1乙
>>1 lヽ ,、,、./ ,-、),-、 , '´ ⌒、ヽ
<)' ~´ハバ Y ;' A`) . l(((!((("メi . /゙Y /^ヘヘYヘ
| イノリノハ)) : : : :`ヽ/´ ̄ ̄ 从^ヮ^ メij .刀.、/,ィjミノレハ从リヾ .,'`》'´⌒`彡
ノ.人l|゚ -゚ノl| . : : : : : : : : : : : : : : :、:\/: : : く+ハ(!`Д´ノハ+>/ ,ィ∝ノノ)))))
/:/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:ヘ\: : : : : : : ∪: :∪ : : : : ( ( ゝ(l!゚ -゚ノ|l
l://.:.:/.:./ .:./ .:l.:.:,'.:.:{:.:.:.:.l.:.:ヽ.:.:.Vl:/ , ミ ´.⌒.^ 、: : : : : : ,(_: :_:<(^!!つつ
/.:.:/.:. l:.:.:.!>ト/{.:.ハ.:.:斗<:l:.:.:.l.:l. ⌒(((从从〉*⌒`7>f^⌒ヾY⌒>
. l.:.:/.:.:.:.|:l.: レ仟圷ヽl ヽfチ圷 |.:.:l:| |l゚ヮ ゚ノ|l ! xくけ从ハル=ト<
. |:/!.:.:.: 从.:.{. V;;リ V;;リ 'j.:.,' | ⊂!卯(⊃t/: : : :.リ、∀`*リハヽ
.... j:ハ.:.:..・ト :.ゝ ' /.:/レ| _ . 〈_|_ヽ.> /: : : : セ二/ ,-' ̄ ̄ ヽ
'´.r===ミ彡 V 7 彡'.:.∠ =。= ヘ. し'ノ /: : : : / ( ((ハル ヽ/ ̄ ̄⌒ヽ
ノ !リノノ))))|ヽ. ´ , イ! .:./i !!ノリノ))》. ,': : : : /. `ゝ^o ^ノ√i (《レノリノハ) )
. ( |.|゚ ヮ゚,l|ゝ . ト≧≦ュ| リ/ ノi゚リ.゚ ヮ゚从 i: : : : { 、 _☆ミつ介》ヽ :: ヾ #`‐´ノ
.. ∪ ̄ ̄∪ /|, '´⌒"vヽ、_.(つ)Ψ(^つ {:, -===、アヘヘ `ヘ___ノ: : : <( つ[!;つ
/ヽ::::::::::::::::/⌒(从从-;*⌒:::::::::::::::: ̄ヽ {7/^ー^ヘ.ノ八从ハ : : : :∠† _(†ヽ彡
|:::: ヘ ̄ ̄ {___ ル-_-*リ|(_j ̄ ̄"メ:::::::::| ∨ifノハヽhリ・ヮ・ノn : : : 又 !从从))))
|::::{ \ /' ∪⌒∪ \ ./ l::::::::| ルl| ゚ヮ゚ノル!弁{ ン ̄.〈y.リ(l|゚ -゚ノ|l!
/ll::::}\ ∨ \ ,VCV ∠ _∨ |::::/ハ / ,_厂})){ヒつつ 〈y ⊂^)!†i(^つ
{ }}:::::ン  ̄}__/ ̄`^<_/ /,弖 l ::{{ } / /_j_j>j ¥ 《/、,、,、,ヘ¥
V__/ / / /:/`\r'〃ニフ }::V/. ん'(_ノノ、ノ .`~じフ~
{´ /了 ̄|l /:/  ̄ ̄`ヽ ヽ:/
5 :
魔装機神:2007/09/12(水) 07:49:55 ID:9prwZfnW
乙です
乙、とだけ言ってやる
7 :
リリカル.exe:2007/09/12(水) 21:13:48 ID:i2T9ObIb
乙だよ!さすが1のお兄さん!
乙っつ!
9 :
メガトロン:2007/09/12(水) 22:05:47 ID:GfPu3H5G
>>1 お疲れサマーランド!
サービスエリアなら海老名のじゃがバタがオススメだぞ。
新スレ祝いだ!この俺様のナルビームを食らいやがれ!
ビーストもいいけど初代TFも面白いんだぜ!
コンボイ「私にいい考えがあるっ!」
ガルバトロンというとこのスレではビーストUのあの人って意見が
多そうだけど初代ガルバトロン様も凄いですよ。
頭脳回路のショートのおかげで異様なまでに狂暴な性格(その癖戦いにおける
センスや作戦の立案にかけてはかなり頭が切れるからタチが悪い)で
始末に困った部下に精神病院に入れられかけた(ちなみにこの時生命保険に入っていない事が判明。)
ことすらあるってんですから。
リリカル鬼武者三話出来ますた。
あと最後の辺りだけなんで
十一時過ぎくらいに投下出来ると思います。
鬼武者シスター参上!
最近シャルカがあのカマキリメカに見えてきた・・・・・・
>>14 お前の感じている感情は精神疾患の一種だ。
治し方は俺が知っている、俺に任せろ。
>>14 かえで操作時に現れるシャルカの群れのウザったさは異常。
攻撃がなかなか当たらないんですよ…。
リリカル鬼武者三話「風」
「それで良いのだな…?いや…聞くまい。解った。では行くが良い。」
「…ここは?」
再び目が覚めた時シャッハは元の通りの姿でロビーに寝転がっていた。
ただし、ギラジョーダーに刺された傷とその時流れ出した血は綺麗さっぱり消えている。
「これは…?」
彼女は右腕に篭手が嵌められていることに気が付いた。装飾品として飾られていたあの篭手だ。
篭手には緑色の丸い宝石がうめこまれている。よーく目を凝らしてそれを見つめると
不思議な事にその龍玉の中には白い嵐が渦を巻いていた。
さらにヴィンデルシャッハの形が変化しているではないか。
具体的にはトンファー状だった部分に実剣が備わっている。
「グルルル…」
変化した武器に見とれる彼女の耳に造魔の唸り声が木霊した。
それを聞くと彼女は部屋から走り去って行く。
「もう五十体近く倒したはずなのに…。」
地上本部から東西南北それぞれの区画に分散して戦っていたナンバーズ達だったが
後から後からと湧いて出る造魔軍に中央ヘと追いやられて行き
疲労困憊した彼女達はもはや逃げる事もままならなくなっていた。
いまや研究所に残るウーノと行方の知れないクアットロを除いた
十人で円陣を組んで応戦するのがやっとだったのである。
「フシャアアアア…!」
「こ…このままじゃやられる!」
唸り声をあげて彼女達を包囲する何十体という幻魔、造魔の唸り声に
セッテが思わず泣き言を言ったその時!
「グオ?」
不意に幻魔達が地上本部の入り口に繋がる道を一斉に凝視した。
町全体が停電していて既に夜になっていたが
バックアップが作動していてこうこうと明かりを灯しているために
この辺で唯一の光源となっている地上本部。
その光が差し込んでいる道から現れたのは…数体の忍者型造魔…ムサイドだ。
だが彼らのウリである素早いフットワークは何処へやら。
おぼつかない千鳥足でフラフラしながらまるで酔っ払いのような足取りだ。
「………。」
ドサリという音とともに無言で地面に突っ伏すとそのまま風化していくそのムサイド達。
その造魔達はこれまでナンバーズ達が粉砕してきた幻魔とは違う消え方をした。
死骸から人魂が飛び出すと引き寄せられるように飛び去って行ったのだ。
幻魔の魂を死骸から吸収する。こんな事が出来るのは「奴ら」しかいない…
だがこの世界に「奴ら」はいないはずだ。
居るのは餌の人間だけだと言われていたはずなのに…幻魔達の間に激震が走った。
やがてゴウッという音とともに一陣の風が
吹き抜けていき…別の影が現れる。その影=シャッハが纏う雰囲気、
そして右腕に装着された篭手…
「オニムシャ!」
幻魔達のリーダー格、巨大な斧を武器とするミノタウロスの如き姿をした
幻魔…「オオワッシャ」が叫んだ。その姿は紛れも無く彼ら幻魔の唯一の天敵「鬼武者」だった。
「オンナ…?」
しかしどうしたことか。いままでの鬼武者は例外なく男だったはずだ。
だが彼らの眼前に現れた新たな鬼武者は女だった。
それに油断したらしい幻魔達が七〜八体ほどで次々と切りかかる!
だがいままで交戦した武装局員を全く相手にしなかった彼らの攻撃は
かすりもしない。それどころか一太刀浴びせられただけで彼らはあっけなく
消滅していった。
「はあああああ!」
一瞬で倒された仲間達の惨状を見てうろたえる幻魔達の群れに突っ込むシャッハ。
彼女が篭手ともに授かった「風」の属性を持つ玉の力を付加されたヴィンデルシャッハは
「風を起こす者」という名にふさわしく
凄まじい勢いで触れた者全てを切り刻む風を纏った一撃で幻魔達を悉く撃破していった。
血しぶきが飛び散り断末魔が木霊する。ものの三分とたたぬうちにその場に残されたのは
リーダー格のオオワッシャと呆気に取られて見守っていたナンバーズのみとなった。
「チョウシヅクナァ!」独特の形状をした斧に唾をはくとシャッハに
向かって突進するオオワッシャ。
「……。」
だが彼女は眉一つ動かす様子が無い。代わりに彼女の篭手に嵌められた龍玉が唸りをあげる。
「バカナ…コンナコムスメニ…グアアアアアアアー!」
と、凄まじい旋風が巻き起こり、オオワッシャの体を細切れにして
あっという間に無に返した。オオワッシャの死体をはじめ
ナンバーズが倒した者も含めた無数の幻魔達の死骸から魂が篭手に吸収されていく。
「な…なんなんだよ。あれは…。」
ノーヴェが少し震えた声で言った瞬間…
「戦闘機人…?」
シャッハはぼうっとした顔で呟いた。戦闘機人は幻魔と同じく私の敵だ。
「私の敵」…その言葉が頭の中に巡った瞬間
シャッハは自分の思考能力が急激に低下し自分の心が黒々とした殺意に支配されていくのを
はっきりと感じた。視界が赤く染まっていくのが解る。
まだ体に馴染んでいない鬼の力をこれまでの鬼武者に強靭さでは
やや劣る体でフルに使ったために彼女の体は鬼武者としての力を
制御出来ずに暴走しかけていたのだ。
「クッ…!局員か…どんな魔法かは知らないが…」
そしてトーレがよろよろと立ち上がって妹達を庇うように身構えた瞬間。
「はあああああ!」
完全にその身を殺意に乗っ取られたシャッハは凄まじい勢いでトーレに踊りかかった。
ライドインパルスを発動する暇もなく吹き飛ばされて空高く舞い上がるトーレ。
さらに追い討ちをかけるべくヴィンデルシャッハを構える彼女を阻止しようと今度は
セッテ・ディード・ドゥーエの3人が一斉に襲い掛かった。
だが既に人外の存在と化していたシャッハに既に幻魔との戦いで
グロッキー状態にある彼女達がどうやって対抗しようというのだろうか。
「風」の龍玉が巻き起こす凄まじい嵐の前にあっと言うまに弾き飛ばされてしまった。
「ディード…セッテ…く、来るな…来んなああああ!」
「レイストーム!」
八番目の戦闘機人・オットーのIS「レイストーム」でシャッハを拘束すると
それぞれ手甲とライディングボードからの光弾を一斉に浴びせるウェンディとノーヴェ。
だが風の障壁にはばまれ全く傷ひとつ付けられていない。
「下がって!もう出力があまり上がらないけど…バレットイメージ…殺傷設定!」
見かねて進み出たディエチのイノーメスカノンが火を吹いた。殺意とともに放たれた
光の奔流がシャッハを呑み込み、
消し去ったかのように見えた…だが今の彼女にはそれすらも…。
「効いてない?…!!」
光の中におぼろげながら浮かぶ影を見て絶望的な表情をするディエチ。
さらに歩み出てきたその姿を見て彼女は息を呑んだ。
姿が完全にさきほどど違ってしまっているのだ。
短髪で紫色だったはずの髪の毛は雪のような色の長髪に変わり
騎士服は戦国武将の血が染み込んだ鎧のような形状と赤黒い色に変わっている。
体は黒と紫を合わせたような色に、目は血のような真紅に染まっている。
ヴィンデルシャッハは原型を留めないほどに巨大で禍々しい形に変形していた。
いわゆるバーサーカー状態…経験を積んだ者ならともかく鬼の力の持ち主としては
未熟な者がこの状態になるともはや理性的な判断は出来なくなり
ただ目に付く物全てを破壊する獣のような存在になってしまう。
「うわあああああ!」
立ち尽くすオットー達を腕の一振りで放った波動とともに薙ぎ払うシャッハ。
…ヴィンデルシャッハ!?
支援
こちらレンジャー7!支援します!
・・・・・・・・あえて何も言わない。言いませんってば。
支援
「ウェンディ…ノーヴェ…。」
「待て!殺るなら私を殺れ!こいつには…セインには手を…ぐう!」
幻魔との攻撃で負傷して待機していたセインとチンクだ。ヨロヨロと立ち上がると
シャッハの前に立ちはだかるチンク。だが彼女は目もくれないまま
蝿を追い払うように彼女をその身の纏う波動で吹っ飛ばした。
ガシ!
「うううう…」
セインの首をへし折らんばかりの勢いで掴むとヴィンデルシャッハ「だった」触れるだけでも
相手にダメージを与える波動を纏った巨大な双剣を振りかぶって
今まさにセインを文字通り真っ二つにしようとしたその時!
不意に倒れふして動かない姉妹をすがるような涙ぐんだ視線で見つめるセインとシャッハの目が偶然合ったのだ。
「う…わああああああ!」
セインを放して突然苦しみ出すと不意に天を仰ぎ、ばったりと倒れるシャッハ。
それと同時に彼女の姿は元の穏やかなシスターの姿に戻っていた。
封印されかけていた彼女の理性がセインの眼差しによって復活し鬼武者としての狂える姿を封じ込めたのである。
ちなみに造魔たちがそんな眼差しなどなんら意に介さず
次々と人間を手にかけていったのは言うまでもない。
それから数分が経過して。
「中将!お気を確かに…。」
「これしきの傷…何でも無いわ。オーリス、お前こそ…怪我をしているではないか。」
「これこそ掠り傷というものです!」
シャッハが来たのと同じ道から肩から血を流して秘書のオーリスに
支えられる状態で現れたのは時空管理局中将、レジアス・ゲイズその人であった。
さらにゲイズとは別の道から現れたのは
「ここにも生きている人はいな…シスターシャッハ!?しっかりして下さい!」
この近くで警備をしていたギンガ・ナカジマだ。
「貴様は陸士部隊の…。」
ゲイズはギンガの顔を見ると少し不機嫌そうな顔をした。
「ゲイズ中将…。お怪我は?」
「この程度大した事は無いわ。それよりも…オーリスを…。」
そして
「まるでゴーストタウンだ…ルーテシアともはぐれてしまった。研究所とも不通、か…。」
「旦那。どうするんだよ?」
「!!………レジアス…。」
「ゼスト…!?まさか…」
「旦那?…こ、こいつは旦那が言っていた…。」
ゲイズ達とは反対側の道からやってきたのはゼスト・グランスガイツとアギト。
何の因果か。突如襲ってきた幻魔に追い立てられるままにやってきた地上本部で
まさか自分が追い求めていたかつての盟友レジアス・ゲイズに会う事になるとは。
「あたし達がやっただって。馬鹿言えよ!あと少しで殺されるところだったんだぞ。なんなんだ
そいつ!ドクターの研究を批判しておいて裏じゃそんな化け物飼ってるなんて
お前等言ってる事とやってる事が違うんだよ!」
状況からみてナンバーズがシャッハを襲ったと考えて意識がはっきりしていた
ノーヴェを確保しようとしつつなじったギンガだったが
ノーヴェは逆に彼女にいつもにもましてイラついた口調でまくしたてた。
その横ではゼストとゲイズが直立不動状態でにらみ合っている。
その時上空に艦船の駆動音が木霊した。
「何かが転移してくる…?艦船か?」
「あれはクラウディア…クロノ提督の艦です。」
《こちらクラウディア…クロノ提督だ。すぐにそこにいる全員を転送する。
いろいろと聞きたい事もあるが話は後だ。
どうやらこの辺りの区画で生き残っているのはいちはやく
逃げ出せた者を除けば君たちと今六課の宿舎に居るメンバーだけらしい。
そちらの救援にもまわらなきゃならないからな。》
ずっとシャッハのターン!支援
ここまでで。
>>20 これまた痛いミスを…orz
ヴィンデルシャフトの間違いです。
改めて見直すと流石に超展開すぎましたかね。
ちょい反省してます。
こちらレンジャー6!支援します!
>>26 グランセイザーの超展開に比べれば超展開の内に入らないよ支援
>>26 吃驚しましたがwGJ!
レジアス中将…そういえばこのスレではあまり出てきませんね
GJ!
古い結晶(篭手の宝玉)と無限の欲望(幻魔達の欲望)が集い交わる地(ミッドチルダ)
死せる王(ギルデンスタン)の下聖地より彼の翼が蘇る
死者達(蘇えった幻魔軍団)が踊り中つ大地の法の塔(地上本部)は虚しく焼け落ち
それを先駆けに数多の海を守る法の船も砕け落ちる
なんと予言の通り!
投下乙です。
そしてエスコンの人がそろそろ着てくれると信じて…!
サイファー<<ベルカに忍び旅でやってきたが・・・中々面白そうな本を拾った・・・
ええと?「闇の書」か・・・って白紙かよ!まぁ日記つけるには丁度いいな>>
>26
乙。
やはりシャッハ×セインですか。
>>26 GJ!!
ところで、本家鬼武者はでんのですか?
柳生十兵衛さんとか
明智左馬介さんとか
>>30 そういや造魔のほとんどは人間の死体が元だったね。
35 :
白き異界の魔王:2007/09/13(木) 14:51:27 ID:MwSmSRGA
大丈夫だとは思いますが一応予告しまする
55分より投下開始ってことで
かもおおおおおおおおおおおおおん
待ってました!!!
37 :
白き異界の魔王:2007/09/13(木) 14:55:49 ID:MwSmSRGA
アンゼロット城:フェイト・T・ハラオウン
ちょうどティーカップを空にした頃、ドア再び開かれた。
そこにはなのはがいた。
フェイトは立ち上がる。
椅子が倒れ、床にぶつかる音が部屋中に響いた。
「なのは!」
駆け寄るフェイトになのはが手をあげて答えた。
「ほんとに・・・ほんとに、大丈夫なんだね」
「うん。ちょっと、信じられないけどもう平気」
なのはが出した右手を手にとって眺める。
暖かい、生きている手だ。
色も健康そのものになっている。
運ばれていくときには粉々に砕けていた爪まで綺麗に切りそろえられていた。
手を確かめたフェイトは次になのはの左足に目を移した。
いつもの白いストッキングに隠されてよく見えなかったが、フェイトに気づいたなのはがつま先で床を蹴って無事に動くことを示す。
「はら、大丈夫だよ」
「うん・・・うん」
フェイトに握られたなのはの手の甲に涙が落ちてくる。
「もう、ほんとに平気だよ。すぐにお仕事もできるの」
「無理せんでええんよ」
いつの間にかはやて達、機動6課のメンバーも来ていた。
真っ先に駆けつけたフェイトは、あわてて涙をぬぐいながら一歩下がる。
「ほんとに大丈夫だってば。先生も完治したって言ってたし」
「それなら、なのはちゃん。また、がんばってもらうよ」
「うん」
アンゼロット城:八神はやて
なのはの完治を確認した第六課のみんなはそれぞれの席に座り直していく。
なのはは灯になにかを話しかけ、頭を下げ、それから握手を交わしていた。
なのははすぐにでも灯にお礼を言わなければ気がすまなかったのだろう。
目を向けるとアンゼロットが小さく首を動かす。
灯となのはを待ってくれるようなのではやても待つことにした。
二人の会話はすぐに終わる。
なのはが椅子に座ったところではやては背筋をぴんと伸ばした。
「全員揃ったようですね」
はやては無言でうなずく。
「もうご存じの方もおられますが私はこの世界、ファー・ジ・アースの守護者、アンゼロットです」
「あたしは時空管理局古代遺物管理部機動六課、八神はやてです」
ここからは隊長としてはやてがみんなを代表しなければいけない。
だが、はやても異世界を守る組織のトップとも言える人物と対話するのは初めての経験だった。
口の中が乾いていく。
アンゼロットが片手でティーカップを示す。
好意に甘え、はやては紅茶で口の中を湿らせた。
「私がここにあなた方を招いた理由・・・それはあなた方がこの世界に来た目的、経緯を聞くためです。話してくださいますね?」
要請の形を取った言葉ではあった。
しかし、その言葉には強い命令が込められていた。
どの程度のことを話すか。
その判断は難しい。
任務の内容は話していいようなものではない。
「はやて。話していいと思う」
フェイトの言葉がきっかけとなった。
それに今の任務に失敗すれば後がない。
世界1つ、あるいはそれ以上が滅んでしまう。
そして現地に魔法をすでに知っていて、世界を守る組織があるのなら協力は不可欠になる。
そんな組織に異世界からの侵入者である自分たちが協力を要請するのなら今の自分たちの立場では隠しごとはできない。
むしろ全て話すことで信頼を得るべき。
その判断の下ではやては口を開いた。
「あたし達は・・・」
はやては話し始める。
何故この世界に来たか。
38 :
白き異界の魔王:2007/09/13(木) 14:59:02 ID:MwSmSRGA
この世界で何をしたか。
この世界で何を知ったか。
アンゼロット城:フェイト・T・ハラオウン
はやてからこの世界は第97管理外世界世界ではないと言うこと聞いたとき、フェイトは自分の顔の温度が上昇するのを感じた。
たぶん自分の顔は真っ赤になっていることだろう。
「あたし・・・この世界が第97管理外世界だと思ってた」
「え?」
はやてがぽつりと驚きの声をあげる。
「だって、柊さんがこの世界の魔法や魔導師は一般人には隠されているって言うから・・・わたし、この世界に来たときにはずっとが第97管理外世界の魔法には会わなかったんだな・・・って」
アンゼロット城:八神はやて
はやてもこの世界のことをアンゼロットから知らされる。
魔法と世界のあり方。
世界の敵、エミュレイターの存在。
その上に立つ魔王の存在。
ベール・ゼファー。
アニエス・バートン。
そして・・・
「世界結界・・・ですか?」
「ええ」
アンゼロットは静かに語る。
「あなた方が次元障壁、と呼んでいるもの。それは世界結界です。
この世界結界は強力なエミュレイターや魔王の侵入を妨げる働きがあります。
また、侵入を許したとしても結界内ではその力を最大限に発揮することはできません。
ウィザードが本来は単独で世界に深刻な危機を及ぼすような魔王という存在と戦えるのはこの結界のおかげでもあるのです」
背筋を冷たいものが伝う。
ベール・ゼファーの力の全て・・・はやての想像を超えている。
「世界結界があなた方の住む方向からは壁として観測されるのには私も驚きました。世界結界は、本来そこまで具体的な形をとるようなものではありませんから」
あの壁が・・・。
アルカンシェルを撃ち込んだあの壁が・・・。
はやては息を飲んだ。
まさか!
「あなたたちが侵入する直前に計2回の大きい負荷が加えられたことが確認されています。
2回目は一回目に比べて遙かに小さい規模ではありますが・・・その2回目の負荷はあなたたちがかけたものではありませんか?」
「そのとおり・・・です」
はやてはアンゼロットの目を見れなくなった。
「あたし達は、ステラを追って世界結界の内側にはいるために穴を作らなければなりませんでした。それが・・・」
「そうですか。ですがご安心下さい」
アンゼロットははやてに言葉を継がせない。
「あなたたちの開けた穴は小規模であり、以降の世界結界の弱体化には影響を及ぼしていません」
はやての服の内側はじっとりと濡れていた。
「ですが、そう考えない者達もいます。あなた方をアニエスの仲間。あるいはエミュレイターと考える者達は多くいます」
はやてはその考えに納得ができた。
そう思わせる条件は揃っている。
「私はこの会談の結果、あなたたちを世界に害を及ぼすような存在ではないと判断しました。故に、あなた方の安全はこのアンゼロットが保証します。そして、あなた方にはアニエス・バートンの結界を破壊するために必要なデータの提供を求めます」
「どう言うことですか?」
「提供されたデータを元に結界を破壊します。その後、アニエス・バートンを倒すためのウィザードを送り込みます。あなた方の立場は理解しているつもりです。その結果を確認するまで、この城に滞在するのを許しましょう。あなた方の判断で途中で帰ってもかまいません」
つまり、必要な情報は渡してもらう。
後の処理はこの世界の人間で行う。
成り行きを知りたいのならこの世界にいてもいい。
そういうことだ。
そうなるのは仕方がない。
自分たちはこの世界ではよそ者に過ぎない。
時空管理局の権限は及ばない。
魔法の存在を知らない世界であれば話は別になるのだろうが、この世界には魔法的な事件に対する組織が存在する。
無理に手を出せない。
「わかりました。データは提供させてもらいます。でも、1つ教えてください」
39 :
白き異界の魔王:2007/09/13(木) 15:03:43 ID:MwSmSRGA
「どうぞ」
「あたし達が提供したデータを分析して、結界が破壊できるようになるまでにどのくらい時間がかかりますか?」
アンゼロットはしばし考える。
「3週間。といったところでしょうか」
三週間という時間ははやてにさらなる疑問を与える。
「世界結界の弱体化でエミュレイターの活動が活発になっていると聞きました。その間、この世界のウィザードはもちろん対処すとはおもいます。その際にウィザードや民間人に被害はでるんでしょうか?」
「もちろん出ます」
「どのくらい?」
「1億人は下らないでしょう」
その被害の多さにはやては戦慄する。
「少ない被害ではありません。ですが、世界を守るためならば私は決断せねばなりません」
後ろで椅子を蹴って誰か立ち上がる音が聞こえた。
スバルかティアナだろう。
すぐに座る音も聞こえる。
なのはが制したのだろう。
「あたし達を戦力に組み込んでもらえませんか?」
すぐに答えはない。
はやては続ける。
「なのはちゃんとフェイトちゃんが協力すれば、結界の破壊も可能なはずです。その後にアンゼロットさんが選抜したウィザードを突入させてください。そのウィザードが抜けた穴は機動六課が埋めます。それなら、3週間も待つ必要はないはずです」
アンゼロットの視線がはやてを射抜いた。
心の底まで視線が貫く。
「あなた方がこの戦いにそこまで関わる理由があるのですか?」
「あります」
視線に負けないように声を大きくする。
「機動六課として話をします。
この世界に危機を及ぼしているのはステラ・・・魔王の目です。
先ほども言ったように、ステラによる次元災害は複数世界に危機を及ぼすと予想されています。
魔王の復活によって次元世界にどういう影響が出るかはわかりません。
ですが、それがわからないのなら、機動六課はその被害規模はステラの暴走に同等と考えて行動しなければなりません。
なら、アニエス・バートンを倒すためにあたし達は協力してもいいはずです」
「それだけですか?」
それだけではない。
だが、それは任務とはかけ離れたものだ。
アンゼロットはそれをも吐露せよと迫る。
「個人的な理由です。あたしは第97管理外世界の出身です。せやから、この世界のことはとても他人事にはおもえんのです。それに、まだ短いつきあいですけどこの世界に来て友達と」
柊に目を向ける。
「恩人が」
今度は灯。
「できましたから」
アンゼロットははやてから目を外す。
「他の皆さんも、戦えるのですか?」
肯かない者はいない。
「灯さん。この方達は魔王と戦うにふさわしいと思いますか?」
それまで一言も話さなかった灯が初めて口を開く。
「この人達は強いと思う。でも、ベール・ゼファーやアニエス・バートンと戦うには力不足。でも・・・」
皆がその後を待つ。
「どんなウィザードも二人の魔王が相手では力不足。だから、ふさわしいかどうかは別の要因によると思う」
アンゼロットは静か両目を閉じた。
アンゼロット城:高町なのは
なのははバルの膝に手を置いていた。
スバルの立ち上がるのを止めるためだ。
それでもいらつくスバルに念話で話しかける。
「スバル。アンゼロットさんはスバルが思っているような人じゃないと思うの」
「なのはさん。でも!」
言いたいことはわかる。
アンゼロットの被害を看過するような言葉が我慢できいのだろう。
「私たちはこの世界に勝手に関わることはできないよね。ステラがこの世界の由来ならなおさら」
「でも・・・」
スバルの膝が震えていた。
40 :
白き異界の魔王:2007/09/13(木) 15:06:42 ID:MwSmSRGA
「でも、それはアンゼロットさんも同じ。この世界の危険にさらしたくないのよ」
「・・・・」
「だから、私たちにいつでも逃げていいって言ったの」
「でも、それでたくさん人が死ぬかも知れないのに」
「だから、ね。お話をしてるの」
アンゼロット城:八神はやて
目をつぶったアンゼロットは動かない。
時間が過ぎてゆく。
冷め切った全員の紅茶を控えていた執事が全て変えた後、アンゼロットは目を開いた。
「あなた方は運命を信じますか?」
「運命・・・?」
はやては答えられない。
答えたのはティアナだった。
「この戦いの勝敗がすでに決まっているってことですか?」
「まさか」
アンゼロットがわずかに笑う。
「運命はそこまで便利ではありません。私が言う運命とは、この世界は危機に立ち向かう人間を必ず用意している、ということです」
突然の話に、はやては少しとまどう。
「その危機に気づくかどうか、立ち向かうかどうか、勝つか、負けるか。そして、どのように勝つか、どのように負けるか・・・それはその人次第」
紅茶を一口ふくむ。
「どうやら、運命はあなた方を導いているようです」
「なら・・・」
アンゼロットは声をいちだんと高くする。
「なのはさんとフェイトさんだけを借りても意味はないでしょう」
少女は立ち上がる。
「あなた方にこの世界の命運を託します」
その声は部屋の全てに響いた。
*********************************************
こんかいはここまでです。
今回は機動六課がファー・ジ・アースの事件に本格的に関わるまでの経緯です。
はやての状況説明は要はカクカクシカジカってヤツです。
今までのダイジェストを書いてもあまり面白くないと考えて思い切って省略しちゃいました。
GJ!!
自然な流れで六課が関わってきてグッドです!!
GJ!
「第八世界における勇者」って概念はミッドチルダにはなさそうですしね。
勘違いフェイトに萌え。
ティアナに「魔剣使い」は似合っていると思う。基本的に「魔剣」が強くなったり機能が追加されるクラスだから、凡人設定でも無理なく成長出来ると思う。
方舟(魔剣使いの総本山。無数の魔剣が保管されている)に行けば彼女と気の合うのも見つかるかもしれませんし。
前スレが埋まったのを確認してきた
それとGJ
皆さん、文章力はいつもの通りですが、十一話Aパート、できたぞおぉぉぉお!
投下おk?
ok
第十一話「機動六課のある休日(後編)」
【聖王教会本部】
カリム「それにしても、あなたの制服姿はやっぱり新鮮ですね。」
彼女はカリム・グラシア。
はやての親友で古代ベルカ式のレアスキルの所持者であり、機動六課最大の後ろ盾でもある美しい女性である。
クロノ「ああ…制服が似合わないというのは、友人どころか妻にまで言われますよ。」
彼はクロノ・ハラオウン。
XV級艦船「クラウディア」艦長であり、機動六課の後見人。
そしてフェイトの義理の兄である。
カリム「ふふ…そんなぁ。いつもの防護服と同じぐらい凛々しくていらっしゃいますよ、クロノ提督。」
クロノ「ありがとうございます、騎士カリム。」
シグナム「失礼します。」
ドアが開き、シグナムと、カリムの補佐であるシャッハ・ヌエラが部屋に入ってくる。
カリム「シグナム、お帰りなさい。」
クロノ「合同捜査の会議は、もう?」
シグナム「はい、滞りなく。」
クロノ「こっちもちょうど、六課の運営面についての話が終わったところだよ。」
カリム「ここからは今後の任務についての話。あなたも同席して、聞いておいてね。」
シグナム「はい。」
「ピーピー、ピーピー」
クロノ「ん?」
カリム「直接通信?はやてから…」
(Aパートって入れ忘れた…先輩よろしくお願いします)
【サードアヴィニューム 洋食バイキング店内】
ヒビキ「おお!美味いな!」
トドロキ「たまには洋食も良いっスね!」
トドロキは山盛りのフライドポテトを口に流し込む。
ヒビキ「ちょっとちょっとトドロキ君!君はいちいち食べすぎなんだよ!少しは自重しなさいよ自重!」
トドロキ「す…すんませんっス!」
ヒビキ「全く君といい、カブキといい、ほんっと食べ物に意地汚いんだから…」
トドロキ「うう…」
ザンキ「そういやカブキ、今は何処を旅してるんだろうな?」
明日夢「う…ゴクン!」
明日夢は口に含んでいたハンバーグを飲み込む。
明日夢「ああ、この前カブキから手紙が来ました!今は沖縄に居るそうです!」
ヒビキ「そっか…」
ザンキ「あいつ、俺が幽霊になったこと知らないから、会ったらビックリするだろうな。」
日菜花「それはそうですよ。あたし達だってビックリしたんだから…」
トドロキ「ホントっスよ!」
ひとみ「でも沖縄かぁ…きっと美味しい料理沢山食べてるんだろうなぁ…」
キョウキ「カブキのことだから、沖縄でも路上歌舞伎やってるかも…」
イブキ「ありえるなぁ…ん?」
イブキはふと窓の外を見る。
そして彼は猛スピードで走っていくキックホッパー用のゼクトロンを発見した。
イブキ「あれは…矢車さんのゼクトロン…」
あきら「イブキさん?どうしたんですか?」
イブキ「矢車さんのマシンを見つけた!今猛スピードで走ってる!」
香須実「え?」
イブキ「あのスピードで走るなんて…何かあったのか?」
ヒビキ「行ってみようぜ。」
トドロキ「ハイっス!」
ザンキ「皆は、ここで待っていてくれ!」
勢地朗「分かったよ。」
キョウキ「ヒビキさん!俺も行きます!」
ヒビキ「頼むぜ、京介!」
キョウキ「キョウキです!」
ヒビキ、イブキ、トドロキ、ザンキ、キョウキの五人は店外に出る。
そしてヒビキとイブキはレンタルしたバイクに(キョウキはヒビキの後ろに)、トドロキ、ザンキはレンタカーに乗り、それぞれのマシンを走らせ、矢車のゼクトロンを追った。
【サードアヴィニューム 路地裏】
一方、少女を保護したエリオとキャロは、路地裏でスバル、ティアナと合流していた。
ティア「この娘か…また随分とボロボロね…」
キャロ「地下水路を通って、かなり長い距離を歩いてきたんだと思います…」
スバル「まだ、こんなにちっちゃいのに…」
ティア「ケースの封印処理は?」
エリオ「キャロがしてくれました。ガジェットが見つける心配はないと思います。それから、これ。」
エリオはもう一つのケースをティアナに見せる。
ティア「ケースはもう一個あった…?」
エリオ「今、ロングアーチに調べて貰ってます。」
ティア「……。隊長たちとシャマル先生、木野先生、矢車さんと影山さん、リィン曹長がこっちに向かってくれてるそうだし、とりあえず、現状を確保しつつ周辺警戒ね。」
【聖王教会本部】
カリム「そう…レリックが…」
はやて「「それを小さな女の子が持ってたいうんも気になる。ガジェットや召還師が出て来たら、市街地付近での戦闘になる。なるべく迅速に、確実に片付けなあかん。」」
クロノ「近隣の部隊には、もう?」
はやて「「うん…市街地と海岸線の部隊には、連絡したよ。」」
クロノ「ああ。」
はやて「「奥の手も、出さなあかんかもしれん。」」
クロノ「そうならないことを祈るかな…」
カリム「シグナム、貴女も向こうに戻っておいたほうが良いわ、シャッハに送ってもらえればすぐ戻れるから。」
シグナム「はい。」
シャッハ「行きましょう!」
シグナムはシャッハと共に、現場に向かった。
【サードアヴィニューム 路地裏】
スバル達はなのは達と合流し、少女を木野に診てもらっていた。
木野「…バイタルも安定している。危険な反応も無い…大丈夫だな。」
キャロ「良かったぁ…」
「キュルルルルル!」
キャロ「?」
スバル「なんだろ?」
タイヤのスリップオンが聞こえ、全員が音の聞こえた方角を向く。
するとその方向から矢車とシャマルがこちらに向かってきた。
シャマル「遅くなりました!」
矢車「…」
影山「兄貴!シャマ姉!遅いよ!」
シャマル「あはは…ごめんなさい…」
矢車「悪いな、相棒。」
フェイト「ごめんね皆…せっかくの休日だったのに…」
エリオ「いえ!」
キャロ「平気です。」
矢車「俺はむしろ感謝…」
シャマル「…!」
シャマルは矢車の頬を思い切りつねる。
矢車「うおぉぉぉお…!」
シャマル「何か言ったかしら?」
矢車「チッ…なんでもねぇ…」
シャマル「よろしい。」
シャマルは矢車の頬から指を離す。
なのは「ケースと女の子は、このままヘリで搬送するから、皆はこっちで現場調査ね。」
新人四人「はい!!」
木野「高町、この娘をヘリまで抱いていってくれるか?」
なのは「あ…はい!」
なのはは少女を抱きかかえる。
木野「俺は新人達の援護に行こう、シャマル、頼むぞ。」
シャマル「はい!」
【機動六課隊舎司令室】
シャーリー「ガジェット、来ました!地下水路に数機ずつのグループで総数16…20!」
アルト「海上方面12機単位が5グループ!」
はやて「…多いなぁ。」
グリフィス「どうします?」
はやて「そやなぁ…」
ヴィータ「「こちらスターズ2!」」
はやて「ヴィータ!」
ヴィータ「海上で108部隊の演習中だったんだけど、ナカジマ三佐が許可をくれた!今現場に向かってる。それからもう一人…」
はやて「え?」
ギンガ「「こちら108部隊!ギンガ・ナカジマです!」」
はやて「ギンガ!」
ギンガ「「別件操作の途中だったんですが、そちらの辞令とも関係がありそうなんです。参加してもよろしいでしょうか?」」
はやて「OKや、ほんならヴィータはリィンと合流。協力して、海上の南西方向を制圧。」
リィン「「南西方向了解です!」」
はやて「なのは隊長とフェイト隊長、ホッパーブラザーズは、北西部から!」
なのは&フェイト「「了解!」」
矢車「「護衛は良いのか?」」
はやて「人手が足らんからしょうがあらへん。頼むよ!」
影山「「分かった!」」
はやて「ヘリのほうはヴァイス君とシャマルに任せてええか?」
ヴァイス「「お任せあれ!」」
シャマル「「しっかり守ります!」」
はやて「ギンガは、地下でスバルたちと合流。道々、謁見のほうの話も聞かせてな。」
ギンガ「「はい!」」
【サードアヴィニューム 路地裏】
ティア「さーて…短い休みは堪能したわね!」
スバル「お仕事モードに切り替えて、行くよ!」
エリオ&キャロ「はい!」
新人四人「セェェェェット!アップ!!」
四人はデバイスを起動させ、バリアジャケットを纏った。
木野「ふ…変身…!」
木野も変身ポーズを取り、アナザーアギトに変身する。
スバル「うわぁ…」
ティア「木野先生の変身…初めて見た…」
アナザーアギト「…ランスター。」
ティア「は…はい!」
アナザーアギト「俺も貴様の指示に従おう。遠慮なく使ってくれ。」
ティア「い…良いんですか?」
アナザーアギト「構わん。それに、お前達がどれほど強くなったか、見せてもらいたいのでな。」
ティア「分かりました…じゃあ…GO!!」
スバル・エリオ・キャロ「了解!」
アナザーアギト「…!」
新人四人とアナザーアギトは地下水路に潜入した。
【JF704式ヘリコプターハッチ】
影山「シャマ姉、俺達が残らなくて、大丈夫?」
シャマル「当たり前よ。これでも守護騎士の一人なんだから、貴方達に守られてばかりも居られないわ。」
影山「ホント?でもシャマ姉うっかりしてるからなぁ…」
シャマル「もう…」
シャマルは影山の額を人差し指で軽く小突く。
影山「わ!?」
シャマル「貴方は私の心配してる暇あったら、与えられた任務をこなすことだけを考えなさいよ。」
影山「う…うん…でも、気をつけてくれよ。」
シャマル「はいはい、分かりました。」
矢車「相棒そろそろ行くぞ。」
影山「うん!」
二人は腰のゼクトバックルを開く。
矢車&影山「変身!」
「「HENSINN! Change!Kick(Punch) hopper!」」
二人はベルトにホッパーゼクターをセットし、それぞれキックホッパーとパンチホッパーに変身する。
そして、背中にフライトユニットを取り付けた。(キャストオフライダー6 ゼクトルーパー参照)
ヴァイス「矢車の旦那と影山の旦那!ハッチ開けますよ!」
ヴァイスはヘリのハッチを開ける。
シャマル「じゃ、行ってらっしゃい。」
パンチホッパー「うん、行ってきます!」
キックホッパー「ふん…」
キックホッパーとパンチホッパーはハッチから飛び立った。
シャマル「リィンちゃんも、気をつけてね。」
リィン「はいです!ヴァイス陸曹も、ストームレイダーも、よろしくですよ!」
ヴァイス「ウッス!」
ストームレイダー「All right, my friend.」
リィン「行ってきますです!」
リィンもハッチから飛び立ち、ヴィータの元に向かう。
【ヘリポート】
一方、ヴァイスのヘリが飛び立った後のヘリポート…
フェイト「フォワードの皆。ちょっと頼れる感じになってきた?」
なのは「あはは…もっと頼れるようになってもらわなきゃ。」
フェイト「…うん。」
二人はバリアジャケットを装着する。
フェイト「早く事件を片付けて、また今度、お休みあげようね。」
なのは「うん。」
フェイト「皆で遊びに行ったら、きっと楽しいよ。」
なのは「うんっ!」
二人もヘリポートから空に飛び立った。
………
ウーノ「ヘリに確保されたケースのマテリアルは、妹たちが回収します。お嬢様は地下のほうに…」
ルーテシア「うん。」
ウーノ「騎士ゼストとアギト様は?」
ルーテシア「…別行動。」
ウーノ「お一人ですか…」
ルーテシア「一人じゃない。…私には、ガリューがいる。」
ウーノ「失礼しました。協力が必要でしたら、お申し付けください。最優先で実行します。」
ルーテシア「うん。…行こうか、ガリュー。探し物を見つけるために…」
【北西空域】
フェイト「ファイア!」
なのは「シュート!」
キックホッパー「…ッシャ!」
パンチホッパー「はあぁぁぁあ!!」
フェイトのプラズマランサー、なのはのアクセルシューター、そしてダブルホッパーのキックとパンチがガジェット達を次々になぎ払っていく。
パンチホッパー「こいつら、やっぱり数だけだ!」
キックホッパー「油断するな…囲まれてる。」
パンチホッパー「え?」
キックホッパーとパンチホッパーはいつの間にかガジェットに囲まれていた。
パンチホッパー「うわ!いつの間に!?」
キックホッパー「多く倒したほうが今日の奢りだ。」
パンチホッパー「ええ!?」
キックホッパー「…!」
キックホッパーはブースターを加速させ、敵陣に蹴りこんだ。
パンチホッパー「ずるいぞ兄貴!よーし、俺が兄貴に奢らせてやる!!」
パンチホッパーもキックホッパーと同じように敵陣に殴りこんだ。
なのは「流石ホッパーブラザーズ!ナイスコンビネーション!」
フェイト「こっちも負けてられないね!」
なのは「うん!」
【機動六課隊舎司令室】
アルト「スターズ1、ライトニング1、ダブルホッパー、共に2グループ目も撃破!順調です!」
はやて「うん!」
シャーリー「スターズ2とリィン曹長も、1グループ目、撃破です!」
【南西空域】
ヴィータ「おっし。いい感じだ」
リィン「リィンも絶好調です〜!」
ヴィータ「ガンガン行くぞぉ。さっさと片付けて他のフォローに回らねぇと」
リィン「はいですぅ!!……ん?あれは…」
ヴィータ達の後方に大量のガジェットが再び出現した。
ヴィータ「……増援?」
【北西空域】
一方、こちらの空域にも大量の増援が送り込まれていた。
なのは「この反応…」
フェイト「……っ!」
パンチホッパー「マジかよ…」
キッチホッパー「チッ…」
………
クアットロ「ふふふっ。クアットロのインヒュールタスキル・シルバーカーテン。嘘と幻のイリュージョンで回ってもらいましょ?」
投下終了っス。
ザンキさんがなぜ幽霊になったかは後ほど書きます。
それと今日マガジンZ立ち読みしてライスピ新話読みました。
うわーZXが梅花の型使ってる…
梅花の型はチラ見程度だったクセに…
おまけになんか最後でっかくなっちゃったし…
StSもだけどこの漫画も一体何処に行き着くんだろう…
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
ナンバーズはまずあの外道悪女・クアットロが登場。
恐らく、あいつは首領の部下になりそうですね…。
大幹部達と似た様な雰囲気と思考を持ってますから…。
最後にゃ怪人になってなのはと戦ったりとか…?
ゆりかご決戦でちょっと提案が…。
戦闘員(ライオトルーパーが適任かな?)のオートバイ部隊がゆりかごから降下して武装局員に襲い掛かるってのはどうでしょ?
ほら、FF8のガルバディア兵みたく…。
いや、ショッカーライダーの方がいいかな…?
>>53 前スレで、シャマル先生は地獄兄弟のどっちかとフラグを立てるそうですが、他にフラグを立てる予定があるキャラはいるんですか。
>>54 ご安心を。
そんなオートバイ部隊よりもっと恐ろしいものを落とす予定ですのでお楽しみに。
>>55 居ますよ。
誰とはいえませんが…
>魔王さん
リサーチ終了、ダイブ開始ですか。
さあ、どれだけ嫌らしいダンジョンが待っているのかな〜〜?
>+ライダーさん
幽霊……ゴースト……ささやく?(何をだ
ゆりかごから……あ、スピリッツの量産型……いやそんな見え透いた……
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
ブレイド内でおこなわれたバトルファイトは、確か地球の覇権をかけた戦いですので、始が最後の一体として残ったときにダークローチが発生したときでも、他の次元では発生しなかったんですよね。
分かりにくくってすみません。
>>33 鬼武者3で幻魔が現代の技術を得てからは遺伝子操作で作り出されたりとか
サイボーグの造魔なんてのも登場してます。
つまりフェイトとか戦闘機人と似たような存在とも言えるって訳です。
しかし作る者の価値観とか目的の違いで同じ人造生命でもここまで違ってしまうとは…。
>>34 1から3までの主人公(左馬介、十兵衛、ジャックの3人)は全員出します。
ただし十兵衛は宗厳という名前で出す(鬼武者の世界では柳生家の家長が
成人するまで使っている名前が十兵衛って設定で彼の本名は宗厳という設定なので)予定。
あとジャックを鬼武者として登場させるかどうかは未定。
/ I AMヽ,
,/ BECOME ヽ
i __, DEATHニヽ
! ,,/;;;_,rー''" ,,,::::::::l,} キーボードのキーが何個かいかれて執筆困難だぜ!ヒィヤッハー!
.l/r'::::==''w''= irヾ
//:::::´´ /;;_,jヽ´:l// jl //
`i'゙lヽ ;: r;;;;;;;#、l[]`ミー、,,,, l || ヽ \/
ヽヽ`、 ';-ニ-'"|| | ""'''ヽ | || ゝ /
,,,-彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」 j
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ /
…はい、というわけで多分投下ペース落ちますorz
それはさておき、職人の皆様、そして
>>1乙GJです
まずは前スレの感想レスから
>>魔装機神氏
なんかシャマ姉がかわいそうなことに…家事暦長いのに…
…バトルマニア二人の相手しなければならないとは…マサキ哀れ…
>>◆e4ZoADcJ/6氏
ちょっ、桜花すごっ…熱線で全部チリに還した…
…あれ?フェイトいつの間に消滅しても復活できるほどの再生能力なんか得(ry
ここからは現スレの感想レスです
>>リリカルスクリーム氏
鬼武者シャッハ+ヴィンデルシャフト+風=鬼神ですね…
歴代鬼武者登場予定…これは期待せざるを(ry
>>白き異界の魔王氏
…さすがに世界結界にアルカンシェル叩き込めばエミュレーター扱いも仕方ないですかね…
さて、その運命とやらは六課をどう導くのでしょうか…
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
幽霊ザンキさん…やっぱり「死んでる…」の後で霊にでもなったんですかね…
クアットロ…やっぱりシルバーカーテンで大群の幻用意しましたか…
>>53 リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
GJです。
地獄兄弟セイリングジャンプ!!
ゼクトルーパーのあの幻の装備を使うとはナイスアイディアです。
響鬼組はイブキやトドロキまで動向してきて、レギュラー総出演。
次回Bパートでの活躍に期待しています。
そういえば、昨日の書き込みで登場ライダーを搾るみたいなことがありましたが、
あとどれくらいのライダーが登場しますか?
私としてはカブトの天道総司と、序盤以降顔出してないクウガの五代雄介が出てくれると嬉しいです。
>>61 もち出しますとも。
阿児といえば黒羽織で夢中になって敵倒してたら限界まで体力減ったところで一太刀食らって
ゲームオーバーになったのもいい思い出だなあ…。
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
GJ!
ああそういえばゼクトルーパーにはそんなのもありましたっけな・・・
クアさんが出てきましたけどライダー達が手を貸してくれているし大丈夫でしょう
……クアさんは大丈夫かなぁ?
>>リリカル龍騎氏
それは大変ですね・・・まとめサイトの更新もいつもお疲れ様です
他のSSはもちろんライダー系のクロスSSは皆楽しみにしています
マスカレード氏は未だに出番のないライダー達がどう出てくるのかが楽しみです
正伝氏は主に巧のこと・・・六課で活躍するのかそれとも六課から離れるのか?
いろいろと逆風もあるかと思いますが皆さん頑張ってください
一回ゴルドランとのクロス考えた・・・
題名:敵は最凶のうさぎ
1、ジュエルシードを拾ったワルター、其の時気分がよかったのでシャランラにプレゼント
2、当然回収に向かう管理局だが、当然のごとく渡すの拒否するシャランラ
3、無理やりにでも回収に向かうが呆気なく返り討ち
4、そんなこんなでアースラズ派遣
5、ジュエルシード回収に向かう一同に立ちふさがる新しいウサリン、ウサリンMK−3
6、シャランラの愛の力とさらにそれに反応したシードのせいで返り討ちにあう一同
7、ジュエルシードを聞きつけた共和帝国からデスギャリガン派遣されるけど瞬殺
8、そんなこんなでゴルドラン達に「なんとかしてくれ」と頼むリンディ
9、前回のトラウマから「あれの凶悪バージョンに勝てるわけねーよ」と駄々こねる勇者一同
10、諭されてウサリンに立ち向かう勇者一同だが、案の定大苦戦
11、アースラ一同も加わるけど、ウサリンが倒せない(グレートアーチェリーすらはじき飛ばされる)
12、結局ワルターが嫌々(脅迫されて)シャランラにキスして取り戻す
13、結局なんだったんだろとゴルドランとやぐされるアースラズ
だけど・・・ゴルドランDVDがどこにもねぇぇぇぇ!!
六課対やさぐるまのプロット考えたけど
どう考えてもライダークロスは飽和状態………ぐはぁ
皆さんのを楽しみに読ませて頂きます。
パラサイト・イヴとのクロスを考えたが……
駄目だスネーク! ヴォルケン隊しか動かせん! ミトコンドリアパラドックスだ!
発想を逆転させるんだ
ヴォルケンズだけでも出ればいいじゃないと
>>67 六課と敵対するやさぐるまとか俺は期待するぜ
>>58 そうですね。
ミッドには何も影響はありません。
オロチの時もハイドラグーン発生の時も何も影響ありませんですハイ。
>>63 五代はねぇ…もっと後から出したいんですよ。
あれだけダグバと激闘繰り広げた彼を簡単に戦いに引き戻すような真似は僕には出来ません…
天道はいつ出すかは全く考えてないッス。
なにせカブトじゃ僕の優先順位は兄貴>(越えられない壁)>天道なんで。
天道は本編で何も失うことなく得しまくった分煮え湯飲んでもらおうとか企んでいます。
>>67 ライダー対生身の人間ってのはあまり好きではありませんが…
六課対兄貴か…どんな理由で敵対するのかは気になるな…
ちょっと見てみたいかも…
おいらは六課と敵対する漢立ちするやくざに期待するぜ
ロンギヌスの槍とアダムを狙う管理局対NERV対使徒の三つ巴
…エヴァ板に帰るわ、うん
>>74 防御魔法を溜めパンチで粉砕しBJごと腕を握りつぶす握撃・・・。
六課とやさぐるまさんが対立するなら、スカ博士と同盟かな?ルー子側かもしれないけど。
タティアナサンに『俺の妹になれ』に期待。今までの射撃スタイルを捨ててパンチホッパーに変身・・・
妄想がとまらないよぅ。
つーか仮面ライダーとのクロスが多すぎだろ。しかもここはリリカルなのは
メインのクロス掲示板のはずなのに、ライダー分が強過ぎて、リリなの勢の
影が薄いのばっかりだし。いっそのことライダーがメインのクロス掲示板を
立てて、そちらでやった方がいいのでは?
数多くの作品の中で仮面ライダーは三作なのに多すぎとはこれいかに?
それなら2作のトランスフォーマーも多いのか?
投下が頻繁だから多く感じるんじゃないの
>>リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ氏
最初は鬼武者としての力が凄いと思いましたが、やっぱりリスクが付いて来てますね。
シャッハもこの力を上手くコントロール出来るようにはなれるのでしょうか?
>>白き異界の魔王氏
なのは本当に完治しましたね。今後の作戦に機動六課も正式に参戦する事によって
どうなるのでしょう?
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
ヴィヴィオは無事に保護して帰る事が出来るのでしょうか?
あと幽霊の謎も気になりますね。
11:30あたりに投下したいと思いますが、他に投下予定の方はいらっしゃいますか?
>>78 リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏、リリカル龍騎氏、マスカレード氏、
正伝氏で合計4作ですね。さて、失念していたのはどの作品ですかw?
支援しまーす。
本能に抗え! そして飛べ! 編
機動六課がヴィヴィオと言う小さな女の子を保護した。
その後、何故か機動六課で世話する事になってしまい、しかもヴィヴィオは
なのはとフェイトの事を「まま」と呼んでいたりした。
小さい子供であるヴィヴィオにとって身の回りにある全ての物が新鮮に感じ、
歳相応に好奇心旺盛な所を見せていたのだが、その際に桜花にも近寄っていた。
「わ〜いろぼっとだ〜、ろぼっとのおねえたんだ〜。」
「私に近寄るな! 死ぬぞ!」
桜花はヴィヴィオに対し右手を突き出して止めながら、さらに左手で
頭部兜の桜三型光学熱線砲である日の丸を覆い隠していた。
桜花がこうなった理由はヴィヴィオが金髪な事にある。金髪=敵とプログラムされている桜花は
ヴィヴィオを敵として認識してしまう。それでもミッドチルダで暮らすようになった後で
学んだ要素によって敵と認識してはいけないと言う感情も桜花の中には存在していた為、
「敵として殺さなければならない」と言う感情と「その様な事をしてはいけない」と言う感情の
間で葛藤していたのである。でもこれでも自制しようとするだけまだマシな方である。
フェイトなんか未だに熱線撃たれてるし。
「と…とにかく逃げろ! 今直ぐに逃げろ! じゃないと…私はお前を殺してしまうぅぅ!!」
「うわぁぁぁん! ろぼっとのおねえたんこわいよ〜!」
自分の本能を必死に抑えようとするあまり、物凄い形相になっていた桜花に
ヴィヴィオは本気で怖がって逃げていた。
「ハァ…ハァ…なんとか抑えられた…。これでなのはお姉様に怒られずに済む…。」
桜花は片膝を付いて息を荒くさせていた。彼女にとって下手な戦闘よりも
自身の本能を自制する事の方がよっぽど辛かった。そのくせ…
「寄るな敵国人!」
「ギャウ!」
やはりフェイトはたまたま近くを通りがかっただけなのに熱線で撃たれてしまうのであった。
「どうしてフェイトさんやヴィヴィオには反応してしまうのに、ユーノさんは平気なのかな?
ユーノさんだって金髪なのに…。」
何気無くスバルが桜花にそう訪ねるが、桜花はこう言った。
「どうしてかは私にも分かりませんが…何故かあの人だけは金髪なのに撃てない…
と言うよりむしろ撃ってはいけない何かを感じてしまうのです…。」
「そ…そう…。」
やはり理由がかなり曖昧だが、まあユーノに対しては平気と言う事だけは分かった。
機動六課において隊員達の食事を作ったり、衣服を洗濯したり、部屋の掃除をしたりするのが
桜花の重要な仕事である。と言うか下手に戦わせると強すぎて余計な被害を出してしまう。
出力を制御しようとして原子炉に手を加えようとしても、逆に原子炉から放射能漏れを
起こしてしまいかねないし、とにかく桜花はそっち方面の仕事を頼まれていた。
桜花は機動六課から出たゴミをゴミ捨て場に運んでいた。その中にはさり気なく
過去の戦闘で破壊したガジェットの残骸なども混じっている為、相当な重量になっているのだが、
桜花はそんなの全く構わずに平然と運んでいた。
「あ、なのはお姉様達今日もやってる。」
ゴミを捨て終わった後、桜花は機動六課の訓練が行われている事に気付いてそっちに見入っていた。
普段とても優しいなのはも訓練ともなれば厳しい。特にティアナを頭冷やさせた時など
流石の桜花も背筋が絶対零度にまで凍り付いた物だ。しかし、そこまでやった事にも
なのはがかつて無理をした事が原因で生死の境を彷徨った過去があったからと言う事を
知った時は桜花も納得した。だからこそいざとなれば自分が守ると密かに考えていたのだが、
もう一つ思う事があった。
「私も…空…飛びたいな…。」
残念ながら桜花は陸戦用に作られているらしく、飛行機能は持っていない。
だからこそ空中を自在に飛びまわれるなのは達に憧れを抱くのは当然の事かもしれない。
「いいな〜私も空を飛びたいな〜。でもなのはお姉様達が超音速戦闘機なら
私は重戦車…やっぱり無理な話なのかな…私は魔法と言うのも使えないし。」
桜花は少々落ち込んでいたが、かと言って魔法があれば飛べる物では無い事は分かってた。
実際スバルやティアナらは飛べない。それになのはなら桜花にこう言うだろう。
「重戦車と超音速戦闘機は使用用途が違うからそれぞれ自分向きのやり方をすべき。」
そこも桜花としても理解出来る。なのはも砲撃に関してはトップレベルだが、
機動力格闘力で言うならフェイトの方が上であるし、超広域破壊と言う点では
はやてが勝っている。人それぞれに得意分野が異なると言う事である。
だから桜花も頑丈な身体と超小型高性能原子炉から来る大馬力を生かしたやり方を
行えば良いと言う事なのだろうが…
「でも…やっぱり空飛びたい…。」
そう思う桜花であった。
仕事を全てとこなしながらも何だかんだでしょぼくれていた桜花を突然ヴィータが呼び止めた。
「おーい! 面白いビデオが手に入ったんだ! 一緒に見ようぜ!」
「びでお?」
「まあ良いからこっちに来いって!」
ヴィータは97管理外世界でさえDVDに取って代わられてしまい、今時すっかり珍しくなった
(百円ショップには腐る程おいてあるけど)VHSを片手に桜花を自室まで連れ込んでいた。
支援!
