ジョジョ系の小説を書こうと思っています。
以前、ここでバトロワものを書いていたのですが
プロキシ規制で書き込めなくなってしまいました。
その規制がどうやら消えたようなので戻ってきました。
どうかよろしくお願いします。
1000げっと
10月1日・・・・。その日は朝から雨だった。それもかなりの大雨。タクシー内のラジオが大雨洪水警報の発令を告げた。
後藤真希はそのラジオをボーッと聞きながら窓の外を眺めていた。
いつもは人通りの多いこの道も今は誰も歩いてない。道沿いの店もほとんどがシャッターをおろしていた。
そんな景色も信号が青に変わると共に後ろへ流れていく。
後藤真希の携帯につんく♂からメールが届いたのは今朝の9時ごろ。
そのメールをもう一回読み返してみる。「突然で悪いが今日の4時にいつものレコーディングスタジオにきてくれ。」
たったそれだけ。他のことは何も書いてない。折角のオフだったのに・・・
卒業してからもろもろの仕事を片付けて、やっともらえた休み。それを潰された後藤は内心怒っていた。
「お客さん。着きましたよ。」その運転手の声と同時にタクシーは止まった。レコスタから少し離れた信号前だった。
「4300円になります。」後藤は5000円札を運転手に渡すとおつりを受け取らずタクシーを降りた。
ザアーーーーッ。頭上から容赦無く強い雨が降り注ぐ。どうせ停めるなら目の前に停めてよ・・・。
後藤は頭を鞄で隠すと急いで点滅する信号を渡った。
スレは動き出す!
時間は3時50分。何とか間に合った。受付の人に軽く頭をさげるとさっさとエレベーターで3階に向かう。
ここがいつも使っているスタジオだ。とりあえず・・・待合室にでも行こうか。
待合室のドアの向こうから何か話し声が聞こえてきた。それも聞き覚えのある声・・・。
ガチャッ。ドアを開くとそこには娘。のメンバーがいた。
ただし、全員では無い。「カオリ・・・梨華ちゃん・・・矢口さん・・。」そこにいたのは3人だけだった。
「あっ!ごっちんだ!」「後藤も呼び出されたの?」後藤はコクンと頷いた。
「一体何の用なんだろうね〜。」「まさか新ユニットとか?」「でもついこの間変えたばっかですよ?」
どうやら皆自分と同じようなメールが届いたらしい。そんな会話を続けている内に、約束の4時になった。
待合室のドアがノックされ、つんく♂が入ってきた。
「おっ、全員揃ってるな。こんな日に呼び出して悪かった。代休は必ず取るから我慢してくれや。」
「つんく♂さん。今日は一体何の用なんですか?」「それは・・・今から会議室に移動する。そこで説明するわ。」
4人は会議室に着くと長机の前に座らされた。つんく♂は何やらビデオデッキの準備をしていた。
そして準備が出来るとそれを机の上に置き、ビデオの電源をいれた。
ビデオに録画されていたもの・・・それは超能力特集の番組だった。どうやら2・3年前のものらしい。
テレビには沢山の観客。その中心にはアナウンサーとグラサンの女性が映っている。
アナが隣りの女性の紹介を始めた。「こちらは超能力者のミス・ヘリックさんです。」
(画面に【ミス・ヘリック】と字幕が現れた。)
「今日は!何と!ヘリックさんが超能力でこの辞書を宙に浮かせてくれるというコトです!」
アナが興奮した口調でまくしたてる。その手には厚い辞書があった。そして、辞書がヘリックの目の前の机に置かれた。
するとヘリックは手を組み合わせ何やら唱え始めた。静まる会場内。そして、次の瞬間・・・
辞書がフワリと宙に浮いた。もちろん誰も手を触れていない。ただ自然に浮き上がったという感じだった。
観客から巻き起こる拍手と歓声。「みなさん!ご覧頂けたでしょうか!これが超能力です!超能力は本当にあったのです!!」
アナもさらに興奮した口調でリポートする。テープはここで切れていた。
「・・・・どうや?」つんく♂は停止ボタンを押すと5人の方へ向き直った。
・どうや?って言われても・・・・どうコメントすればいいんだろう・・・。(石川)
・どうせ何か仕掛けてあるんでしょ?(矢口)
・とりあえず何かコメントしなきゃ・・・(飯田)
・まさかこんな下らないのを見せるために私のオフを潰したの?(後藤)
「スゴイと・・・思います。」飯田がとりあえずのコメントをする。
しかし、「違う!!違うねん!お前らならもう見えるはずや!!」つんく♂はビデオを少し巻き戻すと再生ボタンを押した。
再びヘリックが辞書を持ち上げるシーンが映し出される。「ここや!ここを良く見ろ!!感覚の目でよ〜く見るんや!!」
・・・・・・。すると4人がほぼ同時に声をあげた。「えっ!?」
「何?今の?」「カオリにも見えた?」「幻?」「すごい・・・」
4人の目に見えたもの・・・それはヘリックの体から放たれた1つの影。その影が辞書を持ち上げたのだ。
さっきまでは全く見えなかったその影。「つんく♂さん・・・これって・・・何なんですか?」
「見えたか・・・気づいたか・・・。これがスタンドだ!!」
「スタンド・・・・って何ですか?」「今日、特別に講師を呼んである。その人に聞いてくれ。そんじゃお願いします。」
つんく♂と飯田・石川・矢口・後藤の5人しかいなかった会議室にいつの間にか6人目がいた。
その6人目の正体・・・・それは平家みちよだった。
「あっ・・・。平家さんだ。講師ってまさか・・・」つんく♂は軽く頷いた。
平家は正面に設置されたホワイトボートの側に立つと口を開いた。
「え〜と。まず、スタンドについて説明しますね。」
平家はホワイトボートに何やら書き出した。そしてこっちを振り向くと「メモしといてね。」と言った。
何か学校みたい・・・と思いつつも4人は手帳のフリースペースにホワイトボートに書かれたコトを写していく。
<平家のスタンド講座( `◇´)>
・スタンドとは? 生命エネルギーが具現化し、明確な姿、能力をもって発現したもの。
また、スタンドは所有者の戦闘本能や精神力の強さと結びつき、
戦闘を好まない者に発現するとその人間に害をなすコトもある。
・どうやったらスタンドが使えるの? これは才能。才能の無い人はスタンド使いにはなれない。
スタンド使いから見れば素質の有る人と無い人がすぐ分かる。
ただ、スタンド使いにも色々いて、子供の時から使える人や
ある障害を乗り越え、精神的に成長した時、発現する人もいる。
・今すぐ使うには? 少し手荒くなるが実際スタンド使いと戦い、怒りや悲しみなど強い感情
とともに強引に発現させる方法がある。また、今では闇の中だが昔、
スタンドを目覚めさせる不思議なアイテムがあったようだ。
「ま、こんなとこやな。質問ある?」「その・・・・まだ良く分かんないけどそのスタンドってのは・・・私達にも使えるの?」
飯田の疑問。それは恐らく4人全員の疑問だろう。
「あのビデオでちゃんと影が見えたんやろ?なら素質はある。そもそも芸能界に来る奴って結構、素質のある奴が多いねんで。
あんた達モー娘。とか・・・・私も含めて。」
「え!?ミッチャンはスタンドが使えるの?」今度は矢口だ。
「もちろん。ミスヘリックってのはうちのコトやからな。」
そういうと平家は両手組み合わせお椀の形を作った。そこから茶色い粘土が浮かび上がる。
「あんたら・・・この粘土が見える?見えるんだったら合格よ。なんせこれがうちのスタンドやからね。」
その粘土はポトリと床に落ちた。その瞬間、握り拳程の粘土がみるみるうちに巨大化していく。
そして粘土は180cmくらいの人型に変形した。
「今からこの粘土人間と戦ってもらうで。ホワイトボートにも書いたやろ。実際スタンド使いと戦うコト・・・って。」
粘土人間はまだ椅子に座ったまま呆然としている4人を睨んだ。「ホラ。早く逃げないと・・・危ないで〜。」
「ウウッ・・!!」猟犬の様に低い唸り声。それと共に粘土人間は4人の座る机へと突進した。
スタンド名<クレイ・ファクトリー> 本体「平家みちよ」
能力:粘土自体がスタンド。今回はたまたま人型に変形させたが何にでも変形させられる。
元にした粘土のサイズでバラメーターは左右される。
破壊力・スピード・射程距離・持続力=元の粘土のサイズによりそれぞれ違う。 成長性C
11 :
スタープラチナ。:02/09/30 12:57 ID:b9jryytP
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ孫悟空!
「キャアアア!!」4人は悲鳴をあげ、机から飛びのいた。直後に100キロはありそうな粘土人間の重量級の体が
机にぶち当たり、机は真ん中から2つに折れた。
「いや・・・何よ。何なのよ・・・これ・・・」矢口の歯がガチガチと音たてる。恐怖に震えているのだ。
粘土人間は机から体を起こすとまた4人を睨んだ。
その彫りもののように全く動きを見せない小さな目がより一層不気味さを漂わせている。
「ねえ!!みっちゃん!止めてよ!!こんなこと!!私達に不思議な力があるのは分かったけどこんなんじゃ・・・」
必死で叫ぶ飯田。しかし、平家はただその様子を見ているだけだった。
そんな・・・みっちゃんやつんく♂さんは何を考えてるの・・・私達を殺すつもりなの?
飯田の頭は今つきつけられてる現状を整理しきれず混乱していた。スタンド・・・?精神エネルギー?そしてこの化物・・・
でもこんな状況でも飯田はこれだけは理解していた。この全身に伝わる恐怖。これは夢じゃない・・・現実なんだ・・・!!
「飯田さん!早くッ・・・」石川が自分に何か叫んでいる。矢口に後藤も目を見開いてこっちを見てる。
えっ?なに?飯田が自分の背後に立つ粘土人間に気づいたのはその直後だった。・・・!!いつの間に!!
ドコッ!粘土人間の拳が飯田の腹に打ち込まれる。その衝撃で飯田は吹っ飛び壁に叩きつけられた。
「飯田さん!!」「カオリ!!」粘土人間は飯田が倒れるのを確認するとゆっくり振り返った。
「石川!後藤!矢口!どうした!?闘わんかい!!そうしないとホンマに死ぬで!!そいつは平家のスタンドや!
スタンドを倒せるのはスタンドだけ!お前らもスタンドを出すんや!心に強く念じろ!自分を守りたいと!こいつを倒したいと!
そうすればスタンドは発現する!!」つんく♂が怒鳴る。
しかし、すっかり怯えてしまっている3人にはその言葉を聞く余裕も無く、ただひたすら暴れまわる粘土人間から逃げるだけだった。
「きゃあああ!!」石川は悲鳴をあげながらドアに走る。逃げなきゃ・・・逃げなきゃ殺される!!
粘土人間はその姿からは想像できないほどのスピードで石川の前に回りこむと逆水平チョップをその胸に叩き込んだ。
石川の軽い体は一発で吹っ飛び、床に横たわる飯田の上にどさっ、と落ちた。
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラえも〜ん!!
それはクレイジーダイヤモンド・・・。
「梨華ちゃんまで・・・。」後藤がつぶやいた。その小刻みに震える手は怯えているのでは無い。
怒っているのだ。せっかくのオフに呼び出されてイマイチ良く分からない能力の説明をされ、今、こんな目にあっている。
それに大事な仲間を傷つけられたんだ。もう許せない・・・!!!
後藤の静かなる怒りのボルテージがあがっていく。それに伴い体を覆う精神エネルギーの光も輝きを増していく・・・
「・・・・来たな。」つんく♂が意味深につぶやいた。
何だろう?この感覚・・・。体中が何か暖かいものに包まれている・・・。心強くて・・・・私を守ってくれているような・・・
やがて、全身を覆う光が集まって形を形成していく。やがてそれは完璧な人型となった。
ハートオンファイア。この言葉が後藤の頭の中に大きく文字となって現れた。
「ハートオン・・・・ファイア?」その正体は後藤の側に立つモノ。そう後藤のスタンドの名前だった。
燃え盛る炎のような真紅の鎧に全身を包んだ闘士。その顔の部分はアイシールドによって隠されている。
「すごい・・・・これが私の・・・・何だっけ・・・・スタンド?」
関心する間も無く、粘土人間が襲ってくる。ターゲットを後藤1人に定めたようだった。
「来た!!行け!ハートオン・・・ファイア!!」まだ慣れないこの名前だったがとにかく叫んだ。
ハートオンファイアvs粘土人間
スタンド名<ハートオンファイア>本体「後藤真希」
能力:自分の体の好きな所に高熱を発生させる。例えば拳に熱を発生させれば相手に殴ったダメージ+熱のダメージを与えられる。
発現したばかりなので成長性は高い。まだ能力が増えたりパワーアップする可能性がある。
破壊力C スピードC 射程距離D 持続力C 精密動作D 成長性A
(これは今の状態なので成長するにつれて変わってきます。)
ドカッ!ハートオンファイアの先攻のパンチが粘土人間の顔面をとらえた。確かな手ごたえと共に粘土人間がよろめく。
さらにその腹に蹴りを2発撃ちこんだ。相変らず粘土人間の表情は変わらないが腹を押さえながら立ち上がる様子から
ダメージがあることが分かる。「熱っ・・・」突然平家が声をあげた。
平家はそっと頬に手をやる。「急に火傷が・・・・これがこのスタンドの力か。」
ハートオンファイアの能力は体の一部に高熱を宿すこと。今回は拳にその熱を宿して粘土人間を殴った。
その熱が本体にも伝わったのである。
「へぇ〜そんな力があるんだ。」これには本体の後藤も驚いた。スタンドは本能でこの能力を使っていたようである。
後藤の口が笑みの形をつくった。「そうと分かれば・・・・これしか無いでしょ。」
「シャアアッ!!!」ハートオンファイアの猛ラッシュが粘土人間を襲う。(オラオラや無駄無駄の状態)
粘土人間もガードするが、熱を帯びた拳に負けガードはもろくも崩れた。
ズドドドドッ!!!ノーガードの粘土人間のボディに次々と拳が打ち込まれていく。そして、ついに粘土人間は仰向けになって倒れた。
よし・・・!勝てる!!後藤は勝利を確信し、粘土人間に止めを刺そうと右腕を振り上げた。
「みんなを傷つけた罪!!受け取っ・・・・」そこで後藤は言葉を失った。なぜなら床に倒れる粘土人間の両手がスタンドの首を
掴んでいたからだ。まあ、早い話が首を絞められていた。
「最後まで油断しちゃいかんよ。」平家がイジワルそうな笑いを見せる。
くそッ・・・・こうなったら足に熱を集中させて床に転がってるこいつの腹を踏みつけてやる!!
首を絞められた状態でハートオンファイアが足を持ち上げた。
「おっと。そうはさせへん。」平家が指をパチンと鳴らすとハートオンファイアの足が床を離れ宙に浮いた。
これは・・・・。自分の体がどんどん粘土人間から遠ざかっていく。そして、背中がドン、と天井にあたった。
こいつの腕は今も首にあるのに体があんな下に・・・・まさか腕を・・・。その推理は正解だった。
「腕を伸ばさせてもらいました。粘土やからな。これで攻撃は届かんよ。」
卑怯者・・・・。やばい・・・・だんだん力が・・・・ハートオンファイアは両腕をダラリと脇に垂らした。
本体の後藤の首にもくっきりと粘土人間の手の跡が浮かんでいる。スタンドのダメージは本体にも伝わるのだ。
「・・。」後藤は首を押さえながらその場にうずくまった。苦しい・・・・!!
・・。」後藤は首を押さえながらその場にうずくまった。苦しい・・・・!!
吹き飛びそうな意識の中で後藤は矢口の声を聞いた。「やめろ!!」今まで怯えて腰を抜かしていた矢口が立ち上がった。
「ごっちん!今助けるよ!!」自分の中の勇気を振り絞っての行動だった。束ねられたパイプ椅子を一つ持ち上げると、
それを天井まで伸びる粘土人間の腕に横から叩きつけた。矢口にはまだはっきりとは腕の先にいるハートオンファイアの姿は見えない。
だが、粘土人間のこの異常に伸びた腕のせいで後藤が苦しんでいるのは分かる。「離せ!!」もう1回腕を叩いた。
それでも粘土人間は動じない。「もう!離してよぉ!!」矢口は何度もパイプ椅子を粘土人間の腕に叩きつける。
平家は再び手から粘土の固まりを出すと床に放った。今度のはやや小さめで身長も矢口と同じくらいだ。
「いけ。粘土人間B。」Bは必死の矢口につかつかと歩み寄ると矢口の後頭部にハイキックを喰らわせた。
「あうっ・・・。」矢口は椅子を落とすとその場に倒れた。
くっ・・・ダメだ・・・。私の力じゃごっちんを助けられない・・・。私じゃ非力過ぎて・・・・
せっかく勇気を振り絞ったのに・・・・。もっと・・・もっと強くなりたいよ・・・。
一方、後藤はもう気絶寸前だった。さっきまでの苦しさは消え、逆に頭がボーッ。として何か心地よい感覚に陥っていた。
危険な状態である。
ネェ。矢口!!起きてよ。」倒れる矢口の耳元で誰かが囁いた。「ホラ。早く早く。」「早くしろ〜。」「・・・・。」
誰・・・?矢口が顔を上げるとそこにはアニメ絵バージョンの矢口がいた。それも1人じゃない。
1・・・2・・・・3・・・・4。「アッ。起きた!」「キャハハハ!!」「・・・・。」「頭蹴られたくらいで倒れるなんて・・・」
4人のアニメ絵矢口が耳元で騒ぐ。「何・・・?あんた達・・・。」
「矢口も目覚めたみたいやな。」えっ?って事はこの4匹がオイラのスタンドとかいう奴?
呆然とする矢口。その矢口にミニ矢口からつっこみが入る。「オイ。ボーッとしてんなって。来るぞ〜」
「えっ?」粘土人間Bが立ち上がった矢口に飛び掛ってきていた。「しょうがない。ご主人サマのためだ。行くよ!2号・3号・4号!!」
「おう!」「了解!」「・・・。」20センチくらいのミニ矢口4人はさっき矢口が落としたパイプ椅子に集まると
グッ、と持ち上げた。そして・・・ぶん投げた。そのパイプ椅子は考えられないほどのスピードで飛んでいく。
擬音をつけるとしたらヒュンッ!!と言った感じだろうか。高速で飛んだパイプ椅子は粘土人間Bの体に深くめり込んでいた。
粘土人間Bは椅子が刺さった状態で倒れた。「やった!!!」「ワーイ!!」「ま、楽勝だね。」「・・・。」
「すごい・・・。」矢口はあっけにとられていた。まさかこのチビ達が・・・・。
スタンド名<ミニパワーガールズ> 本体「矢口真里」
能力:矢口が強くなりたいという気持ちから発現した能力。4人のミニ矢口から成り立っており、4人が投げたものは
かなりの高速で飛んでいく。つまり物のスピードを驚異的にアップする能力。
破壊力E スピードB 射程距離C 持続力E 精密動作C 成長性A
「あんた達・・・チビのくせにやるじゃない・・・。」矢口は自分のスタンドのミニ矢口に語りかける。
「でしょ?小ちゃくても強いんですよ!!」「オマエモナー。」「うるさいな・・・。」
「・・・・。(ってか市井のすっぴん顔ヤバイって。)」性格の違いからか4人はバラバラな事を言う。
ここでミニパワーガールズの4人を簡単に紹介。本体である矢口に従順なリーダー格の1号。
天真爛漫な2号。少し冷たい3号。全く謎で無口の4号。
こいつら性格バラバラだ・・・・。1号以外みんな問題児ね・・・。
「それよりご主人サマ!後藤さんを助けなくていいんですか?」1号の小さな指が示す先には首を絞められている後藤のスタンドがいた。
そうだった!!「ねぇ!あんた達は何でも高速で投げれるの?」4人が同時に頷いた。
「じゃあ・・・・」矢口はポケットを漁るとカミソリの刃を取り出した。「これであいつの腕を切っちゃって!!」
「分かりました!」「OK!」「ちっ・・・。」「・・・。(何でそんなもの持ってんだよ・・・。)」
ミニパワーガールズは刃を受け取ると勢い良く投げ飛ばした。刃はクルクル高速回転しながら粘土人間の長く伸びた右腕に突き刺さる。
粘土で出来たその右腕に細い線が走り、静かに床に落ちた。「・・・・・・・ッ!!!」粘土人間は口が無い故に声を出さないが
断面図を抑えながらのた打ち回る様子から大分ダメージを受けたようだ。
22 :
:02/09/30 18:24 ID:rYOaqtuW
文才のある奴は好きだゼ?
そして、首を絞められていた後藤のスタンドは腕の切断によりようやく地獄の苦しみから開放された。
だが、後藤に反応は無い。「まさか・・・。」最悪のパターンが頭をよぎる。もう死んでるとか・・・・。
「ごっちん!」矢口は後藤にかけよった。そしてその体を抱きかかえる。「・・・・。息がある・・・・。良かった!死んでない!!」
「人の心配より自分の心配せなアカンよ。」「えっ?」見ると床に落ちた右腕が蛇のように床を這いながら粘土人間の方へ向かっていく。
そして、その右腕はぴったりと断面図にくっついた。「えっ!?何それ!ずるい!!」
「ずるいって言われてもこれも能力のうちの1つやからな・・・。」
粘土人間は立ち上がるとゆっくりと矢口に歩み寄ってくる。
「みんな!これを投げつけて!!」矢口はミニパワーガールズに100円玉を渡した。
「OK!」4人に投げられた100円玉は高速で粘土人間の体にめり込む。
しかし、粘土人間はその体をわずかに揺るがせただけでその足を止めない。
「くっ・・・・。コインじゃダメか・・・・。こいつらじゃ肉弾戦で勝ち目は無いし・・・
ごっちんはダウン・・・・。カオリと梨華ちゃんは気絶したまま・・・。やばいね。」
「痛い・・・・痛いよ・・・・。もうイヤだよ・・・・。」突然矢口の頭の中に声が響いた。
何?この声?私のスタンドの声?矢口は足元に並ぶミニパワーガールズを見たが違った。
みんなファイティングポーズをとっている。「何や?この声・・・。」
平家にも聞こえているようだ。粘土人間も足を止めている。
「もうイヤ・・・・イヤ・・・」倒れていた後藤もよろよろと起き上がった。後藤にも聞こえているらしい。
この声・・・・梨華ちゃんに似てる・・・。まさか・・・。
矢口が後ろを振り向くと倒れる石川と飯田の横で天使が膝をたたんで泣いていた。
肩まである金色の髪。身にまとっている白装束。水のように澄んだ青い瞳。そして背中から生えた翼。
まさに神話に出てきそうな美しい天使の姿だった。(ただ奇妙なことに左の翼は白く、右の翼は真っ黒だった。)
ただひたすら泣きじゃくる天使。その姿もまた美しかった。その美しさにその場の誰もが目を奪われていた。
「これも・・・スタンドなの?」天使は涙を指で拭うと静かに立ち上がる。ブロンドの髪がふわりと揺れた。
そして両手をそっと組み合わせると歌い始めた。「アーーーーーー」
「うっ!」「うわっ!」「何やこの声!?」「くっ・・・。」その直後にその場にいた全員が耳を塞いだ。
天使はまだ歌い続ける。「ルルル〜ララーラーラーーーー」この天を切り裂くハイトーンボイスはやがて衝撃波を引き起こした。
その場の空気が激しく振動し、ガラスが次々と砕けていく。耳を塞いでもこの声は消えなかった。
まぁ、一言で言うとこの天使。見た目は美しいがものすごい音痴なのだ。
その場のみんなが耳を塞いで地面に伏せている中、一人立ち上がっている者がいた。
さっきまで気絶していた石川梨華である。気絶している時にスタンドが発現したらしい。スタンドとはこの天使のことである。
「ああ・・・。何て美しい歌声・・・。これが私のスタンド・・・ボイスオブエンジェルなのね・・・。」
25 :
補足:02/09/30 19:12 ID:0EV/4akx
スタンド名<ボイスオブエンジェル> 本体「石川梨華」
能力:人の心に直接声を伝えられる。また、怪音波を口から発する。
破壊力D スピードC 射程距離C 持続力D 精密動作C 成長性A
「石川!?この天使は石川のスタンドなの?」矢口が耳を塞ぎながら必死に声を出す。
だが、その声もこの聞きようによっては美しい歌声にかき消され石川には届かない。
「ダメだこりゃ。おい!ミニパワーガールズ!ちょっとあいつの所まで行ってこの歌を止めさせてよ!」
「えっ・・・。ちょっとそれは・・・」「スタンドだってこの声はキツいんだぞ〜!」「お前が行けバカ!」「・・・。」
当然のごとく反発する彼女達。だが本体には逆らえない。矢口は彼女達の動きをコントロールできるのだ。
「いいから行け!」矢口が命じるとミニパワーガールズの体は勝手に石川と天使の元へと進んでいく。
「ったく・・・。スタンド虐待だよ・・・。」「ま、仕方ないよ。ご主人サマの命令だし。」「1号・・・。あんた主人を大事にしすぎ。」
ブツブツいいながらも石川の足元についた4人は石川のスカートの裾をグイグイ引っ張った。
それと同時に歌声が止み、石川が足元を見た。「あれ?何この子達。あっ、矢口さんのかっこしてる。可愛い・・・♪」
「やっと静かになった・・・・ご苦労サマ。戻れ!ミニパワーガールズ!」
4人は精神エネルギーとなり矢口の体に戻っていった。
「今のって矢口さんのスタンドなんですか〜?可愛いですね〜。私のエンジェルには負けるけど。」
「うるさいな〜。それよりあんたのスタンド・・・・歌うの禁止ね。」
「え〜・・・・何でですか?」石川の声のトーンが少し落ちた。
2人がこんな話をしてる時、2人に向かって粘土の腕が高速で向かってきた。「!!」
そう。粘土人間も歌声から解放されたのである。しかし、その腕は誰にも命中することは無かった。
なぜならその腕をハートオンファイアが掴んでいたからである。
「危ない危ない・・・。さっきの首絞められたお礼・・・・。しっかりさせてもらうからね!!」
後藤は腕を握るその手に熱を集中させた。粘土で出来た腕が黒く変色していく。ジュウウウッ・・・・。
「熱い!熱いって!粘土人間!早くあいつをぶちのめすんや!!」粘土人間は伸ばした腕を強引に引き戻すと後藤に襲いかかった。
「援護するよ!ミニパワーガールズ!」矢口はガラスの破片をミニパワーガールズに投げ渡した。
ガラスが粘土人間の膝に刺さり、一瞬動きを止める。「行くよ〜ボイスオブエンジェル!」
天使は腰に差し込んでいた茨のムチをしならせる。ヒュンッ!空気を切り裂く音と供に粘土人間の胸に線が走る。
そして止めのハートオンファイアのラッシュ。「シャアアアアア!!!」
激しい怒りを込めた拳を乱打していく。
拳が命中するたびにジュウッ。という何かが焼け焦げる音がし、粘土人間の体は少しずつ散っていく。
だんだん小さくなっていく粘土人間にはもう抵抗する力も残ってなかった。
「ぐっ・・・。」平家が初めてうめいた。
ズドドドドッ!!やがてハートオンファイアの拳が止まった時、粘土人間は既にただの丸い粘土の塊になっていた。
粘土人間 再起不能(リタイア)
「くっ・・・。やるな。だけど粘土はこれで終わりや無いで!!」
平家はさらに大きな粘土の塊を発現させた。「このサイズなら3メートルの巨人が生まれるで・・。」
「させないッ!!」後藤はハートオンファイアを平家の元へと急スピードでとばした。
「シャアッ!!」拳が粘土の塊に深くめり込む。だが、粘土はそんなことお構いなしにどんどん姿を変えていった・・・。
「どうしよう!このままじゃまた新しい粘土人間が・・・。」「今の私達じゃ勝てないよ!!」
うろたえる矢口と石川。後藤も悔しそうに巨大化していく粘土を見つめていた。
その時・・・「皆。少し下がって。」この声は・・・。そこには気絶から回復した飯田圭織の姿があった。
飯田も気絶している途中にスタンドが発現したらしい。
「ホワイトクイーン!!」飯田の体から溢れる光が一つの形をかたどる。
それは雪のように純白の毛並みをした豹だった。豹は深く息を吸い込むと口から冷気を吐き出した。
その冷気とは吸い込んだ空気を一瞬で体内で凍らせたものだった。
氷の息を浴びた粘土は白く凍っていく。やがて粘土の周りは薄い氷で覆われた。粘土の巨大化は氷に阻まれ弱まっていく。
「今ね・・・行けッ!!」飯田の声がかかると豹は粘土に飛び掛り、強力な前足でその氷を砕いた。
つまり、氷の中にあった粘土も砕いた事になる。
これでまた一体粘土を破壊した事になる。しかし、平家にはまだ粘土が有り余っている。
「まだまだやで!さぁ、次・・・」「待て。平家。もう充分やろ。こっちの計画通りや。」つんく♂が平家を制した。
「・・そうですね。OK!あんた達4人、スタンド審査合格です!!」
「????」なんのことか分からず4人はさっきの説明の時と同様呆然としていた。
スタンド名<ホワイトクイーン> 本体「飯田圭織」
能力:空気を体内で超低温の冷気を造る豹の姿をしたスタンド。他には獣ならではの鋭い爪や牙を持つ。
破壊力B スピードB 射程距離D 持続力C 精密動作E 成長性A
30 :
コンバットアナル:02/09/30 19:30 ID:cqK3pyhe
というか僕もかいていいですか?
31 :
:02/09/30 19:31 ID:SGr2YJxU
そんじゃオレも書こうかな。
32 :
名無し娘。:02/09/30 19:32 ID:5f2VpaPu
「スタンド審査・・・・?」何それ?と言いたげに飯田がつぶやいた。
「その名の通りや。きちんと発現させたスタンドで私の粘土と闘えるか。それを審査してたんや。んであんたらは合格!って事。」
「何〜!?じゃあ私を蹴ったり石川とカオリを気絶させてごっちんを殺そうとしたのも審査のためっていうのか!」
矢口の声は幾分荒らんでいた。
「うん。でももちろん殺すつもりは無かったで。後藤の場合もおちたら放そうと思ってたし・・・
まぁ、死ぬ気でやらないとスタンドは扱えんからちょっと手荒になったのは勘弁してや。
それに今すぐにでも能力を発現させないと困るのはあんたらの方なんやで。」
「それ・・・どういう意味?」「それを今からつんく♂さんに説明してもらうんや。それじゃ後はよろしくおねがいします〜。」
平家は部屋を出て行った。残っているのはつんく♂・飯田・石川・矢口・後藤だけだった。
しばし流れる無言の空気。それを破ったのはやはりつんく♂だった。
「これから話すことをよーく聞いて欲しい。お前たちのスタンド能力を発現させた理由。それは・・・
敵・・・。敵スタンド使いが襲ってくるからや。」
「敵?」「他にもスタンド使える人がいるんですか?」
「質問は後や。その敵ってのはある男の手下・・・そしてその男自身や。その男とは・・・・デーモン小暮!!」
全員の頭には写るんです。のCMが浮かんでいた。(閣下が自転車こいでバスの子供に弁当渡そうとしてるやつ。ちょっと古い。)
36 :
コンバットアナル:02/09/30 19:35 ID:cqK3pyhe
「デーモン小暮・・・奴は地球を征服しようとしている。嘘じゃない。マジでやで。飯田。地球征服には何が必要だと思う?」
「え?え〜とお金とか?」
「・・・まぁ間違ってはないな。征服に必要なもの!それは莫大な資金!そして権力、人を惹きつける力!(魅力?)
最後に自分の行動が真の正義と信じ貫く強力な精神!!奴はほとんどの力を手にしてる。ただ一つ残ってるのは人を惹きつける力や。」
つんく♂は一呼吸おくと再び口を開いた。
「その最後の力を手に入れるにはある1つのものがいるんや。それは・・・お前らナチスって知ってるか?」
全員が頷いた。
「良し。それならヒトラーも知ってるな。そのヒトラーは人を惹きつけ、信じ込ませる力があった。
だからユダヤ人大量虐殺も国民に非難されなかったんや。(人を惹きつけられたのはゲッペルスという演出家のおかげという説も・・)
そのヒトラーが書いた日記!といってもレプリカやない。正真正銘の本物や。それを読むと日記に残った残留思念を吸収し、
人を惹きつける力が手に入る。それがデーモンの手に渡ったら・・・世界はあいつのものや。」
「そしたら私達・・・もうおしまいってことですか?」つんく♂が静かに頷いた。
「だが!希望はまだある!なぜならその日記は俺が隠し持ってるからや。奴が見つけてしまう前に探したんや。
しかも奴は今10万43歳!そして悪魔の寿命は10万44歳なんや。これは絶対。逆らえない運命ってやつやな。
その奴の誕生日まで2ヶ月と13日。それまでこの日記を守り通せば世界は助かる!!」
「なるほど・・・でもそれと私達が襲われるのってどう関係あるんですか?」
「それはな。良く考えろ。奴も自分の命日はわかっとる。だからそろそろ本気であの日記を探し出す。
自分の手下・・・それもスタンド能力者を使って。デーモンも俺が日記を隠したことは知ってるはずや。
実際に何度か手下が襲ってきた・・・。確か10人近く・・・全員倒したがな。
そんで俺が倒せないと分かると奴はターゲットを変える・・・。俺じゃないけど俺に最も近い奴ら・・・・それは・・・。」
全員の頭の中で答えが一致した。「私達・・・!?」
「そうや。あいつにとってお前らとはスタンドも使えないただのつんく♂の側にいるアイドルグループにすぎん。
ただ日記の事を知ってる。と思われる可能性がある。スタンドを倒すにはスタンドしかないからな。
襲ってくるであろう敵から身を守るためにお前たちにスタンド能力を発現させた分や。理解した?」
「でも・・・デーモンさんの寿命があと2ヶ月ちょっとって事は地球征服してもすぐに死ぬ分けでしょ?それなら・・・」
「甘い。」つんく♂がその言葉を遮った。
「奴は最強の悪魔や。征服したらまず人間をある程度大虐殺する。そして・・・その人間の生命エネルギーを吸収して自分の寿命に
変換する。そうやって人の命をすすりながら奴はずっと生きていくつもりなんや。ノストラダムスの予言した恐怖の大王とは
奴のことかもしれんな・・・。」つんく♂は軽く苦笑した。
「それじゃ最後に分かってる限りのデーモンの仲間を紹介しよう・・・。
奴がかって組んでいた聖飢魔Uというバンド。
そのバンドの構成員もデーモンには及ばんがそれでも恐ろしい程の強さを誇ってる。そいつらは全員で4人・・・。」
<組織図>
デーモン小暮(ボス)
↓
エース清水・ライデン湯沢・ゼノン石川・SGT.ルーク篁III世(構成員)
↓
スタンド能力を持った手下達。ほとんどがデーモンによって能力を発現させられた者ばかりである。
それを聞いていた後藤がもらした。
「つまり・・・デーモンさんは地球征服するために日記がいる。それをつんく♂さんが持ってる。
だからつんく♂さんの側にいる私達も命を狙われるって事ですよね・・・。・・・・私元々関係無かったのに。」
「勝手に自分を巻き込むなと言いたいんか?」「ハイ。」後藤はきっぱりと答えた。
「でもごっちん・・・世界が・・・」石川のフォローで言ったつもりのこの言葉が後藤に火をつけた。
「そんなの知らないよ!大体その話が本当かどうかも分からないじゃん!それに世界を救うッ!?
そんなのヒーローか何かじゃ無いんだからできっこないよ!そんな事で命をかけて闘うなんて私はイヤッ!!」
後藤はそれだけ言うと会議室から飛び出していった。「ごっちん!」飯田が追いかけようとするがつんく♂に肩を掴まれた。
「いいんや・・・。あいつの言ってることも一理ある・・・。でもな・・・このまま世界を乗っ取られたら俺たちは確実に死ぬ・・・。」
つんく♂は力なく言った。
PM10:23・・・私が会議室から飛び出してからもう4時間か・・・
後藤はあの後家に帰り、ずっと部屋にこもっていた。
出来る事ならばさっきの話は嘘であって欲しかった。自分が得体の知れない敵に襲われるという事。
私はただのアイドル・・・ただの人間なの・・・。闘いなんて・・・。しかし彼女はもうただの人間ではなかった。
「ハートオンファイア・・・。」この名を念ずれば彼女だけのスタンドが発現する。
後藤はもうスタンドという一般人には無い能力を持ってしまったのだ。
「ハァ・・・。」ため息をつくと後藤はベットに横になった。何か今日は疲れたな・・・もう寝ようかな・・・。
<<数分後>>
ピリリリリ・・・・。後藤の携帯が着信音を奏でた。
しかし本人はもう夢の世界に旅立っていて誰も電話に出る者はいない。
〜第2話 襲撃者〜
「どうしたのかな・・・ごっちん。」石川の細い指が携帯の電源ボタンを押した。石川はタクシーで帰宅途中だった。
その携帯をポケットにしまうと石川は静かにシートにもたれかかる。
あの時のごっちん・・・あんなに怖いごっちんは初めてだった。
私のこと・・・怒ってるのかな?そうだよね・・・あんな無神経な言葉・・・。
私だって嫌だもん。誰かに狙われるなんて・・・。でも全てがつんく♂さんのせいって分じゃない。
つんく♂さんが「ヒトラーの日記」っていうのを隠さなかったら世界が征服されちゃうんだもんね・・・・。
「お客さん。」突然運転手が話し掛けて来た。
「えっ!?あっ?ハイ!」いきなりのことに反応しきれず石川は慌てて顔をあげた。
「間違ってたら悪いんですけど・・・お客さんモー娘。の石川梨華?」
「ハイ。そうですけど・・・」街中みたいに人が多い所じゃ別だけどここでは問題無い。石川は普通に答えた。
バックミラーごしに運転手の笑顔が見えた。けっこう若い。まだ30代前半といった感じ・・・。
「やっぱり!いや〜今うちに5歳になる娘がいるんですけど石川さんの大ファンなんですよ。後でサイン書いてやってくれませんか?」
「ええ。いいですよ。」石川は軽く承諾した。今まで殺伐としたコトを考えていた分、こういう話は心がなごむ。
「本当ですか?いや〜良かった。これであいつも喜びます。じゃあ降りるときにでもお願いしますね。」
その時、石川はあるコトに気づいた。タクシーには必ずその運転手の免許書が掲示してある。
そこには「小野 努 昭和27年 6月23日」とあり、横にはやや白髪の混じった中年の運転手の顔写真があった。
明らかにこの運転手とは違う・・・・。この人に白髪なんてない・・・それにバックミラーで見えた顔と全然違う・・・。
この人・・・・免許書の人じゃない・・・!!
そんな石川の思いを見通したように運転手が突然笑い出した。「クックックッ・・・・。」
「気づきましたか・・・?その運転手と私が別人ということ!!!」
運転手がくるりと石川の方に振り返った。その顔には不気味な笑みが浮かんでいる。
「何・・・?どういうこと?」
タクシーにいきなり軽い衝撃が走った。その直後にガララーーーン!!という大きな音が前から後ろへと走り抜けていった。
窓から後ろを振り返ると工事現場で良く見る進入禁止のシャッターが回転しながら道路を滑っていく。
つまりシャッターを跳ね飛ばしたわけだ。
「知ってますか・・・?この先のトンネルって老朽化が進んで閉鎖されたんですよ。つまり誰も来ない・・・!」
確かに前方には大きなトンネルがあった。運転手がライトをいきなり消した。
「さぁ・・・行こうか・・・。」「えっ?ちょっと・・・止めて下さいよ・・・!危ないですよ・・・ねえ!!」
「お前はここで死ぬんだよ・・・・。閣下のために!!」「閣下!?・・・・まさかあなた・・・」
「今さら気づいたって遅い!遅すぎるぜ!!」タクシーはトンネルに突っ込んだ。
一気に周りが闇に包まれた。「ククッ!ハハハハ!!」暗闇の中でタクシーは時速120`で爆走する。
「いやああああ!!!」石川の悲鳴もエンジン音にかき消された。
「クククッ。じゃあな!」運転手はそれだけ言い残すとドアを開けて外に飛び出した。他のドアは開かないようにロックされている。
「えっ!?ちょっと待って!!ねえ!!」石川はパニクっていた。運転手を無くして無人となったタクシーは石川を後部席に乗せたまま
数10メートル進み、壁に激突した。
タクシーは衝撃でバラバラに吹っ飛び一気に炎上した。その激しい炎が暗黒のトンネル内部をかすかに照らす。
「ハハハ!!これで生きてはいないだろう!!閣下!!やりました!!」
運転手は高らかに叫んだ。その声がトンネル内にエコーした。
とりあえずここまで・・・
移転&エルメスsage
羊でも狩の状況は把握出来たと思うが…
いや・・・鯖移転の話、全く知りませんでした。
<<まさか・・・いきなり襲ってくるなんて・・>>
運転手の頭の中に石川の声が響く。「な・・・なにっ!?」
運転手は声の聞こえた方に振り返る。そして見た。
炎の上に浮かぶ石川梨華を。
いや、浮かんでいるのではない。後ろから翼を持った彼女のスタンド
<ボイスオブエンジェル>が支えているのだ。
石川はゆっくりと地面に降りる。「あなたデーモンさんの手下ね・・・。」
「そうだ。俺の本当の名は古谷佑一。今ので完璧に殺したと思ったが・・・良く生きてたな。」
「壁に衝突する瞬間にこの子の羽で飛んで脱出したのよ・・・。」
ボイスオブエンジェルはゆっくりムチを抜き出した。
「そっちがその気なら・・・私も容赦はしない!!」ビュンッ!ムチが激しくしなる。
「ぐあっ!」ムチは古谷の右肩を深くえぐった。
白シャツの肩の生地は破れ、どんどん血が溢れてくる。
「痛てて・・・。やるな・・。仕方ない。こっちもスタンドで行くか・・・。<<ジャック ザ リッパー>>!!」
古谷の体から放たれた黒い光は一つの人型を作った。それはナイフを右手に携えた男の姿だった。
その顔には本体と同様どこか不気味な笑みが浮かんでいた。
スタンド名<ジャック ザ リッパー> 本体「古谷佑一」
能力:無し 破壊力C スピードC 射程距離D 持続力D 成長性C
「何て不気味なスタンドなの?」石川は一歩退いた。
背中に熱気を感じる・・・。そう、後ろではタクシーが燃えている。
もし、この中に突き飛ばされたら・・・助からない。場所を変えないと・・・。
しかし、ここは閉鎖されたトンネル。ライト等の照明は当然撤去されているし、時刻は8:30。
他の場所は一切、光が届かない。唯一、暗闇を照らしているのはタクシーの炎だけ。
やはりここを動くわけにはいかない。暗闇でのバトルは圧倒的に不利・・・。
ヒュッ!その時、空気を裂く音とともにナイフが飛んできた。ナイフは石川のほおをかすめ、闇へと消えていった。
「ちっ。右肩やられたせいで上手く投げられねぇ・・。額を狙ったんだがな・・・。」
ジャックザリッパーはもう2本目のナイフを構えていた。
トンネル内の空気が異常に冷たく感じた。すぐ側で炎が燃えているというのに・・。
ボイスオブエンジェルはムチを強く握ると2投目に備えた。
私とこの男の距離は大体10メートル。って事はナイフはどのくらいのスピードで私に飛んでくるの?
・・・考えてもしょうがない!
