1 :
某作者:
2 :
名無し娘。:01/09/21 00:32 ID:BrNMQMvE
3 :
プロとして:01/09/21 00:37 ID:MNBOkYh2
変わって札幌のロッカールームでは、安倍と石黒の睨み合いが続く。
「・・・いつまでもしつこいよなっち。」
石黒がはき捨てるように安倍に言う。
「何度でもしつこく言うよ、とにかく彩っぺはおかしいよ。いくらプロだからって、言っていい事
と悪いことがあるよ。今すぐ謝ってきなよ。」
安倍も強い口調で返す。
「・・・相変わらずおめでたいのね、なっちちゃんは。プロは勝つことが全てなんだよ。結果が
全てなんだよ、そのためだったら何したっていいんだ。・・・それにね、このチームだって
いつまで存続するかわからないんだ。そうなりゃ年寄りで故障もちの私なんか真っ先に行き場所が
無くなるんだ・・・あんたとは立場がちがうんだよ!!」
そういうと、石黒は安倍を押しのけロッカールームから出て行った。
・・・私には先が無いんだ。理解してくれなっち。
4 :
東京の弱点:01/09/21 00:40 ID:MNBOkYh2
「てめえいい加減にしろよ・・・」
今日2つめの死球を受けた吉澤が背中を抑えながら立ち上がり、大阪先発の稲葉を
を睨み付けていた。
しかし、稲葉は帽子をとり軽く頭を下げるだけで吉澤を見てもいない。
「落ち着いてよっすぃー」
苛立つ吉澤の肩に手を置き後藤がなだめると、しぶしぶ吉澤が一塁に歩いていった。
・・・もう8回か、そろそろ追いつかないとまずいね。
後藤がチラリとスコアボードを見る。
初回に取られた1点が重くのしかかる。
・・・まあいい、ここらでマウンドから引きずり下ろしてやるよ。
一度大きくスイングした後に後藤がバッターボックスに入った。
「稲葉さ〜ん」
戸田が手を振りながら立ち上がり敬遠を指示する。
・・・またかよ。これで今日3つめだぞ。
後藤の顔は明らかに不満げだった。
後藤にバットを振らせない。
東京を徹底的に分析した大阪が取った作戦は、ここまでは成功していた。
5 :
大阪の覚悟:01/09/21 00:43 ID:MNBOkYh2
東京には2つの弱点がある、それは下位打線の弱さと信頼のおけるストッパーの不在。
大阪は徹底的にそこを攻めていた。
吉澤に対しては内角攻めで苛つかせ、後藤とはどんな状況であってもまともに勝負しない。
なんのかんの言っても東京は後藤のチームだ、後藤がバットを振らなければチームに勢いは
出ないはずだ。
たとえ、それで勝負に負けたとしても徹底的に行うだけの覚悟が大阪にはあった。
「大阪で怖いのは中澤さんだけですね。」
吉澤が開幕前のインタビューで口を滑らせた一言。
それが大阪ナインに火をつけた。
ここまでの大阪の踏ん張りは、皮肉にも大阪唯一の頼りである中澤の出遅れによって生まれた。
・・・裕ちゃんがいないから弱いなんて絶対に言わせない。
マウンド上で稲葉が繰り返し呟いていた。
6 :
名無し娘。:01/09/21 02:01 ID:qEOhVx42
お。復活おめ!