支援
『そ〜らに〜そびえる〜くろがねのしろ〜♪』
ヴィータに見せられたビデオは「マジンガ−Z」だった。
桜花自身ロボットであるから、こっち方面に興味を持つのだろうと言うヴィータの計らいであった。
その内容は世界征服を企むドクターヘルの送り込む機械獣の侵攻にマジンガーZと言う
ロボットが立ち向かうストーリーなのだが、全身に多種多様な超兵器を内蔵し、
様々な状況に対応出来るマジンガーZも唯一飛行機能だけは持たず、敵の飛行型機械獣に
苦戦を強いられていた。
「やっぱり…飛べないとダメなんだな…。」
桜花は空からの攻撃に苦戦を強いられるマジンガーZの姿を自分に照らし合わせ、落ち込んだ。
だが…
「!?」
桜花の目が変わった。それはマジンガーZがジェットスクランダーと言う飛行パーツを
装備して飛行可能になり、飛行機械獣と互角以上に戦うシーンだった。
「これだ! この手があった! ありがとうございます! これで何とかなりそうです!」
「え? あれ? 何? え? おい何処に行くんだ!?」
突然立ち上がった桜花にお礼を言われたヴィータはワケが分からなかったが、
桜花はすぐさまにヴィータの部屋から出るなりヴァイスあたりから工具箱を借りて
ゴミ捨て場へ走った。そして先程ゴミ捨て場に捨てたガジェットの残骸を掻き集めるのである。
「これを材料に飛行翼を作ろう!」
さり気なく桜花はこの手のメカ作りが上手い。
滅ばなかったIFを辿った並行世界の彼女は掃除機を改造し、自身の動力炉と
直結して動かす事で戦車はおろかマクロス級や月さえ吸い込む超強力掃除機を作っていた物だ。
さて、こちらの彼女はガジェットの残骸を基にいかなる物を作り出すのか…
そうやって桜花あれこれ作っているとヴィヴィオがやって来た。
「ろぼっとのおねえたんなにやってるの〜?」
ヴィヴィオは桜花が何を作っているのか興味津々な様子だったが、桜花にとっては大変だ。
「うわぁぁぁ! くっ来るなぁぁ!!」
桜花はとっさに両手で頭部の光学熱線砲発射口を押さえた。
何故ならヴィヴィオの金髪に反応して熱線を放とうとしていたからである。
ヴィヴィオはなのはに可愛がられているし、同じくなのはを慕う桜花としては
ヴィヴィオを撃ちたくは無い。しかし彼女の根底に存在する本能(?)がどうしても
反応し、熱線を放とうとしてしまうのである。
「ねえどうして? どうしてきちゃいけないの?」
桜花の苦悩など知る由も無いヴィヴィオは構わずに近寄ってくる。
「だから来るなと言っているぅぅぅ!!」
ついに耐えられなくなった桜花は熱線を発射してしまう。しかし、それでも
ヴィヴィオには当てさせまいと言う感情も働き、射線をずらしてヴィヴィオへの
直撃コースを避け、熱線はかなり遠くにあった高層ビルに直撃して崩れ落としていた。
「…と…これ以上近付くとあの建物の様になってしまうぞ…だから外で遊んで来い。」
「うんわかったよ〜。」
やっとヴィヴィオが何処かに行ってくれたので桜花はほっと胸を撫で下ろしていた。
はっきり言ってヴィヴィオの相手は桜花にとって相当に気疲れする物である。
これがフェイト相手なら構わず熱線を撃っていた所であろうが。
何はともあれ、ヴィヴィオがいなくなった事で桜花は飛行装備作りに集中する事が出来たのだが、
これが後々大変な事に発展してしまうなどその時の桜花は想像出来なかった。
支援
桜花の一言を真に受けたヴィヴィオは一人機動六課の外に遊びに行ってしまった。
そして、トコトコと歩いて行くヴィヴィオの様子を道に停車してあった車の中から
監視する怪しい影の姿もあった。
「あのガキを拉致すれば良いんですか?」
「おうよ。あのガキを拉致すればスカリエッティ博士から莫大な金を貰えるんだ。」
彼等は金に釣られた貧乏マフィア。金に困ってる所をスカリエッティに誘われて
大金と引き換えにヴィヴィオを拉致する依頼を受けた分かりやすい連中だった。
「でも何故やっこさんはあのガキを欲しがってるんですかね?」
「そんなの知るか。機動六課から出て来たって事はかなりのVIPって事なんだろうが…。
そこまで細かく考える必要はあるまい。とにかく行動開始だ。」
貧乏マフィアの二人は車から勇み外に出た。
「お嬢ちゃん? ペロペロキャンディーあげるからおじちゃんと一緒にこない?」
貧乏マフィアの二人はいつの時代の誘拐犯だ? って突っ込みをいれてしまう様なやり口で
ヴィヴィオを誘おうとしていた。今時こんな手に引っかかる奴いねーよって思われていたが…
逆に古典的手法と化してしまった事で皆の記憶の中からも忘れられ、最新の手法よりも効果を
発揮すると言う事態となっていた。
「わ〜いぺろぺろきゃんでぃ〜。」
案の定ヴィヴィオはペロペロキャンディーを口に銜えて貧乏マフィアの二人に付いて行ってしまった。
ヴィヴィオがいなくなった事で機動六課では大騒ぎとなっていた。
「ヴィヴィオー! 何処に行ったのー!?」
機動六課のメンバー達が仕事をそっちのけで彼方此方を探し回っていた。
特になのはなど滅茶苦茶に必死である。
「何処にもいません!」
「便所にもいなかったぞ。」
本当に色んな場所を探し回ったのか、みんな息切れするような状況になっていたが、
それでも見付かる気配は無く、皆を余計に不安にさせていた。
「もしかしたら…外かもしれません…。」
そう言ったのは桜花だった。
「私のせいです…私が外に遊びに行くように言わなければこんな事に…。」
桜花は頭を抱えて自己嫌悪し始めた。自分の些細な一言がこんな事を
引き起こしてしまった事が許せなかった。が…
「何だ…外に遊びに行ってるだけか。」
「焦って損しちゃったな。」
「なら夕方になれば帰って来るよな。」
「え…。」
誰もが顔に笑みを浮かべ、桜花を責める者はいなかった。
「だからさ…自分を追い詰めるような事はしないで。」
「あ…ありがとうございます…。」
周囲の皆から直接フォローを受けて桜花も安心しかけようとしてたが…
「ヴィヴィオさんならさっきマフィア風の二人組に誘拐されましたが。」
「ゲェ――――――――――!!」
突然現れたとびかげの一言によって事態は急展開を迎えていた。
「って言うかこの人誰!?」
「最近管理局に出来たばかりの特務課の忍者とびかげさんや!」
はやてがそう説明してくれていたが、いつの間にかにとびかげが管理局に潜り込んでいたのは驚きだ。
「早く助けないと身代金を要求されちゃうかもしれませんよ〜。」
「わ…やっぱり私のせいだ…私のせいだぁぁぁぁぁ!!」
桜花は頭を抱えながら近くの壁に頭突きを始めてしまった。
「私がうっかり外に遊びに行けなんて言わなければこんな事にぃぃぃぃ!!」
「わぁぁぁ!! やめてやめて!! 壁が壊れるよぉぉ!!」
って行った時には既に遅く、壁は桜花の頭突きで完全に破壊されていた。
「こうなったら私が責任を取ってびびおを助け出して来ます!」
「びびおじゃなくてヴィヴィオね。」
桜花はそのまま外へ走り去ってしまうが…そこでなのは達はある事に気付いた。
「あ…桜花にヴィヴィオ任せたら…むしろ桜花がヴィヴィオの金髪に反応して
熱線撃ったりするんじゃないかな〜なんて…。」
「ヤッベェ―――――――――――!!」
「とにかく皆で桜花より先にヴィヴィオを救出しないと!!」
「機動六課出動や!!」
こうして桜花に遅れて機動六課も出動して行ったが、とびかげの姿はいつの間にか消えていた。
桜花はヴィヴィオを探して街中を走り回っていた。
「早く! 早く見付けないと!」
桜花は怖かった。ヴィヴィオがどうかなると言う事よりも、ヴィヴィオが大変な事に
なってしまったが故になのはが落胆する事…それが桜花にとっては何よりも怖かったのである。
桜花が必死に走っていた頃、機動六課の皆様もヴァイスの操縦するヘリに乗って
ヴィヴィオ探索に勤しんでいた。
「早く早く! あの子より先にヴィヴィオを見付けないと熱線でヴィヴィオが撃たれちゃうよ!」
「こっちだって全力で飛ばしてます!」
なのはは滅茶苦茶に狼狽しながらヘリの操縦桿を握るヴァイスへ催促を続けていた。
誘拐犯によってヴィヴィオが何かされるよりも、桜花に熱線を撃たれてしまう事の方が
遥かに恐ろしいのだから。
支援
今回はここまで。
何か最近お話のストックが少なくなって…多分近々書き込みのペースとか減ると思いますorz
あと、ヴィヴィオを誘拐したマフィアは
「ミッドチルダの奥地に生息する金に困ってる可哀想な子悪党」
と言う事でお願いします。
ちなみに桜花がマクロス級や月も吸い込む掃除機を作ったのは仕様です。
GJ!
考えてみると、クロスした作品の料理が出来るキャラが六課の食堂で働いて
いるってシチュ結構多いなw 旧軍の秘密兵器やらライダーやら、他のとこ
ではVTNやら赤い弓兵やらw こいつらが全て一堂に会していたら、下手
すりゃスターズ・ライトニング両分隊を合わせたよりも、遥かに強力な戦力
になりそうだw 六課を襲撃するも食堂の職員に返り討ちにされるガジェット
&ナンバーズな小ネタを誰か書いてくれないものかw
96 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/14(金) 00:18:35 ID:QjL4Z9Oj
>>95 豪華客船のコックを
ミッドに次元跳躍させろと申すのか?
キッチンでは無敵の男をミッドに召喚するのか?
軍艦のコックをミッドに召喚するきか?
煮込みの空き時間に倒されるって萌えるな。
>>93 GJです!
桜花の姉妹はいつか出てくるのだろうか・・・
でもって、フォーワード陣が慌てて戻ってくると、ガジェットの残骸が積み
上げられた中に、フルボッコされたナンバーズがのびていて、コック連中が
「お帰り、地上本部の方は大変だったみたいだね」と平然と迎えてくれるん
ですよw
前回の後書きで予想した通り
Mission2 「171号線奪還」で難航中です。
何の特徴も無いステージですので・・・
週末にはFOX2できるようにしたいですね
最強のコック軍団による六課防衛。
激しく燃えますな。
候補としては…
・天の道を往く人
・記憶喪失時の名前が定着した野菜栽培の達人
・白髪で赤い服着た弓兵
>>104 確かにあの人がいれば十分ですね。
どんな相手でもKO確実。
とりあえず料理長は、元防衛チーム隊員で、両手にアルファベットのAを
象った指輪をしたお人でw さすがにこの人より強いのはいないだろw
>>103 三番目の子供(とその愛機)と謎の食通は駄目ですかそうですか
>>102 なんの特徴もないステージなら軽く流したらどうだ?
そのぶん重要なステージや、エースが出てくるステージに力いれるとか。
リリカル鬼武者ではついに中将とゼストが邂逅したわけだが、
最高評議会が言っていた「ゼストがレジアスに辿り着いたら全て終わり」とはいったい何が終わるのだろうか?
とはいえ、この二人が会って交わされるのは、
ゼスト「なぜ、俺たちを捨て駒にして殺した!レジアス」
レジアス「お前が勝手に突撃したからだろ、ゼスト」
ゼスト「そういえばそうだったな。正直スマンカッタ」
レジアス「昔のことだし、いいってこよ。一杯飲みに行こうぜ」
という間抜け会話な予感…
食通言われても究極vs至高が浮かぶんですが。
「一週間待っていろ、本物の人造魔道師を連れてきてやる」
皆様お久しぶりです。職人の皆様、変わらぬGJ作品をいつもありがとうございます。
ネクサスクロスを書いているものです。
現在、何とか現実に復帰しました。とりあえず次の話はまだ途中までですが、
9月中には完成しそうです。それまでお待ちを……。
EDF待ち
シルバー待ち
正伝氏待ち
毎度毎度、職人の皆様GJです!
外伝7後編が出来たんですが長いのでA、Bに分けて投下します。
ラットル「このあとは、とっとこハ〔Σだから、違うってばι」
ティア「このあとは、ビーストの鳴く頃に・解だよ♪皆準備良いかな?かな?」
なのは「Σそれだと惨劇が喜劇になるからι」
待ってましたッ!!支援かぁいしぃぃぃー!!
はやて「みんな元気しとるか?特別捜査官の八神はやてや。画面を見るときは部屋を明るくして離れて見てな♪
じゃあ魔法少女リリカルなのはBeastStrikerSの始まりや。」
外伝7「飛ぶ翼」後編
キャロ「コココこけー!」
エリオ「それは飛ばないなぁι」
コンボイ「前回のBeastStrikerSは−−」
ワスピータに入っていたスタースクリームがメガトロンを討つ為にいよいよ動き出す。
だがそんな彼をワスピータは必死に抵抗した。だが−−
スタスク「…………わかった、ならお前はここで消えろ。お父さんとお母さんに一枚づつ羽を貰いにいって……アニメベスト100にランクインしてもらえ。」
クアッ「甘いわ。アイスクリーム! 1位はいつもパト○ッシュなんだから!」
みなしごは6、7位が精一杯だった。
メガ「なんとスンバラエティー。まだ威勢は衰えていないようだな?ご先祖様。」
先祖「やかましい、何故ワシとヒュ○マはTOP3に入らんのだ!」
アギト「ちゃぶ台返ししまくってるからだろ?」
ゼスト「あれは一回しかしていないぞ。」
フェイ「あ……うん//// わかった。ありがとうブラックウィドー」
不意に言われた言葉に少し戸惑いを見せ、フェイトは恥ずかしそうに事務室を退室する。
ライノ「…………なんで皆フラグ立ってるんだな〜(泣)僕、ライノックス。ただ今彼女募集中、こちらの」
ブラッ「ぴったんこダナダナの係までっシャ。でもライノックスにはユーノがいるから良いんじゃないの?。」
ライノ「Σ男じゃないι」
フェイトとブラックウィドーが第31事務室を出てから、なんとか一段落着いたライノックスは椅子に腰掛けてから机に埋め込められ見やすいように傾けられている小さなモニターの時計を見遣る。
時刻は15:50を表示していた。
−もう、こんな時間か。しかし、僕らがこの時代の世界に着いてからもう5ヶ月も経つのか……。まるで多摩テックボックスなんだな。
つい、そんな物思いにふけりながらもライノックスは再びモニターを起動しガジェットの解析データを表示させる。
視線はモニターを捉えているもののライノックスの頭は別の思いが支配していた。
−正直、考えてしまう。僕らが闘っていたのはメガトロンを追って太古のミッドチルダにたどり着いたを追って。メガトロンが狙っていた歴史改変を防ぐ為だ。
あいつが実行しようとしたのは人類の抹殺、僕らサイバトロンの祖である戦艦『アーク』の乗組員達を討つ事。それは遥か未来であるこの時代やこれからの未来をデストロンが築く永遠の平和の為に。
間違っている……とは傍観すればいえない。伝説にあるサイバトロンが勝利し歴史を護っていても。それからの歴史を見ても生物による争いや別世界に派遣されたサイバトロン、デストロンのトランスフォーマー達による争いが絶えていない。
もしも、歴史改変をあの時していれば全ての世界から争いが無くなる事が出来たのかもしれない。
の○太くんの先祖だって侍になれたかもしれない。ス○夫だって自慢しなかったら別荘での海水浴を平和に過ごせたかもしれないんだな
ロストロギア……そんなものを生み出す者は後にも先にもたくさん居たし、今もいるだろう。解決したけど闇の書の事件だってシークレットにするぐらいのレベルじゃないか。自分達の過ちを隠す為に。
僕ら、サイバトロンや管理局のやっている事も実は正しくないのかもしれないんだな…………。
シリアスだぜ・・・支援
いや、考えるのは止めよう。今は可能性を信じてみるしかないんだな。
不意に出てしまった悪い考えをライノックスは振り払う、そしてモニターを閉じて窓を眺める為に椅子から立ち上がったと同時に彼の部屋に通信が入る。
『ライノックス一等陸尉。来客が来ています。お通ししますか?』
「こちら第31事務室のライノックス一等陸尉。許可するんだな」
『了解です。』
通信を切ると、ライノックスはすぐに事務室の自動ドアを開ける。
するとそこには一人のトランスフォーマーとツインテールの似合う少女がいた。
少し驚きつつもライノックスは二人を部屋に入れる。
「エアラザー。君のその姿は……久しぶりなのかな?
「うん、そうかも。でもライノックスごめんね。忙しいでしょうに。」
苦笑いを浮かべて軽く頭を下げるエアラザーにライノックスは首を横に振って否定する。
「一段落した後だから大丈夫だよエアラザー。それと君は……?」
ライノックスの言葉に気付いた少女は直ぐさま敬礼で答える。
「あ、私はティアナ・ランスターです。」
「僕はライノックス。よろしくね♪」
「あ、はい。ライノックス一等陸尉。お会い出来て光栄です。」
ライノックスは幼いながらも彼女の眼を見て彼女の強さを感じる。常に遥か先を見る強さ。だがそれゆえに自分の足が見えない危うさを伴う。
そんな眼をこの少女は持っている。と
「(お前もフラグ立てやがって。)エアラザーを保護してくれたのはティアナなのかな?」
「うん。ね、ランスター?」
少し意地悪っぽく微笑んで尋ねるエアラザーに睨みつけながらもティアナは眼の前のライノックスにバレないように「はい」と答える。
(ティアで良いわよ今更。)
(あれ、良いの?)
(呼びたくないなら、ランスターって呼んだら?フン)
(はは、ごめんごめんティア。)
だが、ティアは顔を赤く染めてしまいながらエアラザーとの念話を閉じる。
−ああは言ったものの、エアラザーに呼ばれるのはなんだか気恥ずかしさを感じる……けど。なんだか安心もする。
変わったのかな……私。
自動車学校行く前に支援
そんなティアナの様子に気付いたライノックスは「緊張しているのかな」と考え、気軽に自分の机の前にある応接セット座るように勧める。
自分も二人に相対する形で応接セットの椅子に腰掛けて、そこから今回の本題を単刀直入に尋ねる。
「で、魔法学校に入りたいんだったよねエアラザー?」
「うん、タイガーファルコンで登録してたからある意味訂正みたいな感じだけど。」
「わかった、明日から行けるように手配しておくから安心して良いんだな。」
「ありがとうライノックス。」
ホッと安堵した表情を浮かべるエアラザーに隣で座っていたティアナは彼の姿をじっと見ていた。
−よかったじゃない。そういえば……友達と会いたいって言ってたっけ。
嬉しそうに言っていた……。最初は馴れ合うこいつに呆れていたけど。はじめて会ったばかりのエアラザーにはなんでか私は心を開いていた。
いきなり、名前の方を呼ばれたりしてもなんだか嫌ではなかった。抱きしめてもらった時にわかった……どこか兄さんに似ている感じがする。
だからかな……。
彼女の視線に気付いたエアラザーが視線を合わすとティアナははっと我に返り、直ぐさま顔を背ける。
「どうかした?」
「な、何でもないわよ。」
これが最後の支援
「ああ、そうだ。二人はこの後予定はあるかな?」
「僕はないよ。ティアは?」
「ありません、このまま自宅に帰るだけですけど……」
二人の言葉に「よかった」と嬉しそうに頷くとすくっと立ち上がる。
「実はチータスとラットルがAAA+の魔導試験に合格したんだな。で、そのお祝いに今から行くんだけど二人も行かない?タイガトロンも来るんだな。」
会いたいと願っていた友に会えると聞いた途端にエアラザーは今よりも嬉しそうに驚いた表情を浮かべる。
「チータスとラットルが!タイガトロンも…… もちろん行かせて貰うよライノックス。ティアも行こうよ♪」
「あΣえ? ちょっと待ってってばι 知り合いじゃない私が行っても良いんですか?」
コンボイ達の名前は既にミッドチルダでは有名になっていた5ヶ月という短期プログラムでトップ成績をたたき出していたのもあるがやはり、伝説のトランスフォーマーという事も手伝っていた。
困ったような表情を浮かべて尋ねるとライノックスは問題無いと言うように首を横に振る。
「皆、お世話になっている家族もくるし。ティアナもエアラザーの家族なんだな。」
「うん、僕も同じ考えだよティア。初めて会ったばかりだけど僕にとってティアは大事な友達だし家族でもあるんだ。そんな大事な君を友達に会わせたい。」
なんの躊躇いもなく、自分の手を取る彼に真っすぐな気持ちをぶつけられてティアナは困惑してしまう。
「え、Σええ!?」
−Σだ、大事な君って!? そ、そんな言い回し方変な意味に取られるじゃない////
ああー!もうホントに強引なんだからあんたは!
「わかったから恥ずかしい事言わないでよ。ライノックスさん、い、行きます。」
恥ずかしそうに告げるもどこか怒ったように振る舞う彼女にエアラザーはつい笑い声を零してしまう。
「はは♪」
「何笑ってんのよ?」
恥ずかしそうに彼をギロリと睨んでしまう。
だが、エアラザーにはそれは想いが通じた感謝の気持ちでもあった。
二人のやり取りを見ていたライノックスもまたエアラザーの笑顔の意味を汲み取り、笑い声をあげてしまう。
「許してあげてよ。彼は嬉しいんだよ。ティアナ。あははは。」
「ら、ライノックスさんまで!」
「ははは、ごめんねティア。」
そしてこの時、彼の心には新たな風が吹き生まれる。
管理局に入り、兄の追った夢を彼女を支える翼となって自然を飛んでみせると。
まさに『飛ぶ翼』が此処に居る。
ティアナもまた、この時に改めて彼を掛け替えの無い家族だと……より強く感じていた。
−フラグ立ってばっかで泣きたくなるんだな。メタルスにも慣れないし(ズーン
Aパート終了ですー、Bは夕方か夜ぐらいに出来るかと。
うあ、すいません。
訂正ありました
−正直、考えてしまう。僕らが闘っていたのはメガトロンを追って太古のミッドチルダにたどり着いたを追って。メガトロンが狙っていた歴史改変を防ぐ為だ。
を
−正直、考えてしまう。僕らが闘っていたのはメガトロンを追って太古のミッドチルダにたどり着いた。メガトロンが狙っていた歴史改変を防ぐ為だ。
にお願いします。龍騎さん
皆さんお久しぶりです!
いままでずっとP板のSSスレに入り浸っていたのですが、
24話の衝撃が強すぎたので、ソレをネタに1レスネタを書き込ませていただきます。
< 24話 >
スカ「君は自分で見つけ出した、自分に反抗する事の出来ない子供達。
それを自分の思うように作り上げ、自分の目的の為に使っている。
違うかい?
君もあの子達が自分に逆らわないように教え込み、戦わせているだろう。
君の上司も同じさ。周りの全ての人間は自分の為の道具に過ぎん。
その癖、君たちは自分に向けられる愛情が薄れるのには臆病だ。
上司がそうだったんだ。君もいずれああなるよ。
間違いを犯す事に脅え、薄い絆にすがって震え、そんな人生など無意味だと思わんかね」
クーガー「〜〜ンなこたァ分かってんだよ!このヘビ野郎が!!」
スカ「聞き捨てなりませんねェ」
クーガー「ついでに言っとくがな!今の言葉、欠けている部分が一つある!!
俺は確かにあの2人を作り上げた!
自分の足で立つ!即ち、”自分の意思で反逆する心”をな!!
そうだ!俺は遂に見つけた!『親父』の真髄を!!」
< 続かない >
>>リリカルなのはBsts氏
ライノックスは女性キャラとのフラグの代わりにタンカー化フラグが立ってるw
>リリカルなのはBsts氏
GJです!
Bパート投下するのなら自分のリリカルスクリームの投下はその後にした方がいいですかね。
余談ですがなのはBstsの中では魔法でダイノボットとかジャガーが人間の姿になってますけど
人間に変身する能力を持ったトランスフォーマーというのも昔のシリーズに出てるんですよね。
まあマイナーな部類に入るかも知れませんけど。
感想ありがとうございます。
>>129 彼には嫌な立場になってますけどねw
>>リリカルスクリームさん
いえ、書き上げるのに時間が掛かるのでお先にどうぞー♪
あと皆さんに質問なんですけどミッドチルダのはやての家ってクラナガンにあるんでしたっけ?
>>132
コミック設定ではクラナガンの南の地区らしいよ
そこで超神マスターフォースですよ。
投下おkですか?
もちろんさ
投下は自由なんだ。誰も止められやしない!
おk
>>134 超神マスターフォースは名作ですよね!
この作品のゴッドマスターとかヘッドマスターjrに関する
設定はリリカルスクリームでも大いに活用するつもりですよ。
ガオガイガーもこれがヒントになって作られた物だとも言われてるし。
「向かってきます!」
「シースパローやスタンダードじゃ間に合わない!CIWSだっ!」
二十ミリの対空機関砲CIWSが九隻の駆逐艦ないし巡洋艦から斉射されスーパースタースクリームに牙を剥いた。
しかし全く効果は無い。航空機やミサイルの迎撃のために作られたこの
CIWSではスーパースタースクリームの装甲にキズひとつ付けられなかった。
「食らうがいい!」
スーパースタースクリーム
は肩のナル光線を次々と艦艇に命中させていく。このナル光線とはメカの機能を停止させる特殊なものだ。
たちまち沈黙する米艦隊。
「よしギガストーム。エネルギー吸引レーザー発射だ。片端から吸い取れ!
ノイズメイズ、サウンドウェーブ、シーコンズ。資材の確保にあたれ!」
「了解なんダナ!」
吸引レーザーで艦の燃料からはては乗務員の米兵達が持ち込んだ携帯ゲーム機や音楽プレーヤーの
バッテリーの残量まで艦中のありとあらゆるエネルギーがギガストームに吸い取られて行った。
「よーしまずまずってとこだな。これならこいつらが目覚めるのももうすぐだ。」
ウーノのデータ及びISから作られたTF「ブリッツテクター」のプロトフォームと
にらめっこしながらオクトーンがほくそえんだ。
今このギガストーム要塞にはこれと同じようにオットーを元にして創られた「レイシーガル」
トーレを元にして創られた「マッハインパルス」
クアットロを元にして創られた「ジャミングワスプ」ノーヴェを元にして創られた「ランドライナー」
セッテを元にして創られた「スラッシュファイバー」以下六機が積み込まれ
いままさに米艦隊から奪ったエネルギーで
覚醒しようとしていたのだ。
「へっ。俺に言わせればスーパースタースクリームの奴はナル光線の使い方がなっちゃいない。
第一あの一番でかい奴をほったらかしにしてしまっているじゃないか。」
ただ一隻いまだ健在の状態で浮かんでいる原子力空母ジョージ・ワシントンを
顎でしゃくるスタースクリーム。
「負け惜しみにしか聞こえんわ。」
「なんだランページか。…そうだここいらが良い機会かもな。
上下関係をはっきりさせておこうぜわが忠実な部下ランページよお。」
脇で呟いたランページにスタースクリームが意味有り気な微笑を浮かべながら言った。
「何言っとるんじゃ?」
「もう一度言うぜ…俺の命令に従え。」
その言葉と同時にスタースクリームの胸が光り始める。
「う…わあああああ!一体何が起きたんじゃ…!」
「お前は俺のスパークを元にして作られたんだ。
オリジナルのスパークを持つ俺にお前は逆らえねえんだよランページ。
さあ俺様の忠実な下僕になってもらうぜ!」
「…なんなりとお命じを。偉大なるスタースクリーム様。」
しばしの沈黙ののち機械的な抑揚の無い声でランページが呟いた。
「よーし…いいぞランページ。」
「おおっ…起動したぞ!」
スタースクリームがほくそえんでいるよこでオクトーンが上擦った声を挙げた。
「マッハインパルス…起動を確認。命令どうぞ。」
「よーしいいかお前等!ニューリーダーは俺様だ!俺に従え!」
トーレそっくりだがエフェクトのかかった機械的な声でマッハインパルスが言った。
そこへ待ってましたとばかりに割り込んできたのはスタースクリームである。
「ざ〜んねん!スタースクリームさん。名前はボスとほとんど同じでもあなたに従う義理はないんですよねぇ〜。」
「我々が命令を聞くのはスーパースタースクリーム様のみです。あしからず…。」
さらにジャミングワスプ、そしてブリッツテクターがそれぞれクアットロ、ウーノそっくりな口調と声で続ける。
「何だとてめえら!………おいランページ!構う事ねえからこいつら全員片付けちまえぃ!」
「畏まりましたスタースクリーム様!」
スタースクリームの命令一下ランページがつっかけた。だが
「IS…ライドインパルス!」
クロックアップよろしく目にも留まらないスピードを誇るマッハインパルスの
攻撃を食らい壁に吹っ飛ばされて動かなくなるランページ。
「野郎!こいつで回路をバラバラにしてやる!」
業を煮やしててナルビームを撃とうとするスタースクリームだったが
「ふん!」
それよりも早く彼の懐にもぐりこんだランドライナーの強烈な一撃を
食らってあっけなく吹き飛ばされてしまった。
「出撃するぞ。開けてもらおうかオクトーン殿。」
「起動した直後に戦闘なんて無茶じゃないのかね…まあいいがやばくなったらすぐに戻れよ。」
「ありがとう。ナンバーフォース、出るぞ!」
その頃首都高速
「ブラーさん。ちょっと飛ばしすぎとちゃうん?」
「だーいじょぶじょぶじょぶ!シートベルトしっかり締めてよ。
法定速度遵守しつつ飛ばすよ飛ばすよ飛ばすよーーー!」
はやて達を乗せて首都高速をサイバトロンが横須賀へ向けて飛ばしていた。
その頃横須賀では
「なんとも派手にやってくれるじゃないか。」
スプラングが既に反撃出来ない米艦隊をいいように弄んでいる
ノイズメイズ・サウンドウェーブ、そしてシーコンズを睨みながら呟いた。
あっそういえばそうだったね。
支援!
「ギガストームとスーパースタースクリームには我々全員でかかっても勝てるかどうか怪しいというのに…。
シルバーボルト、君はブラックウィドーと援護。スクーバは海中から攻撃してくれ。私とマイスターは海上から仕掛ける。
ツインキャストとサウンドブラスターは彼女達を守ってくれ。シックスナイト!君はスプラングと上空からの攻撃を頼む!」
「わざわざ守ってもらわなければならないほど弱輩だと思うのか。」
「解った。乗りなチンク…ん…な、何だあれは!?」
スプラングが怪訝そうに見上げた先にはギガストームから出撃して四方へと散っていく六つの影が…。
「新型のこのAH1Zも燃料切れじゃ形無しだな。」
ブルーリッジの甲板で整備員が米海兵隊が自衛隊との合同演習のために持ち込んだ
新鋭攻撃ヘリコプター…AH1Z・通称「ヴァイパー」を前にして呟いた。
この艦載ヘリもギガストームのエネルギー吸収光線で燃料切れ状態に陥っていたのだ。
「適合メカ確認…スキャニング。」
だが不意にどこからか飛んできた緑色のレーザーがAH1Zの機体を舐めた。
整備員が驚いて固まっているとさらにもう二条のレーザーが甲板へ伸びて同じく
SBCT(米陸軍即応部隊)が演習用に持ち込んだ装甲車「ストライカー」と米海兵隊が長きに渡って使用していた
垂直離着陸機・シーハリアーの後継として配備されたばかりの
新型戦闘機F35B…通称「ライトニングU」を捕らえた。
「スキャニング終了、トランスフォーム…問題なし。」
「こっちも問題無いな。さっさと暴れようぜ。」
「施設の破壊が目的では無いぞ…不穏な発言は慎め。」
AH1Zをスキャンしたレイシーガルが甲板に配置されたそれと全く同じ姿のヘリに変形すると呟いた。
ストライカー装甲車をスキャンしたランドライナーも自信ありげな口調で答えるがF35Bをスキャンした
マッハインパルスがそれをいさめる。
同じく航空母艦ジョージワシントンの甲板では。
「トランスフォーム!」
この空母にも配備されたばかりの米海軍の新型電子戦機EA18G…通称「グロウラー」
をスキャンしたジャミングワスプが戦闘機形態に変形すると飛び去って行った。
支援
>>101 それが某合衆国大統領なら
6課の面子が帰ってきたら本部とかは核爆弾落としたようなクレーターになっており
ゆりかごの残骸と山のように積み上げられたガジェット残骸をバックにミッドチルダに
「自由と正義を守る云々」と演説をぶちかまし、ナンバーズ含めて一般市民が歓声を上げていたり
周辺空域上空。
「離れないと不味いのでは…。このB2がもし万が一にでも落とされると大事です。
早くグアムへ戻りましょう。」
エイのようなフォルムのステルス爆撃機B2…通称「スピリット」がゆったりと飛行していた。
このB2は小国の国家予算なみの金がかかっている機体で
ギネスブックにも載っているほど高額な兵器だ。
この声の主の副操縦士が焦ったのも無理は無い。
「…どうしたんです大尉?」
彼の隣に座っている操縦士は黙りこくって左前方を見つめたままの
機長に訝しげな声で尋ねた。その機長の視線の先には
なんと信じられない事にもう一機のB2が飛行しているではないか。
日本周辺で行動しているB2は自分達が乗っている機体だけのはず。
一瞬彼は自分が夢を見ているのではないかと疑った。実はそのもう一機のB2
こそ密かに忍び寄ってこの機体をスキャンしたブリッツテクターが変形した姿だったのである。
「あんなデストロン見た事あるかい?」
「いや、知らないな。新顔らしい。」
「一機こちらに向かってくるぜ!」
ウルトラマグナス・スプラング・マイスターが口々に叫んだ。
「ジャミングワスプ・トランスフォーム!」
「こいつ女型のトランスフォーマーか?」
その一機…ジャミングワスプは一斉に銃口を向けるサイバトロンに怯む事なく
トランスフォームすると人型になった。女型のトランスフォーマーである事に
驚いた声を挙げるツインキャスト。
「女型でもあなた達よりはずうっと新型ですよ。ブリキの玩具さん♪」
その甘ったるい声を聞いた瞬間サイバトロンとナンバーズの視線が一斉に
クアットロに注がれた。無理も無い。
仕草といい間の取り方といい声色といい何をとってもジャミングワスプは彼女とそっくりだったのである。
「あんた…何者?」
「クス…♪」
ジャミングワスプを睨みつけるクアットロ。だが当の本人は
そんな視線に臆することなく掴み所の無い笑みを浮かべるのみだ。
支援!
ここまでで。
うん。
ナンバーズTFの名前が我ながら厨臭いな。
一応
ブリッツテクター→こいつが持ってるある能力が名前の由来。その能力については本編で。
ジャミングワスプ→ジャミングはクアットロのISから。ワスプはF/A18戦闘機の愛称・ホーネット
からハチつながりって事で。
マッハインパルス→高速で動くという意味でのマッハとISから。
レイシーガル→レイはオットーのISから。シーガルはもっと後になって登場する
ディードを元にして作られたTFをトラに因んだ名前(モチーフになってる
ヘリの愛称がトラを意味するティーガーだったんで)にするつもりだったので
なら対になるこいつは龍に因んだ名前にしようということで。
スラッシュファイバー→ブーメランで切り裂くスタイルだからスラッシュ。
ファイバーはモチーフになっち96式誘導弾が光ファイバー式の誘導弾なんでそれから。
ランドライナー→陸という意味のランドとISのブレイクライナーから。
>>リリカルなのはBsts氏
歴史改変に対しての葛藤…シリアスですけどさりげなく
の○太やス○夫が例えに出てきたのは吹きました。
>>リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ氏
第七艦隊のエネルギーが吸収されるとは何とも恐ろしいですね。
と、未だに核が利用されてしまわないか心配な自分がいます。
私も23:30あたりに書きたいと思いますが
他に書かれる方はいらっしゃいますか?
GJ! ついにナンバーズもTFを使用しますか
雑談スレはいろいろと大変なことになってる・・・某職人さんは続けられるのかね
ああいう荒らしはスルーすればよろし。
>>148 核はじめ大量破壊兵器は使う物でなく持っている事を誇示して相手をビビらせてナンボの代物ですからね。
デストロン軍団は今回の話で核はじめ気化爆弾とかをしこたま米軍から奪い取りますけど
軽々しくこれらの兵器を使わせるつもりは無いです。
>>149 正伝さんのはいろいろ言われてるけど自分は全く問題ないと思うんですよね。
じっさい面白いしああいう書き方してる人って他にいないじゃないすか。
極端な話イヤなら読まなければいいんだし。
>147
乙。
更に、誰がどの何だったか分からなくなりましたなw
>152
ややっこしくてすみません。
なるべく解りやすくしようとはしているのですが
数が多いのがトランスフォーマーの魅力でもある訳でして…。
我ながら言い訳臭い台詞だorz
>>153 もう名前に番号入れちまえば?
レイシーガル8とか、ただでさえナンバーズは分かりにくいし。
陸で桜花が、空で機動六課のヘリがそれぞれヴィヴィオ探索を行っていたが、
そこで桜花がある光景を発見した。
「おじちゃんこんなにおかしかってくれてありがとう。」
「あ〜あ〜金のかかるガキだな〜おい…。」
「まあまあ、スカリエッティ博士の所に付くまでの我慢ですぜボス。」
ミッドチルダの一角にある明らかに周囲とは雰囲気の異なる駄菓子屋から
ヴィヴィオを誘拐したは良いけど大量のお菓子を買わされてほとほと困り果てる
貧乏マフィアの二人が出て来ていた。
「ああああああ!! 見付けたぁぁぁぁぁ!!」
「あ〜! ろぼっとのおねえたんだ〜。わ〜い。」
ヴィヴィオは事の重大さが分からずにのん気に手を振っていたが、
そこで貧乏マフィアの二人はヴィヴィオを大急ぎで抱き上げて車に押し込んでいた。
「奴は機動六課に配備されたって言うロボットですよ! テレビで見ました!」
「ああ俺も知ってる。可愛い顔して恐ろしい化物だって話じゃないか! とにかく逃げろ!」
「はい!」
貧乏マフィアは車を発進させ、法定速度を明らかに無視した速度で逃げ出した。
「わ〜い! はやいやはい!」
ヴィヴィオは相変わらず事の重大さが分からずにのん気に喜んでいたが、
桜花は必死になって車を追撃していた。確かになのは達を超音速戦闘機に例えるなら
桜花は重戦車。だが、それでも普通の乗用車を追い駆ける位の事は出来る。
「待てぇぇぇ!! そこの車ぁぁぁぁぁ!!」
これが普通に敵が相手なら桜花は熱線を構わず発射していただろう。
しかし相手の車にはヴィヴィオが乗っている。もしヴィヴィオに熱線を当ててしまえば…
なのはがどれだけ怒るか…とても想像も出来ない。だからこそ熱線を使わずに直接
救出しなければならない。これは敵との戦いと同時に金髪を敵と認識して攻撃すると言う
桜花自身の本能との戦いとも言えた。
「待てぇぇぇぇ!! そこの車ぁぁぁぁ!!」
「この野郎! これでも食らえ!」
なおも追い駆けて来る桜花に向けて貧乏マフィアは拳銃型デバイスを取り出し、
窓から身を乗り出して拳銃型デバイスから攻撃魔法を発射した。
しかし、貧乏マフィアの魔力は大して強くなく、桜花の特殊鉄鋼製ボディーには
傷一つ付かずに桜花自身もまた何事も無かったかのように追い駆けていた。
「くそ! なんて頑丈なんだ!?」
「ボス! 運転を代わって下さい!」
「何!?」
「俺が奴を食い止めます!」
貧乏マフィアの子分の方が親分に対して言った言葉に親分は動揺した。
「無茶をするな! お前がアイツに敵うわけ無いだろ!?」
「ですが時間を稼ぐ事は出来ます! 俺が奴を食い止めている間に
この子をスカリエッティ博士の所へ!!」
車を運転していた貧乏マフィアの子分の方はある場所に車を急停止させると共に
車から出てある場所へと走った。
「元々ATM強奪用に作った奴だが…やってやる!!」
貧乏マフィアの子分が乗り込んだのは97管理外世界で言う所のショベルカーに
酷似しているが、ショベルの部分が人間の手の様になっており、明らかに
物を掴む事を前提にした作られ方になっている作業機械だった。
「うおおおお!! これでひき潰したるぅぅぅ!!」
先程貧乏マフィアが言った通り、元々ATM強奪の為に作った事で
ATM強奪ロボ(仮名)と命名するとして、そのキャタピラが唸りをあげて桜花へ突撃した。
「くそ! お前の死は無駄にはしねぇ! 行くぞ!」
貧乏マフィアの親分の方は目から大量の涙を流しながら敬礼をし、運転席に付いて車を再び発進させた。
「うおおおお!!」
親分の運転する車方が走り去った事を確認するなり子分の操縦する
ATM強奪ロボは桜花へ体当たりを仕掛けた。
「これでぶっ壊れろぉ!!」
「邪魔だ!」
「アヒィィ!!」
が…残念な事に桜花の右拳の前にあえなく散った。
「ボスゥゥゥ! 俺の屍を…越えて行ってくだせぇぇぇ!!」
ATM強奪ロボを破壊されてもなお貧乏マフィア子分は拳銃型デバイスを構えて
桜花へ撃ちまくっていたが、それもやはり効き目は全く無いワケで…
「邪魔だと言っている!」
「ギャ!」
彼の勇気も空しく…桜花の熱線の前にあえなく消えた。
「くそ! 変な奴のせいで時間を余計に食ってしまった! 待てぇぇぇ!!」
逆に貧乏マフィア子分は桜花に屍を乗り越えられてしまい、桜花は
再びヴィヴィオへと走っるのでありました。
「くそっ! もう追い付いて来やがった! やっぱり奴は化物だ!」
貧乏マフィア親分の運転する車は必死に桜花の追撃から逃げ回っていた。
「わ〜いはやいはやい! ろぼっとのおねえたんとのおいかけっこだ〜!」
と、相変わらずヴィヴィオは事の重大さが分からずに笑っている。
「こうなったら最後の手段だ! ポチっとな!」
貧乏マフィアのボスは車内にあった一つのボタンを押した。
するとどうだろう。突然車から翼やジェットエンジンが現れて空を飛んだでは無いか。
「ああ!! 飛んだぁぁ!!」
いきなり空を飛んだ車に桜花は焦った。が…
「わ〜いそらとぶくるまだ〜! わ〜い!」
と…やはりヴィヴィオは事の重大さが分からずに笑っていた。
「ハッハッハッハッ! 俺ぁ実は97管理外世界の007ってぇスパイ映画が好きでよ!
それに出てくるボンドカーって改造車にガキの頃から憧れてたんだよ!!
で、実際に作っちまったのがこの飛行機能付き自動車だぜ!!」
「くそぉ!! ワケがワケが分からないが待てぇぇぇ!!」
桜花は自身は何とか飛行する車を追い駆けるが、自身の跳躍力では既に高く飛びあがっている
車まで追い付く事が出来ない。やはり陸戦型の限界がここにあったのか…
「ハッハッハッ! 後はスカリエッティ博士の研究所までひとっ飛びだぜ!」
貧乏マフィアのボスは大笑いしていたが…
「ならばこっちだって! まだ飛行試験はしてないけど…こい!! 桜三型飛行翼!!」
桜花がそう叫んだ時だった。突如何処からとも無く謎の飛行物体が現れるのである。
しかも何故か『空飛ぶマジンガーZ』のBGMを流しながら…
そう、これこそ桜花がマジンガーZのジェットスククランダーにヒントを得て、
ガジェットの残骸から作り出した「桜三型飛行翼」なる飛行装備だった。
うーん。
ではそうさせて頂きます。
アドバイスどうも。
やっぱなによりもまず解りやすさが大事ですからね。
「これで一気にあの子を奪還だ!!」
桜花は桜三型飛行翼を装備し、さらに自身の動力炉と直結させる事で桜三型飛行翼は
桜花に高度な空戦能力を与えるのである。
「行くぞぉぉぉ!!」
「何ぃ!? 奴は空も飛べるのかぁ!?」
「でやぁぁぁぁぁぁ!!」
桜花は最大出力で飛んだ。が…急いでヴィヴィオを救出したいあまり出力を上げすぎて
そのまま貧乏マフィアの飛行車を追い越し、虚空の彼方へと消え去ってしまった。
「あ…。」
余りにも意外すぎる展開に貧乏マフィアも一瞬気まずい顔になったが、
とりあえずこれで彼にとっての邪魔者である桜花が消えた事で直ぐに安心した。
「と…とりあえず…このガキをスカリエッティ博士の所に連れて行くとして…。」
「おっとそこまでだよ!」
「え!?」
貧乏マフィアの顔は今度こそ気まずくなった。何故なら…その時には彼の飛行車は
機動六課のメンバー達によって包囲されていたのだから…
「誘拐の現行犯で…逮捕します!」
「トホホ…。」
「ハァ…ハァ…やっと帰ってきました…。」
桜花は桜三型飛行翼+超小型高性能原子炉のパワーが余りにも凄すぎて月まで
ぶっ飛んでおり、なんとか機動六課に帰って来た頃にはもう夜になってしまっていた。
そしてなのはの場所へ行くなり土下座をするのである。
「申し訳ございませんなのはお姉様!! 私はびびおを助け出す事が出来ませんでした!!
かくなる上は死んでお詫びを!!」
とか言って、いつの間にか死に装束に身を包み、切腹みたいな事やらかそうとしていたのだが、
むしろ小刀の方が折れるだろと突っ込むよりも早く、なのはの隣にヴィヴィオがいた事に
気付いていた。
「あ…れ…?」
「ヴィヴィオなら私達が助けたよ。でも…桜花だって一生懸命追い駆けてくれたんでしょ?
むしろ桜花が誘拐犯の目を引き付けてくれたおかげで私達はヴィヴィオを助ける事が出来たよ。」
「きょうはいろんなことがあってとってもたのしかった〜。」
「でもヴィヴィオ、もう知らない人に付いて行っちゃダメだよ。」
「うんわかったよまま〜。」
そう言ってヴィヴィオとなのはは去って行ったが、とりあえずなのはに落胆される所か
フォローしてもらった事が桜花にとっては嬉しかった…。
「な…何はともあれ…よかった…。」
桜花は力尽きて倒れるが…
「あんたそこで寝てたら風邪引くよって言う以前にあんた風邪引かないか?」
「うるさい黙れ敵国人!」
「ギャヒィ!!」
フェイトが珍しく桜花に親切心で声を掛けたのに熱線をぶち当てられてしまったとさ。
めでたしめでたし…
本能に抗え! そして飛べ! 編 完
何かオチが滅茶苦茶ですけど今回はここで終わりです。
実は「ミッドに咲く桜」続きの方もストックは出来ているのですが、
次回はそれを少々お休みして代わりに「ピクル」とのクロス書きたいと思います。
下手すれば一レス分で終わる短い一発ネタに近いお話になりますけど…。
GJ!
やはりオチはフェイトかwww
次回作はピクルってちょwww
>>157 楽しみにしてます。
162 :
魔装機神:2007/09/14(金) 23:43:12 ID:Le4DSV3r
乙です。
ちょっとした連絡があります。
諸事象により、STSが終了するまで魔装機神をお休みさせていただきます。
ちょこっとSTSの要素を入れようと思っているのですが、ちょっと分からないことがあって……
その間、簡単な短いクロスでも考えようかなと思ってます。
163 :
マスカレード:2007/09/14(金) 23:44:50 ID:KaPZiWOd
皆様GJです!
私も雑談スレの方で言っていた新作を投下しようと思いますが……
まだ他の方が投下されたばかりですのでもう少し時間立ってからにしようと思います
しばらくたったら投下しますね
皆さんGJです
>>NANOHA COMBAT ZEROさん
わかりました。ありがとうございます♪
Bパート出来ましたー。
タランス「みんな準備良いっスかー?」
ウィン「タラちゃんの私の『〜す』をリメイクしたっすね〜?!」
タランス「Σアチシ知らねぇっスよ!こっちは中将消すのに忙しいんスから」
レジアス「ほほぅ」
タランス「Σやべぇ!?」
>>162 ひょっとするとDVD最終巻の魔法辞典を待たねばならぬかもしれぬな。
ばっちこーい!
この場合どっちの投下が優先されるんだ?
微妙だ
「ぐっ!ワスピータどういう事だ、ごっつんこ!!」
「どうもこうも見た通りさ」
インフェルノは大口径ライフルを右手に構え、その標準をワスピータに−−いやスタースクリームに向けていた。
だが、引き金を引く事は出来ない。
何故ならばスタースクリームはライフルを片手にバインドで拘束されたセインとウィンディに銃口を突き付けていた。
普通ならば、彼女らの先天固有技能−−ISで難無く逃れる事が出来るだが、彼女らと仲の良かったワスピータの姿で動きが鈍った事もあった為に容易にパワーバインドで拘束されてしまった。
また、メガトロンが造った対戦闘機人用のパワーバインドはプログラムをスタースクリームに自分の命令で発動するようにに書き換えられたのであった。
高速移動を可能なトーレやノーヴェ等、他のナンバーズもスタースクリームを倒そうと試みるも拘束されている二人からパワーバインドの波が当てられ、ISが使えなくなっており。
攻撃を与えようとするも拘束している二人の手足を致命傷にならない程度にライフルで貫き、悲鳴を聞かせる等をして行動に釘を打っていた。
「動くなよ? こいつらがどうなるかな。」
その行動に迂闊に動けなくなったナンバーズ達は悔しそうにスタースクリームを睨む。
「くっ!お前は……ワスピータじゃないな!?」
憎しみに満ち溢れ、今にもスタースクリームを殺しかねない眼を向けながらノーヴェが尋ねるとスタースクリームは肩を揺らし、高笑いしだす。
「何が−−「何が可笑しい!!」
彼の仕種に怒りを爆発させたのはノーヴェではなくチンクであった。彼女のその叫びが辺りの空気をぴりぴりと威嚇する。スタースクリームは動じる事なく、ライフルを人質の二人の頭に突き付ける。
「うぅ!」
と唸り声にセインは怖さで涙をじわりと溜まりだす。
「可笑しいさ……お前らはもともとDr.スカリエッティとかいう奴に悪い事をする為に造られたのに。今やメガトロンに飼われ、このスタースクリーム様に銃口を突き付けられている。笑わずにいれないさ……。」
「皆!下手に逆らうな。インフェルノ、銃を下ろして下さい。」
皆の怒りを理解しながらも今やメガトロンの側近でありスナックのママであるウーノがナンバーズやインフェルノの敵意を解除させる。
−ここで動けば二人は助からない。今はただ従うしか……。
「何が望みですか……スタースクリーム」
「簡単な話だ、俺の部下になれ。お前ら全員だ……。だが、バレないようにな。メガトロンが次の年に新たな兵器を呼び起こすらしい。その時まで奴を欺け。No.2は……あれぐらいはメガトロンに譲ってやるか」
その言葉にノーヴェやチンクは更に怒りをあらわにしだす。
セイン、ウィンディもどうにか声を出そうとするが強化設定されたパワーバインドのせいでもはや意識しか動かなくなっていた。
そして……ノーヴェ、チンク、セイン、ウィンディは仲間の取った行動に驚愕する。
「解りました……これから私達ナンバーズはスタースクリーム様の命令に従います。だから、どうかその二人に手を出さないで下さい……」
「お前ら次第だ……このパワーバインドは俺の意志一つで動くようにプログラムした。良い子にしていれば俺も悪いようにしない。」
ウーノを筆頭に彼の足元にひざまずくナンバーズとインフェルノ。
その姿にノーヴェ、セイン、ウィンディは混乱のあまりに言葉を失う。
だが、チンクだけはスタースクリームに頭を下げるウーノが悔しそうに唇を噛み締めている事に気付いていた。
「上手くいったようね〜」
緩そうな声がスタースクリームの背後から聞こえ。
チンク達はそちらに視線を移す。そこには今この場に居なかったクアットロが親しげにスタースクリームの隣まで歩み寄る。
「そ、そんな!!」
「くくく、そういう事だ。お前らも俺に忠誠を誓ったらどうだ?」
ライフルを突き付けながら尋ねるスタースクリームにノーヴェは我に返り、再び睨みつけ「誰が!!」と叫びそうになる。
だが、傍にいたチンクはそれを抑えるように手を引く。
「っ!?姉様!」
(駄目だ!今怒れば二人は!ここは堪えるんだ……)
訴えるかのような眼で見るチンクにノーヴェは反論しそうになる。だが、チンクの眼に涙がすこしにじんでいる事に気付く。
(これはメガトロンの指示だ……効率良く、スタースクリームを倒す為の。だから今は堪えて……お願いノーヴェ。)
(メガトロン様の!? く…………分かったよ。)
チンクから咄嗟に出たメガトロンの指示。と聞きノーヴェはスタースクリームに対する怒りをなんとか抑える。だが、チンクと共に。彼に頭を下げる。
「ふははははは!決まったな。 メガトロン……貴様が寒いギャグを言っていられるのもしばらくだ。ふふ、ははははははは!」
メガトロンの居ない基地の空気が切り裂かれるようにスタースクリームの笑い声が響き渡る。
おおっと!こいつは支援しなければ!
その光景をモニター越しにタランスはほくそ笑んでいた。その隣には、共にメガトロンから脱走したクィックストライクもガルバトロンの身体を再生プールに入れていた。
二人はこのガルバトロンの身体を土産に管理局に寝返り。今は首都防衛隊の機密諜報官としてレジアスの進める『アインヘリアル』に技術協力していた。
「これでおバカなメガトロンも終わりっス。そうなったらデストロン本部も安泰になってこの世界も終わりっス〜♪ウッシャシャシャ。」
「あとはスタースクリームをどう始末するかだなぁギッチョンチョン〜♪」
「その時はチミがこの身体に入れ代わったら簡単っスよ♪」
二人はモニターを閉じ、再生プールを見下ろしながらほくそ笑む。
その顔は正に腹黒い蟲のようであった。
「解ってるさぁブラブラ〜。しかし、お古のトランスフォーマーもたいしたこと無いギッチョン〜」
「ナンバーズもあそこで全員やられてくれたらハッピーだったんスけどね」
「俺達のような奴らがいるから戦争が終わらないんだよな〜ギッチョンチョン♪あー早くこいつでぶっ放してぇ♪」
「チミは刻の涙を見る事になるっス。」
ワスピータを殺したヤツに死の鉄槌を・・・支援。
関係ないがTFシリーズでかっこいい死にかたしたスタースクリームがいた気がした
んですが分かる人いませんか?ボロボロのマントを纏っていた気がしたのですが。
まさかクアットロが裏切っていたとは…。
もしやそれはマイクロン伝説版のスタースクリームではないかね?
というかやっぱり、ガルバトロンはビーストUのガルバトロンかな?
支援!
ミッドチルダ東部近郊
あの光に包まれてからしばらく経つ……
ここは何処だ……オラハシンジマッタダー。いや、俺様はまだ死んではイナバウワー。
意識が覚醒し始め、視覚センサーも回復し始める。
真っ先に眼の前に浮かんだのはピンク色の長い髪の少女。自分の同盟相手であるルーテシア。
空はまだ青々と広がっている。
「大丈夫?」
眼が覚めた事に気付いたルーテシアは心配そうに尋ねてくる。そんな彼女にフン。と鼻で笑ってからメガトロンは起き上がり、遺跡の中の白銀のトランスフォーマーを見据える。
−そうだ、俺様はご先祖様とスパークを合体したんだったな。
気絶した俺様を遺跡から引き離して寝かせるとはなんと年寄りに優しぃ若者だぁ。
しかし……力が漲る。
「目覚めたようだな」
手を握って自身の力を確かめているとゼストとアギトが自分の元に歩み寄ってくる。
「ああ、ばっちりだ。後は仲間○紀恵に缶コーヒーを持ってきてもらえれば一番なんだがな。」
「私」
「ルーテシアでは役不足だなぁ」
「うぅ……」
「ところで遺跡を一応調べて見たらお前のデカイご先祖様以外に戦闘機みたいなのがあったけど」
「戦闘機だと……?」
アギトの報告にメガトロンは再び遺跡の内部に入り、白銀のトランスフォーマーの背後に入り込む。するとアギトが言うように小さな戦闘機があった。
これは…………ふふふ、良い拾い物をしたわ。
彼と統合したスパークもその戦闘機に触れた瞬間、メガトロンの体内でざわつき始める。
ふははは、そう慌てるな。メガトロン−−いや、最初のガルバトロン。
ほくそ笑みながらメガトロンは体内のスパークをなだめて、戦闘機を魔法で圧縮し小さくし背中のショルダーに収納する。。
そして、ゆっくりと遺跡から出てきたメガトロンは石扉を閉じて、先祖の姿を隠す。
「アギト、大手柄だ。」
「い、いやぁそれほどでもねぇって♪」
「ルーテシア、長時間の結界魔法ご苦労だった。また、ゼストも良くぞ我が先祖を見つけてくれた。もはや、ココナッツに用はナタデココ。基地に帰るぞ」
そう告げ、メガトロンがその場から基地へと転送魔法を開いた瞬間、遺跡の石扉に浮かび上がっていたデストロンの紋章は光り輝くと共に消え去る。ルーテシア達もメガトロンに続き、基地へと転送する。
支援
>>176 それでしたッ!!デストロンとサイバトロンが手を組む切欠になったんでしたっけ?
かっこよかったなぁ。武器はブレード二刀流だったかな?
光と共にメガトロン達は最初に飛び立ったデストロンの基地の中央にある転送装置に着く。辺りは出た時と同じ薄暗さがあった。
だが、ルーテシア達は空気が変わっている事に気付く。
−ぴりぴりしている……。
−なんか嫌な感覚するなぁ
−何があった……?
三者三様に妙な感覚に疑問を感じ、辺りを見回す。
薄暗い機械的な部屋、部屋の中央にぽっかりと口を開けてマグマが待ち受けている熔鉱炉。
「お帰りなさいませ、メガトロン様」
彼らの元に側近であるウーノが出迎えにやってくる。何故かメガトロンは彼女のそんな姿にどこか意味深に口の端を吊り上げる。
「ああ、今日は実に良い日だったわい。」
「嬉しそうですね。捜し物は無事見つかりましたか?」
「ふはははは、モチのロンパルームだ。奇天烈斎様と感動の対面だったナリ。」
嬉しそうに笑い声をあげながらもメガトロンは専用の椅子を呼び寄せ、腰掛ける。そしてゆっくりと宙に浮かんで部屋を見下ろす形で辺りを見回す。
たいしたドンパチはしていないようだな……。
「お嬢様達もお帰りなさい」
「うん……」
「貴様らは下がれ、ウーノ。ワスピータを呼べ」
「はい、解りました。」
メガトロンの言葉に辺りの空気を警戒しているルーテシア達は渋々頷き、中央から退出する。
ワスピータを呼びに行くウーノはメガトロンに僅かながら希望を抱いていた。今、スタースクリームを伐てる存在である彼がいるからだ。
−だからと言って、下手に動くわけには行かない。動けばセインとウィンディに埋め込まれたパワーバインドが体内で電撃を放ち、二人を爆散させる。
そして、ウーノがワスピータを呼びに向かってから数分程で緑色の蜂が羽を羽ばたかせて中央に飛んでくる。
「メガトロン様ぁ〜、ご無事でなによりだぶ〜ん。ところで御用はなんですかぶ〜ん?」
「ワスピータも元気そうでなによりぶ〜ん。貴様に手土産がある。赤福餅だ」
妖しく笑みを浮かべるメガトロンが彼に見せたのは先程、遺跡で発見し。小さく圧縮した戦闘機であった。
−これは俺の身体!? どこで手に入れたんだこいつ!
それはかつて初代ガルバトロンに寄って破壊された筈の自分のボディー。
驚くワスピータに気付くそぶりも見せずにメガトロンは戦闘機の圧縮サイズをワスピータに合わせた大きさに変化させる。
「遺跡で出てきてなぁ。少しばかり防虫剤の臭いがきついがお前の新しい身体だワスピータ。今の蜂よりも素早く飛べるぞ?」
「わぁーい。嬉しいぶ〜ん。じゃあ早速お引越ししてみるぶ〜ん」
−遺跡から出ただと? 何を企んでいる……だが、俺の身体には小細工は出来ない筈だ。
馬鹿な男だ……くく。知らず知らずのうちに敵に力を与えるとは。
ワスピータは自身からスパークを取り出すと、スパークはふよふよと飛び立ち。自身のボディーに入っていく。
すると戦闘機はからはワスピータの声が聞こえ、それはトランスフォーマーへと変身する。
伝説の『悪の翼』が復活した瞬間だった。
「凄い力だぶ〜ん♪」
−くくく、力が漲るな。
「ふふふ。俺様からの土産は喜んでくれたか?スタースクリーム。」
「っ!?」
突然言われた名前にスタースクリームは動けなくなる。
「僕ちゃんはワスピータだぶ〜ん。スタースクリームなんて知らないぶ〜ん。」
−まさか……バレているのか? いや、バレる筈はない。音声データを使ってワスピータとして話していた。
「はっはっはっは!冗談だ。なかなかにイカスじゃないかワスピータ。」
−驚かすなよ……だが、こいつも油断は出来ないな。
だが、スタースクリームはまだ気付いてはいない。既に自分がメガトロンの策謀の中にいる事を。
今のメガトロンが初代メガトロンと統合している事も知らない。
−今だけナンバーズは預けといてやろう……。駒はまだ減らす訳にはイカのよっちゃんだからなぁ。
メガトロン、スタースクリーム、タランスの策謀が三竦みの争いが始まった。
「今回はこれで終わりだアイスクリーム!」
「Σだから、スタースクリームだっつってんだろ!ってしまったι」
「やーい、引っ掛かってやんのアイスクリーム♪」
続く
次回予告
メガ「貴様ら!BeastStrikerSの主役は誰だ!」
ナンバーズ一同「メガトロン様!」
インフ「黄門様だごっつんこ!」
メガ「だぁれが里見○太郎だ!次言ったらサザンクロスするぞこのバカアリ!」
ノーヴ「え、じゃあ私。佐さん?」
チンク「私は格さんか?」
セイン「私、かげろう○お銀〜♪」
セッテ「入浴シーンなら私がする!」
ウィン「私も由美○おるが良いっす♪」
トーレ「なら私は風車○弥七だ」
ディ&オッ「柘植○飛猿」
メガ「Σ渋っ!?」
ウーノ「私はうっか○八兵衛が良いです。」
クアッ「それは私がぁー!」
おひwwww
なんちゅうバレ方してるんだwwwwwww
スタスク「次回、第9話「闇の台頭」次回予告、ちゃんとしようよ。皆さんι」
ジャガー「真面目にやったら」
ディー「ビーストじゃ」
ドゥー「無いから。」
スタスク「そうだよねぇ♪(諦め」
一同「あはははは♪」
以上です。チータスとラットルのお祝いは単発で書きますからー
GJ!!
ばれ方が古典的だぜ。メガトロンはどう料理するのかな?
なんかスタースクリームは六課への鉄砲玉にされそうだぜ。
GJ!
毎度ながらビーストらしい!
次はマスカレード氏かな?
185 :
マスカレード:2007/09/15(土) 01:09:59 ID:PnRvvIg+
GJです……
そろそろ投下……ぉKですか……?
頑張れ!寝たら駄目だ
さあ!こいや!
188 :
マスカレード:2007/09/15(土) 01:16:08 ID:PnRvvIg+
まずはプロローグ……
次のレスから1話という、まぁいつも通りっちゃいつも通りのやりかたでいきます。
古代遺失物管理部機動六課。
組織が大きいが故に小回りが利かず、結果的に後手に回らざるを得なくなるという管理局の
問題を痛感した八神はやてが4年の年月をかけて作ったスペシャルチーム。
そしてカリムの預言から推測される、時空管理局の壊滅という最悪の事態を避ける為に結成されたチームだ。
新人メンバーを向かえ、より一層士気を高めていた機動六課だが、これから起こる未曾有の危機をまだ誰も知る由も無い。
それは、管理局最高評議会でさえも予見できなかった、第97管理外世界という辺境の世界での出来事。
この次元世界ではかつて幾度と無く戦争が繰り返され、大勢の人間が散っていった。
そんな戦乱の歴史は戦争・平和・革命の三拍子がいつまでも続く、まさにエンドレスワルツのような物。
大勢の人間が生まれ、そして死んでいったこの世界での新たな出会い。
この事件をきっかけに、六課の面々は運命の出会いを果たす。
そして、偽りの平和を謳歌していたこの世界は再び混乱と戦火に包まれるのだった……。
まさかとは思うがガンダムWとのクロスか・・・?
191 :
マスカレード:2007/09/15(土) 01:29:20 ID:PnRvvIg+
「まぁこんな堅苦しいプロローグはどうでもええわ」
「え!?なんか凄い壮大そうな話だったのに!?」
「まぁ確かに最後の大袈裟な一文以外は事実だしね……」
はやての言葉にツッコミを入れるなのはとフェイト。
なのはとフェイトの隣にはスバルとティアナの姿も見える。
ちなみにティアナは「それ以外にも不自然なところ無かった?」と疑問を浮かべているが、まぁどうでもいい。
「……で、4人に集まって貰ったのは他でも無い。今回の任務は潜入捜査や」
「「「「潜入捜査?」」」」
はやての言葉になのは・フェイト・スバル・ティアナの4人が口を揃える。
「ちょっと待って、はやて。何でライトニング分隊からは私しか呼び出されて無いの?」
「それは、今回の任務はある高校に潜入してもらいたいから」
真剣な顔で立ったままデスクに両手をつくはやて。
確かに高校となればエリオやキャロは少し幼な過ぎる。
まぁ黙ってはやての説明を聞こう。
「今回の潜入捜査では、とある人物を監視して欲しいねん」
「とある人物……?」
ゴクリと唾を飲み込み、はやてに質問するスバル。
「その人物とは−−」
Episode 01「曖昧3年生」
「よ〜し、今日はみんなに転校生を紹介するで〜」
ここは第97管理外世界、日本の糟日部という街にある陵桜高校。その3年B組だ。
「こんな時期に転校してくるなんて、アニメみたいな展開だね〜」
席に座っている青いロングヘアーの少女が、(≡ω≡.)こんな顔をしながら言った。
「家族の都合とか、色々とあるんじゃないでしょうか?」
ピンクのウェーブロングの髪に、眼鏡が特徴的な少女が微笑む。
「でも今転校してきても後は受験だけだよぉ……」
「いやいや、甘いよつかさ。最後の1年間で始まる物語だってあるんだから!」
青髪の少女はアホ毛を揺らしながら自信に満ちた顔で言う。
「え?そうなの……?」
「まぁ確かに、ドラマとかだとそういう展開有りがちですよね」
三人は、そんな平和な雑談で盛り上がっていた。
「じゃあ入ってこ〜い」
関西弁の担任−−黒井ななこ−−の声に呼応するように、教室の扉がガラッと開いた。
茶色いツインテールをなびかせながら、転校生−−なのは−−は教壇に立つ。
「ほな自己紹介し〜」
「高町なのはです。ちょっと訳あってこの高校に通う事になりました。よろしくお願いします」
なのはが「まぁ嘘はついてないからいいかな」と思いながら自己紹介を終えると、着席していた一同から拍手の声が聞こえる。
「じゃあ高町。泉の横が空いてるから、そこ座り」
「はい」
にこやかに青いロングヘアー少女を指差すななこに、なのはは元気よく返事を返した。
規制か?支援
えええええええええええええ
ま さ か の ら き ☆ す たwwww
ネタ祭りかYO!wwwww
マスカレード氏は守備範囲広いなw
特撮にブレード、果てはらき☆すたもチェックしてるとはw
196 :
マスカレード:2007/09/15(土) 01:42:16 ID:PnRvvIg+
「よろしくね〜なのはさん」
なのはの横に座る少女、『泉こなた』が猫口だからどことなく可愛く見えるかもしれない微笑みで話し掛ける。
「うん、よろしくね。え〜と……」
「こなたでいいよ、なのはさん」
「あ、うん。こなたちゃん」
挨拶を交わしながら、なのはは一つの疑問に気付いた。
「え〜と、なんでさん付けなのかな?」
「だってなのはさんのが合いそうじゃない?」
またしても(≡ω≡.)こんな顔をするこなた。
「だってなのはさんって何となくどこかの部隊の隊長とか、そんな雰囲気がするからさん付けのが合いそうじゃん?」
「……ッ!?」
一瞬で大量の冷や汗をかくなのは。擬音で表すならば「ギクッ!!」といった感じだ。
「あ、ちょっとそんな感じするかも♪」
紫の髪の毛に大きなリボンが特徴的な少女、『柊つかさ』が何も考えてなさそうな無邪気スマイルを振り撒く。
ちなみにつかさは既にこなたワールドに引き込まれてしまっているが、多分そんな雰囲気はしてない。
「いや〜……それはないと思うよ〜?」
「まぁ、ただの雰囲気の話だからね」
なのはは自分の正体に気付いていなさそうなこなたの表情に、胸を撫で下ろすのだった。
一時間後。
「おーっす♪」
「あ、かがみん」
いつも通り、C組に在籍しているにも関わらず何故かB組にばかり現れる『柊かがみ』が現れる。
ただ、いつもとは一つだけ違う。それはかがみについてきた金髪の少女だ。
「あれ?後ろの人は?」
「あ、転校生のフェイト・T・ハラオウンです」
ペコリと一礼するフェイト。
「おお!?なんか今までに無いキャラだね?」
「キャラ……?」
「フェイト……コイツの言う事をあんまり真面目に捉らえない方がいいわよ?」
「え……あぁ、うん。わかったよ……」
呆れたかがみの言葉に、フェイトは泉こなたという人物がだいたい想像できた
「まぁそれは置いといて、そっちにも転校生きたんだ?」
こなたは「フェイトって凄い名前だな〜」とか思いながら「何かを置いとく」ジェスチャーをする。
まるで右から左へ受け流すように。
ちなみにこなたにしてみればフェイト=ゲームタイトルによく使われる言葉という認識がある。
「にしても……おっきいね〜」
「……何が?」
こなたの言葉に苦笑気味に質問するフェイト。
こなたはどう見てもフェイトの胸元を見ている。
「転校生は二人ともお姉様キャラか……」
「ってアンタは初対面でいきなりセクハラ発言かよ!」
いつも通り、にひひと笑うこなたの表情に気付いたかがみは、すかさずツッコミを入れた。
それがこなたクオリティー!支援!