2人は凍ったように動かなかった。天使はムチを握ったまま、ジャックザリッパ−はダーツのようにナイフを構えたまま。
そのポーズで静止したまま古谷が口を開く。
「どうした?先に攻撃してきてもいいんだぜ?」
明らかな挑発だった。このムチはかなり長く4メートルはある。
これを一回振ると手元に戻すのにどうしても数秒かかってしまう。その隙を狙われたら・・・確実に死ぬ。
石川は何も答えなかった。「ん〜?来ないのか?ならばこっちから行くぜ!!」
ジャックザリッパ−は振り上げた右手から左手へと瞬時にナイフをパスした。 「!!」
石川は1投目のようにナイフをダーツ状に投げてくると思って、ムチを顔の近くにまであげていた。
しかし、左手で投げられたナイフは予想コースよりはるかに下方を通ってきた。
その先には自分の右足がある。 「きゃあ!!」
石川のガードは間に合わなかった。ひざの下辺りにナイフの刃が突き刺さった。
同時に天使の右ひざも弾けた。(本体のダメージはスタンドに伝わります。その逆も有り)
自分のひざから流れる血を見て石川は映画「バトルロワイアル」を思い出した。
桐山のウージーに全身を貫かれた沼井達の体から噴出した血。
相馬の鎌で切られた江藤のノドからこぼれる血・・・。
その他、様々な出血シーンが頭の中をかけめぐる。
「よくも・・・・やったわね?」石川はナイフを引っこ抜くと古谷へと投げつけた。
「遅いぜ!」古谷は顔面目掛けて飛んできたナイフを軽く回避した。しかし!その時、既に天使のムチは動いていた。
ドガッ!古谷のわき腹が鈍い音を立てた。同時にこみ上げてくる激痛と吐き気。
古谷の脇に叩きつけられたムチはそのまま振り上げられ、一気に落とされた。
「がっ・・・。」首にも脇に似たような痛みが走る。良く見ると天使のムチには細かい茨がついていた。
刺によって破かれた首からはスプレー状に血が飛び出した。
「ここからが本番よ・・・パニッシュメント・ダンス!!」
天使の放ったムチは地面とほぼ水平に飛んできた。それが古谷の目の前で一気にホップし、顎の辺りを削り取る。
そのまま宙に舞ったムチは斜めに落とされ、今度は逆に下から斜めに振り上げられた。
そこで天使が一旦ムチを手元に戻し、最後に先端部分を相手の脳天に思いっきり打ち込む。
この高スピードの4連続攻撃はその名の通りダンスを踊っているように美しかった。
「畜・・・生!まさか・・・こんな奴にッ!」古谷の白シャツはほぼ真っ赤に染まっていた。
所々が破け、今もなお血は止まらない。まだわずかに白さを残している部分も脳天からの血に染められた。
53 :
:02/10/01 12:42 ID:1DFNvJHJ
バトロワ
石川は血が出る映画がすきらしいねぇ。
「・・・今から言う質問に答えて・・・。このタクシーの本当の持ち主・・・笠松さんはどうしたの?」
「殺した。ちなみにさっき言った5歳の娘ってのは俺の子じゃない。こいつの子だ。」
パンッ!古谷の右足がムチに弾かれる。「ぐあああああッ!!」古谷はもう立つことすらできず、地面に転がった。
悲痛なうめき声をあげ、血まみれでのたうちまわる古谷。
石川はそれに構わず2つめの質問を投げかけた。
「どうして私を狙ったの?もし、私が日記のことを知ってたら貴重な情報を消す事になるのよ。
それにどうしてスタンド能力が目覚めたその日に敵が・・・」
突然、古谷のうめき声が止まった。
「言っておくが・・・閣下は常にお前たちを見ている。今日、お前のほかに飯田・矢口・後藤がスタンド使いになった事も
お見通しなんだ。何故、私の命を狙ったかだと?そんなもんお前がつんく♂側のスタンド使いだからに決まってるだろう?
閣下に楯突く者は・・・・・殺す!!」
古谷がゆっくりと立ち上がった。その背後には血まみれのジャックザリッパ−の姿がある。
今度は両手にナイフを装備していた。もう、その目は苦痛に苦しんでいる目では無かった。何か・・・凄味を持った目だった。
「この傷だ・・・俺はもう死ぬ。ただし!お前も一緒だ!!」
「死ぬなら1人で死になさい!パニッシュメント・ダンス!!」
再びあの高速コンボが炸裂し、古谷はまた倒れた。今度は声一つ出さずに。
そして、もう2度と立ち上がることは無かった。
「私がつんく♂さんのスタンド使いだから殺す?
つんく♂さんは私達が襲われるようになるからスタンドを発現させてくれたんじゃないの?」
石川の頭に疑問がよぎる。まぁ、今はどうやって帰るかが先決だ。
その疑問を一旦頭から捨てると石川はポケットを漁ってみた。
良かった・・・・財布はあった。携帯電話は燃えちゃったけど。
石川は右足をかばいながらトンネルの出口へと歩いていった。
本体「古谷佑一」 スタンド:<ジャックザリッパー> 死亡。 備考:石川は自分の血を見ると気が荒くなります。
57 :
:02/10/01 13:28 ID:1DFNvJHJ
>>56 東京フレンドパークでそれを聞いた時俺も驚きました(w
( ^▽^)<血がドバッ
59 :
ななし:02/10/01 15:41 ID:16HaFfO1
けっこう好きな4人だ!
おもしろい!
>>59 ありがとうございます。
今日はとりあえずここまでです。
61 :
クレー自慰ダイアモンド:02/10/01 22:51 ID:tLIuyuA1
紺野のスタンドはクレイジーダイアモンドのような破壊と癒し(直し)の能力をキボン
もしくはスーツのように身にまとうタイプの物。
癒しは高橋にやってもらおうと思ってます。
紺野は既に決まってるので・・・。
63 :
クレー自慰ダイアモンド:02/10/01 23:33 ID:tLIuyuA1
おおっ!!そうですかそれは楽しみです!!
もしよかったらもっと娘メンバーのスタンド能力者が増えたら外伝としてジョジョ第四部のキャラ広瀬康一を主人公とした話し
を書きたいですがどうでしょうか?
「娘の奇妙な冒険」外伝〜in杜王町みたいなものとかでも俺が書くとギャグパロになってしまう罠。
64 :
まきたん:02/10/02 09:53 ID:DHQO4aNb
移転&更新お疲れ様〜
俺的には癒しはなっちな気がしたんだけどはずれでした
@ノハ@
( ‘д‘)<クレー自慰ダイアモンド はん、とりあえずsageたらどないや
リクはそれからにしとき
なっちと高橋。どっちを癒しにするか悩みました。
67 :
:02/10/02 20:49 ID:uULGX3pc
今日は無しですか?
作者のペースでマターリ書けばよろし。
あと、sageれ。
もちろんデーモンなんぞがラスボスじゃないよね?
真のラスボスがいるんだよね?
私もジョジョ風小説書いてよいでしょうか?
なっちが主人公なのですが・・・
なっちじゃなくてよっすぃでした。スマソ
从O^〜^)移転乙っす!
石川と古谷の戦いの終了とほぼ同時刻。矢口は何故か家に帰る気になれず、地元のファーストフード店で時間をつぶしていた。
2人用の小さな丸テーブルに座り、変装のつもりでかけたサングラスをそっ、と外す。(この時間にサングラスというのも妙だが)
プレートの上に乗ったMサイズのコーラにハンバーガー。あんまり食べる気がしなかった。
いつもならこの時間はすごくお腹が空くのに今日は違う。
やはり、つんく♂に言われた闘わなくてはならないコト。それが複雑な思いとなって矢口の頭を占拠していた。
自分の周りの客は皆、楽しそうに笑っている。
大学生のグループや楽しそうに語らうカップル。それに塾帰りの子供たち。
何か辛く、悩んでいるのは自分だけのような気がしてきた。
「帰ろうかな・・・・」矢口は結局何にも手をつけないままプレートを持ち上げた。
「お〜い!ちょっと待て!!」矢口の今の気分とは全くそぐわない陽気な声が耳元から聞こえてきた。
「それ捨てちゃうの?勿体無いじゃん。オイラにくれ!!」いつの間にかミニパワーガールズ2号が自分の頭の横に浮いていた。
「・・・あんた・・・そんなの食べれるの?」「もちろん!!じゃ!これもらうよ!!」
2号はプレートの上からまだ包み紙に包まれたままのハンバーガーをサッ、と取り上げた。
その瞬間、周囲から響く驚きの声と悲鳴。・・・そうだ!こいつは一般人には見えないんだった!!
(周囲の人からはハンバーガーが1人でに浮いたようにしか見えない。)
どうしよう!!矢口はサングラスを慌ててかけると走って店を出た。
「あ!ちょっと待って!置いて行くな〜!!」2号が後から追いかけてくる。もちろんハンバーガーを持ったまま。
道往く人々が矢口を見て、店の中と同様悲鳴をあげた。
「何・・・あの人・・・。ハンバーガーに追っかけられてる・・・。」一般人にはハンバーガーを持つ2号の姿は見えなかった。
「2号!それを捨てなさい!普通の人にあんたは見えないのよ!」
「・・・・ヤダ!もったいないじゃん!!」
この野郎・・・矢口は夜の横浜の街を爆走しながら打開策を考えていた。
このままだとエライ騒ぎになる・・・・。(もうなっているのだが)
「・・・!そうだ!戻れ!」矢口がそう念じると2号は小さな光となり、矢口の体に吸い込まれていった。
ハンバーガーがポトリ、と地面に落ちた。
一応解決したが、周りの人は皆、矢口を見ながらざわめいている。
ヤバイ・・・早く逃げないと!矢口はその場を走り去った。
77 :
丞太郎。:02/10/03 18:31 ID:p4HLKRjI
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「てめえは俺を怒らせた。」
78 :
71:02/10/03 20:11 ID:Bi00386h
IDがFF。
ファイナルファンタジーじゃないよ。
フー・ファイターズ
ソンダケ。
80 :
名無し募集中。。。:02/10/04 03:42 ID:5skw4UHZ
こうなったらageるしかない
こうなったらsageるしかない
>>78 じゃあ、どうぞ。しばらくこのスレ共同にしましょう。
やっぱり、1スレに2本が限界かな。小説は・・・。
なんかトリップがおかしい・・・
84 :
71:02/10/05 00:43 ID:KQ6mNe4a
>>82 ありがとうございます。
とりあえず3話ずつ載せていきたいと思います。(今は2話まで完成
>>84 登場人物の設定とかは同じ?別もの?
できれば(遅いかな?)同じの方がいいなぁ
>>84 その小説はレクイエムのと繋げて書くつもりですか?
87 :
71:02/10/05 19:19 ID:KQ6mNe4a
>>85 >>86 全然違うものなんですけど・・・。
同じじゃなきゃいけませんか?
88 :
まきたん:02/10/05 19:58 ID:D5yiZwxe
話がぐちゃぐちゃになるから新しいスレ立てることすすめるよ
>>88 それはスレ乱立になるのでは・・・。
何か求めてない人が多そうなんでやめとこうかな・・・。
90 :
レクイエム:02/10/06 00:37 ID:VjuEZuny
>>89 同じである必要は全く無いです。
頑張ってください!
>>89 ここは
>>1信者が多いからこういう反応は仕方ないよ。
とりあえず書いてみてくれ。話はそれからだ
>>89 あなたのも読みたいけど1つのスレに別の小説が同時連載では
さすがに読みづらいよ…
どっか氏にスレでも乗っ取ったら?
狩の前スレ何かいかが?
どちらも楽しく読みたいので。
>>96 おお、これが狩板というものですか。
ありがとうございます。こちらで書かせてもらいます
98 :
レクイエム:02/10/07 12:12 ID:bv9T2QWj
>>97 頑張ってください。
所で今日中に更新します。
99 :
レクイエム:02/10/07 18:02 ID:bv9T2QWj
走りに走った矢口は結局、家の近くにまで来てしまっていた。
目の前の坂を登ってその先のつきあたりを右に曲がった所の左から3番目の家が矢口家である。
頭のもやもやはまだ取れないが、これ以上遅くなるのも嫌だったので帰ることにした。
「ねえ!そこのあなた!」坂を登ろうとした瞬間、誰かに呼び止められた。
え?私?もしかしてファン?
振り返るとちょうど外灯の下に誰か立っていた。
青いジーンズに白のポロシャツ、その上にグレーのジャケットを羽織った女性だった。
矢口は足を止め、こっちへ歩み寄ってくるその女性を見つめていた。
「ごめんなさいね。急に呼び止めちゃって。」
「いえ・・・何か用ですか?」(何か面倒なことが起こりそう・・・)
「えっと・・・まず自己紹介しないとね。」
そういうと女性はジャケットのポケットをゴソゴソし始めた。
名刺でも出すのかな?
こうして見ると中々美しい女性だった。何か記者の人みたい・・・
って本当に記者か?だとするとまずい!
矢口のこんな心配もこの後に起こることに比べれば本当に下らないものだった。
それを思い知るのは今からわずか数秒後のことである。
100 :
うんきゅ:02/10/07 23:20 ID:Oo+6/unQ
小説スレで、うんきゅが100ゲット
テスト2週間前を切ったのでそろそろ勉強期間に入ります。
こんな中途半端な所で切るのは心残りですが、
終わったらすぐ続きを更新します。
( ´D`)<テストがんらってくらしゃい。
もう怒った。
>>104 メロンのファーストライブと期末が見事に重なってて行けない・・
という事に対しての怒りです。
チケットオクレクレ
107 :
THE・地蔵 ◆jizouMjYBU :02/10/11 17:31 ID:jpBD3aSg
定期age
消えちゃうからね・・・
108 :
名無し:02/10/11 22:46 ID:H0kMpuem
hozen
保全
(O^〜^)つ〜〜〜〜〜〜〜〜口
ドッキリテクスチャーキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!!!
女性がポケットから取り出したものは大型のオートマチック拳銃だった。
その銃口は矢口の頭にポイントされている。
「え・・・?」この現状に対応できず固まる矢口。女性の口の端がかすかにつりあがった。
何?この人?いきなり銃を突きつけて・・・その前にこれ本物なの?
いえ・・・例え本物じゃないにしても夜道でいきなり人を呼び止めていきなりこんなコトをする。
間違いない!異常者だ!こいつ異常者だ!早く逃げないと・・・!!
矢口は絶対的な恐怖に襲われ、踵を返すと坂を駆け上がった。
逃げる矢口を銃口で追いながら女性が言った。
「私の名は北里香奈。(きたざと かな)これは名刺代わりよ。初対面の・・・・。」
そういうと北里は2回引き金を引いた。パンッ!パンッ!乾いた音が夜の住宅街に響き渡る。
「うっ!」銃弾を背中に受けた矢口は前にのめりこむようにして倒れた。
銃口から立ち上る硝煙を吹き消しながら北里は静かに言い放った。
「お仕事とは言え・・・悲しいわ・・・何の恨みも無い人を殺さないといけないなんて・・・。」
口ではそう言ったもののその笑顔で満たされた顔はそれが嘘であることを語っている。
「任務完了♪さて・・・帰るとしますか。」
北里は銃をポケットに戻すと踵を返した。
「待ちなよ。誰が死んだって?」背後からその声が聞こえた瞬間、北里の右足が意思とは無関係に跳ね上がった。
直後に全身を襲う激痛。
北里は地面に膝をつき、もがいた。足元にジーンズを伝って流れてきた血が溜まった。
「な・・・・何ッ!?」北里が振り返ると、数メートル向こうの坂の上に矢口真里が立っていた。
たった今、殺したはずの・・・!「2号!もう一発返してやれ!」
矢口がそう叫ぶとミニパワーガールズ2号が手にした何かを蹴り飛ばした。
それは、さっきの銃弾だった。弾が命中する直前に2号が2発ともキャッチしていたのである。
北里はそれを認識する前に視界を失った。なぜなら2発目の銃弾は北里の額に命中したからだった。
叫び声一つ立てず、北里は後ろに傾き・・・倒れた。
皆様、保全ありがとうございます。
テスト終了まで全く更新なしっていうのもまずいのでとりあえず
やっておきました。テストは22日スタートで26には終わると思います。
それまでどうかこのスレをお願いします。
特に地蔵。お前は率先してやるように。それでは・・・・
庵も今日でテスト1週間前なのだがな・・・
イタシカタアルマイ。
定期にageる。
sageる。
116 :
THE・地蔵 ◆jizouMjYBU :02/10/17 23:30 ID:K3uJENdF
age忘れ。
この小説に不満があるとすれば、
. . . .. . .. . .. .. . . .. .. ...
なぜ敵役をハロプロにしなかったかということだ!!!ズキューーーンン
(´-`).。oO(”DIO”役は”AYU”か”AYAYA”がいいな・・・)
ageんでも落ちたりせんから、sageで保全しなよ。
保全しとくか。
ついでにAA職人”奇跡の吟遊詩人”はいまどこのスレに作品描いてるか
情報プリーズ。
120 :
:02/10/20 23:36 ID:0+PWm8tL
なんじゃいそりゃ?
>>122 ありがd
今度はスレタイと内容があってますな(w
保全。
今、初日の国語とOCBが終わった所です。
金曜日にテストが終わるのでそれまでご辛抱を・・・・
125 :
:02/10/23 08:13 ID:yJzM5UWF
テストがんばれ。
テストΦト!
庵も明日からテストだ・・・
にしても、なんでテスト中ってのは、
あんなにおならが出そうになるんだろうな?
明日でテスト終了・・・。
更新は多分明日できるかと・・・。
保全してくれた皆様ありがとうございました。
それと126よ。
あなたの学校のテストなら2日の勉強で全教科満点取る自信があるよ。
「どうやらデーモンの手下だったみたいね。」2号がすっ、と矢口の肩に腰掛けた。
「うん・・・。でもなんで今日、いきなり襲ってきたのかな・・・?」
「そりゃあ・・・主人が能力に目覚めたからじゃん?」
「でも・・・・つんく♂さんは襲われた時、対処できるように能力を目覚めさせた。って言ったじゃん?これじゃ逆だよ・・・・。」
「う〜ん・・・。確かにネ。明日にでもつんく♂さんに聞いてみたら?」
2人(?)の会話が続く中(普通の人には独り言にしか見えないが)突如、地面に横たわる北里の体に変化が起きた。
・・・・コロンッ。
北里の頭にめり込んだ銃弾が額の穴から浮かび上がり、地面に転がったのである。
そして、閉じられた両の目が静かに開かれた。もちろん矢口達はこの事に気づいていない。
「ラブ・・・フィリア!」北里が静かに自らのスタンドの名を口にする。
すると、額に開いた穴がボコッ、と盛り上がり(゚Д゚)←こんな感じの顔が浮かび上がった。
その顔は同じく傷を受けた足にも生まれた。
「!!主人!あれ・・・!!」その時、やっと2号が北里の異変に気づいた。
「えっ・・・?うわっ!!何あれ!?キモイ!!ミニパワーガールズ1号!3号!4号!」
矢口は残り3体も呼び出すと、戦闘態勢に入った。
「何匹いようと・・・・この私のスタンドの前では無駄よ。」北里が立ち上がる。
「それはどうかな!?どうやって復活したかは知らないけど・・・またすぐ同じ目に・・・」
そのセリフを言い終わる前に、北里の額の顔の両眼がピカッと光った。
「きゃあ!」「うっ!」「うわっ!」「ぐあっ・・・!」「・・・!!」
同時に矢口と1号・2号・3号・4号の体が縦に裂けた。
その傷口からスプレー状に激しく血が噴出し、アスファルトが赤く染まっていく。
「う・・・・くっ・・・」矢口はうめきながらその場に倒れ、ミニパワーガールズも姿を消した。
「これが私のスタンド・・・ラブフィリア。どう?強いでしょ?」
北里が満面の笑みで言った。額についた顔もこれまた笑顔をつくっていた。
130 :
補足:02/10/25 16:54 ID:keEpufp8
スタンド名<ラブフィリア> 本体「北里加奈」
能力:カウンター型の能力。傷口に顔を作り出す。その強さは受けた傷の痛さによって変わる。
今回の場合は銃弾というかなり大きな痛みを受けたのでここまで強力なものが誕生した。
主な攻撃方法は目から高速のビームを発することのようである。
この顔は北里が傷を負えば必ず発動し、さらにその傷も完全治癒してしまう。
つまり攻撃を加えれば加えるほど北里は強くなっていき、さらにダメージは受けない。
一見、無敵だが弱点もある。まず、1つ。この顔は肉体と同化しているので普通の人にも見える。
さらに、一回できた顔は一生消えない。つまり、北里はこれから死ぬまでこの顔と生活することになる。
破壊力(今回の場合)A スピードB 射程距離B(ある程度離れた場所にいた矢口達にあの攻撃は余裕で届いた)
持続力A(一生消えないから) 精密動作E 成長性C
矢口は地面に突っ伏すとピクリともしなくなった。
胸からの出血はいまだ止まらず地面に血だまりを広げていく。
「さて・・・止めにもう一発いこうかな。」額の顔の両目が再び光を帯びる。
その時、付近の家の明りがつき始めた。今の騒ぎで人々目を覚まし始めたのだ。
ガラガラと窓の開く音がする。「ちっ・・・ここで姿をみられるのはまずい・・・。まぁ、近いうちに止めはさしてやるか・・」
北里は踵を返すと瞬時に姿を消した。
窓を開けたおじさんは眠そうに目をこすりながら・・・・次の瞬間にはその目を見開いた。
「誰か倒れてる!あれは・・・矢口さんの所の娘さんじゃないか!!おい!母さん!!」
おじさんは隣りで眠っている妻をたたき起こすと救急車を呼ばせた。
そして、おじさんは倒れる矢口に応急手当てをほどこそうとした。
しかし、次から次へと溢れてくる血に素人のおじさんは全く対応できず呆然と立ち尽くしていた。
それから5分後・・・・救急車がやってきて、矢口は救急病院に搬送された。
その翌日・・・・。
メンバー全員がつんくによって会議室に集められた。
「みんな・・・・落ち着いて良く聞いてほしい。矢口が昨日の夜・・・・大怪我をして病院に運ばれた。」
メンバー全員の顔が一瞬で凍りついた。「・・・・えっ?」
さらにつんく♂は続けた。「医者が言うには・・・・今、危険な状態で死も覚悟しなくてはいけない状態らしい・・・。」
「そ・・・そんな・・・・矢口さんが・・・・」「嘘でしょ・・・・?」「矢口・・・しんじゃうの?」
「やだよ・・・・そんなのヤダよ・・・。」中には声を上げて泣き出すメンバーもいた。
「どうして・・・そんな怪我をしたんですか?」その保田の質問につんく♂は首を横に振った。
「分からへん・・・ただ、近所の人の話によると胸から大出血をおこして道に倒れていたらしい・・・」
嘘だ・・・・!石川が心の中でつぶやいた。
敵に襲われたんだ。自分と同じように・・・・!!つんく♂さんが余計な能力を教えるからこんな事になったんだ・・・!!
石川の体が怒りと悲しみで震える。いつの間にか、ボイスオブエンジェルが発現していた。
天使が冷たい視線でつんく♂を睨みつける。
この中で、その存在に気づく者はほとんどいない。
飯田とつんく♂だけだ。天使はムチをそっ、と抜き出しつんく♂の前に突きつける。
言葉は無くとも石川の激しい怒りがつんく♂にも感じられた。
「矢口さんはどこの病院にいるんですか?」という紺野の質問に答えながら、つんく♂は石川に対して小さく頷いた。
少し待て。ということか・・・
「とりあえず詳しい事が分かったらすぐ皆に連絡する。それじゃ、一旦解散や。ちなみに今日のMステは11人でな。」
飯田以外のメンバーが部屋を出て行く中、石川はスタンドと一緒につんく♂を睨み続けていた。
「石川・・・お前の思った通り・・・矢口は敵スタンド使いにやられたんや。」
「なんで確証してるんですか・・・?」石川の声のトーンはかなり低くなっていた。
「あっちはお前たちがスタンドが発現したことは知ってるからな。近いうちに襲われることなんて分かりきった事や。」
「分かった上で私達に能力を発現させたんですね・・・?そのせいで矢口さんは大怪我したんですよ!?」
「・・・・・。」つんく♂は何も言わなかった。
「・・・!!許せない・・・!!パニッシュメントダンス!!」
突如、天使があの高速攻撃をつんく♂に仕掛けた。
「・・・やれやれ。」つんく♂も軽く目を閉じると自らのスタンドを発現させた。
スタンド使いにしか感じ取れない強烈なプレッシャーが場の空気を支配した。
強い・・・・!石川は本能的にそれを感じ取った。
「デットオンタイム!!」
つんく♂のスタンド・・・・それは全身に黒いマントを纏った死神だった。その首には金色の懐中時計がさげられている。
ここに天使と死神の戦いが幕を開けた。
(次回、石川対つんく♂)
更新乙!!
うわ〜い!大量更新だぁ!
喜び勇んで死の香
なかなかおもしろいではないですか
138 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :02/10/28 19:19 ID:PdLsyVEb
天使によって繰り出された高速のムチが部屋中を飛びまわり、つんく♂へと襲い掛かる。
・・・早いな。素人にしては対したもんや。・・・・だが!
「この能力の前では・・・無駄やな。」
突然、死神の右腕が黒い光を放った。その瞬間、天使のムチはコントロールを失い床に落ちる。
「えっ!?」慌てて床に落ちたムチを引き戻そうとするが、全く動かない。
今まで軽かったムチが今では鉛のようになっている。
「無駄や。デットオンタイムの能力の1つ・・・おっと・・・まだ詳しい事は言えんがとにかく能力の1つを使った。もうムチは使えんで。」
「くっ!」天使は何度もムチを引く、がやはりダメだった。
「もうそのムチが無くなったら・・・終わりやな。」いつの間にか死神の左手に大きな鎌が握られていた。
その鎌をかつぎながら死神は一歩一歩石川に歩み寄る。
スタンド名<デッドオンタイム> 本体「つんく♂」
破壊力A スピードS 射程距離B 持続力S 精密動作A 成長性B
能力:基本的に謎。だが、石川のムチを動かなくしたことから重さに関係しているのかも知れない。
尚、つんく♂自身の言動により能力は複数あると思われる。
140 :
効果音係:02/10/28 19:30 ID:OfDGCaut
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ
「まだだ・・・まだ終わらんよ!!」ムチが天使の手を離れた。
死神の足が止まる。「(昨日、編み出したばっかりの)新技!!エンジェルダーツ!!」
すると天使の両肩の白黒の翼から羽がマシンガンのように次々と発射される。
ヒュンヒュンヒュンッ!!「ほう・・・」つんく♂は少し口をすぼめて驚きの表情を造ったが、すぐに元の顔に戻った。
「所詮は付け焼刃・・・こんなもんは通用せえへん!」
死神は飛んでくる羽を全て鎌で振り払うと、一気に石川との間合いを詰めた。
「終わりやな。」石川の眼前で死神の鎌が振るわれる。
「・・・!!」石川はまりのスピードに対応できずに固まっていた。
その鎌が石川の首をさらう瞬間、死神の腕が凍りついた。
「つんく♂さん!もう止めて下さい!!」飯田の<ホワイトクイーン>の力だった。
「飯田・・・・お前も俺と戦う気か?」
腕を包む氷は一瞬で砕け、再び自由を取り戻す。
「そんなつもりは無いです・・・。でも・・・」
「でも?なんや?」
「これ以上石川を攻撃するのならば・・・私も・・・闘います!」飯田がすっ、と身構える。
ホワイトクイーンも「グルル・・・・」と唸りながら戦闘態勢を取った。
「それで・・・俺にかなうとでも思ってるのか?」
「・・・・!」飯田の言葉が詰まった。確かに勝ち目は無いだろう。
だが、このまま石川を見捨てることなんて出来ない!!
「行きます!!」ホワイトクイーンは四肢で床を蹴ると天井近くまで飛び上がった。
さらに、後ろ足で天井を蹴ると死神へと突進を仕掛けた。
「なるほど。空中からか・・・。」しかし、この攻撃が命中する直前に死神は姿を消した。
「!!」そのままホワイトクイーンは床に激突する。
その時、死神は既に飯田の背後にまわっていた。
飯田はその事に気づかない。「飯田さん!後ろ!!」石川が叫ぶ。
ダメだ・・・間に合わない!こういう時、マンガならいつも持ってるお守りかなんかが光って守ってくれるんだろうけど・・・
実際はある分けが無い。実際、今もバッグに入ってるのだが(どっかの神社で貰ったやつ)ご利益も無さそうな代物だ。
その鎌が飯田の背中を切り裂く直前・・・!奇跡?が起きた。鎌が直前で止まったのだ。
お守りの起こしたミラクルか?いや、違った。
死神は鎌を消すと、つんく♂の体に戻っていった。
「フフフ・・・ハハハッ!いやぁ、本当に斬る分ないやろ?ちょっと実力を試してみただけなんやけど・・うん。結構強いやん!」
つんく♂は満足気に笑うとシリアスな顔に戻った。
飯田と石川は平家にスタンド審査を受けた時同様に唖然としていた。
「さて・・・石川。お前何故デーモン軍がこっちの事を知ってたか疑問にしてたな。・・・教えてやろう。
それと飯田。お前も付いてきてくれ。リーダーとして知っておく必要もあるやろ。」
そう言うとつんく♂は会議室を出て行った。その後を石川と飯田は分けもわからず付いていく・・・。
HEY×3のネタが…。早っ!!!
まだ終わらんよ!!ってガンダムかよ(w
あのスレと隣に並んだな。
交信乙。
つんく♂は会議室を出ると、長い廊下を抜けてロビーへと出た。(ちなみに会議室は3階という設定です。)
この事務所の各階のロビーには計4つのエレベーターが取り付けてある。
その内3つは一般社員用。そして、残りの1つは特別なカードキーを通さないと使えない社長室直結のエレベーターだ。
このカードキーを持てるのはごく一部の上位の人間だけ。
ただ、事務所の一番の売り物モー娘。を作り出したつんく♂には特別にカードが支給されていた。
「さ、行くで。」つんく♂がカードを通すとエレベーターのドアが静かに開いた。
「・・・これから社長に会うんですか?」飯田が不安そうに聞いた。
(余談だが飯田は社長が嫌いだった。理由は言うまでも無いが・・・・)
「いや・・・・違んやな。これが。」
「えっ?でもこのエレベーターは社長室までしか行かないんじゃ・・・?」
つんく♂は電工パネルを指差した。3・・・2・・・1・・・。
どんどんエレベーターが下りていっている。社長室は5階のはずなのに・・・?
「これは社長も知らんことやけど・・・俺はカードキーを2枚持ってる。1枚は社長室へいくための・・・
そしてもう1枚は・・・マザールームに行くためのもんや。」
マザールーム?初めて聞く名前だった。「そこに全ての答えがある。さっ、着いたで。」
エレベーターは止まると音も無くドアを開いた。
その瞬間、2人の目に飛び込んできた光景・・・。それは闇だった。
深く暗く・・・広い闇。「足元に気をつけろ。それと・・・俺から絶対に離れるな。もしはぐれたら・・・2度と戻れない・・・。」
「な・・・なんでですか?」
「それは・・・この闇自体がスタンドだからや。この闇はある物を守るために存在している。」
2人が言葉を返す前につんく♂が続けた。「それが・・・俺たちの最終兵器や。」
とりあえずここまでで・・・。
omosiroiyo!!
次も期待してます!!
たまにはageてみたらどうでしょう?
↑ありがとうございます。
400以下になったらあげるようにします!!
152 :
まきたん:02/10/30 19:52 ID:anmWQeFd
更新オツ!
おもろい!
交乙!
涙の後の鯖味噌二匹。
「じゃあ行くで。怖いかも知れんがついて来い。後、1つ言い忘れ取った。この闇は五感を麻痺させる。
目も耳も鼻も全てが機能しなくなり、やがては方向感覚も失う。自分がどこに居るかも分からなくなる。
普通の人間なら発狂してしまう・・・が!!俺たちには特別な力がある。」
「スタンド能力ですね?」
「そう。闇に入ったらまずスタンドを出せ。そして感じるんや。この闇のエネルギーの流れを。
エネルギーの流れる方向へ進めば闇の終点まで行ける。だが、失敗したら・・・この闇の中を死ぬまでさ迷うことになる・・・。」
2人の顔色が少し変わった。額を冷たい汗が流れ落ちる。
「じゃあ、行くぞ!デッドオンタイム!!」死神がつんく♂の背後に現れた。
「感覚が麻痺しても絶対に取り乱すなよ!落ち着いて・・・スタンドを出すんだぞ!」
そういうとつんく♂は闇の中へ歩を進めた。それと同時にその姿はまるで飲まれるように闇に消えていった。
「飯田さん・・・手、繋いでいいですか・・・?」石川の声は震えていた。
「う・・・うん。」怖いのは飯田も同じだった。そっ、と握った2人の手も小刻みに揺れる。
「それじゃ・・・・行こうか・・・。ホワイトクイーン!!」「ボイスオブエンジェル!!」
2人はスタンドを発現させると恐る恐る足を踏み入れた。
その瞬間、石川の視界全てが黒く染まった。それも絵の具で塗りつぶしたような真っ黒。
今、自分の目は開いているはず。それでも全く、何も見えなかった。
これがつんく♂さんの言ってた感覚の麻痺か。「飯田さん!」
石川は隣りにいるはずの飯田の方を向いた。しかし、返事が返ってこない。
「飯田さん!?ねぇ!飯田さんいるんでしょ!?飯田さん!?」
その時、気づいた。自分の声が全く響いていない事に。全ての声が空気を伝わらず、石川の口の中で消えていく。
いつの間にか繋いでいたはずの手の感覚も無くなっていた。
と、言うよりも自分の手は今、本当にここにあるの?手を思い切り叩いてみた。
しかし、全く音がしない。叩いた時、手に伝わるはずの痺れも何もない。
それより今、自分は本当に手を叩いたの?それすらも疑わしくなってきた。
いや、叩いたはずだ。自分の脳で考え、体に行動を起こさせたんだ。間違いない。
でも、目が見えないからそれを確認する事も出来ないし、感覚も無いから完全に肯定は出来ない。
それより、私は本当にここにいるの?何か自分の体も無いみたい。ねぇ?私は本当にここにいるの?
誰か教えて・・・誰か私にその答えを・・・。ネエ、ワタシハホントウニ ココニイルノ?
ネエ?ネエ?ネエ? ドウシテ誰モ答エテクレナイノ?ネエ?ドウシテ誰モ・・・。ネエ!!!!!!コタエテヨ!!
石川の精神は徐々に闇に貪られていった。
石川の手は何処に行ったの・・・?飯田も同様、感覚が潰されていた。
不安と恐怖が飯田の全身を支配していく。このままだと心が潰される・・・!!
飯田は機能しなくなった目をカッ、と見開くと姿は見えないがそこにいるはずの自分のスタンドに精神を統一した。
・・・見える!!闇の中におぼろげながら白豹の姿が浮かんだ。
飯田は白豹と一緒に前へ進んで行った。視界はほとんど無いに等しいが、何故か体が突き動かされる。
間違いない!このまま進めばたどり着ける。確証なんて全くないがかなりの自信があった。
そして2分後・・・とっくに闇を抜けたつんく♂の元に飯田が現れた。
闇を抜けると同時に全ての感覚が戻ってきた。
「おう。飯田。無事だったか。」「良かった・・・迷ったらどうしようかと・・・」「そうか・・・ちょっと後ろ見てみ。」
飯田は振り返ると驚愕の声をあげた。「えっ!?」
そこには闇なんて無かった。あるのは倉庫程度の大きさの部屋。
エレベーターから今の場所の距離なんて10数メートル程度しかなかった。
「分かったか。最初から闇なんて存在しない。自分の精神で作り出したただの幻や。
お前はこの狭い部屋を無限の闇と思い込んで歩いとっただけや。」
「え・・・?そんな・・?」
「このスタンドは精神攪乱タイプで相手の精神に無限の闇を錯覚させるんや。感覚麻痺なんて本当は起こってない。
ただ、起こってるように錯覚させるんや。中々恐ろしいスタンドやろ?」
157 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :02/10/31 19:54 ID:Mv0v/oNv
まだだ・・・まだ終わらんよ!一旦age。
158 :
ss:02/10/31 19:54 ID:xJ/XGYDq
面白い!!!
YES YES YES
石川はどうなるのか!?
〜♪
162 :
.:02/11/01 08:19 ID:X/s71JPw
163 :
:02/11/01 14:01 ID:8XO5mQ9M
/|/|/|
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/// / |
ヽ─0─//
______ |´D`||] ____ののののの
\@ /ヽ ̄ ̄ /\@ /
/ ̄_| ̄| ̄ ̄|  ̄\
| _ュ ) | /\__ |
\_ノ _|___| (_/
ヽ_|_/
ヽ┴/
∋8ノハヽ8∈/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(´D` )< てめえはこのつぃののみが
( ̄| | ̄) | じきじきにぶっとばすのれす
|___| |___| \_______
(_(_)
164 :
:02/11/01 14:02 ID:8XO5mQ9M
|\\
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| ‘ ‘|
__|ノ Д|
/|_|\_0/ |__|ヽ
ヽヽヽ |__| )
| |__| |__| |
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ヒv|__|__|__|\/\
/ \/ \ヽ_\ /ヽ
| | ヽ ヽk )
\ @ノハ@ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\ ( ‘д‘)< あほ、
( ̄| |/つ\ 無駄無駄無駄無駄ぁ!やで
|./ _ .| \______________
/_)_)
一方、石川はもう動こうともしなかった。
きっと自分はもうここにいないんだ。この闇の中に溶けてなくなったんだ。
だって何も見えないもん。聞こえないもん。感じないもん。
「石川!ねえ!石川!!」石川は床の上に呆然とした表情でただ突っ立っていた。
闇から抜けた飯田は必死で石川に呼びかけるが、その声は届かない。
届かないというより、石川の体が音を受け付けない。
・・・・・・・。やがて石川は考える事もしなくなった。
「つんく♂さん!このままじゃ石川が・・・!!」
「・・・・。」つんく♂は壁に取り付けられたボタン。火災報知機の様にも見えるボタンに指を伸ばした。
このボタンはスタンド解除ボタン。押せば石川は助かる。このままでは石川の精神が完璧に崩壊して廃人になる可能性があった。
仕方ないか・・。指がそのボタンに触れる直前。
パチンッ!頬を張る音が響いた。天使のビンタが石川の頬に炸裂していた。
感覚がないはずの石川の頬に痛みが走る。これにより、石川は我に返った。
「痛い・・・誰よ・・・。」闇の中にぼんやりと天使の姿が浮かぶ。「あなた・・・」
天使は何も言わず、石川の手を掴んだ。そして、そのまま2人の方・・・出口へと歩いてくる。
「・・・。驚いたな。スタンドが自分で行動を起こすとは・・・。」
スタンドは無意識の才能。その性格も本体とリンクすることが多い。
だが、この場合はまさに正反対だ。
闇に入った瞬間にネガティブになった本体の石川。
その石川を導いたポジティブなスタンド。
これは石川の二面性を暗示してるのかもしれない。
こうして石川も闇を抜けて、全ての感覚を取り戻した。
「いいスタンドを持ったな。石川。そいつに感謝せなあかんで。」
石川はコクン。と頷いた。
「良し・・・。それじゃ2人とも無事だった分だし・・・。始めるかな。」
そう言うとつんく♂は壁の方に向き直り何やら唱え始めた。
「祈念功竜波斬弦核・・・徒浮佐砲回縛瑠周樂!!!」
すると味気ない黄色で塗りつぶされた壁が水面のように波打ち・・・そして、大きなモニターがせり出してきた。
「これが俺らの秘密兵器・・・人工頭脳ハイテクコンピューター・・・<エスパー>や。」
真っ黒なモニターから青い光が溢れ、マシンが起動する。
そして、モニターに浮かび上がる顔・・・。「石井さん!」「石井さんだ!」
「そう。彼女は何年も前から俺たちを守ってくれていた守護者。石井リカだ。」
「えっ!?でも今年入ったばかりの童謡のお姉さんなんじゃ・・・」
「正確にいうと石井リカという人間はいない。お前たちが見てきた石井リカはこの<エスパー>がつくった映像に過ぎん。
その映像を平家の粘土人間にくっつけたんや。対した出来やったろ?」
モニターの中の石井リカ・・・・つまり本当の石井リカが軽く笑った。
「ただ今、ご紹介に預かりました石井リカです。この姿で会うのは初めてですね。これからはエスパーって呼んで下さい。」
「なあ、エスパー。取りあえず今までの事を2人に説明したってくれや。」
「相変らず説明が嫌いな人ですね・・・。分かりました。お話しましょう。」
スタンド名<NEVER ENDING DARKNESS > 本体「エスパー(石井リカ)」
能力:相手の精神を攪乱し、無限の闇の錯覚を見せる。あくまでも幻なので実際に闇が発生するわけでは無い。
だが、幻といえどその力は絶大。闇を抜けない限り幻は消えない。
しかし、例外として、壁に取り付けられたボタンを押すと解除ができる。
破壊力(精神破壊力)S スピードB 射程距離S 精密動作E 持続力A 成長性D
169 :
まきたん:02/11/01 18:44 ID:pMXebaV/
イイ!!
すげえいい感じ!
170 :
太郎:02/11/01 21:02 ID:QEZqqgf6
v-、___,,,,,,,,..........r-----‐‐‐‐‐‐‐‐‐、
r'´ ""'''''"\
( _,,,, >
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}\ / / ヘ / /\ /
_r' ゛'''┴</ィ'⌒ヽ,,,,,,,,,,_____ 〃⌒ヽ//))) y
_| `ヽ,;;;ノ;;;;;;;;_,,____ '''‐-、,,\;;;ノ/〉///
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/ //ヽ、| _,,-''~_,,,,二_,_‐、,,>∨/''‐-、 ~\〕
/^ 〈 ( /( |_,,,/ `ヽ、`ヾ、ッヾ、_ ゞソ_,,,,_〕~\ ヽ
| \\ > _ , ,,二二 -'´ ノ_=;;-‐''( ヽヾヽ、
,ノ゛ 〉、oノ| / |`='/ )ノ \\
r' / ' ::::::| / ,,_,,___| / 〃 ::::)
,ノ゛ /( :::| ' \,::''"/`'‐‐‐(--- --- '´
_∠-‐'''""~ ̄~"~ ̄ ̄~`ヽ _,.......、_,.. /
/"~ ̄ _,-‐-,_,ィ'⌒ヽ // ‐''''''-==-`/ 石井の扱いにワラタ。
〉 ./ { | //\ "''ー-‐''/
./ { `-''' 人`-'''ノ :|:| ::::\ r' /
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>>169 いつもレスありがとうございます。かなり救われてます。
>>170 一応結構いい役なんですね。これが。
まず・・・質問に答えましょう。石川さん。あなたはなんでスタンドが発現したその日に敵が襲ってきたか疑問に思ってますね。」
「えっ?なんでその事を・・・・。」
「この事務所内で交わされた会話は全て私が把握しています。デーモンも同じような事をしてますが・・・。」
「どういうこと?」
「デーモンには念視という技があります。これによって常にあなた達を見てるんです。
つまりスタンド能力が目覚めた瞬間からさっきまで・・・あなた達は監視されていたんです。」
「そんな・・・」「じゃあ、常にどこからでもどこにいても・・・そして今も見られてる・・ってこと?」
「いえ。」モニターの中の石井が首を振った。
「この部屋には結界がはられています。この部屋にデーモンの念視は届きません。唯一ここだけがデーモンの目から逃れられる場所です。
だから我々の重要な情報やアイテムは全て私の中に収納されてるんですよ。例えばあの日記帳とかね。」
「コラ!エスパー!それはゆうたらアカン!!」「え・・!?でももう遅いです〜」
「やれやれ。こういう所が抜けてるんだよな〜。天才コンピューターやのに・・・」つんく♂が頭を抱えながら言った。
「さて・・・次にデーモン達のコトを少し話しておきましょうか。」
すると、モニターの石井の顔が消え、代わりに図が浮かんできた。
石井の声「さて、この図は我々の知りゆる全ての情報です。(現時点)」
<デーモン小暮>悪魔集団聖飢魔II主宰。悪魔教教祖 全ての能力で他の構成員達を上回っている。(知識以外)
<エース清水>元地獄中央情報局長官。デーモンの右腕的存在。策士。また、剣術にも優れている。
<ゼノン石川>元地獄文化局長。聖飢魔Uの中で最も優れた知識を持つ。戦闘能力より発明品の方が恐ろしい。
<ライデン湯沢>天地共通の凶皇である雷神の息子。その名の通り雷を自由自在に操る強敵。
<SGT.ルーク篁III世 >元地獄軍事局参謀。安定した力を持つ。使えない武器は無い。
<ジェイル大橋>戦死。(つんく♂が以前倒した)
「今、我々の元にある情報は大体こんな感じです。あっ、ちなみにこのジェイル大橋は1ヶ月ほど前につんく♂が命をかけて
倒したんですよ。ちなみに戦闘能力はデーモンの三分の一くらいでしたけど。」
「・・・。」「・・・。」
「どうしたんですか?2人とも・・何も喋りませんね・・・。まぁ、とりあえず次に行きますよ。」
エスパーの話が進んでいく一方、矢口の入院する病院の前に一台のタクシーが停まった。
「お客さん。着きましたよ。」運転手の声でシートにもたれて眠っていた紺野は目を覚ました。
「あっ・・・。おいくらですか?」「2300円です。」眠い目をこすりながら紺野は1000札を3枚さしだした。
おつりの700円を受け取りながら目の前の建物を見上げる。
横浜第一総合病院・・・・。ここが矢口さんの入院してる病院だ。
だが、今、死にかけの矢口は集中治療を受けている。当然、面会謝絶だ。
そんなことは承知の上だった。今日はお見舞い目的で来たんじゃない。また別の目的があるのだ。
紺野はロビーに入ると、静かに目を閉じた。
・・・・。見つけた。スタンドエネルギーだ・・・。大分弱ってるな。早く私の力を分けてあげないと・・・。
!!!いや・・・1つじゃない。もう1つスタンドエネルギーがある・・・。
それも邪悪な黒いエネルギー・・!急がなきゃ!!
