[801]モララーのビデオ棚in801板24

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1風と木の名無しさん
.   ___ ___  ___
  (_  _)(___)(___)      / ̄ ̄ヽ
  (_  _)(__  l (__  | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ  }
     |__)    ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
         l⌒LOO (  ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
   ∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_,   _)フ 「 | ロ | ロ |
  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ |  </LトJ_几l_几! in 801板
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。

   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_||  |      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ]_||
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
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   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_|| / |/    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |[]_||
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   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    (__)_)

モララーのビデオ棚in801板23
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1170156263/
ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-7のあたり

保管サイト(お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://moravideo.s57.xrea.com/
2風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:20:49 ID:8y0oaS130
1.ノンジャンルの自作ネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。 801ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。

  どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
   ・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
   ・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
   ・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
   ・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。

  投稿すべきスレはあるが‥‥
   ・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
   ・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
   ・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
   ・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。

  ヘタレなので‥‥
   ・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
   ・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!

迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね
3風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:21:55 ID:8y0oaS130
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
                               | | [][] PAUSE       | . |
                ∧_∧         | |                  | . |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |                  | . |
          | |,,  (    つ◇       | |                  | . |
          | ||―(_ ┐┐―||        |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
4風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:22:31 ID:8y0oaS130
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。

別に義務ではないけどね。

テンプレ1

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
5風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:23:03 ID:8y0oaS130
テンプレ2
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌‐^──────────────
  └──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
                └───────────────

          _________
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

                 ピッ ∧_∧
                ◇,,(∀・  ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘
6風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:23:36 ID:8y0oaS130
テンプレ3
               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 生 ||             ∧(゚Д゚,,) < みんなで
        //_.再   ||__           (´∀`⊂|  < ワイワイ
        i | |/      ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 見るからな
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ"

               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 止 ||             ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
        //, 停   ||__           (´∀`⊂|  < この体勢は
        i | |,!     ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 無理があるからな
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ"
7風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:24:07 ID:8y0oaS130
テンプレ4

携帯用区切りAA

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

中略

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

中略

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
8風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:25:31 ID:8y0oaS130
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
 |
 | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
 | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
 | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
 \___  _____________________
       |/
     ∧_∧
 _ ( ・∀・ )
 |l8|と     つ◎
  ̄ | | |
    (__)_)
       |\
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 媒体も
 | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
 | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
 \_________________________
9風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:26:46 ID:8y0oaS130
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
   |[][][]__\______  _________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |       |/
    |[][][][][][][]//|| |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | | |
              (__)_)
10風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 12:40:52 ID:e+2I3jY00
>>1
11風と木の名無しさん:2007/02/14(水) 13:42:32 ID:7+2fOXAy0
乙です!ルナドンwktk
12生徒会長x子悪魔後輩君@全寮制男子校:2007/02/14(水) 16:35:30 ID:UnP+Mkdb0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ホモビアスレの姐さん方に敬礼!

 生徒会長である自分の立場は分かっているし、規則も分かっている。
 しかし、いけないと思いながらも、もう火のついた身体は止められなかった。
 こんな時間に部屋に来る奴もいないだろう、さっさと済ませて眠ろう。

 ベッドの上で壁にもたれ、自身の下半身を探る。
 その気になったペニスの根元を握り、扱きあげた。
 思うのはいつも仲の良い一学年下の後輩。
 後輩とはいえきつい上下関係はそこにはなく、対等な友人として付き合ってきた。

 表向き、は。

 愛嬌のある言動と可愛らしいルックスで、その後輩は大勢の生徒から愛されていた。
 如才無い受け答えで、教師陣からも評判が良い。
 黒縁の眼鏡をかけて、一見真面目そうな雰囲気ではあるが、それは破天荒な性格を隠す為だと言う事を仲間うちでは知られていた。
 仲良くなったのはどんな切欠だっただろう。
 ふと思い出そうとするが、彼が隣に居るのが自然過ぎて、出会ったのは遠い昔のようだった。

 楽しい仲間、ではあるのだが、時折見せる妙な色気にどうしても惹かれた。
 ごめん、と思いながらも、手は止まらず体温がどんどん高くなる。
 柔らかそうな唇と、大きな瞳と、すぐに紅潮する滑らかな頬と、小柄ではあるが意外と筋肉のついた引き締まった体躯を思いながら、手の動きは速くなる。
13生徒会長x子悪魔後輩君@全寮制男子校 2/7:2007/02/14(水) 16:37:14 ID:UnP+Mkdb0
 そろそろ、と思った時、ガチャリ、と音がした。
 「会長、いる?」
 
 「!!!!!!!!!!!!」

 「……なにしてんの……」

 まさに想像の中で乱していた彼が、制服をきっちり着込んだまま不意に目の前に現れた。
 呆然とお互いに目を合わせる。
 反射的にむき出しの下半身にシーツを手繰り寄せ、行為を隠そうとした。

 彼が、に、と笑う。
 「会長イケナイんだー禁止されてるでしょ、そういうの」
 眼鏡の奥の目が子鬼のようにキラキラ光った。

 嬉しそうにベッドに近づき、シーツを剥ぐ。
 「ごめんね、邪魔しちゃったね」

 けどさ。
 決まりは決まりだよ、生徒会長さん。

 ベッドの上に投げ出した腿の上に跨り、自分が着ていた制服のネクタイをするりと外した。
 「悪いことする手は縛っておかないとね」
 そう囁いて、されるがままの両腕を後ろ手に縛り、ベッドのパイプに結びつけた。
14生徒会長x子悪魔後輩君@全寮制男子校 3/7:2007/02/14(水) 16:38:10 ID:UnP+Mkdb0
 「ね、何考えながらオナニーしてたの?」
 無邪気を装って可愛らしく微笑みかける。
 悪魔だ、と思う。

 「言ってくれたら、続きをしてあげる」
 そう言うと、晒されたペニスに軽く口づけた。
 「ちょっと、そういうのやめ……」
 唯一自由な足を曲げて抵抗しようとした。
 「なんだよ、せっかく人が親切にしてんのに。みんなに言いふらそうかな」
 気を悪くしたように唇を尖らせ、大きな目で睨む。
 「嫌なんだったらいいよ。もう戻るよ」
 拗ねたように身体を起こし、膝立ちで見下ろす。

 「待って、」
 ……続き、してくれるかな。

 やっとの思いでそう言うと、彼は再び薄く笑い、唇を舐めた。
 「じゃあ教えて。何考えてやってた?」

 「……それは、言えない」
 「なんで」
 「そんなの聞いてどうすんの」
 「今後の参考に」
 「参考になんてできないよ?だって俺は」
15生徒会長x子悪魔後輩君@全寮制男子校 4/7:2007/02/14(水) 16:39:13 ID:UnP+Mkdb0
 「君のことを思ってた」
 そう言った瞬間、パッと頬を染めて彼は大きな目をさらに見開いた。
 「……ほら、ちゃんと言ったから……続き、して」

 「さいてー……なんか騙された気分……」
 顔を赤くしたまま、股間に唇を落とす。そっと咥えられて、かすかに吐息が零れた。
 想像の中よりも柔らかく熱い唇が上下し、舌が絡められる。
 時折強く吸われて、声が漏れた。
 「すっげ、気持ちいい」
 低く呟くと、眼鏡の奥の潤んだ瞳と目が合った。
 「自分だけずるい……」

 眼鏡を投げ捨て、ジャケットを脱ぎ、シャツのボタンに手をかける。
 「……しよ?セックスは禁止されてない、でしょ」
 拘束の体勢のまま抱きしめられた。唇が彼の胸元に触れる。たまらなくなって、そのまま胸筋を舐めた。
 「……、ん、」
 小さく聴こえる声が扇情的で、夢中で胸元に口づけを繰り返す。
 はだけたシャツの隙間から、乳首が覗いた。乳輪に舌を這わせ、尖った乳首を吸い上げる。
 「ぁあっ、……き、もち、いい」
 震えながら頭を抱かれ、髪を掴まれてもっと、と強請られる。より強く吸い、柔らかく歯を立てた。

 「ね、いれたい?」
 硬く立ち上がったそれをそっと撫でながら、尋ねる。
 一つ頷くと、彼はちょっと待ってね、と微笑んで背を向けた。
16生徒会長x子悪魔後輩君@全寮制男子校 5/7:2007/02/14(水) 16:39:59 ID:UnP+Mkdb0
 自分で下半身を露にし、羽織ったままのシャツで隠すように後ろを解し始める。
 指を舐め、恥ずかしそうに目を伏せて浅い呼吸のまま受け容れる準備を続けた。
 その姿により興奮し、屹立は硬くなる。
 普段からの妙な色気の理由が分かった気がした。
 彼はこういう状況、もう何度目なんだろう?
 勝手に想像を巡らし、見も知らぬ今までの「相手」に激しい嫉妬を覚えた。

 「もういいでしょ?早く、おいで」
 縛られたままの体勢、自分からは何もできない。
 誘われて、彼は四つんばいの姿勢でこちらに向き直り、這うようにして正面に膝立ちした。
 そのまま跨って、腰を落としていく。
 片手はこちらの肩に掛けてバランスを取り、もう片方の手では後ろを拡げながら挿入する。
 震えるように吐息を漏らしたあと、ぺたりと腰の上に座り込んだ。
 「最後まで、入ってる」
 そう言うと、両腕を首に回し、夢中で口づけた。

 初めて味わう彼の唇は、ふわふわと心地よくて頭の後ろが痺れた。
 順番、おかしいな。そんな事をぼんやり考えながら、何度も繰り返す。
 口づけたまま少し唇を開き、舌を誘われ、互いに強く吸いあった。
 静かな部屋に、時折漏れる声と淫らな水音が響く。
 全身が繋がり溶け合うような感覚にゾクゾクした。
17生徒会長x子悪魔後輩君@全寮制男子校 6/7:2007/02/14(水) 16:40:51 ID:UnP+Mkdb0
 口づけが深くなるに従い、彼の腰が揺らぎ始める。
 腰を回す度に抑えきれない声が上がり、その声が高まっていく。
 拘束されて不自由なままで、腰を突き上げてその先の快感を求めた。 
 突く度に、中が蠢く。
 彼は背中に強くしがみ付いて、もう、いく、と泣きそうな声で言った。
 身体の奥深くから湧き上がる快感に飲まれて、互いを強く抱きしめあった。


 「腕……解いてくれないかな」
 ようやく息が整い声を掛けると、焦点の合わない濡れた瞳でゆっくりと頷いた。
 「君を、ちゃんと抱きたい」
 
 自由になった両腕で彼を抱きかかえ、ベッドに横たえる。
 「シーツ、汚してしまった」
 「こっそり洗わないとね」
 悪戯を隠す子供のような表情で、彼は小さく笑った。

 狭いベッドの上、汚れていない場所に逃げるかのように二人抱き合って小さくまとまる。
 ぼんやりと体温を感じながら、小さくキスを繰り返す。
 「色んなことを一気に越えすぎてしまった」
 そう言うと、不安そうに彼が尋ねた。
 「嫌だった……?」
 「嫌じゃないけど……むしろずっと心のどっかで願ってたけど……恥ずかしいな」
18生徒会長x子悪魔後輩君@全寮制男子校 7/7:2007/02/14(水) 16:42:35 ID:UnP+Mkdb0
 「ごめん」
 「なんで謝んの?」
 「だって俺が無理矢理のっかって犯したみたいじゃん!」
 可愛らしい顔で頬を赤くして凄いことを言うから、余計に可愛い。

 「謝るならそこじゃないでしょ」
 「どこ?」

 「今度から、部屋に入る時はノック位してね」



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )
ルナドンの神様、お先に失礼しました!
19風と木の名無しさん:2007/02/15(木) 01:10:08 ID:eRqTkBhjO
>>18
gj
ありとあらゆる点でツボでした。禿げました。
20風と木の名無しさん:2007/02/15(木) 02:08:15 ID:UFrJNi090
>>18
gj!これはよい生徒会長ですね
21吸血鬼バルド:2007/02/15(木) 10:47:24 ID:WKyDKYdJ0


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
以前、801鬼畜創作スレで書かせて頂いた作品の続き物です。
もう少し世界を自分なりに広げてみたくなって書きました。
完結した作品を投稿するにあたって、迷ったあげくこちらに投下させて頂きます。

バルド(吸血鬼)×クラウス(以前バルドと少しだけ一緒に過ごした人間) この二人の絡み作品です。
22吸血鬼バルド:2007/02/15(木) 10:48:19 ID:WKyDKYdJ0
時折どうしようもなく叫びたくなる。

苦しい。
思って、想って、憶う。
会いたい。
あの晩の優しい言葉はそのままに。
温もりも忘れてはいない。
振り返っては鮮やかな煌めきに手を伸ばす。
笑う。嗤う。
ああ、あんたはいないんだ。

心を置き去りに、月日だけが駆け巡る。


砂塵をフワっと巻き上げて着地する。
両手いっぱいに抱えた薔薇から花弁がこぼれ、紅く舞い上がった。
「まったく、何してんだ。俺は‥‥‥」
人里をずいぶん離れた鬱蒼とした森の奥深く、ぽっかりと縦に穴が
あいている洞窟の入り口に立ち、マーティスは独りごちた。
木々の間から差し込む月光が、短めの赤髪と漆黒の衣服の輪郭を蒼く照らしている。
人より少し尖った耳、赤く濡れた唇に隠れるは二本の牙。
吸血鬼。
彼は怒っていた。
23吸血鬼バルド:2007/02/15(木) 10:49:10 ID:WKyDKYdJ0
5ヶ月前に拾った同胞の事である。
マーティスはこの洞窟をかなり気に入っている。
足もとに開いた入り口はそれほどでもないが中はかなり広い。
入り口や、洞窟の天井を張る木の根の間からもれる蒼い光が岩肌や湧き出る地下水を
彩る眺めは美しく、最奥に行けば苦手な日光が届く心配はない暗闇が広がっている。
自分だけの場所だったここに、今、同居人がいる。
だが、それで怒っている訳ではない。
その同居人は兼ねてからの知り合いだったし、
ここにも嫌がるのを無理矢理つれてきたのだから。
彼と再会出来たのは偶然だった。
その日、食事をしに遠出をしていた。
人間の血を求めて。
近くで人間を襲うと、街人だか、村人だかの団体等がここをかぎつける。
それでなくても、ハンターなる吸血鬼を狩る存在もあるのだ。
彼らは常に吸血鬼の住処を探している。
昼間のうちに心臓を抉られ、首を刎ねられるいう最後は遠慮したい。
海が近い街の裏路地で柔らかい肌をむさぼり、甘い血をすすった。
半年ぶりの甘い生き血を堪能して浮かれ気分で闇夜を舞っていた帰り道、
ふと、自分と同じ存在を近くに感じ取ったマーティスは
その青い瞳で眼下に広がる樹木の群を一望した。
ほどなく、住処にほど近い森林の背の高い大樹の枝に腰掛け、
背中を幹に預けている青年を見つけた。

吸血鬼バルドを。
24吸血鬼バルド:2007/02/15(木) 10:50:20 ID:WKyDKYdJ0
「久しぶりだなバルド」
彼の横に降り立ち声をかけると、向こうも気付いていたのだろう。
驚く様子もなく静かに笑みを返してきた。
白いうなじに少しかかるくせのない金髪は闇夜を弾き、
長めの前髪から覗く瞳は髪と同色で深く煌めいている。
何十年目かに会う彼は出会った頃と同じ容姿のままだ。
まあ、自分も変わってはいないのだが‥‥‥。
「いやに浮かれてたな」
「今、食事終えたところだからな。おまえはこんな所でなにしてんの?」
「空を見ていた」
相変わらずの懐かしい同胞に思わず口がほころんだ。
バルドは感情的な部分をなかなか見せない。
自分とは対照的なこの同胞がマーティスは嫌いではなかった。
「なあ、顔色悪いけど‥おまえ、ちゃんと飯食ってんのか」
闇の存在に顔色悪いというのもおかしな話だが、血色が悪いのは確かだ。
この場合、ちゃんと人の血を吸っているのかという意味になる。
「ここ何年か、口にはしてないな」
「‥‥‥‥おい」
「この辺りはお前の縄張りか?」
「ああ、そうだけど」
「そうか‥‥‥」
そう言うと腰をあげて夜風に舞うバルドの腕を慌てて掴んで引き戻した。
「まてまてまて、バルド、お前今どこに住んでるんだ?」
「数日前からここから少し離れた場所に‥‥転々としている最中だが
 まだ「住処」は見つからないな」
「確かチェスティアの森にある城にいるんじゃなかったのか?
 バルディンがそんな風に言っていたような‥‥‥」
共通に知る同胞の名前を出すと、バルドの整った眉が少しだけ動いた。
25吸血鬼バルド:2007/02/15(木) 10:51:32 ID:WKyDKYdJ0
忘れていた。
バルディンは仲間内でも知られるかなり獰猛な吸血鬼だ。
ただ、吸血鬼の中でも珍しい黄金色の瞳を持った目の前の宿無しの事を
異様な程気にいっていて、何かと干渉しているようだ‥‥‥推測だが。
「彼には5年くらい前にあった。10年に二回程は会いにくる」
やっぱりだ。
「で、おまえの事だから追い出すんだろ?あのバルディンをどうやってあしらうんだ?」
「「消えろ」と‥」
前言撤回。自分が思っている以上には感情を表しているようだ。
あのバルディンが消えろの一言で帰っていく様はちょっと見てみたい。
バルドの事だから無表情で言ったのだろうが、想像するとやっぱり少し怖い。
「それで、その城は‥‥‥」
「あそこには‥」
バルドの双眸がふと揺らめいたような気がした。が、それも一瞬で元に戻る。
「居られなくなった」
再度飛び立とうとするバルドをまた掴んで引き戻す。
「おまえなあ‥‥‥。行くとこないんだろ?俺のトコどうだ?」
端正な顔が少し歪んで、拒否を示しているがめげずに続ける。
「いいところだぜ?」
「マーティス、悪いが私は静かな‥‥」
全部を言わせずに腕を掴んだまま空に舞い上がった。
「久しぶりに会ったんだ。来いよっ!!」
笑声をあげてさらに飛ぶ。腕を振り払わないところを見ると
本気で嫌というワケではなさそうだ。
それとも単に面倒くさいからか。
後半の部分が強い気もするが‥‥‥。
26吸血鬼バルド:2007/02/15(木) 10:52:06 ID:WKyDKYdJ0
そんな感じで連れ帰ったのだがーーー。
一緒にいて気付いた事は、バルドは人間の血を吸わないではなく吸えないという事。
元からあまり人間の血を求めるところは見た事がなかったが、
それでも以前だったら、勧めたら仕方なしといった風に飲んでいた。
この前だって、人の女を適当に見繕ったのだが、断固として拒否した。
「マーティス、私にはもう人の血を飲むことはできない」
どこか哀惜を抱えた瞳で何かを思い出すように答えたバルド。
吸血鬼は薔薇とワインを血の代わりに食すことも出来る。
だが、あくまでも「代わり」なのだ。
血が吸えないという事は吸血鬼でなくなってしまう。

両手に抱えた紅に色づく薔薇を一目見てフっとため息をついた。
俺もずいぶんと甘いな。
この薔薇をどこから調達したか教えたら驚くだろうか。
トンっと軽く地を蹴って、マーティスは差し込む月光を背に
洞窟へ降り立った。
27吸血鬼バルド:2007/02/15(木) 10:54:33 ID:WKyDKYdJ0

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
28風と木の名無しさん:2007/02/15(木) 23:57:14 ID:Rs442Nz3O
むほぁ!
吸血鬼続編
29風と木の名無しさん:2007/02/16(金) 00:03:46 ID:Rs442Nz3O
嬉しさのあまり変な所で送信してしまった…orz

バルトタンにまた会えて嬉しいです!
30風と木の名無しさん:2007/02/17(土) 08:20:37 ID:24PvoWBo0
吸血鬼たん!GJ!!
ここで吸血鬼たんの名前みてビックリ
続き待ってます
31風と木の名無しさん:2007/02/17(土) 12:25:20 ID:oMKfGiUo0
うわっ自分もビックリ
バルド相変わらずカッコイイいよバルド
32風と木の名無しさん:2007/02/17(土) 23:50:58 ID:fq+CGdhHO
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) 性懲りもなく、朝の情報番組「スキーリ」司会の狂犬×イケメン弁護士ネタだよ。
今回も弁護士視点です。
33狂犬×弁護士1:2007/02/17(土) 23:51:53 ID:fq+CGdhHO
部屋に響く、鼻をすする音。
彼の泣き顔を見るのはこれが二回目。
でも、別に僕が泣かせたわけじゃない。

「仮東さん、何泣いてんの」
「…っ……」
「こんなベタベタな恋愛映画じゃ泣かねーって言ったの誰だっけ〜」
「るせぇよ…」
暇つぶしに借りてきたDVD。
愛する恋人を助けるために自分を犠牲にする主人公。
残されたヒロインは、その愛の深さに涙する…という内容。
僕もラストシーンは涙ぐんでしまったが、隣の仮東さんがそれ以上に号泣するものだから思わず笑ってしまった。
「はい、ティッシュ」
「…あんがと」
「良い話だったでしょ?」
「まぁ、ね」
「誰かのために死ねるって、そういう生き方が出来たら幸せだろうなぁ」
自己犠牲というのは、僕にとって魅力的な言葉。
大事な人を救うためなら命も厭わないなんて、そんな考えは凄く憧れるわけで。「…じゃあさ、矢白さん」
「ん?」
彼が、勢い良く鼻をかんだ後で呟く。

「俺のために死ねる?」

少しの沈黙。
答えを躊躇している間に、ゴミ箱に向かって彼が投げたクシャクシャのティッシュをつい目で追いかける。
あ、外れた。
34狂犬×弁護士2:2007/02/17(土) 23:52:35 ID:fq+CGdhHO
「まぁ…そんな状況になればね」
「ふーん」
「仮東さんの事は大事に想ってるし」
「ふーん」
「…何、その反応」
「わっかんねーなぁ、その考え」
…自分から聞いてきたくせに。
泣き過ぎて真っ赤になった鼻で、彼が笑い飛ばす。
「独りになっちゃうじゃん、そしたら」
「え?」
声とは裏腹に、横顔は寂しげに俯いたままで。
それを見て、訳も分からず胸にチクリと痛みが走る。「やだよ、そんなの…」
今までの馬鹿にした様な笑いが、一瞬だけ消え入る様な涙声に変わった。
何で彼が泣くのか瞬時に理解出来なくて、掛ける言葉も見つからない。
「仮東さん…?」
「大事にしてるんだったら、独りにすんなよ」
そう呟いて、ゴシゴシと涙を拭きながら彼がもう一度笑った。
僕の事を、まるで自分勝手な男だと茶化す様に。
…ふいに思う。
あの悲劇のヒロインも、同じ気持ちだったんだろうかと。

「…じゃあ、ずっと仮東さんの側にいようかな」
「ん、勝手にすれば?」
「勝手にするよ」
「へいへい」

部屋に再び響く、豪快に鼻をかむ音。
…今度は二人分。
彼の泣き顔を見たのはこれが二回目。
寂しがり屋を泣かせたのは、自分勝手な、僕。
35風と木の名無しさん:2007/02/17(土) 23:54:16 ID:fq+CGdhHO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )マイナーすぎて切ないが、二人の仲良しっぷりに萌えるんだからしょうがない。
36風と木の名無しさん:2007/02/18(日) 21:52:53 ID:9ecmC0IWO
>>35
自分逆派なんだが、それでもかなり萌えた!
二人ともカワユスでした(**´ρ`**)
37風と木の名無しさん:2007/02/18(日) 22:04:14 ID:ZYcUGBQv0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  今妻同期×デスクモナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  エチはあるけどエロはないよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

381/8:2007/02/18(日) 22:06:01 ID:ZYcUGBQv0
編集部の明かりはすでに消え、会議室からほのかな明かりが漏れているだけだった。
いつもなら数人は残っているはずの編集部員も、校了明けで次の〆切にまだ余裕があるため、定時にあがってしまっている。
会議室では彼とかの人が次に編集会議にむけて打ち合わせをしていた。
あの気まずい別れがあってからまだそんなに時間は経っていない。本当ならば二人きりで顔を突き合わすなんてこと、かの人はごめんこうむりたかった。けれど、あの時の本意を彼に問い質すには絶好のチャンスであることもまた、事実だった。
 彼は何事もなかったかのように、打ち合わせを淡々と進める。
「あの、さ」
打ち合わせが一区切りついたとき、かの人の方から切り出した。
「さっきのこと、なんだけど。
あれ、冗談だよな?ちょっと行き過ぎただけだよな?」
彼が会議資料から視線をあげて、かの人を見る。視線に熱などないというのに、その視線は火傷しそうに熱かった。
「お前は冗談で男にあんなキスが出来るのか?」
かの人は、そこから先は聞いてはいけない気がした。後戻りができなくなる。
392/8:2007/02/18(日) 22:07:35 ID:ZYcUGBQv0
「俺は本気だ」
彼が普段通りに接していたのは、すでに決めていたからだと知った。ありえないはずの感情を、自分のものとして抱えることを。
「本気って、おま・・・っ。俺もお前も男だぞ!?何血迷ってんだよ。お前も周りに目を向けろよ。ほら、珠子ちゃんとかさ」
「珠子への好意とお前への好意は違う」
 話せば話すほどかの人は、自分が追い詰められているかのように感じた。
「改めて言うと、俺はお前が好きだ」
「・・・・」
「お前にキスしたい。
 お前の体をまさぐりたい。
お前の体じゅうにキスして、痕を残したい。
お前の中に突っ込みたい」
「・・・・っ・・・・・」
「俺の言う好きはそういう好きだ。
 わかったか?」
「・・・・そんなの、わからねぇよ。お前も俺も男だぞ?俺には妻がいるし」
「その妻は浮気してるんだろうが」
「でも・・・」
さらに愚痴愚痴と言い始めたかの人に、彼は小さく舌打ちする。そして、実行に移すことにした。
403/8:2007/02/18(日) 22:08:57 ID:ZYcUGBQv0
かの人を机に押し倒す。
「・・ちょっ・・やめ・・・っ」
 何かを言い出そうとしたかの人の唇を無理矢理奪う。
「・・んっ・・・ふぅっ・・・」
 歯列をなぞり、逃げるかの人の舌を追って己の舌と絡ませた。思う存分、かの人の口腔を味わう。
 その一方でシャツの隙間から左手を進入させて、かの人の胸をまさぐった。女性とは違う、平らで貧相ともいえる胸。しかしその体に欲情している彼がいた。
「・・・あ・・・っ」
 胸の突起を摘むと、かの人が声を漏らした。かの人にとってもここは性感帯になるようだ。より強くそこを愛撫する。
 もしかしたら、と思いかの人の下半身を彼がスーツ越しに触ると、明らかに反応を示していた。
「やめろっ。触るな!!」
 かの人はそう言うが、彼の手によってかの人が感じていると思うと、彼はひそりと笑った。そして、スーツのジッパーを開け、直にかの人を触る。そこは熱く、硬くなっていて、その事実が彼を満足させた。
 左手は胸を弄るままに、右手は強くそこを扱く。
「気持ち良いか?」
「・・・・っ・・」
 そっと耳に囁きかけ、空気を送り込んでやる。
 妻の浮気がわかってから、こういう行為に及んでないのだろう。溜まっていたのか、軽いタッチにもかの人は辛そうな顔を向けた。
414/8:2007/02/18(日) 22:13:11 ID:ZYcUGBQv0
「・・・もう、放せっ。出ちまうっ・・・!!」
「構わない。出しちまえ」
 ずり落ちたかの人のスーツはそのままに、彼は跪いた。吐息が熱い。それがかかったのか、かの人はピクリと動いた。
かかった場所が疑問だったのか、かの人は行為が始まってから初めて閉じていた目を開き、視線を落とす。すると、彼が行おうとしているだろうことに目を見開いた。
「お前っ。何やってんだ、やめろ!!」
「気にするな」
 かの人の抵抗を気にもせずに、彼はかの人のそこに軽く口付けると、ぱくりと食んだ。熱い粘膜がかの人を包み込み、手でされてるときとは違った強烈な感覚がかの人を襲う。
「・・だ、めだっ・・・。放、せ・・・!」
 かの人の声は届いているはずなのに、彼はそのまま口による愛撫を続けた。舌でなぞり、鈴口を刺激する。
「・・・・あっ・・・・」
425/8:2007/02/18(日) 22:17:42 ID:ZYcUGBQv0
 びくんっと波打って、かの人が彼の口の中で達した。溢れ出て来るもの全てを彼は受け止め、嚥下する。
「・・・・信じられない・・・」
「そうか?
 ところで、これで終わりじゃないからな」
 彼の言葉に、かの人はとろんとした目を彼にむけた。その目の頼りなさを不憫に思って、彼は続く行為を止めようかと思ったが、彼の体がそれを許してくれそうもなかった。
愛する人の為ならば自分を犠牲にできるなんて嘘だ。彼はそれを実感した。愛はこんなにも貪欲に、かの人を求める。ただ自分の都合を第一に考えて。
 せめて負担を少なくしてやろうと、指を潤滑油代わりの唾液でたっぷりと濡らした。その指でかの人の内部に侵入する。
「やめっ・・・。無理・・・!」
 激しい異物感に、彼が望んでいることを知ったのだろう。かの人が掠れた声で叫ぶ。本当ならばいつかのように、力ずくで彼を押し退けてしまいたかったのだろうが、達した後の脱力感が、かの人にそれを許さなかった。
 彼はそれをいいことに、指を1本、2本と増やしてかの人の内部を慣らしていった。
「・・・あっ・・・うっ・・・・」
 かの人は相変わらず異物感に悩まされているのか、眉間に皴を寄せている。とても感じているとは思えなかった。かの人のそこも何の反応も示していない。
彼は更に指を動かした。彼の指がある場所を探ったとき。
「あああぁぁぁっ」
 急にかの人の身体が跳ねた。
436/8:2007/02/18(日) 22:21:32 ID:ZYcUGBQv0
「ここ、か?」
 彼がそこを舐めるように探れば探るほど、かの人の反応は顕著だった。かの人のそこも反応し始めている。
「・・・頼む、から・・・。もう・・・」
 正反対の意味だったろうに、彼は自分の都合の良いようにその言葉を受け取った。彼の体も限界だったからだ。ちくりと良心が痛む。
「すまないが、とまらない。我慢しろよ」
 彼は彼自身のスーツのジッパーを開けて取り出したそれを、かの人のその場所にあてがった。彼の熱を感じたのか、かの人が身じろぎをした。
「やめ・・・っ」
 最後の抵抗なのか、かの人の小さな声が聞こえた。思わずその唇に口付けする。その瞬間。
「うわあぁぁぁっ」
 彼は強引に腰を推し進めた。
「くっ・・・。おい、息を吸え。このままじゃお前もキツイだろう」
「・・・む、りだ。そんな、の・・」
447/8:2007/02/18(日) 22:32:21 ID:ZYcUGBQv0
 彼は小さく舌打ちすると、衝撃にすっかり萎えてしまったかの人のそこを手に取った。そして、優しく扱いてやる。
「・・・あぁぁぁ・・・・」
 かの人の体の緊張が解れたところを狙って、彼は最後まで腰を推し進めた。体は寸分の隙もないほど、かの人とぴたりとくっついている。繋がった体制のまま、しばらくその格好で彼はほっと息をついた。
はあはあと荒い息が、会議室中に充満する。どちらの発する息なのか、体内に異物を受け入れていて朦朧としているかの人はもちろん、もう彼にもわからなかった。ただ、かの人の体内に自分がいるというこの信じられない幸福感。
けれども、これをさっさと終わらせてやる方が、かの人にとっては幸せだろう。
「動くぞ」
 一言告げると、問答無用で彼は腰を動かし始めた。
458/8:2007/02/18(日) 22:39:06 ID:ZYcUGBQv0
「ああああぁぁぁぁぁっ」
「少しの間我慢しろ。終われば楽になるから」
 とはいえ、熱いかの人の内部は彼を包み込み、彼はなけなしの理性すら奪われそうだった。最後の理性の欠片だけはなくさないように、彼はかの人の内部を味わい尽くす。
出来るだけ、さきほど探ったポイントを重点的に突いてやるとかの人も感じ始めたのか、苦痛だけではない、甘い声を出し始めた。その声すらも彼を刺激する。
 彼にも、かの人にも、終わりが近付いていた。
「・・・も・・イ、く・・・・・っ」
 かの人がイッた瞬間キツク締め付けられた。
「・・・・・っ・・・・・」
 彼も絶頂を極め、かの人の内部に全てを放つ。
 しばらく余韻を味わう。
 その後、彼はかの人の内部からずるりとそれを抜き出した。
自分とかの人の身支度を整えると、彼はぐったりとしているかの人を抱え上げて、編集部のソファに寝かせる。
汗をかいてじっとりとしているかの人の前髪をかきあげてやっていると、しばらくしてかの人が目を覚ました。
468/8+1:2007/02/18(日) 22:41:07 ID:ZYcUGBQv0
「大丈夫か?」
 言いながら、汚した本人が言う台詞ではないな、と苦笑する。どんな罵倒が襲うのだろう。なくしたものは信頼だけだろうか。
「・・・・本気、なんだな?」
 しかし、かの人からもれた台詞は彼が予想していたもののどれとも違っていた。
「・・・え?」
「・・・・遊びだったのか?」
「違う!!」
 ここは否定しておかねばならない。遊びで男を抱くことなどできない。懸命に否定する彼に、かの人は少し笑ったようだった。
「・・・・なら、いい。朝まで、眠る。邪魔するなよ」
 かの人の声は掠れていた。そのまま目を閉じ、かの人は本当に眠りに落ちたようだった。
 彼はかの人の笑みと、台詞の意味を考えるだけで精一杯だった。
47風と木の名無しさん:2007/02/18(日) 22:52:24 ID:ZYcUGBQv0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ レススウガヨテイヨリ1ツオオカッタヨ。マダマダダナ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
どちらに投下しようか考えて長くなりそうだったのでこちらに投下しました。
まだむこうが埋まってないのにすみません。
48吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:27:20 ID:JPnkbG0z0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  エチシーンまでたどりついてないです
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  バルドとクラウスが会うのはまだ遠いですorz
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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49吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:28:27 ID:JPnkbG0z0
縦穴洞窟の入り口に近い岩の出っ張りにバルドはいた。
いつもの定位置。
天井の丸く開いた入り口から注ぐ、幾つもの澄んだ筋が、
ものやわらかに岩とバルドを蒼く染めている。
背後の岩に背を預け、瞳を閉じて眠っているかのように見えたバルドは、
金の双眸をゆっくりと動かし、前に降り立ったマーティスを見上げた。
続いてその腕いっぱいに抱えられた薔薇に視線を移す。
「‥‥‥その薔薇はなんだ」
「愛の告白にみえるか?」
「だとしたら怖いな‥‥‥私に?」
「ホレ、受け取れ」
美しく綻びた赤い華をバルドの胸元に押し付けて隣に座る。
自分の頬にバルドの視線を感じた。
「‥怒っているのか」
「怒らずにいられるか!おまえな、頼むから、3日に一回ぐらいは何か食えっ」
人間の血はだいたい半年に一度ぐらい、ワインは毎晩欠かせない。
そんなマーティスの隣で、バルドはこの5ヶ月間、
7日に一度くらいのペースでワインを一杯呷るだけだったのだ。
ただ、腹が減っていないだけだとはわかるのだが、
血色が悪い事もあり、見ているこっちが不安になる。
それを言うと、「飲みたい時に飲む」ときた。
では、薔薇ならどうだろうと思って日暮れと共にここを出た。
この辺りの薔薇の生息地や人間が造る庭園なんて、血とワインを
生存のよりどころとしている自分は知らない。だから‥‥‥
50吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:29:38 ID:JPnkbG0z0
「チェスティアに行ってみた。おまえの城に‥」
「‥‥‥そうか」
「綺麗なところだな」
「‥‥‥」
自分がチェスティアに行った事をどう思っただろうと、
そっとバルドの様子を窺うがいつもと変わった様子は見受けられなかった。
バルドの城には小さな庭園があるとバルディンが語っていたのを覚えていたのだ。
それに、もしかしたらその城に行けばわかるかもしれないと思った。
バルドが血を飲めなくなった原因が。
人間の血を飲めない事を、今すぐどうこうしようという気はない。
もちろん、自分としては早く克服してもらいたいが‥‥‥。
ただ、原因がわかれば、克服する為の手助けが
自分にも出来るかもしれないと思ったのだ。
結局、手がかりとなる痕跡もなく何もわからなかったのだが。
「それ、城にあったやつだから」
バルドが薔薇に視線をおとして、瞳を閉じる。
骨張った手が薔薇の束から一本を引き抜き、その唇へと引き寄せた。
真っ赤に艶めく唇が、それに負けないくらいに色づいた花弁にそっと触れる。
淡く包む蒼に染まっていたバルドの輪郭が光を弾いた。
51吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:30:35 ID:JPnkbG0z0
暗闇を仄かに照らす蒼の中、バルドの姿が白く霞がかったように浮かび上がる。
今なら少しだけ、バルディンの気持ちがわかるような気がした。
茶色に変色した花弁がはらはらと地に落ちて、茎だけになったそれも砂と化す。
一度息をついて閉じていた瞳をそっと開いたバルドがこちらを向き、視線が絡んだ。
「‥何だよ?」
「気を使わせてすまないな」
「はぁ、おまえねえ‥‥わかってんなら自分にもっと気を使え。
 それに、一々仕草がエロすぎる!!もっと、こう豪快にだな‥」 
バルドから薔薇を5本程ひったくり、両手で花を押しつぶして、
一気に生気を吸収する。
久しぶりに体を巡る薔薇の生気はやはり自分にはあわなかった。
「‥‥なんというか、大人の味だな‥‥‥。まあ、これぐらい一気にいけっ」
複雑な表情を向けていたバルドだが、やがてフっと笑んだ。
「そうだな」
洞窟に静寂が落ちる。
差しこむ蒼い月光と薔薇の甘い芳香が二人を優しく包んでいた。
52吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:32:05 ID:JPnkbG0z0
山の斜面に広がる緑の草原に、放牧された羊が牧羊犬に追われて
群れをなして移動していった。煉瓦造りの茶色の家が木々の間に
点々と建っており、それらをつなぐ小道の右手には、村で立ち入りを
禁制されている森が草原よりもさらに濃く色づき広がっている。
蒼穹の下に波打つ草原と遠くの連なる山々が見事なコントラストを
織り込んでいる、チェスティアの村。
頼まれていた畑への水運びの仕事を終えて、家路を辿っていたクラウスは、
名前を呼ばれて振り返った。
小道を駈けてクラウスに追いついたヴィリーが横に並び背中をポンと叩く。
「今、帰りか?」
「うん、帰って勉強しなくちゃ」
「そっか、来年だっけ。寂しくなるなあ」
来年15歳になるクラウスは、親の意向で、
村を出て街の職業学校に通う事になったのだ。
この村をいずれは出る事になるだろうと考えてはいたが、
その日がこんなに早く来るとは思わず、驚いたものの、
反対する理由も見つからないので基礎勉強をやり直しているところである。
貧しくはないが、決して裕福でもない。
この村の者達は皆、同じような暮らしをしている。
街の学校に行けるだけでも自分は幸せ者なのだ。
けれども、素直に喜べない自分がいる。
小道の右側、奥に広がっている森を横目で見て、前に視線を戻した。
諦めきれない想いがまだ胸に、ある。
53吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:33:04 ID:JPnkbG0z0
「空を飛べたらなあ」
ヴィリーの声で我に返る。
「空を?」
彼に倣って蒼天を仰ぐ。
吸い込まれそうな青がどこまでも続いている。
「街までひとっ飛び〜。お前に会いに行って、その帰りには
 可愛い街娘とお知り合い〜っ」
「はは、その後は?」
「空中散歩へお誘いしたら、彼女はメロメロ。『ヴィリー君大好き』。これだな」
「何だよそれ、はははっ」
二人の笑い声がこだました。
空を飛べたら‥‥‥。
ふと、煌めく双眸が過った。
吹っ切れない望みに胸がざわつく。
俺は空も飛べないし、もう会う事もない。
否定に否定を重ねて、無理矢理心を押さえつける。
友達の冗談まじりの夢物語にさえつき合えない自分に嫌気が差した。
54吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:33:54 ID:JPnkbG0z0
「うちのチビどもがさ、おもしろい事を言ってたんだ」
チビども。ヴィリーの双子の妹達だ。
「空から花が降って来るって」
「可愛らしいじゃないか」
「そうだろ?うちの親もさ、想像力が豊かだって笑って聴いてたんだけど‥‥‥。
 ‥‥‥見たって言うんだよ」
「何を?」
「だから、花が降ってくるのをさ」
クラウスは青い空からピンクや赤や黄色の花々が降ってくるのを想像した。
「綺麗じゃないか」
笑顔で返すクラウスにヴィリーが口を尖らせる。
「そりゃ綺麗だろうさ。けど、「見た」って言ってるんだぜ?
 しかも、「真っ黒な服着た男の人が降らせてるんだ」って。
 そんなのいるワケないじゃん。しかも夜だぜ?想像力が豊かすぎるよ」
俺の妹とは思えない想像力だよ。可愛い娘が二階の窓をノックして手を振ってきたー
とかだったら想像出来るんだけどなあ。
ヴィリーが妹達よりも想像をたくましくして語るが、
クラウスの耳にはもう入っていなかった。
55吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:34:42 ID:JPnkbG0z0
「夜」「真っ黒な服を着た男の人」
思い浮かべるのは優しい黄金色。
まさか、と思う。そんなのただ符号が合っただけの事。
だって、俺達はあの晩、永遠の別れを確認したじゃないか。
バルドは去ったのだ。
けれども、もし‥‥‥。
小道が二股にわかれた場所でヴィリーと別れる。
あれからヴィリーと何を話し、どうやってここまで来たのかわからない。
呆然と小道に立ち尽くすクラウスの髪を風がなぜて吹き抜けた。
顔を上げて視線を右側へ向ける。
ザザッと禁忌の森が大きく揺れた。
56吸血鬼バルド2:2007/02/18(日) 23:40:38 ID:JPnkbG0z0

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 続きます‥なかなか話が進まないorz
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
57愛某鑑札菅上司部下(1/6):2007/02/19(月) 00:03:56 ID:p+jGrt8O0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! キス スラ シテナイ、ヌルイ ハナシ デス。


 雨は苦手だ、と彼は言った。


「高校時代、自転車通学をしていたから。」

 土砂降り、という言葉の見本のような光景が、大河内さんの視線の先に展開している。
 今回の調査対象者はまだ建物の中だ。この雨では、当分出てこないだろう。
 半ば眠気覚ましに、そんな話になった。

 若い頃嫌っていた名残で、今でも少し雨は苦手だ、と。

「降れば電車で通学せざるを得なくなる。それが嫌でね。」

 この上司が個人的な話をするのを、初めて聞いた。いや、それ以前に、仕事と無関係な話をする事自体が初めてだった。

「どうして、電車通学が嫌だったんです?」

 彼にそう言った直後、予想に反して対象が外に出てきて、それきり答えは聞きそびれてしまった。
58愛某鑑札菅上司部下(2/6):2007/02/19(月) 00:06:45 ID:fhmDFxdN0
 大河内の自宅には、ほとんど物がない。
 転勤族だからというのもあるのだろうが、それにしても、ものの見事に必要最低限の物しかない。例外は、いま部屋の主が
寝転がっているソファだけ。だが、これさえもひょっとしたら、布団を敷くのが面倒になった時の寝床がわりなのかもしれない。
殺風景もここまでくると、いっそ清々しいくらいだ。
 そういう有様なので、客に勧めるべき椅子もクッションも、ある訳が無い。
 だから湊はごく自然に、上司の傍に座り込んでいた。

 カーテンすらかかっていない窓の外は、雷雨。
 その光景に、以前の、中断されたままの会話を思い出す。

 どうして電車通学が嫌だったんだろう?

 改めて湊が尋ねると、大河内は少しためらったあと、こう答えた。

「……一番悩んでいた時期だったから。」

 言われて、ああ、そうか、と湊は思った。
 同性を愛してしまう者たちの誰もがたどる、あの地獄。
 この人もそれをくぐり抜けてきたのだと、今更ながらに気が付いたのだ。

 どうにもならない事実と、無限大の絶望感。
 自分は運良くこの人と出会えて、救われた。だが皆が皆そう幸運に恵まれる訳ではない。たった一人で全世界と戦わされる
毎日、それに耐えかねて死を選んでしまった"仲間"が、どれだけいることか。
59愛某鑑札菅上司部下(3/6):2007/02/19(月) 00:07:34 ID:p+jGrt8O0
「湊?」

 思わず、湊はソファに寝転がったままの恋しい人を抱きしめていた。

 電車ほど手軽な自殺の手段はない。
 線路に向かってちょっとプラットホームを蹴り、その前へ身を躍らせれば、簡単にあの世へ行けてしまう。
 その誘惑に抗し切って、この人は生き延びてくれたのだ。
 生き延びて、俺の前に現れてくれた。

 ありがとう。

 そう言いたくて、けれどそう言うのも何だか変な気がして、哲郎はただ黙って腕に力を込めた。
 抱きしめられたほうは、ますます訳がわからない。

「どうした?」

「いえ… 貴方がいてよかったな、と。」

 その言葉をどう取ったか、大河内は彼をゆったりと抱き返し、その背をなでた。

「安心しろ。私は、決してお前を一人にはしないから。」

 たとえ愛人という立場に堕ちようとも、社会人生命を脅かす爆弾を抱え込むことになろうとも、そんなことはどうでもいい。
今はただ、二重三重に良心の呵責を受けているこの青年を、せめて孤独からだけでも解放してやりたい。大河内の胸の内に
あるのはそれだけだ。
60愛某鑑札菅上司部下(4/6) :2007/02/19(月) 00:08:44 ID:fhmDFxdN0
「何があろうとも、私はお前を突き放したりはしない。どんな事があっても、とことんまで付き合うから。だから、おかしな事を
考えるなよ?」

 彼を守りたい。この手はあまりにも頼りないけれど、どこまで役に立てるのか不安だけれど、それでも現身に可能な限りの
ことは。
 とても大切な人だから。
 生まれて初めて、想いを返してくれた人だから。

 奈落の底まで付き合うよ。

 そう思い、けれどそれはちょっと言葉が過激なような気がしたので、春樹はただ黙ってつむじにキスをした。
 されたほうは、そのまま体を預けて、相手の胸元に頭を摺り寄せる。
 鼓動に耳を澄ますかのように、目を閉じて、ただじっとして。

「…ピルイーターを抱き枕にして寝る奴は、お前くらいだろうな。」

「寝てませんよ。とりあえずは、まだ。」

「いずれは寝入る気か?」

「俺を掛け布団にしてくださるおつもりがあれば。」

「出来れば敷布団になってもらいたい。」
61愛某鑑札菅上司部下(5/6):2007/02/19(月) 00:09:44 ID:fhmDFxdN0
「昼間の時点で既に座布団なのに?」

「文句あるか?」

「座布団なのを否定してくれないんですか!?」

 他愛のない無駄話、他愛のないじゃれあい。どちらともなく、笑う。
 笑えるように、やっと、なった。

『俺、あなたのことが好きみたいなんですよ。 …尊敬ではなく、恋愛感情で。』

 誰も居なくなった深夜の庁舎、薄暗い廊下で、そう自分に向かって告げた湊の眼差しが忘れられない。
 過去の苦い経験が教えてくれた。こいつは死ぬ気だ、と。
 そのまま去ろうとした湊の腕を掴んで、引き寄せて。
 お前の仲間はここにいる、と、無言で彼の唇に教えた。

 独りではない、と思わせることが、少しは出来ているのだろうか? 春樹の自問自答に、未だ答えは見つかっていない。

 青少年の自殺者のうち、3〜4割は同性愛者だ、という説がある。
 唱えられた数値が正確かどうかは怪しいものだ(と大河内は思っている)が、つまりは自殺原因のかなりの割合を占めて
しまえるほどに、苦痛と困難をもたらすものなのだ …恋の対象が異性ではないという、ただそれだけのことが。
 自分だとて、と、彼は想いを巡らせる。
 自分だとて、その3割の中の一人だったかもしれない。いや、あの高2の夏の日、プラットホームから飛び降りようとした
自分の襟首を、一本の腕が掴んで引き止めてくれなかったら、確実に3割の仲間入りをしていた。
62愛某鑑札菅上司部下(6/6):2007/02/19(月) 00:11:18 ID:fhmDFxdN0
 あれから何度も、誰かが差し出してくれた手に救われて、ここにいる。
 だから今度は、自分が手を差し伸べる番だと思う。

「…まだ降っているな。」

「止みませんね。ここまで降ると判っていたら、埃だらけの車を外へ出しておいたのに。」

「却って汚れが酷くなりそうな気がするんだが。 …一つ頼みがある。」

「何でしょう?」

 湊の髪を手で梳きながら、春樹は自分の中にある精一杯の言葉を口にした。

「雨のときはそばに居てくれないか。」



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)
63ウィッスノレーム 親友×カイノレ:2007/02/19(月) 01:09:07 ID:BIbn/ZDD0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | 夜中に萌えが襲っておもむろに書いてしまった
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| DSのウィッスノレーム 親友×カイノレ
 | |                | |             \ネタバレはないです
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |


間違って前スレに書きこんでしまった orz
64ウィッスノレーム 親友×カイノレ 1/2:2007/02/19(月) 01:11:18 ID:BIbn/ZDD0
シャワールーム。
ざあざあと、雨にも似た音を立てながら、雨ではありえない蒸気を生み出すシャワーヘッド。
暖かい雨に打たれているのは、どこか憔悴した表情のカイノレ・ハイドだった。
その表情は一見何の感情も映さないように見えたが、よく見てみると様々な感情が入り混じって感情

が感情を相殺している。

そう、彼は混乱していた。

俯いたまま、手持ち無沙汰な手をゆっくりと腹部に当て見えない何かをなぞる様に撫でる。
濡れた肌の上をなぞるそれは、幾分かの滑らかさを感じさせそれとともに何もないという事実をつき

つける。
自分にないもの、――にあるもの。

「……は……ぁ……。」

開いた口から漏れる熱い吐息。
その吐息に震えるように、濡れた音がシャワールームに響く。
吐息はいつしか、蒸気のなかへともぐりこんでいく。




濡れた身体を拭き、シャワールームを出ると直ぐに視線に貫かれる。
その瞬間何もないはずの、先ほど撫でた下腹部がぞわりとするのを感じた。
65ウィッスノレーム 親友×カイノレ 2/2:2007/02/19(月) 01:12:02 ID:BIbn/ZDD0

その視線の主は、隙のない視線をカイノレに注ぎ僅かに口の端をあげた。
視線の主――ブ/ラ/ッ/ド/リ/ーの傍ら傍らにはウィスキーの瓶があり、
既に茶褐色の液体は半数以下にな

っている。
カイノレの表面から火照った身体とはまた対照的に、
内側から火照ったブ/ラ/ッ/ド/リ/ーの身体は赤く息づき様々な傷を浮き出させていく。
ナイルからの逃走中につけた傷跡だろう。
刃物の傷、痣、そして銃で撃たれた跡――。

複数ある銃の傷跡から、カイノレは目が離せなかった。
うっすらと内側から色づくその盛り上がった傷跡。
66ウィッスノレーム 親友×カイノレ 3/2:2007/02/19(月) 01:13:03 ID:BIbn/ZDD0
「……カイノレ、見ろ。」


その視線に応えるように、ブ/ラ/ッ/ド/リ/ーの指がその傷跡を撫でる。
先ほどカイノレが触れた下腹部と、同じ場所に。

「……ブラッド、リー……ッ」

耐えられない、という風に眉間にしわを寄せ頭を振るカイノレ。
なにもないのに、傷跡もないのに、ブ/ラ/ッ/ド/リ/ーの傷跡と同じ場所がじんじんと熱い。
すでにシャワーで暖められた身体は冷え始めていたが、その下腹部だけは内側から温められるように

さめることを知らない。



「触ってみろよ……お前がつけた痕だ。」



その言葉が耳に届いた瞬間、カイノレはひざをついた。
その言葉が、悲しいのか、悔しいのか、恨めしいのか――それとも嬉しいのか、わからずに。
67ウィッスノレーム 親友×カイノレ:2007/02/19(月) 01:13:38 ID:BIbn/ZDD0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ まさにやまなしおちなしいみなし
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
68風と木の名無しさん:2007/02/19(月) 01:20:31 ID:/QaPsk260
>>63
GJ!
感想叫ぶと全てネタバレになりそうなのでグッとこらえてGJ!
ちなみに前の棚まだ生きてるからあっちでも平気だったかも。
69風と木の名無しさん:2007/02/19(月) 02:55:17 ID:o2rykOAg0
>>63
うっはGJGJGJ!
もう良い夢見られる!
70風と木の名無しさん:2007/02/19(月) 03:44:14 ID:WrLF3nKcO
>57
ミニャトォォォォ
激しくGJ、しかし切ないです
71日の光がある場所 1:2007/02/19(月) 20:27:42 ID:Zvzcgf1k0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ※注意…国擬人化、つまり国と国を絡ませています
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  エロ無し、ヌホンとチョセーン。厚めにフィルターかけています。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

国際情勢スレを見て書いたんですが、話題が過ぎた上書いたものも
内容がずれてしまったのでこちらで失礼します。
72日の光がある場所 2:2007/02/19(月) 20:28:54 ID:Zvzcgf1k0
薄暗い部屋の中で、少年は膝を抱いて座りながら、そっと外の音に
耳をすませた。
1日に何度も繰り返すこの行為で、何も音の無いことを知り、一時の
安堵を得る。もちろんこんなことは、気休めでしかない。
相手がその気になれば、室内と外界を隔てる戸は壊され、彼らは
土足で上がりこんでくるだろう。
たびたび乱暴に戸を叩いて少年に顔を出すよう要請はする彼らが、
まだそれをしないのは、より大きな”獲物”を陥落し終えていないからだ。
ただそれだけの理由が、少年を守り、そして常の緊張と不安の場に置く。
少年は長い袖の中で手をきつく握り、湧き上がる恐怖にせかされて
再び外の音に耳をすませた。
73日の光がある場所 2:2007/02/19(月) 20:44:47 ID:OAd5UBRv0
と、思いがけず、戸が音をたてて軋んだ。
少年は悲鳴を上げそうになった口を慌ててふさぎ、息を殺しす。
もちろん、これもただの気休め、あるいはそれ以下のことでしかない。
少年がこの部屋に居て、外にも出ていないことは、皆が知っている。
外にいる誰かが開けようとする戸を守るのは、細いつっかえ棒だけで、
内側にいる彼にはそれ以上の対処ができなかった。
戸を壊されたらどうしよう、もし外から火でもかけられたら……。
そんな恐怖にまみれた少年の心情を察したのか、戸の軋みはやがて
収まった。
それに代わり、長年聞きなれた、しかし以前よりもずっと成長した声が
内側にこもる少年に呼びかけた。
「開けてくれませんか?先日のような手荒な真似はしませんから」
少年は強く首を振った。震える体をいっそう小さくさせる。
外の声は、なおも続けた。
「今、外で何が起こっているか知っているでしょう?あなたがこの部屋に
閉じこもったままでいようとしても、もう許されない状況なんです。
……僕が、そうであったように」
―――このままでは、あなたも大陸の向こうから来た男達に乱暴されてしまう。
74日の光がある場所 3:2007/02/19(月) 20:45:59 ID:OAd5UBRv0
「い、いやニダっ」
思わず声をあげてしまい、また慌てて袖で口を覆う。嫌ですよね、と
戸口の声は同意した。
「……でも……ウ、ウリは怖いニダ。もしかしたらウリが外に出た途端…
……そ、そうだっ、ウリには兄様がいるニダっ、兄様が守ってくれるニダっ」
少年はそう言いながらも、少しずつ戸ににじり寄っていた。1人でこの
部屋の内側にいることは、とても怖い。いま外にいる彼は、恐怖を
与えることもあるが、あるいはすがる相手にもなりえた。
「あの人は、今は自分の身を守ることで精一杯です。僕らはもう、
その後ろに隠れて安穏としていることはできないんですよ」
諭すような言葉に、少年はきつく唇を噛んだ。目に溜まった涙が
頬を滑り落ちる。
「それじゃあ、どうすれば良いニダか……?ウリは…」
「あなたは、1人で立たなければなりません。外に出ましょう。
少しずつ他者と関わりを作り、自分の身は自分で守れるようにし、
それを皆に知ってもらいます。わかりますか?」
穏やかな、けれど力強い声に、少年はこくこくと頷いた。戸を隔てた
相手にはわからないだろうが、少年はまた少し戸に近づき、請うように
問いかける。
「ウリは…どうすればいいニダ?何から始めればいいニダ?」
「まずは、この戸を、開けてくれますか?」
微かに戸が軋んだ。この戸を開けること、みんなの前に姿を見せること、
みんなと話しをして交渉や商売や時には喧嘩もすること。同時に自分を
鍛えさまざまなことを学び成長すること。すでにそれらのほとんどを
成し遂げた彼は、少年にもそれを促していた。
75日の光がある場所 4:2007/02/19(月) 20:48:37 ID:OAd5UBRv0
少年は躊躇った。恐怖を紛らわすように、何度も袖で涙をぬぐった。
それでもやがて、意を決して、つっかえ棒を外す。軽い木の棒は同じくらい
軽い音をたてて床を転がった。
そろそろと手を伸ばして、唾を呑み、深呼吸をして、一思いに引き戸を開けた。
久方ぶりの日の光が薄暗い部屋に注ぎ込み、戸を開けたすぐ前に
立っていた彼の影を作り出す。
力強い手が、少年の手をとった。そのまま、いつの間にか随分と大きく
立派になった彼は、少年を抱きしめる。
「外には新しい恐怖もあります。でも、いまあなたが、恐怖をひとつ
乗り越えたことも事実です。僕も一緒に、戦いますから」
彼に抱きしめられながら、その声を聞き、少年は肩越しに太陽を見た。
いつしか見るのが辛くなった、ひどく眩しい、ひどく愛しい光。
周りを取り巻く何が変わったわけではない、これから自分が足を
踏み出す先は嵐のただ中であろうことも、わかっている。
けれど今は、今だけは、太陽の腕の中で、穏やかな時間を過ごしたいと思った。
76日の光がある場所 :2007/02/19(月) 20:50:24 ID:OAd5UBRv0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |              コーカトー事件後、チョセーンに開国してくださーいなヌホンでした
 | |                | |           ∧_∧ 現実と妄想を区別すれば歴史上かの国の
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 立ち位置には非常に萌えます
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

途中で書き込めなくなってPC落としたり回線つなぎ直したりで
間が空いてしまいました。すみませんでした。
77風と木の名無しさん:2007/02/19(月) 21:43:46 ID:nI3I2eGF0
>>37
うわーこのCPが見れると思わなかった!
萌え萌えだ。めっさ嬉しい!
ええもん読ませてくれてありがとう。
78風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 01:23:01 ID:JwW3Skg8O
>>76
萌えワロタw
79風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 01:31:49 ID:ukTa3QtHO
>76
チョーセンが可愛い…GJです!
80風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 01:56:35 ID:kbhwS8JB0
>>76 萌えSSをありがとうございます、ゴチです。

確かに「朝鮮」の立ち位置は萌える、かなり萌える。
なんつーか、ニダーとギガーは「朝鮮」の子供の双子と割り切れば
過去ネタならば素直に萌えられる気がするんですが。
朝鮮戦争のいざこざあたりで「朝鮮」父さんは亡くなってしまって
そのうえ2人して暴れまくったおかげで家は分裂。
朝鮮父さんの遺した(ってもほぼ日本から貰ったもんだが)遺産もパァ
でも裕福な時代を知っているので貧乏暮らしが耐えられず、捏造しまくると。
そう考えたらニダーもギガーも可愛いな、妄想の中だけなら。
81風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 11:38:17 ID:9juLdMuI0
今更ですが…>>57ラムネキテルー!!
82風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 16:07:38 ID:IGFM4HAX0
                    ___________________
                    /映画「アマテ"ウス」準拠モツ×サリで。
                     | 萌えの勢い余りまくって暴走気味……
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 本当に色々な事について申し訳ない。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ コノパッションヲドウニカシタイ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚*) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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*長文16コマほど失礼します。
*死にネタあります。苦手なかたはスルーを宜しくお願いいたします。
831/16:2007/02/20(火) 16:08:18 ID:IGFM4HAX0

始まりはひそやかに、そしてだんだんと甘さを増し、こみ上げる切なさを引き連れて。
また、いつもと同じように彼の音楽が頭の中に響き渡る。
音符を書き付けるペンが止まる。どうしようもなく胸がざわめく。
やっとたぐり寄せた脆弱な楽想など、輝く糸のような旋律にはかなく絡め取られ、
彼の音楽だけが圧倒的な美しさを誇らかに歌い上げる。
書きはじめたばかりの歌は彼の音楽の煌めきに追いつかれ、無残に色褪せて思えた。
その輝きの中、目の前にこんなものがあることが、ついに耐えられなくなる。
ペンを放り投げ、目の前の五線紙を二つに引き裂いた。
ふと音楽が止む。
手の中の反故を破り捨てると、苦い笑いがこみ上げる。
いつもこうなるのだ。しかし、彼の音楽を思わずにはいられない。
呼吸をするより自然に思い起こすことができる。
壮麗なカデンツァ。芳醇なユニゾン。喜びを歌い上げるソプラノ。
どれも皆ただ美しく、私を満たす。
何もかも投げ打ってひざまずきたくなる一方で、作り手を残酷に切り刻んでやりたくなる程に。
やりきれない思いが渦を巻く。
どうして、あれほどまでに素晴らしい音楽の前で、
こんなに焦れた思いに苛まれなければならないのか。
彼の音楽が大衆に理解されない卑小な愉しみを喜ぶにも、今は全て空しかった。
考えれば考えるほど、袋小路に追い込まれていく。
842/16:2007/02/20(火) 16:09:03 ID:IGFM4HAX0

