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68名無し募集中。。。
 「え?」
 
 「矢口が好きな人はなっちなの。」


 私は少し動けなかった。
 どうしよう。まさか私のことだなんて…

 「なっち、今付き合ってる人いないんでしょ?好きな人もいないんだよね。」
 矢口が私の目から視線を離さずに口を動かし続けた。
 「う…うん。」
 裕ちゃんの事は誰にも言わずに内緒の事だ。
 だから、付き合ってる人も好きな人もいるんだけれど、
 隠しておくしかなかった。
 「じゃぁ、矢口と付き合ってよ。」
 「えっそれとこれとは…。」
 「いいのっ!絶対なっちを振り向かせるから!」
 
 裕ちゃん。どうしたらいい?
 でも2人で決めた事だもんね。
 メンバーには言わないって。
 
 だからって、矢口と形だけでも付き合うなんて裕ちゃんが
 聞いたら、きっとすごく悲しむんじゃないかな?
 一緒に過ごせない日、裕ちゃんの目は悲しみを持つ。
 
 「だっダメだよ!矢口とは…。」
 私は話を進めている矢口を止めた。
 裕ちゃんの為に、自分の為に、ここははっきりさせとかなきゃ!
 「なっちは矢口の事嫌いなの?」
 矢口が悲しそうな目で私をみた。

 その顔はまるで裕ちゃんの顔のようで…

 私は何も言えず、ただその顔を見つめる事しかできなかった。


69名無し募集中。。。:02/05/03 12:42 ID:rgIB2WHz
 「形だけ。雰囲気だけでいいからさ。もちろんなっちに好きな人ができたら
  別れるし、矢口も他に好きな人ができたら別れるし。暇な時とか
  仕事帰りとか一緒に遊んだりするだけでいいんだ。」
 形だけのカップル。
 「べ、別に付き合う、なんて言わないでいいじゃん。
  一緒に遊んだりするだけでしょ?」
 「だって…矢口はなっちが好きなんだもん。そう言いたいよ!」
 
 矢口を見ると、目にうっすら涙が見えた。
 こんな調子で喋っているけど、もしかしたらそうとうがんばって
 喋っているんじゃないだろうか?

 1回裕ちゃんと相談してみよう。
 それで、皆に言う事になったら大丈夫だよね?
 付き合うなんて形を取っても別れるよね。

 私はこの問題にちゃんと目を合わせていなかった。
 大丈夫。なんとかなるか。
 と、全員の気持ちを中途半端に受け止めようとしていた。

 誰もが傷つく道を、私は何も考えないで選んだんだ。



70 ◆F5NattiE :02/05/03 12:51 ID:gOnQdorS
更新乙カレー
マターリでいいよ。自分のペースで・・・・・
保全は任せてw
71読んでる人:02/05/04 09:16 ID:8yLHJHY/
痛めの作品になりそうですね。

>>67
>読んでる人って飼育とかにいる人?
確かに名作集でウロチョロしてるけど、この固ハン使ってる人がもう1人いるっぽいんだよね。
自分は主にヤグ絡みの作品に出没するけど・・・。
72 ◆F5NattiE :02/05/05 00:13 ID:KoXwGipg
で保全
73名無し募集中。。。:02/05/06 15:49 ID:4NOJevA/
>>70 72
保全サンクス。マターリとやってきます。
チビチビだけど、ごめんね。

>>71
そうだね、痛めかな。
もう1人いるんだ?やぐ絡み…やぐちゅうとか?
も、もしかしたらやはりあの方では…?なんて言ってみたーり。

74名無し募集中。。。:02/05/06 15:50 ID:4NOJevA/
 結局、返事は少し待つようにして私達は明日に備えて眠ることにした。
 昨日までこのベッドに残っていた温もりは、今は矢口の温もりに変わる。
 私はいつものように並んで眠った。

