いい年こいて、モーニング娘。かよ(w   

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1 
おまえら、恥ずかしくねーの?w
2 :02/06/24 13:12 ID:jrCvgvmJ


      ∧_∧
     ( ´Д`)
     /⌒    ヽ
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3名無し募集中。。。:02/06/24 13:13 ID:G/oqZGYm
>>1が一番恥ずかしいという罠
4 :02/06/24 13:13 ID:mYXUP7Ep



      ∧_∧
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5モームス。調査団:02/06/24 13:19 ID:pjkS/6O7
6 :02/06/24 13:22 ID:mYXUP7Ep
アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態で

はボールペンが書けないことを発見した。これではボールペンを持って行って

も役に立たない。NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月

と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。

その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度で

も、どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!



一方ソ連は鉛筆を使った。

7名無し募集中。。。:02/06/24 13:40 ID:fK027sBC

  
  ま  だ  3  歳  で  す  が  な  に  か  ?
8名無し募集中。。。:02/06/24 13:44 ID:gSI58fAJ
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. . ...:: (   ) .::. ∧_∧ ..::.>>1がさっさと死にますように...
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 ̄|〜(___ノ ̄| ̄(____) ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄||||::: :::::.. .... .. .::::. .
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9 :02/06/24 13:45 ID:K0Umwtsu
まだ15歳ですが、何か?
10名無し募集中。。。:02/06/24 13:46 ID:WaBLF14/
37歳であいぼんヲタですが何か?
11 :02/06/24 13:52 ID:RxkNs341
>>1
全然恥ずかしくありません、とマジレス
12 :02/06/24 13:52 ID:ZaTzxxKD
>>10
おっさん、早く引きこもり治して童貞も捨てろや
13 :02/06/24 13:55 ID:RxkNs341
>>12
人の生き方にケチつけてんじゃねーよ、アフォ
14 :02/06/24 14:00 ID:BrqU9Nby
>>1
恥ずかしくないです
15 :02/06/24 14:03 ID:Zftj8s9e
いい年こいて重度のモーヲタである>>1は、そんな自分に対して
「このままじゃいけない」って常日頃思ってた。
でも、娘。から抜け出せない。ハロモニでハァハァ美教でハァハァ、
ラジオでハァハァ写真集でハァハァ・・・。

自分を否定するのが怖い。自分から娘。をとったらなにも残らない。
でもこのままじゃいけない・・・。
そんなジレンマを無意識の内に溜め込んでいった>>1は、
自分ではなく、自分と同じ境遇の他人を批判する事で
頭の中を落ち着かせていた。それが”逃げ”だとも気づかないまま・・・。

こんな感じのやつ、心理学でナントカカントカって言うんだろ?
16 :02/06/24 14:19 ID:BAR+LLJX
>>15
あえて言うなら、>>1には防衛機制の一種である投射、反動形成が見られます。
17 :02/06/24 23:11 ID:T9YcRhIM
ヤバイとは思うけど恥ずかしくはない。
18 :02/06/24 23:13 ID:U69AHDRV
>>17
真理だ。
19矢口真理:02/06/24 23:14 ID:YDtbU96U
>>18
呼んだ?
20マジレス☆マン:02/06/24 23:17 ID:PyUNgXCY
>>1
私自身は「いい年こいて、モーニング娘。」ではなく、
あくまで「いい年こいて、モーニング娘。ヲタ」です。
お間違えのないように、よろしくお願い致します。

そう、私は今日もマジレスし続ける、
人呼んでマジレス☆マンだ!
21名無し募集中。。。:02/06/24 23:21 ID:pdXnQnIy
恥ずかしいことなのかと、逆に問いたい
22 :02/06/24 23:28 ID:LTgkBDm/

      ∧∧  ミ _ ドスッ
      (   ,,)┌─┴┴─┐
      /   つ 投票終了 |
   〜′ /´ └─┬┬─┘
    ∪ ∪      ││ _ε3

23わらかすな:02/06/24 23:45 ID:uAonTKiC
20代とか30代のヲタってマジ気持ち悪いね。
少しは年考えた方がいいよ。
平気であいぼんとかののたんとか言ってるし。。。
24名無し募集中。。。:02/06/24 23:46 ID:Ak6d5cIR
>>23 やはり40代のヤシは含蓄のある言葉を吐くな。 
25名無し募集中。。。:02/06/24 23:47 ID:3jtl5WPt
定期的に立つなこの手のスレ。同一人物か?
26名無し募集中。。。 :02/06/24 23:49 ID:S0zdIZAl
>>1
前スレを貼り忘れてるぞ

いい年こいて、モーニング娘。かよ(w
http://ooo.2ch.net/morningcoffee/kako/1022/10223/1022304294.html
27 :02/06/24 23:53 ID:wDlNPglQ
この間初めて目の前でモーヲタを見た。
絵に描いたようなヲタ容姿とモーの袋を両手にもち堂々と山手線内で語っていた。
そして今日普通のオジサンが、石川の写真集を別の雑誌で隠しながら買ってるのを見かけた。

前者の勝ちだ。
28 :02/06/24 23:56 ID:SiGP5auX
いいとしこいたかくれモムスファンです。
ゴマキの写真は踏めます。
辻ちゃんの写真は踏めません。
29名無し募集中。。。 :02/06/24 23:57 ID:7ol0dGT2
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1024665798/-100
1はこのスレの1ってことでいいでしょうか?
30灰汁:02/06/25 00:23 ID:6/j14MpD
もうすぐ二十歳なのにspeedばかり聴いてます
31( ゚д゚)ポカーン:02/06/25 00:34 ID:3NTK/4Ar
>>30
俺は昨日22になったのにSPEEDばかり聞いてます。
32ななし:02/06/25 00:45 ID:buGVye0F
あれ?解散後に中古屋でRISE買った俺って・・・
しかも俺29歳(爆)
33乳 ◆AU1MoaS2 :02/06/26 02:36 ID:MSq2JGbG
>>1
うん。大変恥ずかしいです。
34名無し募集中。。。:02/06/27 22:33 ID:YQmDg5kh
折れ、よっすぃーのオヤジ(40)と同い年だけど何か?
35名無し募集中。。。:02/06/28 10:23 ID:3JvEBrOa
age!
36名無し娘。:02/07/01 01:16 ID:VaLl4hAn
いい年だけど、ここに小説書いてもいい?
37/:02/07/01 21:08 ID:OHX62Vhr
>>36
1じゃないが、きっちり最後まで書くのなら、いいんじゃないか?
途中でドロップアウトするようだと、1に失礼だからな。
他にもスレおこしたい奴もいることだしね。
なんてマジレスしてみたりする。
38名無し娘。:02/07/02 12:37 ID:/YV4TNY4
>>37
36です。サンクスです。

「あいぼん1945−青い髪飾り−」
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1014751964/736-786
これの続編です。よろしくです。

39名無し娘。:02/07/02 12:38 ID:/YV4TNY4

小説 「あいぼん1946─白い粉ぐすり─ 続・あいぼん1945」

                     
               ……オニイチャン?
                  @ノハ@
                  (''‘ д ⊂ゝノ⌒ヽ、
               ( ̄c'入  ノノ⌒"  )
             (⌒⌒⌒⌒⌒⌒~\ノ⌒⌒)

40名無し娘。:02/07/02 12:40 ID:/YV4TNY4

「あれ、綿菓子やったらええのにな」
目の前に広がる再度(ふたたび)山が真っ白に染まっているのをみて、
ウチはかじかんだ手のひらに白い息を当てながら、そう呟いた。
おにいちゃんは、ほんまやな、と答えるとウチの冷えきった手を握ってくれた。

おにいちゃんと神戸の急な上り坂を登っていく。
向かい風になる六甲おろしは相変わらず冷たくて、
いつものように、ウチの頬をピリピリと刺しとった。
せやけど、おにいちゃんが握ってくれとるウチの手と、
見上げるおにいちゃんの横顔のは、なんか暖かかった。

後ろを振り返ると、小さなウチの家はもっと小さくなっていて、
神戸の海はウチの髪飾りと同じ青色をして、真っ白な六甲の山々を見上げていた。

それは、おにいちゃんが復員した次の日やった。
ウチとおにいちゃんは、結核に冒されとるののの為に、
お薬と、そして戦死したのののおにいちゃんの思い出を持っていくために、
彼女の家につづく坂を登っとった。

高台にあるののの家にはうっすらと雪がつもっとった。
ガラリとののの家の扉を開けて、ごめんくださいとウチが言うと、
中からののの親戚のおばちゃんが出てきた。
ウチとおにいちゃんが挨拶をすると、おばちゃんにののの部屋へと通された。

「のの、どない?」
ウチはふすまを開けてそう尋ねた。
ののは薄っぺらい布団の中で、小さい体をさらに縮こませるようにして
横になっていた。そしてゆっくりと、ウチのほうをみた。

「あいぼん……」
そう呟くののの声は弱々しくて、ウチはおもわずそばへと駆け寄った。
ののは前にあったときよりもさらに痩せ、白い肌はさらに青白くなっとった。
ウチは後ろを振り返る。そして、ののはウチの目線の先を追いかけた。
41名無し娘。:02/07/02 12:42 ID:/YV4TNY4

「はじめまして」
ののはゆっくりとそう言った。
「あいぼん……、おにいちゃんれすか?」
ののは少し驚いた表情をしたあと、よかったれすねといって微笑んだ。
ウチはその表情をみて、少し胸がちくりと痛んだ。

おにいちゃんはののの枕もとに歩み寄ると、かばんを置いて
ゆっくりと座り、「あいぼんの兄です。いつも妹がお世話になってます」、と
お辞儀をした。

ののはお話はいつもあいぼんから聞いてます、と答えると、ウチの手を握り、
よかったれね、よかったれすね、とまた繰り返した。その瞳にはうっすらと
涙が浮かんでいて、それがまたウチの胸をちくりと刺した。

おにいちゃんはののの枕もとで、
「おにいさんは、いつもあなたのお話をされてましたよ」
と、言った。

ののの前でおにいちゃんは、上官だったのののおにいちゃんの話をした。
優秀な指揮官だったこと。
いつも、妹のことを想っていたこと。
二人で妹の話をして、故郷を懐かしんだこと。
そして、自分たちとけが人を残し、お国の為に散っていったこと。

ののは、それを少し涙を浮かべながら黙って聞いとった。
ウチはそんなののの姿をみて、また胸がちくりと痛んだ。

一通り話がおわると、ののは、「おにいちゃん……」と小さく呟いて、
ずっと握り締めていた、赤い髪飾りを見つめた。
おにいちゃんは、それに気づくと、懐かしいなと言って、
それをみせてくれるようにののにたずねた。
ののは、それをおにいちゃんに渡すと、ウチの顔を見て
またよかったれすね、と言った。
ウチはそれに返事をすることがでけへんかった。
42名無し娘。:02/07/02 12:46 ID:PnW/dNM8
おにいちゃんはその赤い髪飾りをみながら、のののおにいちゃんが、
戦地で妹のことを想いながら、それを買ったときのことを話していた。

「おにいさんは、あなたがそれをつけている姿を思い浮かべていましたよ」
と、おにいちゃんは言って、その髪飾りをののの頭に付けた。
そして、「おにいさんの言うとおり、良く似合ってます」
と言って、微笑んだ。

赤い髪飾りを付けたののは、痩せたのと、青白くなった肌の色のためか、
それはきれいやった。

ウチはその姿に暫く見とれとった。
ふと気がつくと、ののの瞳から涙が流れとった。
おにいちゃんは慌てて、ののの涙を拭いていた。

しばらくの間、小さくののの嗚咽だけが聞こえとった。

擦り切れた畳の下から、しんしんと冬の寒さが伝わってきた。
43名無し娘。:02/07/02 12:49 ID:PnW/dNM8

しばらくしておにいちゃんは、お体のほうはどうですか、とののに尋ねた。
ののは、あんまりですといって、少し寂しげな顔をした。
「でも、おにいちゃんのところへもうすぐ行けますから」
と笑顔を作った。

おにいちゃんは、少し悲しげな表情をしたあと、また真剣な表情をして、
もし無事日本に帰ることができたら、おにいさんから、あなたのことをよろしくと
言われてますので、と言って、診察させてくれないかとののに尋ねた。

ののは、そこまでしてもらうわけにはいかない、と断ったが、
おにいちゃんは、これは上官命令ですからと、もう一度尋ねた。

ののはそれを聞いて少し微笑むと、それなら仕方ないれすねといって、起き上がった。
おにいちゃんはかばんのなかから古ぼけた聴診器を取り出すと、浴衣を着た
ののの胸をはだけさせた。ののの体はアバラが浮いていて、ウチにも病気の
重さが分かるほどやった。

おにいちゃんは聴診器を当て終わると、浴衣を戻してののを横にさせた。
その表情はかなり深刻なものやった。
44名無し娘。:02/07/02 12:50 ID:PnW/dNM8

「なあ、どないなん?」
ウチは不安になって、おにいちゃんに尋ねた。
おにいちゃんは黙ったまま、かばんから白い粉薬を取り出した。

「とりあえず、これを飲んでみてください」
とののの枕もとに1週間分のそれを置いた。
ののは驚いた表情で、それはいただけませんと言うと、
おにいちゃんは、のののおにいさんにお世話になりましたからと答えて微笑んだ。

ののはまた少し涙ぐみながら、有難うございますと、言ってそれを受取った。

「それじゃ、お体に触りますからこの辺で。また来ます」
と、おにいちゃんは言うと、おばちゃんに薬の説明をするといって、先に部屋を出た。

「あれが、あいぼんの自慢のおにいちゃんれすね」
ののは少しうらやましそうな顔をしてウチを見た。
その表情をみて、また胸がちくりとした。

「せやけど、のののおにいちゃんの部下やから、のののおにいちゃんのほうが偉いねんな」
と、ウチは言った。
いつもならその通りなのれすと、返事が来るはずやった。
せやけど、今日はなにも言わんかった。
ウチは、また来るな、と言って、ののの部屋を後にした。
振り返ると、ののは髪につけた赤い髪飾りを右手で触りながら、泣いとった。
45名無し娘。:02/07/02 12:52 ID:PnW/dNM8

おばちゃんにお礼と、お薬のことをもう一度言って、ののの家を後にする。
おにいちゃんが、がらりと扉を開けると、ひんやりとした空気が鼻をついた。

「有難うな」
ウチはおにいちゃんにそう言った。
おにいちゃんは小さく頷くと、友達は大切にせないかん、と言って、
おにいちゃんの肩ほどにあるウチの頭をくしゃくしゃと撫でた。
ウチはののにはもう味わうことのできないこの感触を、
そしておにいちゃんのありがたみを、
自分だけが味わえることに、小さな罪悪感を抱いていた。

ウチがうつむいていると、おにいちゃんは、どないしたんや、と聞いた。
なんでもないと、答えるとウチは歩き始めた。

外は白い粉雪がはらはらと舞っていた。

「あのお薬みたいやな」
とウチは言うと、おにいちゃんの手を握った。
その手は大きくて、暖かかった。

ウチのおにいちゃんは、生きている。
そして、ウチを優しく守ってくれとる。
心から、戻ってきてくれたおにいちゃんに感謝した。

二人で家路を急ぐ。

見下ろす神戸の街並みは、うっすらと白くお化粧をしたようできれいやった。
46名無し娘。:02/07/02 13:06 ID:PnW/dNM8
今日の更新は以上です。
>>1
申し訳ないです。スレお借りします。
47名無し募集中。。。:02/07/02 22:52 ID:2DlVZXNY
>>46
先生いい空きスレ見つけましたね(笑

でも先生の書く小説なら、これは有効的再利用になりますね

もう先生の小説が読めるなら、どこのスレでもいいです!!
48 :02/07/03 01:03 ID:TNgwlgkE
tes
49.:02/07/03 01:45 ID:jfcHvwx9
>>39
もう感動して胸がいっぱいになりました

こんな妹がいたら漏れは命の限り守り通す!!
50名無し:02/07/03 03:02 ID:JYIwVkBJ
コンビニで普通に娘。写真集が買える45歳になりました。
51名無し募集中。。。 :02/07/03 03:07 ID:Rn4Jtuq4
>>39
・゚・(ノД`)・゚・。
52名無し募集中。。。:02/07/03 03:19 ID:6S38xcnZ
まだ小説読んでないが、とりあえず>>6に爆笑した。
53名前:名無しさん@お腹いっぱい。:02/07/03 09:26 ID:lWGYXH4l
恥ずかしい奴のサイト。
http://mbspro5.uic.to/user/145i22.html
54名無し募集中。。。:02/07/03 22:03 ID:biku3+pS
先生の小説が読みたくなってまた来てしまった

もう半分中毒みたいなものです(笑
55名無し募集中。。。:02/07/03 22:22 ID:rXa6B5A9
毎日新聞夕刊、上野松坂屋の広告、浴衣着てるモデルの子が石黒彩さんにしか見えません。
本当は誰なんですか?ひょっとしてあっているのですか?
56名無し募集中。。。 :02/07/03 22:24 ID:Rn4Jtuq4
>>55
スキャンしてうpすれ
57名無し募集中。。。:02/07/03 22:26 ID:aNf8CAX1
それぞれの年齢のスタンスで楽しめるのが、モーニング娘最大の魅力なわけだが、
とマジレスしてみる。
ちなみに、39歳のおれは、辻や加護ががんばっている姿をみるのが非常に楽しい。
うちの子供らの成長の次ぐらいに楽しみなわけだ。
58 ◆KOSINeo. :02/07/04 00:27 ID:7JQwv8nC
>作者さん
小説総合スレッドで、前作(短編)と今作を紹介&更新情報掲載しても良いですか?
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013040825/
59.:02/07/04 00:38 ID:mBtYab4U
先生!!↑にスカウトの方がいらしてますよ!!

もうスカウトの目にとまる位だから、先生の書く小説は非常に優秀って事ですね!!

これを機に、あいぼん兄妹愛情小説を世に広めましょうよ!!(笑
60名無し娘。:02/07/05 13:41 ID:CAindea0

家に戻ると、おにいちゃんは隙間風の入る場所を修理し始めた。
女のウチらにはできん仕事やった。

「やっぱり男の人がいるとたすかるなあ」
と、おかあちゃんはその姿をうれしそうに眺めていた。
「それはおにいちゃんやからやで」
ウチはかなづちを叩いているおにいちゃんの横に行くと、
何本かのくぎを手渡した。

トントンとくぎを叩く音がする。
ウチはそのリズムを聞きながら、おにいちゃんの背中を眺めていた。
それは頼もしくて、なんか死んだおとうちゃんにそっくりやった。
61名無し娘。:02/07/05 13:41 ID:CAindea0

おにいちゃんは、修理を終えるとおかあちゃんの診察をしようか、と言った。
おかあちゃんは、脚が痛いと言っていた。
どうやら、おにいちゃんによると、製鉄所での重労働が答えて、
腰が悪くなっているらしい。背骨の神経がやられて、脚が悪くなったとのことやった。

「それで、なおるん?」
ウチは尋ねた。
おにいちゃんは、とりあえず、痛み止めと、神経のお薬を使うしかないなあ、と言った。
そしてかばんの中からまた、白い粉薬を出した。

「これ、のののと一緒なん?」
ウチにはその区別がつかんかった。
「そんなわけないやろ」
と、おにいちゃんは笑いながら答えた。
「ウチにはさっぱりわからへんわ」
ウチはおにいちゃんがいろんな種類の薬を使い分けるのをみて、驚いとった。
そしておかあちゃんはお水と一緒にコクリとそれを飲んだ。
62名無し娘。:02/07/05 13:42 ID:CAindea0

晩御飯を済ませて、おにいちゃんはお布団を引いた。
火鉢のそばでそれをみながらウチは、やっぱり疲れてるんやろな、と思った。
ウチはお茶飲むか?と尋ねた。
おにいちゃんは、いらんよ、と答えると、布団の中に入った。

おかあちゃんは少しお薬が効いたのか、起き上がっておにいちゃんの布団を
直した。そしてありがとうな、と嬉しそうな顔をした。
おにいちゃんは検査をせないかんから、また勤め先が見つかったら一緒に行こうな、
とおかあちゃんの手を握った。
久しぶりに見るおかあちゃんの嬉しそうな顔をみて、
なんだかウチまで嬉しくなった。

ウチは部屋の明かりを消して、おにいちゃんの寝ているお布団に入った。
その中は前とは違って、暖かくて、おにいちゃんの匂いがして、それが落ち着いた。

「あったかいやろ」
おにいちゃんは布団にもぐりこんだうちに囁いた。
「おきとったん?」
と、ウチが尋ねると、あいぼんが寝る前に暖めたろと思ったんやと笑った。
ウチは笑いながら有難う、というと、おにいちゃんはゆっくりお休みな、と言って、
いつものように頭をクシャクシャと撫でてくれた。

ウチはその感触から、今日の、ののの姿を思い出した。
ののはもう味わえへんねんな。
おにいちゃんがおれへんねんもんな。
ウチだけこんな思いしてごめんな。
そう考えるとなんだか悲しくなった。
63名無し娘。:02/07/05 13:46 ID:CAindea0
今日の更新は以上です。遅くですみません。
>>47
いつも有難うございます。いい年ですから(w。
>>49
そう言っていただけると嬉しいです。
>>51
申し訳。
>>52
それ、知り合いのアメリカ人に話したら、大爆笑してました。
>>54
遅くなりました。すみません。
>>55
スキャンしてうpよろしくです。
>>57
そういえば、モーたいでの、加護(神経衰弱や、手品など)はホントに涙しますた。
頑張りやサンですね。偉いです、ホントに。
と、マジレス返してみるテスト。
ああ、キショ。いい年なのに(w。
>>58
いつもお世話になっております。更新遅めですが、また、よろしくお願いします。
>>59
いえいえ、めっそうもないです。
64.:02/07/06 02:26 ID:B6fer2fA
もう心が癒される小説ですね

兄妹愛・・・・いいなぁ
65名無し募集中。。。:02/07/06 23:56 ID:VCAwSiU7
小説まだ出てないようだな


また後で来てみるよ
66あいぼんの婚約者:02/07/08 00:27 ID:WbCQRzad
小説もうないの?
67名無し募集中。。。 :02/07/10 00:23 ID:NQXwlaAl
hozen
68.:02/07/11 01:31 ID:cBM7bqeV
あいぼんと一緒な布団で寝るとミルミルの香りがするらしいぞ

ベビーフェイスあいぼんにピッタリ
69名無し募集中。。。:02/07/11 09:30 ID:0UqCpbmp
10月28日はあややの日(ほんと)
投稿日 7月9日(火)20時51分 投稿者 フルハムズ(佐々木高一)
松浦亜弥コンサートツアー「yeah!めっちゃライブ」10月28日の北海道厚生年金会館大ホールでの参加決定しました。(^^)
生あややは去年3月26日のモーニング娘。コンサートのゲスト出演以来です。
私も楽しみにしています。(^^)

tomohiroさん

そうです!(^^)
あややを1年ぶりに生のライブで観ることができます!!
札幌では今年2度目なので期待してください。
モーニング娘。が2年連続の24時間テレビチャリテイーパーソナリテイーを務めることになりました。
札幌出身のリーダー飯田系織、そして5期メンバーの紺野あさ美さん、他のメンバーとともに長丁場を乗り切ってください。
松浦亜弥もレポーターとして出演します。

このオッサン30過ぎなのによくやるなぁ。
70名無し募集中。。。:02/07/11 23:29 ID:kzEJHQDO
>>68
マジで?
71.:02/07/12 01:59 ID:dWJdDB1Y
出島?
72名無し募集中。。。:02/07/13 14:12 ID:unY1SGtK
(・∀・)イイ!よこの小説!考えるの大変だろうけど、早いとこうpきぼんぬ!
応援するよ。
73名無し募集中。。。:02/07/13 23:40 ID:ACM7V8HP
漏れからも早く続きをおながいします
74名無し募集中。。。 :02/07/14 12:47 ID:LzY7/uJ0
夏ハロプロで会いましょう!2002 IN大阪城ホール
投稿日 7月11日(木)23時52分 投稿者 加護&辻@LOVE
7月20・21日に大阪城ホールで行われる夏ハロプロが
いよいよ間近に迫りました。というわけで、
以前に告知したこの企画の再告知をすることにします。

集合時間:20日11時〜21時
     21日11時〜未定
集合場所:水上バス乗り場への降り口付近
目印:ザ☆ピース!セーラー服コスプレの僕

詳細は6月13日0時14分にカキコしています。
そちらをご覧下さい。
以前とは集合時間が変わっています。

企画参加者は現在の所、24人ぐらいと増えました。
お近くの方やコンサート遠征の方は、良ければ参加して下さい。
楽しいと思いますよ!!



24人もあんなのが集まるのか・・・。鬱だ氏(ry

75名無し募集中。。。:02/07/14 18:33 ID:J3AWlVlS
>>6
いまさら、摂氏300度などこの世に存在しないってつっこむのは無しか?
76名無し募集中。。。:02/07/14 21:53 ID:Bv2qD19U
先生・・・・一体何処へ?