それよりもいっそのこと、彼の旋律の中にこの身を埋めてしまいたかった。
軽く頭を振り、そばの棚から一冊の楽譜を取り出した。
何故だか彼の孤独な呟きのようにも思える、愛しいクラヴィーア・ソナタ集だった。
服の裾を払って椅子に腰掛け、長調ばかりの曲集の中の、たったひとつの短調の曲を開いた。
荘重なアレグロとの指示。一音目からフォルテの記譜。
一見単純な和音の連なりに潜むただならぬものを感じながら鍵盤に手をかけ、指先に神経を集中する。
きっぱりと澄み切った和音が強く鳴りわたる。
その上を行く、カミソリのように鋭い主旋律。
……なんて痛い音。
この傑作に触れるたびいつも思う。
普段の明朗さが嘘のような、この容赦のない暗さは何なのだろう。
篠つく秋の雨が体の芯まで染み通り、
感覚もなくなるほどに冷え切っていくのをどうすることもできないような酷薄さ。
涙も流れない、深い、深い孤独感。
きっと、もう取りかえしのつかないことが起こってしまったのだ。
明ける望みの無い闇の中、雨の檻に降り込められて独り立ち尽くすしかない。
左手がメロディを受け継いで低く歌う。右手の伴奏は冴え冴えと輝く雨の雫のようだ。
そのまま、絶望に疲れたように旋律は馴染んだ主題へと回帰しかけるが
それを許さないかのように不安定な和音が最強音で叩きつけられる。
自らの胸に刃の切っ先を突き刺すような痛みに身が竦む。
そして、雷鳴轟く地の底へ追い立てられるような終結部を駆け抜けて、
重厚な最後の和音が響いた。
空気に消える余韻を惜しみながら、鍵盤から指を離す。
体を満たす痛みと悲しみは、だんだんと潮が引くように薄れていく。
そのかわりに、暗い絶望が指先から侵食してくる。
底冷えするような感覚を拒むすべもなく、椅子にもたれ込んでじっと目を閉じた。
拳を握りしめようとするが力が入らない。
――こんな音楽を生み出してみたかったのに。
このからっぽの手のひら。この手にはどうしても掴めないもの。
せめて、彼を憎みきれるようにはならないものだろうかと、
身になじんだ諦めの中で甲斐も無く望む。また、いつもと同じように。
853/16:2007/02/20(火) 16:09:41 ID:IGFM4HAX0

と、はっとするほど冷たい風が背中の方から吹き込んできた。
楽譜のページがひとりでにはらはらとめくれていく。
ぞくりと背筋が震える。
後ろには閉まった扉しかないはずで、誰もいるはずがない……
混乱を抑えて、意を決して振り向く。
――幽鬼が彷徨い出てきたのかと思った。
いつの間にか、そこには彼がいた。しかしその姿は信じられない程に異様だった。
どんないかがわしい連中と付き合った帰りなのか、酷く乱れた格好で立ち竦んでいる。
薬のせいか安酒のせいか、見開かれた目は熱っぽく光り、私を見つめてくる。
「……僕の曲だ」
彼が呟く。生来の金髪を顕わに振り乱し、暗く、ほとんど恨みがましげな声で。
息が詰まりそうになり、思わず目をそらす。
戸口に召使が立っている。申し訳なさそうな顔をしていた。目配せで下がらせる。
おそらく彼が静止も聞かずに無理やり入ってきてしまったのだろう。
なんとか立ち上がり、彼の目から楽譜を隠そうと白紙の五線紙と一緒に抱える。
「ようこそ」
歩み寄り、親密さを声に滲ませて手を差し出すと、彼も反射的に握手を返してくる。
その手の凍るような冷たさ。
「あ、その……突然すみません。こんな格好で」
我に返ったように彼はぎこちなく笑った。しかしその目は疲労の影を隠しきれていない。
錐でえぐられるような痛みが胸をつく。
彼の生活が困窮していることくらい承知している。
真綿で首をしめるように彼を追い込んでいるのは私なのだから。
けれども、そんな彼の姿を目の前にすると、勝利の喜びなどとは程遠い痛ましさしか感じなかった。
自分の矛盾が嫌になる。
彼の姿をそれ以上見ていられなかった。
さりげなく背を向けて顔を隠し、離れようとした時だった。
864/16:2007/02/20(火) 16:10:20 ID:IGFM4HAX0
「サリエリさん」
呼ばれて振り向こうとした途端、背中から抱きすくめられた。
腕がこわばり、かかえた楽譜と五線紙が滑り落ちて床に散らばった。
何も、考えられなくなる。
彼はそれきり何も言わずに、黙って私の体を緩く抱いている。
体温が背中から伝わってくる。緩やかな呼吸音も、心臓の音も。彼の生きているしるしとして。
耐えられなくなり逃れようとするが、じわじわと力のこもる彼の腕がそれを許さない。
沈黙がこらえきれないほどに張り詰めていく。
「どういうつもりだ……」
からからに乾いた私の声に、くぐもった囁きが耳元で答える。
「寒いんです。とても寒い。暖めてください」
その声は恐ろしく平坦で、何の感情も読み取れない。
動揺を押し殺し、軽く笑って首を振る。
「今すぐ出て行きなさい。さあ!」
「嫌ですよ」
「では何の冗談だ。きみは私の所に何をしに来た」
「もういいんです」
吐き捨てるような強い口調。
「どうでもよくなりました。あなたが弾く僕の曲を聴いたから。
酷いじゃないですか。あれでは悲しすぎる」
さらに強く抱きしめられる。
「あなたのせいだ。悲しくて、寒くてたまらないんです……」
普段の猥雑な程の明るさは既に無く、その声にはまるで迷った子供のように不安が滲む。
その声にふと、どうしようもないかなしさが湧き上がり、体が動かなくなる。
私は、どうすればいいのだろう。
「黒衣の宮廷楽長閣下」
立ち尽くす私に戯れかかるように、腰に添えられた手が腿へ滑り降りる。
その体温の快さにほとんど声をあげそうになり、きつく唇を噛み締める。
「誰にでも優しくて誰からも好かれて、勤勉で、息苦しくなるほど禁欲的で。
でもそれでいて、僕の曲をあんなふうに弾くなんて。……何なんですか、あなたは」
言葉を返せない私の耳に、笑いを噛み殺したような声で囁かれる。
「それで、女の人の肌を知らないっていう噂は本当なんですよね」
875/16:2007/02/20(火) 16:10:55 ID:IGFM4HAX0

途端、羞恥とも怒りとも知れない感情がこみ上げ、体がかっと熱くなる。
「いい加減にしなさい!」
全身の力を振り絞って叫び、腕の強さに抗う。
しかし、腕を引き剥がそうと手を掛けた瞬間、笑みを含んだいたずらっぽい声が耳元に降ってくる。
「ねえ、あなたは僕を愛しているんでしょう?」
「何を……!」
混乱のうちに、また彼の腕に捉えられる。
逃れようとした罰とでもいうように、彼は私をいっそうきつく抱き、体の前で指をしっかりと絡めた。
「はっ……」
こらえきれずに漏れた吐息に、彼が耳元で笑う。
「ほら、やっぱり。僕から逃げるのなんて本当はたやすいはずなのにね」
彼は笑うのをやめてしばらく息をひそめると、熱っぽい溜息をついてじれったそうに囁いた。
「……さ、諦めてください」
スカーフを乱暴に解かれて、首筋に湿った唇が押し当てられる。
彼は私に何を求めているのか。
わからない。それがどうしようもなく、……怖い。
酷い恐怖にかられた途端、手首を掴まれて緩く捻り上げられる。
「優しいあなたに僕を拒むことができますか」
彼は私の手を後ろから握りこんで指を絡め、指を一本ずつ甘く噛みしだいていく。
「やめてくれ……」
「嫌です」
「どうしてなんだ……また、私をからかって楽しんでいるのか……」
彼が手を止め、黙り込む。
わずかな沈黙の後に呟くその声。
「サリエリさん。愛するものには、奉仕なさい」
荘厳さすら湛えた言葉が雷撃のように胸を貫き、悟る。
彼には神が味方しているのではなかったか。
神がかった子供のような聡さの前で、私に抗うすべなどあるだろうか。
その思いを打ち消すのも空しく、全身から力が抜けていく。
886/16:2007/02/20(火) 16:11:45 ID:IGFM4HAX0

「ようやく諦めてくれましたか」
彼は嬉しそうに呟いて、私の体を強く抱き締める。
「ねえ、どの部屋でしたいですか。それとも、今ここがいい?」
もてあそぶような戯言に言い返す気力すらどこにもない。
冷えた手が視界を覆い隠した。
「そろそろ、本気で抵抗していただかないと……」
強引に振り向かされて、唇が押しあてられる。
心地よく冷たい暗闇の中、唇を割って入ってくる熱い舌に体の中心から蕩かされる。
かきたてられる生々しい感覚から目をそらすこともできない。
背中に当たる冷たく硬い感触に、ぼんやりしていた意識が急に覚醒する。
いつのまにか床の上に横たえられていて、全身の血の気が引く思いがする。
服の前をはだけて触れてくる冷たい指。胸を這う濡れた感触。憎たらしい金髪。
自分の身体をいいようにされる悔しさに奥歯を噛み締める。
神は私に、この年下の男に汚されて悶え苦しむがいいと言っているのか。
ふと顔を上げた彼が、私を見下ろして小さく笑う。
「そんなに悔しそうな顔しないでください。優しくします」
酷薄な指先が戯れるように唇を掠めていき、思わず固く目を閉じる。
腰の横に据えられた彼の膝の下、打ち捨てられた五線紙が立てる乾いた音に、
私の全てが無造作に踏みにじられる思いがする。
と、冷たい手が両の手首を押さえつけてきた。
恐る恐る目を開ける。
虚空に開いた穴のような表情の無い目がそこにあった。
目をそらせないまま、その虚無に魂ごと吸い込まれそうになる。
掴まれた手首がきりきりと締め付けられる。
力の強さではなく、彼の存在そのものが重たい枷となり身じろぎもできない。
897/16:2007/02/20(火) 16:14:18 ID:FV86KwN60

「あなたのことだから、これも神の試練だとか天罰だとか思ってらっしゃるんじゃないですか」
見下ろしてくる暗い目。ますます力の込められる指。
と、その瞳に突然の激情が閃く。
「やめてください。神様なんて関係ないじゃないですか。見てください、僕を!」
切羽詰った叫び。
拳が高く上げられ、真っ直ぐに振り下ろされる。
殴られるのかと思った。
そうされても仕方がない、と他人事のように考える。
打ち据えられる痛みを待つが、その拳は中空で止まり、ほどけた。
彼は自分の手を見つめ、溜息をついた。
力なく首を振り、小さく呟く。
「あなたさえいなければと、思った時もあったんですよ。
僕の邪魔をしているんじゃないかって思い込んで凄く恨んだ」
心臓が大きく跳ねる。
「でも違った。あなたはわかってくれる。あなただけは、他の誰とも違う……」
寂しげな言葉が胸を引き裂いた。
こんなふうに頼りなく縋られるより、気まぐれな暴力を受けるほうがいくらもましだった。
痛ましい思いの中、一つの被虐じみた切望が生まれる。
――全てを話してしまいたい。
この身をきみの裁きの手に委ねるから、早く私をどうにかしてくれ。
「わたしは……!」
言葉を発した途端、彼の手が口元に覆いかぶさってくる。
凶暴なまでに上から体重を乗せられて身動きもできない。
「お願いですから。あなたは何も言わないでください、お願いです」
息のできない苦しさを訴える言葉も封じられたまま一瞬意識が遠くなった瞬間、やっと手が外される。
空気を求める自分の喘ぎが妙に遠く感じる。
首筋に、羽毛が触れるような口付けが落ちてきたのがわかった。
あまりに唐突な優しさにとまどいながら彼を見上げる。
その途方に暮れたような表情から目が離せない。
908/16:2007/02/20(火) 16:15:05 ID:FV86KwN60

「父も母も亡くなりました。妻は……病気で。会う機会もなかなかありません。
こうして、僕を知る人がひとりずついなくなって、やがて忘れられてしまうのかと……
最近、夜になるとたまらない。忘れられるくらいなら殺されたほうがましだとさえ思う。
そんな自分も恐ろしくて、いてもたってもいられなくなるんだ」
目を伏せて、彼はぽつぽつと胸の内を語る。
限りない哀れさと、ほんの少しの怒りが湧き上がる。
「馬鹿なことを言うんじゃない」
縋りついてくるようなその目は、どうしようもない悲しさに潤んでいるように見える。
「忘れられるわけがないだろう。……きみの音楽は永遠に残るのに」
彼は、信じられないものを聞いたように呆然としている。
自分の言ったことに胸の内がちりちりと痛み出す。
と、しびれるような沈黙を破り、彼が顔をそむけて溜息をつき、苦しそうに歯噛みした。
何もわからないまま、強く抱きしめられる。
「ごめんなさい。……ごめんなさい。あなたにこんな事をしていいはずがなかった。
今すぐ出て行きます。もう、すぐに……」
泣き出しそうなその声に、ふいに愛おしさがどうしようもなく込み上げた。
たまらなくなり、ようやく自由になった両腕で痩せた背中を抱きしめる。
はっと息を呑んで黙り込んだ彼の耳元へ囁く。
「行くな」
彼の喉がごくりと鳴る。
「早く、早く来てくれ……」
とっさに呟いた言葉は情欲に掠れて途切れた。
耳元で鳴る、熱に浮かされたような速い吐息。じわじわと体にこもっていく熱。
突然、腰に乱暴に膝が乗せられる。
こらえきれずに声が漏れる。床に思い切り押さえつけられ、首筋にきつく歯を立てられる。
骨まで余す所なく噛み砕かれていくような痛い恍惚に浸り切ろうとした瞬間、
ふいに心の隙間に冷たい風が吹き、はっと我に返った。
919/16:2007/02/20(火) 16:15:43 ID:FV86KwN60

私がきみを欲しがっていいはずがない。
こんなに嘘にまみれた腕で抱きしめていいはずがない。
いったい何を思い上がっているのか。
苦さを堪えて腕をほどき、彼の肩を押しのける。
捨てられた子供のような青ざめた顔を見ていられず、思わず目をそらす。
「駄目だ、やめてくれ」
彼は強がるように笑うと、忌々しげに吐き捨てる。
「何なんです、今さら何言ってるんですか……」
私の体の中まで膝を押し込むように体の重みをかけてくる。
じりじりと迫る甘い感覚に何もかも手放してしまいたいのを堪えてなんとか口を開く。
「違うんだ、私は……」
乱暴に口付けられて言葉が途切れる。
執拗に舌が絡んで来て、言いようも無い焦りに捉われる。
いつ終わるともしれない責め苦のようなそれから解放されるとまた、何も言えないうちに手のひらで口を塞がれる。
そのまま、彼は耳元に口付けるように切々とささやいてくる。
「ねえ、僕を拒まないで下さい。もうあなたしかいないんだ。
少しでも哀れんで頂けるなら、お願いですから、僕を拒んで傷付けないで下さい」
何一つ伝えられないもどかしさに涙がこぼれそうになる。
けれど、もう抗うことはできなかった。――私は、きみを傷つけたくない。
彼の手のひらがそろそろと肌の上を這う。せめて優しくしてくれるとでもいうのか。
こまやかな動きを感じながら切実に願う。
私の体を慰んで、それで幾らかでも気が晴れるというなら好きなようにして構わない。
ただ、せめて今だけは、この行き場の無い愛情を注ぐことを受け入れてほしい……
9210/16:2007/02/20(火) 16:16:23 ID:FV86KwN60

すべてが終わって嵐は過ぎ去り、穏やかな凪のように時間がたゆたう。
彼が私を抱き起こして長椅子に横たえながら、着衣を元通りに整えていく。
頬をなぞるその指が、ほつれて額にかかっていた髪を一筋、そっとかき上げていった。
離れていく指が名残惜しかった。
身じろぎするだけで体に痛みが走ったが構わずに起き直り、
逃げるように去っていこうとする彼に向かって手を伸ばす。
悲しげに潤んだ瞳が驚いたように見開かれた。
ためらいがちに差し出された手をそっと握りこんだ。
その手にほのかな温かみが戻ってきているのに、何故かほっと心が安らいだ。
差出した手が柔らかく握り返される、このうえない充足感。
後悔しているのか、恥じているのか、
居心地悪そうに目をそらして黙り込むその名を呼び、今にも離れていこうとする指先を捕まえる。
「ヴォルフガング」
ほとんど怯えたように彼がこちらを向く。
唇に私への謝罪の言葉が上りそうになっているのをとどめて、強くその瞳を見据える。
視線に縛られたように彼は身じろぎもしない。
「私はきみを愛しているからね」
意味をつかみそこねたように彼は呆然としていたが、しばらくしてその頬にさっと赤みが差した。
見る間にその頬を伝っていくのは、堰を切ったように溢れ出す大粒の涙だった。
嗚咽をこらえるように彼はとっさに口元を手で覆い、床へ力なくうずくまった。
こわばった肩が小刻みに震えている。
触れた指先が、禽鳥の爪に掴まれるように固く握り締められる。
むせび泣く声が収まるまで、その頬を拭い続けた。
熱い涙は、慰めの慈雨のように心に沁みた。
やがてほんの少し陽が傾いた頃に、部屋は安らかな吐息に満たされた。
「しっかり立ちなさい」
彼は素直に頷き真っ直ぐに立ち上がると、袖口でごしごしと頬をぬぐった。
涙に洗われた瞳で何を見ているのか。
ぼんやりと遠くを見る姿は夕暮れの光を受けて眩しく、遥か彼方のものに感じる。
こうしていつまでも、私は決して手の届かないきみから離れられないだろう。
私がいる限りきみは独りにはならない。きみが、私が、望むと望まざるとにかかわらず。
9311/16:2007/02/20(火) 16:17:10 ID:FV86KwN60

こちらの世界へ呼び戻すように名前を呼び、はっとして見下ろしてくる彼に向かって言った。
「そんなふうに泣くんじゃない。きみの音楽が嘆く」
きみの歌う悲しみの極北の美しさには、頬を濡らす純粋な涙すらも甘過ぎる。
何度も頷くその頬にはまた、潤んだ瞳から流れ出した一粒の涙が光った。
「はい……」
それでも、彼は心の底から嬉しそうに、太陽の光そのもののように明るく微笑んだ。
涙の痕。晴れやかな微笑み。夕暮れに優しく染まる姿。
背中を向けかけた彼は、尚も立ち去りがたいように振り返り、もう一度私の手を取った。
指先に落ちてくる、唇が触れるだけの長い口付け。
その温かさに浸り目を閉じる。
わかっている。私の思いに答えが返ってきた訳ではない。
きみは私を本当には見ていないし、ましてや愛してなんていないのだから。
どうにもならない寂しさを抱えて、ただただ何かに縋りたくて、
私が取り繕った上辺だけの優しさに哀れにも騙されてしまっただけだ。
けれど、どんな理由でも関係ない。
きみはここに来てくれた。私に無関心なわけではなかった。
だから、私はとても嬉しかった。
――こんな夕方の光の差し込む世界で、満たされた思いだけを抱いて。
そうして独り静かに生きていければ、どんなに幸せだっただろうか。
9412/16:2007/02/20(火) 16:17:52 ID:FV86KwN60

彼が去った部屋はただ空虚で、迫る夕闇も重くのしかかってくるようだった。
身動きすることもできないまま長椅子に沈む。
体中の痛み。熱っぽい気だるさ。だがそれよりも。
きみを愛している、などと。よくもそんなことを言えたものだ。
……それが嘘ならよかった。
嘘ではない。
嘘ではないが、ただ苦い。
舌に広がる毒の味のように。
唇の触れた彼も同じ毒で死ぬのか。
それもいい、と捨て鉢に考える。
こみ上げる苦しさを堪えきれず、口元を手で覆いかたく目を閉じる。
きっと明日になればまた、私はきみを憎まずにはいられない。
胸の底に淀んで消えない感情がひどく恐ろしい。
どうしてこうなってしまうのか。
私のすべてはきみの音楽と共にあるのに。
せめて泣くことができればよかったのかもしれないが、涙の気配など訪れそうもない。
私の体は、彼の旋律のこのうえもない悲しさで満たされているから。
鋭さの増した耳に、雨が窓を叩く音が聞こえ始める。
この冷たい雨に濡れずに、彼は家までたどり着けているだろうか。
今夜だけでも、安らかに眠ることができるだろうか。
ゆっくりお休み、とここにはいない彼へささやく。
私自身に眠りは訪れないことを予感しながら、いよいよ激しさを増す雨の音に耳を澄ます。
私が私である限り、この感情が消えないならば。
いっそどうにかして、きみを憎みきれるようにはならないものだろうか……
9513/16:2007/02/20(火) 16:18:56 ID:c5KVtj9n0

*****************

若い神父はその日もまた、鉄格子のはまった病室で独り暮らす老人の元を訪なった。
だがいつもとは違い、狭い部屋は厳かな静寂に包まれていた。
窓から見える五月の空は青く、どこまでも高く澄み渡っている。
柔らかな春の光が満ちる部屋の中、老人は今日は鍵盤には向かわず
鉄格子の隙間から遠い天を見つめている。
神父が声をかけると、老人は振り向かないままで呟いた。
「きみも性懲りも無くよく来るものだな。だがもう、これを限りにお目にかかることもないだろう」
皮肉さの混じらない、妙に澄んだ声だった。
訝しむ神父がその言葉の意味を問う。
「君の神は、やっと私を解放する気になったらしい」
老人はゆっくりと振り向いた
「そんな予感がするんだ。――だが、彼にあんな仕打ちをした私は当然、地獄行きだろうがね」
少年のように真っ直ぐな声をした老人は、やりきれないように力なく首を振った。
「そう、あの時。私にしか彼を殺せなかった。凶器は彼の音楽だ。私にしか扱えない凶器だった。
けれど、彼が音楽に命を削られているのを知りながら、
一番彼に死んでほしくなかったのは私だった。
もっと、音楽で満たしてほしかった。――ああ、なんてことだろう」
苦い沈黙の中、神父は慰めの言葉を発することもできなかった。
あなたは彼を殺していない。指一本触れてもいない。
彼の死は、時代を先取りしすぎた恵まれない天才の不運であった、と。
あなたは見返りも求めずに誰よりも多く愛し、懸命に生きただけなのに、と。
言いかける声は喉の奥で消える。
愛と憎悪の最果てに生きた人間に、いったいどんな言葉が意味を為すだろう。
9614/16:2007/02/20(火) 16:19:31 ID:c5KVtj9n0

ややあって老人は二、三度首を振り、鍵盤に向き直る。
「この曲は知っているか?」
それは『彼』の曲だった。
作曲者の死後に出版された、あの可憐で屈託ない「初心者のための」小クラヴィーア・ソナタだった。
光の粒のような音が、軽やかに駆け巡る。
老人は提示部の終わりでいったん手を止めた。
「奇跡だよ」
ぽつりと呟く声は明るい。
「あの青空のように澄み切って、哀しく美しく、どこまでも深い。まるで軽やかな奇跡のようだ」
空を見上げ、感極まったように胸に手を当てる。
「信じられないことかもしれないが。……彼はこのメロディを、私の作った曲から取ったんだよ」
戯れるようにつまびく鍵盤から、しなやかな旋律が溢れる。
「どうしてそんなことをしたのか。弟子の練習用に作曲したというが。
若かった時に、私の曲であの小生意気で華麗な変奏曲を作った動機と同じなのかな。
私が目障りで、打ち負かしたくて仕方なかったのかい?」
老人の頬にかすかな笑みが浮かんだ。
「きみはいったい、何を考えていたのか……」
既に神父のことは見ていなかった。
地上を去った孤独な魂に向かい、ゆっくりと語りかけているようだった。
「だが、きみの思惑が何だったとしても。私のことなど考えていなかったとしても。
私の生み出した音楽が、こうしてきみの手の中で歌っていたならば。私はもう、それで……」
老人は小さく呟くと背筋を伸ばし、再びゆったりと鍵盤を奏で始める。
その指先から溢れる繊細な音のきらめきが、かつての端然とした佇まいを思い起こさせた。
単純な分散和音も音階もトリルも、その手の上で翼を得たように透明な歌へ変わる。
寄り添い並び立つような二種の旋律が、泣き伏したくなる程の明るさを湛えて響き合う。
と、左手が、高音域で奏でられていた音階を受け継いだ。
ひそやかなメロディ。
地の底から空へ向かい、一心に伸ばす手の切実さにも似た。
9715/16:2007/02/20(火) 16:20:08 ID:c5KVtj9n0

ふと、神父は以前老人が言っていたことを思い出す。
とうとう神を出し抜いてやった。
忘却の運命を仕組まれた自分の存在は、憎悪と軽蔑の対象として永遠に残る。
限りない愛と敬意を捧げられる彼の名と共に――
以前は、なんて空しい勝利宣言だろうとしか思えなかった。
しかし本当にそれだけなのか。
あの血にまみれた暗く寒い夜。絶望と孤独に打ちひしがれ、もつれた思考の中。
老人にとって、穏やかな晩年もかつての栄光も、既にどうでもよくなっていたのではないか。
そんなものを投げ捨ててでも、愛したその名が暗い忘却の淵に沈んでいくのを、
どうしても押しとどめたかったのではないか。
永久の汚名に沈みながら見上げる先に、愛したその名が明け染める空の星のように輝くことを
誰よりも願っていたのではないか。
――それはとても、とても不器用な形の、愛する者の永遠を望む切なる祈りではなかったか。
すべてはたわいもない憶測に過ぎない。本当のことは誰にもわからない。
しかし、この音の美しさはなんということだろう。
暗い情念も何もかも、別世界からの清い風に吹き払われたような。
『彼』の名をいつまでも守る老人の思いが、奇跡と呼ばれた楽曲に乗り軽やかに響く。
両手の中に残ったものをみな、恋しい魂へ捧げるような歌。
届かなくても仕方がない、けれど聴こえるならば聴いてほしいと、澄んだ音がささやく。
――出会えて良かった。
――音楽をありがとう。
――愛している。
9816/16:2007/02/20(火) 16:20:41 ID:c5KVtj9n0

音楽に誘われたように、鍵のかかっていたはずの窓が音もなくゆっくりと開いていく。
鉄格子の隙間から、はっとするほど冷たい風が吹き抜けた。
その風に乗り、青い空から降り出した気まぐれなにわか雨が、
鍵盤を奏で続ける老人の体を濡らしていく。
春の雨は涙のように、光に満ちて温かい。
楽曲は幽玄な両手のアルペジオを経て、終曲部へとさしかかる。
弱音から強音へ、低音から最高音へ。
そして分散和音は最後に、たった三つの主音に着地した。
その潔い澄んだ響き。
限りない明るさを湛えたその音が弾かれると同時に、
ぱん、と音を立てて古いピアノフォルテの弦が切れた。
澄んだ軽い音が、音楽の余韻と共に大気に溶け去っていく。
晴れ晴れとした無音の世界の中、老人は鍵盤からゆっくりと手を離す。
オクターブの間隙に響くこの世ならぬ歌に耳をこらすように、果てのない青空を見上げながら。
細かい雨は輝きを増して小さな身体を包み込み、音もなく天上から降り注ぎ続けていた。
99風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 16:21:21 ID:c5KVtj9n0

                     __________________
                    /
                     | 長文を読んでいただ方本当にありがとうございました。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| DVD久々に見たらヤバイほど萌えた!
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 | |  □ STOP.      | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヤッチマッタゼ…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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100風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 16:49:26 ID:W8xRTsYt0
>>99
超GJ!
文章、内容、心理解釈・・・どれもが素晴らしい!
極上品のワインのように酔いました。
101風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 22:58:19 ID:uFuiQvTXO
>>82
素晴らしかった!
サリエリの愛…
102風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 23:04:32 ID:yDcoMbRa0
>>99
読みながら自分が一瞬どこのスレにいるのかを忘れてしまいました
素晴らしかったです
103風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 23:52:41 ID:dDtHVTT30
>>99
元の映画は見てないけれど泣いた
音楽の描写がまた切なかったです
104風と木の名無しさん:2007/02/20(火) 23:57:07 ID:j/5hip5y0
>>99
まさかこの二人の話を読めるなんて・・・感激です。
本当に素晴らしかった、ありがとう。
105風と木の名無しさん:2007/02/21(水) 04:54:48 ID:ET30JCGP0
>>99
大好きな映画にして自分の萌えの原点です。
素晴らしい作品をありがとうございました。
106吸血鬼バルド3:2007/02/21(水) 09:13:45 ID:OUAeLlFM0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  バルド×クラウド
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|        今回クラウスしかでてませんorz
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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107吸血鬼バルド3:2007/02/21(水) 09:14:19 ID:OUAeLlFM0

出会ったあの日から変わらない想いがある。

あの最後の晩、途絶えると思われた「想い」は
消失す事なく、ありのまま胸に息衝いていた。

遠く、届かない光を、見つめ、追いかけ、

指をのばす。

108吸血鬼バルド3:2007/02/21(水) 09:15:29 ID:OUAeLlFM0
黄昏の空を木々が覆い隠し、森は薄暗く
ひんやりと冷たい空気が漂っている。
山道を抜けて道なき道を駈ける。
途中、何度も、水分を含んだ枯葉や枝、木の根に足をとられ、
転びそうになりながらも、クラウスは地を蹴った。
何度も通った「道」。
諦めを悟ったふりをして歩いたあの朝以来、
クラウスがここを通る事はなかった。
今、微かな希望が、焦燥を伴いクラウスを駆り立てる。
倒れた巨木を乗り越え、小川を超えると視界が開けて、
周りを木々に囲まれ聳え建つ城が現れた。
石のアーチをくぐり、両開きの重厚な扉を抜ける。
暖炉の奥、地下室へ通ずる暗い隠し階段を、
手にしたランプで仄かに照らしながら、足音を響かせて駆け下り、
勢いそのままに飛び込んだ空間でランプを持った右手を持ち上げる。
掲げたオレンジの灯りに、四方を石壁で囲まれた殺風景な部屋が浮かび上がった。
109吸血鬼バルド3:2007/02/21(水) 09:16:22 ID:OUAeLlFM0
何もない部屋に反響した自分の荒い息だけが絶え間なく耳に届く。
「‥ほら、やっぱり」
クラウスが右手をゆっくり下ろし、揺らめく光源が低くなった。
「わか‥‥‥っていたじゃん、こんなの」
自嘲めいた笑いと共に漏れる声は、硬く震えていた。

バルドは去ったのだ。

何度も受け止めようとして出来なかった事実が目の前にある。
失意に傷ついた胸が、痛い。
何も‥、あの日から、何も変わらない。
「ダメ‥だ‥‥俺‥」
胸の奥に何かが込上げる。
目頭が熱い。
たまらなくなって、膝をついた。
カタンッ、と床に着くランプの音が響く。
『時間がたてば傷も癒えるさ』
巷で語られる陳腐な台詞は何の役にも立たない。
日増しに想いは強くなる。
忘れられたら楽になるのかもしれない。
でも忘れられない。
忘れたくないのだ。
あの輝かしい日々を。
あの優しい吸血鬼を。

捕われているーーー。
110吸血鬼バルド3:2007/02/21(水) 09:16:57 ID:OUAeLlFM0
ああ‥‥‥、
煌々たる、玲瓏たる、光輝たる、
黄金色を、
あの瞳が見たいーーー。

ナニモ、カワラナイ。

「どう、すればいい?」
俺は、俺だけが、あの日々から抜け出せない。
「バルド‥‥‥」
もはや耐える事が出来ず、クラウスの目尻から
透明な雫が一筋零れ、頬を伝う。
呪縛にも似た想いに翻弄され、荒れ狂う感情に混乱する。
もう、何も考えたくなかった。
「‥‥っ」
思考を閉ざしたくて、目を閉じ、耳を塞ぐ。
それでも瞼一杯にあの金糸が、あの深い瞳が広がった。
「助けて」
救済を求める掠れ声は小さく、闇に溶けた。
111吸血鬼バルド3:2007/02/21(水) 09:19:41 ID:OUAeLlFM0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ツヅキマス クラウスノヒトリヨガリニナッテシマタヨorz
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
112風と木の名無しさん:2007/02/22(木) 00:51:00 ID:hgEPgRxb0
亀レス
>99
す、すげーー ここでこの映画のSS見れるたあ思ってなかった
GJ過ぎて前が見えない
113風と木の名無しさん:2007/02/22(木) 16:27:18 ID:oH0ZF4dR0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  「ハ/ケ/ン/の/品/格」の大小です。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ベッドシーンだけど肝心なことしてません
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
114ハ/ケ/ソ 1/11:2007/02/22(木) 16:28:59 ID:oH0ZF4dR0
 陽の光を瞼の裏で感じて目が覚めた。
眩しい光が辛くてそろそろと目を開けるが、ひどく乾燥していてひりひりする。
霞んだような視界とごろごろする違和感で、コンタクトを付けたまま寝てしまったのだと気付いた。
「……ぅ……頭痛ぇ……」
上半身を持ち上げたいのに身体に力が入らない。鉛が入ったように重たい頭にそっと手をやる。
只でさえ某トックリに「くるくる」と言われる個性的な髪の毛は、更にひどい状態になっているらしい。
俺はそっと溜息をついて、持ち上げかけた頭をまた枕に落とした。この状態は二日酔いであることは確かだ。
昨夜のあいまいな記憶を回らない頭で辿る。
「……そーだ、昨日金曜で、ケソちゃんを飲み行こうって誘って……何軒回ったっけな……」
115ハ/ケ/ソ 2/10:2007/02/22(木) 16:31:14 ID:oH0ZF4dR0
 最近、ケソちゃんは左遷されそうになったり、渾身の企画案が通らなかったりで、ひどく落ち込んでいた。
同期といえど、部署も違う俺に出来ることと言えば、肩を並べて杯を傾けながら愚痴を聞いてやることぐらいなのだ。
という訳で、久々に二人で飲みに行こうかと誘うと、ケソちゃんは子犬みたいな瞳を輝かせて喜んだ。
やっぱり、ケソちゃんを救えるのは同期で親友のこの俺しかいない。

 二人だと、誰にも気兼ねしなくていいのが災いして、昨晩は二人とも相当出来上がってしまった。
いつもはあんまり飲まないケソちゃんが俺より早いペースで飲んでいて、半ば引き摺られるように俺も
深みにはまってしまった。3軒目のバーでケソちゃんに肩を貸して出てきたところまでは覚えているが、
家までどうやって帰ったのかはさっぱり思い出せない。ケソちゃん呂律回ってなかったけど大丈夫かなぁ、
ちゃんとタクシーに乗っけてやったはず(希望的観測)だけど、もし道端に放って帰って来てしまったのなら悪い。
生存安否の電話をかけようと、枕元にあるはずの携帯に手を伸ばした瞬間、俺の指がふわふわしたものに触れた。
116ハ/ケ/ソ 3/10:2007/02/22(木) 16:33:22 ID:oH0ZF4dR0

 そこにあったのは、まさに俺が電話をかけようとしていた相手の頭だった。
いつもは流して分けている前髪がくしゃくしゃになって、まだ目元が赤いままのケソちゃんが、
俺の隣ですうすう寝息を立てている。脱ぎ散らかしたらしく、ワイシャツが腕の所で引っかかって
絡まっている……ん?……

 おいおいおい、おかしくねぇかこの状況。俺の家まで連れてきて介抱してやったのは分かるとしても、
何でケソちゃんワイシャツまで脱いでんだ?てか何で大の男二人が、一つのベッドで寄り添うようにして寝てんだ?
しかもだ。このシーツのいい感じの乱れ具合、そういえば何だか身体にも残る倦怠感、
そして床に散らばった二人の服の上に棄てられた……使用済み(らしい)ティッシュ。
じっとり厭な汗が背筋を伝う。二日酔いの頭痛はいつの間にか混乱の頭痛へと変わっていた。
いきおい背筋が粟立って身震いをした瞬間、状況は更に悪化していることに気付いた。
俺も上半身何も着てないのだ……いや、上半身だけじゃない。恐る恐る布団をめくると、
あられもない俺とケソちゃんの下半身が、
117ハ/ケ/ソ 4/10:2007/02/22(木) 16:34:39 ID:oH0ZF4dR0
 「……いやいやいやおかしいおかしいこれは、こんなの……ありえな……」

夢だと思い込んで頭を振る。頬をつねる。どちらも痛いだけだった。俺の脳みそは完全に覚醒したが、
出来ればこんな現実は見せて欲しくなかった。

こういう状況は恥ずかしながら前にもあった。でもそれは只一つ、だけど決定的に今回とは違うのだ。
隣の相手は、行きつけの店で意気投合した美女や、上司に連れて行ってもらった店のおねーさんだったりしたが、
「男」だったことは一度もない。「親友」とか、「同僚」だなんて尚更だ。いやあってはならないのだ。
いくらケソちゃんと仲が良くたって、いくらケソちゃんが迷子の子犬みたいな顔して俺に纏わりついてくるのが可愛いと思ったって!

118ハ/ケ/ソ 5/10:2007/02/22(木) 16:35:52 ID:oH0ZF4dR0
 ということは、今回なぜケソちゃんがこんなにもあられもない姿で俺の隣に寝ているのか、
それは二人が酔っていたからだ。二人とも勘違いしてたんだ。風呂でも入ろうと思って脱いで、
そのまま寝てしまったんだ。ティッシュは……そうそう俺花粉症だから、昨日も暖かくて
昼間からくしゃみ止まらなかったし!そうに違いない。そうなんだろ?そうであってくれ!

 ここまでの結論を出すのに、どのくらい時間がかかっただろうか。取り敢えずこの状況から脱出せねばと思い、
隣で寝息を立てている親友を起こさないようにそろそろと身体を起こそうとした時、ケソちゃんの目がぱち、と開いた。
「……しょおじさん……?」
まだぼんやりしたままの大きな目が俺を捕らえる。ケソちゃんも相当な二日酔いらしく、身体を起こそうとするが
すぐ頭を抱えてまた布団の中に潜り込んでしまった。目の下まで布団を引き上げた仕草が女の子みたいで、
思わずどきっとする……いやいやいやおかしいぞ、男見てどきっとするなんて有り得ないよ東/海/林/武!
119ハ/ケ/ソ 6/10:2007/02/22(木) 16:36:57 ID:oH0ZF4dR0
「―えーと……お早うケソちゃん」

なるべく平静を装って声をかける。さも何もなかったかのように。それにしては顔が引きつっていたかも
しれないけどここではそうするしかないのだ。ていうか『何もなかったかのように』じゃない。
本当に何もないんだから。ねぇケソちゃ……

「……しょ、う、じさん……き、のうさ……」
俺の期待に反して、ケソちゃんの様子がおかしい。目元が真っ赤だ。今にも泣きそうに大きな目を潤ませて俺を見る。
何か言いたげに唇が動くけど声が掠れてて聞き取れない。息を吸おうとしてもひゅうひゅう喉がなるばかりで
苦しそうなのを見かねて、俺はケソちゃんの腕を取って起こした。
120ハ/ケ/ソ 7/10:2007/02/22(木) 16:38:07 ID:oH0ZF4dR0
「大丈夫ケソちゃん?」
背中をさすってやろうと腕を回した瞬間、ケソちゃんはばねに弾かれたのごとく飛び上がった。
何で何で?そんなリアクションすんだよ。何でそんな……
「ど、どうしちゃったのさケソちゃん、目ぇ真っ赤……そっか昨日寝苦しかったよなこんな狭いベッドに
男二人で寝ちゃってさ、布団出してやれなくてごめんな。いやぁ昨日は二人とも飲みすぎちゃったよねー
今日が土曜日で良かっ……」
ケソちゃんに喋る隙を与えまいと必死に喋った。大学の連れに「お前は口から生まれてきた男だ」とか言われてた
ような俺だから、言い訳は十八番のはずなのに、喋れば喋るほど深みにはまっていくような錯覚を覚えた。
そしてそのマシンガントークは、目の前の相手の一粒の涙で、いとも簡単に止まってしまった。
121ハ/ケ/ソ 8/10:2007/02/22(木) 16:39:26 ID:oH0ZF4dR0
「―ケソちゃん、」
「……ショウヅさん、昨日のこと覚えてないんだ」
不意に抱きすくめられて咄嗟に俺は身を引く。その瞬間、酒と煙草の埃っぽい臭いの中にケソちゃんの香水の香りが
混ざって鼻につく。思わず抱きとめようとしたけど間に合わなくて、俺はケソちゃんに押し倒されるような形で
ベッドに倒れこんだ。
「ケソちゃん、まだ酔っ払って」
「……そうかも、ごめんね。でももうオレ……」
胸元に冷たいものがぱらぱらと落ちる。綺麗な宝石みたいな黒い瞳から涙が溢れるのも構わずにケソちゃんが
俺を押し倒して泣いている。目元を真っ赤に腫らして、それが花魁の化粧みたいで卑猥だ。
只でさえ白い肌が青ざめていて、その首筋に赤い染みが散らばっている。
白い天井とそんなケソちゃんを交互に見ながら、俺は股間が疼くのを感じた。
そこまでされて、自分が昨夜何をしたのか分からないほど俺も馬鹿じゃない。

122ハ/ケ/ソ 9/10:2007/02/22(木) 16:40:44 ID:oH0ZF4dR0
 上半身を起こして、顔を覆っていたケソちゃんの手を取る。そのまま引っ張るとケソちゃんは簡単に俺の腕の中に収まった。
嗚咽で上下する背中をゆっくりさすってやると、いくらかましになった。冷えてしまった俺より少しだけ細いその身体を
暖めようと、背中から布団をかぶせてやる。涙がいくらかひいたのか、ケソちゃんはごしごしと顔をこすって
ようやく顔を上げた。

 「……ショウヅさん、」
「―ごめんな、昨日のこと覚えてなくて。」
ケソちゃんは無言でふるふると首を振った。伏せられた睫毛がまだ涙に濡れている。迷子の子犬を安心させたくて、
俺はケソちゃんの顔をそっと包み込んだ。青ざめている割には熱を持っていて、それが益々子犬みたいだと思う。
「……俺、乱暴にしなかった?」
目を伏せたまままた首を振る。俺はそっと溜息をついた。傷でも付けてたら大変だったから安心した。
「ショウヅさん、優しかったよ」
目線だけ上げてケソちゃんはそっと言った。こんな仕草どんな女にもされたことなかった俺は不覚にもまた反応してしまう。
俺の後を一歩下がって付いて来る、笑顔が可愛い清純な人。
理想の相手が、まさかこんなに身近にいるとは思わなかった。
123ハ/ケ/ソ 10/10:2007/02/22(木) 16:41:35 ID:oH0ZF4dR0
 そっと顔を上げさせてキスをした。乾いた唇が何だかいとしい。目尻に溜まったままの涙をそっと指の腹で拭うと、
やっとケソちゃんが少し笑う。笑った顔も子犬みたいだ。
「ごめんな、ケソちゃん」
「謝らないでよ。昨日はオレもすごく酔っ払っちゃってたし……」
「……分かった」
「うん」
「でさ……」
「何?」
ずっと抱き合ったままひそひそ声で喋ってて、少し照れたのかケソちゃんは頬を赤らめてはにかむ。
くしゃくしゃになった黒髪に手を差し込んで、耳元で囁く。これが俺の精一杯の演出だ。


 「昨日の事覚えてないから、もう一回、してもいい?」
只でさえ大きな目が益々見開かれて、耳まで真っ赤になってしまったまま黙ったままなのを、黙認と解釈して

君にもう一度、キスをしよう。
124風と木の名無しさん:2007/02/22(木) 16:43:12 ID:oH0ZF4dR0
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昨日の放送にやられて書いてしまいました。
ショウヅがケソちゃんケソちゃん言いまくるのは私の趣味です。
125風と木の名無しさん:2007/02/22(木) 16:53:45 ID:Q+QgN5Tp0
>>124
覚えてないから仕切りなおしシチュ萌えー!姐さんGJ!
ケンチャソはほんと子犬のような瞳だよね!そうだよね!
126風と木の名無しさん:2007/02/22(木) 20:25:21 ID:qD6ozwJv0

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                     |  ホモ協会土曜ドラマ『禿げ鷹』
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  アラソ×和紙津→司馬乃だってさ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ でも司馬乃のしの字も出てないお!
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127禿げ鷹1/4:2007/02/22(木) 20:26:34 ID:qD6ozwJv0
マサヒコの国に来て一週間になる。
彼の国の首都トーキョーは、NYとさほど変わらない冷たいビルの森だ。
だけど、その街の外には沢山の本物の木々があって、昔絵葉書で見たような古い建物や人々のあたたかい温もりもある。
査定の為に乗り込んだ西乃屋も、そんな日本情緒あふれる静かな所で、
あくまで仕事だけど、でも、ここで過ごす僅かな時間が少しでもマサヒコの心を癒してくれたらと切に思う。


僕は多くのアメリカ人がそうであるように、日本のサムライやゲイシャに興味があったから、
NYで初めてマサヒコに出逢った時、アメリカ人には無い彼の綺麗な黒い髪や瞳に目を奪われた。
握手の為に差し出された細く繊細な指は、だけどもサムライのイメージには程遠くて、握り返した時僕は少しドキドキした。
それから、「よろしく」と言って薄く微笑んだ、彼の淋しそうな面差し。
多分僕は、その時恋に落ちたのだと思う。

アメリカでのマサヒコはいつも泣きそうな目をしながら、何かを忘れるようにただひたすら仕事に打ち込んでいた。
彼は日本にいた時の事を何も話してはくれないけど、傍にいれば心の奥に大きな傷を抱えてるのはなんとなく解った。
僕は彼に比べたら随分年下で、甘えてくれだなんて言ったところで笑われるだけだろうけど。
でも、淋しそうなマサヒコを見てると、どうにかして彼の力になてあげたいと思わずにはいられなかった。
彼を元気にしてあげたい、喜ばせてあげたい、笑わせてあげたい、本当に心からそう思う。
だから、散歩中庭にあった、名前はわからないけどとても日本的な木を見上げて、懐かしそうに目を細めたマサヒコを僕は心底嬉しく思った。
静かに佇んだままのマサヒコを背中からそっと抱き締める。
128風と木の名無しさん:2007/02/22(木) 20:27:59 ID:YzSAabrf0
>>124
迸るほどにGJ!
あの二人はフィルター無しでもそう見えてくるから困る
129禿げ鷹2/4:2007/02/22(木) 20:29:29 ID:qD6ozwJv0

「マサヒコの国は本当に美しいね。この木も、凛としてまるでマサヒコみたいだ。」
「アラソ…こんな所で人に見られたらどうする気だ…。」

そう言ったマサヒコは、それでも身じろぎひとつしない。
僕はそれをいい事に、マサヒコの華奢なカラダを強く抱く。

「誰も見てないよ。」

細い項に口唇を寄せて、その白い柔肌に赤く痕を残した。

「マサヒコ、I LOVE YOU…」

僕が何度そう言っても、マサヒコは曖昧に微笑むだけで、決して応えてはくれないけど。

「…I…LOVEYOU…」

ずっとこうして、いつかマサヒコの心に届くまで囁いて行くんだと思う。




130禿げ鷹3/4:2007/02/22(木) 20:30:49 ID:qD6ozwJv0
「マサヒコ!キモノが着れないよ!」

風呂上りに用意されていたキモノがどうにも着られなくて困り果ててマサヒコを頼った。
マサヒコは内風呂から裸のままで戻って来た僕に、

「アラソ、それは着物じゃなくて浴衣だ。それに、着られないのならせめて洋服くらい着て戻って来い。」

って呆れたように笑いながら、読んでいた資料をテーブルに置いて僕のユカタを手早く着付けてくれた。
オビを腰に回す度、風呂上りのマサヒコのカラダが僕に密着するものだから、なんとなくそういう気分にもなってしまう。

「難しいね、ユカタ。」
「慣れればアラソにもできるよ。」
「どうだろう。でも、脱がすのはとても簡単そうだ。」

僕はニヤリと笑って、マサヒコのオビに手をやった。
結び目をひとつ解いて緩めれば、あっと言う間にマサヒコのオビはいつの間にか敷かれていたフトンの上に落ちて、ユカタの前が開く。

「アラソ…」
「日本に来てずっと忙しかったんだから…今日くらいいいでしょ?」

何も言わないマサヒコをゆっくりフトンの上に倒して、その上に圧し掛かる。
すっかり湯冷めしてしまった冷たい頬に手を触れると、マサヒコは諦めたように小さく息を吐いてゆっくり瞳を閉じた。
僕は、マサヒコの薄い口唇にそっとキスをして、何度も何度もマサヒコのまだ少し湿った髪を撫でる。
鼻先を埋めた肩からは、ソープの甘いいい香りがする。

「マサヒコ、いい匂い…」
「お前だって同じ石鹸を使ってるだろ。」
「でもマサヒコのは特別。」

首から肩に幾度もキスをすると、マサヒコは擽ったそうに身を縮めた。
131禿げ鷹4/4:2007/02/22(木) 20:31:56 ID:qD6ozwJv0
マサヒコのカラダの事はよく知ってる。
とても感じやすくて、ほんの僅かに触れただけで、すぐに息があがる。
中でも首と、脇腹と、腿の内側は、マサヒコが最も弱い所。
攻めてやれば、やがて声も上がるけど、マサヒコはそういうところを僕に見せたがらなくて、いつも手の甲を噛んで必死でガマンする。
眉間に皺を寄せて、耐えてる姿はものすごく扇情的でセクシーだけど、僕はマサヒコの声が聞きたくて、彼の手を頭上に押さえつけてしまう。
そうすると彼は頼りなさげな目で僕を見て今度は口唇を噛もうとするから、深いキスをして、それを阻止する。
合わさった口唇の間から漏れる彼の喘ぎ声はたまらなくいやらしくて、いっその事ボイスレコーダーで録音して、毎晩でも聞いていたいくらいだ。
右手でマサヒコの腕を捕らえたまま、彼の中心がどうなっているのか確かめようと左手を伸ばして包みこみ、乳首を口に含んで舌で転がす。

「…あっ、ァ…」

一際高い、か細い声がマサヒコの口唇から漏れた。
僕は尚もマサヒコのペニスをゆるゆると扱く。

「マサヒコ?…イイかい?」

マサヒコは恥ずかしさに目元を真っ赤に染めて、逃げるように細いカラダを一心にくねらす。

「そんなこと聞くな、…バカ…っ」

キッと僕を睨んでくる素直じゃないマサヒコ。
たまらなく可愛くて、僕はそんなマサヒコを目の前にするといつだって少しばかりのイジワルをしたくなる。

「脚を開いて、マサヒコ。」

僕の大好きな黒い瞳に涙が滲んで、ゆらゆらと揺れながら、困ったように僕を見つめる。

「開いて、僕に見せて。」

マサヒコは諦めたように目を伏せると、ためらいがちにおずおずとその脚を動かす。
132禿げ鷹5/4:2007/02/22(木) 20:32:55 ID:qD6ozwJv0
開かれた彼の細い脚のアチコチにキスをして、灯りの下に晒された硬く閉じたままのそこに舌を這わせた。

「――アラソ…っ、」

舐るように穴の周囲を何度も行き来しながら、空いた手でマサヒコのすっかり勃ち上がったそれを上下に摩る。

「やめ、ッ…ん、…ふ、」

舌での愛撫と同時に人差し指で入り口を引っかけば、マサヒコはカラダを震わせて酷く身悶えた。
締め付けようとする入り口を無理にこじ開けながら、指を挿入してあたたかい内壁を撫でてやる。
マサヒコはカラダ中をピンク色に染めて、手の甲を噛みながら必死で声を抑えてた。
それでも漏れる熱い吐息や、かすかな鳴き声に僕はカラダの芯が酷く熱くなるのを感じて、ますますマサヒコに夢中になる。
堪らなくなって入り口付近だけで弄んでいた指を、マサヒコのもっとずっと奥へ忍ばせた。

「っ…や、…アラ、ンッ」

マサヒコの背中が大きくしなる。
指を増やし抜き差しを激しくした。
目尻からぽろぽろと涙を零しながら、抗えない快感にそれでもマサヒコは必死で抵抗するんだ。

「僕じゃイヤ…?」

マサヒコは泣きながら必死で首を横に振って、細い両腕を僕に向かって伸ばしてくる。
縋り付きたいのは、本当は僕じゃないのに。
だけど僕は、それに気付かないふりをしなくちゃならない。
それはマサヒコが心の奥底の暗いところへそっと沈めた秘密だから。

「マサヒコ、スキデス。アイシテマス。」

僕はマサヒコの目尻にそっとキスをして、そのカラダを一思いに貫いた。

133禿げ鷹:2007/02/22(木) 20:35:07 ID:qD6ozwJv0
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某所にも投下してますので、そちらで見られた方はスマソ。
人様の禿げ鷹読みたいあまりにとりあえず人柱になってみますた。
134風と木の名無しさん:2007/02/22(木) 21:14:46 ID:qG9/2C4SO
>133
禿鷹キテタ━━━(゜∀゜)━━━!!
しかも例の一泊旅行。
ワッスィもアラソも可愛いよ姐さん!
続きキボンです。
135中尉×ドクター  巡視任務:2007/02/22(木) 23:15:08 ID:XZO46MHE0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  中尉とドクターもの 新たな展開?
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  よろしく!
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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136中尉×ドクター  巡視任務 1:2007/02/22(木) 23:16:17 ID:XZO46MHE0
「そうそう」
今夜も、いつものようにひとつのベッドで互いの肌のぬくもりを確認しあった後、ドクターが嬉しそうに中尉に話した。
「アルフは来週から巡視にでるのですよね?」
宇宙軍では分隊ごとに1ヶ月間、宙域の巡視任務がある。4分隊に分割されているので1年に3回(3ヶ月)巡視が回って来る計算となる。
「ええ、約1ヵ月間のお別れですね」
一緒に暮らしはじめて初めての巡視・・・なのに嬉々とした表情で言われては、少々ではなく寂しい。
「その巡視、私もご一緒させていただく事になりました」
「えっ?」
さすがにちょっと意外だったのでつい聞き返してしまった。
「今回は新兵の訓練を兼ねての任務だそうで、本来なら分隊ごとの衛生兵もいますから特に私が同乗する必要はないのですが
 今まで一般の客船にしか乗艦した事がないと話していましたら、では一度巡洋艦を体験した方が良いとの話になりまして」
「そうですね、基地に配属されたのならば一度は乗っておいた方が良いでしょう。地上の軍病院や医務室とは
 かなり勝手が違うでしょうから」
「そんなに違うものなのですか?」
「ええ、かなり」
更に続ける
「一口に船といっても客船のように居住空間を最優先的に確保さた艦とは違います。通常士官は狭いながらも個室がありますが、
 下士官は身動きも殆ど取れないようなベッドを交代で使う事になります。これに慣れていない新兵の頃は日々の任務より、
 休息がうまくとれない事で精神的に堪えたりしますよ」
「実はそれも今回私が乗艦する理由らしいです。どうせ乗艦するならば肉体的にも精神的にもトラブルが起きやすい、今回のような
 巡視に同乗する方がお互いメリットが大きいだろうと、アルフの隊の分隊長が決めたようですよ」
各分隊の中においても中尉の所属する隊の分隊長である大尉はキレ者と言われている。そしてそれを補佐する中尉もまた軍上層部から
高い評価を得ていた。
なる程・・・確かに理に適っている。納得すると同時に、思いがけず1ヵ月の別離がなくなった事が嬉しかった。
それが顔に出たのだろうか
「嬉しいですか?」
抱きつくように中尉の胸にもたれかかったドクターが微笑む
「ええ、もちろん」
そう言いドクターの身体を抱きしめ、口づける。口づけは次第に熱を帯びてゆき、再びふたりはひとつになった。
137中尉×ドクター  巡視任務 2:2007/02/22(木) 23:17:37 ID:XZO46MHE0
宇宙軍の巡視任務は管轄宙域の警備が主な任務である、星間航路の要所もあるため事故の他に宇宙海賊の捕獲等、おおよそ起こり得る
全ての事への対処を都度求められる。
しかし要所と言っても比較的平和な星域なので、何事もなく任務を終える事も多い。今回もそういった意味では平和な任務だった。
が、巡視艦内はそうではなかった。
今回新兵がことある事にトラブルを引き起こした。そして最終的にそれに対応するのは分隊長補佐である中尉だった。
ドクターも衛生兵への講習や新兵のミスによるケガやカウンセリングに追われて、充実しつつも予想以上に慌しい日々を送る事となった。
そんなこんなで、ようやくふたりきりの時間が持てたのは巡視に出てから実に6日目の事だった。
中尉の部屋に先に来たドクターが教えられていた番号を電子キーに入れドアを開ける。
部屋には簡易デスクとイスがあるだけの至って簡素な部屋だった、ベッドは折りたたみ式で壁に収納されている
かなり手狭であるものの、デスクワークと睡眠を取るだけなら充分な空間だった。
手持ち無沙汰で壁にあるボタンをひとつ押すとベッドが出て来た。そこに腰かけしばらくしすると中尉が戻ってきた。
雑事に追われ少々疲れた顔をしていたが、さして心配するほどのものでもなかった。
「巡視業務って大変なんですね、こんなに慌しいとは思っていませんでした」
「いや、いつもはもっと落ち着いたものです。今回の場合、新兵の初任務という事が混乱の要因なので」
「まぁ誰にも最初はありますから・・・仕方ないですね」
「それにしても今回は少々酷い、今年の教育隊はどんな教育をしてたんだ?帰還したらすぐ再教育だな」
138中尉×ドクター  巡視任務 3:2007/02/22(木) 23:18:57 ID:XZO46MHE0
実はここにウラがあった、そもそも新兵は4つの分隊に能力別に均等に分けられ配属される事となっている。
が、今回新兵を振り分けるにあたり人事課は中尉の職務能力や下士官からの高い信頼度を評価して、事もあろうか出来の悪い新兵ばかりを
この分隊に振り分けた。これには当然中尉の上官である分隊長が一枚かんでいた。
軍人としてはその能力を高く評価された事を喜ぶべきで、この陰謀(?)を知らない中尉でも大いにやりがいは感じている
今までの中尉なら24時間駆けずり回る事になっても特に何の疑問も抱かず職務を遂行するために尽力しただろう。
しかし、今回は違う。さしもの中尉も理不尽としか思えない忙しさに閉口した。
「ランディス中尉の再教育・・・少々新兵の皆さんが気の毒になってしまいました」
「失礼ですね、私は極真っ当な指導をするだけですよ?他より若干厳しいとは言われますが」
・・・その『若干』が、多くの部下に恐れられているか(大抵その後は信頼に変わるものの)という自覚はあまりないらしい
ともあれ、ようやく得られた休息時間をグチで終わらせるのはあまりに勿体ない。
簡易ベッドに腰掛けたドクターの頬に手を添え、キスしようとしたその瞬間、無粋なコール音が鳴り響く。
これからという所で邪魔をされた中尉は拳で壁を殴りつけた、わななく肩には怒りのオーラが立ち昇っているようだ。
『帰還したらすぐ再教育』が『今すぐ再教育』に変更されるであろう事は、最早決定事項に思える・・・
「気の毒な新兵さんたち」
ドクターの小さな呟きを聞く事なく、中尉は部屋を後にした。
結局その後、更に雑務が増え(含再教育)ついに同じ艦内にいるにも拘らず、顔を合わせるどころか声を聞く事も出来ないまま
10日余りが流れた。
139中尉×ドクター  巡視任務 4:2007/02/22(木) 23:20:14 ID:XZO46MHE0
最初から逢えないならば、その程度の日々は我慢できた。が、逢えるはずなのに逢えないという事実がどんどん欲求不満に拍車をかける。
黒い軍服、またはネイビーブルーの作業着と戦闘服の集団の中では丈の長い白衣を着た金髪のドクターは目立つ、まして恋人なのだから
どんな中からでも見つけられる自信はあるにも拘わらず全く姿を見られない。
ひょっとしてこのまま巡視が終わるまで逢えないのでは?などと半ば本当に考え始めた頃、ようやく廊下でバッタリ出逢った。
「今日の日勤業務が終わったら、私の部屋で待っていて下さい」
結局それだけ伝えると、また忙しく廊下を後にしなければならなかった。

案の定、今回もドクターの方が早く部屋に来てしまったので先に入室し、イスに腰を下ろし中尉を待った。
電子ロックをはずす音がして、ドアが開くと同時に中尉が飛び込むように部屋に入る。オートロックの扉が電子音と共にロックされる。
「アルフ」
声をかけて立ち上がりかけたドクターを無言でに抱きしめ、そのまま壁に押しつけるようにキスをする。
そして待ちきれないとばかりに唇を重ねたままベルトに手をかけ、下だけ脱がせにかかる。
まともに言葉も交わさないまま、いつになく性急な手付きで腰をまさぐり探り当てた秘所に指を入れ、弄りはじめる。
既に幾度となく中尉を迎え入れたそこは、すぐに受け入れられるくらい柔らかくほぐれる。
「アルフ、アルフ!!」
身体はしっかり感じているものの、気持ちがついていかない。
しかしそんな事はお構いなしにドクターの足を広げるように、片足だけ持ち上げ既にたぎっている熱い自身を挿入する。
「あうっ!」
衝撃にたまらず声があがる。両腕を中尉の首に回し、体を支えるようにぎゅっと抱きしめる。
尚も中尉の腰の動きは速度をあげ、さらに激しくドクターを刺激する。
「あっ、あああんっ!」
突き上げられる度に、動きにあわせて声が響く。もう一方の足も抱え込み、ドクターの身体を持ち上げる
その身体の重みを利用して更に深い場所に突き刺さる。
身体を支えるようにもたれた壁の冷たい感触を白衣とシャツ越しの背中に感じながら、熱いものを注ぎ込まれる。
140中尉×ドクター  巡視任務 5:2007/02/22(木) 23:21:52 ID:XZO46MHE0
快感に身を委ねたものの、あまりにもいきなりな行為に少々戸惑う、しかし肩で息をしながらも中尉に優しく恋人に口づけをされると
ドクターもそれに応えた。
「もう!何ですかいきなり」
「もう2週間もレイに触れていない」
憮然とした表情で中尉は言った
「すぐ側にいるはずなのに、触れられない、姿すら見られないのはある意味どんな拷問よりも堪える」
確かに・・・いっそ近くにいないのなら最初からそういうものだと割り切れるが、今回はある程度の期待感があっただけに反動が大きかった。
「もう、あなたって人は!」
と少し呆れた素振りをしたものの、実はドクターとて気持ちに大差はなかった
中尉はさすがにいきなりガンガン攻めてしまったのは配慮が足りなかったと、少しだけ反省した。
そんな姿に愛しさがつのり、額にキスをしてクスリと笑う。
「一緒にいられなくて寂しかったのはあなただけではありませんよ。私だっ・・・て・・・」
話している間にドクターの腰の辺りを中尉の手が再び撫でまわしはじめる。そして後ろを向かせ、先ほど注ぎ込んだばかりの場所に
再び指を入れる。白濁した液が滴り足をつたう。
「う・・・ん」
必死で耐えるような声を漏らすと更に指の本数を増やし、くちゅくちゅと音を立てながらより深い部分をかき混ぜはじめる。
「ああっ!あ・・・アルフ、欲・・・しい」
壁に手をついた姿勢で、たまらずねだる。もちろん中尉はそれに応える。既に注ぎこまれたもので滑りの良くなった秘所に自身を埋める。
141中尉×ドクター  巡視任務 6:2007/02/22(木) 23:23:14 ID:XZO46MHE0
「ん・・・っ!」
壁についた手が震える、後ろで感じまくって堅くなって来たドクターのものの先端からもじわりと濡れる。
中尉は後ろから抱きしめるように腕をまわすと、ドクターのものに触れる。
「だっ!・・・っめ」
先端をいたぶるように弄られる、前で感じる度にたくましいものを差し込まれた秘所にもキュッと力が入り絞めつける。
「いやっ!んーっ、あああああんっ!!も・・・だめっ」
前も後ろも責めたてられて、あえぐ声がどんどん大きくなる。
「レイ・・・すごく・・・いい!」
耳元で囁く、そして腰と手の動きはさらに激しくなる
「ああん!アルフ、アルフ・・・!!」
きゅうっ!と秘所を締め付けるのと同時にいく・・・中尉もそれと同時にいった。
この二週間、溜めに溜めたものがようやく満たされたのと、久しぶりの衝撃にドクターはその場にヘタリ込んでしまった。
もう腰に力が入らない、そこまでしながら結局ふたりともシャツどころか上着も脱がなかった。
「たまには・・・こういうのもいいかも」
中尉が余裕ありげに言う・・・果たしてつい先程までの余裕のなさは、どこへいったのやら。
「もうっ!」
そう言いつつも、いつも以上に感じていたかもしれない。でも・・・もうこんなに切羽詰った思いを味わうのはごめんだ。
巡視任務はあと半月あまり、残りの半分はぜひとも穏やかに過ぎて欲しい。
・・・せめて勤務時間外にコールがかからない程度に。
142中尉×ドクター  巡視任務 完:2007/02/22(木) 23:24:52 ID:XZO46MHE0
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 | |                | |           ∧_∧ ヨッキュウフマンゼンカイナテンカイデシタ
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143Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4:2007/02/23(金) 00:23:42 ID:eJV+KUBo0

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                     |  コトー初作より。前回の続き+8話アフターストーリー
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  調子に乗ってさらに続けます…
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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144Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4:2007/02/23(金) 00:24:37 ID:eJV+KUBo0
(…次に僕が気づいた時には、もう誰もいなかったんだっけ…)
健助は首まで真っ赤にしながら、机の上で頭を抱える。
鳴海とのことは初めての経験で、自分がどうなってしまったのか分からず、
しかもはっきりと思い出せないことに怖れすら感じる。

(あれからしばらく、病院へ行くのが怖かったんだ…)

病院へ行くたび、いつ鳴海とバッタリ会うのではないかとビクビクしていた。会ってしまったら、一体どういう顔をすればいいのか。
幸いなことにそれっきり、鳴海とは顔を合わせなかった。

(僕は…)
もう一度、原さんが来てくれた日の夜の事を思い出してみる。
原さんの唇、抱きしめられたときの体の感触、今でもありありと記憶に残っている。思い出すたび、宇宙の彼方へ飛んでいってしまいそうな気分になる。
こんな感覚は初めてだった。
原さんの事が好きなのだと、その時初めて気が付いた。

ダメだ。

あの人を好きになってはいけない。
あの人はお父さんだ。剛弘君もいる。
それに、原さんはあの日お酒を飲んでいた。もしかしたら、酔っていたのかもしれない。

(忘れよう。)

そう思った。
あの人とは一線を越えてはいけない。
145Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4:2007/02/23(金) 00:26:46 ID:eJV+KUBo0
*******************************

俺はまた、あいつの診療所にいた。

漁協で、あきおじが亡くなったことを聞いたとき、
また、あいつのことが気になった。
仕事もそこそこに切り上げて、あいつが行きそうなところを探して回った。
あいつは茉莉子の店にいた。
どうやら酒を飲んで、そのまま寝てしまったらしい。
そしていまあいつは俺の横で正体もなく眠っている。

診療所について、あいつを寝かせたとき、
藁草履を外そうと手に触れた。
あいつの手は信じられない力で握りしめられていた。
その様子を見たとき、どうしてもそのまま帰る気になれなくて、

『もう少し様子を見て帰る』

そう言って、俺は残った。

あいつはまだ俺の横で眠っている。
薄暗い部屋の中で、陰になってよく見えないが、
あいつの目尻には泣きはらした跡が残っていた。

「…う…ん…」
あいつが少し苦しそうな表情をする。どうやら気づいたようだ。
146Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4:2007/02/23(金) 00:27:45 ID:eJV+KUBo0
「…目が覚めたか?」
「…原…さん…?」
「あんた、茉莉子の店で眠ってたんだ。何か飲むか?」
「…ええ…水…ください…」
俺は立ち上がって台所へ行き、水を一杯汲んで戻った。
「ほら」
「…ありがとうございます。…っ!ゲホコホッ!」
「おい、大丈夫か?」
慌ててあいつの背中をさすった。
「…っす…ゲホッケホッ…すみませっ…ゴホッ!」
あいつは盛大に咳き込む。俺はあいつの背中をトントンと叩いたり、さすったりして咳が治まるのを待った。
ようやく咳が止み、水を半分ほど飲み干したところで、あいつは言った。
「…送ってくれたんですね」
「ああ、彩佳と茉莉子とな。俺はたまたま通りかかっただけだ。気にするな。」
「原さんはいつも…優しいですね…」
あいつにしては珍しい、やや自嘲するような声だった。
まだ酔っているのだろうか。

静かな波の音が聞こえる。
147Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4:2007/02/23(金) 00:28:52 ID:eJV+KUBo0
「原さん…?」
「ん?」
「この間のこと…覚えてますか?」
唐突に聞かれて俺はドキリとした。
慌ててあいつの様子を窺った。あいつは空になったコップを見つめていた。顔は陰になってよく見えない。
「…何のことだ。」
俺は必死で動揺を隠し、かろうじてそれだけを言う。
「…僕が怪我をした日のことですよ」
そう言って、あいつは不意に顔を上げ、俺に近づいてきた。
「あのとき…僕にキスしましたよね…こんな風に」
「んうっ!」
あいつの口が唐突に俺の口を塞いできた。
あいつの舌が、俺を誘うように進入してくる。
「僕を抱きたいですか?」
あいつが触れた場所、あいつに触れる場所から、電気に触れたような痺れが沸き起こり、俺の全身に容赦なく襲いかかる。
やめろ!やめてくれ!!これ以上俺に触れないでくれ!
これ以上触れられたら、俺は何をしてしまうか分からない!

