77 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:14:43 ID:HNutUwyI0
「ブラは、フロントホックがいいわね」
そんな独り言をいいながら、麻琴のブラに手をかけた瞬間
「やっ。。」
咄嗟に飯田の手を拒否してしまった。
「麻琴・・・」
飯田は、困ったような顔をして麻琴を見ている。
「わたしに抱かれるのは嫌?」
「主任・・・」
「圭織よ、麻琴」
「圭織・・・様・・・」
「このままじゃ、わたしは麻琴を愛してあげることはできないわ。
わたしに脱がされるのが嫌なのなら、自分で脱ぎなさい」
「・・・・・」
78 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:17:01 ID:HNutUwyI0
飯田は、麻琴の下着にかけた手を離すと麻琴をじっと見つめた。
飯田の妖艶な瞳が麻琴の脳を犯す。
その視線に耐え切れず麻琴は俯いた。
「それとも・・・」
「・・・・・」
「本当にわたしに抱かれるのが嫌なの?」
「ち、、違います。。」
麻琴はあわてて飯田の言葉を否定する。
そして、意を決したようにブラをはずした。次にショーツに手をかけたとき、
ふと手が止まってしまった。
「どうしたの?」
「・・・・・」
かすかに麻琴の手が震えていた。
美しく綺麗な飯田の目に自分の全てを晒す羞恥が、麻琴の心を再び支配した。
79 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:19:14 ID:HNutUwyI0
「麻琴・・・」
麻琴の名前を呼ぶ飯田の声は、拒否を許さないという風に感じられた。
飯田の声に促されるように麻琴は、ゆっくりとショーツをずらした。
麻琴の身体が、羞恥の色に染まっていく。
「いい子ね・・・麻琴」
そういうと飯田は、麻琴の手を引き寄せるとぎゅっと麻琴の身体を抱きしめた。
「圭織・・様・・・」
飯田のきめの細かい肌が、麻琴の肌を愛撫する。
飯田は麻琴を抱きしめたまま、
両手を後ろにまとめると蒼いスカーフでキュッという衣擦れの音とともに拘束した。
「あっ。。」
戸惑う麻琴を尻目に飯田は麻琴をベットに再び押し倒すと優しい愛撫で麻琴を狂わせていった。
80 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:20:39 ID:HNutUwyI0
「はじめて?」
コクン…
飯田の問いに頬を染めながらも素直にうなづく。
「そう…。じゃ、優しく抱いてあげるわ。」
(最初はね…)
そういうと飯田の細く長い指が、麻琴の身体を流れるように滑る。
「はぁ、、ああぁ。。」
麻琴の身体を首筋から下腹部へ
そして、秘めやかな部分から伸びるコードに指をかけるとゆっくりとひっぱった。
81 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:23:20 ID:HNutUwyI0
「あっ。。」
麻琴の反応を楽しみながら徐々にひっぱる。
「麻琴、力を抜きなさい・・・。」
「はぅっ、、あっ。。」
麻琴の秘芯から、ずっと彼女を責め苛んでいたローターをとりだすと彼女に見せつけるように見せた。
「麻琴…見て。麻琴のいやらしい蜜がこんなに・・・」
ローターからは、糸を引くのように麻琴の快楽のしるしが滴っていた。
「いやっ。。」
麻琴は、羞恥に頬を染め顔を背ける。
「麻琴・・・かわいいわ」
そういうと飯田は、ローターをベットの下に落とすと麻琴の秘芯に指を這わせた。
そして、うっすらと汗ににじむ麻琴の身体を愛しむように愛撫する。
「麻琴・・・気持ちいい?」
飯田のハスキーな声が、麻琴の耳をくすぐるように囁かれる。
82 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:28:30 ID:HNutUwyI0
「あっ、、いやっ。。」
「いや?」
「ち、、ちが・・・あぅっ。。」
麻琴は、目に涙をいっぱいため、沸き起こる快感を必死に耐える。
「素直になりなさい麻琴。わたしの前では素直になっていいのよ。」
「さ・・・、いいだ・・・さっ・・・あっ」
「もう一度、聞くわ・・・。麻琴、気持ちいい?」
「き、、気持ちぃ・・・いいです。。あぁ・・・」
