周りには知っている人も知らない人もいない。
正真正銘の独りぼっち、音もしない……いや、何かが走っているような音がする。
ともかく落ち着かないと。こういう時自分がしないといけない事は……
「そうだ! 管理局に連絡を……」
そうして、ストラーダも連絡用の端末も何にも無いことに今更気付いた。
僕はちっとも冷静になれていない、と自覚しないわけにはいかない。
自覚できるだけ、ましなのかもしれないけれど……。
ともかく脇にあったデイパックを取り出して、一通り中身を確認する。
双眼鏡……捻れた剣……紙。説明書を見る限り、双眼鏡は結構高性能の物みたいだ。
一応剣は槍として使……うには短すぎるけど、ないよりはいい。
紙は防水性らしい。でも、どうやったらこれを武器にできるんだろう?
次に、名簿と地図を一通り確認。
「フェイトさんはいない、か……」
安心して呟いたのか、それとも不安になったのか……自分でも分からない。
だけど、どの道僕がすることは変わらない。変えちゃいけない。
今まで受けた訓練を思い出して、落ち着いてしっかり自分の行動を考える。
「まず、六課の皆と合流する。
できるだけ殺し合いを止めて犯人を確保・拘束しながら、外と連絡を付ける……」
……どうやったらそれができるか、は考えないことにした。今の状況じゃ考えるだけ無駄だ。
道端に設置されてる電灯とランタンで手元を照らして、双眼鏡のレンズを暗視用に取り替える。
ちょっと苦戦したけど、説明書が付いていたからなんとかできた。そのまま、周りを見渡して地形を確認する。
ふと聞こえた音に振り向くと、上の方で何か交通機関が走っているのが見えた。
双眼鏡もあの乗り物も、魔力が使われてる様子はないみたいだ……
「……え?」
そこまで考えたところで、僕はとんでもないものを見た。
……なぜか、モノレールから海へダイブする人を。
■
とりあえず救助しようと近くの岸に向かうと、その人はとっくに泳ぎ着いていた。
いや、それはいいんだけど。
「何が平和主義者だ!ヴァッシュ・ザ・スタンピードォッ!」
「う、うわあ!」
何かに怒って叫んでいる。なぜか。
「あ、あのー……大丈夫ですか?」
「ん? なんだ、ガキか。
……いやなモン持ってるな、オイ」
「はい?」
「こっちの都合だ、忘れろ」
「???」
起き上がってこっちを見た青い人は、今度は僕を見るなりそんなことを吐き捨てていた。
よく分からないけれど、この人はこのドリルみたいな剣にはいい思い出がないらしい。
ともかく、こういう異世界を巻き込んだ事件は僕たちが解決しないといけないことだ。
落ち着いて自分の名前と役職を説明する。
「僕はエリオ・モンディアルっていいます。えっと……」
そこまで言って気付いた。管理外の時空の人に管理局の存在を喋っていいんだっけ?
いい場合と駄目な場合、一定の基準があるらしいけど……僕にはさっぱりだ。
仕方ないので、誤魔化すことにする。その辺は後ではやて隊長に聞くしかない。
「治安組織と言うか、そんな感じのものに所属してます。説明すると長くなるんですけど……。
ともかくこの事件を解決したいので、同行をお願いできますか?」
「……へぇ。俺はランサーだ。だが」
その瞬間。空気が、変わった。
僕だって、自分に向けられる敵意や戦場の空気ぐらいは知ってるし、感じ取れる。
……けどランサーさんが突然向けたのは、そんなレベルじゃなかった。
「……っ!?」
479 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:08:17 ID:S3T4yMcc
またイタい文章がきたな
影が動く。
とっさに後ろに目を向ける。できたのはそれだけ。腕を動かす余裕なんて無かった。
ほんの一瞬。その間に――ランサーさんは僕の後ろに回りこんで、僕の首に手刀を付きつけていた。
「へえ、ついて来れたか。確かに訓練は受けてるらしいな」
「いったい、何を……!?」
張り詰めた空気の中、それ以上言葉を発する余裕は僕に無かった。
もし下手な動きをすれば、簡単に首をへし折られる。それくらいは分かる。
それでも諦める気はない。こんな所に皆とお別れなんてできない。必死に、僕が打開策を考える中。
「ま、冗談だ」
あっさり、ランサーさんは手を離していた。
「ったく、根本的なことを忘れてるな。
螺旋王って奴に殺されたあの男。ここにはああいったレベルの奴が少なくとも二人はいるんだぜ?
少なくとも、坊主がそこまでの実力を持っているようには見えねえ。
生兵法で動いても死ぬだけだぜ。下手に気張るのはよしな」
「あ……」
緩んだ空気の中、そう言われて思い出した。
並み大抵のレベルじゃない砲撃を放った人物、そして螺旋王とかいう人物が言っていた台詞。
あの人は少なくとも、デバイスを持っていない僕が敵うレベルじゃなかった。それと同じタイプの人が二人いる。
この事実を警戒していなかった辺り、結局僕は全然冷静じゃなかったらしい。
「ごめんなさい……」
「謝ることでもねえさ。ほとんど不意を突くようなやり方だしな。
その年でそこまで鍛えてるんなら大したもんだろう。気に入った。
……ところで、地図と名簿持ってねえか?」
「はい?」
■
「そういえば、なんで博物館なんですか?」
「原理は知らねえが、この舞台はどうやら俺が聖杯戦争って奴に呼ばれた時代に似てやがる。
となると、戦争で使う槍は過去の遺物になってるはずだ。
そういったものがあるとすれば博物館ってとこが一番ありえるんじゃねえのか?」
「……展示されてる槍って、あんまり武器として役に立たないんじゃ?」
「まぁ、その可能性もあるな。だが俺は銃や名剣より鈍ら槍の方が好みでね」
ランサーさんの提案で、僕たちはモノレールの駅に行って博物館へ向かうことになった。
駅を経由するのは「海に叩き落してくれた野郎が駅にいるかもしれない」らしい。
その人物については手配書を通じて顔を見せてもらった。それによると、
【レヴナント・ヴァスケス伯殺害およびG級器物破損容疑で指名手配中】とある。
……ただ、少し気になる部分もあって。
「気になったんですけど、あの手配書の平和主義者ってどういうことなんですか?」
「知るか。どの道俺を叩き落したのには変わりねえよ」
歩きながらそう質問した僕に、苦々しい声でランサーさんはそう返した。
名簿(僕が貸した)を見ながらだからその表情は僕には見えないけれど、多分渋い顔をしているんだろう。
……どうやら指名手配されてることより落とされたことの方が重要みたいだ。
とはいえ指名手配されるような危険人物なら、僕としても捕まえないわけにはいかない。
「気に喰わねえと言えばギルガメッシュと言峰綺礼、この二人もだな。
ちょうどいい機会だ。できれば俺自身の手でしっかり借りを返さねえとな」
その呟くランサーさんの表情は、さっき僕に見せたものに近いそれを放っている。
非殺傷設定が当たり前の世界じゃ珍しい、本物の殺気。
この人が借りを返す。そういう相手だからには、相手も殺しを躊躇しない相手ってことなんだろう。
考え込んだ僕に気付いているのかいないのか、名簿を返しながらランサーさんは質問を投げかけて来た。
「それより、お前の方は知ってる奴いんのか?」
「え、あ……
知り合いは八神はやて、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、キャロ・ル・ルシエ、シャマル……の五人です。
危ないと思うのはクアットロって人で、管理局……
治安組織の名前ですけど、その本部に少人数で襲撃を掛けて壊滅させた一人なんです。
主犯格ですし、反省してる様子も無いって話でした。
出られないような場所に設置された牢獄に囚われてるはずだったんですけど……」
「……よくそんな奴を殺さないで捕まえられたな?
管理局って組織がどんなのかは知らないが、訓練された集団だろう?
それを壊滅させるような奴を殺さず捕まえるなんてかなりの手間が掛かる」
「その……僕たちの世界には非殺傷設定というものがあって。
デバイスにその設定をしておけば、それだけで殺さずに済むんです」
「なるほど……便利な道具だぜ。戦いの経験をどれだけ重ねても殺しの経験をせずに済む、ってわけか」
「…………?」
思わず、その表情を見上げていた。
ランサーさんの口調がどこかおかしい。呆れているような、驚いているような、そんな感じ。
僕の視線に気付いたのか、答えるようにランサーさんは口を開いた。
軽い様子なんて欠片も無い――本物の戦士の重みが乗っている口調だった。
「覚えておけ坊主。
こうなったら絶対にあれをしない、とか絶対あれをする、って類の誓いは大抵難しくなる。
絶対殺したくないという覚悟を決めるか、それとも場合に応じて殺すのか。早い所決めた方が身のためだぜ。
例えそのデバイスって奴がすぐに手に入ったとしても、だ」
「え……?」
「普通に戦うだけなのに殺すか殺さないか簡単に決められる……確かに便利な道具だ。
だけどな、殺し合いの場ってのは戦場だ。ましてやここでお前を支援してやる奴がどれだけいるかはまだわからねえ。
冷静に人を殺す覚悟ってのは慣れてなきゃ身に付くもんじゃねえが……
だからって道具頼りの中途半端な考えで敵を気遣ってたら、死ぬぞ」
そう言っている彼の目は、まるで豹のように鋭い。
僕がランサーさんの敵だったとしたら、この人は子供だからなんて理由で手を抜かないんだろう。
視線だけでその事実が予想できるくらい、本当にその目は鋭かった。
もしキャロが敵だったとしても、絶対に僕は殺す気になんてなれない。ルーテシアの時だってそうだ。
なのはさんも同じだ。小さい時、フェイトさんと戦った時のことを僕はよく聞いてる。
――もし二人がこの場にいたとしたら、どうするんだろうか?僕には分からない。
黙り込んだ僕を見かねたのか、ランサーさんはさっぱりした明るい声で話題を切り替えた。
「――ま、その前に身の安全だ。俺たち二人分の槍を探さねえとな。
ちょうどいいのが見つかったら少し手合わせでもしてみるか?」
「あ……は、はい」
ほとんど反射的に声を上げた僕に、にやりと笑みを浮かべてランサーさんは駅の中へ入っていく。
ともかく、今はこの人についていくしかない。悪い人じゃないみたいだから。
……この人の言った事を認めるか、自分達が今までやってきたやり方を信じるかは、まだ決まっていない。
けれど……多分いつか決めなくちゃいけない時が来るっていうのは、分かった。
これはもうしたらばで投稿されたもんだろ?
【F-5/駅手前 1日目 黎明】
【エリオ・モンディアル@リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:暗視双眼鏡@現実、偽・螺旋剣@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、防水性の紙×10@現実
[思考・状況]基本:このゲームの破壊。
1.ランサーについていく。
2.仲間と合流。
3.いざとなれば敵を殺す覚悟を決めるべきなのかどうか、迷い。
【ランサー@Fate/stay night】
[状態]:疲労(小) 精神的疲労(小)
[装備]:不明
[道具]:支給品一式(地図と名簿を除く)、ヴァッシュの手配書(一枚)、
不明支給品1〜3個(槍・デバイスは無い)
[思考・状況]基本:このゲームを管理している奴らとの戦いを愉しませてもらう。
1.言峰、ギルガメッシュ、ヴァッシュの三人に借りを返す。
言峰とギルガメッシュは殺す予定(ヴァッシュについては不明)。
2.ゲームに乗った強者と全力の戦いを愉しむ。
3.できればまともな槍が欲しい。
4.ゲームに乗っていない相手でも実力を測るくらいはしたい。まずはエリオと手合わせ。
※参加時期は本編での死後。そのため言峰の令呪は無効化しています。
【暗視双眼鏡@現実】
読んで字の如し。接眼レンズを交換することで双眼鏡としても使用可能(正確には逆だが)。
軍事用のため結構丈夫。第三世代と呼ばれるもので光に対しても耐性がある。そしてすごく高値。
【偽・螺旋剣@Fate/stay night】
本来のカラド・ボルグに改造を加えることで生み出された宝具。形状はドリルのような捻れた剣。
矢として使う他、刺突用の剣として使うことも可能。
【防水性の紙×10@現実】
これも読んで字の如し。画用紙程度の大きさの物が10枚ある。
出典は微妙に迷ったが、現実にあるので現実出典。
月厨か
まあ削除依頼だな
486 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:58:46 ID:sLKVztzE
つまんね
おもしろい
488 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:25:40 ID:mpHtS2lU
んなこたぁない
489 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:26:18 ID:fJ+iq2dK
こやつめわはは
ハ,,ハ
('(゚∀゚∩_ おいらをどこかのスレに送って!
