デ・カップリングを語ろう

このエントリーをはてなブックマークに追加
11
農林業は、食べ物や木材を作るだけのものじゃありません。
でもいままで生産物だけでしか、生計を立ててこれませんでした。
また、農林業が他の産業と比べて圧倒的に競争力がないことも明白です。

これらの産業なくして人間は生きられませんし、
生き物の住処であったり、文化を育み伝えてきた場所であったり、
心のふるさとであったり、国土保全の効果があったり・・・
と、お金に換算できない価値をたくさん持っているはずです。

欧州では農業が環境を保全する役割を持つとして、
農家に対して積極的な財政支援をしているとききます。

生産と収入が一体化していた(カップリング)当たり前の状況をいったん
切り離して考えて(デ・カップリング)、たとえ不作でも一定の収入が
得られれば良しとする考え方だと聞きます。

日本でも一部の中山間地でそれに近い試みが始まったと聞きますが、
その前提となる議論も政策の中身も、まだまだ不十分との声があるようです。

まだまだ知名度は低いようで、2chでもほとんど見たことがないですが、
農林業板でこそ真面目に語られるべきでしょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/28(土) 08:29
生産と収入を切り離すじゃなくて
市場での価格形成と農家の収入(生活)を切り離すってことじゃないか?
価格は市場にまかせ(というかURで政策で価格を操るのは基本的に廃止する方向へ)
そのうえでどうやって農業を守っていくかって話かと。
多分同じ意味だとは思うけど、上のだと生産せずに収入を得るかのように聞こえるので念のため。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/28(土) 08:32
まず適当に参考リンク
「EUの条件不利地域対策Q&A」
  www.google.com/search?q=cache:jS4aug_Aw1k:ss.nriae.affrc.go.jp/nriaedir/trg-paneru/qa-9905.htm+%83f%83J%83b%83v%83%8A%83%93%83O%81%40%92%BC%90%DA%8Ex%95%A5&hl=ja&lr=lang_ja
  (直リンしようとしたら「半角文字列が長すぎます」だってさ)
「デカップリング(条件不利地域に対する直接所得補償「直接支払制度」)」
  http://www.asahi-net.or.jp/~pr4h-wtb/zatu3.htm
「中山間地域等直接支払制度のあらまし」(=日本の現行制度のあらまし)
  http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/n-shinko/02.htm
いいテーマだが、うまく育てるのは難しいかも。

>>1
>日本でも一部の中山間地でそれに近い試みが始まったと聞きますが、
>その前提となる議論も政策の中身も、まだまだ不十分との声があるようです。
そんなこといったって2000年度に700億円の予算でスタートしてるんだから
日本型デカップリング(直接支払制度)は「近い試み」じゃなくて
本格的に始まったと言わざるを得ないだろ。もう2年度目だぞ。
現行制度を叩き台にして話を進めるということにした方がいいと思う。
「農林業板でこそ真面目に語られるべきでしょう。」には完全同意。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/28(土) 08:38
理想やね
馬鹿にして言ってないですよ、なれば良いと思いますが
農家は1円でも収入を増やそうと考えているのにそれは
難しいいだろうな?
5名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/28(土) 08:45
>>4
意味不明。誤爆?
6名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/28(土) 11:22
>  http://www.asahi-net.or.jp/~pr4h-wtb/zatu3.htm
一戸当たり平均総支給額
EU15ヶ国  19万円/年  (1995年)

くれるなら欲しいけど、農家を甘やかしてだめにするってほどの額じゃないよね。
7:2001/07/28(土) 15:43
>>2
>生産と収入を切り離すじゃなくて
>市場での価格形成と農家の収入(生活)を切り離すってことじゃないか?

そうですね。指摘ありがとうございます。

EUでも日本でも「5年間以上継続して、農業生産活動等を行う者を対象」としてますし、
種々の協定違反がなされた場合は返還するとなってますね。
決して「生産せずに収入を得る」わけではないでしょうね。

>>3
リンクありがとう。
1としても素人だし、最近この制度を知ったばかりなのでわかんないことばっかです。
もう始まってるにしては情報に乏しいし。
おっしゃるように、ここではあくまで日本の事例に重点を置きながら、
EU情報も参考として使うってことにしましょうか。
EUの事例も、日本の制度を客観的に眺める意味では役に立つと思います。

私のソースは、宇根豊さんの『「百姓仕事」が自然をつくる』だけです。
情報源のやりとりは大歓迎です。
8:2001/07/28(土) 15:45
>>2
>価格は市場にまかせ(というかURで政策で価格を操るのは基本的に廃止する方向へ)
>そのうえでどうやって農業を守っていくかって話かと。

それってはっきり文言として打ち出されているんでしょうかね?
まあ姿勢としてはそういうことだと思うのですが。

ともあれ、
まずは基本的な疑問なんですが、価格操作をやめて直接支払いに移行することの意味とは?

素人の思いつきでは、
価格操作の場合、農家が儲かっていようがいまいが、軒並み収量に比例した一律な支援がある。
儲かってる農家ほど支援効果が大きく、零細農家に対する支援は少ない。
その意味において、(とくに平地での)大規模化を後押しする一方、
(とくに中山間地での)小規模農家に対する支援はなおざりになりやすい。

現行の直接支払制度(デ・カップリング)に限ると、日欧を問わず条件不利地域に限定しているので、
平地の農家に対する支援はなくなるか縮小することになる。
→平地ではグローバリゼーションの影響をもろに受けることになる?

支援が条件不利地域に重点化されることで、とくにこれらの場所で起こっている農地の放棄や
過疎化の進行をくいとめる効果が期待される。
これはこれまでの価格操作のマイナス点を補うことに重点があるのか、
それ以上の積極的な意味があるのか?
91:2001/07/28(土) 15:57
ついでにつづきです。
とはいえ、EUでは3or2ha以上、日本では1ha以上の規模を持った認定農業者が対象となるので、
全ての条件不利地域が支援されるわけでもないみたいだ。
この辺も注意する必要があるね。

それから不作の年や、豊作年でもたまたま不作だった農家や国内一部地域に対する支援はどうなのかな?
天候に依存した農業のギャンブル性を緩和する効果も持つべきだとは思うんだけど・・・
10名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/28(土) 17:39
え〜と順番にいきましょうね。
>>価格は市場にまかせ(というかURで政策で価格を操るのは基本的に廃止する方向へ)
>>そのうえでどうやって農業を守っていくかって話かと。
>それってはっきり文言として打ち出されているんでしょうかね?
>まあ姿勢としてはそういうことだと思うのですが。