 「時間ないよ!!」
 矢口にせかされて用意をする。
 「ごっちん待たせたら怒るからさ。」
 急いで部屋を出る。

 まだ、携帯を私は見なかった。

 「なんとか間に合ったねぇ。」
 急いできたので少し息切れしている。
 「ごっちんどこにいるんだろ?」
 あまり人のいない場所で待ち合わせる。
 「もしかしたらごっちんも遅れてくるかなぁ。」
 ごっちんと私は結構娘。の仕事に遅れがちなのだ。
 「でもさ、遊ぶ時はあんまり遅れないよ?時間も早くないしさ。」
 そう言ってキョロキョロと周りを見ると、向こうの方から
 小走りで近づいてくる女の子の姿があった。
 「あっあれじゃない?」
 矢口の袖を掴んで指差す。
 「ごめーん!!待った?」
 少し息切れをしたごっちんが来るのと、私達がごっちんだと確認するのは
 ほぼ同時だった。
 
 裏道にあるお洒落な服屋を見て回る。
 ギャル服が多いので私は本当に見てるだけだったけど。
 たまにある少し大人びた服を見て、
 裕ちゃんに合うかなぁ?なんて考えてたりした。
75名無し募集中。。。:02/05/06 15:51 ID:4NOJevA/
 「結構買ったねぇ。」
 一休みにカフェに入る。
 もう矢口とごっちんの手には紙袋が握られていた。
 「109はさすがに今日は混んでそうだしね。」
 「でもやっぱ見ておきたいねぇ。」
 2人はキャッキャッといいながら話していた。
 「まだ10代なんだもんねぇ。」
 私がそう言うと、
 「年よりくさいよぉ。」
 と笑われてしまった。
 
 カラオケに行って、夕飯を食べる。
 「もうこんな時間かぁ。」
 まだ9時前だったけれど、明日からまた朝が早く仕事のため、
 私達はいつもこのぐらいの時間で解散する事にしていた。
 「じゃぁ、明日ね。遅刻しないように。」
 「なっちにそのまま返すよ、その言葉。」
 「気をつけて帰ってね。」
 それぞれの家路に別れた。

 2人にメールをだそうと思って携帯をだす。
 
 この時だった。
 やっと気がついたのは。


 不在着信だけ調べて電話をする。
 5件とも裕ちゃんからの電話だったから。
 呼び出し音だけが聞こえる。
 仕事中だよね。
 私はメールを出すことにした。
 『明日は気をつけて行ってきや。』
 『なんで電話でてくれへんの?』
 『見たら電話してきて。』
 何件も裕ちゃんからのメールが入っている。
 昨日の夜からずっと見ていなかったから、心配かけてしまっている。
 
 それに、矢口の事もある。

 『ごめんっ!昨日の夜から携帯見てなかったんだ。
  これ見たら電話ください。仕事がんばってね。』

 そうとだけ、メールを打った。
76名無し募集中。。。:02/05/06 15:52 ID:4NOJevA/
 「…なっち。」
 家についた時、不意に物陰から名前を呼ばれた。
 「裕ちゃん!!」
 まるで隠れるように立っていた裕ちゃんに驚く。
 「どうしたの?入ってたらよかったのに!」
 あわてて裕ちゃんの所へ行く。
 「う、うん。今来た所なんや。」
 少し暗い表情の裕ちゃんの手を握って私は部屋に入った。

 「ごめん!!昨日見たビデオが面白くて…すっかり携帯を見るの
  忘れてたんだ!」
 「いや、ええんや。ごめんな。別になんでもないねん。」
 やっぱりなんか変な様子の裕ちゃんをソファーに座らせて
 私も横に座った。
 「昨日な…なんか変な胸騒ぎしたんや。
  なっちが離れてしまいそうな…。それで電話したんやけど。
  なんもないならええねん。」
 昨日。
 裕ちゃんは矢口のあの告白の事を…。
 
 私はやっぱり隠す事なんかできなかったから
 裕ちゃんに言う事にした。

 「実はね、…昨日矢口に告白されたんだ。」