麻琴の絶頂は、もうすぐだった。
その麻琴の快感にあわせるように飯田は、麻琴を追い込んでいく。
麻琴は、うっすら涙を浮かべながら左右に頭を振り、
押し寄せてくる快感に必死で耐えようとしていた。
83 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:30:14 ID:HNutUwyI0
しかし、それは無駄な努力であった。
いくつもの激しい波にさらわれては、翻弄される。
それを繰り返す、小船のような状態だった。
「・・・言いなさい」
「あうっ、、あぁ、、・・・も、、もう。。」
「麻琴、イクときは言いなさい」
飯田の厳しい命令が、麻琴の耳に届いた。
(もう、、ダメェ。。・・・)
「い、、イクぅっ。。」
そういうと麻琴は、身体を激しく痙攣させながらのぼりつめてしまった。
しかし、それで終わりではなかった。
84 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:31:35 ID:HNutUwyI0
飯田の愛撫はそれで終わりではなかった。
絶頂に震える麻琴の身体になおも愛撫を続ける。
「ヤっ、、だめっ・・・あっ。。」
麻琴は、再び襲う快感に短い喘ぎをもらしながら、身体を震わせる。
何度、イっても終わらない。
悪夢のような快感。
あまりの快感に吐き気がした。
それでも飯田の愛撫は、終わらなかった。
そして、何度目かの絶頂の後、飯田の愛撫が止まった。
85 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:33:31 ID:HNutUwyI0
麻琴の目はうつろで何も見えてないかのようだった。
飯田は、放心状態の麻琴の両手を後ろでにしばり、柔らかな両の乳房を
誇張するように縛り上げていく。
縛り終えると麻琴の意識を呼び覚ますように、彼女の唇を犯すような口付けをする。
「むぅ、、・・・んっ。。」
麻琴は、激しく口唇を貪られ、手放しかけた意識をとりもどす。
その口付けから逃れるように身を捻じったが、思うように動かない。
(なに。。?)
動けば動くほど、ロープが肌に食い込むようで痛い。
「麻琴・・・」
びくっ
驚くほど冷たい、飯田の声に麻琴の身体が撥ねた。
86 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:34:58 ID:HNutUwyI0
「あなたは、今日から私のものになるの。いや?」
「・・・・・」
麻琴の答えは決まっていた。
「わたしは、、・・・・・・圭織様のものです。。・・・・・・」
「いい子ね。じゃあ、今日はたっぷりかわがってあげる。」
そういうと飯田は、その細い腰に醜悪な型のディルドを装着しはじめた。
そして、再びベットに上がると麻琴の身体を起き上がらせ、飯田の身体を跨ぐような体勢をとらせた。
「自分で咥えなさい。」
飯田の鋭い瞳が麻琴を射抜く。
麻琴の身体は、小刻み震えていた。
87 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:41:57 ID:HNutUwyI0
(怖い、、・・・)
それが正直な感情だった。
これ以上は、狂ってしまう。
「麻琴」
飯田が、麻琴を即すように彼女の名を呼ぶ。
その声に反応するかのように麻琴は、ゆっくりと腰を落としていく。
くちゅ
冷たい異物が、麻琴の熱く濡れそぼった秘芯にあたる。
その感触の違和感に麻琴は躊躇した。
「咥えなさい」
飯田の声が、麻琴の心を縛る。
麻琴は、目を閉じゆっくりと大きなディルドを咥えこんでいった。
88 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:46:54 ID:HNutUwyI0
「はぅっ。。」
亀頭の部分が、入った瞬間、背中を突き抜ける快感に身体をのけぞらせた。
麻琴は耐え切れず、そのまま状態で快感にあえいだ。
その麻琴の身体を突然の痛みが襲った。
飯田が、いつのまにか隠し持っていた洗濯バサミで麻琴の左の乳首を挟んだのだ。
「言うことをきかなければ、ひとつづつ増やしていくわよ」
「は、、はいぃ。。」
痛みと快感が、麻琴の中でないまぜになっていく。
それでも麻琴は、飯田の言葉に従い身体の奥深くに咥え込もうと少しずつ腰を進めた。
