1 :
ぬん:
いまモー娘。の人気が低下してきている。
モーヲタはヲタをやめるのか?
SPEEDの人気が低下してきたときと同じように
2 :
名無し募集中。。。 :03/03/15 11:02 ID:PvLC8AT9
そうだろうね
つーかもうヲタなんか少ないよ
あなたも早くやめようよ
3 :
名無し募集中。。。:03/03/15 11:08 ID:wFVuXvLr
ヲタはもともとそう多くはなかった
イパーン人が去っていっただけ
ヒヤキポリネキセサナモペ共和国
5 :
名無し募集中。。。:03/03/15 19:20 ID:phiRcGFD
>>1 SPEED が落ちたときよりも悲惨な状況だと思うぜ。
6 :
名無し募集中。。。:03/03/15 19:22 ID:Am/eGiys
SPEEDは落ち目感や悲壮感を出さずに解散できた稀有な例
7 :
ヤンタンON MBS:03/03/15 19:27 ID:0HzQTD8A
>>6 いまさら陽水をカヴァーするような現状さえなければ・・・
8 :
名無し募集中。。。:03/03/15 19:29 ID:SxnNfDsm
だが一部のヲタはこの現実を受け止めていない
9 :
名無し募集中。。。:03/03/15 19:33 ID:fyaHrVM2
>>8 受け止めるってのは認めろと言っているのか?
批判しているのは現実を受け止めていないと言うのか?
11 :
名無し募集中。。。:03/03/15 19:37 ID:SxnNfDsm
12 :
名無し募集中。。。 :03/03/15 22:27 ID:sXqn16Hi
とりあえず、新垣(あらかき)殲滅
14 :
ぬん:03/03/16 23:22 ID:VpbHpvTz
tes
t
ネタスレとして再利用したいんですが、よろしいでしょうか?
まる1日反対がなければ頂戴いたします。
18 :
ぬん:03/03/25 23:18 ID:OYhBBvEB
ずーとネタを考えたけど思いつかなかったらからいいですたい
ネタスレ再利用は一向に構わんが
それで あんた どうするつもりや?
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
【 マ コ 】
〜時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語〜
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
引っ越し乙。
それではこちらで一発目。
今回字ばかりで読むのがツライかもです。
>>30続き
『 わるものが危機の打開に頭をしぼるとき・・・・・ 』
灰色の明かりに照らされた果てしなく長い廊下や通路では、時間貯蓄銀行の男達が走り回って
います。幹部全員が特別会議に招集されたのです。
〆⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽヽヽヽヽヽヽ
( − )− )− )− )− )− ) )))))))))
( ) ) ) ) ) ) )))))))))
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━
大きな会議室に灰色のヤマザキたちは集まっていました。端が見えないほどの長い会議用テーブルに
びっしりと並んで座っています。
諸君。事態は深刻なのだ。マコという女の子の追跡に我々は動員できるほとんど
全てのものを投入した。この追跡は全部で6時間13分と8秒かかった。これに
参加した者全員は、この間時間の獲得をおざなりにせざるを得なかった。
さらに追跡のあいだ、我々自身が消費した時間もある。この両方の時間損失
の合計は正確に計算すると3,738,259,114秒になる。
諸君!これは一人の一生の時間よりも多いのだ!
\_________ _______________________/
∨
〆⌒ヽ
( − )
〆⌒ヽ ⊂ ⊃ 〆⌒ヽ
( − ) | | | ( − )
〆⌒ヽ )/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\( 〆⌒ヽ
( − ) / \ ( − )
〆⌒ヽ )/ \( 〆⌒ヽ
( − ) / \ ( − )
( )/ \( )
彼はここで一休みして、会議室の正面の壁にある大きな鉄の扉を指し示しました。
我々の時間金庫は無尽蔵ではない!せめて追跡に成功
していればまだしもだ!マコは我々の手を逃れてしまった。
諸君、こんなことは2度と起こってはならぬ。節約せねば
_________ ならん。無駄をつつしまねばならん。今後のあらゆる計画は、
│ │ │ この精神で考えていただきたい。私の言いたいのは
│ │ │ これだけだ。
│ │ │ \______ ________________/
│ │ ◎ ..│ ∨
│ ..┓│┏ ..│
│ ..┛│┗ ..│ 〆⌒ヽ
│ │ │ (− )
│ │ │ Σ⊂ )
│ │ │ | | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (__(_)
彼は腰を下ろして、葉巻の煙を吐き出しました。すると今度は長いテーブルの
むこう端から2番目の演説者が立ち上がりました。
諸君、今回の出来事で動揺したりすることは全く不必要だと思われます。
わが時間金庫にはすでに莫大な蓄えがあり、今回被った損失の何倍もの時間が
失われたとしても決して深刻な危機とはならないのであります。
しかも、マコ事件のような出来事は完全に1回しか起こり得ないものです。
最後に、我々はマコなる女の子を取り逃がしました。しかし我々の狙いはこの
子供が悪害をまき散らさないようにすることだったではないでしょうか?
それならば、目的は完全に達成されました!女の子はすがたをくらまし、時間の
領域から逃げ出してしまったのです。我々はあの子を厄介払いしたわけです。
\____ ____________________________/
∨
〆⌒ヽ
( ー ) 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
⊂ ⊃ (− )(− )(− )(− )(− )(− )
| | | ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そこここから元気のない拍手がおこりました。すると3人目の演説者が立ち上がりました。
ただいまの人を安心させるような言葉は無責任だと思います。この子は普通の
子供ではありません。今回のような事件がこれまで無かったということは、今後も
無いという証明にはなりません。警戒こそ必要です!
その子は時間の領域を離れることができたのなら、またいつでも戻ってくることも
できるからです。
\_______________ _________________/
∨
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
( − ) 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ∩(ヘ )
( ) ( −)( −)( −)( −)( −) ( と)
| | | ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) | | |
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幹部達は、首をちじめて、下を向いてじっとしていました。
と、今の男の向かいにいた男が4番目に発言しました。
諸君、これまでの話は肝心な点を避けて通っています。我々は、今回の事件には
何かほかの力が手を貸しているという事実にはっきりと目をすえねばなりません。
人間が生きながら自分の力で時間の領域の外に出られる確立は、1/4,200,000です。
実際にはあり得ないということです。
\___________ ______________________/
∨
〆⌒ヽ
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ( − )〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
( −) ( −)( −)( )(− )(− )(− )
( ) ( ) ( ) | | | ( ) ( ) ( )
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∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
あらゆることから判断するに、マコは誰かの力を借りているのです。私が誰のこと
を言っているのか、みんなもわかってるはずです。
例の、「マイスター・カオ」と呼ばれている人物のことです。
この名前が出たとたんに、ほとんどの灰色のヤマザキたちはピクリと体を縮めました。何人かは
椅子から飛び上がって、腕を振り回しながらなにやらめちゃくちゃにわめきはじめました。
〆⌒ヽ
(д l|l)
((( ⊂ ⊃ )))
〆⌒ヽ
∩(l|l △)∩
( )
どうか自制してください。私もこの名前を口にすることがあまり穏当ではないことは
知っています。ですが、事態を直視しようではありませんか。
もしあの人物がマコに手を貸したのだとすれば、例の人物は女の子をまた送り返して
来る。しかも、我々に対抗できるだけの方策を授けたうえで。
こうなったら、場合によっては全てを犠牲にする覚悟をせねばなりません!この際、
時間を惜しむことは、恐ろしく高価なものにつきかねません。
\______________ ____________________/
∨
〆⌒ヽ
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ( − ) 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
(ヘ ) (; △ )( − )⊂ ⊃(− )( −)( д ;)
( ) ( ) ( ) | | | ( ) ( ) ( )
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灰色のヤマザキたちの動揺はますます大きくなり、みんなワイワイガヤガヤをしゃべりはじめました。
すると、5番目の演説者が猛烈に腕を振り回しながら叫びました。
静粛に!静粛に!ただいまの方は、破滅の可能性ばかりを口にされました。
しかしそんなことは全て、からっぽの言葉でしかない!言うべきことは、我々に
実際何ができるかということなのだ!
\_________________ ______________/
∨
〆⌒ヽ
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ( ヘ ) 〆⌒ヽ
〆⌒ヽ(ヘ )(∩−∩)( −)⊂ ⊃ 〆⌒ヽ ( д)
( △ )( ) ( ) ( ) | | | 0( 皿 )0 ( )
━∪━∪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
会議室の騒ぎはものすごくなりました。みんなが大声でわめきたて、テーブルを握り拳でガンガン
叩く者もあれば、手で顔をおおう者もあります。
しかし諸君、どうか冷静さを失わないでください。あの例の人物のところから
マコが帰ってくると仮定してみましょう。でもそうなったところで、我々は別に
面と向かって戦う必要はありません。我々にはヲタ共の手下がたくさんいるでは
ありませんか!この連中をうまく使えば、マコとそれに結びついた危険をすっかり
排除してしまえるのです。このやり方こそ、時間の節約になり、安全であり、
しかも効果あること疑いなしなのです。
\_________________ _______________/
∨
〆⌒ヽ
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ( ー )∩ 〆⌒ヽ
〆⌒ヽ( −) ( −)( −)⊂ ) 〆⌒ヽ (− )
( −)( ) ( ) ( ) | | | 0(− )0 ( )
━∪━∪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
幹部会の面々は、ほっと安堵のためいきをつきました。
〆⌒ヽ
( д) 〜3
(⊃⊂)
この提案はみんなにとって、なかなかもっともに思えたのです。もし7番目の発言者が立ち上がらな
かったら、この提案は即座に受け入れられたことでしょう。
諸君。これまでの話はどれもこれも、どうしたらマコの危険を逃れられるか
ということばかり考えている。だが諸君、恐怖にかられていては、決していい
考えは生まれませんぞ。なぜ我々はマコを見方に引き入れようとしないのだ?
\___________ ____________________/
∨
〆⌒ヽ
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ( − )〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
( −) ( −)( )(− )(− )(− )∩(◇ )
( ) ( ) | | | ( ) ( ) ( ) ( )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\
謹聴!謹聴!もっと詳しい説明を!
何人かの声があがりました。
我々ははじめから、例の人物のもとに行く道を苦労して探してきたが、どうしても
見つからなかった。ところがこの子は実際に見つけ出したのだ。するとこの子は
いつでもまたその道を見つけられるわけだし、我々を案内することもできるはずだ!
そしてもし、我々があの場所をわがものとしさえすれば、それからはもう苦労して
1時間、1分、1秒などと小刻みに時間を盗み取る必要はなくなり、あらゆるヲタ共
の時間をいっぺんに手に入れることができるのだ!全ての時間を手中に収めれば、
無限の権力をにぎることになる!我々は目的を達せられるのだ!
\_________ _______________________/
∨
〆⌒ヽ
( ー )
⊂ ⊃
| | |
会議室は水をうったように静かになりました。
ですが、あなたもご存じでしょう。マコを嘘でだますことはできないんです!
ナンバーBLW/553/cのことを考えてごらんなさい。誰がやっても彼と同じ運命を
たどるはめになってしまう!
\_________________ ______________/
∨
誰が嘘をつくなんて言いました?
もちろん我々の計画をはっきり教えてやるのだ。
\________ __________/
∨
そんなことをしたら、あの子は断るに決まってる!
\__ __________________/
〆⌒ヽ ∨
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ( − )〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
( −) ( −)( )(− )(〜 )(− ) (◇ )
( ) ( ) | | | ( ) ( ) ( ) ( )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
私には、それほど考えられないことだとは思えませんがね。ただそれにはもちろん
あの子の気に入りそうなものを提供するべきです。例えば、あの子に欲しいだけの
時間をやる約束をするとか・・・・
そんな約束は、守れるはずのない約束だ!
\_____________ ____/
∨
いや、もちろん守るのです。守る気のない約束などしても、
あの子はこっちの本心をちゃんと聞き出してしまうから。
\________ ______________/
∨
いかん!反対だ!もし本当に望むだけの
時間などやったりしたら、莫大な損失だ!
\__ ________________/
〆⌒ヽ ∨
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ( 〜 )〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
( −) ( −)( )(− )(△ )(− ) (ヘ )
( ) ( ) | | | ( ) ( ) ( ) (つと )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
いや、たいしたことではないでしょうよ。だいたい、ひとりの子供からどれくらいの
収益があがるというのです。たいした損失になりません。それにひきかえ、我々の
受ける利益がどんなものになるか、考えてもみてください。全ヲタの時間なんですぞ!
話し手は座りました。みんなは今言われた利点をいろいろ考えました。
やはりだめだ。 どうしてです?
\__ ___/ \___ ___/
∨ ∨
簡単な理由からです。残念ながらこの女の子はもう欲しいだけの時間を持っている。
ありあまるほど持っている時間で買収しようったって、どだい無理な話じゃ
ありませんか。
\___ _______________________________/
∨
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ
( − ) (− )(− )(− )(− )(− )(− )
( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
それならまず、彼女から時間を奪ってしまえばいい。
〆⌒ヽ
やめたまえ。 > (− )
\_____/
議長がうんざりして言いました。
これじゃあ話が堂々巡りするばかりだ。
\_______ ________/
∨
〆⌒ヽ
ε= ( へ )
(つと )
並み居る幹部会の面々から、いっせいに落胆のため息が漏れました。
もしお許しいただけるなら、提案があるのですが・・・
\________ _____________/
∨
〆⌒ヽ 10番目に発言を求めた男がありました。
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ ( −)∩
( −)( −)( −)( ) 〆⌒ヽ
( ) ( ) ( ) | | | 発言をみとめる > (− )
━━━━━━━━━━━━━━┓ \_______/ ⊂ ∪
この女の子は友達を頼りにしています。彼女は自分の時間を他人に分け与える
のが好きです。しかし、もし時間をわけてやる相手が一人もいなくなっていしまった
としたら、彼女はどうなるでしょうか?
この女の子が我々に協力することがない以上、我々は彼女の友達のほうを
捕まえておくべきです。
\________ ________________________/
∨
〆⌒ヽ
〆⌒ヽ 〆⌒ヽ 〆⌒ヽ ( −) 彼は書類鞄から分類ファイルを取り出して開きました。
( −)( −)( −)(つ⌒|⌒|
( ) ( ) ( ) | | |
━━━━━━━━━━━━━━┓
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
とりわけ重要なのはアサミとかいう道路掃除婦と、ツンクなる人物です。
それからここに、マコのところにいつも遊びに来る子供達のリストもあります。
我々はこれらの人間を彼女から手の届かないように引き離してしまえばいい
のです。そうすれば、哀れにもマコは完全に一人きりになってしまいます。
そうなったら彼女にいくら時間があろうと、なんになるでしょう。遅かれ早かれ、
彼女はそれに耐えられなくなります。そうなったとき我々が出ていってこっちの
条件を持ち出すのです。彼女は友達を取り戻すためとあれば、必ずや我々に
あの道を教えるでありましょう。
たった今までがっくりとうなだれていた灰色のヤマザキ達は、いっせいに頭をあげました。勝ち誇った、
かみそりの刃のような笑いが、みんなの口元に浮かんでいます。
〆⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ
( ー )ー )ー )ー )ー )ー )
( ) ) ) ) ) )
拍手がおこりました。その音は、無限に続く廊下や道路にこだまして、雪崩のようにすさまじく
響き渡りました。
(つづく)
52 :
訂正:03/03/28 23:48 ID:F4GvtqT5
コピペミス!
>>39はコレが正解です↓
長いテーブルの上座にいる議長が立ち上がりました。
諸君。事態は深刻なのだ。マコという女の子の追跡に我々は動員できるほとんど
全てのものを投入した。この追跡は全部で6時間13分と8秒かかった。これに
参加した者全員は、この間時間の獲得をおざなりにせざるを得なかった。
さらに追跡のあいだ、我々自身が消費した時間もある。この両方の時間損失
の合計は正確に計算すると3,738,259,114秒になる。
諸君!これは一人の一生の時間よりも多いのだ!
\_________ _______________________/
∨
〆⌒ヽ
( − )
〆⌒ヽ ⊂ ⊃ 〆⌒ヽ
( − ) | | | ( − )
〆⌒ヽ )/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\( 〆⌒ヽ
( − ) / \ ( − )
〆⌒ヽ )/ \( 〆⌒ヽ
( − ) / \ ( − )
( )/ \( )
>>52 更新乙
39は35の間違いではないでしょうか?
Σ(´◇`;∬
マコは、これまで見たこともないほど大きな広間に立っていました。
マコがここに入ってきた時に聞いた幾千種類ものチクチク、タクタク、ブンブンという音は、様々な
大きさと形をした数え切れないほどの時計の音でした。
それらは長いテーブルやガラスケース、壁に取り付けた金のひじ板や、見渡す限り長く続いている
陳列棚などに並んでいるのです。
|
|
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|...┌─┐ ┌──┐
| /\ | | ..| ┗..| | 8:42 .|
| | ┛ | .| 〈┗〉 [┏] (┛) {┛} | └─┘ └──┘
| | | | ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| | | | ┏ | | |
| | | | | | 【┏】 (┓) 《┗》 [┛] .|
| | | | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〆〃ハ
∬∬ ´)
.( ∪
((( (__(_)
マコはあたりを歩き回って、この珍しい光景に目を見張りながらひとつひとつ見てゆきました。
不意に、誰かが優しい声で言うのが聞こえました
< ああ、帰ってきたのね、ナチオペイア!小さなマコはつれて来なかったの?
\_______________________________/
〆〃ハ
Σ∬ ´◇`)
( )
(_)__)
マコは振り返りました。置時計の森の細い通りに、長髪のほっそりした老人が床にいるカメのほうに
身をかがめているのが見えました。
/ | | | |ヽ
川 ´ * `)| < なに?
/ Yヽ \___/
| | | ___
| | | /* * * *\ ノハベ
ノ__.|__ゝ(´ー`●)────> (` ∬∬))
∪ ̄ ̄∪ ( )
(_)__)
と、その老人はまだカメのほうにかがみこんだまま言っています。
もう来てるって?じゃあどこにいるんだね?
\___ ______________/
∨
/ | | | |ヽ
((|(´ * ` 川)) 彼女はあたりを探すようにながめ回しました。
/ Yヽ
| | | ___
| | | /* * * *\ ノハベ
ノ__.|__ゝ(´ー`●)────> ここよ! > (` ∬∬
∪ ̄ ̄∪ \___/ ⊂ )
(_)__)
マコは声をあげました。
おばあさんは嬉しそうに笑いながら、両手を広げて近づいてきました。ところが一歩ずつ近づくことに、
その人はだんだん若くなってくるようなのです。ついにマコの前に来て、その両手をとり嬉しそうに
握って振った時には、マコといくらもかわらないほどに若返ってしまっていました。
/ | | | |ヽ
川 ´ * `)|
/ Yヽ ノノハベ
⊂) | (⊃ (´◇` ∬
| | | ( )
(( ノ__.|__ゝ (__(_)
/ | | | |ヽ
川 ´〜`)|
/ Yヽ ノノハベ
⊂) | (⊃ (´◇`;∬
| | | (⊃⊂)
(( ノ__.|__ゝ (__(_)
/ | | | |ヽ
川 ‘〜`)|
/ Yヽ ノノハベ
⊂) | (⊃ (´◇`;∬
| | | (⊃⊂)
(( ノ__.|__ゝ (__(_)
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)| !
/ Yヽ ノノハベ
⊂) | (⊃∩(゜◇゜ ∬
| | | ( ⊂)
(( ノ__.|__ゝ (__(_)
ようこそ!
\_ __/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬
| | | ( )
ノ__.|__ゝ (__(_)
彼女は楽しそうに言いました。
この<どこにもない家>によく来てくださった。自己紹介をさせていただこう。
私はマイスター・カオ──ジョンソドゥス・イイダティウス・カオよ。
\____ __________________________/
∨
ほんとにあたしのことを待っててくださったの?
/ | | | |ヽ \___ _______________/
川 ‘〜‘)| ∨
/ Yヽ ノノハベ
⊂) ⊂) (´◇` ∬ マコはびっくりして聞きました。
| | | (⊃⊂)
ノ__.|__ゝ (__(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
もちろんよ!私はお前をここにつれて来させるために、わざわざ私のカメの
ナチオペイアを送ったのよ。
──ところで、テーブルにつくようにお願いしたいんだけど、お嬢さん。
朝ごはんの支度がととのっているよ。長い道のりを歩いてきたのだから、
きっとおいしく食事ができるわね。
\___ _________________________/
∨
/ | | | |ヽ
|(‘〜‘川
/ Y ヽ ノノハベ
| | (⊃⊂(´◇` ∬
| | | ( )
ノ_|__ゝ (__)ヽ_) ))
彼女はマコの手をとって時計の森のまっただ中に入っていきました。カメが少し遅れてあとをついて
きます。
___
/* * * *\
(´ー`●)──── >
∪ ̄ ̄∪ ))
しばらくして大きな置時計の箱の背にかこまれた小さな空間につきました。
隅のほうに弓形の脚のついた小さなテーブルとしゃれたソファーと、組になったクッション付の椅子
があります。
_
/ /)
/ / )__
| ̄) / /) ____
| )/ / / / \
|  ̄ ̄)/  ̄(( ̄ ̄ ̄)) ̄
 ̄ ̄ ̄ )) ((
/ | | | |ヽ
(‘ 川川
/ Y ヽ ノノハベ
| | | (` ∬∬
テーブルの上にはずんくりした形のポットと、2つの小さな茶碗とお皿、それにスプーンとナイフが
並んでいました。どれもこれもピカピカの金でできています。
金褐色にパリっと焼けた巻きパンが小さなかごに並んでいて、金色のバターの入った小鉢と、
まるで液体の金ように見えるはちみつの入ったつぼもあります。
+
+ +
──────+──────+────
+ .)( /)/)/) + +
( ) \~~~~~/ └──┘ +
+ +  ̄ ̄ + +
□D ⊂⊃ □D ⊂⊃
∋─ ∋─
━─ ━─
──────────────────
マイスター・カオは、ポットから両方の茶碗にチョコレートを注いでから、身振りよろしく食事を勧めました。
どうぞ、小さなお客さん。たくさん召しあがってください。
\_____ ________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ )(
| | (⊃( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
∬ \ ノノハベ
□D ⊂(´▽` ∬
⊂⊃ ⊂ )
∋─ \
━─
マコは即座に食事に飛びつきました。飲めるチョコレートがあるなんて、今までちっとも知りません
でした。バターとはちみつをぬったパンだって、これまでの生活ではめったにないご馳走です。
それにしても、このパンほどおいしいものには、未だかつてありつたことがありません。
彼女ははじめのうちこの食事にすっかり没頭してしまい、ほかのことは何一つ考えず夢中で口に
つめこみました。
〆〃ハ
∬´)〜`)))
□D⊂ ⊃─∈
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂⊃
不思議なことに、食べるにつれて疲れもだんだん消えていき、一睡もしていなかったのに、すっかり
爽やかな元気な気分になりました。食べれば食べるほどますます美味しくなっていきます。1日中
食べ続けていられそうなほどです。
マイスター・カオはそういうマコをにこやかに眺めていました。邪魔しないように気をきかせて、はじめの
うちは何も話しかけませんでした。彼女自身はほんの少ししか食べません。いわばほんのお付き合い
程度です。
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ
| | | ∬
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ □D  ̄
それでもとうとうマコはお腹いっぱいになりました。チョコレートを飲みながら、ここの主人をつらつらと
眺めて、いったい何者だろうと考えはじめました。
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ
| | | ・・・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ノノハベ
\(` ∬∬
⊂⊃ □D⊂)
∋─ \
つづくです。
この章はヤマ場なのでほぼノーカット。
おかげで長いです。
更新乙。
カメにあたしを連れてこさせたのは、なぜなの?
\____ _______________/
∨
灰色のヤマザキ達から守るためよ。彼らはお前を捜し回っている。
安全なところは、ここしかないの。
\____ ______________________/
∨
/ | | | |ヽ あの人達は、あたしになにかするつもりなのかしら?
川 ‘〜‘)| \____ _________________/
/ Yヽ ∨
| | | ノノハベ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(´◇` ∬
⊂⊃ ⊂ )
∧
/ ̄  ̄ ̄ ̄\
そうらしいわね。
マイスター・カオはため息をつきました。
どうしてなの?
\____ __/
∨
お前を恐れているのよ。なにしろお前は、
彼らにとって一番困ることをしたんだからね。
\____ _____________/
∨
/ | | | |ヽ あたし、なにもしやしなかったわ。
川 ‘〜‘)| \____ __________/
/ Yヽ ∨
| | | ノノハベ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(´◇`:∬
⊂⊃ (⊃⊂)
いや、したのよ。彼らの仲間の一人に、本当のことを白状させてしまった。そして
そのことを友達にしゃべった。しかもみんなで灰色のヤマザキ達の秘密をみんなに
知らせようとした。これだけすれば、お前が彼らの不倶戴天の敵になるのにじゅうぶん
だとは思わない?
\____ ______________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ でも、カメとあたしは、町の真ん中を通ってきたのよ。
| | | ノノハベ もしあの人達が探し回っているんなら、簡単に見つけられた
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(´◇`:∬ <はずじゃない。それに、とってものろのろ歩いてきたんですもの。
⊂⊃ (⊃⊂) \_________________________/
マイスター・カオは、足下に来ていたカメを抱き上げて、首すじを撫でてやりました。
どう?ナチオペイア。あの連中はお前達を捕まえられたはずかな?
\_____ _____________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ カメの甲羅に 「イヤ、ゼッタイニ!」 という文字があらわれました。
/* * * *\
< ─∩─(●´ー`)
ノ__.|__ゝ
∧
/ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ナチオペイアはね、少し先の未来を見通せるの。30分先までに起きることなら、
確実に前もって判るのよ。だからもちろん、例えば灰色のヤマザキに出くわすか
どうかも、ちゃんとわかるの。
ノノハベ
まあ、すごく便利なのね! > (´▽` ∬
\___________/ ⊂ ⊃
マコは感心していいました。
どこで灰色のヤマザキに出会うかがわかれば、別の道を行けばいいんでしょ?
\________ _______________________/
∨
いや、コトはそんなに簡単じゃないの。前もって判るといっても、起こることを変更
することは出来ないのよ。つまり、どこそこで灰色のヤマザキに出会うとわかったら、
やっぱり実際に出会うの。そればかりは、ナチオペイアにもどうしようもないわ。
\______ ____________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | ∩(´▽` ∬
| | | ( ∪
マコは少しがっかりして言いました。
どうもわからないな。
\__ _____/
∨
ノノハベ
(´〜` ∬
(つと)
それじゃ、未来が見通せたって、何の役にも立たないじゃないの。
\____ _______________________/
∨
いや、そうでもないよ。 。。 。 。 。
例えば今度の場合、これこれの道を行けば灰色のヤマザキに出会わない、
ということが判っていたから。それだってなかなか役に立つじゃない。どう?
\______ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬
| | | (⊃⊂)
マコは黙り込みました。頭の中がごちゃごちゃしてきたのです。
???
〆〃ハ
∬;´◇`)
(つと)
・・・ところで、お前やお前の友達のことに話を戻すけどね、私はお前達に
関心したよ。プラカードの文句もとても印象深かったし。
\______ _______________________/
∨
じゃ、あれ読んだの?
/ | | | |ヽ \____ ____/
川 ‘〜‘)| ∨
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´▽` ∬ マコは嬉しくなって聞きました。
| | | ⊂ ⊃
∧ ∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
すっかり、ひとこと残らず! でも残念なことに、誰も読んでくれた人がいないらしいの
マイスター・カオは同情するようにうなずきながら言いました。
そうね。灰色のヤマザキ達が手を回していたのよ。
\______ _______________/
∨
あの人達のこと、よくご存じなの?
/ | | | |ヽ \____ _________/
川 ‘〜‘)| ∨
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬
| | | ⊂ ∪
良く知っているし、向こうも私のことを知っている。
\______ ______________/
∨
あの人達のところに会いに行ったことがあるの?
/ | | | |ヽ \____ _______________/
川 ´〜`)| 〜3 ∨
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇`;∬
| | | (⊃⊂)
∧ ∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
いや、一度も。私は じゃ、灰色のヤマザキ達が──あの人達がよく来るの?
<どこにもない家>を離れた
ことがないの。
78 :
失敗:03/04/02 00:00 ID:ZJTWY+g3
↑コピペミス
↓やりなおし
マイスター・カオはまたうなずいて、ため息をもらしました。
良く知っているし、向こうも私のことを知っている。
\______ ______________/
∨
あの人達のところに会いに行ったことがあるの?
/ | | | |ヽ \____ _______________/
川 ´〜`)| 〜3 ∨
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇`;∬
| | | (⊃⊂)
∧ ∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
いや、一度も。私は じゃ、灰色のヤマザキ達が──あの人達がよく来るの?
<どこにもない家>を離れた
ことがないの。
マイスター・カオはにっこりしました。
心配しなくていいんだよ、マコ。あの連中はここまでは来られないの。たとえ
<さかさま小路>までは来られたとしてもね。
\______ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ (´ー` ∬ ・・・・・
| | | (つと )
マコはしばらく考え込みました。マイスター・カオの説明で安心はしたものの、彼女のことをもっと詳しく
知りたいのです。
まだまだ続くです
更新乙。続きが楽しみです。
いったいどうして、そんなになんでもご存じなの?ここから出たことは無いんでしょ?
\__________ _______________________/
∨
なんでも見えるめがねを持っているの。ちょっとかけてみてごらん。
\______ ____________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃0―0ヽ (´◇` ∬
| | | ( )
彼女は金のめがねをマコに手渡しました。
なんにも見えやしないわ。
\_____ _____/
∨
〆〃ハ
∬0〜0∩
(⊃ )
目に映るものといえば、ぼんやり霞んだ色や光や影のごちゃごちゃした渦巻きばかりだったからです。
このめがねで見るのはそう簡単じゃないの。でもじきに目が慣れてくるからね。
\________ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ 〆〃ハ
| (⊃(⊃∬0◇0)
(( | | | ( )
彼女は立ち上がってマコのうしろにまわると、めがねの柄にそっと両手をかけました。するとたちまち、
はっきり見えるようになりました。
あの不思議な光のさしていた地区のはずれまで自動車でマコを追いかけてきた、灰色の一団が見え
ました。彼らは今、自動車を押し戻そうとしているところです。
/⌒ヽ,
.――――..-―――、 ⊂ニニ⊃
.// // .||. \ (ヘ ;)
__[//_ /[]__ .||__\__⊂ )
lロ|=== |ロロ゚| ̄ ̄| | ||.Y 人
| ∈口∋ ̄_l__l⌒l____|___l⌒l_||(_)ヽ__) ))
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' `ー' `ー'
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
o○
〆〃ハ
∬0◇0)
さらにむこうに目をこらすと、街の中にいる別の一団が見えてきました。興奮してしゃべりあって
いるようです。
\\ //
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
( △) ( 〜 )(− )
⊂ ⊃ (つと ) ( ⊃
| | | | | | | | |
(_)__) (_)__) (__(_)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
o○
〆〃ハ
∬0◇0)
お前のことを話しているのよ。どうしてお前が逃げ切れたのか、解らないで
いるんだ。
\______ _______________________/
∨
あの人達、いったいどうしてあんなに灰色の顔をしているの?
/ | | | |ヽ \____ ____________________/
川 ‘〜‘)| ∨
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬
| | | 0―0ヽと)
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
死んだもので命をつないでいるからよ。彼らは人間の時間を盗んで生きている。
しかしこの時間は、本当の持ち主から切り離されると、文字通り死んでしまう。
人間というのは、一人一人がそれそれの自分の時間を持っている。そしてこの
時間は、本当に自分のものである間だけ、生きた時間でいられるの。
じゃあ、灰色のヤマザキは、人間じゃないの?
\___________ _______/
∨
違う。彼らは人間の姿をしているだけ。
\______ _________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬ < でもそれじゃ、いったいなんなの?
| | | ⊂ ⊃ \_______________/
∧ ∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
本当はいないはずのものだ。 どうしているようになったの?
人間やヲタ達が、そういうものの発生する条件を作り出しているから。それに
乗じて彼らは生まれてきた。そして今度は、人間は彼らに支配させるスキまで
与えている。それだけで、彼らはうまうまと支配権を握るようになれるの。
\___ ____________________________/
∨
/ | | | |ヽ
|(‘〜‘川
/ Y ヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬ < もし時間を盗むことができなくなったら、どうなるの?
| | | )) ( ) \______________________/
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そしたら、もとの無に帰って、消滅してしまう。
けれど残念なことに、彼らはもうたくさんの人間の手下を作っている。困ったことね。
あたしは、自分の時間を誰にも奪わせたりしないわ!