/ヽ 〈/\ お別れの時にはお土産を持たせてね!
/| ̄ ̄ ̄|.\/
| .モツ煮..|/
 ̄ ̄ ̄
現在の所持品:たばこ・ライター・コーヒー・ブラックブラック・枕・ケータイ電話
睡眠薬・聖教新聞 ・ダッチワイフ・外付けSCSI340MHDD・ネットランナー4月号
TYG02・小嶋進社長・ゲルトモ・ディプスファンタジア・抵抗1kΩ(黄紫橙金)・ MGサザビー
金縛り・みんす党・ロングソード+1(vsアンデッド+3)・ビグバン様・ワルサーP38・田中&藤岡
Nice Boat.
つうか、これ全部自演で荒らしだと思える時点でどうかしてる
コピペしてる奴は完全に荒らしだとは思うが、それ以外の奴もみんな荒らし扱いだぜ?
削除依頼まで出すし信じられん
同意
削除議論でフルボッコにされた人がいるスレはここですかwwwww
>>492 だったら削除議論スレに行って正しい日本語使って議論したらどうですかwwwwww
水族館玄関内。
うっすらと朝の日差しが目に眩しい。
「さーてと」
ねねねは大きく伸びをした。
「やることも決めたことだし、ぼちぼち出発しますかね、と」
『ひとつ、聞いておくことが』
マッハキャリバーが声をかける。
「ん、なあに?」
『これから先、あなたのことをなんとお呼びしたほうがよいでしょうか』
「ん、何急に。好きで呼んでいいって」
『じゃあ、仮マスターでよろしいのですか?』
「ちょっとまて」
『じゃあなんとお呼びすればいいですか?』
「脅しか。普通に名前でいいじゃん」
『いえ、私はあなたの戦いをサポートするパートナーになるわけですから、しっかりと呼び方を決めておかないと』
(仮マスターはアリなんかい)と心の中でツッコミつつ、
「え――と、ん――、あ――、と――」
思いつかずに、ねねねは頭を抱える。
「しょーがない、――じゃ、先生、で」
『わかりました、Teacher』
「よし!じゃあ決まったところで行こう」
『申し訳ありませんが、Teacher、もうひとつ報告を』
「今度はなに?」
『同エリア内、少し離れた場所から、こちらにゆっくりと接近する魔力的存在がいます』
「それを早く言わんかい」
ポリポリと頭をかきながら、歩き出す。
「じゃあ、出向くよ」
『大丈夫ですか?』
「いい。様子見て、ダメそうだったら即座に逃げる。魔力感知できるあんたもついてるなら、大丈夫だろ」
『了解しました』
* * * * * * * * *
「ぜーったい、イヤ!!」
先頭をで早足で歩くのはイリヤ。
「ゴ、ゴメンゴメン!!悪かったから!!アハ、アハハ」
泣き顔であとをおいかけるのはフォルゴレ。
「さっきは練習に一緒に歌ってくれたじゃないか!!面白ーいって!!だからお願いだ!!もう一度あの歌を歌おうよー!!」
手をあわせてイリヤを拝むフォルゴレと、
「ゼッタイ、許さない!!」
後ろを振り向かずに歩くイリヤ。
「だって、だって、……」
「ゴ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ!謝ってるじゃないか!!アハ、アハハハハ」
パッとイリヤが振り向く。
「だって水族館に行くのに反対するんだもん!!」
「だ、だって!こっっちは行き止まりじゃあないか!!引き返さなくちゃならなくなるよ!!ヘタに動くのは危険さ!!待ってればモノレールがきたのにー!!」
「でも行くのー!わたしは水族館に行くって決めたんだから!!モノレール待つのあきたー!!」
「ほ、ほら、そんなことより歌おう!心が晴れるさ!!踊ろうよ!さあ一緒に!!」どっちかというと、怯えてガタガタ震えているのはフォルゴレの方なのだが。
フォルゴレはガシッとイリヤの肩を掴む。フォルゴレの震えが振動して、イリヤまでガクガク震えてしまう。
「やー、はーなーしてー!!」
イリヤは目を回しながら思わず大声をあげる。
>494
日本語ておk
「ちょっ、ちょっと!!あんた?!なにしてんだ!?」
タッタッタッタっと駆け寄ってくる足音がして、
「この痴漢魔ぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突然の闖入者、ねねねの両足がギュルッとさりげなく回転をいれつつ、フォルゴレの胴体横を直撃した。
「ぐぉばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
「こ、こ、こ、こんなちいさな少女に、なにやってんだコラァァァッッッ!!!」
仁王立ちになるねねねと、地面にもろくも倒れるフォルゴレ。
ねねねはたった今、この場に来たばかり。どう見てもアゴの割れた金髪の怪しげな男が小さな少女に襲いかかっているようにしか見えなかった。
「あ……いや……私は彼女に歌ってもらおうと」
よろよろと顔を上げて弁解するフォルゴレの顔面に、
「んなわけあるかァ――!!!」
ねねねの拳が直撃する。
「げぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
そのままラッシュ。ラッシュ。
「がはふぅぅぅぅぅぅ!!!」
ねねねによる猛打の嵐が冴え渡る。
一方的に攻撃されるフォルゴレ。
(くっ、こっ、このままではっ、この私が死んでしまうぅ!!!)
フォルゴレは必死で叫んだ。
「い、今こそ、今こそ、イリヤ、あの歌をうたうんだぁぁぁ!!」
展開においていかれたイリヤがうろたえた声をあげる。
「え?ええ?え?」
げしげしと、ねねねの蹴りが容赦なくフォルゴレの体を襲う。
「早く、早くあの歌を歌ってくれえええ!!!」
「な、なんだっけ!!」
「だ、だから教えた歌をー!ピンチだからー!私ピンチだからー!!」
「わ、わかった!」イリヤはすうっと息を吸い込んだ。
左手を振り上げながら、かわいらしい声で歌い出す。
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
フォルゴレは左腕を振り上げながら立ち上がる。
「うお、立った」
「はっはっはっ、見たか、鉄のファルゴレは無敵さ!!!」
「すごーい……ファルゴレって強かったんだ……!!」
イリヤがパチパチと手を叩く。
「えい」
ボカン
「げはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
フォルゴレは左腕を振り上げながらまた立ち上がる。
「うお、立った」
「はっはっはっ無敵の戦士の力を見たかー!」
「きゃーすごーい!」
イリヤがパチパチと手を叩く。
イリヤとフォルゴレは左腕を振り上げながら、一緒に歌い始める。
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
鉄のーふぉるごーれ♪
無っ敵ーふぉるごーれ♪
二人は延々と歌い続ける。
「えーと。まったく状況がわからないんだけど。芸人かあんたら」
がっくりと脱力しきり、地面に崩れ落ちたねねねは言った。
* * * * * * * * *
ねねねが落ち着いたあと、それと、フォルゴレとイリヤがようやく歌い終わったあと、
「あー。一応悪かったね、あんた。誤解だったみたい」
「はっはっはっ鉄のフォルゥゴォレは無敵だぜ!!!」
「泣いてるじゃん、あんた」
ぽん、ぽん、とねねねはフォルゴレの肩を叩いた。「ま、どっかで手当してやるから」
(まー悪い奴らじゃなさそうだ)
ねねねは彼らと同行することにした。
「よ――し!!しゅっぱ――つ!!」
完全にご機嫌にもどったイリヤが音頭をとる。
「おー!!」「おー」『了解しました』
「それじゃあ、」
しゅびっと指を突きつける。
「まずはシロウを探しに水族館を探検――ん!!」
……
……一瞬の硬直ののち、ねねねは爆発しかける。
「……こーのークーソーガーキー何で戻らなきゃならねーんだ……」
『待ってください、Teacher』
「あ゛……!?」
イリヤの背後をみると、フォルゴレが必死の表情でなんらかのブロックサインを送っている。
(えーと、なに?小さい……胸……心臓……えーとつまり……。まだ小さい子供で、心細がっているってか?)ねねねはため息をつく。
ねねねが落ち着きを取り戻したのをみて、フォルゴレが大きく安堵した様子が見てとれた。
あれだけ震えて涙を流しているにもかかわらず、なぜか急にねねねは頼もしさを感じた。
ねねねは理解する。フォルゴレという男は、
(つまり、ものすごいお人好しなんだ、コイツ)
自分はどんなに怯えていても、周りの人間を気遣える人間だ。
(わたしがタコ殴りにしても全く武器も手もを出そうとしなかったし)
ねねねはよく知っている。どんなに馬鹿みたいに騙されても、困った笑顔で人を信じて気遣ってしまう、そういう人間がいることを。
(しょうがない、か)
極限状況下では、そういう人間のほうが得難く、なにより代え難い。
ねねねは仕方なくイリヤに笑いかける。
「わかった、わかったから」
「わーい!!ほら!!行こーフォルゴレー!!」
「はっはっはっよーし、もう一曲とっておきのを教えてあげよう!!」
仲良く水族館に向かう二人を見て、なんとなく、ねねねはこの二人をフォローしてやらねば、と思っていた。
ふたたび、ねねねはでっかくため息をつく。
「ふりだしに戻って、1回休み、と」
『私がついています、Teacher』
【E-1 /水族館近く/1日目/早朝】
【ねねね先生と愉快な仲間たちチーム】
【菫川ねねね@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康。
[装備]:マッハキャリバー(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
[道具]:支給品一式、詳細名簿+@アニロワオリジナル、ボン太君のぬいぐるみ@らき☆すた
[思考]
第一行動方針: イリヤとフォルゴレを連れて、図書館に行く。
第二行動方針:誰も見つけられなければ本がある場所へ。
第三行動方針:アニタ、読子、スバル、ティアナ、キャロ、エリオ、はやて、シャマル、清麿、ガッシュ、士郎を探す。
第四行動方針:とりあえず、クアットロや詳細名簿に載っていた危険人物と思しき面子には気をつける。
最終行動方針:打倒タコハゲ、そしてハッピーエンド。
[備考]:詳細名簿+はアニタと読子のページだけ破り取られています。
※イリヤ、フォルゴレの探し人の情報を交換しました。
※詳細名簿+について
『詳細名簿+は、男女別男先あいうえお順に各参加者のプロフィールと顔写真が乗っています。
プロフィールの詳細はもう一つの詳細名簿と違い、各参加者との関係、これまで実行してきた行動、
技能や異能等を中心に事実関係を重視した情報が載っています。
ですが、なぜそういう関係となったのか。なぜその行動をしたのかなどの心理は書かれていません』
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル
[道具]:支給品一式、未確認支給品×1、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル
[思考]:シロウ何処かな?
行動方針:シロウに会うまで絶対生き残る
[備考]:魔鏡の欠片は3つ揃わないと意味がありません。残りも支給品として配布されている可能性があります。
※ねねね、フォルゴレの探し人の情報を交換しました。
※フォルゴレの歌を教えてもらいました。
* * * * * * * * *
(そうだ、私は殺し合いになんか乗るもんか!)
フォルゴレは思う。
(私はスーパーヒーローだから。ファンが悲しむマネは絶対にできない!)
彼に支給された品物、それは、
(だから見ていてくれ!)
キャンチョメの魔本。
(――一緒に行こう、キャンチョメ!)