紺野は非常階段を駆け上がると7階の集中治療室にたどりついた。
「ここね。」紺野の目が薄く光る。すると、ドアの向こうの風景が浮かんできた。
そこには全身をチューブで繋がれ、横たわる矢口がいた。呼吸もままならないのか人口呼吸機が取り付けられている。
そして、ベッドの横に立つ一人の女。さっきの邪悪なエネルギーの根源だ。
その女は頭に巻きつけた包帯をスルッ、と取った。
そこには奇妙な顔が浮かび上がっていた。そう、矢口を病院送りにした張本人、北里である。
「約束通り来たわよ。止めを刺しに・・・。」
「待ちなさい!!」紺野はドアを勢いよく開いた。
北里が視線をチラリとこっちに向けた。
「何あんた?・・・ああ。モー娘。のメンバーか。お見舞いに来たの?馬鹿だね。来なかったら死なないですんだのに。」
「あなたからは嫌なエネルギーが発せられています。恐らく・・・・敵ですね?」
「・・・ほぅ。」北里が感心したように漏らした。「あんたもスタンド使いなんだ。まだ、データには無いけど・・・」
「そうです。ただ、あなたとは段違い・・・・いや、桁違いの強さですけど。」
北里が軽く笑った。「面白いコト言うわね。なら試してみる?この光速のビームを回避できるかどうか・・・」
「随分自分勝手な人ですね。私はそんな勝負は受けません。なぜならもう終わってますから。」
(゚Д゚)ハァ?「何ふざけたコト言ってるの?何が終わってるって・・・」
その時、北里は気づいた。自分の体が穴だらけであることに。「え・・・?何コレ?」
体中に親指大の穴が開いている。でもそこから血は一滴も出ない。
何も分からないまま北里は床に崩れ落ちた。
北里加奈 死亡 スタンド名:ラブフィリア
スタンド名<不明> 本体「紺野あさ美」
能力・バラメーター等、一切不明。
その北里には一瞥もくれず紺野は矢口の胸の上に手を置いた。そして、「えい!」生命エネルギーを全開にする。
紺野の体から流れる生命エネルギーが手を伝わって矢口に入っていく。
「これくらいでいいかな。」紺野は十数秒すると手を離した。
「ううっ・・・ん・・・。」突然矢口が意識を取り戻した。
私・・・生きてるの?何だろう・・・・今の何か暖かい力・・・・
矢口が薄く目を開けたとき、そこにはもう誰もういなかった。
紺野の姿も、北里の死体も。勿論この2つの存在など矢口は知る由も無かったが。
連続更新もここまでかな・・・。
ども、更新乙です。
自分の某小説も終わり、やっと人の小説をゆっくりと読む時間が出来ました。
今まで読んでなかったので、これから前スレも含め、じっくり読ませていただきます。
あと、IDが「どん底」になってますよw
>>178 小説完結ご苦労様です。まさかここに来てもらえるなんて夢にも思いませんでした。
しがない小説ですけれどもよろしくお願いします。
続きか気になる!!!
モー娘。のスタンドの成長性Aなのも気になる!!
181 :
まきたん:02/11/02 14:12 ID:JYQbFbcU
こんなレスでよかったらいくらでもしますよ!
更新オツです!敵のスタンド考えるの大変でしょうけどがんばってくださいね!
応援してます!
フランス最長の川であるロワール川。その河畔一帯をロワール地方、<フランスの庭>と呼ぶ。
そのロワール地方の西端。ここはいまでも中世の古城の郡が残されている。
その古城の郡の中心にある切り立った高い崖。他者の侵入を拒むかのようにその上にたたずむ一軒の洋館。
その洋館こそ聖飢魔Uがアジトとしている蝋人形の館だった。
幅120メートル、奥行き80メートル、3階建てのかなり大型である。
今、フランスの時刻は夜の2時。
夜空に美しく、それでいて妖艶に映える満月。それを館のバルコニーから見つめる者がいた。
悪魔教教祖デーモン小暮閣下その人である。
「美しい満月だ・・・。今宵の月は我輩の魔力を漲らせてくれる・・・。」
そして片手に持ったワイングラスをゆっくりと傾けた。
「閣下。」背後から自分を呼ぶ声がする。
デーモンは振り返りもせず答えた。「エースか。どうした?」
そこにはオールバックの赤髪をした策士の悪魔、エース清水が立っていた。
「寺田の事ですが、奴はこれから次々とスタンド使いを生み出していくでしょう。実力的にも我らの脅威になるとは
思えませんが、念のためあんな雑魚では無く強力なスタンド使いを作り出してはいかがでしょうか?」
「そう焦るなエースよ。まずは奴を泳がせてやろうじゃないか。我々が確認しているスタンド使いもまだ少ない・・・・
それにUFAには謎の部分が多い・・・・。我輩の念視の及ばない範囲もある上に恐らく向こうにも念視を使える者がいる。」
デーモンはワインを一気に飲み干すとグラスを砕いた。パリ−ンッ。ガラスの破片が床に散らばった。
「そうですか・・・。しかし、あなたは寿命がもう近い・・・何故人を殺して生命エネルギーを吸収なさらないのですか?」
「我輩は完璧主義者だからな。地球を征服するまではそれはやらん。征服した後にたっぷり頂くとするよ。」
「しかし・・・」
デーモンは苦笑した。「まだ何かあるのか?さては寿命が近づいた事で我輩の力が落ちる事を心配しているのだな?」
「・・・ハイ。」エースは、申し訳なさそうに頷いた。
「その心配は無用だ。」デーモンは左手を天にかざした。その左腕の周りに黒い炎が渦巻く・・・
「地獄の炎!!(ヘルズフレーム)」炎は一直線に空に伸びていく。
カッ!!ほんの一瞬だがフランス全土の空が炎に覆われ、月の光も通さない真っ黒に染まった。
「本気でやればアフリカを一瞬で大陸ごと焼き尽くせる・・・まだ腕は落ちちゃいないさ。」
何も言えずただ突っ立っているエースの横を通り抜けてデーモンは館の中へ戻っていった。
「それと一応<邪種>を造っておいた。だがこれは心に闇を持つ者にしか寄生しないから不便だ。
今、ゼノン博士が<邪種>の改良版を造っている。それまで待つ事だ・・・。」
すると、デーモンに砕かれたグラスの破片が蠢きだす。
破片は次々と変形していき、やがて羽を持つ小さな虫へと変形した。
「さすがだ・・・。」エースは誰に言う分でも無くつぶやいた。
虫達は次々と飛び立っていく。心に闇を持つ者を求めて・・・・・
場所は戻って日本のUFA地下。
まだエスパーの説明が続いていた。
「今、フランスにいる奴らがどうして日本でスタンド使いを作れるか・・・・それは・・」
今までの説明を聞いた所、エスパーも念視に似た技でデーモン達の事を見れるらしい。
「邪種。と言うものがあるからなんです。これはデーモンの邪念が込められた生き物で心に闇を持った人に取り付きます。
取り付かれた人はその場でスタンド能力が発動し、同時にデーモンへの異常なまでの忠誠心が目覚め、奴の命令になら
何でも従う操り人形となる分です。・・・!!今、新たな邪種が放たれました。数は・・・ダメです。追いきれません。」
「えっ?じゃあまた敵が増える・・・・の?」飯田の予感は大当たりだった。
つんく♂が頭を掻きながら言った。「エスパー。今、娘。でスタンドの才能が芽生えそうな奴は誰や?」
「少々お待ちください・・・・計算中・・・・出ました!!
モニターに3人のメンバーの顔が写る。
「1人目が吉澤ひとみ、2人目は安部なつみ、最後に高橋愛ですね。この3人なら当初の後藤・矢口・石川・飯田くらいの力を持ってます。」
「分かった。じゃあ早速・・・」つんく♂は携帯を取り出した。「あっ、地下やから電波が・・・飯田、石川。上まで戻るで!」
「えっ?もう行っちゃうんですか?ここに1人って寂しいんですよね・・・。」
つぶやくエスパーを無視して3人はエレベーターに乗り込んだ。
「つんく♂さん・・・・スタンド使いを増やすつもりですか?」
「ああ。4人・・・・いや、3人じゃつらいやろ?ぶっちゃけ言うと、モーニング娘。のメンバーの取り方って
生命エネルギーが人より多い・・・・つまり才能がある奴を選んでたんや。歌唱力やダンスなんて二の次でな。
ただ・・・気になるのは紺野や。あいつの生命エネルギーは一般人以下・・・というより誰でも持ってるエネルギーが
あいつからは全く感じられなかった。速攻落とそうと思ったけど・・・全く感じないって所がどうも引っかかって
赤点で一応合格にした・・・。やっぱそれが失敗やったかな・・・・。」
その頃、紺野はタクシーで駅に向かう途中だった。
そして独り言のようにつぶやいた。「ついに動き出したか・・・・」
「お客さんどうしました?」「いや、何でもないです・・・!!すみません!!ここで降ろしてください!!!」
「えっ?ここでですか?」運転手は慌ててタクシーを止めた。ここは商店街の脇道だった。
「無理言ってすみません。」紺野は代金を払うと、商店街の大通りへと走っていった。
「どこ・・?」紺野は邪悪なエネルギーを感じ取ったのだった。
ずらりと並ぶ店の中、その内の一軒・・・魚屋だった。
そこから邪悪なエネルギーが漏れている。店先には魚を売る店主と値段を値切る主婦達がいた。
「あの中だ!」紺野は主婦達を押しのけて店の中へ入った。
そして、住居となっている2階へと階段を駆け上った。
「ちょっとお嬢ちゃん!!!どこに・・・!!」
店主が慌てて追いかけてくる。
2階には店主の奥さんと思える人がいた。その人は唇の端を吊り上げ不気味な笑みを見せている。
「ゲヘへへ・・・殺す・・・・つんく♂・・・空条・・・ポルナレフ!!」
邪悪なエネルギーの出所は間違いなくこの人だった。
さっきデーモンが放った邪種がもう日本につきこの人に寄生したのだった。
つまりこの人も心のどこかに闇を持っていたのだろう。
「おい!出て行かないと・・・!」店主も2階に現れた。そして、変わり果てた妻を見て愕然とした。
「な・・・おい!どうしたんだ!?お前!?」「殺す・・・殺しきる−−−−ッ!!!」
突然、奥さんの5本の指が固まり、槍のように鋭くとがった。
そして、その腕が一直線に腰を抜かしている店主へと伸びた。
「アルカディア!!」紺野の右手に光の棒が現れた。バキッ!それで伸びる腕を叩き落す。
「ギャアアア!!」奥さんの腕は折れていた。
光の棒は変形して光の銃へと姿を変えた。
パンッ!光の銃から放たれる銃弾が奥さんの眉間にヒットして、奥さんは倒れた。
「あんた!俺の妻に何を・・・」「大丈夫。邪悪なエネルギーを殺しただけで本体に影響はないです。」
光の銃は光の棒へと姿を戻した。「ちょっと痛いですけど・・・ごめんなさい!」
紺野は店主の頭を棒ではたいた。店主は気絶した。
「さて・・・起きた頃にはその記憶は消えてるはずです。折れた腕は治らないけど・・」紺野はそっ、とその家を後にした。
それから数時間・・・2人は目を覚ました。
奥さんにやどった邪悪な力は完璧に消え去っていた。
「あれ・・・あんた店はいいのかい?」「あれ・・・なんで俺はここにいるんだっけ・・・」
「!!あっ!!私の腕が・・・ッ!!」魚屋はそれからしばらくパニックに陥った。
スタンド名<アルカディア> 本体「紺野あさ美」
能力:現時点で判明しているのは手に発現させた光を様々な武器へと変える事。
また、今回のように本体にはダメージを与えず、スタンドだけを殺すこともできる。
やや、スタンドの定理を無視した能力である。それと、攻撃した相手の記憶を消すというサブ能力もある。
だが、まだ能力があるらしい謎の多いスタンドだ。
(あの光の攻撃はやろうと思えば本体にもダメージを与えられます。今回はあえてスタンドだけに攻撃したけど)
ちなみに、紺野のスタンドにつんく♂は気づいてない。
破壊力(武器によるけど最大で)A 射程距離(武器によるけど最大で)B スピード(武器によるけど最大で)A
持続力(武器によるけど最大で)C 精密動作(武器によるけど最大で)E 成長性 A
ついでに今回、奥さんに発現して1分たらずで紺野に抹消された能力。
スタンド名<FROG NIGHT > 本体「魚屋の奥さん」
能力:指を槍のように鋭くし、伸縮自在の腕で突き殺すと言うどうでもいい能力。
破壊力B 射程距離C 持続力E 精密動作D スピードC 成長性D
どうでもいい能力。。。
いつか奥さんが戻ってくる事を切実に願う。
こんこんは何者?
もしかして死者?
こんこんの正体は・・・・とりあえず幽霊ではないです。
ほんと面白いです。
ストーリーに無駄が無いって感じ。
ジョジョ好きとして読んでも面白いし、
なぜか聖飢魔Uネタがジェイルが出てくるなど濃いのが笑えるw
楽しみにしてます。
ただ、ゼノンは博士よりやはり和尚かと。
195 :
まきたん:02/11/03 10:56 ID:LTRXZ6a6
連続更新お疲れ様です。
コンコン異常な強さですねw
新しく登場する3人に期待大です
>>194 ドウモデス。ジェイル大橋代官がいた頃自分は幼稚園だったもんで
全く知りません。よって死に役なってもらいました。後、ゼノン石川を
和尚にすると発明家キャラがいなくなるんで仕方なく博士にしました。
>>195 ご応募いただいたスタンド使わせてもらいます
197 :
ちゃん:02/11/03 19:53 ID:HTNPCmMS
はじめまして!!楽しく読ませていただいています。
マンガのジョジョは作画があまり好きではないので、あまり見ていないのですが、
こちらは抵抗無く一気に読みました。なっちとののが好きなので活躍を期待してます。
現在ネタ思案中のため、今回は前書いていた
「ハロプロワイアル」の隠れた話を予備ということで読んで下さい。
ちなみに本編では4人がボートで脱出した後からの話はかかれず、
いきなり全滅というエンディングにたどり着いていました。
今回書いたのは脱出後の話です。
4人を乗せて海上を激走するボート。既にあの船や空のヘリも豆のように小さくなっていた。
「このまま行けば振り切れます。」紺野が自信満々に言った。
「でも、この先どうするの?ずっとこれに乗ってる分にも行かないでしょ?」市井の意見も正論だった。
「このまま行けばこの先に(と言っても何十キロも先だけど)陸地が見えるはずです。そこが香川県なんです。
まず、香川に上陸したら駅まで歩きましょう。それで電車でとりあえずこの付近から立ち去ります。」
そう言うと紺野は黒革の高そうな財布を取り出した。「あの船の中にありました。誰のかは知らないけど20万入ってます。」
「これで逃亡資金は大丈夫・・・って事ですね。」藤本が初めて喋った。
そのころ・・・
アナウンサーがカメラに向かって緊迫のレポートを続けていた。
「ただ今、海上保安庁が海に沈んだ総理を探しています!!・・・!!!あっ!ご覧下さい!!今、総理が発見されたようです!」
カメラにはヘリに引っ張り上げられるぐったりとした総理がうつっていた。
「これは我が国に対するテロです!!許してはいけません!以上、放送内容を緊急に変更しての特番を終了します!!」
最後にアナがしめて番組は終わった。その最後に字幕で<テロは今だ逃亡中。付近の島々には特殊警備隊が配属されました。>とあった。
それから2・30分後。紺野の顔が急に険しくなった。
「どうしたんですか?」松浦の声に紺野は静かに口を開いた。
「まずい・・・燃料が足りない・・。このままだと10分後には海上でストップします・・・。」
「えっ!?」3人が同時に叫んだ。
「すみません・・・とりあえずあの島に緊急上陸して新しい船をかっぱらいましょう。」
ボートは近くの島まで進んでいく。そして、砂浜に乗り上げた。
4人はボートから降りるととりあえず島の中へ入ろうとした。海岸は目立ちすぎる。
そして、その時気づいた。
10メートル向こうに立つ人の影に。しかも1人や2人じゃない。
かなりの人数だ。その人影がこっちにライトの光を投げかけてきた。
「見つけたぞ!!テロリストだ!!」
まずい!海上警察!!
「撃てッ!!」
海上警察達は不気味な程統率された動きでアサルトライフルをホルダーから抜き出し、
一斉に火を吹かせた。ダダダダダダダダッ・・・!!!!!!
紺野達は瞬時に海岸に聳え立つ岩山の影に身を隠した。
その後をものすごい数の銃弾が海面を叩きながら追ってくる。
「みんな!!武器を出して!!」
紺野は岩を背にしながら腰にしたイングラムを抜き出した。
「紺野・・・やっぱり・・・」市井の問いかけに紺野はただ頷いた。
「闘うしかないです!!」その声に、藤本・市井・松浦も黙って銃を取り出した。
銃弾の嵐は今だ、止む事も無く紺野達の隠れる岩山をどんどん削っていく。
「それじゃあ行きますよ・・。3・・・2・・・1・・・」
「0!!!」4人は一斉に岩山から飛び出した。
<続く。今日は時間無かったんで・・・・すみません。>
202 :
aa:02/11/03 23:10 ID:P/PV0oi3
aa
203 :
:02/11/04 00:02 ID:d+fncX3g
裏話(・∀・)イイ!
こんこんの正体を予想(妄想)しますだ!!
1 SW財団のエージェント説 「矢」の力によりスタンド能力を得る、任務内容はデーモンの討伐とUFAの監視等
2 「波紋戦士」の末裔説 矢口の怪我を直した能力は「スタンド」によるものでは無く「波紋」の力ではないかと思うこんこんの曾々祖父あたり若き日のリサリサと一緒に波紋の修行をしていて
その当時からデーモンと闘っていたんじゃないかと思うこんこんがもし生まれながらに「スタンド」や「波紋」を使いこなせるのはジョセフのような「血統による才能」というのが俺の中だけの有力な説(妄想)
まあ間違っていると思いますが万が一ネタばれだったらごめんちゃい。
つうかこんこんの強さとこの小説は(・∀・)イイ!。
>>204 わ、そうかも。波紋かも・・・
波紋使いの末裔・・・・・・・(・∀・)イイ!
206 :
:02/11/05 15:12 ID:/lDCdFyE
_________
| _____ | |
にゅーノハヽヽ | | |
⊂(゚∀゚o川⊂⌒)) | | |
アヒャ!. | | 保 全 ;;;;;;| | |
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | |
|KonKonTV 旦...|/
>>197 初めまして。どうもです。
出来たら本家ジョジョも読む事を勧めます。
読んでたら「こいつ誰?どこのキャラ?」って事になるかも・・・
>>204 いい推理してますね〜。ちょっと当たってます。
「0!!!」4人は同時に岩山から飛び出すとそれぞれの銃を乱射する。
紺野のイングラムの弾丸が2人の警備隊を倒した。
市井のスパスは1人の頭を消し飛ばし、松浦のグレネードは警備隊の腹を貫いた。
ただ、ハンドガンしかもっていなかった藤本は2・3人に集中砲火され、ここで命を落とした。
「ミキスケ!!」松浦の悲痛な声が響く。
「松浦!今は・・・!!!」市井はそこまで言うとまたスパスを撃った。
市井の言いたい事は分かっている。今はひたすら撃ち続けろ!だ。
松浦は激しい反動を華奢な両手で強引に押さえ込むとひたすらグレネードを撃ち続ける。
その弾丸は確実に海上警備隊の数を減らしつつあった。
砂浜は警備隊の血で真っ赤に染まっていく。
「まずい!下がれ!!」隊員達が後退して行く。
3人は死体を乗り越えながら、後退する隊員達に銃弾を撃ちこんでいく。
実際の装備では警備隊の方が上回っていたであろう。
だが、3人には言葉では説明出来ない強さがあった。それが武力の差を埋めていた。
とうとう残りの隊員は2人になった。
「馬鹿な・・・この我々がここまで押されるとは・・・」
市井は何も言わずにスパスの引き金を引いた。
散弾が2人の隊員の体にめり込み、最後の隊員も倒れた。
読者の皆様へ。
もしかすると更新が大幅に遅れる可能性があります。
なるべく早めに父を説得するつもりなのでどうかご承知下さい。
交信乙。
詳細キボンネ
1.回想
「はあ、なるほど……康一のヤツを最近見かけないのは、旅行に行っちまったからなんスね。承太郎さん」
「そうだ」
東方仗助は、空条承太郎との国際電話でのやりとりを思い出していた。
「いいなァ〜費用とか全部そっち持ちでイタリア旅行なんて。羨ましいッスよ〜」
「いいか仗助……康一くんは遊びに行った訳ではないんだ。
れっきとした調査のために、オレの方から仕事を依頼した」
承太郎は至極真面目な口調で説明したが、仗助はまともに聞いていなかった。
自分に何も言わずに出かけていった広瀬康一に、少々恨みがましい感情が芽生えていたためである。
「……で、オレに用って何なんですか?」
「他でもない。仗助……お前にも行ってほしい所がある」
「え、マジっすか」
「ああ。至急イギリスへ飛んでもらいたい」
「イギリス!? あのバッキンガム宮殿とかがあるイギリスっすか?」
「イタリアに康一くんを行かせたのは、調査に危険がないと判断したからだが……
イギリスで起こった事件……SPW財団の報告によれば、どうも……一筋縄ではいかないもののようだ。
本来なら、こういった危険な仕事は自分で行くところなんだが……」
「な、何言ってるんスか! 任せてくださいッス! オレはプレッシャーをはねかえす男ッスよ!」
いけしゃあしゃあと調子づく仗助。
無論、彼が積極的にイギリス行きを希望したのには理由(ワケ)がある。
(あと一年で卒業だってのに、このまま『受験戦争』なんてわピしーモンに忙殺されて高校時代が終わっちまいそうだったけど……
今が千載一遇のチャンス!
ここんとこロクにダチや女の子と遊びにも行けなかったし……
康一にばかりイイ思いをさせてたまるかッつーのよォ〜)
二年前、父親であるジョセフ・ジョースターから掠め取った小遣いは当然底をついており、いつぞや当てた宝クジの賞金も、未だに母親の管理下のまま。
とどのつまり、仗助は懐が寂しかったのだ。
高校三年といえば、ほとんどの学生は大学受験に身も心も費やさねばならない時期ではあるが、まだ四月も半ばに入ったばかり。仗助としては、一発派手に遊びたい気分だった。
さすがに承太郎の前では、そんな腹づもりはおくびにも出さないが。
「そうだったな。お前が頼りになる奴だって事は知っている……いいだろう。
イギリスの件は任せたぞ」
「ハイッ承太郎さんッ! 大船に乗ったつもりでいてくださいッす!」
(やったァ〜グレート! 海外旅行だぜーッ!
旅費も全額負担してもらう事になったし!
「調査」は適当にやって、できるだけ長〜く観光やショッピングを楽しむッスよ〜!
オレって「悪党」かなあ〜〜っ)
余談だが、イタリア旅行を引き受けた康一も似たような事を企んでいた。その結果彼は、思わぬトラブルの連続に巻き込まれる事になってしまう。
仗助にもまた、同じような災難が待ち受けていると考えるのは……根拠のない憶測と言えるだろうか?
ともあれ当の仗助は、不安など微塵もない爽やかな気分で、イギリスの地に足を踏み入れたのだった。
かつて、自分の祖先が住んでいた島に。
2.苦悶の記憶
男の悲願は、叶いつつあった。
あれから十数年。長かった。
かつて男は、DIOという名の帝王に仕え、彼に刃向かうジョースター一行を抹殺するために戦った。
だが男は、承太郎というスタンド使いに敗れた。
脳にダメージを受けたせいか、あの戦いの記憶はおぼろげで、いかにして敗れたか、もうほとんど思い出せないでいたが、その時味わった漠然としたイメージは、今でも男につきまとっていた。
それはすなわち、苦悶の記憶。敗れた事。DIOのために己の力を役立てられなかった事。敗北者でありながら、おめおめと生き残ってしまった事。
男が意識を取り戻した時、待っていたのは……主の死という名の、絶望だった。
生きる希望を失いかけた。男にとってDIOという存在は、それほど強く、深く、大きく、美しい……己の存在意義のすべてといっても過言ではなかったのである。
あの時、おれを駆り立てたものは何だったのだろう?
男はかつてのDIOの館へ潜入し、SPW財団の監視の目をかいくぐって、一組の『弓と矢』の奪取に成功した。
男のスタンドを以ってすれば、それは造作もない事だった。
だが、それから男の歩んだ道は……想像を絶する苦難の連続であった。
SPW財団からの追及の手は、執拗なまでに男を襲い続けた。スタンド使いの刺客とも幾度となく戦った。今まで生き延びてこれたのが不思議なくらいの、長きにわたる戦いの人生だった。
闇の中、危険に怯えながらも手探りで道を求め這い進む……男は己の生き様を、後にそう評した。
男の眼は光を見る事ができない。代わりに『矢』が彼の眼となって、行くべき道を示してくれた。
男は世界中を渡り歩き、『矢』が求める人間を次々と突き刺していった。
そして月日は流れ……
男……ゲブ神のンドゥールは、長年求め続けていたスタンド使いにようやく巡り合った。
3.繁栄
『ロンドンは豊かな都市である。
いたるところに広大な公園やたくさんの緑がある豊かさ。
学費や医療費が無料という豊かさ。
休暇がたっぷりととれる豊かさ。
身体にハンディのある人も周囲の目にわずらわされることなく出歩ける豊かさ……(中略)
あげればきりがないであろう。
ロンドンではいたるところに豊かさがあふれている。
日本の社会では望むべくもない豊かさが……』
(地球の歩き方:ロンドン編 2000〜2001版より抜粋)
ロンドンはヒースロー空港の入国審査を、にわか仕込みのたどたどしい英語でどうにか切り抜けた仗助は、ガイドブックの活字と睨めっこしながら、セント・ジェームズ・パークを歩いていた。
今日はちょうど復活祭(イースター)で、観光客やパレードで賑わっている。
「ンン〜グレートッスね〜さすが花の都ロンドンッ!(註:花の都はパリである。念のため)
え〜とナニナニ……ショッピングは『ピカデリー・サーカス』周辺がオススメ……か。
億泰に頼まれた土産も買ってやらねーとなァ〜」
仗助のように、旅行本を広げたまま無防備に歩き回るのは、はっきり言って賢明ではない。
周囲からおのぼりさんと判断され、スリなどの標的になりやすいためだ。
日本人旅行者ならなおさらである。
幸い仗助は、その手のたちの悪い連中とは、まだ出くわさずに済んではいるが。
大きなドラゴンを模したパレードが通り過ぎていった後、交差点を渡ろうとする異国風の男が、仗助の眼に留まった。
男は盲人であるらしく、杖で地面を丹念に叩きながら歩いていた。腰に水筒をぶら下げているが、何といっても目立つのは、背中に背負った仗助の身長よりも高そうな大きな木箱であろう。
215 :
話:02/11/06 19:07 ID:SqvHspfA
(うっわ〜……見るからに重そうな荷物ッスね〜……大丈夫かな?)
仗助のような感想を抱いた野次馬は多かったらしく、男に好奇の視線が集まった。
中には、彼の背負う大荷物を手伝ってやろうとする親切な人もいたが、男は無視してさっさと歩き去っていってしまう。
野次馬たちの予想に反し、男の足取りは、背中に翼でもあるかのような軽やかなステップであった。
しかも、この人ごみの多い雑踏の中、誰とも肩がぶつからない。
とても目の不自由な男の歩き方とは思えなかった。
(不思議なヤツもいたモンだね〜。
ま、ロンドンだからどんな奴がいてもおかしくはねーんだろーけど……)
言うまでもないが、ロンドンに責任は一切ない。
216 :
話話:02/11/06 19:07 ID:SqvHspfA
4.突然の衝撃
男はそのまま、雑踏の中に消えていくかに見えた。
ところが、不意にいかつい大男の身体が彼の行く手をさえぎった。
これは予想外だったらしく、男はまともに衝突してしまった。よろけて倒れそうになるのを、なんとか持ちこたえる。
「何だァ〜てめェ! どこに目ェつけて歩いてやがんだオイ!」
大男たちは三人組で、杖を取り落とした男をぐるりと取り囲んだ。いずれもいかにもガラが悪い。
「なんとか言ったらどうだァ〜?『ボケッとしててすみませんでした』ってなッ!」
完全に言いがかりだ。先刻の男の歩き方を見ても、彼に落ち度があるとは思えない。
おそらく連中は、旅行客専門の当たり屋といったところだろう。
(どこにでもいるんだなァ〜あーゆーチンピラ……)
自称不良学生の仗助から見ても、大男たちのやり口には嫌悪感を覚えた。
囲まれた男は、無言のまま立ち尽くしている。無表情なので、何を考えているかは読み取れない。
周りの人々は四人を遠巻きにするだけで、異国人を助けようとする勇者が現れる気配はなかった。
二年前の仗助であれば、同じく野次馬に隠れて高見の見物を決め込んだであろうが……
217 :
JO:02/11/06 19:08 ID:SqvHspfA
「オイコラてめーッ! ロンドンフラフラ歩いてるクセに英語わからねーのかッ!!
何とか言えッこの野郎ッ!!」
チンピラたちが苛立ち、とうとう実力行使に出ようと腕を振り上げたその刹那。
がっしりとその腕を掴んだ人影があった。仗助である。
「エクスキューズミー? そこまでにしてやっていただけないッスかね?」
仗助の英語は典型的な日本人の発音なうえ、後半はもろに日本語である。
言葉そのものは通じなかったが、リーゼント高校生のパフォーマンスは、チンピラ連中の気分を害するには充分だった。
「でしゃばんじゃねーッすっこんでろッ! 妙なアタマしやがってこのガキがッ!」
当然の事ながら、チンピラの罵声は英語であり、仗助の耳と頭脳では、その意味するところの半分も理解できなかったが……
唯一「ファニー・ヘッド」という言葉だけは、妙にハッキリと聞こえた。
プッツ〜ン!
仗助の脳内で、理性をつかさどる何かが音を立てて切れた。
「おい、あんた今……オレのこの頭の事なんつった!?」
「なッ!?」
仗助の身体がユラリと傾いたかと思うと、次の瞬間、チンピラの顔面に凄まじい衝撃が走った。
バヂーン!!
「ホゲェーッ!!」「うわーッ」
仗助のスタンド「クレイジー・ダイヤモンド」の拳が、男の鼻っ柱にクリーンヒットしたのだ。
殴られたチンピラは仲間の二人も巻き込んで、仲良くまとめて吹き飛ばされた。
218 :
ろはーん:02/11/06 19:10 ID:SqvHspfA
5.心変わり
「鼻がッ……ハガがァァァッ……」
「痛ててて……な、何だ今のはッ?……」
「お、おい! どういう事だッ!? 折れた鼻が……治っていくぞッ!」
仗助はまだ殴り足りないらしく、半死半生になって戦闘意欲を根こそぎ奪われた三人に、なおも歩み寄っていく。
「このヘアースタイルがサリーちゃんのパパみてェーだとォ?」
誰もそんな事は言ってない。
「な、何て言ってんだあの日本人ッ……」
「ヒィィィ、スゲー怖い顔しながらこっちに来るよォーッ!」
「おれのハナ、ど……どーなったの? ねっねっ!」
チンピラたちは、常人にはとうてい理解不能な現象が起こった事にショックと恐怖を覚えたようだったが、それ以上に驚いたのは、助けられた異国の男……ンドゥールの方だった。
(……今、確かに聞こえた……拳で鼻を殴ったような力強い音が……
あの日本人……声からすると高校生のようだが……彼がやったのか?
それにしては身体が直接、動いた音がしなかったが……)
ンドゥールは瞬時に悟った。彼もまた、自分と同じ「能力」の持ち主。
日本人学生のスタンド使い。過去の忌まわしい記憶が蘇る。まさか奴が?
そんな筈はない。ンドゥールは一瞬よぎった不安を打ち消した。多少似てはいるものの、あの少年の声は承太郎のものではないし、スタンド能力も「スタープラチナ」とは異なっている。
それ以前に、あの戦いからもう十数年もの歳月が流れているのだ。
219 :
go:02/11/06 19:10 ID:SqvHspfA
「あの〜ケガはないっすか?」
「!?」
不意に仗助に声をかけられ、思案中だったンドゥールは身構えたが、彼の言葉から敵意は感じられない。
どうやらこの少年は、ンドゥールの事を全く知らないようだ。
単なる旅行者のフリをして、適当にやり過ごすべきだろう。
ンドゥールはそう判断し、仗助を無視してそのまま行こうとしたが……不意に足を止めた。
「……お陰で助かりましたよ。どうもありがとう」
「いや、別に……大した事じゃあないッスよ」
一言礼を述べると、ンドゥールは足早に去っていった。
220 :
高位置:02/11/06 19:25 ID:wWHUyNR9
6.電光石火
騒動が静まると、大通りは再び、人や車で埋め尽くされた雑踏の海と化した。
仗助のいる場所から200メートルほど離れた通りで、一人の英国紳士風の男が歩いていた。
誰かを探している様子で、足取りもせわしない。キョロキョロしつつも彼は、目的の人物を見つけ出したらしく、さらに早歩きになった。
「あの学ランと髪型……間違いない。東方仗助だ」
紳士は人ごみを掻き分け、仗助に近づこうとした。が……
突如として、背筋に悪寒が走った。ビクリと震え、恐る恐る振り返る。
「き、貴様は……」紳士は背後の人影……ンドゥールの顔を知っていた。
「先ほどのお前の電話での会話を聞いていた……お前、SPW財団の人間だな?」
「!」
英国紳士……いや、SPW財団のエージェントの顔が蒼白になる。
「貴様はゲブ神の、ン……」
ドピュウッ!!
男の言葉が終わるより速く、ンドゥールは水筒を開けていた。
ズパァッ!
獰猛な水蛇にも似たンドゥールのスタンド「ゲブ神」が、亜音速のスピードで男の喉下を切り裂いたッ!
221 :
ンドゥ:02/11/06 19:25 ID:wWHUyNR9
6.電光石火
騒動が静まると、大通りは再び、人や車で埋め尽くされた雑踏の海と化した。
仗助のいる場所から200メートルほど離れた通りで、一人の英国紳士風の男が歩いていた。
誰かを探している様子で、足取りもせわしない。キョロキョロしつつも彼は、目的の人物を見つけ出したらしく、さらに早歩きになった。
「あの学ランと髪型……間違いない。東方仗助だ」
紳士は人ごみを掻き分け、仗助に近づこうとした。が……
突如として、背筋に悪寒が走った。ビクリと震え、恐る恐る振り返る。
「き、貴様は……」紳士は背後の人影……ンドゥールの顔を知っていた。
「先ほどのお前の電話での会話を聞いていた……お前、SPW財団の人間だな?」
「!」
英国紳士……いや、SPW財団のエージェントの顔が蒼白になる。
「貴様はゲブ神の、ン……」
ドピュウッ!!
男の言葉が終わるより速く、ンドゥールは水筒を開けていた。
ズパァッ!
獰猛な水蛇にも似たンドゥールのスタンド「ゲブ神」が、亜音速のスピードで男の喉下を切り裂いたッ!
222 :
らら:02/11/06 19:26 ID:wWHUyNR9
「……かッ……」男の悲鳴は声にならない。口からは血の泡と、弱々しい息が漏れるのみ。
「安心しろ……急所は外してある。だが、声帯を切り裂いてやったから、声を出す事はできん。
もっとも発見が遅れれば、やがて出血多量で死に至るだろうがな」
ンドゥールは冷徹に言い放つと、一瞬にして男の身体を袋小路の暗がりに放り投げた。
恐ろしい事に、これだけ多くの人々がひしめき合っていながら、誰一人としてンドゥールの凶行に気づいた者はいなかった。
たとえ目撃者がいたとしても、紳士など「最初からいなかったのではないか」と錯覚させるほどの静かな……まさしく電光石火の早業であった。
この十数年間、死闘に明け暮れたンドゥールのスタンドは、パワー、スピード、精密動作性……どれをとっても、承太郎と戦った頃に比べ、格段の成長を遂げていた。
「SPW財団の手がもう伸びていたとは……やはり都会での事件は目立つな。
……急がねばならん」
言葉とは裏腹に、ンドゥールの顔には不敵な笑みがへばりついていた。
一方、仗助は……
「あ、そう言えば……承太郎さんが言ってたなぁ〜。
『宿泊施設を案内してくれるSPW財団のヒトが迎えに来る』って……」
時計を確認してみる。約束の時間はとうに過ぎていた。
「もう来てもいい頃なのに……遅ェーなァ〜……」
223 :
w@6:02/11/06 19:27 ID:wWHUyNR9
7.逃れえぬ運命
ンドゥールが目指したのは、ロンドン郊外をさらに外れた、田園地帯にそびえ立つ古びた城であった。
ここまで来ると、華やかな都の面影はどこにもない。
周囲の畑も痩せて枯れ果て、曇り空のせいもあってか、土の色は魂が抜け落ちたかのような鈍い灰色に変わっていた。
当然ながら、こんな辛気臭い城に買い手がつくはずもない。
城を所有していた貴族も現在は破産してしまい、行方知れずとなっている。
それをいい事に、無断でこの城に居座り続けている女がいた。
そいつは3ヶ月ほど前、ンドゥールの『矢』によって貫かれスタンド使いとなった。それまでは下町で怪しげな辻占いや交霊術を生業とし、けちな日銭を稼ぐ三流魔女であり、異常なまでに欲の深いその性格は、周囲から奇異の眼で見られていた。
長年、裏の世界を生き抜いてきたンドゥールでさえも嫌悪を覚えずにはいられない、どうしようもないゲスな女だった。
奇しくもそんな女が、ンドゥールの人生に答えをもたらす存在となった。
『矢』によって目覚めた彼女のスタンド能力。
それはンドゥールを駆り立てた熱情の正体であった。
「……我々はみんな『運命』の奴隷なんだよ」
かつて、ンドゥールによって同じくスタンド使いとなった男が、そう言っていたのを思い出す。
これまで自分が戦い抜いてきた事も。今まで生き延びてきた事も。
あのゲスな魔女が、己にとって救いたりえる事もまた、運命だというのか。
「それが運命だというのなら、従おう。卑劣な手段も使おう。地獄に堕ちる事もしよう」
すべては我が敬愛する、悪の救世主のために。
224 :
高位置:02/11/06 19:28 ID:wWHUyNR9
8.凍てつく影
廃城の中では、奇妙な儀式が行われようとしていた。
玉座のある大広間で、二つの人影が対峙している。
一人は年老いた男。薄汚れた身なり。半ば禿げ上がり、脂ぎったぼさぼさの髪。おそらくは、ロンドン郊外に不法居住している浮浪者であろう。彼はガタガタと怯え、石畳に尻餅をついた。
もう一人は、なまめかしいデザインの黒いレザードレスを着た中年女。とはいえ、その肌や物腰を見るだに、成熟された中にもみずみずしさを帯びた、奇妙までの妖艶な魅力が感じられる。
三十路をとうの昔に過ぎた女性とは、とても思えない。
彼女はこの城の主だった。
「さあ……カネは充分に払ったし、『契約』も交わしたわ。
約束を果たしてもらうよ……」
女は自信に満ちた口調でそう宣告し、恐怖に震え動けずにいる男にゆっくりと近づいていく。
「あ……あ……た、たすけ……」
「心配しないでよ。あんたの『魂』に充分な『価値』があれば、老い先短いあんたがこれから生きていくだけのエネルギーは残しといてあげるから……」
甘く囁く女。男の震えは止まらない。それどころかますます激しくなるいっぽうだ。
女の顔がとうとう頭上に迫った。彼女はガパァッと、男に向けて大口を開けた。
心なしか男は、女の口が耳まで裂けたように錯覚した。
女が息を吸い込む。ひどく冷たい。文字通り、身も凍るほどの恐怖と脱力感が男を襲った。
ズギュン、ズギュン、ズギュン…………!!
男はこのとき実感した。自分が悪魔に『魂』を売ってしまった事を。
9.精神石
ズギュン、ズギュン、ズギュン、ズギュン…………サラサラ…………
魂を吸い尽くされた犠牲者の肉体は、水気を完全に失い、錆の色をした紅い砂となって崩れ落ちた。
続けて着ていたボロ服もばさりと床に落ちる。
その砂の中に、鈍い輝きを放つ小さな宝玉が転がっていた。女はそれを拾い上げ、舌打ちする。
「チッ……全然ダメじゃねェか……
この程度の『魂』じゃあ、払ってやったカネの1/10の価値もありゃしない……
しょせん食い詰めた浮浪者のエネルギーなんて、この程度ってことね」
毒づきつつも彼女は、男の服から先ほど支払ったカネを回収し、彼の『魂』のなれの果てである宝玉を、奥の宝石箱にしまった。
「相変わらずだな……グロリア」
「!」
グロリアと呼ばれた女が振り返ると、扉の前にンドゥールが座っていた。例の木箱も隣に置かれている。
226 :
高@:02/11/06 19:30 ID:wWHUyNR9
「な〜んだ。誰かと思えばンドゥールちゃんじゃない。脅かさないでよ、もう〜ッ」
魔女の態度の変化は唐突だった。ンドゥールの姿を認めた途端、わざとらしいまでの猫なで声になる。
普通の男性ならば、グロリアほどの魅力を持った女性に甘えられれば、多少は気が緩みそうなものだが、ンドゥールの価値観からすれば、表面的な美貌などどうでもいい要素である。
ンドゥールにとって彼女は、ドス黒いまでの醜い心を持つゲス女……そして道具にすぎなかった。
「ねえ〜久しぶりに来たんだからさぁ。どっかイイお店でパーッと騒がない?」
「グロリア……おれは、お前のような女の冗談は……あまり好きじゃあない」
ギャン!!
ンドゥールの淡々とした言葉と同時に、水筒から「ゲブ神」がグロリアの喉笛に飛びかかっていた。
その手前ギリギリのところで、水の刃がピタリと寸止めされる。
魔女は微動だにせず、全身から冷や汗がにじみ出ていた。今度は彼女が恐怖に硬直する番だった。
「……じょ、じょうだんだってばぁ……こんな他愛のない冗談ぐらいで、そんなムキにならないでよ。
お願い、あたしの事キライにならないで。あんたに刃向かう気なんかあたし、全然ないんだからさ。
あたしのスタンドって、戦いにはからっきしなんだし……」
グロリアの必死の弁解に、ンドゥールは無言のままスタンドを納めた。
227 :
光一:02/11/06 19:31 ID:wWHUyNR9
10.凶運の彫像
ひとまず安堵の表情を浮かべ、グロリアは本題に入る事にした。
「……あんたが持ってきたその木箱に入ってるのが……『例のヤツ』ね?」
「ああ……お前の注文通り、あのイタリア人彫刻家に作らせた代物だ」
ンドゥールは杖で軽く木箱を叩きつつ答えた。
「しかし……以前盗んだ『騎士』の彫像は暴走し、ロンドンで騒動を引き起こした……
今度は大丈夫なんだろうな?」
「ああ〜……アレは、ハッキリ言って駄作だったわ」グロリアはぱたぱたと手を振った。
「大昔の高名な彫刻家の作品って聞いたから期待したんだけどさ。表面的な『技術』ばかりが先走りしてて、全然『心』がこもってなかったもの……ロクに『魂』も入らなかったのよ?
