【陵辱】鬼畜作品を創作して15thプレイ【SM】

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1風と木の名無しさん
読みきりでもリレー小説でもいいのでここに書いて下さい。
H描写のみも可。神の降臨、お待ちしてます。

●SS書きの方への注意
・スカトロ、フィスト、切断等のハードプレイは名前欄にその旨を記入する事。
 数レスに渡る作品の場合は、その描写のあるレスすべてに、
 内容の注意書きを直前に入れて数行改行後に投下して下さい。
 (IEブラウザや専用ブラウザなど様々な環境の方がいます!)
・保管の都合上獣姦は扱わない事。(擬人化風味はオケー)
・続き物の場合、簡素な物で構わないのでシリーズ名を書き添える事。
・投下終了の場合それとわかるように明記する
・SS投下時、感想へのレス以外の雑談は名無し推奨

●スレ住人心得
・叩きや煽りには絡まない
・肌に合わないSS、レスはスルーの方向で
・SS投下時は仮でいいからコテハンで
  (※どうしても合わない人がとばせるように)
・特殊なプレイはなるべく注意書きをいれる
  (具体的にネタバレせずとも「濃いめアリ」とか)
・住人をネタにしたSSもどきを禁止

まとめサイト
ttp://red.ribbon.to/~yaoi/

まとめサイト@携帯
http://red.ribbon.to/~yaoi/i/

☆次スレは950で。立てられない方は前後の書き込みを自粛してください。
☆それ以前に容量オーバーしそうな時は490KB辺りでスレ立てをお願いします。
2風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 18:20:28 ID:Gjg115pk
3風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 18:35:39 ID:+AsYntVA
>1乙
4風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 18:41:17 ID:0Q76a4jq
1さん乙です!
5風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 18:57:20 ID:4C/aYVxu
イチモツ
6風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 19:33:28 ID:uSsdmtdW
ユヒトに救いの手を・・・・
7風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 20:26:54 ID:/JLnwCi8
>1オツカレーモツカレー
8風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 20:52:11 ID:EE8yCWcU
1さん乙華麗!
初一桁がこのスレで嬉しい。
9風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 21:53:45 ID:GRZzeW0m
>>1サン乙
10風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 22:20:29 ID:m3/wyiMb
>>1さん愛してる
11風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 22:25:08 ID:+E7hUSQX
>>1お前が今すぐ欲しい。
>>6救われないからいいのだよ…くくく。
12風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 03:32:17 ID:lA0orR5p
逸物
13裏側:2006/03/25(土) 04:49:28 ID:678rkVD8
保守がてら、眠れない勢いだけで書いたものを投下。
※芸能人設定です。苦手な方はタイトルをNGワードに登録お願いします。
※モデルはいません。


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俺達は良いコンビだったと思う。

雑誌のインタビューで「二人の関係はどんな感じ?」と聞かれた時に俺が答えた
言葉だ。
その後「過去形なんだ」と笑いを含んだ声でつっこまれて、慌てて訂正した。
でも、あれは紛れも無く俺の本心だった。


二人にしては広い楽屋に、慌ただしいノックの音が響く。
返事が返ってくるのもも待たずにドアが開き、若いスタッフが顔を覗かせた。
「すみません、まだセットの修理かかりそ、う…」
言葉が不自然に消えていく。
楽屋には誰もいなかった。
トイレとかジュース買いに行ってるとか、大方そんなところだろう。
文句を言われなくて済んだ彼は勝手に自分でそう結論づけ、ドアを閉めた。
14裏側:2006/03/25(土) 04:52:42 ID:678rkVD8

その様子をシャワールームの中から青年二人が窺っていた。
一人は恐怖と不安に息を潜めながら、もう一人は余裕のある不敵な笑みを浮かべながら。
訪問者が出ていく気配を感じて、不安げだった青年は深く溜息をつく。
「見つからなくて良かったな、マコト」
もう一人の言葉にマコトは目線を上げる。
「こんな状態見つかったら、あんたずっと変態って呼ばれ続けるよ」
彼はニヤリと笑って、腰に回した手を離して自分達の身体の間にあるマコト自身に触れた。
マコトの身体がわかりやすく強張る。
ここはシャワールームで、マコトと呼ばれた青年はそれに相応しく全裸であるにも関わらず、
相手の青年は服をきちんと着込んでいた。
最も、青年の指がマコトの双丘の間に潜り込んでいるこの状況を見て、
彼らが純粋にシャワーを浴びに来た訳ではないことは一目瞭然であったが。
青年がそのままゆっくりと指を動かすと、マコト自身から透明な液体が零れる。
そしてそれはマコトと抱き合っている青年のズボンを汚していく。
「やっ、やめろ…」
マコトは上擦った声をあげながら、青年の首に回した手に力を込めた。
そうでもしていないと、今この瞬間にでも膝から崩れ落ちてしまいそうだ。
「やめろって、ソウタっ」
「何で?」
ソウタは優しい表情で首を傾げる。
マコトが言葉に詰まると、手の動きは一層と緩急をつけた巧みなものになっていく。
「んっ…ふく、服が、汚れるだろ…」
観念したようにマコトが眉を寄せながら呟く。
屈辱と羞恥がはっきりと見てとれるその表情に、
ソウタはくらくらする程の優越感と征服欲を覚える。
目眩に似たそれを隠しながら、マコトから手を離して乱暴に突き放す。
マコトは呆気なく倒れる。
部屋が狭いことが災いして、尻だけではなく背中も横の壁にぶつかって小さく呻く。
15裏側:2006/03/25(土) 04:54:27 ID:678rkVD8
「壁に手ついて」
ソウタが冷たく命じる。
「……」
マコトは何かを堪えるように、きつく唇を噛みながらそれに従う。
まだがくがくしている足に無理やり力を込めて立ち上がり、冷たいタイルに両手をつける。
後ろでソウタがベルトを外す音が聞こえる。
「そんな恥ずかしい格好よくできるよな。俺は絶対できない」
準備を終えたソウタは、マコトの腰を掴みながら低く笑う。
「あ、…ちょっと待って」
挿れようとした瞬間にマコトが身体ごと振り返った。
「何だよ、今更。写真のこと覚えてんだろ」
ソウタが声に苛立ちを滲ませて怒鳴るが、マコトは静かに首を横に振った。
「…タオルとか、何でも良いから布が欲しい」
「何で」
「この後収録だから…手噛む訳にはいかない」
ソウタは大きく目を見開いた。
「あんた、こんな時でも周りに声聞こえたらやばいとか、歯型残ったら目立つとか考えてんのか?」
マコトが頷く。
舌打ちをしてソウタはシャワールームを後にする。
すぐ横の洗面台にハンドタオルが乗っていた。
それを乱暴に掴む。
ふと鏡を見ると、鏡の中の自分は目のぎらぎらした酷い顔をしていた。
16裏側:2006/03/25(土) 04:55:56 ID:678rkVD8

「ほら」
戻ってタオルを差し出すと、マコトは緩慢な動作で手を伸ばしてそれを受けとろうとする。
その手を無視して、ソウタはマコトの口にいきなりタオルを突っ込む。
ふらついたマコトがまた背中を壁にぶつけるが、ソウタはそのまま彼の首に手をかける。
冗談にならない力が込められた手に、マコトは驚きながらも必死に抵抗する。
ソウタが顔を近付けて耳元で囁く。
「そうだよな、人気アイドルは手に歯型なんてついてたら大問題だな。
それが男に突っ込まれて喘ぎ声を我慢するためにやったってとこまではバレなくても」
マコトは険悪な視線をソウタに向ける。
「苦しい?涙目になってるけど」
鼻で笑いながらソウタは手を離した。
押し込まれたタオルを取ってやると、マコトは激しく咳込む。
それがようやく収まると、さっきよりも更に涙目になった目でソウタをきつく睨んだ。
ソウタも笑顔を消した。
「あんたの努力、無駄にしないようにしてやるから。覚悟はできてるだろ?」


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ここまでです。設定が生かされていないのは気にしないで下さい。
17風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 06:32:50 ID:sncOTr3d
代理戦争タン来ないかなー
18風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 10:18:59 ID:9acl4TNr
裏側タン乙!
マコト君が精神的に一枚上手っぽくて萌える。
続きwktk
19風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 14:01:54 ID:TmbgXaQF
裏側タン乙です。
芸能人(*´Д`)ハァハァ
続き楽しみにしてまつ!
20HATUKOI:2006/03/26(日) 01:14:45 ID:OP5YwpC9

初投下。よろしこ。超スローペース予定(;´Д`)


風呂場から自室に戻った処でベットヘッドの上の携帯電話が点滅していること
に気付いた。
そのまま目を逸らして、ベットに腰掛け肩に掛けたタオルで乱雑に濡れ髪を掻
き回しながら空いた方の手で水分補給、ペットボトルのミネラルウォーターを
ゴクゴクと飲む。
明日からまた学校が始まる。休み中の課題は早々に終わらせてしまっていたし
持っていかねばならない物も机の上に揃えてある。制服はクリーニングに出し
ていたのを昼間取りに行ってきてビニールから出していつもの場所に掛けてあ
る―――準備は万端だった。
ベット脇のCDラックから適当に一枚選び取りつけたままだったパソコンのCD-R
OMドライブに挿入する。流れ出したのはギターで有名な外国人アーティストの
有名な一曲。スローテンポのロックだ。安物のスピーカーだから音は良くない
がそこまで拘るほどの熱心な信者でもない。
続いて、買ったまま放置していた文庫本を手に取ってみる。読み始めてみたも
のの文字が記号の羅列に見える。冒頭の数行を目でなぞった処で諦めて元の位
置に戻した。
「・・・・・・」
手持ち無沙汰だ。することがない。睡魔も訪れる気配がない。いや、この際眠
かろうが眠たくなかろうが寝てしまおうか―――のび太じゃあるまいし、無理
だ。
制服横に掛けてあったスカジャンを着る。元々寝る時でもTシャツにジーンズだ
から着替える手間はなかった。財布と煙草をポケットに突っ込む。携帯は・・・
必要ないだろう。あったとしてもまあなんとかなるだろう。人気のない場所に
行くつもりはない。借りるなりなんなりすれば済むことだ。
俺は外界へと向かうべくドアノブに手を掛けた。
21HATUKOI:2006/03/26(日) 02:07:55 ID:OP5YwpC9

唐突に外国人アーティストの歌声と被って流れ始めたメロディ。
ビクリ、身体が跳ねる。そして硬直した。
考えるまでもない、携帯の着信音だ。心臓が早打ちを始める。手が震え始める。
ドッドッドッ・・・耳まで届く心臓の音に苛立って大きく何度も首を振り邪念
を振り払おうとする。
落ち着け落ち着け、落ち着け俺。たかが電話だ。何を動揺することがある?大
したことじゃない。落ち着け。
かけてきたのは―――アイツだろうか・・・多分、いや、間違いなくアイツだ
ろう。
自然と溜息がこぼれた。
・・・全く。懲りない奴だ、毎日毎日飽きもせず。
休みに入って始まった電話攻撃は休みの半ばでメールに代わり、そして再び電
話になった。
一度も出なかったし返信もしていない。メールも読まずに全て削除した。
俺はドアノブに手を掛けたまま振り返らなかった。
そうだ、振り返らないと決めたから。二度とアイツと関わることはない。
大きく息を吸い吐き出した。
ドアノブを回す。扉が開く。暗闇の中へ俺は一歩踏み出した。

明日から学校が始まる。アイツのいる学校が始まる・・・。



今回はここまでです。
22HATUKOI:2006/03/26(日) 16:28:57 ID:OP5YwpC9

「西崎?」
夜の繁華街。目的もなく雑踏の中をフラフラしていた俺の名前を呼ぶ奴がいる。
反射的に辺りを見回すと歩道にたむろっていた柄の悪そうな集団の内の一人が
こちらに小さく手を振って合図した。
「・・・・・・後藤」
目が合った途端、ニヤリ、鋭い眼差しで不敵に笑うその顔に見覚えがある。
クラスメートだ。とはいえ、後藤はほとんど学校には登校していない。話すの
も始めてだ。
「やぱ西崎じゃん」
電柱に凭れ紫煙を吐き出しながらニヤニヤと笑う。
周りの仲間らしき奴らがジロジロとこちらを見ている。その意味ありげな視線
に元々不機嫌だった気分が更に悪くなり俺は奴らを睨み付け再び歩き出した。
人気のある場所に居たかったのは事実だ。人の居る場所で、雑踏の中に身を置
いていたかった。誰もが存在している。その中に俺も居ることを確かめていた
かった。
けれど、誰かと関わるつもりも毛頭なかったのだ。
確かに俺はここに居る。大勢の中の一人で。誰の気にもとまらない空気みたい
な存在で―――それでいい。そうであれればいい。

「なっ・・・?!」
突然覆い被さってきた背中の重みに俺は狼狽した。首に手が回され煙草のフィ
ルターが口元に押し付けられる。
「何。やめっ・・・」
「吸いなよ、西崎チャン。イライラにはニコチンが一番よ?」
赤い髪が間近で揺れている。鼻先を掠める煙草の香り、そしてどこか甘ったる
い香り―――
「後藤!」


お出掛け前にうp。ここまでです。
23風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 20:52:27 ID:0O/Fnr5c
>HATUKOIの作者さん
初投下乙です!
でも読む側としては、ある程度書きためてから投下してくれたほうが
次への期待に繋がるし感想も言いやすい
短編じゃないなら毎回1〜2レスの投下ではちょっと少ないと思う
24代理戦争:2006/03/26(日) 21:46:52 ID:tsilV76y
投下します。
次回にエロを持ち越してしまったのでまたエロ希薄です。長いです。
血、暴力等の描写や苦手な方はスルーしてください。
25代理戦争:2006/03/26(日) 21:47:24 ID:tsilV76y

(……オレは、誰だ?)
暗闇に蛍でも現れたかのように、疑問が浮かんできた。目をやらざるを得ないが、不愉快でもない。
その蛍を捕まえようと手を伸ばすと目線が変わり、他にも疑問が見えてきて、それぞれ答えが導き出される。
それを繰り返していると、彼は唐突に悟った。
(オレは…気絶、してんのか)
悟ってしまえば終わりだ。気が付かなかったときは痛まなかった、傷のように。
蛍は消え、暗闇は追いやられて、ハダレは浮上するように意識を取り戻した。

ハダレは穏やかに目覚めた。
何も考えられずに辺りを見まわすと、今いる場所が何処だかわかった。例の、最奥の控え室だ。
そのまま、ともかく彼は半身を長椅子から起こした。改めてあちこち痛む体が、眠気覚ましになる。
部屋には他に誰もいなかった。
ハダレは痛む箇所を一つ一つ確認していった。
手足に幾つか痣があったが、いつもの事なので気にしない。左足は腫れて太くなっている。
誰もいないのでシャツを胸までめくって鳩尾を見ると、拳大の紫色の痣ができている。
(………………負けた)
その痣を眺めながら、ハダレは初めて試合をしていたことを思い出した。
そして、敗北を知った。

何だか拍子抜けしてしまった。
彼が初めて代理戦争に出た時から妄想していた悪夢のような敗北は、全く訪れなかった。正直、ホッとした。
かといって、彼の王冠である「無敗」を奪われたことに対して、悲しみや悔しさがないわけではない。
どういう顔をするべきか分からない。
26代理戦争:2006/03/26(日) 21:47:58 ID:tsilV76y
ハダレは気絶する前の事――それまでの一手一手を思い出して、たどった。
(…そう、あいつすっげぇ強くて。武器捨てられて、ムカついたけど全然敵わなくて……)
締めつけられるような重圧感の中の組み手、砕かれた足首、効かなかった関節技。
様々な事が無意味に過ぎてゆき――ある一点でぴたっと止まる。
(…オレの事を「『異』だな」とか言って……ああ、それで殴られて肘固められたんだっけ)
道理で鳩尾と肩が痛いはずだ。
殴られたときは動揺して油断していたし、関節技は掛けられてしまえば相手のさじ加減でしか痛みを変えられない。

何となく痣を撫でながら、ハダレは苦笑した。
やましい事――代理戦争の規約で、武器と分類されている『異』をこっそり使うようなことはしていないつもりだった。
だが結果として、隠していたと言う負い目をひん剥かれて醜態を晒すなら、変わりは無かったわけだ。
(そんで、何か言ってきた…裏切られるとか誰も信じるなとか………それでいて「俺を頼って欲しい」か)
それを言っていた時の男の顔を思い出す。
涙目になった横目で見上げたその男の顔は無表情で、加虐者の浮かべるそれとはかけ離れていた。
瞳にその影が浮かぶ事すらない、完璧に統制、あるいは抑圧された感情群。
静まった湖面を乱さない、凹凸の少ない端整な顔立ち。あるいは平坦でぼそぼそする、しかし確かな声。

気にする理由も義理も意味もない。言葉に信じられる端など微塵も見られない。だが。

「オレを負けさせた」
呆然としたような、空虚な脳が勝手に囁いた。
「オレに勝った」
一変して、さっきの悲しいようなホッとしたような、複雑な気持ちがそれを囁かせた。
「オレに・・・」
ハダレは顔に手を当てた。手のひらはのっぺりとした平らな表情しか感じ取れなかった。あの男と同じ。
だが、あの男の無表情は、あの男自身が作ったものだ。ハダレは、自分のそれは全く違うのだと思った。
どういう表情をすればいいのか分からない。だが、何か表情を浮かべていなければ負けのような気がする。
27代理戦争:2006/03/26(日) 21:48:36 ID:tsilV76y
「ウスライ」
もう一度、舌の上でその名前を転がす。その名に対する怨みや憎しみや戸惑いは不思議と無かった。
不思議だが、理解は出来た。ハダレにはあの完璧さや強さが無い。無いからこそ――認め、憧れる。
その感覚を、ハダレは相手を賞賛する言葉で表現した。
「………カッコイイ」

相手を認めてしまうと、負けたと言う事実はそこまで辛くは無かった。
この代理戦争のせいで失うものがあったことは事実だ。だがそれは埋め合わせようとすればどうにかなる。
今まではA会と、代理戦争全般を仕切る協会等が、戸籍を持たないハダレの身分証明をしてくれたが、
A会との契約は「負けるまで」だったので、次は新たな雇い主を探さねばならない。
観客はがっかりしただろうが、挽回する事はまだできる。それよりも体だ。
がたついているこの体を、次までに整えなければ。
――それなりに前向きに考えていたハダレの思考は、ドアを開く音で遮られた。

「……ハダレっち、起きてたの」
「ついさっき、な」
なぜかハダレの何倍も陰鬱そうなコモリが、そうっと部屋に入ってきた。
「…あんま暗そうじゃないし。負けちゃったんだよ?どうしたんだっつの」
コモリの怪訝な声音に、ハダレは理解した。彼は自分を慰めようとして、それで陰鬱そうにしていたのではないだろうか。
気を使ってくれるのは嬉しいが、ばかばかしい話だ。
「なんか…オレが負けるのがあたり前っぽい感じがして、納得しちゃって。
 まぁ、負けを取り戻すつもりでこれから頑張ろーかと、人生設計してた」
コモリは拍子抜けしたような表情で言った。
「…はぁ……さっきA会の人が…いや、多分A会の人が来てさ。
 『身分保証に関する契約が切れたことを伝えてくれ。書面は後日送る』って意味深に言ってきたから、
 そりゃあ重大な事態なんだと思ってたんだけど」
「いや、重大っちゃ重大だけど……負けたのはどうしようもないし。
 今までの条件でさえなければ、まぁ誰かが雇ってくれるでしょ」
28代理戦争:2006/03/26(日) 21:49:34 ID:tsilV76y

ハダレ自身、拍子抜けしすぎて逆にどうすべきか良く分からなかったが、とりあえずもっともらしい事を言っておく。
長椅子から脚を下ろしながら、今度は逆に問いかける。
「それよりさあ…あの、ウスライって人、次試合ある?」
「はぁ?」
コモリは頓狂な声をあげて聞き返した。
「も…もうリベンジ考えてんの?つか、早すぎない?とりあえず、向こう1週間は無いと思うけど」
「いや、流石にそこまで考えてないけど…」
ハダレは靴をはくと、立ちあがった。左足が痛むが、歩けないほどではない。
その様子に、コモリが矢継ぎ早に問いを浴びせる。
「え。どっかいくの?ケガしてんのに?まさか負けたからどっか行くっつうわけじゃないよね?
 店長は気にしないで泊まってていいって言ってたけど?」
答えずに荷物を拾い、パーカーを羽織る。また右眼に意味もなく触れる。
――どういう表情をしたらいいか分からない。だが何か顔を繕わなければ、それは負けなのだ。
振りかえって答える。
「負けた日くらい気にさせてくれって。…でもまた帰ってくるんだろうな」
いつもの屈託の無い笑い顔で、青年は今日の別れを告げた。

一人残されたコモリは、溜息をつくと通信機を取り出した。指定の相手に繋げ、耳に当てる。
一時期発達した携帯電話は、戦争時の爆撃であらかたの基地をやられ、今は無線のようなものしか使えない。
「……こちらコモリです。当てが外れちゃって、えぇ、『戦場』を離れて…そのつもりなら、誰かつけてください」
短く通信を終える。
コモリは通信機をポケットにしまうと、今日の業務は終わりだとばかりに、ロッカーへ急いだ。
29代理戦争:2006/03/26(日) 21:50:10 ID:tsilV76y
とっくに日付の変わった街を、人々はさ迷っている。
文字通り行く当ての無い浮浪者もいれば、酒を飲み歩くものもあり、よからぬ事を企んでうろつくものもいる。
その中にウスライの姿があった。黒ずくめの姿はことに目立たないようでいて、並には目立っている。
例えば、売春をしている女に呼びとめられるくらいには。
「…ね、遊んでいかない?」
無遠慮にまとわりつく女にも、無表情に対応する。
「遠慮しておく」
「えー、そんなぁ…お兄さん、冷たい事言わないでよぅ」
「無理なんだ。他を当たってくれ」
「お兄さんがかっこよくて、気に入ったから声かけたのにぃ…ね、いいでしょ?ね?」
ウスライは内心うんざりと告げた。
「人を捜している。無理だ」
「…まさかオンナノコ?お仕事?あら、だったらごめんなさい」
たっぷりとマスカラを施した睫毛を跳ね上げて、女が離れかける。
女か仕事が絡んだ人捜しほど、後の揉め事の種になるものも無い。女は多少は「常識」があるらしい。
――それを信じるわけではないが、ウスライは女に尋ねた。
「ハダレという青年を知らないか」
女は再び目をぱちくりさせた――離れかけた所に話しかけられ、驚いたのだろう。だが、すぐに答える。
「名前は知ってるわよ。代理戦争の有名人でしょ?」
「茶髪で中肉中背の若い男だ。右眼に眼帯をしている。今日、この辺りを通らなかったか」
女はウスライから完全に離れて、暫く考えていたが――やがてああ、と跳ね上がった声を出した。
「通ったと思うわぁ。あっちの方へ…そうね、どの位前かしら…1時間は経ってないと思うけど」
「そうか。ありがとう」
ウスライは少し迷って――女に金を握らせた。そして足早に立ち去る。
後ろの方向から、その金額に少し驚いたような女の声が聞こえてきたが気にせずに。
(気にする事はない。俺の欲しいものはそんな金で買えはしない)
わざわざ覚悟を決めるように胸中で呟くと、ウスライは歩き出した。
30代理戦争:2006/03/26(日) 21:50:46 ID:tsilV76y
その頃ハダレは、とある廃ビルの屋上で暗い空を眺めていた。
屋上へと続くドアは鍵がついていて、隣のビルから飛び移るしか来る方法は無い。
この街はそんな建物が縦横にひしめき合い、巨大な立体迷路を構成している。
その道をどれだけ知っているかが生き残る道であり、一つのステータスでもあった。
(ここってあんまり皆知らないんだよな。まぁ、星なんか見たって腹は膨れないんだけど)
青年の見上げた空には、無数の星が光っていた。

ハダレもそう頻繁にではないが、たまにここに来る。ここは一人きりになれる場所だった。
容易に信用を許さないこの街で孤独でないことは幸運だが、それでもたまには一人になりたい。
殊に、ハダレのような特殊な者には。

(ハダレさんだってうじうじするんですよー…」
最後の辺りは本当に言葉になっていた。今日は愚痴モードらしい。
「今日は特に負けちゃったし。人生初の負けですよ負け。黒星」
危険防止の柵にもたれて、止めど無く呟いてみる。
「初めての時からもう死に物狂いでやって、何度も死ぬかと思って、すっげぇ頑張って勝ちまくって
 それで、やっとA会から身分証明もらって……」
ハダレは空に向かって喋りつづけた。段々自分が弱気な声になっていくのがわかる。
「…尻とか痛いのヤだから、頑張って…でもそのうち、自分が抑えられなくなってきて…
 この間もなんか…おっさん殺しそうだったし…今日だって本当はもっと悔しがったりしないと…きっとダメで…でも…」

駄目だ、ハダレはそう思って眼帯を外した。これ以上そのままにしておいたら、涙が眼帯を汚してしまう。
「………でもなんか考えると、それに全部もっていかれそうで…
 ぁ、でもカッコイイって…それはオレも思った……ああ、訳わかんねー!」
31代理戦争:2006/03/26(日) 21:52:02 ID:tsilV76y
半泣きで、半笑いで、廃墟の屋上で空に向かって話す自分を見たら、通行人は中毒者か何かだと思うだろう。
だがそれは人込みで黙考するより何倍も楽で、意義のあることだった。
言葉も思考も垂れ流しにして、1段目から丁寧に組み立てなおすとやっと「ハダレ」が完成する。
大掃除をする時に、部屋のものを全部外に出してから整理するように。
そうしているうちに、敵が接近している事にも気が付かないほど、青年はその行為に熱中していた。

「『異』――@異なること、ちがうこと。A怪しいこと。B妙なもの。C優れていること。D禍。
 ――転じて、万人と異なる怪しくも優れた能力を指す」
無表情に、辞書に書かれた言葉を呟く自分を見たら、通行人は中毒者か何かだと思うだろう。
ウスライは先ほど女に示された方を歩いていた。
立体迷路の根元は街灯などなく、暗いが、月と星が奇妙なほど明るい為歩くには充分だった。
「『異』『異能』と呼称される能力は遺伝によって伝わる。
 だが蔓延を良しとしない者が多いため、それは秘匿されるか、現との関りを絶つ場合が多い」
ウスライは注意深く辺りを見まわしながら、歩を進めた。
呟きは、人探しによくないのではないかと思ったが、止めない。
「殆どの異は、大昔から第六感や霊感などと言われた物と同質である――予知夢、千里眼、悟り。
 手品まがいのものから、政権を揺るがす力まで様々だが、共通点がある」
32代理戦争:2006/03/26(日) 21:52:35 ID:tsilV76y
ガクン、と何かが倒れる音がして振り返る。
――猫。壊れたゴミバケツから這い出して、一言にゃあと鳴くのを見届けて、ウスライは再び前を向いた。
「其の1、『異』は死亡、またはその力の媒体器官の損傷以外では失われない。
 其の2、『異』にも変異や進化がある。既存の力だけが『異』ではない。
 其の3――」
ガクン、とさっきより大きな音がして、前方を凝視する。
――人。壊れたゴミバケツから血塗れの四肢を投げ出すのを見届けて、ウスライは頭上を見上げた。
数軒先のビルの屋上で、争う音や声がする。呟きなど関係無いほど大きな。
確信を持って、ウスライは駆け出した。残った言葉を呟きながら。
「其の3、『異』は、俗説を信じるならば、動物的な能力であるために基本的な欲求や欲望を増幅させる。
 時に、『異』の保持者の理性的な思考を超越して行動させるほどに」

ハダレは立体迷路の中を逃げていた。
屋上でいつものようにやっていたら、突然怪しい男達に襲われた。
殺してやろうという雰囲気ではなかったが、どう見ても友好的ではない相手を返り討ちにしてやると、人数が増えた。
しょうがないので、1人を見せしめに地上に突き落として、相手が動揺した所を突破して逃げた。
そして今、ただひたすら走っている――
(足痛くて逃げ切れねー……こんな人数相手できねーし…どーしろってんだ)
頭でぐるぐると考えながらも、手足は階段を駆け下り、ドアを破り、パイプを伝って、正確に先へ進んでいく。
(そもそもなんで今日に限って……)
息が上がる。自動的に供給される空気の痛みに耐えながら、泣きそうに考える。
33代理戦争:2006/03/26(日) 21:53:10 ID:tsilV76y
(負けたからか?あいつに?それとも裏切られる云々ってやつか?
 どこが数日中だよ、何時間もしないうちにそうなるって知ってたら、とっくにあんたを頼ってた!)
それともそれが裏切られるという事なのだろうか。
額にじわりと浮かぶ汗を払いながら、ハダレはビルの通路を走った。非常階段が隣のビルに近く、乗り移れる。
体当たりするように非常ドアを開け――

「……開か、ない……のか?」
追いかけてきた男たちの内、リーダー格の男が、息を荒げながらも揶揄するように言った。
「たまに…あるな。…おもしろ半分にか……必要でか……迷路の道を変えちまうことなんて…」
ハダレはドアから手を離して、男たちに向き直った。動作は緩慢で、疲れ切った瞳が男とかち合った。
(ドアは開かない。相手は…多くて倒せないし、逃げるにも、もう息がもたない。残った手段は…)
絶望とは、つまるところ疲れの極致なのだろう。
何がしか成してきた過去が、現実をどうにもできないことで生まれる疲れに消去されてしまう事。
(今まで…)
荒い息をつきながら、ハダレはへたり込みそうな足を支えて、泣きそうになっている。
(今の今まで、どんな不利も自分で逆転してきたのに、今更『異』に頼るのか!?)
迷いは脹らむ。だが、その涙を別の絶望と解釈した男たちは、じりじりと近寄ってくる。
既にハダレの背は建物の薄汚れた壁にくっついている。逃げ場は無い。
ハダレは顔を覆った。その腕に、リーダー格の男の指先が触れた。
「…傷物にしてもいいっていわれてるんだがな…そう言っても、商品だから大破はさせらんねぇ。優しくしてやる」
紳士的とも言える優しさで引っ張った青年の腕は、細く、存外大人しくついてきた。
それに何の脈を感じ取ったのか、男は青年の顔を覗きこんだ。
――そして、そのまま絶叫した。
34代理戦争:2006/03/26(日) 21:53:41 ID:tsilV76y
その絶叫は、青年の行方を見失っていたウスライにも届いた。
外側からでは立体迷路の全貌は全く把握できない。争う音を頼りにしていたウスライには嬉しい事だった。
だが、その異様な悲鳴は一つでは終わらず――だが、そう長く響かずに絶えた。ふっつりと。
ウスライは慎重に、だが素早くその建物の構造を把握すると、そこへ向かっていった。

興奮は一瞬で、あとは後悔だけだった。
顔を覆った手は眼帯を握っていた。その手が引かれれば、当然眼帯は外れる。
眼帯が隠すものは何か。――それこそが、ハダレが隠しつづけてきた『異』の媒体器官、右眼だったのだ。
最初の男がそれに気が付くより先に、ハダレは増長させられた「生存への欲求」を彼に叩き付けた。
絶叫と五臓を撒き散らす男に、誰かが連鎖して悲鳴を上げると、ハダレは「支配への欲求」を感じた。
あとは簡単だ――誰もいなくなり、欲求が消えると同時に青年の理性が戻ってくる。
青年の理性は、『異』の痕跡に耐えられない。だから、ハダレはそこからも逃げ出した。

ドアを破って、非常階段から隣のビルに乗り移る。元はアパートだったらしい、おしゃれな窓枠も今は錆だらけだ。
ずるりと引きずった体は、精神と肉体、両方の疲れで重たい。持ち上げる気力もない。
万が一誰か生き残りが追って来たり、仲間が来たらどうしようと思っていたが、どうでもいい。
ハダレは床で瞼を閉じかけた。

「ハダレっち!」
突然の声にハッとして、瞼を跳ね上げる。一瞬ののちに上体を、次に全身を。
「ハダレっち、どこにいんの!?店長に言われて、捜してて…」
ばたばたと捜しまわる音が段々上がってくる。この階は何階だったか――
「ここに乗り移る所は見たんだから、出てきて――」
ついに、ハダレの目の前のドアが開いた。そこにいるのは、ライトをもった見知った相手だった。
「……コモリ」
35代理戦争:2006/03/26(日) 21:54:21 ID:tsilV76y
「ハ…ハダレっち、ケガ…新しくケガしたの?」
コモリは動揺したように、それでも近寄ってきた。彼より背の低い青年を心配するように。
ハダレは改めて体を見下ろした。酷い。
実は血のりです。全部ケチャップです。トマトを投げ合う祭に参加していました。
――全部言い訳になりそうにない。
「……いや…オレは…してない」
「そ、そう?本当に?……とりあえず帰ろう?ふらふらしてる」
コモリは不審げにしていたが、本当にとりあえず、といった感じでハダレの肩を抱いた。
抗う言葉も理由も見つからずに、そのまま押し出されるように部屋を出た。

何故か階上に向かおうとするコモリを不審げに見上げると、彼は外を指した。
「下の入り口の周りに変な黒ずくめの人がいてさ。ヤバイと思ったから、上を伝ってきた。
 辛いかもしれないけど、ちょっと我慢してついてきてよ」
黒ずくめ。あの男も、黒ずくめ。
――裏切られるとは、どういうことだ?

ハダレはコモリに支えられながら、階上へと向かった。一段登るのにも、相当の気力が要る。
登り切ると、沢山並んだアパートのドアの一つを開いてコモリが手招きをした。そこからまた隣に乗り移るのだと。
殆ど何も考えずにそれについていく。
コモリに先導される形で入った部屋は、先ほど乗り移った部屋よりも広くて、誰かが持ち込んだベッドがあった。
真正面にある窓には、鏡のようにハダレの姿が映っている。
疲れ切って、それでも立っていようとする生存への欲求がそのまま映し出されたような酷い姿だ。思わず苦笑――

――苦笑は出来なかった。何処かへ続くはずの窓が、閉じられている。向こうには壁が透けて見えた。
ハダレは俊敏な動作で振り返り、いつのまにか後ろにいた者に肘を叩きこんだ。
コモリが何か叫び、飛び付いてくる。やめろとか、そんな事をいっていたと思う。
不意をつかれたその者がよろけるのに合わせ、もう一度、今度は拳をたたきこもうとする。
だが、それは出来なかった。
36代理戦争:2006/03/26(日) 21:54:59 ID:tsilV76y
※暴力、血の描写あります。

熱い感覚がハダレの右腿にあった。同時に、熱いものが流れ出す感覚も。
ぞっとして見下ろすと、ジーンズ越しに何か鋭利な物が太股の筋肉を掻き分けて、血管を傷つけていた。
ナイフだ、と思った瞬間、その持ち主がわかった。
「…コモリ…!」
驚きはなかったが、コモリの「大それた事をやってのけたぞ」と言った表情が憤怒に繋がった。
握った拳の裏をコモリの顔面に当ててやると、哀れなほど簡単にひっくり返った。

だがそこまでだった。
後ろにいた何者かが、ハダレのその隙を見逃さずに襲いかかってきた。
振り返りかけた側頭部を殴られ、それ以上何も言えずにハダレは倒れこむ。
朦朧とする。疲労の所為かもしれないし、脳震盪かもしれないし、あるいは出血かもしれない。
なんでもいい、とにかくハダレという刃物は刃を潰されてしまった。
そうなれば元々薄い刀身は鉄パイプにも満たない抵抗力しか持たない。

「コモリ、お前武器もっててそれか。チンピラやる資格ないんじゃないか?」
何者か――金髪の、それなりに体格のいい(モウジの半分もないが)男が揶揄するように言った。
対して、コモリは鼻を押さえながらうめく。
「お、お前だって殴られたじゃん!人の事言えるかっつの!ソウジョウ!」
ソウジョウというらしい男は、鼻で笑いながらハダレを抱き上げた。お、と意外な声を上げる。
「おいコモリ、こいつやばい軽い。多分オレの女より軽いんじゃないか」
嬉嬉として、ハダレの体をベッドに上げるソウジョウに、コモリは鼻血を拭きながら不機嫌に答える。
「知らねぇっつの。それよりおい、何だ、オレのアフターケアはないのかっつの」
「それこそ知るかよ」
ソウジョウはぐったりとした青年を良く眺めた。
特別色気があるわけでも、遊んでいる雰囲気でもない。
太っているより痩せている方がいい、それくらいの理由しか彼を狙う理由がないような気がする。
「…とりあえず血を拭かないと、気持ち悪いだけだ」
ソウジョウは馬鹿にした口調でコモリに水くみを命じ、自分は青年の服を取り除き始めた。
37代理戦争:2006/03/26(日) 21:55:45 ID:tsilV76y
※血の描写あります

まずパーカーを剥がしてその辺りに放る。ジーンズと下着も同様にする。
Tシャツは面倒くさいので、ハダレを刺したばかりのナイフで切り裂いて捨てる。どうせ、血塗れでもう着られない。
残ったのは首輪と眼帯だが、顔を拭くのに邪魔だから眼帯はむしって放り投げた。
鼻歌でも歌いたいような気分で、ソウジョウは青年の両手を縛った。
それとは別の紐を両手の間に通し、ベッドの頭の方に繋ぐ。
両足はベッドの足の方にそれぞれ括り付ける。左足が腫れ、右足から出血しているが加減はせずに。

「何、もう脱がせちゃったの?オレが帰ってくるまで待っててくれたっていいじゃん」
水汲みから帰ってきたコモリが不平を漏らすと、ソウジョウはにまっと笑った。
「下ごしらえしてやったようなもんじゃないか。実際に煮るなり焼くなりするのはお前じゃないのか、コモリ」
「そりゃあそうだけど…オレが目をつけてたんだっつの。邪魔して欲しくないっつか…」
コモリは何か府に落ちないといった様子で、タオルを水につけている。軽く絞って、水気を残す。
そして、青年の肌にそれを触れさせる。
「ッ…」
沁みたのか、冷たいだけか、ハダレがかすかに身動ぎする。
「まずは顔拭くか」
コモリは濡れた布をハダレの顔に這わせた。固まりかけた髪にも水を与え、血を流し取る。
「ああ、ほんとにケガしてないっつか、これ返り血だったのか」
「みたいだな」
コモリは感想を漏らしながら、更にその布を下に向けた。
首筋を通り、胸板を通り、臍の辺りまで血をふき取ると、初めて気が付いたように言う。鳩尾を指で撫でながら、
「こんな所に痣があるし。うわ、痛そー」
38代理戦争:2006/03/26(日) 21:56:17 ID:tsilV76y
更にその下まで布は通り過ぎ、右腿を拭っている所でハダレの意識が戻った。
「いッ…」
「あ、ハダレっち、起きた?」
出血と言うより流血しているそこを、清潔とは言い切れないタオルでぞんざいに拭かれて、痛みで目を覚ます。
すると、ついさっきまで親しく会話していた人間が自分を裸にして拘束していた。
共犯者と思われる男と親しく会話している所を見ると、もうなんと言う疑いもない。涙も出ない。
(……これが…裏切りってことか…?誰も信じるなって…このことなのか?)
ぼんやりと考えると、あの男の言っている事は当たっている気がしてきた。
急に、さっき彼を罵倒した事が申し訳なく思われて、ハダレは唇を噛んだ。

その顎を掬われて、口付けられた。
単純な驚きで目を見開くハダレを挑発的に見下ろし、下手人が口を開いた。
「キスするときくらい、目ぇ閉じなっつの」
その言葉にさらに驚愕する――彼の両眼は、はっきりと像を結んでいる。右眼が見えている!
反射的に手で覆い隠そうとか、右をむいて隠そうとするが、それは敵わなかった。
コモリの両手が包み込むようにハダレの頬を支え、じっくりと覗きこんでくる。
「へぇ…いい色してんじゃん。灰色っぽい…いや、なんか暗くて良くわかんないけど」
「…やめろ…見んな……ッう」
コモリは必死に拒絶するハダレの瞳を、眼を見開いてながめながら再び口付けた。
残念ながら余りに抵抗が激しく、舌をいれようものなら噛まれそうだったので唇を食む程度だったが、
それでもコモリは満足だった。
――そもそも、ハダレを陥れて抱くために店に勤め出した男には。

↑ここまでです。

39ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:06:13 ID:msKYtSvN
>>1さん乙です。前スレからの続きです。
「あっ…!く…」
パシンパシン、と乾いた音に紛れて男のうめき声が響く。
医務室の丸椅子に男が座り、その膝の上に抱えられた青年が裸で尻を叩かれている。
形のよい二つの丘は叩かれる度にブルブルと震えた。
いい音だ、パシン、痛いか、パシン、鳴けよ、パシン。そう意って叩いているのは医師ではない。
止めろ、パシン、痛い、パシン、ああっ、パシン。そう言って叩かれているのも患者ではない。
「あーあー、猿みてーに真っ赤だぞ。ブラック、ケツばっか叩いて面白いか?」
茶化すような男の声がする。
「まあな、けっこう面白いよ」
パシンパシンとと打ち据える音は鳴り止まない。
手が振り上げられる度に背をしならせて涙と汗を飛ばす。端正な顔を歪めて艶のある声を出す。
悲痛な表情がそこにいる男達の目を楽しませ嗜虐心を煽る。
彼が止めてと泣いて懇願するほど男達を煽るのだ。
男達の舌なめずりする音が聞こえてくるようだった。
「まだ今日は始まったばかりだ。この位で根をあげるなよドクター」
バシン!ひときわ強く打たれて彼は悲鳴を上げた。
荒い息を吐きながらドクター・ユヒトは考える。なぜこんな事になったのか。
一時間前までは白衣を着て男達を診断していた。
二時間前には王子が小型船で出かけるのを見送った。
そして今なぜ裸で尻を叩かれているのだろう。痛くて苦しくて恥ずかしい…。
子供のように尻を叩かれ、喘ぎ、今どんなにみっともない顔をしているのか。
思い出してみる。ユヒトの体調がすぐれないのだと思い、養生しろと王子は気遣った。
ユヒトの替わりにケンを連れて、ライトら海賊達と彼らの惑星へと出掛けていった。
暇ならば島船に残ったクルー達の健康診断でもしてやれと王子は命じたのだ。
クルー達は目を丸くして驚いたものだ。ぼんやりとして一番不健康そうな王子の側近が、
医療界でトップクラスを誇るレナルディの従軍医師だったとは。
海賊達の中には職業柄か体のパーツや臓器が機械で出来ている者が多かった。
ユヒトお得意の医療科学、専門分野の技師だ。
権威ある医師に診てもらえると思ったクルー達は、手の平を返したように医務室に詰め掛けた。
人間というより車か船のメンテナンスをしているような気分でユヒトは診ていった。
40ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:07:05 ID:msKYtSvN
屈強な男達の中にはユヒトを尊敬の眼差しで見る者もいた。
意外に礼儀正しく診察を受けていった。
10名ほど診終わった頃、いきなりライトの親衛隊三人が医務室を占拠した。
ライトの命を受けてユヒトに嫌がらせをしにきた事は明白。
予想の範囲内だったが、いきなりの襲撃にユヒトは逃げ出す事もできなかった。
親衛隊はカラーネームで呼ばれていた。レッド、ブラック、グレイの三人だった。
暴れるユヒトを笑いながら追い込み裸に剥いて殴り倒す。
一番体格のいい男、ブラックが悪戯にユヒトの白衣を羽織って言う。
「はい、次の人ー」
そしてユヒトは仕置きを受ける咎人のように尻を叩かれる。
逃れようと腕をもがくが、がっちりと上半身を押さえ込まれて虚しく宙をかいた。
「ああっ、痛いっ!」
背中にじっとりと汗が浮かび、叩く音にも湿り気を帯びた響きに変わる。
「さて…」
何度も打たれてぐったりとしたユヒトの身体を裏返し、ブラックはその身体を眺めた。
医師とはいえ、軍に属していた男の身体とは思えぬほど薄い胸板、
傷だらけで痛々しい、それを容赦なく爪で引っかいた。
「あっ…つ…!」
突き刺さるような痛みに頭を起こし、非難するユヒトの髪を掴んで下に引っ張る。
ブラックは彼の開いた口に指を突っ込み、唾液を指ですくって乳首を撫でた。
膝の上でビクリとユヒトの身体が跳ねる。
「おい、椅子を」
乳首をゆるゆる撫でながら切なげなユヒトの顔を覗き込み、ブラックは言った。
「こいつの尻の下に置け」
至近距離でユヒトの顔を眺めブラックの方がギクリとさせられた。
「エロい顔してるな」
ユヒトの下半身は丸椅子で体重を支えられ、レッドとグレイの二人が足を押さえた。
乳首の刺激で屹立した自身が彼らの眼前に晒された。
「やめっ…!」
「ドクターって乳首だけで勃つのな、見てみろよ」
どれどれと覗き込まれてユヒトは羞恥に顔を染めた。
41ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:08:10 ID:msKYtSvN
なんという屈辱、なぜこんな目に会わなければならないのか。
ここ数日のクルー達からの嫌がらせ、剥き出しのライトの敵対心、ケンに握られた弱み、
王子の行く末、ユヒトの頭はパンクしそうだった。
「顔に似合わずいいもん持ってるなぁ」
「ドクター、お尻叩かれて乳首弄られて感じちゃったか?」
男達に嘲笑われ、ユヒトは恥ずかしさのあまり気が狂いそうだった。
「放し…、触るな…!」
「おう、飽きたらな」
ブラックは空返事でやり過ごすと乱暴にユヒトの顎を掴んで口を開かせた。
ブラックの右目は機械仕込みの義眼だった。真っ赤な瞳がユヒトを見据える。
「てめーのボスには迷惑かけられてんだ。大人しくやられてろよ。
俺はあんたの全部を見ていたぜ。服着てたってあんたの裸は丸見えだった。
この間、一昨日だっけ?温室に行った時尻ん中に何か入れてたろう?」
カッとユヒトは頬を染める。全部見えていた!?
「ちなみにこの右目はレナルディ産の透視機能付きの優れもの」
そう言ってユヒトの口の中に唾を吐く。嫌悪感に眉を寄せ首を振ったがパシンと平手が飛んだ。
「あうっ」
唐突に自身を強く握られた。と同時に後ろの蕾に何かが注入された。
「あああ…」
チュルチュルと注がれる感覚に背筋がぞっとする。
「滑りをよくする為にローション入れたぜ。あんただって痛いの嫌だろ?」
大きく開かせた足を持ち上げてトロトロした液体が入っていく。
自身の先端は溢れた先走りの露を広げられヌルヌルした刺激を送り込まれる。
「ああっ、ああっ!」
叫ぶユヒトの口に医療用マウスピースがはめられた。苦しくて目を見開く。
「この部屋って何でもあっていいなぁ」
ブラックはそう言って目を細め立ち上がった。ズボンのジッパーを下ろす。
何を意味するのか気づいて呻くユヒトの腰はグレイに掴まれた。
尻の狭間を広げられる感覚、溢れたローションが袋にまで垂れてきた。
「ああー!あー!」
マウスピースで開けっ放しのユヒトの口から悲痛な声が漏れた。
その口にブラックが自分のものを捻じ込んだ。
42ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:09:41 ID:msKYtSvN
「あふぁ…」
後ろからグレイがむりむりと入ってくる。
腹を圧迫する長く太い男の肉、ああまた、とユヒトは打ちのめされる。
王子ではない他の男のものを受け入れてしまった。
「すっげ…、中イイ…」
「ちっ、こっちはイマイチ」
ユヒトの髪を掴んで自身を突っ込んだブラックは、満足のいかない表情だった。
噛み付かれては、とはめたマウスピースがいまひとつ大きすぎたらしい。
ユヒトの唾液と舌が少しの刺激をもたらすだけだった。
グレイにとっては予想以上に満足だったらしい。
後ろを突き上げる度にグチュグチュと卑猥な音を立ててむさぼっている。
王子に散々開発された身体は無自覚に男のものを締め付け、自らも快感を得る。
そのように王子に教育されたのだから仕方がない。
「んう」
ユヒトの腰が揺れだした。ぐつぐつと突き上げるリズムとシンクロする。
「すげえ気持ちいい、中が、締まる…、やばい、この穴…」
「さすが王子様の遊び相手、嫌がってた割にはノリがいいじゃん。
…ってかやっぱこっちじゃダメだわ。マウスピース邪魔」
ブラックはユヒトの口から自身を抜き、唾液まみれのマウスピースを取り去った。
「ようドクター、歯を立てたりしないだろう?」
ブラックは虚ろな目のユヒトに試すようにそう言ってみる。
「噛み付いてやる…!私が、従うのは、王子だけ…」
ユヒトにだってプライドはある。当たり前のように性奴隷にされる覚えはない。
バシンとブラックに殴られる。血の味がした。
「生意気な奴だな」
頭の芯がジンと痛んでクラクラする。
そうこうしているうちに、背後を突く快感に追われユヒトは愉悦の悲鳴を上げる。
感じるな、相手は王子ではない、そう思っても熟れた身体は勝手に反応する。
支えを無くしてユヒトは前につんのめる。体が崩れ落ちる瞬間グレイが達した。
「うあぁっ…」
中に全部注がれるのがわかる。
床に這いつくばったユヒトの上に乗って、グレイは乱暴に打ち据えた。
43ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:10:49 ID:msKYtSvN
全て出し終え、色々混じった液体が糸を引きながらグレイは後ずさった。
うなだれたユヒトの頭の中は真っ白だった。
王子に拾われ忠誠の誓いをたてたあの日から、ユヒトの身体は一途で無垢だった。
他の男も女も知らない、それが己の純真で王子の純真でもあったのだ。
自分が汚されれば王子も汚された事になる。この身体は王子のもの、自分の口でそう誓ったのに。
「次俺な」
遥か頭上でオッドアイのブラックの声がする。
プチュと蕾から液体が零れる音がしてユヒトは我に返った。
「触るな…」
ゆらりとユヒトは立ち上がった。唇を伝う血と唾液を指で拭う。
「君達の思い通りにはさせない」
ユヒトの手によってガシャーンとトレイがぶちまけられた。
「うわっ!」
「てめ…!」
ユヒトはドアに向かって走り出した。逃げる事は恥ではない。
甘んじてリンチを受け続ける気はなかった。
「待て!」
ドアを飛び出した所でレッドに捕まった。
「あああっ!」
長い廊下にユヒトの嬌声がこだまする。裸で暴れる彼の髪が乱暴に捕まれ引きずられる。
「おら!逆らってんじゃねーぞ!」
「ぐあっ!」
床にひっくり返され腹にブーツのかかとが食い込んだ。
「何気取ってんだよ。知ってるぞ、てめーんとこの王子にはもう地位はないってな」
「何ならてめーのご主人様を同じ目に会わせたっていいんだぜ」
「あ、くっ…、知って…?」
「馬鹿、レナルディ滅亡のニュースなんてとっくに知ってんだよ。
知らないのは当人だけだな。奴は裸の王子様よ」
すでに知られていた!では何故王子の耳には入っていない、ライトが口止めしているのか。
何故この船は足止めをくっているのか。
まずプロの運び屋が自ら予定変更を申し出るのはおかしい。
この船の修理はどうなった?修繕に取り掛かった気配がない。
44ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:11:39 ID:msKYtSvN
※スカありです。


ゼイゼイと荒い息を吐きながら冷たい床に頬を擦り付けユヒトは頭をフル回転させる。
王子は何処へ向かった!?王子は、彼らの手の中へ入り込んでしまったのだ。
「おい、ドクターを縛り上げろ」
「やめ…、王子を、どうする気だ!」
「俺らの知った事か」
ユヒトは抵抗虚しく縛り上げられ囲まれた。
再びマウスピースを噛まされ王子の名を呼ぶ事もできない。
「王子とケンって野郎がいなけりゃ、あんたは非力すぎだな」
「仕切り直しだ」
そう言ったブラックの瞳にぞっとする。無力だ、ユヒトは泣きながらそう悟るしかなかった。
それから代わる代わるユヒトは犯された。最愛の王子の身を案じる暇もないほどに。
レッドは膝の上にユヒトを乗せ対面した姿勢で貫いた。
後ろ手に縛られ、倒れる上半身を首に巻いたベルトだけで支えられる。
ベルトの両端を犬のリードのように引き、喘ぐユヒトの顔をじっくりと眺めた。
嫌々犯されているのに、柔軟に感じてしまい屹立したものを時折握ってやる。
下から突き上げる度に淫乱、淫乱、と呪文のように唱えた。
ブラックは寝台にユヒトの上半身を乗せ立ったまま後ろから犯した。
奥に突っ込みわざと動かないでいると、自然とユヒトの尻が踊る。
ただじっとしているだけでユヒトは快感を運んでくれるのだ。
その後マウスピースで強制的に開けられた口に漏斗を差込み大量の水を飲ませ失禁させた。
寝台にMの字に足を開かせ腕を吊るす。
口を自由にさせ、お願い、トイレに行かせてと懇願する様を楽しんだ。
蕾から精液、前から小便を垂れ流しユヒトの羞恥の壁は崩れる。
「もう…やめてくれ…」
こんな辱めを受ける位なら殴る蹴るの痛みに耐える方がまだマシだ、
ユヒトは自分の作った水溜りを見てそう思った。
45ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:13:11 ID:msKYtSvN
王子の従者を辱める事は王子を辱める事に繋がる。彼らは王子を犯しているのだ。
そしてさらに追い討ちをかける。
根元を縛りユヒトの性欲を封じると、残酷にも先端を優しく撫でるだけ。
その間後ろの穴はグレイに埋められ、中を攻める快感にユヒトは身悶えた。
達してしまいたいのに吐き出す事を禁じられるのだ。
あられもない声で鳴きイかせてくれと口走った。
「もう降参か?」
ブラックがそう言ってユヒトを煽った。情けない、恥ずかしい、早く開放してほしい。
縛られたユヒトの手首が痛み、快感に溺れそうになるのを時折現実に戻した。
しかし敏感になりすぎた先端をヌルヌルと撫でられる感覚が頭の芯を痺れさせる。
このまま観念して欲望を吐き出したい、王子の名誉の為に屈してはいけない、
ユヒトの心は責め苦の狭間で揺れ動いていた。
淫らな自分の声が男達を煽るのだ、そう気づき始めた。
この顔と身体がエロチックなのだと男達が言う。そんな事のせいにされたくない。
王子との情交で育てられたこの身体を他の男に使われたくない。
しかし、次第にユヒトは自身を無くしていく。
ケンのように力が強いわけではない、ライトのように慕われているわけでもない、
唯一持った技能だってここでは何の役にも立たない。
いい気になって特技を示してみたらこの有様だ。
王子のセックストイだと何度も中傷されてきた。それでもまだ役に立っていると思っていた。
しかし今では王子はこの身体を召し上げてはくれない。
「イかせてくれ、お願い…」
なにもかもどうでもよくなってきて、泣きながらユヒトは頭をたれる。
下半身の欲望を吐き出させて下さい、どうかお願い、イかせて下さい。
「おっと、ついに陥落?」
「ドクター、もう一度言ってみな。俺らにお願いするんだよ」
震える声でユヒトはそれに従ってしまう。
「お…お願い、します…」
「何をだよっ」
「ああっ、はっ!イッ、イかせて、下さい…」
男達の歓声があがる。強情な男が屈するのがよほど楽しいらいしい。
「最初っから素直でいりゃいいんだよ」
46ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:14:21 ID:msKYtSvN
ユヒト自身の戒めを解きレッドが素早くこすってやる。
「気持ちいいか?王子もこうやってくれるのか?」
「あの王子がこつの握るわけ?想像できんな」
「そうだ、王子とやってると思えよ。そうすりゃあんたも俺らも楽しい」
ああ、と喘ぎユヒトはぎゅっと目を瞑る。王子、という言葉にユヒトは感じてしまう。
ついには吐き出し、ユヒトの身体を快感が突き抜けた。
「うぉ、締まる締まる」
「王子って呼んでみな。なあ、呼んでみな」
聞いたことのないような優しい声でブラックはユヒトの耳に囁いた。
「お…王子…、ああっ!」
「いい調子」
何かでユヒトは目隠しされる。真っ暗闇の中でユヒトは王子を探した。
お前は俺のものだと束縛する王子の姿を思い出した。
我が侭で尊大で気高くて優雅で気品があって…、残酷な王子。
あなたの髪に今すぐ触れたい、あなたの瞳に見つめられたい。
「王子、ああ…、んああ…、王子イイッ!」
「ユヒト、もっと喘げ」
王子の声がした。ユヒトはその声にドキリとさせられた。
その正体はグレイの声帯、彼の喉はブラックの瞳同様機械で出来ている。
あらゆる声音を模写する事ができるのだ。
「ユヒト、咥えろ」
そう言ったグレイの声は正確に王子の声を紡ぎ出し、ユヒトの心の隙に入り込んだ。
「俺のものを舐めたいだろう?」
できるだけ偉そうに、尊大にグレイは言った。
ユヒトの頬に当たるのはレッドの男根。男達は顔を見合わせてニヤリと笑った。
「舐めたい、です、王子…」
「よく味わえ」
んむう、とくぐもった声を出してユヒトは喜び勇んでそれにむしゃぶり付いた。
今度はレッドが呻く番だった。
「ああっ、すげ…こいつ上手い」
「こいつの身体は使えない所がないな、マジですげー仕込まれ具合。
乳首ちょっと弄っただけでいい声出すもんなぁ」
47ほしの王子様:2006/03/26(日) 22:16:06 ID:msKYtSvN
「あぁー、やべえ、イきそう。凄くいい、こっちも…」
「さすが王子様はお使いになるおもちゃも最高級ってか。こいつはクセになるな」
レッドとブラックがそう品評する間、ユヒトのすぐ耳元で王子の声は囁き続ける。
いいぞ、上手だ、もっと腰を使え、お前は最高に淫らだ。
「グレイ、お前のふざけた喉の機能もたまには役に立つな」
「ああ。うっ…イくぞっ、イく!」
「ユヒト全部飲めよ」
ユヒトは王子にそう命じられて、レッドの吐き出した白濁を飲み込んだ。
後ろはグレイが塞いだままで、倒錯的なセックスは続く。
「さてユヒト、今度はお前のケツで俺をイかせろ」
乱暴にユヒトの顎を持ち上げてグレイが言った。
美しくしなったユヒトの背に舌を這わせ指で乳首を押しつぶす。
それが合図のようにユヒトはより淫らに変貌した。
さっきまでの強情な態度から一変し、素直に尻をくねり出す。
相手が王子だと思い込んでいるからできるユヒトの性戯、ユヒトの本性だ。
それから次第に四人のパワーバランスが変化していく。
ユヒトが快感を貪る度に、その悩ましい欲望に溺れていったのは男達の方だった。
一日目はそうして終わった。散々嬲られ痛めつけられ動かなくなったユヒトの身体は、
強制治癒プログラムのカプセルに閉じ込められた。
ユヒトの船にも備えられているタイプの新型バージョン、5時間という最速の回復力を誇る。
ケンの悪戯のせいでコードの類に囲まれる事に、ユヒトは嫌悪するようになっていた。
それは恐怖の5時間だった。コードに犯された時のあの悪夢が蘇る。
カプセルから出た時には、ユヒトは目一杯神経をすり減らしていた。
医務室で一人、男達の姿はもうなく外からロックされていた。
閉じ込められたその密室は乱れに乱れていた。患者が暴れ回ったような惨状。
己の吐き出した物を見てユヒトは打ちのめされる。
破れた衣服を身にまとい、自分の身体を抱えユヒトは呆然と佇んだ。
まだ体内の熱がくすぶっている、ともすればまたすぐに発情してしまいそうだった。

☆今回はここまでです。
48風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 23:03:13 ID:tsilV76y
>1さん乙でした。

王子様ゑロすぎです!
かわいそうと思いつつもユヒトタンにハアハア・・・
49境界線:2006/03/26(日) 23:30:48 ID:oQAEZZ9f
リアル投下でぐんぐん読ませて頂きました。
エロ王子最高です!

王子ネタがカブってしまい恐縮ですが投下させていただきます。
王子×教育係(親友)です。↓
50境界線1:2006/03/26(日) 23:31:42 ID:oQAEZZ9f
幼い頃からいつも二人で遊んでいた。
とは言っても、彼は一国の王子で俺は役人の息子。
彼が城を抜け出して小さな村の二人だけの秘密基地へ遊びに来るのを俺は毎日のよ
うに待っていた。
決めた時間に王子が来なければ今日は遊べない。
時間を過ぎれば今日は駄目なんだなと解っているのに、諦め悪く日が沈
む時間までその場所で待っていた日も何度かあった。そのくらい、王子との時間が
楽しくて待ち遠しくて仕方なかったのだ。
身分の壁があっても俺たち二人はとても仲がよかった。


十七歳の誕生日を迎える頃、俺は同い年であるはずの王子の教育係に命じられた。
「ジンと同い年ではお前みたいに優秀な成績を持つ者がもうおらんのだよ」
王座に腰掛けるのはこの砂漠の国の王。
端に腰掛けるは美しい王妃。
その間には同年代の王子・・・いや、幼い頃から親しい友人が座っていた。
王はすぐ後ろに経っている男を手招きに、耳打ちをする。
男は頷くとこちらに歩み寄ってきた。
「王宮のマナーはご存知でしょうが、貴方の教育係を命じられたハキムです。よろしく」
丸いフレームの眼鏡を人差し指で上げる。
異国の血が混じっているのだろう、黒い肌の者ばかりの中で彼の白い肌が目立つ。
肌が白いだけじゃない。
さらりと長く伸びたブロンドも、この国の中では非常にアンバランスだ。
同じ男が見てもきれいだと思えるその顔に、その仕草はいやに優雅に見えた。
「ユダです。よろしくお願いします」
俺は差し出された白い手を握り返し、一礼した。
51境界線2:2006/03/26(日) 23:34:11 ID:oQAEZZ9f

王宮の中を一通り案内され、規則や教育の手順を説明される。
ジンの部屋を訪れたのは先程顔を合わせてからおよそ三時間が過ぎてからだった。
「ユダ!遅かったな、待ちくたびれたよ」
ベットのカーテンからひょこりと頭を出し、その状態のまま来い来いと手招きをされる。
緊張の糸が切れたように俺が微笑む。
首元に巻かれたベールを取り払い、ながら招かれるままに歩を進める。
「すまない、説明が長引いてな」
「あいついちいち話長いんだよな」
やけに機嫌の悪い王子・・・ジンに、俺は首をかしげる。
「嫌いなのか?」
「ああ、だーいっ嫌いだ」
昔からの仲だから、ジンの性格はよく知っているつもりだ。
その彼が此処まで嫌悪感を見せるのだから、本気で嫌いなんだなと俺は苦笑した。
「ユダもあんな奴と一緒にいるなよ」
ジロリとジンが目を光らせる。
「そんなわけにもいかないだろ。俺は仕事に私情を挟む方じゃない」
言い返せばジンの目が益々不満に染まり、俺からぷいっと顔を背けた。
淡い青色の瞳が隠れ、変わり銀色の短い髪が流れるようにこちらに向いた。
王座では背筋を伸ばしている王子も私室と俺の前ではそこらの子供と大して変わらない。
だからこそ身分の壁を感じさせない親近感が沸くのだと思う。
いつまでもそっぽを向いているジンの肩をぽんぽんと叩く。
「俺はお前に勉強させるために来たんだぞ?」
「あ、そうか」
ぱっと起き上がりベットから降りるジン。
どうやらいつの模様に二人で遊んでいる感覚だったのだろう。
確かに、俺だって違和感はある。
同い年であるはずの彼に勉強を教えるのだから。
52境界線3:2006/03/26(日) 23:34:55 ID:oQAEZZ9f
夜、十二時を過ぎても俺の部屋には明かりが灯っていた。
何処から教えたら良いのだろう。基礎から教えるような年でもない。
真っ白の紙の束を目の前に俺は頭を抱える。
しかし、それぞれの分野の得意不得意を聞いてテキストを作り直すのは大変だが、
与えられた仕事をきちんとこなせばジンと会うのに壁を越える必要はないのだと思うと
俺は目の前の教科書の山に落とした肩も上げられた。
ぎりぎりで目にかかる前髪を持ち上げ、短い黒髪と共に紐で縛る。
地平線から太陽が顔を出そうと赤々と空を染め出すそんな時間まで、俺の部屋から明か
りが消えることはなかった。

「これはユダ殿、寝不足ですか?」
使用人は朝の七時に皆で朝食の規則を守って起きたが、油断すると目が瞑ってしまう。
赤くなって目をごしごしと擦りながら広い廊下を歩いているその丁度目の前の角からその男が現われた。
そう、ユダの教育係を任されている男、ハキムだ。
「思っていた以上に王子には教えることがあるみたいで、日が出るまでテキストを作っていました」
「それはそれは」
くすくすと笑いながら、ハキムは俺の横に並んで歩く。
二十歳半ばであろう彼は隣に並ぶと身長の差がやけに目立つ。
体つきは俺もここに来る前は力仕事をしていたので変わりないが、やはり昔本で読んだ
肌の白い者は大半が長身であるという表現はまんざらでもなかったんだなと思った。
「王子の教育係りは大変でしょう?」
不意に話し掛けてくるハキムに他事を考えていた思考が止まる。
「いえ、そんなことはありませんよ」
正直に応えたつもりだったが、何が可笑しかったのかハキムは笑い出す。
「結構手のかかる人で有名なんですよ?」
知りませんでしたか?と問われているようだが、そんな印象など全くない。
むしろそんな話信じられない。
「貴方は何日もちますかね」
隣でくすくすと笑い続ける上司に俺は首をかしげるばかりだった。
友を悪く言われたようでいい気もしない。
ジンの言っていたことが少しだけわかったような気がした。
53境界線4:2006/03/26(日) 23:35:40 ID:oQAEZZ9f

ジンの教育係になってから一ヶ月が過ぎた。
すれ違うものは不思議そうな目でこちらを見ながら通り過ぎていく。
やはり、前にハキムが言っていた事は本当だったのだろうか?
手のかかる人で有名。
何日もつかと言うことは、十日もった人もいないのだろう。
使用人の中には何日でやめるかと賭けをしていた者もいたらしい。
しかし、そんな周りの目ももう一ヶ月が過ぎる頃には尊敬の眼差しに変わっていった。
ジンの学力も最初の頃よりぐんと上がり、国王も大いに喜んでいた。


「此間の試験でさ、ほら。俺一番の成績だったんだ」
はしゃぎながら解答用紙を見せてくるジンに俺も嬉しくなった。
「俺は基本を教えただけだ。お前は元々やれば出来るんだよ」
褒められる伸びる、ジンは当にそのタイプだった。
実際俺も驚いている。
始めは基礎も全く出来ていなかったのに、正直ここまで成績が伸びるだなんて思っていなかったのだ。
「いや、ユダのおかげだよ。お前に褒められると何でもやる気が出る」
急にかしこまってジンは俺の前に立つ。
「なぁ、ユダ。いいものやるから目を瞑って」
言われるがままに目を瞑る。
「良いって言うまで開けちゃ駄目だよ」
それがあまりに自然だったから、ジンの言動に異変が起きていることを俺は気が付かなかった。
真っ暗な視界の中で、唇に生暖かいモノが触れた。
その違和感に目を開く。
目の前にはさっきまで俺の数歩前にいた親友の顔。
瞬時にして体が強張ったのに気付いたのか、ジンはゆっくりと目を開く。
「駄目って、言ったじゃん」
そのまま強い力で肩を捕まれ、すぐ後ろにあったベットに押し倒される。
何が起きたのか思考が回らないまま、俺は暴れた。
力では俺の方が上だが、ちゃんとした訓練を受けているジンは手際よく俺の身体をベットに押さえつけた。
「な、何やってんだ!」
54境界線5:2006/03/26(日) 23:39:33 ID:oQAEZZ9f
「何って?これはご褒美だよ」
そう言って再び唇を重ねようとしてくるジンに俺は回避しようと首を逸らす。
逃げた唇をジンは追わず、目的を変えて露になった首筋をなぞるようして息を吹きかけてくる。
「うわっ!・・・っ」
鳥肌が立つような感覚にビクリと肩が揺れる。
そんな反応を楽しむように、ジンは俺の首筋を震わせていく。
耳にかかった髪をどけながら息を吹きかけられたり舌先の触れるか触れないかの位置で耳朶を刺激されると
ぞわぞわとした何かが湧き上がってくるかのように耐えられなくなって俺は固くシーツを握った。
延々と続けられるむず痒い刺激に声が上がらぬよう唇を噛み締める。
何が起こっているのか、何で自分は親友にこんなことをされているのかわからなかった。
理解する前に思考が働かないのだ。
「こっちを向けよユダ。ご褒美があげられないだろ?」
耳と首筋の刺激に耐えられなくなって、俺はやっと正面を向いた。
見えるのは鮮やかなベールに彩られた天井と、
すぐ目の前で楽しそうに唇をゆがめながら見下ろしている友の姿。
「良い子だね、ユダ」
言葉と共にジンの唇が再び俺の唇に押し付けられる。
それだけならよかった。
今度のキスは先程のものとは全然違ったのだ。
「んっ・・・っふ・・んん・・」
油断していた唇を割って、ジンの舌が俺の中に入ってくる。
逃げる舌を追い詰めるように絡め取り、その中をじっくりと味わう。
何度も噛み付くように唇に吸い付き、そしてまた舌を絡める。
喉まで流れ込んできた二人分の唾液を飲み込むのに精一杯で、俺は息すらするのを忘れていた。
酸欠状態で頭がぼうっとし、体全体がしびれてくる感覚に俺の思考は完全に停止した。
ジンは抵抗も出来ないままいつの間にか力なく横たわっていた俺の手を見て、一端唇を離した。
55境界線6:2006/03/26(日) 23:40:16 ID:oQAEZZ9f
飲みきれなかった唾液が俺の口の端から零れ落ち、離れていくジンの唇からは透明の糸が引いて、そして切れた。
俺はニ三回咳き込んでからやっとのことで呼吸を再開した。
ただっ広い部屋の中で、ぜいぜいと酸素を求める俺の呼吸だけが響く。
目じりからは生理的な涙が一筋零れ落ちていた。
ばやんとした視界からは恍惚として自分の姿に魅入っている、自分をこんなにした親友の姿。
そう、親友の。幼い頃からずっと、純粋に遊んでいた親友の姿。
そう思ったとたん、今度は感情的に溢れ出した涙が頬を幾度なく伝った。
「・・・っつ・・・うっ」

どうしてこんなことを?
聞きたかったが嗚咽にまみれて言葉が言葉でなくなる。
腕を掴んでいたジンの手はそのまま下半部に滑るように下りて来て、そして股の中心部に触れる。
ビクンとユダの肩が震えた。
顔は怯えたように歪み、逃げるように身をよじる。
しかし酸欠で痺れの残る身体は上手く力が入らない上、指の一本も曲げるのが困難な状態で
それは無駄な抵抗以外の何物でもなかった。
「い・・やだ・・。厭だって・・・」
ぐったりとしていたそこも鷲掴まれ、布越しに強い刺激を与えられ嫌でも反応し出そうとしていた。
「俺の記憶が正しかったら、ユダは他人に此処を触られるのは初めてだよね?」
ズボンの上からわざと布が擦れるように抜き上げられると、
俺の性器は次第に布越しでも形がはっきりわかるまでに膨張する。
「どんな感じ?自分で擦るのとどっちが気持ちい?」
ジンの声はあくまでも冷静で、そして熱っぽかった。
聞きたくないと顔を背けてもそれは逆効果で、熱い息を掛けられながら耳元で囁かれる、
普段より低い彼の一言一言に体がゾクゾクと震えてしまう。
正直、俺はジンに対して恋愛感情など少しも抱いたことがなかった。
灼熱の日差しが照る砂漠の影で汗を流しながら彼が俺に会いに来るのをひたすら待った。
あの時の俺がジンを求める思いはそれに似ていたとは思う。
友情と愛情は紙一重だと言うが、その言葉の通りだった。
限りなく近いが、その一線に触れることはない。
そう、その気持ちは確かに恋愛とは違うのだ。
56境界線7:2006/03/26(日) 23:41:05 ID:oQAEZZ9f
「うぁ・・・あっ・・あ・・」
次第に激しくなる手の動きに、俺は何度も厭だと叫びながら首を振った。
「がっかりしてる?ユダ、こんな俺に」
出来る限りの力で暴れ出す俺の手を頭上で一まとめにして抑えるける。
そして乱暴に性器を扱いながら俺に何度も口付けし、舌を絡める。
彼の声もまた、興奮に濡れていた。
「見ていたよ、君を。ずっと・・・こんな目で」
息をするのもままならない俺に、彼の言葉は上手く聞き取れなかった。
いや、聞き取る余裕がなかった。
「・・ふ・あっ・・・うあぁ・・厭だ・・」
「君に軽蔑されたっていいんだ。本当は嫌なんだけど・・・だって」
上り詰めていく直前に、ジンの指の動きが止まった。
「だってこうでもしないと、君は僕の気持ちに気付いてくれないだろ?」
ジンの顔は無表情で、熱っぽくて、ただ真剣だった。
しかし、最後の一言の時だけ、それが泣いているように見えた。
俺の瞳が揺れたと同時に、ジンは刺激を与える手の動きを再開した。
数秒焦らされたそれはさっきよりも大きな快楽となって俺を襲う。
「ひぁあっ!・・駄目だ・・も・・・!っ・・ぁぁあああ!!」
俺はとうとうズボン越しに精射した。
人の手で果てるのなんて当然初めてだったが、
そんなことよりも高まっていた熱を吐き出したことで、とにかく頭がいっぱいだった。
ジンは精射の感触を確かめてから、再び敏感になった俺のそこを握る。
そこは湿っぽくなっており、感触で精液が溜まっているのかがわかる。
ジンがそこを握るたびに、布越しにグチャという音が漏れ、
俺は耳を塞ぎたくなる衝動にかれられながらもビクビクと身体を震わせることしか出来なかった
「好きだよ、ユダ。僕の手で乱れる君がこんなにも愛しい」
そう言って、ジンは俺の額に先程とは打って変わった優しいキスをした。
「今日はこれ以上苛めないからさ。僕の気持ち、考えてよ」
そう言ってジンは替えのズボンをベットの端に置き、入浴をしてくると言って自室を後にした。
57境界線8:2006/03/26(日) 23:42:34 ID:oQAEZZ9f

扉が閉まる音がしてから数秒経って、俺はやっと身体を起こした。
その時後部の方へ流れていた自分の精液の滑りと踏みつけるグチャと言う音に驚きベットから飛び降りた。
まだ力の入らない身体で勢いよく立ち上がったせいで、俺はガクンとその場に転ぶように座り込んでしまう。
ぬるぬるとしたズボンの感触が気持ち悪い。
情事などまだ経験ないが、余韻はこんな感じなんだろうと冷静に思った後で、
自分は何を考えているのだとぶんぶん首を振る。
「あ・・・」
ついさっき我が身に起きたことを思い出して手で口を覆う。まだ、ショックなのだ。
涙は先程出しすぎたのか。
それともショックにショックの重ねると人間泣くことも出来なくなってしまうのか。
涙はもう出てこなかった。
親友の乱暴と、そして先程の優しさがまだ心に痛い。

「どうしよう・・・」

俺はそう呟くことしか出来なかった。


――――
今日は此処までで、続きます。
58触手地下生物 1:2006/03/27(月) 00:23:35 ID:/USzIGTM
投下します。異世界特殊組織もの、触手ネタです。全15レス程度。

----------------------------------------
皮膚の上を這い回る粘液質な感触に、レイヴンは眉を寄せ逃げるように顔を
背け唇を噛んだ。
しかし四肢を完全に拘束された彼に出来る抵抗はそれだけだった。声を上げ
たところで「それ」に言葉は通じないし、またこの場所では誰の耳にも届かない。
衣服は、そのほとんどが「それ」の分泌する特殊な粘液に溶かされ、引き裂
かれていた。唯一特殊素材で作られたジャケットだけが汚されながらも無傷で
残っている。襟元に刺繍された組織のエンブレムが視界に入り、レイヴンは屈
辱と後悔に強く目を閉じる。

+ + + +

二十年近く前に壊滅した敵対組織の隠れアジトが発見されたとの報告が入っ
たとき、基地に残っていたのはレイヴンとチームリーダーのブラッドだけだった。
山奥の森に埋もれた古い基地。だが近々その地方は開発の手が入ることが予
定されていた。民間人が近づく前に急ぎ本格的に調査し、危険の有無を確認し
て破壊あるいは封印しなくてはならない。
しかし、ブラッドは他の任務で出ている他のメンバーが全員戻ってから探索を
行うべきだと判断した。
その判断が、レイヴンには不満だった。

「ばかばかしい。《紫蛇》が根絶やしになって何年経つと思ってるんだ。今は
遺跡も同然だ。俺たちだけでさっさと片付けてしまおう」
「だが生体反応が出ている。何が残っているかわからない」
「おおかた野生動物の巣にでもなってるんだろう。クマやキツネが怖いのか、
リーダー?」
「違う。慎重になれと言っているんだ。ジェイたちが帰還するまで一時待機。
これは命令だ、レイヴン」
反論を許さない冷たい口調で言い切り、ブラッドはミーティングルームを出
て行った。
59触手地下生物 2:2006/03/27(月) 00:26:30 ID:/USzIGTM
(触手描写含。ややグロかも)

  
レイヴンは舌打ちした。
――慎重になれ? 違うだろ。あんたは俺を信用していないんだ。
彼はこのチームに配属されてまだ日が浅い。それなのに何かとリーダーに反発する。
ブラッドはそんな自分と2人きりで任務に就きたくないだけだ。
そもそも仲間達は今だってそれぞれ単独で任務に就いている。なら自分がだ
って一人で行く。この程度の仕事が片付けられないなどと侮られたくはない。


そうしてレイヴンはブラッドを出し抜いて、真夜中に一人打ち捨てられた基地に
もぐりこんだ。
予想通り、そこはすっかり廃墟と成り果てていた。壁に塗られた生物性の発
光塗料がまだ生きていて、打ち放しのコンクリートをぼんやりと照らしていた。
めぼしいものは何もなかった。せいぜい壊れた武器がいくつか放置されてい
たのと、研究施設らしき部屋がめちゃくちゃに荒らされていた程度。予想して
いた野生動物さえ見当たらない。
リーダーの臆病を嗤いながら、薄暗く埃くさい通路を抜け地上に戻ろうとし
たその時。
 
「それ」は、どすりと重く湿った音を立てて、レイヴンの目の前に落ちてきた。


大型の獣ほどもある、それはなんとも形容しがたい、しかし確かに生き物だった。
真珠色にぬめる体液に覆われた、ナメクジのような巨大な肉塊。地下の生き
物らしく透けそうなほど白い体には、感覚器官と思しきブドウ状の粒が不規則
に無数に浮かび規則的に収縮している。地面と接している部分には人の指ほど
ある触手が無数に生え、それが蠕動することで移動しているようだった。触手には
吸盤状のものも混じっていて、そこで天井に張り付いて獲物を待ち構えていたのだろう。
あまりにグロテスクなその存在にレイヴンの頭が真っ白になった。
その隙を突くかのように、長く伸びた白い触手が、すばやく彼の四肢を絡め取っていた。
60触手地下生物 3:2006/03/27(月) 00:29:37 ID:/USzIGTM
(微スカ表現あり)

「それ」はレイヴンの両手を頭上で拘束し、足を開かせ折り曲げて空中に吊るす姿勢で固定した。
やわらかく頼りなげに見える触手はしかし弾力があって力強く、戦闘訓練を受けたレイヴンの
抵抗さえもやすやすと押さえつけた。それでも抵抗を続けると、一本が彼の首に巻きついて、締め上げた。
呼吸と血流を容赦のない力で遮断され、命の危険を覚えた彼が反射的に抵抗
をやめると、首を絞める触手も緩んだ。まるで「それでいい」と言わんばかりに。
だがいつでも締め上げられるように巻きついたまま。

衣服はあっというまに奪い去られた。
何本もの触手が検分するように彼の体を這い回り、そこを発見するまでに大した時間は
かからなかった。排泄のための孔を探られ、レイヴンは嫌悪感に叫び声を上げて抵抗した。
だが「それ」は再び彼の首を締め上げた。意識がブラックアウトする寸前で解放すると、
急激に酸素を呼吸を許されて力の抜けた体にすかさずもぐりこんだ。
細い触手が体の内を這い回る未知の感覚にレイヴンは悶えた。
「やめ、やめろ……っ」
だが肉塊のような生き物に人間の言葉が通じるはずもない。
少しずつ少しずつ侵入するそれは、腸の内側を丹念に撫でるように蠢く。その動きにつれ、
視界に入る自分の腹の表面が僅かに動く。凄まじい違和感に生理的な涙が知らず目尻から溢れた。
その雫を、体を撫でていた一本が舐め取るように動いた。間近で見たその白い触手の表面には小さな
開口部があり、そこが口のように動いて涙を吸収した。
それを見てレイヴンは自分の腹の中で何が起こっているのか悟った。
こいつは、自分の腸の中の物を掃除しているのだ。丁寧にじっくりと、時間をかけて。
「いやだ……いやだいやだ……ッ!」
絶叫していた。未消化のものを直接に喰われることへの嫌悪から。
しかし何より耐え難いのは、触手が腸のある部分を擦ったときに、自分の体が嫌悪とは違う反応を示した
ことだった。背筋に電流が走るようなその感覚におぼえがあった。思い出したくもなかったが。
じわりと神経を侵食するそれは、快感。
61触手地下生物 4:2006/03/27(月) 00:32:24 ID:/USzIGTM

とはいえ「それ」は彼の嫌悪や快楽の反応にはまったく無頓着だった。ただ機械的
なまでに丁寧に、長い時間をかけて少しずつレイヴンの腸内を清掃しながら這い進むだけだ。
ときおりその先端の口が内容物と一緒に腸の内側を啄ばむ。内臓にはまとも
に感覚などないはずなのに、触手の分泌する粘液が何かの作用をもたらしてい
るのか、やけにはっきりとその動きがわかる。
それだけではない。ぬめる触手に触れられたところが皮膚も内側も熱を持ったように熱い。
そのせいで、冷たい触手に触れられることが気持ち良いような気までしてきた。
 
少しでも気を逸らしたくて彼は目の前のグロテスクな物体を観察した。
こんな生き物は見たことがない。少なくとも生物の図鑑に乗っているとは思
えない。まるで人間の悪夢を具象化したような――具象化?

