632 :
孤独の宙:2005/12/24(土) 02:59:36 ID:NlVsjB96
腹の中の異物感が一気に消え、体から力が抜けた。
だが、別の触手が再びカイの後孔を探ろうとしていた。
「……っ、やめろ…!」
カイは体をよじって逃げようとしたが、太腿と腰を触手に捕まれて身動きが取れない。
ぬるついた触手が、再びカイの後孔へと入り込んできた。
「あぁ…っ」
カイは触手の動きに怯えた。
また、腸の奥深くまで嬲られる苦痛を味わわなければいけないのだろうか。
だが、今度の触手は奥深くまでは入ってこようとしなかった。
変わりに、ゆっくりとカイの内壁を撫でまわしながら、ある一点を探りあてた。
「……っ、あ、あぅ、うあぁーっ!」
感じやすい前立腺を集中的に責められ、カイは悲鳴をあげた。
そこは、宙吊りにされたときにも、さんざん嬲られたところだ。
カイは涙を流した。
どうして、こんな目にあわなければならないのだろう……。カイには全く分からなかった。
「うあぁぁ……っ、あぁ……た、助けて……」
カイは叫んだ。けれど、誰にもその声は届かなかった。
カイのいる部屋には誰もいない。ひとりぼっちで、カイは触手に犯されている。
どんなに泣き叫んでも、呪っても、今のカイの声を聞いてくれる人間は誰もいない。
カイの目から、涙が零れた。
* * *
今回はここまでです。
触手エロいよ触手(*´д`)
イヴでも構わずクレクレコール。
職人様方、続き待ってますノシ
634 :
太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:18:15 ID:LLxZf4nq
クリスマスには関係ないけど、投下。
ヘタレな攻めと女王(俺様)受け。
部屋には、二人の息遣い。
彼は白い腰を捻るように動かした。
「ほら……もっと声出せよ友義。気持ちいいんだろう?」
宏峰(ひろみね)は酔うように囁き、ほっそりとした長い指で友義(ともよし)のはだけたシャツから覗く筋肉質な肌を撫でた。
「う……ぁ…あ」
友義の口からはうめきだけが漏れ、虚ろな視線を送る。
しかし、その視線が宏峰に届くことはない。
友義の視界は黒い布で覆われ、両の手は細い紐で戒められた状態でベッドのパイプに括り付けられているからだ。
さらに制服のズボンは下着ごとはぎ取られ、下半身は抜き出しでその中心で存在を主張する雄は……
「ン……友義」
艶めかしく身を捩る宏峰のすべらかな双丘の奥、卑猥に蠢く柔らかい肉壁に包まれていた。
宏峰は戒められ視界を奪われた友義の腰に跨り、淫らに尻を揺らして快楽に頬を染め目元を潤ませている。。
友義の巨根をいやらしく銜え込むそこは、自ら塗り込んだジェルで濡れそぼり、腰を落とすたびにヌチャヌチャと音を立てて二人の聴覚を犯す。
「言えよ。気持ちいいだろ?」
返事が返らないことに焦がれたのか、友義の首に掛かったままのネクタイを掴みスレスレまで顔を近づけた。
635 :
太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:24:25 ID:LLxZf4nq
2
無造作に括り付けた長い髪がパラパラと肩を滑り、友義の頬を掠める。
「気持ち、いい……よ。でも」
友義は荒い息を吐きながら、気の弱そうな声で途切れ途切れに続けた。
「これ……解いてよ、ひーちゃん」
戒められた手首を僅かに持ち上げた時、乾いた音と共に頬に痛みが走る。
「その呼び方止めろっつってんだろ!」
宏峰はネクタイを交差させ、グッと力を込めて友義の首を絞めた。
「ぅっ……グ……」
苦しげな声を盛らす友義にうっすらと妖艶な笑みを浮かべ、宏峰は若い欲望を貪るように腹の上で激しく踊った。
友義の口が空気を求めてパクパクと開閉し、顔色が赤から紫に変わる頃、宏峰はネクタイを持つ手を弛め一際強く尻を相手の腰に押しつけた。
「は、ぁ……アァッ……」
背を走る痺れるような快感に宏峰の背がしなり、形の良い唇から感極まる声を上げ友義の腹を白濁の熱で濡らした。
宏峰は早々と身なりを整えると、友義の手の戒めだけを解き、情事の残骸もそのままに寝室を出ていってしまった。
ドアの閉まる音がしてから体を起こし目隠しを外す。
636 :
太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:28:59 ID:LLxZf4nq
3
友義は大きく呼吸をして息を整え、今日もまたイケなかった、とベッドの上で肩を落とした。
が、追い上げられた欲望は治まってはくれず、乱れた格好のままあぐらをかくと、宏峰の内部で溶けたジェルやら先走りやらでテラテラと光る猛々しい逸物を右手に握り、先程は一度も目にできなかった宏峰の媚態を思い浮べ自らを慰めた。
友義と宏峰は保育園からの幼なじみ。
無邪気で素直な二つ上の宏峰に恋心を抱いたのが、友義が幼稚園の時。
それから小学、中学と、同じ学校に通いながら思いを募らせていった。
中学に入ってから宏峰はその麗しい容姿で女子生徒を虜にし、何人かの子とお付き合いもしていた。
友義としては身を削られる思いだったが、同性だという事実から言いだせずにいた。
それでも、保育園の頃から変わらない無邪気な笑顔が自分に向けられる度、喜びに心を踊らせた。
だが、友義が中二になる年に宏峰は家庭の事情で引っ越してしまい、高校は別々になってしまった。