\________ _____________/
∨
私もそう願っているよ。
\______ __/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇`*∬
| | | ⊂ ) ))
マコはとうとう聞きました。
ねえ、教えて。時間っていったいなんなの?
\___________ ______/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ (´◇` ∬
| | | (⊃⊂)
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
お前が自分で答えを見つけられるといいんだけどね。
時間はある───それはいずれにしろ確かだわ。でも触ることはできない。
捕まえられもしない。においみたいなものかな?でも時間って、ちっとも止まって
ないで動いてくものだわ。そうすると、どこからかやってくるに違いない。
風みたいなものかしら?
\____________ _____________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)| ?
/ Yヽ 〆〃ハ
| | | ∬ ´〜`)
| | | (( ( つと)
いや、違う! そうだ、わかったわ!一種の音楽なのよ──いつでも響いているから、
人間がとりたてて聞きもしない音楽なのよ。でも私はしょっちゅう聞いていたような
気がするわ。とっても静かな音楽よ。
\____________ ______________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)| !
/ Yヽ 〆〃ハ
| | | ∬ ´▽`)
| | | ⊂ ⊃
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
私にはそれがわかっていたよ。だから私は、お前をここに呼んだの。
でも、それだけじゃない。あの音楽はとっても遠くから聞こえてきたけど、でも
あたしの心の中の深いところで響きあったもの。時間ていうのも、やっぱり
そういうものかもしれない。
\__________ _____________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬
| | | (つと ) ))
あたしの言いたいのは、水の上を風が吹くと、さざ波が起こるでしょ、そういう
ことなの。でもあたしってば、きっとくだらないことばかりしゃべってるんだわ!
\__________ _____________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ ∩´△`∩
| | | ( )
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
いや、そんなことない。お前はなかなかいいことを言うよ。だから私は、ひとつ
お前に秘密を明かそうと思うんだけどね。ここの<さかさま小路>の
<どこにもない家>は、あらゆる人間の時間の源なの。
まあ!あなたがご自分で時間を作っていらっしゃるの?
\___________ ___________/
∨
いや、私は時間を司っているだけ。私のつとめは、人間一人一人に、その人の
分として定められた時間を配ることなの。
\___ ____________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´▽` ∬
| | | ⊂ )
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
それなら、時間どろぼうが人間から時間をこれ以上盗めないようにすることだって
わけないことでしょう?
いや、それはできないの。というのは、人間は自分の時間をどうするかは、自分で
決めなくてはならないから。だから時間を盗まれないように守ることだって、自分で
やらなくちゃいけない。私にできることは、時間をわけてやることだけ。
\___ ______________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ´〜`)|
/ Yヽ ノノハベ
⊂) | (⊃ (´〜` ∬
| | | (⊃⊂)
マコは広間を見渡してから、こう訪ねました。
たくさん時計があるのは、そのためなのね?全部の人間に一つづつあるんでしょ?
\__________ _______________________/
/ | | | |ヽ ∨
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ 〆〃ハ
| | | ∬∬ ´)
| | | (( ( ⊃
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そうじゃないの、マコ。この時計は私の趣味で集めただけ。時計というのはね、
人間のひとりひとりの胸の中にあるものを、極めて不完全ながらもまねて象った
ものなの。光を見るためには目があって、音を聞くためには耳があるのとおんなじに、
時間を感じ取るために心というものがある。もしその心が時間を感じ取られない
ような時には、その時間は無いも同じ。
でも悲しいことに、心臓はちゃんと生きて鼓動しているのに、何も感じ取れない
心を持った人間がいるの。
すると、もしあたしの心臓がいつか鼓動をやめてしまったら、どうなるの?
\___________ __________________/
∨
その時はお前の時間もおしまいになる。お前自身はお前の生きた年月の全ての
時間を遡る存在になる。そして、ずっと前にくぐった人生の銀の門に最後に
たどりついて、今度はその門を出ていくの。
\___ ____________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬)) < そのむこうはなんなの?
| | | ( ∪ \__________/
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そこは、お前がこれまで何度もかすかに聞きつけていたあの音楽の出てくるところ。
でも今度は、お前もその音楽に加わる。お前自身がひとつの音になるのよ。
彼女はマコをしげしげと見て、聞きました。
・・・けれどこういうことは、お前にはまだ難しいかもしれないね。
\___ ______________________/
∨
そんなことないわ。わかるような気がするの。
───あなたは死なの?
/ | | | |ヽ \______ ___________/
川 ‘〜‘)| ∨
/ Yヽ ノノハベ
| (⊃⊂) (´◇` ∬
| | | ( )
マイスター・カオは微笑んでしばらく黙っていましたが、やがて口を開きました。
もし人間が、死とは何かを知っていたら。怖いと思わなくなるだろうにね。
そして、生きる時間を人間から盗むようなことは、誰にもできなくなるはず。
\___ __________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬ < そう人間に教えてあげればいいのに。
| | | ⊂ ⊃ \_______________/
∧ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そう?私は時間を配るたびにそういってるんだけどね。 あたしは怖くないわ。
でも人間はいっこうに耳を傾ける気にならないらしいわ。
マコは言いました。
マイスター・カオはゆっくりとうなずいて、マコを長いことじっと見つめ、それからこう尋ねました。
時間の源を見たい?
\____ ___/
∨ ええ
/ | | | |ヽ \_ _/
川 ‘〜‘)| ∨
/ Yヽ ノノハベ
| | | ∩(´◇` ∬
| | | ( )
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
連れて行ってあげる。でもあそこでは沈黙を守らなきゃだめ。何も聞いては
いけないし、ものを言ってもいけない。それを約束してくれる?
マコは黙ってうなずきました。
本日これまで
難しい話やのう。。。
マイスター・カオは彼女を抱え上げ、そして手でマコの目をふさぎました。
それから、マイスター・カオの腕に抱かれたまま、長い廊下を通っていったようです。
/ | | | |ヽ
|(‘〜‘川
ノノハベヽ
(´◇` ∬ |
∪∪ ⊂|
ノ∪∪_ゝ )))
 ̄ ̄ ̄
長い道のりでしたが、やっとマコはどこかで下ろされました。目の前にはマイスター・カオの顔があって、
大きな目で見つめながら指を唇にあてています。それから彼女は、うしろに下がりました。
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘∩ 〜〜〜
/ Yヽ ノノハベ
| | | ∩(` ∬∬
金色のうすあかりが、マコの体を包んでいました。
だんだんと目が慣れるにつれて、彼女は自分が大きなまんまるい丸天井の下に立っているのが
わかってきました。
天井の一番高い中心に、まるい穴があいています。そしてそこから光の柱がまっすぐに下りていて、
その真下にはやはりまんまるな池があります。その黒々とした水は。まるで黒い鏡のように滑らかで
じっと動きません。
――― ○ ――
.// | \
. / / | \
/ .|
/ .|
/ .|
/ .|
/ .|
〆〃ハ
∬ ´◇`)
( )
(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ
(´^ヽ───────────────(⌒ヽ
(~~)ヽ (´^ヽO,
(⌒ヽ (⌒)(゙゙゙)~
(~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~
水面のすぐ近いところで、なにか明るい星のようなものが光の柱の中できらめいています。
+
+
+
+
+ .△
▽ ▽
△ △ +
▽
+ +
+
───────────────────────
△
▽ ▽
△ △
▽
それは、黒い鏡の上を行きつ戻りつしている大きな振り子でした。でもどこかからぶら下がっている
ものでもないようです。まるで重さのないもののように、宙をたゆたっています。
△
▽ ▽
△ △ :。.*:。.。.:*・゜
▽
ノノハベ
(` ∬∬
この星の振り子は今ゆっくりと池のへりに近づいてきました。するとそこの暗い水面から、大きな
花のつぼみがすうっと伸びて出てきました。
△
▽ ▽
(( △ △
▽
───────────────────────
( (( ‐--‐ )) )
〆〃ハ !
∬ ´◇)
振り子が近づくにつれて、つぼにはだんだんふくらみ始めやがてすっかり開いた花が水の
面(おもて)に浮かびました。
( (( ‐-┴-‐ )) )
ヽ|〃
( (( ‐-┴-‐ )) )
()
ヽ|〃
( (( ‐-┴-‐ )) )
.◇◇
.◇◇
ヽ|〃
( (( ‐-┴-‐ )) )
それはマコが一度も見たことのないほど、美しい花でした。まるで、光り輝く色そのものでできている
ように見えます。星の振り子は、しばらく花の上にとどまっていました。マコはその光景に、全てを
忘れて見入りました。これまではっきりとはわからないながらもずっと憧れ続けていたものは、
これだったような気がしてきます。
△
▽ ▽ ))
(( △ △
▽ ノノハベ
(゜▽゜ ∬
(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~∪`∪(⌒(⌒~ヽ
──────────────────
.◇◇
.◇◇
ヽ|〃
~~~~~
やがて振り子はゆっくりゆっくりと戻っていきました。振り子が遠ざかるにつれて、驚いたことに
その美しい花はしおれはじめました。花びらが1枚、また1枚と散って、暗い池の底に沈んでゆきます。
.◇ 〜◇
.◇◇
ヽ|〃
~~~~~
◇〜
.◇ 〜◇
ヽ|〃
~~~~~
ヽ|〃
~~~~~
|
~~~~~
マコは、二度と取り戻すことのできないものが永久に消え去ってゆくのを見るような、悲痛な気持ちが
しました。
・・・・・
ノノハベ
(´△` ∬
(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~∪`∪(⌒(⌒~ヽ
──────────────────
( (( ‐--‐ )) )
振り子が黒い池の真ん中まできたときには、さっきの美しい花はすっかり散りつくしていました。
ところがその時には、池の向こう側に、また別のつぼみが暗い水面から浮かび上がりはじめて
いるではありませんか。そして振り子がゆっくりと近づくにつれて、さっきよりももっと艶やかな
花が咲きにおいはじめたのです。マコは近くに寄ってながめようと、池をまわっていきました。
!
〆〃ハ
∬ ´◇`)
(( ⊂ )⊃
(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(⌒(⌒~ヽ(⌒(⌒~ヽ
──────────────────
( (( ‐--‐ )) ) ()
..|
ヽ|〃
( (( ‐-┴-‐ )) )
今度の花は、さっきとは全く違う花でした。やはりマコの見たことのないような色をしていますが、
今度の色のほうが、はるかに豊かで、華やかな気がします。
けれどもやがてまた星の振り子は向きを変え、花はさかりをすぎて1枚ずつ花びらを散らし、
黒々とした池の深みに消えてゆきました。
▼
▼|▼
ヽ|〃
( (( ‐-┴-‐ )) )
しずかに、しずかに、振り子は反対側に戻っていきます。そして最初の花から一歩ほど離れたところに、
またしてもつぼみが1つ浮かび上がり、静かにふくらみはじめました。
これほど美しい花があろうかと、マコには思えました。これこそ全ての花の中の花、唯一無比の
奇跡の花です!
けれどもこの花もまたさかりを過ぎ、暗い水底に散って沈んでゆくのを見て、マコは声をあげて泣きたい
思いでした。でもマイスター・カオにした約束を思い出して、じっとこらえました。
〆〃ハ
∬;´◇⊂
\___ ___/
○
o
ノノハベ
(´へ` ∬
(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~∪`∪(⌒(⌒~ヽ
──────────────────
見ているうちにマコはだんだんとわかってきました、新しく咲く花はどれも、それまでのどれとも違った
花でしたし、1つ咲くごとに、これこそそれが一番美しいと思えるような花でした。
池の周りを何度も行きつ戻りつしながら、マコは花が次から次へと咲いては散っていくのを眺めました。
いつまで見ても見飽きない眺めです。
それどそのうち、もうひとつ別のことが絶え間なく進んでいることがわかってきました。
丸天井の真ん中から射し込んでいる光の柱は、光として目に見えているだけではありませんでした
───マコはそこから音も聞こえてくることに気がついたのです!
―――――― ○ ――――
// \
,、 / / | \
♪ l l / / |
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# \/ ♭
/ \ ♪
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#
(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ
(´^ヽ───────────────(⌒ヽ
(~~)ヽ (´^ヽO,
(⌒ヽ (⌒)(゙゙゙)~
(~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ/~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~
〆〃ハ
∬∬ ゜) !!
( )
はじめにそれは、遠くの木のこずえに戯れる風のざわめきのように聞こえました。よく聞いている
うちに、それは数え切れないほどの種類の音が響きあっているのだということが、はっきりしました。
それらは絶えず互いに入り交じりながら新しく響きを整えあい、音を変え、絶え間なく新しい
ハーモニーを作り出しています。それは音楽のようでいて、しかも全く別の物です。
その時マコは突然気がつきました。前によく、きらめく星空の下で静けさにじっと耳を傾けている時、
はるかかなたからひそやかに聞こえてきた音楽が、これだったのです。
〜♪ 。
〜♪ ; 。 ; ☆ . .
. ☆ . 。
。 . ;
☆ o , ; . 。
ノノハベ
(` ∬∬
( )
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〉 ヘ |
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "'
マコはふとこんな気がしました───この鳴り響く光こそが、それとして同じもののないあの類無く
美しい花の一つ一つを、暗い水底から呼び出して形を与えているのではないでしょうか。
じっと耳を傾けていると、今度は全く違う種類の声、想像も及ばぬ遠くから言い表しがたい力強さを
もって響いてくる声が、聞こえてきました。それは、一度も聞いたことのない不思議な言葉ですが、
それでもマコには解ります。それは、太陽と月とあらゆる惑星と恒星が、自分たちそれぞれ本当の
名前を告げている言葉でした。そしてこれらの名前こそ、ここの<時間の花>のひとつひとつを
誕生させ、再び消え去らせるために、星々がなにをやり、どのように力を及ぼし合っているかを知る
鍵となっているのです。
‐、‐-.,_
ヽ ヽ
'i 'i,
,ノ.,_ |
〆〃ハ< ‘` !
∬ ´▽`),'=r ,/
(∩∩)'´ /
`"'''―'''"´
その時、突然マコは悟りました。これらの言葉は全て、彼女に語りかけられたものなのです!
全世界が、はるかかなたの星にいたるまで、たった一つの巨大な顔となって彼女のほうを向き、
じっと話しかけているのです!
恐ろしさよりももっと大きな何かが、彼女を圧倒しました。
その時、彼女を手招きしているマイスター・カオの姿が目に入りました。彼女はかけよりました。
マイスター・カオに抱き上げられ、そのカオに顔をうずめました。彼女は、長い廊下を通って、
戻って行きました。
/ | | | |ヽ
|(‘〜‘川
〆〃ハ ((∩/ Y ヽ
∬ ´◇)" Y | |
( ) ) | |
(__(_) ノ_|__ゝ
/ | | | |ヽ
|(‘〜‘川
〆〃ハ / Y ヽ
∬∬ ´) ⊂) | (⊃
= ( ⊃ | | |
し'(_) ノ_|__ゝ
/ | | | |ヽ
|(^〜^川
〆〃ハY ヽ
∬∬ ´) と)
( ⊃| |
し'し_|__ゝ
時計の隙間の小さな部屋に帰り着くと、彼女はマコを気持ちの良いソファーに寝かせました。
マイスター・カオ、あたし、ちっとも知らなかったわ。人間の時間があんなに・・・
\_______________ _________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ 彼女はぴったりする言葉を探しましたが、
| | | 見つかりません。
| | | _ しかたなくこう結びました。
ノ__.|__ゝ /\\
____/ \\
.|\ ノノハベ
\\ (´◇` ∬ \ < ・・・あんなに大きいなんて。
\\ ⊃⊂ノ \\ \____________/
\\ (^(^_ノ /~/
\\ / /
\| ̄ ̄ ̄ ̄ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お前の見たり聞いたりしてきたものはね、マコ、お前の分の時間なの。
どの人間にもそれぞれに、今お前が行ってきたような場所がある。だがそこに
行けるのは、私に抱いてもらえる人だけ。
\___________ ___________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ でも、私の行ってきたところは、いったいなんなの?
| | | \______ ______________/
| | | _ ∨
ノ__.|__ゝ /\\
____/ \\
.|\ ノノハベ
\\ (◇` ∬\
\\ ⊃⊂ノ \\
∧ \\ (^(^_ノ /~/
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\ .\\ / /
お前自身の心の中よ。 \| ̄ ̄ ̄ ̄ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
とマイスター・カオは言って、マコのもしゃもしゃの髪を優しくなでました。
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ
| | (⊃))ノノハベ
| | | (´▽`*∬
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ マイスター・カオ、あたしの友達もつれてきていい?
| | | \______ ______________/
| | | _ ∨
ノ__.|__ゝ /\\
____/ \\
.|\ ノノハベ
\\ (◇` ∬\
\\ ⊂ ノ \\
∧ \\ (^(^_ノ /~/
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\ .\\ / /
いや、今はだめ。 .\| ̄ ̄ ̄ ̄ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
あたし、いつまでここにいていいの?
お前が友達のところに帰りたくなるまで、いていいんだよ、マコ。
\_ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ でも、星が話してくれたことを、友達に話してあげるのはかまわないんでしょ?
川 ‘〜‘)| \_______ _______________________/
/ Yヽ ∨
⊂) | | ノノハベ
| | | (´◇` ∬
∧ ∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄  ̄ ̄ ̄\
それはいいよ。でもできないでしょうね。 どうして?
それを話すには、まずお前の中で言葉が熟さなければならないから。
\_ ___________________________/
∨
でも話したいの、なにもかも! あそこで聞いた声を、歌って聞かせられるといいな。
/ | | | |ヽ そうしたら、なにもかもまたよくなると思うわ。
(‘ 川川 \__________ _______________________/
/ ヽ ∨
| (⊃⊂ ノノハベ
| | )) (´▽` ∬
本当にそうしたいのなら、待つこともできなくてはいけないね。
\_ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ 待つなんて、わけないことよ。
川 ‘〜‘)| \_______ _____/
/ Yヽ ∨
| | | ノノハベ
(( | | | (´◇` ∬
いい?地球が太陽をひとめぐりする間、土の中で眠って芽を出す日を待っている
種のように、待つことね。言葉がお前の中で熟し切るまでには、そのくらいの
長い時が必要なのよ。それだけ待てる!?
\___________ _____________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ∩ はい・・・
| | | \____ _/
| | | _ ∨
ノ__.|__ゝ /\\
____/ \\
.|\ ノノハベ
\\ (◇` ∬\
\\ ⊃⊂ノ \\
\\ (^(^_ノ /~/
\\ / /
\| ̄ ̄ ̄ ̄ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコはささやくように答えました。
それではお休み
\__ ___/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃))´〜` ∬ と言って、マイスター・カオは彼女のまぶたを軽く撫でました。
| | | (⊃⊂)
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\
眠るのよ!
マコは深々としあわせそうに息をすうと、すぐに眠りに落ちてゆきました。
_
/\\
____/ \\
.|\ 〆〃ハ ZZZzzz.......
\\ ∬ ´ρ`) \\
\ (⌒∪⌒∪) \\
( ) /~/
( )/ /
( ) /
 ̄ ̄ ̄ ̄
(つづく)
以上、第2部灰色のヤマザキたち終了。
第3部<時間の花>編へ。
わ。 こんなスレになってたんか。おもろいや
↑私、これで何度も痛い目にあってるんで、ワザとならカンベンしてください。
ホント、おながいします。(;´◇`;∬
あと、ここで書いても仕方ないんですが、ヒバスレにたまに出没する「暮秋中」
も私じゃありません。
毎回楽しみにしてるっスよ。
カタリに困ってらっしゃるならトリップ使われては。
>>126 「名無し暮秋中。。。」さんは「名無し募集中。。。」と名前が似てるからなぁ。
多分、単に気付かずに
>>124の名前をコピペしたんじゃないかな。
ていうかトリップつけりゃいいだけの話じゃないの?
失礼しました。皆々様方の仰るとおりですね。
でも、トリップよくわからねいのです。
というか、トリップつけるほどの器量じゃないので、工夫してみます。
あと、今後文句は言わないことにします。
それと、ヒサブリに定期。
ここはミヒャエル・エンデ作「モモ」のパクリスレです。
>>123続き
『 むこうでは1日、ここでは1年 』
マコは眠りから覚め、目を開きました。
自分がどこにいるのかわからなくて、しばらく考え込みました。どうしてまた円形劇場の石段に戻って
きてしまっているのか、わけがかわりません。ついさっきまで<どこにもない家>にいたはずです。
!?
〆〃ハ
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ∬ ´◇゜)"
〉 ヘ | (∩∩)
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
あたりは暗く、ひんやりしています。東の地平線のあたりが、ようやくほんのりと白みはじめたばかりです。
これまでの出来事はなにもかもはっきり憶えています。カメと夜中の大都会、不思議な光に照らされた
白い家、<さかさま小路>、時計の広間、チョコレートとはちみつパン、マイスター・カオとかわした
ひとことひとこと。
??? --- - - --
≡〆〃ハ ___
-- - -- ≡∬ `〜´) ≡/* * * *\
≡( ) ≡< ────(●´ー`)
≡し(_) ≡∪ ̄ ̄∪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〆〃ハ
∬´)〜`)))
□D⊂ ⊃─∈
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂⊃ / | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ (´◇` ∬
| | | (⊃⊂)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○
〆〃ハ o
∬ ´◇`)
でも、一番鮮やかに記憶に残っているのは、金の丸天井の下で見聞きしたことです。今でも目を閉じる
だけで、美しく、華やかな彩りの花々がまぶたに浮かび上がってきます。太陽と月と星々のあの声も、
今でもはっきりと耳に響いて、そのメロディを口ずさむことができるほどです。
マコは歌ってみました。するとどうでしょう。言葉がひとりでに口をついて出てきます。それは、あの
花々の香りと、みたことのない色合いとを、実際に表現できている言葉ではありませんか!
しかもマコは記憶の中に、自分が見たり聞いたりしたことを見つけただけでなく、もっともっとたくさんの
ことを次々に発見しました。尽きることのない魔法の泉のように、そこには幾千もの<時間の花>の
姿が浮かび上がってきます。そしてその花の一つ一つが新しい言葉となって鳴り響くのです。
マコは、ただ自分の中にじっと耳をかたむけさえすれば、それらの言葉を声に出して言えるし、歌う
ことさえできるのです。
!
〆〃ハ
∬ ´◇`) 〜♪
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ⊂ ⊃
〉 ヘ | (_)__)
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
そう言えばマイスター・カオは、言葉はマコの中でまず熟さなければいけないと言っていました。それは
このことだったのです!
でもひょっとすると、何もかもただの夢だったのではないでしょうか?本当に起こったことではないの
ではないでしょうか?
マコがそうやって考え込んでいると、広場でなにかがごそごそ動くのが目に入りました。
カメです!食べられそうな草をのんびりと探しているのです。
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" '" '''
"' ''"" "''' ~''" "''"" "''' ~''" '''
'' ""' ''"" ___
/* * * *\ '' ""' ''"" "''' ~'''
"''"""''"""''"""''""
'' ""' ''' ~' '' ~''" '''
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''
〆〃ハ !!
Σ∬∬ ´)
マコは石段をかけおりて、カメのそばにしゃがみこみました。カメはちょっと頭をもたげて、大昔の
光を宿したような黒い目でマコを見つめましたが、すぐにまたゆっくりと草をかみはじめました。
おはよう、カメさん。
\____ __/
∨
〆〃ハ ___
∬ ´▽`) /* * * *\
(∩∩) (((´-(`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
とマコは言いました。甲羅にはなんの返事もありません。
ゆうべあたしをマイスター・カオのところに連れてってくれたのは、お前だったの?
\____ ____________________________/
∨
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (((´-(`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
また返事がありません。
マコはがっかりしてため息をつきました。
残念だわ、お前はただのカメなのね。あのカメ・・・あ、なんていったっけ、名前
忘れちゃったけど、あのカメじゃないのね。素敵な名前だったんだけどな、
でも長くて変わってたわ。
\____ __________________________/
∨
「ナチオペイア!」
〆〃ハ ___
∬ ´〜`)〜3 /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
と、不意にカメの甲羅にほんのり光る文字が浮かびました。マコは嬉しくなってその文字を1字1字
たどりました。
そうよ!これがその名前だわ!するとやっぱりお前なの?
マイスター・カオのカメさんなんでしょ?
\____ ___________________/
∨
「モチロン!」
〆〃ハ ___
∬ ´▽`)⊃ /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
でも、それじゃなぜはじめのうち返事しなかったの?
\____ ________________/
∨
「ショクジチュウダベ!」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (`ー´●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
あら、ごめんなさい。ただね、どうして急にあたしがここにまた戻ってるのか、
知りたかったの。
\____ _________________________/
∨
「アナタガ ネガッタカラ!」
〆〃ハ ___
∬;´◇`)ゞ /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
へえ、ちっとも憶えてないわ。で、ナチオペイア、お前は?どうしてマイスター・カオ
のところにいないで、あたしといっしょに来たの?
\____ _________________________/
∨
「ナッチガ ネガッタカラ!」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
甲羅の文字が答えました。
ありがとう、親切にしてくれて。
\____ _______/
∨
「ドウイタシマシテダベ」
〆〃ハ ___
∬ ´▽`) /* * * *\
(∩∩) <────(´ー`●)
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
カメは中断された朝ご飯をまた続けようと、のそのそ這って行きました。
〆〃ハ ___
∬ ´▽`)ノ)) /* * * *\
(∩∩) (( <────(●´ー`)
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
マコは石段に腰掛けて、アサミやツンクや子供達に会うのを楽しみに待ちました。そして、自分の中で
絶え間なく響いている音楽に、再び耳を傾けました。
彼女の歌を聞いてくれる人間は誰もいませんでしたが、それでも声をはりあげ、心を込めて、その
メロディーと言葉にあわせて、折しも昇り始めたお日様に向かって歌いました。
|
\ | /
―――――― ○ ――――
// \
,、 / / | \
l l / / |
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♪ ♪
♪ ♪ ♪
〆〃ハ
∬∬ ´) ♪
( ⊃
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〉 ヘ |
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''""
この先長い間、マコの声に耳を傾けてくれる者がいないとは、彼女は知りませんでした。いくら待っても
友達は来てくれないことも、自分が実は長い年月を留守にしていて、その間に世の中は変わってしま
っていたことも、知らなかったのです。───
つづくです。
タイトルまた間違えた・・・
>>142続き
ツンクをまるめこむのは、灰色のヤマザキたちは割合簡単にできました。
まず手始めはこうでした。1年ほど前、マコがあとかたもなく姿を消したすぐあと、新聞にツンクについて
かなり長い記事が出ました。「本当のアーティストとして最後の人物」という見出しです。その上、いつ
どこに行けばこの人物に会えるかも書いてあり、これほど素晴らしいものを見逃してはならないと、
推奨してありました。
┌─────────────┐
│ ─────────── │
│ (0―0ヽ) 三三三三三 │
│ ( ) nine! │
│ │
│ 二二二二二二二二二二二 │
│ ::::: ::::::::::::::::::: ::::::::::: ::::■ │
│ :::::::::::::::::: ::::::::::: ::::::::: :::::: │
│ ::::::::::::: ::::::::::: :::: ::::::: :::::: │
│ □■ ::::::::::: :::: ::::::::::::::::::::::: │
│ ─────────── │
└─────────────┘
それからというものは、ツンクに会って歌を聞きたいという人が、ひきもきらず円形劇場におしかけ
ました。ツンクはもちろん嬉しくないわけがありません。例のごとく、思いつくままに歌って、終わると
帽子をもってひとまわりし、そのたびにお札やコインで一杯にしてもらいました。
ダンケ!
ノハヽヽ ◎⌒
(/0―0)
⊂ と ◎⌒ [1000]〜
| | |
(_)__) ///| ◎
 ̄| ̄ ̄| ̄ Y⌒ \\\ ブンダバー! ///
 ̄ ̄◎
(*゚∀゚)( *゚)(゚∀゚*)(゚* )(*゚∀゚)( *゚)(゚∀゚*)
まもなく彼はある事務所にやとわれました。この会社はツンクそのものをプロデュースの目玉の一つ
として宣伝して、そのための権利金として彼に相当な額のお金を余分に支払いました。
こうなると、マコのいないことがとても辛くなりだりだしました。マコ無しでは創造の翼がしぼんでしまう
からです。それでもツンクはとにかくまだ、たとえ2倍のお金をつまれても同じ曲は2度と繰り返す
まいと頑張っていました。
幾月もたたないうちに、円形劇場に立って帽子を持ってわまるようなことは、しないですむように
なりました。ラジオ放送に、その少し後でテレビにまで出演するようになったからです。今では
なん十もの曲を書き、がっぽがっぽとお金を儲けています。
+ノハヽヽ __
(0―0ヽ) / |
~━⊂ へ ∩)/ .|
i'''(_) i'''i ̄,,,,,,/
 ̄ (_)|| ̄
ツンクは円形劇場あと近くに住むのをやめて、金持ちや有名人ばかり住んでいる住宅地に移って
いました。よく手入れの行き届いた庭園に囲まれた、近代的な大邸宅を建てて住んでいました。
名前もツンクなどというのはやめて、テラダと名乗りました。
┌┬┬┐ ┌┬┬┐ ┌┬┬┐
├┼┼┤ ├┼┼┤ ├┼┼┤
││││ ││││ ││││
. ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
┌┬┬┐ ┌┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┐ ┌┬┬┐
├┼┼┤ └┬─┬──────────────┬─┬┘ ├┼┼┤
├┼┼┤ │ │ │ │ ├┼┼┤
└┴┴┘ │ │ │ │ └┴┴┘
. ┌─┐┏┳┳┳┓┏┳┳┳┓┌─┐
────────┤ │┣╋╋╋┫┣╋╋╋┫│ ├────────
. | │┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃│ │Terada
. | │┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃│ │
. | │┣╋╋╋┫┣╋╋╋┫│ │
────────┴─┘┗┻┻┻┛┗┻┻┻┛└─┴────────
今ではもちろん、以前のように絶えず新しい曲を考え出すなど、とっくに諦めていました。そんな暇は
無いのです。そこで思いついたメロディーを、うまくやりくりして経済的に使うことにしました。
たった1つのメロディーラインから、5つもの違う曲をこしらえあげることだって、しょっちゅうです。
┌ Mr.miraclemoonligjt
├ しわよせビーム!
└ 武技トレイン
ノハヽヽ
・・・・・ (0―0ヽ)
(つと )
でもこうやってみても、ますますふくらんでくる需要にはまだ追いつけないという事態になってきました。
そこである日、彼は許すべからざることをしてしまいました。マコだけのために作ってあった曲の
1つを、歌ってしまったのです。
でもこの曲もほかのと同様、みんなはよく味わいもせず飲み込んで、たちまち忘れてしまいました。
そして、あとからあとから曲を要求するのです。ツンクはすっかりこのめまぐるしいテンポに巻き
込まれて、立ち止まって考え直す暇(いとま)もなく、マコのためだけにとっておいた曲を次々と
歌ってしまいました。そしてついに最後の話をしてしまった時には、急に自分の中が空っぽになり、
もう何一つ考え出せなくなっているのを感じました。
でも成功に見放されるのが怖くてたまらなかったツンクは、今度は今までの曲を全部もう一度焼き直す
ことにしました。ただ新しいタイトルをつけて、内容をちょっぴり変えただけです。
┌ もうニンニク珈琲
└ 純ラバー(本革)
ノハヽヽ
・・・・・ (0―0ヽ)
(つと )
でも驚いたことに、これに気付いた人は、ただの一人もいないようでした。いずれにしろ、
これで注文が減るようなことは起こらなかったのです。
溺れた者が藁でも掴むように、ツンクはこういうやり方に必死にしがみつきました。とにかく彼は
今や大金持ちで有名人になっていたからです───そしてこれこそ、彼がいつもいつも夢見ていた
ことだったではありませんか?