「…っやめろ!!」

俺は乱暴にあいつの体をつきはなした。
あいつの体は、崩れおちるように俺の体から離れた。

あいつが今どんな顔をしているか、分からなかった。
俺はそのまま診療所を飛び出した。
148Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4:2007/02/23(金) 00:29:47 ID:eJV+KUBo0
波の音だけが残る部屋で、健助は崩れ落ちた体制のままでいた。

原さんとのことは、終わらせなくちゃいけないと思っていた。
親切にされれば、僕はきっともっと多くの事を求めてしまうだろう。
だから嫌われるつもりで、わざとああいう態度を取ったのだ。

でも、心のどこかでほんの少しだけ期待もしていた。
もしも、原さんが僕の事を好いてくれているのなら、僕を受け入れてくれるかもしれないと。
でもそれは僕の一人よがりだった。やっぱり原さんは僕のこと、何とも思ってなかった。
あの日の事を覚えていたのは僕だけだった。やっぱり酔っぱらってただけだったんだ。

(これでいいんだ…これで…)

咲ちゃんとの事も終わった。
痛みは一度のほうがいい。

健助の手は震えていた。

149Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4:2007/02/23(金) 00:32:56 ID:eJV+KUBo0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 全く進展のないこの二人…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )もう少し続けさせてください
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
150風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 01:47:28 ID:/avw9Ngw0
おお!孤島姐さんがいらさった(・∀・)
151風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 02:33:56 ID:cLC43p+b0
>>124
遅くなりましたが、姐さん最高!
大小が萌すぎです・・・
152風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 03:29:30 ID:0g9TVVdZ0
うおぉぉさっきアポーサイトで
「ステップ4はぁ?(モジョモジョ)」と駄々をこねる
パソコン君に萌えてきたところでこのスレ発見。
前スレにマックとパソコン君がいるじゃないかぁぁぁぁぁ!
というわけで遅レスですが
ナイス姐さん!ナイス!超萌補給しました!!!
パソコン君のスーツがツンツルテンなところがイイ!
超萌。
どなたかサイトでやってる女神様とかいないかしら。
153寝雨露の放火魔:2007/02/23(金) 03:30:04 ID:Ym1Ky8xp0
テンプレ2
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
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       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌‐^──────────────
  └──────│週刊少年飛翔/寝雨露/叔父さん←ホム裸のてっちゃん/自慰
                └───────────────
154寝雨露の放火魔1/3:2007/02/23(金) 03:32:12 ID:Ym1Ky8xp0
「平和に暮らせ」と叔父は言った。
厳しさはなく、殺意も憎悪もなく、ただただ失望と諦念の込められた言葉だった。
焔は、陽光の下に去っていく背中を見ていることしか出来なかった。

その夜、仕事を終えた焔は逃げるようにそそくさと帰宅した。
小さなアパートの明かりを点し、
眼前に広がる見慣れた光景にやっと安堵の息をつく。
天井、壁、棚の横、室内のあらゆる平面には
大小さまざまなアニメ美少女のポスターが貼られており、
整頓され積み上げられた展示ケースから
エロゲキャラのフィギュア達が焔に優しい眼差しを投げかける。
いわゆる一般的なオタク部屋である。
焔は瓶底眼鏡の下に緩んだ微笑を浮かべてテレビの前に正座する。
録画したアニメを見ようと再生ボタンを押した。
が、どうしたことだろう。
155寝雨露の放火魔2/3:2007/02/23(金) 03:34:48 ID:Ym1Ky8xp0
いつもならば、OPを再生と一緒に口ずさみ
関連グッズのCMすら食い入るように見ているところだが、
今日はぼんやりと机の上を眺めている間にOPもCMも終わり、
少女達はドタバタギャグを始めていた。
「あ……」巻き戻さなくては。と思うのだが、体は酷く無気力で、
手元のボタンを押す気にもならない。
(ウソ……俺の萌えが枯れてる?)
あの事件以来、覚醒しっぱなしだった焔の情熱が初めて萎えた。
原因は悔しいほど判っている。今日、叔父に会ったからだ。
あの作業所で、すっかり見た目を変えてしまった俺に
迷わず声をかけた叔父。
震えるほど怯えた自分に、変わらず笑いかけた叔父。
自分は望みを叶えられなかった出来損ないなのに、
俺に会いに来てくれた……「……おじさん」
思わず口にしたのは、子どもの頃から変わらない呼び方。
自分の声を聴いて焔は我に返る。
(違う、妙な考えは止めろ!3次元の者は対象外だろ?だっておじさんは)

人殺しだ。

脱獄してなお悪意を振りまき

俺の人格を望み通りに加工しようとした

生粋の犯罪者
156寝雨露の放火魔3/3:2007/02/23(金) 03:37:21 ID:Ym1Ky8xp0
(そう、最低な人間だ)
(判っていたのに、再開したとき心臓が跳ねた)
焔は下着ごとジーンズをずらすと、陰茎を握りこんだ。
そこは宝物にしている同人誌を開いてもいないのに熱く充血し、
切ない溜息をつかせる。
半ばやけになって乱雑に手淫を続けながら、
焔は否定の言葉を吐き続ける。
「違う、違う、違う、こんなの……違う。俺は、3次元……っ、なんか、
もう……絶対……。」
(おじさんの事を思い出して体が燃えているんじゃない。
今はアニメを見ているから、あの眼鏡っ子が萌えるから……)
自分に言い聞かせるような思考をぐるぐると何度も廻らせながら、
焔は無理やり欲求を処理した。
気付けばとっくにDVDの再生は終わっていて、真っ黒な画面が流れている。
酷く不快な気分だった。
汚れをティッシュで拭ってからベッドに潜り込む。
とにかく今は眠りたかった。
早く眠って、暗闇の中で、
叔父の背中を忘れようと、幻滅の言葉を忘れようと、
焔は思考停止に身をゆだねた。
157寝雨露の放火魔:2007/02/23(金) 03:39:27 ID:Ym1Ky8xp0
          _________
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

                 ピッ ∧_∧
                ◇,,(∀・  ) 乙女杉じゃねーの?このてっちゃん。
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘
158風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 03:56:00 ID:b93DH0a00
乙です
てっちゃん萌えに走りそうだよ
159風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 05:22:34 ID:TouAT1HS0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
                     |   「は/け/ん/の/品/格」です。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  次回予告で辛抱出来なくなったよ。
 | |                | |             \ 
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
160はけん1/2:2007/02/23(金) 05:25:27 ID:TouAT1HS0
最初は他愛の無い世間話だった
しかし例のハケン弁当の話の流れで話題はいつしかあの人、oh前さんに移っていた
以前から商事さんはあの人のことになると冷静さをなくすことには気がついてた
実際のところ商事さんはoh前さんをどう思ってるんだろう
知るのが怖いくせに僕はつい試すような言葉を投げかけずにはいられなかった

「oh前さんはやっぱりすごいよ。僕には盛さんのことも何もしてあげられなかった」
「何だ何だ、ケンちゃん。アンニュイなのかい。あんなとっくりのことなんて気にするなよ
所詮ハケンはハケンだよ。アイツには会社を愛する心ってものが無いんだよ
だいたいアイツはいつもいつも俺のこと…」商事さんのお喋りが止まる気配はない。
よく動く商事さんの唇を見ながら、きっと好きな子には意地悪でしか
愛情表現できなかったであろう彼の小学校時代に思いを馳せた。

「彼女は誤解され易いんだ。やっぱりoh前さんはすごい人だよ」
湧き起こる嫉妬を抑え込んでやっとの思いで言葉を発した
「でも所詮ハケンだよ。ハケンは利用するだけ利用して捨てるもんだ」
商事さんのマシンガントークは止まらない
商事さんがご機嫌でoh前さんを悪口を言うたびに
今まで蓋をしてきた薄暗いものが溢れ出すのがわかった
恋してるんだ。こんな幼稚な表現しか出来ないところがこの人らしい
もう十分だ。
161はけん2/2:2007/02/23(金) 05:28:04 ID:TouAT1HS0
「それ本気で言ってるの?」商事さんの動きが止まった
何だか必要以上に深刻な声が出てしまったかも知れない
「…ケンちゃん とっくりのこと好きなのか?」
いつになく真剣な目で問いかけてくる。心なしか語尾が掠れて聞こえた
これが恋する男の嫉妬なのかと思うともう自分をコントロールできなかった
こういうのを売り言葉に買い言葉と言うのだろうか
刺々しい声で「だったら何」と言い終わるか終わらないかのうちに商事さんが掴みかかってきた
今まで見たこともないような真剣な商事さんの顔
そのすべてがoh前さんによる変化なんだと思うと堪らなくなって
気がつくと乱暴に壁に商事さんを押し付けていた
商事さんの目が大きく見開かれたのがわかったけどお構いなしに口付けた
そこからは無我夢中だった
商事さんの体をまさぐるたびに商事さんの抵抗は弱まっていって
そのことが益々僕を混乱させた


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
何がどうなったのか
既に日付は変わってしまった
――商事さんは一体どういうつもりなんだろう
商事さんの長い手足が今はオフィスの床に無造作に投げ出されている
不思議な眺めだ
僕は商事さんの傍らで床に座り込んだまま壁に寄りかかっていた
軽く握られたままの商事さんの手のひらに自分の指を滑り込ませてみる
体同様に細長い指が弱い力で握り返してきた
目を覚ますのも時間の問題かも知れない
起きたら何て声を掛けようか
いつもそうだけど商事さんのこととなると僕は一層覚束ない
きっと今の僕を商事さんが見たら迷子の子犬って言われるんだろうな
そんな一瞬の想像で思わず口元が緩んでしまうのを感じた
162風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 05:29:49 ID:TouAT1HS0

 ____________ 
 | __________  | 
 | |                | | 
 | | □ STOP.       | | 
 | |                | |           ∧_∧ どっちが攻か迷いまくりだよ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) エロスはざっくりカットだよ
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
163風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 09:11:19 ID:W002u8AT0
>>149
乙!
気持ちのすれ違いキター
こういう展開すっごく好きだ
続きもwktkしながら待ってます

>>162
この二人は本当にどっちがどうだかわからんね
どっちも不器用そうだよね
面白かったです
164風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 09:27:26 ID:8SegxPhBO
>>162
小大キター!!
鈍感な大にもやもやする小かわいいよ小(´∀`)
好きな子をいじめちゃう体質の大もかわいいし、本当この二人は百合カポーだなw
GJでした!
165ギ/ン/タ/マ 銀×全:2007/02/23(金) 11:02:52 ID:RqQaGdH10

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  少年飛翔より吟魂。エロ有りです。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  銀さんと御庭番衆。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

キャラクターが原型をとどめていないというかニセモノですがご了承ください。
お題は「初夜」。キャラがキャラなので甘くはない…かな?
それではどうぞ。
166ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」1:2007/02/23(金) 11:03:46 ID:RqQaGdH10
「だから俺が上になるのがいいに決まってるだろコノヤロー」
「バカヤロー、てめえ俺が痔持ちだって知ってるだろーが! んな
事して俺の大事な処が使い物にならなくなったらどーしてくれんだ
っつーの、ええ?」
「だからちゃんと後から薬塗ってやるって! そんな痛くしないか
ら安心しろよ、それとも天下の御庭番衆はこの程度のことも我慢で
きねえのか? 情けないねぇ、先代が草葉の陰で泣いてんぞ」
「薬なら毎日塗ってるってんだよ! ……じゃなくて御庭番衆とか
先代とか関係あるか!」
 マズイ。心の中で冷や汗を流しつつ、かつての幕府直属御庭番衆
筆頭・服部全蔵は自分にのしかかってくる銀時に対して必死に抵抗
を続けていた。自分が戦闘で遅れを取ることなどまずありえないが
この男相手にこの体勢はさすがに厳しい。すでに両脚の間には銀時
の脚が差し込まれており、彼いわくの「もう一人のオレ」が元気に
欲情している感触が分かっていよいよ焦る。
 忍者服でなく、普段飲みに行くとき用の着流し姿というのも問題
だった。もみ合っているうちに胸元がかなりはだけてしまっている。
必死に銀時を押しのけようとするが、半ば押し倒されている今の状
態ではいつまで持つか。
 いつものジャンプ論議が猥談を経て、「試しに俺たちヤってみっ
か?」的な方向になった末のことであった。
167ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」2:2007/02/23(金) 11:04:24 ID:RqQaGdH10
 別に銀時の事が嫌いなわけではない。むしろ好きだ。が、それと
これとは話が別である。重度の痔持ちである自分にとって、この手
の行為で受け身になるのは自殺行為。かつての同僚である某くノ一
と違って自分にM属性はないのだ。
「だーいじょうぶだって! これまで俺がお前にひどいことなんか
したことあったか?」
 いや、とっくにいろいろな意味でひどいことをしていると思うん
だが。
 とある奉行の屋敷で戦ったときの記憶などが蘇り、思わず素で返
しそうになって脱力する全蔵。
 その瞬間を銀時が見逃すはずもない。あっという間に距離を縮め
られ、唇を奪われる。
「っ……」
 汚えぞ、と喚こうとしても銀時の舌に口内を蹂躙されて言葉が出
ない。不覚、と思いつつ自分の身体から力が抜けていくのを全蔵は
感じていた。
168ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」3:2007/02/23(金) 11:05:17 ID:RqQaGdH10
 初めて会ったのは大晦日のコンビニだった。一冊だけ残ったジャ
ンプをめぐって壮絶な戦いを繰り広げたのは今も強烈な印象に残っ
ている。
 このバカヤローは次に会ったときに綺麗に自分のことを忘れてい
やがったのがムカつくが、同じジャンプを愛する者として一目置く
べき男だと思った。
 銀時の手で着流しを脱がされながら全蔵はぼんやりと回想する。
 それから歌舞伎町のスナックで飲んでいるときに偶然出会って。
殺り合いそうになったが、女将にたしなめられて何故かその後はジ
ャンプについて熱い論争を始めていた。
「ちげーよ、ジャンプといったら王道バトルマンガがやっぱり主流
なんだってーの! 分かる? 少年はいつの時代も心に必殺技を求
めてんの!」
「バーロー、思春期の少年のバイブルっつったらラブコメに決まっ
てるだろうが! キスシーンにたどりつくまでのドキドキと、スク
水をはじめとするほどよいエロスが少年たちに大人の階段を登らせ
る! これこそジャンプの醍醐味よ!!」
「それただのロリコンじゃーねーか!」
「んだとぉっ!?」
 不毛な会話を閉店まで延々と続け、そのスナックで働いているネ
コ耳天人の年増女に呆れられた。
 その後もときどき、そのスナックで会ってはジャンプ論議で盛り
上がり。気づけば、互いの家に上がりこんで飲む仲になっていた。
それがどうトチ狂ってこんな事というか仲になったのだろう。
 理由はなんとなく気づいていた。お互いの過去。攘夷志士と御庭
番衆。立場は違えど、共に幕府とこの国のために戦い−−そして捨
てられ。行き場を喪った者同士。このどうしようもない胸の虚ろを
埋めるものを探すために、今も根無し草のようにこの江戸を彷徨っ
ている……。
169ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」4:2007/02/23(金) 11:54:50 ID:u+V5bwpF0
 全蔵がそんな事を考えているうちに、銀時の手は下帯の中にまで
潜り込んできていた。尻の奥の、過度に敏感になっている部分をま
さぐられて我に返る。やや性急な銀時の指の動きに激痛が走った。
「……!!」
 弛緩していた全蔵の身体が一転して硬直した。
「痛かったか?」
 当たり前だ、何を今更、と言いたいが悲鳴を抑えるので精一杯で
それどころではない。銀時に背を向け、うつ伏せになって薄い布団
に爪を立てる。痛みをこらえるので必死だった。
「悪ィ……」
 銀時の謝罪の声。諦めてくれたか、と全蔵がほっとした時だった。
「ちゃんと軟膏使うの忘れてた」
 見ると、銀時が悪魔の笑みを浮かべて怪しげな軟膏のビンを持っ
ている。思わず布団に突っ伏す全蔵。
(そーゆー問題じゃねぇぇぇ!)と絶叫しようとしたが、それより
早く軟膏を塗った銀時の指が全蔵の後門に侵入を試みていた。
 泣きそうな顔を隠そうとうつ伏せになったのは失敗だったと臍を
噛むがもう遅い。滑らかになった銀時の指は固く閉ざした部分を優
しく撫で回し軟膏をすりこんでいく。
 軟膏の効果か、痛みが少し引いて代わりにじんわりとした温かさ
が広がるのを全蔵は感じた。
170ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」5:2007/02/23(金) 11:55:31 ID:u+V5bwpF0
「力、抜いとけよ……」
 銀時の指が自分の中に入ってくる。それを意識して全蔵の身体は
カッと熱くなった。いや、軟膏に何かその手の成分が入っているの
かもしれない。銀時が持っていたのはどう見てもエロメスハウスと
か大人のお店で、おまけに怪しげな謳い文句つきで売られていそう
な代物だった。爛れた大人め。心の中で毒づくが、心臓の鼓動が速
くなるのを止めることはできなかった。
「……っ」
 自分の内側の敏感な部分を擦られ、全蔵は身を震わせた。痛みと
快感がないまぜになって自分を飲み込んでいく。気づくと指は2本、
3本と増えていた。
「バカヤロー……反則だぞ、これ……」
 切れ切れに呟くが銀時は意に止めない。普段の怠惰さからは想像
できない程の手際のよさで、全蔵に快楽を与えつつさらにお互いの
服も完全に剥ぎ取ってしまっていた。
 うつ伏せのままの全蔵の身体を、指を抜いた銀時が優しく抱きし
める。ようやく痛みと快感から解放された全蔵はほっと息をついた。
背中に感じる銀時の温もりが心地よい。だが……。
171ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」6:2007/02/23(金) 11:56:34 ID:u+V5bwpF0
「入れて……いいか? 全蔵……」
 耳元で囁かれる。銀時の怒張の熱さは、先ほどから感じていた。
こうなったら止まらないのは男の性である。
「……イヤだっつっても、入れるんだろ?」
「しねーよ。……お前が本当に嫌なら」
 調子に乗ってすまん、という呟きを聞いて、ずるい男だと全蔵は
思う。先刻まで散々自分を弄んでいたくせに、こんなときだけ優し
くなる。自分の心がこんなに弱いとは思わなかった。
「……俺も、お前が欲しいよ」
 そう答えると身体をひねり、意外そうな顔をしている銀時に口づ
ける。そして再びうつ伏せになり、少し脚を開いた。銀時を受け入
れやすいように。
 本当に辛かったら言えよ、と囁き銀時が全蔵の両脚の間に身体を
滑り込ませてきた。そして昂ったモノを後門にあてがう。正直、恐
怖がないと言えば嘘になる。それでも全蔵はうつ伏せのまま右腕を
背後の銀時に伸ばし、不自由な体勢ながら精一杯彼の身体を抱きし
めた。
「……!」
172ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」7:2007/02/23(金) 11:57:32 ID:u+V5bwpF0
 銀時が、入ってくる。覚悟はしていたが激痛が走った。ある程度
ほぐされていたとはいえ、指とは質量が違う。「ちょいヤメ、スト
ップ!」と喚きたくなるのを必死に我慢した。力を抜けと言われる
が、そう言われて力を抜けるなら苦労はない。
 ひたすら痛みをこらえていると、不意に全蔵は顎をつかまれた。
何だ、と思う間もなくそのまま唇を奪われる。無理やり口をこじ開
けられ、食い縛っていた歯の間に銀時の舌が入り込んでくる。
 強引に送り込まれてきた酸素のためか、全蔵は少しだけ身体が楽
になったような気がした。それを感じたのか銀時が離れる。二人の
唇の間で唾液が糸をひいた。
「大きく息をして力を抜くんだ」
 普段はあまり見せない優しい笑みを浮かべ、銀時は再び全蔵に口
づけた。同時に、ゆっくりと前後に腰を動かし始める。
 緩やかな銀時の動きに、痛みがなくなったわけではないが、それ
だけではない感覚を全蔵も感じ始めていた。身体の中をかき回され、
何かを押し出されるような感覚。それが痛みと溶け合い、意識が白
く染め上げられていく。
 銀時の左手が全蔵の左手に重ねられた。指を絡められ、不意に自
分たちは今ひとつになっているのだと理解する。
 背後の銀時の呼吸が荒い。彼も感じているのだろうか。いや、自
分の身体で、彼にも感じてほしい。
 無意識のうちに喘ぎ声が漏れ、銀時自身を咥え込んだ尻が浮く。
そして全蔵は、自ら腰を前後に揺らし始めた。
173ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」8:2007/02/23(金) 11:59:25 ID:u+V5bwpF0
「ったく、ほだされた俺がバカだったぜ……」
 裸のまま布団にくるまりながら、ぐったりと全蔵は呟いた。
「お前が『欲しい』って言ったんじゃねーか」
 銀時は風呂上りの牛乳を飲みながら涼しい顔をしている。もとも
と勝手に人の部屋に押しかけてきたくせに、イチゴ牛乳はないのか、
とずうずうしく注文してきたときには眉間に手裏剣を叩き込みたく
なったが、今はその気力もない。
「だからって3発もするか……」
 あまりの痛みと快感が交じり合った状態に啜り泣きを止められず、
それでも懸命に銀時を受け入れようとする全蔵の姿に嗜虐心をそそ
られたのか、銀時と彼の分身は大ハッスル(死語)したのだった。
 このドS、と呟いて全蔵は枕に顔を埋める。身体が泥のように重
い。明日の仕事はキャンセルしよう。
「悪かったよ。でもお前の○○って−−」
 隣に潜り込んできた銀時が何か言っている。よく聞こえなかった
が、きっと刀を持って追い掛け回したくなる内容に違いない。
 後で絶対にタダじゃおかねぇ……と思いながら、全蔵は銀時の温
かさに包まれ、安らかな眠りの中に落ちていった。
174ギ/ン/タ/マ 銀×全 「初めての夜」了:2007/02/23(金) 12:01:26 ID:u+V5bwpF0
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
拙い内容ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
エロ描写が中途半端ですみません。
自分の筆力ではここまでが限界……!
もっと精進します(し、心理描写も書けない……)。
175風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 12:56:12 ID:T0IltCFM0
>>133
GJ!
前も読みたいけど検索ベタな私には某所が探し出せません
どなたかヒントプリーズ!
176133:2007/02/23(金) 13:43:01 ID:0e0BqtYC0
>>175
同じのを個人的な場所に投下してるだけだから、
探さなくていいよ、姐さん。w
GJありがとう。
177175:2007/02/23(金) 15:16:53 ID:T0IltCFM0
>>176
そうですか、残念
でもとっても良い話でしたので無理でなければ続きも期待しちゃいます
178風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 15:42:00 ID:1VU5u4ds0
>>124
遅れましたが、ありがとうございますネ申さま・・・!!!!
大好きです。
179風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 19:18:31 ID:Om+Aa5vc0
>>174 うおー!!GJ!!カプは違うが銀さん攻め派の俺にとって
理想的な攻め銀ですた!

もしかしたら銀全ハマッってしまうかもww
180弁護士ヤツロ×炉算須賀:2007/02/23(金) 22:14:18 ID:KZ8Zdlgt0
テンプレ2
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  └──────│イケメン弁護士ヤツロ×ヨツモトゲイニソ炉算須賀。不倫関係…?
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181弁護士ヤツロ×炉算須賀 1:2007/02/23(金) 22:16:04 ID:KZ8Zdlgt0
収録が終わってちょっと時間が空いたのでご飯でも食べて大阪を離れようかと思って、たまたまいちばん近くにいた彼に「どっかおいしいごはん屋さんはない?」と聞いてみることにした。

「あ、それなら僕が知ってる店、一緒に行きませんか?」

今考えたら、この答えの重要な部分は「彼」だったのかもしれない。



何でこんなことをしてるんだろう。
何度も顔を合わせて、何度も言葉を交わして、何度も一緒にいたはずなのに。
それだけでよかったはずだったのに。

何で、こんなことをしてるんだろう。


「……そういえば、矢白さんてさぁ」
「はい?」
「こないだ言ったの、覚えてますか?」
「こないだ?」
「はい。梅田の横断歩道の前で言ったこと」

『僕は矢白さんが欲しいです』
彼は確かに僕にそう言った。僕もその時に初めて「ああこれって、やっぱり一目ぼれなのかも」という感情が胸の中で渦巻いて、帰りの飛行機の中では目を閉じたままでずっとそればかりを考えてた。
でも、やっぱりそれじゃいけない。
僕には家庭もあるし、彼だって氏腹くんというちゃんとした彼がいる。

仕事で一緒になるってだけ。
本当は、そんな感情、持っちゃいけない。
182弁護士ヤツロ×炉算須賀 2:2007/02/23(金) 22:16:36 ID:KZ8Zdlgt0
「………ねえ、聞いてるん?」
「…っえ?ああ、ごめん。えーと、どこまで話したっけ…」
「だから、矢白さんが欲しいって言ったこと覚えてるって言うたんですけど…」
「ああ、あれか……もちろん、覚えてる」
「じゃあ、どうして僕がこの店…、しかも個室選んだのか、分かる?」
「それは分からない」
「個室選んだ最大の理由はね……こうすること」

須賀くんが僕の胸の中に顔をうずめてきた。
向かい合わせではなくて、隣どおしで接近している状態からのこのシチュエーションに、僕は成す術もなかった。
ただ、あるのは、罪悪感。

「でも、……ちょ…、いくらなんでもここでこんなこと…、ちゃんと、食べないと……ね?」
「ご飯なんかどーでもええ……いちばん欲しいのは矢白さんって言うたでしょ………?」

上目使いで、僕を見る潤んだ視線。
これ以上僕にどうしろって言うんだ。
彼は、確かに小さくて、女の子みたいで、すごくかわいいけれど……そんなんじゃいけないんだ……分かってるはずなのに。
カラダは、言うことを聞いてはくれなかった。

「本当に……いいの?」
「え……」
「僕で、本当にいいのかい?」
「うん……矢白さんが…欲しいから……今すぐに……」
「須賀く……」
「連れてって……泊まってるんでしょ…?」
183弁護士ヤツロ×炉算須賀 3:2007/02/23(金) 22:17:51 ID:KZ8Zdlgt0
僕は彼の肩を抱きながら、彼を好きでも嫌いでもないような妙な感覚に苛まれて店を後にした。
ホテルに向かう間、彼はずっと僕のコートの裾をぎゅっと握って離さなかった。別に邪魔でもなかったのでそのままにしていたけれど、もしこれが公園なんかにいたとしたら、とんでもない事態を招いてたかもしれない。
今でも、とんでもないんだけれど……。


部屋に着いてから僕は、すぐに須賀くんをぎゅっと抱きしめた。着てる服もそのまま、鞄も何もかも放り出して、すぐに床に彼を押し倒した。ずっと潤んだ瞳で僕を見るから、その顔に欲情してしまったのだ。僕らしくなく、止める勇気もなかった。
でも、今あるこの感情を捨てたら絶対にもったいないと心のどこかで思っていたのだろう。僕の中にある天使と悪魔が戦った挙句、今は両方とも力尽きている。
そんな思いを抱えながら、僕は彼を初めて抱いた。


「あ…っ…やし…ろさ……」
「どう…?ここ…」
「そこ……っ…やぁ…っ……触っちゃ…だめ……」
「先端もすごく敏感になってる。須賀くんって、女の子みたいってずっと思ってたけど、喘ぎも女の子みたいだ……身体は男らしいのに」

すでにベッドの上で全裸になった僕ら。須賀くんはずっと僕のやり方に反応してくれている。
彼がいちばん感じてる先端を僕の唾液で濡らした指先でそっと撫でると、背中を反らせながら甲高い声で喘いだ。
184弁護士ヤツロ×炉算須賀 4:2007/02/23(金) 22:18:29 ID:KZ8Zdlgt0
「ひゃ…っ……」
「恥ずかしい……?俺にこんなことされて、ひろは恥ずかしい…?」
「はず……か…し……し、やぁ…だ……」
「やだなんて言わないで。やりたいって言ったのはひろだよ?だったら、最後までちゃんと、俺の言うこと聞いてくれないと」
「ってか、矢白さ…、さっきから言葉…っ……」

自分でも分からないんだ。
身体を重ねると、僕は自分のことをこう呼んでいる。嫁さんとした時すらこんなことはないのに。
ただ、ひろのことが可愛いと思うと……いじめたくなるんだ。
だから、許して。
ひろなら、許してくれるよね?

「はぁ…あ……っ……も…、イカせ…て…、や……しろさ……」
「どこをイカせて欲しいの?」
「ん…っ……あ……ぁ…僕の…、ぼ…くの……いちばんやらしい…とこ……っ」
「どこか言わなきゃ……俺は分からないよ?」
「やんっ……意地悪しないでぇ……!」

気づけば、2人の身体は汗と体液で十分に湿っていた。その湿った身体を温めるように抱き寄せて、深く深くキス。
舌を絡めると、彼は僕よりもセクシーな顔をしながら「もっともっと」と目で煽る。
その煽り方もたまらない。

僕は本当に、おかしくなりそうな気がする。

「ひろ……ほら分かる…?もう入り口がひくひくしてるよ…」
「早く…っ……欲しい…っ…矢白さん……っ」
「秀機って呼んでも構わないよ……」
「……っ…あ……ひで……きぃ……っ…ねぇ早く…っ…僕に……全部ちょうだい…!」
「じゃあさ…俺何も知らないから…上に来て、自分から挿れて…?」
185弁護士ヤツロ×炉算須賀 5:2007/02/23(金) 22:19:07 ID:KZ8Zdlgt0
髪を優しく撫でながらそういうと、彼は素直に僕の上に来て、そして自分から僕の自身を挿入してきた。
初めて味わう、女性以外の「身体の中身」。
男同士で、互いにいちばんよく感じる場所を知ってるもんだから、余計にそれが分かりあえてきて気持ちが昂ぶる。
頭の中の罪悪感は、それでも拭えなかった。

「あっ……すご…っ……秀機のが…入ってる……おっきいのが…入ってる…ぅ…」
「ひろ…気持ちいい?」
「すっごい……めちゃくちゃ気持ちいいよ……早く、早くイキたい……」
「俺の上でゆっくり動いていいよ…。俺はひろのやらしい顔をじっと見てるから」
「やだ…っ!…見ちゃいや………」

顔をしかめながら、それでももっとして欲しいとばかりに僕を煽る。
ねえひろ、僕は君をどうしたらいいんだろう。
絶対に、好きになってはいけないと分かっていながら、こんなことをするなんて。
司法に携わる人間として、絶対おかしいよね。

「あ、ああっ、………もっ……だめ……っ」
「もう……いく?」
「ああんっ……ひで……きさ……秀機さぁ……っ…」
「俺も……なんか……ヤバくなっ……あっ……!」
「やっ…そんなしたら……あ、あっ……いっ……イッちゃ…やああぁっ………!」
186弁護士ヤツロ×炉算須賀 6:2007/02/23(金) 22:19:42 ID:KZ8Zdlgt0
すべてを終えた僕らは、シーツに包まったまま、そして抱き合ったままずっと見つめあっていた。どうしてそうなったのか分からないけど、見つめてなきゃいられなかったのだろう。
僕は彼の細い髪をゆるりと撫でる。すると彼も細い指先で僕の頬を撫でてくれる。
セックスって、この瞬間がいちばん幸せなんだろうか。

「矢白さん」
「ん?」
「僕は……間違ったことしてると思いますか?」
「それは……僕の台詞でしょ……。僕は君の事を…ていうか、初めて男を抱いたんだ。間違ったことをしてるって、何度も思ったよ」
「僕は矢白さんがそばにいてくれたら、それでいいんです」

僕には家庭がある。
須賀くんにも氏腹くんという大切な人がいる。

「裏切れないよ……やっぱり……」

少し小さめの声で囁いて、僕はごめんねの気持ちを込めてそっと彼の細い身体を抱きしめた。
187弁護士ヤツロ×炉算須賀 終:2007/02/23(金) 22:20:25 ID:KZ8Zdlgt0


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                ◇,,(∀・  ) イケナイ関係?この2人、どうなっていくんでしょ?
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188風と木の名無しさん:2007/02/23(金) 23:11:25 ID:l8S303zFO
>>187
イケない関係キター!(;゚∀゚)=3ハァハァ
自分、前にヤツロ×須賀を投下した者ですが仲間が増えて嬉しいです!
189吸血鬼バルド4:2007/02/23(金) 23:16:44 ID:QdiyLqpt0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  オリジナル バルド×クラウス
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   エロなし。1人悩むクラウスです。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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190吸血鬼バルド4:2007/02/23(金) 23:17:40 ID:QdiyLqpt0
寂寞の空間を、ランプの灯りだけが静かに暖かみを主張し、
仄かなオレンジ色で部屋を染めていた。
その傍らで、クラウスが、抱えた膝に埋めていた顔をゆっくりと上げる。
どれくらいこうしていたのだろう。
そう考える程には落ち着きを取り戻していた。
城を出る。外は黄昏の名残さえ無く、日はすでに落ちていて、
木々の葉を通り抜けた月光が幻想的な雰囲気を演出していた。
「きれい‥‥‥」
自分の口が自然と見たままを言葉にするが、心には何も響いていない。
帰ろうーーー。
このまま一人でここに居る事に耐えられない。
「夜」「真っ黒な服を着た男の人」
どこにでもありそうな符号に嬉々として飛びついたのが
惨めでならなかった。
ランプで足もとを照らしながら、歩き出し‥‥‥
すぐにクラウスの足が止まる。
照らされた地に小さな真紅があった。
「‥‥‥花弁」
手に取ってみる。
しっとりときめ細かな肌を思わせる赤い一片。
「薔薇?」
たしか、ここの中庭に‥‥‥
『空から花が降って来るって』
何かに気付いたクラウスの瞳が大きく見開き、
弾かれたように引き返した。
191吸血鬼バルド4:2007/02/23(金) 23:19:07 ID:QdiyLqpt0
城の内部を突っ切って回廊で囲まれた中庭に出る。
繊細な模様が施された円柱の列に挟まれた石畳が、
中庭の中心で円となり、その周りを花が埋め尽くしている。
月の下、酔いそうになる程の甘い香りを漂わせるたくさんの薔薇が、
バルドが去った今も、不思議な事に枯れる事なく咲き誇っていた。
クラウスが闇にも浮き上がる白い石畳をランプで照らして、
赤い花弁があちらこちらに落ちているのを確認する。
間違いない。
誰かがここに来たんだ。
ヴィリーの妹達の言っている事を信じたとして、
花をここの薔薇とするならばーーー。
ーー夜に真っ黒な衣服を着た男が空から花を降らせていたーー
空を飛ぶのは人間には無理だ。
人間ではない何かがここに来て薔薇を持って行った。
バルドではないかもしれない。
バルドだったのかもしれない。
また、会えるかもしれない。
新たな符号の一致に心が舞い上がるのを自覚した。
いや、一致しているかどうかもわからないのだ。
ただ、そこに花弁があっただけ。
そう、全て自分の期待に基づいた推測でしかない。
そして、また失意で悲鳴をあげるかもしれない。
たぶん、そうなるだろう。
だが、これも推測だ。
はっきりしている事は一つだけ。

バルドが好きだ。
192吸血鬼バルド4:2007/02/23(金) 23:20:29 ID:QdiyLqpt0
どんなに目を逸らそうとしても無理なんだと、地下室で痛感した。
忘れるなんて事はもうしない。
この気持ちは誰にも譲らない。例え、バルドでさえも。
会えないのはわかった。あんたは去ったんだ。
だけど、後少しだけ、夢を見ていてもいいだろうか。
薔薇という最後の切り札に望みを託し、
胸を踊らせながら、ここで、あんたを待つフリをさせて欲しい。
後、何ヶ月か過ぎれば、村を出る事になる。
せめてそれまで、夢を見ていたいのだ。
そうして、何事もなかったかのように、街での忙しい日常に耽り、
あんたを思い出としてずっと抱えて生きていく。
胸は痛むだろうけど‥‥‥。

次の日から、クラウスは夕暮れになると、
いつかみたく、城に通い始めた。
あの頃と違うのは、優しく迎えてくれる城の主人がいない事と、
そう頻繁に行けなくなった事。
勉強の事もあり、親の監視が厳しくなって、
部屋から抜け出す事が難しくなったのだ。
193吸血鬼バルド4:2007/02/23(金) 23:22:20 ID:QdiyLqpt0
ヴィリーの妹達にも何を見たのか確認した。
彼女達がいうには、夜、家の二階の窓から
空を移動する男の人を見たというものだった。
朝になって地面に赤い花弁が落ちていたのを見つけて、
『空から花を降らす』になったそうだ。
妹達から真剣に話を訊きだすクラウスを、ヴィリーが不思議そうに眺めて、
「おまえ、童話でも提出するのか?」
と、聞いてきたのでそういう事にしておく。

季節がかわっても、城の薔薇は自分の気持ちを表したかのように
枯れる事はなく、また、ここに誰かがやってくるという事もなかった。

日々は駆け抜ける。

誕生日が近づいてきたその日の晩も、
クラウスは城の中庭にいた。
風が強く、蒼い光をまき散らす天の真円を
薄い雲が隠しては足早に去っていく。
194吸血鬼バルド4:2007/02/23(金) 23:23:09 ID:QdiyLqpt0
円柱を背に座り、ランプの明かりに本を読んでいるクラウスが、
石畳が、麗しの華が、夜陰に溶けては蒼く浮かび上がる。

ゴウッ、と風が唸った。

赤い薔薇の花弁が一気に舞い上がる。
思わず閉じた目を、クラウスは開いて、
そして瞠目した。
円形に敷き詰められた石畳の中央、乱れ散る紅を背景に
漆黒の衣装に身を包んだ少年が立っていた。
自分と同じくらいの年に見える少年がゆっくりと上げた顔を月光が照らす。
舞い降りる薔薇の花弁が青銀の髪と青い瞳をさらに美しく際立たせた。
突然現れた少年に目を奪われていたクラウスは、
自分の体が震えている事に気付いた。
怖いーーー。
少年の青い瞳がのろのろと立ち上がるクラウスを映す。
月明かりが降り注ぐ中、二人の視線が絡んだ。
195吸血鬼バルド4:2007/02/23(金) 23:25:06 ID:QdiyLqpt0
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196風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 00:09:46 ID:pLj0/OzG0
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  └──────│ハ/ケ/ソの/品/格 大小 124の続きです
                └───────────────

短いのでおまけみたいな感じで読んでいただければ……
197ハケソ 1/3:2007/02/24(土) 00:17:04 ID:pLj0/OzG0
 さっきよりも深く口付けると、ケソちゃんの手が俺の腕をぎゅっと掴むのが分かった。
安心させようと思ってキスしたままぐっと引き寄せると、逆効果だったみたいでケソちゃんは益々腰が引ける。
「……ショウヅさん」
少し荒くなった息の間から絞り出すような声で俺の名前を呼ぶ。
あぁ、そんな声出さないでくれ。いよいよ我慢が効かなくなって、
黙ったままケソちゃんを押し倒すと、ケソちゃんは戸惑ったように目を逸らす。
「ショウヅさん」
「―何」
「……やっぱり、やめよう?」
「……は?」
「―冗談でも、おかしいよ、こんなの」
「……はぁ?」

冗談じゃないのは、ケソちゃんの方だ。
ここまできてやめる?生殺しか?本当に冗談じゃない。俺だって男だ。
据え膳食わねば男の恥だぞ?ケソちゃんだって分かるだろ?
「冗談じゃないよ、無理だよ、もう俺我慢できない」
……それに、ケソちゃんだって
「―我慢できないのは、ケソちゃんもじゃないの?」
止められた仕返しに、そっと首筋を撫でる。俺を押し返していた腕の力がふっと弱まって、その隙に耳を噛んだ。
溜息のような吐息が漏れて、それが俺の首筋をかすめる。
「―っ、だ、めだよ、こんなの……」
吐息混じりのそんな声で抵抗されたって、こっちとしては興奮材料にしかならない。
「だめじゃない」
薄くなりかけている昨日の痕に歯をあてると、
ケソちゃんはきゅっと首をすくめながらもまた抵抗する。


「……だ、って、オレの事……好き、で、もないのに……こんな事……っ」

今度は言葉すら見つからなかった。
198ハケソ 2/3:2007/02/24(土) 00:18:29 ID:pLj0/OzG0
「―俺が、ケソちゃんの事……好きじゃない、って」
茫然自失になりかけて、動きの止まった俺をまた押し返すと、
ケソちゃんは潤んだ目できっと俺を睨む。
「酔った勢いだったんだろ?……今だって……」
睨んだままの目にまた涙が溢れてきて、俺はたまらずケソちゃんの顔に手をやる。
「―やめてよ、そういう事されると……また勘違いしちゃうんだよオレ……
もう……辛いんだよ」
そこまで言うのが精一杯だったのか、ケソちゃんはまた顔を手で覆うとそれきり黙ってしまった。

「そうだよ、ケソちゃん勘違いしてるよ。とんでもない勘違いだ」
嫌がる手をほどいて抱き起こす。びったりくっつくように抱きしめると、
ケソちゃんと俺の心臓がドキドキしてるのが分かる。
「……そりゃぁさ、昨日の事は正直、覚えてないけど」
髪を撫ぜながら、子どもをあやすみたいに囁く。
「好きでもない奴にキスしたり、抱きしめたり、まして興奮したりしないよ」
ケソちゃんが一瞬息を呑むのが分かった。
「……これ以上言わせるなよ……俺は、ケソちゃんの事、好きだから」
199ハケソ 3/3:2007/02/24(土) 00:19:48 ID:pLj0/OzG0
そこまで言って少し身体を離すと、ケソちゃんはやっと全部理解したらしかった。頬を真っ赤に染めながらもほっとしたような顔がおかしくて、俺はたまらず吹き出してしまう。
「前から思ってたんだけどさー、ケソちゃん天然だよな」
「だって……オレはほんとに」
「分かった分かった、みなまで言うな」
このままだとお流れになってしまいそうなイイ感じの空気を壊したくなくて、
もう一度ケソちゃんをゆっくりと押し倒した。

「二回も泣かせちゃって、ごめんな」
また濡れてしまった目蓋をそっと舌でなぞる。
しょっぱいような甘いような涙の味がちょっと切なくて益々ケソちゃんの事がいとしくなった。
「ショウヅさん、ありがとう」
ケソちゃんが耳元で呟く。いつもより掠れた声が堪らなくて、返事はキスで応えた。
200風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 00:21:12 ID:pLj0/OzG0
          _________
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                ◇,,(∀・; ) 今回もエロなくて申し訳ないお
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  |                                |
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またもや生殺し状態スミマセソ……小がバカすぎたため収拾付かずorz
この二人はギシアンよりベッドでいちゃこらやってるほうが萌えるんだ……
201風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 00:23:01 ID:NmxP3Y7D0
>>200
姐さんGJ!ケソちゃん可愛すぎるよケソちゃん
202風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 00:35:01 ID:C8Y2Kd8rO
>>200
超GJ!!!
萌えすぎてやばいです
神ありがとう!!
203風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 00:53:34 ID:koU6OreG0
>>200
激しく萌えますた・・・!!
可愛い二人をありがとうございます
204風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 01:27:56 ID:+7olvV2xO
>>160

遅レスですが。
ヤター!小大ダーーッッ!!!
GJGJですよ!!!
次回の投下を心よりお待ちしております!!
205風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 01:51:14 ID:kVD6ALrz0
>>174
理想的な銀全だよGJ!!

>>189
どう続くのか期待が高まりまくりんぐ
続きにwktk
206風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 02:17:46 ID:PPqILWxT0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  携帯獣の幻親×遺伝子息子→ボスです。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  元々携帯で書いたのが丸分かりな文体だよ!
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
207風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 02:20:44 ID:PPqILWxT0
サ/カ/キと離れてから、もう随分経つ。

彼との記憶を思い返す。協力、戦い、拘束、そして―――――。
生まれて初めて、性欲を知った。同時に、快感も。

サカキと離れてから、もう随分経つ。彼の手で、性欲を満たされる事はなくなった。
ミュ/ウツーの身体が疼いてくる。サカ/キにされた行為、体温、掛けられた言葉が、蘇る、甦る。
「はぁ、はぁっ……」性欲の、処理。
ミュ/ウツーは自分の性器にそっと触れた。それだけでも快感は押し寄せる。
サ/カ/キの手は、この後どうした―――? 記憶を、あのごつごつとした指の動きを追うように、手を動かす。
「ぁ、あ………」
手と性器の皮膚を密着させて。
サ/カ/キは――――。
サ/カ/キ――――――。
『     』『      』『       』
過去の彼の台詞が、今の自分をも感じさせる。
サ/カ/キ、サ/カ/キ、サ/カ/キ、
「うっ、はぁ……く、」
「ッサ……カ、キ……」

サ/カ/キ!
「ふ……ぁっ、サ、カ……ッ」
「何してんの?」

身体を強張らせて顔を上げると、小さな桃色の幻ポ/ケモ/ン。
ミ/ュウがいた。
いつもの皮肉な笑顔で。

208風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 02:25:15 ID:PPqILWxT0
この状況をどう回避していいか分からず、とにかくミュ/ウツーは羞恥に震えながらしどろもどろする。
「……い、いつからいた……」「さあね」
本当はミュ/ウツーが自慰を始める前からだが。気配は消していた。
彼の返答に悔しそうに口を開きかけたが、何と言えばいいのか分からない。
圧倒的に、不利な立場だ。足を開いたままだと気付き、慌てて閉じようとする。ミ/ュウが言葉で制す。
「そのまま続けなよ」「なっ、、」「ちゃんと見といてあげるから」
まるで助け船を出してやっているかの様な口調。出来るわけがない。
「いいから」ミ/ュウの目が鋭くなる。彼の瞳の奥の、NOと言わせない輝きは今日も健在だった。
ミュ/ウツーの秘部を、ミ/ュウが凝視する。
「……見るなっっ、」「なんで?」「っ……」
すっかり萎えかけた筈の性器が、少し頭をもたげた。「あぁ……見られただけで感じちゃうんだ」
冷たい嘲笑。「ぐっ……」
情けないが、このまま見られているだけで、完全に芯を持ってしまったら。
それだけは避けなくてはならない。視姦で反応した事実を隠すように。
ミュ/ウツーは顔を真っ赤にしつつ、ミ/ュウの目の前で自身を再び扱き始める。
「ん……はっ、ふ」ミュ/ウツーの手前、出来るだけ声は殺す。鼻にかかった吐息が、息にしては大きめな音を立てたけれど。

「ねえ」びくっとして、ミ/ュウの方へ目を泳がせる。
「ボクの話ちゃんと聞いてた?」
「なにをっ……」
こうやって言う通りにしているではないか。
「゛そのまま゛続けろって言ったよね?」
「だからっ…………」「………っ!」
「さっきみたいに、あいつの名前で喘いでみせてよ。」

目を輝かせ、楽しそうに口角を上げる顔。目には絶望の色を映し唖然と口をつぐむ顔。
お互いどこか似た、二つの顔があった。

サ/カ/キと離れてから、もう随分経つ。教わった体温、教わった行為、教わった感情―――。
数えきれないほどの記憶が、別の誰かに塗り固められていく。
叶わなかった思いを、叫びながら。
209風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 02:29:13 ID:PPqILWxT0
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 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 改行の数チェックしてなくて時間かかったorz
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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この内容で伏字使うのはなあと思い、/多用させていただきました
今考えると一レス目の伏字がほぼ無意味…。
ここまで読んでくれて有難うございます。
210武/装/錬/金 防×火:2007/02/24(土) 09:25:56 ID:7CQq4SPm0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  無想連筋から、防×火風味です。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  無駄に長いけどエロはナシ!
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
注・アニメ視聴オンリーなので設定が原作と違っているかもしれませんがご了承ください。
アニメの7年前、坂口小隊が任務に失敗した事件の直後を舞台にしたオリジナルSSです。
211武/装/錬/金 1 防×火:2007/02/24(土) 09:28:18 ID:7CQq4SPm0
 防人が所属する坂口小隊が任務から帰還して3日が過ぎていた。
 初めての任務の失敗。しかも膨大な犠牲者を出して。どれだけの
子供たちがおぞましいホムンクルスどもに食われたことだろう。彼
らは髪一筋も残さず、この世から消え去ってしまった。世間にはい
ったい何が起こったのかを知られることさえなく。
 錬金戦団に帰還してからというもの、坂口をはじめ、小隊メンバ
ーの防人、千歳、火渡は連日、委員会の厳しい査問にかけられていた。
小学校が丸ごと一つホムンクルスによって消失したのである。責任
を問われるのは当然だった。
「一切の責任は私にあります。君たちには累が及ばないよう尽力し
ますので、防人君は火渡君と千歳さんを支えてあげてください。そ
れでなくとも強いショックを受けていますから」
 坂口戦士長の言葉に従い、精神的疲労からついに入院してしまっ
た千歳を防人は見舞っていた。
「心配をかけてごめんなさい。入院するほどのことじゃないんだけ
ど。別に寝込むほどじゃないし」
「無理をするな。顔色がまだ悪いぞ。お前への査問は終了というこ
とになったそうだから、今のうちに休んで気力と体力を回復させて
おけ」
 その言葉にうなずくと、千歳はベッドのそばに置かれた花束を防
人に渡した。
「今朝、買っておいたの。あの子に持っていってあげて」
212武/装/錬/金 2 防×火:2007/02/24(土) 09:30:44 ID:7CQq4SPm0

 自分で持っていけばいいじゃないか、という防人に千歳は笑って
「レディーの病室を訪ねるなら花を持っていくのは当然」と答える。
 考えてみればこの病室に来るときも防人は手ぶらだった。おまけ
に服装はいつものシルバースキンのコートに帽子である。病院にそ
ぐわないこと夥しい。病院ではせめてシルバースキンだけでも解除
すればいいのに、と言う千歳を笑ってごまかし、防人はかの事件で
唯一生き残った少女、津村斗貴子の病室へ向かった。ちなみに、千
歳に見舞いの品を持ってきていないことには気づいていない。そこ
まで気を回すには−−彼自身は認識していなかったが−−あまりに
も疲れ果てていた。
213武/装/錬/金 3 防×火:2007/02/24(土) 09:32:05 ID:7CQq4SPm0

 集中治療室のベッドに横たわる斗貴子はまだ、意識を取り戻して
はいなかった。
 医者によると肉体的には問題ないが、精神にダメージを受けてい
る可能性があるという。無理もない。おそらく、目の前で友人たち
がホムンクルスどもに食われていく地獄絵図を見たのだろう。彼女
一人でも生き残ったことが奇跡なのだ。
(そう、奇跡だ)
 防人はつぶやく。
 雨の中、ホムンクルスに蹂躙された挙句に泥流に埋まった小学校
で、泥にまみれながら生き残りの子供を気が狂ったように探したこ
とが脳裏に蘇る。
 泣きじゃくる千歳。天に向かって慟哭する火渡。坂口すら、生存
者の存在を諦めていた。小隊全員の心が折れかけていたあの時、少
女は半ば土砂に埋もれたロッカーの中から、最後の力で音を立てて
自分たちに生きていることを伝えたのだった。
(よくぞ、生きていてくれた)
 眠り続ける斗貴子の小さな手をそっと握る。
 シルバースキンの手袋ごしでは彼女の体温を感じることはない。
だが、二度とこの少女を、そして仲間たちも傷つけさせはしない
−−その想いが、防人からシルバースキンを解除させることを許さな
かった。
214武/装/錬/金 4 防×火:2007/02/24(土) 09:33:30 ID:7CQq4SPm0

 少女を見舞った後、病室を出るとそこには火渡がいた。彼もまた
少女の様子を見にきたらしい。防人が出てくるのを見て慌てて背後
に隠したが、花束を持っているのは一目瞭然だ。
「……あの子は、元気か?」
「ああ。まだ意識は戻っていないが、命に別状はないらしい」
「そうか……」
 火渡は一瞬安堵したような顔をしたが、防人の前だということを
思い出したのか、すぐ顔を引き締めた。そして持っていた花束を防
人に押し付ける。
「これは?」
「……千歳からだよ。意識が戻ってねーのに花飾っても仕方ねぇだ
ろうけどな。お前、活けとけ」
 防人は苦笑した。見え見えの嘘だ。
「ああ、分かった。先刻、オレも千歳に花束を持たされたばかりな
んだけどな」
 うぐ、と唸る火渡。つくづく嘘がつけない男だ。こういうところ
が坂口戦士長にからかい……もとい、可愛がられる所以なのだろう。
「お前は……大丈夫か」
 おそらくあまり眠っていないのだろう。火渡の目が赤くなってい
るのを防人は見逃さなかった。
「大したことねえよ。……そりゃ、お前ほどタフじゃねえけどさ」
 それよりお前こそ少しは休めと火渡が言葉を続けるのを遮って防
人は言った。
「ありがとう」
215武/装/錬/金 5 防×火:2007/02/24(土) 09:34:17 ID:7CQq4SPm0

 唐突な言葉に火渡がぽかんとした表情になる。
「礼を言われるところじゃねぇだろ。何だよ、いきなり」
「お前はいつも、そうやって皆を気遣ってくれている」
 一見ガサツで強引に見える火渡。だが本当は、繊細で傷つきやす
いことを防人は共に行動するうちに見抜いていた。荒っぽい態度は
虚勢に過ぎない。本当は自分などよりずっと心配性なのだ。
 だから。
「すまない」
 防人は火渡に近づくと、その体躯を抱きしめた。またしても唐突
な防人の行動に何しやがる、と火渡が暴れるが無視する。元より火
渡の体格では肉体的に防人に逆らうのは難しい。
「あの子にも……お前や千歳にも辛い思いをさせたな。すまん」
 暴れていた火渡が動きを止める。その隙に防人は火渡の頭を抱え
て自分の胸に押し付けた。そしてもう一度、すまんと謝る。
「防人、お前……」
 火渡がつぶやく。
 そして、二人の間にしばしの沈黙が流れた。
216武/装/錬/金 6 防×火:2007/02/24(土) 09:35:22 ID:7CQq4SPm0

「オレは謝らないからな」
 不意に火渡が口を開いた。その強い口調に防人は驚く。
「戦いなんて不条理なモンなんだ。俺たちの思うとおりに全部のコ
トが進むわきゃねぇんだ。ハッピーエンドだけで何でもケリがつく
ほど世の中甘くねぇ。力が足りなかったのは事実だが、オレはもう、
絶対にあの子にだって、戦士長にだって謝らねぇぞ−−」
 だから、お前にも謝らせねぇ。お前も千歳も、これ以上誰かに謝
ったりしたら、そいつらごとオレがブッ飛ばすからな。
 防人に抱きしめられたまま、火渡は言葉を続けた。涙を懸命にこ
らえているかのような声だった。そのとき防人は、己もまた火渡の
腕に抱きしめられていることにようやく気づく。
 たとえ誰が何を言おうとも。自分だけはお前を責めたりはしない。
 だからこれ以上、自分を責めるな−−。
 粗暴な言葉ではあるが必死に訴える火渡の言葉を聞いて、防人は
思い出す。火渡は決してただ強がっているだけの男ではない。彼は
自身が張っている虚勢が、いつか真実の姿になるように。たとえ今
日は無理でも、明日は己の言葉を真実に出来るように、常に上を向
いて歩いていく男なのだと。−−時に、その真っ直ぐさが妬ましく
なるほどに。
 シルバースキン越しには伝わらないはずの火渡の身体の熱さが伝
わってくる。防人の目からいつしか涙が流れ始めていた。火渡を抱
く腕に力がこもる。
 からん、と乾いた音がした。解除されたシルバースキンが核金に
戻って、二人の間に落ちた音だった。

217武/装/錬/金 終 防×火:2007/02/24(土) 09:38:48 ID:7CQq4SPm0

 | __________  |
 | |                | |
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読んでいただき、有難うございました。
……何でこんなに二人とも暗く orz
エチーありの後半に続く…予定です
218風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 11:32:25 ID:GaWxSUcVO
>>217
GJGJ!!!!!
私もアニメのみの人間だが禿萌えた。
後半期待してます!
219風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 12:58:45 ID:6zppg4jJO
>>217
GJ!!
アニメのツンデレで可愛い火渡らしさがすごいよく出てて、激しく萌えました!
この上後半に続くなんて、今からwktkが止まらない。蝶期待してます!
220風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 14:11:56 ID:+QSd4HhWO
>>99
遅レスですが…もう、何を言えばいいやら、どう表現していいやらわからないくらい感銘を受けました…
美しすぎる文章に泣けて泣けてしようがなかったです。
もとの映画も大好きで、DVDも買ったくらいなのですが、原作の雰囲気そのままの
悲しくて美しい二人の姿が素晴らしすぎました。
なんだか、軽々しく『萌え』なんて言えないほどに。
読みながら情景がはっきりと目に浮かぶ繊細な文章も、読んでいて快感を覚えるほどでした。
本当に、このような作品を拝読させてくださって、ありがとうございました。
もう一度読みます…
221numb*3rs兄弟話:2007/02/24(土) 14:44:14 ID:yKv8fnA90
 狐CHで放送中のnumb*3rs兄弟話
いつも投下してくれてる姉さんとは別人間ですが、
今、萌えあがってるので投下させてください。

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  └──────│やまも落ちも意味もエロもないし暗いよ
                └───────────────
222numb*3rs兄弟話:2007/02/24(土) 14:45:45 ID:yKv8fnA90
僕は。
僕を傷つける物事に出会うとガーレジと数式の世界に閉じこもって自分勝手な安らぎに逃げ込むと言われる。
ママが癌になった時、その命を神に召された時。ドンが僕の計算の失敗で怪我をした時。
そう、僕は数式に逃げ込むことしか出来ない。それは立ち向かう強さがないから?イエス。
・・・・・・・・・・・・・でも本当はそんな単純な理由じゃない。




6歳の時、「天才」でも僕は少年だった。7歳の時も12歳の時も、ドンと同じハイスクールに通っていた13歳の時も、僕は少年だった。
そして少年だった僕は、ある「空想」に必死だった。ドンは信じないだろう(当時のドンもおそらくは現在のドンも)、彼は僕の世界には数字に対する関心しかないと思っていたから。
数学的理論に必要なイマジネーション以外に、僕は何も持たない「天才児」だと思われていたから。
でも実際の13歳の僕は。僕はいつもドンに理解されたかった。僕の書き連ねる数式を理解して欲しかったわけじゃなく。数学がどんなに素晴らしいか、数字を通して世界を見つめることが出来ることを。そして、そんな僕を理解して欲しいと思っていた、唯一の弟として。
223numb*3rs兄弟話:2007/02/24(土) 14:47:32 ID:yKv8fnA90
だから僕は、「自分とドンの兄弟像」を空想することに必死だった。キャッチボールをし、ハイスクールですれ違えば
「今日の調子は?」って頭を撫でられる。たまには食堂でランチを取りながらイジワルな教師の悪口を言い合う。
ドンの野球の試合では僕はいつも最前列を陣取り、ドンがホームランを打てば「あれは僕のお兄ちゃんなんだよ!」
って周りに自慢する。
でも実際は?キャッチボールはおろか、ハイスクールですれ違っても「よう、チャーリー」って僕の目も見ずにおざなり
に言ってドンは通り過ぎていく。必要以上に僕に話しかけない、僕が話すことに必死になればなるほどドンは苛々を募
らせ、野球の試合を見に行けば迷惑だと言わんばかりで(それは僕がドンのフォームを見てファーボールの数を言い
当てたり、試合展開を確立と統計論を用いて説明しようとするからだけれども)、とにかく現実の僕とドンは始終そんな
感じで、名刺に「ドンの弟、数学者チャールズ」「チャールズの兄」と書かれているだけの内密さしかなかった。
だから僕の空想はいつしか辿り着くことの出来ない未来によって作り出された「現在の幻」になって、理想が作り出す
幻想が、まるでブラックホールのように僕を飲み込んでしまうことを恐れた。そう恐れて、僕は空想することを放棄した。
後に残ったものは数式だけ。数式だけが僕の現実で僕の慰めになった。
224numb*3rs兄弟話:2007/02/24(土) 14:49:55 ID:yKv8fnA90


「いつまでもそうやって自分の殻に閉じこもってないで現実を見つめろ!」
ドンは僕に言ったけれど、僕はもうずっとずっと、現実を見つめてきたんだよ。
ドンに関心をもたれない天才数学者のチャールズ・エップスと言う現実を。
弟として存在すらしていない事実を。その事実を見つめ続けてきた僕は充分に傷ついて、
その上いったいどうやったらママの死や、自分がドンの命を危険に晒したことに立ち向かえるのか。
ドン、教えてほしいよ。
教えて欲しいよ。






225numb*3rs兄弟話:2007/02/24(土) 14:51:47 ID:yKv8fnA90
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
変な改行になってしまった、読み辛くてすみません。
226numb*3rs 兄×弟:2007/02/24(土) 15:07:18 ID:bsXsKg2Z0
投下しようと思って覗いたらこんな素敵なお話が…!
やばい。225姐さん萌えたっつーか燃えた。胃がひっくり返りそう。
いつも数字話投下してる人間だけど、死ぬほど萌えて死にそう。
報われない弟って素敵すぎる。あと弟はきっと本当に空想好きなタイプと見た。
姐さん本当にありがとう。ぜひまたお願いだ!