彼にとって、なによりも重たすぎるモノ。
【パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュベル】
[状態]:全身ズタボロ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、キャンチョメの魔本、未確認支給品×2(本人確認済)
[思考]:殺し合いは恐いがイリヤスフィールを守る
行動方針:清麿とガッシュを探す
[備考]:ねねね、イリヤの探し人の情報を交換しました。
※ねねねは戦闘向きの人間ではないため、本人の耐久力とあいまって、タコ殴りにされたダメージは意外と軽いです。
【キャンチョメの魔本@金色のガッシュベル!!】
フォルゴレのパートナー、キャンチョメの魔本。色は黄色。
記載されている呪文を読めば、持ち主であるキャンチョメは呪文が使えるが、このロワにはキャンチョメは出ていないので無意味?
ガッシュやビクトリームのものとは違い、普通に燃える。燃えたらキャンチョメは魔界に送還されるものと思われる。
【もう1曲のとっておき】
「チチをもげ!」 フォルゴレはまだイリヤに教えていません。ただし、フォルゴレが教えた瞬間、ねねねから断罪が下されます。
※水族館内は人の気配がないため、ねねねはさほど確認していません。イリヤが楽しめるようなものがあるかどうか、不明。
※3人は、とくにお互いの支給品の確認は行っていません。
※イリヤとフォルゴレはマッハキャリバーの存在について、あまり気に止めていません。
※なお、魔本に関する記述は、LXe12sNRSs氏の記載を参考にさせていただきました。申し訳ありません。
>>494 まあ、一生削除されないだろうが頑張ってねw
>>496 日本語『て』おk?日本語『で』おkってことねwwwwwおkwwwwww
とりあえずこの板の削除議論スレ今すぐ見てきてwwwwwwマジ笑えるからオススメwwwwww
フルボッコにもほどがあるwwwwwww
――私はお前の体を『人間に近い状態』に改造しようと思う。
いったいなぜですか!?
――『人間に近い状態』に改造……
獣人であるこの私が、なぜ劣った存在である人間の身体などに!
「……っ!? ガボッ!」
辛い!
……海? そうか、海に落ちたのだったな。
いつの間にか気を失ったようだが、溺れる前に気づいてよかった。
こんなところで溺れ死んでは戦士の恥だ。
どのくらい前かは分からないが……俺は自分で起こした爆発に巻き込まれて海に落ちた。
無様なことだ。大きな事を言っておいて、たった二人の人間を始末できないとはな。
これでは螺旋王に合わせる顔がない。
『クルクル』と『ケンモチ』とか言ったか……必ず決着をつけてやる。
「……それにしてもまずいな、体力の消耗が激しい。早く陸に上がらなくては」
今、どの辺りにいるのかは分からないが、左手に大きな船が見える。
あの船は目立つので危険だが、近くには隠れる場所もあるだろう。
俺は残り少ない力を振り絞って、大きな船へ向かって泳ぐ。
しかし、やけに大きくて派手な船だ。武装している様子はないし、あの派手さは戦艦には見えない。
移動用の船にしてはあの大きさは妙だ。大きすぎる。
「いや、そんなことはどうでもいいな。とにかく今は身体を休めなくては何もできん」
この世界は螺旋王が作り上げた、殺し合いのための舞台だろう。
ならば見慣れないものがあっても驚く必要はない。
今はただ、ひとりでも多くの人間を始末することだけ考えればいい。
※
陸に上がった俺は、倉庫のような建物を見つけて中に潜り込んだ。
俺は服を脱いで適当に水気を切ると、再びそれを身につけて腰を下ろす。
まだかなり濡れているが、まさか裸でいるわけにもいかないからな。
しかし荷物がほとんど無くなったのは痛手だった……あるのはこの元ハサミだけだ。
地図や名簿などをどうにかして手に入れなくては。
それにしても、このゲームが始まってから一睡もしていないが、特に体調が悪いということはない。
螺旋王は時間と場所を問わず好きな時に眠れると言っておられた。
つまり、夜に寝なくても構わないということ。さらに、入らなければならない生命維持ユニットにも、
入る必要がないと言っておられたな。それが証明されたことになるのか?
いや、螺旋王のお言葉を疑っていたわけではない。ただ、ようやく実感できたということだ。
「確かに便利な身体ではあるが、よりにもよって『人間に近い身体』などと言われるとは……
いや、螺旋王のされることだ。俺のような一介の部隊長が口を挟むことではないな」
それは分かっている。分かっているのだが……どうにもやりきれない。
「人間、か」
俺は倉庫内の壁に背中を預けたまま、人間について考える。
そんなことは考えたくもなかったが、今や自分は『人間に近い身体』になった身だ。
自分のことを良く知るためにも、人間について考えるのは無意味なことではないだろう。
人間。
我ら獣人より劣った存在。
地下で惨めな暮らしをしている存在。
地上に出た人間は獣人に殺される運命にある。
貧弱な武器しか持っていない。
「……欠点だけ挙げても仕方ないな。気に食わんが、良いところも挙げてみるか」
地下での暮らしに耐えられる。
叩いても叩いても地上に出てくるそのしぶとさ。
そのしぶとさ故に、なかなか滅ぼせない「村」を築いた人間もいる。
そうだ。驚くべきことに、ある「村」ではガンメンを奪ったヤツがいるらしい。
奪われた方が情けないだけかもしれないが、奪った方は人間にしてはなかなかやるといったところか……
俺は螺旋王に呼ばれてこの『ゲーム』に参加する前は、そのガンメンを奪った人間のいる「村」に向かう予定だった。
一体どんな人間だったのか、興味がないと言えば嘘になる。
人間にガンメンが操縦できるとは思えんし、俺の敵ではないだろうが……いや、油断は禁物か。
『クルクル』の例もある。ヤツに、人間などに剣で負けたあの屈辱は二度と忘れん。
「おっと、人間の良いところを考えていたのだったな」
人間ごときの良いところを考えるのは骨が折れる。つい脱線してしまった。
……そうだ! 人間は夜になっても必ずしも寝る必要はないらしいと聞いたことがあるぞ。
夜行性の獣人から聞いた話だが、信憑性はありそうだったな。
さすがに睡眠が全く不要というわけではないだろうが、獣人よりも活動可能な時間が長いのは確かだ。
「人間の方が獣人より優れている点、ひとつだけだが見つかったか」
我ら獣人は、基本的に夜は眠らなければならない(少数だが夜行性の獣人もいる)。
そうしなければ細胞が壊死してしまう。
もし俺が元の身体のままこの『ゲーム』に参加していたら。
夜は動けず、それどころか生命維持ユニットもない状況で、どうやって生き延びるか。
……まず、無理だろう。
「そうか、螺旋王が言われた『人間に近い身体』とはそういう意味なのかもしれないぞ。
螺旋王はこれを実験だと言われた。だが多くの人間が夜でも不自由なく活動できる中で、
俺だけ動けないのではさすがに俺の方が不利すぎて実験にならない。
だから、俺を人間と同じように夜でも動けるよう改造してくださったということなのかもしれん」
螺旋王の実験のためと思えば、この屈辱も我慢できる。
それに考えようによっては、獣人の欠点を克服できたのだから、今までより優れた存在になれたわけだ。
そう考えれば何も問題はないし、むしろ喜ばしいことだ。
劣っている人間に近づいたと考えるなど……間違ってはいないが、気持ちのいいものではない。
ここまで考えて、ふと恐ろしいことが頭に浮かんだ。
『本当は人間の方が優れているのではないか?』
人間は夜でも活動できる。
獣人は夜は動けないどころか、完全に眠らなければならない。
制約のない人間の方が、種として優れていることにならないか?
「…………バカな。夜に起きてれば偉いのか? そんなことで獣人と人間の優劣が決まるわけがない。
大体、人間の方が優れているとしたら、なぜ我ら獣人が世界を支配できているのだ?」
我ながら馬鹿な考えが思い浮かんだものだ。
頭を振って下らない考えを振り払う。
少しすると、睡魔が襲ってきた。
ここへ来たのは身体を休めるためだから、眠るのは別に構わない。
しかし朝になれば放送がある。眠ると言ってもせいぜい2〜3時間だな。
熟睡してしまって放送を聞き逃すような失態を晒すのはゴメンだ。
俺はいつでも起きられるように、倉庫の床に座ったまま目を閉じる。
放送の後は食料を調達しなくてはな……あとは、燃えてしまった地図などの代わりだ。
やはり人間を殺して奪うのが手っ取り早い。
その後はあの二人を探して決着を……あぁ、眠る時間さえ惜しい。
どうせ改造してくださるなら、『眠らなくてもいい身体』が良かったのだが。
まぁ、それでは俺が有利すぎて逆に実験にならんか。
そう言えば、この実験はどんな目的があってのことだろうか?
螺旋王は『優秀な螺旋遺伝子を集める』と言っておられた。
……螺旋遺伝子とは人間が持つものだ。
ということは、螺旋王は人間を求めている?
なぜだ……なぜ人間など…………にんげん……zzz
【E-3/船着場近くの小さな倉庫/一日目 黎明】
【ヴィラル@天元突破グレンラガン】
[状態]:体力消耗、睡眠 衣服が濡れている
[装備]:巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING
[道具]:なし
[思考]
基本:ゲームに乗る。人間は全員殺す。
1:zzz……(何かあったら目を覚ますつもり)。
2:放送後になったら地図や食料などの基本支給品を手に入れる。
3:『クルクル』と『ケンモチ』との決着をつける。
4:螺旋王の目的とは?
[備考]
螺旋王による改造を受けています。
@睡眠による細胞の蘇生システムは、場所と時間を問わない。
A身体能力はそのままだが、文字が読めるようにしてもらったので、名簿や地図の確認は可能。
…人間と同じように活動できるようになったのに、それが『人間に近づくこと』とは気づいていない。
単純に『実験のために、獣人の欠点を克服させてくれた』としか認識してない。
494 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/28(金) 21:21:51 ID:KSfU/IUq
削除議論でフルボッコにされた人がいるスレはここですかwwwww
>>492 だったら削除議論スレに行って正しい日本語使って議論したらどうですかwwwwww
502 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/28(金) 21:58:37 ID:KSfU/IUq
>>496 日本語『て』おk?日本語『で』おkってことねwwwwwおkwwwwww
とりあえずこの板の削除議論スレ今すぐ見てきてwwwwwwマジ笑えるからオススメwwwwww
フルボッコにもほどがあるwwwwwww
503 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/09/28(金) 22:05:03 ID:KSfU/IUq
>>501 m9(^Д^)wwwwww
46 :名無しの良心:2007/09/28(金) 18:30:20
ttp://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1104401581/396-401 この削除依頼ですが、ちゃんと
>>1に
このスレはアニメキャラ・バトルロワイアル2ndの作品投下スレです。
『基本的に』SSの投下のみ
とかかれてます。まずこの文面だけ見てもこのルールはあくまで「基本」でしかなく
「応用」はいくらでも利くということになります。
言い換えると、テンプレだけ見てもこのスレの内部でネタを披露したりAAを使って応援したり
ほかのSSを参考にしたオマージュ的な行為をするのを禁止するものではありません。
また、このテンプレ自体もここで話をした方が仰っていた通り、彼らが保有する掲示板でのみ話し合った、
2ch側の意見をまったく無視したようなテンプレであるのも考慮すれば、まったく強引な要求であるといえます。
彼らとしては、「俺たちが作ったスレには俺たちが認めたSSしか載せるな!」とでもいいたいのでしょうが、
その要求は、無茶かつ傲慢です。
そもそも彼らはここ以外に2ch上で意見を書き込める場を彼らは作ろうとしてないです。
やることをやってないのにどうしてそのような批判ができるのでしょうか。
また、2ch側の運営、つまり★つきの削除人が2chの運営上どうしても必要なために
報告用に作成したのなら話は別ですが、しょせんは一般スレであり、話の流れでスレの方向性は変わっていきます。
つまり、
>>1を盾に禁止をする権利はこの削除依頼をした両名にも、誰にもないと思われます。
47 :A:2007/09/28(金) 18:58:02
スレの趣旨が気に入らないのであれば、ご自身で別な趣旨のスレをお立てになれば良いのではないでしょうか?