@ノハ@
( ‘д‘)<はよウチとお兄ちゃんの小説書いて〜
77名無し娘。:02/07/15 07:26 ID:sV9cqNqf

「……なあ、おにいちゃん」
ウチは小さな声で呟いた。寝てたら起こさんとこ、と思っとった。
せやけどおにいちゃんは、なんや?と返事をした。

「ののは、どないなん?」
ウチは、答えを聞かれへんかった質問をもう一度尋ねた。
おにいちゃんは暫く黙ったままやった。
ウチはそれを聞いて小さくため息をついた。もう聞かれへんかった。

ウチが目をつぶろうとしたそのとき、小さな声で、
難しいな、とおにいちゃんは呟いた。

ウチはその答えを聞いて、胸の奥がズシンと響いた。
また、暫く二人とも黙っとった。
78名無し娘。:02/07/15 07:27 ID:sV9cqNqf

「あいぼんは気にせんでええ」
おにいちゃんはウチの腕をぽんぽんと叩いた。
ウチはなんで?と尋ねた。するとおにいちゃんは、
病気のことを考えるのは医者の仕事や。
あいぼんは今までどおりでええんや。
心配するのはええけど、悩むことはない。
ののの病気はおにいちゃんがなんとかするから、と言った。

おにいちゃんの気持ちがウチにも良く分かった。
せやけど、やせ細ったののの姿を想像すると、なんか不安やった。

「なんとかなるん?」
ウチは思わず尋ねた。するとおにいちゃんは、
「なんとかする」
と、言ってウチの頭をもう一度撫でてくれた。
そして、あいぼんの友達やからな、と呟いた。

部屋は暗かったけど、ウチにはおにいちゃんが微笑んでいるのが分かった。
ウチはその答えを聞いて、少し安心した。そして、有難うと答えると、
おにいちゃんの大きな優しさと頼もしさに包まれて、目を閉じた。

冬の澄み切った、冷たい空気の中を通って、遠くから汽笛の音が聞こえた。
79名無し娘。:02/07/15 07:28 ID:sV9cqNqf

おにいちゃんは次の日、神戸の病院に職を探しに出かけた。
ウチが、「どこの病院に行くの?」と尋ねると、
とりあえす母校の病院に行って見ると答えた。
立て付けの悪い玄関の扉を力いっぱい引っ張って、ウチは見送りに外へ出る。
おにいちゃんは、これも直さなあかんな、と言ってウチの頭をぽんぽんと叩いた。
「ええ病院みつかるとええな」
ウチはおにいちゃんを見上げる。おにいちゃんは、そうやなと微笑んだ。

小さくなっていくおにいちゃんの背中を眺める。
その姿はたくましくて、力強くて、なんだかどきどきした。

からりと晴れた空は青く、少しだけ積もった雪はきらきらと輝いて、
ピンと張り詰めた冷たい空気がウチの鼻の中を通り抜けていった。

80名無し娘。:02/07/15 07:29 ID:sV9cqNqf
遅くなってゴメンナサイ。頑張ります。
81名無し募集中。。。:02/07/16 00:10 ID:dbtBDtlq
>>77
先生やっと来てくれたのね!!

しかしいつ読んでもいい小説だなぁ・・・・・・・
次の期待してますよ!!
82     :02/07/16 18:04 ID:6QyecZaF
モーオタだと親に怒られるよ
83   :02/07/16 18:09 ID:6QyecZaF
冷めた目で見られて
乾いた時代の風に吹かれている
84    :02/07/16 20:13 ID:EKlcqzuo
不安な心と勇気が背中あわせになってる
85    :02/07/16 20:49 ID:EKlcqzuo
だけど今なら
この手でかなえてみせるよ
867氏:02/07/16 20:55 ID:AQd/7uxw
まさか小説スレになるとは思っていなかったであろう>>1
87      :02/07/16 20:58 ID:EKlcqzuo
だけど今なら 夢を
この手でかなえてみせるよ

88名無し募集中。。。:02/07/16 23:04 ID:dbtBDtlq
>>86
一応、先生はこのスレの住人に許可を得て小説書いてるよ
>>36>>37>>38を参照してね


オレは先生の小説が読みたいから、このスレ毎日のぞいてるよ(笑
89(´-`).。:02/07/17 20:51 ID:5vcNVQsH
(´-`).。oO( 先生、〆切が、・・ )
90名無し募集中。。。:02/07/17 21:17 ID:IAvYZQcW
从#~∀~#从 そやからそない言われる前に辞めたやん!
91名無し募集中。。。:02/07/17 22:19 ID:mp9BDOq7
>>90
辞めても言われる罠
92 :02/07/17 22:31 ID:si2doF3T
この手のスレ乗っ取って、その後誰も初めの話題に戻らない、このノリが好き!!
93名無し:02/07/17 22:32 ID:lrT0Esdn
あらせ荒せ、きしょいオタ達に現実見させてやれ!!
94:02/07/17 22:42 ID:lrT0Esdn
人生の不能者の集まりはモー板に集うんだよ
95名無し募集中。。。:02/07/17 23:07 ID:A4G160bu
>>1
すげー恥ずかしいよ、いい年こいて娘。のヲタってのはな

こう書けば満足か、釣れてよかったのか?
96名無し募集中。。。:02/07/17 23:15 ID:0778ffsw
>>93>>94
アフォハケーン(w
97.:02/07/18 01:22 ID:IFpNODq8
先生、早く小説が読みたいよー!!

忙しかったらソメマセン・・・・
98名無し娘。:02/07/18 13:48 ID:fRTtjMDV

夜になって、おにいちゃんが帰ってきた。
なぜか、手にはりんごを1つもっていた。
戦後のどさくさで、最近果物なんか見たこともない。
せやから、ウチはおもわずおにいちゃんの手からそのりんごを奪い取った。
「やった!もらったで」
そういって、ウチはそのりんごを服でごしごしと拭くと、それにかぶりついた。
甘くて、ちょっと酸っぱいりんごの味が口の中に広がる。
「おいしーい」
ウチはそのりんごをみながらおもわず叫んだ。

おかあちゃんは、なんや、はしたないといって怒っていたが、
おにいちゃんは、まあ、ええやんか、と言って笑った。
ウチは、りんごを囓りながら晩御飯を食べ始めるおにいちゃんの横にぴったりと座ると、
「ごめん、これおにいちゃんのやったん?」
と、ちょっぴり悪かったようなそぶりで尋ねた。
おにいちゃんは、あいぼんの為にもらってきたんや、と言って笑った。
「へへへ、分かっとったけど」
やっぱりね。と、ウチは、意地悪っぽく笑う。
ウチはそんな優しいおにいちゃんが大好きでたまらんかった。
おもわず、おにいちゃんのたくましい肩に頭を乗せて、顔を見上げた。
そうしたら、いつものように頭をクシャクシャと撫でて、
なんや、分かってたんか、と笑った。
そんな笑顔が優しくて、なんだか落ち着いた。
99名無し娘。:02/07/18 13:50 ID:fRTtjMDV

おにいちゃんは、どうやら母校の附属病院に職をもらった見たいやった。
ちなみに、そこで少しだけ治療を手伝ったお陰で、患者さんからりんごをもらったらしい。
そして人手が足りないらしく、早速明日から仕事が始まるとのことやった。

ウチはおにいちゃんのためにお布団を引く。
おかあちゃんは、もっとゆっくりしたらええのに、と言ったが、
おにいちゃんは、うちにはお金がないからな、と答えた。
ウチもおかあちゃんも、目の前の生活の現状に、それ以上なにも言えんかった。

さあ、明日も早いし、寝よか。と言っておにいちゃんは布団に入る
ウチも着替えておにいちゃんの横にもぐりこんだ。

いつものおにいちゃんの匂いがする布団。
すでに少し暖かくなって、それは心地よかった。

「ほな、朝も早いし、夜も遅いねんな」
ウチは少し寂しかった。まだおにいちゃんが帰ってきて少しの時間しか経っていない。
せやのに、もうおにいちゃんは仕事で忙しくなってしまう。
そして、このお布団の感触がなくなってしまう。それが嫌やった。
ウチはちょっぴりふくれっつらをする。

「夜遅いから、あいぼんと一緒に寝たら起こしてしまうな」
おにいちゃんは、ウチの表情をみてそう言った。
ウチはそんなつもりなんてなかった。おもわず、慌てて口を開く。

100名無し娘。:02/07/18 13:50 ID:fRTtjMDV
「そ、そんなん、気にせんでええよ。おにいちゃんのお仕事は大変やからね。
ウチもよう分かっとるよ」
そう言って、にっこりと笑ってみせた。
おにいちゃんは、すまんな、と言ってウチの頭をいつものようにくしゃくしゃと撫でると、
「お給料もらったら、新しいお布団こうたるから」
と、言った。
新しいお布団?そんなんこうたら、もう一緒にねられへんやん。
ウチは、ちょっぴり不機嫌そうに、いらん、と答えた。
おにいちゃんは、不思議そうな顔をした。

「ええねん。おにいちゃんお仕事頑張ってくれたら」
ウチはそう言っておにいちゃんの方に体を向けると、ぴったりとくっついてみた。
おにいちゃんの体の暖かさが伝わる。それを感じながら、明日から、あんまり
この感覚を味わうことがでけへんねんな、と思うとなんだか悲しくて涙が出てきた。

おにいちゃんは少し戸惑った表情をして、どないしたんや、と尋ねた。
おにいちゃんは、明日からウチらの為に働いてくれるんや。
わがままなんか言ったらあかん。そう思って、
「なんでもないねん。気にせんでええよ。目にゴミが入っただけ」
と、言うと、おにいちゃんは、ぽんぽんとウチの肩を叩くと、できるだけはよ帰るからな、
今日はゆっくりお休みな、と言ってくれた。
ウチは小さく頷くと、濡れたままの瞳をつぶった。

擦り切れて、固くなったお布団の中は、暖かくて、優しくて
おにいちゃんの匂いでいっぱいやった。

101名無し娘。:02/07/18 13:55 ID:fRTtjMDV
遅くなってごめんなさい。ヘタレでごめんなさい。
こんな駄文を、いつも覗いてくださって有難うございます。
加護添い寝スレ、さよ姫さんが書き始めて何よりです。盛り上がるといいですね。
いい世界観ですね。いつもチェックしてますよ。

>>1
いい年で、モーヲタで、しかも訳のわからない小説なんか書いててすみません。
許してください。見逃してください。スレはお借りしてるだけです。
終わったら出て行きますので。申し訳ございません。

102http:// YahooBB218140198011.bbtec.net.2ch.net:02/07/18 20:15 ID:gaUf+DKM
>>75
存在しないの?無知でスマソ
103名無し募集中。。。:02/07/18 23:01 ID:eo9mIV+I
>>101
先生、今日もご苦労様です!!
もう読む度に心が洗われてくる感じがします

先生の小説はへタレなんかじゃないよ!!
こんな心温まる小説が書ける先生は、とても立派ですよ!!

小説は作者の心の中を映す鏡・・・・・・先生は、とても純粋で優しい心の持ち主だよ

また続きを楽しみにしています!!
104.:02/07/19 01:18 ID:ZYmcurUY
やっぱり先生の小説は読んでるとホノボノするねぇ

あいぼんは実際一人で寝るのが怖いらしいから、一緒に寝たらこの小説みたいに甘えてくるんだろうなぁ〜

小説の世界に逝きたい!!
105亜依LIKE:02/07/19 14:33 ID:66gPfDGq
dreamに転向しろ
106亜依LIKE:02/07/19 14:35 ID:66gPfDGq
間違えた
AI-SACHIに転向しろ
107名無し募集中。。。 :02/07/19 14:37 ID:oISzn4+l
夏ハロプロで会いましょう2002 IN大阪城ホール
投稿日 7月19日(金)00時57分 投稿者 加護&辻@LOVE
再告知に来ました。
詳細は6月13日0時14分のカキコをご覧下さい。

集合日時:7月20・21日10時30分〜18時
↑時間の方は多少変わるかもしれません。御了承下さい。

集合場所:水上バス乗り場への降り口にある小さな売店の横
↑これについては6月13日のカキコで詳しく書いているので
 そちらをご覧下さい。

目印:ザ☆ピ〜ス!セーラー服コスプレ&ミニモニ。ぬいぐるみ
   を多く付けた僕
↑集合場所付近に行くと僕を囲んだ集団がいるので分かると思います。
 話しかけにくいとは思いますが、ご心配なさらずに。
 いい人ばかりなので。

皆さんのご参加お待ちしています!!


地獄絵図、再来だよぉ・・・・。
ウワァァァンヽ(`Д´)ノ
108@@@@@@@@@@@@:02/07/19 18:09 ID:uFXbkpR4

        _ −  ̄ − ̄ − _
        |           |
       |___________|
       |____________ |
     /____________\
      _|」    / |   | \    |」_
     ( d    /   o| ∩ |o   \   b )
     (_]  \_ / (  )\_/   [ _)  / ̄ ̄ ̄ ̄
       |   _    __`´__    _  |   <ダーー!
      |   | | ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| |  |    \____
      |   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       |   ヽ┬┬┬┬┬┬┬ ノ   |
       \_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  /___
      / ̄\ ̄ ̄ ̄――― ̄ ̄ ̄ /| \
    , ┤    ト、 /   \    / |  \
   |  \_/  ヽ      \ /  |   \
   |   __( ̄  |       /    |   <
   |    __)_ノ \    /      |    /
   ヽ___) ノ    \/       |   /
      |   /
109名無し募集中。。。:02/07/19 19:30 ID:j8SEKx/Q
モー娘。すげえ歌うまいよ。
http://atmusiclog.avexnet.or.jp/asx.asp?id=ABS1-30353
110名無し募集中。。。:02/07/19 22:49 ID:12rTdlTs
>>101
あいぼんの甘えっぷりに萌え
111.:02/07/20 00:23 ID:CWS0W30v
加護:お兄ちゃん・・・・一緒に寝てもええ?
112 :02/07/20 19:05 ID:jSNdGKcO
今日は小説ナシですか?
113名無し募集中。。。:02/07/20 22:48 ID:b2lzrn9t
>>101
こんな雨が降る夜は小説が読みたくなる・・・・・・

@ノハ@
( ‘д‘)<ウチの小説はよ書いてぇ〜
114タコ:02/07/21 02:38 ID:6XJYd4An
先生・・・・寂しいよー
115名無し募集中。。。:02/07/21 14:36 ID:qk4S2muI
>>114
我慢しる
116名無し娘。:02/07/21 15:17 ID:MP7vRP4s

次の日からおにいちゃんは朝早くから仕事に行き、ウチがねてしもうてから、
家に帰ってくるようになった。おにいちゃんのいないお布団は、冷たくて、
寂しくて、なんだか悲しかった。せやけど、朝、目覚めると、お布団のなかに、
少しだけおにいちゃんの匂いがして、それが落ち着いた。

おにいちゃんの仕事は忙しいようやった。戦後の人手不足で、医者がたりないとのことやった。ウチはたまにしかあえへんおにいちゃんの負担にならないように、
甘えたいキモチを一生懸命我慢した。そう、おにいちゃんは、患者さんのためにがんばっとる。そして、ウチらにいい暮らしをさせようとがんばっとる。
そう思って、いつもおにいちゃんのいない冷たいお布団のなかで、ぎゅっと目を閉じた。

暫くの時間が経つ。ある日、おにいちゃんから、ののにお薬を持っていくようにとの
置手紙があった。
そういえば、ののの病気はどないなったんやろう。お薬が効いてるのやろか。
おにいちゃんは、しっかりとそのことを覚えていたんや。
ウチはたった一人の友人の病気をすっかり忘れていたことに、情けなさを感じながら、
慌てておかあちゃんに、いってきますと叫ぶと、玄関の扉を開ける。

そして、久しぶりに神戸の急な坂を上った。
吐き出す白い息が歩くたびに、ウチの顔に当たった。
117名無し娘。:02/07/21 15:18 ID:MP7vRP4s

ののの家に着く。おばちゃんに挨拶をすると、いつもの北向きで暗いののの部屋に入る。
ののは、ウチをみると、
「ひさしぶりれすね」と、言って笑った。
その笑顔はやはり寂しげで、ウチはお見舞いに行かへんかったことを後悔した。
ののの顔は相変わらず青白くて、こほこほと小さな咳をしていた。

「ごめんな。いろいろと忙しくてな」
「いいれすよ。おにいちゃんも帰ってきたことれすし、一緒にいたいれすよね」
そう言ってののはまた、寂しげな微笑を浮かべた。

その微笑がウチの胸をチクリと刺す。
ウチだけが味わえる安心感と幸福感。
それは、おにいちゃんを亡くしたののにはもう味わうことのできない感覚。
ウチは自分だけ暖かいその感覚を楽しんでいて、のののことをあまり考えてなかったことに気づく。
そして、ののはそれを分かっている。せやのに、それを責めようとはせず、孤独に病魔と闘っとる。
ウチはそんなのののキモチがいじらしくて、切なくて、悲しくて、
そして、自分がふがいなくて、情けなくて、薄情で、次の言葉がでえへんかった。

しばらくして、ののは
「で、今日はどうしたのれすか?」
と、口を開いた。
ウチは慌てて、
「薬、もってきてん」
と、答えた。
そして、その紙包みをののの枕もとにおくと、体調はどないなん、と尋ねた。

ののは、また寂しげな微笑を浮かべて、
「あんまり、変わらないのれす」
と、小さな声で呟いたあと、
手のひらを口にあてながら苦しそうな表情をして、大きな咳を2回ほどした。
「ご、ごめんれす」と、ののは謝ると、慌ててそばにあった手ぬぐいで、手を拭く。
それを見て、ウチはおもわず、息を呑んだ。

手のひらにべっとりとついた血。
そして、桜色だったはずの、ののの唇は、紅をひいたように、赤くなっていた。
まるで、ののが、しんだ彼女のおにいちゃんから
もらった、赤い髪飾りのように。

118名無し娘。:02/07/21 15:20 ID:MP7vRP4s

おにいちゃんのお薬が効いてへん。
いや、それどころか、血を吐くほどに悪くなっとる。
ののは、大丈夫なんか?やっぱり治らへんのやろか?
そして、前におにいちゃんが添い寝してくれながら、難しいな、と呟いたことを思い出す。

ウチは心の中に浮かんだ、最悪の答えを振り払うように、頭をふる。
そして、ののをじっと見つめた。
ののは、少し申し訳なさそうに、
「あんまりお薬は効かないみたいれす。でも、あいぼんのおにいちゃんにはほんとに感謝してるのれすよ。ここまでしてもらって申し訳ないれす。だから、もういいのれす」
と、言った。
「そんなん、気にせんでええのに……」
「それに、のののことを心配してくれる身内もいないれすしね……」
そう言って、あの赤い髪飾りをみつめる。
その瞳は悲しげで、でもなにか覚悟をきめたようやった。

ののは、死ぬ気や。
のののおにいちゃんのところに行く気や。
ののがいなくなってしまう。しんでしまう。

「ウチは……、ウチは、ののがいなくなったら嫌なんや!」
ウチは思わず大きな声で叫んだ。

窓の外にいた小鳥たちがばさばさと羽音を立てて飛び立つ。

ののは、驚いたように目を丸くすると、悲しげに瞳を伏せて、
「ごめんなさい……。でももう無理れすよ……」
と、呟いた。

ウチはなんと言っていいかわからないまま、
「そんなん、嫌や……」
と、呟いた。
「あいぼん、ありがとう。でも、ごめんなさい」
ののはそれを聞いて、目線をそらしてうつむく。

ウチのたった一人の友達やのに。
なんで、死んでしまうのん?

嫌や、いやや、イヤヤ──

その言葉だけが、頭の中でぐるぐると回っていて、
もう、何も考えられへんかった。
気がつけば、ウチの頬は濡れていた。

こほこほと、ののの小さな咳の音だけが、静かなその部屋の中で響いていた。
119名無し娘。:02/07/21 15:21 ID:MP7vRP4s

ウチは肩を落としながら、ののの部屋を後にした。
ののは、ウチのおにいちゃんによくお礼を言ってください、と言うと、
もう、お薬は要らないれすよ、と笑った。
それが、悔しくて、悲しくて、どうしようもなかった。

「薬はのんでな。また、おにいちゃんに聞いとくし」
と、ウチは震えた声で答える。もうそれしか言いようがなかった。

おにいちゃんに助けてもらうしかない。
ののの病気を治してもらうしかない。
でも、できるんやろか。
結核なんて、治るほうが珍しいのに。

ウチはそんな悪い考えを振り払うように、涙を拭うと、
おばちゃんに挨拶をして、玄関の扉を開ける。

そして、神戸の坂をとぼとぼと降りる。
でも、いくら拭いても、なぜか涙がとまらへんかった。

冬の六甲おろしは、後ろからウチの顔を撫でていく。
濡れた頬に、冷たい刺激がピリピリとはしっとった。
120名無し娘。:02/07/21 15:26 ID:MP7vRP4s
いつもレス有難うございます。遅くてゴメンナサイ。
しかも添い寝してませんね……。
まあ、あいのの小説メインで、プラス妹あいぼんものなので……。

添い寝スレのほう、さよ姫さんの新作こないですかね……。
楽しみにしてるんです。
121 :02/07/21 19:09 ID:h65QHqjg
ののたんがんばれ!しんじゃだめだよ!!
122名無し募集中。。。:02/07/21 19:47 ID:4lFPu2yL
著者の馬鹿野郎!
涙が止まんなくなっちまったじゃあねえか!頑張れよ!
最後まで応援するぜ!うわっぁぁぁん!
123名無し募集中。。。:02/07/21 22:22 ID:qk4S2muI
>>120
先生!!やっと書いてくれましたか!!
もう読む程に癒される・・・・・・ヘタな滋養強壮剤よりも効き目抜群です!!(笑

添い寝スレに、さよ姫さんが来てくれましたよ
先生の事を絶賛していました

こんな巨匠二人の小説が読める私は幸せ者です

>>122
どんどん応援してくれ!!
そしてジャンジャン涙流して、心を清めてくれ(笑
124.:02/07/22 00:30 ID:4bcz91wg
小説読んでて涙が止まりません

胸がいっぱいになってきました

ボクも応援しますよ!!
125名無し娘。:02/07/22 12:53 ID:oSmmfdW8

家につくと、おかあちゃんはウチの顔をみて驚いた表情をした。
ウチの顔が涙でぼろぼろになっとったからやった。
おかあちゃんは、ののの調子、よくないんか?と、尋ねる。
ウチは頷くと、またぽろぽろと涙が出てきた。

「泣きな!」
おかあちゃんは、厳しい顔をする。

「おとうちゃんもな、苦しい結核と闘って死んだんや。おかあちゃんは悲しかったけど、
そんな姿をみせたらおとうちゃんが、気にすると思って、絶対泣かへんかった。あんたも、
ののの前で涙を見せたらあかん。治るのを信じて励ましたらなあかん」
「おかあちゃん……」
おかあちゃんの目にもうっすらと涙がたまっていた。
きっとおとうちゃんのことを思い出していたんやろう。
おかあちゃんは、おとうちゃんが死ぬ間際まで泣かなかった。
そして絶対治ると信じて、必死で看病しとったことを思い出す。

ウチは、ののの前で涙を見せたことを後悔した。
そう、ウチがあきらめてどないするねん。
そうなったら、ののには誰も心の支えになる人がおらへんやないか。
ウチは、
「分かった」
と、おかあちゃんにいうと、きゅっと濡れた頬を拭く。
おかあちゃんは優しくウチの頭を撫でてくれた。
それはおにいちゃんのそれとはまた違った優しさがあった。

気がつけば、なかなか止まらなかった涙が止まっていた。
126名無し娘。:02/07/22 12:54 ID:oSmmfdW8

その日の夜、ウチは眠いのを我慢して、一人で寝るお布団の中で、
じっとおにいちゃんの帰りを待っていた。

かなりの長い時間、ウチは眠い目をこすりながら、必死で起きていた。
一体何時になったのだろう。そう思ったときやった。
がらりと玄関の扉が開く。

おにいちゃんが帰ってきた。
ウチは起きようかどうか、悩んだがそのままお布団の中で、
おにいちゃんが入ってくるのをまった。

しばらくして、おにいちゃんは着替えを済ませ、そっとお布団に入ってくる。
おにいちゃんの匂いがお布団の中にひろがった。
ウチは、くるりとおにいちゃんの方を向く。

「おかえり」
ウチが小さな声でそういうと、おにいちゃんはすこし驚いた表情で、
起こしてしまったか、すまんな、と謝った。
「いや、起きとってん」と、ウチが答えると、どないしたんやと不思議そうな顔をした。

「ののの、ことやねん」
ウチは少し言いづらそうな感じで、小さく呟く。
それを聞いておにいちゃんはすこし表情を曇らせる。

「今日、血を吐いてん。どないしよ……、おにいちゃん」
ウチは泣かないと心に決めていたにもかかわらず、
おにいちゃんが帰ってきた安心感からか、またぽろりと涙がこぼれてきた。
それをおにいちゃんに気づかれないように拭きながら、
「のの、もうあかんとおもっとるねん……」
と、言った。

おにいちゃんは、そうか、というと黙った。
唇をかみしめるおにいちゃんの表情が深刻で、
再び悪い方向へと考えが向かっていく。

やっぱりおにいちゃんも分かってたんか?
ののは、死んでしまうんか?
おにいちゃんでも、治すことはでけへんのか?

それでも、ウチは必死で涙をこらえた。せやけど体は小さく震えてしまっとった。
127名無し娘。:02/07/22 12:55 ID:oSmmfdW8

それに気づいたのか、おにいちゃんはウチをきゅっと抱きしめた。
暖かくて、優しい感触がウチを包む。

「泣かんでええ」
そう、優しげな声で呟く。
「おにいちゃん……」
ウチは顔を見上げる。おにいちゃんの表情は、真剣だったが、
すこし優しげな表情で、明日ののの所へもう一度行ってくれるか?と尋ねた。

「ええけど……、なんで?」
ウチがそう尋ねると、おにいちゃんは、一度入院させて治療せんとあかんからな、
と答えた。そして、あいぼん、新しいお布団買えへんけど、ええか?と尋ねた。

そう、おにいちゃんは、ののの治療費を出すつもりやった。

「そんなん、いらんて前からいうてるやん」
と、答えた。おにいちゃんは、そうか、と言って笑った。
その笑顔がまた優しくて、ウチは思わず自分からおにいちゃんに抱きついた。

おにいちゃんは、どないしたんや、と驚いた顔をする。
「のののこと、治してな……、絶対治してな……」
ウチはたくましいおにいちゃんの胸の中で、泣きながらそう呟いていた。
おにいちゃんはもう一度、ウチをぎゅっとだきしめると、
分かった、と答えてくれた。

くしゃくしゃと、いつものように頭をなでてくれるおにいちゃん。
それはいつもと変わらず、優しくて暖かくて落ち着いたが、
のののことを考えると素直に喜べない自分がいた。

冬の隙間風が入ってくる。その冷たさをさえぎってくれるように、
おにいちゃんはウチを抱きしめつづけてくれた。
128名無し娘。:02/07/22 12:56 ID:oSmmfdW8
暖かいレス有難うございます。心から感謝してます。
お礼に頑張って更新しました。
129 :02/07/22 22:13 ID:qXz+0rSF
続きほんときになります!
明日までまてない!
130名無し募集中。。。:02/07/22 23:16 ID:GzEdpY9l
>>128
先生の小説やっぱりイイ!!世界一だよ!!