それからの三年間は淋しい思いに打ち拉がれていたが、去年の春、宏峰は地元の大学へ進学する為に家族付き合いのある友義の家に居候としてやってきた。
637 :
太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:39:45 ID:LLxZf4nq
4
友義は大いに喜んだが、三年経って友義の前に表れた宏峰は、容姿こそ磨きがかかり大人びていたものの、その性格がかなりひんまがってしまっていた。
昔のような暖かい笑顔は消え去り、皮肉めいた笑みを浮かべるだけ。
家族の前では猫を被っていたようだが……。
そんな変わってしまった宏峰にも、友義の恋は冷めなかった。
えらそうな態度の中にも、昔の面影が潜んでいるように見えたからだ。
そして、しばらくしてバイトを始めた宏が、一人暮らしをすると家を出ていく前日、友義は約十年間持て余してきた気持ちを思い切って打ち明けた。
「何だ。用があるならさっさと言えよ」
夕食後、自分に与えられた部屋に戻るところを引き止められ、宏峰は不機嫌そうに言葉を吐き出した。
友義は大きな背を丸め、幾分低い位置にある顔を見下ろす。
男相手の告白は、シャイな友義にとって今までの人生最大のプレッシャーで、緊張のあまり倒れそうだった。
「あ…あのさ、ひーちゃん……その」
「ひーちゃんは止めろ」
低い声で言われ、友義は慌てて改める。
「ひ、宏峰……」
口にした途端真っ赤な茹でダコ状態になる友義に、腕を組み横柄な態度で見上げていた宏峰は奇怪そうに眉をしかめた。
638 :
太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:42:46 ID:LLxZf4nq
5
「何だよ」
「……その、俺……さ。えーと…」
覚悟は決めたものの、本人を前にすると用意していた言葉も役に立たず、友義はもごもごと口籠もる。
そんな様子に、宏峰は苛々と組んだ肘を指で叩き、業を煮やしたのかクルリと踵を返した。
「用がないなら、もう行くぞ」
「まっ、待って!」
友義はグッと手を握り締め、声を振り絞って呼び止めた。
小さく溜息を吐き振り向く宏峰に、とうとうその言葉を放った。
「……スキ……なんだ。ひー……宏峰の、こと。俺と、付き合って下さい」
頬は赤らんだままポツポツとだったが、その真剣な眼差しに宏峰はしばらく無反応のまま見入っていた。
「あの……」
中々返事がないのに不安になり友義が遠慮がちに声をかけた。
その声にハッとしたように何度か瞬くと、すっといつもの余裕じみた顔つきに変わる。
宏峰は腰に手をやり、傲慢に言い放った。
「仕方ないから付き合ってやる」
こうして、長年に渡る友義の恋は何とか成就した。
639 :
太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:47:44 ID:LLxZf4nq
6
しかし、そこからが友義の本当の戦いだった。
無邪気で素直な笑顔は消え去り、三年間で傲慢で捻くれて冷淡に変わり果てた宏峰は、何かと友義を顎で使った。
頻繁に部屋を訪れるようになった友義に、アレをしろコレをしろと振り回す。
まあ、そのくらいのことなら友義にとっては何てことはなかったが、問題は夜の営み。
痩せ身の宏峰に比べて、がっしりとした屈強な体付きの友義は当然のように押し倒そうとしたのだが、拒否され逆に組み敷かれた。
まさか自分がやられる側なのかと目を剥く友義に『お前に突っ込む気にはならない』と言い放ち、腰に跨り自ら男の欲望を受け入れてしまった。
童貞だった友義は、最中に萎えるなんてことはなかったが、終始目を見張っていた。
それからも何度か体を重ねたものの、宏峰は一度たりと友義に主導権を渡さなかった。
自分の気分で跨り、腰を振り先に絶頂を迎えるとさっさと離れていってしまう。
友義が宏峰との行為で最後まで到達しないというのは、めずらしいことではなくその度自分の右手で始末をしていた。
しかし、宏峰に惚れ込んでいる友義に文句が言えるハズもなく、せめて自分の上で乱れる姿を目に焼き付けておこうといつも必死なのだが……
640 :
太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:57:26 ID:LLxZf4nq
7
今日のように目隠しをされたり、首を絞められてはそれもままならず、空想の宏峰とのバーチャルセックスにふけるしかなくなる。
「く、ぅ……ひー、ちゃん……!」
友義は手に弾ける熱を確かめ、ため息を吐く。
そして首を傾げた。
「ひーちゃん、機嫌悪かったのかなぁ……」
ティッシュで手を拭きながら扉に視線を向ける。
いくら宏峰が傲慢といっても、首を絞めるなんてことは今までなかった。
たとえ友義が不本意なあだ名で呼んだとしても、だ。
いつも友義に気ままにキスし、とろんとした瞳で喘いでいるのに。
ふと、考えていると股間に熱が集中していることに気付く。
若い精は、一度抜いたくらいでは満足してくれないらしい。
友義は、とりあえず目隠しは勘弁してほしいと頼もうと決心し、再び中心を手に握り込んだ。
とりあえず、ここまでです。
ぬるくてすみません……
ああ!あげてしまった、スマソ……
太陽さん乙。
ぬるくないです…へたれ受け萌え(´∀`)
よいクリスマスプレゼントを頂きました。
続きお待ちしています!