趣旨が異なるのであれば、乱立とは見なされませんから。
48 :名無しの良心:2007/09/28(金) 19:59:44
あの、非常に指摘するのが恐縮ですが、日本語の使い方が間違っています
そのため、勘違いして判断してしまったもので、わざと曲解したわけではないと思いますが……
根幹として遊んではいけないという原則があり、冬は「例外的」にかまわない、というものであり、
このような条件節的な使用で表現した場合、 基本的⇔例外的 であり、
基本 的⇔ 応用 的 ではないのですが……この2つは、モノに関して使用する対立で、
基本⇔応用の対立関係に、状態の在り方を付与する「的」を加えたものです
「基本的に」とは、「原則的に」であり、基幹となる部分をきめ、それ以外は「例外的に」認めるというものですよ?
基本的にここで遊んではいけないが、冬ならいいと言われた場合、それにより浮き彫りになる同意の言い回しは、
根幹として遊んではいけないという原則があり、冬は「例外的」にかまわない となるのはご理解いただけますね?
対して、あなたの主張した応用と基本は、
この問題はいくつかの証明を応用している⇔基本は簡単な料理だ
と、名詞にかかることにより、状態を付与するものと理解いただけますよね?
つまり、あなたの主張は根本の日本語という概念から間違っています
応用とかも何もないんですよね
うちの生徒の多くも勘違いしていた対義語ですし、別に恥ずかしいことじゃないいと思いますが……
ただ、そのような日本語解釈をどうどうとこういった場でお言いになるのはちょっと……
ここからさらに言われていただきますと、
そのAA張りなどは、例外として許可されているんですか?
ローカルルールの気に入るいらないは別として、削除依頼である以上許可されていない、
つまり「例外」とされておらずローカルルールに触れる書き込みなら削除されるのは致し方ないかと
49 :名無しの良心:2007/09/28(金) 20:08:38
>彼らとしては、「俺たちが作ったスレには俺たちが認めたSSしか載せるな!」とでもいいたいのでしょうが、
>その要求は、無茶かつ傲慢です。
>そもそも彼らはここ以外に2ch上で意見を書き込める場を彼らは作ろうとしてないです。
>やることをやってないのにどうしてそのような批判ができるのでしょうか。
追記ですが、そもそも荒らし(上記参考)が存在しており、ほとほと手を焼いているのでしたらばにいるので、
まず前提条件で虚偽が見られますね
さらに言うのなら、その複数者によって作られたルールが飲めないなら、別の自分がよいと思うところに行けばいいじゃないのですか?
なんと言おうと、ローカルルールに違反していることに変わりはありません
また、変えようと思うならまず相手の用意した土俵(議論する場所、つまり今回はしたらばですね)に赴いて
変更しようと持ちかければいいではありませんか
自分が変革を望む少数なら、まず相手側のルールを決める場所にいって訴えなければ現実でも変えることは不可能でしょう?
どちらにせよ、あなたの書き込みは荒らしでしかありません
荒らしではない、意見だ!変革を望むのだ!というのならふさわしい場所へ
もっと居心地のいい場所を望むのなら新しい場を探すなり作るなりしてください
それともなにか、したらばに行けない事情でもあるのですか?
上記者のような荒らし行為を行ったとか
>46
m9(^Д^)wwwwww
517 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:23:10 ID:40jCocpd
おいwwwwwwwwwwwwwwww
そんなこと削除議論板で話してたのかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
基本 的⇔ 応用 的 でも
基本 的⇔ 例外 的 でも
基本が1でも例外がたくさんありました、で終わりだろうがwwwwwwwwwwww
基本が1でも例外が100にも1000にもなるケースだってあるんだからよwwwwwww
論破にも何にもなってねーよwwwwww
本当に日本語理解してるんか?wwwww
てかそんなくだらねー事削除人に話したのかよwwwwwwwww
そうそう話しちゃったんだよ>46はwwwww
バカだよなwwwww
ちなみにこの他こういう指摘もされてんだぜwwwwwww
51 :名無しの良心:2007/09/28(金) 21:43:43
>>46 仰る意図がわかりかねますが、言葉遊びをされたいのであれば
削除議論の妨げになりますのでご遠慮ください。
また「基本的」という語句の定義論はここでするものではありません。
当該スレのテンプレに従ってしかるべき場所でご確認ください。
52 :名無しさん:2007/09/28(金) 23:02:19
>とかかれてます。まずこの文面だけ見てもこのルールはあくまで「基本」でしかなく
>「応用」はいくらでも利くということになります。
単なる屁理屈じゃあないですか……スレタイは飽く迄『作品投下スレ』。
スレッドの支援どころか必要性の無いAAや他板からコピペ、第三者に対する悪態などローカルルールにもふれる妨害行為を『応用』だなんていやはや
519 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:34:30 ID:3wYlpZtG
いや、なんというか・・・信じられん…
ここまでアホな子がしたらばを運営してたとは…しかも削除議論板で?
素敵杉wwwwwwwwww
日本語以前に常識がねーじゃんそいつwww
520 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:36:50 ID:/5tAnimL
第三者に対する悪態ってwwwwwwwwwwwwwwwww
2chで規制しますかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
帰れよwwwしたらばによwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
えーと
ローカルルールには
実況厳禁! 実況は実況板で!レスの量に関係なく、見聞きした事柄をリアルタイムに書き込む事は実況にあたります
アニメキャラの話題のうち、作品別キャラスレ/属性萌え/キャラに関する議論など
特定のキャラに限定しない話題を扱います
●作品別キャラスレは作品ごとに1つだけ立てられます
○スレのタイトルには検索しやすい作品名を入れましょう
●単体キャラ/カップリング/グループ/キャラ対決などキャラ限定のスレはアニメキャラ(個別)板へ
●キャラなりきりはキャラネタ&なりきり板へ
●アニメ作品自体のスレはアニメ板/アニメ2板/アニメ新作情報板/懐かしアニメ板へ
●その他、アニメに関する話題で有用なスレはアニメサロンへ
●アニメ関連板
新シャア専用/旧シャア専用/エヴァ/CCさくら
アニメ漫画速報/アニメ漫画業界/声優/アニソン
●エロ・下品な話題はPINKちゃんねるへ(21歳未満禁止)
●質問や自治議論は 自治スレ へ
第三者に対する悪態が削除対象だなんて何も書いて無いが?
522 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:43:01 ID:A0cTTDRh
このしたらばの厨房さんは
テンプレを板のローカルルールと同じ価値があると勘違いしてるだけだお
524 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:09:28 ID:kOAI0VuM
日本語読もうぜ。
おめーの頭でもわかるように翻訳してやるよ
(したらば用語) 2chの正式名
2chのローカルルール = 削除ガイドライン
掲示板のローカルルール=ローカルルール
スレのローカルルール? =テンプレ
ローカルルールなんていったら普通ア二キャラ総合板のローカルルール
って思いっきり「削除ガイドライン」って書いてあるだろうに
日本語嫁よ
>>523 つかさ……この程度で削除人が動くと思ってるのか?
動くわけないだろ。学校の板などでイニシャルつきの悪口書いても消されないんだぞ2chって
こんな意味ないことしても時間の無駄になるだけだろ……
俺――衛宮士郎は悩んでいた。
思案を巡らせる度に、自然と溜息がこぼれる。
だがその原因を己に与えられた境遇やこの危機的な状況を嘆いている、という解釈でもって解するのでは不適当だ。
「はぁ……」
その気苦労の正体。それは支給品について、だった。
俺はゲームが開始してまず一番初めに名簿を初めとしたデイパックの中身の調査に着手した。
確かに目覚めてすぐ、目の前に正体不明の鞄があれば開けたくなる。
それは紛れも無く道理であり、人として、そして戦士として当然の行動だ。
しかし鞄を開けて一番初めに自分の視界へと飛び込んで来たものを見た瞬間、俺は戦士と言うよりも男として自らの眼を疑わざるを得なかった。
そりゃあさ。
支給品にだって当たり外れくらいあると思うよ。
いや、でもいくらなんでも"アレ"は無いだろ、"アレ"は。
確かに"当たり"に分類される道具も存在はした。
例えば拳銃とその予備弾。説明書にはデリンジャーと書かれていた。
確かに名前ぐらいは聞いた事がある。映画で女性の捜査官などが好んで使う小型ピストル。
マジシャンが行うカードマジックのように、掌の中に銃の全身を隠す事ができる。
こんなものを使う状況には出来るだけ遭遇したくないが、使わなければならない展開もきっと近い内に訪れる気がした。
そして次に暗視ゴーグル。
頭部に付ける事で両手をフリーにしたまま暗闇の中で行動する事が可能だ。
灯りとして支給されたのが、安定性の無いランタンだった事も相成って中々重宝するはず。
しかも光で他人に自分の接近を悟られる事も無いのは大きい。
だけど思った。いくら何でもコレは無い。
彼は考える。主催者は何を考えているのか、と。
デイパックの中にコレを詰め込む、あの髭面のオッサンの姿を思い浮かべると微妙な気持ちになる。
あまり想像していて気持ちの良い光景ではなかった。
月は頭上で爛々と輝いている。
考え事をしながら歩いていると、俺はいつの間にか小さな川(おそらく海に繋がっている)を越え、入り組んだ路地に足を踏み入れていた。
いつの間にこんな所まで。俺は焦った。
これは不味い。脳内を無駄な思索で一杯にしていて利点など一つも無いのだ。
呆けたままの自分でいるくらいならば、悩みの原因を断ち切ってしまった方が良い。
先ほど現れた覆面の男の事も気になるし、油断は出来ない。
緊張の糸を張り巡らせておかなければならないのだ。
だがあの支給品が俺の中にノイズを走らせる。
確かにそこら中に溢れているものだ。店を回ればいくつだって買う事が出来る。
とはいえこの極限状態とも言える状況でアレが支給された意味、そしてソレが自分のデイパックの中に入っているという現実は中々直視し難い。
知らず知らずの内に気になってしまうのだ。
――そう、ならば。
あと運営板ではちゃんと
削除ガイドライン
ローカルルール
テンプレ
を言い換えないと誰もわからねえぞ
あと普通、削除の基本法となるのは削除ガイドラインだけな
http://info.2ch.net/guide/adv.html あんたの紹介したガイドラインの5.
------------------------------------------------------------
5. 掲示板・スレッドの趣旨とは違う投稿
スレッド
それぞれの掲示板の趣旨は、カテゴリと掲示板の名称によって判断します。
ローカルルールは、補助的ながら板違いの判断には重要です。
------------------------------------------------------------
逆説的に言えば、自治スレで決めた板のローカルルールですら補助なんだよ
わかった?