あんな粗悪品じゃあ、あたしの真の『能力』は発揮できないわね。
でも安心してンドゥールちゃん。完全なる『技』と『心』のこめられた真の芸術品ならば……あたしのスタンドは絶対に共鳴する……まだ成功した事はないけど、なぜか分かるのよ。
スタンド使いの『勘』ってヤツかしらね?」
スタンドは精神のエネルギー。「できて当然」と思い込む事こそが力の源。
ンドゥールは彼女の自信を再確認し、この魔女のスタンドならば、己の目的を達成できると確信した。
228 :
幸一:02/11/06 19:32 ID:wWHUyNR9
11.単独行
仗助は廃城の門前に立っていた。
遠巻きに眺めても、気味の悪い城だった。門の柱の上には、奇怪な怪物の石像……ガーゴイル像と呼ばれる代物らしい……が鎮座している上、庭や城壁もボロボロで、何十年も打ち捨てられたかのような荒廃ぶりである。
(……グレート……なんつ〜イヤな雰囲気の城だ……)
仗助の心に引っかかっていたのは、先刻のンドゥールとのやりとりだった。
ごく短い時間だったため、うっかりしていれば聞き流してしまうところだったが、仗助とンドゥールは確かに会話を交わした。意思の疎通ができた。だがあの会話は『英語』でも『日本語』でもなかった。
スタンド使い同士でのみ行う事のできる、特殊なテレパシーによるものであった。この能力はスタンド使いにとって、無意識に行われる産物であるため、意外と見落としがちになりやすい。
(あのおっさん……確かに怪しかったけど、まさかスタンド使いだったとはなァ〜……
しかも『水』を使って何でも切り裂いたり、握りつぶしたりできるって話じゃあね〜か……)
ンドゥールと別れた後、仗助は袋小路で倒れていたSPW財団のエージェントを発見した。
切り裂かれた彼の声帯や喉のキズは「クレイジー・ダイヤモンド」で治したため、どうにか一命を取り留める事ができた。
「ゲブ神」のスタンドについての情報も彼から入手し……もっとも、『水』のスタンドである、と教わっただけであるが……すぐさま仗助はンドゥールの後を追った。
そして紆余曲折あったものの、ついにこの廃城に辿り着いたのである。
(なぜかはわからねーが……ヤバイ予感がする……
承太郎さんやSPW財団の応援を待ってたりしたら、手遅れになっちまいそーな何かが……
チクショ〜せっかくのオレのバカンスが、早くも台無しになりそうだぜ……だがッ!
見過ごすワケにはいかねえ……こーなったら、オレ独りで乗り込むっきゃねーぜッ!)
仗助は意を決し、城の門をくぐった。
229 :
孝一:02/11/06 19:34 ID:wWHUyNR9
12.誤算
トゥルルルルッ、トゥルルルルッ、トゥルルルッ……ガチャリ。
「…………」
「……『空条』……『承太郎』さんですね?」
「……どうした? 仗助とは無事、接触できたのか?」
とあるホテルの一室。
しばし無言だった承太郎は、聞き覚えのある中年男……SPW財団のエージェントだ……の声を確認してから、口を開いた。
「接触は取れました、ですが……予想外のトラブルが発生しました」
「…………」
「……『ゲブ神のンドゥール』が現れました」
「!……本当か、それは?」
「本部で見た資料の顔写真と一致しました。間違いありません。
事実ヤツは、仗助さんとの接触を妨害すべく、わたしを襲ってきました」
「やれやれだ……ロンドンで起こった事件に、あの男が絡んでいたとはな」
230 :
弘一:02/11/06 19:34 ID:wWHUyNR9
ロンドンの「騎士」暴動事件。
白昼堂々、往来に出現した2メートルを越す巨漢が、大剣(ビッグ・サーベル)を振り回し市民11人を次々と惨殺。さらに駆けつけた現地の警官隊20名をもことごとく返り討ちにした、血なまぐさい惨劇であった。
事件そのものの残虐性もさる事ながら、奇妙だったのは犯人像と、その末路だった。
目撃者の証言によれば、犯人は英国史にその名を残すタルカスという騎士にそっくりであったという。400年も過去の英雄が現代に蘇ったというのだ。そんな不思議な事が起こりうるだろうか?
しかも、警官隊が束になっても歯が立たなかったその怪物は、突如として苦しみだし、一目散にテムズ河へと身を投げてしまう。腑に落ちない幕切れであった。
後に河の中の捜索が行なわれたが、角張った岩が多数、水底から発掘されただけで、騎士の遺体はとうとう上がらなかった。犯人はどこへ消えたのだろうか?
「で、仗助は? 一緒にいるんだろう?」
「それが……わたしの喉のキズを治した後、ンドゥールの情報を聞いてすぐ『急がねーと』と呟いて、行ってしまわれました」
「何だと!?」
沈着冷静なはずの承太郎が、思わず声を荒げる。
231 :
広一君:02/11/06 19:37 ID:wWHUyNR9
「ロンドン時間では、もうすぐ日が暮れるぞ……なぜオレにすぐ報告しなかった?」
「申し訳ありません……襲われた時に、携帯電話や財布を盗られてしまいまして……そちらに連絡できるまで回復するのと、公衆電話を探すのにも時間がかかってしまったもので……」
完全に萎縮し、しどろもどろに弁解するエージェント。
「仗助はどこへ向かったんだ?」
「おそらく、ンドゥールを尾行していったものと思われますが、詳しい場所までは……」
要領を得ない男の返答。息が荒いのが受話器を通して分かる。仗助の「クレイジー・ダイヤモンド」でも失った血液までは治せないためであろう。
それに一般人である彼が、仗助と行動を共にする危険の大きさは、承太郎も熟知していた。
(どういう事だ、仗助……トラブルが起こった時は、オレに連絡するよう言っておいたはずだ……
……まさか、その暇もないほど、急を要する事態だというのか?……)
だが、事件にンドゥールが関わっているとすれば、仗助の先走りは危険だ。
SPW財団の追跡を十数年にわたって逃れ続けてきたヤツが、財団員をわざと殺さずにおいた……仗助や財団の増援を呼ばれる危険を冒してまで。何かあるはずだ……
「仗助に渡した携帯は……」
繋がらない。電源を切っているらしい。すでに敵と遭遇しているのか。
承太郎は、せめて仗助の去就だけでも突き止めるよう、別の財団員に命じた。
「やれやれ……どうやらオレも行かねばならんようだな……ロンドンに」
13.隠された恐怖
ンドゥールとグロリアは廃城の地下室にいた。
「ペッペッ……埃だらけね……明かりつけるわよ、ンドゥールちゃん」
「必要ない」
「そりゃ、あんたはそうでしょうけど……」
毒づきつつも彼女は、照明のスイッチを入れた。
床全体にうっすらと降り積もった埃からも、長い事誰も侵入した形跡がないのは明白である。この城をねぐらにしているグロリアでさえ、地下室の存在に気づいたのは一ヶ月ほど前の事だ。
察するに、貴重品保管のための隠し部屋、といったところだろう。もっとも、グロリアの必死の捜索もむなしく、金目のものはあらかた持ち出された後であったが。
明るくなった部屋の中央に、先ほど二人で運び込んだ木箱が浮かび上がった。
「じゃあ、さっそくだけど……箱の中身を改めさせてもらうよ」
ンドゥールの了解を得て、グロリアは木箱の解体に取りかかった。
233 :
承知太郎:02/11/06 19:39 ID:wWHUyNR9
「正直さァ〜、あたし不安なんだ。
あの『彫刻家』……聞けばまだ駆け出しだって言うじゃない?」
「だが写真を見て判断したのはお前だぞ……グロリア」
「そう。確かにあの子を選んだのは、あたし達と似た『波長』を持っているように感じたからだけど。
ウワサじゃあ、恋人が自殺したとか、ギャングに押しかけられて半殺しの目に遭ったとか……どうにも穏やかじゃないのよね。
そんなトラブル続きの状態で、満足のいく作品が仕上がるかって、疑問といえば疑問……」
突如、グロリアの言葉が止まった。
言葉だけではない。彼女の周囲の空気すらも、コンクリートで固められたかのように硬直していた。
「……どうした」訝るンドゥール。
「……………………な、何なのコレ」
箱から出てきたのは、全長2メートル近くある人間の彫像。
心の中心に忍び込んでくるような眼差し。黄金色の頭髪。透きとおるような白いハダ。男とは思えないような妖しい色気。
血の通わない冷たい石像にもかかわらず、視覚的なイメージがグロリアの脳裏に飛び込んできた。
この像のモデルとなった男、その名は……邪悪の化身、DIO。
234 :
ラリホー:02/11/06 19:40 ID:wWHUyNR9
14.魔の魅惑
グロリアがしばらく無言だったので、たまりかねたのかンドゥールが口を開いた。
「どうだ……上手くいきそうか?」
「上手くも何も……すごいじゃない!」歓声を上げるグロリア。
「あの子には『写真』見せただけだったわね?
それだけで、ここまで表現できるなんて……素晴らしいわッ!
『心』に訴えかけてくるリアリティと、『魂』を揺さぶる躍動感に満ち満ちているッ!
美しい……身も心も凍るほど美しい『黄金』の輝きよォ〜ヒャハッ、ヒャハハァァァ〜〜……」
黄金。それは美しさと同時に、人の欲望を駆り立てる魔性をも秘めし存在。有史以来、どれだけの人間が黄金を巡って血を流し、醜く争ってきた事か。
DIOもまた、邪な心を持つ者を惹きつけずにはいられない……まさに黄金のカリスマと呼ぶべきものを持っていた。この像は……それすらも再現している!
恍惚とした魔女の奇声に辟易したものの、ンドゥールは彫像の出来栄えに満足した。これだけグロリアが気に入った像なのだ。あの方の魂の『拠り代』としてこれほど似つかわしいものもあるまい。
「よし……『儀式』は今夜決行する。『魂』は充分集まっているな?」
「え? ええ……うん。大丈夫……よ」
235 :
でお:02/11/06 19:42 ID:wWHUyNR9
グロリアのスタンドは、人の魂を抜き取り、宝玉にしてしまう能力を持っている。
かつてンドゥールの同僚であったエジプト九栄神に、ダービー兄弟という魂を操るスタンド使いたちがいた。
グロリアの能力も、それにきわめて近いものと言えるだろう。
しかしダービーたちの能力が、「ゲーム」を媒体とした契約なしでは働かないのと同様、
グロリアの能力もひどく強制力が弱かった。「物質」を媒体とした契約を結ばねばならなかったのだ(グロリアの性格上、もっぱら契約にはカネが用いられた)。
無論、スタンド自体の物理的なパワーもなきに等しい。
ンドゥールも最初は、ゲス女にふさわしいカス能力だと、さじを投げていたのだが……
彼女には第二の能力があった。集めた『魂』を彫刻に宿し、生命を与えるという能力が。
ただ生命を与えるだけではない。例えば鳥の彫刻に魂を入れれば、鳥そのもののごとくさえずり、飛び回る事ができた。
彫刻の形にふさわしき『魂の人格』を宿せるのである。
これを応用すれば、過去の英雄だろうが、絶滅した天然記念物だろうが、サンプルとなる彫刻さえあれば蘇らす事ができる。
ンドゥールは狂喜した。この女のスタンドで、我が悲願を達成できる!
ンドゥールの悲願。それは悪の救世主の再臨……DIOの復活であった!
15.詐称者の要求
仗助が廃城にたどり着いた時、それを監視するモノがいた。
注意深く観察すれば、仗助も気づいたかもしれない。柱の上のガーゴイル像が、瞳をギョロリと彼の方へ向けた事に。
グロリアのスタンド能力によって、眼球にのみ生命を与えられた「番犬」であった。
ガーゴイル像の視覚情報は、魔女の網膜にビジョンとして転送される。
「た、大変よンドゥールちゃん! ヤンキーっぽい兄ちゃんが城門の前にいるわ!」
「……知っている」ンドゥールは冷静だった。「『東方仗助』だろう?」
「ジョー……ヒガシ……? 何それ? 日本人?」
「我々と同じスタンド使い……しかもSPW財団の人間だ。せいぜい用心したほうがいい」
「ゲッ……この前言ってた『敵対組織』ね? なんでここが分かったのかしら」
「焦る必要はない。すべて我が計画どおりに事は進んでいる……ヤツが来る事が分かっていたから、わざわざDIO様の像を地下室に運んだのだ」
「ひょっとして……あたしを危険に晒さないためだったりする?」
「くだらんカン違いをするな。お前の儀式をヤツに邪魔されないため……それだけだ」
ンドゥールは立ち上がった。
237 :
キメラ:02/11/06 19:47 ID:wWHUyNR9
「おれはこれから、侵入者を始末しに行く。
グロリア。お前はそれまでに『復活の儀式』を終えろ」
「……ちょっと待って。その日本人……『スタンド使い』って言ったわね?」
「……それがどうした」
「いや、ちょっとね……スタンド使いの『魂』なら、スッゴク価値があると思うんだ〜」
グロリアは目を光らせつつ、ニヤリと笑った。
「お前……『魂』は充分揃っていると言っていただろう?」
「ええ、それは事実だけど……」ンドゥールの口調が険悪になったため、彼女は慌てて肩をすくめた。
「今のままでも儀式は成功する。でも……より確実な『復活』を望むのなら、その、ジョースケだっけ? の魂を手に入れる必要があるんじゃないかなーっと思って。
スタンド使いの魂を抜き取るってのも、まだやった事ないから興味あるし」
ンドゥールはグロリアに背を向け、歩き出した。
「……お前の言葉、心の片隅に留めておくとしよう。だが、期待はしない事だ。
儀式は予定通り始めておけ。頼んだぞ」
「う、うん……分かったわ」
グロリアの返答は、いつもより歯切れが悪かった。しかし戦闘のため、聴覚を仗助の行動に集中させていたンドゥールが、それに勘づいた様子はなかった。
238 :
ポルポル:02/11/06 19:48 ID:wWHUyNR9
16.ローリング・ストーンズ
DIOの像に魅入られたンドゥールとグロリアは気づかなかったが……
木箱の中には、もうひとつの「作品」が入っていた。
「作品」といっても、見た目は何の変哲もない、サッカーボールほどの大きさの丸い石。
だがそれは、二人が彫像について語り合っているスキに、ゴロゴロと地下室の暗がりを転がっていき、やがて視界から消え失せた。
もし、漢字について知識のある者が見たならば、気づいたであろう。
まがまがしい「凶」という文字が、石に大きく刻まれていた事に。
239 :
糖尿:02/11/06 19:49 ID:wWHUyNR9
17.沈思黙考 その1
玉座の大広間に着いたンドゥールは、その場にあぐらをかき、耳に杖を当てた。
一見優雅にくつろいでいる風にも見えるが、これがンドゥールの臨戦体勢である。
(フフフ……やはり来たか……このンドゥール様の『誘い』に乗って……)
英国紳士を装ったエージェントの会話から、仗助がSPW財団に雇われたスタンド使いである事は分かっていた。だが、騒がしい大通りでの戦いは、音に頼るンドゥールにとって得策ではない。
そこで彼は、コミュニケーションをはかる事によって、ワザと自分がスタンド使いである事を悟らせ、仗助の出方を伺う事にした。
仗助がすぐさま自分の後を追ってくれば、廃城での戦いに持ち込める。
城の周辺には人っ子一人存在しない。それだけ「敵」の音を探知しやすくなるのだ。
また、もし仗助が財団に応援を要請したりすれば、増援到着まで時間をロスする事になり……城の所在を突き止める頃にはもう、こちらの「計画」は達成されている、という手筈である。
どちらに転ぼうが、ンドゥールにとって都合のいい筋書きであった。
(フフ……どうやら独りで追ってきたようだな……
我が「計画」の恐ろしさを知っていたからか? それとも己の「能力」によほど自信があるか……
いずれにしても、その勇気と判断力は褒めてやってもいいが……フフフ……
お前の不運は……今、この場所で、このンドゥールと戦わねばならん事だ……)
すでに日は暮れ、辺りは夕闇がとばりを降ろし始めていた。
夜の闇は「音」の世界。もう間もなく、ンドゥールの独壇場となる……
240 :
ナレフ:02/11/06 19:51 ID:wWHUyNR9
18.理性のゲーム
城門をくぐりかけた仗助は、はたと足を止め、携帯電話を取り出した。
(突入の前に……やっぱり承太郎さんに報告しておこうっと)
先刻は「危険な予感」に導かれるまま、敵の本拠地まで足を運んでしまったが、乗り込む直前になって承太郎の言いつけを思い出したのだった。
ンドゥールの居場所を突き止めた事を伝えるだけでも、承太郎や財団にとって有利になるはずだ。突入はそれからでも遅くはない。
そう考えた仗助は、承太郎の電話番号を呼び出し、通話しようとした。ところが……
ふと、周囲の違和感に気づいた。辺りを見回すと、庭の片隅に小屋が建っていた。そして……
(アレ? 庭の中に、水たまりがあんなァ〜……
さっきまでは、なかったよーな……
今日は雨なんか降ってなかったし……待てよ……『水』?)
悪い予感は的中した。
土にしみこんだ水たまりから、一筋の奔流が猛然と仗助に襲いかかった!
241 :
みらくね:02/11/06 19:52 ID:wWHUyNR9
「何ィーッ!?」
シュアッ!!
すんでのところで身をひねったため、どうにか直撃は免れたものの、手に持っていた携帯電話は『水』に貫かれ砕け散った。
(痛ッて……ちょっと指を切っちまった……あッ!!)
仗助は、辺りに飛散した部品の残骸を見て愕然とした。
(うぎゃああ〜〜っなんてこったぁ〜〜っ……
…………チクショオオ〜〜オレの携帯がァアアアアーッ…………)
(註:携帯電話はもともと、承太郎の所有物である。念のため)
感傷に浸っているヒマはない。
仗助は即座に感情を切り替えると、周囲に目をこらした。
(グレート……『水のスタンド』だとは聞いてたが……本体は近くにいねー……
やっぱり『アンジェロ』と同じ、遠隔操作タイプのスタンドか……
にしちゃあ〜……やけにパワーとスピードがある気がするがよォー……)
仗助は以前にも『水』を操るスタンド使いと戦った事がある。その男のスタンドはあらゆる液体を媒介として、人体に潜り込むという恐るべき能力を持っていたが、パワー自体は弱かった。
しかし今回は……あらゆる点で勝手が違うようである。
ジワ、ジワワ…………
前方の地面に再び、水たまりが発生する。仗助は身構えた。
(来るッ)
だが次の瞬間、仗助は後ろを振り返った。
背後からもうひとつの「ゲブ神」が眼前に迫っているッ!
ザシュッ!!
幸い今度の被害は、学生服の袖口を切り裂かれるだけにとどまった。
(やはり来ると思ってたぜ……『水たまり』に注意を向けさせて後ろから不意打ち……
ありがちなパターンだよなぁ〜〜ッ)
243 :
です。:02/11/06 19:54 ID:wWHUyNR9
19.おとりの達人
それにしても……仗助は訝った。
(さっきから、すげえいいコントロールしてるじゃねーかよ〜〜〜〜……
いくら遠隔操作っつっても……見えてなきゃあ、こんな精密な動きはしねーハズだ……)
城を見上げても、この場所を見下ろせるような位置に人の気配はない。
そもそもあのンドゥールという男は、目が不自由なのではなかったか?
(待てよ……『見えて』いるんじゃあなくて、ひょっとして『聞いて』いるのかも……)
確認しなければならない。仗助は学生服のポケットを探った。
もしもの時のために、遠距離用の武器として持ってきていた「ベアリング」が数個入っている。しかしこんなものでは、小さすぎて囮と勘づかれてしまうかもしれない。
(そうだ。ここに来る前に、妙に日本語のウマイ変なオヤジに情報と一緒に売りつけられた「アレ」があったな……)
244 :
よよま:02/11/06 19:54 ID:wWHUyNR9
仗助は別のポケットから、カラフルな色をした卵を取り出した。
復活祭につきものの、イースターエッグである。但しこれは……
(ドラァッ)
用心のため、心の中でそっと叫びつつ放り投げた。
庭の中にある石にぶつかって、エッグは転がり落ちる。すると……
"Good Morning Children!! I'm Humpty Dump……"
ドグシャアッ!!
衝撃反応型目覚まし機能つきイースターエッグは、仗助の目論見通りに「ゲブ神」に破壊された。
(やっぱりそうか……『音』に反応して攻撃してるってワケかよ……)
これで最初に「携帯電話」を攻撃されたのも合点がいく。プッシュボタンの音に反応したのだろう。
電話を壊され、SPW財団と連絡が取れなくなった事は痛いが…… いや、治そうと思
えばクレイジー・ダイヤモンドで治せるのだが、今携帯の残骸に近づくのは危険だ……そのおかげで、身体に致命的なダメージを受けずに、敵の能力を見極める事ができたメリットは大きい。
(それならそれでよォ〜、こっちにも考えがあるぜッ!)
245 :
kk:02/11/06 19:58 ID:wWHUyNR9
20.沈思黙考 その2
(ほう……あの男……単独で乗り込んでくるだけの事はある……
身のこなしといい……判断能力といい……そうとう『戦い慣れ』ているな……面白い……
このンドゥールが音で探知している事にも気づいたようだな……フフフ……
気づいたところで、どうなるわけでもないが……ヤツの『治す』能力には用心しなければ……
一撃で仕留めなければ、スタンド能力によって癒されてしまうからな……ム?)
ポタリ、ポタリ…………
ンドゥールの研ぎ澄まされた聴覚は、わずかな水滴が地に落ちる音を聞き逃さなかった。
(なんだこの音は……仗助の汗か? いや、落下音から察するに、地面の土は固まっている……血だ。
血による「凝固」だ。間違いない。
先ほどの攻撃で指先かどこかを切ったのか……
しかしどういう事だ? その程度のかすりキズ、スタンド能力でなぜ治さない?)
何かの作戦か? その可能性は低い。
血は直線的に、同じ場所に落ち続けている。小細工をしかけた音も聞こえない。
(…………フフッ、ハハハハハ。そうか分かったぞ!
かつてDIO様を苦しめたという『波紋』が、使い手自身に効果を及ぼさないのと同様ッ!
ヤツのスタンド、自分のキズは治せないようだ……フハハハ。
……ならば遠慮は無用ッ……!)
246 :
キズは:02/11/06 19:59 ID:wWHUyNR9
21.差し迫った災難
バシュッ!! バシュッ!! バシュッ!!
仗助の立っている周辺から、次々と水柱が吹き上がる。
(ヤベえ……なんか急に攻撃が積極的になってきたぞ……
オレのスタンドの『弱点』がバレたかな…………グレートにピンチッ!)
しかも、あからさまなまでの「威嚇攻撃」だ。
水の「弾幕」を張って退路を絶ち、城の中に誘い込むつもりだろう。
バカ正直に城へ避難すれば、それこそ敵の思うツボ。
(アレをやるしかねえッ!)
247 :
アレ:02/11/06 20:00 ID:wWHUyNR9
仗助は「クレイジー・ダイヤモンド」を発現させつつ、ベアリング弾を取り出した。
「ドラァッ!!」
雄叫びを上げながら飛びすさる。
声に反応し、たった今仗助の立っていた位置からも「ゲブ神」の水柱が上がった。
(今だッ)
クレイジー・ダイヤモンドがベアリングを発射した。
しかし横に飛びのきながらの射撃は、水に命中する事なく上へ大きく反れ、二階の城壁を多少損壊させただけだった。
ンドゥールは薄ら笑いを浮かべた。
「フハハハ、どこを狙っているッ愚か者めが。
何を飛ばしたか知らんが、そもそも『水』に弾丸など通用するはずなかろうに……
横っ飛びに転がった位置も分かったッ! 城に入れるまでもなくとどめを刺すッ!」
248 :
薄:02/11/06 20:01 ID:wWHUyNR9
22.狙い撃ち
だが仗助は冷静だった。
「狙いは良しッ!『問題なく』命中したッ!」
ベアリング弾によって破壊された城壁の破片が、仗助に向かって飛んでくる。計算通りに。
「『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!」
ドラァッ!!
クレイジー・ダイヤモンドの拳が破片を捉えた。さらにそれを素手で掴む仗助。
ドヒュンッ!!
「治す」能力が発動し、破片は急速に上空へと疾走した。仗助の身体ごと。
水の放物線はむなしく、仗助のいた空間を通り過ぎる。
「何ッ!?」
必殺の一撃が空振りに終わり、ンドゥールは狼狽した。
(馬鹿なッ! あの体勢からさらにジャンプする余裕などないはずッ!
しかも着地音が聞こえないッ! どこに行ったッ仗助ッ……!?)
(『問題なく』切り抜けたぜッ! いや、オレの場合「切り抜ける」じゃねー……
「ブチ壊し抜ける」だッ!)
249 :
シュ:02/11/06 20:02 ID:wWHUyNR9
城壁の破片と共に、目指すは二階ッ!
「ドラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ」
ズドドドドドドドドッ…………ドゴォン!!
クレイジー・ダイヤモンドの強烈なラッシュの前に、もともと老朽化の進んでいた城壁はあっけなく大破し、大穴がポッカリと開いた。
「いぜん『問題』はなし!」
二階の石畳に、首尾よく着地する仗助。
破壊音を察知し、すぐさま「ゲブ神」が迫ってきた。
「『問題なく』治す」
破壊された城壁は再び集合し、何事もなかったかのように元通りになる。
ビシャア!!
壁面に阻まれ、水は力なくブチまけられてしまった。
破壊される前の城壁であったなら、今の「ゲブ神」でも突破できたかもしれない。
だが「クレイジー・ダイヤモンド」によって、老朽化する前……新品同然の状態にまで治された石壁は強度においても「元通り」になっていた。
「へへッ。案外オレ、修理工事のバイトとかやったら稼げるかもな」
戦いの最中にも日常を考える。この楽天さが、仗助の仗助たるゆえんかもしれない。
250 :
を:02/11/06 20:03 ID:wWHUyNR9
23.沈思黙考 その3
(クッ……まさか「二階」から侵入してくるとはッ……仗助めッ!)
見事に虚を突かれ、ンドゥールは身を震わせた。
仗助の「治す」能力を軽視し、油断してしまった自分に対して、怒りが込み上げてきたのだ。
(だが……細部に狂いがあったとはいえ、予定どおり「城」の中へ誘い入れた。
ヤツの治す能力……恐ろしく応用が利く。「城壁」まで治せるとはな……
大した被害もなく、ヤツのスタンドパワーを確認できだだけでも「良し」とするか……フフフフ)
仗助の目的は間違いなく、本体であるンドゥールを発見し、撃破する事にある。
そうくる事は分かっていた。近距離パワー型のスタンド使いにとって、他に選択肢はないからだ。
ならば近づけさせねばよい。簡単な理屈だ。この城の構造は熟知している。『貯水庫』の位置も。
ンドゥールの「狩り場」に、仗助は自ら進んで飛び込んできたのだ。
夕陽の光が途絶え、漆黒が辺りを覆った。
復活祭の夜。
ンドゥールはキリスト教徒ではないが、今この時に、特別な何かが運命づけられている気がした。
(東方仗助……DIO様のために、全身全霊を捧げて倒してくれるッ!)
251 :
キリ:02/11/06 20:03 ID:wWHUyNR9
24.陥穽
まんまと二階に侵入できたものの、中は照明のひとつもなく、薄暗かった。
(外ももう夜になっちまったようだし……チョッピリやばいかもな……)
スタンドの目を使えば、暗闇でも多少はモノを見る事ができる。だが、スタープラチナのように超精密な動体視力はクレイジー・ダイヤモンドにはない。あくまでも気休め程度だった。
(なんかの倉庫みてーだが……ン、なんか踏んだぞ?)
パンパンに詰まったゴミ袋を踏んだような感触。心なしか土の臭いも混じっている気がする。
仗助はライターを取り出して火を灯し、踏んだ物体を確認した。
日本語で『全農』とロゴマークが入っていた。
(…………な、なんだぁ〜コヤシじゃねーかッ!
この城の持ち主は「園芸」でもやってんのかあ〜っ?
しかもなんでイギリスの城にわざわざ日本製の肥料が……?)
正確には、以前の城主が道楽で園芸に凝っていた、というのが真相である。
なぜか仗助は、貧乏くじを引いたような気分になった。「フンニョー」にはあまりいい思い出がない。
まあ、肥料にいい思い出がある、という話はあまり聞かないが。
252 :
にいい:02/11/06 20:04 ID:wWHUyNR9
(ううッ……なんか知らねーけど、この部屋はさっさと出ていった方がいい気がするぜ……)
倉庫の扉を慎重に開けてみたが、やはりギシギシと耳障りな音を立ててしまう。
仕方なく、半ば開き直って早歩きで廊下を進む事にした。
(とにかく、本体だ! あのンドゥールのおっさんを探してブチのめすッ!
幸い石畳はスキマもあんまりねーし、いくら何でもブチ抜いて攻撃なんてできねーだろ……)
と思った矢先。
周囲の石畳から「ピシリ」と不吉な音が響いた。
(ゲッ、うそ……)
後悔、後を絶たず。
次の瞬間、キレイに円を描いてくり抜かれた床と共に、仗助は落下していた。
253 :
描:02/11/06 20:05 ID:wWHUyNR9
25.要塞の計略
(フフフフ……「水」をあなどってはいかん……
小さな雨粒が、年月を経る事で岩をも穿つようにッ!
超高圧で打ち出された水は、鋼鉄ですらゼリーのごとく切り裂けるのだッ!
先ほどは水の「体積」も少なくパワーが足りなかったが……今は違うッ!)
超水圧を利用したカッター。
ンドゥールが十数年の経験で身につけた危険極まりない奥義であった。
「くそッこのままじゃ一階に落っこっちまうッ!」
仗助はとっさにクレイジー・ダイヤモンドで石畳を殴った。落下しかけた床が元に戻ろうとする。
254 :
の:02/11/06 20:06 ID:wWHUyNR9
(それを待っていたッ!
聞こえるぞ……位置も高さもわかった! 狙撃(シュートヒム)ッ!!)
ドヒュン!
床が治るより早く、水の弾丸が仗助の脇腹を貫通したッ!
「……うぐァッ……!!」
(フハハハハーッ! 思った通りだッ!
仗助のスタンド……「クレイジー・ダイヤモンド」と言ったか……能力使用中は隙ができるッ!)
石畳を修復し終えた仗助は、なりふり構わず走り出した。
「ここを離れねーとッ……!」
(フン、やけになって焦っても無駄だ……このンドゥールに辿り着く事はできん。
フフフ、もう一撃……)
255 :
一:02/11/06 20:07 ID:wWHUyNR9
26.粉砕の嵐
「畜生、いくら石畳を治してもキリがねえッ!」
仗助は埃まみれの廊下を駆け抜けつつ、手近な床や壁をクレイジー・ダイヤモンドで無軌道に殴りつけていた。その度に粉々になった石が付近に舞い散る。
「くそッ! どこだッ! どっから来やがるッ!?」
(フフ……恐怖に駆られ、あてずっぽうに殴りつけたところで、ゲブ神のスピードは捉えきれんぞ)
ボゴォッ!
仗助が足を踏み入れた床が再び陥没した。
「同じ手ばかり使いやがってッ!」
ドララララララァァーッ!!
クレイジー・ダイヤモンドのラッシュが、落下する石畳を木っ端微塵に粉砕した。
「治してもムダならッ……『バラバラに』してやるまでだぜーッ!」
(ほう、パンチの反動で落下を防いだか……ならば着地点を攻撃すればいいだけの事ッ!)
再び二階に着地した仗助に追いすがり、死を掌握する水の魔手が飛びかかった!
256 :
した:02/11/06 20:08 ID:wWHUyNR9
27.偏向
バシュウッ!
「ゲブ神」が仗助を握りつぶそうとしたまさにその時、突如として水が『バラバラに』飛び散った。
(な、何だとッ! いったい何が起こったッ!?)
先ほど粉微塵に砕かれた石畳は、微量ながらも「ゲブ神」の操る水に混じっていた。
仗助はそれを「時間差」で治したのである。
さすがに、すべての水の軌道を曲げる事までには至らなかったが……「体積」が減り、スピードを大きく殺がれたスタンドの攻撃は、仗助の身体をしたたかに打ち据え、吹き飛ばしただけで、さしたるダメージにはならなかった。
(……ハアハア、その場しのぎにしちゃあ上出来だったか……)
吹き飛ばされた仗助が起き上がると、目の前に大きな部屋があった。扉も半開きになっている。
(ここは……?)
扉の隙間からそっと中を覗いてみる。
暗くてはっきりしないが、奥まった先に大きな玉座が見えた。
そしてそのすぐ側に、マントを羽織った人影が背を向けて座っていた。
(野郎〜〜〜〜……とうとう見つけたぜ……!)
257 :
し:02/11/06 20:09 ID:wWHUyNR9
28.リチュアル・オブ・ザ・マシーン
(あたしは……彼を『裏切らなくては』ならない……)
ンドゥールを見送ったグロリアは、笑いの仮面を脱ぎ捨てたかのように無表情になった。
これから自分のコレクションの多くを、この「DIO」に捧げねばならないが、そうまでして復活させるだけの魅力と価値が、この彫像からは感じられた。
グロリアは宝石箱から『魂』のひとつを取り出し、像の胸元に近づけた。
「『儀式』を始めるわ……出ておいで……『スティール・ユア・ハート』」
魔女の呼びかけに応え、スタンドの「顔」が、彼女の掌に出現した。
ドス黒い渦のような「それ」は、二つの紅い輝きを放ち「宝玉」を捉えた。
クオオオオオオオオオオ…………
「スティール・ユア・ハート」が裂けるように口を開け、息を吐き出す。
次の瞬間、宝玉は彫像の胸の中に吸い込まれた。
ドギュン!
「ひとつ目の『魂』……挿入完了……」
258 :
るよ:02/11/06 20:10 ID:wWHUyNR9
DIOの像が一瞬、震えるように脈打った。
宝玉を飲み込んだ胸元が、生きた肉体のようなツヤと色彩を放つ。
グロリアは驚きを隠せなかった。
「何てこと……『魂』ひとつ丸ごと吸い込んだってのに、この程度しか『復活』しないなんて……」
歴史上の偉人ですら、せいぜい二、三個の『魂』で肉体を復元できたというのに、このDIOという男は……いったいどれだけの『魂』を捧げればいいのだろう?
「焦る必要はない……宝玉はまだたくさんある。
それに『魂』が多く入るって事は、それだけ生前の人格を呼び戻せる『確率』が高いという事……以前蘇らせた『騎士』とは比べ物にならないほど、ね……ヒャハッ……」
グロリアは内から込み上げてくる喜悦をかみ殺しきれずに、口元をいびつに引きつらせた。
この彫像が、己のスタンド能力を最大限発揮できる逸材である事を、肌で実感したのだ。
「でも油断は禁物。ンドゥールが侵入者を排除する前に、儀式を終えなくては……」
259 :
物:02/11/06 20:11 ID:wWHUyNR9
29.価値ある理由
DIO復活の儀式は、順調に進んでいった。
このまま行けば、間違いなく成功するだろう。しかし問題はその後だった。
この三ヶ月の間、ンドゥールと付き合ってきて分かったのは……グロリアが彼に必要とされたのは、己のスタンド能力だけであるという事実であった。
ロンドンでの、隠れ家に最適の物件探し。
己のスタンド能力に見合った「技」と「心」を持った彫刻家の選抜。
そして『魂』を集めるために捕らえ、殺していった無数の犠牲者たち。
すべては、ンドゥールの「救世主」を復活させるための下準備である。
(あの人は……『DIO』しか見えていない。あたしの事なんて、振り向きもしない……)
グロリアは、自分に新たな力を与えてくれたンドゥールに対し、久しく忘れていた、少女のような淡い恋心を抱いていた。そしてそれが、叶わぬ夢である事も自覚していた。
長年下町で人を踏みつけにしてきた、ドブネズミのような女など……彼が顧みるはずもない。
それでもよかった。ンドゥールを想うだけで幸せだったからだ。
だがもし、DIOを復活させたら……自分はどうなるのだろう? 用済みなのだろうか?
お情けで側に置いてもらえるかもしれない。しかし、よしんばそうなったとしても、自分の内に目覚めた『本性』にンドゥールが気づけば、間違いなく殺されてしまうだろう。
(死ぬのはこわくない、と言えばウソになるけど……
でも……あの人に、見捨てられ殺されるのだけは、いやだ……)
いつしか彼女はそう考えるようになり、恐怖にさいなまれ続けた。
260 :
は:02/11/06 20:14 ID:wWHUyNR9
30.繰り返す悪夢
「魂」を埋め込む儀式を、グロリアは幾度となく繰り返した。やがて……
彫像は完全に、しなやかで美しい肉体へと変貌を遂げた。
(これが…………『DIO』…………)
ゴゴゴゴゴゴ……………………
彫像の目がゆっくりとまばたく。「人格」が宿った証拠だ。
絶大なまでの威圧感。男女の領域を超越した悪の魅力。冷徹なる瞳に燃ゆる飽くなき闘争心。
この世の頂点に立つに相応しきスタンド能力と資質を持った暴帝の再誕であった。
グロリアは強大な悪のオーラに危うく屈服しかけたが、必死で意識を奮い立たせた。
「あなたが『DIO』ね……さすが、ンドゥールが忠誠を捧げるだけの事はある」
「……ムウ……どこだ、ここは……これは一体……」
DIOは己の肉体を眺め回し、軽く手足を動かしたりしていたが……やがて周囲を見渡し、状況をすぐに理解したようだった。
「女……貴様が、このDIOを蘇らせたのか?……
(ンドゥールだと? やつは死んだはずではなかったか……まあ、どうでもいいがな)
とりあえず、礼を言うぞ……」
DIOの言葉に、グロリアはニヤリと笑った。
予想以上の結果だ。
人格も、カリスマ性も、そしてスタンド能力ですらも……保有している。完璧だ。
261 :
に:02/11/06 20:16 ID:wWHUyNR9
「お礼? 礼を言うのはこっちの方よ。
あなたはこれから、あたしの『しもべ』として仕えてくれるんですものね」
「何だと!?」
吸血鬼の表情は、即座に憤怒の形相へと変わった。
「女……どういうつもりだ?」
「あんたはあたしのスタンド『スティール・ユア・ハート』の能力で蘇った。
言うなればあたしのスタンド能力によって『生かされている』存在なのよ」
グロリアのスタンドのビジョン……獰猛な深紅の瞳をぎらつかせた黒曜石の大蛇……が、彼女の肉体に絡みつくように出現する。
「おっと、近づくんじゃあねーぜッスカタンッ!
あたしを攻撃しようとか、殺そうだなんて夢にも考えるんじゃねーッ!
あたしがほんの気まぐれでスタンドを解除してもッ!
何かの拍子に転んで頭を打って事故死したとしてもッ!
せっかく生き返ったあんたの魂は、またあっけなく地獄に逆戻りさッ!
ヒャアッハハハァァ〜ハッハァッ!!」
抑圧の「たが」が外れたのか、グロリアは自分のペースを取り戻し、狂ったように哄笑した。
「貴様……人間の分際で、このDIOを脅迫するつもりかッ……」
「ヒャッハァ〜……何が『悪の救世主』サマさッ!
あんたはもはや、あたしの操り人形にすぎないッ! いや操り『彫刻』か? ヒャハハッ!
これで、ンドゥールの心も……いや、世界を手に入れる事だって夢じゃないッ!」
31.無慈悲
『ぼくの能力は自動的なんだよ。
周囲に死を察知したときに運命の力によって転がり出てくるんだ。
だからぼくはこの能力をローリング・ストーンズと呼んでいる』
少年はンドゥールに告げた。
「ぼくの『石』が……相を描いた」
ンドゥールは思った。わずか数日で、ひどく大人びたものだ……
その声からは、すべてを達観してしまったような、悲しげな響きさえ感じられる。
少年の名はスコリッピ。ンドゥールの『矢』によって能力を引き出された者。
「不思議だ……『時期』が特定できない。かなり未来の『相』のようだ……
貴方の『目的』は達成される。5年先か、10年先か……それは分からないけれど。
しかし貴方はその目的のため、多大な『代償』を支払わねばならない。それは貴方の……命だ」
「構わん。あの方さえ蘇るのならば、我が命など惜しくはない」
ンドゥールは答えた。その口調に迷いはない。
少年は抑揚のない声で続けた。
263 :
な:02/11/06 20:17 ID:wWHUyNR9
「しかも……貴方が命を落とすまで、長い長い……『苦難の道』を歩まねばならない。
そして、目的が達成される時……失われるのは貴方の命だけではない。
貴方の『協力者』も、貴方の志に殉ずる事になる」
「…………」
「『運命』は残酷、とよく言われるが……そもそも運命には、人間が抱くような感情は存在しない。一陣の竜巻のように、あるがままを人に見せ、聞かせ、起こし、爪痕を残す……それだけだ。
だから人にとって運命とは、おそらく石のように冷たく、無慈悲に思えるのだろうね」
少年は小さな丸い石……彼のスタンド、運命の象徴……を握り締めていた。
「時が経つにつれ、貴方に死が近づいていく。今はまだこの大きさだから、僕の手の平に納められるけど……やがて『運命』はどうしようもないほど肥大し、荒れ狂い、結末を渇望して動き出すだろう。
今ぼくの『石』に触れさえすれば、貴方は安楽な死を迎えられる。
あの世で、その『DIO』という男に出会えるかもしれないのに……
それでも貴方は……その『道』を進むのか?」
少年の言葉は、彼にとって愚問であった。
「無論だ……我がすべてを捧げるだけの価値が、あの方にはあるのだから。
それに……『あの世』でおれとDIO様が会えると、どうして生きてるお前に分かる?
もし会えなかったら、どうする気だ?」
264 :
っ:02/11/06 20:18 ID:wWHUyNR9
32.不明の杖
(野郎〜〜〜〜……とうとう見つけたぜ……!)
仗助は暗がりの玉座にたたずむ人影を睨み据えた。
(ここに来るまでに、二階はおおかたチェックしたし……
人ひとり潜めそうな広い部屋は、ここしかねーハズだッ……!)
先刻の無計画に見えた破壊活動も、仗助なりの本体捜索の一環だった。
だが……やはり油断は禁物だ。仗助は再びベアリングを取り出した。
「また会ったなぁーッ。ンドゥールのおっさんよォー……」
スタンドを発現させ、いつでも発射できる用意を整える。
「……そこまで近づいていたとはな……『東方仗助』」
一方のンドゥールは、微動だにせず呟いた。
「オレの名前を知ってるとは光栄ッスねェ〜〜〜〜……」
「名前だけではない。お前があの『空条承太郎』の叔父にあたる……ジョースターの血統を持つ者の一人である事も知っているぞ……」
「じゃあ、オレのスタンド能力も知ってんのか?」
「いや……噂に聞いていただけで、知ったのはたった今だ……
承太郎の『スタープラチナ』と同等……いや、それ以上のパワーとスピードを持っているな……
正直驚いたよ。予想外に手強かった」
皮肉げな口調の仗助に対し、ンドゥールは苦笑まじりに答えた。
265 :
外:02/11/06 20:19 ID:wWHUyNR9
「そいつはどうも……オレのスタンド『クレイジー・ダイヤモンド』は射程距離は短いが、ベアリングを使う事でその弱点を補える……これだけ近づけば『ゲブ神』が襲ってくるより速く、この弾丸をあんたにブチ込む自信があるぜ……」
相変わらずンドゥールに動く気配はない。仗助は不自然に思った。
この男……背後を取られ、狙撃されようとしているのに……余裕がありすぎる。
「訊きてーんだがよォォ〜〜〜ッ、ンドゥールのおっさん。
あんたこのボロっちい城の中で、一体何をやらかそうとしてんだ?
今ならブチのめすだけでよぉーー、許してやっから正直に話してもらうぜェーッ!」
途端、ンドゥールの哄笑が玉座の間に響き渡った。
「フフハハハハ……そうか仗助よ。我が『計画』も知らずに、この城に足を踏み入れたというのだな。
よかろう。真実を教えてやってもいい…………但し」
ンドゥールのフードつきマントが、モコモコと不規則に膨れ上がった。
「……この城から生きて脱出できたらな!」
さらに、カタリと何かが石畳に落ちる音がした。
目が闇に慣れ、仗助はとうとう気づいた。
(今のは携帯電話、それにこいつ……『杖』を持ってねえッ!?)
その刹那。
マントを引き裂き、超高圧のショットガン・シャワーが仗助に向かって降り注いだ!
266 :
高:02/11/06 20:19 ID:wWHUyNR9
33.撹乱戦術
「ドラァッ!」
クレイジー・ダイヤモンドが唸り、玉座の間の扉を引きちぎった。
咄嗟の防御行動も、拳銃の弾より速いシャワーの前には紙同然であった。
ドガドガドガドガッ!!
木製の扉を突き破り、水つぶてが次々と仗助に肉薄する。
「ドララララララララララララララァーッ!!」
ラッシュを浴びせる事で、シャワー攻撃を弾こうとした仗助だったが、やはりすべてを撃墜しきれずに、右肩口、左腕、左大腿部にそれぞれ被弾してしまった。
「ぐっ……うっ!」
鮮血をほとばしらせつつも、転倒せずにどうにか持ちこたえる。
(チクショー……ニセモノだったか……気づくのが遅かったぜ……
でもどういうこった? ヤツは二階にはいねえ……それは確かだ。
だがあのニセモノのマントは、間違いなくヤツのものだった……一体どこに行きやがったんだ!?)