ふと、先ほど目にした研究室の跡地を思い出した。
あそこには何があった? 遺伝子操作に必要な旧型の――しかし当時は最新
の――機器と、大きな培養槽の残骸がいくつも並べられていたではないか。
《紫蛇》は兵器の密造・密売を主としていた地下組織だ。そしてその兵器に
は細菌兵器や生物兵器も含まれていたという。
ならば――これ、は。


------------------------
ひとまずここまで。
62風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 00:36:51 ID:xn3bmrNV
ちょ、投下たくさん・・・
みなさん乙!
63風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 00:54:06 ID:C9gMIMEv
皆さん乙です。
いっぱい読めて幸せ。'`ァ(*´Д`)'`ァ

>>57
境界線さん、続いてください。
64風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 01:14:55 ID:N3rwetNm
みなさま本当に乙!!
65風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 01:34:08 ID:Rim1hdGZ
最近過疎化…と思ってたらいっぱい.゚・(ノдヽ)・゚・ウレシス
もう萌え禿げたよ!!代理たんに星王たんに境界たんに触手たんに…
みんなGJ!!続きワクテカしながら待ってるよ!!
66風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 01:42:24 ID:5uSqYsN5
ユヒトかわいそ杉。
王子は無能すぎる
67風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 02:21:53 ID:m+Q3qc8Y
皆さんー、もう乙!すごい交通量…。嬉しすぎ。
つい先日の日照りが嘘のよう。
どれから何をこうしてどうしたらいいのか…!アワワワ
68風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 08:03:38 ID:bx+uMWdo
皆様乙!

>前スレの面会タン
もし続きがあるなら読みたい
69風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 09:02:30 ID:InBkwOzc
ハダレキタコレ!
70風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 11:18:36 ID:wjhWbXnP
前スレ面会さんGJ。異物とやらを使って、そのあと少年が
また持って帰るのかしらwktk続きヨミタス!
71風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 12:02:54 ID:gaBGQUqy
触手タソ乙!触手スキーにはたまりません!
72風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 13:59:22 ID:rJjsdyBA
面会さんも触手さんも素敵
73風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 19:01:29 ID:iYw+ohRS
触手は801ナメクジを思い出してしまいました OTL
吊ってくる…
74風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 19:59:59 ID:N3rwetNm
心から乙!代理戦争ハァハァ!
75風と木の名無しさん:2006/03/27(月) 21:56:46 ID:L5SzKCiV
代理戦争スバラシス
まったく飽きません
76触手地下生物 5:2006/03/28(火) 00:03:50 ID:4DYqVmyx
>>58->>61続き

むくりと白い巨体が蠕動した。それと同時に、挿し込まれていた長い触手が引き抜かれる。
「あ、うあぁあっ!」
何十センチと押し込まれていた異物がいきなり引き抜かれる感触にレイヴンは声を上げた。
違和感と同時に敏感な箇所を一気に擦られ、刺激に視界が真っ白になった。
触手の分泌する粘液は神経を過敏にすると同時に随意筋の動きを低下させているらしく、
さっきよりも体の動きが鈍い。
手足を捕らえていた触手が緩んで、体が地面に下ろされた。解放されるのか、と淡い期待を
抱いたのもつかの間。ぐるりと体を裏返され、地面に両手両膝をついた姿勢で腰だけ
持ち上げられる。獣の姿勢だ。
「やめ……」
自分とこの生物のほかに誰も見ている者などいないのに、激しい羞恥に襲われてレイヴンは
逃げようとした。しかし首環のように巻きつけられた触手がそれを許さない。引き戻され、
手足もまた幾重にも絡みつく白い繊手に拘束される。
自分は一体どうされてしまうのだろう。生物兵器として作られた「それ」が何を目的として自分を
襲うのかがわからない。だが兵器なのだ。人間を害するために作られた存在なのだ。
そう思うと血の気が引いた。

そのとき濡れそぼちながらもまだ体を背から腕を覆っているジャケットが目に入った。
特殊素材とは言え布切れ1枚。身を守る役になど立たない。けれど何故か少しだけほっとした。
ブラッド。不意に彼の顔が脳裏をよぎった。
 
ああそうだ、あんたの言う事が正しかったんだ。
俺は経験不足の若造で、何もわかっちゃいなかった。
こんな風に忌まわしい化け物に好き放題にされてここで死ぬんだ。嗤えばいい。
だけど、こんな格好の死体をあんたの目に晒すことは耐えられない。せめてこいつが俺の死体を
全部食ってくれればいいのに。
いや、ただ死ぬだけならまだいい。こいつが何か危険なウイルスでも保有していて、俺の死体が
仲間達に迷惑かけるようなことになったら――。
くそ、なんて愚かだったんだ、自分は。 
悔やんでももう遅い。
77触手地下生物 6:2006/03/28(火) 00:05:39 ID:4DYqVmyx

項垂れれば自分の両膝の向こう、青白い生き物がずるずると動いて来るのが見えた。
あの巨体にのしかかられればその重さに耐えられるかどうかわからない。戦慄したが、
生き物は彼のすぐ背後で動きを止めた。
その代わりに、重たげな体の下部から今度はまた違った種類の触手が伸びてきた。
直径は5ミリ程度、ただしそれが何本も絡まりあって不定形の一本を形成している。
長時間にわたって犯され続けた部分に、それは躊躇いなく侵入してきた。先ほどよりも
ずっと大きな質量にレイヴンは息が止まりそうな衝撃を覚えた。
思わず這って逃げそうになる体を、白い首環と腰に巻きついた触手が容赦なく引き戻した。
細い一本ずつがそれぞれに異なる動きをしながら、これもまた丹念に中をかき回す。
先端から粘液が分泌されているせいでグチュグチュと湿った音が響き、こぼれた液体が
レイヴンの太ももを伝って落ちた。
「ふあ、あ……っ、あ、あ!」
衝撃が通り過ぎると、次に襲ってきたのは猛烈な快感だった。思わず高い声が上がった。
粘液になんらかの媚薬作用があるのは間違いなかった。その上で細い触手が次々に
前立腺を刺激する。だが「それ」にとって獲物である人間の快感などどうでもいいのだろう。
粘液も結果的に媚薬作用を備えているだけで、本来の作用は潤滑、あるいは別にあるのかもしれない。
ただ細かな動きで内側をほぐし、液体を塗りこめ、広げていく。だから幸か不幸か
決定的な快感は与えられず、もどかしさと安堵にレイヴンは呻きと涙をこぼした。
腕の力が抜けて肘が床に付き、そのせいで腰だけ上がった卑猥な格好になるが、もはや彼には
それさえ認識できない。ゆるゆると体を這う冷たい感触にさえ背筋が跳ねる。
立ち上がりかけている彼の性器に触手が気付いた。絡みつかれ、先端から溢れ始めた液体に
吸い付かれてあられもない声を上げた。自分の意思とは無関係に昂ぶっていく体が悔しかった。
78触手地下生物 7:2006/03/28(火) 00:07:17 ID:4DYqVmyx

絶頂に押し上げられるその寸前で、またも唐突に後孔を犯す触手が抜かれた。
突然に圧迫が消えた驚きに息を呑む間もなく、乱暴に体が裏返された。地面に
押さえつけられ、両足を大きく開かれて、3種類目の触手が自分の下半身へ
伸びていることに気付く。
先端が人間の男性器に良く似た形状のそれは、しかし先端のすぐ下の部分から
いくつもの球状の瘤が浮かび上がり、小振りなブドウの房のような形状になっていた。
その異様な形状の理由は、青白い肉が脈打ちながら半透明に透けるためすぐにわかった。
触手は、その内側に赤紫色の球体をいくつも抱え込んでいた。
それを見た瞬間、この生き物が一体自分に何をしようとしているのか、全てを悟った。
 
あれは、卵だ。

この生き物は、自分に卵を産みつけようとしている。
丹念に腸の中を清掃したのも、執拗に中をほぐし粘液で満たしたのもすべて、卵のため。
卵が着床し、孵化までの間を過ごすのに最適な環境を作るための作業。

79触手地下生物 8:2006/03/28(火) 00:09:28 ID:4DYqVmyx
(産卵)



ゆる、と男性器の形をした産卵管が動いた。
蛇が鎌首をもたげるような姿勢で、じわじわと狙いを定めて両足の間に下りてくる。
いやだ、と彼は口走った。
耐えられなかった。自分の体の内側であんなおぞましい異形を育てるなんて。
殺された方がマシだと思った。暴れようとしたが四肢を束縛する触手はびくとも
しなかった。できる抵抗は散々にわめくことだけだった。
「いやだ……いやだいやだやめろやめろ! 誰か! ブラッ……!」
言葉も途中で遮られた。4種類目の触手が伸びて彼の口腔に侵入し、舌と顎の
動きを押さえつけた。粘液の生臭く鉄くさい味が口内に広がった。噛み切ろうとしたが
無駄だった。ねばつく表面は絡みつくように彼の歯を押し返す。
ほぼ同時に下半身にも三度目の侵入を許してしまう。しなやかさに欠ける産卵管は、
先端から液体を溢れさせ、そのいびつな自身で内壁を執拗に擦りながら
卵を守るようにじっくりと侵入してくる。恐ろしいのに、不快なのに、刺激だけは絶望的に甘かった。
深くもぐりこんだそれが捻るような動きをした。慣らされた内側が連続的に痺れるような
快感を訴え、限界近かったレイヴンは不覚にも達した。
それが合図となったかのように、十分に奥まで侵入した産卵管が収縮するように脈動した。
先端から卵が排出される。脱力したレイヴンの体中に産み付ける。いくつも、いくつも。
80触手地下生物 9:2006/03/28(火) 00:10:50 ID:4DYqVmyx
(産卵)


おかしくなりそうだった。
口を塞がれているにも関わらず大声を上げそうになった。
しかしその口内に、触手の先端から大量の液体が噴き出した。
生臭く鉄くさいのにどこか甘く濃厚な味。舌にまとわりつくような脂肪分から、
高カロリーの栄養液なのだと狂いそうな頭のどこかが冷静に判断していた。
卵を育てるために十分なだけの栄養を供給しているのだ。それがわかったから
飲み込むのを拒否したが、栄養管は喉の奥までもぐりこんで強引に胃へと液体を
流し込んだ。吐きそうになるが吐き出す余裕さえない。
 
卵は順調に産み付けられているようだった。
腹部の妙な膨張感と、異物感。それを誤魔化そうとするように覆い被さる快感。
自分はどうなるのだろう。
卵が育って、孵化して。腹を食い破って無数の異形が生まれてくるのだろうか。
そうして何匹にも増えたコレが、仲間達を襲う。
仲間達を。

――ブラッド。
目尻から涙がこぼれた。こぼれる端から触手に吸われた。それでも涙は流れ続けた。
尊大で冷徹なリーダー。だけど間違った判断は一度だって下さなかった。
だからこそみんな彼を信頼していて、自分はそんな彼が羨ましく、ねたましかった。
彼に信頼されたかった。実力を認めて欲しかった。

彼のように、なりたかった。

81触手地下生物 10:2006/03/28(火) 00:13:06 ID:4DYqVmyx
(産卵)


 
卵が全て産み付けられた。
半透明の産卵管の中を、白く濁った液体が流れてくるのが見えた。
精液だろうか。生みつけた卵に受精させるつもりなのだ。
あの生き物は雌雄同体らしい、とどこか醒めた頭で考えていた。それが何か可笑しくて、
栄養管が抜けた口で小さく笑った。
ごぽりと下腹部で音がした。
勢いよく流れ込む液体の感触。触手は溢れるほどに精を注いで、それだけでは飽き足らず
こねくるように先端が動いた。無意識に体がびくびくと跳ねた。もう一度達していた。

疲れきってちらりと視線を上げると、5種目の触手が額の真上に迫っていた。
その先端に、鋭い針。
蜂の一種は芋虫を捕らえ毒でマヒさせて、その体に卵を産むのだという。
では自分は芋虫というところか。馬鹿な話だ。相手の方がよっぽど芋虫めいた形を
しているというのに。
レイヴンは目を閉じた。
最後に彼に会うことが叶わないなら、せめて瞼の裏に思い出そうと思った。

額にひやりと冷気を感じた。
――さよならだ。



------------------------------------
連続投下失礼。今日はここまで。
明日で終わりです。
82風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 00:25:19 ID:YcPinwL2
産卵キタ━━━━(*´Д`)━━━━!!!!
触手だけでも大好物だっていうのに
もう…GJです!!!!続きwktk
83風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 00:30:37 ID:W1We4Zmz
この絶望と緊迫感、堪りませんな。
乙です。
84風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 01:21:49 ID:fcVx9vLe
触手系はまったく興味なかったのに、話に引き込まれました(*´∀`)
85風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 12:55:46 ID:oSumwl0F
801産卵初めて読んだ(*´Д`)ハァハァ
触手たんGJ
86風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 13:34:04 ID:7pULHQGx
触手モエス GJです(*´Д`)ハァハァ
87境界線9:2006/03/28(火) 17:03:39 ID:btr24MBw
>>49->>57
続きです。

―――――

朝日が何時も以上に目に痛かった。
昨日はジンの部屋に備え付けられているバスルームを借り、下半身の汚れと涙の痕の残る顔を洗った。
ちゃんとして部屋に戻り、そのままベットに身を沈める。
暫く眠れなかったのだが、頭まで布団を被り根気良く目を瞑り続けていたらいつの間にか眠りに落ち朝になっていた。
寝た気がしない。
泣いたせいで目が赤く腫れ、光がまぶしすぎる。
「どんな顔をして、ジンに会いに行こう・・・」
任された仕事をほったらかすわけにもいかない。
彼を嫌いになったわけではないが、気が重かった。
『俺の気持ち、考えてよ』
あの時の言葉が頭に浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
ちゃんとした応えはまだ見つからない。
だがやはり、今更彼を恋人として見ることは出来ないのだ。
今日ちゃんと言おう。
事を曖昧なままにして彼の目を見れなくなるなんて嫌だと思った。
ちゃんと伝えて、ちゃんと解決したい。
きりきりと締め付けるようなこの胸の痛みが早く治りますようにと、柄にも無く太陽の神に祈った。
88境界線10:2006/03/28(火) 17:04:35 ID:btr24MBw

「ユダ殿、今日はどうしたんです?」
朝食を摂りに行こうとすると必ず廊下で彼と出くわすので、
朝ハキムが俺の隣を歩くのは自然なことになっていた。
「気にしないで下さい、ちょっと・・・」
この先を言うわけにはいかなくて、語尾を濁らす。
ハキムは気になったようだがそれ以上深く聞いてはこなかった。
「疲れているならいつでも私の部屋に来なさい。きっとリラックスできるから」
優しい声で、柔らかい微笑でハキムはユダに話し掛ける。
「ありがとう御座います」
そんな彼の言葉に俺は安心し、素直に御礼を言った。
「ユダ!!」
正面から叫ぶように名前を呼ぶ声。
聞き覚えがあるかないかより先に身体が強張った。
「ジ・・。お、王子」
危うく他の使用人の前で名前を呼びそうになる口を抑える。
「用事があるんだ、ちょっと来い!」
つかつかと歩み寄り、そして俺の手を引っつかむとそのまま連れて行かれてしまう。
周りのものは一瞬ぽかんとしていたが、すぐさま笑い出した。
「同年代が相手だと王子も楽しいのだろう」
「やはりあの年端よき友を持たねばな」
みんな口々に会話し、食事の間へと向かった。
最後まで俺たちの消えた方角を見つめていたハキムも、不敵な笑みを洩らしながら
皆と同じ道へと振り返り歩いていった。
89境界線11:2006/03/28(火) 17:05:34 ID:btr24MBw
「ジ、ジン・・・?」
角を曲がったすぐそこで、俺はジンに口を抑えられながら壁に押し付けられていた。
「しっ!まだしゃべるな」
皆が食事の間へと消えていったことを確認すると、ジンは俺の口から手を外した。
「よし、行った行った」と独り言を言っているジンを目の前に、俺は昨日のことを思い出して俯く。
ちゃんと言わなければ。心の痛みが、少しだけ強くなった。
「ジ、ジン。俺な・・・」
「ユダ!」
「え?あ。な、なんだ?」
言葉を途中でぶった切られ、俺はついジンの言葉を優先してしまう。
「今までの事は置いといて、今日からでいい。ハキムと行動するな」
「は?」
行きなり何を言ってくるのだろう。
「ジン、だから俺は仕事に私情は挟ま・・・」
ドン!と、ジンは俺のすぐ横の壁を握り拳で殴りつけた。
俺の身体が強張る。
鋭いジンの瞳が、まっすぐ俺を見つめてくる。
近づいてくるジンの顔に昨日のことを思い出して、意識する前に俺の身体が震えた。
唇が重なりそうな位置で、ジンの動きが止まる。
それと共に動き出したのはジンの唇だ。
「これはお願いじゃなくて命令だ。王子の命令に使用人が逆らったら・・・」
そのままジンの唇が俺の唇に押し当てられる。
「っん!!・・ん・・んっ」
奪うような口付けに抵抗するが、両腕を折り曲げた状態で力が入らない。
ちゅっと音を立てて、ジンの唇が離された。
「もっと酷いことする。ユダは頭がいいからわかるだろ?」
そう言って、ジンは俺の動きを封じていた腕を放した。
90境界線12:2006/03/28(火) 17:06:57 ID:btr24MBw
「あのな、ジン?昨日のことなんだけど・・・」
「・・・何?」
やっと話を聞いてくれるようなので俺はほっと胸を撫で下ろした。
「考えてくれって言っただろ?俺やっぱお前のことは親友としか見れない」
それだけ言って、俺は沈黙に耐えた。
ジンは目をそらさずにじっと俺を見つめてくる。
一分ほど経っただろうか。時間がやけに長く感じた。
ジンの口がやっと開かれた。
「君がなんと言おうと、誰が何を言おうと、俺は君を手に入れるつもりだから」
少し間を置いてジンがニコリと笑う。
「ごめんな。君の言葉は聞こえない」
出来るだけはっきり伝えなければと考えた返答、その言葉は物の数分で意味をなくしてしまった。
ジンの掌が俺の頬を撫ぜる。
「だってそんな一言で終わらせられる恋なら、とっくの昔に諦めてるだろ?
 僕は不必要に君を泣かせたりはしないよ」
ジンはいつもと代わらない瞳で俺を見つめる。
やっと解った。これは愛しい者を見る目なのだ。手に入れたい者を見る
彼はずっとこの目で俺を見ていたのだ。
「・・・俺は、お前を友として愛してる」
せめてもの抵抗の言葉だった。
これ以上この親友には逆らえないと、そう感じてしまったから。
身分なんて関係なかった。
ただ、彼は昔と変わってしまったわけじゃないから、他に言葉が見つからなかった。
昨日起きた事ねんて人生の中のほんのエピソードでしかない。
起こることが始めから確定していたエピソード。
彼が豹変してしまったように思えたのは、それがあまりにも突然だったから俺が勝手にそう感じたのだ。
俺とジンは昔から何も変わっちゃいないのに。
91境界線13:2006/03/28(火) 17:08:03 ID:btr24MBw
共有していたと思っていた想いの真実は俺だけが気付いていなかったすれ違いだ。
友達、恋人、楽しい、愛しい・・・好き。

「なあユダ。友達と恋人の境界線なんて、ブチ壊しちゃおうよ」
壁に押し付けるように俺を抱きしめて、ジンは囁いた。
「この国て一番困難であるはずの『身分』って壁を乗り越えられた僕達なら出来だろ?」
俺は何も言わなかった。
何も言わない代わりに、もう抵抗もしなかった。
心は絶望に満ちているはずなのに、何故か胸の痛みは起きなかった。


・・・幼い頃、まだ二人が無邪気に遊んでいたその頃。
何をして遊んだだろう。狭い秘密基地で出来ることなら何でもやった。
砂遊び、かくれんぼ、商人ゴッコ・・・。
本来女の子が好んで遊ぶようなオママゴトでも、ジンと二人でやれば楽しかった。
ジンが喜べば、俺は嬉しかったし楽しかった。
『僕はユダのためならどんな手段を使ってでも城を抜け出して会いに来るよ』
『俺はジンのためならどんなに日差しが強い日でも此処で待っていて迎えるよ』

会う度に言い合った言葉は今も忘れはしない。
抱きしめてくるジンの背中に、俺の手が回ることは無かった。
そんな俺の心の内を、ジンがどう取ったかなんて俺には解らない。
ただ互いの心の曇りが払われなかったということだけはよくわかった。
92境界線14:2006/03/28(火) 17:09:06 ID:btr24MBw


暗い出来事が続いていたせいか、俺は疲れきっていた。
あれから何度目になるだろう溜息を漏らす。それもいつの間にかクセになっていた。
ジンは父親である国王に連れられて狩りへ出かけていった。
隣国の国王と勝負するのだろ張り切って出かけていった国王を見送ったのはほんの数時間前だ。
二日は帰って来ないからと言われ、俺はその間自動的に休暇をとれることになる。
特にすることもなく、珍しく自室のベットに横たわって暇な時間を過ごしていた。
この部屋にある本棚の資料は全て読み尽くしてしまった。
かといって、他に暇つぶしの利くような物はこの部屋には無い。
本日五回目になるだろう寝返りをうちながら、俺はジンのことばかりを考えていた。
「二日間会えないのか」
素直に寂しいと思った。
此処毎日ずっと一緒にいたのだ。
当然違和感はあるしどんなことをされても俺はジンが好きだった。
その気持ちはやはり『友人として』ではあったが。
今ごろジンは隣国の王子と狩りを楽しんでいるのだろう。
なんだか嫉妬してしまう自分が可笑しくて、顔が綻んでしまう。
しかし、ジンがその王子に向ける目と俺に向ける目の違うを思い浮かべる度、
暖かくなりかけた俺の心は冷めてしまうのだ。

不意にドアをコンコンとノックする音が聞こえた。
俺はすぐさま立ち上がり、ノブをガチャリと回す。
「はい、どなたで?」
「私ですよ、ユダ殿」
半開きになったドアの隙間からひょこりと金髪の白肌が覗く
93境界線15:2006/03/28(火) 17:13:49 ID:btr24MBw
「ハ、ハキム殿!?」
俺は驚いて中途半端に開けたドアを全開にする。
「今日は休暇を頂いてると聞いたので」
「あ、ええ。王子がお出かけになったので」
そう応えると、ハキムはにこりと笑う。
「どうです?暇を持て余しているようなら私の部屋に来ませんか?」
そういえば、前々から誘われることが何度かあった。
ジンに釘をさされていたので忙しいと断ってきたが、今日は断る理由が見つからない。

俺はジンの言い付けも守れないまま、仕方なくハキムの部屋を訪れた。
「・・・お邪魔します」
入ってみて驚いたのは彼の部屋の観葉植物の数だ。
ハキムはこの城の中でも特に上司に当たる。
だからだろう。一人分の部屋がやけに広かった。
二十はあるだろうか。
一つ一つ鉢に入っており、ざっと見るだけでも全てに管理が行き届いているのがわかった。
「適当に腰掛けていて下さい、今紅茶を淹れます」
そう言いながら植物の葉を二三枚ちぎって部屋の奥へと消えた。
(あれで飲み物が作れるのか)
珍しいものを見たと俺は感心しながら、言われるがままに近くのソファーに腰掛ける。
ジンの部屋ほどではないのに、この広い部屋ではやたら緊張した。
彼は物集めが好きなのか、壁に飾られた仮面の数々から視線を感じずにはいられない。
「そんなに私の部屋が珍しいですか?」
後ろから聞こえた声に俺はびくっと肩を揺らす。
「い、いえ」
94境界線16:2006/03/28(火) 17:14:25 ID:btr24MBw
キョロキョロしていたのが見えていたのだろう。
俺は縮こまった。
目の前に出されたのは紅いお茶。
「私の母の祖国では一般的なお茶ですよ」
いい香りに誘われて俺の手がカップを取りそのまま口に運ぶ。
良い香りが口の中一杯に広がった。
「美味しい・・・です」
初めての味わいに思わず呟いた。
そんな俺の感想に満足したのか、彼も自分の紅茶をすする。
「ユダ殿は、恋人はおい出で?」
急な質問に俺は危うく紅茶を噴き出しかける。
「い、いえ。まだ」
女性とは何度か付き合ったことはあったが、一週間持てばいい方だった。
思えば、彼女達の期待にちゃんと応えてやった記憶はない。
とにかく沢山勉強して賢くなって、城内に勤められるようになりたかったから、
それどころじゃなかったのだ。
「意外ですね」
本当に驚いたた顔で、ハキムは俺を見た。
そして、切れ長の目を細めながら呟く。
「私はてっきり王子様とデキてるかと思ってましたよ」
今度は噴き出すのは堪えたが、器官に入ったせいで俺は勢い良く咳込んだ。
「・・・っ。そんなわけ・・・」
ないと言いかけて、俺はジンの目を思い出す。
詰まってしまった言葉に被せるように、俺は「俺は王子の教育係です」と呟いた。
此処に居たくないと思った。
ジンの事を思い出したとたん、早く此処から出て行かなくてはと俺の中の防衛本能が働いたのだろう。
俺は飲み干した紅茶のカップをテーブルに戻し、「今日は失礼します」と言ってドアのある方へと向かった。
ドアノブを回す。
ガチャリと、何かが引っ掛かる音がした。
(・・・開かない)
95境界線17:2006/03/28(火) 17:15:05 ID:btr24MBw

「何の・・・ご冗談ですか?」
後ろを振り返ろうとしたその時、急に膝の力が抜け、俺は床に倒れ込んだ。
何が起こったのか解らなかった。
ただ体温の上がっていく身体に目眩を起こしながら、近付いてくる足音に身を震わせた。
「貴方が頬を色付かせたところなんて、初めて見ましたね」
そう言って、白く長い指が俺の頬をなぞる。
ジンに触られた時とは正反対に、俺の身体は一瞬にして全体に鳥肌が立った。
「思っていた通り、可愛らしい」
ハキムは俺の身体を軽々と抱え上げ、そしてベットの上に放り投げた。
力の入らない俺は、しかし、どうにか逃げようと腕に力を込めて身を引きずる。
ハキムはそんな俺を鼻で笑いながら、ベットの脇に隠してあった枷を取り出し
俺の両腕を頭上で拘束してからガチャリと鍵をかけた。
そして、内向きになっていた身体を表に返し、枷に付いた鎖をベットの端に固定する。
「元平民の方はこうされるのがよくお似合いですな」
訳が解らないまま急に浴びせられた屈辱的な言葉に俺はただ腹が立って唇を噛み締める。
「元平民で何が悪い!俺は枷を填められるような罪人じゃない!!」
精一杯の怒りを込めて睨み付け、敬語を使うのも忘れて怒鳴った。
しかし、ハキムはますます満足した顔をしながら俺の頬や首筋を撫ぜる。
「いいですね、その反抗的な態度。そうでなくては面白くない」
何を言っているのだろう。
解るのは今の俺の行動が逆効果だったて言うことだけだ。
ハキムの指が俺の身に纏っているものに手をかける。
元々上着はベール一枚を巻いて布で腰を縛っているだけのものだったから、
両腕を拘束されていても脱がすのに手間はかからなかった。
上半身を裸にされて、俺はやっと自分の身にこれから起きる悪夢を察し、暴れ出す。
胸から腰にかけて白い手が撫で下ろし、同じ所を何度か往復する
そしてまだ柔らかい胸の突起を摘み、指先でコロコロと弄んだ。
それだけなのに、俺の体温は上がる。
彼の指が身体に触れるたびに、俺の身体は意思に反してビクンと脈を打つ。
今日は身体がおかしすぎる。
96境界線18:2006/03/28(火) 17:15:39 ID:btr24MBw
「・・・お、俺に・・・何を飲ませた?」
息が上がるのを堪えながら、やっとの思いでそれを言葉にした。
此処に来て、俺が口にしたのはハキムの淹れた紅茶だけだ。
あの中に何か入っていたとしか思えない。
「この部屋にあるのはただの観葉植物じゃないのですよ。不自然に思いませんでしたか?
 ちぎった葉をそのまま紅茶にするなんて」
さも可笑しいと言わんばかりにハキムは笑い出す。
異国の飲み物の事情など分るわけないだろうと心の中で悪態づく。
この部屋には未知の物が多すぎるのだ。
針葉樹やサボテン以外の植物自体、俺は実物を見るのが初めてだった。
「そうですね、あの植物の葉には俗に言う『媚薬』作用が含まれているのですよ」
聞いたことはあった。
媚薬・・・。確か強制的に快楽を引き出す薬だ。
「そこ等の安物なんかじゃない。これは私の趣味ですが、植物の成分を調合して
 より一層強力な作用をもたらすように手が加えられた、言わば新種なんですよ」
そう言って布越しに股の周りを撫ぜる。
既に固くなりかけたそれには触れず、腰、腹、太ももをむず痒いような手つきで這い回る。
空いた片手では紐で括られた紙の束になにやらメモをとっていた。
「この作用を試すなら貴方が適当だと思っていたんですよ。どれだけ投与すれば貴方ほどの人は反抗する気がなくなるか・・・」
ベット付近の小さなテーブルに置いてあった袋を返す。
中からは数十本もの針が出てきた。
この針の表面に、あの植物の汁が一定の量で塗られているのだろう。
その一本を手に取り、ハキムは拘束された俺の腕にプツリとそれを刺した。
「・・・・っ!」
鋭い痛みが走った後針は抜かれた。そこは熱く熱を持ちながら麻痺する。
「・・・ひっ・・」
血液に混じって薬が身体中へと広がるのが分かった。
「反応が現われるのはピッタリ一分」
ハキムは手元の紙にメモをする。
そして俺の上に覆い被さると、首筋を舌の先でなぞる。
97境界線19:2006/03/28(火) 17:17:24 ID:btr24MBw
「・・ぁ・・や、やめろ!触るな!」
ぶんぶんと頭を振りながら、熱を持った身体で抵抗する。
「厭ですか。ならこっちは?」
ハキムは俺の頭を横にして抑えながら、耳にかかった髪を退けそこに熱い息を吹きかけた。
「ぅあ・・・ゃ、厭だっ!」
ぞくぞくと身体に何ともいえない感覚が走る。
「耳でこんなにも感じる人は初めてですよ」
くすっと笑う際にかかるその風にも身体が跳ねる。
ハキムは楽しくなってきたのか弱いと分かった耳の中に舌をねじ込んだ。
「ぁあっ!!」
熱い物がぬるぬると耳の中を濡らしていく。
枷の向こうでは俺の両手が握ったり緩んだりを繰り返していた。
何分間そうした刺激を与えられただろう。
俺の手から完全に力が抜けたのを確かめ、ハキムの舌が俺の耳を開放した。
ぬるっと唾液の糸をが引く。
濡れたそこだけが風に当たる度に冷たく感じ、俺は身を震わせた。
「ペニス以外の性感帯への効果も良し」
メモを取りながらハキムはターゲットを替えるように胸の突起を甘噛みした。
そこは刺激を与えられる前だというのにさっきよりも固くなって疼いている。
「なるほど、開発すれば感じる素質のある性感帯なら全て作用する。我ながら素晴らしい出来だな」
自画自賛しながらハキムは他に作用している性感帯を探ろうと俺の身体をいやらしい手つきで触りまくる。
俺は唇をかみ締めながら拷問のような刺激に耐えた。
良い結果が取れたのか、ハキムは充分に納得しながら俺を見下す。
「すみませんねぇ。記録に夢中で焦らしすぎちゃいましたか?」
荒い息をしながら熱に犯される俺を見て、彼は微笑する。
その顔が憎らしくて仕方が無くて、俺は「ふざけるな!!」と叫び睨みつけた。
逆効果だとわかっていても目の前の男に大人しく服従するなんてプライドが許さなかったのだ。


―――――
此処までで、続きます。
長い上にエロが少なくて申し訳ないです。
98風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 18:31:33 ID:UJL6wNIJ
萌え死んだ…
99風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 19:04:50 ID:JBQUpK40

【ゴールデンレス】
  ∩ ・∀・)∩∩ ´∀`)∩  このレスを見た人はコピペでもいいので
   〉     _ノ 〉     _ノ10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
  ノ ノ  ノ  ノ ノ  ノそうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
  し´(_)   し´(_) 出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
100風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 19:08:36 ID:4u9u5BND
境界たんGJ!!ちゅーか王子何故近付いちゃいかんのか教えとけw
101触手地下生物 11:2006/03/28(火) 21:44:19 ID:4DYqVmyx
薄ら寒い地下に銃声が響き渡った。
レイヴンははっと目を開いた。同時に、四肢を捕らえていた触手が大きくうねって
彼を放り出した。コンクリートの床に投げ出され痛みに呻く。
続く銃声。生物のぬめる体表に小さな穴がいくつも穿たれ、巨体が苦痛にのたうった。
触手が激しくコンクリートを叩く。
「いい格好じゃないか、レイヴン」
銃を片手で構え射撃を続けながらにやりと笑うその人の姿に、レイヴンは我が目を疑った。
「ブラッ……ド」
流し込まれた液体で粘つく口からは、何故ここに、という問いが上手く出てこなかったが、
相手には十分通じていたようだ。
「お見通しだ、お前の考えることくらい。だが……」
まじまじとレイヴンの姿を見て、リーダーの表情が険しくなる。
ここへきて生物がようやく反撃に移る。何本もの触手が伸びてブラッドの体を絡め取ろうとする。
「危な――」
警告するまでもなかった。彼は銃と反対の手でナイフを抜き放ち、迫る触手を一刀で切り払った。
真珠色の体液を撒き散らしながら触手がのたうち、見る間に縮んでいく。
「《紫蛇》の生物兵器、NAGシリーズの繁殖個体だな。捨て置かれて野生化したか。
恒温動物を孵卵器代わりにするとはタチが悪い。だが弱点は――」
ブラッドの姿が一瞬掻き消えたように見えた。
次の瞬間、彼の姿は生物のすぐ傍にあった。
「第4感覚点直下の核、だ」
銃口を粘液にまみれた皮膚に押し付け、引き金を引く。銃声一つ。
舞い狂っていた触手が、スイッチが切れたかのようにぱたぱたと地面に落ちた。
丸々とした肉塊が張りを失ってだらりと緩む。
生物兵器NAG-P00は、永遠に生命活動を停止した。
102触手地下生物 12:2006/03/28(火) 21:45:03 ID:4DYqVmyx
「だから言ったんだ、慎重に行けと」
銃とナイフをホルダーに収め、ブラッドは部下に歩み寄る。
「短慮、独断的、総じて未熟」
ずばずばと欠点を指摘され、体を起こしかけていたレイヴンは思わず視線を逸らした。
コンクリートの床に、針を持つ触手が途中から切り離されて転がっている。
切断面の形から、銃弾で打ち抜かれたのが見て取れた。おそらく最初の銃声だ。
「……だがまあ、お前のそういう攻撃的な性格は気に入ってる。怪我はなかったか」
ブラッドは傍らにしゃがみこみ、レイヴンの肩に手を置いて顔を覗き込んだ。
その表情が予想以上に優しく、レイヴンは戸惑った。そして自分の格好に気が付き、
かっと頬を赤くする。
「その様子じゃ怪我はなさそうだが――やられたな。早く出せ。あれは繁殖用の
生産個体だから毒性はないが、生まれる子は獰猛だ。38度前後の湿潤な環境に
置かれれば――」
彼の手が臍の下に触れた。
「――すぐに孵化する」
指先がぐっと皮膚を押す。腹の奥で、体内に産み付けられた卵がひしめきあって腸壁を
圧迫し、刺激が甘い電気のように脳天まで駆け上った。
「う、るさい」
喘ぎ声をこらえてそれだけ言うのが精一杯だった。
手を振り払い体を離したが、身じろぐだけで詰め込まれた卵が敏感な体内で擦れ合って
不規則に動き、とても平静ではいられなかった。とにかく早くどうにかしてしまわなければ。
膝を付くと、自分の後孔に指をあてて広げる。
「おやおや、随分挑発的な格好だ」
「うるさい、お前が出せって……いいからむこう向いてろ」
「断る。なんなら手伝ってやろうか?」
「ご免だ。くそ……」
毒づきながら、レイヴンは自分の体内に指を入れて、腹に力を込めながら掻き出した。
半透明の液体にまみれた赤紫色の球体が、糸を引きながら転がり落ちる。
ひとつ。またひとつ。
103触手地下生物 13:2006/03/28(火) 21:45:50 ID:4DYqVmyx
 
「いい眺めだ」
「この変態……!」
「助けてもらった恩人にその言い草か? そういえばまだ礼を聞いてない」
「後にしろっ!」
息を荒げてレイヴンは叫んだ。すぐに終わると思ったのに、腸壁に塗りつけられた
粘液が接着剤のような役目を果たしていて、奥の卵がなかなか出てこない。
おまけに粘液の媚薬効果はまだ続いていて、己の指の動きにまで感じてしまう。
ましてやブラッドの目の前。そう考えただけで余計に体温が上がる。
だが羞恥より体内であれの卵が孵る恐怖心が勝った。
目を伏せて必死で己の体内を探る。忌々しいことに性器が首をもたげはじめる。
2度も達かされた後だというのに。頬が熱くなる。
ブラッドが笑う気配がした。
「ああ、気にするな、生理的反応だからな」
畜生、こいつもあの生物に犯されちまえばよかったんだ!
言葉もなく罵倒して、ようやく最後の卵を排出することに成功した。
どっと力が抜けてレイヴンは冷たいコンクリートに倒れこむ。
104風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 21:49:03 ID:gw6QDMM5
>>99
こういうので即興書いた神がいたのを思いだした
105触手地下生物 14:2006/03/28(火) 21:50:43 ID:4DYqVmyx

「これがNAGシリーズの受精卵か」
リーダーの指が粘液にまみれた卵を摘み上げるのを、レイヴンは横目で見ていた。
「触るなそんなもの」
「貴重品だぞ、NAGシリーズはもう市場に流通していない。それに……」
横たわるレイヴンの視界から彼の姿が消える。
背後に回られたのだと気付くのと同時に、尻に触れる冷たい感触。
「な……っ!」
抵抗の間もなく抑え込まれ、膝を開かされた。さっき苦労して排出したばかりの卵が再度、
体内に押し込まれる。信じられないことに、立て続けにいくつも。
「馬鹿、何しやが……ぁ……ん!」
「いや、産卵するお前の姿も、なかなか悪くなかったからな」
「ン、何言って、ぅあ!」
起き上がって反撃しようとしたが、そのまま胸に抱きとめられるようにがっちりと拘束される。
指は挿し込まれたまま、押し込んだ卵をつついている。
――ブラッドの指が、入っている。
冷たく濡れた触手とは違う、温かい指。
意識しただけで膝ががくがくしてきた。
きっとこれは媚薬効果のある体液のせいに違いない。きっとそうだ。
卵を入れられて恐ろしいのに、今までで一番快感を覚えているなんて。
やめろ、内側を撫でるな。

ブラッド、と呼ぶ声が懇願するように掠れた。
「とりあえず、命令違反の罰は受けてもらおうか」
脳が熱く霞んで、彼の声がまるでどこか遠いところから聞こえるようだ。
 
 

-------------------------------------
終わりです。
ありがとうございました。
106風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 21:53:46 ID:aUOXajEr
触手タソ、GJ!!
できることなら、命令違反の罰も…罰も!!
リアル投下で、wktkしながら読んでました。お疲れ様でした。
ありがとう。
107風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 21:59:46 ID:UvuG+gLF
触手タン乙でした!
十数レスの中で繰り広げられる濃密エロにハアハアです。
特に産卵シーン最高ですた。
108風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 22:45:52 ID:cEw8J8UE
触手タン大好きーーー!!
孵化した子供が、レイヴンタソをあんあんいわせながらいっぱい産まれてくるの
かしらハァハァ…!! 産卵がこんなにステキなのは初めて読みました。GJ!!!!!!
109風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 23:39:20 ID:YcPinwL2
続きハァ━━━━;´Д`━━━━ン!!!!
真の鬼畜ネ申が助けにキタコレ
視姦とか一度産んだ卵を体内に戻されるとか
何もかもがツボですた GJです!!!

自分も命令違反の罰の部分を禿げしくキボン…
110風と木の名無しさん:2006/03/28(火) 23:39:56 ID:Ptavgy+T
遅レスだけど、

>>24
代理戦争タン乙乙乙!超GJ!
111風と木の名無しさん:2006/03/29(水) 00:00:17 ID:4u9u5BND
同じく触手たんのその後のお仕置プレイも希望…続きを書いて欲しい
112風と木の名無しさん:2006/03/29(水) 00:01:55 ID:v8QCgv/I
境界線さん最高!続き待ってます〜
113境界線20:2006/03/29(水) 01:51:43 ID:4drZCjAG
ハキムは俺のズボン取り払い、股を大きく開かせる。
そこはもどかしい刺激に耐えかねて固くそそり立ち、天井を向いていた。
先端の窪みから先走りが零れ落ち、ぬるついたそこは明かりに晒されてかてかと光る。
恥ずかしさと情けなさで身尻に涙が浮かんだ。
「おやおや、こんなになって・・・」
ハキムは俺の性器を片方の手で握りこむ。
「・・・んっ!」
それだけで俺の身体に電気が走った。
「はぁ・・・んっ・・んっ・・」
性器を上下に抜かれるたびに俺の喉の置くから不本意にも声が漏れる。
刺激によって堪らず溢れ出している先走りを巻き込んで、そこからは液体特有の卑猥な音が室内に響いた。
時に根元の裏をついっと指の腹で撫で上げられると、そこは益々熱を持つ。
上り詰めてくるものが堪えきれなくて、俺はハキムの手の中で精射した。
「はぁ・・はぁ・・」
「一回目の精射は一分足らず。普通なら早い方だが・・・薬が働いてる割には遅い、と。
 それにしてもたくさん出しましたね」
くすっと笑いながら、ハキムは腹にかかった精液を指で掬い、目の前でわざと音を立てながら糸を引かせた。
目を逸らそうと思い俯くと、ちょうど自分の腹と、その後ろで少しだけ萎えた性器が見える。
浅黒い肌に、白く濁った液体のコントラストが羞恥心を増幅させた。
「終わったんだろ・・・早く開放しろよ!」
俺の声は震えていた。泣き声に近かったと思う。
早くこの場から逃れて風呂に入りたかった。
汚された身体を洗い流したかった。
しかし・・・この考えの甘さが、俺を益々絶望に陥れた。
114境界線21:2006/03/29(水) 01:52:34 ID:4drZCjAG
「まさか。こんなのはまだ前戯じゃないですか?」
俺は驚いたようにハキムを見た。
その様子に、ハキムはやれやれと銀で縁取られた眼鏡を押し上げる。
「まさか本当にあの王子様がまだ手を出していないなんて、ね」
先程と同じ指で、さっきより多く腹に残る精液を掬う。
そして俺の性器を通り越し、その後部。
そう、本来ならば排出にしか使わないその場所にぬるりとその液を塗りつけた。
「うわっ・・・な、何するんだ!!」
そこは彼の中指の第一関節までは受け入れたものの、強い締め付けによって以上中には入らない。
俺は急にそこから生じた異物感に抵抗したのだ。
彼は二本目の針を取り出し、さっきと同じ場所に刺した。
体中に熱が回り、俺の性器がまた疼きはじめる。
それを確認して、ハキムは再び俺の秘部に指を挿れようと試みた。
今度は先程よりも中に入ったようだが、まだそこはぎちぎちに締め付けてくる。
もう一本針を刺したが、ただ中心の熱が上がっただけで現状は変わらなかった。
「三本目からは効果が低い・・・か。それとも力を抜くことを知らないんですね?
 仕方ない、じゃあ私が教えてあげましょう」
そう言ってハキムは俺の性器を握りなおすと、俺の下半身に向かって頭を垂れた。
何をするつもりかとその様子を見やると、彼は上目遣いで俺に見せ付けるかのように
そそり立った俺のものを根元から先端にかけて舐め上げた。
「ひぁあ!な、なに・・・うぁ!」
何するんだという叫びは先端を強く吸われたことで空気の中に溶けてしまった。
一瞬にして強い精射欲に襲われるが、根元を締められ達する事の出来ないまま
尿道を舌の先でぐりぐりと掘られる。
ぬめりとした感覚。そしてそれに伴う舌独特のざらつきが一番敏感なところを刺激する。
そして、ハキムは俺の性器を全て口に納めると、根元を占めたまま唇で五六回ほど上下に擦った。
115境界線22:2006/03/29(水) 01:53:11 ID:4drZCjAG
「あっ・・・くっ!!」
最高まで上り詰めたところで、俺はイクことが出来なかった。
口の粘膜に包まれて、俺の性器は酷く脈を打つ。
そして、そんな俺のものを放置しながら、ハキムの舌が俺の秘部をつつく。
周りに円を描くようにして、舌先で淵を舐め上げる。
秘部に与えられる歯痒い感触と、先程の刺激の余韻を残した性器。
そして薬の生み出す何とも言えない快楽に、等々俺のそこから力が抜けた。
緩くなったと判断したハキムの舌は、それと同時に俺の中に押し入った。
「やっ!・・・んぁ・・は・・」
思ったよりも長い舌は俺の中でぐにょぐにょと動き回る。
腸の中を直接舐められているような気持ち悪さと、それから引き出される快楽。
(流されるな・・・!)
俺はぼやけそうになる頭の中で自分を叱咤した。

何分間そうされていただろう。もう時間の感覚さえもなくなってきている。
これがまだ序の口だと言うのだろうか?
こんなところを慣らされて、これから俺は何をされてしまうのか。
「・・・ふっ・・・んぁ!」
ずるリと、中に入っていたし舌が引き抜かれた。
ふやけたように柔らかくなったそこに、ハキムは再度指を挿入する。
「・・っうぁ・・くっ・・!!」
ぬるぬるになって良く慣らされた入り口はさっきよりも容易に彼の中指を受け入れた。
舌よりも長い指はさらに奥へと突き進み、一番深く届いたところで第一関節をくいっと曲げる。
「あぁっ!」
ビクンと、俺の身体が跳ね上がった。
性器を刺激されるのとはまた違った快楽に俺は訳がわからなくなる。
「開発すれば使える性感帯に作用・・・。なるほど、此処まで挿れなければ効果が無かったわけだ」
新しい発見をまたも紙に書き綴っていく。
きっとこの悪夢が終わった後でも俺の痴態はあの研究書の中に刻まれたまま、それが滅びるまで残るのだ。
この男はどれだけ俺に屈辱を浴びせれば気が済むのだろう。
116境界線23:2006/03/29(水) 01:53:49 ID:4drZCjAG

・・・・ジン。

俺ははっとして息を呑んだ。
こんな状況で彼を思い出すなんて・・・
思い出したとたん、心が痛くなった。
俺は彼に守られてばかりだ。
此処に勤めていられるのは、ジンがちゃんと良い結果を形にしてくれているからだ。
始めあれだけ出来なかった学習。俺の教えだけでは到底無理だった。
けど彼は俺がクビにならないようにと、必死で勉強したのだ。
『たくさん勉強して賢くなって、いずれは城に勤めたい』
そう、幼い頃彼に話した俺の夢。
『そうすれば、いつでもお前に会える。今度は俺からお前に会いに行くんだ』
ジンは覚えているだろうか。きっと覚えているだろう。
教育係が次々に辞めていった。
ジンと同世代で、頼れる者が俺しかいなくなるまで、彼は教育係をクビにしていった。
隣国に出かける前にした、手荒な忠告。
此処での生活が短くて、俺はハキムという人間を良く知らないがために起きた悲劇。
疑問だった事が次々に解ってくる。パズルのように解かれていく。
俺はジンになんて愛されていたのだろう。
嬉しくて、悲しくて、申し訳なくて、情けなくて、・・・ジンに会いたくて・・・
俺の頬に涙が伝った。

「他事を考える余裕がまだありますか?」
ハキムの声に、俺はビクリと肩を揺らした。
気が付けば、中には三本もの指が入り粘膜に包まれた空間で蠢いている。
そしてくちゅくちゅと液体を巻き込みながら、入り口を広げる。
「っ・・・くっ」
充分に慣れたと判断したのか、ハキムはそこから指を抜き出す。
そして変わりに熱く、固いものを押し当てられた。
117境界線24:2006/03/29(水) 01:54:32 ID:4drZCjAG

・・・まさか
「い、厭だ!何を・・・」
「本当は他の開発品での実験も兼ねるハズだったんですがね。
 貴方があまりにも可愛く感じているから、私の方までこんなになってしまった。
 そっちの実験はパァだ。責任をとってもらわなくては?」
何を勝手なことを言い出すんだ。
俺は恐怖と怒りに震える。
「そもそもお前が無理やり・・・っ!あああああ!」
言い終わる前に彼の性器が俺の秘部を貫いた。
よく慣らされたそこは中の異物を締め付けながらも俺の奥への突き進んでいく。
皮膚が裂けそうになる痛みと、内臓を圧迫される苦しみが同時に襲い、俺の声が濁る。
「うぐっ・い、痛いっ・いたっ・・・あ゛・・っ!」
ガン!と、腰が勢いよくぶつかり合う。
奥を突かれて俺は呼吸おもままならない。ずるずると中の物が引き抜かれていく。
「ぐっ・・・ああ゛っ!!」
内臓がそのまま持っていかれそうな鋭い痛に身を捩る。
先端まで引き抜かれて、そしてまたがつんと腰がぶつかるまで挿れられる。
その繰り返しだった。
徐々に滑りが良くなってピストンの数が増える。
ある一点を彼の性器が突いた時、俺は一層甲高い声を上げた。
「フッ・・・今のところが良いんですね?」
狙いを定められ快楽の生まれるそこだけに、ハキムは熱いもので突き上げる。
腰がぶつかる度に漏れる声も、抑えることが出来なかった。
根元を握っていた指が外され、俺の中を行き来することだけに集中してハキムは腰を揺らす。
「良い感じになってきてますね・・・。一回中に出しましょうか」
「ふっ・・や、やめろ!!・・・ひあ、熱っ・・ああぁぁ!!」
俺の一番感じるその奥に、ハキムの熱い精液がぶつけられた。
その衝動で、俺も自分の腹の上に精射する。
118境界線25:2006/03/29(水) 01:55:32 ID:4drZCjAG
「ふぅ・・・。初めてのセックスで、しかもこっちだけでイケるなんて・・・。
 ユダ殿は相当素質があるんですね」
二回目の精射で真っ白になった俺の頭の中で、ハキムの侮辱に満ちた言葉は届かなかった。
あと何回、この悪夢を味わなければならないのか・・・。
「失神でもしたんですか?骨の無い。目を冷まさせてあげましょうか」
彼は四本目の針を手にとると、俺の目の前にちらつかせた。
また・・・投与か。
ぼんやりとそれを見つめる俺に、「よくこの針の先を見なさい」とハキムが命令する。
針の先は頭上に行くと思われた。
しかし、針は徐々に下へと下がってくる。
「いい事を思いついたんですよね・・・。記録を撮るには絶交のチャンスだ」
針は首へ、胸へとどんどん下がってく。
腹を通り過ぎた時点で、俺はハキムが試そうとしている実験が何か理解した。
「や、やめろ!!厭だ・・・厭だぁ!!」
針が俺の性器のちょうど真上に来た。
ハキムは俺の性器を掴むと、その先端に針の先を向ける。
それを見て俺は真っ青になった。一暴れした身体が今度はガタガタと震え出す。
「や、やめて・・・。やめてください。も・・・許して・・・」
震える声で懇願する。目からは恐怖の涙が溢れ出していた。
そんな様子を彼は黙って見つめながら、恐怖に歪む俺の情けない姿を観察する。
十秒ほど、沈黙が続いただろう。部屋には俺のすすり泣く声だけが響いていた。

彼は優しく微笑んだ。俺はそれを見つめる。


「人間が真に怯える姿ほど、眼福に値するものはないと思いませんか?」

俺の思考はあまりの恐怖に停止した。
彼はその顔をうっとりと見つめながら俺の性器の先端、尿道より少しずれたその位置に針を突き刺した。
119境界線26:2006/03/29(水) 01:58:10 ID:4drZCjAG
「うぁあああああああああああ゛っ!!」

俺の絶叫が部屋中に響いた。
痛みに気絶することも出来ないまま、俺は声を枯らすまで叫んだ。
(痛い・・・痛い・・・イタイ・・・!!!)
殺してほしいと思った。こんなの、拷問以上の何物でもない。

一センチほど針が入って、ハキムはそれを抜いた。
たったの五秒が何時間にも感じられた。俺は放心状態になって、ベットにぐったりとしていた。
じんじんと痛みを放つそこから、じわじわと広がってくる熱。
そう、ハキムの実験は性器に直接媚薬を投与することだった。
「本当はこの薬でやるのはタブーなんですけどね。依存の危険があるんですよ。けど・・・」

・・・貴方の身体なら、国内の政治に何の影響も無いでしょう?

平気で恐ろしいことを口にするハキムの、その言葉の続きは俺には聞こえなかった。
熱と快楽に襲われた俺の身体を弄ぶようにハキムは何度も何度も突き上げる。
もう抵抗できないまま、俺は一晩中ハキムの『実験人形』となった。

「・・・・・ジン」

意識を失う最後に呟いた言葉が、溶けて消えてしまった。

この後、予定よりも早く帰ってきたジンが真っ先に俺の部屋を訪れ、そして絶句することとなる。
俺は仕事を辞めたのだ。王妃に頼み、里へ帰った。
俺の部屋には何もかもが消えており、そしてそこに俺はいなかった。
ジンは訳が解らないまま、俺の部屋で立ち尽くすのだ。


―――――
此処までで、まだ続きます。
120風と木の名無しさん:2006/03/29(水) 02:15:37 ID:v8QCgv/I
尿道は痛いってwともかくGJ!
121風と木の名無しさん:2006/03/29(水) 03:15:13 ID:rSLhX8LI
乙です。
王子どうするよ王子。
122風と木の名無しさん:2006/03/29(水) 03:30:48 ID:2msvOVE3
境界線タンGJ!GJ!!
続き待ってます(´人`)

ところでほしのタンまだですか…。
ウズウズしてたまらんとです。
123風と木の名無しさん:2006/03/30(木) 04:08:03 ID:j1F8LqmI
報復タンまだ〜?
124風と木の名無しさん:2006/03/30(木) 21:36:07 ID:g+WEs33+
ほしの王子さまタン待ってます。ガンガレ。
125風と木の名無しさん:2006/03/30(木) 23:42:58 ID:m94LB2qp
報復タンとオンラインタンまだ〜?
126風と木の名無しさん:2006/03/31(金) 00:40:04 ID:d2o/ELG+
代理戦争様〜〜
127風と木の名無しさん:2006/03/31(金) 00:46:47 ID:dtH5QVcg
くはぁ〜〜〜〜!!大量の良作品の数々、ホント
皆様には感謝です。ご馳走さまです〜!
ほしの王子サマ・境界線サマお待ちしております〜
128風と木の名無しさん:2006/03/31(金) 01:48:57 ID:TsiMOAM+
孤独の宙タン待ってます。続きスゲエ気になる〜
129境界線27:2006/03/31(金) 18:06:19 ID:hTFAX5S5

ユダが城を出た・・・?

僕は廊下に五月蝿いくらい足音を響かせながら、母親のいる王妃の間へと向かった。
「母上!!」
ドン!と、乱暴にドアを開ける。
母親は鏡に向かい、美しく流れる長い黒髪をくしで梳かしていた。
「あら、どうしたのジン?そんなに慌てて」
息子の突然の登場にも驚かず、彼女は穏やかな口調で問い掛けた。
「僕の教育係が城にいない」
僕の言葉に心当たりがあるのか、彼女は髪を梳く手を止めた。
「ええ、私が辞めさせました」
はっきりした口調でしっかりと僕の目を見て応えたその言葉に、僕は一瞬言葉を見失った。
「・・・勝手なことするなよ。僕はまだあいつに教わらなきゃ出来ないことが山ほどある」
僕は言葉を選ぶようにしながら握り拳に力を入れる。
「だってね、ジン。あの子が言い出したのよ?」
母親は柔らかい声で俺に言い聞かせた。
「あの子がジンにもたらしている影響には感心しました。これからも必要な子だって、よく解っています。
 けどね。貴方と同じ年齢のその子に泣かれちゃったら、私はどうしても引き止められなかったの」
ごめんなさいね。と、母親は俺に頭を下げた。
僕は出る言葉がなくて、口をつぐむ。一礼だけしてから王妃の間を出た。
理由がわからない。
あんなに夢だと言っていた仕事をやめてまで、何で城を出た?

何で・・・僕から離れていった・・・?
130境界線28:2006/03/31(金) 18:08:04 ID:hTFAX5S5
自室に戻って、僕はテーブルを蹴飛ばした。
盛大な音を立てて、それが倒れる。
ソファーも蹴飛ばしたが、これは位置が少しずれただけで倒れることはなかった。
「くそっ!なんだってんだ!!」
とにかく腹が立った。苛立ちが血液まで沸騰させてしまいそうだった。
訳が解らなくて、なんだか悔しくて・・・僕はベットに蹲った。
ほんの数日前、このベットにユダを押し倒した日のことを思い出す。
シーツに顔を埋めるとユダの残り香がするかと思ったが、
そこからは嗅ぎ慣れているせいでよくわからない自分の匂いというものしかない。
この部屋にも、ユダの痕跡は残っていないのだ。

「あ・・・そうだ」
一つだけユダの残していったものを思い出した。
僕は本棚を探ってソレを取り出す。
「・・・・・・」
ユダが僕のために夜更かしして作ってくれたテキスト。
ぺらぺらと捲ればそこにはびっしりとユダの書いたきれいな文字が並んでいる。
見れば見るほど寂しくなる。
何がいけなかったのだろう。
やはり、ユダは俺を恋人として受け入れきれなかったのか・・・。

「あ・・・」
違う。
それも可能性としては否定しきれないが、しかしユダはそんなことで僕から離れていくはずが無い。
彼はそこまで弱くない。

じゃあ他の可能性は・・・?心当たりは一つしかないじゃないか。
ユダを傷つける者。確信があった。
僕は確信をその目で確かめるべく、『奴』の部屋へ向かった。
131境界線29:2006/03/31(金) 18:08:52 ID:hTFAX5S5

鍵はかかっていなかった。
かかっていたとしても、ぶち壊す手間が省けただけだ。
ドアを開けると、そこに部屋主の姿はない。
僕はお構いなしに中に入った。
見たことも無い植物の数々。壁に飾られている大量の仮面。
やはり、悪趣味な奴だと悪態づいた。
ベットの脇には罪人に使われるための道具である手枷が落ちている。
伸びた鎖はベットに繋がったままだった。
窓は喚起のために開けられているが、そんなことじゃ誤魔化せられない。
この香り。気に入らない空間の匂いとは別にするこの香り。
僕の愛する人の痕跡は、確かにこの部屋にあったのだ。
ベット付近の小さなテーブル。
そこには針の山と一つの書物。
僕はその書物の頁を一枚一枚探るように読んだ。
「・・・ユダ・・・」
ハキム・・・。奴は馬鹿な男だ。
丁重に記録するために経緯や手順、そして実験に使った者の簡単なプロフィールまでも細かく書いてある。
その中に確かにあった、ユダの名前。
彼が狙われたのは僕が城を出ていた期間。
これはもう奴の中では予定されていた。
ユダが一人で何をしていても、適当に言いくるめて部屋に誘い出していた。
そして淹れた紅茶の中には自分で作り出した植物の汁をユダのカップにだけ入れる。
後はユダがそれを飲み干すまで適当に話を作るだけだ。
症状が表れたら、実験開始だ。
132境界線29:2006/03/31(金) 18:09:58 ID:hTFAX5S5
やり方はなるべく屈辱的に。所々にそうメモが書かれていた。
投与した媚薬の数は計十本。刺した個所は主に腕。
その内一本は尿道付近。僕でも眉をしかめるほど、えげつない場所だ。
ユダが最後に抵抗したのもその一本の時・・・か。
可哀想に・・・。
それで抵抗する力を全て奪われてしまったのだろう。
最後の最後まで意識すら失わさせてもらえなかった。
それを思えばこの城に居たくない理由なんて彼の言葉で聞かなくても安易に察しがついた。

その書物の書き込みの細かさに、僕はあ〜あと怒りを通り越して酷くあきれる。
ご丁寧にその時の感想まで書いて・・・。
本当に悪趣味で救い様も無いくらい馬鹿な奴だ。
「この時の泣き顔は最高だった・・・ね」
「ええ、とても」
ドアの方からした声に僕は動じず、そのままの体勢で振り向いた。
「いくらこの国の王子様とて、自室はプライベートな場所ですよ」
そう言って、俺の手から自らの書き綴った研究書物を取り上げる。
「人のプライベートな時間の真っ最中に、僕の所有物に手をかけた。
 同じ事をしたつもりだが・・・何か悪かった?」
「心外ですね。彼は貴方の物だとは言いませんでした。王子の恋人と言ったなら、
 私だって手は出しませんでしたよ」
ちゃんと確かめたんですが、何か不満でも?と、何処から湧いてくるのかこの台詞とこの自身満々の態度。

本当、殺してやりたいくらい憎らしい。
133境界線31:2006/03/31(金) 18:13:49 ID:hTFAX5S5
すみません、題名の数字は29→30です。

―――――――
「お前、正論を適当に並べれば僕が口をつぐむと思うなよ?僕はユダとは違う。
 建前なんて気にしてやるほど賢くないし、優しくない」
「・・・あんな平民にそこまで依存するのかが解り兼ねますね」
不意に笑みの消えたハキムに、僕は笑って返してやる。
主導権はいつの間にか俺に移っていた。
「お前は身分の制度を気にしすぎる。だから価値観も解らないし、それ以上出世できない」
こいつは確かに城内では高い地位に位置するが、此処十数年その地位から動くことは無かった。
実力だけでは駄目なのだ。もっと大切な心得が理解できる者ほど自然と人が惹かれる。
「身分を越えて恋でもしてみろ。人生が180度変わっちまうぜ?」
そう言って、奴が言い返してこないのを良い事に僕は思いっきり笑ってやった。
始めの威勢は何処へ行ったのやら・・・。ハキムは完全に黙り込んだ。
昔からこの男は非常識に弱い。自分が一番非常識なくせに。
そう、誰にでも口答えできるこいつは、僕だけにはそれで勝つことが出来ないのだ。
理由がそれだけじゃないことぐらい解っている。
「身分を越えた恋ぐらいはしてますさ・・・。この分じゃ一生叶うことは無いですけどね」
呟いた言葉を俺は無視した。
「ああ、そう」
僕は腰に取り付けられた剣を取り出し、奴の名前を呼んだ。
「ハキム」
奴は振り返る。
その瞬間を狙って、僕は剣をまっすぐ振り下ろした。
ザン!と紙の切れる音がした。
ハキムの持っていた書物は真っ二つに切れてバラバラと床に落ちた。
奴はそれを呆然としながら見る。
「ほんの二ヶ月弱しか過ごしてない彼がそんなにも大切ですか?」
睨みつけてくる瞳に、僕はやれやれと溜息をつく。
134境界線32:2006/03/31(金) 18:15:19 ID:hTFAX5S5
「お前はほんっとに、僕のことが好きなのな」

ハキムは一瞬めを見開けたが、その言葉を否定しなかった。
するはずが無い。お互いとっくに解っていたことだから。
「けどね、僕はお前が大嫌いなんだよね。何でか解るか?」
沈黙の中で、僕だけがぺらぺらとしゃべっている。
まるで僕が悪者みたいな気がしてこなくも無い状況だ。
くすっと笑いながら、奴の目を見て言ってやった。
「お前は真に人を愛することを知らないから、身勝手な行動で場をかき回す」
そう呟いて、僕はハキムの部屋を出た。
出る前に、もう一言だけ言ってやって。
「知らないのも当たり前だけど、ユダと僕は幼い頃からの仲だ。
 お前と出会うずっと前から、俺の心はユダの物だったんだよ」

この後、奴が城を出て祖国に帰っていったことを、僕は後から知らされた。
まだ罰を与えきったわけではないのに・・・。途中で逃げ出すなんて何て弱いのだろう。
まあしかし、あれだけ思いを寄せていたようなことを言っていた僕と離れるのが奴の一番の拷問だろう。
求めたものだけが唯一手に入らない苦しみ。
せいぜいユダが味わった分まで苦しむといい。
人間の情愛とは恐ろしいものだ。時には激情となって人を傷つける。
しかし、時には手荒な手段が必要。これだけは僕も同意だ。
特に同性同士の恋なんて、ほっといてどうにかなるような問題じゃない。
好きな人がそばにいてくれるだけで幸せなんて、言葉だけだ。
この数年その言葉を信じてきて、どれだけ胸を締め付けられ、もどかししい思いをしたか分からない。
奴は僕を手に入れることが出来なかったけど、僕は確実に彼を手に入れて見せる。

さて。僕のせいで歪んだ愛ってやつをぶつけられた愛しいあの人を、
僕はどう慰めようか・・・。
「早く会いたいよ・・・ユダ」
君の痛みが治まった頃、幼い頃のように僕が君に会いに行く。
幼い頃夢見たように、僕は君を迎えに行くんだ。
135境界線33:2006/03/31(金) 18:16:02 ID:hTFAX5S5

――――

渇ききった砂漠の空気。なんて懐かしい故郷の村。
お世辞でもきれいとは言えない石造りの家は、今では俺の父親と母親が二人暮しをしている、
言わば俺の実家だ。
「父さん、母さん・・・ただいま帰りました」
俺は驚いた顔で見つめてくる二人にぺこりと頭を下げ「すみません」と小さな声で呟いた。
母親は俺の背中を撫ぜ、家に入れてくれないと思っていた父親も、何も言わなかった。
そんなに、俺は酷い顔をしていただろうか・・・。
二人とも妙に気を使ってくれる。
明日からは、また此処で小さな畑仕事と、村の同年代の男たちと一緒に遠出で力仕事だ。

「帰ってきたばかりなんだし、もう少し休んでてもいいのよ?」
母親はそう言ってくれたけど、俺は断った。少しでも動いていたかったから。
数ヶ月離れていただけだった村で、俺の知り合いは親しく声を掛けてくれる。
数日経てば、俺は前のように村になじんだ。
息苦しくない生活。
親しい友人や近所のこの子供に囲まれて、俺は随分リラックスできた。
ただ、今だに俺を苦しめるものがある。
一つ目は腕に残った針の痕。
腕だけでも一つも消えていないのだから、きっとあの場所の痕も消えていないのだろう。
二つ目は、この薬の『依存』症状。
薬品を欲することはないのだが、一日に何度も身体が疼くのだ。
その度に隠れて自慰をする。なんて身体になってしまったのだろう。
両親にはこんな事は絶対に言えない。絶対泣かれてしまうから。
136境界線34:2006/03/31(金) 18:17:30 ID:hTFAX5S5
「・・・ふぅ・・・」
俺は太陽に照らされながら畑を耕す。
汚れた袖で額から流れ落ちる汗を拭った。
水撒きは1日三回。影の中で育てているのでそれで充分だった。
出来る野菜は美味いもんじゃないが、充分生活の足しになる。
一日の新しいスケジュールに、勉強の文字は無かった。
もう必要ない。城に戻るつもりはないから。
戻ればきっと、俺の記憶から悪夢は消えない。


ジン・・・。
彼のことは、思い出す前に考えるのをやめた。
もう会えないと解っているのに思い出すのは、あまりにも胸が痛かったから。

そんな思いを引きずったまま、俺はこの故郷に戻って一ヶ月の月日が経ったのだ。
ちょうど一ヶ月経ったその日に、俺は今まで故意的に避けていたある場所を訪れた。
幼い頃、親の目を盗んで共に遊び、そして夢を語り合った場所。
ジンと俺だけが知っている秘密基地。
彼の夢はなんだったっけな・・・。
そんなことを思い出しながら、俺は少し小さなその入り口に潜った。
中は古い遺跡のようなところだ。
古すぎて、既に荒らされていて、もう誰も近づかない場所。
俺の村の子供達には魔物がいるから近づくなと言われていてお化け屋敷扱いされていたのだ。
俺は元々好奇心が強い方だったから、一人でこの遺跡の中に入った。
周りの子等を誘ったが、彼らは怖がってついてこなかった。
137境界線35:2006/03/31(金) 18:18:33 ID:hTFAX5S5
初めて入ったこの遺跡の中はとても質素なものだった。
しかし、倒れてから長年の間砂で削られた石柱。古くて読めない文字の数々。
金は剥がされていてもう欠片も残っていないが、見慣れない造りになっているその建物の中は俺を魅了した。
太陽が全くと言っていいほど当たらず、暗くて寒い空間で俺の蝋燭を持つ手が少し震えていた。
もっとこの遺跡の奥に進みたい。興味はあったが、恐怖が足を竦ませる。

俺がジンに出会ったのはその時だ。

『誰かいるの?』
俺は背後から突然聞こえてきた声に驚いた。
『び、ビックリさせるなよ!誰だよお前』
やっと顔が見えた頃に、俺は首をかしげた。
同い年に見えた少年はやけに着飾った服を着ていて、見慣れない髪の色をしていたからだ。
少年は俺の言葉遣いが気に入らなかったのか、少し起こったような口調で言った。
『僕はこの国の王子だよ!もうちょっと弁えなよ!』
何を言ってるんだろうと思った。
正直これがこの国の王子だなんて信じられなかった。
『何でその王子様がこんな所にいるんだよ』
『誰にも口外するなよ?此処に魔物が住んでるだなんて父上が脅かすから、確かめてやろうと思ったんだ』
悪戯めいた顔で含み笑いをする彼に、俺は逆効果だったんだなとちょっと国王が哀れに思えた。
『って事で、僕は奥へ進むから、君は帰れよ』
『何だよ、俺が先に来たんだぞ!』
『王子の命令が聞けないのか?』
『誰がそんなこと信じるか!』
138境界線36:2006/03/31(金) 18:19:31 ID:hTFAX5S5
大声で言い争っている内に暗闇の奥でずしんと何か大きな物音がした。
その音で、俺たちはびくりと方を揺らし思わず抱きつく。
『な・・・何か音したよな』
『う・・・うん。ズシン、て・・・』
俺たちは離れることが出来ないまま、ゆっくりと歩を進める。
『し、仕方ないから一緒に連れてって』
『何だよ、それは俺の台詞だ!って、押すなよ!!』
『何だよ、君だって押すなよ!』
くっついたり離れたりを繰り返しながら、ゆっくりとしたペースで奥へ奥へと入っていく。
いつの間にか、俺たちはどちらからとも無く手を握り合っていた。
十分ほど歩いただろうか、目の前には大きな扉が倒れ、その向こうには見たことも無いような広い空間があった。
中はひび割れた天井やガラスから日差しが差し込んでおり、薄暗いが中の構図がよくわかる。
古代、きっと此処では何かしらの儀式が行われていたのだろう。
今の神殿はこの遺跡がモデルなのだろう。
『さっきの音って、コレかな?』
彼が倒れた扉を指差す。
確かに、錆びた留め金がほんの一部だけキラリと光っている。
俺たちの怒鳴り声が狭い廊下に響き、僅かな振動で倒れてしまったのだろう。
魔物だって見当たらない。やはり迷信だったのだ。
怯えていたのがあまりに馬鹿らしくなって俺たちは肩の力が抜け、そのまま座り込む。
そして、今度は可笑しくなって笑い出した。
『なぁ、此処が全然問題ない場所だってわかってるの、僕と君だけなんだ。なんならこのまま黙ってようよ』
『へ?なんだ、そんなのつまらないじゃないか』
こんなに広いなら子供のいい遊び場になる。そう言うと、彼はまた悪戯な笑みを浮かべる。
『だから、そいつ等は知らないままでいいんだよ。此処は僕と君だけの秘密基地にするんだから』
確かに、こんなに功労して見つけた絶好の遊び場を、簡単に教えてしまってはつまらないと思った。
139境界線37:2006/03/31(金) 18:22:23 ID:hTFAX5S5

『じゃあ僕は出来るだけ毎日此処にこれるようにするから、君も来れる日に顔を出してよ』
その日、俺は彼と秘密基地の決まりを立てた。
誰にも口外しないこと。
太陽が天辺に上るまでにどちらかがいなければその日は来られない。
『僕の名前はジンだ』
『俺の名前はユダ。よろしく、ジン』


俺は美しい過去の記憶を巡らせながら、見慣れた広場に足を踏み入れた。
中は初めて見つけた時よりも随分片付いている。
居心地がいいように自分達で勝手に改造したのだ。
太陽の光に照らされたその場所で、俺は驚きに目を見開けた。
見覚えのある、ベールに纏われた後姿。
いるはずがないと思っていた彼の姿が、そこにあった。

「・・・ジン」
小さな俺の声に、彼は振り向いた。
「待ちくたびれたよ、ユダ」
そこには会いたくて会いたくて仕方の無かった、ジンの姿があったのだ。

――――――
此処までで、続きます。
エロのない部分だけ無駄に長くてすみません。
140風と木の名無しさん:2006/03/31(金) 20:15:32 ID:LyjW7TIe
境界線タンGJ!