らき☆すたとはまた意外な・・・支援!
こなたよ
六課をオタクに染め上げる気か?
200 :
マスカレード:2007/09/15(土) 01:53:58 ID:PnRvvIg+
陵桜学園、食堂。
「……にしても伝説の少女Aの監視って何なのよ……」
「ま、まぁまぁティア。きっと何かあるんだよ?」
愚痴をこぼすティアナをなだめるスバル。
どうやらはやてからの指令は、「伝説の少女Aを監視せよ」とのことらしい。
まぁ伝説の少女Aって何だよって話だが、あまり気にしない方がいいんじゃないかと思う。
ちなみに二人が編入されたのは1年D組だ。
「まぁ、こんな学校生活も楽しいっちゃ楽しいかもしれないけど……」
「ホント、懐かしいよ。こんな雰囲気」
「な、なのはさん!?」
かけそばを食べながら愚痴るティアナは、突然のなのはの出現に驚く。
「私とフェイトちゃんはもう高校に通う年齢じゃないからね。またこうして一緒に学校に通えるとは思って無かったよ」
「うん……私も任務だとは解ってるんだけど、正直嬉しいよ♪」
食堂で買った定食をテーブルに置きながら微笑むなのはとフェイト。
二人にとっても任務なのに嬉しいなんて事は初めてだろう。
「ところでなのはさん……伝説の少女Aは……!?」
「あぁ、うん……もうなんていうか、早速見つけたよ……」
スバルに真剣な顔で問われたなのはは、苦笑い気味に答えた。
「で、どんな人なんですか?」
「え〜と……こ、個性的な女の子……かな?」
今度はティアナの質問に答えるなのは。
ティアナとスバルは「はぁ……」と返事を返す。
「そういえば、何でフェイトちゃんは違うクラス行っちゃったの?」
ふと疑問に思った事を口にするなのは。
伝説の少女A……っていうか、こなたの監視が目的ならB組に来ればいいはずだ。
その問いにより「………………」と、しばしの沈黙が流れ……
「知らないよ……なんかこうなっちゃったんだよ……」
「「「えー……」」」
フェイトの頼りない台詞に、なのはを初めとするスターズ分隊は「ドンマイ……」みたいな顔をするのだった。
一方、1年B組。
「あれ?フェイト来てないの?」
「おや、かがみん。フェイトちゃんとも早速うちとけたみたいだね〜」
「まぁね……って何よその笑いは?」
こなたの笑みに気付いたかがみは「今度は何よ?」みたいな顔をする。
「いやぁ……いっつもハブられてC組来てるかがみんにも同じクラスの友達ができると思うと嬉しくて」
「なっ!?いるわよ友達くらい!!」
かがみにツッコまれながらもこなたはニヤニヤと不適に笑うのだった
伝説の少女Aかwww
もはやロストロギア扱いッスかwwww
その正体は自分の趣味のみの完全予知能力?
203 :
マスカレード:2007/09/15(土) 02:11:53 ID:PnRvvIg+
「お、元気そうやな高町〜」
「あ……ななこ先生。」
3年のクラスが集中する廊下でB組担任のななこに話し掛けられ、立ち止まるなのは。
「うちのクラスは個性的なんが多いからなぁ、楽しそうやろ?」
「えぇ、まぁ……そうですね。特に泉さんとか」
ちなみになのはは何となくこなたのテンションについて行き難い。
「お〜、早速ええとこに目つけたなぁ」
「いいとこ……?」
予想外の反応を見せるななこ。
もしやこれはチャンスじゃないか?早くも何か情報を聞き出せるかもしれない。
「いやな、泉とはほぼ毎日プライベート(ネトゲ)で会っててな、なかなかおもろいんよ」
「そうなんですか?じゃあ結構仲良いんですね?」
「ん……まぁな。泉なら何でも知ってるからわからんことあったら聞いてみたらええわ」
まぁもちろんオタク知識限定だが。
「はい、ありがとうございます!」
なのはは笑顔でペコリとお辞儀する。
恐らくななこの言わんとする事はちゃんと伝わってないが、それはそれでいいんじゃない?と思っちゃったりする。
「にしても、ななこ先生のの雰囲気、どことなくはやてちゃんと重なるなぁ」
なのはが「フフ」と微笑みながらポツリと呟いた独り言に反応するななこ。
「雰囲気?ほぉ、もしかして友達に関西人おんのか?」
「はい、だから関西弁聞いてたらなんだか落ち着くんですよ♪」
言い終えると同時に、幸せそうな顔のななこがなのはの肩に手を伸ばす。
「高町……」
「え……な、何ですか……!?」
「そんなん言うてくれるのアンタだけや……!」
自分の肩を掴みながら「るーっ」と涙を流すななこに、なのはは「何この状況?」と思いながらも苦笑いを続けるのだった。
「まぁうちは関西人ちゃうけどな」
「え……?」
放課後。
「そういえばなのはさんの家ってどこにあるの?」
「え?私は海鳴市だよ。フェイトちゃんと同じなんだ♪」
「あ〜、じゃあ帰りの電車一緒だね〜」
カバンを持って立ちながら話をするこなたとなのは。こうして見ると身長差は歴然だ。
この任務中はフェイトもなのはも海鳴市の実家で生活することになったという。
「こなたー、帰るわよ?」
「なのは、帰ろうか♪」
そこに、かがみ・フェイトがそれぞれ現れる。
「じゃあ今日はなのはさんとフェイトちゃんも帰りは一緒だね〜」
「ってなんでよ?海鳴市って逆じゃなかった?」
不敵に微笑むこなたに、かがみが質問する。
地図で表すならこなたやかがみの家は北。海鳴やみゆきさん家やアキバは南のはずだ。
「いやぁ、今日もアニメイトとか寄りたいからね〜」
「また行くの?流石というか何というか……」
半ば呆れ口調で言うかがみ。ちなみにこなた的にはこんなかがみこそツンデレと言うべきらしい。
「ねぇ、アニメイトって何なの?」
フェイトが?マークを浮かべる。初めて聞く店名だ。
「ん〜……まぁそういうお店だよ。なのはさん達も一緒にいく?」
「良いの?じゃあ私たちも行くよ♪」
こなたの奨めに乗るなのは。
まぁこなたと仲良くなるチャンスではあるが……
「(あぁ……こうやって二人もこなたの世界に引き込まれて行くんだろうなぁ……)」
かがみだけは、「二人もこなたの術中にハマってしまったか……」と言いたげな、可哀相な物を見る目でなのは達を見つめていた。
そう……かつての自分のように……
204 :
マスカレード:2007/09/15(土) 02:16:46 ID:PnRvvIg+
投下終了!
はい、我ながら何書いてんだとツッコミたくなります……(爆)
ストーリーとかについてはあまり深く考えずに、サクッと気分で読む事をオススメします
こんな作品需要無いかもしれませんが、気が向いた時にでもちょくちょく更新していこうと思います
では、私はそろそろ落ちます……
これはあれだな
乙女ロードに行き、ユーノ×クロノの同人を読み漁る
六課女性フォワード陣が誕生するんですねw
これはもうGJ!
いっそこっちをメインに書いてほしいと思うよ。
シリアスよりギャグのがいける!!
この世界はなのははないのか?
【171号線奪還】annex
『ベルカ戦争』には謎が多い。 終戦から10年経った現在やっと一部の情報が開示された
私はその資料をすぐに入手し。それでは足りず――
出所不明な裏情報にも手を出した。 私がそこまで掻き立てられたのには理由がある
この戦争は1988年のベルカ連邦法見直しに端を発する。当時 財政難に荒れたベルカは東側諸邦の独立を許した。
ウスティオ共和国はこのとき誕生する。しかし ベルカの財政難は収まる事はなかった。
一方で―その流れに乗じて肥大化していく巨大国家オーシア。
その経済恐慌の中― 極右政党が政権を獲得する。強く正当なベルカを取り戻すために
1995年3月25日ウスティオでの天然資源発見をきっかけについにベルカは隣国への侵攻を始めた
『ベルカ戦争』の開戦である。
準備不足の各国は伝統のベルカ空軍の前に敗走
数日の内に山岳地を除く全域を占領下におかれたウスティオ政府軍は外国人傭兵部隊を組織。オーシアとの連合作戦に望みをかける―
ここまでは 教科書にも載っている
だが 資料に奇妙な類似点を見つけた
1人の傭兵に関する記述そしてそこに残された『白い悪魔』という暗号
情報としては不十分なものが多い。だが 私はそこに惹かれた
私はこの傭兵を通してベルカ戦争を追いかけることにした
その先には何かがあるこの戦争の隠された姿かただのおとぎ話か
その傭兵に会うことは出来なかった。存在自体があやふやだ
ただ『悪魔』と関わりのあった人物数人を突き止めることは出来た
『片羽』はその中の1人だ
ヴァレー基地にある女子居住区。
ここにはメカニックや管制官が殆どで女性パイロットはごくわずか。
正規軍の戦闘機女性パイロットとなると5名しかいない。
いずれも奇襲をうけ全滅した基地から死地を脱することができた幸運な者だけである。
そんな中の一人 ナタリー=ヴィステス大尉はロビーの一角の喫茶スペースに入ってきた人物を見かけて好奇心を隠せなかった。
同性で同じ仕事をしているとはいえ、「正社員」と「フリーランス」の立場の違いは大きい。是非とも傭兵の考えを知りたかった。
視線で挨拶を交わし珈琲スタンドにいる目的の人物に挨拶をしながら近づく。
ナタリーは先の爆撃機迎撃 Crossbow作戦については機体整備の為、参加していなかったので、
マジシャン隊やガルム隊の戦闘は噂話でしか聞いていない。あれは・・・確かマジシャン隊の2番機か?
「隣、いいかしら?」
「どうぞ」
「聞いたわよ。先の戦闘ではあなたのお友達、いきなり大活躍だったそうね」
フェイトは話しかけてきた人物の名前と顔を思い出そうとしていた。
当然ながら女性、服装からしてパイロット、蒼地の徽章はウスティオ空軍大尉。
脳内検索の結果は・・・・該当なし。
「えっと・・・貴方は?」
「ルー・ガルー隊のナタリー=ヴィステス。ベストラで良いわ」
「マジシャン隊、フェイト=T=ハラオウン。ネメシスと」
互いに簡単に自己紹介を済ませ、ナタリーは開戦からヴァレー基地に至るまでの経験を説明した。
「私達は奇襲にもかかわらず善戦したわ。かなりのベルカ機を落とした。でも、・・・赤い燕の連中が」
ナタリーがマグカップを机に置いた時の音は普通よりも明らかに大きな音だった。
「大変だったわね」
黒いマグカップの中の液体が大きく揺れていたが、ナタリーの心とおなじように徐々に収まっていく。
ナタリーは首都近郊の基地で3番機を務めていたが、機首を赤く染めたタイフーン4機編隊に奇襲をうけ、
ルー・ガルー隊の同僚3機を失った。後輩でもある別の隊の機を連れてヴァレーまで撤退してしていた。
「ネメシス。一つ聞いていい?」
「何かしら?」
「貴方は何の為に戦いの空を飛ぶの?お金、名声、責任感?」
ナタリーは同性として戦場に出る傭兵の生の意見を聞きたがった。
さすがに責任感との答えは無いでしょうけどねと答えを予測する。
空軍士官学校からパイロット養成コースに進んだナタリーは純粋培養の若きエリート軍人であり、
戦うことでウスティオへの責任を果たさねばならなかった。
フェイトは一瞬だけ警戒の色をみせたが、表面はいたって穏やかなものだ。
「うん、まぁ、私がココの空で必要とされていると感じたからなんだけど」
理由になっていない嘘だとフェイトは心で苦笑した。
ナタリーに多次元世界の概念や時空管理局の事を話しても理解できないだろうし、それに話すには情報リスクが大きすぎる。
「あなたはどうなのかしら?ベストラ」
穏やかな知性を感じさせる魅力的なスマイルを浮かべて切り返す。
質問者に同じ質問を返すことは主導権を奪い返す技術だが、
フェイトの執務官訓練の監督官は、交渉の心得があり、頭の切れる相手には逆効果だとも教えていた。
さて、ベストラはどう返してくるだろう?
「私は・・・」
ナタリーは少し、答えをまよった。
自国を護る戦いの空を飛ぶことに何の違和感もない。ウスティオ軍人としては当然の事だ。
だが、ナタリー=ヴェステス個人は戦いの空を望むのだろうか?
パイロットを目指し、空軍という組織でそれを実現したが為に軍人としての自覚が生まれたのかも知れない。
戦うために飛ぶのか、飛ぶために戦うのか・・・そのあたりがどうにもあやふやだが、国を護る為に戦う自信と決意がゆらぐ事はない。
「私は、・・・ウスティオの為に飛ぶのよ。当たり前でしょう?」
ナタリーはフェイトから視線を外し、屋外エプロンで点検を受ける自身の愛機に目を向けた。
わざわざ好き好んで何の関係のないウスティオという国の為に命を張ってくれるフェイトに対して少し気恥ずかしくなったせいだ。
視線につられてフェイトも外のF−1に視線を送った。
繊細ともいえる細身の機体のテールには2本足で歩く狼男のエンブレムが描かれている。
フェイトがナタリーのフライトジャケットのパッチを見比べながら尋ねた。
「あれは、貴方の機?」
「うん、だいぶん古いし、対艦は別として、空戦は苦手な機体だし、
しかもあなた方達のような傭兵とは違って私有機で戦争、って訳にはいかないのよね。でも・・」
「でも?」
「でも・・今は私の大切な相棒」
「相棒か・・・」
古いとはいえ、曇り一つ無い研ぎ澄まされた剣。戦いの為にデザインされ、破壊の為に作られた道具。
フェイトは質量兵器に対して特別な想い入れを持ったことはない。だが、自分とバルディッシュとの関係に置き換えるとなんとなく理解できる。
明日の作戦にはフェイト達のマジシャン隊、ナタリーのルー・ガルー隊も参加する。
「明日はあの子の本来の力を見せつけてやるわ。月に届くまで吹っ飛ばしてやる!」
フェイトは勢い込むナタリーを煽ったりはしなかった。また落ち着かせようともしなかった。
地上にある質量兵器を月に届くまで吹き飛ばすという意気込みを文字通り、額面どおりの意味で受け取ってしまい、ショックを受けていた。
自身に置き換えて考えてみる。
リミッター無しの全力全開、一転集中の砲撃魔法でもミッドの虚空に浮かぶ双月まで何かを吹っ飛ばす。
そういうマネが果たして私、フェイト=T=ハラオウンに可能だろうか?
この第91世界の質量兵器戦争は半端なものではないということか・・・
幸いナタリーがマグカップを傾けていたのでフェイトの思案顔が誰にも見られることはなかった。
「地上兵力の輸送活路を確保するには アルロン地方をはしる ルート171を奪還せねばならない
この幹線道路には それぞれアーレ川 エムス川を跨ぐ 3つの橋が架かっており現在はベルカ機甲部隊による 厳重封鎖が行われている」
陸路確保は ウスティオからベルカ軍を一掃する 我が軍の重要な足がかりとなるであろう
幹線道路を封鎖する ベルカ地上部隊に打撃を与え 我が軍と オーシア軍を結ぶ兵站ルートを確保せよ」
豊かな大地、その大地を縫い付けるかのように川が流れる。
そのような情景には平和で穏やかな空が似合う筈だが、今は鋼の鳥達が空の主人公である。
《攻撃目標は幹線道路沿いに展開、作戦を開始せよ》
《ヴィゾフニル隊は上空援護、リカントロープ、ルー・ガルーの両隊は所定の行動をとれ》
《了解、AWACS。 ちゃんと見といてくれよ》
返事と同時にドラケン4機編隊が散開しつつ上空に駆け上がる。
ドラケンのヴィゾフニル隊が高空で対空監視をひきつけ、続いてマジシャンとガルムの支援攻撃部隊が国道から離れた目標を制圧。
地上部隊の混乱に乗じてF−1で構成されたリカントロープ、ルー・ガルーの攻撃隊本隊8機が
エムス川に沿って超低空進入し、主目標の地上部隊を攻撃する手筈だ。
《輸送ルートを封鎖するベルカ地上部隊を叩き潰せ》
まずはこれからガルム隊2機とマジシャン隊4機で穀倉地帯に点在するベルカ軍の監視ポイントに襲い掛かるのだ。
「レイジングハート、対地攻撃も設定は大丈夫だよね?」
「yes, My master. All weapons are under non-bloodshed setting.」
毎回この確認だけは怠るわけにはいかない。
レイジングハートの報告に満足すると、なのはは機種を僅かに東へ調整した。
犯罪者のアジトを急襲して身柄を確保するのと感覚的に似ているかなと
今の状況を自分の慣れた環境に置き換えてイメージしてみる。
チリッ! 対空警戒レーダーに機体が撫でられる。
《今ごろ気付いても、もう手遅れだよ》
《油断するなよサイファー》
経験豊富な傭兵らしくピクシーがなのはに警告するが、
せいぜい注意喚起というような意味らしい。
すぐにHUD越しに野戦防空レーダーの姿が確認できた。
ベルカ軍の無線が混じるようになってくる。
《こいつらウスティオからきやがったのか!対空戦闘用意!》
すぐさま対空砲が打ち上げてくるが、なのはのファントムを捕らえることはできなかった。
《攻撃対象に民家がある。あれも作戦内か?潰しておくか?判断は1番機に委ねる》
ピクシーの問いになのはが答える。
《撃ってきた訳でも無いし、民間施設への攻撃は無しにしよう》
《そうだな この戦争が終わればあの民家にも家人が戻るだろう》
なのはは地上攻撃に自由落下型爆弾を選択し、爆撃照準コンピューターの支援を
使うことにした。レイジングハートを信用していないというよりも地上攻撃の勘所を実体験させたいという、いかにも教導官らしい発想だった。
「レイジングハート、爆弾の威力制御に集中して。投下タイミングは見てるだけでいいよ」
「Yes, My master」
HUDに示されたサインに従って、目標と見定めたベルカ軍のトラックの集まりに爆弾を放つ。ピクシーが狙いを定めたのは物資集積所らしい
白地に青線のF−4Eと淡いグレーに右翼が赤いF−15Cの2機から綺麗な放物線を描いて落下する。
爆発がアルロンの土地を辺りに赤と黒に染める。
《イーグルアイ。ガルム隊、攻撃成功だ》
《対地もいい腕だな サイファー》
ピクシーの賞賛も受け流し、なのはが気にしていたのは攻撃ポイントにいた兵士に対する損害だった。
爆弾には信管が作動すると同時に幾つもの対人魔法防御を発動するよう魔力を込めている。
クラウディア艦内でのシミュレーションでは死者は出ないとの評価が出ているが、果たして実戦では効果があったものか?
この状況では確かめる術が無かった。
《こちらマジシャン隊、所定の目標は全て沈黙》
なのはは軽く安堵した。他の管理局組も無事のようだ。
《マジシャン隊は、引き続き周辺制圧。ガルム隊は攻撃隊本隊を援護せよ》
なのは達の攻撃と前後してリカントロープ隊とルー・ガルー隊のF−1、計8機がアムス川に沿って低空で進入していた。
攻撃隊の正面に突然行く筋もの白煙が迫り、リカントロープ隊2番機のF−1がSAMに捉えられた、
火の玉となって爆発する。
だが、編隊は微動だにしない。
《残り7機、針路変わらず》
《奴等も必死という訳か。だが、ここを明け渡すわけにはいかん 》
地上からの攻撃はSAMから対空砲火主体に切り替わった。
《リカントロープ 投下!投下!》
3機のF−1は、微妙にタイミングをずらして爆弾が投下。ベルカ軍の施設が吹き飛ばされる。
退避が間に合わなかったらしい装輪装甲車が吹き飛び、上空に向かって火を噴く自走対空砲に激突する。地獄の混乱がさらに拡大した。
《よし、さっさとずらかるぞ!》
全力で離脱する3機のリカントロープ隊に背後から対空砲火が浴びせられ、1番機が捕まった。
《糞っ!何発か喰らっちまった》
リカントロープ1の右エンジンが煙を吹くが、どうにか飛行を維持し懸命に安全圏へ離脱する。
《第1守備隊が撃破された!全軍 奴らを叩き落せ!》
ここまで友軍の損失は1機、被弾1機と作戦としては全く許容できるものだったが、戦場に出る当事者のパイロットの意見はまた違おう。
少なくとも編隊長に「許容損失」という考えを持つ者はいない。その意味ではベルカ軍の混乱はルー・ガルー隊にとって歓迎できるものだった。
だが、ルー・ガルー隊の担当目標が今回の作戦で最も重要地点のアーレ川に架かる橋を護るベルカ軍を排除することだった。
重要地点だけに護りも固い。
《ヴィゾフニル2より、イーグルアイへ。排除できなかった奴が3機潜り込んだ。攻撃隊に向かうぞ!》
《イーグルアイよりルー・ガルー隊、敵戦闘機隊が上空より接近 方位1-4-0》
《了解》
と、短く応えてからナタリーは軽く苦笑を漏らした。
で、AWACSはこちらにどうしろと言うつもりだろう?
攻撃目標まで接近しつつある状況で、後ろから敵に追いかけられるといって回避運動できないわ!
軽い舌打ちをしてから編隊に周知する。
《ルー・ガルー1より各機、針路そのまま、予定通り目標を叩く》
《了解》
僚機からの応答の声はどれも震えている。
後方から迫るベルカ軍機は上空から位置エネルギーを運動エネルギーに変換し、アフターバーナーを盛大に炊いて一気に距離を詰めてきた。
《ガルムリードよりルー・ガルーへ、援護する》
ミラージュ2000D、MiG21フィッシュベッド、F−15Eストライクイーグルの3機は
バラバラのコースでルー・ガルー隊の背後を取ろうとしていたが、
彼らもガルム隊の救援を察知したらしく2機が針路を翻してガルム隊に向かってきた。
《俺とグリュックで相手する。この補給ルートはウスティオの生命線だ 絶対に攻撃隊を阻止するんだ》
《ハルプーネ、了解》
ベルカ軍の無線が聞き取れた。
《サイファー、2機が向かってくるぞ。気を抜くなよ》
なのははミラージュ2000Dの姿を確認すると背後をとるべく、緩やかだが機速を殺さない高速ターンに入った。
強烈なGが全身にかかる。このとき無理に首を左右に回そうものなら捻挫では済まない。
眼を上下左右に忙しく動かして敵の位置を確認する。キャノピーの枠に少し重なった所で特徴的な無尾翼の姿を見つけた。
ミラージュもこちらの後ろを取ろうとしており、やがて姿が後方に消えていく。どうやら相対的な位置変化は僅かにミラージュ有利だった。
なのはは背後を取られる不利を悟り、左への旋回を僅かに緩め、機体を水平に戻そうと緩やかに右へ機体をロールさせる。
そんな単調な飛行の隙を見逃す筈はなく、ミラージュ2000Dが加速してF−4Eの背後に迫る。
軽量な機体に比較的ハイパワーなエンジンの組み合わせを活かし、見る間に距離が詰まってくる。
「Warnin Warnin bandit's approaches back.」
だが、なのははレイジングハートの警告に併せて、徐々に水平に戻りつつある状態から一気に右ロール。
急激な右ロールを再開させ、1回転、もう一度左旋回、今度はハイGヨーヨー旋回にはいる。
ミラージュもなのはのF−4Eの背後に食いつこうと旋回に入るが、加速状態にあった状態では速度が乗りすぎていた。
F−4Eは上昇で速度を殺し、同時に旋回効率を稼ぐ。一気に形成逆転。
間髪入れずにオーラルトーンがコクピットで鳴り響く
《サイファー FOX2 FOX2!》
本来の赤外線誘導に加え、魔法誘導のサポートを受けたAAMは、回避しようとミラージュが放つフレアに惑わされず、
M53型エンジンに吸い込まれてゆく・・・
落ちてゆくミラージュを後ろにして、ピクシーから無線が入る。
《こちらもフィッシュベッドを始末した。中々にいい腕だったがな》
だが、安心はできない。
《イーグルアイ、残り1機はどうした?》
《現在交戦中だ》
支援!
フェイトはガルムの2機だけでは攻撃隊を護りきれない可能性を考え、周囲の制圧を行いながらも、
ルー・ガルー隊をカバーできる位置を占めるよう注意を払っていた。
ベルカ軍F−15Eストライクイーグルはフェイトの接近を無視して2次攻撃隊に接近を試みようとしていた。
どうやら対空兵装は装備していなかったらしく、ガンアタックを仕掛けるつもりらしい。
フェイトがレーダーで捉えても回避行動を取るそぶりも見せない。
《何故、退かない?》
フェイトは思わず、無線で問いかけた。
《地上の仲間を死なせる訳にはいかないんでな》
《こちらも味方を死なせる訳にはいかない》
《私を殺す理由を聞かされたのはこれが初めてだよ》
ベルカパイロットの苦笑ともとれる声を聞いてフェイトはさすがに驚いた。このパイロット、怖くないのか?
その僅かな時間にもF−15Eがルー・ガルーの編隊に迫る。
F−15Eの機銃が瞬き、ルー・ガルーの3番機に風穴を開ける。3番機はどうにか編隊を維持したが、
同僚の機の破片をエンジンに吸い込んだ4番機がバランスを崩して編隊を離脱する
《ルー・ガルー4、エンジンが何か吸い込んだ。畜生!編隊維持不能、離脱します!》
フェイトは咄嗟に怒りに任せて操縦スティックにあるボタンを押し込む。
F−15Eは回避行動など無駄とばかりにフェイトを無視して更にルー・ガルー隊に機銃で攻撃を加えようとしていた。
3番機は何時墜落するか判らない・・・
大柄なストライクイーグルの機体がフェイトの魔法誘導のミサイルに引き裂かれ、
空に白いふわふわした花が咲く。ミサイルにかけた非殺傷設定は効果的に作動したようでパイロットは無事脱出したらしい。
《投下!投下!》
3機のF−1から爆弾が投下され、守備隊の上を爆発が覆う。
《よし、ルー・ガルー隊、引き揚げるぞ!》
第2目標への攻撃を成功させたナタリー達3機は全力で離脱しようとしていた。
《作戦は最終段階 敵迎撃部隊があれば排除しつつ、後退せよ》
あとは周辺空域の警戒をしつつ退路を確保するだけだ
既にリカントロープ隊はヴィソフニル隊と合流して後退している。
《作戦成功だ。これで連合軍の輸送ルートも確保できる よくやった諸君》
《マジシャン隊、ルー・ガルーの3番機、4番機が万全ではない。護衛をお願いできるかしら》
先ほどの戦闘の経緯もあり、ナタリーの依頼に対してフェイトが機体をぴったりと傍に寄せた。
《さっきは援護しきれなくて・・・その、御免なさい・・・》
《気にしなくていいよネメシス、悪運強くまだ生きてる。 つか、翼がもげそうなんですけど・・・ベイルアウトしてイイ?》
フェイトはルー・ガルー3番機からの返信で大いに救われた気になった。
F−1の主翼には着弾痕が走り、亀裂も見える。
《新しい機体のリース料、給料から差っ引かれるよ?》
《悪運はきょうも味方だったなルー・ガルー3》
《翼なしの帰還はお断りするわ、 ぞっとしない》
《なんだ。俺と同じように片羽の狼男を名乗ってくれると思っていたんだがな》
管理局の魔導師5人はピクシーのもう一つの異名、「片羽の妖精」の由来をこの時
初めて耳にしたのだった。
地上では男は報告を受けた時には既に異変には気づいていた
「隊長 橋の辺りに煙が!第2守備隊が撃破された模様」
「たったあれだけの戦闘機になにをやっている!」
毒づく前にするべきことがあった。即ち味方残存兵力の救援。
《こんなところで足止めくってられん 全力で突っ走るぞ!各員 荷物に被害を出すなよ ルクス輸送部隊 救援に向かうぞ!》
待機命令など糞喰らえだ。ウスティオ軍機は悠々と撤退しているではないか。
それにしても瀕死のウスティオにここまでやれる航空戦力があったとはな・・・・
だが、我等ベルカ軍には何人ものエースがいる。その剣の前ではウスティオの剣なぞ脆い。
こちらアーチャー支援します!
今日はここまで、とりあえず MISSION02ですが、
かなり迷ったあげく名前のあるオリキャラに登場してもらいました。
つか、ウスティオサイドできちんと名前があるのはPJかピクシーぐらいですので
どうにもワンパターンな表現ばかりですね orz..
「円卓」はどの隊を最初に出そうかな・・・・
ベルカ視点で書いてみましょうかねぇ
乙。
エースコンバットはよく知らんのですが、ここのベルカはリリなののベルカとは別物ですよね?
>>リリカルなのはBsts氏
やっぱスタスクは幽霊の方が強力だなあ。スパークが不死身な上にボディを好きに乗り換えられるし。
ところで戦闘機人には乗り移れないんでしょうか?もしできるならメカジマ姉妹が危ないかもw
>>219 キスぷれでは生身の人間に憑依した事もあるんで
ナカジマ姉妹に憑依する事も出来ると思いますよ。
トランスフォーマー2010にゲスト出演した時は発覚を防ぐために
憑依するトランスフォーマーを次々と換えてましたし。
その気になれば奴ひとりだけでも六課とスカリエッティ一派を
纏めて相手する事も不可能ではないかと。
>>174 初代スタースクリームが死ぬシーンもかなり格好いいですよ。
有り余る予算を全て作画に詰め込んだために1980年代後半に作られた
アニメとしては比類なきクオリティを誇るトランスフォーマーザ・ムービーの中でも
最も作画に気合が入ってると言われてるシーンですから。
相変わらず読み手側が過疎ってるな・・・
>>220 そうなんですか。スタースクリーム=有能であるが野心家で裏切るイメージが
あったんですが、マイクロン伝説だとユニクロンに対抗するための反逆だったので
そこがカッコいいなぁと思ったしだいです。
初代の死亡シーンも見てみたいです。ビーストウォーズで少し見た気がします。
>>222初代の死に様は要約するとこんな感じですね。
初代スタースクリームはスクランブルシティにおける
コンボイとの戦いで傷ついて動けなくなったメガトロンを
セイバートロン星への退却中に宇宙空間へ放逐して自分がリーダーになろうとします。
この目論見は成功し一時的にせよ彼はリーダーになれたのですがその頃メガトロンは
ユニクロンの力を受けてガルバトロンへと転生。セイバートロン星のデストロン宮殿で戴冠式
を行っているスタースクリーム(このシーンの作画はまさに圧巻。)は乱入してきた
彼の砲撃をくらって文字通りチリにされてしまいます。
(ここまでがトランスフォーマー・ザ・ムービーでの話)
その後数年間はセイバートロン星の地下にあるデストロンの墓場に地縛霊のように住み着いて居たのですが
偶然そこに辿りついたオクトーンというデストロンを抱き込んでガルバトロンを倒そうとして失敗。
(トランスフォーマー2010七話「スタースクリームの幽霊」)
それから少し経って今度は二代目サイバトロン司令官ロディマスコンボイに倒されて首だけになっている
ユニクロンと手を組み彼を復活させる事を条件に体を得ようとします。これは上手く行って彼はもう一度
体を得る事に成功するのですが復活した瞬間にガルバトロンの攻撃をくらい再び遠い空の彼方へと
吹き飛ばされ(トランスフォーマー2010十六話「スタースクリーム復活」)
今度はビーストウォーズの時代まで漂流するって訳です。
ザ・ムービーは現在DVDとかも販売停止になってますけど2010は
ヤフー動画で無料公開されてますんで見れますよ。
http://streaming.yahoo.co.jp/p/t/00084/v02566/1/
224 :
魔装機神:2007/09/15(土) 16:02:24 ID:SKossjua
SHADOW NANOHA STS プロローグ?
「加藤……」
ウルムナフ・ボルテ・ヒューガは目の前で自分が倒した人物、加藤政二を抱きかかえる。
加藤は銅鐸で過去へ飛び、過去を修正しようとたくらむが、ウル達がそれを阻止したのだ。
「これでいい…これで、いいのだ」
だが、当の加藤はどこか落ち着いた感じであった。
「まもなく、時空のゆがみの中へ高天原もろとも、銅鐸は消え去る。
ここに踏み入った者は、元の世界に戻ることはできない」
加藤の言葉に、らしいな、とウルは周囲を見る。
どうみても、元の世界へ帰れる漢字はしない。
「祈るのです……」
「え?」
そのときだった、加藤は、ウルにもしかすれば世界戻れるかもしれない唯一の方法を教える。
「強く…念じるのです。自分の…望む世界を」
「望む世界?」
「そう…一番、幸福な時代を…」
加藤は、自分が過去に行く方法で、ウルたちに自分の世界へと戻そうとする。
「お、おい!」
だが、加藤の体は既にぼろぼろ、ウルはもう喋るなといおうとするが……
「そうすれば…帰れ…る」
「加藤…」
「ありがとう…友よ」
最後にそういい残し、加藤はとうとう息絶えてしまう。
息を引き取った加藤を、ウルは静かに横たえる。
それと同時に、加藤は光に包まれ、消えていった。
その最後のわずかな光まで、加藤を見送るようにウルは見つめていた。
「ウル」
ウルは声に気付き、後ろを振り向く。
そこには、ここまで苦楽を共にしてきた仲間達がいた。
「祈ろうぜ、みんな。帰りたい世界を念じるんだ。
そうすれば、きっとまた会える!」
ウルの言葉に頷く仲間達。
そして、この銅鐸が崩れようとする中、仲間たちは祈り続けた。
自分達が帰りたい世界へと。
そして、次々と仲間達は世界へ帰っていく。
このメンバーの中では最も付き合いが長く、いろいろ面倒を見てくれた爺さん、ゼペット。
はっきりいって自分よりバカで変態だと思うところもあるが、正義の心を持つどこか憎めない吸血鬼ヨアヒム。
先に光に包まれていくなか、二人はウルに頷く。
二人は消えていくのを、ウルは笑って見送る。
次に包まれたのはどこかとぼけたところのアル踊り子ルチア。
そして、ゼペットと同じく最も付き合いの長い白い狼、ブランカ。
二人も光に包まれ、消えていく。
次はロシアの皇女アナスタシア。
そしてウルと従兄弟の関係にある犬神蔵人。
二人はお互いに寄り添いながら包まれていった。
そして残ったのは……ウルとカレンの二人。
次に光りだしたのはウルであった。
しかし、仲間達とは違い、光っている場所は自身の心臓に位置する部分であった。
225 :
魔装機神:2007/09/15(土) 16:03:52 ID:SKossjua
「へへ、時間切れか…」
カレンはそれを見てウルを身を案ずる。
「ヤドリギの呪いか……」
ウルは苦笑しながらいう。
「どうやら、俺も年貢の納め時らしい」
装、自身にかかった呪い、だんだんと記憶が消えていってしまうヤドリギの呪い。
「怖い?」
カレンの言葉に、いや、とウルは首を横に振る。
「心を、記憶をなくすのよ」
だが、枯れんの言葉にウルは微笑む。
「なくさないよ……
「ウル…」
カレンは目を涙で浮かべながらウルを見る。
「そんな目でみんなって、またすぐに会えるだろ」
ウルの言葉にカレンはジスかに頷く。
「約束よ!私、あなたに会いたいと、強く願うから!」
「ああ」
ウルの頷きと共に、カレンが光に包まれていく。
可憐が光に包まれていく中、ウルはカレンに手を伸ばす。
「カレン!」
「ええ」
ウルも少々目に涙を浮かべながら、ありったけの言葉を可憐に残す。
「ありがとう!」
ウルのありがとう、にカレンも強く頷く。
そして、カレンも光に包まれていった。
ウルはそれをゆっくりと見る。
「ごめんな……約束は守れない」
こうして自分が一人残ったのは、記憶を失って生きること怖かったから。
カレンの前では怖くないといったが、やはり怖い。
愛してくれた人と駆け抜けた日々。
共に戦った友への気持ち。
なにもさっきまでいた仲間たちだけではない。
以前に旅をした仲間達。
自分を支えてくれた人たち。
いままで共に生きてきた記憶を失い野は怖い。
そしてなにより……
「アリス……」
自分が最も愛した女性を忘れるのも嫌だった。
そして、孫国を忘れないためには……
装思ったときだった。銅鐸に変化が起こった。
「な…なんだ?」
今度は銅鐸が強く光り輝いたのだ。
なんなのだこれは。
「おい、冗談だろ」
ウルははは、と静かに笑う。
そして光はだんだんと強くなっていき……
「なんじゃこりゃーーーーーー!!?」
ウルと絶叫と共に、ウルと銅鐸は姿を消した。
それに呼応するかのように、再度封印したエミグレ文書までも……
このとき、時空管理局本部では、小さいながらもかなり激しい時空の乱れが観測されたのであった。
226 :
魔装機神:2007/09/15(土) 16:07:33 ID:SKossjua
「今日もいい天気ですね」
ここは聖王教会の騎士、カリム・グラシアの自室。
今彼女は自室でお茶を楽しんでいる。
そうやなあ、とお茶菓子を一つつまんで食べているのは機動六課部隊長、八神はやてである。
はやては今自分の家族であるヴォルケンリッターの検査のためにここに来ていた。
その間は会議をしたり、こうやってカリムとひと時を楽しんだりしている。
「もうすぐシグナムたちも戻ってくるでしょうから、シグナムたちの分のお茶も用意しなければなりませんね」
そう思ったカリムは、4人分のお茶を用意させる。
そのときだった。
カリムの部屋の窓から、激しい光が降り注いだ。
「な、何?」
二人はその光のほうを見ると、上空が光で覆われ、そこからゆっくりと一人の男性が降りてきた。
「時空漂流者?」
カリムは装思い急いでその場所へと向かう。
男はそのままゆっくりと降りていき、庭先で倒れた。
どうやら気を失っているらしい。
「なんやの、この人……」
だが、カリムとはやては感じた。この人の異常なものを。
それは、彼の体内に複数の、それもかなり大きな魔力が感じられたからが。
「至急、シャマルを呼んでもらえますか?」
はやての言葉に頷くカリム。
これは、何かが起こる前触れなのかもしれない。はやては装感じた。
というわけで、魔装機神のつなぎとして、このクロスSSスレ内で最もマニアックな
シャドウハーツ2とのクロス。
……資料でもう一度EDを見てうるっと来たのは誰にもいえない……
>>221 ぶっちゃけ一部を除いて読み手受容なさ杉。
そして需要がありそうな作品ほど滞っている罠。
読み手は別に反応する義務はない
完結した、またはしそうな作品については感想を投下することはあるが
未完で終わるのが多ければ多いほど感想がつき難いのも事実。
私は、投下から時間がたっていない時点で自分の好みにあった作品を読めた場合には
感想を書き込むことが多いですが、それ以外の場合は…。
SSを書き始めるにあたって大切なのはまずどうやって話を終らせるか考える事で
第1話を書き終った頃にラストの展開を考え初めても早過ぎはしないというのが
私の持論です…ってこんな知ったふうな事言える立場でも無いんですけどねw
それはそうと正伝氏早く投下してくれないかなあ…。
覚悟のススメ氏のも早く読みたいのう。
r'丁´ ̄ ̄ ̄ ̄`7¬‐,-、 /
r'| | | |/ >、 /
! | | | |レ'´/| | 待 て
| | | /\ | |l /⊂う |
| | |__∠∠ヽ_\ | リ / j ヽ あ わ て る な
|´ ̄ O  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`! 〉
l'"´ ̄ ̄ヾ'"´ ̄ ̄`ヾ::幵ー{ / こ れ が 孔 明 の 罠 だ
⊥,,,,,_、 ___,,,,,ヾ| l::::::| |
lヾ´ f}`7 ヘ´fj ̄フ | l::i'⌒i | 気 長 に 待 つ べ き だ
l ,.ゝ‐イ `‐=ニ、i | l´ ( } ヽ
l { U | l 、_ノ ∠ヘ
l / ̄ ''ヽ、 | l ヽ_ \,_________
! ハ´ ̄ ̄ ̄`ト、 |亅〃/\
,人 f ´ ̄ ̄ ̄``ヾ j ,!// {_っ )、
// `ト、__iiiii______,レ'‐'// _,/ /スァ-、
,.イl{ { 々 !/´しllllト、 ̄`ヽ、 // /´,.-、 /彑ゝ-{スァ-、
,.イ彑l l > ゞ く l 〃 l|ハ.lヽ、 ハVゝヽ二ノ/ゝ-{、彑ゝ-{、彑ァ-、
,.イ彑ゝ-'l l ( (,) レシ′ !l `ソァ'´ _ノ7{、彑ゝ-{、彑ゝ-{、彑{
ュゝ-{、彑l l ` -イヘ !l // /⌒ヽヾ/_ゝ-{、彑ゝ-{、彑ゝ-{、
{、彑ゝ-'l l f⌒Yハ ', !l/ / ヽ_う ノ /-{、彑ゝ-{、彑ゝ-{、彑ゝ
彑ゝ-{、彑l l{ に!小 ヽ /!l / ,/ /彑ゝ-{、彑ゝ-{、彑ゝ-{、
久しぶりにやってきました〜
投下し続ける方々に敬意を表します。
リリカルガオガイガーは、原作の部分を見ながらセリフを書いてるので時間がかかってます。
ファフナーは、どこの話から参入させるか考え中。
スクライドは、熱意が復活したら書き始めます。
来月は、試験あるので書き込む暇が無いので今月中には投下します。
自分の好きな作品とのクロスが投下されないかなと想う声。
トランスフォーマーはなんでレンタルDVDがほとんど無いんだ…。
超神マスターフォース辺りはガオガイガーが好きな人なら嵌ると思うんだけどなあ…。
235 :
魔装機神:2007/09/15(土) 20:11:01 ID:SKossjua
すみません。ついいつもの調子で受容あるかないか尋ねずに勝手に投下してしまいました。
とりあえずしばらくはこれを投下しようと思うのですがよいでしょうか?
ちなみに、一瞬考えた他のクロス。
キャロメインのドラッグオンドラグーン。
ヴェロッサメインのデスノート。
前者はあまりにも欝っぽくなって。
校舎は頭脳戦なんて自分には出来ないという理由で却下。
…あ、フルメタルマジカル3、5話「フェイトVS大貫さん」というのもあったな…
>>234 …ごめん、俺、マスターフォースよりヘッドマスターが好きなんだ。
戦闘シーン皆無なただの脱力漫画のらき☆すたよりはまだ受容あると思う
>>236 ヘッドマスターも嫌いじゃないですけど
スプラングとかその他大勢のデストロン(トリプルチェンジャーとか
カセットロンとか)が空気キャラだったりサイクロナスがマヌケキャラになってたり
してたのは正直なんとかして欲しかったです。
パピヨンとアリサヴィクター化のクロスマダー?
EDFマダー?
たとえヴィクター化しても元の戻る方法はあるからあまり問題ないでしょう
>>235 DOD無印でシリアスやるとなるとミッド住民虐殺+六課の半分以上死亡がデフォになるような。
2ならどうとでもなるけど、王子の暴走にほんの少しでもかすれば殺されかねないしなあ。
あと、DODのドラゴン相手だとフリードどころかヴォルケインでも辛そうですよ。射程はほぼ同じ筈だけど機動が違いすぎ。
確か『母』が出産した場合起きるのは「連なる全次元の熱死」だったはず。
>>221 まあ読み手側が一々感想レスしなくたって作者様は勝手に投下してくれるからな
なら面倒臭い感想レスなんてするだけ無駄だろう。
こんなこと言ったら顰蹙買うかもしれないけど、正直みんなそんなもんだと思う
所詮人は自分が楽しければそれでいいんだから。
「自分は読ませてもらうけど感想はしなくてもいい。」俺を含めたこのスレの
住人はそう感じてると思うぞ
まあ作者からすれば辛いかもしれないけど、別に作者も感想レスが目的で書いてる
ワケじゃないだろうし。
それに本当に続けたい人は感想なんか無くたって続けてくれる
職人の皆様GJです
>>◆e4ZoADcJ/6氏
桜花凄…ガジェットの残骸から飛行用ウイング作るとは…
…で、曲が空とぶマジンガーZなのは…やっぱりその前にマジンガー見てたからですかね?
>>リリカルなのはBsts氏
…何で、遺跡にスタースクリームの旧ボディがあったんでしょう…?
って、ちょ、なんという古典的なバレ方してんですかアイスクリームww
>>リリカルスクリーム氏
もはやスタースクリームがやられ役として定着してきてますね…哀れアイs(それはもういい)
さて、ある意味同一人物同士の遭遇はどんな結果を生み出すのやら…
>>マスカレード氏
いやいやいやいやいや、なんてものとクロスさせてるんですかあなたはw
…機動六課がオタクの巣窟になる日も近そうですね…こなたの影響で
>>◆Y0DG7nGjbg氏
いやいやいやフェイト、エスコン世界の質量兵器は地球と同じくらいの性能ですから…
しかしデバイスの補助を受けているとはいえ、なんという操縦テクニック…
>>魔装機神氏
シャドウハーツUとのクロスとは…ネオアモンとか天凱凰とか出たらえらい事になりそうですね…
…あれ?ウルと一緒に飛ばされた銅鐸とエミグレ文書はどこ行ったんでしょう…?
>>243 まあ、正直な話をいうと
面白いSSには言わなくても勝手に感想が付くもんじゃないか?
>>245 確かにそれはあると思う。
ただそれを言うと遠まわしに感想が少ない作者の作品を面白く無いと言ってるような物
面白くなくたって書いてる作者本人は楽しいんだろうから、いいんじゃないかと思う
それにそういう人は感想無くても勝手に連載してくれるからな
一応こちらでも。
このスレには特徴的な改行の馬鹿が一人粘着しておりますので、その発言は極力真に受けないように。
荒らしとして考えましょう。というか行動は荒らしそのものですし。
皆様GJです。
>>リリカルなのはBsts氏
スタースクリームがメガトロンをはめようとしてたら既に
メガトロンの術中にはまってるみたいですね。どうなるのでしょうか?
>>マスカレード氏
らき☆すたキタァァァァァ!! 私は毎週ビデオに撮ってます。
こなたの顔を顔文字で表現するのも面白くて良いですね。続きも楽しみに待ってます。
>>NANOHA COMBAT ZERO◆Y0DG7nGjbg氏
ミサイルに魔法を込めるというのは個人的にかなり斬新かもと思いました。
なのはがファントムに乗ってる所想像したら何故か燃えましたし。
戦闘機アクションはTHE宇宙大戦争しかやった事無い私ですけど
>>魔装機神氏
自分としても元ネタが分かりませんが…今後どうなるのでしょうか?
23:15あたりに先に予告したピクルクロスを書きたいと思いますが
他にも投下予定の方はいらっしゃいますか?
ない!!
97管理外世界のアメリカ・コロラド州の厚さ1000メートルにおよぶ
岩塩層から塩漬けにされた原始人が発見された。
塩漬け=「ピクル」と名付けられた彼だが、一つ異常な点があった。
それはどう見てもティラノサウルスと格闘中に岩塩の中に閉じ込められたとしか
思え無い状態で発見された点にある。
皆も知っての通り、ティラノサウルスが生きていた時代に人類は誕生していない。
当時は哺乳類そのものがまだ小型で下等な生物でしか無かったのである。
では彼は一体何者で、かつ何故ティラノサウルスと格闘していたのか…余りにも謎だった。
その後、ピクルはニ億年の時を超えて覚醒。
銃弾を跳ね返す強靭な肉体に加え、戦車も素手で破壊する超規格外パワーを見せ付けた。
流石は徒手空拳だけでティラノサウルスに立ち向かっていただけの事はある。
まさに史上最強! 97管理外世界最強と名高い通称「地上最強の生物」範馬勇次郎さえ
上回る怪物では無いのか? と人々を危惧させていたが…
彼は突如皆の前から姿を消した。原因不明の時空事故により開いた空間の穴に
ピクルは吸い込まれてしまったのである。そして彼はミッドチルダへ流れて付いていた…。
「キャァァァァァァァァァ!!」
ミッドチルダは大混乱に陥った。無理も無い。いきなり全裸の男が現れるのだから…。
女性は悲鳴を上げ、注意する警官は吹っ飛ばされた。
この異常事態に時空管理局はピクル捕獲に乗り出した。しかしピクルはやはり史上最強だった。
武装局員の攻撃魔法を強靭な肉体で弾き返し、バインドでの捕獲を試みようとも
力で強引に引き千切られ意味を成さない。
そこでジェイル=スカリエッティがピクルの強靭な肉体に興味を持った。
ピクルの肉体を解析し、魔法に頼らずとも戦える超人軍団を作ろうと考えたのである。
故にガジェットやナンバーズを出動させてピクル捕獲を試みるが…結果は散々だった。
ガジェットは全て破壊され、ナンバーズも何とか生きて帰る事が出来ただけ奇跡と
思えてしまう程にまでやられてしまった。余りの惨状にスカリエッティは声が出なかったと言う。
ちなみにルーテシアの召喚獣は喰われた。
ついに最後の頼みの綱。機動六課が出動した。
「うわっ! 全裸やん!」
「嫌ぁぁぁ痴漢!!」
「ヘンターイ!」
「しかもアレデッカ!」
しかし前述の通りピクルは全裸である。それに女性の多い機動六課のメンバー達が
ショックを受けないはずは無かった。特にピクルが股間にぶら下げるアレを見た時、
思わず機動六課の女性陣は顔を真っ赤にさせながら次々に卒倒してしまった。
辛うじて残った男性隊員達も、ピクルのアレと自身のアレを比較し、自分のアレの
あまりの小ささに絶望して男としての自信と戦意を喪失してしまうと言う散々な結果に終わった。
ちなみにフリードとザフィーラは喰われた。
機動六課でさえピクルには歯が立たなかった。この事実に時空管理局の誰もが絶望した。
しかし…この騒動を意外な人物が収束させる事を誰も想像は出来なかった。
「まったく…騒々しい事だな。」
一人の男がピクルの前に降り立つ。彼こそレジアス=ケイズ中将だった。
「中将危ないですよ! 相手は人の姿をしていても凶暴な怪物です!」
一人の武装局員がピクルに近付こうとするレジアス中将を呼び止めるが、
中将は止まらなかった。
「何が凶暴なものか。彼はただ自分の身を守る為に戦っているに過ぎない。」
「しかし…。」
「見たまえ! 今こうして誰も彼に攻撃を仕掛けていない状況では彼も何もしていないでは無いか!」
確かにレジアス中将の言う通りだった。広場に一人座り込んでいるピクルの周囲には
既に倒された武装局員や破壊されたガジェットの残骸、ピクルがぶら下げるアレに
ショックを受けて卒倒した機動六課の女性隊員達や自分のアレと比較して男としての
自信を喪失して倒れた機動六課の男性隊員達が倒れているのだが…ピクルは彼等にこれ以上
手を出す事はせずにただただその場に座っているだけだった。
「まず彼の警戒を解く所から始めよう。ここは私に任せて起きたまえ。」
「レジアス中将…。」
レジアス中将はゆっくりとピクルへ一人歩み寄った。そして彼は歩きながら
制服の上着を脱ぎ捨てた。続けて身に付けている物を次々に脱ぎ捨て、
下着さえも下ろし、全裸となってピクルへと近付いて行ったのである。
「中将?」
それを遠くから見守る武装局員達は一体何をするつもりなのかは理解出来なかった。
と言うか、中年男の全裸なんて誰も見たくねーよと思っていたのだが…
これにはレジアス中将なりの考えがあった。
相手は服を着ると言う概念さえ知らぬ原始人だ。だからこそ服を着た人間を別の
生物だと認識し敵意を見せていたのだろう。ならば自分も裸になれば良い。
そうすれば彼は自分と同じ人間と認識して警戒を解くはずである。
レジアスのその思惑は当たり、ピクルはレジアスを襲う事は無かった。
「…………。」
「…………。」
二人はじっと見つめあった。ピクルが目覚めて以来、おそらくは初めて目にする
敵意を含まぬ澄んだ瞳…それをレジアスに向けて見せていたのである。
「私に任せて欲しい。君が安心して暮らせる世界を探してあげよう…。」
「……………。」
レジアスとピクルは握手をした。レジアスの言葉がピクルに通じているとは思えないが…
ただこれだけは言える。心は通じ合っていたと………
おわり
ピクルとかタイムリーすぎw
しかもストライダムポジの中将が男前すぐるwww
ここでバキとのクロスオーバーに続くわけですな
かなりウホッな雰囲気な所でピクルクロスはこれで終わりです。
本編中で説明した通り、かつ原作においてもピクルの警戒を解くには裸になるしか無いのですが、
(余談ですが映画の北京原人でも似たような描写ありましたし)
とりあえずレジアス中将にその役をやらせてもらいました。
他にもピクルをターちゃんに例えて、なのは世界の女性キャラの誰かが
ヂェーンみたいなポジションになって色々教育して行くみたいな話も
一瞬考えたりしましたが、多分形にはならないと思います。
ああこんな事書いてるとターちゃんとのクロスもやって見たくなりました。
スカリエッティを次元密猟組織のボスに、ナンバーズがそこに所属する密猟ハンターに
設定変更して、97管理外世界の希少動物を狙っていると言う情報を得た機動六課が
アフリカに行って、そこでターちゃんファミリーと出会うとか…
>ちなみにフリードとザフィーラは喰われた
アッー!
やっぱりザフィーラ救われないなぁ・・・・
すでに淫獣レベルだしなぁ…
ラーゼフォンとのクロスを思いついたが、どれを原作にするかで迷っている。
劇場版は管理局を絡めやすいが連載より長編といった感じになるし。
漫画版はプロジェクトF関連でジェイル・スカリエッティやナンバーズも出せるが、ある意味救いが無いし。
TV版はキャラ多すぎて描けるかどうか不安でいっぱい。
ゲーム版で描くとバーベムルートかムーリアンルートになるし。
今の所、劇場版で計画中。(DVDを持っているため)
さてと、十一話Bパート完成…
投下おk?
どぞ。
応!
>253
ターちゃんクロス禿しくキボンヌw
第十一話「機動六課のある休日(後編)」Bパート
【機動六課隊舎司令室】
アルト「航空反応増大!これ…嘘でしょ!?」
グリフィス「なんだ…これは!」
レーダーには、今までとは比べ物にならないくらいの数のガジェットの反応が映っていた。
シャリオ「波形チェック!誤認じゃないの!?」
アルト「問題、でません!どのチェックも実機としか。なのはさんたちも…目視で確認できるって…」
はやて「…グリフィス君!」
グリフィス「…分かりました。」
【サ−ドアヴェニュー北西空域】
なのは達はガジェットへの攻撃を続けていた。
だが、ガジェットの中には攻撃がすり抜けてしまう幻影も含まれていた。
フェイト「幻影と実機の構成編隊?」
なのは「防衛ラインを割られない自信はあるけど。ちょっとキリがないね…」
フェイト「ここまで派手な引き付けするってことは…」
なのは「地下か、ヘリのほうに主力が向かってる…」
パンチホッパー「シャマ姉…」
キックホッパー「…なのは、フェイト、お前らは先に行って、ヴィータ達と合流しろ。」
なのは「え!?」
キックホッパー「やれるな、相棒?」
パンチホッパー「あ…ああ!」
フェイト「でも…能力的に二人がヘリに行った方が…」
キックホッパー「いいから行け、こっちにはクロックアップがある。こんな奴らに、俺達を地獄に落とすことなんて出来ない。」
なのは「それは、そうだけど…」
フェイト「何だか嫌な予感がするんだ…」
キックホッパー「いい加減うるせぇな…肉弾戦なら俺達の方が強いんだ。ガタガタ言わずに…」
はやて「割り込み失礼!」
四人の間に騎士甲冑を纏ったはやての姿が映し出される。
はやて「ロングアーチからライトニング01へ。その案も、限定解除申請も、部隊長権限により却下します!」
パンチホッパー「はやて!?」
なのは「はやてちゃん!何で騎士甲冑!?」
はやて「嫌な予感は私も同じでなぁ。クロノ君から、私の限定解除許可を貰うことにした。空の掃除は私がやるよ。
っちゅーことで、なのはちゃんフェイトちゃん、地獄兄弟は、地上に向かってヘリの護衛。
ヴィータとリィンはフォワード陣と合流。ケースの確保を手伝ってな!」
ヴィータ&リィン「「了解!」」
【聖王教会本部】
クロノ「君の限定解除許可を出せるのは、現状では、僕と騎士カリムの一度ずつだけだ。承認許諾の取り直しは難しいぞ。使ってしまっていいのか?」
はやて「「使える能力を出し惜しみして、後で後悔するんは嫌やからな。」」
クロノ「場所が場所だけにSSランク魔道師の投入は許可できない。限定解除は三ランクのみだが、それでいいか?」
はやて「「S……それだけあれば、十分や。」」
クロノ「はぁ…八神はやて。能力限定解除、三ランク承認。リリースタイム。120分…」
はやて「リミット……リリース!!」
はやては魔力リミッターを三ランク解除し、攻撃準備に入った。
クロノ「ふう…」
カリム「完全解除じゃない分許諾取り直しもいくらか優しくなるかもしれませんし、ね?」
クロノ「気休め程度ですかね…地上部隊は、上層部が厳しいです…」
………
はやて「よし。久しぶりの遠距離広域魔法。いってみよか!」
【地下水路】
一方、新人達とアナザーアギトは、地下水路で数体のガジェットT型と激闘を繰り広げていた。
アナザーアギト「ここまでは片付けたか…」
ティアナ「空の上は、何だか大変みたいね。」
スバル「うん。」
キャロ「ケースの推定位置までもうすぐです。」
スバル「うん!」
「ドオオォォォォン!」
スバル「!?」
アナザーアギト「何!?」
一メートルほど向こうにある壁が突如大きな音を立てて爆発した。
爆発した後には大きな穴が開いている。
そして、その穴の置くから足音が聞こえてきた。
エリオ「敵!?」
ティア「!?」
新人達はそれぞれのデバイスを構える。
そして、足音の主はゆっくりと穴の中から現れた。
ギンガ「久しぶりね!」
スバル「ギン姉!」
ティア「ギンガさん!」
奥から現れたのはスバルの姉、ギンガ・ナカジマであった。
身にはバリアジャケットを装着し、左腕にはリボルバーナックル、脚にはスバルのマッハキャリバーと同型のデバイス「ブリッツキャリバー」を装備している。
アナザーアギト「ナカジマの姉か…なるほど、似ているな。」
ギンガ「あ!」
ギンガはアナザーアギトを見つけると大急ぎでアナザーアギトに駆け寄り、目を光らせながら体中をペタペタと触り始めた。
アナザーアギト「うお!?」
ギンガ「すごーい!仮面ライダーだ!ねぇスバル!これ本物?本物なの!?着ぐるみじゃないの!?」
スバル「うん、本物。」
ギンガ「すっごーい!一回会ってみたかったんだよ私!ああ…生きてて良かったぁ…」
スバル「家の部隊にはあと三人居るよ。その内二人は外で戦ってる。」
ギンガ「ほんとに!?うわぁ…楽しみ…」
アナザーアギト「おい。」
ギンガ「はい?」
アナザーアギト「そろそろ離れてくれないか?」
ギンガ「あ!すみません…」
ギンガはアナザーアギトから離れる。
エリオ「い…色々スバルさんにそっくりなんですね…」
ティア「う…うん。」
ギンガ「おっと、気を取り直して、一緒にケースを探しましょう。ここまでのガジェットは、ほとんど、叩いてきたと思うから。」
スバル「うん!」
ギンガを加えた六人は、更に奥へと進んでいった。
【サードアヴィニューム上空】
シャーリー「「ロングアーチ1、シャリオから、ロングアーチ0、八神部隊長へ!」」
はやて「はいな!」
シャーリー「「サイティングサポートシステム、準備完了です!シュベルトクロイツとのシンクロ率誤差、修正終了!」」
はやて「うん、了解。ごめんな。精密コントロールとか長距離サイティングはリィンが一緒やないと、どうも苦手で…」
シャーリー「「その辺はこっちにお任せください。準備完了です!」」
はやて「おおきにな!」
はやてはシュベルトクロイツを掲げ、魔法陣を出現させ、詠唱を始める。
はやて「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ…!」
シャーリー「スターズ1、ライトニング1、ダブルホッパー、安全域に退避!」
はやて「よし…第一波!行くよ!!フレース…ヴェルグ!!」
はやては魔法陣から無数の白い光弾を飛行型ガジェットの大群に向けて放った。
白い光は次々に標的を砕き、鉄屑に変えていく。
パンチホッパー「ふう…派手にやってくれるねぇ…」
なのは「そうでしょ?はやてちゃんは凄いんだから。」
キックホッパー「後は下らない幻(モン)を作り出した奴を探すだけか。」
フェイト「うん…」
ギン姉!支援
【サードアヴィニューム市街地】
イブキ「…おかしいな。」
ヒビキ「イブキ、何処にあるんだよ?あのやさぐれた青年1号のバイク?」
イブキ「この辺りだと思ったんですけど…あれぇ…」
キョウキ「全く、イブキさんは頼りにならないんだから…」
キョウキの頭にヒビキの拳骨が見舞われる。
キョウキ「痛っっって!!」
ヒビキ「先輩にそういう事言うもんじゃないよ!全くもう…」
キョウキ「…すみません。」
トドロキ「それにしても、矢車さん一体何処に…」
ヒビキ「…ん?」
キョウキ「どうしたんですか?」
ヒビキ「あれ…魔法少女三号じゃないか?」
ヒビキは空を指差す。
そしてヒビキが指差した方角には騎士甲冑を着たはやてが空に浮いているのが見えた。
キョウキ「八神!?あいつあんな所で何を…」
イブキ「やっぱり、何かあったんだ!」
トドロキ「行って見ましょう!」
ヒビキ「そうだな。」
四人の鬼は再びマシンに乗り、はやての元に向かった。
【地下水路】
キャロ「あった!ありました!!」
地下水路ではキャロがレリックケースを発見していた。
どうやら敵より早く辿り着けたらしい。
スバル「ふぅー、良かった。」
アナザーアギト「…!」
スバル「?、木野先生?」
アナザーアギト「…何か聞こえないか?」
スバル「何かって…」
アナザーアギト「…そこか!?」
アナザーアギトはジャンプし、何も無い場所を蹴る。
いや、何も無くはなかった。
アナザーアギトが蹴った後から虫のような姿をした戦士が現れたのだ。
アナザーアギト「こいつは…」
ガリュー「…!」
キャロ「あれは…!?」
キャロに向け、紫色の光弾が飛んできた。
キャロ「きゃあああああああ!?」
光弾はキャロに直撃し、その反動でキャロはケースを落としてしまう。
エリオ「キャロ!…!?」
ルーテシア「見つけた…」
突然落としたケースの前にルーテシアが現れ、ケースを拾い上げる。
エリオ「あ!?」
スバル「こぉら!そこの女の子!それ危険なものなんだよ!触っちゃ駄目!こっちに渡して!」
ルーテシア「……!?」
ティア「ごめんね…乱暴で。」
ティアナはクロスミラージュをダガーモードに切り替え、ルーテシアの首に突きつける。
ティア「でもね、これ本当に危ないものなんだよ?」
ルーテシア「…?」
ルーテシアに、思念通話が送られてきた。
アギト「「ルールー。1,2,3で目ぇつぶれ!」」
ルーテシア「…」
アギト「1、2、3…スターレンゲホイル!」
アナザーアギト「!?、全員!目を閉じろ!」
ティア「え?」
アナザーアギトがそう言った瞬間、赤い閃光が迸り、激しい光を発した。
スバル「な…何これ!?」
ギンガ「閃光弾…!?」
ティア「くぅ…!」
やがて赤い閃光が晴れ、気絶しているキャロ以外の五人は目を開く。
すると、ルーテシアはいつの間にかティアの元から逃げ出すのに成功していた。
ティア「くっ、やられた!」
アギト「ったくも〜、あたしたちに黙って勝手に出掛けちゃったりするからだぞ〜!ルールーもガリューも!」
ルーテシアとガリューの前に赤い髪をした小さな少女が現れる。
アナザーアギト「あれは…」
スバル「リィン曹長に似てる…」
ルーテシア「アギト…」
アギト「おう!本当に心配したんだからな。ま、もう大丈夫だぞ、ルールー!何しろこのあたし!烈火の〜転生!アギト様がきたからな!