267 :
うこ:02/11/06 20:21 ID:wWHUyNR9
一方、城の中庭では……マントを脱いだンドゥールがいた。
「フフフ……この城の構造は熟知している。
誰かが言った……『城に遁道あり。城とはかくあるものだ』とな。フフククク」
二階「玉座の間」には、玉座の裏にグロリアが発見した脱出口があった。地下に続く通路は半ばで崩れていたが、中庭に出る地点までは残っていた。
仗助が二階に侵入した時点ですでに、ンドゥールはそれを利用して城を脱出していたのである。
玉座の間にいたンドゥール(ニセモノ)は、ゲブ神の一部を人型に変形させ、携帯電話とマントを持たせて作った囮に過ぎなかった。
「そして『貯水庫』の位置も……」
庭の片隅の古びた小屋が、一瞬にして砕け散り、巨大な水柱が吹き上がる。
バシュウウウウウウウッ…………!
中の貯水カンに蓄えられていた多量の水が、すべて「ゲブ神」の支配するところとなった。
「ここからが本番だぞ、東方仗助………フフフフ」
268 :
本:02/11/06 20:22 ID:wWHUyNR9
34.恐怖の波
シャワー攻撃が終わると同時に、仗助の周囲は静寂に包まれた。
部屋の中は相変わらず薄暗く、バラバラになったマントと携帯電話の残骸が散乱している。
(なんだ……なんで攻撃してこねえ?
『嵐の前の静けさ』ってカンジで不気味すぎるぜ、こいつはよぉ〜〜…………)
いや、完全な静寂ではない……耳をそばだてると、遠くから地響きにも似た反響音が、かすかに聞こえてくる。
(なんだこの音……だんだんこっちに近づいてきてねーか?)
ズゴゴゴゴゴゴ…………!!
仗助の焦燥が、轟音とともに頂点に達した時……玉座が消し飛んだ。
ドパァーンッ!!
圧倒的質量を持った鉄砲水が、「玉座の間」を瞬く間に埋め尽くす!
ンドゥールが脱出口を利用して送り込んできたのだ!
(ゲゲェーッ何だありゃ!? 一体どこからあんだけの水がッ!
グレートにヘビーだぜ……あれ全部『ゲブ神』かよォーッ!!)
いかな仗助といえど肝を潰し、ジョースター家の伝統に従わざるをえなかった。
「……戦略的撤退ッ!」
269 :
え:02/11/06 20:22 ID:wWHUyNR9
35.空飛ぶ絨毯
とはいえ、ただ逃げるつもりなど毛頭ない。
迫りくる濁流より速く、仗助は次の一手を打った。
(クレイジー・ダイヤモンドッ……扉を治すッ!)
蝶番の部分を残したまま扉を修復し、元来た通路の先へ向かって投げ飛ばす!
そしてすかさず扉の上に飛び乗った。
(空中サーフィンだぜ……『波』から逃げるためだけどよぉーッ!)
一直線の通路でしか使えないのが難だが、ゲブ神の探知から逃れるには有効な作戦である。
鉄砲水は部屋から溢れ出し、反対側の壁にブチ当たった。
ビシビキッ……バゴォン!
城壁が水圧に耐え切れずはじけ飛んでいく。
これまでの攻撃とは比較にならないほどのパワーである。何より恐ろしいのは、これだけの質量の液体が意思を持って仗助に襲いかかってくる事であろう。
(シャレにならねー……)
ゲブ神の驚異的な破壊力を目の当たりにしつつ、仗助はもはや生半可な小細工が通用する状況ではない事を痛感した。
見誤っていた。ンドゥールのスタンド能力……『水』を使う遠隔操作系だが、あの「レッド・ホット・チリ・ペッパー」のように、パワーの源を吸収すれば際限なく強大になっていくタイプのようだ。
270 :
の:02/11/06 20:23 ID:wWHUyNR9
(だが、あの場所に行きさえすれば……勝ち目はあるハズだ……!)
投げ飛ばした扉が、二階突き当たりの城壁に近づいてきた。
目的の場所はあの『倉庫』。だが倉庫はこの通路のL字路の先にあり、扉だけで突き進む事は不可能。
(コイツは乗り捨てていかなきゃなんねーか……位置がバレちまうが、ここまで来ればッ……)
扉が壁に激突し、大破する寸前で飛び降りる。
ところが……
バグォッ!!
「なッ…………!?」
仗助の着地した石畳が、またしてもひび割れて崩落した。
(さっき治したハズの床がッ! バカなッ!)
しかし今度は、先刻のような鋭利な陥没ではない。
直接的なパワーによって無造作に叩き潰したような破壊……!
(この攻撃、ンドゥールのものじゃねえ……この城、まだ他に敵がいるッ!)
城に乗り込む前に感じた奇妙な戦慄が、再び脳裏に蘇る。
仗助はスタンド能力を使う事も忘れ、一階へと落下していった。
271 :
能力:02/11/06 20:24 ID:wWHUyNR9
36.伏魔殿
一階に落下する寸前に、仗助はクレイジー・ダイヤモンドを使って受身を取るのが精一杯だった。
落ちた先は、窓ひとつない小さな部屋。瓦礫のせいでテーブルが潰れている他は、目につくような調度品もない閑散とした密室であった。
怪我の痛みを堪えつつも、どうにか起き上がる。
(……? ゲブ神の追ってくる音が止んだ……)
耳をすませても、壊れた天井からは濁流が押し寄せてくる気配すらない。
唐突に再び訪れた沈黙に、仗助は不審を抱いたが……ふと、別の気配がした。
「誰だ……コソコソ隠れてねーで、出てこい!」
詰問に応え、部屋の隅にあった扉がゆっくりと開く。
息せき切って、いかがわしいドレスを纏った女性が駆け込んできた……グロリアである。
彼女は瞳をうるませて、仗助に懇願した。
272 :
か:02/11/06 20:25 ID:wWHUyNR9
「お願いです……助けてくださいッ」
「!?」
この女がもう一人の「敵」……と思いきや、予想外の台詞である。
ますます困惑し、状況が把握できない仗助を尻目に、グロリアはさらに続ける。
「あたし、グロリアって言います。あの恐ろしいンドゥールに、この城に捕われてしまって……助けが来る事を、ひたすら信じて待ち続けていましたわ」
言いつつ、なまめかしい姿勢のまま仗助にしなだれかかろうとするグロリア。
「ちょっと待てあんた……ンドゥールに誘拐されたって……被害者なのか?」
「その通りです……どうか、どうか……」
「やれやれ、助けてやりてーのはヤマヤマだが……どーやらその必要はねーみてーだなぁー」
仗助は冷静に言い放ち、そして力強く彼女の腕を掴んだ。
「てめー……日本人のオレと言葉が通じたな?『日本語』も喋ってねークセに」
「!」
「図星、ってトコか……やっぱりてめーも『スタンド使い』ッ!」
「あらァ〜あっさりバレちゃったわねェ。スルドイじゃないのボーヤ♪」
開き直り、グロリアは性悪な魔女の口調に戻った。
273 :
悪:02/11/06 20:26 ID:wWHUyNR9
「ンドゥールの仲間だな……おかしなマネすんじゃねーぞコラァーッ!」
「ヒャハハハァ〜……言われなくたってあたしは何もしないわよぉ。
ボーヤを殺すのは、偉大なるあのお方よォ〜〜……D・I・O様ァ〜〜〜〜ッ!!」
「なッ…………『DIO』だとォ!?」
仗助がグロリアの『異変』に気づき、そしてDIOの名を聞いた途端、疑念は確信に変わった。
と同時に、仗助の眼前に強大な精神のビジョンが出現した!
(ゲッ……まさかコイツは……!)
そのスタンドは、丸太のような腕を仗助に向かって繰り出してくる。あまりに突然の出来事のため、クレイジー・ダイヤモンドのスピードを以ってしてもガードするしかなかった。
ドッゴォォン!!
「うおおおおーっ!」
拳圧は凄まじく、仗助は成す術もなく吹っ飛ばされた。
威圧的なまでのオーラとパワー……疑うべくもなく、DIOのスタンド『世界』であった。
274 :
DIO:02/11/06 20:27 ID:wWHUyNR9
37.主の存在
一方のンドゥールも、異変に気づいていた。
(ム……突然石畳が割れた……下にいるのは……グロリアか? あのゲス女め、勝手なマネを……)
本来ならば、鉄砲水と化した「ゲブ神」をこのまま一階へとなだれ込ませるところだったが、前触れもなく出現した彼女を巻き込まないために、一旦は自重せざるをえなかった。
ふと、ンドゥールの脳裏に疑問が浮かんだ。
(あの石畳を破壊したのは誰だ?……仗助ではない。ヤツにそんな余裕はなかった。
グロリアでもない……あの女のスタンドに、それだけのパワーなどあるハズがないからな……
ハッ、という事は…………まさかッ)
ンドゥールの到達した結論を証明するかのように、城内から轟音と悲鳴が上がった。
「……DIO様ッ!!」
275 :
論:02/11/06 20:28 ID:wWHUyNR9
38.カリスマ!
仗助は吹っ飛ばされ、部屋の壁を突き破りつつ廊下に転がった。
「ぐッ……今のスタンド……承太郎さんの『スタープラチナ』以上に時間が止められたっつー……
DIOの『ザ・ワールド』……!
承太郎さんに倒されたハズなのに……まさか、ンドゥールの『計画』ってのは……」
どうにか起き上がるものの、全身のダメージは限界に達しようとしている。
そんな彼の前に、自信に満ちた邪悪なる影が立ちはだかった。
「てめーが……DIOかッ!」
「フン……知っていたか。薄まったとはいえ、さすがはジョースターの血統といったところか……」
DIOは侮蔑の眼差しで仗助を見下ろした。
その後にグロリアも尾いてくる。
「ヒャハハハヒヒフフ……いい、最強すぎるわァDIO様ァ!」
そんな彼女を尻目に、DIOはさらに傲然と続けた。
276 :
DIO:02/11/06 20:29 ID:wWHUyNR9
「だが貴様は、あの忌々しい承太郎と違い……我が『停止世界』に入門してくる可能性もないようだ。
このDIOに勝つ見込みなど、万に一つもない……にも関わらず、貴様からは『闘志』が消え失せてはいない……何故だ? 貴様らジョースターの一族は、何故勝算もない戦いを敢えて挑もうとする?」
「じゃあこっちも訊かせてもらうがよォ〜、そこのグロリアとかいう女ッ……」
仗助が指さした先は、グロリアの額。
クモにも似た不気味な肉片が、ヒクヒクと蠢いている!
「なんで『肉の芽』なんざ植えてやがる、てめェーッ!」
激昂する仗助に、DIOは嘲笑で応えた。
「……何かと思えば……くだらん事を。
この女は、分不相応にもこのDIOを支配下に置こうとした……その報いだ。クックック」
「…………!!」
「グロリアとか言ったな、女……貴様のスタンドを見せてみろ」
DIOの命令で、グロリアは虚ろな瞳のまま、言われるがままにスタンドを出現させた。
黒蛇の姿をした「スティール・ユア・ハート」が、ダラダラと涎を垂らしつつ咆哮を上げている。
277 :
ア:02/11/06 20:30 ID:wWHUyNR9
"バシャラウグルルルゴファルウウウウウ……
モット欲シイ……モット飲ミタイ……モット、モット、モットォォォオオオォォォ……!"
「こいつは……!」
あまりのおぞましさに、思わず仗助も息を飲んだ。
「この女のスタンドは『貪欲』の象徴……しかも独自の意識まで持っていた。
いわば『ひとり歩きしている』スタンドなのだ……」
舌なめずりしつつ魔女を見やる吸血鬼。
「スタンドの持つ異常なまでの『欲望』に、しばしば理性を失って凶行を繰り返したらしい……
それにこの女なあ〜〜ンドゥールの事を好いていたようだぞ? フフ……
その事を指摘してやったら、あからさまに動揺し、恐怖でへたり込んで……『肉の芽』で支配する事も容易だったな。まったく愚かな女だ……ハハハハハハハハ。
お笑い種だと思わんかね? この程度の脆弱な精神力で、このDIOに刃向かおうなどと」
グロリアの焦点の合わない瞳から……一粒の涙がこぼれ落ちるのを仗助は見た。
先刻のものとは違い、これは……この屈辱に対するささやかな抵抗……
高笑いを続けるDIOに、仗助は怒りの感情を抑えきれずにいた。
(この野郎のせいで、億泰のオヤジは…………!
それにこのまま野放しにしたら、ヤツの『肉の芽』の犠牲者は増えていく一方だ……
絶対に……見過ごせねえッ!!)
仗助を突き動かしたのは「義憤」だった。かつて「杜王町」を蝕んでいた「吉良吉影」に抱いたものと同じ、いやそれ以上の……人類の『誇り』にかけて!
278 :
誇り:02/11/06 20:30 ID:wWHUyNR9
39.白兵戦
距離を詰めてくる仗助に、DIOはからかうような笑みを浮かべた。
「ほう……向かってくるのか…………逃げずにこのDIOに近づいてくるのか…………
怒ったのか? 本来ならお前の敵であるこの女に『肉の芽』を植えた事などで……ンン?」
「……うるせー、図に乗るんじゃねーぞ……てめーを見てると切れそうなんだよ……
それに近づかなきゃあよォーー……てめーをブチのめせねーからなぁーーーーッ!」
「ほほお〜〜っ。では十分近づくがよい」
神のごとき驕慢さで、同じく間合いを詰めるDIO。
(ジョースターの血統のスタンド使い……久々の『訓練相手』には丁度いい、ククク……)
二人がほぼ同時に、スタンドの射程距離内に入った。
279 :
ンド:02/11/06 20:31 ID:wWHUyNR9
「『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!」
「『ザ・ワールド』ッ!」
強大なスタンド同士、空気が張り裂けんばかりのラッシュの応酬が始まった!
「ドララララララララララララララララララララララララララララララララァーッ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」
ドドドドドド…………ガンガンガンガンガンガンガァーンッ!!
拳が拳を捉え、一進一退の攻防が繰り広げられる。
だが永劫に続くかと思われた打ち合いも、予想外に早く終わろうとしていた。
仗助の息が荒い。ンドゥールとの戦いで負ったダメージが響いてきているのだ。
「フン……勝負にならんな!」DIOは勝利を確信した。
「スピードが目に見えて衰えてきているぞ……さっきの威勢はどうした?」
「くっ……」
「あまり遊んでもおれん。ジョースターの血統はあなどれんからな……今とどめを刺してやろうッ!
WRYYAAッ!!」
「クレイジー・ダイヤモンド」の胸板を貫こうと、「ザ・ワールド」の必殺の一撃が繰り出された!
ところが……
280 :
モ:02/11/06 20:32 ID:wWHUyNR9
「ドラァッ!」
「ザ・ワールド」の拳は「クレイジー・ダイヤモンド」の横薙ぎに打ち込まれた一撃に捉えられ……コンクリートのように砕け散ったッ!
ギャバァッ!
「ウグゥ……バカなッ!」
バラバラに打ち砕かれ、鮮血が噴き出している右手を押さえつつDIOはうめいた。
(こいつ……これほどの重傷を負っていながら……どこからこんなパワーがッ……!?)
「クレイジー・ダイヤモンド」は過去に「スタープラチナ」のガードを突き崩した実績がある。
負傷しているとはいえ、怒りで精神がむしろ高揚している仗助が、純粋なパワー比べで遅れを取る道理はなかった。
さらに驚いた事に、DIOの右手の再生速度が異常に遅い。
吹き飛んだ指の破片が転がっている方を見やると、指は元の彫刻……石の破片に戻っていた。
「…………!!」あまりの事態に、絶句するDIO。
「どうした……オレにとどめを刺すんじゃなかったのか?
寝言言いてえんなら……寝かしつけてやるぜーッ!」
281 :
ど:02/11/06 20:33 ID:wWHUyNR9
40.猛攻撃
再び怒涛のラッシュが吸血鬼を襲う。
さしものDIOも翻弄され、ガードの上からもじりじりと押されていった。
(……いける!)仗助の心にかすかな希望が湧いてきた。(まだ復活したてで、十分なパワーを発揮できてねーのかもしれねーが、どっちにせよチャンスだぜッ! このまま押し続ければ、『時を止める』能力を使わせるヒマも与えずに倒せるッ!)
とうとうDIOは壁際に追いつめられた。
「逃げ場はねーぜッDIOォッ!」
仗助は死力を振り絞って、最後のラッシュを叩き込むべく踏み込んだ。
が、その踏み込んだ足に突然、焼けつくような激痛が走った。
「がッ……!」体勢が崩れ、一瞬の遅れが生まれた。
ゲブ神の水の鉤爪による足払い……!
(迂闊だったぜ……コイツの事忘れてた……)
その一瞬が明暗を分けた……いつの間にか、壁際まで後退していたDIOが消えている。
「調子に乗りすぎたな……ウジ虫がッ!」
仗助の背後から、「ザ・ワールド」の放った蹴りが容赦なく打ち込まれた。
282 :
虫:02/11/06 20:34 ID:wWHUyNR9
41.ファイティング・チャンス
「この山猿めッ……これ以上のDIO様への暴挙は、このンドゥールが許さんぞ!」
激闘の音を聞きつけ、ンドゥールもまた城内に舞い戻っていた。
まさかのDIOの苦戦には焦ったが、間一髪で救援が間に合ったのである。
「ンドゥールか……本当に生きていたのだな。でかしたぞ……」
「……DIO様ッ……お久しぶりです……」
光を失ったンドゥールの眼から、感無量の涙が溢れかけた。
十数年の歳月を費やし……ようやく悲願が叶ったのだ。
しかし一方のDIOは、無感動な表情のまま淡々と尋ねた。
「ンドゥールよ。お前がこの女に命じて、わたしを蘇らせたのだな……?」
「はッ。すべては貴方様への我が忠誠のなせる業……」
「だがこの女は……このDIOに対し、下僕となるよう要求してきたぞ?」
「なっ……!」
ンドゥールは狼狽した。
(グロリアめ……DIO様に対し、何たる無礼なッ……)
問題のグロリアだが、相変わらず茫然自失のまま立ち尽くしている。
「フフ。まあそう憤るな」DIOは笑みを浮かべた。ンドゥールの反応をみて楽しんでいるようだ。
「この愚かな女はすでに我が『肉の芽』の支配下にある……裏切りの心配はない。
それにンドゥール……お前の忠誠を疑っているわけでもないのだ……安心するがいい」
「!…………はッ、ありがたきお言葉…………」
283 :
言:02/11/06 20:34 ID:wWHUyNR9
一方、吹き飛ばされた仗助は……瀕死の重傷を負いつつも、なんとか意識だけは保っていた。
しかし動く様子はない……戦意を失ってしまったのだろうか?
いや……死んだフリをして、逆転の機会を伺っているのである。
(チクショウ……3対1なんて……フェアじゃねえぜ、クソッ……
だがよォー……さっきから連中の会話を聞いてて、分かった事がある……
あの『DIO』の身体……肉体じゃねえ……指が吹っ飛んだ時、石に変わってたからな……
多分あの『グロリア』のスタンド能力で、彫刻か何かに魂が宿ってんだ……承太郎さんから聞いた事件とも辻褄が合うしよォー……
ならば……不本意だが、グロリアを……殺すとまではいかねーものの、気絶させるなりしてスタンドを解除させれば……DIOの魂を追っ払えるかもしれねえ……)
クレイジー・ダイヤモンドを使い……ゆっくりと、床の瓦礫を持ち上げる。
(慎重に……気づかれねーように……
とんでもねー皮肉ってやつだぜ……承太郎さんもDIOと戦った時、死んだフリをして油断を誘ったって言ってたけど……オレも同じ事をしなきゃならねーとはな……しかもオレの場合はマジで死んじまいそーだぜ……)
DIOとンドゥールは、グロリアの話題から興味を失い、再び現状に目を向けた。
「……仗助はどうした? 死んでいるか、ンドゥール?」
「はッ……瓦礫の中で、ピクリとも動いていないようです」
「呼吸音は? 心臓の鼓動音は? 承太郎の例もある……ンドゥールよ。お前の優れた聴覚を以って確かめてみろ」
「はッ……直ちに」
一刻の猶予もない。仗助は行動に移った。
284 :
移:02/11/06 20:36 ID:wWHUyNR9
42.幸いなる逆転
ンドゥールが聴覚を集中しようとすると……
ゴロォ…………
遠くから、丸くて固いボールのようなものが転がってくる音がかすかに響いた。
「なんだ…………? あの大きな『石』は……」DIOが不審げに呟く。
「!」
ンドゥールもまた、恐れていた時が来てしまった事を痛感した。
「運命」という名の見えざる意思で動く、冷たく丸い石……それは……
(……やはり、来ていたか……『ローリング・ストーンズ』……
『運命』に従い、我が生命を奪いに来たか……)
恐れているのは「死」ではない。
DIOと運命を「共有」できないという、あの彫刻家の無情な宣告。
『貴方の「目的」は達成される……貴方の命と引き換えに』
(だが、それでもいい……DIO様さえ生き延びてくださるのならば。
悪には悪の救世主が必要……その『悪の救世主』のために死ねるのならば……)
しかし……覚悟を決めたンドゥールにとって、全く予想外の事態が起こった。
石の軌道が……自分を向いていない。
ゴロゴロと転がる『石』は……DIOへと向かっている!
285 :
石:02/11/06 20:36 ID:wWHUyNR9
(バ、馬鹿なッ! 何故だ!? 何故DIO様のッ…………!!)
困惑の極みに達しているンドゥールに、DIOが苛立った声を上げた。
「どうしたンドゥール! 仗助は死んでいるのか?」
その瞬間だった。
「ドラァッ!」
仗助が立ち上がり、雄叫びとともに抱えた瓦礫を二つに叩き割った。
そしてその片方をスタンドの腕で掴み……渾身の力を込めて投げつける!
ギュンッ!!
「何ッ!」耳をつんざく疾走音。ンドゥールは仰天した。まだ生きていたとは。しかも……
瓦礫の目指す方向……間違いない。グロリアを狙っている!
286 :
グロリア:02/11/06 20:37 ID:wWHUyNR9
「DIO様ッ!」
「分かっている……無駄ァッ!」
DIOの「ザ・ワールド」が、猛スピードの破片を難なく捕捉し、破壊した。
「!」
「さすがに気づいていたか……あの女が我が生命を握っている事に……フン。
だが、時間を止めてしまえばこの程度の攻撃、撃墜する事はたやすい……何ッ!?」
DIOは目を疑った。バラバラに砕いたはずの瓦礫が……ジグソーパズルのように再び収束している!
それと同時に、もう片方の破片を持っていた仗助も引き寄せられてくる!
「なッ……これは一体……!?」
「何を驚いてやがる……そういやまだ、オレの能力について話してなかったけか?
オレの『クレイジー・ダイヤモンド』は……『モノを治す』能力があるんだぜェーッ!」
そうこうしている内に、二人の距離が縮まった。
「こっちが『本命』だぜ……瓦礫を撃墜するだろーと思ってたからな……
承太郎さんから聞いたぜ……吸血鬼の弱点は『頭』だってよォーッ!
これだけ近づけば十分狙えるよなァーッ!!」
「おのれジョースケッ……『ザ・ワールド』! 時よ…………!」
「DIO様お逃げ下さいッ! 『石』がッ……その『石』はッ…………!」
仗助、DIO、ンドゥール、三者三様の絶叫が交錯し……!
グワッシィィ〜ン!!
「クレイジー・ダイヤモンド」と「ザ・ワールド」の拳のはざまに、死を呼ぶ『石』が飛び込んできていた……ッ!!
43.力の消滅
仗助とDIOは、突然の『石』の闖入に呆然となっていた。
「な……何だ……このデカイ石は……文字みてーなのが彫ってあるが……」
「ムウ…………さっきの石が……どういう事だ、ンドゥールッ!……」
ンドゥールは苦渋に満ちた表情で唇を噛んだ。
(今の音…………何という事だッ……触れてしまった……止める事ができなかったッ……
DIO様が、あの『石』にッ……!
いや、待てよ……音からすると……仗助も『石』に触れているぞ……? ひょっとすると……
どっちだ? どっちに『死』が訪れたというのだ……?)
お互いのスタンドが石に触れたままだというのに、いっこうに変化がない。
いや……変化は『石』にあった。二人のスタンドのパンチを受け、ビキビキとヒビが入っていく。
ドギュンッ!!
『!?』
二人の拳から突如として石が離脱した。その行きつく先は…………!
288 :
石が:02/11/06 20:39 ID:wWHUyNR9
ドガァッ!
「は…………うッ…………」
「グ、グロリアッ!」ンドゥールが思わず叫んだ。
石はグロリアの胸元を深々とえぐっている。
そのあまりの圧力に、彼女の口から大量の血ヘドがブチまけられた。
そして彼女のスタンド「スティール・ユア・ハート」も、断末魔の悲鳴を上げる。
"ドギャアースッッ!!"
「い……『石』が選んだのは……グロリア……」ンドゥールはブルブル震えながら呟いた。
「という事はッ……!!」
ビシッ、ピキキ……シューシューシュー……
彼女が地面に倒れると同時に、DIOのたくましかった肉体が急速に風化していく。
「バカなッ……」
己の滅びる様を信じられず、悪の帝王は絶叫を上げた。
「永遠に生き、すべてを支配すべく……再び蘇ったこのDIOがッ!
この、DIOがァァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
全身がボロボロになりつつも、なおも仗助に向かって突進しようとする。
289 :
仗助:02/11/06 20:40 ID:wWHUyNR9
「見苦しいぜ……地獄の方から、てめーを呼んでるってのによー……」
「WRYYYYYYYYYY!!」
吸血鬼に引導を渡すべく、クレイジー・ダイヤモンドが吠えた!
「ドララララララララララララララララララララララララララララララララララララ
ラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァァァーッッッッ!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ…………バガァーンッ!!
DIO……いや、この時点ですでに彫刻に戻っていたが……は、粉みじんになって消し飛び……
クレイジー・ダイヤモンドの能力によって再び、元の美しい彫像に復元された。グロリアの額に埋め込まれていた肉の芽も、その肉体にキズ一つつけず石と化し、像の中に収まっていく。
「万一、暴走しやがったら事だしな……」仗助は独りごちた。
290 :
独:02/11/06 20:41 ID:wWHUyNR9
44.身を焦がす怒り
予想を遥かに上回るアクシデントによって……長年の悲願であったDIO復活の野望を脆くも打ち砕かれたンドゥールは……怒髪天を突かんばかりの形相になった。
「仗助ェェェェッ!! 貴様ッ! 貴様ぁぁぁあああぁぁぁッ!!」
ンドゥールの鬼気迫る剣幕に、仗助も思わず後ずさる。
「ンドゥールのおっさん……DIOを殺したのは、間接的にせよあの『石』だぜ……」
「フン……事実がそうでも、今この身を焦がす怒りが、それで納得するとでも思うかッ!
悪いが仗助よ……たとえ刺し違えてでも、貴様をこの城から生きては帰さんッ!!」
叫ぶや否や、ンドゥールの周囲を水の幕が覆った。
それだけではない。城一階の床という床から、鋭い槍の形をした水柱が間断なく飛び出してくる!
(……グレート。完全に切れやがった……もう『説得』が通用するよーな状態じゃねーな……
戦うといっても……怪我のせいで、オレにはもうほとんど余力がねー……どうする!?)
「フフフ……本来なら、貴様がこの一階に踏み入れた時に使う予定だった必殺の布陣……!
これを以って貴様の魂を、DIO様の供養としてくれるわ!」
仗助とンドゥールの……己の意地をかけた最後の戦いが始まった。
291 :
最後の戦:02/11/06 20:42 ID:wWHUyNR9
45.一か八か
ドンッドンッドンッドンッ!!
水の槍ぶすまが、仗助の走り抜ける軌道を次々と砕いていく。
仗助の動きには精彩がない。負傷による出血がひどく、体力が尽きかけているのだ。
「ハア、ハア、ハア…………」
仗助の足は城の出口に向かっていたが……やがて止まってしまった。「チクショー……」
「フフ……さしもの貴様もここまでのようだな……あと少しで、この城から脱出できたものを……」
暗澹たる笑みを浮かべるンドゥール。
(ここからが正念場だ……頼む……保ってくれ……!)
仗助は強く念じたが、やはり身体は重く、足は前には進まなかった。
「怖がる事はないぞ、仗助……憎き敵ながら、貴様はよくやった……
その強靭な精神に免じ、苦しまぬよう一撃で心臓を貫いてくれる……!」
仗助の膝がガクリと傾く。
ンドゥールはとどめの一撃を放った。
ドン!!
石畳の隙間から、仗助の心臓めがけて針のように細い水圧波が貫き……
いや、貫いてはいない!
292 :
仗助の:02/11/06 20:43 ID:wWHUyNR9
「ぐぐぐおおおおおおーーーーッッ!!」
クレイジー・ダイヤモンドの両腕をクロスさせ、必死の形相でガードしていた!
仗助の両腕から勢いよく血が飛び散る。
「なッ…………往生際の悪いヤツめ!」ンドゥールは吐き捨てるように叫んだ。
「うるせー……最初からこれが『狙い』だったんだよ……
一か八かのヤバイ賭けだったが……この衝撃を利用して『天井』に行くのがよォー……」
「!?」
ゲブ神の攻撃を受け止め、仗助の身体は天井まで押し上げられた。
「ここからだ……ここからが問題……ドララララララララララァーッ!」
どこにそんな力が残っていたのか……クレイジー・ダイヤモンドが天井をバラバラに打ち砕く。
さらに、上から降ってきた袋に向かってもラッシュを放ち続けた!
ドゴドゴドゴドゴォッ!
ンドゥールはようやく、今仗助のいる場所にあるものを思い出した。
(ハッ……その上は確か……農業用の器具や原料のあった倉庫……)
仗助のスタンドによって、袋に詰まっていた化学肥料が次々と周囲にブチまけられた。
293 :
詰:02/11/06 20:43 ID:wWHUyNR9
46.意外な授かり物
「フン……何をするかと思えば……多少粉を撒いたところで、これだけの質量の『ゲブ神』の動きを鈍らせ
る事ができるとでも……!」
次の瞬間、ンドゥールの全身を火を吹いたような痛みが駆け抜けた。
「ぐがあッ!?」
よく見ると、粉を浴びた「ゲブ神」が、見る間に沸騰したような煙を上げて蒸発していく!
「あ、熱い…………何をしたッ仗助ェ…………ッ!?」
「最初に潜入した時に見つけたヤツを、利用する方法を思いついただけさ」
着地した仗助が、床に落ちた化学肥料の袋の残骸を拾う。
そこには日本語で『顆粒苦土生石灰肥料』と書かれていた。
「クレイジー・ダイヤモンドでこの化学肥料を『原料』にまで治した……
こいつの原材料のひとつ『生石灰』ってヤツは、水と反応すると高温を発するんだぜ」
「…………!!」
もっともこの仗助の博識ぶりも、以前高校の化学の追試験時、勉強を見てもらった広瀬康一からの受け売りなのだが、いちいち言及するまでもない。
ともあれ仗助の機転によって、あれだけの質量を持った「ゲブ神」の大半が消失してしまった。
294 :
あれ:02/11/06 20:44 ID:wWHUyNR9
「……おのれッ……」
ンドゥールが我に返った時、仗助はすでに眼前まで踏み込んできていた。
「近づいたぜ……覚悟できてんだろーなぁーッ!」
「チィッ!」
ゲブ神を寄せ集め、防御膜を張るより速く、クレイジー・ダイヤモンドが手に持っていた小さな『ビニール袋』を叩き割った。
バァーンッ!!
さっきの肥料の袋に空気を詰めて作った、簡易製の騒音発生装置だった。
「!?」鼓膜を乱暴に刺激され、ンドゥールの聴覚は混乱してしまう。
そして耳を奪われたンドゥールの胸板を、クレイジー・ダイヤモンドの鉄拳がヒットした!
「ドラァッ!!」
ドッゴォァッ!
「ゲフッ!」
たまらずンドゥールの身体は「く」の字に折れ曲がり、杖も地面に転がった。
295 :
く:02/11/06 20:45 ID:wWHUyNR9
47.奇跡の復活
ンドゥールは地面に苦しげに横たわり、反撃してくる様子もない。
長すぎるほど続いた苦しい戦いも決着し、仗助はようやく安堵のため息を漏らした。
「ハアー、ハアー……手間、かけさせやがって……
耳の刺激も一時的なモンだし……今の一撃も手加減してやった……動けはしねーだろうが、死にもしねーハズだぜ……」
毒づく仗助に、ンドゥールは息を荒くしながらも尋ねた。
「何故だ……おれは、貴様の……いや、ジョースター家の不倶戴天の敵とも言える、DIO様の復活を企てた男だぞ……何故、おれを殺そうとしない……?」
「『何も死ぬこたあねー』……そー思っただけだよ。深い理由なんか……そうだな。
あんたがいい人だから、かな」
「フフ……フハハハ……何を言い出すかと思えば……」
「証拠ならあるぜ……さっきの無差別攻撃の時だって……あの『グロリア』って女の身体にはキズひとつつけねーよう、気を配ってたじゃねーか」
仗助の指さした先には、確かに激闘にわりには綺麗な身体のまま、横たわっていた魔女がいた。
296 :
女:02/11/06 20:46 ID:wWHUyNR9
「あんたは確かに、今まで『悪の側』に立ってたかもしんねー。
でもあんたには『誇り』があった。最後まで正々堂々と戦ってた……
あんたの中で、あの『DIO』がどんだけ大きい存在だったか。この戦いでよく分かった……オレだって、おふくろやダチを守るためだったら……あれぐらい必死になった事もあるしよ……
けどいつまでも、死んじまった『DIO』なんて過去にこだわってないで、新しい生き方を見つけたほうがいいんじゃねーかな、って思ってさ……」
ンドゥールは憮然とした表情になっていた。
「不思議な男だな……お前は。
DIO様ですら、お前のように優しい言葉をかけてくださった事はなかった…………だが。
それでもおれには…………DIO様しかいないのだ」
ンドゥールはニヤリと笑う。そしてシュルシュルと「ゲブ神」が床を這っていくのを仗助は見た。
ズバッ!
「グッ…………てめー、何しやが……ッ!」
ゲブ神が狙ったのは、仗助の両足の腱だった!
さっきまで苦しげに呻いていたにも関わらず、ンドゥールはスックと立ち上がった。
297 :
スック:02/11/06 20:47 ID:wWHUyNR9
「幸運、というべきか……さすがの『クレイジー・ダイヤモンド』も、消耗が激しすぎたようだな。
もしパワー全開のお前のスタンドのパンチを食らっていたらと思うと……ゾッとするよ……」
「ぐ……ぐ……」
「DIO様も、グロリアも死んだ……もう、おれがここに留まるべき理由もない。
だが『運命』はおれを生かした……おれは生きている限り、DIO様の復活を諦めるつもりはない。
だからこそ、お前が追ってこれないよう足にキズをつけさせてもらった。
フフ、だが心配するな。浅いキズだから、一週間もあれば全快するだろうよ」
「……どういう……事だ……?」
「お前に頼みがある。グロリアを……丁重に葬ってやってほしい。
ゲスな女だったが、僅かな時間でもDIO様と会わせてくれた……せめてもの礼だ」
仗助は押し黙ったまま、ンドゥールを睨みつけるだけだった。
「もしまた、敵として遭う事があれば、その時は……容赦はしない。
さらばだ。東方仗助」
ンドゥールは杖を拾い、倒れたままの仗助に背を向けて立ち去った。
「……チクショー……余裕シャクシャクで逃げやがって……」
悪態をついてはみるものの、負傷と疲労のため、やはり身動き一つ取る事ができない。
やがて完全の気の緩んだ仗助は、まどろむように意識を失った。
その傍らで、眠るように横たわっていたグロリアの……瞼がピクリと動いた。
憑き物の取れたような顔で、ぼんやりと城の天井を見上げる。
298 :
城:02/11/06 20:48 ID:wWHUyNR9
「…………ンドゥール…………」悲しげに、ぽつりと呟く。
彼女の側で、崩れかけた巨大な蛇の形をした『石』が、ひっそりと佇んでいた。
廃城を後にしつつ、ンドゥールは考えていた。
火傷がひどく痛み、意識が朦朧となるのを堪えるために。
もし、あのまま仗助と戦い続けていたならば、勝負はどちらに転んでいたか……
(仗助の事といい、グロリアの事といい……おれも甘くなったものだ、フフ……
何の事はない……『あの時の予言』は、今日ではなかった……それだけの事だ。
『石』が、DIO様へと向かった時点で、薄々気づいてはいたのだがな……
だが、この戦いでひとつだけ分かった事がある……
おれは「運命」に従っているのではない……我が『意志』が「運命」を従えているのだ)
その証拠に……深い絶望を味わいつつも、生きる望みを捨てなかったがために、こうして再起を計る事ができた。我が望みが叶う事を……「運命」が望んでいるのだ。
彫刻家が言っていた……『長い長い苦難の道』。
今日の事件は、その『道』にある『苦難』のひとつに過ぎなかったのである。
(絶対に諦めんぞ……どれだけ待つ事になろうとも……何を犠牲にしようとも……
すべては我が敬愛する……『悪の救世主』のために……)
END
299 :
クシ:02/11/06 20:50 ID:wWHUyNR9
エピローグ.不死身
空条承太郎はロンドン市立病院を訪れていた。
「これはこれは、ミスター空条。ご苦労さまです」
「……仗助の容態は?」
「すこぶる快方に向かっています。発見された時は、出血多量に全身打撲……
生きていたのが不思議なぐらいの重症患者でしたが……思いのほか回復が早く、
医師も奇跡に近いなどと、月並みな意見を述べてましたよ、ハハハ」
承太郎が仗助の病室まで来ると、中から喧騒が響いてきた。
「なあ〜〜〜〜オレ、もう退院していいだろ? ホラ、こんなに元気元気!」
「え〜い、うっとーしい。まだ包帯も取れてない状態だってのに……確かにもう、
命に別状はないが……君にはまだまだ安静が必要なんだよ、東方君」
「ううう、そんな事言わねーでくれよォォォ〜〜……せっかく花の都ロンドン(註:まだ直ってない)に来たのに、
『ホームズの足跡ツアー』や『ビートルズの足跡ツアー』、ついでに『ロンドンっ子が選ぶビュー・ポイントベスト10巡り』とか、
何もできないなんてあんまりだよォォォ〜〜〜〜ッ」
「だあああーッ騒ぐんじゃないッ! 他の患者に迷惑だろォーがッ!」
滞在期間は一週間だったハズだが……今のスケジュール、どうやって昇華するつもりだったのだろう。
承太郎は病室にノックもせずに入った。
300 :
承太郎は:02/11/06 20:50 ID:wWHUyNR9
「あ、承太郎さん! 承太郎さんからも言ってやってくださいよ! オレは常人なんかとは回復力がケタ違いだって事を!」
「…………休んでろ」
承太郎らしいシンプルな一言で、仗助は仕方なく口をつぐんだ。
「話は聞いた……大変だったそうだな」
「ええ、そりゃもう……何しろDIOのヤローが復活してたんッスから!
でもオレ独りの力で勝ったッスよ! 承太郎さんにもオレの活躍、見せたかったなぁ〜」
「……だが、ンドゥールには逃げられたそうだな?」
「うっ……確かに、そうッスけど……」
「まったく、無茶をするヤツだ……しかし、よくやったな」
「へへ……」
承太郎にねぎらわれ、仗助は褒められた子供のような笑顔を見せた。
「今、財団は……『グロリア』に事情徴収している」
「彼女……その後はどうッスか?」
「『スタンド能力』もない……ただの一般人だ。一時は塞ぎ込んでいたが……
近頃は落ち着いて、ンドゥールに加担していた事も認め、素直に自供を始めている」
「そうスか……」
グロリアのスタンドを目の当たりにした仗助にとって、最も心に引っかかっていたのは、あの『石』の存在だった。
(一人歩きしてたスタンドの異常な人格……あの『石』は、それを死に導いたのか……
あの後、DIOの彫刻もブッ壊したし……めでたし、めでたし……ってトコなのかな)
仗助自身にとって、今回の事件は災難以外の何物でもなかったが。
この後、ロンドン滞在の間をほとんど病院で過ごした仗助は、無念に涙をのみつつ帰国し……『ワピしー』受験戦争なんぞに精を出さねばならなくなるが……
それはまた……別の話である。
301 :
別の話:02/11/06 20:51 ID:wWHUyNR9
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プロローグ.血の誓い
「DIO様が死に……忌まわしいジョースターの血筋は、未だにのさばっている。
ンドゥール。お前はこれから、どうするつもりだ?」
長髪の男が尋ねた。彼の目は白く濁っており、ンドゥールのそれと同様、光を映す事はない。
「…………」ンドゥールは無言だった。
「おれは復讐する。DIO様の命を奪った空条承太郎に……ジョースターの血統にッ!
どうだンドゥール。おれと共に、ヤツらに報復の鉄槌を……!」
『ヤツら』? ンドゥールは訝った。
「…………ひとつ、訊きたい事がある。
貴様は今『ヤツら』と言ったが、標的は承太郎ひとりで充分ではないのか?」
「フフ、それは……我が復讐のシナリオに、承太郎の『娘』も含まれているからだ」
男は得意満面の様子で語り始めた。
「今、ヤツの『娘』の生命を奪う事はたやすい。だがそれでは『真の復讐』にはならん。
我が望みは、最愛の主を奪われた絶望を、承太郎にも味わせてやる事……
娘がいずれ成長し、苦難に見舞われた時……父親は娘を救おうとするだろう。
だがもし、父の助けもむなしく、娘が目の前で息絶えたとしたら……?
……承太郎はさぞかし、絶望と後悔に打ちひしがれるであろうな?」
悪趣味な話だ……目の見えぬンドゥールにも、男の顔にサディスティックな笑みが張り付いている事は容易に想像できた。
「ヤツを絶望の淵に叩き込んだ後……失意を背負わせたまま、その生命をも絶つッ!
そうする事で初めて、我が主の無念と悔恨は雪がれるのだ…………」
その言葉からは、あの恐ろしいヴァニラ・アイスが心の深淵に抱いていたような、ドス黒い憎悪のたぎりが見え隠れしていた。
ンドゥールとて、DIOへの忠誠心は引けを取らないつもりだ。しかし、彼のように承太郎を激しく憎悪する気には、とてもなれなかった。
この男……復讐にこだわるあまり、己を見失っている。
「悪いが……貴様の計画に協力する気にはなれん」
「フン……そうか。残念だよンドゥール。
お前の願う『復活』と、おれの望みである『復讐』……どちらが先に果たされるか?
願わくば、共に同じ『道』を進みたかったがな」
大きな悲しみを背負った、二人の男がいた。
一人は「再生」を望み、一人は「破滅」を望んだ。
誰が知るや? 二人の望みが、同じ想いから生まれた事を。
二人の歩む「道」は、二度と交わる事はなかったけれど……
なにこれ?
やっと繋がった・・・と思ったらスゴイ事になってる・・・
1人で90近くを埋めるとは・・・。
これはコピペ?それとも自作?
「やった・・・ね。」市井は赤いプラスチックシェルを排出すると新たな弾を込めた。
「・・・。」紺野は無言で頷くとイングラムの空になったマガジンをその場に捨てた。
だが、予備のマガジンも残ってなかった。
紺野の放ったイングラムは回転しながら海に落ちた。
松浦は砂浜に横たわる藤本によりそっていた。
藤本の体からこぼれた血を波が優しく洗い流していく。
「ミキ・・・スケ・・・」松浦は今にも消え入りそうなか細い声で、そっと藤本の頬をなでた。
銃弾は全て胴体にヒットしており、その美しい顔だけは弾丸に傷つけられる事は無かったのだ。
バラララララ・・・・。
突如、静寂を裂いて聞こえてきたのはヘリのプロペラの音だった。
見れば日が昇り始めている東の空に5つのシルエットが見えた。
「軍用ヘリ・・・・。」
あんだけ死ぬ気で闘ってやっと倒したのに・・・すぐ次が来る・・・仮に今、切り抜けても・・・
これからもずっと国に追いかけられ続けるのかな・・・
市井はチラリと紺野の顔を見た。
「沙耶香・・・私は間違った事をしたなんて微塵も思ってないよ。そして後悔もしてない。
ただ、正しいことをしただけ。例えここで死んだとしても・・・私達の正義は消えない。・・・永遠にね。」
紺野の右手に収められたベレッタが火を吹いた。
波打ち際で藤本の側によりそう松浦のこめかみが弾けた。
「紺野!?あんた何やっ・・・」ベレッタの銃口は自分にも向けられていた。
「あんた・・・どうしたのよ・・・?狂ったの・・・?」
紺野は首を横に振った。「私は冷静です。」パンッ!弾丸は市井の右胸に命中した。
だが、防弾チョッキを着込んでいたため、その弾丸が体を破る事は無かった。
市井の全身が恐怖に震えた。目の前の光景が信じられなかった。このままじゃ殺される!!