ノハヽヽ
∋oノハヽ 〆〃ハ(/0―0)∩
川o・-・)∬ ´◇`)(つへ、ヽ、
'''""'(∩∩) (∩∩) ゝ,へ__)__) ''"" '""'' '"" ''" '''" "''"'"" ~""^ ""
ノハヽヽ /ハヽo∈ノハ@ノノノ从ヘ
(^◇^〜)(´D` )(‘д‘ )(’ー’川
(∩∩) (∩∩) (∩∩) (∩∩)
'"" ~""^ "" ""'
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○
o ○
l|' ̄ ̄ノハヽヽ ̄~|l
||―<(/0―0)>|| ・・・・・
|,ノ´ ̄´⌒ ̄⌒⌒`ヽ、
( ノ ヽ、
ヽ ' , ヽ,
ヾ ノ ヽ
ヾ ノ ヽ,
ゝ 「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「|
. ヽ,,ノ|」――――――|」
それでも時々、夜、絹のふとんにくるまって寝ていると、昔の暮らしが懐かしくてたまらなくなることが
あります。マコやアサミや子供達といっしょにいられた頃のこと、ツンクがまだ本当に歌を歌えた頃
のことです。
けれどそのころの暮らしに戻ることはできません。マコはあれっきり、行方がわからないのですから。
はじめのうちツンクはマコを探そうと、あれこれ真剣に骨を折りましたが、そのうちにだんだんとその
暇がなくなってしまいました。今では彼は3人の有能な女性秘書を抱えていて、その秘書たちが
彼に代わって契約を結んだり、彼が曲を口述するのを写し取ったり、スケジュールを調整したりする
のです。マコを探しに行こうにも。予定表はもうびっしり詰まっていて、とても出来ない相談なのです。
・・・・・・
\__ __/
∨ ゚。 ゜ ゚ 。
ノノノハヽ ノハヽヽ ノノノハヽ ノハヽヽ
从VvV从 ∩(0―0ヽ) 从‘ ∀‘ 0从(´ Д ` )zzz...
φ□と ) ( ) (<V> ) (<V> )
Y 人 Y 人 Y 人 Y 人
(_)ノ )) (_)ノ )) (_)ノ (_)ノ ))
昔のツンクを思わせるところは、今のツンクにはもうわずかしか残っていませんでした。けれども彼は
ある日のこと、このかすかに残ったツンクらしさを奮い起こし、立ち直ろうと決心しました。
なんといっても俺はひとかどの人間や。俺の声には重みがあるんや。俺の声には
幾百万もの人が耳を傾けるんや。もしこの俺が本当のことを言ーへんかったら
誰が言うんや?そうや、俺がみんなに灰色のヤマザキ達のことを話すんや!
ノハヽヽ
(/0―0)
( つと)
この決心をしたのも、昔の友達が懐かしくてたまらなくなったある夜のことでした。
そして夜が白み始めた時には、彼は大きな机に座って、この計画のメモをとろうとしていました。
ノハヽヽ
(0―0ヽ)
φ と) _____
/ ̄ ̄ ̄□ ̄ ̄ ̄ ⊂⊃ /|
/ |||||||[][] /◎\ / . |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| |. ./
|____________|/
ところが、最初の言葉を書くか書かないかのうちに、電話のベルがけたたましく鳴りました。
!!
ノハヽヽ
Σ(;0―0)
⊂ ⊂) RRRRRRRRRRRRR!
/ ̄ ̄ ̄□ ̄ ̄ ̄ ⊂⊃ /|
/ |||||||[][] (( /田\))/ |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| |. ./
|____________|/
彼は受話器をとって耳にあてましたが、その顔はたちまち恐怖にこわばりました。
ノハヽヽ
(l|l0―0)¶D
(つ )ノ
───────────
~~~~~/田\
 ̄ ̄ ̄
不気味に抑揚のない、言うなれば灰色の声が話しかけています。それを聞くな否や、骨の髄から
ゾーッと這い上がってくるかと思われるような寒気に襲われました。
(− )やめておけ!お前のためを思って忠告するのだ。
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
いったい誰や?
\____ _/ (ー )お前にはわかっているだろう。わざわざ名乗るまでもないと思うがね。
∨ もうとっくにお前はすっかり我々に仲間になっているのだ。
そうとは知らなかったとでも言う気か?
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
俺にどうしろって言うんや。
\____ ______/
∨ (ヘ )お前が目論んでいることは、我々の気に入らない。
ノハヽヽ おとなしくして、そんなことはやめるんだ。いいか?
(l|l0―0)¶D \_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _/
(つ )ノ
───────────
~~~~~/田\
 ̄ ̄ ̄
いやや、やめへん。俺はもう昔のような無名の取るに足りないツンクやないんや。
今じゃ、立派なオトコなんやで。お前たちが俺と張り合えるかどうか、見ようやないか。
\____ _____________________________/
∨
ノハヽヽ
(;0―0)¶D
⊂ )ノ
───────────
~~~~~/田\
 ̄ ̄ ̄
電話の声はのっぺりと抑揚なく笑いました。ツンクは突然、歯がガチガチと鳴りはじめました。
(ー )お前はどうっていうほどのヤツじゃない。お前を作り出したのは我々だ。
お前はゴム人形さ。我々が空気を入れてふくらましてやったのだ。我々を怒らせる
ような事をしたら、お前から空気を抜いてしまうぞ。それともお前が今のように
なれたのは、お前のそのケチな才能のおかげだとでも、本気で思っているのか?
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
ノハヽヽ
(;0―0)¶D < そうだとも
∪ )ノ \____/
───────────
~~~~~/田\
 ̄ ̄ ̄
ツンクはかすれ声で答えました。
(ー )哀れなツンク、お前は今も昔も相変わらずの夢想家だな。以前のお前は、
貧乏人ツンクのかっこうはしていても、本当は王子テラダだと夢想していた。それが
今はどうだ?王子テラダに扮した貧乏人ツンクというわけか。それでもお前は、
我々に感謝すべきなのだ。お前の夢をすっかりかなえてやったのは、
我々なのだからな。
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
ノハヽヽ
(;0―0)¶D < そんなことあらへん!
(0 )ノ \_________/
───────────
~~~~~/田\
 ̄ ̄ ̄
∧ ツンクはどもりながら言いました。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄\
そんなのはウソや!
(д )これは恐れ入った!
選りも選ってお前が本当にことを言って我々に立ち向かうつもりか?
いけないね、ツンク、本当のことを言おうなんてしたら、身のためにならないぞ。
我々の援助で、おまえはその大ぼらで名を売ったのだ。本当のことを
言うなんてガラじゃない。だから、やめておくんだ!
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
お前達は、マコをどうしたんや?
\_ ____________/
∨
(ー )そんなことに、おまえのこんぐらがった頭を使うなんて、やめたほうがいいぞ!
あの子を助けることが、お前にできるものか──我々の話をバラしたところで、
全然役に立たないね。そんなことをすれば、お前の素晴らしい成功が、やって来た
時と同じ速さで逃げていくだけさ。もちろん、お前がどうしてもというなら、英雄を
気取ったあげく身を滅ぼしたって我々はかまいはしない。
どうだね、金持ちだってことのほうが、すっとマシじゃないのかね?
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
ノハヽヽ
(;0―0)¶D
(∩ )ノ
───────────
~~~~~/田\
∧  ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄\
そりゃそうやが・・・
ツンクは苦しそうに答えました。
(ー )な、そうだろう!それじゃ、──いいか、我々の事を口に出すのはよしておけ!
みんなにはこれまで通り、ヲタが喜びそうな曲を書いてやればいいんだ!
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
ノハヽヽ
(;0―0)¶D < なにもかも知ってしまった以上、そんなことがどうして俺に出来る?
⊂ )ノ \__________________________/
───────────
~~~~~/田\
 ̄ ̄ ̄
ツンクは必死になって抗議しました。
(ー )いいことを教えてやろう。あまり深刻に考えないことだ。俺には実際なんの関わり
も無い──こう考えれば、これまで通り気楽にやっていけるじゃないか。
\_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ /
ノハヽヽ
(;0―0)¶D < そんなことができればね・・・
∪ )ノ \___________/
───────────
~~~~~/田\
 ̄ ̄ ̄
ツンクは呆然と目の前を見つめて、つぶやきました。
ガチッと電話の切れる音が聞こえました。
☆
ノハヽヽ /
(0―0;)¶D
∪ )ノ _____
/ ̄ ̄ ̄□ ̄ ̄ ̄ /|
/ |||||||[][] /◎\ / . |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| |. ./
|____________|/
ツンクは受話器を置くと、大きな仕事机に身を伏せて、両腕に顔をうずめました。
声を押し殺したすすり泣きに、体中が震えました。
〜〜〜〜〜〜!
(((ノハヽヽ))) ___
/ ̄ ̄ ⊃⊂  ̄ ⊂⊃ /|
/ |||||||[][] /田\ / . |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| |. ./
|____________|/
この日から、ツンクは自分に対する尊敬をすっかりなくしてしまいました。いつもいつも、俺はイカサマ師
だという思いがつきまとって離れません。確かにその通り、彼はイカサマ師なのです。
今の彼は、権力の道化になりました。操り人形なのです。そしてそれを自覚していました。彼は、その
自分のやっていることが、憎くてたまらなくなりはじめました。そうすると、彼の作る曲はますます
鉄面皮なウソになり、またあるものはますます感傷的になっていきました。
ところがそれによって彼の成功はつまづくどころではありません。その反対に、人々はこれこそ新しい
スタイルだと褒めそやし、それは大流行となりました。でもツンクはひとつも嬉しくありません。
今では、だれのおかげで自分がこんな成功をおさめたのか、知っているからです。自分の力で
手に入れたものは、なにひとつありません。
けれど、彼は相変わらず秒刻みで飛び回り、歩いている時も、立っている時も、絶え間なく口述を続けて、
以前作った曲を新しい衣装でごまかしながら秘書嬢に書き取らせました。新聞という新聞がこぞって
書き立てているとおり、彼は「驚くべき多産」でした。
こうして、昔の夢見るツンクは、嘘つきテラダになりはてたのです。
ノハヽヽ
・・・・・ ( 三)
∪ 三)
| 三|
(_)三)
つづく・・・長いなあ
乙です 続き楽しみにお待ちしとります
妙にリアルな話ですな。
>>160つづき
アサミをかたづけるには、灰色のヤマザキたちはこれよりはるかに手を焼かされました。
マコが消えてしまったあの夜以来、アサミは仕事の時以外はいつも円形劇場あとに座り込んで、
じっと待っていました。不安は日ごとに高まり、とうとうそれに耐えきれなくなった彼女は、やっぱり
警察に届けに行こうと心に決めました。
施設に放り込まれるとしたって、灰色のヤマザキにつかまってるよりは
ましです。あの子は一度逃げ出したんだから、また逃げればいいんです。
それに、入らないで済むように私がなんとかしてやれるかもしれない。
まず一番に、あの子を見つけだすことです。
\__________ __________________/
∨
__
_|__|o∈
(・-・o川
⊂( ⊃
(__)\ノ )))
そこでアサミは、警察に出かけて行きました。
何の用かね?
\___ __/
____ ∨
ヽ=@=ノ
(丼`ー´)∩
/ |§| /
. ∪¶|━◎━|
.|__|⌒|__|
.(_) (_) ノハヽo∈
(・-・o川
(⊃⊂)
(__(_)
アサミは、例の奇妙な、わかりにくい話し方で、マコが現れたそもそものはじめから、マコの不思議な
性質のことや、ゴミの集積場で彼自身が盗み聞きした灰色のヤマザキたちの話まで、なにもかも
洗いざらいしゃべりました。
・・・・・
____
ヽ=@=ノ ノハヽo∈
(丼`ー´) (・-・o川
/ |§| ⊂ ⊃
つまり、こうだな。およそいたとは信じられないような小さい女の子がいた。
だが、たしかにいたとは誰も立証できない。そしてその子は、いるはずもない
幽霊どもに、どこへやら誘拐されてしまった。ところがその点も確実とは
言えない。こんな事件を、警察になんとかしろと言うんだな?
\________ _______________________/
____ ∨
ヽ=@=ノ
(丼`へ´)
⊂二 |§|> ノハヽo∈
. ¶|━◎━| (・-・o川 < はい、お願いします!
.|__|⌒|__| ∪∪ ) \__________/
.(_) (_) (__(_)
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
このばあいさんは気ちがいだな。公安を害する恐れがないかどうか、確かめる
必要がある。留置場に入れておけ!
アサミは留置場で半日も待たされたあげく、警官に連れられて自動車に乗せられました。
. ┌┬┬┬┐
.―――――┴┴┴┴┴―――
|| ̄ ̄ ̄||  ̄||| ̄ ̄ ̄|| | ̄ ̄ヽ
|| ノハヽ ..| | ||| .|| | ヽ
||(・-・o||_| | ||| || | ) [ ]
||_ ̄ ̄_|_|_/ | ̄ ̄ ̄.|| | ̄ ̄ ̄ ||
l O| ―-.|O゜| 精神病院|.| 二ニニ .||
|_  ̄口 ̄ l_l⌒l|____|.|l⌒l_||_|__|
`ー' ̄ ̄ ̄`ー' `ー' `ー'
車は町を通り抜けて、窓に格子のはまった、大きな白い建物の前に止まりました。
精神病患者のための病院でした。
ここで彼女は、徹底的な検査を受けました。教授や看護人達は親切で、笑ったりバカにしたりは
しません。みんなは、何度でも繰り返して彼に同じ話をさせました。みんなは彼の話にケチをつけた
りはしませんでしたが、それでもアサミは自分の話を信じてもらえたという気持ちがひとつもしません
でした。
みんなは、彼を病院から出そうとはしてくれませんでした。
いつ出してもらえるかとアサミが聞くたびに、いつも同じ答えが返ってきました。
もうすぐだべ。でもいまのところは、いてもらいたいんだ。わかって欲しいが、
調べがまだ終わっていないべ。
___ \__________ ____________________/
ゝ__╋/ ∨
ノノハヽ
.(⌒_ゝ⌒)
ハ <V> ハ ∋oノハヽ ノノハヽ_
し | |J 川川o・) (0゚v゚0 ) / |
| .| | (_ ∪ ⊃Y⊂) / .|
ノ__|__ゝ /__ヽ) i'''// / i'''i ̄,,,,/
(__)_) _||_ (__(_) || ̄
この調べというのが、マコの行方を調べることだとばかり思いこんでいたアサミは、じっと我慢することに
しました。
ある夜のこと、ふと目をさますと、夜間灯の薄暗い光の中に、誰かがアサミのそばに立っているのが
見えました。はじめは葉巻の赤い火の点がポツンと光るのが見えただけでしたが、そのうちに、
暗がりに立った人が丸い固い帽子をかぶり、書類鞄を持っているのがわかってきました。
!? ::::::::::
_____________ ::::::::::::::
|. ノノハヽ | ~~━∩(:::::::::::::
| () ̄川川o・) ̄) .| ( :::::::
|\⌒⌒∪⌒∪⌒⌒\ | :::::
| \. ⌒⌒ \ (__(_::
\ | ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ |
\ |____________________|
灰色のヤマザキだと悟ったアサミは、心臓も凍るほどの寒気に襲われ、助けを呼ぼうとしました。
・・・・・・!!
ノハヽヽ
∩・0・;川
( )
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
騒ぐな!
\_ __/
∨
/⌒ヽ,
__ ノハヽヽ___ ⊂ニニ⊃
|. 川;・-・) | ~~━∩( − )
| () ̄( ∪∪ ̄) | ( )
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ | | |
と、暗がりの中に灰色の声が聞こえました。
私は、お前にひとつ申し出を伝えにやって来た。
我々がどれほどの力をもっているかは、お前も少しはわかっているはずだ。
お前が我々の話を開いてかまわずふれまわっていても、むろん我々としちゃあ
痛くも痒くもない。だがそれでもいい気持ちはしない。それに言っておくが、
お前の小さな友達のマコが我々に捕まっているというお前の推測は、もちろん
完全に当たっている。しかし、我々のところを探せばみつかるだろうという望みは、
諦めることだな。
それに、助けだそうと骨を折ったりすると、可哀想にあの子の立場はそれだけ
つらくなるんだぞ。これからはお前も、することや言うことによく気をつけるんだ。
\____________ ____________________/
∨
/⌒ヽ,
__ ノハヽヽ___ ⊂ニニ⊃
|. 川;・-・) | ~~━∩( ー )
| () ̄( ∪∪ ̄) | ( )
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ | | |
灰色のヤマザキは、煙の輪を2つ3つ吹き上げると、自分の言葉の効き目を、小気味よさそうに
確かめました。アサミは、相手の言ったことを一言残らず本当だと信じてしまったのです。
〜〜〜〜! (二二)
⊂⊃ /⌒ヽ,
__ ノハヽヽ___ ○⊂ニニ⊃
|. 川;・-・) | (◇ )
| () ̄( ∪∪ ̄) | ( )
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ | | |
手短に話すが・・・申し出というのはこうだ。我々は、お前が今後一切我々や
その活動についてしゃべらないという条件をのむなら、あの子を返してやる。
ただしそれには、いわば身代金として総額10万時間の時間を貯蓄して
もらおう。お前のつとめはただ、これだけの時間を節約することだ。
これだけのことを承知するなら、お前が2,3日のうちにここから出られる
ように計らってやろう。承知できないなら、お前はここに永久にいればいいし、
マコは永久に我々に捕まったままだ。
よく考えるんだな。 どうだ?
\____________ ____________________/
∨
/⌒ヽ,
__ ノハヽヽ___ ⊂ニニ⊃
|. 川;・-・) | ( ー )
| () ̄( ∪∪ ̄) | ( ⊃
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ | | |
アサミは2度唾をのみ、それからかすれた声で答えました。
承知しました・・・
\__ ____/
∨ なかなか物わかりがいいな。
\____ _______/
∨
/⌒ヽ,
__ ノハヽヽ __ ⊂ニニ⊃
|. 川;・д・) .| ( ー )
| () ̄( ∪∪ ̄) | (つと )
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ . | | |
灰色のヤマザキは満足そうに言いました。
じゃ、よく気をつけるんだぞ。一切しゃべらないことと、10万時間とだ。
時間が手に入り次第、マコは返してやる。しっかりやりたまえ。
\_____________ _______________/
∨
/⌒ヽ,
__ ノハヽヽ___ ⊂ニニ⊃
|. 川;・-・) | ∩( ー )
| () ̄( ∪∪ ̄) | ( )
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ 人 Y
| \. ⌒⌒ \ (( し'(_)
\ | ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ |
\ |____________________|
と言うなり灰色のヤマザキは出ていきました。あとに尾を引いて残った煙の帯が、暗闇の中で
まるで鬼火のようにうっすらと光っているようでした。
この夜以来、アサミは2度と再び例の話をしなくなりました。そして、なぜあんな話をしたのかと聞かれる
と、ただ悲しそうに肩をすぼめるだけでした。
2,3日後には、彼は退院をみとめられました。
___
ゝ__╋/ ?
ノノハヽ ・・・・・・
.(⌒_ゝ⌒)
ハ <V> ハ ノハヽo∈
し | |J (・-・o川
| .| | ⊂ _⊃
ノ__|__ゝ ( /__ヽ
(__)_) _||_
彼女は家に帰らず、仕事仲間のところにまっすぐ行ったのです。彼女はほうきをもって町に行き、
道路を掃除しはじめました。
でもその掃除のしかたは、せかせかと、仕事への愛情など持たずに、ただただ時間を節約する
ためだけのやりかたでした。
__
∋o|__|_
≡ 川;・ヘ・)
≡ ( ⊃\
≡ し(_) mm
彼女は苦しいほどわかっていました。こういう働き方をすることで、彼女は自分の生き方全部を
否定し、裏切ったのです。たまらなく嫌で、吐き気がしそうでした。
もしこれが自分だけのことだったら、自分で自分を裏切るくらいなら、むしろ餓死するほうを選んだ
でしょう。でもこれはマコのためなのです。
彼女は一度も家に帰らず、夜となく昼となく道を掃き続けました。食事もやはりせかせかと、
仕事の合間にちょっとしたものを飲み下すだけです。
こうして掃除を続けて、幾週間が過ぎ、幾月が過ぎました。秋になり、冬がやってきました。アサミは
まだ掃いています。10万時間の身代金を貯めるために、ただひたすら道を掃き続けました。
大都会の人々は、このほうきを振り回しながら突進していくアサミの姿を見送って、気ちがいじゃない
かと額をたたきました。人におかしな奴だと思われるのも、今にはじまったことではないので、
アサミは気にもかけませんでした。
ただ時に、どうしてそんなに急ぐのかと聞かれると、彼女は一瞬手を休めて、悲しげな目つきで
相手をおどおどと見つめ、唇に指を当てるのです。───
why? 〜〜〜〜!
__
( ☆ ゚_ゝ゚) _|_, ,_ |o∈
⊂ ⊃ ∩・-・o川
) ) ) ( ⊃
(_)__) (__(_)
次でやっとこの章おわり。
細かいけど
>>165,168,174でアサミのこと彼っていってるよ
これからも楽しみにしています
がんがれ
>>176続き
灰色のヤマザキ達にとって最大の難事業は、マコの友達だった子供達を思い通りに操れるようにすること
でした。マコがないなくなったあとでも、子供達は円形劇場に集まり、いつも新しい遊びを工夫します。
要するに、マコがいた時と少しも変わりなく遊んでいたのです。
ノノノ从ヘ
川’ー’) 〜♪
( )
((( し(_)
''""' ''" "''""' ''" ""'''~''"' ''""''"' ""~" "^""" "''' ""''
∋o/ハヽo@ノハ@ """ '''~ ''"'''
( ´D`)(‘д‘ )
0 UU0)(0UU 0
ノハヽヽ ノハヽヽ〜
[ ^д^] (^◇^〜)
''"" ''' """ ( ⊃ ( ⊃
し(_) し(_)
§_, ,_§
(V)( ・e・)(V)
( ) '' ""' ''""
そのうえ、子供達はマコが帰ってくることを固く信じて、一瞬たりともそれを疑いませんでした。
これに対しては、灰色のヤマザキ達も手が出せませんでした。
この子供達をマコから引き離すために、ひとつ回り道を通らなくてはなりません。これに利用れたのが、
手先として利用できる大人です。
何人かの大人たちが、にわかにあのデモ行進やプラカードのことを思い出しました。
なんとかしなくちゃいかん。だが親を責めるわけにはいかん。なにしろ、
現代じゃ時間がないんだからな。
が、市当局こそその対策を講じなければならんはずだ。
\____________ _________________/
∨
ノハヽヽ
(°▽°)
⊂ ∪
また別の人が声をあげました。
放置された子供は、道徳的に堕落し、飛行に走るようになります。
市当局は、こういう子供を野放しにしないよう、施設を作ってそこで
金儲けの役に立つ教育をするようにしなくてはいけませんね。
\____ ______________________/
∨
ノノノハヽ
( ル▽ル)
( つと)
この頃にはもう大都会にはたくさんの時間貯蓄家がいましたから、この説得は短時間のうちに功を奏し、
市当局は大勢の放置された子供達のために何かする必要を、認めるに至りました。
そして、各地区ごとに<ハロプロの家>と呼ばれる施設が建てられました。
だれも面倒を見てくれ手のない子供は全部、ここに収容されなくてはいけないことになりました。
子供が道路や、緑地その他で遊ぶことは厳禁になり、見つかると親は定められた罰金を払わなければ
なりません。
マコの友達とても、この新しい決まりからは逃れられません。
<ハロプロの家>では、自分で遊びを工夫することなど、許されません。そこでの遊びときたら、何か
役に立ったり稼ぎの足しになることを覚えさせるためのものばかりです。
こうして子供たちは、「あること」を忘れてゆきました。「あること」、つまりそれは、楽しいと思うこと、
夢中になること、夢見ることです。
_,、,、,、_ _,、,、,、_ _,、,、,、_ _,、,、,、_
>⊂⊃< >⊂⊃< >⊂⊃< >⊂⊃<
∩(‘д‘ ) ∩(´D` ) ∩(^◇^〜) ∩[^д^ ]
( ) ( ) ( ) ( )
子供たちは、やれと命じられたことを、いやいやながら、面白くなさそうにふくれっ面でやります。
そして自分たちの好きなようにしていいと言われると、今度は何をしたらいいか全然わからないのです。
こうして、灰色のヤマザキのもくろみは、見事に成功したのです。マコが帰ってくるのを迎える準備は、
すっかり整っています。
この時以来、円形劇場あとは誰も訪れる人のいないままに、見捨てられました。
放置されたのです。
その円形劇場の石段に今マコは座って、友達を待っているのです。帰ってきてから丸1日、こうして
座って待ち続けました。だけど誰も来ません。人っ子一人あらわれないのです。
〆〃ハ
∬ ´◇`) ・・・・・
(∩∩)
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〉 ヘ |
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
とうとうマコは立ち上がりました。食べるものを持ってきてくれる人が誰もいないので、おなかがすき
ました。
〆〃ハ
∬ ´◇`)
( )
(_)__)ミ
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〉 ヘ |
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
ツンクやアサミでさえ、今日はあたしのことを忘れてしまったらしいわ──でも、きっとうっかりしていた
だけのことだわ。ちょっとした偶然が重なったのよ。
〆〃ハ
∬ ´◇`)
( )
(( し(_)
マコは石段を下りてカメの所に行きました。カメは眠ろうとして甲羅にもぐりこんでいます。
〆〃ハ ___
∬ ´◇`)⊃)) /* * * *\
(∩∩) )────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
マコはしゃがみこんで、カメの甲羅をそっとたたきました。
カメは頭を出してマコを見上げました。
起こしちゃってごめんなさい。でも教えてもらいたいの、どうして今日は
いちんちじゅう、あたしの友達は誰も来なかったの?
\___ _________________________/
∨
「モウダレモイナイベ」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
マコはそれを読みましたが、いったいどういうことか、飲み込めませんでした。
???
ノノハベ
(´◇`;∬
(∩∩)
まあ、いいわ。あしたになればわかることだもの。あしたは必ず
友達が来てくれるわ。
\___ ______________________/
∨
「モウコナイ」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
答えが出ました。マコはそのぼんやりと光る文字をまじまじと見ていましたが、しならくしてやっと、
心配そうに聞きました。
いったいどういうことなの?あたしの友達になにかあったの?
\___ ______________________/
∨
「ミンナ イナクナッタ」
〆〃ハ ___
∬;´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
マコは頭をふると、小さな声で言いました。
違う、そんなはずないわ。お前の勘違いに決まってるわ、ナチオペイア。
昨日はみんなであの大集会に集まってたのよ。
\___ _________________________/
∨
「アナタハ ナガイコトネムッテイタベ」
ノノハ 〃ハ ___
(´△`≡´△`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
マコはマイスター・カオの言っていたことを思い出しました。
種が土の中で眠るように、
お前は地球がひとめぐりする間眠り続けなくてはいけない。
\___________ ____________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ∩
| | |
| | |
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○
o
〆〃ハ
∬ ´◇`)
と彼女は言ったのです。でもあの時、それがどれくらいの長い時間なのかは考えてもみませんでした。
でもやっと、それが少しづつわかってきました。
どれくらい?
\__ ___/
∨
「マルイチネン」
〆〃ハ ___
∬;´◇`) /* * * *\
⊂∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
この答えの意味を飲み込むには、マコはしばらく時間がかかりました。
でもアサミとツンクは、
\___ ____/
∨
〆〃ハ ___
∬;´◇`) /* * * *\ ようやく彼女はどもりながら言いました
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
この二人だけは、あたしを待っててくれたに決まってる!
「モウダレモイナイ」
〆〃ハ ___
∬;´△`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
どうしてそんなことが?
マコのくちびるはわななきました。
そんな簡単に誰もいなくなっちゃうなんて──なにもかも・・・
\___ ____________________/
∨
〆〃ハ ___
∬;´△`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
するとゆっくりとナチオペイアの背中に文字がうかびました。
「スベテハスギサッタ」
〆〃ハ ___
∬;´△`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
マコは生まれてはじめて、この言葉の意味を骨身にしみて思い知らされました。心が、いまだかつて
なかったほど重く沈みました。
でもあたしは、
\___ __/
∨
〆〃ハ ___
∬;´ヘ`) /* * * *\ 彼女は呆然とつぶやきました。
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
あたしはまだここにいる・・・
泣けたらどんなに良かったでしょう。でもマコは泣けませんでした。
しばらくたってから、足にカメが触ったのを感じました。見ると、甲羅に字が光って見えます。
「ワタシガイルベ!」
___
/* * * *\
(´ー`●)────>
"''"""''"""''"""''""
そうね。
\___ __/
∨
〆〃ハ ___
∬ ´▽`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''"""''"""'' "''"""''"""''"""''""
マコはけなげに笑顔を作りました。
お前がいてくれるわね、ナチオペイア。ありがたいわ。
・・・さあ、寝に行きましょう。
\_________ _____________/
∨
ノノハベ
___ (´◇` ∬
/* * * *\ ⊂ )
(●´ー`)────> (( し(_)
"''"""''"""''"""''""
彼女は壁の穴をくぐって部屋の中に入りました。部屋の中はすっかりもとのままでした。(アサミが
部屋を元通りに片づけておいたのです)
けれど、辺り一面に厚くほこりが積もり、クモの巣がかかっています。
\_|
| |/ _t__ \| .\|
| | (( ) ) | .|
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ *
|
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_____________
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| () ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) |
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
| \. ⌒⌒ \
\ | ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ | ノノハベ
\ |____________________| (` ∬∬
木箱で作った机の上に、1通の手紙がありました。「マコへ」と上書きがしてあります。
____
./ 四 /|
| ̄ ̄ ̄ ̄|....|
|____|/
〆〃ハ
Σ∬∬ ´)
( ⊃
マコは心臓がどきどきしました。手にとって、ためつすがめつ眺めてから、封を切り中の紙切れを
取り出しました。
ノノハベ
(´▽`#∬
(四と )
『 だいすきなマコ!ぼくは引っ越しした。帰ってきたら、すぐに知らせてくれ。
とても心配してたんや。君がいないと、とても寂しい。君の無事を願っとる。
おなかがすいたら、ヒトミのところへ行けばええ。勘定は全部、ヒトミがぼく
のほうに回してくれる。だから食べたいだけ食べてええんよ、わかったね?
詳しいことはヒトミがなにもかも話し手くれるはずや。ぼくのことを忘れない
でくれ!ぼくも、君のことを大事に思っているよ!
いつまでもきみのツンクより 』
彼女はカメを抱き上げて、ベッドに並んで横になりました。そして、ほこりだらけの毛布で体をつつみ
ながら、小さな声で言いました。
ほらね、ナチオペイア、あたしはやっぱりひとりじゃないわ。
\____ ___________________/
∨
__ 〆〃ハ__
|. ∬ ´▽`) |
| () ̄( ∪∪ ̄) |
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
| \. ⌒⌒ \
\ | ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ |
\ |____________________|
でもカメは眠っているようでした。マコは手紙を読む間、ツンクの面影をまざまざと目に思い浮かべて
いましたから、この手紙がもう1年もの間ここに置きっぱなしになっていたという実感はありませんでした。
マコは手紙をわきにおいて、そっと頬を乗せました。今はもう、寒くありません。
ノノハベ
四(´〜` ∬
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
(つづく)
お疲れさまです。
原作を知らないので、今、新鮮な衝撃を受けています。
紺野のバイプレイヤーっぷりがイイですね。
寺田さんの話、リアルだなー・・・・。
なんか、こう・・・こういうスレを読んでいるうちに
夜が白んでくるのってイイなぁ・・・・・。
>>198続き
『 食べ物はたっぷり、話はちょっぴり 』
次の日の昼頃、マコはカメを連れてヒトミの小さな酒場にでかけてゆきました。
さあ、もうすぐなにもかもわかるのよ、ナチオペイア。
\_____________ ________/
∨
ツンクとアサミがどこにいるか、ヒトミは知っているのよ。
そしたら次には子供達を迎えに行って、またみんなでいっしょになれるわ。
\______ _______________________/
∨
___ 〆〃ハ
/* * * *\ ∬*´▽`)
< ────(●´ー`) ⊂ )⊃
(( ∪ ̄ ̄∪ (( し(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
今日の晩、ちょっとお祝いするのはどうかしら。あたし、お花のことや、
音楽のこと、マイスター・カオのことをみんなに話してあげる。
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ああ、みんなにまた会える。楽しみだなあ。でもますはお昼が楽しみだわ。
すごくお腹がすいちゃった。
こんなふうにマコは陽気にしゃべり続けました。
カメはそういうマコを、太古を思わせる瞳でじっと見つめるだけで、何も答えません。
・・・・・
___
/* * * *\
< ────(●´ー`)
(( ∪ ̄ ̄∪
マコは歩きながらハミングをはじめ、ついには大声で歌いだしました。
〆〃ハ
∬ ´◇`) 〜♪
⊂ )⊃
(( し(_)
けれどそのうち、彼女はプツッと歌うのをやめました。すぐ目の前にヒトミの店が見えたのです。
!