乙です。このスレでヘタレ攻めを見るとは思わなかった…新鮮。
ええとね。
「焦れた」 は 「じれた」と読むんだよ。
「こがれた」じゃなくて。
豆知識でした。
>>644 すんません、誤字です。
完全に間違えました。
指摘ありがとうございます。
正しくは
〇焦れたのか
×焦がれたのか
です。
本当にありがとうございました
どうした?
ヘタレ攻め先陣がいたという事では?
太陽さん萌えました。
これからの展開にもwktk(・∀・)
ヘタレカワイス…(*´д`*)
太陽さん、続きにwktk
「ありがとうございました」
最後の客を送り出し、朋之はほっとしたように息を吐いた。
時間は午後11時になる少し手前。
閉店時間にはまだ少し早いけれど、今から来る客もいないだろう。
朋之は二十歳の大学生になっていた。
今はこの喫茶店でアルバイトをしている。
いつもはマスターが店を閉めるのだが、今日は用があると言って30分ほど前に帰ってしまったので、残っているのは朋之一人だ。
朋之がここでアルバイトを始めてから、そろそろ1年が過ぎようとしている。
店を閉めることを任せられるほど、マスターに信用してもらえるようになったことが朋之には嬉しかった。そして何より、自分で働いたお金で隆一に何かをできることが嬉しい。
大したことはできないけれど、今は自分で誕生日やクリスマスにプレゼントをしたり、時には朋之が隆一を食事に誘ったりすることができるようになっている。
隆一が自分にしてくれていることを思えば、自己満足さえできないようなささやかなことばかりだけど、それを本当に喜んでくれる隆一を見ることが朋之の幸せだった。
マスターは隆一の知り合いで、隆一も時々この店にコーヒーを飲みに来てくれる。
働く朋之の姿をやさしく見守ってくれる。
アルバイトをするなら自分の目の届くところでと言った隆一を、朋之は過保護すぎると笑った。
それでも隆一がそれだけ自分を思ってくれているのだと、素直に言うとおりにした。
初めて隆一に抱かれたのは隆一に告白されたその夜だった。
隆一のやさしい愛撫に、朋之は身体も心もすべて溶かされてしまうのではないかと思った。
それから何度もそんな夜を過ごした。
こんなに幸せでいいのかと思ったことは、一度や二度ではない。
愛し、愛されることの幸せを隆一は朋之に教えてくれた。
隆一のいない人生なんて、朋之には考えられなくなっている。
チョコレート色の木のドアから、朋之は「営業中」のプレートを外した。
片付けと掃除をするために中に入ろうとした朋之は、店の前で立ち止まった人達を振り返る。
夜遅い時間になっているので、表通りから外れたこの場所の人通りはほとんどなくなっていた。
「すみません。今日はもう終わりなんです」
「いいよ。別にコーヒーを飲みにきたわけじゃないから。な?」
「そうそう。俺達が用があるのは朋之くんだからさ」
ニヤニヤと笑いながら、男達はからかうような言い方をする。
気が付くと、朋之はドアを背にして五人の男に取り囲まれる形になっていた。
男達は皆二十歳を少し過ぎたぐらいだろうか。チンピラ風の、一目見てあまり傍には寄りたくないような連中だった。
「中に入ろうぜ」
リーダー格の男が朋之の腕を掴み、店の中に引きずり込む。
乱暴に床の上に突き倒され、朋之の手から離れたプレートが音を立てて転がった。
「っ……」
身体を床に打ち付けた痛みで、朋之は呻いた。
「乱暴にすんなよ、新也。壊れちまったら楽しめないぜ」
1人の男が笑い交じりに言った。
振り返ると、3人の男が口元にいやらしい笑みを浮かべてゆっくりと朋之に近づいてくる。
後の2人は窓にカーテンを閉め、ドアに鍵をかけた。
そして真ん中を広く明けるために、テーブルや椅子をドアを塞ぐ形に運んでいる。
男達は朋之の逃げ道を塞いでしまうつもりのようだ。
「マスターはお出かけなんだろ?客はいないし、ここにいるのは俺達だけだ。楽しもうぜ」
舌なめずりをするような口調に、朋之は息を飲んだ。
獲物を捕らえたような視線から目を逸らし、朋之は逃げ出そうとした。
表のドアは駄目でも、厨房の奥から裏口に逃げることができるはずだ。
だが、その動きは読まれていた。
朋之が起き上がるより早く、一人が腕を掴んだ。
「離せ!」
朋之は暴れたが、男としては小柄な朋之が数人がかりで押さえつけられれば抵抗などできるはずがない。
「可愛いね。離せだってさ」
「こいつに目をつけて正解だったってか?」
男達は余裕で笑っている。
その話の内容から、男達が以前から朋之を襲うチャンスを狙っていたということがわかった。
男達は今日マスターが出かけたことを知って、閉店時間を待ちかまえていたようだ。