気が遠くなりそうだった。
「圭織・・・・・・さまぁ、、・・・あっ。。」
やっとの思いで全てを身体で受け止めた瞬間、麻琴は軽い絶頂迎えた。
「いい子ね」
そういうと、飯田はゆっくりと麻琴の身体を蹂躙しはじめたのだ。
89 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:48:51 ID:HNutUwyI0
「あっ、、・・・あ。。」
麻琴は、顔を左右に振り、必死で自分を襲う激しい快感に耐えていた。
今、麻琴の身体は、ほんのりと色づき、全身に汗がにじんでいた。
醜悪なディルドを咥えこんだ秘芯からは、溢れるほど蜜液が麻琴の脚を濡らし、
卑猥な音を部屋じゅうに響かせていた。
「圭織・・・さまぁ、、・・・あっ、、・・・あぁぁ。。」
涙が双の瞼からこぼれ落ちる。
「かわいいわ、麻琴・・・とっても淫らで・・・たまらない・・・」
飯田は、さらに激しく麻琴をつきあげる。
「はうっ、、あぁぁぁっ、、だめぇ。。」
「麻琴、イくときはちゃんとお願いしなさい」
襲ってくる快感に必死に耐えようと2、3度首を振る。
しかし、耐え切れずついに淫らな懇願を口にした。
90 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:50:48 ID:HNutUwyI0
「イ、イかせて・・・く、、下さい・・・圭織さま、、・・・あぁ。。」
「いいわよ、イきなさい。麻琴・・・」
そういうとさらに深く麻琴の身体を抉るように突き上げた。
「い、、イく・・・あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。。」
その瞬間、麻琴は痙攣しながら大きな絶頂を迎え、同時に気を失ってしまった。
麻琴の身体が、ゆっくりと飯田の胸に倒れこむ。
快感に身を震わせ続けるそんな麻琴の身体を、
飯田は優しく受け止め、そして、力いっぱい抱きしめた。
「わたしだけのものよ、麻琴・・・」
気を失っている麻琴の首筋に唇びるをよせると、そっと赤い花びらのような痕をつけた。
麻琴の意識は、朝まで目覚めることはなかった。
91 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:52:37 ID:HNutUwyI0
そして、気が付くと飯田が麻琴の身体をそっと抱きしめたまま朝まで眠っていた。
「ご主人さま。。・・・」
朝のまどろみの中で、飯田の美しい横顔をみつめたままそっと囁いてみる。
飯田に聞こえない程のつぶやき。
そして、飯田の豊かな胸にそっと顔をうづめた。
麻琴の身体は、まだ縛られたままだった。
縛られたあたりがじんじんと痺れるような感じがした。
このまま飯田の奴隷になってしまうのだろうか?
麻琴にはわからなかった。
92 :
ねぇ、名乗って:2005/12/04(日) 00:59:14 ID:HNutUwyI0
でも、それでもかまわないと思った。
飯田に隷属できるのなら、それも幸福であるかのように感じられた。
不思議な気持ちだった。
飯田に束縛されるのが、麻琴に安心を与えてくれる。
麻琴がそんな思いに耽っていると、飯田の瞳が麻琴をじっとみつめていた。
「圭織様。。・・・」
「もう少し、休みなさい・・・」
麻琴は、コクンと頷くとそっと目を閉じた。
麻琴を抱く飯田の腕に力が入る。
(圭織様・・・好き・・・)
どんな風に扱われてもそれは揺るがない麻琴の気持ちだった。
おわり
93 :
ねぇ、名乗って:2005/12/18(日) 03:54:30 ID:w16hRekIO
小川がこんなしおらしいわけないわな
94 :
ねぇ、名乗って:2005/12/27(火) 21:03:05 ID:dsnGWBZ70
ほ
95 :
ねぇ、名乗って:2006/01/08(日) 07:04:04 ID:FJTFyAIe0
ほ
96 :
ゆず鈴:2006/01/09(月) 09:40:25 ID:UwMJ+cO60
どんどん書いて
97 :
ねぇ、名乗って:2006/01/23(月) 20:22:27 ID:GiaYZRAt0
ほ
98 :
ねぇ、名乗って:2006/01/26(木) 15:11:06 ID:3QQ0HX3Y0
麻琴 麻琴
僕のお嫁さん!!