比べ物にならないアホ話だけどnumb3*rs話を私にも投下させてください 
いつも通り兄×弟。エロです。むしろエロでしかない。    
        _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
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       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌‐^──────────────
  └──────│エロ話の上に無駄に長いよ
                └───────────────


227numb*3rs 兄×弟 1:2007/02/24(土) 15:08:37 ID:bsXsKg2Z0
 
 「わかってよ。……甘えるの苦手なんだ、わかってよ」
 研究室の扉の前に立ちふさがってチャーリーが言う。廊下に出ようとしていたドンは、
突然ドアの前に身体を滑り込ませてきた弟のせいで、前につんのめりそうになりながら、
眉を寄せた。「なんだって?」
 「だから……苦手なんだ。知ってるだろ?」
 ドンを出て行かせまいとしているらしく、ドアノブを後ろ手でしっかりと握ったチャ
ーリーは、上目遣いに兄を見つめて、いらいらした口調で呟いた。むずがる子どものよ
うに肩を揺さぶる弟を見て、ドンはドアに伸ばしかけていた手をぱたりと下ろした。―
―馬鹿馬鹿しい!
 「誰が?お前が?――面白い冗談だな」
 ドンが知る限り、目の前にいる弟は、シュガーコーティングしたドーナツみたいに甘
ったるい存在だ。甘いなんてものじゃない。チャーリーが数学の次に得意なことは甘え
ることだと言ってもいいくらい、甘ったるい。外見も甘ったるいししぐさも甘ったるい。
しかもその外見どおりの性格だ。思い通りに行かないことがあるとすぐぐずる。落ち込
む。泣きべそをかく。強がる。そして結局周囲に手を差し伸べさせる。たとえばドンに。
 こんなやつが甘えるのが苦手なわけあるか、とドンは半ば呆れて弟に視線を向けた。
チャーリーは唇をかみ締め、きつくドンを睨んでいる。6歳のときと同じ表情だ。ダウ
ンタウンへの冒険にチャーリーを連れて行かなかったとき。ドンはそんなことを思い出
して、ふと口元がほころびそうになったが、唇を引き結んで耐えた。
 「冗談なんかじゃない!わかってるくせに!ああもう、ひどいよ、ドン」
 「何が?――チャーリー、時間がないんだ。オフィスに帰らないと」
 なるべく素っ気なく問うと、チャーリーは勢いよくかぶりを振って、軽く地団駄まで
踏んで見せた。――本当にガキだなこいつは、とドンはそれを見て思った。幼いなんて
もんじゃない。そんなドンを見てチャーリーは何を思ったのか、顎を上げてぐっと胸を
反らした。
228numb*3rs 兄×弟 その2:2007/02/24(土) 15:09:48 ID:bsXsKg2Z0
 「768時間。768時間だ」
 「は?」
 数学者の弟が急に数字の話を持ち出すことには慣れている。だが今回もその意図はさ
っぱりつかめなくて、ドンは顔をしかめた。「何のことだ?」
 チャーリーは多少冷静さを取り戻した表情で、しかし口元を引きつらせながら言った。
 「768時間ぶりなんだよ!僕らが会うの。ドンは先月、ちょうど今から一ヶ月と一日
前に、僕と父さんと食事をした。食事の途中でFBIから電話が掛かってきて、ドンはそ
のまま出て行って、それっきり今まで会ってなかったんだから、正確には774時間だよ。
キスやセックスしたのなんて、もっと――」
 ドンは両手を広げて弟の言葉を遮った。弟の言おうとしていることはよく理解できた。
「わかった、わかった、チャーリー、わかったよ」
 チャーリーはまだドアノブをしっかりと握りながら、ドンの制止を聞かずに低い声で
続けた。「そんなに長い間会ってなくて、しかも今朝やっと電話をくれたと思ったら仕
事の話で、それもまあ許すとして、僕の研究室に来てくれたと思ったらろくに挨拶もな
く唐突に分析するデータを渡して、それで――それでとんぼ返り?!」
 しんっじられない。チャーリーは言い捨て、大きく息を吐いた。ドンはその様子を見
て頭痛を覚え、こめかみを擦った。
 「チャーリー、事件なんだ。わかるだろ?」
 確かにここしばらく実家に帰らず、チャーリーや父親には電話すらしていなかったが、
ドンだって好んでそうしていたわけではない。ただ麻薬密売組織の捜査に文字通り寝食
忘れて取り組んでいただけなのだ。デイヴィッドやほかのFBIの同僚たちだって同じ
で、現に今鳴り出したドンの携帯電話の発信元は彼らの内の一人だろう。早く帰ってき
てくれ、見てほしいものが山ほどある、という話に違いない。いつも通りに。
 ドンがスーツのポケットにある携帯電話を探ろうとすると、チャーリーはドアノブを
離して今度はドンの手首を掴んだ。しかもとても強く。ドンは途方に暮れながら間近に
ある弟の顔を見た。電話のコールはまだ続いている。
229numb*3rs 兄×弟その3 :2007/02/24(土) 15:10:40 ID:bsXsKg2Z0
 「人の話、聞いてた?電話なんて放っておいてよ。――何か、何かないの?僕に……」
 震えた声で呟き、チャーリーは俯いてドンの手首を離した。ドンはそんな弟を数秒見
つめてから、ポケットに入りかけていた手を下ろし、弟の腕に触れた。鳴り続けていた
電話のコールがとうとう止んだ。
 「チャーリー、俺だってもちろんお前に会いたかったよ」
 「……そうは見えないよ」
 小さく言って、チャーリーは泣きそうな顔で何度も瞬いた。ドンはチャーリーの肩を
擦りながら、しっかりとした口調で言い聞かせた。「嘘じゃない。お前に会いたかった。
――ただ仕事なんだ。早く帰れるように俺も努力する。だからお前も手伝ってくれ。そ
うしたらそれだけ捜査も進む。――な?」
 顔を覗き込むと、チャーリーはゆらゆらと頭を揺らして頷くようなしぐさを見せた。
まだ泣きそうな顔をしてチャーリーは手を伸ばし、ドンの指をぎゅっと握った。「もち
ろんやるよ。なるべく早くやってみせる」
 「ありがとう」
 ドンが丁寧に言うと、チャーリーは無言で頷いた。そしてそれから握っていたドンの
指先を弄ぶように手を軽く振った。おもちゃに飽きて機嫌を悪くした子どもみたいなし
ぐさだ。
 「わかったな?もう少しの辛抱だから」
 ほら、やっぱり甘えたがりじゃないかと思いつつも、ドンは空いている手でチャーリ
ーを撫でて囁いた。チャーリーは俯いていたが、それを聞くと顔を上げて呟いた。「わ
かった。だけど、――キスくらいしてよ」
 目を瞑った弟を見て、ドンは驚くよりまず吹き出して笑った。「おいおい、ここはお
前の職場だぞ」
 兄弟同士でキスをするにはあまりに無防備すぎる場所だ。ドンが笑いながら仄めかす
と、チャーリーは肩を竦めた。「そうだよ、僕のオフィスだ」
230numb*3rs 兄×弟その3:2007/02/24(土) 15:11:55 ID:bsXsKg2Z0
 淡々とした声に、ドンは笑うのをやめた。こういうときの弟は危険なことは知ってい
た。「おい、冗談だろ?――窓から見えるかもしれない」
 チャーリーはそれを聞いて答えずに大股で窓まで向かっていき、それから一気にカー
テンを閉めて戻ってきた。そして呆気にとられているドンを壁に押し付けるようにして、
囁いた。「これで誰からも見えない」
 「人が……」
 入ってきたら、と言う前に、ドンの唇にチャーリーのそれが押し付けられる。チャー
リーはすぐに唇を離し、間近でドンを見つめた。「さっきドアには鍵をかけた。――ほ
ら、もう何にも問題ないよ」
 やれやれ。ドンは思わず呆れて天井を見上げた。いつだってチャーリーはこうやって
強引に欲しいものを手に入れるのだ。観念して目の前で焦れたように答えを待っている
チャーリーを抱き寄せ、ドンは弟の唇を軽く吸い上げた。チャーリーの腰はそれだけで
震え、両腕がドンの首筋に巻きつけられる。唾液で濡れた唇を開かせ、ゆっくりと咥内
を舌で掻き回し、それからドンは唇を離した。
 「まだ……」
 そう呟くチャーリーの声は震えている。ドンは目を眇めて軽く微笑した。本当のこと
を言えば、こういうとき、弟を苛めるのは少し楽しい。
 「チャーリー、ここまでだ。後はまた今度な」
 「……だめだよ、もっと……」
 そう言ってチャーリーはもう一度唇を重ねてきた。ドンはわざと、首を反らしてそれ
を避けようとした。「だめだ。――俺はオフィスに帰る」
 「やだ。もう一回してよ。あれだけなんてだめだよ」
 チャーリーが子供のようにねだるのに苦笑して、ドンは弟の希望に応えてやった。さ
っきよりきつく抱き寄せ、上顎を舐め上げ、それから舌を深く絡め合う。腰を抱いてい
た手を下げて衣服越しに尻を撫でると、チャーリーはか細く喘いだ。「ドン……」
 「キスだけだ。それで我慢しろ」
231numb3rs 兄×弟その5(上の番号間違ったよ):2007/02/24(土) 15:13:21 ID:bsXsKg2Z0
 耳元で囁きながら、一方で手を首筋や尻に這わせて愛撫する。腕の中のチャーリーは
その手の動きに合わせて身体をびくつかせ、それでもキスを続けようとドンを抱きしめ
てくる。繰り返されるキスの合間にチャーリーは嫌だ、と繰り返した。
 「やだ。やだよ。触ってきといてこんなんで終わりなんてやだ。ドン、ねえ、お願い
だから。お願いだよ」
 「ここでするのか?正気じゃない」
 耳を軽く噛んでからからかってみせると、チャーリーは太ももをドンのそれに押し付
けてきた。「だって、だってもう無理だよ。我慢できない。気が狂いそうなんだ」
 布越しにチャーリーの勃起したペニスを感じ、ドンは目を細めて弟を見つめた。チャ
ーリーは頑固な表情でドンを見返している。ドンはその表情に喉を軽く鳴らした。誰が
甘えるのが苦手だって、とまた思う。チャーリーのことではないのだけは確かだ。
 まったく。ドンは無言でチャーリーのベルトを引き抜き、無造作に床に落とすと片手
でジーンズと下着を膝までずり落とした。ドン。突然の動作にチャーリーが小さく声を
上げたのを聞きながら、チャーリーに激しいキスをし、同時にペニスに触れ、硬くなっ
たそれを軽く撫で上げる。チャーリーが背筋を反らせて反応してみせた。
 何回か撫で、それからきつく扱くと、それだけですぐにチャーリーは達した。手の中
に生温かいスペルマがあるのを見て、ドンはにやっと笑ってみせた。「俺の弟はまだテ
ィーンエイジャーなのか?ずいぶんあっという間だ」
 肩を揺らして荒い呼吸をしていたチャーリーは、それを聞いて真っ赤になった。「意
地悪。誰のせいだよ!ドンが悪いんだ」
 「言ってろよ」
 チャーリーのデスクの上にあったボックスティシューを引っ張ってきて手を拭きなが
ら返すと、腕を引っ張られた。
 「――ここで終わらせないで」
 チャーリーは言いながら足首に絡まっているジーンズや下着を脱いで床に蹴飛ばした。
そしてドンのスーツに手を伸ばし、ベルトを掴むと人の答えも聞かずにそれを外しだす。
手探りでスーツの下でドンもほぼ勃起しているのを突き止めると、チャーリーはほっと
したような顔をして、それから床に跪いた。
232numb*3rs 兄×弟その6:2007/02/24(土) 15:14:47 ID:bsXsKg2Z0
 前を開いたスーツからペニスを探り出し、片手で支えながら舌を這わせ出す。柔らか
い舌が先端に触れ、裏筋を舐め上げたかと思うと今度は深く咥える。刺激的な光景だ。
しかも確かに、チャーリーの言うとおりここしばらくこんな刺激とは無縁だった。ドン
は一心不乱に自分の性器をしゃぶりだした弟を見下ろしながら、軽く呻いた。「チャー
リー」
 チャーリーがもしここで最後までしようとしているなら、大胆すぎると言わざるを得
ない。いくら窓をカーテンで覆い、ドアに鍵を掛けていたって、ここはチャーリーが所
属する大学内の彼の研究室で、しかもまだ昼間なのだ。廊下を通りかかる人間はいくら
でもいるだろう。
 とはいえ下半身には何も纏っていない姿で、床に膝をついてペニスを舐めているチャ
ーリーの姿はひどくいやらしい。ドンだってここでやめたくはない。そもそもチャーリ
ーを手でいかせたときには既に、ドンもその気になっていたのだ。常識家の兄としての
体面の手前、渋ってはみせたけれど。
 ドンがチャーリーが甘え上手だと思う理由のひとつはそこにある。言うことをきいて
やりたくなるようなかわいい我侭ばかりこの弟は口にするのだ。まあ、時には本当に厄
介な我侭も言うし、そういうときは憎らしくもなるが。
 ドンは手を伸ばし、チャーリーの巻き毛を撫でた。5歳年下の弟は舌を使った作業に
夢中になっているのか、柔らかそうな唇から唾液を零し、無意識のうちになのだろう、
物欲しげに自分の腰を揺らしている。ドンはそんな弟を見下ろしながら、囁いた。
 「本当にここでするのか?」
 チャーリーはペニスから唇を離し、潤んだ瞳でドンを見上げてきた。「……言わせな
いでよ。ドン、苦手なんだ。甘えたりしたいわけじゃない。そんなの苦手だ。……ただ、
ただ僕は……。ねえ、お願いだ。わかってよ」
 そう言ってチャーリーはドンの太ももに頬を摺り寄せた。温かい吐息がペニスにかか
るのを感じて、ドンは降参し、半ばやけくそになって弟の肩を引き上げた。どうやらチ
ャーリーには甘えている自覚すらないらしい。自分は何もねだっていないつもりで、人
に何かやらせるのだから性質が悪い。
 
233numb*3rs 兄×弟その7 :2007/02/24(土) 15:16:31 ID:bsXsKg2Z0
 引きずるようにしてチャーリーを立ち上がらせ、黒板に押し付ける。どこか不安そう
な目をしているチャーリーは、同時に期待しているようにも見える。そんな弟の耳元に
唇を寄せ、ドンは低い声で囁いた。「本当に誰も入ってこないんだろうな?」
 チャーリーが頷き、ドンはさっきまでフェラチオをしていた唇にしゃぶりついた。腕
の中でチャーリーは身体を弓なりにして、必死でキスに答えてきた。

*** 

 深爪をしたきれいな指先が、黒板を引っかいている。ドンが背後からペニスを扱き上
げるたびに、数学者の弟は掠れた声を上げ、黒板に指を這わせて悶えた。
 二人とも服はすべて脱いでいた。よく磨かれた樫の床板の上にチャーリーのジーンズ
やドンのスーツがぐちゃぐちゃになって置かれている。馬鹿げている、とドンは思いな
がら、絶えず声を零し続けているチャーリーの口の中に指を差し込んだ。
 「チャーリー、声を抑えろよ……。誰かに聞こえる」
 チャーリーは差し込まれた指を軽く噛んでから舌で巧みに追い出し、息を切らして笑
ってみせた。「平気だよ。誰もここでこんなことしてるとは思わない。……ラリーが言
ってた。数学科は大学の中で一番情欲と縁遠いって……。……あ…っ」
 唇から首筋へと指先を落とすと、それだけでチャーリーは歓んでみせる。ドンは片方
の手でペニスを弄びながら、もう片方の手を全身に這わせた。
 「ラリーが?へえ、正しいじゃないか」
 皮肉たっぷりに答え、後ろから耳を舐めた。チャーリーは喉を反らしてその愛撫に応
えた。「……あっ、やっ、ドン、ドンの舌、……気持ちいい……」
 「舐められるの、好きだな」
 言いながらドンは指を滑らせ、チャーリーの尻の穴を探った。唾液で濡れた指を押し
付けると、チャーリーは脚を開いて頷いた。「ドン、して。いれて……。ドンがしたい
こと、して……」
234num*b3rs 兄×弟その8:2007/02/24(土) 15:18:08 ID:bsXsKg2Z0
 「平気なのか?」
 既に指先を軽く入れ、入り口をほぐしながらドンは聞いた。久しぶりに弟の身体に触
れ、喘ぎ声を聞いたのだから、もちろん最後まで味わいたい。チャーリーの内部にペニ
スをおさめ、自分のそれで弟を喜ばせ、誰が誰のものなのかを証明したい。こういう淫
らなゲームが好きなのはドンだけでなくチャーリーも同じで、いつも彼は抱かれるとき
ドンにすべてを任せて甘える。正確にはそうやって任せるふりをする。「全部ドンが思
うようにして」とか「ドンが好きなようにして」とか、散々甘いことを言う割りに、冷
静になってみれば要望を言う回数は圧倒的にチャーリーの方が多いのだ。
 ドンはそんなことを思い出し、微かに苦笑してチャーリーの巻き毛に顔を埋めた。慣
れ親しんだ匂い。実家で使ってるシャンプーの匂いだ。けれどもしばらく遠ざかってい
たせいで懐かしくさえ感じる。その清涼な匂いを感じ、奥まった部分を弄りながらドン
は答えを待った。待つまでもないことを知りながら。
 チャーリーは指に反応して入り口をひくつかせながら、掠れた声で答えた。「大丈夫
だから、して」
 「痛くないのか?」
 指をもう少し奥に進ませながら問うと、チャーリーはがくがくと膝を震わせながら頷
いた。「痛くされたことなんてない……。いつもドンはすごいもの……。ね、いつもみ
たいにドンがしたいこと全部して。して。お願い。して」
 「俺がしたいこと?」
 お前のされたいことだろうと、ドンは弟の言葉を繰り返してからかった。チャーリー
はちらりと振り返り、大きく頷く。形のいい唇が濡れていた。「さっきからすごくドン
の硬くなってる……。だから言わなくてもわかる。ねえ、だからいいよ。していいよ」
 「大した自信だな」
 ドンは思わず呟いた。同時に指でさらに奥を探り、内部のある部分を擦りあげる。チ
ャーリーが甲高い声を上げ、床に崩れ落ちるように膝をついた。ドンは弟が怪我をしな
いように注意しながらその身体を支え、それから弟の身体に背後から覆いかぶさった。
235numb*3rs 兄×弟その9:2007/02/24(土) 15:20:01 ID:bsXsKg2Z0
 「あ……っ、もう、ドン、何でそこばっかり……」
 「ここを擦るとお前がよがるから」
 ドンは簡潔に答え、弟の首筋に噛み付いた。細くて薄い皮膚に覆われた首。チャーリ
ーのことが可愛いと思う。チャーリーを自分のものにしたい。彼の並外れた才能の下に
隠された、無邪気さやどうしようもない子どもっぽさ、傷つきやすさを丸ごと手に入れ
て、守りたい。だけどそれがチャーリーを傷つけることになるという考えも頭を離れな
い。
 今だってそうだ。こんな状態でチャーリーを抱いて、誰かに見つかったら?見つから
なくても、チャーリーの身体に負担を掛けたくないなら、こんなのは避けるべきだ。弟
を保護したいと思っているのに、実際には自分は本当は正反対のことをしているのでは
ないだろうか?そう考えながらドンはチャーリーの首にキスした。「ほかに何をしてほ
しい?言えよ」
 「全部……、全部して。キスもして。胸もお腹も触って。脚も撫でて。ドンがしたい
こと、全部して。キスさせて。ドンがしてほしいこと、全部させて……」
 「本当に入れていいのか?痛くないか?」
 ドンがもう一度聞くと、チャーリーは喘ぎながらかぶりを振った。「痛かったことな
んてない。ねえ、信じて。望んでるんだ。指だけなんてやだ……やだ……」
 「泣くなよ」
 弟の眦から涙が零れ始めたのに気づいて、ドンは焦って宥めた。「わかったから」
 チャーリーは腕の中で嫌がるように肩を揺さぶって抗った。彼の声は掠れていた。
 「―― 一ヶ月も放っておいて!ドン、ずっと待ってたのに」
 「仕事だったんだ」
 入り口を指で広げながら、ドンは言い訳した。チャーリーは喘ぎ、床を軋ませて苦い
声を零した。「どうせ僕のことなんて思い出しもしなかったんだろ?」
 「そんなわけないだろ。チャーリー、俺だって寂しかった」
 「うそつき。僕と別れたいんだ。弟だから……」
チャーリーはドンの空いた手を無造作に捕まえ、唇まで持っていって噛み付いた。前
触れのない行為にドンは眉を潜め、繰り返し否定した。「違うぞ。チャーリー、それは
違う」
236num*b3rs 兄×弟その10:2007/02/24(土) 15:21:32 ID:bsXsKg2Z0
 「うそつき。放っておけば離れると思うんだろ。知ってるよ。知ってるんだ……」
 「そんなわけない。誤解だよ」
 ドンはチャーリーの背中にキスをし、静かに呟いた。こんな会話はもう何度もした。
そして、本当のことを言えば少しチャーリーは正しい。ドンはチャーリーを愛している
し、実の兄弟同士で恋愛をすることについてだって、十分二人で話し合ったのだから、
いまさらやめるつもりはない。
 だけど時々逃げたくなる。チャーリーが自分を愛さなくなる日がくればいいと思う。
仕事に熱中している間に、彼がほかに恋人を作り、ドンから離れていればと考えること
がある。それに捜査で走り回っている間は、チャーリーとのことをあまり考えなくてす
む。現実を忘れられる。でも離れているとチャーリーに会いたいとも思う。
 「チャーリー……お前を抱きたい。お前に会いたかった。寂しかったよ」
 「でもドンは僕が逃げるのを期待してる」
 「してない。逃げたら捕まえる」
 囁いて、ドンはチャーリーの奥におさめていた指を引き抜いた。チャーリーはその動
作に小さく声を上げ、荒く呼吸をしてみせる。チャーリーが自分から離れることを期待
している。だけど本当に逃げられたら、きっとドンはどんな手を使ってでも、弟を引き
戻すだろう。そんなことはドン自身がよく知っている。
 だけどチャーリーは知らない。今の言葉だって、宥めるための方便だけだとしか思っ
ていないだろう。それが少し切ない。でも弟はそんなことを知らなくてもいいのだとド
ンは思う。
 それは弟の役割じゃない。兄の自分の役目だ。
 背後から抱きしめ、ゆっくりとペニスを挿入すると、チャーリーの内側が震えた。弟
の肩が強張っていることに気づいて、ドンはその肩を擦りながら低い声で聞いた。「大
丈夫か?」
チャーリーは無言で頷いた。彼が歯を食いしばっていることがわかる。それを見てド
ンの胸は痛んだ。けれどもすぐに手のひらの下の弟の肩から力が抜け、やがて甘い呟き
が落ちた。「大丈夫……」
 「全部、入れるぞ」
 頷きを確認してから熱くなったそれを奥までおさめ、ドンはそれからチャーリーの耳
にキスをした。「すごくいいよ。ずっとこうしたかった」
 
237numb*3rs 兄×弟その11:2007/02/24(土) 15:23:25 ID:bsXsKg2Z0
 本当だった。チャーリーの中は熱く、きついけれども柔らかにうごめいていて、絡み
つくような感じすらする。ドンが軽く腰を揺さぶると、チャーリーは喘いだ。「ドン…
…、揺さぶって。硬くて大きいので、して……」
 「どんなふうに?」
 腰の動きを続けながら、ドンはチャーリーの髪を撫でて問うた。右手でチャーリーの
ペニスを擦ると、弟は軽く太ももを閉じようとしてみせた。「や……、だめ、一緒にい
じるの、だめ」
 「弄りながら揺さぶった方が気持ちいいだろ?」
 「けど……最初はただ揺さぶって。ゆっくりして。ドンのが奥に入ってるの、好きだ
から……。ドンがもっと気持ちよくなって」
 ドンはチャーリーの内股に触れ、閉まりかけたそれを優しく広げた。そして不意をつ
いて激しく突き上げた。チャーリーが奥を締め上げる。「あんっ。やだ……いい…駄目
だよ、ドン。やだ、もっとゆっくりして……」
 振り向いて懇願するチャーリーの目からまた涙が零れる。ドンはそれを舌で舐め、腰
を動かした。「こう?」
 チャーリーが喘ぐ。巻き毛が乱れてその表情はひどく淫らに見えた。
 「ドン、すごい……。何でわかるの。……ああ、そこっ、やだ……やめちゃやだ。ゆ
っくり続けて……。あん……違う、ゆっくり過ぎる。止まらないで。やだ、わかってる
くせに何で焦らすの……」
 「だって」
 息を切らしながらドンはまた笑った。「焦らされたがってるだろ」
「馬鹿。変態。FBI捜査官なんて嫌いだ。嫌い。こんな、一ヶ月も放っておいて、
こんなの……ああんっ、やだ、抜かないで。やだ……あんっ」
 「チャーリー、好きだよ」
 ドンは笑いを声に残したまま、本当のことを言った。振り向いたチャーリーは瞬き、
半ば泣き顔で頷いた。「僕だって、僕だって好きだ」
 
238numb*3rs 兄×弟その12:2007/02/24(土) 15:24:51 ID:bsXsKg2Z0
 「知ってる。わかってる」
 そう答えてチャーリーをきつく抱きしめ、片方の手でチャーリーのペニスを弄る。腰
を揺さぶりながらの動作にチャーリーの身体が反応して、手の中のペニスの先端からは
先走りが溢れ始める。それなのにチャーリーは身を捩って嫌がった。「手、使うのやめ
てって言ったのに……。ドン、それやめて。やめて……」
 「どうして?」
 ドンが問うと、チャーリーは小さな声で答えた。「終わったらドンはまた行っちゃう
から……、なるべく長くしたいもの」
 だから焦らして。意地悪くしてもいいから。そう言いつつもチャーリーは腰を動かし
て、欲望を追っている。矛盾の塊みたいな弟に下肢が熱くなり、ごまかすためにドンは
ふざけて聞いた。「ほかに要望は?」
 チャーリーは潤んだ瞳で苛立たしげに答えた。「ないよ。わかってるだろ。そんなの
言えない……。そんなのない。言えない……」
 ドンはそれを聞いて微笑んだ。それからチャーリーの言うとおり、ゆっくりと腰を動
かし、なるべく時間を掛けてセックスをした。そして最後にはチャーリーが本心では望
んでいるとおりに、激しく奥まで突き上げてやった。二人で同時に達するとき、チャー
リーはがくがく震えながら、ドンの指を必死でしゃぶっていた。味わうように。
 結局終わったあともチャーリーは離れるのを嫌がり、ドンの膝の上に向かい合う形で
乗り上げて、しばらくキスや愛撫をねだり続けた。あの姿勢だとイクときにキスができ
ないんだよ。最中には夢中で快感を享受していたくせに、今になってえらそうに不満を
言う弟が、損した分取り返すぞというように甘ったるいキスを続けるのに、ドンは付き
合っていた。もう夕方近い。携帯は何度も鳴っていたし、やらなければいけないことが
あるのはドン自身がよくわかっていた。でももう少しいいじゃないかという気になって
くる。何といっても774時間ぶりなのだ。
239numb*3rs 兄×弟 これでおしまい:2007/02/24(土) 15:27:27 ID:bsXsKg2Z0
 「ドン、ねえ、触ってよ。そこ、ちゃんと撫でて……」
 「ここか?」
 ドンが太ももに乗っている弟の尻を撫でると、チャーリーは鼻を鳴らした。「んんっ、
だめ、やめないで。いつもみたいに揉んで」
 「こう?」指先に力を込めると、チャーリーは喉を反らして喘いで文句を言った。
「わかってるなら最初からしてよ」
 「可愛くない」
 ドンの呟きにチャーリーは唇を引き曲げた。だがその目にはまだゆらゆらと快楽が揺
れている。「どうせね。僕はいつだって可愛くない」
 「お前は可愛いよ」
 ドンが弟の太ももを擦りながら呟くと、呆れたような答えが返ってきた。「可愛くな
いって今言ったのは誰?」
 「可愛くないところが可愛い」
 そう言ってキスすると、チャーリーは戸惑ったのか軽く顎を引いた。「なに?どうい
う意味?」
 「お前は甘えるのが苦手な甘え上手で、可愛くないところが可愛い数学者だよ」
 ついばむようなキスの合間に答える。チャーリーはキスに答えながら眉を寄せた。
 「意味わかんないよ!矛盾してる!」
 「次に会うときまで考えとけ」
 そう言ってドンはチャーリーにもう一度、今度は深いキスをした。それから唇を離し、
弟を床に下ろして立ち上がった。「そろそろ行くよ」
ドンが服を着るのを、チャーリーはふてくされて床に座ったまま見ていた。ドンはそ
れを無視してベルトを締め、上着を羽織ってからポケットに入れたままだった携帯電話
の着信を確かめた。やはりデイヴィッドからだ。しかも5回も掛けてきている。
 さあ、何と言い訳しようと思いながら、ドンは弟の方を振り向いた。「じゃあな。デ
ータ、頼むぞ」
 「――ワーカーホリック。いつだってこうなんだから。はいはい、データの分析なら
するよ。ご希望通り急いでやるよ。いつだって僕はドンの言うとおりにしてあげてるの
に、フェアじゃないよね。兄貴って皆こんなに横暴で、弟をこきつかうものなの?」
 チャーリーがぶつぶつ言うのにドンは笑い、身を屈めて弟の額にキスをしてから答え
た。「弟ってのは、皆こんなに甘えたがりで、手間のかかるものなのか?」
終わり
240風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 15:30:18 ID:bsXsKg2Z0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ホントウニエロデシカナイ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

エロ書くの久々だしそもそもへたれでごめん。
同じジャンルで続けて投下でほかの姐さん方ごめん。
どうしても弟はいつも兄の膝の上に乗っててごめん。
でも後悔はしていない。
そして225姐さん本当にありがとうー!
241風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 16:12:33 ID:p/n5GLR9O
>>225,>>240
連続で来てる(*´Д`)
弟かわいいよ弟…
空想癖のある弟も
エロ甘えたな弟もたまらん!
兄弟って逆に分かり合いにくいのかもなぁ
でもそこも萌える…!
242風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 19:14:07 ID:PISBQG9vO
>>209

棚で遺伝子がみられる日が来るとは。。GJ!萌ますた
243風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 20:37:43 ID:qMeXT4Lt0
>>221
お互いが抱えた痛みが伝わってきて、すれ違う兄弟が悲しくも萌えました。
読んでいて、終始弟の暗く深みのある瞳が思い起こされました。GJ!

>>226
slutな弟(兄もですね)最高です!黒板やら巻き毛やら兄のスーツに激しく
萌えました。デイヴィッドとラリーも大好きなのでちょっと出てきてウレシス
244風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 22:02:31 ID:m4irNiqiO
>>209

遺伝子っ、、、!ボスのことを忘れられないなんて
開発済み萌え
245風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 22:09:43 ID:Er9cqGHL0
>>212遅レスですが
これ読んでる時、垂れ流しにしてたMP3の中で、たまたまOPの二番が流れて、
目から魂の汗が出てしまった。抱きしめてる下りで。後半蝶期待してます。
246風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 22:54:34 ID:e6JeOTVKO
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )またまた狂犬×弁護士を投下します…狂犬視点
さっきの目茶逝けで、狂犬のケーキネタが出たので衝動的に…
247狂犬加東×矢白1:2007/02/24(土) 22:55:45 ID:e6JeOTVKO
びっくりするぐらい暖冬だ。
息を吐いても、全く白くならない。
雪が恋しい。
「いらっしゃいませー」
仕事の帰り道、洒落たケーキ屋に寄る。
お目当ては苺のショートケーキ。
いくつ買おうか?
俺は絶対に二つは食いたい。
あの人は一つ食べたら満足するだろうから、よし、三つだな。
「ありがとうございましたー」
店を出て、マンションまで小走りで帰る。
歩を進める度に箱の中が軽く揺れるが、あまり気にしない。

「ただいまー」
「おかえりー」
部屋に入ると、矢白さんはノートパソコンで仕事中。
こっちをチラリと確認し、すぐ画面に視線を戻した。
俺はテーブルの上にケーキを置いて、ひとまずコートを脱ぐ。
「加東さん、ご飯は?」
「あー食ってきた。矢白さんは?」
「うん、僕も食べた」
「またチャルメラぁ?」
「…いいじゃない、好きなんだから」
何かおかしくて、二人でクスクス笑った。
ふとケーキの事を思い出して、箱を矢白さんに差し出す。
「はい、これ」
「え……ケーキ?」
「うん、食おう」
「…………」
何故か黙り込む矢白さん。
248狂犬加東×矢白2:2007/02/24(土) 22:56:33 ID:e6JeOTVKO
不思議に思ってると、急に立ち上がって小走りで冷蔵庫に向かった。
「何?どしたの」
「……これ」
「あぁ?」
差し出された、見覚えがある箱。
つーか、俺が持ってるのと同じ箱。
「え、矢白さんも?!」
「うん…君の分二つと、僕の分一つで三つ買っちゃった」
「うは、俺もなんだけど」
二人の前に並ぶショートケーキ六個。
俺は苺で、矢白さんはチョコ。
「とりあえず…こう…円にしてみっか」
「そうだね、これホールになるよねぇ」
「何か、ハーフ&ハーフみてぇだな」
クリスマスでも誕生日でもないのに、丸いケーキ完成。
とりあえず二人、食べる事にする。
矢白さんが皿とフォークを準備……自分の分だけ。
「あれ、俺の分は?」
「加東さんフォーク使わないでしょ」
「あぁ、うん。そーだ…」
「じゃあ加東さんが買った方から、いただきます」
「へーい、俺は矢白さんのから食う」
アルミをガサガサいわしながら、手づかみでケーキを頬張る。
ん、美味い。
疲れた体に、やっぱりチョコの甘さは効いた。
二口で食いきり、指についたクリームを舐めたら次は苺のショート。
そんな俺の姿を見て、矢白さんが笑う。
249狂犬加東×矢白3:2007/02/24(土) 22:57:48 ID:e6JeOTVKO
「なによ」
「いやいや、豪快だなぁって」
「矢白さんも手づかみで食えば?」
「あはは、僕のキャラじゃないから」
「へいへいそーですね」
「あー、また馬鹿にして」俺の態度に唇尖らせて拗ねる矢白さんが可愛くて、キスしたいとつい口に出した。
が、食事中はダメ!とあっさり拒否されたので諦めてケーキとキス。
「じゃあさ…食い終わったら、チューしてもエッチしてもイイわけ?」
「いいですよ」
「あら、あっさりと」
「えぇ。ただし、残り全部食べて下さいね」
「は?」
「言ったじゃないですか、食べ終わったらって」
目の前には、ケーキが残り三つ。
矢白さんは一つのショートケーキをゆっくり味わいきって、既に満足な様子。
呆然とする俺を尻目に、鼻歌を歌いながら皿を洗いに行った。
「んだよ…」
しぶしぶ、三つ目のケーキに手を伸ばす。
お上品な矢白さん。
ガサツな俺。
何でこんな二人が一緒にいんだろう。
好きだと最初に言ったのがどっちかなんてのも、もう忘れてしまった。
ただ、矢白さんが俺の事を好きだと言ってくれた日の事はしっかりと覚えてる。
…思い出したら、少し、恥ずかしくなった。
250風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 22:58:17 ID:Me0VzjwR0
>>220をみて>>99読んでみた。
びっくりしました。なんでこんな凄い文章が書けるの?プロ?
っていうかサイト持ちなら教えてくれ。・゚・(ノД`)・゚・。神だよー
才能ってある人にはあるんだー。なんかもう……へこむくらいの素晴らしさだ……
251狂犬加東×矢白4:2007/02/24(土) 22:58:45 ID:e6JeOTVKO
「八代さーん」
「なに?…んっ…!?」
「わ、ほんとにケーキの味しかしねー」
「ちょ…食べ終わったらって約束じゃないですか!加東さん、契約不履行!!」
「っ…俺が分からねーと思って、専門用語使うなよ!つーか、約束守ったし!」
「えっ?」
自信満々に俺はテーブルの上を指さす。
そう、ケーキは一つ残らず狂犬が食いつくしましたとさ。
「えー…っと…」
何も言えず固まってる矢白さんの顔が、ほんと可笑しくて。
ぎゅっと抱き寄せると、俺は笑いを堪えながら耳元で優しく囁いた。

「さ、今度は八代さんが約束を守る番ですよ」
「!!!!」
252風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 23:01:49 ID:e6JeOTVKO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) 最後伏せ字忘れた…orz
金曜日、占いで最悪の運勢だった弁護士を見て嬉しそうにからかう狂犬に萌えました
どうか、打ち切りだけは…!
253ヤマザキ×ヨシオカ←ナガセ:2007/02/24(土) 23:49:55 ID:hn5M30xeO
◇ PLAY ⊂(・ω・;  続きです
254風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 23:53:32 ID:hn5M30xeO
プチン プチン    
監督がヨシオカのシャツのボタンを外す。
「…白いね…」
シャツをくつろげて鎖骨の辺りを撫でながら恍惚の表情でつぶやく監督の下で、
ヨシオカは刺激に耐えながらもどこか冷静な頭で今の状況を考えていた。    
(そうだ…どうせ僕にはもういまさらナガセさんとやり直す資格なんてない…)
(ナガセさんと別れてから何人の人に抱かれたんだろ…)
芸能界はそういう趣味の人が多いのか、小さい頃から男の人に迫られることが多々あった。
けれどナガセさんと別れるまではどんなに迫られても断ってきたのに、
別れてしまってからは急に訪れたどうしようもない孤独感と熱を持て余し気味になってしまい、流されるがままにするようになってしまった。
(監督さんに俳優さん…なんで僕なんか抱きたがるんだろうと思ったこともあるけど
女と違って妊娠の心配とか無いから便利なんだろうなきっと…)
「ヨシオカ君。」     
「!アっ…!」    
胸の突起を口に含まれ急激に射精感に襲われる。 
「何考えてた?」   
「…ふっ…な、なにも…っ」
「嘘だ」
「んぅ…っ!」
突起を口に含まれたまましゃべられ、刺激に身体が震える。
255風と木の名無しさん:2007/02/24(土) 23:57:15 ID:hn5M30xeO
「ねぇ、何考えてたの?」
「ん…っ、な、何で僕なんか…っ…だ、抱くのかなって…」
必死にそう答えると監督は「ええ?」と顔を上げてさも意外そうに笑った。
「そっかー。自分を抱くって考えることってないか〜もったいないな〜」
「もったいない…ですか?」
「うんうん」
監督は大きく頷きながら
そっとヨシオカの頬に手を添える。
「だってこんなにそそられる顔して…」
「んっ」
軽く口付ける。
そして、つー…と指で首筋、鎖骨と順になぞる。
「白い綺麗な肌…男にしておくのが本当にもったいないよ…」
「…ぅん…っ!」
そのまま濃い桃色に熟した突起を摘む。
「あとなんていうのかな…真白いシーツを汚す喜び…っていうか……。とにかくたまらないんだよ…。」
「……」       
うっとりと呟く監督をヨシオカは不思議そうに見つめる。そのとき
256風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:03:04 ID:ckxGovZlO
コンコン
「…ヨシオカ君、今いいかな?」

(ナガセさん…!?)
今日いるはずのないナガセの声がノックとともに聞こえた。         
(な、なんで……)  
「あれ?もしかしてナガセくん?なんで?」
パニックに陥っているヨシオカに監督が問い掛ける。 
「え、あ、……」   
「…あー。ははーん」
言葉に詰まるヨシオカを見て監督はにやにやとしたり顔で笑う。        
「なるほどなるほど。」
「………」      
「そういうことか〜」
「…なんですか…」
「いやいや約束は守るよ。じゃあ俺はそろそろ行くかな」         
「えっ」       
立ち上がった監督に驚きの声が漏れる。     
「なに?物足りない?」
「いっいえそういうわけじゃ…」
「ふふっ。いや俺も正直我慢できないんだけどね、今は本命に譲るよ」
「なっ、本命って…」 
「わかってるわかってる。じゃ、またね」
監督は来たときと同じようにぷらぷらと手を振りながらドアを開け外に出ていく。
257風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:07:53 ID:ckxGovZlO
「あ、っと、お疲れさまです」
ナガセは突然ヨシオカの楽屋から出てきたヤマザキ監督に戸惑う。 
「やあ。お疲れさま」 
なんだか機嫌が良い監督を不思議に思う。
「あ、話はもう良いんですか?」
「ああ。じゃあねナガセ君♪」           「はぁ…」
ぽん、と監督は肩を叩いて行ってしまった。   
それを不思議そうにナガセは見送り、「…入るよ」と一言声をかけてドアを開けた。
「…な…!?」
だが目の前に広がった光景に絶句した。
そこには今まさにHしてましたとでも言うようなしどけない姿のヨシオカが呆然とこちらを見て座っていたからだ。
「…ヨ、ヨシオカ君…」
「…」
喉が乾く。      
誰が 誰が今ヨシオカ君を 
そう思った瞬間、先程の妙に機嫌の良い監督が頭をよぎる。
「…ヤマザキ監督が…?」
「……なにか用ですかナガセさん…?」
だが問いには答えずヨシオカは淡々と乱れた服を整える。
「…なんだよ…」
そんな彼のあまりになんともない様子に眩暈さえ感じてしまう。
「……どうしちゃったんだよヨシオカ君…」
「どうって…何がですか?」
「何がって……」
そう言ったきり口をつぐんでしまったが、しばらくして言おうか言うまいか迷った様子の後ゆっくりと口を開いた。
258風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:13:10 ID:ckxGovZlO
「………さっき…トイレで……『ヨシオカくんを抱いたことがある』って自慢しあってる監督さんや俳優さんたちを見た………」
「……!………そうですか。」
「っ!そうですかって……!」         
「だって本当のことですから。」        
「な……」      
「きっと抱かれたんだと思いますよ僕。」
数えきれないくらい抱かれましたから。なんて、なんてことないように軽く言う。
「…昔から…そうだったの?」         
「…そうですよ。」
「…俺も……その一人だったの…?」
「…ええ。」
「………そっか……………そっか…………」
それきり、会話はとぎれた。
お互いうつむき、耳が痛くなるほどの沈黙がつづく。
しばらくしてその沈黙を破ったのはナガセだった。
「わかった」
「え、」
急に口を開いたナガセを見上げる。
「わかった。なら、またその一人に戻してくれないか?」
「なっ…!?」
予想もしてなかった台詞を言われ固まってしまったヨシオカにずいっと近づく。
「…つきあってくれなんて馬鹿なことはもう言わない。なら…ならせめて、他の奴らと同じでいいから、少しでも前みたいに一緒に過ごしたいんだ……」
「…なっ…何言って……」
ぐっ、と両肩をつかまれる。
「いいだろ…誰だって……いいんだろ……」
「ナ…ガセ…さん…」
ブチブチッ
シャツのボタンがはじけとぶ。
259風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:16:03 ID:ckxGovZlO
□ STOP ⊂(・ω・;  いつも中途半端でスマソorz
260風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:20:29 ID:YjRTnTHF0
>>259
姐さん何というじらし魔ですか!続きが気になります
>真白いシーツを汚す喜び
自分がヨチオカに萌える要因はまさにこれですよ!
261風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:24:38 ID:Du587FC20
>>259
携帯から乙ですよ、姐さん
なんという萌えでしょ
予想外の展開でハァハァのしまくりです
262風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:25:07 ID:3+iiUsRYO
リアルタイムにネ申遭遇ktkr!!
>>259姐さんGJ!!!いつもご苦労さんです。
ゆっくり姐さんのペースでいいので頑張って下さいね(・∀・)ノシ
263風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 00:40:59 ID:x/gWoGvp0
>>246
遅レススマソ。
GJすぎてどうしたらいいやら……orz
自分も狂犬×弁護士大好きなので嬉しいです!金曜日は本当に弁護士の愛されっぷり度が堪能できますね!
264ハケソ 大と小の出会い:2007/02/25(日) 01:42:50 ID:e7i42g0E0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ネツゾウ シマクリ デース!

 桜舞う入社式会場の外。
そこで、オレはアイツに初めて出会った。
 …そう。
その時もアイツは迷子の仔犬みたいな目をして、オレを見ていた。
だからつい、こっちも目を逸らす事が出来ず、オレもソイツを見つめた。
桜吹雪の中で。オレ達二人は見詰め合っていた。
それは、おそらく短い時間だったのだろうけれど。
 オレは、予感がしていた。
…こいつとは、きっと長い付き合いになる。
確信とも言えるそれに、オレは思わず笑ってしまう。
正直、自分のこういう予感は、これまで一度として外れたことがないのだ。
幸いなことに。オレの得意分野。
学生でも、社会人でも、変わらない。人間関係における潤滑剤ってのは、まず笑顔。
 (そういえば、そうか…)
それはこの会社に入社することが決まって、初めて心から笑えた瞬間だったから。
 ―――スッと、肩から力が抜けるのが分った。…ああ、そうか。
なるほど。らしくないことに、それなりに緊張していたらしい。
オレは、些か慣れてしまっていたネクタイの締め付けのキツさにやっと気付いて、
清潔さを失わない程度に結び目を緩めた。
 (やっと得た自由だ。こういうのも、悪くないよな?)
と、他意なく思いながらオレはソイツに話しかける。

 「オレ東/海/淋/武。歳は24で2コ上だけど同期っつーことでよろしく。な、オマエ、名前は―――?」
265ハケソ 大と小の出会い:2007/02/25(日) 01:43:56 ID:e7i42g0E0
 「オレ東/海/淋/武。歳は24で2コ上だけど同期っつーことでよろしく。な、オマエ、名前は―――?」

 声をかけられたその瞬間。
俺は上手く声を出すことも出来ずに、一瞬硬直してしまった。
そんな俺を、彼は怪訝に思ったのだろう。
 「ね、名前。教えてくんねぇの?」
もう一度誰何されて、やっと気がついた。
聞こえなかったわけじゃない。ただ、理解できなかった。
 …ああ、そうか―――彼は、俺の名前を聞いているのか。
そう気付いた途端、俺はいっそうパニックに陥ってしまう。
あまり、知らない人と話す機会のない俺は、こういう時つい混乱してしまって。
 「…け、ケン!」
つい、いきなり、そう叫ぶように答えてしまった俺に、「しょーじナントカ」さんは、
――その喋りはよどみなく、センテンスがなかったので、名前全部が認識できなかった――
一瞬ぽかんとして、けたけたと笑った。
 「…下の名前も、できれば教えて欲しいんだけど?」
嫌味ではない、その笑いに俺はほっとする。
 「里/中/堅/介、です…。えっと…しょーじさん」
 「じゃあ、ケンちゃんでいいよな? 俺のことも好きに呼んでいいから」
そんな、まるでおどけた道化師のような振る舞いは、今はもういない彼を髣髴とさせた。
 (やっぱり、似てる…)
彼の笑顔、そして彼の頭を見ながら、俺はしみじみと思う。
 細かくカールした巻き毛が特に。
見れば見るほど、彼はとてもよく似ていた。

 昔飼っていたアイリッシュ・ウォーター・スパニエルの「ケン」に。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ヤマナシオチナシイミナシ!
(初めての投下なのでなんか失礼があったらすいません…)
266Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 02:19:02 ID:VHdIXeU/0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  コトー初作より。最終話アフターストーリー
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  引っ張ってすみませんでした。これで終わりです。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
267Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 02:21:49 ID:VHdIXeU/0
都内の公園で、僕は原さんともう一度会っていた。

「びっくりしました…。まさか、原さんが…」

来てくれるなんて。

この島を出て行けと言われた僕は、東京へ戻るしかなかった。
でも、ここには僕の居場所はどこにもなかった。部長のギラギラした野心に利用されたことが空しくて、一刻も早く立ち去りたいと思っていた。でも何処へ行けば、僕の事を必要としてくれるだろう。そう思っていたら、目の前に原さん達が立っていた。

「ああ…剛弘に…頼まれてな。」
そっか。剛弘くんか。
僕は少しがっかりする。
「そう…ですか…。剛弘くんに…お礼を言わなくちゃいけませんね。」
僕は今どんな顔をしているだろうか。
原さんに顔を見られたくなくて、僕は辺りを見ているふりをした。

268Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 02:24:00 ID:VHdIXeU/0
「…違う。」
「えっ?」
「違う。ここへ来たのは、俺の意志だ。あんたを連れて帰るまで俺は帰らない。」
一瞬、耳を疑った。まさかと思った。
「この間あんたが言った通りなんだ。俺はあんたを抱きたくてたまらねぇ。俺はあんたのことが……っ…!」
ああ、嘘みたいだ。
嬉しい。本当に。
「僕も…」
僕も言おう。本当の気持ちを。
「僕も原さんのことが好きです。」

そう言った瞬間、すごい勢いで抱きしめられた。
「うわっ、ちょ、ちょっとまって…っ!」
待って!原さん!
「っ…ま、まって、待って、原さん!!っこ、こんなところで…っ!」
「え?あ…あ!そ、そうか。」
原さんは慌てた様子で身体を離す。周りの状況に気が付いて動揺しているみたいだった。
269風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 02:24:28 ID:iKx3CPtbO
不愉快な雨音が、鼓膜に響く。
雨は、嫌いだ
あの日のことが、思い出されてしまうから
あの人を、思い出してしまうから

耳に残る、あの雨の音…………


ただの、200万ぽっちが返せなくて、命を絶った男。
彼を救えなかったことが、苦しかった。
声を殺して泣き、嗚咽しながら思った。

何故、と

何故僕は彼を救えなかったんだろう
何故僕は彼を助けられなかったのだろう
何故。

そんなネガティブ思考に終止符をうったのは、敬愛する上司の言葉だった。


「日本は資本主義国だからしょうがない、お前は、悪くないよ」



その言葉を聞いた時、僕はさらに混乱に陥った

資本主義だから?
彼が死んだのはしょうがないと?

