小説『モーニングクエスト3』

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1石川記念日
ファンタジーRPG小説です。
1、2と話がリンクしていたり、していなかったりします。(w
多分読んでないとわかんない人物とかも出てきます。(オイ
それではsage進行で頑張っていきたいので、よろしくお願いします。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Screen/3853/
一応↑に置いておきました。
必要に応じて読んでください(w
22GET:02/02/24 16:47 ID:5L/IAQMF
2GET
3石川記念日:02/02/24 16:54 ID:3I9FzZcF
店内にはモーニング娘。の曲が鳴り響いている。
自分の曲を店で聞くというのは、何度体験しても慣れるものではない。
(何か照れ臭いんだよね〜)
速いテンポの曲をかけて、購買意欲を高めようとしているか
同じ様な曲ばかりが続いている。

リリース時期も終わり、明日からミニオフが続くのだ。
オフといっても、午前中のダンスレッスンが終わってからである。
ダンスレッスンの後では、外で買い物する気も起きない。
(さてと、何かゲームでも買おうかしら?)
多忙なスケジュールのため、最近のゲームは何も知らない。
家にあるゲームは全部済ませてしまっている。
石川は当ても無く、ゲーム売り場へと足を運んだ。
(何が良いかしら?)
お勧めゲームコーナーには、ズラリと最新ゲームが並んでいる。
(新しすぎるとな〜)
ミニオフは一週間もあるが、次のオフの予定は未定
間が開くと辛いので、育成・シュミレーションゲームコーナーはパスする。
「大抵のゲームは1週間位で終わるんだけどな〜」
ジッとRPGコーナーを見る。
(攻略本が出てないとね。)
ゲームは徹底的にやり込む派の石川にとって、攻略本は必需品である。
(これなんかどうだろ?)
下の方にあるゲームを手にとってみた。
「何か良いな〜。」
とりあえずキープしておく事にした。
「こっちの方が良いかも」
さきほど取ったゲームを棚に戻す。
(ん〜ん、困ったな〜)
見れば見るほど、面白そうなゲームに見えるのである。
4石川記念日:02/02/24 16:55 ID:3I9FzZcF
(店員さんに聞いて、騒ぎになっちゃうと嫌だしな〜)
以前メンバーの誰かがパソコンショップで質問をして、
店の中が大パニックになった事があった。
某メンバーはその時の事を
「私は、ある意味電脳アイドルだから」と振り返る。
「石川はそんな事しませんよ!」
楽屋でそんなリアクションをしたので、
騒ぎになると何かと面倒だ。
明日のレッスンの時に何を言われるか、分かったものではない。
「困ったな〜。」
CD(アルバム)をジャケ買いするような気分である。
「品数が少ないのが売れてるのよね?」
しかしザッと見た所、棚に並んでいる個数は同じくらいだ。
「どうせなら、順位の良い方で…」
石川は一位の棚に並んでいるゲームを取ろうとしたが、すぐにその手を止めた。
(こういうゲームに限って、内容が無いのよね。)
どうせなら、内容の濃い有意義な時間を過ごしたい。
ふと最初にとったゲームを思い出した。
(インスピレーションって大事よね。)
本数が1本しかなかった気がするので、急いでその場所に戻ってみる。
「良かった。」
幸いな事にまだ誰も買っていなかった。
「あ・でもこれってどんなゲームなのかな?」
ケースの裏の説明を読んでみると

『転生を繰り返し、戦う魔王と勇者。
物語は完結へと向かう。三部作最後。』

と白い文字が書かれている。
「モーニングクエスト3?聞いたこと無いよ?」
詳しい絵などが書いていないため、余計に惹きつけられる。
5石川記念日:02/02/24 16:58 ID:3I9FzZcF
(あ・ピースが流れてる。)
自分のセンターの曲が流れ、ちょっと聞き入る。
(やっぱ良いね〜、ピース・ピース)
「ネガティブになってるわ。ポジティブに考えるのよ。」
そう呟くと、勢い良く買い物かごの中にゲームを入れる。
(何でゲーム一つ買うのに、こんなに考えるのよ〜。)
自分の優柔不断さも、ほとほと嫌になってくる。
「ん?」
周りから視線を感じる。
先程の声が少し大きかったようだ。
自分では小さい声で、ポツリと呟いたつもりだったのだが…。
(こ・これに決めたわ。)
そそくさとレジへと向かう。
「これ下さい」
「5800円になります。」
財布の中から1万円札を出す。
「10000円からで宜しいですか?」
「はい。」
店員が1000円札を確認する。
「1・2・3・4」
(じれったいな。)
もう一度枚数を確認した店員が、1000円札を石川に渡す。
「ご確認ください」
「はい。」
乱暴に財布にしまう。
「あと200円のお返しになります。」
「レシートください」
「ありがとうございました」
6石川記念日:02/02/24 16:58 ID:3I9FzZcF
石川が帰ろうとしたとき、客の一人が声をかけてきた。
「モーニング娘。の石川梨華さんじゃないですか?」
(やば!)
「ち・ちがいます。良く間違えられるんですよね〜。」
照れ笑いしながら、否定する。
「記念に握手して貰えませんか?」
握手を求めて手を差し出してくる。
(話し聞いてるのかな?)
むげに拒むとイメージダウンなので、仕方なく応じる事にした。
「頑張って下さい」
(声が大きいよ〜)
「はい〜」

恥ずかしくなった石川は、攻略本も買わずに一目散に店を出る。


(尾行されてないよね?)
マンションの前で辺りを見回す。
「ふ〜」
客の何人かは気づいていたようだったが、流石に尾行まではしてこなかったようだ。
「あ〜あ…どうしよう」
攻略本を買い忘れた事に、ようやく気が付いたがもはや時既に遅し…。
エレベータが最上階に到着する。
(出来そうに無かったらでいっか、
 いざとなったら、保田さんにインタネットで調べてもらおっと)
7石川記念日:02/02/24 17:00 ID:3I9FzZcF
家の鍵を開け、部屋に入り留守電のスイッチをいれる。
『用件1件です。
 中澤で〜す。石川さぁ、土曜日暇?オフやろ?
 みんなでご飯食べに行こうと思うんやけど…』
同じ一人暮らしなので、良く誘ってくれるのは嬉しいのだが、
酔って甘えてくるのだけは、よして欲しい。
「土曜日か〜」
今のところ、このオフは何の予定も入れていない。
他のメンバー達は、
スクールライフをエンジョイしたり、色々と楽しいオフらしい。
「何々・・・・
 ゲームをする時は電気をつけて、部屋を明るくしてください」


今日買ってきたゲームを早速ゲーム機に入れ、スタートさせる。

『モーニングクエスト…それは時代を超えた冒険の物語…』
オープニングムービーが始まる。
『ある時は世界を石版に封印し、
 ある時は闇の精霊として世界を混乱に陥れた
 魔王を今度こそ阻止できるのか?』
(魔王がいるのね)
几帳面な石川は、画面を丁寧に読んでいく。

『まあいい、この時代は諦めてやる。』
『こやつはもう用済みだ。』
「逃げるよ!」
「とどめだ!」
『さらばだ…。ハハハ。何百年後かに移動すれば良い事だ』

「アンタはちゃんと国を立て直すのよ?」

どうやら物語は、この300年後から始まるらしい。

暫くすると、名前を入力する画面になった 。
(名前…どうしようか?)