おらおら!おまえらまとめて、かかってこいや!!」
台詞の前に名前がをつける本形式は改めたほうが絶対いいぜ?
投下終了。
いつものとおり乱雑ですがお気になさらずに…
響鬼勢の戦闘時はあの伝説の名曲を使う予定ですのでお楽しみに。
>>268 GJ!!
響鬼勢の活躍は次回持ち越しですが、どんな活躍、サプライズがあるのか楽しみにしてます。
そしてギン姉キター!!
ライダー前にしてあの反応、まさにスバルのお姉ちゃんですね。
ギン姉の今後の活躍(フラグ含む)にも期待です。
>>257 ラーゼフォンクロスとは期待してるから頑張ってくれw
>>268 GJなんですけども…。
正直、ライダーのアギトがいてなのはのアギトがいる状況で台詞前の名前を付けるのは少々わかりずらいです…。
皆さんGJ!感想は今日の分だけですが。
ちなみに自分はギアス氏やSIREN氏が……未だに続きが気になる。
>>リリカルなのはBsts氏
GJ!毎回小ネタが面白いw実は全員把握はしていないのですが好きです。
>>マスカレード氏
GJ!らき☆すたとは……なのは達も引き込まれるのかw
バトル無しのクロスはいつかやってみたいと思ってますが、個性を出すのが難しそうで。
>>NANOHA COMBAT ZERO氏
GJ!エースコンバットやってみようかな……。あまり詳しくはありませんが、それっぽい文章が上手いなぁ。
こういうのが大事なんですね。
>>魔装機神氏
GJ!シャドウハーツ大好きです。EDは号泣。DDDは鬱は避けられなそう。
やはり気になるのは記憶は消えてるのかな?ということ。
>>e4ZoADcJ/6氏
GJ!ピクルwwチャンピオン信者の自分は爆笑させて頂きました。
ターちゃんとか狙い所が面白いww
>>257 仮に自分ならTV版かバーベムルートが面白そうかな?と思います。
漫画から入った口ですが今では劇場版が一番好き。
今日、勇気を出して劇場版電王を見に行こうと思ったら昨日で終わってたorz
ということで、なのは×錬金 2話を投下してもいいでしょうか?
約18レスなので、どなたか支援頂ければありがたいです。
どっちかを漢字にすればいいんじゃね?
顎とかいてアギトと読む
>>257 ちょwwwラーゼフォンてwwww
そんなの出てきたら話の最後に世界が作り変えられてしまうがなwwwww
それよりも、ドーレムなんかが出てきたりしたら
なのはたちが無事でいられるかどうかの方が心配。
つーか、存在自体がロストロギア扱いだろうなラーゼフォンはwwww
>>268 GJ!相変わらず投下が早いwww
>>272 おk!投下体制に入れ!!
支援する!!
276 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:37:42 ID:NizSKLbZ
街に夜の帳が下りる頃、高町家の道場には未だ明かりが灯っている。
道場には二人だけが相対し、構えたまま互いに微動だにしない。
どうやら打ち込むタイミングを計っているようだ。
窓からは涼やかな風が流れ込み、火照った身体を僅かに冷ます。聞こえるのは風が木々を揺らす音のみ。
ほんの数秒が何時間にも思える程の静寂――。
先に動いたのは左側の剣士だった。一足飛びで面を振り下ろす。
完全に動きを読まれていた。鋭い一撃を相手は的確に受け止め、流れるように胴を薙ぐ。
辛うじて胴を柄で庇う。読んでいたのはこちらも同じ。
それでも、並の遣い手に対応できる速度ではなかった。
面や胴こそ着けているものの、元より剣道としての形式や動きは踏んでいない。完全な模擬戦だった。
そこから先は乱打の応酬。しかし、ぶつかりあうのは竹刀のみで身体には一撃も入っていない。
その剣閃は最早目で追いきることはできない。それはおそらく当人も同じだろう。
可能な限り相手の剣先を読み、捌き、掻い潜って打つ。
二人の激しい熱気が渦のようになり、場を支配する。
呼吸すら忘れて打ち合うこと数分。
先に息を乱し、姿勢を崩したのは先に打ち込んだ剣士だった。
乱撃の中に垣間見えた一瞬の隙を相手は見逃さず、開いた脇の下に逆胴を叩き込んだ。
「がはっ!」
大きく息を吐いて床に膝を着く。胴の上からでも呼吸ができない程、その一撃は重かった。
「腕を上げたな、秋水〔しゅうすい〕」
「……ありがとうございました。恭也さん」
早坂秋水は息を整えて立ち上がり、高町恭也に一礼した。
閉店後の喫茶店『翠屋』の店内で秋水は遅めの夕食を取っている。テーブル席の向こうには恭也と妹の美由希が座っていた。
「食事までお世話になってすいません」
カウンターで微笑む店長の高町士郎、桃子に何度目かの礼をする。勿論、代金は払うつもりだが。
「いいのよ、遠慮しなくても」
「ああ、ほとんど半年振りに恭也と手合わせしたんだ。疲れただろう?」
ニコニコ笑っている4人に釣られて笑みを零す。同年代との会話とはまた違う、
一家の団欒は痒いようなくすぐったいような不思議な感覚がして、どうにも戸惑ってしまう。
「ええ、恭也さん本当にありがとうございます」
277 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:38:44 ID:NizSKLbZ
「いいさ、たまに日本に帰った時くらいしか相手してやれないしな」
「お兄ちゃんを追い越す日も近いかもね」
士郎、桃子夫妻。長男の恭也、長女の美由希。あと一人、妹がいるらしいが秋水は面識が無かった。
彼らと出会ったのは昨年の春のことだ。
ホムンクルスの集団『L.X.E〔超常選民同盟〕』の子飼いの信奉者として、姉と共にホムンクルスとなる為にひたすら強さを求めていた頃――。
休日の練習後、剣道部の連中に誘われ偶然入った喫茶店が翠屋だった。
わざわざ隣町まで引っ張ってこられたのは迷惑極まりなかったし、その時は味にも大して興味は無かった。
さっさと帰るか、と席を立った時に店に入ってきたのが荷物を持った恭也だ。
顔は優男だが鍛えられた肉体は服の上からでも分かったし、その気配に何か感じるものがあったのかもしれない。
彼が道場に行く、と告げた言葉を聞いた時、思わず手合わせを申し出ていたのだ。
――結果は敗北。彼の速く重い剣戟を受け止めきることができなかった。
その際も面や胴を着けて竹刀で臨んだが、それが彼の本来の戦い方ではないと知った時は更に驚かされた。
思えば、それが高町家との出会い――。
「どうしたの?秋水君」
「食欲無いのかい?」
桃子と士郎に声を掛けられた。どうやら思い出している内に手が止まっていたようだ。
並んでいるメニューはチキンカレーとサラダとスープ。ごく有り触れたものだが、口に入れると優しい味が空腹に染みる。
「いえ、美味しいです。凄く……」
秋水は僅かにはにかんで、本心から答えた。
恭也は秋水に手合わせを求められた時、最初は断るつもりだった。恭也を動かしたのは秋水の眼。そして彼の言葉。
「俺は今、強くなれるだけ強くなりたい」
彼がそこまで強さを求める理由は解らない。だが、彼に少し興味が湧いた。
全国4位というだけあって腕はかなりのものだ。
それだけではない。それ以上に彼の剣には鬼気迫るものを感じた。そしてそれは追い詰められるに連れて強まっていく。
何が彼をそこまでさせるのか――それは未だに解らないし聞く気も無かった。
御神流を教えろと言うなら断るつもりだったが、どうやら強い相手と稽古をしたいだけらしかったので、以後も美由希が何度か相手をしたらしい。
278 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:39:48 ID:NizSKLbZ
次に秋水と会ったのは昨年の暮れだった。
どこか纏う雰囲気が変わり、剣からも鬼気は感じない。とはいえ弱くなったのではなく、むしろその太刀筋は見違える程に鋭く研ぎ澄まされていた。
そして最も変わったのは、よく笑うになっていたこと。
恭也は頬杖をついて秋水を見る。美味そうにカレーを口に運ぶ彼は、仮面を被っていたような一年前とはやはり違う。
「秋水、"強くなれるだけ強くなりたい"気持ちは今も変わってないか?」
彼は突然の問い掛けに少し戸惑っていたが、すぐに恭也の眼を見返し
「はい」
と短く答える。その眼と感じる想いは一年前と少しも変わっていなかった。
今宵は新月。夜陰に乗じて行動できるとはいえ、やはり月が見えないのは寂しい。
だがそれも一時のこと、すぐに明るくなる。それに見えなくとも月はそこに在るのだ。
街で最も高いビルから街を見下ろす。
街の中心部はもう21時を過ぎたというのに、派手なネオンや道行く人間の声で賑わい、なんとも喧しい。
だがそれも一時のこと。やがて全ての音は止み、更に眩い光が照らすことになる。
「むぅ〜ん、さあ始めようか。月のように美しい光で夜空を照らし、月のように丸い門を開こう」
指を弾いて鳴らし、パーティーの開始を告げる。パチンと寂しく響いた音は人々の耳に届くことはないが、少なくとも彼らには伝わったようだ。
「それじゃあ、ご馳走様でした」
秋水が店の扉を開けると、外がやけに騒がしい。
それが悲鳴だと解る頃には、既に奴等は近くまで迫っていた。
「ホムンクルス!?」
トカゲを模した機械の化け物、そしてバタフライの造った醜悪な人型の蝶整体が4匹、商店街を闊歩していた。
何故、ホムンクルスがこんなところにいるのかは分からない。
分からないが、秋水はすぐさま扉を閉じた。
「どうしたの?秋水君」
「しっ!黙って」
口に指を当てて全員を黙らせた後、急いで電気を消す。
冷静に携帯を取り出し、連絡を試みる。
連絡先は警察ではなく、私立『銀成学園』寄宿舎。
279 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:40:52 ID:NizSKLbZ
錬金戦団の活動凍結後、秋水は戦団と関わることは無かった。それゆえ戦団にこちらから連絡する手段は持っていない。
卒業し寄宿舎を出てから約三ヶ月経つが、まだ寄宿舎にはあの三人がいるはず。
武藤カズキ、津村斗貴子、キャプテン・ブラボーの三人。そういえば火渡戦士長と中村剛太、毒島華花もだ。
不思議なことにあの学園には六人もの錬金の戦士が集まっている。助けを求めるなら彼らが適任だ。
ブラボーなら戦団への連絡手段も持っているだろう。それに武藤は核鉄をその身に宿している。
しかし確かに番号をプッシュしたはずの携帯からは電子音しか聞こえてこない。
「ちいっ!」
秋水は苛立ちながら携帯を仕舞った。
窓の外を人型の影が過ぎる。
これならやり過ごせるかもしれない、と淡い期待を抱くが――どうやら甘かった。
ガラスの割れる音と共にホムンクルスが飛び込んできた。
蝶整体だ。こちらに気付いているのか?
息を潜めていれば或いは――。
「きゃああああ!」
美由希か桃子か。どちらかは分からないが悲鳴を上げてしまった。これで他のホムンクルスも寄ってきてしまう。
秋水はすかさず蝶整体に駆け寄り、腹を全力で蹴り飛ばす。
不意を突かれた蝶整体を店の外に蹴り出すくらいはできた。
「逃げてください!早く!」
幾多のホムンクルスを屠ってきたからこそ解る。
武装錬金無しで挑むことがどれほど無謀なことなのか。そして狩られる側に回ることがどれほど恐ろしいことか。
この家族だけは絶対に守らなければ。
たとえ核鉄がなくとも自分は錬金の戦士だ――そう考えることで秋水は自分を奮い立たせる。
支援する!
281 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:43:02 ID:NizSKLbZ
今日に限って月は新月だ。徐々に明かりの消えていく街が闇に包まれるのは時間の問題だろう。
この闇に紛れて街を駆け抜けるか、とも考えた。
(駄目だ……危険すぎる。外に何体いるのかも分からないんだぞ?)
一人ならば可能だ。しかし桃子もいることを考えると、到底賭けに出る気にはなれなかった。
悲鳴があちこちから聞こえたなら他にもいると考えるべきだろう。
散り散りに逃げても喰われるだけだ。せめてもの武器を取りに道場へと逃げる。
全員が動揺していたが、恭也と士郎は割りとすぐに平静を取り戻してくれた。
(ここに立て篭もるか?いや……助けが来るとも限らないのに篭城しても……。だいいちとても守りきれるとは思えない)
何度も自問自答を繰り返す。
結局は危険を承知で外に出るか、ここに止まるかの二択だ。
秋水にはどちらにも決めきれなかった。
外はホムンクルスの姿も視認できない暗闇だ。夜目の利く動物型もいるかもしれない。
月に顔があるならば、きっと自分達を嘲笑うかのように厭らしい笑みを浮かべているに違いない。
第三の選択肢を模索する間も刻々と時間は過ぎていく。
(どうする……どうする……!?)
そして時間は彼から選択肢を奪い去った。
窓から外を覗く美由希が震えた声で呟く。
「囲まれたみたい……」
「くっ……!」
秋水は心底、悔やんだ。最悪の状況を招いたのは自分だ。
迷った挙句、自分自身だけでなく全員を窮地に立たせることになってしまった。
自分が囮になって、ホムンクルスを引き付けながら逃げるという手も考えた。危険だが、こんな状況よりは遥かにましだったろう。
選ばなかったのは、彼らをここに残していくことが不安だったから――。
(本当にそうだろうか?)
心の中でそんな声が囁く。
(自分一人で逃げ切れるのか自信が無かったから?それとも怖かった?後ろめたかったのか?)
際限なく膨らむそんな気持ちを断ち切ったのは背後で木刀を構える恭也、美由希、士郎の姿だった。
「秋水!ぼけっとするな!」
恭也から叱咤が飛ぶ。恭也は、いや三人は桃子を守るように――囲むように立っていた。
「はいっ!!」
秋水も遅れて構えを取る。
彼らはまだ諦めていない。家族を守る為に、生き残る為に戦おうとしている。
本当なら自分が守らなければいけないのに。
ホムンクルスは道場を囲んでいる。もう、迷う暇も悔いる暇もない。
秋水は木刀を固く握り締め、開かれた入り口からホムンクルスを見据えた。
282 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:44:12 ID:NizSKLbZ
包囲しているホムンクルスは現時点でおよそ8、9体。低級な動物型か蝶整体ばかりだ。
たったその程度の相手でさえ今の自分には驚異である。
壁を壊されて四方八方から掛かられてはどうしようもない。入り口を開いたのはその為でもあった。
秋水は振り回される蝶整体の爪をかわし、がら空きの頭部に打ち込み、外に叩き出す。
三人は全員がトカゲ型ホムンクルスを相手にしている。敵が緩慢とはいえ、三人ともホムンクルスをものともしていない。
「はあああああ!!」
特に恭也の力は凄まじい。恭也の渾身の一撃でホムンクルスの頭から砕けるような耳障りな音が響いた。
異形の化け物でもこの程度ならば人でも勝てないこともない。ただ、問題はその先にある。
襲い来る敵をただひたすら叩くこと十数分――。
秋水含む全員が既に疲弊しきっていた。
ホムンクルスは致命傷となるような打撃でも、ものの数十秒で起き上がってくる。通常の武器ではホムンクルスを殺すことはできないのだ。
現在、まともに攻めても勝ちは薄いと学習したのか、ホムンクルス達は遠巻きに道場を覗いている。
「大丈夫ですか?皆さん」
戦闘に立つ秋水が全員を振り返る。
「こっちはまだまだいけるが……」
「秋水君は大丈夫?」
「だが、このままじゃまずいな……」
「みんな……ごめんなさい……」
恭也、美由希、士郎、桃子が答える。余力は残っているようだが、三人とも疲労は隠せていない。
今は散発的にしか接近しようとしないが、じきに総攻撃を仕掛けてくるだろう。そうなれば防ぎきることはおそらくできない。
その前に他のホムンクルスがここを嗅ぎつけてくるかもしれない。
(それでも……俺が守らなければ……!)
具体的な策は何もない。選択肢は自分が消し去ってしまった。
それでも諦める訳にはいかない。
重くなりつつある足を踏み込む彼の許に、救いの天使は風を切って飛び込んできた。
283 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:45:23 ID:NizSKLbZ
「秋水〜〜!!」
「ぶっ!?」
突如視界が真っ暗になる。力一杯引き剥がすと、顔面には何か奇妙な生き物が張りついていたようだ。
天使には違いないが――それは天使と呼ぶにはあまりにも珍妙な容姿をしていた。
「ゴゼンか!?」
「秋水!核鉄だ!桜花から核鉄預かってきたぞ!」
それでも彼にとって救いの天使には違いなかったが。
『弓矢〔アーチェリー〕』の武装錬金『エンゼル御前』――それが早坂秋水の双子の姉、早坂桜花の武装錬金である。
このキューピッドと言うよりも肉まんのような珍妙な自動人形〔オートマトン〕はその一部である、通称『ゴゼン様』。
ゴゼンの手には確かに核鉄が握られていた。
「姉さん!?なんで核鉄が――」
ゴゼンは桜花と意識を共有しており、ゴゼンを通じての通話も可能だ。秋水はゴゼンの頭を掴んで姉に質問を投げつけようとした。
「(秋水クン、話は後よ!)」
二体の蝶整体が道場の両側面の壁を突き破るのと、桜花の声はほぼ同時。勢いのまま突進し、振り上げた拳は桃子と傍らの士郎を狙っている。
「(エンゼル様!)」
桜花の号令でゴゼンの腕が高速で動き、一体の頭に無数の矢が刺さる。蝶整体はその場に崩れ落ち煙を立てて消滅した。
それでも残った一体は止まろうとはしない。拳を正面から受けることは士郎でも不可能だ。そして桃子がかわすことも間に合わない。
以上を考えるよりも早く、秋水はゴゼンから核鉄をひったくり身体ごと蝶整体の前へと飛び込んだ。
「武装錬金!!」
拳が秋水へと届く寸前、突き出したXX(20)の核鉄が輝きを放つ――。
「秋水君!」
士郎が目の前に割って入った秋水に叫ぶ。
光に目が眩み、次の瞬間には化け物は拳ごと両断され床に転がっていた。
反り返った蒼の刀身、先端の刃は両刃に分かれた小烏造。彼の手に握られているのは紛れもない日本刀だった。
「休んでて下さい。俺が片付けてきます!」
彼は振り返ることもなくそう告げると、外へと飛び出していく。続けて連続した化け物の悲鳴。
284 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:46:25 ID:NizSKLbZ
数分、たった数分でそれは止んだ。何度戦っても斃すことのできなかった化け物を、彼は
僅か数分で斃してしまったのか。
秋水は妙な高揚感に包まれていた。手元には馴染んだ感触。柄のXの印が蝶に変わっていることを除けば、何一つ変わらず懐かしい。
ようやく――ようやく自分の手に皆を守れる力が戻った。それが『日本刀〔ニホントウ〕』の武装錬金、『ソードサムライX』。
「姉さん、この核鉄はまさか……」
「(ええ、パピヨンのものを借りたの)」
秋水はホムンクルスの掃討を手伝ったゴゼンに、正確にはゴゼンの向こうの桜花へと話しかける。
「やっぱり……。だが、どうやって?」
パピヨンが核鉄を素直に貸し出すはずがない。享楽的で自己中心的、パピヨンとはそういう男だ。
「最初は彼が人を拾っているところを私が発見したの。二人を重そうに担いで飛んでいたわ」
桜花はその二人――大学の同級生でもある月村すずかとアリサ・バニングスを見やる。彼女達は二人揃ってベッドに寝かされている。
服は全身血に染まっているにも関わらず、かなり疲れているのか起こしても起きようとしない。
「電話は通じないし、秋水クンや海鳴の様子も気になった。その点は彼も同じだったみたいね」
「(あいつは自分で見に行かなかったのか?)」
「彼は助けた二人が余程気になるみたいね。だから私を情報収集に使った。その見返りに私は核鉄を借りた……そういうこと」
当のパピヨンは二人から離れた場所で読書中だ。それでも会話はおそらく聞いているだろう。
「(姉さん……今何処に?)」
「パピヨンパークよ」
向こうで秋水の息を呑む音が聞こえた。弟の驚く姿を想像すると可笑しくなり、桜花はいたずらっぽく笑った。
支援だぜ!!
286 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 01:47:48 ID:NizSKLbZ
何にせよ、これで脱出の目処はたった。このまま街中を突破して銀成学園へ走るのが最適だろう。
「桃子さん、立てますか?」
「ええ……」
力無く答える桃子を士郎が支える。
「皆さん、今は事情を話している暇はありませんが付いてきて下さい」
全員がそれに頷く。理由を訊く者はいなかった。
――どれほど走っただろうか。ゴゼンが上空から探してくれたおかげでホムンクルスと遭遇することはなかった。
街は明かりが消えているはずなのに、やけに明るく感じる。
原因はすぐにわかった。それは街を覆うようにたちこめる銀の煙。
暗闇の中でもわかるキラキラ光る美しい銀の煙だ。気付けば全員が銀の煙の只中にいた。
それでも構わず走り続ける内に、恭也達の動きが鈍くなっていく。
〈ぜひ……ぜひ……〉
掠れた呼吸音――水を求める犬のように舌を出し、必死に空気を取り込もうとしている。
腕は喉を押さえ、顔には苦悶の表情を浮かべる。
「どうしたんですか!?恭也さん、美由希さん!?」
遂には走ることもできなくなり、その場に座り込んでしまう。
だが、秋水には全く理解できなかった。銀の煙を吸収していても、自分の身体には全く異常はないのだから。
「士郎さん、桃子さん!?」
しかし、何度呼びかけても彼らからは〈ぜひぜひ〉と掠れた呼吸音しか返らなかった。
背後で耳を劈〔つんざ〕く轟音が響き、近くの民家の屋根に大きな穴が開く。爆発、炎上する民家。
「まだ動ける人間どもがいたのかァ?」
銀の煙の中から現れたのは戦車。
しかし無骨なデザインのものではなく、四足歩行の脚部も長い砲身も、
そして中心にある頭部も――全てが色とりどりの原色や模様で飾られたなんとも派手な戦車だ。
(ホムンクルス……ではない?何なんだこいつは)
「逃げたきゃ逃げてもいいんだぜ?後ろからはこの『ピンボール―「K」』様の大砲で狙わせてもらうけどよ!ぎゃははははは!!」
そう言って戦車は下卑た笑い声を上げた。何にせよ戦うしかないことだけは確かだ。
(だが遠い……)
奴の武器は背中の大砲だ。そして秋水は一足飛びに懐に入れる距離にはない。
左右はあまり広くなく、障害物もないから奴としては狙いもつけ易いだろう。
支援
288 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 02:02:32 ID:NizSKLbZ
「やる気なら相手になってやるぜえ!」
戦車の放った砲弾が壁を抉り破片を撒き散らす。
「ぐうっ!」
破片は容赦なく秋水を、そして高町家の人々を打ちつける。秋水は衝撃で地面を転がった。
(まただ……また、迷っている間に危険に晒してしまった……!)
全員で逃げるという選択肢は最早不可能だ。戦うにせよ、砲弾の直撃を受ければ人の身体など容易く粉砕される。
だが避ければ動けない彼らが危険だ。
秋水は選択を迫られる。それも、またしても時間制限付きの選択を。
「どうしたあ、人間!来ないならこっちから行くぜ!」
恭也の目の前で早坂秋水は傷ついた身体を引き摺って戦っている。自分達が彼の足を引っ張っている。
珍妙な生物は矢を連射しているが大きなダメージは与えられていないようだ。
そして戦車の二射目は確実に秋水を捉えて放たれた。
彼は刀でそれを受けて逸らせる。砲弾は再び壁面で炸裂し、熱と破片で彼を痛めつける。
衝撃で吹き飛ばされた秋水は恭也の近くまで転がってきた。
息も絶え絶えになり、全身から血を流し、それでも彼は起き上がろうとしている。
「もういい……〈ぜひ〉秋水、君だけでも逃げろ〈ぜひ〉……」
美由希や士郎もそれに頷く。これ以上、自分達を守る為に犠牲にさせる訳にはいかない。
それは高町家の全員の総意に違いなかった。
「そうそう、一人で逃げるか、全員で死ぬか選びな!尤も逃がしゃしねえけどな!」
戦車はそう言ってまた嗤う。
「いえ……俺は逃げません。俺は皆さんの御陰で強くなれました……ですから勝ちます」
彼は頭から血を流しつつも自分に、いや全員に微笑んでみせた。
それはきっと強がりなのかもしれない。それでもその『笑顔』を見ると胸がふっと軽くなるような――。
気付くと痛みも呼吸困難も徐々に治まっていた。
ギリギリの状況で迫られる選択。最初はその重さに迷いどの選択肢も選べなかった。
今は違う。
「そうそう、一人で逃げるか、全員で死ぬか選びな!尤も逃がしゃしねえけどな!」
どちらも選ばない。自分も死なないし、彼らを死なせるつもりも毛頭無い。
拾える命は全て拾う。そう、彼のように。
日本刀の武装錬金、『ソードサムライX』。エネルギー攻撃を無力化できる以外は単なる強力な刀でしかない。
秋水はこの武装錬金が嫌いではなかった。それは言い換えれば自らが強くなれば、武押す錬金もどこまでも強くなれるはずだから。
秋水は微笑み、立ち上がる。
289 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 02:04:17 ID:NizSKLbZ
逆胴の構え――その構えから薙ぎ払う以外に無いが、
恭也をして「その速さの前に避けるは叶わず、その重さの前に防ぐも叶わず」と言わしめた構えである。
「今度こそバラバラに吹き飛ばしてやらあ!!」
迫る砲弾に足を止めることなく走り続ける。
すれ違う直前に右腕に力を込め、溜めに溜めた剣を解き放つ。
砲弾は秋水とすれ違うと同時に爆散。銀でない爆煙が濛々(もうもう)と秋水の姿を覆い隠す。
煙が晴れた時、既に秋水は戦車の上に立っていた。
服は焦げつき、傷は更に増えているが、されど身体は逆胴の構えを取っている。
「てめえ――!」
ピンボール「K」は振り向きながら頭部に隠された機関銃を秋水へと向けるが、それより速く機関銃の銃身、砲身、四肢、そして首に線が走った。
「おおおおおおおおおお!!」
高速の剣閃は乱雑にひたすらに線を刻んでいく。
やがて線の走った箇所は同時に、そして静かに切り離され、ピンボール「K」は無数の欠片と化した。
ゴゼンが秋水の許に下りてくる。
「やばいぞ秋水!ホムンクルス共がこっちに集まってる!!」
今の戦闘で随分派手に音を立ててしまったせいだろう。
どうやら、まだ倒れる訳にはいかないようだ。秋水は途切れそうになる意識を必死で繋ぎとめる。
「ゴゼン、お前は皆を聖サンジェルマン病院へ案内して、その後学園の寄宿舎へと向かえ。俺はホムンクルスをここで食い止める」
「無茶苦茶だ!もうふらふらじゃねーか!」
「行け!」
食い下がるゴゼンを無理やり黙らせると、代わりにゴゼンから桜花の声が聞こえる。
「(秋水クン……私達の場所も安全とは言えない。ここにいる二人を守る為には核鉄が必要になる。
あなたはまだ誰かの命を背負っていることを忘れないでね)」
「分かってる、核鉄は必ず返しに行くから。……ありがとう姉さん」
回復した高町家の人々が秋水に駆け寄ってくる。皆、怪我を負っているのに秋水を心配している。
「皆さん、ここからは別行動にしましょう。俺はホムンクルスを引き付けながら逃げます。
こいつがホムンクルスから逃げられる道を指示しますから、皆さんはそれに従って逃げてください」
「おう!オレ様に任せとけ!」
全員が胸を叩くゴゼンに僅かに不安げな顔をしたが、それしかないことと、話す時間もないことは分かっているらしく頷く。
290 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 02:05:38 ID:NizSKLbZ
「でも秋水君……そんな身体で……」
「大丈夫です。考えはありますから」
そう微笑う秋水に安心した三人はゴゼンを追って走り出す。ただ恭也だけは最後まで秋水の眼を見続けていた。
迫り来る足音と唸り声を感じる。
秋水は彼らが逃げた方向に背を向けてソードサムライXを構える。
傷と疲労は深く、核鉄の治癒力でも間に合わない。
「やっぱりあの人は騙せないな……」
銀の混じった闇を見据える秋水は、頭の中で状況を打開する選択肢を模索していた。
この日、一人を除いて海鳴市に動く人間は誰一人、いなくなった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
船内でも一際広い一室、銃器で武装した男達を前に彼は一人で立っていた。敵の数は十人といったところか。
長い金髪を後ろで結び、金の瞳は彼らを臆することなく睨みつけている。
黒の詰襟、フード付きの赤いコート、厚底のブーツ、白い手袋――それが彼のバリアジャケット姿だ。
男達は彼を見るや即座に銃を構え、発砲。
彼は避ける動作もなく、それに身を任せる。銃弾は彼の身体を通過し背後の壁に穴を開けた。
男達は何秒間も、彼を完全に殺す為に撃ち続ける。常人には余計な程、銃弾を消費するのは彼が魔導師だからだろう。
煙が消えた時、彼の姿はそこには無かった。
当然、跡形もなく消滅したはずもなく――。
パン!
と掌を合わせる音と共に、金の鎖が五人の男の四肢を繋ぎとめた。
身動きを封じられた男は勿論のこと、それ以外の連中も彼の姿を探す。
先程まで何も無かったはずの空間、部屋の片隅に彼の姿はあった。決して小さくて見えなかったのではなく、本当に何も無かったはず。
彼は幻影と同じ強い眼で彼らを睨み、残った五人へと走り出す。
291 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 02:07:21 ID:NizSKLbZ
小さい――いや、コンパクトな――いや、回避に適した効率的な体格を生かして障害物を銃弾の盾にして一人に接近。
下から顎を突き上げ昏倒させる。仲間ごと彼を撃つ為に他の男達は狙いを変えた。
彼は両手を叩き、シールドを弾道に合わせて展開。
何発かはそれに弾かれた。こういう時、表面積が少ないと便利である。
昏倒させた男を物陰に叩き込み、三人組へと跳躍。
そのまま首筋に足刀を当て、着地。二人目の腹に肘鉄を加え、三人目の銃を掴み投げ飛ばした。
瞬く間に九人まで制圧してしまった彼に驚く最後の男は、手にデバイスらしき杖を握っている。どうやら魔導師らしい。
彼は最後の一人に向かい掌を合わせ、不敵に笑った。
笑みに逆上した男は四つの魔力弾を彼へと発射する。同時に彼も男へと走る。
左右から迫る弾をシールドで防ぐ。彼は左右の衝撃へと意識を集中させた。
ここまでは男も予想していた。左右の魔力弾は囮、本命は左下から迫っている。
肉迫する直前でようやく彼はそれに気付く。
今更気付いたところで遅く、回避は体勢を崩してしまう。彼はそう判断し――。
左足で魔力弾を蹴った。
男は目を見張った。殺傷設定の魔力弾を蹴るなど、まずありえない。
だが、現実に弾かれた魔力弾は壁へとぶつかり消滅する。
受け止めながらも走るのを止めなかった彼は男の間近まで接近していた。
だが、まだ最後の一発が残っている。それも最大の威力を込めた一発が。
正面からの魔力弾に彼は片手でシールドを張り、防ごうとした。
そこで彼は初めて驚きを顔に出した。シールドが持たないのだ。
激しい光を放ち、魔力弾とシールドが拮抗する。衝撃に身体を押されそうになる。
彼は負けないよう、強く足を踏み込んだ。
瞬間、シールドを魔力弾が貫いた。魔力弾は彼の右腕を吹き飛ばした――かに見えた。
勝利を確信し、男は笑った。
その顔は笑顔を張りつかせたまま歪む。
めり込んだのは確かに彼の拳。
殺傷設定の魔力弾を正面から受けてびくともしない腕。
「その腕……その足……手前、何者だ……?」
倒れる寸前、男の言葉に彼は答えない。
その後、通信で船内全ての制圧が完了したことを確認。
部屋中をひっくり返し、目的のもの――紅い宝石『レリック』を回収した彼は再度掌を合わせる。
足元に魔法陣が現れ、彼はクラウディアへと転移、帰還した。
292 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 02:08:29 ID:NizSKLbZ
「海賊船の制圧、ご苦労だった。『エドワード・エルリック』」
次元空間航行艦船、クラウディアの艦長室に、彼――エドワード・エルリックは呼び出された。
今はバリアジャケット姿ではなく、時空管理局の制服に身を包んでいる。
「連中の持ってたレリックの出所はわかったのか?艦長」
エドは目の前の椅子に座った艦長、『クロノ・ハラオウン』に訊ねる。
「お前は敬語を使えと……まあいい。複雑なルートを経由しているらしく正確な出所は奴等も知らないらしい。まあ気長に捜査するしかないだろう。」
「それで俺をわざわざ呼び出したのは?」
クロノはエドを一瞥して一度、溜息を吐く。
「転属だ、エドワード・エルリック。古代遺物管理部、機動六課に転属を命じる。正式な辞令は後日だ、以上」
「ちょ、ちょっと待てよ!」
一方的なクロノにエドは食って掛かる。当然だ、飛ばされる理由がない。
こうなることを予想していたように彼も切り返す。
「理由がないだと?あんな無茶な命令無視をしておいてよく――まあ理由は別にある。最近ミッドで確認された奇病は知っているか?」
「ああ。激しい痛みを伴う呼吸困難。今は数人しか確認されてないとか」
「あれには錬金術が関わっているという情報がある」
「錬金術!?」
エドは飛び上がる程驚いた。この世界に来て久し振りに聞いた響きだ。
「お前の知ってる錬金術かどうかは解らない、直接調べろ。六課はお前が回収したレリックを専門に扱う部隊だ。
六課の隊長達の出身、第97管理外世界にも昔は錬金術が存在したらしいしな」
この世界に来て二年以上、なんとか次元世界を行き来できるようになったが、未だ元の世界の手掛かりさえ掴めず自棄になりかけていたところだった。
このままよりは幾らか前に進めるかもしれない。断る理由はなかった。
「分かった!機動六課だな!?」
「ああ、以上だ。下がっていい」
一変して眼に力が戻ったエドを呆れたようにクロノは見る。余程元の世界に帰りたいのだろう。
支援、それにしても眠い
294 :
なのは×錬金:2007/09/16(日) 02:10:00 ID:NizSKLbZ
「今までありがとうな、艦長。あんた部下の扱いが上手いところだけは俺の元上司と似てるぜ」
「他は似てないのか?」
「ああ、特に既婚で愛妻家ってところが特にな。たまには奥さんにも連絡してやったらどうだい?」
「余計なお世話だ」
にやにやするエドを追い払ってクロノは一人溜息を吐く。
錬金術の発達した別の世界から来た――いつだったかエドを問い詰めた時、彼はそう答えた。
正直、半信半疑ではあったが、彼はたまにどこか遠くを見つめているような感じがしていたのは確かだった。
「本局に帰ったら連絡するか……」
エドの捨て台詞を聞いて、海鳴市に残した妻エイミィと子供達を思い出す。
今頃どうしているだろうか?母リンディとアルフもこっちに来ている為、今は三人だけだろう。
クロノは机の引き出しの写真を見る。
そこには自分と子供を抱いたエイミィ、リンディ、義妹フェイトが幸せそうに笑っていた。
次回予告
弟を救う為、弟と別れてやってきた世界。ようやく掴んだ糸口を逃さない為にエドは動き出す。
「待ってろ、アル。俺は必ず帰るからな」
友の為に、友と反してやってきた世界。解決の鍵を求めるフェイトに老婆は無情に言い放つ。
「しろがねは管理局に協力する気はない」
第3話
真理の扉/からくり〜しろがね 第1幕 開幕ベル
ごめんなさい。規制されてました。
途中レスがあれば規制されないものと……。今後は素直に分割します。
支援ありがとうございました。本当に申し訳ありません。
以上です。というわけで、『武装錬金』、『からくりサーカス』、『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』のクロス。
む〜ん、想像で書いてる部分が多いので突っ込みが怖いです。
ピンボール「K」は最後の方に登場した自動人形ですが、他は出番があると思うのでここに。
キャラが多くなるのでルートに分割しようと思ってます。
武装ルート アリサ、すずか、ヴィータ、ティア
からくりルート フェイト、エリオ、シグナム、アルフ
サーカスルート フェイト、キャロ、ザフィーラ
鋼ルート はやて、シャマル、ヴァイス、スバル
パピヨンルート パピヨン
みたいな感じで。分かりにくいですがお付き合い頂ければ。
最後に
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
GJ!筆が早いのは羨ましい。ギン姉の反応が笑えましたw
>>294 投下乙
気になったんだが、秋水があの病気にかからないのはなぜ?
肉体的には普通の人間だったと思うが
作品上での理由はまだ秘密。何故ならその方がカッコイイから。
本当は今後の話の都合です。自動人形と他作品が戦えないと面倒ですし。
しろがねのアドバンテージは勿論残ってますが。
GJ!!多重クロスでしかも大好きな、からくりサーカスが入ってるッ!!
パンタローネとアルレッキーノはサハラ戦設定なのかな?
最終話らへんの彼らはかっこよすぎて好きです。
GJ!
だが、蝶整体てw
300 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 03:30:46 ID:JRmgkkbQ
なんとなくFF七のヴィンセントを参戦させたくなった
ケルベロスでの活躍はすげえと思ったんだ
なのは世界でも大丈夫だろうか?
面白そう。変身したときは皆ビビリそう。
>>300 禁止されている質量兵器をどうするかだな。
銃とか持ってるだけでダメだし
まぁ、スカサイドにぶっこむなら問題は無いが
>>299 蝶整体はちゃんと原作に登場するぞ
それにしてもパピヨンパークってゲーム版か
アレやった事ないんだが面白い?
>>295 待ってましたぁぁああ!wwってパピヨンルートww
>>303 ブチ撒けコンボや必殺技が蝶・サイコーとだけ言っておく
295
待ってましたよ。
私はカズキが好きなのでカズキがでてくるのを楽しみにしています
>>271 それについてはちゃんと考えてますのでご安心を…
みなさんGJ!
こりゃ自分も書いて投下したいぜ!
さて、今日のグレンラガンは
「キタン」「死亡フラグ」「男のドリル」
の3本でお送りしました。
泣けたよ・・・リリカルなのはにも泣けるシーンが最終回までにあれば良いな…
>>295 カズキがこれからどのようにかかわってくるか楽しみにしています
>>295 からくりに鋼もか…。
多重クロスは大変でしょうけど頑張って下さい。
所で、魔導士は自動人形に武装した人間と認識されるんだろうか?
だとしたら、目にも止まらぬスピードで動くのか、ランクによって変化するのか気になりますね。
そもそも原作が既に、鳴海があんな物騒な刃物を腕から生やしてても、勝がモロに日本刀持ってても、
自動人形はリミッター外れないぐらいなんだから、手持ちの近接用武器ぐらいじゃ自動人形主観では武装してるとは認識されないんじゃないかね
オートマーターが武器と判別するのは機械仕掛けのもの限定とどこかに書いてあった気がする。
んで、その辺の機構が複雑になるほど基本的には高度な武器と認識されるっぽい。
だから、剣とかはOKな筈。
じゃあ、デバイスもOKか?
でも、それだと弱すぎないかな?
職人の皆様GJです
>>◆e4ZoADcJ/6氏
ちょっ!?ピクルがミッドに来たらこんな恐ろしいことになるんですか…
…あれ?六課の女性陣卒倒ってことは、ナンバーズやルーテシアも同じように…?
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
ギン姉…ライダー目の前にしてこの反応とは…意外とミーハーなんですね…
言えない…アギトが出たときどっちのアギトか一瞬混乱したなんて言えない…ッッ!
>>なのはVSボウケン氏
なるほど、漫画の方でムーンフェイスが言っていた「機」とはこの事でしたか…
…あれ?ルート分岐になのはさんの名前がありませんが…もしかして登場しないんですか?
>>312 デバイスは思いっきり複雑な機構の武器です。
アームドインテリストレージの区別なく。ぶっちゃけハードディスクだし。
>>312 >>314 まあ、その辺は作者の人の解釈次第でいいんじゃないか?
実際の機構は複雑だから兵器扱いしてもいいし、
見た目の関係で”人形”と同じような扱いにしてもいいと思うし。
>>253 GJ!
ピクルワロスwww腹イテーwww
中将が活躍したSSはこれだけだと断言できるwww
はぁはぁはぁ…4時間かけて、リリカルガオガイガー書き終えた…
16:30に投下します〜
疲れた(汗
よくよく考えてみると
マスターフォース=イークイップ
ジンライ=ガイガー
スーパージンライ=ガオガイガー
ゴッドジンライ=ジェネシックガオガイガー
みたいに超神マスターフォースとガオガイガーって似た部分多いんだよね…。
>>318支援用意しときます。
>>318 期待しています!
私もEDFの3話がもう少しで完成するので今日の10〜11時くらいに投下します。
自分もリリカル鬼武者の四話
もうすぐ書き終わるんでEDF氏の後ぐらいに投下しますかね。
…もしかしたら書きあがらないかもですけどw
勇者王リリカルガオガイガー THE MYTHOLOGY
第六話「ファースト・アラート(後編)」
◆新暦75年5月頃
暗闇が広がる場所で、紫色の光が鈍く輝いている。
その光の中心には、見た目からでは15歳前後の体格をしたショートカットの髪をした少女だ。
服装は体にフィットしたスーツ。そして、その胸には紫色の金属結晶が納まっていた。
「ふむ。中々のエネルギー効率だ。これなら、アレとの適合率も良いだろう」
白衣を着た男ジェイル・スカリエッティは、モニターをチェックしながら頷く。
彼が目線を移した映像には、ガジェットドローン3型を大型化し更に各所にアームケーブルが増設されている。
正式名称は【タイプZ】直径は5m程あり、内部には脳波を探知して機体を操作する操縦システムに成っている。
パイロットは先ほどの少女【ノーナンバー】と呼ばれる存在だ。
その少女の調整を行う女性ウーノは、博士ことスカリエッティに最終調整が終わった事を言う。
「調整は終了しました。妹も、博士の為に成りたいと奮闘するでしょう」
「それは、ありがたい。さぁ、私の研究のために動いてくれたまえ…私の娘よ」
その言葉に目を覚まし、タイプZを起動させるノーナンバーと呼ばれる少女。
『はい…お父様』
転送装置へと移動したタイプZは、レリックの奪取へと向かうため転移した。
「よろしかったのですか?あの妹の寿命は―」
「構わんさ。ゾンダーメタルと私の作品の融合計数のチェックがしたいのだからね。そもそも、廃棄予定だったのだから気に病むことでは無い」
「…はい」
スカリエッティの心無い言葉を聞いたウーノだったが、気にする事は無かった。
次元航行司令補修艦クシナダで現地へ急ぐGGG。
推進システムを50%の出力で起動させ移動している。
それでも、艦船がミッドチルダの上空を飛ぶのは圧巻だ。
橙色の装甲で包まれた艦は、現場付近へと到着すると速度を落とし、機動部隊の発進の準備を開始した。
「こちらブレイブ分隊。これより、スターズとライトニングに合流します」
『よっしゃ!ブレイブ分隊&マイク・サウンダース13世、出撃!!』
魔導師用の出撃ゲートから飛び立つ3つの光。
緑色の魔力光を輝かせ8枚の翼を広げ飛ぶ、生機融合を果たした新人類であり僕らの勇者王。ブレイブ1/エヴォリュダーガイ。
赤色に輝く魔力光を纏い背中の1対の翼で大空を飛ぶ、ソルダート騎士団の最後の生き残りにして三重連太陽系での最高の戦士。
ブレイブ2/ソルダートJ。
ガイと同じ緑色の魔力光を放ちながら空を飛ぶ獅子の女王。ブレイブ3/ルネ・カーディフ・獅子王。
3つの光が現在戦闘を繰り広げる現場へと向かって行った。
続けて出撃するためミラーカタパルトにセットされた機影は、コスモロボ(CR)形態のマイク・サウダース13世だ。
「マイクの出番だもんネー!」
ミラーコーティングされたマイクは、敵機が多数いる空域へと射出される。
今回は対象が列車によって移動しているため、飛行モジュール/バリバリーンに乗るマイク・サウンダース13世を先行させて出撃させた。
高速での移動で、ガイたちを追い抜き先に敵近くへと到着する。
多数の敵影が見えてきた所でミラーコーティングが剥がれ落ち、赤と青のカラーリングが施されたマイクの姿が現れる。
「ワォ!?小さいのがたくさん!マイクがんばっちゃうもんネー!システムチェーンジ!」
CR形態からブームロボ形態へと変形するマイク。
「マイク・サウンダース!13世!!」
変形を終えたマイクは、同じく変形したバリバリーンことスタジオ7の上に降り立つ。
「カモーン。ロックンロール!」
スタジオ7から1枚のディスクを取りし、続けてサウンドツール/ギラギラーンVVを取り出す。
ギラギラーンVVはエレキギターとミュージックキーボードが融合した形をしている。
「ディスクM、セットオン!ギラギラーン!ダブルV」
コミック徴の悪魔の絵柄が描かれたディスクがマイクの胸のディスクトレイにセットされ、演奏が始まる。
「いくぜぇぇぇ!」
マイクの咆哮と共に開始された演奏は、周囲を飛ぶガジェットドローン2型へとマイクロ波を照射される。
すると、次々に動作不良を起こしたかのように近くに飛んでいた機体同士でぶつかり爆発していく。
「イエェェェイ!」
マイクにセットされたディスクMには、特定の機械の機能を麻痺させるマイクロ波を発することが出来る。
機動六課から提出されたガジェットのデータからGGGで対ガジェット用ディスクMが開発され、今回初使用された。
効果は予定通り、敵の機能を麻痺させる事に成功している。
「ガンガン行くぜぇぇぇ!」
マイクに続き、ガイたちも戦闘を開始する。
「こちらブレイブ分隊。これより、戦闘を開始する」
『了解しました』
グリフィス部隊長補佐からの返事を聞いたガイたちは、散開し各自戦闘を開始した。
「はぁぁぁ!ブロウクン・マグナーム!!」
エヴォリュダーガイの右拳に形成された魔力弾が発射され、高速で回転しながら飛行型ガジェットを1機貫き、
続けて近くに居た敵を貫通させ爆破させる。
「ラディアントリッパー!」
ソルダートJは、左手甲から抜き放ったプラズマソードで高速で移動するガジェットを次々に切り裂いていく。
2型による熱光線弾幕も、彼のスピードにとっては容易く回避でき掠りもしない。
「さっさと、落ちちまいなぁ!ガラクタ共!!」
ルネが持つバズーカの様な大きさをしたインテリジェントデバイス/レオ・インパルスから放たれる砲撃によって、撃ち抜かれていく敵たち。
Gストーンと魔力のハイブリットによって出力が向上した砲撃は、難無くAMFを突き破っていく。
更にマイクのディスクMの効果なのか、動きが鈍く楽々と攻撃が当たっていく。
ストームレイダーから出撃したスターズ1/高町なのはは、レイジングハートを起動させバリアジャケットを装着し上空に多数現れた
ガジェットドローン2型から制空権を奪取するため動く。
高速で移動中にフェイトと合流したなのは。
「(同じ空は久しぶりだね。フェイトちゃん)」
「(うん。なのは)」
念話で会話していると、下空に現れたガジェットを発見し追撃に移る二人。
「行くよ!レイジングハート」
『All right. Accel Shooter』
アクセルモードのレイジングハートから発射された桃色に輝く多数の魔力弾が、飛行型のガジェットを撃ち貫き破壊する。
AMFを展開しているガジェットを楽々と貫くアクセルシューターには、多重弾殻が施されているため貫けるのだ。
更に、上空から襲ってきたガジェットを回避し続けざまにディバインバスターの低スペック版であるショートバスターを撃ち破壊する。
フェイトの方もバルディッシュをハーケンフォームへ変形させ、魔力刃を形成し敵へ投射する。
「はぁぁぁっ!」
ハーケンスラッシュの刃が縦回転し、2機のガジェットを真っ二つに切断し破壊する。
ガジェット2型も負けじと固定砲門から発射される熱光線を撃ち応戦する。
通常の航空魔導師相手なら何とか成っただろうが、このエース2人にプラス勇者部隊まで参戦した状況では焼け石に水状態だ。
凄まじい速度で、ガジェット2型は落とされていった。
隊長たちのお陰で列車への降下時に敵の攻撃を受けずに済み、初めての扱う新型デバイスを起動させての初任務に就く新人フォワード4人。
新たなデバイスの初使用で、そのスペックに驚かされる。しかし、屋根を突き破ってガジェットドローン1型が列車内から現れた。
瞬時にティアナによる射撃によって現れた敵を破壊され、突き破られ穴が開いた場所へ突入するスバル。
リボルバーナックルの一撃でガジェットを圧壊させ、続けてマッハキャリバーのローラーで速度を上げ列車内のガジェットを次々と粉砕していく。
ナックルスピナーを回転させ魔力を強化させ、前方に居る敵へ向け近距離射撃攻撃を放つ。
「リボルバーシュート!」
凄まじい衝撃を纏った一撃がガジェットを粉砕するも、列車内での使用と有り余る威力によって、天井を突き破ってしまいバランスを崩す。
「うわぁぁ!?」
『Wing Road』
マッハキャリバーの自動詠唱で作動したウイングロードで、走り続ける列車から落ちずに前の車両の上へ着地するスバル。
「うわぁ〜マッハキャリバー。お前って、もしかしてかなり凄い?」
それに答えるかのように、青い宝石状のパーツが光る。
「加速とか、グリップコントロールとか。それに、ウイングロードまで」
『私はあなたをより強く、より速く走らせるために作り出されましたから』
「うん。でもマッハキャリバーはAIとは言え、心があるんでしょう?だったら、ちょっと言い変えよう」
先ほどまで戦っていた場所を見つめながら、スバルは自分の思いを新たな相棒へと告げる。
「お前はね、私と走る為に生れてきたんだよ」
『同じ意味に感じます』
「違うんだよ。いろいろと」
『…考えておきます』
「あ…うん!」
列車内部では、列車の機能を止めるためガジェット1型のケーブルを破壊するティアナだったが、止まる気配が無い。
リィンフォースII空曹長へ報告を入れると、列車の停止は私がすると言う返事を受ける。
「ティアナはスバルと合流してください」
「了解」
クロスミラージュをツーハンドモードからワンハンドモードへ戻し、重要貨物室へと向かうティアナ。
「しっかし、流石最新型。いろいろ便利だし、弾丸生成もサポートしてくれるんだね」
『はい。不要でしたか?』
「…あんたみたいな優秀な子に頼り過ぎると、私的には良くは無いんだけど、でも実戦では助かるよ」
『Thank you』
列車の上を飛行しながら、ロングアーチへ現状報告を伝えるリィンフォースII。
「スターズF、4両目で合流。ライトニングF、10両目で戦闘中」
司令部では、各隊員からの報告や状況報告を逐一、部隊長補佐へ伝える。
「スターズ1、ライトニング1、制空権獲得」
「ガジェット2型、散開開始。追撃サポートに入ります」
「後続のガジェット2型はブレイブ分隊とマイク・サウンダース13世によってほぼ壊滅」
シャーリーとアルトとミコトによる通信報告がなされる司令部の中、扉が開くと走ってきた八神はやて部隊長が来られた。
それに気づくグリフィスとシャーリー。
「ごめんな。おまたせ」
「八神部隊長」
「おかえりなさい」
部隊長席へ座ったはやてへ、現状報告を伝えるグリフィス。
「ここまでは、比較的順調です」
その報告を聞き、良い顔に成るはやて。
「新たに敵影…新型です!ブレイブ分隊、応戦を開始」
「ライトニングF、8両目突入…あ、エンカウント!新型です」
ミコトとシャーリー報告が司令部に響き渡る。
粗方敵機を撃墜したブレイブ分隊とマイクだったが、新たに出現したガジェットに翻弄されていた。
「こいつはっ!?」
ガイは左手にプロテクトシェードを展開し敵のベルト状のアームの一撃を受けるも、空中での戦闘に成れていないガイは踏ん張りが効かず
後方へ吹き飛ばされるも、マイクに助けられ墜落せずに済んだ。
「すまない、マイク」
「ノープロブレムだぜ!だが、ミーの攻撃が効かないなんて…ガッテム!」
彼の目線の先には目測で直径5m程度の球体状のガジェット。それも、ゾンダーバリアも装備している特別仕様だ。
マイクのディスクMによるマイクロ波攻撃でも相手の機能を麻痺させるに至らないようだ。
ブロウクンマグナムさへもAMFとゾンダーバリアの複合バリアによって本体に到達前に掻き消されてしまう。
「くっ、意外と硬いな」
Jはプラズマソードを敵へ振り下ろすも強固なバリアで防がれてしまう。
その隙にガジェットは大量のアームケーブルでJを捕らえようとするも、Jの素早い動きに着いて行けず捕らえられない。
激しい戦闘を繰り返すJとガジェットの隙を突き、敵の後ろを取ったルネはレオ・インパルスによる最大出力の砲撃のチャージを行っていた。
「あとちょい…耐えてよ。J」
『completion of charge』
レオ・インパルスの報告を聞き、最大出力の直射型砲撃魔法を敵へ撃ち放つ。
「喰らいな!ブレイズバスタァァァ!!」
砲身から放たれた緑色に輝く砲撃がAMFとゾンダーバリアの複合バリアへ叩きつけられる。
高出力の砲撃によって複合バリアの出力を後方へ回し耐えきろうとするが、前方で戦っている敵の実力を測りきれなかった。
「甘い!」
Jはプラズマソードを敵バリアへ突き入れ、魔力とJパワーを注入し始めた。
「喰らが良い!ジェイクォース!!」
プラズマソードの刃が変化し錨状に変化したと思うと、それが不死鳥のシルエットの魔力とJパワーを纏い敵へ発射された。
バリアを貫通しての攻撃が敵新型ガジェット本体に直撃する。
しかし、球形の装甲だったことでJの攻撃は運悪く反らされてしまう。
「くっ、抜かったか。だが!」
遠隔操作可能のジェイクォースは、反転し再び敵へ突っ込んでいく。
『いい加減にしてぇぇぇ!!』
ガジェットから女の声が聞こえたと思うと、ベルト状のアームに相殺されるジェイクォース。
更に、後方で砲撃魔法を発射していたルネも急なバリアの出力アップに顔に顰める。
「何だってんだい!?急にパワーアップしやがって」
『このままでは、こちらが持ちません。一旦引きましょう』
「ちっ」
舌打ちをして悔しがるも、砲撃を止め一旦退避するルネ。
敵対するガジェットから紫色の輝きが増していく。
「このパワー…やはりゾンダーなのか」
ガイたちが見つめる中、新型のガジェット【タイプZ】は地上へ降下するとアームケーブルで破壊されたガジェット2型を取り込んでいく。
「不味い。奴は大型化する気だ!」
タイプZは、ガジェット2型を取り込みながらレリックが輸送されている方角へ移動し始める。
2型を吸収したことで、大型のスラスターを形成させ凄まじい速度を出しガイたちを抜き去っていく。
「ブレイブ1からロングアーチへ!新型それもゾンダーが寄生したモノが、列車へ向かった。直ちに迎撃してくれ!」
支援
ブレイブ1からの連絡を受けたミコトは、直ちにスターズ1とライトニング1へと連絡を入れる。
「こちらロングアーチ。ブレイブ1から緊急報告です。ゾンダーに寄生されていると思われる新型のガジェット1機が向かっています」
「スターズ1、了解。直ちに迎撃に移ります」
「ライトニング1、了解」
報告を聞き、後方を向くと巨大なガジェットが接近しているのが目に映る。
「(フェイトちゃん。最初に私の砲撃でバランスを崩させるから、その隙に)」
「(わかった。なのは)」
なのはは、レイジングハートをバスターモードへ変形させカートリッジを2発消費させ魔力を高める。
環状魔法陣を展開させ、敵に向け直射型砲撃魔法の発射態勢に入る。
フェイトもカートリッジを2発消費し、ハーケンスラッシュの魔力刃の出力を上昇させる。
多数のガジェット2型の残骸を取り込みながら姿を変えていくガジェット3型タイプZ。
そのコクピットで体の半分以上をゾンダーメタルに取り込まれた状態のノーナンバーの少女。
『レリックを回収して、先の奴らを捕獲して帰れば、お父様は喜んで下さるかな…悩んじゃダメ。絶対に喜んで下さって、
私に名前を下さる。ノーナンバーじゃ無くなるんだ』
自分に名前が無いことを常に気にしていた彼女は、今回の戦闘での功績で大好きなお父様から名前で呼んで貰えるように奮闘していた。
彼女の瞳には既に光が失われ、どす黒い何かが渦巻いている。
多数のガジェットの残骸を吸収し、姿を大幅に変化したタイプZは、レリックが積まれている列車を目視するまでに近づいた。
その時正面に敵影が居る事を発見する。
『邪魔だぁぁぁ!』
修復されたベルト状のアームが合計4つ、目前の敵へと向かって行く。
「ディバイーン、バスター!」
白いバリアジャケットを着た航空魔導師から放たれた桃色の砲撃魔法が4つのアームを弾き、己への直撃を防ぐとともに、その砲撃で態勢を崩される。
『邪魔をしないでぇぇぇよぉぉぉ。お父様に怒られるじゃ…はっ!?』
前方の砲撃魔道士に意識を集中していたことで、別方向からの攻撃に対処できず4つのアームは切断されてしまう。
そこには、金髪のツインテールをした黒いバリアジャケットを着た女が光の鎌を構えながら、こちらに向かって来ている。
『この…死神めぇぇぇ!私の幸せを邪魔するなぁぁぁ!!』
過度のストレスによってゾンダーメタルは更なるエネルギーを放出し、タイプZを更なる高みへと強化していく。
新型のガジェットである3型に接触し戦闘をしていたライトニングFだったが、そのパワーと広範囲AMFによって魔力結合が阻害され
魔法が使用不能にされ、危機に陥っていた。
「大丈夫だから」
キャロに対しエリオはこう言うが、戦況は悪化の一方だ。
AMFによって魔法の使用が出来なくなり、決め手に欠いた二人にとってガジェット3型のパワーは絶望的だった。
エリオがやられる姿を見て過去の自分を思い出した。
ろくにフリードリヒの制御も出来ず当時の保護施設では持て余される存在だった。
しかし、フェイトさんとの出会いで変わった。
「私は、今度はどこへ行けばいいんでしょう?」
「それは、君がどこへ行きたくて、何をしたいかによるよ」
その予想もつかなかった答えに、きょとんとするキャロ。
「キャロは、どこへ行って何がしたい?」
“考えたことも無かった。私の前にはいつも私が居ちゃいけない場所があって、私がしちゃいけない事ばかりあったから…”
エリオの叫びによって意識が今に戻るキャロは、目の前で捕らえられ持ち上げられる彼の姿を見た。
そして、気絶した彼を上空へ投げ飛ばされる。
何も出来ない、誰にも必要にされなかった己の不甲斐無さ。
今、目の前で自分に親切にしてくれた彼を助けられないなんて絶対に嫌だ。
そんな自分を否定する。私が進みたい道には、大切な人達が明るく笑い合える場所を守ることなのだから。
「エリオくん…エリオくーん!!」
キャロとフリードリヒは、地表へ落ちていくエリオを追って列車から飛び降りる。
司令部では、降下する2人に慌てるアルトの姿があった。
「ライトニング4飛び降り!ちょっ、あの二人、こんな高高度からのリカバリーなんて」
「いいや、これでええ」
八神部隊長の言葉に反応するシャーリー。
「ああ、そうか」
アルトの疑問に答える高町なのは一等空尉。
「そう、発生源から離れればAMFも弱くなる…使えるよ。フルスペックの魔法が!それに、あの二人の力なら、こんなピンチなんて跳ね除けられる」
降下し続けるエリオへ手を伸ばすキャロ。
“守りたい。やさしい人。私に笑いかけてくれる人たちを自分の力で”
「守りたい!」
彼女の強い気持ちが、エリオの手を掴んだ時、ブーストデバイスが完全起動した。
『Drive ignition』
キャロのデバイスであるケリュケイオンの機動によって、二人は桃色のスフィアに包まれ緩やかに降下し始める。
エリオを抱き上げながら、自分の使役竜を呼び寄せる。
「フリード。不自由な思いをさせておいてごめん。私、ちゃんと制御するから」
意識を取り戻したエリオは、キャロに抱きかかえられている事に顔を赤くした。
「行くよ。竜魂召喚!」
彼女たちを包むスフィアに巨大な環状魔法陣が出現し、彼女の真下には巨大な召喚魔法陣が現れる。
「蒼穹を奔る白き閃光よ。我が翼となり、天を翔けよ。来よ、我が竜フリードリヒ。竜魂召喚!」
巨大な物体がスフィアを突き破り召喚される。
それはキャロのよって真の姿を現した白銀の翼竜フリードリヒだ。
翼長10m以上の堂々たる巨大な飛竜であり、キャロとエリオを背中へ乗せている。
その召喚の成功に驚く司令部。
チビ竜の本当の姿を見たティアナは、その迫力に圧巻し、スバルは「かっこいい〜」の一言だ。
救援は不要と判断したリィンは、スターズFを連れてレリックの回収へと向かう。
召喚に成功し気持ちが落ち着いたところで、キャロは自分がエリオに抱きついている事に気づき顔を赤くしながら謝る。
「ご、ごめんなさい」
「あ、う、うん。そんな、こっちこそ」
そうして、先ほどのガジェット3型の場所へと向かうフリードリヒ。
列車内から這い上がってきたガジェット3型を見つけるとキャロは、フリードに命令を下す。
「フリード。ブラストレイ!」
フリードの口付近に収束される火炎の塊。
「ファイヤ!」
発射された炎の砲撃がガジェット3型を包みこむ。
真の力を解放したフリードの攻撃は、小竜の時の技を遙かに上回る威力だ。
しかし、その一撃でも本体までを焼き払う事が出来なかった。
「やっぱり、固い」
「あの装甲形状じゃ、砲撃だと抜き辛いよ。ここは、僕とストラーダがやる」
「うん」
キャロは、エリオへ強化魔法をかけ始める。
「我が乞うは、疾風の翼。若き槍騎士に、駆け抜ける力を」
『Enchanted Field Invalid』
「我が乞うは、清銀の剣。若き槍騎士の刃に、祝福の光を」
『Boost Up. Strike Power』
補助魔法の準備が完了する。
「行くよ!エリオくん」
「うん。キャロ!」
エリオは、フリードの背中から飛び降りストラーダを敵へ向け飛び降りる。
「ツインブースト!スラッシュ&ストライク!」
2つの補助魔法がストラーダへと注入される。
『Empfang(受諾)』
接近してくるエリオに反応し迎撃するガジェットのベルト状のアームとアームケーブル。
『Stahlmesser』
しかし強化されたストラーダの魔力刃による斬撃によって、斬り払いされる。
無事着地したエリオは、ストラーダのカートリッジを2発消費し魔力を強化し、ベルカ式魔法陣を展開し雷を武器に追加させる。
『Explosion』
「一閃必中!」
掛け声と共に、ストラーダのブースターから雷が推進剤代わりに放出し加速。
凄まじい加速による突きがガジェット3型の装甲を貫き、そのまま真っ二つにし、爆破させる。
「やった!」
ライトニングFの二人の任務が無事完了した瞬間だった。
一方、フェイトは謎の新型ガジェットから声が聞こえたことに気づく。
「女の子の声?人が乗っているのか」
目の前のガジェットから機械音に似た少女の声が発せられたことに気づくフェイト。
その時、目の前のガジェットから凄まじい光が発せられ目をしかめる。
光の発生が納まって行き、目を開けると目前のガジェットの姿が大型の人型へ変化していた。
「これは!?」
『私の邪魔…するなぁぁぁ!』
巨大な人の腕の形に変化したアームによる一撃がフェイトへと迫る。
「くっ!」
その一撃を回避し、その腕にハーケンスラッシュを叩き込むが強力なAMFとゾンダーバリアによって傷一つ付かない。
攻撃が効かないこと顔をしかめながら、何とか時間を稼ごうと敵の注意をこちらへ向かせるように直射魔法を発射していく。
フェイトが時間稼ぎをしてくれているうちに、この巨大な敵への対抗策がGGGにしか無いと考えたなのはは、何とか敵の動きを封じるため
設置型バインドを用意する。
「(フェイトちゃん。こっちへ!)」
「(わかった。なのは)」
なのはが指示した位置へ移動したフェイトを追ってきたガジェットは、なのはの設置したバインドに両手両足を拘束される。
「レリック強奪未遂および、管理局員への妨害行為などであなたを逮捕します。戦闘行為を停止するなら、これ以上の攻撃は―」
『うるさい!お父様から名前を貰うまで、止まれ無いのよぉ!』
ガジェットから声が聞こえた瞬間、バインドが解除され巨大な手がフェイトへと迫る。
「フェイトちゃん、逃げてぇ!」
目前で巨大な手が親友を握り潰そうと迫るのを止めようと動くなのはだったが、その時二つの何かが巨大なガジェットを吹き飛ばす。
「これは!?」
そこには、青と赤の2体のロボット氷竜、炎竜が助っ人に来たのだ。
「大丈夫ですか?フェイト執務官」
「僕たちが来たからには、もう大丈夫だぜ。二人とも!」
彼らの登場によって、胸を下す2人。
「助かりました。氷竜、炎竜」
「二人ともありがとう」
不意打ちを受けた部分を自己修復していくガジェットを見ながら杖を向けるなのは。
「これで形勢逆転だよ。投降しなさい」
『…黙れ』
「えっ?」
『黙れと言っているんだぁ!これ以上、私の邪魔をするなぁぁぁ!!』
ガジェット3型タイプZ型ゾンダーは、移動する列車の車両へ腕を伸ばす。
防ごうと動く氷竜、炎竜だったが、もう片方の腕から放出された強力なビームによって弾き飛ばされる。
何とか追いついたガイたちは、敵の動きを見て叫ぶ。
「止めろぉ!ゾンダーは、どんな機械でも取り込むんだ!」
しかし、時既に遅く敵の腕は列車へと到着していた。
スバルたちは、無事レリックを回収していると突如、列車が揺れ始める。
突然のことで戸惑うリィンとスターズFだったが、ロングアーチからの報告で危機が迫っている事に気づく。
『二人とも急いで脱出を!私も列車を停止させ次第脱出します』
リィンの命令に従い、外へと脱出する2人の前には列車に取り付いた巨大なガジェットの姿があった。
その圧倒的な存在感に気後れする2人だったが、レリック確保が第一任務であることが自分たちの任務であることから急いで退避する。
キャロたちも、リィンフォースII空曹長が脱出するのを見送った後、即座に戦闘空域から離れる。
「フリードよりも大きいガジェット…もしかして、あれがガイさんたちの言っていたゾンダー?」
「凄く嫌な感じがする…」
エリオの考えは正しく、キャロの感じ方も正しかった。
ゾンダーに取り付かれた者は、自分の欲望に正直になる。
今ゾンダーに取り付かれているノーナンバーにとって、博士への信頼確保が最重要であり、レリック回収が一番の行動理由だ。
ガジェット3型タイプZは、更に列車をも吸収し全長30m近くの巨大なロボット…ガジェットゾンダーへと変貌する。
『ゾンダー』
完全にゾンダーメタルに取り込まれ、欲望のままに動くノーナンバー。
「長官。ゾンダーがかなりの速度で成長しています。これ以上の成長は危険です」
猿頭寺主任オペレーターの報告を聞き、指令を出す大河長官。
「風龍、雷龍出撃!敵破壊の際に生じる二次災害対策も忘れないように!」
「勇者部隊出撃準備!イレイザーヘッドの準備も忘れるなよ」
長官と参謀の指令を聞き、整備部所属オペレーターである牛山は指示を部署へ通達する。
出撃を言い渡された風龍と雷龍は、ミラーカタパルトへと移動する。
「僕たちの出番か。雷龍行くぞ」
「あぁ!俺達の力見せてやろうぜ」
「お兄ちゃんたち良いなぁ〜あたしも出撃したかったなぁ」
「光竜。謎の敵へ私たちGGGの戦力を全て見せる訳にはいかないという長官の考えが分りませんか?」
「えっ?そうだったのぉ」
姉である光竜よりしっかりしている闇竜。
「心配しないで良いよ。妹たち」
「俺たちと兄貴たちで、十分だ!心配しないで待っててくれよ」
そうして、力強く出撃していく風龍と雷龍であった。
ガジェットゾンダー!支援
規制食らった(涙)
ガジェットゾンダーの圧倒的パワーに翻弄される機動六課。
なのは達の砲撃魔法も、強力なAMFによって拡散してしまい、ガイたちによる物理攻撃もゾンダーバリアによって弾かれてしまう。
「このままじゃ、消耗するだけだ。氷竜、炎竜、頼む!」
「「了解!」」
スラスターを全開にして上空へ飛びあがった2機は、シンパレートを90パーセント以上に上げ合体を開始した。
「シンメトリカルドッキング!」
青と赤の竜は、合体し新たな勇者へと生まれ変わった。
「超竜神!」
全長28mの巨大な勇者へと生まれ変わった氷竜、炎竜は、ガジェットゾンダーに格闘戦を挑みかかる。
「ダブルトンファー」
クレーンとラダーをトンファー代わりに使用し、敵へぶつける攻撃が次々に当たって行く。
ガジェットゾンダーでも、歴戦の勇者である超竜神相手では分が悪かった。
「はぁぁぁ!」
トンファーによる攻撃で地上へと叩き落とされるも、スラスターを全開にして超竜神へと突撃していく。
ガジェットゾンダーの体当たりを正面から受ける超竜神は、その推力に若干押されながらも至近距離からのウルテクライフルを敵へ向ける。
「ウルテクライフル、発射!」
至近距離からの砲撃にダメージを受け、各所から火花を散らすガジェットゾンダー。
そして、現場へ駆けつけてきた風龍と雷龍は、この状況を見て後は自分たちの出番だと直感する。
「シンメトリカルドッキング。撃龍神!」
緑色と黄色のコントラストの勇者が誕生する。
更に超竜神へは、イレイザーヘッドが届けられ装備される。
「よし!早速だが、決めさせてもらうぜ!唸れ疾風、轟け雷光!シャントゥロンッ!!」
両腕から風と雷のエネルギーを同時に発射する。発射された二つのエネルギー波は二頭の龍となって目標を破壊。
核が存在すればそれを抉り取る事も出来る万能兵器だ。
二頭の龍は複雑な軌道を描きながら、相手のビームを避け、AMFとゾンダーバリアを突き破り、核を抉り取る。
「イレイザーヘッド。発射ぁぁぁ!」
ゾンダー核を無くしたゾンダーロボは、蓄えたエネルギーを放出し周囲を爆破させる性質がある。
それによる二次災害を防ぐため、高出力の振動波を発生させ、あらかじめ指定した物質、衝撃波などを細分化し大気圏外へ排出する。
イレイザーヘッドが使用されるのだ。
超竜神のお陰で、爆発によるエネルギーを大気圏外へと送る事が出来た。
撃龍神の左腕にセットされたシールド(荷台)の中に摘出されたゾンダー核が収められていた。
「よし、浄化を始める」
Gストーンの出力を制御し、浄化モードへと移行するエヴォリュダーガイ。
その神秘的な輝きに、目を釘つけにする機動六課の面々。
浄化の呪文が紡ぎ出され、最後の呪文が完成する瞬間…突如核が急激な輝きを放ち始める。
「これは!?」
超竜神からのゾンダー核のデータを調べていた猿頭寺主任オペレーターは、その異常エネルギーが何を意味しているのか瞬時に理解した。
「みんな、直ちに避難を!!その核は、爆発する!」
その瞬間核は、凄まじいエネルギーを放出し爆発した。
「ゾンダーメタルを爆破させましたが、宜しかったのですか?」
「ああ、データは収集済みだ。彼らに、我々の情報を与えるには時期早々だと思ったのでね。悔いる必要は無い」
「はい…」
彼らが見つめる空間モニターには、爆発の直撃を受け怪我を負った黄金の鎧を着た男性と左腕を押さえる巨大ロボットの姿があった。
「あの爆発で生き残る生命力と、未知なるエネルギーを持つ者か…くくく、面白い。是非彼には、私の研究材料として来てもらいたいな。
それに、あの2人は戦闘機人に良く似ているな。この2人にも是非来てもらいたいものだ」
映像が変わり、ソルダートJとルネが映し出される。
「話は変わりますが、刻印ナンバー9の回収はどう致しましょうか?」
「ふん」
「追撃戦力を送りましょうか?」
「やめておこう。レリックは惜しいが、彼女たちのデータが取れただけでも十分さ」
モニターが切り替わり、データ収集を行った者たちの映像が映し出される。
「それにしても、この案件…実にすばらしい。私の研究にとって興味深い素材が揃っている上に…ふっ」
次に映し出されたのは、フェイトとエリオの戦闘映像だ。
「この子たち。生きて動いている。プロジェクトFの残滓を手に入れるチャンスがあるのだからね」
ドーム状の室内で博士の笑い声が響き渡るのであった。
次回予告
君たちに最新情報を公開しよう。
目の前で救えなかった命に気を落とすガイ。
ホテルでの任務から降り、自分を見つめ直すため休暇を取る。
そんな中、彼はある人物と出会う。
勇者王リリカルガオガイガー THE MYTHOLOGY
NEXT 信じるべきモノ
次回も、このチャンネルでFINAL FUSION 承認!