困惑し、どうしようもない涙が頬をつたう。
上司がそれを悲しさからきたものだと勘違いをしたらしく、そっと抱き込んできた。
270Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 02:24:48 ID:VHdIXeU/0
「…すまない…」
しょんぼりと大きな体を丸め、小さくなっている原さん。そんな原さんを見ていたら、僕はおかしくて思わず笑ってしまった。
「ふふふっ」
「何だ?」
ぶっきらぼうな原さんの声。なんだかとても懐かしい。
「やっぱり、似合わないや…」
「何がだ?」
「この場所と…原さん。」
「そうか………そうだな。」
原さんが笑ってくれた。夜明けが近づいていた。

「続きは…島に戻ってからで…いいか?」
「…はい。」

こうして健助は、島に戻ることになった。

ちなみに、少しでも早く島に戻ろうするあまり、剛利は船を全速力で走らせ、ただでさえ船に弱い健助を完全にダウンさせてしまった。これは、剛利だけの秘密である。
271風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 02:26:25 ID:iKx3CPtbO
故人への悲しみ、そして今自分が発したその言葉が生んだ困惑からきたものであろう涙を流す部下をみて、どうしようもなく彼が愛しくなった。
衝動で、彼を抱き込んでしまった。
彼とは多く体を重ねているけれど、こんなにも胸が苦しくなった欲情を感じたことはなかった。
多分、初めてであろう。
ふと胸のあたりに温かい湿ったものを感じて、抱いたままの部下をみやると。
無言で抱きかかえたにも関わらず、自分の胸に額を押し当てて、声を殺して泣いていた。

言葉はなく、ただ彼が愛しくなって抱く力を強めた。
ビクッと反応する彼が、いつもならば軽い抵抗を感じるのに、今は背中から肩に手を回して更に胸に額を押しつけてきた。

雨の音と彼の押し殺した嗚咽を聞きながら、彼の細い体をただ抱いていた。
272Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 02:28:02 ID:VHdIXeU/0
別の方が書きこみしているようなので一旦キリマス
273すいません:2007/02/25(日) 02:29:02 ID:iKx3CPtbO
すいませんカプ表記わすれました

禿高の柴鷲です
274禿高 柴鷲3:2007/02/25(日) 02:34:03 ID:iKx3CPtbO
いつまで泣いていたのだろうか。
気づけば30分が経っていた。
彼の疲れたような、困惑した艶やかな顔をみて、どす黒い感情が体を駆ける。
「落ち着いたか?」
「……えぇ、はい。すいません、取り乱してしまいました……」
「いや、いいんだ。ただもう落ちついたか?じゃあ少し、どこかで休もうか」
優しく彼に語りかければ、コクンと小さな頷きが返ってくる。
近くにホテルがあったのをこれ幸いと、宿泊し、鍵をもらう。
ラブホテルなどではなく、ただのビジネスホテルだ。
部屋は3階、ドアをあけて彼をソファーにすわらせるまで、終始無言だった。
彼の顔は暗く、目は赤く腫れていた。
「お茶でいいか?」
「ぁ、ありがとうございます、すいませんっ」
ソファーから立ち上がろうとする彼を手を振ることで押しとどめ、備え付けのお湯とパックの封をきる。
温かいお茶を彼の前の机に置いて、自分は立ったままお茶を啜る。
じんわりと芯から温まる感覚に満足し、彼の方をみやる。
さすがにもう泣くことはないだろうが、今にも泣きそうな顔をしている。そんな彼に、不謹慎ながらも欲情してしまい、そのままソファーに押し倒す。
持っていたお茶は軽い音をたてて落ち、床にしみをつくる。
「ぁ、しばた、せんぱい」
「……忘れさせてやるから」

一緒に堕ちよう、と
彼も意図を理解したらしく、何もいうことなく抱きついてきた。
275Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 02:34:45 ID:VHdIXeU/0
>>269
テンプレで囲って再アップしてもらっていいでしょうか?
こちら次にしますのでー
276禿高 柴鷲4:2007/02/25(日) 02:35:33 ID:iKx3CPtbO
快感が、体をめぐって、全てを忘れる、ことができた。
彼と繋がっている、ということが下腹の圧迫感で感じられる。
忘れよう。
そして、彼の言葉を考えてみよう。
「…ぁっ……ん……」
ただ今だけは、彼に抱かれる事だけで………



もう、何年前のことだろうか
「………七年、か」
ふぅ、とため息に似た呟きを吐きつつ、窓のブラインドをめくり外をのぞく。
「昔の僕とは違いますよ、先輩」
あなたに教わったことが転機。
自らの呟きに苦笑しながら窓から離れる。
彼を潰す為のものと言っても過言ではない程の書類をもち、会議に出席すべくドアを開けた。

end
277禿高:2007/02/25(日) 02:37:37 ID:iKx3CPtbO
すいませんっ!
他の方が投稿中に投稿してしまいという非常識をしてしまいましたorz

久々に携帯からだったので、気遣いできず、本当に申し訳ありませんでしたm(_ _)m
278ウブ原→コトです:2007/02/25(日) 02:48:53 ID:VHdIXeU/0
>>277
いいですよー。
ここはチャットじゃないので、そういうこともありますって。
このままだと折角の作品が読みづらいと思うので、
テンプレで囲って再アップお願いしますね。
279風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 02:53:55 ID:v7otdbQK0
来てみたら自分の2大萌えドラマが絡みあってくんずほぐれつでビクーリw
楽しみにしてますので、お2人とも再アップお待ちしています
280風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 02:55:29 ID:pntuHZTDO
テラカオスw
281風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 03:16:10 ID:Iedd9qta0
活気があってテラウレシスw
どんどんやってホスイ

がんがろー
282風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 03:20:33 ID:iDdo84SO0
m(_ _)m
283口ーレライ 麻倉大佐と青年将校:2007/02/25(日) 04:39:00 ID:sKPkC3sn0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )地上波見た後、どうもこうもなくなって今まで書いてたらしいよ! 映画設定です。


目などもう開けなかった。いいや、開いていてもその姿など見れなかったのだろう。あの時の自分は。
日差しは翳っているが、その分体力を奪う湿気はますます上がってきているようだった。
一息吸い込むたびに肺に火が入り、全身に一瞬の震えさえ起こすのだ。
そして熱は寒気になり、背中に負う、片腕の無い友人の温度さえ分からなくしてしまう。
しかしそれさえも全ては瞬間の出来事で、あとはひたすら荒地に足を踏みつける事しか考えられなくなるのだ。
「殺してくれ」と後ろから聞こえる声に返事も出来ないほどに。
酷いという一言で済まされる戦況ではなかった。
どこの戦場でもそうだろうが、自分がなぜ生きているのかを問われる戦いではなかった。
ただ守れ、戦え、そして死ねという小隊長の三言を妄信し、眩暈がするほど熱いこの森をひたすら歩いていた。
先頭の誰かに着いて行っているだけであり、ここを抜ければ戦況が変化するわけではない。
そんなことを、この自分でさえも分かっているのだ。
勝ち目が無い戦いを続ける――――いいや、もはやこれは戦いではない。
ならばなんだ。自分は、一体何の為にここにあるのだ。
半ば死者になっている友人をそれでも背負い、うなだれ、列に遅れながらもひたすら歩む自分は。
誰もが死に行くものと同じ匂いをまとわりつかせながら、その行進は続く。
そして、おそらく誰もが思っている。どうして、と。
この命のありかはどこだと、誰もが探しながら、うなだれ、歩き続けていた。
284口ーレライ 麻倉大佐と青年将校2:2007/02/25(日) 04:40:44 ID:sKPkC3sn0
「いえ」
「随分と歯切れのいい返事をする」
「…」
「さて、何の話だったか」
「何某かの小説の話だったかと」
「名前を覚える気はないか」
「…」
大佐は、は、と息を吐き出しながら普段見慣れぬほど快活にその表情を明るく弾けさせた。
大きくとられた出窓からは場違いなほどに穏やかな日差しが差し込み、その姿さえ演出させているようだった。
その頬が僅かに持ち上がると、あの時見た上官の表情との違いに思わず見入ってしまう。

本隊に見放されたあの時、小隊にいた自分は、もはやこの身が地上にあるのかさえ分からなくなっていた。
だがあの時にこの大佐はただ一人で、死人寸前の仲間たちを迎えに来て、こう言ったのだ。
「勝利がここにあるはずもない、我らが為す事を違えるな」と。
そしてあの鬼気迫る表情で自分のまぶたを指で開け、首を支えながら言い聞かせてくれたのだ。
「生きろ、大願なす為に死ぬのだろう?ならば生きろ」と。

「またお前はそうやって、ぼんやりと…」
大佐の表情一つで揺さぶられる自分にも驚いたが、それでも話をやめようとしなかった相手に思わず眉が動く。
「人の話のさなかに上の空、理由を問えば「いいえ」の一点張りで、話を続ければまた上の空だ。どうした」
「…思い出しておりました」
ん、と首をかしげるようにして、上官は話を続けるように待っていた。
「南方での、行進を。思い出しておりました」
285口ーレライ 麻倉大佐と青年将校3:2007/02/25(日) 04:42:02 ID:sKPkC3sn0
大佐はまだ、言葉を待っているように唇を閉じているばかりだった。
「…あの時…命など、捨てるものだと思っていました」
考え考え、言葉をうまくつなげないままの返事だったが、そこでやっと上官の表情が動く。
ふっと緩めた口元はやはり誰よりも優しく見える。
「お前は、この国が神の国と思うか」
「はい」
「この国の為に死ぬか」
「はい」
「俺はそうは思わん」
目を見開き、唇を開けかけたところで大佐は畳み掛けるように言葉をつなぐ。
「この国は生まれ変わらなくてはいけない。その為に、一度死ななくてはいけない」
「…」
恐ろしい言葉を耳にした、と肝が冷える。だがそれよりも光に照らされる人間から目が離せない。
揺ぎ無い己の信念を無心に語る姿は、どこか恋の歌を詠む少女のようだった。
「お前の命はどこにある」
「命、ですか」
まるでつながりが無い言葉のやり取りだったが、大佐にはそれなりの意味を持つ会話なのだろう。
そう考えながらも、急な問いかけとともに見つめられれば咎められているのではないかとも思う。
沈黙は続き、答えを自ら発するまでは許してはもらえそうにないとやっと理解する。
「…命は…ここでしょうか…」
確固たる理由も無かったが、自分の胸の部分の服をつかみながらそう答えた。
それを見て、大佐はやはり僅かに笑んだのみだった。
286口ーレライ 麻倉大佐と青年将校6:2007/02/25(日) 04:44:54 ID:sKPkC3sn0

背筋が震えた。しかしそれは熱さでも、寒さでもなく、歓喜でだった。
大佐の一言に背中が燃え、唇の端が上がってしまったのが自分でも分かった。
「後で会おう」
微笑み、しっかりと見つめられて発せられた。たった一言に。
強い信念を持ち、貫き通すその瞳の美しい事といったらなかった。
そして自分を救ってくれた彼の為に使えるこの命の誇らしさ――――。
全てがあの時から、意味のある今までの生になり、意味のある今の死に繋がっているのだ。
彼の為に生き、死ぬ。
大願なす為にと大佐は言った。今こそその時だ。
「大使殿」
銃を構え、殺すべき男の額に押し当て、銃弾を放つ。この男の命でさえも大佐の為に消されゆくのだ。
緩む頬を戻す事はできなかった。


あの時、皆がうつむき探しあぐねた一つの答えを今、たった一人に捧げる。
神に祈るように空を見上げる。抜けるほど青い空は故郷を思わせた。
これから、この世界は生まれ変わる。素晴らしい事だ。その世界で皆が生きるのだ。
あぁ、生きて、そして今死ねて本当に良かった。
「麻倉大佐」
待っているだろうか、それとも自分が待つ事になるのだろうか。
そんなくだらない事を考え、ふふ、と声が出るほどに笑っている自分がいた。
なんて容易く彼の元にいけるのだろう。
そう思うだけで心の中はただひたすら歓喜にあふれた。そしてそのまま引き金を引く。

自分の喉へと、まっすぐに。
287口ーレライ 麻倉大佐と青年将校:2007/02/25(日) 04:47:01 ID:sKPkC3sn0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )最後に通し番号間違えたけど気にしないんだぜ! これでおしまいです!ありがとうございました!
288風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 07:22:43 ID:gLM4hXPd0
>>283
萌えました…!GJ!!
朝からいいもの読ませてもらったよ
289風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 08:34:27 ID:NxbJsp450
>>209 亀ですがGGGGGJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!1
え?ってびっくりしましたがよかった!ぜひ続きを!!
wktkして待ってますよ!ミュウツーかわええwwww
290風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 08:39:02 ID:xd/1o2wc0
>>225>>245
心のお地蔵様に「数学公式集」を供えて拝んでおいて本当に良かった

無精の神に身も心もささげていなかったら、
「クレクレ地蔵」ってスレを造ったであろうほどの御利益だ

どちらもありがd!
291Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:09:23 ID:VHdIXeU/0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  コトー初作より。最終話アフター
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  …じゃなくて補完でした。。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
見やすいように改めてアップします。
292Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:10:41 ID:VHdIXeU/0
都内の公園で、僕は原さんともう一度会っていた。

「びっくりしました…。まさか、原さんが…」

来てくれるなんて。

この島を出て行けと言われた僕は、東京へ戻るしかなかった。
でも、ここには僕の居場所はどこにもなかった。部長のギラギラした野心に利用されたことが空しくて、一刻も早く立ち去りたいと思っていた。でも何処へ行けば、僕の事を必要としてくれるだろう。そう思っていたら、目の前に原さん達が立っていた。

「ああ…剛弘に…頼まれてな。」
そっか。剛弘くんか。
僕は少しがっかりする。
「そう…ですか…。剛弘くんに…お礼を言わなくちゃいけませんね。」
僕は今どんな顔をしているだろうか。
原さんに顔を見られたくなくて、僕は辺りを見ているふりをした。

293Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:12:15 ID:VHdIXeU/0

「…違う。」
「えっ?」
「違う。ここへ来たのは、俺の意志だ。あんたを連れて帰るまで俺は帰らない。」
一瞬、耳を疑った。まさかと思った。
「この間あんたが言った通りなんだ。俺はあんたを抱きたくてたまらねぇ。俺はあんたのことが……っ…!」
ああ、嘘みたいだ。
嬉しい。本当に。
「僕も…」
僕も言おう。本当の気持ちを。
「僕も原さんのことが好きです。」

そう言った瞬間、すごい勢いで抱きしめられた。
「うわっ、ちょ、ちょっとまって…っ!」
待って!原さん!
「っ…ま、まって、待って、原さん!!っこ、こんなところで…っ!」
「え?あ…あ!そ、そうか。」
原さんは慌てた様子で身体を離す。周りの状況に気が付いて動揺しているみたいだった。
294Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:13:26 ID:VHdIXeU/0
「…すまない…」
しょんぼりと大きな体を丸め、小さくなっている原さん。そんな原さんを見ていたら、僕はおかしくて思わず笑ってしまった。
「ふふふっ」
「何だ?」
ぶっきらぼうな原さんの声。なんだかとても懐かしい。
「やっぱり、似合わないや…」
「何がだ?」
「この場所と…原さん。」
「そうか………そうだな。」
原さんが笑ってくれた。夜明けが近づいていた。

「続きは…島に戻ってからで…いいか?」
「…はい。」

こうして健助は、島に戻ることになった。

ちなみに、少しでも早く島に戻ろうするあまり、剛利は船を全速力で走らせ、ただでさえ船に弱い健助を完全にダウンさせてしまった。これは、剛利だけの秘密である。
295Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:14:22 ID:VHdIXeU/0
そして、島に戻ったその日の夜。

剛利は健助を連れて海に出た。静かな夜の海だった。
剛利は、できるだけそっと船を走らせる。それでも目的地に着く頃には、健助の顔は青ざめていた。

「着いたぞ。大丈夫か。」
「…なんとか…大丈夫です。…ここ…は?」
「俺の秘密の場所だ。」

健助は辺りを見回した。そこは小さな入江だった。
前方は海、後方はすぐに高い崖がそびえる小さな浜辺。足下には砂浜が、時折波に遊ばれて、蒼くきらきらと光っていた。
「素敵なところですね。」
「…そうか。」
健助は海を眺めながら砂浜に座った。剛利もそれに習う。

剛利がおずおずと口を開く。
「こないだの…続き…してもいいか?」
「…いいですよ…」
どちらか先に仕掛けただろう。唇を重ね、舌を深く絡め合う。
剛利の手が、健助のボタンを解いて、手を差し入れる。なめらかな健助の肌が剛利の脳髄を刺激する。健助も、剛利が触れる手の感触に溺れそうになりながら、剛利を脱がせ、剛利の肌に触れた。
お互いがお互いの身体の感触をじっくりを味わったところで、健助が言った。
296Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:16:36 ID:VHdIXeU/0
「今日はね、いいものを持ってきたんです。」
そう言って、健助は脱いだ服の中から、手のひらほどのガラス瓶を取り出した。蓋を開けると、中には半透明のゼリーのようなものが入っていた。

「なんだ…?それ…」
剛利が怪訝そうな顔をする。
「…舐めてみませんか?」
剛利は恐る恐る瓶の中に指を入れて舐めてみる。わずかに磯の香りがした。
「…これ…ふのり か?」
「あたりです。これをね…」
健助はそう言って、剛利の上に馬乗りになった。そしてそれをたっぷりと手につけ、剛利のものに塗りつけた。
健助のその突然の行動と、ぬめらかなそれの感触に、剛利は堪えきれずにかすかなうめき声を上げる。
健助が恥ずかしそうに言った。
「あの…原さん…も…してくれませんか…その……僕の後ろ…」
「…あ、ああ。」
剛利もそれをたっぷりと指に取り、健助の後ろに手を回して蕾に触れた。つぷりと指が沈んでいく。

「…んっ…」
ひんやりとしたものの進入に、健助の身体が反応した。
剛利の無骨な指が、中の襞をゆっくりと撫で上げ、さらに奥へ奥へと進入する。指に塗られたそれのおかげで、進入は容易だった。健助のそこはだんだんとほぐれ、柔らかくなっていく。指を動かすたび、くちゅっ、くちゅっと嫌らしい音を立てた。
剛利のものも、健助の手の中でぬるぬると嫌らしい音を立てている。先端にこすりつけるように指を絡められて、たまらず呻き声を上げた。
「っま…っ…てくれ…もう…」
297Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:17:54 ID:VHdIXeU/0
健助は剛利のものから手を離した。
剛利は健助を動かして、自分のものを健助にあてがわせた。ぬるり、ぬるりと剛利のものが、健助の中を押し開く。

「ぅ…ん…」
時折苦しそうな表情をしながら、剛利のものを受け入れようとする健助。剛利はその光景を見ただけで、頭の中かくらりとした。たまらなくなって腰を動かす。

「ん…あ…は…っ…」

半開きになった健助の口から、甘い吐息が漏れる。吐息に呼応して、剛利の息づかいも次第に早くなっていく。
健助の身体がゆらゆらと揺れて、健助の首筋から玉の汗が伝い、剛利の身体にポタリと落ちた。

剛利は再び瓶の中のものを手に取り、健助のものに触れた。

「…っはぁんっ!」

健助の身体が反り返る。健助の白い喉仏があらわになる。
健助の膝がガクガクと震えた。

「っう…っあは…っはら…さ…ん…んうっ…んうっ…っああ…っ!!」

今にも崩れ落ちそうな、健助の身体を支えながら、剛利は健助のものをさらに乱暴に扱き上げた。
健助の身体がビクンと反応する。
剛利は、健助の体をさらに揺さぶり、絶頂を目指した。
298Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:18:42 ID:VHdIXeU/0


二人はまた、海を眺めていた。

「…先生」
「はい…」
「俺は先生に、ずっとこの島にいて欲しいと思ってる」
「僕も…この島にずっと…いたいです。」

海はいつまでも凪いでいた。月の光が海に溶け、海の上をまっすぐに伸びていた。
299Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:19:32 ID:VHdIXeU/0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おしまい
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テンプレにあるとおり、ドラマを追ってストーリー書いてみようと決めたらこうなりました。
多少強引な所もありますがお許しを。
ドラマ内で使われた台詞、景色を取り入れてますので、あとはどうか皆様の脳内で補ってください。
2006の途中からハマッって初作→2004を観ました。2006が通しでみたいです。
しばらくROMに戻ります。また、萌えポイントが生まれたらアップするかもしれません。
300Dr.コトー診療所 ウブ原→コト5:2007/02/25(日) 10:26:19 ID:VHdIXeU/0
名無しじゃないついでに一言だけ…

>>259
萌えポイントがまさに同じ!
応援してます。
301腐女子ホーム:2007/02/25(日) 10:48:09 ID:IklA9UtG0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  老後スレの腐女子ホームから妄想を膨らませました
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  会話のみで短いです
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
302腐女子ホーム:2007/02/25(日) 10:48:54 ID:IklA9UtG0
先輩ー、これ何ですか?」
「今日はそれ着て仕事すんの」
「うわー、何て言うんでしたっけ、ギャルソン?」
「そう。ま、やるこたいつもと同じお茶くみだけどな」
「ちょっと肩がキツイなぁ……何でこんな制服なんすか、今日に限って」
「今日行く老人ホームな、半年に一回こうやって出張サービスするんだが、
 居るのがちょっと元気な婆さん達でな……」
「元気? いいですね、うちの婆ちゃんも元気一杯です」
「そりゃ何よりだ、大事にしろよ……とにかく、今日のお客は、ちょっと」
「ちょっと?」
「若い男が好きなんだ」
「ふむ、元気な証じゃないですか。
 それに俺、尻を撫でられるくらいならもう平気ですよ。いつものお客で慣れました」
「いや、若い男の……まあ、行けば分かる」
「そっすかー」
「ちょっとばかり変なことを言われるかもしれんが気にすんなよ」
「変なことって?」
「…たとえば、『木崎と俺とどっちが好みか』なんて聞いてくるかもしれん」
「俺は先輩の方が好みですよ」
303腐女子ホーム:2007/02/25(日) 10:49:26 ID:IklA9UtG0
「……いや、そこまでサービスで答えてやる必要はないぞ。困ったフリしときゃ満足してくれる」
「へ?だから木崎さんより先輩の方が好きですってば」
「だからそんなリップサービスの練習今からしないでいいから」
「え、俺ほんとに木崎さんより先輩の方が好きですよ、もう超好き好き」
「……」
「あ、つきましたね先輩。ええと老人ホームやほひ荘。うわー立派な桜」
「それ人喰い桜らしいから近寄るなよ」
「ひゃあオカルトですか」
「美男子が近寄るとさらわれるんだと。前に来たときにそう吹き込まれた」
「じゃあ俺より先輩のが危ないですよ、ほら先輩こっち来て。桜にさらわれちゃいますよ」
「…………」
「さ、やほひ荘の皆様に先輩のおいしーいお茶を召し上がってもらいに
行きましょー」
「……おう」
304numb*3rs兄弟話:2007/02/25(日) 10:49:53 ID:oYoKR6xR0
狐CHで放送中のnumb*3rs兄弟話
遅レスですが
>>240の姉さん!数字話でエロとは高度な技を!
自分はエロ書き未経験なので、(*´Д`)ムッハーでした。


そして再びnumb*3rs兄弟話投下です。連日投下すみません。
レスくれた皆様ありがd
今回も前回に引き続きチャーリーの語りです
        _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌‐^──────────────
  └──────│内容的にも一応、続いているよ。
                └───────────────

305numb*3rs兄弟話1:2007/02/25(日) 10:51:46 ID:oYoKR6xR0

F=G*M1*M2/(R*R)

「これって万有引力の法則だろ?」
深夜のFBIオフィスで、事件に関するデータの研鑽をしていたPC横で、デス
クの端に置かれた僕のノートを覗き込んでドンが言った。
「今度は物理学にまで手を広めようってのか?天才教授」
「違うよ、これは・・・・昔からの癖なんだよ」
「癖?」
「・・・・ぼんやりしてると無意識に書いちゃうんだ。」
「ぼんやり無意識で、万有引力の法則を落書きするのか?昔からだって?まった
くお前はあきれた奴だな。」
理解を超えるよ、ドンは僕の肩を小突いて「マズいコーヒー入れてきてやる」と
言うと隣のブースへと姿を消した。
ドンに理解されたことなんて一度もないよ、そんな言葉が出かかったけれど、そ
れを口に出せるほど僕は勇敢ではなかった。子供の頃に空想していた兄弟像を放
棄してからの僕は、傷つかない為に、いつもドンの前では一握りの勇気を握りつ
ぶさないように慎重にしていなければならなかった。数学の知識を活かしてドン
の事件のアドバイザーとしてFBIに協力している現在でも、傷つくことを恐れる
子供のままだ(あるいは傷つくことに恐れた子供か?)。
僕はノートのF=G*M1*M2/(R*R)の文字列を指でなぞって、万有引力の法則の発
見が物理学の世界にもたらした価値より、僕にとってどれほどの意味があるもの
なのか、きっとドンにはわからないだろうと思った。

306腐女子ホーム:2007/02/25(日) 10:52:01 ID:IklA9UtG0

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ サイショノカギカッコヌケテルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


貴腐人達の欲望が渦巻いている巣へ半年に一回訪問サービスを行う茶屋の妄想でした。
307numb*3rs兄弟話2:2007/02/25(日) 10:52:54 ID:oYoKR6xR0
万有引力の法則はイギリスの物理学者ニュートンにより、物体間には、常に互い
を引きあう力(引力)がはたらいていて、この普遍的な引力は、すべての物体がも
つ性質であることから万有引力とばれ、1687年に万有引力の法則として定式化さ
れたものだ。
物理学は専門じゃなかったけれど、あらゆる物体と物体は互いに引き合う力を持
っていて、万有引力は物質を選ばない。質量があれば必ず働く。そのことは容易
に理解できた。

じゃあ人間関係にも万有引力が働くのかな。どんなに離れていても、引き合う力
は働いていて、離れているときは弱い力でも、近づけば近づくほどに強く引き合
うのかな。
空想を放棄した僕は、物理学の中に人間関係の可能性をそっと見つけ出して。い
つか、想像もつかないほど遠いいつの日か、僕とドンが万有引力で繋がることが
あれば、僕は孤独でも大丈夫だって、やっぱり子供の純真さで、そう思って。そ
れから一心に万有引力の法則を書き綴ることに心を傾けた。
ハイスクールでも大学でも若すぎることを理由に周囲から孤立していた時も、こ
とあるごとに非凡な才能を揶揄された時も、大学で思うように論文が書き進まな
いと時も、ドンが家を出る時僕のことを振り返りもしなかった時だって、この"呪
文"を書き綴っていれば耐えられた。そうしていつしか意識は無意識に変わり、
僕の現実と僕の慰めは数学だけだったけれど、ドンとの関係に関する希望は万有
引力の法則によって慰められ続けてきた。(余談だけど、このノートに"呪文"を
書いたのはつい最近になってドンに同棲していた彼女がいたこと、婚約を考える
ほど愛していた女性の存在をずっと知らずにいた事実に打ちのめされたからだ。
と思う。無意識だったから自信はないけれど。)

308numb*3rs兄弟話3:2007/02/25(日) 10:54:04 ID:oYoKR6xR0
そして今。
僕とドンの距離は、過去のあらゆる時間と比べて、ずっと近づいている。人生で
一番近い距離に"僕ら"はいる("僕ら"と言う表現が許されるほどに)。
それが万有引力の法則かどうかはわからないけれど、二人の間に働く力がもし万
有引力ならば。もっと近づいたら、僕とドンはもっと強く引き合うのかな。
でも。でも僕は思うんだよ、ドン。決してあのハイスクール時代に戻りたいなん
て思えない記憶ばかりだけれど。少年時代の僕は少年時代のドンと兄弟として過
ごしたかったって。
今これだけ僕を必要としてくれて、僕の能力を認めてくれて、数学の話をしたっ
て「もっとわかりやすく説明してくれ」とは言うけれど、いい加減にしろよウン
ザリだ、なんて顔をして途中で席を立ったり僕の話を無視したりしない。「家族が
一番大事だ」って僕を見て言ってくれて。それは胸が詰まって息も出来ないほど
の喜びだけど。
だけれども。僕は、子供の頃に子供としての親しみをドンに感じたかったし、ド
ンにも感じて欲しかったって思うんだ。そうしたら、今よりもっと、僕はドンの
ことを理解して近くに感じることが出きるだろうし、ドンは僕に、手に馴染んだ
野球のグローブのような愛情を感じるんじゃないのかな、って思うんだ。
それって贅沢なわがままかな。
過去は振り返ることは出来るけれど、帰ることは出来ない。どんな法則を使って
も。
こうして一緒に過ごせる時間が増えれば増えるほど、幼い日に望んだ「幸せな未
来」にいるにもかかわらず、僕は今、ずっと疎遠だった頃の孤独を思い出してい
る。
もしかしたら幸せと孤独の間にも万有引力が働いているのかな。
だとしたら、これも僕の望みなのかな。
ドン、どう思う?


309numb*3rs兄弟話4:2007/02/25(日) 10:54:50 ID:oYoKR6xR0

深夜2時。
僕はドンが「マズいコーヒー」をマグに入れて戻ってきた姿を見つめながら、ノ
ートの上のF=G*M1*M2/(R*R)の走り書きを指でなぞり、その上からもう一度、
意識的に万有引力の法則を書き重ねた。


310numb*3rs兄弟話おしまい:2007/02/25(日) 10:56:05 ID:oYoKR6xR0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) キスもエロもなしかよ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

またしても陰気な話に・・ ・
ちなみに万有引力に関する表現は個人的な雰囲気的解釈デスので・・・
物理学専攻の方々、間違えていたらどうかお許しを。
お付き合いありがとうございました。
311301:2007/02/25(日) 10:57:05 ID:IklA9UtG0
ぎゃー失礼した
306をもう少し早めに書きこむべきだった
312numb*3rs兄弟話:2007/02/25(日) 10:57:54 ID:oYoKR6xR0
あわわわ>>306腐女子ホームの姉さん
割り込んでしまってすみませんでした
313風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 11:03:10 ID:SgpFPTQz0
わお、数字話素敵過ぎる!
確かに今から小さな頃の寂しい記憶を埋めることもできなくて
そのもどかしさが二人をインセストちっくに見せている気がする…!
>309姐さんありがとう!萌えたよう

二回連続でスレを覗いたらちょうど姐さんが投下されてたので嬉しすぎます
314風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 11:17:21 ID:Iedd9qta0
うーれーしーい〜〜!

叫びたくたる位テラウレシス
・゚・*:.。..。.:*・゚(・∀・)・゚・*:.。..。.:*・゚コノスレダイスキダ
昨日といい今日といい数字話が大漁でほくほくだよ
投下してくれた姐さん方、萌え萌えの話をサンクス!
315風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 11:48:57 ID:vpBcKQij0
>99
かなり亀ですが…

初めて映画を見たときの切なさ、心を突き動かされる感じを思い出しました。
ありがとう。このふたりを見られるとは思わなかったよ…!
316風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 12:36:37 ID:AuCQ1V+x0
>>264
覇権萌え
姐さん、ありがとうございます!
かわいい2人に萌えましたw
317風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 12:44:43 ID:mU0ik5cf0
ここ最近の棚の勢いは異常
姐さん方本当に乙です
318風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 12:48:30 ID:8/zNgJ5Z0
腐女子ホームいいっすね
お茶くみの様子もお願いします
319風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 14:28:43 ID:S4YcVp/OO
ヨチオカ姐様もウヴハラコチョ姐様も毎回楽しみに見させて頂き申し上げております!
ウヴ姐様お疲れ様でした!また近い内にいらっしゃる時をお待ち申し上げます!
320風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 16:07:07 ID:NxbJsp450
301 乙!GJ!おもしろいです!先輩気になりますねぇww
321風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 16:17:56 ID:u7ZO99q00
亀レスすいません
>>99
文章力を感じさせる作品でとても綺麗!GJ!
アマデウスという作品は知らない自分でも楽しめました

>>195
このスレから読ませて頂いてるのですが続き楽しみにしてます
322禿鷹:2007/02/25(日) 17:19:34 ID:Rl7GR3+i0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )前回ミスすみませぬ。もいっかいうpです

不愉快な雨音が、鼓膜に響く。
雨は、嫌いだ
あの日のことが、思い出されてしまうから
あの人を、思い出してしまうから

耳に残る、あの雨の音…………


ただの、200万ぽっちが返せなくて、命を絶った男。
彼を救えなかったことが、苦しかった。
声を殺して泣き、嗚咽しながら思った。
何故、と
何故僕は彼を救えなかったんだろう
何故僕は彼を助けられなかったのだろう
何故。
そんなネガティブ思考に終止符をうったのは、敬愛する上司の言葉だった。

「日本は資本主義国だからしょうがない、お前は、悪くないよ」

その言葉を聞いた時、僕はさらに混乱に陥った
資本主義だから?
彼が死んだのはしょうがないと?
困惑し、どうしようもない涙が頬をつたう。
上司がそれを悲しさからきたものだと勘違いをしたらしく、そっと抱き込んできた。
323禿鷹2:2007/02/25(日) 17:20:15 ID:Rl7GR3+i0
故人への悲しみ、そして今自分が発したその言葉が生んだ困惑からきたものであろう涙を流す部下をみて、どうしようもなく彼が愛しくなった。
衝動で、彼を抱き込んでしまった。
彼とは多く体を重ねているけれど、こんなにも胸が苦しくなった欲情を感じたことはなかった。
多分、初めてであろう。
ふと胸のあたりに温かい湿ったものを感じて、抱いたままの部下をみやると。
無言で抱きかかえたにも関わらず、自分の胸に額を押し当てて、声を殺して泣いていた。
言葉はなく、ただ彼が愛しくなって抱く力を強めた。
ビクッと反応する彼が、いつもならば軽い抵抗を感じるのに、今は背中から肩に手を回して更に胸に額を押しつけてきた。

雨の音と彼の押し殺した嗚咽を聞きながら、彼の細い体をただ抱いていた。
324禿鷹3:2007/02/25(日) 17:21:47 ID:Rl7GR3+i0
いつまで泣いていたのだろうか。
気づけば30分が経っていた。
彼の疲れたような、困惑した艶やかな顔をみて、どす黒い感情が体を駆ける。
「落ち着いたか?」
「……えぇ、はい。すいません、取り乱してしまいました……」
「いや、いいんだ。ただもう落ちついたか?じゃあ少し、どこかで休もうか」
優しく彼に語りかければ、コクンと小さな頷きが返ってくる。
近くにホテルがあったのをこれ幸いと、宿泊し、鍵をもらう。
ラブホテルなどではなく、ただのビジネスホテルだ。
部屋は3階、ドアをあけて彼をソファーにすわらせるまで、終始無言だった。
彼の顔は暗く、目は赤く腫れていた。
「お茶でいいか?」
「ぁ、ありがとうございます、すいませんっ」
ソファーから立ち上がろうとする彼を手を振ることで押しとどめ、備え付けのお湯とパックの封をきる。
温かいお茶を彼の前の机に置いて、自分は立ったままお茶を啜る。
じんわりと芯から温まる感覚に満足し、彼の方をみやる。
さすがにもう泣くことはないだろうが、今にも泣きそうな顔をしている。そんな彼に、不謹慎ながらも欲情してしまい、そのままソファーに押し倒す。
持っていたお茶は軽い音をたてて落ち、床に染みをつくる。
「ぁ、しばた、せんぱい」
「……忘れさせてやるから」

一緒に堕ちよう、と
彼も意図を理解したらしく、何もいうことなく抱きついてきた。
325禿鷹3:2007/02/25(日) 17:22:51 ID:Rl7GR3+i0
快感が、体をめぐって、全てを忘れる、ことができた。
彼と繋がっている、ということが下腹の圧迫感で感じられる。
忘れよう。
そして、彼の言葉を考えてみよう。
「…ぁっ……ん……」
ただ今だけは、彼に抱かれる事だけで………


もう、何年前のことだろうか
「………七年、か」
ふぅ、とため息に似た呟きを吐きつつ、窓のブラインドをめくり外をのぞく。
「昔の僕とは違いますよ、先輩」
あなたに教わったことが転機。
自らの呟きに苦笑しながら窓から離れる。
彼を潰す為のものと言っても過言ではない程の書類をもち、会議に出席すべくドアを開けた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )おそまつでした
326禿鷹 おわり:2007/02/25(日) 17:25:04 ID:Rl7GR3+i0
しかも数字まちがってるしorz
あぁ、ほんとおそまつでした
327ナガセ×ヨシオカ ラスト:2007/02/25(日) 17:31:11 ID:ckxGovZlO
◇ PLAY ⊂(・ω・
ラストです
328風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 17:32:43 ID:ckxGovZlO
「やっ…!!」    
無理矢理シャツを開きあちこちにキスの雨を降らせる。          
「やっ…やめてナガセさん……!」        
壁に押さえ付けられても尚逃げようとするヨシオカの細腰をつかむ。      
そして胸の突起を舌で執拗に攻める。      
「あっ…あっあっ…!!」
「…やめないよ…」
ナガセは突起をしゃぶりながら強い口調で話す。 
「…なんで…他のやつは拒否しないのに俺は拒否するんだよ……そんなに…そんなに俺のことが嫌いなのか…?」        
「あっ…!やぁっ…!!!」
ナガセがズボンの中に手を入れヨシオカ自身に触れ扱こうとした瞬間、突然ヨシオカが今まで以上に激しい抵抗を見せた。
「やぁっ!やだっ!!やめてっっ!!!」
「なっ…!?」
突然暴れはじめたヨシオカに戸惑う。
「…っなんで…!いいんだろ別に!?誰だって…良いんだろ!?」
そう叫び再びヨシオカを壁に押しつけると、彼が涙声で呟きはじめた。
329風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 17:35:52 ID:ckxGovZlO
「………いっ…意味ない………っっ…」
「…え…?」
キッ!と顔を上げた泣き顔のヨシオカがにらむ。
「…っナ…ナガセさんを忘れたくて…っ…どうせ本気になってもらえないのにナガセさんのこといつまでもわ…忘れられなくて…っ…
苦しくて…色んな人に抱かれたのに…っ…なんでっ…なんでこういうこと、するんですか……っ!」
「!」
「…っこれじゃ…意味ない…っ…!!」
意味ない…、と呟いてヨシオカはうつむいてしまった。
ナガセは呆然と今の言葉を聞いていた。      
長い髪に隠れた彼から、小さく嗚咽が漏れはじめる。
「…ヨ、ヨシオカ君……」
「……ナガセさんこそ…なんなんですか……」
しどけない姿をそのままに体を小さく震えさせポツリと呟く。
「やり直したいなんて……どうせ…どうせまた…僕だけ夢中になっちゃうんです……」
「そんな…」
「絶対……そうです……」
つー…と一筋の涙がこぼれおちる。
「だからもう…期待持たせるようなこと……言わないでください…」
潤んだ瞳を真っすぐ向ける。
ナガセはその瞳に自分が映るのを見て激しい罪悪感と過去の自分に対する罵倒を思い浮べると共に、
どうしようもない歓喜と震えそうになるくらいの幸福感を感じていた。
(ヨシオカ君が…ここまで……俺のことを………!)
その衝動そのままに、未だ小さく震えていたヨシオカを強く抱き締めた。
330風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 17:41:29 ID:ckxGovZlO
「っ!?」
息を飲むのを感じるがおかまいなく更に強く抱き締める。
「……良かった……」
「…え…」
「…あの日々を…ヨシオカ君も大切に思っててくれてたんだ………」
「……」
「本当に……ヨシオカ君にとってはなんでもなかったのかと思った……」
演技、うますぎ。
泣き笑いのような顔をしたナガセが肩口で言う。
「…あのときは本当にごめん……俺、馬鹿だったんだ……」
「…馬鹿って…」
「あの頃…ヨシオカ君と過ごす日々が幸せすぎて…このままじゃ自分がダメになると思ってヨシオカ君から離れたんだ……」
「……」
「…本当に馬鹿なことしたと思う……前にも言ったけど、俺…ヨシオカ君がいないと辛くて仕方ないんだ……。離れてからずっと後悔してた…」
ほんと、馬鹿だよな自分から離れておきながら……。そう呟き抱き締める腕に力を加える。
「お願い……どうか……どうかまた……つきあって欲しい………」
ヨシオカはナガセの独白を彼の腕の中でじっと黙って聞いていた。        
沈黙が占める空間に再び「お願い……」と悲痛な声が響く。
「……ほんとに……」
そんな中、ヨシオカが口を開いた。
「…本当に…僕……ナガセさんのそばにいて……良いんですか……?」
そう言い、ナガセのシャツを小さく掴む。
「あっ…当たり前だよ……っっ!!いてもらわなくちゃ……正直俺………生きていくの、辛い…………」
自分のシャツを握った手をギュッと握り返し、
「愛してる……」
と呟いた。
「……っ」
ヨシオカは胸がいっぱいになり額をナガセに押しつける。
「……僕も………どうしようもないくらい……ナガセさんのこと愛してます………」
別れたときからずっと後悔して、夢にまで見たヨシオカからの言葉にナガセは思わず涙ぐんでしまった。
331風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 17:46:56 ID:ckxGovZlO
「……はは……ゆ、夢みたいだ……」
「…僕も…」
お互い抱き合ったまま涙声で笑いあう。
「…俺…ほんとにヨシオカ君と離れて……死ぬかと思ったんだから……」
「…僕のほうこそですよ……淋しくて淋しくて………本当に恥ずかしいことですけど…色んな人に抱かれて……。こんな僕で…本当に良いんですか…?」
「何言ってるんだよ!俺のせいでそんな辛い目にあったのに……!」
けど、と体を離しヨシオカの目を見つめる。
「もう絶対…ヨシオカ君には誰にも触れさせないから。」「ナガセさん……」
「イハラさんを紹介したのも、心底後悔してたんだ……イハラさんには悪いけど、諦めてもらうしかないな。」
もうあんな思いするの嫌だよ、と苦笑するナガセにヨシオカが「あ、でも…」と何かに気付いたような声をあげる。
「?どうした?」
「ヤマザキ監督と…その…しないと、ナガセさんとのことバラされちゃうかもしれないから……」     
「そっ…!?そんなこと言ってきたのあの監督!?」
「あ…はい…」
「ダメ!!ばれたって俺は全然かまわないから…!絶対応じないで…!!」 
「え、で、でも…」  
「ヨシオカ君が困るなら……俺がどうにかするから…!」
もしまた誰かがヨシオカ君に触れたら、俺殺人者になっちゃうよ…       
冗談じゃないとでも言うよう真剣な眼差しで不穏な言葉を告げられ、思わず頷く。     
「わ、わかりました…」
「よし」
満足気に言うナガセに思わず笑いがこぼれる。   
「ふふっ…ナガセさん大げさ…っ」        
「なっ冗談じゃないよ!?」
「はいはい」
「…ふ〜…」
ヨシオカ君は自分の魅力分かってないからなぁ……
ぶつぶつと呟くナガセをしばらくヨシオカは暖かい目で見つめ、すっ…と軽く寄り掛かる。
332風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 17:51:16 ID:ckxGovZlO
「!」        
「……ほんとに……夢見てるみたいだ……」
「…ヨシオカ君…」
「…こんなに…幸せだと……怖いや……」
目を瞑りそう呟くヨシオカの手を、ナガセはそっと握る。
「……何があろうと……絶対幸せにしてみせるから………」
俺が、絶対守るから―――
だから        
「…これから…またよろしくな?」
「………はい………」

二人はそのまましばらくの間ずっと、寄り添い合い久しぶりに再び取り戻した幸せを充分に噛み締めていた。

だが

「吉岡さん、お疲れさまでした〜v……って、え……!!!??」

「「や、薬師丸さん………!!!」」

「キャッ…!!ご、ごめんなさいっ!!」

バタンッ

すぐにドアを閉めてバタバタバタと走り去っていく彼女の足音を聞きながら二人は前途多難な将来を早くも感じて、
春のような幸せな気分から一転すっかり青ざめていた。


終わり
333風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 17:59:37 ID:ckxGovZlO
□ STOP ⊂(・ω・;
怒られるかも…;と不安一杯の作品を暖かく見守ってくださった方々、本当にありがとうございました!
おかげでとにかく書くの楽しかったです。
ウブハラコトのお姐さんも、メッセージありがとうございました!こちらこそめちゃくちゃ楽しませてもらいましたv
また投下楽しみに待たせていただきます!
334風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 18:01:42 ID:ckxGovZlO
最後の最後にヤクシマルさん伏せ忘れ…ほんとすいません…orz
335風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 19:30:14 ID:D87c46dE0
>>283
遅レスだが切なくてGJ!!
この二人を読めるなんて夢のようだよ!!
336風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 20:55:59 ID:7MldUW4o0
恐縮にも124神のお話の数日後、というシチュです。
中途半端ですが…。
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  「ハ/ケ/ン/の/品/格」の大小。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

337ハケン:2007/02/25(日) 20:58:15 ID:7MldUW4o0
二人きりの夜のオフィス。
昼間の騒がしいあの雰囲気とはうって変わって、
薄暗く、わずかな明かりしかともっていないその部屋には
俺達の息遣いと、時計の針の音がたまに耳に入る程度だった。
赤く火照ったケンちゃんの顔を見つめながら、
改めて考えた。
なんでこんな状況になってるんだろう?


「しょうじさん!」
うしろから呼び止められて、振り返ると
そこには息を切らし、走ってくるケンちゃんの姿があった。
「…どうしたの。」
「どうしたのじゃないよ。…ねえなんで俺の事避けるの?」
呼吸を整え、ひざを押さえて上目遣いで俺を見る。
「…」
俺は何も答える事ができなかった。
「あんな事」があってから、俺はケンちゃんの事を
無意識のうちに、避けていたらしい。
自分ではそんなつもりはなかったんだけど…。
「あいさつしてもそっけないし、今もそうだよ。
帰る時俺呼び止めたのに、急いで出てっちゃうから…」
しだいにケンちゃんの目は潤み出し、子犬みたいなその目からは
今にも涙がこぼれそうだった。
「ちょ…まった!落ち着いて。な。場所、一旦変えよう。」
周りの目が気になった俺は、ケンちゃんの肩を抱き、
自分達のオフィスへと戻った。
338ハケン2:2007/02/25(日) 20:59:50 ID:7MldUW4o0
帰りがいつもとりも遅くなった事もあり、
周りにはだれもいなかった。
残業して帰る、と言っていた社員もみんな帰ってしまったらしい。
静まり返ったこの場所には、俺とケンちゃんしかいない。
こんなのは珍しい事じゃなくぁずなのに、
異様に緊張してしまう。
「あのさ、しょうじさん…。」
重い沈黙をまず破ったのはケンちゃんの言葉だった。
「あの日の事…やっぱなかった事にしようよ。」
「え?」
「だって…あんな事になってから…しょうじさん
俺の事なんだか避けてる気がするし…
そんなの、もう耐えられないんだと俺。」
「ケンちゃん…。」
「それなら、もうキレイに忘れて、前にたいな関係に戻れた方が…。」
「違うんだ。ケンちゃん。それは…。」
うまく言葉が出てこない。
そうじゃないんだ。
避けていたのは事実かもしれない。




339ハケン3:2007/02/25(日) 21:02:52 ID:7MldUW4o0
でも、それは…。
「ごめん。俺、ケンちゃんの事傷つけてたんだ。」
「…、」
「違うんだよ。なんか俺…ほら。
こういう事には不器用っていうかどうしていいのかわからない。
みたいあ所あるだろ?だから…。」
その先の言葉が出てこなく、もどかしくなって
頭を掻きむしった。
340ハケン4:2007/02/25(日) 21:03:29 ID:7MldUW4o0
でも、それは…。
「ごめん。俺、ケンちゃんの事傷つけてたんだ。」
「…、」
「違うんだよ。なんか俺…ほら。
ああ、なんで俺ってこうなんだ。
「しょうじさん…。俺さ、しょうじさんの事、好きだよ。」
あまりに突然なその言葉に、
驚いてさらに言葉もでない。
「ケ…」
「あの時、しょうじさんは俺の事好きだって言ってくれたよね?
あれは…なんだったのかなって…」
ケンちゃんの顔はまた泣き出しそうになって、
気付いたら、俺はケンちゃんを強く、抱き締めていた。
「ごめんな。ごめん。ケンちゃん」
「しょうじさん…俺…」
「ごめんな。俺だってケンちゃんの事、大好きだよ。」
「…信じていいんだよね…」
「ごめんな。俺、どうしていいのか解らなくて…。
ケンちゃんに合わす顔がなかったんだ…」
そう言ってから腕の力をゆるめ、ケンちゃんの顔を覗き込むと、
さっきまで泣きそうになっていたその顔が
優しく微笑んで、こう言った。
「…しょうじさん。抱いてほしいな」
341ハケン5:2007/02/25(日) 21:05:40 ID:7MldUW4o0
こ、ここで?
「ケ、ケンちゃん…何言って…」
「俺の事好きなんだったら…ここで抱いて。」
「…いいの?」
「うん。」
ゆっくり頷くケンちゃんの表情を見てると、
俺はよくわからない感覚に襲われた気がして、
ケンちゃんの唇に深く口付け、
そのまま机の上へと押し倒した。

「ケンちゃん、苦しくない?」
「ん…だい…じょうぶ…」
そう答えてはみせたものの、ケンちゃんの目はトロンとしていて、
意識も定かではない、と言った感じだった。
無理させちゃったのかな…。机の上でだし、痛かっただろうなあ…。
「ごめん、無理させちゃった。」
「平気。俺の方こそごめんね。無理言って。」
椅子の上へとケンちゃんを座らせ、
やさしく抱き締めた。
「もう、ケンちゃんの事、避けたりしないからさ。
約束するよ。」
「うん…。」
嬉しそうに、鼻を俺の胸にこすらせた。
ほんとに、子犬みたいだな、
なんて思いながら、もう一度
愛しいその唇にやさしくキスをした。


342風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 21:09:04 ID:7MldUW4o0
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おしまい
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


誰かこの続きを頼みます…。
何か中途半端ですいません…。
343腐女子ホーム給仕編:2007/02/25(日) 21:15:22 ID:IklA9UtG0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  調子にのって>>301のその後です
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  相変わらず会話のみ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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344腐女子ホーム給仕編:2007/02/25(日) 21:16:02 ID:IklA9UtG0
「せんぱーい」
「ん、何だ。追加オーダーか?」
「えいっ」
「!? お、お前何を……」
「あちらのお客様からです、なんちって」
「……は?」
「ほら、ちゃんと前向いてくださいよ、揉みにくいじゃないですか」
「一体何を吹きこまれたんだ」
「あちらの、右隅のお客様たちに肩をお揉みしましょうかーって聞いたんですけど」
「……ほう」
「そしたら、『自分達はいいから先輩の肩を揉んで来い』って」
「……」
「凝ってるとこないですかぁ?」
「ないから離してくれ……他には何か変なことを吹きこまれてねーか?」
「変なことなんて言われてませんよー、プロフィールは隅々まで訊かれちゃいましたけど」
「……個人情報保護って言葉を知ってるか」
「大丈夫ですよぉ、家族構成とかスリーサイズとかだけだったし、
 いつものお客みたいに連絡先とかは欲しがってないみたいだし」
「用心するに越した事は無いぞ」
「はーい。あ、それと」
「ん?」
「木崎さんは辞めたのかーってすっごい言われました。皆さん木崎さんのファンなんですねえ。
 木崎さんと先輩が来るのを本当に楽しみにされてたみたいで、何だか新入りの俺じゃ申し訳無くって」
「あぁ……、木崎は都合がつかなかったと言っとけ。
 それに、お前でも十二分にお客様は喜んでる」
「木崎さん、電話で風邪ひいたって言ってましたけど、本当はズル休みですよね」
「あいつの風邪は有休申請って意味だ」
345腐女子ホーム給仕編:2007/02/25(日) 21:16:57 ID:IklA9UtG0
「あはは、言えてる」
「木崎はここが苦手なんだ……お前、こういう仕事平気なんか?」
「? 何ですか唐突に。俺この仕事好きですよ」
「いや、この状況が平気か?」
「ええ」
「……強いな、お前は。俺はこの婆様方の眼差しに長時間は耐えられそうに無い。
 お前が近寄ると余計にクるしな。早く給仕いってこい」
「はいはーい。あ、そうそう」
「何だ」
「さっき先輩は『ウケ』と『セメ』どっちか訊いてこいって言われてたんです。
 どっちですか?」
「…………」
「教えてくださいよぉ。ちなみに俺はよくわかんないから『セメ』の方にしておきました」
「……よりによってそっちを選んだか」
「えー?『セメ』って駄目なほうなんですか?」
「そう言うわけじゃないが……そうだな、俺も『セメ』ってことにしといてくれ」
「りょうかーい。じゃあオーダー取ってきますね」



「せんぱーい」
「今度は何だ」
「俺たちみたいな二人のこと、『リバ』って言うらしいですよ。昔の専門用語ですかね」
「…………」
346腐女子ホーム給仕編:2007/02/25(日) 21:18:50 ID:IklA9UtG0
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 | |                | |           ∧_∧ ゴジツカプロンソウガオキタトカオキナイトカ
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347風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 21:34:51 ID:Ea9LlNAwO
>>342
姐さんGJ!!
大小萌え!!
無器用なショウヅさんと甘えるケソちゃんいいね〜
348風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 21:39:09 ID:AuCQ1V+x0
>>342
萌えましたっっ
姐さんありがとうございます!
大胆なケンちゃんもいいっす…
ごちそうさまでした〜
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/前途シリーズ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、冒険者×ヴァンパイアです
 | |                | |             \十四回目です。
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
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 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヴァンパイアは、乾いてきた血を洗い流すべく、宿に頼んで桶と水とタオルを貸してもらった。
 水に、タオルをひたす。
手にはびりびりと裂かれるような痛みが走る。
ヴァンパイアは水が苦手だ。
温水のほうが、いくらか痛みは軽減できたのかと思いながらも、その痛みを我慢してタオルを絞り、血の跡を拭いてやった。
――ロウッド、目を覚ましてくれ
ただそのことを胸に秘めつつ、何度も血の跡をぬぐう。
おかげでタオルは真っ赤に染まったが、気にしなかった。
 宿に桶とタオルを返した際、タオル代も置いてきた。たいした値段ではない。
ヴァンパイアは、再びロウッドの手を握った。少しでも暖かくならないかと、手をさする。
だが血を長いこと十分に吸っていないヴァンパイアの手も冷たく、それは無理だった。
今のヴァンパイアには、血を吸うという本能はなかった。
彼の頭にただあるのは、ロウッドがヴァンパイアになって傷が治ってくれること。
ただ、それだけ。
そうして三日が過ぎた。
相変わらず、暗い部屋に、ロウッドが寝かされている。傷は治ってきていた。通常のヴァンパイアの修復速度よりやや劣るが、間違いなくヴァンパイア化している証拠だった。
本当にこれでよかったんだろうか。
ロウッドは、自らヴァンパイアになることを願った。
これから先、どうなるだろう。
ロウッドは後悔していないだろうか。
ヴァンパイアは、ひたすらそのことを思うようになった。
ヴァンパイアは、眠るときは、ロウッドの手を握って、寝た。
ベッドのそばで、毛布もかぶらず、眠る。
それはとても寒かったが、ヴァンパイアにはたいしたことではなかった。
さらに三日が過ぎた。
ロウッドにヴァンパイアの血を与えて六日。
傷は、完全に修復されていた。
その生命力の強さに、ヴァンパイアという種族でありながらも驚く。
ここまで早く、あのえぐるような傷が自己修復できるとは。
おそらく、ロウッド自身の生命力にもよるのだろう。
「う…ん」
ロウッドの声だった。
ヴァンパイアが顔を上げる。
「ロウッド…?ロウッド、ロウッド!」
覚醒が近い。
ふと、窓の外を見る。満月だった。
「今宵は満月か…、ロウッド、起きてくれ…」
「レ、イン…?」
ロウッドは、ゆっくりと目を開けた。
その目は金色に光っていて、闇によく映えた。
そして次に瞬きをしたときは、目が赤色に変わっていた。ヴァンパイアの証である。
「ロウッド!!」
「レイン…」
ロウッドは、その状態のまま喋り続けた。
「なんか、長いこと寝たような…うわっ、何だ?!…すげぇ、夜でもよくものが見えるぞ」
「お前の瞳も、赤になっているぞ。ロウッド、…よかった」
ヴァンパイアは、ロウッドの頬に愛しげに触れた。
「レイン、真っ青じゃないか…」
ロウッドは体を起こした。その際に、傷がないのを見て、また驚いた。
「傷が…ない」
「まったくたいした生命力だよ、六日であの傷が癒えるなんて」
「六日?俺は六日も寝てたのか?」
ヴァンパイアは、愛しい人に、抱きついた。
涙をぽろぽろこぼしながら、何度も頷いた。
「そう、そうだ。六日も私を一人にしていた…起きてくれてよかった。愛してる、ずっと愛してる」
「レイン、ありがとな。ヴァンパイアになったけど、こうして俺は生きてるよ」
涙をぬぐってやる。
そして何度も何度も、深いキスを交わした。
「ん…、ロウッド、のどは渇かないか?」
「ああ…そういや、少しだけ。…これが血の欲求ってやつか」
「私の血を、飲め」
青白い顔をしたヴァンパイアは、自らの首筋を見せる。
本能のせいだろうか。ごくりとのどがなる。
「でもお前、真っ青だぞ、これ以上血を吸われたら…」
「構わない」
いけない。これ以上吸ったら、ヴァンパイアが倒れてしまう。
そうわかっていながらも、ヴァンパイアとなったロウッドの本能にはかなわなかった。
 ヴァンパイアの首筋に口を近づける。
鋭い牙が、首筋に二つの穴を開けた。
「――あ」
ヴァンパイアは、ロウッドに抱きついて、捕食される感覚に震えていた。
甘い血が口内に入ってくる。飲み下すと、力がついてくるような感覚になる。
芯から、温まってくるような感覚になる。
 冷たかった手はすぐに血の巡りがよくなり、温かくなる。
夢中で、ヴァンパイアの血をすすった。
たまらない、甘美な味だった。
今まで味わったどんな料理よりも飲み物よりも、ずっとずっと甘美な味。
甘い、血の味。
する、と、突然ヴァンパイアの力がなくなった。
そのまま床に倒れそうになり、それをあわてて支えた。
「大、丈、夫…ちょっと、横に…」
「ああ、すまないな」
ヴァンパイアを抱えあげると、ベッドに寝かせてやる。
血に夢中になりすぎたかもしれない。顔色は真っ青で、力がまるで入らないようだった。
「明日血を吸ってくるよ。冒険者仲間にしてダンジョンで吸い殺せばばれないだろう。そのまま葬ってしまえばな。そしたらお前に血を分けてやれる」
「私も…行く」
「いいから寝てろ」
くしゃくしゃと、頭をなでてやった。綺麗な銀髪が、手に絡みつく。
本当に、綺麗なんだな。
ヴァンパイアになった今でも、そう思った。
不思議な感覚だった。
 本来ならば夜は明かりがなければ何も見えない。
それが、物がどこにあるか、明かりがついているかのようによく見えるのだ。
そして血の味。あんなに鉄さびくさかったものが、あのように甘美なものに変わるとは、知らなかった。
同時に、ヴァンパイアが血を吸うとき、恍惚とした表情を見せていた理由がわかった気がした。
 ヴァンパイアの額に軽くキスすると、隣のベッドでロウッドも寝ることにした。
六日間も寝ていたから、寝た気はしなかったが、それでも眠りには付けた。
本当は、今すぐにでも血を吸いに言って、血をヴァンパイアに分けてやりたかったのだが。

日中になった。
天気がよかった。
 ロウッドはいつもの格好で外に一歩出て、太陽のまぶしさに、目を覆った。
太陽によって肌を焼かれて痛い。
ヴァンパイアが太陽を避ける理由は、ここにあったのだ。
ロウッドは、持っていたローブを羽織ると、ギルドに立ち寄った。
「ロウッドさん!奇跡的に助かったとは本当だったのですね!よかった、あなたのおかげでこの町も救われましたよ!」
元締めは、ロウッドがヴァンパイアになったとも知らず、ロウッドの手を握って生還を喜んだ。
「ああ、ありがとう。とどめはレインがさしてくれたんだけどな、レインがいなかったら俺も死んでたよ。所で、闇ギルドなんだが…」
「ああ、はいはいこちらです」
闇ギルド。暗殺、誘拐、逃亡、脱獄、密輸入輸出などの依頼が出されている、限られた人間しか入れないギルドである。
 ロウッドは、別室に通された。
そこには暗殺の依頼が山ほどあったが、どれもターゲットが遠い町に在住しているものだった。
 暗殺で、この町にいる人物だったら引き受けて血を吸ってやろうと思ったのだが、無理のようだった。あきらめて、ギルドを出る。
酒場には、仲間を求めて集まった冒険者がいた。
その中に、まだ若い女がいた。
冒険者としてはまだ頼りなく、装備もごく軽いもののみ。
だが、その血は極上だろう。そう、本能が告げていた。
「すいません、前、いいかな」
「は、はい!」
緊張した面持ちで、女はロウッドと同席することを許した。
「もしよければ、私の仲間になりませんか?」
「えっ、良いんですか?!そうですね、たまには仲間と一緒というのも悪くありませんね。よろしくお願いします」
 案外あっさりと、仲間になってくれた。
その後、ロウッドは人里はなれたダンジョンに彼女を連れて行った。
ダンジョンははじめてらしく、おろおろする彼女をリードし、ある程度深層部まで行った時、後ろから彼女の首を狙って噛み付いた。
「!!ロ…ウッドさん…!?」
血が啜られていく。
急激に血を失っていって、彼女はついに倒れた。
血の甘い味が口の中に広がる。ヴァンパイアのものよりも劣ったが、それでもとても美味だった。
罪悪感は少し、あった。しかし、ヴァンパイアを助けるためと、そう思って罪悪感を押し殺した。
 しかしこの方法はよかった。
気づかれなければ、ヴァンパイアだという事実も、そして警備員に追われることもない。
死体を担ぎ上げると、町に戻り、埋葬した。

 ____________
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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356風と木の名無しさん:2007/02/25(日) 22:29:34 ID:y2uVq9cY0
>>355
おおっ!ついにこうなりましたか
毎回読み応えあります
357風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 00:24:42 ID:ucesbDXA0
>>342
亀レスですが、私のgdgdおまけの続きがえらい素敵なことになってる……
小にどう接したらいいか分からない不器用大かわいいよ大!
大胆な小エロス!
おいしすぎる続きマリガトンです!
358風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 00:47:09 ID:jQhmb4ZLO
ヨチオカ姐様お疲れ様でした!超GJ!またきてくだたい(`・ω・´)ハッフハッフ
359風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 00:47:21 ID:UZv/GdSt0
>>346
面白いGJ!
こういう軽快なノリ好きです
360風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 00:49:51 ID:k6Wp4+Ao0
ヨチオカ姐様にはぜひ戻ってきてもらわなければ!ナルコトの続きも気になるし・・・
361風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 02:25:33 ID:TYlwPLCJ0
>>333
完結お疲れ様でした!!
姐様の大ファンで、毎回萌えツボつかれまりでした。
もしまた気が向かれたら、後日談や監督orイハラ氏とのその後などぜひお願いします!
362ナマ/ゲイニソ/流星:2007/02/26(月) 03:47:58 ID:aWdWSRzy0



                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ナマ/ゲイニソ/流星、那珂縞×他気上
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  エロもキスもないほのぼのネター
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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363ナマ/ゲイニソ/流星1:2007/02/26(月) 03:52:49 ID:aWdWSRzy0

花弁をちぎって、単純な遊戯。
可憐な戯れだとは知りながらも籠められる願いは切なく甘く。

ハナウラナイ

可愛いとか愛くるしいとかそういう類の誉め言葉は要らない。
だけど俺以外にアイツの可愛いや愛くるしいはやりたくない。
我ながら我儘だと思う。
だけど人間誰しも何かに対して独占欲を抱くだろうし、俺はアイツに対して独占欲を抱くわけで。
その都合上、他人への賛辞は例えお世辞であれ時に俺を不愉快かつ暴力的な気分にさせる。
そして、今俺は正に超のつく不機嫌さ。
始まりはアイツの一言。
仕事帰りに通り掛かった公園で見掛けた中学生くらいの二人の少女。
手には二人の雰囲気に良く似合う花が一輪。
彼女等は指先でそっと愛しむみたいに花弁をちぎる。
花占いだ、当たるはず無いとは思いつつ花に向けた少女の笑みは清廉なものだった。
「可愛いよなぁ。花占い。女の子の素敵な面だと俺思うんだよな」
「は?」
今、可愛いとか素敵とか言う単語が聞こえたんですが?
「だから花占いだって。花弁ちぎるやつ、知らない?」
花占いくらい知ってる。
花弁をむしる、何とも残虐かつ不毛な占い。
「知ってるけどそれのどこが可愛いで素敵?」
「全部。花占いすること自体が良いなぁ」
そーゆーのが可愛らしさ、なんだよな。
とかなんだか言われても俺にはそんな感覚は皆無だし。
第一に俺が隣に居るのに呑気にも他のモノ見てるって、考えてるって当たり前に気に入らない。
364ナマ/ゲイニソ/流星2:2007/02/26(月) 03:54:56 ID:aWdWSRzy0
「なら、さ」
軽く屈んで道端に咲いてたピンクの色した花を奪う。
花を恋しがるアスファルトに心で一瞬お詫びして花弁を宙に浮かべる。
「好き」
ふわり、と舞う桃色。
「嫌い」
俺の挙動に驚くお前。
「好き」
俺だけ見てれば良い。
「嫌い」
なんて思いはしない。
「好き」
だと素直に言えない。
「嫌い」
本当のこと、伝わってる筈。
「好き」
だっていう俺の想い。
「嫌い」
……だからイジメも愛故。
「これで、満足した?」
花弁を取り払った緑のソレをアスファルトに返して歩きだす。
茫然と時間を忘れた相方は三歩半遅れてダッシュ。
開口一番、隣まで追い付いた彼はニヤリと俺の顔を見て笑う。
「やっぱり花占いは当たらなくてもやるのが可愛いんだよな。
 瀧上がやるから普通より可愛かった」
まだそんな台詞が吐けるかもう一本くらいお見舞いしてやろうかと
伸ばしかけた腕は反対の手を引いた彼によって空振りした。
引かれた手は彼と繋がれて密やかに愛さえ感じる。
365ナマ/ゲイニソ/流星:2007/02/26(月) 03:56:59 ID:aWdWSRzy0
「そのままの瀧上が大好きだし」
そんな殺し文句言うから。
繋いだのとは反対の手で後頭部を一撃。
「愛の痛み」だとかなんとか言う隣の手を握り直す。
繋がれた手は少し汗ばんで暑苦しい。
でも今は許してやろう。
「仲英ー…俺さぁ」
途中で言い淀む。
喉がまた、慣れない音で呼吸した。
「何?」
「…空が綺麗」
「繋がってないけど?」
不振そうな彼に笑いかけ空を見上げる。
晴れた空に白い雲が眩しいくらいで気持ち良い。
「俺さぁ、の続きは?」
「何でもない。言ってみただけ」
言おうかと思ったけど、やめた。
最後の花弁が嫌いで終わるからちぎりたくなかったなんてバラしてやらない。
「今度はコスモス以外の花でやれよ」
考えてること見られたみたいに標準の合った助言。
結局花占いは当たらない。
言わなくても通じてるけど言ってみようか。
「好き」
分かってる、って答える代わりに力一杯手を握られた。
秋空の下。
コスモスの花が優しい風に揺れて、咲き誇る。
空も綺麗で花も綺麗で。
普段より少し素直にもなれたから。
花占いも良いかと思えた。
366ナマ/ゲイニソ/流星:2007/02/26(月) 03:59:04 ID:aWdWSRzy0

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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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367風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 06:22:09 ID:kYRcbUE4O
>>366
もももも萌えました…!
こんな所で名課多岐読めるとは…姐さんGJ!
368風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 07:37:35 ID:rYbNHCLX0
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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369ハ/ケ/ン 大小(襲い受)1/8:2007/02/26(月) 07:38:46 ID:rYbNHCLX0
「俺、商事さんのことが好きだよ」
その時ぱきんと、世界が割れた音がした気がした。


研ちゃんのその一言で俺と研ちゃんの間柄が変わってしまってから半月ばかり経った頃だった。
変わったと言ってもじゃあ何が変わったのかと言われると、会社帰りにどっちかの家に寄って
帰ったりとか電話やメールの数が増えたということもなく、だいたいそんなことは元々やっていた
ことなので、つまりは結局何も変わっていなかった。
ただ何となく会社でふと感じる研ちゃんの視線に落ち着かなさを覚えたり、並んだときに肩で
触れる研ちゃんの体温にドキドキしてしてしまったり、じっと見上げてくる研ちゃんの視線から
目を逸らしたくなったりと、俺の内側だけがまだ混乱して収拾がつかないのだった。
どうしたらいいんだ。

「ごめん。本当は言わないでおこうと思ってたんだけど」
研ちゃんはそのとき例の、ハの字眉の下の迷子の子犬みたいな途方にくれた目を、驚きのあまり
動けなくなってしまった俺に向けてきた。
「商事さんは。俺のことどう思ってるの?」
どう思ってるのって。そんなの決まってるだろう。
「好き? 嫌い?」
いや。その選択肢は。
「そりゃ……す、好きだよ」
友達として。大事な友達として。
しかし、その言葉が形になる前に、研ちゃんはそのハの字眉の下の黒目を細めて、そりゃあ
もう嬉しそうに、それこそ蕾がほころぶように、微笑んでみせたのだった。
「良かった」
そんな研ちゃんに、俺は自分の言葉を取り消すことも付け足すこともできなくなってしまった。
370ハ/ケ/ン 大小(襲い受)2/8:2007/02/26(月) 07:41:33 ID:rYbNHCLX0
今も研ちゃんは、俺の家のテーブルに腰かけて雑誌をパラパラと捲っている。俺はテレビの前の
ソファにだらりと寄りかかって流れる画面を眺めながらにコーヒーを飲んでいる。やることのない
休日としては、今までと何も変わらない光景だった。
だから俺はすっかり油断していた。
「ねえ商事さん」
「んー?」
研ちゃんの呼びかけに、画面から視線を動かさずに気のない返事を返す。コーヒーを口に含んで、
そして次の研ちゃんの言葉で盛大にそれを吹き出した。
「セックスしてみない?」
コーヒーが気管に入ったようだ。苦しくて大きく咳き込んでいると、研ちゃんが傍に来て背中を
さすり始めた。
「大丈夫?」
「ケホッ、ゴホ、研ちゃん今、なんつって…」
「セックスしてみない? 俺と」
研ちゃんは散歩に行こう、とでも言っているような調子で繰り返す。

「だって俺たち付き合ってるんだし、そういうのもないと、不自然じゃない?」
付き合ってる? 付き合ってるって言った? 今。
苦しさのあまり言葉が出てこない。
「俺は商事さんのことが好きだし、商事さんも好きだって言ってくれたし、俺たちもういい大人
なんだし、身体の事情とかもあるんだし…」
「だっ、けど、男同士で」
やっとのことで声を絞り出す。違う。問題はそれだけじゃないだろう。
「うん。不安だけど。でも、商事さんだったら」
そう言って研ちゃんはうつむいてはにかむ。その目元がうっすらと赤くなっている。
371ハ/ケ/ン 大小(襲い受)3/8:2007/02/26(月) 07:42:34 ID:rYbNHCLX0
背筋が粟立つのを感じた。ちょっと待ってよ。そんな顔されても。
「いや、俺は……困る」
「でも現実問題として、商事さんだって溜まるものは溜まるでしょう? どうするの? 一人で抜くの?」
俺は絶句した。
研ちゃんのお坊ちゃん然とした顔からこんな言葉が出てくるなんて。やめてくれ、聞きたくない。
そもそも何? 俺たち恋人同士なの? そりゃ好きって言っちゃったけど、だいいち好きか嫌いかの
二択っておかしくない?
普通に考えて、男に好きって言われたってそうはならないだろ。いや研ちゃんのがそういう
意味だとは薄々わかってたけどさ。あれ、じゃあそれに答えちゃった俺もそうなるってこと?