『イシカワ・リカで良いですか?』
あれこれ悩んだのだが、結局自分の名前を入力した。
『はい。』を選択すると、
画面が一瞬暗くなったが、すぐにテレビが光りだした。
あまりの眩しさに石川は思わず目を瞑る。
神々しい光が収まると、おそるおそる目を開けて愕然とした。

石川が目をこする。

「え?」

ぼんやりと見えていた景色が、しっかりと見え始める。

先程までの自分の部屋ではない。
冷たい風が肌を突き刺し、
そこには大きな木がポツリと立っていた。
8石川記念日:02/02/25 10:35 ID:eXe50yHd
                   1章
「大丈夫??」
(これはきっと悪い夢よ。)
「起きなって…」
(うるさいのよ。きっと寝たら戻れるのよ…)
リカの背中がポンポンと叩かれる。
(ここで起きたらおしまいなのよ。)
リカが無視していると、ようやく背中を叩くのが止まる。
(ふ〜)
っと安心したもつかの間、強い力で体がひっくり返される。
(ひい〜)
「人間だよね?こんな所に何の用事??」
黒髪の女はリカの手を引く。
驚いたリカはショックで気を失ってしまった。
「やっちゃった」
ポリポリと頭をかく。
「とりあえずウチにおいで…」
声の主はリカを背負うと、木の横の小屋へ向かった。
9石川記念日:02/02/25 10:36 ID:eXe50yHd
「んん〜ん」
「気がついた?」
「ここは?」
リカが気が付くと、そこは小屋の中のベットの上だった。
「驚かせてごめんね?
 私の名前はマキ=ゴトウ、
 この世界樹の木を守ってるんだよ。」
マキはリカを見ながら、懐かしそうに自己紹介する。
「私の名前は石川梨華です。」
リカは短く自己紹介した。
(どうなってるのよ?)
何がどうなったのだろうか?
さっぱり理解出来ないでいる。
目の前に居るのは、自分の良く知る後藤真希その人のはずなのに…
まさか、本当に夢でも見ているのだろうか?
それとも、壮大なドッキリ企画??
リカの現実逃避を遮るようにマキが尋ねる。
「どこからきたの?」
「えっと、日本ってわかります?」
「何それ?」
リカはガクッと肩を落とす。
「ところでさぁ、うなされながらゲームが何とかって言ってなかった?」
マキは椅子に腰を降ろす。
10石川記念日:02/02/25 10:37 ID:eXe50yHd
「私はゲームをするはずだったんです。」
「ゲームって何?」
「えっと…何ていうのかな〜。」
どうやって説明したら良いのだろうか?
「おもちゃ?そう、おもちゃ」
「おもちゃなんだ。」
「それでスイッチを入れたら…」
「あそこにいたって?」
「そう。」
「それを信じろと?」
「はい。」

リカが事情を説明するが、マキは首をひねった。
(分かるはず無いよね〜)
「別の世界から来たんだね〜。」
リカ自身が理解出来ていない
この状況を他人に説明する事 事態に無理がある。
「来たのに帰れないの?」
「ゴトウさんの力では無理ですか?」
「ごめん、リカちゃん。
 ゴトウの力じゃ
 元の世界に返してあげれそうにないよ。
 異次元に飛ぶには、
 タイミングとすごいエネルギーが必要なんだけど…」
 
この世界は魔王のせいで、
 バランスが崩れてしまっていた。

「マオウ?」
「この世界を自分の手にし、全てを闇に還そうとしてる」
(何かゲームみたいね。)
リカが半信半疑に尋ねてみる。
「…もしかして、魔法とかあるの?」
「良く分かったね?ちょっと見てて」
マキは何やらブツブツ呟くと、指の先から炎が出る。
「こんな感じかな?」
「凄い」
リカは力一杯拍手を送る。
(何か似てるね〜)
いつ、どこでだったかは定かではないが、
マキはリカと似た様な人間を見た事がある。
(何しろ、600年も前だもんね〜。)
寿命が長すぎるというのも、考え物であった。

「どうしたんですか??」
「いや〜、昔リカちゃんと似た人がいてさぁ、
 ちょっと見とれちゃってさ。」
「そんなに似てますか?」
「うん。そっくり」
「でも気が強かったんだよね。」
気が付くと部屋には夕日が差し込み
聞いた事も無いような鳥の鳴き声が聞こえる。
11石川記念日:02/02/25 10:38 ID:eXe50yHd
「でさあ、これからどうするの??」
マキがリカの顔を覗き込む。
(どうしよう?)
どういうわけだか、自分は不思議な世界に来てしまったらしい。
いっそ夢だったら良いのに…
「私これからどうしたら??」
リカの目からは涙がこぼれる。
「泣かないでよね〜。」
マキがリカの涙を拭いて、ギュッと抱きしめる。
「でも…でも…」
「今何かと物騒だし、魔物も多いし…」
マキはこの世界の事を話し始めた。
「何かねえ、太陽の光が弱くなったみたいなんだ。」
「太陽の光が?」
「そう、だから作物が育ちにくくなってね。
 魔物もまた出始めたしね〜。
 ってリカちゃん…
 ここは大丈夫だよ。
 ゴトウが居るからね。」
12石川記念日:02/02/25 10:43 ID:eXe50yHd
(あ〜あ、私これからどうなるんだろう?)
リカの口からため息が漏れる。
「街に行くまでもさぁ、モンスターとか出ると思うんだ。」
マキの好意により、暫く泊めて貰える事にはなったが、
この先のアテは何も無い…。
そんな事を考えていると、夜もなかなか眠れず、
ついついマキの忠告を破って、
夜の外に出て夜空を見上げる。
「どこにだって咲く〜」
もうこの歌を仲間と歌う事は、叶わぬ夢なのだろうか?
(どうなるんだろう??)

「スゥ、、、、スゥ、、、」
リカはいつの間にか寝ている。

「夜外に出たら駄目って言ったのにね。」
ゴトウが小屋から出てくる。
「その娘に指一本触れさせないよ。」
案の定、魔物に囲まれている。
「静かにしないと起きちゃうもんね〜。」
2体のゴブリンの真ん中を堂々と通過し、
眠っているリカを起こさない様に抱きかかえる。
13石川記念日:02/02/25 10:44 ID:eXe50yHd
『貴様…魔族の癖に人間の手助けなどして恥ずかしくないのか?』
「あ!?静かにしてよね。」
『何?』
ゴブリンが近づいてくる。
「黙れ…生まれたばかりのゴブリンに何がわかる?
 ここがどこで私が誰だか知らないのかしら?」
マキの黒髪がみるみる金髪へと変色する。
『…』
ゴブリンは何かに怯え始めた。
「3秒以内に消えろ」
『ふざけ…』
怯えを認めたくないゴブリンが、大声で叫ぶ。
「静かにしろと言ったでしょ?べギラマ!」
マキの掌から閃光が出ると、ゴブリンは一瞬で蒸発した。
『馬鹿な…』
「アンタも死ぬかい?」
マキがもう一人のゴブリンを睨みつける。
『覚えておけ』
「また来る気?なら死にな。メラゾーマ!」
逃げようとしていたゴブリンの背中に巨大な火の玉命中する。
『貴様…これが人間のする事か?』
「だって、魔族だし〜。」
『グァ〜』
リカを抱えたマキがゴブリンの背中を踏み。
「ここに来た事を死ぬほど後悔して、静かに死ね。」
マキの目は恐ろしく冷たい目をしていた。
14石川記念日:02/02/25 10:46 ID:eXe50yHd
「ったく…世話が焼けるな〜。」
小屋に戻ると、すぐにマキは髪を元に戻し、
リカの寝顔を見つめる。
(何で私が来るまでに襲われなかったんだろう?)

アンタが出てくるのかと思ったよ。
懐かしそうに寝顔を見つめる。
はるか昔、唯一気を許した人間達の事を思い出す。

「ひょっとして、リカちゃん誰かに呼ばれたのかな?」
だとしたら誰に??
何のために?
マキにはまだ分からない。
勿論リカにも…
15石川記念日:02/02/25 10:46 ID:eXe50yHd
次の日から、リカは生き抜くために基本的な魔法を習う事にした。
マキが言うには『華奢でも威力がでる』から有効らしい。
「メラミ」
擦れたアニメ声が、マキの耳を突き破る。
気合とやる気だけは、人一倍のようだ。
「リカちゃん、今日はこの辺にしようか?」
元々才能が有ったのだろうか?
リカはメキメキと力をつけている。
「この分じゃあ、すぐにゴトウを追い抜いちゃうかもよ?」
「本当ですか?」
リカは目を輝かせている。
「嘘に決まってんでしょ。」
「な〜んだ。」
実際かなりの成長の早さではある。
魔法を習いに来た数少ない人間の中でも、頭二個は軽く飛び抜けている。
(教えがいがあるね〜。)
リカは台所で夕食の支度をしている。
(どうやって帰るんだろうね?)