これが勝利の鍵だ!
【メイガスの剣】
規制から抜け出せました。
投下完了です。
支援ありがと〜
GJ〜、おつかれさまでした。
ところで、浄化じゃなくて浄解じゃないのかい?
>>338 あ、ミスったー
ありがとうー
>>336 浄化を浄解に修正お願いしたします。
初歩的なミスをしてしまった。
GJです
おお、ゾンダーガジェット圧倒してる…超竜神と撃龍神強…
しかしひどいですねオレンジ博士…データが集まったからといって、ノーナンバーごとゾンダーメタル自爆させるとは…
GJ!
ところでメイガスの剣言われると某仮面親分しか出てこないのですが……。
>>341 妄想を膨らませてください!
敵がオレンジ博士だけだと、戦力差が凄すぎるのでゲストで登場してもらおうかと
GJ!
やはりゾンダーの相手は勇者たちが務めるしかないようですな。
なんだかナンバーズは鰐淵シュウみたいにメタルサイボーグ化はしそうだ。
あ〜、ファイナルフュージョンが待ちきれねえ!スカが腰を抜かすとこが見てえ!
さて、スカはゾンダーメタルのヤバさがどこまで分かっているか…?
>>340 こんなのバイオネットじゃあ日常茶飯事なんだぜ。
なんか、やってしまった感が漂うクロスができたんですが…投下していいですか?
もちよ、もち
10時まで投下ないしね
”管理局局員”は輸送中のロストロギアを回収するため、列車に乗り込んだ。
”不良集団”は貨物室のお宝をちょいと頂くため、列車に乗り込んだ。
”革命テロリスト集団”は偉大なる指導者を奪還するため、列車に乗り込んだ。
”ギャング”は鉄道会社を脅して金をせしめるため、列車に乗り込んだ。
”泥棒カップル”は一年ぶりにクラナガンの友人と会うため、列車に乗り込んだ。
出発の興奮に酔う彼らはまだ知らない。これから始まるクレイジーな夜を―――
一等客室 『黒服』
「死とは、決して平等なものではない」
豪勢な装飾の一等客室、そこにいた黒服集団のリーダーらしき男――『グース・パーキンス』が言葉を紡ぐ。
「命には確かに価値がある。
価値があるということは―――すなわち、格差も存在するということだ」
誰に向けられているのか分からないグースの言葉が空気の中に消える。
部屋の空気が重くなり、まるで時間が止まったかのようになる。それでも時間が流れていると分かるのは、外の景色が後ろへと流れていくのが見えるからであろうか。
黒服達は、これから決行される作戦への期待からか、目の奥に熱情と恍惚が混じり合ったようなものを宿していた。
だが、その中にも作戦など一切無価値なように振舞う人物がいた。黒いドレスの女――『シャーネ・ラフォレット』だ。
シャーネは誰とも目を合わせようともせず、自らの得物である重厚なナイフに映る自身の瞳だけを見つめていた。
視覚以外は全て周囲の黒服に向けられている。監視役というのが正確な言い方だろうか。
黒服達はそれに気付いていながらも不満を見せず、グースの言葉を待ちわびていた。そして期待に応えるかのように、グースが二の句を告げる。
「躊躇いも哀れみも必要ない。本来安価なままで死に絶えるはずだった乗客どもの命を、我々の手で最高の価値にまで引き上げてやるのだからな。
必要とあらば情けをかける必要はない。無価値な過去に終止符を打ち―――」
そして彼は、どこか楽しげな声でその言葉を告げた。
「誇り高き死を、与えてやれ」
二等客室 『白服』
「いやいやいやいや楽しみだ楽しみだ。本当に楽しみだ。本当に楽しみだよなあ?
何が楽しみって、これから決行の時までを楽しみながら過ごすことが楽しみで仕方ないねぇ。お前らもそうだろ?」
二等客室、こちらは一等客室程ではないにせよ、豪華な造りになっている。普通の列車ならば一等客室としても充分使えるような造りだ。
その二等客室のうちの一室で、そこに集う白服集団のリーダーらしき男――『ラッド・ルッソ』が滅茶苦茶なテンションで声を張り上げた。
そのまま彼は、自らの婚約者――『ルーア・クライン』へと声をかける。
「なあルーア、お前も楽しみか?」
「全然」
最高に楽しそうなラッドと違い、ルーアは楽しくないと言う。尤もそれは、今現在の彼女の退屈そうな表情を見れば一目瞭然ではあるが。
「ヒャハハハッハハハハ、そうかそうか全然楽しくねえか。じゃあ何か楽しい話をするとしようか?」
そう言ってラッドはルーアの顔に両手を添えて話す。無論、ここまでのテンションは一切崩さずに。
「この列車に乗ってる奴がみんな死んで、クラナガンの奴らも殺して、ミッドチルダの奴らも他の次元世界の連中も全部殺し尽くしたらよぉ、俺ら二人だけで森の教会で結婚式を挙げようぜ?
その時、愛を誓いながらお前を派手に殺してやる。世界で最後の俺に殺される人間として、派手に丁寧に美しく惨たらしく―――できるだけ、楽しんで殺してやる」
まるで狂人の言葉だ。そんなもので楽しくなる人間など、自殺志願者か同じような狂人くらいしかいないだろう。
そのような事を言い、ラッドが再びルーアに問いかける。
「どうだ?少しは楽しくなったか?」
その問いに対し、ルーアが頬を染めながら頷いた。どうやら彼女はその「同じような狂人」の部類に入るようだ。
それを見て辟易している様子の白服を尻目に、ラッドが子供のような輝いた目で再び声を張り上げた。
「さーてさてさてっと?一等客室のリッチマンどもと三等客室の貧乏連中にお勉強させてやろうじゃねえか…
死の前には金持ちだろうと貧乏人だろうと、誰も誰もが平等ですよ、良かったですねってなぁ!
ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ…」
三等客室 『ボロ服』
「うわあ、いい景色だね。これなら三等客室でも充分楽しい旅ができそうだよ」
三等客室。他の客室とはうって変わって、まるで急ごしらえで作ったかのような粗末な客室。
その客室から、顔に剣を模した刺青を入れた青年――『ジャグジー・スプロット』が外を見ていた。傍から見れば、ただの観光客にしか見えない。
「あのよぉ、ジャグジー」
そのジャグジーに対し、安服をまとったチンピラ風の青年――『ジャック』が話しかける。
「お前さ、本気でやるつもりなのか?」
「え?何を?」
…当初の目的を忘れたのだろうか。とぼけた表情でジャグジーが聞き返した。
そしてジャックが大声で突っ込む。周りに聞こえるとか、そういうことは一切無視したような大声で。
「何をじゃねえよ!貨物強盗に決まってんだろうが!
なに呑気に景色なんか眺めてんだ!本気で貨物強盗なんかするのかって聞いてんだよ俺は!」
「ジャック、隣に聞こえてしまいますよ?この部屋、壁が薄いんですから」
眼帯をかけた金髪の女――『ニース・ホーリーストーン』がジャックを静かにたしなめる。
一方のジャックは怒っているような表情になっており、ジャグジーは泣きそうな顔で彼に謝る。
「ご、ごめん。突然の話で悪いとは…」
「謝るくらいなら最初からやんな!」
「じゃ、じゃあ謝らないよ。頑張って貨物を強盗しよう」
「謝るならちゃんと謝れよ!」
「どどど、どうしろっていうのさ?」
「どうもするな!とりあえず泣くな!」
もはや涙目になっているジャグジーに対し、ジャックが困ったような表情で
「ったく、しっかりしてくれよな…お前は一応俺らのボスなんだからよ。っていうか、お前が自分でここに来ることなんかなかったんじゃねえか?
こういうこたぁ、荒事専門の俺らやドニーに任せときゃいいってのに」
「ぬが、呼んだか?」
窓際に座っていた褐色の大男――『ドニー』がその声に反応する。どうやら自分の名が出たことで、呼ばれたものと勘違いしたようだ。
そんなドニーを無視し、ジャックが続ける。
「とにかくだ、お前もボスだったらよ、少しは手前の命の価値ってもんを考えてくれよ」
その言葉に対し、ジャグジーがにこりと微笑んで答える。いつの間に涙を拭いたのか、もう涙目ではなくなっていた。
「僕はただ死にたくないだけだし、誰にも死んでほしくない。それだけ。だから―――そんな難しい話、死んだ後に考えるよ」
食堂車 『制服』
食堂車。一等・二等客室同様豪勢なデザインながら、客室に関係なく利用できることから、この列車の人気の要因のひとつともなっている。
今現在この食堂車を利用している数人の人物。彼女らは皆同じ服を着ている…まあ、これが彼女らの制服だからなのだが。
彼女らは食事をしながら会話に花を咲かせていたが、ふとオレンジ色の髪の女性――『ティアナ・ランスター』が気になっていたことを言う。
「でも、レリックを回収するのにこの列車に乗る必要あったんですか?
回収するだけなら鉄道会社に許可を取って、それから駅で待てばいいような気もするんですけど…」
食事を続けながら、ティアナが聞く。それと同時に金髪の女性――『フェイト・T・ハラオウン』がはっとした表情に。
「まさか…それに気付いてなかった、とかじゃあ…」
「ま、まさかいくら何でもそんなわけ…」
ティアナが二の句を告げるが、それを擁護するかのように赤髪の少年――『エリオ・モンディアル』が言う。
…が、もはや擁護は不可能なまでに動揺している。間違いなく忘れていたようだ。
「…まあ、少し早い休暇ってことで…駄目かな?」
フェイトがそう言いながら食事を続ける。もはや開き直っているとしか思えない。
そんな中、青髪の女性――『スバル・ナカジマ』が、窓の外に何かの影を見つける。
作業着を着た人間のように見えるが…その影はすぐに消えた。
「あれ?」
「どうしたの、スバル?」
そんなスバルの様子に気付いたのか、茶髪の女性――『高町なのは』が聞き、それに対してスバルが答えた。
「あ、いや…列車の外に人がいたような気がしたんですけど…やっぱり気のせいだったみたいです」
そして列車―――『フライング・プッシーフット号』は走る。いくつもの思惑を乗せて。
…投下終了。せっかくのバッカーノクロスがこんな事に…orz
一応解説をば
StS第五話の列車がフライング・プッシーフット号で、なおかつガジェットが来ていない、さらに何故かそれに六課メンバーが乗っているという無茶設定です
投下、よろしいでしょうか
今回は前回とは打って変わった雰囲気になるので内容予告をしておきます
アンゼロット様大暴れです
ついについに下がるのか!?下がる男支援
アンゼロット城:ティアナ・ランスター
八神隊長とアンゼロットの話が心に染みこんでくる。
世界に1つの運命に関わるような大きな事件に関わるという高揚、そのその後ろにある託された大きな物を見る気負い。
その2つにティアナは目がくらむような感覚を覚えた。
気づかないうちに体中に力が入っている。
拳をぎゅっと握りしめて、肩ははいからせてガチガチに固まっている。
これでは動くに動けない。
ティアナ意識的力を入れ直してから、体中の力を抜いた。
ようやく落ち着いてくる。
横からコトリと音がする。
スバルの方からだ。
スバルはさっきまでのティアナと同じようになっていた。
俯き、下を見て、手が白くなるくらいに力を入れている。
わずかに震えているのがわかった。
「ちょっと、スバル」
周りに響かないように小声で話す。
「少し落ち着きなさい」
「う・・・ん」
まるでさっきまでの自分を見てるみたいだった。
こう言うときには自分がしっかりしないといけない。
「深呼吸しなさい」
「う、ん」
スバルの呼吸音が耳に届く。
「やることはいつもの訓練と変えようがないんだから。無駄に緊張してもしょうがないわよ」
「うん、そうだね・・・ティアの言うとおりだね」
スバルのふるえは収まっている。
落ち着いたみたいだ。
そのスバルの様子がティアナを落ち着かせていた。
アンゼロット城:八神はやて
アンゼロットが腰を静める。
隣の執事が元に戻す。
銀糸の髪が宙に舞う。
「あなた方に世界の命運を任せる以上、渡さねばならない物があります」
アンゼロットは執事に合図を送る。
「先ほども言いましたが、世界結界の弱体化によりエミュレイターは活性化しています。それは魔王とて例外ではありません。あなたたちは今の戦力ではベール・ゼファーとアニエス・バートン、2人の魔王と対するのは無理でしょう」
はやてはなのはとフェイトを見た。
2人とも首を横に振る。
はやてはベール・ゼファーとは戦っていない。
2人の分析だけが頼りとなる。
その2人が首を横に振るのなら、無理なのだろう。
「魔王と対するために執れる手段は2つ。こちらの戦力を上げるか、魔王の戦力を下げるかしかありません」
戦略、戦術の基本ではあるが簡単なことではない。
「戦力を上げるのは難しいでしょう。あなた方が決戦を挑むのなら、それはアニエス・バートンが力を増す以前に倒す作戦となりますから」
戦力を集めるには時間がかかる。
ここで時間を費せば短期で決戦に挑める今の状況が無になる。
「ならば、魔王の戦力を下げるしかありません」
だが、そんなことは可能なのだろうか。
はやては瞬時にいくつかの可能性を検討するがどれも現実的ではない。
「そのために、あなた方にこの武器をお貸しします」
アンゼロットが机に置かれたベルを鳴らす。
それに合わせ部屋の照明が全て消える。
変わりにスポットライトでアンゼロットの後ろの空間が照らされた。
そして鳴り響くBGMは巨大ロボがせり上がるときの物。
BGM通りにアンゼロットの後ろの床が開き、下からなにかが持ち上がってきた。
その全貌が姿を現したとき、BGMもやむ。
はやてにはそれが、ねじったパイプを組み合わせて作った大砲に見えた。
「この、46センチコスモ柊カノンメタトロンハイグレードGXαLv99をあなた方に託します」
「あ、あの・・・もう一度言ってもらえんでしょうか」
柊力キター!支援
名前が長くてうまく聞き取れなかった。
「・・・それはともかく」
無視された。
「これは特殊な弾頭を活性化させ射出するためのものです。これにより発射された弾頭は着弾と同時に半径約312メートルの範囲内に1.21ジゴヒイラギの柊力を発生させます」
「あの・・・柊力って・・・」
その質問もとりあえず無視される。
「これにより魔王の力をある程度下げることができます。これによりわずかながら勝機をつかめるでしょう。しかし、これには1つ問題があります」
アンゼロットの形容しがたい雰囲気に沈黙で答える。
「この弾頭は1つしかないことです。再生産は不可能。仕損じは許されません」
ごくり。
つばを飲み込む。
「そして、もう一つの問題です」
「あ、あの・・・問題は1つや無いんですか?」
「たった今増えました」
「そですか」
「もう一つの問題、それは・・・その弾頭が・・・」
びしっ。
アンゼロットは斜め前を指さす。
「逃げ出したことです!!!」
その先にはつい先ほどまで柊蓮司が座っていた椅子が倒れていた。
ついでにドアを開ける音と足音が響く。
「えーーー」「えーーー」「えーーー」
「えーーー」「えーーー」「えーーー」
「えーーー」「えーーー」
灯以外が一斉に驚嘆の声を上げる。
「柊力とはあらゆる物を下げる力!その力を持つ物はこの世界にただ1人!柊蓮司しかいません!ですから皆さん」
アンゼロットはハンティングキャップをかぶり、どこからか猟銃を持ち出す。
ゴシックな服と合っているはずがないのだが何故か似合っている。
「狩りの時間です」
アンゼロットは妙に嬉しそうに笑った。
アンゼロット城:???
「ちょっと、あんた待ちなさいよ。この期に及んで逃げる気?」
「あたりまえだーーー」
「一撃必倒!」
「倒れてたまるか!」
「柊くん。ちょっと、お話ししようか」
「できることとできないことがある!」
アンゼロット城:柊蓮司
奮闘空しく追い詰められてしまった。
後ろと左右には壁。
上は天井、下は床。
前方はアンゼロットと機動六課。
2名ほど床に手をついてへばっているが突破できそうにない。
アンゼロットが一歩前に出る。
「さあ、柊さん。大人しく弾頭になってもらいますよ」
「やるかっ。二度もあんなもんで撃ち出されてたまるか!」
「前も、やったことあるんや」
はやては顔の右半分だけで笑っている。
というか、笑うしかない。
「ある!あの時は、いきなり撃ち出された上に全然違う方向に飛ばされてその後は・・・」
なにか大変だったようだ。
「あの失敗で諦めなかったのかよ!だいたい、なんであんなもんを完成させる必要があったんだよ!」
「いいでしょう、教えてあげましょう」
アンゼロットは床に目を落とし、上げる。
「あっっっの蠅娘のレベルを下げるためです!」
「はぁ?」
「あの蠅娘、この前ここに来てなんて言ったと思います?『あら、アンゼロット、この前レベルが8に下がったんですって。不様ね』なんて言ったんですよ!許せません!!」
よく似た物まねである。
「私怨じゃねえか」
「世界の守護者たる私の怒りはすなわち世界の怒り!柊さんにはそれをはらす義務があります!それはともかく・・・」
「ともかくにするな!」
「結果的に、今はこれが世界の命運を左右する鍵になっているのです!柊さんには是が非でも砲弾になってもらいます!」
「やるか!」
柊は首を左右に振り味方を探す。
さっき追いかけて来た三人は論外。
はやては両手を合わせて柊を拝んでいる。
アンゼロットを止める気はなさそうだ。
なら、行動を共にしてきたフェイト達は・・・。
だめだった。
フェイトは横を向いて目頭を押さえている。
キャロとエリオはキラキラした期待を込めたまなざしで柊を見ている。
とても止めてくれとは言えない。
「だいたい柊力は免疫がないヤツ全員に効くだろ。俺は機動六課と免疫ができるほど一緒にはいなかったぞ」
「それなら問題ありません。先ほど皆さんに出した紅茶に免疫の発生を促す薬を混ぜておきました」
「さっき何も混ぜてないと言ってなかったか?」
「言ってません。よく思い出してください」
『なにも危険なものは混ぜていません』
「そういうことだったのかーーっ。って、ちょっとまて。ということはお前は機動六課に頼む前から免疫促進剤を飲ませていたのか?」
「ええ。彼女たちが運命に導かれている可能性はその時からありましたから」
「いやな用意周到さだな」
「守護者としては当然です」
額に手を当て、首を左右に振るアンゼロット。
「ここまで行ってもだめですか」
「どこまでかはよくわからんがだめだ」
「仕方ありません。これは使いたくはなかったのですが・・・」
アンゼロットは壁まで歩き、隠されたボタンを押す。
またBGMと共に床下したから現れる者がある。
それを見たとき柊は戦慄を感じた。
「そ、それは・・・」
床からせり上がった物、それは柊サイズの輝明幼稚園の制服と鞄、後クレヨンに画用紙にその他諸々だった。
「柊さん・・・これ以上拒むのでしたら・・・聖王教会、コスモガード連盟、そしてロンギヌス、あらゆる組織の力をもってしてあなたの学年を幼稚園まで下げさせていただきます!!」
「なにーーーっ」
「一度下げたら再び戻すことはできません!」
「お、おい」
「そして、この書類に私がサインをすればあなたの学年は幼稚園までダウン!」
「まってくれ」
「待ちません!やるのかやらないのか!」
「だ、だから待ってくれ。これじゃ交渉にも話し合いにもならねえじゃねえか」
「交渉の必要はありません!テロリストには何も与えない!むしろ奪う!それがアンゼロットクォリティ」
書類に刻まれる文字はアンゼの四文字。
「誰がテロリストだ!」
「世界の命運の鍵を握っているにも関わらず逃げるのをテロと言わず何と言いましょう」
アンゼロ
「ああああああああっ。わかった・・・やるから、それだけはやめてくれ」」
アンゼロッ
「柊さん」
「なんだ」
「後一文字で終わるんです。せっかくですから、幼稚園に入ってお遊戯をやりませんか?私、1回見てみたいとおもっているんです」
「やるかっ」
「やるかっ?つまり、砲弾をやらないと言うことですね?」
「違う、やる、やる」
「お遊戯をですか?」
これでこそ柊支援
「違う!弾頭をやる。頼む、だから幼稚園まで学年を下げるのだけは止めてくれ」
床に座り込み土下座をする柊。
額を床に押しつけんばかりの勢いである。
「仕方ありませんね。私も鬼や悪魔ではありません。そこまで頼むのであれば、柊さんに弾頭になってもらいましょう」
柊蓮司、完全敗北の瞬間であった。
***************************************
今回はここまでです。
魔王対策その1は安易ですが柊力を使うってことで。
これがあればもう楽勝、というわけではないんですけどね
GJ!
やっぱナイトウィザードはこのやり取りがないとなwww六課ノリノリwww
これにもヴィオレットは大爆笑だなw
レーヴァンテイン対アースラってのも面白そうだ。
ひでーwww
だが、それが柊クオリティ
てか、柊力かよ!www
はやて、これがファージアース流だ、あきらめろ
フェイト結構薄情だな……
そして、エリオ、キャロ、そんな目で見るな
そして、アンゼロットまさに外道www
GJです
アンゼロットどころか六課までもがこの状況にノリノリとは…柊に勝ち目なしw
>私も鬼や悪魔ではありません。
いえ、充分すぎるほど鬼ですし悪魔です
>>リリカルスクライド//G.U.氏
更新を楽しみにしておりました。今回もGJです!
StS本編でちょっと物足りなく思えた部分が、GGG分によってかっちり補完されている感じが良いです。
ガオガイガー本編ではゾンダー化した人を救えずに終わったことは無かっただけに、
さすがの凱もショックが大きいようですが、彼のことだから必ず立ち直って、
スカ博士の非道なやり口に怒りを燃やしてくれると信じます。
原作知らんけどなんか不愉快だな
>>363 どっちが?
人死を発生させたガオガイガー?
悪ノリの観のある魔王?
どういう部分が悪かったのかはっきりしないと批評じゃなくてただの批判になっちゃうよ
>>363 そういう時はまず原作を見ればいいんだぜ、ブラザー?
魔王のほうね
なんというか他人の理不尽や災難を見てるだけどころか
乗り気でwktkする六課の面々とかどうなのよって少し思ったわけよ
原作もこんなノリと言われたらそれまでなんだけど。
安心しろ。そんなノリだ。
だから嫌なら読まずにスルーした方がよいとしかいってやれん…。
そんな柊の存在意義の9割を否定するようなこというなよ。
鬼や悪魔どころか魔王よりひどいよアンゼロットwww
EDFの人まだー?
只今帰還したので投下したいと思います。本部!投下の許可を!
GOGO!
ストーム1!こちらスカウト4、お会いできて光栄です!
こちらスカウト5!我々も戦闘に参加する!
魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF――"mission2『戦士達の邂逅』"
「はっ……はっ……はっ……はっ……」
「あーもう! どれだけ沸いてくるんッスかあいつら!」
巨大な黒蟻の群に包囲されたノーヴェ達だったが、どうにかその危機を脱することは出来た。
ウェンディが全力全開でエリアルキャノンを放ち、包囲網に隙間を作ってかろうじて逃げ延びたのだ。
眼前の危機は脱したものの、二人に戦う力はほとんど残っていない。
溶かされた左腕をはじめ、ノーヴェは肉体に数多くの傷を負ってしまった。
ガンナックルは半壊。ジェットエッジも強酸にやられて機能を停止。これ以上の戦闘は不可能だ。
ウェンディは傷こそ浅いが、頼みとしてきたライディングボードは攻撃を数回防いだだけで脆くも崩れ去り、射撃系魔法は数で押されては対処しきれない。
二人に出来ることは無様に逃げ戻って自身の敗北を明確にすることだけだった。
ノーヴェは走りながら後ろを振り向いた。背後に見える漆黒の闇。聞こえてくるのは無気味な地鳴り。
奴等は巨体に似合わぬスピードで迫ってくる。このままでは絶対に追いつかれる。
「ノーヴェ! 余所見してるんじゃないッス!」
眼前を走るウェンディがノーヴェを叱咤する。
「もうすぐ出口につくッスよ。だから今はとにかく走って……」
「うるせぇ! そんな気休め言うんじゃねぇ!」
ウェンディが言いきる前にノーヴェが大声で怒鳴っていた。
「大体お前がボードをぶっ壊したりしなかったらそれに乗って逃げられたんじゃねぇか!
アタシらがこんな状況になってんのはお前のせいでもあるんだからな! そこんとこわかってんのかこのアホが!」
我ながら酷い言いがかりだ。大声で喚きつつ、ノーヴェはそう思った。
ボードが壊れたのは、彼女が敵の強酸からノーヴェをかばったからだ。ノーヴェに責める権利はない。
それに対してウェンディは酷く傷ついたように「それも……そうッスね」と呟いただけだった。
「くそっ……」
ノーヴェの中に言い様の内苛立ちが溜まっていく。
一体何に? 逃げる足を壊してしまったウェンディに? それとも八つ当たりをしたことに?
それとも、出口に辿りつけないことに? それとも奴等を殲滅出来ない自分の非力に? それとも……
「くそっ……くそくそくそぉ!」
ふと気がつけば、呼吸と共に毒づいている自分がいた。
足がもつれる。呼吸が乱れる。発汗も酷い。左腕の感覚は失われ、全身に負った傷口からの出血が止まらない。
一体いつまでこの地獄の底で走り続けないといけないんだ。いつになったら光が見えるんだ。
くそっ、全部あいつ等が悪いんだ! あいつ等さえ出て来なれば、アタシはこんな思いをしないですんだんだ!
あの大喰らいの糞虫どもめ!ノーヴェは再び振りかえる。揺れる視界には、相変わらずの闇だけが……。
>>375 ――二人の間の通路の壁が、いきなり轟音と共に吹き飛んだ。
辺りは舞いあがった土煙で包まれる。そして、壁の穴から現われたのは……蟻の群れだ!
諦めを知らない蟻達は無機質な黒い眼を輝かせ、一斉に二人へ襲いかかった。
ノーヴェがとっさに蟻を蹴り上げようとする。
しかし、それより先に蟻が突き出した腹から強酸を吐き出した!
「うぁああああぁぁああーーッ!」
いかに戦闘機人のノーヴェでも、至近距離からの奇襲を避けることは出来なかった。
吐き出された強酸は右の脛に直撃。まるで溶岩に足をつっこんだような灼熱感が右足全体に広がっていく。
倒れ伏したノーヴェに、一匹の蟻がゆっくりと向かってくる。
「ノーヴェ、ノーヴェ! くぅぅ……お前等、そこをどくッスよぉ!」
ウェンディの悲痛な叫びと、続けざまに鳴り響くエネルギー弾の炸裂音が洞窟内に木霊する。
彼女はノーヴェを助けようとしているようだが、無数の蟻に阻まれこちらにこれそうにない。
ノーヴェはなんとかして逃げようと試みる。でも、出来ない。出来るわけがないのだ。
上体を起こし、足を見下ろし顔をしかめる。
そこには、ジェットエッジと完全に融合し、原型を止めていない己の右足があった。
これでは逃げることはおろか、立つことさえままならない。
蟻は強酸を吐き出す気配はない。まるで傷だらけのノーヴェに反撃するだけの力がないのを見抜いているようだ。
ふとノーヴェの頭の中を、食い殺された調査団の姿がよぎった。
「そうか……これがお前等の手口ってわけか。抵抗できないようにさんざん嬲っておいてから……」
ノーヴェは 立てないままで後ろに退ろうとする。でも、すぐに壁に背が着いてしまった。
逃げることは出来ない。ガンナックルもジェットエッジも失われ、ノーヴェは蟻に抗うことさえままならない。
蟻にとってノーヴェはもう、ただの新鮮なエサでしかない。
気付けばウェンディの方から聞こえる音も変わっていた。
射撃音はしだいに小さくなり、かわりに彼女の悲痛な叫びが何度も何度も聞こえてくる。
最初は苦痛の訴え。二度目は哀願。三度目は――絶叫。
声は蟻のうごめく音にかき消され、だんだん聞こえなくなっていく。
ぼやけていく視界に、唾液を垂らしながら迫る蟻の姿が写った。
自分は運命を受け入れるしかないのか。蟻に生きたまま食い殺されるという身の毛もよだつ運命を。
>>376 (嫌だ……そんなの嫌だ。セイン姉。チンク姉。こうなったらクアットロでもいい。誰でもいいから助けて!)
瞳に映る、顎を一杯に開いた蟻の姿。心臓の鼓動が聞こえるほどの静寂。コマ送りのようにゆっくり流れる時間がノーヴェを支配する。
(やられるッ……!)
ノーヴェは自らの死を確信した。蟻はノーヴェへ頭を振り下ろして――
――ドンっと小さな爆発音。
同時に黒蟻の頭が綺麗に吹っ飛んだ。
「……へっ?」
ノーヴェは状況がわからないままに、痛みも忘れて頭のない蟻を見上げる。
頭がなくなった蟻は、ぴくぴくと痙攣を繰り返し、そのままゆっくりと崩れ落ちた。
間髪を入れず、ウェンディを嬲っていた蟻達も次々と吹き飛ばされてゆく。
蟻がこの事態に混乱し始めたのがわかった。
味方か? でも、一体誰だ?
ガジェットは全滅。管理局も全滅。ウェンディは戦闘不能。周辺に味方などいないはず。
弾丸は壁の穴から飛んでくる。ノーヴェは弾丸の飛んでくる方向に目をやった。
頑張れ!ストーム1がもうすぐ行くぞ!支援!
>>377 そこにいたのは、銃を構えた一人の兵士だった。
ボロボロのアーマー。ひび割れたヘルメット。自分と同じくらいの、いや、下手をしたらそれ以上の傷を負った兵士。
しかし、その姿からは怯えや恐怖は一切伝わらない。伝わってくるのは、圧倒的な闘志。
兵士が一歩一歩近付いてくるごとに、身から漏れ出す禍禍しいほどのオーラが周りの空気を重くて冷たいものへと変えていく
兵士は、ノーヴェに背を向け、蟻の群れを真っ直ぐに見据えた。
きっとその視線には人を睨み殺せるくらいの殺気が含まれていることだろう。
ノーヴェの額を、つぅっと冷や汗が流れ落ちた。
「だ、誰だお前は。管理局の生き残りか?」
闘志と覇気に満ちた背中に向かってノーヴェが問う。
「かんりきょく? 残念ながらハズレだ。俺は……」
兵士はレバーを引き、銃から薬莢を排出しながら答えた。
「……連合地球軍陸戦歩兵部隊日本支部所属、特殊遊撃隊『ストームチーム』一番隊隊長……」
そして『彼』は――
「……『ストーム1』だ」
――静かに自分の名を告げた。
To be Continued. "mission3『傷だらけの英雄』"
キターーーーー!!!!
GJ!
次元世界最強の兵士キター!
ストーム1キター、待ってましたぁぁぁ!!
てかやっぱアリ共怖ぇ。淡々と物量にまかせて襲ってくるさまは恐怖だ。
>>379 投下終了です。
次回はストーム1の第二装備も使用する予定です。
あと蛇足ですが、SS中の敵の強さは難易度『INFERNO』時の強さを参考にしているので
なのは達が負けたりストーム1が苦戦したりしてもしかたないと思ってください。
続きは次の月曜辺りに投下しま
世界最強の男キターーーー!!!!!
インフェルノは地獄でしょう流石に。
しかしストーム1かっけー!
>>383 げぇええ!おいおいINFERNOっておじいちゃんどころじゃねーぞ!
ミッドチルダもスカも管理局も終了のお知らせじゃねーか!
ストーム1が最後の希望だぜ!
皆様GJです。
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
ライダーの現物を見て喜ぶギンガが微笑ましく思えました。
>>なのは×錬金氏
海鳴市が凄い事になっていますね。元には戻せるのでしょうか?
>>リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2氏
ノーナンバーが最後は浄解されずに爆発したと言うのは敵ながら可哀想に思えました
>>リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY氏
色んな立場の人が入り乱れたドラマになりそうですね?
>>白き異界の魔王氏
弾頭が人とか、逃げたとかその辺かなり吹きました
>>322 ◆tRpcQgyEvU氏
THE地球防衛軍は1&2しかプレイしてませんが、
ストーム1の渋格好良さに惹かれました。
私は時間を取って0:15〜0:30あたりに投下したいと思いますが、
他に投下予定の片はいらっしゃいますか?
>>383 386
それは私も思いましたが、やっぱり敵は強くないと面白くないのでそのままいこうと思います。
なのは三期の不満の一つがそれでもあるので。
>>386 逆に考えるんだ。
フォーリナー襲来→全勢力共闘フラグ、とそう考えるんだ。
いやまじめな話、奴らを相手に足の引っ張り合いなんかしてたら滅亡まっしぐらですから。
白き異界の魔王GJですwwww
これぞきくたけ!これぞ柊蓮司です!
柊蓮司サーガは終わらないw
ありとあらゆるものを下げるヤツの力は弾頭以外にも発揮されるのでしょうか?ww
GJ!
この一言しかない
>>387 スクリーム氏が曖昧な予約を入れてますが
先に投下してもOKでしょう
『投下した』なら使ってよし!
INFまでくると強い武器持ってても力押しだけじゃ通用しないんだよな……
>>391 OKです。
なら自分は投下を明日に延期する事にします。
白き異界の魔王氏GJ!!
今回のでアンゼロットの権力の及ばないミッドチルダへの柊の移住フラグが立った気がする。
次元航行艦を個人所有だから提督コースかな?それとも六課に貸与して生活費に充てるのかな。
ちなみに、レーヴァテインはロストロギアではないはず。
>>383 ヒロインのピンチにはヒーローが駆けつける・・何か王道を感じるなぁ・・
そういえば、ストーム1の第二の武器ってなんですか?
AF99・AF100ですか?それともスティングレイMFですか?
姉の動画に侵食汚染された私がスタンピードMXを推しておきます。爆殺爆殺ゥ!
おじいちゃんの俺はクレイモアがいいな
ジェノサイドは無いんだったよね
雑談スレで つ づ け な い か
さて、十二話Bパートが出来ました。
短いですが鬼戦士たちの活躍が詰まってると思います。
投下おk?
ストーム1かっけーぇぇぇぇ! ! !
INFERNOの蟻は恐怖だよなあ・・・
第十二話「ナンバーズ」Aパート
【地下水路】
地下水路では新人達とルーテシア達との戦闘が続いていた。
ルーテシアと彼女の騎士・ガリュー、烈火の剣精・アギトの力は凄まじく、新人達を瞬く間に追い詰めていく。
屈強の戦士であるアナザーアギトも、新人達を守りながらの戦いに悪戦苦闘していた。
アナザーアギト「チッ…奴ら、強いな…」
エリオ「すみません、僕達がもっと強ければ…」
アナザーアギト「謝るな、今は目先の敵に集中しろ!」
エリオ「はい!」
スバル「ティア…どうする?」
ティア「任務はあくまで、ケースの確保よ。撤退しながら引き付ける!」
スバル「こっちに向ってるヴィータ副隊長とリィン曹長に上手く合流できれば、あの子達も止められるかも・・・だよね?」
ティア「そう!」
ヴィータ「「よし!なかなかいいぞ、スバルにティアナ!」」
四人にヴィータからの思念通話が送られた。
スバル&ティア「ヴィータ副隊長!!」
リィン「「私も一緒です。二人とも、状況をちゃんと読んだ、ナイス判断ですよ!」」
エリオ「副隊長、リィン曹長、今どちらに?」
アギト「っ!ルールー!何か近づいて来てる!……魔力反応、でっけぇ!!」
ヴィータ「アイゼン!」
アイゼン「Gigantform」
グラーフアイゼンはギガントフォームに変形する。
ヴィータ「うおりゃああああああ!!」
そして天井の壁を破壊し、ルーテシア達の前に出現した。
アギト「な!?」
ヴィータ「リィン!」
リィン「捕らえよ!凍てつく足枷!!…フリーレン、フェッセルン!!」
リィンはフリーレンフェッセルンを使い、アギトとルーテシアを凍らせる。
ヴィータ「止めえぇぇぇぇえ!!」
そして最後にヴィータがガリューを叩き、敵戦力を完全に沈黙させた。
ヴィータ「おう、待たせたな。」
リィン「皆無事でよかったです!」
スバル「…副隊長たち…や、やっぱ強〜い。でも、局員が公共施設を壊しちゃっていいのかな?」
ティア「まぁ…この辺はもう、近くの廃棄都市区画だし…」
ヴィータ「…!?」
突然、地鳴りが響いた。
ヴィータ「これは…街の方が震源か!?」
【サードアヴィニューム市街地】
なのは「これは…」
フェイト「そんな…」
はやて「嘘やろ…」
パンチホッパー「マジかよ…」
キックホッパー「ハァ…」
市街地には、ツチグモ、ウブメ、バケガニの三体の魔化魍が突如出現し、町を破壊しまわっていた。
先ほどの地鳴りの正体はこれであった。
なのは「なんでこんな所に魔化魍が…」
パンチホッパー「俺、オロチの時しか見たことないけど、あれって地球にしか居ないんだろ!?なんでなんだよ兄貴!?」
キックホッパー「知らねぇよ。」
パンチホッパー「そ…そんな淡白な…」
フェイト「でも不味いよ、魔化魍は音撃じゃなきゃ倒せないんだよ!このままじゃ…」
はやて「とにかく戦うしかあらへん!」
パンチホッパー「ちくしょお、ヒビキさん達が入れば…」
………
ヒビキ「ハッックシュン!」
キョウキ「ヒビキさん、こんな時にくしゃみなんかしないで下さいよ…」
ヒビキ「はは、悪い悪い。しっかし、まさか旅行に来てまで出くわすとはねぇ…」
ヒビキは魔化魍達を見ながらそう呟く。
イブキ「まさかミッドチルダにまで…」
トドロキ「あいつら、一体なんで…」
ヒビキ「…!?、来るぞ!」
キョウキ「え?」
地中から魔化魍・コダマが出現した。
イブキ「コダマ!?」
トドロキ「こんな時に!」
キョウキ「三人は行ってください!こいつは俺がやります!」
ヒビキ「任せていいか?」
キョウキ「もちろんです!あの甘ちゃん達を助けに行ってください!」
ヒビキ「お前がそれを言うなよ…まぁ良い、トド!イブキ!行くぞ!!」
イブキ&トドロキ「はい!」
三人はそれぞれの武器を持ち、なのは達の元に向かった。
キョウキ「よし…!」
キョウキは変身音叉を取り出し、指で音叉を弾き、それを額に掲げる。
すると、キョウキの体が白銀の炎に包まれた。
強鬼「ハァ!!」
そしてキョウキはその炎を払い、仮面ライダー強鬼に変身した。
強鬼「音叉剣!」
強鬼は音叉を鳴刀・音叉剣に変化させ、刃をコダマに向けて叫んだ。
強鬼「最初に言っておく、俺はかーなーり強い!」
………
三人とダブルホッパーは魔化魍と戦いを続けていた。
だが、やはり魔化魍に五人の攻撃は通用せず、苦戦を強いられていた。
パンチホッパー「やっぱり効かない!」
なのは「あきらめないで!きっと何か…は!?」
フェイト「なのは!?」
ツチグモの糸がなのはを捕らえる。
そしてツチグモはそのまま糸を高速で戻しながらなのはを口に運んでいった。
なのは「きゃああああああああ!!」
フェイト「なのはあぁぁぁぁあ!」
パンチホッパー「兄貴!クロックアップを…」
キックホッパー「今からじゃ間に合わない!」
はやて「なのはちゃん!?」
なのは「もう駄目…五代さん…ユーノ君…!」
なのはが何もかも諦めたその時、一発の火球が飛来し、ツチグモの糸を焼き切った。
なのは「え!?」
なのはは驚いて火球が飛んできた方向を振り向く。
そしてそこには…
ヒビキ「久しぶりだな、魔法少女一号!」
なのは「ヒビキさん!」
イブキ「フェイトちゃんも久しぶり!」
フェイト「イブキさん!」
トドロキ「はやてちゃん!元気だったっスか?」
はやて「トドロキさん!」
ヒビキ「やさぐれ二人組みも元気そうだな。」
パンチホッパー「助かったよ!」
キックホッパー「なんであんたらがここに居るんだ?」
ヒビキ「詳しくは後で話すよ。それより、こいつら俺達に任せてくれないかな?」
はやて「もちろんや!」
ヒビキ「よっしゃ、二人とも、行くぜ!」
イブキ&トドロキ「はい!」
ヒビキは変身音叉・音角を鳴らし、イブキは変身鬼笛・音笛を吹き鳴らし、トドロキは変身鬼弦・音錠を弾き鳴らす。
そしてヒビキの身体は紫の炎に、イブキの体は疾風に、トドロキの体は雷鳴に体を包まれた。
響鬼「ハァ!」
威吹鬼「ハッ!」
轟鬼「オリャ!」
三人はそれぞれ仮面ライダー響鬼、仮面ライダー威吹鬼、仮面ライダー轟鬼に変身した。
響鬼「じゃあ、行きますか!」
威吹鬼「はい!」
轟鬼「ザンキさん!見ててくださいね!」
【響く鬼-叩く魂-】
(BGM・極めれば音撃!)
響鬼「じゃあ、行きますか!」
〔燃え上がる(ドンドドーン)炎をまとい(ドンドドーン) 現れる(ドンドドーン)烈火の戦士(ドンドドドーン)〕
響鬼は烈火剣を構え、ツチグモに立ち向かっていく。
ツチグモも負けじと糸を吐いて響鬼を攻撃する。
〔この先に(ドンドドーン)進むなら(ドンドドーン)〕
響鬼「なんの!つあぁぁぁぁぁぁあ!」
響鬼は糸を烈火剣で切り払っていき、ツチグモに接近し、前足を切り落とした。
ツチグモ「ギャアアアアアアス!」
響鬼「よし!仕上げと行きますか!」
響鬼はツチグモの背中に飛び乗り、音撃鼓・火炎鼓を貼り付けた。
〔相手は俺だ 一網打尽〕
響鬼「音撃打・一気火勢の型!」
響鬼は音撃棒・烈火を構え、火炎鼓を叩き始めた。
〔叩き込め ドンドンドーン 清めの音が 大地に響き〕
響鬼「はぁ!はあぁ!つあぁぁぁぁぁあ!!」
〔強くなる ドンドンドーン 邪悪の化身 打ち砕く〕
ツチグモは響鬼の音撃を喰らい、土くれになって消滅した。
響鬼「一丁上がりっと…」
【息吹く鬼-叫ぶ風-】
威吹鬼「僕が、相手になるよ。」
〔巻き起こる(パンパパーン)風を集めて(パンパパーン) 現れる(パンパパーン) 烈風の戦士(パンパパンパーン)〕
威吹鬼は空から襲い来るウブメに音撃菅・烈風を使い、銃撃を打ち込んでいく。
〔静寂を(パンパパーン)切り裂いて(パンパパーン)〕
威吹鬼「そろそろかな…!」
威吹鬼はウブメが弱ってきたのを確認するとウブメに鬼石を撃ち込み、烈風に音撃鳴・鳴風を合体させ、音撃モードに変形させる。
〔吹き込む音色 百発百中〕
威吹鬼「音撃射・疾風一閃!」
威吹鬼は烈風を吹き鳴らした。
〔突き刺され パンパンパーン 最期を飾る 合図になるさ〕
威吹鬼「…………!!」
〔駆け抜ける パンパンパーン 汚れの森を 浄化する〕
ウブメの体に撃ち込んだ鬼石は体内で暴発し、ウブメを土くれに還した。
威吹鬼「ふう…」
【轟く鬼-かき鳴らす戦士-】
轟鬼「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
〔雷の(ギュンギュギューン)光を浴びて(ギュンギュギューン) 現れる(ギュンギュギューン)
烈雷の戦士(ギュンギュギュンギューン)〕
轟鬼はバケガニの大きな鋏をかわし、音撃弦・烈雷を使って鋏を切り落とす。
〔何人も(ギュンギュギューン)許さない(ギュンギュギューン)〕
轟鬼「うりゃぁぁぁぁぁあ!!」
バケガニの武器を奪った轟鬼はバケガニの背中に飛び乗り、烈雷を突き刺す。
そして烈雷に音撃震・雷轟をセットし、音撃モードに切り替えた。
〔平和を壊す 魑魅魍魎〕
轟鬼「音撃斬・雷電激震!!」
轟鬼は烈雷をかき鳴らした。
力強い音がバケガニに直撃する。
〔動き出せ ギュンギュンギューン かき鳴らす音 空に轟く〕
轟鬼「セイ!ディヤ!ハァ!ウリャァァァァア!!」
〔この誇り ギュンギュンギューン 胸に受け継ぎ 立ち向かう〕
バケガニはその威力に耐えることが出来る筈もなく、土くれとなって消滅した。
轟鬼「よっしゃ!ザンキさん見てくれましたか!」
〔炎の如く ドンドドン 疾風の如く パンパパーン 雷の如く ギュンギュンギュン
ドンドドンパッパッパギュンギュン!〕
(曲終了)
響鬼「おいトド。」
轟鬼「はい?」
響鬼「そろそろザンキさんは止めたほうが良いんじゃないか?」
轟鬼「ええ!?」
支援します
投下終了です。
短すぎですね…
でもこの後に中将出しちゃうのも空気が読めないのでここで切りました。
今回は三段構成になるかも…
ちなみにキョウキのあれは言わせたかっただけです(笑)
GJ!!
なのはが五代さんの名前を・・・w
乙!
ただクロックアップで間に合わないってことはないと思うぞ?
ほぼ止まってるようなもんなんだから
まあそういう演出なら仕方ないけど・・・
>>413 スラップスイッチを叩く間って言っても一瞬じゃない?
それこそ兄貴がもう間に合わないとか言ってる暇があれば叩けると思うんだけど・・・
さらにそれに火が飛んでくるまでの速度を考えると、十分間に合った気がする
あと響鬼登場シーンとしてはかっこいいけど、19歳なのはの口から「もう駄目」とか出るのはなんか似合わないような・・・
ダブルホッパーのあのセリフはいらないんじゃない?
まああんまり言うと批判になっちゃいそうだし、面白いのは面白かったからこれ以上は言わないけど・・・
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
京介…否…キョウキ、ゼロノスと被っちゃう。
もしかしたらやる人いるんじゃないかとは思いましたが…。
魔化魍までが出現したという事は…。
童子と姫に似たあの男女もスカリエッティと結託してるんですか?
チビアギトとライダーアギトが同じ名を持つのには何か意味ってあるのかなぁ…?
417 :
マスカレード:2007/09/17(月) 01:35:03 ID:BPu8DSCo
GJです!
毎回読んではいますがなかなかコメントのタイミングが合わなくて……(汗)
毎度ながらライダー&なのは達の共演は熱いですね!
そして鬼戦士の活躍もまた熱い!
私も見習いたいですよ……
>>414 正直TV本編でもクロックアップやハイパークロックアップの速度設定は
曖昧と言うか、規則性が無かったので、こういうのもアリかと思いますよ
自分も新シャアのSSでクロスキャラの登場の為にはやてをピンチにさせちゃったことがあるので……
あと、マスカレードはしばらく更新遅れそうかもです……
その間、比較的サクッと書けるなの☆すたに逃げるかもしれませんが……(爆)
>>410 GJでした。
強鬼のあのセリフ、実は言ってもらいたかったんです。
強鬼自体オリジナルなライダーだから、今後も継続してもアリだと思います。
そして響鬼達の音撃最高でした。
ただ、今回 2点程突っ込ませてください。
1点目、既に上がってますが、地獄兄弟のクロックアップは、やはり間に合うと思います。
スラップスイッチを入れれば済むことだし、さらにサソード以降に開発されてるので、音声入力だけでクロックアップできる可能性があるので、あれは過剰演出かも…
2点目は轟鬼VSバケガニについてです。
今回轟鬼はバケガニの背中に乗って音撃斬を放っていますが、バケガニは背中から溶解する泡を吹きます。
(響鬼さんも背中から攻めたためにバケガニに初戦は破れました)
セオリーでいくと、バケガニの腹から音撃斬が正解だと思います。
生意気にも突っ込んでしまいましたが、今回も楽しませてもらいました。
次回も楽しみにしています。
うーん、やっぱりクロックアップ関連については批判が来たか…
カブト…というか仮面ライダーシリーズは色々ツッコミ所多いからこういうのあっても良かったと思うんですが…
後ゲームとかではクロックアップってそんなに速くないですし
。
>>418 その筈なんですけど実はオロチ時にザンキさんはバケガニの背中に乗って音撃斬・雷電斬震を使ってるんですよ。
だから今回もトドロキを背中に乗せました。
最近、戦闘モノが多いので考えた
中華一番とか、華麗なる食卓とか料理モノのクロスは如何かと……
まぁ、いまだ構想段階なのですがw
昨日は諸事情により投下できず…orz
二十五話観ましたよ。
う〜む。
ドラゴンボールGTしかり
トランスフォーマーザ☆ヘッドマスターズしかり
アニメの三期って面白くてもこれまでの作品と比べるとどうよ?ってな
かんじの作品が多い希ガス…。
いつのまに時空管理局はνガンダムの技術を手に入れたのか。
クアットロのあれは絶対に死んでると思うんだ、よくて精神崩壊あたり
まぁレイジングハートなどAIの性能が凄いから、ビットなど簡単に作れるさ。
クアットロは、死んだかもね。壁貫通って殺傷設定だろうから。
AMF全開にされた場所へ勇者が救出ってのも良いかな。
一応、救援活動もGGGのお仕事。
ヒロイックエイジ見たけど、作画が崩れない…なのに人気が無い(;ω;)
凄くSFしてるのになぁ(SS書けと言われても、書く力が無い)
バケガニでも、背中の毒液を持つ個体と持たない個体がいるそうですので、
(マカモウは同じ種でも育った環境で、色、サイズ、微妙な形や能力が違うそうです)
今回とオロチのときは毒液が無い固体だったんじゃないですかね
テスト
>>423 まあ今期はロボットアニメ山程あったけど、正直グレンラガンが凄すぎて他が全部霞む感じ
最終回の展開次第ではグレンラガンのやつ書いてみようかと思ってる俺
429 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/17(月) 14:43:12 ID:WR8vQdCM
新作が放送中のミュータント・タートルズとのクロスを考えてみようと思った。
フット団との戦闘中の事故でタートルズがミッドチルダに飛ばされ、なのは本編
の地下道の戦闘の時にスバル達と遭遇。機動六課で保護される事になる。
一方、同じくミッドに飛ばされたシュレッダー達はスカリエッティと手を組んで
六課とタートルズの前に立ちはだかる。タートルズ達の武器がデバイスになったり、
戦闘中にギャグを言ったり、頻繁にピザが出てきたり、シュレッダーがナンバーズ
にバカにされたり、スカリエッティがクランゲにスカちゃん呼ばわりされたり……
……何か、まとめる事が出来なさそう。
ちなみに、今米国で放送中の最新シリーズでは、タートルズが99年後の世界に
タイムスリップしてエイプリルの孫と一緒に戦うストーリーなんだが、武器が妙
にデバイスっぽいデザインなんだよ。
あえていおう、アレはビットではない!ドラグーンなんだよ!