この店には朋之目当ての若い女の子の客も多く訪れる。
本人は自覚していないが、綺麗な顔に浮かぶ明るい笑顔は一度見たら忘れられない印象を人に与えている。
それだけではなく、少年から大人へと変化していく時期特有の危うさも秘めていた。
そんな朋之が男達に目をつけられたのは仕方がないと言えるのかも知れない。
だが、朋之にそんな理屈を納得しろと言う方が無理だ。
「嫌だ!離せ!」
朋之は叫んだ。
「大人しくしろ。いい顔を撮ってやるからな」
新也と呼ばれた男が、朋之に向かってビデオカメラを構えている。
「嫌だ!やめろ!」
朋之は必死でもがいたが、店の制服であるエプロンを外され、ネクタイを抜かれる。
前を引きちぎられるようにして開かれたシャツからボタンが弾け飛んだ。
肘まで引き下ろされたシャツで、両腕を後ろ手に縛られてしまう。
ズボンも剥ぎ取られて、朋之はあっという間に全裸にされてしまった。
一番体格のいい男が、後ろから朋之を抱きかかえる。
両側に回った男が片方ずつ足を持ち、M字型に膝を折り曲げた。
すべてをさらけ出された朋之を、硬質なカメラのレンズが捉えている。
「恥ずかしい格好をしっかり撮ってもらいな」
思わず顔を逸らした朋之の髪をもう一人の男が掴み、正面を向かされた。
固く瞳を閉じても、朋之を襲う現実はなくならない。
「これを使うか」
手の空いた一人が、冷蔵庫からバターを取ってきた。
「そうだな。傷つけちまったら、長く楽しめないからな。まずはこいつをしっかり感じさせてやろうぜ」
「嫌だ!やめろ!」
楽しそうな声の中に、朋之の悲痛な叫びが響く。
冷えたバターが朋之の蕾に塗りつけられた。
その滑りを借りて、ゆっくりと指が入ってくる。
「や…っ……あ……」
朋之は背筋を跳ね上げた。
長い期間をかけて隆一に馴らされたそこは、男の指の侵入を難なく受け入れてしまう。
「何だよ。指1本入れただけで、もう感じてるのか?可愛い顔して淫乱だな」
緩く勃ち上がり始めた性器を指で弾いて、男は揶揄するように言った。
「お前らも触ってやれよ。こいつ、随分好きみたいだ。一緒に楽しんでもらった方がいい」
新也が、薄い笑みを浮かべる。
「っん……」
後ろから羽交い締めにしていた男が、朋之の口の中に指をねじ込んだ。
指先で舌に刺激を与えられ、朋之は肩を震わせる。
足を押さえている男達は目配せをして、同時に乳首に舌を這わせてきた。
3人は空いた手で朋之の肌を撫でる。
もう1人の男は後腔に差し入れた指の抜き差しを始めた。
敏感な肌は男達の与える感覚をすぐに快感へと転じてしまう。
あらゆる快楽を隆一に刻みつけられた身体は、男達の与える感覚に耐えることができない。
男達は朋之の感じる場所を正確に探り出しては、その箇所を嬲った。
「あぁっ……」
右の乳首を強く噛まれて、朋之は内側の指を締めつける。
「こいつ、痛いのが好きみたいだぜ。すげー締めつけてくる」
2本目の指を挿入した男が言った。
「もうこれだけ濡らしてるんだから、よっぽど好きなんだろうぜ」
まだまともに触れられていない性器の先端から蜜が溢れ始めている。
新也はそこを映して笑っている。
こんなことで快感なんか得られるはずがないのに身体が熱い。
自分に触れている手は隆一じゃないのに、明らかな快感を感じている。
そんな自分にも朋之は戸惑っていた。
(隆一さん、助けて)
朋之は心の中で隆一を呼んだ。
隆一は朋之が困ったとき、いつも助けてくれた。
だが、今は隆一は現れない。
どんなに呼んでも、朋之を助けに来てくれる人はいない。
「やっ…あ……」
朋之は背筋を反らせた。中を嬲る男の指が一番敏感な箇所を押した。
「ここが好きなのか?」
「違…あっ……」
もう一度同じ箇所を押されて、否定しようとした声は喘ぎに呑み込まれる。
「どこだって?」
もう1人の男も指を中にねじ込んできた。
「あぁ…っ……」
朋之は声を張り上げた。
バラバラの動きで内側を嬲られ、腰の奥が強く疼き始めている。
他の男達の手の動きも大きくなる。
両方の乳首を強く噛まれて、電流のような痺れが全身を貫いた。
性器には手を触れられないまま、朋之は達した。
「何だよ、もう我慢できないのか?かなりの淫乱だな、お前」
新也がからかうように言った。
男達の手の動きはやまない。
「やだ!やめろ……」
朋之は懸命にもがくけれど、それは男達を愉しませる結果にしかなっていない。
男達の乱暴な手の動きは、朋之を傷つけるようなものではない。
けれど、その愛撫を隆一のやさしい手だと思えるはずもない。
これはきっと夢だ。朋之はそう思い込もうとした。