エロ以外の描写も好きだから楽しいよ!
続きがwktk
141風と木の名無しさん:2006/03/31(金) 22:52:48 ID:Ok2HT0l4
王子迎えに キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
乙です。
続き待ってます!
142風と木の名無しさん:2006/03/32(土) 02:02:16 ID:lMz1EOaO
境界線GJGJ!
ペースも早くていつもこないかな〜と楽しみにしてます
ハキムが好きと知っていてわざとくっついてからかったりするジンを想像してしまってハアハア(;´д`)
143危険物運搬 1:2006/03/32(土) 21:34:59 ID:t2DBYc02
触手地下生物の続きです。全14レス程度。
ぬるぬるした生き物が出てきますので軟体動物が苦手な方はご注意ください。

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真夜中を過ぎたハイウェイを走る車はまばらだ。ヘッドライトが闇をよこざまに切り裂いて行く。
エンジンから伝わるシートの僅かな震えに、助手席に座るレイヴンは硬く目をつむり、
薄く開いた唇を震わせている。そこからこぼれる息が荒い。
ブラッド、と掠れた声でうわ言のように名を呼ぶ。
ハンドルを握るブラッドがちらりと彼に目を向け、唇に笑みを浮かべる。
「もう少し大人しくできないのか?」
ブラッドの言葉とほとんど同時に、対向車のライトが一瞬だけ車内を照らした。ほんの一瞬。
助手席に座る彼が、白く汚れたジャケット1枚をはおっただけの姿で、
しかも座席の背に両腕を縛りつけられているなどと、誰も気付くはずはない。
それでもレイヴンは羞恥に悶え死にそうになる。
ベースまではまだ1時間ほどかかる。
彼にできるのは、それまでに夜が明けないのを祈ることだけだ。
144危険物運搬 2:2006/03/32(土) 21:35:46 ID:t2DBYc02
《紫蛇》の廃基地から車まで戻るのは、レイヴンにとって大変な苦労だった。
生物兵器の触手に散々に弄ばれて疲労していただけでなく、腸の中にその受精卵を
詰め込まれたままだったからだ。
塗り込められた粘液の媚薬作用もまだ治まる気配はない。
一歩あるくごとに体内で卵が擦れあい、その球面が腸壁を刺激した。
目の前が白くかすんで何度も膝が崩れそうになり、そのたびにブラッドが乱暴に
腕を引き起こした。やめてくれ、もう出させてくれという懇願は無視された。
瓦礫の積み重なる足場の悪い階段を上がってようやく外に出たかと思えば
外は草木の生い茂る森。積み重なった落葉に、ただでさえあやうい足元がふらつく。
そして心とはうらはらに張り詰めて行く性器。
それでもブラッドは立ち止まることを許さなかった。月明かりと小さなライトだけを頼りに
斜面を下りる時間が、まるで永遠のように長かった。茂みに隠して止めた車に
たどり着いたところで、レイヴンは堪えきれずその場にずるずると座り込んだ。
安堵が堰を切ったのか、あるいは素肌の脚に触れる地面の刺激が引き金となったのか、
触れもしないままに精を吐き出していた。
145危険物運搬 3:2006/03/32(土) 21:36:46 ID:t2DBYc02

「後ろに入れて歩いただけで達ったのか?今夜だけで随分いやらしくなったな」
嘲るようにブラッドが笑い、荒い息をつくレイヴンの顎を指先で持ち上げる。
屈辱に顔を逸らしながらも、レイヴンは腰を上げ、己の両足の間に指をもぐり込ませる。
「もういいだろう……っ、早く、これ」
「ダメだ」
残酷なまでに冷徹にリーダーは言い放ち、不埒な手を捻り上げた。
悲鳴を上げたレイヴンの、力の抜けた体を車の助手席に押し込むと、手際よく両腕に
縄をかけ、座席の後ろに回して固定してしまう。
「や……外して、頼む、外してくれ!」
「外したらお前、卵を出してしまうだろ?」
己の耳を疑って、レイヴンはまじまじと運転席に乗り込んで来たリーダーの顔を見た。
だが冗談ではないらしい。
「お前のバイクは後で回収に来よう。その格好で乗って帰りたいというのなら話は別だが」
「そんなこと聞いてない! 卵を……!」
「ああ、基地までそのままだ」
「そんな、無理だ!」
「無理なものか。お前はそのまま座っていればいいだけだ。何もしなくていい」
悠然とエンジンを始動させる。ブルンと車体が大きく揺れた。その振動がシートを伝わって
レイヴンの体を揺らし、中に詰め込まれたものを震わせて、彼はひきつるような声を上げた。
「……なるほど、無理だというのはこっちのことか?」
既に今夜だけで3度も達したというのに、レイヴンの性器はまた力を得て持ち上がり始めている。
その先端を軽く撫で、彼が頭を振って悶える姿をブラッドは悠然と眺めた。
「わかった、協力してやる」



146危険物運搬 4:2006/03/32(土) 21:37:47 ID:t2DBYc02
舗装されていないどころか道らしい道さえない斜面に、ブラッドの運転するオフロード車は
何度も大きく跳ねた。そのたびにレイヴンは狂ったように悲鳴を上げた。
詰め込まれた卵のせいで、シートの上で体が跳ねるたび、不規則な形の異物に容赦なく
突き上げられる感覚が容赦なく彼を襲う。しかし快楽を吐き出そうにも出口はない。
性器の根元は黒いビニールテープできつく巻き上げられていた。
その悲鳴を愉しむかのように、暗視ゴーグルをかけたブラッドは軽やかにハンドルを操る。
ようやく山から下りて舗装道路に出た頃には、レイヴンは既に息も絶え絶えで座席に沈み込んでいた。
それからの道のりも長かった。山道ほどの激しい刺激こそなかったが、大型のエンジンと
アスファルトのざらつきは常に車体を振動させていたし、深夜とはいえ行きかう車や人の
視線に晒されていることがレイヴンの羞恥心を煽った。

「ブラッド……ブラッド、助けてくれ、頼むから」
ハイウェイを下りる途中で、もう何度目とも知れぬ懇願をレイヴンは口にした。
「大丈夫だ。NAGシリーズの卵は適温下でも孵化まで8時間ほどかかる。ベースに戻るまでは十分持つはずだ」
「違う、そうじゃない……。なんで俺の中に……っ」
「仕方がない」
右手でハンドルを握ったまま、ブラッドはダッシュボードに左手を伸ばす。
取り上げた小さな瓶の中には、芯まで白っぽく濁った半透明の球体が一つ。
「受精卵は乾燥と低温に弱く、空気中では数十分で死んでしまう。運搬する際には
適度な温度と湿度を保ってやる必要がある」
「運搬って……」
「言っただろう。NAGシリーズの卵は貴重だ。研究材料としても価値が高い」
「そんな……」
「あいつの体液には獲物の体温を上げる効果があるようだな。そうやって卵にとって
最適の環境を作る。面白いじゃないか」
面白いものか。レイヴンは絶望的な気持ちで吐き捨てる。一度自分も同じ目に遭ってみればいい。
「命令違反の罰だ。大人しく容れ物に徹してろ。ほら、着くぞ」
うっすらと明るくなり始めたばかりの市街地に人の姿は少ない。
それでも群れになって夜空を突き刺しているビルの窓から明かりが消えることはない。
ビジネス街には不似合いに大きなブラッドの車は、とあるビルの地下へとスロープを下りていく。
147危険物運搬 5:2006/03/32(土) 21:39:33 ID:t2DBYc02
地下駐車場はがらんとして、ひえびえとした空気が淀んでいた。
コンクリートに染み付いた排気ガスのにおい。
「下りろレイヴン。着いた」
運転席から降りたブラッドは車の反対側に周りドアを開くと、レイヴンの腕を
戒めていたロープを解いた。
ずるりと傾いで落ちかかってくる体を支える。
「ほら、立て」
車から降りても膝ががくがくして立てない。車体にもたれかかりながら、レイヴンは
切れ切れに訴えた。
「これ、はずして……っ」
そう言いながらも既に手はテープで束縛された性器に触れている。
しかし指先が震える上に、先端から溢れた先走りの液のせいでぬめって上手く剥がせない。
「やれやれ、堪え性がない」
言うや否や、ブラッドはレイヴンの手首を掴んで捻り、彼の体を反転させて車体に押し付けていた。
冷たい金属が胸に触れ小さく悲鳴を上げる。その声が虚ろな地下にやけに艶かしく響く。
「静かにしろ。誰か来るかもしれない」
耳元に囁きつつ背中から両腕で囲い込めば、レイヴンは身動きが取れず車にすがりつくしかない。
その下腹部にブラッドの手が伸びる。性器を手に包み込むと、レイヴンが喉を鳴らして息を呑む。
反射的に抵抗を見せた彼の手はやすやすと押さえ込まれた。
テープの端を探してブラッドの指が性器の表面を何度も行き来した。
ビニールテープ越しのもどかしい感覚にレイヴンは身をよじる。ようやく見つけたテープの端を
爪が引っかく。切ない喘ぎが低い天井に反射して、熱くなった体がびくりと竦む。
それでも体が反応するのはどうしようもない。必死に唇を噛む。
テープはなかなか剥がれない。裏筋の少し横を繰り返し引っかかれ、何も考えられなくなる。
崩れそうになる膝をなんとか立たせようとすれば後ろに力を込めてしまい、
そのせいで中に詰まった卵の形がわかるほど内側が収縮する。
もどかしい指の動きに腰が揺れてしまう。
148危険物運搬 6:2006/03/32(土) 21:40:29 ID:t2DBYc02

執拗にテープの端をいじっていた指の先が、ようやく少しだけ剥がすことに成功した。
剥がれた部分をつまみ、少し引っ張る。敏感な部分の皮膚が引き攣れてレイヴンの
体が大きく震えた。その反応にブラッドは満足げに笑う。
「――こうしてほしかったんだろう?レイヴン」
耳元で囁いて、立ち上がりきった性器の先端方向に向けてテープを一息に引っ張り、剥がした。
「っあ、あああああ!」
磨き上げられた深紅の車体に白い液体が散った。
痛みと解放の衝撃に、レイヴンは悲鳴を上げて射精していた。
膝から力が抜ける。車体にすがるようにずるずるとしゃがみこんだので、自分が放った精液を
頬で拭うことになったが、意識を失った彼にはそれがわからない。
アスファルトに倒れそうになる体を、ブラッドの腕が支える。
抱き寄せた彼の頬の汚れを指先で拭い、薄く開いたままの唇にそっと、含ませた。


---------------------------------------
ひとまずここまで。続きます。
149風と木の名無しさん:2006/03/32(土) 21:58:08 ID:rjHeNVsd
危険物たん ありがとう!イイ!
150風と木の名無しさん:2006/03/32(土) 22:11:34 ID:RIVPRrFx
続き待ってました!
ももも萌えた…!表現もお上手で凄く読みやすかったです
GJ!(*´Д`)
151風と木の名無しさん:2006/03/32(土) 23:42:16 ID:GJXZqFrm
危険物タン
あ、ありがとー。本当に続き嬉しいッス!
152風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 02:25:43 ID:1zyTursf
ブラッド冷静鬼畜っぷりがカワユス(;´Д`)ハァハァ
153代理戦争:2006/04/02(日) 03:39:52 ID:FlmRSso9
投下します。
苦手な方はスルーでよろしくお願いします。
154代理戦争:2006/04/02(日) 03:40:27 ID:FlmRSso9
「なんか…嘘みたいだ。夢みたいっつか」
コモリはハダレの体に跨り、うっとりとしながら呟いた。
腰の辺りに跨っているため、コモリから見えるのは上半身だけだったが、
視線でそれを撫でまわす。
脱がせて両手を上に拘束してやると、あばらが浮いて一層痩せて見える。
だが腐っても代理戦争の王者、薄く強靭な筋肉がついている所為で貧相ではない。
走り回っていた所為か、痛みのせいか、しっとりと汗で濡れて火照っているのがいやらしい。
想像していたよりも大人しく転がっている様は、本当に夢でも見ているようだった。

「…夢は寝て見ろってんだ。人を巻き込むんじゃねー!離せ!」
だが言葉はあくまでも刺々しく、迸るような大音量だ。
しかし、コモリは飄然として言った。
「酷いなぁ。オレ、昔っからハダレっちのファンだったんだよ?
 だからこうやって…」
体を支えていた手をひょいと持ち上げ、指でそっとハダレの脇腹をなぞる。
「……っ…」
ビクっと妙に大きく震えて、ハダレが体を捩る。
存外くすぐったがりなのかも知れないし、こちらの動きが見えずに不意を突かれたからかもしれない。
コモリはどちらでもいいやと言った心地で、執拗にその行為を続けた。

「…ハダレっち、ここ、折ったことあるでしょ。ちょっと違う手触り」
「や…めろっ…!」
脇のすぐ下から腰骨の上辺りまで、段々撫でまわす範囲を広げながら、
傷痕や骨折の跡を見つけては面白がってそこを特に舐りながら、コモリは青年を堪能する。
「…こうやって、すっごい優しくしてあげてるのに」
まだ、時間はたっぷりあった。その気になれば、時間は幾らでも上乗せできた。
コモリは実に楽しそうに、じわじわと浸食を広げていった。
155代理戦争:2006/04/02(日) 03:41:17 ID:FlmRSso9
「ぅッ…気持ちわるッ…」
「酷い」
脇腹から離れたコモリは、ハダレの首筋に吸い付いた。ソウジョウは反対したが、首輪は外した。
必死に顔を背けようとしていたため、首筋に顔を埋めるのは造作ない事だった。
気取って香水をつける訳でもない青年からは、体臭と血の匂いがした。それはそれで似合っている気がする。
変態と何度か罵られたが、コモリはその匂いを肺腑一杯に吸った。
「…コモリ、オレもちょっとお前が変態っぽい気がしてきた」
傍観に近い状態で煙草をふかしていたソウジョウにも言われ、流石にそれを止める。
その代わりに、生暖かい舌でべろりと味わった。汗と、やはり血の残り香がした。

「キ…キモい!やめろッて…コモリ!」
手を引き千切りかねない激しさで暴れるハダレの脈さえ感じながら、コモリはそこを強く吸った。
ビクン、と一瞬体を引きつらせるハダレからゆっくり上体を起こす。
画家が自分の書いた絵のバランスを確かめるように、距離を取ってそのキスマークを眺める。
「…すごいハッキリ付いたっつか…いいところについたよな?」
「お前にしては結構センスある所に付けたか?」
批評さえしながらこちらを眺める2人組みに、ハダレは寒気を感じていた。

この様子だと、即刻殺される事はないだろう。
だが何か、自分にはわからない事を2人で納得しあい、それで共に行動している。不気味だった。
そのわからない事には、さっきの怪しい追っ手のことも含まれているのだろう。
更にその行動の結果、自分が犯される事になるなど、無気味過ぎる。
さらに自分を見て、何だか分からないがうっとりされても、本当に心底気持ちが悪かった。
かといって自分を刺して、止血もせずに犯すという凶暴な面も持っている。訳がわからない。
156代理戦争:2006/04/02(日) 03:41:48 ID:FlmRSso9
「ハダレっち?気絶しちゃったわけじゃないよね?」
呼びかけられて、ハッとする。思考の渦にはまったまま、朦朧としていたらしい。
ソウジョウが揶揄する。煙草はくわえていなかった。
「随分余裕じゃないかと思った」
「…ンな訳…ないだろーが…」
いつのまにか少し上がっていた息の間から、それでも確かに答えてやる。
「ッ代理戦争して…その後怪しいのに追っかけられて…ぁ…刺されて襲われて!
 それで…元気なやつ、いるんだったら…見てみてーよ…」
コモリが何か返事をする。そうだねとか、何か同意のような意味の事を。
そして舌先を下げていく。

「ッう…!」
唐突に突起に吸い付かれ、ハダレが背筋を反りかえらせた。
膝が怯えたように曲げられ、引っ張られた足首の痛みに弛緩する。
「痛ぇっ…もーケガ人なんか相手しね―で、女でも買えよ…!」
今なら刺した事もチャラにしてやる、と言った心地でハダレは叫んだ。
右腿が妙な震えを起こしている。手首が擦れて仕方ない。引き伸ばされた鳩尾も疼く。
この状態で、この先更に尻だの腰だのが痛くなるのは御免だった。もう事前に医者に行きたいほどだ。
だが、コモリは許さなかった。

「だからー、ヤりたいんじゃないの。ハダレっちが抱きたいの。だからこんなことしてるんだっつの」
「迷惑だー!やめ、ぅっ…」
恍惚とした様子のコモリには、ハダレの全身全霊を持ってしての抗議も通じない。
子供が大切に取っておいたデザートを食べるように、コモリは目の前の体に吸い付く。
いきなり吸われて僅かに硬くなった乳首は、舐めても快感ではなくくすぐったさしか与えないようだ。
未開発なのか不感症なのか判断しかねるが、ともかくコモリはほっとした心地で刺激しつづけた。
くすぐったさを快感に変えようと、味もしない突起を執拗に舐め、転がし、時折吸い付いて刺激する。
157代理戦争:2006/04/02(日) 03:42:20 ID:FlmRSso9
「コモリは不良もどきのころから、物凄い代理戦争マニアでな」
ソウジョウがにやにやしながら、眉をしかめるハダレに話しかけた。
「中流階級の、割といい学校行ってた頃から、授業さぼって代理戦争見に行ったりとか、
 歳を誤魔化して致死試合――命がけの試合見に行って補導されかけたりしてて。
 家出してから俺と知り合ったんだが、酒や煙草は代理戦争の次って程入れ込んでやがったよ」
「ぃ…いい暮らし…してたんじゃねーか…何でこんな汚い街の…ぁ…試合見に来るんだよ」

ハダレには理解できなかった。
戦後、人々ははっきりと上中下の階層に隔てられ、下流の者にとって上の暮らしは夢見る事もままならないものだ。
その中流階級の学校を落第してこの街に流れつき、得体の知れない男を抱いて喜ぶコモリという人間が、
途方もなく不気味な存在に思えた。
その男は赤ん坊のように、夢中になって乳首を吸っている。

「まぁ、オレにも正直わからんがね。中流の代理戦争ってのは無駄に小奇麗で、
 かといって上流ほど盛り上がらない。あんまり見て面白くねぇってのも正直なところだ。
 で、ある日オレも誘われて、試合をあの店に見に行った時の話しだ――」
言葉の途切れに合わせるように、コモリの唇がちゅっという音を立ててハダレから離れる。
仄暗い中、質の悪いライトにぼんやり照らされた乳首は唾液に濡れ、無駄にいやらしい。
コモリは陶然としてそれを眺め、同じように唾液にまみれさせた指で軽く捏ねる。
「……ぃ…」
奥歯を噛み締め、反射的に漏れたような声がライトに溶けた。両目がぎゅっと瞑られる。
それを見て聞いて、愛嬌のある顔立ちの男が反対側を刺激しにかかる。
硬いだけの突起を快感で腫れさせるために、柔らかい舌に埋めて乳輪ごと刺激したり、
舌先で埋没するほど押し捏ねたり、創意を凝らして責める。
最初に舐めたほうは指でそっと刺激する。
「ぁッ…だ!…やめッ…」
158代理戦争:2006/04/02(日) 03:47:19 ID:FlmRSso9
拘束された腕に顔を押し付けるようにして嫌々をするハダレに、ソウジョウが言葉を続ける。
「――ビックリした。オレらより痩せたガキが、武器持った大人と喧嘩して勝つんだぜ?
 強さがカッコ良さだと思ってる不良の端くれが憧れないわけないんじゃないか?
 …そのときから、オレらはずっとアンタのファンだったんだよ」
「ファンが…っあ…こんな…事…」
何かを堪える様に顔を伏せるハダレに、ソウジョウはなおも言い募る。
「いや、正直俺はあんまり乗り気じゃないんだ。
 だけどまぁ、親友のコモリがどうしてもって言うもんだから協力してやっただけで」
「気持ち良くない?」
重ねるようにコモリが尋ねる。その唇とハダレのしこった乳首が、唾液の糸で繋がっている。
薄い褐色と、肌色じみた桃色の中間の色だったそれは少し赤みを帯びて、前よりふっくらとしている。
「最初はくすぐったいだけだったみたいだけど、今は感じてるでしょ?」
「…何で…ンな…事すんだよ…」
問いをはぐらかすような形でハダレが尋ねる。
覗かせた片目――左眼の目許がうっすらと上気して、言外に薄い快感を肯定していた。
それを見て、コモリが嬉しそうに口元を上げた。
「あ、やっぱり感じてるっつか、努力のかいがあったっつーか」
「コモリ!」

咎めるように怒鳴るハダレ。
体力はとっくに尽きているが、気力はまだと言った青年の様子にソウジョウは
「ほらほら、どんどん気持ち良くしてかねぇと、また1からやりなおしだぞコモリ」
「分かってるっつの」
ソウジョウは大儀そうにその辺りに腰掛けているままだが、コモリはじわりと体を移動させた。
ハダレの腰の辺りを跨いでいた体を膝の辺りまで下げると、次の狙いは自ずと定まる。
「ちゃんといかせてあげるから、安心して」
優しい瞳には、ハダレの性器が映っていた。
159代理戦争:2006/04/02(日) 03:47:57 ID:FlmRSso9
その頃――ウスライは佇んでいた。足元には十数人分の死体というか、生死不明の人間が折り重なっている。
すぐ脇には破られた非常階段の扉がある。
「ここを通ったのか…」
声に僅かな感情を混じらせて、ウスライが呟いた。
辺りを検分しながら、手にした袋詰の棒を背負いなおす。家庭内害虫を前に、スプレーを構えなおすような心地で。
そして歌でもそらんじるかのように呟く。
「其の3で『異』は基本的欲求が増大していると述べた。個人によるが、その増大傾向は偏る事が多い――
 睡眠欲が肥大する者は2日も3日も眠りつづける。食欲に偏るものは昼夜を問わず手当たり次第に食い尽くす。
 性欲に傾けば発情しっぱなしになり相手の精魂を尽き果てさせる……」
びちゃりと濡れた音がして、つま先に重さを感じる。ウスライは灯りを足元に向けた。
何か形容しがたい形状の生臭いものに足を突っ込んだらしい。無表情に振り払う。

「最も、偏ると言っても一辺倒ではないものも多い。一番周囲にとって厄介なのは興奮型――」
ウスライはこれ以上先に進むのを諦めた。障害物が多すぎる。
「性欲、支配欲、生存欲――これらのような外部に出力する系統の欲求が増大されるため、
 『異』が保持者の理性を越えて使用される事が多く、
 その結末は見るも無残な虐殺や暴力行為につながる場合が……」
だが、ハダレの確保を諦めるわけにはいかない。
ウスライは無残な現場に背を向け、違う道を探し始めた。そしてぼそりと呟く。
「――あいつは9割9分、興奮型だな。厄介な」

「…もう…やめろ…」
火照った瞳でハダレの性器を見つめるコモリに、青年は恐れ戦くような心地で制止した。
「何でこんな事するんだよ…お前がオレの…戦うとこ見ててくれたのは、分かったから…
 …何でケガさせてまで抱こうとするんだよ…訳わかんねぇよ…」
コモリはきょとんとしたような、陶酔したままのような、微妙な目でハダレを見つめた。
「あー、オレが説明してやろうじゃないか」
ソウジョウが話って入るように話に加わってきた。暇なのかもしれない。
コモリの視線をしっしっと追い払い、ハダレへの愛撫をするように促すと、考え考え話し出した。
「ぶっちゃけていうとな。お前は今まで代理戦争してやってきたA会とB社に裏切られたんだよ」
160代理戦争:2006/04/02(日) 03:48:43 ID:FlmRSso9
「ぁっ…!?」
吐息は艶めいた疑問を孕んでいた。
ソウジョウへの単純な返事でもあったし、コモリが性器を握りこんできた行為への答えでもあった。
「少し前に、モウジとかいうおっさんをお前犯っただろ?
 その時傷物にされて、問題になった商品が「茶髪で十代後半で『異』の男」。お前とそっくりなわけ」
「…やだッ…離せ!」
話を聞いているのか聞いていないのか、ハダレが暴れては力尽きるのを繰り返す。
ソウジョウは構わずに続ける。
「ま、お前も良く知ってると思うが、商品を注文したのがB社のボスで、物凄いお冠になって。
 人間の仕入れを担当してる部署は真っ青になって代わりを探したんだが、『異』なんてそういるもんじゃない。
 それでまあ――不運にも、お前に白羽の矢が立っちまったってことだ」
「や…ぁっ…だ…」
コモリの手がハダレの股間で蠢いている。
乳首での刺激は大した性的興奮は起こらなかったらしく、半勃ちにもなっていなかったそれを、
ごく丁寧に揉み込んでいるらしい。ハダレの声が上擦り、拒絶が切なく泣きそうな声に変わる。
「コモリ…や、め…ぅんッ…」
細い脚にきゅうっと筋が浮く。何かを堪える様に力が篭っている。
筋が深くなるたびに足首が引かれ、繋いでいた紐に腫れた足首を締め上げられ、痛みに弛緩する。

ソウジョウはポケットを探ろうとして思いとどまった。
先ほどから煙草を吸っていないのは、手持ちがなくなってしまったからだった。
暇を持て余すように顎を掻き、誰も聞いていないのに話を続ける。
「A会とB社は組んで適当な代理戦争を作って、お前とあの黒ずくめに依頼した。お前が負けるのを見越して。
 身分保証の契約が敗北によって切れれば、お前は殆どの市民権とかを失って、
 あとは死のうが行方不明になろうが、その裏で性奴として売り飛ばされようが、誰も知ったことじゃない」
161代理戦争:2006/04/02(日) 03:49:36 ID:FlmRSso9
「で、今日、試合が終わったらすぐにお前はA会に回収される予定だったんだが、コモリが言うんだ。
 『憧れのハダレっちのお初が食いたい』ってな。
 行きすぎた憧れが性欲になっちまったんだな。
 難しい話だったが、A会はお前がバージンじゃない可能性を見越してどうこうするつもりだったらしいから、
 こうして騙し討ちみたいにして、食ってから引き渡そうって事でまあ、こう言う事をしてるわけだ。
 ちなみにコモリはA会の回収班だからな、情報を先に得て店でバイトして、お前と親しくしてたって訳」

長い長い独り言を終えて、ふーっと息をつく。煙草の煙でも吐き出すように。
やはり大儀そうにベッドの上の「格闘」を眺めていると、ふとコモリが振り返って困ったように告げる。
「…どーしよ、足首縛ったままだとすごくこう…後ろを弄りにくいっつーか」
「足ほどくと、多分お前蹴り殺されるんじゃないか?」
「でもホラ、どうせ挿れるときにはどうにかしないといけないっつか……」
ふーむと口を曲げて溜息をつくソウジョウが見遣ると、コモリの手は休みなくハダレを愛撫しつづけている。
まだ使い込んだ感じの無いそれの先端から滲み出す体液を使って、摩擦を減らして快感を大きくする。
指先で敏感な尿道口を揉みながら体液を掬い取ると、新しく涌き出た先走りが幹を伝って落ちた。
それを使って、コモリはもう片手で睾丸を弄ぶ。
指先が微妙な重さを感じ、ハダレがここ数日性を断っているのではないかと予感させる。

「ン…ンんぅ…く…」
ハダレは相変わらず自分の肩や腕に、顔――特に右半分を押し付けるようにしていた。
だが漏れる吐息は熱く変じ、こぼれる喘ぎは意味のないうわ言に摩り替わっている。
そうなってみると、青年にあのリングの上で見た凶暴な面影は全くなかった。
くったりと体をマットレスに預け、濡れぼそった性器だけが異様に生気を放っている姿を見て、ぽつりと
「…どうでしょ。結構いい感じになってるから、解いてもいいと思うんだけど」
「ケツ弄ったらまた正気に戻るんじゃないか?そうなったらどうするんだよ」
162代理戦争:2006/04/02(日) 03:50:22 ID:FlmRSso9
でも、と食い下がるコモリと呆れたようなソウジョウの声を遠く聞きながら――
ハダレの意識は緩やかに浸食されていた。
『異』は特殊な感覚ではあるが、気合を入れたり呪文を唱えて行使するものではない。
五体満足な人間が、目が見えたり国語が理解できるのと同じ感覚なのだ。
だから、増幅させられる欲望も、『異』を使った副作用だとかではなく、最初からその大きさで保持者の中に存在している。

だが、それを普段からさらけだしていると社会に適応できないから、押さえ込む。
しかし今のハダレの理性は、肥大化した性欲に千切れかけていた。
唇を吸って欲しい。乳首を甘噛みして欲しい。性器を扱き、「肛門へ太いものを入れられ」て、絶頂を極めたい!
(嫌だ…オレはそんな事したくない…)
かぶりを振っても、性器を弄くられると、もっともっととせきあぐ欲望が脚を絡め取る。
(そんな事したいのは、オレじゃない…オレの身体はそうしたくても、オレはしたくない!)
爪を立てて抵抗しても、蛇のようににじり寄る快感に引きずられて、どうにもならない。
(オレは、オレでいたいよ…)
弱弱しい訴えは、膨れ上がった性感にたやすく飲み込まれて消えた。

結局、片足を解く事で両者は合意したようだった。
血は止まったようだが、結局放置していた右足は解いても問題ないだろうという判断だった。
コモリはハダレの右足の膝裏を押し上げ、自分の肩の上に担ぎ上げる。
ハダレの口から短い呻きが漏れたが、一瞥しただけで注意はしない。
逆に注意するのは、脚を担ぎ上げて初めて見えた後孔だった。濁った桃色のそこを粘液でも引きそうな執拗さで眺めて、ため息をつく。
「ハダレっち、ここ使ったことある?」
――答えが無いのを不審に思ったコモリが顔を上げると、ハダレは顔を伏せていた。
身を乗り出そうとするのを制して、ソウジョウがハダレの前髪を梳き上げる。
「お前があんまりしつこく弄くってるから、答えられなくなったんじゃないか?」

163代理戦争:2006/04/02(日) 03:51:03 ID:FlmRSso9
愉快そうに告げるソウジョウの言葉も耳に入らない様子で、青年は表情を蕩けさせていた。
伏し目がちな青灰色の瞳を潤ませ、耳まで赤く火照らせた「そそる」表情。
せっかく解放された右足も脱力して、勃起した性器を隠そうともせずに全身を投げ出している。
それはハダレがソウジョウの暴力とコモリの愛撫と、何より自分に巣食う欲望の暴発に陥落した証だったが、
残念なことに、ハダレのどこにどういう『異』が潜んでいるのか、そもそも『異』とは何なのか、
全く知ろうとしなかった愚か者2人には分からなかった。ただ、自分たちが青年を征服したのだと勘違いをしていた。

殺菌できるのが売り文句のウエットティッシュで軽くぬぐってから、そこに指を運んで、撫でてみる。
「ぅあっ・・・」
驚いたように腰を跳ね上げると、痛んだ体が軋んで、また驚いたように大人しくなる。
だが静止の言葉はなかった。
コモリは何度か指先で括約筋の表面の感触を味わってから、本格的に潤滑油を使ってそこに触れた。
「・・・硬いっつか・・・ガチガチだし」
「とりあえず、憧れの人が尻軽じゃなくて分かってよかったんじゃないか?」
困ったように振返るコモリに、とりあえず先に進めと促すソウジョウ。
ハダレが美女ならともかく、心底退屈している――或いは興奮していてもすることが無いために、いらいらしているようだ。
「だね」
それを見て取ったのか、コモリは濡れたハダレ自身に唇を寄せた。
根本から、先走りの伝った跡をなぞる様に先端まで舐め上げ、一滴も無駄にすまいとばかりに一気に銜え込む。
「ぁ・・・っあぁ!・・・ひ」
一方で、その後の穴も触れてやる。驚いて反射的に締まる後孔は、濡れていると淫猥に見えた。
更にコモリには「憧れの人」のフィルターがかかっていて、
指に吸い付く感触が自分だけに向けられているような錯覚さえ覚える。

164代理戦争:2006/04/02(日) 03:52:20 ID:FlmRSso9
唐突に「挿れたい」という言葉がコモリの脳裏に浮かんだ。
今まで何度も妄想してきたことであったが、本物の肢体を目の前に、ぽっかりとそれだけが抜け落ちていた。
急になにか急がなければならない気がして、口の中の性器をきつく吸いたててやる。
「あッ、ぁ・・・!ぅっ・・・!」
じゅくっと漏れた先走りが口に広がるのを嫌悪などせずに、コモリは口腔を使ってハダレを扱いた。
抱えた脚が快感を与えるたびにコモリを引き寄せ、それに気をよくした男が更にねっとりと舌を絡ませて愛撫する。
「ぅあ・・・あッ、んン・・・」
先ほど指でされていたときとはうって変わって、ぼんやりとした目で素直に喘ぐハダレ。
夢中で責めるコモリ。――そこに、ソウジョウが割って入った。

「あー、お前さっきから後ろがお留守なんじゃないか?」
言われて見れば、「入れたい」と感覚したときからコモリはフェラチオに気をとられて、後孔がおろそかになっていた。
あまりに孔が硬いので、一度いかせるつもりだったのだが、何だか本末転倒になってしまっていた。
ソウジョウは指に潤滑油をたっぷり垂らすと、早く温まるように擦り合わせながら、ハダレににじり寄った。
「オレが後ろを解すから、お前が前でいかせてやれよ」

「ああぅッ・・・!!」
「乱暴にすんなよ。・・・つか、やっぱなんか納得行かない気がする・・・」
「だから下ごしらえみたいなもんだってば」
コモリがハダレの性器を刺激する間に、ソウジョウがきつく締まった後孔を、性器を受け入れられるほどに解す。
なんともせっかちな手段だったが、効果は覿面だった。
2人がそれぞれ違う部位を担当することで、お互いがそこだけに集中できて細やかに責めることが出来る。
ハダレにとっても、こなれた部位の快感が未開発な部位の違和感を紛れさせてくれるだろう、その方が辛くない――
と、強姦犯2人は勝手に思ってやっている。
だが事実、コモリが触れていたときガチガチに緊張していた後孔は、今ゆっくりとだがソウジョウの指を受け入れ始めた。
冒頭の悲鳴じみた喘ぎ声は、ぬるりと指が侵入してきたはずみに漏らした声だった。
165代理戦争:2006/04/02(日) 03:53:09 ID:FlmRSso9
「ひ・・・ぃ・・・」
ソウジョウの指はもともと太い上に、軟骨を折ったことがあるので尚のこと抵抗がある。
それでも、滑りとコモリのフェラチオ――今は、亀頭部だけを集中して吸って、射精に導こうとしている――のおかげで、
痛いくらいの硬さながらも、根本までしっかりと銜えられている。
薬でも塗りこむようなイメージで、ぐるぐるとかき回してやると眉根を寄せて呻く。

「・・・どぉ?」
コモリが青年を銜えたまま尋ねる。その刺激でまたハダレが吐息を漏らした。
「よく分からん・・・とりあえず指は入るんだが、それ以上はどうなるか。無理してケツに怪我させたらヤバいな。
 かといってあんまりのんびり遊んでると上に怒られるぞ」
「うーん」
首を傾げて悩みながら、ハダレの先端に舌を這わせた。同時に片手の指を使って、裏筋を刺激してやる。
青年自身はとうに絶頂を迎えていてもおかしくない追い立てられ方をされていた。
ただ、後一息快感が足りなくて焦らされているといった所だ。逆に、満足な快感を後孔が邪魔しているのかもしれないが。
「・・・正直そろそろ挿れたいんだけどなぁ」
「うッ、んぅう・・・ん!」
「こいつが尻軽だった方が話し自体は簡単だったろうに」
太い指を2本に増やしながら、ソウジョウはため息をついた。
男には前立腺があって、個人差があるがそこを撫で繰り回してやればどうにかなる――とは、
数回男を抱いたことのあるソウジョウの信念だ。
だが今まで抱いたのは元々そっちの気があったり、遊びの感覚でやらせるほど後孔での快楽にこなれた連中ばかりで、
全くその気の無い者を口説いたり、ましてや強姦の際に役立つ知識かといわれれば首を傾げざるをえない感じがする。

166代理戦争:2006/04/02(日) 03:58:38 ID:FlmRSso9
ソウジョウの2本の指は、一本の時と同じくらいのきつさで迎え入れられている。
コモリが何度も絶頂寸前まで青年を追いやっているようだが、上手くいかせられないらしく、生殺し状態らしい。
その所為で――いや、そのおかげで、青年の後孔が蕩けてきているというのもあるのだろうが。

しかしこのくそ狭い内壁でも、見つからないものは見つからないものだ。
再びため息をつこうと、ソウジョウが息を吸ったその瞬間――
「ぁ・・・あああッ!!」
ビクビクッと、青年の身体が激しく跳ね上がり、コモリの口の中に予告無く白濁が注ぎ込まれた。
けほ、と咽ながら――それでも一滴残さず飲み込んだのは愛情の証だった――、
コモリはハダレとソウジョウを交互に見る。
ソウジョウはソウジョウで、いくらか柔らかくなった青年の締付けを呆然と指で味わいながら、2人を見やる。
ハダレは誰の事も見ていない。
絶頂の余韻に全身で浸りながら、その双眸はどこでもない宙をうっとりと見つめて彷徨う。

「・・・今なんかした?」
「いや・・・もしかして、なんかこう知らない間にツボ突いちゃったとか?」
何となく気後れするようにぶつぶつと呟きあう2人を尻目に、ハダレに巣食う性欲は膨らんでいった。
泣き叫ぶ精神を黙らせ、快感に抵抗する性器を勃起させ、拒絶する後孔を物欲しげに痙攣させ、
1人だけでなく2人も3人も容易く飲み込めるような、巨大な蛇のように。


↑ここまでです。
167風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 04:06:14 ID:/kNvucJU
キテタ―(・∀・)―!
ハダレタン、頂かれちゃうのかwktkwktk
168風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 07:42:23 ID:Pasp7WsT
本命様キテタ----!!萌え殺される!
169風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 09:37:11 ID:DUMZqF/4
GJ!超GJ!
ウスライタンがいつ来るのかwktkで待ってる。
170風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 09:50:29 ID:Ivi5ahxG
代理戦争たん
キタY⌒Y⌒(゚∀゚)キタY⌒Y⌒(。A。)キタY⌒Y⌒(゚∀゚)―――!!!!
171風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 13:39:13 ID:FOj+ASNj
いったんage
172風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 16:07:18 ID:8Ury1FFr
あげ
173危険物運搬 7:2006/04/02(日) 19:08:19 ID:yHwl26Eb
>>143-148 続き
----------------------------------
瞼越しに白い光がまぶしい。
何か声が聞こえる。

『――……こちらジェイ。任務は無事完了! ただ、システム乗っ取るついでに向こうの
ハッカーの脳も3つばかり焼いちゃったもんだから、ちょっとばかり事後処理に手間取りそう。
ここのサーバは居心地悪いから早くそっちに帰りたいよ。また後で連絡する』
ピッ、と電子音。
『コーラルだ。あのバカが合流地点に現れない。バカを回収してから撤収する。以上』
ふたたび、電子音。

レイヴンは薄く目を開いた。
全身がだるい。瞼が重いのは、腫れているからに違いない。
身じろぎしようとして、しかし動けなかった。
はっと身を起こそうとする。手首がきつくひっぱられ痛みが走る。
己の置かれている状況をようやく理解する。慣れたベースの、いつものミーティングルーム。
そこに置かれた、ブラッドの定位置でもある大きな肘掛椅子に座らされていた。
ただし、両足を肘掛にかけ、手首と一緒にテープで縛りつけられたあられもない姿勢で。
「な……っ、ブラッド……!!」
呼びかけた相手、即ちこの所業の実行者は、壁一面のスクリーンの前に備えられた
コンソールに向かっていた。
指先がキーに触れると電子音がして、録音されたメッセージがもう一つ再生される。
『あっはっは、俺だよ! ガイドが殺られて今迷子! コーラルの奴が絶対また怒るけど、
これって俺のせいじゃないよね?! あはは! 折角だからゴミどもみんなブチ殺してくる。
コーラルによろしく言っといて、じゃなッ!』
テンションの高い笑い声が途中で切れた。苦笑いでブラッドが振り返る。
「ルーナのやつ、相変わらずだな」
「いいから、これ……! ほどけ、はずせっ!」
解けないとわかっているのに身を乗り出そうとしてしまう。
その拍子に腹の中に刺激が走って、生物の卵がまだ腹の中にあることに気付く。
174危険物運搬 8:2006/04/02(日) 19:09:14 ID:yHwl26Eb

NAG-P00に散々に蹂躙されてから随分時間が経っている。孵化までに8時間。今は何時だ?
触手のぬめる感触を思い出し、レイヴンは青ざめて身をよじらせる。
恥ずかしい部分が全部晒された格好だというのに、下腹部に力を込めて卵を排出しようとした。
しかし卵同士が粘液で絡みあっているのか、締め付けて自分の首を絞めるだけの結果に終わる。
「早く、これ出してくれ、イヤだ、もう……」
「焦るな。言っただろう、下手に空気に晒すと卵が死滅する。ケースを持ってくるからしばらく待ってろ」
「はやく、はやく」
「大丈夫だ、まだ時間はある。大人しくしてろよ、レイヴン」
髪を振り乱すレイヴンの頭を軽く撫で、ブラッドはドアの向こうへと姿を消す。


「う……」
明るい光が照らすミーティングルームに一人取り残され、レイヴンは呻き声を漏らす。
壁面いっぱいのディスプレイは今は電源が落ちて暗く、大きく脚を開いた彼自身の姿が
鏡のように映し出されていた。生物の体液と自分の吐き出したものの白い汚れが目立つ。
いつもチームのメンバーが集うこの場所で、こんな格好で縛られている。その違和感と
恥ずかしさに気が遠くなりそうだ。
反発しながらも心の底では尊敬していたブラッド。その彼に、触手に犯される無様な姿を見られた
だけでなく、こんなふうにモノのような酷い扱いを受けていることが、悔しくて、屈辱的でたまらない。
しかしそれなのに彼を憎いとは思わない。
レイヴン、と耳元で囁かれるとぞくりと背筋が震える。ぎゅっと心臓が絞られるような感じがする。
決して不快な感覚ではなく、むしろ待ち望んでしまうような――。

自分の考えのたどりつく方向に気付いてレイヴンははっとした。
これでは、まるで、自分は。
かっと頬が熱くなる。馬鹿な。
思い浮かべそうになった言葉を追い払うように頭を振った、そのとき。


腹の中でぷち、と弾ける音を感じた。
175危険物運搬 9:2006/04/02(日) 19:10:05 ID:yHwl26Eb
(軟体動物注意)


それまで考えていたことが一瞬で吹き飛んだ。恐怖に息を呑んだ。
ぷち、ぷちと立て続けに卵が破れる感触。同時に腹の中に詰め込まれたものの
体積が一気に膨れ上がる。
薄い膜の中に高圧で閉じ込められていた幼生は、自由になった歓びに身をくねらせる。
まだ孵化しない卵ごと腸内をかき回される強烈な感覚にレイヴンは悲鳴を上げて身悶えた。
椅子が軋み、拘束された手首と足首にテープがよじれて喰い込む。
体内の幼生はしばらくのたうつと、出口を求めて蠕動を始める。細かな繊毛が内側をくすぐる。
這い進むたびに腸壁を吸い上げては離れる異様な感覚が連続する。その間にも、
また別の卵が孵化する。割れた卵から溢れた羊水が粘膜にぴりぴりとした刺激を与える。
レイヴンの口から喘ぎと唾液が止め処なくこぼれる。触手に犯された時の比ではない
強烈な快感に、自分の意思とは関係なく声が上がり、体が跳ね上がる。
後孔が内側からこじあけられた。幼生は出口を確かめるようにぐるりと縁を撫で回した。
それからゆっくりと這い出してくる。続いてもう一匹。

NAG-P00の幼生は、親をそのまま縮小した形状をしていた。
青白くぬめる軟質の体表に赤紫色の半球をした感覚器官がいくつも並んでいる。
下半分は無数の繊毛に覆われ、それが蠢いて皮膚の上を這い進む。
繊毛の間には吸盤上の器官が隠れていて、動くたびにレイヴンの皮膚をきつく吸い上げては離れる。
もちろん腸内でも同様に。
176危険物運搬 10:2006/04/02(日) 19:13:20 ID:yHwl26Eb
(軟体動物注意)


突然、コンソールから通信を知らせる電子音がした。
『こちらジェイ。ブラッド、いる?』
レイヴンの体が緊張した。必死に声を抑えた。
通信が入ると自動的にこちらのマイクもオンになる。
『……あれ、戻ってると思ったんだけどな。レイヴンもいないの?』
くちゅ、と湿った音がやけに大きくレイヴンの耳に届く。聞こえるな、と祈る。
最初に這い出した幼生が、立ち上がっている性器から流れてきた液体を発見した。
繊毛に隠れた口がその味を確かめると、より多くの栄養を求めて登りはじめる。
『コーラルから連絡があったんだけど、ルーナがどっか行っちゃったって?
一応こっちでも探してるけど、東都で……』
ジェイの言葉が続いているが、頭に入らない。声を抑えるだけで精一杯だ。
細い触手が性器にぞわぞわとまとわりつく感覚を声を上げて逃がしたかったが、できない。
唇を噛んで堪える。声を堪えているせいで、感覚が余計に明瞭になるようだ。
幼生はそんなことには構わない。産み落とされた何匹かが最初の1匹に続いて
性器に登ったが、すぐに場所がいっぱいになる。
あぶれた幼生は次々とレイヴンの体を這い上がり始めた。繊毛がぬめる跡を残し、
吸盤が吸い付いたところには赤い鬱血が点々と残る。一匹が右の乳首にたどり着いた。
ぷくりと膨らんだそれに興味を示したのか、確かめるように繊毛で撫でまわし、吸いつく。
その拍子に喉が引きつるような声が出てしまった。
『ってわけなんだけど――レイヴン? いるの?』
慌てて強く噛み締めた唇の端から血が滲む。
また別の1匹が汗の匂いに惹かれるように脇の下へともぐりこんだ。腿の内側をたどって、
左のつま先までたどり着いたものも1匹。何かを探すように指の間を割ってうねくる。
顎まで流れた血まじりの唾液を吸った何匹かは、その流れを辿るように首筋を
上へと這い上がっていた。腹の中ではまたひとつ卵が孵る。限界だ。
『……うん、まあ、いいか。ひとまずそっちへ帰るよ。楽しみだ』
ピッと音がして通信がオフになる。
177危険物運搬 11:2006/04/02(日) 19:14:10 ID:yHwl26Eb
(軟体動物注意)


その途端、耐えかねていた声が堰を切った。切なく喉を引き絞る喘ぎが止めどなく溢れた。
言葉にならない声の合間に、ブラッドの名が何度も繰り返されていることに、
彼自身は気づいていただろうか。名を呼んで、助けて、とうわ言のように繰り返す。
体の内と外側とを余すところなく激しく犯される感覚に思考が飛びかけていたレイヴンは、
開いた唇から幼生が侵入しようとしてるのに気付かなかった。苦い繊毛が舌に触れて、
初めて嫌悪感が湧き上がった。吐き出そうとしたが、舌と粘膜に吸盤が張り付いて剥がれない。
噛み切ることも一瞬浮かんだが、気持ち悪くて歯を立てることができない。
喉の奥にもぐりこまれる恐怖で必死に舌を動かし押し出そうとする。
その裏側を繊毛がさわさわとくすぐる。歯の付け根を撫でる。
どんなディープキスにも感じたことのない感触に、頭が真っ白になる。

体の中心がどくりと脈動した。
精液を放とうとしたその瞬間に、鈴口に幼生が取り付いた。吐き出したそれを
直接に吸い上げられた。
射精感が体の底から暴き出されるような感覚。
絶頂からさらに引きずり上げられ、全身が快感に支配され痙攣する。
反射的に締め付けた内側で、卵がいくつも割れる。生まれた幼生が腸内いっぱいにのたうつ。
刺激でまた達する。それをまた吸われる。

椅子が壊れそうに大きく何度も軋んだ。
それから動かなくなった。
ぐったりと脱力した彼の後孔から、幼生が1匹這い出し、磨かれた床に落ちる。
天井の片隅に設置された監視カメラがじっとそれを映していたことに、
意識を失ったレイヴンが気付くはずもなかった。
178危険物運搬 12:2006/04/02(日) 19:15:24 ID:yHwl26Eb
(軟体動物注意)

シュン、と音を立ててドアが開いた。
薄赤い培養液を満たした水槽を抱えたブラッドは、中の光景にわずかに目を瞠り、
それから笑みを浮かべる。
「少し目算が甘かった、か」
水槽をデスクに置くと、レイヴンの体を這う幼生を無造作につまみ上げ、
培養液の中に放り込んだ。引き剥がされるたびにぷちぷちと音がして、赤い跡を肌に残す。
喉の奥に入り込もうとしていたものも、指を突っ込んで掻き出す。意識のない喉から
僅かに声が漏れる。唇についた歯の跡を、指先がそっと撫でた。
体の中にも残っていないか、指を入れて確かめる。蠢いていた幼生は、ブラッドの指に
自分から絡み付いてきた。生暖かい。引きずり出せば、レイヴンの体が僅かに震えた。
培養液に放り込まれた幼生はしばらくの間繊毛を動かして泳いでいるが、しばらくすると
底や壁に張り付いて大人しくなる。その数がレイヴンの中に挿れた卵の数と同じなのを
確認し、ブラッドは水槽に蓋をした。

力なく椅子に体を預けるレイヴンの前髪をそっとかきわける。憔悴した表情。
手首と足首を縛り付けていたテープを剥がしていると、小さく声がして彼が身じろぎした。
「……ン、ブラッ……ド」
テープの跡の残る腕がすがるようにブラッドの背に回される。無意識の行動らしい。
それが愛おしくて、ブラッドはレイヴンのこめかみにキスを落とす。
「俺は卵が欲しいといったのに、勝手に生んでしまったのか。はしたないな」
「違……俺のせいじゃ、な……」
レイヴンは力なく頭を振る。
「随分気持ちよくなったみたいじゃないか。何回達った?」
「知、るか……バカ」
朦朧としながらも罵ることを忘れない口に軽くキス。けれどおそらく、レイヴンは
自分がキスされたことに気付いていない。――だからこそだ。
「次はちゃんと卵のまま運べよ」
「そんな……の」
レイヴンは何か言い返そうとしていたが、そのまま、また気を失った。
179危険物運搬 13:2006/04/02(日) 19:16:27 ID:yHwl26Eb
ブラッドはもう一度こめかみにキスをしてから、彼の体を抱き上げようとした。
ぐちゃぐちゃに汚れた体を、中まで綺麗に洗ってやらなくては。
その時コンソールで点滅する表示に気付く。通信中を示すアイコン。微かに眉間に皺が寄る。
「……ジェイ、か?」
『あはは、バレたか。俺がいない間に楽しそうなことしてるじゃない、リーダー』
スピーカーから面白がる響きの声が返った。
「いつから聞いていた?」
『卵が孵る頃くらいかなあ。通信切ったふりしてずっと繋いでたんだけど、
レイヴンは夢中だったから気付かなかったみたいだね』
「悪趣味だな」
『アンタが言うか。ま、レイヴンの可愛い顔も見られたし、リーダーの変態趣味に感謝だよ』
「誰が変態――待て。 “見た”のか」
『まあねー』
回線の向こうで笑う気配。同時に天井隅の監視カメラが動いてブラッドに焦点を合わせる。
ハッカーとしてシステムの乗っ取りや破壊を得意とするジェイにとっては、自分の本拠地の
防犯システムに侵入し監視カメラを操ることなど朝飯前だ。
『我ながらなかなかよく撮れてると思うよ?』
「……ジェイ、あとで話がある」
『俺もゆっくり相談したいな。俺、新しいサーバ増設してほしいんだよね。勿論最新のヤツ。
あと、九龍エレクトロニクスのバイオインターフェイスと、それからー』
ブラッドは舌打ちした。
「調子に乗るな」
『あ、いいの? さっきのキス、レイヴンに見せ――』
高い音を立ててコンソールが叩かれた。高い電子音が響いて通信が強制的にオフになった。
「ジェイのやつ……」
不機嫌に寄せられた眉は、しかし椅子の上で眠るレイヴンの姿を見て緩む。


ジェイが戻ってくるまで、まだしばらくある。
それまでもう少し、この腹立たしさを紛らすのに付き合ってもらうとしよう。
180危険物運搬:2006/04/02(日) 19:18:29 ID:yHwl26Eb
終わりです。

途中間違って上げてしまいましたorz
どう見ても801ナメクジです。本当にありがとうございました。
181風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 19:20:57 ID:axAwZxnu
乙でした。
初めてリアルタイム投下に立ち会って萌え死ぬかと思いました。
182風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 19:35:27 ID:XxG8bOke
これはいいものだ
183風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 20:54:07 ID:JS6ggsft
乙です。
萌え狂わせていただきました・・・。マジウマです。
また運搬役にされてしまうのか!
2度目は嫌がるだろうから、更にースゲーことに(*´Д`)
本当いいもん読ませていただきました。

ひそかに基地のアイドルだったことにも萌え。
184風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 21:03:18 ID:dLtqKLyn
これは良い鬼畜ですね。
乙でした。

でも続いて欲しい…!!(;´Д`)ハァハァ
185風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 21:43:40 ID:dXyHbc45
シリーズで読みたいです……!
186風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 21:46:55 ID:0q0mnNRP
まさに“幼生のキス”乙!!萌えました!
生まれてすぐオパーイを探して這い回り、ぬかりなく牡ミルクを吸出す幼生タソエロカワイス。
縁日でカラーひよこの横で売ってたら絶対買うわぁ。
187風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 21:51:36 ID:JS6ggsft
改めて読み直すと、
口から入っていたら内臓食われてたわけですね・・ガクブル。
リーダー、ゆっくりしすぎだよー超じらしプレイ!!(;´Д`)ハァハァ
188ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:25:51 ID:jUAGKPRp
亜熱帯の星だった。じりじりと射す太陽光は、きっと焼け付くように鋭いだろう。
近隣に遅れをとった文明で、砂漠やジャングルに散在する村々は原始的な暮らしを送っている。
機械的な匂いのない建築物は緑の多いこの星に見事に調和している。
その海賊達の根城はジャングルに囲まれてひっそりと息を潜めて佇んでいた。
「あれか?」
ユヒトは遠視モニターに映し出された映像を食い入るように見ていた。
そうだ、と答えたブラックの右目が怪しく光っている。
軍服の上から裸体を見透かされているのだろう、ユヒトは嫌悪感に眉をひそめた。
「アリー、少し離れた所に着陸してくれ」
そう言って操縦席に座ろうとしたユヒトの腕を取り、ブラックは引き寄せた。
「約束は守れよ」
ユヒトの身体を腕に抱いてブラックはニヤリと笑う。
顎を取りユヒトの唇をなぞり、もう片方の手はがっちりと尻を握り上下に揺さぶった。
「……っ、わかっている」
そのまま俯こうとするユヒトの顎を強引に持ち上げた。
「キスしろよ」
ニイっと口の端を上げブラックは試す。ユヒトが逆らえない事を知っていた。
「くっ…」
ユヒトは歯を食いしばって羞恥に耐える。この下品で不愉快な男に口付けろと?絶対に嫌だ。
「どうした、早く」
睫毛を伏せて顔を真っ赤にしたユヒトに意地の悪い催促が迫る。
二人の顔の距離はわずか数センチ、ユヒトは思わず仰け反ったがやるしかない。
これは取引だ。
王子を助ける為に島船を降りた。そして今ブラックに弱みを握られている。
これには理由があった。
三日間、ユヒトは男達に犯された。王子の声で誘惑されて倒錯的なセックスで欲望を貪り我を忘れた。
ありとあらゆる方法で身体と精神とプライドを傷付けられた。
ところが思いの他淫乱だったユヒトの身体に溺れたのは男達の方だった。
初めは控えめで大人しい、王子のただの付き人だと思った。
ところが彼は軍人で医師でもある。そして意外に強情で頑なで、裸にすれば淫らであった。
189ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:26:57 ID:jUAGKPRp
眉目秀麗で悩ましい表情、本人に自覚のない色気が無駄にだだ漏れなのだ。
「少し痛い目に会わせろ」
ライトは彼ら親衛隊にそう命じただけなのに、性的な制裁方法を選んだのはそのせいだろう。
いつまでも王子に義理立てしていたユヒトが、声という特殊効果だけであっという間に色魔になった。
このギャップに男達は虜になった。そして独占欲が湧く。
なんとか自分だけのものにしようとお互いを牽制しあうようになった。
三人の男達に嬲られながらそれに勘づいたユヒトは考えた。
自分の身体を取り合う男達をどうにか利用できないか。
そして取った行動は自分でも吐き気がするほど己の倫理に反していた。
たまたま二人きりになったブラックに取引を持ち掛けた。
「君達の星、基地に連れて行ってくれ。そうしたら君は一人、私を好きにしていい」
ブラックは少し迷ってから答えを出した。
「いいぜ」
ライトからユヒトを船から出すなとは言われていない。
三日経ってもライト達が帰って来ないのも心配だった。
それよりも、レッドとグレイを出し抜いて、ユヒトを独占できる事の方が魅力的だった。
この恐ろしい性戯の持ち主、美しい男を自分一人で貪る事ができる。
どんなに大金を積まれたって叶わないように思えたのだ。ユヒトの身体は男を馬鹿にさせる。
そしてユヒトが言いなりにならざるを得ない理由につながる。
王子のもとへ駆け付ける為、彼は自分の身体を代償にしたのだ。
「キスするんだ」
ブラックの重い声にユヒトの肩が震えた。小さく溜め息をつき、ユヒトは唇を近づける。
彼が躊躇うのは、この唇は王子に口付ける為だけに存在すると思っているからだ。
ん、とただ触れ合うだけのキス、拙かった。
「ちゃんとやれよ、引き返すぞ」
とても出来そうにない、生理的嫌悪感に胸がムカムカする。
けれど思い切って少し唇を開いて顔を傾けてみた。
ブラックがぐっと腰を寄せ、更に深くと催促する。
「ん……」
舌を差し出しブラックの口内に入り込んだ。
気色悪さに自然に腰が引けるが、迎えたブラックの舌によって思考が一気に飛んだ。
「ん…、あ、んむ……」
190ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:28:03 ID:jUAGKPRp
チュ、ピチャ、クチュ、ユヒトが口を動かさないままでもそこを貪られる。
唾液が唇の周りを縁取り舌が舌を絡め取る。
「ドクター、あんたってフェラは上手いけどキスは下手だな」
評価などほしくないのに、なぜかユヒトは狼狽した。
口の周りの唾液を拭い身体ごと顔を反らして不快を示す。
すると今度は後ろから抱き付かれて前につんのめった。
「わっ…」
片足をぐいっと持ち上げられ、ユヒトは身体を支える為にブラックの胸に背中を預けた。
膝の下を持ち上げられ足が上下に開いた。
「あんたってすげー淫乱だよなぁ。俺マジで惚れちゃったよ。特にここ…」
すっと前に延ばされた手がユヒトの股間部分をそろそろと這う。中指がアナルを突いた。
「くっ…」
股の所、ちょうどズボンの縫い目の上からこねるように指は踊った。
手の平は膨らんだユヒトのものを優しく揉んでいる。
「あー、今すぐぶち込みたいよ、あんたのここに。なあ、三人の中で誰のもんが一番良かった?」
ふ、ん、と鼻に抜ける吐息を吐きながらユヒトはその手の動きを目で追った。
誰が一番だと?王子でなければ誰のものでも全部一緒で最悪だ。
無駄に懐かれている場合ではない。
ユヒトは欲望に連れさらわれないように、王子の為に嘘をつくしかない。
片腕を持ち上げ背後のブラックの頭を抱え振りかぶった。
「あ、ん…。君が、一番だったよ…」
首筋がつりそうなほど伸ばしてブラックに口付けた。
「私を早くあそこまで連れて行って、後で必ず私をあげるから」
----------------------------------------------------------------------------------------
やあ、全宇宙100億人の俺のファンの皆様お待たせしました。あなたのケンです。
今日は俺の敬愛する我が惑星レナルディの王子(だった人物)についてお話しましょう。
……ダメだな、ずっと王子と一緒だったからこの調子が抜けない。
こんなに王子と四六時中一緒って事は今までなかったからな。そう、昼も夜も一緒。
羨ましいかい?俺は気疲れして吐き気をもよおした。
奴ら海賊達の根城に着くまでは散々だったよ。
まあこの星、最初の印象は良かったんだ。最初はね。
思ったより田舎の星でさあ、他の銀河系より大きく遅れをとっていた。
191ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:30:14 ID:jUAGKPRp
外部からろくな情報も入ってこないから気を使わなくてもいい、そういう意味だ。
ちょっと暑すぎるが、俺のバカンス先のリストに加えてやってもいいな。
ただ王子に付いて回りゃいいんだろ、最初はそう思ってた。
ところが事態は思ったよりも深刻だった。リーダーらしく珍しくライトが働いていたおかげで、
王子の身の回りの事は全部俺がやらなきゃいけない事に気付いた。
すぐに裸になりたがる王子をなだめすかし手の届く所には常に飲み物とお菓子を用意。
服の代えを常備し、ボタンを留め靴紐を結ぶ。移動に使った陸上船では操舵室を王子から守り、
操縦したがる彼の気を紛らわせる為に海に落ちてみたりした。
ドクター、あんたって立派な奴だったんだな。毎日こんな事してたのか。
そうそう、王子についてだったな。俺的目線だがいいかな。
まあご覧のとおりやんちゃな男だ。
我が侭で生意気、どこに行っても偉そうで世間知らず、いい加減俺を解放してくれ、
すまん私情が入った。まあでも根は優しい男だよ、たぶん。
今回だって具合が悪いというユヒトを休ませた。(俺の悪戯のせいなんだが)
王子の優しさの現われだろう。(俺は初めて見たが)
彼はびっくりするほど頭がよく勘も働く。
自国では外務には事欠かせない人物として、名実ともに地位を築いてきた。
レナルディが滅んだのは投獄された王子の不在が招いた惨事だと、俺は思っている。
遊び好きなのがたまにキズ、今回このような事態に陥ったのは全部王子のせいだ。
基地に着いて三日目、それは起こった。何で俺が牢屋に入らにゃならんわけだ!?
「ケン、お前もか」
先客がいた。この人意外に鉄格子が似合う王族を見た事がない。
「どういう事でしょうか…」
粗末なベッドに寝転がったけだるげな王子に俺はいった。
おおかたの予想はついていたが、尋ねるともないような独り言だ。
さあ、と身振りだけで王子はあくびをして眠たげに俯いた。まだ早朝だった。
二度目とはいえ楽天的すぎる。それでも俺はなぜかほっとした。
錆びた格子窓から早朝の日差しと濃い緑の匂いが差し込んでくる。
鳥のさえずりと遠くに聞こえる動物の声、こんなど田舎のジャングルでこの状況、笑える。
「王子!ケン!」
高い叫ぶような声、石畳の階段を転げるようにライトが駆けてきた。
192ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:32:02 ID:jUAGKPRp
「こら!くそガキ、早く出せ!」
ドスの効いた声で俺が怒鳴ると、ライトは困惑した表情で身をつまらせた。
「僕にも何がなんだかわからないんだよ」
冗談じゃないぞ、どういう事だ。とりあえず朝食、とライトはトレーを置いた。
また誰か来る、ライトの背後から現れた人物を見て俺はピンときた。
ブルーといったか、ライトの親衛隊でいつも影のようにひっそりと佇んでいる男。
常に静かで目立たず控え目、けれど必ずライトの傍にいた。
「ブルー、説明してよ。なんで彼らが牢に入れられるんだよ」
非難めいた口調でブルーに詰め寄るライト、なるほど結局お前も蚊帳の外か。
「レナルディ皇太子殿下」
冷ややかな抑揚のない声だった。そういえばこいつの声を初めて聞いた気がする。
「誰だこいつは」
ただならぬ雰囲気に王子は立ち上がって男を睨んだ。
「貴方の星は滅亡しました」
くそ!いきなり言いやがった。俺達が必死になってひた隠しにしてきた事実を、
いきなり現れた得体の知れない男がさらっと言うのだ。
俺が予感していたのはこれだ。レナルディ滅亡の話題はすでに宇宙を駆け巡っていて、
何かしらの策謀がすでに動き出している事。
海賊達のありえない予定変更、俺は裏を知る為に話に乗ってみたのだが…。
「お、王子…」
俺は恐る恐る振り返った。王子が今どんな顔をしているのかが怖かった。
「それで?」
笑っていた。まるきり信じちゃいない、当たり前か。
「…これまでの経緯をお話ししましょう」
ブルーは無表情のまま続ける。言動の予測がさっぱり読めない奴だ。
「三ヶ月前、殿下が投獄された後ですね、
レナルディは周辺惑星との国交協定を破り武装化を謀りました。
殿下が取り組んでらっしゃった、自国民奪還作戦から単を発したトラブルです」
成績表を読み上げるように、ブルーは淡々とした口調で話していった。
なぜ攻撃を受けたか、どのようにして国土を焼かれたか事細かに。
それは全て間違いない真実だった。俺が一番よく知っている、たぶん誰よりも。
「よく出来た作り話だな」
193ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:34:09 ID:jUAGKPRp
王子の第一声はこれだった。
「仮にお前の言っている事が本当だとして、
事態と滅亡確定された日とやらにブランクがあるのは何故だ?
作り話でもちゃんとつじつまは合わせるもんだ。第一こちらには優秀な情報屋がいる」
王子は俺を指さした。俺がいて自分が知り得ない事があるわけないと自信を持っている。
俺はいたたまれない、顔を背けた。
「それが組織ぐるみの隠蔽工作があったようで、確認作業に遅れが出たせいだとか」
ちらりとブルーは俺を見る。全て調べ上げたって言いたいんだろう。
実際俺のチームは優秀だった。この陽動作戦を最後に解散し、彼らは宇宙に散った。
二度と会う事はないだろう。
「なんだよそのジョーク、変な事言ってないで早く出してあげなよ」
ライトも信じていないようだった。
こんな重大ニュースを部下が知っていてリーダーが知らないはずがない。
王子はほら見ろ、とばかりに笑っていた。
しかし次の瞬間、ふと何かを思い出したように険しい顔に変わる。
「待て、ルイ・レコードと言ったか…?何故貴様が知っている…」
それは王子にしか知り得ないキイワードだった。
絶対に外部に持ち出す事のできない情報。事実俺も後から知った。
鍵は王子自身、持ち出す方法が他にあるなら、国という保管庫を破壊するしかない。
「情報サルベージか…!」
もう引っ掻き回されているのか。ブルーは俺の吐き捨てた言葉に静かに頷いた。
王子が俺を見て表情を無くした。顔が真っ青だ。
ああ、悪いユヒト、全て知られてしまったよ…。
「信じていただけましたか、殿下。なんなら現地の映像もご覧になりますか?」
すっと差し出したブルーの手の中には小さなプレートがあった。
そこから14インチの映像が現れる。柵越しに見た焼け野は、
俺が以前視察した時の状況より悪化したもののように思えた。
「三日前に送られてきた映像です」
瓦礫の山、レナルディ首都と標示されている。
壊れた戦艦、宇宙船、墜落した空母に戦闘機、ああ、あれは壊れたセレモニードームだ。
何かの遺跡が映っている、王宮跡と標示された。背後で王子が息を飲むのが聞こえた。
そう、これはかつて王子の暮らしていた彼の家、その遺跡なのだ。
194ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:35:42 ID:jUAGKPRp
そして次に映し出された映像に、今度は俺が息を飲む。
「サックス軍…?」
遺跡群に突入する部隊の映像、彼らが着ているのはサックスの軍服だった。
どういう事だ、サックスが介入する意図がわからん。今まで無関心だったのに。
「ご覧の通り国家も王権も意味のないものたなり、あなたの地位は剥奪されました」
辺りに静寂が訪れた。全員微動だにしない。今度こそ、俺は怖くて王子を振り向けない。
「ちょ、ちょっと待ってよ…。ブルー、何で僕に隠してたの。
王族じゃなくなったからってなんで彼らを閉じ込めるの。
報酬は貰ったんだ、商売上彼らは客人なんだよ!」
国を亡くした俺達に同情しているのか、ライトの方が一生懸命に言った。
「…サックス公がご逝去されたのです」
「な……に…?」
これは俺の声、まさか信じられない、あのお元気だったサックス公が?
「待て、お前…名を何と言ったか?」
震えた声で王子が言った。すると奴は初めて笑った。
「私の名前などたいした問題ではありませんが…。ここではブルーと呼ばれています。
コードネームはサックスブルー」
「サックスって……」
奴以外の全員がびびった反応をしたのだろう、ブルーは悠然とした笑みをたたえていた。
俺は鈍器で頭を殴られたような痛みを覚える。同時に背筋が寒くなった。
読めてきた。全てわかった。勘のいい王子の事だ、彼にだって分かる絶望の予感。
「新サックス公の命により、貴方を抹殺致します」
サックスブルー、ブルーより軽薄な色だ、彼の口はとんでもない言葉を吐き出す。
俺の目の前は真っ暗だった。
「エージェント・ケン、私とあなたは同業者です。わかりますよね、組織の命令は絶対なんですよ」
奴はもとの無表情に戻るとさらに続けた。
「ライト、申し訳ないのですが私はあなた方一団のメンバーである前にサックスの特派員なんです」
ライトがポカンとした顔で見ている。言葉も出ないようだ。
「私は前サックス公の密命でサックスまでの道中、貴方をお守りする任務に就いていました。
ところが一転して皇帝が逝去、新皇帝が立ち任務変更、前レナルディ皇太子殺害の命を受けました。
…サックスとつなぎます、あとは直接お話下さい」
195ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:37:46 ID:jUAGKPRp
再び映像が浮かび上がり、そこに一人の男の顔が現れた。
「やあ、レニー」
サックスの新皇帝、無能と評判の前皇帝の長男だ。
「久しぶりだな、そこは柵の中なのか?本当にお前は牢獄が好きなのだな」
王子と同じ黒髪、父に似ず陰湿な雰囲気の根暗そうな男だ。
王子をお前呼ばわりした。ムカツク野郎だ、俺は王子の反応を待った。
いつもならここで嫌味のひとつでも言って相手をやり込めるはず、しかし王子は無言だった。
「もう話は聞いたかい?私が新しいサックス公だ。父の喪に服しているのでこんな格好で悪いな。
レナルディの事は残念だったなあ、あんな見事な敗戦はなかったよ」
俺は以前こいつに会った事があるが、今も変わらず思っている。
最高に頭にくる野郎だ。
王子の殺害を目論む理由はな、こいつが無能だからなんだよ。
ずっと昔、レナルディの国王とサックスの皇帝は兄弟だった。
もうその血は薄れているが、何代にも渡り兄よ弟よと親密な関係を続けてきた。
つまりレナルディが本家ならサックスは分家、もちろん本家の方が重要視される。
本家が滅び生き残りの王子が分家に入れば内輪もめが起こる。
優秀すぎる王子を、馬鹿殿に代わり即位させようとする動きも出てくるだろう。
前サックス公は懐の深いお人だった、純粋に王子を不憫に思い迎え入れたかったのだろう。
「お悔やみ申し上げます閣下。覚えておいででしょうか、ケンです。
僭越ながら、王子をサックスへと望まれたのは前サックス公です。
その意向を無視なさるおつもりですか?」
俺の声は明らかに怒りで震えていた。
「覚えているよ、ケン。元気であったか?
父はお人よしだった。もともと元老院が許すわけない父の独断だったのだ。
サックスの脅威になろうかという男を大手を振って迎え入れると思ったか、おめでたい」
「王子を危険因子とみなされるのですか?」
俺の問いに少し苛立ちながら、サックス公は一呼吸入れる。
「どちらでもよい。レニー、とにかくお前には死んでもらう」
レニーとはレナルディ皇太子の愛称である。お前が呼ぶな。
「お前は昔から気に食わなかったんだよ」
サックス公は思い出したかのように顔を怒りで醜く歪めて言った。
196ほしの王子様:2006/04/02(日) 22:38:47 ID:jUAGKPRp
「明日だ、私の戴冠式が終わった頃、元老院議員達の前でお前を殺してやる。
本当は私が出向いてこの手で殺してやりたい位だが、ブルーに任せる。
すぐに殺しはしないさ。どうするかな、裸に剥いて釘で身体を打ち付けてやろうか。
お前の小奇麗な顔を殴って醜くしてやる。髪は全部手で毟り歯も抜いてやる。
そうだな、舌も切り落として犬に食わせよう。馬用の鞭で背中と尻を打ち続けてやろう。
お前は泣きながら命乞いするのだろうな。お前の呻き声が聞けるなんてワクワクするよ。
まずそこにいるブルーに犯してもらおうか。
そして明日になったら、性器を切り落とし自分の尻を犯すがいい。
麻酔をかけたまま臓物を引っ張り出し、お前の口に突っ込んでやる。
ああ、お前の悶え苦しむ様が早く見たい。明日だ、いいか、明日だ…」
残忍な言葉を吐きながら、恍惚とした表情で続ける。
「プライドの高いお前の怯えた表情、ゾクゾクするなあ。
悲痛なお前の叫び声が俺を安心させるんだ、協力してくれよ」
ブルーが歩み寄り、俺に向けて何かを放った。腕に刺さった、いってえ!
瞬間、頭がクラクラする。知ってるぞこの感覚、麻酔銃だ。
ブルーが鍵を開けて牢に入ってくるのが見える。王子に何をする気だ。
俺は床に倒れてしまったのか、世界が反転する。
視界の隅でぼんやりと惚けて佇む王子が見える。何をしてる、早く逃げろ。
ブルーの手が王子の腕を掴んだ。王子はビクリと顔を上げ、ブルーの顔を見る。
しかし悲しげにそのまま俯いた。抵抗する気がないのか。
やばい、まぶたが重い、目の前が暗い、力が入らない。
何か布を裂く音がした。
この叫び声はライトか?ライト奴を止めろ、止めろ、止めろ。
そう繰り返したまま、俺は落ちていった。
もう何も聞こえないし、見えない、そっちの方が幸せだったと後で気付いた。