 ウルグアイラウンドの「赤の政策」「緑の政策」「青の政策」の話です。
価格支持政策は赤、直接支払いは緑で、
赤は認められない(廃止というのはちょっとあいまいでした。
新たには作らないだったかも<フォロー頼む)
緑はまぁOKでWTOのルールに反してはいないから良しと。

>まずは基本的な疑問なんですが、価格操作をやめて直接支払いに移行することの意味とは?
 >>3のリンクが切れてるみたいだけどそこにあったのでは
価格支持を行うと農家の側からは収量を増やすほど所得が増える。
それにより過剰生産となり新たに財政負担や貿易の問題が出てきた。
よって農家の増産志向を高めない政策が求められた。そのひとつが
直接支払い(所得補償政策)。

>→平地ではグローバリゼーションの影響をもろに受けることになる?
 まぁ相対的にはそうなるね。

>それから不作の年や、豊作年でもたまたま不作だった農家や国内一部地域に対する支援はどうなのかな?
 これは本来は生産者団体が基金を積み立てて備えるべきなんだろうけど
国が支援するかどうかについては「食糧自給率〜」のスレで話し合ってね。
11:2001/07/28(土) 20:40
>>10
レスありがとうございます。スピード感あふれるレスにびっくりしてます。
実はここの板にははじめてきたのですが、ずいぶんと密度の濃いものが多いですね。
スレ立てた直後で申し訳ないけど、明日から一週間くらいほとんど来れないので、
もう少しまったりされていてもいいのですが・・・(^_^;)

>ウルグアイラウンドの「赤の政策」「緑の政策」「青の政策」の話です。
>価格支持政策は赤、直接支払いは緑で、 ・・・

ええと、価格支持政策には国際的にも共通する理由から、否定的なコンセンサスが
得られていると認識していいということですね?
で、その理由として大きなものが過剰生産とそれにともなう財政負担を抑えるという
ことだったと。なるほど・・・続きます。
12:2001/07/28(土) 20:41
ちょっと調べたところ、以下の文章に出くわしました。

http://www.hatatomoko.org/html/senkyo/4/4.html
>ガット・ウルグアイラウンドを経て設立されたWTO(世界貿易機構)でも認められた農業保護政
>策には、この傾斜地などの耕作不利地の直接支払制度と、有機農業などを支援する環境直接支払制度
>と、生産調整の為の直接所得補償制度(デカップリング)の3つの制度があります。

デ・カップリングと一口にいっても複合的な効果が期待できるだけに、
ちょっとややこしい。もともとはどこに重点が置かれていたんでしょう?

>>10さんのおっしゃることは3番目の「生産調整のための直接所得保障制度」という点に
重点を置いた視点だといえましょう。
名前の由来から言っても、そういうことなのかもしれない。調べるヒマなくてスマソ。
ええと、これはフランス語?
なるほど、「生産調整」という理由は国の財政支出削減とリンクしているだけに、
政策を変える圧力としてもっとも説得力をもっていたかもしれない。

でも英語ではダイレクトペイメント(direct payment)らしいです。
アメリカ発かイギリス発かは知りません。
この言葉からは、1番目か2番目に重点を置いていた可能性も考えられるような・・・?
13:2001/07/28(土) 20:44
ところで、
実際の施策では、この三点のうちどこに重点を置くかが異なってくる。
日本の場合、1番目と3番目の組み合わせかな?
このことは、もっと議論されていいと思います。
将来的に平地にもこの政策を拡大することは考えられないのか? という疑問もある。
それからこの政策は、有機農業推進との潜在的な親和性も高い気がするけど
この点について日本ではどう考えているのか。

だれか欧州の状況をアップしてくれませんか?簡単でいいんだけど。

私の疑問は、
・「耕作不利地」の定義が日欧で異なるんじゃないか?
日本に比べて緩やかな国土を持つ欧州で、4ー7割が耕作不利地となってるみたいだけど、
日本よりはずいぶん甘い基準なんじゃないか?

・「環境直接支払制度」的側面の実態。
欧州ではこういった側面があるようですが、その哲学や評価システムとは?
たとえば土壌流出に対する認識は?

また土壌流出に関していえば、アメリカも無縁ではないでしょうね。
アメリカもたしかこの手の政策があった気がするけど・・・
14名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/29(日) 00:13
残念ながら今更直接所得保証したところで、もう手遅れですわ。
皆もう諦めてます。後継ぎは農家の長男に全く期待できません。
なぜなのか、それは直接地方の後継者難のところへ言って話を
聞くと良いですよ。

黙って見てれば今耕作放棄地は15年もすれば凄い大きな森になります。
国土の保全とCO2対策に良いのと違いますか?野生生物もすごい増えますしね。
それが良いのと違いますか?

話の腰を折るようで申し訳ないんですが、現実をお伝えしたくてね。
15:2001/07/29(日) 00:23
>>14
もっともな話だと思います。

でもここ数年農業志望の人たちが若者中年問わず増えてきているのも
事実なんですよ。
16再掲その1@3:2001/07/29(日) 06:25
>>3のgoogleのキャッシュが消えたようなのでコピペしときます。
出典元はhttp://www.primaff.affrc.go.jp/なのであてになると思ってます