7 :
名無しさん:01/09/21 02:49 ID:bbd9caOQ
復活おめでとうございます。
石川の活躍を影ながら期待しております。
試合 勝 負 ゲーム差
1 横浜 35 23 12 −
2 札幌 34 20 14 2.5
3 東京 36 18 18 3.0
4 大阪 35 17 18 0.5
5 千葉 38 15 23 3.5
6 名古屋 36 14 22 0
強い日差しのグラウンドを、日焼けで真っ黒になった背番号18番が1人走っている。
開幕戦で札幌に逆転負けを喫した千葉の市井紗耶香は、その後5試合に登板し一つの勝ち星も
あげないまま、約2年半振りとなるファーム落ちをしていた。
「ふう・・・」
グラウンドを走った後、軽くため息をつきながら1人柔軟体操をする。
どうしても開幕戦での事が吹っ切れない、石黒に言われたあの一言は市井の心に強く突き刺さっていた。
「私は弱くなんか無い、もう昔の1人ぼっちで泣いている私とは違うんだ・・・」
いつも一人ぼっちだった。
暗い性格の自分には誰も話し掛けてくれなかった・・・いや、拒絶する空気があったんだ
他人と話をするのが怖かったんだ、きっと仲良くなっても何時かは裏切るに決まっている。
父親のように、私の前から姿を消してしまう。
あの日、とても暑かった日、家に帰ると母が一人で泣いていた。
食事作らずに、いつまでも泣きつづける母を見て、私は意味も判らずに一緒になって泣いた。
覚えているのは、母が繰り返し呟いていた「裏切られた」と言う言葉だけだった。
「女を作って逃げた」
本当の理由は、近所のおばさんたちの噂話で聞いた。
暫くして私は母と2人で千葉に引越しをした。
母の仕事の都合と、つまらない噂を流す人から逃げるために。
学校を転校して、なかなか友達が出来なかった私の唯一の楽しみは、近所の少年野球チームの練習を見ている事だった。
別に野球が好きなわけでは無かったけど、そのチームに1人だけ女の子がいるのが気になって何時の間にか
毎日見に行くようになった。
ある日、その女の子が話し掛けてきてくれた。
「毎日見にきているね、野球好きなの?もし好きだったら一緒にやろうよ。女の子が私
1人しかいなくて寂しいからね。」
「え、あの、私は別にあの。・・・」
突然に話し掛けられて私は上手く答えを返すことが出来なかった。
もしこの時、話し掛けてもらえなかったら私はどうなっていただろう。
「びっくりさせちゃったかな?私は保田圭っていうの、あなたの名前は?」
11 :
名無しさん:01/09/27 01:13 ID:rsUBxBwI
続き熱望sage
12 :
名無し娘。:01/09/30 08:12 ID:3YfVy37s
結構下がったねsage
今回はマターリ更新ですか?
13 :
作者:01/09/30 22:54 ID:RuMcHRhg
新メンの扱い方に悩んでいるので、暫くはマターリ更新になります。
新メンの特徴を掴んできたら一気に更新するつもりです。
14 :
作者:01/10/02 22:44 ID:8xmUOSpY
また過去ログ逝きが怖いので、自分で保全。
15 :
名無し娘。:01/10/04 01:46 ID:BHUkVnLo
おいらも保全しとくよ
16 :
名無し娘。:01/10/05 03:36 ID:G17VoBX6
保全させてください。
以前番外編をお願いした者です。
ひょっとして書かせて頂けるのって今がチャンスですかね。
うんこ
19 :
名無し娘。:01/10/08 05:24 ID:f.6aApQA
保全
やすこん希望
新メン系のサイトでいいところ無い?
21 :
作者:01/10/09 21:50 ID:FGXjfLZ.