よかったぁ〜・・・・・さすがは、あいぼんのお兄ちゃんだ!!優しいなぁ〜

どうか、ののタンが助かります様に・・・・・

そしてまた、あいぼんと一緒に笑える日が来ます様に・・・・


もうオレ感情移入しちゃったよ(笑
131.:02/07/23 00:44 ID:VDdojR9O
もう読んでるこっちまで優しい気持ちになれるくらい素晴らしい小説だね

どうか、ののを助けてあげてください

そして、あいぼんをお兄ちゃんにもっと甘えさせてあげてください
132  :02/07/23 21:54 ID:WR16WwcF
今日は更新ナシですか?
ほんと待ってますよぉ!
133名無し募集中。。。:02/07/23 22:25 ID:O71b0dv3
私も待ってますよ!!

もうこのスレが毎日気になって仕方ない
134.:02/07/24 01:09 ID:C8xecZYA
もう添い寝中毒にかかってしまったみたいだ

先生早く薬(小説)を!!(w
135名無し娘。:02/07/24 13:03 ID:3pqf7jsf

次の日、起きてみると机の上に3通の手紙が置いてあった。一つはののへ。
もう一つはのののおばちゃんへ。最後のはウチへの手紙やった。
ウチは自分宛ての手紙を読む。そこには、今日お昼にののの家へ車を用意したとのことやった。そしてそのまま神戸のおにいちゃんの病院へ連れてくるようにとかかれていた。

おにいちゃんは、ののを本気で治療する気やった。
それほどまで、病状は深刻やった。

ウチはおかあちゃんに、おにいちゃんはなんか言ってたのか尋ねた。
おかあちゃんは、あんたの唯一の親友のために、なんとかせないかんと、
真剣に考え込んでたよ、と言った。おかあちゃんも、
おにいちゃんの言うとおり、ののを助けてあげたいとのことやった。
それは、結核で夫を亡くした身であるからこそ、そう思えるものやった。

ウチは手紙を懐に入れ、家をでる。

のの、まっときや。
ウチのおにいちゃんが、きっと助けてくれる。
のののおにいちゃんも、きっと天からみまもってくれる。
死んだらあかん。あきらめたらあかん。

2通の手紙をぎゅっとにぎりしめながら、抜けるような冬の青空にそびえたつ、
白く染まった山を正面に見据えて、六甲の坂を駆け上がった
136名無し娘。:02/07/24 13:09 ID:3pqf7jsf

ののの家につく。ウチはおばちゃんに手紙を渡す。
おばちゃんはそれを見ると、驚いた顔をして、そこまでしてもらう
理由がないと言った。ウチは、これはおにいちゃんが考えたことやから、
お金の件は心配しないでください、というと、おばちゃんは少しホッとした表情で、
まあ、そこまでいうなら、ご好意に甘えましょうか、と言った。

ウチは、そんなおばちゃんの薄情な姿に少し腹が立ったが、
戦後の不景気でお金がないのはどこでも同じ、ましては親戚の子供の病気まで、
気がまわらんのはあたりまえやと、自分に言い聞かせ、
おばちゃんに、ありがとう、と言った。

そして、そのままののの部屋に入る。
ののは、連日ウチが来たことに少し驚いていた。
ウチはおにいちゃんからの手紙をののに渡す。
ののは小さな咳をしながら、それを読むと暫くそれを見つめていた。

ウチは後ろからその手紙の内容を覗く。
そこには、入院しなければならないこと、治療費はこちらで負担すること。
そして、これは、のののおにいちゃんからの上官命令であるから、
気にしなくていいと書いてあった。

ぽろり、とののの大きな瞳から雫が落ちる。

「あいぼん……、なんでここまでしてくれるのれすか?」
ののは濡れた瞳でウチを見た。

「ウチはなんもでけへん。だからおにいちゃんに頼んだんや。
ウチ、ののがいなくなるのは嫌やねん……。だから、だから……」
「でも、お金も沢山かかるし、あいぼんのおにいちゃんにも迷惑れすよ……」
ののは、そう言って申し訳なさそうな顔をする。
「のの……、それは気にせんでええねん。それにきっとな、これはのののおにいちゃんが
そうせえ、と言ってるねんで。それがおにいちゃんにはわかってるねん」
ウチはそう答えた。
137名無し娘。:02/07/24 13:10 ID:3pqf7jsf

そう、ウチのおにいちゃんは、のののおにいちゃんに命を助けてもらったも同然やった。あのまま戦地へ入っていけば、間違いなくおにいちゃんは死んでいた。
指揮官としての命令が、おにいちゃんを救ったんや。
そして、のののおにいちゃんは、ウチのおにいちゃんに、妹をよろしくと言って、
南洋の島に散って行った。その絆は、きっとウチらにはわからんぐらいなんやろう。
ウチのためだけやない。のののおにいちゃんのためにも、ウチのおにいちゃんは、
ののの治療をしなければならないんや。

「おにいちゃん……」
ののは、染みのある部屋の天井を見上げる。
それは、どちらのおにいちゃんに向かって言ったのか、ウチにはわからんかった。

大きな咳をののはする。また手ぬぐいに赤い染みがつく。
ウチは、ののの背中をさすると、もうすぐ車がくるから、治してもらおうな、
と、言った。

ののは、濡れたままの瞳でウチを見つめると、有難うと小さく呟いて、頷いた。


入院の支度をおばちゃんがしてくれる。
少し嬉しげな表情やった。
病人がこの家からいなくなること、それは彼女にとっても良いことなのやろう。
その対応にまた少し怒りが込み上げた。
せやけどののは、申し訳なさそうに小さな咳をしながら、おばちゃんにお礼を言っていた。
それが、ののの肩身の狭さを感じて、なんか切なかった。

車がやってくる。初老の運転手がののを担いで運んでくれる。
ウチは荷物をもって、おばちゃんに挨拶をすると、ののと一緒に
後ろの座席に乗り込んだ。
138名無し娘。:02/07/24 13:10 ID:3pqf7jsf

「自動車なんて、久しぶりやな」
ウチはののにそう笑いかける。
ののは、緊張したようすで、初めてれすよ、と答えた。

車はゆっくりと神戸の山手の道を西へ向かって走り出す。
窓の景色が流れてゆく。右手には白く染まった六甲の山々が見える。
そして、暫く走ると、左手の視界が一気に開けた。
まぶしい光がウチら二人の瞼を閉じさせる。

「あいぼん……、海れすね……」
ウチはゆっくりと目を開く。
眼下には神戸の街並みと、その先に見える青い海。
ののがこれを見るのは、死んだおにいちゃんの砂を撒いたとき以来やった。

「綺麗やな」
「そうれすね……」
ののはそう言うと、きゅっと赤い髪飾りを握り締める。
ウチもののと色違いの青い髪飾りを髪からはずし、きゅっと握った。

「もう一度、この海がみれるんれすかね……」
ののは切ない声でそう呟いた。
ウチはののの手を握り、
「みれる。みせたる」
と答えた。
ののは、返事をせえへんかった。
せやけど、ウチには根拠のない自信があった。
それは海の輝きのせいやった。

それはまるで南洋に散ったのののおにいちゃんが、治してこいと、
ののに笑いかけているように感じたからやった。

車はゆっくりと、病院へ向かって走る。
神戸の青い海は、日の光をあびて、ずっと白くきらきらと輝いていた。

139名無し娘。:02/07/24 13:13 ID:3pqf7jsf
前の短編の伏線を使ってますので、分かりにくかったらごめんなさい。

いつもはかなり書き溜めてから更新するんですが、今回は、
まだこの先そ考えてないので、ののがどうなるのかは私にもわかりません。
ごめんなさい。
140 :02/07/24 18:00 ID:psx9POV/
前の短編読んでないでないや。。
どこで読める?
141名無し募集中。。。:02/07/24 18:52 ID:odK5Ane1
>>1は実はモーヲタ。
142名無し募集中。。。:02/07/24 19:01 ID:Hr2PxXwV
22日付のワシントン・ポスト紙は、ワールドツアー中の日本の国民的アイドルグループ、
「モーニング娘。」のロサンゼルス公演について「作詞・作曲は「つんく♂」任せで、演奏できる楽器もない」などと酷評。
「日本ではスパイスガールズ並みの人気アイドルも、世界では通用しないだろう」と評した。

 共同電によると、「モーニング娘。」は、初の北米ツアーでニューヨークやロサンゼルスなど 全米とカナダの11都市で計13公演を行う予定で、
ロサンゼルスでは19日に公演 を行った。各会場は満席となるなど上々の人気を集めている。

 記事はメンバーの後藤真希の曲がジェシカシンプソンの曲に酷似していると指摘。
日本やアジアで大ヒットした「LOVEマシーン」や「そうだ!We’re Alive」の英訳の歌詞を
「歌詞に意味がない」と切り捨てた。それにしてもファンが知ったら怒るだろうねえ。(サンケイスポーツ)
143 :02/07/24 19:03 ID:psx9POV/
>>141
いまさら・・・
144名無し:02/07/24 19:08 ID:c+d9Pvg5
>>142
それパフィーの記事のやつじゃん
145名無し募集中。。。:02/07/24 19:27 ID:72NeRoNp
いい年こいてごめんなさい、モー娘大好きです。
もはや、わらしの栄養ドリンクみたいなモンっす。
146名無し募集中。。。:02/07/24 22:20 ID:34mDnCKy
>>139
先生ご苦労様です

いよいよ入院生活に入りましたか
ののタン元気になってくれるといいですね・・・・・

兄妹愛・・・・いいなぁ
147 :02/07/24 23:15 ID:DjNN8l2k
>>140
前作の短編、このスレの736から。
http://cocoa.2ch.net/ainotane/kako/1014/10147/1014751964.html
148.:02/07/25 01:09 ID:XBtN8jfb
美しい友情

久々に泣けました

もう一度ののタンに綺麗な青い海を見せてあげてください
149名無し募集中。。。:02/07/25 22:35 ID:6HRrZMfs
あいぼん、だんだん可愛くなってくるよ

そしてこの小説で妄想する・・・・・・もう極楽!!
150名無し娘。:02/07/26 07:29 ID:cc2LXt2F

車はゆっくりと病院の玄関に入る。
ドアをあけると看護婦さんが車椅子をもってやってくる。

ののはそれに乗ると、すぐにおにいちゃんのいる病棟へ運ばれた。
逆性石鹸の苦い匂いが鼻をつく。
すこしよどんだ空気が、胸の中へ入っていく。
そんな病院独特の雰囲気に少し緊張しながら、結核病棟へと向かった。

すでにおにいちゃんが、入院の手はずを整えていてくれたようで、
看護婦さんの介助で、ののは病室のベッドに横になる。
白い壁と、電灯が釣り下がった少し染みのある天井。
それをみつめながらののは、病院にきちゃいましたね、と呟いた

「そらそうやん。治すんやで、病気を」
ウチはそう言って、ののに笑いかける。
ののは、不安そうに頷く。

しばらくして、おにいちゃんがやってきた。
151名無し娘。:02/07/26 07:30 ID:cc2LXt2F

「希美さん、ご無沙汰です」
おにいちゃんはののに挨拶をした。
ののはお辞儀をすると、おにいちゃんにお礼を言う。
おにいちゃんは、気にしないでくださいというと、早速診察を始めた。

ののの青白い体に聴診器を当てる。その表情は真剣で、いつもの優しいおにいちゃんとは
違っていた。その緊迫感にウチは、いきをのんだ。

「やはり、進行してますね」
すこし悲しげな表情でおにいちゃんはそう言った。
そして、横にいた看護婦さんに検査の指示をだしたりする。
ウチは初めてみるおにいちゃんの仕事姿に見とれていた。

「ここまでしてくださって、有難うございます」
ののはもう一度頭を下げた。
「新しい薬を進駐軍の方から手に入れるように尽力しますので、それが効けば」
と、おにいちゃんは言うと、ウチの頭をくしゃくしゃとなでて、
ちゃんとのののお世話したってな、と言った。

「あたりまえや。まかしとき」
と、ウチは答えた。それを聞いておにいちゃんは優しい笑みを浮かべ、
まかせたで、と言った。

おにいちゃんは病室を去る。白衣の裾が風でふわりとゆれる。
数人の看護婦さんを従え、まるで遠い世界の人のようやった。
152名無し娘。:02/07/26 07:31 ID:cc2LXt2F
「あいぼん、おにいちゃんがいて、いいれすね」
ふわっと、ののの髪が揺れた。そしてぽろぽろと泣き出すのの。
そのまま、病院の薄っぺらい布団に顔を伏せたまま、声を殺して泣きつづけた。

ウチはそれを黙って見つめるしかなかった。

「のの、ウチのおにいちゃんは、のののおにいちゃんみたいなもんや。
ウチのおにいちゃんは、のののおにいちゃんに助けてもらったもどうぜんなんやし、
きっとそのつもりやと思う」
ウチはののの背中をさすりながら、そう答えた。
ののは、嗚咽を続けながら、ゆっくりと顔を上げ、
「それじゃあ、あいぼんに悪いれすよ」
と、答えた。
「もう、遠慮するなんて、ののらしくないで。
病気になってから、頭まで、おかしなったんとちゃうか」
そう言って、ウチは笑った。

ののはその表情を見て、涙を拭いて少しだけ苦笑いすると、そうれすね、と笑ってくれた。

暖房の効いた病室の中は、北向きのののの部屋とは違って、
柔らかい空気が流れていた。
153名無し娘。:02/07/26 07:33 ID:cc2LXt2F
いつもレス有難うございます。

154 :02/07/26 12:31 ID:DWYKaqXj
まってました!いつも心のあたたまる小説ありがとうございます
155名無し募集中。。。:02/07/26 22:58 ID:EFLICa0c
先生、連続投稿ありがとうございます

もう今日はココと添い寝スレで、あいぼん&のの小説が読めて幸せ!!

もう心が温まり癒されます
156.:02/07/27 02:34 ID:P6sw/kXI
胸がいっぱいになって食事が喉を通りません

でも感動できたので、メシなんか食べなくてもいいです

いいダイエットができそうです
157名無し募集中。。。:02/07/27 13:42 ID:5x7AAlka
今日は更新ナシですか!?
158名無し募集中。。。:02/07/27 13:43 ID:jxAwcm8m
>>6
これ面白いな
159名無し募集中。。。:02/07/28 12:44 ID:ezv5N8LE
ちょっと覗いてみた

何回読みかえしても良い小説だな〜
続きが読みてぇ〜!!
160 :02/07/28 14:07 ID:s97bEbJQ
先生、続きを楽しみに待っています
161.:02/07/29 00:52 ID:HRkPb5Rl
小説が気になって眠れない

どーしよう・・・
162名無し募集中。。。 :02/07/29 16:05 ID:F7qhCiXI

           /\        /\
           /  \      /  \
          /    ゙'----''"´    ヾ
          /               `:、
         /                `:
         |                  i
         |      ノ '           |     
         |      .,___.,     .,___.,   i  いい話だね
          、    ''"´`:、        υ /      
          `丶,:' 、.  . )___Д____,,.,_,,.;''"   
           /    /       ο
163名無し募集中。。。:02/07/29 21:30 ID:N9FLI4Ab
>>161
オレも気になって眠れないよ・・・・・・・・

>>162
この小説読んで心の洗浄でもしてれ
164.:02/07/30 00:29 ID:fcOZXw86
先生きてないか

早く続きをー!!
165名無し娘。:02/07/30 12:04 ID:NnBUBhBY

その日の夜、ウチはお布団のなかで、またおにいちゃんの帰りを待った。
目を閉じると、ののの泣いている姿が浮かんで、悲しくなった。
せやから、一生懸命目を開けていた。
しばらくして、おにいちゃんが帰ってくる。そしてお布団に入ってくる。

「おかえり」
ウチは昨日と同じように声を掛けた。
おにいちゃんは、また驚いた顔をして、子供ははよねんと、と言った。
ウチはそれに少し不満そうな顔で、
「まあ、ええやんか」
と、答えた。
おにいちゃんも、まあ、ええけどな、と答えた。

「そんなことより、のののことやねんけど」
ウチは話を切り出す。おにいちゃんは、また真剣な表情をする。
「どないなん?」
そう尋ねると、おにいちゃんは、薬の手配は上手くいきそうや、と答えた。
「そうか。よかったわ」
ウチはホッとした表情をする。そして、もう一つ聞きたいことを尋ねた。
「なあ、おにいちゃん。のののおにいちゃんにもなってくれへんか?」
おにいちゃんは、不思議そうな顔をする。意味が通じてへんと思ったウチは、
今日、ののが泣いてしまったことを伝える。
166名無し娘。:02/07/30 12:05 ID:NnBUBhBY

すると、おにいちゃんは少し困った顔をして、あいぼんは、ええんか?と、尋ねた。
ウチは、もちろんかまへん、と答えると、おにいちゃんは、のののほうが、
ええ子みたいやし、あいぼんのおにいちゃんは、もうやめようかな、と言った。
「ええ?そんなん嫌や!」
ウチは予想もしない答えに驚いて、思わずお布団から飛び上がった。
おにいちゃんは、笑いながらウチの横にさせると、お布団を掛け、
「寒いやろ。冗談や、ごめんな」
と、謝った。

「もう、ビックリさせんといてな」
と、ウチはおにいちゃんに抱きついた。
おにいちゃんは、ウチをいつものように抱きしめてくれると、
「わかった、のののことはまかせとき」
と、答えてくれた。

ウチは、小さく有難うと、呟く。
飛び起きたお陰で、冷えてしまったお布団の中は、いつしか、暖かくなっていて、
気がつけば、眠りに落ちていた。
167名無し娘。:02/07/30 12:08 ID:jTiGJa7h
レス有難うございます。もったいないです。
遅くて申し訳ないです。久々に添い寝ですね。
まあ、ひっそりと地味にやっていきますので、よろしくお願いします。
168 :02/07/30 19:50 ID:cxrXUEeu
ののたんがんばれ!
169名無し募集中。。。:02/07/30 22:08 ID:C4fFDAf3
>>167
先生ご苦労様です

ああ良かった・・・・・この小説読めば今日一日の疲れがとれていくよ

癒されるね
170.:02/07/31 02:23 ID:woISFtH0
お兄ちゃんに抱きついて甘える、あいぼん可愛い!!

甘えん坊な、あいぼんはやっぱりいいですね

心が温まりました

のんタンと一緒に、思う存分甘えさせてあげてください
171名無し娘。:02/08/01 12:56 ID:52bOds3d
レス有難うございます。

あいぼん、コンサで泣いてたという情報がありましたね……。
タンポポも卒業するし……。頑張ってほしいですね。

ちょっと衝撃が大きくてアイデア浮かばないので、更新できずごめんなさい。

172ガトー:02/08/01 13:54 ID:nwNinL9u
http://ime.nu/ime.nu/8144.teacup.com/lunalove/bbs
の松浦のサイトなんでもいいから書きやがれ。                
173. . .:02/08/01 14:20 ID:tafpEHFR
>>167
会社にいるのに涙が溢れそう・・・

良いものを読ませていただきますた。
174名無し募集中。。。:02/08/01 14:28 ID:73OG8xy6
>>162
うわ、始めて見た、かわいぃょぅ (はぁと
175名無し募集中。。。:02/08/02 00:30 ID:9Elcnza7
>>171
> あいぼん、コンサで泣いてたという情報がありましたね……。

それ本当ですか!?
もう私も耐えられません・・・・・・・・
せめて先生の小説でこの鬱な状態を回避したいです
先生も辛いかとは思いますが、どうか頑張って小説を続けて下さい
お願いします
176名無し娘。:02/08/02 12:54 ID:lOQnyvVa

次の日から、ウチは出来るだけののの病室へお見舞いに行った。
結核病棟にはあまり入ってはいけないと言われていたが、
独りで治療を受けるのののことを考えると、行かずにはいられんかった。
それに、戦後の人手不足で、だれもとがめることは無かった。

おにいちゃんは相変わらず忙しいみたいで、夜遅く帰ってくる。
そして、病院でもめったに会うことはなかった。
ウチは少し寂しくて、思わずののに、
おにいちゃんは全然病室に来うへんやんか、どないしてんねん、と聞いてみても、
朝早くにいつも来るし、それに検査や説明のときは必ずきてくれると言うだけで、
そして、おにいさんは忙しいんです、そんなこといっちゃ
ダメです。と逆に怒られる始末やった。
ウチは、そんなもんなんかな、と思ってそれ以上は何もいわんかった。
177名無し娘。:02/08/02 12:55 ID:lOQnyvVa

そんなある日、ウチはいつものように病院へ行く。
ウチが病室に入ると、白い病室で小さな咳をしながら、
嬉しそうな顔をしてくれるのの。
自宅で療養しているときと比べて、少し顔色が良いような気がした。
それが、嬉しかった。

「お薬変わってどないなん?」
「血が出る量が減ったのれすよ」
ののは、そう言って微笑む。

「やっぱ、変わるもんやなあ」
ウチは驚いた声を出す。
治療が始まって数週間。おにいちゃんが苦労して、
進駐軍から手に入れた薬は効果をあげているようやった。

「すごいのれす……、これなら治るのかもしれない……」
そう言って赤い髪飾りを握り締めるのの。
彼女の心の中に、少しずつ生きる希望が湧いてきていること、
それを感じることができるのが、信じられなかった。

病室のドアが開いて、おにいちゃんがやってくる。
ウチの顔をみて少し微笑むと、
「来てたんか」
と頭をくしゃくしゃとなでる。

いつもの感触がよみがえる。
それは久しぶりに会うおにいちゃんやった。
178名無し娘。:02/08/02 12:56 ID:lOQnyvVa

「うん。なんか全然病室来うへんな、おにいちゃん」
ウチはちょっぴり拗ねた顔をしてそう言った。

おにいちゃんは、なんや、寂しいんか?と笑う。
その表情をみて、どくん、とウチの心臓がなった。
それは、ウチの心が見透かされた様やったからやった。

それを悟られないように、ウチは、ののの診察ちゃんとせなあかんやん、
と、口を尖らせる。

すると、ののが、
「ちゃんと診てもらってますよ」
と、答えておにいちゃんに笑いかけた。

おにいちゃんは、ほれみろ、みたいな顔してウチをみる。
ウチは、なんかバツが悪くて、
「そ、それならいいねんけどな」
とそっぽを向いた。

おにいちゃんは、調子はどう?とたずねて聴診器を取り出す。
それは、以前と違ってよそよそしい敬語ではなく、
ウチに話し掛けるような優しい口調やった。

「なんか、いいみたいれす」
ののはそう言って、慕うような視線でおにいちゃんを見つめる。
すると、おにいちゃんはののの頭をウチにするのと同じように撫でると、
暖かい口調で病状の説明を始めた。
そして、それをおにいちゃんの目をじっと見つめながら
頷いて聞くのの。その姿に、信頼関係に結ばれた医師と患者以上の絆を
感じた。

ウチは思わず2、3歩下がって二人の姿を見つめる。
そして、急に激しい寂しさがウチを襲った。
それは、そこになにか入り込めない雰囲気があったからやった。

すこし暗い病室。消毒液の匂い。薄汚れた白い壁。
良くはなっているが、重症には変わりない、彼女の顔色。
せやけど、二人のいる場所だけが温かな光で包まれているような感じがした。
179名無し娘。:02/08/02 12:59 ID:lOQnyvVa
レス有難うございます。本当に嬉しいです。
皆様、もう落ち着かれましたでしょうか?
コンサの話はどこかの羊のスレで書いてたんです。
会見でも泣いていたそうですね。
あいぼん、頑張って欲しいものです。

というわけで更新してみました。
180名無し募集中。。。:02/08/03 00:34 ID:fap+mpBj
>>179
先生、ご苦労様です

なんか最後のシーンがせつないですね・・・・・・・
妹・あいぼんにも近寄れない雰囲気・・・・・・これってまさか恋愛!?