「EUの条件不利地域対策 Q&A」
Q1. なぜ生産刺激的な価格支持から直接所得補償に移行したのですか?
A 価格支持制度の下では、農産物価格Pを需給均衡価格Xより高く支持することにより、
  (P−X)×Q(販売量)だけ消費者・納税者から生産者に所得を移転させます。
  Qを増やせば増やすほど所得が増えるので、農家は争って増産に走りました。
  こうして先進諸国は慢性的過剰に陥り、政府は過剰農産物の処理と財政負担に悩まされてきました。
  価格支持制度では国内価格が国際価格より割高になるので、国境障壁を設けて輸入を抑制しました。
  またEUやアメリカは輸出補助金をテコとして輸出により過剰農産物を処理しました。
  このため輸出国・輸入国間、及び輸出国間で貿易摩擦が激化しました。
  GATT及びWTO体制下で、農業保護の削減が合意され、特に生産刺激的な価格支持や
  国境保護は縮減されつつあります。しかし、農業保護が大幅に削減されると農業経営は維持できないので、
  生産拡大に結びつかない直接所得補償により経営の安定化を図る方向に転換しました。
17再掲その2@3:2001/07/29(日) 06:26
Q2. 直接所得補償とは具体的にどういうことですか?
A EUでは、1990年代の政策転換に先立って、既に1975年から山間地域を含む条件不利地域の農家を
  対象として、大家畜の頭数または農用地面積に応じて一定の金額を支払ってきました。
  平地と比較して農業生産条件が不利で農業所得が低いというハンディキャップを補うために
  政府から農家に直接支払われるので、直接所得補償(direct income compensation)といいます。
  EUの直接所得補償政策は、農家所得の増大が生産量の増大と結びつかないような仕組みになって
  いるので、デカップリング(de-coupling)ともいわれています。
  現在は、条件不利地域だけでなく、全地域的にさまざまな名目で直接所得補償が行われています。
  そして、より幅広いニュアンスを表すために、直接所得支持(direct income support)または
  直接支払い(direct payment)ともいわれるようになりました。
18再掲その3(了)@3:2001/07/29(日) 06:28
Q3. 日本で直接所得補償を行う場合、どのような問題点がありますか?
A 財政から農家に直接支払われるので、納税者から生産者に所得移転が行われます。
  そこで納税者である国民の理解と合意をいかに形成するかという大きな問題があります。
  また厳しい財政状況下で、直接所得補償の財源をいかに確保するかが大きな問題です。
  政策目的(条件不利に対する補償か、環境保全等に対する対価か)、対象地域、対象行為、支払い単価、
  実施機関、実施期間等をどうするかなど、直接所得補償の制度設計に関わる問題もあります。
  農林水産省では、農地の荒廃を防止し公益的機能を保全するという観点から、公益的機能の低下が
  特に懸念される中山間地域等を対象として、直接支払いの実現に向けて具体的な検討を進めています。
19:2001/07/29(日) 07:37
>>9の「日本では1ha以上の規模を持った認定農業者が対象となる」は間違い。
面的なまとまりは必要だが、集落協定でもよい。
>>13「環境直接支払制度」
何を、直接支払の対象とする環境対策と認めるか、が難しくて制度には入らなかった
と聞いたことがある。使用しなければならない有機堆肥の量、化学肥料・農薬の限度、
その確認方法etc.
あと水田形態が殆どの日本では土壌流出はそんなに問題になってないし。

>>18「納税者である国民の理解と合意」
日本では根っこのここが不明確。予算が比較的に小額だから騒がれないけど。
中山間地域農業の公益的機能、外部経済効果っていうのがはっきりしない(できない)し、
>>14のような農業・林業の不採算地域については自然林に返したらという意見も出てくる。
欧米比較という点では、島国の日本では、欧米のような「国防上の」自給率維持や、
国境付近の警備を兼ねての辺境地住民の居住維持施策という観念がない(弱い)ということも大きい。
20:2001/07/29(日) 08:00
>>16->>18
どうもありがとうございます!
EUでは条件不利地域に対する補償がそんなに昔から始まっていたんですね。
そしていまは一言で「条件不利地域」でくくれるほど簡単な基準でも
なくなっているようだ、と。


出かける前にちょっとだけ。

やはり直接支払制はWTOとの親和性によって認められた側面も大きいのですね。
グローバリゼーションに反対する主張では、デ・カップリングはどのように
認識されているんでしょうね。まあ将来的に別スレにすべき内容かな。

ちょっと外れるけど>>10さんが紹介してくれた「青の政策」ってなんだったんだろう?
それはWTOと親和性がなかったのか? ちょっと気になる。


それと、
とりあえずここでは、現状と問題点が浮き彫りになれば十分だと思っています。
グローバリゼーションとデ・カップリングの矛盾点が議論されるほどになれば
すごいことなのですが、現状はまだまだですし。
実際にお百姓をしてる人の登場を願いたいな。>>14さんは農家ですか?
将来見通しや現状はもちろん、農業の経済に乗らない価値や仕事を具体的に語ってほしい。
2110:2001/07/29(日) 08:39
>>10です。
http://jacom.or.jp/kaze00/00083001.html
の下のほうの用語解説を見るとちょっと私も誤解していたらしい。
以下引用
○緑の政策(グリーンボックス) WTO農業協定は貿易を歪める程度に応じて農業保護政策を4区分し、
削減すべき対象と、それ以外を色分けしている。うち助成しても農業生産に結びつかない政策を緑の政策と呼ぶ。
公的備蓄や災害救助、直接支払いなどがある。この政策は協定実施初年度の95年から9年間は削減対象から除外される。
 四つ目は色で呼ばず「最小限の政策」といい、生産額の5%以内の国内助成措置は削減しなくてもよいとした。

○青の政策(ブルーボックス) この政策は6年間は削減の対象外。
生産調整がが必要な生産者への直接支払いは、この政策である。

○黄の政策(アンバーボックス) 緑と青と最小限の助成措置以外は、すべてが黄の政策として削減対象となる。
その国の助成措置合計額の20%を2000年末までに削減する。
------------------------------------------------------------
緑<青<黄の順でWTOの精神に合わないので削減しようことらしい。
221:2001/08/07(火) 00:45
>>21
情報ありがとうございます。
リンク先にも行ってみましたが、WTOについての専門家の議論を
きちんと理解するのはなかなか難しいですね。

ただ紹介していただいたような色分けされた政策の扱いも、必ず
しも全て決定済み事項というわけでもなく、今後の交渉によって
変化する可能性があるんだということは、把握しました。

協定実施初年度が95年で、それぞれの政策の実施期間がいちおう
限定されていることを考えると、日本が直接支払制度導入に動いた
のは遅かったような気もします。

もっとも青の政策についても6年間は削減の対象外ということですが、
6年間が過ぎたあとに自動的に削減というよりは、その後の交渉
によってその扱いが変わるような印象がありますが・・・。


・・・しかしなるほど、デ・カップリングの日本導入も、純粋に自発
的なものではなく、WTOという外圧が無関係でないということには、
悲しいかな、なんだか納得してしまうものがありますね。
23:2001/08/09(木) 17:06
農水省が昨年12年度の実施データを出してました。
煩雑なのでちょっと整理して紹介しますが、

12年度の総額が419億円で、今年の新規の予算が330億円。
一度始まったら5年間は継続なので、今年度の合計が700億円超
ということになると思われます。

12年度実績を簡単にまとめると、
「集落協定」の場合、
     一人あたり交  一集落あたり  一人あたり
     付金額(万円)  参加者数    面積(ha)
全国平均    8.5304   19.0     1.10
北海道以外   7.5901   18.8     0.53
北海道    42.2740   30.9     21.69

「個人協定」は北海道では数字がなく、今のところ実施例がないみたいですが、
     一人あたり交    一人あたり
     付金額(万円)    面積(ha)
全国平均  48.4337      6.73