目を開けたら、隆一がやさしく笑いかけてくれる。
こんなこと、現実であるはずがない。
だが、再び高まっていく身体の感覚も、男達の声も紛れもない現実だった。
朋之は心の中で隆一を呼び続ける。
でも、店のドアは開かず、身体の感覚だけが高められていく。
「どうだ?そろそろ」
「ああ、もういいだろう」
後ろから指が引き抜かれ、朋之を押さえつけていた手が離れた。
それは朋之を解放するためであるはずがない。
朋之は俯せにされ、腰を高く引き上げられる。
「あぁ……っ」
一気に貫かれる痛みに朋之は叫んだ。
「こっちも使わせてもらうからな」
髪を掴まれ、顔を上げさせられる。口の中にも男の性器をねじ込まれた。
「ん…ぅ……」
気持ちの悪さに、涙が滲んでくる。
抵抗などしようもなく、喉の奥を突かれた。
隆一のものなら何度も銜えたことがある。
その時には嫌悪など感じたこともなかった。
だが、見知らぬ男のものを銜えさせられる気色の悪さは、朋之の想像を遥かに超えている。
「ちゃんと舌使えよ」
脅すように言って、口に銜えさせた男が腰を揺する。
息苦しさに動く舌が、男のものに刺激を与える結果となった。
後ろを貫く男は、強弱を変えて朋之を揺さぶる。それ以外の連中は朋之の乳首や性器に刺激を与え始めた。
触れられるたびに朋之の身体が跳ねる。
強制的に与えられる快感で、全身が熱く疼いている。
「いいぜ。もっと感じさせてやれよ。すげー締めつけてくる」
後腔を抉る男の動きが激しくなる。最奥の敏感な箇所を何度も突かれて、朋之の背筋を快感が走り抜ける。
自然に腰が揺らぎ、男が達する前に朋之は2度目の精を放った。
「もうイッてるぜ。こいつ」
嘲笑う声が、耳の奥に響いた。
喉を突いていた男の性器が唐突になくなり、精液を顔に浴びせられた。
「似合ってるぜ」
口を犯していた男が揶揄するように言った。
精液で汚れた髪を掴まれ、次の男の性器を口の中にねじ込まれる。
そのときには、2人目の男が朋之の中に入っている。
1人が達すると、次の男が入ってくる。口も後腔も休む間も与えられずに犯された。
朋之の肌を嬲る手がなくなることもない。1人が離れると、もう1人が朋之に刺激を与え始める。
「たまんねーな。こいつ。マジ、いい身体してる」
朋之を突き上げながら、男は満足そうに言った。
激しく穿たれ、朋之は身悶えた。
意識は朦朧としてくるのに、身体の感覚だけが強まっていた。
感じたくなんかないのに、快感に全身が浸されている。
「おら、もっと締めろよ」
怒鳴るように言われて、尻を打たれる。
乳首を嬲っていた指先に強く抓られ、痛みが朋之の意識を引き戻した。
尻を叩かれながら前と後ろを犯され、朋之は何度目かわからない精を放った。
「こいつマゾじゃねーの。叩かれて悦んでるぜ」
男達の笑う声がどこか遠くで響いている。
そんな朋之の姿も、すべて撮影されていた。
何度男が入れ替わったのか、自分が何度イッたのかも、朋之にはわからなくなっていた。
短い声を漏らして、後ろを揺さぶっていた男が離れた。
次の男は今度はすぐに入ってこない。
「見ろよ。こいつ、これだけやられて、まだ足りないって言ってるぜ」
そう言った男が、朋之の蕾をそっと撫でる。
その刺激に、朋之は肩を跳ね上げた。
朋之の蕾は新たな刺激を求めるようにヒクヒクと蠢くことをやめない。
「心配しなくても、まだまだ可愛がってやるからな」
朋之の身体が仰向けに返される。大きく足を折り曲げられ、次の男が朋之の中に入ってきた。
「ひっ…あぁ……」
性器を靴で踏まれ、朋之は叫んだ。
その痛みで、内側に含んだ男を強く締めつけてしまう。
「いいぜ。もっとしてやれよ。たまんねー」
激しく腰を揺らし、男は朋之の締め付けを楽しんでいる。
踏みにじられた性器から零れた精が、男の靴を汚した。
意識を手放しかける度に、朋之は痛みによって現実に引き戻された。
どれだけの時間が過ぎたのかわからない。自分の居場所も感覚も、朋之の中から失われていく。
強制的に与えられる快感と痛みだけが朋之の現実だった。
いつ果てるともわからない闇の中に朋之は突き落とされていった。
今回はここまで
キタ-(゚∀゚)!!
乙です夢さん!輪姦輪姦!
夢さんGJ!林間エロイよー!
キタ――(゜∀°)――!!!!夢さん、期待してますっ
665 :
643:2005/12/26(月) 17:13:40 ID:v9dtPurl
>647
649の解釈が合っているという事を前提にレスするけど、
そういうのじゃなくて、ヘタレ攻めスレにいるような典型的なやつのことを言いたかったんだ。
言葉足らずでスマソ
夢さんGJ!
どどどどうなっちゃうの?朋之クン!