〆〃ハ
∬ ゜◇゜)
( )
し(_)
はじめマコは道を間違えたかと思いました。雨のしみだらけの漆喰壁の古い家はそこにはなくて、
道路側一面にばかでかい窓のついた、コンクリートの四角い建物が立っているのです。
店の入口の上には、大きな字の派手な看板がかかっています。
.┃
スピード料理 レストラン・チャーミー ┃
.┃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ノハベ
(`;∬∬
マコは中に入ってみましたが、まごつきました。長い脚の上にちょこんと小さな板ののったテーブルが
たくさん並んでいて、大人が立ったまま食事をしています。椅子はひとつもありません。
ノハヽヽ ノハヽヽ
(〜 ) ( )−)
━┳━⊂ ) ━┳━ ( )━┳━
┃ | | | ┃ | | | .┃
┃ (__(_) ..┃ (_)__) ..┃
ノノハベ
(` ∬∬
∪ )
(_)__)
反対側には金属の柵が横に走っていて、そのむこうにガラスケースがずらりと並び、パンだのサラダ
だのを乗せた皿が陳列してあります。
__________________________
/ ./ / /
./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄
/ ⊂⊃⊂⊃ / □□ □ ./ ∠∠∠∠ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
店の中は混み合っていて、どっちに動いてもすぐ押しのけられたり、突き飛ばされたりします。テーブル
のところに立ってせかせか食べている人のうしろでは、もう別の人が場所をのあくのを待ちかまえて
います。食べている人と待っている人の間に、とげとげしい言葉が飛び交います。みんなとても不機嫌
な人達ばかり、といった感じです。
\\ ・・・・・・・・・!! //
ノハヽヽ ノノノ从
( 皿) (皿 )
━┳━⊂ ) ━━と)
┃ | | | | | |
┃ (__(_) (__(_)
金属の柵とガラスケースとの間を、長い人の列がのろのろと動いています。それぞれケースから料理
や飲物を選んでとっていくのです。
しばらくしてやっと、ヒトミの姿が目に入りました。ガラスケースの列の向こうのはしのレジで、ひっきり
なしにキーをパチパチ叩きながらお金を受け取っています。
ノハヽヽ ☆
. (0`〜´) /
_ ( つつo| ̄|
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ノハヽヽ
|| // |( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ノノ从ヘ
| ( )
ノハヽo∈
( ) |
( )ノハヽヽ
| | ( )
ヒトミ! (_)__( )
\_ __/ | | |
∨ (_)__)
〆〃ハ
∬∬ ´)∩
( )
(_)__)
とマコは叫んで、人々をかきわけて近づこうとしました。何人かが大声で文句を言い出したので、ヒトミ
は目をあげました。
!
ノハヽヽ
. (0^〜^)
_ ( つつo| ̄|
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコを目にしたとたんに、ヒトミの顔から不機嫌そうな表情が消えました。
マコじゃないか!帰ってきたんだね!本当に思いもかけなかったよ!
\____ _______________________/
∨
さっさとしてくれ! うしろに並ぶんだ!
\___ ___/ \__ ____/
∨ ∨
ノハヽヽ ノハヽヽ ノ从~\ヽ
. (0^〜^) ノノハベ (⌒ー⌒) 从~∀~#从 ノハヽヽ
_ ⊂ ⊃ (´▽` ∬ ━━と) ━━と) (0゜-゜0)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ( ) | | | | | | ━━と)
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
まあ、まあ、
\_ ___/
∨
ノハヽヽ
. ( ;^〜^)
( つつ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヒトミは両手をあげてなだめるように言いました。
ツンクがお前の代金はみんな払ってくれるからな。なにか好きなものをとっておいで。
ちゃんと列の後ろにつくんだよ。お前もちゃんと聞いただろ!
\______ ____________________________/
∨
ノハヽヽ
. (0^〜^) ノノハベ
_ ( ⊃ (´◇` ∬
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| (⊃⊂)
|| // | (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコが聞き返すこともできないうちに、人々は彼女をさっさとおしのけてしまいました。
そこで列のしっぽについて、ガラスケースからここでひとつ、あそこでひとつと食べ物をとってゆきました。
〆〃ハ
∬ ´◇`)
((( (つ━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━
⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃
やっとレジにたどり着いた時、マコは大急ぎでヒトミに聞きました。
ツンクのいどころを知ってる?
\_____ ______/
∨
知ってるよ。ツンクはすっかり有名になっちまってね。俺達はツンクを自慢に
してるんだ。テレビにもよく出るし、ラジオでも話すよ。ついこのあいだは記者が
二人も俺のところに来て、昔のことを聞いていったよ。俺は話してやったんだ。
ツンクがいつか・・・
\____ __________________________/
∨
おい先頭、ぐずぐずするな!
\______ _____/
∨
ノハヽヽ ノ从~\ヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノノノ从ヘ
. (0^〜^) ノノハベ (‐Δ‐ ) (⌒ v.⌒0) (`_´ ) ||σ_σ川
_ ( ) (´◇` ∬ ━━と) ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
列の中から何人かの声がしました。
でも、どうしてツンクはもう来なくなったの?
\_____ ___________/
∨
だって、わかるだろ、あいつはもう暇がないんだよ。
\_____ _______________/
∨
なにをやってるんだ? 俺達が立っていたがるとでも思ってるのか?
\__ _____/ \_____ _____________/
∨ ∨
ノハヽヽ ノ从~\ヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノノノ从ヘ
. ( ;^〜^) ノノハベ (‐Δ‐ ) (⌒ v.⌒0) (`_´ ) ||σ_σ川
_ ( ⊃ (´◇` ∬ ━━と) ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ツンクの家は今どこなの?
\_____ _____/
∨
どこか、みどりが丘というとこだよ。庭園に囲まれた素敵な一戸建ての屋敷
を持っているという話だ。
・・・でも今はこれくらいにして先に進んでくれよ、お願いだ!
\________ ______________________/
∨
ノハヽヽ
. ( ;^〜^∩ ノノハベ
_ ( ) (´◇` ∬
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ⊂ ⊃━━
|| // | (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコはまだまだ聞きたいことが山ほどあったのですが、みんなに押し出されてしまいました。
ノハヽヽ
. ( ;^〜^)
_ ( つつo| ̄| !
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ノハヽヽ 〆〃ハ
|| // |( ) Σ∬ ゜◇゜)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ノノ从ヘ ミ ( ⊃━━
| ( ) し'(_)
ノハヽo∈
( ) |
( )ノハヽヽ
| | ( )
(_)__( )
| | |
(_)__)
マコはおぼんをかかえてテーブルのところに行きました。ところがテーブルは彼女には高すぎて、
鼻まできてしまいます。食事をするだけでも大変な仕事でした。
ノノハベ
━┳━∩(´△`;∬
┃ ( ⊃))
┃ (( しし
さて、これで空腹はおさまりましたが、アサミがどうなったかをどうしても聞いておかなければなりません。
そこでマコはもう一度列に並びました。
ノハヽヽ ノノノ从ヘ ?
(`_´ ) 川σ_σ|| ノノハベ
━━と) ━━と) (´〜` ∬
| | | | | | ━━と)
(__(_) (__(_) (__)\ノ )))
ようやくヒトミのところに来ると、彼女は聞きました
アサミはどこにいるの?
\____ _____/
ノハヽヽ ∨
. Σ( ;^〜^) ノノハベ
_ ( ) (´◇` ∬
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と)
|| // | (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヒトミは、またしてもお客に文句を言われはしないかとびくびくして、大急ぎで説明しました。
アサミはお前をずっと待っていたよ。お前の身になにか恐ろしいことが
起こったんだと考えてな。しょっちゅう灰色のヤマザキとかの話をしてたな。
あいつはちょっとおかしかったからね。
\____ _________________________/
∨
おい、そこの2人!居眠りでもしてるのか?
\______ ___________/
∨
ノハヽヽ ノ从~\ヽ ノノノハヽ ノノノ从ヘ
. ( ;^〜^) ノノハベ || "▼"川 从"▽"●从 川゜▼゜<川
_ ⊂ ⊃ (´◇` ∬ ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
すぐです、お客さん!
\______ _/ それで?
∨ \_ ___/
∨
ノハヽヽ ノ从~\ヽ ノノノハヽ ノノノ从ヘ
. ( ;^〜^) ノノハベ || "▼"川 从"▽"●从 川゜▼゜<川
_ ( つつ (´◇` ∬ ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
それから、警察を怒らせるようなことをしでかしたんだ。お前を捜してくれって
言い張ったんだよ。最後にはサナトリウムみたいなとこに入れられたそうだ。
それ以上のことは知らないよ。
全くなんてこった!
いったいここはスピード料理店なのか?それとも待合室か?
その2人は、ヒサブリに会った親戚同士ってわけかね、え?
\________ _______________/
∨
かんしゃくをおこした声が後から聞こえます。
ノハヽヽ ノ从~\ヽ ノノノハヽ ノノノ从ヘ
. ( ;^〜^) 〆〃ハ || "▼"川 从"▽"●从 川゜▼゜<川
_ ( つつ ∬;´◇`) ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ええまあ、そのようなもので・・・
まだアサミはそこにいるの?
\_____ _____/
∨
いや、いないと思うよ。出してもらえたんだ。
\________ ________/
∨
ノハヽヽ
. ( ;^〜^∩ ノノハベ
_ ( ) (´◇`;∬ < そう。でもそれなら、今はどこ?
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ⊂ ⊃ \_____________/
|| // | (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
知らないよ。本当だよ。マコ、お願いだ、もう行ってくれ!
今度もマコはうしろの人に押しのけられてしまいました。
そこでまたテーブルの所に行き、食事をのみくだしました。今度はもうさっきほど美味しくありません。
ノノハベ
━┳━(´〜`;∬
┃ (⊃⊂)
ところがまだ、いつも遊びに来ていた子供達の消息も聞いておかなくてはなりません。しかたなく
マコは、また列のうしろにつきました。
それから子供達は?どうなったの?
\____ _________/
ノハヽヽ ∨
. Σ( ;^〜^) ノノハベ
_ ( ) (´◇` ∬
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と)
|| // | (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコがまたしてもあらわれたのを見て、ヒトミは額に汗が浮かびました。
今じゃなにもかも変わってしまったんだよ。でも今はそれを説明していられないんだ。
見ればわかるだろ!
\_________ ________________________/
∨
でもどうして子供達は来なくなったの?
\____ __________/
ノハヽヽ ∨
. ( ;^〜^) ノノハベ
_ ⊂ ) (´◇` ∬
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と)
|| // | (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコは強引に質問を続けました。
面倒を見てくれる人のいない子供達はみんな、<ハロプロの家>に集め
られてるんだ。子供だけで好きなことをするのは禁止されてるのさ。
\____ _________________________/
∨
急いでくれよ、このおしゃべりめ!
\____ _________/
∨
ノハヽヽ ノハヽヽ ハヽヽ ノノノ从ヘ
. ( ;^〜^) ノノハベ (`▽´ ) (´V` ) (‘▽‘ 川
_ (⊃ ⊃ (´◇`;∬ ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
またも列から怒声があがりました。
あたしの友達も?ほんとにそんなことをしてもらいたかったのかしら?
\____ _______________________/
∨
ノハヽヽ ノハヽヽ ハヽヽ ノノノ从ヘ
. ( ;^〜^) ノノハベ (`▽´ ) (´V` ) (‘▽‘ 川
_ ( ⊃ (´〜`;∬ ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
してもらいたいかどうかなんて、問題にされやしなかったのさ。
子供にはそういう発言権は無いんだ。道路をうろうろしないようにされたのさ。
結局それが、一番肝心なことじゃないか、え?
マコはそれには何も答えずに、ヒトミを探るようにじっと見つめただけです。ヒトミはすっかりうろたえて
しまいました。
・・・・・
ノハヽヽ
. ( ;^〜^) ノノハベ
( ⊃⊂) (` ∬∬
イマイマしい限りだ!今日みたいにこう手間がかかっちゃあ、全くやりきれた
もんじゃない。そのの2人は何が何でも今そのおしゃべりをしなくちゃならない
のかね?
\_____________ _________________/
∨
ノハヽヽ ノハヽヽ ハヽヽ ノノノ从ヘ
. Σ(l|l^〜^) ノノハベ (`▽´ ) (´V` ) (‘▽‘ 川
_ (⊃ ⊃ (´△`;∬ ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
するとあたしは・・・誰も友達がいなくなっちゃって、どうしたらいいのかしら?
ヒトミは肩をすぼめて、指をひねくっていましたが、無理して冷静を保とうとするように大きく深呼吸を
ひとつして、言いました。
なあマコ、いい子だからまた別の時においでよ。お前の相談ににる暇は
今は本当にないんだ。ここで食事をするのは、いつでもできるんだよ。
でも俺がお前の立場なら、<ハロプロの家>へ行くね。一人でうろついて
いれば、どのみちお前もそこに入れられるだろうがね。
\______ ________________________/
∨
ノハヽヽ ノハヽヽ ハヽヽ ノノノ从ヘ
. (l|l´〜`) ノノハベ (`▽´ ) (´V` ) (‘▽‘ 川
_ ⊂ ⊃ (´◇`;∬ ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヒトミは肩をすぼめて、指をひねくっていましたが、無理して冷静を保とうとするように大きく深呼吸を
ひとつして、言いました。
なあマコ、いい子だからまた別の時においでよ。お前の相談ににる暇は
今は本当にないんだ。ここで食事をするのは、いつでもできるんだよ。
でも俺がお前の立場なら、<ハロプロの家>へ行くね。一人でうろついて
いれば、どのみちお前もそこに入れられるだろうがね。
\______ ________________________/
∨
ノハヽヽ ノハヽヽ ハヽヽ ノノノ从ヘ
. (l|l´〜`) ノノハベ (`▽´ ) (´V` ) (‘▽‘ 川
_ ⊂ ⊃ (´◇`;∬ ━━と) ━━と) ━━と)
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ━━と) | | | | | | | | |
|| // | (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコは何も言わずに、ヒトミを見つめました。うしろの人波が彼女を押しのけました。
マコは機械的に動いてテーブルのところに行き、同じように機械的に3回目の食事を口につめこみ
ました。でもまるでボール紙かかんなくずでも食べているようで、のみくだすのは並大抵ではありません。
終わった時には、胸がむかむかしてきました。
・・・・・・
ノノハベ
━┳━(((´-(`;∬
┃ (⊃⊂)
マコはもう一度あとを振り返ることもせずに、黙って外に出ました。
おい、マコ!
\_ ____/
∨
ノハヽヽ
. Σ(0^〜^) 彼女の出てゆく姿をかろうじて目にとめたヒトミが、
_ ( つつo| ̄| 声をかけてきました。
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ノハヽヽ
|| // |( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ノノ从ヘ
| ( )
ノハヽo∈
( ) |
( )ノハヽヽ
| | ( )
(_)__( )
| | |
(_)__) 〆〃ハ
∧ (( ∬ ´−`)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ちょっとまてよ、お前は今までどこにいたか、ぜんぜん話して
くれなかったじゃないか!
でもたちまち人がレジに押し寄せてきたので、またお金をうけとるのに忙しくなりました。その顔からは
もうとっくに、あの微笑は消えてしまっていました。──
ノハヽヽ ☆
. (0`〜´) /
_ ( つつo| ̄|
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
たくさん食べたわ。
\_____ _/
∨
〆〃ハ マコは円形劇場に戻ってから、ナチオペイアに言いました。
∬ ´◇`)〜3
(∩∩) ___
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /* * * *\
〉 ヘ | (´ー`●)────>
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
食べるものはたくさんもらったわ。多すぎるほどね。でも、満足した気持ちには
ひとつもなれないの。
そして、しばらくしてまたぽつんと付け足しました。
・・・あのヒトミじゃ、お花や音楽のこと話してあげられないわ。
\_____ ___________________/
∨
〆〃ハ
∬ ´ヘ`)
(∩∩) ___
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /* * * *\
〉 ヘ | (´ー`●)────>
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
そしてまたしばらくしてから、
でも、明日にはツンクを探しましょう。あの人なら、お前の気に入るわ、ナチオペイア。
あしたになればわかるわよ。
\_____ ____________________________/
∨
〆〃ハ
∬ ´▽`)
(∩∩) ___
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /* * * *\
〉 ヘ | (´ー`●)────>
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
けれどカメの甲羅には、大きな疑問符がひとつあらわれただけでした。
■■
■ ■
■
■
■
___
/* * * *\
(´ー`●)────>
"''' ~''" '''" "''"" "''' ~''" '''
(つづく)
一気に読ませてもらいました。
10年くらい前に読んだときにはよくわからなかったので、新鮮な気分です。
暮秋中さんがどのような意図でこの作業をしているのかわかりませんが、
感心してしまいました。
それにしても濃厚な物語だなあ。
>>233 ×ミヒャエ・エンデ
○ミヒャエル・エンデ
次回更新はいつかしら。楽しみです。
予告
〆〃ハ ノハヽヽ
∬;´◇`;) (0―0;)
∪ ) ⊂ __)
(_)__) (___J
期待。
いつも楽しみにしてます
上に同じく
こっちも保全しといた方がいいかな。
240 :
山崎渉:03/04/19 23:09 ID:FKM6QIuj
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
>>231続き
『 再会、そしてほんとうの別れ 』
次の日、マコは朝早くからツンクの家を探しに出かけました。もちろんカメもいっしょです。
みどりが丘がどこにあるかは、マコは知っていました。
ノノハベ ___
(´▽` ∬ /* * * *\
( ) (´ー`●)──── >
(__)\ノ )) ∪ ̄ ̄∪ ))
長い長い道のりでした。やっとみどりが丘に着いた時には、足が痛くなっていました。
彼女は腰を下ろしました。
本当に高級な住宅地でした。
_\ _ _ / ̄ ̄
\ \ / /
 ̄ ̄|__ \\ 、 , // __| ̄ ̄ ̄ ̄
∃ | | | l l l l | | | 田 田
|田 | | | l l | | | 田|
∃ | | | | l . .. ... .. ... . ... ... . .. .. .. l | | | | 田 田
|田 | | l‐ ..... .... ..... -| | | 田|
∃ | | ― .... .... ..... ― | | 田 田
| .... 一 .... ... .... ー- |
―  ̄  ̄ ― -
ノノハベ
(` ∬∬
どれがツンクの家か、どうやって探したらいいのかしらねえ。
\____ ___________________/
∨
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)──── >
 ̄ ̄
マコはカメに話しかけました。
「スグニワカル」
〆〃ハ ___
∬ ´▽`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)──── >
∧  ̄ ̄
/ ̄  ̄ ̄\
ほんと?
マコは嬉しくなって言いました。
< おい、そこの薄汚い子供!
〆〃ハ" ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)──── >
 ̄ ̄
と急にうしろで声がしました。
ここに何の用だ
\__ ____/
∨
ノハヽヽ
(☆`_ゝ´)
(||||Y||)
| | |
(_)__) ノノハベ
(` ∬∬
マコは振り向きました。縞模様のチョッキを着た召使いが立っています。
こんにちは。あたし、ツンクの家を探してるの。歌うたいのツンクを知らない?
\____________ ___________________/
∨
ノハヽヽ
(☆`_ゝ´) ノノハベ
(||||Y||) (´▽` ∬
| | | ⊂ ⊃
(_)__) (__(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ここには歌うたいなんか住んでるわけがない。
そう答えてチョッキの男は、くるりと背を向けましたが、その時ふとなにか思いついたようでした。
!
ノハヽヽ
(´ ) ノノハベ
( ⊃⊂ (´◇` ∬
| | | ( )
(_)__) (__(_)
・・・お前の言うのは、あの有名なプロデューサーのテラダのことじゃないのか?
\__ ______________________________/
∨
そう、そう、それがツンクよ。家を知ってるの?
\_______ ___________/
ノハヽヽ ∨
(☆`_ゝ´) ノノハベ
(||||Y||⊃ (´▽` ∬
| | | ( )
(_)__) (__(_)
∧ |\
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
本当にお前なぞを待っているのかね? そうよ、ほんとに待ってるわ。あたしの友達で、あたしが
ヒトミのとこで食事をすれば、そのお金をみんな
払ってくれるの。
ハッ、全く芸術家というやつはおかしな気まぐれを起こすもんだな!
だがまあ、ほんとに待っててくれると思うんなら、この通りを上りきった
最後の家がそうだよ。
\__ __________________________/
∨
ノハヽヽ
(☆`_ゝ´) ノノハベ
⊂||||Y||) (´◇` ∬
| | | ( )
(_)__) (__(_)
坂道を上りきったところにある家は、高い塀でかこまれていて、呼び鈴のボタンも表札もどこにも
見あたりませんでした。
┌┬┬┐ ┌┬┬┐ ┌┬┬┐
├┼┼┤ ├┼┼┤ ├┼┼┤
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. ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
┌┬┬┐ ┌┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┐ ┌┬┬┐
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├┼┼┤ │ │ │ │ ├┼┼┤
└┴┴┘ │ │ │ │ └┴┴┘
. ┌─┐┏┳┳┳┓┏┳┳┳┓┌─┐
────────┤ │┣╋╋╋┫┣╋╋╋┫│ ├────────
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────────┴─┘┗┻┻┻┛┗┻┻┻┛└─┴──────(` ∬∬
∪ )
(_)__) ))
これがほんとにツンクの家なのかしら。ぜんぜんツンクらしくないわ。
\___ ________________________/
∨
「デモ、ソウナノデス」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
⊂ ⊃ (´ー`●)──── >
(_)__) ∪ ̄ ̄∪
どうしてこんなにぴったり閉まってるの?入れないじゃない。
\___ _____________________/
∨
「マチナサイ!」
〆〃ハ ___
(´◇` ∬ /* * * *\
⊂ ) (´ー`●)──── >
(_)__) ∪ ̄ ̄∪
そうしましょ。待つんなら、いくらでもできるもの。でもあたしがここにいることが
どうすればツンクにわかるかしら。──ツンクが家にいるとすればだけど。
\___ ____________________________/
∨
「スグニデテキマス」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`)〜3 /* * * *\
( ) (´ー`●)──── >
(_)__) ∪ ̄ ̄∪
そこでマコは門のすぐわきに座り込んで、辛抱強く待ちました。
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────────┤ │┣╋╋╋┫┣╋╋╋┫│ ├────────
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. | │┣╋╋╋┫┣╋╋╋┫│ │ ∬´◇`∬ ・・・・・
────────┴─┘┗┻┻┻┛┗┻┻┻┛└─┴─(∩∩)────
いくら待ってもなにも起こりません。ひょっとするとナチオペイアが勘違いをしたのではないかと、マコは
疑いたくなりました。
ほんとに確かなの?
\____ ___/
∨
〆〃ハ ___
∬;´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)──── >
 ̄ ̄
と、しばらくしてからマコは聞いてみました。
するとそれへの答えのかわりに、カメの甲羅に
「ゴキゲンヨウ!」
___
/* * * *\
(´ー`●)──── >
という文字が出たではありませんか。
マコはぎくっとしました。
どうしたの、ナチオペイア?あたしを置いていってしまうつもりなの?
どうするつもりなの?
\___ ________________________/
∨
「アナタヲ サガシニユキマス」
〆〃ハ ___
Σ∬;´△`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)──── >
 ̄ ̄
このナチオペイアの説明に、ますますわけがわからなくなりました。
本日これまで。
ここで質問。
コマギレがいいですか?イッキがいいですか?
今まで、できた分を一気にUPしてましたが、小出しにしたほうがいいのかな?
254 :
山崎渉:03/04/20 02:19 ID:TDc+cHX1
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
小出しにしても結局まとめて読むと思うから、
(そうじゃないとわからなくなりそう)どちらでも良いですけど、
保全をかねて小出しというのもありかも。
ではでは、
章の中で場が異なる場合は小分けする
それ以外は無理に小分けしない
でなことで。
>>252続き
その時、突然扉があいて、自動車がものすごい勢いで走り出てきました。
.____________ |
/ // | ....|
___/ // ..| ....|
! __(_Z________ //~~ ̄) | . .|
⊆--┰┬┬-┬┬┰──-⊆ ̄ ̄.| ̄ ̄ ̄|~...|
〆〃ハ |:____:┠┼┼||┼┼┨____ |...》..|⌒..|..............| . .|
Σ∬∬ ゜) 〔.ロ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.. ̄~ロ . ̄~|..∩.|. .| ....|
⊂ ⊃ .|_口[Eヨ|~ ̄ ̄.|三三ヨ]..口.. ̄./ ..∪)====== .|
(__(_) ゝゝ_フ. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ゝゝ__/ ̄ ̄ ̄ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マコはあやうく飛び退きましたが、そのはずみにひっくりかえりました。
___________ --- - - --
// .| \\ --- -
// ..|. \\
___ //~~ ̄) .| ...___.|__) ー、-- - -
─-⊆ ̄ ̄.| ̄ ̄ ̄|~ ̄. .| . /]
_ |...》..|⌒..|................|...........|⌒| ..__L]
~ロ . ̄~|..∩.|. .|. . ,/ ∩.| ...._〕
..口.. ̄./ ..∪)=========|.. .∪)___/ ;;`)⌒`) 〆〃ハ
 ̄ ̄~ゝゝ__/ ̄ ̄ ̄ ̄~ゝゝ__/ ;;;⌒`)⌒`)≡≡⊂' ⌒つ;´△`)つ
車は少し走ってからけたたましくタイヤを軋ませて急停車しました。ドアがパッとあいて、ツンクが
飛び出てきました。
マコ!
\_ _/
___________ ∨
// .| \ノハヽヽ
// ..|. (/0―0)
___ //~~ ̄) .| ...___.| と)_
─-⊆ ̄ ̄.| ̄ ̄ ̄|~ ̄. .|ノ /]
_ |...》..|⌒..|...............|...........|⌒| ..__L]
~ロ . ̄~|..∩.|. .|. . ,/ ∩.| ...._〕
..口.. ̄./ ..∪)=========|.. .∪)___/
 ̄ ̄~ゝゝ__/ ̄ ̄ ̄ ̄~ゝゝ__/
と彼はうでを広げて叫びました。
ほんとに間違いなく、ぼくの小さなマコだ!
\_______ _________/
∨
ノハヽヽ
(/0―0)
⊂ Y ⊃ ノノハベ
人 Y (´◇` ∬ ミ
(( し'(_) ⊂' ⌒∪ ノ ∪
マコは飛び起きて走りよしました。ツンクは彼女を高く抱き上げるなり、両方の頬に何100回となく
キスをあびせて、道の上をおどりまわりました。
怪我はなかったかい?
\____ ____/
∨
ノハヽヽノハヽヽ
〆〃ハ (0―0ヽ/0―0) ノノハベ
(( ⊂ ´⌒つ´▽`)つ⊂⊂ ≡ ⊃⊃⊂(´▽`⊂⌒`つ ))
| | ≡ | |
(__(_ _)__)
びっくりさせちゃって、ごめんね。でもぼく、ものすごい急いでたんだよ。遅れそうなんだ。
いったい君は、ずっとどこに行っちまってたんだい?すっかり話してくれなくちゃ。
ぼくの手紙、わかった?そうか、ヒトミのとこに食べに行った?ああ、マコ、話したい
ことが山ほどあるんだ、なにしろすごく色んなことがあったものでね。で、君はどうなの?
さあ、話してくれよ!それからアサミ、あの人はどうしてる?子供達は?ああ、マコ、
あのころは良かった。でも今はすっかり変わっちまったよ。なにもかも、すっかり。
\_________ __________________________/
∨
ノハヽヽ
(/0―0)=3 ノノハベ
⊂ Y⊃ (´◇` ∬
| | | ( )
(_)__) (__(_)
マコは何度も質問に答えようとしましたが、ツンクの話はとめどがなくて口のはさみようがないので、
黙って待つことにして、つくづく相手を眺めました。前とはすっかり変わってしまっていて、身なりが
とても綺麗ですし、いいにおいをさせています。
\\ 〜〜〜! //
・・・・・
ノハヽヽ
(/0―0) + ノノハベ
+ ( Y ) (` ∬∬
| | | ( )
その間に自動車から4人も降りてきて、こっちに近づいてきました。運転手の制服を着た男と、
どぎついお化粧の、とんがった顔つきの3人の女です。
んぁ、その子は怪我をしましたの?
\______ ________/
∨
ノ~\ヽ ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ
( `w´) 从VvV从 从0‘ ∀‘从 ( ´ Д `)
( |Y|) ( <V>) ( <V>) ( <V>)
| | | 人 Y 人 Y 人 Y
(_)__) (( し'(_) し'(_) し'(_)
そのうちの1人が非難するように尋ねました。
いやだいじょうぶ。ぜんぜん怪我なんかしてない。
\___________ ________/
∨
でもなんで門の前をうろついてたんでしょうね!
\__________ _______/
∨
ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノハヽヽ
从VvV从 从0‘ ∀‘从 ( ´ Д `) (0―0ヽ) ノノハベ
( <V>) ( <V>) ( <V>) ⊂Y ) (´◇` ∬
| | | | | | | | | | | | (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_) (__(_)
だってこれはマコなんだよ!ぼくの昔なじみのマコなんだ!
\___________ ____________/
∨
まあ、するとその女の子は本当にいたんですね!
\_____ ______________/
∨
ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノハヽヽ
从VvV从 从0‘ ∀‘从 ( ´ Д `) (0―0ヽ) ノノハベ
⊂ <V>⊃ ( <V>) ( <V>) ( Y ⊃ (´◇` ∬
| | | | | | | | | | | | (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_) (__(_)
3番目の女の人が驚いたように言いました。
あなたの空想の子供だとばかり思ってましたわ。──でもそれなら、すぐに
新聞社に連絡しましょうよ!<おとぎ話の王女様と再会!>とでもやれば、
みんな大喜びしますからね。すぐに手配します。大当たりうけあいですわ!
\_____ ________________________/
∨
いや、ぼくはそんなことをしたくない。
\_______ _______/
Pi! ∨
ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノハヽヽ
从VvV从 从0‘ ∀‘从 ( ´ Д `) ((∩(0―0ヽ) ノノハベ
( つ¶() ( <V>) ( <V>) ( Y ) (´◇` ∬
| | | | | | | | | | | | (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_) (__(_)
でもねー
\_ ___/
∨
ノハヽヽ
( ´ Д `)
(( ( <V>)
最初の女の人がマコにニッコリと話しかけました。
あんたはきっと新聞に出たいわよね、そうでしょ?
\_________ __________/
∨
ノノノハヽ ノノノハヽ ノノ_, ,_ヽ ノハヽヽ
从VvV从 从0‘ ∀‘从 (/0―0) ( ´ Д `) ノノハベ
( <V>) ( <V>) ( ⊃⊃ ( ∪∪ (((´◇`;∬
| | | | | | | | | | | | (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
その子には手を出さないでおいてくれ!
ツンクが不機嫌に言いました。
さあ、急いで車を走らせないと、飛行機に乗りそこねますよ。
\__________ _____________/
∨
ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノハヽヽ
从VvV从 从0‘ ∀‘从 (0―0ヽ) (´ Д ` ) ノノハベ
( <V>) ( ⊂) ( ⊃⊃ ( ∪∪ (´◇`;∬
| | | | | | | | | | | | (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
なんてことだ!ヒサブリに会ったマコと、落ち着いて話すこともできないのか!
ねえマコ、ごらんの通りこの奴隷監督たちときたら、ぼくを年中追い立てる
んだからね。息つく暇も無い!
\_______________ ________________/
∨
まあ!
\_ ____ _ _/
∨ ∨ ∨
ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノハヽヽ
从VAV从 从0‘ A‘从 ( ´ Д `) (/0―0) ノノハベ
( <V>) ( <V>) ( <V>) ⊂ Y) (´◇` ∬
| | | | | | | | | | | | (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) )) (( (_)__) (__(_)
女の人がつんとしていいました。
わたくしたちはどうでもいいんですのよ。仕事としてやってるだけなんですからね。
あなたのスケジュールを管理してお給料頂戴しておりますのよ、ご主人様。
\____ ____________________________/
∨
わかってる、わかってるよ!
\________ ____/
∨
ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノハヽヽ
从VAV从 从0‘ A‘从 ( ´ Д `) ∩;0―0∩ ノノハベ
( <V>⊃ ( <V>) ( <V>) ( Y) (´◇` ∬
| | | | | | | | | | | | (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
ツンクは素直にみとめました。
じゃあ行くとするか。いいかい、マコ、いっしょに飛行場に行こう。そうすれば、途中
話がしていけるよ。そのあと、ぼくの運転手が君をうちに送ってあげるからね、
いいだろう?