ということで、一人あたりの金額は、総じて欧州よりは少なめです。

ちなみに、集落協定の締結数が25,621協定、参加者数は48万9千人に対して、
個人協定は498人(団体含む?)しかないですが、一人あたりの額は比較的大きいですね。
個人協定では、3ha以上の面積(北海道では30ha、北海道の草地は100ha以上)が必要
とのことなので、傾斜地でこれだけの規模を個人で、というのは厳しいのでしょうか。
24:2001/08/09(木) 17:09
上の特徴のひとつは、
「集落協定」で支払う形態がほとんど全てを占めていて、
「個人協定」での認定は極めて少ないということ。
後者は、総額でも参加者数でも1%に満たない。ただ、

集落協定・・・対象農用地において、農業生産活動等を行う農業者等の間で締結される
個人協定・・・認定農業者等が農用地の所有権等を有する者との間において利用権の
       設定等や農作業受委託契約に基づき締結する

ということになっていますが、「個人協定」の定義が私にはいまいち分からないです。


ともあれ、この辺は政策が、集落単位での合意形成や
まとまりを重視していることを反映してるのでしょう。

集落協定の場合、水路や農道の整備・管理や農作業の共同化、
機械・施設の共同購入・利用、周辺林地の下草刈り・・・
といった共同作業が名目に含まれるが特徴です。
25名無しさん@お腹いっぱい。:01/09/15 17:33
ひとつのポイントは、認定や集落を維持する個々の作業などを通して、
集落なり地域内でどれだけボトムアップ的な(下からの積み上げ方式の)
民主主義的プロセスを踏めるかどうかということのような気がする。
26名無しさん@お腹いっぱい。:01/11/13 01:04
あげ
27名無しさん@お腹いっぱい。:01/11/16 16:17
>>23
日本ではまだまだ農家の収入を支えるほどの額じゃないですね。

欧州では直接支払の農家収入に占める割合が半分近くになることもある
というけど。

でも普通に考えたらそのくらいで当然なんじゃないかという気もする。素人的には。
日本もまだまだこれからですね。
どうもこの板の人は実情に詳しすぎるせいか、このネタにはシビアなような
気がする。
28名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/03 13:42
昨日のNスペで出てきたフランスの「CTE」(経営に関する国土契約)が
参考になるかと思い調べてみました。
http://www.maff.go.jp/soshiki/keizai/kokusai/kikaku/2001/20010215france17a.htm
http://www.maff.go.jp/soshiki/keizai/kokusai/kikaku/2000/20000727france05a.htm
1、農家が環境保全や有機栽培などの目標や手段を設定した契約書を作る。
2、それを消費者も含めた『農業方向付け委員会』がチェック。
3、「2」の意見に従い国は契約により支給を決める。

ざっと見たところこんな流れだと思いますが、これをたたき台にして
日本での所得政策について意見をどうぞ。
29名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/03 21:46
レスが付かないのでジサクジエンですがまとめてみました。長文ですが
興味のある方は読んでみてください。

【現状の不満】
≪消費者≫
・多額の税金をつぎ込まれ、かつ高い農産物を買わされている。
・我々が欲しいと思うもの(安全や新鮮など)が手に入らない。

≪生産者≫
・年間3兆、UR対策で6兆といわれてもその金は途中で消えてしまい
 保護されている実感はない。
・輸入品との競争で単価が下がるばかりでは、所得を確保しようとすれば
 単収増しかない。そこから収量に不安のある有機栽培に転換するには
 かなりの勇気がいる。

   ↓

【所得政策によるメリット】
≪消費者≫
・とにかく安ければ良いという人は輸入品を買う(価格は市場に任せる)
・一方で国産品を食べたいと思い(*)そのために税金を使う事は反対しないという人は、
 その使い道を自らチェックし、欲しいと思う農産物を作る人の生活は補助する。

(*)経済企画庁による調査では、同じ生鮮野菜・果物で国産品と輸入品があった場合
どちらの商品を選択 するか尋ねたところ、「ある程度高くても国産品を購入する」
が51.0%、 「価格にかかわらず国産品を購入する」が25.7%と合わせて76.7%の者が
国産品を選択すると答えている。
http://www5.cao.go.jp/j-j/doc/bmons1-1-j-j.html


≪生産者≫
・販売価格は下がるが所得補助があるので経営を続けられる。
・単収にこだわる必要はなく、土づくりや在来品種の栽培などこれまで出来なかった
 ことに力を入れられる。
・消費者の意向が直接所得に響くので、より消費者ニーズに敏感になる。


【課題】
・農業予算は増やせないので従来の他事業の予算から削ることになり
 反対勢力がある(既得権益)。
・チェック委員会の範囲は市町村か都道府県になると思うが、農地の無い都市部の
 消費者の意見をどうやって産地の補助金配分に反映させるか。

とりあえずこんなところでどう?
いずれにしろ市場をゆがめる価格政策や、圃場整備や農道などのハードに対しての
補助金は限界に来ており、世界的にも所得政策が注目されているのは確かで
それをどう日本に取り入れるべきか考えてみませんか。
30>>28:01/12/05 00:31
昨日のNスペ、見ました。

事例として登場していた南部の米農家は、二年がかりで農業計画を立て、
分厚い計画書を作ってましたね。
その代わり、その農家は所得の半分を直接補償(?)によって得ていた。
農家もアホじゃできんなあ、というのが感想のひとつ。
欧州では院卒で農業やるのも当たり前だ、とは聞いていたけど、
こういうところにその姿がさりげなく顕れているなあ、と。
3130:01/12/05 00:50
ところでフランスのCTEって、ここで述べられている直接支払と違うんだろうか?
直接支払は欧州では既にそれなりの歴史と実績があるけど、
それだけじゃまだ足りないので新たに(99年から)始められた、
というニュアンスもあったようなんだけど・・・
番組では、一体何が違うのかわからなったんだよね。

より意欲のある農家に限定して支払おうというところが相違点なんだろうか。
32名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/05 01:10
33名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/05 03:10
田舎の農民が自然を愛して、善良だと思ったら間違いだぞ。
いなかの農家って都会人と逆で自然破壊に無頓着。
公共事業という名前の自然破壊を平然とする。
税金だけもらって、がんがん農薬使うに決まってる。
元Uターン農家で自然保護で散々田舎の連中とぶつかったから
いなかの連中に補助金を出す無駄さは身にしみている。
やつらは税金に寄生する無自覚の共産主義者だ。
まあ田舎の自民党の体質がそうなんだけどな。
3428:01/12/05 07:59
>>30-31
>ところでフランスのCTEって、ここで述べられている直接支払と違うんだろうか?