>>526 すっこんでろハゲ
てめーの糞SSなんて見てる暇ねーんだ今
捨てて、しまえばいいのだ。
その発想はまさに天元突破。頭上に電球を浮かべるだけの価値がある選択肢だった。
確かに仮にもアレは支給品。仮にもあの螺旋王ロージェノムが選定した道具の一つではある。
だが、これが役に立つ機会が訪れる可能性は限りなくゼロに近い。
いやまず文頭に"If"を十個ぐらい付ける。そして空想、次に仮定だ。
例えば様々な事情でアレを無くした相手に遭遇したとする。
そして颯爽と無言でアレを手渡す自分。
…………無いな。天変地異が起こっても在り得ないシチュエーションであると自信を持って断言出来る。
よし、捨てよう。早く捨てよう。
俺はようやく決まった方針に心を震わせ、デイパックを地面に降ろす。
周囲を軽く見渡し、襲撃者がいない事を確認。
ひとまずは大丈夫だと思うが、万が一の事態に備えて干将莫耶を投影しておく。
そしてデイパックを開く。
飛び込んで来る色彩。そして形も様々なソレ。
ごくり、と息を呑む。……駄目だ、これでは違う意味で興奮しているみたいだ。
雑念を振り払う。
ひとまず他の支給品を取り出しておくべきか。
デリンジャーの安全装置を確かめポケットに、次に暗視ゴーグルを――
「そ、そこのお前ッ!! いい加減にしろ!!」
■
時間は少々遡る。
それは衛宮士郎が路地裏で支給品の確認をする数十分前の出来事。
「ドモン、待たせたな」
「ん……大丈夫だよ」
邂逅から数分。支給されたソレに袖を通す。
馴染みのライダースーツ……。
黒字に赤のラインが入った特注の物だ。
どうやらコレも私の支給品らしい。その証拠にデイパックの中には、あと二つだけしか特別なものは支給されていなかった。
参加者に縁のある品物が渡される場合もあるのか、と納得しておく事にする。
「よし行くぞ、ドモン。安心しろ、私についてくれば何の問題も無いからな」
「う、うん。分かったよ、なつきお姉ちゃん」
薬局で出くわした私とドモンは軽い問答の後、しばらく行動を共にする事にした。
確かに疑惑は晴れない。
このゲームに参加している人間は誰もが何かしらの特殊な能力を持っている――という仮説はおそらく正しい。
故にこのドモンも常人とは違った特殊性を持っているはずなのだが……未だその糸口さえ掴めていないのだ。
本人は否定する。自分は何の力も無い普通の子供であると。
だが炎凪や風華真白、アリッサ・シアーズのように見た目とその中身が比例しない事は多々ある。
とはいえ――。
さすがに……こんな子供を置いていく訳にもいかないか。
私達は互いの情報を交換しながら路地の奥の方へと進んだ。
頭上に見える高速道路、周囲の建物の配列から察するにここはA-6。
道なりに進もうかとも考えたのだが、止めた。
この空間に飛ばされてからまだ幾時間も経っていない。出来るだけ重要な事は周囲の状況を確認する事だ。
人通りの多そうな通りを移動して、誰かに襲撃されでもしたら元も子もない。
しかも今の私は一人ではない。ドモンを連れたまま、危険な行動を取るのは吝かではない訳だ。
少年、ドモン・カッシュが言うに名簿の中に知り合いは一人もいないらしい。
こんな小さな子供がたった一人で殺し合いに参加させられている、不信に思う部分もあったがどちらかと言えばやはり同情が勝る。
建物の角を曲がり、気配のする方向に向けて壁を盾にしながら少しだけ顔を出す。
視界に入って来たのは信じられない光景だった。
「な……ッ!?」
T字路の先には男がいた。
男と言っても若干赤みの掛かった髪色をした同年代くらいの少年だ。
彼は地面に自らのデイパックを置いて、中に手を突っ込んで支給品の確認をしているようだった。
だが、それはいい。特別な問題ではない。
彼は顔付きも大人しそうで、少なくともゲームに乗った狂人には見えなかった。話し合う余地は十分にあると思われる。
一つ、ある一点を除いた話ではあるが。
「どう、して……あれが……」
「……どうかしたの、お姉ちゃん? 誰かいたの?」
ドモンが不思議そうな顔をしながら、こちらの様子を伺う。
しかし、私にはそんな視線に応えるだけの余裕は無かった。
見間違うはずが無い。
男のデイパックの中に詰め込まれている"アレ"は私の所有物なのだから。
正確には『私のものだった』ではあるが。
それは蝕の祭が開始される大分前、まだ私達が特別な理由も無くオーファンと戦っていた頃まで遡る。
――下着泥棒。
乙女の純情を踏み躙るまさに醜悪、下劣の一言でしか言い表せない行為。
この風華学園始まって以来の事件に女子生徒達は頭を悩ませ、恐怖に打ち震えた。
私もそんな被害に遭った人間の一人だ。
しかも一枚や二枚の騒ぎではない。ゴッソリとコレクションしていた数百枚近い下着全てを盗まれたのだ。
常日頃から下着類を収集する趣味があった私にとってそれはまさに晴天の霹靂。
それ故とんでもない格好で登校する羽目になり、あまつさえ武田の奴に……。
……思い出すのも憎々しい、屈辱の一日だった。
しかも最後にはデュランの砲撃によって(これは半ば私のせいなのだが)全てが灰になってしまった。
そう、今目の前にあるのはその時焼失したはずのパンティーの数々。
あのフリル付きの奴だとか少し露出度の高めの奴だとか。
アレもソレもコレも、ああどう見ても私のものだ。
顔が熱い。唇が勝手にワナワナと震える。
何故全て焼失したはずのアレがここにあるのか。そんな事をじっくりと考えるより先に身体は動いていた。
「ド、ドモン……少し、ここで隠れていろ? いいな? 動くんじゃないぞ?」
「なつきお姉ちゃん? ……どうしたの、顔真っ赤だよ?」
「いや、な、何でもない。いいか、分かったな!」
ドモンがあどけない瞳を丸くしながら、疑問の色を更に濃くする。
だが私の数回に及ぶ念押しの末、ようやくしぶしぶと首を縦に振った。
そして私は通りの向こうの男に向けて大声で怒鳴りつける。
「そ、そこのお前ッ!! そこまでだ!!」
■
「お、お、お、お前っ!! 何を……何を、持っている!?」
「……何をって、見りゃあ分かるだろ」
腰まで届きそうなくらいの長髪を震わせながら不躾な一言。
とんでもない大声と共にいきなり現れたのは、黒のライダースーツを着込んだ黒髪の女だった。
女は今にも蒸気を噴出しそうなくらい顔を真っ赤に染め、こちらを一喝。今にも殴りかかって来そうだ。
挨拶も無しにいきなりソレかよ、と俺は少し不快感を覚えた。
もしかしてゲームに乗っているのか? そんな疑問も浮かぶが、おそらくそれは無い。
なぜなら彼女の目的は俺の命と言うよりも俺の持ち物にあるらしいからだ。
何を持っている、という事はつまりこの右手で掴んでいる"暗視ゴーグル"の事を言っているのだろう。
他に怪しいものと言えば……まぁ、一応あのデイパックの中を埋め尽くしていたパンツの山も怪しさ爆発ではあるが。
とはいえこれら女物の下着は所詮既製品。遠目から見て区別が付くとは思えない。
余程特徴的な形をしているか、強い思い入れが無ければ在り得ないだろう。
この暗視ゴーグルが、あれほどの大声を出す原因になる理由も良く分からないとはいえ。
「よこせッ!!」
「はぁ?」
「いいから早くそれをこっちに渡せ!!」
女は一歩前へと足を踏み出し、強く要求する。
こちらの事情など何も考えていないと思われる直情的な行動。
俺はそんな事よりもこのパンツの山を処分したいのだ。
身勝手な相手の態度には、こちらもそれ相応の対応で構わないと判断した。
「……やだね、少なくともコレは俺に支給されたものだ。元はアンタの持ち物だとしても所有権は俺にある」
「な、何だとっ!! いや……まぁ、確かにその通りだとは思うが……とはいえ、お前には不要なものだろう?」
正論。確かにコレは元々女の持ち物かもしれない。
だが、このゲームの中では俺に支給された道具だ。ソレをタダで渡す理由は無い。
女は俺の台詞に大層衝撃を受けたようで、ウッと嗚咽を漏らし一歩後退。
しかし妙な事を言う。
この道具は別に使用者を選ぶものでは無い筈なのだが。
だから俺は言った。ごく普通に。
息をするように、食事をするように、睡眠を取るようにその一言を発した。
「使えるだろ? 普通に」
「へ?」
「不要も何も、そのまま身に着ければいいじゃないか」
「――ッ!!!!!」
女が息を呑んだ。
……俺、そんなに変な事言ったか?
疑問に思いつつも続ける。
この"暗視ゴーグル"の用途を。
「これは……頭に巻きつけたりすればいいのかな」
「こ、こ、こ、」
「ん?」
「この……ド変態がああああッッ!!」
瞬間、俺は信じられない光景に遭遇した。
『女の両手に銃』が出現したのだ。
背筋に電撃が走る。だが戦いに慣れた身体は自然とその状況における最善の行動を取る。
右手で投影しておいた干将莫耶を構え、デイパックを背負う。そして対峙。
だが頭の中は混乱したままだ。
在り得ない。なぜなら今、彼女は俺が行うソレと同じように――銃を投影したのだから。
「そこになおれッ!!」
そして発砲。挨拶とばかりに数発の弾丸が飛来する。
干将莫耶でソレを――いや、牽制か。
この軌道、おそらくまともには一発も当たらない。弾速も見切れないほどではない。
下した判断は正しく、軽く身を捩っただけで弾は一発も当たらず通りの向こうへと消えた。
「ちッ!! その腐った性根、叩き直してやる!!」
「おい待て!! お前、今投影したのかッ!?」
わざと外しているのか、女の放つ銃弾は俺とは微妙にずれた射線軸を描く。
だがさすがに突っ立っている訳にもいかず、後退せざるを得ない。
確かに獲物のリーチを考えれば接近するのが最善の策なのだろう。
相手の武器は銃。必ず弾が切れる瞬間が到来するからだ。
しかし、その銃が投影によって創られた武器であるならば話は別だ。
確信こそ持てないが、限りなくソレに近い予感はある。現に女は両手の銃からその体積以上の弾丸を発射しているのだから。
しかもその連射は明らかに『リロード』という概念を取捨した攻撃。
弾が永遠に切れない、加えてあの連射速度だ。驚異的としか表現出来ない。
今はコチラをからかうように全ての銃撃を外しているから良いものの、おそらくそれは自信の表れ。
本気になればいつでも俺を蜂の巣に出来ると暗に言いたいのだろう。
舐められたものだ、と唇を噛む。
「投影? 何を訳の分からない事を言っている!? クソッ、デュランさえいれば……」
俺は弾丸の嵐を掻い潜りながら考える。
彼女はおそらく魔術師ではない、と思う。まず、一切の魔術回路を確認出来ない事。
俺は遠坂ほど索敵系の能力は強くないが、彼女の体内に全く魔力の流れを感じ取れない事は確か。
巧みな技術で隠蔽している可能性もあるが、さすがにそこまで行かれると俺の能力外だ。
だがそれと同時に投影で無ければ何なのだ、という疑問が浮かび上がる。
投影<<グラデーション・エア>>は一般的には非常に効率の悪い魔術で、この魔術を得意としている魔術師はほとんどいないと遠坂からは聞いている。
まず一から十まで全て魔力で再現する上に、人間のイメージは穴だらけであるためオリジナル通りの性能など望めないため。
加えて投影した物は結局幻想であるが故に世界にリペントされ、次第にただの魔力塊に戻ってしまうという欠点を持っているためだ。
つまり俺やアーチャーのように、宝具を再現出来たりするのは例外中の例外で普通では無いと言う事になる。
だが彼女の手にある拳銃から感じる印象は明らかに本物のソレ。
どう見ても"完全"に投影されている。
――だが。
魔力を感じないと言う事は、あの銃の構成を魔力以外の力を使って行っているという訳。
しかしソレは一体どんな原理なのか?
……分からない。どうなっているんだ?
俺は数々の疑問を抱えながら、逃亡を開始した。
■
私、チェスワフ・メイエルは憤慨していた。
何に、と言われれば私を置いて茶色の髪をした少年を追い掛けていってしまった玖我なつきに対してだ。
――使えない。
確かに私は不死者。この世の理から外れ永遠の命を生きるもの。
だが力自体は普通の少年のソレと変わらない。
いかに死なない、とは言っても、殺す技能に長けている訳では無いのだ。
故に銃を何も無い場所から作り出す能力を持つ、玖我なつきと行動を共にする事にした。
彼女は私を庇護しているつもりだったのだろうが、その実は単純なる変わり身。
せいぜい死ぬまで利用してやろう、そんな事を考えていた。
だが、現実はどうだ。
護るべき対象である私を放り出し、自らと縁のある品物を持つ男を追い掛けて行ってしまった。
もしもこの場に殺人鬼やゲームに乗った人間が現れたらどうする?