なぜならば・・なのははニュータイプじゃないからだよ!!
>>431 醤を出すとなると、凄いことになりそうだなwww
手段選ばないし、毒舌だしwww
けど、面白そうだ
EDFキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
INFの敵さんは破滅の予言ってレベルじゃねーぞw
ただでさえ質より量なのに、その質が半端なくなるww
クアットロさん原型が残ってるだけでも凄いなぁ。
ようやく出来たので夜にでも投下します。
>>430 ここであえて言ってみる。
NT=ナノハ・タカマチ
……別に同でもいいが
ライオコンボイ(ライオタイフーン)とビッグコンボイ(ビッグキャノンフル出力)のタッグってリリカルなのはで言ったら誰と誰のタッグに匹敵するかな?
なのはさんレイジングバルディッシュ二刀流*2
和製作品に登場したトランスフォーマーって基本的に
米国製とかカナダ製のトランスフォーマーないしビーストウォーズのキャラより強いんですよね。
ゴッドジンライとかビッグコンボイとか。
リリカル鬼武者とリリカルスクリームが同時に書き終わったんで
まずは短めのリリカルスクリームの方からあと十分ぐらいしたら投下したいんですが
おkでしょうか。
リリカル鬼武者の方は様子を見て今日の十時〜十一時かあるいは明日の午後にする予定。
「新顔なもので挨拶にと思いまして…。私はジャミングワスプ4…。
以後、お見知りおきを。特にあなたにはね…。」
「質問してるのはこっち。答えて欲しいんだけど?」
クアットロはいかにも不愉快そうな声で問い詰めた。
「心拍数が上がってますよ?それにカリカリしちゃってどうしたんですかぁ〜?
ひょっとして動揺してるとか?ナンバーズの知恵袋にして故・ドクタースカリエッティの元右腕、
クアットロともあろうものが…情けないですねえ〜。」
「私が動揺?ふざけた事言わないでくれる?」
「…お前の正体が読めたぞ。ナンバーズは一時的にせよデストロンの基地に保管されていたんだ。
その時奴等は君たちのコピーをとった。恐らく人格もISもなにからなにまでね。
そしてそれをトランスフォーマーのボディに移し変えたって訳だ!」
「ピンポーン。大正解!」
しばらく考え込み核心に行き当たったツインキャストの声に鬱陶しくかつ甘ったるい拍手しながら
声をあげるジャミングワスプ4。
「とうことはこいつだけと言う事は無いはず。他の五体も…?」
「その通り!」
戦闘機とヘリコプターが海上より飛来して変形。レイシーガル8とマッハインパルス3に変形。
さらにロケットランチャー搭載型ジープをスキャンしていたスラッシュファイバー7と
ストライカー装輪装甲車…ランドライナー9も変形。
さらに雲の上から現れたステルス機が変形、ブリッツテクター1も現れた。
「こいつら全員私達のコピーだってのか!」
驚いた声で叫ぶノーヴェ。
「コピーだと?言葉に気を付けろよ未完成品。私達をお前らみたいな
役立たずのダメダメ軍団と一緒にすんな!」
ランドライナー9がノーヴェそっくりな声で怒鳴る。
「能力と人格はコピー出来ても魂までは完全にコピー出来ないはず。
君たちは自分を完璧な存在だと思ってるようだがそれは間違いってもんだぜ。」
「その減らず口…いつまで叩けますかねえ?」
スプラングの軽口にマッハインパルス3がインパルスブレードを起動しつつ応答する。
「サイバトロンがうようよ居るぞ!ものども攻撃用意!」
「ゲッゲッゲッゲッゲッ!」
タートラー以下海の生物をモチーフにした醜いモンスターを
象った量産型トランスフォーマー軍団・シーコンズも集まってきた。
ナンバーフォースとサイバトロンの戦いの火蓋がいまにも切って落とされようとしていたその頃。
「ナンバーフォースも完成したしこれで我がデストロンとサイバトロンどもの戦力差はより開いた訳だな。」
ところで今、投下されてるシリーズ物って何作あるの?
むむむ、支援せざる得ない
オクトーンがナンバーズ・サイバトロン連合軍と対峙する
ナンバーフォースをモニターで見物しつつほくそえんだ。
確かにナンバーフォースが現れ、数でも圧倒的に劣る管理局とサイバトロン連合は
このままではかなり不利な戦いを強いられる事になろう。
しかしその時
「な…何が起こった?」
ギガストームの船体がズシリと揺れた。
「隔壁に穴が開けられたんダナ!あの妙な人間の砲撃なんだぞ!
このままじゃ中に侵入されるんダナ!」
なのはの砲撃だ。
「上手い事穴が開いたでござる。流石でござるななのは殿。」
ジェット機形態のシックスショットが同じくジェット機に変形する
グレートショット、ソニックボンバー、ブレインストームを従えて言った。
「よし、突入しよう。」
「クロノ…怪我が完全に治ったとはまだ言えないんだから…。」
「そう甘くみてもらっては困るな。」
心配するフェイトに力強く答えながら先頭に立っているのはクロノである。
その後ろに続くのはなのは、シグナム、フェイト、
そしてはやての四人だ。
「あいつら船体の中に入りやがったぞ。」
「スキャニングルームに侵入されたんダナ。」
ギガストームが告げる。
スキャニングルームとはトランスフォーマーにメカのデータを読み込ませて
新しい姿を与える場所の事だ。単独で基地として行動出来るように作られた
ギガストームの内部にも作られている。
「スキャニングルームだって?よーし、おいギガストーム。奴らのデバイスに
データを読み込ませろ。なんでもいいから容量のデカい奴をだ…上手くいけば
あいつらが使ってるデバイスとかい兵器をまとめて潰せる。」
ほくそ笑むオクトーン。容量の大きいデータを強制的に送ってデバイスを使用不能にする。
つまりこんにちインターネットの掲示板などで跋扈しているトラップ・ブラウザクラッシャーなどと
おなじ原理の攻撃という訳だ。
「ここは何のための部屋なんだろう?」
巨大なパラボラアンテナにも見える何基ものスキャニングシステムを前にフェイトが呟いた。
しかしその時!
「隔壁が閉じた!?図られたか!これは罠だ!」
音を建てて分厚い隔壁が閉じられた。
シグナムが叫ぶのと同時に彼らを取り囲むスキャニングシステムが一斉に唸りを挙げた。
「いいぞいいぞ!どんどんデータを送り込むんだ。スキャニングシステムが壊れたって構うものか。
奴らを潰せれば安いものだ。」
オクトーンが笑い声をあげた。
許容範囲を超えるデータの受信にレイジングハートやバルディッシュが悲鳴を挙げる。
さらにデバイスと直結してそのデータが体の中に流れ込むクロノ達も苦しげに呻く。
だがここでなのは達はもとよりオクトーン達も予想だにしない出来事が起こってしまうのだ。
スキャニングシステムから飛び出したドリルタンクの形をした
「デストロン機甲部隊司令官二代目ガルバトロン」のスパーク。
さらに黒い体色のドラゴンの姿をした「5代目破壊大帝デスザラス」のスパーク。二つのスパークは
それぞれレイジングハートとバルディッシュと合体するように入り込んでいく。
同様にクロノのデュランダルには薄紫色にオレンジ色の砲身をした移動砲台…
「二代目破壊大帝初代ガルバトロン」のスパークが。
レヴァンティンにはティラノサウルスの姿をした
「ガイスターズ海賊頭領ダイノガイスト」のスパークが。
そしてはやての蒼天の書にはジェット機と戦車の姿をした
「破壊大使オーバーロード」のスパークが。次々と入力されていった。≪ArmerGiar Set up≫
そしてレイジングハートを初めとするデバイスはそれらのデータをアップデートプログラムと認識し、
そのデータの内容に従って今現在自分たちに組み込まれている
システムを作り変えて言ったのである。やがて収まっていく光。そこに居たのは…
そこにいたのは?支援
まずなのはから見てみよう。ピンク色ないし金色の増加装甲がバリアジャケットの各部に装着され、
膝の辺りには「ガルバガトリング」が。さらに両手の甲の辺りには黄金色の
巨大なドリルを縦に割ったような形の武器が装備されている。
さらにそれ以外にも増加装甲とともに装着されたと思われる
ランチャーやビーム砲などの武器が各部に装着されていた。
レイジングハートは「ガルバアックス」というかつて
二代目ガルバトロンが使っていた武器と同じ形に変形している。
フェイトはバリアジャケットのデザインからして変わっている。
具体的には黒と赤を基調にしていた物が黒と白の外套のような形状のものに変わっている。
その各部には黒と金色を基調とした火器を内臓した増加装甲が胸に集中して装着されていた。
クロノのバリアジャケットには元々の色に合わせて黒い増加装甲が…
これにもやはり各部に火器が配されている。
目を惹くのは右腕の部分に装着されたビーム砲「SFガン」だ。
次にはやて。騎士甲冑の左腕の部分には黒いジェット機の機首を取り外したような武器「メガチャイルド」が。
腰の辺りには六連装のロケットランチャー「超魂ボルトマスター」と二連装のビームマシンガン
「超魂デーモンブラスト」が内臓された紺色の増加装甲が。
さらに肩には白い装甲が装着されている。
シグナムはこれもやはり各部に火器を内臓した黒い増加装甲が各部に装着され
全体的にこれまでの洋風のデザインから和風の意匠が濃いデザインになっている。
さらに右腕に髑髏をあしらった盾。背中には黒いマント。
敢えて表現すれば戦国時代に日本や台湾などに出没した言われ
外国製の鎧や武器を使った事で恐れられた海賊に近い姿だ。
いずれも質量兵器の使用を禁ずる時空管理局の原則なんぞそこ退けと言わんばかりの重武装。
「どういうことだ…?ま、まさか…歴代のデストロンのスパークのコピー…」
「あれと融合したっていうのか?まさかありえないんだぞそんな事は!」
マトリクスに司令官のスパークが取り込まれ蓄積されていくサイバトロンとは違い
デストロンは新たなリーダーが生まれる度に
そのスパークの思考パターン・戦闘データなどをコピーして
別のスパークとして抜き出し保管するというのが慣例となっていた。
デストロン本部からスーパースタースクリーム達が持ち出したそのスパークのコピーが
ギガストームによって無差別に送信された無意味なデータと混じって
なのは達のデバイスに偶然送信され、結果として融合してしまったのである。
ここまでで。
最後に投下した部分のラスト六行の設定は公式設定じゃないです。
「デストロン機甲部隊司令官二代目ガルバトロン」はビーストUのあの人
「ガイスターズ海賊頭領ダイノガイスト」は勇者エクスカイザーのキャラ。
担当声優は飯塚昭三氏。
「破壊大使オーバーロード」は超神マスターフォースのころの破壊大使。
担当声優は野田圭一氏。
「二代目破壊大帝初代ガルバトロン」はザ・ムービー〜ヘッドマスターズの頃の
破壊大帝。担当声優は加藤精三氏。
「5代目破壊大帝デスザラス」はトランスフォーマーVの頃の破壊大帝。
担当声優はまるこのじーちゃんこと青野武氏。
おおおお?
なんという新展開
>>423 人手不足なんだし無人機作ったらよくね?あれ傀儡兵があるじゃん?
さて、話をぶった切って投下よろしいですかね?
GOGO!
火照った身体に夜風が心地よい。
灼熱地獄からどうにかこうにか這い出してきた彼は、ふと空を見上げる。
月だ。
自分の知るものと寸分違わぬ、淡い燐光を闇夜に示す円。
安堵しかけて、
―――ちょっと待てよ
気付いた。
間違いであって欲しいという願いを込めて再度天を見上げる。
ああ、そんなに要らないのに。
――――――果たして月と言う物は二つもあったのだろうか?
リリカル.exe 第二話
それはミッドチルダのどこか。深い深い闇の底。機械の起こす、獣の唸り声にも似た重く低い音が充満するそこに、蛍火のような灯りが一つ。写し出されるのは、二つの人影。
大柄な壮年の男と、幾分か禿げ上がった白髪の老人だ。壮年の男は目を伏せたまま微動だにしない。寝ているわけではなく、瞑目といったほうが正しい。
老人は空間に浮かぶコンソールを一心に叩いている。接続先は、一つのデバイス。槍にも似たポールウェポン――――――壮年の男の持ち物である。
何も知らぬ一般人が見たとしても速いと感じられるほどの速度で、老人はその槍の調整を行っているのだ。
無音。
静寂が淀み、澱み、どこまでも積み重なっていく。
「―――――――――――」
声を発するものは居ない。
次々と空間に走るデータの羅列へと視線を送りつつ、老人がただただタイプを続けるだけ。
時間の感覚が麻痺してしまいそうな光景。何分か、何十分か、それとも何時間か経った頃か。
―――――――――――静寂を破るコール。
不愉快極まりない表情で眉を上げた老人は、しかし作業を中断する事も無くそれを無視。こんな時間に連絡を取ってくる者など分かりきっているからである。
と、瞑目していた壮年の男が目を開く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・出ないのか」
「フン、こんな夜中に連絡してくるヤツなど決まっておるじゃろう。あんな奴と話したところで一文の得にもならんわ。・・・・・・・・・それよりゼスト、調整が終わったぞ」
「そうか。・・・・・・いつもすまんな、ワイリー」
小気味いい電子音と共にデバイスとコンソールをつないでいたバイパスが外れる。ゼストと呼ばれた男はそのデバイスを手に取ると、試し振りを数回。大気を裂く鋭利な音が鳴った。
ワイリーと呼ばれた老人はわずかに眉尻を下げ、しかしそれも一瞬。尊大さと妄執を足して二で割ったような表情に戻ると、淡々と言う。
「阿呆、お前のデバイスを弄るようになって何年経ったと思っておる。そのデバイスの事ならお前や開発者よりもよく知っておるわい」
「・・・・・・・・それもそうか。月日が経つのは早いものだ・・・・・・・・・・・もっとも、俺の中の時間は既に止まってしまっているが」
「一々面倒な奴じゃな。何のためにワシがあの変態科学者とわざわざ手を組んだと思っておる。さっさとあのレリックとやらを回収して嬢の・・・・・・・・・」
―――――――――――またもコールが響く。
大きな舌打ちを一つ、ワイリーはコンソールを叩く。無数に展開されていたスクリーンが掻き消え、後に残るのはたった一つの大きめなもの。
「ゼスト、お前はそのデバイスの試運転に行ってこい。あんなのと話しておったら余計にお前の命が縮まる気がするのでな」
「・・・・・・・・・・・・・・そうか、それでは行ってこよう。何かあったならすぐに連絡をくれ」
背を向けたままワイリーは答えない。さっさと行け、といわんばかりの態度だ。が、ゼストはそれに気を害する事も無く歩を進める。相変わらず感情が読めない表情のまま、その姿は外へと消えていった。
息を吐くと、ワイリーはうんざりしたような表情で点滅しているパネルを叩く。
●
数刻後。
―――――空調の効いた部屋。机があり、ソファがあり、まともな空気のある場所だ。
腰を下ろしたロックマン.exeの対面には同じようにソファに腰掛けた、制服姿の茶のショートカットの女性―――――八神はやてがいる。
机には広げられた資料――――紙、データファイルなど様々――――が散らばっており、ここに来てからそれなりの時間が経っている事が分かる。
「・・・・・・・・ええと、とりあえず今のロック君の状況なんやけどな」
いきなり人の名前を短縮しますか、などと突っ込む人は居ない。開幕の問答で「ロック君でええ?」と聞いてきたからロックマンは二つ返事でOKしただけである。
はやては続ける。
「次元漂流者・・・・・・・・・・・・簡単に言えば世界単位の迷子、ってことなんよ」
「迷子、ですか?」
「そ。たまーにあることなんやけどな、大規模な次元震とか巨大なエネルギーの暴走とかそんな感じのに巻き込まれたときに、何らかの作用が起こって次元世界を移動してしまった人の事を言うんや。
まあ、モノとかそーゆうのもあるんやけど、全部ひっくるめてそういうのを保護するのがウチ等――――――時空管理局の仕事やから安心してな」
一息。
「・・・・・・でな、なんで迷子って言われとるかはちょっとした事情があってな。次元世界ってのはそりゃもうぎょーさんあってな、転送だけならぱぱっと済むんやけど、その中から少ない情報で一つの世界を探すのは結構
難しいんよ。あ、難しい言うても調べきれへんってわけやなくてな、絞り込むのに必要な情報が漂流者本人からしか得られへんから時間がかかる、ってことなんやけど」
「・・・・・・・・つまりすぐには帰れないってことですか?」
「御免な、こればっかりはウチが発破かけてもどーにも出来へんのよ」
そう言ってふう、とため息をつくはやて。ロックマンの目には何故かそれが連日徹夜の後ようやく家に帰ってきた多忙な父親とダブって見えた。
――――――まさかこの年でハードワーカーなのかな
時空管理局は実力主義。二十歳以下のまだ少年少女と言っても差し支えの無いような年齢のものであっても、有能であれば迷わず教官クラスに任命する事もあるという。
その点で言えばロックマンの世界のオフィシャル―――――とは言っても該当するのはあの伊集院炎山くらいなものだが―――――と似ているのかもしれない。通常警察とは一線を越した戦力を持ち、有事の際には被害を抑えるべく
惜しみなく戦力をつぎ込む。犯罪者達の取引の妨害、摘発。その他にも、要請を受ければ警護なども行う。
使うものが魔法かネットナビか、その違いがあるだけだ。
もっともオフィシャルは非常に門戸が狭く、魔導師で無い人間でも役職に就くことの出来る管理局と違って精鋭のみが集まっているという点があるのだがそこはあえて無視をしておく。
人海戦術というのは非常に有効なものであるし、何より一人一人の負担を減らす事が出来るのは良いことだからだ。。
閑話休題。
とりあえずロックマンは出された冷たい茶を飲み、落ち着いたところで口を開く。
「あの、一つ聞きたいんですけど、帰るまでの間僕はどうすればいいんでしょうか?」
「衣食住の心配はせーへんでええよ。遠足は帰るまでが遠足、うち等は保護したものを無事に帰すまでが仕事やからな。・・・・・・・・時々ここに残りたいとか言う人もおるんやけどね」
「へ?そういう人もいるんですか?」
「うん。なんか嫌ーな事があった人とか、魔法に魅せられた人とか、そんな感じの人ばっかりやね。ま、それは本人の意思やからうち等としては止める理由もあらへんしな。逆に戦力とか人手が増えてラッキー、とまで思う人もおるで」
「色んな人がいるんですね・・・・・・・・・・・・・・・・・と、そういうことじゃなくて。その間何か僕に出来る事って無いですか?」
「・・・・・・・・・・・どういう意味や?」
「いや、その、流石にここまでしてもらって何もしないっていうのは、なんかこう良心が痛むというか・・・・・・・・・・・と、とにかく一方的に好意を受け取るってのは何か間違ってる気がするんです!」
思わず声を張り上げる。なんというか上手く表現できなかったが、これはロックマンの本心だった。本気で『いい子』である。
しばらく考え込んでたはやてだったが、顔を上げるとまっすぐにロックマンを見て、優しい笑顔を浮かべる。
「・・・・・・・・・・・ほんまにええ子やなぁ。そこまで言うならロック君、管理局に入ってみる気はあらへん?」
「え、いいんですか?」
「別に魔法が使えなくても仕事は色々あるから、そこならロック君でも働けるはずや。最低限ミッドの言葉覚えてしまえば後はどうとでもなるしな」
と、はやては思い出したようにポンと手を打ち、
「そや、なら早よ身分証明書とか作らなあかんな。健康診断とかちゃっちゃっと済ませよか」
「そ、そうですね。それじゃ、案内してもらってもいいですか?」
「ん。任せとき!」
そういって立ち上がったはやてを追って、ロックマンも歩き出す。
――――――この話し方する人って皆テンション高いのかな?
自分の世界に居たアキンドシティ出身者も基本的にテンションがアッパー入ってた事を思い出して苦笑いする。親近感を感じた理由はそれか、と思いながらも歩は緩めない。
元の世界に帰るまで、やれることをやろう。
●
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
暗闇にて、一人思考に耽る老人が居る。アルバート・W・ワイリー。その年からは考えられぬほど覇気に満ちたその視線の先にあるのは、中空にて固定された一つのモニタ。
先程『変態科学者』から送られてきた、消滅寸前のフレイムマンの記憶データ。二、三の嫌味を言った後、ワイリーはその中から抜き出した動画に集中すべく会話を打ち切り回線を閉じた。
そこに映っているのは、最後の戦闘。
最初のほうはどうでもよさそうな表情で見ていたワイリー。しかし、後半に差し掛かった頃、その目が大きく見開かれる。突如乱入してきたその青い影。的確にフレイムマンの弱点をつき、背に燃える蝋燭を破壊する。
そのブレード状だった腕は一瞬で姿を変える。バスターと呼ばれるエネルギー弾を発射する兵器。連射しながらフレイムマンの視界を塞ぎ、そこでまた右腕を変形。朧のように揺らめく不定形の刀身が出現する。
連続して四回振り抜かれたそれから放たれるのは、四色の斬閃。
画像が乱れる。だが音声は生きている。聞こえて来るのは声ではなく音だったが、それでもワイリーの耳にはそれが誰のものであるか理解できた。
あの速さ。あの強さ。――――――自らの生涯のライバルであった科学者、光正の孫が操るナビだと、ワイリーは確信した。
くつくつと、喉が鳴る。堪えきれぬ歓喜を抑えることなく、ワイリーは哄笑を上げはじめた。
「・・・・・・・・・・・・・・く、はははは、はははははははは・・・・・・・・・そうか、ようやく、ようやく来おったか!あの時プロトに飲まれてこの世界へやってきてから何年たったかのう!?
しかもこやつ、おそらくはこちらへ来たときにフルシンクロしておった影響かの、自分一人でバトルチップまで使っておる!成程、なんたる僥倖と言うべきか!
楽しくなってきたのう・・・・・・・・・・・・貴様もそう思うじゃろう、カーネル!」
暗闇へと声を投げかけるワイリー。その先にいるのは―――――――否、あるのは黒一色の外套に身を包んだ、堂々たる体躯を持つヒトガタ。カーネルと呼ばれたそれは機械仕掛けの重く低い声で答える。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は。ワイリー様が楽しいのならば、私もそうですから」
「そういう意味ではない、カーネル。お前はロックマンと戦ってみたいと思わんのか?」
「・・・・・・・・・いえ、思いません」
即答。清々しいほどの否定にしかしワイリーは気を悪くする事無く問いを重ねる。
「・・・・・・・・・ほう、何故じゃ?」
「私は将です。将とは負ける事を許されぬもの。故に、敗北などありえません」
カーネルが答える。抑揚の無い、しかし強い声だ。ふむ、と満足したような口調でワイリーは頷き、動画を終了。またも空間にコンソールを展開し、作業を始める。
モニタに映るのはデータの羅列。C、S、B、D、F、N、M、Q、と表示されたアルファベットには様々なタグが付いている。
ワイリーはFのタグに『Delete』と入力する。しばし思案し、
「・・・・・・・・・次は何を使うべきかの?」
答えるものなどいない闇の中に、その声は響いていった―――――――
以上。今回もまだ昔話です。というか前二回が戦闘オンリーでしたので説明だらけですが。
先輩方の筆の速さに比べればマジで遅いですね。ロックがチップを使える理由は、漫画版の描写から。一応チップの使用は単独でも出来る(ただし『チップの転送』はパートナーが必要)らしいです。
まあこじつけっちゃあこじつけ、無理矢理ですが。25話はなのはもグレンラガンも凄かったなぁ
乙
うんと…
なのはキャラはヴィータとはやてしか出てこない上にツッコミ所満載でおまけにかなり寒そうな小ネタが出来てしまったんですけど投下おk?
すみやかに投下すべし!
流石ワイリー
俺はライト博士より大好きです
しかし、exeってライト博士いるのかな?
GJ!
このロックマンとはやての会話いいなあ…
このSSのはやてにはちゃんとした指揮官かつ上司になってほすい。
そしてワイリーキター!こいつは強敵だ!
>時空管理局は実力主義
今となってはそれはギャグで(ry
まあ、ある意味なのは25話は凄かったと言えるかもしれない。
小ネタ 仮面ライダーTHE NEXT
(不気味な生物に追われ、ヴィータに電話を掛けながら逃げているはやて)
HAYATE「ごめんなヴィータ…あたし…もう駄目や…」
(はやては顔を切り刻まれ、ビルの屋上から転落していく…)
ヴィータ「HAYATE!?」
人気絶頂のアイドルが…姿を消した
(ショッカーアジトの前で首領の前に立っている大介)
風間「…」
(矢車に会うヴィータ)
ヴィータ「あんたの力を貸して欲しいんだ!」
(ヴィータは矢車のゼクトロンに乗せられ、彼と共に公道を疾走する。そしてHAYATEを探す中、大介に出会う)
ヴィータ「風間大介だろ?HAYATEの兄貴の…」
(対峙する矢車と風間)
風間「あれは偉大なるショッカーの崇高な実験だった…」
矢車「どういう意味だ?」
風間「ナノロボットだよ。」
(ナノロボット散布計画準備に入るシザースジャガー、チェーンソーリザード、そして変身する六体のザビー)
風間「ショッカーはその偉大なるテクノロジーで細菌サイズのロボットを作り上げた…人間を内側から改造するためにね…」
(体の一部がワーム化し、苦しむ影山)
影山「ぐっ…あ…!」
矢車「改造…」
風間「古いんだよ…君は…」
(BGM・Chosen Soldier)
(ドレイクと対決するキックホッパー)
ドレイク「フン!」
キックホッパー「ッセヤ!」
(六体のザビーと激闘を繰り広げるキックホッパー)
風間「…!」
(ドレイクに変身する大介)
キックホッパー「ぐあああ!!」
(頭部を地面に引きずられるキックホッパー)
パンチホッパー「フン!ハァ!」
シザースジャガー「チィ!」
(シザースジャガーと戦うパンチホッパー)
チェーンソーリザード「フッ!」
(チェーンソーを構えるチェーンソーリザード)
パンチホッパー「グハ…!」
(吐血するパンチホッパー)
キックホッパー「相棒!」
(顔中に包帯を巻いた人物に顔を覆われるヴィータ)
矢車「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
影山「はああああああああああああああ!!」
(マスクを外し、シザースジャガーにライダーキックを放つ矢車とライダーパンチを放つ影山)
「すべてを超える」
(炎の中から現れるドレイク)
「仮面ライダーTHE NEXT」
キックホッパー・パンチホッパー・ドレイク「トオオオオオオオオオ!!」
(爆発したレストランから脱出するトリプルライダー)
「10月27日 ロードショー」
すみません…
ネクストの予告に合わせて作ったけど兄弟と大介の性格全く違う(当たり前ですが)上にヴィータ達のいる必然性はなのはクロスという理由しかない…
それにこんな映画公開しても誰も見に行きませんよね…
お目汚し失礼しました。
461 :
マスカレード:2007/09/17(月) 22:38:17 ID:BPu8DSCo
GJです
1号、2号、V3をカブトキャラでNEXTに合わせたんですね
確かにモチーフは同じ……どころか一人役まで同じ人がいますしねw
実はショッカーはマスカレードにも登場予定だったりします。まぁどうでもいい話ですけど(ぇ
なんかたまに来れてもライダークロスにしか感想書いてないなぁorz
>マスカレード先輩
どっちのショッカーですか?
初代?それともファースト?
463 :
マスカレード:2007/09/17(月) 23:03:22 ID:BPu8DSCo
どちらかというと初代ですが……
正確にはどちらでも無い……って言った方が正しいような……
ただ1号2号及び昭和ライダーは出ません……(汗)
>>リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ氏
なのは達のデバイスにガルバトロンとかのスパークが入るって…
一体どうなるんでしょう? ぶっちゃけ凄い気になります。イヤホンマ…
>>リリカル.exe氏
管理局の協力が受けられるみたいですが、ロックマンの世界を管理局は見つけられるのでしょうか?
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー
ナノサイズのロボットって…なんか凄すぎますね。
23:30分あたりに投下を予定していますが他に投下予定の方はいますか?
すみません
>>464の
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏に
「氏」を付けるの忘れてしまってましたorz
>>463 もしかして小説版仮面ライダーからとか?
しっと団の逆襲! 狙われたエリオとキャロ 編
ミッドチルダの地下に管理局にもその存在を知られる事無く存在する謎の空洞が存在する。
それこそしっとマスクが組織したしっと団のアジトであった。
「これからしっと団定例会議を行う!」
しっと団の総統であり、定例会議の議長を務めるしっとマスクの号令により
しっと団定例会議が開始された。無論…この会議にはしっとレディ=フェイトも出席している。
「我々しっと団がアベック撲滅運動を推進するにあたって機動六課が最大の障害に
なっている事は皆も知っての事だろう。故に今回は機動六課のメンバーをピンポイントに
狙った作戦を私は提案したい!」
「それはどんな作戦なんですか総統?」
「うむ。まずこれを見て欲しい。」
しっとマスクがリモコンをコントロールすると、会議室のモニターに一枚の写真が映し出される。
それは機動六課のメンバーの一人、エリオ=モンデゥアルであった。
「彼…エリオはただでさえ美女揃いの機動六課の中でも数少ない男性隊員である。
これは由々しき事態だとは思わないか? 見たまえ彼のこの顔を! 見るからに
ショタ丸出しで女の子に持てそうな風貌のこやつが美女揃いの機動六課にいるんだぞ!?
思い切りハーレムも同然じゃないか!!」
「おお!! 許せねぇ!!」
「このガキをぶっ殺せぇ!!」
「畜生…俺があのガキ位の歳の頃は女の子から臭いから寄らないでって
言われたのにこのガキと来たら…うおおおおおおおお!!」
ある者はエリオに憎悪を燃やし、またある者は自分との差に悔やみ涙を流していた。
「だがそれだけでは無いぞ!! この写真を見ろ!!」
さらにしっとマスクがリモコンをコントロールし、また一枚の写真が映し出される。
それは同じく機動六課のメンバーの一人、キャロ=ル=ルシエの写真だった。
「この写真の女の子の名はキャロと言ってな、先に見せたエリオはこの子と
付き合っているらしいとのもっぱらの噂だ! これもまた由々しき事態だとは思わないか!?
二人ともまだ10歳だぞ! 10歳でそこまで進行してるんだぞ!?
そりゃ俺だって小さい子供同士のカップル襲う程外道じゃねーよ! でもこいつ等はやべーよ!
こういうのが後5〜6年すりゃラブホテルとか行って『ピーッ!!』とか『ズギャンドギャン!!』とか
やっちまうんだよ! だから今の内に潰しておくべきだろこの二人は!!」
「当然ですよ総統! 俺達も気持ちは同じですぜ!」
力説するしっとマスクの言葉にしっと団員達の誰もが賛同した。
「俺あのエリオとか言う奴絶対にぶっ殺すよ!! そしてキャロちゃんお持ち帰りするんだ!」
「馬鹿野郎!! キャロちゃんは俺の嫁ぇぇ!!」
「まあまあ、まずそこはエリオとか言う奴を殺した後で考えようじゃないか!」
「すまん…俺達熱くなりすぎちまった…。」
そりゃしっと団員達は管理局を含め、ミッドチルダ全土から集められた
持てない男達の精鋭部隊。当然その中にロリコンが混じっていても可笑しくあるまい。
だからこそ彼等はエリオに憎悪を燃やし、キャロに興奮していたのである。
そしてしっと団員達は大いに燃え上がっていた。一人を除いて…
「よし! それでは次の作戦はエリオ&キャロ襲撃と言う事で決定だな!
勿論しっとレディ! 君も参加してくれるよな!?」
「あ…ああ…。」
「よし頼むぞ! しっとレディ!」
しっとマスクはしっとレディの肩をポンと叩くが、彼女は断れなかった。
フェイト=T=ハラオウンとしての彼女にとってエリオとキャロは家族も同然。
だが…しっとレディとしての立場上その様な事を口に出す事は出来なかった。
「エリオ…キャロ…ごめん…。」
しっとレディは小声でそう呟く。少なくとも彼女はどさくさに紛れて
しっとレディをやる目的…桜花の破壊とユーノの抹殺の方に集中しようと考えていたが、
エリオとキャロがちゃんとしっと団の猛攻を凌げるかどうか心配だった。
しっと団の恐るべき野望など知る由も無く、前回桜花がガジェットの残骸から作り上げた
桜三型飛行翼を装着した桜花とエリオ&キャロを乗せたフリードが空を飛んでいた。
「わっとっと! 出力の調整が! 中々これが!」
「わっ! 危ない!」
「もう見てられません!」
前回土壇場での使用だった桜三型飛行翼での飛行に完全に慣れる為に桜花は飛び、
それにエリオ&キャロ&フリードが付き添うと言う形だったのだが(監視役とも言う)
元々陸戦用の機体に翼と推進装置を付けて強引に飛行させる形を取った
桜花桜三型飛行翼装備形態は上手く飛行出来ていなかった。
出力的には桜花の超小型高性能原子炉から直結しているので申し分無いのだが、
その出力調整などが実に難しい。出力を上げれば前回みたいに月まで飛んでいってしまいそうだし、
かと言って出力を下げれば落ちてしまう。その為に急激に上がったり落ちたりする
桜花の危なっかしい姿はエリオ&キャロとしても寿命が縮む思いだった。
「わー! キャー!」
「まったく危なっかしくて見てられないよ…。」
「本当…。」
当然周囲の被害を考慮して街から離れた何も無い場所で飛んでいたのだが、
本当に危なっかしく飛んだり落ちたりする桜花の姿にエリオとキャロは呆れていた。
「あのー! そこまで無理して飛ぶ必要は無いと思いますよー!?」
「いいえ! 絶対飛びます! 飛んで見せます!」
桜花は何が何でも飛ぶつもりだった。それだけ自在に空中を移動出来る
なのは達に憧れを抱いていたのだが…気持ちだけではいかんせんどうにも出来ず、
ついには桜三型飛行翼が急激な出力の上下に耐え切れずに煙を吹いてしまった。
「あっ! キャァァァァァ!!」
「危ない!」
桜三型飛行翼の故障によって落下する桜花をフリードが追って掴み上げようとするが、
桜花元々の七百五十貫(2.8トン)の自重に加え、さらに落下によって付いた勢いは
フリードの力を持ってしても止める事が出来ず、皆一緒に落っこちてしまいましたとさ…
「おひょぉぉぉぉぉ!!」
周囲にその様な皆の悲鳴と大爆発が響き渡った。
「あ……………。」
「い……………。」
「う……………。」
それから…桜花達が地面にめり込んでピクピクと痙攣していると言う
一昔前のギャグ漫画の様な光景が展開されていた。
だが、一昔前のギャグ漫画の様な状況だからこそ、桜花はともかく生身の人間であるエリオと
キャロが高高度から落下しても死ぬ事は無かったのかもしれない。
「あらら…桜三型飛行翼がもう壊れちゃいました…。元々がぜっとの残骸から
作った奴ですからここまで持てば良い方ですけど…。」
「がぜっとじゃ無くてガジェットですよ…桜花さん。」
ロボットでありかつ頑丈な桜花は一番先に立ち直り、落下の衝撃で損壊した
桜三型飛行翼の心配をしていたのだが、未だ地面にめり込んで死にそうに痙攣しながらも
桜花に対して突っ込みを入れている辺り、エリオとキャロもかなり大丈夫だろう。
それから何とかエリオとキャロも回復し、皆で海でも眺めながらゆっくりしていた。
「ミッドチルダでの生活にはいい加減慣れましたか?」
「え…ええ…おかげさまで。」
「そんな事言ってまたフェイトさんを熱線で撃つんでしょ? それはやめてくださいよ。」
未だに桜花はフェイトを敵と認識し、容赦なく熱線を撃っていたのだが、
そこにはエリオとキャロとしても困っていた。
「でもアレだけは分からないんですよね。」
「私達としても桜花さんが金髪に反応すると言う習性がある事や、それがフェイトさんを
撃つ理由だと言う事は知ってますが…どうしてユーノさんも同じ金髪なのに平気なんですか?」
「前にも昴さんに同じ質問をされた事があります。」
「あの〜昴では無くスバルでは無いかと…。」
未だにスバルの事を「昴」と呼ぶ桜花にエリオとキャロは呆れていたが、桜花は真剣だった。
「実は私にもそこは分からないんです…。あの人も金髪なのに…敵意が沸いてこないんですよ。
と言うより…撃ってはいけない何かを感じてしまうんです。」
「そ…そうなんですか? 不思議な事もあるものですね?」
やはり何故ユーノが桜花に敵と認識されないのかは謎であったが、やはりそれが
ユーノの持つ人徳と言う奴なのかもしれない。
その後、エリオとキャロ、フリードも先の高高度落下による痛みも随分と引いて来たので
皆で帰ろうと言う事になっていたのだが…そんな時だった。
「ちょっと待てぇぇぇ!!」
「ん!?」
突如として何者かが現れ、立ちはだかった。
「誰だ!?」
「持てない男を助け、持てる男とアベックを挫く愛と正義としっとの使者! しっとマスク! 参上!!」
突然現れたのはしっとマスクだった。そして高く飛びあがると共に桜花達の前に降り立つ。
「また現れたな変態!!」
桜花は拳を振り上げ、しっとマスクを殴り飛ばそうとした。が…
「おっとそうはさせない!」
「うあ!」
直後に何者かが急接近し、桜花を逆に吹っ飛ばす。それはしっとレディだった。
「アベックも許さないがフェレットも許さない! それがこの私! しっとレディ参上!」
「…………………。」
吹っ飛ばし、地に突っ伏した桜花を足蹴にしながらしっとレディがバルディッシュを
格好良く構え、それにはエリオとキャロも一瞬声が出なかった。
そして余程恐ろしい光景に写ったのか、キャロは思わず目に涙を浮かべてエリオに抱き付いていた。
「エリオ君…フェイトさんが…フェイトさんが何かおかしいよぉぉ!!」
「フェイトさん…いくらなんでも…それ絶対頭おかしいですよ…。」
エリオもまた哀れな者を見るような目でしっとレディの目を見つめていた。
そう、エリオとキャロもまたしっとレディの正体がフェイトである事を見抜いていたのである。
まあしっとレディ自体がただフェイトがしっとマスクを被っただけで、首から下は
何時ものバリアジャケット装着状態だったのだから仕方ないけど。
「違う! 私はしっとレディであってフェイト=T=ハラオウンでは断じてない!」
「無理して正体を隠さなくても良いですよ…フェイトさん…僕達は何も思ってないですから…。」
「そうですよ…一体何が貴女をそうさせてしまったのかは分かりませんが…
そんな変態に身を堕としてしまってもフェイトさんはフェイトさんです…。」
相変わらず可哀想な者を見る目で見つめるエリオとキャロにフェイトは苦しかった。
今回はここまでです。
自分的には今までほとんど使わなかったエリオとキャロに焦点を当てて見ました
乙。
フェイト…せめてエリオとキャロの前でそれは……
誰かしっとレディをイラスト化してくらはい・・・w
乙です。
フェイト…もといしっとレディ…。
エリオの抱擁力に感動した。
四話Bパート行きます。
■
「……では、試験官は私、八神はやて二等陸佐と」
「私、リインフォース空曹長が担当するです」
立体映像のディスプレイを通じて、金髪の男に声を掛ける。
口をへの字に結んだ仏頂面。
猛禽じみた双眸の眼光。
白人故に通った鼻筋と白い肌。
ベージュを基調とした空軍風の制服が、この上なく似合っていた。
今日初めて着た制服だろうに、着られるのでも着るのでもなく、完全に自分の一部にしている。
……年季がちゃうなあ……
それはそうと、と気を取り直し、
「試験内容はミッション形式の模擬戦闘。任務達成の条件は、目標である敵指令核の確実な破壊や」
「敵戦力は、機械兵器多数に加えて高ランク魔導師二名。結構な大戦力ですよー?」
キーを叩き、『指令核』の映像を表示。拳大の結晶体が、薄蒼い輝きを放って浮遊している。
同時、擬似再現された廃棄都市の鳥瞰図をワイヤフレームで描画し、その位置を表示した。
現在彼がいる建物からは、丁度反対側の位置だ。
「時間制限は無し。ギブアップしない限りは続けられるで。但し―――」
「機械兵器は延々と増えていきますですよ?」
「あと、戦意喪失した魔導師に対しての攻撃は禁止や。大事な部下やからな……無闇に傷つけられとうない」
男が頷いたのを確認し、立体キーボードの左下、一際目立つ赤いキーを押した。ディスプレイの隅にタイマーが展開。
『−00.00.03.』
……さあて、
『−00.00.02.』
三つのシグナルの内、一つが消えた。
『−00.00.01.』
その全てが消えた時が、模擬戦の開幕だ。
―――『00.00.00.』
試験、開始。両腕を武器へと換えた男が、姿勢を低く駆け出した。
……お手並み拝見、やなあ?
■
左右の路地に影/四つ/青い塗装/球形浮遊銃座。
着地と同時に地を蹴る/右へ/二つを蹴り飛ばし破壊/逆側の残り二つに砲撃。発射された光弾ごと蒸発させる。余波で周囲の窓硝子が熔解。
周囲に敵がいないことを確認し、左腕に付けた腕時計/携帯端末を操作、地図を表示。
任務開始よりおよそ十分/目標まで八百メートル/直線距離。道はそれなりに入り組んでいるが、壁を破って進めば問題ない。即座に疾走を再開。
機械兵器―――複数種の浮遊/自走銃座もまた、数があろうと烏合の衆。反応/攻撃/戦術/防御/機動、全ての能力が低過ぎる。
故に、問題は、
「
見つけたっ!」
上空から飛燕の急襲を掛ける女/手には長杖/弾け飛ぶ空薬莢/光弾射撃/数は十六。
右腕を振るう/打ち払う/壁を粉砕/建物の中へ飛び込む。絡め手/あの弾丸の悪辣さは、数分前の邂逅で思い知った。シグナムの忠告に心中で感謝する。
軌道は放物線/弾速は視認可能/故に容易く躱せたが、直後に方向転換し背を襲うのは予測不能。肩は即座に再生したものの、数秒は行動を大きく制限された。
攻防の基点が腕だと見切る/動作の根幹となる肩関節を狙い打つ/こちらの思考の死角を突く/外見にそぐわぬ闘い巧者。
それはいい。恐るべきは弾幕のみ。砲撃は相殺可能/反応速度/接近戦の技量は二流―――白兵戦に持ち込めばどうとでもなる。
だが、
「せあぁッ!」
炸裂/粉砕/吹き飛ぶ壁―――自分とは逆側から壁を破って突入してきた破城鎚/紅い少女。火を噴き加速する戦鎚のヘッド/正しく攻城兵器じみている。
相対距離十メートル/鉄弾による四連打/左腕の攻性防御で砕いた。
こちらは砲撃はしない/クロスレンジ担当/体格によるリーチの短さを長柄の武器で補い、実弾の多重射撃をも扱う。
……これが厄介だ。
接近しようとすれば槌の少女が押し止め、距離を取ろうとすれば杖の女が弾幕を放つ。
中距離戦を主に、遠近を互いに補うコンビネーション。汎用と一点特化/安定と爆発力の両立。理想的な戦闘単位だと思考する。現状/単独の自分では破れない。
一進一退を繰り返す/少しずつ接近している/だが遅過ぎる。今は配置を読んで避けているが、自律兵器との同時攻撃を処理できるかは分からない。敵の数が増える以上いずれジリ貧になる。
『ブリューナクの槍』は使えない。出の速い射撃/格闘で初動を潰される。そして発射後の隙もまた大きい/『バインド』とやらで完全に捕縛されれば投降せざるを得ない。
ARMSを完全展開して強引に突破するか?―――却下。一瞬でも制御をしくじれば/感情の手綱を取り違えれば即座に赤熱化し―――その先は考えたくもない。
……何をやるにしろ手数が足りん……!
軽量級サイボーグ―――否、生身の特殊部隊上がりが二人もいれば容易く打破できる状況。が、その手数が無いのだ。
先ず高所へと脱出。直後に捕縛されることを覚悟し、『ブリューナクの槍』で指令核を狙撃する―――不可。
荷電粒子砲は地磁気の影響を受け偏向する。精密な観測データが無ければ精密狙撃は不可能。
そもそも、『確実な破壊』が目的である以上、目標は直接視認しなければならない。壁越しに吹き飛ばすなど愚の骨頂、倒壊したビルを掘り返すのは手間だ。
確実に追い詰められている―――だが面白いと、そう考えた。
こうも悩まされる戦いは、未だかつて無い。自分の弱点/欠点/強さの可能性が浮き彫りにされていく。
だが、打破する手段/戦術は既に見出した。自分を/アレックスを/キース・シルバーを/マッドハッターを/ARMSを―――舐めるな。
■
『00.04.46.』
「五分と掛からずに半分以上を突破……か。予想外やなあ」
実のところ、彼女が設定したのは『達成不可能に限りなく近い任務』だ。
完全に掌握された制空権、一対多という数の差、時間が経てば経つほど不利になるという構図。
単独での正面突破という絶望的な状況で、どれだけ足掻けるか、冷静な判断を続けられるか―――それを見る為の試験。
本来なら、スタート地点まで押し戻すかバインドで拘束してギブアップを勧告する予定だったのだが。
「二人掛かりでも完全には押さえ込めへん、と……」
リミッターと試験ゆえの縛りが無ければまた違うのだろうが、一対一では確実に負けるだろう。
あの砲撃が使える遠距離戦と、多角攻撃を避け切る体捌きに加えて再生能力が十全に発揮される近接戦闘。双方で勝利できる魔導師は、海を見渡してもそういまい。
更に。極端に不利な状況に持ち込まれれば退くことを厭わず、市街地という入り組んだ地形を利用して視界から逃れ、配置の穴を読み切り前進する戦術眼。
「一体、どんな経験積んでんねや……」
渡した情報は周囲の地形のみ。恐らく、拠点制圧戦の膨大な経験があるのだろう。こちらが意図して作った穴は全く無視し、思いもしなかったポイントを突破される。
横では、リインが細かく記録を取っていた。
「被弾は一発のみ……機動力は陸戦Aランクの平均値とほぼ同等。近接白兵戦と長距離砲戦で空戦AAと同等以上です?」
「現状の査定結果は?」
「陸戦……AAマイナス相当、です」
「数の差を覆す一手が無いのが不運……や、幸運かいな?」
広域殲滅型の能力は、戦力査定においてポイントが高い。即ち危険として見られることをも意味する。
それではまずいのだ。『放置してはおけないが、封印するには惜しい』その程度の戦力でなければならない。
今のところは、それを完全に満たしてくれている。
「この調子で行けば、万事上手く片付くなあ……と、通信?」
新たに展開されたウィンドウに、焦燥を顔に浮かべた眼鏡の青年が映る。
部隊長補佐であるグリフィス・ロウランだ。彼はその焦燥を口調に乗せ、
『クラナガン近郊で護送列車が襲撃を受けました! 積荷はレリックを含むロストロギアです!』
「な……! また列車やて!? それも昨日の今日で……護衛部隊は!?」
『陸士108連隊の三個分隊ですが……既に通信が途絶えています!』
出動要請は、ゲンヤ・ナカジマ三等陸佐が―――』
「あそこの三個分隊が……敵は何が出たんや!? まさか……」
『ガジェットだけではなく、魔導師と思しき敵も確認されています……緊急事態です!』
「……リイン!」
「はいです! リインフォース空曹長より通達、出動要請が来ましたです! 試験は中止、待機中の魔導師は戦闘装備でヘリポートに集合です!」
「都市部やとあたしは出れへん……スターズとライトニングが頼りやけど……」
隊長不在のライトニングと、それなりに疲労しているスターズの隊長二人。
新人達はBランクだ。限定状況ではAランク、あるいはそれ以上の戦力を発揮できるが、未知の、それも単体戦力で同等かそれ以上であろう相手には不安が残る。
が、捨て駒としては高くつく、などと考えた自分に背筋を冷やし、その方向には行かないよう自戒し思考を続行。
模索する。違法性は揉み消し可能な範囲内で、確実性が高く、被害を最低限に抑え、敵戦力を打倒できる手段を。
―――当て嵌まる手段は、たったひとつだけだった。
■
蒼穹の下、炸裂音と金属音が多重する。
列車とはいえ、重要物件護送用のそれは装甲で鎧われている。上部での格闘も充分に可能だ。停車しているなら尚更。
他の分隊との通信はおろか、同分隊のメンバーとすら分断され、列車は停止してしまった。一刻も早く一人でも多く、敵を倒さなければならない。
故に。ギンガ・ナカジマは、その拳を振りかざす。
「……っせああッッ!」
全力で振った左拳が、銀髪隻眼の少女を打ち抜いた。
だが手応えは、ない。
「また幻影……!」
左から足音、咄嗟に跳躍。一瞬前までローラーを履いた足を乗せていた装甲に、六本のクナイが突き立ち、
「ち、気付いたか。仕事は完璧にしてくれクア姉……ランブルデトネイター!」
声と共に、その全てが爆破される。爆風を防護の力場で散らし退避。同時、翡翠色の魔力刃が飛翔、炸裂し、少女の姿を隠蔽していた幻術を破壊する。
別分隊の隊長だった同僚のフォローだ。どうやら合流できたらしい。
「生きているかいナカジマ捜査官!」
「私は何とか……気をつけて。あなたの相手は?」
両手両脚をバリアジャケットの上から装甲し、魔力で構成したスローイングダガーを右手に掴んだ金髪翠眼の優男。
顔に浮かべる余裕の笑みは、しかし僅かに引きつっていた。
「何とか倒せたよ。けど……もう、二人目がすぐ近くまで来ている。僕には分かる。
それも、今の僕達じゃ相手にならない。ここは一旦退くべきだ」
「一体、どういう―――」
「っ下だ!」
その叫びにつられて跳んだ。足場の無い空中に飛び出すが、彼女なら問題ない。
「ウイングロード!」
紺色の光が帯状に道を構成する。それに二人揃って着地したその瞬間、
重厚な列車の装甲が、一瞬にして分子の塵と砕け散った。
「……この感覚、その攻撃……」
突如として出現した大穴から、一人の男が現れる。
魔導師ではない。軍服の腰に長短の双剣を提げてはいるが、魔力は全く感じない。
だがその相貌。顔の造りそのものは、彼女の知るある魔導師と瓜二つ。
「やはり、お前か!」
その魔導師が、両の手に生んだ八つの刃を投げ放つ。
翡翠色の光を曳いて飛翔する魔力刃は、しかし抜き放たれた短剣の一閃で掻き消えた。
禍々しいまでに紅い刀身の峰には、剣という用途にそぐわない精緻なモールドが施されている。
「超振動に高密度AMF……逃げろナカジマ捜査官、いや、ギンガッ! 奴は、完膚なきまでに君の天敵だ!」
「仲間を置いて、逃げられるわけがないでしょう!?」
隙を突かんと飛んだナイフを、圧搾空気の一撃で吹き飛ばす。
「父さんが援軍を呼んでくれている……だから、それが来るまで持ち堪えます!」
カートリッジをロード、増えていく幻影を片っ端から叩き潰していく。
回線はとっくの前からオープンだ。今の言葉は、ガジェットを潰して回る他の同僚達にも伝わった筈。
「……僕が行こう。だけど二分だけだよ。今の僕だとそれ以上は持たない」
今の、という言い回しにギンガは引っ掛かるものを覚えたが、それこそ今はどうでもいい。
「二分もあれば充分……私がこいつらを倒せるわ」
「……随分と、言ってくれるな―――!」
銀髪の少女が、声と共に無数のクナイを投げ放ち、
手甲の魔導師は、さながら猫のように跳躍してそれを避け、
双剣の男は、それを迎え撃つように両手を広げ、
ギンガは、虚空に足場を展開し駆け抜ける。
―――あと、二分!
投下終了です。最後かなり唐突ですがご容赦を。
あと、ギンガの口調とナンバーズの互いの呼び名がかなりうろ覚えなんで、間違ってたら指摘お願いします。
>>479 投下GJ
あいかわずキース・シルバーがかっこよすぎるw
酒飲んだ頭で書き込んだら文章がおかしくなってた
とりあえず今後も期待してますんで頑張ってください
GJ!
さすがシルバー兄さん!闘争の申し子だぜ!戦闘の知識と経験が段違い!渋い!
これでデバイスとBJを装備した日にゃ…たまらん!!
高熱化はジャバウォックレベルに抑えれればなんとかなるだろうし、今の兄さんなら…!
それに高熱化できたんだし、亮みたいに超音速移動できるようになってもおかしくないな。
ARMSの持つ脅威をなのは達に見せつけてほしいぜ!
乙!
どうでもいいがシルバーとレッドの軍服の着こなしっぷりは異常w
この二人はスーツとか制服がすごくよく似合うんだよな
>>479 GJ!
しかし相変わらず何と言う燃える戦闘描写
>>◆sP9nVRi1sI
シルバー兄さん キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
強いよ!カッコイイよ!!スバルとの関係がスッゴク気になるよ兄さんッッッ!!!
……で、緑と黒と青はマダー?(チンチン
(しかしようやくレジアス中将のキャラクターが確定したので続きが書けて助かる)
そしてその他全ての職人さん、GJJJJ!!!
(個別に感想を書けない我を許すなorz)
>>◆sP9nVRi1sI
GJ!
NANOHA COMBATを読んでふと思い浮かべたのがR−TYPE
そのまま乗り込むというのもいいけどWシリーズとかを考えるとちょっと
単独で次元及び時間移動機能すら標準搭載された無駄に火力だけは高い機体群
どうにか次元戦闘機を人間携行クラスまでデバイスとしてサイズダウンする?
Rミュージアムはロストロギアみたいなものだし(グランドフィナーレ開発を最後に直系の歴史はもう綴られていないから
管理者もいなさそうだし管理局からすればお買い得物件だなw
>>◆sP9nVRi1sI
GJです!
ほかのキースシリーズも出てきた模様。
まさか白もででくるんじゃなかろうな・・・
>>487 あんなの出てきたら誰も勝てねえよwww
六課が空間断裂でケーキカットされて終了だ。
あれ?もしかして最後にでてきた
ギンガの同僚が緑で数の子の仲間が赤か?
これはwktk
クリムゾン・トライアッドのガシュレーマダー?
>>488 さっきそこでサラリーマンが言ってたけど人間はARMSに負けないらしいぞ。
よーし、俺だって!
>>491 パワーバカな六課陣ではなあ…サラリーマンの言っていた人間に当てはまるかどうか。
ここは、最低限のパワーはなければいけない。六課陣はパワーについては問題ない。後は戦い方だ。
というので、素質はある、という見方をするのはどうでしょう。
隼人みたいに葛藤と挫折を乗り越えてとかならともかく、素質があるからで済ますのは…
兜光一は良いキャラだった。
心眼に覚醒したティアナならいけそうだな
あとこれ以上は雑談スレ向きじゃね?
あれは明らかに脚本の都(ry
幻術を解析されてティアナが大ピンチに陥ると思っていたけどそんなことはなかったぜ!
足が怪我して一対三でピンチ!→作中時間で約一時間隠れる→白兵戦型の攻撃を無理な姿勢で
受け止める→顎に弾丸を叩き込み意識を奪う
……凡人どころか天才だろ
× (頭脳的な意味での)天才
○ (肉体的な意味での)超人
サラリーマンつながりで野原一家と機動六課の熱い戦いを想像しちゃったw
ミナガー信者ってこんな痛い奴らしかいないのか…?
端から見てると、なのは狂信者と変わらないぞ
>>502 おk、koolに行こうぜ。
そいつは荒らしの原因になる発言だ、控えよう
>>502 ハァ!?どこが…?
また、いつもの荒らしさんですか。荒らしは出て行って下さいよ。
ID:lZrP8/Gbとか
ここは他作品をマンセーして、なのはを貶めるスレじゃないんだがな
以前から思ってたがミナガー作品の話になると調子に乗る奴がワラワラ出てくるね
素人の書いたSSでそこまで必死になるなよ。程度が知れるぞ。
とりあえず、これ以上続けるなら雑談スレでやらないか?
>>506 一匹いたら三十匹はいるってやつか。
だれかバル○ン撒いとけよ
(V)∧_∧(V)
ヽ( )ノ フォッフォッフォッ
. / /
ノ ̄ゝ
(V)∧_∧(V)
ヽ(・ω・) ノ ヨンダ?
. / /
ノ ̄ゝ
_
/ /
, -― ( /
. /: : : :-=千</ ̄>
/.:.:.:.: /.:.:.:.:.:/.:∧`ー<
. ,'::::/::::/::/⌒イ::/ |:l_:::::::ヽ
/::::,':::: W|/ j:/ j∧`::: ハ
レl(|::::: | ○ j::/:/::::|
. l/|::::: | ○ん|/:∧|
. lヘ:: ト、 `‐'-' ノ::::: / ……。
. _ム:|-f`_r―ァ≠!:::::/
/=、\「`}ヽ// j/
( \{: リ ∧
ノ _,}V/ }
〉彡={レ'=ミ、{
>>510 ・・・・バルタンか
なによりオチが足りない
>>505 ID:lZrP8/Gbは確かに言い過ぎだと思うが、言ってること自体はそう間違ってるわけでもないだろう。
>以前から思ってたがミナガー作品の話になると調子に乗る奴がワラワラ出てくるね
これはまあ、どの作品にも言える事じゃないか?
仮面ライダー系クロスの話もかなりアレだぞ?
それ言うとなのは信者も魔王魔王と(ryってことになるからヤメレ
↓以下何事も無かったようにスルー
>>リリカル.exe氏
丁重な説明回でGJ!
文章を書くのが上手くて尊敬します!
ロックマンは熱斗抜きで、ワイリーたちに勝てるのか!
>>◆sP9nVRi1sI氏
シルバーが前の世界でのことを教訓にしてて良いですね。
スターズ1・2との戦闘試験で5分以上戦い続けるとは、流石はアドバンストARMS使用者。
最後に出てきたのは、レッドとグリーン?今後が楽しみです。
原作知らないのでレスできなかった職人さん方もGJを送らせてもらいます。
519 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 21:21:52 ID:WVyVFFEe
はじめまして。
流れを切ってSSを投下します。
フェイトメインの湾岸ミッドナイトクロスです。
投下途中にスレが一杯になる可能性アリ。
SSに対し改善点の指摘があれば助かります。
>>519 マジで?どんだけすごい容量なんだ?
それとsageは半角で
521 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 21:25:59 ID:WVyVFFEe
魔法少女リリカル湾岸ミッドナイト 〜永遠にわからない答え〜
世の中には答えのない問題がいくつも存在する。
その答えを見つけ出すのもひとつの人生の楽しみ方とも言えるだろう。
SERIES 1 運命(フェイト)@
西暦20XX年、第97管理外世界 ―地球― 東京 首都高速道路 都心環状線
ブロロロロ…
静かでシャープな排気音と共に白いすらっとしたメタリックボディの車が大きな橋を超える。
「この世界の車は元気がいいわ、まるで生きているみたいね…」
車の名は『フェラーリ・テスタロッサ』。
高級車らしく平べったいボディが目を引く390馬力で280キロ出るスポーツカーである。
フェラーリを操る金髪のドライバー、機動6課ライトニング分隊隊長『フェイト・T・ハラウオン』は機動6課の課長、八神はやてより出された任務のためにこの世界に来ていた。
任務の内容は「時空管理局より突然異世界に消失したロストロギアを回収せよ」であるが、正直「遊びに行け」の間違いだと長い付き合いの友人には言えない。
今回回収するロストロギアは驚くことに自分達の身長の半分も無い小型であり、時々暴走もするようだが大して驚く攻撃を放ったりしないそうだ。
つまり言い換えると、
『ほっとけば見つかる』程度の甘い考えでも見つかるのである。
滞在期間も(この世界において)1ヶ月と思ったより長い。
これはもうある意味「長期休暇」である。
個人的には早く終わらせたいのだが、忙しい激務をこなす毎日で少し羽を伸ばすのも悪くないだろう。
522 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 21:27:38 ID:WVyVFFEe
『はやて、ありがとう』
楽な内容だとわかって任務を選んでくれたはやてに罪悪感を思いながらも心の中で最愛の友人に感謝する。
初日の今日は周辺地域の聞き込みを夜まで行い、せっかくなのでパンフレットに書いてあったドライブコースとして話題のこの首都高速に乗ることにした。
「うわ……」
大きな橋、レインボーブリッジを抜けると、そこには美しい光の模様を描く大きい観覧車や0時だというのにやけに明るい町並みは、ミッドチルダよりは劣っているものだが、やはりここにはここ特有の『100万ドルの夜景』が広がっていた。
「綺麗……なのは達もここに来ればよかったのに。」
この楽に仕事ができる機会は滅多に無いので同僚のなのはを誘ってみたが、運悪く別の仕事が入っていたようで、仕方なく今回はフェイト一人で参加することになる。
ガラガラガラ……
某所、静まりかえったガレージのシャッターが上がる音がする。
真夜中の闇に溶けるような2シートの藍色の車。
その前に立つのはリーゼントに近い髪型が特徴の優しい顔立ちの少年だった
服装はジーンズに純白のTシャツ。
どう見てもこれから車に乗ると言う行為を浮かべると何だか納得できない。
「油圧OK、水圧OK、アイドルOK……OK」
少年は車に乗ると、4点式のベルトを締め、キーを挿し、凄まじい轟音と共にエンジンをかける。
「さあ、今夜も走ろうか……Z」
少年は躊躇無くアクセルを踏み、ギアをローからセカンドに入れた。
523 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 21:28:42 ID:WVyVFFEe
首都高速道路 湾岸線 湾岸環八ランプ付近
「ここを回っているだけでも結構時間が潰れたわ。でももうそろそろ降りようかな」
時間は12時30分。
そろそろ事前に予約してた高級ホテルへ向かう時間だ。
帰るまで退屈なので何か音楽を掛けようと左手で中央のプレーヤーに手を伸ばす、
その時
グオオオオオ……!
「・・・」
それは一瞬の出来事、
背筋を伝う身の毛もよだつ寒さにも似た圧迫感
彼女の横を通り過ぎた、氷のように冷たいミッドナイトブルーの『それ』は強烈でまるで猛獣の勝利の雄叫びのような排気音を響かせながら、凄まじい勢いでフェイトがまだ見ぬ闇の世界へと消えていった。
「…なに……今の?車……?」
普段は冷静沈着で優しいフェイトの目は魔法をかけられたかのように見開いたまま凍っていた。
ハンドルを持つ手もマスターに動揺したのか、少しガタガタ揺れている。
あの車には別に悪い魔力は感じない。
しかし、あの車だけが放つ魔法とは違う独特のオーラが冷静なフェイトを動揺させていた。
『……ター……、マスター!起きて下さい』
「はっ!ぐっ…」
フェイトの魔法デバイス、『バルディッシュ』の一言で現実に引き戻され、目の前に映った大型トラックを手のひらに力を込めたハンドルさばきで左にパスする。
しまった、運転中だった。
もしバルディッシュが目覚めさせなかったら、自分は車と共にあのトラックの下敷きになっていただろう。
自分ならバトルジャケットを展開して無傷で生還するが、車などの質量が大きい物はそう簡単には元に戻らない。
と言うより魔法が存在しない世界で魔法を使うのはやはりルール違反。よほどの緊急時を除いて使用しない事にしている。
下手をすると魔法を使うことによりここから歴史が変わってしまう可能性があるからだ。
ぶっぶー支援
なにも言わずに支援(BJ…?)