市井の体の防衛本能が働いた。
腕が勝手にレミントンを持ち上げ、そして、引き金を引いていた。
弾けとぶ紺野の胴体。そのまま紺野はよろめき、後ろに倒れた。
その後の記憶がどうしてもない。
紺野を撃った後・・・・・。そういえば、軍用ヘリから武装した兵隊達が降りてきたかも。
それで・・・・どうやっても思い出せない。この先は。
記憶から抜け落ちているのか、自分が思い出そうとしないのか。
もうどっちでもいい・・・という気もする。
市井は今、いる家の天井を抜けると空に出た。
さらに上空に昇ると、街がミニチュアのように見え、遠くにはキラキラと日の光を浴びて輝く海が見えた。
最初は綺麗と思えたこの景色ももう飽きた。
私・・・これからどうすればいいのかな?ずっとこの街を漂うだけ?
少し、遠くへ・・・海の向こうにでも行ってみようかな?
いや、それも無理だった。
地縛霊市井は自分が捨てられたこの街から出ることは出来ない。
誰も知らない事だけれど・・・この街の何処かの廃ビルの屋上に・・・私の死体は捨てられてる。
誰かそれを見つけてくれれば私の魂はここから開放される。
そうだ・・・誰かに見つけてもらえるように・・・いつも廃ビルの近くにいよう。
それ以来、その廃ビル前の道は視界が悪いわけでも、危険な道でも無いのに、何故か死亡事故多発地域となった。
乗用車がガードレールに激突する大事故を起こしたが、奇跡的に一命を取り留めた男性はこう語る。
「夜の2:00頃、あの道を通りかかったらいきなり歩道から女が出てきたんだ。危ない!!と思ってハンドルを切った瞬間、
その女がこっちを見た。あの姿は今も忘れられない・・・。頭からつま先にかけて、全身に穴が開いてたんだ。
頭は半分割れ、脳が露出してた。両目は潰れ、グチャグチャになった顔。そして、半分に千切れたくちびるで笑ったんだ。
俺に・・・向かって・・・・・。」
ハロプロワイアル(裏)完。 この話を知らない方は前スレまで飛んでみてください。
ここからは普通の「娘。の奇妙な冒険」に戻ります。
いかった。乙。
で、
>>211-302は結局何がしたかったんだ?
読む気がしないよ・・・新手の荒らしか?
314 :
まきたん:02/11/07 19:21 ID:NUrjHy2N
316 :
名無し:02/11/07 22:40 ID:xkEpgHUo
やっぱ俺はレクイエムさんの方がおもろいな
やっぱりコピペだったか・・・
こんな荒らしをヨイショしていた
>>313の立場は?
318 :
名無し募集中。。。:02/11/08 07:40 ID:2m0JTkkV
>>313じゃないが、コピペでも小説の質が落ちるわけじゃないし
オリジナルが面白いってことでいいだろ
このスレで読みたいのはレクイエム氏の小説だがな−
エスパーの話を聞いて大体のことは分かった。
地球を守るために私達の力が必要な事。
デーモン達は私達にスタンド能力があろうと、無かろうと近いうちに襲ってくる予定だった事。
(これはエスパーがデーモン達の会話を盗聴した)
デーモン達が新兵器を開発している事。
そして、決意は固まった。私は全力で闘おう。多分、飯田さんも同じ事を考えてると思う。
でも・・・矢口さんと・・・ごっちんはどうなんだろう・・・。
ごっちんはスタンド使いになったことを良く思ってなかった。戦うコトを嫌がってた。
それに矢口さんは敵にやられて大怪我をした。しかも瀕死の重傷・・・・仮に一命を取り留めても新しい敵に殺されるだけじゃ・・・
嫌なイメージが頭をよぎる。
この2人の穴は新しくスタンド使いになる(と思われる)よっすい〜・安倍さん・高橋の3人と一緒に埋めないと・・・。
でも3人も戦うコトを拒絶したら・・・・。
また嫌なイメージが浮かんでくる。それを半ば強制的に頭から消し去ると石川は心に決めた。
とにかく・・・私は闘う!絶対に強くなる!!
後藤真希のソロでやる初のミュージカル「DEAD ROYALE」バトロの舞台版だ。
(フィクションです。)
その舞台稽古がもう始まっていた。
今はちょうど休憩時間。後藤は舞台横のパイプ椅子に腰掛けていた。
ピリリリリリ・・・・バックにしまっておいたケータイが着信を告げる。
見ると、吉澤からだった。
「もしもし?よっすい〜どうしたの?」
電話の向こうから吉澤の震えた声が聞こえた。
「ごっちん・・?大変なの。矢口さんが・・・大怪我して病院に・・・・」
「えっ!?」この時、後藤は直感で感じた。スタンド使いにやられたんだ。
「それで・・・どういう怪我してたの?」「血まみれで道路に倒れてたんだって。近所の人が見つけたらしいんだけど・・・」
<<後藤さ〜ん。5分前で〜す。そろそろ準備お願いします!>>
ここでスタッフからの休憩終了5分前が伝えられた。
「あっ・・!とにかく分かった。仕事終わったらこっちから電話する。うん。ありがとうね。バイバイ。」
後藤は電話を切るとバックに戻した。
次、やるシーンは 恐怖に耐え切れず発狂し、マシンガンを乱射する友人を泣く泣く射殺するシーン。
かなりの演技力が様される。
後藤は小道具のディパックをスタッフから受け取ると、演技に臨んだ。
友人役の子が叫びながらマシンガンを乱射する。ここで後藤は背後の木の影に隠れ、親友に言葉をかける。
・・・・という段取りだったのだが・・・。
後藤はただその場に立ち尽くしていた。
共演者の顔が固まる。
「後藤?どうしたの?」夏先生の声がかかって後藤はやっと我にかえった。
( ´ Д `)<・・・・
煤i ゜ Д ゜)<ッハ!
(#´ Д `)<交信乙。
323 :
名無し募集中。。。:02/11/09 20:11 ID:O5/qVrbH
明日11/10はデーモン小暮閣下の誕生日だな
やばい!!閣下が死んでしまう!!!話が終わる!!!
どうする・・・?これじゃ紺野に関する詳しい話が・・・。
閣下「と、いう事で誕生日をずらします。更新は少し待ってください。」
補足。ハロプロワイアル(裏)の説明。
兵隊に射殺された市井が地縛霊となり、さらに人に気付いてもらおうと
死亡事故を巻き起こす悪霊になるというバッドエンドです。
↑スゴイのぼせ上がってる香具師等だな。
ああ。その通りです↑
「すみません!」慌てて夏や、共演者、スタッフに頭を下げる後藤。
いけない、いけない。ボーッとしてた。次はちゃんとしないと!
しかし、この後の演技も何か足んなくてNGを連発。
とうとうこの日、OKをもらえたシ−ンは1つも無かった。
「後藤。ちょっと・・・」稽古の終了後、ダンスレッスンの部屋に夏に呼び出された。
大体、予測していた事だった。どうせ説教だろう。
今日は調子が悪かったんだ。自分でも理由は分からないけど。
もしかしたら矢口さんの事故の事が少なからず関係してるのかも知れない。
「後藤!!聞いてるの!?」もう夏の説教なんてほとんど耳に入っていない。
どうせ同じ事を繰り返してるだけでしょ?もう、いい加減耳障りだ。
後藤がふと、視線を夏の背後の壁一面に貼られた鏡にうつした。
「!!!!」その瞬間、後藤の顔が固まった。
そこに写っていたのは夏の後姿と、呆然とする自分。そして、その後ろに立つ不気味な怪物の姿だった。
その姿は異形そのもので両手に大きなカニのような大バサミがついている。
全身は甲殻に包まれ、一本の角を備えた頭。その下には細くつり上がった緑色の目が輝いていた。
見た感じザリガニを人間化させたような感じだった。(あの鋭い目以外は)
後藤は瞬時に振り返った。すると怪物はさっ、と姿を消した。
敵スタンドだ!!狙いは・・・私?それとも・・・!!
「後藤!!!」スタンドが見えない夏は後藤を怒鳴りつけた。
「私の話を聞きなさい!!!」うるさい!!今はそれどころじゃないの!!!ハートオンファイア!!!!
強烈なアッパーを喰らって夏の体は軽く宙へ浮かんだ。こんな奴はどうでもいい。
それよりあのスタンドはどこに逃げたの!?
後藤はダンスレッスン室を出ると、思わず足を止めた。あのスタンドがわずか数メートル先にいたのだ。
まるで自分を待っていたかのように。
ハートオンファイアは慎重に間合いを計りながら怪物に近づいていく。そして、
瞬時に怪物の眼前に踏み込むんだ。怪物はその動きに反応できず、熱を発生させた拳の一撃を喰らった。
だが、次の瞬間!右腕の巨大なハサミがハートオンファイアの右肩におとされた。
肩がメシメシと嫌な音をあげてきしむ。「ぐっ・・・!」苦しそうな声が口から勝手に漏れた。
怪物の顔面がジュウッ・・・と音を立てて焦げた。ハートオンファイアの熱の力だ。
だが、それよりもこっちが喰らったカウンターの方がダメージが大きい。
後藤は一旦、怪物から離れた。
肩の痛みをこらえながらも相手をじっ、と観察する。
怪物はその場から動こうとせず、ただ後藤を見つめていた。
何なの?こいつ?何故、今仕掛けてこないの?読めない・・・行動が・・・。
すると、怪物が喋りだした。
「俺の名はIN PAIN 。俺は自ら仕掛けるつもりはない。いつでも好きな時にかかってこい!」
挑発的な口調だった。・・・・この野郎!!!
ハートオンファイアは再び眼前まで踏み込み、殴る・・・と見せかけ一旦バックした。
IN PAINのカウンターのハサミが目の前を高速で通過した。
フェイントに引っかかったな!!「シャアアアアア!!!!!」
拳の連打がIN PAINの胴体に打ち込まれた。バキバキバキッ!!!!
甲殻に深いヒビが入った。これは大分効いた筈だ。
しかし、その直後に後藤の全身にハサミの連打が打ち込まれた。
後藤は全身から血を噴き出し、床を数メートル滑った。
「俺の能力・・・・教えてやる。相手に与えられた攻撃を必ず2倍のダメージで返す能力。
今の連打は大分効いたぜ。それの2倍を喰らったんだ。女の体力じゃ二度と立ち上がれまい。」
IN PAIN の声は勝ち誇っていた。
スタンド名<IN PAIN > 本体「不明」
能力:与えられたダメージを必ず2倍にして返す。単純に50キロのパンチでこいつを殴ったら
100キロで返ってくる。ただし、ハートオンファイアの「熱」のように
そのスタンド独特の追加ダメージはコピーできないようである。
破壊力(相手次第) スピードD 射程距離C 持続力C 精密動作D 成長性C
クソッ・・・こんな奴に・・!!後藤は危なげにバランスを取りながら立ち上がった。
IN PAINは細い目を吊り上げながらただ、こっちを見ていた。
「シャアッ!!」重いローキックがIN PAINの足にぶつかる。だが、
(シャアッ!はスタープラチナで言うオラッ!!のようなもので、ただの掛け声です。決してキャスバルの事では無いです。)
直後にさらに重いローが後藤の足を捕らえる。その瞬間、後藤の体がガクン。とおちた。
しまった・・・。軸足が・・・。足から段々感覚が消え去っていく。やばいな・・・明日からレッスンできないや。
さらに、全身からの出血もじわじわと後藤の体力を奪う。なんとかここを出てスタッフに助けを・・・。
ここはダンスレッスン室前の廊下。この廊下はダンスレッスン室と、舞台に繋がるドア以外は何も無い。
しかも、ダンスレッスン室の使用中はスタッフであろうと立ち入りは許可されていない。夏がそう決めたのだ。
今も、舞台のドアの前には「使用中」のカードがかかっているはずだ。
本当にタイミングが悪いな・・・。肝心の夏はあそこで気絶してるし・・・
「ここで決めろ。このまま体力を失っていって死ぬか・・・俺に攻撃を仕掛けて2倍返しで死ぬか。」
IN PAINは負けるなど微塵も思ってないようだ。
「ま、俺はどっちでもいいがな。いずれにせよ、貴様は死ぬんだ。」
クッ・・・。後藤はもう立っているのも限界だった。
これじゃあ本当に体力切れで死ぬかも・・・・。
がんがれ!ごっちん!!
ザリガニ野郎なんかに負けるな!!!
335 :
名無し募集中。。。:02/11/13 12:24 ID:a7uLvgR2
視界が歪んできた。IN PAINの姿にも霞がかかる。
もう・・・ダメかも。
その時、舞台に繋がるドアのノブが音をガチャッ、とさがった。
「いくらなんでも遅すぎる・・・。」スタッフが心配になって様子を見にきたのだ。
奇跡だ・・・。後藤は心の中でそう思った。
だが、そのドアは開ききる前に再び閉められた。
「おい。藤田。何するんだよ。」
「バカ、忘れたか?前も無断でここ開けて夏先生がマジギレしただろ?」
「まあ、そうだけどいくらなんでも遅すぎるんじゃ・・・もしかして、体調が悪くなって倒れてたり・・・」
「夏先生がいるから大丈夫だって。それより早く仕事に戻ろうぜ。あのセット、一週間以内に完成させないと監督に殺されるぜ。」
「ああ。そうだな。お前も頑張れよ。」そういうとスタッフは自分の持ち場に戻っていった。
「おう。」そう答えると藤田もその場を後にした。が、一旦足を止めると静かに笑った。
(邪魔はさせない・・・閣下の命令の遂行の邪魔は・・!!!)
あ〜あ。最後の運にも見放されたか。こんな所で死ぬなんて・・・スタンド使いになんてならなきゃ良かったよ・・・。
後藤の横のいるハートオンファイアも満身創痍だった。
甲冑のいたる所にヒビが入り、肩口には大きく穴が開いていた。
生命エネルギーであるスタンドは本体が弱ると自分も弱る。
その姿は消えかけていた。
「なんだお前。スタンドも消えかけてるじゃん。もう死ぬの5分前ってとこか?」
本当にそうなるかも・・・。「うるさい・・・よ・・・。黙れ・・。」
「ほ〜う。まだ口が聞けたか。耳元で小言を言われるのは不快かな?ハハハッ!!」
やばい・・・こいつ本当にムカツク・・・!
「所詮お前の能力もこの程度か。熱なんて怖くもないね。」
くそ・・・!・・・・!!待てよ・・・熱?
そういえばさっきこいつを殴った時、奴の顔面に火傷を負わした・・・
その直後、2倍のカウンターを喰らったけど私に熱のダメージは無かった。
って事は・・・!!後藤は立ち上がった。全身の筋力を総動員して。
「大した奴だな。まだ、立てるとは・・・誉めてやるよ。」
「そいつは光栄ね。」後藤は挑発的な口調も軽く流すと、ハートオンファイアの両手でIN PAINの顔をはさんだ。
「何のマネだ?頭を潰す気かな?だが、お前が力を込めた瞬間から2倍の力がお前の頭を襲うぜ。先に潰れるのはどっちだろうな?」
「残念ながら外れ。別にあんたの頭を締め付けるつもりはないの。私は・・・こうしたいのよ!!!」
「は?馬鹿か貴様は?そんなこと無・・・・うっ!!うわああああっ!!」
いきなりIN PAINが騒ぎ出した。
「熱い!!熱い!!やめろ!!」IN PAINの顔の両サイドが黒く染まっていく。
「あんたは・・・攻撃は返せるけど<熱>までは返せないみたいね?私は今、両手に熱を発生させてる。
でも、力は全く込めてない。だから2倍返しされても痛くもかゆくもない。あんたに出来るのは些細な力で私の頭をはさみかえすだけ。」
「ぐああああああああああっ!!!!!!!!!」
「あんたの敗因は・・・お喋りすぎた事かしらね・・。あんたが熱までコピーできたら私の負けだったけど。」
その時、ドアの向こうから大きな叫び声が聞こえてきた。
それに続いてスタッフ達のどよめく声。
「おい!藤田!!しっかりしろ!!藤田ーーー!!」
藤田の両耳は焦げたかのように真っ黒に染まっていた。
「どうやら本体は近くにいたみたいね。」「ううううっ・・・クソッ・・・閣下・・・すみません・・・でした・・・。」
IN PAINの体が霧散した。それはスタンドの死を表していた。
「勝った・・・・。」でも・・・私もこのままじゃ・・・後藤の意識が遠のいた。
スタンド名<IN PAIN> 本体「藤田 峻」 死亡。
339 :
まきたん:02/11/14 10:06 ID:ociRDbC0
更新乙です。
IN PAINは自分からはまったく攻撃できないんですねw
↑カウンターのみの能力ですからね・・・。悲しい奴・・・。
それにしても名前はともかく敵スタンドの能力のネタが尽きてきた・・・・
>>レクイエム氏
狩りのスレでも再利用してスタンドのネタを公募ってのはどう?
ネタバレ嫌いな奴は見なきゃ済むし。
早速書いたよー
明日は本体の設定を色々書くからよろしく。
343 :
みょだ:02/11/15 05:26 ID:uwn+QnkK
いつも密かに拝見させてもらってます。
考えたスタンドを狩りの方に書かせてもらったので、参考になればと思います。
344 :
341:02/11/15 08:01 ID:ZyY8kAWt
ここかなり久しぶりに見たら、小説スレになってるぅー
ログを削除して閉じる、と。
皆さんありがとうございます。
書いて頂いたスタンドはなるべく使わせていただきます。
なっちのスタンドが気になりますね・・・
最初の方の会話から癒やしでは無いんですよね。
楽しみにしてます!!がんばってくださいね♪
349 :
まきたん:02/11/16 15:39 ID:pn7PHGLT
味方のスタンドは全部決まったんですよね?
ぁゃゃとかミキティとかはでるんですか?
そりゃ出るだろう。
エスパーも出てんだから…。(w
ただし味方かは、分からんが…。
舞台ではスタッフの突然の原因不明死により、パニックになっていた。
そして、その事はUFA本社の社長にも伝えられた。
「もしもし。山崎だが。」「社長ですか?本日、後藤が主演する例の舞台でスタッフが1人死んだようです。」
「何!!・・・これはイメージダウンにつながる!いつものように警察とマスコミを買収しろ!
この事件を決して表に出してはいかん!!フライデーやブブカの記者どもはハイエナのように嗅ぎ付けてくるからな!」
「分かりました。早急に手配します。」「うむ。頼んだぞ。」
山崎は受話器を置くと、胸ポケットから一本7000円の葉巻を取り出し、火をつけた。
「奴らは私の金儲けの道具だ・・・。こんな所で壊れてもらう分にはいかんのだよ・・・。」
一方、後藤はダンスレッスン室前の廊下で倒れていた。出血は止まったことは止まったが、流れ出た血の量が多すぎて危険だ。
意識などとっくの昔に飛んでいた。その後藤の側にまばゆい光の固まりが現れた。
その光が少しずつ薄れていき、人影が浮かんでくる。
「後藤さんの所にも来たか・・・。」それは紺野あさ美だった。
「さて、今その傷を治しますからね。」紺野が傷だらけの後藤の体をそっ、となぞった。
紺野の手から青い光が発せられ、その光を浴びた傷は次々と塞がっていく。
「これで良し・・・と。後は・・」紺野はダンスレッスン室で倒れている夏を見つけた。
「先生の記憶は消しておかないと・・・アルカディア!!」紺野の手の中に現れた光の棒。
その棒で軽く夏の頭をつついた。夏の頭から半日の記憶が葬られた。
「さて、そろそろスタッフが来る頃ですね。仲間の事も気になるし、私は行きます。それでは・・・」
紺野の体は光に包まれ、次の瞬間には姿を消していた。
「後藤さん!!後藤さん!!」スタッフの呼び声に後藤は目を開いた。
あれ・・・私、怪我してたんじゃなかったの・・・?
「目を覚ましましたか。大変な事が起こりました。スタッフの一人の・・・あのアシスタントの藤田です。」
「藤田さんがどうしたの?」「藤田が・・・死んだんです。顔が真っ黒になって・・・。」
あのスタンドの本体は藤田さんだったんだ。後藤は藤田の事を知ってはいたが、特別仲の良いわけでもなかった。
「今、警察が来ます。後藤さんは今日は帰っていて下さい。」スタッフの声が震えている。
泣いているようだった。
藤田という男はこの人にとってはいい友人だったのかも知れないけど私にとっては自分を殺そうとしたクソ野郎でしかない。
問題は藤田を殺した事じゃ無い。むしろ、殺されそうになったんだ。正当防衛が成り立つ。
本当の問題はあの時受けたはずの傷が何故、治っているかだ。
あの痛みと体を汚した血・・・あれは決して幻なんかじゃない。
実際にジーンズの所々に小さな穴がある。これはあのハサミで開けられた穴だ。
一体どうなってるの?つんく♂さんに聞いてみようかな・・・。
あっ、でもよっすい〜にрキるって約束したっけ。でも、今はこっちの方が重要だから・・・ゴメンね。よっすい〜。
帰りのタクシーの中で、後藤はつんく♂のケータイに電話した。
しかし、コール音が延々と続くだけでつんく♂は出てこない。
話し中?それじゃあ・・・他のメンバー・・・スタンドが使えるメンバー・・・。
飯田さんか梨華ちゃんにかけてみようかな・・。
その頃、つんく♂の自宅では・・・
「そうか・・・。ポルナレフが死んだのか・・・。」
「ああ。」受話器の向こうから低い声が聞こえてきた。
その声が続けた。「だが、肉体が消えただけで、魂は残っていた。」
「どういう事や?」「あいつ、スタンド能力のある亀の体に入っていたんだ。この前、イタリアまで会いに行ってきた。」
「しかし、何でそんなことが起きたんや?」「矢の力だ。」
つんく♂の顔色が変わった。「その矢は・・・どうした?」
「ジョルノ・・・DIOの息子だ。ジョルノという男が持っている。」
「つまり・・・残りの矢は2本か。」「いや、吉良の親父が持っていたものを含めて3本だ。」
「そうか・・・。矢は全て俺たちが回収しなくてはならん。」
「ああ。それは分かっている。残りの矢の行方は分かるか?」
「エスパーの解析の結果、やはりあの男が持っていたよ。」
「デーモン小暮・・・か。」
「もしかしたら・・・今までで一番の強敵かもな。」
「分かった。俺は明日、もう一度イタリアに行って来る。何か情報が手に入れば、また電話する。」
「おう。っていうかお前はそういう時にしか電話してこんな。」
「無駄話は嫌いなんだ。」「昔から変わらんな。そういえば娘はどうしてる?今年で10歳だったかな?」
「ジョリ−ンの事か?最近顔を見ていないが、まぁ元気でやってるだろうよ。」
「何や?冷たいな〜。ちゃんと愛情もって接してやらんとグレるかも・・・。」
「どうもそういうのは苦手でな。」
つんく♂は知っていた。この男、決して人には言わないが、また行動にも出さないが、娘の事を何よりも大事に思ってる事を。
「たまには家に帰ってやれよ。それじゃあな。」「ああ。」
ガチャッ。電話を切る音がした。つんく♂はケータイの通話を切るとテーブルにおいた。
「・・・・。ポルナレフ・・・・。」
つんく♂の視線はテーブルの上の写真に移っていた。
その写真はローマで撮ったもので3人の男が写っていた。背後には巨大な建造物が見える。
真ん中には自分。右隣には学生服のような服に身を包み、帽子を深くかぶった男がいた。服についた金の鎖が特徴的だ。
そして、左隣には一見、奇抜な髪をした男。カメラに向けられたスマイルはその男の陽気な性格を暗示している。
つんく♂は写真を裏返した。そこには「空条承太郎 寺田光男 J・P・ポルナレフ コロッセオ前にて」とあった。
>>348 今、内部事情を書いてるので3人のスタンドについては次ぎ書きますね。
>>349・350 今の所、松浦・藤本については考えてないです。
エスパーはキャラ的にあうのでマザーコンピューターに
なってもらいました。
359 :
名無縞馬:02/11/16 23:41 ID:b/lquksO
レクイエムさんマンセー!!
続き楽しみに待ってます。ガンガレ!!
360 :
:02/11/17 08:31 ID:PJ9kKIKm
寺田顔広いんだなぁ
361 :
まきたん:02/11/17 12:08 ID:dMRrJouQ
でないのか・・・残念だなあー
翌朝のAM8:00。
後藤・飯田・石川につんく♂からのメールが届いた。内容は3人共同じだった。
メールの着信音で起こされた後藤は眠い目をこすりながら机の上のケータイを手にとる。
「んあ・・・つんく♂さんからだ・・・。」内容は・・・
<今日の12時までにいつもの会議室に来てくれ。>
「えっ・・・。」後藤は慌てて返信メールをうった。今日は3時からごまっとうのスタジオ収録があるから無理だと。
メールは思いの他早く返ってきた。
<収録は明日にずらした。松浦と藤本もOKしてくれた。確か明日、お前OFFだったよな?そのOFFはあさってに変更してある。>
随分勝手な話ではあるが、スタンドについて知りたい事はある。他に誰が来るか知らないけど話を聞くには絶好のチャンスだ。
さて・・・今、8:00でスタジオまで1時間かかるとして・・・3時間ヒマだな。寝なおそうかな・・・。
・・・・・良し。寝よう!
後藤の体が傾き、ベットに倒れこんだ。そして数秒後、後藤は再び夢の世界へ旅立っていた。
「エスパー。」ここは事務所、秘密の地下室。
モニターに石井の顔が浮かび上がる。「おはようございます。つんく♂さん。何か御用ですか?」
「デーモン達の様子を見たい。できるか?」「勿論です。では今から映像を送ります。」
石井の顔が消え、蝋人形の館の全景が映し出される。
そのバルコニーにデーモン小暮が姿を現した。「こいつ・・・何してるんや?」
画面の右上のVOICE ONLYの文字が点滅し、石井の声が流れる。
「彼はここがお気に入りのようです。」
バルコニーのドアが開き、新たな悪魔が入ってきた。赤髪のオールバックの悪魔。エース清水だった。
デーモンは振り返らず、小さく口を動かした。何か会話をしているようだった。
「エスパー。音声を拡大できるか?」「ハイ。やってみます。・・・!!」
「どうした?」「妨害念波です!!」突然画面に線が入り、映像が乱れ始めた。
「あのエースが持ってる機械が原因のようです!!これ以上中継を継続するとこちらの居場所が探知される可能性があります!」
「分かった。中継を切ってくれ!」「ハイ!!」映像が切れ、再びエスパーの顔が浮かび上がった。
「・・・困りましたね。念視が妨害されるなんて・・・。」
「念視を妨害する機械を発明していたのか・・・。俺らも何とか手をうたんとな。」
その頃、蝋人形の館では・・・。
「何だ?その機械は?」「ゼノン博士が発明したものです。念視を妨害する力があるようです。」
「さすがだな・・・。所でその本人は何処にいる?」「さっき2年ぶりに研究室から出てきてこれを渡すとまた研究室に入りました。」
「そうか。後で例の物の研究は進んでるか聞いといてくれ。」
「分かりました。所で・・・」
「分かっている。我輩の邪種でつくったスタンド使いの数が減ってきている。
なかなかやるではないか。奴らも・・・。フハハハハハハ・・!!!!」
「閣下。やはりもう少し強力なスタンド使いを投入しましょう。例えば・・・あの男なんてどうでしょう?」
「・・・奴か。なるほどな。分かった。エース。連絡をとっておけ。」「はい。」
それだけ言うとデーモンは館の中へ戻っていった。
うむ。
日々更新、放置の小説スレも多いこの時代で感心感心。
オシ力しー
( ゜皿 ゜)⊃/⌒(◎^/ /∀^◎)
今日も一日カツカレー
川●ー●|| 飯田さん。ポン吉は食べれないよ。。。
Σ( ゜皿 ゜)マジデカ!!
「エスパー。デーモンの念視を妨害する念波は出せるか?」
「それは出来ますが、ゼノンの作ったあの機械の5分の1程度の出力が限界です。」
「つまり監視を完璧に遮断するのは無理か・・・。」
「無理ですね・・・。それにゼノンの事だからいずれ念視の力を増幅させる機械を作るかも・・・・
そうなってしまえば唯一、デーモンの念視が及ばないこの場所もいずれは・・・。」
「そうか・・・。今、お前の存在を知られるのはまずい・・。
とにかく事態は急を要する。今日、3人の能力を発現させる事にした。」
「分かりました。それでは・・・。」
モニターから石井の顔が消えた。
それを見届けるとつんく♂もエレベーターで上に戻った。
そういえば昨日、後藤の舞台でスタッフが一人死んだとか言ってたな。
恐らくスタンドが関わってる・・・。
とにかく今はスタンド使いを増やさないとな・・。
空条やDIOの息子も恐らく協力してくれるはずや。
この地球の運命を決める戦いに。
「行け−−−ッ!!」飯田の声がかかり、ホワイトクイーンの口から吐き出される冷気。
その霧に触れたプラスチック桶の中の水が一瞬で氷と化した。
「冷凍庫で氷作る手間が省けるね。」のん気な事を言いながら冷凍庫の氷入れに作ったばかりの氷を入れようとする飯田。
しかし・・・。
「あれ?桶が凍って出てこないや・・・。」このやり方は大失敗であった。
そんな馬鹿な実験をしながら飯田は昨日、後藤からかかってきた電話の事を思い出していた。
石川・・・矢口に後藤が敵スタンドと戦ったことがあるんだよね・・・。
って事は残ってるのは・・・・私だけ?
まさか・・。飯田はバッ、と後ろを振り返った。そこには自分の部屋のリビングがあるだけだった。
そうだよね。いくらなんでもこんな近くに敵スタンドがいる分無いよね。
飯田は凍った桶を溶かすために浴槽にお湯を張った。
ま、帰ってくる頃には溶けてるでしょ。その中に桶を沈めると飯田はコートを着込んで家を出た。
飯田もまた後藤と同じくつんく♂に呼び出されていたのだ。
川‘〜‘)||今日も更新お疲れ様・・・キャスバル兄さん・・・
373 :
名無し:02/11/21 21:49 ID:c4txZAXg
イイ…
おもしろい(・∀・)
保全
しばしお待ちを・・・。
376 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :02/11/23 19:50 ID:xUymz+1J
それはこの娘。も同じだった。石川梨華。
石川はいち早く家を出て、既にスタジオについていた。
「こんにちは〜。」軽く受付の人に挨拶するとまっすぐにエレベーターに向う。
いつもの3階会議室でいいんだよね。やがて、地下からエレベーターが上がってきた。
えっ?地下?地下って確か・・・。そう。エスパーが設置されている場所である。
エレベーターのドアが開く。そこにはやはりつんく♂が乗っていた。
「おう。石川。早いな。」「ちょっと早めに来てみました。それで・・・」
「ん?」 「やっぱりスタンドが関係してるんですか?」
つんく♂はうなずきながら言った。「ああ。」
「ま、話は会議室でしよう。」
会議室には誰もいなかった。ただ、ホワイトボートに何か文字が書かれている所から最近使われたようだ。
「それで・・・今日の用って何なんですか?」
「えっとな・・・」つんく♂は少し間を置き、話し出した。
「実は今日呼んだ娘。はお前だけやない。飯田に後藤、そして安倍・吉澤・高橋。」
「安倍さんによっすい〜に高橋・・・。って事は・・・」
「そう。今日、この場であいつらのスタンド能力を目覚めさせる!!」
ここで石川が不思議そうな顔をした。「それで・・・私とごっちんと飯田さんが呼ばれたのはなんでですか?」
「そう。本題はそこなんや。実はな・・
それから数分後、会議室のドアが開き飯田が入ってきた。
「あっ。いたいた。やっぱりここで良かったんですね。」
そこには真剣な顔つきのつんく♂とただ呆然とする石川がいた。
ただならぬ雰囲気を感じた飯田はそっ、とつんく♂に尋ねてみる。
「あの・・・一体何が・・。」
「今日、この後安倍・高橋・吉澤の3人が来る。その3人にもお前達のように戦ってもらい、その中でスタンドを目覚めさせる。
だが、今平家が留守にしててな・・・。石川と飯田、それと後から来る後藤に平家の役を頼みたい。」
飯田も石川同様固まった。
「つまりそれって・・・私達のスタンドで3人を攻撃しろって事ですか?」
「・・・ああ。3人全員に能力が目覚めた時点で攻撃は止めて良い。その後の説明は俺がやる。」
飯田の強く握った拳が震える。「いくらなんでもそんな事・・・・。」
「別に俺がやってもいいんやが、下手するとあの3人死んでまう可能性があるからな・・。」
確かに、前本気で石川と2人でつんく♂さんのスタンドと戦ったことがある。
でも、手も足も出なかった。完全敗北した。
そのスタンドを相手にしたら能力が目覚めてないあの3人は本当に死ぬかもしれない。
「頼む・・・。分かってくれ。他に適任の奴がいないんや。」
しばしの沈黙。
「・・・・・分かりました。やります!これがあの子達のプラスになるなら・・・。」
「すまん・・・。ありがとうな。」さらに石川も・・「私もやります。」
これで2人の承諾を受けた。後は後藤だけだ。
ちなみに集合時間は0:00。安倍・吉澤・高橋が来るのは0:30。そして現在時刻は12:23。
一同は忘れていた。後藤の遅刻ぐせを。後藤は娘。時代も結構遅刻が多かった。
そしてそのクセは今も直っていなかった。
「遅いな・・・。」つんく♂は後藤のケータイに電話をかけた。
「ハイ・・・。」電話から聞こえてくる眠そうな声。「後藤・・・もう約束の時間やで・・・。」
「・・・・・。」「ああッ!!!」思い出したように叫ぶ後藤。
「ごめんなさい!!あれからつい寝ちゃって・・・すぐ行きます!!!」
「いや・・今日はええわ。疲れてるみたいやからゆっくり休んどけ。」
「ハイ・・・。本当にごめんなさい・・・。」「いや、大丈夫やから。それじゃ・・・」
電話を切るとつんく♂は2人の方に向き直った。
「飯田、石川スマン。2人だけでやってもらうことになった・・・・。」
「私は大丈夫ですよ。」「私もです。ごっちんの遅刻はいつものことだし。」
「本当悪いな・・。それじゃ2人は一旦隣りの部屋で控えててくれ。まず、3人をここに呼んだら合図する。
そしたら入ってきてくれ。それと、この約束を守って欲しい。1つ目は手加減をする。」
「はい。」2人が頷いた。 「そして、もう1つは何を言われても答えてはいけない。」
「・・・分かりました。」「OKやな?それじゃ、頼んだで。」
2人は隣りの部屋、といっても給湯室だが、そこに入った。
しばらくすると廊下に3人の声が響く。
「この部屋だね。」安倍の声だ。それに続いて「安倍さんと高橋と一緒か〜何か新ユニットでも作るのかな?」吉澤の声。
「ま、入ってみれば分かりますよ。」最後に少し訛りの残った高橋の声が聞こえた。
「来たね・・・。」「ハイ。」会議室のドアが閉まる音。
それから数分。
壁からつんく♂のスタンド、「デッドオンタイム」が姿を現した。
多分これが合図だ。「飯田さん。行きましょう。」石川の声が微かに震えていた。
「うん。」飯田は石川の手をぎゅっ、と握り締めた。
「私も正直こんなのは嫌だけど・・・出来るのは私達だけだから・・・。」
「大丈夫・・・分かってます。ボイスオブエンジェル!!」
石川の体から放たれた天使。その凛とした表情は石川の意思を示していた。「迷いは無い」と。
「ホワイトクイーン!!」飯田の足元に現れた白豹。
その鋭き眼光は会議室に向けられていた。
「3・・・2・・・1・・・・0!!」ドアが勢いよく開かれた。
「えっ!?」そこには呆然とした表情で2人を見る安倍・吉澤・高橋がいた。
「カオリもいたんだべか。」うれしそうにはずんだ安倍の声。
飯田はそれをスタンド攻撃で返す。ホワイトクイーンの口から放たれる冷気が安倍の全身を包んだ。
その瞬間、安倍の全身を薄い氷が覆う。
「なっ・・・なにこれ・・・。」安倍がよろめき、倒れた。
悲鳴をあげる吉澤と高橋。その2人に天使のムチが襲い掛かる。
見えない攻撃を受け、吉澤・高橋もその場に崩れ落ちた。
「あっ・・・」つい口から出かかった声。飯田はその言葉を非情の心で打ち消した。
のっのっのっのっのっのっのっのっのっのっのっ
\同|ヽ/ /
___.::⌒ _())__ ∋〉▽∠e,o∈ / ノハハ
 ̄ ̄ ̄::;;;;;;;;;ノ, ゚=]]コ]__〔|´D` |ヨ 〕/ラ1 / (‘д‘ ) ]]<行け!我がスタンドノンノル!
" ノヲGコヒ日ヒ| 〔フ|| .フ/∠ .¶⊂ ¶⊂ ノ ]]
 ̄ロΠロ「エコ」|L/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/≠ヨ ヒキヽ
 ̄ ̄  ̄
のっのっのっのっのっのっのっのっのっのっのっ
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 Λ_Λ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < レクイエムまだぁ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そろそろ期末も近いからな・・・
期末まで10日しかないので・・・更新は待って下さい。
テスト頑張ってくださいね
THE・地蔵・・・なんかオサレだな。
期末まだぁ?
ガンバッテネ・・・キャスバル兄さん・・・
392 :
:02/12/03 10:46 ID:HdkIB0iR
テストがんばってますか?更新待ってますね♪
保
テストまで後4日くらい・・・・猛勉強中です。
396 :
名無し募集中。。。:02/12/05 21:43 ID:k7aKnuiW
>>395 猛勉強中にもかかわらずモ板まで来られるとは恐れ入ります。
がんがってください。
>>396 その道のプロだからな。
何気に庵もテストだ!
さっぱりわかんないから石黒も拉致しちゃえ!
ho
399 :
:02/12/11 23:18 ID:Be1Hru18
全
テスト終了!!
401 :
名無し募集中。。。:02/12/12 21:26 ID:TFenM3NL
つづっきがよっめる〜♪
んわ〜い!
がんがれ〜
ちょっと待って下さいね。
「えっ?何?今の・・・」何故自分が倒れたのかも分からない高橋。
ただ呆然と自分の目の前に立ちはだかる石川を見上げた。
自分を見下ろす石川の冷たい目。
「梨華ちゃん・・・?何これ?一体何が起きたの・・・?」
吉澤も高橋と同じような反応を見せていた。
その2人に石川は無情のムチを振り下ろす。
「きゃあ!」「イタッ!!」二人の足が自分の意志とは関係なしに跳ね上がる。
その声を聞き、石川の表情が一瞬変わった。
やりすぎた・・・?だけど、ここで止める分けにはいかない。
もしも、ここで止めてしまったら・・・これが演技だってバレたら
2人が戦いの中でスタンドを発現させる機会はもう無いだろう。
スタンドは死ぬ気で闘って初めて発現させられるものだから。
一方、安倍も床に転がったまま呆然と飯田を見上げていた。
自分の体を覆っている氷。これは一体何・・・?
もしかして、カオリがやったの?
「カオリ・・・?」飯田は何も答えず、安倍の腹に蹴りを入れた。
「ごほっ!!カオリ・・・何するの・・・!!」
そこでタイミングよくつんく♂が言った。
「安倍、吉澤、高橋。何してる?この2人はお前らを殺すつもりやで。」
3人の顔色が変わった。
「お前らも・・・戦わないと死ぬで。」
高橋が震えた声で漏らす。「そんな・・・・嘘でしょ!?嘘ですよね!?」
パシッ!!「きゃあッ!!」天使のムチが高橋の頬を弾いた。
嘘じゃない。と言わんばかりに。
「高橋。どうした?何故戦おうとしない?」
頬を抑えながら高橋が叫ぶ。「でも・・・先輩と戦うなんて・・・」
「石川はそうは思っちゃくれない。お前が何もしないんやったらただ、死ぬだけやで。」
その時!「わああああッ!!」吉澤が声をあげて石川に突進した。
ドンッ!!突然の襲撃に吹っ飛ばされる石川。
吉澤もその反動で床に転がった。
「吉澤は・・・やる気になったみたいやな。安倍・高橋。お前らはどうや?」
頭を抑えながら立ち上がった石川。今度は少し本気でムチを振るった。
パシパシパシッ!!足、膝、胸をムチが打つ。
「ぐうっ・・!!」見えない攻撃を受け吉澤は体勢を崩す。
しかし、倒れる事は無かった。まっすぐな瞳で石川を見据えると再び突っ込んでいった。
「!!」その吉澤の横にうっすらと見える人影。
あれは・・・よっすい〜のスタンドなの!?
デザイン考えるのが大変だ・・・スタンドは。
荒木先生はすごいよ。
>>409 交信乙狩。
ところで昨日、庵のスタンド、[THE・地蔵]の
力を使って購入した宝くじが当たったよ。
↑ いつか出してあげるからね。
娘。のスタンドまだ決まってないの?
スタンドは決まってます。
ただ、デザイン・・・姿・形がまだ決まってないんです。
415 :
まきたん:02/12/14 15:38 ID:idLqK5Qi
更新乙!
デザインのアイデアむこうにかいちゃってもよいのかな?
吉澤のスタンドは まきたん氏の考案でしたよね?
お願いします。
417 :
まきたん:02/12/14 16:56 ID:idLqK5Qi
かいときましたー
418 :
閻魔刀:02/12/14 17:34 ID:zcP4M/J3
もしスタンド決まっていない人が居たら僕が書きたいのですが・・・
よろしいでしょうか?
悪魔で候補と言う扱いになると思いますが
狩のスレに書けば、レクイエム氏が見て、使ってくれるやも。
えーっと・・・ハロプロ側のスタンド使いでしたら
残ってるのは中澤か市井ですね。敵は随時募集してます。
全てを採用というわけには行きませんが出来る限り使わせてもらいたい
と思っています。
421 :
閻魔刀:02/12/15 13:55 ID:dwjeeyU0
了解、書き込ませていただきました♪
でも能力ガイシュツかも?
422 :
閻魔刀:02/12/15 13:55 ID:dwjeeyU0
了解、書き込ませていただきました♪
でも能力ガイシュツかも?
423 :
:02/12/15 14:02 ID:fsag+P1p
お、今流行りの二重カキコだ。
>>421-422 献身的なのは分かったからsageてね
そうしないといくらあなたの案が良くても
見てる人はあなたを荒らし扱いしかねませんから
今夜あたり更新します。
マスクから覗く鋭い眼は石川と天使を睨んでいた。
(つまり全身黒ずくめ。バットマンみたいのを想像して頂ければ結構です。)
そして、石川の天使と吉澤のスタンドが激突する!
吉澤のスタンドの豪腕から繰り出されるパンチ。
天使の華奢な腕ではそれを受けきる事は無理だった。
天使と石川の腕がギシッ!と嫌な音をたてる。
さらにその体は後方へ吹っ飛ばされ、床を何回かバウンドして止まった。
吉澤のスタンドのビジョン。それは・・・
筋骨隆々な体を包む黒いスーツ。
顔はバットマンのような黒い角つきマスクで覆われている。
427の冒頭に ↑ を入れてください。
ミスしました。
吉澤のスタンドは満足そうにその拳を高々と天に掲げる。
「サウンド オブ サイレンス・・・。」吉澤が虚ろな表情で呟いた。
<スタンド名>サウンド オブ サイレンス 本体「吉澤 ひとみ」
音を操る能力。音を拡大したり、小さくしたり、または消す事も可能。
後、サブ能力として右手から鋭いワイヤーが出せる。
破壊力B スピードB 射程距離C 持続力C 精密動作C 成長性A
431 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :02/12/17 23:39 ID:tvuxGstR
石川は後頭部を床に打ち付けて昏倒していた。
まずい・・・よっすい〜のスタンドがあんなに強いなんて・・・
頭がボーッ。とする・・・目の前がぼやけてきた・・・。起きないと・・・このままじゃ・・・
何とか動いた頭。そこで石川のぼやけた視界に入ったのは自分の腕だった。
さっきので擦りむいたらしく、擦り傷が出来ている。そしてそこからは血が・・・・。
血?私の血?私の・・・私の・・・・よくも・・・・
「やってくれたわねッ!?」石川が叫んだ。(石川は自分の血を見ると気性が荒くなります。)
呆然とその場に立ち尽くしていた吉澤の体がビクッと奮えた。
石川は起き上がるとムチを高速で振り回した。
風圧でガラスにヒビが入り、ムチの直撃を受けた床や天井に次々と傷が走る。
「ブッ殺す!!パニッシュメントダンス!!!」
高速のムチ攻撃が吉澤を襲う。
「!!!」吉澤はとっさの判断で左に飛んだ。ムチは吉澤のちょうど真横に叩き下ろされる。
ド−ンッ!!!