麻琴 麻琴
僕のお嫁さん!!
麻琴 麻琴
僕のお嫁さん!!
麻琴 麻琴
僕のお嫁さん!!
麻琴 麻琴
僕のお嫁さん!!
99 :
ねぇ、名乗って:2006/02/02(木) 09:52:58 ID:pEzu78fX0
クズメンが
∬∬´▽`)ノ<100
∬*´▽`)
102 :
もう何年同じこと吠えてるんだよw:2006/02/13(月) 21:38:22 ID:ncUjW0hHO
保守w
103 :
ショッカ乙美 ◆TOpZGN1Uv2 :2006/02/19(日) 10:18:37 ID:mVNif6xfO
エロ麻琴
104 :
ねぇ、名乗って:2006/02/19(日) 11:07:36 ID:weNVp4YKO
まこは、チンポをじっくりナメながら、自分のワレメをいじりはじめた。
はやく入れたい……チンポを!
∬*´◇`)
106 :
ねぇ、名乗って:2006/03/09(木) 04:21:37 ID:mBJd34HCO
108 :
ねぇ、名乗って:2006/03/21(火) 12:47:01 ID:znxrr8yF0
あげ
109 :
ねぇ、名乗って:2006/03/22(水) 22:47:32 ID:rJ84BCS40
110 :
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!! :2006/04/03(月) 22:10:36 ID:yBQoNnY+0
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
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キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
キモ━━━( ´;゚;ё;゚;)━━━!!!!
111 :
ねぇ、名乗って:2006/04/13(木) 00:11:25 ID:cCTVeLEX0
ゲロゲロ
E-rect
113 :
:2006/04/29(土) 03:10:43 ID:pFgCjBBa0
ちょっと話があるんだ、と吉澤に呼び出された小川は珍しく不機嫌だった。
どこまで行くんですかぁと機嫌の悪さを隠さない声で小川が問うても吉澤は小川の腕を取り歩き続けた。
コンサートに向けての練習が続き心身ともに疲労しており、
もう本当に全てをボイコットしたい気分だった。
そんなところへ先ほど紺野よりレッスンが終わったら買い物デートに行こうと、
メールが入り小川は少し、ほっと心がほぐれたばかりだったのだ。
それなのに吉澤からの呼び出し。
またダメ出しされるのか、重い気分で小川は吉澤に着いていった。
今日は朝、目覚めたときからアノ思いにとらわれてしまっていて何かと上手くいかなかった。
発声練習でもスタッフにダメ出しされ続けた。
やっぱり小川はダメだな―。
そんな視線を確かに感じた。叫んで逃げ出したかった。
114 :
:2006/04/29(土) 03:11:52 ID:pFgCjBBa0
それにしても吉澤さんはどこまで行くんだろう。
そう思ったところでようやく吉澤は歩を止めた。
コンサート会場の敷地の中にある屋外の資材置き場のようなところで何となく薄暗いが気にしない。
「よっしゃ、この辺でいいか」
掴んでいた小川の腕を下ろすと今度は両手で小川の手をそっと包み込むように握った。
吉澤の唐突な行動に小川は過敏に反応した。
「ぬぁ、なななんですか!よしざーさん!?」
慌てて振りほどこうとする小川の手をしっかりと握って離さない吉澤。
真剣な表情で話し始めた。
「あの、あのさ…ウチ…ウチ、麻琴のことが好きみたい…」
「はあ?」
反応が少し気になったが吉澤は話し続けた。
「何て言うか、ウチが淋しくなったときに思い出すのが麻琴だし辛いときもそうだし」
小川の表情は変わらない。
「麻琴と話してるときが一番落ち着くって言うか癒されるっていうか…」
ちらりと小川の反応をうかがいながら、あとの言葉は一気に言った。
「だからさ、ウチら軽く付き合わない?あ、でも、でも何つーか恋人としてって言うんじゃなくて…」
何の反応も示さない小川をもどかしくそっと抱き寄せると続けた。
「なんちゅーか、お互いの一番の存在にならない?」
いつもなら抱きついたりすると固くなる小川が全く反応を示さないことにようやく吉澤は不審に思った。
「…麻琴?」
顔を覗き込もうとして思い切り拒否される。
そして突然、小川はがくんとうなだれた。
顔を伏せて肩を震わせている。
泣いてるの―?