「ゴトウさ〜ん、やきそば出来ましたよ?」
「やきそばって何?」
「ん〜んと…」
「いただきま〜す。」
マキはやきそばを食べ始める。
(ちゃんと話し聞いてよね〜。)
「どうしたの?」
「な・なんでもないです。」
16石川記念日:02/02/25 10:56 ID:eXe50yHd
文字制限無いから、良いリズムでかけるよ(w
連続投稿ですか?が連発されるのは何故??
17石川記念日:02/02/26 10:23 ID:klgUvAUz
それから数日
「メラゾーマ!!」
気合は充分後は結果さえ出れば…
「ありゃりゃ〜」
マキの残念そうな声
「…」
リカはまだメラミ以上の魔法を覚えれずにいた。
ある程度の基本魔法は唱えれるのだが、
あるレベル、2段階を超えると無理なのである。
「ゴトウの教え方が悪いのかな?」
マキがポツリとうそぶく。
「そ・そんな事無いよ。次ね」
(やっぱ人間は楽しいね〜。)
「何笑ってるの?」
「ん〜ん?別に笑ってないよ。」
「笑ってたでしょ?」
「笑ってないよ。」
つまらない事での言い争い。
リカにとっては、懐かしいやりとり。
必ず生き延びて…
空気の読めない奴と言われても、そこには愛があった。
失って初めて気が付く、日常のありがたみ
「メラゾーマ」
「それじゃあ、ただのメラだよ〜。」
「んん〜ん」
リカの眉間に皺がよっている。
18石川記念日:02/02/26 10:26 ID:klgUvAUz
(上級魔法は流石に無理か〜)
リカの想像力が貧困なのか、他にもっと根本的な理由があるのかは、
マキにも良く分からない。
「性格的に向いてないのかもね?」
魔法とは使い手の性格や想像力によって、大きく威力が変化するものである。
リカは根が優しいのだ。
「どうしよ…」
「こればっかりはさぁ〜」
「そうだよね…」
リカは俯いていじけている。
「ほらあ、元気出す!」
「でもさぁ…」
「なに?」
「ごっちんが言うとおりなら、これって基本魔法だよね?」
「そだよ。」
「それで魔物に勝てるの?」
「ん〜ん」
ここに居る限りは、ゴトウがいるので安心なのだが…
「山を降りられるの?」
「どうしても降りたいの?」
「ゴトウといて楽しくない?」
「え?」
「ずっとここに居ても良いんだよ?」
ゴトウの目から涙がこぼれた。
リカは困り果ててしまった。
(そういう事じゃなくてさ。)
「昨日も説明したでしょ〜私は…」
「何とか娘のメンバーなんでしょ??」
「覚えてるならわかってよ!」
「でも苛められてるって、自分でいってたじゃん?」
「だから〜」
「苛められてる所に戻るなんて、ゴトウには理解できないよ!」
「苛められてるって言うか…
 からかわれてるって言うか…」
「嫌なんでしょ?」
「嫌じゃないよ!みんな良い人だし…」
「わかんないな〜。」

「お願いだから…わかってよ・・・・!!」
リカが叫ぶと、突風が起こった。
(今のはバギ??)
マキの頬が切れ、血が出る。
「ごめん…そうだよね。
 帰りたいに決まってるよね…。」
「ありがとう…。
 きっとまた会いに来るから…」
19石川記念日:02/02/26 10:27 ID:klgUvAUz
「じゃあ、方向転換しようか?」
「え?」
リカが顔をあげる。
「いや、攻撃魔法は基本だけで良いから…
 回復魔法でどうだろう?」
敵を殺す方法ではなく、大事な事はリカを生かす事なのだ。
「回復魔法??」
「そう。」
「私にも出来ますかね?」
「ん〜ん、どうだろう?」
マキ自身が回復魔法があまり得意でなく、
基本のホイミ・べホイミ位しか覚えていないので、
あまり大きな事は言えないのだ。

そもそも人間形態(黒髪)のゴトウは、
その状態を維持するために魔力を大量消費するため 、
強力な魔法を簡単に使う事は出来ない…。

(何か最近雲行きが怪しいんだよね。)
日に日に弱くなっていく陽射しが、魔王の完全復活の証拠であろう。
(何か前より強くなってないかな?)
転生に転生を繰り返した魔王の力は、信じられないほど強大になってしまった。
さらには、太陽の光を司る陽の精霊の働きを鈍らせ、
世界を闇で覆い尽くそうとしている。
リカには悪いが、少し期待していたのだ。
(リカちゃんは、勇者って感じじゃ無さそうだしな〜)

世界樹の木に関するこんな伝説がある。

『世界樹の木は最後の希望
 例え世界が闇に包まれようとも
 諦めてはならぬ。
 光の勇者が奇跡を起こすであろう。』

奇跡を起こすといわれる木

600年前にある人間と約束した。

「必ずこの木は守るから…」

それ以来ずっと守り続けている。
魔物が全くでない時期が続いた事もあったが、
内戦が起こったり何やらで、
結局離れる事は出来なかった。
20石川記念日:02/02/26 10:28 ID:klgUvAUz
「ゴッチン!」
マキがフラリと地面に膝をつく。
「ん・・ん、大丈夫…」
思わずリカが額に触れる。
「凄い熱じゃないですか!」
「大丈夫だから…」
「何いってるんですか!」
珍しくリカが怒った。
「大人しく寝てください。」
実は本当に大丈夫なのだ。
ここの所、
人間状態で居続けたために、魔力が無くなりそうなのだが…
(リカちゃんに言ったら嫌われるかな?)
何となく、リカには魔族だと知られたくない。

「薬無いから、街に行ってくる。」
「まだ無理だって…」
死にに行くようなものだと、マキが説得する。
「じゃあ、黙ってみてろって言うの?」
何故かリカが泣き出す。
「私…ゴッチンが死んだら…」
(本気で心配してくれてるんだ。)
マキは、それが申し訳なくて堪らなかった。
21石川記念日:02/02/26 10:32 ID:klgUvAUz
「リカちゃん…私実は…今まで黙ってたけど…」
「なに?良いから寝てて…」
リカがマキの肩を押さえつけ、上から布団をかける。
「あ・ありがとう。」
マキの目から涙がこぼれる。
(年をとると涙腺がゆるくなるのかね〜)
「大丈夫ですか?頭痛いんですか?」
リカが再び額に触れた。
(風邪をひいたのかな?)
風邪をひいた時に必要なものを考える。
「!!」
押入れから皮の袋を持って来る。
(出来るかな?)
練習の時には一度も出来なかったが、今なら出来る気がする。
「ヒャド…ヒャド…ヒャド!!」
リカの右手から氷の粒が、
ジャラジャラと放出され左手に持っていた袋へと落ちていく。
「えへ、」
何とか成功である。
失敗したら袋が破れていた。
魔法をコントロールするのは、ただ唱えるよりも数段難しい。
「お〜お」
マキがパチパチと拍手する。
「えへ」
思わず照れ笑いする。

「ちょっと行ってくるから…」
氷枕を額に当てられたマキが、不安そうにリカを見つめる。
「えっと…街の場所は…」
(リカちゃん本当に大丈夫かな?)
街に行くためにはそう険しくない山を降り、森を抜けるだけでいいが
森は魔物が多く生息している。
机の上の地図に印をつける。
「南にいけば良いのね。
 じゃあ、行ってきま〜す。」
リカが静かに扉を閉めると、マキはこっそり変身を解く。
(これで帰ってくる頃には…)
22石川記念日:02/02/26 10:36 ID:klgUvAUz
明日更新できれば、リカの冒険の始まり
23名無し:02/02/27 13:40 ID:bbtDkis/
はっけーん(w
頑張ってください
24石川記念日:02/02/28 21:25 ID:Sy8Klzup
「あれ?もう着いちゃった?」
一本道だったなので、迷いようが無かった。
幸運な事に魔物と遭遇する事無く、何とかふもとの街オービットに着く。
(やっぱ日頃の行いが良いからかな?)
リカが『オービット』という看板をくぐる。
小さいとはいえ、久しぶりの街
スキップしたくなるのを抑えて、まずは本題の薬屋へ
(薬屋さんは〜。)
とりあえず、店の看板を見て回る。
(あ・・・、ここはあとで…)
小さいとはいえ、広場の中に噴水があり、
子供達の憩いの場となっている。
その周りでは子供の親達が、楽しそうに世間話をしている。
後で色んな人に聞いてみれば、
この先どうしたら良いか見えてくるかもしれない。
しかしとりあえずは、用事を済ませなくてはならない。
「あの〜」
「はい?」
「道具ってどこで買えるんでしょうか?
肝心の店が見つからないで、道行く人に聞いてみる。
「道具ならあそこよ!」
街人は黄色い屋根の店を指した。
「ありがとうございます。」
リカは丁寧にお礼を言った後、その店へと向かった。
(道具なのかな??)
窓から店の様子を見てみる。
「お休みじゃあ無いようね。」
客が一人もおらず、店員は暇そうだ。
25石川記念日:02/02/28 21:31 ID:Sy8Klzup


