娘の野球小説復刻版

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突然dat逝きになったので、本編の最初の部分をほんの少し
更正した所から始めます。

前スレ
娘。の野球小説
http://teri.2ch.net/mor2/kako/996/996159787.html
2開幕戦カードと予想:2001/08/25(土) 01:05 ID:dnsVe2.c
東京×大阪(東京ドーム)
昨年度ペナントを制した東京は、エースの柴田と2年目の松浦の2枚看板の他、先発も充実
また打撃陣に関しても、昨年2冠王の後藤と成長著しい吉澤など充実しており今年も優勝候補
の一番手である。
対する大阪は、投手野手ともの駒不足の感は否めない。頼みの中澤も年棒調停で出遅れており
間違うと札幌名古屋と最下位争いを行う恐れがあるが、戸田を中心とした守りの野球で上位を
狙うか。

千葉×札幌(千葉マリン)
昨年2位の千葉はエース市井、ショート保田を中心とした守りの野球は健在。
打撃陣に関しては、やや弱い点はあるが打倒東京の一番手である。
対する札幌は、ストッパー安倍は健在なものの駒不足感は否めない。
また、腰に爆弾を抱える石黒に変わる捕手も育っておらず苦しいシーズンになるだろう。

横浜×名古屋(横浜スタジアム)
横浜は辻、加護、矢口のスーパーカートリオが今年も走りまくって今年こそ悲願の初Vを狙う。
一方名古屋は、相変わらずの先発の駒不足等不安要素しか見当たらない。
孤軍奮闘の主砲飯田の活躍で上位を狙えるか?
3余裕の市井:2001/08/25(土) 01:05 ID:dnsVe2.c
千葉×札幌の開幕戦は市井が快調に飛ばしている。
ここまで8イニングを、内野安打1本に抑える完璧な内容。
一方打線も札幌先発の平家を7回に捉え、3番木村のスクイズと4番ダニエルのホームランで
3点を奪い、この回で平家をマウンドからひきずりおろした。

「さてと、開幕戦から完封といかせてもらおうかな」
9回表のマウンドに登る市井は自信満々であった。
「油断しちゃだめだよ、たった3点位じゃワンチャンスだからね。」
保田がマウンドに行き、いつも通り細心の注意を払い守備位置に戻っていく。
・・・相変わらず心配性なんだから圭ちゃんは、今の札幌じゃ完封して当たり前だよ。
まあ、そうはいっても最終回だから締めていくかな。
打順は8番の石黒からか・・・昔は怖かったけど、今じゃポンコツ同然だね。

・・・それにしても凄くなったものだ、あの小心者が。
対する石黒は全く正反対のことを思っていた。
「よろしくね」
捕手に軽く一礼をしてからバッターボックスに石黒が入る。
・・・さて、今年こそ化けの皮剥がして、元の小心者に戻してやるよ。
4とにかく横浜は走りまくります。:2001/08/25(土) 01:09 ID:dnsVe2.c
横浜スタジアムは、開幕戦から一方的な展開になっている。
昨年11勝と名古屋で唯一の二桁勝利を挙げ、来日2年目にして開幕投手に指名されたレファに対し
横浜が先制パンチ。
初回制球の定まらないレファから先頭の辻がストレートの四球を選ぶといきなり2盗を決め、
2番加護がセンター前にはじき返し、まず1点を先制。
続く矢口も四球を選び無死1,2塁。
さらに、初の開幕投手に緊張するレファに追い討ちをかけるように、意表をつくダブルスチールを
決め無死2,3塁。
ここで、今年から4番に入ったミカが右中間に2ベースを放ちいきなり4点を先制する。
この後も、小刻みに追加点を奪い8回を終わって9−1と横浜がリードする展開になっていた。

そして勝負をあきらめたのか、9回表の名古屋のマウンド上には石川が上がっていた。
・・・今年こそ頑張らなくちゃ。
石川が両手で頬を叩きながら気合をいれる。
しかし気合を入れる石川とは裏腹に、バックは無気力になっている。
石川が投げている時点で捨て試合だと言うことを、皆がわかっているようだ。
5矢口に見えるもの?:2001/08/25(土) 01:10 ID:dnsVe2.c
「はいこれで10点目ね」
加護の2塁打で、1塁から一気に帰ってきた辻が笑顔でホームベースを踏む。
石川の投げる試合の、いつもの通りの展開だ。
先頭打者を打ち取ったものの、一番の辻にセンター前に運ばれ、続く加護にも三塁線に破られ
あっという間に1点を許した。
そして次のバッターはこの試合すでに3安打を放っている矢口だ。