吉澤がそう思った瞬間、小川は顔を上げ笑った。
爆発的に笑った。
「ぶっ、あっははっは、ひゃー、あはははあは」
「ま、麻琴…?」
前からおかしいと思ってたけどホントにおかしくなっちゃった?
いつもなら冗談めかして、でも思い切りツっこめるのに
小川のどこか少し狂気を含んだような笑いに吉澤は困惑した。
「ちょっ…!よしざーさん!何の冗談ですか、それまじで、あっひゃはふへえー」
「じょ、冗談って…」
「も、ホント、何の罰ゲームですかってんだ、
あ、わかった!ミキティと賭けもしたんでしょ?こんちくしょうメ、ぶへへ」
普段はこんな口の聞き方はしないはずの、あまりの小川の豹変振りに吉澤は小川から手をほどいた。
手を叩いて笑い続ける小川の手首を取って何とか落ち着かせようとしたが小川は泊まらない。
「麻琴、冗談じゃなくって本当だって!本当の気持ちだよ!」
「はぁ?何のつもりですか?」
一瞬で笑いを消し去ると氷のように冷たい眼差しで吉澤を見据える。
たじろぐ吉澤を一瞥すると掴まれた手首を振りほどいた。
吉澤も負けてはいない。今度は小川の肩に手を置いて話し続ける。
「なん、のつもりって…。いま、言ったとおりだよ。ウチは麻琴が好き。麻琴もウチが好きでしょ?
だからお互い一番の存在になりたい。悩みでも、楽しいことも全部わけあいたい」
ぴくりと小川の肩が揺れて気弱な小川が顔を覗かせそう。
116 :
:2006/04/29(土) 03:14:09 ID:pFgCjBBa0
だが、それは一瞬で。
「あぁ…。癒されるとか言ってましたね…」
「う、うん…。」
他人事のような受け答えに少し落ち込む吉澤。
そんな吉澤を見透かすかのように小川は言葉を続ける。
「んー、ガッタスとかで何かあったんすか?んで、淋しくてあたしに縋ろうとしてるんすか?」
「違う!」
「確かにあたしはよしざーさん大好きっコですけどぉ…」
へへ、と鼻の下をこすりながら照れくさそうに笑った。
「悪いんですけどあたしには、よしざーさんを支えれません。そんなことされたら小川、潰れちゃいますよ」
そして全く吉澤の顔を見ようとせずに小川は続けた。
「よしざーさんと付き合うのって大変です、無理です。小川なんて器ちっちゃいですからね、
そんな、よしざーさんと付き合うなんてことになったらヤキモチで体持ちませんよ?」
吉澤の告白を一つ一つ、否定していく小川を止める術がなくただ佇む。
「でも、もし本気で言ってくれてるなら嬉しかったです」
たったいまの告白を過去形で答える小川に吉澤はたまらず叫ぶように言った。
「ほ、本気だって!ウチは本気で麻琴が心配で…!」
言いかけて、「あ…」と自分の口を塞ぐ吉澤を小川はせせら笑った。
「急に告白とか何事だとびっくりしたけど、まぁ、それなら納得。
そんなとこだと思いました。心配してくれたんすね」
再び他人事のように言うと足元に落ちていた空き缶を蹴った。
向こうにあった木箱のところでごん、と鈍い音を立てて空き缶は落ちた。
117 :
:2006/04/29(土) 03:15:18 ID:pFgCjBBa0
「ちょうど、よかった」
小川はいいことを思いついたように悪戯っぽく吉澤に告げた。
「あたしも話があったんすよ。…あたし、娘辞めたいんすよね」
今日のレッスン疲れたねぇ、と言うのと同じ口調の気だるいその言葉に吉澤が弾かれたように小川に詰め寄った。
掴んだ肩を思わず後ろの壁に押し付ける。