これ以上妄想するのやめときます・・・・・・胸が張り裂けそうです・・・・・



脱退会見から丸一日経った訳ですが、私の方はなんとか立ち直れそうです
でも今後、後藤と一緒にいられなくなった、あいぼんが心配で眠れません・・・・・・何せ会見でも涙目でしたしね

いつも甘えられた人がいなくなる心境って一体どんなものなんでしょうね?
もう私も耐えられません・・・・・・・
181.:02/08/03 02:21 ID:uHc/Nhwx
お兄ちゃんに優しくされてる、のんタンにちょっぴりヤキモチあいぼん

ほのぼのしますね

のんタンが元気になったら二人で思い切り甘えてもらいたいですね
182 :02/08/04 12:31 ID:5dBDbXbG
モー娘。の魅力は
天才的な頭脳、パワーボイス、かわいらしい天然キャラ、
コーラス的な要素も持ったハモリ、華麗なダンス、
層のあつさ、完璧にこなすエリートの風格、
共感をえるつんくの作詞、固定ファン以外でもかなり支持される、
固定ファンが複数買うことはないがすごく売れる
ですか?
183名無し募集中。。。:02/08/05 00:27 ID:Gupsk6Jb
小説まだかー?
184.:02/08/05 02:23 ID:XgVGGYpK
小説はまだなのれすか?
185 :02/08/05 19:54 ID:Jna50FJW
小説まだですか?
もう次が待ち遠しくて・・・・
186なだ、そうそう:02/08/05 20:36 ID:fkAmYQ/S
せんせい。
お待ちしております。
187名無し募集中。。。:02/08/05 22:23 ID:Gupsk6Jb
また来ちゃたよ・・・・・・

先生の小説読めないと寝られないんだよな・・・・・・

先生、忙しいのかな・・・・・
188名無し募集中。。。 :02/08/06 08:32 ID:TrT/Th8Z

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190.:02/08/07 01:31 ID:ckGAx/4e
先生・・・・
マジどこいったの?
191名無し娘。:02/08/07 11:37 ID:hy0SrEAA

小さな不安感が、ウチの心の中で湧き上がってくる。
なんやろう、ウチが入り込めないこの雰囲気。
そして、ののの表情。それは、ウチには決してみせない表情やった。

気がつくと、おにいちゃんが診察を終えていた。そして、
あんまり来るのはようないで、結核病棟やからな、とウチの頭をぽんぽんと叩く。
はっと見上げると、いつもの優しいおにいちゃんが笑っていた。
ウチがボーっとしていると、ふわりと白衣の裾が揺れる。
おにいちゃんは頼もしげな大きな背中をウチらに見せながら、病室を出て行った。

「あ、おにいちゃん……」
おにいちゃんは、ウチが声をかけようとする間もなく、視界から消えてしまった。
小さく肩を落として振り返ると、ののがため息をついた。

「やっぱり、おにいちゃんっていいものれすね……」
そう言って、赤い髪飾りをみつめる。
「でも、のののおにいちゃんじゃないんれすよね……」
ののはもう一度ため息をつく。

ウチはその寂しげな表情をみて、一瞬嫉妬を感じた自分が恥ずかしく思えた。
そう、ウチはのののおにいちゃんになってくれと、ウチのおにいちゃんに頼んだ。
それをウチのおにいちゃんは約束どおり守ってくれとる。
なんで、そんなことを感じたんやろう。
ののは寂しいねん。そして病気で苦しんでるねん。
ウチが、ののを支えたらないかんねん。

「いや、のののおにいちゃんと思ってくれてええねんで」
ウチはそう言って、笑ってみせた。

するとののは、
「べつにいいれすよ。おにいちゃんじゃなくて」
と、笑った。
192名無し娘。:02/08/07 11:39 ID:hy0SrEAA
「えっ?」
ウチは訳がわからんかった。おもわず少し大きな声を出してしまう。
「しーっ。病室れすよ」
「あ、ああ。そうやったな」
ウチが不思議そうな顔をしていると、ののは、
「おにいちゃんじゃないほうが、いいときもあるのれすよ」
と、呟いた。
「な、なんやねん、それ?」
と、ウチが尋ねると、ののは、
「なんれもないれすよ」
と恥ずかしそうに、はぐらかす。

ウチは少しだけ不機嫌そうな表情を見せてみる。
するとののは、少し悲しげな顔をして、
「ののの立場はわかってるれすよ」
と、言った。

「立場?全然分かれへん。何言ってねん、のの。ちょっと変やで」
ウチはののの言っている意味が分からんかった。
そして、急に悲しげな表情になったののに少し驚いた。
193名無し娘。:02/08/07 11:40 ID:hy0SrEAA

「あいぼん……、でも少しぐらい夢見てもいいれすよね……」
ののは、小さく呟いてうつむく。その表情が切なくて、
ウチはわけもわからないまま、ええんとちゃうか、と答えた。

ののは、表情をぱっと変えると、
「そういえば、あんまりあいぼんは、ここに来たらいけないみたいれすね」
と、言った。
「あ、なんかそうらしいな。結核はうつるからやろ」
「そうれすよね。少し寂しいけど、しょうがないれす」
そう言って、ののは寂しげな微笑をみせる。
「あ、まあちょっとぐらいならええやろ。またこっそり来るわ」
「おにいちゃんに怒られないようにしてくださいね」
「うん」

ウチはそう答えると、病室を後にして、廊下に出る。

看護婦さんたちが、点滴を持ってあわただしそうに走りすぎていく。
詰所にはおにいちゃんたちが真剣な表情で、カルテを見ながら話し合っている。
緊迫した雰囲気が流れていることは、ウチにも分かった。

ここは、おにいちゃんの仕事場。そして、ののが治療を受ける場所。
生命が交錯し、闘う所。あるものは助かり、あるものは散ってしまう戦場。
ウチの来るところではないのは分かっていた。

あまり来てはいけないと、おにいちゃんに言われたこと。
結局分からなかった、ののの想い。
そして、入り込めない、おにいちゃんとののとの関係。
ウチは、もやもやとしたキモチのまま家路につく。

少し冷たい空気がウチを包む。そして目の前に広がった空をみて驚く。
薄暗い病院の中とはうってかわって、別世界のような綺麗な夕焼け。
そして、須磨の山々の間に広がる西の空と、神戸の海は橙色に染まっていた。

194名無し娘。:02/08/07 11:44 ID:hy0SrEAA
更新遅くて申し訳ないです。なにとぞご容赦を。
しかもストーリーがあまり進んでなくて、申し訳。

睡眠不足は体に悪いです。がんばって更新しますが、無くても寝てくださいね。
ただでさえ、この脱退再編騒動で寝不足になられているでしょうから。
195名無し募集中。。。:02/08/07 15:24 ID:GoYt/82J
更新お疲れ様です
小説書くのがどれだけ大変かよくわかっているつもりです
ゆっくり休みながら書いてくださいね
次回の更新も期待しています
196名無し募集中。。。:02/08/07 17:22 ID:VEZuYDDN
>>1 いい年こいて、モーニング娘。の良さが分からないのかよ(w
197名無し募集中。。。:02/08/07 21:50 ID:OezEwMS/
>>194
先生お忙しい中、大変ご苦労様です

確かにここ数日、再編成騒動で慌しい日々が続きましたね
とてもドタバタした一週間でしたが、この小説を読んで少し楽になれました(笑

次の作品も楽しみにしてますよ!!
198.:02/08/08 01:18 ID:xdSU97Ff
やった!!小説だ!!

のんタンやっぱり、あいぼんのお兄ちゃんの事が・・・・・
なんかせつないですね・・・・
これで二人が恋愛関係になればとても喜ばしい事なんだけどそうすると妹の、あいぼんが・・・・・

次が非常に気になります
199名無し娘。:02/08/08 11:49 ID:kco0nlXU

家に着くと、おにいちゃんの白い粉ぐすりのお陰で、体調の良くなった
おかあちゃんが、晩御飯の用意をしていた。
さばの味噌煮の甘い匂いがする。いつもなら、すぐにおかあちゃんのところへ
行って、御飯まだ?と尋ねるところやったが、なんかそんな気にならへんかった。

手を洗い、ちゃぶ台の前へ座る。そしてため息をつく。
一体、ののは何を考えてるんやろう。

ののの立場ってなに?
夢をみるって何?

ののは病気やねん。それも死ぬかもしれないほどの重症や。
そんな人間がどんな夢をみるんやろう。
助かること?治ること?
それは、きっとウチのおにいちゃんがなんとかしてくれるはず。
それはののもわかってくれて、信じてくれているはず。

ウチは思わず頭を抱えて、
「あー、もう、ようわかれへん!」
と、叫んだ。

すると、台所からおかあちゃんが顔を覗かせて、どないしたん、と聞いてきた。
ウチは、今日のいきさつをおかあちゃんに説明する。
しばらくしておかあちゃんは、台所で野菜を刻みながら、
「そうかあ。ののちゃんも女の子やからな」
と、笑った。
200名無し娘。:02/08/08 11:50 ID:kco0nlXU

「は?ウチも女の子やん」
ウチはおかあちゃんの言っている意味が分かれへんかった。
「そらそうや。せやけどな、ののちゃんも15歳やろ。もうええお年頃やしな」
「ウチかてそうやん。それにののより、大人っぽいと思ってるで」

それを聞いておかあちゃんは笑いながら、
「あんたは、好きな男の人とかおるんか?」
と、聞いてきた。

「は?」
ウチは驚いた。そしてなぜかおにいちゃんの顔が頭に浮かぶ。
思わず、それを打ち消しながら、
「そ、そんなんおらへんし。それに男の人なんておにいちゃん以外あんまり知らへんよ」
と、口篭もりながら答えた。
おかあちゃんは、台所からウチの顔をまじまじと眺めると、
「おかあちゃんがあんたの年ぐらいのときは、好きな男の子の一人や二人おったもんやけどな」
と呟く。
「そ、そうなんか。せ、せやけど、男の子の知り合いなんて殆どおらへんからしゃあないやん」
「戦争やったからなあ。まあ、ののちゃんも、ウチのおにいちゃんが初めて出会う
若い男の人やったんやろうな」
201名無し娘。:02/08/08 11:52 ID:kco0nlXU
「ええ?じゃ、じゃあ?」
ウチはそのおかあちゃんの答えに驚いて、思わず立ち上がる。
それを見て、おかあちゃんは笑いながら、
「ののちゃんは、ウチのおにいちゃんに惚れたんちゃうの?」
と言って、また台所に戻る。

「うそやん。ウチのおにいちゃんになんで惚れるん?」
ウチはようわからへんかった。おにいちゃんは、ののの主治医。
それに兄のような感覚で接しているはず。
せやのになんで、なんで好きになるん?

ウチが呆然とした表情をしていると、
おかあちゃんは笑いながら、
「まあ、わからんけど、ののちゃんも女の子やからね」
と答える。
そして、さあ、晩御飯できたから、冷めんうちにはよたべ、と
ちゃぶ台に食事を並べはじめる。

ののは、おにいちゃんのことが好きなんか?
それはウチが感じている好きとは性質の違うものなんか?
なんだか、頭が熱くなってきて、よくわからへんようになってくる。
そして、ウチはもうそれ以上何もおかあちゃんに聞かれへんかった。

おかあちゃんの作ってくれた、さばの味噌煮は甘辛くておいしかったけど、
なんだか複雑なキモチで、御飯をおかわりすることがでけへんかった。
202名無し娘。:02/08/08 11:59 ID:kco0nlXU
レス有難うございます。できるだけ頑張るつもりなんで、
連日の更新をしてみました。
でも、ずっとストックなしで書いているので、なかなか……。

どんな展開になって、どう決着をつけるか、
私にもわからなかったりします。申し訳。

お読みいただいている方、本当に有難うございます。
203名無し募集中。。。:02/08/08 16:44 ID:HCPG47CW
いつもいい文章有難うございます。
この小説の暖かい雰囲気が好きです。
焦らずマターリと書いていってください。
204名無し募集中。。。:02/08/08 22:38 ID:o++oNWzw
>>202
ああ・・・・・・やっぱりこの展開になったか・・・・・・

お兄ちゃんに惚れてる、のんタン可愛い!!

あいぼんも複雑そうだし・・・・・・・

大好きなお兄ちゃんと恋愛関係になるのって、あいぼんにしたら混乱しそうな事ですね(笑

でも普通の恋愛モノと違って温かい雰囲気ですね

次に期待します!!
205.:02/08/09 00:20 ID:ABbWw5Fw
ののに好きな人ができたとなると・・・・・
あいぼんは兄以外の男の子を見つけようとするのかな
でも兄に甘えてる、あいぼんが好きなんだよなぁ・・・・・
架空の物語なのに本気で考えちゃったよ(笑
206 :02/08/09 21:05 ID:fKW1JuSW
いい展開ですね。。
これからも先生にはがんばってもらいたいです。。
207名無し募集中。。。:02/08/10 16:38 ID:XgxYBBok
(●´ー`)<誕生日保全だべさ。
|彡サッ
208名無し募集中。。。:02/08/11 00:49 ID:AsdFH/Kn
保全age
小説待ってるでぇー
209名無し娘。:02/08/11 10:50 ID:bf6bP62Q

晩御飯を終え、雑用を済ましたウチはお布団に入る。
おかあちゃんが、おやすみと言って明かりを消しても、
きゅっと目を閉じても、なんだか眠られへんかった。

ののは、おにいちゃんが好きや。
ウチもおにいちゃんが好き。
せやけど、ののの好きとウチの好きは違うんか?

ののは、おにいちゃんに惚れてる。
惚れてる?ウチはおにいちゃんに惚れてるか?
でも、兄妹やん。そんな感覚になるのがおかしいわ。

そのときふと、おにいちゃんの笑顔があたまに浮かぶ。

のの、なんでやねん……。
なんでおにいちゃんに惚れるねん。
なんで他の人とちゃうねん。
210名無し娘。:02/08/11 10:51 ID:bf6bP62Q

そんなことを考えていたウチは、もう眠れなくなっていた。
どんどん、ののとおにいちゃんとの妄想が頭の中に浮かんでくる。

ののとおにいちゃんが恋人同士になってもええんやろうか。
ごはんができたのれすよ。
なんて言ってお口にあーん。なんてことしたりするんやろうか。

その姿を想像するだけで、なんか気恥ずかしかった。

「やっぱ、嫌やわ……」
ウチはぽそりと呟いた。

「何がや?」
「ええ?」
ウチは驚いて、飛び上がる。
ふとみると、暗がりの中におにいちゃんの影が動いていた。

「なんで、帰ってきたん?」
「あかんのか?」
「いや、あかんわけとちゃうけど」

そういって、着替えを済ませたおにいちゃんはお布団に入ってくる。

「嫌なことがあったら、ちゃんと言いや」
と、おにいちゃんは言いながら、ごそごそと掛け布団をかける。
「あ、うん……」
ウチはのののことを話そうかどうか考えていた。
211名無し娘。:02/08/11 10:52 ID:bf6bP62Q

おにいちゃんはののに惚れてるの?
のののことどう思ってるの?
ウチよりのののことが好きなん?

ウチはのののおにいちゃんになって、とは言ったけど、
ののの恋人になって、なんて言ってへん──

言うべきやろうか、言わないべきやろうか。
せやけど、ののがほんまに惚れてるなら、
ウチがこんなこと言ったらののに悪いし。

でも、嫌や。
ののじゃなくても嫌や。
おにいちゃんに恋人ができるなんて嫌や。

やっぱり、言おう。

そう思って、
「なあ、おにいちゃん……」
と、声をかけてみた。

「おにいちゃん?」
暫くしても返事が無い。小さな寝息をたてておにいちゃんは眠っていた。

なんやねん。嫌なことがあったら言えと、言ったんちゃうんか?
せっかくウチがずっと考えて、やっと言おうと思ったのに。

ウチは、おにいちゃんの寝顔を眺める。
疲れてはいるが、安らいだ表情。

ウチといると安心するんかな?
そんなことを思ってみる。

そしておにいちゃんの鼻をきゅっとつまんでみる。
しばらくして苦しげな表情をするおにいちゃん。
なんか、その顔が可愛らしくて、くすりと笑う。

「おにいちゃん……。恋人なんかつくっちゃ嫌やで……」

ウチはそう耳元で囁くと、おにいちゃんの体にぴたりと体を寄せて目を閉じた。
212名無し娘。:02/08/11 10:55 ID:bf6bP62Q
十日ぶりに添い寝です。
この後の展開はまだ決めてないので、なんとも……。

レス有難うございます。励みになります。嬉しいです。
213名無し募集中。。。:02/08/11 16:21 ID:97+d7wu6
添い寝久ぶりに
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!

あいぼんの切ない悩み…自問自答がいい感じです。それと、改行の仕方が上手くてこれまたイイ!
楽しみにマターリ待っています。
|彡サッ
214名無し募集中。。。:02/08/11 21:59 ID:AsdFH/Kn
>>212
先生、ご苦労様です
もう、あいぼんの健気な姿に胸キュンです!!
やっぱり大好きなお兄ちゃんを取られるのは辛いのかな・・・・・

激しく次の展開が楽しみです!!
215.:02/08/12 01:46 ID:IH7zyyTO
ののたんと仲良く『あーん』ってしてる場面も見たいけど、そんな事すると、あいぼんが寂しがるからなぁ・・・・・

三人仲良くできたらいいね
216名無し募集中。。。:02/08/12 16:16 ID:8EgyczNa
あいぼん、寝る前に兄ちゃんの鼻から手を離せ。
氏ぬゾ。
217名無し募集中。。。:02/08/13 18:28 ID:fI4OnWKP
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜
218:02/08/13 18:36 ID:hSa5ooOz
つづきまっとるよ
219_:02/08/13 18:39 ID:KW+8f9wu
糞スレ
トゥルル
220名無し募集中。。。:02/08/13 18:57 ID:+9Wl47zl
( ⌒ー⌒)<sageとくね〜
221名無し募集中。。。:02/08/13 23:09 ID:6x7wBwCC
先生の小説、凄い人気ですね!!
2chで、これだけ良い評判を受けられるのは先生の小説が優秀って証かも

激しく続き期待してます!!
222名無し娘。:02/08/14 13:02 ID:bhwiPx05


それから、暫くの時間が経った。
六甲の山々は白い帽子を脱いで、山肌は鮮やかな緑色に変わっていた。
神戸の海は相変わらず青くて、少しだけ強くなった日差しをきらきらと反射させていた。

ウチはあれからのののところへ行かんかった。
おにいちゃんが、あまり来たらあかんと言ったこと。
そして、おにいちゃんに惚れているののに、会うのがなんか嫌やった。

おにいちゃんは相変わらず急がしそうで、ウチがどうこう言う機会も無い。
ただ、ののの病状は相変わらず、良くなったり悪くなったりで、大変みたいやった。
でもおにいちゃんは、のののことについてはあんまり語ろうとはせんかった。

「来年から女学校に行くか?」
昼御飯を作っていたおかあちゃんが尋ねる。
暇つぶしにはじめた内職をしていたウチは、
「ええ?」
と、驚いた声を上げる。
223名無し娘。:02/08/14 13:03 ID:bhwiPx05

「学校にいきたいやろ?」
「ま、まあ。せやけど難しいやろ」
ウチは、自分の学力に自信がなかった。尋常小学校しか出ていない。
「やってみな、わからんろ」
おかあちゃんは笑いながら言う。
「まあ、考えとくわ」
ウチはそう答える。
すると、おかあちゃんは話を変えて、

「あんた、最近ののちゃんのところ行ってへんみたいやけど、どうしたん?」
「おにいちゃんが、あんまり来たらあかんて」
「そうか。せやけど寂しいやろな、ののちゃん」
「そ、そうやろな……」
ウチは内職の手を止める。

うん、あまり行かな過ぎるもの考え物や。
ののは、病気と闘ってるんや。
それに、おにいちゃんに惚れていることやって、もう気が変わってるかもしらん。
でも、なんか気乗りがしなかった。
224名無し娘。:02/08/14 13:04 ID:bhwiPx05

「うーん、どうしようかなあ」
「まあ、あんた次第やけどな」
おかあちゃんはそう言って、台所からお昼御飯をもってきた。
おいしそうな匂いが鼻をつく。

「あ、今日はなに?」
「コロッケやで」
「ほんまや!ごっつい久しぶりやん」

ウチは、はふはふと熱いコロッケを頬張る。
ジャガイモの少しだけ甘い素朴な味が口の中に広がる。

「おいしいな」
ウチはおかあちゃんにそう言うと、窓の外の景色をみる。
神戸の青い海はきらきらと光っていた。

青い海。

ウチは、もう一度ののにみせてあげると約束したんや。
それに、ののは、病院にいて、おいしいのも食べれへんのや。
そう、ののは、唯一の親友やんか。
やっぱり会いに行こう。

「ウチ、やっぱり行くわ」
ウチがそう言うと、おかあちゃんはにっこりと笑って、
「そうか」
と、答えた。

さっくりとしたコロッケと千切りのキャベツ。
たいした料理じゃないけど、病院の御飯よりははるかにおいしいはずや。
そうだ、ののに、持っていってあげようと、
ウチは半分を残して、お弁当箱に詰めた。
225名無し娘。:02/08/14 13:11 ID:bhwiPx05
レス有難うございます。もっと、ストーリーを動かさないと、
だらだらになってしまいますね。
226名無し募集中。。。:02/08/14 14:58 ID:tk2+EGZ+
だらだらでもいい。
たくましく育ってほすぃ。
227 :02/08/14 19:10 ID:WM6b517y
あいぼんとののたんはやっぱり仲良しでいてほしいです。
228名無し募集中。。。:02/08/14 19:29 ID:I7AKdGgz
更新
キタ━━( ⌒ー⌒)━( ⌒ー)━(  ⌒)━(   )━(⌒  )━(ー⌒ )━(⌒ー⌒ )━━━!!!!!
ののたんの病状も気になる。しかし、季節がまだ冬から早春って言うのをすっかり忘れてたよ(w。
おかあちゃんがなにげにいい味出してる。
作者さん、だらだらでもいいよ。
とりあえず、( ⌒ー⌒)<sageとくね〜
229名無し募集中。。。:02/08/15 01:48 ID:+Kw1lmx9
漏れも同じ意見
だらだらでもいいから、ほんのりと心が温まる仲良し小説書いて下さい

のんタンと、あいぼん・・・・・可愛い
230∬∬´▽`):02/08/15 17:53 ID:JyQyAvj2
∬ `Д´∬ウワァァン!
保全sage
231名無し募集中。。。:02/08/16 11:21 ID:s02byivA
お盆休みだけど気になって来ちゃいました(笑
先生もたまには休まないと体壊しちゃうからな

先生、タップリ充電してまたイイ小説書いてね!!
232名無し募集中。。。:02/08/16 18:43 ID:/qklVQmn
( ⌒ー⌒)<暑いから体調崩さないようにねぇ。ほ。
233 :02/08/16 19:25 ID:3rBg0azz
先生まってるぜ!
234:∬∬´▽`) :02/08/16 21:02 ID:hPnUPofr
急かせるような、ことわ、いたしません。
マターリ、保全。  ∬∬´▽`)

空腹は、最高の、調味料とか、・・・
235名無し募集中。。。:02/08/17 19:08 ID:Zrvqieg0
( ⌒ー⌒)<ほぜんだよ。
236.:02/08/18 01:14 ID:gksUbeqk
オイラも保全

あいぼんの天気予報見たいのでもう寝ます

あいぼんおやすみ
237名無し募集中。。。:02/08/18 21:06 ID:H6NhvWKE
( ⌒ー⌒)<ほぜんだよ。5時にめざまし無しでパッと目がさめたよ。
238名無し募集中。。。:02/08/18 21:32 ID:2aZvgzwF
あー24hの、あいぼんの最後の涙はよかったなー

先生、あの涙を流した表情見ましたか?
もう綺麗で可愛かったですよ!!
これで先生の小説パワーも倍増間違いなし!!(笑

小説、激期待してます!!
239名無し娘。:02/08/19 14:42 ID:b007lURx



病院は相変わらず薄暗くて、消毒液の匂いが鼻をつく。
夕方というのに、まだ沢山の患者さんたちが長いすに座って待っていた。
それをチラリと横目で見ながら、すこし埃っぽい外来の待合室を抜け、
のののいる病棟へと小走りで急ぐ。

「のの、久しぶり」
病室のドアをあけ、ウチはののを見た。

ののは、少しうつろな目をしたままウチをみる。
その表情は前にあったときとは違って、生気のないようにみえた。

「あいぼん……、久しぶりれすね」
そういって痛々しい微笑をみせる。
その表情が悲しげで、小さな不安がウチの胸をよぎる。

「ど、どないしたん?調子悪いん?」
「おにいちゃんからは聞いてないんれすか?」
「いや、なにも」
「そうれすか……」
ののはそう言うと、ウチから視線をそらし窓の外を見つめた。
こほこほと小さな咳をする。その後の言葉をウチは待ってはみたけど、
ののの口はそれ以上動く気配はなかった。
240名無し娘。:02/08/19 14:46 ID:cBa0KdwD

「あ、コロッケ持ってきたんや」
沈黙に耐え切れなくなったウチは、そう言って包みをあける。
おかあちゃんの作ってくれたコロッケ。半分しかないけど、
それでもきっと喜んでくれるはず。そう思っとった。

ののは、視線をお弁当箱に向けると、寂しげな微笑を浮かべて、
「有難う……。でも、頭が痛くて、あんまり食欲がないんれすよ……」
と、言った。その表情は本当に申し訳なさそうで、
かえって、ウチが悪いことをした気分になる。
「あ、ほ、ほんまか。そうやな、無理に食べることは無いと思うで」
「ごめんなさい」
「気にせんでええって。まあ気が向いたら食べてな」
ウチはそう言って、お弁当箱を包みなおしてベッドの横にある棚にそれを置く。
ののは、しんどそうな表情で有難うと言うと、
「ちょっと横になっていいれすか?」
と、言って目を閉じる。

「あ、しんどいな。ほなウチ、もう帰るわ。また来るし」
ウチがそう言うと、ののは目を開けて
「せっかく来てくれたのに……、ごめんなさい。ごめんなさい」
としきりに謝る。

「謝らんでもええって。ウチが勝手にきたんやし」
「でも、でも、来てくれてうれしいんれすよ。ごめんなさい。ごめんなさい」
必死な表情で謝りつづけるのの。
「そんなに謝らんといてな。別に気にしてないって」
ウチはのののそばに座ると、彼女の手をキュッと握った。
241名無し娘。:02/08/19 14:47 ID:cBa0KdwD

その瞬間、ゾクリと背中を不安な感情がはしる。
冷たく、細く、筋張ったようになっている手。昔はこんなんと違うかった。
もっと柔らかくて暖かかったはずや。
結核は確実にののの体を蝕んでいっているんや。

唯一の親友を冒している死の病。
それを再び自覚させるのに充分なほど、ののの体はやつれていた。

「のの……」
ウチはもうそれ以上なにも言えへんかった。
「……なんでこんな体になっちゃったんれすかね。情けないれす……」
そう言って再び目を閉じるのの。
そのとき、彼女の瞳から、一筋の涙がこぼれる。
ウチはそれをキュッとふくと、ののの手をもう一度しっかりと握り、
「頑張れ」
と、言った。それしか言えなかった。
力を分けてあげたかった。

ののはコクリと小さく頷くと、目を閉じたまま、
「ののは、まだ生きていたいんれす」
と、呟いた。
242名無し娘。:02/08/19 14:48 ID:cBa0KdwD

ウチはその言葉を聞いて少し安心する。
そう、ののは入院するまで、死ぬつもりでいた。
そして常に赤い髪飾りを握り締め、おにいちゃんの元へ旅立つ準備をしていた。
でも、今は生きていたいと言ってくれるようになった。
その理由は分からなかったが、そう言ってくれるようになってくれたことが嬉しかった。

ウチは力いっぱいののの手を握る。
治るように、退院できるようにと念を込めて。

「い、痛いれすよ……」
そう言って目をあけるのの。心なしか表情に生気が戻った気がした。
「治る。絶対治るんや。そしてまた一緒に遊ぶんや」
そう呟きながら、ウチは手を握りつづけた。

ののは、もう一度コクリと小さく頷くと、また目を閉じた。
そして、ウチの手をキュッと握り返してくれた。

気がつけば窓から見える空は青紫色に変わり、
病院の夕食の匂いが、病棟内に立ち込めていた。
243名無し娘。:02/08/19 14:50 ID:cBa0KdwD
レス有難うございます。だらだらですが、もしよろしければお付き合いください。
あと更新遅くて申し訳ないです。

あいぼんの泣き顔、みれなかった……。うpされてるのを探すことにします。
244 :02/08/19 19:20 ID:Td1b23Za
ののたん・・がんばれっ!
245名無し募集中。。。:02/08/19 19:23 ID:NwdFbOqj
更新
キタ━━( ⌒ー⌒)━( ⌒ー)━(  ⌒)━(   )━(⌒  )━(ー⌒ )━(⌒ー⌒ )━━━!!!!!
しかし、病状悪化!ヽ(TДT)ノ<の────んっ。のんちゃんがんがれ!