ダメだ、ここで流されるな俺。ちゃんと言うんだ、俺はノーマルだって。研ちゃんのことは好き
だけどそうはなれないって。
意を決して口を開きかけたとき、
「だって俺、商事さんが他の人とセックスするの、嫌だよ」
子犬の目に見上げられて俺はまた言葉を失くした。
うわ、その顔はやめろ。突っぱねきれなくなるじゃないか。
「そ、そう言われても」
「……俺じゃ、ダメ?」
研ちゃんの顔が近付いてくる。潤んだ双眸が泣きそうに揺れている。
「ダメ、ていうか」
目が離せない。自分が何を口走ってるかもわからなくなってきた。
「研ちゃん、」
「商事さん、好きだよ…」
艶を帯びた赤色が近付いてきて――唇に、湿った熱が、触れた。
372ハ/ケ/ン 大小(襲い受)4/8:2007/02/26(月) 07:44:33 ID:rYbNHCLX0
頭が真っ白になった。
キス!? キスしてるのか? 今?
思考回路が働く前に、湿った熱は離れた。見開かれたままの俺の目に切なげな研ちゃんの顔が映る。
言葉を探す前に、もう一度目を閉じた研ちゃんの顔が近付いてきて、思わず俺も目を閉じた。
今度はわりと冷静に状況を受け止められた。
ああ、キスしてるんだな。俺。
嫌悪感とか全くなくて、むしろその柔らかい感触が心地いいと感じてしまって、自分でも驚いた。

何となくそのまま受け入れていると、研ちゃんの手がゆっくり伸びてきて、足の間に触れた。
……いやいやいやマズイぞ。研ちゃんさすがにマズイぞ、それは。
あわてて防御に入ろうとした俺の手をやわらかく握って、唇を離した研ちゃんが言う。
「セックスだって思わなくていいから」
思いつめたようなその表情に、俺の胸まで締め付けられる気がした。
「一回だけ、抜かせて?」
そう言って研ちゃんの手が俺の手を離れ、俺の中心に向かう。
うわ。ちょっと。やっぱりまずいだろ。それ。
つうか、あの。反応してきてるんですけど!
「研ちゃん、ちょっ」
焦った声を上げてみても、研ちゃんは構わず行為を続ける。どんどん張り詰めてきて窮屈になって
きたところで、研ちゃんはそれを引きずり出し、そしてあろうことか、その口にパクリと銜えたのだ!
373ハ/ケ/ン 大小(襲い受)5/8:2007/02/26(月) 07:45:47 ID:rYbNHCLX0
またしても俺は頭が真っ白になる。
与えられる感触より目の前の光景のほうが衝撃が大きい。
研ちゃんはうぅ、とか苦しそうな声を漏らしながらも俺を放そうとしない。起こっていることが
信じられなくて制止する気力さえ失われてしまった。
そして体も限界だった。
彼女と別れてからだいぶ経つし、最近仕事も忙しかったしでそういう行為から遠ざかっていた俺に、
これはあまりにも強烈過ぎた。
「ちょやばっ、研ちゃん、放してっ」
しかしその言葉も空しく――俺は研ちゃんの口の中に、とうとう放ってしまった。

研ちゃんが激しくむせ返る。あわててその背中をさすってやる。
「大丈夫!? ごめんなぁ研ちゃん…」
何だかもう恥ずかしいやら情けないやらで頭がパニックだ。
「違う…っ、こほっ、俺のほうが」
研ちゃんは涙目で咳き込みながら俺を見る。
その唇を濡らす白い液体の残りは……飲んだ、んだよな、やっぱり。
そう思うと体から変な汗が吹き出てきた。研ちゃんに飲ませてしまった。不可抗力とはいえ。
「ごめんね、商事さん。やっぱり気持ち悪かったよね」
俺の葛藤に気付いたのか、むせて下を向いたままの姿勢で、研ちゃんが絞り出すような声を出す。
「商事さんが優しいから、つい調子に乗っちゃった。…ごめんね、ほんと」
研ちゃんの目元は滲んだままだ。頬は上気して、赤い。
そしてその口元に目を移した瞬間、俺は体中が熱を持つのを感じた。まだ俺の残渣を漂わせて光る唇。
さっきまであの中に俺がいたのかと思うと、収まったはずの熱が湧き上がってくるようだ。
どうしよう。どうしよう。
認めなくないけど、俺、多分、研ちゃんに欲情している。
374ハ/ケ/ン 大小(襲い受)6/8:2007/02/26(月) 07:46:59 ID:rYbNHCLX0
「商事さん?」
自分の考えに驚いて固まってしまった俺を、研ちゃんが不安げな目で見上げてくる。
だからダメなんだって、その顔は。
俺の中の常識という砦が、音を立てて崩れている。
ためらいながら研ちゃんが俺の顔に伸ばしてきた手を、思わず掴んでいた。
「商事さん?」
「研ちゃん、セックスしよう」
勢い込んで言うと、研ちゃんが一瞬息を呑んで、それから蕾がほころぶように頷いた。

「本当に大丈夫?」
「大丈夫、だから、挿れて」
俺はおそるおそる進めかけた指を止めた。そうだよな。ここを使うんだよなってのはわかってるん
だけど。わかってるんだけど、やっぱりその圧迫感にためらってしまう。
「大丈夫だよ。その……試したから」
そっか、試したんなら。って待て、試したって、誰と? 
思わず不穏な想像をしてしまった俺に、研ちゃんは真っ赤になりながら首を振った。
「あの、自分で。こうなったとき、商事さんに迷惑かけないように」
最後の方は声が消え入りそうになっている。
俺は胸が熱くなるのを感じた。何ていうか、愛されてないか? 俺。
そんな認識を噛み締めながら指を奥まで進めていくと、ある場所で研ちゃんの体が跳ね上がり、
思わずびっくりして引いてしまった。
「あ、や、めないで」
研ちゃんの言葉にもう一度指を戻すと、また同じ場所で研ちゃんの体が跳ねる。
うわ。何だ、これ。ちょっと。
375ハ/ケ/ン 大小(襲い受)7/8:2007/02/26(月) 07:49:31 ID:rYbNHCLX0
「もしかして、いいの?」
思わず聞いてしまった。わ、ちょっとセクハラぽくない? だが研ちゃんは素直にこくこく頷いた。
聞いてしまったからには俺は慎重にその場所を探りつつ責めた。研ちゃんが俺にしがみついてくる。
耐えるように眉を寄せる研ちゃんの顔が、扇情的だと思った。こんなふうに研ちゃんの顔見たの、
初めてだ。
いつの間にか中の圧迫感が減っていて、俺は人体の神秘に妙な感動を覚えつつ指を増やしていった。
「商事さん、もういいよ」
俺がどの程度でいけるのか逡巡し始めたとき、研ちゃんが閉じていた目をうっすらと開けて俺を見た。
「商事さんがほしい」
気付けば反応を示していた自分をあてがって、傷付けないように押し進めていく。どう考えても
苦しそうだが、研ちゃんは笑みすら浮かべている。
俺は自分の胸が何か温かいもので満たされていくような気分になった。
これが愛ってやつなんだろうか?
「研ちゃん、動くよ」
頷いたのを確認してから動き出す。熱くて苦しくて愛しくて、感情がもうめちゃくちゃだ。
前に手を伸ばすと研ちゃんが驚いた目を向けてきたが、扱いてやるときゅっと目をつぶって声を
漏らした。同時に中の締め付けがきつくなって、俺たちはほぼ同時に果てた。
376ハ/ケ/ン 大小(襲い受)8/8:2007/02/26(月) 07:50:42 ID:rYbNHCLX0
「……商事さん、どうだった?」
後始末が済んだ後、研ちゃんがおそるおそる、といった感じに尋ねてきた。
そういうこと聞く? 普通。
うーん、とか言って考えるふりをすると、研ちゃんの眉がどんどん下がっていくのがおかしくて、
「良かったよ」
と笑ってみせると、研ちゃんの顔がぱっと輝いた。
何かもう、こんなことになるなんて想像もしていなくて俺の常識なんて木っ端微塵だけど、
でもこの笑顔が見れるんだったら、それも悪くないかな、なんて思ったりした。


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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ホトンドベツジンデワルカッタ
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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377風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 07:54:34 ID:UsrFH/WW0
>>376
おお、姐さん 朝からGJ!!
ありがとうございます・・・萌えまくりました・・・
仕事前に萌え尽きそうです
襲い受けバンザーイ☆
378風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 09:38:45 ID:qBPFZyq7O
>>376
姐さん朝からGJすぎです!
萌えすぎて眠気すっとんだよww襲い受けエロカワイス!!
379風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 10:32:20 ID:wCleHuD50
>>346
可愛くておもしろい、GJ!
本当にできたらいいのになー腐女子ホーム。
380吸血鬼バルド5:2007/02/26(月) 14:31:24 ID:crYhV66n0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  オリジナル バルド×クラウス
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  少し、残虐な血の描写があります

 | |                | |             \ 苦手な方はスルーお願いします
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
381吸血鬼バルド5:2007/02/26(月) 14:32:09 ID:crYhV66n0
透き通った青い瞳がクラウスの瞳を捉えて離さない。
背中に冷たいものを感じ、一歩後退しようとしたクラウスが
後ろの円柱に阻まれる。
怖い。
何がそう感じさせているのかはわからない。
ただ、本能が危険だと警告している。
舞台へと成り変わった庭園と、対峙する登場人物達を、蒼い月が見下ろす。
「人間か」
少年が独特の明澄さで声を響かせた。
それは、さながら矜持高き王の声。
硬直したまま答える事が出来ないクラウスに、
少年が青銀の髪を軽く風になびかせ悠然と向かってくる。
コワイ。
円柱にグッと背を押し付けて震えるクラウスの左頬に、
少年の氷のような冷たい指が触れる。
ザッと全身に鳥肌が立った。
「ここで何してるの?」
「あ‥‥‥」
あどけなく見える表情がさらに恐怖心を掻き立てた。
緊張で息を荒くするクラウスの頬を、なぞる手が
するりと喉元へ滑り、首筋をゆるゆると摩る。
呼吸困難を起こしたかのようなクラウスに、
少年の光沢ある赤い唇が弧を描く。
円柱に空いた方の手をつき、自分の造る影に覆われ
怯えるクラウスの顔を覗き込み、眼光の増した少年が笑う。
「いいね。そういう表情好きだよ。男ってのが残念だけど‥
 どうやらバルドもいないみたいだし‥‥‥」
「バ‥ルド?」
思わず聞き返したクラウスに、少年の手が止まり、
その顔から表情が消えていった。
382吸血鬼バルド5:2007/02/26(月) 14:33:05 ID:crYhV66n0
「バルドを‥知って‥‥っ」
全部を言う前に首を掴まれた。
少年の姿からは想像出来ない力が首にかかり、
そのまま空中に放り出される。
ガサッという音と共に赤い花弁が夜空に舞った。
咲乱れる薔薇の直中へ叩き付けられ、全身を襲う鈍痛と、
刺に裂かれた皮膚の鋭い痛みに呻き声が漏れる。
甘い芳香と体の痛みに目眩を起こしながらも、
なんとか起き上がろうとするクラウスに、
馬乗りになった少年が端正な顔を近づけた。
「おまえ、何?‥‥‥人間風情が同胞の名を口にするな」
青銀色の前髪が額にかかるくらいの近さで、瞳を細め、
見下ろしてくる少年の静かな威圧感に、クラウスの息が詰まる。
開いた目を閉じる事も出来ずに、息を殺して青い瞳をただ見つめ返す。
長い沈黙が二人に落ちる。
クラウスの頬の傷から零れ出る赤い筋と、こめかみを流れる
冷や汗だけが時の流れを証明していた。
唐突に、少年が手のひらをクラウスの額に強く押し当てた。
反動で首が反り、項にあたる鋭い刺が新たな赤い筋を引いていく。
「‥っ」
手のひらが触れている額が熱くなり、体の痛みが鈍くなった。
同時にひどい耳鳴りに襲われる。
視界が急速に閉じていき、そして黒く塗りつぶされた。

黒一色の世界に光の波紋が生じ、一転して白い世界に変わる。
383吸血鬼バルド5:2007/02/26(月) 14:33:50 ID:crYhV66n0

『おはよ、夜におはよって変な感じだけど』
自分の声が聞こえる。
バルドが少し驚いた顔を静かな微笑みにかえる。

ああ、これは、あの日のーーー

『おまえは何もわかっていない』
バルドの金色の瞳の奥に赤がともっている。

真剣な‥‥顔をしているーーー
そう、俺は何もわかっちゃいなかったーーー

バルドの冷たい、けれども熱い肌が、吐息が、体を這う。

連れて行って欲しいと我がままを言った‥‥‥困らせたーーー
それでも、あんたはーーー

『クラウス、ありがとう』

ささやく声の余韻が、白い世界に亀裂を生じて光となり、やがて収縮した。

ーーー黒に、染まる。
384吸血鬼バルド5:2007/02/26(月) 14:34:28 ID:crYhV66n0
少年の手のひらが、クラウスの額から離れる。
酷かった耳鳴りが引いていき、体の感覚が再び痛みを伝えてきた。
クラウスの視界が戻る。
その瞳が、夜空を背景に少年の振り上げられた腕を映す。
白光が流れて飛び散る血が華に降り注いだ。
「あ‥‥‥っ」
クラウスの首筋から肩先へと筋が走り、その傷口から血が噴き出していた。
苦鳴をあげるクラウスに股がったままの少年が、
自らの鋭く伸びて朱に濡れた爪を舐めとる。
怒気を孕んだ赤い光が青い瞳の奥に表れていた。
「人間、ごときがっ‥‥‥おまえも、バルドも、許さないっ!」
朦朧としたクラウスの前髪を掴み、翳んだ瞳を捉えた少年が、
氷の声で吐き捨てる。
クラウスの記憶を覗き、憤怒に顔を歪ませた吸血鬼バルディンは、
血で染まったクラウスの首筋に牙を立てた。

朱く濡れた薔薇の褥を、月光だけが何事もなかったように
蒼く照らしている。
385吸血鬼バルド5:2007/02/26(月) 14:42:18 ID:crYhV66n0
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧  途中レス下さった方ありがとうございました

 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 励みになります。楽しんで頂けたら幸いです
 | |                | |       ◇⊂    ) __ ツヅキマス ナガビイテスミマセンorz
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
386風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 16:12:33 ID:E9eCnWf60
いつも楽しんでるよバルド!
展開急で続きがwktk!
387風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 18:41:11 ID:UrI4F4RT0
>>363
亀レス、スマソ。大好きなゲイニソさんなのでほのぼのでGJでした!

>>369
剣チャソの誘い受けにクラクラしましたw
388風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 21:16:41 ID:oE3ugwWt0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  禿げたか。ねじねじ×ワッシー。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   料亭の一夜。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
389禿げたか1/2:2007/02/26(月) 21:17:33 ID:oE3ugwWt0
最初はちょっとした冗談のつもりだったのだ。
いつも冷静な表情を失わないこの男が
あからさまに体を要求されたとき、どんな顔をするのか。
一度拝んでやろうと思っただけだった。それなのに。

「もしお望みでしたら、今夜私を自由にしてくださってかまいません。」
と、眉ひとつ動かさずにそう言い切ったのだ。
「なんだって。」
思わず息を呑んだ私に向かって、挑むような誘うような目で
「で、どうされますか。」
と、まるで酒でもすすめるかのような軽い調子だ。
「そういわれては、後戻りするわけにはいかんだろう」
目の前の膳をずらして膝を進めると、
一瞬遅れてワシヅが自分の膳を動かそうとするのももどかしく、
肩に手を置くと、
「店のものには声をかけるまで近づくなといってあります」
自らネクタイを外しながらこともなげに言う。
「まったく用意周到だな。恐れ入るよ。」
390禿げたか1.5/2:2007/02/26(月) 21:19:02 ID:oE3ugwWt0
軽く舌を吸いながら手で脇を撫で下ろすとピクリと体を動かす。
いい感度だ。
シャツの前をはだけただけではスーツにしわができると思ったが
かまわんだろう。金ならうなるほど持ってるはずだ。

「しかし金のためには代表自らここまでするのか、ハゲタカさんは!」
とわざと屈辱的な言葉を投げかけると、
それまでの動きを止めこちらを見上げる。
「いいえ、私は、こういうことが、好きなんです。」
と挑戦的な目で言い放ち、また舌を動かし始める。
「あぁ、確かに、好きじゃなきゃこんなにうまくなれんだろうよ」
と皮肉で返す。
まったく、こしゃくな奴だ。

足を持ち上げて体をすすめるとかすかに顔を歪めた。
ひとおもいに貫くと、うっとちいさくうめいて体を反らす。
のしかかりながら内部のぬくもりを味わい、手でワシヅのものを愛撫すると
そろそろと腰を動かす。
さすがにガマンできないようで切なげな声をあげ始める。
391禿げたか2/2:2007/02/26(月) 21:19:41 ID:oE3ugwWt0
はじめの思惑とは違ったが、いつもとはまったく違うところをたっぷり見せてもらった。
悪くない取引だ。
「しかし驚いたよ。向こう(NY)でもこんなことしてたのかね」
放心したように横たわるワシヅに声をかける。
「それとも日本に居たときからか?
そういえば、君は日本に居たときはシバ野と一緒だったそうだが…」
ピクリ、と指が動いたような気がしたが。
「まさか…なぁ。それならシバ野が忘れてるはずはないだろうし…
こんないい体、忘れようったって忘れられるもんじゃない。
いやまあ、今日はいい思いさせてもらったよ。
精査のほうもお手柔らかにたのむよ。じゃあこれで失礼する。」
のろのろと気だるげに起き上がりシャツのボタンを締めているワシヅを残し部屋を出た。

end
392禿げたか:2007/02/26(月) 21:20:48 ID:oE3ugwWt0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ナンバーミススマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・;) ふすまの陰でアラソがもだえてます
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
393風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 21:41:56 ID:KltWMS0AO
>>392
何よりも襖の影で悶えるアラソにワロタ訳だが。www
394風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 22:25:43 ID:UGK1gFfn0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  禿げ鷹。柴乃×和紙津。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   わっしーが粘着だお。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 片想いカワイソス。
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
395禿げ鷹1/6:2007/02/26(月) 22:26:30 ID:UGK1gFfn0
5年ぶりにあなたに会えると知って、僕の胸がどんなに高鳴ったか、
あなたにはきっと解らないでしょうね。
あなたは僕の事を少しも覚えてはいなかった。
あなたにとって僕は、たった一度慰めに口唇を重ねただけの相手なのだろうけど、
僕はあの日のキスを忘れた事なんてなかったのに。
あなたは僕の名を聞いても怪訝な顔をするだけで、僕の事をただの一度も思い出す事はなかった。



5年前、上から言われ融資を断った零細企業の社長が首を吊って死んだ。
既に父親を亡くしていた僕に、「親父代わりと思ってくれていいからな。」と豪快に笑って僕の背を叩いてくれた人だった。
大学を出たての僕は当時外回りの営業で、朝から晩まで1日中顧客の元を走り回っていた。
肉体的にも精神的にも想像以上にハードだった職務を、それでも2年間続けてこられたのは、どんな時も僕を可愛がってくれたあの人とその家族のお陰だった。
7円50銭の小さなネジを2人で作って1日2000個。
たった1人の従業員に給料を払ってしまえば、親会社の車も買えないような生活だったが、あの人達は慎ましく、ただ明るく前向きに生きていた。
それを僕が殺した。
この手で、殺した。
そう思ったらどうしようもない震えと罪悪感に襲われて、行内のトイレへ駆け込むなり延々と吐き続けた。
396禿げ鷹2/6:2007/02/26(月) 22:27:26 ID:UGK1gFfn0
もう、出るものなど何もないのに、酸味のある胃液と涙だけは次から次へと溢れて来て、
自分の力では止める事もままならなかった。
そんな僕の背を、芝野さんは「大丈夫か?」と摩ってくれた。
優しく温かい、父親のような手のひらで。
憧れの人だった。
三葉銀行きってのエリートで、だけども人としての情も十分に併せ持った再建屋。
貸し渋りや強引な取立てに人死にが出ても、せせら笑って明日には忘れる他の同僚達とは違っていた。

「葬儀には俺が行くから。君は少しゆっくりしなさい。」

そう言ってくれた芝野さんに、僕は首を横に振った。
僕が行かなければいけない。
ご遺族にどんなに罵られようとも、僕が行ってオヤジさんの霊前で詫びなければいけない。

「…そうか。」

優しい手がぽんと、僕の頭を撫でた。




葬儀の日はひどいどしゃ降りだった。
きっとオヤジさんが怒っているのだろう。
傘に打ち付ける強い雨音と雷が、まるで僕を責めるように耳の奥にジンジンと響く。
頭がひどく痛かった。
どこをどう行ったのか記憶の欠片もないが、気付けば僕はオヤジさんの霊前にフラフラと立っていた。
祭壇に飾られた遺影は、去年の夏、僕が撮った家族写真だったが、僕はオヤジさんのその笑顔をまともに見る事ができなかった。
溢れて来る涙に滲んで、オヤジさんがぼやける。
397禿げ鷹3/6:2007/02/26(月) 22:28:01 ID:UGK1gFfn0
ごめんなさい、オヤジさん、本当にごめんなさい。
どうか許して下さい。

「帰れ!人殺し!帰れッ!」

悲痛な声でそう叫んだオヤジさんの高校生になるお嬢さんが、僕に塩を投げつけた。

「ごめんなさいッ、ごめんッなさッ、…っふ、うっ、」

僕は土下座をする以外にお嬢さんに詫びる術が見つからず、ただ子供のように泣きながら詫びた。
何を投げつけられてもいい。
殴られたって構わない。
ただ許して欲しかった。
あの人を殺めた僕の罪を。
誰かに許して欲しかった。
肩に触れたのは、三日前、僕の背を摩ってくれたあの手だった。



家まで送ると言った芝野さんに、最後だからとオヤジさんのネジ工場に連れて行ってもらった。
融資を断った後、なんだか来ずらくなってしまったから、ここに来るのはおよそ1ヶ月ぶりだった。
懐かしいオイルの匂いを嗅げば、2年間の思い出が次々と甦る。
だけどそこにもうオヤジさんの姿はない。
お袋さんや、お嬢さんが、僕を優しく迎え入れてくれる日は、もう永遠に来ない。
3日3晩泣き続けて、さすがに涙も枯れ果てたと思ったのに、それでもまだ溢れて来る。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
謝って済むことじゃないけれど。
どうか許して…。
398禿げ鷹4/6:2007/02/26(月) 22:28:36 ID:UGK1gFfn0
頬を伝う雫もそのままに、ただ立ち尽くしていると、芝野さんが僕の肩に触れた。

「お前は悪くない。お前はただ、お前の仕事をしただけだ。」

そうして彼は言った。

「これは資本主義の論理なんだ。」

何でもいいから許しの言葉が欲しかったその時の僕は、芝野さんの慰めに飛びつくように縋る以外、他に持つ術はなかった。
資本主義の論理。
だから仕方ない。
金が無くて死ぬのは当然な事で。
だけど僕が殺した。
この手で、オヤジさんを死に追いやった。
金は無くとも幸せだった家庭を僕が壊した。
でも仕方ないことなんだ。
それが資本主義の論理だから…。
僕は悪くない。
僕が殺した…。
何もかもが解らなくなって、僕はただ、芝野さんの胸に溢れ出る嗚咽を埋めた。
彼の喪服の襟を、力の限り握る僕の手を芝野さんが優しく包む。
雨に冷えた手に、それは酷く温かく感じられた。

「芝野さ…っ、助けて下さいッ、…お願い…助けて…ッ」
「鷲津、落ち着くんだ、鷲津っ。」
「許して…ッ、オヤジさん、ごめんなさいっ、ごめんッ、なさ…ッ」
「鷲津ッ」

謝罪の言葉は、やがて芝野さんの口唇にすっかり飲み込まれた。
興奮して取り乱した僕を、落ち着かせようとしての行為に過ぎなかったのだろうけど。
深く合わさった彼の口唇から伝わる熱は、酷く熱くて、僕を黙らせるには十分だった。
399禿げ鷹5/6:2007/02/26(月) 22:29:07 ID:UGK1gFfn0

「悪い…。」

やがて口唇を放した芝野さんは、震える僕の身体をそっと抱き締めて、そう言った。
そっと、背中を摩ってくれる手のひらの感触は、3日前と同じに優しかった。
僕は芝野さんに抱き締められたまま、暫く泣いているばかりだった。




「思い出して頂けただけで光栄ですよ。」

そう言った僕に、芝野さんは申し訳なさそうに微笑んだ。
思い出したと言っても、恐らくは行内の人事ファイルででも調べたんだろう。
僕を見る彼の目は、まだ他人を見るそれだった。
この5年、僕があなたの言葉を唯一の支えに生きてきた事なんて知りうるはずもない。
だけど、それでも多少なりとも覚えていてくれると信じていたのに。
記憶の中なから僕を消し去った彼が憎かった。
僕を変えたのはあなたなのに。
あなたの言葉に縋って、僕はどうにか僕を保って来たのに。
あなたは僕の事を覚えていなかった。
5年前、仄かに抱いていた憧れの気持ちは、あの日を境に僕の胸の中で別の名前の何かに姿を変えていたのに。
あなたは僕の事を見もしない。




400風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 22:30:43 ID:UGK1gFfn0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧>>126->>133に引き続きナンバリングミススマソ。orz
 | |                | |     ピッ   (・∀・;) さらに伏せ忘れまで…。出直してくる…。orz
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
401風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 22:52:57 ID:oE3ugwWt0
やっぱ柴乃×ワッシーはキスどまりですね!
清いからこそ心は萌えますね〜。
誰にでも抱かれるけど一番の人とはキスだけちゅうのがモータマランです。
402風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:07:40 ID:IHeFdWSX0
なんだかすっごく切ない、GJ!
403風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:09:29 ID:Evniu3wO0
               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 生 ||             ∧(゚Д゚,,) < チラで書いた全身タイツネタだよ
        //_.再   ||__           (´∀`⊂|  < 全タイ万歳!
        i | |/      ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 <マニアックダメな人は注意
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ"
404全タイ1:2007/02/26(月) 23:10:40 ID:Evniu3wO0
そりゃぁ、自分以外誰もいない部屋で。なぜか、それが家にあったら。人類の99%は
着てみたくなると思うんだ。何だか丈夫でスベスベした、伸縮性のある生地で出来たそれを。
それの名前は、全身タイツ。
宴会用に売っているモ○モジ君のような顔が出る形ではなく、全身を覆う形になっている、
誰が何のために着るのかいまいち分からないものだ。
黒地に、あいつの名前がデカデカと白ぬきされているところを見ると、あいつの
ものなんだろう。とりあえずこれを着て驚かせた後、何でこんなものを買ったのか
聞きだしてやろう。そう思いながら、パンツ一丁になって足をつっこんでみた。
ちょっとピッチリしている。俺でこんなにピッチリしているなら、俺より一回り大きい
あいつには小さすぎないか。…自分で着るつもりじゃなかったのか? いやもしかして、
自分のサイズを誤って買ってしまったのかもしれない。こんな全身タイツのサイズなんて、
分からないだろうからな。納得しながら、太ももまで生地をあげてみた。おお、けっこう
肉の形とかハッキリ見えるんだなぁ、と感動した。
こういう機会が無ければ、一生着ることはなかった代物だ。きている内に、どんどん
テンションがあがってくる。下半身までピッチリ覆った後、あー、けっこう下着の
線って見えるもんなんだなぁ、と感心した。
とりあえず腕を通して、しげしげとタイツに覆われた筋肉などを確認してみる。
「おー、けっこうええやん」
黒の全身タイツのせいか、どこかのアメリカのヒーローになった気がして、ガッツ
ポーズまでしてみた。
405全タイ2:2007/02/26(月) 23:11:14 ID:Evniu3wO0
背中のチャックをあげるのには苦労した。洗面所の鏡を見ながら、四苦八苦して
何とか首まであげてみる。最後は顔をすっぽりと覆うマスク。
頭部のファスナーは、手探りで何とか閉めてみる。
布越しにぼんやりと見える視界は、変な感じだった。
洗面所の鏡の前で、色々とポーズをとってみる。ショッ○ーのような声も出してみる。
マスクをしているような布越しの呼吸は、激しく動いた後だと少し息苦しい。
5分ぐらい楽しんだ後、何だかバカバカしくなってきた。
「…もういいか」
誰に言うでもなく独り言を言いながら、頭の後ろに手をやった。
バカなことをした。大人の悪ふざけは、往々にして切なさを生む。
とりあえず、何事もなかったかのように脱いで、元あった場所に戻しておこうと思った。
頭部の後ろのファスナーの取っての部分をさがしあて、ひっぱる。…あれ?
もう一度、今度は強めにひっぱる。…あれ? 何で背中の部分のファスナーがついてくるんだ?
洗面所の鏡を見てみた。布越しのぼんやりした視界で分かりにくいが、どうやら
背中側のファスナー部と頭部のファスナー部が絡んでいるらしい。
「…あれ? あれ?」
何とかとろうとひっぱったけれど、全くとれる気配が見えない。もう弁償する覚悟で
破れるぐらい強くひっぱったけれど、伸縮性のある生地はぐいーんと伸びて、
俺の首や顔を圧迫するだけだった。これはもしかして、布もかんでるのか?
「…まずい」
10分以上格闘した後、一人じゃ脱げなくなったことを俺はようやく理解した。
406全タイ3:2007/02/26(月) 23:12:34 ID:Evniu3wO0
あいつが帰宅したのは、俺が全身タイツを着用してから3時間後だった。
最初は、人のものを勝手に着て脱げなくなったことを反省して、玄関で正座して
待ってみたりした俺だけれど、なかなかあいつが帰ってこないので、リビングに
移動して時間をつぶすことにした。でもテレビも雑誌も、布地ごしで見るのでは、
ぼんやりして面白さが半減してしまう。やることがないので、俺はゴロゴロする
しかなかった。
…まぁそういうわけで、あいつが帰ってきた時、俺は大口をあけて眠っていた。
「…おい、お前何してんの」
揺り起こされて、目を開けると目の前が黒いもやがかかっているようで、一瞬
混乱した。しかしつま先から頭まで自分の身体全体を包み込む布地の感触に、
自分の状況を思い出す。
「あ、お帰り…。ごめん。俺、謝らんといかんことがあって…」
俺は半分寝ぼけながら、あわてて起き上がった。謝罪の言葉をを口にしながら、
後ろのファスナーがとれないんだ、と首の後ろをひっぱってアピールしてみる。
しかし、仕事から帰ったばかりで着替えてもいないこいつは、満面の笑みでこう言った。
「やあ嬉しいなぁ、俺のモノだ」
407全タイ4:2007/02/26(月) 23:13:31 ID:Evniu3wO0
「…は?」
「誰だか分からんけど、胸に俺の名前があるからには、俺のものなんだろう」
「ものって…」
「喋る人形みたいなもんかな」
わざとらしい棒読みの言葉に、俺は意味と状況が分からず首をかしげた。
すると、いきなり乳首をつままれた。思わずその手をはたきおとす。
「あれ、抵抗するな、このモノは」
「モノじゃねぇよ、俺だよ!」
「喋るのもおかしいなぁ。俺のモノのはずなのに」
『モノ』をことさら強調して喋りつつ、やつはいきなりのしかかってきた。
突然でわけが分からないまま、俺は両手をつかまえられる。
そして布ごしに、いきなりキスされた。
唇の感触が布越しに伝わる。いつものくせで口をあけたら、舌を伸ばしてこられた。
俺の歯に布をまとったヤツの舌があたって蠢く。その何とも言えない感触に、
思わず声が出た。
長い長い蹂躙の後、唇をはずされると、俺の口元は俺とやつのヨダレでベタベタに
なっていた。まるで水着のように水分を含んだタイツの生地は、先ほどまでとは
比べ物にならないほど呼吸を阻害した。キスで息があがっているのに、さらに
息苦しくなり、俺はあえいだ。
その間に、ヤツは首にまいたネクタイをはずし、俺の口に巻いた。タイツの上から
猿ぐつわをされたようになった。さらに息苦しくなって、俺は犬のような荒い呼吸
になる。
「お…」
非難の声をあげるまもなく、目の上にキスを落とされた。次は首。耳の上にも。
もう長い付き合いだから、お互いの性感帯は知り尽くしているだけに、布地ごし
なのがもどかしい。しかし猿ぐつわが邪魔して声にならない。
俺の両手をおさえつけていた手がはずれた。とりあえずヤツを押しのけようと
手を伸ばすと、今度は左手一本で両手をまとめられてしまった。
408全タイ5:2007/02/26(月) 23:14:17 ID:Evniu3wO0
空いた右手は、俺の乳首へと向かった。
「…薄い布地だから、乳首がたってるのが分かる」
いらない実況をしながら、キツくつまみあげられる。
思わず声が出て、鼻で笑われた。
何だか視界がぼやけていて、全てが布地ごしなのがもどかしい。
左乳首を口に含まれ、右乳首は右手にもてあそばれたけれど、あと一歩
足りない愛撫に、俺はジレンマを感じて身をよじった。しかし猿ぐつわが
邪魔してそれがヤツには伝わらない。
「よく動く『モノ』だなぁ」と言いながら、下腹部に手を伸ばされる。
「…全身タイツ着る時は、下着をつけんなよ」
チッと舌打ちをされた。
その言い草に、まさかこんなことになるとは思ってないやんけ、という怒りを
感じたけれど、中心を握りこまれるとすぐにその怒りは霧散してしまった。
タイツの生地と下着の二つに阻まれた快感は、触られてこすりあげられても、
何か物足りない。全身の熱がタイツの中にこもり、サウナのように熱くなる。
頭がおかしくなりそうだった。
もう…もう…と、うわごとのように言うけれど、猿ぐつわが邪魔して言葉にならない。
口からあふれたヨダレが布地を濡らし、さらに息苦しさを増す。酸欠のせいか、
俺の頭がどんどんボンヤリとしてくる。
しばらく俺を嬲った後、ヤツは俺の耳元で、ものすごく優しい声でこう聞いた。
「欲しい?」
その問いに反発する力は、俺にはなかった。
409全タイ6:2007/02/26(月) 23:15:15 ID:Evniu3wO0
弱弱しくうなずくと、「正直だね」と他人事のように冷たく言われた。
熱ともどかしさと息苦しさで、いつのまにか泣いていた俺は、うるんだ目でヤツを
見た。涙と布ではばまれた顔は、まるで別人のようで、俺は涙をこぼす。
「あぁ、タイツからあふれてきてる。上も下も」
涙が染みたのを舐めとりながら、中心をまた強く握られた。痛いほどにはりつめた
そこからも、染み出してきているらしい。もう下着は、汗と汁でドロドロだ。
うめき声なのかあえぎ声なのか、それとも泣き声なのか、自分でも分からない
まま、俺は声を出していた。
ふと股間に冷たくて硬いものが押し当てられる。鋭さを感じて、思わず腰をひいた。
いつのまにかヤツは、ハサミを手に持って、俺の股間にあてていた。
「じっとしてないと、怪我するからね」
「や…」
恐怖でかたまっていると、ジャキッという音が響いた。一瞬遅れて、股間に直接
風を感じる。たった数時間ながら、布ごしでない感覚がなつかしくて、いつもより
敏感になっていた俺自身がまた反応してしまった。
「よく我慢したね」と優しく言われて、猿ぐつわの上からキスされた。そのまま
直接中心を握られた瞬間、俺は頭が真っ白になって、そのまま絶頂を迎え、
恥ずかしいことに人生で初めて、失神してしまった。
410全タイ7:2007/02/26(月) 23:16:15 ID:Evniu3wO0


どれぐら気を失っていたのか。
目が覚めたら、下着一枚で俺はソファに寝かされていた。
先ほど出したもので、下着はドロドロなことを確認する。…どうやら、気を失ってから
まだそんなに時間は経っていないらしい。
周囲を見渡すと、ゴミ箱に俺が着用していた全身タイツが、床に転がっていた。
脱がされた後のそれは、セミのぬけがらのようで、少し気持ち悪い。
「お、目ぇ覚めた?」
呆然としていると、ドアから湯気のたつ濡れタオルを手に持ったヤツが入ってきた。
頭が働かないまま、ぼんやりと眺めると、いきなりそのタオルを顔にあてられた。
熱さに思わず飛びのく。
「ほら、これできれいにしろよ」
そのままタオルを渡されて、赤面する。「見んなや」と言いながら、ドロドロの下腹部を
拭ぐいとった。しかしヤツは、仁王立ちで腰に手をあてたまま、じっと見てくる。
そして全てぬぐい終えるのを見届けた後、低い声でこう言ってきた。
「ごめんなさいは?」
「俺が何か謝らなきゃいけないことがあるか?!」
俺は思わずそう叫んでしまった。猿ぐつわされるわ、責められて暑い思いして
泣きわめかされるわ、全くいいこと無いじゃないか。
「俺の全身タイツを勝手に着たことについて」
しかしヤツの言葉に、そもそもの原因を思い出した。
「…あ、いやそれは…」
「通販でけっこう高かったのにあれ…。ファスナーがだめになって、
 わざわざオーダーメイドしたのに使い捨てになっちまった!」
「先にハサミいれたのはお前やろ!」
俺はとりあえず、主張すべきところは主張した。
しかしヤツは仁王立ちのまま言う。
「でも勝手に着てファスナー壊したのはお前だからな」
そう言われると、グウの音も出ない。
しかし黙り込んだ俺に、ヤツは信じられない言葉を吐いた。
411全タイ8:2007/02/26(月) 23:17:05 ID:Evniu3wO0
「反省したら、今度はこのショ○カー型マスクをかぶれ。おしおき全身タイツ
 の次は、ショッカー強姦ごっこだ」
そう言って放られたのは、仮面ラ○ダーに出てくる戦闘員のマスクだった。ご丁寧に
同じ素材のスーツもついている。それは先ほどトラウマになるような思いをした
全身タイツよりもピッチリした素材で…変なところに穴の開いた、「ソレ用」と
分かる全身タイツだった。
やっとそこで俺は、これがヤツが仕組んだ罠だったことに気づいた。
「この変態野郎! 俺が勝手に着るって分かって、全身タイツ放置
 しやがったやろ! 好き勝手やりやがって!」

まぁ結局ショ○カーごっこをしたかどうかは、聞かないでほしい。
412風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:18:14 ID:Evniu3wO0
               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 止 ||             ∧(゚Д゚,,) < 世界に広がる全タイの輪!
        //, 停   ||__           (´∀`⊂|  < 全タイばんざーい!
        i | |,!     ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 <これをキッカケに、801界に全タイブームが来ますように
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ"
413風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:24:15 ID:7w9/KXoE0
>>388
>>394
GJ!!
わっしー切ないよわっしーハァハァ
414風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:27:33 ID:qjFhV0JC0
>404
うわははははははは! gj!!
エロいんだけど非常にツボ入りましたわ。
415風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:28:26 ID:O7xZBY+90
>>412
禿萌えたwww新たな世界に目覚めた予感ww
416風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:36:15 ID:/5SYNZrG0
>412
全身タイツ(・∀・)イイ!
417風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:47:41 ID:BhM3yhux0
>>412
これはwwwいい全タイwww
目覚めそうです
418風と木の名無しさん:2007/02/26(月) 23:49:44 ID:crYhV66n0
>386
あたたかいお言葉をありがとう!すごく嬉しいです。

>412
どうしよう‥ものすごくツボにはまりましたww
わらえるのにもの凄くエロくて萌えた!乙です!!
ショ○カーごっこな話も読みたいです!!
419洋画「夕ラテガ・十イツ」 主人公&ライバル:2007/02/26(月) 23:56:20 ID:BhM3yhux0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | まだ日本公開されてないけど、先日機内で観て
                    | 禿ワロ&思わず萌えちゃった…
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 思わず輸入DVDも買っちゃった…
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 190cmゴエノ オッサンタチノ ホントニ アホナ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ジコマンゾクss デス…
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |


※それほど大したネタバレはしてないと思いますが、
 公開前に余計な前情報は仕入れたくない、という方はスルーお願いします※
確かに、彼らナスカーのドライバーにとって、"スピード"というものは必要不可欠だ。
なにしろその"スピード"こそが彼らの商売道具なのであって、彼ら自身のみならず
彼らの愛する者達の生活をも潤す日々の糧の源となっているのだから。
もちろん、速ければ速いほどいい。
かといって、こんな"スピード"は求めていない。

"俺こそ世界一のスピード"を公言してはばからないリッキ一・ボビ一の目の前に、
一目見るなり回れ右してお帰り願いたくなるような男がすまし顔で立っていた。
白い手袋に覆われた左手で白い携帯電話を上品につまみ、左耳に押し当てている。
小指が立っていた。
光沢のある白いスーツが不気味な光を放ち、一見すると玄関先のポーチに
ぼんやりと白く浮かび上がるゴーストのようにも見える。
脊髄反射でドアを閉めようとしたリッキ一を遮るようにして、
目の前の男がいかにも嬉しそうに前歯を剥き出した。
「早かったでしょう、リッキ一・ボビ一」
男の口の動きと全く同時にして、耳に押し当てていた子機から得意げなフランス語訛りが響き渡った。
続いて、携帯電話を持っていないほうの白い手袋を差し出される。
突如けたたましい音を立ててがなり始めた電話を取ってから、ものの20秒後の出来事だ。

「何の用だ」
「言うまでもない事です。親交を深めるために遠路はるばる」
「冗談じゃない。なんで家の番号を知ってるんだ?帰れよ」
閉めようとしたドアの隙間にさっと白い靴が差し込まれる。
力任せにドアを閉めると、甲高い声がぎゃっと非難めいた悲鳴を上げた。
「ひどい!これが鎬を削って互いの力を確かめ合ったライバルにする事ですか。
あなたに会うためにパリから9時間もかけて来たのに…」
白い手袋がドアと壁の隙間にがっちりと食い込んでこじ開けようとし、
リッキ一の方でもそれに負けじと取っ手をつかんで踏ん張った。
ドアを隔てて押せや引けやの格闘がしばしの間繰り広げられたが、じきにリッキ一自慢の
木製のドアから不審な軋み音がし始めた頃合で、引っ張り合いは休戦となった。
「帰れこのクレープ野郎」
「帰りませんよ。クレープがフランスのお菓子だと知らずにモリモリ食べていたくせに」
リッキ一の喉仏がぐいと動き、それと付随していかにも苦々しげな唸り声がうめいた。
「あんなの、ただの薄いパンケーキだ。
貧乏だからあんな薄いパンケーキしか焼けないんだ、可哀想に」
「いい加減認めたらどうですか。大好物のくせに」
「うるさいぞお前」
「なんなら私が作ってあげましょうか。私のクレープは絶品だと評判です」
手にした携帯電話をフライパンに見立てて空想上のクレープを焼き始めた白い男に構わず
ドアを閉めようとすると、男はあわてて薄く開いたドアの隙間に手を突っ込んだ。

隙間から鋭く睨みつけるリッキ一の片目を目ざとく見つけ、いかにも愛想の良さそうな
笑みを浮かべてドアの隙間に顔を密着させる。
至近距離の片目同士が睨み合う。

「あなたが私の別荘にいらっしゃった時は、私はちゃんと紳士的にふるまってあなたをエスコートしましたよ」
「何が紳士だ、勃起してたくせに。それに俺の腕も折ったろ。人の腕を平然と折る紳士なんかいるか」
「勃起は生理現象です。あなたの腕の件は、確かにやりすぎたかもしれません。
でもあなたがそうしろと言ったんですよ。それに私の国をひどく侮辱しました」
「お前だってアメリカを小馬鹿にしてるくせに」
小さな隙間から人差し指をつきつけてやると、白い男は眼前につきだされた指に
吸いついてやろうと素早く顔を近づけた。
あわてて手を引っ込めたリッキ一に対して、白い男の甲高い高笑いが浴びせかけられる。
スランプ中に何度も耳にした、なんとも耳に障る高笑いだ。
この男が活躍し出してからというもの、TVのみならず今ではレーシングゲームにさえ
この男の高笑いがはびこっている。
ゲームに負けた瞬間この男の高笑いが大音量で襲いかかってきた時には、
矢も盾もたまらずゲーム画面を破壊して回ったものだ。
青筋も露わに改めて玄関先の白い男を睨みつけると、男はいかにも不似合いな
小娘ぶった仕草で小首をかしげてみせた。
「……で、いつになったら帰るんだ」
「用件も言わせてくれないのに、帰るに帰れないですよ」
ドアにかけられた白い手袋がおだてるようにドアを優しく叩く。
噛みついてやろうかとも思ったが、かえって相手を喜ばせてしまいそうだと危惧して思いとどまった。
結局、大人げない意地の張り合いは白ずくめの男が勝利した。
ドアと壁の間の小さな隙間が開いてゆくにつれ、白男の得意げな顔が露わになってゆく。
リッキ一の険しい表情がますます険しくなった。
「クレープなんか、もう二度と食わないぞ。絶対だ。あんな薄いパンケーキの出来損ない」
「"おいしいクレープを作ってください"と泣いて私の足元にすがりつくあなたの姿が目に浮かびますよ」
その後およそ12分間に渡って、再び大人げない攻防戦が繰り広げられた。

ボビ一家の戸口に立ってからおよそ30分後、ようやく白ずくめの男――ジ一ン・ジラ一ド――は
リビングのソファに腰を落ち着ける事ができた。
白い手袋を勿体ぶって脱ぎ、小さくたたんで白スーツのポケットに忍ばせている。
「ダージリン、もしくはウバ……それらがなければアールグレイをお願いします」
「そんな銘柄のビールは置いてねえよ。あるもんで我慢しろ」
目を見張るジラ一ドの目の前に、リッキ一は憮然とした表情で缶ビールを差し出した。
「どちらかと言えば私はワインが好みです」
「嫌ならクレープでも食ってろよ」
リッキ一が勢いよくプルタブを引くと、小気味いい発砲音と共に泡が溢れた。
釈然としない表情で缶ビールを見つめているジラ一ドの真向かいに腰を下ろし、挑発するように首をかしげる。
結局手をつけないまま缶ビールをテーブルに置き、ジラ一ドは大真面目な顔をしてひとつ空咳をした。
「さて、用件ですが」
「もう一度勝負したいってんなら、受けて立つぜ。今度こそ俺の圧勝だ。
スタートと同時に、ヒュン!もうお前の視界に俺はいない」
"ヒュン!"の声と同時に天空へ滑らせたリッキ一の手を目で追いながら、ジラ一ドはゆっくりと首を振った。
「もちろんそれも近いうちにお願いしたいですが、それとはまた別に用件があります」
手に持った缶を手持ち無沙汰にぶらぶらさせているリッキ一の手に、ジラ一ドのいやに熱い手が重ねられた。
なんだか嫌な予感と怖気がして手を引いたが、ジラ一ドは意に介さず宙に浮いた手を
小芝居めいた動きで胸にあてる。
やっぱりこいつを家に入れたのは大失敗だった、とリッキ一は人知れず心中で呟いた。

「覚えていますか、リッキ一……リッキ一と呼んでも?」
「嫌だ」
「リッキ一……あの日、私は戦慄を覚えました。あの日の……忘れがたいあの日の熱いキス!」
そこで感極まった様子で目を閉じるジラ一ドとは対照的に、リッキ一は尚いっそう表情を険しくした。
急にビールがまずくなったような気がして、そっと缶をテーブルに置く。
しばらく目を閉じたまま胸を押さえていたジラ一ドは、やがてゆっくりと息を吐いてから
うっとりとリッキ一の目を見つめた。
「あんな……あんなレースをした後であんなキスをするなんて、あなたはずるい人だ」
「吐き気がしてきた。悪酔いしたかな」
「思い出すだけで胸が熱くなって……ふと気がつくと勃起している私がいます」
「いちいち勃起してんじゃねえよ!気持ち悪いな」
「心配しないで。以前も言いましたが、"これ"はあなたには何もしませんよ。
私に似て紳士的ですからね……少なくとも、今のところは」
意味ありげな目線を送るジラ一ドに言いようのない寒気を感じ、
リッキ一は部屋のエアコンのスイッチを入れた。

「風邪ですか?こんなに暖かいのに」
「あのな、あれはその……言うなれば、お前に対する餞別だよ。そう、俺に負けちゃって
ミジメで可哀想だったし、それなりにいいレースだったから気分も良かったし、
だからお前に対する同情心とか、まあ、そういうのだ。嫌な勘違いをすんなよ」
「あの熱いキスが?まさか。この逞しい腕で私を押し倒さんがばかりに抱き締めていたのに」
また過ぎたる過去に思いをはせているのか、ジラ一ドはうっとりと目を閉じて胸に手を当てた。
「……で、何なんだよ。"俺のキスが良かった"って事を伝えるためだけに来たってんなら、
帰るついでにすれ違う人間みんなに宣伝してくれよ。女限定で」
「むろんそれだけを伝えに来たわけではありません。それに率直に申し上げれば、
テクニックという点に関して言えば、それほど……。
私はこれを伝えに来たのです。こう言えばあなたにもわかりやすいでしょうか?
"愛してるぜ、相棒!"」
ご丁寧にも最後の台詞をアメリカ英語の発音で―――決めたつもりなのだろうが、
やはり大部分はフランス語訛りにしか聞こえなかった―――ジラ一ドはリッキ一達の口調を真似てみせた。

「そう、私は恋に落ちました。夫の隣で眠っていても、見るのはあなたの夢ばかり……
おかげでストックホルムで犬や猫たちのためのカフェを経営するという夫夫共通の夢は崩れ去りました」
「ちょっと待て、じゃああんたの旦那の……なんだ、グリズリ一とかいう奴は?」
「グレゴリ一です。……彼は理解してくれました。ああ……グレゴリ一……愛しいグレゴリ一」
沈痛な面持ちで胸を押さえるジラ一ドに、リッキ一はなすすべもなく肩をすくめた。
缶に少し残っていたビールを喉に流し込み、胸の悪い気分を一掃しようと試みたが、
むしろぬるいビールは胸焼けじみた胸悪さをよりいっそう悪化させるだけにとどまった。

「あのレース……久しぶりに私を奮い立たせ、燃え立たせたあの熱いレース……!
あの大クラッシュの後、共に汗を散らしながら走ったあの高揚感……!
あなたは宣言どおり、私を破ってくれました……そして……そして興奮が
最骨頂にのぼり詰めると同時に私の唇に押し付けられた、あなたの熱い唇……!
汗濡れのあなたの匂いに包まれて、私は気が遠くなるような興奮を……」
「ひとついいか?」
リッキ一が釘を刺す。
「まさかその……イッてはいないよな?」
「幸運な事に、パンツは濡れていませんでした。しかし私は、肉体的にも精神的にも
これ以上ないというほどの高揚感を味わいました」
「それを聞いて少しだけ安心したよ」
ジラ一ドの熱い両手がリッキ一の手を握る。
"紳士的"と自身が称するだけあって、その手付きは異様なほどソフトだった。
むしろあまりにもソフトすぎて気持ち悪いくらいだ。

「私にも故郷があります。こちらに住まいを構えるとしても、今すぐには難しいでしょう。
それに、あなたがまだ私に恋していないという事も理解しています」
「そう、残念だけどこれから先も恋する事はないと思うよ」
「私はしつこい」
ソフトなジラ一ドの手付きに少しだけ力がこもる。決意表明に際して力んでいるのだろうか。
いたずらをする子供をたしなめる母親のような仕草で
―――とはいえ力の強さは母親のそれと比べるでもないが―――
ジラ一ドに握られていない方の手でジラ一ドの手を何度も叩いた。
少しも動じる気配もない。
「それに私は魅力的だ」
ジラ一ドが微笑むとき特有の、前歯がぐいっと剥き出しになる表情が現れた。
己の魅力を確信している自信に満ち溢れた表情だ。リッキ一の大嫌いな表情でもあった。
ホワイトニングしすぎな真っ白い歯の輝きも不愉快極まりなかった。

「絶対にいつかあなたは私に恋をします」
「残念だけど永遠にないよ」
叩きすぎてピンク色になっているジラ一ドの手がようやく離れ、恨みがましげな目がリッキ一を睨んだ。
痛いのを我慢していたようだ。
「いいえ、します。甘くとろけるクレープのように、あなたの心をつかんで離さなくなりますよ」
「いい加減にしないと、クレープの具にして犬に食わせるからな」
叩かれ続けてピンクになった手の甲をさすりながら立ち上がり、ジラ一ドは不敵に微笑んだ。
前歯を剥き出しにして喜ぶ表情とは違う、また別の意味でむかつく表情だ。

「あなたも疲れているでしょうから、今日のところは帰ろうと思います。想いも伝えましたから」
ジラ一ドの言葉に飛び上がらんがばかりの晴れやかな表情を浮かべたリッキ一の目の前に、
素早く白い手袋を付け終えた手が差し出される。
反射的にそれを握ろうとしたリッキ一の鼻先で、人差し指が挑発するようにチッチと左右に揺れた。
なんとも神経を逆立てするのがうまい男だ。

「でも一つだけ。それが済めばすぐ帰ります」
白い手袋を付けた手がそっとリッキ一の腰に回され、間近に迫るジラ一ドの
いけすかない顔がふふんと笑った。
反して、リッキ一はジラ一ドの眼前でいかにも不愉快げに顔をしかめた。
「そうそう、これは些細な事ですが、もう一つありました」
以前もそうしたように自身の鼻先をリッキ一の鼻先に擦りつけ、片頬を吊り上げる。
リッキ一はしかめ面でジラ一ドの鼻を押し返した。

「あなたとのキスなら、私は首を曲げずに済みます」
「はあ?」
「憧れていたんです。背伸びをしてのキスに……それがこの身長のおかげで、
背伸びをするのはいつも私のパートナー。グレゴリ一もそうでした。
背伸びをして私の唇に吸いつこうとする姿はとても愛らしい、でも私だって
背伸びをしてパートナーの首にしがみついてみたいんです。
あなたとなら、背伸びとまではいかなくても、首を曲げる必要がない」
確かにこうして二人並んで立つと、ちょうど同じぐらいの背丈だった。
リッキ一にはそれがいまいち気に入らず、心持ち爪先立ちになる。
ジラ一ドはそれに対してはっと目を見張り、次いでうっとりした目でリッキ一を見つめた。
「首を曲げる必要がない?まさか。俺の方がずっとデカいぜ」
「……私のために背伸びを?……これなら私も背伸びができますね。なんて優しいんだ、リッキ一」
待ちに待ったキスに際しての背伸びをしてみせたジラ一ドに対して、リッキ一はあわてて対抗した。

「おい馬鹿っ、卑怯者!背伸びすんなよ」
「リッキ一、私のためにこんな演出を……もしやすでに、あなたは……私を」
「俺のほうがデカいんだから!無理して背伸びしてんじゃねえよ!」


その後およそ4分間に渡って、彼らは互いに抱き合いながら爪先立ちになって部屋中をふらつき回った。
最後にようやく軽いキスをして、満足した白い男が去る頃には、既に夜中の3時を回っていた。
結局、リッキ一は明日の朝、ろくに眠れぬままナスカーレースに駆り出されるはめとなった。
428洋画「夕ラテガ・十イツ」 主人公&ライバル:2007/02/27(火) 00:07:15 ID:NDAF/rfr0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | 本編の愛すべきアホさ加減がうまく表現できなかったorz
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 二人して図体でかくてアホで密着しすぎな二人が可愛すぎる!
 | |                | |             \
 | | |□ STOP.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ オソマツサマデシタ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※作品中、クレープをバカにするような表現が出てきますが原作の雰囲気に似せる名目です※
※私自身はクレープ大大大好きですとも!ノシ※
429風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 00:44:20 ID:yFllAR2EO
>>412
昼に観た西茸アキラ思い出したwww
430絹の道の真ん中で:2007/02/27(火) 02:36:06 ID:++dhM2Ck0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )某所に落ちてたのが見られて嬉しくて、思わず妄想…

旅の疲れが溜まっていたのか、
ビールを飲んでご飯を食べたら、なんだか眠くなってきてしまった。

「うーー眠いー…。アイラートさーん…、僕ここで寝ちゃってもいいですかぁ?」
「ダメですヨー ヨシオカサン。ベッド 他のトコロにアリマス」
「も…駄目…限界。」
ヨシオカは机の上で伸びてしまった。

ハッキリしない意識の中で、ゆらゆらと揺れる感覚がある。
あれ?…僕まだ電車乗ってたっけ…?
あー…ふとんだ…ふかふかして気持ちいいなぁ…。
本格的に寝ようと寝返りをうったところで、人の気配に気がついた。
…? 近くに誰かいる…?