コンクリートの壁がざりっと小川の肩を擦った。
「っつ…」
痛がる小川に構わず吉澤は畳み掛ける。
「なんで?なんで辞めたいとか言うの、麻琴!?」
「痛…痛いって、よしざーさん」
「あ…ごめん」
小川の白い肩に血が滲むのを見て吉澤は我に返った。
吉澤の謝意を無視して小川は呟く。
「何でって…。よしざーさんも気付いてるしょ、小川はもう伸びシロがないって」
「なっ…、そんなこと…」
そんなことない、と打ち消す言葉は続かなかった。
118 :
:2006/04/29(土) 03:22:45 ID:pFgCjBBa0
「あたしがそれでもう全然ヤル気無いの知ってるんしょ?だから付き合おうとか言ったんしょ?」
それって同情でしょ笑える、と壁にもたれた姿勢で自虐的に小川は笑った。
何も言えないでいる吉澤に言葉を投げていく。
「あたしにはナンもないんすよ。あたしが輝ける場所がないんすよ。あたしが輝けた場所がなかったんすよ」
「そんなことないじゃん!コンサートではいつも一番ハジけてると思ってるよ、あたしは!」
「それはどうも。でもよしざーさんにそう思ってもらっても仕方ない。事実、ファンの人の声少ないし」
吉澤の言葉を受け流して小川は笑う。
「よしざーさんにはわかりませんよ。よしざーさんにはプッチがあった」
「……」
吉澤はまた何も言えなかった。
ユニット改変でプッチモニが新スタート出来るかというときに吉澤は
太ってしまい長い間ヤル気のない姿を後輩たちにも晒していた。
いや、その前から徐々に肥大化してしまっていたがそれはどうでもいい。
そうこうしてる間に小川までも太ってしまった。
しかも、その間に同じく改変のあったミニモニやタンポポは新曲をリリースし嬉しそうに活躍する同期の
姿を何も言えずに黙って見ていた後輩の姿に胸を締め付けられ懺悔の念を持った。
自分は加入してすぐに2期プッチモニとして輝かしいステージがあったが、小川はどうだろう。
全く何も無かった。
たとえば新曲が出るたびに後列で楽しそうに踊る小川の姿は覚えている。
コンサート限定だがプッチモニとして新曲を披露したときの小川は本当に嬉しそうだった。
しかしその胸中はどうだったのだろう。
その気持ちを吉澤はわかっているつもりでいた。
しかし、小川の気持ちは誰にもわからない。
何もない小川の気持ちは。
119 :
:2006/04/29(土) 03:24:40 ID:pFgCjBBa0
あたしにはナンもないんすよ
カラッポなんですあたし
軽い口調の重い言葉に吉澤は胸が詰まる思いだった。
小川が繰り返す。
「よしざーさんにはわかりませんよ」
「そんな…でも、辞めるとか冗談だよね」
「冗談じゃないですよ。もう社長ともつんくさんとも話しました」
そこまで思いつめていたのかと小川を見やるが視線は合わない。
合わせようとしてこない。
「いやー、社長なんか渡りに船って感じでしたよあはは」
一般的な常識には欠ける部分がある吉澤だが渡りに船の意味はわかった。
なんて言えばいいんだろう―。
不意に小川が至近距離から吉澤を捕らえた。
「ひとつ聞いていいすか?」
「な…に?」
小川は楽しげだ。
そこにはいつもの天真爛漫な小川は見当たらなかった。
「付き合おうとか言ったのって、めんどくさかったからっしょ?」
「え…?」
意味がわからず聞き返す吉澤に息がかかる距離まで顔を寄せ囁いた。
「あたしが辞めるの辞めないの言い出すのが鬱陶しかったんでしょ?