526 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 21:33:56 ID:WVyVFFEe
「ありがとう、バルディッシュ。助かった……」
すぐ近くのPA(パーキングエリア)にて車を停めると、さっきの出来事が気になって仕方ないのか疲労困憊のフェイトがシートに全体重を預ける。
『現在のマスターのコンディションからして、少し休んでみてはどうですか?』
「うん。そうするわ。予約してたホテル、キャンセルしてからね。これだと無事に行けそうに無いから」
そう言うと、携帯電話を取り出し、予約先のホテルへと電話をかける。
『はい、こちらは帝○プリンスホテルであります……』
「そちらのホテルへ予約を入れましたフェイト・T・ハラウオンと申しますが…」
キャンセルの手続きをするだけなのに長々と話が続く。さすが高級ホテル。手続きどころかキャンセルも長い。
ピッ。
「ふう…」
電話を切ると同時に糸が切れた人形の如くハンドルにのめり込むと目を閉じ、
「zzz…」
そのまま眠り込む。
眠り込んだと同時に車の中にあらかじめかけておいた防犯用の『プロテクション』の魔法が発動した。
このフェラーリ、外見は古いが、中身は最新型のエンジンを積んだ代物。
排気ガスではなく水蒸気を放出して大気中に放出する、クリーンな車、ようするに『エコカー』である。
流石に元の世界からほぼ毎日使う自家用車(モーター・モービル)を持ち出すわけには行かないので、ミッドチルダに新しく出来た解体屋にて万が一壊れてもいいようにこのフェラーリを破格の安値で購入。
しかも値段の割には見た目や足が良かった(普通に走れるレベル)ので中身だけを最新のエンジンに取り替えてもらった。
明日はロストロギアの調査を続行すると共に、あの車についても調査してみよう。
シート特有のベッドと似て非なる感じの感触に悩みながらも、今夜はここでゆっくりと眠ることにした。
イニシャルDだと勘違いしちゃった支援
悪魔のZ支援
支援!
規制かな?
支援
531 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 21:46:56 ID:WVyVFFEe
あとがき
初投稿。クロスの難しさを学んだ日。湾岸は世界が独特で難しく、いろんな職人が手がつけられないわけです。
今作は湾岸風にフェイト視点で展開するストーリーが基本コンセプト。このSSを書くためにいろいろ下準備もしましたがそれでも難しい……。
今回はここで終了。はじめはプロローグと言う所です。湾岸のポエムを期待してた人、すみません。
自分は正直キャラの口調で自分の言葉で言わせるのは自信がないです(特にメインのフェイトが不安)
文章中の見落としている誤字、脱字、会話の矛盾その他改善点やなのはの設定の間違いがありましたら、遠慮なく言って下さい。
何回も読み直しているうちに自分でもまだまだ両者とも知識不足な部分も目立ちます。
それらを糧にし、次の話を書き上げます。
今後は週1ペースで投下する予定です。
532 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 21:48:38 ID:WVyVFFEe
(次回予告)
その車は
くるおしく
まるで、身をよじらせるように
走るという……
幾多の人間の魂を地獄へと送った『悪魔のZ』と恐れられる車。
機動6課からロストロギアの回収のために派遣されたフェイトはある日、偶然通りかかった奴の姿を目に焼き付けてしまう。
それを発端にフェイトの周りに集う走り屋達。
『ブラックバード』の異名を持つ腕利きの外科医、『島達也』
その柔らかな走りから最高のR乗りと呼ばれるモデル『秋川零奈』
そしてただ一人、悪魔に愛された男『朝倉アキオ』
今、湾岸を舞台に新たな物語が、始まる……
次回、 魔法少女リリカル湾岸ミッドナイト 運命(フェイト)A
「くくく……、お前も魅せられちまったか、あのZに」
sageは半角じゃないと効果ないよ
534 :
リリカル湾岸:2007/09/18(火) 22:48:43 ID:WVyVFFEe
>518
すいません、
「容量が一杯になる」の間違いでした……
>>◆sP9nVRi1sI氏
これはかなり渋いですね。
その人の視点から見たなのは達と言うのも自分的には新鮮でした。
>>リリカル湾岸氏
フェイトがフェラーリーに乗るのはかなり良いですね。
元ネタはちょっと分かりませんが今後カーチェイスなんかもやっちゃうんでしょうか?
23:00あたりに投下したいですが、他に投下予定の方はいらっしゃいますか?
道は空いてるぜ。存分に投下を!
「だから違うって言ってるでしょぉ!? 私はしっとの戦士! しっとレディであって!
フェイト=T=ハラオウンでは断じて無いんだってばぁ!! お願いだから分かって頂戴!!」
しっとレディはエリオとキャロの視線の痛さをごまかす様にまだ倒れてる桜花の上で
地団駄を踏みながら必死に自分がしっとレディである事を主張するが、二人の視線は変わらなかった。
「分かりました…。今の貴女はしっとレディですよ。フェイトさん…。」
「しっとレディとして頑張ってください…フェイトさん…。」
「だからフェイトって呼ぶなぁぁぁ!!」
しっとレディはやけくそになって駄々をこねるようにバルディッシュを振り回していたが、
そこでやっと蘇生した桜花が立ち上がった。
「何時まで私の上でジタバタやっているか!? 相手に立つなら徹底的にやってやるぞ!!」
今度は桜花の拳がしっとレディに放たれ、防御魔法で防御したが衝撃は緩和させる事が
出来ずに吹っ飛んでいくしっとレディに追い討ちをかけるべく桜花は高速で駆け出して行った。
「ああ! 桜花さん!」
桜花が遠くへ行ってしまい、そこにはしっとマスクとエリオ&キャロが残された。
「フッフッフッフ…桜花はしっとレディが相手してくれるとして…お前等何時まで
ベタベタベタベタベタベタ!! くっついとるんじゃぁぁぁぁぁぁ!!」
未だくっついたままのエリオとキャロにしっとマスクは血の涙を流し、しっとの炎を燃やした。
もう全身から炎の様に見える強烈なオーラが発せられていた程である。
「うあっちゃッちゃっちゃっちゃぁぁぁぁ!!」
と思ったら本当に燃えていた。慌ててしっと団員の一人が水を満載したバケツを持って
消火活動に勤しんでいたが、その間にエリオとキャロはバリアジャケットを装着し、戦闘態勢に入った。
「とにかくだ! エリオとやら! お前には死んでもらうぞ!」
「どうして? どうしてエリオ君を殺そうとするの!?」
「それは自分の胸に聞きやがれぇぇぇぇ!!」
またもしっとマスクは血の涙を流しながら号泣した。持てない男達の精鋭である彼等にとって
エリオがどれだけ羨ましく、また妬ましい存在であるかは想像にも出来ないだろう。
「自分の胸に聞けと言われても僕にはお前達に恨まれる筋合いは無い!」
「くあああああ!! それが腹が立つぅぅぅぅ!!」
やはりエリオとキャロに何故しっとマスク達がエリオを恨むのかは理解していない様子であり、
それが余計にしっとマスク達を余計に激怒させてしまうのである。
「こうなったら行けぇ! しっと団員達よ!」
「オオ―――――――――!!」
しっとマスクの号令によってしっと団員達が一斉に飛びかかった。エリオはストラーダを構え、
キャロを守る様に前に立っていたのだが、しっと団員達はエリオを無視してキャロの方に突撃していた。
「ハッハッハッー! キャロちゃんお持ち帰りー!!」
「嫌ぁぁぁぁ!!」
何と言う事か、しっと団員達はエリオを殺すと見せかけてキャロを抱き上げていたのである。
これにはキャロも悲鳴を上げる。と言うか、褌一丁のオヤジに抱かれるのは誰でも嫌だ。
「ハッハッハッハッー! あんなクソガキなんかより俺の方がよっぽど良い男って事を教えてやるぜ!」
「ああああ! ヒゲ痛いヒゲ痛いヒゲ痛い!」
挙句の果てにはブツブツヒゲで頬擦りされてしまう始末。もうキャロは完全に泣いていた。
このまま自分はこのキモイオヤジ軍団に18禁同人誌みたいな事されてしまうのかと…。が…
「くおらぁ! キャロちゃんは俺んだぁ!」
先程までキャロを抱いていたしっと団員が別の団員に殴り飛ばされてしまった。
「キャロちゃ〜ん! おじちゃんが何でも好きな物買ってあげるよー!」
「いやぁぁぁぁぁ!!」
「こらてめぇ! キャロちゃんは俺の様な逞しいナイスガイが好きなんだよこらぁ!」
と、キャロを巡ってしっと団員同士の醜い仲間割れが勃発してしまっていた。
忽ち周囲でしっと団員達の壮絶な殴り合いが展開されてしまうのだが、その隙にキャロが
何とか彼等の囲いを脱出していた。
「はぁ…はぁ…怖かったよぉ〜…。とりあえず今の内に逃げようエリオ君…ってあれ?」
そこにエリオの姿は無かった。が、良く見ると…
「ああ!」
いつの間にかにしっと団員達の醜い殴り合いに巻き込まれてタコ殴りにされるエリオの姿があったとさ。
「オラオラ! お前の様な軟弱な男は女の子一人守る事も出来んぞ!」
「ああ! エリオ君!!」
キャロはエリオを助けたかった。しかし…しっと団員達の殴り合いの中に飛び込んで
行く事は彼女には出来なかった…。
「フェイトさん! これで…これで貴女は本当に良いんですか!?」
「だぁから私はフェイトじゃねぇっつってんだろ!!」
なおも桜花と戦闘中のしっとレディに向かってキャロは叫ぶがやはり否定された。
そりゃしっとレディ=フェイトだってエリオが心配だし助けたい。
しかししっとレディとしての立場上その様な事は出来ないのである。
だからこそ…今は何も考えずに桜花との戦闘に集中するしか無かった。
「行け! プラズマランサー!」
「消えろ!!」
しっとレディのプラズマランサーと桜花の桜三型光学熱線砲が空中でぶつかり合い、
次々に爆発音が響き渡っていく。その光景にキャロも絶望した。
「も…もう神も仏もいないの…そんな…そんなぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その時だった。突然桃色の輝きを発する魔法がしっと団員達に降り注ぎ、次々に
大爆発を起こしてしっと団員達を吹っ飛ばしていた。
「おひょぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「え?」
「みんな大丈夫!?」
突如現れたのはなのはだった。そしてキャロの前に降り立つ。
「なのはさん…。」
「様子を見に来たらこんな事になってるなんて驚きだよ。さあ後は私に任せて下がって…。」
なのははレイジングハートシューティングモードを構え、しっと団員達に狙い定めていたが…
「そんな事よりアレを見てください。フェイトさんが…変態マスク女に堕ちてしまいましたぁぁ!!」
キャロは血の涙を流しながら、なおも桜花との激戦を繰り広げるしっとレディを指差すが、
そのしっとレディを見た瞬間になのはの顔は歪んだ。
「はぁ? それひょっとしてギャグで言ってるのぉ?」
「え…。」
「だってそうでしょ? あれの何処がフェイトちゃんなのかな?」
「え? あれどう見てもフェイトさんですよ! 分からないんですか!?」
説明させていただくと、なのはだけはしっとレディの正体がフェイトである事に
真剣に気付いてはいない。だからこそなのははキャロの頭が可笑しくなったのだと考えていた。
「考えても見てよ! フェイトちゃんはあんな馬鹿な事はしないよ! まったく…
フェイトちゃんとあんな馬鹿変態覆面女を一緒にするなんてフェイトちゃんに失礼だよ!
何なら今ここでキャロの頭冷やさせてあげても良いんだよ?」
「あああああああ!! ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!!」
その時のなのははかつてティアナの頭を冷やさせ、見ただけで桜花の背筋を絶対零度にまで
凍り付かせた恐怖の顔になっており、キャロも血の涙を流しながら高速連続土下座するしか無かった。
「まあいいわ。今はあの変態達を何とかするのが先…。」
既に先の砲撃によって吹き飛んだしっと団員達も回復し、なのはに向かって来ていた。
「うおお! 美人のおねぇさんどぅぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あのおねぇさんは俺んだぁぁぁぁ!!」
「いや、俺んだぁぁぁぁぁぁ!!」
なのはの攻撃魔法が彼等に通用していないワケでは無い。だが、彼等の女性に対する
欲望のパワーが彼等の身体を突き動かしていたのである。しかしなのはにとっては迷惑千万だ。
「ああ気持ち悪い! アクセルシューター!!」
「ギャァァァ!」
「おわぁぁぁぁ!!」
レイジングハートから多数の魔法弾丸が発射され、しっと団員達を次々に吹っ飛ばしていく。
どさくさに紛れて何故かエリオまで攻撃を受けていたりする始末。
そして桜花対しっとレディの方も双方互角の大熱戦が繰り広げられていた。
「殺してやる! 今度こそ殺してやるぞ変態金髪覆面!!」
「ならば私はお前を破壊してやる!!」
桜花は近くに生えていた大木を強引に引き抜き、しっとレディに殴りかかるが
しっとレディはザンバーフォームバルディッシュで大木を両断する。
続けてしっとレディは超高速で桜花の周囲を飛び回り、その全身を斬り裂こうとするが…
桜花の重装甲には傷一つ付かず、かと言って桜花の方もしっとレディのスピードを
捉える事が出来ずに翻弄されていた。
「くそ! 何て素早い奴なんだ!?」
「くそ! 何て装甲の堅い奴なんだ!?」
桜花が重戦車ならしっとレディは超高速戦闘機。お互い決定打を持たない互角の勝負が展開されていた。
「しかし…スタミナは原子炉稼動の桜花が遥か上…ここは早い内に決着を付ける!」
流石のしっとレディもスタミナ面で桜花に劣るのは否めなかった。彼女も生身の人間なのだから。
だからこそスピードを生かして何とか関節等、装甲の薄い場所を破壊して桜花を倒そうとしていた。
そして桜花もまた、長期戦に持ち込んでしっとレディが疲れて動きが鈍るのを待ち、その後で
熱線を当てて決着を付ける作戦に移行していた。
「肉を切らせて骨を断つ…最後まで耐えて耐えて痛い一撃をお見舞いしてやる!」
桜花は防御体制に入り、それと同時に熱線のエネルギーチャージを開始していた。
なのははしっと団相手に大暴れ、巻き添えで一緒にフルボッコされるエリオ、
桜花としっとレディ=フェイトはパワー対スピードの大熱戦の真っ最中。
もうこの場で戦っていない者はキャロ一人しかいなかった。
「もうやめて…みんなやめてよ…。」
キャロは血の涙を流しながら言った。しかし…誰一人戦いをやめようとしない。
「やめて…やめてよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
キャロの血の涙が周囲に飛び散り、彼女のバリアジャケットを赤く染め上げた瞬間だった。
その周囲に巨大な魔法陣が出現、さらに巨大な黒竜が姿を現すのである。
「ヴォルテェェェェェェル!!」
「おわ――――――――――――!! 何かでかいのが出てきた――――――――――――!!」
これには流石の皆も慌てた。しかし…その直後にはキャロの召喚したヴォルテールが
有無を言わせずに吐いた火炎がキャロを除くその場にいた全員を飲み込んで行った…
ヴォルテールが姿を消した時、そこには彼方此方にクレーターの出来た広大な荒野の
真ん中に一人立つキャロの姿のみが残されていたと言われている。
もちろんその後でキャロはみっちり叱られたそうな。
しっと団の逆襲! 狙われたエリオとキャロ 編 完
とりあえず今回はここまでです。
ですが…実は続きが殆ど出来て無いと言う事実があったりして、
続きは多分先になると思います。
キャロ自重wwwwwwwww
ギャグ補正か。
乙です。
ヴォルテールってユニクロンに似てますよね。
リリカル鬼武者四話投下してもいいでしょうか?
フランス軍人支援
中将とクロノ提督の会話あるかな?支援
戦術殻支援
リリカル鬼武者第四話「宗厳」
その頃六課の隊舎では。
「ううっ…。」
「こいつ不死身か…?」
「オ前達強イ…デモ他ノ奴ナラトモカクコノまーせらすニハ通ジナイ…。
デハ誰カラ食ウトスルカナ…。」
スバル達は折悪しく訓練でクタクタになっていた上にこう室内まで攻め入られては自由に戦えない。
おまけにマーセラス極の耐久力ときたら生はかな攻撃はまるで受け付けないのだ。
「コイツで焼キ肉ニシテヤル…死ネエーーーーッ!」
「やられる!?」
マーセラス極が手にした大剣がさらに巨大化し帯電して光を放った。
そして彼がそれを振り下ろそうとしティアナ達が死を覚悟したその時…
「何ダ…?」
足元に光が溢れて辺り一面が真っ白になる。
光が収まった時そこに居たのは…
「ここは…何処だ?俺は柳生の庄に…。」
西洋風…というより南蛮風の服に日本刀、右腕には篭手。
そして手甲と足甲という姿の男性がぼさっと突っ立っていた。
「オ前ハ…ソンナ筈ハ…何故ココニ…。」
「幻魔…。よくはわからねえがここはてめえを倒すしかなさそうだな。」
その男が持っている日本刀…三池典太が篭手からの力を受けて
鬼の武器…「舞雷刀」へと変化する。
「抜カスナ!」
帯電した大剣を男に向かって振り下ろすマーセラス極。だがそれよりも遥かに小さいはずの
刀で男はそれを受け止め、弾き返した。
「ナ…ニ…?」
「なるほどな。デカいだけが取り得か。」
「ホザケーーー!者共!カカレェ!」
般若の如き顔を怒りに歪ませると造魔をその男にけしかけるマーセラス極。
「撃て撃てえ!」
ヴァイスの命令一下造魔にスバル、ティアナ、エリオ、フリード達
が放った攻撃が指向され次々と消滅させていく。
「加勢しようってのか!?」
「どこの誰かは知らねえが奴と対抗出来るのはあんただけらしいんでな!」
「そういうこと!解ったらさっさとぶっ飛ばしちゃってよ!」
支援
ガキィン!
激しい鍔迫り合いが再開された。だが形勢はマーセラス極に不利だ。
ひときわ強烈な一撃を受け止めた
盾にピシリという音ともに亀裂が走る。
「グウウウ…。」
忌々しげに盾を放ると全身の闘気を大剣に送り込んでさらに巨大化させるマーセラス極。
「コレデ…木ッ端微塵ダァーーーーッ!」
フェイトのフォトンランサーすら上回りそうな勢いで雷撃が男に襲い掛かった。
その電撃は男の体を完全に包み込んだように見えた。だが、
「何ィ!」
「木っ端微塵になるのはお前だ。」
マーセラス極が放った電撃をも取り込んで篭手と舞雷刀から
発された雷撃がマーセラス極に襲い掛かった。
「口惜シイ…ダガコノ戦イノ記録モギルデンスタン様ノ元ニ届イタ筈…
俺ヨリモ強イ別ノ仲間ガ必ズヤ…」
マーセラス極は負け惜しみともとれる言葉を消えていった。
「ディバイン…バァスタァァァァァ!」≪DivineBuster≫
さらに周りにたむろするゾルム達がスバルのディバイバスターを喰らって消滅していく。
「勝ったのか…。」
ヴァイスが辺りを見回して幻魔のいない事を確認すると言った。
自然にそこにいる者達の視線が突然乱入してきた男に注がれる。
「あなたは誰ですか?この世界の人じゃなさそうだけどどこから何のためにこのミッドチルダへ来たんです?」
「俺の名は柳生宗厳…。何故ここに来たのかは俺にも解らん。
もっと言うとここがどこかも全く解らん。裏庭で鍛錬をしていたら次の瞬間にはここに居た。」
「…私は時空管理局機動六課二等陸士ティアナ・ランスター。」
「俺はヴァイス・グランセニック」
「私はスバル・ナカジマ。こっちの二人はエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエ。」
「ちょっと待て。舌を噛みそうな名前ばかりだな。服装からしてお前達南蛮人か?俺は日本て国の…。」
頭を掻きながら顔をしかめる男=宗厳。戦国時代の日本の住人である
彼にしてみればティアナ達の名前はかなり発音しにくい。
「日本?てことははなのはさん達の世界から来た人なのかな…?」
「でもこんな格好した人居なかったけど…。」
スバルとティアナが訝しげに話す横で殺された六課隊員の亡骸から
IDカードを見つけ出して拾い始めるヴァイス。
「何をしてるんです?」
「さっきの怪物がまた攻めてくれば多分もうここには居られなくなる。弔ってやる余裕なんか無いんだろうけど
置き去りにしてくなんて…しのびねえだろ。」
さらに支援
前半でお母さんに名前を呼ばれる人を支援
次元の壁も越える篭手支援
ゴーガンダンテスの自己紹介を待ってあげるやさしい男支援
「そうですか。……僕もお手伝いします。」
累々と折り重なるかつて同僚「だった」存在を前に力なく答えると彼を手伝いはじめるグリフィス。
「不味いな…また来やがった。」
生き残った整備員の一人が窓の隙間から外をのぞきながら呟いた。
「私達死んじゃうんでしょうか?」
ルキノが小さい声で呟いた。
その時
≪こちらクラウディア。クロノ提督だ。これより君たちを救助する。≫
「クロノ提督!」
スバルが上擦った声を挙げた。
その頃クラウディア内部の療養スペース。
「六課メンバーの救出が完了しました。」
「よし。それでどうなんですかシャッハの具合は?」
「過労のようです。それ以外には特の体の何処にもダメージらしいダメージは確認出来ません。」
「…この右腕に装着されているものは?」
クロノがベッドで眠っているシャッハの右腕に装着されていた篭手を指差した。
「それがよく解らないのです。分析は出来ないしどういう原理なのか彼女の腕から外す事も出来ません。」
クラウディアの医務官が不思議そうに言った。
「それは…」
「見覚えがあるのですか中将?」
「地上本部の廊下に飾られていたものだ。別の次元世界から漂着したものらしいが
どこをどう調べてもただの装飾品という結果しか出なかったからインテリアとして飾られていたもののはず…。
それよりも今はオーリスと…ゼストを…。」
「オーリス陸士なら問題はありませんよ。ゼスト元陸士に関しても…。」
クロノが言いかけたその時脇に立っていた医務官がクロノに少し気まずそうな顔で何事か耳打ちした。
「……問題は特に無い、そうです。」
一瞬顔を顰めるが勤めて平静を装いつつ告げるクロノ。
「嘘が下手だなクロノ執務官…いや、クロノ提督。私はいいからそこの女性はどうなのだ。
一向に起きる様子が無いが。」
「ゼスト…。」
全てを悟ったような顔で自嘲気味に呟くゼスト。
そんな彼を直視する事が出来ず俯くゲイズ。
「インテリアとして飾られていたものが…実はデバイスだったとか…?
シャッハはこんなデバイスは使っていなかった筈なのに…。」
カリムが呟いた。彼女は地上本部に赴く直前にこのクラウディアを訪れたために難を逃れていたのだ。
「デバイスだって?それはそんな甘っちょろいもんじゃねえよ。」
隣のベッドに寝かされていたノーヴェが
嫌悪感を剥きだしにした表情で吐き捨てるように言った。
「ああ。悪い事は言わないからそんな訳の解らない代物にもその女にも関わらない方がいい。」
セッテも頷くと続けた。
「…念のためもう一度聞いておくが君達がシャッハと交戦した訳では無いんだな?」
かっこいいよ中将支援
「僕達がこんな酷いダメージ受けてるのにその人が過労だけですんでるのが証拠でしょ…。」
隣のベッドでいまだ目を覚ますことなく眠っているディードを気遣いながらオットーが呟いた。
「私のイノーメスカノンが効かなかった。フルパワーで殺傷設定で撃ったのに。」
「…殺傷設定?」
「誤解しないで。撃たなきゃこっちが殺されてたから撃ったんだ。でも殆ど効かなかった。」
殺傷設定というディエチの言葉に俄かに色めきたち視線を険悪にするギンガ。
だがディエチは弁解するように続けた。
「ほーう…まるで映画のような話だな。」
クロノはまるで信じていないといった様子だ。
それはそうだろう。彼らから見てみれば得体の知れない篭手を
嵌めているという以外にシャッハに変わったところは無いのだ。
「ギン姉!」
「スバル!」
その時医務室に機動六課のメンバーが続々とやってきた。
「…おいスバルとか言ったな。一体何処へ連れて行こうって言うんだ?」
その後ろから控えめに宗厳が現れる。
「誰なんだいこの人は?」
「私達があの化け物と戦っていた時に突然転移してきてあの化け物を追っ払ってくれたんです。
たしか…やぎゅーそうごん…さんでいいんでしたっけ?
なのはさん達の次元世界の出身らしいんですけど…。」
「ん?鬼の篭手だと?」
ティアナの言葉を他所にシャッハの右腕に鬼の篭手が嵌められている事に驚く宗厳。
「あなたにはこれがなんだか解るのですか?む…。」
全く同じものだとクロノが気付いたその時。
二つの篭手が共鳴するように怪しく光った。
ここまでで。
念のために言っておくと
柳生宗厳=十兵衛です。
パンプキンシザーズかエアマスターで書こうと思うんだけど……需要ある?
割り込み失礼しました。
支援。
戦争の後始末は悲惨なのばかりだぜ支援
>>557 GJ!シャッハと十兵衛がこれからどうなるのか……期待!
>>558 パンプキンシザーズは見てみたいな。
伍長の戦闘スタイルはなのはの教導内容と真っ向から否定するような物ですから見たいです。
>>557 GJ!!現状をどう打開するのか気になります。次回が楽しみです。
伍長とは限らんぜ。1課の副長かもしれないじゃないかw
キタ――――!!
ナンバーズもシャッハも存分に活躍してくれ!
伍長が管理局のある筈のない部隊の出身だったら、管理局の闇は凄まじいことに・・・。
エアマスだったら金ちゃん楽しみだな
>>567 中将とか、評議会とか話になんないくらいヤバイな
じゃあ、私めも南瓜鋏に一票
GJ!
ついに2の主人公キター!二つの篭手の出会いは何をもたらすのか!?
それにしても間違いなく今のミッドチルダは阿鼻叫喚の血の海地獄。
572 :
558:2007/09/19(水) 00:12:38 ID:n+EVITbp
ありがとうございます。
ではパンプキンシザーズのほうを10月には投下出来るようにします。
ちなみにエアマスターだとスナイパー空手メインでギャグテイストの予定でした。
先ず、前回感想下さった皆様。この場を借りて……ありがとう! 割とマジに涙が出た。
俺の書いたティベリウスが割と受け入れられたようで良かった……OK腹は決まった。自重はあんまりしない方向で行かせて頂きます。
あと、◆v8WgPpvslE氏、ARMSクロス『シルバー』 ◆sP9nVRi1sI氏、前々々スレ199氏のお三方へお詫びを。
貴方がたのアイデア―――
頂いたッ!!
しかしアレですな。良作がたくさん投下された後に拙作を投下するのは、そのなんと言うか非常に恥ずかしい。
だが投下させてもらいます。
あれ?俺なんか言ったっけ?
「何、これ……? ―――ッ! ロウラン準陸尉、これを!」
アルト・クラエッタが叫びと共に何かを中央ディスプレイに映す。
そこに映っていたのは人。ここに居る誰もが見たことの無い、しかし何処か見覚えのある人物。
漆黒のボディスーツを纏い右手には歪な曲刀を持った、少女と言っていい年齢の人物。
その少女は宙に浮きつつ呪文を唱える。もともと異常な値を示していた魔力値は規格外の領域へ
と到達し、更に更に更に上昇する。そして少女が全身を震わせ、血が噴出した。
無様に大地へと叩きつけられ、這い蹲り、血反吐を吐き、全身から血を流し、それでも尚立ち上がり
懸命に詠唱を続ける。
少女を中心として展開される魔法陣。それはミッド式でも、ベルカ式でもない非常に奇妙なものだ。
その魔法陣は二次元から三次元へとシフトし、更に構造は複雑なものへと変異。有り得ない事が起こった。
少女の後ろに顕れたのは巨大な人影。否、影ではない。漆黒の輝きと確かな厚み、質量を持った隻
腕の巨人、永劫。
一体、誰がこんな夢想を信じられようか? しかし、これは現実であるのだ。
少女は光へと分解され、巨人へと吸い込まれてゆく。そして巨人の眸に光が点る。少女の瞳と同色、
鮮血のような赤だった。
重々しい駆動音と金属音を響かせながら、ゆっくりと立ち上がる。
誰かが息を飲んだ。
計器にはデタラメ極まる数値が示され、既に用を為していない。
司令室にいる誰もが、巨人が飛び去るまでの間ただ見るだけしか出来なかった。
第五話 スーパーティベリウスタイム(仮)
飛び出したアイオーンは瞬時に音速を突破。ティアナの移動の意思に呼応、衝撃波を引き千切り更
に更に更に加速する。赤熱化する罅割れた装甲、だがそれだけだ。それ以上は何も起こらない。壊れ
る事は無い。溶けることも無い。
鬼械神は模造品とは言え、分類上は神と言うカテゴリーに属する。人が神と言う形而上の存在を物
理的に破壊することが出来ないのと同じに、鬼械神もまた物理的に破壊は不可能―――尤も、極々僅
かながら例外と言うものが存在するのも確かなのだが―――なのである。
しかし術者は別だ。現にティアナの肉体はその殺人的加速に耐えるのが精一杯だった。そんな状態
で制御など出来よう筈も無い。
「あぐっ! このっ、言うこと、聞きなさい、よっ!」
アイオーンはティアナの意思に反し、超高速で滅茶苦茶な機動を繰り返す。上へ下へ右へ左へ前へ
後ろへ。
自身が招喚したにも拘らず、このような状況に陥っているのには理由がある。ピーキーなのだ、ど
うしようもないほどに。
例えば、免許取り立てでそれまで車に触ったことすらも無い人物が、いきなりフォーミュラーマシ
ンに乗ったようなものなのだ。しかも加速Gや減速Gにより押し潰される寸前の状態で操縦しなけれ
ばならない。いきなり操縦できるほうが異常なのだ。
だが、何事にも僅かながらの例外と言うものが存在する。ティアナ・ランスターは、その極々僅か
な例外だった。
ロベルトが出て欲しかったな。あのハエを殴り飛ばすのには燃えた。
あと若本・ムカデ・アンデルセンは大好きです。
滅茶苦茶な機動を繰り返していく内に、何と無くではあるがティアナには操縦のコツのような物が
わかって来た。だがその間も肉体にはどんどんダメージが蓄積されてゆく。
全身の毛細血管が次々と断裂してゆく音が聞こえる。眼球が圧迫される。骨が軋む。操縦桿を握る手
は既に感覚が無い。術衣を纏っているにも拘らず、内臓が押し潰され吐血を繰り返す。
それもその筈、鬼械神は本来人が乗るようには出来ていない。故に術者にかかる負担は想像を絶する。
また、アイオーンは数ある鬼械神の中でもかなりの高位にある。
窮極にして至高、慄然たる魔導書アル・アジフ。その写本であるギリシア語版―――現在ではミッド
チルダ言語に翻訳されている―――ネクロノミコンも相応の位を備えている。たとえ焼け落ちようとも、だ。
だが、人間が人間のまま高位の鬼械神、アイオーンを使役するためには相応の対価を支払わなければならない。
その対価とは―――術者の生命そのものである。
アイオーンを招喚した当初からティアナはそれを感じていた。最初こそただの違和感だったが、今な
らばその正体がはっきりと解る。
アイオーンによって命が削り取られているのだ。より正確に言うならば、その心臓部『アルハザード
のランプ』に。
僅かずつではあるが、確実に逃れ得ぬ死へと近づいている。
だが今はそんな事にかかずらっていられない。更に命を削りアルハザードのランプにくべ、機体を加
速させた。
十秒程度の飛翔だったろうか? アイオーンの紅い眸を通してそれが視えた。
遥か下方にある建物、ホテル・アグスタ。そして張られている結界。
結界内部を視る。その中にいたのはスバル達と道化師。
しかし距離が近すぎる。道化師をここから対霊狙撃砲(アンチ・スピリチュアル・ライフル)で撃てば、
スバル達を確実に巻き込んでしまう。それだけは絶対に避けねばならない。
しかしスバルたちには逃げる術がない。背後より何かが絡み付いているからだ。
―――考えろティアナ・ランスター! 何か手はあるはずだ。スバルたちを助ける手段が!
記憶の検索と魔導書の記述検索を並行して行う。その間およそ二秒。
“―――お守り、あとで絶対返しなさいよ!―――”
“―――うん! 絶対、絶対返すね!―――”
有った。
それをやり遂げられるだけの自信などない。しかも他者の脳髄、それも思考野に進入するという、人の
尊厳を踏みにじる最低の行為。だが、今の彼女に出来る最良の選択であった。
きっとスバルには嫌われるだろうな、そんな詮の無い考えが頭を過ぎる。
苦笑を浮かべつつ、ティアナは己を術式を動かす部品とする。
構築されてゆく術式。それは、喪いたくない、亡くしたくない、そんな祈りで綴られていた。
※〜〜・〜〜◎〜〜・〜〜※
訂正 ×前々々スレ199氏
○前々スレ199氏
>>575 おお!しばらく見ないうちにいつの間にかなのはStS×デモベ氏がっ!!
俺はあなたを待っていた!!
支援!!!
―――術式介入―――
灼熱色の流星が見えてから少し経った頃、理解を超えた何かがスバルの中に侵入してきた。
それはスバルを壊すようなものではなく、何故か懐かしくて、とても大切で、とても暖かい。まるで誰
かに抱擁されているような安心感があった。
―――術式展開―――
スバルの頭の中で強制的に展開される術式。
ソレはとても高度な、質量をも持つような情報とでも言うべきだろうか。
やがて術式は複雑に絡み合い、見た事も聞いたこともない呪文へと変換された。
その呪文とは―――
スバルは首を締め付けられながらも、その呪文を唱えた。
藁にも縋る様な思いと共に、僅かな希望と祈りを込めて。
「第……印……ダーサイン。あ……る……脅……を……ものなり」
言葉にすらならないような弱弱しい声。それでも尚唱える。何かを信じて。
そして奇跡が起こった。
それは燃える五芒の星。それは光り輝く破邪の印。それは最も新しく旧き神を示す紋章。それは……。
「エ、エ、エ、エルダーサイン!? なんで、なんでアンタ達が使えるの!?
なんでぇ、なんでよぉぉぉ!!」
道化師の慌てた声が耳朶を打った。
スバル達を拘束していた『死体』が、その清浄な光に触れた途端塵へと還る。汚穢なる触手から解放さ
れたスバルとエリオは、ごほごほと咳き込んだ後、肺一杯に空気を詰め込む。キャロは未だ気絶中。僅か
に胸が上下している事から、生きているようだ。
燃える五芒の魔法陣は未だに輝きを失わず、スバル達を護り続けている。
懐から光が溢れている。
取り出して驚いた。
その正体は、出撃前にティアナから渡されたお守りだった。よく見れば、金属板に刻まれた模様と宙に
浮かぶ印は同じものだ。
常に余裕を持っていた道化師だが、この印を見た途端の慌てようは異様と言うよりむしろ、恐れている
ようにも感じられた。
今スバルたちに出来ることは少ない。ガジェットの中に押し込められてる人を助けられないのが歯痒い。
だが、今この時だけは生き残ることを考えなければならない。
「エリオ、キャロに気付けして! それから後退するよ!」
スバルのその声に、エリオはすぐさまキャロに気付けを施して強制的に目を覚まさせ、後退。
スバルも後退しつつ旧き印を掲げ、プロテクションの応用でそれに魔力を注ぎ続けていた。
今は三人で生き残ってこの場を脱出する。
「んのぉ、舐めてんじゃないわよ!」
道化師が両手に巨大な鉄の鉤爪を作り出し、大声と共に襲い掛かってきた。
障壁を砕かんと振り下ろされる鉤爪。スバルは思わず目を瞑ってしまったが、しかしそれはきんっ、と
いう甲高い音と共に、堅固な障壁により弾かれていた。
※〜〜・〜〜◎〜〜・〜〜※
熱圏。そこにじっと佇む大きな黒い影、アイオーン。
その眸はさながら獲物を狙う狙撃手(スナイパー)のよう。いや、この時は正にスナイパーそのもの
なのだ。虎視眈々と獲物の僅かな隙を狙い続ける。
そして好機が到来した。道化師が鉤爪で旧き印を砕こうとして、弾かれたのだ。
爪を弾かれた瞬間、道化師に生まれた僅かな硬直。ティアナはそれを見逃さなかった。
すぐさまアイオーンの右手にバルザイの偃月刀を鍛造。まだ赤熱しているそれを、スバル達と道化師
の間に存在するごく僅かな隙間へと投げつけた。
投げつけた偃月刀を追う様にアイオーンも落下してゆく。
落下しつつ、アイオーンの右手にクロスミラージュを顕現させ、カートリッジをロード。銃剣とする。
するとクロスミラージュはティアナの意思を汲み、銃口に圧縮魔力で構成された刀身を作り出す。
オレンジ色の刀身に揺らめく魔術文字が意味するところは、焼滅。
叩き付けるべき相手は、道化師!
タティアナサンカッコいいッ!!支援
※〜〜・〜〜◎〜〜・〜〜※
スバルの目の前に何かが突き刺さる。それはまるで壁。自分達と道化師を隔てる巨大な防壁、見たこと
の無い文字が刀身に浮かぶ、バルザイの偃月刀。
偃月刀が大地に突き刺さってから半瞬の後、それは来た。
驚いた拍子に見上げた空にあったのは、黒い大きな影。背中には魔力を噴射する翼、シャンタク。右手
にはクロスミラージュ。左腕は根元から無い。
そして影は落着した。
兇暴な閃光。何もかもを飲み込み、焼き尽くす白い闇。大地は溶解する暇も無く蒸発してゆく。
それから更に遅れる事半瞬、衝撃が襲い掛かる。
熱、衝撃、瓦礫、その全てを偃月刀と旧き印は防ぎきっていた。
スバルが瞑っていた瞳を開けたとき、周りには前方を除き何も無くなっていた。
大地は自分達が立っている所以外、無残に溶けて抉れ、木々は焼失していた。
目の前に刺さっていた偃月刀は防壁としての役目を終えたように頁へと戻り、黒い巨人へと吸い込まれてゆく。
全く時間が経っていないにも拘らず大地は冷え、歩ける程度には固まっていた。
黒い巨人がスバル達を見る。意思の感じられない無機質で真っ赤な眸。だが、その視線は暖かさを感じさせる。
唐突に巨人の存在が薄れ、解けて舞い踊る紙片となった。その中心には人影。
紙片は人影のもとへと集まり、吸い込まれてゆく。巨人の眸と同じ真っ赤な瞳を持った少女。
見覚えのある顔立ちだった。瞳の色も髪の色も違う。でもその人物をスバルは特定できた。
「ティア?」
その名にエリオとキャロの顔が驚愕に染まる。彼らの知るティアナとは容姿が違いすぎていたのだ。
本の頁を束ねたような翼を広げ、ゆっくりとスバル達の目の前へと着陸する。遠目では解らなかったが、
ティアナは全身が血に濡れていた。髪に至っては乾いた血で固まっている。
がくんとティアナの膝が崩れる。慌てて三人で支えた。
「助けに来たのに、助けられちゃったみたいね。これじゃ」
その時、四人の顔には確かな笑顔があった。
※〜〜・〜〜◎〜〜・〜〜※
突然のことだった。
ずどんっ、という腹に響く重い衝撃。
「え……? あっ……ぐ……!」
ティアナの腹に何かが刺さっていた。いや違う、濁った紫色のとても長い何かが術衣を貫き背中に突
き刺さって、肋骨を砕き内臓を蹂躙し貫通したのだ。
最初それが何か、当のティアナ自身にも理解できなかった。でも今なら解る。腸だ。鋼鉄以上の硬度
と強度を誇る汚穢な腸。それが爆心地から真っ直ぐにティアナへと伸びているのだ。
そしてその爆心地にいるモノは、焼滅呪法により焼滅した筈の道化師、その残骸。
それは確かに、残骸も残さずに焼滅したはずの道化師だった。
「う、嘘!?」
スバルが驚愕の声を上げる。無理も無い。
何故ならば、道化師の上半身は完全に焼失しており、とてもではないが生きていられるような状態で
は無い。しかし現実に道化師は生きている。腸をワイヤーに、腹をウインチに見立てずるずると体を引
き摺って行く。止め具はティアナ自身だ。
ティアナの肉を引き裂く、決して上げてはいけない音。めりめり、めりめりと。
「あぐぁぁぁあぁあっ!!」
文字通り体を引き裂く激痛にティアナが苦悶の声を上げた。
「あーあ、やってくれちゃったわねぇ……ほんっとどうしてくれようかしら、この小娘」
顔は無く、肺も喉も無いのに確かな発音をもって道化師が喋っている。
ずるずるずるずる。道化師は喋りながら己の体を引き摺り、ついにはティアナの真後ろにまで到達していた。
そして異変。
下半身から背骨が生えた。まるで枝が伸びるように骨が次々と再生してゆく。肋骨、肩甲骨、頭蓋骨。
今度は骨から肉が『生えた』。
肉が肉を構成し、段々人間の形に近づいてゆく。神経、血管、筋肉、脂肪、眼球。
全身が筋肉と脂肪で覆われ、そして腐り落ちた。同時に漂う、吐き気を催す腐敗臭。全身に湧いた蛆
が腐肉を食らい、ぶくぶくと肥え太ってゆく。
ゆったりとしたローブで全身を包み、懐から仮面を取り出し装着する。下卑た笑みを浮かべる緑色の
仮面だった。
「はぁい、復活よぉん☆」
そこにあったのは、先程と寸分違わぬ道化師の姿だった。
「ほんと痛かったのよ……」
「あがっ……ぁぁっ!」
突き刺さっている腸が蠢き、内臓を骨を更に蹂躙する。ぐちゃり、ぐちゃり。
ティアナもスバルたちも必死になって腸を切ろうとするが、それは途轍もない硬度と弾性を持ち、更
に傷をつけたとしてもたちどころに再生してしまう。
時間を追う毎にティアナの顔色が悪くなってゆく。傷口からは既に失血死寸前の血液が流れ出し、彼
女の足元に血溜まりを作り出している。その上、アイオーンの招喚、及び操縦でかなりの血が流出している。
「このまま縦に引き裂いちゃっても良いんだけどぉ、それじゃアタシの腹の虫が収まらないのよ……。
こーんなにコケにされちゃってさぁ。
……殺してなんてあげないわ、生きたまま地獄を味あわせてやるわよ!!」
怒りの声。その声に連動し、くるりと道化師の仮面が裏返る。それまでの笑みを浮かべるものから、
現在のティベリウスの精神状態、つまり激怒を表す真っ赤なものへと変化した。
放たれる強い殺気。ソレは胸をむかつかせ、吐き気を催す饐えた臭いのする殺気だった。
「そらぁっ!」
ティアナの体が腸に持ち上げられ、硝子状に固まった地面へと叩きつけられる。クレーター内部にク
レーターが生まれる。
「ティアッ! うおおおおおっ!」「ストラーダ!」「フリード!」
魔力を纏ったスバルの拳が道化師を撃つ。その一撃で胴体が抉れ蛆の湧いた内臓が露出する。間髪を
入れずにストラーダによる連続斬撃が道化師の肉体を削り、最後にフリードリヒの吐いた炎が焼き尽く
す筈だった。
だが道化師は、苦悶の声どころか恍惚の声を上げるばかり。
「ああん、いいわぁっ! アンタたち最高よ、もっとやって! キル・ミー! プリィィィィィィズ!!
ファック・ミー! プィィィィィィィィィィズ!!」
つづく。
※〜〜・〜〜◎〜〜・〜〜※
ああ畜生、今回の出来は今までで最低な気がする。ガッデェム!
しかも糞短いと言うおまけ付き。これはもう吊るしかない、主に首を。
と言うところで次回予告。
増援は望めず、絶体絶命のピンチに陥ったティアナ達。不死身のティベリウス相手に如何にして戦うのか?
そして、出番の無い隊長&副隊長達に出番はあるのか?
NEXT「反撃のお時間」に、君もファイナ○フュージョ○承認!
これが勝利の鍵だ!
クロスミラージュ&ウィングロード
あと時計。
GJ!!さすがスーパーティベリウスタイムッ!!
見事な不意打ち&不死身さ加減、突き抜けてるよッ!!ティベリウスッ!!
585 :
マスカレード:2007/09/19(水) 00:40:21 ID:MPk2PzI4
こなた「さぁ、始まるざますよ!」
つかさ「行くでがんす」
みゆき「ふんがー」
ティアナ「まともに始めなさいよ!」
かがみ「う……なんかキャラが近い!?」
なんか非常に投下しにくい状況ですが、なの☆すた2話、投下してもよろしいでしょうか?
<<C'mooooooooooon!!>>
流石はTHE・不死身と呼ばれるアンチクロスのティベリウス。でも実は一回蹴られただけで死ぬ。
タイトルがギャグにしか思えません。GJでした。
かもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん
>>583 >なのはStS×デモベ氏
タティアナさんがかっこよす。
ってww次回予告wwww
パクっちゃダメでしょwwwww
まあ、とりあえずGJ!を
>>585 かがみ…不憫な子め(笑)←ひどwwww
さあ、いつでもよろしいですよマスカレード氏!!投下体制へ!!
奴を倒すには『輝くあれ』を持ってくるしか・・・・
それにしてもGJです
私も投下しなくちゃな〜
591 :
マスカレード:2007/09/19(水) 00:55:29 ID:MPk2PzI4
「……ねぇつかさ、チョココロネってどこから食べる?」
ある日の昼休み。こなたはマジマジとチョココロネを見つめながら食べていた。
「え?う〜ん……頭からかな?」
「……そう」
こなたは一言呟くと、再びチョココロネを食べ始めた。
「ところで……頭ってどっち?」
刹那、つかさの表情は固まった。
Episode 02「癒し効果」
「ねぇ、なのはさんはどう思う?」
「え……?」
こなたの問いに、なのはもまた固まる。
どっちがチョココロネの頭かって?考えた事も無いよ。
「多分細い方……かな?」
「うん、私もそう思う」
とりあえず気分で答えてみるなのは。つかさもそれに合わせる。
「そう……私は太い方が頭だと思った」
「どうして?」
「だって芋虫みたいじゃん?」
「「いも……ッ!?」」
なのはとつかさはショックを隠し切れず、固まったままその場に立ち尽くした……。
「え〜と、こなちゃん。もうちょっといい例えないかな?」
「そうだよ……貝とかの方がまだいいよぉ」
なのはもつかさも芋虫というイメージには猛反発。
そりゃおいしいチョココロネのイメージが芋虫なんて言われたら誰だって否定するだろう。
つかさが貝ならなのはのイメージは何だろう?気になったこなたは聞いてみることにした。
「……じゃあ、なのはさんはどんなイメージなの?チョココロネ」
「え……私のイメージ……?」
「うん。つかさが貝なら、なのはさんはどんなイメージなの?」
「…………?」
またもこなたに意外な質問をされたなのはは、しばらく考えるそぶりを見せ……
「う〜ん……ドリル……かな?」
満面の笑顔で答えたなのは。それにより、再び微妙な空気が流れる。
「なのはさん……土曜日の朝は、何見てる?」
「……え?」
訳のわからないこなたの反応に、なのははキョトンとした顔をするのだった。
「どーも、ティアナサン」
「え……?えぇ、パトリシアさん……だっけ?」
ここは1年D組。突然話し掛けられたティアナは、早速覚えたばかりのクラスメートの名を口にした。
「ティアナサンも私と同じで、ニホンの文化を学ぶ為に留学したデスカ?」
「え……ま、まぁそうね」
ティアナは留学生ということでこの陵桜学園に通っているため、立場的には
この『パトリシア=マーティン』こと、パティと同じことになる。
「やはりそうデシタカ!いやー、ニホンの文化は素晴らしいデスよねーっ!」
「まぁ、そうね。確かにいい国よね、この国は」
「同じ趣味を持つナカマとして、よろしくお願いしますデース!」
「(同じ趣味……?私、趣味なんて言ったかしら?)」
ティアナはそんな疑問を浮かべながら、適当に「よろしくね」と笑顔で挨拶する。
ちなみにパティは、日本にいる人間を全員オタクだと思い込んでいる節があり、ティアナもまたその勘違いの被害者の一人である。
「とりあえずティアナサン、ツインテールとはポイント高いデスネ!」
「は……?あ、ありがとう」
別にそんな需要とか気にしてツインテールにした訳では無いが、一応お礼は言っておく。
今後この二人の勘違いは、間違いなく深まってゆくだろう……。
最終回があっさりと終って、ちょっと寂しいよ支援
593 :
マスカレード:2007/09/19(水) 01:03:53 ID:MPk2PzI4
「ひよりん、それ何してるの?」
「あ、スバルちゃん……」
一人で黙々と机に向かっている黒髪の少女、『田村ひより』に声をかけるスバル。
こういう時、どうしても声をかけてしまうのがスバルのいい所なのかもしれない。
「いやね、漫画書いてるんだけど、締切が迫ってて……」
「へー、漫画書いてるんだ!?凄いじゃない!」
「え?い、いやぁそれほどでも……」
褒められて素直に喜ぶひより。
だが、この喜びも次の瞬間には焦りへと変わる事に、ひよりはまだ気付いていないのであった……。
「どんなの書いてるの?ちょっと見せてよ♪」
「ってわぁああああっ!ちょ……ちょまッ!!」
いつも通りのニコニコスマイルで原稿に手を伸ばすスバルを、必死な顔で制止するひより。
「え……ど、どうしたの?ひよりん……?」
「いや、その……えっと……」
スバルも少し驚いた表情でひよりを見る。なぜかひよりの顔は少し赤くなっている。
「あの……その、み、見ない方が……いいかもよ……?」
「ゆーちゃんまで……どうしたの?」
そこに、さっきまで微笑みながら見ていただけの赤髪ツインテール少女、『小早川ゆたか』ことゆーちゃんが割り込みをかける。
ゆたかの顔もまた、ひよりと同じくらいに赤面している。
「あの……ホラ、まだ本になってないから、発売したら見せてあげるから!ね?」
「あぁ!なんだ、そういう事かぁ。そういう事ならわかったよ!」
「あ、ありがとうスバルちゃん……」
ひよりの必死の言い訳を疑う事なく信じたスバルは、快くそれに従うことに。
「(良かったね、見られなくて……)」
「…………。」
ひよりに目で合図をするゆたか。
ゆたかはすでにこなたという伝説の少女によって、ひよりの書いている漫画の内容が知らされているのだ。
「(あぁ……正直かなり恥ずかしい!)」
ゆたかにまでそんな気を使わせてしまったひよりは、擬音で表すなら「カビーン」といった感じに落ち込む。
「ん?どうしたの、ひよりん?」
ひよりが何故ヘコんでいるのかなど想像もつかないスバルは、何事も無かったかのように話し掛ける。
「(あぁ……しかもこの漫画出たらスバルちゃんにまで見せなくちゃならないんだーッ!?)」
さっきの「発売するまで待て」って言い訳……
アレはミスった!ひよりは心の底からそう思ったという。
ひよりワロスwww
支援!
これは支援せざるを得ない。
596 :
マスカレード:2007/09/19(水) 01:12:32 ID:MPk2PzI4
「そういえば今思ったんだけどさ、ティアナちゃんとスバルちゃんの組み合わせって
ゆたかちゃんとみなみちゃんの組み合わせに似てない?」
「「「………………?」」」
突然のひよりの言葉に、お互いの顔を見合わす一同。
「(私が似てるって……みなみにかな?)」
「(私は……やっぱりみなみよね?)」
「(え……私ティアちゃんみたいにスタイルよくないよぉ)」
「(……似てない。)」
スバルとティアナはみなみに、ゆたかはティアナに、それぞれ目線を向ける。
まぁみんな思っていることは違うようだが。
しかもひよりの言葉に誰ひとりとして返事を返そうとしない。
「……はいはい、そうっスよね、似てないよね、どーせオタク思考ですよー」
ひよりは、「ハハ……」と、まるでフリーダムを落とした直後のシンの様なよくわからない笑みを浮かべた。
「で、私が誰に似てるっていうのよ?」
「ほら、ショートヘアにツインテールって組み合わせ。あとはクールと天然を入れ換えた感じ」
ティアナの問に答えるひより。
「え〜……なんかややこしいなぁ……」
スバルも頭をフル回転させる。
いや、なんかややこしそうに聞こえるだけで冷静に考えればどうってこと無い話である。
「だから、こうなればいいんだよ〜」
『ねぇねぇスバルっ♪』
『何よ、ティア……』
明るい表情のティアナが、クールな表情のスバルに話し掛ける。
なんだこの図は。
「もしくはその逆かだね」
言うべき事を言ってやった!的な表情で微笑むひより。それはもう実に楽しそうな表情だ。
うん、もちろんひよりだけ。一同「……」状態だ。
「あ……っ!」
「どうしたのよ、ひより?」
「あ……ううん、何でもないよ……」
突如何かに閃いたひよりは素っ頓狂な声をあげてしまう。
「(言えない……転校生組はスタイルいいけど、ゆたかとみなみは胸ぺったんガールズだなんて……ッ!!)」
また妄想モードに入ってしまったひより。
ひよりはどんな些細な事でも、使えるネタはどんどん使うのだ。漫画に。
「アンタ、さっきから何考えてんのよ?」
度々訳のわからないモードに切り替わるひよりに、ツッコミを入れるティアナ。
ひよりのティアナメモにはツッコミポイントが追加された!
「え……いや、何でもない……カナ?」
「かな?って何なのよ……」
適当にはぐらかすが、今ひよりはある事実に気付いた。このティアナの態度……そして喋り方は……!
「あぁ……今気付いたよ。ティアちゃんはクールっていうよりツンデレなんだね……」
「……ツンデレ?」
初めて聞く単語に首を傾げるティアナ。
「ティアちゃんはどちらかと言うと柊(かがみ)先輩のが近いんだよ」
こうしてひよりは再び妄想モードへと突入するのだった……!
597 :
マスカレード:2007/09/19(水) 01:18:09 ID:MPk2PzI4
3年C組の風景。
その日、日下部みさおはいつも通り教室へと入室するため、勢い良くドアを開けた。
「(おっ、あれは転校生!)」
入室するや否や早速フェイトを発見!
みさお的にもここで絡まない手は無い。
「おーっす、フェイト!」
「………?」
「あ、アレ……?」
元気よく挨拶したのはいいが、どこかフェイトの様子がおかしい。
返事を返す事もなく、黙ってみさおの顔を見つめているのだ。
「……どしたん?元気ねーなぁ」
「ごめん。キミ……誰だっけ?」
「はぅあッ!?」
次の瞬間、みさおはかがみの元へと駆け出していた。
「ひ、酷い……あいつ、酷い!」
「ま、まぁまぁ……まだ転校したばっかなんだから、仕方ないでしょ?」
かがみは自分に擦り寄るみさおをなだめながらフェイトをフォローするのだった……。
放課後。
「なんだかんだでゆーちゃんと一緒にいると癒されるなぁ」
「え……そ、そうかな?」
突然のスバルの褒め言葉に、顔を赤くするゆたか。
「いや〜そういう反応が癒しポイントアップに繋がるんだよ〜」
「そうそう、それそれ!ポイントとかよくわかんないけど!」
「そうだよね……わかんないよね……あとそれ風間大介だよね……」
このスバルの一言により再びひよりの泣き笑いスイッチがオンに!
「まぁともかく、アンタも少しは見習えば?」
「なっ!?酷いティア……まるで私が癒しポイント0みたいじゃない!」
「そうは言ってないわよっ」
楽しそうに言い争いを始めるスバルとティアナ。
二人の光景はまさに中のいい女キャラ同士……例えるならばアイビスとスレイが仲良く喧嘩をしているような、そんな微笑ましい光景だ。
「(あぁ……なんかいいネタが閃きそうかも……!)」
ひよりはそんな光景を、またしても百合漫画のネタにしようとしているのであった……!
まぁいつも通りっちゃいつも通りですよ。
「ねぇ、ティア……」
「何よ?」
「なんか誰か忘れてない?」
「誰かって……誰よ?」
スバルに話し掛けられたティアナは、一緒に忘れられた人物を考えるが、どうにも思い出せない。
そんな時、二人の元へとやってきたのはひよりだった。
「あ、パティは空気キャラってのもポイントの一つだから気にしなくていいっすよ」
「「……あッ!!」」
そうだ、パティだ!
598 :
マスカレード:2007/09/19(水) 01:21:09 ID:MPk2PzI4
投下終了です
職人の皆様GJです!
確かに良作の後に投下ってのはかえってしょぼく見えますね……
みさおかわいいよみさお
600 :
19:2007/09/19(水) 02:00:50 ID:i0MevtG6
職人の皆様GJです!!
ところで、やっと規制が解除されたみたいなんで投下してもいいですか?
どうぞどうぞ
602 :
19:2007/09/19(水) 02:06:47 ID:i0MevtG6
それでは、投下します
なのはと戦った翌日俺達はまた会議を開いていた
内容は仮面の男についてだ
「昨日の戦いで私の方にも仮面の男が現れたが孫、おまえの方にも現れたそうだな。」
「はい。」
「…孫、おまえはどう思った?」
「対峙してわかったことは、直感的に信用してはならいってことぐらいですかね…。」
「どういうこと?」
「あの仮面の男が闇の書の完成させようとしているのは間違いありません。
でも、なぜ完成させようとするのかがまったくわからないんです。」
そう、これがまったくわからないんだ
ナメック星の時はベジータさんとフリーザが不老不死に
なるためにドラゴンボールを集めてたからいろいろと対策が取れたけど
今回はそうもいかない
「完成した闇の書を利用しようとしているのかもしれんな…。」
そうザフィーラさんが言った
「ありえねぇ!! だって完成した闇の書を奪ったって、
マスターであるはやて以外には使えないじゃん!!」
「完成した時点で、主はやては絶対的な力を得る。脅迫や洗脳などの効果がある筈も無いしな。」
「…家の周りには厳重なセキュリティを張ってるし、
万が一にも、はやてちゃんに危害が及ぶことは無いと思うけど…。」
「それでも念の為だ。シャマルはなるべく主はやての傍を離れん方がいいな。」
「そうね。」
「なぁ、闇の書を完成させてさ、はやてが本当のマスターになったらさ、
それではやては幸せになれるんだよな?」
「どうしたんだ? いきなり?」
「闇の書の主は大いなる力を得る。守護者である私たちがを誰より知ってる筈でしょ?」
「そうなんだよ。そうなんだけどさ
アタシなんかさ、大事なことを忘れてる気がするんだ…。」
「俺はよくわからないけど、闇の書が完成すればはやての命は助かるんだろ?」
「うん…。」
「それで少なくとも闇の書の侵食は止まる。」
「なら…。」
603 :
19:2007/09/19(水) 02:08:28 ID:i0MevtG6
突然、何かが落ちる音がした
何事かと思い集中して周りを探ってみた
…はやての気がいつもより小さい
はやては気のコントロールができないから
激しい運動などをしなければ気が小さくなるってことはない
まさか
「はやて!!」
俺達はすぐにはやてのいる場所に移動した
すぐに倒れてるはやてを発見した
「はやて!!」
「救急車!!救急車!!」
「ああ!!」
「はやて!!」
「まて、あまり動かすな!!」
「あ、うん。」
はやての顔色が悪い
はやての倒れてる体勢が悪かったので
はやてを仰向けにして少し抱き起こす
…体温が若干高い
息も荒い
少しは楽になるだろうと思いはやてに俺の気を分け与える
「シャマル!!回復!!」
「わかってるわ!!」
隣ではシャマルさんがはやてに回復魔法を掛けている
効果があったのかはわからないがはやての顔色は少しは良くなった
はやてを病院に移動させてだいたい数時間が過ぎた
検査が終わるまで心配だったが
はやての容態は良くなったようなので
今は一般の病室にいる
「うん、大丈夫みたいね。」
「ありがとうございました。」
石田先生という人にはやての容態をみてもらっている
どうやら大丈夫のようだ
よかった
604 :
19:2007/09/19(水) 02:10:32 ID:i0MevtG6
「はぁ、ホっとしました。」
「せやから少し目眩がして、胸と手が吊っただけやって言うたやん。」
「そうは言っても倒れたからなぁ。心配するなってほうが無理だと思うよ。」
「そうですよ。悟飯君の言うとおりです。」
「何かあっては大変ですから。」
「はやてが無事でよかったよ。本当に。」
そう言ったヴィータの頭をはやてが撫でていた
ヴィータが一番心配していたからな
「まあ来てもらったついでに少し検査とかしたいからもう少しゆっくりしていってね。」
「はぁい。」
「シグナムさん、シャマルさん少しいいですか?」
「はい。」
そう言って三人は病室の外に出て行った
そういえば俺もよく入院してたなぁ
人造人間にやられてボロボロになった俺をブルマさんが見つけて
何度も病院に運んでもらってたっけ
そういえば、最初に病院に運んでもらった時『なんで俺のいる場所がわかったんですか?』って聞いたっけか
そしたら『ラジオでね、ペッパータウンで金色の髪をした少年が
人造人間相手に戦ってるっていうニュースが流れているのを聞いてね。』って言われたっけか
それを聞いた時お母さんにも伝わったんじゃないかって心配になったけど
パオズ山まではラジオの電波が届かないはずだっていうのを思い出した
よけいな心配を掛けたくないしね
あと、何度もボロボロになった俺を見てもブルマさんはもう戦うなって言わなかったけか
俺の気持ちを汲んでくれたんだろう
これは嬉しかったけど、ブルマさんは心配でたまらなかったんだろうな
それに関しては本当に申し訳なかった
だから修行の合間や少し時間がある時はブルマさん家に顔を出すようにしたんだっけか
「悟飯?」
「え、あ、何?」
「さっきからボーってしてたもんやから、どないしたん?って思ってな。」
「いや、なんでもないよ。」
「ホンマに?」
「ホントホント。あ、はやてが病室に移る時に林檎買ってきたんだけど食べる?」
605 :
19:2007/09/19(水) 02:12:33 ID:i0MevtG6
「あ、アタシ食べる!!」
「ちゃんとヴィータにもあげるよ。はやても食べるよね?」
「うん。お願いな。」
「まかせといて。」
そう言って俺は果物ナイフを使って林檎を剥いていった
「入院?」
どうやらはやての入院が決まったようだ
さっきシグナムさんとシャマルさんが石田先生と話してたのはそのことかな
「はい、そうなんですよ。」
「そうなんか…。」
「あ、でも念の為にというだけですので心配はありません。」
「それはええんやけど…。」
何か言いづらそうにしてるな…
「どうしたの?何か心配事?」
「いやな、私が入院しとったら料理とか全部悟飯に任せてしまうことになってしまうんやない?」
「あ、たしかに。」
「もう、何言ってるの。はやてちゃん、ヴィータちゃん。そこは私と悟飯君の交代でやります。」
「「シャマルが作るのだけはやめてくれ!!」」
ヴィータとシグナムさんが間髪いれずに突っ込む
「二人とも酷い!!悟飯君、この二人に何か言ってあげて!!」
「えーと………俺は大丈夫だよ。体力には自信があるしね。」
「悟飯く〜ん。」
「まぁそれはそれとして、戻って着替えと本などを持って着ます。」
「ほかに持って着てほしいものがあったらなんでも言ってくれよな、はやて。」
「そやな…あ!!すずかちゃんからメールとか来るかもしれん。」
「あ、それは私の方から連絡しておきます。」
「後、何か暇つぶしになりそうな物も持ってくるよ。」
「うん。お願いな。」
はやてが入院してから数日が過ぎた
俺達は毎日蒐集活動を続けている
勿論はやてのお見舞いも毎日行っている
頁もあと少しといった所なので少しは余裕も出来ている
いよいよ最終回が近いぜ!!支援
607 :
19:2007/09/19(水) 02:15:00 ID:i0MevtG6
今月の末までには完成するだろう
ただ、一つ厄介な事ができた
はやてがなのはとフェイト達と知り合ってたという事だ
この二人はすずがの友達でその経由で知り合ったということらしい
はやての友達が増えるのはいいことだけど…
俺達の話し合いの結果、バッタリ会わないように時間調整するということになった
ただ
「あの、シャマルさん…。」
「何?悟飯君。」
「なんですか?その格好…。」
「なにって…変かしら?」
今のシャマルさんの格好は
厚手のコートに手袋にサングラスというものだった
「その格好はかっこいいんですか、かなり目立ってますよ…。」
「え、嘘!?」
「本当です。その格好でコソコソしてたら怪しい人に見えますよ…。」
後日、シャマルさんの服装は元に戻った
さらに数日が過ぎた
今ははやてのお見舞いに行くところだ
「今日か明日には雪が降りそうですね。」
「そうだな。冷えてきたし主はやてが風邪など引かねばよいが。」
「病室は暖かいし大丈夫じゃない?」
「そうだって。」
「そうだな。しかし今日は少し遅くなってしまったな。」
「そうね。でもあと少しで闇の書が完成するわ。」
「ああ、あと少しだ。」
「でも、最後まで油断しないでくださいね。」
「ああ、わかってるよ。」
「そろそろ病院に着くぜ。」
「そうね…あ!!」
「どうした!?シャマル!!」
「…はやてちゃんのお見舞いに持って来る物…家に忘れてきちゃった…。」
608 :
19:2007/09/19(水) 02:16:40 ID:i0MevtG6
「はぁ!?何やってんだよ、シャマル。」
「うう、ごめんなさい。」
「…まぁ、ここに来るまで気付かなかった我々も我々だがな…。」
「う…。」
「はぁ、いいですよ。俺が取ってきますよ。」
「え?でも、元々は私のせいだし…。」
「いいですって。気にしないでください。」
「じゃあ…お願いね。悟飯君。」
「まかせてください。はやてには俺は遅れてくるって言っといてくださいね。」
「ああ。そのように伝えておく。」
「気をつけてなー。悟飯。」
少し暗くなってきたな
あ、そろそろ家に着くころだな
そう思いながら足を踏み出したら
「ん?」
おもいっきり足が滑り
「うわ!!」
盛大に転んだ
「いてて…痛いというか冷たいな。」
転んだ時に氷を割ったようでびしょ濡れになった
早く家に戻って着替えよう
はやてのお見舞いに持ってくものはすぐに見つかった
あとは俺の着替えだな
………無いな
あ、そういえば全部洗濯してたっけ
どうしよう…胴着でいいか
ほかに着る物ないし
胴着を着て帯を締める
やっぱ胴着が一番肌に馴染むし落ち着くな
さて、行くか
すっかり暗くなったなぁ
面会時間とか大丈夫かな
609 :
19:2007/09/19(水) 02:18:29 ID:i0MevtG6
まぁ…もしもの時は空飛んで窓から入ろう
はやての部屋は一人部屋だし誰かに気付かれることもないだろう
あ、もう少しで着くな
少し速度を上げるか
そう思った時
「!!」
妙な違和感を感じた
「何だ?」
胸が締め付けられるやな感じ
…やな予感がする
周りに人がいないことを確認して
俺は上空まで一気に上昇した
そして上空から町を見下ろした
………一つの建物…ビルだな
他と少し違う感じがした
俺はそのビルに飛んで行った
そのビルに着いたが…結界が張られている
俺は荷物を近くに置き、結界に向かって突っ込んでいき
「はぁ!!」
結界に穴を開けて結界内に侵入した
辺りを見回していると
「あれは!!」
貼り付けにされたヴィータを見つけた
「ヴィータ!!!!」
俺はヴィータに手を伸ばしながら向かっていく
「……ご……は………ん……?」
ヴィータが俺に気付いたようだ
あと少しでヴィータに手が届く
そう思った時
ヴィータが消えた
「な!!」
怒りのスーパーサイヤ人モードに支援
611 :
19:2007/09/19(水) 02:20:28 ID:i0MevtG6
「残念…。」
「少し遅かったね…。」
あれは…なのはにフェイト
…いや違う
気が二人のものじゃない
この気は…仮面の男か
「もう、騎士達は存在しない…。」
「つまり、死んだんだよ…。」
死ん…だ
みん…な…が
集中してもみんなの気が感じられな…い
俺は…また失ったのか
また…守れなかったのか…
家族を…
仲間を…
こいつ等が…仮面の男が…殺したのか
シャマルさんを…
シグナムさんを…
ザフィーラさんを…
ヴィータを…
…許せない
…許さない
絶対に…
「…久々に…。」
俺は
「?」
全身から
「久々に…。」
溢れ出て来た
「久々に心の底からブチ切れたぜ!!!!」
怒りに身を任せて
「うおああああああああああああああ!!!!」
超サイヤ人になった
「な!!」
「これは!?」
大気が揺れる
空気が震える
でも俺の知ったことじゃない
「貴様等だけは謝っても許さんぞ!!!!