今がチャンスとばかりにリカが店に入る。
「いらっしゃいませ!」
店員と目が合う。
「あの〜」
「何をお探しでしょうか??」
「お薬ありますか?」
「はい。少々お待ちください。」
店員はクルリと後ろを向くと、引き出しを開け中から箱を出した。
「どれになさいますか?」
箱の中には色とりどりの薬品や草が入れられていた。
(きれ〜)
リカは思わず見とれてしまう。
レストランのサラダの組み合わせを選ぶようである。
「これは?」
リカが右端の黄色い瓶を指差す。
「ピュアーでよろしいですか?」
店員は瓶を箱から取り出す。
「いえ、何使うんですか?」
「これを使うと、モンスターが近寄りにくくなります」
「じゃあ、これは?」
今度は緑色の草を指差して尋ねてみる。
「アンチポイズンにございますか?」
(違うような気がする…。)
「ありがとうございました。」
店員の顔が引きつっていた。
初めてみるアイテムに感激したリカが散々聞くだけ聞いて、
何も買わなかったので、店員が怒り出したのだ。
26石川記念日:02/02/28 21:40 ID:Sy8Klzup

(どうしよう?)
ため気を吐きながら、街の探索を再開する。
「教会?」
白い屋根の上には、十字架が掲げられている。
(ごっちんのお祈りも兼ねてるんだからね。)
自分自身を納得させるように足を踏み入れた。
中には数人の住人と神父がいる。
青白い顔の神父が
「迷える子羊よ?この教会に何の用だ?」
慣れた調子で尋ねられる。
「薬を頂けませんか?」
「薬?」
「はい。友人が凄い熱で…」
「左様か…この薬を飲ませるが良い…」
(本当に大丈夫かな〜?)
リカは少し不安だったが、
神父は懐から赤い小ビンを取り出し、何やら調合し始めた。
症状を聞いただけで、的確に調合する辺りさすが神父である。
(人は見かけによらないね〜。)
「ありがとうございます。」
リカがペコリとお辞儀すると、神父はオホンと咳払いした。
「うむ、では300ゴールドである。」
「え?」
リカが目を白黒させる。
「どうした?急ぐのであろう?」
「いやだから…、お金掛かるんですか??」
今度は神父が目を白黒させた。
「当たり前であろう?
 今どきタダでやっていたら、教会として成立しないじゃろ?」
(そ・そんな…)
「な〜に、
 ちょっと働いてくれば、すぐ貯まる額じゃよ。」
「急ぐんです…!」
ポケットの中に手を突っ込んでみたが、
50ゴールドしかなかった。
「これで何とかなりませんか?」
神父の顔がほんのりと赤くなる。
「すまんなぁ、こっちも商売なんでな…。
 どうしてもというなら、体で払うか?」
「ふざけないで!!」
神父の予想だにしない言葉に
リカは泣きながら教会を後にする。
27石川記念日:02/02/28 21:47 ID:Sy8Klzup
(どうしよう?このままだとゴッチンが…)
街の外れを流れている川に小石を投げる。
ポチャン、水面に輪が出来る。
(ちょっと我慢すれば、良いだけだよね?
 働いてる時間なんて無いよね?)
今度は水面を跳ねさせてみる。
(魔法教えてもらったじゃない。
 今度は私の番よ!)
マキの苦しむ顔が思い浮かんだ。
「親友のためには体を張る位、たいしたことは無いよ!」
言葉とは裏腹に石を握る指が震える。
(でもやっぱり怖いよ。)
その場にしゃがみ込み水面を見つめた。
「え?」
水面には自分の背後に沈み行く太陽が映っていた。
「もうこんな時間?行かなきゃ!」
リカが教会に向かうために振り返る。
(いた…)
何かにぶつかった。
パラパラと地面に商売道具?らしき物が落ちる。
「何すんねん?」
「あ・ごめんなさい。」
リカも慌てて拾うのを手伝う。
「あ・・・ありがとな。」
「いえ。」
最後の1個を拾う時、二人の手が触れる。
(冷たい…)
何か水仕事でもしていたのか?と疑いたくなるような冷たさだ。
相手はサッと手を引っ込めると、1個1個ていねいに確認し始めた。
「すみません。」
リカが心配そうにそれを見守る。
「ちょっと待って〜な。」
「はい。」
ジッと商品を見つめては頷き、カバンにしまう。
(弁償とか言われないよね??)
リカはドキドキしながら、その様子を見守った。
「よっしゃ!」
「大丈夫ですか??」
「大丈夫やねん、ところでお姉さんさっき教会に居なかった?」
「いたよ。」
先程のやりとりを見ていたようだ。
28石川記念日:02/02/28 21:50 ID:Sy8Klzup
「あんな、あれ欲しいんやろ??」
「うん」
リカが頷く。
「友達助けたりーや。」
「でも…お金が…」
ピンクの可愛らしいカバンの中から、今度は黒いサイフを取り出す。
「え?」
「貸したげる。」
「良いの?」
「良いねん。」
「どうやって返せば??」
「ウチな、旅の商人やから、色んな街で会うと思うねん。
あとな…。」
相手はリカに向けて何かを呟く。
「今呪文かけたから、いつでも居場所はわかるで…。
 返金されたら解くね?」
(スネーク?聞いた事無い魔法ね?)
「いくらやっけ?」
「50ゴールドあるから、
 250ゴールド貸して欲しいんだけど…
 本当にいいの?」
「ええねん。ところで、姉ちゃん名前何ていうの?
 ウチはアイ=カゴやから、アイボンね。」
良く見ると、まだ幼い少女だ。
「リカ=イシカワだから、リカで良いよ。」
「急ぐんやろ?」
「あ・うん!お金ありがと!」
「今度あったときで良いねん。」
気が付くと、すっかり日は落ち暗くなっている。
(ゴッチン・・待っててね!)
「迷える…」
「良いから、薬ください!!」
勢い良く金を叩きつける。
「はい〜。」
ビビッタ神父から薬を受け取ったリカが、病に苦しむマキの元へ急ぐ…。
寄り道は出来なかったが、それも仕方ない。
(本題はこっちなんだから)
リカは駆け足で、オービットを出たが、
森を抜けると、辺りは真っ暗になった
29石川記念日:02/02/28 21:53 ID:Sy8Klzup
太陽は既に半分が山に隠れている。
「夜は魔物が出やすいよ。」
マキの忠告が頭をよぎる。

(わぁ〜。)
急いで足元がおろそかになり、切り株につまづく。
(まさか…)
慌ててビンを確認したが、何とも無く一安心する。
再び歩き始めると、プチッと靴紐が切れる。
(何でこんな時に?)
イライラしながら、靴紐を結びなおす。
(何か嫌な予感がする。)
靴紐を結びなおすと、今度は頭の上に何か落ちてきた。
「痛たた。」
(今度は何よ?)
リカが後ろを振り返る。
「キキ!」
青いスライムが襲い掛かってくる。
水色の半透明なスライムである。
激しく鳴いている。
ジェル状の身体をヒュンッと伸ばしてきたと思ったら
独特なホイップクリームみたいな形状に戻る。
その素早い攻撃をかわす事しか出来なかったが
とうとう木を背にしてしまう。
(避けれないよ、、、、あ)


「あ!」
こんな時こそ、習った魔法を使えば良い事に気がつく。
(ん〜ん…。リカの初対戦はスライムね。)