「ヨシオカさん」
唐突に耳元にキスされる。
「えっ…!?あ、アイラートさんっ?!」
「ヨシオカさん カワイイネー」
「うわっ!ちょっ…やめっ…」
首筋を舌でなぞられて、思わずピクンと反応してしまう。
「同じデショウ どこも ヨルは」
「な…!?んっ…同じじゃないよー!」
「ダイジョぶデスヨ」
「だ、大丈夫じゃないって…っ…!アイラートさん…っ!」

こうして砂漠の夜は更けていった。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ほんとバカですみません…
431風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 06:57:55 ID:aiTqQyW90
>>428
映画未見だけど禿萌えた…!
掛け合いが激しく面白かったよGJ!
432風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 07:56:05 ID:0LCH1lVW0
>>430
ちょwカメラマンさんなんでそれ撮ってないのw
433風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 08:22:42 ID:dS6sW9ODO
>>428
ちょwww禿萌えた
原作は未見だがこういうアホなノリ大好きなんだwww
二人ともテラカワユス
〉「そんなビールはない」
で腹抱えて笑った
434風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 10:09:28 ID:JF0UHCne0
>>412
禿萌えた!!
布越しスキーには堪らんかったですGJ!!
薄い素材ってのがまたいいわーww
435風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 14:33:14 ID:n8HWrgDP0
>>412
まさかここで全タイものが読めるとはwww
知人(全タイフェチ)が、「男同士、女同士で絡むのもまた
色々な感覚があって楽しい」と言ってました、そういえば…。
436風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 19:13:23 ID:oayQCja40

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ハ/ケ/ソ/の/品/格 小→大 第4話のその後設定。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ベッタベタな風邪ネタだお
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |



 ハ/ケ/ソ続いて申し訳ないです。これ投下したら一旦切ります。
大と小が一緒に出社してきたところから妄想膨らませてます。
ドラマに則した部分は曖昧なので、台詞とか間違ってたら目つぶってください……
437風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 19:15:06 ID:oayQCja40
「ショウヅくん今日休みらしいわよ。風邪ひいたんだって」

黒/岩さんが彼の机を見ながら言う。
昨日二人でどのくらい話していたかは知らないけど、風も冷たかったし、
コートも着ずに寒空の下つっ立っていたら、風邪をひくのも無理もないだろう。

いつものように素直に心配できない自分が、
とんでもなく我が儘で冷酷な人間に思えて嫌になる。
「やだ、何て顔してんの里/中くん。たかだか風邪なんだから
明日には復帰するわよ。ショウヅくんそんなヤワじゃないもの。」
黒/岩さんに笑い飛ばされて我に返る。そうだねと愛想笑いをして席に戻ると、
Oh前さんがなぜかモ/リさんの席に座っている。

「先輩、そこ私の席ですよ」
「……私としたことが」
Oh前さんは何も悪くないのに、また黒い感情が沸き上がる。最悪だ、オレ。
「Oh前さん、具合悪いなら無理しないで下さいね」
大丈夫ですと言い張るOh前さんの顔が、熱で赤く染まっているのを
心配しながらも、オレはショウヅさんに連絡したい気持ちで一杯になっていた。
438ハケソ 2/9:2007/02/27(火) 19:16:23 ID:oayQCja40
結局、頑張りすぎて倒れてしまったOh前さんを皆で送り届けてから、
オレはすぐ携帯を手にした。もう9時をとうに過ぎている。
迷惑かもしれないと思いながらも、声が聞きたくてたまらなかった。
たっぷり10回待って、掠れた声のショウヅさんが出た。
「……ケソちゃん?」
「ごめんね、寝てた?」
「いや、頭痛くて起きたとこ……」
オレの足は、迷わず帰り道とは反対の駅へ向かっていた。
「大丈夫?薬飲んだ?」
「いや、それが、探したんだけど見付からなくってさ……
こういう時独り暮らしって辛いよなぁ」
無理に笑ってみせようとする声が痛々しくて、こっちが辛くなる。
「今から行くから。」
返事を聞かずに電話を切ると、オレは駆け出した。

439ハケソ 3/9:2007/02/27(火) 19:17:40 ID:oayQCja40
ショウヅさんの部屋は、良くも悪くも男の部屋という感じで、昨日脱ぎ散らかした
であろうままのスーツやら、書類やらが床に散らばっている。
奥の方の窓際にベッドがあって、ショウヅさんは座敷わらしみたいに
頭から布団を被って丸まっていた。
「わざわざごめんな、明日も仕事あるのにさ」
いつもの笑顔がすっかり消えて、ショウヅさんは弱々しい声で謝る。
「オレのことなんかいいから、早く薬飲まなきゃ。
―先に何か食べなきゃだね」
生憎料理は苦手なので、レトルトのお粥を大量に買い込んでおいて正解だった。
冷蔵庫を覗くと、卵が2、3個転がっている。暖めるときに割り入れて即席卵がゆにした。

「うまそ……朝からなんも食ってないから腹減っちゃった」
やっとショウヅさんの顔に笑みが戻る。食欲があるってことは、
そこまで深刻じゃないはずだ。オレはホッとして小さく溜め息をついた。

440ハケソ 4/9:2007/02/27(火) 19:18:48 ID:oayQCja40
薬がきいてきたのか、ショウヅさんが大きな欠伸をする。
足を投げ出してぼーっとしている表情が何だか子どもっぽくて
吹き出しそうになる。
「寝た方がいいよ。熱また上がったら大変だし」
「うん、ちょっと寝ようかな……ホントありがとなケソちゃん。もう遅いし、
帰って大丈夫だよ」
「ショウヅさんが寝たら帰るよ。」
ごそごそと布団に潜り込んだショウヅさんに冷えピタを貼りながら言うと、
ショウヅさんはオレの顔を見ながらしみじみと呟いた。
「―ケソちゃんって、気が利くし、優しいし、オレ感動しちゃうなぁ……
こんな彼女いたら最高だよなぁ……」
そう言って目を瞑るショウヅさんを見ながら、オレは胸が締め付けられそうになる。
バカ、言葉のあやだよ。本気にするな。必死に自分に言い聞かせるけど、
どんどん頭に血が上って、心臓が飛び跳ねる。
441ハケソ 5/9:2007/02/27(火) 19:19:52 ID:oayQCja40
「……そういやさ、とっくり今日来てた?あいつも風邪ひいてたんじゃねえの?」
わざとらしく寝返りを打ちながらショウヅさんが呟く。
赤い顔をしながら仕事をしていたOh前さんと、昨日の夜の出来事がフラッシュバックして、
俺はドキドキが収まらないまま、そっと溜息をついた。
「―うん。今日も無理しちゃって……倒れちゃったから皆で
カ/ン/タ/ン/テ/まで送ったんだ。」
「え……大丈夫なのかよ!」
ショウヅさんが跳ね起きる。そのはずみで冷えピタが半分剥がれて、
俺はそれを直しながらもショウヅさんの顔を見れないでいた。
「大丈夫、ちゃんとママさんに頼んだから……ほらショウヅさんも寝ないと」
「―まぁ、俺を振った罰が当たったんだよな、いい気味だ。」
相変わらずの減らず口を叩きながらもどこか心配そうな口調を聞きたくなくて、
オレは食器を片付ける振りをしながら背を向ける。
鼻の奥がツンとして、涙が流れないように慌てて上を向いた。
442ハケソ 6/9:2007/02/27(火) 19:21:13 ID:oayQCja40
食器を片付けて部屋に戻ると、ショウヅさんは規則正しい寝息を立てていた。
額にそっと手をやる。まだ少し熱いみたいだけど苦しくはなさそうで安心する。
仕事中には見せない安心しきったような寝顔が随分若く見えて、思わず頬が緩んだ。
「ショウヅさん」
声を掛けるけど起きる気配はない。オレはそっとショウヅさんの顔に手をやる。
まだ熱っぽい頬を撫でたり、額の汗で貼りついた前髪を直したりすると、
ショウヅさんはくすぐったそうに首をかしげた。

息を大きく吸って、止める。少しの間だけ、触れるだけの、キスをした。
ショウヅさんの唇は、乾いていたけど熱くて、
オレの唇も、そこから熱を貰ったみたいに、熱い。
唇から熱が伝染するように顔に血が上って、オレはたまらず布団の上に突っ伏した。

しょうじさん

心の中で何度もいとしい人の名前を呟きながら、
オレはいつの間にかそのまま寝込んでしまっていた。

443ハケソ 7/9:2007/02/27(火) 19:22:22 ID:oayQCja40
「ケソちゃん、ケソちゃん起きろ」
ぺちぺちと冷たい手がオレの頬を叩く。重たい目蓋を上げると、
ショウヅさんが頭をいつもより更に爆発させてオレを覗き込んでいた。
「もう起きないと遅刻しちゃうよ。昨日、ケソちゃん寝ちゃったんだろ?
朝起きたらケソちゃんの顔がドアップで、ビックリしちゃったよー」
まだ少し鼻にかかった声だけど、口調はいつものように軽快だ。
「―ショウヅさん、熱、大丈夫?」
「まだちょっと残ってるっぽいけど、微熱だし、働いてたら治るさ」
「あんまり無理しないほうがいいと思うけど」
思わず額に手をやる。不意に顔が近くなって、昨日自分がしてしまったことを
思い出して、また顔が熱くなるのが分かった。
「―あれ、ケソちゃん顔赤くない?もしかして俺のうつっちゃったかな?」
今度は逆に、ショウヅさんの手が俺の額に伸びる。
益々熱が上がってしまいそうで、オレはたまらず立ち上がった。
「っ大丈夫!オレは平気だから……さっ、用意しなきゃ!」

444ハケソ 8/9:2007/02/27(火) 19:23:19 ID:oayQCja40
 結局、オレがショウヅさんの看病するはずだったのに、起こしてもらい、
お風呂と着替えまで借りて、その上朝食まで作って貰ってしまった。
「―何か、ホント、ごめんね……オレ何しに来たのか……」
「いいっていいって、昨日は来てくれてホント助かったんだよ?
薬すらなくてヤバかったし」
うつむくオレの頭をクシャクシャ撫でて、ショウヅさんは笑う。
トーストをかじるとバターのいい香りが広がって、沈んでいた気持ちが少し落ち着いた。

「そーだ、ケソちゃん、冷えピタまた貼ってくんね?」
「え、ショウヅさん、それ貼って会社行くの?」
「まだちょっと熱っぽいしさ、見た目より身体だからな」
スーツ姿に冷えピタのアンバランスさがおかしくて思わず吹き出すと、
ショウヅさんも笑ってオレの頭をこずく。
「ショウヅさん、ちょっと屈んで」
ショウヅさんの頭がオレより少し下に来る、その時、自分と同じ
シャンプーの香りが鼻をかすめて、オレはあらぬことを考えてしまう。
「ケソちゃん?」
ショウヅさんが不思議そうな声でオレを呼んで、慌てて我に返る。
剥がれないように押さえて、ちょっとでも隠れるようにと前髪を直してあげた。

445ハケソ 9/9:2007/02/27(火) 19:23:52 ID:oayQCja40
「―やっば!ケソちゃん急げ!マジでヤバい時間だ!!」
「うわ!ホントだ!」
コートを引っつかんで飛び出すショウヅさんの後姿を見ながら、
朝の冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んで、後に続いて駆け出す。
今日もいい天気だ。

 あの夜のことは、忘れよう、と思う。
オレのこと、大切に思ってくれてるって、感じるから。
それが、友達という形だったとしても。
446風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 19:26:14 ID:oayQCja40
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 無駄に長くなってしまって申し訳。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

小大でも大小でも取れるように目指したけど、やっぱり大小っぽくなってしまいました。
447風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 19:28:39 ID:C2YfPwdO0
>>446
リアルタイム遭遇ktkr!
いやいや、どちらでもおいしくいただける感じでGJですよ
禿好みの攻でした…!
448風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 19:49:51 ID:jqp559ArO
>>446
GJ!
明日がますます楽しみになったよ…!
健気な小と鈍感な大かわいい。
ごちそうさまでした。
449ナガセ×ヨシオカ その後1:2007/02/27(火) 22:14:44 ID:CJfD600lO
ヨシオカ君と再び愛が通い合ったあの日。  
俺はヤクシマルさんの足音が遠退いたところでやっと我に返り、未だ呆然としていたヨシオカ君に向き直ると途端血が逆流するのを感じた。
愛しい彼が、先程俺のせいでなったしどけない姿のままでいたのだから仕方ないだろう。       
気持ちがやっと通い合えて落ち着いたからだろうか、急激に喉が乾いてゆく。
俺は思わず彼の肩を掴み押し倒してしまった。  
「えっ、ナ、ナガセさん??」          
「もう…我慢できない…」
だがペロリと彼のなだらかな胸板を舐めたところで、彼が俺の体を両手で力一杯押し返した。     
「だっ…ダメです…〜っっ!」         
意外な拒否の言葉に、俺は情けなくも思いっきり慌てふためいてしまった。 
「なっなんで!?」  
「だ、だって、ここじゃまた誰か来ちゃうかもしれないじゃないですか。それにお互い明日も早いですし…」          
ね、と彼に微笑まれてだれが否定できるだろう。
例えどんなに無理なことであっても「そうだね」としか言えない。  
そうしてその記念的な日はあっけなく終わりを告げた。
だがそれから数週間ほど経ったが、お互い忙しさがたたって会うことさえままならない日々が続いている。
そういうわけで、せっかく想いが通じ合ったというのに、俺と彼は未だ体を結べていないのだった。
450風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:16:01 ID:CJfD600lO
「「はぁ〜〜………」」
「!」「!」
広いスタジオの隅っこで休憩していた俺とイハラさんの大きなため息が二つ重なりお互い顔を見合わせる。 
「何、ナガセ君も何か悩み事?」
「え、ま、まあ…」
「そっか〜俺も今かなり悩んでることがあってさ〜」
なんとなく予想がついたが、聞いてくれる?と問われ仕方なく頷く。
「実はさ、ここだけの話、俺ヨシオカ君と……付き合ってたんだ」
「…はぁ…」
俺はなんてリアクションすれば良いか分からずそれしか言葉が出なかったが、イハラさんは気にせず話を続ける。
「なんだけどさ…この間…別れてくださいって言われちゃってさ……正直まいっちゃって……どうしたらいいかなぁ……」
俺はその内容に思いの外驚かされた。
(ヨシオカくんちゃんと対処してくれてるんだ……)
正直優しい彼のことだから難しいかなと思っていた分、余計に嬉しい。
イハラさんの「なぁどうしたらいいかな〜」という声を聞きながら、俺は心の中でにやけ顔で幸せに浸りながら彼に謝った。
451風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:18:43 ID:CJfD600lO
「はぁ……」     
その頃、隣のスタジオでも一つのため息が漏れていた。
「ん?どうした?」
「あっ、いえなんでもないです」
隣に座ってたツツミさんに心配気に問われ、慌てて否定する。
そんな僕にツツミさんは「そうか?何かあったら言いなよ?」と優しい言葉を掛けてくれて再び前を向いた。
(…話し合い中に何考えてるんだ僕……)
ツツミさんにまで心配かけて…ちゃんと集中しなきゃ。
だが心の中で反省してはみるものの、すぐに先程の悩みがぶり返してくる。
(………ナガセさん………)ふとしたらすぐに浮かんでくる顔に幸福感を感じるが、今はそれだけではなく複雑な想いも感じてしまう。
(なんで僕あのとき断っちゃったんだろう……)
そうしてまた無意識にため息をつく。
そう。断っておいて情けないことに、なんと欲求不満に陥ってしまったのだ。
(だってあのときはしょうがないよ…楽屋なんだから)
(…けどまさかこんなに会えない日が続くなんて思わなかった…)
監督やキャストがなにやら冗談を言い合って笑っている声を遠くに聞きながら、正直つらいや…と嘆く。
(…ナガセさん…)
今頃ナガセさん撮影してるかな…
着物とか着てるのかな…ナガセさんの着物姿かっこいいんだよなぁ…
凛とした佇まいで…どことなく色気があって…
(……会いたいなあ……)『ヨ、ヨシオカさん…っ!』
「…えっ、あ、はい?」
ふと肩をたたかれて小声で呼ばれ我に返ると、ヤクシマルさんが慌てた様子でこちらを見ていて、「えっ」と周りを見渡すと他のみんなも僕をじっと見ていた。
「っあ、す、すいません!!」
集中していないことに気付かれたと思ってすぐ謝るが、ヤクシマルさんに「っちょっと来て…!」と腕をつかまれてメイク部屋へ連行されてしまった。
452風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:20:24 ID:CJfD600lO
「はぁ〜…ヨシオカさん気を付けなきゃダメよ〜」
部屋へ入るなり心底心配したように言うヤクシマルさんに「本当にすいません…」と改めて謝るが「絶対分かってないでしょ〜」と呆れたように笑われる
「えと…集中してなかったから…」
「違うわよ〜!もーやっぱり分かってない〜!」
ばしばし!
「男はみんな狼だから気を付けなさいよってこと!」
「??ど、どういうことですか?」
「うふふ」
ヤクシマルさんはにやにやと口に手をあてて微笑みながら小声で「さっきナガセさんのこと考えてたでしょう〜」と囁きかけてきた。
「っ!!///」
「やっぱり〜〜!もーヨシオカさん分かりやすすぎ!」
キャッキャッ♪とヤクシマルさんは楽しそうに笑うが僕は顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。
「そ、そんなに分かりやすいですか…?」
「もうね、顔に書いてあるもの♪」
そ、そんなに…!?
余りの事実にくらくらと眩暈がしてきた。
「そ、それでみんなに変な目で見られてたんでしょうか…」
「そうといったらそうなんだけど…まあ彼らのことは気にしないで良いわよ!」」
ただ、と肩をぽんと叩く。
「気を付けなさいね?男の人はいつなんどき何をしてくるか分からないんだからね!知人でも迂闊にふたりっきりになったらだめよ!?」
力強くそう言われ、僕も一応男なんですけど…というツッコミを入れることもできず思わず「は、はい」と頷いた。
453風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:25:21 ID:CJfD600lO
□ STOP ⊂(・ω・;
妄想とまらず書かせてもらいます

絹姐さんGJ!!新婚夫とのあの通訳無しの夜が気になるww
454風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:31:01 ID:aaL7wR8F0
ナガセ×ヨチオカ姐さんキター!(・∀・) 後日談GJです!
ついでにハピーなふたりにはちゃんと本懐とげてホシイと思ったり…
455風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:37:35 ID:S3LnktyX0
                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  禿げたか。2話ラスト後
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  専用スレの妄想拡大です。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |


456禿げたか1/3:2007/02/27(火) 22:38:29 ID:S3LnktyX0
サンデートイス社の社長解任劇のニュースを見た後
マサヒコは無言で会議室を出て行った。
追いかけようか迷っているとケータイがなった。
「○○に来てくれ」
それだけ言うと、こっちの返事も待たずにきられた。
マサヒコだ。
○○はオフィスに隣接する高層ホテルで
ホライズソ社はAmericaからの急な来客に備えてスイートルームを年間契約している。
フロントを通さずに自由に使えるようになっているその部屋に来いというのだ。

急いでロビーに向かうと、なんとかマサヒコと同じエレベイターを捕まえられた。
「どうしたんですか?急ですね」
話しかけても階数表示を見つめたまま無言だ。
なんだかそれ以上話しかけられなくなる。
部屋のある階につくとこちらを振り返りもせずに歩いていってしまう。
スイートのドアを開けたまま奥に入っていくマサヒコを気にしながら
念のためにバーロックをかけておく。
457禿げたか2/3:2007/02/27(火) 22:39:09 ID:S3LnktyX0

「マサヒコ…」
ベッドルームに入ると彼は服を脱ぎ散らかしてソックスニ手をかけたところだった。
ユメノヨウナコウケイダ!
「アラソ、早く脱いで」
少しかすれた声が聞こえた。
ボクはあっという間にジャケットとネクタイとシャツを脱ぐ。
ボタンが飛んだけどキニシナイ!
ベルトに手をかけたところにマサヒコが抱きついてきた!!!!!!
ボクの首に手をかけて思いっきりのディープキス。
こんなに情熱的な彼は初めてだ。
ボクもマサヒコの背中に手をまわしキスを味わっていると
マサヒコの手がジッパーをはずして中に入ってきた。

ボクはもうそれだけで我慢できなくなってしまう。
そのままマサヒコに押されるように二人でベッドに倒れこむ。
ボクの上の彼は本当にセクシィで悩ましく動いているのに、
声を出すまいと手の甲を口に当てるしぐさはいつものままだ。
…いや、その表情は泣いているようにも見える…
ダレノコトヲカンガエテイルノデスカ?
あの男、昔一緒に働いたこともあるという、
それなのに再会したときマサヒコを覚えていなかった。
行く先々に現れてはマサヒコとなにやら話し込んでいく、あの男。
あいつに会った後のマサヒコはいつも不機嫌になり少し悲しそうにみえる。
458禿げたか3/3:2007/02/27(火) 22:39:55 ID:S3LnktyX0
倒れこんできたマサヒコを抱きとめて余韻にひたりながら
「サンディの件は残念でしたね」
と無粋なことを言ってからシマッタと後悔していると
マサヒコの体が少し震えだした。
ナイテイルノデスカ?
そう思って顔をのぞくと彼は笑っていた。
「なに言ってるんだ、アラソ。まだ終わっちゃいない。
ミツバにはワンラウンドとられただけだ。最後にはこちらのものだ。」

マサヒコ、君の心の中に誰がいてもかまわない。
ボクはいつも君のそばにいるよ。アイシテイマス。マサヒコ。

終わり
459風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:41:36 ID:S3LnktyX0
| __________  |
 | |                | |    しかし当時ロッポンギhillsはオープン前
 | | □ STOP.       | |    オライズソはどこのビルにはいっていたのでしょうか?
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
460風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 22:50:19 ID:6PuveMqZ0
>>453
続編キター!!
メチャ嬉しいです。ありがとう姐さん!!
ヨチオカには、幸せになって欲しいと心から願いつつも、不幸な姿に激しく萌えを感じる摩訶不思議。
続きも楽しみにしています!!
461風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 23:21:13 ID:fnWZk5k40
>>453
姐さん乙です!
ていうか絹の道書いた人と同一人物かと思ってましたorzゴメンナサイ

絹姐さんも乙ですよ。私もあの番組落として見ましたが
あの花婿絶対キケンですよ。いくら可愛いからって
結婚前夜に初対面のジャパニーズボーイ口説こうとするなよとオモタw
462風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 23:21:39 ID:94CFaQd50
>>459
アラン、切ないよアラン・・・
463風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 23:44:57 ID:Eq83+g7QO
>>459
アランかわいいよアラン
464医者孤島診療所2006 ハラ×コト:2007/02/27(火) 23:57:36 ID:0LCH1lVW0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) 昨日のスレの流れに萌えたので……まだ短いですが長くなる悪寒
465華園3x2:2007/02/27(火) 23:58:22 ID:pYvqWYgr0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  華園三男x次男話だよ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  妄想膨らみすぎたよ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
466医者孤島診療所2006 ハラ×コト:2007/02/27(火) 23:58:52 ID:0LCH1lVW0
 卓の上には、湯の注がれたヤシガニラーメンと箸と腕時計。
 その前にちんまりと正座し、こだわりの「ちょっと固めの2分30秒」までの時間を計りながら、
孤島は先刻のハラの言葉を反芻していた。

『先生がもっと早く島に来てくれてれば』

 鼓膜に蘇るその言葉が、小さな棘となって孤島の胸に突き刺さる。
(……やっぱり、ハラさんにとって僕は)
 きっとハラさん自身も気づいていないのだろう。気づいていて敢えて僕を抱くような、そんな事が
できる人ではない。
『先生が笑った時の印象、ミサコに似てるの。こう、にこーって笑った時の口元がそっくり』
『――だからタケトシは、先生のことを何となく放っておけないのね』
 そうマリコが言ったのは、3年前、マリコの店で酔いつぶれた日の翌日。
 迷惑をかけたお詫びに顔を出した時、マリコはハラが孤島を自分から運んだ事を揶揄して、そう言った。
 マリコに悪気がなかったのは分かっている。でも孤島はまさにあの夜、ハラに抱かれたばかりで。
 そうではないかと漠然と分かってはいたけれども、他人の口から指摘されるのは辛かった。
(……亡くなった奥さんの、不完全な身代わりでしかないのかな?)
 それでもいい、とあの時は思った。自分を抱くことが何かしら彼の救いになるなら、
ハラが自分をどう思おうと、どう扱おうと、それをとやかく言う資格はないと、そう思っていた。
 タツミとハラとを重ねて、償いをしているつもりだったのかもしれない。痛みは、胸の底に沈めた。 
 ――それから、3年。
 いろんな事があった。ハラさんは出稼ぎで島を離れる事が多くなり、年に何度も会う事もできなくなった
けれども、島に帰ってくる時には必ず会い、身体も重ねてきた。
 いつの間にか、心も重ねてこられたのではないかと、期待するようになっていた。
467華園3x2 1:2007/02/27(火) 23:58:55 ID:pYvqWYgr0

締め切りも明けて、ピンと張り詰めていた糸が
気持ちと共に緩んでしまったような気がする。
飲み物を取りに行こうと腕を上へ突き上げて
背伸びをしながらキッチンへ向かう。
キッチンの中がハッキリと見える頃になると、
鼻歌を唄いながら包丁でじゃがいもの皮をむくサトシの後姿を
俺の瞳が無意識に捕らえた。
慣れた手つきでするすると皮が剥けていくのが面白くて眺めていると
サトシは自分の手を見つめている俺の視線に気がついたようで、
唄うのをやめて俺に一声かける。
「お。オサム兄、お疲れさま」
一言発言したあと、また別なじゃがいもを剥きはじめる。
まるで魔法のように皮は剥ける。
コンロに目をやると鍋でぐつぐつと野菜達が踊っているように見えた。
野菜の煮える匂いと、見慣れた鍋の中身で俺は今晩の献立を察してしまったけど
サトシは俺が献立を聞くと毎回楽しそうに答えてくれる。
だから解ってながらもわざわざ問うてみる。
「今日のご飯何?」
「聞いて驚けよ」
サトシは 来た来た と言わんばかりににんまりと口端をあげて
満面の笑みを浮かべながらじゃがいもの手を止めた。
468風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 23:59:37 ID:pYvqWYgr0
うわわ、かぶってしまったみたいです…
少し待ちますね
469医者孤島診療所2006 ハラ×コト:2007/02/27(火) 23:59:59 ID:0LCH1lVW0
 でも。
(やっぱり、今でもハラさんは、亡くなった奥さんの事を、僕なんかよりずっとずっと愛してるんだ)
 ミサコが生きている時に孤島が島に来ていたなら、孤島とハラが結ばれることはなかった。
 ミサコが生きていれば、孤島の事など今でも胡散臭い余所者として、ハラは気にも留めていなかったに違いない。
 ハラが孤島を抱くのは妻の面影を求めているからあって、孤島自身を欲しているのではないのだから。
(分かってたことなのに、何を今更傷ついてるんだろう……)
 3年前には耐えられたことが、今は苦しくて仕方なかった。
(ハラさんをタツミさんと同じように考えるなんて、もうできないよ……!)
 溜息をついて時計を見ると、もうとっくに3分は遠い過去になる程の時間が経っていた。
 アラームの音にも気づかなかったらしい。それほどショックを受けている自分に、孤島は更に情けない
気分になる。
 極力何も考えないよう、孤島は伸びたラーメンを一心不乱に胃に流し込み始めた。
470医者孤島診療所2006 ハラ×コト:2007/02/28(水) 00:01:18 ID:0LCH1lVW0
□ STOP ⊂(・ω・;
短いんだからもっと書いてからにすれば良かった・・・・・・スイマセン、
カオスになってしまったorz
471華園3x2 2:2007/02/28(水) 00:01:54 ID:pYvqWYgr0
包丁をまな板の上に置いてまで俺に人差し指を突きつけながら
「カレー!」
と、どうだ!と言ったように満足げに献立を暴露したのだった。
その時のサトシときたら、大人げなくて俺はおかしくなって小さく噴き出した。
「やっぱりな〜」
「…なんだよ、オサム兄カレー好きじゃん」
むっと下唇を少し尖らせるようにスネる。
笑ったり怒ったり忙しいやつだなあ。
「あのさあ、サラダそこにあるから、冷蔵庫の中の切ってあるトマト盛り付けてくれない?」
言われるがままに冷蔵庫から輪切りのトマトが入った皿を取り出す。
皿に張られたサランラップを剥がす。
中のトマトはみずみずしくて思わずため息が出そうな程だった。
サラダの上に乗せるつもりで指でつまんでみたけど、
あまりに美味そうなものだったから我慢できなかった。
くちの中に放り込むとトマトの味がふわっとくち一杯に香る。
それに加えてシャキシャキとした歯ごたえもたまらなかった。
いつもはつまみ食いに怒るクセに、サトシは何故か今日は怒らない。
むしろ悪乗りする俺に乗るように聞いてきた。
「トマト美味い?」
「んー、ッ超、美味」
「じゃあ俺にも」
その声にすぐには反応する前に腕を引っ張られ、
俺の指先につままれてる熟したトマトがサトシのくちに運ばれる。
トマトの代わりに指に智のくちが、歯が、触れる。
なんかへんな感じがしてぐるぐると色々なものが頭の中を駆け巡った。
472華園3x2 3:2007/02/28(水) 00:02:26 ID:goJo9YDx0

「…なぁに赤くなってんの?ウブだね〜」
その言葉に我に返り、にやにやとイヤミみたいに
笑みを浮かべるサトシを精一杯睨んでやった。
そうか!サトシはこういうの慣れてるんだよな、うざいな全く!
「智とは違うんだよ!」
「あーはいはい、怒らない怒らない」
なんで俺ってばからかわれてるんだ?!
何がこんなに腹が立つのか解らないけど、サトシの行動はやたらと俺を苛立たせた。
俺がむかむかしてるにも関わらずサトシは相変わらず楽しそうに笑っていた。
後片付けが済んでないことを思い出して、
仕事部屋に戻ろうとしたら二の腕を思い切り引っ張られ止められる。
確かに唇に柔らかいソレが押し当てられ、
ちゅ、と可愛らしい音を立ててソレは離れていった。
その瞬間さっき以上に頭の中を数えられないほどの文字がめぐりにめぐって
考えすぎた俺はとうとうショートした。
「これで我慢できるデショ」
今度はサトシの言葉も耳に入らず、ていうか全ての音をシャットアウト。
そんな俺を見て満足したのか、声を弾ませながら
「じゃあ、俺ヒナタとワタル兄呼んで来るから」
と、キッチンから出て行ってしまった。
スリッパが床を擦る音が遠ざかるのをようやく聞き取ると、
俺は一人で敗北感に浸り、その場で脳内反省会を行ったのだった。
473華園 3x2:2007/02/28(水) 00:03:01 ID:goJo9YDx0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ソッコーで書きすぎたよ
 | |                | |     ピッ   (・∀・;) かぶってごめんなさい><
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
474風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 00:15:43 ID:PQjVMFSN0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ハケソ 小大>中途半端なエロ…
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  突発的に書いたので正直、めちゃくちゃです。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

475ハケソ:2007/02/28(水) 00:16:17 ID:PQjVMFSN0
「ショウジさん、今夜ちょっと付き合ってよ。」

返事は笑顔で返してくれた。
残業もそこそこにし、俺達二人は仕事場を去り、
賑やかな繁華街へとむかった。
軽く飲みに行くだけのつもりだったのに、
次の日が土曜日だからっていう理由で、
半ば無理矢理に、俺はショウジさんを家まで連れ込んだ。

「ショウジさん、さーゆっくり飲みなおそう。」
「ケンちゃん、今日はなんかペース早くね?無理すんなよ〜。」
「大丈夫だって。」

どうぞ、とショウジさんを部屋に招き入れ、
彼は慣れた感じでおじゃまします。とふざけた口調でいいながら、
部屋のまん中にある小さなテーブルの前に腰をかけた。
「つまみ、なんか作ろうか?」
「いいよ。ほら。」
ぽんぽん、と自分の隣の床を叩き、俺に座れと合図する。
まるで自分の部屋にいるみたいに。
そして色々な話しをした。
どれくらい時間がたっただろう。
家についてから一度も時計を気にしてなかったが、すでに
日付は変わっていただろう。
「ケンちゃんはさ、新入社員の時からかわんねえよなあ。」
「何。唐突に。…変わってない?」
「うん。なんていうか、老けないっていうか。」
「なんだよ。それ。」
誉められてるの?
なんて言いながら、わずかに残った缶ビールを一気に飲み干した。
  
476ハケソ2:2007/02/28(水) 00:16:52 ID:PQjVMFSN0
「あの時から、ずっと変わってないよ。ケンちゃんは。」
「ショウジさん…?」
酒が入っているせいなのか、わからなかったけど
ショウジさんの目は潤んでいるように見え、今にも涙が
こぼれ落ちそうな、そんな感じだった。
「ショウジさん。なにしんみりしちゃってんの。」
「や、なんか色々思い出しちゃって。」
とたんに、ぱっと明るく笑ってみせると、
そのままふいに目が合った。
その瞬間に、俺の胸がとくん、と跳ねた。
出してはいけない、感情が込み上げてくるのがわかった。
気付いた時にはもう、遅かった。
次の瞬間にはもう、ショウジさんの唇に、自分を重ねていた。

驚いた顔をしているショウジさんが目に浮かぶ。
そっと目を開けて確かめてみたら、
案の定、大きな目をさらに開いて、
声もでない。といったような様子で俺を見ていた。
「…ケ…ケンちゃ…?」
声が上ずっていて、ひどく動揺しているのが解る。
でも、もうそんな事も気にしていられなかった。
そのまま抱き寄せて、ゆっくり押し倒し、
もう一度、ゆっくりと。今度は頬にキスをした。
「ケ…な、何して…。」
「ショウジさん、いいでしょ?」
「いいって…。ちょ、待て!」
「もう、待てない。」
困惑しながらも、抵抗をしないあなたが悪い。
そんな事を思いながらYシャツのボタンに手をのばした。
477ハケソ3:2007/02/28(水) 00:17:58 ID:PQjVMFSN0
すべてボタンをはし、下着をずらすと、すでに胸の突起は
ぴん、と立ち上がっていた。軽く触れてみると、
ショウジさんの口から声が漏れた。
「…んっ」
いつもとまるで違う声にドキドキする。
ぐっと息を飲んでこらえているらしいが、遅かったらしい。
「ここ、弱いんだ…。」
また軽くソコに触れる。
「んっ…ちが…」
「弱いんじゃん。ほら。」
言うと、今度は軽く押し、唇で吸い上げてみた。
「ああ…んっ!」
素直な反応に、嬉しくなってしまう。
身体をよじらせて声をあげるショウジさんが、
すごく愛おしく思えて、
溢れる感情を押さえる事が、出来なかった。

そのまま、眠ってしまったらしく、
目が覚めた時には、朝になっていた。
ゆっくり起き上がると、先に起きたショウジさんがトイレから出た所だった。
「あ。起きた?おはよ。」
「…はよう。ショウジさん、あの、昨日は…。」
「いや〜〜もう、昨日のケンちゃんにはびっくりしちゃったなあ〜!」
「え?」
あまりにも明るいその態度に、あっけにとられる。
478ハケソ4:2007/02/28(水) 00:19:12 ID:PQjVMFSN0
「ケンちゃんがあんなに大胆だったなんてなあ〜。まいっちゃったよ。俺。」
ケラケラと、笑いながらベッドの脇に座り、ふーっと大きな息を吐いた。
そして俺の顔を見つめて、今度は真剣な顔つきで言った。
「…俺さ、ケンちゃんだから、ああなってもいいって思ったんだからな。」
「ショウジさん…。」
「あの、俺別にあっちの趣味とかあるわけじゃないし、
うん…なんていうか…。ケンちゃんだからこそ許せたっていうか…。」
言葉を選びながら、なんとか俺をフォローしてくれようとしているんだろうか、
もどかしそうに首をかしげる。
「ショウジさん。ありがとう。…ごめんね。」
言いながら、ショウジさんをそっと抱き締めた。
「…俺、ショウジさんの事、好きだから。」
「ケンちゃん…。」
「ずっと、好きだったんだ。」
「ん…。」
「俺の事…キライになっちゃった?」
「なるわけないだろ?ばかだなあ。」
「よかった…。」
ほっとして、ショウジさんの顔を見ると、
いつもの笑顔で俺を見ていた。
そしてぎこちない手付きで俺の頬を覆って、
深い、キスをしてくれた。
俺も、ケンちゃんの事、好きだから。
キスのあと、小さくそう呟いてくれた。

479風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 00:21:03 ID:PQjVMFSN0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | お目汚し失礼致しました。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| もっと切なくてあまーいエロ小大(逆でもいいや)が書けたらな。 | |                | |             \
 | | |□ STOP.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ オソマツサマデシタ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
480風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 00:34:37 ID:7r3w94nrO
>>471-473
素晴らしい!(次男風で)二人の雰囲気掴みながらも萌えに発展。
動揺次男カワユス(*´д`*)ハァハァ
次男て童貞喪失どころか下手したら三男とが初チュー…w
姐さんまた続きあったら待ってます!
481風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 00:38:23 ID:7r3w94nrO
>>467もあったんですね(´Д`;)
今日の本編32と共に堪能いたしました。
482風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 00:47:44 ID:9Ah7lF7i0
>>471
本スレに晒されてるよ、姐さん!
483風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 00:50:04 ID:goJo9YDx0
>>482
( Д ) ゜ ゜
あー…そかドンマイだと思うww
晒されたの初体験って喜んでおくよ。
>>480
また暇があれば32話書きたいと思ってるよ
484風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 00:59:50 ID:O9dEhxlI0
>>474
覇権萌えv
ホント、どっちともとれるw
GJでした! ありがとうございました!!
485風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 01:04:34 ID:GhO4wlBpO
ヨチオカ姐様コト姐様キターー(゚∀゚)ーーヨ!本気GJっス!続き楽しみにしてます!
486風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 01:20:35 ID:qWeMncry0
サイト作ってそっちでやれよ
487風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 01:24:57 ID:Bq9NQjORO
>>486に同意
488風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 03:23:38 ID:XCEE7Ug+0
いいんじゃないのかいろいろいて。

489風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 06:49:42 ID:5W8usPeE0
そもそもビデオ棚だからね…
しかし最近の過熱ぶりはすごい
スレの進みが速いなあ
490風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 07:38:01 ID:YYHd5tLw0
最近の流れ、活気があって自分は大賛成。
ここに来るのが毎日楽しみで仕方がないよ。姐さんたちみんなGJ!
491風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 07:44:03 ID:aSgvgiON0
棚だからどれだけ連作が続こうが構わないけど、変な馴れ合いはマジでサイトでやれと言いたい
492風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 07:46:05 ID:Hxb5DXQ+0
お前ら、1作品しかないサイト見に行くか?私は行かんよ。
だから皆このスレに投下してくんだろ。
493風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 08:48:47 ID:L/nygJ4tO
諸事情でサイトを維持できないから、ていうのもあるんじゃない?
私はたまに投下させてもらうけど、気軽に萌えを他人と分かち合えてたのしーよ
ただ別に特定の個人としてここにいるわけではないから
一作一作別人が書いてるつもりで投下してる。同じジャンルでも。
まー文章からばれるかもしれんが、
書き手も読み手も名無しだっつーのが
ここのいいとこじゃない?
お互いの距離感っつか
494風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 09:11:43 ID:lEdpgv5VO
そもそもどこらへんが変な馴れ合い?
今までと大して変わらないと思うんだが…
495風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 09:34:47 ID:L/nygJ4tO
前からこういう問題は何度か起こったよ
一ジャンルで盛り上がると、どーしてもね
けどスルーすればよくね?みたいな結論にいつもいきつくw

496風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 11:04:11 ID:nSG8z1Lb0
いい大人なんだしな
497風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 11:10:35 ID:tcWsxYKU0
>>470
孤島姐さん、GJ!
まさか、そのネタをすぐ書いてくれる姐さんがいるなんて、感動!!
ワクテカしつつ続きお待ちしています〜
498ギ/ン/タ/マ 山崎→土方:2007/02/28(水) 17:49:49 ID:sQvK0YOE0
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       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
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         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
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  |            ┌‐^──────────────
  └──────│飛翔漫画、吟球です。エロもキスもありません、シリアスのつもりです
                └───────────────
499ギ/ン/タ/マ 山崎→土方@:2007/02/28(水) 17:50:34 ID:sQvK0YOE0
ぎらついた瞳の奥にあるのは俺には到底予測できない物だと分かっているからこそ惹かれます。
長い睫を震わせて瞳孔を開いたその瞳に睨まれただけで死ねるというのなら本望だ。
すっと筋が通った鼻は興奮すると赤くなって、
汗で首に張り付いた髪の毛は項をくっきりと表して
血のように赤い唇から時折覗く赤い舌はいつも濡れている。
つまり、彼は色っぽいって事なんです。
え、違う?
いや、俺は憎しみがこもるあの瞳こそが彼の最大なる魅力だと思いますよ。
勿論彼には憎しみしかない訳ではない、そんな人を近藤さんが受け入れるはずが無い。
それは重々承知でしょう。

彼は孤独な獣なのです。
独りで闘っている様に見えて
そしてそれを望んでいるように見えても彼はとても不安定な崖の上に立っている。
傷ついた体を拭おうともせずただ血に濡れた剣を見て恍惚に笑った一瞬の後に翔ける空虚な瞬間。
気付かないフリをして?
そのまま遣り過ごしてきたのだからこの先もそれに呑まれる事は無いと?
なんて悲しいんだろう。
なんて馬鹿なんだろう。
だから俺は何時でも貴方の側に居たいと思うのに。
貴方の足元を支えてあげられるのに。
500ギ/ン/タ/マ 山崎→土方A:2007/02/28(水) 17:53:05 ID:sQvK0YOE0
[おぃ、山崎。何だよその傷は]
髪の毛が湿っているのが分かる。目の横に血が付いているのも分かる。
[あ、今晩和、副長]
たった今気付いたように素っ頓狂な声で返せば、ガッと襟首を引っ張られる。
この人はすぐに手が出る。
俺ぐらいだ、この人が他人に痣を作るのは。
[てめぇ何処に行ってやがったんだ!?答えろ!!]
彼の口から唾が飛んでくるのも気にせず俺は目を瞑った。
[斬ってきました]案外自分もしぶといかもしれない、だなんて今更気付いた。
彼は何処にと訊いたのに俺は何をを答えている。
馬鹿馬鹿しい、自分の思考に溜息が出る。
そんな事で俺は彼のストレスを溜めていくのか。
[っ...!その傷か..?]
彼こそ毎日ミントンの柄で急所を打ってきたり平手打ちで赤い跡を残したり(流石に刀での叱咤は無いけれど)するくせに、
ねぇ、俺は貴方の所有物じゃない。
自分以外の他人が俺を傷つけたと分かった途端に感情が高ぶる貴方は、どれ程独占欲が強いんですか?
[まさか]
発したそれは副長の問いにもぴたりと当たったらしく彼は眼を一瞬見開いて手を離した。
金色のように見えたそれが俺の背筋をピンとさせる。
この人の瞳の色は千変万化だ。
...ただの光の加減だろうが。
501ギ/ン/タ/マ 山崎→土方B:2007/02/28(水) 17:54:03 ID:sQvK0YOE0
[...そうか...良かった]
罪なお人です、貴方は。
誤解を招くような台詞をぽつぽつと云うもんじゃぁ無い。
[相手の血ですよ、全て]
それでも俺は勢いでとか便乗とかで気持ちを伝えられないままだ。
よっぽど俺の方が罪な奴だ。

俺は貴方に顔すら見られたくない。
ほっとした笑顔で俺を見ないで。

副長の細く長い指が俺の顔に付いた汚らわしい血を擦った。
その手つきは優しい、けれどやはりどこか厳しさを持ち合わせていて俺は安心する事が出来ない。
もう乾いてなかなか取れない血を忌々しそうに睨む副長が子供っぽくて。
そのまま指は下に降りる。
夜、僅かな月の光でその指はまるで幽霊が通った軌跡のように白く浮かび上がっている。

不気味だ。
彼の指が、彼そのものが全て俺には不気味で近寄る事は出来ない。
頬に触れたその手を素早く掴んで引き寄せた。
[ぁっ...!?]

キスが出来るほど側にいるのに、ね、どうして貴方はこんなにも。


俺から遠いんだろう。
502風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 17:55:00 ID:sQvK0YOE0
_________
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
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         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

                 ピッ ∧_∧
                ◇,,(∀・ ; )
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                | ミジカスギデスネ・・・・マタシバラクシタラツヅキヲカクカモシレマセヌ
  └────────────────┘

503風と木の名無しさん:2007/02/28(水) 18:04:22 ID:SXR03zYZ0
>>502
禿萌えた……ギリギリな感じがたまらなく素敵です。
姐さんの文体大好きだ。GJ!!
504中尉×ドクター  嵐の来襲:2007/02/28(水) 22:55:43 ID:0l94Sutd0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  懲りずに続きを書いてみる
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  第3のキャラ登場です
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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505中尉×ドクター  嵐の来襲 1:2007/02/28(水) 22:57:02 ID:0l94Sutd0
「大尉、まもなく輸送船が予定宙域に出現すると思われます」
副官である中尉は告げた。この日は他星系を経由した輸送隊が物資搬入のために入港する事になっていた。
そして中尉の分隊が入港に際し輸送艦に護衛として付く事となっていた。
今回寄港する輸送艦の艦名を聞いた時、いやな予感がした。それは聞き覚えのある艦名だった。
輸送艦は予定自国どおり宇宙港に到着、上官である大尉と数人の部下とで輸送艦ブリッジへと進んだ。
大尉に続きブリッジに中尉が入るとすごい勢いで向かってくる人影があった。
「アル〜!」
叫ぶとほぼ同時にガバッと抱きついた。
あ、あのランディス中尉になんて事を!たとえ官位が上であろうとも絶対に殺されるぞ!!
と、この場に居合わせた中尉を知る全員が思った。
が、当の中尉は動じることもなく、自分に巻きついた腕をどかして呆れかえったようにひとつ溜息をつく。
「相変わらず暑苦しい性格ですね、兄上」
この輸送艦の副官はファランキース・G・ランディス少佐、アルフォード・B・ランディス中尉の正真正銘実兄だった。
506中尉×ドクター  嵐の来襲 2:2007/02/28(水) 22:58:44 ID:0l94Sutd0
「いや〜、この星に着任しているとは聞いてたけど、まさかこんなに早く会えるとは思わなかったよ!」
尚もじゃれつく兄である少佐の腕を鬱陶しげに何度も振り払いながら、宇宙港から基地へと向かう。
基地に着き、用意された部屋へと向かう廊下でばったりドクターと会った。
「あっ、中尉」
まずい!中尉の中で嫌な予感が駆け巡る、よりによってこのタイミングでドクターに会ってしまうとは。
「ドクター」
とりあえず何事もないように出来るだけ淡々と紹介する
「こちらは今日着いた輸送艦の副官、ファランキース・G・ランディス少佐です」
人好きのする笑みを浮かべて少佐が右手を差し出す、ドクターも握手のために手を差し出した。
「ただ今ご紹介に預かりましたファランキース・G・ランディス少佐と申します」
「ランディスとおっしゃると・・・中尉のお身内でいらっしゃいますか?」
「はい、兄です」
と言うとまたまた中尉を背後から抱きしめる。が、またまたその腕を中尉に引き剥がされる。
言われてみると確かに中尉と同じ紺碧の瞳をしている。ただ少佐の肩辺りまである髪の色はかなり明るいブラウンだった。
しかし、一見してこの二人が兄弟とは思えない最大の理由は纏っている空気の違いだろう。
冬の夜空のように、澄みきっていて凛とした引き締まるような空気を纏ったのが中尉ならば、
同じ夜でも昼間の熱気を留めた真夏の夜に開く花の芳香を纏っているのが少佐という人物だった。
それは単に髪の色の違いから受ける印象の違いなどではなく、もっと本質的な違いだった。
「では、またのち程」
そう言いおいて、中尉はさっさとこの場を離れようとする。
どことなく、いつもと違う雰囲気に違和感を覚えたが今はあくまで職務中、まぁ後で聞けばいいでしょう、とドクターも立ち去った。
507中尉×ドクター  嵐の来襲 3:2007/02/28(水) 23:00:23 ID:0l94Sutd0
「今のドクター、美人だったねぇ」
少し振り返り、少佐が言う。
「男性に対して『美人』という形容を普通使うか?それと彼は私の同居人だ、妙な事は考えるな」
「へぇ?アルが他人と同居とは、珍しい事もあるものだね」
中尉が他人とあまり深く付き合って来なかった事は、兄であるファランキースもよく知っていた。
「単に居住空間の友好利用を考えた結果、お互いの利害が一致しただけだ」
中尉はそっけなくそう言い放った。
「ふ〜ん、そう」
別段気にする様子もなく適当な返事を返す。だかその兄の口元に浮かんでいた意味深な笑いに中尉はその時気付かなかった。


508中尉×ドクター  嵐の来襲 4:2007/02/28(水) 23:02:07 ID:0l94Sutd0
ランディス少佐を指定の応接室に案内し、その足で医務室に向かう。
「失礼します、ドクター」
医務室に入るとドクターは出逢った時のようにデスクに向かっていた。中尉はその背中をそっと抱きしめる。
「アルフ、誰か来たらどうするんですか?」
「貧血でも起こしてよろけたと言いますよ」
絶対にありそうにない言い訳を言い出す中尉にクスクス笑う。
「で、何をおっしゃりにわざわざいらしたのですか?」
勘がいいドクターに少々驚く。
「先ほど会った兄の事ですが・・・」
珍しく少し躊躇いを含んだ物言いをする
「兄がこの星にいる間、私たちの所に居候すると言い出しました」
「そうなんですか、私は別にかまいませんよ?」
「その間・・・私たちの関係は兄に知られたくないのです」
ドクターの顔に不満が現れる
「それは、つまり家族には私が恋人であると知られたくないという事ですか?」
「そんなんじゃありません!!」
多分そういう反応を示されるとは思ったものの、変に取り繕ってもうまく話す自信がないのでそのまま口にしてしまったが・・・
「その・・・兄は子供の頃から私をかわいがってくれましたが、それと同時に私が興味を引いたものにやたら干渉したがるので・・・」
「?」
「つまりレイと私の関係を知ったら、ヤツは絶対にあなたに妙なちょっかいをかけて来るに決まってるんです!!」
「いくらなんでもそれは・・・考え過ぎでは?」
「ありません!!」
中尉はきっぱり断言する。
509中尉×ドクター  嵐の来襲 5:2007/02/28(水) 23:02:47 ID:0l94Sutd0
「キースはそういうヤツなんです!!それも一筋縄じゃいかない性格してるし」
ここまでムキになる中尉も珍しい、意外な一面が垣間見られてなんだかちょっと得した気分で笑う
「笑い事じゃないんですよ、本当に。さっきだって早速『美人だ』なんで言ってたのだから!!」
全く何を考えているのか、とひとりごちる。
「それは光栄ですね」
まだ少し笑いながら言う
「けど私はアルフ一筋ですから、心配無用ですよ」
そう言って、中尉に口づける。
「レイ、誰か来たらどうするんですか?」
「アルフが貧血起こしてよろけたと言いますよ」
「なんだか今急に酸欠気味になって来ました」
「それは大変、ではすぐに人工呼吸しましょう」
そして中尉はドクターにたっぷり『人工呼吸』してもらった。
510中尉×ドクター  嵐の来襲 6:2007/02/28(水) 23:04:06 ID:0l94Sutd0
「へぇ〜なかなか良い官舎だね」
「基地へも移動しやすく生活環境も良いです、おかげで私は助かっています」
憮然として何も言わない中尉の代わりにドクターが少佐に答える。
「しかしドクターはよくアルと同居なんて出来たね。いや僕にはかわいい弟なんだけどアル、なかなか他人に懐かないから」
「人を犬かネコみたいに言わないでもらおうか」
「つい昨日まで子犬のような潤んだ瞳で『キース兄上と一緒じゃなきゃねんねしない!!』って言ってたのに〜」
「貴様にとっては20年以上前も昨日なのか!?いったいどいういう時間軸の中に生きているんだ!!」
怒りのオーラを放出しまくり中尉が怒鳴る。
中尉には申し訳ないのだけど、ふたりのやり取りを見ていると楽しくて仕方がない。
普段は冷静沈着、誰もから頼りにされている完璧人間の中尉が、5歳年上のこの兄といると弟としての顔を覗かせる
(無理やり剥がされている?)
自分とふたりでいる時もけっして装っているわけではないけど、一人前の軍人たるもの他者に弱い部分は見せてはいけない
とでも思っている風なところもある。
人が成長するためにはそういった事も大切だけど、中尉は他人よりその傾向が強いように思う(そういう処も好きだったりする)
でも時に人は気を緩める事も必要だと思う、そういう意味では今回少佐がいる事は中尉にとっても確実にプラスに作用していた。
少佐に遊ばれている間、中尉は張り詰めたものをうまく解放できているようだ(別なストレスは溜めているようだけど)
その証拠に少佐と話している中尉の口調が、いつのまにかかなりくだけたものになっている。
少佐のためのゲストルームを用意し、そのまま3人で夕食を取る。
引き続き中尉は兄である少佐のおもちゃにされ続け、中尉以外には楽しい食事の時間となった。
ゲストである少佐にバスルームを使ってもらっている間に夕食の片付けをする。
依然ムッとした顔をした中尉はそれでもせっせとドクターと片付けをする。
511中尉×ドクター  嵐の来襲 7:2007/02/28(水) 23:04:51 ID:0l94Sutd0
「もうアルフったら、いつまでむくれているんですか?」
「別にむくれてなんか・・・」
憮然と答える。
「まあ数日のことですから、観念したらどうですか?」
「その数日の間・・・」
言いつつドクターを見つめる
「レイを抱けない」
「少しはガマンしなさい、言い出したのはあなたでしょ?」
「レイはそれで平気なのか?」
ドクターは中尉の唇に自らのそれを重ねる
「平気なわけないでしょ?けどガマンします大人ですから、我侭ばかり言っちゃいけませんよ」
今度は中尉から唇を重ねる、そして腰に手をまわす・・・
「だめですよ、そろそろお兄さま出ていらっしゃいますから」
「まだ大丈夫、ヤツは昔から長風呂だ」
そういって舌を絡める。
「う・・・んっ、もう・・・」
そう言いつつドクターも中尉の首に腕をまわし、口づけを交わした。
その日の夜、ドクターは引越して来てから初めて自分のベッドルームでひとり眠った。
512中尉×ドクター  嵐の来襲 :2007/02/28(水) 23:06:58 ID:0l94Sutd0
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 | |                | |           ∧_∧ 思いの他長くなったので
 | |                | |     ピッ   (・∀・;) 今日はここまでにしときます
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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                     | もうとにかく萌えて萌えて何で私こんなに萌えてんだろうと自問自答
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 今回いきなり恋人同士になってます
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ゼンカイハ ラブノ カケラモ ナカッタノニネ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) イチャラブガ カキタカッタンダネ
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※それほど大したネタバレはしてないと思いますが、
 公開前に余計な前情報は仕入れたくない、という方はスルーお願いします※
恋人同士となってまだ日の浅い相手とのセックスは、いつだって緊張するものだ。
長い間柄であれば慣れたもの、互いの性感帯を知り尽くしているし、
お互い十分な悦びをもって愛し合える。
またあるいは、セックスの相手が一夜限りであれば、何の気兼ねもなく
互いの快感を求め合えるというもの。

しかし愛する相手との初めてのセックスとなると、少々わけが違ってくる。
初めてのセックスは出来得る限り素晴らしいものにしたい。
互いにいい思い出になれば、後々ファースト・セックス記念日としてパーティーを開ける。
――――言うまでもなく、私達のファースト・キス記念日は互いに競い合い健闘を称え合った
なんとも忘れがたいあのナスカーレースの日だ。
実際、彼はそういった記念日うんぬんという行事をあまり好んでいないようだけれど、
結果的には嫌々ながら私の習慣に付き合ってくれている。

――――"ジ一ンが初めてリッキ一を知った日"記念日に部屋中をキャンドルで飾りつけ、床中に
バラの花びらを散らして彼の帰りを待った夜は、さすがに彼の大顰蹙を買ったけれど。
ともあれ、何事も初めては大切なのだ。
初めてが散々であればもう二度とセックスをしてくれなくなる可能性もある。
それどころか、これから長く付き合っていく伴侶であるはずが、悲惨なセックスのおかげで
一夜限りの相手に早変わりという事も有り得る。
ましてや、私の今の恋人は"男相手のセックス"に関しても素人なのだから。
生まれついてのゲイとして互いに愛し合ったこれまでの恋人達とのセックスに比べると、
グッとハードルが高くなる。
これはよほど慎重になって事を運ばない限り、たちまち彼に愛想をつかされてしまう事も考えられる。
加えて彼は大の女好きで、ほんの以前まで態度も露わに私を嫌っていた男なのだ。
生来"男の肉体を愛してきた男"とはわけが違う。
あるいは"もともとはストレートを気取っていたけれど、心の底ではゲイに興味があった"男とも、
まるでわけが違うのだ。
やっとの事で手に入れた"彼が私の家に一泊してくれる"という権利を無駄にしてはならない。
今までは互いの家を訪ねてもせいぜいキスどまりだった。
たいていは夜も更けてくる頃、追い立てられるようにして彼の家を追い出されるか、
彼が逃げるように私の家を出ていくかしていた。
その彼が、先日ついに私のしつこい誘いにのったのだ。
ぶっきらぼうな答えではあったけれど、べつだん声に"嫌々ながら"という風情はなかった。
「近所に新しいゲイバーができたんだ、行ってみないかい」「ああ」とでもいうような、
ごく自然な受け答えだった。
彼も立派な大人だ、付き合い始めの恋人が「私の家に泊まりにおいで」と言う誘いの真意を
知らないわけはないだろう。過去の人生において、彼も何度となくそのフレーズを使ったはずだ。
十分な下心を持って。
つまるところ、彼は私の誘いにのってくれた。
「私の家にセックスしにおいで」という誘いに。