林間…(*´д`*)
あぁ、止めたげて。でももっとやってー。
668 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:14:19 ID:Lf94R/nG
〔つづき〕
エクバーグの吸血鬼は親子揃って名前を隠すのが習わしだった。
何故なら無敵のはずの彼等にも天敵がいたからだ。
悪魔払いの一族で、カステリットという。
不運にも名前を知られてしまった父親のレオーネは、
その力を奪われて息子の前で三日三晩鞭打ちの刑に処された。
銀髪の美しい青年の姿をしていたが、有に400年人の生き血を吸って生きてきた。
幾つもの罪を重ねた彼が人間の女に産ませたのが息子のFだ。
「生まれてきた事が罪だ」
そう言ったのはJJ・カステリットの兄で、彼は狂ったように鞭を振るっていた。
もう止めろとJJは兄を諌めたが、その手を止める事はなかった。
まるでどちらが悪魔かわからない、残虐な性格の兄だった。
すでにぼろぼろの父と、逆らう気力を無くした息子は居城の東の壁に張り付けられた。
憐れな親子はそこで太陽に殺されるはずであった。
しかし、やっと罪を償える、と笑って死んだのは父の方だけだった。
「ああー!レオ!うわあああー!」
見届け役のJJが朝陽の中で見たのは、泣き叫ぶ息子の姿だった。
レオーネはとっくに灰となり、夏の風に流されて消えていた。
父の死を目の前で見せられた息子の姿は、想像だにしないくらい悲しかった。
「レオー!ああ、レオ。僕はどうすればいい!?一人ぼっちになってしまった」
泣き続けるFをJJは憐れみ、壁から降ろすとそのまま彼を隠した。
「お前を殺してやる!お前達を殺してやる!いいか、必ずだ!」
Fは呪いの言葉を吐き続けた。そう、彼に罪はない。
未だ人の血を吸った事はなく、何故父が殺されたのかも理解していない。
そこでJJは言った。
「確かに君の父を殺してしまった。だから償いをしたい。
君がこれから孤独に苛まれる事がないようにしてやるから、私の家族を恨まないでくれ。
約束しよう、ずっと一緒にいるから」
669 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:18:05 ID:Lf94R/nG
そしてJJは自分の血を飲ませ、Fに罪を与え、お互いの名前を明かし合った。
それは約束であり、喜びであり、苦しみでもあった。
「私の血を糧にせよ。私は自分に呪いをかける。君の為にいつも新鮮な身体であり続ける。
だから私以外の人間を食料としないで。必ず生まれ変わるから…」
Fは未だにこの誓いを破った事はない。
約束通りJJは何度も生まれ変わってくるし、いつも傍に居てくれた。
憎しみは消えそうにもないが、永遠に愛すると誓った。
Fと過ごした何回目の夜だろうか、直人の絵はようやく仕上がり、
リビングで二人は激しく睦み合った。
興奮していたのは直人の方で、Fに跨り一人腰を振った。
お互いが弾けるのはほぼ同時で、ぐったりと寝転がる動作までシンクロした。
「どうしたんだ…?」
事が終わり、Fが初めて口を開いた。
傍らの直人の腕をさらさらと撫でながら、その横顔に尋ねた。
「F、俺何で日本に生まれてきたか思い出したよ…」
ぼんやりと天井を見ながら直人は言った。
「桜だよ、アメリカで一緒に見たろ?」
「ああ、そうだったね。まだ小さな苗木だったけど、かわいい花が咲いてた」
「日本で見ようって約束したよな。覚えてる?」
直人はFの黒髪をひと房摘んで引っ張った。
「覚えてるよ、来月には咲くだろう。竹下に弁当作らせて夜桜を見に行こう」
Fがそう言うと直人は静かに目を閉じた。
頭の中ではアレックスだった時に見た、ワシントンの小さな桜が咲いていた。
日本ではどんな壮大な花が見れるのだろうか。Fと見る桜はどんなにか美しいだろう。
ただそれが見たくて日本に生まれてこようと思ったのだ。
670 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:19:06 ID:Lf94R/nG
相変わらずこの家での生活は続いていた。
年が明け、冬を越え春がそこまで近づいて来ている。
直人の絵は完成しFは絵の具を片付け、竹下は掃除が楽になったと喜んだ。
学校の廊下にある歴代の校長の肖像画みたいに並んだ彼らの最後尾に直人はいた。
少し俯き、片腕を反対側の肩に回している。やはり彼もこちらを見ていなかった。
直人はFの描いた自分を見る事はなく、ますますJJと自分がかけ離れた気がした。
Fがどんな想いでいるのか尋ねる事もなく、ただ虚しかった。
「八神先輩」
「ごめん、忙しいとこ」
夕方のとある公園、直人は入り口近くのベンチにいた桐生に駆け寄った。
「悪い、待たせたな」
時計を見ると約束の時間は過ぎていて、申し訳なさそうに直人は謝った。
「いえ、今来たとこです」
このやりとりがデートのようで、二人は笑いながら公園の奥へ進んでいった。
まだ初春の寒々しい木々の景色の中、日は傾きかけていた。
もうすぐFが起きてくる時間だな、と直人はいつもの癖みたいに思った。
散歩中の犬が直人にじゃれてきた。
桐生はそんな光景をカメラにおさめ、また二人は歩き出す。