☆今回はここまでです。
197風と木の名無しさん:2006/04/02(日) 22:41:07 ID:VR+qhYE7
ほしタソ乙! そしてGJ
続きが気になります
198風と木の名無しさん:2006/04/03(月) 00:52:47 ID:jSHU888R
触手たんGJ!!この後リンカーン?(´д`*)ぜひとも続きを!!
>>186ちょwwww買うなwwww

星王子たんもGJ!!ただユヒトたんが救われなさそうで(´・ω・`)
199風と木の名無しさん:2006/04/03(月) 01:10:24 ID:nwzzj3Ke
地下運搬タソ超GJ!
レイヴンとリーダーの関係に萌え狂いました
私もつづきが読みたいです

ほしのタソもGJ!
王子どうなっちゃうんだ…気になります

200風と木の名無しさん:2006/04/03(月) 01:12:49 ID:nwzzj3Ke
上げてしまってごめんなさいorz
首吊ってきます
201風と木の名無しさん:2006/04/03(月) 01:22:40 ID:NNYv+dLR
貴様が吊ったところで誰も喜ばんぞ。
むしろ脱げ。

ほしの王子タン食われるのか。食われちゃうのか。(゚∀゚)
202境界線38:2006/04/03(月) 01:54:40 ID:ABo0oHP7

目の前にジンがいる。
手を伸ばせば、すぐ届くところにジンがいる。
それだけで俺の胸は締め付けられるような、しかしどこか心地の良い痛みに見舞われる。
「安心した。思ったよりも顔色がいいね」
ジンは振り向いたその位置で、俺に優しく笑いかけた。
いつもの彼なら真っ先に近づいて確認するように体中を触っているはずだ。
きっと気を使ってくれているのだろう。
「心配かけて・・・ごめん」
ぎこちない口調で、俺は謝った。
「いつから此処に?」
ジンのベールから覗く腕が、心なしか細くなっているように見えた。
平気な顔をしているようだが、よく見れば目の下にも薄く隈が出来ている。
ちゃんと食べているのだろうか・・・
それとも、長い間この遺跡の中で待っていたのか・・・
城を出て行く時、俺は自分のことしか考えていなかった。
とにかくハキムから逃げたかったから。ジンにどんな顔をして会ったらいいのか分からなかったから。
・・・故郷であるこの村に帰ってしまえば、楽になれると思った。
俺がいなくなった後の、ジンのことなんて考えていなかった。
結果。身体の傷は和らいでも、心のわだかまりだけは募るばかりだった。
俺がジンを思う気持ちは日々強くなるばかりだったのだ。
「ユダが心配するほどは待ってないよ。君が来るかな?って思った時に城を出たから」
そう言って、ジンはやっと俺の目の前まで歩を進めた。
「ね、ユダ。僕が何でここに来たか分かる?」
俺は俯き加減だった顔を上げる。
まっすぐなジンの視線に思わず目をそらしてしまった。
203境界線39:2006/04/03(月) 01:55:13 ID:ABo0oHP7

まだ怯えている・・・俺は。
何も知らない彼を身勝手に振り回してしまった自分を呪った。
「ごめん・・・」
ただそう呟くしかなかったが、しかし、ジンはそれを許さなかった。
「謝るのは無しだ。な、ユダ。俺が此処に何で来たんだと思う?」
言葉に優しさを込めたまま、黙ってしまう俺を見つめる。
少しの間沈黙が続いて、やっと俺はやっと言葉を発した。
「・・・俺が勝手に城を出たから」
「出たから?」
「・・・・・・怒ってる?」
ジンはがくりと肩を落とした。
やっぱりそうなのかと急に不安になって、俺の手は震える。
「当たってる。けどユダ。それは僕の質問に答えられてない」
ジンはうな垂れた頭を上げて背筋を伸ばす。
「君が勝手に城を出たから、僕は迎えに来たんだよ」
俺は「え?」と目を見開ける。
「一緒に帰ろう、ユダ。俺の城に」
差し出された手。俺はそれを呆然と見つめる。
その手を握り返すことが出来なかった。城に戻ることに身体が拒絶した。
「無理だ」
「何で?僕と一緒に居たくない?」
「・・・そうじゃなくて・・」
正直な言葉がどうしても喉の辺りで止まってしまう。
「・・・原因が僕じゃないなら、ハキムがいるから?」
「・・・っ!!?」
204境界線40:2006/04/03(月) 01:56:45 ID:ABo0oHP7
名前を聞いたとたん、俺の方が大きく震えた。
何でジンから彼の名前が出たのかという疑問と生理的にくる身体の震えを抑えながら、
俺は信じられないといった目でジンを見つめた。
「守れなくてごめん。けど、あいつはもう国にいないよ」
「え・・・?」
「じゃーん」
ジンは掛け声と共に懐から紙の束を取り出して、地面に放り投げる。
見覚えがあった、その紙の束。
「・・・あ・・・」
そう、これはあの時の悪夢が記さている、真っ二つになったハキムの研究書類だ。
壁にかかった燭台から火のついた蝋燭を取り、ジンはその紙の束の上に落とす。
それはじわじわと焦げ、そして乾いた空気の中で燃え出す。
五分としない内に彼の研究のすべてが燃え尽きてしまった。俺の痴態と共に。
「・・・ジン。もしかして中、見たのか?」
安心と共に嫌な予感がしたから、恐る恐る聞いてみる。
「見てなきゃわざわざ君の目の前でこんな披露しないだろ?」
聞いて頭を鈍器でぶたれたようなショックを受ける。
恥ずかしさやら、やるせなさやら、何ともいえない・・・とにかくショックだ。
俺は力なく膝に顔を埋めてしまう。ジンにだけは見られたくなかった。
竦みながら俺と目の高さを同じにして、ジンはまた優しく話し掛ける。
「ハキムの部屋も撤去した。面影もほとんど残っていない。問題ないだろ?」
帰りたくない理由は全て消えた。
けど、俺の中ではまだ問題が残っている。
「俺とお前の記憶の中ではまだ消えてない」
関節的に痴態を見られたことが後を引く。
なんだか情けなさを通り越して悲しくなってきた。
205境界線41:2006/04/03(月) 01:58:52 ID:ABo0oHP7
「別の男の感触が残るなら、僕の身体で癒せばいいじゃん」
「馬鹿か!!!」
不意打ちな台詞に俺は自分でも分かるくらい顔を真っ赤にして怒鳴った。
「真面目だよ僕は」
真面目にも冗談にも聞こえない口調で、ジンの顔が近づく。
「・・・あ・・」
キスされるかと思った。
いや、直前のところで止まっただけだ。
「ね、ユダ。僕のことが好き?友人としてじゃなくて」
「それは・・・」
「もしそうじゃないなら、君を連れて帰るのは諦めるよ。また昔みたいに此処だけで会おう。
 けど、もし君が受け入れてくれるなら・・・僕は君をつれて帰る。ずっと一緒にいるんだ」
前と同じように・・・ジンが来るのを此処で待つ。
再開の喜びよりも先に、会えなかった時の寂しさを思い出した。
一国の王子様だって暇じゃない。ジンが来ない日は必ずある。
そんな日は待っても待ってもやっぱり来なくて、それでも俺は待ってしまう。
寂しさに涙が出てしまった時もあった。
下手したら、一週間以上来ない彼を待つ日もあった。
辛かったから、寂しかったから、毎日会いたかったから、俺は勉強した。
「愛してるよ、ユダ」
ジンの言葉が会えなかった一ヶ月間の空白に沁みる。
満たされたような気分だ。
友人としてでなければ受け入れられなかったはずの言葉が今は何故か心地いい。
「ユダ。僕を愛しいと思う心が少しでもあったら、このままキスして」
206境界線42:2006/04/03(月) 01:59:55 ID:ABo0oHP7
ゆっくりと目を閉じるジンに、俺は自分でも驚くぐらい落ち着いていた。
確かに動揺しているはずなのに、頭は妙に冷静に思考を巡らせている。
キスしてしまえば、俺はジンの告白に応えることになる。
キスをしなければ俺とジンは親友のまま、昔と同じように日々を過ごす。
少し前の俺なら、すぐに後者を選んだだろう。
しかし、今の俺はとにかくジンの傍に居たいと思った。
好きという言葉。愛しているという言葉。
その言葉を、俺はジンの何に伝える?
友人として。
恋人として。

俺はジンを愛してる・・・?俺は・・・

目を瞑って自分への問いかけに答えるように、俺はジンの唇に、自分のそれを重ねた。
ジンは驚いたように目を見開けたがそれも一瞬で、俺の頭を掴んで深くそのまま口付けする。
ちゅ・・・と音を立てて、二人の唇が離れた。
慣れない事をしたせいか、見つめられるとやけに気恥ずかしい。
そんな俺を、ジンは力いっぱい抱きしめてきた。
「じ、ジン!苦しいだろ!」
手加減なしに締め付けてくるジン。俺はあまりの苦しさにもがく。
「ユダ。僕さ、今君に出会えた事と同じくらい幸せだ!」
その言葉は、苦しさを一瞬だけ忘れさせた。
ジンは俺を喜ばすのが上手だ。想えば想うほど愛しくなってくる。
今までの悩みが嘘のように溶けていった。
207境界線43:2006/04/03(月) 02:00:30 ID:ABo0oHP7

何十分そうして抱き合っていただろうか。
ジンは俺を床の上に押し倒そうとして、その動きを止めた。
戸惑おうとする前のことで、逆に戸惑ってしまう。
「続きは城でだ!」
そう言って俺の手を引いて立たせる。
「それに、さ」
「それに・・・?」
俺はベールについた砂を払いながら首をかしげる。
ジンは幼い頃に見せたような悪戯な笑みで俺の目を見た。
「俺はまだ君に罰を与えてないだろ?」
「は・・・?」
俺は何のことか分からずに目を丸くした。
「ハキムに近づいたら・・・ユダは賢いから覚えてるだろ?」
俺は思考を巡らせて「あ・・・」と声を上げる。
そして見る見る血の気が引いた。
「そ、それは・・・お前だってちゃんと説明しないから!!」
「あいつに近づいたら犯されるぞ〜て、言っても信用したか?」
「それは・・・えっと・・・」
口篭もってしまう。言い切れないところがお互いに悲しい。
「僕って信用ないのかな〜?まあ、ちゃんとお仕置きしなきゃ面目が立たないから、な」
誰の何に対する面目を立たすつもりなんだ?
そう聞きたかったけど、聞けなかった。
いつもなら微笑ましいと思っていた笑みが、今日は子悪魔のように見えたから。

彼とこれから毎日を共にして身体が持つのだろうか・・・?
きっとそんな不安も、幸せの陰に隠れて俺の頭を悩ませるのだろう。
思い出の地を後にして、俺はジンとこれから生活を共にするであろう城へ帰った。
208境界線44:2006/04/03(月) 02:00:59 ID:ABo0oHP7
―――――

ほんの一ヶ月前まで住んでいたせいか妙に懐かしいく、けどやはりしっくりとこない場所。
ジンの城に、俺は戻ってきた。
もう二度と戻らないと思っていたせいか胸にくるものがある。
秘密基地を出てそのままこの城へ向かったせいか、俺は家を無断で出て行ってしまった形になる。
父親も母親もまさか俺が戻ったなんて知るわけが無いから、まず手紙を書こう。
随分心配させてしまったから、安心させてやらなければ。
俺は紙の束と筆を取り出す。そこへ・・・
「ユダ!!」
ドタン!と勢いよくドアが開かれる音。
「ジ、ジン!?壊れたらどうするんだ!」
「どうしたんだ?」よりも先に出る言葉がこんな細かいところの指摘と言うのも、ジンはもうつっこまない。
勢いよく入ってきたことは特に意味は無いのだろう。
机に向かっている俺に後ろから抱き付いてきた。
綴っていた字がずれそうになる。慌てて紙から筆を遠ざけながら俺はジンを叱った。
「危ないだろ!・・あっ・・」
不意に耳に違和感を感じた。
ふっと風を感じたと思ったら柔らかいものがくすぐるように俺の耳を弄る。
「ジン・・・?」
「筆止めちゃ駄目だよ」
いつもより低い声で耳元に直接呟かれる。
生暖かい風を吹き掛けられる度にぞわぞわとした感覚に襲われた。
筆を握る手が僅かだが震える。
「ほら、両親に手紙を書くんだろ?続けなよ。僕は勝手に遊んでるから」
首筋をさする指の冷たさに肩が震えた。
ハキムが言っていた通り、性感帯と言うものを弄られているからだろうか・・・
もどかしい感触に恍惚としてしまう。
こんな状態で手紙なんて書ける訳が無かった。
「ユダ。お前がこっちに集中したらお仕置きにならないだろ?」
「ば・・・馬鹿!何させようとしてんだ!?」
209境界線45:2006/04/03(月) 02:02:20 ID:ABo0oHP7
「そんなの、愚問」
ゆっくりとした手つきでジンの手が俺の胸の辺りをさする。
布を纏っただけのそれは指の動きを生々しく俺の肌に伝えた。
徐々に下に向かったと思えば撫で上げるように上って来る。
布に擦られて反応し出したか、胸の突起物が撫で上げられる際に掠られ俺は眉を掠める。
「たった一夜で随分な身体にされたじゃないか。もう息が上がってる」
言われて、呼吸が乱れていることに気が付いた。
急にあの時の恥ずかしさや情けなさを思い出して、俺は固く目を瞑った。
「・・・ん・・はぁ・・」
弱いところを探るように動くジンの手に、次第に俺の中心が熱を帯びてくるのが分かる。
それに反応したのか、俺の中に『依存』という形で寄生する薬が目を覚まし始めた。
「触ってもらえなくて辛いか?」
「ジン、何を・・・んっ・・そんなに、怒ってる?」
長年付き合ってきた仲だ。
相手の微妙な感情の変化だって解る。
俺の身体が反応すればするほど、ジンの手つきは荒々しいものになっていった。
声のトーンだって、始めの熱っぽいものとは少し違う。
興奮の混じった喜びと、その影には確かに怒りの感情があるのだ。
「ふっ・・くっ!・・あ・・」
ジンの指が俺の胸の突起物を、同時に強くつまんだ。
痛みに混じった妙な快楽に、どうにか堪えていたはずの声が漏れた。
そのあまりの甘さに、俺は顔の熱が上昇し頭が混乱する。
吐き出せない中心の熱は血液を通して体中に回りだし、俺の身体を不必要なほどに疼かせる。
「こんな身体に、本当は僕がするはずだったのに・・・」
耳元で熱っぽく囁かれた、少し悲し気で甘い声。
頭はそれをも意味として認識できなくなるくらい、他の男に植え付けられた熱に犯されていた。
俺の指からは既に筆は滑り落ち、まだ半分も書いてない両親の手紙の上に黒い沁みを造りながら転がっていた。

――――――
此処までで、続きます。
210風と木の名無しさん:2006/04/03(月) 02:17:08 ID:ZRXNRgkp
星たん&境界線キターーーww
もう寝れにゃい…w凄まじい萌をありがとうございますorz
211風と木の名無しさん:2006/04/03(月) 02:45:55 ID:vSGhiZoq
運搬タソ凄い萌えました!ε-(゚∀゚*)ムッハー
是非是非続きを……!

境界線タソも続きが楽しみです!wktkしてまってます
212風と木の名無しさん:2006/04/03(月) 09:07:23 ID:nTgJqCOt
この豊作っぷりに萌え氏にそうた(*´д`*)
213風と木の名無しさん:2006/04/04(火) 06:53:10 ID:hchAwdvv
これはもう豊作かもわからんね
214境界線46:2006/04/04(火) 23:40:21 ID:vOVuwpC3
机に前のめりになる俺に覆い被さって、ジンは俺の首筋に顔を埋めている。
舌の感触がする度に、俺は身じろぎする。
そうすると、ジンの柔らかい髪が俺の肌をくすぐる。
完全に薬が回って、俺の身体はそれだけの刺激でも感じてしまう。
吐き出してしまえば楽になれるのに、ジンは俺の性器の周りや股を撫ぜるだけで直接触れることは無い。
「だらしないな、こんなにぐったりして」
ジンは俺から離れると、すぐ隣にあるベットをぽんぽんと叩いた。
「少しほこりっぽいな。召使に取り替えるように言わないと」
そりゃあ、ジンのベットに比べれば使用人のベットなんて質素なものだ。
多少の破れや沁みだって当たり前すぎて気にならない。
「マットも固い。こんな所に横になって、よく腰を痛めないな」
後で丸ごと交換してやるよと、とんでもないことを軽々と言う。
位としては下っ端以外の何者でもない俺の身にもなってほしい。
散々シーツを叩いて、それでもまだ不十分そうな顔をすしながらも仕方ないかと肩を落とす。
強い力で俺の手を掴み、座ったままの身体をベットの上に引き寄せる。
力の抜けた身体がそのままジンの上に倒れこんだ。
「なんだユダ、自分の身体も支えられないのか?」
体勢を逆転させながら、子供を扱うような口調で言う。
ジンがそうして楽しそうにしている最中も、俺は体中の弄られてそれどころじゃない。
股の間に、ジンの脚が割込む。
俺の上半身を纏っていた布を脱がし、それと自分のベールで俺の手首をベットの両端に拘束する。
「・・・ジ、ジン?」
そのままズボンを脱がされながら、俺は過去の似通ったシチュレーションに頭を益々混乱させる。
「セックスのたびに僕じゃない男が頭に浮かぶなんて許さないよ」
215境界線47:2006/04/04(火) 23:41:08 ID:vOVuwpC3
優しい口調で、優しい手つきで俺の頬を撫ぜる。
そしてその指で、露になった胸の突起を指の腹で押しつぶすように弄る。
既に固くなっていたそれはつままれる度に痛みと快楽の混じった感覚に襲われる。
段取りがや手つき。
経験が少ない俺はどうしてもハキムにされた感触を思い出してしまう。
目の前に居るのはジンなのに、どうしても嫌悪感がこみ上げる。
「ユダ。精神、肉体に受けた傷はどうやったら治せると思う?」
「・・・へ?」
ジンは腰に括りつけた布の袋を取り出すと、机の上にそれを広げた。
「・・・っ!!」
ビクリと俺の肩が震えた。
中からはコロコロと針の束が出てくる。
「全部で十本ある」
「な・・・何する気だ・・・?」
声が震えた。数ヶ月前の悪夢がクラッシュバックする。
「やだ・・・厭だ!」
力の入らない身体で、暴れる。
俺の体重が移動する度に、ベットばぎしぎしと音をたってた。
「落ち着けユダ。何も本当に刺すつもりで持ってきたわけじゃない」
恐怖の色が浮かぶ俺の目に、ジンは優しくキスした。
「怖いだろ?思い出すか?・・・それでいいんだ」
目の前で針の先をちらつかせながら腕の跡が残っているその場所に、針の先でさする。
くすぐったいような感覚だが、痛みを知っている身体は震えが止まらない。
最初の一本は俺の肌を人撫ぜして、机の上に分けて置かれた。
「針が刺さると、身体が熱くなるんだろ・・・?」
思い出したかのように、身体に熱を帯びる。
ジンは俺の耳元に唇を振るわせる。
「・・や・・んんっ!」
濡れた舌が耳の中の弄る。手順まで同じ。
何をしようと言うのか、ジンの思考がわからない。
216境界線48:2006/04/04(火) 23:41:47 ID:vOVuwpC3
「厭だ、やめ・・・あっ!」
不意に、ジンの手が俺の性器を握った。求めていた刺激を直に与えられる。
「ひぁ・・・あっ・・あっ!」
ジンはハキムの研究書を意識して、かかれた通りに進めている。
使用人の部屋の天井なんてみんな同じなんだろう。
此処は自分の部屋なのに、ハキムの部屋に重なってしまう。
俺は固く目を瞑った。涙が流れ落ちたのが分かる。
怖い。ジンの顔が見えない。
「ユダ、目を開けろ」
ジンの声と共に、唇に柔らかいものが触れた。
ゆっくり目を開けると、すぐ目の前にはジンの顔がある。
「・・・んっ・・ん」
唇を割って舌が進入してきた。
ざらついた舌は歯の裏を舐め、俺の舌を絡め取るように吸い付いてくる。
くすぐったいような感覚だが、それをも快楽になってしまうまでは早かった。
息苦しさを忘れてしまうくらい、俺はジンのキスに翻弄された。
少しずつ、彼の舌に応える事を覚える。
目は薄く開いたままだった。
目の前に居るのはジンだって事を忘れたくなかったから。
「ふぁ・・・ん・・んっ!」
徐々に激しくなる指の動きに堪らなくなって、俺はジンの手の中に精射した。
熱は吐き出してしまったはずなのに、あの時と同じで薬の効果は切れない。
人間の体は不思議だ。本当に薬を投与されたわけではないのに、腕の痕が熱い。
肘よりも少し上の位置にある、浅黒い肌の上に一層黒くなった個所。
そこにはぽつぽつと九つの刺し痕がきれいに残っている。
ジンはそこを優しく指の腹で撫ぜる。
217境界線49:2006/04/04(火) 23:42:58 ID:vOVuwpC3
「血液と結合してから数時間もほったらかしにしたせいで植物の成分が酸化して痕になったんだな」
人の身体が後退する。
俺は次に何をされるのかが分かって耳まで赤く染めた。
俺の中心まで来ると、ジンはそのまま頭を垂れて俺の性器を口に含んだ。
「ふ・・・うぁ!ジ、ジン・・・ああぁ!」
閉じかける股を力任せに開き直して、ジンは俺の性器を全て口に収めた。
柔らかく締め付けてくるものが何度か上下を往復する。
尿道をこじ開けるように下が窪みを弄り、そして亀頭をくるくると舌の先で舐めまわす。
一度目の精射をしてから何分も立っていないのに、俺の性器は痛いほどに固くなった。
中心を吸い上げられる度に俺は絶頂を迎えそうになったが、
根元を締め付けられているので精射することは無かった。
指で先を弄りながら、裏側の筋を何度か舐め上げられる。
もう何処が気持ちいいのか分かってしまっているかのように俺の弱いところばかりを
ざらついた舌で擦るように刺激された。
暫くそうされているうちに舌は袋の部分を一舐めし、俺の秘部をつついた。
侵入を試みようかと思ったようだが、一センチほど入った舌はそこで抜かれた。
「・・・ジン?」
与えられかけた快楽を止められ、もどかしい感覚に俺はジンの名前を呼ぶ。
ジンは針を二本手に取り俺の腕を撫でてから、
自分の腰の辺りをもぞもぞと探り、また先程と同じような袋を取り出した。
ひっくり返せば中からは詮のされた人差し指ほどの小さな小瓶だ。
ジンはその詮をきゅぽんと引き抜くと、中の液体を指先に塗りつけた。
花のような香りが部屋中に広がる。
「香油だ。慣らすならこれの方が痛みが少ない」
ぬるついた指が俺の中に入ってくる。
218境界線50:2006/04/04(火) 23:43:45 ID:vOVuwpC3
たったの一本にあんなにも苦戦していたの馬鹿らしくなるくらい、ジンの中指はあっさりと俺の中に入った。
指の腹で内壁を撫ぜるように、中に入った指が行き来する。
香油のすべりでそれは唾液や精液のぬめりよりもスムーズに動く。
二本目の指を挿れたところで、ジンは指の谷間に沿って香油を垂れ流し、それは隙間を通って中に垂れる。
冷たい感触に肩を震わせながら、そこは指が動くたびにグチュグチュと音を立てるそれに聴覚を犯された。
瓶の半分ほど中に香油を挿れられただろうか。
中身が零れ手仕舞わないように、ジンの足が俺の股を抱えて腰を浮かす。
三本目の指で入り口をよく広げると、ジンはそこで挿れていた指を引き抜いた。
変わりにジンの性器が俺の秘部に添えられる。
それは目にしなくても分かるくらいに大きく膨張し、固くなっていた。
挿れるんだな。と、俺は先程までの快楽に浮かされた頭で思った。
「ユダ。入るよ?」
「ジン・・・。んあ、・・・うああっ」
狭いそこから、少しずつジンの性器が侵入する。
質量のあるそれは、しかしよく広げられた入り口と香油の滑りが助けて痛みは少ない。
ただ内壁を圧迫される苦しさは何をしても同じのようで、俺は背筋を反るようにして大きく息を吐き出した。
中に溜まっていた香油が、ジンの性器を中に挿れれば挿れるほど透明な筋を作りながら溢れ出す。
濡れた音を立てながら、ジンの腰がぶつかった。
苦しさに身を捩りながら、ジンは俺の中の一点を探るように、深いところを小刻みに突く。
「はぁ・・んっ・・はぁ・・ん、ぁあっ!」
俺の身体が強張った。
「見つけた」
そう短く言うと、ジンは一度性器を引き抜き、俺のそこを狙いながら強く打ち付けた。
219境界線51:2006/04/04(火) 23:44:22 ID:vOVuwpC3
「あああっ!!」
強い快楽がそこから生まれる。
固いシーツの上で、体重のかかった肩がじわじわと痛み出したが、そんなことは気にならなかった。
何度も何度も突かれていく内に、俺の腰がもっと突き易い位置を導くように僅かだが揺れ出す。
「あっ・・あっ・・じ・・んっ!・・・ジン!」
「愛してるよ、ユダ」
ジンの顔が近づいてきて、俺は「早く」と言わんばかりに自分から頭を起こしてジンの唇に自分の唇を重ねた。
そして、ジンは繋がったまま枕に俺の頭を押し付けるように深くキスした。
俺は固く目を閉じたまま果てた。
少し遅れて、ジンの精射を腹の中に感じる。
ジンは甘い吐息と共に、俺の身体から身を起こした。
机から針を取る。
「ユダ、これは四本目の針だ」
四本目。そう、俺が最後の抵抗をした針。
ジンはその針を刺されたその位置まで持ってくる。
「じ・・・ん・・?」
「危ないから、動くなよ」
ジンはその針の先で、俺の尿道付近のその刺された場所を撫ぜた。
ちくりとした僅かな刺激に撫ぜられていくこそばゆさ。
恐怖以上に快楽を感じてしまい、俺の身体が揺れそうになる。
少し黒く痕の残ったそこから、徐々に身体が疼きはじめる。
ジンは針を机の上に置いて、針がさすったその場所を優しく撫ぜた。
「ジン・・・はや・・く」
僅かな指の刺激に身体をびくつかせながら、俺はジンがもっと強い刺激を与えてくれるのを待っていた。
しかし、ジンはぬるついた指の先で俺の亀頭を弄ぶだけで、なかなか腰を動かしてくれない。
イキそうでイケない快楽に俺は悲痛の声を上げる。
中心に電気が走るような精射のない絶頂を迎える度に、俺の秘部は刺激を求めてひくついた。
「ユダ。人にものを頼む時は、「お願いします」だろ?」
意地の悪い顔でにやつきながら、ジンは指の動きに強弱をつける。
220境界線52:2006/04/04(火) 23:44:56 ID:vOVuwpC3
「やっ・・・あああぁ!んああ!」
出すことが出来ないまま中心にどんどん熱が溜まっていく。
「ほら、言うことを聞かないと辛いばかりだろ?言いいなよ」
「んあ・・ふっ・・・お、お願い・・しま・す」
死ぬほど恥ずかしいハズなのに、身体が快楽に飢え過ぎてそれどころではない。
「何を、お願いします?」
追い討ちのようにかかるジンの言葉。
優しくなったり、意地悪になったり。
セックスの時のジンはどんなに思考を巡らせても読むことが出来ない。
そもそも思考なんて働かせてもらえる余裕すら、与えてはくれないのだ。
「はや・・・く。ふあっ!!ジン・・イカせて・・くれ」
泣き声に近い俺の懇願の言葉にジンは満足したように笑うと、休んでいた腰の動きを再開した。
やっと与えられた快楽に、俺は夢中になってジンの名前を叫んだ。
「ユダ、愛してる?」
耳元で囁かれる甘い問いかけ。
「ふ・・・あ、愛してる・・・ジンっ!んぁ・・あああっ!」
後ろを突かれながら前を擦られて、俺は出すことが出来なかった熱を勢いよく吐き出した。
しかし、ジンはまだ果てていないのか、自分の熱を吐き出すために果てた俺の腰を揺らし続ける。
休ませてもらえないままジンの精射を腹に感じるまでに、俺は二度果てた。


腕を拘束していた布はいつの間にか外されて、俺は情事の後のままの姿でぐったりとベットに沈んでいる。
ジンはと言うと、既にしっかりと服を着込んでベットの脇、俺のすぐ隣に座っていた。
身だしなみをすぐに整えてしまうのも習慣のようなものなのだろう。
そう言えば、ジンのだらしなく乱れたところなんて、変な意味じゃなくても見たことが無い。
俺の方は肩や腰の鈍い痛みで、まだ起き上がれそうに無い。
気だるい身体でしゃべることも面倒臭くなっている俺の肌を撫ぜる、ジンの手の冷たさが心地良かった。
「ユダ。トラウマの治療法って何があると思う?」
「・・・俺は医者じゃない」
221境界線53:2006/04/04(火) 23:45:34 ID:vOVuwpC3
分かるはず無いだろ。と、それだけ呟いた。
そんな俺の返答が可笑しかったのか、ジンはくすりと笑った。
「トラウマはね、それを乗り越えないと本当の解消にならないんだ」
そうなのか。俺が彼から知識を学ぶ秘が繰るなんて思わなかった。
「方法も色々あるんだけど、ユダにはちょっと手荒な方法を使ってみた」
「使った・・・?」
「状況を再現して記憶を上乗せしたんだよ。間違えた字の上に紙を張るみたいに」
言われた通りに想像してみる。
言い換えるなら、『ハキムに襲われた』を『ジンに襲われた』に上書き。
『怖くて痛いセックス』は『幸せで気持ちいセックス』に記憶の中で上書きされたということになる。
・・・なんだか自分で言って恥ずかしくなってきた。
「最後の方の意地の悪い態度は?」
「ああ、あれはお仕置きだ。するって言っただろ?」
俺はがっくりと肩を落とした。
そもそも俺にとったらこの治療法自体、内容的にはまんまお仕置きに値する罰ゲームだ。
・・・俺のためにしてくれた事だってのは解ってはいるけど。
「なあ、ユダ。これから薬なんかよりもっと僕に溺れさせてやるからな」
目の前にジンの顔が迫ってきて、そのままキスされる。
重ねるだけの口付け。これは苦しくないし結構好きだ。
「・・・!」
「どうした?」
ジンはすぐさま顔を上げて、俺の身体にすばやく引っ張り出した布団を被せる。
「ジ、ジン?」

「失礼ユダ殿。国王と王妃様が帰還の歓迎をしたいとのことで・・・おや?」
何の障害も無く開かれたドア。そして顔を覗かせる年老いた使用人。
俺は石になったように固まった。
222境界線54:2006/04/04(火) 23:46:05 ID:vOVuwpC3

「これはこれは、ジン王子。失礼しました。ユダ殿は・・・ん?」
そこにはいつの間にか机の椅子に移動していたジンと、布団に蹲った俺の姿。
「どうしましたユダ殿。お体の調子でも?」
「だ、大丈夫です。えっと・・・」
笑顔が引きつる。これといった言い訳が思いつかず、俺は口篭もる。
使用人は「ん?」と言った感じに首を傾げている。
「僕も今来たとこなんだけど、ユダが寝てから起きるのを待ってたんだ」
いたって自然に嘘を吐いたジンを、俺は動揺以外の何でもない目で見つめる。
使用人はと言うと、ジンの言葉に嘘偽りが無いかのようににこやかに笑って、
「そうでしたか。では仮眠は一先ず、身なりを整えて王室に行きなさい」
「は、はい。・・・すみません」
「では、ジン王子。失礼します」
軽く頭を下げて出て行く使用人。そして、パタンと閉まったドア。
室内は暫しの沈黙の空気。それを破ったのは俺だ。
「・・・ジン。そう言えば、鍵かけてあったはずだけど・・・どうやって入った?」
「僕は王子だよ?マスターキーぐらい簡単に借りれる」
「・・・で。入ってきて、鍵は?」
「かけてないよ」
「襲うつもり・・・無かったのか?」
「そんなわけ無いじゃん」

要は、セックスを前提で鍵をかけずに入ってきたと。
セックスしてる最中ずっと鍵がかかってなかったと。
俺は布団から勢いよく身を出した。
223境界線55:2006/04/04(火) 23:47:24 ID:vOVuwpC3
「人が途中で入ってきたらどうするつもりだったんだ!!!」
叫んでから、酷い腰の痛みに俺はベットにまた沈む。
さっきの使用人がもし数十分前に入ってきていたらと思うと、俺の顔は腰痛のきつさ以上に青くなる。
「そのスリルがまたいいんじゃん」
「・・・そんなスリルいらない」
あっさりと恐ろしいことを言い出すジン。
先程の手荒な治療というやつよりも部屋の鍵をかけない状態で何時間もベットを共にしていた、
それを知らされなかったことが一番のお仕置きなんじゃないかと思った。
ああ、まだ最悪の状況の連想に心臓の音が止まらない。手も震えてる。
俺はここ数ヶ月で何百回かの溜息をついた。

ジンの性格なら何でも知っていると思っていたけど、
最近になって始めて見る彼の素性の方がずっと多くなってきている気がする。
それはそれでいいことだとは思うけど、やはり先が思いやられる。
けど、そんな彼もきっと最後には許せてしまうのだろう。
俺はジンと身分の境界線だけではなく、友としての境界線をも越えてしまったから。

224境界線:2006/04/04(火) 23:51:26 ID:vOVuwpC3
終わりです。
思っていた以上に長々だらだらになってしまいましたが
読んでくださった方々にお礼申し上げます。
225風と木の名無しさん:2006/04/05(水) 00:16:25 ID:GOuP9ltS
一線越えたー!終わったのかー寂しいな。
GJでした。境界線タン、また投下してくださいまし。
226風と木の名無しさん:2006/04/05(水) 01:28:36 ID:RgeOqV8V
お清め(*´д`)ハァハァ
乙でした
227風と木の名無しさん:2006/04/05(水) 20:48:47 ID:NXJu52ty
age
228風と木の名無しさん:2006/04/05(水) 22:29:35 ID:4vgxVF/P
お疲れ様でした〜!GJGJ!!
229不条理:2006/04/07(金) 03:22:00 ID:Ah9WfhX7
投稿します。
義兄弟ネタで晶(兄)×俊一(弟)です↓
230不条理1:2006/04/07(金) 03:22:36 ID:Ah9WfhX7
「兄さんができたぁ!?」
父親の突然の告白に俊一は驚いた。
それは早朝の、これから仕事へ送り出すという当にその時だった。
「ああ、新しいお母さんと一緒に今日の夕方家に来るから。粗相のないようにな」
何も聞いていない。付き合っていた女性が居たというのも初耳だ。
「そう言うことはもっと早く言っとけよ!」
声を張り上げて怒鳴ったが、そこには既に父親の姿は無い。
あるのは俊一の靴とちゃんと閉まっていないドアだけだ。
俊一は中途半端に閉められたドアをばたんと閉める。
「クソ親父」
母親が失踪してから五年。
女垂らしな父親がこれまでに彼女だといって連れてきた女は指の数じゃ足らない。
(そんなんだから、母さんに逃げられんだよ!)
俊一は心の中で悪態ついた。
レンジからこんがり焼けたトーストをさっさと食べてしまって、俺は時間を見ながら家を出た。


「何だお前の親父やっと再婚するって?」
ホームルームが終わって、教室がにぎわう。
毎日のように俊一の隣で話しているのは親友の亮太だ。
「笑い事じゃねぇよ。・・・たく」
「にしても、よくもまぁそこまでコロコロ女連れて来れるなぁ。
 まぁ、確かにお前の親父若作りだけどさ」
確かに、四十台前半と口で言わなければ三十台前半だと思われても仕方ないほどに
231不条理2:2006/04/07(金) 03:24:19 ID:Ah9WfhX7
俊一の父親は若くみえる。
若い頃はモデルの仕事をしていたらしく、
いい男かと聞かれれば悔しいが「そうです」としか答えられない。
しかし、そんな容姿も俊一にとっては迷惑以外の何物でもない。
おかげで幼い頃から絶えない夫婦喧嘩に突き合わされ、母親を失い、性格までこんなにひねくれてしまった。
「オマケに兄さんまで出来るって・・・。何考えてんだ」
「はぁ!?お前兄貴できんの?」
何がツボにはまったのか、亮太は腹を抱えて笑い出す。
「いや。お前一人っ子って感じだから全然想像できねぇ」
「悪かったな」
俊一には一つ下に妹が居たはずだったが、その子は母親に引き取られた。
俊一も連れて行ってほしいと懇願したのだが、その願いは叶わなかった。
きっと父親に似たこの顔のせいだ。
「なぁ、そういやぁさ」
「へ?あ。なんだ?」
少し意識が飛んでしまったのか。考え事をしている時によくあることだ。
何も聞こえなくなるから直さなければいけないと思っている俊一のクセでもある。
「お前、髪。スプレーしてこなかったのか?今日検査の日だぞ」
「・・・あ」
俊一は金色に染まった髪に触れた。
案の定、今日は放課後に呼び出しを食らった。


帰るのがいつもより遅くなってしまった。
時刻は八時を迎えようとしている。
罰の代わりだと言って大量にある小テストの採点を手伝ってくれと頼まれたのだ。
きっともう新しい母親と兄が来ているのだろう。
チャイムを押す手が重い。
ドアに手を掛ける前に、それは勢いよく開かれた。
232不条理3 :2006/04/07(金) 03:25:12 ID:Ah9WfhX7
「お帰り俊一。もう来ているからさっさと着替えてきなさい」
「・・・・はぁ」
なんてめんどくさいのだろう。
自分まで顔を出さなければいけない客は苦手だ。
(今日のは客じゃないけど)
言われた通り、着替えようといったん部屋に戻る。
「・・・?」
見間違いか?
部屋を開けたとたん、目には二つのベットが飛び込んできた。
「親父―――――――――――――っ!!!」
叫び声に驚いて、父親が顔を出す。
「どうした俊一。そんな奇声を上げて」
「「どうした俊一」じゃねぇ!!何で俺の部屋が共同で使う準備万全になってんだ!?」
「何だ、そんなことか。父さんてっきりゴキブリでも出てきたかと思ったじゃないか」
「昔から虫だけは苦手だからな〜俊一は」と、ニコニコしながら戻っていく父親に、俊一は本気で殺意を覚えた。

「初めまして、俊一君」
ようやく落ち着いて茶の間に顔を出せた。
挨拶をしてくる新しい母親に軽く会釈をして、俊一は父親の座っているソファーの隣に座った。
「この人が新しいお母さんで、この子がお前の新しいお兄さんだ」
「晶。18歳だ。ヨロシク」
これが新しい母親かと、俊一は目を細める。
長くパーマのかかった黒髪。歳を考える割には皺も少ないしスタイルも悪くない。
今まで連れてきた女性よりは確かに美人であるが、しかし自分の本当の母親には敵わないだろう。
やはり、この父親はどうしようもなく見る目が無いと思った。
新しいお兄さんとやらは黒髪のショートで切れ長の目。顔は小奇麗だとは思うが腕も足も組んでやけに偉そうだ。
歳が18ということは俊一よりも一個上。はっきり言って印象は最悪だった。
233不条理4:2006/04/07(金) 03:26:08 ID:Ah9WfhX7
「俊一です。よろしく」
そっけなく挨拶をして俊一はその後長々と交流している時間、話を聞き流して過ごした

「それじゃあ、僕とお母さんはもう少しお話してるから。俊一、晶君を部屋に案内してあげなさい」
今さっきまで他人だった男と、これから同じ部屋になる・・・。
やはりかなり抵抗があった。
「予備の部屋、無いのか?」
「何言ってるんだ。これから家族になるんだぞ?親愛を深めるには相部屋が一番だ」
早くいきなさいと耳打ちされ、俊一は仕方なく晶を連れて部屋を出る。
(そんなに早くその女と二人っきりになりたいのかよ)
理不尽な父親に腹が立つ。
顔は父親にでも、俊一のテキパキとした性格自体は誰もが認める母親似だった。
「不機嫌そうじゃん。そんなに俺と相部屋が嫌?」
掛けられた言葉を俊一は無視して階段を上った。
今から毎日顔を合わせる相手に、始めから気を使っていては後々めんどくさいと判断したのだ。
「そっけないなぁ〜」
「・・・ここだ」
頭の上でてを組もうとしていた晶に、俊一はやっと声を掛ける。
部屋の前についたのだ。
ドアを開くと真っ先に晶は部屋に入る。
ちょっと前まで他人の部屋だったと言うのに、遠慮のない奴だと俊一は溜息をついた。
先が思いやられる。

「へぇ、すげぇ片付いてんじゃん」
「散らかすなよ」
俊一はドアを閉めて机の椅子に座った。
晶はというと、早くもベットの上にゴロゴロと転がっている。
しかし、そこは晶のベットじゃない。
234不条理5:2006/04/07(金) 03:27:37 ID:Ah9WfhX7
「それは俺のベットだ」
間接的に「乗るな」と言ってやると、晶は隣にあった自分のベットをぽんぽんと叩く。
「こっちの方が柔らかいじゃん」
「けどお前のベットはそっち」
不満そうな顔をしながらベットを降りる晶。
黙って座っていた時はそれなりに大人びいて見えたが、今の彼の姿は身体の大きな子供だ。
自分のベットに転がると思いきや、晶は椅子に座った俊一の方へ歩み寄る。
「兄さんって、呼ばないのか?」
ニッコリと馬鹿にするような顔で笑いかけながら、俺の目の前に顔を寄せた。
「気持ち悪いこと言うな」
兄の存在なんて今まで居なかったし、今目の前に居る晶の存在を兄と認めるつもりも無かった。
「恥ずかしがるなよ。ほら、お兄ちゃんって呼んでみな」
ぽんぽんと頭を叩いてくる晶の手を、俊一は鬱陶しそうに払う。
その様子に、飽きない玩具を見るような目で見下ろす。
「シュンちゃんは愛想がない子だな」
「し、しゅんちゃ・・・!?勝手に変なあだ名つけんなよ!」
友人にそう呼ばれていた時代は確かにあったが、そんなのは小学生時代の話だった。
今は苗字である神藤か名前の俊一としか呼ばれない。
「可愛いじゃん、シュンちゃん」
不意に耳元で囁かれて、俊一はぞくりと背筋を震わす。
すぐさま椅子を引いて手で耳を抑えた。
「あれ、どうしたのかな?」
耳元にかかった風の感触を払うように、抑えている手で髪を掻く。
言動からわざとやったのだと分かると、俊一は顔を真っ赤にして晶を睨みつけた。
晶はふふっと鼻で笑うと、
235不条理6:2006/04/07(金) 03:28:16 ID:Ah9WfhX7
「可愛いね、俊一」
と言って持ってきた大きなバックから着替えを取り出すと、風呂にでも行くのだろう、
さっさと部屋を出て行ってしまった。
「・・・・嫌な奴っ!」
俊一は先程の可笑しな行為での怒りが治まらないまま真っ赤な顔をして、
髪で隠れた耳を強く握りながら舌打ちをした。

「あーさっぱりした」
ガチャリと再び俊一の部屋のドアが開かれたのはちょうど三十分後だ。
スウェット姿で現れた晶を確認すると、入れ代わりに俊一が出て行く。
「あ、シュンちゃん今は・・・」
聞かないと言うように、俊一はドアを閉めた。
「あ〜あ。居間で母さん達がお楽しみ中みたいだったから止めたのに」
晶はまあいっかと言って気に入ってしまった俊一のベットに転がった。

「・・・・・・・・・」
俊一は湯船に頭を静める。
『・・ん・・ぁん・・ぁ・・ふぁ』
嫌なものを見てしまった。
「あのバカ親父」と俊一は悪態づいた。
楽しみたい気持ちはわかるがこういうことは自分の寝室で行ってほしい。
只でさえ風呂はあの部屋と近くて、大きな声であげく新しい母親の卑猥な声はこの湿気の漂う空間で
小さく反響して響いたから、それをかき消すようにシャワーを出しっぱなしにしていた。
「・・・・・最悪だ」
耳に残る声までも消そうと最大にして流していたシャワーを止めて、俊一は湯船から出た。
236不条理7:2006/04/07(金) 03:29:32 ID:Ah9WfhX7
知りたくも無い大人の事情に肩を落としながら俊一は自室のドアを開ける。
本来なら安らぎの場であるはずの自室も、入ったとたんこれからは
此処もストレスが溜まっていく場なのだと嫌でも再確認させられた。
「・・・・野郎・・・」
俊一は出来るだけ小声で唸る。
そこには自分のベットではなく、俊一のベットを占領して眠る晶の後姿。
そして付けっぱなしの電気。
なんで図々しくてだらしの無い奴なのだろうと思いながら、俊一は明かりを消して
本来ならば晶が眠るはずだったベットに横になる。
枕もとにある小さな伝統の明かりも消して、俊一は布団を被った。
そういえば、今日は疲れていた。
遅くまで学校で仕事を手伝わされた挙句、家に帰ってこのイライラの嵐。
いつもより早く睡魔に襲われて、俊一は目を瞑った。
真っ暗な視界の中でだんだんと眠りへ落ちていく。
夢の中で何かが唇に触れた気がしたが、俊一はそのまま意識を沈めていった。
真っ暗な部屋の中でカーテンから洩れた電灯の光に当てられた人影が、
俊一のベットの端には覆い被さるような形で映し出された。

――――
此処までで、続きます。
237風と木の名無しさん:2006/04/07(金) 06:31:17 ID:gjhn+2S1
不条理たん超期待!
238風と木の名無しさん:2006/04/08(土) 00:45:25 ID:gj6qRqKi
age
239風と木の名無しさん:2006/04/08(土) 02:36:12 ID:aBwRDMXN
うわぁああ〜
不条理タソすっげぇ好みの話かも!
超期待してます。
240風と木の名無しさん:2006/04/08(土) 02:48:43 ID:Fc0KV3FE
鴨はいらんよ
241風と木の名無しさん:2006/04/08(土) 17:09:17 ID:1P5p9/os
義兄弟(;´Д`)ハァハァ
これからの展開期待してます!
242風と木の名無しさん:2006/04/08(土) 23:51:13 ID:gj6qRqKi
age
243風と木の名無しさん:2006/04/08(土) 23:58:23 ID:7roS/hfa
上げんな
244風と木の名無しさん:2006/04/09(日) 01:35:02 ID:DIb4Xvsf
あげ
245風と木の名無しさん:2006/04/09(日) 09:17:16 ID:TpWCSMNg
上げんなよ
246風と木の名無しさん:2006/04/09(日) 14:57:17 ID:tyYf2u5s
ワロタw
247アゲマンパワー:2006/04/09(日) 18:08:43 ID:xA3sSdTW
ハァハァ( ゚Д゚ )
248風と木の名無しさん:2006/04/09(日) 21:57:01 ID:osASv055
不条理タン禿しくwktk(*´д`)ハァハァしつつ代理戦争タン禿しく待ってる
249風と木の名無しさん:2006/04/09(日) 23:10:50 ID:TpWCSMNg
>>247 ワロタがなんかむかつく
250風と木の名無しさん:2006/04/09(日) 23:11:39 ID:t1IQQs1L
801ナメクジマダー?
251風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 14:55:36 ID:sjIM3Pnd
戦争!戦争!
252風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 18:02:34 ID:OjIiL6+M
星王子たんまだー?
253風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 18:31:25 ID:nLdSYXG7
イラネ
254風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 18:57:02 ID:sjIM3Pnd
あっ IDが3Pだ
255ほしの王子様:2006/04/10(月) 21:11:51 ID:AfDX8krX
「ようブラック、久しぶりだなあ!お前本船待機組じゃなかったか?」
「三日経ってもライト達が戻らないから迎えに来たんだ。こちらお客人だ、案内する」
大きな基地の入り口、門番と挨拶を交わすブラックの後ろをユヒトは隠れるようにして付いて歩いた。
軍服だからだろうか、基地内ではすれ違う人々に好奇の目で見られる居心地の悪さ。
とりあえず、とブラックのアパートへと連れてこられた。
壁は打ち抜かれ、プライベートがないも同然の造りだった。
「早く、王子の所へ行きたいんだが…」
乱雑な男の住まい、暑すぎる空気にユヒトは苛立ちながら言った。
「暑いだろう、その服脱いだらどうだ?」
自分も上着を脱いでブラックは当たり前のように言う。
「あんたは基地まで連れて行けと言った。あんたの望みは叶えた、ここからは別料金だ」
ニヤニヤと笑いながらブラックは脱いだブーツを放った。
意味がわからないユヒトではない、なりふり構ってられない。
「…いいだろう、とりあえず案内してくれ」
踵を返して部屋を出ようとするユヒトの腕が掴まれた。
「別料金って言ったろう、ここまで案内した分払えよ」
こう詰め寄られてはユヒトに逆らう術はなく、悔しそうに俯いた。観念して服のボタンを外していく。
不本意だがこの男に媚を売らなければならず、震える手で軍服を脱いだ。
裸の上半身がぬるい風に撫でられて鳥肌が立った。
「キスしろ」
またこの命令、何をおいても唇を合わせる行為だけは精神的に一番不愉快だ。
それでもユヒトは捧げるしかなく、ゆっくりと男の唇を目指して顔を傾けた。
どんなに屈強な男でも唇だけは柔らかい、そのギャップがなんとも気色悪い。
ブラックの舌が割って入ってくる、同時に強く腰を抱えられた。
密着した身体にブラックの固いものを感じ、ユヒトの顔が紅潮していく。
「ずっとあんたを抱きたくて我慢してたんだ。勿体ぶらずに早くよがってみせろよ」
「ん……」
キスは長く濃厚で唾液が伝うほど濡れてぐちゃぐちゃだった。
ブラックに髪をすかれ気が狂うほど優しく背中を撫でられた。
ユヒトの身体はすぐに反応し、欲望がむくむくと膨らむのを感じた。
256ほしの王子様:2006/04/10(月) 21:12:40 ID:AfDX8krX
下はズボンをはいていたが、お互いの高ぶりをすり合わせるようにブラックの腰が泳ぐ。
流されそうになりユヒトは必死に抵抗したが、やがてそれも諦めた。
身を任せ早く事が終わってくれればいい、早く、早く、早く…。
「下手くそ」
散々味わっておいてブラックはそう言うなりソファーにユヒトを突き飛ばした。
「全部脱いで俺を誘えよ」
「…誘う?」
口元のよだれを拭いながら身体を起こす。誘うとはどういう事だ、犯すなら早く済ませてくれ。
「俺から領収書を貰いたければ早くする事だ」
「そんな…、どうやって…」
「自分で考えろよ」
ブラックは向かいの椅子に跨り、ペロリといやらしく唇を舐めて見せた。
ユヒトは意を決してズボンと下着を脱いでみせた。ブラックの気が変わってしまってはいけない。
それに彼の前で身体を隠しても無駄なのだ、始めから全部見られている。
何から始めればいいのか、とりあえずユヒトはすっと自分の顔を撫でてみた。
それから首筋を指で滑らす、肩を抱く。
「いいぞ」
ブラックに煽られてユヒトは急に恥じ入り口元を手で隠した。
自分の身体で人を誘った事などない、王子の前でもいつも受動的なのに。
指を口に含んでみた。指は汗でしょっぱくて舌はぬめって柔らかい。
さっきのキスのせいで皮膚が感じやすくなっているのがわかる。
ハアハアと息が荒く恥ずかしさで胸がドキドキする。
日はまだ高い、開け放たれた窓からは穏やかな鳥の鳴き声、木の葉の擦れる音。
廊下からは時折人の話し声がしてユヒトを驚かせた。
「足を開けよ」
女の様に内股で性器を隠す仕草がじれったくて、ブラックは視力を上げながら言った。
ユヒトは顔を背けゆっくりと足を開いていった。
こんな明るい自然光の中で自分を晒した事は王子の前でもなかったかもしれない。
しかも痛いほど反り返った自身は理性のきかない境地にある。
怖いくらいに恥ずかしい、見られているとわかってまた感じてしまう。
257ほしの王子様:2006/04/10(月) 21:13:31 ID:AfDX8krX
「ユヒト、膝を立てて開くんだ。俺に言われなきゃ何にも出来ないのか?」
ブラックは呆れたような口ぶりで言った。それじゃあ誘ったうちに入らないと。
「くっ…」
仕方なく足をM字に開き背中を丸めてそこを突き出した。
やっぱり恥ずかしい、ギュッと目を閉じ指を噛んだ。
耐えられそうもなくてユヒトは王子の姿を思い浮かべた。
目を閉じたまま汗でべたついた自分の胸を脇腹を撫でる。
濡れた指でそろそろと乳首を探した。触ればどうなるかはわかっていた。
「ああっ…」
一気に腰に甘い疼きが駆け上がる。もう止められないかもしれない。
指に唾液を絡ませ、また乳首に塗りつける、何度も繰り返し唾液を運んだ。
片手で乳首を弄り、もう片方で顔や身体をさする。腰が踊り開いた足がぶるぶる震えだした。
手が勝手に腹を這う。自分の気持ちのいい場所を目指しているのだ。
あっ、と驚いた声を上げてしまった。びしょびしょに濡れていた。
二本の指でくるりと先端を撫で茎を伝い降りた。つ、と蕾に行き着くとそこがひくついているのがわかる。
唾液を指にたっぷりと垂らしそれを蕾に塗りつけていった。
ああ、と喘ぎブラックと目が合った。赤い目が全部見ている。
心の中まで全部見透かされているようで後ろめたい。ユヒトは王子を想って自慰をしていた。
こんな姿でブラックを誘えているのだろうか。
「気持ちいいか?」
「…気持ち、い…」
思わずそう口走り慌てて言葉を飲み込んだ。恥ずかしい、くそっ。
ブラックは十分誘惑されていた。濡れた紅い唇、色っぽい首筋に伝う汗、
自分のアナルを犯す指、そして甘い吐息と喘ぎ声。
「あっ、くっ…やだ……」
クチュクチュと貪欲な蕾は指に吸い付いて放さない。
浅ましい、やらされているとわかっていても喜んでいる自分の身体は本当に扱いづらい。
ブラック達は自分を淫乱だと呼んだ、本当に自分は淫乱なのだろうか、ユヒトの頭は困惑する。
やばい、身体が勝手に暴走する、歯止めがきかない。
「ん、あっ…、やめて…」
258ほしの王子様:2006/04/10(月) 21:14:48 ID:AfDX8krX
「俺はまだ何もしてないぜ」
ブラックが歩み寄り、ユヒトの顔にそっと指を落とした。キメの細かい肌、しっとりと濡れていて感触がいい。
「ああっ…、恥ずかし…、恥ずかしい…」
「確かに、恥ずかしいな」
閉じかけたユヒトの足が持ち上げられた。
「持ってろ」
蕾にはまった指を抜いてやり自分の足をユヒトに持たせた。
汗で手が滑るが、それでもユヒトは必死に支えた。ブラックからよく見えるように。
ソファーの背にブラックが両手を付いた。自身を掴みそれで遊ぶようにユヒトのものを擦った。
「んああっ…」
鋭い快感、ユヒトが大きくのけ反った。すでにお互いしとどに濡れていた。
ブラックは満足そうに笑う。俺だけのおもちゃだ、まんまと手に入れた。
ブラックは飢えた獣のようにガツガツとユヒトを犯し、中で達した。
ユヒトにはそのまま自慰をさせ、放ったものは軍服を汚し後ろから流れるものを下着を穿かせて拭わせた。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
ケンが目を覚ましたのはその日の夕方近くだった。
「いてー…」
石畳の冷たい感触と肘の痛み。擦りむいたのだろうか、血が出ている。
何が起こったのか、地面を這う虫を見つめながら思い返す。
向こうに誰かの素足が見えた。その向こうにもう一本、ベッドから延びてしっりと地面を踏んでいた。
「王子!」
ケンは慌てて体を起こしたが、クラクラする頭に負けて視界が霞んだ。
思い出した、麻酔銃を撃たれた腕がだるい。
王子は裸でベッドに腰掛けていた。開いた膝の上に腕を乗せて上半身を支えている。
手は祈るように指が組まれ、深く頭を垂れていた。
髪は乱れてぼさぼさで、その奥の顔は見る事はできない。
王子、ともう一度言ってケンは彼の横に腰をおろした。
重みでベッドが軋み、ようやく気付いて王子はゆっくりとケンを見る。
目が腫れていて、顔色は最悪に悪い。
「血が…」
259ほしの王子様:2006/04/10(月) 21:15:30 ID:AfDX8krX
王子の両手首が擦り切れて血が滲んでいる。唇の端にも血が付いていて殴られたのだとすぐにわかった。
何よりシーツについた鮮血にケンは愕然とする。何をされたのか一目瞭然だった。
ケンが黙って毛布を掛けてやると王子はしゃがれた声で言った、みずを…。
唇が乾いている、叫びすぎたのだろう。
柵の向こうに水差しとパンが乗ったトレイがあるのに気付いてケンはそれを引き寄せた。
誰が持ってきたのか、傷薬の軟膏があり思わず舌打ちする。
「ライトか…」
ここのリーダーのくせに何も知らなかった、部下であるブルーの所業も止められなかったのか。
ライトは完璧な役不足だ。使えねー、とケンはつぶやく。
グラスに水を注いで王子に飲ませ、汚れたタオルで体を拭いてやる。
魂の抜けたような気落ちした王子は酷い有様だった。
今までの人生で人からこんな乱暴に扱われた事などなかっただろう。
殴られた事も縛られた事も、ましてや無理矢理身体を服従させられた事も。
王子はずっと放心していた。うつ伏せに横になりケンに手当てをされている間もずっと。
気位の高い王子のこんな姿をケンは初めて見た。
嫌味や減らず口を叩く事もない、この状況を脱するのに頭を働かせる事もない。
王子があの男に犯されている所を見なくてよかった、眠らされていて助かった、
ケンは心底そう思った。王子の叫び声なんか聞きたくない、こっちの気も参ってしまう。
「ケン」
突然王子が口を開く。
「お前、何回ユヒトを組み敷いた…?」
「…えーっと…」
こんな時に何を言い出すのか、ケンの手が止まる。
「俺はちょっとムカついたんだぞ」
溜め息を付いてケンはぼりぼりと頭をかいた。
「…すいません」
再び静寂が訪れ、また王子が口を開く。ケンが一番質問されたくない事だった。
「ケン…、父は、母は?俺の妹はどうした……?」
日が暮れた薄暗い牢の中で、力ない王子の声が響く。
「…残念ですが……」
260ほしの王子様:2006/04/10(月) 21:16:19 ID:AfDX8krX
「そうか…」
王子はそれきり一言も口をきかなかった。重大事を黙していたケンを責めはしない。
涙を流す事もしない、時々激しく嘔吐する。何も食べず、飲まず、眠りもしなかった。
ケンは何と言ってやればいいのかと思考するが結局言葉が出てこなかった。
ブルーに乗っかられている間、王子の耳にはサックス公の笑い声が聞こえていた。
そして呪文のように繰り返す。
「ケン、あいつは使える、我が国で飼ってやる。ドクター・ユヒト、お前といつも一緒だったな。
俺が一番欲しいのはあの男だ。医療科学の後継者だとか。
サックスの研究室に閉じ込めて死ぬまで働かせてやる。レニー、お前は要らない」
ユヒトはレナルディにいた頃から多数の熱烈なスカウトを受けていた。
彼の成し得た研究成果は稀有なものだった。
しかし当の本人がレナルディを離れたがらなかった。王子が離さなかった。
ユヒトが王子に内密にと願った理由はそこにある。
王子は不要でその部下は必要、サックスの新しい皇帝は残忍だった。
悲劇の王子はプライドも自信も己の価値も打ち砕かれた。
全部取られてしまう、そう思うと吐き気が止まらなかった。

☆今回はここまでです。
261風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 22:00:52 ID:qTDK1UqG
星王子たん乙です!!王子やっぱり犯られちゃったのか…(´・ω・`)
ユヒトも完全に性奴隷扱いカワイソス
262風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 22:46:15 ID:OjIiL6+M
星たんキターーーーー!!王子強姦で萌え死んだ(;´д`)王子×ユヒトの主従SMも良いが、いつも偉そうにしてる俺様攻のプライドずたずたも萌
263風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 22:49:51 ID:sjIM3Pnd
ぬぉぉGJGJ!!
264風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 23:25:27 ID:MPPqmy8x
あぁ王子カワイソスでモエス(;´Д`)ハァハァ
265風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 02:51:34 ID:0s02dx/J
触手たん続き〜
266風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 07:58:00 ID:6AFj/4Ht
アリスたん待ってるお
267風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 13:02:24 ID:EFb29/jM
役不足…。

日本語をもっと勉強しましょう。
268風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 13:39:18 ID:0s02dx/J
>>267確かにその語句の意味は違うかもしれんが言い方を考えろ。鬼の首でも取ったようないい方しやがって
269風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 13:58:09 ID:5vwJmbB4
役不足の使い方間違ってるね
270風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 14:07:49 ID:pZueG1Qe
役不足とは、本来もっと上の役目をできる人が下の役割をしていること。役が不足。
役不足というよりは、力不足、というのが正しい、かも。そんな感じで御座いましょうか。
271風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 14:20:35 ID:paq2CwW+
   
本業音楽 副業プロファー 趣味2ちゃん 夢アナログ会社
272風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 14:53:43 ID:0fJPEbId
絡みうぜー。正直、それがどうしたん?
ミスがそんなに嬉しいのか、意地が悪いな。
273風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 15:06:57 ID:TsAMdRMM
明らかな誤用は読んでて萎えるので気をつけてホスィ。
そんだけのこと。
274アゲマンパワー:2006/04/11(火) 16:11:06 ID:MotJiaqJ
間違いは仕方ないじゃない。なるべく気をつけてくれればいいわ。

言い方の問題。優しく言いなさい


275風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 16:30:18 ID:0/t1TX1E
鬼畜スレで優しくもないもんだ
276風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 16:55:55 ID:0s02dx/J
アゲマンパワーが気になる
277風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 16:59:59 ID:Ti6vaExe
鬼畜作品スレであって鬼畜住人スレではないだろ…
278風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 17:21:30 ID:zWoQUOmU
絡みスレが意味を成していないですね。
279風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 17:27:00 ID:EFb29/jM
じゃあ、公平を規すために。

境界線、不条理ともども「ベット」連呼ワロスwww何それ新しい寝具ですか?作者は同一人物に違いない
境界線、一人称や視点が激しく定まってなくてワロスwww主人公誰だよww誰視点だよwww

そしてとどめの一発www
>>236
>枕もとにある小さな伝統の明かりも消して

ちょwwwww
いくら小さくても、そんな大それたものをあっさり消したらいかんだろうwww
なんといっても「伝統の明かり」だぞ!先祖代々何世紀にもわたって灯されてきた明かりかもしれない…!
280風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 17:43:58 ID:nli7Uvhe
>>279
不覚にもワロタ
281風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 17:44:30 ID:AZ1S3UNJ
確かに時分も境界線と不条理タンは誤字が多いから同じ人かな?と思ったけど
誤字は多少目を瞑ってもいいんじゃない?
まあ……確かに伝統はちょっと笑ってしまうけども。

日本語の使い方がおかしいと思うものは簡単に違ってるよーというくらいで
留まればよかったのにね。
なんか妙な流れだよ……。>>279はちょっとやりすぎというかふざけすぎじゃ?