CTEも直接所得補償の一種だけど、今までは地理的な条件に応じて面積あたりいくら
という決め方や、日本では>>23によると集落単位での交付というに、
広く薄く平等にという感じだと思います。
それに対しCTEは中核農家の経営に対して集中した配分と第三者の評価の点が
大きく違うかと。

>>33
だから税金の使う対象を第三者がチェックする必要があるんです。
(NHKスペシャルは見ました?多分近いうちに再放送があると思います。)
今までは消費者(納税者)は税金をとられそれをばら撒かれている気がして
不満だったわけで、これからは必要なことに「金は出すけど、口も出す」と
いうことをしなきゃだめなんです。

>>32 恐くて開けません。なんでしょうか?
35名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/05 17:53
32はエロサイト多分ういるるすも仕込んでる。
3630=31:01/12/06 18:59
>>34
> 広く薄く平等にという感じだと思います。
>それに対しCTEは中核農家の経営に対して集中した配分と第三者の評価の点が大きく違うかと。

なるほど。
まあ二段構えで直接支払をしようというところですね。

>>28のサイトによると、CTEの広まりはまだゆっくりとしたもののようだし、
番組で出てきた分厚い計画書といい、ハードルが高く設定されている感がありますね。
その分金額も大きいと。
やる気のある篤農家がよりやりやすくなる環境になると考えれば、イイですね。
37:01/12/07 01:18
素朴な疑問。

公共事業とかじゃなくて、農家だけに限定して収入が保証されるってことは、
公共事業よりは国内産作物の低価格化につながりやすいってこと?

従来型の価格支持政策なんて米くらいで野菜、果樹は関係ないだろうし、
それに対して直接支払は幅広い作物に関係する。

純粋に理論的に考えると、たとえば質や環境、安全にこだわった作物に
限定して直接補償をして、それが従来型農産物に価格面でも対抗できる
ように誘導することも可能だということになる・・・?
38名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/07 03:23
公共事業だと7割補助でも民間の同じものを作る短歌の3倍するので、農家には
全然プラスにはなりません。受益者が農家のはずの、水はけをよくする為の用水
路工事で用水路の両方に掘り出した土を山のようにしてかえって水はけが悪くなる
なんて工事も実際にありました。そのような工事なので、農家は借金が増えるばか
りです。国庫補助事業なんかで、牛舎作れば、核攻撃の直撃受けても平気な建物
作りますから、自己負担だけでも軽く一億超えます。
別海のパイロットファームはそれで多くの何も知らない入植者を自殺に追い込みました。
実際牛舎つくるには、乾燥庫になるような鉄骨の組み立て式の建物をつもあれば
50頭はかえますから、200万もあればかなりましなものできます。
どうせ経済情勢は10年もすれば変わりますから、100年もつ牛舎は無用の長物になります。
いかに設備に金をかけないで経営するかが大事な時代に国の政策は農家を借金でがんじがらめ
にします。

別海のパイロットファームの問題は農家ばかりおの問題じゃありませんね。
多くの入植者は他県のサラリーマンとかっからの転職組でした。
国にだまされた彼らはいまなにをしているのでしょうか?
3928:01/12/07 08:22
>37
> 公共事業よりは国内産作物の低価格化につながりやすいってこと?

そうなる可能性が高いと思います。公共投資も本来は低コスト化の為だったんですが、
いくら1枚1haの田んぼでも輸入米にはかなわず、逆に自己負担分の償還金が経営を圧迫していますので。詳しくは>>38さんが書いてくれました。

野菜、果樹については今までは
1.端境期のみの輸入  (NZかぼちゃ)
2.国産品との品質格差 (米リンゴ・サクランボ)
3.輸送技術の未発達  (軟弱野菜)
などで国産品と輸入品とが棲み分けていたのが
ねぎ・しいたけを代表とする国産品とまともにぶつかるものが急増していて
今手を打たないと大変なことになります。
そこでセーフガードのように市場価格を高く吊り上げる方がいいのか、
それともここで語られている直接支払いがいいのかどっちだろう?(私の意見は後者)

> たとえば質や環境、安全にこだわった作物に
> 限定して直接補償をして、それが従来型農産物に価格面でも対抗できる
> ように誘導することも可能だということになる・・・?

そこまでいくかどうかは分かりませんが、すくなくても
有機栽培農家の数が増えてくれば、その中での競争によって
今よりは安くなると思います。
40:01/12/07 22:35
>>29
>≪生産者≫
>・年間3兆、UR対策で6兆といわれてもその金は途中で消えてしまい
>保護されている実感はない。

スマン、URってなに?
あと、ここでいわれている従来型の補助金って、どういうものがあるの?

学生のボクには
1・米における政府の買い上げ、それによる価格保持
2・減反支援金
3・ホジョウ整備、土地整備、設備投資など農家を直接支援するもの。
  安い利子で借金できるというのも入るかな。>>38の国庫補助金は主にこれに当たる?
4・農家とは直接関係のない河川改修、道路開発・工事とかの公共工事
  まあ用水路なんかは間接的に関係するか・・・

(5)・各種貿易保護。1とは違い金はかかってない。
  >>39の端境期のみの輸入など。

なんかが思いつくんだけど、なんかそれらが整理できなくてこんがらがっちゃう。

まあ、1や5はWTOもあるし減らすしか仕方ないとして、
残りの2ー4を減らして直接補償に移行するというのには賛成。
4128=29:01/12/08 01:20
>40
学生さんなら自分で調べて欲しいんですけど^^;
私の分かる範囲と誤解している点を指摘します。

UR:ウルグアイラウンド

>  1・米における政府の買い上げ、それによる価格保持
米については今政府が買い上げているのは備蓄用のみで量では15%程です。
価格については稲経(自分で調べてね)への補助で直接市場価格を
保持している訳ではありません。

>  2・減反支援金

減反(稲を作らない)に対しての補助でなく麦・大豆の生産に対しての補助が中心です。

>  3・ホジョウ整備、土地整備、設備投資など農家を直接支援するもの。
>   安い利子で借金できるというのも入るかな。>>38の国庫補助金は主にこれに当たる?