・・・矢口さんか、不思議と打たれた記憶が無いんだよな。
ほとんどの投手が嫌がる矢口に対し、石川は何故か相性が良く昨年度7−0と完璧に抑えていた。

「やべっ」
石川の曲がらないカーブを矢口が引っ掛けて、ファーストゴロに倒れた。

「油断ですか?」
ベンチに戻りスパイクを履き替えている矢口に、辻が話し掛ける。
「別に油断しているわけじゃねえよ・・・それよりお前らはよくあの球が打てるな」
「はっ?だって球は遅いし、変化球だって殆ど曲がっていないじゃないですか。」
辻が不思議そうな顔を見せる。
「・・・まあな、でも知っているか、後藤もちっとも石川は打てていないんだぜ」
「後藤さんの事だから、手を抜いているんじゃないんですか?」
「まあ、それもあるけどな。・・・まあ何にせよ勿体無いよ石川は。名古屋の監督じゃ永遠に
気づかないと思うけどな、石川の最大の武器を。」
「???全然わからないんですけど。」
辻がますます不思議そうな顔になる。
「まあわかる必要はねえよ。どうせ気づいているのは私と後藤だけだ。余計な事を気にしなければ
目を瞑ったって打てるような球だからな。」
「?・・・判る必要がないですか、だったらそれでいいですけど」
ちょうどその時、電光掲示板に各地の試合結果及び途中経過が映し出された。
「おっ、千葉の試合終わったか。どれどれ・・・4−3で札幌が勝ったみたいだな。
東京もリードされているし開幕戦からいい感じだ。このまま開幕から突っ走るぞ辻」
6千葉のロッカールーム:2001/08/25(土) 01:11 ID:dnsVe2.c
「紗耶香・・・元気出して、たまにはこんなこともあるって。」
試合後のロッカールームで、9回表突如として乱れ3点差をひっくり返された市井を、
保田が慰めていた。
保田が元気付けようといろいろ話すが、市井は何一つ話そうとせず、保田の言葉に虚ろな目で
只頷いているだけであった。
・・・それにしても一体どうしたんだろう、あの時石黒さんに何か言われたのかな?
あの時、空振りして飛ばしたバットを石黒さんが取りにきた時、何かを紗耶香に言ったんだ。
・・・それにしてもこんな紗耶香を見るのは久しぶりだよ、まるであの頃の弱かった紗耶香みたいだ。
7プロとして:2001/08/25(土) 01:12 ID:dnsVe2.c
変わって札幌のロッカールームでは、安倍と石黒の睨み合いが続く。
「・・・いつまでもしつこいよなっち。」
石黒がはき捨てるように安倍に言う。
「何度でもしつこく言うよ、とにかく彩っぺはおかしいよ。いくらプロだからって、言っていい事
と悪いことがあるよ。今すぐ謝ってきなよ。」
安倍も強い口調で返す。
「・・・相変わらずおめでたいのね、なっちちゃんは。プロは勝つことが全てなんだよ。結果が
全てなんだよ、そのためだったら何したっていいんだ。・・・それにね、このチームだって
いつまで存続するかわからないんだ。そうなりゃ年寄りで故障もちの私なんか真っ先に行き場所が
無くなるんだ・・・あんたとは立場がちがうんだよ!!」
そういうと、石黒は安倍を押しのけロッカールームから出て行った。
・・・私には先が無いんだ。理解してくれなっち。

「彩っぺ・・・どうしてあんなことを言ったの・・・」
8名無し娘。:2001/08/25(土) 10:40 ID:eUpMc5/k
h
9名無し娘。:2001/08/26(日) 01:04 ID:eHuBI9HU
hozen
10名無し娘。:2001/08/26(日) 01:05 ID:c4SBPDds
ぷ。
11名無し娘。:2001/08/26(日) 04:22 ID:vpmTdjbQ
作者さんおかえり〜
12名無し娘。:01/08/26 12:34 ID:VDSrx16U
今夜いよいよ運命のドラフトですね。
あの中に果たして寺原みたいな凄い子は出てくるのでしょうか。

昨年はドラフト1位 石川
       2  吉澤
       3  加護
       4  辻
合ってる?
13名無し娘。:01/08/26 20:47 ID:eb/hAzfE
14名無し娘。