ほし王子タンや不条理タンをはじめ、他の書き手さんもこれに懲りずに
頑張って下さい。
読むの楽しみにしていますので。
282風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 17:45:43 ID:AZ1S3UNJ
……って自分も誤字打ってどうするよ……orz
指摘される前にw
×時分
◎自分
です(;´Д`)
283風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 17:52:49 ID:EISWTytF
ウッカリ>>281モエス

誤字なんて誰にでもあるさ!!
それくらいどんと構える器のないやつぁ一人前の腐女子じゃねぇな
284風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 17:58:10 ID:EFb29/jM
>>279
ちょwww
>じゃあ、公平を規すために。

貴様は何を「規す」つもりだwww
「公平」は「期する」もんなんだよwww
全くどこもかしこも誤字祭りだなwww
マシンの変換機能を信用せず自分で打ったらこの始末だぜwww
285風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 18:56:41 ID:jYzZwabt
>>279 =284
誤字以前に www を多用する輩はなんだか頭悪く見えるので
気をつけた方がいいかと思われ。
2ちゃんが物珍しくて仕方ない厨房みたいなテンションっすよ、姉さん。

ところで、危険物運搬の続きを恋焦がれているのですが、
やはりあそこで本当に終わりなのかしら・・・。リーダーにもう一仕事お願いしたい。
286風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 19:29:39 ID:EFb29/jM
姉さんではないが。
287風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 19:33:38 ID:n1TwXsi8
じゃあ兄さん。
288風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 20:09:49 ID:0s02dx/J
おばあちゃん?
289風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 20:52:02 ID:P8t7JOGN
おいたん?
290風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 20:58:02 ID:6AFj/4Ht
マ…ママンw
291風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 21:12:18 ID:EFb29/jM
俺のようなのをスルーできないから荒れるんだよ
変な書き込みされても放っとけ
292風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 21:21:07 ID:jYzZwabt
いや、変な書き込みをしてたのはお前さんですよ >EFb29/jM
293風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 21:46:59 ID:n1TwXsi8
別に荒れてもいいじゃない
EFb29/jMが消えてくれるんなら
294風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 21:58:18 ID:yfLBxzC9
age
295風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 22:04:22 ID:0fJPEbId
まだやってたのか…
腐兄がいるの?押忍!
296801ナメクジ:2006/04/11(火) 22:10:55 ID:cKE/Q9p1
期待あげ

ooo
297風と木の名無しさん:2006/04/11(火) 22:56:53 ID:k7Gx5cbi
つまらんことでレス数上げてんじゃねエエエエエエエ!!
期待させやがって!!ヽ(`Д´)ノウワァァン

雑談はしたらばで。
初心者と新参は大人しくROMってろ。
298風と木の名無しさん:2006/04/12(水) 22:24:30 ID:n97BIU6S
age
299W ―電脳庭守― 1:2006/04/13(木) 00:26:32 ID:UZHRmU2w
空気を読まずに投下。
ドロドロしたものが出てきますので苦手な方は注意。

-----------------------------------------------

首筋のインターフェイス・ジャックにケーブルを挿し込むと、ベッドに横たわる。
瞼を閉じて歌うようにログイン。眠るよりも簡単に、意識はネットワークの海へとダイヴする。
夢よりも鮮やかな情報空間。三次元に交差するグリッドが概念上の無限へと伸びていく。
ヴァーチャライザ起動。ゼロと1からなる情報が視覚化される。無機質だった世界は一瞬にして緑に染まる。

今、ジェイの目の前に広がるのは緑豊かな庭園だ。
石造りの高い壁が森の向こう遥か遠くで一本の線を描いている。
その内側に広がる緑の楽園。葉脈の一筋ひとすじまでが美しい南国の木々が生い茂り、
甘い香りを漂わせる原色の花々が咲き乱れる。枯葉や落葉は一枚もない。
しかしそこに人の手の入った痕跡はない。足跡の一つさえも。
なぜならこの場所は、そうでなくてはならない場所だからだ。

草も、木も、花も、そう見えるだけであって実体は情報だ。ファイルとフォルダ、
貴重で危険な機密データの群れ。ゆえにこの庭は誰の侵入をも許さない。
しかしジェイは、張り巡らせた感覚の端に不快なものを感じ取っていた。
丹精こめて育てた花に取り付こうとする害虫のような、それ。

己を構成する情報を操作し、ジェイは自分の《身体》を作る。
仮想現実の中のかりそめの肉体――しかしここではそれが現実でもある。
バイオインターフェイスから脳神経に送られる架空の信号が、彼のつま先に柔らかな
草の感触を与える。爽やかな空気の匂い。酔うほどに美しい、完璧な世界。

ここは《ガーデン》と呼ばれている。
こんなにもノイズのないネットワークをジェイは他に知らない。
300W ―電脳庭守― 2:2006/04/13(木) 00:28:02 ID:UZHRmU2w
大地をひと蹴りする。ショートカット。数ミリ秒後、彼の《身体》は《ガーデン》の外周部分にある。
白い石の壁を今にも乗り越えようとしている醜い物体をジェイの知覚が捕らえた。個体数3。
汚らしい芋虫が2匹にゴミ虫が1匹。ハッカーという名の招かれざる客。
この《ガーデン》に入ろうとするものは、自分と《ガーデナー》以外全て敵だ。

警告もなく、ジェイは攻撃プログラムを走らせた。稲妻のように。
芋虫が1匹、黒焦げになって塀の向こうへと転がり落ちた。
相手のバイオインターフェイスに信号を送り、強制的に相手の脳を『初期化』したのだ。
残る2匹が驚きと共にジェイへと意識を向ける。
「《ガーデンガード》!?」
「遅いよ」
1匹しか殺さなかったのは、一度に全部片付けては面白くないからだ。
敵が自分を認識したのを確かめてから、再度攻撃。もう1匹の芋虫がのたうって、塵のように
断片と化して消える。ゴミ虫の方はなんとか凌いだらしい。塀の上部にへばりついてはいるが、
防御プログラムが剥がれ、正体を露にしていた。

ジェイが軽く手招きすると、それは塀の内側に落ちてくる。ダメージで輪郭をぶれさせる相手に
無理矢理干渉し、彼が必死に隠そうとしている情報を無造作に掴み出す。
「……へえ、双星重工の企業スパイか。名前はランダル・A・リー……ああ、《七ツ足》って
君のこと。《ガーデン》に侵入しようなんて余程のバカか世間知らずかと思ったのに」
地面に這いつくばるスパイをジェイは笑って見下ろす。
情報防壁を剥ぎ取られたスパイは、本名も通り名もあっさり暴かれた上で彼自身の
パーソナルデータを貼り付けられ、おそらく現実の顔かたちと同じ、若い男の姿を取らされている。
裏世界で名の知られたハッカーとしては、あまりに無様な姿だった。
「くそッ!」
ランダルが叫んだ。実際の音声ではない。言語情報ですらない。彼の脳が発するノイズを、
ジェイは罵詈雑言として知覚する。
「うん、ここまで来たのは評価するけどね。《ガーデン》を騒がせた者がどうなるか知ってるだろ?」
ノイズが強くなる。恐怖と恐慌だ。ジェイはそれを味わって愉しげに笑う。
「《ガーデンガード》が何故恐れられるのか、じっくり味わうといいよ」
ぱちりと指を鳴らした。
301W ―電脳庭守― 3:2006/04/13(木) 00:29:28 ID:UZHRmU2w
ぞわ、と世界が蠢いた。
森が溶ける。
翡翠色に輝いていた葉がその色を失い輪郭が崩れ、まるで出来の悪いホラー映画のような
不気味な景色に一変する。そこはもう《ガーデン》ではなかった。いや、最初からそうだったのだ。
《ガーデンガード》たるジェイが、ハッカーなど1バイトたりとも侵入させるわけがない。
ランダルが必死に逃げようとする。だが、させない。通信回線を固定して接続を強制し、
同時に彼のバイオインターフェイスを支配して、脳から現実の肉体への信号に割り込むことで
物理的なログオフも許さない。
「無駄だって」
言葉と同時に、何もない空から緑色の大きな物体が音を立てて落下し、ハッカーの《身体》に
べちゃりと覆いかぶさった。蛍光色に透きとおりぐねぐねと動く不定形の粘液塊は、
ファンタジーゲームでは定番のグリーンスライムそのものだ。悪趣味の極み。
ランダルが絶叫した。嫌悪に、そして何より苦痛に。
スライムが触れた部分の皮膚が細かな煙のようなノイズを放っている。皮膚をじわじわと
溶かされる痛みに襲われ、男はのた打ち回った。
しかしスライムは彼の上半身をすっぽりと覆って離れない。

ここにある《身体》は架空のものだ。
だが、彼ら本職のハッカーは、バイオインターフェイスで脳とネットワークを直接繋いでいる。
脳とて電気信号で情報を処理するひとつの生体コンピュータである以上、外部から神経に
直接五感と同じ信号を送り込めば、脳はそれを『現実』として認識する。
勿論バイオインターフェイスには過剰な信号をキャンセルする機能が搭載されているが、
それはジェイのハッキングにより無効化されているため、酸で溶かされる灼熱感はダイレクトに
ランダルの脳に送り込まれる。
とはいえ溶かすとはいえ実体ではないから肉体へのダメージはないし、《身体》に炎症や傷が
表示されるわけでもない。その代わり苦痛に際限もない。

「いいヴァーチャライザを使っているのが仇になったね」
再度指を鳴らせば座り心地の良い椅子が出現する。ジェイはそれにゆったりと腰かけ、
虫の悶える姿を鑑賞する。スライムは彼の作った攻撃プログラムだ。
「痛い? うーん、痛いばっかじゃかわいそうだよね」
ジェイは小さく頷いただけだった。直後、ランダルの反応が変わった。
302W ―電脳庭守― 4:2006/04/13(木) 00:30:45 ID:UZHRmU2w

「あ……ッ!?」
悲鳴が僅かに色を帯びて上擦った。
体が痛みだけではない刺激にうねるような動きを見せた。
「どう? 気持ちいい?」
頬杖をついてジェイは面白そうに覗き込む。
ランダルのバイオインターフェイスに干渉して、痛みと快感の信号をリンクさせた。
痛みが強まれば強まるほど、それに比例した快感が与えられる仕組みだ。
現実の肉体を無視して、全身の痛点すべてが性感帯になる。
苦痛と快感の相反する感覚に、ランダルの目が見開かれた。開きっぱなしの口からは
悲鳴と喘ぎと哀願とが混在する意味不明の言語情報となって放出されている。

グリーンスライムはそれまで彼の腕と上半身を覆いつくし丹念に舐めながらも、
下半身にはまったく触れていなかった。
ランダルの反応が変わり、ようやくその存在に気づいたとでも言うように、
臍のあたりを覆っていた部分が違った動きを見せ始める。
どろりと一端が持ち上がり、細い触手を何本か伸ばした。
そして僅かに立ち上がり始めていた陰茎に絡みつく。
高い叫びが上がった。蚯蚓のように伸びる粘液に絡みつかれた性器がぐっと体積を増す。
痛いはずなのに、それでも同時に与えられる快感に反応して。
仮想空間の《身体》に性器など意味はない。だがジェイはわざわざ『現実』のランダルの体の
状態をネットワーク越しにスキャンし、《身体》に投影していた。
つまり彼は『現実』に勃起している。

「へえ、痛いのも悪くないんだ?」
ジェイの揶揄はランダルに届いていたかどうか。
細く伸びた触手は繊細にかつ乱暴に彼の性器をいたぶった。根元から締め上げるような
動きを見せたかと思うと、やわやわと包み込み、続いて先端だけをやさしく撫でる。
酸性の愛撫の強烈な刺激にランダルの脚が空を掻いて引き攣れる。それが鬱陶しい、
と言わんばかりにスライムは膨れ上がって脚を押さえ込んだ。
先走りを零し始めた先端を細い触手がつついている。ランダルの喘ぎが短く早くなり、
射精を予感させたところで、スライムはその尖らせた一端を、鈴口から侵入させた。
303W ―電脳庭守― 5:2006/04/13(木) 00:33:57 ID:UZHRmU2w
(残酷的な描写あり)

――絶叫。

敏感な尿道を内側から溶かされる強烈な痛みと、その痛みと同じ強さの快感が、
一気に射精感をもたらす、けれど達けない。
びくびくと跳ね回る体に対し、スライムは本格的な侵蝕を開始する。
うるさい口を塞ぐだけでなく頭部をすっぽりと包み込む。情報体は呼吸をしないから窒息の心配はない。
唇をこじ開け舌と粘膜を蹂躙し、喉の奥にもぐりこんで食道を灼く。
耳にも入り込む。鼓膜を撫でて溶かし、さらに奥へ脳の方へと流れ込み犯す。
鼻腔の奥、瞼の裏まで満遍なく触れ、気を失うほどの痛みと快感を与える。
下半身も同時に侵略を受ける。どろりと柔らかい粘体が適度な弾力と硬さを備えて後孔へともぐりこむ。
腸の内側で不定形に崩れて暴れ、あらゆる部分を擦り、味わう。前立腺をもみしだく衝撃が
背筋から脳天へと突き抜ける。
尿道から潜り込んだスライムが腹部にまで届く。膀胱を、精巣を、内側からじわじわと甘く喰らう。
生身で生きている限り絶対に味わえない快感が休む間もなく脳を蝕む。
そんな感覚を知って正気でいられるはずがない。

口は塞がれていても、ランダルの脳が発する喘ぎと悲鳴の絶望的なノイズはジェイの知覚に届いていた。
ジェイはそのノイズを愉しんでいた。その愉しみがなければ、こんな悪趣味なプログラムは使わない。
あの汚い芋虫にしたのと同じように『初期化』してしまえば簡単に終わる。
緑の粘液にまみれ地面を悶えまわる男を見下ろす。やっぱりこいつも芋虫だ、と可笑しくなる。

獣の彷徨じみたノイズが響きわたる。ランダルの《身体》が大きく跳ね、痙攣し、そしてぐったりと脱力した。
喉と尿道と前立腺と、あらゆる部分に与えられる天国と地獄にとうとう神経が耐え切れなくなったのだ。
虚ろな目が何もないところを眺めている。ゆるく開かれた口からスライムがこぼれる。
尿道をふさいでいた細い触手が抜けると、精液がどろどろと溶岩のように流れ落ちた。
それと同時に彼の《身体》の輪郭が、古いモニタのように点滅し、ブレ始める。
後孔を犯していた部分が音を立てて抜けると、性器から精液が少しだけ勢いよく噴出した。
それが最後だった。
304W ―電脳庭守― 6:2006/04/13(木) 00:36:11 ID:UZHRmU2w
ランダルの姿は、電源を切ったかのようにその場から掻き消えた。
後に残るのは、ちらちらとまたたく僅かな情報の残滓のみ。

「なんだ、案外あっけなかったな」
つまらなそうにジェイはひとりごち、獲物を失って右往左往するグリーンスライムに手を伸ばした。
蛍光色のプログラムはいそいそと彼の足元に這い寄り、纏いつく。スライムの侵蝕作用が
製作者であるジェイに及ぶことは、当然ながら、ない。
ランダルは脳に深刻なダメージを受けているはずだ。下手をすれば死。
運がよければ人格崩壊程度で済んでいるかもしれない。だが復帰など有り得ない。
少し勿体なかったかもしれない、とジェイは首を傾げる。仮にも《七ツ足》の二つ名を有する
名うてのハッカーだ。だがすぐに思い直す。企業スパイなどロクなものではない。
さっさと潰してしまって正解だった――はずだ。多分。
「……ま、正義のため、ってやつだよね?」
不定形のスライムを苦労して抱き上げ、笑いかける。スライムは困ったようにうねうねと波打つ。

その時ちかりと視界にアイコンが点滅する。特定の人物からの通信を示す表示。
ジェイの表情が変わる。穏やかだが、研ぎ澄まされた危険な微笑。ぼたりと手からスライムが落ちる。
「――はい、こちらジェイ。新しい任務? わかった。すぐ行くよ、リーダー」
ショートカット。彼の姿はそこから消え、その18ミリ秒後に罠の森はデリートされ完全に消滅する。
取り残されたグリーンスライムごと。


ログオフ。光の膜を抜けるように『現実』へ。
ベッドの上に身を起こし、首筋からバイオインターフェイスのピンを抜く。

彼はジェイ、あるいは《ガーデンガード》。
難攻不落を誇るデータベース《ガーデン》の守護者。
そして同時に、《W》と呼ばれる超法規的組織のメンバーでもある。

------------------------------------
ここまで。
305W ―電脳庭守― 追記:2006/04/13(木) 00:38:02 ID:UZHRmU2w
触手と運搬のシリーズですが直接の続きではありません。
続きを希望していただいたけれど、ブラッドとレイヴンの話の続きは考えていません。
あと、当初は単発投下の予定だったため、タイトルがバラバラで申し訳ない。
後付ですが一応シリーズ名は「W」です。
306風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 00:42:36 ID:v3F7uj27
乙です!
触手の続きはないのか…残念!
軟体系がお好きなのですね〜。次のシリーズも楽しみにしてます。
307風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 01:24:38 ID:/yImf9JG
おお!サイバーパンクだ!
電脳ファック、しかも触手!!!
ごちでした。
308風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 01:35:35 ID:EKGLf+iF
GJ!(*゚∀゚)=3ハァハァ
309風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 01:58:17 ID:KD18FhVI
>>Wシリーズ
神……!
触手好きな上文体も好みです。
神としか言いようが無い。本当に有難う御座います。
いつも物凄い勢いで萌えさせて頂いています。もえ………!
310風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 10:54:36 ID:z4ZzdeqQ
電脳庭守たんGJ(´∀`)ъ
地下触手生物からよんでますた。
萌え殺されます…(*´艸`)
文体と「バイオインターフェイス」て考え方がかの有名SF小説「neuromancer」に似ている気が…
お読みになった事ありますか?
311風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 13:05:18 ID:hUia+DXx
なんかうざくなるからそーゆーのはしたらばいけばいいと思う。
312風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 15:38:45 ID:Hmcv9FYH
したらば行くべきだよ
313801ナメクジ:2006/04/13(木) 18:05:28 ID:Dvri0mTY
ネ申…!!いい萌えをありがとう
ooooo
314風と木の名無しさん:2006/04/13(木) 20:32:18 ID:cvdXMsDf
>>310
顔文字ウザ杉
315風と木の名無しさん:2006/04/14(金) 18:56:26 ID:ykTwKfHC
>>314
お前存在うざ杉
316風と木の名無しさん:2006/04/14(金) 19:12:49 ID:M9FfTUjH
310が315ならわろす
317風と木の名無しさん:2006/04/14(金) 22:44:21 ID:WIWwYBnM
そうに決まってるじゃん
周知の事実
318風と木の名無しさん:2006/04/14(金) 23:48:06 ID:4KPcP5Zj
日本語を解する頭があるのなら、ここでの雑談はやめろ。
319風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 01:27:01 ID:TZZ5TFdZ
Wタソ乙です!
続きを今か今かと持っておりました。
あなたの文章に惹かれます
萌え・・・!
320風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 14:49:57 ID:3ga8mdD6
ここの住人きも杉
321風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 16:02:50 ID:3ga8mdD6
しょうもない小説ばっか。
322風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 16:43:51 ID:QojGYY7F
>ID:3ga8mdD6
m9(^Д^)
323風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 17:47:13 ID:u2PCLhPf
ID:3ga8mdD6は以前にここで作文を書いたけどみんなに
『下手、くんな、ウザイ』って言われた人でFA?
324風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 18:12:41 ID:QojGYY7F
>>323
おk
325風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 20:59:42 ID:3ga8mdD6
誰か作品投下しろ。グチャグチャにけなしまくるからww
326風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 21:00:18 ID:3ga8mdD6
このスレが錆びてくのを切に願う
327風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 21:00:58 ID:3ga8mdD6
暇暇
328風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 21:02:15 ID:3ga8mdD6
てかヲタ女の巣でいいんだよね?此処は
329風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 21:49:20 ID:96t8sRm9
>>323
おk
330風と木の名無しさん:2006/04/15(土) 22:37:59 ID:ixpeUJS7
>>323
おk
さらに煽り文句も『下手、くんな、ウザイ』レベルw
331風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 00:11:14 ID:77UJUMUk
>>328
誰に言ってんの?もう一人の自分とか?きっも
332風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 03:26:49 ID:qZnWDB5A
Wタン超GJです。
最近萌えが枯れてたところで、正しく神降臨という感じです。

あーやばいよ来たよすげえええ萌える!たまんね!皆大好きだ!
鬼畜どんどん来い!萌え尽きてやる!

これからもすばらしい作品、お待ちしてます。
333代理戦争:2006/04/16(日) 03:48:14 ID:3l0Cce8J
投下します。
お気に召さない方はスルーしてください。


今まで、割と死ぬかもって思っても、死ななかった。
誰かに助けて欲しいって思っても誰もいなかったから、自分で頑張ったら意外と行けた。
――でも、そろそろ脈絡無く理由も無く、正義の味方とかが現れて助けてくれてもいいんじゃないかって、
そう思ってる。

「も・・・コモリッ・・・」
「ん?」
呆気に取られていた様な2人が、はじかれたようにハダレを見つめる。
見つめられた青年は、乱れに乱れた格好だった。
首筋の赤い印は一つだけだが、それと同じくらい赤くなった両乳首は乾きかけた唾液に濡れている。
鳩尾に目立つ痣を越えて引かれた唾液の筋は性器まで続き、その性器はわずかな精液をこびり付かせている。
その下には潤滑油で慣らされて口を開いた後孔がひくひくと蠢いている筈だ。
彼は絶頂の残り香を表情に漂わせて、ぼろぼろと言葉をこぼしていく。

「…もっ……と…」

のぼせたような瞳が正気を失っているのは分かった。
だが、やはり愚かな2人は原因が「自分たちの巧みな愛撫」であると信じている。
だから、調子に乗って、そのまま挿入にこぎつけたとしてもなんら不自然なことは無かった。

コモリは左足を拘束していた紐も解いた。
予想通りぐったりとしたそれと、右足の膝の裏を改めて押し上げる。
片方を肩に乗せかえ、手を自由にすると、その手を使って自身にも潤滑油を垂らす。そして、宛がう。
「・・・夢じゃないよね、コレ」
宛がった先の筋肉が収縮して、さも歓迎されているかのような幻想がコモリを支配する。
抱えた脚の先には胴があり、その先には顔の右半分を覆ったハダレの顔が見える。
334代理戦争:2006/04/16(日) 03:48:47 ID:3l0Cce8J
と、ソウジョウがその顔を両手で正面に向けさせる。双方の双眸がはっきりと合う。
「……ぁ…」
「最初で最後の夜なんだ、目くらいあわせたっていいんじゃないか?」
僅かに目を見開くハダレではなく、コモリに向けて発せられた言葉はその耳を素通りして消えた。

見詰め合ってみると、ハダレの瞳は最初に無理矢理見たときより綺麗な色合いに見えた。
涙でぼやけたそれは激しく波打つ水面のような青灰色で、引きずり込まれるような錯覚さえ覚える。
近くに寄れば寄るほど、波打つ水面に映った姿がばらばらに引き裂かれるように、
心までかき乱されるようだった。

苦しくなるのも構わず上体を倒し、口付ける。目は開けたままで。
そして後孔も、一気に貫いた。

「ンンンんぅ―――!!」

何から認識するべきか――コモリの五感は、一瞬戸惑ったに違いない。
それほど、鉄壁の王者が汚される瞬間は刺激的だった。
ぼんやりしていた瞳がかっと見開かれるが、数瞬後にはぎゅっと瞑られ、大粒の涙が滲み出す。
押し進めるたびにぼろぼろっと零れるそれは、コモリの頬も濡らした。
上がった悲鳴は大方コモリの唇が飲み込んだが、それでも悲痛さはソウジョウに隠し切れなかった。
「どうだ?本物の初物なんじゃないか、この痛がり方」
「…多分…ぁあ…」
コモリはキスの隙間から、半分喘ぐように答えた。少し痛いが、精神的な満足もあって、気持ちいい。
まだ全部入り切っていない。だが、ソウジョウの下ごしらえのおかげか、なんとか根元まで入れられそうだ。
骨の浮いた、女のようには柔らかくない脚や腰を抱えて押し入れると、痛がって悶える。
335代理戦争:2006/04/16(日) 03:49:20 ID:3l0Cce8J
「ンンッ…!ン…!!んッ…ん――!」
緩めて受け入れる事が出来ない体は、火照りを失っていく。冷や汗が浮き、歯の根も合わないハダレ。
下の口は括約筋が強張り、内臓である奥の方までがコモリを圧迫してくる。
流石に可哀想になって、唇を離して顔を撫でてやる。
涙を親指で拭って、そのまま口に運ぶ。――しょっぱかった。
「…ごめん…本当はもっと……気持ち良くしてあげる……筈だった…んだけど」
言い訳じみた独り言を呟くコモリ。
挿入し終えた事を、緊張した括約筋に根元を銜えられて悟るやいなや、動き出す。
「…ありきたりだけど、もう、我慢できないっつか…本当…ごめん」
「ぁうっ、い、っ…、あ!」
肉のぶつかり合う、なんとも残酷な音が規則的にしている。
なんとか出血は免れたものの、その異様な痛みは慣れている筈のハダレを混乱させるほど酷かった。

殴られて痛いのと、この痛みとは全く別だと理解していても、
痛くて泣くのは何年ぶりだろうかと思わずどこかで考えてしまう。
青年ではないものが青年の筋肉をこじ開けて押し入り、拒絶するように緊張する内部を無理矢理開かせて、
肉棒が届く限りにおいてぐちゃぐちゃに掻き回す。
潤滑油のおかげで引き攣れる感じは無かったが、実際に五臓を押し上げられるのは気持ち悪くてたまらなかった。
細い腹にもし筋肉がついていなかったら、おそらくコモリ自身の質量が浮き出たのではないだろうか。
それほど克明に体に刻まれる違和感は凄まじかった。

「あ、あ!ぅっ、ぐ…はぅ、う」
普段から大して気にした事は無いが、ハダレは恥も外聞も無く泣き叫んだ。
336代理戦争:2006/04/16(日) 03:49:59 ID:3l0Cce8J
緩んだ蛇口のように、尽きない涙が横へ流れていった。
後孔からも、溢れた潤滑油がだらっと流れ出てくる。
色気のある、ヒクつきの隙間から糸を引くような様ではなく、潰れた紙パックから飲みのこしが零れるような、
ただ単に自然の物理にしたがったらそうなった、というように。

ハダレの性器は萎えたままで、頬からも血の気が引いて久しい。
見かねたソウジョウが2人の間に指を差し入れて扱いてやっても、一向に立たない。
芯を僅かに持つが、突き上げられるたびにしぼんでしまう。乳首に触れても、反応はない。
「おいおい、もうちょっと優しくやる予定だったじゃないか?
 こいつ、興奮するどころか不能になったみたいに反応しない」
「…ダメだ、分かってんだけど…はぁ、…出したくて、しょうがなくって…」
ソウジョウの忠告にも全く耳を貸さずに、コモリは自分の快感を追った。

ハダレが快感を得るかどうかは別として、とりあえず出し入れできるほどには筋肉の緊張は緩んできていた。
普段買う女のような柔らかさや、甘く噛まれるような締め付けには程遠いハダレの後孔。
妄想していた時の、快楽をねだる甘い声もない。苦悶の呻きが耳に痛い。
だがコモリにとって、現状は最高の天国で、頭にはとにかく抜き差しして射精する事しかなかった。

グチャグチャと、口を開けて食物を咀嚼するような音が続く。
実際、下の口はコモリを限界まで頬張って申し訳程度に食んでいた。
ただ上の口は、歯を食いしばる力も無く半開きになり、涎を垂れ流したままだ。時々意味も無くぱくぱくと開く。
その口に――新たな「食物」が供された。
「じゃ、キスも済ませた所で…役得を頂くとしようか」
337代理戦争:2006/04/16(日) 03:50:32 ID:3l0Cce8J
「ン゛ぅッ!」
それこそ口一杯にソウジョウ自身を含まされ、奉仕を強要させられる。
「上のお初はもらってもいいだろう?こんなに協力してやったじゃないか」
非難がましい目線を送るコモリに、宥めると言うよりむしろ当然と言った口調で応えるソウジョウ。
そして更に当然のようにハダレを非難する。
「ほら、もっとちゃんと舐めろよ」
両腕を頭上で拘束されたハダレの頭の可動範囲は、ソウジョウの思ったより小さかったらしく、
それならばと根元まで含ませられる。えづこうにも、頭は強く押しつけられてどうにもならない。
「…ぅ…ふっ…」
顔が動かせないので、ハダレは頬の内側や舌を絡めての愛撫に専念する。
突かれてヒクつく咽喉で敏感な先端を包み込み、良く動く柔軟な頬肉で血管の浮く茎を育てる。
陰毛が呼吸を阻害する。苦しい。
だが、死因が窒息・フェラチオというのは死んでも死にきれないので、必死に肺を収縮させる。
張り詰めた裏筋を自由にならない舌で苦し紛れになぞってやると、ソウジョウがにやにやしながら頭を撫でた。

「強いあんたもいいけど、コッチもいいな…微妙に上手いのが気に障るけどな。
 まさか、俺たちファンを裏切って、口で勝ちを買ってたわけじゃないだろ?」
「ぅぐ…ッ…」
挿入前よりははっきりしていた瞳に、改めて涙が浮かんだ。
零れ落ちはしなかったが、じわりと滲んだそれは容易には乾かなかった。
338代理戦争:2006/04/16(日) 03:51:03 ID:3l0Cce8J
「…は、ハダレ…出るッ…!」
ハダレの腿を掴むコモリの指に力が篭り、傷を広げられた青年がうめいた。
だが、体内に吐き出された精液の感覚がおぞましくて、うめきを更に重ねる。
肉棒が蹂躙した範囲を越えて断続的に注がれる体液が、自分の肉と絡むのを感じた。と、
「こっちも…ッ、だ」
「ぁふッ!」
続けて、今度は上の口に――というより、咽喉に直接吐精された。
飲むと覚悟を決める前に、反射的にそれを胃へ送り込んでしまって、後で噎せる。
「か…ハッ、ゴホッ…」
尿道に残っていた精液を口内に零しながら、ソウジョウは自身を引きぬいた。
亀頭とハダレの唇を、白い粘液――精液と唾液の混合物が結んで、すぐに切れる。切れた先は青年の顎を伝う。

(終わった)
痛くてたまらない尻孔から、やっとコモリの性器が抜き出され、内臓の圧迫が休まる。
全身が生臭く、ぬるぬるして痛くて、やるせない。だが終わったのだ。
ハダレは性欲による支配が終わる事を期待して、安堵した――
「んじゃ、次オレ2番目頂くから」
「…じゃあ口の2番目はオレ、もらうっつか」
驚愕の言葉が聞こえてきたのは、そのときだった。

ハダレは反抗する体力も無く、体を裏返されて上下を貫かれた。
両手首はベッドから解放されたが、まだ左右は繋がったままで、不自由極まりない。
そのまま腰だけを高く掲げさせられてセックスに及ぶのは、疲れたハダレには酷な事だった。
更に鼻先には、あぐらを掻いて待ち構えているコモリが、性器を突き出していた。
339代理戦争:2006/04/16(日) 03:51:34 ID:3l0Cce8J
「…イイ…いいっつか…微妙に上手いし」
「だろ?こいつ初めてなのにこんなんで、もし仕込まれたら…」
気の毒な事に――というべきなのか、ソウジョウよりいくらか小ぶりなそれを必死に舐めながら、
ハダレは獣の姿勢で揺さぶられていた。
散々酷くされた後孔はコモリの精液でいくらか滑らかにソウジョウを受け入れたが、
やはり快楽や満足とは程遠い感覚だけがあった。
だが、同じ事をされてもそれとは程遠い感覚――つまり、快感や満足を得られると、
この意のままにならない四肢のどこかが知っている。だから、銜えた上下の口にも熱が篭る。

「お?」
腰をゆっくりと、ハダレの中を味わうように動かしていたソウジョウが、小さな声を上げる。
何かに気がついたように腰の動きを止め、改めて軽く突く。
「……ゥ…」
ハダレがそれに押されて前進し、コモリのもので咽喉を突かれたのか、うめく。
だが、ソウジョウはお構いなしに数回突き上げ――嬉しそうに言った。
「この辺り、他と微妙に感触?っていうの?が違う…これ、前立腺なんじゃないか?」
「…どうして、…そんなの分かるんだっつの」
ハダレが銜えたまま呻いたために刺激されたのか、言葉を押し出すように、コモリが問いかける。
その問い(胡散臭げだった)に、ソウジョウがにやりとして、腰を動かす。
「ここに擦り付けると、こっちが気持ちいいんだよ――それに」
意識してその部位を攻撃する。激しく突き上げるのではなく、捏ね上げるように。

ハダレの表情を見下ろすコモリには、すぐ理由がわかった。
「……ハダレっちが気持ちよくなってる…ってことか」
「中、さっきよりずっと柔らかくなってる。すごくいい」
340代理戦争:2006/04/16(日) 03:52:05 ID:3l0Cce8J
お前がヘタクソで余裕が無くなってたせいだ、と言われているようで、コモリは内心落ち込んだ。
だが下肢に与えられる刺激は止まらない。落ち込んでいる暇はなかった。
やっと血の気を取り戻した青年の頬を撫でながら、コモリは呟いた。

「……痛い思いさせて、ゴメン。『次』は、きっと上手くやるから」

「ンぐ…ぅ…」
ハダレは目を閉じた。もう、何も見たくなかった。
ただ、そのせいで押し出された涙が、改めて頬を伝った。

「ぅうッ…!」
「ふぅ…!」
コモリはハダレの舌の付け根辺りに、たっぷりと精液を撒き散らして体を震わせる。
苦味と青臭さに、力の入らない表情にすら嫌悪を浮かべる彼に、優しく言う。
「ちゃんと…綺麗にしないと、終わらせてあげないよ」
先日の試合で、ハダレが豪腕の男に言ったのと同じ内容のことを言って頭を撫でてやると、
震える舌で性器を拭ってきれいに始末する。
命じられなくても全て飲み下す、ひそかな従順さをいとおしく思いながら、
コモリはその口から性器を抜き出した。それに続くように、喘ぎの羅列が漏れてくる。
「あッ、あぁッん、…んぁっ…ア…」
ソウジョウが見出したハダレの性感帯は的確だったらしく、
性器を扱いていた時に酷似した、甘い鼻息がコモリを空しくさせる。
それだけを見ているのがやり切れず、コモリはソウジョウに話しかけた。
「…どうよ、具合は」
「…中の上って、とこか、な…」
341代理戦争:2006/04/16(日) 03:52:36 ID:3l0Cce8J
鼻息も荒く青年を弄ぶ男にしては評価が低い事を怪訝に思う。
「…最高って言うと思った」
「いや、…決して悪くは…無いんだけどな」
そう言う間にも、ソウジョウの腰の動きは止まらずにハダレを突き上げている。
よほどピンポイントにいい所を攻めているのか、ハダレの萎え切っていた性器が少しづつ芯を持ち始めている。
「何より…本人が慣れてねぇのが…減点ってとこだな。中がまだ熟れてるって感じ…じゃないんだ。
 買ったばっかりの果物みたいな。それがイイって言や、いいのかもしんねぇけど」
「ふぅん…」
コモリは話を聞きながら――自分で聞いたくせに、半分聞き流していたが――、
青年の体にそっと手を伸ばして、申し訳なさから愛撫を始めた。

予想外に加えられた新しい刺激に震える体を、舌と指でなぞる。
背筋を吸ってやると文字通りビクつき、内股を膝から付け根までなぞって擽ると、ソウジョウを切なく食い締める。
「ぅあッ…ん」
「おいおい、どこ触ってんだよ」
脚の付け根から指を移動させ、今正に繋がっている部分をくるりと指で撫でてやる。
たしかに、自分が入れた時より括約筋が幾らか柔らかくなっている気がする。

そこの滑りを借りて、さらに指を滑らせる。
勃起と共に硬く張り詰めた蟻の門渡りをマッサージしてやると、ハダレが「嫌だ」と、もっと触るのを要求してきた。
その要求にしたがって睾丸を軽く苛めてから、性器に辿り付く。
愛撫すると言うより、感じている度合いを確かめるように一通り触ってから、囁く。

「ハダレっち、お尻、気持ちいいんでしょ。勃って、濡れてる」
一瞬驚いたように正気の目を見せたのは、幻覚だったのだろうか。
ともあれ、次の瞬間には、ハダレは蕩けた泣きそうな表情で首を縦に振った。
あんまりにもその顔がいとおしかったので、コモリは頭を撫でてやりながら、同じ様に性器も撫でた。
性器は同じ様に涙を流して喜んだ。
342代理戦争:2006/04/16(日) 03:53:08 ID:3l0Cce8J
限界は近かった――ハダレの喘ぎが突き上げられるのとほぼ同時になり、口は半開きのまま閉じない。
コモリの手の中で大きく育った性器は反りかえり、青年自身の下腹に粘液の跡を残している。
上の口とは逆に、後孔はソウジョウに必死に食い付き、その先走りも逃さないと言うようにきゅうきゅう締めつけた。
「あ…ア!ッぁ…ふ、あ…ああ、」
やはり慣れない体には性器の刺激の方が馴染みがあるらしく、
射精のコントロールにはコモリが気を使うより他無いらしかった。
ソウジョウのいちいち尊大な注文に応えながら、緩急をつけてハダレを追い詰める。
「…ぉ、そろそろ…出すぞ。ちゃっちゃと扱いてやってくれ」
「ハイハイ」
コモリがハダレの下肢に射精を促す激しい手コキをしてやる。
既に長い間触られていたハダレ自身には潤滑油と先走りがたっぷりまみれていて、
素早く擦ってやるとクチュクチュという粘着質な水音が響いて、逆に恥ずかしくすらなる。
「く、ぁあ、ア…あっ、あッ、アッ…アアッ…!」
射精を期待して、睾丸がきゅうっと縮こまるように、様子を変える。
青年自身の中も、きっと同じだ。
射精と、相手の射精を期待して、正に食いちぎるかのような締め付けをしているに違いない。

「…はっ…あ…」
「ア…あああ―――ッ…!」
ハダレの背が反り返り、全身に緊張が走って、筋を浮き立たせる。
ビクビクっと数回強く痙攣しながら白濁をコモリの掌に吐き出し、後はふるふるっと弱く震えながら荒い息をつく。
その性器の先からは、尿道に残った僅かな残滓が零れている。
343代理戦争:2006/04/16(日) 03:56:18 ID:3l0Cce8J
「ふ……」
ソウジョウは最後の痙攣まで楽しんでから、ゆっくりと自身を抜き出した。
妙に満足そうな顔をしている。遠慮無く、収縮するハダレの中に出したらしい。
長い、長い満足そうな溜息をついて落ち付いてから、ソウジョウは脱力したままのハダレを指して言った。
もちろん、既に挿入の準備に入っているコモリに向けて。

「…今ならイったばっかだから、全身性感帯だぞ」

それから何回イかされたのか、何をされたのかも曖昧でよく分からない。
ただ今まで感じた事もない、何て事のない場所を舐められただけで軽い絶頂に追いやられてしまったとか、
尻が妙に感じて、欲しくてたまらなくなったとか、酷い事ばかり記憶に残った。
ただ、――ただ、それだけで…ここで強姦されて自分が終わるはずが無いと、どこかで知っていた。

陵辱は日付が変わってまもなく始まり、既に数時間が経っていた。
夜明けにはまだだが、逆にいうとまだ明けていない、と言った程度の時間だ。
立体迷路には様々な人々が住んだり居座ったりしているが、今は何も聞こえてこない。
室内には荒い3人分の息遣いと、ベッドの軋む音と、肌の打ち合う音と、
そしてだらしない上下の口の咀嚼音だけが響いていた。

「……?」
ふと、ソウジョウが腰を止めて怪訝な顔をした。

「おい、変な音が…しなかったか?」
344代理戦争:2006/04/16(日) 03:56:52 ID:3l0Cce8J
「は?」
ハダレにフェラチオさせていたコモリが険悪に聞き返した。一応、耳を済ませる様子は見せたが。
「…別にしないけど?」
「いや、絶対した」
ソウジョウは天井の方を見上げるように視線をさ迷わせて、唸るように呟いた。
気分を害された様子で、コモリが溜息をついて応える。
「気にするなよ」
「気になるんだよ」
なおも注意深げに辺りを見まわすソウジョウに、気勢を削がれたとでもいいたげにするコモリ。
立ちあがり、身支度をしながらドアのほうに向かう。
「分かったよ、一応見まわってくる…だけどオレの分は残しておいてよ」
「あーわかったわかったはいはい」
ぞんざいな返事で頷くソウジョウにさらに気を悪くした様子で、コモリが立ち去る。
暫くして、階段を上っていく音が聞こえた。階上から見まわるつもりなのだろう。
そして帰ってきたら、また「オレ」は犯される……

ハダレの僅かな感情の変化に気がつかず、ソウジョウは細い腰を抱えなおした。
前よりも激しく揺さぶりながら、
「さてと…あいつが帰ってくる前に、もう一度イかせてもらうか…」

暫く――といっても、ソウジョウが一度絶頂を迎え、例によってハダレの体内に中出しして、
更に暫くした頃だから、随分時間は経っている。

『うわああああああああああああああああ―――――――――!!』
345代理戦争:2006/04/16(日) 03:57:26 ID:3l0Cce8J
ぞっとするような大きな叫び声が立体迷路に響いた。
コモリかどうかは咄嗟に判断はしかねたが、ソウジョウの興奮を消し飛ばして警戒させるには充分な声音だった。
立ったままの性器をハダレから抜き出し(一体何回目なのか、またソウジョウはハダレを味わっていた)、
無意味と知りつつも振りかえったり視線をさ迷わせて、青年から数秒目を離した。

ハダレの意識の中に割り込んだ悲鳴が、事態の異常を知らせる。
尋常でない悲鳴。うろついていた黒ずくめ。A会、B社の追っ手。安全とはかけ離れた街。
敗北による人権の喪失、誰も信じるなと言う言葉、そして限界の体。
どうひっくり返っても――有利な状況とは言えまい?
その数秒は、ハダレの性欲を生存欲で飲み込み返すのに充分な時間だった。

振りかえったままのソウジョウの首に何かが絡み付き、突如として万力のように締め上げた。
叫び声を上げさせた元凶がそこにいるとはどう考えても有り得なかったが、
ソウジョウは反射的に体をびくつかせて、自らの首をしめるものを見上げた。
そして、幽霊でも見たかのような、驚愕に満ちた顔で呟いた。
「ぁ、お、…ハ、ダ、れ」

ハダレだった。
ソウジョウの首を、たった今まで犯されて泣き叫んでいたとは思えない力で締め上げているのは、ハダレだった。
繋がれた両手を器用に捻って、掛けている技はチョークスリーパー。
気道ではなく頚動脈を締め、短期決着を狙っているのは、腐っても代理戦争王者と言った所か。
何かの弾みで殺しても構わないとでも言うような、鬼のような形相でソウジョウの抵抗に食い下がっている。
――やがて、ソウジョウがハダレの腕をかきむしる力が弱まって、
「あ、…あ……ぁ…」
ぐったりと気絶――もしくは死亡するまで、ハダレは力を緩めることは無かった。
346代理戦争:2006/04/16(日) 03:58:00 ID:3l0Cce8J
ソウジョウの無駄に重い体を放り出すと、ハダレはふらふらとベッドに座り込んだ。
ここで早く逃げることが、自分にとってよいことであることは分かっていた。だが、体が動かない。
いや、体だけでなく頭も動かない。何も考えられない。
眠気は覚えないが、意識が自分の体の中心からふわっと分離して、どこかへ消えていってしまったようだった。
ハダレはそのまま、暫く廃人のように呆然としていた。

だが、いつまでもそうしていて良いわけでもないとも分かっていた。
文字通りぼろぼろの心身を引きずるようにして、ハダレはベッドから降りた。

懐中電灯が少し明るくなったような感じのライトが辺りを照らしていたので、
ハダレが身につけていた衣服が散乱しているのがわかった。
一つ一つ掻き集めて、それだけで途方も無い疲労を覚えて暫くぐったりとする。何分か後にまた動き出す。
「…ぅう……」
暫くすると、どろっとした体液が尻から漏れてきて、思わずうめいた。
うめいて体を竦めている間にも、驚いたようにひくつく後孔はとろとろと白濁を吐き出す。
1人分でも、2人分でもない。もっと、もっと。
「うー…」
余りにリアルな感触に冷や汗が流れ、竦んだまま動けない。拾った衣服を握り締めて、歯を食いしばった。
だが、このまま全裸でいるのはできないとわかっているから、動き出さなければならなかった。

シーツで皮膚が赤くなるほど尻を強く拭うと、下着とジーンズを履いた。
ジーパンは右腿から下が血で変色し、感触も強張っていた。もう履けないかもしれない。
Tシャツは切り裂かれていて、着られない。雑巾も同然だ。
放り捨てようとして――思いとどまり、いまだ血の止まったとは言えない腿をきつく縛った。
「ぐぅっ!」
傷口を刺激するのは、歯を食いしばって身構えても足りないほどの痛みだったが、
これから何があってもおかしくない時に、傷を開きっぱなしにするのは不安だった。
347代理戦争:2006/04/16(日) 04:00:12 ID:3l0Cce8J
腿のその痛みに多少正気づけられたように思う。
ハダレはベルトを締め、情事の跡も生々しい素肌にパーカーを羽織って立ちあがった。
――迷ったが、首輪と眼帯はせずにポケットに突っ込む。
部屋の入り口に落ちていた荷物を拾って、体を引きずりながら部屋を出て、階上を目指す。
出入りする場所は階上にも階下にもあったが、下には黒ずくめ、上にはコモリと遭遇した何者かがいる。
下にいた黒ずくめがウスライなら何か期待してもいい気はする。
だが、どこかの組織の手のものだった瞬間、ハダレは御陀仏だ。

――なら、上にいる、コモリを「害した」『敵』に遭遇する方が、対処法が決まっていていいではないか。
ハダレは階段の手すりについていた、「上から落ちてきた」と思われる血痕を指でなぞった。
乾いて、殆ど粉になったものが指に付着する。だが新しい。
何より生臭い匂いが段を上がるごとに濃くなる。
ハダレは沸きあがる、無駄な欲望を必死に押さえながら、じりじりと階段を上っていった。

一段登るのにも数分要するほど、ハダレは疲労していた。
幸いにも眠気が襲ってくる事は無かったが、少なくともそうなる前に体を休められる場所か、
体が持ってくれるならいつものヤブ医者に罹りたかった。
体中が鈍痛で強張り、失血でくらくらして、そのくせ『異』や第六感は冴えて辺りを注意深く探っている。
耐えられない。
小さく呟いたときだった。

カン、と固い靴底が階段を踏む音がした。続いて、カン、カンと、下ってくる足音がする。
遠くて高い。まだまだ何て事の無い、遥か高い階から誰か降りてくるだけ。
だが、それはきっとコモリをどうにかした人間であり、
コモリを敵にするくらいだからハダレにとっても敵であると分類した方が賢い。
昔の知り合いで、たまたま野宿した廃屋にいた住人に殺されかけた奴というのもいないことは無い。
だから、ハダレはその階――ここは4階だった――に上がり切ると、無理矢理体を奮い立たせて、相手を待った。
348代理戦争:2006/04/16(日) 04:00:47 ID:3l0Cce8J
カン、カン、カン…

下ってくる足音を余所に、ハダレはこのビルの構造と言うか、部屋の位置を思い出していた。
元は集合住宅だけあって、部屋の数と、それに比例するだけの出入り口――窓や非常階段など――も多い。
中心を吹き抜けにして階段を設え、その周りに部屋が並んでいる、洒落た構造だ。
逃げるなら正直に階段を使うか、幾つかの部屋から隣に飛び移るか、あるいは奥の手か。

カン、カン、カン…

足音が――本当に近付いてきた。適当な感覚で、あと1と半分階分、と言った所か。
ライトは消してあったが、吹き抜けの天井はガラス張りだかで、それなりの明るさはある。
勿論夜明け前だから良く見えはしないが、少なくとも相手の輪郭を捉えるのは出来ないくもないはずだ。
そうすれば、後は『異』がなんとかする手だてをくれる。どうにか、なる。
あと、もう少し。

カン、カン……カン…

「……お前…」
静かな驚きの声が、暗闇を揺らした。薄暗いこの場所に半分溶けたような、長身で黒ずくめの男。ウスライ。
彼は階段を降りて、4階の床とも言うべき場所に立っているハダレに近付いた。
「……お前を、探していた。ハダレ。『異』の…」
『異』の保持者だな。
そう確認しようとしたウスライのすぐ側を――驚くべき速さで放たれた蹴りが通過して、
安全用の柵を紙くずのようにくしゃくしゃにした。そのまま、柵はハデな音を立てて階下に落ちる。
それでも無表情に似た顔を向ける男に向かって、ハダレは生存欲に負けた卑屈な眼を向けて笑った。

↑ここまでです
349風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 04:05:16 ID:TfJj59Vj
代理戦争タン、リアルタイム遭遇!!
エロスとスリルと緊張感に引き込まれます。
GJGJ!
350風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 05:11:20 ID:r9GTVeDA
ももも萌えー!
犯されるハダレに激萌えた!
351風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 05:14:09 ID:FWum6h8A
ハダレタンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
ボロボロのハダレタンに(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
禿しく続きが気になる…!!
352風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 08:47:07 ID:vHaMOw5X
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
ハダレタンとウスライタンどうなっていくんだwktk
353風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 13:08:51 ID:TTScJAWe
あげ
354風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 21:59:17 ID:g9GNF/Cy
ハダレっちに萌え萌え〜
355風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 23:22:19 ID:13eCZ/Pc
質問ですが。
たとえば、相思相愛の二人がSMごっこしてるとか、愛してる独占欲で
鬼畜めいたことしてしまうけど、最後は仲直りでベタベタとか
そんな話はここではタブーなんでしょうか? なんだかそんな話の
投下があると荒れるみたいなので…。
356風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 23:26:57 ID:0i+uJ8Gu
そう思うのなら棚のほうがよいんでない?
357風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 23:44:45 ID:MA22fjO5
>355
別にタブーではないと思う、>1 では禁止されてないし。
勝手に荒れてる手合いについては、>1 の●スレ住人心得
> ・叩きや煽りには絡まない
> ・肌に合わないSS、レスはスルーの方向で
を頭において対処。

ま、
> 相思相愛の二人がSMごっこしてるとか
ベタ甘主体でこられたらさすがにスレ主旨から外れると思うが。
そのへんは各自、投下前に熟考しましょう、ってことで。
358風と木の名無しさん:2006/04/16(日) 23:54:49 ID:RsmGDkPE
前置き・伺い・弁解されてからの投下はかなり冷める罠
359風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 00:49:51 ID:xpCocBeN
すいません、時々覗いている読み手です。書き手ではないのです。
投下しようと質問したわけではないのです。
ばりばりの鬼畜も好きですが、時々そんな話も読みたくなるのでつい。
失礼しました。
360風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 00:51:44 ID:v5vUczOd
  _, ._
( ゚ Д゚) …
361風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 01:26:30 ID:h/TaBfLU
そういうのが読みたいんだけどないから書いてくれでFA?
362風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 05:11:56 ID:RVcUT45x
>>359に悪気はないのかも知れんが
いかんせん遠回しすぎたな
しばらく君の望みにかなう物はここではお目にかかれないだろう
363風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 05:52:26 ID:G2VQUEe6
本当に悪気がないとしたら>359は真の低脳くんだな
もしくは万年アタマが春休みの春厨
君の働きにより、今後しばらくグッドエンドは望めないだろう

いっそ>1 の心得に厨出入り禁止も入れたいね
364風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 06:44:24 ID:Cxqzki89
戦争タンマジでGJ!!
365風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 11:50:48 ID:MRmMeT3s
とりあえずお互い何か分かったらすぐに連絡するとだけ言い、そのまま電話を切った。
366風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 11:56:11 ID:v5vUczOd
>>365
前後の続きキボン。
367風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 14:16:44 ID:+IbwKcCk
>>363
アンカーもできん奴に偉そうに言われたくないわ(w
368風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 15:02:49 ID:vGtczn/9
>367
  _, ._
( ゚ Д゚) …          知らないって素敵だね
369風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 15:26:47 ID:2EZPXz/t
>>367
ブラウザでしか見られない奴が何を偉そうに。
370風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 16:41:35 ID:nm5vaypg
>367
今お前 大恥かいてるんだよ?
371風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 16:44:46 ID:p3rSYTku
戦争タソ萌えた!
陥落の瞬間、その過程…萌え!
372風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 20:03:57 ID:ER/hRNbT
代理戦争タンかなりイイです…
朝方の空気とかすごい伝わってきて
まさにGJ…!
373風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 20:50:30 ID:JbUaN18C
朝、目覚めると目元が濡れていた
374風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 21:35:52 ID:geWHUaSr
いやだと叫びたかったけど、叫ぶことなんてできなかった。
375風と木の名無しさん:2006/04/17(月) 22:03:39 ID:+KcMzL74
あげ
376風と木の名無しさん:2006/04/18(火) 01:50:33 ID:jaX8IexG
空気読まずに裏側タソの続ききぼんと言ってみる
377風と木の名無しさん:2006/04/18(火) 13:44:51 ID:r2j6M4R7
>>376
奇遇ですね
378風と木の名無しさん:2006/04/18(火) 15:26:07 ID:PEJlm5EO
じゃあわしは脳の人キボン。
今夜あたりドピュっと投下来ないかのう。
379風と木の名無しさん:2006/04/18(火) 16:43:26 ID:1AKS8eEi
アリスたん待ってるよ〜。
380風と木の名無しさん:2006/04/18(火) 20:11:39 ID:2sI2ErSw

381風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 01:05:05 ID:GUFy4rNN
厨だと言われる方にも問題はあるかも知れないけど、厨厨騒いでる方が余程厨に見える。
一人がミスしたのに対して何人もが突っ掛かってるレスを見てると
21歳以上だけがいるとはとても思えない。
本来ならば自分もスルーするべきだけど、見ていられなかったんで。
自分含め、こういうレスばっかり続いてたらいい加減うざいよね
382風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 01:25:51 ID:C5Ozfhmn
383風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 02:45:58 ID:KV9OUVWZ
で、ナゼそれを本スレで言うのかな?(# ・∀・)<何の為のしたらば?
384風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 09:04:23 ID:aIHEZTl1
したらば知らんのがおるからじゃないの?
385風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 14:59:30 ID:XsyMhXAh
>1-2を読んでないから空気も読めないってことか。

アリスたん待ってる〜。
386風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 15:23:12 ID:hVXzjPtA
age
387風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 18:08:37 ID:tsT4GHOH
ハダレモモモモエー(*゚∀゚)
面白すぎるよー続きが気になってたまらん
388風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 21:23:09 ID:Lioy6tMd
aeg
389風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 22:09:02 ID:D7NpzI1N
このスレは厨房の巣
390風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 22:19:37 ID:OYOo9QSd
実はいまだに猛者タンの続きを待っていたりする・・・
391風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 22:53:17 ID:xSRW4tEB
私なんか小窓屋タンのその後が気になって仕方ない
続き書いてくれないかなあ…
392風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 23:09:53 ID:KV9OUVWZ
>>391
とりあえずネット中を執念で探せ。
393風と木の名無しさん:2006/04/19(水) 23:50:04 ID:hsJFCIxY
店長タンと洛陽タンの続きが気になる…
394風と木の名無しさん:2006/04/20(木) 00:58:51 ID:LSGd9HbB
>391がサイトにたどり着いたら鼻血ブーだろうなきっと。w
395風と木の名無しさん:2006/04/20(木) 01:28:40 ID:RNSBClCv
消えた職人様方ってネットの片隅で書き続けてるよね。
サーフィンの果てによく名前上がってる方々とは別の続き期待してた職人方のサイトみつけたもの。
396風と木の名無しさん:2006/04/20(木) 22:12:15 ID:ibJ1FKJH
>>392
>>394
是非ヒントを…
397風と木の名無しさん:2006/04/20(木) 22:46:54 ID:tulQ84zd
そういう話こそしたらば池
398風と木の名無しさん:2006/04/20(木) 23:04:12 ID:LSGd9HbB
せめてググるくらい汁……
399風と木の名無しさん:2006/04/20(木) 23:44:37 ID:SjXDN6YB
いやいやいや、ぐぐったくらいで見つからんぞ大抵
と一応突っ込んどく。ぐぐったけど出ないよ(´・ω・`)とかいう人も出そうだから。
400風と木の名無しさん:2006/04/21(金) 01:10:02 ID:ZpoRvHAz
グーグルとかのロボットサーチ撃退つけてる人も検索よけしてる人も多い。
地道にリンク飛びまくるしかないよ。
401風と木の名無しさん:2006/04/21(金) 05:11:46 ID:2z3IHMTS
もうこの話はしたらばで片が付いてる。
402風と木の名無しさん:2006/04/21(金) 05:40:54 ID:4BS7Cw+8
ぐぐるとサーチの検索結果がでるという事実。
403風と木の名無しさん:2006/04/21(金) 19:55:37 ID:GFDSGDij
ある村で、10人続けて男の子が生まれたら
10人目の子が消えなきゃいけないしきたり

みたいなの書いてた人いたよね?
あれって続きモノじゃなかったでしたっけ
404風と木の名無しさん:2006/04/21(金) 21:06:25 ID:8+enH3pn
華麗に投下待ち(0゚∀゚)ワクテカ
405風と木の名無しさん:2006/04/22(土) 01:50:40 ID:Ci9eVZRf
インデアンの歌みたいだむ
406風と木の名無しさん:2006/04/22(土) 09:52:25 ID:3rWgrSDQ
age
407W ―バランス―1:2006/04/23(日) 21:53:23 ID:bCtNd1VO
投下します。全12レス程度。
流血・死体・殺戮描写を含みますのでご注意ください。
----------------------------------


『私たちは正義ではないし、悪でもない。誰の味方でもないし、誰の敵にもなり得る。
――いいかいコーラル、要はバランスだ』

《ガーデナー》はそう言って、モニタの向こうで微笑を浮かべた。
オーダーメイドのスーツを着こなし、貴公子然とした立ち居振る舞いを見せる彼が何者なのか、
コーラルは知らない。
だが彼の言う事には同感だった。だからこそ、彼の元で彼の意思に従って働くことを選んだ。
もっとも、彼ならば自分の救いようのない本性も放置しておいてくれるだろうという打算もあったのだが。

『私たちはいわば錘だよ。世界のバランスを取るための、小さな、ほんの小さな錘』
408W ―バランス―2:2006/04/23(日) 21:54:48 ID:bCtNd1VO
(死体描写あり)

小さな錘、なんて柄にもなく可愛らしいことを言うものだ。

《ガーデナー》の言葉を思い出して、コーラルは唇の端を笑みの形に歪めた。
足を速めて路地の角を曲がる。
曇天。立ち並ぶ建物はそのほとんどが廃墟だ。東都の頓挫した都市計画が残したのは、
『グレーゾーン』と呼ばれるこの無法地帯。どのビルも汚れ、あるいは未塗装のセメントの色を晒して
全体的に灰色がかっているからだと言われているが、勿論悪趣味な冗談だ。
ここにはまっとうな人間など住んでいないが、しかし住む者が少ないわけでもない。
その住民達も今日は気配を感じさせない。きっと片隅に逃げ込んで息を潜めているのだろう。
賢明な判断だ。湿っぽい風は血の匂いがする。

「ジェイ、あの馬鹿はどこだ」
問いかければ通信機から応答。
『前方80メートル右手のビルの中に反応』
「了解。確保するかブッ殺す」
『いや、穏便にね』
「知るか」
回線の向こうで苦笑する仲間に不機嫌に応え、歩調は駆け足に。

目標の廃ビルに近づくにつれ血の臭いは一層濃くなった。
壊れたドアをくぐる。むっと生臭い空気がコーラルを迎える。
入ってすぐのところに死体が転がっていた。まだ血も乾かない、できたての死体。
コーラルは忌々しげに顔を歪めた。
「くそ、あの馬鹿が」
奥へと歩を進めると死体の数はさらに増える。瓦礫とゴミだらけの廊下には、関節を破壊され
骨を砕かれた人体が悪趣味なオヴジェのように点在し、階段からは鮮血が滴っている。
いずれもその格好から、一目で堅気の人間ではないとわかる。
断末魔の悲鳴が聞こえた。上からだ。コーラルは邪魔な死体を踏み越え飛ぶように階段を駆け上がる。
409W ―バランス―3:2006/04/23(日) 21:56:03 ID:bCtNd1VO
(死体描写あり)


最上階のがらんとした空間で、一つの命が消えるところだった。
壁の卑猥な落書きの横に派手な血痕。そのすぐ下に、頭蓋を完全に潰され痙攣する男の体がひとつ。
壁の前に1人の青年がいて、己の右手についた血をじっと眺めている。
もう既に全身返り血だらけだというのに、その深紅が気になるとでもいうように。
コーラルは眉を顰める。ベルトに下げたホルダーのロックを外す。新調したばかりの武器のグリップは、
まだ少し手に馴染まない。

血まみれの青年が振り返った。
「コーラル」
彼がそこにいたことについては何の驚きも見せず、にっ、と過剰なまでの笑顔を浮かべる。
喉からひゃは、と調子外れの笑いが漏れる。
「聞いてくれよ、コイツらひでえの。俺のガイド殺しやがったの。だからお返しした。いいよな?」
そしてまたけたけたと笑い、左手に掴んだものをぶんぶんと振り回す。
鮮やかな黄色の毛皮の塊に見えるそれは、完全に動かなくなった仔猫の体だ。
コーラルは不快感を隠さず舌打ちする。
だからルーナにアニマノイドなど与えたくなかったのだ。
あの猫は普通の猫ではない。ナビキャット、脳にコンピュータと通信機を埋め込み擬似人格を
付与した生体ロボットだ。つまり単なる造り物にすぎない。
それなのにルーナは無駄に情を移しては、それが機能停止するたびに感情のままに暴走する。
ならば最初から与えなければいいのだが、彼は通信機以外ろくに機械を操作できない機械音痴の上に、
筋金入りの方向音痴ときた。ガイドなしに任務に出すのは不安が伴う。
かくして、尻拭いはコーラルの役目となる。まったくもって生きているのが厭になる。
410W ―バランス―4:2006/04/23(日) 21:57:31 ID:bCtNd1VO
コーラルの右手が動いた。ひゅん、と空気を裂く音がして、ルーナの体が大きくのけぞった。
獣のような短い悲鳴――その頬に赤いひと筋の傷。
硬く編まれた鞭がコーラルの手に操られ、コンクリートの床を強く叩いた。その音の激しさと頬の痛みに、
ルーナが息を呑んで低く身構える。
「ルーナ、今回の任務を言ってみろ」
冷徹、という概念を音にすれば、まさにその時のコーラルの声がそれだった。
「え? ンだよいきなり――」
ルーナの鼻先を硬く編んだ鞭の先端が掠める。
「もう一回だけ言ってやる。リーダーがお前に命じた仕事を復唱しろと言ってるんだ、この無能」
「あー……んだよ、アウロラ社となんたら会の取引を邪魔して、えーと『ネクタル』とかいう
ドラッグ横取りして帰れって」
「香柳会だ。ま、お前のウジ虫並みの頭にしちゃ、覚えてる方じゃないか」
出来の悪い生徒に辛抱強く教える教師のように、コーラルは優しい笑みを浮かべた。
その笑顔に危険を感じてルーナが逃げを打つより早く、鞭が一閃。彼の太腿を容赦なく打った。

「っだ、いてッ!! クソ何すんだ、っあ!」
犬のような悲鳴をあげ、打撃の痛みと勢いで床に転がる彼に、コーラルは不機嫌を隠さず歩み寄る。
「誰が、皆殺しにしろと言った?」
鞭の唸りにナビキャットを放り出し、無様な声を上げ這って逃げようとするルーナを背後から何度も打つ。
特殊素材のジャケットはダメージを軽減してしまうので、下半身を集中して狙う。
あっという間に衣服が裂け、尻と太腿の皮膚に赤いみみず腫れが何本も走る。
「お前もう死ね。お前のせいで《ガーデナー》のプランが台無しだ。カスが」
主要組織の二つがこれだけの被害を被ったことで、《ガーデナー》が長年注意を払っていた東都の
勢力バランスは一気に崩れるだろう。
しかもルーナの暴走はこれが初めての話ではない。何度躾けても甲斐がないのだから酌量の余地はない。

死ね。呟いて鞭を振るう。そのたび背がちりちりと熱く痛む錯覚。
411W ―バランス―5:2006/04/23(日) 22:00:00 ID:bCtNd1VO
鞭が軽く空を切った。
先端がルーナの首に巻きつく。手綱のように引かれて彼は潰れた声を上げ、腹を見せて地面に
ひっくり返る。すかさずコーラルの靴が彼の股間を踏みつけた。
躾の悪い犬がぎゃんと鳴いた。鞭を手繰り寄せて上体を引き起こしながら、さらに力を込めて踏みにじる。
ルーナの首に漆黒の鞭が食い込むのを見て、コーラルは自分の中で何かがぞわりと蠢くのを感じた。
「舐めろ」
端的な命令。しかしその意味するところ明白で、命じられた方はあからさまな嫌悪を視線に乗せて睨みあげる。
「っは、自分で舐めろよ淫ら――ンぐッ」
強く締め上げる鞭が最後まで言わせない。
「踏み潰されたいのか?」
股間に本気の圧迫を感じ、慌ててルーナは手を動かした。コーラルのボトムの前を開き、
性器を取り出す。躊躇っていると股間を踏む足に力を込められる。毒づきながらそれを口に含む。
ぴちゃりと舌が絡む。温かい刺激にコーラルは僅かに目を細める。急所を踏むつま先に
力が入ってしまったのか、ルーナの体が大きく震えた。歯が裏側を掠める。強い刺激が走り抜ける。
「噛むな、このクソ犬」
顎を強く掴んで一旦引き剥がし、頬を殴る。ルーナの瞳に一瞬だけ反抗的な光が宿るが、
首に絡む鞭を締め上げられてすぐに屈服する。本物の獣のように喉を鳴らしながら、
血に塗れた手でコーラルの性器を掴み口の中へと出し入れする。
唾液で血が塗り伸ばされ、ルーナの唇は真っ赤に染まる。

その光景にコーラルは欲情した。
自分の性器が喰いちぎられているようで。
ルーナが大きく口を開く。赤く汚れた歯が性器の裏側、柔らかい皮膚に触れるか触れないかぎりぎりの位置をなぞる。
軽い目眩を覚えた。

その一瞬を、ルーナは見逃さなかった。
鞭を持つ手首に手刀の一撃。指が緩んでグリップが手から落ちる。
同時に膝の裏を抱き寄せられる。姿勢が崩れ、コーラルはコンクリートの床にひっくり返り、したたか背を打つ。
その衝撃に脳が揺れて一瞬目の前が暗くなった。気が付いた時には既に、獣の目をした男にのしかかられている。
にっ、とルーナが笑った。
412W ―バランス―:2006/04/23(日) 22:00:40 ID:bCtNd1VO
ひとまずここまで。続きます。
413風と木の名無しさん:2006/04/23(日) 22:08:19 ID:MttUc3MN
投下キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
414風と木の名無しさん:2006/04/23(日) 22:44:56 ID:Ej+Hix5L
Wシリーズキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
415風と木の名無しさん:2006/04/23(日) 22:47:18 ID:oLI2Whi7
久しぶりの投下&Wシリーズキタ━━゚(∀)゚━━!!毎回いい萌えをありがとう
416風と木の名無しさん:2006/04/24(月) 02:01:08 ID:9JFA3WbQ
神キターーーー!
ジェイが前作で出た後、名前だけ801ナメクジの回で出ていた
コーラルとルーナがずっと気になっていましたよ。
続きをワクテカで待ちます。
417W ―バランス―6:2006/04/24(月) 21:41:47 ID:YgqPefVd
(続き)

抵抗するよりも早く、両手を一つにまとめて頭上で固定された。
ルーナは首に絡んでいた鞭を片手で乱暴にほどくと、それでコーラルの手首をひとつにくくる。
硬度と弾力性を備えた鞭は緊縛には適さないが、手首の動きを妨害する程度には使える。
やめろ、と叫ぼうとした口には鞭のグリップが突き込まれた。喉まで押し込まれ、
圧迫感と革の味に吐き気を催す。
「あッはは、油断した?」
ルーナの口調は軽やかで狂的だ。ぐりぐりと鞭のグリップを動かされコーラルは呻く。
生理的な涙が目尻に浮かぶ。
両足の上に体重を乗せられ、下半身が動かない。抵抗してもまるで効果がない。
そもそも膂力においては、素手で人を殺せるルーナに敵うはずがないのだ。
「テメェの性癖なんざお見通しなんだよ。噛まれたいって素直に言えよ」
高い声で笑いながら、露出したままのコーラルの性器を強く握る。
強すぎる圧迫に呻きながらも身体は大きく跳ねて反応する。
「なァ、痛いのスキだよな、コーラル」
耳元で冗談めかして甘く囁かれ、そして耳朶に牙を立てられた。鋭い痛みが下半身まで突き抜けた。
「あーほら、ビクビクしてんじゃん。っは、どっちが犬だか」
コーラルの体が震え握りこんだ性器が反応するのが面白いらしく、彼は何度も執拗に歯を立てた。
耳朶から首筋、鎖骨のあたりへと。白い首筋に歯の跡が何カ所もくっきりと残る。
ジャケットの前を開かれ、下に着ていたシャツを引き裂かれた。既に立ち上がっていた乳首に
強く爪を立てられコーラルは身をよじる。噛み締めたグリップの隙間から呻きが漏れる。
唇が乳首に寄せられた。軽く咥えられたかと思った直後、強く吸い上げられた。そして当然のように
歯を立てられる。食いちぎられそうな痛みに身をよじれば、ルーナはまた笑い声をこぼす。

甘噛みというには強く何度も歯を立てられてのたうちながら、それでもコーラルは頭のどこか
冷静なところでこの事態を受け入れていた。
失敗した、と。
ルーナという人の形をした獣が相手では、喰うか喰われるか、そのどちらかしかない。
犬歯が皮膚に突き立ち、喰われる感覚に背筋が総毛立つ。
418W ―バランス―7:2006/04/24(月) 21:44:02 ID:YgqPefVd
不器用な手がコーラルのボトムを引き下ろす。しかし馬乗りになっているせいで途中までしか下ろせない。
腰を上げて下半身の拘束を解き、コーラルが緊張を緩めた一瞬を見計らってその身体をひっくり返した。
すかさず逃げを打つ腰を抱え上げ、四つんばいに地面に這わせ、ボトムを完全に取り払う。
「ンっ、は!」
姿勢が変わったことで口に押し込まれていた鞭のグリップがようやく外れた。しかし落ちたそれを
ルーナが掴んで引いたことで、絡まったままの両腕は自分の両足の間へと引っ張られる。
腕で身体を支えられなくなり、顔を地面につけて腰だけ上げた姿勢になる。
「馬鹿、やめ――」
尻に何か硬いものを感じた。濡れた感触を残し割れ目をたどるそれが何なのか、
容易に想像がついた。さっきまで自分の口を塞いでいた、己の武器。
後孔にそれが強く押し付けられ、そして押し入ってきた。

「あッ、あ、ああああああああ!!」
痛みに叫んだ。唾液で濡れているとはいえ、硬い革を巻かれた握りを突き込まれた衝撃は
半端なものではなかった。圧迫感に身体が必死に逃げようとする。
それをルーナが押さえ込み、力ずくでより深く異物をねじ込む。
痛みで目の前が真っ赤に染まる。多分どこかが切れた。両足の間を血が伝う感触。
腸の中を硬い道具で抉るようにかき回され、内臓が突き破られてこのまま死ぬのではないかと思った。
「痛い、いた、あ、ああ!」
叫ぶコーラルの背を抱きこむようにして、耳元にルーナがキス。
「痛いだけ? 嘘つき」
彼の指先が股間を撫でる。性器は腹につくほどに反り返っている。
突き込んだグリップを出し入れされて、コーラルの声が上ずった。自分の耳に届いた声のその妙な甘さに、
彼は顔を歪めた。痛くてたまらないのに、そこには確かに性感が共存しているのだ。

「気持ちイイ? ひゃはは、コーラル変態」
頬が熱くなる。ルーナに指摘されずとも知っている。
自分が痛みを与えることよりも与えられることで満たされることなど。
ただそれを容易に受け入れられないだけだ。
声を堪えて噛み締めるものがあればいいのに、目の前には薄汚れたコンクリートの床しかない。
419W ―バランス―8:2006/04/24(月) 21:45:13 ID:YgqPefVd

「……ふ、あッ」
明らかに喘ぎと聞こえるものがコーラルの口からこぼれた。
勝ち誇ったようにルーナが高く笑う。
声を確かめるように、しつこく中をかき回しては、コーラルの反応が大きいところを何度も重点的に
突いた。敏感な内壁は快感と痛みに燃えるように熱く、痛みのリズムで強く閉じた目の裏が赤く染まる。
最後に鞭のグリップをより深く押し込んでから、彼はコーラルの性器を軽く扱いた。
全身を震わせてコーラルが達した。達しきったところでグリップが抜かれた。その衝撃で精液が
また少しだけこぼれた。力の抜けた身体をひっくり返され、足首を掴んで大きく股を開かされる。
「いやだ、離せ……」
「うるさい」
抗ってもルーナはやすやすと彼の身体を押さえつける。手首を拘束していた鞭はほどかれたが、
コーラルの自由度が増したわけではなかった。

全身を深紅に染めたルーナがのしかかってくる。ぐちゃぐちゃに蹂躙されていた後孔は、
血の滑りを助けにあっさりとルーナの性器を受け入れた。
腰を掴まれ、激しく揺さぶられた。コンクリートの床に背と後頭部が何度も打ち付けられた。
髪が床に擦れて切れる感覚があった。
「あ、っは、あ、あ、あ!」
全身のありとあらゆるところが痛い。痛いのに、何故か安堵していた。
放置された死体から、ルーナの身体から、自分の身体から、立ち上る濃厚な血の臭気。
いっそこのまま永遠に気を失ってしまえたらいいとさえ思う。
鉄錆の匂いに酔いそうだ。
420W ―バランス―9:2006/04/24(月) 21:46:20 ID:YgqPefVd

「コーラル」
容赦なく身体を貪りながら、彼は甘えるような声音で呼ぶ。
「コーラル、アンタを殺したい。けど殺したくない」
何を言っているのか意味がわからない。頭を振ると、膝の上に抱き起こされた。
体重で楔がより深く打ち込まれ、コーラルは堪えきれず高い声を上げた。
その肩から、まだ腕に纏いついていたジャケットがアンダーシャツの残骸もろとも落とされる。

あらわになった背に、古傷。
無数の小さな傷跡が、コーラルの背で枝のように交差しあって背中一面に網の目のような
模様を描いていた。興奮で上気し、鮮やかな珊瑚色に染まるその傷を、ルーナの指が撫で、
そして爪を立てて引っかく。新しい傷が背に刻まれ、そこに鮮やかな血が滲むのがわかった。
背が燃えるように熱い。傷つけられて悦ぶ体は今に造られたものではない。
認めたくはないが、それは事実。

首筋に歯を立てられた。強く牙が食い込んだ。皮膚が破れ血が流れ、背中の傷跡を網目の
とおりに伝ってより赤く染めた。
まるで食い殺されているみたいだ。
その錯覚の甘美さに、コーラルは達した。
体内に精を注がれながら、背筋をそらせて絶頂を迎えた。

そしてブラックアウト。
かりそめの死の到来。





421W ―バランス―10:2006/04/24(月) 21:47:24 ID:YgqPefVd


意識を失っていたのは、ほんの数十秒のことだった。
コーラルがうっすらと目を開くと、すぐ側でぺたりと床に座り込んだルーナが
動かないナビキャットの毛皮を撫でていた。不自然なまでに黄色い毛並みが赤く汚れている。
痛みを堪えて起き上がると、ちらりと眼差しをくれた。
「……気は、済んだか?」
問いかけると、仔猫の死体から目は離さないまま、あーうん、と小さく答えた。
さっきまでの攻撃的な凶暴さがまるで嘘のように。
「そうか」
穏やかにコーラルは頷き、そして渾身の拳の一撃をルーナの頬に叩き込んだ。
無防備なルーナの身体は吹っ飛び、自分が殺した男の死体の側まで転がっていく。
「ってえな、何すんだよ」
言葉は荒いが口調は鈍い。ルーナはのろのろと起き上がり、口の端に滲んだ血を舐めた。
「殺されなかっただけマシと思え」
「……はっ」
ルーナは小さく笑い、手にした仔猫の死体に軽く口付ける。
「殺されたがってんのはどっちだよ、な」
「何か言ったか」
「誰かさんの背中の傷がキレーだっつったの」
「……死ね、本気で」
無意識で腰を探るが裸の下半身に武器のホルダーはない。鞭は床に転がっているが、
それを手にする気すら起こらなかった。
422W ―バランス―11:2006/04/24(月) 21:48:08 ID:YgqPefVd

身体を動かすと全身に痛みが走った。鈍い痛みも鋭い痛みも。だがそこに快感は伴わない。
純粋な苦痛だけが残っている。少しほっとする。
ルーナがコーラルから奪った衣服を投げて寄越した。目が合う。
彼は今は笑っていない。
笑っていない彼はマトモだ。比較的、との補足が必要だが。
暴力で叩きのめして笑いを奪い取ってもいい。笑えなくなるまで狂気を発散させてやってもいい。
どちらでもいいのだ本当は。彼の心のバランスが戻るなら。
そして鞭打つことも打たれることも快楽として味わえる自分は、多分その役目に一番適している。
ただそれだけのこと。

それだけの、そういう、バランス。
423W ―バランス―12:2006/04/24(月) 21:49:54 ID:YgqPefVd

手早く衣服を身に着けていると、通信機からコール。
『コーラル? こちらジェイ。ルーナは?』
「無事確保した。どうした?」
『香柳会の残党と、アウロラ社系の私兵がそっちに集結しはじめてる。抗争になりそうだ。すぐ撤退して』
「了解」
通信をオフに。
「聞いたか。さっさと退くぞ」
「んー、わかった」
ルーナは機能停止した生体機械に最後のキスをすると、そっと足元に横たえた。
「……バックアップは取ってある。持って帰ったら直してやるが」
「バッカじゃねえの。死んだモンが直ったって仕方ねえだろ」
意味が分からずに眉を顰めたコーラルに、彼は唇の端を歪めて笑いに似た表情を浮かべた。
「俺、アンタが壊れたらどうすんだろね?」
「……死ね。それか一生笑ってろ」
「そりゃあイイ」
喉の奥をくっと鳴らして、ルーナは瞳に狂気の光をちらつかせた。ほんの一瞬だけ。
「……で? 歩けんのか?」
「肩貸せ、強姦魔」
「あー……重。ヤり殺しときゃよかった」
「お前あとで殺す」

遠くから銃声が聞こえた。クラクション、爆音、火薬の物騒な臭い。バランスが崩れていく気配。
長居は無用だと、痛みを堪えルーナの肩にしがみついて歩き出す。
身体はまるで錘のようだ。

つんと水の匂いがして、雨が降り始めた。



424W ―バランス―:2006/04/24(月) 21:52:15 ID:YgqPefVd
終わりです。
触手ネタじゃなくて期待外れで申し訳ない。

>>310
遅ですが、昔少し読んだので無意識に影響を受けているかもしれません。
以降何かありましたら、したらばでお願いします。

425風と木の名無しさん:2006/04/24(月) 23:19:56 ID:r9CH3I+3
GJ!!ルーナタソテラモエス!!
超M体質のコーラルとのナイスな取り合わせに萌えがとまりません。
お疲れ様でしたー!