この、クソ野郎!!!!」
戦闘民族の本性炸裂に支援
613 :
19:2007/09/19(水) 02:26:27 ID:i0MevtG6
投下完了です
つーか、ほんと規制が長かった…
悟飯は切れましたが…
まぁ、次辺りにはなんとかなってます
支援どうもでした!!
一瞬、フリーザさまかと思ったぜ
GJです
GJ!!悟飯の怒りはもっともだぜ。彼女達は怒らせちゃいけないヤツを怒らせましたね。
潜在能力は悟空以上ですから、もうフルボッコの予感w
最近疑問があるんですが、グレアムたちがこのような作戦を思いつくのも仕方ないと思うのですが、
理由を聞いた後にそれでも怒りが収まらないで切れるまたは、静かに殺気を送る等のタイプの作品を見たことがないので
そんなキャラいますかね?
GJ!
普段は穏やかな人がはげしい怒りで覚醒したらやばいってレベルじゃありませんよ?
孫悟空だって超サイヤ人になった時はものすごいキレかたしてましたし
静かに殺気を送るタイプ…
ボルト・クランクとか白野威みたいな超然とした連中とか?
こいつらは全部ひっくり返して何とかしそうだな
悟飯とか、人造人間を知ってる奴が、ナンバーズやスカにであったらどうなるんだろ?
別に何もおきんだろ。
GJ!
ってかパティって誰だっけ?ww
>>616 白野威って大神のアマ公?
筆神分身は闇の書の守護の連中みたいだよな
芸人根性あふれるやつばっかだけどw
放送事故から始り、挨拶代りの狙撃3連とか
下克上は吹いたw
つ 比良坂初音(アトラク=ナクア)
ちょっと違うか
久しぶりに投下よろし?
どうぞ
第十二話「疑念」
あれから銃を突きつけ、シャマルを脅すような格好が続いたのだが幸いにして衝突が起きることはなかった。
「なあ、ソースケよ。ここでシャマルを殺したりしたら俺たちどうやって帰るよ?」
クルツのこの一言が全ての決着を付けてくれた。
盲点だったその言葉に宗介はしぶしぶ拳銃を懐にしまう。
「・・・撃たないんですか?」
シャマルの問いに宗介もクルツも無言のままだった。
12月12日 2321時
海鳴市 セーフハウス
それから、シャマルの転送魔法で宗介達は地球に帰ってきた。
セーフハウスに戻ってきたが、まだマオは戻ってきてないようだ。
シャマルと別れる途中に聞いた話だがマオはシグナム達と一緒にあの場を離脱したらしい。
帰ってきてすぐにこの世界に残って任務を続けている情報部員のケット・シーに連絡を入れたところ
どうやら八神はやては友人の家に泊まっているらしい。
「それで?どうするんだよ、これから」
「どうとは?」
「お前が言ったんだろ?『闇の書』が危険な物だって」
クルツの言葉は相変わらず軽いが、宗介は考え込んだ。
あれが本当に大量破壊を引き起こす危険性がないのなら当然、自分達はこのまま任務を続けるべきだ。
だが、もしそうでなければ・・・
「ああー、疲れた。ただいまー」
しばらくして玄関が開き、疲労困憊といった感じの声がマオの帰還を知らせる。
パイロットが着るスーツを片手に持ち、リビングルームに入ってきた。
「姐さん、おかえり」
いつの間にかクルツは台所から持ってきた缶ビールを飲んでいる。
どうやら考え込んでいる宗介を待つのに飽きたようだ。
「あ!クルツ、ちょっとそれはアタシのよ」
「名前書いてなかったぜ?」
小学生みたいなことを言うクルツに疲れた体を引きずりながら近づくマオ
口からはクルツに対する不満が呪詛のように漏れだしてきている
前にこういう任務に就いたときも私のカニ缶を・・・だの
弾薬をドンブリ勘定ばっかり・・・などなど、挙げればきりがない。
「アンタって奴は、毎度毎度いい加減なことばかりして・・・!」
マオはギリギリとクルツの首を締め上げる
だが、疲れているのか普段のキレがない(それでも十分苦しいのだが)
「ハハッ、姐さん苦しい苦しい・・・・」
うめく様な乾いた声を出すクルツ
よく見なくてもクルツの顔は青くなり始めている。
「ったくもう、明日アタシの分買ってきなさいよ」
「酒がいるのか?」
「へ?いや今すぐじゃないけど、どっちかといえば・・・」
宗介が酒がいるのかなどと聞いてくるとは思わなかったのだろう。
マオは素っ頓狂な声を出してしまう。
「では俺が買ってくる。ビールでいいのだな?」
答えも聞かずに宗介は玄関から外に出て行ってしまう
マオは不思議そうな顔をしながら思いを廻らせた。
逡巡とでも言えばいいのだろうか?よく分からないが宗介は今、何かに迷ってるようだ。
「どうしたの?ソースケは」
「悩める年頃・・・ってやつかな
というのは置いといて、それがな姐さん―――――」
◇ ◇ ◇
セーフハウスのあるビルのエレベーターから出る宗介
とりあえずこの時間まで酒屋は開いているのか分からないが頭の中から、この辺りの地図を引っ張り出す。
「あっ・・・」
ビルの入り口を少し出たところでなぜか1時間ほど前に別れたシャマルが立っていた。
なにやらおろおろ迷っている様子をしているので宗介は事務的な口調で声をかけた。
「そこで何をしている?」
「えっと、シグナムがここに行けって
通信関連で聞きたいことがあるんじゃないんですか?」
宗介の頭にハテナマークが浮かぶがマオが要請したのかもしれない。
しかし、通信関連とは極めて重要なことでないか
「では、行くといい。マオも待っているはずだからな」
「サガラさんは、どこに行くんですか?」
なんとなく居心地の悪い雰囲気を変えるべく、シャマルは宗介に聞き返す。
「物資の補給だ」
「買い物なら私もついて行っていいですか?ちょっと話がしたくて」
「かまわんが、行かなくていいのか?」
はい、という返事と共に宗介の横に並ぶシャマル
一瞬宗介は自分を口封じする気か?などといつもの被害妄想が働いたがすぐにその考えを却下した。
もし自分を消したいのならば、もっと適任がいるはずだ。
それからしばらく夜の道を二人で歩いていると
沈黙を保っていたシャマルが口を開き、とつとつと話し出した。
「砂漠世界では途中で話が終ってしまって、あの・・・・待ってもらえませんか!」
待つ、それはつまり『闇の書』が完成するまで自分達のしていることを黙認して欲しいと言うことだろう
「それは・・・・」
それはつまり『闇の書』が、もたらすかもしれない災害について目を瞑って欲しいということだ。
シャマルは言う、八神はやてならば『闇の書』が持つ力を間違ったほうに使うことないと。
確かにそれほど長くないが、八神はやてを監視して来た宗介にもそのように思えた。
だが、可能性は常に付きまとうものだ。
完璧に憂いを断つのならば、ここで『闇の書』を破壊、もしくは彼女らの手の届かない所に隠すことが正しいのではないか?
宗介の頭からその考えがこびり付いて離れることはなかった。
「『闇の書』を破壊するだけでは解決しないのか?」
「・・・ごめんなさい」
謝るシャマル、宗介だって期待していたわけではなかった。
『闇の書』を一番知るのは他でもない持ち主の4人だ。
門外漢である自分でさえ思い至るのだ。シャマル達は当の昔に思いついただろう。
「俺は・・・」
答えることができない。
今の自分には答えを出せない。それだけがはっきりと分かる。
「・・・・そうですよね。『闇の書』のことを知ってから
まだ一日も経ってないんですもんね」
シャマルはどこか寂しそうな笑顔を向けながら話を変えるために別の話題を振る。
「買い物って、なに買うんですか?」
宗介が酒だと答えると、シャマルは今の時間だとこの先にある酒屋は閉まっていることを教え
仕方なく二人は、もう少し遠くにあるコンビニに進路を向けた。
12月13日 1105時
メリダ島基地
「ですから、なぜアマルガムが作戦を展開している地域に手出しするなと仰るんですか!?」
『そうは言っていない。現地からの報告書には不審な点が多すぎると言ってるだけだ』
メリダ島の執務室で西太平洋戦隊を預かるテレサ・テスタロッサ大佐は電話の向こうにいる
自分の上司――――作戦本部長ボーダ提督に怒鳴っていた。
ボーダ提督も負けじと反論するが、それでもテッサ黙らない
「しかし送られてきた画像は本物です。そちらの分析班もそう判断したのでしょう?
ですから、せめてアーバレストを派遣するために今すぐ研究部を説得してくれませんか?」
12月2日に行われた戦闘の報告書にはヴェノムの静止画像が
添付されていたがシグナムやなのは達の画像は送られてこなかった。
送っても混乱させるだけだろうし、なによりその時点では
現地にいる宗介達でさえ彼女らが何者なのか分かっていなかったのだから仕方ないと言えば仕方ない
『しかしな、午後8時ごろに市街戦が起きていたはずなのに目撃者ゼロなどありえると思うか?
現地のメディアはどこも沈黙しているのだぞ?そのような訳の分からん場所にアーバレストは送れん。
少なくとも私は作戦本部長としてそう判断する』
「ですが」
『お前が部下を信頼しているのは分かる。だが、こちらには判断材料が少なすぎるのだ。
・・・もちろんお前が勝手にペインローズ博士を説得するなら話は別だが』
まあ、無理だろうと言う気持ちからそんな事を言ってしまう提督は
後ほどこの発言を後悔するのだが、それはここでは語られない。
「分かりました。では、私の好きにさせてもらいます」
テッサは怒りのあまり受話器を叩きつけると同時にインターホンから
自分の秘書である少尉が来客が来たことを告げる。
「失礼します」
ドアが開き、白髪の大柄な男性が入ってきた。
西太平洋戦隊の陸戦ユニットを統括するカリーニン少佐である。
やはり、いつもの如く手には大量の書類があった。
その多さにテッサはうんざりしながらもそれらに高速で目を通していく。
「大佐殿、実は判断に困るものがあるのですが・・・」
「ここに運ばれてくるものは大半がそういうものでしょう?」
書類から目を離さず、カリーニンに答えるテッサ
しかしカリーニンはテッサに一枚のDVDを差し出す。
「見ていただきたいのは、昨日付けで送られてきたマオ曹長からの報告書です。
それと、この映像を」
テッサは少佐の手からそれを急いで受け取り、自分のパソコンでDVDの映像を再生する。
映し出される日本の都市らしき風景、これはM9の記録映像だろうか?
下には記録されたときの日付と時間が付いている。
「これ、日付は昨日ですね?」
「はい、見ていただきたいのは1940時辺りからです」
カリーニンに勧められ映像をその時刻まで早送りする。
まず映ったのは夜空だった。
それから天に向かって40ミリライフルを3発立て続けに発砲するM9
威嚇?しかし、隠密で行動をしているのに注目を集めるような行動をメリッサがするだろうか
「人?」
空に人が浮いている。それも複数、そのうちの一人を空中でキャッチしM9は地上に降り立つ。
それから始まった戦闘は見るものを白昼夢に誘うような内容だった。
12月13日 1649時
時空管理局医療ブロック
昨夜緊急に運び込まれたクロノ・ハラオウン執務官の容態も安定し、病室の扉からは面会謝絶の札が消えた。
運ばれたときはすでに意識を取り戻していたが
利き手である右手を骨折、手榴弾の破片が体に突き刺さり出血も酷かった。
こうして生きてるのは、日々の訓練の賜物としかいえなかった。
「リーゼ達に少しは感謝しなくちゃな・・・」
ベットの上でクロノは幼い日、二人の師匠が行った修行のことを思い出す。
アリアの魔法に吹き飛ばされたり、ロッテに関節極められて肩が外れたり
滝に打たれたり、極寒の氷の世界に放り込まれたり
・・・・・よく生きてたものだ。
コンコン
部屋の扉がノックされる。どうやら人が来たらしい。
「どうぞ」
「こんにちわ」
「お邪魔します」
眼鏡をかけた女性が病室に入ってくる。
途中で一緒になったのか、後ろにはユーノの姿まである。
「こんにちわ、レティ提督」
クロノは情報の鬼、運用部と監察部のボスに挨拶を返す
後ろにいるフェレットもどきは当然の如く無視である
「僕には挨拶無しかよ!」
「大声出すなよ、怪我に響くだろ」
アイタタタタと傷口を押えるクロノ
ユーノは慌てて口を押さえ心配そうにクロノを見るが
そのユーノの様子を見たクロノが笑っているのを見て、騙されたことに気付いたようだ。
「なんでこんな性格の悪い奴が執務官試験に合格するんだよ・・・」
「あらあら、クロノがこんなことするのはユーノ君くらいよ?」
「レティ提督!」
うふふと笑うレティ提督、どうやら思った以上にクロノが元気そうで安心したらしい
クロノは柄にもなく大声を出したことを誤魔化すように咳払いをしてレティ提督に来てもらった本題を振る。
「それでレティ提督どうでした?」
「結果は・・・グレーと言ったところね。確証が無いのよ」
突然始まった謎の会話にユーノはクロノとレティ提督の顔を交互に見ておろおろし始めた
それを無視して二人の会話は続いてゆく。
「どの辺りまで調べました?」
「とりあえず将官から佐官まで、どこも怪しそうで怪しくないって感じね
それ以外も、となると気付かれる可能性が高くなるわ」
「あのぅ・・・何の話をしてるんですか?」
オズオズとユーノが二人の会話に割り込む。
二人はそんなユーノをじっと見てニヤリと笑った。
「そうね〜、あなた確かスクライア族だったわよね?」
「え、一応そうですけど・・・」
とても嫌な雰囲気に額から汗を流すユーノ。まさに蛇に睨まれた蛙
いや翼を広げ襲い来る大鷲を前に食物連鎖の運命を受け入れたフェレットのような顔といったほうがしっくり来る。
「あなた達って、管理局でも有名なのよね。危険が満載されてる古代の遺跡から
これまた危険なロストロギアを発掘することを生業としてる一族。
その探査能力、危険感知に関する勘の良さは天下一品ってね」
ユーノはレティ提督にジリジリと壁際に追い詰められる。
「貴方にやって欲しいことがあるのよ」
「な、なにをです・・・」
「無限書庫に行って『闇の書』について調べてほしいの」
「それと、もう一つ」
さらにクロノが追加注文をつける
「まだあるの!?」
「間者をやって欲しいの」
「間者?」
ユーノは聞きなれない言葉を鸚鵡返した。
そんなユーノにレティ提督は分かりやすくとてもシンプルな言葉で言い直す。
「簡単に言えばスパイよ」
「ええええええええええええええ!?」
ユーノの叫び声でその後に続くレティ提督の
と、言ってもすることは大抵あたしが持ってくる大量の書類を調べることだけどね〜
という言葉が掻き消えてしまった。
支援!
同日 同時刻
海鳴市 『闇の書』事件対策本部
海鳴市にある高級マンションの一室、『闇の書』事件対策本部の一室で
エイミィとリンディ提督がコンソールの前で話をしている。
「それでエイミィ、何か分かった事はある?」
「今のところ、あのAS―――M9を使ってる実戦配備している軍は存在しないと言われてるんですよ。
でもいろいろ調べてみたんですけど、インターネットにこんな記事があったんですよ」
空中に浮かぶ半透明のモニターに映る週刊誌の記事
そこにはデカデカと『国際救助隊現る!?』とあり修学旅行中の都内の高校生を乗せた旅客機が
ハイジャックされたことについて色々書かれている。
それだけならただの記事に過ぎないのだが問題は救出作戦中に生徒が撮ったとされる写真だ
「これって、あのASよね?」
「ええ、記事には国連軍が救出作戦をしたとありますけど、いろいろ矛盾点が指摘されてます。
それでも時間が過ぎると風化していきましたけどね。で、この写真見てピンと来たんですよ。
もしかして今、私達が戦ってるのはこれに映ってる人たちじゃないかと」
そう言いながらエイミィはコンソールを操作して新たな映像をウィンドウに出す。
その事件についてのスクラップ記事が映し出されていた。
「この事件で人質になった旅客機の乗客と別に救出された少女がいるんですよ。
その娘なら何か知ってるかもしれません。
だた問題は攫われて助けられるまで薬で眠らされたと証言してることですけど」
「そうね・・・」
リンディは頭の中で思案する。最後に謎の集団に救出されたにもかかわらず
ハイジャック事件の後、こうして普段の生活に戻っていると言うことは
本当に意識を失っていたのかもしれない。もしくは、口止めをされているか。
「無駄かもしれないけど、明日誰かに行ってもらいましょうか。転送ポートを使えば行きも帰りもあっと言う間ですからね」
「分かりました。じゃあ、クロノ君や武装隊と戦った人の写真を現像しときますね。
あ、あとグレアム提督はこちらの世界出身でしたよね?
あの方、こちらの世界の軍事にも詳しいみたいですし、一応資料を送ってみますね」
いろいろと便宜を図ってくれているグレアム提督にさらに助言を求めるのは心苦しいが
現状は手がかりが全くと言っていいほどない状態なのだ。打てる手はできるだけ打っておきたい。
「よろしくお願いね、エイミィ。それにしてもASの透明化機能の弱点が分かったのが幸いだけど
もう気象操作が使えないのが痛いわね」
M9に搭載されているステルス装置ECSの弱点がオゾン臭と水であるということは分かった。
昨日の戦闘では、フェイトがサンダーフォールを使い雨を降らせてECSを無力化したが気象操作には大きな制限がある。
まず一つ目が大量の魔力が必要であること
だがこれもカートリッジシステムを搭載したことで何とかなっている。
問題は二つ目なのだ。
雨を降らせる魔法といっても無から有を生み出しているわけではない。
雨の降る予定のない所に周辺地域の水蒸気を集めて雨を降らせているのだ。
多様することは回りの環境に多大な悪影響を与えてしまう。
すでにフェイトは半年前のP・T事件でサンダーフォールを使っている。
半年の間に海鳴は2回の気象操作魔法を体験している。
これ以上の使用は海鳴と他の地域に日照りに干ばつなどの天変地異を誘発する恐れがあったりするのだ。
「臭いが弱点といってもアルフ並みの嗅覚がないと正確な位置の割り出しは難しいですしね」
犬のような嗅覚が優れた素体を使って急遽、臨時の使い魔を配備することが検討されたのだが
アルフのような高位の使い魔を作る力量のある魔導師も足りなければ製作時間も足りなかった。
これからアルフに負担がもっとかかるだろうと予想されているのだが
当のアルフは頼りにされるのが嬉しいのか、かなりご機嫌だ。
「もう一機のASに関してなんですが、やはり詳しいことは依然として分からないんですよ。
相当な技術力を持ってる組織が扱ってることは簡単に類推できるんですが・・・」
ポニーテール状の放熱索、ダークグレーの装甲と紅いモノアイを持つAS
そして、推定AAAランクの騎士が放った一撃を容易く防いだ謎のバリア機能のようなものを搭載している。
詳細なスペック、所属組織について共に謎
目的は『闇の書』を奪取することと推測されるがやはり決め手にかける。
前回、守護騎士を攻撃したのが今回は守護騎士を助けるような行動を取った。
ミサイル攻撃が助けるための行動なのかと疑問を持つ者も少なくないが
殲滅が目的ならあと数発のミサイルが撃ち込まれていてもおかしくはない。
むしろ撃ち込まない方が不自然だ。
前回の戦闘も守護騎士がなのはを蒐集する前に止めを刺そうとしたことを、阻止しようとしたと考えれば合点がいく。
それらの行動から察するに彼らは待っているのだろう。『闇の書』の完成を・・・
「それに仮面の男・・・
やっぱり、あのポニーテールのASの仲間なのかしら?」
モニタに映し出される白を基調とした服を着ている群青の髪と仮面を付けた男
クロノと戦ったこの世界の戦士の仲間、金髪の狙撃兵と武装隊員との戦闘に割り込み狙撃兵の窮地を救い
その後、狙撃手達と合流することなく夜の街に消えた。
その行動を見れば、ミサイル攻撃を行ったASに非常によく似ている。
「そうかもしれません。この仮面の男は間違いなく魔導師ですね、しかも高位の・・・。
ASとこの世界の兵士が結界に侵入できたのもこの男が手引きしたのかもしれません」
エイミィが仮説を述べる
「でも、そうなるとこの第97管理外世界には管理局と同等の魔法技術があるってことになるわよね?」
シグナムが結界内に侵入した方法はシンプルだった
己の魔力をぶつけ結界に穴を開け、それが閉じる前に侵入する。ただこれだけである。
しかし、シグナムの侵入以外でこのような痕跡を発見することはできなかった。
結界を維持している武装隊員に気付かれずAS二機と二人の歩兵を侵入させるなど並みのスキルではない。
「私達が知らないだけで、実はこの世界にも魔法文化がある?
それとも、この男は・・・・・
どちらにしても今回の事件、意外と裏がありそうね」
あまり考えたくないことだが最悪の場合も想定しなければとリンディは考えた。
12月14日 0138時
海鳴市 セーフハウス
「それで何も答えないまま、ここに連れてきたのかよ?」
「そうだ。特に尾行されている気配も無かったからな」
「変に生真面目なくせに優柔不断だな、オメーは」
「では、なんと答えればよかったのだ?」
モニターで八神家を監視している途中
ただ待っているのに飽きたクルツがなにやら先日から悩んでる宗介に絡んでいた。
「ん〜?そうだな、この私めに御身の警護をお任せくださいとか?」
「俺は真面目に聞いている」
あくまでふざけた調子で答える同僚を睨む宗介
あの後、一緒に酒を買ってシャマルをセーフハウスに連れてきた。
通信関連についてシャマルと話し合い、マオが緊急連絡用のチャンネルをシャマルに教えて解散した。
「俺はいつだって女性の味方をなんだよ」
「話すのではなかった」
後悔したように呟く宗介はモニターに目を移す
「なにをお喋りしてんのよ。きちんと仕事しなさいよ」
メリダ島からの通信が来た為、奥の部屋でいろいろ報告していたマオが出てきた。
「いいニュースよ。テッサがアーバレストを送ってくれるってさ」
「あの映像と報告書を信用してくれたのか。はっきり言って期待していなかったのだが・・・
しかし、まだ研究班が帰ってないはずではないか?」
「テッサは元はといえば研究部出身だからね。ペインローズ博士とは仲いいらしいわよ。
で、そのコネを活かして何とかしてくれたみたい」
そういえばそうなのであった。
テッサの神懸り的な操艦のせいで忘れがちなのだがテッサは元々、技術畑出身だった。
ウィスパードである彼女が技術部のトップたるペインローズ博士と面識があってもおかしくはない。
「明日にはもうこっちに送ってくれるってよ。
武装はボクサー散弾砲にその予備弾装、対戦車ダガーとか・・・まあ、いつものとおりね」
「姐さん、俺のM9は来ないの?」
「今のM9が消耗してるから変わりのM9を送ってくれるらしいけど、これは私とアンタで使うことになりそうね。
まあ、狙撃砲がないからアンタの出番はないだろうけど」
先日の戦闘で右腕のワイヤーガンの喪失、マッスルパッケージもそれなりに磨耗してしまっている。
しかし、ここでは本格的な整備は無理なので丸々新品のM9を送ってくれるそうだ。
剛毅な話である。
「ええ〜?今の狙撃銃じゃ、あいつ等相手だと火力不足だし。何とかなんねーの?」
12日の戦闘でクルツが使っていたドイツ製の狙撃銃は黒衣の魔導師にあっけなく防がれた。
それ以外の連中ならば、なんとか通用するのだが狙撃は必殺でなければならないのだ。
「もっと威力のある武器ねぇ。12.7o弾ならあいつらにも効いたけど・・・」
「対物用ライフルか?それなら俺のセーフハウスにあるぞ」
「・・・なんでそんなもん持ってるのよ?普通は必要ないでしょうに」
マオが真剣を凝視して宗介に疑問を呈する。
威力と反動が桁違いの50口径アンチマテリアルライフルは本来なら護衛任務に必要ないものだ。
「とある生物を倒す為にどうしても必要だったからな。
しかし、あれでも奴を足止めすることしかできなかったが」
あのときの恐怖を思い出し宗介は俯き、手が震え出した。
得体の知れない動きとチェーンソー、そしてなぜか効かない実弾・・・悪夢だ。
「ふうん、まあいいわ。じゃあ、明日M9とアーバレストはアタシとクルツで受領するわ。
ソースケ、アンタは一度泉川に戻って偽装トレーラーと使えそうな武器を持ってきなさい」
以前、かなめを護衛したときも今回のようにM9を使用して任務に当たった。
そのときにASを格納する為に大型トレーラーの形をした格納庫を使っていたのだ。
それは未だに宗介の管理の下、泉川に残ってたりする。
「だが、いいのか?ここを離れてしまって」
「いいのよ。かなめの時とは違ってケット・シーもいるし。
それにクルツだったらきっと道草を喰うに決まってるから」
その言葉にクルツは抗議の言葉を上げるが、宗介もマオも聞く耳を持っていなかった。
翌日の朝、宗介は車で海鳴を出発するのだがそれには予期せぬ乗客が乗っているのだった・・・
投下終了
次回は恋人にしたくないあの人が出せるといいな〜
他の職人様方、まともな感想書けずに申し訳ございません
皆様GJであります
>>638 久しぶりです!
あいかわらずキャラが立っているというか、目立つというかw
続き期待です
640 :
魔装機神:2007/09/19(水) 18:24:14 ID:FCTrg9Wt
乙です。
さりげなく出てきたな大貫さん……
さて、こちらのも投下していいですか?
>>613 おぉ〜悟飯がキレた!仮面勇者王も即刻退場か?w
次回も楽しみにしてます。
>>638 GJです!!
そろそろクライマックスに近付いてきたかな。
大佐殿も人が空を飛びまわってる映像見せられたら開いた口が塞がらないよね(汗
>>恋人にしたくない人
まさか・・・まさかぁぁぁぁ!!あの突っ込み役が来られるのか!?
>>640 どうぞぉ〜
642 :
魔装機神:2007/09/19(水) 19:06:22 ID:FCTrg9Wt
SHADOW NANOHA STS 1 「ここ、どこよ?」
「んー……」
シャマルは検査が終わると、すぐにはやてから医務室に来てほしいと呼び出された。
どうしたのだろうと思っていると、目の前に見知らぬ男性が倒れていた。
なんでも、いきなり現れた時空漂流者らしい。
「シャマル、どうや?」
はやてはシャマルにたずね、そうですね……と少しいぶかしんで答える。
「体自体は怪我も少ないですからもうすぐ目が覚めるんですけど、はやてちゃんの言っていたとおり、
彼の体内には複数の魔力があるんだけど……」
ですけど、とリンディは疑問なところをぶつける。
「どれもこれも数値が異常で、高いものの場合、魔力数値だけですけど、
なのはちゃんやフェイトちゃんなんか目じゃないってくらいのものもあります。
詳しい事はちゃんとしたところで調べてみないとわからないけど……」
さらにシャマルは続ける。
「それに、この人自体のリンカーコアも見当たりませんし……」
シャマルの言葉に驚くメンバー。
彼自体にリンカーコアがないとはいえ、シャマルの言うとおりなら、
今ここにいる全員を倒せるほどの魔力を秘めているという事になる。
だが、シャマルはまだ何か疑問に思うものがあるようだ。
それは、もしかすれば彼の命にかかわるかもしれない事であったからだ。
「うう……」
スルト、その男の人が目が覚めたようだ。
「あ、目が覚めたようですね」
シャマルは男の人のほうへ近づいていった。
その彼の目は、異様なほどに赤い目であった。
「ん……」
ウルは目が覚めると、一時的にどうなったのか思い出せなくなる。
そして目が鮮明になって来ると、そこは見たことも無い場所だった。
(あれ…俺って確か……)
確か自分は、加藤との戦いの後、仲間達が消えていく中自分だけが残り、死のうと思った。
そうだ…
(そっか、俺はあの後変な光に飲まれて……)
そこで、ウルはあのことに気付く。
(あれ、ヤドリギの呪い……)
もし自分が生きていたとなると、既にヤドリギの呪いは発動していてもおかしくないはずである。
なのに、今でもちゃんと仲間達の事を覚えている。
(……なんでだろ?)
と軽い気持ちで考えていたときだった。
「目が覚めましたか?」
誰かに声をかけられ、そこに目を向けると、自分と同じくらいの年齢の女性がいた。
「あなたがここに急に現れてから、さっきまでずっと寝てたんですよ」
女性の言葉に、そういえば、とウルは周囲を見る。
「ここ……どこよ?」
男祭り支援
644 :
魔装機神:2007/09/19(水) 19:08:22 ID:FCTrg9Wt
見たところ、病院のようなものだというのはわかったが、いろいろとおかしい。
床が木材じゃないし、見たことも無いような機材もたくさんある。
いくら飛ばされたといっても、ここは日本のはずだ。
なのに外人の女性がいるというものおかしい(完全にいないとも言い切れないけど……)
「私はシャマルって言います。ここはミッドチルダの聖王教会の医務室ですよ」
シャマルと言う女性の言葉に、ウルはあまりない頭で考える。
「ミッドチルダ?それってどこの国?」
自分はそんな国の名前なんて知らない。
その¥この方面の国なのだろうか。
ウルの答えを聞いて、まあ仕方ないか、といった表情を浮かべる。
「ミッドチルダと言うのは、この星の名前ですよ」
シャマルの言葉にえ?とすっとんきょんな声を上げるウル。
シャマルは説明する。
自分が次元を超えてやってきた事を。
「おいおいまじかよ……どうなってんのこれ、夢なの?」
いきなりここは地球じゃねえ、お前はここに飛ばされたんだといわれ、困惑するウル。
おかしくなったのだろうか……
だが、ウルの言葉にシャマルたちも驚く。
「地球って、ほな私と同じ世界の住人なんか……」
ん?とウルは声をした方向を向く。
「私は八神はやて。あなたと同じ第97管轄外世界「地球」の出身者なんよ」
その女性の独特な言語に、ウルはああと頷いて答える。
「俺はウルムナフ・ボルテ・ヒューガ、名前なげえからウルって呼んでいい」
売るも簡単に自己紹介して、もう一度はやてを見る。
「あんた、関西生まれ?」
あの独特のなまりは確か関西弁のはずだ。
ウルの言葉いはやても驚く。
「俺は日本人とロシアのハーフなんだ。父親が日本人で、母親がロシア人」
ウルの話に、へえ…話を聞くはやて。
「けど、地球出身やったらすぐに送る事ができるな」
はやてはほっとしながらウルを見る。
自分達がよく知っている世界の出身者で助かった。
そこで、ウルははやてと尋ねる。
「本当にここは地球じゃないのか?」
売ると言葉を来て、はやて達は売るにはなした。
この世界の事を。
そして、様々な次元がある事を。
「ふうん、世の中って本当に不思議なんだな……よくわかんねえけど」
と、意外にも素直に埋めとめたウル。
……おそらくほとんどを理解していないが。
「あれ?普通は不思議に思ったり驚いたりするんやけど」
はやては疑問を浮かべながら売るに聞く。
「いや、わけわかんねえ400年生きてる吸血鬼兄弟とかと旅してるとあんまりなあ……
ついでに変な化け物はいるわ宇宙人もいるわ。
座布団で空とぶとっちゃん坊やの陰陽師はいるわ、さらにはついさっきまでへんな空間にもいたし……」
と、今までの事を考えるウル。
あまりにも濃い面子だったため、多少の事に免疫が出来てしまった。
一応これでも驚いているほうだ。
645 :
魔装機神:2007/09/19(水) 19:10:13 ID:FCTrg9Wt
さらに加藤を追うために銅鐸に侵入し、時空空間にも言ったようであった。
そこで?マークをつけるはやて。
(シャマル)
(なんですか?)
(ちょっと前に、次元揺が起きたってクロノ君がいよったな?)
(はい、そういってましたね。ですけど、範囲があまりにも小さくて特定できなかったって……まさか)
(うん、あの次元揺でここにきたんかもしれんな……)
そう、数日前にクロノとあったときに次元揺が起きたといていた。
だが、彼は地球出身だと聞く。
しかし、何かが違う気がする。
「ちょっと聞きたいんやけど、今の地球って今どんな感じなんですか?」
はやてに聞かれ、ウルはええと……と思い出す。
「俺達の世界は今は戦争の真っ只中さ。それが世界中でやっててさ……
確か……世界大戦だったっけ?」
ウルの言葉に二人は驚く。
世界大戦といえば、地球で二度行われたが、そんな最近の話ではない。
「ええと……ウルさんは何年生まれ?」
はやてにいわれ、ええと……と思い出す。
はっきりって自分が何年生まれなのかは覚えていない。
「ええと…詳しいことは俺も覚えてねけど…明治生まれだったかな?今は大正だから」
ウルの言葉に、口をあんぐりさせるはやて。
これで確実にわかった。
彼は自分達と本当によく似た世界にいる人物と言う事を。
はやてはウルにその事を説明する。
ただ……
「わっけわかんねえ」
それを受け止めるにはウルのおつむでは少々難しかったようだ。
まあ、小さいときから竜尾シンをなくし、ろくな勉強がないママなので当たり前といえば当たり前だが。
「せやけど、管理局と聖王教会はウルさんの世界を見つけるまでは協力するよ」
はやての言葉にああ、と静かに頷くウル。
「どうしたん、うれしくないん?」
はやての言葉に、だまりこんでしまうウル。
その時だった。いきなり通信が入る。
「八神部隊長、レリックを持った少女が……あの、その人は?」
通信を入れてきたのは、はやての副官であるグリフィス・ロウランであった。
グリフィスはベッドに横たわっているウルを見てだれなのか尋ねる。
「まあ、それは後で話すとして……どないしたん?」
「あ、はい。何でもライトニング3と4が市街地でレリックをもった少女を確保したとの報告が」
グリフィスの報告に驚くはやて。
「それに、レリックは二つあるみたいで、その一つがどうやら下水溝にあるみたいなんです。ガジェットの存在も確認しました」
今六課のフォワード陣は昼からオフで町へ繰り出しているらしい。
そしてライトニング3、エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエがその少女を発見したという事らしい。
646 :
魔装機神:2007/09/19(水) 19:12:29 ID:FCTrg9Wt
既になのは達は現場に向かっているみたいであった。
「わかった、直ちにヴィータとシグナムもそっちに向かわせる」
はやての言葉と共に通信が終わり、辺りは騒がしくなる。
(シグナム、ヴィータ)
(わかっています。すぐに出撃準備にかかります)
(ごめんな、検査が終わってすぐやのに)
(はやては気にしなくていいよ)
シグナム、そしてヴィータ。
はやての家族で、それぞれ機動六課のフォワード部隊、ライトニング、スターズの副隊長をしている。
「えっと……何が起こるの?」
いきなりのことで呆然とするウル。
取り残されている感が彼を襲う。
「えっと、こっちでちょっと事件が起こったんです」
まあ、それぐらいは何とかわかるが……
そこで、ふとウルハ折る事を思いつく。
「なんなら、手伝ってやろうか。戦うのには慣れっこだぜ」
へへ、とヤル気満々なウル。
「それに、さっきまで世話んなったから、その恩返しだな」
自分がここに着てから、それ何リ世話になった。
その礼はしなければならないとウルは思う。
だが……
「いえ、あなたにそれをさせるわけにはいきません」
言葉を発したのはカリムだった。
その間にはやて達は現場に急行。
部屋にはウルとカリムだけが残った。
「少しあなたに尋ねたいことがあります」
そういって、カリムはウルの心臓部を見る。
「勝手で申し訳ないのですが、あなたが気を失っているうちにあなたの事をいろいろと見てもらいました」
「いやあ、なんか恥ずかし「真面目に聞いてください」」
ウルのいつもの調子も、カリムの前では何故か通用しない。
「あなたには複数の魔力、それもかなり高いものも存在しています。
それについて、あなたは何か知っているのですか?」
もし、彼が何か犯罪的な行動が出ると危ない。
まだ彼と張ってすぐだが、彼はそんな事はしないだろうと思うが、念には念を入れたかった。
だからカリムは確認したかった。
「………」
だが、ウルは黙ったままだった。
「まあ、すぐには言わなくていいでしょう。なかなか話しにくい事ですしね」
そういってカリムがその場所を後にしようとしたときだった。
「俺は…フュージョン能力を持ってるんだ」
ウルは自分の事を話す。
「信じるかどうかはあんたの自由だ。俺の体にはいくつものモンスターが住んでいる。
俺はそのモンスターとフュージョン…融合する事が出来る人間だ」
それを降魔化身術とも言うが、ウルはフュージョン能力と呼んでいる。
そして、そのフュージョンを行うものはハーモニクサーと呼ばれる。
だから体内に複数の魔力が確認されている。
そして、ウルはその能力を使い、魔物を倒しながら生活をしていた。
647 :
魔装機神:2007/09/19(水) 19:13:59 ID:FCTrg9Wt
「なるほど……」
カリムは彼は嘘をつくような人物ではないと判断し、彼の体内にある魔力から、この話が本当の事だと察した。
おそらくレアスキルのようなものだろう。
ウルの事を聞いて、カリムは少し考えて……
「じゃあ、あなたの提案を受け取りましょう」
ただし、とカリムは一言付け加える。
「あなたは民間協力者と言うことにさせてもらいます。
ですから、こちらの命令は聞いてもらうことになりますがよろしいですか?」
カリムの条件に、しょうがねえなあ、とウルは言う。
(シャッハ)
(なんでしょうか、騎士カリム)
カリムが呼んだのは、自分の護衛役であるシスターシャッハ。
現時彼女はシグナムたちを現場に送っている。
(シグナムたちを送ったところで悪いんだけど、あとでもう一人追加していい?)
(はい、ですが誰を……まさか、騎士カリム自ら出るつもりですか!?)
シャッハはあせりながらいうが、違うわよ、とカリムは言う。
(送ってほしいのは、さっき医務室へ運ばれた時空漂流者です)
「この子が……」
機動六課スターズ分隊隊長、高町なのははエリオたちが保護したという少女を見る。
それはまだ小さい、エリオやキャロよりも幼い少女であった。
そんな子供がどうしてレリックを……
「すまない、遅れた」
後ろを振り向くと、そこにはシグナムたちがやってきた。
ちょうどそのときだった。
「ガジェット2型出現!かなりの大編成です」
突如シャーリーから通信が入り、詳しいものを見せてもらうと、そこには大量の2型のガジェット、さらには地下に1型や3型も確認されている。
「よし、フォワードは地下でレリックの捜索、私たちは空で戦う事になるけど、
副隊長たちは状況によってはフォワード陣の援護に行ってもらうから」
なのはの式に、みんなが頷く。
「それと、今回は偶然別の事件で近くにいた108陸士部隊のギンガ・ナカジマ陸曹も参加する手はずになっています」
なのはの言葉に、フォワード陣の一人、スバル・ナカジマはえ?となのはのほうを向く。
ナカジマと言うとおり、この二人は姉妹である。
姉と共に任務を受けれると聞いて、不意に彼女の顔がほころぶ。
「それじゃあ、機動六課、出撃!」
はやての号令と共に、各自所定の場所へとつく。
その中、なのははシャマルによって運ばれる少女を見ていた。
『はやて、ちょっといい?』
ふと、カリムから通信が入ったはやて。
「どないしたんやカリム?」
いきなりの通信に疑問を浮かべるはやて。
『わたしからみても、今回の数は多い。だから……』
少しいたずらのような笑みを浮かべるカリム。
『私の権限でウルさんを民間協力者として、そっちに送っておくから』
648 :
魔装機神:2007/09/19(水) 19:15:29 ID:FCTrg9Wt
投下完了。
えーと…売る意外に誰をこの世界に呼び寄せよう。
全員だとバランスがあれだからゼンじゃなくて誰かと敵を……
……だめだ、静岡こうもりととっちゃん坊やしか思いかばない
>>リリカル・パニック氏
更新を待っておりました。今回もGJです!
ミスリル側はアーバレストや対物ライフルを持ち出すことになり、さらに事態が泥沼化しそうですが、どのように話を収束させるのでしょうか?
管理局側が千鳥かなめに接触を図ることが、事態に大きな変化を与えることになりそうですね。次回も注目しております。
皆さんGJ!
管理局がかなめと接触かぁ……。下手したら宗介がマジギレしそうだよね……。
651 :
CCなのは:2007/09/19(水) 20:51:20 ID:ja8JiB9D
「俺の家族を…」
刀に鳩尾を貫かれながらも彼は呟いた…その様は無残そのものだった。
向こうでに転がっている超一流の戦士でさえ、彼を死のふちに追いやり、
今まさに命を奪わんとするこの男には全く歯が立たなかったのだ。
もとよりただの人間が不意をついたところで勝負になるはずもない。
「ふん」
男が嘲笑を漏らし、刀を握る手に力をこめる。
もはや勝負は決した。うっとおしい蝿どもを始末し、左腕に取り戻した「母」と共に
約束の地へと行き…この星を取り戻すのだ。男の頭にはそれしかなかった。
「俺の故郷を…よくもやってくれたな。」
彼は、自らを貫く刀身に指をかけた。もはや虫の息、それだけの
動作を行うだけでも全身全霊を持ってせねば不可能であった。
そんな僅かな動きに男は気づかない―――以前の男にはありえない油断と見落とし。
慢心と歓喜のせいだろうか?いや、そもそも彼はすでに英雄とまで
称えられた男ではない。足元をすくわれるほどの狂気にそまっていても不思議ではないのだ。
「うおおおおおお!」
「何――っ!?」
男が彼の動きに気づいた時―――いったいどこにそんな力が残っていたのだろうか―――
彼は手に力を込め自らに更に深く刀を刺した。
握り締めた刀を持ち上げ、男に持ち上げられていた足を地に着けた。
そして、さらに力を込め……男ごと刀を凪ぐように振り回した。
予想外の抵抗に男は振り飛ばされる。
弧を描いて床に叩きつけられ、ほんの一瞬だけ意識が一瞬吹っ飛ばされたようだ。
「あんたは…あんただけはぁぁぁ!」
その隙を見逃さず、間髪いれずに彼が男へと突進した。
両腕で男をがっしりとつかんで引きずり上げ、その勢いまま
押し出す―――その行き先は底の見えない奈落…
押し返す間もなく引きずられ、ついには足場が途切れて…男は光が渦巻く奈落へと
落下していった。
男を突き落とした彼も自らの勢いを殺しきれずに宙に放り出される。
その腕を掴んだのは…先ほどまで倒れ伏していた彼の親友であった。
「お前を…お前まで死なせるわけにはいかないんだよ・・・!」
全力を持って引き上げようとする戦士…しかし、戦士も男との戦いで
ダメージを負っている、加えて「彼」は生きているのがありえないくらいの危険な状態だ。
両者共に支えきれるはずもなく…男と同様に奈落の中へ落下していった。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
暖かい…なんだ、この感覚は?これが魔晄の本質?
まるで・・・何があってもいつかはそこへ帰って安らげる場所のようだ・・・
強靭な精神を持つ戦士とてこの心地よさにずっと身を任せていたいとの誘惑にかられる。
しかし心のどこでそれを引き止める意思があることに気づいた。
「そうだ、アイツを…アイツを助けなきゃ…アイツを助けて俺も生きて帰って…」
そう思ったとき、彼の意識は途切れた。
なんとFF7!支援
653 :
CCなのは:2007/09/19(水) 20:54:19 ID:ja8JiB9D
今回の任務は骨が折れた。
確保対象のロストロギアは「星そのもの」が保有する莫大な魔力を吸い上げる機関。
幸い不法所持している集団はその力を最大限に引き出す事ができなかったものの
未完成状態でさえ推定Sランク相当以上の砲撃を連射という真似が出来たのである。
制御が甘いのか命中精度に何があったお陰でどうにかなったがこんなものが完成したらと思うとぞっとしない。
端末兵器は無力化し、局員達に研究員も逮捕させた。機関は停止させたものの
これだけのシロモノだ、まだ安心は出来ない。
安全のため機関から局員を遠ざけ、炉心の状態を確認しなければならない。
キーを操作し扉を開けて機関内部に入る、機関停止して間もないためか外に比べて若干暑い。
通路を進むと奥のほうに緑色の光が見えた、位置的にはおそらくあれが炉心だ。
さらに進んでそれを目の前にする。先ほど見えた光は機関が吸い上げたエネルギーの残滓のようだった。
今この瞬間にも光はだんだん弱くなっている、大した魔力も感じないし暴発の危険性は無いだろう。
これほど大規模なものは自分ひとりでは封印できない、区域を封鎖させて後は専門の局員達に
任せるとしよう。
「ぐ…」
炉心の奥を覗き込もうとしたとき何かが聞こえた―――ような気がした。
そこでフェイト・T・ハラオウンが見たのは・・・大剣を持った傷だらけの男が倒れている様であった。
「彼の持つ魔素にも似たエネルギー・・・これは本人の持っているエネルギーというよりも
長時間それに晒されていた結果と見るべきかな」
白衣の男がカプセルを眺めてつぶやく
「セフィロス…ザックス…ティファ…」
「先日、爆発現場から回収してからずっとこのようにうわ言を繰り返すだけです。
精神に重度の影響をもたらす何かがあったと考えられます」
カプセルの中の彼が呻き、それを受けて白衣の男の傍らの女が言う。
「さて、この拾いものはとんだお荷物なのか思わぬ掘り出し物になるのか…どちらだろうね」
ジェイル・スカリエッティはめったに見せない険しい表情でカプセルを見つめた。
とりあえずプロローグ。
CCFF7となのはのクロスで、ニブル事件の時3人ともライフストリームに落ちて
次元世界に飛ばされたら…というつもり。
なのは側の時期的にはStSの4〜6年前を考えてます
CCをカードキャプターとオモタ俺はオワタwww
>>654 実は俺もwww少し読んでアレ?と思ったww
このスレに俺がたくさんいるwwwww
最終クラウド≧セフィロス>超えられそうな壁>ザックス
だと思っている俺がいる
超究武神に期待したいなぁ
タチコマンズ乙www
って俺もだ!
職人の皆さん相変わらずGJです。
リリカルなのはBsts単発が出来ました。
メガトロン「今回は旅にグルメに温泉特集!視聴率はいただきだ!準備は良いか貴様ら?」
ナビ子「違うでしょ!?、ねアイスクリーム?」
スタスク「もう、勘弁して下さいι」
感想ありがとうございます
>>660 容量があと15kしかありませんが大丈夫でしょうか?
大丈夫ならGOです
>>653 GJ!!
実は俺もCCFFZとのクロス考えていたけど断念した。
だから期待してるぜ!!
とりあえずCCをクリアするか・・・
663 :
19:2007/09/19(水) 21:58:29 ID:i0MevtG6
職人の皆様GJです!!
>リリカル・パニック氏
ユーノ君がスパイか…フェレットになれるから大丈夫か
…捕まって食べられたり…しませんよね…
>魔装機神氏
ウルが来ましたか。続きが楽しみです。
他キャラは…マイナーなキャラとかどうでしょう?
>CCなのは氏
FF7とのクロスですか…
ごめんなさい!!CCって見た瞬間カードキャプターさくらとのクロスと思いました!!
>リリカルなのはBsts氏
投下してもいいと思います
ティアナ「Σえ、今日。ひぐらしじゃないんですか?ああ、リリカルなのは。ってカメラ回ってるじゃない!?
画面を見る時は部屋を明るくして離れて見なさいよ? あ、私はティアナ・ランスターだから。」
リリカルなのはBsts単発3〜ビースト戦士の祝杯〜
シルバ「クラッカー、パーン!」
ブラック「Σなんじゃこりゃぁぁ!」
シグナム「Σ死ぬな、ジーパン!」
デプス「エイ乾杯だ、お前達!」
チータス「チーン!」
ラットル「コ」
なのは「Σコラーι」
0070年 09月03日 18:00
「じゃあ、チータスくんとラットルくんがAAA+魔導試験に合格したのを祝ってぇ〜乾杯やー♪」
はやての言葉に全員が喜びの声をあげ、各々のコップを交わし小気味よい音が辺りに響く。
此処はミッドチルダ・首都クラナガンの南区に在る一戸建ての家−−八神邸。数カ月前に海鳴市から引越ししてはやて達が住む事になった彼女達の新しい家である。
そして、今。庭には此処に引越してから今までで一番賑やかな光景が広がっている。
テーブルが幾つも出され、テーブルの上には様々な料理や飲み物が置かれていた。また顔触れも多かった。
八神はやて、ヴォルケンリッターとタイガトロン。高町なのはとラットル
ハラオウン一家とチータス。ティアナとエアラザー。ライノックスとデプスチャージ。ブラックウィドーとシルバーボルト
ランページは「そこまで馴れ合う気はないわ。それよかワシゃ訓練しとうて時間無いからパス」と
ダイノボットは「俺はそういう空気に慣れねぇからパス」との為に欠席。
いろんな人達と彼女らに家族として受け入れてもらったトランスフォーマー達。
彼らはこの時代にやってきて幸せなのかも知れない、二人の試験合格に笑顔でこんなにも祝ってくれる彼女達に出会えて。
タイガトロンがエアラザーを皆に紹介するとなんの躊躇もなく、声をかけ。優しく微笑んで迎え入れてくれる。
ティアナも最初、エアラザーと一緒にライノックスに連れられてきた時は初めて会う面々に緊張していた。しかも自分が入局を希望している時空管理局で有名な人ばかりだから無理もなかった。
だが、そこは流石になのは達であった。直ぐさま声をかけ、自己紹介をし互いの事を教え、尋ねた。
その甲斐もあり、ティアナは少し呆れながらも慣れていった。自分から笑顔で話し掛けられる程に。
少し離れたテーブルから彼女の姿を見ていたエアラザーは安堵したように見ていた。
「よかった……。」
「慣れたみたいでござるな。彼女」
背後からかけられた声にエアラザーは「うん。」と頷き、笑顔で振り返る。
彼に声をかけたのはタイガトロンであった。
隣の席に着くや否や、エアラザーは嬉しそうにタイガトロンの手を握る。
「エアラザーとして見た。拙者達の家族はどうでござる?」
「素敵。の言葉に尽きるよ。僕の家族もどうタイちゃん?」
「可愛いらしい少女でござる。」
微笑みながら答えるタイガトロンにエアラザーは目を細め、自身の身体を預ける。タイガトロンも優しそうに微笑んで彼の頭を撫でる。
だが、二人のそのやり取りを見てしまった。はやてとリインUとシャマルは料理にのばしていた手を止め、じっと見ていた。
−な、生801や!
あかん、これはロストロギア並に危険な空気が漂っとるι ここは私の色気で断ち切らな……Σあぁ!? 肩に頭預けとる!
−は、はやてちゃん。今私達に踏み込む余地は無いように見えますι
−Σも、萌えぇ//// はやてちゃん止めちゃ駄目よ! クロノ君×ユーノ君とはまた違った妖しさがイイ!
タイガトロンとエアラザーの光景に興奮している二人の姿をヴィータは引き攣った表情で見ていた。シグナムとザフィーラもため息をついて明後日の方向を向いていた。
「なぁ、シグナム。ザフィーラ」
「「言うなι」」
だが、その時。はやて達はタイガトロンとエアラザーが801空間を作っていた頃、別のテーブルでは違う空間を作っていたカップルがいた事に気付く。
「シルバーボルトぉ♪ はい、あーんするっシャ♪」
「あーん♪」
ホークに刺したフライドポテトをシルバーボルトに食べさせていたブラックウィドーのカップルである。
「ふふ、美味しいっシャか?」
「ベリーで美味しいっデス〜♪」
−あれはあれで嫌やなぁι こっちはタイガトロンとイチャイチャ出来へんのに。うらやましいわ……。
−私もラっちゃんに『あーん』してあげたいけどチータスくんと別の801空間作ってるから邪魔できないι
−いや、あの二人はそっち方面に見えませんがι
−Σ甘い! 甘いでリイン!あのチータスくんとラットルくんの二人にもに私らが百合をやっても、色気で迫っても簡単に勝たれへんような別の801空間が出来てるんや!
決して口に出さないツッコミをいれるはやてにシャマルもまたコクコクと頷く。
−そ、そうなんですか?
−そうよ、リインちゃん。タイガトロンくん達が甘甘でいて大人な生チョコだとしたら、ラっちゃん達の関係は様々な側面を見せるポテトチップス。
−まさにそれや。う○い棒のような。でも良し!
−でも、エリオくんも居ますよ?
−Σなんやて!?
−Σそれは秋の核弾頭よ!?
666 :
魔装機神:2007/09/19(水) 22:12:54 ID:FCTrg9Wt
そういやエアラザーって本当は女だったはずだっっけ?支援
リインの言葉に気付いたはやてとシャマルの二人が別のテーブルを見遣る。するとそこには確かにチータスとラットルとエリオが相席していた。
が、それ以前にチータスとラットルは争うように料理に手をのばし、次々に皿は空くようになっていく程、料理を平らげていた。
「いやぁ、美味いじゃん♪」
「ほんとほんと、ほっぺがずるりと落ちそう♪」
「いや、ずるりとか美味しく感じないじゃん。そこはどぅりゅりぅぃって感じじゃないとさ」
「そんなの発音出来ねぇよ。ミス○ー味っ子からリアクション学んだらどうだよ〜じゃん猫?」
「俺。味○助世代だから解んないじゃん」
「アレただのエロリアクションじゃねぇか。」
−うん、確かにアレはただのエロリアクションや。
−特にコロッケの話とかね、はやてちゃん。
言い合いながらも箸を止めずに料理を次々に平らげていく二人の姿にエリオは感嘆していた(はやて達の事には気付いていない)。
−凄い、ご飯食べながら話をしてるι 行儀悪いや
でも……なんだろう。二人と一緒にいると楽しい話題が尽きないなんて。なんだか……兄さんが出来たみたい。
「二人とも凄い食べますね……」
「あったりまえじゃん。美味ぇんだから♪」
「エリオも食え食え!でないと強くなれないよ〜?」
「あ、はい!」
二人に誘われ、どこかあたふたしながらも料理にがっつくエリオ。
そんな姿に興奮するはやて達も
−Σさ、3Pに持ち込んでドッグファイトや!?
−Σそ、それ以上されたら鼻から牛乳が出ちゃうわ♪
−なんか凄い事、口走ってませんか?二人ともι
「なあ、シグナムさぁ。そろそろ止めた方が良くないかι」
「いや、私が止めに入ったらその……だな////」
「ああ、乳揉まれるもんなι ザフィーラは?」
「俺達はやられかねんι そっとしておけ」
「そだなι」
これまでをAパートとします。後がないようなのでBパートは新スレが出来た時に。
>>667 GJです。
ところでなのはBstsには初代にまつわる話とか設定なんかも少しは出て来るんですよね?
スタースクリームも出てきてますし。
>>666 はい、原語版だとエアラザーは女性です。
>>668 あ、はい。一応。今の話の先の遥か未来がG1達の戦いの舞台なので。どう組み込むか考えてます。まだ初代コンボイの出番も。
ちなみにリリカルなのはBstsでは時空管理局が創られる前に活躍したのがライオコンボイとビッグコンボイにしてます。
670 :
19:2007/09/19(水) 22:38:06 ID:i0MevtG6
GJです
てか801801言うから何を間違ったのか
コロッケで豚の貯金箱にコイン入れて願いを叶える物語を思い出しましたよ
投下乙
ところで諸君、容量的に考えて可及的速やかに新スレが必要ではないか?
てな訳で、可能ならばいってくる
>>670 感想ありがとうございます。コロコロの『コロッケ』を思い出すとはwww
>>リリカルスクリームさん
はい、G1はビーストウォーズMに出てきた姿しか見てないんで見てみようと思います。
職人の皆様GJです
数が多すぎて感想書ききれないのもいつ以来か…orz
>>673 そうですか。
初代シリーズを取り上げるのならばきちんと見てもらった
上で取り上げて欲しかったので。
期待してお待ちしてます。
>>676 ありがとうございますー♪
>>スクリームさん
はい、出来るだけ折り込んでみます。
680 :
リリカル湾岸:2007/09/19(水) 23:49:12 ID:lzcjdKQ1
昨日湾岸ミッドナイトクロスを投下した者です。
今書く途中で「『なのは式』の戦闘(魔法使用)を湾岸世界でさせてもいいのか」悩んでます。
湾岸には湾岸独特の雰囲気があり、それを魔法を用いた戦闘でぶち壊しにされるのを嫌う人がいるかもしれないので。
どちらに決まっても構想は練ってあるので大丈夫です。
皆さんのご意見をお願いします。
>>680 俺はアリかと
クロスしたからには両方の作品の特徴を行かしてほしいですからね
●*『 WAS 成功』 『スレッド特定、URL算出』
// /::/: : : : : : : : : : : : : : : :、: : : : \/―-、: : : : ヽ
// /:,/::/ ,: : : : : : : : : : : : : : ::ヽ:--==l: : : : :ヽ: : : :
/イ ,///: ://:://::i: |: :i: : i::ヽ: :、:\: : ヽ; /|: : : : : : :ヽ: :
///: :// / :l: :|: h: l、::ト、: :ヽヽ :|:: : ::|::/l: : :i: : : : : ヽ:
// ,': /:{: i:|: :ハ_l;;ハヽヽヾ\::ヽ::j:: : ::|: /l:: ::|: : : : : : :',
V |: li ::Vi:l: lィ: : : : :V: : : : : : :lj:j: : //::/::j: :::|. : : : : : : ',
l: |l ::iヽヽ{ : : : : : : : : : : : :/jリノへヽ:/l: : :l:. : : : : : : :
',:|ヽ::|::lヽl : : : : : : : : : : : :/イ: ::|ノ// |: :::l:.: : : : : : : : 「次スレ見つけた…ッ!」
l| ヽ|ヽゝl 、 j: :::jノ/ .l: : :l::: : : : : : :
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190209861/ ヽl:ヽ ワ /j::// !: : :l::: : : : : :
|: :liヽ、 イ//‐l、 |::::::::l::::. : : : :
l: :リ ` ー‐r '´-// / T 、 |::::::: |:::::..: : : :
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V VA::::::/ |/∧ヽ / j ヽ:::::::::::::::::/
V VA::/ |V V/ / \::::/
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V VA, l / / | ,/ / /r⌒
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\ ,. - ' ´ ̄ ̄ ``ヽ. / /.‐¬=- 、
Y |/ ' ´ ̄``ヽ、 / | | _|_ ――┐ _|_ | | フ土 | |
>/ニ ‐ 、 、 ヽ | | | | ─ / ヽ./ / | | .)羊 | |
イ ヽ / / / / 、 ヽ. \ヽ}. / | .ノ / ア/ /|\ | |/ ── .・ ・
.| / / / / 〃 //1 l ヽ \. i ,ィ-‐'´'" ̄´'‐- 、_
.| ./ / / ̄/_Z_フ〃 ト!j1 l l l ヽ ヽ } '´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`~ヽ、
/ / /,ィ´,ィぅ、ヽ ′/lムトj l l l いV.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
| l イ ヽ{ トッ::リ ,fi }〃/ l l:!:.:.:.:.:.:.:.、:/{ム<_{:人:.:.j:.、:.:.ヽ!
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