\___________ _____________________/
∨
ノハヽヽ
(/0―0) ノノハベ
( ⊃⊃ (` ∬∬
) ) ) ( ∪
彼はマコの返事を待ちもしないで、手を引っ張って車の方に行きました。3人の女の人はうしろの席
に座りました。ツンクは運転手の隣に席をとると、マコを膝に抱き上げました。
.______________ --- - - --
/ノハヽヽ // .| \\ --- -
___/ (0―0ヽ) (`w´ // ..|. \\
__(_Z_(´◇` ∬_⊆⌒⊆//~~ ̄) .| ...___.|__) ー、-- - -
⊆--┰┬┬-┬┬┰──-⊆ ̄ ̄.| ̄ ̄ ̄|~ ̄. .| . /]
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〔.ロ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.. ̄~ロ . ̄~|..∩.|. .|. . ,/ ∩.| ...._〕
.|_口[Eヨ|~ ̄ ̄.|三三ヨ]..口.. ̄./ ..∪)=========|.. .∪)___/
ゝゝ_フ. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ゝゝ__/ ̄ ̄ ̄ ̄~ゝゝ__/
zzz...
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ ∀‘ 从从VvV从
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(0―0ヽ)┐ ┌ノ~\ヽ
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
さあ、マコ、話してくれよ。どうしてあんなに急にいなくなったんだい?
マコがマイスター・カオや時間の花の話をはじめようとしたとたんに、うしろの女の人がひとり、身を
乗り出して話しかけてきました。
ちょっと失礼。今、いいこと思いついたんですの。ぜひともマコを映画会社に
引き合わせなくちゃいけませんわ。今度撮影に入るあなたの浮浪児ミュージカルの
新しい子役スターにうってつけですもの。どんな評判を巻き起こすか、考えても
みてください!マコの役をマコがするんですよ!
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zzz... ∨
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ ∀‘ 从从VvV从
(⊃⊂) ⊂ ⊃ (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(/0―0)┐ ┌ノ~\ヽ
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ぼくの言ったことがわからなかったのかい?この子を引っ張り込むことは、
絶対反対だ!
ツンクはけわしい声で言いました。
・・・何を考えていらっしゃるのか、さっぱりわかりませんわ。
\_________ _______________/
zzz... ∨
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ 0‘ 从从VvV从
(⊃⊂) ⊂ ⊃ (⊃⊂)
相手はむっとして答えました。
! ! !
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ A‘ 从从VAV从
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(0―0ヽ)┐ ┌ノ~\ヽ
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ごめんね、マコ。君にはわけがわからないだろうが、こんなゲス野郎共が
君まで捕まえるなんて、ぼくは絶対にいやなんだよ。
この侮辱には、3人の女の人はすっかり怒ってしまいました。
┘└
┐┌
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○ ○ ○
o o o
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ A‘ 从从VAV从
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(0―0;)
ツンクは頭を抱えてうめき声をあげました。そしてポケットから銀色の小箱を取り出すと、薬を一粒
出して、飲みました。
〜〜〜〜〜〜!
ノハヽヽ
∩0―0l|l∩
( )
しばらくは、誰も口をききませんでした。
そのうちにやっとツンクは後を向くと、疲れ切ったように、ぼそっと弁解しました。
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ A‘ 从从VAV从
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
( /0)∩
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
許してくれ。君たちのことを言ったんじゃないんだ。
ぼくはもう神経がすっかりまいっちゃってるもんで。
まあ、仕方ありませんわ。誰だってそうなんですもの。
\_________ ____________/
z... ∨
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ ∀‘ 从从VvV从
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_) ツンクは少し引きつったような笑みをうかべて、
(0―0ヽ)┐ ┌ノ~\ヽ マコにはなしかけました。
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
さあ、お互いの話をしあおうじゃないか。
時間があるうちに、あとひとつだけ聞かせてください。
この子をせめてちょっとインタビューさせるくらいのことは、どうでしょう?
\______________ _______________/
zz... ∨
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ ∀‘ 从∩VvV从
(⊃⊂) (⊃⊂) ( ⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(0―0#)┐ ┌ノ~\ヽ
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
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やめてくれ!
ツンクは怒り心頭に発してどなりつけました。
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ぼくは今マコと話したいんだ。それも2人だけの話をな!ぼくには重要なことなんだ!
なんべん言ったらわかるんだ?
相手も今度は負けじと怒って怒鳴り返しました。
もっと効果のある宣伝をしろと、いつもわたくしのことを怒ってばかりいるのは、
あなたご自身じゃないですか!
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zzz... ∨
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ ∀‘ 从∩VOV从
(⊃⊂) (⊃⊂) ( ⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(0―0#)┐ ┌ノ~\ヽ
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そのとおりだ! 。 。 。 。 。
でも今はよしてくれ。今はだめだ!
残念ですこと!こういうことには、みんなはたんと涙を流すものですのにね。
でもまあ、お好きなように。また後でもできますもの。今度・・・
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zzz... ∨
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ ∀‘ 从从VヘV从
(⊃⊂) (⊃⊂) ( ⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(#0―0)┐ ┌ノ~\ヽ
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄\
だめだ!
ツンクは相手をさえぎりました。
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
今も、あとでも、とにかく絶対にだめだ。今はお願いだから黙っててくれないか。
ぼくはマコと話があるんだ!
そうですか、じゃ言っておきますがね、結局のところこれはあなたの宣伝の問題で、
わたくしのじゃございません!どうぞよくお考えください。今のあなたは、こんな
チャンスをみすみす見逃せるほど、結構なご身分かどうかをね!
\______________ ___________________/
zzz... ∨
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノ_, ,_ハヽ
( ´ Д `)从0‘ ∀‘ 从从VAV从=3
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(#0―0)┐ ┌ノ~\ヽ
⊃〃ハ⊂.| |( `w´ )
∬ ´◇`) | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そりゃ、そんな身分じゃないさ!
ツンクはやけくそに叫びました。
zzz...
ノハヽヽ ノノノハヽ ノノノハヽ
( ´ Д `)从0‘ −‘ 从从V−V从
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
) ) )_ ) ) )__( ( (
ノハヽヽ(_)__) (__(_)
(#0―0)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
でもマコを引っ張り込んじゃいけない!お願いだ、今は5分でいいから、
ぼくたちの邪魔をしないでおいてくれ!
女の人は口をつぐみました。ツンクは疲れ果てたように、目をこすりました。
これで君にもわかっただろう──ぼくがどんなになってしまったか。
\______ ____________________/
∨
ノハヽヽ
(0―0ヽ)┐
⊃〃ハ⊂.|
∬ ´◇`) |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
自嘲するように彼はちょっと笑い声をたてました。
もどりたくても、もうもどれない。ぼくはもうおしまいだ。
<ツンクはいつまでもツンクだ!>、ぼくはそう言ったね。でもツンクはツンクじゃ
なくなっちゃったんだ。マコ、人生で一番危険なことは、かなえられるはずのない夢が、
かなえられてしまうことなんだよ。ぼくにはもう夢が残っていない。君たちみんなの
ところに帰っても、もう夢はとりもどせないだろうよ。
もうすっかりうんざりしちゃったんだ。
\______ ___________________________/
∨
ノハヽヽ
(0―0l|l)┐
⊃〃ハ⊂.| 彼は暗い目つきでフロントガラスのむこうを見つめました。
∬ ´◇`) |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
今のぼくにできるたったひとつのことは──それは口を閉ざすこと、もうなにも
曲を作らないこと、残りの人生ずっとか、ぼくがすっかり忘れられてまた無名の
貧しい男になりきってしまうまで、黙っていることだろうね。
だが、夢もなしで貧乏でいる──いやだ、マコ、それじゃ地獄だよ。だからぼくは
今のままのほうがましなんだ。これだって地獄には違いないけど、少なくとも
居心地はいい。ああ、ぼくは何をしゃべっているんだろう?君にはもちろん、
全部わかるはずもないよね。
マコは、彼をじっと見つめました。彼が病気だということことがよくわかりました。灰色のヤマザキたちが
陰で糸を引いているのではないか、そんな気がします。でもツンクになんとかしようという遺志が全然
無い以上、力になってあげようにも、マコにはどうしていいかわかりません。
・・・・・
ノハヽヽ
〆〃ハ0―0l|l)
∬ ´◇`) ⊂)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
けれど、ぼくばっかりしゃべってるね。
今度こそ、君にどんなことがあったのか話してくれないか、マコ!
\______ ___________________/
∨
ノハヽヽ
(0―0l|l)┐
⊂〆〃ハ⊃.|
∬ ´◇`) |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ちょうどその瞬間に、自動車は飛行場の前に止まりました。
みんな下りてホールに急ぎました。飛行機の出発時刻が、2,3分ののちに迫っているのです。
_____
/ .| \\
..|. \\
~ ̄) .| ...___.|__) ー、 ノ~\ヽ ノノノハヽ ノノノハヽ ノハヽヽ ノハヽヽ
 ̄ ̄ ̄|~ ̄. .| . /] ( `w´)∩)) 从;VvV从 从;‘ ∀‘从 (;´ Д `) 〆〃ハ (0―0;)
................|...........|⌒| ..__L] ( |Y|) ( <V>) ( ⊂) ( <V>) ∬;´◇`)∩⊂ ⊃
|. .|. . ,/ ∩.| ...._〕 | | | 人 Y 人 Y 人 Y ⊂ ) 人 Y
=========|.. .∪)___/ (_)__) (( し'(_) し'(_) し'(_) し(_) し'(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄~ゝゝ__/
ツンクはマコのほうにかがみこんで、じっと顔を見つめました。その目に急に涙が浮かびました。
よくお聞き、マコ。
\__ ___/
∨
〆〃ハ? ノハヽヽ
∬ ´◇`) (0―0;)
∪ ) ⊂ __)
(_)__) (___J
彼はまわりの人に聞こえないようにそっと言いました。
ぼくといっしょに来てくれ!これから先どこにでも、君を連れて行くよ。ぼくの素敵な
家に住んで、ほんとの王女様みたいに暮らすんだ。ただいっしょにいて、ぼくの歌
を聞いてくれるだけでいいんだよ。そしたらぼくはまた、昔みたいに本当の音楽を
創り出せるようになるかもしれない。『うん』と言ってくれるだけでいいんだ、マコ。
お願いだ、ぼくの力になってくれ!
\____________ _____________________/
∨
〆〃ハ ノハヽヽ
∬;´◇`) (0―0;)
(⊃⊂) ⊂ __)
(_)__) (___J
マコはツンクの力になってあげたい気持ちで、いっぱいでした。そうしたくて心がうずくほどでした。
けれどマコは、今ツンクの言ったようにしてはいけないと感じました。ツンクはまたもとのツンクに
ならなくてはいけないのです。でももしマコがマコでなくなってしまったら、その彼の力になってあげる
ことなどできません。
彼女の目にも涙があふれました。
〆〃ハ ノハヽヽ
∬;´△`;) Σ(0―0;)
(⊃⊂) ∪ __)
(_)__) (___J
彼女は首を横にふりました。
ノノハベ 〆〃ハ ノハヽヽ
(;´ヘ`;≡;´ヘ`;) (0―0;) ・・・・・
(⊃⊂) ∪ __)
(_)__) (___J
ツンクには彼女の気持ちがわかりました。
彼は悲しそうにうなずくと、女の人達に引っ張られるようにして、離れていきました。
ノハヽヽ ノノノハヽ
〆〃ハ (0―0ヽ)从VvV从
∬;´◇`;) ( >⊂ )
(⊃⊂) / / / 人 Y
(_)__) ((( (__(_) し'(_)
遠くでもう一度振り返って手を振るツンクに、マコも手を振って答えました。それっきり、彼の姿は
見えなくなりました。
ノハヽヽ ノノノハヽ
〆〃ハ ((∩(0―0ヽ)从VvV从
∬;´◇`;)∩)) ( >⊂ )
(⊃ ) / / / 人 Y
(_)__) ((( (__(_) し'(_)
マコはツンクと会っている間中、とうとう一言も口をきけませんでした。言いたいことは、あれほど
あったのに!
ようやく巡り会えたものの、そのためにかえって本当にツンクを失ってしまったような、そんな気持ちでした。
_____/~7
ノコ ooooooo ̄/ =
(|__┌──、_ノ =
`ー─\ \ =
~ ̄ ̄
〆〃ハ
∬;´◇⊂
(⊃ )
ゆっくりと彼女は向きをかえると、出口に向かって歩き出しました。そのとたんに、恐ろしい衝撃が
体を突き抜けました。ナチオペイアまで、彼女は失ってしまったのです。
___
/* * * *\
< ────(●´ー`)
∪ ̄ ̄∪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○o !
ノノハベ
(´◇`;∬
(⊃⊂)
(つづく)
つんくが標準語をしゃべってるのがミソです。
初めてリアルタイムで更新を見ました。
感動しました。
頑張ってください。
あ!
>>266 ミス!!
最初に
2番目の女の人が腕時計に目をやりました。
↑の一文が入ります。
ほぜん
121日ルールからすると、このスレはまだ頻繁な保全は必要ないんじゃないでしょうか?
(ё)<マメな保全がスレを救う
>>294 バカ?無意味な保全はスレを無駄に消費するだけだよ・・・
↓のコピペをよく読むようにね!
ex2サーバに移って以降「n日ルール」、つまり立ってから
n日経ったスレは削除される、というルールが適用される
ようになったようです。
ただし最終書き込み後24時間はこのルールから免れる
ことができるので、立ってから時間が経ったスレでも1日
1保全しておけばいいようです。
「n日」がどのくらいかについては、121日と30分ぐらいらし
いです。
ただしたまに(4日ごとに?)1日1保全しなくてもdat落ちを
免れる日があるらしいという情報です。
ちなみに4月X日の121日前は12月X日なので、4/23現在
では
・2002/12/23までに立てられたスレ
→1日1保全の必要あり
・それ以降に立てられたスレ
→dat数が800になるまで保全の必要なし
(ただしこのままなら800を超えることなどない可能性もあり)
ということです。
>>295 羊は600じゃないの?800に変わったの?
あと6章だからレス数は大丈夫じゃないでしょうか。
レス数が足りなくなるよりも、500kb到達の方が先だと思います。
まあ、それも多分大丈夫きっと大丈夫。
なので、レスはあんまり考え込まずに気軽にどーぞ。(´▽` ∬
というわけで、続き↓
で、行く先は?
\__ ___/
∨
〆〃ハ
∬ ゜◇゜)
(∪∪______|
∪∪ ______)
┌──┐ ┌ノ~\ヽ
| | |(`w´ )
| | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
と、運転手は、マコが再びしゃれた自動車に乗り込んだ時、聞きました。
彼女は放心したように目の前を見つめました。
いったいあたしはどこに行くつもり?ナチオペイアを探さなくちゃいけない。でもどこを?
ツンクの家の前だ!
この時ふとマコはナチオペイアの甲羅に「ゴキゲンヨウ!」「アナタヲサガシユキマス」とかいう文字が
浮かんだことを思い出しました。やっぱりナチオペイアは、あの時2人がすぐにはぐれてしまうことが
わかっていたのです。そして今はマコを探しているはずです。でもそうだとすると、マコはどこに
ナチオペイアを探しに行けばいいのでしょう?
はやくしてくれないかな。
\____ _____/
∨
〆〃ハ
∬ ゜◇゜) ・・・
(∪∪______|
∪∪ ______)
┌──┐ ┌ノ~\ヽ ☆
| | |( `w´)/
| | | ⊃⌒⊂))
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
運転手はハンドルを指でコツコツたたきながら催促しました。
ツンクの家にお願いします。
\____ ______/
∨
〆〃ハ
∬ ´◇`)
(∪ ⊃______| とマコは答えました。運転手はちょっとびっくりしたように目をあげました。
∪∪ ______)
┌──┐ ┌ノ~\ヽ
| | |(`w´ )
| | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
え、あんたを家に送り返すんだと思ってたがね。それともこれからは、
わしらといっしょに暮らすのかね?
違うの。ちょっと道に落とし物をしたもんで、これから探しに行かなくちゃならないの。
\____ _____________________________/
∨
〆〃ハ
∬ ´◇`)
⊂ ⊃______|
∪∪ ______)
┌──┐ ┌ノ~\ヽ
| | |(`w´ )
| | | ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
運転手はどっちみちツンクの家に帰らなくてはなりませんでしたから、これは好都合でした。
┌ノ~\ヽ
|( `w´) 〜♪
| ⊃⌒⊂
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ツンクの家の前につくと、マコは車を下り、すぐそこいらじゅうを探し始めました。
ナチオペイア!ナチオペイア!
\______ ______/
∨
〆〃ハ
∬ ´◇`)∩
( )
(( し(_)
道路を端から端まで探して歩きましたが、ナチオペイアはみつかりません。
もしかすると、もう円形劇場に帰る途中かもしれない。
\______________________/
ノノハベ
(´◇` ∬
(つと)
(__(_)
そこでマコはもときた道を、ゆっくり戻りました。途中、へいの隅をのぞき、道路の溝を探し歩きました。
何度も名前を呼びました。けれどどこにもいません。
夜もすっかりふけてから、やっとマコは円形劇場あとに帰り着きました。
ここも隅から隅まで念入りに探してみました。ひょっとしたらカメが先に戻っているかもしれないという、
かすかな期待を抱いていたのですが、あの足ののろさでは、もちろんそんなことはありえません。
___
/* * * *\
< ────(●´ー`)
∪ ̄ ̄∪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○o
ノノハベ〆〃ハ
(´◇` ≡ ´◇`)
マコはベッドにもぐり込みました。はじめて、本当にひとりぼっちになってしまいました。
_____________
|. 〆〃ハ .|
| () ̄∬ ´〜`) ̄).| ・・・・・
|\⌒⌒∪⌒∪⌒⌒\
| \. ⌒⌒ \
\ | ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ |
\ |____________________|
次の週も、また次の週も、マコはアサミを探してあてどなく大きな町の中をさまよい歩いて、毎日を
送りました。けれど、こんな大都会で2人の人間が偶然に出会うのを当てにするのは、広い大洋の
上で遭難した人がびんに手紙をつめて波間に投げ、どこか遠くの沿岸で漁船に拾ってもらえる
のを期待するのと同じくらい、望み薄なのです。
〆〃ハ
〜〜 /∬ ´◇`)/\ 〜〜〜〜〜〜
〜〜/| ̄∪ ̄∪|\/ 〜
|. |/ 〜〜〜 □
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんな時、ナチオペイアがいてくれたら、どんなに役に立ったことでしょう!
「マテ!」とか「サキヘススメ!」とか教えてくれたでしょうに。でも、今のマコには、どうしていいのか
さっぱりわかりません。
前に遊びにきていた子供達についても、マコは姿を見かけはしないかと気をつけていました。
でも誰にも会いません。マコは、子供はどこかにみんな入れられているというヒトミの言葉を思い出し
ました。
・・・・・
ノハヽヽ
. ( ;^〜^) ノノハベ
(⊃ ⊃ (´◇`;∬
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○o
〆〃ハ
∬ ´◇`)
( つと)
マコ自身は、おとなに捕まって<ハロプロの家>に連れて行かれるという目には、一度もあいません
でした。灰色のヤマザキたちが密かに油断なく見張っていて、そのようにはからったのです。
|
|⌒ヽ,
|ニニ⊃
| ー)
|と)
|
| 〆〃ハ
 ̄ ∬ ´◇`)
( )
(( し(_)
毎日1回、マコはヒトミのところに食事に行きました。でも話をすることは、最初の時と同じように
ほとんどできません。ヒトミはあいかわらず忙しく、全然暇が無いのです。
ノハヽヽっ
. (0`〜´)
_ ( つつo| ̄|
 ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ノハヽヽ
|| // |( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ノノ从ヘ
| ( )
ノハヽo∈
( ) |
( )ノハヽヽ
| | ( ) ・・・・・
(_)__( )
| | | ノノハベ
(_)__) (` ∬∬
たった1回ですが、マコはある夕方、遠くの橋の上に背を丸めた小柄な人の姿を見かけました。
その人は、まるで命がけで掃いているというような様子で、ほうきを振り回していました。
I I I I I((λ))I I I I I I I I I
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
!
〆〃ハ
∬∬ ゜)
(_ つ
/__ヽ)
_||_
アサミに間違いないと思ったマコは大声で呼びかけて手を振りましたが、相手はちょっとも手を休め
ません。マコは駆け出しました。でもその橋に着いた時には、もうどこにもその姿はありませんでした。
__
∋o|__|_
川 ? )
( つ\
(( し(_) mm ))
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
o○
ノノハベ〆〃ハ
(´◇`;≡;´◇`)
⊂⊂ ⊃⊃
きっとアサミじゃなかったんだわ。
アサミの掃きかたなら、あたしにはわかってるもの。
\______ ______________/
∨
〆〃ハ
∬;´◇`) 〜3
( ∪∪
(_)__)
〆〃ハ 〜ε
∬ ´◇`) 1週間が1月になり、
(∩∩)
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〉 ヘ |
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "'
ノノハベ
また数ヶ月になりました。 (´◇` ∬ ・・・
β (∩∩)
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〉 ヘ |
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "'
〆〃ハ
∬ ´◇`) ・・・・・ でもマコはまだひとりぼっちです。
(∩∩)
〈 ̄ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
〉 ヘ | ππ
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "'
でもただひとつだけ、この間中マコから離れないものがありました。マイスター・カオのところで過ごした
時の記憶、あの花と音楽の鮮やかな記憶です。その言葉を自分で口ずさみ、メロディーを歌うこと
ができました。そのメロディーも、日が経つにつれて絶えず新しく変わり、決して同じままでは
ありません。
▼
▼|▼
ヽ|〃
( (( ‐-┴-‐ )) )
マコはよく、1日中石段に座ってその言葉を語り、歌いました。聞いてくれるものといえば、木と、鳥と、
廃墟の石ばかりです。
ヽ,.ゞ:, ,ヾゞヾ;ゞゞ\ヾゞ: ヾヾ゛ ゞ.ヾゞヾヽ,.ゞ:,,ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:
,.ゞ :,,ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ゛ゞ.ヾ ゞヾゞ;ゞゞヾ ゞ;ゞ
ゞ:ヾゞ゛;ヾ;ゞ ,',;:ゞヾゞ;ゞヾ.: ヾ:ヾゞヾ., .ゞヾゞ;ゞ
,,ゞ.ヾ\\ ゞヾ:ゞヾ ノノ ゞヾ . ゞヾ ゞヾ .ゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ
ゞヾ ,,.ゞヾ::ゞヾゞ:ヾ ゞ:.y.ノヾゞ..ヾ .ゞ,'ヾ ゞヾゞ ;ゞヽ,.ゞ
ゞヾゞ;ゞゞヾゞ;ゞiiiiii;;;;::::: イ.ヾゞ, .,; ゞヾゞ___// ;ゞ
ゞヾ ゞ;ゞ iiiiii;;;;;::::: :)_/ヽ,.ゞ:,,ヾゞヾゞ__;::/
ゞヾゞ;ゞ iiiiii;;;;::::: :|;:/ ヾ;ゞゞ;ゞ
ヾ;ゞゞヾ;ゞゞ |iiiiii;;;;::: : |:/
ヾ |iiiii;;;;;::::: ::|
` |iiiiiiii;;;;;;::: :|
` ,|i;iiiiiii;;;;;;::: :|
` |ii,iiiiiii;;;;;;::: ::| ♪
,|iiii;iiii;;;;:;_ _: :| ♪ ♪
` |iiiiiii;;;;((●,).::| ♪ ♪ ♪
` |iiiiiiii;;ii;;;;;;~~~:| 〆〃ハ
, |iiiiii;iii;;;;i;;:: ::::::| ∬ ´◇`) ♪
` |iii;;iiiii;::;:;;;;::: :::| ⊂ ⊃
,,. ,.. M|iMiiii;;ii:i;;:;i:i;;::;,|.,.. ,,,.,...,(_)__) .. .. ,.... ,,,.,.. ,.
孤独というものには、色々あります。でもマコの味わっている孤独、これほどの激しさをもってのしか
かってくる孤独は、ほとんど誰一人知らないでしょう。
マコはまるで、計り知れないほどの宝の詰まった洞穴に閉じこめられているような気がしました。
しかもその財宝はどんどん増え続け、今にも彼女は息ができなくなりそうなのです。
⌒⌒⌒⌒⌒ ⌒⌒⌒ ⌒⌒⌒⌒ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ ⌒⌒⌒⌒ ⌒⌒
☆* : 。+ ☆ 。: ; o☆: :;+ *
☆ : 。+ ⌒⌒⌒⌒⌒ : + * ○ ; * * ;
: 。+ ☆ ○。: 〆〃ハ ☆ ⌒⌒⌒⌒⌒ 。+* ☆
: ○ 。+ ☆ ((∩∬;´△`)∩)) : ☆ ; ; : + ; ○ ☆;
o o ☆ 。 ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ ○☆ * ○ ; +;*
☆ * ; +* ⌒⌒⌒⌒⌒
。+ ⌒⌒⌒⌒⌒: ☆ ; ○ ☆ * ; +*
何日かおきにマコはツンクの家に行っては、門の前で長い間待ちました。ツンクにもう一度会いたかった
のです。今では、ツンクの提案どおりにしようという気持ちになっていました。彼といっしょに暮らしたい
と思いました。昔のようになれるかどうかは、どうでもよくなりました。けれど門は一度も開きません。
┌┬┬┐ ┌┬┬┐ ┌┬┬┐
├┼┼┤ ├┼┼┤ ├┼┼┤
││││ ││││ ││││
. ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
┌┬┬┐ ┌┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┐ ┌┬┬┐
├┼┼┤ └┬─┬──────────────┬─┬┘ ├┼┼┤
├┼┼┤ │ │ │ │ ├┼┼┤
└┴┴┘ │ │ │ │ └┴┴┘
. ┌─┐┏┳┳┳┓┏┳┳┳┓┌─┐
────────┤ │┣╋╋╋┫┣╋╋╋┫│ ├────────
. | │┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃│ │
. | │┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃│ │ ノハヽヽ
. | │┣╋╋╋┫┣╋╋╋┫│ │ ∬´◇`∬ ・・・・・
────────┴─┘┗┻┻┻┛┗┻┻┻┛└─┴─(∩∩)────
こうして過ぎていったのは、たかだか2,3ヶ月のことでした。──でもマコにとっては、これまでになく
長い時間でした。
もしマコがマイスター・カオのところへ行く道を見つけることができたなら──彼女は何度も探して
みたのです──、そうしたら彼女はマイスター・カオのもとにとんでいって、もう時間はいならないから
送ってくるのをやめてほしいと頼むか、<どこにもない家>に永久にいさせてほしいと頼むかした
でしょう。
/ | | | |ヽ ・・・・・
川 ´〜`)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (;´ヘ`;∬
| | | ⊂ ⊃
ノ__.|__ゝ (__(_)
けれど、ナチオペイアがいなくては道は見つかりません。ナチオペイアはいまだに行方知れずです。
∬ ´▽`)∩ <へば!(それじゃ!)
カタカタ ノノハヽヽ
(´◇`∬∬<ヘバ!…ット
_| ̄ ̄||_)_
/旦|――||// /|
321 :
名無し募集中。。。:03/04/28 21:14 ID:AMAmnUND
476まで下がったので保全age
>>321 だからぁ〜、スレ位置とdat落ちは関係無いんだよ!
保全だけならsageでも出来るっての!
dat落ちは関係無いけど、下がりすぎると見にくいかもしれんね。
というわけで
>>316続き。
ナチオペイアとの再会のかわりに、全然別のことがありました。
マコはある日、前にいつも遊びに来ていた3人の子供に会ったのです。マリとアイボンと、ノノでした。
みんな様子がすっかり変わっていました。灰色の制服のようなものを着て、妙に生気のない強ばった
カオをしています。マコを見た時でさえ、ほとんど笑い顔というものを見せませんでした。
! ! !
\\ ・・・・・!!//
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) ノノハベ
( ) ( ) ( ) ∩(◇`∬∬
(__(_) (__(_) (__(_) ( )
すごく探したのよ。これからあたしのとこに来ない?
\_________ ___________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´▽` ∬
( ) ( ) ( ) ⊂ )
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
3人は顔を見合わせ、それから首を横にふりました。
・・・・・・
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈
(〜^◇^) (‘д‘ ) (´D` )
( ) ( ) ( )
じゃ、明日は?それとも、あさって?
\_________ ______/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´▽`;∬
( ) ( ) ( ) ⊂ ⊃
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
また3人は首をふりました。
ねえ、また来てよ!前には来てくれてたじゃないの
\_________ __________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´◇` ∬
( ) ( ) ( ) (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
前にはね!でも今は、もうなにもかも変わっちゃったんだ。
もうオイラたち、時間を無駄にできないのさ。
\____ ___________________/
∨
今までだって、無駄になんかしなかったわ
\_________ ________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´◇`;∬
⊂ ⊃ ( ) ( ) ( )
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
マコが言いました。
あのころはよかったれすねー。れももう、あんなことはできなくなったの。
\_______________ ______________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´◇`;∬
( ) ( ) (⊃⊂) ( )
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
3人は急いで歩き出しました。マコはその横を小走りについて行きながら、聞きました。
で、これからどこ行くの?
\____ ______/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(^◇^〜) (‘д‘ ) (´D` ) ∩(´◇` ∬
( ) ( ) ( ) ( )
(__)\ノ (__)\ノ (__)\ノ )) (__)\ノ ))
バラエティーの授業や。芸を習うんや。
\______ _________/
∨ それ、なんなの?
\____ ___/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(^◇^〜) ( ‘д‘) (´D` ) (´◇` ∬
( ) ( ) ( ) ( )
(__)\ノ (__)\ノ (__)\ノ )) (__)\ノ ))
カッパのかっこしてコントやったり、鳥の着ぐるみ着て芸やったり、
みんなの前でくだらんゲーム見せたりするんや。
_,、,、,、_ _,、,、,、_ _,、,、,、_
>⊂⊃< >⊂⊃< >⊂⊃<
(‘д‘ ) (´D` ) (^◇^〜)
( ) ( ) ( )
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
__彡_
く ヾ
(’ー’川
</  ̄\>
| )
z___z___ゝ
\______ ______________________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(^◇^〜) ( ‘д‘)∩ (´D` ) (´◇` ∬
そんなことが面白いの?
\____ ______/
∨
そんなこともんだいじゃねーのれす。口にしちゃ、いけねーのれす。
\_____________ _____________/
∨ ?
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(^◇^〜) ( ‘д‘) ( ´D`) (´◇`;∬
( ) ( ) ( ) (つと )
(__)\ノ (__)\ノ (__)\ノ )) (__)\ノ ))
じゃ、何がいったい問題なの?
\____ ______/
将来の金儲けの役に立つってことさ。 ∨
\___ ___________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(^◇^〜) (‘д‘ ) (´D` ) (´◇`;∬
( ) ( ) ( ) ⊂ ⊃
(__)\ノ (__)\ノ (__)\ノ )) (__)\ノ ))
その間に、大きな灰色の建物の門の前に着いていました。入口のドアの上に<ハロプロの家>
と書いてあります。
<ハロプロの家> ..│
−UFA− ...|
┌───┬───┐ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │ 〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
│ │ │ │ (^◇^〜) (‘д‘ ) (´D` ) (´◇` ∬
│ │ │ │ ( ) ( ) ( ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (__(_) (__(_) (__(_) (__(_)
あたし、あんたたちに話したいことがたくさんあったのに
\_____________ _________/
∨
いつかまた会えるかもしれないれす
\___________ ___/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´〜` ∬
( ) ( ) ( ) (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
ノノが悲しそうに答えました。
アンタんとこで遊んだ時の方が、ようけ楽しかったわ。あの頃は、
自分らで色んなこと考え出したもんやったな。そやけど、それじゃなんの
金の足しにもならないって、言われるんや。
\_______ _____________________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ´д`) (´D` ) (´−` ∬
( ) ⊂ ⊃ ( ) (⊃⊂)
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
アイボンが不意に言いました。
じゃ、逃げて来ちゃったら?
\______ _____/
∨
ノノハベ
∩(´◇` ∬
( )
マコは提案しました。
3人はかぶりをふると、誰かに聞かれてはいまいかとでもいうように、あたりをうかがいました。
はじめのころは、何回かやってみたんや。でも無駄やった。
すぐまた、とっつかまるし。
\________ ________________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ノノハベ
(l|l^◇^) (l|l‘д‘) (´D`l|l) (´◇`;∬
( ) ( ⊃ ⊂⊂ ) ⊂ )
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そんないいかたするもんじゃないれすよ。つまるところ、あたしたちはいまじゃ、
めんどうみてもらってるんれすもの。
みんな黙りこくって、ぼんやり前を見つめました。
・・・・・ ・・・・・
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´◇`;∬
(⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂) (⊃⊂)
とうとうマコは心に決めて、こう聞きました。
あたしもいっしょに連れて行ってくれない?今じゃいつも、ひとりぼっちだもの。
\_______________ ________________/
∨
〜ノハヽヽ〜@ノハ@∋o/ハヽo∈ ノノハベ
(〜^◇^) ( ‘д‘) ( ´D`) (´◇`;∬
( ) ( ) ( ) ⊂ ⊃
(_)__) (_)__) (_)__) (__(_)
ところがその時、奇怪至極なことが起こりました。
3人はまるでとてつもない磁力に引かれるかのように、建物の中に吸い込まれてしまったのです。
そのとたんに、戸口は音を立てて閉まりました。
<ハロプロの家> ..│
−UFA− ...|
┌───┬───┐ │
│ │ │ │
│ │ │ │ !!