地球の歴史からすると、
どの位の重さになるかはわからないが、とりあえず青春の一ページに書いておく。
それから、眉間にしわを寄せ精神を集中し、火をイメージする。
「メラ!」
1発目はかわされた。
一箇所だけ焼いても、すぐに再生してしまうから厄介である。
単発では無理だ。
(こうなったら…)
「メラ!…メラ!…メラ!」
唱えれるだけ連発したが、スライムは平然としている。
「そんなぁ〜」
再び攻撃を受けると、
スライムが余裕なのか、目の目に着地した。
「キキキキ」
「見てなさい、これならどう?」
リカはイライラをつのらせて、
メラ系の中級魔法メラミをぶっ放したのである。
「メラミッ!!!」
突き出された平手の前に生み出された火球は、
スライムの存在を一瞬にしてかき消した。
「はぁ、、、はぁ、、、、」
なんて疲れたのだろう。
上を見る。
何とか完全に日が落ちるまでには、帰れそうだ。、
地面には黒い跡だけが残った。
リカが恐る恐るスライムが居た場所を見ると、何やら黄色い物が光っている。
「ホイっとな。」
間違って飲み込んでいたのだろうか?
リカは1ゴールドを手に入れた。
30 ◆KOSINeo. :02/03/01 23:06 ID:KIgvF0Zv
>石川記念日さん
小説総合スレッドで紹介&更新情報掲載しても良いですか?
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013040825/
31石川記念日:02/03/02 12:12 ID:3OpyvWrt
>>30
遅くなってすみません
よろしくお願いします
32名無し:02/03/02 12:38 ID:78tspOzb
33石川記念日:02/03/02 19:50 ID:3OpyvWrt
「リカちゃんまだかな〜。」
魔族の姿に戻して、
すっかり元気を取り戻したマキが、心配そうに街の方を見つめていた。
太陽はとっくに姿を消し、代わりに月が顔を出し始めている。
(見えるかな?)
マキは世界樹の木の枝に飛び移ると、再び街の方を見る。
「!!!、まさか魔物と戦ってる何て事は…。」
ハッとした様に顔を上げる。
「って、そんなわけないよね〜。
 夕飯の準備でもしてようかな〜。」
人間の状態のマキでも、実は人間の数千倍の視聴覚を持っており、
この付近で大きな戦闘が起こったり、強力な魔物が現れれば、瞬時に察知できるのである。
(リカちゃんなら、大丈夫なんじゃないかな??)
枝の上で足をパタパタしながら、マキはある事を考える。
まだ出会って数日しか経ってない仲だが、
リカなら魔族の自分でも、受け入れてくれるような気がしていた。
「でもな〜。」
騙してたの?とか言われると、困ってしまうのである。
マキだって好き好んで、人間の姿をしている訳ではないのだ。
あれでも旅人が木を訪れるかもしれない。
そのとき魔族の姿で居ると、占拠していると思われたりして不便なのだ。
「!!!、わぁ」
突然地面が揺れた。
34石川記念日:02/03/02 19:51 ID:3OpyvWrt
「何だろう?」
木から飛び降りたマキは、地面に耳をつける。
(1・2・3…)
あまり強力ではないが、足音が物語るように数は多い…。
(群れかな?)
これは厄介である。
なぜなら、
世界樹の木に向かって、群れが一直線に突っ込んでくるのだ。
一人で守るには、どうやっても限界がある。
元気なマキならこっちからも突っ込んでいく所なのだが、
回復したといっても、まだ60%程度なのでそうも行かない。
まだ肉眼で確認できないので確証は無いが、敵はかなり多いと考えられ
下手したら、マキはペシャンコに潰されてしまう。
「リカちゃん大丈夫かな?」
ふと気が付けば、
月はもうマキが顔を思いっきり首を伸ばさなければ、
確認出来ないような高さにまで昇っている。
(今日は街に泊まったのかな?)
それなら好都合だった。
「リカちゃんが帰ってくる明日の朝までに敵を全滅させる。
 そんで変身して、ベットで寝たフリ…。」
今まで通りで良いのだ。
35石川記念日:02/03/02 19:51 ID:3OpyvWrt
「んと…」
マキが再び地面に耳をつける。
「え!?あれれれ??」
敵のスピードが想像以上に速いのだ。
これでは相手の陣形に合わせて、的確に分身を作る事が出来ない。
いつもなら、先に作っておくのだが…
それを一気に移動させる程回復してもいない。
「どうしよう…。
 仕方ない、シャドウ!!!」
とりあえず分身だけは、先に作っておき木の周りに配置しておく。
(もっと作っておこうか??)
しかしこれ以上作ると、マキ自身が戦えなくなってしまう。
こんな事なら、あの時に告げてしまえば良かった。
マキの頭に後悔の念が浮かぶ。
しかし、すぐに敵の気配を感じ気持ちを切り替える。
「もうおいでかしら?」
狼の群れがこちらに向かってきている。
「あれかな?思ったより少ないかな?」
ちょこっと安心してから、魔法を唱える。
「イオナズン!!」
マキは右手で胸の辺りを探り、
普段はペンダントにしている白い宝石を握り締めた。
(またお世話になるね。)
昔ある人間からこの宝石を貰ってから、
イオ系の魔法が、ぐっと使いやすくなった。
爆発系の魔法は自分が巻き込まれる恐れがあるため、
扱いが非常に難しいのである。
その人間の話では、宝石には空間を司る精霊が封印してあるらしい。
36石川記念日:02/03/02 19:53 ID:3OpyvWrt
空気中の成分を魔法力で合成し、狼の群れの中で爆発させると、
大爆発が起こり閃光で何も見えなくなる。
「案ずるより産むが易しか…」
マキが目を開けると、狼の群れは無事消滅していた。
(おかしいな〜。)
狼が何の目的があってここにきたのだろう?
野生動物にとっては、ただの木のはずなのだが…。
誰かがけしかけたのだろうか?
何のために?
「私に魔法を使わせるため??」
マキが人間と一緒にいる事を知っている魔物が??
リカと知り合ったのは、ほんの最近…
倒した魔物の数もたかが知れている。
(どいつだ?)
狼を使った事から、多少の言葉を理解する知能があり、
さらにマキに恨みを持っている魔物…
「まさか…でも…」
ゴブリンは確かに倒した。
(仲間がいた?)
魔物にも徒党を組む輩はいるが、
あのゴブリンがそうだったとは…。
そうと知っていれば、
周りのカラスも殺しておいたのに…。
だとしたら困る事がある。
木は守った。
次に狙うのは?
(…リカちゃん?)
37石川記念日:02/03/02 19:55 ID:3OpyvWrt
マキの胸が騒ぎ出す。
もしかして、帰りが遅いのは…。
「ゴッチン…逃げて…」
リカの今にも消えそうな声が聞こえる。
「リカちゃん!?」
その時、マキの頬を弓矢がかすめた。
(…??)
傷口から赤い血が出てくる。
「どこ?」
『ここだよ。』
「え?」
背後から低い声が聞こえた。
「誰?」
リカの事を考えている間に敵は、マキの死角へと回っていた。
マキはキョロキョロと顔を振り、後ろを振り返る。
(他には居ないようね。)
『貴様に子供を惨殺されたんだよ!』
「狼を使ったのもアンタ?」
『ああ…、貴様あの人間が気に入ってるのだろ?
 魔力もだいぶん消耗してるみたいだが?』
「気に入ってる?馬鹿言わないでよ!」
マキが髪をかきあげる。
『これを見てもまだつよがれるかな?』
目の前にはリカの首にナイフを突きつけた青いゴブリンが、暗闇の中から姿をあらわした。
「ちょっと!その娘は関係ないでしょ?」
『その慌てようからすると、やはり大切な者のようだな。』
「何をするつもり?」
『貴様の大切なものを壊す。』
青ゴブリンはリカを仲間のゴブリン達に任せ、世界樹の木を指差す。
『まずはあの木を折らせて貰う。
 魔王様もお喜びになる事だろう!!!
 貴様が少しでも動けば、あの娘の首が飛ぶ事になるぞ??』
「そんな事させる…か…!」
(何よ?体が…)
体が痺れて思うように動かない。
『先程の矢には、薬が塗ってあったのだ。
 念には念を入れたんだよ!!』
青ゴブリンの高笑いが耳障りだが、どうしようもない。
(リカちゃんが無事だっただけでも、良しとするしかないのかな??)
『そうだ。せっかくの機会だ。
 魔王様に逆らうとどうなるかを教えてやろう!!』
青ゴブリンがマキの脇腹を蹴り上げた。
「グハ・・・・」
マキが地面に倒れる。
『まだまだだ。起こせ!!』
手下のグブリン(ちょっと小さめなゴブリン)達が、
地面に倒れ脇を抑えているマキを無理矢理立たせる。
38 :02/03/05 06:16 ID:qegNevD4
39石川記念日:02/03/05 09:27 ID:butz7uXi
「ゴホゴホ…オエ」
マキの口から大量の血が噴き出す。
「効かないね!!」
マキが青ゴブリンを睨みつける。
『ふん…!
 では人間に先に死んで貰って、
 貴様の絶望に歪んだ顔を見せてもらうとするか??』
「待て!!!!」
マキが左手で口を拭うと、下っ端の手を振りほどき青ゴブリンを蹴った。
「ハァ〜、ハァ〜…
 リカちゃんには、指一本触れさせないよ!!」
『死にぞこないに何が出来る??』
ゴブリンの指摘は最もだ。
(でも負けられない…。)
マキの魔力は、既に底を尽いている。
殴られ続けたおかげで、大量に血を失ったため
視界も意識もハッキリしていない。
自慢の体力も尽きかけている。
「やってみなきゃ、わかんないでしょ?」
口だけでも強がっていないと、とてもじゃない倒れてしまいそうだ。
『減らず口を!!』
苛立ったゴブリンが、再びマキを蹴り上げる。
「オエ…」
マキの体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。