とことん付き合いますよ。更新遅くても気にしてないから大丈夫。
あいぼんの泣き顔見つけれなかったです。すみません。しかし、今日のスーパーテレビで
「完全密着!激走100q!西村知美の挑戦」って言うのがあるから、もしかして見れるかも…。
246名無し募集中。。。:02/08/19 19:25 ID:k2+BsFkw
( ⌒ー⌒)<sageとくね。ほんと、sageとかないと…。
247名無し募集中。。。:02/08/19 23:37 ID:bkM0gaY4
>>243
先生ありがとうございます
24hあいぼんの涙見逃しましたか(笑
どこかにうpしてあれば持ってくるのですが、まだ見つかりません
でもやっぱり涙流した、あいぼんはとても可愛かったですよ!!
本当、心の優しい子なんだなぁ・・・・・・・・

で、小説ですが・・・・・のんタンの病状が悪化ですか・・・・・・・
どうか、あいぼんの大切な友達を亡くす様な事だけはしないでください・・・・・・・・
また再び二人仲良く喋っていられますように・・・・・・・

オレもとことん付き合いますよ!!
どうか無理しないで下さいね

次に期待してます!!あいぼん&のんタンに幸あれ・・・・・・
248名無し募集中。。。:02/08/20 19:25 ID:HrGop0Yr
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
249名無し募集中。。。:02/08/21 19:42 ID:tcLJCAF/
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。あいぼん関西弁喋ってくれないかなぁ〜。と大きい独り言。
250名無し募集中。。。:02/08/21 22:36 ID:BU65LfJJ
>>249
あいぼんの関西弁はクリスマスのサンタネタ以来聞いてないな
オレも聞きたい


先生、忙しいのにこんな事言うのは気が引けるけど
小説期待してます!!
251名無し募集中。。。:02/08/22 18:52 ID:YVLrx4JQ
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
>>250 まぁここは焦らずに、マターリと待ちましょう。
252名無し娘。:02/08/23 15:03 ID:tCv+VAD0



それからウチは出来るだけお見舞いに行くようにした。
もちろん、行ったからと言って、ののが良くなるわけではないことは分かっていた。
それに、おにいちゃんは忙しそうで、夜話し掛けようにも、ほとんど帰ってこなくなっていたし、病院にいけばおにいちゃんに会えるかもしれんかったからやった。
でも、おにいちゃんとはめったに会えず、また会ってもめっちゃいそがしそうで、
話し掛けることもなかなかでけへんかった。
そして、ののの病状は良くなったり悪くなったりで、のの自身も不安げな言葉を漏らすことが多くなっていた。それをウチはただ励ますことしかでけへんかった。

そんなある日、ウチは病室の扉を開けると、目の前の光景に呆然とした。

「のの?」
ウチは思わず声を上げる。
数人の入院患者のいる病室。いつもと変わらない人たち。
でものののベッドだけが空になっていた。荷物も全てなくなっている。

「すみません、ののはどこに行ったんですか?」
ウチはそばにいた一人の女の人に話し掛けた。
色白なその人は少し悲しげな表情をして、
「個室に移ったよ」
と言った。
「な、なにかあったんですか?」
ウチが不安げにそう尋ねると、その人は、
「意識がなくなちゃってね」
と視線を下に落とした。
253名無し娘。:02/08/23 15:05 ID:tCv+VAD0
意識がないって?
なんで?なんで?
確かに頭が痛いとは言ってたけど、
そんなに悪いようには見えへんかった。
それに、おにいちゃんだって、おうちに帰らんぐらい一生懸命やってたのに。

うそや。なんで急にそうなるねん。
おにいちゃん、うそやんな。
のの、元気やんな?
震えだした足にギュッと力をいれ、うつむいているその女の人のそばへ歩み寄る。
「意識が無いって?どういうことですか?」
「なんかね、結核の菌が頭の中に入ったみたいだって、先生は言ってたけど」
「そんな……」
おにいちゃんが、そう言ったんや。
ほんまなんや。ほんまにののの意識が無くなったんや。
ウチの脳裏に思いたくない言葉が浮かんでくる。

ののが死んでしまう──

それを必死で打ち消しながら、病室を出て、
個室へ向かう。

結核。それは死の病。

ウチにも、おにいちゃんにもどうすることもでけへんの?
のののおにいちゃんは、ののを自分の所へ連れて行きたいの?

溢れて来そうになる涙をこらえながら、ウチはいくつもある個室の小窓を
覗いていく。
そして、一番奥の暗い場所にある個室の小窓を中を覗いたとき、
ウチの心に大きな衝撃が走った。
254名無し娘。:02/08/23 15:08 ID:tCv+VAD0

白い壁、白いベッド。そこにはののが横たわっていた。
おにいちゃんがののの背中に注射をしている。
でも、針をさしてもピクリとも動かないののの体。
そして、それが終わると沈痛な表情をして、看護婦さんなにやら会話をしている。
その雰囲気はとても緊迫していて、ののがほんとうに大変なことになっているのがわかった。

「うそや……、うそや……」
ウチはもう止められなくなった涙をそのまま床にぽたぽたと落としながら、
扉を開けた。
「あいぼん……」
こちらを振り返ったおにいちゃんはすこし驚き、そしてそのまま悲しげで悔しげな表情をした。
その表情をよみとって、さらにウチの心は締め付けられる。
ウチはのののほうへ歩み寄る。

色白な小さな体。酸素の管がののの口元につけられている。
そして、呼吸は一定のリズムを刻み、ただ眠っているだけように感じた。

「のの……、おきてえなあ……」
ウチはそっとののの頬に触れる。
暖かい感触が少しだけ伝わる。
「なあ、起きて……、起きてよう……」
そう言って頬を撫でる。しかし、顔をしかめようともせず、ののは眠ったままやった。

ほんまなん?なんでおきひんの?
なあ、はよ起きいや。うそやんな、うそやんな。

気がつけば、ウチはののの頬を叩いていた。
「起きて、起きて……」
そう呟きながら、叩きつづける。うっすらと赤くなるののの頬。
絶対起きるはず。そう思いながらウチは叩くのをやめへんかった。やめれへんかった。
255名無し娘。:02/08/23 15:12 ID:tCv+VAD0
そのとき、ウチの腕が動かなくなった。
おにいちゃんが叩いている腕をつかんだからやった。

「あいぼん、もうやめとき」
おにいちゃんはウチを抑えるようにして抱きしめる。
「嫌や、嫌や!」
ウチは首を振る。このままにしておくと、ほんまにののが死んでしまうように
思えて、ウチはおにいちゃんを振りほどこうとする。
せやけど、おにいちゃんはウチを離そうとはせえへんかった。
「あいぼん!」
おにいちゃんが大きな声をだす。
優しいおにいちゃんがめったに出さない、大声。
それを聞いて、ウチははっと我に返った。そして急に体の力が抜ける。
崩れ落ちそうになるウチをおにいちゃんはギュッと支えると、
「ののちゃんはがんばってるんだ」
と、搾り出すような声で呟いた。
それを聞いて、またウチの目からぽろぽろと涙がこぼれていく。

「おにいちゃん……、おにいちゃん……」
涙で言葉に詰まりながら、ウチはおにいちゃんの白衣をつかむ。
ウチは濡れたままの瞳でおにいちゃんを見上げる。
おにいちゃんはウチの目をきゅっとみつめると、小さく頷いた。
「いままで、おにいちゃんが嘘をついたことあるか?」
おにいちゃんは真剣な表情でウチを見る。

そう、いままでおにいちゃんは約束を必ず守ってくれた。
戦争のときもそうやった。
せやけど、今回は大きな不安がウチの心の中でへばりついていて、
どうにもならへんかった。

もう何も考えることも出来なかった。涙がとまらへんかった。
256名無し娘。:02/08/23 15:13 ID:tCv+VAD0
「おにいちゃん……、絶対助けてな……」
そう呟くと、ウチはそのままおにいちゃんの腕の中で目をつぶる。
おにいちゃんは、分かったと言うと、横にいた背の高い看護婦さんにガーゼをもらい、
ウチの涙を拭いてくれる。その感触はいつもの優しいおにいちゃんのものやった。
目を開けたウチは、ののの方をもう一度見る。

きちんと息をしつづけてくれているのの。
ウチが叩いた頬はまだ少し赤くて、そこに命があることを感じる。

──ののはまだ生きていたいんれす。

それを見て、前に聞いたののの言葉がウチには聞こえたような気がした。

そう、ののは頑張ってる。おにいちゃんも一生懸命やってくれている。
ウチが信じないでどないするねん。
絶対元気になってくれるはずや。

「信じてる。ののも、おにいちゃんも……」
ウチはそう呟いた。
それを聞いておにいちゃんも、看護婦さんもほっとした顔をした。
おにいちゃんはウチを立たせてくれると、今日はもう帰り、と言った。
そして、看護婦さんに、ここはもういいから、ウチと一緒に玄関まで
付き添ってくれるように頼む。
看護婦さんはおにいちゃんにお辞儀をすると、病室の外へ出て、ウチを手招きする。

ウチは、涙が乾いてかさかさになった頬に手を当て、ごしごしとこする。
少し、ぴりぴりとした痛みが走った。

そして、おにいちゃんの白衣の中は、あの白い粉ぐすりと同じ匂いがした。
257名無し娘。:02/08/23 15:21 ID:tCv+VAD0
更新遅くて本当に申し訳ないです。レス、保全本当に有難うございます。
あいぼんの涙をイメージして書いてみました。
期待に添えない展開だったらゴメンナサイ。
258名無し募集中。。。:02/08/23 20:48 ID:B2WAu+kK
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です
更新が遅くても本当に気にしてないから作者さんのペースでがんがって下さい。
話の展開も作者さんの思うままにお願いします。
季節の変わり目とか寒暖の差が激しい時なんかは病状や生き死にに大きく関係するから
ある程度覚悟はしていましたが…。あいぼんの純な涙、せつないね…。嬉しい涙もみたいけど…。
259 :02/08/23 21:18 ID:VZyr67fE
おれも涙してしまいました。
ののたん助かってくれるといいなぁ。
あいぼんがんばれ!
260名無し募集中。。。:02/08/23 23:46 ID:OJL7MOZ/
>>257
先生お忙しい中本当にご苦労様です

それでこの小説の感想なのですが・・・・・・

最後の方を読む頃にはパソのモニターが涙でゆがんでしまいました・・・・・・
どうか、あいぼんの大切な友達・のんタンを助けてあげてください!!
あいぼんの純粋な涙を蔑ろにはしないでください・・・・・・

お願いします!!
261名無し募集中。。。:02/08/24 19:29 ID:2zxGhbdP
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
>>260 気持ちはわかりますが、ここは作者さんに委ねて見守っていきましょうよ。
262名無し娘。:02/08/25 13:44 ID:XDX1nnv1

病棟を抜け、玄関へと向かう。患者さんたちはすでに殆どいなくて、
数人の入院患者さんがうろうろしているぐらいやった。
日はすでに傾き、埃っぽい空気があたりを流れていた。

のの……、死にたくないと言っていたやんか。
なんで、なんでこんなことになるねん。
おにいちゃん……、なんとかしてな。
絶対助けてな。約束やで……。

そんなことを考えながら歩いていると、なんだかまた涙が溢れてきた。
ふと、手をひいていた看護婦さんが立ち止まる。

「どうしたの?」
「い、いや、ちょっと……」
ウチはごしごしと涙を拭く。せやけど、涙がとまらへんかった。

「ちょっと、話そうか」
その看護婦さんは、ウチを患者待合の長いすへと連れて行く。
ウチもこのまま泣きながら帰るのはいややった。
263名無し娘。:02/08/25 13:47 ID:juB9T6td

しばらく、その看護婦さんにのののことについて話してもらった。
背の高い看護婦さんは飯田さんという名前やった。
ののの担当で、入院のときからずっと見てきたらしい。
病状は入院時よりは良くなっているが、いまは髄膜炎というとても重い
合併症が出てしまって、意識がないということやった。
「それで、意識はもどるのん?」
「……、普通は半々というところなの。もちろん、意識が戻っても脳に障害が残ったりすることもあるの」
「え?」
ウチはショックやった。半分の確立でののが死んでしまう。それどころか、助かっても、
頭がパーになってしまうかもしれんのや。
うるうると涙がたまっていく。
「う…、のの……、うくっ……、のの……」
気がつけば嗚咽を上げて泣き出していた。
飯田さんはウチの肩を抱くと、
「でもね、のんちゃんは絶対大丈夫だと思うの」
と、言ってウチにガーゼを渡してくれた。
その目線は優しげな中にも、しっかりとした確信があるように思えた。
264名無し娘。:02/08/25 13:48 ID:juB9T6td

「なんで?」
「のんちゃんはね、絶対生きていたいって私に言ってくれた。その理由もね」
そう言って飯田さんは微笑む。ウチは不思議そうな顔をして彼女を見つめていた。

「生きていたいというキモチがね、一番のお薬なんだ」
飯田さんはそう言うと、いすから立ち上がる。そして、
「絶対大丈夫だから。先生とのんちゃんを信じてあげて」
と、ウチの手を引っ張った。その感触は柔らかくて、あたたかかった。

ウチはコクリと頷くと、送ってもらったことにお礼をいって病院の玄関を出る。
いつしか涙はまた乾いて、ぱりぱりとした感触が両頬を刺激していた。

後ろを振り返る。優しげに微笑む飯田さんが手を振ってくれている。
そう、ののはこの人とウチのおにいちゃんに治療してもらっている。
そして生きることを決して諦めていない。
絶対助かる。そう信じてるで、のの。

ウチは暗くなった街を急ぎ足で通り抜けていった。
夜の神戸の海は、港の光を反射しながら、ゆらゆらと揺れていた。

265名無し娘。:02/08/25 14:20 ID:w7B7WkwK



しとしとと、雨が続く。アジサイの花は綺麗に色づき、近所の子供たちがかたつむりと
戯れている。
ウチは、ぽたんぽたんと家の中で鳴る洗面器に、うるさいなと
文句を言ってみたりする毎日やった。
そう、雨漏りなんて直るはずはなかった。
おにいちゃんは全く家に帰って来うへんかったし、
男手がないと、屋根の修理なんてできるはずもなかった。
だんだんと暑くなってきたにもかかわらず、一人で寝るお布団は、
なんだか冷たくて、寂しかった。

あれから、のののお見舞いにも何度か行って見た。せやけどののの意識は戻ることもなく、
飯田さんに、ウチが励まされることばかりやった。
だんだんと、痩せていくのの。たまに会うおにいちゃんの顔色もさえなかった。
ウチは病状について聞く勇気もなく、ただ、のののそばでその日会った出来事を
話してみたり、歌を歌って聞かせてみたりして、なんとか目を覚ましてくれることを祈るだけやった。

そんなある日のことやった。
266名無し娘。:02/08/25 14:20 ID:w7B7WkwK
ウチはいつものように眠ったままの、
ののに、たわいも無い話をしたあと、
「今日も、起きひんな……」と、ため息をついていた。
飯田さんが、しばらくするとやってきて、ののの体を拭いてあげていた。
ウチはそれを手伝いながら、
「痩せてもうたな……」と、呟いた。
飯田さんは、そうね、と答えると優しくののに話し掛けながら、
寝間着を元に戻す。まるで、いとおしい娘か妹にそうするように。
それをウチはみながら、二人の関係がとても暖かくて優しいものに感じた。

「飯田さん……。他の看護婦さんはそこまでせえへんのに、なんで?」
ウチは不思議に感じていた疑問をふとぶつけてみる。すると飯田さんは、
のののお布団を肩までかけると、寂しげな微笑をみせながら、
「私はね、みんなにこうしてるの。でもね、のんちゃんは少しだけ特別かな」
と、言った。
「特別?」
ウチは驚いた声をだす。飯田さんはしばらく黙って清拭の後片付けをすると、
「のんちゃんが、始めは死んでもいいと思ってたことは知ってるよね」
と、呟いた。
267名無し娘。:02/08/25 14:21 ID:w7B7WkwK

「あ、うん……」
ウチもそのことは知っていた。でもいつしか生きる希望をなぜか見つけ出し、
死にたくないと口にするようになっていた。

「でね、私たち看護婦も、先生たちもいろいろち生きる希望をみつけてあげようと思ったの」
そう言って飯田さんはねむりつづけるののの方を見つめた。
「担当だったこともあって、いっぱい話をしたわ。
あなたのことも、ふたりのおにいさんのこともね」
「ふたりって、ののとウチのおにいちゃん?」
「そう。でね、のんちゃんのホントのキモチがね、分かったの」
「ホントのキモチ?」
のののキモチ。それはののの生きる希望のこと。
ウチはぼんやりとしか見えていないそれについて、答えを知っている
飯田さんの顔を見つめる。

そのとき、がちゃりと扉が開く。婦長さんが入ってきて、
飯田さんに検査の介助についてくれるようにと頼んでいた。

「あ、ごめんね。ちょっと用事ができたから」
飯田さんはそう言うと、清拭の道具を持って部屋を出て行った。
268名無し娘。:02/08/25 14:22 ID:w7B7WkwK

「あ……」
ウチは答えを聞けないまま、去っていく飯田さんの後姿を見つめていた。
「なんやろう……」
ウチはののの方をみる。
「なあ、のの。なんで生きていたいと思うようになったん?」
そう問い掛けてみても、目を開こうとはしない。
「なあ、ウチには教えてくれへんの?」
そう言ってののの頬を軽くつねってみる。

──いたいれすよ。

「え?」
一瞬ののの顔が少し歪んだように見えた。
そして、ののの声が聞こえた気がした。
ウチは慌ててののの頬を叩く。
「のの?のの?」
しかし、何度叩いてもののが反応することはなかった。
「気のせいか……」
ウチは小さなため息をつく。
「ごめん、痛かったな」
そう言ってののの頬をさする。少し温かい感触が命のともし火を感じさせてくれる。

痩せて白く透き通った、ののの肌はとても綺麗で、
ものすごく美人にみえた。
269名無し娘。:02/08/25 14:23 ID:w7B7WkwK

日も暮れ始め、ウチは家に帰るために、眠っているののに挨拶をすると病室をでた。

「今日もおにいちゃんと会われへんかったな……」
ちょっぴり残念なキモチで廊下を歩いていると、詰所のまえで
一人の男の人がなにやら看護婦さんと話をしていた。
それをあまり気にもとめずに、通り過ぎようとしたときやった。

「ちょっと」
その男の人が声をかける。
「ウチですか?」
ウチは振り返り、その人をみるそのとき、その男の人の片足が無いことに気づく
「あんた、あいぼんとちゃうか?」
「え?」
270名無し娘。:02/08/25 14:32 ID:w7B7WkwK
レス有難うございます。嬉しいです。
展開はどうなるかまだ私にも分からないのですが、
よろしかったらお付き合いください。
271名無し募集中。。。:02/08/25 15:19 ID:BmglHrVE
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です
飯田さんの登場に癒されました。のんちゃんの希望…。マターリと付き合っていきますよ。
272名無し募集中。。。:02/08/25 22:03 ID:8zV5VPJR
>>270
先生、ご苦労様です
ついに、かおりんが登場しましたね(笑
でもキャラ的にピッタリかも

少しだけ、のんタンが反応したみたいだけど・・・・・・それれに、かおりんの言ってた生きる希望の意味も気になります

それよりも最後に出てきた謎の男・・・・・彼は一体何者なのだろうか!?
続きが気になります!!

次も期待してますよ!!
273 :02/08/25 23:08 ID:dY9Zfsmi
もしかして飯田さんとおにいちゃんがくっつくなんてことは・・・


ないよね。。
274.:02/08/26 02:05 ID:YOe/aFBs
更新ご苦労様です
飯田さんの言ってた、ののちゃんの生きる希望ってやっぱり・・・・・

ののちゃんの回復を祈ります
どうか助けてあげてください!!
275名無し募集中。。。:02/08/26 19:05 ID:2zjMz08B
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
276名無し募集中。。。:02/08/27 20:40 ID:75cGKBat
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
あの〜。クッキーっていちいち書き込むたびに設定しないとダメなの?
すみませんが教えてください。スレ汚しごめんなさい。
277名無し募集中。。。:02/08/27 22:38 ID:Gzo5hl4m
オイラも保全
先生、小説楽しみにしてるからね

>>276
ホットゾヌの場合は、書き込みウインドを一度閉じてリロードすればクッキーが新しく更新された事になるみたい
278名無し募集中。。。:02/08/28 07:59 ID:ipdtNcFd
( ⌒ー⌒)<>>276 ありがとう〜。
ieだから違うみたい。面倒でも、設定していくよ。このスレを保全していきたいから。
279名無し娘。:02/08/28 12:31 ID:8oSHVnfw

「あ!あのときのおっちゃんやん。どうしたん?」
ウチの心にあのときのことが鮮明によみがえった。
その人は、青い髪飾りをウチに持ってきてくれたおっちゃんやった。
「いや、いや、義足を作りにきたんや。で、あんたのおにいさんが勤めてるって話を聞いてな」
そう言って、おっちゃんは膝から下が無い足を振り上げてみせる。
「ほんまに」
「よかったなあ。あんたうれしいやろ」
「ウチもホントはあかんかと思っててんけど。
でもウチのおにいちゃんは約束守ってくれる人やから。で、会えたん?」
「いや、なんか忙しいらしくて」
「そうやねん。なんかめっちゃ忙しいねんなあ」
そう言ってウチは少し唇を尖らせる。
「あんたは元気にしてるんか?」
「ぼちぼちやね。ほれ、青い髪飾りもってるで」
そう言ってウチはぽけっとからそれを出す。
おっちゃんは懐かしいなといいながら、それを眺めていた。
ウチはそれを見ながら物思いにふける。
280nanasi :02/08/28 12:32 ID:8oSHVnfw
このおっちゃんは、おにいちゃんと同じ部隊にいた。
ということはのののおにいちゃんの部下でもある。
そう、ののの赤い髪飾りも持って来てくれた人や。
のののおにいちゃんにもお世話になったとのことやった。
でも、ののはいま命を削りながら一生懸命闘っている。
おっちゃんは、そのことを知っているのやろうか?