仕事の速くて上手い姐さんに惚れ惚れする・・・
426風と木の名無しさん:2006/04/24(月) 23:47:17 ID:rAfflTzI
男同士の対等な関係(・∀・)イイ!!
乙です。
427風と木の名無しさん:2006/04/25(火) 02:34:12 ID:9P1AujVm
強気Mなコーラルタンと崩壊寸前狂気攻めなルーナタン(´д`*)ハァハァ…
このシリーズ好きだ…タイトルもまたイイッ(・∀・)!!
428風と木の名無しさん:2006/04/26(水) 00:43:25 ID:nlFTmgMx
切れ味のよい短編に舌鼓を打ちつつ
代理戦争タン待ち。
429風と木の名無しさん:2006/04/26(水) 09:19:15 ID:+di3+Px5
http://mario.obunko.com/
兄弟高校生ホモ
430傭兵王1:2006/04/26(水) 18:03:34 ID:piS5eNGC
初投下します。陵辱モノです。

-----------------------------------------

「気分はどうだ」男の声に沈みかけていた意識が引き戻された。
ざらついた床に頬を付けたまま視線だけを頭上にあげる。
投げ出された躰のすぐ脇に硬い革靴の気配を感じて、ディドーはゆっくりと
顔を持ち上げた。
見ない顔だ。ついさっき自分を陵辱した中にはいなかった。
短く刈り込んだ金髪と左のこめかみからあごにかけて大きな傷跡がある。
黒っぽいタートルネックに薄汚れたジーンズ。わずかに翻った獣皮のコートの裾から
大型のシースナイフが垣間見えた。
元は精悍な顔つきなのだろうが、目の前に転がった玩具にすっかり心を奪われているようだ。
背後に控える同じ背格好の男二人に何事かを話しかけ、下卑た笑いをあげている。
ディドーは視線を男に向けたまま舌打ちした。
風はなかったが、暑くもなく寒くもない。
躰を動かしたことで覚醒した意識が、いたるところに残る痛みを伴った違和感を訴えてくる。
かみ締めた唇からは生臭く、塩辛い味がした。
431傭兵王2:2006/04/26(水) 18:04:55 ID:piS5eNGC
始まりは一週間前。
ディドーの属する傭兵団に、商団の護衛の仕事が舞い込んだ。
依頼人は団長のクリフが懇意にしている商隊の長メイザンで、ディドー自身も何度か世話になった
恩人だった。
普段は契約している傭兵団が護衛の指揮を取っているのだが、今回は移動する隊の規模が大きいことと、
運ぶ荷の価値が高いこと、そして契約中の傭兵団に不穏な動きがあることを懸念しての依頼だった。

不穏な動き…それはメイザンの扱う武器や薬物、貴重品の横流しや両団員の不可解な失踪や死、
そして人身売買の噂だった。
商人のメイザンにとって黒い噂はまさに死活問題、さらに人身売買は彼自身の出自が関わるために
思うところもある。
団長のザファルは口は悪いが信用に足る男で、彼も事の真相を探っているようだったが、
手口が巧妙な上に関係者が複数にわたり、黒幕の特定には至っていないらしい。
ザファルとメイザンは傭兵団、商団ともに内通者がいると疑いを持ち、互いの隊の監視も兼ねて
クリフに協力を要請してきたのだ。
432傭兵王3:2006/04/26(水) 18:05:54 ID:piS5eNGC
快諾したクリフだが、いくつかの問題が持ち上がった。
まず、入り組んだ道波を進むことになるため、すべての商隊で足並み揃えての山越えは地理的に
不可能だということ。
さらに一部の荷の到着が遅れることから、クリフの提案により商団を三つに分けることとなった。

すでに出発の準備の整っている商隊を二つに分け、それぞれにクリフの信に適う団員を配置し、
まずメイザンとクリフ、続いてザファルの部隊で先行する。
そして、遅れて到着した荷をディドーの隊が護送することとなった。
最後に到着する荷を若いディドーの隊に任せることに異議を唱える者もいたが、それらの荷が馬で
運ばれるため、先に出立する隊と到着にさほどの差はないこと、そしてディドーの勇敢さと
確かな剣の腕を知るクリフとメイザンの支持により、その大役はそのままディドーに委ねられることになったのだ。

…が、最後まで反対する者がいた。ザファルだった。
とある事情でもともとが犬猿の仲だった二人だが、この一件で完璧に亀裂が生じた様子だった。
一触即発となったディドーとザファルだったが、ディドーの隊にクリフの最も信頼する腹心であり、
ディドーもひそかに憧憬の念を持つジェイナスが目付けとして同行することで一応の決着はついた。

メイザン、ザファルの部隊はそれぞれ凄腕と称されるクリフ直属の部下に脇を固められ、さしもの
不穏分子も滅多な事はできまい…誰もがそう思っていた。
433傭兵王4:2006/04/26(水) 18:06:51 ID:piS5eNGC
「気分はどうだい?隊長さん」
同じ質問が降ってくる。それに答えないと今度は肩を蹴り上げられ仰向けに転がされた。
ベルトで後ろに拘束された腕が擦れ、爪が地面を掻いた。
「グラム、あまり手荒く扱うなよ。そいつは商品だからな」
「わーかってるよ!あーあ、汚くなっちまって…綺麗な顔が台無しじゃねぇか」
男の手がディドーの剥き出しになった額を優しく撫でる。
それがかさつく頬を掠り唇を経て、情痕の残る首筋に触れてもディドーの
視線は男から外れなかった。憎悪の目が不安定な蝋燭の光を反射してぎらぎらと輝く。
グラムと呼ばれた金髪の男はそれをにやついた目で見返すと、引きちぎられ、ほとんど
意味など成さなくなったインナーを捲り上げた。
今もなおべとつく腹部を避けて、ゆっくりとした手つきで腰をさすり始める。
下半身を覆っていた熱がじわりと蘇ってきて、おもわず息を呑んだ。

「ずいぶん派手に暴れてくれたんだってなぁ。アンタが膝蹴りした野郎、ありゃ二度と
勃たないかもしれないねぇ。ま、イイ思いはしたみたいだし本望かもしれないけどな」
男の指先が赤く熟れた乳首を捏ね回す。ディドーの傭兵にしては白い膚に汗がじわりと浮かび、
睨みつける視線が色を帯びた。
「……部下はどうした?」
「お、しゃべれるじゃねぇか」
曖昧に触れていた手を止めて、男が覗き込んでくる。背後の二人も好色そうな顔で
腰をかがめてきた。
唾を吐き掛けたい怒気を抑え、ふたたび部下の安否を問う。
己の不甲斐なさに腹の中が煮えくりかえりそうだった。
434傭兵王5:2006/04/26(水) 18:07:48 ID:piS5eNGC
隊を率先するディドー自身が18と若いため、部隊には比較的若い男が多い。
中には戦災孤児や親に売られた者も在籍し、そのほとんどが10代から20代半ば。
考えたくはないが、今の自分の状況から見ても彼らの処遇は最悪のものだろう。
「おおむねアンタが想像してる通りだろうよ。顔が見たいなら会わせてやってもいいぜ。
ただし…俺たちを満足させたら、の話だけどな」
無言のまま睨み返す。
「そんなにおっかない顔するなって。せっかくの可愛いツラが台無しだ。
あと、さっきの野郎みたいに反撃するのもナシにしようぜ。アンタだって大事な部下が
首だけで晒されるのは嫌だろう?ここはお互い割り切って平和的に済ませようや。
おい、ジーラ」
背後に控えていた一人が前に出る。グラムに比べて小柄だが、その腕や足は
鍛えあげられた硬い筋肉に覆われていた。

435傭兵王6:2006/04/26(水) 18:08:34 ID:piS5eNGC
背後に回ったジーラが、拒絶の意思表示を見せるディドーの短い黒髪に指を突っ込み、
根元から引っ張り上げる。
あまりの痛みに逆らいきれず、膝立ちになったディドーの眼前で、
グラムがおもむろにファスナーを下げた。
思わず怯んだディドーの唇に先端を擦りつける。
「分かってるよな。舐めろ」
半勃ちの状態で突きつけられる、赤黒く太い血管が浮かんだ其れは
それまで男どころか女とすら熱を交わしたことのなかったディドーにとって
別の生き物のように見えた。
薄い液体を滲ませた其れに、ついさっき別の男のものをしゃぶらされていたことがまざまざと思い出され、
嫌悪と恐怖で顔が歪む。それすら男達の加虐心を煽ることなど知る由もなかった。
436傭兵王7:2006/04/26(水) 18:11:03 ID:piS5eNGC
後ろから硬い指が伸び、閉じた唇をこじ開ける。
歯はしまえよ、耳元で低い声が命じ、わずかな隙間からグラムの其れが滑り込んできた。
「……ぐ、ンゥッ…ンン!」
覚えのある、ぬるぬるとした感触とすえたような匂いに全身が痺れたように震える。
形のいい鼻先がグラムの金褐色の茂みに埋まり、逃れようと頭を振るたびに温かな舌は
グラムの其れを柔らかく掠めた。
「噛み付きでもしたらお前もお前の手駒もあの世行きだ。しっかり覚えとけよ」
ふいに抵抗の弱まった躰を、ジーラの膝が背後から押した。
白い咽喉を晒すようにのけぞったディドーの顎をグラムの手が捉える。
ジーラの空いた指が首筋を辿り、唐突に乳首を摘みあげた。
散々嬲られ、腫れあがっていた小さな突起は、かすかな刺激にも簡単に硬度を増す。
敏感に反応する躰に気を良くしたジーラは、尖った乳首を捻じ切ろうとするように力を込めた。
口に含まされたまま呻き声をあげるディドーの頭を、グラムは無遠慮に前後に動かす。
それは使えなくなった道具を苛立ちに任せて扱う仕草と同じで、痛みからか苦しみからか、
ディドーの頬には涙が伝っていた。
飲み込むことの出来なかった唾液が顎を流れ、胸元にまで零れ落ちる。
437傭兵王8:2006/04/26(水) 18:12:13 ID:piS5eNGC
「ンッ…!ンゥ!」
質量の増した其れを拒否するかのように身を捩ったが、グラムはそれを許さず後頭部を
固定し、ディドーの喉の奥にたっぷりと濁液を注ぎ込んだ。
口いっぱいに生臭い痰のような液体が溢れ、急激な嘔吐感に躰が跳ねる。
「いいか、こぼすんじゃねぇぞ。飲み込むまで口は閉じてろ」
顎を上向かせたまま注意深く自身を引き抜くと、ディドーの唇との間に唾液とも精液ともつかない
ものが糸を引いて落ちた。
幾度か竿を扱き、尿道口にたまった最後の一滴までもディドーの口内に搾り出す。
粘度も匂いも濃いそれにむせ返りそうになり、あまりの苦しさに涙がぼろぼろと溢れる。
グラムの手で強引に唇を塞がれ、行き場のなくなった白濁を、ディドーは何度も嚥下することで
すべて飲み下した。
無言のまま激しく咳き込むその顔には、あからさまな憎悪と恐怖が浮かんでいる。
「アンタを味見した連中が、よそに流すのを渋ってた理由がよーく分かったよ…
勿体無いねぇ…この手でじっくり調教して気狂いになるまで啼かせてやりたいよ…」
敏感な耳の直ぐ傍をジーラの熱い舌に嬲られ、再び強張る躰をいとおしそうに撫でながら
グラムはうっとりと笑った。


---------------------------------------------------------------------------------------
今日はここまでです。
ありがとうございます。
438風と木の名無しさん:2006/04/26(水) 18:14:30 ID:8Y34WuRX
リアルタイム遭遇キタコレ!
439風と木の名無しさん:2006/04/26(水) 18:18:47 ID:7cb8Eqtg
陵辱されても屈しない態度がイイ!(゚∀゚)
440風と木の名無しさん:2006/04/26(水) 18:18:51 ID:FZMnlvDO
いい感じだ。(*´д`*)ハァハァハァアハァ
441風と木の名無しさん:2006/04/27(木) 23:37:16 ID:AhBm3tr6
売られちゃうのか調教か。
どっちみち救いは無さげでwktk
442風と木の名無しさん:2006/04/28(金) 10:22:02 ID:23TcazhI
続きマダー?
443風と木の名無しさん:2006/04/28(金) 23:06:49 ID:7/o5ijrn
ムハー萌えた!
ディドーかわいいよディドー
イイ思いした後、膝蹴りされた野郎との話も読みたいです。
444英雄王9:2006/04/30(日) 00:29:29 ID:dvlMuJSp
続きです。

------------------------------------------------


項垂れたまま、荒い息を吐くディドーの汗ばんだ首を、ジーラの舌が執拗に這い回る。
舐(ねぶ)り、吸い上げ、薄い皮膚を噛み切るように歯を立て、引き攣る躰を
宥めるように柔らかく食む。
熱い唾液にまみれた吸痕は、花弁を降って散らしたように赤い。
ディドーの喉から、堪えきれない呻きが漏れた。


「強情だねーアンタも。いっぺん声出しちまえば楽になるんだぜ。
唇だってさぁ、傷だらけじゃねぇか。さっき突っ込まれてる時もずっと噛んでたんだろ」
グラムの指先が哀れむように、ささくれだった薄い皮膚を撫でる。
わすかに血の滲んだそれは、グラム自身の吐き出した粘液を絡ませてらてらと
輝いていた。
顎を伝う白濁を掬い上げ、固く食い縛られた歯の間に滑り込ませる。
今すぐにも噛み千切りたいのだろう、迎えた口内は蕩けるように熱い。
黒目がちな瞳に獰猛な色を滲ませて、グラムを睨める姿は、本人の意思に反し
堪らなく扇情的だった。
抗うこともできず、ただ降りかかる凶事に捧げられるだけの躰。
自身の嗜虐性をはっきりと意識しているグラムにとって、それはまさに
獲物と呼ぶに相応しかった。
445英雄王10:2006/04/30(日) 00:30:11 ID:dvlMuJSp
ふいに背後から引き倒され、ディドーは膝を折った不安定な姿勢のまま後ろに転がった。
呻く間もなくグラムの体躯が強張る両肢の間に潜り込み、閉じかけた膝を掴み上げた。
肉の薄い、剥き出しの内腿に硬く聳えた剛物を擦り付けられ、その露骨な動きに震えが奔った。
数刻前の淫景がまざまざと思い出されて、無意識に逃れようと身を捩る。

「ジーラ、あんまりそっちばっかいじってんなよ。真っ赤ンなってる」
皮膚と同じなめらかさを持っていた乳首は、浅黒く固い皮膚を持つジーラの指に媚びるかのように色づき、
ぷっくりと立ち上がっていた。
「これくらいいじってやらないと、爪が入らないだろうが。どうせそのうちここだけでも
簡単にイケるようになっちまうんだろうがよ」
予行練習だよ予行練習。
飽きもせず耳朶を弄びながら、汗か体液か、判別のつかない粘液で潤む突起を親指と中指で尖らせ、
かすかな裂け目を抉るように爪を立てる。
さして長くもない人差し指の爪を、薄桃色の隙間に捻じ込みぐにぐにと動かすと、芯の通った
其処は抗うように攣れた。

「男でもココは感じるように出来てるんだよ。ほら、見てみろ。かちかちに硬くなってよ。
素質あるぜコイツ」
そうせせら笑うと、ジーラはおもむろにズボンの前を寛げはじめた。
背中に手を回して抱き起こしながら、頭だけを片膝の上に引っ張り上げる。
横向きに固定されたその意図を汲み取り、ディドーの形のいい眉宇には絶望の色が拡がった。
446英雄王11:2006/04/30(日) 00:30:58 ID:dvlMuJSp
グラムの腕が、靴も履いたままの片足を軽々と肩に担ぎ上げる。
裂かれたズボンは中途半端に膝のあたりで留まり、、ディドーの蚯蚓腫れの浮く腹が緊張で
深く上下するのが見て取れた。
視線を落とすと、晒された其処は躰中を奔る得体の知れない劣情を恥じ、震え縮こまったまま。

「前が淋しそうだなぁ隊長さん…オルゾ、慰めてやれよ」
ふいにそれまでグラムの背後で薄ら笑っていた男が、茫とした顔を上げた。
その痩せた貌に言いようのない恐怖を感じて、再び身を捩ろうとするが、黒髪に潜る
ジーラの指が強制的に口淫を促す。
「なにぼさっとしてやがる。やらねぇならテメェは外で見張りでもしてろや」
少々もたつきながらもディドーの勃起しきれていない、未熟な其れに手をかけた。
受動的な刺激しか与えられていないためかまだ柔らかさも残っていたが、快感を得るために
必要な部分だけを露出させられた其処は、かすかな刺激にも健気に奮える。
強情に慄く若い雄を骨ばった指が丹念に扱き、先端の皮を剥くと、針穴からは膨れるように粘液が流れ落ち、
固く強張った幹を幾筋も伝った。
垂れるそれを追う様に舌を這わせると、ディドーの喉底に呪詛の言葉とかすかな喘ぎが蔓延る。
447英雄王12:2006/04/30(日) 00:31:54 ID:dvlMuJSp
「そっちの口はどうよ?さっきのでだいぶ緩んでんだろ」
張り詰めた怒張をディドーの口元に据え付けたまま、ジーラが顔を上げる。
「いや、まだキツいな…でもよ、ちょっと慣らしゃぁすぐに使えそうな逸物だ。
初物じゃないのが悔やまれるな」
喰った野郎はコイツが最後のお相手だがな、揃った嘲笑が狭い石部屋に響く。
散々辱められた其処は赤く爛れ、体内で温められた白唾がとろとろと零れ出していた。
濡れそぼった後孔の入り口で、グラムの唾液を馴染ませた指先が円を描きながら
徐々に埋没していく。
強張る窄まりを拡げようと一本、もう一本と増やされる其れは、陵辱の名残と
ディドー自身の先走りを絡ませじゅぶじゅぶと水音を立てる。
投げ出された躰はすっかり紅く染まり、迫りくる官能と期待に震えていたが、
ディドーの頭は狂うように込み上げる怯号を抑え込むことでいっぱいなようだった。



------------------------------------------------------------------
今日はここまでです。
ありがとうございました。
448風と木の名無しさん:2006/04/30(日) 00:38:41 ID:GB8O9hAM
キタ━━(━(━(-( ( (゚∀゚) ) )-)━)━) ━━ !!!!!
このスレに潤いをありがとう英雄タン!
449風と木の名無しさん:2006/04/30(日) 01:17:43 ID:W2FancM4
ktkr!!
じわじわとエロくなってきてイイヨーイイヨー(;´Д`)ハァハァ

でもタイトル変わった?
450風と木の名無しさん:2006/04/30(日) 01:20:53 ID:Gs1tzPQp
あげ
451風と木の名無しさん:2006/04/30(日) 01:54:13 ID:n7x1lFL8
スバラスイ!
ディドーは何人相手をしないといけないニカw
452風と木の名無しさん:2006/04/30(日) 02:28:18 ID:fcrYpf0j
乙です!
傭兵の王になるのか英雄の王なのかが気になるトコロ。
453風と木の名無しさん:2006/04/30(日) 03:16:48 ID:Ek3aRUUA
801やBLも対象!反対意見を送れ!!

◆ 18歳未満に「見える」CGは児童ポルノと認定へ
http://yaplog.jp/moemoe-kensetu/archive/818

2006年04月28日(金)・財団法人インターネット協会
(主務官庁:総務省 経済産業省) のネットの有害表現規制に
関するホットライン運用ガイドライン

・18歳未満に「見える」エロ画像は児童ポルノとして対処

次のすべてを満たす場合には、児童ポルノ公然陳列の
構成要件に該当する情報と判断することができる。
○児童(18歳未満)に該当する場合
画像等に描写されている対象者の外見
(例:陰毛がない幼児、小学生にしか見えない)
から明らかに18歳未満と認められる場合

現在このガイドラインについてパブリックコメント募集中!
締め切りは5/8!!

問題点、意見の送り先は↓参照。
http://www11.atwiki.jp/stop_kisei/pages/9.html
http://www11.atwiki.jp/stop_kisei/pages/20.html
454風と木の名無しさん:2006/05/01(月) 11:27:34 ID:GtuJDGeR
>>453
少なくともIEで見る場合は
URLコピペで飛ばないと見れません。
455風と木の名無しさん:2006/05/01(月) 12:16:16 ID:LsTZdsWw
普通にIEでも見れるが。
456風と木の名無しさん:2006/05/01(月) 21:20:10 ID:eiXzi0mt
コピペにマジレスしなさんな
457風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 10:47:24 ID:X9bcIPiY
投下マダー?
458代理戦争:2006/05/02(火) 16:40:57 ID:ORi8X1Jj
投下します。
全体的にエロ希薄。前半暴力描写あります。
肌に合わない方等はスルーでお願いします。
459代理戦争:2006/05/02(火) 16:42:04 ID:ORi8X1Jj

――第二撃は、外れた柵が落ちた音が響くよりも、早く来た。
「待て――」
ウスライが制止するが、空気がすっぱりと薄切りにされたような異音をたてる拳は止まることがない。
仕方なく、ウスライは開いた掌でそれを受けとめようと左手を伸ばした。

たった一回の拍手のような破裂音がして、それは成された。
が、つい数時間前の試合では、その蹴りですら受け止められたと言うのに、
たった今受けた拳の一撃は左腕を肘まで貫通する痺れを与えた。
受けとめたまま掴もうと思っていた拳が、鈍った指の間から抜け出てしまって、また2人に距離が開く。
そしてウスライの思惑としては、ハダレがこちらに気付いて攻撃を止める事を狙っていたのだが、
全く其の兆候は見られない。むしろ、次の攻撃を進んで加えて来る。

ほんの少しだけ開いた距離を鋭い踏み込みに使い、ハダレの第三撃が加えられる。
それを腕で受け流してやりすごし、後に大きく飛ぶ。そして声を張り上げて告げる。
「ハダレ。俺はお前と争わない。傷つけるつもりは無い。だから、お前が『異』なら、攻撃を止めろ」
追撃しようと言うのか、追いすがるハダレに対して声を上げる。
「俺がお前に接触したいのは、個人的な思惑だ。
 俺は『異』を小汚い組織どもに渡さないために動いている。その為ならお前の味方になる。 だから、」

相手の青年が聞いているのかいないのか、はたまた理解しているのかは推し量れない。
だがあと数歩で傷つける意思――拳が届くぎりぎりの距離で、ウスライは言った。
傷つける意思が届くならば、傷つけないと言う意思も届くはずだと信じて。

「俺を頼れ、ハダレ――」
460代理戦争:2006/05/02(火) 16:42:39 ID:ORi8X1Jj
返答は、凄まじい威力の拳だった。
ウスライが両手で突き出した例の袋詰の棒で受けとめられたその威力は、
黒づくめの黒い影を数歩よろけるように押し返すほどの強さだった。
ウスライは知るよしも無いが、これが先ほどまで緊縛され、尻孔に性器を突き込まれて、
痛みと快感に喘ぎ泣かされていた手負いの青年が放ったものだと知っていれば、
流石に其の無表情にもひびが入っただろうと思わせる。それほどの衝撃が、棒を軋ませる。
だが、かといって続く攻撃にも隙も何も無い。
後退するウスライに、第一撃と同じか、それよりも重い衝撃を伴う拳を突き込む。

だが、どれだけ攻撃されようと、ウスライはハダレを攻撃したくなかった。
力づくで連れて行く事が、さっき言った言葉から全ての信憑性を失わせる。
ウスライは重い衝撃を、敢えて受けた。勿論急所を外すために動いたが、衝撃が息を詰まらせる。
咽喉に詰まった空気を無理に押し出しながら、ウスライはハダレを見詰めて言った。
「攻撃を止めてくれ。俺は…お前と争うつもりが無い」
ウスライの黒い瞳を、その腹に拳を埋めたままで、ハダレの青灰色の瞳が見上げる。
体が腕の長さで触れ合う距離だ。顔も必然的に近くなる。どちらの身体からか、僅かに鉄錆の匂いがする。
互いの荒れた息をそのまま吸えそうな距離で、沈黙が続く。
――が、それを破ったのはハダレだった。

「嘘だぁ」
例の笑みの上に、更に嘲るような笑いを上乗せして、否定する。
まだわずかに荒れた呼吸が、熱くウスライの肌に触れる。溶かされるような錯覚を覚えながら、聞き返す。
「……何が、嘘だ…と?」
「『攻撃を止めてくれ。俺はお前と争うつもりがない』…全部かなぁ?」
子供が揚げ足を取るように、一字一句間違いなく正確に繰り返してから、ハダレはウスライから離れた。
そして、間髪入れずに黒づくめの男の頬を殴り飛ばした。
461代理戦争:2006/05/02(火) 16:43:17 ID:ORi8X1Jj
流石によろけるウスライ。そこに更に攻撃を加えようと拳を振り上げると、彼が顔を上げるのが見えた。
――彼は統制された無表情のままだった。
それが予想通りだったと笑いながら、ハダレはその拳を振り下ろす。
「カッコイイなーやっぱ。昨日?今日だっけ?試合やったときからすげぇカッコイイと思ってたよ。
 殴っても殴られてもずっとそういう顔してられるって、超すごい事だもん。元が美形だから更にカッコイイし。
 自分をそうまで抑えられるって、オレからしたらもう化け物みたいにみえるのよ。
 言うことも言い方もいちいちそうなんだよな。ついでに言えば――」
ハダレは哀れむような――ただし、慈悲にしては軽薄な声音で告げながら、何度も殴りかかる。
「あんたの裏側まで視えるオレにとっちゃ、もっとあんたが化け物みたいに視えてくるのよ」

と、その時、ウスライがやっとハダレを跳ね除けた。
力任せに、それこそ殺すつもりで殴っていたハダレからすると存外ダメージが少なそうに、男が立っている。
服に埃がつき、唇に血を滲ませた男はよろけてもいなかった。
だが心中は外観よりももう少し変化していることに、ハダレは気づいていた。嘲る様に笑いながら、語りかける。
「『攻撃を止めてくれ』か・・・嘘つき。あんたは本当は、オレと戦いたがってる。
 『争うつもりが無い』ってのも同じか。今オレと争って殺すか連れて行くかすれば、あんたの…なんていうか、
 目的とか主義に反するからやらないだけで、本当はオレ――オレって言う『異』を倒すことに、何より満足を感じる筈なんだ」
「何を……」
先ほどまでの無視が嘘のように饒舌になったハダレにか、或いはその話の内容にか、
驚きを内包したウスライが口を開きかける。だが、今度も無視する。
ハダレには、傍目には勝手な憶測で述べているようにしか見えないことが、全て真実だという確信があった。
462代理戦争:2006/05/02(火) 16:43:50 ID:ORi8X1Jj
いや、確信があるどころではない。
これは、真実をそのまま読みとって告げているだけなのだから、疑いようなどこれっぽっちもないのだ。
「その根源は何なんだろうな。
 『異』に対するものすごい確執…憧憬…いや、恨み…なんだ、とにかくすっげぇ執着がある…」
ウスライの滲ませる驚きの雰囲気を楽しむように、次々とその心中を言葉に表現してやる。
まるで心の奥底の欲を覆う衣を、荒っぽく余すことなく剥ぎ取るように。
「けど、流石にその原因までは『視えない』か。残念だな。オレは不完全な力しかないから」
「力…『視る』……そういうことか…」
心中を踏み荒らされた事よりも、やっとハダレの言う事に合点がいったと言うようにウスライが呟く。
ハダレは右眼を輝かせ、やっとわかったかと言うようにいたずらっぽく笑った。
そして、やはり待っていたと言うように、ウスライに蹴りを見舞った。

(心を読む……それが、お前の力か)
ウスライは思い浮かべながら、棒で攻撃を受けた。拳の時よりも格段に威力が大きい。そして正確だ。
(俺の動く先まで視えるということか……道理で普通のときとは桁違いの強さになるわけだ)
中心に「鋼の刀身」を抱くそれが軋んで撓むほどのそれを、まともに受けたらどうなってしまうのだろう。
隣のビルで見た死体のように、粉微塵の五臓を曝け出して死ぬのだろうか?
「そーだね。オレはオレに攻撃する奴には容赦しない。あんたが見たやつらは、そういう奴だった」
ハダレがウスライの思考に割り込むように声を上げる。
防がれた蹴りをひっこめ、軸足を素早く入れ替えて同じ様な蹴りを放ってくる。
ウスライは無心にそれを防いだ。

ウスライは知る由も無いが、ハダレの身体はもうとっくに限界のはずなのに、まだ稼動している。
傍目には息を弾ませただけで、問いかけてきさえした。
「ね、あんたどーして逃げないの?」
463代理戦争:2006/05/02(火) 16:44:36 ID:ORi8X1Jj
「今俺がお前にすべきことがあるからだ。それをしないと、お前は組織に――」
やはり息を弾ませただけで――ところどころ薄汚れたり、打撃の跡がついていたが――、ウスライが応える。
だが、ハダレはその言葉をさえぎった。
「今のオレには遠まわしな言い方は意味ない。あんたが今確実にしたがってるのは話だって分かるんだけど、
 伝えたいことがあるんだったら、あんたが考えさえすればオレに伝わる。何でそうしないの?」
「…………」
ウスライは沈黙した。ただ、打ち合いながら、目を合わせる。
そうすれば伝わるのだろう、と試すように。事実、ハダレの右眼がウスライの想いを視る。
「……オレを連れて帰って、護るつもり?またオレ、舐められてるってこと?」
みるみるうちに険悪になるハダレの雰囲気にも、ウスライは動じない。
そろそろ慣れてきた打撃の軌道と衝撃を読み、あしらいながらも攻勢には出ない。
そんな様子が、ハダレには腹立たしかった。
「『異』には絶対負けない自信があるって、裏側をちょっと視てやれば書いてあんだよ!
 だけどなんだよ、さっきから一回も殴り返さねぇでやられたい放題で!やるならやれってんだよ!」
『異』の生み出す欲望に駆られたハダレは極度の興奮状態で、表情も感情もころころ変わる。
だが、その肉体と活動が精彩を欠くことは無い。むしろ、高ぶるほどに精緻を極めていく。
「……オレとあう前、一人ぶっ殺したろあんた。上の階で。男一人!
 血の匂いさせて興奮型の『異』と逢うなんざ、煽ってるとしか思えねぇだろーが!
 オレを落ち着かせようとしたらな、目の前から誰も彼も消してオレ一人になるしか欲を消す方法がねぇんだよ!
 だから、消えろ!それか争いたくないなんて嘘ついてねぇで、殺されろ!そうしないで、話なんか聞けるもんか!」
怒鳴れば怒鳴るほど、身体の酸素が薄くなっていく。だが、言わずにはいられない。
言えば言うほどに虚しくなり、殴れば殴るほど自分の身体が痛む。視れば視るほど切なくなる。
464代理戦争:2006/05/02(火) 16:45:17 ID:ORi8X1Jj
だが、そうせずにはいられない。
「それに、あんたのしてることは全部遅すぎる――警告するのも、来るのも、信じさせるのもだよ!
 あんたの警告が遅れたから、オレは最低なやつを信じた!
 来るのが遅れたから、オレの身体は今ボロボロだよ!
 信じさせるのが遅れたから――」

ぐ、っと今までにない力が脚に漲る。ボロボロの身体のどこから沸いてきたのかは分からない。
だが、その力が、今まででも最速・最強の蹴りを構成していくのがハダレには視えた。
そして、ためらいも無くウスライの頭部を狙って、右脚を放った。死ねばいいとは思わなかったが、消えてほしかった。
風切る異音が、その威力の尋常でないことを物語る。だが。
ウスライの身体が音も無く前進すると、ハダレの蹴り足の腿を拳で叩くように、受け止めた。
脚の先のほうより、重量のある部位だが速度は勿論遅い。
「ッう」
ちょうど深い刺し傷を負っているほうの腿を殴られて、一瞬ハダレが動揺する。
その一瞬で、ウスライがハダレを引き倒し、殴り、気絶させ連れて行く、――と考えたのが、ハダレに『視え』た。

ハダレは――いや、ハダレの中に巣食うものはそうさせたくなかった。
接近しようとするウスライに、逆に無理に身体をひねって、肌の触れ合うほどに接近する。
そして、その喉笛目掛けて口を開け、噛み付こうと牙をちらつかせた。非常手段中の非常手段だ。
驚いたのはウスライだった――まさかいきなり、ハダレがこんな原始的で切羽詰った攻撃に出るとは思わなかったのだ。
咄嗟に腕を突き出し、代わりに噛み付かせ、一瞬動きが止まった所で、――思わず思い切り殴っていた。
意外に軽い手ごたえの青年の身体が文字通り、吹き抜けの方に飛んでいった。がん、と音を立ててフェンスにぶつかる。
そして、脆く錆びていたフェンスごと――四階から落下した。
465代理戦争:2006/05/02(火) 16:45:54 ID:ORi8X1Jj
互いに悲鳴は無かった。だが、お互いに、後々思い出せば笑いが止まらないほどに呆気に取られた表情をしていた。
一瞬ウスライは何が起こったのかわからなかったが、理解した時、まれに見るほどに動揺した。
(殺してしまったら意味が無い――争うにしても、こんな偶然の事では誰もに意味が残らない!)
思わずフェンスの外れた所から、四つんばいになるようにして下を覗き込む。下に大輪の血の花がないことを期待して。

期待通りに、下の階には血の花は咲いていなかった。
それどころか、すぐ下の階のせり出した部分に、青年が片腕でぶら下がっているのが見えてほっとする。
ウスライが平坦な、それでも明らかに動揺していると分かる声で言う。
「すぐ降りる。そのままで――」
「……オレは、贅沢なのか?」
それを、遮るでもなくぽつりとハダレが呟いた。
思わず青年が錯乱しているのではないかと思わせるような、一瞬では理解できない言葉で、問いかける。
「……オレが、オレのままで生きようとするのは…贅沢なのか!?」
青年の指の先が震えている。限界なのだろう。
思わず、届くはずがないと知りながら、ウスライは手を差し伸べた――が、ハダレは今度は決然と無視した。
真上にあるウスライの顔を眩しげに、――いや、眩しいのは朝日だろうか?見やって、
「オレは……生きていたいだけだ」
嫌な物から眼をそむけるように瞳を閉じて、落ちた。がりっと嫌な音がして、生爪が剥がれる。
三階とはいえ、地面は遠く、硬く、どんな危険物が落ちているか分からない。命の失われる予感に、ウスライの背が冷えた。

だが、幸運なのか不運なのか、青年が落ちた場所は朽ち果てたゴミが集められている場所だった。
不潔だが床よりははるかに柔らかく、ハダレの身体が受け止められる。
そのまま気を失ったらしい青年がぐったりと四肢を伸ばすのを見届けてウスライは立ち上がった。
そして階下に青年を迎えに行った。
466代理戦争:2006/05/02(火) 16:46:29 ID:ORi8X1Jj
夜が明けてから人一人を担いで、できるだけ人目につかないように目的地につこうというのは至難の業だった。
ことに、大人の男一人は大きすぎる。布で巻こうが鞄に詰めようが、目立つこと請け合いである。
それでもウスライは『ばれてないばれてない』と自身に言い聞かせながら、目的地へ急いだ。

目的地は薄汚れたアパートのように見える建物で、事実戦前には中流の世帯が住んでいたのだという。
ただ今はその少し広めのスペースを使って、怪しい物品の保管や取引に使われたり、
時には人身売買のまねごとや死体の保管や処理にまで用いられていると噂される、通称『倉庫』という場所だ。
ここだけの話だが、ウスライが借りた部屋はいたるところに赤黒いしみがこびりつき、
風呂場には得体の知れない腐敗物があったために、他に借り手がいなかったのだという。今は片付けられて清潔だが。

ウスライは辟易しながら青年を部屋へ運び入れ、とりあえずソファに寝かせた。
自分も端に寄りかかって疲労を感じながら、改めてこの青年を検分しようとして、ふと気づいた。
――なぜ、彼から生々しい鉄錆びの匂いが消えないのだろう。
ひょっとしたら何か怪我をさせたのかもしれないと思い、躊躇いながらも服を剥いで確かめる。
そして、彼の身体を見て呻いた。
「……これは……」
どう判断したらいいのだろうか。
まず何より目に付くのは右腿だった。生々しい傷は何度も開閉したらしく、乾いた血の層の上に鮮血を滲ませている。
そして左足首の腫れの上にくっきりと浮いた、拘束の跡。
捻挫させたのは自分だが、明らかにその後で無理な力を加えたらしく、ものすごい腫れになってしまっている。
両手首にも縛られた跡があり、酷く擦り切れていた。
そして、首筋の鬱血の跡と、服を剥いで初めて漂った精の臭い。その源は確かめる気にもなれない。
(……医者。それと、その前に少なくとも汚れを流してやろう)
それらが全て一同に会したのは、しかも哀れに痩せた青年の身体なのだ。彼は今、死んだように眠っている。
ウスライは、医者の手配をするとすぐに、全裸のままの青年を風呂場に運び入れた。
467風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 16:51:50 ID:ORi8X1Jj
ヽ(`Д´)ノボッキアゲ!!

468代理戦争:2006/05/02(火) 16:52:45 ID:ORi8X1Jj

風呂場といっても、ただ無駄に広いスペースにシャワーがついただけの場所である。それこそ死体の処理でもできそうな。
ウスライは頭を振った。今、小脇に抱えた青年はまだ生きている。
シャワーのコックを捻って湯の温度を温めに加減してから、ウスライは青年の傷に障らない様に汚れを落とし始めた。
あの薄暗い、夜明け前のマンションでは分からなかったことだが、青年には自分の血も返り血も、両方ついていた。
小刻みに布を肌に這わせて汚れを落とすと、改めて青年の身体がぼろぼろであったことが分かる。
身体のそこここに痣があり、今は傷でなくとも、過去には傷であったものが次々に指に触れる。
指に感じられるのはそれだけではなく、薄い皮膚の下の、貧弱な組織――
(筋肉は流石についている……だが、それでも薄い。体脂肪も、正常からは逸脱して低いだろう……)
体質で片付けられる域ではない。

いつの間にか、ウスライの指先は布を落としていた。敏感な末端が、青年の身体を直接感じる。
(環境だな……栄養面が悪いのと、代理戦争のせいと……あと、『異』の精神的負担…そんなところか)
ウスライは青年の向きを変え、自分が濡れるのも大したことではないように抱き寄せた。
そして今まで触れていなかった部分に触れる。
指先が水をまとって、青年の肌をすべらかに撫でる。
大胸筋から、腹筋の硬さを確かめるようにへそのあたりまでまさぐったと思えば、
取り落とした布を拾い上げて肩甲骨の辺りから尾てい骨ぎりぎりまで柔らかく洗う。

(で、問題はここだ……)
湯気とともに立ち上る、僅かな青臭さに眉をしかめてウスライは思案した。
今、青年は完全に気絶している。そしてどのような事情があったにせよ、医者にそのまま診せるわけにいかない。
だが、その最も秘めるべき所に勝手に触れていいのか否か――……
それは青年を辱めることにならないだろうか?
(頼むから目を覚ますな)
情けなく念じながら――ウスライは、そっと青年の臀部を割り開いた。
469代理戦争:2006/05/02(火) 16:53:16 ID:ORi8X1Jj
流石にそれだけで漏れ出すものはもうないらしかったが、だからどうだということも無い。
内股にこびりついていた、誰のものとも判別しがたい粘液を洗い流す。
この身体の中で一番強靭に、しかし柔軟に発達した尻から大腿にかけての筋肉にそって、汚れた水が流れていく。
(犯されたと考えるのが妥当か。……俺が来るのが遅れたからどう、というのはこの事か?)
流れていく水がむき出しの傷に触れないように注意しながら、ため息をつく。
慣れない場所で迷い、彼を途中でロストしてしまったのは自分の不手際だ。
辺りを組まなく探し回った上で発見したのが、殺戮現場の隣の最初の目的地だったというのは
この緊急事態における許されざるミスである。

ありえない、と呟く。
さらに、青年を発見した階上で出会った若者を半殺しにしてしまったのも、今思えば不手際の一つだ。
向こうがナイフを持って襲い掛かってきたのだから正当防衛なのだが、
青年の言ったように、血の匂いが彼を刺激してしまったとしたら、もっと別の手段をとるべきだったのかもしれない。
まだ事の全貌は分からないが、これは後悔すべきことなのかもしれない。

陰鬱な思いで、ウスライは指に液状の石鹸を垂らした。
この行為も、いずれ後悔することになるのだろうか――と考えながら、青年の尻の谷間を探る。
不自然に滑る指が尾てい骨から降りて、やがて別の滑りを僅かに残す窄まりにたどり着く。
見ると、素人目にも分かるほど不自然な赤みを帯びているのが分かった。

それこそ腫れ物に触るように、そっと、指先で表面を撫でて具合を見る。
力加減を確かめながら、何度かそこを擦るようにして、柔らかさを試した。
大丈夫だと判断して、ウスライは指に力を加えた。
470代理戦争:2006/05/02(火) 16:54:28 ID:ORi8X1Jj
つぷ、と思いのほかあっさりと指が青年の秘部に侵入する。青年はリアクションも起こさない。
だが侵入した先の肉は敏感に反応してきた。
ウスライの指を軽く咥えるように、全体で圧迫しながらも戦慄く。括約筋がひくひくと甘噛みするように収縮する。
温かく、ぬるりとした内部は柔らかく、かといって緩んだようなだらしなさは無かった。
ゆっくりとかきまわして、不浄の粘液を石鹸液とを混ぜ合わせ、指に絡ませて抜き出す。
抜き出した指を流し、今度は水を纏わせて中に挿入する。汚れを纏った指を抜き、また流す。
それを繰り返し、とりあえず指の届く範囲からは精液を洗い落とす。残りは青年がやるか、排泄してもらうしかない。
やっと終わった作業に、逆に羞恥しながらウスライは残りの部位を洗った。

青年の全身の水気を拭き、彼の荷物から出したTシャツとハーフパンツを履かせ、もう一度ソファに寝かせてやる。
そして疲労が押し寄せないうちに自身も濡れた服を換え、医者を迎える準備をしてからハダレの前に腰を下ろした。
自分の細かい仕事振りに、苦笑をする雰囲気で青年を眺める。
ぐったりと眠ったままの青年は、舞台の上やあの廃墟での戦いで見せたどの姿よりも弱かった。

唐突に、彼が落下する直前に言った言葉を思い出す。青年が青年のままで生きるということ。
それが具体的に指すものは不明だが、抽象的になら言いたいことは分からないでもない。
(『異』に振り回されないで生きること……か?)
『異』の副産物に自身が振り回されないことと、周囲の人間に普通に認識されること。
これが、ウスライが今まで会った事のある数々の『異』の保持者の共通の願いだった。
彼らの末路はお世辞にもよいとはいえない。
護りきれず、組織に渡してしまった者もいれば、発狂したものや自殺した者もいる。
自殺する勇気も無く、殺してくれと哀願してきたものもいた。

青年は、どうなるのだろう。
471代理戦争:2006/05/02(火) 16:56:31 ID:ORi8X1Jj
↑ここまでです。
途中何やってんだなことになってますが、許してください。
ageて申し訳ないorz
472代理戦争:2006/05/02(火) 17:00:15 ID:ORi8X1Jj
(どの位で起きられるだろう…)
青年が自分と遭遇する前どうしていたのか知る由も無いが、消耗しているのは間違いない。
数日は目覚められないか、朦朧としている可能性もある。傷のせいで発熱するかもしれない。
だが、相手は待っていてくれない。事情を話すにしても行動するにも、何でも早いほうが望ましい――が。

(起きたら……言うべきなんだろうな)
青年の尻に指を突っ込んで洗った事など言わなければいいのだが、ウスライの奇妙な生真面目さがそうさせなかった。
そのときの青年の反応が力の限りに心配だ。
協力しない程度ならまだしも、勝手に出て行って捕まられるのが一番困る。
そして何より、奇妙に指先が覚えている柔らかい感触が悩ましかった。
青年が気絶しておらず、丁寧に愛撫してから挿入してやればさぞ――という、下卑た考えがおこる。
寝ているものを性のはけ口に使うような趣味は無いが、かといって完全な無欲である人間などいない……

ああやっぱり後悔の種になりそうだと考えていると、ドアが軽く叩かれた。医者がやってきたらしい。
医者のいる間くらいは何も考えないでおこうと、ウスライは重たい腰を上げて迎えにいった。



三日後、ハダレが熱に浮かされながらも何とか瞼を開けるまで、
ウスライはどことなく悶々とした後ろめたさを感じながら彼の看護に当たることになる。

473代理戦争:2006/05/02(火) 17:03:12 ID:ORi8X1Jj
一つ投稿し忘れたorz
ホントナニヤッテンノ
474風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 17:22:33 ID:nIkXZs/5
続きをずっとお待ちしてました。
乙です…!!!
475風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 17:40:47 ID:DRi/uVXN
キター!!
悶々としっぱなしなウスライさんが良すぎる
476風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 17:46:03 ID:sKFS8nl2
ウスライと共に続きを悶々としながら待ってます。
477風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 18:42:51 ID:vyIOaz+G
ウスライさん萌え・・・
478風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 20:16:07 ID:7jh1tXm6
ばれてないばれてない に萌えた。
479風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 20:32:13 ID:U4gAqdu3
うおぁ 来た来た来た!!
480風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 20:37:49 ID:pGy8B2P+
>>478に先に言われた
481風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 20:48:14 ID:Ef04ILuI
>480に先に言われた
482風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 21:19:24 ID:Oylqnex2
確かにばれてないばれてないは可愛いかったw
483風と木の名無しさん:2006/05/02(火) 22:06:57 ID:nhX8oQTr
(*´∀`)<待ッテタヨ

何この全体から溢れる萌え。
484風と木の名無しさん:2006/05/03(水) 00:57:31 ID:xqrhPZx5
ほしの王子さま待ち
485風と木の名無しさん:2006/05/03(水) 01:45:40 ID:/Bw6ZXWn
ウスライさん&ハダレタンに萌え萌え〜(*´∀`)

あと自分、アリスタン待ち
486風と木の名無しさん:2006/05/03(水) 05:18:52 ID:4f4PaDnN
ウスライイイヨイイヨー

漏れもほしの王子様待ち!
487風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 00:53:19 ID:a/BaTbwc
傭兵(英雄?)タン待ちです!
GW明けまでは投下は少な目かな?
488青春白書:2006/05/05(金) 18:31:40 ID:5Hd1tw4P
投下しようと書いてたんですが、改行が多すぎると
エラーになって書き込めません(泣)どうすればいいんでしょうか?
489風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 18:45:33 ID:ppsxzOoR
3レスに収めようとしたものを5レス使って投稿
とか、もっと小分けにすればいんでね?
待ってるよノシ
490風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 18:46:19 ID:Qsoyf672
何レスかに分ければいいんじゃ・・・
491風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 19:11:57 ID:KZNk9PSX
半年ROMればいいんじゃないしょうか(泣)
492高校白書:2006/05/05(金) 19:30:36 ID:5Hd1tw4P
「遼一!お前今帰り?」
「何言ってる、部活だ」
基本的に無表情だが、心もち呆れた遼一が言った。というか真は遼一の表情を読み取ることのできる
数少ない人間の一人だと自負している。なんせ中学からのつき合いだ。
「そっか、そうだよな」
「真」
遼一がよく通る低い声で呼び止めた。
「明日のこと忘れるなよ」
「わかってるって」
明日の土曜日二人で実業団の剣道大会を見に行く約束をしていた。剣道のことをあまり
知らない自分なんかが行っても、と思うのだがせっかく遼一が誘ってくれたのだ、こんなこと
めったにない。ぞんざいに答えてはいても内心とても楽しみにしている真だった。
遼一は剣道の有段者で全国大会クラスだ。そんな実績と精神力を買われて高校2年生ながら
剣道部の副部長を任されていた。部には遼一に心酔している者も多いと聞く。遼一は硬派な男だ。
「じゃあ明日」
遼一の黒髪が去ってゆく。
「じゃあ・・・」
2年になってクラスが離れてしまってから遼一を見かけるたびに駆け寄っていってしまう。
「なにやってんだろ、オレ・・・」
そんな自分を少し恥じて真はしょんぼりした。

493風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 19:31:07 ID:yzd+SpJy
>491が半年ROMればいいと思いますよ
494高校白書:2006/05/05(金) 19:37:53 ID:5Hd1tw4P
>>489
ありがとう
なんとか書き込めました
IDに4Pが出たので記念にがんばって4Pに挑戦したいと思います
495風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 19:53:27 ID:KZNk9PSX
>>493
養殖がお好きなんですね。
496高校白書:2006/05/05(金) 20:16:37 ID:5Hd1tw4P
「どうした?マコトちゃん元気?」
気落ちする真を後ろからガシッと抱えた奴がいた。
「うっ健志かよ」
同じE組の健志はなぜか真にベタベタする。まあ女っ気がないからある程度はしょうがないのかもな
と真も思うのだが。彼らが通う青嶺高校は元商業高校で、昔よりはマシになったとはいえ校舎沿いの
道を若い女が通れば、卑猥な言葉でひやかす輩もいるガラの悪い男子校だ。
「マコト今日ヒマ?カラオケ行かねえ?」
健志がやけに顔をよせ、真のピアスに触りながら聞いてくる。
「カラオケぇ?行きたくねえよ」
真は嫌そうに顔をそむける。
「そんなこと言うなって。お前格闘技好きだろ?先週の代々木見に行った奴が連れにいてよ。
そいつ来るからさ。話聞きたくね?」
その言葉にピクと反応する。
「先週の代々木?山内麗斗?」
「そうそう、山内対M・ファルコン」
最近真は格闘技にはまっていた。山内麗斗はチェックしている格闘家だ。
「・・・しょうがねえな、行くかカラオケ」
「やりいっマコトちゃん好きだよ〜!」
「気持ち悪いこと言うな!」
そんな風に安く格闘技に釣られてホイホイと付いて行った先に、あんな悪夢が待っていたなんて
今の真には思いも及ばないことだった。

497風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 20:44:42 ID:m40P5TxT
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
激しく萌えのヨカン
高校タソがんばってください!
498高校白書:2006/05/05(金) 22:31:42 ID:5Hd1tw4P
・・・・・割れるように頭が痛い
次第に覚醒した真は周りを見回す。
薄暗い証明、耳障りな音楽・・・でもここはカラオケルームじゃない・・・?
「よお、目ぇ覚めた?マコトチャン」
誰かが見下ろしてしゃべりかけてくる。健志?いや、このアゴヒゲを生やした男は・・・
真は回らない頭でこの数時間のうちに起こったことに記憶をめぐらした。

今から二時間ほど前、真と健志、それから健志の友人のノブヤはカラオケボックスにいた。
「でさあ、ここで山内のとび膝蹴りが炸裂してよお」
ノブヤがデジカメを操作してメモリした(隠し撮りした)写真を見せながら説明する。
「すげえ、図体だけだなファルコンは」
真も興奮して応じる。
「だよなあ、わざわざロスから来たってえのに」
やっぱ強いよなあ、山内は。
「おい、お前ら歌えよな〜!」
健志がマイクを通して呼びかけた。
「うるせえよ、健志」
真は鬱陶しげに手を振った。
「ところで、マコトちゃん可愛いねぇ」
ノブヤが自らのアゴヒゲを触りながらニヤついた笑顔を向けた。
「あ?男に可愛いとか言ってんじゃねえよ」
真は憮然と返すが、健志が勢い込んで話に割り込んできて、そしてやけに馴れ馴れしく真の肩を抱き寄せる。
「だろう!?こいつのことジャニ系とか言う奴もいるけど、俺はどっちかっていうとモームスに似てる
と思うんだよなあ」
「ああ似てる似てる!たしか男作って脱退した奴に!」
ぎゃはは、とノブヤも応じた。
「お前ら・・・」
真は不愉快になって目の前にあったウーロン茶を飲み干した。健志とノブヤの鈍く光る眼の色に気づかずに。
499風と木の名無しさん:2006/05/05(金) 22:59:44 ID:YpVnn8FQ
メモ帳に全部書いてからコピペしてったほうがいいぞ?
500高校白書:2006/05/05(金) 23:40:36 ID:5Hd1tw4P
「マコトチャンが飲み干しちゃったのウーロン茶じゃなくてウーロンハイだったんだ。しかもおクスリ入り」
気がつかなかった?ノブヤが真のライトブラウンの髪をいじりながら説明した。
「マコト大丈夫かよ」
健志が心配げに水を渡そうとした。
「いらねえ。ここどこだよ・・・!」
真は健志の腕を払いのけ、苛立たしげに呻いた。
「見りゃわかるだろ?マコトチャン初めて?こういうトコ」
冷めた感じでノブヤが言う。いかがわしい照明、青空を模した天井、ガラス張りで丸見えの風呂、
そして自分が横たわってるでっかいベッド。しかも部屋の大半を占めている・・・。
「まさか」
「そ、ラブホ」
睡眠薬入りのウーロンハイを飲み干してしまった真は意識のないうちにラブホテルに連れ込まれていた。
「じょ、冗談じゃねえ!帰る!」
だけど頭がぐらついて真は立ち上がれなかった。
「急に動くなよ、マコト!」
健志が介抱しながら真に抱きついた。
「何すんだよ!健志!」
「そう怯えんなよマコト」
そうして真の制服を剥いでいく。いつのまにか腕はノブヤに押さえ込まれている。
「ほら、マコトチャン格闘技好きじゃん?だからさ、教えてあげようかと思ってさ。寝技をさ」
ノブヤがいやらしく笑う。冗談じゃねえ、冗談じゃねえ!真は気持ち悪さでいっぱいになっていた。
「俺けっこう腹立ってたんだぜ、マコト。せっかく同じクラスになれたのにお前A組の香納んとこばっかり
行ってて」
A組の香納?遼一のことか。
「んなことお前に関係ねえだろ!」
「関係あるよ」
ざらつく舌で真の首筋を舐め上げながら健志がささやく。
「俺好きなんだよ、お前のこと」
501高校白書:2006/05/05(金) 23:52:14 ID:5Hd1tw4P
ごめん、メモ帳ってよくわからなくて。
話はだいたい頭の中にあるからがんばって書いちゃおうかなあと思うんですけど・・・
502風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:10:13 ID:SdeMMEw6
>501
巣に帰れ
503風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:11:11 ID:a96er+3p
>>501
窓ならアクセサリの中に入ってるとオモ>メモ帳

ここの住人なら分かってもらえると思うけど、まとまった文章(レス)でないとコメントも
しづらいし、他に投下があった場合に分断されてしまって読みづらくなるんだよ。
早く投下したい、って気持ちは分かるけど、一度メモ帳に書き込んで一呼吸おいてから
見せて欲しい。
そうしたほうが書き手の>501もあとから手を加えやすくなっていいと思うから。
がんがってください。
504風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:13:22 ID:4v3WlEmi
499じゃないが

ワードでも何でも、「がんばってここまでここまで書いちゃおう」と思ってるとこまで
ひとまず書いて、それを一気に数スレに渡って投下してはどうかと言っているのだよ
その方が叩かれにくい
505風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:14:26 ID:4v3WlEmi
重なってしまったよ、すまん
506風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:16:32 ID:yj+xnGYx
>>501
今、頭の中にある内容を直接フォームに打ち込んでの投稿は
しない方が良いかもしれないよ。

直接フォームに打ち込むと、投稿に時間がかかると思うんだ。
そうなると、同じ時間に投下しようとしてた人を待たせてしまうかもしれないから。
あと、誤字脱字も見落としやすくなると思うから。

内容を何か文章ソフト等に一度全て打ち込んで、その後にその文をコピーして
フォームに貼り付けて、投稿していくといいんじゃないかな
携帯からなら、メールとかテキストメモとかに全部打ち込んでから投稿した方がいいよ
507風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:16:42 ID:KbD9X72V
>502
つ【したらば】
508風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:18:34 ID:TG6xyyT3
メモ帳は窓使用なら[スタート]→[アクセサリ]→[メモ帳]で出てくる。
別にワードでも何でも良いから、作品をある程度の量制作してからまとめて投下した方が良い。
作品の間にレスがつくと、読みにくくなるでしょう?
それに貴女が作品を書いてる間、他の書き手さんが投下しにくくなるから。
その日の分をまとめて投下し、最後の記事に「以上です」とつけてくれるとありがたい。
それから名前欄にはタイトルと一緒に通し番号を振ると良いよ。
509風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 00:47:43 ID:3GQ6goTF
高校タソ!慣れない作業かもしれないが、がんばって〜!
応援してます!
510風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 01:15:21 ID:jdU7a7Uh
なんかよくわからんがもまえらのやさしさに惚れた。
511風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 01:33:23 ID:3blQJCcz
ここは一応年齢制限有りの板なんだけど
投下者さんが年齢をクリアしているか禿しく心配だ
黄金期間だし
512高校白書:2006/05/06(土) 01:37:14 ID:4Y98oIis
「やめろよ、なにが好きだよ、男相手に気持ちわりいぞ」
真の左の突起をつまみ反対側を舐め上げている健志にびくびくしながら抵抗する。
腕はノブヤに押さえられていて動けない。
「気持ち悪いのはお前もだろ。香納の尻おっかけやがって」
「オレ遼一の尻追ってなんかないぞ。遼一のことそんな目で見てるわけないじゃん。変な言いがかりやめろ!」
「そうやって遼一、遼一、遼一!むかつくんだよ」
「痛い!」
健志が真の乳首に強く噛み付いた。
「ほらもっと足開けよ」
健志は真の制服のベルトをカチャカチャと外し、ズボンを引き抜く。足首を掴んでめいっぱい足を開かせた。
太腿を撫でさすりながら最終目的地をめざす。
「やめろよ、頼むよ健志、怖いんだよ・・・!」
「ほら見ろ、ちゃんとローション使ってやるから。怖くないって」
小さな瓶を振る健志。薬と酒のせいか、それを上回る恐怖のせいか身体が全然動かない・・・!
「いやだ、怖いよ・・・」
「ほら、泣くなよなあマコトォ」
苦笑しながら健志が真の頬をなで涙をぬぐってやる。すると腕を押さえつつ二人を観察していたノブヤが口を開いた。
「マコトチャン処女なんじゃねえの?あと童貞もか」
そのとたん真は真っ赤になって暴れた。といってもロクな抵抗にはならなかったが。
「そっかあ、嬉しいなあ。俺マコトの初めての男になれるんだ」
真とは対照的に健志は上機嫌になって真の身体を撫で回した。舌で唇をなめて健志が言う。
「ゴムもあるんだけどさ、やっぱ生がいいよな。マコトにとっても記念日になるんだし」
デジカメで撮ってやろうか?とノブヤが聞いてくる。
「いや、それは止しとく」
さすがにカメラに残すのはまずいと思った健志はノブヤの提案を断った。
「まあ筆下ろしはしてやれねえけどさ、たっぷり可愛がってやるよ」
「やめろ、やめろ!」
真の悲痛な叫びを無視して健志は白い身体に覆いかぶさった。


513高校白書:2006/05/06(土) 01:39:23 ID:4Y98oIis
ごめん、メモ帳がんばって使ってみる。
514高校白書:2006/05/06(土) 01:47:24 ID:4Y98oIis
みなさんありがとう。しばらくさようなら
515風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 01:58:31 ID:v6Ou/+IK
しばらくってことは、まだ続けるつもりなのかな
516風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 02:26:55 ID:4WRswZY2
高校白書の人、神IDだ
517風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 05:32:55 ID:Z3lhlphU
代理戦争タンすげえ・・・一気に読んで萌えが止まらないよママン
続編をwktkしながら待ってます(*´д`)
518高校白書6:2006/05/06(土) 13:32:24 ID:4Y98oIis
「いやだ、なんでもするからやめてくれ、健志…!」
「なんでも?じゃあセックスがいいよ俺」
健志はすでに指を二本第二間接まで真の中に入れていた。念入りにかき回す。真はさっきから身体の
震えが止まらなかった。
「やだ…痛いっ」
「マコトチャンさっきまでけっこう威勢よかったのになあ、どうしちゃったんだろ?」
ノブヤが頭上でクスクス笑っている。不快でしょうがなかった。
「こんなのいやだよっ……!」
「ガタガタうるせえぞ」
ノブヤが真の頬を殴った。
「ちょっマコトに手ぇあげんなよノブヤ!」
健志がアワを食ってノブヤを止める。そして少し赤くなった真の頬をさも大切そうに撫でた。
「マコト大丈夫か?ノブヤはひどいことするなぁ」
今からもっとひどいことをしようとしている自分は棚上げする口調である。
「いっ痛い」
真はひっきりなしに涙を流し、痛みを訴えていた。こんな不快感は初めてだ。無理もない。自分の
中にこんな異物が入ってきたのは生まれて初めてだった。しかしさらに大きな苦痛が真を
待ち構えていた。それは指なんてもんじゃない大きさと質量のものだ……。
「やべえ、マコトの可愛い顔と穴見てたら俺もうがまんできそうにねえや」
すでに上半身は裸になっていた健志はベルトをいそいそと外し出した。真はゾッとして青くなった。
「なんだよ、堪え性ねえな健志は」
ノブヤがちゃかす。
「本気かよ、本気なのかよ健志!」
真が必死になって叫んだ。
「ああ、本気だよ。もうビンビンに勃ってるんだよマコト」
健志は真のローションで濡れた秘所に照準を合わせ一気に屹立を突きたてた。
519高校白書7:2006/05/06(土) 13:37:30 ID:4Y98oIis
「いやだあああああああああああっ!」
真の悲痛な叫びがこだました。真は自分が今どんな状況なのかさえよくわからなくなっていた。
もうこのまま狂いたい、そう思った。友達だと思っていた奴に裏切られた。
「ああ!マコト、マコト……!」
健志がうわ言のように繰り返す。その間にもメリメリと健志が真の中に侵入してくる。健志と肌が合わさる。
熱い…!!
「イッいやあああああああっ……!」
もう痛みも熱さも通り越して感覚がない。ただ自分の穴がめいっぱい開いて健志を受け入れている……。
「ほら全部入ったぞ、マコト」
笑いかける健志。真にはもう何も見えてはいないが。
「ふう、やっぱきついな…ちょっとしたら動くからな」
その時カシャッという小さな機械音がした。健志が見るとノブヤがデジカメで二人の有様を撮っていた。
「ノブヤ…」
「まあ、記念撮影だよ」
ノブヤがおどけて言う。
「…まあいいか」
健志ももうそんなことに気を回していられなかった。そのあと健志は真の腰に胸にキスを落とした。
「まだキスしてなかったな」
そう言って健志は真の唇に口づけた。真は驚いて目を見開いた。身体が全部つながったかのような感触。
こんなのいやだ……。
 そして今気がついたのか健志は真自身に初めて触れた。
「マコトも男の子だもんなあ、気持ちよくさせてやらないと」
そう言って丁寧に扱いてくれるが、真自身は萎んだままだ。今さら起つわけがない。
「マコトクンどうしたのかな?起たないなあ」
そう言いながらも健志は腰を動かし始めた。
520高校白書8:2006/05/06(土) 13:40:17 ID:4Y98oIis
「いやだ動くな……!」
「無理だよ、真の可愛い顔見たら、止められるわけないだろっ」
ピストン運動が激しくなる。そして細かい円を描きはじめた。もう誰もしゃべるものはいない。
ただ真の痛みに耐える、言葉にならない声が空気を切り裂くだけだった。
「ウッアアッ!」
「やアアアアッ!」

「クッ」
そして健志は恍惚の表情とともに真の中で逝った。ドクドクと注ぎ込まれる絶望的な感触を真は
気絶寸前で感じていた。でももうこれで終わったんだ……。

真は夢うつつで人の争う声を聞いていた。
「…なに…だよ…!ノブ…」
「だ…俺も…」
だんだん声が鮮明になってくる。どうやら自分は本当に気絶していたらしい。
「だからさ、俺にも貸してよ、マコトチャン」
「そんなことダメだ、ノブヤ!マコトはもう俺のもんなんだよ」
健志がそう言って真を抱きしめる。
「なんだよ、臆病者のお前に協力してやった報酬はなしかよ」
「だから!礼っていうか金は払うって言ってんだろ」
「やっぱり金はいらねえ。コイツがいい。なんか見てたら俺もむくむくきちまった」
話の内容を理解して真は恐ろしくなった。冗談じゃない。慌てて立ち上がろうとするが、背中の
ヒリヒリと腰の奥の強烈な痛みに屈する。
「ほら、マコトチャンはこっちにおいで」
「やめろマコトを離せ!」
健志とノブヤが真を挟んで揉み合いになる。そのうちノブヤが強烈に健志を殴りつけた。
521高校白書9:2006/05/06(土) 13:43:52 ID:4Y98oIis
ガッといやな音がして健志が吹っ飛ばされた。
「健志!」
思わず真も叫んでいた。構わずノブヤは健志を殴り続ける。
「うるせーよてめえ、黙って俺の命令聞いとけっての!」
最後にみぞおちに蹴りを喰らわせ、健志を完全にのしたノブヤだった。
「あ…ああ…健志」
ゆっくり真に振り返るノブヤ。真の本当の地獄はこれからだった。

その時この緊迫した状況に不釣り合いなマヌケな音が響いた。ノブヤのケイタイの着信音だ。
「よおカズじゃねえか。え?マジかよ」
楽しそうに会話しながらノブヤは真を押さえつける。
「今さあ、ちょっとおもしろいことになっててよ。…ちげえって変態じゃねえって。俺もどうかなあと
思ってたんだけどさ、これがけっこうイケそうなのよ。お前今どこ…近いじゃん。来いよ駅裏のラブホ
わかるだろ?」
恐ろしいことにノブヤは仲間を呼ぼうとしている……!
「やめろっ」
ノブヤは笑いながら真を殴りつけた。本性を見せ始める。
「俺の友ダチとも遊んでやってよマコトチャン」

ノブヤが気を失った健志を縛りあげている間にカズがきた。金髪に近いメッシュを入れた、いかにも
遊び慣れている、濁った目をした男だった。
「へえこれがマコトチャンねえ」
「そ、マコトチャン、こいつがカズ。俺と一緒の北高ね」
頼んでもいない紹介をされる。
「確かにヤグチに似てなくもないかなあ」
522高校白書10:2006/05/06(土) 13:46:39 ID:4Y98oIis
ノブヤとカズは真を品定めするように笑い合う。
「で、お前一発やっちゃったの?」
カズは真の片足を持ち上げ、ベトベトになっている秘所付近を見てノブヤに聞いた。
「ちがう、それはそこにノびてる健志がやったんだ。宿願叶って大量にぶっ放してやがんの」
「じゃあ汚えな。洗っちまおうぜあのフロ使って」
真はガラス張りの風呂に連れ込まれた。外からはガラス張りに見えるが中に入れば鏡になっている。
マジックミラーというやつだ。真は自分の惨状を否応なしに目の当たりにしなければならなかった。
首筋や胸に残る鬱血、殴られた頬、健志の廃液で汚れた下肢…。居たたまれなくなって目を背ける。
そんな真にシャワーを当て洗い流すカズ。容赦なく指を突っ込み中の廃液を掻き出す。
「ウウッ」
真は呻いた。そんな真の前に立ち己のグロテスクなイチモツを突き出したノブヤは言った。
「歯を立てたら承知しないぞ」
真は四つんばにさせられて口には無理やりノブヤを銜え込まされ、後ろの秘所にはカズの肉が
打ち込まれた。さながら性奴隷のような扱いだ。
それは風呂を出てベッドに戻っても続いた。真にとって永遠に続くと思われた地獄の時間だった。
「これは病みつきになるかもしんねえな、俺ホモになっちゃいそうだよ」
ノブヤが哂う。
「フィストとかできねえかな?」
「それはちょっとマコトチャンには早いかなあ」
カズの恐ろしい問いにノブヤが答える。真は震え上がる。凶行の間中カシャカシャという音がしていた。
デジカメにケイタイのカメラ…。何度激痛を加えられたのか、真は途中で数えるのをやめた。

それからどうやって帰ったのかあまり覚えていない。カズとノブヤの二人が去ったあと、意識を取り戻した
健志が必死に縄を解き、ベッドで気を失っていた真を拭いて応急措置をしてから服を着せてくれたようだ。
すまない、すまないという言葉をどこか遠くで聞いていた気がする。
523高校白書11:2006/05/06(土) 13:49:43 ID:4Y98oIis
寝静まった家の自室に駆け上がりベッドに倒れ込む。そのまま死んだように眠った。
翌朝親にはケンカしたと嘘をついた。いつものことだ親は納得した。熱が出ていた。
そして夜になるまで遼一との約束を忘れていた。あんなに楽しみにしていたのに。誘われた日から
ずっとだ。なのにメールの一つさえ送る余裕がなかった。家に帰ってから初めて涙があふれた。
真は枕に顔を押し付けて泣きじゃくった。自分のバカさ加減に腹が立ってしょうがなかった。
「ああっ遼一…!」
次の週、真は丸々学校を休んだ。

重い月曜日の朝、E組の教室になぜか遼一がいた。こんな時は遼一の表情を読める自分が恨めしかった。
遼一はものすごく怒っていた。
「…おはよう」
「どうしたんだ?」
挨拶もせずに遼一が聞いてくる。
「どうって…メール送っただろう?風邪引いたって。剣道大会はすっぽかして悪かったよ」
「……」
遼一が無言で手を伸ばす。真は反射的にビクッと身を竦めた。
「…頬が」
「ほ、頬がなんだよ」
学校を休んだ一週間のうちに傷は見えないほどになっているはずだ。
「…いやお前なんか変わったよ」
そのまま踵を返し自分の教室へ帰る遼一を沈鬱な表情で見送った。それから健志の机を見回した。
まだ来ていないようだった。内心顔をみるのがいやだったからホッとした真だった。
524高校白書12:2006/05/06(土) 13:52:16 ID:4Y98oIis
昼休みになって教室がざわめいた。顔を文字通りボコボコに腫らして足を引き摺った健志が入って
きたからだ。もっとも一番驚いて目を見開いていたのは真だったけれど。
「ちょっと」
教室が落ち着いてきてから健志は真を人気のない屋上へ続く踊り場へ誘った。最初はもちろん躊躇した
真だが健志の一言でついていった。デジカメのこと、という一言だ。
「これ」
傷だらけの手で健志が真に差し出した。あのノブヤのデジカメだ。
「あと奴らのケイタイは破壊してきた。他に流出はしてないと思う。多分」
それを聞いて真はブルブルと震えだした。
「多分ってなんだよ、なんでそんなことがわかる!」
真は頭を抱える。
「ごめん、ごめんマコト!」
健志はとっさに真の肩を掴もうとした。
「触るなっ!」
ビクッとして健志は手を引っ込めた。
「…もういいよ。それはお前が処分しておいてくれ、見たくない」
真は放心して健志に言う。
「…格闘技のとか入ってるけど」
「どうでもいいよ!そんなの」
もう好きだった格闘技さえ真にはトラウマになってしまっていた。
525高校白書13:2006/05/06(土) 13:54:55 ID:4Y98oIis
しかしE組の6限目の体育のあとにそのデジカメは健志のカバンから消えていた。
健志は真っ青になったが、真には結局そのことを言い出せなかった。