そんな訳で、そろそろ復活します。
>>17 もうちょっと待って下さい。
わがままで申し訳ない。
実はまだ出来てないんです。(w
「もうはずして下さい・・・わかるんです、チャンスで私が出てくるとファンが
がっかりするのが。」
開幕から36試合目、首位横浜に完封負けを喫した東京のロッカールームで、今期からキャプテン、
副キャプテンに任命された後藤と吉澤が、高橋を囲んで緊急ミーティングを開いていた。
その中で、ひとり話をする高橋の目は既に涙で一杯になっている。
開幕から1ヶ月半が過ぎた時点で、5割前後の成績は決して悪い数字ではない。
しかし、常勝が義務付けられている東京にとって5割前後をうろついているような状況は、
不振といわれても仕方がなかった。
そして、その不振の責任を一身に浴びているのはルーキーである高橋であった。
昨年、鳴り物いりで東京に入団し、開幕からいきなり5番を任されたものの全くといっていいほど
結果の出ていない高橋にとって今の状況は針のむしろのようなものであろう。
「まあまあ、そんなに落ち込まないで大丈夫だよ。私だって一年目は全然駄目だったよ」
吉澤が高橋の肩を抱くようにして慰めるが、高橋は下を向いたまま顔を上げようとしなかった。
・・・・・・・・
長い沈黙の後、それまで高橋の話に耳を傾けるだけだった後藤が初めて口を開いた。
「・・・そんなに怖いか高橋」
お
「・・・はい、怖いです・・・私じゃ無理です。このままじゃ足を引っ張るだけです。」
「そうか・・・じゃあ、いっその事辞めちまえよ。怪我もしてないのに、自分からはずしてくれなんて
言う奴にプロにいる資格なんてねえよ。」
後藤が淡々とした口調で言う。
「言いすぎだよ、ごっちん!」
吉澤が慌てて後藤を止めようとするが、後藤は尚も話を続けた。
「なあ高橋、何で結果の出ていないお前が何時までも使われているかわかるか?」
後藤の問いに対して、高橋はうつむいたまま首を振るだけで答えた。
「そうか・・・とにかく、お前を5番から下げるつもりは無い。もしそれが嫌なら辞めろ。」
「・・・でも、私じゃ・・・」
「お前の意見を聞くつもりは無い、いいから今日は帰れ」
「わかりました・・・」
高橋は、うつむいたままそれだけ答えるとゆっくりと部屋から出て行った。
「ちょっと、どうしたのごっちん。何もあそこまで言わなくてもいいでしょ」
吉澤が後藤に対して非難を浴びせるが、後藤は意に介さない。
もともと他人の事に興味を示さないはずだった後藤のこの言動に、吉澤は妙な違和感を感じていた。
・・・何を焦っているのごっちん。
この小説に関しては、説明不足の部分が沢山あるので時々はこうして説明させて貰います。
正直設定を文章に組み込むと、書いてて退屈になるので、すみません。
・基本的に女子プロ野球に監督はいません。
例外として名古屋が男性監督を置いていますが、ベンチには入っていません。
采配に関しては、基本的にはキャプテンが行っています。
今回は以上です。
紺野って、空手からしいね?
28 :
名無しさん:01/10/14 02:15 ID:cRchMh3o
保全してみたい
保全
最近更新無いな〜
毎日着てるのに…
やすいしこんは、無理にしてもやすこんくらい見れないものだろうか?
31 :
名無しさん:01/10/17 00:12 ID:fepBVWF0
保全娘。
「ナイスピッチング」
最後のバッターを三振にとり安堵する安倍に、ナインが次々と集まってくる。
今期ここまで札幌の総試合数の半分以上にあたる19試合目の登板となったこの日、いつものとおり
完璧な内容で、名古屋の反撃を許さなかった。
次々と握手を求められ、それに対応するが、いつものとおりそこに石黒はいない。
開幕戦での一件から既に一ヶ月半が経過するが、未だに安倍と石黒の関係は修復されていなかった。
「ふう・・・」
記者に簡単なコメントだけをして、安倍はロッカールームに戻りため息をつく。
ここまで好調なチーム状態は、入団して以来はじめてだったが何か心がすっきりしていなかった。
石黒との不仲は勿論の事、それ以外にも何か心に引っ掛かっていた。
そもそも勝ち負けなんかに私は興味があったのだろうか?
「ふう」
再度ため息をつき、椅子に腰を落とす。
・・・そういえば今夜かおりに誘われていたな、たまには沢山飲んでストレス解消でもするか。
33 :
質問:01/10/17 11:30 ID:XeiRS3D5
前「名古屋の監督じゃあ〜」
って矢口が石川のこといってたけど、監督居ないんですよね?
飯田の事ですか?
34 :
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26を読みましょう。