「今日はどうしたんですか?」
この公園に呼び出したのは直人の方だった。
前に会った時より少し印象の違う彼に何かあったのかと尋ねる。
「…花見の下見だよ」
「花見?」
砂利道にずっと続く木々はまだ芽生えのない桜だった。
ああ、と桐生は頷いてカメラを向ける。
「まだ咲いてないのに撮るの?」
「花が咲いてりゃ誰が撮ったって綺麗に写りますよ」
自身ありげに桐生は言ってシャッターを切った。
671 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:23:01 ID:Lf94R/nG
直人は時々忘れそうになるが、彼はれっきとしたプロのカメラマンなのだ。
それはレトロなFの絵と対照的な仕事に思えた。
飲み物を買って、二人は横道によれて奥へと進んだ。
少し高くなった丘の向こうには小さな池があって、二人の他に人の気配はなかった。
穴場だな、とそこに腰を下ろした頃には辺りはもう薄暗くなっていた。
「今日はあったかいな」
真冬用のダウンコートの前を開け、直人は手にしたお茶の缶を開ける。
「うっわ、先輩…」
桐生はふと見た直人の胸元に細長い傷跡を見つけてしまった。
「ミミズ腫れ…、何で…」
「や、ごめっ、これはその…」
直人はお茶を噴出して慌てふためいた。
すっかり忘れていた、昨日はあの後で乱暴にされた事を。
Fは快楽を与えてくれなくて、傷はまだ癒えていない。
「そんなバイオレンスな奴なんですか、そのFって人は」
鞭で打たれる直人を想像してしまって、顔を赤くして桐生は傷を確認する。
「いや、何ていうか…、たまに?」
まて平気そうに直人は言うものだから、桐生はちょっとひいてしまう。
「ちゃんと手当てしたんですか?ちょ、ちょちょ、ちょっと失礼」
直人のコートを剥ぎ取って、恐る恐るシャツの背中をめくった。
「うわっ」
「結構酷い?すっごいシャワー沁みたんだけど…」
直人の背中一面には痛々しいたくさんの傷があった。
そのピンク色の筋は肩から背中から尻の方まで続いている。
そっとその傷に触れてみると直人は跳び上がった。
「あっ、すいません。痛かったですか」
「いや、てか…、背中弱いし…」
672 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:23:46 ID:Lf94R/nG
そうだった、何年経ってもこの先輩はくすぐったがりなのだ。
「でも、これちょっと酷いんじゃないですか?」
直人の背中をゆっくりしまいながら、桐生は非難混じりの声で言った。
「いいんだ…」
Fは時々こんな風に直人は痛めつけられた。
いつもはひどく優しく直人を愛するのに、次の瞬間には別人のように暴力的になる。
それは昔からの彼の癖のようなもので、今回もそれは変わらなかった。
Fの愛憎の真理を知っていたから、直人は甘んじてそれを受け入れてきた。
「桐生、俺はお前に謝らないといけないんだ…」
話を逸らすように声音を変えて直人は言った。
「何をですか?」
「……」
なかなか切り出せないのか、迷いがあるのか、直人は答えない。
傾けた首筋が綺麗で、桐生はそんな彼の横顔をずっと見つめていた。
「先輩、何を謝りたいんですか?」
桐生はそっと直人の頬に触れた。拒まれるだろうか、自信なさげに。
直人はピクリと顔を揺らしただけで、さらさらと撫でる桐生の指に身を任せていた。
ゆっくりと桐生を見る直人は、不意に彼の親指が唇に触れるのを感じた。
桐生がその赤い唇に見とれていると、直人はそれを口に含んだのだ。
「誘ってるんですか?」
暖かく緩い感触と時折見え隠れする舌が淫猥で、桐生は驚き指を引く。
「エロいですよ」
何か違和感がある。桐生は濡れた指をそのまま直人の背中に這わせた。
「あっ」
直人は思わず大きく仰け反った。
「どういたんですか?ガラじゃないですよ」
相変わらずの無表情で、桐生はあっという間に直人を押し倒した。
さっきしまった背中を開き、そこに柔らかい攻撃を加えた。
「やっ…」
「誘っても、僕が手を出さないって知っててやるんですね」
673 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:25:46 ID:Lf94R/nG
細っこい直人を組み敷くのは簡単だ。
首根っこを押さえ付け、シャツを毟り取り、形のいい尻をいやらしく撫でる。
「先輩、やっぱり中身は年をとってますよ。随分計算高くなりましたね」
すでに直人の口から荒い息使いが漏れている。
傷だらけの背中に桐生は舌で文字を書いた。
「ガラにもない事をするから、僕はもう止まりませんよ…」
「やめろ…」
桐生の言う通りだった。ガラにもない事をした。
直人は後悔しながら、感じてしまう自分の身体を恨んだ。
夜の公園、人気が全くないわけではない。遠くで男女の笑い声や犬の鳴き声がする。
精一杯声をひそめたつもりの二人は、それでも荒い息遣いは止められなかった。
「ごめん桐生…、あっ…お、願いだから離してくれ。傷が…」
傷が癒えてしまえばそれは他で快楽を得た証拠になってしまう。
それがFに知れたら…、想像して直人の背筋が凍る。
直人はあらん限りの力で抵抗したが、その度に桐生の攻めに手折られる。