それから数日たった木曜日の放課後、真はなぜかB組の森下に呼ばれた。黙々と歩く森下の背中を
見ながら真は不安になった。なんせ大失敗をしたばかりだ。やっぱり引き返そう、としたところで
真が逆らえない名前を出された。そいつが呼んでいると。そうだ忘れていた、森下は剣道部だった。
しかも遼一と仲がいいような…とりとめも無く考えていると武道場の倉庫についていた。
まあ入れよ、と森下が促す。けっこう広い倉庫だ。豆球の下に人がいる。遼一だ。
「どうしたんだ?部活は?」
真が尋ねた。
「今日は休みにした」
「休みにしたって…お前副部長だろ?」
「部長はお飾りだ。実質部は俺が運営してる」
「でも、お前あんなに剣道剣道っていつも言ってるのに…」
「今日はお前に見せて欲しいものがあるんだ、真」
「えっ?」
暗くてよく見えなかったが、遼一のそばにもう一人いた。真の知らない奴だ。黒い短髪で目の細い…。
「紹介するよこいつは一年の竹田、俺の言うことをよく聞く。…お前と違って」
「な、どういうことだよそれ。まだ怒ってるのか?この前ドタキャンしたこと」
「そんなことじゃないよ。見せて欲しいものがあるって言っただろう?」
遼一の目配せで森下と竹田が真の両腕を掴みマットの上に押し付ける。
「なにすんだよ!」
真が内心怯えながらも叫ぶ。
「これに見覚えあるよな?」
526高校白書14:2006/05/06(土) 13:57:25 ID:4Y98oIis
遼一が銀色のスクエアを取り出す。あっ!と思わず真は叫んだ。なぜそれを遼一が持っているのか!?
それはまぎれもなくあのノブヤのデジカメだった。

「なんで?見たのか遼一…?」
真の声は激しく震えていた。一番それを見られたくない相手だった。なぜ?健志か!?いやまさか…。
「俺が遠山のカバンから盗ったんだよ」
遼一が答えた。遠山とは健志の苗字だ。まさか遼一がそんなことするなんて。真の驚愕を見ながら
遼一はクックと笑った。遼一からはついぞ見たことのない、気持ちの悪い笑い方だった。
「月曜日にさ、お前たち話に夢中で気づかないんだもんな。すぐ下に立ち聞きしてる奴がいること」
二人で昼休みに抜け出したのを遼一はつけてきていたらしい。
「二人、いや三人か。そのうち一人は遠山だな。よく映ってるよ真」
「…やめてくれ遼一」
「中学の時あんなにひ弱だったお前がな。よくいじめられてたお前を助けたっけか。遼一、遼一
ってついて周って纏わりついてたよな。俺は忙しいのに。高校に入ったらいい気になって。寄ってくる
奴にスキンシップを許して。お前がそうやって女っ気がないからしょうがないなんて言って甘やかす
からつけあがって勘違いしたんだ、遠山も」
「…オレが悪いっていうのか?」
真はこれ以上ないほど目を見開いた。それに遼一は冷たく言い放つ。
「ああそうだ、お前が悪い」
そうしてマットに押さえられている真ににじり寄る。そして囁いた。
「この高校だってお前のために入ったんだ」
……そうだった。真は思い出す。中学の頃から遼一は勉強も運動もすこぶるできた。なのに真が青嶺を
受験すると言ったら、あそこ剣道部けっこう強いから俺もそうする。と珍しく遼一は笑顔で言ったのだった。
優しい笑顔だった。もちろん教師たちは反対した。遼一ならもっと良い高校へ行けると。
527高校白書15:2006/05/06(土) 14:00:10 ID:4Y98oIis
だけど遼一は頑として譲らなかったのだ。青嶺に入った今でも遼一はA組という特進クラスで成績も常に
上位だ。良い大学に入るんだろう。もうオレの人生に付き合ってはくれないはずだ。しかもあんなこと
をしでかしたのだから。友達でいられるかさえも、わからない……。
「お前は変わったよ、真」
「お、お前だって…笑わなくなった!昔はもっと笑いかけてくれた、優しく」
真は泣きそうになりながら叫んだ。
「そうだお前のせいだ。俺が変わったのは」
遼一は真の髪を撫でる。毛先の少し痛んだライトブラウンの髪。そしてそこから耳へと移動する。
「この茶パツもピアスも俺は気に入らなかったんだ」
ギロリと睨んで真のピアスを強引に引き抜いた。
「っつ!」
当然真の耳からは血が溢れ出した。制服の白い襟にドクドクと血が流れ落ちる。
「ごめ…遼一許して」
真は泣きながら謝っていた。だが遼一は真から離れたところにあるパイプ椅子に座って森下と竹田に
話しかけた。
「お前らそいつとヤりたいか?」
「いや、ヤりたいっていうか、香納はどうなんだよ?」
森下が困惑ぎみに遼一に問い返す。
「俺?俺は男は抱けない。ただ真がどうやって男に抱かれるのかこの目で見てみたいだけ。
見せて欲しいものってそういうこと」
遼一が冷めた目で言う。
「そいつは淫乱なんだ。森下、竹田お前たちは俺に逆らえないだろう?」
やれ、遼一が命令する。
528高校白書16:2006/05/06(土) 14:04:03 ID:4Y98oIis
躊躇する森下とは対照的に竹田は舌をペロと舐めて真を押さえ込む。押さえ込まれなくても真は
動けなかったのだけれど。
「香納先輩の命令には逆らえないよ。俺はやるけど?」
どうするの?森下先輩。
「…ちくしょう、しょうがねえ。広田我慢しろよ。なるべく痛くないようにしてやるからな」
広田とは真の苗字だ。放心状態の真に二人は襲いかかった。二人に身体中を触られ、足を開かされ
ている間にも真はただ遼一だけを見ていた。遼一もまた真から視線を外さなかった。もう真には
遼一の表情を読めなくなっていた。ただ冷たい眼だ。いや、燃えるように冷えた眼だった。
森下は真の苦痛を和らげるためなのか、真自身を扱いてくれた。その間にも竹田は思うさま真を
突き上げた。鋭い痛みが真の身体中を駆け巡った。だけどあのラブホテルの時のような絶望感は
なかった。遼一に見られてるせいなのか。まるで遼一に抱かれているみたいだ。そう思ったら
自然に声が漏れた。
「ああ…ッああ!」
真は竹田に縋りついた。そして叫んでいた。
「遼一!遼一…!」
森下、竹田の二人が真の中で弾けるまで遼一は真を見つめ続けた。その熱い眼差しで。



ある夕方だった。健志と遼一は偶然帰りが一緒になった。いや健志が遼一を待つとはなしに待ってた
ような風情だった。
「よう」
健志が気軽げに声をかける。遼一は無視して通りすぎようとした。
「待てよ!マコトまだ休みなんだぞ」
529高校白書17:2006/05/06(土) 14:06:31 ID:4Y98oIis
「…それがどうかしたのか」
氷のように冷たい声で遼一は返した。
「どうって…ほらあいつバカだし、こんなに休んで進級大丈夫かなあって心配してんだよ。俺のノート
もたいしたことないし。香納なら頭良いし面倒見てくれないかなって思ってさあ」
しばらく考えてから遼一は言った。
「…お前に話がある遠山」

「なんだよ話って」
校舎裏の物置前に二人はいた。
「お前のデジカメを盗んだのは俺だ。それから…それをダシにして真を剣道部の二人に犯らせた。
話はそれだけだ」
「ちょ、ちょっと待てよどういうことだよそれ!」
あまりの話に健志が遼一に詰め寄る。健志のなかに怒りが湧き上がってくる。
「ひでえよ。なんてことするんだよ。そんなことされたらマコト立ち直れねえじゃんか。
どんなにあいつがお前のこと頼ってるか…!」
「そんなこと知ってる。だからやったんだ。……許せなかった」
遼一は静かに健志を見つめた。
「お前が」
健志はギクリとする。
「はっまあ、あんたはそうだろうな。俺はあんたの可愛いマコトのお初をいただいちゃったんだからな。
そりゃ可愛かったぜ。マコト、こわいこわいって繰り返してさ、痛い痛いってすげえ可愛い…」
その瞬間遼一は無言で健志を殴りつけた。何度も容赦なく拳を繰り出す。無言なのが一層不気味だ。
「お前を殺してやりたいよ」
遼一は通る声で言った。
「あんただって、一緒さ。人にやらせて、俺と同じことやったんじゃないか!」
530高校白書18:2006/05/06(土) 14:09:50 ID:4Y98oIis
健志は遼一を掴みあげた。
「ただ強姦しただけなんだよ俺は、あんたも、俺たちは!」
健志も遼一を殴っていた。

「…マコトは顔は童顔な割りにツンツンしててさ、それが可愛くってしょうがなくて」
「……俺がそういう風にしたんだ。中学の時はあいつオドオドしてたから、もっと堂々としろ、
オドオドするくらいならツンツンしていた方がいいんだぞって教えてやったんだ」
健志は座り込んでる遼一を見た。
「そうか…」
「…真を……」
遼一は珍しいか細い声で訴えた。
「真を返してくれ……」
手の甲で顔を拭う。泣いているのか声も震えていた。
なぜかそんな遼一をみて健志は微笑した。
「マコトはあんたの玩具じゃないんだぞ。それさえわかってれば元々マコトは…あんたのものだよ」
健志は遼一の背中を押してやる。
「こんな校舎裏で泣いてないでマコトのところへ行ってやれよ」
健志が笑う。
「マコトのところで泣けばいいんだぞ」


真はベッドに寝転がりながらマンガを読んでいた。ドアがキイと開く。母かと思って見上げた先の
人物を確認してマンガ本を取り落とした。
「遼一…!」
531高校白書19:2006/05/06(土) 14:13:00 ID:4Y98oIis
「おばさんいなかったから勝手に入った。玄関開けっ放しは無用心だぞ」
真の勉強机から椅子を引き出す。随分使用してないのか埃をかぶっていて、それを遼一は手で払う。
「元気そうだな」
椅子に座りながら遼一は言った。
「何しに来たんだよ」
真が不安げに問うた。
「遠山がお前のこと心配してた。進級大丈夫かって」
「…そんなこと言うためにわざわざ来たのかよ。関係ねえよ健志なんか。遼一それより健志と何話した
んだよ」
「……」
遼一はゆっくり話し出した。
「…俺たちがお前にやったことは犯罪だ。捕まったって文句は言えない。……ただ真が必要なんだ。
俺たちには。…真がいないとダメなんだ俺は。真がいないと死んじまう」
「遼一…」
真は眼を見開く。でも遼一から眼をそらした。
「オレがっオレがバカだからいけないんだ。ホイホイ餌に釣られてついて行ったりするから…!
それから遼一が言ったように誰かを勘違いさせたりしたから!」
少し興奮してきた真を思わず遼一は抱きしめていた。ハッと身体を強張らせた真だった。
「俺が怖いか?真」
ゆっくり真の背中をさすった。
「真は何も悪くないんだ。一番悪いのは俺だ」
真は首を振った。
「んなわけあるか。遼一が悪いなんてあるか」
それを否定するように遼一も首を振った。
532高校白書20:2006/05/06(土) 14:17:22 ID:4Y98oIis
「お前が変わっていくのが怖かった。苦しかった。許せなかった。髪の色もピアスもお前の好きなよう
にすればいいのに。俺はお前を束縛して、苦しめて、傷つけた。最低の、誰が許しても自分で
自分が許せない!」
「わかった、わかったから!オレがお前を許すから!」
泣き出して真は遼一を強く抱きしめていた。遼一も眼からもその日二度目の涙がこぼれていた。

「…学校行くよ。教えてくれるんだろ?勉強」
「自分でやらなきゃ身にならないんだぞ」
「変わってねえな、遼一は」
真は笑い出した。遼一もつられて笑う。
「もっと見せてくれよお前の笑顔」
なあ、遼一。
ケンカは仲直りして、もう一度友達から始めよう。健志とも遼一とも。


END
533風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 14:22:41 ID:40otgs/G
高校白書タソGJ
IDも二日連続超GJ!
534風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 14:23:03 ID:EDSQS+pD
乙でした!
学生モノ好きなのでおいしく頂きました。
535風と木の名無しさん:2006/05/06(土) 20:44:56 ID:9hVOYpMV
乙!
536高校白書:2006/05/07(日) 09:05:05 ID:mNk+G9Wo
メモ帳教えて頂いたり、あったかい言葉ありがとうございました。
5は投下してから先レス読んで、自分でもアチャーと思いました。
ホントにありがとうでした。
537風と木の名無しさん:2006/05/07(日) 10:46:48 ID:6oGG1oa5
GW終日。職人さんたちはやく帰ってこないかな。

そして、すでに三日経過したような気がするんだけど
ウスライさんは無事でしょうか。力の限りに心配です。
538代理戦争:2006/05/07(日) 15:57:27 ID:Yii+bHNT
投下します。
エロというよりセクハラが延々続くので、
嫌いな方や苦手な方はスルーしてください。
539代理戦争:2006/05/07(日) 15:57:58 ID:Yii+bHNT
きっかけが何かあったわけでもなく、ハダレは覚醒した。
しかし、だからといって普通に朝目覚めるのとはまったく違う覚醒に、違和感を覚える。
こう、普通朝起床したらもっと気分が優れていて、疲れはなくなっていて、
五感から飛び込んでくる様々な情報――雀の声や朝日の眩しさに刺激されて、脳が目覚めていくものだ。
だが、今の自分は違う。
目覚めても爽やかさのひとつもなく、全身がだるくて頭がぽーっとしている。
関節が固まったように動かしにくくて、汗が溜まって気持ちが悪い。そして何より不自然に暑い。
処理能力の落ちた頭で考え、ひとつの結論に至る。
(オレ、熱出してんのか……?)
ここ暫く風邪も怪我もしていなかったから、発熱というのがどういう感覚なのか忘れていたらしい。
そういえば首周りに冷たい物が当たる。氷だろうか、すぐに温む事がなくて気持ちいい。
体をずり下げて、火照った頬をそれに当てながら――ふと、疑問が浮かんだ。
(……何でオレ、熱出してんの?)
ぼんやり考えて、ふと過去の経緯を思い出した瞬間――体が反射的に飛び起きようと強張った。が、
「ッ…がっ…」
力をこめた全身の各地から予告のない激痛が襲ってきて、悶絶する。
(くそ……覚えてないとこまで滅茶苦茶痛い……『異』に任せたら本当ろくなことにならねー…)
涙目になりながら、結局元のように毛布に包まり、ぼーっと部屋の中を見つめる。
確かにその部屋は見知らぬ場所だが、ハダレからみえるそこここに生活臭がする。
犯罪組織が人身売買で買った奴隷を捕まえておく場所に、おたまが突っ込まれた鍋があるとは思えない。
きっとそういう奴らは奴隷をコンクリート打ちっぱなしの部屋とかに捕まえておいて、
捕まった人間が目覚めたころに悠々と登場してこう言うに違いない――

「目覚めたか」
540代理戦争:2006/05/07(日) 16:02:32 ID:Yii+bHNT
その声に本気で驚いて、ハダレは後ずさろうとした――実際は、激痛でもがいただけだったが。
声がしたほうを見る。いや、見上げる。
「お前と俺があの廃ビルで戦ってから三日過ぎた。
 その間身じろぎもしなかったから、落ちたとき頭を打ったんじゃないかと思った」
そう言う男の表情は動いていない。ハダレが頭をかち割っていても平然としていそうなほど。
それをなんとなく悔しく思いながら、ハダレは相手の観察を続けた。
「ここは『倉庫』だ。あの廃ビルから近くはないが、ここに長く住んでいるお前の方が位置は分かるだろう?
 お前が落ちた後、俺が独断でお前を連れてここに来た。だから、お前が逃げようと思えばいつでも逃げられる」
男は美形で、背が高くて、理知的で自制に満ち溢れていた。数日前見たとおりに。
代理戦争をした相手でもあったし、廃ビルで無茶苦茶に戦った相手でもあった。間違いない。
――そして、どちらの戦いでも負けてしまった。間違いない。
「だがお前の体は、お前が思うより多分重症だ。今逃げても、追っ手に簡単に捕まる」
「……あん、たが……付けた傷も、ある、よな?」
自分だけがぼろぼろなのにプライドが刺激され、つい皮肉げに言ってしまう。
が、男は思いのほか分かりやすく反応する。
「……すまない事をしたと思っている。きちんと医者に見せて、処置はさせた。
 それに俺の目的のために身勝手にお前を拘束したことについても、そう思う。だが、これが……最善だった」
雰囲気が柔らかく、侘びるような声音になる。
思ったより彼は感情を露わにしているのかもしれない、とハダレは思った。
そうやって見つめているハダレに、訴えかけるような切実な雰囲気が伝わる。
「お前が後々俺の話を聞いて、やっぱり俺の庇護はいやだと思えば強制はしない。
 だが今俺はお前を組織に渡したくない。一方今お前は組織に狙われながらも、抵抗力が不足している」
「…………」
「悪いようにはしない――俺に、お前を護らせてくれ」
541代理戦争:2006/05/07(日) 16:03:12 ID:Yii+bHNT
ハダレは無言だった。いやな表情をするでもなく、かといってすぐに了承するわけでもない。
男も、ハダレの反応がないので無言で見つめるだけだ。

たっぷり一分はたってから、ハダレが口を開いた。熱にかすれた声で、
「…………名前」
いぶかしげな――質問の意味ではなく、意図が分からないと言った意味で、男が眉をかすかに寄せる。
名前なら代理戦争のときに散々呼ばれたし、知っているはずだろうという様子に、ハダレが言い添える。
「……これから、一緒に動くんだから……自己、紹介くらい、しろよ……」
言い切ってから、喉が乾燥したとでも言うように咳き込むハダレ。風邪ではないのだから、咳など出るはずがない。
照れているのかもしれないハダレに向かって、男は真摯な黒い瞳を向けて、初めて名乗った。
「俺の名は……ウスライ、だ」
「ん。オレは…ハダレ。短い間だろーけど、よろしく」
そう言って寝転がったまま差し出す手を、ウスライが握った。
改めて気がついたことだが、握られた手の向こうで、心まで見透かすという右眼がウスライを視ていた。
その眼が、ばれた、とでもいいたげに笑ってみせた。

その後すぐに、ハダレは眼帯をつけた。
「幾らでも心を読めばいい」と言うウスライに、
「信用できそうな奴にそうするのはフェアじゃない」とハダレは言う。
「厳密に言うと心、なんていい加減なもんじゃなくて、脳波をどーたらして感じる『異』の中枢がたまたま
 右眼にあるだけらしくて、実際に眼に心がフキダシみたいに見えてるわけじゃないんだけど。
 それにしたって、それだけ真面目に護らせてくれなんて言われたら視る気もなくなるって」
複雑そうなウスライに、気楽に言うハダレ。
「それにさ、何でも視れると便利ってわけじゃないし。視ないほうがいい時も結構あるし。
 視たくなったら勝手に視るから、油断すんなよ?」
「油断って何だ油断って」
542代理戦争:2006/05/07(日) 16:03:47 ID:Yii+bHNT
にっと笑うハダレに言い返しかけて――ウスライは思い出した。
指先を締め付ける柔らかい肉、それでいて適度なきつさのある――

「ウスライ?」
突然動きを止めたウスライを、怪訝に眺めるハダレ。だが、ウスライの焦りは止まらなかった。
ここ3日間ハダレは目覚める様子もなく寝たきりで、当然そうなると介護が必要になる。、
介護――つまり、下の世話と風呂を受け持っていたということは、当然初日にも増して過激な物を拝見したということで。
とがめられることなど何一つないのだが、例の彼の生真面目さが、より一層悶々とした思いを深めさせていた。

「視るよ?」
その声にはっとして顔をあげると、ハダレが今にも眼帯をはずしそうになっていた。
――ウスライは無言で、しかし素早くハダレの行動を阻止した。
「……何だよ」
「頼む。今は視ないでくれ」
尋常ならざる様子で腕をつかむウスライの様子に、反抗するようにハダレは唇を尖らせた。が、
「差し迫った問題を一通り話したら、俺の口から話す。そうしたら真偽を視てもかまわない。
 それまでは、視ないでくれ」
あまりにも真剣な物言いに、思わずハダレも押されるように頷いた。
この自制に溢れた男が、こうまでも必死に視られることを阻止しようとするのだから重大な話なのだろう、
それは時機を見て話すべきことなのだ――とハダレが(勝手に)感じたのもある。
腑に落ちないながらも素直に退くハダレに、ウスライは改めてため息をついた。
543代理戦争:2006/05/07(日) 16:04:22 ID:Yii+bHNT
「どこから話そうか」
話題がそれたことに多少安堵しつつも、今度はまた違った緊張感がウスライの手元にあった。
ハダレには、持てるほぼ全ての現状を話すつもりだ。嘘や情報操作で篭絡する気はない。
だが話し方や言葉の受け取り方で誤解が生じることもある。些細な誤解が致命的になることもある。
一方で、ハダレも体はともかく、精神は多少緊張していた。
あの窮地を、『異』まで使って切り抜けたのだ。一滴残らず有益なものを搾り取って、生き延びる覚悟はある。
「どっからでもいい。話し終わったとき、全部終わってれば」
「そうだな……とりあえず、現状から話すか」
ウスライは思案するように、ゆっくりと口を開いた。

「お前を狙っているのはさし当たってはA会、黒幕はB社。依頼人はB社のボスというか、現状でトップの人間だ。
 その男は特に変質的かつ熱狂的偏愛趣味があるわけでもない、珍品コレクターの類らしいから、
 お前がどうしても手に入らない状況になれば地の果てまで追い回すということもないだろう」
「そもそもオレも代用品なんだしな」
ハダレが口の端を引きつらせて言うと、ウスライが頷いて見せた。
「そうだな。それに――」
ほんの少し戸惑い、言葉を選ぶように、
「――お前が初物でないという現時点で、執拗に狙われるかどうかも多少怪しいんだがな。
 その代わり、お前には代理戦争の戦績という付加価値がある。狙われないとは言い切れない」
人を骨董か何かのように言うのは気が引けたが、陵辱された事を気遣って婉曲に言うのも、彼を傷つける気がする。
あっさりと言ってハダレを見ると、よく分からない表情をしていた。
「何だ」
「いや、そんな処女信仰みたいなのが相手にあるんだったら、最初からオレなんか狙わないんじゃないかと思って、
 こいつ変な事言うなあとか思ってたんだけど」
544代理戦争:2006/05/07(日) 16:06:11 ID:Yii+bHNT
「…………は?」
よく分からない表情にウスライ自身がなって、唸る。
目を閉じて言葉の意味を考える。深く深く、耳から入ってきたままの言葉を分解し、その前の言葉と重ね合わせて真意を見つけにいく。
――結論。
「とりあえず話が終わってからもう一度そこに戻ろう」
「……はぁ」
生返事を返すハダレ。気を取り直すようにウスライは口を開いた。
「どこまで言ったか……ああ、それでB社の依頼を受けて実際に動いているのがA会だ。
 俺はA会で今動いている人物に怨みがある。だからお前を含め、『異』を渡さないように立ち回って失墜させたい。
 それで、俺はお前が次に狙われているという情報を得て、代理戦争という接点を利用してお前に警告した。
 組織の持っているお前に関しての情報を搾り取った後でお前に勝ち、そしてそこで契約が終われば俺は自由だ。
 その後で俺はお前をここに隠した。現時点では――まだ、見つかってはいないだろうな」
そのうち移動するが、とウスライは小さく付け加えた。
ハダレは探るような思いで尋ねた。
「……あのさ、今までにあんたは他の『異』と会って、同じように護ってたんだよな?」
「あぁ。全部で十数人いたか」
「な、どんな奴がいたの?で、最後どうなったの?」
ウスライは意外そうにまばたきをした。そして答えた。
「お前よりも凄まじい力のも、下らないのも色々いた。だが全員幸福にはなれなかった」
ハダレがきょとんとする。
「あんたは宗教家じゃないだろ?幸福ってどういうことだよ」
「出会った『異』の誰もが、お前と同じように欲に苦しんでいた。そして、救いようのない末路にいってしまった。
 俺の庇護が及ばなくて捕まって性奴隷に堕ちたものもいるし、恐怖のあまり自殺したものもいた。
 組織の追っ手には耐えられても、欲に囚われるのに耐えられずに発狂したものもいた。
 俺の手を握り締めて、殺してくれと言ってきた奴も二人か三人はいた。自殺する勇気がなかったんだろう」
「……そのとき、あんたはどうしたんだ?殺したのか?」
545代理戦争:2006/05/07(日) 16:06:44 ID:Yii+bHNT
目を丸くしながらも、ハダレは落ち着いて聞いた。が、ウスライはもっと落ち着いて答えた。
「俺がどちらといっても、信じる根拠はないだろう?視ればいい」
正解はどちらなのか分からないが、ウスライの顔には何の表情も浮かんでいなかった。視られることに対する動揺もなかった。
ただ、ハダレにはそれがウスライに対する暴挙であると思った。だから、
「視ないよ。試すようなことして悪かった」

謝ると、ウスライは何でもないかのように雰囲気を和らげた。
「いや、別にいい。それより話を元に戻す。――そのうち移動するとは言ったが、お前の今の体ではそれも覚束ない。
 とりあえず、現状では回復を待つ。それまでは長距離の移動は避け、とにかく潜伏を最優先にする。
 そしてある程度お前が抵抗力を持てるようになったら、選択をしてもらう」
「どんな?」
ハダレが口を挟むと、それを予期したかのようにウスライが言葉を続ける。
「組織から完全に逃れる、3つの手段。どれかを実行する。一つ目は、死ぬことだ」
ぶっ、とハダレが吹いた。
「二つ目は、『異』を捨てること。三つ目は国外か海外に逃げることだ」
「なるほど……で、どれが人気で成功率が高いの?」
「大差ない」
ウスライはかぶりを振って、どの道今は選ぶときではないというようなことを言った。

546代理戦争:2006/05/07(日) 16:07:19 ID:Yii+bHNT
そして、次に口を開いたときには話題は変わっていた。
「お前の具合のことなんだが……全治一ヶ月。一番酷いのが右大腿の刺し傷で、8針縫った。
 抜糸は10日後だそうだ。覚悟をしておくんだな」
「最悪だ……また傷が増えた……」
顔に手をあててぼやくハダレに、さらに畳み掛けるように、
「左足首は捻挫。湿布を当てて大人しくしておけばいいが、勝手なことをするなら縛り付けても安静にさせろと言われた」
「誰に!?」
「無論医者だ。お前のことを知っているようだったが」
ハダレは唸りながら身悶えた。きっとその医者は、自分の知り合いのヤブ医者だ。
代理戦争といわず、あらゆるギャンブルに精通していて、よくあのバーにもやってきてはハダレに賭ける。
「選手割引だ」とか言ってハダレにはよくしてくれたが、必要なときにいつも出かけていていないというのも彼だった。
「なんにせよ彼はお前の為を思って言ったんだ。捻挫が癖にならないようにな。有難く忠告は受け取っておけ。
 ああ、あと手の爪が剥がれたのも化膿させないように注意しろと言っていた。暫く水につけるなと」
ウスライに諭されて、ハダレはむぅと唸った。完全に、子供扱いされたからだ。
そのむくれた様子を見ながら――ウスライは、慎重に口を開いた。
「でだ。それ以外にもう一箇所、処置をしろとしつこく言われた箇所がある」
547代理戦争:2006/05/07(日) 16:07:51 ID:Yii+bHNT
「まだあんの?どこ?」
これ以上注意しなければならないことが増えるのか、とうんざりしたような口調。
それに応える。
「肛門だ」

――静寂とは、こういうことを指すのだろう。
昼下がりの――そう、ハダレが目覚めたのは昼食時を過ぎたあたりだった――、やや平穏な街の喧騒。
朝にはいない小鳥がさえずり始め、荷車を押すような音が路地に響き、誰かのどうでもいい世間話さえ聞こえる。
とろんとした日差しが、閉じかけのカーテンをすり抜けているのが眠気を誘う――
「現実逃避するな。お前が犯されたのは消しようのない事実だろう」
ウスライに指摘されて、仕方なく意識を部屋に戻す。できれば忘れていたかったのに。
傷ついたというより、単純に泣いているところを見られたような恥ずかしさで、頬が熱くなる。
「そうだけど。あのヤブ医者に……そんなプライベートな場所を見られてたとか思うと、ちょっと」
あああああ、と唸りながら頭をかくハダレに、さらに追い討ちがかかる。
流石にこれを告げるのには、ウスライにも多少の勇気が必要だった――唾を飲み、一気に言う。

「俺も見た。すまない」

今度こそ、ハダレは暫く現実に立ち返れなかった。
BGMのようなウスライの声のひとつひとつが凶器のようにハダレに突き刺さる……
「勿論悪気があってみたんじゃない。あの医者が介護を請け負う以上は、怪我の全貌を見るべきだと言ったから――
 それに、気絶していたお前には下の世話も必要だったし……
 ああそれに連れてきた日にお前の中に指を突っ込んで洗わせてもらったのも、他意があったわけでは……
 大丈夫だ、薬を塗布して清潔にしていればすぐに腫れが引くと言っていた」
「薬……」
ぼんやりとしたまま、両手を顔の近くまで持っていって眺める。
そこには、包帯でぐるぐる巻きにされ、清潔に保てと忠告されたらしい指があった。これでは薬など塗りようがない……
「これが、さっき視るなと言った事だ」
呆然とするハダレに、心底情けないといった様子でウスライが告げた。
548代理戦争:2006/05/07(日) 16:08:48 ID:Yii+bHNT
その後は戻るといった話にも戻れずに、気まずいまま夜を迎えた。
ウスライに卑しい思いがあったわけではなく、ハダレにも恥じる権利があった。
だが、どちらにも罪はなくても言葉が出ないことなど、よくある。特に、今日はじめて名乗りあったような二人なら。

ハダレはソファーの背に顔を向けて、寝たふりを装って、考え事をしていた。
勿論尻穴を見られた事には憤慨し羞恥を覚えたが、ずっとそればかり考えるほど余裕のある状況ではないし、うぶではない。
かといって完全に無感動でいられるはずもなく、「考え事をしている」と自分に言い聞かせているのかもしれなかったが。
(……ウスライ)
もう何度目なのか、舌先だけでその名前を転がす。
(視た限り、嘘ついてないし筋は通ってるし、信じても損はない――どころか、得だらけなんだよな。
 『異』のオレに勝ったんだから強いんだろうし、こう、意外と感情がわかりやすい正直な奴だし。でもなぁ…)
ハダレは毛布の中にため息を吐き出した。
(何で……護ろうとするんだろうな)
さっきまでの彼の説明で、おおよそのとこは理解した。『異』を組織に渡したくないのは、組織の個人に怨みがあるからだと。
そして、ハダレが保護されているのは彼が狙われた『異』だからだ。しかし。
(廃ビルの中で視たとき、あいつ『異』に、憎しみみたいな、良くない思いがあったんだよな。
 それなのに何で、ひょっとしたら自分もやばくなるような事までして護ろうとしてるんだろうな……)
それが、分からなかった。多分それはハダレには視えない、ウスライの過去に根ざしたことがあるのだろうが。
ただ、あの焼ける様な強く鋭い思いを垣間見たものとしては、どうしてもそれを気にしてしまう。

(何でなんだろうな……視ない方がよかったかな)
ハダレはウスライの領域に踏み込んだことを後悔し始めていた。連載途中の漫画のように、気になって仕方ない。と。
「ハダレ」
突然呼びかけられ、ビクっと体が跳ねる。見上げると、やはり無表情な男。
その手にあるのは、タオルと洗面器――
「あんな話の後で申し訳ないんだが、体を拭いた方がいい」
549代理戦争:2006/05/07(日) 16:09:20 ID:Yii+bHNT
渋々ながらも体を拭かれるのを承諾したのは、やはり汗の感触が気持ち悪かったからだった。
しかし水気を多少残したタオルで撫でられると、それだけで涼やかな心地になる。
「……なんか申し訳ないっつーか、本当……」
「動くな、拭きにくい」
振り返って礼を言おうとすると、阻止される。憮然としながら、抱きかかえられるようにして体を拭かれる。
――と、予告もなく布地が下腹の方に滑り降りていく。
「ぃ、ちょっと待っ……」
下は毛布で覆っていたが、体を拭いた後着替えるので全部脱いでいた。
が、そこまで拭かれるとは考えていなかった。
しかしウスライはハダレの抵抗などものともせずに、無造作に手を脚の間に突っ込む。
「うわ、ほ、本当やめ…っ…」
しかも薄いタオル越しに触られるのは、数日前の事を思い出して背筋が冷えたり火照ったりを繰り返す。
一方で脚の付け根に溜まった汗を拭われるのは、単純に心地よかったが。
「動くな悶えるな。すぐ終わる」
「自分でやるから!もういいから!」
「その手でできるのか?」
冷静に諭されて、改めて自分の手を見下ろす。指先が包帯とすれるだけで、沁みるような痛みがして、
「…………」
できそうにないので、歯噛みしながらウスライに身を任せる。
会話しているうちにもうあらかた終わっていたらしく、そんなに長い間我慢することもなかったが、
最後に腫れた後孔をくじるように拭かれると、流石にハダレも羞恥に息を呑んだ。
意識のない間にどうこうされたという話にも恥ずかしさは覚えていたが今ひとつ現実味がなかったのに対し、
今この瞬間にされたことは比でないくらいくらいだった。

拭き終わって、ウスライが風呂場に湯を捨てに行っている間、ハダレは頭から毛布を被っていた。
これで終わりだと思う安堵と、また明日もあるのかといった困惑がある。どちらにしても頬が熱い。
が、ハダレの羞恥体験はこれでは終わりではなかった。
550代理戦争:2006/05/07(日) 16:10:11 ID:Yii+bHNT
「薬を塗るから、まだ寝るな」
もう、声もなかった。
「毛布を被るな。脚を閉じるな。暴れるな。大人しくしていればすぐ終わる」
「ふざけんな!流石にそれは自分でやる!ビニール袋よこせ」
暴れるといっても、全身を酷使した疲労が残っている満身創痍の体ではウスライを阻止するほどのことはできない。
だが作業を妨げて長引かせているのも事実だ。
「直接触らなきゃいいんだろ?」
泣きそうな心地というのはこういうことを言うのだろう。
赤ん坊のように陰部を曝されるという事自体もう耐えられないほどだが、
数日前2人がかりで犯されたおぞましい感触が蘇るようで、ひたすらに嫌だった。
それだけでなく、その2人だけでなく、そこに触れられた時の鳥肌の立つような出来事――
「本当、それだけは――って、ぁ!」
油断したところを毛布ごと押さえつけられ、手探りでそこを探し当てられる。
クリーム色の軟膏をまとった指を押し付けられ、ハダレが呻く――
「一つ、格言を教えてやろう」
「……っな、んだよ……」
突然のウスライの声――同性の肛門に触っているなど予期させない、平坦な声が、告げる。
「『怒られるのは誰だって嫌だ』」
「つくづくふざけ、んぁあッ…やだ…」
言い返した言葉が途中で違うものに化けた。ぬるぬるした太い指が、ハダレの後孔に押し入ってきたからだ。
痛みというほどの痛みはなかった。この3日間の真摯な介護で回復していたのかもしれない。
だが、腫れぼったいそこに押し入られると、じんじんと熱っぽい感じがして、堪らない。
内側の肉に塗られた軟膏が溶けて、ウスライの指が動く度にクチャっと濡れた音を立てた。
ハダレはいつの間にか、自分を覆う毛布を握り締めていた。
「ぁ、あ、……くぅ…」
551代理戦争:2006/05/07(日) 16:10:44 ID:Yii+bHNT
「妙な声を出すな。もうすぐ終わる」
「ぅ、……んンっ……んっ!」
その言葉通り――すぐに指が引き抜かれ、薬の塗布が終わった。てらてらと光る孔が、卑猥に戦慄く。
ウスライは手を洗いに席を立ったが、ハダレはそのままの姿勢で動けない。
毛布の中は必要以上に熱気がこもって暑苦しかったが、ウスライの顔を見たくないので顔は上げられなかった。が、
「下を履かないのかお前は」
そういって、真新しい着替えを投げつけられるとそれはそれで腹が立つ。
ぶつぶつ言いながら着替え、改めてソファーに横たわると、待っていたかのように明かりが消された。
「おやすみ」
「…………ん」
恥ずかしいやら腹立たしいやらで、返事は適当にした。
ぱたん、とドアが閉じる音がする。気がつかなかったことだが、ハダレのいるのとは別にもう一つ部屋があるらしい。

完全に一人になってから、ああもしかしたらウスライも気まずかったんだろうと気がついて、深くため息をついた。
それに、どんな思惑があるにせよ、ここまで甲斐甲斐しく世話をしてくれた人間が、元の家族を除いているだろうか。
いや、いないと自答してから、もう一度ため息をつく。やはり明日は少ししおらしくしていよう。反省する。

――が、数分後にやはり撤回する。
全身の敏感なところをタオルで撫で回された後に、開脚して全部をさらけ出した格好のまま、
薬でぬめった指で尻穴をかき回されて、完全に体が興奮してしまっていた。
(完全に勃ってる……これで平穏に寝られるかっ!?)
それだけなら一発抜けばすむのだが、足腰が衰弱して立たないので、一人でトイレに立つのも苦しい上に、
この幼児用の手袋のような手でどうしろと言うのだろうか。
(明日から、何が何でも体いじらせてたまるか)
固く誓いを立てながら――ハダレは、切ない感覚に身悶えしながら眠れない夜を過ごすのだった。
552代理戦争:2006/05/07(日) 16:11:35 ID:Yii+bHNT
↑ここまでです。
553風と木の名無しさん:2006/05/07(日) 16:16:10 ID:T42aKZ5K
ハダレたんキター!!代理たん乙です。GWの最後にありがとう。
554風と木の名無しさん:2006/05/07(日) 16:25:00 ID:IVM1fimy
こんなに早く続きが拝めるとは!乙です〜
ウスライさん無表情で冷たい人かと思ったけど不器用でカワイス
555風と木の名無しさん:2006/05/07(日) 16:31:27 ID:aZ10s1UF
代理戦争、萌えました!
いいもん読ませてくれてありがとう。
二人のこれからの関係が気になるよー。
556風と木の名無しさん:2006/05/07(日) 18:03:33 ID:80HP6/j6
悪意のないセクハラにひたすら(*´д`*)ハァハァ
本当に良いお仕事をなされますな!
557風と木の名無しさん:2006/05/07(日) 20:49:55 ID:/yUHQ68F
油断って何だ油断って がイイ!
558風と木の名無しさん:2006/05/07(日) 22:29:54 ID:RMcFZZup
age
559風と木の名無しさん:2006/05/08(月) 00:14:03 ID:uouAnkq1
ウスライたんGJGJ!!
560風と木の名無しさん:2006/05/08(月) 00:44:17 ID:s/ozGgHN
アアン(*´д`*)ハァハァ ハダレたんカワユス
561風と木の名無しさん:2006/05/08(月) 01:06:22 ID:QvTFmwDS
ハァ━━━━(*´Д`*)━━━━ン!!!!
テラモエスハゲモエスオメガモエス代理戦争たんGJGJGJ!!!!!!!!!!
今丁度好きなジャンルが無くて萌えを持てあましていたんだけどもう…もう…!!!
もし商業ならサイト開設するのに…!
562風と木の名無しさん:2006/05/08(月) 01:49:59 ID:sFPTGOY8
ワッショイ♪ゝ(▽`*ゝ)(ノ*´▽)ノワッショイ♪
  _  ∩
( ゚∀゚)彡age!age!
 ⊂彡
ワッショイ♪ゝ(▽`*ゝ)(ノ*´▽)ノワッショイ♪
563風と木の名無しさん:2006/05/08(月) 02:07:12 ID:J2+cOzQu
くはぁ〜代理タソGJ!!
フツーにエチーよりモエス!

両手骨折して入院中に義母がお見舞い…
ってエロネタ思い出しましたw
564風と木の名無しさん:2006/05/08(月) 21:32:23 ID:F1yqqWO3
>>563
あら〜、こっちは元気なのね。お義母さんが手伝っってあげるわ。
みたいなやつですか?
565563:2006/05/08(月) 22:13:49 ID:J2+cOzQu
>>564
その通りデス!
早くスッキリさせてあげてウスライタソ!
566風と木の名無しさん:2006/05/08(月) 22:27:13 ID:NpQN5rPv
そろそろしたらばに移動してはくれないか?
567風と木の名無しさん:2006/05/09(火) 00:22:30 ID:2l/B1wOa
良スレ
568風と木の名無しさん:2006/05/09(火) 00:47:19 ID:SeulHN5U
ある男の玉の中で精子たちが話をしていた。
「なぁ、もしも受精できたら何になりたい?」
「俺は医者にでもなって人々を救いたいな!」
「俺は歌手になって人々に夢を与えたいな〜」
「でも俺ら一人しか受精成功しないんだよな… よーし、うらみっこなしだぜ!」
そしてついに旅立ちのときが来た。
「よしみんないこーーぜ!正々堂々と戦おう」
「おう GOGOGOGO!!!!!!」
一斉に前進する一同。我先へと突き進む精子達。
そんな中、先頭の精子が何かを悟った。
どう見てもオナニーです。本当にありがとうございました。
569風と木の名無しさん:2006/05/09(火) 00:56:00 ID:PZp/pp/p
>>568
ハダレ、オナニー中──ということでFAか?
570風と木の名無しさん:2006/05/09(火) 00:59:18 ID:fWkwYENi
>>569
IDスゴスwww
571風と木の名無しさん:2006/05/09(火) 18:25:27 ID:tGWKZXxt
>>568
セツナス
572風と木の名無しさん:2006/05/09(火) 21:03:56 ID:FYREAKl+
お前らいい加減したらば池
573風と木の名無しさん:2006/05/10(水) 02:38:19 ID:oA8Gu0VQ
age
574傭兵王13:2006/05/10(水) 02:41:03 ID:zitNkPol
続きです。

------------------------------------------------


『アンタのお仲間、隣の部屋にいるんだぜ』
知らなかっただろ?顔に息がかかるほどに密着した男が自慢げに嘲笑う。


数時間前、ディドーをここまで連行してきた男達は入れ替わり立ち代りながら
彼を陵辱した。
3人までは覚えている、だがそれ以上は朦朧とした頭が記憶の再生を拒む。

武具も馬も荷ごと没収され、武装した男達に連れて来られた場所は、街道から大きく外れた鉱山跡地だった。
傍目から見れば岩窟にしか見えない其処は、中に入れば薄く濁った空気と硬く踏み固められた通路があり、
先導する男の振る舞いから永い間利用されているようにみえた。
拘束された十人ほどの仲間のうち、ディドー一人が仲間から引き離され、岩肌の剥き出しな狭い部屋に押し込められたが、
天井の低い其処には椅子もテーブルもなく、小汚い毛布だけが丸めて放り出してある。
575傭兵王14:2006/05/10(水) 02:42:11 ID:zitNkPol
はじめての無智な躰を割り開いたのは白灰髪の男で、間違いようもない、
桟道で襲われた際に先頭を切っていた男だった。
落馬の際に傷めた腕もまみれた泥もそのまま、無防備だった腹に蹴りを受けて冷たい床に転がされ、
ふいを衝かれズボンを剥ぎ取られる。
脚を開くのに邪魔な片足分だけを大型ナイフで切り裂くと、
緊張で縮こまった性器が剥き出しになった。
おもわず息を呑む。同時に込み上げる悪寒。
拷問を覚悟していたものの、それはおそらくディドーの想像したいずれの中でも
もっとも唾棄すべき類のものだろう。
男達の粘ついた視線は、クリフから端聞きしていた性虜に対するそれとひどく似通っている気がした。

土くれを掻く後ろ手は捻ったのかじくじくと鈍い熱を帯び、ベルトで堅く括られている。
脹脛の上を膝で押さえ込まれると、両脚は固定され向きを変えることすら出来ない。
「オイ、こいつ見てみろよ。まだ皮被ってるぞ」
餓鬼臭ェ、先端を摘んだまま男が哄笑し、覗き込んでいた若い男もつられて肩を震わせた。
ディドーは恥辱で全身を真っ赤に染め、口をぱくぱくと動かす。
異性とは縁のない世界で我武者羅に剣を振るってきたため、同業の女性も尊敬しこそすれ
恋愛対象としてみることが出来ず、クリフにも大概嘆かれたものだが、こんなところで
嘲笑の対象にされるとは思わなかった。
576風と木の名無しさん:2006/05/10(水) 02:44:00 ID:zitNkPol
「こりゃ優しくしてやらなきゃなぁ。初めてだもんなぁ」
竿を握りこみながら余った包皮を引き下ろす。
些細な刺激に反応する薄膚を分厚い指先でにちにちと嬲りながら、ズボンの前を
開けて勃ち上がった其れを取り出した。
ディドー自身の先走りを絡めた指をおもむろに後孔に擦り付ける。
加減を知らない抽入を繰り返された其処は赤く腫れ、わずかなぬめりもすぐに
乾いてしまう。それでも男は行為を辞めようとはしなかった。
強張ったままの狭襞に少しずつ唾を垂らし、関節一つ埋めるのが限界だった其処を
徐々に押し広げる。
「――痛ッ…っざけ、るな……!」
喰いしばった歯の間から呻きが漏れ、ディドーは求めるままに大きく息を吸い込んだ。
荒れた呼吸の隙を突くように、男が膨張した其れを後孔に宛てがい一気に捻じ込む。
ひっ――、と悲鳴が零れ、貫かれた姿勢のままにつま先が引き攣った。

「ぐ――ぅ…ッ、ンぁ…」
不規則な呼気を戻そうと半開きになった口元からは知らず唾液が溢れて頬を伝い落ちた。
硬い肉孔を穿ちながら男は強引に腰を動かし、膨らんだ亀頭が焦れるように出入りする。
「い、やだ……ひッ」
膝裏に男の腕が入り込み、身動きの取れない躰を抱え込む。折り曲げられた躰は安定を欠き、
半ば引き摺られるように男の動きと合わさることになった。
揺さぶられるまま息継ぎも満足に出来ず、断続的に込み上げる涙で眼角が潤む。
萎えていた性器が硬い腹筋に擦られ、痛みと一緒くたの曖昧な淫情で半端に鎌首をもたげだす。
「……こりゃイイ。どんどん締め付けてきやがる――ちょいとキツいがな…」
内臓をまとめて引っ張り出されるような抽送が繰り返され、漂う鉄の臭いで自分が出血していることがわかり、
ディドーは堪えるように掌を握った。爪が食い込み、指先に温かな体液が触れる。
577傭兵王16:2006/05/10(水) 02:47:48 ID:zitNkPol
男の先走りと交じり合ったことで、其処は平時よりはずいぶん解れたかのように見えたが、
じゅくじゅくと傷口を抉られるような痛みに躰は強張ったままで、一向に弛む様子はなかった。
「――クソ!力抜けって――!」
男は獣じみた形相のまま夢中で腰を進める。
尻を打つ水音の間隔が徐々に短くなるにつれ、しゃくりあげるような喘ぎが重なり狭い部屋に響きだした。
挿入したまま、痣の浮き出した腰を抱きなおす。
透明な涎を垂らしながら小刻みに震える性器を乱暴に扱き射精を促すが、却って身を硬くしたディドーは
かすかに嗚咽しながらその暴虐が終わるのをじっと待ち続けた。
「それでイけってのは流石に無理だって。おまえが街で買ってるような娼奴とは違うんだぜ。
優しくするんじゃなかったのか?」
静観していた若い男がにやにやと笑いながら脇に腰を下ろす。横にチラリと眼をやったまま律動を再開する
男の肩を軽く叩いた。
「――どう、しろってんだ!ろくに声もあげねぇし、躰はガチガチだし」
ろくに慣らしもしないでがっつくからだ、呆れたように呟く。
「こういう奴はさ、屈服させりゃいいんだよ。頭の中真っ白になりゃ他のことが考えられなくなって
動きやすくなるさ」
顔を近づけ、ディドーの耳に舌を捻じ込む。。
濡れた其処に息を吹きかければ、ディドーの躰が大袈裟な程震えた。
揺さ振られる儘の頭を軽く押さえ睦言のように囁いてやる。

知らなかっただろう?――と


---------------------------------------------------------------
今日はここまでです。
16のナンバリングを入れ忘れてしまいました。すいません。
それに前回タイトルが違ったまま投下してしまい、ご迷惑おかけしました。
場をお貸しいただいてありがとうございます。
578風と木の名無しさん:2006/05/10(水) 03:02:00 ID:yJgVRu5x
乙です。
タイトルが誰を指すのか隊長さんがどうなっていくのか
禿しく続きが気になります。
579風と木の名無しさん:2006/05/10(水) 04:05:56 ID:4vIHW+sQ
良スレ
580風と木の名無しさん:2006/05/10(水) 04:08:01 ID:GEb+1Cbe
乙です!
身体はガチガチ禿萌〜
581風と木の名無しさん:2006/05/11(木) 18:56:21 ID:kfiE07Qt
14のしおり、いい加減整理して欲しい(´・ω・`)
582風と木の名無しさん:2006/05/11(木) 19:07:15 ID:7YBshec3
>581
あなた何様?あとはしたらばで。
583風と木の名無しさん:2006/05/11(木) 20:31:43 ID:zLZ8iU5M
堕ちる少年傭兵、 ヨシヨシ・・・
584風と木の名無しさん:2006/05/11(木) 21:19:11 ID:y/KXdnLa
あげ
585風と木の名無しさん:2006/05/11(木) 23:18:37 ID:iHrrqUES
>>582
死ね
あとはしたらばで^^
586風と木の名無しさん:2006/05/12(金) 00:56:23 ID:H5N2yYDf
みんな、わかってると思うけど、荒らしはスルーでつよ!(`・ω・´)
587風と木の名無しさん:2006/05/12(金) 02:43:46 ID:yhOPTzvx
下へまいりまーす
588風と木の名無しさん:2006/05/12(金) 12:31:50 ID:SPbleW/s
ml
589縦社会:2006/05/12(金) 19:26:18 ID:sC86rH21
「くっ……そ……ぉ、何で……っ」
「そんな事言っちゃいるけどさ、本当はわかってんだろ?わざとらしいんだよ」
 すぐさま犯してやると、保が僕のジーンズを下着ごとずり下ろした。
「れーいちゃん、怖いの?震えてるね」
「お、お前が……っ!こんな、ふざけた事をするから……!」
「つまんねぇ奴だよな、ほんと。いつだって自分は綺麗な所にいたいんだろ」

「腐れ野郎、ふ、ふざけんなっ!こ、こんな事、もう……っ」
 女のように手首をつかまれ組み敷かれながら、僕は保を振り払おうともがいた。けれど保は冷静だ。
 しっかりと僕の手首をつかみ直し、自らの体重を利用して僕の動きを封じ込めた。熱い。触れ合った肌が
 ノリづけでもされたかのようにべたべたとくっつく。お互いの汗で濡れた皮膚の感触が不快でたまらない。
「みろよ、零。皮肉だよな、俺、お前の事大嫌いなのにさ。何でだろうな、ココが窮屈でたまんねぇ」
 なにか意味ありげに笑いながら僕を嘲笑の眼差しで見つめた保の言葉の意味を理解するのに数秒を要した。
 さりげない動きで僕の下腹の辺りに擦り付けられた布越しの熱。それが何かはすぐにわかった。
「ん……っ、あ、クソッ、やめろ……!嫌だっ」
 おしつけられた保の熱が、僕の剥き出しのそれに擦り付けられる。裸の僕と違い、保はまだジーンズを穿いている。
 元のままデニムの生地で敏感な部分を擦られ、僕は痛みと奇妙な快感に腰を震わせた。
「気持ちいいんだろ?微妙に勃ってるぜ。……俺のジーンズ汚すなよ?お前と違って高い服なんだから」
 デニムの硬い生地が容赦なく僕のものを擦りたてる。痛くてたまらない。それなのに、何故だろう?
 すでに、僕のそれは興奮に頭をもたげ始めている。
 かいかん、か。いたみ……か。そのどちらが勝るにしろ、僕が勃起し始めているのは事実だ。
「?……あぁ……妙に滑りが良くなったと思いきや……お前……」
590縦社会2:2006/05/12(金) 19:28:32 ID:sC86rH21
「僕から……っ、早く離れろっ!もう……やめ……っあ、ああん!やぁあん……」
 ははん、とわざとらしい嘲笑で僕を貶め、保はさらに腰の動きを速める。
「元気じゃん、痛いだの、やめろだの言う割には?お前の息子さんはお前より随分正直みたいだな」
 気が狂いそうな刺激が僕を苛む。摩擦でひどい痛みが腰を中心に巻き起こっているのに、それなのに。
 デニムの生地が、僕の先走りで濡れていく。
 するりと僕の膝裏に保が手を差し入れる。そのまま僕の脚をM字開脚の形に持ち上げ、
 おもいのままに腰を振り、硬いデニムの生地で僕のあれを擦り上げる。

 縦横無尽に僕の股間を自らの股間で擦り立てる保の姿は、傍から見ればひどく間抜けな光景に違いない。その責めに
 よがり狂う僕の姿は……
 みるに耐えない醜態だろう。
 にやついた笑みを頬に貼り付かせて僕を見つめる保の視線は、嘲りに満ちている。
「気持ちいいだろ?痛いのが好きなんだもんな。……ははっ」
 付着したデニムの汚れ……僕の先走りが滑りけを増し、僕をさらに責め苛む。
「くっ、ん、あぁんんっ!あ、ぁあん……やんっ、ひゃぅんっ!」
「かなりよがってるね。そろそろ欲しい?ホンモノ」
 なんだか、擦られすぎて感覚が麻痺してきた。それでも、身体の奥から湧いてくるような快感は消えない。
「?……あれ?」
591縦社会3:2006/05/12(金) 19:29:10 ID:sC86rH21
なにか不思議そうな顔をして離れていった保を見上げて、僕は異変に気づいた。
「かんじすぎちゃって、零ちゃん……こんなんで……」
 なんとなく馬鹿にしたような口調でそう囁いた保の視線の先を辿り、僕は顔を真っ赤に火照らせた。
 かんぜんに萎えてくたりと伸びている僕のそれは、精液でまみれていた。
「うそだ……だって僕は……」
 まさか。だって、射精した感覚なんてなかった。腰が熱くて……擦られている所が、熱くて……
「いいんだよ。そんだけ気持ちよかったんだろ?オチンチン擦られて……」
 だまれ、と叫ぼうとしたけれど、直後に萎えたそこを握られて身をすくませた。
 ろくに愛撫もされてないのに、僕はすぐにそこが硬くなっていくのを自覚した。

 おしつけられた熱が潜り込もうとしているのは、僕の後ろ。
「れーいちゃん?ヒクヒクさせて誘い込もうとすんなよ。そんなにがっつかなくてもすぐ食わせてやっから」
「っ……、や……やだ……っ、やぁっ」
 ティッシュを口に押し込まれる。何のつもりだ?さらに僕に屈辱感を与えようと……?
 天まで僕を突き上げるような突き上げが始まったのは、その直後だった。
「さてと。……目標、トコロテン3回……」
 いやだ!そんなの……!もう許してくれ……!!
「!っあぁんっ!あ、ああっ…あぁんっ!ひっ、やぁっ……あぅうぅん……」

ばかみたいに女のような声を上げながら、僕は首を振った。
「いやぁあん……あん、あん、あん……はぅんっ、あっあっあっ……」
「ちっ、締め付けやがって。そう簡単にイかされてたまっかよ」
「ゃ、やぁあ!あんっあんっ!あ、あ、あああ……はぁあん」

夜は更けていく。FIN
592風と木の名無しさん:2006/05/12(金) 22:23:11 ID:W449VRa5
く、苦しい。あえぎが笑える。
それでオチは?まあとにかく
乙です。

しんじられんくらい
ねこが可愛い。
593風と木の名無しさん:2006/05/12(金) 22:31:00 ID:G99SObyn

受けた
594風と木の名無しさん:2006/05/12(金) 22:32:10 ID:HiTcCblg
>>592
釣られてますよ
595風と木の名無しさん:2006/05/12(金) 23:07:15 ID:BRg8kZKi
>>594
オマエモナー
596風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 04:33:12 ID:mPNP/sD7
m9゚(゚^Д^゚)゚。プギャー!!
597風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 04:54:00 ID:seG6a6Qs
へぇなるほど
たて社会イイ!
すげえ萌えた。しかし
ぎすぎすしたスレでつねここは



598風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 11:39:34 ID:w+Ay1r3o
萎えたスレの萎え濃縮小説のコピペじゃなかろうか……
599風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 13:36:44 ID:7MQbi6U9
>縦社会
気付いたよ。801モノでこんな長いの初めて見た。
たしかに天才かもね。GJ!
600風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 15:54:34 ID:LF7u9cXq
ストーカーものか?
げんざい進行形でおわるのかよ。
エンドまで続けてください。
!!!が喘ぎ声におおいな。

おしいかんじ。
つまらないよ、ストーリーがなきゃ。

   ・・・縦って結構むずいんだね。己のボキャのなさに気づきました乙。
601風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 17:59:38 ID:63l6WT2Z
>>600
縦読み文作るのって
手短な奴でも、こういうのなら
容易に作れるよ。まあ
見破れなきゃ意味ないけどな・・・
602風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 18:39:00 ID:ek+egrjd
端からスレ違いだということにさえ気づかない
縦読み愛好家の皆さんがどこへでも移動してくれることを願い、
ついでに二度と戻らないでくれるといいなと思いつつ
投下待ち。
603風と木の名無しさん:2006/05/13(土) 19:42:09 ID:Qh7GXvO5
読み手の本音はしたらばで^^
604風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 00:56:57 ID:Mbja5/tL
あげ
605cat /etc/passwd | [email protected]:2006/05/14(日) 02:20:48 ID:/h3+y9gL
kak.hta';ken=wd+'START
606明日:2006/05/14(日) 03:53:05 ID:8KE/vzSJ
もし明日が来なかったら?と考える。
黒々とした闇が解けはじめ、地上がもっとも美しくなるあの
朝焼けを迎えずにこの世界が滅びたら。
人が神に許される、あの瞬間が来ないまま滅びたら。

いや。青年は哂う。
自分が滅ぶより先に世界が滅ぶなんてことはありえないし、
自分が死なない限り明日はやって来る。
朝が来たって神は人を許さないだろう。
神に許される、そんなのは愚かな妄想だ。

さあ、もうすぐあの男が帰って来る。
それまで少しでも寝よう。
そして朝焼けをやり過ごすんだ。あの身を切るほど美しい瞬間を。
自分には勿体なすぎるから。

おわり

607風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 09:16:05 ID:MSYXqRFO
スレタイを読まずに散文詩を綴るスレはここですか?
608風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 09:56:43 ID:AugetqU4
スレタイ読まずに甘々を延々と書き綴ったり
通し番号を省いて延々と投下し続けたりするのもこのスレです。
609風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 11:25:29 ID:ds5BiWbv
一投下に一回、エロか鬼畜が入らないとキレちゃう
「長編」という概念さえ理解できないエロキチさんも
最近棲みついてます。
610風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 13:28:43 ID:lG9ZoQ1m
延々(長編)投下でもお話自体が面白い鬼畜作品ならカモンですよ。そしてできれば完結してほしい。
強制じゃないのだからロムもスルーも自由に選択できるだろうに。
絡みは絡みスレ、感想はしたらばという住み分けもいちいちアナウンスしなくても
理解できるようになるといいね。
611風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 14:33:07 ID:wvbxRDhe
投下作品の絡みを絡みスレでやるとgdgdになるから
したらば誘導されたんジャネ?
612風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 15:02:31 ID:RmVmd/k4
>609-610
過去の経緯を知らないヤシ、もう頼むからしたらばで話してくれ。
特に>610、理解できてないのはお前さんだよ。
613風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 15:55:20 ID:mlpY3oV2
したらばのどこのスレなのか誘導お願いします。
614風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 16:03:39 ID:mZEdCTnA
>>2から飛んで自分で探せばいいんじゃね
615風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 19:33:43 ID:ytlZB/dJ
要するにアレだ。
新参は半年ROMってろ、過去スレは全読破して空気嫁るようになったらカキコめってことさ。
616風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 20:06:37 ID:z1RpZrPz
読み手はROM専で成り立つスレだしな
617風と木の名無しさん:2006/05/14(日) 20:09:21 ID:aS47XqBX
>>613
そして 乙コールする人たちも
>>2の

【関連サイト】
雑談掲示板@したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/4136/
こちらへ移動願えますかと、字過去にも散々
したらば住民が訴えているのだが

618風と木の名無しさん:2006/05/15(月) 03:50:14 ID:nQ4X4l6v
118@まとめです。
>>581
14しおり作成しました。
遅くなりました。
ご指摘有り難うございました。
619風と木の名無しさん:2006/05/15(月) 09:15:36 ID:I2TaoRlC
>618乙です!いつもありがとうございます。
朝からドーナツ つ◎
620風と木の名無しさん:2006/05/15(月) 12:32:43 ID:fdLrA7kF
>>618に感謝。
タイトル見ただけで切なくなる…

つ◎(Д゚ )ハグハグ
621風と木の名無しさん:2006/05/15(月) 18:48:05 ID:C/N/5OCJ
>>620お前が食うのかw
622オンラインゲーム50:2006/05/16(火) 16:49:26 ID:mRoxUJxq
「……ぁ…ぁ……ぁ!」
奥深く突き刺さったまま根本を拡げられ、動きが止まったかと思えば、大量の射精が始まった。
ビューッと勢いよく吐き出された後、徐々に勢いは弱まり、終りか?と思った瞬間グッと腰を押し付けられてまた勢いを増す。それを何度か繰り返されお腹が苦しくなってくる。
「…ンう!ぁ…!」
「…苦しいか?でも感じてんな。中がいい具合に痙攣して…たまんねぇ」
「は、はっ…、あっ」
男は前に手を回し、反応を見せる俺自身を掴むと自分の体に引き寄せる様に力を入れた。
「ぁう!」
そして腰を軽く揺さぶりながら同じリズムで俺のモノも扱き出す。
「あ、あ、あっ、んあぁ」
苦しい。腹の圧迫と過ぎた快楽が交互にやってくる。ビクビクと締め付ける度に、中に吐き出されたものが隙間から溢れ出て、俺の足までを濡らしていた。

「はぁ、はぁ、はぁ…」
長い長い射精はいつの間にか終わっていた。その間、俺も何度かイッたようだ。
男は動きを止め、中に入れたまま呼吸を整えている。
「…やべぇな」
独り言のように呟き、うつ伏せていた俺の体を繋げたまま起こし、抱え上げる。
「ちょっ…!」
「このまま抜いたら小屋ん中汚しちまうだろーが。まぁ既に汚れてっけどな、お前ので」
言われて、目の前の精液でぐちゃぐちゃになった寝床を見て恥ずかしさに顔が熱くなる。
「このまま外行くぞ」
「…っ!!」
外はだいぶ暗くなっていた。他の人に見られる事は無いだろうが、こんな格好でしかも嵌められたまま外に出るなんて恥ずかし過ぎる。しかも男が歩く度に中が擦れて、零れ出て来てたまらない。
それでももう、抵抗する気力も無くてされるがままだった。
623オンラインゲーム51:2006/05/16(火) 16:50:10 ID:mRoxUJxq
ピチャン…
近くの湖まで連れて来られた。怪物に嬲られていたあの湖だ。ゆっくり水に浸かると男は自分のものを抜いた。
「ん、はァ…」
ドロリと中のものが出ていく感じに身震いする。圧迫が減り、力が抜ける。そこへ男の指が入り、中を掻き出す様に動きだした。
「どーだったよ俺のSEXは?」
「あっ、あ。も、もう…死ぬ」
「死ぬほど良かったか」
「死ぬほど、良かったけど、…ん、死ぬほど苦し、い…」
「初めは苦しいかもしれねぇが、段々それが癖になってくるぜ。俺以外じゃ物足りねぇ身体にしてやるよ」
言いながら、男はまた俺の中に突き入れた。
「うっあ、あぁぁ!!!」
前から抱え上げられ入れられた格好で、俺は必死に男の首に腕を回ししがみついた。
激し過ぎる突き上げにまた苦しくなる。だが不思議な実のおかげで中は濡れ、痛みは無かった。あるのは圧迫される苦しさと、ぬるぬると擦られる快感。
快感とはいえ気持ちの良いものではなかった。過ぎた快楽は突き刺さるような刺激となって俺を貫いた。
「あっ、はっ、ふ、あぁぁ…」
それでも絶頂を迎えれば気持ちの良い快楽だけが俺を包み、疲労しきった身体が無くなってしまったかのように軽くなり、意識が白くなった。実際は数秒の事だったが、俺には長く感じられた。
「…っ、イったの、か?…ハっ、コイツ射精せずにイきやがった」
「あああ…あっ、も、無理…」
達しても男は動きを止める気配が無い。これ以上されては本当に壊れてしまいそうだった。
「一度出しちまったからまだもつぜ。俺が満足するまで、付き合ってもらうからなァ」
「っ、ひっ、い、あっあ…!」
俺は今更、男の条件をのんだ事を後悔していた。
624オンライン:2006/05/16(火) 16:51:47 ID:mRoxUJxq
ここまでです。
書き忘れましたが前スレ494の続きです。
毎回ですが間が開き過ぎて申し訳ないです。
625風と木の名無しさん:2006/05/16(火) 17:06:08 ID:y4e1zq7q
ア…アリスタソ大好きだー! アリスタンどんだけ良い性奴になってくれるのか…。
(現実じゃないしなー)というウソの中で、なし崩し的にハメを外されていくのが
毎回萌え!!!
626風と木の名無しさん:2006/05/16(火) 21:01:20 ID:3DIGl+i4
あげ
627兄弟 ショタもの1 :2006/05/17(水) 20:01:58 ID:/4SIO3Uu
「高志 さっきやったばかりなのにもうパンツ汚してるじゃないか。
 お前もう我慢できないのか?」

中学になったばかりの兄貴が
ボクのパンツの中に手を突っ込んで覗き込んだかと思うと
いきなり下半身を丸裸にした。

「やっ…おにいちゃん…ボク、男のコだよ…?」

ボクはこれから起こる事を想像して部屋の中から逃げ出した。
兄貴はボクを捕まえようと廊下を後ろから追いかけてくる。

兄貴の手の中にはボクの嫌いな 【モノ】 が・・・
あんな【モノ】をまた着けられるなんてイヤだ!
兄貴はボクがあれを着けるのがどんなにイヤなのか全然判っていない。

ボクは兄貴の手から逃れるために必死になって逃げた。
だが大きな兄貴からは逃げられなかった。

「捕まえたぞ、高志。観念して俺の言う事を聞け。」

兄貴はボクの両肩を捕らえるとボクを上向きに押し倒した。
背中に廊下のフローリングの冷たさがひんやりと伝わってきた。

そして目の前の兄貴の視線はボクの下半身に集中している。
兄貴の呼吸は荒く、視線がボクには痛い。

兄貴はボクの両足を片手で掴んで高々と持ち上げた。
ボクのお尻は床から浮いた状態になった。
兄貴は右手に持っていた【モノ】を床の上に広げるとボクの両足を大股に広げた。
ボクのオチンチンもお尻の穴も兄貴から丸見えにされた。
ボクは身体をひねって逃げようとするが駄目だった。
628風と木の名無しさん:2006/05/17(水) 20:08:22 ID:rcrTrUdV
はいはいコピペ乙
629風と木の名無しさん:2006/05/17(水) 20:35:57 ID:3xMKg/mg
何度目だナウシカ。オムツネタ乙。

630風と木の名無しさん:2006/05/18(木) 18:15:26 ID:0cyqIEwt
オチの部分カットしたら意味わかんないじゃん
631風と木の名無しさん:2006/05/18(木) 22:59:40 ID:FfXuTSXh
いいんだよ、荒らしなんだから。
632風と木の名無しさん:2006/05/19(金) 19:21:41 ID:+PFzA5gM
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
□!!!これを見た貴方は3日以内に死にます!!!■
■死にたくなければ、このレスをコピーして他のスレに □
□10回貼り付けて下さい。1時間以内にです!もし無視■
■した場合は、今日寝ている間に富子さんがやってきて□
□貴方の首を絞めに来ます。富子さんは太平洋戦争の■
■時に16歳という若さで亡くなった女の子で、未だに成 □
□仏していないそうです。信じる信じないは貴方次第。 ■
■今年になってからこのレスを無視した人で、“呪われ □
□て死亡した人”が続出しています。これは富子さんの ■
■呪い。呪われて死んでもいいのならこれを無視するこ□
□とでしょうね。                        ■
■――貴方がこうしているうちに富子さんが後ろから見□
□ていますよ…。                       ■
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
633風と木の名無しさん:2006/05/19(金) 23:16:29 ID:SIW9+jfC
全国の富子さんに失礼だろう
634風と木の名無しさん:2006/05/20(土) 20:13:58 ID:uSNl1h3I
>>633富子乙
635風と木の名無しさん:2006/05/20(土) 23:48:30 ID:FIhcMYVL
ageてみる
636風と木の名無しさん:2006/05/21(日) 10:40:48 ID:mSuFDQWg
このスレに貼ってあるウィルス、誰も削除しないんだな。
637風と木の名無しさん:2006/05/21(日) 13:36:42 ID:fzFERMmY
そろそろ次スレかな?
638少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:01:46 ID:Gpd47Qq+
投下します。
特殊要素無しですが、嫌いな方はスルーでよろしく。

夜も滔々と更けた時分、門を叩く音に門番は顔をしかめた。
2人組で守をする相棒との他愛も無い話を中断させられた不愉快さででは無い。
夜遅くに、しかもこの超高級な家の裏門を叩く不躾さが気に食わないわけでもない。
癖のある、この戸の叩き方をする客が嫌いなのだ。

「……誰だ」
しかし彼はこの家の主人――超高級住宅街に豪邸を構えるような身分の、高潔な男性の客なのだ。
一介の門番の気分で締め出すわけにもいかない。
でも相手に対する嫌悪は全く隠さずに、門番は名を糾した。
その不機嫌さをものともしない、若い男の小声が聞こえて、さらに眉をしかめる。
「分かってるだろ。俺だ」

本当に仕方なく、扉を開けてやる。向こうには予想通りの人間がいた。
黒っぽい、有名なスポーツメーカーの運動着――主人の客としては余りに場違いだと、門番は嘆いた――を着た、誰か。
フードを被り、顔立ちは分からない。背格好は低いといっていい。色気の無い女のようだ。
だが格好に反して背筋はぴんと伸び、足取りには女の柔らかさは無い。
そして何より、声に凛とした少年らしい響きがあった。
「今夜も、主人に招かれて来た。案内を」
「分かっている。黙ってついて来い」
まるで、一言でも彼と話すのが汚らわしいとでも言うように。
門番は応援を頼んでから、屋敷へと彼を導いて歩き出した。
639少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:02:28 ID:Gpd47Qq+
本当にそこは絵に書いたような豪邸だった。
大理石の床、赤い絨毯、眼のくらむようなシャンデリアに装飾品の数々。
もう大方の人間が寝静まった今は、それらが住人と取って代わったような雰囲気さえ覚える。
その中にあって、やはり少年は場違いな雰囲気だった。
「……全く……お前に恥というものは無いのかね。そんな格好で……」
門番は聞こえよがしに、『独り言』を言っていた。
少年は気にすることも無く――気にしていても、そんなそぶりは見せずに、黙って門番の後をついて歩く。
「だいたい、昼だってまっとうな仕事してるわけでもないんだ、夜くらい働いて見せろよこの淫売」
反応しない少年にこそいらだつように、門番は続ける。
「昼だって俺よりでかい金稼いでるくせに金が足りないとは、どんな浪費をしてるってンだ。
 だから身も心も売るだと、本当に卑しい野良猫の根性は理解しがたいね。両親もあきれ果ててるだろうに」
「両親はとっくに他界した」
少年が告げる。声音に感慨は無く、それが相当昔の出来事であるように思える。
「それに心は売っていない」
「いくら金を詰まれても、それだけは譲れませんってか?下賎な、野良犬めが」
は、と門番が蔑みきった声で笑った。
客をこれだけ愚弄して、彼も危なくないはず無いだろうが、声をひそめもせずに言う。
まるで、主人以外の全世界がそう思っていると確信しているように。

少年はかぶりを振った。門番は意味を履き違えていた。
どうせ聞きはしないだろうが、少年は呟いた。
「身体は売れても、心に買い手が付かなかっただけだ」
門番は予想通り、それがどうしたというように鼻を鳴らして――主人の元に彼を送り届けた。
640少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:03:03 ID:Gpd47Qq+
「おお、私が招いた子――」
重厚な色使いの主人の部屋に通され、二人きりになるや否や、主人が態度を変えた。
門番や召使や奥方と接する時の、高潔で朗明で穏やかな人柄はそのままに、どこか狂おしい影にとらわれた表情。
それを少年に見せつけながら、両手を開いて迎えにいく。
「招きに応じてくれた事を感謝する。お前は私と、妻の誇りの象徴であり、希望であり、
 ――そして私の支えだ」
ぐっと強く抱かれながら、そう囁かれる。少年は腕をそっと主人の背に回す。
フードもそのままに口付けられると、その指が少し強張り、そして緩やかに弛緩した。
初めは子を愛しむ様だったキスが、次第に恋人、愛するもの、そして最も愛するものにする深いキスに変じていく。
唇の表層が触れ合うだけのキスが、最後は舌を絡めあって喘ぐほどのものに変わる。

少年の喉仏が数度上下してから、主人はやっと離れた。そっと、フードを下ろす。
そして、両手で頬を包み込んで、上を向かせる。

「美しい子だ」
ぽつりと漏らす、それが彼を全て表現していた。
見たところ未成年の彼は、確かに整った目鼻立ちをしていた。雪深い国が故郷なのだという彼は、色も白い。
だがそれだけの男女ならばいくらでもいる。
彼の表情には怒りや悲しみや、彼が今まで経験したあらゆる憂いを上掛けしたような、大人びた雰囲気があった。
それでいて、なよなよした厭らしさは無い。このバランスが、主人は大好きだった。

大好きだから、味わいたかった。
「服を脱ぎなさい」
641少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:03:33 ID:Gpd47Qq+
「……はい、旦那様」
少年は部屋の中央だというのに、あまりためらい無く服に手を掛けた。よほど、慣れているのだろう。
黒い運動着の上を先ず脱ぎ、その下のシャツ、運動着の下、最後に下着を取り払っても、恐縮はしない。
「美しい身体だ。目利きの私も見たことのない美術品のようだ」
様子を観察していた主人の瞳が喜びに細まる。
やはり彼の身体は美しかった。未完成な男としての、一瞬の美しさであり、女性にも青年の男性も真似できないものだった。
細くしなやかでそれでいて強靭で、主人の最愛の『もの』だった。
感動に震えるように、主人が命令する。
「見せてほしい我が子よ。お前の、美しさを、余すところ無く」
その意を汲み取り、少年の瞳が微かに揺れた。紫色の、夜明けのような色の瞳が。
だが、すぐに瞬きをして揺らぎを消すと、小さく、はい、と返事をした。そして凛とした姿勢のまま、寝台に向かった。