部屋全体が揺れた。
「チッ。外したか。」直撃を喰らった床はそこだけ陥没していた。
「この野郎・・・!」サウンド オブ サイレンスが右手をピンと伸ばした。
すると腕からワイヤーが飛び出し、石川目掛けて高速で発射される。
ムチとワイヤーが空中でぶつかり、激しく火花が散った。
石川 対 吉澤 2回戦はここに幕を開けた。
433 :
名無し:02/12/18 01:06 ID:g0O77d/q
あ
更新乙。
いしよし。ただし対決(w
ある意味斬新
435 :
まきたん:02/12/18 20:49 ID:2VdNHQ47
更新乙!
全身ブラックいい感じですね
436 :
みょだ:02/12/19 05:42 ID:8i9JfyXq
久々に来てみると、大量の更新が。乙カしさまー。
スタンドのデザインはもう決まったんですか?
狩りの方に少々書いてみましたー。
ご参考になれば幸いです。
やっと帰ってこれた・・・今まで長野に行ってました。
あっち可愛かったよ。
目にも止まらぬ速さでぶつかり合うワイヤーとムチ。
二人の距離はおよそ5メートル。その間を無数の火花が散って消える。
天使とサウンド オブ サイレンスはお互いその場から微動だにしない。
ただ、ワイヤーとムチ。それぞれの武器を持った右手を高速で動かしていた。
「なかなかやるじゃない・・・!!」
「・・・・。」うつろな表情の吉澤は何も答えない。
この戦いを見ながらつんく♂はある疑問を抱いていた。
おかしいな・・・スタンドが目覚めたばかりの吉澤とキレた石川が互角・・・?
それに吉澤のあの虚ろな表情・・・まさか・・スタンドが暴走しているのか!?
サウンド オブ サイレンスは突然ワイヤーを右手の中に引き戻すと天使のムチを掴み取った。
その手の平が少し破け、血がこぼれる。
「!!そんな・・・止められるなんて・・・!」
「クッ・・・ラエッ!!」サウンド オブ サイレンスは驚異的な跳躍力で天井近くまで
飛び上がると、その場で一回転し、石川に蹴りかかった。
「喰らうかッ!!」天使は瞬時にムチを引き戻すと、サウンド オブ サイレンスの足に絡み付けた。
天使はそのムチを思い切り床に叩きつける。「グアッ!!」
サウンド オブ サイレンスの声とともに吉澤は床に崩れ落ちた。
「マダ・・・・ダッ!!」
しかし、本体が倒れても、サウンド オブ サイレンスは立ち上がろうとする。
「やはり・・・スタンドだけが暴走してる・・!石川!そいつから離れろ!!」
つんく♂の声が響いた。
更新乙です。
久しぶりに続きを読めたが、よかったよ!
今夜更新します。
やっぱり無理です。すみません・・・
444 :
sa:02/12/26 01:41 ID:Kx4hKiL5
「暴走!?どういう事ですか!?」
「本来、本体の意思に従うはずのスタンドが本体の力が未熟であるために自分で独立してしまう現象や!
だが、エスパーが選んだんやから未熟であるはずは無い・・・!少なくとも自分のスタンドをコントロールする力くらいあるはずや!」
「ウオオオオッ!!」サウンド オブ サイレンスは咆哮をあげると、つんく♂に襲い掛かった。
「デッド オン タイム!奴を捕獲しろ!!」
つんく♂の体から放たれた黒い影。それがつんく♂のスタンドだ。
死神の右腕が黒い光を放ち、サウンド オブ サイレンスの体は床にめり込んだ。
体にかかった見えない圧力から逃れようと必死にもがくサウンド オブ サイレンス。
「グググッ・・・ハナセッ!!」何とか膝を立て、立ち上がろうとするがこの重圧の前では無駄だった。
「まずいな・・。スタンドがあそこまで強い意思があるとは・・・下手すると本体を取り殺す可能性が・・・・」
やがて、サウンド オブ サイレンスの抵抗が止んだ。その体がゆっくりと霧散し、横たわる吉澤の体の中へと消えた。
「戻った・・・?」安堵したような石川の声。
「今はエネルギーが尽きて一時的に戻っただけや。だが、回復したらまた勝ってに発現するかもしれん・・・。
まずいなこれは・・・。一旦試験は中止にするか・・。いや、それはできん。次の機会はもう無いからな・・。」
つんく♂は横たわる吉澤を抱きかかえるとソファーまで運んでいった。
「よっすい〜・・・そういえば飯田さんは!?」
部屋中を見回しても飯田の姿は無かった。それに高橋に安倍も。
吉澤の相手をして注意のそれた隙に・・・。
「つんく♂さん!3人がいません!!」「何!?・・・・・。だが3人のエネルギーは近くに感じる・・!」
「????」「つまり、3人はこの近くにいるってことや。」
448 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :02/12/26 13:54 ID:DHXLKpUc
つんく♂の言葉通り、3人は天井裏にいた。
何故、こんな所にいるのか?それは安倍の能力だった。
安倍の側に立つ者・・・それは忍者。誰でも頭に思い描くような典型的な姿の忍者だった。
ただ、一つ違う変わった所はその忍者は全身赤づくめだったのだ。
赤い頭巾で頭を隠し、口元もやはり赤布で隠されている。
体も赤い忍び装束に包まれ、背中には一本の刀、腰にはクナイが差し込んであった。
だが、よく見るとこの忍者、頭巾の後ろ側からポニーテール状の長い髪が伸びている。
それに膨らみを持った胸。全体的に細い体、切れ込みの入った服はその足を大胆に露出させている。
どう見ても男性には見えない。どうやら「くの一」という奴らしい。
「これが・・・なっちのスタンド・・・。」
飯田は少し危機感を感じていた。なっちは私を敵だと思ってる。(さっき、散々攻撃したから仕方無いけど。)
さらに、まずい事に高橋までいる。高橋も思いは同じだろう。
高橋はまだスタンドが目覚めていないが、時間の問題。戦いの中で発現させるだろう。
この怒れる二人のスタンド使いと戦って私は大丈夫だろうか?
怪我をせずに済むだろうか・・・?・・・考えてる時間は無かった。
なっちのスタンドがいきなり仕掛けてきた。俊敏な動きで一瞬で間合いを詰めると飯田のホワイトクイーンに手刀をおとす。
だが、こっちも豹だ。スピードでは負けない。
手刀が命中するより早く、ホワイトクイーンは床を蹴り、安倍の頭を飛び越え背後を取っていた。
「とった!!」ホワイトクイーンの口から安倍に冷気が放出される。
「もう、それは通じないべよ。」瞬時に安倍と忍者の体が消え、飯田の後ろへと移動した。
それは、まさに一瞬。ホワイトクイーンの何倍も早かった。
そうだった・・・。これがなっちの能力。私達を一瞬で天井裏まで運んだ能力。
「瞬間移動・・・」だった。
スタンド名<紫苑> 本体「安倍なつみ」
「くの一」の姿のスタンド。忍者らしい武器を装備。
能力:安倍の手に触れたものを瞬間的に移動させる。移動の際には物理的なものはすり抜けられる。(壁とか)
自分自身に手をあて、能力を発動すれば自分自身が瞬間移動できる。
破壊力C スピードB 射程距離B 持続力C 精密動作B 成長性A
(強いな・・・・。)
さがれ!
あっちにスタンドアイディアだしといたので、
良かったら参考にしてクレイ
なっちのスタンドかっけぇ〜!!
カレー
455 :
閻魔刀:02/12/28 08:34 ID:WclA/eCR
スタンド書いておいたのでチェックおねがいします♪
瞬間移動・・・あのスピードは捕らえられない。
現れる場所を予測するしかないか・・・。
ここは3階の天井裏。このビルは各階の間隔が広いから3階と4階の間・・・
つまり天井裏の高さは3メートルくらいある。
立ちあがることも出来るし、十分に走り回れる広さもある。
戦いの場としては申し分無いけどこの広い空間は私にとっては不利かもしれない。
なぜなら・・・ホワイトクイーンは射程距離が短い。
離れた相手には攻撃が通じないのだ。逆に射程距離の長いなっちのスタンド。
さらに瞬間移動もある。こっちは近距離攻撃しか出来ないのにあっちは近・中・遠 攻撃が出来る。
「まずいね・・・。・・・うっ!!」
一瞬にして眼前に現れた紫苑。その蹴りが飯田の顔面に炸裂した。
さらにガラ空きになったボディーに掌打が入る。「ぐはっ・・・・!!」
「止めだべ!!覚悟!!」よろめく飯田。その首を紫苑の回し蹴りが狙う。
「させるか!!」突然、飯田の首の横に大きな氷の固まりが発現した。
ガスッ!!鈍い音がして蹴りが止まる。
「痛ッ・・・!!」「氷の壁・・・。とっさにやってみたけど・・・良かった。成功して。」
安倍と紫苑の姿が消え、10メートル程後ろに瞬間移動した。
「だったらこれはどうだべか!?」
紫苑は腰からくないを5本抜き出すとその内の1本を投擲した。
白い線を引きながら高速で飛んでくる、くない。
だが、豹の鋭き眼光はその軌跡を見逃さなかった。
「ガルッ!!」カキ−ン。ホワイトクイーンの爪がくないを叩き落す。
「まだまだ!!」今度は2本同時投げだ。
2つ叩くのは無理・・・となれば・・。氷の壁を造るしかない!
ホワイトクイーンは息を深く吸い込むと、床に思いっきり吐きかけた。
その息が凍りつき、柱の形を形成する。
「まただべか!!」くないは2本とも氷柱に突き刺さった。
460 :
syaa:02/12/28 19:36 ID:0flExqGv
「今度はこっちの番だよ!!」
ホワイトクイーンは後ろ足を踏ん張って立ち上がると、その氷柱を強靭な前足で叩き割った。
砕け散る氷柱。その破片が紫苑に向かって無数に飛来する。
「なに!?やばい!!」紫苑はくないを床に捨てると背中の刀を抜いた。
「そこだべ!!」刀が一閃し、氷の破片を全て弾いた。
しかし、氷の破片は次々と休み無く襲ってくる。
それも四方八方から。
「何でこんなに来るんだべ!?」
それはホワイトクイーンが冷気の風で破片をコントロールしているからであった。
当たったら・・・まずい!
刀で破片を弾きまくる紫苑。だが、限界がきた。
「もう受けきれない・・・!こうなったら・・・」
紫苑は瞬間移動を使った。
移動先は今いた場所から10メートル左。ぎりぎりで破片が飛んでこない場所だった。
「ごめん。なっち。少しの間、眠ってね。」
「え!?」振り返るとそこには飯田がいた。
「どうして・・・瞬間移動したのに・・・なんでここに来るって分かったんだべ・・・?」
「氷の破片を飛ばした時、少しずつ動きに修正を入れて、この場所以外の全体に
行き渡らしておいたの。当然、なっちは破片が命中しないこの場所を選ぶ・・・。って事。」
追い込まれてたって・・・こと・・・?
「おやすみ。なっち。」ホワイトクイーンのパンチを後頭部に受け、
安倍はその場に倒れこんだ。
462 :
まきたん:02/12/28 22:44 ID:VARCL7oa
交信乙!
なっちのスタンドの最大移動距離はどれぐらいなんですかね?
半径10メートルくらいですね。
464 :
まきたん:02/12/28 23:13 ID:VARCL7oa
なるほど
あっちにスタンドのアイデアかいときましたー
少し疲れたな・・・色々と・・・
正直つまらん
467 :
しっ子:02/12/31 05:05 ID:6LNTd8rh
はやく続きを書いてくれないとつまらんの。毎日が・・・
しばしお待ちを・・・・
更新来るか?
この試験の目的はスタンド能力を目覚めさせること・・・
ってことはなっちはもう合格ね。残りは・・・・高橋か。
高橋も自分と一緒に瞬間移動で天井裏に連れてこられてたはずね。
飯田は辺りを見回すと数メートル先に床に横たわる高橋を見つけた。
高橋・・・?気絶してるのかしら?
飯田は一歩一歩ゆっくりと近づいていく。
そして、うつぶせになっている高橋の体に触れようとそっ、と手を伸ばした。
しかし、その手は飯田の元へと戻っていく。
もう一度手を伸ばす。だが、その手は高橋の体に触れる前に戻ってきてしまう。
「???」何で自分の意志で伸ばした手が何で戻ってくるの?私は戻そうとはしてないのに!
今度は高橋の体に素早くパンチを繰り出してみた。
するとやはり、拳は高橋に当たる前に戻される。
不可解すぎるこの現象・・・高橋の体が触れるもの全てを押し戻しているような感じ・・・。
「まさか!!」・・・スタンド能力!?
今年はこれだけで・・・
472 :
みょだ:03/01/01 00:09 ID:A8SRV62e
あけおめめー
ome
川o´ワ`)ノ 明けましておめでとうございます。
>>474 お久しぶりです。おめでとうございます。
アケマシテオメデトウゴザイマス。
今年もヨロシコオナガイイタシマソ
おめでとうございます
478 :
まきたん:03/01/01 20:10 ID:wTwirfSg
おけおめぇー
↑ 少し遅れたけどおめでとうございます。
能力などは気にせず高橋のスタンド!
といわれたらどんな感じのやつが浮かびますか?
ちょっとききたいです。
>>レク
バッグ。
しまっちゃう能力とかさ・・・良くね?
ある意味斬新だな。
ダンス!!
DQの踊り子の能力で
ダンスとバッグか・・・。
この二つを合わせた結果、ピエロになりました。
それしか考えられない。高橋は既にスタンド能力が目覚めてる。
気絶している途中に目覚めたのか・・・私と同じだね。
飯田は警戒しながら辺りを見回した。能力は恐らく既に発動している。
この近くにスタンドもいるはずだ。
飯田は目を閉じた。
エスパーの闇の時と同じようにエネルギーの流れを感じようとしているのだ。
閉じられた目には何もうつらない。ただ、緑や黄色の粒が飛び交うだけ。
その中に、青く輝く光があった。「!!」これがスタンドエネルギーだ。
飯田は瞬時に目を見開くと反応のあったポイントに向き直る。
そこにはカラフルなとんがり帽子をかぶり、キラキラ輝く派手な衣装をまとった道化師が立っていた。
肩からは高橋が<フレンドリーパーク>で獲得したバッグがさげられている。
白く塗られた顔に左眼には☆。右目にはΘのペイントがされており、
その真下についた赤丸の鼻はまさにサーカスで見るピエロそのものだった。
「Hello・・・lady。」
ピエロが口を開く。低く、どもった声だった。
更新乙。
俺も書こうかと思ったが、
羊で書くのもここに県下売ってる機がしたので辞めた(ワラ
俺って羊専だから(ワラ
バッグキター!
しまっちゃうよ〜
悪い子はどんどんしまっちゃおうね〜
488 :
age:03/01/05 23:19 ID:5r6Ywf2J
age
489 :
:03/01/06 00:06 ID:5YApBD7P
( ´D`)<ageんなボケナス
明日あたり更新します。
こいつが・・・高橋のスタンド・・・。何か以外だな。ピエロだなんて。
ピエロは唇の端をつりあげ、笑顔で飯田に近寄ってくる。
敵意があるようには見えない陽気な笑みだった。
「ちょっと待って!ピエロさん!あなた高橋のスタンドでしょ?
私、あなたとは闘うつもりは無いの。大人しく高橋の中に戻ってくれない?」
正直な所、飯田は紫苑との戦闘を終えたばかりで相当疲労していた。
それにこの試験の目的はスタンドを発現させることが条件。
高橋はそれをクリアしている。もう試験は終了してもいいはずなのだ。
ピエロの足が止まった。相変らず笑顔のままである。
「お願い・・・。」
すると、ピエロは親指をたてた拳をグッ、と前に突き出すとそのまま消えていった。
「良かった・・・分かってくれた・・・。」
飯田は胸を撫で下ろすと、この天井裏から出るために床に氷で穴を開けた。
そこはちょうど会議室の上。石川が驚きの表情でこっちを見上げていた。
「飯田さん・・・そんな所にいたんですか・・・。」
「ちょっといろいろあってね。でも2人ともスタンドは発現したよ。
今、気絶しちゃってるから・・・1人ずつそっちに降ろすね。」
「はい。」天使は石川を後ろから抱きかかえると、天井の穴付近まで飛んだ。
飯田は安倍の体を穴を開けた場所まで運ぶと、下でスタンバっていた石川に穴を通して渡す。
石川は安倍を抱えながら下に降りると床に横たわらせた。
次は高橋だ。石川は再び穴付近まで上昇した。
飯田は石川が上がってきたのを確認すると、高橋の体に手を伸ばした。
さっきみたく手が戻されるという事も無いようだ。
その時!いきなり高橋の体からピエロが現れ、飯田の首に両手をかけた。
そして、さっきとは全く違う血走った目を大きく見開いた恐ろしい形相で首を締め上げる。
「ううっ・・・!!」
飯田の足が床から離れ、体が宙に持ち上げられた。
(く・・・苦しい・・!!)何とかもがいて逃れようとしたが、ピエロの異常なまでの握力がそれを許さない。
首を伝う器官は完全に締め付けられ、血管が浮き出る。
何故?何でいきなり首を・・・さっきはあんなに優しそうだったのに・・・。
視界がだんだんぼやけてきた。まずい・・・このままじゃ本当に死ぬ・・・。
飯田の頭がゆっくりと後ろに傾いた。それによって重心が後ろの方に移る。
すると、首を絞める手が少しゆるみ、足が床についた。
こいつ・・・もしかして!飯田は両足で床を蹴り後ろに飛んだ。
飯田はそのまま床にしりもちをつく。
ピエロの手から開放されたのだ。そしてピエロは追撃してくる様子も無く、ただ高橋の側に立っていた。
表情も笑顔に戻っている。
「ゴホッ!ゲホッ!!」激しく咳き込みながら確認した。
このピエロ・・・高橋(本体)に近づいたスタンド使いを襲うんだ・・・。
今、とっさにバックして高橋から離れたから攻撃は中断された。
こういうスタンドは何ていうんだっけ・・・確かエスパーから聞いたな・・・。
そうだ!「自動操縦型スタンド・・・。」
スタンド名<マッド・マリック・ピエロ> 本体「高橋愛」
高橋(本体)に近づく者を攻撃。高橋から離れれば攻撃は中断される。
また、高橋が敵と判断した者、殺意を抱いた者に対しても襲い掛かる。
尚、高橋に触れようとした飯田の手を戻した所からまだ能力はあると思われる。
破壊力C スピードC 射程距離E(これは高橋から離れれば攻撃は中断されるため。ただ、通常の戦闘での射程距離は不明。)
持続力A 精密動作D 成長性A
更新乙。
高橋も覚醒、と。
小川と新垣が楽しみだ。あと保田もか。
498 :
まきたん:03/01/07 11:06 ID:Lk+cKj/V
更新乙!
高橋の能力変わったんですねー
これからもがんばって!
「飯田さん!!大丈夫ですか!?」
天井裏まで上がってきた石川が急いで飯田に駆け寄る。
「ゴホッ・・・うん。何とか・・・」首筋を抑えながら飯田はピエロを見上げた。
「とりあえず、この試験は全員合格。で終わったんだけど、このピエロ高橋に近づくと攻撃してくるの。
これじゃあ下まで運んであげられないよ・・・。」飯田は立ち上がると一歩後ろに下がった。
「そうだ!飯田さん!つんく♂さんなら何とかしてくれるかも!!」
飯田の表情がみるみるうちに明るくなった。
「それだ!!つんく♂さんは下にいるんだよね!?早速頼みに行こう!!」
2人は穴から飛び降りるとつんく♂の元へ小走りで向かった。
「つんく♂さん!」しかし、つんく♂は微動だにせずこっちに背を向けて座っている。
「つんく♂さん?」呼ぶ声が疑問系に変わった。
つんく♂は倒れている吉澤の横にあぐらをかいて座っていた。
そして小さな声でつぶやく。「静かにせいや。今、吉澤の夢・・・というより意識の裏側を覗いてる。」
「意識の裏側・・・?」「そう。何ならお前らも見るか?」
するとつんく♂のスタンド、デッド オン タイムが現れ、2人の頭に1本ずつ長く、鋭い指を差し込んだ。
「ひっ!!」
「心配するな。外傷は無い。俺の見てる映像を指を通してお前らの脳に伝えとるんや。」
「映像・・・?」すると、2人の頭の中に暗闇が浮かんできた。
果てしない暗闇の中に、一箇所だけスポットライトが当たっているかのように明るい場所があった。
そこに吉澤は立っていた。
「あっ。よっすい〜だ!」「石川!静かに!」「すみません・・・」
「ちなみに言い忘れ取ったけどここで何を言っても吉澤には聞こえんぞ。これは吉澤の夢やからな。」
「でも、何で夢なんかを覗き見するんですか?」
「吉澤のスタンドは強い意思を持っていて本体の体を乗っ取ろうとまでした。
このままじゃ危険や。スタンドにとり殺されるかもしれん。
だから、スタンドも現れることの可能な場所・・・つまり夢の世界に入ってスタンドの考えを正してやろう。と思てな。」
すると、吉澤の目の前にもう一つの光が現れた。その中心には吉澤のスタンド<サウンド オブ サイレンス>がいた。
「あんた・・・誰?」おびえた声で吉澤が言う。
「よう。ご主人。あんたのスタンドだよ。」黒マスクから覗く口元が軽くつり上がった。
サウンド オブ サイレンスは一歩ずつ吉澤に近づいていく。
吉澤はそれと同時に後ずさっていった。
「なんだよ。冷たいな〜。仲良くしようぜ。今は、夢の中でしか会えないんだからよ。」
「い・・・今は?」
「今のあんたの力じゃオレを自由に呼び出すことは無理だからな。」
「どういうこと・・・?」
「面倒な奴だな。何も知らねぇのかよ。つまり俺はあんたの分身みたいなもんだ。
だけど、あんたはこの俺を扱えるほど強くないんだよ。力も精神も何もかもが。」
さらに続けて、「つまり、実力のある俺の方があんたの影ってのはおかしいだろ?
ここで相談があるんだ。俺たち・・・入れ替わろうぜ。」
「・・・・え?」
「だ〜か〜ら。立場逆転。あんたが俺の分身・・・影になればいいんだ。俺が主人格になる。
現実世界では見た目はあんただけど、中身はオレになるってこと。」
「そんな・・・それじゃ私は・・・・。」
「あんたは今のオレのようにいつも裏側で精神エネルギーという形で存在しててもらう。
退屈なもんだぜ。あんな狭い所に17年もいたんだからな。これからはオレが遊ばせて貰うぜ!!」
大変!!よっすい〜の体が!!(石川)
恐ろしいスタンドや・・・あそこまで意思があるとは・・・(つんく♂)
つんく♂さん!ならないんですか!?(飯田)
方法はある。スタンドを吉澤の夢の中に入れて奴を倒す。あくまでも夢の中やから実際の体にダメージは無い。
ただ・・・吉澤の夢は吉澤の精神の領域・・・ここではサウンド オブ サイレンスはものすごい力を得て、
他人である俺らの力は極端におちてしまう・・・。(つんく♂)
そんな!!それじゃどうしたら・・・(飯田)
説得する・・・っていうのが一番いい手やった。スタンドを通じた言葉なら奴にも通じる。
だが、今の奴の言葉を聞いてる限り説得に応じるようには思えんな・・・(つんく♂)
「くくく。どうしたご主人?怯えて物も言えないか?」
「嘘だ・・・夢だ・・・悪い夢に決まってるわ・・・。」
「確かに夢だな。だが、この話し合いが終わるまでは目はさめないぜ。さあ・・・人格の入れ替えをするか。
な〜に。ただここであんたを殺すだけだ。殺すといっても夢の世界だから実体が死ぬ分じゃない。
あんたという人格が死んで今までの俺のように裏方にまわるのさ。」
「いや・・・いやあああああッ!!!」踵を返して逃げ出す吉澤。
「くくっ。ここは夢の中。逃げても無駄だぜ。」
涙で顔をグシャグシャにしながら逃げる吉澤。さっきの場所からは大分離れたはずだ。
「気が済んだか・・・?」目の前に<サウンド オブ サイレンス>が立っている。
「な・・・何で!?」後ろを振り返る。すると後ろにも<サウンド オブ サイレンス>がいた。
「オレが移動したんじゃない。あんたの体が瞬時に回転したんだ。
ここは夢の中。精神の世界。オレの独壇場。あんたに逃げ場は無いぜ。ご主人・・・。」
夜あたりまた・・・
「諦めたか?それじゃあ始めるか・・・。」
サウンド オブ サイレンスの右手からワイヤーが伸びた。
「夢とはいえ、痛みは在るからな・・・せめて苦しまないように首をはねてやるよ。一撃で。」
「いや・・・誰か助けて・・・」吉澤はその場に座り込んでしまった。
「誰もこれないよ・・・これはお前の夢なんだぜ。全権はオレが持ってるけど。それじゃあ・・・」
ワイヤーが宙を舞い、吉澤の首に伸びようとしたその瞬間!
よせ!(つんく♂) やめて!(石川) やめてよ!(飯田)
3体のスタンドが夢の中に現れた。「ん?何だお前らは・・・何故ここに入ってこれた・・・?」
「よっすい〜!!私よ!石川だよ!!」天使の口から石川の声が発せられる。
「り・・・かちゃん?」膝にうずくめた頭をかすかに上げて吉澤が反応した。
「よっすい〜!!カオリだよ!」 「いい・・・ださん・・・」
「吉澤!オレや!!」 「つんく♂さん・・・?」
吉澤が震える体を抑えて立ち上がった。
「ちっ!おい!テメーら!邪魔だ!さっさと消えやがれ!!」
「そうはいかないよ。おまえなんかによっすい〜をとられてたまるか!!」ホワイトクイーンが飛び掛る。
・・・・重い!?ホワイトクイーンの全体能力はガタ落ちしていた。
「遅いぜ!!」サウンド オブ サイレンスはホワイトクイーンの下に潜り込むと
腹に強烈なパンチを喰らわせた。
「ごほっ!!」ホワイトクイーンの姿は消え、飯田もその場に倒れた。
「くっ・・・やはりここは吉澤の精神・・・俺らのスタンドじゃ太刀打ちできないか・・・。」
つんく♂が悔しそうにつぶやいた。
end
一日二回のスピード更新お疲れ。。。
どうやってこの状況をパスするか・・・続きが気になるよ
511 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :03/01/08 23:00 ID:NWGwsnDi
さて、誰も読まない糞小説の更新するか。
「その通り。よく分かってるじゃないか。ん?その死神みたいな奴・・・
さっき、オレを動けなくしてくれた野郎か・・・・。ちょうどいい。さっきのお礼をしないとな!!」
サウンド オブ サイレンスの2メートルはあるであろう巨体が宙を舞った。
そして空中からワイヤーを振り落す。
「ちっ!!」死神の手に現れた大鎌。その鎌が大きく横に振るわれた。
それに遅れて半分に切れたワイヤーが地面に落ちる。
「ほう・・・。このスピードを見切るとは・・やるな。」
あかん・・・やっぱデッド オン タイムも弱体化しとる・・。
いつもならこの程度の攻撃、目を閉じてても避けられるが、今は違う!
鎌で防御するのが精一杯だった・・・もし、あれより速い攻撃が来たら・・・。
「だが!これはどうかな!?」
サウンド オブ サイレンスは着地すると再びワイヤーを射出した。
今度のワイヤーは曲線を描きながら向かってくる。
それも、さっきより速いスピードで。
・・・ちっ!見えんわ!!
死神の脇腹が黒マントと一緒に裂けた。
ぐあっ!!
地面に黒い血が滴り落ちる。
くくく。さっきよりほんの少しスピードを上げただけなんだがな。やはりこんなものか。」
ちっ!調子に乗りおって!!ここが吉澤の夢の中じゃなくて現実世界だったらお前ごとき一撃や・・・。
この場所が悪すぎる・・・。こっちは大幅パワーダウン。あっちは大幅パワーアップ。
やっぱ奴の独壇場のこの世界何かに来なければ良かったか。
だが、放っておけば吉澤の人格が死んであの悪の人格がに交替してしまう・・・。
こうなったのもスタンドを発現させようとしたオレのせいや!!
絶対にオレが奴を止めてみせる!!!
死神は傷を抑えながらサウンド オブ サイレンスを睨みつけた。
2mも
あったのか・・・。お疲れ。
516 :
みょだ:03/01/09 00:53 ID:RXkirguY
更新おちゅ〜でちゅ
読んでるよぅ、更新乙
518 :
まきたん:03/01/09 22:35 ID:qO4YQZiw
更新乙!
よっすぃーどうなるんだろう…
ドキドキです
519 :
山崎渉:03/01/10 04:27 ID:NfeEzv46
(^^)
521 :
山崎渉:03/01/10 16:46 ID:4v/SGyEY
(^^)
522 :
まきたん:03/01/12 12:10 ID:RKmj48J2
保全
<ここで良く分からないこの夢の世界の説明>
今、つんく♂が戦っている場所は吉澤の夢の中。
(夢の中では自らの意思でスタンドを発現させられない者でも己のスタンドと会うことができる。
実際のケースでも夢で見たことが現実に起きたり、死者に語り掛けられたりという事がある。
作者にもあった。夢は生身の人間とそうでない者が接することの出来る場所なのだ。)
何故、その夢の中に来たかと言うと、吉澤のスタンド サウンド オブ サイレンスは
強く邪悪な意思を持っており、本体である吉澤の体を精神とともに支配しようとしていた。
支配する方法・・・それはその中で今まで主人格であった吉澤を殺すこと。
それによって裏方であった自分の精神と吉澤の精神を交代できるのだ。
この恐ろしい計画を止めるため、飯田・石川・寺田の3人はボロボロの体にムチをうって吉澤の夢の中へ侵入する・・・。
しかし!ここでとんでもないことが判明する。
吉澤の夢の中は吉澤の精神体であるサウンド オブ サイレンスが超有利。いつも以上の力が発揮できるのだ。
逆に、他人である3人のスタンドはかなりのパワーダウンを強いられてしまう。
これにより、飯田は一瞬でやられ、最強の名を誇っていたつんく♂も大苦戦。
果たして吉澤の運命は・・・・
<備考。>
・この中ではスタンドが攻撃を喰らうと痛みはありますが、本体にダメージはいきません。
・しかし、スタンドが死亡すると現実世界で待機している本体も死にます。
・現実での3人の体は睡眠状態となっている。(ただし、飯田は気絶状態。)
吉澤の全身が震える。今まで体験した事の無い恐怖。
逃れられない悪夢・・・。
迫り来る死。肉体の死ではなく精神の死。つまり永遠の死。
死の運命は確実に自分に迫ってきていた。
そこに現れた一筋の希望の光。
飯田さんと梨華ちゃんにつんく♂さんが来てくれたんだ。
姿は全く違うけど、声・・・それに感覚で何となく分かった。
でも思った。・・・その希望の光も自分の目の前の光景を見れば儚いものだった・・・・と。
「ぐああっ!!」サウンド オブ サイレンスの飛び膝蹴りが死神に炸裂する。
ちょうどかかんだ体勢だったので膝は綺麗に顔面を捕らえた。
髑髏(ドクロ)の顔にひびが走る。
「こんなもんか・・・。この世界でオレにかなうやつはいないんだよ!!」
サウンド オブ サイレンスは攻撃の手をゆるめようとしない。
死神の頭を掴むとそこに何回も膝蹴りを叩き込む。
膝蹴りが顔面にぶち当たるたびに髑髏の顔にひびが入り、砕けていく。
「止めだ!!」最後にサウンド オブ サイレンスは死神の顔を肩の高さ辺りまで持ち上げ、
渾身の力を込めた右ストレートでぶっ飛ばした。
死神の顔を覆っていた髑髏は完璧に砕け、死神自身も床に転がった。
「ハハッ。おいおい大丈夫かよ。カッケー顔が台無しだぜ。・・・・それで、あんたはどうするんだ?」
その言葉は後ろで何も出来ずただ、立ち尽くしている天使に向けられていた。
中途半端でごめんなさい。近い内に続きを・・・。
それでは。
学ぶ物があるな。。。
交信乙。
529 :
閻魔刀 ◆VoamuGrzNs :03/01/13 15:06 ID:KBTjD9ew
気になったのですが藤本の扱いはどうなるのでしょうか?
すいません、またageてしまいました・・・
藤本ですか・・・ま、娘。入りが決まったということは
他のサブキャラより見せ場を増やさないといけない分で・・・
532 :
名無し募集中。。。:03/01/15 15:49 ID:Z+FTjYxr
な
読者の皆様へ
構想期間を少しだけ下さい。
やはりこういうの書くの大変ですもんね・・・
頑張って下さい!待ってますので♪
535 :
名無し:03/01/20 22:25 ID:zfe7syPL
保全
536 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :03/01/21 15:54 ID:mu2YePyC
インフルエンザが治ったようなので更新します。
<勝てる分が無い。>この言葉が石川の頭の中に響いた。
「オレは聞いてるんだぜ。あんたはどうする?」
「このまま何もせずに死ぬか・・・戦って死ぬか・・・どっちを選ぶ?」
サウンドオブサイレンスは振り返りもせず話し続ける。
それは余裕の現れなのだろうか。だが、その余裕もすぐに無くなる事になる。
突然、周囲の闇が震えはじめたのだ。
床は全く振動を起こしていない。つまり、空間だけが震えていることになる。
「石川・・・お前は戦わんでいい。この夢の世界から出してやるよ。」
静かに・・・そして深く響く謎の声。
「誰だッ!!出て来い!!」サウンド オブ サイレンスはワイヤーを取り出し戦闘態勢をとった。
「その前に・・・貴様の足元を見てみな。」どことなく挑発的な口調だった。
「足元だと!?」苛立ちながらサウンド オブ サイレンスは視線を地面におとす。
そこには細かい白い破片が散らばっていた。さっき、砕いたデッドオンタイムの顔だ。
まさか・・・この声はあの死神なのか!?いや、ありえない。この通り顔面を粉々にしてやったんだ。生きてる分が無い。
だが、次の瞬間、重大なことに気づいた。
「死体が無い・・・・。」そう。さっき殴り飛ばした時、死神は地面に倒れた。
つまり、今もここに死神の死体がなくてはおかしいんだ!!
だが、死体が無いッ!!ここにあるはずの奴の死体がない!!つまり奴はいつの間にかここから動いたという分だ。
つまり・・・この声の主は・・・。
「気づいたようだな。今、姿を見せてやるよ。だが、その前に・・・・」
パチンッ!指をならしたような音が小さく聞こえ、天使の体がその場から消え去った。
「用は済んだ。さあ・・・やろうか?」
突如、振動する闇の中に淡いブルーの光が現れた。そのブルーのオーラの中心に黒マントの男が立っている。
肩まで伸ばした銀色の長い髪、秀麗な顔立ちの中に輝く全てを突き刺すような冷たい瞳。
口元は微かに笑みの形をつくっている。
首からさげた懐中時計。その手には大鎌が強く握られている。
鉄の茨が絡みついた柄、鋭いカーブを描いた真紅の刃。その根元には髑髏の装飾がなされていた。
「お・・・お前・・・さっきの死神か!?馬鹿な!!顔面を砕いたのに・・・!!」
「馬鹿が。あれは髑髏の仮面だ。普段はあれで抑えているんだよ。」
「お・・・おさえる?」
「本体の寺田でさえも恐れる力・・・。お前はそれを解放してしまった。」
圧倒されるサウンド オブ サイレンス。トーンをおとした声で死神が続けた。
「俺は・・・残酷だぞ・・・。」
その直後、死神の右腕がサウンド オブ サイレンスの胸に深く突き刺さった。
右腕はその屈強な胸の筋肉を軽く突き破り、背中まで貫通していた。 「うっ。」
短いうめき声が漏れた。
死神は静かに腕を引き抜く。傷口からスプレー状に血が噴き出し、死神の顔を汚した。
だが、そんな事は気にもかけずに、今度は左腕で脇腹を突き刺す。
「がああッ!!!」サウンドオブサイレンスの口から大量の血がこぼれた。
「ガフッ・・・や・・・めろ・・・・やめてくれ・・・・」
体を痙攣させながらサウンド オブ サイレンスが命乞いをした。
「・・・。」
それを承知してか左腕が脇腹から抜き出された。鮮血に染まった両腕。それを見ても死神は表情すら崩さない。
そして静かに言い放つ。「もう馬鹿な考えは止めて、吉澤にスタンドとしてつかえるか?」
「グッ・・・冗談じゃねぇ・・・・。」
ドスッ。死神の右の人差し指がサウンド オブ サイレンスの喉に深く埋まった。
「別にお前をここで殺してやっても構わないんだぜ。いくらお前の世界でも・・・お前に有利な世界でも死だけはどうしようもないよな?」
「これが最後だ。吉澤に仕えるか・・・この指をより深く進めて欲しいか・・・選べ。」
クソッ・・・何だこいつの強さは・・・。この世界では他のスタンドは弱体化するはず・・・なのにこんな・・・!!!
うくっ・・・意識が薄れてきた・・・まずい・・・そろそろマジで死ぬ・・・。こうなったらこいつの言う事を聞くしかねぇ・・・。
「ゴホッ・・・。づ・・・仕え・・・ます!だから指を・・・!!」
「本当だな?」「ハイッ・・・ゴホッ!!」
ようやく、指が喉から抜き出された。
「さあ、吉澤の元へ行け。もしも、またこんな馬鹿なことをしたら・・・・殺すぞ。」
冗談じゃねぇ・・・そんな恐ろしい事が出来るかよ!!
こうして吉澤は夢から解放され、スタンドを完璧に入手した。
安倍なつみ・高橋愛・吉澤ひとみ スタンド発現。
飯田圭織・石川梨華 軽傷。
仮面が取れた後の死神の戦闘能力についてはまた後で・・・
リアル更新乙でつ、強いなつんく・・・。
更新乙。
どうでもいいが、サウンド オブ サイレンスって、略すとSOSになるな(ワラ
あと新垣と小川と保田か?
辻・加護・新垣・小川・保田・藤本・松浦(田中・道重・亀井?)
くらいですね。残りは。
>>548 6期の三人(藤本以外)は無理して入れなくても
良いのでは?キャラも何もわからないわけですし
↑ とりあえず、名前だけは出す事にします。
死に役とか引き立て役とかそういうのに使えるかもしれないですし・・・
はははは・・・
交信乙。
6期なんて氏ねばいいのよ。。。
552 :
まきたん:03/01/23 19:36 ID:xTYzkepx
大量更新乙!
インフルエンザだったんですねー
お大事にー
ちょっと待ってください。
明日あたりにでも・・・。
554 :
みょだ:03/01/25 22:21 ID:N8C6uycz
いつまでもお待ちしております
すいません。月か火のどっちかに更新します。
気長に待つ。。。
ところで、学校休むのって
一回やると癖になるのな。
高校休むと授業が遅れる。
クセになると自分に負けて理由つけて休み続け、最終的には引き篭もりに
なる。気をつけろよ。
夢の中での闘いはジョジョ本編でのデスサーティン(死神13)戦いらいだな
あと関係ないが吉澤のスタンドいつも無意味にボディービルのポーズしそうだな(俺の勝手なイメージ)
俺も6期はださなくていいと思う小説の中の時系列はまだ2002年10月頃だし。
559 :
山崎渉:03/01/28 13:51 ID:3mTZ7UF2
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
そこはさっきまでの悪夢の世界では無く、いつもの会議室だった。
目の前で梨華ちゃんが心配そうに私を見てる。
「よっすい〜・・・もう大丈夫だからね。」
その言葉を聞いたとき、私は頬を伝う涙をぬぐうのも忘れて、梨華ちゃんに抱きついていた。
そして、泣いた。まるで悪夢を見た後の子供のように・・・母親に甘える子供のように。
ガタガタと震える吉澤の体を優しく抱きしめながら、石川は思った。
よっすい〜・・・あのよっすい〜がこんなに泣くなんて・・・よっぽど怖かったんだね。つらかったんだね。
でも・・・もうあなたのスタンドはあなたのモノになったから・・・大丈夫だよ。
その時、吉澤の肩越しに見えるドアが音も無く開いた。
「つんく♂さん・・・。」
どうやら夢から解放された時、つんく♂は元いた場所では無く、会議室の外に飛ばされたらしい。
「石川。ちっと今から飯田を連れて下に行って来る。それまでに吉澤に事を説明しといてくれんか?
安倍と高橋は後で俺から話しておくから。それじゃ、20分程で戻ってくる。」
「あっ・・・つんく♂さん・・・。」
多分、下ってのはエスパーのいる地下の事だと思うけど、よっすい〜に説明しろ。って言われても・・・
とりあえず、よっすい〜が泣きやんで落ち着くまで待とう・・・・。
一方、つんく♂は気絶状態の飯田を負ぶってエレベーターに向かった・・・と、言いたいが今は平日。
社員の人が普通にこの三階をうろうろしている。
もともとこの階は広報部もあったりして、人がかなり集まる階なのだ。
(会議室は使用許可を取ってあるので入られる心配は無いが。)
もし、飯田を背負ってる所を社員に見られでもしたら、変な噂が立ってしまう。
っていうかもう立ってるらしいが。(つんく♂の使った後の会議室はボロボロになってる。など)
参ったな・・・これ20分で帰って来れるかな・・・。
563 :
まきたん:03/01/29 10:14 ID:Dbe7bEAx
更新乙でっす
更新乙
エレベーター前には雑談しながらエレベーターを待つ社員2人がいる。
あいつらが行ったら行くかな・・・。
やがて、エレベーターが到着し、2人は1階へと降りていった。
「今や!!」つんく♂は飯田をおぶったままエレベーターまで走ると、
地下まで繋がっている特別エレベーターに乗り込んだ。
(特別エレベーターは一般社員は使えません。使ったら罰を受けます。一般兵が勝手にシャアザクに乗るようなものです。)
カードを端子に通すと、エレベーターは地下へ向かって降り始めた。
566 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :03/01/29 23:58 ID:Tli/bIG+
「飯田。すぐにそのケガも治るからな。」
・・・やがてエレベーターは地下に到着した。
目の前のコンピューターの巨大モニターが起動し始める・・・。
「エスパー!飯田の怪我の治療を頼む。」
モニターに浮かんだエスパーの顔。
「分かりました。それじゃまずは診察から・・・。」
モニターの上部に取り付けられた2つのライトがつんく♂の背中におぶさった飯田を照らす。
<診察中・・・しばらくおまち下さい。>の文字がモニターに流れ、ピコピコと妙な電子音が響きわたった。
しばらくして、ライトが飯田から外され、モニターに診察結果が現れる。
<肋骨に僅かにヒビ有り。>「診察結果はご覧の通りです。では、今より治療を開始します。」
さっきのライトが再び飯田を捕らえた。
そして、ブルーの光線を飯田の全身に浴びせる。
実はこの光線照射こそが治療なのである。この光線で体の内部の傷を瞬時に修復させてしまうのだ。
「治療完了です。つんく♂さん。他に御用は?」
「ああ。ヒトラーの日記の管理は完璧か?」
「ええ。勿論です。私の中にセキュティシステムLV5で保管してありますよ。」
「頼むぞ・・・。これを隠せるのは唯一、念視が及ばないここだけなんや。
もし、これが奴の手に渡ったら本当に世界は終わる・・・。後、2ヶ月と8日耐えればこっちの勝ちなんや・・。」
「分かってます。それと朗報です。3日前に入院した矢口さんのエネルギーが完璧に
回復してます。病院が退院を許すとは思えませんが、とりあえず心配は要らないみたいですね。」
569 :
みょだ:03/01/30 22:23 ID:UVNebcqS
更新乙也。
娘の展開に合わせて物語を構築したら、
ストーリーより娘ニュース伝える方が先行しそうなので、
6期メソや分割の事は考慮しなくてもいいかと。
どうもです。・・・左翼死なないかな・・・
この小説の時の流れと現実には3ヶ月近いずれがあるので、まだこっちでは
年が明けてません。なので皆さんの言う通り6期(藤本の加入)などは
登場しません。という事で・・・
571 :
名無し募集中。。。:03/02/02 00:21 ID:3CAYhyEe
柴田「赤いフリージア…幻ならばそれも仕方ない…『なるようにしかならない』という力には無理に逆らったりするな…」
「そうか。とにかくありがとうな。
そんじゃ、石川を待たせてるからもう行くわ。また後で吉澤・高橋・安倍を連れて来るから。
それと飯田はちっとここに置いていくで。」
「ハイ。分かりました。それでは・・・。」エスパーは自ら電源を切るとモニターの中へと消えていった。
つんく♂は再び3階まで戻ると、会議室のドアを開いた。
「えっとね・・・つまりスタンドっていうのは・・・」
そこには必死にスタンドについて説明する石川がいた。
だが、その必死の説明にも関わらず吉澤はあまり理解できていないようだ。
「つまり、そのスタンドってのは私の分身なの?味方なの?それならどうして私のスタンドは私をあんな目に合わせた分?」
石川の顔が困惑に歪む。「えっと・・・それは・・・よっすい〜これを見て!ボイス オブ エンジェル!!」
「あっ。さっきの天使だ。」
「そう。これが私のスタンド!よっすい〜のスタンドはさっきの黒い巨人なの。今ここで出してみて。」
「出せって言われてもどうやってやれば・・・。」
「心に強く念ずるのよ。<出ろッ!>って。何か行動起こそうとする精神の力がスタンドを呼び起こすらしいの。」
少し困り顔をした吉澤だったが、瞳を閉じ、何かを念じ始めた。
(出てこい・・・出て来い・・・)
すると、吉澤の体から僅かに光が溢れた。そしてその光がサウンドオブサイレンスをかたどっていく。
「やった!!」「私にも・・・出来た?」
発現したサウンドオブサイレンスは不機嫌そうに2人を睨みつける。そして言った。というか怒鳴った。
「何だよ。テメーら!!何か用か!?」
身を震わせる吉澤。「いや・・用っていうか・・ただ自分のスタンドってのを見てみようと思って・・・。」
「ああ!?ついさっき顔合わせてやったばかりじゃねーかこの馬鹿が!!大体俺がお前のスタンド!?