私はあっという間に殺される。無残に、惨たらしく、花の茎を折るように容易く。
そんな事も想像出来ない者に同行者としての価値も無い。
加えて思ったほど彼女は射撃が上手くない――ような気がする。
銃を作り出す能力、などという便利な特技を持っているのならば、ソレを十分に生かせる程度の腕前はあると思ったのだが……。
いや、おそらく気のせいだ。
狙って外していたに決まっている。
そうでも無ければあそこまで乱射して、一発たりとも当たらないなんて奇跡が起こるはずは無いのだ。
そう考えると更に庇護者としての条件は悪化する。
私がいるのだから、さっさと足でも打ち抜いて無力化してしまえば良かった筈。
それをしなかったという事は彼女も私に対してあまり良い感情を抱いていなかったと言う事の裏付けになる。
「……行くか」
既にここに留まる理由は皆無。
もう少し、利用しやすい人間かとにかくそれに類する人間。
分かり易く、高い能力を持った参加者と接触する。
今はまだ積極的な行動に移る時では無い。時間はもうすぐ四時。直に夜も明ける。
【B-6 道路(マップ左上) 一日目 黎明】
【チェスワフ・メイエル@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康、なつきに失望
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、アゾット剣@Fate/stay night
薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等)
[思考]
1:ゲームに役立ちそうな人間と接触する
2:アイザック、ミリア、ジャグジーに警戒
3:自分以外に不死者が存在するなら、喰われないよう警戒する
[備考]
※なつきにはドモン・カッシュと名乗っています
※不死者に対する制限(致命傷を負ったら絶命する)には気付いていません
※参戦時期は食堂車に黒服集団(レムレース)と白服の男(ラッド一味)が現れた直後です
よって、ラッドの事やレイルトレーサー(クレア)の事を知りません
■
――ドモン、だと?
私は走り去る少年の後ろ姿を見詰めながら思索に耽っていた。
"なつき"という少女と"ドモン"と名乗る少年が接近していた事に、当然私は気付いていた。
茶色の髪の少年は無用心にも道のど真ん中でデイパックを広げていたため、ギリギリまでソレに気付かなかったようだが。
直接二人の声を聞いた訳では無い。
だが唇の動き――読唇術で二人が何を喋っているかは十分に知る事が出来た。
そして確かに少女は呼んだのだ、連れの少年を"ドモン"と。
このゲームに参加している人間に二人も"ドモン"という名前の者は存在しない。
精々被るのは『エドワード』という名前ぐらい。
つまり、あの少年は何らかの理由で偽名を名乗っているという事になる。
確かに相手を警戒する、という心がけは重要だ。
だが偽名を使う、となると話は別。明らかに信頼関係を構築する意志がない事を暗に意味している。
しかしあんな幼い少年がゲームに乗っている、と問い掛けられれば疑問符を浮かべざるを得ない。
さて、どうする。
当初の目的通り、少年を追いかけるべきか。
それとも何故か"ドモン"という名前を名乗っている少年にターゲットを変更するか。
両者とも大して離れてはいない。
今からならば、どちらにも追いつく事が出来るだろう。
この状況下で私が取るべき選択肢は――
【A-6中心部/ 一日目 黎明】
【シュバルツ・ブルーダー@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康
[装備]:いつも通りの覆面スーツ(ブーメラン付き)
[道具]:赤絵の具@王ドロボウJING、自殺用ロープ@さよなら絶望先生
[思考]
0:衛宮士郎、またはチェスワフ・メイエルを尾行する(どちらを追い掛けるかは次の書き手さんに任せます)
1:このファイトの破壊、犠牲者を最低限に食い止める(悪人には容赦しない)。
2:士郎を隠れて見張る。命に関わる時は助け、必要に応じて叱咤し教育する。
3:ドモンと合流。ただ、それほど焦る必要はないと感じている。
※制限には薄々感づいているようです。
※電流爆破金網時限デスマッチでドモンと戦った後、もしくはデビルガンダムと共に吹き飛んだ後から参戦。
後続の書き手の方が書きやすいほうを選んでください。
※完全に気配を遮断しているため、よほどの達人でない限り感づかれることはありません。
■
「はぁ、はぁ、はぁ……いい加減、観念したら……どうだ。変態め――」
「アンタ……こそ……何、意味の分からない事を……」
私の下着を持った男を追い回して数十分。
ようやく私は奴を追い詰めた。
背後は川、つまり背水の陣という奴だ。
風は凪、水は時化。
月は空を照らし、紺碧の空は雲一つない純粋な暗闇。
私も男も汗だくだ。フルマラソンでも走った後のような強烈な動悸が止まらない。
ここは一体何処だ。すぐ側に水が流れている事からどこかの川沿いだという事は分かる。
とはいえ、今現在優先すべきはこの変態男から下着を奪い返す事だ。
しかし油断は禁物。
相手は一度も反撃して来なかったものの、同時にこちらの弾丸も未だ一発も命中していない。
余程の使い手なのだろうか、まさかこれだけ撃って全てかわされるとは思わなかった。
「しかし……女の下着を履く所か……く……あ、頭に巻く趣味を持った男がこのゲームに参加しているとはな……」
言葉にするだけで恥ずかしくなる。
そういう趣向を持った人間が存在する事はニュースや噂などで聞いた事はあったが、さすがに本物に出くわした経験は無かった。
だが男はさも当たり前のように言ったのだ。
『そのまま身に着ければいいじゃないか』
『頭に巻きつけたりすればいいのかな』
その話しぶりは明らかに常習犯のソレ。
見たり盗んだりするだけではなく、身に付ける――常軌を逸している。
しかし、次に男から返って来た台詞はあまりにも予想外の一言だった。
「下着……って何言ってんだ? アンタが欲しいのはこの暗視ゴーグルじゃないのかよ?」
「え?」
頭がグルグルする。冷や水をぶっ掛けられた感じだ。
あ……んしゴーグル?
コイツは何を言っているんだ?
この男は女物の下着を頭に被って喜ぶ変態で――
「もしかしてアンタが欲しかったのってあのパンツの山か? なら好きなだけくれてやるよ、どうせ捨てる所だったし」
男の言葉を聞いた瞬間、私は崩れ落ちた。
■
「……おい」
「スマン、本当に悪い事をした!! この通りだ」
最後は呆気なかった。つまりこの追い駆けっこは完全に彼女の勘違いが原因だったと言うのだ。
女(玖我なつきと名乗った)は頭を下げて、謝りまくっている。
一発も銃弾が命中しなかったため、この程度で済んだのだ。
あの銃(いつの間にか消えている)から発射されていたのは明らかに実弾。
当たれば皮が裂け、肉が弾ける。立派な凶器だ。
「いいよ、結局当たらなかったんだし。ええと……玖我だっけ、それよりアンタの銃について教えて欲しいんだけど」
「銃? エレメントの事か?」
玖我は右手を上げる。
瞬き一つ、次の瞬間その手には先程の拳銃が握られていた。
近くで見ると驚くほど小さい。俺に支給されたデリンジャーと同じくらいなのでは無いだろうか。
だがあの連射、射程、そして給弾を必要としない独特の機構。
銃を模した宝具なんて聞いた事も無いが、優れた能力を持っているのに変わりは無い。
「……やっぱり、魔力の流れは感じないか。"投影"って言葉にも聞き覚えはないだろう?」
「無いな。それに私の力は高次物質化能力――魔法などという小説のような能力とは関係ない」
高次物質化能力か……また妙な単語が出て来たな。
確かに魔術とは別系統の能力者が存在する可能性も高かったが、いきなりそんな人間と出くわす事になるなんて。
遠坂辺りがゲームに参加していたら、どんな顔をしただろうか。
「それより……その、私の"アレ"はお前のデイパックの中か?」
「……ああ、早く引き取ってくれ」
川岸の岩の上に置いておいた俺のデイパックを一瞥しながら玖我が問い掛ける。
俺も若干言葉を濁しながら答える。
他人に自分のデイパックを漁られるのはあまり好ましい事では無いが状況が状況だ、仕方ない。
「いいか、見るんじゃないぞ!!」
「……分かったよ。というかもう散々――」
「うるさい! それ以上言うんじゃない!」
軽く溜息。俺は右手の指で頬を軽く掻いた。
これじゃあどっちの持ち物だが分かったものじゃない。
とはいえ呆れながらも玖我の要求通り、後ろを向く。厄介事は早めに何とかして貰いたい。
「どれ…………う……これは確かに」
デイパックを開ける音、そしてドサドサと何か布が地面に落ちてくる音が続く。
特にやる事もないので何となく、空を見上げた。
少し周りが明るくなってきたような気がする。同時に時計を確認、そろそろ四時になる。
それに頭上の雲の様子を見るに風も吹いて来たようだ。
ん……風?
「うおッ!?」
「何だ、風――ッ!?」
まさにそれは風の悪戯。
在り得ない状況における在り得ない現象。
これだけ空は晴れているのに。雨雲も何も無いはずなのに。
何だこの何もかもを吹き飛ばすような"突風"は?
「おいッ!! 玖我、あ……」
「あ、あ、あ、あ…………」
振り返った俺の視界に飛び込んで来たのはカラフルでヴァリエーションに富んだ下着が風に飛ばされ、川に落下し流されていく光景、そして――。
地面に膝を付き、がっくりと項垂れる玖我の姿だった。
【A-4 川岸 一日目 黎明】
【玖我なつき@舞-HiME】
[状態]:疲労(中)、チェスに軽度の不信感、下着を流されたショック
[装備]:ライダースーツ@舞-HiME
[道具]:支給品一式、風華学園高等部制服@舞-HiME、不明支給品2(本人確認済み)
[思考]
1:私の下着が……
2:士郎と情報を交換後、チェスの元へ向かう
3:舞衣、静留、奈緒と合流する
4:この殺し合いから脱出する
[備考]
※チェスの名前をドモン・カッシュだと思っています
※なつきは以下の仮説をたてました
・今回の殺し合いは蝕の祭をモデルにした物
・テッカマンとHiMEは似たような存在
・螺旋力=高次物質化能力に近い特殊な力
・螺旋遺伝子を持った者=特殊能力者
・この殺し合いの参加者は皆、何かしらの特殊能力を持っている
※参戦時期は蝕の祭が終了した後です
【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)
[装備]:デリンジャー(2/2)@トライガン
[道具]:支給品一式、暗視ゴーグル、デリンジャーの予備弾20
[思考]
1:殺し合いを止める。
2:イリヤの保護。
3:できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は――
※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。
真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。
※本編終了後から参戦。
※なつきのパンティーコレクション@舞-HiMEは全て川に流されました。どこに流れ着くのかは不明。
※士郎はなつきが凄まじい銃の腕を持っていると思い込んでいます。
[補足]
【なつきのパンティーコレクション@舞-HIME】
数百枚にも及ぶ女性物の下着。
持ち主である玖我なつきの最大の趣味、それは下着を集める事。
特にパンティー収集は彼女の最大の関心事である。
原作ではこのコレクションを全て盗まれ、ノーパンで過ごしている所を舞衣達に見つかった辺りからなつきのヘタレ街道が始まった訳で……。
ちなみにその話のラストで全部焼失している。
【デリンジャー@トライガン】
メリル・ストライフが愛用する小型拳銃。
掌の中にすっぽりと収まるため、暗殺には重用する。
射程が短く、装弾数も少ないため使い方には注意が必要。
あの銃声は他の参加者に聞こええたかもしれない。
それがこの、殺人ゲームに乗っている者だったとしたら、それがもしも複数だったなら。
アルフォンスは、最悪の状況を想定し、こなたに話しかける。
「ねぇ、君!あの銃声を誰かが聞いたかもしれない、このゲームに乗っている奴だったなら最悪だ。
とりあえず安全な場所に身を隠そう!いいね!」
応答はない。
こなたは、カタカタと震えていた。
震えが止まらない。
たった一発撃っただけなのに。
震えが止まらない。
弾が顔を掠めただけなのに。
震えが止まらない。
無意味にリアルなエアガンだと思っていた物が本物と解った時からこのゲームはサバイバルゲームなどではなく、
他者の命を奪い合う、本当の殺人ゲームだということなのだ。
そして先ほどの銃を撃ったという行為は、一般人であるこなたをここまで恐怖させるに至った。
人を撃った、というよりも本物だったというショックの方が大きいのだろう。
こなたはアルフォンスの提案にも答えず、ただ震えるのみだった。
「仕方がない…ごめんね!」
そういうとアルフォンスはこなたをその鎧の腕で抱き上げると、ロビーを駆け出した。
小さな悲鳴を上げた気がするが気にしている暇はない。
銃声が響いてからそんなに時間はたっていない、他の参加者が残響を聞きつけてここに来るまでにはまだ余裕があるはず。
ならば考える時間も惜しい、急いで出口を探そう。
ガシャガシャと慌しく足音を響かせアルフォンスは出口を目指す。
十数分探し続け、ようやく出口らしきものをを見つけると、外に誰も居ないかを確認し、扉を開けた。
どうやらその扉は業務用入り口だったらしく、その視界に飛び込んできたのは、滑走路だった。
もちろん飛行機などはなく、アスファルトで舗装され記号のように白線の引かれた数キロ程度の短めのものだった。
ふと見渡すとその滑走路の脇に、コンテナが升目のように配置されていた。
コンテナには鍵が掛かって中には入れなさそうだが、ここならひとまず隠れられそうだ。
見つかりにくそうな陰に隠れるとアルフォンスは自分とコンテナの死角にこなたを降ろす。
ここに隠れていればこの子も落ち着くだろう。
……そういえばこのこの名前聞いてなかったな。
今この状況で自己紹介など変だと思ったが、この子を落ち着かせるきっかけにでもと、アルフォンスは話を切り出してみた
「……ボク、アルフォンス・エルリックっていうんだ。君、名前は?」
相変わらず応答は無い。
アルフォンスはつけない溜め息をつくと、空を見上げる。
時は黎明、夜天は白み始めていた。
泉こなたは思考の海に沈んでいた。
そういえば漫画やアニメにも、こんなシチュエーションあったっけ……
人が、撃って、斬って、裂いて、嬲って。
殺しあって、死んで、死んで、死んで。
それで私は、私みたいな一般人は、すぐに殺されて……。
殺され……て。
そしてこなたは思い出す。
私が持ってたあの銃は、今、この鎧の男が持っていて。
私は今、何も持ってない丸腰で。
そこまで考えたところで思考の海から抜け出した。
逃げなきゃ、殺されちゃう、逃げなきゃ、逃げなきゃ!殺される!