これが「農家を直接支援するもの」じゃないんですよね。
こういった基盤整備事業は例えば国1/2県1/4農家1/4といった費用負担をし
規模が大きくなれば補助金も増えますが農家の負担金も増えます。でそのお金で
潤うところはもう御分かりですね、土建関係です。
一般的にはこれらを農業公共事業といいます。

> 4・農家とは直接関係のない河川改修、道路開発・工事とかの公共工事
>   まあ用水路なんかは間接的に関係するか・・・

ほぼ3に含まれるものですが、お役所言葉では農村整備事業といいます。

> (5)・各種貿易保護。1とは違い金はかかってない。

関税を引き上げるのには確かに金は掛かりません。
しかし日本には無いけれどアメリカには「輸出補助金」というものがあります。
--------------------------------------------------------------
日本では価格支持政策についてはUR交渉時から徐々に減らしてきたのだと
思います。(H8年度で農業予算の9.4%)
なにせ主食のコメですら最低価格保証制度が無いんですから。
そこで所得政策への予算をどこから捻出するかとなると、やっぱり農業予算の
半分を占める公共事業費からしかないと思います。

農産物価格安定制度
http://www.maff.go.jp/soshiki/kambou/kikaku/chousakai/nougyoubukai/3kaisiryou/3-5.html
農業予算決算
http://www.maff.go.jp/soshiki/kambou/kessan/index.htm
4238:01/12/08 02:11
本当土建屋の為の補助事業しかなく、農家は本当の受益者ではないですね。
費用的にメリットがないので蹴ったら、農協通じて圧力掛けますからね。

政治家は恒久的で、社会的価値のある仕事を誘致して欲しいものです。
公共事業など、政治屋と結託してる元請業者以外には日雇いの不安定な仕事
が供給されるのみ。銀行のデータセンターやコンピューターメーカーのコール
センターなど、まともな仕事を田舎に誘致してほしいものです。
4340:01/12/20 01:42
>>41
即レス感謝&遅レススマソ。
>日本では価格支持政策についてはUR交渉時から徐々に減らしてきたのだと
>思います。(H8年度で農業予算の9.4%)

紹介されているHP、行ってみました。

農産物価格安定制度に関しては、実際に数字を目にしてみるとびっくりですね。
ピーク時の1974年には農業関係予算2兆のうち45%の9千億円を占めていたのが、
1996年には3兆のうち9.5%の3千億円弱と、
比率だけじゃなくて額自体が大きく減っている。
物価上昇率や予算額の増加を考えると、その減りかたは数字以上の大きさかと。

日本が土建事業にシフトしたといえるだろう、まさに同じ時期1975年に、
欧州では条件不利地域に対する直接支払が始まっていた(>>17)わけで、
この間25年にもわたる日本の無策ぶりに改めてショックを覚えます。
いや、誰でも知ってることとはいえ、実際に数字を見るとねぇ・・・

海外留学していた友人が日本の情報鎖国ぶりを心底嘆いてましたが、
ああなるほど、こういうことなのかと。
そもそも直接支払制が日本に知られ出したのってつい最近のような気がするし。
だれか10年以上前に直接支払制を知ってた人っています?
44名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/20 01:44
4540:01/12/20 01:54
>>42
>銀行のデータセンターやコンピューターメーカーのコール
>センターなど、まともな仕事を田舎に誘致してほしいものです。

え、そんな仕事が田舎に誘致されている国があるんですか?
46名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/20 02:11
ゲートウエイの本社スーシティはまさに酪農の村です。
データセンターは、結構田舎にある例がおおいですよ。
千葉ニュータウンなんて田園風景の中に高層ビルがたってるし。
47名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/28 03:33
>>34

>だから税金の使う対象を第三者がチェックする必要があるんです。
>(NHKスペシャルは見ました?多分近いうちに再放送があると思います。)

フランスのCTEでは誰がチェックしてるんでしょう?国?自治体?
日本の場合、国や自治体がチェックするというのでは信用がなさそう。
あと、Nスペは見てません。どんな番組でした?
4828:01/12/28 20:30
どうやら再放送は無さそう・・・。
Nスペでは確かその地区の消費者が委員会のメンバーになり
分厚い書類を見ながら審査していたようだけど、
彼らがいわゆる「消費者団体」の代表のようなものか
それとも無作為に選ばれた人かどうかは分かりません。

しかしフランスの実情よりも、日本ではこれからの問題なので
どんな人が審査するのが適当か考えてみる事が大事かもしれません。
書類審査だけでもかなりの労力となるので生産者でも行政でもない第三者が
引き受けたがるかどうか?とくに今の日本で。
話が少しそれるが、裁判の陪審員制度にも通じる問題かと思います。

ただ行政不信と文句をいうだけなくて、
行政に任せきりでなく自らがチェックすることが「市民の義務」である、
というのが当たり前になって初めて「民主主義」なんでしょうね。
49+++:01/12/30 10:40
「有機」表示の審査は、第三者機関でしたっけか?
50>49:01/12/30 14:42
スレ違いだろ。

一応、JASのHP ttp://www.jasnet.or.jp/news/yuukininntei/n_list.htm
51ひさびさにage:02/02/05 19:51
これまではEUの話が中心でしたが、アメリカの農業政策について調べてみました。

始めに現在の米国の農業政策をまとめたのが↓
http://www.maff.go.jp/soshiki/keizai/kokusai/kikaku/gaikyo/america_4.htm
>価格・所得政策については、90年農業法(適用期間90年〜95年)において、
>生産調整を条件として実施されていた不足払制度が廃止され、これに代わる
>補償措置として、農家に対する直接固定支払制度が導入された。

○農家直接固定支払い=契約面積*85%*平均単収*支払い単価 (上限 4万ドル/年・人)
○支給総額は96〜02年の7年間で356億ドル
(これに加え緊急支援措置として273億ドル上乗せ)←この辺は好景気の恩恵か
96年農業法の成立過程から2000年までの流れは↓
http://www.lin.go.jp/alic/month/fore/2000/oct/rep-us.htm
ここまでは、米国でも価格政策(不足払い制度)から所得政策へシフトしつつあるように見えます。

 次にブッシュ政権誕生、テロ発生を経て02年以降の次期農業法の形が出来つつあります。
http://www.maff.go.jp/soshiki/keizai/kokusai/kikaku/2001/20011023chicago71a.htm
>2011年までの10年間において約1,700億ドル(約20兆4,000億円)の財政支出を認めるもので、
>現在の予算規模に比べて約730億ドル(約8兆7,600億円)の増額となるものである

http://www.lin.go.jp/alic/month/fore/2001/dec/top-us02.htm
http://www.lin.go.jp/alic/month/fore/2002/jan/top-us01.htm
・ローンレート(価格支持融資制度)の引き上げ
・農家直接固定支払単価の引き上げ
・価格変動に対応した新たな直接支払(Counter‐cyclical Payment)の変更
・酪農に関する価格変動対応型の新たな直接支払制度の導入