そんなこと言われたら形だけでも引き止めたりしたりとかしなきゃいけないもんね、リーダーだし
色々フォローとかめんどいけど付き合えばそんな面倒なこと言わないと思ったんでしょ?
だから告白とかしたんでしょ」
「ちょっと意味がわからないよ…麻琴…」
「うへへ、あたしも言っててわからないからだーいじょーぶぅ」
曲がりなりにも好きだと言った相手から人格を疑われるような言葉に吉澤はどうしていいかわからなかった。
120 :
:2006/04/29(土) 03:26:09 ID:pFgCjBBa0
「もういいです…あたしはここで頭冷やして行くんでよしざーさん、先に戻ってくだせー」
あくまでふざけた口調で話を終わらせようとする小川に吉澤は従うしかなった。
「わかった…。でも、でもウチが麻琴を好きなのは本当だよ」
「ありがとう。でも実はもう一つ話があってですねぇ、あたしオトコいるんすよ
だからどっちにしてもよしざーさんとは付き合えなかったっす」
思いがけない告白に目を見開く吉澤に小川のえげつない言葉が飛んでくる。
「あははあは、らーいじょうぶぃ。デキ婚とかはしないように気を付けてますから。週刊誌とかノーマークだしうえへへへ」
彼氏とは到底呼びたくないあの男を脳裏に小川は自嘲した。
「まこと…」
見るからに精神的に崩れそうな小川に近寄ろうとして止められる。
「ストーップ、ストップストップ。早く行ってくださいって。マネージャーとか探してるかもしれませんし」
儚げに揺れる小川を抱きしめてあげたい気持ちとこれ以上関わったらイケナイというアイドルとしての本能が
せめぎ合い吉澤は結局その場を後にした。
吉澤が完全に立ち去るのを見送った小川は壁にもたれたまま、ずるずると座り込んだ。
「…っく…よしじゃーしゃんのばかぁ…何でしょんなこと…しゅきとか…も…ばがぁ…」
人目を気にせずすむここで思い切り泣こうと大きく息を吸った小川の耳に空き缶の転がる音が聞こえた。
「だれ…?」
「あ、すみません…」
同郷の久住がすまなそうに首を縮め出てきた。
手にさっき、蹴飛ばした空き缶を持っている。
121 :
:2006/04/29(土) 03:27:36 ID:pFgCjBBa0
「どうしたの?」
半泣きを見られて完全には気持ちを立て直せなかったが後輩に対する気遣いはまだ残ってる。
「あの、これが…頭に当たって…」
申し訳なさそうにでも本当に痛そうに空き缶を示した。
と言う事はさっきの話を聞かれたんだ。
「うっ、えぇ!あーぁ。ごめんね。冷やしたほうがいいかもね、もどろっか」
よしよしと頭を撫でる小川の手に久住は自分の手を重ね訴えた。
小川の手がびくんと止まる。
「あっ、あの…や、辞めないでくださいね小川さん」
途端にすっと温度の無い表情になり言い捨てる。
「立ち聞きしてたんだ?お行儀悪いね、小春ちゃんは…」
「ごめんなさい。でも、でも辞めるとか言わないで、ください、ね?」
小川は答えずにネックストラップに釣り下がった携帯を取り出すとメールを打ち出した。
コンコンに返事するの忘れてたよ、と久住を放りっぱなしでしばらくメールに没頭した。
「あ、あの…?」
「あー、わかった、やめないやめない、だから消えて?」
投げやりな小川の答えに久住はくじけない。
「絶対ですよ?絶対やめないでくださいね。小川さんが卒業しちゃったら小春困ります」
本当に困ったように俯く久住を眩しいものを見るように見つめる小川に気付かず久住は続ける。
「はぁー、よかったぁ。小川さんがやめたらどうしようかとほんとにびっくりしたぁ」
久住の無邪気な態度に小川は見逃さなかった。
122 :
:2006/04/29(土) 03:30:34 ID:pFgCjBBa0