今のこなたの精神は異常だった。
普通の状態ならここまで支離滅裂な考え方などしないだろう。
だが、今の状況は『普通』ではない、本来ならありえない異常事態。
ましてや今は殺人ゲームの真っ最中、隣には得体の知れぬ鎧の男。
正常でいられる精神などこなたは持ち合わせていなかったのである。
「ぃ、あ」
声にならない悲鳴が漏れる。
「どうしたの?」
アルフォンスは手を差し出しながら訊ねた。
ただそれだけだった。
その鉄の手が、私のことを、殺そうとしているようにみえて。
ただ、それだけなのに、その手が、明らかに私を狙っているように見えて。
「ひぃあああああああああああああああっ!!こないでぇ!!!!こないでよぉっ!!!!!」
泉こなたの精神はここで、壊れた。
自分ひとりの妄想の中だけで、ありもしない虚構の中で。
このバトルロワイアルという状況は、そこまでに人を疑わせ、惑わし、狂気させるものであった。
狂ったようにデイパックを振り回し、アルフォンスから遠ざかろうとする。
「ちょっ、ど、どうしたの?」
いきなり暴れだすこなたをもちろんアルフォンスは止めようとする。
だが、それは今のこなたにとっては逆効果にしかならなかった。
「ぁぁあああああああああっ!!ひぃあああああああああ!!!!」
来ないで、来ないで、来ないで!!!!
デイパックを振り回し、転びかけながら立ち上がる。
その時、バチィッという音と共にこなたのデイパックのストラップがちぎれた。
鎧の突起に引っかけ、引き抜いたためである。
袋部分は変則的に飛んで行き、兜に直撃した。
ガラン、ガラガラガラと音が響き、兜が転がる。
そして信じられない物を見た。
首がなかった。
中身も空っぽだった。
え?どういうこと?なんで中身が『無』いのにうごいてんの?
それは、その姿は、理解ができるものではなかった。
先ほどの状態が嘘のように冷静なのに、理解が出来ない。
ロボット、というならまだ辛うじて理解できるのだろう。
だが中身が『無』い。
ならば亡霊だとでもいうのだろうか。
そこまで来た所で考えるのを止めた。
もう何も考えず、ここから遠ざかりたいその一心で滑走路へと駆け出した。
きっと助からないんだ。
きっと逃げても無駄なんだ。
あんな奴がいるんだ、みんな殺されるんだ。
ここに選ばれた時点で私に生き残れる可能性は無いんだ。
なのに、どうして?
今、そこにいる私は、何故逃げているんだろう……
【G-3/空港-滑走路付近/一日目-黎明】
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:右頬に銃創、恐慌、錯乱
[装備]:デイパックのストラップ
[道具]:なし
[思考]
1:死にたくない
2:とりあえずここから逃げたい
【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:こなたの行動に混乱
[装備]:なし
[道具]:デイバッグと支給品一式、エンフィールドNO.2(弾数5/6)、不明支給品1〜3個 こなたのデイパック 不明支給品0〜2個
[思考]
1:とりあえず少女の対処
2:しかし追いかけてよいものか迷っている
571 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:04:41 ID:KI1AYMD2
>え?どういうこと?なんで中身が『無』いのにうごいてんの?
臭い文章だな
572 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:07:52 ID:Z1Itts8q
:名無しセカンド:2007/09/25(火) 19:46:52 ID:YkAp7X6M0
>>759 すまん、ほぼ同じような内容を回りくどく書いてしまった。
リロードすりゃ良かったぜ。
762 :名無しセカンド:2007/09/25(火) 19:59:22 ID:C.Y3n0MA0
ツチダマにGO!
763 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 00:04:55 ID:zn7.mTGU0
ちょいとアンケートを取ってみたいと思いました。スレ汚し失礼します。
「したらばの設定、スレ別にID変えた方が良いか? 悪いか?」
回答次第でツチダマの議論に移行するつもりです。
764 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 00:57:56 ID:m4Pk642s0
スレ毎に変更希望。
予約宣言すると感想書きにくいので。同じ理由で投下宣言スレなんかも欲しかったり。
765 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 01:00:31 ID:vProOHfo0
>>763 変えたほうがいいと思う。
理由は
>>764と同じ。
いやあ、マジで予約でID割れてると感想書きにくいし。
766 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 01:12:47 ID:zn7.mTGU0
ほいじゃあ、投下宣言も予約スレでする文化にしてみるとか?
767 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 01:20:03 ID:/dc45CJc0
スレ毎にID変えて予約スレを宣言も兼ねる、でおkだな
予約、投下宣言はageで
んで、質疑応答はどうする? 感想スレで質問→予約スレで返答、ってのもなんか隔離されてるみたいで寂しい気がするんだけど……w
768 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 01:23:30 ID:/dc45CJc0
あ、感想スレは感想のみで疑問質問ツッコミはまとめてツチダマ
んで書き手はツチダマ確認必須、にすればいいかな?
769 :管理人★:2007/09/26(水) 01:34:08 ID:???0
とりあえず、反対意見が皆無なようなので、試験的にスレ別にID変わるようにしてみます。
また不具合があれば報告してください。
770 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 13:47:00 ID:4HPv1NpU0
なんだか被りが増えてきたしもうそろそろボツスレ建てたらどうだろう?
後は支給品説明スレや魔法などの仕組み説明などの資料スレ
どうですか?
771 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 17:01:38 ID:ZBwt1OiUO
なのはの魔法とかについて確認なんだが、
幻術はティアナ自身が習得しているもので、クロスミラージュはサポートしていただけ。
ウィングロードはスバルの先天性の魔法で、他のキャラでは使えない。
ナックルのカートリッジロードはキャリバーが制御していた。
でいいのかな?
772 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 17:56:47 ID:J6Keh0Jo0
>ウィングロードはスバルの先天性の魔法で、他のキャラでは使えない。
まじかorz
ちゃんと調べておけばよかった……
573 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:09:19 ID:Z1Itts8q
3 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 19:53:17 ID:OxM9mBbo0
デバイスが勝手に発動させたこともあるから、マッハキャリバーが
細いウィングロードを発動させるぐらいよさそうなんだけどなぁ。
774 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 20:22:42 ID:ZBwt1OiUO
キャリバーが自動詠唱できるようにプログラムはされてるけど、
結局スバル本人から引き出してるってことみたい。
スバル自身はキャリバーなしでもウィングロード発動出来るのか、そこが問題。
775 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 20:43:02 ID:/CxAxEZE0
最初期のオリジナルデバイスの時もウイングロードは使ってたから、デバイスがあればいいでおkじゃね?
776 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 21:01:51 ID:0/It4ocgO
最初のローラーはデバイスじゃないぞ
あれは単なる魔力駆動式のローラーブーツだ
……ここまで書いて気づいたが、つまりリボルバーナックルだけでもBJの装着できるよな?
777 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 21:04:05 ID:ZBwt1OiUO
そういえばそうだった。
778 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 21:20:17 ID:ZMaHBN8Q0
そもそも、
・魔法を織り上げるのはデバイスか術者か
実は、これの明確な公式設定が出てないんだよ。
779 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 21:33:24 ID:OxM9mBbo0
なのはさんとフェイトがAMF掛けられた状態で、手にバリヤーつけたり(エレベーター落下)
アルフやザフィーラやユーノが素手で頑張ったり、レイジングハートを停止させたなのはさんが
素手でティアの攻撃を受け止めたり、撃破したりするからなぁ。
ある程度は無手でも戦えそう。
780 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 21:37:29 ID:XPzyNSU20
ところで既出キャラの予約は結局いつになったんだ?
781 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 21:38:46 ID:fhk/BclI0
ウイングロードはスバルとギンガの固有技能らしい。
782 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 21:39:50 ID:0NyxWtWw0
>魔法を織り上げるのはデバイスか術者か
基本的には術者単体でも発動可能なはず(威力は落ちるだろうけど)
でもベルカ式の奴らは武器=デバイスだから徒手空拳では殆ど使えんだろうけど
今のところ本編でデバイス無しで魔法使ってるのはティアナだけか?(一話のクロスファイアー)
783 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 22:05:19 ID:R/UuAX0Q0
>>780 今夜0:00でいいと思うよ。
『予約通り』であれば、今夜中には大体のキャラが出揃う予定だから
784 :名無しセカンド:2007/09/26(水) 22:35:23 ID:9NK2cn4U0
今更ながらふと思ったんだけど、はやてって西回りでどう行くつもりなんだろう…?G4から西って海しかないよなぁ
飛行魔法くらいならデバイスなしでも使えたっけ?
785 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 00:26:10 ID:.jSYye7k0
1.モノレール経由
2.水泳
3.西に行くと見せかけて東へ
4.あかん、行き止まりやったー
……どお?
786 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 00:32:21 ID:b5Fc57RA0
>>785 >2.水泳
ぶ、部隊長の水にぬれた制服!?あわよくばそのまんま上着脱いで透け透けYシャツとな!
……ごめんなさい出来心だったんですだからそんな目でミナイデ
787 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 00:35:34 ID:kwE/5ZFM0
>>786 少し……頭冷やそうか……
788 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 00:38:40 ID:Qfh7vcTM0
普通に飛んじゃっていいのでは?
クワットロとかも飛べるらしいし。
789 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 00:40:00 ID:.jSYye7k0
>>786 最高だぜ……アンタ……
790 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 02:26:09 ID:v6bpphV20
>>786 つ明智健吾
さあ拝むがいい
791 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 03:06:00 ID:SKAZjPew0
明智「私がロスにいた頃は良くあった話ですよ」
792 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 15:15:28 ID:c6ug9Opo0
水も滴るウホッいい男
793 : ◆10fcvoEbko:2007/09/27(木) 17:45:23 ID:PwBr7qGU0
「熱血ハートのサイボーグ」の改行を修正しました。
「『英霊と台風』」のタイトルの『』を外し表記を修正しました。
…そしたら「英霊と台風」の本文が消え去ってしまいました。
これ以上手を付けるのはやばいと思い一旦報告にきました。
え〜と、ど、どうしたら修正できますでしょうか…?