「あ、辻少尉の妹さんに、赤い方を渡してくれたか?」
おっちゃんは思い出したようにそう言った。
なにか心を見透かされたようで、おもわず驚いた表情をする。
「どないしたんや?」
「あ、うん……」
おっちゃんはウチの表情を見逃すことはなかった。
少し怪訝そうな顔をして尋ねる。

少し考えた後、ウチはゆっくりと、
「ののはな、いや辻少尉の妹さんは、いまここで入院してるねん」
と、答えた。
「なに?悪いんか?」
すると急におっちゃんは、声を荒げてウチの肩をつかんで叫んだ。
鈍い痛みが走る。
281名無し娘。:02/08/28 12:33 ID:8oSHVnfw

「おっちゃん、痛いって」
「あ、すまん。いや、驚いてな」
「ウチの方がおどろいたわ」
「すまんて。でどのぐらい悪いんや」
ウチは、その答えを告げることが出来なかった。

ののは、意識がもうない。のののおにいちゃんの部下であり、
その思い出を語ることの出来る人間と話すことはできないんや。
あんなに大好きだったおにいちゃんの話をしてくれる人が、
いま、すぐそこにいるのに。

おっちゃんはなおもウチにしきりに聞いてくる。
その勢いに押され、
「一緒にいこか……」
と、ウチは奥の個室を指差すと、おっちゃんとのののいる部屋へと歩き出した。

282名無し娘。:02/08/28 12:54 ID:8oSHVnfw
レス有難うございます。マターリお付き合いくださって嬉しいです。

おにいちゃんが飯田さんに恋愛感情をもち、あいぼんがそれにヤキモチを焼く。
そこにユウキの魔の手が……、という展開になったら「あいぼん☆下宿の娘。」の
完璧パクリですなあ……(w。

男の人は前スレの短編に出てきた人です。過去ログはこちら↓の736から。
http://cocoa.2ch.net/ainotane/kako/1014/10147/1014751964.html
多分、その前のお話は読まれないほうがよろしいかと。

クッキー、確かに一度設定させられましたが、今は大丈夫です。
うーん、何ででしょうね。プライバシーの設定の問題ですかね……。詳しくなくてスマソ。
いつもレス、保全有難うございます。
283名無し募集中。。。:02/08/28 19:46 ID:J9WryneM
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です
おっちゃんがのんちゃんの回復の助けになったらいいなぁ。

もう手遅れですよ(w。前の2作品を読ませて頂きました。「夏ry」は軽快で
関西弁が心地よくネタ満載で笑いました。「リュry」は考えさせられました。
しかし、同じ作者さんが書いているなんて思えないくらい凄かったです。
そんな作者さんと巡りあえて感謝です。

クッキーの設定が上手く行ったみたいです。
>277様、作者様どうも有り難うございました。
284ななし君:02/08/29 01:13 ID:CE6UGHC4
小説読ませてもらいました
せっかく少尉の妹さんと会うことができたのに、ののがあの有様では・・・・・

つづき楽しみにしています
285名無し募集中。。。:02/08/29 21:08 ID:T6PFJ05Z
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
286名無し募集中。。。 :02/08/30 01:49 ID:GUjovp3u
hozen
287名無し募集中。。。:02/08/30 19:04 ID:XyyOZI1i
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。「あいぼん☆下宿の娘。」も読んだよ。
添い寝。膝の上…。何だかきゅうぅぅとなるYO。
288 :02/08/31 17:24 ID:PQXy2kQ/
hozen
289名無し募集中。。。:02/08/31 18:34 ID:jfiggsq/
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
290ほぜん:02/09/01 02:26 ID:FxZTRBcE
ほぜーん
291名無し募集中。。。:02/09/01 19:21 ID:JPxfAz5q
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
292名無し募集中。。。:02/09/01 22:11 ID:PZs386jz
先生・・・・・寂しいよぅ

もう小説依存症です(w
293名無し募集中。。。:02/09/02 19:19 ID:jr3xJpvb
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
294 :02/09/02 19:34 ID:0DAfaNeR
先生どこいっちゃったの?
295 :02/09/03 01:04 ID:d1R4u/XF
hozen
296名無し募集中。。。:02/09/03 20:07 ID:IjmOKhj8
(;⌒ー⌒)<いつまでもあつい。
297名無し募集中:02/09/03 23:07 ID:RkehCeht
名無し娘。は、エロ小説を書いてるほうが(・∀・)イイ!!
298名無し娘。:02/09/04 17:37 ID:juNl3Wh8
PC不調にて書き込みができなくてすみません。保全ありがとうございます。
再インストールがもうすぐ終わりますので、今週中には再開します。
みなさん、バックアップはしっかりと取りましょう……。
299名無し募集中。。。:02/09/04 19:28 ID:Of7i9I0A
( ⌒ー⌒)<なんと…。
近況報告があってほっとしました。ありがとう。
300名無し募集中。。。:02/09/04 21:43 ID:NFP/n3Wx
>>298
ひぇ〜!!
再インストールですか!!
大変だろうだけど頑張ってください

私もバックアップはマメに取ろうと思います
301名無し募集中。。。:02/09/05 19:36 ID:+U+RA9dS
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
302名無し娘。:02/09/06 13:16 ID:Ho257TOJ

少し埃っぽい廊下を抜けて、奥の個室へ向かう。
そして、ウチはガラリとののの部屋の扉を開けると、
先ほどと同じように、やっぱりののは眠ったままやった。
「寝てるんか?」
不思議そうな顔をしておっちゃんは尋ねた。
ウチは、やっぱりそうみえるねんな、と思いながら小さくため息をついて、
「いや、ちゃうねん。意識がないねん」
と、答えた。

「なに?」
おっちゃんは声を上げると、のののほうに近づいた。
「綺麗な子やな。おにいさんそっくりや」
そしてそのままじっと顔を覗き込む。
「でもなんでこんな風に……」
おっちゃんは悔しそうにベッドの柵をたたく。

枕もとに置いてある赤い髪飾りがきらりと光る。
それはのののおにいちゃんがおっちゃんに託したものやった。
それをおっちゃんは手に取ると、
「少尉……」
と呟いた。
303名無し娘。:02/09/06 13:18 ID:Ho257TOJ

「おっちゃん。こういうことやねん……」
ウチはそういっておっちゃんを見た。

おっちゃんは声を殺して泣いていた。
男の人が泣くなんてめったに見たことが無かった。
ウチはどうしていいかわからず、その場で立ち尽くす。

暫く、おっちゃんの嗚咽が続いた後、
「少尉は……、立派な指揮官やったんや」
と、話し始めた。

辻少尉とおっちゃんとの思い出。それはおっちゃんが徴兵されて最初に戦った、
シンガポールでの出会いからやった。その後、戦況の悪化していている南洋への
出撃。そしてあの島での出来事。ウチのおにいちゃんとのののおにいちゃんと3人で、
よく日本を思い出しながら野営したこと。最後、自分が足を吹き飛ばされたとき、
自決を考えていた自分に、生きて日本に戻れと、髪飾りを渡されたこと。
おっちゃんの言葉の端々にのののおにいちゃんがどれだけ立派だったかということを
ウチに説明した。

ウチはだまって、それを聞いて頷いていた。その悔しげで時々詰まりながら話す
しゃがれた声が、またウチを悲しくさせた。

話が終わると、ウチはののの赤い髪飾り、そしてウチの青い髪飾りを並べて
おっちゃんの手のひらに載せた。

──それはおっちゃんと二人のおにいちゃんとの戦地での記憶。
304名無し娘。:02/09/06 13:18 ID:Ho257TOJ

しばらくそれを眺めると、おっちゃんは、
「少尉……。生きて日本に帰ってきました。でも、少尉の大切な妹さんは……」
そう言って、おいおいとまた泣き始めた。

「おっちゃん……」
ウチはそばにあった手ぬぐいをとろうと、ののの枕もとに手をのばす。
ふと、ののの顔が視界に入る。それを見て、ウチはおもわず、
「のの!?」
と叫んだ。
「どないしたんや?」
「おっちゃん、はやく看護婦さん呼んで!」
ウチは大きな声で叫んだ。

おっちゃんは慌てて病室を出て看護婦さんを呼びにいく。

「のの、のの!」
ウチはののの体を思いっきりゆする。

「どうしたの?」
そのとき、飯田さんがおっちゃんと一緒に駆け込んできた。

305名無し娘。:02/09/06 13:34 ID:Ho257TOJ

遅くなりまして、申し訳ございません。
保全本当にありがとうございます。
>>283
お読みいただいてありがとうございます。お恥ずかしい限りです。
>>284
放置っぽくなってしまって申し訳。
>>287
あちらはいい世界観もってますよねえ。
>>292
ごめんなさい。
>>294
帰ってきました。
>>297
はて、どの名無し娘。さんなんでしょう。
私じゃないはず。
>>299
お待たせして申し訳ないです。
>>300
300ゲットオメ。復活しますた。

こんな小説がHDにあると、パソコンを人に見せられないことに気づく罠。
いやね、不調の原因をたずねようと思ったんですけどね。
ヲタばれっちゃったスレのお世話にはまだなりたくないですから(w。
306名無し募集中。。。:02/09/06 20:41 ID:43fFxOum
( ⌒ー⌒)<復活御芽。更新お疲れ様です。
のんちゃん容態急変?!まだだ、まだ逝っちゃだめだのん!

そうですよね。パソを人に見せられませんよね。エチーな本をハケーンされるより
娘。の画像など…辛いものがありますよね(w。
307名無し募集中。。。:02/09/06 23:04 ID:4s98ZRO6
>>305
先生、久々の更新ご苦労様です

でも・・・・のんタンに一体何が!?
そんな・・・・マジやめてください!!
あいぼんの大切な大親友を、そんな・・・・・・・(涙

次回超期待してます!!
308名無し募集中。。。:02/09/07 18:45 ID:Ubb6bxni
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。マターリ
309名無し募集中。。。:02/09/08 13:42 ID:wTqoTIVx
ほぜん〜
310名無し募集中。。。:02/09/08 18:31 ID:h/UWNOWe
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。  タンポポ。やめちゃうあいぼん…ジワジワ来てます…。
311名無し娘。:02/09/08 22:43 ID:DLTIeSp1
おっちゃんは慌てて病室を出て看護婦さんを呼びにいく。

「のの、のの!」
ウチはののの体を思いっきりゆする。

「どうしたの?」
そのとき、飯田さんがおっちゃんと一緒に駆け込んできた。
「ののが……、ののが……、泣いてるねん」
ウチはののを指差す。
頬を伝う一筋の涙。それは明らかに閉じられたののの瞳から出たものやった。

「なあ、飯田さん。ののは、ののは聞こえてるんや。ウチらの話が聞こえてるんや!」
ウチはうれしかった。いくら話し掛けても反応のないのの。
しかし、今日はおっちゃんの死んだのののおにいちゃんの話を聞いて、
きっと泣いてしまったのだろう。
そう思いたかった。いや、そう思えた。
312名無し娘。:02/09/08 22:44 ID:DLTIeSp1

「起きて!起きて!おっちゃんがきてるねん。あの髪飾りを持ってきてくれた人やねん!」
そういってののの体を揺さぶりつづける。
「あ、揺らしたらダメよ」
飯田さんは、そっとウチの腕をつかむ。
「でも……」
「きっとね、聞こえてる。もしかしたら、意識が戻る前兆かもしれないわ」
「そうやんな。そうやんな」
「だからね、慌てないで待とうね。先生も新しいお薬を手に入れて、いろいろとしてくれてるし」
「そ、そうなん?じゃあ、治るん?」
「治ると信じないでどうするの?」
飯田さんは少し厳しい表情でウチをみつめる。ウチの倍以上ある、彼女の大きな瞳は
真剣で、曇りのないものやった。
「うん……」
「あとで先生に伝えておくから。もう遅いからね、早くおうちに帰った方がいいよ」
飯田さんはそういうと、ののの布団を直し、おっちゃんと一緒に病室を出て行った。

313名無し娘。:02/09/08 22:45 ID:DLTIeSp1
「のの……。ウチ、またおしゃべりしたいよ……」
ウチは手ぬぐいで涙でぬれたののの頬をぬぐう。

そして、身支度を整えると、眠りつづけるののに
「はやく、起きてな……」
と、つぶやいて、病室を出た。

なにか小さな期待感が芽生えていた。
ののが顔をしかめたとき、それはまだウチには期待のもてるものではなかった。
せやけど、おっちゃんの話のあと確かにののは泣いた。

反応が出てきた。よくなっているのは間違いない。
きっと治る。ののは必死で生きようとしている。
そして、のののおにいちゃんもきっと守ってくれている。
ののが泣いたのは、そしておっちゃんをこの場に連れてきてくれたのは、
のののおにいちゃんのおかげなんや。

病院をでると、すっかり日も暮れていた。ずっと降り続いていた雨はやんで、
大きな水溜りがあちらこちらにできている。
6月のじめじめとした空気が鼻の中をとおりすぎても、
雨あがりのべったりとした湿気がウチを取り巻いても、全然平気やった。

ウチは小さな確信をもって、真っ直ぐに家路に向かって歩き出した。
314名無し娘。:02/09/08 22:52 ID:DLTIeSp1
>>306
結局、娘。画像はすべてなくなってしまいますた。
まあ、もう誰にパソ見られても大丈夫です……。

>>307
こんな展開です。申し訳。

保全ありがとうございます。
315.:02/09/09 01:43 ID:6GGsodGj
>>314
先生ありがとうございました
のんタンに涙が出ましたか
あいぼんもさぞかし嬉しかった事でしょうね

この後のんタンと、あいぼんの運命は・・・

次回も期待してます
316 :02/09/09 11:12 ID:8JRdQFaE
先生がんが
317名無し募集中。。。:02/09/09 18:41 ID:0YcAxwcp
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です。
おっちゃんGood job!そして、のんちゃんは闘っている!大丈夫きっと大丈夫!
>>314
ご愁傷様です…。とにかく、イ`ですよ。
すぐに誰にも見せられないパソになると思います(w。がんがって下さい。
318名無し募集中。。。:02/09/10 19:04 ID:DtqWg3ch
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。番組表を見てみたらMusixであいぼんの爪が剥れるって
書いてあったけど…。心配です。
319名無し募集中。。。:02/09/11 18:40 ID:sJETitWX
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。 剥れちゃった…。
320名無し募集中。。。:02/09/11 23:17 ID:a3FoEyl5
ほぜーん
321名無し募集中。。。:02/09/12 19:30 ID:cixXk3By
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。花
322名無し募集中。。。:02/09/13 05:38 ID:W7FOb3jr
下宿完結保全
323名無し募集中。。。:02/09/13 19:49 ID:dS7mWy5h
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。畑
324鮭茶丸:02/09/14 06:04 ID:SOgl4aTL
旨い!1
完結前に読み始めた事を禿しく後悔。
作者&ののたん がんがって!!
325名無し募集中。。。:02/09/14 18:15 ID:U9iY9L8t
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。牧
326名無し募集中。。。:02/09/15 00:26 ID:VyRlxH4l
ほぜんだよーん!!
327名無し募集中。。。:02/09/15 04:08 ID:uh4+LrZQ
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。場
328名無し募集中。。。:02/09/15 07:44 ID:o/Q4ZdOc
( TーT)<>>327さん、とらないで下さい…。でも、気にしないで下さい。
329名無し募集中。。。:02/09/15 16:44 ID:Ymo2Sx+e
( ⌒ー⌒)<気を取り直して、ほぜんしとくよ〜。
330名無し募集中。。。:02/09/15 23:23 ID:CtOvTYC1
>>328 スマソ
331名無し娘。:02/09/15 23:36 ID:yT/sv9Bv



ジージーとあぶらぜみの声が、深い緑の六甲山に響く。
日差しは強くて、空が深い青色にそまり、
外に出ると、むわっとした空気が、ウチをつつんだ。

「今日はどないかな」
そうつぶやきながら汗ばんだ額を袖でぬぐい、病院へと向かう。
あれから、ののは刺激に対して反応をするようになった。
それがうれしくて、ついつい何度もののの頬をつねったりしていると、飯田さんや、
おにいちゃんに怒られてしまったりしていた。
でも、いつしかほぼ毎日ののの所へ行くようになっていた。

病室の扉を開ける。開け放たれた窓からは少しだけ海の匂いのする風が
薄汚れたカーテンを揺らしていた。そして、ののの髪の毛もその風で少しだけゆれている。
ウチはいつものようにののの横に座ると、近所の人からもらった教科書を開いて、
それを読むでもなし、眺めるでもなしに、ただぱらぱらとめくっていた。

332名無し娘。:02/09/15 23:37 ID:yT/sv9Bv

「……、ウチほんまに女学校うかるんかいな」
それは、おかあちゃんがどうしても学校に行くようにといったからやった。
正直、そんなに勉強したいわけではない。
でも、働き出したら忙しくて、のののそばにいてあげることができない。
だから、ウチは受験することを選んだ。

「さっぱりわかれへん……。やっぱり誰かに教えてもらわんとな……」
そうつぶやいて、ぽんとののの布団の上に教科書を投げたときやった。
がさがさっと教科書を投げたにしては大きな音が布団からした。

「ん?」
ウチは不思議そうにののの布団をみると、ののの白くやせ細った腕が
布団から出ているのが見えた。
それに気づいて慌ててののの顔を見る。
「のの!?」
ウチは思わず大きな声をあげた。
333名無し娘。:02/09/15 23:38 ID:yT/sv9Bv
ののはその瞳をぱっちりと見開いて、天井を見つめていた。
ウチはののの顔を覗き込むようにして、その視界に入ってみる。
すると、焦点の合っていなかった二つの瞳は、ゆっくりとウチの瞳の方向へと動いた。

「のの、起きたん?」
不思議な気持ちやった。
あれほどにまで待ち望んでいた、意識の回復。
もっと驚いたり、感動したりするもんかとおもっていた。
せやけど、それは普通に眠っていた友人が、普通に目を覚ましたような感覚で、
とてもあたりまえの出来事のように感じた。

ののは、しばらくぴくりとも動かないで、ただウチの瞳を見つめつづけていた。
そして、震える唇をゆっくりと動かそうとした。
  
「おはようさん」
ウチはそういって笑いかけた。
ずっと待ちつづけていたこと。でも特別なんかじゃない。
起きるべくして起きたんや。あたりまえなんや。

ののはゆっくり体を動かそうとするが、思うように力が入らない。
口元が何かを伝えようとしているが、声にはならなかった。
「無理せんほうがええんとちゃうか?」
「……」
ののは無言のまま視線を宙にさまよわす。
「ちょっと看護婦さん呼んでくる」
ウチはそういって、詰め所へと向かった。
334名無し娘。:02/09/15 23:59 ID:RTehQ6G9

飯田さんと、ウチのおにいちゃんがやってきた。
おにいちゃんは、ののの診察をはじめる。
すると、ののの頬に赤みがさして、少し恥ずかしそうな顔をした。
それは、先ほどとは違って、ただ目を開けた心のない人形とは違って、
明らかに感情が存在するものやった。
それは、意識のなくなる前から、おにいちゃんだけに見せる、
ウチには見せたことのないあの表情やった。

「名前、言える?」
「……、ついのろみれす……」
「頭とか痛いところないですか?」
「……、すこし……。せんせい……」
診察を続けているうちにののの瞳から涙があふれていた。
「……うっく、……ありがとう……」
ののは目を閉じる。その瞬間たまっていた涙が一気に彼女の頬を伝う。
それをみて飯田さんがののの頬を拭いた。
その手つきはとてもやさしくて、暖かい色が見えた気がした。

おにいちゃんは、ののに、お薬も効いていますから、がんばって、と言うと、
ウチの前に立ち、
「もうちょいや」
と頭をなでてくれた。
335名無し娘。:02/09/16 00:00 ID:p8nbas6u

ウチは思わずどきりとする。それはとても久しぶりで、
いつものようにやさしくて頼もしかった。
でも、なんでかわからないが、
むかしのように、そのやさしさに甘えてしまってはいけないような気がしていた。

ののの意識が戻ったのは確かにうれしくて、たくさんおしゃべりをして、
いっぱいお菓子を食べて、と思ったりする。
でも、おにいちゃんに対するののの姿をみると、ちょっぴり複雑やった。

ウチはののの気持ちに気付いていたのかもしれん。
ただ見えない振りをしていただけなのかもしれん。

「あいぼん……、いろいろとありがとう」
おにいちゃんと、飯田さんが病室を去ってしばらくすると、
ののは、小さな声でそうつぶやいた。

「ん?別になにもしてないよ」
ウチはそう答える。
「ごめんなさい。いろいろと心配や迷惑を……」
「ええて」
ウチの返事を聞いて、ののはゆっくりと笑う。
「ありがとう……」
そして、吐き出すような声でそうつぶやいた。
その笑顔は女のウチからみても、ドキッとするほどかわいらしくて、
純真で、すべてを許してあげたくなるようなものやった。
336名無し娘。:02/09/16 00:01 ID:p8nbas6u

別に、ののがおにいちゃんを好きでもええやんか。
ウチとののが友達であることに代わりはないやん。
そんな想いが、ウチの心を支配する。

のの、お帰り。
ウチも、おにいちゃんも、飯田さんもみんな待ってたで。
これから、早く良くなって、いっしょに遊ぼうな。


「早く良くなってな」
ウチは、ののの手をキュッと握る。
すると、ののはゆっくりとその手を握り返してくれた。

ふわりとカーテンがゆれる。あいた病室の窓から、
少しだけ涼しくなった風が、ウチら二人の間を流れてった。

337名無し娘。:02/09/16 00:07 ID:p8nbas6u
>>315
のの復活れす。
>>316
がんがります
>>317
もうすでに人に見せられなくなりますた(w。
>>318-323、325-330
保全ありがとうございます。
>>324
どうもありがとうございます。よろしかったらお付き合い下さい。
>>327-330
ワロタ。祝、花畑牧場完成。ひ辻最高。
338.:02/09/16 03:43 ID:2Od8OrdY
>>337
先生ご苦労様です

やっとのんタンに意識が・・・・
もう嬉しくて涙が出ました

あいぼんよかったね!!

早く続きが読みたいです
次回期待してます!!
339名無し募集中。。。:02/09/16 18:15 ID:8qU+/XoF
ののたんフカーツおめほぜむ
340名無し募集中。。。:02/09/16 18:38 ID:9rd2pXkM
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です。
のんちゃんよくがんがった。あいぼんもよくやったそして気持ちも成長した。
>>337 やはりパソは人には弄らせられませんね(w。ひ辻最高ですよ。
>>330 これからもお互い保全をがんがってしていきましょう。
341330=339:02/09/16 19:21 ID:Dtq8HgzB
>>340 アーイ!
342名無し募集中。。。:02/09/16 22:18 ID:WPnN9OwK
>>337
やったー
ののちゃんが復活した!!
これであいぼんにも明るさが戻ったね

先生ありがとう!!
343名無し募集中。。。:02/09/17 18:21 ID:J+p6ilXX
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。あいぼんの関西弁聞けた!
344名無し娘。:02/09/18 11:43 ID:K6HPP3oB



9月になっても、まだまだ暑い日が続いていた。
おにいちゃんは、相変わらず全然家に帰ってこなくて、
おかあちゃんも、ウチも、戦争にいってるのと変わらんな、なんて、
言ったりしていた。でも、やっぱり男の人が家にいると、
安心で、おにいちゃんの稼ぎもあって、それなりに楽しく暮らすことができた。

ののの病状は大分良くなったみたいで、最近では病棟を歩けるようになっていた。
これなら、治るんやろな。おにいちゃんはやっぱり約束を守ってくれる
そんなことを思いながら、この日もののの見舞いにいった。

病棟にはいると、ののは休憩所の長いすで、なにやら飯田さんと話し込んでいた。
「……、怖いれす」
ののが小さく震えていた。飯田さんはののの肩をやさしく抱きしめながら、
「がんばらないと」
と答えていた。
ウチは、なにか良く分からないまま、二人のやり取りを遠くで聞いていた。
ののは、不安げな瞳で飯田さんを見上げると、
「どうしても、手術しなければいけないんれすか?」
と、尋ねた。
345名無し娘。:02/09/18 11:44 ID:K6HPP3oB


手術?なんのこと?
だって、もう歩けるようにもなって、お薬も効いているはずやんか。
ウチは、思わず大きな声をだした。

「手術するん?」
「あいぼん……」
ウチに気付いたののは、ちょっぴりばつの悪そうな顔をした。
「なんで?なんでなん?」
「それは……」
ののは、口篭もる。
それをみた飯田さんが、おにいさんに聞いてないの?と尋ねた。
「いや、全然ウチに帰ってこうへんし」
「そう……」
「なんで?なんで?」
ウチは飯田さんのそばに駆け寄って、彼女の肩をゆする。

「ののちゃんのね、肺の部分が悪くてね、そこを切り取らないと、なかなか良くならないの」
「え?」
ウチはののを見る。するとののは、悲しげな表情をして、首を縦に振った。
「ほんまなんか……。で、したら治るの?」
「上手くいけば」
飯田さんは真剣な表情でそう答える。
「上手くいかんかったら?」
ウチはそう尋ねたが、飯田さんはそれ以上なにも答えんかった。
そして、ののの体は小さく震えつづけていた。
「そうか……」
ウチはその姿を見て、それ以上なにも聞けなかった。
346名無し娘。:02/09/18 11:45 ID:K6HPP3oB

しばらくして、ののは大きく息を吐くと、
「手術、おねがいします」
と、飯田さんに向かってはっきりと言った。
すでに、ののの震えはとまっていた。
「どうしたの?急に?」
飯田さんがそう尋ねると、ののは、あの、おにいちゃんにいつも見せる表情をして、

「手術しないと、なおらないんれす。ののは、なおりたいんれす」
そうつぶやいた。

「でも、手術したらもしかするかもしれへんのやろ?」
ウチは不安やった。お薬で粘れるのやったら、そのほうがいいのかもしれん。
そう思っていた。
「早くなおりたい。元気になって、先生に……」
と、ののはいったところで、はっとした表情でウチをみた。
「なんでもないれす」
そういって恥ずかしそうな顔をするのの。
その雰囲気がなんかいじらしくて、昔感じていた軽い嫉妬はどこかへ飛んでいっていた。
347名無し娘。:02/09/18 11:46 ID:K6HPP3oB
「わかってるよ」
ウチはそういって笑う。
「え?」
急に真っ白だったののの頬が赤く染まる。
「な、なにがれすか?」
「ウチのおにいちゃんのこと、好きなんやろ?」
「え?いや、そ、そんなこと……」
ののは慌てて、飯田さんの顔をみる。
すると飯田さんは、もう言っちゃえば、と言った。
それを聞いて、ののは、
「うん……」
と、うつむいた。
それを聞いて、飯田さんの言っていた、ののの生きて理由が
完全に分かった。

ののの生きていたい理由って、おにいちゃんやったんやな。
そして、おにいちゃんと一緒にいたい理由だけで、
意識が回復したり、手術を決意したりできるんやな。
なんか、それがとてもすごく思えたのと、
逆にそんなことで、人って変われるんや、
ということが同時に思い浮かんで、なんか笑えてきた。

「お、おかしいれすか?」
「いや、ごめん、ごめん」
「ののの立場はわかってるれすよ」
「そんなん、気にせんでええって。しかし、ののも単純やな」
「え?なにがれすか?」
ののは、不思議そうにウチと飯田さんをみる。
すると、飯田さんは、ウチにむかって、
「でも、人ってそんなものなんだよね」
と、微笑んだ。
348名無し娘。:02/09/18 12:10 ID:K6HPP3oB
>>338
こんな展開になりました。
>>339
ありがとうございます。
>>340
パソは携帯以上に人に見せられないです。
>>341
ありがとうございます。
>>342
どういたしまして。
>>343
保全ありがとうございます。

レスありがとうございます。うれしいです。
349名前くださいな!:02/09/18 17:02 ID:5PqTE/pk
この小説での、のの節が戻ってきましたね
少し大人になったあいぼんもイイ!<作者さん
350名無し募集中。。。:02/09/18 19:11 ID:4YEjEXvb
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です。
手術ですか…。power of loveのんちゃん!夢はかなうよ。いや夢じゃない!
>>348 実際ののんちゃんは肉にくニクと騒ぎ過ぎですた(w。
351名無し募集中。。。:02/09/18 20:32 ID:od4H+JnS
交信おつです。
>>350 あれは流石にどうかと…。
編集した奴ら(と、それを指示した奴ら)が悪い!
352.:02/09/19 01:25 ID:LlUB2hZL
先生お疲れ様です
のんタンがラブラブモード突入!!
何かドキドキしますね!!

あいぼんの甘えん坊もいいけど、たまにはこんな展開もいいかもね(笑

次は、あいぼんに好きな人が!?