そうなれば後はいかに初セックスを素晴らしく、輝かしいものにするかだ。
もとはストレートであった彼が「またしたい」と思えるような、むしろ
「俺は馬鹿だった、男同士のセックスは何て素晴らしいんだ、もう女なんか見る気にもなれない!」
と夜空に向かって思わず叫んでしまうような、そんなセックスを演出しなければ。
私は早速大量にストックしてあるキャンドルを用意し、バラの花束を買いにいったが――――
花屋の店員に向かって人差し指を立てたところで、"ジ一ンが初めてリッキ一を知った日"記念日の
彼の様子を思い出して、結局何も買わずに踵を返し、大量に持ち出したキャンドルをもとの場所にしまった。
Simple is the best. あるいはSimple est le meilleur.
ありのままの私で勝負しよう。
彼の好きなピザ、アイスクリーム、ビールも用意した。
彼と付き合うようになってから、私の冷蔵庫にアメリカ製の物がグッと増えたような気がする。
アメリカ製の物は品がなくて好きではないが、彼の喜ぶ顔を見るためならば惜しくはない。
悶々としながら彼を待つ私を嘲笑うかのように、彼は一時間以上遅刻してやって来た。
飄々とした表情で、六缶セットのビールを手に持って、ラフに片手をジーンズのポケットに突っ込んで。
目を閉じると、ぎこちない動きで彼がキスをしてくれた。
彼からしてくれるキスはいつも触れるだけのキスだ。まだ私に対して抵抗があるのだろうか。
彼の顔を両手でつかまえ、彼とは真逆の熱く燃えるようなキスをすると、彼の手が
ぎこちなく私の背を抱いた。女相手にはノリノリで舌を絡めて押し倒すであろう彼だが、
私に対してはいまだにこの様子だ。少し心配になってきてしまった。
とはいえ何食わぬ顔で唇を離すと、彼が憮然とした表情でこちらを見やった。

「Je t'aime. Vous ?tes joli. Je veux avoir le sexe avec vous.」
「何?じゅてーむ、の後なんて言った?」
「英語で言ったらあなたが怒るような事」
「……じゃあ意味は聞かない」
「そうしてください」

彼の手を取り紳士的に室内へエスコートすると、彼は素直についてきた。
彼が来る前に腕に筋が浮くほど力を込めて部屋中を磨き上げたのだが、がさつな彼が気付くはずもない。
天井の光を受けて光り輝いているフローリングの床に、ご丁寧にも泥つきで彼の足跡が点々と続いてゆく。
まあいいさ。彼に汚されるのなら本望だ。
ともあれ彼をリビングのソファに座らせ、彼が持ってきたビールを受け取ると、
彼がきょとんとした目でこちらを見上げた。
「同じ銘柄のビールを買っておきました。これは冷蔵庫で冷やしておきましょう」
キッチンへ向かいながら言うと、彼はテーブルの上に置いてあったTVのリモコンを手に取りながら
愛嬌のある笑顔を浮かべた。彼の笑顔が私は好きだ。笑うと眉尻が下がるのがまたいい。
「気がきくな。なんか食うもんは?」
「ピザは?デザートにアイスクリームもあります」
「アイスクリーム食う」
「ビールにアイス?」
「チョコアイスクリーム」
何だか釈然としないものを感じながらビール缶とワインを取り出し、グラスにワインを注いだ。
彼用にチョコレートアイスクリームをボウルに入れ、
私用にルブローションチーズをスライスして皿に載せる。
リビングの方から賑やかな音が漏れ聞こえてきた。威勢のいい男性の声がアナウンスする内容からして、
ナスカーレースのTV放送を観ているようだ。彼が出場したレースの再放送だろう。
「お腹は空いていないのですか?ピザは本当にいらない?」
「後で食う」
全く、空腹では元気なセックスが出来ないのに。

用意したおやつやビール、ワインをトレイに載せて運んでいくと、再び彼がにこっと笑った。
私もにこっと笑い返して彼の唇にキスすると、彼の動きが一瞬固まる。
――――早い話が、こうしたスキンシップを図っても怒り出す事はなくなっただけであって、
キスやハグをした後の彼の反応はやっぱりぎこちないのだ。
だからこそセックスに際して不安感が拭い去れないわけだが。
「ありがと」
困ったような顔でアイスクリームとビールを受け取る彼にもう一度キスすると、今度はちゃんと応えてくれた。
キスしたまま彼の隣に座り、鼻先を彼の鼻先へ擦りつける。彼はこれがあまり好きではない。
でも、私は好きなのだ。
「愛しています。あなたは?」
「うーんと……好きだけど」
私のLOVEに対してLIKEで答えた彼に、わざと悲しそうな表情をしてみせると、
彼はあわてて私から顔を離した。白熱したナスカーレースの映像を見つめている。
彼の手にあるアイスクリームの入ったボウルからスプーンを取り上げ、彼の口元に運ぶと、
彼は嫌がって首を振った。横目でじっと私を睨む。
「やめろよ、自分で食うよ」
「なぜ?私はこういうのが好きなんです。スキンシップしてください」
「だって、わざと俺の顔にアイスつけて、舐めようとするだろ」
とうに私の策略などお見通しな彼が、私から乱暴にスプーンを奪い取った。
肝心な事はどうしようもなく鈍感なくせに、こういう事だけは察しがいいのだから参る。
「……たまにはF1でも観ませんか?私が以前出場していたレースのDVDが」
「いい、ナスカー観る」
ぶっきらぼうに答えて、スプーンに山盛りすくったアイスをがぶりと一口。
あんな食べ方で頭や歯が痛くならないのだろうか。加えてお腹も。
アイスを食べながらTVを観る彼をそのままじいっと見つめていると、
彼がいかにもうざったそうにこちらをちらちら見やってきた。
これは彼の『見るな』の合図。私が熱烈な視線を彼に向けた時にしばしば見られる行動だ。
あまり彼を困らせては悪いので、私もTVを観る事にした。

いつ見ても彼の走りは素晴らしい。
スランプから抜け出してからというもの、より走りに磨きがかかったような気さえする。
いささか乱暴なハンドルさばきでカーブを走り抜ける彼を眺めながら、私は隣に座る彼の膝に手を置いた。
彼の困ったような目が私の手を見る。
わざと素知らぬふりを決め込むと、彼も諦めたようにTV画面に目を戻した。
そのまま彼の肩へもたれかかるように身体を密着させると、彼の筋肉が一瞬だけ堅くなる。
ゆっくりと弛緩していく彼の筋肉の動きを感じながら、私は浮遊感を伴う幸せな気分に浸っていた。
彼は嫌なのかもしれないが、私はもともとこういったスキンシップが大好きなのだ。
肌を触れ合わせていると安心する。近くに居れば居るほど気分が落ち着く。
セックスもいいが、こうして二人で寄り添い合うのも気分がいい。

ふと、彼の鼻がひくひく動いた。むっとした表情で私の方を見る。
「……お前、くっさいな。匂いつけすぎなんだよ」
「あなたが来るというので、張り切って上等の香水をふったんです」
「くさい」
「傷つきます」
「くさいんだもん」

とはいえ、彼は私から離れようとはしなかった。
ただ不機嫌そうな顔で鼻をつまんでいるだけだ。
彼の首筋へキスをして、私は首をかしげた。
「じゃあシャワーでも浴びてきましょうか?……一緒に?」
肩を抱くと、彼はあわてて私の腕を外しにかかった。
「冗談だろ!じゃあいい、口で息する」
「遠慮しなくていいのに。すっきりしますよ」
「いい、いい、いい、いい」
ご丁寧にも4回繰り返して、彼はぶんぶん首を左右に振った。なんとも強情だ。
こんな様子では、今夜中にセックスは到底無理かもしれない。
まあ、彼が嫌がるようなら無理強いはしないつもりだ。残念ではあるけれど。
諦めて彼の肩にもたれ直すと、彼がきょとんとした表情でこちらを見やってきた。今度は何だろう。
溶けたアイスクリームが底にへばりついたボウルをテーブルに置き、彼が立ち上がった。
てっきり彼が早々に帰るつもりでいるのだとばかり思った私はあわてて彼の腕をつかみにかかったが、
そこで再び彼がきょとんとした表情を浮かべた。
感情が表に出やすい相手と付き合うのは楽しいしわかりやすくはあるのだが、
時にますます混乱してしまうはめになる。
「どうした?」
「あなたを帰したくないんですよ」
「帰る?バスルームに行くんだよ」
眉間にしわを寄せて、いかにも鬱陶しそうに私の腕を振り払う。私は首をかしげた。
「俺のイカした走りは十分観たし、シャワー浴びようと……お前は入らないんだろ?じゃ、俺が先」
「え、あ、そうですか、どうぞ」
バスルームはリビングを出てつき辺りを右だと告げると、彼はさっさとバスルームへ引っ込んだ。

難しい。難しすぎる、彼と付き合うのは。
だけど、なんて楽しいんだろう。
私は彼の食べ終えたボウルをキッチンへ片付け、空き缶をダストボックスに捨てた。
チーズを齧り、少しぬるくなってしまったワインを舐める。
TV画面の中で優勝の喜びを自信満々に語る彼を眺めながら、私はゆったりとソファに背をあずけた。
520風と木の名無しさん:2007/03/01(木) 01:22:20 ID:fooZ5jOU0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | 長くなりそうなので一旦投下終わります
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  書いてる本人もまだどっちが攻&受なのかわかりません…
 | |                | |             \
 | | |□ STOP.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マダ ツヅク ラシイヨ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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521520:2007/03/01(木) 01:27:38 ID:fooZ5jOU0
>>516
一部が文字化けしてますが、気にしないで下さいorz
スマソ
522風と木の名無しさん:2007/03/01(木) 01:42:05 ID:O7M1GlLz0
>>512
ひそかに楽しみにしてます。
兄ちゃんいいよ兄ちゃん

>>520
二人とも凄く萌えます。フランス人の彼がストレートで可愛いw
なんかいちゃいちゃしてるのもイイ!前の掛け合いも面白かったです。
本懐が遂げられるのかワクテカしてます。
523風と木の名無しさん:2007/03/01(木) 03:47:31 ID:7rR/rSeJ0
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524風と木の名無しさん:2007/03/01(木) 03:48:43 ID:7rR/rSeJ0
受「ねーえ、攻くん」
攻「はい」
受「なんで僕と寝るの」
攻「・・・」
受「ふふ、実は僕知ってるんだあ。あの子と僕が似てるからだよねぇ?」
攻「・・・」
受「何なら今度から、アノ時あの子の名前呼んでもいいよ?」
攻「・・・受さん」
受「うん?」
攻「あんたって相当性格悪いですね」
受「んふふふ、よく言われる」
攻「残念ながらあんたとあの人はちっとも似てません。正反対と言ってもいい位です」
受「へえ、そう」
攻「だから俺があんたと寝るのは、」
受「――寝るのは?」
攻「・・・」
受「・・・ここはね、僕の事が好きだからだ、って、嘘でもいいから言う場面だよ」
攻「・・・」
受「もー。ほんとに駄目だねぇ攻くんは。ぜんぜん嘘つけないもんねぇ」
攻「・・・受さんのこと、嫌いだったら、抱いたりしません」
受「・・・君は嘘がつけないくせにそういう中途半端に優しいことを平気で言うから駄目なんだよ」
攻「そうですね。よく言われます」
受「ふふん。生意気だね」
攻「はい」
受「あーあ、不毛な会話してたらおなかすいちゃった。ねえ、何か食べに行こう。それから僕ん家で一緒に寝よう」
攻「はい」
525風と木の名無しさん:2007/03/01(木) 03:49:21 ID:7rR/rSeJ0
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526風と木の名無しさん:2007/03/01(木) 05:04:19 ID:JnIkZ5h50
>523
イイ、何か背後のドラマがバッと広がるようで
こーゆーの好き
527風と木の名無しさん:2007/03/01(木) 06:54:49 ID:MmzRT8aU0
>>523
ぬげー萌えました…!特に受さんの口調が好き。
二人の出会いとかお互いをどう思ってるのかとか想像したら萌えすぎる。
もし続きがあるなら読みたいくらいです。
528中尉×ドクター  嵐の来襲 :2007/03/01(木) 21:52:53 ID:lfQDCvmG0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  昨晩からの続きです‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  最後まで一気にいきます
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 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
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529中尉×ドクター  嵐の来襲 :2007/03/01(木) 21:53:45 ID:lfQDCvmG0
輸送艦任務の場合、寄港地では着艦時と出港の日以外は、基本的には休養日となっている。
(当然随時寄港地の基地や艦での仕事も入る)
現在中尉とドクターの所に滞在している少佐も、基本的には休養日という事になっている。
通常任務のある中尉とドクターは基地での業務があるので、日中は殆ど少佐ひとりとなった。
ひとりになった少佐は中尉の寝室を確認し、そしてドクターの寝室に入り何やら確認し確信を得たように頷く。
そしてその日軍服に着替えると、数時間外出して戻って来た。その行動が何だったのか、分かったのはその日の夜になってからだった。


夕食後まもなく、中尉の携帯通信機に呼び出しのコールが入った。
「何だ?」
平和なこの基地に配属されてから、呼び出しコールが入る事は滅多になかった。
そしていつもの呼び出しは簡単な用件が伝えられるのに今回はコールのみだった。
不審に思いつつも行かないわけにはいかず、もう一度軍服に着替えると基地へ向かった。
「あらら〜、ようやく仕事が終わった所なのに、アルもついてないな」
突然の不運に見舞われた弟に大して同情する風でもなく、極めて明るく送り出す。
「まぁすぐ戻って来るだろうから、僕らはお茶でも飲んで待ってましょう」
「そうですね、今ご用意します」
立ち上がろうとしたドクターと手で制し少佐自らが立ち上がる
「今日は僕が淹れますよ、こう見えて結構得意なんですよ」
そう言うとキッチンに消えていった。
そして暫くの間、少佐が今まで任務で立ち寄った星の話などを面白おかしく聞かせてくれ楽しいひとときを過ごしていた。
その間、時々眩暈にも似た眠気を感じる。妙に思いつつもドクターは気に止めないようした。
「おやっ?どうかしましたか?」
「いえ、なんでも・・・」
ありませんと答えようとするものの、突然強力な睡魔に襲われる。
少佐の口元が笑っているように見えたが睡魔に抗う事も出来ず、ドクターはソファーにもたれかかるようにして意識を手放した。
530中尉×ドクター  嵐の来襲 9:2007/03/01(木) 21:55:02 ID:lfQDCvmG0
気が付くと自室の寝室のベッドに寝かされていた。
「・・・気が付きましたか」
その言葉と状況に擬似感を覚える。
そう、それは中尉と初めて関係した時に酷似している。そして今回、恐らく自分をこうしたであろう少佐から同じセリフが聞かされる。
思いも寄らない処に兄弟の共通点を見せつけられて苦笑する。その笑いに不思議な顔をした少佐が訊ねる。
「何です?」
「いえ、何でもありません」
まさか弟さんにも同じ事をされましたなんて言う訳にもいかず、適当にごまかした。
「ご迷惑をおかけしてしまったようで、申し訳ありませんでした」
わざとらしく礼を述べる
「で、何のご用件ですか?」
この感覚からして、どうやら薬を盛られたらしい。今ひとつ働かない頭を抱えつつ少佐に訊ねる。
「少々あなたに聞きたい事がありまして、アルには席を外してもらいました」
「やはりあの呼び出しは、あなたの仕業だったのですか」
「昼間のうちに、基地の方で細工しておいたんだ」
あっさりと話す、そして
「聞いたところで多分正直に言ってもらえるとは思っていないんで」
一拍おいて言う
「身体に伺いましょう」
そう言うと、ドクターの股間に手をあてた
「ちょっ・・・!何の冗談です?」
「こんなに真面目な僕が冗談なんて言うわけないじゃない」
と不真面目の権化は楽しげに言い放つ。盛られた薬から来る倦怠感で抵抗らしい抵抗も出来ない。
「やっ!やめください!!あっ・・・ん」
秘所にたどり着いた少佐の指が何かを確かめるかのように、ゆるゆると動く。
「ここ・・・結構慣れているようだね」
意地悪な尋問は続く
「で、アルと何回くらい寝たの?」
「何・・・何のことで・・・す」
あくまでシラを切る、
「あなたのベッド、殆ど使われた形跡がないんだよね?じゃあ何時もはどこで寝ているのかな?と」
楽しい話をしているように更に続ける
531中尉×ドクター  嵐の来襲 10:2007/03/01(木) 21:55:58 ID:lfQDCvmG0
「結構観察眼には自信あるんだよ。実は僕、輸送隊に所属してますが諜報部にも席置いてるんだなー」
なのでこれくらいの事はすぐに推測できちゃうんだな、と実に簡単に白状する。
「あっ、これアルにはナイショね。諜報部所属ってのは身内にも言っちゃいけないんで」
飄々として軽そうに見せかけておいて、実はとんでもなく油断のならない人だった。それが今更ながらに分かった。
相変わらず楽しい事をしています、という満面の笑顔で尚もドクターをいたぶる
「じゃあ、もう少し答えやすいようにしようか?」
そういうと、易々と一番感じるところを探り当てる。思わずびくっとからだが反応する。
「ここ、いいでしょ?場数は僕の方がアルより男女を問わず相当踏んでるからね」
「ん・・・あっ、あああんっ!」
たまらずに声があがる。
気持ちとは裏腹に身体はしっかりと反応してしまう。いやだ、こんな所中尉以外の誰かにいじられたくない!!
「い・・・いやだ、やめ・・・て!」
そう思って身を強張らせても、絶妙の場所を刺激する少佐の指に、気持ちがどんどん追い詰められていく。
アルフ、アルフ・・・お願い、早く戻ってきて!!
そう願った次の瞬間、寝室のドアが音を立てて蹴破られた。
「キース!この野郎!!」
叫ぶと同時に殴り倒し、胸倉を締め上げる。


中尉は基地に着くとすぐに呼び出しの確認をした。ところが誰も呼び出しのコールなとしていないと言う。
イヤな予感が胸を過ぎり慌てて帰って来るとドクターと兄の姿がない。
すると寝室から様子のおかしいドクターと兄の声が聞こえる、そして今に至ったという訳だった。
こんな激昂した中尉は見た事がなかった。
いまだはっきりしない頭を抱えつつも、このままでは放っておいてはまずいと感じ慌てて止めに入る
「アルフ!だめ!!」
「レイ、放せ!!」
「いいえ、放しません!!」
そう言って中尉の腕にしがみついて懸命に止める。怒りが醒めやらぬ中尉だが、大人しくドクターに従った。
「・・・とりあえず今夜は俺の部屋で寝ろ」
半ば強引にドクターを抱き上げ自分の寝室に連れて行く。
ドクターの寝室のドアは先程中尉が蹴破ってしまっていた、そんな部屋にひとりにしておく事は、今の中尉には出来なかった。
532中尉×ドクター  嵐の来襲 11:2007/03/01(木) 21:57:27 ID:lfQDCvmG0
ひとり中尉の寝室のベッドに寝かされたものの、とても眠る気分にはなれなかった。
だけど暫くして中尉が寝室に入って来るととっさに眠ったふりをしてしまった。
近くで中尉の気配がする・・・中尉はドクターの額にかかった髪を優しい手つきでそっとはらった。
「くそっ」
小くそう呟くと、ドクターに背を向けて眠る。不安が胸の中いっぱいに広がる・・・堪らず中尉の背中に声をかける。
「・・・アルフ」
返事は返ってこない、やはり嫌われてしまったのだろうか。いくら自分のせいではなくてもされた事実をなかった事には出来ない。
居たたまれなくて、悲しくて・・・中尉の背中に向かってようやく一言
「・・・ごめん、アルフ」
それだけを絞り出すように言った。
それを背中越しに聞いてた中尉が起き上がりドクターに向かって怒鳴った
「レイが謝ることなんてひとつだってない!!」
「でも、現に怒っているじゃないですか!」
堪らず叫んでしまったら涙が零れた。だめなんだろうか?もう、どうしていいのか分からない。どうすれば赦してもらえるんだろうか?
その姿を見て、自分がたった今とんでもない間違いをした事に気が付いた中尉はドクターを抱き寄せ、涙を唇で受け止めた。
「ごめん!今のはレイに怒鳴ったんじゃないんだ」
「えっ?」
どういう事?
「確かにあのバカがした事をずっと考えてた、どうして俺はレイを守れなかったのか。何であんな手に引っかかったんだって」
更に言葉を続ける
「せめて出かける時に一言キース気を付けろと言っておけば、レイを傷つける事なかったのに!!」
抱きしめる腕に力がこもる
533中尉×ドクター  嵐の来襲 12:2007/03/01(木) 21:58:44 ID:lfQDCvmG0
「俺は俺自身に腹が立って仕方がない、そして情けない・・・大切な人ひとり守る事が出来ないなんて」
じゃあ、今まで怒っているように見えたのは、自分自身に?確かに人一倍責任感の強い中尉が思いそうな事だけど。
抱きしめられたドクターも、中尉の背中に腕をまわす。
「もし私の事で自分を責めているのなら、気にしないで。私は何一つ傷つけられただなんて思ってないから」
「でも・・・」
「アルフはもう私の事なんて嫌いになりました?」
「そんな事あるわけない!!」
「ならば私のために、自分の事も赦してあげてください」
そう言って中尉の額にキスをする。
「あの時私は心の中でアルフを呼んでました、そうしたらあなたが来てくれた。それが何よりも嬉しいんです」
そしてその夜は、ただ互いのぬくもりと鼓動を確かめるように抱きあって眠った。


翌日、ドクターの職場である基地医務室を少佐が訪ねてきた。
「ドクター、少々お邪魔しても宜しいでしょうか?」
医務室入り口で尋ねる、多分ここで『ノー』といえば少佐は入って来ないつもりなんだろう、そう感じた。
「はい、どうぞ」
夕べの今日なのに、少佐を信用しても良い気がした。多少意外な顔をして少佐が入る。
「正直な所、これ程あっさりと入室を許可してくれるとは思いませんでしたよ」
ドクターは少佐に椅子を勧めた。
「昨夜は申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げる
534中尉×ドクター  嵐の来襲 13:2007/03/01(木) 22:00:19 ID:lfQDCvmG0
「もう結構です、忘れましょう」
少々固い表情でドクターは応える。わだかまりがないといえば嘘になるが、中尉が自分を赦してくれた・・・それでもう良かった。
「少佐はどうしてここまでアルフに拘るのですか?ご兄弟だから・・・というにはいささか過ぎるかと思いますが」
「そうですね、あなたにならお話します」
そう言い、少佐は淡々と話した。
「アルから聞いているかと思いますがランディス家は代々軍人の家系でして、特に男は物心ついた頃から軍人になるのが当然と育てられる。
 当然僕もアルもそう思って育って来た。だけど僕はランディス家の規格からは少々外れていたようだ。
 士官学校に入ったものの、自分が軍人になるという事がピンと来なかった。
 けれど特にやりたい事もなかったから反発して軍人にならないという事も言わなかった。
 ただそういうのは態度に現れるのか、休暇で家に帰る度に父上と喧嘩になったよ。」
自嘲の笑みがこぼれる。
「そんな所を幾度となく見てたんだ、アルは。それで自分はランディス家の人間として、より相応しくあらねばと思ったんだろうね。
 気がつけば誰も寄せ付けないようになってしまってたよ。厳格なのと人を寄せ付けないのとは少し違うのだけどね。
 けどそんなアルを心配しつつも中途半端な輩にはアルの近くにいて欲しくはなかった。
 本当にアルを大切にしてくれる人だけにいて欲しかった」
苦笑しながらも自責の念が感じ取られた。多分この兄は、本当ならば自分こそが弟の傍にいて守ってやりたいと思っていたのだろう。
だが、弟をこんな風にしてしまったという思いから、それも出来ずに実は苦しんでいたのではないのだろうか?
「けど今はあなたがアルの傍らにいてくれる」
それを心底喜んでくれている笑顔がそこにはあった、思わず誰もが見とれずにはいられない極上の笑顔だった。
この数日間、笑った顔は幾度も見て来たはずだったがそれが『違う』という事を改めて知った。
極上の笑顔はやはり中尉に似ている・・・そう思った時、自分が常に中尉と少佐を見比べていた事に気付いた。
535中尉×ドクター  嵐の来襲 14:2007/03/01(木) 22:01:36 ID:lfQDCvmG0
「えー、ひとつお尋ねしたいことが・・・」
少々、いやかなり聞きにくい、がドクターは意を決して切り出した。
「昨晩の、あれ・・・はどういう事でしょう?中尉と私の関係をお疑いならば、もっと別な聞き方がいくらでも出来ると思うのですが」
実に楽しげに少佐は答える。
「ああ、単なる僕の趣味」
「はぁっ?」
あっけに取られてかなり間抜けな返答をしてしまった。
「いくらアルのものでも、こんな美人が目の前にいるのに何もしないだなんて。据え膳食わぬは・・・と言うじゃない?」
「・・・私は据え膳だった覚えはありませんが」
さすがにこの言葉には怒らずにはいられなかった。


翌日、少佐が任務を終えて次の任地へと旅立つ日となった。
憮然とした中尉は一刻も早く兄を追い出したいと思っているようで始終険のある態度をしていた。
次はいつ会えるかも分からない兄弟が仲違いをしたままの状態で別れてしまうのは、少佐が少し気の毒に思えた。
「アルフ、お兄様の事赦してあげませんか?」
ドクターが見かねて中尉に声をかける。
「・・・レイがそれでいいのなら」
「多少困った方ではありますが、アルフの大切なご兄弟ですから」
「ありがとうドクター!やはりあなたはステキな人だ〜!」
どさくさに紛れてドクターに抱きつく
「図に乗るな!!」
素早く軍服の襟を捕まえて引き剥がす
「いやだな〜アル、焼いてるのかい?心配しないでもお兄ちゃんはアルの事も大好きだよ」
そう言い首を抱き寄せ唇にキスをする
「ばっ・・・!何考えてるんだ、この腐れ外道!!!」
怒りの鉄拳が振りあげられるが、それをひらりひらりとかわす
「ははは、アル〜当たったら危ないじゃないか」
「危ないようにしているのが分からんのか!」
そんなふたりの様子を微笑ましく見つめるドクターのポケットに、何やら入れられているのに気が付いた。
536中尉×ドクター  嵐の来襲 15:2007/03/01(木) 22:02:19 ID:lfQDCvmG0
何だろう?取り出して確認しようとした所に一瞬の隙を衝いて中尉から逃げおおせた少佐がさっとドクターの手を取り口づける
「それではドクター、またお逢いいたしましょう」
「はい、少佐もお元気で」
そこで中尉に聞こえないよう小さな声で少佐はドクターに囁く
「それは私のほんの罪滅ぼしのプレゼントです」
えっ?聞き返す間もなく中尉に引き剥がされた。
「それじゃ、この粗大ゴミを宇宙に捨てて来るから」
「も〜う、ホントは寂しいくせにアルったら」
「アルフ、宇宙を汚してはいけませんよ」
「あ、ドクターったらひどい」
引きずられるように去っていく少佐を見送り部屋に戻ったドクターは先ほどの小さな包みを取り出した。
中には緻密な装飾が施されたガラスの小瓶とメッセージチップが入っていた。チップを再生すると少佐の声が聞こえた
『ドクターにはいっぱい迷惑かけてゴメンね、でも頑ななアルの心を開いてくれた事には本当に感謝してるんだよ。
 これからもアルをよろしく頼むネ!そうそうお詫びとお礼にそれドクターにあげるよ。輸送艦なんてものに乗って
 あちこち行ってるとね、いろいろ面白いものが手に入るんだよ。これは今まで手に入れた中で、最高の効き目だったよ
 是非とも試してみてね、それじゃ!』
一緒に入ってる紙片の説明を読む・・・つまりコレは・・・・・・媚薬?
あっけに取られつつもあまりに少佐らしくて笑ってしまう。
中尉と少佐、ふたりの兄弟・・・一見正反対で似ていないようだけど、実はとっても似ているように感じる。
少し近寄りがたい雰囲気で他者に踏み込ませない中尉、一方誰にでも気さくで人当たり良いくすることで周囲を油断させ
誰にも内を探らせない少佐。
普段は奥深く潜ませているこの本当の姿を見抜いた人物が、少佐を諜報部に引き入れたのだろう。
537中尉×ドクター  嵐の来襲 16:2007/03/01(木) 22:02:57 ID:lfQDCvmG0
しばらくして、少佐を宇宙港に送り届けてきた中尉が帰ってきた。
「お帰り、お兄さまは無事出立されましたか?」
「ああ」
そっけなく答え、軍服のネクタイを緩める。
ドクターはコーヒーカップを中尉に差し出し、自分の前にも置く。
「ほんの数日でしたが、随分賑やかでしたね」
「ようやく平穏な生活が戻ってきてうれしいよ」
「でも本当は少し寂しいでしょ?」
少し笑いながらドクターが言った。
「正直にいいなさい」
そんな事・・・と言いかけて俯いた。
「キースは・・・子供の頃から自分にとってはいい兄だった。何をしても優秀で、いつも目標だった。それが・・・」
そう言いかけて押し黙る。
「士官学校に入った頃から、何を考えているのかよく分からなくなった。そんなキースに幻滅して何だか裏切られた気分だった。
 それと同時に自分がしっかりしなきゃそう思うようになった」
「でも、決して嫌いにはならなかったのでは?」
小さく頷いた。
「いつでも優しくて大事にしてくれた。キースが変わってしまってからも、それだけは変わらなかった」
顔をあげてドクターの瞳を見つめて言った
「ごめん、改めてキースのした事を謝りたい」
中尉の座っているソファーの隣に移動して、頭を抱えるようにそっと抱きしめる
「その事は、もう気にしていませんと言いましたよ?」
中尉もドクターの背に腕をまわして抱きしめる。
「レイ・・・愛してる」
「アルフ・・・私もです」
互いの顔を見つめ、どちらからとなく笑みがこぼれた。そして唇を重ねる・・・
もう、この家にはふたりの他は誰もいない、人目を憚ることなく甘い感触を堪能した。
538中尉×ドクター  嵐の来襲 完:2007/03/01(木) 22:04:48 ID:lfQDCvmG0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 今日の最初は8だったけど入れるの忘れちゃった スマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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539388・455です。:2007/03/02(金) 00:16:42 ID:OPmwx/Oz0
 
                    |  禿げたか 旅館息子×ワッシー
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  >>129さんリスペクト
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540禿げたかー1:2007/03/02(金) 00:17:27 ID:OPmwx/Oz0
「寝たよ。オレ、シバノさんと。」
そう言ったとたん彼の瞳孔がすっと縮んだ気がした。

オレが初めて彼を見たのは、確か親父が死んだ年の夏だった。
親父の旅館に妙に日本語のうまい白人の男とスーツの日本人が泊まりにきた。
なんでもアメリカのえらいさんに日本らしい接待を…とか言ってたが。
二人はやたら敷地内をうろうろしていた。
オレは普段誰も来ない裏庭の木陰で猫と昼寝をしていた。
ふと人の話し声が聞こえたほうに目をやると、さっきの日本人が立っていた。
どうやら裏庭でもひときわ立派な木を眺めているようだった。
昼寝の邪魔をされた俺が立ち上がろうとした時、
白人が彼の背後から近づいてすっと彼を抱きしめた。

びっくりして動くことも出来ずにただ見つめるだけの俺の前で
男は彼の首筋に口唇を寄せていく。
彼は抵抗するでも応えるでもなくされるがままになっている。
さらに男はシャツの隙間から手をいれ彼の体をまさぐっている様だ。
向こうはこちらには気付いていないようだが、
今更出ていくわけにも行かない。
でもこれ以上エスカレートしたらどうしよう…
そう思い悩んでるうちに彼がふっとこちらに目を向けた。
(見つかった!)
固まっているオレと目が合った彼は少し驚いたように目を見張り、
軽く唇をゆがめて笑うと、後ろの男になにやらささやき
男がオレに気づかないように来た道を引き返していった。
541禿げたかー2:2007/03/02(金) 00:18:03 ID:OPmwx/Oz0
そのあと作業場で声をかけられた。
さっきのことなんてなにもなかったみたいに悪びれない様子で
色々旅館のことを聞いてくる。
(なにもんなんだ?)
でもオレは彼と話せてうれしかった。
オレには経営の才能があると言ってくれた。

その夜、彼と白人の男は内風呂つきの部屋に一緒に泊まった。
オレは変なことを考えてしまってよく眠れなかった。

結局彼は親父の旅館を買い叩いた外国の会社の社長で、
親父は彼の助言を一切聞き入れず死んでしまった。
オレは彼と銀行とそして誰よりもオレが親父を殺したんだと思った。


オレは東京に出ていろんなことをやりながら会社を興し、
今では「ITの寵児」で「時代のカリスマ」らしい。
彼が言ってくれた通り経営の才能があったようだ。
快晴続きのオレに傘を貸そうといろんな奴が近づいてきたが
俺が待っていたのは二人だけ。

彼の会社が狙った電機メーカーの買収に苦戦しているらしい。
オレもひょんなことでかかわる事になっていた。
それも彼と敵対する立場で。
でもこれは神様がくれたチャンスなのかもしれない。
彼の会社が短期間でこれほど莫大な利益を挙げている理由。
もちろん彼やスタッフの優秀さゆえだろうけど、
それだけでは説明の出来ないことがよくある。
オレだって色々裏の手も使ってきた。
542禿げたかー3:2007/03/02(金) 00:18:50 ID:OPmwx/Oz0
彼に電話をしてみた。
彼も俺を覚えていて成功しているようでうれしいと言ってくれた。
「私をうらんでいますか?」ときかれたので
「怨んでいない」と言った。「しかたがなかったんだ」と。本当のことだ。
「一度飲みませんか?」と誘った。
「今回のことでお役に立てるかもしれません。
今あるのはあなたのおかげかもしれない。ぜひ自宅に来てください。
二人で飲み明かしましょう。今夜はどうですか?」と。
彼は少し間を置いて「必ず伺います」と言った。

東京タワーの見える高層マンション。
インテリアデザイナーが選んだソファは確かにすわり心地がいい。
彼はなんとかいうバーボンを持ってきてくれたが
オレが焼酎しか飲まないというと彼も付き合ってくれた。
お互いに出方を読みあって少しばかり気まずくなった後
単刀直入に言ってみた。
「あなたを抱きたい」
「そうできたら自分の持っている電機会社の株を全て今日の終値で譲る」と
彼はあのときみたいに軽く笑って
「まさか君がそんなことを言うとは。…普通なら私が何かお支払いすべきところですね」
と言ったが、次に出た言葉は
「で、ここでですか?ベッドルームに行きますか?」だった。

543禿げたかー4:2007/03/02(金) 00:19:57 ID:OPmwx/Oz0
オレは彼にキスをして、服を脱がせ興奮してきたがなんだか腹も立ってきた。
酒もまわってきたせいだ。
何でオレはこんなに彼に執着してるんだろう。たった一晩にしちゃあすごい代価だ。
「そうだ、シバノさんだ」なんとなく口から出た言葉で、それまで淡々とおれに
抱きしめられたり触られたりキスされたりしてた彼の体がさっと緊張した。
「そうそう、シバノさんがあんたに親父の借金売ったんだよね。
シバノさんも今度の買収にかかわってるよね。なんか因縁だね?
あれ?シバノさんとも寝た?何と引き換えたの?」
と畳み掛けると、彼は明らかに動揺した様子を見せる
「なにを言い出すんだ。シバノさんはそんな人じゃない。」
(そうかそうかそうか!)オレはピンときた。


結構激しいんだあの人。(あのトーヘンボクがそんなことするもんか)」
「教えてあげようか、どんなだったか」
そういいながら彼の頬に手をかけるとイヤイヤをするように首を振る。
…面白くなってきたぞ…
逃げようとするのを押さえつけて無理やりのしかかるようにキスをする。
さっきまでの手馴れた様子は吹き飛んでいた。
オレは体重をかけたまま彼の下腹部に手をのばす。
いいかげん抵抗が邪魔になってきたので立場を思い知らせてやる。
「契約しただろ。今夜オレにヤラレルって。」
わざと下品に言ってやった。
「体売ったくせに、手間かけさせんなよ。」
おとなしくさせておいて体中反応を見ながら色々してみる。
しばらくは声をあげるのをこらえていたけど、それも結局は無駄だ。
オレは自分でもどうしようもないほど残酷な気分になる。

544禿げたかー5:2007/03/02(金) 00:20:35 ID:OPmwx/Oz0
窓ガラスに両手をかけさせ後ろから抱きしめる。
ガラスに映る彼の顔とオレの顔の向こうに東京の夜景が広がる。
いつもは冷静な彼の顔が涙でぐしゃぐしゃだ。
オレはあのときの白人のように彼の首筋にキスをする。
ワイシャツの衿から見えるように位置を考えて。
紅い跡が彼の首に残るように。

終わり
545風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 00:21:29 ID:OPmwx/Oz0
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 最初は淡々後半鬼畜
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
546風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 00:31:37 ID:0bJbgsyM0
もう474KBか。あと一つか二つ投下したら埋まりそうだな。
っていうか最近早いよ!ビデオ棚ぎっしりだよ!
547風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 00:34:14 ID:21aLp7dDO
全くだ。DVDに焼き直す作業が追いつかないよ。
548風と木の名無しさん :2007/03/02(金) 00:44:09 ID:up/iciWr0
>>545
後半カモーン
549禿げたかー4:2007/03/02(金) 00:45:27 ID:OPmwx/Oz0
「寝たよ。オレ、シバノさんと。」
そう言ったとたん彼の瞳孔がすっと縮んだ気がした。
「親父が死んだ後心配して色々言ってくれるからすがっちゃったんだよね」
「すごい良かったよ。(でたらめだ)」
「結構激しいんだあの人。(あのトーヘンボクがそんなことするもんか)」
「教えてあげようか、どんなだったか」
そういいながら彼の頬に手をかけるとイヤイヤをするように首を振る。
…面白くなってきたぞ…
逃げようとするのを押さえつけて無理やりのしかかるようにキスをする。
さっきまでの手馴れた様子は吹き飛んでいた。
オレは体重をかけたまま彼の下腹部に手をのばす。
いいかげん抵抗が邪魔になってきたので立場を思い知らせてやる。
「契約しただろ。今夜オレにヤラレルって。」
わざと下品に言ってやった。
「体売ったくせに、手間かけさせんなよ。」
おとなしくさせておいて体中反応を見ながら色々してみる。
しばらくは声をあげるのをこらえていたけど、それも結局は無駄だ。
オレは自分でもどうしようもないほど残酷な気分になる。
550549:2007/03/02(金) 00:46:39 ID:OPmwx/Oz0
すみません…コピーみすしました。
4番たしてください。おちこみます。
551風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 01:08:51 ID:fC1Xy8e30
   >>539-542
     につづけて読むと。

                    |  禿げたか 旅館息子×ワッシー
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  >>129さんリスペクト
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
552禿げたかー4でおk:2007/03/02(金) 01:09:44 ID:fC1Xy8e30
オレは彼にキスをして、服を脱がせ興奮してきたがなんだか腹も立ってきた。
酒もまわってきたせいだ。
何でオレはこんなに彼に執着してるんだろう。たった一晩にしちゃあすごい代価だ。
「そうだ、シバノさんだ」なんとなく口から出た言葉で、それまで淡々とおれに
抱きしめられたり触られたりキスされたりしてた彼の体がさっと緊張した。
「そうそう、シバノさんがあんたに親父の借金売ったんだよね。
シバノさんも今度の買収にかかわってるよね。なんか因縁だね?
あれ?シバノさんとも寝た?何と引き換えたの?」
と畳み掛けると、彼は明らかに動揺した様子を見せる
「なにを言い出すんだ。シバノさんはそんな人じゃない。」
(そうかそうかそうか!)オレはピンときた。

「寝たよ。オレ、シバノさんと。」

そう言ったとたん彼の瞳孔がすっと縮んだ気がした。
「親父が死んだ後心配して色々言ってくれるからすがっちゃったんだよね」
「すごい良かったよ。(でたらめだ)」
「結構激しいんだあの人。(あのトーヘンボクがそんなことするもんか)」
「教えてあげようか、どんなだったか」
そういいながら彼の頬に手をかけるとイヤイヤをするように首を振る。
553禿げたかー5エンd:2007/03/02(金) 01:11:27 ID:fC1Xy8e30
…面白くなってきたぞ…
逃げようとするのを押さえつけて無理やりのしかかるようにキスをする。
さっきまでの手馴れた様子は吹き飛んでいた。
オレは体重をかけたまま彼の下腹部に手をのばす。
いいかげん抵抗が邪魔になってきたので立場を思い知らせてやる。
「契約しただろ。今夜オレにヤラレルって。」
わざと下品に言ってやった。
「体売ったくせに、手間かけさせんなよ。」
おとなしくさせておいて体中反応を見ながら色々してみる。
しばらくは声をあげるのをこらえていたけど、それも結局は無駄だ。
オレは自分でもどうしようもないほど残酷な気分になる。


窓ガラスに両手をかけさせ後ろから抱きしめる。
ガラスに映る彼の顔とオレの顔の向こうに東京の夜景が広がる。
いつもは冷静な彼の顔が涙でぐしゃぐしゃだ。
オレはあのときの白人のように彼の首筋にキスをする。
ワイシャツの衿から見えるように位置を考えて。
紅い跡が彼の首に残るように。

終わり

□ STOP ⊂(・ω・;
これで読みやすい??
554ウィーっすノレーム :2007/03/02(金) 01:25:37 ID:0nl6MP1r0


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  才能ないけど勢いで投下。ブラッドリ一×力イノレ。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|    厨設定でスマンko
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
555ウィーっすノレーム :2007/03/02(金) 01:26:23 ID:0nl6MP1r0
目が覚めた時の気分は最悪だった。
起き上がろうとするが体が重くて動く気にならない。
腰辺りには鈍い痛み。持ち上げた手首には赤い擦り傷がある。
(なにがあったんだ……)

事件解決を祝ってしこたま飲んだのは覚えている。
その後仲間と別れて……
ここはどこなんだ。
強張った体をなんとか起こしてあたりを見回す。
ベッドは二つ。一つは使った形跡がない。
空になった酒瓶。脱ぎ散らかされた服。
サイドテーブルには手錠と未使用のコンドーム。
そして微かに漂うなじみのあるにおい……

そうだ

ここまで証拠を突きつけられて気付かないほど馬鹿ではない。
「なんで……」
こんなことに。
頭を抱えると手首の傷が見えた。
そこに至る経緯はわからないが、何をしたかは今でははっきりと思い出せる。
556ウィーっすノレーム :2007/03/02(金) 01:27:13 ID:0nl6MP1r0
『!? ブラッドリ一! 何を……っ』
『こんな物持って帰ってきたお前が悪い』
『そんなつもりじゃ……』

そう言って、俺は手錠をはめられ、あいつの上に……
なんてことしちまったんだ。もうあいつに合わせる顔がない。
ブラッドリ一はどこだ? 早くここから出なければ。
あわてて服を拾っていると、ノックの音。誰だ。
「八イド……?」
そこにはシャワーを浴びてきたらしい下着姿のブラッドリ一が気遣わしげに立っていた。
「起きてたのか。大丈夫なのか……その……」
ブラッドリ一はため息をついて俺の手を取り、手首の傷に口づけた。
「!?」
「すまない……酷いことをした」
俺の動揺をなだめるように彼の手が優しく髪を撫でる。
それがなぜか心地よくて、気まずさや恥ずかしさもどこへやら、彼のしたいようにさせた。
557ウィーっすノレーム :2007/03/02(金) 01:28:20 ID:0nl6MP1r0
そうか。

ブラッドリ一、俺はお前のことが……
お前も、そうなんだろ?

「……すまないと思うのなら何か責任を取ってくれ」
「八イド?」
ブラッドリ一が驚いた顔で俺を見つめる。俺は答えを求めて頷く。
「ええ……じゃあ……とりあえず朝飯をおごろう。お前の好きなあの店の」
「いいのか?」
そう言った俺の顔を見てブラッドリ一ははっと息をのんだ。
「なんだ。今更あそこは高いからムリとか言わせないぜ」
「いや、そうじゃない……」
心なしか顔が赤い。耳まで赤くなっている。何をそんなに興奮することがあるんだ。
ブラッドリ一は咳払いをした。
「早くシャワーを浴びてこい。ずっと素っ裸じゃ風邪を引く。まあ…何とかは風邪を引かないらしいけどな」
「言ったな」
肘で小突いてシャワールームに向かう。彼は笑っていた。
どうやらいつもの調子に戻れそうだ。
酔った上での過ちで済ませてしまえるかもしれない。
だが、お互いの気持ちには気付いてしまった。
かといって、ブラッドリ一と恋愛関係になるなんて想像できない。
(まあ、なるようになるさ。お前となら……)
いつになく楽観的な気分で、俺は一人微笑んだ。
558ウィーっすノレーム :2007/03/02(金) 01:29:25 ID:0nl6MP1r0

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ gdgdだな。少しは反省している。が、悔いはない。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
559風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 02:14:07 ID:bSBylTlg0

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ホモ協会土曜ドラマ『禿げ鷹』
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  旅館息子×和紙津→司馬乃だってさ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 相変わらず司馬乃は名前だけだお!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

560禿げ鷹1/6:2007/03/02(金) 02:16:50 ID:bSBylTlg0
「こんな事がバレたら、あなたなんて言われますかね?」

二誌乃の薄い口唇がさも面白そうに緩む様が、目に入った。
神楽坂にある老舗の料亭。
今回のM&Aについて話があると呼び出され来て見れば、なんの事はない、要するにこれも二誌乃の復讐の一貫だった訳だ。
たった一口舐めただけの酒で酔うはずもない身体は、和紙津の前頭葉からの命令を全く無視し続ける。
薬でも盛ったか…。
畳の上に組み敷かれ、自分の上に圧し掛かる二誌乃を和紙津は見上げた。

「残念だが、知られて困る相手なんていない。」
「へぇ…。そうは見えないけど。」

薄ら笑いを浮かべたまま、二誌乃は和紙津の手首を押さえる手に力を込める。
静かな声とは裏腹に、痛みを齎す二誌乃の手に和紙津は僅かに顔を顰めた。
見下ろして来るのは憎しみの篭もった冷たい眼差し。
無体にされるのには慣れていたが、後の事を考えれば避けられるものなら避けたかった。

「どうせ用意はしてあるんだろ?」

和紙津は二誌乃から視線を外すと、奥の間へ続く襖を見やる。

「畳の上は勘弁してくれ。背中が痛くて適わない。」

僅かに弛んだ拘束から抜き出した腕を、二誌乃の首に絡めて和紙津は目を閉じた。
561禿げ鷹2/6:2007/03/02(金) 02:19:31 ID:bSBylTlg0


「和紙津さんって若いよね。初めて会った時と全然変わってない。」

首筋に舌を這わされて、横になるなり脱がされ露わにされた腿の内側を撫でられる。

「昔っからエロそうなカラダしてたもんね。」

指先でなんの予告も無く後ろを弄られ、和紙津は口唇を噛んだ。
襲い来る快楽に溺れそうになる身体を必死で抑えようと、弾む息さえ飲み込もうとする。
そんな姿に二誌乃は微笑を浮かべた。

「いつもそうなの?」
「なに…っ?」
「いつもそうやって声出さないようにガマンしてんの?」
「別に、」
「けどさ、そういう姿って余計男の情欲誘うんだよ?」
「…ッ」

節の出た指先で、奥深くを荒々しく掻き混ぜられて、上がりそうになった声を尚も噛み殺す。
声を上げてしまえば楽なのに、それでも身に付いた癖が可笑しくて、和紙津は口元に笑みを零した。

「余裕じゃん、和紙津さん。」

それが二誌乃の気を立てたのか、面白くなさそうにそう言い放つと、乱暴に指を増やされこじ開けられた。

「…ッ、痛、」

湿った音を派手にたてられながら、深層まで捩じ込んで来る二誌乃の指に、和紙津は逃げるように背中を逸らす。
口元にやった手の甲に歯を立てて、ただこの時が早く過ぎるように耐え忍ぶ。
だが二誌乃はそれさえも許さず、空いた手で和紙津の腕を掴むと布団の上に磔にし、乾いた口唇に噛み付くようなキスをした。
562禿げ鷹3/6:2007/03/02(金) 02:21:10 ID:bSBylTlg0
ねっとりと絡み合う舌と吐息。
唾液すらも交じり合って、和紙津の顎を伝う。
重なり合って触れた胸に、心など何一つ通わない。
通い合いたい相手とは、たった一度触れるだけのキスをしただけだった。
二誌乃は呼吸の合間にそっと囁いた。

「初めて会った時から、もの欲しそうな顔してたもんね…。」
「誰が…っ」
「和紙津さんが。いいよ、うんと気持ちよくしてやる。」

身体の中に沈んだ指先の愛撫が、ふいに優しくになった。
ゆっくりと丁寧に中の粘膜を擦られる感覚は、これまでになくひどく心地良かった。
ともすれば甘い声さえ混じりがちになる熱い息を、和紙津はそれでも懸命に堪えて、二誌乃の片腕に抱き寄せられた身を捩る。

「ほら、声出しなよ。」

第一間接を折り曲げられて、内側を強く押されれば、先走りの液と共に女のように善がりたくなる。
それを血が滲む程に口唇を噛んで堪え、和紙津は首を横に振った。
二誌乃は、寄せられた和紙津の眉間に口唇で触れる。

「誰に操立てしてるんだか知らないけどさ、思ったより可愛い人でびっくりだよ、和紙津さん。」
「い、から、早くっ終わらせろ…っ」

きつく見上げる和紙津の目は縁まで赤く潤んでいて、言葉ほどの迫力はどこにもない。
563禿げ鷹4/6:2007/03/02(金) 02:22:53 ID:bSBylTlg0
「あんたの声聞くまで終わってなんかやんないよ。」

ニヤリと笑うと二誌乃は唐突に和紙津の中からその指を引き抜き、細い腰を掴んで身体を裏返した。
ひんやりとした空気が体内に触れるような喪失感に吐息を零す間もなく、有無を言わさず貫かれた。

「痛ッ、…ン、ふッ…ぁ」

耐え切れずについに声が上がる。
息が詰まるような衝撃は、さらに勢いを増して和紙津に襲い掛かった。
激しく腰を打ちつけられながら耳元でふいに囁かれた言葉に、浅く細かく吐いていた呼吸が心臓と一緒に止まるかと思った。

「柴乃さんにもこうして抱かれたの?」

二誌乃を咥え込んだその縁が、一瞬きつく締まる。

「ちょ、反応良すぎ。」

抑え切れなかった身体の変化を、二誌乃は目敏く気取り、走った痛みに顔を顰めながらも嘲るように笑った。

「そんなに好き?柴乃さんのこと。」

どうして今、こんな場所でその名前が出る…。
不意に聞かされた愛しい音に、和紙津は心が震えるのを感じていた。

「ねぇ、柴乃さんはどんな風にあんたを抱いた?」
「…お前には関係ない。」
「同じようにしてやるからさ。言ってみなよ。」

そんなもの、分かる筈がない。
俺とあの人は、一度だってそんな関係を持った事はない。
俺の、浅ましい夢の中以外では。
564禿げ鷹5/6:2007/03/02(金) 02:24:38 ID:bSBylTlg0
「ほら、言えって。」

何も言わない和紙津に焦れたのか、二誌乃は和紙津の細い腰を強引に引き寄せて狭い身体の中へ更に潜り込む。

「ん、ふ、ぁ…ッ」
「言えよ。」
「し、らないっ、あの人とは、…なにもっ、ん、…ッ」

揺さぶられながら首を振る和紙津に、二誌乃は冷たく言い放った。

「じゃあ俺が教えてやるよ。柴乃さんはさ、あんたと同じ。抱くより抱かれる方が好きだってさ。ほら、今あんたの身体ん中に挿入ってるの、昨日柴乃さんとこでも使わせてもらったばっか。」

一度入り口近くまで引いた腰を、思い切り奥まで叩きつける。
堪え切れぬ身体が大きく背を反らせ、逃げを打つ。

「…はぁ…ぁっ……アァッ」

細い喉から湧き上がる悲痛な声は、最早抑えることも出来ず、ただ悪戯に二誌乃の欲を煽るだけのものに成り果てた。
中で狂おしく動く二誌乃自身が、一層硬さを増したのを感じて和紙津の身体は震える。
背中から、顔も見ぬままただひたすらに打ち付けられる熱は、ただ和紙津を苛むだけのもののはずなのに。
僅かに柴乃の影を感じて、和紙津はこれまでになく身悶えた。

565禿げ鷹6/6:2007/03/02(金) 02:26:16 ID:bSBylTlg0
「…ば、野さ…ッ、あぁっ、…んッ、は、ぁ…ッ」

腰を掴まれ、くるりと身体を返されて、両脚を高く持ち上げられると二誌乃の腰はさらに沈み、より深く繋がる。
かつて到達したことのない最奥をえぐられるような刺激に、和紙津の目尻に涙が伝って布団を濡らした。

――柴乃さん。
――柴乃さん。
――柴乃さん。

揺すられる度、腰から背中を辿り、頭の先へ抜けていくどうしようもない快感に、和紙津はシーツを握り締め、決して呼んではいけない名を胸の中で呼びながら身を任す。

「真鎖彦ッ」

身体の中で、二誌乃自身が大きく膨らむのを感じた。

「ッ、…っ」
「ヤ、アァッ、アッ、――ッ」 

覆いかぶさる二誌乃の身体が震えたのと同時に、和紙津も自らの腹に報われない欲望を手放した。
部屋にはただ、2人分の掠れた息が、交じり合うことなく響いていた。



566風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 02:27:35 ID:bSBylTlg0
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 今度こそナンバリングミスしないで済んだ…
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

>>539姐さんビミョンにネタ被りスマソ。

567風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 02:43:17 ID:9apIcOPV0
>>539
>>559
鬼畜にっしのハァハァ萌えすぎて禿げたハァハァ
568風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 08:06:06 ID:XR1YcdpkO
>>559
姐さん、朝からなんてもの…!
電車の中で思わず前屈みですよ!
569風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 19:06:11 ID:C7iNgg+z0
新スレ勃ててきます
570風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 19:20:33 ID:C7iNgg+z0
テスト
571風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 19:27:05 ID:C7iNgg+z0
――フィニッシュ。

[801]モララーのビデオ棚in801板25
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1172830263/
572風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 21:18:51 ID:McybYBrh0
>571
スレ立て乙。
全身タイツTHX
573風と木の名無しさん:2007/03/02(金) 23:56:42 ID:bcbYbuqw0
[801]っていつからつけるようになったの?
必要ないような気がしてちょっと気になったんだけど
574風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 00:07:16 ID:JN6bzsg50
このスレを立てる時に間違ってつけてしまったもの。
次からは消そうと思っていたら、そのまんま立てられてしまった。
575風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 00:16:00 ID:mozjEW4s0
スマヌ。
何も考えずにコピペした[801]orz
576風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 02:04:40 ID:QmyJCBHA0
>575
577風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 09:03:33 ID:G+/ST3530
>>575は何も悪くないでー
乙でした
578風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 12:51:46 ID:bRvl5bWR0










579風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 12:57:27 ID:900a4MUX0
あと数レスだろうから、ここで一言。
もう何スレにもまたがってきた連載は、一体どんだけ続くんだろう。
最近心配になってきたよ。
580風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 13:27:16 ID:baIFwBkk0
別にいいじゃん。何のためのビデオ棚だよ。
581風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 13:36:33 ID:900a4MUX0
少なくとも連載して馴れ合うためのものじゃないよ。
今まで吸血とか色々連載騒ぎはあったけど、ある程度したらしたらばとか
自サイトとかに移動していったのに…。
582風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 14:03:46 ID:TdCMKtPe0
なんで移動する必要があるの?
583風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 14:27:10 ID:aXya4SznO
>>582
ある程度余裕をもたないと投下途中に容量overしてしまうから
584風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 14:34:21 ID:TdCMKtPe0
や、そうじゃなくて>>582>>581へのレス。
アンカーつけてなくて分かりにくくてすまんかった。
585583:2007/03/03(土) 15:36:20 ID:aXya4SznO
>>584
早とちり申し訳なかったorzスマソ
私も移動する必要は全くないと思う
なんのためのビデオ棚なのかをもう一度考えてほすぃ…
586風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 21:17:15 ID:i8XRHly70
えーっと、連載ってのはマズイのかな?
何度か続きで書いちゃったけど
587風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 21:29:54 ID:aXya4SznO
>>586
別に悪くないと思うよ。楽しみにしてる人もたくさんいるだろうし。
第一ビデオ棚に「載せちゃダメ」なんて無いはず。
588風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 22:12:05 ID:6BZDn07W0
2スレぐらいならまだしも3スレぐらいまたがれると
少し「まだ?」って気分になるかな。
589風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 22:21:42 ID:3f/kOCkT0
連載のどこが悪いのか分からん。棚の作者さんだって、萌え製造機ではないだろう。
好みのネタはいつか投下されるだろうし、投下が無いなら見なければいい。
アタクシが萌えるのが無いから出ていけふじこ、とか言う人は2chに向いてない。
590風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 22:30:56 ID:g+97TbqM0
保管庫の管理人さんが大変、ぐらいしか思いつかんな。
連載反対の理由。

ただ、楽しみにしてたものが途中で止まってるので、
ああもう一気に書いてくれないかなー、と
密かに思って入る。
591風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 22:31:31 ID:RKzgMate0
連載が棚のルールに反しているかというと反していない。
ただ棚だろうが普通のレスだろうが、同じ人間が連投するのは
2では嫌われる傾向にあるというだけのこと。
592風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 22:46:02 ID:Ry3HY21x0
こんな感じか
○棚に男女もののエロ小説投下
→法律違反。出て行け

○延々と続く連載を投下中
→マナーとしてどうよ?空気嫁
593風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 22:51:16 ID:tHRo7nfV0
マナー違反かというのも微妙なところだしね。
そもそも違反とする根拠に欠ける。
594風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 23:08:43 ID:QfAsMPNK0
興味のない連載が続くと確かに目が滑るけど、それだけだな。
興味のない物は読まなきゃいいだけのこと。
595風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 23:11:02 ID:p1FytfHG0
つか>>591でFAでしょ
2じゃなくても、何かの作品の不特定多数が描くお絵かき掲示板とかで
極端な話、1ページ丸々一人の絵ばっかだったら
たとえ上手くて萌え絵でも微妙な気分になるし
596風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 23:16:22 ID:ts/1G9Hc0
>>592
○延々と続く連載を投下中
→マナーとしてどうよ?空気嫁
→どうでもいい

両者いるのが正解。
ただ、どうでもいい人間はそもそも連投に反応しないので
両者のパーセンテージは不明。
597風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 23:48:01 ID:g+97TbqM0
>.>596
その上続く連載は?だが間遠な物は可、とか
一話完結型ならかまわない、とか
いろんな人がいそうだ。
598風と木の名無しさん:2007/03/03(土) 23:55:14 ID:GVMzfWPJ0
スルーすればいいんじゃないの?
ルールに反していないんだったら何も言えないよ
連載あり、短編あり、エロあり、エロなし、801ならなんでもありなのが
棚のいいところだと思ってた
599風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 00:17:01 ID:FUd1SSzH0
最後まで書いてくれるならいい。に一票。
途中で放置、別作品をつぎつぎあげて全部放置、っていう人はさすがにいないだろうよね。
まあ2だからそれもじっさいどうなのかはわからんけどさ。
個人的には連載物よりうpの混線が気になるな。
GJコールも作者がうpし終わるまで待ってあげてくれと思うときがある。
600風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 00:18:37 ID:k03QETNg0
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  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ |  </LトJ_几l_几! in 801板
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。

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   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
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601風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 09:10:53 ID:IMj417eNO
とりあえず今まで通りに一票。そろそろ戻らない?
602風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 09:35:59 ID:omyegDso0
今後荒らしに近い連投が続いたら問題になるかもしれないけど
今は全然大丈夫だろうね。

>>601
戻る?
603風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 10:52:09 ID:LS9z6Y520



604風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 11:35:49 ID:JwhXbYDD0
議論をお開きにしないかということでは。
容量もないし。
605風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 16:21:11 ID:tVxKi9940
容量もう終わったかな。
連載、馴れ合いさえしなければ自分もいいと思うよ。
「ファンのみんなありがとー」みたいな寒いことしなければ、いいんじゃない。
606風と木の名無しさん:2007/03/04(日) 16:35:52 ID:2KzbAf8JO
まだ書けるかな?
連載というか同ジャンルを長々書くのなら、サイト作ったらどうかと思う
基本興味ないものは読まないけど、いっぱいあると気になるしね
607風と木の名無しさん
色々な事情でサイト作れない人だとか、サイトはあるけど内容の問題だとかジャンルが違うから、って人もいるかもよ。
連載だって楽しみにしてる人も居るみたいだし、見たくない人は流せばいいだけのこと。
まあ限度はあるけれど