794 :名無しセカンド:2007/09/27(木) 17:53:20 ID:v0bUl8WA0
wikiではタイトル変えるのが一番面倒な修正だったりします
なぜなら別ページを作らないといけないため
つまり『英霊と台風』と英霊と台風ではまるで別物なんですね
リンクも全て張り替えないといけないから結構面倒
今回は自分がやっときます
795 : ◆10fcvoEbko:2007/09/27(木) 18:02:24 ID:PwBr7qGU0
勉強不足でした。以後気をつけます。
余計な手間をおかけして誠に申し訳ありませんでした。
796 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 08:56:24 ID:Qzne6pCQ0
某所にて面白そうな支給品をあげてみてくれとあったので、思いついたネタ支給品を書き上げてみる
ベーブルースのユニフォーム&バット@バッカーノ!
アダイ村の聖典@グレンラガン
恵のCD@ガッシュベル!
こなたのパソコン@らき☆すた
ヒューズ家の写真@鋼の錬金術師
中華鍋@Gガンダム
ラピュタの財宝@ラピュタ
マタタビの編笠@クロちゃん
ウォークマン@トライガン
銅銭@Gロボ
ダニー・ボーイのテープ@テッカマンブレード
意外にネタ系となると困るなやっぱ
797 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 10:38:44 ID:LY.DRAcQ0
便乗。
なつきの下着コレクション@舞‐Hime
B・D・ネオンのコスチューム@トライガン
ニアの手料理@グレンラガン
梅サワー@Gロボ
798 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 11:37:19 ID:Jv7Yz5u.0
【バッカーノ!】
「キースのトランプ」 53枚全部がジョーカーのトランプ
「チックの鋏」 ガンドールの拷問魔チックが使用する鋏
「ボウイナイフ」 フィーロを襲った乞食が持っていた幅広のナイフ
「トンプソンM1機関銃」 マフィアの銃と言えばこれ。通称シカゴ・タイプライター
「火薬玉」 爆弾魔ニースが眼窩に隠し持っている最後の切り札
「火炎放射器」 黒服のリーダー、グースが使用する武器。モデルは35型火炎放射器?
【R.O.D】
「紙の詰まったトランクケース」 紙使いの武器である紙が目一杯詰まったトランク
【さよなら絶望先生】
「心中簿(ですのうと)」 絶望先生の私物。88の自殺スポットと心中相手の候補が書き綴られている
「きっちりスコップ」 木津千里が人を殺したり、その死体を処理するために使うスコップ
「色んな尻尾」 小節あびるが収集した色んな動物の尻尾
「携帯電話」 音無芽留がコミュニケーションに使用する携帯電話
「暴れチンチン電車」 暴走するチンチン電車?
【ジャイアントロボ】
「オープンカー」 北京支部にあったオープンカー。ミサイル装備
「戴宗の瓢箪」 戴宗が愛用する瓢箪。飲んでも飲んでも酒がなくならない
「鉄扇子」 呉先生が愛用する扇子。鉄製なので重くて頑丈
「メッサーシュミットKR200」 最終話で大作が乗っていた車。実在します
「七節棍」 怒鬼や血風連が使用している七節棍
「鉄仮面変装セット」 銀鈴が変装に使ったもの。ボイスチェンジャー機能付き
「黒ビキニ」 幻夜がはいていた男性用ビキニ。今川監督のお気に入りだとか……
【Gガンダム】
「自由の女神砲」 ネオアメリカの最終兵器
※元々、今川監督がGロボで出す予定だったが(3話)、カットされたのでGガンに流用された
※Gロボの設定の方では、国際警察機構マンハッタン支部の所有物
【カウボーイビバップ】
「ぴったりの壷」 劇場版でスパイクが貰った壷。ぴったりな物(ヒントアイテム)が入ってる?
【天空の城ラピュタ】
「グレネードランチャー」 パズーがドーラから貰って使用していたグレネードランチャー
799 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 13:59:18 ID:tI9/d9g60
【王ドロボウJING】
「日出処の剣士の鎧と剣」真っ赤な色で小柄な女性でも装着が可能。相手に顔も見られないし、強度もそこそこ。
「もじばち」情報を食べて太る虫。本や新聞等、活字が大好物。可愛い蜂です。食べた情報は持ち主に教えてくれる。
「ダンダー様の夜刀神(やとのかみ)」早い話が手裏剣。
「アイス・ビュレット」永久凍土の氷で作られたという不思議な弾丸。当たった相手を凍らせる。人間一人を丸ごと凍らせるのは無理っぽい。どんな銃でも使用可能?
「オドラデクエンジン」永久機関で作られているエンジン。機械に組み込めばすごいことになりそう?
【サイボーグクロちゃん】
「クロちゃんスーツ」クロの姿になれるスーツ。防水・絶縁加工。
800 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 14:11:53 ID:wAZ3RfA20
>>799 >「もじばち」
このアイテムについてなんだが…アニメ版の「爆弾生物ポルヴォーラ」には登場してないんだよねこいつ
ただし、オープニングの映像の中には数秒だが登場しているという…
こういうアイテムも出していいんかな?
801 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 14:15:56 ID:tI9/d9g60
>>800 アッ−!すっかり忘れてたorz
じゃあ駄目かな。せっかく読子さまに支給しようと考えてたのに……。
802 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 14:36:04 ID:Ftb9nINsO
既出紹介分も含めて【トライガン】から支給品に使えそうかもしれないアイテム紹介
「ヴァッシュの義腕(仕込みサブマシンガン内蔵)の替え」
ヴァッシュの義腕が使用不可能になった時に取り替えてもらった時の物
何かしらのアクシデントで片腕喪失した時なんかにどうぞ
「B・D・ネオンの衣装」
電飾で揃え固めた小林幸子ばりのド派手に光り輝く服、夜中でも確実に目立つ
結構重く身動き取りづらいらしい。
小型の発電機が付いてる為に衣装としての用途より、発電機としての用途の方が重要そう
「ミリィのスタンガン」
スタンガンといっても電気ショック型でなく、大型金属棒を射出する銃
射出されてすぐに金属棒は十字型に展開、非殺傷用らしい
「雷泥のローラースケート」
雷泥の脚力が凄いのかローラースケートの性能が良いのか、
数メートル程度の距離なら瞬時に相手の背後に回れるスピードを誇る。
ゴツゴツした荒野でも大丈夫
「ミッドバレイのサクソフォン(サックス)」
見た目は普通の楽器、普通に音楽を演奏するもよし
指向性の衝撃波を飛ばし攻撃出来たり、超音量で相手の鼓膜や脳に深いダメージも与えられる
アニメ版ではヴァッシュの銃弾も衝撃波で空中で止め防いでいた
「ケインの超長銃身ライフル」
数メートル(約5メートル?)という銃身を持つ狙撃ライフル。
超遠距離狙撃が撃てる(かもしれない)
ぶっちゃけ凄く場所を取る上に扱い辛そう
805 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 15:00:38 ID:tI9/d9g60
>>803 仮に衝撃波の性能が制限されたとしても、あれには機関銃が仕込まれている。
見た目に騙される武器として十分使えるんだぜ。
806 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 16:46:54 ID:a20UNyUw0
【穴掘り用ドリル】@グレンラガン
地下にある村で、村の拡張工事に使われていたもの。
よって掘削性能はかなり高いと思われ。
ハンドルを手で回して使う。
シモンはこれの扱いが天才的に上手い。
807 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 21:51:10 ID:AtGPT2Yo0
効果が鯖限定になりそうだけど【令呪】
令呪に近いけど攻撃もできる【偽臣の書】
ラピュタの【飛行石】って出てたっけか?
アニメでもあるが知らんけど、ウルフウッドの【生体機能強化剤】
あとまだ出てない我様セット【王の財宝】【乖離剣エア】【天の鎖】
808 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 22:02:10 ID:kLYTMRs20
読子の道具欄に飛行石@ラピュタってある。
スパイク基準だと石ころ。
809 :名無しセカンド:2007/09/28(金) 22:11:26 ID:3ZMOPJf20
fateから
【天の鎖】
見た目は長い鎖。ギルガメッシュの宝具の一つ。真名を開放すると自動的に対象を拘束する。
【乖離剣・エア】
見た目は独特な形状の剣。ギルガメッシュの宝具の一つ。真名を開放すると空間を切断するほどの衝撃波を放つ。
【王の財宝】
見た目は鍵剣。ギルガメッシュの宝具の一つ。本人の宝物庫の中に空間を繋げ、中にある道具を自由に取り出せるようになる。
【黒鍵】
見た目はレイピアっぽい剣。言峰の主要武器。魔に対する耐性がある以外は普通の刃物。
【黒鍵】
見た目は剣の柄(刀身がない剣)。言峰の主要武器。刀身を魔力で編む必要がある以外は上のと同じ。
【干将・莫邪】
見た目は一組の双剣。士郎の縁の武器。二つの剣はひかれあうのでブーメランとしても使える。
【アーチャーの外套】
見た目は赤い外套。士郎の縁の品。聖骸布で編まれているので防御力は非常に高い。
一押しは外套
810 :名無しセカンド:2007/09/29(土) 00:50:25 ID:RyXj.0HI0
age
fateアニメ知らんのだけど、全部アニメでもおk?
すばらしく痛々しい無いようなので天災
578 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:17:40 ID:kOAI0VuM
>>574-あたりから
どーーーーーーーーーーーー
でもいいような内容ばっかりだな
なんでこんなにムダにテキスト書けるんだ?こいつら
579 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:19:28 ID:PMNOq7Jr
759 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/28(金) 23:39:05 ID:dVoORNmt
もはや芝生を使って、とりあえず悪口言いまくる戦法をとるしか無いGであった
おわり
760 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/28(金) 23:42:57 ID:E3CSJ/k9
>>758 ……投下スレでGの相手してたのはお前か?
観察対象に直接触れるのはルール違反だぞ。
761 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/28(金) 23:43:50 ID:dVoORNmt
どうやら、掲示板のトップに書いてあるのをローカルルールと勘違いなさっているご様子です
もうちょっと見守ってあげませう
762 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/28(金) 23:45:15 ID:Z4ZPPDC0
>>760 ゴメン暇だったwwwww
763 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/28(金) 23:53:22 ID:fio8t7A7
>>762 マジでやめろ
荒らしに構うのも荒らしだってわかってるのか?
わかってないみたいだから直接的に関わるだろうところでいくと
荒らしに対してレスがあり住民が構っているとみなされた場合
運営では荒らしレスと見なされず削除がされない
ちなみに交流所もかまったやつらが大量発生したせいで削除人にスルーされたな
764 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/28(金) 23:55:37 ID:Q9ppet7O
2匹目のゴキブリが沸いたってワケかい?
糞虫は糞虫を呼ぶんだなあ
580 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:20:48 ID:a9sEO8wS
>761 名前:最低人類0号 投稿日:2007/09/28(金) 23:43:50 ID:dVoORNmt
>どうやら、掲示板のトップに書いてあるのをローカルルールと勘違いなさっているご様子です
>もうちょっと見守ってあげませう
やっぱりこいつらって根本的に、
アホなんだな
日本語の単語からして読めないんだろ
あの削除議論で暴れてる池沼と同じ匂いがする
糞虫とかゴキブリとか罵ってる時点でwwwwwww
つうかこれで削除人が動くと思ってる時点でどうかしてる
削除人も怖くて近づけないんじゃね?
あの数IDの短期的な書き込みは異常だよ
最悪の連中、流石ですwww
また削除出してるし……こんなくだらんことに削除人を巻き込むな
がんばれーwwwww
バカがバカやってやがる(藁
589 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:34:30 ID:5f7Kv1TQ
一応忠告。
ここはスレタイどおり【アニメキャラ・バトルロワイアル】の作品投下スレです。
ただし一般人を目の敵にしている荒らしによって【波平さんがバトルロワイアルを主催するスレ】の作品がコピペされています。
磯野波平に興味をお持ちの方は
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/sazaesan/ 竜宮レナに興味をお持ちの方は竜騎士07氏のサイトをご覧ください。
なお波平さんは反応すると毛が生えますので、
私はこれ以降はこのスレに書き込みません。
質問等は
>>1からのテンプレを読んでしかるべきこのスレでお願いします。
おいw
591 :
埋めますね:2007/09/29(土) 10:04:20 ID:JDbfrFEL
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