続き期待してます!!
353名無し募集中。。。:02/09/19 18:39 ID:biRiSJ15
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
354名無し募集中。。。:02/09/20 00:19 ID:GjNPiFjO
つぎのうたばんはとくばんでたんぽぽがでるらすぃー
でもいいらさんもやぐたんもあいぼむもでない…
あのよにんでとーくになるのだろうか?
とりあえずみるけどなー
で、保全だコノヤロウ!!
355名無し募集中。。。:02/09/20 20:28 ID:Sxkex6Zs
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
356名無し募集中。。。:02/09/20 22:41 ID:bAPfdDLX
   ,rn
  r「l l h
  | 、. !j
  ゝ .f         _
  |  |       ,r'⌒  ⌒ヽ、   
  ,」  L_     f ,,r' ̄ ̄ヾ. ヽ. 
 ヾー‐' |     ゞ‐=H:=‐fー)r、)      
  |   じ、     ゙iー'・・ー' i.トソ ほぜんするニダ
  \    \.     l、 r==i ,; |'  続き期待してるニダ
   \   ノリ^ー->==__,..-‐ヘ___
     \  ノ ハヽ  |_/oヽ__/     /\
      \  /    /        /  |.
        y'    /o     O  ,l    | 
357名無し募集中。。。 :02/09/21 13:00 ID:YHyYldEm
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
358名無し募集中。。。:02/09/21 14:17 ID:QGODmtna
「( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。」さん、
あげちゃうの〜?
359名無し募集中。。。:02/09/21 15:29 ID:OLJV+4o2
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
あの、自分ではありません。やはり、こういう事が起きてしまいましたか…。
もう、( ⌒ー⌒)←は使いません…。陰ながら応援します…。
作者さんいい小説を有難う。これからもがんがって下さい。
小説を読んでいつも、暖かい気持ちになっていました…。ありがとう。
では、もう逝きますね。
スレ汚し申し訳ありませんでした。
360名無し募集中。。。:02/09/22 02:07 ID:rShX4jEi
>>359
俺がいうのもなんだが、そんな気にしなくていいと思うぞ。
361名無し募集中。。。:02/09/22 05:23 ID:ra5YSnrZ
>>360 禿銅
362名無し娘。:02/09/22 12:04 ID:ll5mVp3W

「そんなもんなんか」
ウチはふーんとうなずく。
「そう。それがね、恋のチカラなの」
飯田さんは、少しうっとりとした表情でそうつぶやいた。
「恋のチカラかあ」
ウチがそういってののを見ると、ののは、
「恥ずかしいれすよぉ……」
といって、両手を振りながら顔を赤くした。

「ごめん、ごめん」
飯田さんは笑いながらののに謝る。
ウチはそんな二人のやり取りがなんだか面白くて、
ちょっぴり、お姉さんがほしくなった。
363名無し娘。:02/09/22 12:05 ID:ll5mVp3W

そんな話しをしていると、二人のお医者さんが
目の前を通りかかる。その一人がおにいちゃんやった。
「あ、おにいちゃん」
ウチは、声をかける。
おにいちゃんは、こちらを振り向くと、軽く手を上げた。
ウチはおにいちゃんを呼ぶ。おにいちゃんは、前を歩く髪の毛の長い
お医者さんに、一言断ると、こっちにやってきた。

おにいちゃんは、ののに気付くと、どうですか?と優しい声で尋ねる。
すると、ののは頬を桜色に染めて、大丈夫です、と答えた。
その表情がまたいじらしくて、可愛かった。
飯田さんが、ののの背中を軽く叩いて、
「先生に、言うことがあるでしょ」
とささやいた。
364名無し娘。:02/09/22 12:06 ID:ll5mVp3W

ののは、しばらくうつむいた後、
キュッとおにいちゃんを見つめると、
「先生。手術を受けることにしたのれす」
と、言った。
その瞳は、真剣で、強い意志があるように感じた。

おにいちゃんは、分かりました、というと、
ののの頭をいつもウチにするように、くしゃくしゃとなでて、
頑張ろうね、と微笑んだ。

ののの頬は、桜色から、真っ赤に変わって、
恥ずかしそうに、うなずいた。

「で、あいぼん、何の用やねん?」
おにいちゃんは、不思議そうに尋ねる。
「あ、えーと……」
ウチ、なんでおにいちゃん呼んだんやろ。
そんなことを考えながら、おにいちゃんを見つめてると、
おにいちゃんは、なんや、ただ呼んだだけか?と笑った。

「別に用がなくてもええやん。めったに帰ってこうへんのに。
たまには帰らんと、おかあちゃんが寂しがるで」
ウチは、少し唇を尖らせる。

寂しいのはおかあちゃんだけちゃうけどな。
ウチも寂しいんやで。
でもな、おにいちゃんが、ののや、ほかの患者さんのために
一生懸命働いとるのは分かってる。
せやから、ウチは文句はいわへん。
でも、やっぱり寂しいで。
365名無し娘。:02/09/22 12:08 ID:ll5mVp3W

すると、おにいちゃんは、ウチの頭をいつものようにくしゃくしゃとなでて、
すまんな、とつぶやいた。
その感触が、優しくて、暖かくて。胸がきゅんとなった。

この感覚はののと同じ何やろか。
ウチはおにいちゃんが、好きや。
ののも好きやと言っている。
でも、ののの好きは「恋」。
ウチの好きとはちょっと違う。
恋するキモチってどんなんやろう。
人を好きになるってどんなんやろう。

そんなことを考えていると、おにいちゃんは少し急いだ様子で、
ウチらの元から去っていった。

366名無し娘。:02/09/22 12:23 ID:ll5mVp3W

「なあ、のの。ののは自分のおにいちゃんのこと、好きやったやろ?」
「あ、うん。大好きれすよ」
「それは、ウチのおにいちゃんが好きなのとどう違うの?」
「え?うーん……」
ののは、ちょっと悩んだ顔をする。
飯田さんはくすくすと笑いながら、それを見ている。
そして、そのままののは
「難しい質問なのれす……」
と、つぶやいたまま、うんうん唸っていた。

「加護ちゃんも、そのうち分かるときが来るよ」
飯田さんはくすくすと笑ったままウチに言った。

ウチは恋をするんやろうか。それはどんなキモチなんやろうか。
そして、まだ、一生懸命考えているののが、
なんだか、ちょっぴり大人に見えてうらやましかった。
367名無し娘。:02/09/22 12:24 ID:ll5mVp3W
>>349
ありがとうございます。実際のののとは、違ってきてますね……。
>>350
今は結核で手術なんて、まずしないんですけどね。
>>351
番組上のキャラが決まってますからね……。
>>352
どうなるんでしょう。というか、添い寝はどこへやら?(w。
>>353-358
保全ありがとうございます。
>>359
私が言うのもなんですが、まったく気にする必要はないかと。
>>359−360
加護同。( ‘д‘)<いや、禿げてへんて。
368名無し募集中。。。:02/09/22 18:43 ID:lO7xtikf
>>360 >>361 >>367
ほんとうに有難うございます。色々あって自分自身を追い詰めていました…。
前言撤回!(はやっ)フカーツ!
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です。
飯田さんとのんちゃんが微笑ましいですね。のんちゃんのてへてへ具合の表現もイイ!
少し大人になったあいぼんも恋についてはまだまだお子様なんでしょうか?
実際ののんちゃんは腕相撲最強なんですが…(w。(またこのパターン)
369名無し募集中。。。:02/09/23 03:50 ID:Jlp5zxpf
>>368 フカーツおめ。
じゃねーや、作者さん更新乙!
ごちーんをブチ負かす力強い現実と、
死線をさまよう小説上のののたん…。
このギャップがまた、イイ!

TXの卒スペ、I wish の真ん中へんで、
皆で右手(?)上げてポーズ決めるトコで
鼻水すすり上げてたあいぼん萌えますた。
370名無し募集中。。。:02/09/23 16:25 ID:G3n1o/K1
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ごっちん誕生日おめ。卒業おめ…。
371名無し募集中。。。:02/09/23 23:40 ID:z/dJ81v9
>>367
先生、遅れましたがご苦労様です
のんタンすっかり不安が解消されたみたいでよかったですね

さて、あいぼんは本当の恋愛と言うものを知るのはいつになるのか・・・・・

次も頑張ってください
372名無し募集中。。。:02/09/24 19:16 ID:kXwH/Iv/
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。キ
373トラトラトラ:02/09/25 01:26 ID:zdwk/qpY
先生天才
3741000get:02/09/25 08:42 ID:3uGgxDVW
http://www2.ezbbs.net/40/upup/
ここにうpして
合計200KBまで 画像掲示板 4554
375名無し募集中。。。:02/09/25 18:27 ID:YeJIDseS
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ダ
376名無し募集中。。。:02/09/26 18:37 ID:vgUZ8vDS
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。タ
377名無し募集中。。。:02/09/27 18:13 ID:8Kl+jUS+
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ロー
378名無し募集中。。。:02/09/27 22:43 ID:tSmzGx/U
先生どこいっちゃったの?
379名無し募集中。。。:02/09/28 18:56 ID:H48TBh6I
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
380名無し募集中。。。:02/09/28 23:19 ID:TG7cj201
>>378 もじもじくん見て、萌え死にしてなきゃいーが…
381名無し募集中。。。:02/09/29 16:12 ID:Rm6FZwbY
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
>>380 あの禁断の”桃”に常軌を逸してしまったのかなぁ…。
382名無し募集中。。。:02/09/29 20:40 ID:w3wjDRHG
>>381 桃キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!
383名無し募集中。。。:02/09/29 20:54 ID:wLop7l0M
>>382
かわいい桃だったね
癒されますた
384名無し募集中。。。:02/09/30 12:17 ID:zq6uaM8z
>>383
逆に毒された気分
あと1年はあいぼんをやめられなくなった
385名無し募集中。。。:02/09/30 18:24 ID:QnnObKrz
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
>>384 それが禁断の果実”加護桃”の有情の罠。
386名無し娘。:02/10/01 11:23 ID:iMTj5E7F

秋が深まり始め、六甲の山々が、また赤や黄色に色づき始めたころ、
ののの手術の日が決まった。
体調のほうは問題もなく、あとは手術さえ成功すれば、良くなるだろうとのことやった。

ウチは、女学校へ入るための勉強を本格的にやりながら、ののの見舞いも
できるだけいくようにしていた。

「あれ?ののは?」
ウチは病室にののの姿がないことに気が付く。
「あ、検査に行ってるの。ほら、手術もうすぐだし」
飯田さんが、少し忙しそうに点滴を持ちながら、振り返る。
「ふーん」
ウチは手にもった数冊の教科書を抱えるようにして、病棟の休憩所で、
少し勉強することにした。

あんまり頭の良くないウチにとっては、教科書ですらなかなか難しい。
うんうんと唸りながら考えていると、ふと、声がした。
387名無し娘。:02/10/01 11:23 ID:iMTj5E7F

「分からないの?」

ふと見上げると、そこには髪の毛の長いお医者さんが立っていた。
それは、この前おにいちゃんと一緒にいた先生やった。
ウチはその人の顔を見て、心臓がドクンと鳴ったのが分かった。

格好いい──

「あ、はい……」
ウチはなんか恥ずかしくて、思わずうつむく。
なんだか、耳まで赤くなっている気がする。

「どこ?教えてあげようか?」
「あ、いいです。いいです」
「そう?遠慮しなくていいよ」
そういってその人はにこりと微笑む。
その笑顔がまた、とても優しくて、どきどきした。

おにいちゃんが優しくしてくれたときとは違う胸の鼓動。
じっとりと手が汗ばんでくるのが分かる。
388名無し娘。:02/10/01 11:24 ID:iMTj5E7F
「ここかな?これはね……」
そういって、その人はウチが開いていたところを見て、
説明を始めてくれた。
それは、多分すごく丁寧なはずやったが、
ウチはその人の顔がとても近くて、緊張して何を説明してくれているのか
わからんかった。
ただ、コクコクとうなずきながら、その人の顔を見つめるだけやった。

「分かった?」
「は、はい」
そういってウチは分かってもいないのに返事をする。

「綾小路先生」
看護婦の飯田さんが慌てたように、その先生を呼ぶ。
「はい、今行きます」
その人は、ウチに、いつでも聞いていいからね、と言って、
頭をぽんぽんとなでた。その瞬間、ウチの心臓がのどから出そうなぐらい
はやく動いた。
389名無し娘。:02/10/01 11:25 ID:iMTj5E7F

ウチはお礼もいえないままに、その人をただ呆然と見送った。
心臓がいつまでたってもどきどきとして、
変な汗がとまらなかった。

「あいぼん!」
「うわっ!」
急に聞こえたののの声。ウチはまた心臓が飛び出るかと思った。

「ののか……。今日はなんだか寿命が縮まるわ……」
「どうしたのれすか?」
「ん?いやなんでもない」
「なんか、顔があかいれすよ。熱でもあるのれすか?」
「え?い、いや大丈夫や」
「それならいいんれすけど……」

ウチはふーっと大きなため息をつく。
綾小路先生って言ってたな。おにいちゃんの同僚やろうな。
でも、見かけん顔やった。いったいどういう人何やろう。
なんだか、その人が気になってしょうがなかった。
390名無し娘。:02/10/01 11:48 ID:iMTj5E7F
なにわのモーツアルト完成オメ。
というか、更新遅すぎで申し訳ないです。

加護桃……。それは、見ただけで、やめることができなくなる禁断の果実。


391384:02/10/01 14:37 ID:VJGBmyD2
更新乙です
あいぼんにも恋の予感!
もじもじ以上に、はらはらしてきました

この小説のおかげで、あと半年分あいぼんをやめられそうにありません
先生!あんたは罪作りな人だー・゜・(ノД`)・゜・
392名無し募集中。。。:02/10/01 18:26 ID:qGqch61c
( ⌒ー⌒)<更新お疲れ様です。
文麿参上?!遂にあいぼんlikeの壁を突破してloveを感じてるのですね。

遅いとか気にしないでマターリ待ってます。
加護汁いや果汁100%待ちです(意味不明)。
393名無し募集中。。。:02/10/02 02:38 ID:mnfC9ro7
( ´ Д `)<ぼーくにはワカール!

キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
394名無し募集中。。。:02/10/02 18:47 ID:6uzY8wFm
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
395名無し募集中。。。:02/10/02 22:20 ID:eJFYQSn2
>>390
先生ご苦労様です

ああ!!遂に、あいぼんにも好きな人が・・・・・・・・

ちょっと嬉しい様な寂しい様な・・・・・複雑です(悩

は、早く続きをー!!
396名無し募集中。。。:02/10/03 18:34 ID:/rsBNTBz
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。 りんねさみしいよりんね。。。
397名無し募集中。。。:02/10/05 01:41 ID:XWIsnelD
ほぜーん!!
398名無し募集中。。。:02/10/05 23:55 ID:XWIsnelD
ほぜんだよ〜
399名無し募集中。。。:02/10/06 18:17 ID:gC+6YWrC
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
400名無し娘。:02/10/07 11:24 ID:8a/7+abC

ウチが家に戻ると、おかあちゃんが晩御飯を作って待っていてくれた。
「おそくなった。ごめん」
と、ウチは言うと、
おかあちゃんは、あんまり病院にずっといるものあれやで、といった。

「そうやな」
といって、ウチはご飯を食べる。
しかし、なんだか胸が一杯で、あんまり食べられへんかった。

「どないしたん?おかわりはええんか?」
おかあちゃんは心配そうに聞く。
「うん、もうええわ」
ウチは箸を置くと、ごちそうさま、と言って、
寝室に向かった。
401名無し娘。:02/10/07 11:25 ID:8a/7+abC
教科書を開いて、勉強なんかを始めてみる。
しかし、綾小路先生が教えてくれた場所をみつけると、
あの人の顔が浮かんでしまって、教科書の内容が頭にはいらへんかった。
そんなことを考えては、教科書をめくったりしながら時間は過ぎていく。

しばらくすると、がらりと玄関の扉が開く音がした。

「ただいま」
おにいちゃんやった。こんなに早く帰ってくるのは珍しかった。
ウチは慌てて居間へと向かう。

「おにいちゃん、どないしたん?」
ウチが不思議そうに聞くと、たまにはこういう日もあるやろ、
と笑った。
すると、おかあちゃんが、
「今日あいぼん、全然ご飯食べへんねん。どっか悪いんかな?」
と、心配そうにおにいちゃんに尋ねる。
おにいちゃんは、ウチのほうをみると、
別に大丈夫そうにみえるけどな、と答えた。
「なんかな、胸が一杯でご飯食べられへんかった」
ウチはそうおにいちゃんにいうと、そのそばにぴったりと寄り添う。
久しぶりに早く帰ってきたおにいちゃん。やっぱり嬉しかった。

そして、ウチはこっそりおにいちゃんに聞きたいことがあった。
402名無し娘。:02/10/07 11:26 ID:8a/7+abC
おにいちゃんがご飯を食べている最中、ウチはいつそれを切り出そうか、
と思っていたが、なかなか言い出すきっかけがつかめなかった。
そして、気が付けば、おにいちゃんはもう寝るか、といって布団へと向かう。
ウチは布団を引くと、おにいちゃんと一緒に、久しぶりに同じ布団に入った。

「久しぶりやな」
おにいちゃんはそういって笑う。
「うん……」
ウチは話しをうまく切り出すことができなくて生返事をする。
すると、おにいちゃんは、今日は元気ないな、どないしたんや、と尋ねた。

「あのな、おにいちゃん……」
しかし、何をどう尋ねたらいいのやろう。
急に聞いたらへんやろか。
そんなキモチでおもわず黙ってしまう。

「なんや?」
おにいちゃんは笑いながらそう尋ねる。
ウチは意を決して口を開いた。
403名無し娘。:02/10/07 11:27 ID:8a/7+abC

「綾小路先生って、おにいちゃんの同僚?」
「そうやけど、なんであいぼんが知ってるんや」
「あ、いや。なんか勉強おしえてもろてん」
やっぱり同僚やった。そして、ウチは
勉強を教えてもらったいきさつを話す。
すると、おにいちゃんは、あいつも物好きやな、
と、つぶやいた。
「物好きってなんなん?ウチが綾小路先生に話しかけられるっていうのは、おかしいん?」
ウチはちょっぴり不機嫌になる。
おにいちゃん、そら、ウチはまだ子供かもしれん。
飯田さんや、ほかの看護婦さんみたいに綺麗で大人ならええのかもしれん。
せやけど、ウチやったら、あかんの?

ぷいっとおにいちゃんに背中を向ける。
なんでかわからんけど、どんどん不機嫌になっていくのがわかった。
404名無し娘。:02/10/07 11:37 ID:8a/7+abC
おにいちゃんは、なに怒ってるんや?と尋ねる。
「物好きって、そんなんウチに失礼や」
「なにムキになってるねん。物好きっていうのは、綾小路先生がおまえと話すこと
じゃなくて、忙しいのによう勉強なんかおしえよるな、ということや」
「そ、そうなんか」
ウチは少しほっとする。べつにウチがお話ししてもええねんな。
そうや、ウチ、結構可愛いし。
おもわずにやけてしまう。

すると、おにいちゃんは、ウチの頭をくしゃくしゃとなでると、
綾小路先生のことが気になるねんな、と笑った。
ウチはその言葉を聞いて、急に心臓がどきんとなったのが分かる。
顔が熱くなっていって、胸のどきどきはとまらなくなる。

「そんなん、ちゃうわ」
そういって、顔を伏せる。
おにいちゃんは、まあ、どっちでもええけどな、と笑った。
なんだか、ウチのキモチを見透かされているようで、
ちょっぴり、悔しかった。
そして、しばらくの間沈黙が続く。

「そろそろ、新しいお布団買うか?」
おにいちゃんはおもむろに、そうつぶやく。

「え?」
「まあ、あいぼんも、いつまでも添い寝するわけにもいかんやろ」
そういって、笑うおにいちゃん。
すこし寂しげやったけど、ウチはなぜか、イヤやとはいえへんかった。
「う、うん……」
ウチは思わず頷いてしまった。
405名無し娘。:02/10/07 11:38 ID:8a/7+abC
>>391
いや、小説がなくても、あいぼんにはまっているはずです(w。
>>392
加護果汁100%を思わず想像してしまいますた。
飲んだら、萌え氏にしそうです(w。
>>393
きますた。
>>395
更新遅くて申し訳ないです。

保全有難うございます。
がんがります。

406名無し募集中。。。:02/10/07 19:38 ID:XVG1+p/+
( ⌒ー⌒)<更新お疲れさまです。
久ぶりに添い寝が来ましたなぁ。あいぼんの初恋を見切ったお兄ちゃん。
潮時をきっちりわきまえているあたりなかなか。でもすこしさみすぃ。
>>405 萌え氏ぬだけではすみませんよ(w。
407.:02/10/08 01:13 ID:uF90jh8i
>>405
先生ありがとうございます

初恋で胸がいっぱいの、あいぼん
可愛い!!

見たい!!ラブラブあいぼんがもっと見たい!!

早く続き書いてー!!
408名無し募集中。。。:02/10/08 18:42 ID:5tLXBHbl
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
409 :02/10/09 03:34 ID:7esFxLow
410.:02/10/10 01:29 ID:gwNEKC3d
ほぜん
411名無し娘。:02/10/10 11:11 ID:MuzRwY+r


ののの手術の日が迫ってくる。

あの日以降、ウチはののの病室に行くと、決まったように、
休憩所で、一緒に過ごすようにした。

「なあ、休憩所いかへん?」
「なんか、最近よく行くけど、何でれすか?」
「外の空気をすわなあかんねん」
「れも、病院のなかれすから、同じじゃないれすか?」
「え?そ、そうか?違うやろ」
「別にいいんれすけどね……」

そんな感じで、ウチはののとおしゃべりをしたり、
教科書を開いてみたりしては、休憩所であの人と偶然遭うのを期待した。
412名無し娘。:02/10/10 11:12 ID:MuzRwY+r
「相変わらず仲いいね」
綾小路先生が通りかかる。
「あ、先生」
その姿をみるだけで、心臓の鼓動が早くなって、
声の調子も上ずってしまう。

「分からないところあったら、言ってね」
「は、はい。大丈夫です」
たったそれだけの会話。
そして、忙しそうに綾小路先生は行ってしまう。
でも、それだけでも充分楽しかった。

「はあ……、カッコええ」
ウチはついぼそっとつぶやく。
「あいぼん、口に出してますよ」
「えっ?」
ののがにやにやと笑う。
「綾小路先生のこと、好きれすね」
くすくすと笑うのの。
「ち、違うわ!」
「別にどうでもいいれすけどねえ」
ののは意地悪そうにわらって、ウチの顔をのぞき込む。そして、
「耳まで赤いれすよ」
と、またくすくすと笑った。
413名無し娘。:02/10/10 11:13 ID:MuzRwY+r

しばらくすると、何にも答えないウチにちょっぴりつまらなそうに、
ののは、
「来週手術れすね」
と、つぶやいた。
「そうやな。上手くいくで。おにいちゃんがするねんから」
「そうれす。ののはあいぼんのおにいちゃんを信頼してますから」
そういって、きゅっと握っている手に力をいれるのの。
それは、やはり明るく振舞ってはいるが、手術への恐怖が彼女を襲っていることを
示していた。

「なあ、手術が上手く行ったら、退院やろ。そのあと、どうするの?」
「え?またおばさんのうちにお邪魔するんれすかね」
「そうか……。ウチ、あの人あんまり好きやないねんけどな」
「ののもれすよ」
ののは、そういって苦笑いする。

「まあ、先のことを考えるのはまだ早いのれす」
「そうか」

しばらくして、飯田さんがののの検査があるとのことで、呼びに来る。
すると、ののは、今日はもう一度、綾小路先生にあえるといいれすね、
と、言って、検査へと向かった。
ウチは、その言葉にちょっぴり苦笑いしながらも、治ったあとの、ののの行く末、
に少しの不安を感じていた。
414名無し娘:02/10/10 11:14 ID:MuzRwY+r



ウチが家に帰ると、なんと新しい布団が届いていた。
それはおにいちゃんが買ってくれたものやった。ウチの大好きな桃色の布団。
そして、前のやつより一回り大きくて、分厚くて、とてもふかふかやった。
でも、ウチの心の中に、ちょっぴり寂しいキモチが流れる。
「もう、買うたんか……」
あまり嬉しそうにしていないウチをみて、
おかあちゃんが意地悪そうに、これ、おかあちゃんが使おうかな、と笑う。

「あ、それはいやや」
「じゃあ、あんたもっと嬉しい顔せんか」
「うん、嬉しいねんけどな。なんか寂しいな」
ウチは、そういって笑う。
「まあな、あんたもお年頃やし」
おかあちゃんはそういうと、台所へと向かった。
ウチは、布団にぼんと、体を預ける。
それはやわらかくて、いかにも心地よさそうな感触やった
415名無し娘。:02/10/10 11:16 ID:zyQYsHTY

ふと、前をみると、ちゃぶ台の上に一冊の冊子があるのに気付いた。
ウチはそれを取り上げで、中をみる。

うわ、めっちゃ綺麗──

そこには着物をきた綺麗な女の人の写真があった。
どうみてもそれはお見合い写真やった。
「おかあちゃん!これなに?」
ウチは台所にいるおかあちゃんに叫ぶ。
おかあちゃんは、割烹着で手を拭きながら、
おにいちゃんのお見合い相手や、と言った。

「お見合い相手?」
おかあちゃんの話しによると、病院の偉い先生から、
紹介されたと、おにいちゃんが持って帰ってきたらしかった。
そして、来週にお見合いをするとのことやった。

「そ、そんな急に」
「いや、そんなもんや。お見合いなんて」
「そうなんか……」

なんだか、複雑なきもちやった。
おにいちゃんが結婚してしまうかもしれん。
別に、それはいつかはするものやし、おにいちゃんもいい年こいてる
わけやから、当然や。
せやけど、そうなったら、おにいちゃんが遠くに言ってしまうようで、
なんだか寂しくてたまらなかった。