法案では96年に縮小したかに見えた価格政策が復活しているが、これは「黄色の政策」(>>10
にあたるとしてWTO違反との懸念があるとのことです。

あと会員以外は見られませんが参考として
[論説]「米国次期農業法」 農家救済に強まる保護策−日本農業新聞 発行日:2001年10月17日
http://info.agri.zennoh.or.jp/janews/2001/2001_10/2001_10_17/200110170028.asp
なおこの本文の結論は
>しかし、なりふりかまわずに、農業を守ろうという姿勢は見習うべきものがあろう。
>また、農家救済に多額の補助金を支出するのは、米国のような大規模農業経営でも
>市場まかせだけでは、成り立たないことを証明したものである。WTOは、農業保護
>の必要性について、論議する機会にすべきだ。

ということで論議しましょう。
52名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/06 01:59
条件不利地域対策(ex.日本の中山間地域等直接支払制度)か
一般的国内農業・農家保護対策(ex.アメリカの直接固定支払制度、輸出補助金)かで
全然違った話になるなあ。
53:02/02/06 02:01
54ちょっと整理:02/02/14 20:49
たしかにアメリカの場合、条件不利地対策というのは毛並みを異にしていて、
一般的な農業対策として大胆に直接支払い制度を用いてるんですね。

>>51から仮に単純計算すると、1年当たり51億ドル(5547億円)もの額が直接支払われていることになりますね。
日本の年間700億円の中山間地対策とは単純比較できませんが。

もうちょっとわかりやすくなるように、計算してみました。
上の金額が全体の約89%に相当する168万戸の契約参加農家に支払われた
ということですので、一戸当たり平均年間33万円が支払われたことになります。

さらに当初予算356億ドルに、緊急支援処置として追加された273億ドルも加えて年平均にすると、
一戸当たり平均、年間約58万円になります(同一レート、同じ戸数に支払われたとして計算)。
・・・けっこう多いですね。
55日本型CTE:02/02/14 22:26
>>28です。「日本型CTE」の概要ができたという記事があったのですが、
イメージしていたものとちょっと違ったみたい。
まず対象は個々の農家でなく
 >集落などで計画を決め、
申請も詳細な事業計画を作るのではなく
 >簡単な様式の書類を作成。
認定機関も納税者の代表ではなくて
 >各市町村にある生産調整に関する協議会(JA、市町村、食糧事務所で構成)

要するに所得補償政策というよりも、生産調整をスムーズに達成させるためのアメ玉
ぐらいにしか見えないのだけれど。これで効果があるんでしょうかねぇ?

<全文>
▼食糧庁が水田緊急対策概要 再編計画に補助金-日本農業新聞 発行日:2002年02月13日

 食糧庁は十二日、稲作の構造改革の一環として二〇〇二年度から取り組む新規事業
「地域水田農業再編緊急対策事業」(日本型CTE)の実施要領の骨格をまとめた。
担い手への生産集約など稲作再編計画を作り、実施したものに補助金を支払う。再編
計画は、各市町村の生産調整推進に関する協議会が認定する。手続きや補助金の支払
い窓口はJAが担い、〇二年度の早い時期には事業を開始する方針だ。
 事業実施までの流れは、集落などで計画を決め、簡単な様式の書類を作成。これを
JAを通して、各市町村にある生産調整に関する協議会(JA、市町村、食糧事務所
で構成)に提出し、計画が事業の対象になるか認定を受ける。
 認定を受けた集落は、計画実施後に、実際に掛かった費用に基づいて補助金の支払
いを請求。食糧庁がJAを通して補助金を支払う。補助金は毎年度末に交付する。事
業は三年間の予定で、毎年、あらためて手続きする。
 また、再編計画内容に関するガイドライン案もまとめた。取り組み内容の具体的な
例として、@担い手への生産集約A有機農業など特色ある農法の導入B耕畜連携によ
る水田利用の高度化C生産調整の超過達成−−の四つを盛り込んだ。
 同庁では、「ガイドラインは実施内容の例。各集落の自主性を極力生かしていきた
い」と、各地で考え出された案も受け入れる考え。
 一方、ガイドラインでは事業の対象としない例も規定している。単純な農地の維持
管理や、〇一年度以前から始めていた内容、会議・集会の費用、二重補助にあたるも
のなどは除外する。
 交付する補助金には上限を設ける。上限額は、再編計画に参加する農家の稲作経営
安定対策への加入数量で算出する案が有力になっている。
 日本型CTEは、農業者と国が農地の利用に関する契約を結ぶ、フランスの「国土
契約」をモデルにした。集落などで、担い手への農地の利用集積や有機農業の導入など、
地域稲作の改革につながる計画を作り、実現に掛かった費用を助成するもの。生産調
整目標を達成していることが参加の条件になる。
56>>55:02/02/14 23:56
>>51のリンクを見ても、アメリカで直接支払いを96年に実施したときも同様で、
それ以前に生産調整に応じていることが条件になってたりしますね。
で、直接支払い導入と同時にそれまでの生産調整を廃止と。

アメリカの場合、追加予算をつけすぎて期待したほどの生産調整効果はなかった
らしいですが。
57日本型 CTEって:02/02/16 10:22
どうして集落だけで、個人でできないんだろう?
5856:02/02/17 01:26
アメリカでは、同時に価格支持制度を減らす(廃止ではない?)ときに
直接支払導入と生産調整の廃止が同時に行われていて、
農産物価格を市場に任せることで自然に生産調整効果を見込むという
ことだと思う。

それに対して、日本では従来通りの生産調整は生かされたままで、
農家の自主性を認めない方向はあまり変わらないようにも見えますね。
どうなんでしょう?
59名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/17 06:48
>>57
土地利用型農業に対する施策として
面的規模、連担の確保が必要だからじゃない?
同時に集落内での履行担保も期待できるし。
>>58
コメについてはね。
コメ以外は好きにやれって感じじゃない?
畜産は関与度高いか。
60名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/17 19:45
age
61名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/08 18:21
農産物輸出国である発展途上国にとって直接支払制とは?
62名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/12 03:09
発展途上国にとっては、工業は自由化するのに農業は実質的に保護するなぞ
なんじゃゴラァ!