│ │ │ │
│ │ノハ@/ハヽo∈ ノノハベ
│ │゜д゜)( ゜D゜) ))) (´◇`;∬
│ │⊃⊃ ( ⊃⊃ ⊂⊂ )
│ │(_)__) (_)__) ))) (__(_)
マコはびっくりしてそれを見ていました。それでも、戸口に近づきました。どんな授業だろうとかまいは
しない、とにかく仲間に入れてもらえるよう、もう一度頼んでみたかったのです。
<ハロプロの家> ..│
−UFA− ...|
┌───┬───┐ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │ ノノハベ
│ │ │ │ (´◇`;∬
│ │ │ │ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (__(_) ))
とこが、ひとあし進むか進まないかのうちに、彼女はぎょっとして立ちすくみました。自分と戸口の間に
忽然と灰色のヤマザキがあらわれたのです。
<ハロプロの家> ..│
−UFA− ...|
┌───┬───┐ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │ /⌒ヽ, !?
│ │ │ │⊂ニニ⊃
│ │ │ │ ( ー ) ノノハベ
│ │ │ │ ( ) Σ(゜◇゜;∬
│ │ │ │ | | | ⊂⊂ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (_)__) (__(_)
むだだよ!
\__ __/
∨
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃
( ー )━~~
( )
| | |
(_)__)
とその男は葉巻を口にくわえて、薄ら笑いをしながら言いました。
わざわざやってみるまでもない!おまえに入ってこられては、我々が
困るのでね。
\______ ______________________/
∨
どうして?
/⌒ヽ, \__ __/
⊂ニニ⊃ ∨
( ー )∩━~~ ノノハベ
( ) (´△`;∬
| | | (⊃⊂)
(_)__) (__(_)
とマコは聞きました。またあの氷のような寒気が、体を這い上がってきます。
お前にやってもらいたいことがあるからさ。
\____ _____________/
∨
/⌒ヽ, ⊂⊃
⊂ニニ⊃
( ◇ )∩━~~ ノノハベ
( ) (´皿`;∬
| | | ((((⊃⊂))))
(_)__) (__(_)
灰色の男はこう言うと、煙の輪をひとつプカリと吹き上げました。
マコは灰色のヤマザキをなじるように指さしながら、助けを呼ぼうとしました、けれど声が出ません。
やめておけ!
\__ ___/
∨
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ !?
( ー )∩━~~ 〆〃ハ
( ) ∬;´△`)∩ ・・・・・・・・・!
| | | ((⊂ )
(_)__) (_)__)
と灰色のヤマザキは言って、かさかさの灰色の声で笑い声をたてました。
我々がどれほどの力があるのか、まだよくわかっていないようだね?
我々はお前から友達をみんな取り上げてしまった。もうお前を助けてくれる奴なぞ、
いないよ。お前のことだって、我々は何でもおもうままにできるんだぞ。
\______ ___________________________/
∨
なぜなの?
/⌒ヽ, \__ __/
⊂ニニ⊃ ∨
( ヘ )∩━~~ ノノハベ
⊂ ) (´△`;∬
| | | (⊃⊂)
(_)__) (__(_)
マコはやっとのことで声を絞り出しました。
お前にちょっとばかり、やってもらいたいことがあるからだ。
聞き分けよくすれば、たっぷりとお礼がもらえるぞ──お前の友達も帰してやる。
やってみるか?
\______ __________________________/
∨
・・・ええ
/⌒ヽ, \__ __/
⊂ニニ⊃ ∨
( − )∩━~~ ノノハベ
( ) (´◇`;∬
| | | (⊃⊂)
(_)__) (__(_)
マコはかすかに答えました。
灰色の男はにやりとしました。
それなら今日の真夜中に会って話をしよう。
\________ _________/
∨
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃
( ー )
( )
| | |
(_)__)
マコは黙ってうなずきました。でももうその時には、灰色のヤマザキの姿は見えなくなっていました。
葉巻の煙がわずかに漂っているだけです。
・・・・・
) ノノハベ
( (`;∬∬
) ∪ )
━ (_)__)
今夜どこで会うかは、彼は言わないままでした。
(つづく)
連休中の更新お疲れ様です
|ハハ
|´▽`)そ〜〜・・・
|o旦o
|―u'
|〃ハハ
|∬´▽`) ・・・オカエリ
|o ヾ
|―u' 旦 <コトッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
|
| ミ ピャッ!
| 旦
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
更新乙。
「ハロモニ飽きた」とか言っちゃダメなのね。。。
おお。更新されていたのね。乙れす。
ほ
浮気中。ごめんなさい。
応援してま〜す
ガンバって
川o^・-^・)長〜い目で見てください
小松の親分さんがいるな
穂
∬ ´◇`)ガンバッテルモン
( ^▽^)<ガンバッテネ!
保じぇん
hozen
大変長らく以下略
ほんのちょこっとなんだけど 更新をかけてみた
>>341続き
『 大きな不安と もっと大きな勇気 』
マコは円形劇場あとに帰るのが嫌でした。夜中に会おうと言った灰色のヤマザキは、きっとそこに来るに
違いありません。
〆〃ハ
∬l|l´◇`)
( )
(( し(_)
嫌です。もう二度と会いたくなぞありません。どんな提案をしてくるにせよ──それがマコや友達に
とって本当にいい提案であるはずがないことは、それこそはっきりしているではありませんか。
でもそれなら、どこに逃げて隠れたらいいでしょうか?一番安全なのは、たくさんの他の人たちの
中に紛れ込むことだとマコは思いました。
_____ |:| |
|・・・・・・ | |:| ̄|
 ̄――|・・・・・・ |-||ニ| |:|_|______
l .ll .!i i ―┐ .| | | ┌┐-==!|: : : : : :
|.:||.:|| || || ||:||:||.|| ̄||||||||| |:::  ̄| iiiiiii_| | .| .!| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|.:||.:|| || || ||:||:||.|| ||||||||| |::: _ll | ̄| ̄|.|li!¬ ┌―|:| 巨 i---| .!| _ ______
|.:||.:|| || || ||:||:||.|| ||||||||| |::: _ll | | |.|li|!: | l: !l| | |:| 巨 | ....| | ̄| ̄|==|
|.:||.:|| || || ||:||:||.|| ||||||||| |::: | | |.|l: : : \! 巨 | ....| | |.= |==| = = =
|.:||.:|| || || ||:||:||.|| ||||||||| |::: |__.:l- ̄ :______.._______: ..|_ :!| | |.= |==| = = =
|.:||.:|| || || ||:||:||.|| ||||||||| |_− ̄ : : ~'-| | | |==| = = =
|.:||.:|| || || ||:|l:l::.!|_− ̄ ======================== | |==|
|.:||.:|| || || ll ll '┘ ― ̄。 。―_ ` =============
|.:||.:|| l ― ― ̄ 。 。 ― ` 、
〆〃ハ
∬ ´◇`)
( )
(( し(_)
その日の午後からずっと夜遅くまで、マコは人ごみにまじって町の盛り場から盛り場へと歩き続け
ました。ひとまわりしてもとのところに戻ると、またはじめから2度、3度とまわりなおしました。
けれど1日中歩きっぱなしだったものですから、足が疲れてうずきはじめました。
夜が更けてゆきます。マコは眠りかけながらもまだ歩き続けます。もっと先へ、もっと先へ・・・
ちょっとでいいから休みたい。ほんのちょっとだけ。
そうしたらもう少し頭がはっきりするんだけど・・・
\_____________ _______/
∨
ノノハベ
ε〜(´△`l|l∬
∪∪ )
(__(_)
道路のはしにちょうど1台、トラックがとまっていました。マコはそこによじ登ると、布袋を背にして座り
ました。とっても楽です!
―――――――、
. /.  ̄ ̄ ̄//. ̄ ̄| || ヨジヨジ・・・
/. // . | || ノノハベ
[/_____//[ ] | || (´◇` ∬
. ||_ _|_| ̄ ̄ ̄ |.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|⊃))
. lO|――|O゜.|____|.||─――――─―|
|_∈口∋ ̄_l__l⌒l | | コ□ニ//l⌒lソ
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' ̄ `ー' `ー'
ほっとため息をつくと、彼女は自分でも気がつかないうちに、疲れ切って眠り込んでしまいました。
―――――――、
. /.  ̄ ̄ ̄//. ̄ ̄| ||
/. // . | ||〃ハ zzz...
[/_____//[ ] | ||´д`)
. ||_ _|_| ̄ ̄ ̄ |.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
. lO|――|O゜.|____|.||─――――─―|
|_∈口∋ ̄_l__l⌒l | | コ□ニ//l⌒lソ
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' ̄ `ー' `ー'
混乱した悪夢がどっと襲いかかってきました。
アサミが見えます。ほうきでバランスをとりながら、まっくろな口をあけた奈落の上で綱渡りをしています。
綱の端はどこ?私には見えない!
\______ _______/
∨
∋oノハヽ
川;・д・)
(( ⊂ ⊃⊃─E ))
∪
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と、彼女が何度も叫ぶのが聞こえます。
マコはアサミを助けたくて、いてもたってもいられませんが、
自分がここにいることを彼女に気付いてさえもらえません。
それほど彼女はずっと遠い、高いところにいるのです。
〜〜〜〜〜〜!!
〆〃ハ
∬∬ ;´)
⊂ ⊃
次にツンクがあらわれました。口から長い長い紙テープを引っ張り出しています。引けども引けども
テープは終わらず、切れもしません。ツンクの足下には、もう紙テープの山ができています。彼の
目は懇願するようにこっちを見つめ、助けてくれないと息ができなくなってしまうと訴えているようです。
っっ
ノハヽヽ っっっ
〜(〜0ヽ;)
( ( ⊃
) | | |
〜〜 (__(_)
〆〃ハ 〜〜〜
Σ∬;´◇`) 〜〜〜〜 〜
( ⊃⊃ 〜〜〜〜〜 〜〜〜
マコは駆け寄ろうとしましたが、紙テープに足をとられました。ふりほどこうともがけばもがくほど、
テープはますますからみついてきます。
・・・・・・!
〆〃ハ
∩∬ ´△〜∩
〜(〜〜〜
〜〜__)〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜
その次には子供達が見えました。みんなトランプのカードようにぺっちゃんこです。そしてどのカード
にもパンチで小さい穴の文字がいっぱいあけられています。カードはごちゃごちゃにシャッフル
されていました。それからみんなまたちゃんと並び直して、「3」「7」「10」だの「セクシー」「ハッピー」
だのの新しい字がパンチされるのです。
_________
| .| .| |
| ‘д‘ | ^◇^ .| ´D`.|
| .| .| |
|. 3 | 7 .| 10 |
| .| .| |
 ̄∪∪ ̄∪∪ ̄∪∪
_________
| .| .| |
| ・e・ | ’ー’ | ^д^.|
| .| .| |
|.ハッピー.|ハッピー .|ハッピー |
| .| .| |
 ̄∪∪ ̄∪∪ ̄∪∪
カードになった子供達は、声もなく泣いています。でもすぐまた混ぜ合わされました。カード達は
パタパタ、カタカタと音をたてています。
やめてよ!やめてよ!
\__ ______/
∨
〆〃ハ
∬;´◇`;)
⊂ ⊃
(_)__)
とマコは叫ぼうとしました。けれどその声をかき消すように、パタパタ、カタカタという音が大きくなり
ました。どんどん、どんどん大きくなります。
とうとう彼女は目をさましました。
―、
 ̄| ||
| || 〆〃ハ !
| ||∬ ゜◇゜)
|.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ガタガタ・・・
はじめは自分がいったいどこにいるのかわかりませんでした。あたりはまっくらです。
そのうちにやっと、自分がさっきトラックに乗ったことを思い出しました。そのトラックが今では走って
いて、あの音はエンジン音だったのです。
―――――――、 ==
. /.  ̄ ̄ ̄//. ̄ ̄| ||?? ??
/. // . | || ノノハ 〆〃ハ ==
[/_____//[ ] | ||(´◇` ≡ ´◇`)
. ||_ _|_| ̄ ̄ ̄ |.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ==
. lO|――|O゜.|____|.||─――――─―|
|_∈口∋ ̄_l__l⌒l | | コ□ニ//l⌒lソ ==
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' ̄ `ー' `ー'
マコはほっぺたをこすりました。まだ涙で濡れています。
〆〃ハ
(( ⊃;´◇`;⊂ ))
( )
でもいったい、ここはどこなのでしょう?
彼女が気付かないうちに、車はもう大分長いこと走っていたようです。道路には人影ひとつなく、
高層ビルが黒々と並んでいます。
トラックのスピードはたいしたものではありませんでしたから、マコはよく考えもしないで飛び降りて
しまいました。
――、 ==
. ̄ ̄| ||
. | || ==
| ||
 ̄ ̄ |.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| == ∩ ∩
.___|.||─――――─―| | ∪ | (´´
_l⌒l | | コ□ニ//l⌒lソ ノハノ ノ (´⌒(´
`ー' ̄ `ー' `ー' (∬(つ ノ⊃≡≡≡(´⌒;;;
 ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
灰色のヤマザキから身を隠すのに安全な繁華街に戻ろうと思ったのです。でもその
とたんにさっきの夢を思い出し、彼女は立ち止まりました。
ノノハベ
(´−` ∬
☆ (⊃⊂)
\(__(_)
マコは逃げる気がなくなりました。今まで逃げ回ったのは、自分の身の安全をはかってのことです。
ずっと彼女は自分のことばかり考え、自分の寄る辺ない寂しさや、自分の不安のことだけで頭を
いっぱいにしてきたのです! ところが本当に危険にさらされているのは、友達の方ではありませんか。
子供達を助けることができるのは、それはマコををおいてほかにはいないのです。友達を自由の身に
してくれるよう灰色のヤマザキ達を説き伏せられる見込みがほんの少しでもあるなら、少なくとも
やってみるだけはやらなければなりません。
・・・・・
ノノハベ
(´ヘ` ∬
0 0)
(__(_)
そこまで考えたとき、マコは急に自分の中に不思議な変化が起こったのを感じました。不安と心細さ
がその極に達したとき、その感情は突然に正反対のものに変わってしまったのです。勇気と自身が
みなぎり、この世のどんな恐ろしいものが相手でも負けるものか、という気持ちになりました。
今では、すすんで灰色のヤマザキに会おうという気持ちになりました。ぜひとも会わなくてはなりません。
さあ、すぐに円形劇場に戻らなくちゃ。
\______ _________/
∨
ノノハベ
(´◇` ∬
( )
(__(_)
と、彼女はひとりつぶやきました。
間に合うといいけど、あたしを待っているかもしれないわ。
\___ ___________________/
∨
ノノハベ
(´◇` ∬
⊂( ⊃
(__)\ノ ))
でもそう決心はしたものの、帰るのは簡単ではありません。今いるところがどこかもわからず、どっちの
方向に行ったらいいのか、まるで見当もつきません。それでもかまわずマコは、あてずっぽうの方向に
走り出しました。
タタタタ・・・
〆〃ハ
∬ ´◇`)
= ⊂ )
(__/ (__)
死んだように静まりかえった暗い道路を、彼女はひたすらに進みました。新しい道に来るたびに、
行く先を教えてくれる手がかりがないか、前に見たことのあるものが見えはしないかと、キョロキョロ
しました。でもなにも見つかりません。
| ???
| / |
| ノノハ〆〃ハ|
| (´◇` ≡ ´◇`)
| / (つと ) .|
_______________________|/ (__(_) |______
とうとうマコは、だだっ広い、からっぽの広場に出ました。マコはその広場を横切りました。ちょうど
真ん中あたりまで行ったとき、どこかかなり近くらしい塔の時計が、ときを打ちはじめました。
ずいぶんたくさん打ちましたから、もう12時なのかもしれません。
ボ〜ン♪〜
ボ〜ン♪〜
!
〆〃ハ
Σ∬ ;´◇)
⊂ ⊃
(_)__)
'' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "'
もし灰色の男が円形劇場で待っているとすれば、これではとても間に合うはずはない。友達を助け
られるチャンスが過ぎてしまうのです──多分1回きりしかないチャンスが!
マコは拳を握って、歯にあてました。どうしたらいい、今になってなにができる?
彼女は途方に暮れました。
\ あたしはここよ! /
ノノハベ
∩´◇`∩∬
( )
(__(_)
と、彼女は闇に向かって、声の限りに叫んでみました。けれどその声が灰色のヤマザキに届くとは、
期待していたわけではありません。
ところがそれは、彼女の間違いでした。
本日これまで
後半に続く
>暮秋中
お疲れ様です!
次回の更新を楽しみにしています。
λ...... 暮秋中ターン!!!
( ´D`)ノ アーイ
続きは明日。同じ構図ばかりでつまんないかもれす。
セリフ中心の回は、どーしても同じコマが連続してしまうのれす。
更新乙。
最後の鐘の音がまだ消えもやらぬうちに、あちこちの道路という道路にいっせいにぼうっと光が
現れて、見る間に明るくなってきました。たくさんの自動車のヘッドライトです。
車は四方からマコの立っている広場の真ん中にむかって、ゆっくり進んできます。やっぱり灰色の
ヤマザキ達は現れたのです!
゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜゜゜ ゜゜ ゜゜゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜゜゜゜゜
゜゜ ゜゜ 。。 ゜゜ ゜゜ 。。 ゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜ ゜゜
。。 。。 。。 。。
。。 。。
o o o o
○ ○ o o
。。 ノノハ 〆〃ハ ○ ○
(◇`;≡;´◇)
○ ○ (⊃⊂) ○ ○
(__(_)
これだけの人数をそろえてやって来ようとは、思いもよりませんでした。一瞬、さっきの勇気が消え失せ
ました。
けれどその時、マコはあの花々と壮大な音楽のあの声とを思い起こしました。するとたちどころに恐ろ
しさは消え、力がわきおこってきたような気がしました。
エンジン音を低くうならせながら、自動車はそばに近づいてきます。しまいにはバンパーがくっつきあう
ほど接近して、マコを真ん中にして円を描くように並んで止まりました。
―――-..――― .――――..-―――、
/ .||. 丶 丶 // // ||. \
__/__||. __][丶 _丶]__ 〆〃ハ __[//_ /[]__ .||__\__
|| | | ̄ ̄|゚ロロ| ===|ロl ∬;´◇`) lロ|=== |ロロ゚| ̄ ̄| | ||
||_l⌒l___|____l⌒l__l_ ̄∈口∋ | ( ) | ∈口∋ ̄_l__l⌒l____|___l⌒l_||
`ー' `ー' `ー'  ̄`ー' ̄ ̄ (_)__)  ̄ ̄`ー' ̄ `ー' `ー' `ー'
ヤマザキ達が車からおりました。どのくらいの人数かは判りません。みんなライトの向こうの暗闇に
立ったままだからです。たくさんの視線がこっちに注がれていることは感じられます──好意など
みじんも含まない視線です。マコは寒気がしました。
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃
| | ( ) ・・・・・
\ | / \ | / ( )
―――――― ○ ― ― ○ ――| | |
// \ // \
,、 / / | \/ / | \
l l / / | / |
/\ / | / |
| |
\/
/ \
| |
\ /
三〃ハ
三 `)∩
三 )
三_)
かなり長い間誰も口をききませんでした。
しばらくしてやっと、灰色の声が響きました。
これがマコという女の子か。我々に挑戦などと考えた子だな。
このみじめったらしい格好を、ようく見ろよ! >
\_________________________/
〆〃ハ
∬ ;´◇)
(⊃⊂)
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
この言葉に続いて、ざわめきが起こりました。
< 気をつけろ!
\_____/
押し殺したように別の灰色の声が注意しました。
この子が我々にとってどれほど危険となりうるか、みんなも知っているだろう。
< この子をたぶらかそうとしても無駄だ。
\________________________________/
ノノハベ
(´◇`;∬
(⊃⊂)
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコは耳をすましました。
・・・まあ、いいだろう。
ほんとうのことを話してやろうじゃないか。 >
\__________________/
〆〃ハ
∬ ´◇`)
(⊃⊂)
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
再び長い沈黙がありました。ほんとうのことを言うには、想像もつかないほどの努力がいるらしいのです。
・・・・・・・・・
\______/
・・・・・・・・・
\______/
〆〃ハ
∬ ´◇`)
(⊃⊂)
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
やっと一人が口をきりました。
率直に話し合おうじゃないか。お前はかわいそうにひとりぼっちだ。時間を
わけてやろうにも、もう誰も相手がいない。これは全部我々が計画したこと
なのだ。我々にどれほどの力があるかわかっただろう。
たったひとりで有り余るほど時間を抱えていても、それがなんになる?
心にのしかかる呪い、息もできなくさせる重荷、お前を溺れさせる大海、
お前焼き尽くす拷問じゃないか。お前はあらゆる人間から切り離され、
< 放置されてしまったのだ。
\_______________________________/
ノノハベ
(´◇` ∬ ・・・・・
(⊃⊂)
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコは黙って聞いていました。
いつかは、お前が耐えられなく時が来る。明日か、1週間先か、1年先か。
我々にはそれがいつだって同じことだ。待っているだけでいいんだからな。
お前がいつかきっと這ってきて、どんなことでもするから、この重荷から解放
してくれ!と言うのはわかりきっているからだ。
< ──それとも、今、もうそうしたいか?それならそう言うだけでいいんだ。
\_______________________________/
ノノハベ
(´◇` ∬
(⊃⊂)
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコは首を横にふりました。
ノノハ 〆〃ハ
(((´ヘ` ≡ ´へ`)))
(⊃⊂)
(__(_)
< 我々に助けてもうらう気は無いのか?
\________________/
とその声は冷ややかに聞きました。冷気の波が四方八方からマコに押し寄せましたが、彼女は
歯を食いしばって、重ねて首をふりました。
ノノハ 〆〃ハ
(((`ヘ´ ≡ `ヘ´)))
(⊃⊂)
(__(_)
< こいつは、時間のなんたるかを知っているんだ。
\___________________/
この子が例の人物のところに行っていたという証拠だ。 >
\______________________/
〆〃ハ
∬ ´◇`)
(⊃⊂)
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
今度はマコに向かって、大きな声で尋ねました。
< マイスター・カオを知っているか?
\_______________/
ノノハベ
(((´◇` ∬
( )
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコはうなずきました。
< じゃ、あれを──時間の花を知っているんだな?
\____________________/
ノノハベ
(((´〜` ∬ ・・・・・
(⊃⊂)
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコはまたうなずきました。ああ、あの花のことなら、どんなによく知っていることでしょう!
またもや、長い沈黙が続きました。
やがて、また別の方角から声が聞こえてきました。
お前は友達が好きだ、そうだろう? >
\_______________/
〆〃ハ
∬ ´◇`)))
( )
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコはうなずきました
友達を我々の手から取り返したいだろう? >
\__________________/
〆〃ハ
∬ ´◇`)))
( )
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
またマコはうなずきました。
お前がその気になれば、できるんだぞ。 >
\_________________/
〆〃ハ
∬l|l´△`)
((((⊃⊂))))
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコは上着をかきあわせました。寒さで体中が震えます。
友達を救うには、お前がちょとしたことをすればすむんだ。我々がお前に
1つのことをしてやり、お前がお返しに我々に手を貸す。それこそ
正当な取引というものだ。 >
\_____________________________/
〆〃ハ
∬∬ ´) ・・・・・・
( )
マコはその声のするほうに目をこらしました。
つまり我々はマイスター・カオという人に直々に会ってみたいのだ。
お前は案内してくれるだけでいい。そのかわりお前に友達を帰してやる。
またみんで昔のように、楽しく暮らせるんだ。これなら全く割の合う話
じゃないか! >
\_____________________________/
〆〃ハ
∬∬ ´)
( )
この時はじめて、マコは口を開きました。唇が寒さで凍り付いて、話すのにとても骨が折れました。
マイスター・カオに会って、どうするの?
\____________ ____/
∨
知り合いたいのだ。お前にはそれしか言えない。 >
\____________________/
〆〃ハ
∬∬ ´)
⊂ ⊃
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
わからない奴だな。自分や友達のコトを考えてみろ! マイスター・カオの
心配など、なぜするんだ。彼彼女のことは彼女にまかせておけばいい。
自分のことは自分で心配できる大人なんだからな。それに──彼女が
物わかりよく話に応じれば、我々は彼女に指1本触れやしない。
< そうでない場合には、無理にもわからせる方法がちゃんとあるんだ。
\______________________________/
何をわからせるの?
\__ ______/
∨
ノノハベ
(´◇` ∬
( )
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
突然相手の声は、緊張の極に達したようにけたたましく響きました。
我々はウンザリしたんだ、一人一人の人間から、1秒、1分、1時間とちびちび
時間をかき集めるのにはな。全部の人間の時間をそっくりまとめて貰いたいんだ。
< それをカオに渡してもらわなくてはならん!
\_________________________________/
ノノハベ
Σ(゜◇゜ ∬
⊂⊂ )
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコは驚いて声のする暗闇を見つめました。
すると人間はどうなるの?
\__ ________/
∨
ノノハベ
(´◇`;∬
⊂ ⊃
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
人間なんてものは、もうとっくから要らない生き物になっている。この世界を人間の
住む余地もないようにしてしまったのは、人間自身じゃないか。今度は我々が
< この世界を支配する!
\__________________________________/
寒さはあまりにも激しくなって、マコは唇を動かすのも大変でした。どうしても言葉になりません。
ノノハベ
((((´Д`l|l∬)))
(((((⊃⊂)))))
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
だが心配はいらないよマコ。お前とお前の友達は、もちろん別だ。お前達は、
遊んだり物語をしたりする最後の人間になるだろう。我々のすることに手を
出しさえしなければ、こっちもお前達には何もしないさ。 >
\______________________________/
〆〃ハ
(( ∬l|l´◇`)
( )
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
また別の方角から、言葉が聞こえました。
我々が本心を話したことは、わかったろう。約束は守る。
だからカオのところに案内してくれ。 >
\_______________________/
〆〃ハ
∬∬l|l´)
( )
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコは口をきこうとしました。寒さで考える力までが奪われかかっています。やっと言葉が出せました。
・・・たとえできたって、案内はしないわ。
\_________ ______/
∨
〆〃ハ
∬l|l´へ`)
( )
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
できたって、というのはどういう意味だ?できるはずだ!カオのところに
行ったんだろう?それなら道がわかるはずだ! >
\______________________________/
わからなくなったの。
\________ _/
∨
〆〃ハ
∬l|l´−`)
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(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
マコはささやきました。
探してみたのよ。知ってるのはナチオペイアだけ。
\_______________ ____/
∨
それは誰だ? >
マイスター・カオのカメさん。 \______/
\________ __/
∨
今どこにいる? >
\______/
〆〃ハ
∬l|l´△`)
(⊃⊂)
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
o
○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
___
/* * * *\
(´ー`●)──── >
∪ ̄ ̄∪
マコはほとんど意識を失いかけて、回らぬ舌で言いました。
あたし──いっしょに──帰ってきた──でも──いない──はぐれちゃった
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∨
〆〃ハ
∬l|l゜◇゜)
⊂ ⊃
(_)__)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
わまりで興奮して騒ぐ声が、まるでかなたの音のようにかすかにしか聞こえません。
すぐ緊急警報を出せ!そのカメを探さねばならん。カメというカメを調べよ!
なんとしても見つけるんだ!必ず、必ずだぞ! >
\_______________________________/
〆〃ハ
∬l|l゜◇゜)
( )
(_)__)
'" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
声は次第に消えて、静かになりました。少しずつ、少しずつ、マコは意識を取り戻しました。たったひとりで、
大きな広場に立っています。その上を、まるで底知れぬ虚空から吹いてくるようなつめたい風が、
今一度吹き抜けてゆきました。灰色の風です。
〜⌒ヽ.
_.〜⌒ヽ. .〜 `ヽ._.′ ヽ._.〜ウ
ヒュ〜´ `ヽ._.′ ヽ._ノ
ノノハベ
(´◇` ∬
( )
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
(つづく)
______
r' ,v^v^v^v^v^il
l / jニニコ iニニ!.
i~^' fエ:エi fエエ)Fi / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽr > V < 更新乙だよ
l !ー―‐r l \_______
__,.r-‐人 `ー―' ノ_
ノ ! ! ゙ー‐-- ̄--‐'"ハ ~^i
ヽ ! ヽ、_ _.ノ i \
ヾV / ! /.入
マコは黙ったまま、じっと反応を待ちました。すると灰色のヤマザキたちの間にざわめきが起こりました。
みんないらだってきたようです。
わからない奴だな。自分や友達のコトを考えてみろ! マイスター・カオの
心配など、なぜするんだ。彼彼女のことは彼女にまかせておけばいい。
自分のことは自分で心配できる大人なんだからな。それに──彼女が
物わかりよく話に応じれば、我々は彼女に指1本触れやしない。
< そうでない場合には、無理にもわからせる方法がちゃんとあるんだ。
\______________________________/
何をわからせるの?
\__ ______/
∨
ノノハベ
(´◇` ∬
( )
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
突然相手の声は、緊張の極に達したようにけたたましく響きました。
暮秋中タン更新乙だよ暮秋中タン
∬´▽`)ノ<ホゼンダモン・・・
(ё)y-~~
∬´д`)
>>404続き
『 まえばかり見て、うしろをふりかえらないと・・・・・ 』
失礼、
>>403だった
キレイナジャイアン・・・>(´◇`;∬
どれくらい時間が経ったのでしょうか。
こごえきった手足にはほんの少しずつしか温かみが戻ってきません、頭はしびれたように霞んで、
なにをしようという判断もくだせません。
ノノハベ
(´◇`l|l∬
(⊃⊂)
(__(_)
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
円形劇場あとに帰って寝る? 今、自分にも友達にも全ての望みが消え失せたいま、そんなことが
できるでしょうか?
マコにはよくわかっていました。もう昔のようには二度となれない、もう二度と・・・
ナチオペイアのことも心配でした。灰色のヤマザキ達にちかまったら、どうなるでしょう?彼女は、
カメのことはいっさい口にすべきではなかったと、激しい自責の念にかられました。
もしかすると、ナチオペイアはとっくにマイスター・カオのとこに帰っているのかも
しれないわ。そうよ、あたしのことなんかもう探しに来なければいいけど。
──そのほうがナチオペイアの身のためだわ──あたしにだってそのほうがいい・・・
\____________ _______________________/
∨
ノノハベ
(´◇`l|l∬
(⊃⊂)
そのとたんに、足になにかそっと触ったものがあります。マコはぎくっとしてそろそろとしゃがみこみました。
!?
〆〃ハ
Σ∬ ´◇`)
(⊃⊂) ☆
(__(_)/
'' ""' ''"" "'''''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' ""' ''"" "''' ~''" '''
するとどうでしょう、目の前にカメがいるではありませんか!そして暗がりの中に、ゆっくりと文字が
光りました。
「マタキマシタヨ」
〆〃ハ ! ___
∬ ゜◇゜) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
マコはとっさにカメをつかむと、上着の中に隠そうとしました。そしてあたりの暗闇をうかがいました。
灰色のヤマザキがまだ近くに残ってはいまいかと、心配だったのです。
けれど何一つ動く気配はありません。
ノノハベ ___
(((´◇`;∬/* * * *\
(⊃ )────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
ナチオペイアは上着の下で必死にもがいて、出ようとしました。マコはそれをぎゅっと押さえつけながら、
ささやきました。
お願い、おとなしくしてて!
\__ ________/
∨
「ナゼ コンナランボウヲ?」
〆〃ハ ___
∬;´◇`)/* * * *\
(⊃ ) ────>)))
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
見つかるといけないのよ!
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∨
「アエテ ウレシクナイノ?」
〆〃ハ ___
∬;´△`)/* * * *\
(⊃ ) ────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
嬉しいわよ。嬉しいに決まってるじゃないナチオペイア、すごく、すごくよ!
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∨
〆〃ハ ___
∬;´〜⊂ /* * * *\
(∩∩) (( (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
マコは泣きそうになって言いました。
ずっとあたしを探してたの?
\__ _________/
∨
「モチロン」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
でもなぜ、選りも選って今ここであたしを見つけたの?