40石川記念日:02/03/05 09:28 ID:butz7uXi
『他愛無い…。さてまずは命令通り木を…』
「…待…て!!」
マキの左手が、ゴブリンの右足首を掴んだ。
『離せ…!!え〜い、忌々しい!!!』
ゴブリンが大きな遠吠えをする。
『ゴガ〜!(集まれ!!)』
瞬く間にモンスターが、集まってきた
「やめろぉおおおおおお!!!」
マキの顔が絶望に歪んだことで、
勝利を確信したゴブリンは、
マキの体を左足で踏みつけ満足そうに木へと向かう。
周りを囲んでいたモンスター達も、徐々に木へと近づいていく。
「やめろ〜!!!」
瀕死のマキの叫びは、むなしく響き渡るだけだった
『この木さえ無くなれば…』
ゴブリン達が斧をセーので構える。
(守らないと…)
思うように動かない体をもどかしく感じる。
(ん…??)
何だろう?
この嫌な予感は…
高い魔力が接近してくるのを感じる。
ンっと空を見上げると、突然真っ暗だった空がが光りだした。
(雷かな?)
ゴブリン達はまだ気が付いていないようである。
「気のせいかな??」
殴られすぎて、気が変になってしまったのだろうか??
マキがブンブンと首を振る。
(ま…ま…さ…か…)
間違いない…この魔力の高さは魔族である。
思い当たる魔族が一人居る。
41石川記念日:02/03/05 09:32 ID:butz7uXi
上空の雲が二つに割れ、中から魔族がゆっくりと降りてくる。
(あれは??)
かなり強い魔力を感じる。
ひょっとしたら、魔王が??
万事休すとマキが目をつぶったその時…
ズガァアアアンッ!
『グァァァァ…!!』
リカを捕まえていたモンスターが一瞬にして消滅した…。
それを皮切りに次々と、リカの周囲のモンスターにも稲妻が命中する。

(これはライデイン??)
伝説の勇者にしか使えないといわれる魔法…デイン系
はるか上空に雷雲を呼び起こし、
それが発生する稲妻で、モンスターの脳天を直撃する呪文…
(のはずなんだけどね…)

『何事だ?』
ゴブリンがようやく異変に気がついた。
まだ誰が呪文を唱えたかには、気がついていないようである。

どうやら、モンスターの仲間ではないらしい。
ましてや、魔王でもないようだ。
魔族は、禍々しい両翼を動かし、世界樹の木の方へ向かう。
(じゃあ、この強力な魔力は??)
「危〜な!…!」
マキが体を逸らして、稲妻を避ける。
(助けてくれるんじゃないの??)
モンスターの姿が、はっきりと見え始める。
『貴様ぁぁ!!!何のつもりだ!!!』
ゴブリンの一匹が、謎のモンスターに向けて斧を投げる。
『…』
謎の魔族は斧を長い指二本で、軽々と止めると
空中で二・三回転してそれを投げ返しす
『グォォォ!!』
力の差は歴然としていた。
(木に当たったらどうするのよ?)
斧はブーメランのようにゴブリン達の首を飛ばし、青ゴブリンの足元に突き刺さった。
『お…おのれぇぇ!!!』
残るは青ゴブリン一匹
(何者よ??)
あの実力から言って、青ゴブリンは瞬殺されるだろう。
問題はその後だ…。
今のマキではあれには勝てない…。
魔族が地上に降りてくる。
そのまま魔法で楽勝なのだが、腕力でも力の差を見せ付けるつもりなのだろうか??
(何を考えてるの??)
青ゴブリンが飛び掛る。
『…』
黒い腕が青ゴブリンの腹を貫いた。
『ウガァァァ!!!!」
敵は全滅したが、緊張は消えない…。
42石川記念日:02/03/05 09:33 ID:butz7uXi
今回はマターリと行く予定です。(w
43石川記念日:02/03/06 09:31 ID:N8/pyk9J
『……』
謎の魔族は、無言で歩き始める。
腕や爪に付着したゴブリンの血をペロリと舐めながら…
(こっちくるよ…。)
恐怖で体が震える。
近づいてきて、初めて分かった。
その威圧感の凄さ
(1時間も向き合ってたら、気が変になるな〜。)
恐怖で体がブルブルと震える。
マキは最後の力を振り絞り、フラフラと立ち上がろうとした。
しかし、相手の歩行はそれよりも速かった。

突き刺さるように感じる視線
深夜の暗闇の中でも、はっきりと見えマキとは、比較になら無い程の黒い肌
魔族は黒ければ黒い程、身に宿す魔力が強力になると言われるが、
本当に生まれつきかと疑いたくなる程である。
マキの視線の高さが、徐々に上がっていく。
肌とは正反対に派手なピンクの服
その服の上からでもすぐにわかる豊満な胸
44石川記念日:02/03/06 09:34 ID:N8/pyk9J
しかし見上げたマキが驚いたのは、そんな所ではない。

「貴方は誰??」
何の目的で、現れたのだろうか??
一見敵では無そうだ…。
「何故あんな魔法を??」
ライデインは勇者にしか使えない筈であるし、
ただの魔族が、簡単に使いこなせる様な呪文ではない。
マキが見上げながら、思いつく限りの事を尋ねる。

『久しぶりねぇ…。600年ぶりかしら??
 全然変わってないねぇ!!』
謎の女性魔族はマキを見下ろして、小さな声で懐かしそうに答えた。
「え???」
600年ぶり??
全く心当たりが無いのだが…。
マキはキョトンと首を傾げた。
『とりあえず、先にあれに用があるんだ…』
気絶して地面に倒れているリカの方へ歩き始める。
(何をするつもりよ??)
事と次第によっては、戦う事も考えなければならない…。
正直勝ち目は無いだろうが、場合によっては、
差し違えてでも阻止しなければ…。
45石川記念日:02/03/06 09:35 ID:N8/pyk9J
まずは、仰向けに転がっているリカの体を意外と優しく起こした。
「え????」
急に接近した魔族の顔が、自分と瓜二つな事にリカは思わず息を呑む。
すると、ムギュッとリカは抱きしめられる。
豊満な胸と胸がブツカリ、少し息苦しい。