となる
63名無しさん@お腹いっぱい。:02/06/01 22:12
タイタニック見たのも、もう4年前になるのか・・・・
64 :02/08/07 09:45
あげておくか
65名無しさん@お腹いっぱい。:02/11/15 00:28
ネタとしてはいいのに、盛り上がらないね。

しっかしここって過疎だな。
三ヶ月もたって、ようやく352まで下がって、まだ生きてる。
66名無しさん@お腹いっぱい。:02/11/16 21:17
減反の見直し(廃止)論議が大詰めらしいが
一向に所得政策に本腰を入れる気はないらしいね。
国はただひたすらコメから手を引きたがりたいだけなんちゃうんか、と・・・・・・(鬱
67山崎渉:03/01/11 18:03
(^^)
68山崎渉:03/01/18 01:25
(^^;
69名無しさん@お腹いっぱい。:03/04/13 01:00
まだあったのか。

って、山崎渉が保存してたのかよ!
70名無しさん@お腹いっぱい。:03/04/15 15:11
ご融資で生活応援致します

借入件数が多くなってしまった方、失業中の方、
フリーターの方、ご安心下さい。当社は皆さんの生活を
応援致します。全国どちらからでも即日銀行振り込み
致します。又、当社はキャッシングした事がバレない様
絶対秘密厳守です。
http://am1960.com/
携帯サイトからはhttp://am1960.com/i/
71山崎渉:03/04/17 08:41
(^^)
72山崎渉:03/04/20 04:03
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
73山崎渉:03/05/21 23:52
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
74山崎渉:03/05/28 14:07
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
75名無しさん@お腹いっぱい。:03/07/01 00:49
今NHKスペシャルで少子化特集をやってる。
フランスだと子供が多いほど政府から直接金が支払われるらしい。
いま出てる家族は、一家の収入の20%を占めてる。

これって デ・カップリングにも通じるものがあるな。。
76名無しさん@お腹いっぱい。:03/07/01 16:29
 宇根さんとこのNPOの政策提案「環境デカップリング」を農水相が直接面談して
聞くというネタが流れていた。
 
 ポーズでしょうか、本気でしょうか?
>76 これかな
ttp://www.nougyou-shimbun.ne.jp/back/news/flash/flash03070109.html
補助金はともかく
「お金にならない大事なものを支える百姓仕事」
これは確かに認めて欲しいね、と空き缶拾いながら畦草刈りをする今日此の頃。
78名無しさん@お腹いっぱい。:03/07/02 03:21
 田んぼの生き物調査などを続ける「農と自然の研究所」(福岡県二丈町)は三十日、「百
姓仕事」への直接支払いを求める「環境農業政策(環境デ・カップリング)の提言」をまと
め、NPO法人など八つのグループと共同で亀井善之農相に政策提言をした。
 田畑や農村環境の実態調査を農家の新たな仕事と位置づけ、調査への助成を求めたのが特
徴。調査結果は、台帳にまとめる。
 これらは農家自身が自然環境や生態系保全にどれだけ貢献しているかを自覚すると同時
に、国民とその価値を共有し、直接支払いへの理解を得るのが狙い。直接支援の目安となる
評価指標づくりにも役立てる。提言には、「年四回のあぜ草刈りに十アール当たり五千円を
支給」「赤トンボ産卵支援のための秋の水張りに同一万円」「絶滅危ぐ生物の数によって補
助金を上乗せ」といった具体的な提案も細かく盛り込んでいる。
 同研究所の宇根豊代表は「これまでの農政はお金になる食料生産を助成してきた。しか
し、お金にならない大事なものを支える百姓仕事への支援も必要だ」と訴え、農水省も協力
するよう要望している。
 この日の要請では効率的な農業生産を重視する農政から、身の回りの自然、環境を守るた
めの農政への転換を強調した。これに対し亀井農相は「農業に対する国民の理解を得ること
が大切だ。協力を検討したい」と述べた。
79名無しさん@お腹いっぱい。:03/07/02 23:04
>>78
>田畑や農村環境の実態調査を農家の新たな仕事と位置づけ、

これは宇根さんらしいアイディアだな。面白い。
80山崎 渉:03/07/15 13:09

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
81大阪・役人:03/07/22 16:00
職場から2ちゃんしています。

いけませんか。
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
83名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/11 05:42
こんなスレにも山崎渉はやってくるのね。。
84あぼーん:あぼーん
あぼーん
85あぼーん:あぼーん
あぼーん
86山崎 渉:03/08/15 17:43
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
87あぼーん:あぼーん
あぼーん
88あぼーん:あぼーん
あぼーん
89あぼーん:あぼーん
あぼーん
90あぼーん:あぼーん
あぼーん
91名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 09:55
生産と収入を切り離すというと、収量に関係なく販売契約するの?値段だけで?
92名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/31 03:47
http://news13.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1085570531/l50

★10年間で自給率50%に 民主が農業再生プラン

 民主党は26日、参院選での目玉政策の一つとなる「農林漁業再生プラン」をまとめた。
農村地域が多い改選1議席の「一人区」で支持を拡大するため、従来の「都市型政党」に
とどまらず、農業にも強い政党イメージを訴えるのが狙い。

 プランは、政権交代後の10年間で現在約40%の食料自給率を50%まで引き上げる
ことを目標として設定。具体策として米や麦、大豆など自給率向上につながる農作物に
ついて、国が総額1兆円の枠内で耕地面積ごとに一定の補助金を農業従事者に直接
手渡す「直接支払い制度」導入を打ち出している。

 また、「食の安全と信頼性」を確保するため、加工食品や外食に対しても原料の産地
表示義務化を提唱。農業への新規参入を促進するための規制緩和も盛り込んだ。

河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2004/05/2004052601002902.htm
93名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/25 16:01:43
そろそろあげておきますね
94記録:04/12/31 07:34:07
中山間地域への直接支払制度
本年度で3年の事業年度終了。
国の復活予算で延長決定。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/14(木) 01:15:18
age
96名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/23(土) 22:03:46
続きキボン
97名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/03(日) 19:38:00
田舎に行ってもあんまり聞かないよね。直接支払制度。
よくよく話を聞くと、実はとっくにもらってたりするんだけど。
地元ではどんなふうに受け止められてるんだろ。
98名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/14(金) 13:37:10
age
99名無しさん@お腹いっぱい。:2006/03/01(水) 01:18:44
>>76-79
超亀レスだが現実化したよ
100名無しさん@お腹いっぱい。:2006/03/30(木) 22:36:49
今だ100番ゲットオォォォォ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄       (´´
    ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;
      ズザーーーーーッ
101名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/23(土) 21:46:07
age
102名無しさん@お腹いっぱい。:2007/01/12(金) 20:52:45
さてこれが最後のレスになるのかな
103名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/24(日) 18:00:47
こんな過疎スレで聞いても無駄かもしれないけど、
民主党の所得保障ってどうなんですか?
http://www.dpj.or.jp/special/bira/seisaku_01.html

どう見ても生産を増大させる目的の黄色の所得保障。
削減対象で対抗措置も受けちゃいますよね。
しかも民主党はFTAも推進だって。それで1兆円の
所得保障じゃとても足りそうもないし、こんな政策で
自給率が伸びると思います?
104名無しさん@お腹いっぱい。
>>103
それでも自民党「よりは」マシ。

民主のはたしかに実質黄色だけど
アメリカと同じ手法をとろうとしているだけだしね。