昔の恋人の身体の弱点を知らぬはずはない。
背中、脇腹、足の付け根、そして中の一点、所詮かなう筈はない。
「指を…抜いてくれっ!駄目だ…」
「先輩結構自己チューですよね。なんなんですか、僕はダシに使われたんですか?」
指を二本差込み直人に嬌声を上げさせ、桐生は刑事のような尋問を続ける。
直人は声が出ないようにと芝生に顔を埋めた。
どこかで冷静に対処しようとしている自分が嫌だった。
「ああ、F…」
Fごめん、耐えられそうにない。
罪悪感から小さく彼の名を呼び、心の中で助けを求めた。
「……!」
桐生が入ってくるのを感じた。彼は優しく緩やかに直人を攻めた。
背中にキスを繰り返し、時折髪を歯で摘み後頭部にもキスをする。
ゾクリとする快感を与えるのが桐生のやり方だった。
674 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:27:26 ID:Lf94R/nG
「何やってんの?」
突然に、二人の背後からその声はした。
一際大きな木の下、幹に寄りかかりながらFは二人を冷ややかに見下ろしていた。
「F…!」
「お盛んだね直人、昨日の今日でまだ何か突っ込みたかったの?」
夢か幻か、どこか冷めた言い回しの彼から感情を読み取る事はできない。
「あの人がF…」
「んあっ」
桐生は確認するように呟いて、ずるりと直人から自分を抜き去った。
「君が桐生君か。ああ、続けてくれて構わないよ」
「僕は誰かに見られながらなんて趣味はないです」
さっと身繕いすると、桐生は座ったまま彼と向き合った。
「どうも、はじめまして」
ぺこりと頭を下げる。
「一言言わせていただくと、あなた先輩に対して手酷い仕打ちをなさっているみたいで」
怖いもの知らずなのか、目を逸らす事無く桐生は言った。
「……」
Fは微動だにせず、まるで観察するように桐生を眺めていた。
「…だそうだが、直人どうだ?」
両手を突いてうなだれたままの直人は、Fの声に身を震わせた。
「直人、背中綺麗になったな」
Fの指摘通り直人の背中にあったはずの傷が綺麗になくなっていた。
「随分気持ちよかったんだな。もういいだろう、帰るぞ」
遊ばせておいた飼い犬に対して言う台詞とまるで同じだ。
直人はその声に従い、ゆらゆらと立ち上がる。
「桐生君、あまり深入りしない事だね」
Fはぴしゃりと言い放った。
「まだ話は終わってないです」
675 :
不覚のF:2005/12/27(火) 01:28:09 ID:Lf94R/nG
あっさりとFに従う直人が信じられなくて、桐生は頼りなげなその手を掴んだ。
その身体から芯がなくなった様子の直人は、かくっと膝から折れてまた地面に手を着いた。
「Fさん、探しましたよ!急にいなくなるんだから…。あれー、八神君?
ほんとに居た。どうしたの、今日バイトじゃないの?」
Fの背後から緊張感のない竹下の声がした。
二人で買い物に行く途中、通りかかったこの公園でいきなりFは立ち止まった。
直人の匂いがする、と足早に公園内に消えた彼を追いかけてやっと見つけ出したのだ。
「え?なになに、どうしたの?」
微妙な空気のこの様子に、竹下は明らかに一人浮いていた。
「竹下、直人を連れて帰れ」
「え、はいはい」
Fが促したので、曖昧な表情の竹下はそれに従って直人の腕を取った。
「待って下さい!先輩、まだ何も聞いてませんよ!」
「えー、ちょっと君何!?」
そんなやり取りの間、直人は放心状態で一切言葉を発せずにいた。
桐生を見る事もなく、竹下に抱えられてその場を後にする。
彼の頭の中は、次に待っている手酷い仕打ちの恐怖でいっぱいだった。
「先輩…」
こんな言いなりになている彼を桐生は初めて見た。
「さて桐生君、君は直人の恋人だったそうだが」
一歩、Fは彼に近づいた。
「何が目的で?」
「どういう意味ですか」
「ふん、いいだろう」
上等な答えだ。Fは桐生を見下すように笑った。
「本名は?」
「……」
桐生はじっとFを見据えて目を離さなかった。
二人はそのまましばらく睨み合った。
〔ここまで〕
不覚タンキタキタキタ(;´Д`)ハァハァエロいよハァハァ
エロい上に続きが気になって仕方がないよ
不覚タソゴチです!
竹下…w
゚+.(・∀・)゚+.゚
ちょっと桐生さんにはがんがって欲しいところですな。
679 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 07:29:13 ID:4Sq7ys5R
不覚さん乙!
ヤクザ
>>12-16,75-78 アンパ
>>21-29,126,128-129,133,291-297,370-374,398-402,415-423 羽虫
>>37-41 店長
>>49-55 屋上
>>60-70,73 プライド
>>81-84,241-243
不覚
>>86-90,165-170,197-199,251-256,310-315,348-353,473-477,593-596,668-675 無機質
>>96-99,124-125,127,130-132,158-161,228-234,245-249,282-286,316-320