ふざけんなこの糞女!!お前が俺のスタンド・・・手下であるべきなんだよ!!!」
「ちょっと!あなたいい加減に・・・」サウンドオブサイレンスの罵声を制しようとする石川。
「うるせぇッ!!!」ワイヤーが天使の首に瞬時に巻きついた。
本体の石川の首にも細いワイヤーの跡が浮かびあがる。
「この首落とされてぇのかコラ!?」どうやらあまり性格は変わってないらしい。
むしろ、死神の圧倒的な力の前に野望を打ち砕かれた苛立ちから気性が普段より荒くなっていた。
「デッドオンタイム!!」スタンドを発現させて、つんく♂が部屋に入ってきた。
「あっ!つんく♂さん!助けて下さい!!」
「何?つんく♂だと・・・?」
ワイヤーを手にしながらサウンドオブサイレンスがゆっくりと首を動かす。
そして、死神の姿を確認すると一気に凍りついた。
「あああ・・・ヒイィィィィーーー!!殺される!!」
サウンドオブサイレンスは本体の吉澤の中へと逃げ込んだ。
「ったく。まだ更正してなかったか。あいつは。石川、大丈夫か?」
ワイヤーから解放された石川は少し咳き込みながら頷いた。
「よし。そんじゃ、高橋と安倍も起こそう。3人を地下まで連れて行く。」
「あっ!そうだ!高橋のこと何ですけど・・・」
-----------------------------------------------------------------
「なるほど。近づくだけで攻撃してくるスタンドか。今、高橋は気絶状態でスタンドに指示できない。
だからスタンドはオートで高橋を守り続けているんやな。高橋の目が覚めれば何とかなりそうや・・・」
「何とかなりますか?」
「勿論や。そんじゃ石川。天使で俺の体を天井の穴まであげてくれ。」
「はい。」
果たしてスタンドを潜り抜けて高橋を下に連れてこれるのか・・・?
続きは後ほど・・・。
ん〜・・・。何か冷めてきたな・・・娘。に・・・。
地蔵と同じ症状かな・・・?
完結までは全力で頑張りますが・・・。
( ^▽^)更新オメ。
俺もかなり萎えた。
羊板自体が面白いから来るけど。。。
辻とソニン二筋に生きようっと・・・。
579 :
まきたん:03/02/04 11:31 ID:0096rOyc
更新乙!
やっぱり5期メンの加入がすべての失敗だったな…
こりゃ終焉も近いな・・・。
まじで。紺ヲタが言うのも変だけど本当に五期がダメだったみたい・・・。
人は目新しい物ばかり追いかけて古き良き物を忘れていく・・・
今がベストの状態でもすぐに上、さらに新しいものを求めてしまう。
その結果、娘。は五期・六期と増えつづけている。
古い誰かをソロにして新しい人材を選出する。
それを繰り返して利益を得ようとするつんく♂や事務所の考えも分からなくもない。
しかし、肝心な事を忘れている。
アイドルというものはファンがいなくては成り立たない。
メンバーの卒業、増員を繰り返せばそのイタチごっこに疲れてファンは
確実についてこなくなる。
来年まで娘。が続いていれば確実に七期が入る。
だが、今回の分裂、増員で冷めた人は多いはず。
確実にファンの数は減ってる。しかもいきなりヤラセ疑惑やスキャンダルの嵐。
もういいよ・・・。
松浦のアルバムがいい例だ。ファーストもそうだし、
今回もそれほど売れてないようだ。
それどころか同日発売のBOAのアルバムに完全敗退。
彼女のアルバムはミリオンに達した・・・のかな?
582 :
名無し:03/02/04 17:21 ID:Qfn56hS5
クダラナイれす作るな
永遠に続く物なんて存在しないようにいつかハロプロも廃れて消える。
完全に否定する分じゃないけど、前ほどはハマレない。
さて・・・駄文すみません。リアルタイムで批判が来てますが、
これは個人的な意見なんであんまり気に欠けないで下さい。
駄文が終わったんで、続きを書き始めたいと思います。
>>レク
イニの遺言だな。
↑ その通り。彼も己の信念を貫くために生きた偉大な男だった・・。
586 :
まきたん:03/02/05 13:53 ID:oB7zSYxn
ぁゃゃの2ndアルバム週間売上20万枚超えてるから売れてないわけじゃないと思うよ
587 :
みょだ:03/02/05 15:02 ID:bY9mgLAx
「モー娘。」への興味が薄れても「娘。の奇妙な冒険」の続きは気になります。
‥と、ゴマキのアルバム聴きながら書き込む。
応援レス感謝です。
今週中には更新します!
589 :
:03/02/08 01:07 ID:bN7SQkAb
穴から顔を出すと、薄暗い天井裏の一角に横たわっている高橋愛が見えた。
「あそこか・・・。」
つんく♂は天使に体を押し上げてもらうと、穴から中へと入り込んだ。
すーー。すーー。
かすかに寝息のような音が聞こえる。
それを聞くかぎり何か特別な外傷などはなさそうだ。ただ、気絶してるだけらしい。
「デッドオンタイム・・・高橋を捕縛しろ!!」
死神の右手の指がぐーん。と伸び、高橋の体を捕らえようとする。
しかし!5本の指は高橋を掴む前に、弾き飛ばされた。
「何ッ!?」再び掴もうとするが、また謎の力に弾かれてしまう。
指が高橋の体に触れる直前に弾かれると言う事は・・・なるほど。
確かに自動操縦型やな。
高橋に近づく者はオートで弾いてしまう。
そして、尚も近づこうとすればスタンド自身が発現し、襲ってくる・・・と。
「確かにこれじゃあいつ自身をこっちに持ってくるのは無理やな。
だが・・・万策が尽きた訳じゃない!!」
死神は伸ばした指を引き戻すと、天に掲げた右腕から黒い光を放った。
これは前、石川のボイス オブ エンジェルと闘った時に使用した技である。
あの時はこの光が放たれた直後、石川のムチは鉛のように重くなり動かせなくなった。
はたして今回は・・・。
ズンッ!!
突然、高橋の体が床に深くめり込んだ。
下から石川の声がする。
「つんく♂さん!!どうしたんですか!?急に天井の一部分がもりあがってきた・・・」
「悪い!石川!その下で待機しててくれ。高橋が落ちてくるはずやから。」
ズズズズッ。高橋の体はさらに下へ下へ沈んでいき、メキメキッ。と資材の壊れる音がした。
「わあッ!!天井にヒビが・・・!!」
「大丈夫よ。よっすい〜。心配しないで・・・」
バキバキッ・・・ドカッ!!ついに天井を突き破り高橋が落下してきた。
「ボイス オブ エンジェル!」
天使は軽く浮上すると両手でしっかりと高橋の体をキャッチした。
「よしっ・・・と。つんく♂さん!やりました!!」
「おう。ご苦労さん。それじゃ一旦高橋を床に置いて離れてくれ。」
石川に指示すると、つんく♂はたった今空いた大穴に視線を移した。
デッドオンタイム第二の能力・・・重力の増加。
高橋の背中にあたる床の部分にだけ、この能力を使った・・・。
高橋自身に触れられないならその床を沈ませてしまえばいい・・・。
(ちなみに第一の能力は<夢への浸入>。仮面がとれて覚醒するのは能力ではないです。)
「さて・・・3人そろった所でもっかい地下までいこか。」
つんく♂は大穴から飛び降りて着地すると、まだ気絶したままの安倍を起こした。
高橋はさっき落ちた時の衝撃で目を覚ましていた。
一応さっきのピエロは出てきていない。
だが、油断は出来ない。事情を知らない高橋と安倍はつんく♂と石川を敵とみなしているはず。
とにかく、急いで地下まで連れて行き、今までのことやスタンドのことなど全てを話す必要があった。
乙カ・・・・あっ!カレー食いてー!
597 :
みょだ:03/02/10 01:10 ID:0hiHsMJ5
更新乙!‥飲みすぎゲップ‥明日は二日酔いか‥
地下行きのエレベーターに乗り込む5人。(つんく♂・石川・吉澤・高橋・安倍)
「下に着いたら本当の事を説明するからな。」そう言いうとつんく♂は<閉>ボタンを押した。
ガシャン。閉じるエレベーターのドア。エレベーターは5人を乗せ地下へと下って行く。
ブーーーーン。それとほぼ同時に廊下の奥から虫が飛んできた。
それもかなりの高スピードで。
その虫はあっ、という間にエレベーター前まで来ると、ボタンの上の階数表示パネルの上に停まった。
まるで階数を確認するかのように。
その虫とはどうやら蝿のようだった。それもかなりの大きさで親指程ある。
エレベーターの階数表示パネルが3階・・・2階・・・1階と変わっていく。
そして、パネルは1階を表示したまま、動かなくなった。
つまり、1階で止まった事になる。
すると、蝿は再び羽を震わせ、飛び立った。
この蝿は何処に向かっているのだろうか?
その答えは非常階段だった。非常階段は廊下の一番奥に設けられている。
どうやらこの蝿はそれを知っているらしい。
ブーン。耳障りな羽音を立てながら蝿はUターンして廊下を飛来していく。
そして、半開きの非常ドアの隙間を潜り抜け、外に出ると一気に下に降下した。
この蝿には空気抵抗や吹きすさむ風は全く関係ないらしく、さっきと変わらない猛スピードで下っていく。
蝿は1階の非常階段まで到達すると、ドアからの侵入を試みる。
1階のドアはストッパーがかけられ、完璧に開いていた。
「フン。無用心な奴らだな。」
今の声は・・・この蝿の声だろうか?普通ならありえない事だ。そう。普通ならば。
蝿はロビーを歩く社員達の間を縫うようにして進んでいく。
社員達の目にはその蝿の姿は残像すら映っていないだろう。
とても常人が捕らえられるスピードじゃない。
そして蝿はエレベーター前に到達した。
エレベーターが3つ並んでいる。5人が乗ったのは一番左端のヤツだ・・・。
しかし!!どこにも5人の姿は無かった。馬鹿な。1階で降りたはずだろう?
エレベーターが停まってから1階に来るまでわずか8秒。
まだ、そこらに姿が見えててもいいはずだ。
慌てて左端のエレベーターの電子パネルの方に何万もの細かい目を向ける。
なんと、パネルは3階を表示していた。
あの8秒で3階まで戻ったというのか?
蝿は再び外に出ると3階まで上昇した。
3階のエレベーター電子パネルは1階を表示している。
「何だよこれは!?故障してやがんのか!?何で階ごとに表示されてる数字が違ってんだよ!?」
蝿が苛立った感じで怒鳴った。
実はこのエレベーターはトップシークレットである地下に通じているため、
敵にばれない様に様々な工夫が凝らされている。
電子パネルのトリックもその内の一つ。
地下までいった場合、各階の電子パネルには<UG>(アンダーグラウンド)とは表示されず、1階・2階など
ダミーの階数が表示されるようになっている。この蝿はそれに見事に騙されたという訳だ。
「畜生〜〜。何処行きやがった・・・。やはり、あの時一緒に乗り込めば良かったか。
だが、あんな狭い空間にいたら存在がバレる可能性があったからな・・・!!畜生ッ!!」
蝿は忌々しげに吐き捨てると事務所から飛び去っていった。
事務所の道路を挟んで向かいがわに建つ小さなビル。
そのビルの屋上に、携帯の画面を眺めている男がいた。
画面には今、さっき蝿の目に映った映像そのものが映っている。
やがて、あの蝿が男の元へ戻ってきてフッ、と消えた。
「馬鹿な〜〜。この俺のストーキングフライが相手を見失うなんて・・・!!!」
男は未だに自分の失敗が信じられないようだ。
「畜生ッ!!」屋上の錆びてボロボロになった鉄柵を思いっきり蹴り飛ばす!!ガーンッ!!
今ので少しストレス解消になったのか、男は荒立つ呼吸を整えると、何処かへ電話をかけ始めた。
プルルルル・・・プルルルル・・・。
ガチャッ。<おう。お前か。どうだった?何か秘密は掴めたか?>
「すまない。偵察は失敗した。」
<おいおい!!どう言う事だよ!?偵察や覗き見、ストーキングがお前のスタンドの得意技だろ!?>
電話の話し相手もいささか怒っているようだ。
だが、この男はもっと怒っている。錆びた鉄柵をガンガン蹴り飛ばしながら怒鳴り散らす。
「うるせえッ!!俺だってまさかこんな事になるとはおもわなかったんだよ!!
そこまで言うならお前がやってみやがれ!!このボケがァァァァッ!!!」
<まあ、そうキレんなって。いいぜ。俺がやってやるよ。早い話があいつらの中で誰かを締め上げて
秘密を吐かせればいいんだろ?俺のスタンドなら楽勝だぜ。ま、お前は地道に偵察でもしてなさい。ってこった。じゃあな。>
プッ。ツーツーツー。
ここで通話は切られた。「糞がァァァァッ!!!」男はもう一度、鉄柵を蹴り飛ばした。
スタンド名<ストーキングフライ> 本体「今はまだ正体不明」
能力:親指大の蝿の姿をしている。攻撃力は望めそうも無いがスピードはかなりのもの。
監視、追跡、偵察用のスタンドでスタンドが見た映像は携帯電話や液晶テレビに映し出せる。
向かいのビルにいるにも関わらず、事務所内全域を飛びまわれたので、
その射程距離・持続力は驚異的だ。
破壊力E 射程距離A 持続力A 精密動作B スピードA 成長性E
元ネタはクレー自慰ダイヤモンドさん。多少バラメーターや能力が変わってる所はご容赦下さいませ。
607 :
まきたん:03/02/11 18:02 ID:tAYGwBUA
大量更新乙!
話考えるの大変だろうけどがんばって!
敵キャラ一番のりキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
609 :
レクイエム ◆8FREQU/2yA :03/02/12 14:31 ID:s3LD4D5i
場所は変わってUFAの地下・・・
巨大モニターの前で吉澤・高橋・安倍の3人がエスパーに説明を受けていた。
「もしも、つんく♂さんが<ヒトラーの日記>を回収して無かったら、今頃地球はデーモンに征服されていたんです。
つまり、我々もとっくに死んでいた事になります。つんく♂さんが日記がデーモン達の手に渡る直前に回収し、隠したから・・・」
3人ともまだ上手く理解できてないようだ。無理も無い。あまりにも現実離れし過ぎている。
「あなた達は特別な才能を持っているの。言うなれば能力を持った人間達が集まったグループ。それがモー娘。でもあるの。」
「そんなの嘘だ!!」高橋が異論を唱えた。
確かに人気アイドルグループのメンバーである所からして、自分は普通の人間じゃない事は分かってる。
だが、それはそんな能力だとかいう夢物語でのお話では無く、現実面での話だ。
こんな地球を救うだとか大それた話とは全く無縁!そんなことが出来る訳無いじゃない!!
「あなたにはスタンドという能力があるの。これは普通の人は持てない能力なの。」
すかさず高橋が叫ぶ!「私は普通の人間です!!それにそんな能力なんて・・・!!」
「あなたには能力がある。ホラ・・・横を見てみなさい。あなたの怒りの感情によってスタンドが呼び起こされてるわ。」
・・・・。高橋はそっ、視線を横に移した。
そこには顔に派手なペイントをしたピエロが立っている。
「ね?分かるでしょう?それがあなたのスタンドなのよ。」
自分にそんな能力があるなんて絶対認めたくない。だが、実際にこの目に見えてしまっている。
見えてしまっているものは否定できない・・・。でも、どうしても認めたく無かった。
自分がそんなに大きな使命を背負ってる事を。
ついに高橋の感情が爆発した。
「そんなの・・・私は嫌だ・・・。こんな能力・・・私、欲しくなかった!!
いらない能力を勝手に目覚めさせて闘えなんて・・・!!
そんなの酷すぎます!!私、こんな事のためにモーニング娘。に入ったんじゃない!!
私はモーニング娘。が・・・歌が好きだったからモーニング娘。に入ろうと思ったんです!!」
ハァッ・・ハアッ・・・。激しく息を切らせながら叫ぶ高橋。
その目からは大粒の涙が零れ落ちていた。
「私は・・・私は・・・闘うなんて・・・絶対に嫌です!!!」
高橋の叫び・・・意見・・・思いは確かに的を得ていた。望んでもいないのに勝手にスタンド能力を発現させられる。
何故、発現させられたか?それは敵に襲われる可能性があるから。敵スタンドから身を守るため。
何で敵が襲ってくるか?それはつんく♂さんが「ヒトラーの日記」とかいうのを隠したから。
つんく♂さんの行いが悪いとは思わないけど・・・それによって生じる問題はつんく♂さん自身で解決するべきだ。
何で私まで・・・メンバーの皆まで巻き込むの?
自分でその日記を奪ったんならそれを狙ってくる敵、全てをつんく♂さんが倒せばいいんだ。
つんく♂さんの近くにいる私達を敵が狙ってくるも何となく分かる。きっと、人質か何かには使えるだろうから。
でも、そんな敵もつんく♂さんが全部倒せばいいんだ。
地球を守る?そんな事は少なくとも自分が関与すべきことじゃない。
軍隊とかがやればいいんだ。アメリカとかロシアとかフランスとか中国とかドイツとかがやればいいんだ。
日本という核も持たない小さな島国の・・・それもただの一国民に過ぎない私が関係すべきことじゃない!!
少し、脱線ぎみの意見だが確かにその通りだった。
いきなり、こんな事実を聞かされ、それを前向きに受け取れる人間はそうはいないだろう。
・・・・・・・・・・・・・。しばしの間、辺りを沈黙が包む。
その沈黙の時間を終わらせたのはエスパーでもつんく♂でも無く、飯田だった。
「高橋。」
高橋は振り返ること無く答えた。「・・・何ですか?」
「怖いのは分かる・・・。信じられないのも分かる。でも聞いて・・。このまま何もしなかったら世界は滅んでしまうの。
敵は何人いるかはわからない。でも、カオリと石川、それにつんく♂さんだけだったら絶対に勝てない。
日記を守りきれないの。だから・・・今は高橋の・・・高橋だけじゃない。
よっすい〜やなっちの力を借りたいの。ごっちんや矢口だってきっと同じ気持のはずよ・・・。」
「・・・矢口さんは・・・。」
吉澤が静かな声で喋りだした。
「矢口さんは・・・あの時は事故だって聞いた。でもあれは敵にやられてたんですね。
矢口さんも同じ気持ちだなんて。何でそんな事が言えるんですか・・?
いきなり闘いに巻き込まれて、大怪我させられて・・・。
もし、矢口さんの怪我が治って、もう一度闘いの舞台に立ってくれ。って言われたら絶対に嫌がると思います。」
「よっすい〜・・・。」
「私も・・・高橋と同じ気持です。」
そういうと吉澤は踵を返し、エレベーターの方へ歩いていった。それに高橋も続く。
そして、ただ一人残った安倍も下に俯いたまま何も話さない。
エスパーもつんく♂もただ、黙ったままだった。
ガシャン。エレベーターのドアが閉まり、2人は1階へと上がっていく。
飯田の表情も一気に曇り、何も言えなくなっていた。
そして石川もこの重苦しい空気に何もすることが出来ず、ただひたすら無言を貫き通すだけだった。
最悪の空気が地下室内を包む・・・。
UFA事務所1階のエレベーターホール。
滅多に使われる事の無い一番左端のエレベーター。
そのエレベーターが起動音を立てながら地下から昇ってくる。
やがてドアが開き、降りてきたのは顔を真っ赤に染めて泣きじゃくる高橋愛と、
怒りとも悲しみともつかない複雑な表情を浮かべた吉澤ひとみだった。
2人は無言で正面入り口へと歩いて行く。
その異様な姿を見て入り口付近にいた社員達は自ずと道をあけていった。
そして、2人の姿がガラスのウインドの向こう側に消えた後、誰からという事も無く社員達が口を開き始めた。
「どうしたんだ・・・?あの2人?」
「高橋・・・泣いてたよな?喧嘩でもしたのか?」
「最近、モー娘。おかしいよな?」「やっぱ新メンバー入るから、色々いざこざが起きてんじゃねーの?」
「それより聞いたかよ。3階の掃除やってる石田さんが言ってたんだけど、
さっきまで会議室をつんく♂さんが使ってたらしいんだ。
そんで、石田さんが会議室前を通りかかったら何か言い争うような声とスゲー音がしてたんだって。」
「マジかよ・・・荒れてんな〜。」「絶対、今の吉澤と高橋に関係してるな。」
「それにあの関係者以外使用禁止の左端のエレベーター。あれ怪しいと思わないか?」
「ああ。絶対に裏があるな。この事務所もつんく♂さんもモー娘。も」
・・・・・・。関係者以外使用禁止・・・か。<なるほどな。>
「ん?今誰か何か言ったか?」「俺じゃないぜ。」「俺は何も言ってねーぞ。」
「おかしいな?確かに聞こえたんだが・・・。ま、いいか。そろそろ持ち場に戻ろうぜ。山崎に首切られちまうよ。」
「ああ。そうするか。」「ったく・・・仕事かったりーな。」
社員達は各自の仕事場に戻るためにエレベーターホールへと向かっていった。
危ない危ない・・・。思わず声出しちまった・・。
そんな事よりさっさと奴らを追跡しないとな。
すると、自動ドアが何の前触れも無くいきなり作動し、その向こう側のガラスのドアが独りでに開いた。
誰もその瞬間を目撃した者はいなかったが。
「それじゃ、吉澤さん。私はここで・・・」
「うん・・。じゃあね。」
高橋は手近な所でタクシーを止めるとそれに乗り込んでいった。
それを見送ると吉澤はまた道を歩き始める。
おいおい。16の分際でタクシーでお帰りかよ。いいご身分だな。
そんな事はどうでもいいか。とにかく残った方・・・吉澤か。
奴を追跡しないと。もし逃したらあいつを笑えなくなるな。
なんせ楽勝って言っちまったからな。
・・・・。所で、吉澤と俺との距離は100メートルくらいか。
もう少し接近しねーと・・・。どうせ俺の姿は誰にも見えない。
この距離だと見失う可能性がある。今日は平日だってのに人通りが多いからな。
その時、突然吉澤が走り出した。
<何ッ!!>見ると先にある大通りの信号が点滅している。
あの野郎!あの通りを渡る気か!?んなもん次の信号を待てばいいじゃねーかよ!
チッ!まずい!信号で足止めを喰うのはまずすぎる!!
何とか追いつかねーと!!タッタッタッタッ・・・
この足音に道往く人達が振り返る。だが、先程から喋っているこの男を見つける事は出来ない。
誰もこの男の姿を確認する事は出来ないのだ。それがこの男の能力・・・そう。「透明になる能力」だ。
糞ッ!間に合え!間に合えよ!!
ん!?おいそこのクズカップル!!そこをどきやがれ!!通行の邪魔だ!!歩道で幅とってんじゃねーぞ!!
おい!!どけ!!どけってんだろうがこのブスがあああッ!!
男はブスと正面激突した。ドンッ!!<ぐあッ!!>「きゃあっ!!」
「おい!!どうしたんだよ!?真紀子!?いきなり倒れて!?」ブスの彼氏が道に転がったブスを抱き起こす。
「イタイよぉ〜今、誰かにぶつかられた・・・。」
「誰かって・・・お前、一人でいきなり吹っ飛んだんだぜ。」
「えっ!?そんなはず無いよ!!だって今・・・ブハッ!!」
いきなりブスの鼻から大量の出血が。
男がブスの顔面を蹴り飛ばしたのだ。
「えっ・・・!?一体どうなってんだよ!?真紀子!!大丈夫か!真紀子!!」
男の姿を見ることの出来ない彼氏はただただパニくるだけだった。
<この糞カップルがァ〜〜。テメーらのせいで吉澤を見失っちまったじゃねーか!!>
「え!?誰!?今、誰か何か言った!?」
<豚みてーな 女、連れやがって!!家畜には首輪でも着けとけこのゴミがッ!!>
「えっ!?誰・・・ゴバハッ!!」
今度は彼氏の歯が血とともに辺りに飛び散った。
キャアアアア!!周りの通行人から悲鳴が漏れる。
男が彼氏の口の中に蹴りを入れたのだ。
「うげッ!!ゴホゴホッ!!ううう・・・何なんだよ・・・一体・・・」
<糞・・・2万もする靴がこのゴミどもの血で汚れちまった・・・それに吉澤も見失っちまうし・・・
今日は本当にムカツク日だぜ・・・この俺に失敗は許されねーんだ・・・。
「情報伝達班」の一員として・・・そして俺自身のプライドが失敗を許さねーー!!追跡を再開をする!!>
男は再び走り始めた。今度は誰にもぶつからないように・・・。
スタンド名<メタルボックス> 本体:「情報伝達班」というグループの一員
能力:本体を透明にする。
バラメーターは今の所、不明。
昼間からずっと見てました、更新乙
627 :
みょだ:03/02/13 05:52 ID:NK17x/+l
大量更新、ントに乙!
今日から見はじめました!
ジョジョを読んだことない私にも読みやすい小説ですね^^
更新頑張ってください。
面白いです。乙
∽∽ Morning Musume's Bizarre Adventure ∽∽∽∽∽∽∽∽
>>16 後藤真希スタンド"Heart On Fire"紹介
>>20 矢口真里スタンド"Mini Power Girls"紹介
>>25 石川梨華スタンド"Voice Of Angel"紹介
>>29 飯田圭織スタンド"White Queen"紹介
>>139 つんく♂スタンド"Dead On Time"紹介
>>168 石井リカスタンド"Never Ending Darkness"紹介
>>190 紺野あさ美スタンド"Arcadia"紹介
>>430 吉澤ひとみスタンド"Sound Of Silence"紹介
>>450 安倍なつみスタンド《紫苑》紹介
>>496 高橋愛スタンド"Mad Ma-rick Pierrot"紹介
∽∽∽∽∽ Introduction Of Hello Project's Side Stands ∽∽∽
>>632〜635
何と目次が・・・しかもスタンドが英字で・・。
本当にご苦労さまです。そういえば第二話が以上に長いな・・・。
そろそろ3話に行かないと・・・。
テストも近いんでさっさと更新したいんですが、
madokaという奴に引っかかり、幽霊女の顔に怯えまくっています。
地蔵さんや、他の人の力も借りて何とか直そうとしてるんですが
ダメぽ・・・。
クソ・・・・。馬鹿なことしたな・・。
>>634修正、たった今気付きました。:
∽∽ Morning Musume's Bizarre Adventure ∽∽∽∽∽∽∽∽
>>10 平家みちよスタンド"Cray Factory"紹介
>>16 後藤真希スタンド"Heart On Fire"紹介
>>20 矢口真里スタンド"Mini Power Girls"紹介
>>25 石川梨華スタンド"Voice Of Angel"紹介
>>29 飯田圭織スタンド"White Queen"紹介
>>139 つんく♂スタンド"Dead On Time"紹介
>>168 石井リカスタンド"Never Ending Darkness"紹介
>>190 紺野あさ美スタンド"Arcadia"紹介
>>430 吉澤ひとみスタンド"Sound Of Silence"紹介
>>450 安倍なつみスタンド《紫苑》紹介
>>496 高橋愛スタンド"Mad Ma-rick Pierrot"紹介
∽∽∽∽∽ Introduction Of Hello Project's Side Stands ∽∽∽
( ;;`◇´;;)<……。
>>638 さらに修正
>
>>10 平家みちよスタンド"Cray Factory"紹介
"Cray"⇒"Clay"
( T◇T)<…モウエエワ…。
>>637 感謝です。多分直ったと思います。
今まで、「windows」が使ってるため削除できない。
と、エラーが出てきたmadokaを削除できました。
もう、あんな馬鹿な真似はしない・・!!
でも、まだ少し不安なので父親を実験台にしてみようと
思ってます。パソを起動してから20分以内に父親の
驚いた声が聞こえたらアウト。何も聞こえなかったら
異常なし。セーフ。という事で。
638・639さん。
本当にお疲れ様です。そんな細かい所まで・・・。
( ;´_ゝ`;) 親父が不憫だ・・・
643 :
みょだ:03/02/14 23:42 ID:oOg+k1eU
644 :
閻魔刀 ◆VoamuGrzNs :03/02/15 08:14 ID:fe3c8ATj
お久しぶりです♪
madoka死ぬほど怖いですよね!
私も引っ掛かって直し方知らなかったのでwin入れ替えましたよw
小説応援してますので頑張って下さい♪
・・・今日は本当に色んなことがあった・・・。
つんく♂・・・(今はとても「さん」をつけて呼ぶ気分にはなれない。正直、頭にきてる。)
つんく♂に呼び出されてから3・4時間くらいしかたってないのに。
この数時間がかなり長く感じられた。それはやっぱりあんな体験をしたからだろうか。
私の体を乗っ取ろうとしたあの黒い男。いや・・・「した」と過去形にするのはおかしいか。
今も奴は私の体を乗っ取ろうとしてるんだ。
ひょっとしたら、今この思考も奴は読み取ってるのかも知れない。
考えてみれば最悪だ。こいつは世に言うストーカーとかの比じゃない。
どんなストーカーよりもしつこく悪質で、しかも一生付きまとわれる。
(何かバイオ3の追跡者みたい・・・。)
そして、その追跡者を呼び出してくれたつんく♂・・・。それに石川梨華・・・。
いや、彼女を攻めるのはよそう。彼女も私と同様に強引にスタンドを呼び起こされたのだ。きっと。
もう彼に尊敬の念とかは全然無い。むしろ怒りや恨みの感情の方が大きい。
私は、死ぬまでこの絶望感を背負わなければいけないのか・・・。
イヤだ・・・。
暗い思案をひたすら頭の中で繰り返す吉澤。自分のもう一つの影(スタンド)に怯えながら・・・。
その吉澤の50メートル程後ろに、もう1人の追跡者が迫っていた。
!!見つけた!!あの野郎・・・いきなり走り出すもんだからビビったが・・・
普通に歩いていやがる!!ったく・・・久々に走ったもんだから足が痛ぇぜ・・・。
メタルボックスの本体、そして自らを<情報伝達班>の一員と名乗る男である。
あの女を軽く締め上げて、秘密を吐かせる。
それを上に報告するだけで、俺の元へは大金が転がり込む・・・。
それも今までの収入じゃあ考えられないような金額だ!!
その金があれば俺は一生遊んで暮らせる!!バラ色の未来が俺を待ってるんだ!!!
だが、こんな時に決して欠いてはいけないのが冷静さ。
この土壇場でミスしたら・・・全てが台無しになってしまう。
最後まで冷静に・・・クールにだ。
男は息を整えると少しずつ歩くペースを上げながら吉澤に接近していく。
<・・・。>ところで奴はどこに向かって歩いているんだ?
吉澤の足取りは道往く人達と全く同じ方向に向いている。
大体、予測がついた。
<・・・駅か。>こいつ、電車を使ってたのか。さっきの奴はタクシーだったのに。
電車には当然、かなりの人間が乗っている。そして駅にもかなりの人がいる。
あまり公衆の面前で吉澤を締め上げるのはまずい。
俺の姿は見えてなくとも周囲の奴らが不審に思うからな。
つまり、他の人間達に気づかれてしまったら俺の仕事は失敗と判断していい訳だ。
って事は・・・駅に向かわれるのはまずい。
何とかしねーと!!今、この場所と駅までは目と鼻の先。
ここから50メートル程言った所にある信号を2つ超えれば、もう駅の入り口が見える。
あと、ちょっとしかねーじゃねーかよ!!
まずいぞ・・・!危機はあのブスとの激突だけだと思ってたのに!!
そうだ・・・こういう事態はあらかじめ予測しておくべきだった・・。
いくらこの透明の能力があるといっても、秘密を吐かせるには誰の目にも
触れない場所に連れ去る必要があったんだ!!
男は窮地に立たされていた。このままだと逃がしてしまう!!
その時、蝿が男の横に現れた。
!!!こいつはストーキングフライ!!
蝿が男に話し掛けてくる。(これはスタンドを通じてなので一般人には聞こえません。)
「よお。どうした?久賀さん?随分ピンチみたいだな。さっきは余裕って言ってくれたのに。」
<うるせえ!!テメー何しに来やがった!?>(根にもってやがるな・・・。)
「お前を笑いに来た・・・嘘。嘘だよ♪糞野郎。たった今、電話が入った。
<和馬>からだ。彼は今、吉澤が行こうとしてる駅のホームにいるらしい。」
<和馬か・・・。それで?>
「見たところお前は吉澤に電車に乗られると困るみたいだな。
だが、安心しろ。 和馬に頼んでしばらく電車を止めてもらう。
恐らく吉澤は山手線を使うはずだ。山手線を2・3時間止めてやる。
それまでに吉澤に秘密を吐かせろ。殺す必要は無い。
殺害は我々、<情報伝達班>の仕事じゃないからな。」
<それは分かっている。が、山手線を止めるって言うのはどういうことだ?そんな事が出来るのか?>
「出来るさ。たった一人の命と引き換えにな・・・。」
そう言うと蝿はその姿を消した。
<あっ!待て!!・・・・・。どういう事だ?一人の命と引き換えとは・・・?>
吉澤はもう駅前の信号まで来ていた。男もその3メートルほど後ろにいる。
今、2人は信号待ちをしている所だ。
<と・・・とにかく止めてくれるなら早くしてくれ!これが青になったら!後、この2つの信号を渡ったらアウトなんだよ〜!!!>
男は汗をダラダラかきながらもう、すぐそこにある駅に目を向けた。
この駅は日本有数のターミナルステーションであるため、構内がかなり大きくつくられている。
そしてその構内の上に設置されたホーム。ここから見てもホームにはかなりの人がいる。
信号2つの距離・・・30メートルくらいだな。
この30メートルが俺の生命線・・・もうダメぽ・・・。
信号が青になり、吉澤を含めた駅に向かう通行人達が歩き出した。
<終わった・・・。>
そう思った次の瞬間!!
キキキキキィィィッ!!!
けたたましい金属音が周囲に響き渡る。
思わず通行人たちも足を止め、視線を上(つまり構内の上に設置されてるホーム)にうつした。
どうやら電車の急ブレーキ音らしい。実際に電車がホームの真ん中という中途半端な場所で止まってる。
それとほぼ同時に駅のホームから悲鳴が溢れ出した。
<何だ!?まさか・・・人身事故か!?>
「うわあああああああああああ!!!」「キャアアアアアアアアアア!!!!!!」
この五月蝿すぎる悲鳴・・・人身事故に間違い無さそうだ。和馬がやったのか?
ここで男はさっきのことを思い出した。
あいつが言ったこと・・・「和馬が駅のホームにいる」・「山手線を2・3時間止める」・「一人の命と引き換え」そして人身事故・・・。
そうか!!頭の中のピントが全てあった!!
和馬がスタンドを使ってホームにいた一般人を突き飛ばしてくれたのか!!
確かにスタンドを使えば、完璧に死んだ奴の自殺に見える。
そして死体とかの処理で山手線は機能を停止する!!
なるほど!!わかったぜ!!くくく・・・感謝するぜ!和馬!希望とやる気って奴が沸いてきた!!
絶対に・・・この造ってくれた時間内で・・・あいつに秘密を吐かせてやる!!
男は吉澤の背後に迫っていく・・・!!
<途中経過>
メタルボックスの男・・・「久賀」という名前らしい。現在、やる気と希望が漲っている。
吉澤ひとみ・・・追跡されている事に気づいてない。ピンチ!!
和馬・・・ストーキングフライの男や、メタルボックスの男と同じく <情報伝達班>の一員。
久賀のために一般人をホームに突き落とし、電車の機能を停止させた。
ふう・・・。駅の描写が全然ダメだ・・・。
後、事務所ってどこにあるんだろ・・・?
655 :
みょだ:03/02/16 00:16 ID:U1Pnf0C0
更新おす
(株)アップフロントエージェンシー
所在地/〒107−0061 東京都港区北青山3丁目5−15 ミヤヒロビル
設立/1983年1月14日 代表取締役/山崎直樹
スタッフ数/150名 タレント数/40組
>>655 それって古い住所じゃなかった?
去年の10月ころ移転したはず。
現在は
住所 東京都港区東麻布1−28−12 麻布高栄ビル
スタッフ数 200名
タレント数 87名
ソース 2003年度版芸能界950社ベストセレクション(オリコン・エンタテイメント刊)
情報サンクス
明日には更新します。
テスト期間になるとパソコン触れないんで。
そこでパソコン触らないとこが偉いな
勉強しなきゃなぁ・・・
【品川駅】
【山手線の2番ホーム】
【10月6日 午後5:26分】
この3つの事柄が合わさった時・・・この事件は起きた。
悲鳴と驚きの声に包まれる2番ホーム。
ホームの中程に停まった電車。
そのフロントガラスには血が塗りたくられている。
線路に残されたピンクのハンドバッグ。
・・・全ては一瞬の出来事だった。
いきなり、OL風の女性が線路に飛びおりたのである。
その時、電車の到来を告げるアナウンスは流れていたが、電車はギリギリでまだ来ていなかった。
ホームへよじ登ろうとすれば出来たはずだ。
だが、女性はそれをしなかった。
むしろ、自ら線路に座り込んだのである。
「あんた何をやってるんだ!!」「戻って来い!!」
その声を聞いても、女性は全く動こうとしなかった。
やがて、電車がきた。
運転手は線路に座り込む女性の姿を確認し、ブレーキをかける。
だが、間に合わなかった。
ドンッ。という低くどもった音。
バラバラに散る体。飛び散る鮮血。それに遅れて舞い上がったハンドバック。
本当に一瞬の惨劇だった・・・。
「きゃああああ!!」「うわああああ!!」
うざったいほどの叫び声が駅中に響き渡る。
そんなパニック状態の中、一人ホームのベンチに腰掛けタバコを吹かす男がいた。
ボサボサの真っ白な髪。頭髑髏の形をしたピアス。
つりあがった眉毛にクマの出来た目。唇には小さな金色のリングが3つ並んでつけられていた。
端からみるとかなり怖い。
それに、ダークグリーンのジャケットの下の黒シャツ。そこにペイントされた髑髏がさらに恐怖を倍増させている。
「チッ。」男は軽く舌打ちすると短くなったタバコを踏みつけた。
「イチイチ騒いでんじゃねーよ。ウザってーな・・。たかが人が一人死んだだけだろうが!
どうせ閣下が地球を支配したらもっと死ぬんだからよー!!別に騒ぐ程のこっちゃねーだろーよ!!」
男はポケットから新たなタバコを抜き出すと100円ライターで火をつける。
そして独り言のようにつぶやいた。
「時間は作ってやったぜ。久賀。まさか、これで失敗はしねーだろうな。
この九条和馬サマと最強のスタンド<>が働いてやったんだからよー!!」
その時、線路からホームへとよじ登ってくる影があった。
無論、それは一般人には見えていないが。
角のような短いトゲが無数に生えた頭。
その下には車のライトのように丸く、無数の横線の入った両眼。額には真っ赤な×印が描かれていた。
ホームに手がかけられ、そのスタンドがゆっくりと全身を現す。
体全体にかかった緑と青のマダラ模様、その上に髑髏マークがペイントされている。
さらに、両腕の肘から指先、両足の膝から下はその部分だけ紫に染められ、毒々しさをかもしだしていた。
「・・・この色使い・・・カラフルさ・・・最高だな。さすがこの俺のスタンド・・・!!
ちとノロイのが欠点だが。まーいい。それよりもう用は済んだ。さっさと帰るとするか。」
九条はスタンドをその体に収めるとベンチから立ち上がった。
周りの人間はまだギャーギャー騒いでいる。ウザってえな。
「おい!そこ・・・見てみろよ!足が・・・足が・・!!」
線路を覗き込んでいた一般客が声をあげた。
ん?どうやら気づいた奴がいるみてーだな。
線路にはバラバラに吹っ飛んだ女の体のうち、両足首だけがしっかり残っていた。
切断面からは今も生々しく血がこぼれている。
九条は改札へ続く階段を下りながらつぶやいた。
「あの女を線路におとした後・・・逃げられないように奴の足をぶったたいた。
そして奴の足首は線路の路面と合体し、固定された。
だから電車にぶつかられても足首だけは残った。・・・合体させる。それが俺の能力さ・・・。」
スタンド名<> 本体「九条和馬」
能力:殴ったモノとその一番近くにあったモノを合体させてしまう。
破壊力B スピードD 射程距離D 持続力C 精密動作B 成長性D
最悪のミスを犯しました。スタンドの名前が抜けてます。
後で、考えついたら入れようと思ってて結局忘れてました。
<マイ フェア>っていう名前にします。
後、テスト終わる2週間まで一切パソコンに近づけません。
ので、吉澤vsメタルボックスはしばしお待ちを・・・。
それでは。
670 :
みょだ:03/02/23 03:38 ID:4Dl6I6cQ
更新オツ
レクイエムさんが描写するこうゆうシーンはマジすごいです。
そいでわテスト頑張って下さい!
671 :
みょだ:03/02/27 02:48 ID:/jYthqrF
保
672 :
名無し募集中:03/02/27 11:41 ID:5EIH3NmX
age
保全
674 :
まきたん:03/03/01 14:40 ID:6KJxdLpu
久々の書き込みですが更新乙です
やっと受験終わった…
675 :
みょだ:03/03/04 22:58 ID:BmB4txI1
最近ハロモニ劇場でやってる石川吉澤の天使と悪魔が
ボイスオブエンジェルとサウンドオブサイレンスに見えてしまう
676 :
ななし:03/03/07 10:00 ID:216pwtrn
定期サゲ
ほ
復帰。
679 :
まきたん:03/03/10 19:41 ID:Oo8J52/A
おかえり!
どうも。二週間ぶりです。近い内に更新します。
>>674 新高校一年ですか?お疲れさまです。
>>675 石川は偶然の一致だったな〜。
681 :
まきたん:03/03/11 12:55 ID:ZqOmRz+Z
大学生だったりする…
682 :
THE・地蔵 ◆jizouMjYBU :03/03/12 20:00 ID:PefroW0N
683 :
THE・地蔵 ◆jizouMjYBU :
っ!!何故ageで書いたはずなのに上がらんのだ!!?
仕方ない・・・スタンドだ!
「THE・地蔵!!上へ上がれ!!」