ウチは、お見合い写真を戸棚の上にしまうと、
自分の部屋で、ただ漫然と教科書を開いたり閉じたりしていた。
416名無し娘。:02/10/10 11:18 ID:zyQYsHTY
レス有難うございます。こんな展開です。
接着剤って外科用の縫合糸のかわりに使うやつでしょうかね。
まあ、整形だろうが、なんだろうが、可愛いものは可愛いわけです。
417名無し募集中。。。:02/10/10 19:10 ID:FLjkXjRK
( ⌒ー⌒)<更新お疲れさまです。
新しい布団とお見合い写真ですとぅ。写真を戸棚の上にしまう所がいじらしいです。
のんちゃんのテヘテヘもいいけど、あいぼんが照れた時本当に耳を真っ赤にして可愛すぎますよね。
そんな萌え所をしっかり抑えている作者さん…あなたも好きですなぁ〜(w。ジブンモナー。
418名無し募集中。。。:02/10/10 20:40 ID:LPlARSke
交信乙です。
2人の恋の行く末が心配で夜も眠れ(ry
419名無し募集中。。。:02/10/11 04:20 ID:PMAj62dI
お見合い相手の「めっちゃ綺麗」な人が気になる。
420名無し募集中。。。:02/10/11 18:45 ID:u0tI2YfV
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
421名無し募集中。。。:02/10/11 18:48 ID:Lgn4zLVR
>>419
きっと保田だろ。
422名無し募集中。。。:02/10/12 19:09 ID:xlp+nCTs
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
>>421 ワラタ でも、圭ちゃんってキュートに見える時ってあるよね。えっ眼科(ryって?Σションナッ!
423名無し募集中。。。:02/10/13 03:03 ID:fg3afHZw
>>422
しんぺーすんな。
漏れもある。
漏れの視力はコンマ1以下だが…。
424名無し募集中。。。:02/10/14 18:54 ID:GzdCVyGi
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
>>423 そういう庵も視力コンマ(w。
425名無し娘。:02/10/15 12:00 ID:FumStbqa


その日も、おにいちゃんは早く帰ってきた。
そして、新しいお布団を見ると、自慢げに、
どうや、結構ええやろ。奮発したで、と笑った。
ウチはありがとうと、嬉しそうな顔を作る。
でも、心の中では複雑なキモチのままやった。

晩御飯を済ませ、しばらくすると、おにいちゃんは新しい布団を引こうとする。
しかし、空襲で焼けた後立て直した、小屋としか呼べないうちの家は、
おかあちゃんが寝てる部屋と、ウチが使っている部屋の二つしかない。
そして、いつもはウチの部屋で戦争から帰ってきたおにいちゃんと寝ていたわけやった。

「どこにひくん?」
ウチは布団を目の前に悩んでいるおにいちゃんに尋ねた。
「どこにひこか」
「どないするん、なあ?」
意地悪そうにウチはおにいちゃんの腕をひっぱってみる。

「おまえは寝室をつかえや。おにいちゃんは居間で寝る」
「なんで?」
「おにいちゃんは朝早いし、夜遅いから、居間で寝たほうが楽や」
そう、おにいちゃんは笑った。
426名無し娘。:02/10/15 12:01 ID:FumStbqa

「じゃあ、やっぱり、ひとりで寝るんや」
ちょっぴり口を尖らせてみる。
すると、おにいちゃんは、いつも遅くて、ひとりで寝てたやんか、と笑った。

「そうやけどな。でも、今日は一緒に新しい布団でねえへん?」
今日はおにいちゃんに、また聞きたいことがある。
それは、あのお見合いのこと。

「は?」
「ほ、ほら、おにいちゃんも一度ぐらいは、このふかふかを経験せないかんで」
ウチはそういって、まだたたまれている布団に飛び込んで、
そして、おにいちゃんを見上げる。

「うーん」
「まあ、せっかくおにいちゃんが買ってくれたんやしな」
そう、ウチが笑うと、おにいちゃんも、分かったと答えた。

寝室に敷かれた、桃色の真新しい布団。
ウチは、それに飛び込むようにもぐりこむ。
ふかふかで、やわらかい。まだ新しい綿の匂いがする。

「おにいちゃん、早く、早く。ふかふかや」
ウチがそうせかすと、おにいちゃんはゆっくりと入ってきた
427名無し娘。:02/10/15 12:02 ID:FumStbqa

「おお、やっぱ高い布団はちゃうな」
満足げにそうつぶやくおにいちゃん。
ウチはその嬉しそうな表情をみて、
「ありがとうな」
と、笑った。

おにいちゃんはいつものように、ウチの頭を優しくくしゃくしゃと撫でると、
「また、欲しいもんがあれば、いつでもいえや」
と笑う。
「なんでもええの?」
ウチは、意地悪げに笑う。
「まかせとけ」
そういっておにいちゃんは胸を叩いた。
それはとても頼もしくて、暖かくて、
ウチは、おもわず、おにいちゃんに抱きついた。

「どないしたんや」
不思議な顔をするおにいちゃん。
おにいちゃんの暖かさ、そして匂い。小さいころからずっと一緒。
そして、いつでもウチを守ってくれた。それももう、終わりなんやろか。
「今日で最後かな……」
「んー、まああんまりな、ずっとこういうのもあかんで」
そういって胸のなかにいるウチの頭をぽんぽんと軽く叩く。
「そうか……」
ウチはおにいちゃんの匂いをかぎながら、なんだか悲しい気分になった。
428名無し娘。:02/10/15 12:03 ID:FumStbqa

「なあ、おにいちゃんお見合いするねんな」
「なんや、知ってたんか」
「うん」
ウチはおにいちゃんを見上げながら小さく頷いた。

「なあ、結婚したらどうするん?ここでくらすん?」
「まだ上手くいくかどうかもわからんのに、なに言ってるんや。あんな綺麗な人やのに」
「せやけど、ほら写真の人、色黒いやん。もてへんかもしらんで?」
「おまえ、失礼やな」
そういって笑うおにいちゃん。
「ほら、ウチなんか色白やし、ウチの方がかわいいんちゃう?」
そして、ちょっぴり写真の中のお見合い相手に張り合ってしまうウチ。

「ああ、可愛い、可愛い」
おにいちゃんは、そういって冗談ぽく頭を撫でる。

その言葉にウチはふと、綾小路先生の顔を思い出す。
そして、あの人はウチのこと可愛いと思ってくれてるんやろうか。
そんな疑問が頭をもたげてくる。
その疑問はどんどんと、ウチの心の中で大きくなっていって、
「なあ、おにいちゃん。ホンマのこといって、ウチ可愛い?」
思わずウチはそうおにいちゃんに尋ねてしまった。

「なんや、改まって」
驚いたおにいちゃんの表情で、ウチははっと我に返る。
「あ、いや、なんでもない……」
なんか、めっちゃあほなことを聞いてしまったようなきがして、恥ずかしくなる。
そして、ふかふかな布団の中へともぐりこんだ。
429名無し娘。:02/10/15 12:08 ID:DWSsw5dJ

しばらく、ウチはじっと考えていた。
綾小路先生へのキモチ。おにいちゃんのお見合い。ののの手術。そして女学校の試験。
沢山のことがいっぱいありすぎて、わけがわからへん。
これが大人になるっていうことなんやろか。少し大人になりたくない気分になる。

「暑っ」
新しいお布団はそれはそれはあったかくて、おもわず暑くなって、
またウチは顔を出す。
ふと、目を上げると、おにいちゃんがウチの顔をまじまじと眺めていた。

「なに?どないしたん?」
ウチがそう尋ねると、おにいちゃんは、にっこりとわらって、
あいぼんは、ほんまに可愛いで。心配せんでええと、ささやいた。
「急に、なんやねん」
なんか、恥ずかしくなってウチはまた布団にもぐる。
すると、おにいちゃんは、もう寝るぞ、と言って電気を消した。

新しいお布団の中はすでに、いつものおにいちゃんの匂いがして、
なんか、落ち着いた。
そして、おにいちゃんが言ってくれた台詞がなんか嬉しくて、
声を殺して、くすくすと笑う。

せやけど、しばらくすると、ふとお見合い相手の顔が頭に浮かんだ。
「お見合いか……」
ウチは、ちょっぴり寂しい声を出す。
せやけど、おにいちゃんは何にも答えず、気が付けば寝息が聞こえていた。
430名無し娘。:02/10/15 12:14 ID:DWSsw5dJ
>>422、3
私もあります。正直、視力コンマ(略ですが、何か?

>>419
色の黒いヒトです。なんか最近ますます黒くなっている気がするんですが、
やっぱり眼科(略

保全いつも本当に有難うございます。
急な私用のため2週間ほど更新できなくなりました。
大変申し訳ないです。ごめんなさい、ごめんなさい。


431名無し募集中。。。:02/10/15 19:00 ID:G7AQjpPb
( ⌒ー⌒)<更新お疲れさまです。
添い寝がきましたなぁ〜。お見合い相手が色の黒いお人でしたか。
色んな事が一度に来て、悩みが多いあいぼんですね。悩みが多いと…@ノハ@。
>>430
更新についてはそんなに恐縮されなくてもいいですよ。
それから色が黒くなっている気が自分もします。あのぅ。圭ちゃんだけでなく
ゆうちゃんもたまに可愛く…。何科に逝けば…。
432名無し募集中。。。:02/10/16 20:22 ID:kzwHtA0Q
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ぶ
433名無し募集中。。。:02/10/17 04:07 ID:NNFTY2mH
作者しゃん、早く帰ってきてね。

>>431 石川梨科でイ(ry、じゃない、に逝け!
>>432 「り」ですかぁ?
434名無し募集中。。。:02/10/17 18:50 ID:kipmFUDS
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ん
>>433
石川梨科。。。(´ー`)。oO(どんな治療が施されるんだろぅ)
「り」は>433さんがいったから、「ん」です。次は任せました。
435名無し募集中。。。:02/10/18 01:54 ID:/kEBn33t


( ^▽^)<ハッピー!それじゃぁ「( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜」さん、
      そこのイスに座ってチャーミーをよ〜く見てくださいね(はぁと
−−−しばし見つめ合う2人−−−
( ^▽^)<ホイッ!治療終了でっす!
      チャーミーを見慣れたキミなら、もうY田さんやN澤さんを見ても(ry
436名無し募集中。。。:02/10/18 20:13 ID:pEV4R8tA
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。う

(´ー`)。oO(ヤパーリしゃくれてたなぁ〜、しかも色ぐ(ry )
437名無し募集中。。。:02/10/19 02:54 ID:YNX2PJs2
( ^▽^)=○)TーT)<しゃくれだなんて逝ってませんよ〜。ん
438名無し募集中。。。:02/10/19 19:26 ID:rx1iCpsO
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。こ
>>437 完成です。ご協力ありがとう。
439名無し募集中。。。:02/10/19 23:58 ID:acj2P2aI
>>438 どーいたまして。ぽ
440名無し募集中。。。:02/10/20 18:21 ID:nIbzDhtw
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。っ
「っ」でいいの?カタカナじゃないけど・・・。間違っていたらスマソ。
441名無し募集中。。。:02/10/21 18:42 ID:ZCyD//fO
(;⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
「っ」じゃなかったのかな・・・?だったら「ん」?
442439:02/10/22 01:54 ID:Bm0OwMx9
すいません。
自分で「ぽ」って書いたのに、
どんな意図で書いたのか忘れてしまいました。
欝出し脳逝っ(ry
なんとか今夜中に思いだします。
443名無し募集中。。。:02/10/22 18:24 ID:Dyj8KTgp
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
思い出した?
444名無し募集中。。。:02/10/24 00:07 ID:sIrJNf15


思い出しますた。遅レススマソ
445名無し募集中。。。:02/10/24 18:29 ID:62hS4jyD
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ー
446名無し募集中。。。:02/10/24 21:41 ID:rkGpG02a
447名無し募集中。。。:02/10/25 20:42 ID:DsnKpMzF
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ー
448名無し募集中。。。:02/10/26 23:40 ID:Yrg+URlV
449名無し募集中。。。:02/10/27 18:11 ID:bS8EVZ1T
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ず
450名無し募集中。。。:02/10/27 18:46 ID:becXrn3z
もーすぐ2週間!
451名無し募集中。。。:02/10/28 19:35 ID:JFXdfi3e
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
わくわく。。。
452名無し娘。:02/10/29 15:25 ID:q/acSRb2



それから数日後、ののの手術の日がやってきた。
ウチは、病室に運ばれた移動ベッドの上に横たわるのののそばで、
がんばりや、と彼女の手を握っていた。
そばでは、飯田さんがいろいろとお薬の点検をしている。
ののは、緊張しているようで、握っている手が震えているのが分かった。
ウチはただ、だいじょうぶやからと、彼女を励ますことしかでけへんかった。

しばらくして、おにいちゃんと若い先生が現れる。
「よろしくおねがいします」
ののは、丁寧にそういうと、ウチの手を離して、上を向いた。
「じゃあ、いまから行こうか」
おにいちゃんがそういうと、若い先生が病室の扉を開ける。
飯田さんがベッドを押して、その後に続く。
そしてそのままウチも手術室までついていくことにした。
453名無し娘。:02/10/29 15:26 ID:q/acSRb2

薄暗い廊下。手術室へ向かう道のり。
その距離がなんだかいつもより、とても長く感じる。
前をあるく、二人のお医者さん。白衣が風になびいて、
なんだか頼もしく見える。
ウチは横たわるののの横を歩きながら、きっと大丈夫、と心の中で
つぶやきながら、それを眺めていた。

長い廊下を歩いている途中、突然若い先生がおにいちゃんに、
明日お見合いですね、とささやいた。
おにいちゃんは、それを聞いて小さく頷く。
その声はあまり大きくはなかったのだが、はっきりとウチにも聞こえた。
ドキッと一度心臓が大きく鳴って、はっとウチはののの方をみる。
すると、ののは、閉じていたはずの瞳を見開いて、ウチをみていた。

まずい、ののに聞こえてる──

ウチは飯田さんのほうをみる。しかし、飯田さんは後ろでベッドを押していたせいか
聞こえていない様子やった。

「あいぼん……」
小さな声で、不安げにささやくのの。

「なに?」
しかし、ウチはどう答えてええか、わからんかった。
ウチは慌てて適当な相槌を打つ。

「いや、別にいいれす」
そういって、ののは悲しげにきゅっと目をつぶった。
その表情がとても辛そうで、
ぞくりと、不安なキモチがウチを襲った。
454名無し娘。:02/10/29 15:27 ID:q/acSRb2

そして、そのまま手術室のドアが開かれる。
「じゃあ、がんばろうか」
と、ののにささやいて、おにいちゃんと若い先生は中へと消えていく。
しかし、ののはそれに頷きもせず、ただぎゅっと目を閉じたままやった。

ののの横たわる移動ベッドを手術室の前に止たままで、
手術室の看護婦さんと、飯田さんは、なにやら話しをする。
「がんばってな」
ウチは不安な気持ちを抑えながら、そうののに語りかける。
「うん」
ゆっくりと目を開いて、小さく頷くのの。せやけど、こころなしか元気がない気がした。
そしてウチは不安が徐々に大きくなるのを感じていた。
そして、ウチはどうしようもない不安感を解消できないまま、
その移動ベッドは、手術室へと運ばれていった。

飯田さんの横で、ウチは不安なキモチと祈るようなキモチで、
手術室の扉がしまるのを眺めていた。
455名無し娘。:02/10/29 15:32 ID:q/acSRb2

ウチは、休憩所で一人、手術が終わるのを待っていた。
先ほど感じていた不安を振り払うように、
ただ、ののの手術が上手くいくように祈った。

ののの親戚のおばちゃんも来うへんかった。
身内は誰一人として見舞いにすら来ない。

ののは、たった一人ぼっちなんや。
ウチは一人で必死に闘っているののに力をくれるようにと、
天国にいるのののおにいちゃんと、
手術室で頑張っているウチのおにいちゃんに祈った。
そうしないと、不安な気持ちがどんどん大きくなって、
自分自身が押しつぶされそうになってしまうからかもしれんかった。

きっと、天国で見てくれているはず。
きっと、手術は上手くいくはず。
そして、そこには、おにいちゃん同士の強い友情と、
ふたりの妹たちに対する深い愛情があるはず。

大丈夫やんな。ウチの感じた不安は気のせいやんな。
約束は絶対守ってくれるはずやんな。
そうやんな、おにいちゃん──
456名無し娘。:02/10/29 15:36 ID:q/acSRb2
ご無沙汰です。保全有難うございました。
残っていて嬉しいです。頑張ります。
457名無し募集中。。。:02/10/29 19:02 ID:vJmRaTzo
( ⌒ー⌒)<更新お疲れさまです。
若い先生。大事な手術前に余計な事を〜!!
>>456
保全がてら遊び過ぎていたら申し訳ありませんでした。
458名無し募集中。。。:02/10/29 22:32 ID:FTLVxMbn
交信キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!
459名無し募集中。。。:02/10/30 03:15 ID:EVFfxQNK
ゴルァ!若い医者!
余計なコトぬかすでない!

>>457
いや、ホントにスマソ。

んがしかし、性懲りもせず「と」で。
460小説潰し屋:02/10/30 13:43 ID:HaePlOnx
24時間以内にDAT逝き(プププ
461名無し募集中。。。:02/10/30 18:55 ID:cZsr8A2G
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ろ
462名無し募集中。。。:02/10/30 23:00 ID:+BGzx0JM
>>456
先生〜!!お久し振りです!!

いよいよ、のんタンが手術室へ・・・・・・
あいぼん胸が張り裂けそうなくらい辛いでしょうね

あいぼん、お兄ちゃんを信じて待とうじゃないか!!

早く二人に平和を・・・・・・・

続き期待してます
463小説潰し屋:02/10/31 10:25 ID:P2NdEpGC
>>462
キモッ。
464名無し募集中。。。:02/10/31 22:42 ID:FA0SvA7t
>>461
「も」?
465名無し募集中。。。:02/11/01 21:19 ID:mWep64L4
>>464 yes
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。に。
466名無し募集中。。。:02/11/02 07:27 ID:OMM3gl1W
Mステの衣裳はヨカータですね。
しかし、保田までもが足を出(ry
にもかかわらず、足を出さない吉(ry

>>465 今ユニット実現したらカナーリ強力です。「ジャ」
467名無し募集中。。。:02/11/02 18:02 ID:SnM98nBM
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ン
>>466 ある意味、娘。での武闘派ユニット(w。
468名無し募集中。。。:02/11/04 20:14 ID:sq9EHQ0h
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
間違えちゃったかな・・・。
469名無し募集中。。。:02/11/06 00:51 ID:2XohveL8
ケ?

「さめがなぁ〜い!」とのたまう
ののたんおしとやかバージョソ萌え。
470名無し募集中。。。:02/11/06 19:49 ID:lPIKVEoz
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ン
ののたん。キャワイすぎ
471名無し募集中。。。:02/11/06 21:26 ID:aXFQJS3F


BS中澤卒スペを久し振りに見た。2回。
1年半ちょいの間に、皆すっげー綺麗になったな。
なっちとかおりは二十代の大人の女性に脱皮した感がある。

そして、けいぴょん。
あの泣き顔は見るに耐(ry
それを思えば、今ヤスって超美人かも?
単にメイク技術の向上だけではあるまい。
と、言ってみるテスト
472名無し募集中。。。:02/11/07 18:37 ID:eTEAaAyp
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。ョ

>>471 特にかおりは綺麗になったね。庵の脳内ではベストジーニストに輝いてるよ。

>あの泣き顔は見るに耐(ry
なにふりかまわない泣き顔に好印象を持ったよ。ヤパーリけいぴょんかわいいよ。
そんな庵の視力はコンマ(ry。またこのネタかよ(w。
473名無し募集中。。。:02/11/07 23:18 ID:81hPAayD
む!

ちなみに、知が一番変化無し。
やっぱギャルだからかな。
数年後、一気にお肌ボロボロに?
ギャー!そんなの見たくないよー。
474名無し募集中。。。:02/11/08 17:59 ID:HwchM1vt
ホシュ。
475名無し募集中。。。:02/11/08 19:24 ID:RG5Ian8N
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
476名無し募集中。。。:02/11/10 18:18 ID:5rgiGlR0
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
477名無し募集中。。。:02/11/11 02:49 ID:KHlRb17j
>>474 キャッチャー?
478名無し募集中。。。:02/11/11 18:29 ID:FK4D+nfx
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
>>477 「ザ・キャッチャー」という。B級映画があったような気がしますが・・・。
479_:02/11/12 15:45 ID:qoXVpjXT
dat逝き(ププ
480名無し募集中。。。:02/11/12 19:11 ID:TQ28qGyt
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
481名無し募集中。。。 :02/11/13 13:21 ID:LtTNWEOT
ほとんど後がないのだが・・・
いちどアゲたほうがよくはないか。保全。
482名無し募集中。。。:02/11/13 19:03 ID:EKr3qRs3
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
大丈夫きっと大丈夫。
それよりも、作者さんが元気にしているのかそろそろ気になり出しました。
483 :02/11/13 21:57 ID:OmRrVBW2
sage
484sage:02/11/14 17:18 ID:05PFB1HR
sage
485名無し募集中。。。:02/11/14 18:41 ID:56s3T5t/
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
大丈夫だったでしょ?
486_:02/11/14 19:02 ID:+GA1Hjyb
482・485はキモイな(プ
487名無し募集中。。。:02/11/15 18:17 ID:3Bq+auG2
( ⌒ー⌒)<ほぜんしとくよ〜。
488↑に参ります。:02/11/16 07:59 ID:xGF9SKuv
中年パワーで押しあげ。
489名無し募集中。。。 :02/11/16 08:00 ID:s6JlBiWv
りんねぉ
490名無し募集中。。。:02/11/17 16:13 ID:oYxp6Djp
491名無し募集中。。。:02/11/19 18:51 ID:Rznzy51v
492名無し娘。:02/11/21 10:35 ID:4lSe1MWv

ウチはゆっくりと目を閉じて、そう祈った。
疲れたなと、ため息をついて背もたれにもたれてみる。
時々とおりすぎる看護婦さんの足音だけがぱたぱたと響いている。
病院独特の匂いももう気にならないほど、ウチは病院に慣れていた。

「今日はひとり?」
「ひゃっ!?」
突然の声でウチはおもわず、変な声を出してしまった。
目を開けると、綾小路先生が目の前に立っていた。
「あ、はい。ののは手術なんです」
「ああ、そうだったね」
「先生は手術はしないんですか?」
「ぼくは内科だからね」
綾小路先生はそう言うと、手術上手くいくといいね、といって、
ウチの横に座った。しみのない綺麗な白衣が風にゆれて、消毒液の匂いがウチの鼻をくすぐった。
ちょっとの間の沈黙。それがなんだかどきどきしてしまう。
493名無し娘。:02/11/21 10:37 ID:4lSe1MWv

「今日はお暇なんですか?」
ウチは沈黙に耐え切れなくなって、横にいる綾小路先生にそう語りかけた。
使い慣れない敬語を思わず使ってしまう。
「患者さんが退院したからね」
「そうですか」
それで話は終わってしまう。綾小路先生は何も喋ろうとはしない。
どうして横にすわっているんだろう。ウチに何か用があるんやろうか。
だんだんと、胸がどきどきが大きくなっていくのがわかる気がした。

「心配?」
「へ?」
ウチに突然そう尋ねた綾小路先生の言葉の意味がわからずに裏返った声で答えてしまう。
「あ、ごめん。辻ちゃんのこと」
「あ、はい。でも大丈夫です。おにいちゃんがついてますから」
ウチは笑顔を作ってそう答える。
494名無し娘。:02/11/21 10:37 ID:4lSe1MWv

「そう。おにいちゃんのこと信頼してるんだね」
「はい。おにいちゃんはいつでも約束を守ってくれますから」
「そうなんだ。なんかいいね」
綾小路先生のいいね、という意味が良く分からない。
不思議そうな顔をすると、先生は続けて、
「ぼくにもこんな妹がいたらいいのにな」
と、つぶやいた。

妹、いもうと、イモウト?──

その言葉を聞いて、悲しいキモチが胸をちくりと刺した。

「妹……、ですか……」
少し眉をひそめてうつむいて、そうつぶやいた。
綾小路先生はウチの様子に気付くこともなく、
「実は、立て続けに主治医だった患者さんが亡くなってしまってね。ちょっと落ち込んでいたんだ」
と、寂しげにつぶやいた。
「そうなんですか」
その表情がとても悔しそうで、ウチはどうしていいか分からなかった。
495名無し娘。:02/11/21 10:39 ID:4lSe1MWv

「おにいさんはね、いつでも一生懸命やっている。その元気の素がね、君なんだよ」
「え?」
「君の笑顔を見ていたら、元気になれる。そんなことを言っていてね」
「はあ」
そういうと、ウチの頭をおにいちゃんがいつもするようにくしゃくしゃとなでて、
「ごめんね、つまらない話をして。手術うまくいくといいね」
といって、立ち上がった。
「あ、はい」

また、白衣の裾がゆれて、消毒液の匂いがした。
そして、少し悲しいキモチは相変わらずウチの心の中によどんでいて、
妹──ということばが、頭の中に浮かんでは消えていった。
496名無し娘。:02/11/21 10:46 ID:4lSe1MWv
保全いつも有難うございます。更新ペースが落ちてしまって申し訳ないです。
497名無し募集中。。。:02/11/22 02:25 ID:3oo8fRsO
>>496 いえいえいえいえ言え言え娘。
御自分のペエスでマターリマターリ。
498名無し募集中。。。:02/11/22 19:16 ID:3JjSAW6G
p( ´D` )q<はつみみれす!
更新乙。マターリ。
499名無し募集中。。。:02/11/24 16:46 ID:CWrVYsiZ
500名無し募集中。。。:02/11/24 21:25 ID:/ek01lpm
500!
501名無し募集中。。。:02/11/26 19:10 ID:YEdMmXX/
502名無し:02/11/29 14:40 ID:8XRNRF3c
保全
503名無しさん:02/11/29 20:08 ID:hTvz6lN0
そろそろあげないと危ないわけだが
504.:02/11/30 02:12 ID:ltj52XpN
ほぜん
505名無し募集中。。。:02/12/01 01:40 ID:3BYmpBg6
ほぜーん
506名無し募集中・・。:02/12/01 09:24 ID:zXIDoXwl
ほ・ぜ・ん
507名無し募集中。。。 :02/12/03 00:49 ID:/D4Omxlo
hozen
508名無し募集中。。。:02/12/05 20:40 ID:GA4ACrXr
禿しくDo it 保全!
509               :02/12/05 22:45 ID:h6ePzh8/
>>1 私は今いい年です☆
         
            
          
           
510.
ほぜん