「あ・あの…」
リカは顔を真っ赤にしている。
初対面の人間に抱擁されるなど、初めての体験なのだろう。
『久しぶり…やっと見つけたよ!!』
女性魔族はリカの肩を嬉しそうにポンポンと叩くと、
再び手繰り寄せた。
46石川記念日:02/03/06 09:36 ID:N8/pyk9J
「貴方は誰ですか??」
リカが怪訝そうに尋ねた。
『私?チャーミーってのこれから宜しくね?』
「これから?
 え?ちょ…ちょっと…」
チャーミーがリカと同化を始める。
『戦闘の時は呼んでくれれば、すぐに出てくるからぁ』
「いや…だからちょっと…」
『やっぱ良いねぇ。』
「何がですか??」
リカは今にも泣き出しそうである。
『ん〜ん、何て言うのかな〜、
 波動が合うのよ。
 元気が出るって言うのかな??
 人間でいうと、御馳走食べてお腹一杯って所から??
 じゃあ、私疲れたから寝るね??』
 リカは半ば落胆する事を確信しつつ、チャーミーに問い掛ける。
「私食べられちゃうの???」
『大丈夫…大丈夫…
 先は長いんだし、仲良くしようよ??
 それにねぇ〜、
 私さぁ、
 アンタの傍に居ないと、魔力がすぐに尽きて死んじゃうのよね??
 それでも外に出ろって言うの??
 …冷たいんだね?』
いきなり現れて随分勝手な言い分で、
リカに反論する隙を全く与えななかったのだが、
突然チャーミーの声と気配が、リカの体の中から消え入る。
(今度は何があるって言うのよ〜??)
47石川記念日:02/03/09 22:24 ID:EwFVVfpo
ttp://ishikawakinenbi.hoops.ne.jp/
すみません…
次の更新は1のラストに関係する所で少し悩んでます。(汗
月曜日には更新したいと思ってます。
俺の考える
1の最後はこうだという人は、(w
リメイクなり、カバーなりご自由にどうぞ
48石川記念日:02/03/11 19:29 ID:H+8rodtt
『グハハハハ…
人の心は闇に満ち溢れている!!
人間が滅びでもしない限り、
貴様等に勝ち目は、無いのだぁ!!』
(今度は何??)
チャーミーの記憶が、リカに流れ込んでくる。
「魔王を追いかけるために私は時代を超えてやってきた。」
(時代を超える??)
リカの胸に淡い期待がよぎる。
「それは無理よ?リカが居なくなると困るから…」
チャーミーにはリカの考えている事が、瞬時に伝わるらしい。
(そんなぁ〜ぁ。)
「続きを見ようか?」
(続き?)
これ以上何を見せようというのだろうか??
そしてチャーミーはリカに何を求めているのだろうか??
49石川記念日:02/03/11 19:30 ID:H+8rodtt
「ち…っくしょう!!!!」
「どうする?」
魔王と戦っていた戦士達が、リカに意見を求めてきた。
『また私が追う!!
 今度は逃がさない様にする。』
「でもどうやって??」
戦士達も不安を隠せないのか、口々に諦めの言葉を呟く。
『今ならアイツが逃げた時の扉がある。』
チャーミーは、先程魔王が逃げた時空の扉を指差す。
「あんな物大丈夫なの??」
「危険すぎる。」
『アイツは魔族の王だった私の父を殺すために
 父が唯一愛した人間とその娘を人質に取った。』
「魔族の王が人間を??」
妙な話である。
魔族が人間を好きになり、子供まで産ませるとは…
『父が若かった頃、
 ある街を襲っているとき、教会にシスター母が居て、
 最後まで抵抗を止めなかったらしい。
 その気の強さに惹かれて、城にさらったんだって』
「それって愛したって言うの??」
 魔族の愛情とは、人間とはかけ離れたもののようだ。
50石川記念日:02/03/11 19:31 ID:H+8rodtt
(私に何の関係があるの??)
リカの頭がこんがらがっていく。
はるか昔 
チャーミーは仲間達と魔王を追い詰めたが、あと一歩で逃げられた。
『まぁまぁ、話は最後まで見てそれからそれから』

『最初は母は当然父を拒んだけど、ある時父がひどい怪我をしたんだ。』
「怪我ってするんだ?」
仲間の一人が、意外そうに尋ねるが無理も無い。
魔族が怪我の治療をする所を人間は、殆ど見る事が出来ない。
なぜなら人間と魔族の戦いは、どちらかが死ぬまで終わる事が無いから…
『私もそうなんだけど、攻撃魔法は得意だけど、回復の方はちょっとねぇ〜。
 父の場合はもっと極端で、自然治癒しか無かったらしいの
 それでも母に会いに来るものだから、回復魔法を使ったんだって、
 「あぁ〜、この人(?)には、私が必要なんだ。
 きっと神様が私を導いてくれたんだ。」と思いながらね』
もはや運命と諦めてしまったのだろう
 『それから数年して私が生まれた。』
51石川記念日:02/03/11 19:31 ID:H+8rodtt
チャーミーの言葉に熱がこもる。
『元々魔族が人間と付き合うことに批判的だった魔族や
 人間界を支配したい魔族が、父に反乱を起こした。
 父もある程度は覚悟していたからねぇ
 何とか理解してもらおうとしたんだけどね。』
「どうなったの?」
『さっきも言ったとおり、魔王を中心とする組織がねぇ…』

「それで魔王を追いかけてきたの??」
『そう…
 だからぁ、アンタラともお別れ!
 そうそうアンタねぇ、
 アンタまで付いてくる必要はないよ。』
目の前に映っていた女性の体が、青い光に包まれる。
「んん〜ぅ」
『アンタに合わせて裏迦なんて名乗ってたけど、
 私にはチャーミーって、ちゃんとした名前があるんだからねぇ!!
 心の片隅にでも覚えてよ!
 アンタの中居心地良かったよ。
 って伝えておいてくれる?』
「わかった。」
『それじゃぁ…行きますか…』
チャーミーの記憶はここまでのようだ。
52石川記念日:02/03/11 19:48 ID:H+8rodtt
『理解できた?
 私が何でリカの中にいるか…』
(全然…)
さっきの女性と何か関係があるのだろうか??
『ん〜ん、何でわかんないの?』
チャーミーの悲しそうな声
(ひ.ひぃ...
 ご・ごめんなさぃ!)
『取って食ったりしないから安心して、
 私疲れたからねる!
 チャオ!!』

「リ〜カちゃん…」
名前を呼ぶ声にリカが目をパチクリさせて答える。
「???」
今のは夢だったのだろうか??
ではどこからが??
モンスターを倒した所までは記憶がある…。
ポケットの中に手を突っ込むと、コインが指に当たる。
とりあえず、あそこまでは現実のようだ。
「ねぇ、ごっちん?」
マキの姿がはっきり見えない。
ボンヤリとモヤのかかった状態から、視界が回復する。
「ごっちん??」
自分の知るマキの姿ではない。
どちらかといえば、夢に出てきたチャーミーとか言う魔族に似ている。
「ごっちんだよねぇ??」
リカがビクビクしながら尋ねてみる。
「う・うん。」
マキが途惑いながら答えた。
「あ・あのさ、リカちゃん!!
 今まで黙ってたんだけどぉ。
 私人間じゃないんだ。」
「人間じゃない??」
「そぅ!さっきの奴と同じ魔族なんだ。
 でもねぇ騙してた訳じゃあないんだよ??」
(さっきの奴??)
どうもチャーミーの事のようだ。
マキの目から涙が零れ落ちる。
「この木…」
「そうだったんだぁ。」
確かにリカだって、いきなり魔族の姿で現れたら警戒心を抱いていただろう。
今の姿は、約300年前に伝説の真偽を確かめるために
首都『サマーナイトタウン』から、
遥々やってきた勇敢な兵士の姿をアレンジしているらしい。
「私達友達??」
「うん…勿論…ずっと友達!!
 魔王倒したらまた会いに来るよぉ!」
「じゃあ、これ…友情の証…」
マキが照れ臭そうにペンダントを外し、リカの首にかける。
「良いの?」
「何かねぇ、
 空間を司る精霊が宿ってるらしいから、リカちゃん守ってくれるよ。」
「じゃあ、私からはこれ…
 帰る途中初めてやっつけた魔物から貰ったお金」
短い間だったが、長い付き合いの友人のような別れだ。
「まずはどこへ行くの??」
「もう一回オービットに行くんだ。」
アイボンに借金を返さなければならない。
「困った事があったら、エンジェルモーニングに行くと良いよ。
 世界で最も神聖な場所だからぁ!!
 神父とかも沢山居るし、きっと力になってくれるよ。」
「わぁかった〜」
リカの姿が段々と小さくなっていく。
心配そうにマキが空を見上げる。
冒険はまだ始まったばかり
    1章完
53石川記念日:02/03/11 19:49 ID:H+8rodtt
明日から2章に入りま〜す。(w
2の最後の辺りを読んでおいたほうが良いかな??(w
54石川記念日:02/03/13 21:59 ID:PA6hD9RB
ちょっと休憩(w
http://ishikawakinenbi.hoops.ne.jp/
2は↑にも置いてありますんで…。
55石川記念日:02/03/13 22:01 ID:PA6hD9RB
ミスった(汗
sageますんで見逃してください。(汗
56ねぇ、名乗って:02/03/15 15:28 ID:jOBNQwG4
第一章完結記念保全
57名無し娘。:02/03/16 16:52 ID:Bm1Pe7yo
第二章開始期待保全
58石川記念日:02/03/16 20:29 ID:X90nherU
期待されてるの(w
もうちょっと待ってくださ〜い
59名無し娘。:02/03/16 22:55 ID:Bm1Pe7yo
催促みたいに聞こえたらスマソ
マイペースで更新してください。
60ねぇ、名乗って:02/03/17 08:50 ID:xKzlU0aq
マターリ待つから安心して>作者
61石川記念日:02/03/18 17:49 ID:njgFHhkQ
魔王を追いかけて、時を越えた勇者はチャーミーだけではない。