\__ ____________________/
∨
「ココニイルノガ ワカッテイタカラ」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
⊂∩∩) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
するとカメはこれまでの長い間、マコを見つけられないとわかっていて探し続けたのでしょうか?
わかっていれば、全然探す必要はなかったでしょうに。これはまたしてもナチオペイアのわけの
わからない謎で、いつまでもそれを考えていると頭がこんくらがってきそうです。
でも、今はこの問題に脳みそをしぼっていられる時ではありません。
???
〆〃ハ
∬;´◇`)
(つと)
マコはひそひそ声で、これまでのことをカメに話しました。
・・・・・
〆〃ハ ___
∬ ´◇∩ /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
これからどうしたらいい?
\__ ________/
∨
「カオノトコロニ ユキマショウ」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
今?灰色のヤマザキがみんなでお前を捜してるのよ!探してないのはここだけよ。
ここにじっとしているほうが、利口じゃない?
\__________ _______________________/
∨
〆〃ハ
∬;´◇`)
⊂∩∩⊃
"''' ""' ''""
マコはびっくりして聞きました。けれどカメの背には
「ユクコトニナッテマス」
___
/* * * *\
(´ー`●)────>
''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
と出ただけです。
それじゃ、わざわざ敵の懐に飛び込んで行くようなものだわ。
\__ ______________________/
∨
「ダレニモアイマセン」
〆〃ハ ___
∬;´△`) /* * * *\
⊂∩∩) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
それほど確かにわかっているなら、言うとおりにしてもいいでしょう。でも前の時に歩いた長くつらい
道のりを思い出して、マコは急に今の自分にはとても行き着けまいと感じました。
お前一人で行って、ナチオペイア。あたしにはもうその元気がないわ。
一人で帰って、マイスター・カオによろしく伝えて。
\__ _________________________/
∨
「スグチカクデス!」
〆〃ハ ___
∬ ´〜`)〜3 /* * * *\
(∩∩) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
と、ナチオペイアの甲羅に文字がでました。
マコは驚いてあたりを見回しました。だんだんに思い出しました。死に絶えたようなこのみじめな地区は
あの時通っているのです。ここを出るとすぐ、真っ白い建物と不思議な光の地区に着いたではありま
せんか。そうとすれば、確かに<さかさま小路>と<どこにもない家>までたどり着くことはできる
かもしれません。
_\ _ _ / ̄ ̄
\ \ / /
 ̄ ̄|__ \\ 、 , // __| ̄ ̄ ̄ ̄
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| .... 一 .... ... .... ー- |
―  ̄  ̄ ― -
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o○
ノノハベ 〆〃ハ
(´◇` ∬≡∬ ´◇`)
いいわ、あたしも行く。でもお前を抱いていっちゃいけない?
そのほうがはやく行けるもの。
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∨
〆〃ハ 「イケマセン」
∬ ´◇`) ___
∪ ) /* * * *\
彡 (_)__) (´ー`●)────>
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
どうして自分で這っていまなくちゃいけないの?
\_______ ____________/
∨
〆〃ハ 「ミチハ ワタシノナカニアリマス」
∬ ´◇`) ___
( ) /* * * *\
(( し(_) (( < ────(●´ー`)
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
こう答えるとカメは動きだしました。マコはそのあとについて、1歩1歩ゆっくり進みました。
マコとカメが広場から出る狭いみちに消えるが早いか、まわりの黒々とした家の影のあたりがにわかに
ざわめきはじめました。
・・・・・ ・・・・・
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
さっきの一部始終をすっかり盗み聞きしていた灰色のヤマザキたちです。
マコを隠れて見張るためのに、一部がここに残っていたのです。
歩き出したぞ!とびかかるか?
\__ __________/
∨
だめだ、歩かせとくんだ。
\_ _________/
∨
"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'"''' ""' ''"" "''' ~''" '''" "''' "''' ""'
なぜだ?カメを捕まえろという命令だぞ。なんとしてでも、と言われてるんだ。
\__ ____________________________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
( ー) (△ ) ( ー ) < そのとおりさ。でもなんのためだ?
( ) ( ) ( ) \______________/
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
カオのところに案内させるためさ。
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
まさにそうだ。それを今むこうがやってくれてるじゃないか。
──もっともそうとは知らずにだがな。
声のない笑いが、まっくらな家かげをかけぬけました
町中の仲間にこのことをすぐ知らせるんだ。捜索は打ち切りだ。
あの2人の邪魔をしてはいけない。どこへでも自由に進ませなくてはだめだ。
さあ、諸君、なにも気付いていない案内者のあとに、落ち着いてついていこう!
\______________ _________________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
( ー)∩ (ー ) ( ー )
( ) ( ) ( )
Y 人 人 Y 人 Y
(_)ノ )) (( し'(_) し'(_)
こういうわけでマコとナチオペイアは、実際に追っ手にはひとりも会わずに進みました。どっちに歩いて
行こうと、追っ手はさっとその道をよけて姿を消し、女の子とカメのあとをつけている仲間に加わった
からです。灰色のヤマザキたちの行列はどんどんふくれていきました。
|
| / |
| /〆〃ハ |
| / ∬∬ ´) .|
| / ( ) |
_______________________|/ (( (__(_) |______
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ニニ⊃ニニ⊃
( ー)( ー)( ー) ・・・・・
( ) ( ) ( )
| | | | | | | | |
(_)__) (_)__) (_)__)
マコはこんなに疲れ切っていたことは、生まれてこのかた一度もありませんでした。今にもくずおれて
、そのまま眠り込んでしまうかと思えたこともしばしばでした。
とにかくカメがこんなにおそろしくのろのろとしてさえいなければ、まだましなのです!でもこればかりは
どうしようもありません。
〆〃ハ
/⌒∬|l´◇`) =3
⊂,,)^∪-∪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○
o
〆〃ハ ___
∬l|l´△`) /* * * *\
(( ( ) (( < ────(●´ー`)
果てしなく長いと思われた時間を歩き続けたあと、不意に足下の道が明るくなったのに気がつきました。
マコは鉛のように思いまぶたをあげて、あたりを見回しました。
_\ _ _ / ̄ ̄
\ \ / /
 ̄ ̄|__ \\ 、 , // __| ̄ ̄ ̄ ̄
■ | | | l l l l | | | ■ ■
|■ | | | l l | | | ■|
■ | | | | l . .. ... .. ... . ... ... . .. .. .. l | | | | ■ ■
|■ | | l‐ ..... .... ..... -| | | ■|
■ | | ― .... .... ..... ― | | ■ ■
| .... 一 .... ... .... ー- |
―  ̄  ̄ ― -
〆〃ハ
∬∬ ´)!
/三 U
ゝ三 ヽ
そうです、とうとう着いたのです。夜明けとも夕暮れともつかないあの光に満ちみち、影という影が
てんで違う方向に満ちているあの地区に。
マコは力を奮い起こしました。もうここまで来れば、マイスター・カオのところにたどり着くまで、
あと一息です。
ねえ、お願い。もうちょっと速くあるけない?
\____ ______________/
∨
と彼女はナチオペイアに言いました
「オソイホド ハヤイ」
〆〃ハ ___
∬ ´◇`) /* * * *\
( ) < ────(●´ー`)
(( し(_) (( ∪ ̄ ̄∪
カメはこう答えると、これまでよりもっとのろのろと這いました。そしてマコも、ここではそうするほうが
かえって速く進めることに気がつきました。ゆっくり行けば行くほど、まるで足下の道路が二人を
のせて、どんどんはやく運んでくれるようなのです。
--- - - --- -- - - --
--- - - --
! --- - - -- --- - - --
≡〆〃ハ ___
--- - - -- ≡∬ ゜◇゜) ≡/* * * *\
≡( ) ≡< ────(●´ー`) --- - - --
≡し(_) ≡∪ ̄ ̄∪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
これこそ、この白い地区の秘密だったからです。このことを、前の時マコを自動車で追ってきた灰色の
ヤマザキ達は知りませんでした。そのおかげでマコは逃げおおせたのです。
。 。 。 。
─あのときはそうでした。
でも今度は違います。というのは、今度は灰色のヤマザキ達は2人の速度にあわせてゆっくりとあとを
つけていたのです。そのせいで彼らもやはりこの秘密に気がついてしまいました。そしてここの道では
どういうふうに進まなくてはならないかを知った彼らは、カメよりもまだのろのろと歩くことにしました。
おかげで彼らは遅れをとりもどし、どんどん相手との距離を縮めます。まるでさかさまのかけっこ、
のろさを競うかけっこです。
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/⌒ヽ, --- - - --
⊂ニニ⊃ --- - - -- --- - - --
( ー)〜♪ ≡〆〃ハ
( ) --- - - -- ≡∬ ´◇`)
人 Y --- - - -- ≡( )
し'(_) ≡し(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
もうすぐそこが<さかさま小路>に曲がる角です。
ナチオペイアはもう角をまわって<さかさま小路>に歩みを進めています。マコは、この道ではこの
前の時はうしろをむいて歩かなければ進めなかったことを思い出しました。そこで彼女は今度も
うしろむきになりました。
# ◎ + ; o │
│
+ * # │
│
┌────────┐│
│ <さかさま小路> ││
└────────┘│
# .│ ・・・・・!
* % +.│
ノノハベ
(` ∬∬
( )
そのとたんに、驚きのあまり心臓が止まりそうになりました。
!!
ノノハベ
Σ(゜◇゜ ∬
⊂⊂ )
(( (__(_)
まるで灰色の動く壁のように道いっぱいにびっしり並んだ時間どろぼう達が、こっちにやってくるでは
ありませんか。
/⌒ヽ,⌒ヽ,ヽヽ,ヽ,ヽ,ヽ,ヽヽヽヽヽヽヽヽヽ
⊂ニニ⊃二⊃⊃ニ⊃ニ⊃⊃⊃))))))))))))))
( ー )ー )ー )ー )ー )ー ) )))))))))
( ) ) ) ) ) ) )))))))))
マコは叫び声をたてました。でも自分の声が聞こえません。彼女は<さかさま小路>のうしろむきに
駆け込みながら、追いかけてくる灰色のヤマザキの軍勢に、恐怖でカッと見開いた目をすえていました。
\\ ・・・・・・! //
ノノハベ
∩゜◇゜;∬
( ⊂)
(( (__(_)
ところがまたしても不思議なことが起こりました。追っ手の最初の列が<さかさま小路>になだれ
こもうとするや否や、男達体はマコの目の前で文字通り消えて無くなってしまったのです。
/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
Σ( −) Σ(l|l д)
( ) ( ⊃:::...
| | | | | |
(_)__) (_)__)
/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ; △) (l|l Д)
( ) (:::::::::...
| | | |::::::::....
(_)__) (:::::::....
/⌒ヽ, /⌒:::...
⊂ニニ⊃ ⊂ニ::::::...
( ; △) (△l|l::::...
( つつ :::::::::...
| | | ::::...
(_)__) ::..
最初に前につきだした両手が消え、次に足と胴体が、そして最後に驚きと恐怖に引きつった顔も
消えました。
ことの成り行きを見ていたのはマコだけではありません。もちろんあとに続いていた灰色のヤマザキ達
も見たのです。先頭のヤマザキ達はうしろから来る人波を押しとどめようとしたので、ちょっとのあいだ
彼ら同士の間で格闘めいた騒ぎがもちあがりました。
これ以上追いかけてこようとするものは、一人もありません。
\\ //
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
(l|l △) (l|l 〜 )(Д l|l)
⊂ ⊃ (つと ) ( ⊃
| | | | | | | | |
(_)__) (_)__) (__(_)
ようやくマコは<どこにもない家>に着きました。緑色の重たい門が開きました。
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ .│ . ┃
┃ ┏━━━━ │ ┏━━━━ ┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ . │ ┃ .┃
┃ .│ . ┃
┸───────┴───────┸──────
マコは中に飛び込み、石像の並ぶ廊下をかけぬけ、つきあたりの小さなドアをあけてすべりこみ、
小部屋にたどり着くときれいなソファーに身を投げてクッションに顔をかくしました。
_
/\\
____/ \\ ・・・・・
.|\ ノノハベ
\\ (◇`; ∬\
\\ ⊃⊂ノ \\
\\ (^(^_ノ /~/
\\ / /
\| ̄ ̄ ̄ ̄ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
もう何も見たくありません。何も聞きたくありません。
・・・・・
ノノハベ
_ノ⌒⌒ヽ∬⌒ヽ
(( ( ⌒ と--(__つ ))
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
(つづく)
更新キター!
暮秋中タン乙!
原作を知りませんが、募秋中タソのお蔭で読めてます。
面白いっす!
どもです。たまに「なにバカなことやってんだろ?」と気が滅入るので、
そう言っていただけると幸いです。
( “ З.“)
たまーにしか感想書けないけど
毎度楽しませてもらってます。
更新乙。
更新乙です
原作を知らないのでこの先どうなるのだろうか、と
楽しく読ませてもらってます。更新乙ッス。
テスト
おー 最下位スレになったかー
目下次章制作中 > (´▽` ∬
マコ&暮秋中たんがんがれ
最下位スレは落ちそうでなんかちょっと怖いね
449 :
山崎渉:03/05/28 09:35 ID:cVbNjm5C
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
450 :
名無し募集中。。。:03/05/28 09:39 ID:3W9NnSM4
落ち目糞雑魚モーヲタ弱ッ!!!!
451 :
サイ☆タマちゃん:03/05/28 10:01 ID:iATZ7nul
まだだ!まだおわらんよ
>>439続き
今回使い回しの同じ絵が多いので、つまんないかもです。
『 包囲の中での決意 』
静かな声で何か言っています。
少しずつマコは、夢のない深い深い眠りから浮かび上がってきました。不思議と疲れがとれ、元気に
なっているのを感じます。
_
/\\
____/ \\
.|\ 〆〃ハ ! \
\\ ∬ ゜ρ`) \\
\ (⌒∪⌒∪) \\
( ) /~/
( )/ /
( ) /
 ̄ ̄ ̄ ̄
< この子に責任はない。
\__________/
と、その声が言うのが聞こえました。
でもナチオペイア、お前にはあるよ──どうしてそんなことをしたの?
\____ _______________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ´〜`)|
/ Yヽ
| | | ___
| | | /* * * *\
ノ__.|__ゝ (´ー`●)────>
∪ ̄ ̄∪
マコは目をあけました。マイスター・カオがいます。彼女は心配そうな顔で、カメを見下ろしています。
_
/\\
____/ \\
.|\ ノノハベ \ \
\\ (` ∬∬ \\
\ (⌒∪⌒∪) \\
( ) /~/
( )/ /
( ) /
お前は、灰色のヤマザキ達があとをつけてくることは考えなかったの?
\____ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)| 「サキノコトハ ワカリマス」
/ Yヽ 「アトノコトハ カンガエマセン!」
⊂) | (⊃ ___
| | | /* * * *\
ノ__.|__ゝ (´ー`●)────>
∪ ̄ ̄∪
マイスター・カオはため息をついて頭をふりました。
ああ、ナチオペイア、ナチオペイア──お前は私にとっても、謎みたいに
わけのわからないことがよくあるよ!
\____ _________________________/
∨
/ | | | |ヽ
((|(´〜` 川))
/ Yヽ
⊂) | (⊃ ___
| | | /* * * *\
ノ__.|__ゝ (´ー`●)────>
∪ ̄ ̄∪
マコは体を起こしました。
〆〃ハ
∬´〜 (⊂
/ _ノ⌒⌒ヽ.
( ̄⊂人 //⌒ ノ
ニニニニニニニニニニ
ああ、私たちのマコが目をさましたね!
\____ ___________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ
| | |
| | |
と、マイスター・カオは優しく言いました。
気分はよくなっただろうね?
\_________ __/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ええ、とっても。ありがとう。ここで勝手に眠っちゃって、ごめんなさい。
| | | \_______ ___________________/
| | | _ ∨
ノ__.|__ゝ /\\
____/ \\
.|\ ノノハベ
\\ (◇` ∬\
\\ ⊃⊂ノ \\
\\ (^(^_ノ /~/
.\\ / /
\| ̄ ̄ ̄ ̄ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そんなことは気にしなくていいよ。お前は何も言う必要はない。私は自分で
あのなんでも見える眼鏡で見ていたし、それで見えなかったことは、
ナチオペイアがもう話してくれたからね。
で、灰色のヤマザキ達はどうしてるの?
\_______ _________/
∨
私たちを包囲しているよ。<どこにもない家>をすっかりとりかこんでいるの。
つまり、そこまでは近づくことができるということね。
\_ ______________________________/
∨
/ | | | |ヽ ここに入ってくることはできないの?
川 ‘〜‘)| \_______ _______/
/ Yヽ ∨
⊂) | | ノノハベ
| | | (´◇` ∬
∧
/ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
それはできない。お前も自分の目で見ただろう、彼らは<さかさま小路>
に足を踏み入れると、体が消えてなくなってしまうの。
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄\
どうしてそうなるの?
時間の逆流のせいよ。あそこでは何もかもさかさまにやらなくちゃいけないよね?
つまり、<どこにもない家>の周りでは時間がさかさまに流れているの。
普通の場所では、時間はお前の中に入ってゆく。それでお前の中には時間が
どんどんたまってゆき、そのためにお前は年をとってゆく。けれども<さかさま小路>
では、時間はお前から出ていってしまうの。あそこを通り抜けるに使った分の
時間だけ若くなるのよ。
\_ _________________________________/
∨
/ | | | |ヽ そうとはちっとも気がつかなかったわ。
川 ‘〜‘)| \_______ ________/
/ Yヽ ∨
| | | ノノハベ
| | | (´◇`;∬
マコは驚いて言いました。
そりゃ人間にとっては、そのくらいたいしたことないからね。
なにしろ人間というのは、時間だけで出来ているわけではなく、それ以上のもの
だからね。ところが、灰色の男は違う。彼らは、盗んだ時間だけでできているの。
そしてその時間が逆流にまきこまれると、たちどころに吸い出されてしまう。
破れた風船から空気が逃げてしまうようにね。
\_ _______________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ
⊂) | (⊃ ノノハベ
| | | (´◇` ∬
マコは懸命に何か考えていましたが、しばらくしてから聞きました。
・・・・・
ノノハベ
(´◇` ∬
(つと )
それなら、時間をほんのちょっと全部さかさまに流れるようにしちゃったらいいじゃない?
そうすれば人間はみんなちょっぴり若返るけど、時間どろぼう達は、みんな消えて
なくなっちゃうでしょう。
\__________ __________________________/
∨
ノノハベ
(´◇` ∬
⊂ ⊃
マイスター・カオは笑いました。
そうできたらいいんだけどね。でも残念ながらダメなの。時間のふたつの流れは、
たがいに釣り合いをたもっている。一方を止めれば、もう一方も消えてしまうのよ。
そうなったら、時間というものがぜんぜんなくなってしまう・・・・・
\_ _______________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)| !
/ Yヽ
⊂) | (⊃
| | |
彼女はふと口をつぐみました。
・・・ということはつまり・・・・・
\_ __________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Y ∩
| | |
| | |
こうつぶやくと彼女は、すっかり考え込んで小部屋の中を何回も何回も行ったり戻ったりしました。
/ | | | |ヽ / | | | |ヽ
(‘ 川川 川 ‘〜‘)|
/ ヽ / Yヽ
| (⊃⊂ ⊂ | |
| | | | |
ノ____ゝ ))) ((( ノ__.|__ゝ
そのうちにとうとう止まると、彼女はマコをまじまじと見つめて言いました。
お前のおかげで、ある考えが浮かんだよ。でもそれを実行に移すには、
私一人じゃだめ。
\____ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)| ?
/ Yヽ
| | | ノノハベ
| | | (´◇`;∬
私の大事なナチオペイア!お前の考えでは、包囲されている間にできる最上の
策はなんだね?
\_______________ ________________/
∨
/ | | | |ヽ
「アサゴハンヲ タベルコト!」 (‘〜‘ 川 ))
___ / Yヽ
/* * * *\ | | | ノノハベ
< ────(●´ー`) | | | (` ∬∬
∪ ̄ ̄∪ ノ__.|__ゝ ( )
そうか、それも悪い考えじゃないわね。
\_________ ______/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜^)| ・・・
___ / Yヽ
/* * * *\ | | | ノノハベ
< ────(●´ー`) | | | (`; ∬∬
∪ ̄ ̄∪ ノ__.|__ゝ ( )
そのとたんに、もうテーブルの上には食事の支度が整いました。このあいだのように、金色に輝く
朝ごはんが並んでいます。
+
+ +
──────+──────+────
+ .)( /)/)/) + +
( ) \~~~~~/ └──┘ +
+ +  ̄ ̄ + +
□D ⊂⊃ □D ⊂⊃
∋─ ∋─
━─ ━─
──────────────────
マコはこれまでにもしょっちゅう、この美味しい食事を思い出しては、もう1度食べたいものだとつばを
飲み込んでいたものですから、すぐにガツガツと口にほおばりはじめました。この前の時より、もっと
美味しい気がします。
〆〃ハ
∬´)〜`)))
□D⊂ ⊃─∈
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂⊃
そのうえ、今度はマイスター・カオも食欲旺盛です。
/ | | | |ヽ
川 ‘)〜‘)| ))
/ Yヽ
◎⊂) | | ∬
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ □D  ̄
しばらくしてたら、マコはほっぺたをいっぱいにしてモグモグやりながら言いました。
あいつらはね、全部の人間の時間がそっくり欲しいって言ってるの。
でも、まさかやりはしないでしょ?
\__________ _________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ
| | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ノノハベ
(( (-(`∬∬
⊂⊃ □D⊂)
∋─ \
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そうだとしても、私は決してそんなことはしないわ。時間というものは、はじめがあった
以上、終わりもある。だが終わりは、人間がもはや時間を必要としなくなった時に、
はじめてやってくるのよ。私は、灰色のヤマザキ達に1秒たりとも奪わせはしないよ。
でも、無理にでもあなたに承知させる方法があるって言ってたわ。
\_______ __________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ
| | | ノノハベ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(´◇` ∬
⊂⊃ ⊂ )
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
・・・お前に自分で彼らの様子を見て欲しいんだけどね。
マイスター・カオは真剣な顔つきになってそう言うと、小さな金色の眼鏡をマコに渡しました。
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃0―0ヽ (´◇` ∬
| | | ⊂⊂ )
そこに見えるのは包囲軍です!
肩と肩が触れ合うほどびっしり並んだ灰色のヤマザキの列が、見渡す限り延々と続いています。
マコはまた別の、とても奇妙なことに気がつきました。なにか奇妙な霧がかかったように、
灰色のヤマザキ達の輪郭がぼやけているのです。
そのうち、彼らのいる道路から煙が立ち上っているためだとわかりました。
( ヽ
, ⌒ヽ ( )
( ' ( ヽ⌒ヽ 、
ゝ `ヽ( ) (⌒ 、
( ヽ ( ヽ
/⌒ヽ,⌒ヽ,ヽヽ,ヽ,ヽ,ヽ,ヽヽヽヽヽヽヽヽヽ
⊂ニニ⊃二⊃⊃ニ⊃ニ⊃⊃⊃))))))))))))))
( ー )ー )ー )ー )ー )ー ) )))))))))
( ) ) ) ) ) ) )))))))))
灰色のヤマザキ達は根が生えたように動きません。どの男も小さな灰色の葉巻をくゆらしています。
この葉巻の煙は、普通の場所でのように空気中に散ってはゆきません。煙はクモの巣のように
粘っこい幕となって広がり、絶え間なく重なり合って上へ上へと立ちのぼり、まるでとめどなく背の
伸びる塀のように、<どこにもない家>を四方八方から取り囲んでゆきます。
(( )) (( (((( )) (((((( ((((( )))))(((((( ((
) ))) )))) ) ( (((( ((( ((
((( (((( ))) (((
)) )) (( ))
( ( ) (
) ) ( )
/⌒ヽ, ( /⌒ヽ, ( /⌒ヽ, ) /⌒ヽ, (
⊂ニニ⊃ ) ⊂ニニ⊃ )⊂ニニ⊃ ( ⊂ニニ⊃ )
( ー∩━ ( ー∩━ ( ー∩━ ( ー∩━
( ) ( ) ( ) ( )
| | | | | | | | | | | |
マコが見ていると、時々新手の男達がやってきては、交代して列に加わります。
でもいったいこれは何のためでしょう?
)
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, (
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃ )
( ー) ∩(ー ) ( ー ∩━
( ) ( ) ( )
Y 人 人 Y | | |
(_)ノ )) (( し'(_) (_)__)
彼らは私に無理強いさせる方法があるのかどうか、さっきお前は聞いたね。
私自身に手を出すことは、彼らにはできない。しかし人間に対してこれまで
よりずっと酷い害を与えることはできるの。それでもって、わたしを脅迫
するつもりなのよ。
\______ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ (´◇`;∬ < もっと酷いこと?
| | | (⊃⊂) \_______/
マコはびっくりして尋ねました。
マイスター・カオはうなずきました。
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)| ))
/ Yヽ
| | |
| | |
私は人間達にそれぞれ時間を送っている。これに対しては灰色のヤマザキ達は
なにもできない。時間を止めてしまうことも、やはりできない。けれどその時間に
毒を流し込むことはできるの。
\______ __________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | Σ(´◇`;∬ < 時間に毒を入れる?
| | | ⊂ ⊃ \_________/
マコはあまりのことに呆然としました。
葉巻の煙でよ。あの葉巻無しでは彼らは生きていけないの。
\______ __________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ (´◇`;∬ < いったい、あれはどういう葉巻なの?
| | | (⊃⊂) \________________/
474 :
訂正:03/05/30 00:08 ID:AO7nRsYd
失敗!
>>471と
>>472の間に↓コレが入ります。
マコは眼鏡をはずして、マイスター・カオを物問いたげにながめました。
/ | | | |ヽ ・・・・・
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (` ∬∬
| | | 0―0ヽと)
時間の花を憶えているね?私はあの時言ったろう、人間1人1人がああいう
金の時間の殿堂を持っているって。でも人間がその中に灰色のヤマザキを
入り込ませてしまうと、奴らはそこから時間の花をどんどん奪うようになるの。
しかしそうやって人間の心からむしりとられた時間の花は、死ぬことができない。
かといって、生きていることもやはりできない。花はその繊維組織の一筋一筋
に至るまで全力をふりしぼって、自分の持ち主の人間のところに帰ろう
とするの。
\______ _________________________/
∨
/ | | | |ヽ ・・・・・
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
⊂) | (⊃ (` ∬∬ マコは息をのんで聞き入っていました。
| | | ( )
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
いい、マコ、悪い奴にもそれなりの秘密があるのよ。灰色のヤマザキ達が
盗んだ時間の花をどこに隠しているのか、それは私にもわからない。
わかっているのは、この花に自分たちの冷気を吹き付けて、ガラスの花の
ようにカチカチに凍らせているということだけ。きっとどこか地中深くに大きな
貯蔵庫があって、その中に凍らせた時間が全部しまってあるに違いないの。
その地下貯蔵庫から、灰色のヤマザキ達は絶えず時間を補給しているの。
時間の花を灰色に固くなるまで乾かして、それで小さな葉巻を作るのよ。
でもこの時花びらにはまだいくばくか命が残っている。だが生きた時間では
灰色のヤマザキ達の体には合わない。だから葉巻に火をつけてふかすの。
こうやって煙になってはじめて、時間は本当に死ぬの。そしてこういう死んだ
時間で、奴らは命をつないでいるのよ。
\______ ________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´Д`l|l∬ マコは立ち上がって叫びました。
| | | ⊂ ⊃
(__(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ああ!そんなにたくさんの死んだ時間が・・・・・
そうだよ、<どこにもない家>の上へ上へと伸びているこの煙の塀は、死んだ
時間からできているの。この黒い煙がすっぽりとこの家をつつんでしまったら、
私が送り出す時間には灰色のヤマザキ達の死んだいやらしい時間が少し
混じってしまうようになる。人間がそんな時間を受け取ったら病気になる、
それも死ぬほどひどい病気になるのよ。
\______ _________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´−`l|l∬
| | | ∪∪ )
(__(_)
マコは呆然とマイスター・カオを見つめて、低い声で聞きました。
それは、どういう病気なの?
\____ ______/
∨
ノノハベ
(´△`l|l∬
( )
(__(_)
はじめのうちは気がつかないけど、ある日急に、なにもする気がなくなってしまう。
この無気力は少しずつひどくなるの。気分はますます憂鬱になり、心の中はますます
からっぽになり、自分に対しても世の中に対しても、不満が募ってくる。そのうちに
そういう感情さえなくなって、およそ何も感じなくなってしまう。
なにもかも灰色で、どうでもよくなり、世の中はすっかり遠のいてしまって、自分には
何の関わりもないと思えてくる。怒ることもなければ感激することもなく、喜ぶこと
も悲しむこともできなくなり、笑うことも泣くことも忘れてしまう。そうなると心の中
は冷え切って、もう人も物もいっさい愛することができず、ネット上で人を叩いたり
傷つけたりすることしかでしか楽しみを見いだすことができなくなるの。
ここまでくると、もうこの病気は治る見込みがない。あとに戻ることはできないのよ。
うつろな灰色の顔をしてせかせかとパソコンをいじるばかりで、灰色のヤマザキと
そっくりになってしまう。そうだよ、こうなったら灰色のヤマザキそのものだよ。
この病気の名前はね、致死的モーヲタ症というのよ。
\______ ___________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ
| | |
マコの体を悪寒が走りました。
すると、もし全部の時間をそっくり奴らに渡さないと、人間はみんなそんなふうに
なってしまうの?
\_________ ______________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´ヘ`l|l∬
| | | ((((⊃⊂))))
(__(_)
∧
/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そうなの。その手で奴らは脅迫しようとしているんだよ。
マイスター・顔は立ち上がってむこうをむきました。
私は今まで、人間が自分の力でこの悪霊どもの手から逃れるようになるのを
待っていた。その気になればできたはずよ。奴らの生まれるのを助けたのは
人間自身なのだから。
しかし今となっては、もう待てない。何か手を打たなくてはいけない。けど、
私一人では無理。
\___ ___________________________/
∨
/ | | | |ヽ
(‘ 川川
/ ヽ ノノハベ
| (⊃⊂ (` ∬∬
| | ( )
ノ____ゝ ))) (__(_)
彼女はマコの方を向きました
お前が手伝ってくれる?
\___ ______/
∨ はい
/ | | | |ヽ \_ _/
(( 川 ‘〜‘)| ∨
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬
| | | ( )
ノ__.|__ゝ (__(_)
マコは息をのんで答えました。
私はお前を、計り知れないほどの危険の中に送り出さなければならない。
そしてマコ、いい?世界が永久に静止したままになってしまうか、それとも
再び生きて動き出せるようになるかは、お前次第ということになるのよ。
本当にやる勇気はある?
\____ _________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
⊂) | | (´◇` ∬ < はい
| | | ( ) \__/
ノ__.|__ゝ (__(_)
マコはもう一度答えましたが、今度はハッキリした答えでした。
そう、それなら私の言うことをようく聞くんだよ、これからはお前が頼りにできる
のはお前自身だけで、私は何もしてやれないのだからね。私ばかりではない、
ほかの誰も力を貸してやれないの。
\____ ___________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Y ∩ ノノハベ
| | | (` ∬∬
| | | ( )
マコはうなずいて、ありったけの注意力を集中してマイスター・カオを見つめました。
お前に教えておくけど、私は絶対に眠るということをしないの。私が眠ったりすれば、
その瞬間からあらゆる時間が止まってしまう。しかし、時間が無くなれば、灰色の
ヤマザキ達ももう誰からも時間を盗めなくなるわけよね。むろん彼らは大量の
時間を蓄えてあるから、しばらく生きていられる。けどこの蓄えが尽きてしまえば、
彼らは消滅してしまうほかない。
\______ __________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬ < でもそれなら、事はすごく簡単じゃないの!
| | | ⊂ ⊃ \_________________/
ところがそれが簡単じゃないのよね。時間が無くなってしまうと、私は二度と眠りから
さめることができなくなる。そうすれば世界は永久に静止したままよ。
けれどマコ、お前だけに時間の花を一輪渡しておくことは、私にはできる。
こうしておけば、世界中の時間がとまってしまっても、お前には1時間だけ時間が
あるのよ。
\______ ___________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´▽` ∬ < あたしがあなたを起こしてあげられるわ!
| | | ( ⊃ \_________________/
いや、それだけじゃ足りないの。わずか1時間では灰色のヤマザキたちはちゃんと
生きていられる。いい?お前の仕事は、もっと難しいのよ!
