http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010013001000527.html 国土交通省成長戦略会議の航空分野に関する論点の中間整理素案の要旨は次の通り。
基本認識 「国内各地に空港を造り、路線網を広げる」から「徹底的かつ効率的に使う」
パラダイムにシフトさせる。地方重視の裏返しで、首都圏・関西の基幹空港を「強くする」
ことへの注力が不足。
論点1 首都圏空港の容量拡大とフル活用
一、羽田空港の国内・国際のハブ(拠点)化を達成する発着枠の配分方針を策定。
「アジア近距離ビジネス路線に限定」ルールに代わる昼間時間帯の路線選択の考え方、
ビジネス客が多い路線の運航が可能となる国際線枠の配分を検討。
一、成田空港の発着枠が8万回増える前提で、国内路線の拡充、ビジネスジェットの
運航を容易にする運用方針を設定。
論点2 関西空港のバランスシートの改善と関空、大阪(伊丹)空港の一層の活用
一、関空のバランスシート改善では、成田国際空港会社の株式上場益、大阪空港の
民営化や資産処分による創出資金を活用する方向で検討。
一、関空の競争力強化では、大阪空港との役割分担を踏まえた健全な競争環境を
担保した上で、専用ターミナル建設などによるローコストキャリアー(LCC)誘致、
貨物ハブ機能の強化を検討。
一、大阪空港は、アジアシャトル便(ソウル、釜山、上海など)も運航する都市近接型
空港として位置付け。国内線は新幹線との非競合路線を中心に小型機による
多頻度便が中心。(地元の協力が得がたければ、中期的には廃港もあり得る)
論点3 公租公課と空港整備勘定の在り方
一、「無駄を廃し真に必要なものに注力する」観点から、空港整備の可否を厳しく
精査する仕組みを構築。必要な整備は一般会計と民間資金でのファイナンスが原則。
一、当面の間、空港整備勘定は存続。
論点4 航空ネットワーク維持政策の見直し
一、路線参入・撤退の自由を明確な行政方針とする。離島など生活必需路線は自治体
などの判断で補助金を支払い、その条件で運航を希望する航空会社に委ねる。
羽田国内線の発着枠配分の在り方は市場メカニズムの活用の可否も含め別途検討。
論点5 空港経営の効率化のためのガバナンス構築
一、国内空港の大部分は空港そのものと空港ビル会社などの空港関連企業が別組織
(いわゆる上下分離)。航空システム全体の運営コスト削減のため
(1)航空収入・非航空収入を連結した形で各空港・空港関連企業の収支状況を透明化
(2)空港関連企業が支払う地代の値上げ―を速やかに実施。
一、中期的には上下一体の空港経営にシフト。
論点6 LCCの参入促進
一、アジアからの旅行者を増やす取り組み、国内観光需要の拡大、日本経済の取引費用
逓減による成長促進の観点から、LCCが参入しやすい環境をつくる。具体的には
(1)成田、関空などでのLCC専用ターミナル建設
(2)航空交渉や発着枠配分でLCC参入への積極的取り組み
(3)国内LCC企業の参入障壁となる規制の緩和―を行う。