ここにももう一人…

彼女の勇気は称えたい

しかし生身の人間が時を越えるのは、やはり無理があり

彼女を待っていたのは、記憶喪失という悲惨な結末だった

               2章

「あんまりキョロキョロしない方が良いですよ?」

「うっさいわねぇ!!」

エルフ達の好奇な視線が痛い。

(私が何をしたって言うのよ??)

アサミ=コンノと名乗る少女は、ケイ=ヤスダを自宅へと連行する。

「あんな所で何をしていたんですか??」

「だからわかんないって言ってるでしょ?」

気が付いたら、祠の前で倒れていた…

ただそれだけの事なのである。

「あそこは私達エルフにとって、非常に神聖な場所…

 第一人間が近づけるような場所では、無いはずですよ?」

「アンタさぁ…エルフのなの??」

見たところ…自分とさほど変わらない外観である。

「私は母がエルフで、父が人間のハーフエルフですから…

 他のエルフとは違って、戦闘しかできないんです。」

「へぇ〜ぇ。どこでも変わり者っているんだぁ。」

大人しそうな風貌からは、想像も出来ない事である。
62石川記念日:02/03/18 17:54 ID:njgFHhkQ
「そんな事はぁ、別に良いんですよぉ…。」

「私だって覚えてないって言ってるでしょ?」

ケイには名前以外の殆どの記憶が、何故か無いのである。

いわゆる記憶喪失であった。「何か覚えてる言葉無いですか?

 絵とかでも良いですよ?」

アサミが紙を1枚机の上に置く。

「むん〜ん」

ケイが頭を捻る。

(何も無い…。)

信じられないほど無心な状態で、無理に思い出そうとすると、
急に頭痛に襲われる。
「駄目ですか?」

「フレイマー…」

「えぇ??…今なんて??」

アサミは呆然としている。

「思い浮かんだの…フレイマー…

 何かの名前かな?? 」

「ケイさん…

 貴方一体何者なんですか??」

「何か知ってるの??」

ケイがアサミにつかみかかる。

(何で人間が…)

しかしアサミの口が、堅く閉ざされる。
63石川記念日:02/03/18 17:55 ID:njgFHhkQ
フレイマー…それはエルフを守る

と言い伝えの火の精霊の名前…

どこぞの城のお抱えの学者

でも知らないようなカルトな精霊…



「な…何も知りませんよ。」

「嘘よぉ!」

ケイがアサミの目をみつめる。

(力づくで聞いてもいいんだけど、

 それじゃあ死んでも話さないって顔ねぇ)

「わかったわよぉ!!!」

アサミを椅子に降ろしたケイは、髪をクシャクシャと掻き毟る。

(どんなってんのよぉ??)

「何であの場所にいたんですかね??」

「それさっきも答えたんだけど?」

ケイのイライラは最高潮に達しようとしているようである。

記憶が無いのに冷静でいろと言う事の方が、よっぽど難しい。

(まさかねぇ…)

アサミの頭にある仮説が、先程から浮かんだいた。

ケイの倒れていた場所…フレイマーの名前…

それから導き出される答えは・・・。

(まだ仮説の段階だしねぇ)

こんな馬鹿げた仮説を言うのは、あまりに忍びない。
64石川記念日:02/03/18 17:57 ID:njgFHhkQ
「どうしたのよぉ?」

急に黙り込んだアサミをケイがつついた。

「ちょっと考え事してただけです。」

「ふ〜ん…。

 ところで、これって何て読むの?」

ケイが指差しているのは、紙に書かれた自分の名前であった。

「これが読めないんですかぁ??」

「うん…、何これ?」

アサミはあえて人間の文字で、ケイの名前を書いたのだが…

「ケイさんちょっと名前書いてもらえます?」アサミが鉛筆をケイの手に握らせた。

「どうかしたの?」

ケイの胸に不安が募っていく。

(一体私は何者なの??)

フレイマーという言葉を聞いたときから、

アサミの様子がおかしい事には、薄々気が付いていた。

そして今度は字が読めない…。

得体のしれぬ恐怖に鉛筆を持つ手が震える。

(あぁあぁ…)

ケイの震えが止まらない。

これを書き終えると、何がわかるのだろうか??

「安心してください。悪いようにはしませんから…」
65石川記念日:02/03/18 17:58 ID:njgFHhkQ
アサミがギュッとケイの手を握り締めた。

「う…うん…」

「不安を煽るようなら、

 先に説明しますけどどうしますか?」

「お・教えて頂戴!!」

「実はですね。」

アサミがようやく重い口を開く。

フレイマーと呼ばれる精霊の事・文字の事

(精霊??)

ケイの中で何か懐かしい感じがした。

「その文字が読めない私は現代人ではないと?」

「はい。

 それにケイさん、

 ここに来るまでに何体かモンスターと戦いましたけど、

 非常に戦いなれていましたし…

 この時代には無い流派のように感じてたんですが…。 」

言われてみれば、頭で考えるより先に体が動き

気がつくとモンスターは全滅していた。

てっきりアサミが守ってくれたのかと感謝していたのだが、

どうやら彼女には助ける気などサラサラなかった様である。
66石川記念日:02/03/18 18:01 ID:njgFHhkQ
お待たせしてすみません。
久しぶりの更新でこれってどうなんだろう…
読みにくい?(汗
67名無し募集中。。。:02/03/20 06:10 ID:CV9+Z17w
個人的には
読みにくい
と思われ。
68しげる:02/03/20 11:37 ID:F9TDtvxc
「読みにくい」「読み易い」は別として、読んでるほうも内容の情景を考えることができるので、このままでOKだと思います。
石川記念日さんのやりやすいようにどーぞ。
期待してマース。
69石川記念日:02/03/20 17:32 ID:ijsaKRhS
sageてください(号泣
7067の理由:02/03/20 18:05 ID:CV9+Z17w
個人的には現行の一行空けスタイル、ドラマや映画でいうと、
「ノーカット&ひたすら同じ構図で撮影してる」ようなカンジなのよ。

場面の転換や心理の移り変わりなど、どこまでがひとつの括りなのか?
ということが一見して判りづらい、そんな印象。
71しげる:02/03/20 19:49 ID:F9TDtvxc
ageてすみません。
72名無し募集中。。。:02/03/20 19:56 ID:NB2F5ek+
普通一行空けんのは
「場面転換」・「心理描写」・「語り手の交代」とかだろ。
ずっとこんなんじゃ何の効果も無い。
書いてるヤツはアフォじゃないか?
73名無し:02/03/20 19:59 ID:8aVAbmPE
だって、てうにちだもの。
74名無し募集中。。。:02/03/20 20:00 ID:yHChUKVv
厨房は小説なんか読まねえからな
75名無し募集中:02/03/21 02:16 ID:3o1e16xg
結局ageてるし(w
自分は作者さんのご自由に
これぐらいなら読みにくくはないので
読むの楽しみにしてるので読めれば(・∀・)イイ!!です
76名無し募集中。。。:02/03/21 05:46 ID:qm3Gx34h
>>73
てに新と書いたほうが良いのでは。
77石川記念日:02/03/25 08:22 ID:xgBmIPzp
保全
78名無し募集中。。。
おもんない