高級なシーツに皺を作りながら、主人の見やすい位置に陣取る。
そしてゆっくりと、肘を付いて寝転びながら膝を広げた。主人が眼を更に細めた。
「……ご覧になれますか」
微かに瞳を揺らしながら、少年が聞いた。羞恥は、しているらしい。
主人は取って置きの宝物でも眺めるように、しっとりとした視線を向けて、微笑む。
「見えるよ……お前の殆どが。
 羞恥したお前の顔、鎖骨から腹まで、呼吸で動くさまも、……ああ、ちゃんと手入れしてある下の毛も、
 お前のそれも、その下の袋まで……殆ど、全部だ」
少年は恥じ入ったように瞳を伏せたが、は、っと気が付く。まだ見せていないところがあった。
その証拠に、主人が寝台に近付いてくる音がする。

主人が十分近くによった所で、少年はそっと姿勢を変えた。
今度こそ、彼の全てを見せるような姿勢に。
642少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:04:12 ID:Gpd47Qq+
「ああ、なんと聡い子だ。自分の至らないところに誰よりも早く気がつき、修正する。
 それは誰もが求めてやまない力だ。本当に、なんて聡い子だ…」
何度やっても苦しく、この上ない羞恥を伴う姿勢に、少年の息が詰まる。
自分で膝裏を抱え上げ、男を咥える事を覚えた場所を、その咥えさせている男にさらけ出す姿勢。
「ふふ、本当にお前は美しい。このような、排泄物をひりだすような孔まで、まるで季節の花弁の色をしている。
 きちんと手入れされているね。本当に聡い子だ……」
不意に、主人がほめながら寝台に上がってきた。何をするかは――知っている。

「あああああああああああッ――!」
何の用意もされること無く、主人の肉棒が少年の後孔を貫いた。
ぐいぐいと力任せに押し込まれるその塊が、小さな穴には大変な負担だった。必死で、抵抗しないように自分自身を抑える。
力を抜くのではなく、逆に力を込めると、実はそこは広がりやすい。不意に切れそうな危うい状況で、それだけを信じる。
声をからして泣き叫ぶ少年を心底いとおしげに眺める主人は、狂喜の淵を覗いていた。
「ああ、我が子よ……泣き叫ぶ声音まで、どうして、そう、私を誘うのだ」
その細い身体を残酷に押さえつけ、ずぶずぶと根本まで突き刺す男は、とても高潔な主人とは思えない。
にたにた笑いながら少年の性器を握り、身体を嘗め回す男は、到底朗明な主人とは考えられなかった。
でもコレが現実なのだ。狂ったような彼こそが、誰にも見せない彼自身の一部なのだ。
少年は痛みに呻きながら、必死に耐えた。
もののように、壊すこと――壊された身体はともかく、心を傷つけることに罪悪感の無い男に辱められながら、
彼を満足させるために動いた。腰を振って、彼の肉棒を擦り上げる。
「ンは・・・ぐッ……はぁっ…」
『下賎な、野良犬が……』
ふと、貶められる言葉を聞いた気がして目を開けた。誰の言葉か重い出せない。
いつも同じようなことを色々な人間に言われるから、誰に言われたのか思い出せなかった。
荒い息をつきながら記憶を探るが、ついいに門番の顔は出てこなかった。

そのかわり、少年はいつもどうやって耐えているかを思い出しかけていた。
643少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:06:15 ID:Gpd47Qq+
「ぁあっ…!」
少年の体内にある、僅かなしこりに男のカリが引っかかって押しつぶされた。
瞬間、宙に投げ出されるような快感が背筋を走って、全身に染み渡る。――ここだ。
少年は自分から、そこを突いてもらえるように腰を動かし始めた。
「色艶を帯びたお前はことさら美しいな……」
主人が優しく呟きながら、容赦なく少年を責め上げる。膨れた欲望が、少年の弱点をひたすら擦り挙げた。
「あ、あぁッ!んは…ぅ!あ、う」
気持ちいい。痛いけれど、こうすれば羞恥も嫌悪もない。
こうだ。俺は、こうやって耐えてきたのだ。その確信があった。
少年は指が真っ白になるまでシーツを掴み、思う存分嬌声を上げてのた打ち回った。
涎が垂れたが、拭くところも余裕も無い。放っておくと、主人がべろりと舐めて、酔っ払ったように囁いた。
「お前の全てがいとおしくてたまらない……本当に」
そして、本当にいとおしいとは察せ無いような荒々しい腰つきで少年を貪った。
「ん、!ぁ、だ、…だん、な様…ぁ」
少年は少年で、その腰使いに合わせるように激しく尻を振った。
さながら雌の獣のように、ただ快楽で全てを忘れるために、より強い快楽を望んで、堕落する。
ぼうっとして来た少年をそっと撫でながら、主人が問いかける。
「我が子よ…、っ、お前は、私を……愛してくれるか…・・・?」

少年は我を忘れたふりを、した。
「あっ、いッぁ…い、きもち、い…」
ハアハアと荒い無様な息をつきながら背をそらし、精一杯甘える。
脚を主人の腰に絡めて、やわらかい尻たぶが主人の身体に触れるほどの挿入を求めた。
そして、
「ああ、ぁ…く、ぁあッ!!」
これ見よがしに、果てた。強制的な快楽とはいえ、本気で気をやる。
本気で感応の絶頂にある身体は、勝手に主人の肉棒を愛撫するすべを知っているから、あとは余韻に身を任せる。
ねっとりと包み込む粘膜が、雄の絶頂を催促し、
――ほら、果てた。
644少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:06:49 ID:Gpd47Qq+
ふかふかの寝台に身体を預け、余韻にぐったりとしている少年。
それをどこか悲しげないとおしさを交えながら眺める主人。場は、完全に二人の密室だった。
「……お前は、いつも…私には応えてくれないんだね。我がいとおしい子よ」
少年は気だるげな眼差しを主人に向けた。そっと答える。
「……俺は、下賎の出自です。
 親を殺され、売られ、卑しい技術を教えられて、今貴方の寝台にいることすら夢のはずだったような、ものです。
 正式な奥方もいらっしゃる貴方が、このような事を考えるのは、お止めになってください……」
「妻はお前を気に入っている。正式な養子にしてやる事も不可能ではないよ」
「それは……昼の俺が好きなだけで。今の姿を見られたら、卒倒してしまうでしょう」
「関係だけ闇に葬ってしまえばいい」
「奥様を裏切るのはお止めになってください。もう……十分ではないですか」
主人はかぶりを振った。そっと近付き、少年の垂れた頭を撫でながら、呟く。
「お前は私の思いを理解してくれているのだと思っているよ……何しろ、お前は聡い子だから」

緩やかなその雰囲気に、少年がため息をついた――そのとき。
がちゃり、そんな音がして、少年の手首に手錠が掛かった。
「な」
呆気に取られた彼を、さらに主人は足かせと縄で答えた。
意味がわからないといったように眼を開く彼に、主人は悲しげな瞳で継げた。
「お前は聡い子だから……ほんの少しのお仕置きで、理解してくれるだろう?」
愕然とおののく少年を抱きかかえるようにして、主人は寝台から立ち上がった。そっと歩き出す。
そして寝台の柱をなにやら操作すると、信じられないことに、書棚が裏返って新たな部屋が見えた。
だが、少年はこの部屋を見たことがあった。ではなぜ愕然としたかというと、
「……なぜ、……愛しているといいながら……傷つけたいのです?」
その部屋の壁に並ぶ、数々のハードプレイ用の性具と甘い言葉のギャップに慄いたからだ。
だが主人は半ば平然と、
「愛しているから……傷つけてでも、手に入れたいのだよ」

そういって、完全防音となっている裏の部屋と表をつなぐ扉を、完全に閉めた。
645少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:07:20 ID:Gpd47Qq+
翌日の夜中ごろ、門番はまた顔をしかめることになった。
今度は内側から出て行こうとする少年に、声を掛けられる羽目になったからだ。ついていない。
「散々寵愛されて、うれしい限りだなぁ、このケツ穴野郎。
 かわいがってくださる奥様を裏切る気持ちはどんなもんだ。さぞ愉快なんだろうな」
少年は見るからに憔悴していた。考えてみれば丸一日拘束されていたのだ。
主人はいつもどおり仕事をしていたから、空いた時間何をしていたか知る由は無いが、その間も休ませてもらった様子は無い。
ようするに、丸一日ずっとこのきれいな屋敷を小汚い体液で汚していたに違いない。

「迷い犬は外に出やがれ、くそ」
だから、精一杯口汚い言葉でののしりながら、突き飛ばすように外へ出してやった。
そして最後に唾を吐きかける心地で門を閉めた。
最後にちらりと見えたその瞳は、やはり凛として気にした様子は無かった。門番は毒づきながら、また持ち場に戻った。

少年は消耗していた。
明らかに自分でもふらついていると分かる足取りで、豪邸から離れる。ここは俺の居場所ではない、と呟く。
白亜の豪邸の角を曲がり、次の角を直進し、次の次の角を曲がろうとした所で。

突然、温かいものに抱きしめらて、少年は立ち止まった。
見知った相手だった。だからなのか、不思議と驚きはなかった。抜けそうな足の力を必死で込めながら、憮然と呟く。
「……何、迎えに来てんだよ。怪我人はおとなしくしとけよ」
そういって突き放そうとすると、もっと強く抱きしめられた。息が出来なくなりそうなほどだった。
息が出来ないことを、少年は歓迎した。
今息が吐けたら、ひょっとしたら泣いてしまうこともあるかもしれないと思ったからだ。
646少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:08:10 ID:Gpd47Qq+
しばらくしてから、相手は少年を離して、一歩引いた。
相手は、背の高い少年だった。体格はよかったが、童顔で人がよさそうな顔立ちだ。
だが今その表情はくしゃくしゃになっている。まるで、豪邸で何が起こったか全て知っているように。
「何泣いてんのお前。道の真ん中で泣くなよ。ていうか何でお前が泣く。マジ恥ずかしいって。ほら」
少年に差し出されたハンカチで涙と洟を拭くが、一向に収まらない嗚咽が超高級住宅街に響く。
「本当は俺が泣くところじゃねぇか。何でお前が変わりに泣いてんだよ。俺泣くに泣けないじゃん。どうしてくれる」
「……ッめん……本当に、ごめん…ック…心配、で……」
背の高い少年は何度も入念に涙をぬぐったが、それでも尽きないのでやがてあきらめたようだった。
掌で隠すように涙をぬぐうその身体は、涙の尽きない心より酷く傷ついていた。
片足を不自然に引き摺り、松葉杖に縋る腕も包帯で巻かれて頼りない。絆創膏など、数え飽きるほどだった。
彼は数週間前にあることで大怪我をし、今も脚が完治していない状態である。
その身体で、迎えに来たというのだ。

「お前の脚治すのに、あのぼったくり病院に払う金作んなきゃ。わかってるだろ?
 昼間――昼間の試合だけじゃ、いくらなんでも無理だって……」
「もう……脚、いいよ、……俺のせいでお前が傷つくの、…もう嫌だ……」
今度はそっと抱きしめられた。少年の消耗した身体を支え、労わる抱きしめ方で、思わず少年は縋りついていた。
「売られてから、二人で頑張ってここまで来たんだよ……もう、いいよ」
ああ、やはりここが俺の居場所なのだ、と思って安心して力を抜く。

が、数瞬後にまた思いなおす。自分の居場所ならば、死ぬ気で守らねばならない。
「離してくれ」
少年は凛として立って、歩き出した。慌てて、もう一人が後を追う。かつかつと杖を突く音がする。
「俺がここまで意固地になるのを笑うなら笑えよ。ただな……」
少年は少しためらうように、唇を舐めて次げた。
「……俺はそう簡単に傷つかない。だから、傷ついてるお前を守りたい。それだけ」
――また始まった嗚咽に辟易しながら、少年は帰路についた。
その嗚咽の主は、少年の心というとんでもなく高価なものを与えられて、戸惑っているようにも見得た。
647少年と値段と買い手について:2006/05/22(月) 03:10:03 ID:Gpd47Qq+
終わりです。
突発的に書いたので整合性に欠けると思いますが、脳内補完でお願いします。
ありがとうござました。
648風と木の名無しさん:2006/05/22(月) 03:21:47 ID:UwPyqtsD
初めてのリアルタイム…!こんな夜遅くまで起きてて良かった!
凛と威風堂々の少年が男前でツルッツルになるまで禿げました。
短編ながらもギュッと中身が詰まった切ない作品を有難う!!
649風と木の名無しさん:2006/05/22(月) 11:09:18 ID:NhlFpgUK
乙ですー!
少年に拠り所がいて良かった…と鬼畜スレなのに
こっそりと思ってしまいました。
650風と木の名無しさん:2006/05/22(月) 22:53:43 ID:kI9qIU2y
GJ!
イイヨイイヨー(・∀・)好みだよー。
651風と木の名無しさん:2006/05/22(月) 23:08:48 ID:yWZm3F33
あげ
652風と木の名無しさん:2006/05/22(月) 23:29:30 ID:wVOTKn0W
GJ−−−−−!!
まだプラトニックかもしれないけど、
怪我少年×少年も想像しちゃっておいしく禿げ萌えさせていただきました。
653風と木の名無しさん:2006/05/24(水) 20:32:42 ID:U+NuOR4f
そろそろ次スレ立ててきてもいい?
テンプレ変更でおk?
654風と木の名無しさん:2006/05/24(水) 20:34:09 ID:U+NuOR4f
違うorz
テンプレは変更なしでよいですか?
655風と木の名無しさん:2006/05/24(水) 20:58:08 ID:8a/qNH1F
まだ451KBだけど…500KBまでいけるんじゃないの?
もう立てるの?
656風と木の名無しさん:2006/05/24(水) 21:00:12 ID:U+NuOR4f
>>655
>>637で話題が出てたから早いほうがいいのかと思ってた。
すまんorz
657鳥かご:2006/05/25(木) 14:00:43 ID:S+dyuZZc
投下します。
中世風。注意点:特にないと思います。
苦手な方は避けてください。
658鳥かご1:2006/05/25(木) 14:03:14 ID:S+dyuZZc
王城を出立してから数時間は過ぎただろうか。
ムスタファは隣で自在に栗毛の馬を操る少年をふと見遣って言った。
「殿下は故郷を振り返ろうとはしないのですね」
殿下と呼ばれた少年もムスタファを見る。そして微笑んだ。
「はい、僕はもう覚悟を決めています。だから後ろを振り返ったりはしません」
少年はまだあどけないながらも凛々しい面差しをしている。
「それから殿下なんてやめてください。ムスタファ殿」
「……ではミハイル王子…ミハイル様」
ムスタファは少年の名前を舌先で転がした。少年の髪が陽に透ける。行く手に広がる草原。
帝国の都への旅は始まったばかりだった。




北方の小国、ニコルニア公国は独立を失い、帝国の軍門に下ることになった。
帝国領に組み込まれ属国となる際の臣従の証、人質を差出せと帝国は公国に要求した。
帝国中央から派遣された軍人であるムスタファは、公国君主の末の息子ミハイルを人質として指名した。
「王子はまだ子供です……!」
公国近衛隊長のカルダムは悲鳴のような声で反対した。その声を遮るようにムスタファは言い募る。
「これは皇帝陛下の勅命である。断ることはできない」
「しかし……!」
それでも反対しようとするカルダムを止めたのは当のミハイル王子だった。
「僕は行きます」

659鳥かご2:2006/05/25(木) 14:05:18 ID:S+dyuZZc
風を受けて目を瞑りながらミハイルは想った。振り返らなくても故郷は瞼の裏に焼きついている。
百合の谷、青い川、灰色の王城。最後にイコンに祈りをささげた。
城を出発する時、たくさんの人が泣いていた。家族や家臣、そして領民たち。
父上、母上、兄上たち、姉上、それに妹のユリア。皆のうちの誰かが人質になって苦労するくらいなら
自分がなれて嬉しかった。どんな労苦も厭わない。祖国のためなら。
乳母の子で幼馴染みのシルヴィに近衛隊長のカルダム。懐かしくて愛しい人たちを次々に思い浮かべた。




公国から帝国の首都までは数十日を要した。様々な人種が入り乱れる都の喧騒や賑わいに
ミハイルは目を白黒させた。こんな都会に来たのは生まれて初めてだったのだ。
巨大なモスクを横目で見ながら宮殿をめざす。表敬の門をくぐればそこはもう皇帝の宮殿だった。
「遠方よりよく来てくれた!王子よ」
抱きしめんばかりに皇帝はミハイルの到着を喜んだ。歓迎の晩餐会ではミハイルが見たこともない
豪華な宮廷料理が振舞われた。

「ミハイル様、あれは直した方がいいですよ」
晩餐会から六日後、宮殿内を散策しながらムスタファが穏やかに語りかける。
「はいの時は首を横に振り、いいえの時は縦に振る癖。公国の習慣なのかもしれないが、紛らわしくて」
ミハイルは少し照れた。
「努力するよ」
都ではどんな労苦が待ち受けているのか内心恐れてもいた。しかしそんなのは杞憂だった
のかもしれないな、とミハイルが思いはじめた頃―――あの事件が起こった。
660鳥かご3:2006/05/25(木) 14:07:52 ID:S+dyuZZc
皇帝のマトン臭い息の下にミハイルは組み敷かれた。服を無残に破られ驚愕で言葉も出ない。
深夜、皇帝に呼ばれた。疑うこともなく皇帝の部屋でしばらく話をして、その後いきなり襲われた。
甲までびっしり毛の生えた太い手で身体中をまさぐられ、首筋に吸い付かれる。
それから皇帝のでっぷりとした腹が押し付けられた。
「……陛下おやめください!」
なんとか驚愕から立ち直って抵抗するミハイルだが、皇帝は強い力で抑え込む。
「一年ほど前だったか。お前が父大公とともに、直轄州に居た余に謁見しに参った日よりこの時を楽し
みにしていたのだ。止められぬわ」
はあはあと荒い息をミハイルに吹きかけながら、皇帝の指は下へ下へと降りていく。
ぬるぬると舌を這わし、ミハイルの胸を唾液まみれにしていった。
そしてろくに解しもせず、早急に怒張した男根をミハイルの双丘に押し当てた。
「痛い!痛い!」
激しく抵抗してミハイルは苦痛を訴えた。先が触れただけで強烈な痛みが走ったのだ。
「くそっ入らぬか」
どうでも入らないとわかった皇帝は、今度はムンと悪臭を放つ陰茎をミハイルの唇に押し付けた。
しかし押し付けられてもミハイルにはどうしていいのかわからなかった。ただ驚愕し、黒ずんだ
男根の異様な形に恐れおののいた。
「早く口を開かぬか!」
皇帝はミハイルの髪の毛が抜けるほど頭を無造作に掴み上げ、振り回した。
「おやめ……くだ…さ」
少し開いたミハイルの口に男根を押し込む。
「いやだぁ―――ッ!」
皇帝がこんな無体を働くとは予想だにしていなかったミハイルは、恐怖と嫌悪のあまり脂肪だらけの
腹を突き飛ばした。皇帝もまた拒絶されるとは夢にも思っていなかったのでポカンとした。
次に猛烈に怒り出した。ミハイルがベッドの下に吹っ飛び、家具に頭をぶつけるまで勢いよく張り倒した。
「余を拒むものなど地上に存在してはならぬのだ!」
661鳥かご4:2006/05/25(木) 14:10:00 ID:S+dyuZZc
短剣の鞘を抜き、ミハイルを切りつけようと襲いかかる。しかし物音を聞きつけた衛兵によって
皇帝は取り押さえられた。
「陛下、どうかここはお納めください」
衛兵が必死になだめる。
「この役立たずが!」
怒りのあまり皇帝は泡をふいてわめき散らす。
「お前の国など余の胸先三寸でいつでも滅ぼせるのだぞ!」
「……!」
皇帝の逆上を青ざめながら見つめていたミハイルは、その言葉で硬直した。
「陛下、ここは私に任せていただけませんか」
重低音の声が皇帝の動きを止めた。ムスタファだった。騒ぎを聞きつけて、しばらく前に駆けつけて
いた。部屋の惨状と二人の様子を見て、何が起きたのか瞬時に理解していた。
「おおムスタファか!こやつをどうにかしてくれ!」
ムスタファは皇帝の信頼を相当勝ち得ているようだ。
「そうだ、そやつをお前が調教しろ。余の性奴となるようにな!」
思いつきに皇帝は目を輝かせた。そしてさらに言い募る。
「それからそやつの名前だが、異国のものは覚えにくくてかなわん。いっそ余が新しい名を
与えてやろう……ハーフィズはどうだ?余が飼っていた犬の名だ。いたぶり過ぎて仔犬のうち
に殺してしまったがな!」
皇帝は狂ったように笑い出した。
662鳥かご:2006/05/25(木) 14:11:49 ID:S+dyuZZc
とりあえずここまで。失礼しました。
663風と木の名無しさん:2006/05/25(木) 20:52:11 ID:RJqUfQFA
おお乙ー!!
中世風鬼畜ですか?
わんこの名前付けられる王子の今後が気になる…(・∀・)
664風と木の名無しさん:2006/05/25(木) 21:10:52 ID:TCskdMuU
もももももモエス!(・∀・)
ワンコ王子に期待大です!
665風と木の名無しさん:2006/05/26(金) 20:06:40 ID:mHcjiuCW
                      i((´        ゙i((i(((
( \               _  i))|  ⌒   ⌒  |))i))))  _                  / )
 \ \  _ _ _   /  )i((| (●)  (<) |((i(((((((   \   _ _ _   / /
  \ \(  | | |)/  / i^)|ヽ   ・・  ノ|)^i)))))))). \  \( |  |.  |  )/ /
    ) |_|_|_||  /   し|  ../ニ\.  |iし((((((((   |   | |_ |_ | _|  (
    | \__\___\__)  )     | /|_|_|_|_|\. |  )))))))   (  (__/___/__/   |
    |       /   |     ヽ\ __/ /  ((((((    |   \        |
    |     /    /      |ヽ、___,/|   )))ソ     .|     \      /
     \    (    /                        .\     )    /
666風と木の名無しさん:2006/05/26(金) 20:43:30 ID:4TIdUMs/
>>665
ちょwwwwwなんでここにwwwwwwwwwwww
667鳥かご:2006/05/27(土) 00:52:53 ID:MQHs725N
投下します。
苦手な方はスルーしてください。
668鳥かご5:2006/05/27(土) 00:53:46 ID:MQHs725N
皇帝の逆鱗に触れたミハイルは部屋を取り上げられ、宦官の宿舎の奥に追いやられた。
それから名前も取り上げられ、ミハイルではなくハーフィズと呼ばれることになってしまった。
「待遇も犬のように、ということだ」
以前の美しい部屋とは全く違う、暗く汚れた部屋の入り口に立ったムスタファが静かに語りかける。
皇帝に襲われてからまだ一日しか経っていない。掴まれた腕や腰が痛くてしょうがなかった。
「ミハイル……いやハーフィズ……」
「そんな名前は知らない。ミハイルだ」
ミハイルは毅然として言い返す。父大公が付けてくださった誇り高い名前だ。
なのになぜ犬の名前なんかで呼ばれなくてはならないのか。屈辱に身震いする。
「あなたは……お前はまだ自分の立場がわかっていないようだ」
ムスタファが感情の読み取れない暗褐色の眼で見下ろす。
「お前は公国を出る時、覚悟はついていると言ったじゃないか」
「……どんな苦労や痛みにも耐えるつもりだ。でもこんな辱めは知らなかった!」
ムスタファはため息をついた。
「とにかく今日は鞭打つように言われている。とりあえずは鞭の痛みに耐えてみろ」
ミハイルの両手を縛り上げ、服を剥ぎ取る。ムスタファは鞭をしならせた。
「数をかぞえることだ」

バシッバシッと派手な音を立てて、ミハイルの背中に赤い線を描いていく。
「……にじゅう…ッろく」
鞭はたまに腕や尻など別の場所を掠めていく。激しい痛みが駆け抜ける。
「うあぁ…ッ」
「ほらちゃんとかぞえないか!」
「うッ…にじゅう…なな…ッ」
ミハイルの背中が弓なりにしなる。
「帝国では皇帝の命令は神の言葉だ」
669鳥かご6:2006/05/27(土) 00:54:52 ID:MQHs725N
ムスタファが鞭を振り上げる。
「アァッ…にじゅう…はち」
「お前の質は公国だ。国を思うなら誇りなんか捨てろ」
バシッ。乾いた音が空気を切り裂く。
「にじゅう…くッ!…きゅう」
「……俺はお前の調教を仰せつかった」
「……さんじゅ…ぅ……」
三十回を数え終わるのと同時にミハイルは気絶した。ムスタファは鞭を下ろした。


薄れゆく意識の中でミハイルは幻を見た。ある雪の日の夕食。家族と過ごした王城。
北の国だけあって冬はひどく寒いが、その分皆で狭い部屋に固まって過ごした。
皆を守るために帝都に来たんじゃないのか。末の妹のユリア、年が近くいつも一緒に遊んだ。
王子としての気品と規律を失わないように厳しく教えられて育った。
自分は年若いが戦場を知っている。剣にも馬術にも通じている。
でも今、それらとは全く関係のない能力を求められている。一体どうすればいいんだ。
あの醜悪な皇帝の手が身体中を這い回ったのを思い出してぞわりとする。
ムスタファの冷えた暗褐色の瞳。打ち解けたと思っていた。だけど彼も帝国の人間なんだ。
帝国軍の勢いの前に屈した我が祖国。人質の献上に進駐軍の駐留、内政干渉を許している。
属国はみじめだ。でも亡国はそれの何百倍みじめだろうか?
自分の力でどうにかできるのなら、しなければならない…迷わず……。
670鳥かご7:2006/05/27(土) 00:57:01 ID:MQHs725N
「ハーフィズ、ここに座れ」
ムスタファはミハイル、いやハーフィズを自らの膝の上に座らせる。男の肌に慣れさせるためなのか、
躊躇するハーフィズを裸にして、自らも上半身を脱いでいる。対面して互いの胸を合わせるように肌を重ねた。
「ほら、もっと足を開くんだ」
ハーフィズの太腿を叩き自分の膝を跨がせる。
「変だ、こんなの」
ハーフィズは違和感を訴え続けた。ムスタファはそれに構わず背中や腕をなでさする。
もう鞭の傷も癒えてきた頃だ。
「キスをしろ」
「……キス?」
驚いてハーフィズは浅黒い肌の男を見上げる。
「そうだ、自分から舌を絡めるんだ」
「舌……そんなことは出来ない。やったこともない」
バシッ。出来ない、いやだと言うと容赦なく平手が飛んできた。
「いいから口を開けろ。出来ないじゃない、やるんだ」
ハーフィズの口を無理やりこじ開ける。
「うっ」
「そうじゃない……歯茎をくすぐって…舌を使うんだ」
ぎこちないながらも舌で応えだしてきた頃、ムスタファの指はするすると背中を下り、双丘の間に侵入した。
「……ッ!」
その途端ハーフィズはもがいて必死の抵抗を始める。
「やめてくれッ」
「暴れるな、まだ指一本じゃないか。お前はいずれここで皇帝を受け入れなくてはいけないんだぞ」
その言葉を聞いてハーフィズは絶望で真っ青になった。
「いやだ……ッ」
ムスタファはハーフィズの顎を掴み、瞳を覗き込んだ。
671鳥かご8:2006/05/27(土) 01:00:01 ID:MQHs725N
「いいか、皇帝の前ではいやだもやめても禁句だぞ。皇帝は自分の行為を拒否されると激怒する。
今度こそ首を刎ねられるだろう。我が身と公国が大事なら俺の言うことを聞け」
祖国のことを出されてハーフィズは途端に怯む。うつむきながらも耐えられないことに耐えようと
ムスタファの腕を力を込めて掴んだ。そんな姿にムスタファは眼を細める。
「……力は抜いていい」
指をさらに奥まで潜り込ませた。


「ぐはッ」
えずくハーフィズに構わず、ムスタファは陰茎を咥えさせた。ハーフィズは膝立ちにさせられている。
「窪みにも舌を這わすんだ。もっと奥まで咥えろ……全くできてない、下手くそだな」
ハーフィズは生理的な涙を流しながら必死に男根を頬張る。気持ち悪くてしょうがない。
男の自分が男のものを咥える、こんなことはあまりにも異様で恐ろしいことだと思った。




とりあえずここまで。ありがとうございました。
672風と木の名無しさん:2006/05/27(土) 01:39:19 ID:/SfcO5Bi
鳥かごタンハアハア
673風と木の名無しさん:2006/05/27(土) 10:27:19 ID:SPB2DaX/
イイヨイイヨー!
鳥かごタンステキだー!!
674鳥かご:2006/05/27(土) 17:09:24 ID:MQHs725N
少しですが投下します。
675鳥かご9:2006/05/27(土) 17:11:56 ID:MQHs725N
何日かそうして過ごしたが、ハーフィズの覚えは悪かった。いつまで経ってもぎこちないのだ。
そこでムスタファは、今まで触れていなかったハーフィズの性器を掴んで扱きあげた。
『自分が気持ちよくなる必要はない、相手の快楽のみを考えろ』と常々教えていたので、あえて触れて
やらなかったのだ。しかしあまりにも呑みこみが遅いので、一度抜いてやることにした。
ハーフィズの尻肉は割り開かせ、指を一本奥まで飲み込ませていた。
しかしハーフィズは、茎を扱きあげるムスタファの手を剥がそうと暴れた。
「なぜだ?気持ち良くなりたくないのか?」
「いいからッはなせ……!」
「………」
慌てた態度を見ていてムスタファはあることに思い当たった。
「お前まさか、したことがないのか?」
「したことってッ何だよ」
「……なんてことだ、射精もまだだったとは」
ムスタファは驚いて一度手を止めた。
「……そんなに子供だったとは。そういえばあの近衛隊長も言っていたな」
ムスタファは、子供だからと言って王子が人質になることを頑なに反対した
近衛隊長のカルダムを思い浮かべた。
「いや、慣習が禁止している部分もあるんだろう。できないことはないはずだ」
また扱きあげを再開した。
「いやだっ」
「否は禁止だと言っただろう。大丈夫、気持ち良くなれる。身を任せるんだ」
手を優しげに上下に動かす。窪みを突ついてまた扱きあげる。そのうちにハーフィズは今までにない
感覚に陥った。陶然としてくる。
「なん……ンんっ」
「そう……そのまま出せばいい」
「出すって……?…ァあッ」
ムスタファの手の中に白透明の液を放ってしまった。それを躊躇なく舐めとるムスタファ。
ハーフィズは呆然として見ていた。
676鳥かご10:2006/05/27(土) 17:14:01 ID:MQHs725N
射精を済ませてからのハーフィズは感じ方が変わったようだった。いつものように
対面で肌を合わせると、ムスタファの鼓動がやけに大きく聞こえてきた。
自分の心臓の音も聞かれているかもしれないと思ったら、なんだか頬が熱くなってしまった。
「熱があるのか?」
「……ちがう」
「顔が赤い。今日はもうやめにしよう」
ハーフィズは慌ててしがみつく。
「大丈夫!できる」
「……そうか?」
その日は縛られたり平手や尻を叩かれることもない、終始優しい扱いをうけたハーフィズだった。

ムスタファの手に放った日のようにハーフィズは自分でも自身に触ってみたが、あまりうまくいかなかった。
あの時自分の中にはムスタファの指が入っていた。それが忘れられなかった。
自分はおかしくなってしまったのだろうかと不安になった。


「っはぁ……!」
ムスタファの舌に己の舌を絡ませる。歯茎を舐め上げる。腰をつかまれ下半身を揺さぶられた。
秘所は難なく三本の指を飲み込み、挿入の疑似体験のように激しく出し入れされている。
ハーフィズは次第に頭がぼうっとしてきた。ムスタファを見上げれば、なぜか男らしい眉を寄せ、
苦しげな表情をしていた。それを癒したくなったのか―――ハーフィズ自身よくわからなかった
のだが、気がついたらムスタファの首筋に吸いついていた。強く吸い、紅い痕を残す。
ムスタファが驚いて振り返った。




ここまで。失礼しました。
677風と木の名無しさん:2006/05/27(土) 23:37:49 ID:N2B5jrn4
鳥かごタン ハ ァ ハ ァ (*´Д`*)
678風と木の名無しさん:2006/05/27(土) 23:54:30 ID:SPB2DaX/
モエスーーーー!
目覚めた王子イイヨーーー!
679傭兵王17:2006/05/28(日) 03:26:22 ID:dB2pD8uL
>>577の続きです。
気になる方はスルーでお願いします。
22に切断に近い残酷描写があります。

---------------------------------------------------

「ぐっあぁ、あッ……!」

体内にグラムの其れが侵入し、混濁した意識が引き戻される。
耳の奥でみりみりと、なにかが引き裂かれるような異音が響いた。
反射的に頭を振ったことで口膣からジーラの性器が零れ落ち、一瞬呼吸が楽になるが、
グラムが躰を掻き寄せたせいで交わりが深まり、臓腑の圧迫でまともに声を上げることさえ困難になった。
痛ましいほど赤く腫れた窄まりに張り出したグラムの亀頭が埋め込まれ、込み上げる嘔吐感から
ディドーの背中に冷たい汗がどっと噴き出す。
背後に回ったジーラの腕が仰け反った躰を絡め取り、それを背にしたままグラムが徐々に体重を預けてくる。
薄い肉の張った腹筋に自身を擦りつけられるほど折り曲げられた躰は、ジーラに足首を捉れたことで
さらに不安定になった。
大の男二人に挟まれる形で挿入が始まり、荒い突き上げに閉じることの出来なくなった口元からは、
切れ切れの嗚咽と涎が垂れ流しになる。
「はぁ、っ――く、」
多少解れているとはいえ、其処は排泄の為に備わっている器官であり、受け入れることを
頑なに拒み続けるが、それすら構うことなくグラムはただ機械的に抽送を続けた。
締め付ける肉壁はひどく熱く、押し進むたびに狭い襞からわずかに泡だった粘液がこぽこぽと溢れ出す。
高みからぐずぐずと惰性にまかせて突き下ろされた其れは、根元まで埋没させるのに若干時間がかかったが、
噂に名高いクリフ傭兵団の、小規模とはいえ一隊を任されているらしい青年が涙と涎と泥にまみれながら
瓦解していくのを見るのはなかなか愉快だった。
680傭兵王18:2006/05/28(日) 03:27:54 ID:dB2pD8uL
馴染ませるためなのか、根元まで埋まりきった其れは胎内でじっと動かなかった。
ぶれる視界は瞬きするたびに鮮明になるものの、またすぐに震えだし、束の間の沈黙は
逆にディドーの不安を煽る。
賊に後孔を犯され、乱れた姿を晒し続ける。それを自覚するまでのほんの数秒にすぎない時間は、
どんな拷問を受けるよりも惨めで辛い。
屈することなどありえないのだと頭では誓えても、現実に臥した躰は享楽を貪る事を望み、
それを一縷の理性が押し留めているに過ぎないのだ。
猛った躰も湧き出すような快楽も本物の、当然のものなのだろう。
経験はないが、本能がそう告げている。だが、生理的な反応だと割り切るには状況が悪すぎた。
そして自分がモノのように扱われることも耐え難いほどの屈辱だった。

見下ろす男達の目には、自分はひどく無様で弱々しい生き物に見えるのだろうか。
ディドーは今もなお血が滲む唇に歯を立てた。
また傷が増えたが、こうでもしないと喉元にまで迫りあがっている慟哭を
抑えることが出来なかった。
自ら志願したというのに、この体たらくはどうだ。
万に一つの可能性でここから逃れられたとしても、クリフに合わせる顔など
ありはしないのだ。
そう思うと、両の目から止め処なく涙が溢れ、頬を伝い落ちた。
681傭兵王19:2006/05/28(日) 03:29:01 ID:dB2pD8uL
数秒、ディドーの呼吸が整うまで待ち、グラムは緩やかに腰を動かしだした。
快楽を共有する気などさらさらなく、ただ獲物の弱い部分を探るためだけの
行為だった。
漫然とした動きで内部を注意深く小突くと、一点を掠めたときディドーの躰に
電流が奔るような震えが起こる。
「――ひ…う、ぁああ!」
だらしなく開いた口から赤く火照った舌が覗き、堰を切ったように嬌声が飛び出した。
それは当の本人を愕然とさせるほど艶を帯びていて、一度喉を突いて出れば途切れることなく迸った。
粘液を纏った内腿が痙攣し、両肢が当てもなく空を切る。
「お?どうした?いいトコでも当たったのか?」
がくがくと全身を戦慄かせたディドーをグラムは満足げに見やり、再度狙い済まして
其処を攻め立てる。
「ぁ、ああ…いや、だ――、っめて…」
哀願する声を敢えて無視し、硬い剛物でふっくらとしたしこりのある箇所を何度も抉る。
角度を変えて突き上げるたびに肉付きの薄い尻が浮き、間に聳える性器はまるで芯が通ったように
ぴんと張り詰めた。
682傭兵王20:2006/05/28(日) 03:29:56 ID:dB2pD8uL
その様を傍らでまじまじと覗き込みながら、オルゾは無言で其れに手を伸ばす。
親指と人差し指で輪を作り、勃ちあがった其れの硬さや弾力を確かめるように上下させ、
余った指で裏筋や陰嚢を摩る。
しとどに濡れた鈴口を皮の薄い果実を扱うように丁寧に撫で、針穴に浮かんだ体液を軽く掻き出してやれば、
いまや限界まで達していた其れは容易くはじけた。
「ンぁ、あ、ひ――ィ!」
窮屈な体位で内臓を掻き回され、其処に直結する性器から白く濁った体液が撥ね飛ぶ。
それに合わせるようにグラムの身体も痙攣し、最奥に灼熱を放った。
そのままの姿勢でさらに腰を打ち付けると、ディドーは萎えた下腹を戦慄かせて勢いのない射精を数回繰り返し、
ぐったりと俯いた。
飛び散ったそれはディドーの腹や胸板、薄く茂った体毛までも汚し、後孔から溢れた濁液と混じり合って地面に滴り落ちる。
弛緩しきった躰がまるで発熱しているようにほのかに染まっているのとは対照的に、胸の飾りは痛々しいほど硬く尖っていた。
萎えもせず脈動し続ける性器を咥え込んだ後孔は、中出しされたせいでひどく敏感になっていて、グラムのわずかな動きにすら
反応してびくびくと締め付ける。
「おー、出た出た。イっちゃったなぁ隊長さん。顔真っ赤にしちゃってカワイイねー」
傭兵らしからぬ痩身を貫いたまま、グラムはその顎を掴み上げる。
ジーラの残滓がこびり付く口元を軽く拭ってやると、それにすら感じ入ったのか後孔が収縮した。
焦点の合わない眼からぼろぼろと涙を零すディドーのことなど全く意に介さずに、グラムは無遠慮にでかい声で続けた。
「なんだよ、また泣き出しやがってよ。俺らだって酷くしたくてやってるわけじゃねぇんだし。
気持ちいいなら気持ちいいって言やいいんだよ。鬱陶しい」
荒っぽい言動とは裏腹に随分と機嫌はいいようだ。強情な獣を屈服させたような充足感がグラムを興奮させた。
683傭兵王21:2006/05/28(日) 03:31:25 ID:dB2pD8uL
否定も肯定もせず、ディドーはただ犬のように荒い息を吐く。
こうして嗚咽を零しているうちはまだいい。
このままではほぼ間違いなく、自分も仲間も荷もろとも売られるか、隠匿の為に消されるか
するのだろう。
時間の感覚を失っている今、助けを待つのはあまりにも無謀すぎる。
さらにザファルがこの賊らを追っているのであれば、用心のため決して一箇所に長居はしない筈。
こうして自分を性処理の道具として扱うくらいの余裕があるのは、ここが採炭だけを目的とした
僻地にあるためか、それとも確実な逃走ルートを確保しているからかだろう。

仲間の身の安全だけでも交渉できないものだろうか。
ふとそんなことを考えて、ディドーは自分の浅はかさを心中で嘲笑った。
どこまで愚かなのだろうか。
材料を持たない自分がどの口でそれをほざくのか。
ずべては自分の不甲斐なさのせいだというのに!

押し黙って肩を震わすディドーを不審に思ったのか、グラムの指が唇を撫でた。
胎内の其れが緩く締め付けられるのを感じ、満足げに切り出した。

「しっかしよう、クリフだっけ?アンタの上官のじいさんもさ、モーロクしてんじゃねぇの?
大事な荷をアンタみたいな餓鬼に運ばせて、自分はさっさと先に行っちまうってんだからよ」
684傭兵王22:2006/05/28(日) 03:32:17 ID:dB2pD8uL
その名前が出た途端、ディドーの表情が凍りついた。
澱みかけていた意識がすぅっと冴える。
考えるよりも先に、ディドーはグラムの頬に唾を吐きかけていた。

「黙れ恥知らず!お前如きがクリフ様の名前を口にするな!!地獄に落ちろ!!」

全身を取り巻く怒りや絶望や様々な感情が引き金になり、それに任せて
あらん限りの罵声を浴びせかける。
眉を吊り上げ、充血した眼を見開き目の前の男を罵る姿は、それまで無抵抗だったディドーとは
まるで別人のようで、見物に徹していたジーラはあまりの豹変振りに呆然とした。
それは横で胡坐を掻いていたオルゾも同じで、口をぽかんと開けてディドーを見つめている。
白いものの混じった唾を頬にべったりと這わせたまま、グラムは微動だにしなかった。
猫のように威嚇を続けるディドーの顎に手をかけたまま、その視線は一度として外されない。
その爬虫類のような眼に、ディドーは唐突に我を取り戻した。
685傭兵王23:2006/05/28(日) 03:34:59 ID:dB2pD8uL
*切断に近い残酷描写があります

しまった、とディドーは青褪めた。
相手の挑発に過剰反応するなんて、自分はどれだけ失態を踏めば気が済むのか。
それでも吐いた言葉に偽りはなかった。
取り繕うことは出来ず、対峙した視線も逸らすことは出来ない。
嬲り殺しにされてもおかしくない。そう覚悟した。
だが、そのグラムの手は予想に反しディドーの頬や首筋を優しく愛撫しはじめ、
唐突に始まったそれにディドーは当惑した。

「俺はさぁ、結構アンタが気に入ってたんだよ。奴隷市に出す前に買ってやってもいいと
思ってた。なぁ、分かるか?この俺がだぞ?それをなぁ…」
一旦言葉を切り、まるで子供に言い聞かせるように、グラムは淡々と呟く。
無骨な手のひらがこめかみをなぞり、左の耳を慈しむように撫でる。
その指先が、耳朶を飾る白金のピアス――クリフから贈られたディドーの唯一の装飾品である――の
環に掛けられるまで、ディドーは魅入られたように身動き一つ取れなかった。
表面上はとても穏やかで、それでいて逆らうことの許されない重圧。

「気が変わったよ。ケツ穴も頭も完璧に壊れるまで犯して、犯して、犯し尽くしてやる」

ぶちり。
銀の輪に耳の肉を絡ませ、ねじる様にして引き千切る。

がぁ、とディドーの喉から獣じみた悲鳴があがり、咥えたままの後孔が痙攣した。
異物を吐き出そうと収縮する其処を、思う存分抉り掻き回す。
「はっ――ァ、ンッ……あ、ァあッ――」
痛みと快楽に苛まれた躰は、すでにディドーの自制も利かず揺さぶられるまま
快楽に耽っているようにみえる。
欠けた耳たぶから鮮血が噴き出し、下腹部を彩る白濁と一緒に流れるのをグラムは陶然とした面持ちで
見つめながら、ディドーの中に二度目の濁液を放った。

686傭兵王24:2006/05/28(日) 03:37:58 ID:dB2pD8uL
かすかな胸の痛みの原因を考える事も、くだらない情をかけるのも
所詮は不毛でしかないのだろう。
ただ、目の前の青年は今自分だけのものだ。
その何もかもを貪ることだけに没頭すればいいだけ。
あの男が好きにしていい、と言ったのだから。

-----------------------------------------------------
ここまでです。
場をお借りしました。ありがとうございます。
687風と木の名無しさん:2006/05/28(日) 05:25:20 ID:cyrSo8oO
傭兵王タン待ってた!
懲りずに強気なのが(・∀・)イイ!!
688風と木の名無しさん:2006/05/28(日) 16:15:26 ID:aHeXbr0U
ムハーモエスモエス!
隊長さんかわいい!
689風と木の名無しさん:2006/05/28(日) 20:38:27 ID:odJ+mWs+
ちょっとまって!団長さんておじいちゃんなのか!?
じいちゃん子な隊長カワイス(*´Д`)
690風と木の名無しさん:2006/05/31(水) 19:17:36 ID:TW2d4w6D
隊長禿げ萌え(*´Д`*)
691風と木の名無しさん:2006/06/01(木) 15:27:38 ID:N6xZacaK
1【自尊心破壊】
暴力で相手を屈するだけではなく、心の底から従わせるために必要である
・裸で首輪つけて足手を拘束し宙吊りにする。
・脱糞、排尿を目の前でやらす。
・体に卑屈な落書きをする
・主人の糞、尿を食わす。
・暴言を四六時中浴びせるまた、性行動、淫語を言わせ、それを録音し、聞かせる
・鏡を前に立たせて辱める
※少しでも反抗的な態度を示すと、顔以外の場所で、バット、ムチ、メリケンサックなどで半殺し。
2【主人の神格化】
狭い世界の中で主人が唯一絶望的な神、法律である事を認識させる
・鈍器や湯攻めによる虐待
・奴隷に接するときは蝋燭などの光源を乏し、催眠的作用を利用。
・言語を統制する。主人に対する言葉遣いを教え込む
・睡眠を妨害したり、食事を与えなくし卑屈な態度を取らせてから与える
・未来に対し絶望的な言葉を言う
3【性欲一本化性欲強化】
食欲、睡眠欲を、性欲に一本化し、またクスリを使用し性的意欲を向上させる。
・空腹時や不眠時に激しい性行動を強要し、性欲の一本化を目指す
・クスリを使用しての性行
なお、真っ暗で何もない部屋がいい。時間もわからない。
692風と木の名無しさん:2006/06/01(木) 18:07:57 ID:0PHmTQGS

他板で似たような文章見たキガス…
693鳥かご:2006/06/01(木) 22:21:46 ID:8nS3ZnlP
穴埋めに投下します。
苦手な方はスルーでお願いします。
694鳥かご11:2006/06/01(木) 22:25:02 ID:8nS3ZnlP
調教の日々に終わりが来た。明日の晩、ハーフィズは皇帝の寝所へ召し上げられることが決まった。
今日が最後だ。明日のことを考えフェラチオだけをやった。それはハーフィズが一番苦労した
行為だった。なかなか上手くできず、できるようになれば口に出された。それが気持ち悪く
何度も吐き出しては怒られた。でもいつからだろうか。それが気持ち悪くなくなり、むしろ……
「ん……んう……んんッ」
肉塊を頬張る。舌を使い、頬で吸いあげた。ムスタファがハーフィズの髪の毛を掴み白濁した液を
放出した。喉に引っかかる違和感はまだあるが、ゆっくりと全部飲み込んだ。
「いい子だ……」
ムスタファが頭を撫で、微笑しながら褒めてくれた。
「明日もちゃんと頑張るんだぞ」
その言葉を聞いてハーフィズは顔がこわばった。皇帝の精液を今と変わらず飲めるだろうか?
自分はムスタファのだからできるのではないのか。
「不安そうな顔だな。大丈夫。今日はもう寝たほうがいい」
そう言われ、ハーフィズはベッドに押し込まれた。

「ムスタファ」
立ち去ろうとする男を呼び止める。
「……抱いてくれないか」
闇のなかで自分の眼が猫の眼のように光っている気がした。
「添い寝でもして欲しいのか?」
ムスタファが苦笑する。
「ちがう」
ムスタファの笑みが凍りつく。
695鳥かご12:2006/06/01(木) 22:26:45 ID:8nS3ZnlP
「……お前は明日皇帝に献上される」
「知ってる」
「……俺がそんなことをしたら全て破滅だ。俺もお前もお前の国も」
「いい」
ムスタファが眼を見開いた。それを見てハーフィズは眼を閉じた。
「嘘だよ、嘘。冗談だ」
「………」
ムスタファが無言で部屋を横切ってベッドの端に腰をおろした。古い寝台がギシと鳴った。
「お前が寝るまで傍にいてやる」
そう言ってハーフィズの灰がかった金糸の髪をゆっくりと梳く。
「ん……」
「……明日いやだと思う時こそ、いい、もっと、欲しいと言うんだ。……いいな?」
「……うん、そうする」
「おやすみ…………ミハイル」
ハーフィズは知っていた。自分の意識がない時ムスタファがその名で呼んでくれることを。
ミハイル、と。まどろんでいた時たまにその声が聞こえることがあった。
そういう時ムスタファのことが好きだと思った。
異常な日々の中で僕はきっとおかしくなってしまったのだろう………。
696鳥かご13:2006/06/01(木) 22:29:37 ID:8nS3ZnlP
夕方から湯浴みをさせられ、身に着ける衣服は踊り子のような腰布だけ、
あとは肌を美しく見せる金や銀の宝飾を首や腕に着けられた。首飾りは犬の首輪を模してある。
ハーフィズが皇帝の寝所に着くと、皇帝はハレムの女たちと戯れていた。
この日ハーフィズはついにムスタファの姿を見ることができなかった。
「先日の無礼をお許し下さい。今夜は陛下の寵を賜りたいと存じます」
ムスタファに習った口上を述べると、皇帝は女たちを下がらせ手を伸ばしてきた。
途端にすくむ足を叱咤して寝台に近づく。
「この日を待っていたぞ、ハーフィズ」
皇帝が紅玉や青玉の指輪だらけの指で、ハーフィズの震える腕を掴んで寝台にひっぱり上げる。
…―――王子たるもの民が心から従える徳を備えねばなりません。
唐突にハーフィズの頭の中に近衛隊長のカルダムの言葉がよみがえった。
必死に凛としたその声を打ち消して、自分から皇帝に跨る。
―――誰にも媚びることなく……
媚びるように肌をよせ、皇帝の分厚くてらてらと光る唇にうすく口を開いて口づける。
口臭の凄さに怯みかけるがすぐに舌を使い始める。歯茎を割り舌を絡ませた。
―――堕落して肉欲に溺れたりしないよう……
皇帝がハーフィズの腰布を剥ぎ取る。太い指で尻肉を掴みあげ男根を押しつけてくる。
「うッ陛下……僕が準備をしますから…」
嫌悪で震えそうになる心を叱って皇帝の首筋や胸に舌を這わしていく。
(カルダム、祖国のためなんだ、僕を許して)
以前は押しつけられて突き飛ばした皇帝の黒ずんだ男根を、ためらいを隠しながら口に含む。
浅く咥えこみ、舌でちろちろと舐める。次に深く頬張る。
窪みや筋、袋まで丹念に舐め上げていく。ムスタファに教えられた通りに。
(ムスタファ、なんで今日いなかったんだ。お前に会いたかった)
697鳥かご14:2006/06/01(木) 22:31:40 ID:8nS3ZnlP
顎が疲れてきた頃、皇帝はハーフィズの口内に精液を放出した。
「んッ…うン…ッ」
咳きこんで涙が流れても残さず懸命に飲んだ。
「口だけで最後までいってしまったではないか。もう一度準備をいたせ」
皇帝がハーフィズの髪に差しこんでいた指に力をこめ、頭を下げさせる。
「犬のように舐めるのが上手くなったのう」
皇帝の言葉に傷つきながらも肉棒を咥えこむ。それが適度な硬さを持ちはじめた頃、皇帝は
ハーフィズを仰向けに倒し、足が胸につくくらいに開かせた。
「陛下ッ香油を……!」
早急な行動に焦ったハーフィズの要求に、皇帝な苛立たしげに香油を塗りつける。
「本来はそなたが用意するのだぞ」
皇帝は太腿を撫であげながら、陰茎をハーフィズの蕾に押しあて、一気に貫いた。
「ひッ……あぁ―――ッ!」
内臓を圧迫するような苦しさに悲鳴をあげる。ムスタファの指に慣らされていたとはいえ
初めての侵入だ。灼熱の棒を突っ込まれたような熱い痛みが奔る。
先端が引っ掛かりギチギチと音がする。小さな尻に限界まで怒張した男根が飲みこまれていく。
「興ざめな声を出すな。もっと色気のあることを言ってみろ」
皇帝の腹が当たる。最後まで入れられた。息をつく間も与えてもらえずにすぐに動きを開始される。
内壁の奥を激しく突きあげられる。血が太腿を流れ落ちていく。
白い肌と鮮血の赤のコントラストに嗜虐心を刺激されたのか、皇帝はさらに乱暴に揺さぶる。
「いッ……!」
(いやだは駄目だ……!ムスタファは何と言った!?破滅してしまう!)
破瓜の痛みに耐えながら、ハーフィズは必死に考える。
「ぃ……いいッ…もっと……もっとください!」
羞恥に狂いながら心にもない言葉を叫びだす。
698鳥かご15:2006/06/01(木) 22:34:37 ID:8nS3ZnlP
「そうか、余が欲しいか!」
皇帝は狂喜して抽挿を激しくする。腰ががくがくと揺れる。振動で首輪が鳴る。
「この淫乱め!」
淫乱淫乱と罵られながら揺さぶられている間、ハーフィズの心は故郷をただよっていた。
―――兄さまに似合うと思ったの。おめでとうございます、ミハイル兄さま。
誕生日に白百合を摘んできてくれた妹のユリア。自分とよく似た淡い青の瞳で笑いかけてくる清らかな少女。
君が、こんな目に合わないで良かったと心からそう思う。
涙が一筋流れ落ちた。
「グッ……ッ……オォッ!」
呻きと共に皇帝がビクビクと痙攣し出す。一気に体内に精液を注ぎこまれた。
「う……あぁ――…」
体中が醜悪な男の体液に犯される。性欲処理の道具。穢れきった身体。
(助けて………誰か)







とりあえずここまで。つづきます。失礼しました。







699風と木の名無しさん:2006/06/01(木) 22:41:34 ID:3kmexX8M
妹思いの兄ちゃん…ホロリ
700風と木の名無しさん:2006/06/01(木) 22:43:55 ID:fn0LTQrB
リアルタイムキタコレ(・∀・)
王子健気だよ王子!
ムスタファとは悲恋で終わっちゃうのか気になるところ…
701風と木の名無しさん:2006/06/02(金) 23:57:03 ID:k87mSOm9
新スレが立ちました。
移動をお願いします。

【陵辱】鬼畜作品を創作して16thプレイ【SM】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1149260100/l50
702風と木の名無しさん:2006/06/05(月) 16:59:47 ID:iZC+5m2n
ここは埋まったですか?
703風と木の名無しさん:2006/06/05(月) 17:32:06 ID:AjJ/miFy
あと15KB残ってる
704風と木の名無しさん:2006/06/06(火) 22:02:01 ID:4DpYzejD
誰も居なさそうなので告白してしまえ。

最近さ、犬調教モノの話を考えてたら獣姦モノにも興味が湧いてきた。
色々通販サイト探してたけど、おねーさんに入れちゃうのは多いのだが
おにいさんに入れちゃうビデオかDVDてないのかしら。

ご主人様が鬼畜変態な人で、受けは大型犬みたいな青年で。
受けはだんだんとご主人様に感化されてっちゃって、
最終的に受は自分は犬なんだから、犬と交わるのはなんら不自然な事はない。
みたいな状態になってしまう。みたいなね。
こうゆう流れに燃えるの。
705風と木の名無しさん:2006/06/06(火) 22:36:42 ID:ulNUvdyY
昔馬とやってるおっさんの映像見た記憶はあるけど獣姦系って尺がすごい短いんだよね・・・
AVの場合だとどうやってるんだろ
706風と木の名無しさん:2006/06/07(水) 14:49:49 ID:KOo976C7
>>705
そのおっさん死ななかったのかな
707風と木の名無しさん:2006/06/09(金) 22:23:35 ID:yFilHRtO
これ…かな
本当にあっちゅー間だ

tp://www.lamermelculo.com/video.php?id=516
708刑務所 1/13:2006/06/10(土) 03:42:32 ID:ZMVHJaEV
尿道責めメインです。苦手な方スルーお願いします。

 私の信念はいつも受け入れられない。
 多くの人々に利益を供与してきたのに、巨悪に立ち向かおうとした途端
世間から爪弾きにされ、取って付けたような古い罪名で投獄された。
だがいずれ私が必要とされるときがくる。私は私の信念を貫く。

「……ッヤメロ……うぅ……ン」
「ココがイイんだろ」
「痛いッ……いた……ぁ……ああい……」
刑務所に入って驚いたことの一つに、男同士の性行為が日常としてあった。
この室には私を含め5人の受刑者がいる。
一人は老人で耳が遠い。
一人はブツブツと支離滅裂な独り言を吐いて意思疎通が出来ない。
一人は大人しく陰気で何も話さずいるかいないのか分からない。
問題の一人がうるさく話すヤクザ者で、最後の一人が生意気な若者だ。

ヤクザ者は毎夜その若者を性的に虐待している。
合意の行為でないことは明らかだ。
ヤクザは常に恫喝し、若者はいつも罵声を浴びせている。
喧嘩のような小さな小競り合いから、決まって組み伏せられて咽せる声が聞こえ、
最後はいつも若者は啜り泣いていた。
老人は耳が遠くて聞こえないのかもしれないが他の者は見て見ぬふりだ。
709刑務所 2/13:2006/06/10(土) 03:43:11 ID:ZMVHJaEV
たまりかねた私は昼食時に看守に告発した。
特に若者を気の毒に思ったわけではないが、規律を乱す存在が許せなかった。
その日のうちにヤクザ者は独房送りとなった。
「後で、話がある」
午後の作業中、若者に耳打ちされる。
礼を言うにしてはもったいぶった言い回しを怪訝に思う。
周りを見回すと、同じ作業をしていた老人が不自然に視線をそらした。
大人しく陰気な男はじっとこちらを暗い顔で見ている。
ブツブツと壊れた蓄音機のように世迷い言を繰り返す男は珍しく沈黙していた。

「ウーウーウーー」
深夜、ヤクザ者のいない室で組み伏せられていたのは私だった。
壊れた蓄音機男がどこからかくすねてきた雑巾を切り裂いて私の猿轡とした。
大人しく陰気な男が横で見守り、若者は怒った顔で私の着衣を開いて局部を丸出しにする。
「深淵を覗く者は深淵に覗かれる。好奇心猫を殺す。僕の家には猫がいたよ。
おばあちゃんの三味線になっちゃったけどね、いい音出すんだ。泣き声が」
頭部より聞きたくもない蓄音機男の独り言が聞こえる。
ウーウーと唸り声を上げていると首を絞められるようにして頭を押さえつけられる。
斟酌無い力加減にぞっとする。
「じーさん、アレ貸してくれよ」
710刑務所 3/13:2006/06/10(土) 03:43:42 ID:ZMVHJaEV
両脚の拘束を陰気な男に任せて、若者は老人に顔を向ける。
「あんまり長引かせるんでないよ。うらはもう寝る」
ずるずると足を引きずる音がして老人が若者に手渡した。
歯ブラシだ。
「あぁ、じーさんありがとう。おやすみ」
若者が技術者のような顔つきでそれを検分し、私の眼前に晒す。
「新入りがよ。偉そうなことしてんじゃねぇっての」
私のペニスを無造作に取り上げると歯ブラシの柄で先端を突き始める。
「ングゥ……ウッウゥーー」
これまでになく私は暴れたが、壊れた蓄音機男が訳の分からぬ文言を唱え、
更に首を押さえつける。
苦しくて、異様な雰囲気に気圧されるように、私は経緯を見守った。
「最初からてめぇは目障りだったんだよ」
トントンと柄で先端が叩かれ、ゆっくりと尿道口を広げるようにいらわれる。

あんなに太く堅いモノをペニスに突き立てようとするのか。
彼の意図が分かり、混乱する。
私は彼を助けたのに。
だのに、何故。
711刑務所 4/13:2006/06/10(土) 03:44:23 ID:ZMVHJaEV
竦んで萎えたペニスに焦れたのか、彼は歯ブラシを口に咥えて両手で私を愛撫した。
根元から引き上げられるように扱き、袋をゆっくりと揉みほぐされる。
こんな恩知らずに触れられて欲情を露わにしたくない。
今の私にとっては頭の上でブツブツ唱えられる文言にすら感謝した。
が、人肌から離れた期間が長かった獄中だ。
それに私は健全な嗜好の健康な男子だ。
ペニスに刺激を与え続けられれて勃起したとしても、やむを得ない。
「はーやっと開いて来たよ。こっからが本番だ」
めりっと肉を突いて、堅い無機物が私の尿道口に進入してきた。
痛い。トンでもなく痛い。
目から飛び出そうな痛みに我知らず涙を零した。
「痛ぇだろ。ここが一番痛いんだよな」
底意地悪く若者が繰り返し、先端に含ませたまま歯ブラシをゆっくりと回し続ける。
「ンーー!ッンンッッ!」
ペニスが破壊されてしまう。
頭の先まで痛みが走って、口の中の雑巾を噛みながら私は涙と鼻水を飛ばした。

「うるせぇよ、イチイチ。お前いっつも俺らをバカにしてただろ」
ぐっと突き入れられる。
意外に尖った歯ブラシの先が内部の肉に圧力を与え、何も言えず、抵抗すら
封じられて、私は涙をただ流し続けた。
許しを請いたい。
私はかつて無いほど懇願の目で彼に訴えていたはずだ。
712刑務所 5/13:2006/06/10(土) 03:45:04 ID:ZMVHJaEV
若者は軽蔑の眼差しを返し、口の端を歪め低く笑う。
「やだね、娑婆で威張り腐ってたやつに限って痛みに弱えぇんだから」
根性見せろよな、と嘯きながらゆっくりと挿入を進めていった。

中途まで歯ブラシを含ませて、突然動きを止める。
最初の痛みに比べると断然楽になる。
痛みのリミッターが外れたのだろうか。
私はこの歯ブラシを知っているが、指を当てる部分が太いことを知っている。
そこに行き当たってこれ以上入らないので、これで終わりかもしれない。
安堵のため息をついて、ぐったりとしたところをいきなり、ペニスを捕まれる。
「終わりだと思ったか?バカかお前は。世間を舐めてるよ」
状況にもかかわらず、かっとなる。
ここに来るまでに私は寝る間を惜しんで働き、労働に見合った報酬を求め続けた。
そこら辺の人間では太刀打ちできない程。
若者はどうせ社会の底辺にごろごろしていた名前もない人間だ。
あんなヤクザ者の女代わりにされて、人目も気にせず動物のように喘いで。
そんな若者にバカにされる所以はなかった。

涙ぐみながらも、睨み返してやると若者は更に酷薄に笑みを浮かべる。
「タレコミが、一番汚ねぇんだよ。直接言えっての」
私のペニスの裏筋をなぞり、袋の根元から緩い刺激を与える。
ぞくっと性感が引き出された。
「俺らがいつ、お前に迷惑かけたよ。あぁ?」
若者の手淫は巧みだった。尿道に栓をされているにもかかわらず、
私の睾丸は硬くしこって、彼の与える僅かの快楽を享受し始める。
「自分がどれほどの人間か、思い知らせてやるよ」
713刑務所 6/13:2006/06/10(土) 03:45:37 ID:ZMVHJaEV
彼は強く私のペニスを覆い、満遍なく刺激を与えながら、
片手を歯ブラシにかけて、それを少しずつ内部へ埋め込んでいく。
熱い。
尿道口は限界まで開かされて、刺すようにじくじくと痛いのに、
ペニスは完全に勃起し、彼の熟練した手淫を悦んでいる。
痛みの場所と、快楽の場所が近すぎて、区別が付かなくなりそうだった。
「浅ましいねえ。しっかり、喜んでやがるし」
滑りが出てきたから、スムーズに入りやがる、と嘲笑しながら、
若者はついに私のペニスへの埋め込みを完了した。
先端には使い古されて反り返ったブラシの部分だけが覗いている。
先端の膨らみに、ちくちくとした感触だけを残す。
「いいザマだね。ココにいる間、ずっと歯ブラシ野郎って呼んでやるよ」
若者が私の体から離れた。
終わったのだ。と私は高ぶる思いの中、助かった。と心からほっとした。

なのに、ただ単に若者は大人しく陰気な男と場所を交代しただけだった。
両脚を抱え上げて、私を女を踏み臥せるときの体勢に持って行く。
蹴り上げたかった。
だが、中心の熱さと痛みがそれを許さない。
少し動くだけで灼熱の疼痛が、私を必要以上に大人しくさせる。

「あんたが一番ショックなことをやってやるよ」
素人との本番は痛いだけでちっとも良くないし、面倒くさいんだよな
とぼやきながら若者は私のアヌスに指を突き立てて、ただただ拡張するだけ
の目的で指を動かし始めた。
714刑務所 7/13:2006/06/10(土) 03:47:13 ID:ZMVHJaEV
もはや涙すら出なかった。
逃れられないのだと分かっていたし、ついにココまで墜ちたのかと
諦めの気持ちもあった。
私の肩を押さえながら、壊れた蓄音機男が繰り返すマザーグースの歌と
感じたくもないアヌスを出入りする肉の音だけが響き渡る。
私は何でも足掻く質だったが、この状況に関してはいっそ早く
終わらせてくれ、解さなくても良いから挿入するなら挿入するで
早く終わらせてくれ、と祈った。
どうせ男の欲望なんて射精すれば終わりだ。
若者も、セックスフレンドを無くして性的欲求の捌け口で
こんな行為を行っているだけに過ぎない。
若者がなかなか挿入しようとしないので、下半身の緊張を解き
力を抜いて協力しようとすら思った。
「グッ……ッ!」
不意に、ペニスの先端が摘まれ、ブラシ部分を抉るように
回転させられた。
「お。サンキュ。なんだ俺より上手そうだな」
大人しい、陰気な男が横から手を出して、歯ブラシを動かしていた。
反転すると、ピタリとペニスの中で座りがよくなり、
これまでにない圧迫感にひたすら私は恐れ戦いた。
715刑務所 8/13:2006/06/10(土) 03:47:45 ID:ZMVHJaEV
「お待ちかねだったな。あんたが一番嫌いなホモ野郎にしてやるよ」
ぐっと体が曲げられる。アヌスに押し当てられた熱よりも、
自分のペニスの異物感に目眩がする。
そう思ったのは、無知の傲慢だった。
思い知らされた。
めりめりと押し入ってくる若者の怒張に、私のプライドは徹底的に壊される。
「……いってェ!お前、締めすぎなんだよ!」
ちったぁ緩めろ、そう言われても、私には何も自分で動かせるところはなく、
痛くて痛くて、体を揺さぶられるとペニスの内部も振動し、痛くて痛くて
堪らないのに、ゾクリとしたおぞましい意識に冒され始める。
頭の上のマザーグースはいつの間にか日本の童謡へと変遷して、
懐かしい調べに意識は混乱し始めた。
ガツガツと肉を叩き入れながら、若者が微妙に角度を変えつつ、私の足を動かす。
大人しい陰気な男が、歯ブラシに再び手を伸ばして上下を始める。
暫くして、すっぽりとどこかへはまり込んだかのように、私の意識が切り替わった。
耐え切れそうもないほど痛いのに、真逆の感覚が迫ってくる。
「ココだな。やっと見つけた」
若者が腰を前後する。私の腰も合わせて揺れる。腸から伝わる刺激と
尿道から内部へと繰り返される刺激に、私の背は大きく仰け反って震えた。
「淫乱ヤロウ。あれだけ嫌がってたのに、すげーマゾじゃん」
716刑務所 9/13:2006/06/10(土) 03:48:19 ID:ZMVHJaEV
淫乱という単語に否定が出来ないほど、私は悦んでいた。
若者と陰気な男は容赦なく私を追い詰める。
ペニスの内部の栓が無ければカウパー腺液をしとどに濡らしていただろう。
自分の欲望が誤魔化せる口実となって、逆に感謝する。
「薄汚ねぇ、最低のマゾ野郎が、」
ぐっと奥まで突き入れられて、一番感じるところを何度も強く擦り上げられ、
体中の痙攣が止まらない。
猛烈な射精感が、繰り返し波を打つ様に私を襲う。
ウーウーと呻くだけ、猿轡で私の発する声はまったく意味をなさないが、
たった一言、話しても良いと言われれば間違いなく、射精したい。と彼らに告げるだろう。
大人しく陰気な男は、射精させるように私のペニスを強く握り、扱き上げる。
内部に異物が埋まっているのに、あまりにも強く握って前後するため、
ペニスが割れるように痛い。
だけどペニスの根元に近い部分では、頭の中が麻痺するほど強烈な刺激が渦巻く。
発狂しそうだった。
射精したい。とてもしたい。
若者が怒濤のように腰の突きを繰り出して、いつの間にか私の意識は飛んでいた。
717刑務所 10/13:2006/06/10(土) 03:48:58 ID:ZMVHJaEV
バシバシと頬を張られる。
気がつくと若者が私の横にいて、歯ブラシを人差し指一本で押さえながら遊んでいた。
「ほんとにあんた、痛みにも快感にも弱いな。キャパ狭すぎ。
どうせ勉強とか仕事ばっかりで、ろくに体動かしてないんだろう」
ぼんやりと聞きながら、若者の姿を認めて、視線を下に移す。
「あ?どこ見てんだよ。お前。いい加減俺ばっかり働く義理はないからな。
次は、こいつ。」
言葉に視線を向けると、壊れた蓄音機男がうんうん唸って私の上に乗っていた。
しっかりと下半身がつながっている。
再び意識が遠くなりながら、なんとか体を動かそうとすると、手が動いた。
上半身の拘束は解かれたらしい。
しかし、肉体の疲労が激しすぎてまったくそれは意味がなかった。
暫く体を揺さぶられると、内部に熱い湿りを感じる。
太股まで垂れてきて、体の揺れが収まり、壊れた蓄音機男が体内で射精したのを知る。
私のペニスには未だ歯ブラシが埋まっていて、熱は籠もったままだ。
「あーイカくせぇ。たまには抜いとけよな。濃い過ぎ」
若者が鼻を摘みながら手で仰ぐ。
昨晩散々ヤクザ者に啼かされていて、臭い臭いをしているのはお前だと
怒鳴りつけたかった。自分の臭いは気にならないらしい。
僅かに疑問が浮かんで若者を見つめると、軽く笑われた。
「俺が、お前なんかでイクわけねぇだろ」
若者は射精していなかった。
あれだけしたのに。
これは単なるインターバルで、被虐は続くのか。
絶望感のうちに陰気な男が交代して私の体に乗ってきて、思考が離散した。
718刑務所 11/13:2006/06/10(土) 03:49:31 ID:ZMVHJaEV
限界まで引き上げられたモノを更にいたぶられ続ける。
陰気な男は一番に私の泣き所を引き出していった。
若者が若さだけの勢いで私を蹂躙したとすれば、性的な手練れはむしろ
彼の方かもかもしれない。
彼に、歯ブラシを調整しながら腰を抱え上げられて揺すられると、
切なくて、胸が苦しくなって、泣きたくなった。
最初に泣いたのとは違う、射精の代わりのような熱い涙だ。
壊れた蓄音機の営業時間が終わって若者の寝息が聞こえ始めて、
陰気な男と私だけが息を弾ませている。
「……っく」
短く息を詰めて、ようやく彼が私の中で欲望を吐き出したとき、
私は失神こそしなかったが、鼻水が詰まって息が出来なくなって
今度こそ死にそうになっていた。
陰気な男が、私から猿轡を取り払う。
大きくぜいぜいと息を継いだ。
口が締まらない。唾液が止まらない。
言葉すら発することが出来ずに、ペニスを引くつかせていると、
猿轡の雑巾で私のアヌスを拭いながら、腰を押さえて歯ブラシを捕まれた。
「ひっ……」
がくがくと震えると、一瞥されてゆっくりとそのまま引き抜かれる。
全部抜き終わった後に、どろりと白濁とも言えぬ体液が溢れる。
719刑務所 12/13:2006/06/10(土) 03:50:02 ID:ZMVHJaEV
「っっ……っぅ……う……」
解放されたのに、未だ拘束されているかのように体が自由に動かない。
雑巾を口許に投げられた。拭け、ということかと思ったが私に出来たのは
目でその動きを追っただけだ。
のっそりと、陰気な男の影が動いて、いつの間にか私を見下ろしている。
「あんた、あの二人のまぐわい見て、オナニーしてただろう」
男の声を初めて聞いた。
誰にもバレていないと思っていた。
まさか。
「自業自得だよ」
見透かしたような目つきだった。
ぷいと背を向け、そのまま闇に消えた。
私が覚えているのはそれまでだ。

翌朝は普段と変わりなく、痕跡は全くなかった
「じーさんに礼を言えよな」
若者に教えられ、あれだけの汚れを拭き取ったかと思うと申し訳なかった。
作業時間をただぼんやりと過ごした。
720刑務所 13/13
午後の休憩中に外で座り込んでいると、じーさんがふらりとやってきた。
礼を言うべきか、躊躇していると先に口火を切られる。
「あんたが追い出したヤクザ者は来月仮出所だったんだよ」
麗らかな日差しの中、風がそよぎ、遠くから壊れた蓄音機が聖書の言葉を
読み上げている。
「娘の結婚式だったんだと。取り消されて伸びたから、まぁ無理だわな」
遠くから一目だけでも見たかったろうにね、と呟いて去っていく。

私は何も間違ったことはしなかったはずだ。
正しいと思うことしかやっていない。
だけど無性に寂しくて仕方がなかった。