灰色のヤマザキ達が時間の止まったことに気付いたら、奴らはすぐ包囲を解いて
時間貯蔵庫にかけつけるでしょう。お前はそのあとをつけるの、マコ。そしてその
隠し場所がわかったら、今度は奴らが蓄えておいた時間を取り出せないように、
邪魔をしなくちゃならない。奴らは手持ちの葉巻が無くなれば、命もなくなるの。
しかしあともう一つ仕事が残っている。一番難しい仕事が。時間どろぼうが最後の
一人まで消えてしまったら、盗まれた時間を全部開放してやるの。この時間が
人間のところに帰っていってはじめて、世界は静止の状態から救われて、私自身
も眠りからさめることができるからなの。そしてこれだけのことを全部やるのに、
お前にはわずか1時間しかないのよ。
\______ ___________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ
| | |
マコは呆然としてマイスター・カオを見ました。こんな山ほどの困難と危険があろうとは、思いもよらな
かったのです。
それでもやってみてくれる?これが最後のたった1つの道。
\______ _________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)| ・・・・・
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ (゜〜゜;∬
| | | (⊃⊂)
マコは答えませんでした。こんなことがやりおおせようとは、どうしても思えません。
「ワタシモ イッショニユキマス!」
___
/* * * *\
< ────(●´ー`)
∪ ̄ ̄∪
と、突然ナチオペイアの背に文字が光りました。
488 :
包囲の中での決意:03/05/30 00:24 ID:Is7C/dMm
モー娘。防衛対策本部設置
守るべし
カメがいったいどんな力になれるでしょう!それでもほんの少し勇気がわきました。
やってみます。
\____ __/
∨
ノノハベ
(´◇` ∬
0 0
(__(_)
マコはきっぱりと言いました。
マイスター・カオはじっと彼女を見つめていましたが、やがてその顔に微笑が浮かびました。
お前が今考えているよりは、楽にできることも多いと思うよ。
お前は星の声を聞いたね。怖がってはいけないよ。
\______ _________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ ノノハベ
| | (⊃ (´◇` ∬
| | | (⊃⊂)
それから彼女はカメの方を向いて聞きました。
じゃあナチオペイア、お前もいっしょに行ってくれるんだね?
\________ ________________/
∨
/ | | | |ヽ
「モチロン!」 (‘〜‘ 川 ))
___ / Yヽ
/* * * *\ | | | ノノハベ
< ────(●´ー`) | | | (` ∬∬
∪ ̄ ̄∪ ノ__.|__ゝ ( )
「キヲツケテアゲルヒトガ ダレカニハヒツヨウデスモノ!」
___
/* * * *\
< ────(●´ー`)
∪ ̄ ̄∪
マイスター・カオとマコは笑って顔を見合わせました。
/ | | | |ヽ
川 ^〜^)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´▽` ∬
ナチオペイアも時間の花をもらえるの?
\________ ________/
∨
ナチオペイアはいらないのよ。時間の圏外で生きているのだからね。
自分の中に自分だけの時間を持っているの。
\______ _____________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´◇` ∬ < わかったわ。で、さっそくなにしたらいいの?
| | | ⊂ ⊃ \__________________/
急にマコははやく仕事にとりかかりたくなって言いました。
お別れの挨拶をしよう。
\___ ______/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ
⊂) | (⊃
| | |
ノ__.|__ゝ
マイスター・カオは答えました。マコはつばを飲み、それから低い声で聞きました。
すると、もう会えないの?
\____ _____/
∨
ノノハベ
(´−` ∬
(⊃⊂)
(__(_)
いつかまた会うこともあるだろうよ、マコ。お前の人生の1時間1時間が、私の
お前への挨拶だよ。私はいつまでも友達だものね、そうでしょう?
\______ __________________________/
∨
/ | | | |ヽ
川 ‘〜‘)|
/ Yヽ ノノハベ
| | | (´〜` ∬ < ええ
| | | ( ) \__/
・・・私はもう行くよ。あとをついて来ちゃダメ。私の眠りは普通の眠りとは違うし、
お前がそばにいないほうがいいの。
あとひとつ、私がいなくなったら、すぐに入口をふたつとも開けなさい。時間が
止まってしまうと、なにもかも静止したままになって、扉もどんな力を入れても
動かせなくなるからね。わかったね、マコ?
\_____________ ____________________/
∨
はい。でも、時間が止まったかどうか、
どうやって知るの?
\__________ ____/ / | | | |ヽ
∨ |(‘〜‘川
〆〃ハ / Y ヽ
∬ ´◇`) | | |
( ) .| | |
(_)__) ノ_|__ゝ
心配しなくいいの。そうなればわかることだからね。
\_____________ _______/
∨
/ | | | |ヽ
|(^〜^川
〆〃ハ((⊂ Y ヽ
∬*´▽`) | | |
マイスター・カオは、そっとマコのもつれた黒髪をなでました。
ごきげんよう、かわいいマコ。私の言うことにもよく耳を傾けてくれて、
とっても嬉しかったよ。
\_____________ _______________/
∨
あなたのことを、みんなに話してあげるわ
──いつかまた。
\___________ ____// | | | |ヽ
∨ |(‘〜‘川
〆〃ハ / Y ヽ
∬ ´▽`) | | |
(⊃⊂) | | |
(_)__) ノ_|__ゝ
と、マコは答えました。
すると突然にマイスター・カオは想像を絶するような老人に変わりました。いつかマコと会った時のように。
! / | | | |ヽ
|(´ * ` 川
〆〃ハ / Y ヽ
∬ ゜◇゜) | | |
( ) | | |
(_)__) .ノ_|__ゝ
彼女はうしろをむくと、小部屋を急ぎ足で出てゆきました。足音は次第に遠ざかり、やがて、たくさんの
時計の音と区別がつかなくなりました。
/ | | | |ヽ
川川 ´ *)
〆〃ハ / Yヽ
∬∬ ´) | | |
( ) | | |
(_)__) (( ノ__.|__ゝ
マコはナチオペイアをぎゅっと抱きしめました。最大の冒険がもう始まったのです。あともどりはできません。
・・・・・
___ ノノハベ
/* * * *\ (´−` ∬
< ────(●´ー`⊂ __)
∪ ̄ ̄∪ (___J
(つづく)
次章、セミファイナル
ドキドキ
マコがんばれマコ
501 :
名無し募集中。。。:03/05/30 12:30 ID:JZaZ4RCp
小川ネタなんかいらん 荒されろ
次回が楽しみですね。
∋oノハヽo∈
川o・-・) ワクワク
( ∪ ∪
と__)__)
アフォは気にせず、マターリ行きましょう。
暮秋中タンガバテー
503 :
∬´∀`∬:03/05/31 12:45 ID:ueVYwwRJ
..⌒ヽ ' ⌒ヽ /.|:::::::::::|
乂乂|| |乂乂|| | |:::::::::::|
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乂乂|| |乂乂|| ___|_|:::::::::::|____
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 ̄ ̄  ̄ ̄ i |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
_____ .|/ ̄ ̄ ̄../|:::::::::::| ̄ ̄ ̄/
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||L L | L L || | |:::::::::::|
||L L | L L ||_________ .| |:::::::::::|
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二二二二二二ヽ iヽ二二二二二二二二i |:::::::::::|
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ 〆〃ハハ______| |:::::::::::|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|......∬∬´△`).______| |:::::::::::|__
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | / (S)::::::i\ ....| |:::::::::::| \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .\ ....\|:::::::::::| \
____/|____ .| .\  ̄ ̄
/
| 容量が足りますように・・・
\_______________
感想スレ落ちた・・・
次スレ決まらないと安心できない
あ、落ちた。
∬ ´◇`)<よって、過去ログは緊急保存庫を参照ください
ここの容量は多分ギリギリですね>(・-・o川
川’ー’)<次スレ探したほうがいいんやって〜
3人とも容量ムダ使いしちゃダメニイ>(・e・;)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,__ | 早く次スレが見つかりますように…
/ ./\ \_________________
/ ./( ・ ).\ o〇 ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ .( ‘д‘) \ ノハミヾ |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄ (,,∬∬∬ ナムナム |;;;;::iii|
|| || || ||./,,, |ゝ iii~ ⊂ ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
| ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .( ,,)〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
最後の最後、ギリギリまでこのスレを使いますんで、省エネにご協力頂けると幸いです。
>>509 おありがとうござい
えと、次スレの目処がつきそうです。基本的には一応このスレ内で完結するよう
全力を尽くすつもりですが、極端な無理(徹底的な簡略化とか)はしないつもりです。
また、次スレの目処がついたことにより、省エネも必須事項ではなくなりました。
なので、お気軽になんでもお書き込みください。ちょうど前スレも落ちたことですし。
念のため、次スレ候補書いておきます。有事の際にはここに行く予定。
【見切り情報】 小川も卒業 【矢口ポロリ】
511 :
予備人:03/06/04 03:27 ID:ZwpFaMFc
ありがとうございます。
1ヶ月以内に確実にケリをつけるつもりなので、どうしようか思案中です。
タイトル的に「大変です!」スレがここと微妙にかみあってていいですねー。>(´▽` ∬
次章、「追手を追う」完成度80%
「大変です!」って、うんこ逆流スレだよね?
ま、いいんだけどさ
まず最初にマコは、小さな内側のドアを開けに行きました。
____
|| |
|| |
|| ..◎|
|| |⊃
|| |_) ))
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
それから、外の緑色の金属の大扉を開きました。
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ .│ . ┃
┃ ┏━━━━ │ ┏━━━━ ┃
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┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ノノハベ .┃
┃ ┃ . │(´;∬∬ .┃
┃ .│ ⊂ ) ..┃
┸───────┴─ (_)__).───┸──────
それがすむと彼女は時計の広間にかけもどり、ナチオペイアを腕に抱いて、次に起こることを待ちました。
___ ノノハベ
/* * * *\ (´◇` ∬
< ────(●´ー`⊂ __)
∪ ̄ ̄∪ (___J
すぐそれは起こりました!
突然、ぐらぐらっと揺れたのです。でも部屋が揺れたのではなく、時間が揺れた、言うなれば「時震」です。
!
ノノハヽヽヽ
∬∬ ´´ ``))
⊂⊂ ⊃⊃
(_(_)_)__)_)
やがて全てはおさまりました。
その瞬間、それまで様々な音で時を刻んでいた無数の時計が、ぴたりと鳴りをしずめました。
振り子はちょうど振り上がった位置のままで止まりました。なにひとつ動きません。
・・・・・・・・・・・
|
|
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|...┌─┐ ┌──┐
| /\ | | ..| ┗..| | 8:42 .|
| | ┛ | .| 〈┗〉 [┏] (┛) {┛} | └─┘ └──┘
| | | | ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| | | | ┏ | | |
| | | | | | 【┏】 (┓) 《┗》 [┛] .|
| | | | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.〆〃ハ
∬∬; ´)
時間が止まったのです。
マコがふと気付くと、見事に美しい大きな時間の花を手に持っていました。
どうやってこの花が自分の手にすべりこんだものか、全然わかりません。
!?
ノノハベ
(゜◇゜ ∬
★>⊂ ⊃
(__(_)
用心深くマコは一足前に出てみました。本当にいつもと変わらず楽に動けます。
ノノハベ
(´◇`;∬ ソロ〜リ
★>⊂ ⊃
(_)ヽ__) ))
マコは椅子に腰掛けてみましたが、椅子のつめものはまるで大理石のように硬くなっていて、押しても
凹みません。
アイタ!
__ノノハベ
| (´◇゜ ∬|
| ⊂ ⊃ | ─☆
/ ̄( ( / /||
|| ̄ ̄ ̄ ̄||
チョコレートの入った茶碗は、いくら力を入れてももう持ち上がりません。
〜〜〜〜!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
\ 〆〃ハ
□D⊂∬;´ヘ`)
⊂⊃ ⊂ )
∋─ \
━─
どんな小さなものでも、時間の無くなった今は、もう動かせないのです。
ナチオペイアが手足をバタバタさせたのでマコはそっちに目を移しました。
〆〃ハ 「ジカンヲ ムダニシテル!」
∩;´◇`) ___
( ) /* * * *\
(__(_) (`−´●)──── >
∪ ̄ ̄∪
と甲羅に書いてあります。
そうです、大変です!マコは立ち上がりました。
〆〃ハ
∬ ´◇`)
★>⊂ )
(( し(_)
広間を駆け抜け、小さいドアをくぐり、廊下を突っ走って大扉の隅から外を覗くなり、
ぎょっとして飛びずさりました。
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ .│ . ┃
┃ ┏━━━━ │ ┏━━━━ ┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃ !!!
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃ ノノハベ
┃ ┃ . │ ┃ .┃ ≡(◇゜; ∬
┃ .│ . ┃ ≡ ⊂⊂ )
┸───────┴───────┸ ≡ (__(_)
時間どろぼう達はぜんぜん逃げないのです!
それどころか、今では逆向きに流れる時間も止まってしまった<さかさま小路>を<どこにもない家>
に向かってやってくるではありませんか!
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ー) ( ー) ( ー) ( ー)
( ) ( ) ( ) ( )
人 Y 人 Y 人 Y 人 Y
(( し'(_) し'(_) し'(_) し'(_)
マコは広間に駆け戻って、ナチオペイアを抱いたまま、大きな置き時計のうしろに隠れました。
|
|
|
|
|
はじめっから、困ったことになっちゃったわ。 ..|
\__________ _______/ .....|
∨ .─┘
___ 〆〃ハ
/* * * *\ ∬l|l´△`)
< ────(●´ー`⊂ __)
∪ ̄ ̄∪ (___J
すぐ外の廊下に灰色のヤマザキ達の足音が聞こえだしました。彼らはあたりを見回しています。
たいしたものだ!
\____ ___/
∨
ここが我々の新しい住処になるわけだな。
\______ _________/ マコが扉を開けて、我々を入れてくれたんだぞ。
∨ \_____ ______________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ー) ( ー) ( ー ) (ー )
( つと) ( ) ⊂ ⊃ ⊂ )
| | | | | | | | | | | |
(_)__) (_)__) (__(_) (__(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
なかなか物わかりのいい子だよ。どうやってあのばあさんをまるめこんだのか、
ぜひとも知りたいものだね。
灰色の男たちはキョロキョロあたりを探しましたが、その時突然、男の1人が言い出しました。
どうもおかしいぞ、諸君! 時計だ!時計をよく見てみろ!
みんな止まっている。ここの砂時計まで。
\_________ _____________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ; −)∩ ( へ )
( ) ⊂ ⊃
| | | 人 Y
(_)__) (( し'(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
あいつが止めたんだ
と別の声があまり自信なさそうに言いました。
砂時計が止められるものか!見たまえ、落ちかかった砂が宙に浮いたままで
止まっている!いったいどういうことだ?
\___________ ___________________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ; −) ( へ )
( つと) ⊂ )
| | | | | |
(_)__) (__(_)
__
(::::::)
):(
(..:...)
 ̄ ̄
その男がまだしゃべっているうちに、廊下を走ってくる足音がしたかとおもうと、また新たな灰色の
ヤマザキが興奮して腕を振り回しながら大声で叫びました。
たった今町から知らせが来た。自動車が動かない。何一つ動かない。時間が
止まっちゃたんだ。補給はすっかり途絶えたんだ!もう時間は無い!
カオが止めてしまったんだ!
\______ _________________________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
(l|l Д) Σ(△ ) Σ(△ )
≡⊂ ⊃ ( ) ( )
人 Y | | | | | |
≡ し'(_) (__(_) (__(_)
一瞬、死のような静けさがあたりを圧しました。やがて、ひとりが尋ねました。
なんだって?補給が途絶えた?
だがそれじゃあ、今持っている葉巻が無くなったら、我々はどうなる?
\_____________ _______________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
(; −) (д l|l) (ヘ l|l)
( ) ⊂ ⊃ (つと )
| | | | | | | | |
(_)__) (__(_) (__(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
そんなことはわかってるじゃないか!恐ろしい破滅だぞ、諸君!
急に大混乱となって、みんなは口々にわめきたてました。
──カオは我々を滅ぼす気だぞ──
──直ちに包囲解除だ!──
──時間貯蔵庫にかけつけよう!──
──車なしで?それじゃ間に合わない──
──私の葉巻はあと27分しかもたない!──
──俺のは48分だ!──
──そんならこっちによこせ!──
──気でも狂ったか?──
──我が身を救うのが第一だ!──
\_________________________________________/
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
( ヘ) (; △ ) ( 皿 ) (; 〜 )( −) ( д ;)
( ) ( ⊃⊃ 0 0 ( ) ( ) (⊃⊂)
みんなはいっせいに小さなドアに駆け寄って外に出ようとしました。
混乱状態に陥った彼らは互いに殴り合い、押し合い、引っ張りあって、ドアの前のもみ合いはひどくなる
一方です。誰もが我がちに逃げようとし、自分の灰色の命を救おうと必死です。
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃┃ ⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃ 〆⌒ヽ ⊂ニニ⊃ 〆⌒ヽ ⊂ニニ⊃
( 皿)∩ (△ l|l) (; д) (へ ) ( Д)≡⊃)△)∴ 〆⌒ヽ
(つ ) ⊂⊂ ) ( >⊂ ) (つ ) ⊂⊂ ) ⊂(д )⊃
互いの帽子をたたき落とし、とっくみあい、相手の口から小さい葉巻ひったくります。
葉巻を取られたほうは急に力が抜けたようになって、両手を前に突きだし、顔に哀れっぽい、怯えきった
表情を浮かべて、あれよあれよという間にその体が透明になり、ついには消えてしまいます。
・・・・・・!
/⌒ヽ,
⊂ニニ:::...
(Д l|::...
⊂⊂ ::::::...
Y :::...
(_::::::...
最後には、広間にはたった3人の男を残すばかりになりました。彼らはやっと順番にドアをくぐり出て、
逃げてゆきました。
マコは片手にカメを抱き、もう一方の手に時間の花を握って、あとを追いました。灰色のヤマザキ達を
見失わないようにすることに、今全てがかかっています。
〆〃ハ
∬ ´◇`)
(´ー`●)∪) )⊃<★
(( し(_)
大扉の外に出てみると、時間どろぼう達はもう<さかさま小路>にさしかかっています。
ところが、<どこにもない家>から走り出てきた仲間を見ると、彼らも浮き足だっていっしょに逃げだし
ました。瞬く間に、包囲の全軍が算を乱して退却しはじめました。
/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
(ヘ ) (へ ) ノノハベ
⊂( ⊃ ( ) (´◇`;∬
Y 人 Y 人 (つ
(_)ヽ__) (_)ヽ__) ))
列のしんがりから適当な距離をおいて、マコはあとをつけました。
こうして大都会の中を、あべこべの追跡がはじまりました。灰色のヤマザキ達が逃げ、片手に花を
持った小さな女の子がそのあとをつけるという追跡です。
けれど町の様子ときたら、なんて奇妙なんでしょう!
男、女、子供、犬、猫、ありとあらゆるものが、ピンと硬直しています。
| | | | | | | | | | | |
(_)__) (_)__) (__(_) (__(_)
ノハヽヽ ノハヽヽ
川 ー ) ノハヽヽ ( へ)
( ) (▽ ) ∪ )
人 Y ( ) | | | ・・・・・
し'(_) (__(_) (_)__)
,-ー- 、 ノノハベ
____(_ソ・ エ・) (`;∬∬
τ/´ 〈 ∪ )
(_, ーーーー、)、) (_)__)
ハトの群れが、広場の上で宙に浮かんだままじっとしています。そのはるか上には、まるで空に
描き込んだように飛行機が高く止まっています。
_____/~7
ノコ ooooooo ̄/
(|__┌──、_ノ
`ー─\ \
~ ̄ ̄
.へ ヘ
彡〜 〜ミ .へ ヘ
彡〜 〜ミ
.へ ヘ
彡〜 〜ミ
∬ ´⌒`)
(´ー`●)∪) ∪
(_)__)
写真のように生気のないこの町を、灰色のヤマザキ達は走りに走りました。そのあとをマコが、
気付かれないように用心しながら追いかけます。でも彼らはどのみち、ほかのことに気を配る余裕なぞ
ありません。走るのが大変になり、つらくなってきたからです。
息が切れ、胸が苦しくなります。しかも小さな葉巻は、なくしたら最後命がなくなるのですから、片時も
口から離せません。走っている最中にうっかり葉巻を落とした者は、地面から拾い上げる暇もなく、
透明になって消えてしまいました。
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃
Σ(l|l △ ) )
( ) (
Y 人 ヽ )
(_)ヽ__) Y⌒ ━
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃
(; д)
( ⊃⊃ (
...:::| | )
...::::::__) ━
...:::::ヽ,
...::::::: ⊃
...::::: Д)
...:::::::::⊃
...:::::::::
...:::::: ━~
けれど逃走を辛くしたのは、こういう外的な困難ばかりではありません。自分達自身の仲間に襲われる
危険の方も、ますます大きくなってきました。彼らは自分の葉巻が燃え尽きてしまうと、絶望にかられて
仲間の口から葉巻を口から葉巻をひったくったのです。
ですから、彼らの人数は少しずつながらも、確実に減っていきました。
〆⌒ヽ ┃ 〆⌒ヽ
( ; △) 彡∩(皿 ;)
( つつ ( )
あちこちで凄まじい殴り合いが起こりました。葉巻が2、3本道路のコロコロ転がって、とっくみあって
いる連中の足に踏み潰されました。この世から消えてなくなるという不安で、灰色のヤマザキ達の
思慮分別はすっかり消し飛んでしまったのです。
| | | //> > | | | < < \\
(_)__) (_) (_) (__(_) (_) (_) ヽ ヽ
━⌒Y ━ ━ Y⌒┃ Y⌒Y⌒━
┃))) (((┃
町の中心部深く入り込むにつれて、もう1つ厄介なことが加わりました。
ものすごい人の群でいっぱいの場所が多くなって、灰色のヤマザキ達は密林のような人間の間を
通り抜けるのに、大変な苦労をしました。痩せて小さな体のマコには、もちろんずっと楽です。
もうずいぶん長い間走りましたが、まだあとどれくらい続くのか、マコには見当もつきません。
不安になって時間の花に目をやりました。けれど花は今谷と開ききったところです。これならまだ
心配しなくていいようです。
ノノハベ
(´◇` ∬
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
ところがその時、マコに一瞬ほかのことを忘れさせてしまうようなことが起きました。
ある脇道に、道路掃除のアサミを見つけたのです!
アサミ!
\__ __/
__ ∨
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 Σ(゜◇゜ ∬
/と ) ⊂ ⊃
mm (_)ヽ_) (__(_)
とマコは叫んで、うれしさに我を忘れてかけよりました。
アサミ、町中探し回ったのよ!いったいどこにいたの?
どうしてあたしのとこに来てくれなかったの?ああ、アサミ、大好きなアサミ!
\_____________ _________________/
__ ∨
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 (´▽` ∬ ≡
/と ) ⊂⊂ )
mm (_)ヽ_) (_)ヽ_) ≡
彼女は飛びつこうとしましたが、アサミはまるで鉄でできているようで、彼女の体はガチンと跳ね返されて
あっちこっち痛くなりました。
ガチン ☆
__ /
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 (´ ∬∬ イタ!
/と ) (( ⊂ )
mm (_)ヽ_) (_(_)
マコの目から涙があふれました。彼女はしゃくりあげながらそこに立ちつくし、彼女をまじまじと眺めました。
__
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 (;´へ`;∬ ・・・・・
/と ) ( ∪
mm (_)ヽ_) (__(_)
彼女の小柄な体は、前よりもっと小さく見えます。その優しい顔はげっそり痩せて、青ざめています。
やっとのことでマコはアサミに巡り会いました。でも自分がここにいることに気付いてもらえないような
有様では、それが何になるでしょう。そしてもしかすると、これが彼女と会う最後になるかもしれない
のです。
腕の中のカメが手足をバタバタさせました。
〆〃ハ 「イソイデ!」
∬ ´◇`)
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
と甲羅に書いてあります。
マコは慌てて大通りに戻ってみて、ぎょっとしました。
時間どろぼうは一人もいません!マコはさっき灰色のヤマザキ達は逃げていった方角に、少し走って
みました。でもやはり見つかりません。
彼らを見失ってしまったのです!
! !
ノノハベ〆〃ハ
(゜◇゜ ≡ ゜◇゜)
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
呆然と彼女は立ちつくしました。どうしたらいいのでしょう?彼女は問いかけるようにナチオペイアを
見ました。
〆〃ハ 「ミツカリマス サキヘススンデ!」
∬;´◇`)
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
と、カメの助言が光りました。
ナチオペイアが予言しているのですから、見つかることは見つかるのでしょう。そこでマコは、ある時は
左へ、ある時は右へ、ある時はまっすぐ、足のむくままに走りました。
ノノハベ 〆〃ハ
(´◇` ∬ ∬ ´◇`)
★>⊂( (∪(●´ー`) (´ー`●)∪) )⊃<★
(_)ヽ_) )) (( し(_)
〆〃ハ
∬ ´◇`)っ<★
( つ(●´ー`)
| (⌒)
し'
そうしているうちに、大都会の北のはずれに出ました。見渡す限り同じ形の建物とまっすぐな道路が
続いている新住宅街です。マコは走り続けましたが、どの建物も寸分違わず同じなので、しばらくする
うちに、ちっとも先に進んでいないような気がしてきました。
 ̄ ̄|_____、 _____| ̄ ̄ ̄ ̄
田 | | | l l l l | | | 田 田
|田 | | | l l | | | 田|
田 | | | | l . .. ... .. ... . ... ... . ... . l | | | | 田 田
|田 | | l‐ ..... .... ..... -| | | 田|
田 | | ― .... .... ..... ― | | 田 田
| .... 一 .... ... .... ー- |
―  ̄  ̄ ― -
〆〃ハ
∬l|l ´)
マコはもう少しで勇気がくじけてしまいそうになった時、不意に最後の灰色のヤマザキが角を曲がる
ところを見つけました。
| |
| /〆⌒|
| / ( .|
| / ( .|
| / 人 |
_______________________|/ (( し'(_ |______
〆〃ハ
Σ∬∬´◇)
`●)∪) )⊃<★
(_)__)
マコがあとをつけていくと、果てしなく続く建物の列の中に、ぽつんとそこだけ建物の無い場所に
出ました。そのかわりに高い板塀が、ぐるりおとその建設現場らしい一角を囲んで立っています。
その板塀に少し開いたままになっている戸口があって、その中に灰色のヤマザキの最後の落伍者は
するりと姿を消しました。
戸口の上には掲示がはってあります。マコは立ち止まってそれを読みました。
┌──────────┐
│ − 注 意 − │
│ │
│ 極めて危険につき │
│  ̄ ̄ │
│ 許可のない者は │
│ │
│ 立入り厳禁 │
│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
└──────────┘
(つづく)
次章、最終回+α。一気に。
容量は・・・ホントに微妙。サイズと相談しながら考えます。
参考:今回分25KB→今回の倍程度ならOK
よっしゃガムバレ
なるべくスレタイに「小川」を入れたいと思って検索すると・・・
・・・大変なことになります ∬l|l´△`)
>>549 検索してみました・・・
・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)
(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・。(ノД`)・゚・。 。・゚・
・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)
(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。 。・゚・。(ノД`)・゚・。 。・゚・
551 :
名無し募集中。。。:03/06/07 06:54 ID:8S9cmrKt
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/⌒\ /⌒\ ./⌒\ /⌒\ / \ ヽ |
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| | | | | | | | / \ ヽ |
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556 :
:03/06/08 23:11 ID:DKWzVP7D
次スレで更新中だ!
期待sage
どくどく、わきわき。
リアルタイムの更新を見るってなんかへんな感じだよね
しかしあれだけの大作となると連続投稿規制も大変だろうね。
ヽ∬´◇`∬ノ オツカレー
終わったね
あとがきも凝ってるね。元ネタもあんな感じだった気がする、
お、スタッフロールもなんかよさげ(←えらそう)
インフェルノ・エンプレスも頑張るなぁw
誤爆までしてるけどw
更新終了・・・・・なのかな?
565 :
:03/06/09 00:53 ID:6CJmpqE5
モツ━川‘〜‘)●´ー`)`.∀´)^◇^)^▽^)O^〜^)´D`)‘д‘)’ー’川・-・)´▽`∬ё)━ !!!!!
終わったみたいですね。
いつも更新楽しみにしていました。本当にお疲れ様でした。
えと、終わりましたです。
( ´D`)<すきにかきこんでくらしゃい
全作品完璧に保存しました
まとめて読みます!
>>567 乙。
倉庫もまとめてくれると嬉しいです。
( ;`.∀´)<あのう・・・
571 :
:03/06/09 02:02 ID:9/cQ5qGj
今amazonでモモを注文しました。
原作を読んでみたくなったんですが、募秋中さんの作品が
終わるまで待っておこうと思ってますた。
というわけで、心置きなく読めまつ。
でも、漏れの中では『マコ』なんですけどねw
どっちに書き込めばいいのかな・・・ (´◇` ≡ ´◇`)
しばらくはのんびりとhtml化の続きでもして暮らそうかな、と。
最終的にはカラー化したりすると面白いかもしんない、とか。
あんまり大風呂敷広げると「ナガノ」って言われますよ>(・-・o川
>>571 基本的に「まんま」です。申し訳ないやらなにやら・・・
そう言えば、ヘーケ氏の原作版フージー氏は42歳。ところがみっちゃんを42歳設定にする
のはさすがに可哀想なんで、24歳で再計算しました。あの例のインチキ計算は、実は全部
再計算した数字なんです。意外と大変だったなあと思い出しました。
暮秋中タン乙!!
原作読みたくなっちゃったよ。
次回楽しみに待ってます
| \ハハ
|´◇`) ダレモイナイ・・オドルナラ イマノウチ
|⊂
|
♪
♪ ハハハ ランタ タン
ヽ(´◇`;∬ノ ランタ タン
( へ) ランタ ランタ
く タン
♪
♪〆〃ハハ ランタ ランタ
ヽ∬;´▽`)ノ ランタ タン
(へ ) ランタ タンタ
> タン
♪
♪ ハハハ ランタ タン
ヽ(´◇`;∬ノ ランタ タン
( へ) ランタ ランタ
く タン
♪
♪〆〃ハハ ランタ ランタ
ヽ∬;´▽`)ノ ランタ タン
(へ ) ランタ タンタ
> タン
♪
♪ ハハハ ランタ タン
ヽ(´◇`;∬ノ ランタ タン
( へ) ランタ ランタ
く タン
♪
♪〆〃ハハ ランタ ランタ
ヽ∬;´▽`)ノ ランタ タン
(へ ) ランタ タンタ
> タン
♪
♪ ハハハ ランタ タン
ヽ(´◇`;∬ノ ランタ タン
( へ) ランタ ランタ
く タン
♪
♪〆〃ハハ ランタ ランタ
ヽ∬;´▽`)ノ ランタ タン
(へ ) ランタ タンタ
> タン
D`)
ノハハベ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(´▽`∬∬<あー、つかれた
( U )) \________
(__)\ノ
欠番って何?
無くてもストーリーに影響ないのでカット
\ 梅雨だ! /
 ̄ ̄∨ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
ヌメー /∬´▽`) /∬´▽`) /∬´▽`) /∬´▽`) /∬´▽`)
...../____ノ ...../____ノ ...../____ノ ...../____ノ ...../____ノ
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(´▽`∬ヽ (´▽`∬ヽ (´▽`∬ヽ (´▽`∬ヽ (´▽`∬ヽ ヌメー
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∬´▽`∬< ピーマコです♪
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586 :
名無し募集中。。。:03/06/15 21:22 ID:ArkK1Vzq
||| || グチャ
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| コソーリ…
|ハハ
|´▽`) ダレモイナイ…コリコリスルナラ イマノウチ…
|とノ
|
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| 〆〃ハハ
| ∬∬#´◇`) アッ…アハーン…
| (( つ) (と)) コリコリコリコリ
| (_)_)
| サッ
|彡
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〆ノハミ
∬´▽`) ))
/つ( ̄`ヽO_ノ⌒ヽ さてと、そろそろ寝るか
ノ ) \ ))
(__丿\ヽ :: ノ:::: )
丿 ,:' ))
(( (___,,.;:-−''"´``'‐'
〆ノハミ おやすみなさい
∬´▽`)
/ _ノ⌒⌒⌒`〜、_
( ̄⊂人 //⌒ ノ ヽ)
⊂ニニニニニニニニニニニニニニ⊃
このまま余計なレスはつけずに・・きれいに落とした方がいいんかな?
保存もだいじょうぶみたいだし
まあ、如何様にも。どのみちあと1月の命。
592 :
名無し募集中。。。:
太陽神 ラー