「小春ちゃん、ホームシックだね?」
久住は全く恥ずかしげなくそれを認めた。
「そぉなんですよぉ。なんか新潟に帰りたくて…お母さんと一緒に暮らしてるけど何か新潟が恋しいんですよ」
あまりの邪気の無さに小川は突然苛立った。
「でも本当は辞めるって社長とかに言っちゃったんだよね。立ち聞きしてたんだから知ってるでしょ
もう辞めることは決まったの。あとはいつ辞めれるか、だね。
まぁ言い方変えるとリストラ?クビってやつ?辞めるのやめます、ってのは通用しないの」
久住は唇を噛んだ。
「でも今、辞めないって言ったじゃないですかぁ!」
「あー、ごめんごめん。小春がウザかったから適当に返事した」
「そんな…」
そう言うと久住はいきなり小川の腕にぶら下がるように自分の腕を絡めると懇願した。
「お願い、辞めないでください。悩みなら小春が聞いてあげます。小春が慰めてあげるから何でもするから…お願い…」
久住が本当に小川が必要なのではなく同郷のよしみとただの感傷で言っているのだというのはわかった。
もちろん、本人は自分が小川を引き留めているのは本心からだと思っているのだろうが。
「へー、慰めてくれるんだ?何でもしてくれるの?」
いつの間にか間近にせまる小川に久住はたじろいだ。
しかし自分の言葉に責任を持ちなさい、両親にそう言われて育ってきた久住は胸を張った。
「はい!小春が慰めてあげます」
「じゃあさ」
小川はニヤリと唇を歪めて笑うと久住を木箱の方へ追いやっていった。
逃げ場が無くなった久住のTシャツの中に手を滑らせ背中を撫でた。
小春の背中が弾ける。
首筋に一瞬唇を付け耳元で囁く。
123 :
:2006/04/29(土) 03:36:44 ID:pFgCjBBa0
「慰めてよ」
一瞬だけ黙って、でも小春はこくんと頷くと土ぼこりだらけの地面に体を横たえた。
度胸よすぎだよ、小春―。
心の中で笑って、でもしばらく悪戯してやる。
スポーツブラのうえから胸の中心を中指で転がす。
「…や…んっ」
子供だと思ってたのに色っぽい顔するんだな。
Tシャツをめくってまだ子供らしさの残る白い腹部を鑑賞し、
ときに脇腹を撫で、首筋には休むことなくキスを落としてその表情を楽しむ。
「…ん、はぁっ…」
小川はこのままだと止まらなくなりそうな自分に苦笑した。
自分がリストラされそうだからって後輩を汚してどうするんだ―。
小春の頬を伝う涙に気付いてさらに罪悪感に襲われる。
わざと盛大なため息を付いて小春から身を離した。
「もう、いいよ。戻りな」
いきなりの中断に小春の大きな眼がこぼれそうに開かれる。
「…え?」
「新人さんがいなくなってたらみんな心配するし早く戻りな」
そう言ってやると小春は明らかにほっとした顔で体を起こした。
気まずい空気を破る声が突然、やってきた。
124 :
:2006/04/29(土) 03:39:02 ID:pFgCjBBa0
「こはるー?」
吉澤だ。
ほらぁ、やっぱ探してんじゃん。
小声で言う間に小春は急いで服を整える。
「こは…何してんの、あんたたち…?」
言いかけて小春の乱れた姿にリーダーが凍る。
小川は面倒くさそうに小春の髪を整えてやると立ち上がった。
「抱いてって言うから抱いただけ。泣いてばっかでツマんなかった…」
高らかに笑いながら小川は立ち去った。
「こはる?だいじょうぶ?変なことされたの?だいじょうぶ?」
心配する吉澤をよそに小春は小川の背中を見送っていた。
たぶん続く
さぁ、マコニーして寝るか
できるかああああああああああああああああああああああああああああああああああ
まこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお