【陵辱】鬼畜作品を創作して13thプレイ【SM】

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1風と木の名無しさん
読みきりでもリレー小説でもいいのでここに書いて下さい。
H描写のみも可。神の降臨、お待ちしてます。

●SS書きの方への注意
・スカトロ、フィスト、切断等のハードプレイは名前欄にその旨を記入する事。
 数レスに渡る作品の場合は、その描写のあるレスすべてに、
 内容の注意書きを直前に入れて数行改行後に投下して下さい。
 (IEブラウザや専用ブラウザなど様々な環境の方がいます!)
・保管の都合上獣姦は扱わない事。(擬人化風味はオケー)
・続き物の場合、簡素な物で構わないのでシリーズ名を書き添える事。
・投下終了の場合それとわかるように明記する
・SS投下時、感想へのレス以外の雑談は名無し推奨

●スレ住人心得
・叩きや煽りには絡まない
・肌に合わないSS、レスはスルーの方向で
・SS投下時は仮でいいからコテハンで
  (※どうしても合わない人がとばせるように)
・特殊なプレイはなるべく注意書きをいれる
  (具体的にネタバレせずとも「濃いめアリ」とか)
・住人をネタにしたSSもどきを禁止

まとめサイト
ttp://web.hpt.jp/yaoi/

まとめサイト@携帯
http://web.hpt.jp/yaoi/i/main.html

☆次スレは950で。立てられない方は前後の書き込みを自粛してください。
☆それ以前に容量オーバーしそうな時は490KB辺りでスレ立てをお願いします。
2風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 03:11:10 ID:71z7SVeI
3風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 03:15:16 ID:LzqNLeB3
乙。

ショタ注意とか無視か
4風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 03:19:10 ID:9/PUV2T3
>>1
乙!

>>3
したらば池
5風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 03:40:00 ID:LzqNLeB3
ごめん覚めた。
ほんとうにごめん。出来心だった。反省している。

1おつ。
6風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 03:43:40 ID:ERdHpA2f
>>1
神降臨待ってます。
7風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 03:58:35 ID:JP4Red6u
>>1おつ
言い忘れたけどsage進行も入れれば良かったかもね。
8風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 04:00:22 ID:WN70NWw8
>>1
乙です
9風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 04:30:30 ID:MqQrutDj
>>1乙。
昨日のIDならSM入ってたのに(´・ω・`)チト ザンネン
10風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 04:59:10 ID:71z7SVeI
次はもっと早い時期から余裕を持ってテンプレ案とか話し合った方がいいかもね。
ちょっと今回は余裕がなさすぎた…
ショタ、マッチョ、親父受け等の注意書き、h抜き、sage進行等は次スレ時期においおい
話し合っていきましょう。ともあれ職人さん降臨求む!
待ってます!
11風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 05:14:55 ID:lK7Ej15K
余裕のない屈辱は大歓迎 ほしゅ
12ヤクザ×売り専6:2005/11/13(日) 06:24:04 ID:TanTNjIr
保守。12からの続きです。輪姦もの。

 粘っこい精液を唇に纏わりつかせたまま、キラの顔が掴まれ、次は膝枕をしていた男のものをしゃぶらされる。
 顔を上向きにされ、目の前でジッパーが下げられるのを、キラはギラついた目で追っていた。
 舌なめずりして、唇の脇の飛沫を拭ってから、飛び出した性器を咥える。頬がへこむほど咥え込みながら、視線を
三竹の方へ投げかけてくる。心なしか、笑った気がした。
(…あんたも、したい?)
 そう言いたげだった。
(気違いが)
 苛立ちを隠すように、三竹は視界を覆うように煙を吐き続けた。
「…ッウ」
 キラの尻を犯していた男が呻き、前のめりになる。全身が一瞬硬直し、続けて大きく腰を震わせた。
 腹の中に男の精液を吐かれながら、キラは目を閉じておしゃぶりに夢中になっている。
 射精した男が萎えたペニスを引き抜くと、中に放った白濁がどろりと繋がって出てきた。
 男が退くと、脇から別の男が出てきて、キラの腰を掴む。仰向けの体勢を横に倒し、四つん這いにさせる。
 体勢を変えながらも、キラは口からペニスを離さなかった。飢えているかのようにむしゃぶりつき、さらに
尻を高く持ち上げる。誘うように腰を振るのを、男の無骨な指が掴み、猛ったペニスを押し込めていく。
「んっ…!…ぁ」
 キラの腹筋が痙攣し、腰から下がわななく。全部が収まると、男はすぐに動き出した。
「あ!あ、あ!やっ…!」
 今度の男は慣れているのか、キラの調子を狂わせた。緩慢だが、うねるような腰の動きに、キラの顔は蕩けたように
なり、震える唇はペニスの先を滑るようになった。その顎を掴まれ、ペニスを押し込まれたまま、固定される。
「ンぅ」
 咥えさせた男は、キラの顔を押さえたまま、自ら腰を振りはじめた。
「あぅ、ん!ンッ!……ん…」
 キラは悲鳴をあげたが、後ろからの突きに堪えられなくなったのか、次第に大人しくなっていった。
13ヤクザ×売り専7:2005/11/13(日) 06:25:26 ID:TanTNjIr
「……」
 気がつくと、三竹の横に禿頭の男と、さっきまでキラを犯していた男の二人が服を整えて立っていた。
 指示を待っているのだ。
「隣で待機してろ」
 三竹が言うと、二人は黙って部屋を出て行った。
 三竹が三本目の煙草に火を点けようとしたその時、三竹の胸ポケットから派手な音が鳴り響いた。室内の空気が停止した。
 キラの見開いた目が、三竹に注がれる。
 三竹は男達に続けるように指示し、赤い携帯を取り出した。
(上条……)

『キラ?どうした』
 三竹が無言で電話をとると、相手が興奮気味なのがわかった。声の感じからして、待ち受けの男に間違いないだろう。
「上条さんか?」
『!!』
「神秋会の三竹だ。うちのシマで色々やってるらしいな。おたくが飼ってる“猫”から聞かせてもらったぜ」
 三竹は携帯を持ったままベッドに近付いた。声を出させろ、と目で合図する。しゃぶらせていた男がキラの口からペニスを
引き抜いた。
「うっ、ごほっ!…あっ!!あ、あぁっ、あ!」
 咳き込むキラをさらに責め立てるかのように、後ろの男が乱暴に突きまくる。
『キラ!』
 三竹は携帯をキラの口元へ寄せた。
「あ、あっ…パ、パパ……」
『キラ!大丈夫か』
「たすけて…」
14ヤクザ×売り専8:2005/11/13(日) 06:26:16 ID:TanTNjIr
『キラ……』
「聞こえたか?」三竹は電話を自分に戻した。「取引だ、上条さん。この男の身柄と、おたくの組の情報。…お互い、タマの
取り合いは御免だろう」
『取引だと?……こんな真似をされて、ただで済むと思うのか』
「それはこっちの台詞だぜ。挨拶もなしに好き勝手されちゃ、な。…こっちは地元なんだ。この猫をサツに突き出して、芋蔓式に
あんたら引っ張りあげたっていいんだぜ?」
『…………上に聞いてみる』
「はっ」
 三竹はせせら笑った。
「そうしな。なるべく急いだ方がいいぜ。でないとこいつの体が持たないだろうからな…」
『…貴様』
「話がついたら電話しろ。落ち合う場所はその時教える」
相手の話を遮って、三竹は電話を切った。
 ベッドの上では、キラが犯され続けている。口と尻にペニスを押し込まれ、前後に揺すられている。
 先ほどまで、セックスを愉しんでいたように見えたキラだったが、上条の声を聞いて動揺したのか、表情が硬くなっていた。
「んっ!んん!ん、嫌、いやだ…っ・あ」
 ふいに顔を背ける。それを捕まえられて、また口の中に亀頭を捩じ込まれる。捩じ込んだ男の体がびくん、と揺れた。唸り声の
ような息を吐いて、射精が始まった。
「う、グ…」
 紅潮した顔に嫌悪を浮かべ、キラの唇から唾液と精液が零れ落ちた。口の中の分が、嚥下される。ペニスが引き抜かれた後も、男
はキラの唇を指で閉じ、吐き出さないように飲み込ませた。
「ゴホッ」
 男が離れた後、キラは大きく咳き込んだ。充血した目に涙が浮かんでいる。顎を伝う精液を手で拭うと、三竹の方を見た。
 金髪が、水を浴びたように濡れている。もつれた前髪の下の大きな目が、扇情的だった。
「あ……はっ、はぁ…っ」
 キラは何かを言いかけたが、その声は喘ぎにしかならなかった。後ろを奪っている男が、まだ離さないのだ。
「お楽しみの時間が延長だ、キラ。上条の野郎が来るまで、てめえはここで犯られ続ける。運があることを祈るんだな」
15ヤクザ×売り専9:2005/11/13(日) 06:27:38 ID:TanTNjIr
「!!そんな…」
 突かれながら、キラは掠れた声を上げた。
 三竹は自分の携帯で、隣の部屋に待機する二人を呼び出した。待つ間もないうちに、ドアが開く。
 言葉を交わさずとも、指示は分かっている様子で、二人は黙々とベッドの方へ進むと、服を脱ぎ始めた。
「嫌!…助けて!!嫌だ!嫌だ…」
 キラの悲痛な声を聞きながら、三竹は部屋の外へ出て、ドアを閉めた。
 廊下へ出て、エレベーターの方へ歩き出すと、三竹の携帯が鳴った。三竹の事務所からだった。歩みを止めずに三竹は携帯をとった。
『三竹さん』
「鉄男か」
『上条の事でわかったことが……どうやら中華系の組織が裏についているようです。数ヶ月前頻繁にあったATM荒らしの現行犯グループ
がその組織の一味で、上条との直接的な接触はないようですが、間に入っているのが……』
「……虹島組」
『確証はありませんが』
「そんなところだと思ったよ」
(あの上条って野郎は、どうも抜けたふうだからな。)
 虹島組は、神秋会とは隣り合わせのシマを仕切る、かつての抗争相手だった。
 ここ十年は何もなかったものの、それ以上前に遡れば、白昼街中での発砲が頻繁に起こっていた。
 神秋会の会長と虹島組の組長の間の因縁など三竹が知る由はなかったが、今の話は三竹の胸に不吉な予感をもたらした。
『…それと』
 沈黙する三竹に遠慮したのか、間を置いて鉄男は続けた。
『あの、キラって男ですが』
「……?ああ」
16ヤクザ×売り専10:2005/11/13(日) 06:28:49 ID:TanTNjIr
勿体ぶるような鉄男の声を、三竹は訝しく思った。
『念のためと思って、身元を調べてたんですが……その…』
「どうした。お前らしくもねえ。早く言え」
 エレベーターは目前だった。三竹は立ち止まり、思わず怒鳴った。
『あの男……本名は、芳田…芳田 翠でした』
「なに…」
 三竹の表情が凍りついた。
『出身は、北海道○○市○○町…生年月日は昭和61年×月×日………』
「………」
『三竹さん…』
「確かなのか」
 三竹は瞠目した。
『三竹さん、やはり、弟さんで……』
「……お前には余計な事を喋り過ぎたな」
『は…』
「話はわかった。引き続き調べを続けてくれ。それと、上に連絡だ」
『わかりました』
 電話が切れると、三竹はエレベーターの前を素通りして、トイレに向かった。
(…翠。)
 混乱が、三竹の脳裏をかき乱す。
 三竹には、10歳離れた弟が居た。三竹の父は今の三竹と同様、神秋会のやくざだった。
 酒乱で、酔えば子供の三竹も血を吐くまで殴られた。
 弟は、その父が連れてきた二人目の女房の子供だった。
 三竹とその女房が出会った時に生まれたその子は、翡翠の翠と書いて、アキラ、という名前をつけられた。
 しかし乱暴者で、やくざとしても男としても頼りがいの無い父の元で家庭が成り立つはずがなかった。
 三竹が中学を卒業する頃、女房は翠を連れ、実家の北海道へ逃げていったのだ。
17風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 09:52:55 ID:ptKbrKrH
こんちくしょう…萌えだ、キラっちの悲鳴に萌えた
朝からヤクザさんGJ!!

あ、1さん乙でした。
18風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 20:37:48 ID:eWGXN5Sd
あげん
19風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 22:27:41 ID:PJ6vNzDd
ヤクザさんいいところでおあずけ(;´д`)

そしてアンパータソの続きが今一番気になる(;´д`)
20風と木の名無しさん:2005/11/13(日) 23:13:32 ID:ERdHpA2f
ヤクザさん乙!
羽虫タソ、アンパータソ、続きが気になります。
21アンパーフェクト32:2005/11/14(月) 01:42:52 ID:PDfHW20y
前スレからの続きです。

千尋にこれからも付き合わなければならないのであれば、まず千尋のことを知らなくてはならないだろう。
千尋の情報は、案外簡単に手に入った。
クラスの女子に聞いてみると、すぐさま反応が返ってきたのだった。
三井千尋は、ハンサムな優等生だった。
孝之達の通う高校は、一応、公立の進学校である。
学年ごとに、理系・文系特進のA、Bクラス、一般のC〜Eクラスとが存在していたが、
千尋が所属しているのは、その中の、三年の文系特進にあたるBクラスだった。
千尋はその中でも、校内トップの成績を誇っていた。T大法学部を目指しているらしい。
将来は弁護士か、キャリア官僚かしらと、“三井センパイ”ファンの女子達のあいだでは、
もっぱらのうわさだそうだ。
その他の情報としては、今年の夏まで剣道部の部長を務めており、今は受験のために引退しているということだった。
かなり強かったらしく、運動部系の男子達のあいだでも有名だったらしい。
ああ、それで……。と、孝之は思い当たった。
準備室で千尋たちとともに孝之を輪姦した男子生徒たちは、きっと千尋の剣道部仲間だったのだろう。
22アンパーフェクト33:2005/11/14(月) 01:43:47 ID:PDfHW20y
「三井千尋」のことを知らなかったというと、その女子には信じられないと驚かれた。
だが、もともと孝之は噂にはうとい方なので、仕方がないというものだった。
それに、孝之は高校に入ってかなり早い段階で、村上と秘密の恋愛関係をもったので、
上級生の有名人のことなど、気にもかける余裕もなかった。
もしかしすると、彼を知らなかったことが、何か彼のプライドを傷つけたかもしれない。
そんなことを考えた。
(まあ、確かに俺は何かに夢中になったら、それ以外、目に入らなくなるところがあるけどさ…)
と、孝之は自分の突っ走り気味な性格を、いまさらながら反省した。
もっと、周囲に気を配る余裕があったら、千尋たちに目をつけられているとわかったかもしれない。
村上が強迫される前に、そのことに気付いていれば、村上に迷惑をかけることもなかったかもしれないのに。
いや…、と孝之は思い直す。
(先生は……俺を売ったんだっけ)
遅かれ早かれ、自分と村上の関係はこういう終わりを迎えるものだったのかもしれない。
そう考えると、苦しくなる。
あれから、もう一週間たつ。三年生は忙しいらしく、あれ以来、千尋から絡まれることもなかった。
久々に、社会科準備室に行ってみようかと思い立った。
(先生、いるかな)
あれ以来、地理の授業は数回あったが、村上は孝之と目を合わそうともしなかったし、
教科書の朗読の指名すらしてくれないでいた。
けれど、孝之ももう大分落ち着いてきていたし、何より村上が恋しかった。
孝之は、社会科準備室へと足を向けた。
23アンパーフェクト34:2005/11/14(月) 01:44:35 ID:PDfHW20y
社会科準備室の前までくると、孝之を唐突に不思議な感覚が襲った。
あんなことがあったのに、この部屋は紛れもなく存在している。
なんだか、変だ。
もしかして、あれは夢だったんじゃないだろうか。
孝之は、ドアを開けようとしてふと手を止めた。
中の様子がおかしい。あきらかに、別の人間の気配がするのだ。
「……?」
突然、ドアが横に開かれた。中から一人の女子生徒が飛び出してくる。
ドアのすぐ前に立っていた孝之と、少女はぶつかりそうになった。
少女は他の生徒に見られたことに、酷く動揺したようだった。
酷く慌てて、孝之に謝りもせず、そのままそそくさと廊下を駆けて行ってしまう。
ほんの一瞬のことだったが、孝之は彼女が、学校指定のネクタイを絞めていなのに気付いた。
開けっ放しのドアから部屋の中を見ると、机の前の村上と目があった。
村上の襟元ははだけていて、いつもの眼鏡もかけていなかった。
24アンパーフェクト35:2005/11/14(月) 01:45:57 ID:PDfHW20y
社会科準備室は三つ存在している。地理、歴史、公民用に、それぞれ割り当てられているのだったが、
地理用の準備室に常駐している地理教師は、村上一人だった。
彼はそれをいいことに、自分の気に入った生徒をここに連れ込みまくっているのであろう。
――…孝之は、くるりと背を向けた。
だが、
「孝之」
と、声をかけられる。
後ろから抱き突かれ、部屋の中に誘い込まれた。
「……先生!」
「来てくれたのか……」
村上は、後ろから手を回し、孝之の頬をなでる。
そして、孝之を振り向かせ、口を開かせると舌を入れてきた。
「んっ……ふ」
二人きりで会うのは、一週間ぶりだ。
村上には言いたいことがたくさんあった。
数日前の三井たちとの詳細。さきほどの女子生徒のこと。
問い詰めて、思い切りなじってやりたい。そう思っていたのに。
「うれしい……許してくれるんだね」

その一言で、孝之は結局負けてしまったのだった。
25アンパーフェクト36:2005/11/14(月) 01:46:37 ID:PDfHW20y
服の上からひととおり孝之を撫で上げ、キスを交わすと、村上は準備室の中ほどに置いてあった、長机の上の資料を脇にどけだした。
孝之は、これから行われることを思い、ごくりと唾を飲んだ。
「脱ぎなさい」
と、村上に指示される。
ためらった風を見せると、
「言うことが聞けないか?」
「いいえ…」
孝之は大人しく服を脱ぎ、全裸になって長机の上に身を横たえた。体を何かで隠すことは許されなかった。
全裸で長机の上に横たわる孝之を、村上は立ったまま見下ろしている。
一方的に見られていると思うと、恥ずかしくて目をあわすことが出来ない。
同じ姿勢でいるのに耐えられず、脚を少し動かすと、
「まだ何もしていないぞ?」
そういって、膝に手をかけられた。
「見られただけで感じたのか。いやらしいな…」
そういわれて、孝之の目に涙がにじんだ。
こんな風に、視線だけでじわじわ犯されて、言葉で嬲られるのが一番辛いのに。
早く抱いてくれればいいのに……。抱かれて、いつものように「好きだよ」と囁かれたかった。
村上は孝之の内股に手を入れると、ぐいと左右に押し開いた。
26アンパーフェクト37:2005/11/14(月) 01:47:57 ID:PDfHW20y
「あ……、先生」
孝之は顔を赤らめる。
太腿の内側の、皮膚の薄い部分を村上のざらついた舌で舐められる。
「あぁ……」
村上は孝之の下半身を、じっくりと舐めあげ、孝之を焦らしてゆく。
だが、決して強い刺激を与えようとはしないのだ。
「先生…もう………」
「もう? なんだ?」
村上は、身を伸ばして孝之の上半身にかがみ込むと、孝之の乳首に強く噛み付いた。
孝之はびくりと全身を震わせた。
「あぁっ……!」
孝之のその反応を見て、村上は満足そうに笑う。
そして、孝之から一瞬手を離した。
どうしたのだろう、と思って見ていると、村上は仕事机から蛇の目クリップを取って戻ってくる。
そして、孝之の両方の乳首をそのクリップで挟みあげた。
「痛っ! ああぁ…っ!」
孝之が痛みに思わず涙をこぼしたというのに、村上はクリップをぴんと指で弾いた。
「んっ! ……い…あぁ…っ」
「お前がかわいいから。つい、な。…仕方ないんだよ」
言っていることが自分勝手すぎる。
けれど、孝之はそれに逆らえないのだ。
27アンパーフェクト38:2005/11/14(月) 01:48:36 ID:PDfHW20y
孝之の乳首をクリップで挟んだ状態のままにしておくと、村上は再び孝之の下半身を攻めにかかった。
こんどは、弱い部分を直接に攻めてくる。そして、後ろに指を入れて、前立腺のあるあたりをまさぐってきた。
それと同時に、性器を舐め上げられ、扱かれる。そこが固くなっていく様を逐一囁かれ、
孝之が恥ずかしさに身悶えるのを見て、村上は楽しんでいた。
クリップは新しいのか、ばねが強い。摘み上げられたままの乳首が痛かった。
けれども、クリップを勝手にはずすことは許されていないので、孝之にはどうすることも出来ない。
村上に弄られながら、孝之は準備室の入り口を見やった。
ドアはさっき、村上が鍵をかけたのを覚えている。
だが、鍵の構造にわずかな遊びがあるのだろうか、ここのドアは鍵をかけてあっても、気を付けないとわずかな隙間が開いてしまうクセがあった。
千尋たちには、それでばれたのだろうか。
偶然、そこから千尋たちに、村上との情事を覗かれてしまった可能性は、無きにしもあらずだった。
「あれから? あいつらとは、したのか?」
孝之は、喘ぎながらも答えた。
「して…ません…」
嘘だった。
「本当か?」
「ほんとう…です……」
「本当に? 先生に、嘘をつくのか? 悪い子だな」
「ごめんなさい…」
孝之は涙ながらに謝った。
28アンパーフェクト39:2005/11/14(月) 01:49:24 ID:PDfHW20y
本当は、孝之が謝ることなど何一つないはずだ。
むしろ、村上の方が孝之に謝るべきなのに。
孝之を千尋達に玩具として提供したのも、いや、そもそもで教師でありながら教え子である孝之に手を出したのも、
すべて村上の責任ではないか。
それなのに、孝之の方が村上にたいしてすまないという気持ちで一杯なのだった。
「大丈夫。怒っているんじゃないんだよ。他の男の跡なんて、すぐに消えるんだから」
「う……んっ、ああ!」
指をいきなり三本に増やされ、孝之は悲鳴を上げる。
「先生…」
「あのことは、本当に悪かった…」
「……! あぁ――…っ!」
そういうと、村上は孝之に挿入してきた。十分に慣らされていたので、痛くはなかった。
村上のことが好きで、どうしようもなく好きで。
それで、孝之は泣いていたのだった。
「……うっ」
強く突き上げられ、内臓が圧迫される。孝之の息が詰まりそうになった。
「いいのか? はっきり言いなさい」
「あ……気持ち……い…です……」
村上は、ピストンのように腰を動かしながら、孝之を追いつめてゆく。
「は…あぅ……ああっ……」
「好きだよ、孝之…」
孝之は、もう何も考えられなくなっていた。
千尋なんて、どうでもいい。千尋たちに襲われたことなど、もう二人の間から消え去ってしまった。
誰になんと言われようと、誰も村上には敵わない。誰も孝之にとっての、村上以上にはなり得ないのだ。
孝之は、ひたすら村上を貪っていた。
29アンパーフェクト40:2005/11/14(月) 01:53:43 ID:PDfHW20y
「いきなり無理させて、悪かったね」
情事の後、孝之はソファの上で、村上の膝の上に抱かれていた。
ついこの間だ。このソファに押し倒され、孝之は村上のいる前で千尋たちに輪姦された。
だが、今となってはそんなことどうでもよかった。
村上は、孝之の細い腰を撫でてきた。村上の趣向で、孝之はブレザー一枚しか羽織っていない。その下は、裸だ。
強く圧迫され続けた乳首に至っては内出血を起こしていた。熱を持ち、鈍く疼いていた。
「痩せたな。食事は?」
「…しています。ちゃんと」
「お父様は?」
「………」
孝之は首を横に振る。
孝之の両親は離婚していた。母親の方が父に愛想を尽かし、出て行ったのだ。
そして、父親はほとんど家にいない。孝之を気遣う人間は、家庭にはいなかった。
「じゃあ、今日は夕食に連れて行ってやろうな。今日はいい子だったから」
孝之の胸はじんわりと温かくなった。年上の男の人。その安定感。存在感。
ああ……と孝之は思う。やはり、自分は彼が好きだ、と。
(あいつ、他の生徒にも手出してるよ――)
ふと、千尋に言われた言葉が、頭の中に甦る。恐らく、彼の言葉は真実だろう。
先ほどの女子生徒が、そうなのだろう。もしくは、まだ他にもいるという可能性もあると、孝之は直感していた。
けれど、今はそのことは考えたくない。ただ、一人になることが耐えがたかった。
「よし、いい子だ……」
と囁かれ、唇をふさがれる。

さみしいのは、嫌だ。
それが、孝之の弱さなのかもしれなかった。

    *   *   *
今回はここまでです。
30風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 01:53:49 ID:XZDLQneh
リアルタイムキター!!
孝之タン…あぁ…萌え…。
GJ!GJ!
31風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 02:45:19 ID:cVPWmRRr
アンパーさんGJです!
村上先生あざといなぁ!
孝之少年テラモエス!
32風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 03:15:50 ID:pg29Nfto
GJGJ
孝之少年幸薄すぎ(っд`;)ハァハァ
いない千尋にハァハァ
33風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 03:48:51 ID:TUwjNWnq
幸薄少年だったのか(*´д`*)
ますますモエス…!!!
34風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 16:09:18 ID:vxT7j7P8
乙!俺は千尋を待ってるぜ〜
35風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 16:23:52 ID:EJAJHUnW
壁|・ω・`)ユタカタンとか依頼タンとかはもう来ないのかな…
36くまくま:2005/11/14(月) 16:34:41 ID:2A0KkzDX
諸君!もう人生に飽きたであろう・・・。さらなる刺激を求めろ!
http://www.unti-yahoo.com/
37羽虫12:2005/11/14(月) 16:38:15 ID:Sb7eU/Zh
円城寺がベッド際を離れた。作りつけ収納の扉を開けて、何か取り出している。次は何を
されるのかと思うと不安で、その姿を見ていられない。和人は視線をさまよわせた。
「……っ!!」
壁や天井のビデオカメラに気づき、息をのんだ。気配を感じたのか、円城寺が振り返る。
「どうしたね?」
「ま、まさか……ずっと、録画を……?」
「当然だ。スケッチだけでは心もとないし、モデルに使う以外の目的にも楽しめる。……
私が作る彫刻はああいう物だから、大抵の人はモデルがいるとも思わないようだが」
円城寺は、反対側の壁際に向けて軽く手を振った。
和人は頭を起こし、そちらを見やった。
小机の上に高さ五十センチぐらいのオブジェが乗っていた。ごつごつした台座に金属の
球や立方体や角錐がくっついている。美術に詳しくない和人にはよくわからないが、前衛
とか抽象とかいうものだろうか。
眺めているとなぜか不快と不安を覚える。和人は目を逸らした。
「ほとんどの人は、私が作った物を嫌がるんだ。気分が悪くなるといって。……しかし、ごく
少数、作れば必ず買うという固定客がいるんだよ。それが皆、私と同じ趣味の持ち主でね。
わかる人にはわかるらしい」
ベッドサイドに戻ってきた円城寺は、ボトルを手にしていた。
サラダドレッシングに似ているが、ラベルには料理の絵ではなく、デフォルメした女のヌードが
描かれている。これは潤滑用のローションだ。
体をこわばらせた和人の上へ、円城寺はキャップを外したボトルを突き出し、傾けた。
とろみのある透明な液体が、和人の胸に流れ落ちてきた。
「うぁっ……や、やめ……!」
思わずこぼれた和人の声は、途中で止まった。円城寺の含み笑いが聞こえたせいだった。
38羽虫13:2005/11/14(月) 16:40:56 ID:Sb7eU/Zh
頼んだところで無駄なのがよくわかる笑い方だ。
ローションが、胸から腹へ、下腹部へ、腿へと無遠慮に垂らされていく。
とろりと流れる液体の、冷たいようなくすぐったいような感覚に、和人は無意識に首を
振った。そのせいか、さっきからの頭痛が強くなった。
「あ……」
痛みに顔をしかめ、和人は苦痛の呻きを漏らした。
「どうした? 空調を利かせてあるし、冷たくはないだろう」
「頭が、痛い……お願いですから、ロープをほどいてください。ズキズキして……」
「睡眠薬を使ったせいだ。時間がたてば頭痛は抜ける。それに頭の痛みなどすぐに気に
ならなくなる。……どうせなら、他の場所の心配をした方がいい」
「……っ!!」
言葉の意味を考え、和人は青ざめた。
空になったボトルを屑入れへ放り込み、円城寺は眼鏡を外し服を脱いだ。年齢に反して、
贅肉のない締まった体つきだ。
股間にそそり立つ怒張が目に入り、和人は顔をそむけた。見たくもなかった。
その表情を無視して円城寺は、ローションまみれになった和人の上へ覆いかぶさった。
「……うぁっ! やめろっ!!」
他人と──それも、好意も何も持っていない男と、体が密着する。しかも自分の腿の
あたりに、円城寺の肉棒が触れている。
和人は身をよじってもがいた。しかしそれは、ローションを円城寺に塗りつける動きに
しかならなかった。
円城寺が自分の体を和人にこすりつけて、笑った。
「積極的だな。もっとよく塗り込むといい。私の体にローションがしっかり付くようにして
おくのが、君自身のためだ」
39羽虫14:2005/11/14(月) 16:42:42 ID:Sb7eU/Zh
「ち、違う! そんなつもりじゃ……!! もうやめてくれ! こんなこと……あんたは
どうかしてる!」
「また言葉遣いが悪くなったな。私は命令されるのが嫌いだと教えたはずだ」
「……っ!」
円城寺は細紐で縛った和人の性器をつかんだ。ローションの付いた手でしごく。
「うぁっ!! ……よ、よせっ! やめてくださいっ!!」
和人は首を左右に激しく振って叫んだ。涙がにじんだ。
一瞬で屈服した自分が、不甲斐なくて、情けない。だが完全に勃起してから紐で縛られた
状態でしごかれるのは、拷問に等しかった。
「どうすれば、やめてもらえると思うかね?」
嘲笑混じりの言葉に唇を噛んだ。けれども逆らうすべはない。
和人は縛られた体を精一杯動かして、自分の体に垂らされたローションを円城寺に塗り
つけ始めた。いわゆるローションプレイだ。液体のとろみが、互いの体を密着させる。
円城寺が和人の肉棒をしごくのをやめた。
「それでいい。……自分を犯そうとしている相手に、潤滑液をせっせと塗りつけるのは、
どんな気分だね?」
苦痛の代わりに言葉で恥辱を与えながら、円城寺はあいた手で和人の乳首や脇腹、蟻の
戸渡りから双丘の谷間を撫で回して、ローションを塗り広げる。
乾いた状態で触られるのとは、また違う。ぬるぬるした感触が、異様な刺激になる。
精神的な嫌悪や羞恥と、感覚は別物なのだろうか。
「ぁ……はぁ、あ……っ」
互いの体をこすり合わせる間に、和人の口から、無意識の喘ぎがこぼれ始めた。
円城寺が体を起こした。広げられた和人の脚の間に入り、腿を抱える。
40羽虫15:2005/11/14(月) 16:44:57 ID:Sb7eU/Zh
「多少は痛いかも知れないが、君が充分ローションを塗りつけたし、大丈夫だろう」
和人の顔がこわばった。
熱く堅い肉棒の先端が、双丘の奥のすぼまりに押し当てられた。
「ほ、本気、で? あ、ぁ……いやだっ、許し……あああああぁーっ!!」
絶叫する和人の耳に、舌なめずりするような声が聞こえた。
「顔も、声もいい。私はこの瞬間が好きでね。……まだ、楽しませてくれるだろうね?」
「ひっ……い、痛い! やめ……やめてください!! 助け……うああぁっ!」
ローションのぬめりを借りて、円城寺が和人の後孔をこじ開け、さらに深く侵入してくる。
真っ赤に焼けた太い鉄棒を押し込まれるような痛みが、和人の体を貫いた。
「や、ぁ……ぁあ、う……」
苦痛に涙を流しながら、和人は呻いた。円城寺が愉悦をたたえた眼で、自分を見下ろ
しているのがわかった。
「いい子だ」
薄い唇の端を引き上げて笑い、円城寺が腰を揺さぶり上げる。
和人の口からまた苦痛の悲鳴がこぼれた。


「……体に残ったロープの痕を、人に見られないように気をつけることだな」
アトリエのシャワールームで体を洗い、服を着て出てきた和人に、円城寺は皮肉な言葉を
投げかけた。しかし和人に反抗する気力はなかった。
円城寺に二回犯され、さらにはバイブレーターやローターを使って嬲り尽くされた。
和人自身は、何回いかされたのかわからない。数える余裕はなかった。「紐をほどいて、
いかせてください」と自分から哀願するまでいたぶられ、出すものがなくなるまで弄ばれた。
「帰れるかね? 泊まっていっても構わないが……」
41羽虫16:2005/11/14(月) 16:46:03 ID:Sb7eU/Zh
和人は夢中で首を横に振った。一刻も早く、この忌まわしい場所から離れたかった。
よろめく足で、円城寺に従ってアトリエの玄関へ歩いた。全身が痛い。けれども体の痛み
以上に、精神的な絶望感が強かった。
「なぜ……こんな、ことを……?」
アトリエを出ながら和人は呟いた。
円城寺が振り返った。冷たく笑って、アトリエの庇にかかっている蜘蛛の巣を指さした。
「あの蜘蛛の巣は、昨日まではかかっていなかった」
その言葉に誘われたようなタイミングで、小指の先ほどの羽虫が、玄関灯の光を目がけて
飛んできた。
蜘蛛の巣に引っかかって、ばたばたと暴れる。蜘蛛が素早く網の上をすべり寄り、羽虫に
糸を投げかけた。からめ取られていく羽虫と和人を、円城寺が見比べた。
「あの虫も、君と同じことを思っているかも知れないね。……昨日までは何の危険もない
場所だったのに、なぜ突然、自分がこんな目に……と」
呆然としている和人を見やって、円城寺は言った。
「そうそう、君が眠っている間に、資料に目を通した。幾つか銘柄を指定したから、明日
注文を出しておくんだ。……だが私は、株式には素人だ。君は、私が呼んだ時にはすぐ、
アドバイスに来なければならないよ」
和人は悟った。これからも円城寺が求めるたびに、呼びつけられ、犯されるのだと。
もう一度、庇の上の蜘蛛の巣に目をやった。
羽虫は身動きが取れなくなるまで糸を巻かれ、蜘蛛に抱えこまれていた。それはまぎれも
なく、円城寺にとらえられた自分の姿だった。

───────────────
終わりです。
42風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 16:59:00 ID:9QZPikKQ
羽虫さんゴッジョブ!!!!!
いやもう素敵すぎとしか言いようが無いです!!
43風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 17:05:22 ID:/TI0VnQC
ローションプレイキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・*
羽虫タンGJでした!萌えたよー
44風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 17:07:52 ID:OjyO09OP
書き込んだ途端に両作品投下きたー(*´д`)
アンパータソ、羽虫タソGJ!
45風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 17:27:51 ID:QotsJyw/
ぬるぬる羽虫タン(;´Д`)ハァハァ
46風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 17:56:23 ID:1KSNc+ji
羽虫タソGJ!
楽しみました!
47風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 18:01:04 ID:TUwjNWnq
羽虫タソな和人タソにハァハァ。
これからずっと可愛がられるのか、散々調教されて捨てられるのか、色々妄想して更にハァハァ。
乙!!GJ!!!
48風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 18:28:49 ID:rnF/1n3R
GJGJGJ!!
終始エロく鬼畜な雰囲気で、たいへん美味しく読ませていただきました。
またお暇ができたら、是非新作投下してください
乙でした!
49店長ゴメンネ 1/7:2005/11/14(月) 18:58:07 ID:rnF/1n3R
前スレ>>531
だいぶ間が空いたので、出来てる分だけ投下します。長くなりますがスマソ
--------------------------------
別に俺は店長のあれの写真など欲しくなかったので、撮った先からすべて削除していったのだが、
目を固く閉じて顔を背けている店長にはそれがわからない。
薄明るい店内で二人きり、下半身を晒した店長のアレの写真を撮影しては削除する作業を
繰り返していると、ふと、俺は一体何をしているのだろうという気が沸き起こってきた。
何だか全てに対してむなしさを感じたが、俺は店長の赤い顔を見上げてすぐに思い直した。
店長の恥ずかしがる表情が存外可愛らしく、嗜虐心を大いに刺激されたからだ。
そうだ、こういった行為自体に大した意味はない。
店長の傷つく表情や、つらそうな表情を見ることができれば、それで成功なのだから。

ひとしきり店長のアレの写真を撮影するふりをして満足すると、俺は立ち上がり、
真っ赤に染まった店長の顔を携帯カメラで撮った。
店長のアレの写真は要らないが、この店長の表情は保存しておこう。

眉間にしわを寄せ、悔しそうな表情を浮かべて頑なに目を閉じている店長の頬に
何とはなしに口付けると、店長は嫌がって蝿を振り払うように顔を左右に振りたてた。
唇に触れた店長の肌は熱かった。羞恥のあまり熱が出たのだろうか。それとも怒り?
もともと、店長は赤面しやすいたちだ。肌が白いからなおの事目立つのだろう。
先々月、店長の誕生日にライターをあげた時の顔といったら。
あんな、ずっとポケットに入れたまま存在を忘れていた100円ライターを受け取って、
店長ははにかむような笑顔を赤くなった頬に浮かべた。
50店長ゴメンネ 2/7:2005/11/14(月) 18:59:42 ID:rnF/1n3R
常連客にハッピーバースデー・ソングを歌われて照れている店長を見て初めて
その日が彼の誕生日だと気づいた俺は、たまたまポケットにあった未使用の100円ライターを贈った。

店長は煙草を吸わない。その事にあとになって気がついて、つくづく俺は
頭の回らない馬鹿なのだと自己嫌悪に陥ったものだ。
後日 間の抜けたプレゼントの事を詫びると、店長は穏やかな笑みを浮かべて首を左右に振った。
"陽介にもらったライターで仏壇の蝋燭に火をつけているし、ヨメが煙草を吸うから
家で時々それを使っているよ。これから花火の季節だから花火にも使える。
今度の娘の誕生日に、ケーキの蝋燭にそれで火をつけられる。最高に役に立つよ。ありがとう"
にこにこ笑いながらそう言った店長のそばで、今度は俺が照れて頭を掻く番だった。
こういう事を恥ずかしげもなく言ってのける人はなかなかいないだろう。

一度、店長の奥さんが店に来て、煙草を吸っている姿を見たことがある。
そういったブランドには疎い俺でも、一目見て高価だとわかる綺麗なライターを使っていた。
身なりをあまり気にしないサバサバした性格の奥さんだと店長が話すとおり、
彼女が身につけている服やアクセサリーは割と地味めで、派手で高価そうなライターは
彼女の趣味だとは思えなかった。おそらく、店長がプレゼントしたのだろう。
それを知りながら、俺は店長の礼の言葉に素直に喜んだ。同時に申し訳なく思った。
見えすいたお世辞を、と憤慨する気は起きない。あれは店長の本心だ。
そういう人だ。この人は。
51店長ゴメンネ 3/7:2005/11/14(月) 19:00:51 ID:rnF/1n3R
次に何をしたらいいだろう。段取りを家で整理したのに、すっかり忘れている。
俺は裸体を晒す店長の前で途方に暮れた。
同じように途方に暮れている様子の店長はまた指先がパイプに触れたのか、「あちっ!」と
一声叫んで顔を歪ませた。
すがるような表情を見せて、店長が俺を見つめた。真っ赤だ。頬が林檎みたいに赤い。
そっと頬に触れると、店長は目を伏せて頭をがくりと垂れた。

「陽介、もうやめてくれ」
人一倍、シャイで照れ屋で優しい店長。
人前で、それも俺のような年下の男に裸体を晒すのは、一体どれほどの恥だろう。

目に入った店長の小さな乳首を指でつまむと、店長が絶望感に打ちひしがれたような表情で
顔を上げ、俺を見た。その双眸から戸惑いと嫌悪の色がうかがい知れる。
あの温和な店長の嫌悪の表情を目の当たりにして、俺は嬉しいやら、悲しいやら、
複雑な思いだった。店長に嫌われてしまうのはもとより覚悟の上だ。
でも、やっぱり少し悲しい。
でもいい。いずれバイトを辞めて就職し、店長とお別れしなければならない時がいつかきっと来るだろう。
その前に一度でいいから、店長の泣き顔を拝んでおきたかったのだ。
店長の乳首に唐突に吸い付き、馬鹿みたいに舌を蠢かして舐めしゃぶると、店長の呼吸が乱れた。
正直驚いた。男でも乳首が感じるとは思わなかった。
試すように舌を動かすと、店長の体がかすかに震える。
店長が感じているのは明らかだった。続けて乳に吸い付く赤ん坊みたいに店長の
乳首を吸い上げ、唾液まみれになるまで舐める。

52店長ゴメンネ 4/7:2005/11/14(月) 19:01:57 ID:rnF/1n3R
もう片方の乳首も指先で弄ってやると、店長の足が何かに耐えるようにもじもじと動いた。
「おっぱい、感じる?店長」
舌先を尖らせてくるくると乳首の上を擦り上げるように舐め回す。ちゅっと音を立てて
中心の尖りを吸い上げると、店長の腰までもが何かに吸い上げられたように跳ね上がった。

「…………んっ……ぁっ、……っっ、ちっ」
指先に触れたパイプの熱に呻き、店長は鼻にかかった吐息を漏らした。
「熱いですか?すんません。でも解いたら、店長逃げちゃうだろうから」
「っん、……っんん……、ぅっ」
両の乳首を交互にせっせと吸う俺の姿は、はたから見たらさぞかし間抜けだろう。
俺自身とても間抜けな気分だ。でも店長は気持ちがいいらしい。
ふと下に目をやると、店長のアレが半勃ちになっていた。
何の気なしにそれに手をやると、店長の腰が跳ねて後ろへ避けるように逃げた。
「やめろ、やめろ、陽介っ!」
手に握ったそれをしごく。他人のものを触るのはこれが初めてだが、自分のを
しごく時と同じようにやればいいだろう。
面白いようにびくびく跳ねる店長の腰に少し笑い、乳首を吸いながらもぞもぞと
硬くなり始めたそれをまさぐった。店長の鼻にかかった吐息が強まる。
「だめだ、やめてくれ、だめだ、陽介」
「ああ、勃起した」
俺の独り言に反応してか、店長が首を振った。
構わず先走りを利用して亀頭の辺りをぬるぬると指先で刺激すると、店長の腰が
前後へ跳ねた。
53店長ゴメンネ 5/7:2005/11/14(月) 19:04:05 ID:rnF/1n3R
店長の腰を支えながら足の間に俺の足を差し入れ、左右に開かせると、存外素直に足を開いた。
「んっ、…………んぁ、っ……ぅ」
乳首を舐めしゃぶりながらアレを手荒に扱き上げると、店長の息が荒くなった。
限界が近いらしい。唇を噛んで声を堪えている様子だ。
「はっ……、あ、だめ、だめだ、陽介、も、だめっ」
「イきそうですか?」
「やめろ、陽介、頼むから、やめ、」
唇に挟んだ乳首を歯軋りするようにギリギリ噛むと、店長の押し殺した悲鳴が小さく漏れた。
店長の弱弱しい声がやめろ、やめろと繰り返す。
腫れた乳首を舐め上げながら強く店長のアレを扱くと、突然手中に液体が溢れた。
生暖かい感触に驚いて手に目をやると、白く濁ったドロッとした液体が手のひらに絡んでいた。

イッた。店長が、俺の手で。
荒い呼吸を繰り返す店長の目の前にずいと手のひらを差し出すと、店長はぎょっとして俺を見た。
店長の唇に無理矢理濡れた指を押し付けると、店長の顔が嫌悪に歪んだ。
「舐めて」
頑なに俺の指を拒む店長の唇に、精液をなすりつけるようにして指を擦りつける。
嫌がって身を捻った店長の指先がまたパイプに触れたようだった。
「ああ、くそ、熱いっ」
店長らしからぬ下品な物言いに妙に感動し、今更ながらこの様子をビデオカメラで撮影していなかった事を後悔した。
このためにわざわざ高い金を出してビデオカメラを買うのもなんだし、わざわざ田舎へ帰って
親父のビデオカメラを借りてくるのも億劫だと、撮影は諦めていたのだが。
54店長ゴメンネ 6/7:2005/11/14(月) 19:05:54 ID:rnF/1n3R
「あ、痛っ」

店長が指に噛み付いた。
驚いて手を引っ込めた俺に店長も驚いたのか、びっくりした顔をして俺を見る。
ぶつぶつ言いながら噛まれて血の出た指を確認し、恨みがましい顔を作って店長を見ると、
店長は泣きそうな顔で目を伏せた。

今思えば、誰か友達にカメラを借りてくればよかった。
しゅっちゅう彼女と旅行へ出かけては俺にそのビデオを見せたがる佐々木などから借りれば。
今になってそれに気付くなんて。本当に俺は頭の回転が遅い。
「痛いよ、店長」
ビデオカメラで撮影していれば、この店長の顔もばっちり保存できたのに。永久保存版だ。
「ごめん」
「血が出たよ。見て下さい、店長。ばい菌が入るかも。化膿して腐っちゃうかもしれない」

本気でわからないのだが、どうして店長は申し訳なさそうな顔をするのだろう?
嫌がらせを受けた上でとっさに噛み付いてしまったに過ぎないのに。
もし俺なら、自業自得だと憤慨した後、もう一噛み、二噛みはしてやるのに。その上謝ってしまうなんて。
人柄?……よくこの年まで無事に生きてこられたものだ。
「俺の鞄に絆創膏が……」
「舐めてください」
眉尻を垂らし、今にも泣きそうな表情で俺を見つめる。愉快でたまらない。
「馬鹿、陽介。口の中にはたくさんばい菌が」
「店長の口にはいませんよ」
「お前、馬鹿だな、化膿するぞ」
55店長ゴメンネ 7/7:2005/11/14(月) 19:08:25 ID:rnF/1n3R
「しませんよ。いいから舐めて」
「陽介、頼むから」
柔らかな感触を返す唇に指を押し込むと、店長の顔が苦渋に歪んだ。
俺の指には血ばかりでなく、店長の精液も絡みついている。
俺は店長の口内へそれらをなすりつけるように、ゆっくりと指を回した。
「…………ぐ」
「痛いです、店長。歯を立てたら、また俺が怪我をする」
そう言うと、店長は涙の浮かんだ目を俺にやって、眉間にしわを寄せた。
こんな状況に置かれてもなお俺を気遣って歯を立てまいとする店長が不思議だ。
……店長なら、"あんたを殴りたくてたまらない。どうか俺を思って、ボコらせてくれ"と頼んでも、
笑顔で了承しそうだ。そして胸いっぱいに善意を満たしながらボコボコに殴られる。
そして言うのだ。
"俺を殴る拳が痛くないかい?俺の鞄の中に絆創膏があるから、それを貼って殴りなさい"と。はは、傑作だ。
俺に散々吸われ、舐められ、噛まれた店長のふたつの乳首が白い肌の上で妙に目立っている。
唾液に濡れて艶かしく光るそれは、正直言ってすごくエロい。
俺は店長の口の中に指を突っ込んで回しながら、空いた手で乳首をギリギリつねった。
痛がってもがいた店長の指先がまたパイプに触れたのか、体が派手に震える。
まさに散々だ。自分の精液を舐めさせられ、乳首をつねられ、火傷しそうなくらい
熱いパイプに指先が何度も触れる。可哀相な店長。
こんなに善意に満ちている人は世界中のどこを探してもめったに見つからないだろうに。
でもそんな人を意地悪くいじめるのは、想像した以上に奮い立つくらい楽しかった。
----------------------
【今回はここまで】
56風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 19:34:18 ID:/ShV3iRy
店長待ってた! 超ツボなんだ。嬉しい〜
57風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 20:40:33 ID:gkNPtvJR
ウワァ…投下ラッシュでテラヤバスだ…
店長ハァハァ(AA略)
羽虫タソGJ!
アンパータン薄幸モエー
58風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 20:47:15 ID:TUwjNWnq
なんて可愛いオッサンなんだ(*´д`*)ハァハァ
可愛杉るぞ!!!!
59風と木の名無しさん:2005/11/14(月) 20:47:56 ID:/JC2qrU5
店長〜!!
すげぇ待ってた!!
私に新たな萌を目覚めさせて、そのままイカせてくれない鬼畜プレイかと思たよ!
忙しいのカモだけど気長に待つよ!GJ!
60屋上 1:2005/11/15(火) 01:17:08 ID:iD2BixYk
場面のみなので、一気に投下させていただきます。
暫しお付き合い下さい。

――――――――――――――――――――――――――――――

「生徒立ち入り禁止」
階段の一番上にはそう書いた紙を貼った紐が張られている。
だが、耀司も暁も軽々とその紐を越え、屋上に繋がるドアを開けた。ドアの鍵が壊れているという噂は本当だったらしい。
一真は紐の前で一瞬ためらったが、2人について屋上に出る。暗い階段から明るい太陽の下に出ると、一瞬視界が真っ白になる。
「何しに来たか言ってみろよ」
耀司が薄く笑った。
2人が一真を呼び出す理由なんてひとつしかない。それを自分から口にすることに対する抵抗は未だに消えないけれど、言わなければ何をされるかわからないという恐怖を、一真は身体にたたき込まれている。
「犯して…ください……」
「犯してほしいんだ?何で?」
やっとの思いで口にした言葉を、暁が聞き返す。
「僕が…犯されるのが大好きな淫乱だからです……」
教え込まれた台詞を、一真は口にした。
「それだけじゃねーだろ!」
「僕が…ご主人様に犯されるのが大好きな……淫乱な奴隷だからです……」
耀司に睨み付けられ、一真は慌てて言い直した。
「はい、よく言えました。でも、間違えたからお仕置きな」
暁はクスクス笑いながら、耀司に何か耳打ちしている。
冬に近い季節の風は冷たい。だが、昼休みの太陽に照らされた屋上は春のように暖かくなっている。
これから自分に起こることへの不安に、一真は震えた。
61屋上 2:2005/11/15(火) 01:18:06 ID:iD2BixYk
3人はこの高校の2年生で、同じクラスにいる。
耀司も暁も成績優秀で人当たりもよく、生徒からも先生からも信頼されて一目置かれる存在だった。
一真は二年の一学期の終わりに、この高校に転入してきた。
最初は今のような関係ではなかった。クラス委員の耀司とと副委員の暁は、転入してきたばかりの一真にやさしく、何かと世話をしてくれた。
だが、何もかも自分たちの思い通りに運ぶ学校生活に、2人は退屈しきっていた。
その退屈しのぎの矛先が向けられたのが一真だった。
一真は2人の罠に捕らわれた哀れな獲物だった。
人より整ったキレイな容姿が災いしたのかも知れない。2人に完全に心を許した一真は、強姦という形で2人の本性を知った。そして、今では2人の性奴隷に成り果てている。
62屋上 3:2005/11/15(火) 01:19:18 ID:iD2BixYk
「こっちだ」
耀司に命じられ、一真はフェンスの傍まで行く。
「犯されたいんなら、さっさと脱げよ」
簡潔な耀司の命令に従って、一真は学ランのボタンに指をかけた。
この屋上は二重のフェンスになっているので、外から中は見えない。だが、明るい外で、その上学校の中で制服を全部脱ぐことへの羞恥は大きかった。
「ぐずぐずすんなよ!昼休みは短いんだ。罰としてお仕置き一個追加な」
揶揄するような暁の声に、一真は慌てて制服を脱ぎ捨てる。
「そこに座れ」
耀司に言われたとおり、全裸になった一真はフェンスのすぐ下に腰を下ろした。太陽で温められたコンクリートからは冷たさを感じなかったが、11月の風は一真の肌を刺すように吹きすぎていく。
2人は一真の腕を乱暴に掴むと、フェンスに紐でくくりつける。それから膝の裏にひもをかけると、M字型に足を開かせ、フェンスに固定した。
明るい太陽の下に、一真のすべてがさらけ出されてしまう。
「すげーカッコ」
暁が笑った。激しい羞恥に襲われ、一真は深く俯いた。
「何か言うこと忘れてない?」
暁に髪を掴まれ、一真は無理矢理顔を上げさせられた。
「ありがとう…ございます……」
「それだけじゃないだろ?ホント覚えが悪いな。そんなにお仕置きされたいんだ?」
更に強く髪を掴まれ、一真は痛みに表情を歪める。
「申し訳ありません……恥ずかしい格好に縛っていただいて嬉しいです……ご主人様、ありがとうございます」
慌てて言ったけれど、2人は意味ありげな笑いを口元に浮かべている。

63屋上 4:2005/11/15(火) 01:20:27 ID:iD2BixYk
「ご奉仕を…させてください……」
一真は自分から言った。これ以上2人を怒らせるのが怖かった。
「いいぜ。させてやるよ」
耀司が取り出したモノに、一真は舌を這わせた。少しずつ体積を増していくそれを口に含み、吸い上げ、舌を這わせる。
耀司に奉仕している間に、暁が一真の蕾にクリームを塗りつけた。
たっぷりとクリームを塗られたそこに、長い指が入ってくる。
そこだけでイクことを覚えさせられた内側を刺激され、一真は背筋を張り詰める。
だが、耀司への奉仕を休むことはない。自分の快感に流されて奉仕を怠れば、どんな目に遭わされるかわからないからだ。
暁は中を解すような動きで抜き差しを始める。
2人は一真を酷く扱うが、身体を傷つけるようなことはしない。でも、それは一真を気遣ってのことではなく、怪我をさせてしまえばその間は一真を嬲ることができないからというのが理由だった。
暁は中の指の数を増やし、一真の一番感じる部分を突いてくる。その刺激に、一真は暁の指を締めつけた。
身体が熱を帯び、冷たい秋風を心地いいと感じ始めていた。
暁が与える刺激に身悶えながら、一真は一心に耀司にしゃぶりつく。
懸命に吸い上げると、耀司のモノが弾けた。喉の奥に吐き出された精をすべて呑み込むと、耀司は一真から身体を離した。

64屋上 5:2005/11/15(火) 01:21:11 ID:iD2BixYk
「次はオレの番ね」
軽く言って、暁は一真の中から指を引き抜いた。放り出された蕾は刺激を求めて、ひくひくと蠢いている。
だが、暁は一真の状態になど見向きもしてくれない。
「その前にこっちをキレイにしてもらおうかな」
差し出された指に、一真は舌を這わせる。さっきまで自分の中を嬲っていた指を、舌で清めていく。
それが終わると、すぐに暁のモノが口の中に入ってきた。
一真は耀司のときと同じように、懸命に暁に奉仕する。その隙に、耀司が一真の乳首に細い糸を巻き付けた。
ピンと張った糸を、耀司は手足と同じようにフェンスにくくりつける。その意図がわからなくて、一真は怯えた。それでも、暁への奉仕を怠るようなことはしない。
短い声を漏らして、暁が射精する。耀司のときと同じように、一真はすべてを呑み込んだ。

65屋上 6:2005/11/15(火) 01:22:52 ID:iD2BixYk
「欲しくてたまらないって感じだな?そんなに挿れてほしい?」
一真から身体を離した暁は、ひくついたままの蕾に視線を向けた。脚の間では一真の中心がもう勃ち上がっている。
「はい……いやらしい奴隷の中をご主人様のモノでかき回してください」
一真は素直に答えた。そうしなければ、何もしてもらえないことを知っているからだ。中途半端に馴らされただけで放り出された身体が疼いて、自分では抑えることができない。
何も知らなかった無垢な身体は2人の思うとおりに調教された。一真は後ろの刺激がなければ、満足できない身体にされてしまっていた。
「これを挿れてやるよ。嬉しいだろう?」
 暁はポケットから出したものを一真の前に差し出した。暁の掌の上にはピンク色のローターが2個乗っていた。
「嬉しいかって聞いてるんだよ!」
「嬉しいです…とても……嬉しいです……」
耀司に怒鳴られ、一真は慌てて言った。けれど、表情は泣きそうに歪んでいる。
何度も使われたことのあるものだが、器具で嬲られることに、一真はまだなれることができない。
「そそるよな、その顔…泣き顔がもっと見てられないのが残念」
「後でたっぷり見られるさ。早くしないと予鈴が鳴っちまうぞ」
クスクス笑う暁を、耀司が煽るように言う。
「あ…っ…」
さっき暁に馴らされた蕾の奥に、ローターが2個押し込まれた。
「これが今日のお仕置き。これ、リモコンで動くんだ。ほら」
暁は取り出したリモコンのスイッチを入れる。
「ひ……っ……あ……」
 奥に入っているローターが激しく動き出した。思わず肩を跳ね上げた表紙に、フェンスにピンと張られた紐が乳首を刺激する。耀司の仕掛けの意味が、一真にも漸く理解できた。
66屋上 7:2005/11/15(火) 01:23:51 ID:iD2BixYk
内側の刺激はすぐに止んだ。けれど、なくなってしまった刺激を求めるように、一真は内側を締めつける。
「オレ達は今から授業に戻るけど、教室からちゃんと可愛がってやるからな」
「放課後になったら迎えに来るから、それまでたっぷり楽しんでろよ。何回イッたか後で聞くから、ちゃんと覚えとけよ」
楽しそうな暁の後に、耀司が続けた。
「そんな……」
思わず逆らうような言葉を口にしかけて、一真は慌てて口を噤む。けれど、もう遅かった。
「ご主人様に逆らったんだから、わかってるよな?5時間目だけのつもりだったけど、6時間目も追加。放課後までそうやってるんだな」
言い捨てて、耀司は暁と一緒に屋上を出て行ってしまう。
「助けて……」
小さな声で言ったけれど、その声を聞く人間などいない。
全裸で屋上のフェンスに繋がれたまま、一真は動くことさえできないのだから。
1人になった途端に、不安に襲われる。
この屋上は立ち入り禁止になっているとはいえ、耀司達のように入り込んでくる生徒がいないとは限らない。先生だって見回りに来るかも知れない。
そうなったらどうすればいいのだろう。

67屋上 8:2005/11/15(火) 01:24:48 ID:iD2BixYk
予鈴が鳴る音に、一真は肩を跳ね上げた。その5分後に本鈴が鳴っても、内側のローターは動かない。
中を圧迫するだけで動かない刺激に焦れ、一真は何度も中を締めつける。ローターは動かなくても、身動ぐことで乳首に受ける刺激は、身体の熱を高めていく。
一真はだんだん不安になってきた。あの2人が何もしないなんて信じられない。
もしかしたら、自分の存在など忘れているのではないだろうか……
そう思ったとき、唐突にローターが動き出した。2つのローターが一度に動く震動に、一真は顎を反らせる。その動きに乳首が強く引き連れ、激しい快感が背筋を貫いた。
「あ…あ……」
一真は喘いだ。急速に高まっていく熱に、身体がついていかない。あっという間に中心は張り詰め、先端から先走りを零している。
ローターの震動には段階がいくつかあるようだった。強い刺激が続いたかと思うと、唐突に弱い刺激に変えられる。そしてまた強い刺激に戻ったかと思うと、震動はいきなり止まってしまう。
2つのローターはその動きをバラバラに繰り返した。その動きに揺さぶられるたびに、乳首は紐に引きつられる。
「や…っ……あっ…」
一真は1度目の精を吐き出した。だが、それで終わるはずはなかった。
容赦ないローターの震動が内側で繰り返される。一度萎えたはずの中心は、すぐに硬さを取り戻した。
青空の下、太陽の光を浴びながら1人で喘いでいる。そんな状況が、一真をいつもより敏感にしているのかも知れない。

68屋上 9:2005/11/15(火) 01:25:41 ID:iD2BixYk
2度目の精もすぐに弾けた。
5時間目が終わるチャイムにも、一真は気づかなかった。
「何回イッた?」
唐突に声をかけられ、一真は慌てて瞳を開ける。
「2回…です……」
内側のローターの動きに翻弄されながらも、一真は素直に答える。もしかしたら、2人の気が変わって助けに来てくれたのかも知れない。
そんな期待が一真の心に芽生える。
「まだそれだけか……耀司、ちょっと責め方が甘かったんじゃない?」
「その分、楽しみが増えただろ?」
がっかりしたような暁に、耀司は人の悪い笑みを向ける。耀司が手にしていたものを見た途端に、一真は淡い希望が打ち砕かれるのを感じた。
「写真部の部室から借りてきたんだ。お前のいい顔、後でゆっくり見せてもらうからな」
「耀司、早く……6時間目が始まっちゃう」
耀司は三脚にビデオを取り付け、一真の前に置いた。カメラの位置を一真に合わせると、2人はすぐに屋上を去っていく。

69屋上 10:2005/11/15(火) 01:26:42 ID:iD2BixYk
2人の姿がドアの向こうに消えた途端に、中で蠢いていたローターの動きが止まった。きっと2人で示し合わせているのだろう。
それでも、一真の内側の襞は、唐突になくなってしまった刺激を求めて蠕動を繰り返す。
蕾が物欲しげにひくついているのが、きっと目の前のビデオにハッキリと映っている。
情けなさと恥ずかしさに、涙が溢れ出す。泣いても2人を喜ばせるだけのことなのに。
手前のローターだけが、小さな震動を始めた。そして、奥のローターが激しく動き出す。
「…っ…あ……っ」
一真は背筋を反らせた。細い紐が乳首にも刺激を与え、全身の熱が暴れ出す。
ここにはいない相手に嬲られる姿を、目の前のビデオカメラにすべて撮影されている。そのことが一真の官能を更に高める。
「いや…だ……や…っ……」
戒めから逃れようと身動いでも、それは身体の感覚を高めることにしかならない。叫んでも、その声は誰にも届かない。
弾けた精がコンクリートの地面を濡らす瞬間も、カメラは休むことなく映している。
嘲るように笑う、2人の声が聞こえるような気がした。
内側の震動に揺さぶられながら、一真にはただ喘ぎ続けていることしかできなかった。

70屋上:2005/11/15(火) 01:27:27 ID:iD2BixYk
これで終わりです。
ありがとうございました。
まとめサイトの管理人様、お疲れ様です。
この作品はそちらには入れないでいただけるとありがたいです。
71風と木の名無しさん:2005/11/15(火) 01:30:26 ID:I1DpXCjp
おおおぉぉ、初投下現場遭遇!!GJGJ!!!
この後一真タンがどうなるのかを妄想するだけで白飯3合イケる(*´д`)
72風と木の名無しさん:2005/11/15(火) 01:30:28 ID:xaX1zRnF
屋上さん乙でした!!
まだ本番行ってないのに超萌〜!!
73屋上:2005/11/15(火) 01:44:18 ID:iD2BixYk
誤字訂正です。
場所は6の最後の方です。

× 思わず肩を跳ね上げた表紙に
○ 思わず肩を跳ね上げた拍子に

大変失礼致しました。
74風と木の名無しさん:2005/11/15(火) 03:24:30 ID:YzIvzHSN
屋上タンGJ!超GJ!
日本の教育の弊害が生み出した鬼畜高校生…(;′Д`)ハアハア
75ヤクザ×売り専11:2005/11/15(火) 19:58:43 ID:nRUIm+Qj
>>16の続き。

それからさらに十年以上が経ち、三竹は極道の世界で生きていた。
 父親はその間に暴行事件で逮捕され刑務所に入ったが、刑務所内で問題を起こし、別の刑務所に移されてから後は
行方がわからなくなっていた。
 三竹が今の事務所を任されるようになって暫くのことだった。
 『翠が家出した』
 北海道の翠の母親から、三竹に連絡が入ったのだ。
 翠の母親は、実家の北海道に戻った後、二度再婚した。勿論、元はやくざの女房だとはひた隠しにした。しかし、
結局うまく行かず、母子二人で生活をしていた。その間二人がどんな苦労を味わってきたのか、三竹は聞かなかったが、
翠は家を出る前、三竹の居所を母親に尋ねたのだという。
 三竹は腹違いの弟の行方を捜したが、それから三年が経つ今日まで、手掛かりの無いまま、過ぎていたのだった。
(あいつが…)
 三竹はトイレに入ると個室のドアを閉め、もたれかかった。
 精液に塗れたキラの顔が目の裏によぎる。キラ。アキラ。翠…芳田 翠……芳田は、母親の旧姓だった。
 三竹の記憶には、5歳までの翠の姿しか、残っていない。
(本当に……)
 瞼を開け、再び閉じる。次に浮かんだのは、誘うような灰色の目。濡れた唇を、いやらしくなぞる赤い舌先。
 首の鈴がチリチリと鳴った。…それが、キラ。
 三竹は深く目を閉じた。眉間に、深い苦渋が刻まれる。
76ヤクザ×売り専12:2005/11/15(火) 19:59:58 ID:nRUIm+Qj
「どうだ?」
 ドアを開けると、暗がりでより黒く見える顔が迎え入れた。急かすようにドアを閉められ、三竹が中へ入ると、先程より濃密な
空気が部屋に充満していた。酸味さえ感じる汗の匂い。闇に目が慣れてくると、騎乗位で腰を振っているキラの姿があった。
 背中を支えられ、ようやく座れる状態で、腰を動かされていた。その横に立ち上がった男が、キラにフェラチオをさせている。
 キラは意識が既に飛んでいるのか、悶える息の合間に、うわ言のようなものが混ざっていた。
 下になった男は、キラのペニスを弄びながら、腰を上下に動かしている。
 三竹が入ってくると、男達だけが反応した。
 一様に虚ろな目をした男達へ、三竹は言った。
「全員部屋から出ろ。俺が呼ぶまで隣の部屋へ」
 男達は虚を突かれたような顔をしたが、鈍重な動作で三竹の命令に従った。
「あっ……」
 口を解放され、犯され続けていた場所から急に肉塊が抜き出され、キラは呆けたように鳴くと、そのままベッドに倒れこんだ。
 目を閉じ、昏睡したように動かなくなった。
 男達が無言で部屋を出てしまうと、そこには三竹とキラの二人きりになった。
77ヤクザ×売り専13:2005/11/15(火) 20:01:08 ID:nRUIm+Qj
 暫くの間、三竹はキラをじっと見た。
「キラ」
 三竹が名前を呼ぶと、間を置いて、キラの瞼が動いた。長い睫毛がゆっくり持ち上がるのを見て、三竹は上着を脱いだ。
 シャツを床へ脱ぎ捨てると、裸の背に一匹の真鯉が跳ねていた。
 皮のベルトを外す頃には、キラは完全に目覚めてこちらを見ていた。まだ意識は朦朧としているのか、驚きも、恐れもない。
 三竹がベッドの上にあがると、キラは上半身を起こした。ベッドサイドの灯りが、キラの肌を照らした。まだ熱がひかない、
薄く色づいた肌に、汗と精液の筋が残っている。持ち上げた顎に、飲み残した精液がまだ滴っていた。
 キラの目は、三竹を見上げていた。泣いた後の、腫れ上がった目。それが再び潤む。
 三竹は手にしていた包みを出した。小指の先よりも小さく折りたたまれたフィルムの中身を開けると、微量の粉末が出てくる。
 キラの目の前でそれを、自分のペニスの先に塗りつけた。
 一瞬で、粘膜の内側に効いてくる。
 張り詰めていく三竹のペニスを、キラは声も出さずにただ見つめていた。

「咥えろ」

 三竹は低い声で命じた。

おわり
78ヤクザ×売り専・補足:2005/11/15(火) 21:04:14 ID:LcEYj0ci
>>75、76の間に入れ忘れましたスマソ

もしもキラが自分の弟だとして、何故、三竹の居場所を知りたがったのか。三竹は思いを巡らせた。
 兄弟とは言っても、家族として暮らした時間は少なかった。思い出も無ければ、恨みも無かったはずだった。
 けれども三竹自身、長い間連絡の途絶えていた翠の母親から電話を受けたその日に、翠の捜索を鉄男に言いつけていた。
 それは、無意識の行動だった。
 三竹は今年で30になる。
 極道として世間に通ってからは10年になる。血の繋がり、情の繋がりのない、10年だった。だからこそ、今の地位を
手に入れられたのだと、三竹は考えていた。固執は、命取りになる。それが少なければ少ないほど、危険にになる。
…虹島組の男娼と、神秋会の三竹が兄弟ということになれば、今の上条の件が片付いても、何かしらの波紋は出てくる。
 ましてや、キラはあの界隈の有名人だ。
(消すか)
 一瞬過ぎった考えを、三竹は否定した。実の弟を手にかけることが咎めたわけではない。
 それでは、己に返るリスクが大きいからだ。今、三竹が目前にしている問題は厄介だが、三竹が解決すれば、神秋会の中の
三竹の地位はまた上がる。キラを消すなら、それからでも良い。
 三竹の顔が、わずかにほぐれた。
 その時、胸ポケットの携帯が鳴った。キラの携帯だった。
79風と木の名無しさん:2005/11/15(火) 21:14:40 ID:4+5Aykku
うーん三竹兄の本心が気になる。
続きがこれまた楽しみだ。ヤクザタソ乙!
80風と木の名無しさん:2005/11/15(火) 21:47:11 ID:Nqe89jO3
>>78
乙です!
オニイチャンたら非情…
81プライド:2005/11/15(火) 22:14:26 ID:+kY8Bh59
初めて投下します
タイトルセンスない……orz



*******************


「眠……」
生欠伸をしながら、金糸の混じる髪をかきあげる。
バックで車を……傍目にわかる黒の高級車を駐車スペースに収め、車から出て鍵を閉めた。
オレンジのサングラスの下に灰がかった瞳が覗く青年は、名を綿貫 聖という。
その見目や、年齢に似つかわしくない車からも察することが出来るが職業はホスト。
生きるアテがなく身売りで生活をしていたとき、偶然か必然か新宿でも一、二を争うホストクラブのオーナーに拾われホストとなり、
口の上手さと女を喜ばすのに慣れた動作、そして生まれ持った整った造形でめきめきと評価を上げている。
今彼が住むこのマンションも先程の車も、彼がオトした客に貰ったものなのである。




チャリン、チャリン、とキーを指で回す音が響く。
やや暗さのある駐車場からマンションの入り口まで少しと言うとき、後方で車が発車した。
聖と車種は違うが色は同じ黒の車は、聖の近くを通り出口に向かう。
「っと、」
横ギリギリを通ろうとした車を避けようと歩を早める。
しかしその車が唐突に止まり、そして中から男が飛び出してきた。
82プライド:2005/11/15(火) 22:16:16 ID:+kY8Bh59
聖の近くを通り出口に向かう。
「っと、」
横ギリギリを通ろうとした車を避けようと歩を早める。
しかしその車が唐突に止まり、そして中から男が飛び出してきた。
「ッなぁ!?」
運転席から一人後部座席から二人、聖を取り押さえるように捕まえる。
当然聖は抵抗し、一人の鳩尾に肘が入る感覚もしたが、
すぐに残り二人に押さえつけられ、口にタオルをあてられた。
いけない、と。そう思うときには既に遅く、タオルに染み込ませられた液体は体内に送り込まれた。
(つーか、古典的すぎだろ……)
妙に冷静に考えながら、聖は意識を手放した。





瞬間、帰ってきてそのまま寝たのだろうかと考えた。
しかし、やがて焦点が合い、それが違うことを悟る。
聖の部屋は壁に映画などのポスターが貼られていて、比較的物が多い。
しかしその部屋は、ベッドやテーブル、そんな必要最低限のものしか置かれていない、ホテルのような場所だった。
目覚めの呆けた感覚も抜け、自分は何処にいるんだか確認しようと立ち上がろうとした途端、その異変に気づく。
両手に、手錠がかけられていたのだ。
そして足……こちらは片足だけが、鎖を長くしてベッドの足に繋げられている。
83プライド:2005/11/15(火) 22:19:29 ID:+kY8Bh59
「……んだよ、これ……」
呟く声に応えるように、部屋のドアが響いた。
そちらを見れば、先程の三人……それに運転していたであろう一人、合わせて四人の男が入ってきた。
そして、四人に比べ小柄な一人。
「……俺、すーげ不機嫌なんだけど」
その男に向け、言う。
薬の作用か頭痛が酷く、それもまた暁の怒りを煽った。
視線の先には、染めたであろう茶の髪に色白の肌。
肉厚で赤の強い唇はニヤニヤと笑みを作っているが、聖と同様にその容貌はよかった。
「あんた……【ジュピター】のトップさん?確か……ハヤト、だっけか?」
挙げた名は、界隈でもそれなりの大きさを誇るホストクラブと、そこのナンバーワンホストの名。
先日そのホストに入れ込んでいた上客が聖に移ったということで、ミセの中でも噂になっていたのだ。
「ほかのミセなら別に御法度じゃねーだろーが
つーか、俺は同じミセだろーと構わないと思ってんだけどな」
返事がないハヤトに吐き捨てるように、怒りの色を多分に含め言うのに、ハヤトは否定も肯定もしない。それは肯定を表した。
基本的に同じ店内で客を奪うのはタブーとなっているが、しかし違う店なら問題ない。
ハヤトが聖を恨むのは、完全な筋違いである。
「とりあえずこれ外せよ」
「嫌」
聖の言葉に即答する。
初めて発した声は、成人男性としてはやや高かった。
84プライド:2005/11/15(火) 22:22:18 ID:+kY8Bh59
「リンチしてーんだろ?別に外したって逃げれやしねーだろーが
これ手首擦って痛ぇんだよ」
「リンチ、か……まあ当たらずとも遠からずってとこか」
手首の手錠を振り言うのにハヤトが小さく笑んで言えば、男たちが聖を囲む。
小さく息を吐いて覚悟を決めたが、男たちの行動は予想と大きく離れたものだった。
「―――ッ!?」
床に背を打ちつけたまでは、よかったわけではないが想像の範疇だった。
しかし次に、男たちは聖の服に手をかけたのだ。
「なッなに、して……っ」
「当たらずとも遠からずって言っただろ?」
視界の隅で、椅子に座るハヤトが笑う。
聖の服は破るように脱がされ、ボクサーパンツと靴下だけを身につけていた。
細く色がやや濃い肌を指が這う。
そのおぞましい感覚に、背筋に悪寒が走った。
「……っく……」
「舐めろ、歯はたてるな」
唇の形をなぞるように撫でていた男が言う。
当然堅く口を閉ざした聖の顎を掴み、強引に開けさせ指を侵入させた。
「ッ」
しかし聖は、躊躇うことなくその指に噛みついた。
「っのガキ―――!」
「ッぐぁ!」
咥内に鉄の味を感じる前に、つま先を腹部にめり込ませるように蹴りあげられる。
痛みと吐き出しそうな感覚に耐えながら、聖は咳こみ唾液を垂らした。





************
とりあえず以上です
85風と木の名無しさん:2005/11/15(火) 22:38:41 ID:XpmAT5lM
初投下(´д`*)ハァハァ
プライドたんGJ!

復讐なのか一目ぼれなのか…
86風と木の名無しさん:2005/11/16(水) 23:34:37 ID:+3Buhor1
1さん乙です
〔前スレのつづき〕

なにか悪戯を思い付いたのか、Fは携帯を開くと何かを調べ始めた。
「ちょっ、人の勝手に…」
リダイヤルするつもりなのかと具体的に想像して、直人は慌てた。
Fは何も言わずに自分の携帯を取り出すと、ピコピコやりはじめた。
「いや、お前の番号をね…」
拍子抜けした。Fと携帯電話、なんだか異色の取り合わせだった。
「あんた、携帯持ってたんだな…」
「F、だ。便利な時代になったよな」
「以外…」
「ほら、返すよ」
と直人のパンツに手を掛けた。
「なに…!」
下着の中に携帯を放り込み、丁寧にパンツのボタンを留めた。
Fは自分のベルトを外して直人の腰に巻いた。
中の携帯がずり落ちないように固定する為だった。
「さて、お前の質問は今度にして、次はは俺の質問に答えてもらおうか」
邪悪に笑うFは、今登録したばかりの相手に、躊躇する事無くダイヤルした。
「やめっ、ああ!」
直人に着信、中心に振動が広がる。
テーブルに寄り掛かり、逃げ場の無い快感に勝手に腰が踊る。
「桐生って?」
Fは屈んで直人の顔を覗き込んだ。
「う、あ、大学の、後輩…」
直人は股間に感じる快感に悶えながら答えた。一度振動が止まった。
言い訳のように直人は言った。
「ただの、先輩後輩ってだけだ…」
「嘘吐き」
Fは怒っているのか、その身体に真実を聞き出そうと再びダイヤルボタンを押した。
「んああっ…!ああっ!」
87不覚のF:2005/11/16(水) 23:36:29 ID:+3Buhor1
しまった!ごめん!orz

すでに立ち上がった直人自身に伝わる振動。
電流のような痛いほどの快感に気が狂いそうだった。
「あ、やめ、て…」
「結構気持ちいいものなんだな…ああ、もしもし?」
振動が止み、留守電に切り替わったようだ。
「そこで腰を振り回している君、桐生ってのと寝た事が?」
「そんな事…」
「答える義理はないって?」
Fは大袈裟に溜め息を付いてみせ、グラスを掴んでワインを飲み干した。
直人はただ俯いて、この責め苦に耐えていた。
「…!」
またしてもビリビリと襲い掛かる振動。ガクリと膝を付いた。
直人は敵に拷問を受ける哀れな捕虜だった。
情報を引き出す為の新手のやり方は、次第に結果をもたらした。
「あっ、あっ、あっ」
「早く言わないと携帯が濡れて壊れてしまう」
「あっ、やめっ、てっ」
「ほら、言え」
「んっ、くっ、学生時代の、話だ…はぁ…」
縛られた手をただ握り締めて、直人はとうとう耐え切れなくて告白した。
規則的に襲う振動は、あまりにも気持ちよ良すぎる。
「初めての男か…。なるほど、ノスタルジックだな…」
直人の腰のベルトを外し、携帯を取り出した。
体温で温かくなった小さな凶器は透明な糸を引いた。
「少し濡れてしまったな」
Fの指で糸引く液体を延ばして、わざと直人に見せつけた。
「大丈夫、壊れるほどじゃない」
Fは携帯をハンカチで綺麗に拭いて、テーブルに置いた。
恥ずかしげに俯く直人の顎を掴んで医者のように反応を診る。
腰はまだがくがくと震えて頼りなかった。
88不覚のF:2005/11/16(水) 23:37:09 ID:+3Buhor1
「イきたい?」
下着から顔を覗かせている先端をFの指が弾いた。
「んっ…」
答えられない直人を立ち上がらせると、再びテーブルに押し倒した。
パンツを脱がせても抵抗しないところを見ると、どうやら何とかして欲しいらしい。
「で…そいつと今もヤってると…」
先端を指で撫でた。腰に力を入れて耐えているのか、ブルブルと腹筋が震えている。
「そっ…な事、してない…」
「じゃあ最後に会ったのはいつだ?」
「…三年前」
くっとFは喉で笑った。
「そんなもの、俺にとってはほんのさっきの話だ」
いきなり、Fは直人の茎を握り締めて追い込んだ。
「はぁっ…う」
直人の甘い声が店内に響いた。ドキリとしてFを見るとニヤニヤと笑っている。
意地悪だ、と思った。
「って事は、少なくとも、学生時代から三年前までは身体の付き合いがあったって事…」
「…はぁ、は…」
直人は否定できなかった。全部言い当てられてしまって、何故か後ろめたさを感じた。
「直人、力を抜いて」
「んあっ、だ…め…」
気を抜くとイってしまう。だけどもう耐えようがない。
Fの愛撫は怖くなる程気持ち良かった。
「も…イク!イっちゃ…!あ!ああー!」
迎えた絶頂にFは応えた。先端に口を付けて白濁を飲む。
直人がビクンビクンと身体を揺らすので、口の端から少しこぼれてしまった。
「美味しい…」
このレストランに来る客が言うように、同じようにテーブルの上の料理に舌鼓を打った。
「今度その男に礼を言わなければな。俺の代わりにお前を仕込んでくれた。
 だからお前の身体はこんなに感じ易いんだな…」
と、乳首を弄ると直人は声を出して悶えた。
89不覚のF:2005/11/16(水) 23:38:35 ID:+3Buhor1
「本当は俺の役目なんだがな…」
「ん…なに…」
「お前に快楽を与えるのは俺の役目。言ったろう、交換条件だって。
 さあ、次は後ろだ」
直人は、淡々と話すFは怒っているようにしか思えなかった。
乱暴に身体をひっくり返され、髪を引っつかまれる。
「何で…?」
「…この前、どの位お前の血を飲んだと思う?」
直人の尻を撫でながらFは聞いた。
この前…、直人は思い返したが、ほんの少し舐めたくらいにしか思えなかった。
「そうだなぁ、だいたい小さいビール缶一本分位だ」
直人の双丘を割って、小さなすぼまりに口を付けた。
「ちょっと献血した位だな。その後、お前すごく食べただろう?傷もすぐ治った」
舌が入り口をつつくのを感じ、その後指が入り込んだ。
「んああっ!」
「基本的に、お前の体は丈夫に出来ている。少しの失血、傷なんかは、
 たくさん食べ、たくさん睡眠をとれば常人より早く回復できる。さらに…」
ググっとねじるように指を奥へ運んだ。
「さらに、お前に快感を与えれば、その回復が早まるように出来ている」
「あっ…だめ!そ…んあぁ…」
直人は上半身を冷たいテーブルに預け、肩幅程度に脚を開き腰を突き出している。
唇を噛み締め屈辱に耐えている。そんな様子をFはうっとりと眺めていた。
「いい格好だな」
直人の一番感じる場所を指が攻めると、さらに店内に喘ぎ声が響いた。
「だいたい解っただろう?お前は俺に体液を与え、俺はお前に快楽を与える。
 これがお互いの役割」
「ん、んあ!」
Fの指に翻弄されながら、直人は思考をまとめようと必死だった。
一体、どういう事だろう。それが自分のおかしな体質の真相?では全てはこの男の為?
「桐生という男は随分淫乱に仕込んでくれたものだな。もうこんなに…」
90不覚のF:2005/11/16(水) 23:39:49 ID:+3Buhor1
直人の腰の下に手を回し、ピンと張り詰めた彼自身を確認した。
一度萎えたはずのそれは、いつの間にか恥ずかしい程に屹立していた。
桐生、直人の記憶の奥にあった彼の顔が浮かんだが、すぐに消えてしまった。
Fが入ってきたからだ。
「はぁ!」
大きく直人は鳴いた。
「くっ…」
ゾクゾクする程の快感にFは息を詰める。よく締まり、腰がとろけるように気持ちいい。
ふと店内に人の気配がした。また邪魔が入ったか。動きを止め、Fは意識を集中させた。
彼の五感は人間の数倍鋭い。誰だ…、視線を感じる。
「…んっ、直人」
「あっ、んあっ」
「竹下っていったっけ、ここのマネージャー」
喘ぐ直人の耳元で小さく言ったが、直人には聞こえていないようだった。
「あっ、あっ…」
教えてやろうか、どうしようか。直人の驚く顔が見てみたい気もする。けれど…。
「ああっ!だ、…だめっ…エフ!」
「ん、はっ…やっと、呼んだな…」
直人はこうでもしないと名前を呼んでくれないのだ。
「エ…エフ!やだっ…え…ふ…!」
自分の名を呼ぶ直人の声が心地よい。中断するのが勿体無い。
黙っているのもまた面白い。見せ付けるのもいいだろう。
「ん…直人…気持ちいい?」
「ふあっ、気持ちいっ…!えふっ…」
今回だけは見逃してやろう。黙ってそこで見ていろ。
所詮、隠れて出てこれない臆病者だ。Fは背後の人物に心の中で呼びかけた。
美しく悶える直人の痴態を見せてやれるのは今日だけだ。次からは金を取るぞ。
「んあっ!ああ!」
もう一人いる事に気づかないまま、直人は絶頂を迎えた。
快楽の、そのまた向こうを覗き見た気がした。

〔ここまで〕
91風と木の名無しさん:2005/11/16(水) 23:42:21 ID:4RVy+zJC
不覚タソ待ってた〜。GJ!
92風と木の名無しさん:2005/11/16(水) 23:51:36 ID:t86Ps20K
不覚タソ待ってた!乙!IDワロス
93風と木の名無しさん:2005/11/17(木) 00:53:14 ID:/jFOOsE5
不覚タンGJすぎる!!

桐生はいい仕事人だったんだな
Fも負けず劣らずだが
94風と木の名無しさん:2005/11/17(木) 02:55:53 ID:nO0c4QGr
ハァハァ、不覚タソ待ってたよ。
何気に視姦か…。その内マネージャーも関わってくるのかな、っと気体。
95風と木の名無しさん:2005/11/17(木) 05:37:45 ID:Rt3l+qGN
次からは金取るのかよw
Fさん乙!
でも何が「不覚」なんだろう。ワクワク
96無機質な笑み:2005/11/18(金) 00:24:08 ID:UGxFAQjW
俺はある有名な博士に一体のアンドロイドを注文した。
本当に人間なんじゃないかというくらい精巧な作りで、美しい顔立ちをしたアンドロイドだ。
博士はアンドロイドの性格の相性などを決めると言って一通りの検査をした。
父が亡くなってから俺は、この広い家で過ごすのに飽きたということもあった。
人工知能付きだから話相手にはなってくれるだろうし、家事も任せればいい。
そう思っていたのに。今のこの状況は何なんだ?
注文してすぐ家に着いたのはいい。説明係りとして博士の助手がやってきたところまではいい。
その助手はけだるそうな顔で、新機能をつけたことを話した。
今このアンドロイドは貴方にしか従わない、と。
博士が俺を検査した上で、俺に必要なことを常に分析し実行するようになったらしい。
まぁそんなことはどうでもいい。
問題は今俺がこのアンドロイドに組み敷かれているということだ。
ベッドの上に転がされ両手を頭の上でひとつに纏められてしまっている。
名前をつけてくれとせがまれサキという名前をつけてやった直後のことだった。
「ゴ主人様ハ今気持チ良クナルコトヲ望ンデオラレマスネ?」
そんな訳ないだろ、大体何でそんなことまで分析するんだ?
確かにここ二週間程オナニーもしてないしたまってると言えばたまっているかもしれない。
だがそれを何故こいつに処理されなければならない?というかこいつ男型だったのか?
と、突然サキの腕がハサミのような形状になったかと思うと俺の服を裂きだした。
97無機質な笑み:2005/11/18(金) 00:25:40 ID:UGxFAQjW
「やめろ!お前ご主人様の言うことに従うんじゃないのか!?」
しかし一向に動きが停まる気配はない。
「サキハ言葉デハ無ク貴方ノ感情ニ従ウマデデス」
「うぁっ」
俺の上半身の服は切り裂かれ散乱している。
いつのまにか普通の形に戻ったサキの手は俺の乳首を触りだした。
「んっ・・・」
じんわりと甘い感覚が込み上げ声が出てしまう。
サキのひんやりとした冷たい手が乳首を摘んだり押したり。
「ゴ主人様、気持チイイデスカ?」
「気持ち良くなんか・・・あぁ!」
乳首の付近が急にぬるりとした感覚に変わった。
首を持ち上げ見てみると、サキの指先は吸盤のような形になっている。
その指の吸盤で乳首を包み込むとじゅっちゅっと吸うような音がする。
「やぁっは・・・」
喘ぎたくなんかないのに声が自然と引き出されてしまう。
真上にあるサキの顔を見てみると、表情も無く無機質な感じがした。
つまり生きているものに触られてる感じがしないのだ。
次にサキは慣れない手つきで俺のベルトを外し始めた。
抵抗しても全く意味はなく、俺の下半身はゆっくりと顕わにされていった。
98無機質な笑み:2005/11/18(金) 00:27:51 ID:UGxFAQjW
ズボンと下着は膝の辺りまで下ろされ、サキは俺の股間をまじまじと見つめている。
「ゴ主人様ノココハ大キイデスネ」
全くどういうアンドロイドなんだ?俺はあの博士を憎んだ。
あれはこんな目に遭わせる為の検査だったのか?
この行為が終わったら文句言いにいってやる。というか突っ返す。
そう考えている内にサキは指の粘着質な吸盤で俺の性器を扱きだした。
「ふぁあ・・・あぁっ・・・」
久々に触れられたそこは少しずつ膨張していくのがわかる。
五つの吸盤を性器に絡められ、吸われる。
ふとサキと目が合った。サキの目は宝石で作られたのかと思う程綺麗だ。
何か魔力を秘めていそうなくらい、吸い込まれそうな瞳だった。
サキは俺を見るとにっこりと笑ってみせた。けれどそれは作り笑いにしか見えなくて。
もしこいつが人間だったら俺もまだ素直になれたんだろうか。
サキには感情なんて無いだろうし俺を求める気持ちだってない筈だ。
けれど規則的に動く指は明らかに俺を興奮させている。
俺自身を包むサキの指は、先端から溢れだす液体をすくい、塗り付け、またすくう。
抵抗する気力も失った俺に気付き、サキの手は俺の手を解放した。
「はぁ・・・っいや・・・」
「ゴ主人様、次ハドウシテ欲シイデスカ?」
99無機質な笑み:2005/11/18(金) 00:30:30 ID:UGxFAQjW
「もっやめ・・・」
サキの指は先端をぐりぐりと押さえ、それに応えるように腰を動かしてしまう。
───イきたい。
けれどそんなことをアンドロイドに哀願するなど馬鹿げたことだ。
サキの指は更に動きを増やし、根元から亀頭にかけてをすばやく行き来する。
「はぁ・・・っ」
気を抜いた瞬間ぐいっと腰を持ち上げられた。
するともう片方の手が先走りをすくい取り、俺の後ろに差し入れようと、場所を探り始めた。
そんなところに何かを挿れたことなんか無いから腰を揺らし逃げようとする。
しかしサキはついにその場所を見つけ、またにっこりと冷めた笑みを見せる。
「あっ待て・・・!」
強張る体に容赦なく入り込む異物。
「・・・ぅあぁっ」
しかし痛みはなく、ぬるぬるとゆっくり中へ侵入してくる。
「!?」
侵入してきたかと思うと、指は中で形を変えたようだった。
指先から細い糸状のものが分裂し中を攻めてくる。
その中の一本は奥へと進み、また一本は内壁を擦り、もう一つは後孔の入ってすぐそこを刺激する。
「はっあ・・・」
「イキタイデスカ?」
サキに尋ねられるがぐっと堪え首を振った。


―ここまでです―
100風と木の名無しさん:2005/11/18(金) 02:03:43 ID:3GTpE2p8
新作キタ!!
アンドロイドタソは御主人に何を突っ込んでくれるのか気体w
101風と木の名無しさん:2005/11/18(金) 16:46:03 ID:dnMle6xC
言葉には従わないと言いつついちいち訊くのかw
これはいい言葉攻めですね。(*゚∀゚*)

規制中だが意地でも乙する。
102風と木の名無しさん:2005/11/18(金) 21:30:39 ID:iJf6XZYW
初の投下です。
攻めが人じゃないんですが獣姦ほどでもないと思います。
というか今回エロないんですが…
ホラー?チックなのでご注意ください
103正体不明攻め1:2005/11/18(金) 21:32:13 ID:iJf6XZYW
ベネディクトはいつも独りだった。
「伯爵家」の私生児として生まれ、
扱いに困った父に養子という名目で売り飛ばされたのだ。
この場合不幸なことに、ベネディクトは見目麗しく
男色であった養父の格好の餌食となり、
地下の座敷牢に監禁されては毎日陵辱される日々であった。
ベネディクトは養父が大嫌いだったが、
それでも涙を堪えて生き延びることを神に誓う。
いつか、父と母が迎えに来てくれるのではないかという薄くて拙い夢を秘めながら。
そして、この日彼は違和感に気付く。
いつもは無口な下郎が、食事後に食器を片付けにやってくるのだが今日は遅い。
その後に養父がやってくるのだが…
「どうしたのだろう…?」
104正体不明攻め2:2005/11/18(金) 21:33:16 ID:iJf6XZYW
それは、大層美しい青年であった。
淡い金髪に青い瞳、彫刻のような美貌―――
人品卑しからぬどこかの貴公子に見えた。
しかし、違う。
青白く血の気の無い顔には何の表情も浮かべていない。
一歩一歩脚を引きずるような、
緩慢な動きで地下牢への路を進む姿はどこか無機質ですらある。
赤い絨毯に刻まれる足音も、標準的な体格から考えれば異常であった。
彼の体重より数倍も重い巨漢の歩みのように、
一足ごとにずしりと重々しい音が響くのである。
あたかも、彼の中に高密度の<何か>が充満しているかのごとく―――
105正体不明攻め3:2005/11/18(金) 21:34:12 ID:iJf6XZYW
その足音を聞きつけ、この屋敷の主でありベネディクトの養父が自室から姿を表した。
「一体何者だ貴様は!おい、誰かおらんか!?曲者だ!」
見慣れぬ者が館を徘徊しているというのに、
使用人や騎士たちは何をしているのか。
後で罰せねばなるまい…そう思っていた。
彼の視界は侵入者でいっぱいになり、
侵入者の後ろで転がっている肉塊には気付かなかったのだ。
危険を、察知できなかったのだ。
彼は猟銃を構え、一撃のもと侵入者を排除しようと試みる。
散弾が瞬時にして、その美しい顔を吹き飛ばすはずだ。
湿った肉がぶつかる音がした。
106正体不明攻め4:2005/11/18(金) 21:35:09 ID:iJf6XZYW
「はぁ…」
ベネディクトは溜息をつき、簡易ベッドに寝転がったと思えば起き上がる。
もうすぐやってくるであろう養父、そして行われるであろう行為を考えると、
目の前の鉄格子が疎ましい。
鉄格子を軽く蹴り、随分来るのが遅い下郎のことを考える。
下郎のことが好きなわけではないが、養父に比べればマシであるし、
何より一人は寂しい。
その時、ベネディクトの耳が地下牢への階段を降りる足音を捉えた。
奇妙にゆっくりとした重い足音に、不安を掻き立てられる。
思わず、震える声で尋ねた。
「あの…お養父さん?」
応えはない。
代わりに、少しだけ足音のピッチが早まったようだ。
107正体不明攻め5:2005/11/18(金) 21:36:03 ID:iJf6XZYW
ベネディクトは鉄格子を揺さぶり、頑丈であることを確かめた。
養父は鍵を持っているからそんなことは無意味にも程があるが、
何故かそうしなくてはならないような気になったのだ。
予想通り、養父が視界に入ってきた。
「ひっ…!?」
ただし、左半身が裂けた状態であるが。
何者かが養父を放り出す。
死臭が漂い、思わず鼻を摘みたくなるが…
ベネディクトの身体が強張り、眼球がぎこちなく動く。
足音の主が姿を現したのだ。
彼はベネディクトの方へ身体ごと向き直る。
氷を思わせる青い目が少年を凝視した。
ベネディクトは直感した。こいつは人間ではない!
彼の右腕に掴まれた途端、鉄格子があっさりと白旗をあげた。
その凄まじい握力が鍵の構造ごと破壊したのだ。
ベネディクトの悲鳴が、侵入者の身体を圧する。
そして、ベネディクトの首に侵入者の腕が締め付けた。
「うぐっ…」
意識が遠のく寸前、彼の瞳が笑うように細められたのを見た―――
108正体不明攻め:2005/11/18(金) 21:37:28 ID:iJf6XZYW
一応今日はココまでです。
いつまで続くか分かりませんし、書くのも遅いです。
どうぞよろしく。
109風と木の名無しさん:2005/11/18(金) 23:16:49 ID:TEgwLspO
>>108
乙。楽しみにしてるよ(・∀・)ニッ
完結ガンガレ。
110風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 00:52:10 ID:BTQrhMlm
おお!正体不明さん乙!期待してます!


しかし、マイネ申は完結せぬまま遠のかれることが多い…
騎竹タソ…お待ちしておりますとも…

新入部員タソも楽しみにしてたのになぁ…orz
111風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 02:27:44 ID:4hh3H1aR
萌えるか萌えないかも大事だけど、投下するなら完結して欲しいですね。
やむにやまれぬ事情があったんかもしんないけど。
小説を書く才能は、完結させられるかどうかにあるらしいですよ。

なにはともあれ職人さんがたいつも乙です!
112風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 02:54:01 ID:ve1ihL1u
謎の人外の攻め、そそりますな。
続きワクテカしてます。
113風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 03:17:50 ID:OMV9R8Cr
謎の人怖い(゜д゜))

アンパータン待ってます
114風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 06:03:19 ID:7woSfmkp
無機質さんGJ!!
造られた者に、使役するはずの物に、無理矢理与えられる快楽…最高です。
責め具が揃い踏みなところも、苦痛無く籠絡するところも、得体の知れなさも、みーんなイイ!
でも一番キタのは、片仮名言葉責めと、我慢するご主人様…ツボ過ぎ…!
続きキボンというか、もはや切望というか、むしろ哀願します。また来て下さいッ!
115正体不明攻め6:2005/11/19(土) 18:47:14 ID:TXKsEbVM
正体不明な攻めの続きです。
今回は食器を片付けなかった下郎視点→攻めの子作り論です。
子作りといっても人外攻め、やり方が特殊なので妊娠ネタではありませぬ。
以上を注意されたし。



下郎は、洋服棚の中で震えていた。
見知らぬ男が屋敷の者を次々と屠り、肉片を散らかしてゆく様を
隙間から見ていたのだ。
がくがくと震える歯を食いしばり、暫くじっとしていたが―――
「あれは…若様!?」
思わず漏れそうになった声をぐっと飲み込み、手で口を抑える。
あの金髪男がベネディクトを肩に担ぎ、やはりあの緩慢な歩みで
屋敷を出ようとしているではないか。
(若様を一体どこに連れて行くつもりだろう)
その時下郎の、恐怖に満たされた心に新たな感情が芽生えた。
下郎は庭に出て、白い息を吐きながら追いかけ出した。
116正体不明攻め7:2005/11/19(土) 18:48:16 ID:TXKsEbVM
怪人物は、下郎の足音に気付かぬ様子で、
脚を引きずりながら森の方へ進んでいった。
下郎の方は段々と間を詰め、二十メートル程近付いてきている。
昼間でさえ暗い森の中、夜中は黒よりも暗い闇が覆っていた。
ベネディクトを担いだ男は、ちゃんと行き先がわかっているらしく
わき目も振らず進んでいる。
「どこまで進むのだろう」
下郎はおぼつかない足取りで木の根を避けながら進んでいると、
男がふと立ち止まった。
そこには古い井戸があった。
土をかためて作った古風な井戸は半分崩れていたが、
下郎の記憶ではまだ水が張っていたはずである。
男はベネディクトを抱えたままふわりと井戸に飛び込み姿を消してしまった。
「あっ!」
下郎が慌てて駈け寄るといつもは水で満たされている井戸が今日に限って空っぽだ。
「ここが奴の隠れ家だろうか」
下郎は、意を決して井戸に飛び込んだ。
117正体不明攻め8:2005/11/19(土) 18:49:14 ID:TXKsEbVM
「うっ…!?」
ベネディクトが目を覚ますと、そこはいつもの地下牢ではなかった。
「一体ここはどこだろう?」
あたりを見回すと、今まで見たことの無い部屋だった。
四方の壁は石垣になっており、天井は太い材木を縦横に組み合わせて
その上板を張っている。
床も石を並べただけで、敷物もなく調度品といえば
木のベッドがあるだけでベネディクトはそこに寝かされていた。
天上から細い鉄の鎖で、変なかっこうの石油ランプが下がっており
部屋中を赤茶けた色に染めている。
ベネディクトはベッドから降りて、錆びた鉄の扉に近付いた。
そっと押すと、ギーッと音がして扉が押されていく。
118正体不明攻め9:2005/11/19(土) 18:50:13 ID:TXKsEbVM
「あっ!」
扉の向こうには二人の人物がいた。
一人は言うまでもない、自分を攫ったあの男である。
そしてもう一人部屋の隅に、この場所にそぐわないピエロがいた。
ピエロは真っ白な顔をして、真っ赤な口を開けてエヘヘエヘヘと
薄気味悪く笑っている。
ベネディクトはわけもわからずぼんやりしていると、
ピエロが笑いを止めてこんなことを言った。
「坊ちゃん、びっくりしているね。ここはどこだと思うかね。
ここは地の底だ。おいらはこの御主人様の通訳さ」
御主人様と呼ばれた男は、キ、キ、キ、と嫌な声を立てる。
ピエロがそれを聞き、
「御主人様の仰せだ、よく聞くんだぜ…『私は今、後継ぎとなる子供が必要だ』」
ベネディクトはそれを聞き、恐怖も忘れて喚き散らした。
「僕は関係ないでしょう!僕はこれでも男なんだ!あなたが何者かわからないが、
僕は子供なんて作れないよ!」
119正体不明攻め10:2005/11/19(土) 18:51:32 ID:TXKsEbVM
男は、またキキキと生物とは思えない声を出し、ピエロに言葉を伝える。
「落ち着けよ、いいかい…『君たち人間がどのように繁殖するかなど興味はない。
<我々>は君たち人間に<胚>を埋め込むことで細胞を作り変えさせて
生殖を行うのだが。この方法は適合というものがあり、
誰にでもというわけではないのだ…だが、ようやく私と適合できる者を見つけ出した』」
男は、無表情にベネディクトを見ている。その者とはお前だ、と言わんばかりに。
「そんな…でも、その話だとあなたは元は人間なのでしょう!?」
それなのにこんなことをするのか?人を殺し、言葉さえ失ってまで!
「『この身体の前の持ち主のことなど憶えていない。言っただろう、
細胞から作り直すと…人間の時の名残など跡形もなくなるのだ』
―――だそうだ、坊ちゃん」
「…」
ベネディクトは記憶を反芻する。
生まれてこのかた、一度でも生まれてきて良かったことなどあっただろうか?
親に疎まれ、養父に弄ばれてきたのだ…いっそのこと忘れてしまいたい、何もかも。
120正体不明攻め11:2005/11/19(土) 18:52:37 ID:TXKsEbVM
だが、この話はどうだ?死ぬ、ではない…目の前のような怪物に生まれ変わるのだ。
自分の身体と精神が塗り替えられると思うとゾッとする。
「やっぱり嫌だ!僕は人として死にたいんだ!」
ベネディクトは今まで生きてきて最大の勇気を振り絞り、そう叫んだ。
男はやはり無表情に、ピエロに言葉を伝える。
「『私がいつ君に許可を乞うた?』」
男が立ち上がると、ピエロは急に緊張した顔になりそそくさと退室してしまった。
男は後ずさりするベネディクトに迫り、手首を掴む。
彼は喋らないが、瞳が「来い」と命令しているのがわかる。


つづく
121正体不明攻め:2005/11/19(土) 18:53:30 ID:TXKsEbVM
以上であります。
次回からやっとエロだ…長かった。
とりあえずこれから晩御飯を食べるわ。
122風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 19:40:27 ID:BrpEERCl
正体不明さん乙。ご主人様とピエロ怖っ…続き期待してます。
初投下とのことなので、是非>>1を読んでみてください。
123風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 19:58:33 ID:w5XlKTQu
乙です!
なんつーか今まで見たことない子作り法だ
受けと子を作るんじゃなくて受けを子にするのか…
124無機質な笑み:2005/11/19(土) 21:22:31 ID:1XKPDpoz
おかしいなぁ、という風にサキは首をかしげ、後ろに入った指をぐるぐると掻き回す。
「んっ……んんっ……」
慣れない行為に気がどうにかなりそうだ。
「サキハ、ゴ主人様ガ望マレルノヲ待チマス」
「あっ…………?」
そう言うとサキの動きはピタリと停止してしまった。
俺の中に指を入れ、俺の性器をにぎったまま。
自分でも失笑してしまうような、物足りないような声を上げてしまう。
あと少し、もう少しの刺激があればイけただろうに。
「サキ……おいっ聞こえないのか…!?」
どかそうとしても大きな機械を上に乗せられてるようでビクともしない。
名前を呼ばれたことに少し反応したようにも見えたが全く動かなくなっている。
もしかしたら変なところに指を入れたりするから回路がおかしくなったのかもしれない。
「サキ………サキ!?」
こんな時なのに柄にも無く心配している自分が可笑しかった。
「ちゃんと後で修理してもらうから……」
その言葉にサキの体はビクンと震えた。心配されることが嬉しいとでもいうように。
けれど違う、サキはこんな言葉が欲しいんじゃない。
別に壊れた訳じゃなく俺が言うのを待ってるんだ。
イかせてくれ、と。
125無機質な笑み:2005/11/19(土) 21:25:08 ID:1XKPDpoz
中途半端なまま放り出された性器は未だ熱を持っていて、俺が動く度にサキの指が擦れる。
「はぁっ……」
だがこの程度の刺激じゃ駄目だ、それくらい自分でもわかる。
俺はガラス玉のように澄んだサキの目を見た。
見開いたままの目は瞬きもせずこちらをすっと見ている。どこか優しい視線だった。
「……イかせ…」
蚊の鳴くような声で呟くように言ってみた。が、反応はない。
やはり本当に壊れてしまったのか?という疑いが強まる。
けれどもう一度。もう一度だけ・・・
俺は手を伸ばしてサキの首に回す、そしてぐいと引っ張り耳元に口を近づけた。
「サキ、イかせろ……」
すると、その言葉を待っていたかのようにサキはまた作動した。
「ハイ、ゴ主人様ッ」
満面の笑みで答えると、また先程の動きを繰り返し始める。
「んっ……もうっ…」
「イキソウナノデスネ?」
そう尋ねるとサキの指は俺の内部で折り曲げられ、俺が最も感じる場所を数度刺激した。
「あぁ……───っ!」
こんな声が出るのか、という程甘い声を上げて俺は達した。
126アンパーフェクト41:2005/11/19(土) 21:27:58 ID:00ZlLeA3
「う……あ、うあぁぁ……っ」
孝之が悲鳴をあげるのにも構わず、千尋は孝之の後孔にバイブレータをねじ込んだ。
「いっ、痛いっ!」
「気持ちいい、の間違いだろ?この淫乱が」
千尋は孝之から手を離して、ベッドの端に腰掛ける。そして、全裸の孝之がシーツの上で
身悶える様を、悠然と眺めた。
孝之は、少しでも千尋の視線から逃れようと、うつ伏せの姿勢をとろうとした。
「取りたかったら取ったら?それ。取ってみろよ」
今の孝之は、保健室の時のように手を縛られていない。手足の自由が十分効く状態だ。
逃げようと思えば逃げられるし、千尋の言うように尻にねじ込まれた玩具を、自分の意志
で抜き取ることもできるのだった。
「ついでに、前も自分でやってみろよ。見ててやるから」
孝之は首を横に振る。
「どうして?辛いんだろ……薬も効いてきてるみたいだし」
千尋は孝之の胸へと手を差し込んで、乳首をぴんと弾いた。
「んんっ」
「ほら」
千尋は孝之の手を掴むと、バイブのコードの先に付いているコントローラーを持たせた。
「自分のことは自分で、な。上手にイケたらご褒美をやるよ」
「はぁ……っ、ぁ……」
孝之は、シーツに頭を擦り付けて切なく喘いだ。
127無機質な笑み:2005/11/19(土) 21:28:48 ID:1XKPDpoz
「はぁっはぁっ……」
虚ろな目でサキを見る。サキはいい仕事をした、という風に満面の笑みを浮かべていた。
「ゴ主人様、今サキガ綺麗ニ致シマスネ」
そう言うと俺が吐き出した白濁の液体をぴちゃぴちゃと舐め始めた。
腹を這ういやらしい舌使いにまた勃ちそうになる。
舌、といってもぬるぬるとした舌もどき、だろうけど。
しかしサキは全て舐め終わると俺を解放し、シャワーをどうぞと勧めてきた。
今はまだ夕方だったが前も後ろもべたべたして気持ち悪かったのでシャワー室へと向かった。
さっきまで後ろに異物が入っていた感覚が残っていて歩くことも辛かった。
シャワー室に入ると俺は内側から鍵をかけ、サキが入ってこられないようにした。
サキには夕飯の支度をするように言い付けたので多分来ることはない。
シャワーを浴びたらすぐにでも博士に返しに行こう。
そして俺は服を脱ぎ、シャワーの水を出した。
俺の後ろはまだ疼くようだったのでまずそこから洗うことにした。
後孔に水を当て、ゆっくりと自分の指で割れ目をなぞってみる。
「ふ……っ」
思いもよらず声が出てしまい一人赤面する。
気持ち悪いのか気持ち良いのかわからないような感じがしてもう一度そこに触れる。
触れているうちにだんだん癖になってきたようで何度も周辺を撫でてみた。
128アンパーフェクト42:2005/11/19(土) 21:29:10 ID:00ZlLeA3
自分から器具を動かして自分を慰めるなど、出来るはずが無い。それも、千尋の目の前でだ。
けれど、内側の肉が、玩具に絡みつくように収縮してしまうのを止められない。
固く勃った乳首が張り詰めて、ぴりぴりと痛んだ。
千尋にこのホテルに連れ込まれるなり、衣服を剥ぎ取られてベッドに押さえ込まれた。
そして、直腸から直接、薬を入れられたのだった。
薬の効き目は強烈だった。
全身の性感を無理やり引きずり出され、感じ続けることを強要される。
孝之はとうとう誘惑に勝てず、震える手でコントローラーのスイッチをひねった。
「あ………ぁあああっ!」
孝之はコントローラーを手から落とし、シーツを両手で握り締めて耐える。
「ふ………うぅ……っ………、いやだ……」
「いやなら、取ったらいいってさっきから言ってるだろ?」
「そん…な………」
「いい眺めだな、ケツの穴からコード垂れ下がっててさ…」
シャランと電子音が鳴り響くのが聞こえた。千尋が携帯電話のカメラのシャッターを切っ
たのだった。
だが、孝之はそれに抗議することも出来ない。
とうとう孝之は我慢できず、自分で自分の性器を扱き始めた。
129アンパーフェクト43:2005/11/19(土) 21:29:45 ID:00ZlLeA3
「やらしい奴……」
孝之は、ぼんやりと千尋の皮肉を聞いていた。涙が目の端を伝う。
こうしないと楽にならない。だが、こうしても薬の効き目が切れない限り楽にはなれない。
このまま、薬の効き目が切れるまで、千尋のおもちゃでいるしかないのだ。
「う……ああっ、あう……」
手にどろりと白濁した液体が飛び散った。
だが、体の熱が冷めることはなかった。薬の効き目はまだ、弱まることはない。
途切れることなく続く内側からの振動で、そこはすぐ再び張り詰めてゆく。
同じ体勢でいるのが苦しくて、仰向けになった。千尋の前に、欲情した体の全てが晒される。
「は、誘ってんのか? 俺は村上じゃねえぞ?」
千尋はコントローラーを手にとり、バイブレータの出力を最大にする。
「……う…あああぁっ!」
「ほら、もっと鳴けよ」
「やめて…ああぁ、助けて先輩………」
「………わかったよ」
千尋はコードをくん、と引っ張った。そのままずるりと、玩具を孝之の中から引き抜くと、
孝之の膝を担ぎあげた。そして、緩んだ孝之のそこへ入り込んでくる。
千尋は孝之の体を見下ろした。孝之の体には、千尋がつけたのではない、紅く鬱血した痕
がいたるところに残されてる。首筋にいたっては、かなり派手な噛み傷が残されていた。
「ったく……お盛んなこったな」
そういうと、千尋はその傷の上に噛み付いた。
「い……たぁ…っ、あ、あぅ……」
刺激で孝之が、千尋を締め付けてくる。ねっとりと絡みつく孝之の内部の感触に、千尋は我を忘れそうになった。
なんでだ? なんで村上なんかが、こいつと……。
千尋はその激しい嫉妬と苛立ちを、全て孝之の体にぶつけた。
孝之の哀願を一切聞き入れず、気絶することも許さず犯しつづけた。
お前が悪い。
お前はただの、淫乱だったんだから―――と。
130無機質な笑み:2005/11/19(土) 21:30:53 ID:1XKPDpoz
何だか気分がおかしい。さっきまでいじられていたせいだろうか。
息も上がってきたようだ。もう少しだけ───。俺はすぼまりの中へと指を侵入させた。
「んっ……」
第一関節辺りまで入っただろうか。サキが指を入れるまで自分では何もしたことのない場所。
「きれいに…しなきゃな……」
自分に言い訳をするように小さく呟いて指を進める。
「はぁ…はぁ………」
駄目だ、これ以上入らない。俺は指を挿入することを断念し、今度は前を洗うことにした。
さっき放出した筈なのに、そこは勃ち上がってはいないもののまだ熱をもっている。
指で包み込んでこしこしとこすり、さらに水圧を強めたシャワーをあてる。
「ん……く………」
シャワーの位置を先端から根元へ、そしてまた先端へとゆっくりと動かす。
性器を持ち上げると裏筋に当たり、次第に心地よい刺激に変わってきた。
さっきどんな風に触られた?サキはどんな風に指を……
そこまで考えて俺は絡めていた指の動きを止めた。
───俺は今何を考えた?
恥ずかしくなってシャワーも止めた。しかし疼くそこは止められなかった。
そんな時シャワールームにノックの音が響き俺の体はびくりと跳ねた。
131無機質な笑み:2005/11/19(土) 21:32:54 ID:1XKPDpoz
「な、何だ?」
「夕飯ノゴ用意ガ出来マシタノデ」
そうだ。すっかり忘れていた。次に何かまた命令しないと────。
「ゴ主人様、オ背中ヲ流シマショウカ?」
「いや、遠慮する!えーと…」
こんな姿を見られたらまた無理矢理イかされるに決まってる。それだけは避けなければ。
「もう上がるから外で待っててくれ。頼む」
こちらが主人なのにアンドロイドに頼むとは何とも可笑しな話だ。
「………オ背中ヲ流サセテハクレナイノデスカ…」
何ともしょぼくれた声がガラス越しに聞こえる。
しかもこれしきで流されそうな自分がいることに呆れる。
「駄目だと言ったら駄目だっ」
声が上ずってしまった、向こうに悟られていなければいいが。
「デハ、オ体ヲ拭カセテ下サイ」
「駄目だって!」
「シカシ……」
「サキッ!言うことが聞けないのか!?」
向こうでビクッとサキの体が震えたのがわかった。
早く、早くこの熱をどうにかしなければならないのに。
132無機質な笑み:2005/11/19(土) 21:35:37 ID:1XKPDpoz
「ナラバセメテゴ主人様の熱ヲ冷マスオ手伝イヲ」
なっ!?こいつの目は温度を感知するセンサー機能でもあるのか?
戸惑っている間にもドアノブを開けようとしている音がする。
「ちょっ待て!サキ!?」どうもこういったエロ絡みのコトには敏感に反応ようだ。文句言ってやる。
そう考えてるうちにギュイーンとドリルのような音がした。
「開ケテ下サラナイノナラ鍵ヲ壊サセテ頂キマス」
ちょっそんなのって有りなのか!?主人の家の物を壊すアンドロイドだなんて。
俺は慌てて鍵を開けた。
するとエプロン姿のサキが立っていて
「ゴ主人様ハ信ジヤスイ方ナノデスネ。本当ニ壊ス筈アリマセンヨ」と笑いながら言った。
俺は愕然とした。嘘をつき主人を脅す知能。優れた機能を持ちながら何故こんな事を?
これはもう博士に返すのでは無く、もの好きな奴に売ってしまった方が金になるんじゃないか?
欲しい奴ならいくらでもいるだろう。
詰め寄るサキを目の前にして俺はこの先の事ばかり考えるようにした。
今から何が起こるかなんて考えたくもない。



─ここまでです─
133アンパーフェクト44:2005/11/19(土) 21:40:01 ID:5guLPx4q
千尋に呼び出されたのが土曜日の放課後だったのが、不幸中の幸いだった。
日曜日を孝之は、泥のように眠って過ごしたが、さすがに一日での回復は難しい。
それでも、孝之は這うようにして週明けの登校を果たした。こうなったら、意地だ。
自慢ではないが孝之は、村上との情事の翌日も、決して学校を休んだことが無いのだ。
(でも、いくらなんでも…………今度のは酷すぎる…)
あんなに執拗に陵辱されつづけたのは、千尋との関係では初めてだった。
体の痛みも、精神的なショックもまだ治まらない。思い出すだけで、泣きたくなった。
三井先輩ってかっこいいのよ! と、千尋のことを教えてくれたときの、女子のはしゃい
だ声が頭に響く。
どこがだ。見事に性格歪んでるじゃないか。
千尋は、全く面識の無い孝之を、自分の友人達と集団で暴行した。そして、その後も望ま
ない関係を強要してくるのだ。
周りがちやほやするから、あんな人間になるんだよ、と孝之は心の中で毒づいた。
孝之は、村上とはもう和解しているつもりだった。村上との関係の中で、もうあのときの
ことを引き摺りたくなかった。千尋のことは、自分で解決するほかない。
だが、なにか千尋の弱みを握って脅し返す以外には、このまま、千尋の気が済むまで付き
合うしか、解決方法はなさそうだった。
大丈夫。自分は男だから大丈夫だ。
きっと自分は千尋にとって、受験のストレスを発散するための道具だろう。卒業まで我慢
すれば、きっと飽きるに違いない。
それに、これは結局、孝之自身が選んだことなのだから、最後まで自分一人で耐えるべきだ。
そう、孝之は自分に言い聞かせた。
決して自分を助けてはくれないであろう、村上を恨んでしまわないように。

   *   *   *
今回はここまでです。
すいません、無機質さんと混ざってしまいました……orz
134無機質な笑み:2005/11/19(土) 21:45:19 ID:1XKPDpoz
アンパーさん、こちらこそかぶってしまってすいませんでした;
135風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 21:52:03 ID:LuSJqKNz
うっわ、初めてリアルタイム投下に遭遇した…!
無機質さん、アンパーさん、乙です!!

思わず炊飯器に白飯盛りに走った、ついでにおかわりまで…orz
今日家族が家にいなくて良かった。
136風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 22:38:16 ID:Beh24OqE
サキタソ(*´Д`)
137風と木の名無しさん:2005/11/19(土) 22:42:33 ID:u3dVhjjQ
同時投下キター!
無機質タソアンパータソ、GJ!
138正体不明攻め12:2005/11/19(土) 22:51:24 ID:TXKsEbVM
数時間前の続きです。これで完結です。


一瞬脚に衝撃が走り、バランスが崩れた。
目の前の男がベネディクトの脚を払い、尻餅をつかせたのだ。
ベネディクトは呆然となり、仁王立ちをしている男を見上げた。
その顔は正面を向いているのに瞳だけ下―――ベネディクトを睨んでいる。
殴られるのではないかとベネディクトは恐怖に目を閉じて身を硬くした。
へたり込むベネディクトに、男が一歩近付く。
目をきつく閉じて、衝撃に備える―――が、代わりにやってきたのは冷たい指の感触だ。
ベネディクトの顎を、男が軽く摘み上げ男のほうへ向かせたのだった。
そして、氷のような唇をベネディクトのそれに重ねた。
139正体不明攻め13:2005/11/19(土) 22:52:21 ID:TXKsEbVM
呼吸を封じられ、抵抗力を失ったベネディクトはがくんと床に倒れこむ。
男は顎の白い指を衣服に潜らせ、相変らずベネディクトを穴が空くほど
見つめている。
いつも養父に身体を触られていたが、
今のベネディクトには電極を押し付けられたような怖気が走っていた。
喉から汽笛のような悲鳴が漏れるのと、彼の衣服が裂けるのは
ほぼ同時であった。
冷たい指が胸を走り、男の肉への渇望が感じ取られる。
次第に恐怖で声が痙攣し、声を上げることができなくなっていった。
自分の上に覆い被さっている男の顔といったら!
血が通っているとは思えないほど白く、石を彫り上げた仮面のように
表情の変化に乏しい。
それなのに、何故か壮絶な笑みとも呼ぶべき吹っ切れたような雰囲気だ。
腹に食いついた男が快楽を引きずり出し、それから耳元を舐め取られる。
その光景が別世界のようで、感覚も現実感も麻痺してきている。
笑い出してしまいそうだった。
ベネディクトは笑を噛み殺して思う。
これは夢だ、夢なんだ…
140正体不明攻め14:2005/11/19(土) 22:53:19 ID:TXKsEbVM
そのまま片方の手はベネディクトの下腹へと辿り、
微かに立ち震えている彼の男根を捕らえ、きつく上下に擦る。
「――――や、やめっ!」
ひやりとした手で突然そのような所を触られ、
その衝撃に慌てて身を乗り出し拒もうとするが、
男が異常な力でベネディクトを床に押し付ける。
あの地下牢の鉄格子をやすやすと破る怪力だ。
少年一人押さえ込むのにわけない。
恐ろしさに身を竦めるベネディクトを一瞥した後、
そのまま先走りで潤った先端に指を絡ませる。
湿った音を立てて白い液体が男の手首を伝い、滴り落ちた。
それを拭いもせず、ベネディクトの奥まった部分へと指を伸ばす。
「あっ…だめ、そこはやめて!」
養父との苦い思い出が蘇り、眉間に皺が寄る。
だが、男はそんなベネディクトを無視して指の本数を増やし、
奥へ強引に進めて不規則に指を動かした。
ベネディクトは今さらながら悟る。こいつは養父と同じことをしようとしているのだ。
人間と繁殖方法が違うといっても、行為は同じじゃないか!
141正体不明攻め15:2005/11/19(土) 22:54:09 ID:TXKsEbVM
そろそろ頃合と見計らったのだろうか、男が指を抜き服を脱ぎ始める。
鍛えられた白い肌の肉体は、その美貌に見合ったものであるが
ベネディクトには死の宣告にも等しかった。
(服を脱いだ…それからやることといったらあれしかないじゃないか…)
気絶しかねないほどの激痛にベネディクトの視界は白く染まった。
しかし、意識が欠落したその一瞬に、容赦の無い追い打ちが襲いかかる。
その痛みはベネディクトを覚醒させ、とっさに痛みから逃れようとして
身体を仰け反らせた。
「うぐぅ…っ、ああ、あああ!」
おそらくここから先の人生で、今よりつらい状況は巡ってこないだろう。
これ以上無理をすればバラバラになってしまうと身体が泣いている。
そして、ベネディクトの精神は、肉体以上に疲労しきっていた。
蝕まれているといってもいい。
怪物の胚を植え付けられれば、『ベネディクト』は死ぬ。
その植付けが今の行為であり、胚とは人間で言う精液のようなものだろう。
だとすれば射精の瞬間が終わりの時である。
(もうすぐ終わる…終わってしまう!)
ベネディクトはくたりと垂れた自分の腕を見る。
いくら神経を集中させても、指は少しも動く気配を見せなかった。
ベネディクトは吹っ切れたような笑みを浮かべた。
(僕の身体は、心よりも一足先に諦めてしまったようだ…!)
律動している男の先から、胚が植え付けられた。
同時にベネディクトの視界も暗転した。
142正体不明攻め16:2005/11/19(土) 22:56:06 ID:TXKsEbVM
「若様…!」
下郎は、ベネディクトを追って井戸に入った。
暗い地下道を手探りで進むと、細い光が見えている。
「あそこに若様がいるのかな?」
その光に、正確にはドアの隙間から漏れる光に手を伸ばすと―――
「エヘヘヘヘヘヘ、だめ、だめ、悪いこといわない、
この扉を開けてはだめだよ」
ピエロが軽く笑いながら下郎の肩を後ろから掴んだ。
「放せっ、若様を探しているんだ!このピエロめ!」
「エヘヘヘ、その若様とやらが好きなら、やっぱりだめだね。
この先は地獄だから」
「どういうことだ…」
「その若様、もうお前のことわからない。その若様の言葉、
お前わからない。もう御主人様のこどもになった」

赤茶けた光が覆う。
「ここは…」
『元』ベネディクトが目を覚ますと、ベッドの脇に誰かが座っている。
「誰…?」
その人物は、応えるように振り向いた。
とても美しい青年が、初めて言葉を発する。
「運の無い坊やだ…」
それはその男の美貌に合ったテノールであった。
「え、何?」
「何でもない。私はお前の父親だよ」
無表情な青年は、少年を抱き寄せた。

おわり

なんか何もかも中途半端でしたが、読んでくださった方多謝!
143風と木の名無しさん:2005/11/20(日) 00:26:21 ID:S7WOV79N
人間辞めてある意味幸せになったのかな…。
正体不明さん、乙でした。
144風と木の名無しさん:2005/11/20(日) 01:21:36 ID:3ooU8+Z0
下郎→ベネタソだったのかな?とか、その辺もちょっと気になりつつ、乙でしたノシ
145風と木の名無しさん:2005/11/20(日) 06:19:51 ID:83CCKWlH
乙です!
独特の雰囲気があり801とかエロとか抜きで楽しめました。
欲を言えば下郎とご対面させてほしかった。
絶望する下郎に萌えそう。
146風と木の名無しさん:2005/11/20(日) 22:00:30 ID:IaK7ahPt
アンパータンも無機質タンも正体不明タンもGJGJ


呼び出されたところも見たかったと思ったり
先輩って呼ぶのハァハァ(*´д`)
千尋先輩いきなり自分の気持ち認めてるハァハァ(;´д`*)苦しい
147風と木の名無しさん:2005/11/20(日) 22:10:00 ID:eaWp5sxS
単発小ネタですがよろしいですか?
シチュは、王様(受け)が反乱した宮廷魔術師(攻め)に王城を攻め落とされて捕獲された…
で、弟を人質にされて魔術師にフェラさせられるんですが。


「そんな犬畜生にも劣ること誰がするものか!!」
「可哀想ですよね、弟君。頑固なお兄様を持ったばかりに……」
「舐める! 舐めるから弟には手を出すな!!」
「そうですよ、始めからそうしてください、ふふふ」
 王は魔術師のモノ舐めるために、舌を伸ばす。
「犬猫のようにペロペロ舐めて、動物のように精液を啜って下さいね」
「…………くっ!」
「おや♪ 返事が聞こえませんね?」
「はい、舐めさせて……いただきま……すっ!!」
 王はこみ上げる屈辱感に堪えていた。
「やればできるじゃないですか。好きですよ、聞き分けのいいひとは」
 魔術師に強制されるまま、王ははしたない音を立てて精液を啜る。
「ん、ちゅぢゅっ……じゅむ、ぺろ」
「ふふ、いいですね♪もっと音をたてて、美味しそうに啜りなさい!!」
「は、はい……れろっ、ちゅっ、んっ、ちゅっ、ぢゅっ……
ぢゅっ、じゅるっ、じゅぷっ……じゅるるっ」
「そう、そのまま飲む込みなさい。今まで散々見下してきた僕のモノを!!」
「………んっ、ゴク、ゴク、ゴク、んっ」

まあ、連載するほどではありませんかね?
148風と木の名無しさん:2005/11/20(日) 22:18:36 ID:6yv3OLD9
いらないです
149風と木の名無しさん:2005/11/20(日) 22:30:29 ID:5oyLzMgE
半年ROM
150ある日常1:2005/11/20(日) 23:13:54 ID:P9csJE1m
生徒×教師
シーンのみ

------

清水は全裸で犬用の首輪のみを付けられた格好で一年の男子生徒のペニスを咥え懸命に奉仕をしていた。
「こないだは偉そうに説教してくれたけど、こんな恥知らずな変態野郎だったとはな。清水センセー」
パイプ椅子に腰掛けた一年は股間に顔を埋め熱心にフェラチオを続ける『清水先生』を嘲りながら見下ろす。
清水は少し目を上げて傷ついたように眉を顰めた。
「詫びのつもりがあるならもっとしっかりしゃぶれよ」
一年は清水の髪を掴んで揺さぶった。
「ん…んふぅ…」
清水は慌てて下を向くとさらに懸命に唇と舌を動かすのだった。
後ろからは三年の生徒が清水のアナルに突き入れピストンを繰り返していた。

151ある日常2:2005/11/20(日) 23:14:24 ID:P9csJE1m
清水が肉便所だということは大島達を始めとする一部の生徒の間では既に公然の秘密だった。
噂は一年にまで及んでいる。
生活指導の清水が気にくわないと言うだけの理由で大島達は清水を輪姦した。
その時のビデオをネタに脅されたその日から清水の地獄は始まった。
欲望の赴くまま生徒達は清水をレイプし、痛めつけ、弄ぶ。
清水は決して逆らわず生徒に媚びへつらうことだけが自分の身を守ることだと暴力によって教え込まれた。
呼び出されるままに体育館の用具室に自ら赴き生徒達に奉仕するのが清水の最近の日課だ。
身体に残るあざや蚯蚓腫れが清水に加えられた暴力の凄惨さを物語っていた。
両方の乳首にはリングピアスが施されてそれぞれに鎖が垂れ下がっている。
ペニスの先にはさらに太いリングピアスがされていて乳首に繋がる二本の鎖がそれに通されていた。
このピアスをされた時は泣き叫び失禁しながら気を失った。
あまりのショックと痛みでその後二日熱を出して寝込んでしまった。
しかし翌日には生徒達は熱のある清水を呼びだし、
容赦なくズキズキと痛みの残るピアス穴を弄り激痛に涙を流して転げ回る清水を面白がって弄んだ。
尿道を通されたピアスは小便をする妨げになり周りに飛び散ってしまうため
男用の小便器ではできなくなってしまった。わざわざ女のように座ってしなければならない。
その上女とのセックスもこのピアスとチェーンがある限りは絶望だった。
生徒達の慰み者となる以外の道はもうどこにも残されてはいなかった。
そのペニスは陰嚢ごときつく戒められて射精できなくなっている。
152ある日常3:2005/11/20(日) 23:15:15 ID:P9csJE1m
今清水にペニスを咥えさせているのは一週間前に遅刻を注意した一年である。
呼び出しを受け、その一年が大島と共にいるのを見て絶句する清水の頭を掴んで
大島は一年の前に突き出した。
「詫びの入れ方はこの前教えただろう?」
清水は「肉便所の分際で生意気な口を利いて申し訳ありませんでした」と一年の前で土下座をし、
「お詫びにどうかあなた様のチン○をしゃぶらせてください。精一杯ご奉仕させて頂きます」
と望まない『お願い』をした。
後ろを犯す生徒も同様である。服装と態度を注意したのだ。
「俺もいるんだぜ? 二人いっぺんにしゃぶろうってのか?」
清水は土下座のまま顔だけ上げて困ったように大島を見た。
「順番に……」
遠慮がちに譲歩を持ちかけたが許されなかった。
「俺に待ってろってか?」
「でも…」
「それも教えたよな」
大島に言われて清水はピクンと身体を揺らした。
「解ってンだろ? どうすりゃいいか」
解っている。嫌と言うほど。しかし身体が心が拒否をする。
それは口で奉仕させてくれと言うよりもまだ酷い屈辱的な事だった。
153ある日常4:2005/11/20(日) 23:15:46 ID:P9csJE1m
「やり方忘れたんなら思い出させてやろうか?」
気絶に逃げることさえ許されかったリンチの痛みと共にたたき込まれたセリフとポーズ。
あの時の恐怖が甦る。
清水は青ざめてブルブルと震えだした。
「あの…ローション……」
「んな贅沢なモン使わせてもらえると思ってんのか? 舐めろよ」
清水は両手の指を舐め唾液を絡めた。
口から涎を垂らしながらテラテラと光る唾液で指を濡らす様は淫猥で醜悪だと解っていたが
唾液の量が少なければ自分が辛いのだ。
濡れた指で後ろを自ら解しながら、唾液を塗りつける。
「こ、この肉便所の穴をお使い下さい」
清水は声を震わせながら両手でアナルを晒し、三年の生徒に向かって尻を差し出した。
「ガバガバのケツ○ンじゃねえんだろうな」
そう言いながら三年の生徒は清水の腰を掴んで猛りきったペニスを突き入れた。
同時に一年の生徒は清水の髪を掴んで股間を押しつける。
清水は素直に口を開いて生徒のペニスに舌を絡めた。
154ある日常5:2005/11/20(日) 23:16:18 ID:P9csJE1m
「ん…さっすが、フェラは上手だな」
一年は満足そうに熱い息を吐いた。
これまで何回何十回とさせられ覚え込まされたテクニックだった。
「ケツはちっとゆるゆるになってきたけどな」
後ろを突いている生徒が『おらっもっと締めろよ』と清水の身体からぶら下がった二本の鎖を掴んで思い切り引いた。
乳首とペニスの先が引っ張られてやっと癒えはじめた敏感なそこが引きちぎられそうになる。
「ンンーーーッ!ンンンッ!」
清水は顔を顰めて悲鳴を上げようとするが口を塞がれているので呻き声しか出ない。
「よしよし、締まってきたぞ」
後ろの生徒は調子に乗って激しく腰を打ち付けた。
「そろそろ、出すぞ」
清水は一年の激しくなった動きに合わせ喉を開きゴクゴクッと喉を鳴らして
放ったものを飲み下した後ペロペロと残滓を舐め取る。
後ろを犯す三年も動きを早めたまま、欲望を清水の中にぶちまけた。
嵌っていたモノ引き抜かれ、後孔の口が収縮する間もなく次が突き入れられる。
「あううっ」
清水は身体を反らして呻いた。
155ある日常6:2005/11/20(日) 23:16:58 ID:P9csJE1m
「次は俺頼むぜ」
目の前にいる一年も他の生徒と交代する。
『お詫び』にと二人の相手をするだけでは終わらない。
当然ここにいる全員を満足させなければ終わりは来ないのだ。
ひたすら口での奉仕を続け後ろで男を受け入れ続けなければならない。
息をつく間もなく昂ぶりを突きつけてきたのは、朝礼をサボらされ奉仕させられた時に後ろを使った生徒だ。
高校生の若い性衝動が一日一回で終わるはずもない。
後ろを犯していた生徒が今度は口での奉仕を強要する事もあれば当然その逆もある。
もう今日は朝から何人分の精液を飲んだのか解らない。
清水は虚ろな目をして何の躊躇いもなく口を近づけていくのだった。
「いくら好物だからっていきなり口付ける奴があるか。ご挨拶はどうした?」
周りで笑いが起こった。
「す、すみません…ご奉仕させていただきます……んっ…あ」
おどおどと頭を下げて卑屈に謝る清水に生活指導の教師としての影は欠片もない。
その間も後ろの生徒はピストンを止めない。
清水は突き入れる動きに合わせてあっ、あっ、と艶めいた声を上げてしまっていた。
「勝手にヨガってンじゃねえよ」
一人の生徒が首輪を引っ張って清水の顔を上げさせた。
首が絞まり苦痛に清水の顔が歪む。
156ある日常7:2005/11/20(日) 23:17:50 ID:P9csJE1m
「変態教師が!」
吐き捨てると今度は鎖を引っ張る。
「ゆ、赦してくださ…ひいいっ!」
清水は情けない悲鳴を上げて、引かれる方に腰を突きだして少しでも痛みを和らげようとする。
1年はげらげら笑ってさらに引っ張った。
「聞いたかよ、なっさけねえ声」
「ああっ!い、痛い、」
清水の目に涙が滲む。
「痛い? 気持ちいいんじゃないのか?」
痛がる清水を笑いながらグイグイ引く。もう引きちぎられそうだった。
「先走りでベタベタじゃねえか」
「ヒィヤァーーッ!、や、やめ…ホントに、ホントに痛いんです…ヒイッ!」
泣きながら哀願する情けない教師の姿を笑い物にする。
「おっ、ゆるゆるだったケツが締まっていい感じだぜ。しばらくそうやってろよ」
後ろから生徒が調子に乗ってガンガン突き入れる。
「やっやめっ…痛っ…ひぃぃっ……ああ、あっん」
やっと放してもらえた時には乳首から血が滲んでいた。
痛みが引くと再び忘れていた快感が甦ってくる。
アナルの快感を覚え込まされた恥知らずな身体は既に限界を超え、先走りが床に水たまりを作っていた。
しかし清水に射精は許されない。
「早く咥えろ!」
怒鳴られて、清水は慌てて目の前の生徒の高ぶりに口を付けるのだった。

(おしまい)
157ある日常:2005/11/20(日) 23:23:30 ID:P9csJE1m
訂正
154
×後孔の口が収縮する
○後孔が収縮する

申し訳ないです…
158無機質な笑み:2005/11/20(日) 23:57:07 ID:0Cj9JFGQ
しかし考えずとも、事は起こる。
逃げようとする俺をサキは後ろから抱き寄せると、先程のように指を絡めてきた。
「………っ」
もう声など出すものか、と堪えるが与えられる快楽がその決意を無意味にする。
「やめっ…ろよ………ッ」
程なく俺の性器は硬さを増し勃ち上がり始めた。
こんな感覚認めたくないのに。くそっ……
先端には透明の液が滲み、それをまた吸盤状の指が吸い取っていく。
いやらしい音がシャワールーム全体に響きわたり、それにすら興奮してしまう。
すると今度は体をふわりと持ち上げられ、お湯の入っていない狭い浴槽に入れられた。
浴槽の端に両脇を、反対側に膝の裏側がくるように置かれ、
浴槽にぴんと張られたようで身動きがとれない。
そしてサキは俺の両膝の間から体を滑り込ませ浴槽に入った。
サキの位置からだと、勃ち上がった性器も後ろの穴も丸見えだろう。
膝の間から頭をひょっこりと出し、性器を舐められる。
「くっ……」
人間のものとはまた違う舌の感触と、動き方に早くも達しそうだ。
次にサキはすっぽりと喉の辺りまで銜え込み、硬くてひやりとした唇で固定すると
先端だけをチロチロと舐め始めた。先走りが溢れて止まらない。
「も……駄目………」
そう言った次の瞬間、性器の内部に痺れを感じた。
159無機質な笑み:2005/11/20(日) 23:58:34 ID:0Cj9JFGQ
「な、何……っは、あ……」
ここからでは見えないが、明らかに先端に細い何かを突き立てられている。
しかもサキの唇に銜えられたままだから、それはサキの口の中から飛び出しているようだ。
「いやだ……やめ………」
「ゴ主人様、サキガ全部吸ッテ差シ上ゲマス」
じゅるるっと吸い上げられる感覚にふっと体が浮いた気がした。
「ぅ…あ‥あ………」
中から次々と零れだす精液を一滴残らず吸われていく。
それでも吸いきれなかった液体がこぽこぽと漏れ、それをも舐めとっていく。
「あ……ひぁ……っ」
「美味シイデス、ゴ主人様」
うっとりとした声でサキが言い、ようやくストローらしき棒が引き抜かれた。
吸われた刺激でまだ痙攣を続ける俺の体をサキは軽がると持ち上げ、そっとバスタオルの上に乗せた。
そして頭から足先までを丁寧に拭かれる。
ぐったりした俺の体にバスローブを着せ、俗に姫様だっこと呼ばれる抱き方をされ運ばれる。
運ばれた先には豪華なディナーが机に並べられていて、とてもいい薫りがした。
俺を椅子に座らせると、サキは音も立てず向かい側に座る。
「ゴ主人様、サァ召シ上ガッテ下サイマセ。」
何が嬉しいのかにこにことこちらを見て微笑んでくる。
にこにこ、と言葉で表したが本当の人間の笑顔とは全く違う無機質なものだった。
「……いらない」
俺は冷たく言い捨てると具合が悪そうに部屋を出た。
160無機質な笑み:2005/11/21(月) 00:00:09 ID:0Cj9JFGQ
「ゴ主人様…?」
その時の悲しそうなサキの視線が痛かった。が、そんなことはかまってられない。
一刻も早く余所へやるしか。それしかない。
俺は自室の鍵をかけパソコンを立ち上げた。買い取り手を探すためである。
ノックの音がしたが気にも止めなかった。次はどんな脅しにも乗らないからな。
「ゴ主人様、何カサキガ悪イ事ヲシタノデスカ、申シ訳ゴザイマセン」
「気分が悪いんだ、静かに寝かせてくれ」言いながらもキーボードを打つ手は止めない。
「ゴ主人様…」
悲しそうにそう一言呟いて、サキは部屋から離れていった。
掲示板を開き、『売って下さい』という欄を見る。
下手に『売ります』の欄に書き込んで、事が大きくなっては困るからだ。
しかし、ピンポイントにアンドロイドを売って欲しいなどという書き込みは見つからない。
それでも一行一行逃さず探していると、メイドを売って欲しいという書き込みを見つけた。
一応メイドだよな…そう思った俺はこの書き込みをした相手にメールを送ることにした。
『ナル氏へ

ウォン=ハント博士が作られたメイド用アンドロイドがあるのですが、いかがでしょうか。
新品なので汚れもなく性能も抜群です。
買い取り価格はそちらで決めて頂いてかまいません』
性的行動があることを記さなかったら詐欺になるのだろうか、と思いながらも送信ボタンを押す。
まぁ買い取ってくれるならいくらだっていいや、という気分だった。
161無機質な笑み:2005/11/21(月) 00:02:43 ID:0Cj9JFGQ
そして送信して5分後のこと、驚いたことにすぐに返事が来た。
『連絡ありがとうございます。ウォン博士が作ったというのは本当ですか!?
それだけでも凄い値打ち物ですよ。是非とも買い取らせて下さい。
お値段ですが………』
その次に書かれている額を見て俺は言葉を失った。
えーと…ゼロがいくつ…………
……………!!?
こんな良い話があってよいのだろうか。こんな額を貰えるのに嘘をついていいのか?
けれど性的行動のことを言って買うのをやめられては困る。何としてでも買わせたいのだ。
きっとサキはこのナル氏の家でも性的欲求を満たすだろうが、しっかり仕事はするだろう。
というか性的欲求を満たされる事は別に悪いことじゃないんじゃないか?
むしろ喜ばれることのような気もする。俺は……遠慮するが。
と半ば開き直り、明日にでも取りにきてくれるようナル氏に頼んだ。
そして全てのことが終わってからベッドに横たわる。
はぁ………今日は大変な一日だった。けれどそれもこれで終わり。
明日からはまたいつも通りの生活が始まるのだ。
サキの淋しそうな顔が一瞬よぎったが、一緒にいれば俺の体がもたない。
ナル氏よりもサキに対する罪悪感の方が大きくなりかけている気がしたがその感情は無視した。
そして俺は眠りについた。深い眠りに。



─ここまでです─
162風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 00:14:03 ID:iZ/EpVWl
わわ、初のリアルタイム投下でした!
無機質タン乙です。
これからの展開にドキドキです。
163風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 00:20:55 ID:gW+IuCWt
売られていくサキタソの反応が禿しく気になる。

日常さん、まさに鬼畜。
ヤられる教師、それが高校教師なら一番の大好物です。

お二方、乙です!'`ァ(*´Д`)'`ァ
164風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 00:21:49 ID:+e461EuD
日常タン、無機質タンGJ!!
先生が幸せになる日はくるのだろうか…

そしてサキはどうなるのだろうか…

>>147はイラネ
165不覚のF:2005/11/21(月) 01:14:24 ID:xKFOk53p
風呂敷広げ過ぎて墓穴をホッタ
なんとかはしょりますので、もうしばらくお付き合い下さい

〔つづき〕
店内の薄暗い奥、二人は向かい合わせに座っていた。
「久しぶりだな、今日仕事は?」
ピザトーストとコーヒーを頼み、横に座った後輩に聞いた。直人はいつも腹が減っている。
「いいとこ仕上がったので」
今売り出し中のフォトグラファー、桐生光治は事もなげに言った。
実は今日休みを取る為に、昨日まで地獄の追い込みをかけていたのは秘密だった。
32歳、独身、ルックスはまあまあ、特定の恋人はなし。
三年前とたいして変わらない身辺の報告をしながら、桐生は煙草をくゆらせた。
「いきなりどうしたの?なんか話があるんじゃないの?」
話を切り出したのは直人が先だった。
桐生が何か言いたげにしていたのは気付いていた。
「やー、何ていうか…」
言葉を詰まらせ、横目で直人を確認する。三年前と、いや学生の頃から
なんら変わらない風貌の先輩は、相変わらず優しいと思った。
「先輩、最近何か変わった事はなかったですか?」
思い切って聞いてみる。
「えっ!」
直人は明らかに同様した様子だった。大きな瞳が揺らいでいる。
166不覚のF:2005/11/21(月) 01:15:06 ID:xKFOk53p
「なんか最近変な予感がして…。胸騒ぎっていうか…。
 それでこないだ電話したんですけど…」
変わった事…、直人に思い当たる事は一つしかない。
ああ、そうだった。この無表情の後輩には、こういった特技があったのだ。
第六感というか、鋭い勘というか、霊感というか、とにかく人より少し変わっていた。
「先輩、何かあったんですね?」
直人の態度で確信し、桐生は真っ直ぐに見つめる。
「いや…、うーん…」
コーヒーをスプーンでくるくるかき混ぜながら、直人は考える。
相談してみようか、どうしようか。
「八神先輩…」
桐生は直人の手に手を延ばした。35歳の男のものとは思えないほどの滑らかな肌だった。
直人はピクリと反応して手をどかした。
「桐生…、その…」
言いにくそうにして直人は口ごもる。
「あ、スイマセ…。解ってます」
桐生もはっとして手を降ろした。もう彼に触っていい間柄ではなかった。
「いや…ごめん…。あの、じゃあ話すけどびっくりしないでよ。
 信じられないかもしれない事だけど…」
直人は意を決して話し始めた。誰にも話した事がない自分の身体の事、
吸血鬼と名乗るおかしな男の話を。
彼は信じてくれるだろうかと自信なさげに、時折確認しながら。
167不覚のF:2005/11/21(月) 01:15:41 ID:xKFOk53p
しばらくして、酒とツマミやらを買って、二人は桐生のマンションに場所を移した。
話し終わった頃には、既に7、8本空き缶が転がっていた。
話の筋道上、Fとの情事について省けなくて、直人は開き直った様子で喋った。
たまに思い出して顔を赤くして、言葉に詰まった。
こんな時に表情の乏しい後輩が一人居たら重宝する。
微妙な反応をされなくて助かった。
「長くなっちゃったけど…、そういう事で…。
 俺もまだ信じられないんだけどね。あ、煙草もらっていい?」
話しているうちにすっきりしたのか、直人はいつもより酒を煽っていた。
革のソファーに身体を投げ出して、いつもは吸わない煙草を咥えている。
真っ赤な顔で桐生をチラリと見た。相変わらずこの後輩は嫌味なほどに酒が強い。
顔色一つ変えずにこちらを見ていた。
「信じますよ、その話。先輩が嘘言ってるとは思えないし」
「ありがとう…」
直人は心底ほっとして天井を仰いだ。
「それで、先輩はこれからどうしたいんですか?」
「んー…」
ツッコマれるとは思ってはいたが、改めて聞かれると困る。
どうしたらいいのか自分でもよく解らないからだ。
「どうしよう…、自分の運命が決まっているみたいでイヤだっていうか、
 でも俺の身体をどうにかしてくれそうなのはあいつだけかもって思うし…」
「えっ!」
桐生が滅多に出さない大きな声を出した。
「えっ?…あっ!や、俺の身体を…ってのは、この変な体質をって事で…」
なんだかグダグダになってきた。直人は諦めて溜め息を付く。
168不覚のF:2005/11/21(月) 01:16:16 ID:xKFOk53p
「駄目だー、頭が回らないー」
直人は仰向けに寝転がり、目を閉じた。フワフワと頭が軽い。
このまま寝入ってしまうのはわかっていたが、もうどうしようもない。
話は途切れ、直人は睡魔に襲われた。
記憶を失う手前で桐生の声がした。だけど目蓋に浮かぶのはFの顔。
牙もなければマントもしていない。映画で見たのとだいぶ違うな、と思った。

「先輩?帰んないんですか?」
返事がない。いつもそうだ。
どうせ起きたら二日酔いになるのは解っているはずなのに、全く後先を考えない。
静かになった直人に毛布を掛けてやる。
後輩の仕事は、いつも先輩の後始末と心得よ。学生時代に誰かに言われた言葉を思い出した。
「八神先輩…」
無防備に手足を投げ出した直人からは相変わらず返事がない。
思わず寝顔をじっと見つめてしまう。
ボタンを外したシャツの隙間から綺麗な鎖骨が見え、
細長い首筋に掛かる髪が何とも魅惑的だった。
ひょっとしてこれは寝たフリで、自分は誘われているのかもしれないと思った。
「先輩、あんまり無防備だと…。ヤっちゃいますよ」
169不覚のF:2005/11/21(月) 01:16:50 ID:xKFOk53p
直人の少年のような滑らかな頬に触れた。が、やはり返答がない。
桐生はふぅーと耳に息を吹きかけてみた。
「ん…」
直人が寝返りをうつ。信じられない光景だった。
三年前に関係を終わらせようと言った張本人が、試すようにその身体で誘惑している。
無意識にしても、それはあまりに残酷すぎた。
正直、そのFという男が吸血鬼だろうがどうだってよかった。
もともと、直人の変化のない外見に疑問を持っていたし。だけど…。
「平気で犯された話するなんて…。僕だって出来た人間じゃないんですよ」
自分でも解っていた。これは嫉妬心だ。
その身体も、煙草だって教えたのは自分なのに…。
桐生はぐっと手を握りしめ、諦めたように立ち上がった。
見た目に惑わされてはいけない。彼は三年前より三歳、歳を取っているのだ。
桐生は棚から乱雑に写真が詰め込まれた箱を取り出した。
職業柄、山のような量の写真があるが、これだけは誰にも見せられない。
大学の時に撮ったスナップ写真、飲み会の時にふざけて撮った写真…。
それらの中に全て直人が写っている。
その箱の奥底に、あるビデオテープがある。
ためらいながらそれを取り出し、デッキに入れてテレビをつけた。
いつ撮ったものだったっけ。電気を消した部屋の中、その光源に直人がいる。
裸で。
170不覚のF:2005/11/21(月) 01:18:32 ID:xKFOk53p
あっ
〔ここまで〕
酒が切れたのでコンビに逝ってきます
171風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 01:57:03 ID:XSHf5Yp6
これはこれは大漁で(*´д`*)ハァハァ
日常タソ、無機質タソ、不覚タソ乙です。
今日も今から白飯5杯はいけますよ。
172騎竹:2005/11/21(月) 02:27:23 ID:3eJU2cw3
前スレ80-85続き
夢を見た。もう幾度と無く見た故郷が焼け落ちたあの日の悪夢を。

王都からの国軍も、隣村へ救援を求めに行った父たちも間に合わなかった。
村は一夜にして焦土と化し、優しく純朴な村人たちは、家畜以下の捕囚の身となった。
囚われの輪からまず女性が消え、次に働き手となる農夫たちが連れていかれた。
残り滓の僕たちは、数珠繋ぎで縛られ、飲まず食わずで歩かされた。
足は血にまみれ、爪は割れ、幾度となく蹌踉けて地面に膝をついた。
強行軍の末に辿り着いた国境近くの窪地で、僕らは縛られたまま放置された。
道中、ずっと僕の傍らで励まし支えてくれていた老僕は、
二日目の朝、僕の手を握ったまま冷たくなり、三日目には腐臭を放ち始めた。
それでも僕は老僕の手を離すことはできなかった。
これを離してしまったら、もう何も縋る者がなくなってしまうとわかっていたから。
体力も気力も何もかも無くなり、泥水に頬を半分埋めて僕は虚ろに空を仰いでいた。
泥濘の冷たさも、口に流れ込む泥水の苦さも、周囲に満ちた肉の腐る悪臭も、
何もかも感じなくなっていた。目を閉じてしまえば、それでもう全てが終わる。
そう思った時だった。
奴隷商が僕を見つけて抱き上げ、上擦った声で叫んだのは。
『こっ、こいつ、こいつを買うぞ、縄をほどいてくれ、今すぐだ』
後になって、僕を買った奴隷商に聞いたところによると、
あの場は奴隷商たちへ、叩き売りの品を見せる最後の場だったのだという。
買い手がつけばよし、つかなければ打ち捨てればよい。
実際、僕が奴隷商に買われた数日後に、あの窪地は火にかけられたのだという。
多くの人を……人だったモノを地面に繋ぎとめたまま――。
『奴隷になったといったって、命があるだけ運がいいんだと思うんだ。
 なあに優しいご主人様にあたれば、奴隷暮らしだってそう悪かないもんさ』
ルルクまでの道中、奴隷商は口癖のように僕にそう諭した。
おそらく、僕が逃げださないように、自死しないように、牽制していたのだろう。
そうわかっていたけれど僕は黙って奴隷商の言葉を受け入れた。
彼の思惑はどうあれその言葉は正しいと思ったから。
死ぬより辛い辱めがあることなど、僕はまだ知らなかったから――
173騎竹:2005/11/21(月) 02:28:37 ID:3eJU2cw3

夢から覚めて最初に気付いたのは、寝かされている床の硬さと冷たさ。
次いで感じたのは、僕の手を握る暖かい温もりと柔らかさだった。

僕はゆっくりと瞼を開いた。
「気がついたかね」
暗がりに浮かんでいたのは、心配そうな奴隷長の顔だった。
かけられた言葉に小さく頷くと、老人は安堵したように微笑んだ。
「ここは……」
「わしらの部屋じゃよ」
その言葉に周囲に目をやる。
わずかな手燭の灯りでは、極近くだけしか確認できはしなかったが、
確かにそこは、昼間、老人に案内された地下の奴隷部屋に間違いないようだった。
「どうして……僕は」
起きあがろうと、上半身を起こしかけたところで、
僕は額に零れた滴によって、己の髪が濡れていることに気付かされた。
頬に貼りついた生乾きの髪と、僕の手を握ってくれていた奴隷長の皺だらけの手の感触。
そして口に残る酸っぱい苦みの三つが、僕にリズルでの悪夢を思い出させたのだろう。
(でも、どうして、僕は髪を濡らしたんだっけ)
ぼんやりとした頭で記憶をたぐる。
(水汲みで失敗した? いいや違う。そうだ僕は――)
「湯殿で……」
瞬時に記憶が蘇った。
慌てて己の身体に視線を落とした。
(さっきまで着ていたものと……違う)
上衣も下衣も継ぎ接ぎだらけの粗末なものに変わりはない。
だが、水汲みの際についたはずの泥も、
倒れる直前に吐き出したはずの吐瀉物の染みも、どこにも見あたらなかった。
誰かが、僕の服を脱がせたのだ。
その誰かが目の前の老人であればいい。
だが、もしも違うというのならば……。
174騎竹:2005/11/21(月) 02:30:20 ID:3eJU2cw3
「どうしたね?」
上衣を握りしめて固まってしまった僕に、奴隷長の老人が怪訝そうに訊ねてきた。
「僕の服は、その……」
口ごもった僕に、奴隷長は、そうじゃよと優しく頷いてみせた。
「旦那様の御厚意じゃ。感謝せねばの」
一日で二着ももらえることは滅多にないことだと、
自分のことのように嬉しそうに語る老人の口調からして、
汚した程度で奴隷が替えの服をもらえるのは、かなり幸運なことなのだろう。
だが、今の僕には、そんなことよりも気にかかることがあった。
僕は自分の体を両手で掻き抱いた。
「ぼ、僕の身体を……ラウ……旦那様は……」
情けないほどに震える声で発した僕の問いに、だが、奴隷長は場違いな程に朗らかに応じた。
「心配せんでよい。おまえさんが恐れているようなことは何もなかったからの」
その言葉に、ほっと安堵の息をついたのもわずか一瞬。
続けられた言葉は、僕が期待したものとはまるで正反対のものだった。
「喜ばしいことにの、旦那様は殊の外、おまえさんの躯をお気に召されたようでな。
 命に別状が無いとわかるや、汚れた衣服を脱がせてお手ずから湯にも入れてくださっての。
 躯の隅々までご自分で触って検分なされて、それは満足げに目を細めておられた」
だから何も心配することはない、安心してよいと呵々と笑う奴隷長は、
羞恥に震える僕の心情になど気付く様子はない。俯いたまま僕は拳を握りしめた。
意識の無い間に、躯を裸に剥かれ、好き勝手に弄られ嬲られて、どこが喜ばしいというのか。
「……僕は……性奴じゃありません」
唇を噛んで絞り出すようにして呟いた僕の髪を、
奴隷長は、怯える雛を宥めるように優しく梳いた。
「大丈夫じゃよ。若いうちは色事のお好みも定まらぬものじゃ。
 今は幼子にしか興味がなかろうと、おまえさんはこれ程に美しい顔と躯があるのだからの。
 旦那様がお気持ちを変えて、性奴に戻し情けをくださる日もそう遠いことではなかろうて」
背中をさすってくれる手も、かけられる言葉も優しく慈愛に満ちている。
僕のことを心配し、励まそうとして言ってくれていることは明らかだった。
それが僕にとって、どれほどに見当違いの慰めであろうとも。
それゆえ僕は奴隷長の言葉に無理矢理に微笑んでみせた。胸に渦巻く思いを押し殺して――
175騎竹:2005/11/21(月) 02:31:04 ID:3eJU2cw3
                 ***
奴隷になって、ラウルの館に来て、初めて迎える夜だった。
気を失っている間に奴隷長が部屋に運んでくれた食事は、
臭いも味も吐き気を堪えるのが精一杯の代物で、どうしても喉を通らなかった。
一口、口に含んだだけで匙を置いてしまった僕を、
奴隷長は心配げに眺めていたが、敢えて無理強いはしないでくれた。
「明日も早い。今夜はゆっくり眠って体を休めるのじゃな」
そう言って、奴隷長が用意してくれたのは、薄汚れた一枚のキルト。
その不潔な布と、床に敷いた藁が、僕に用意された寝床の全てだった。
(こんなところで眠れるわけがない)
思わず出かかった弱音は、だが同じような布を引っかけただけで、
ごろりと横になった老人を目にしてしまえば、発せられるはずもなかった。
(奴隷なんだから……これが当たり前のことなんだ)
体を丸め、かたい床に寝そべりながら、僕はそう必死で自分に言い聞かせた。
だが、灯りが無くなった途端、部屋の隅から聞こえてきたかさこそとした虫の這う蠢きや、
部屋に満ちる黴独特の不快臭、薄い布一枚では到底防ぎきれないすきま風、
そして何より堪えきれない空腹感と疲労感が、僕の心と体をじわじわと浸食し犯していく。
(ラウルの部屋を訪ねて行けば、きっと暖かいベッドで寝かしてもらえる……)
(ラウルに泣いて縋れば、きっとまともな食事を食べさせてもらえる……)
浅ましく惨めな思いが、脳裏に浮かんでは消える。
何をされたというわけでもなく、たった一日、ごく普通の奴隷としての生活を送っただけで、
男としての貴族としての矜持を自ら捨て去るような選択肢が、
わずかにでも頭をかすめてしまう自分が不甲斐なくて、涙が滲んだ。
気付けば、僕は滅茶苦茶に己の体を掻き毟っていた。
ラウルに触れられた己の身体が汚らわしく厭わしくて――。
そして、それ程にそうした行為を嫌悪しているにも関わらず、
わずかばかりの不自由を強いられただけで、折れそうになる己の性根が情けなく無様で――

肌が剥け、両の手の爪から血が滲むのも構わず、僕は一晩中、己の身体を傷つけ続けた。
その行為が翌日、どのような事を引き起こすのか、よく考えもせずに。
<ここまで>
176風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 02:34:19 ID:dFE3HCtW
kkkkk・・キタ――(゚∀゚)――!!
待ってたよ騎竹タン
177風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 02:57:38 ID:uc8d9ISg
騎竹タソ乙
もう投下されないかと心配しておりました
ラウルタソの登場に期待しています
178風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 02:58:02 ID:U3uWM8vj
騎竹さん 待ってたよ〜(*´Д`)ハァハァ

日常さん、無機質さん、不覚さん、騎竹さん
みなさま乙です!
179風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 03:04:50 ID:xBx1pT+A
騎竹タソだぁ〜!心よりお待ちしておりました!
ご無理の無い様投下し続けてくだされば幸いです。
180風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 11:26:48 ID:w/9Jtp5M
騎竹タンキタ━━━━━━(*´д`)ハァハァ━━━━━━!!
181風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 14:49:31 ID:M15Qd3cv
騎竹タンキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!  
お待ちしてました
禿萌え乙です
182風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 15:33:01 ID:b5h66K5t
亀で申し訳ないんですが・・日常タン良かったです!
リンカーン大好物なもんでハァハァ
この日常が延々繰り返されるわけですね。禿萌えました。
乙でした。

今来たとこなんで、これから他の方のも読ませて頂きます。
たくさんあって嬉しいよー。
183風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 18:07:20 ID:V6BxkdwC
騎竹さん、待ってました!
続きも楽しみに待ってます
184風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 20:15:51 ID:0fIfRoxu
騎竹さんキタ━━(゚∀゚)━━!!
乙です。モエモエ(*´Д`)
185風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 20:31:30 ID:gW+IuCWt
大豊作ですね!
不覚さん、Fが嫉妬に狂ったりするのだろうか…。

騎竹さんキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
お待ちしておりましたよ!
186風と木の名無しさん:2005/11/21(月) 21:34:05 ID:OkaWLBWX
騎竹タンキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
続きも楽しみに待ってます!
187紳士vs紳士:2005/11/21(月) 23:01:32 ID:pongFPP5
えっと、大変盛り上がってるところ駄文が失礼しますよ(汗


「あ、汽車が来たみたい」
駅のプラットホームに、少年アーサーが主を待っていた。
今日は外国から自分が仕えている貴族のスペンサー卿が帰ってくるので、
駅まで迎えにきたのだ。
今か今かと汽車を待つアーサーの背後から、まろやかな声がかかる。
「失礼、君はアーサー君ではないかね?」
振り返るとそこには一人の紳士が立っている。
主の知り合いであるスミス氏であった。
屋敷に何度か来ていたので、そこで働いているアーサーも面識があった。
「君がここにいるということは…卿もこちらに来られるのかな?」
「ええ、今日はご主人様が外国から戻られるんです。僕はそのお出迎えに参りました」
「そうかね。ふむ…」
スミス氏は、何かを暫く考えると、
「では、せっかくだから私も卿を待つことにしよう」
そう言って、懐かしむように笑い少年の隣に立った。
188紳士vs紳士:2005/11/21(月) 23:02:28 ID:pongFPP5
汽車が到着すると、中から品のいい紳士が現れた。
「ご主人様、お帰りなさいませ」
アーサーは元気よく出迎え、素早く主の手荷物を受け取る。
「やあ、アーサー元気だったかね?…おや?」
スペンサー卿がアーサーに荷物を預けていると、ふと目の前の影に気付いた。
「これはこれは…スミス氏、今日はどうしたのかね?」
「いえ、たいした用ではなかったのですが卿が戻られるとうかがったのですよ…
ところでスペンサー卿、これからご予定でも?」
「いや、今日はもう何も無いよ」
「そうですか…ではいかがでしょう?私とこれからお茶でも?」
「…」
一瞬、スペンサー卿の目が細くなる。
スペンサー卿は、なにやらボソボソとアーサーに耳打ちした後、
「喜んで…アーサー、僕は帰りが遅くなるから先に帰っていてくれ」
「はい」
アーサーは両手に荷物を抱え、駅の階段を降りていった。
「ではスペンサー卿、参りましょう」
189紳士vs紳士:2005/11/21(月) 23:03:24 ID:pongFPP5
スミス氏が案内したのはステーションホテルの一室であった。
あらかじめ命じてあったらしく、部屋は客を迎える準備が整えてあり、
ボーイが恭しく控えていた。
二人はテーブルをはさんで安楽椅子に腰掛けると、お茶とケーキが差し出される。
「ああ、君。これから少し密談があるから席を外してくれたまえ。
ベルを押すまで誰も入ってこないように」
スミス氏が命じると、ボーイは静かに礼をして出ていった。
「ああ、スペンサー卿、私はどんなにか貴方に会いたかったでしょう。
一日千秋の想いでこの時を待っていたのですよ」
いかにも懐かしげに、それでいて鋭く目を光らせるスミス氏に対し、
スペンサー卿もにこやかに応える。
「僕こそ君に会いたくてしかたなかったよ…汽車の中でちょうど考えていたんだ、
君が駅へ迎えに来てくれるのではないかってね」
「さすがですね…ならば、私の本当の目的もご存知なんでしょうねえ」
190紳士vs紳士:2005/11/21(月) 23:05:05 ID:pongFPP5
スミス氏が、なにやら耳の前あたりを指でいじっていると、
そこからメリメリと顔の皮が剥がれた。
みるみると頬、鼻、顎が剥がれ、終いには全く別人の顔が皮の下から現れたのだ。
「やはり君だったのかジェームズ…スミス氏に変装とは、
なかなか面白いことをしてくれるじゃないかね?」
スペンサー卿は、目の前の奇怪な光景にも驚かず、煙草に火をつけて咥えだした。
「どうも最近、スミス氏と連絡がつかなかったのだが…
ジェームズ君の仕業だったとはね」
すると、目の前のジェームズは先程までのスミス氏とは違う声で言葉を返した。
「ふふ…安心したまえよ、卿の『大切』なスミス殿は私の館でご滞在いただいているよ。
もちろん貴方次第で彼の安否は保証できかねないが」
スペンサー卿は、煙草の煙をふーっと相手の顔にぶつけながら、
「ジェームズ君、約束しておこう…スミス氏には一指たりとも染めさせないよ」
ジェームズも口元だけ笑いながら、
「ふふふ、貴方は何故私の招待を見破っていながら
のこのことここまでやってきたのですかな?
実を言えば先ほどのボーイは私の息がかかった者でしてね…
私がその気になれば貴方はこの部屋から一歩も出ることは叶わないのですよ?」
「ジェームズ、今の僕の立場をひとつ想像してみたまえ…
僕が叫んで騒ぎを起こし君を捕まえ、警察に差し出すことなど容易いのだよ。
君は立派な誘拐犯なのだからね。まあ、そうビクビクするものではない。
僕は君を捕まえる気などありはしないよ、久しぶりに君と話がしたかっただけだからね。
後日スミス氏を助け出して、君のみじめな姿を拝見させてもらうとするよ」
「フ…相変らず尊大だな。…卿が捕らえる気がないのなら、
どうやら私のほうで貴方を虜にすることになりそうだ…」
そう言うと、ジェームズは立ち上がり、ベルを鳴らした。
その音を聞くや否や、ボーイが二人ほど静かに入ってくる。
「いかに卿とはいえ、三人を相手では歯が立つまい…」
191紳士vs紳士:2005/11/21(月) 23:07:03 ID:pongFPP5
スペンサー卿は煙草を灰皿に押し付け、立ち上がって窓の側へ寄った。
「スペンサー卿、気でもふれたのですかな?窓から飛び降りようとしても無駄ですよ。
我々が止めますからね」
「いや、私に自殺願望はないよ…そんなことより、僕の隣へ来て景色でも見ないかね?
ここは最上階の部屋だけあってなかなかに眺めがいい」
スペンサー卿の落ち着きぶりに怪訝そうな表情を作りながらジェームズは窓際に移った。
スペンサー卿はポケットからハンカチを出し、持った手を窓の外に出してぶらぶらさせる。
「ほら、見たまえ。下のほうに見える裏路地にじっとこちらを見ている少年がいるね…」
確かに、窓の下に通る路地に、立ち止まってそらすことなくこちらを見る者がいる。
「あっ、あの小僧はさっきの…」
それは、駅で別れたはずのアーサー少年であった。
「帰ったんじゃなかったのか」
「僕は君が駅にいたときから、偽者のスミス氏であることはわかっていた。
だから、彼に外で待ってもらって、僕に何かあったときはすぐに警察を呼んでもらうという寸法だ。
どうかね、このハンカチが合図なのだよ。僕がこのハンカチを落とせば、君は終わりだ」
ジェームズは悔しそうな顔をし、
「ふん…さすがはスペンサー卿だ、そうでなくてはならないよ」
ボーイを下がらせ、
「なら取引だ…ボーイはこの通り下がらせた。卿もそのハンカチを収めてくれないか?」
ジェームズの敗北を認め、スペンサー卿はにこにこしながらハンカチを収めた。
「まあ、本気にしないでくれたまえよ…君の気を引こうと思っただけさ、
悪く思わないでくれたまえ」
192紳士vs紳士:2005/11/21(月) 23:08:41 ID:pongFPP5
スペンサー卿は、スミス氏の身柄が心配であった。
捕まえようと思えばできるが、ジェームズには手下がいる様子だ。
もし彼を捕まえれば、残された手下が氏に何をするかわからない…
「まあ、このくらいにして今回はお別れしようか…君とは別の機会に白黒つけるとしよう」
「寛大だな…私は貴方に惚れ込んでしまいそうだよ。では、フロントまで送りましょう」
二人は、友人のように肩を並べて部屋を出てエレベーターの前まで来た。
「おやいけない、私としたことがステッキを忘れてきたようだ…申し訳ないスペンサー卿、
先に降りていてください」
ジェームズはそそくさと部屋に戻り、エレベーターボーイがスペンサー卿を促す。
「一階を頼むよ」
そう命じると、エレベーターボーイは操作盤をいじりだした。
「…」
エレベーターは機械音を立てて降りてゆくが、途中でガチャンと止まってしまった。
「申し訳ありません、故障のようです」
慌ててエレベーターボーイが操作盤を開くと、
「君、何をしている。僕がその程度の機器に疎いと思っているのか?」
彼を突き飛ばし、自分で操作をするとエレベーターは何事も無かったように動き出す。
スペンサー卿がエレベーターボーイを睨むと、ビクッとした彼が
大切なものを守るかのように胸ポケットを押さえた。
193紳士vs紳士:2005/11/21(月) 23:10:43 ID:pongFPP5
一方、ジェームズは悠々とホテルの階段を降りていた。
あらかじめエレベーターボーイに金を握らせ、
スペンサー卿を閉じ込めておいてその間に逃げる手はずだったのである。
そのため、スペンサー卿が後ろからポンと肩を叩いたときの顔は鬼気迫るものがあった。
「やあ、失敬。エレベーターの故障にあってしまってね…つい遅れてしまったよ」
スペンサー卿は一枚の紙幣をジェームズの手に握らせ、にこやかに
「おや、どうしたのかねジェームズ君…顔色が悪いようだが?ああそうそう、
エレベーターボーイから伝言を預かったのだけど。
『相手が悪くて、ご命令通りに足止めすることはできませんでした』だそうだよ」
スペンサー卿は愉快そうに笑い、
「では、近いうちに」
そう言って車を呼び、未練もなく去ってしまった。
一人残されたジェームズは、チッと舌打ちして
「今に見ていろスペンサー…笑っていられるのも今のうちだ」
と手の紙幣をくしゃくしゃに丸めながら呪いの言葉を呟いた。

(続く)


お目汚し&長文失礼しました。
194風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 00:12:26 ID:+d64zboo
紳士さん、乙でした
探偵物の心理戦ぽい雰囲気ですね
これからの展開が楽しみです
195風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 00:27:02 ID:hAboAiyw
>えっと、大変盛り上がってるところ駄文が失礼しますよ(汗
>えっと、大変盛り上がってるところ駄文が失礼しますよ(汗
>えっと、大変盛り上がってるところ駄文が失礼しますよ(汗
>えっと、大変盛り上がってるところ駄文が失礼しますよ(汗
>えっと、大変盛り上がってるところ駄文が失礼しますよ(汗
196風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 00:50:09 ID:bv/9UP3b
初半R
197不覚のF:2005/11/22(火) 01:02:57 ID:0MKqQmex
〔つづき〕

『はぁ、桐生…』
目隠しをされ、手を後ろで縛られ喘いでいる。
『先輩、どうしますか?もう一本増やしますか?』
近くで他人のような自分の声が聞こえる。
ズームした直人の下半身に、ピンクのアナルバイブが差し込まれていた。
『きりゅ…も…やめ…』
直人は椅子の肘掛に大きく足を広げて座っていた。
刺さったバイブの上に大きく勃起した自身が揺れている。
『先輩、恥ずかしい所が丸見えですよ。どうしますか?』
『あぁ…、やめてくれ…撮らないで…』
『恥ずかしいですよね。すごくエロいですよ。もう一本入れますね』
事務的な言葉が、病院の看護士のようだった。
今度は紫色のバイブが登場した。画面が一瞬揺らいだ後、カメラがどこかに固定された。
空いた手でバイブにたっぷりとローションを塗りつける。
それだけでも十分卑猥な映像だった。
塗れて光るバイブの先を直人の先端に付け、弄ぶように擦った。
『あっ』
『わかりますか?これからもう一本これを先輩のココに入れます』
画面の中の桐生はいつもより饒舌で、しかし単調な声音だった。
それを見ながら、テレビの前の彼は興奮していた。
後ろを振り向くと、主役はさっきと同じ姿勢で寝息を立てている。
198不覚のF:2005/11/22(火) 01:08:04 ID:0MKqQmex
『欲しいんでしょう?入れますよ?』
すでに刺さっているピンクの方を掴んで直人のそこを横に広げた。
僅かな隙間にぬちゅぬちゅと音を立てながらバイブが入り込む。
『はあぁ、も…ムリ…』
「先輩…」
桐生は画面を見ながら自分のものを取り出して握った。
『あっ、はあ…』
溜め息のような長い吐息を吐いて、直人のそこはバイブを飲み込んだ。
ぐりっと二本を半回転させて、紫の方を上にしてさらに押し込む。
『んあっ!』
『大体この辺りですよね』
直人の中の一番敏感な箇所を付いたらしい。
ピクンと直人のペニスが跳ねた。
『ぁは!や…そこ…』
『後で一緒にビデオ見ましょう。先輩のココ、すごくイヤラシイですよ』
時折直人の太腿が収縮して、桐生の言葉に感じているのがわかる。
『はあ!』
スイッチが入れられ、バイブがくねくねと踊った。
『んああー!お…ねがい…』
腰が前後に激しく揺れ、脚が肘掛からずり落ちた。
桐生の手がそれを丁寧に元の位置に戻し、再びバイブを握る。
活きのいい魚がかかった釣竿のように暴れ、持て余す。
撮影者はしばらく直人の甘い声と、汗を散らして悶える身体を楽しんでいるようだった。
『ムリ…お願い…』
199不覚のF:2005/11/22(火) 01:11:31 ID:0MKqQmex
泣いているような懇願のような声で直人は小さく言った。
『これですか?』
桐生の指が直人のペニスをつついた。
『まだだめです。許しません。しばらく僕のでも咥えてて下さい』
画面上に何かが横切り、直人の喘ぎが静まった。
カメラが持ち上げられ、次に現れたのは直人の顔のアップだった。
『…ん、んむ…』
桐生のものを咥えた真上からのアングル。
目隠しをされているが、苦しそうな顔をしている。
赤く濡れた唇がめくれあがっていて、口の端から唾液が垂れていた。
『んん…、んあ…』
『上手くなりましたね…。でももっと舌を使って下さい』
今度は横からのアングルに変わり、直人が口技を駆使している様子がよくわかる。
唾液にまみれた桐生のペニスが出入りし、直人の舌がそれを追いかける。
チュプ、ピチャ、画面から雨の日のような音が聞こえる。
「先輩…」
テレビの前の桐生は自分のものをしごきあげていた。
ちょっとした罪悪感と背徳感に後ろめたさを混ぜ合わせたような、
そんな奇妙な感覚で精を吐き出した。自分の想い人は二次元の、過去の彼だ。
生身の彼に触れる事が出来ないなら、
残酷なこの夜は昔の恋人を思い出して乗り越えよう。
それくらいは許されてもいいはずだ。
〔ここまで〕
200風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 01:57:54 ID:Ea3hHwEq
不覚タソキタ━━(゚∀゚)━━!!
続きが益々気になる(*´Д`)
なんでそんなに萌え壺を刺激するんだ。萌えて眠れないじゃないか。
201風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 02:13:35 ID:19mBK0uq
不覚タソ乙!!
桐生、我慢したんだね桐生(*´д`*)

紳士タソも続き楽しみにしてますよ。
202風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 02:39:24 ID:6Nctjc0I
ある日常、痛すぎる
203風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 08:27:35 ID:64RmsuAf
遅レスですが騎竹さんGJです。
待ってました。

日常さんや他の作品も乙です。
豊作でうれしい。
204風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 11:44:39 ID:bJzrzpCh
こういうのが(世界観とでも)書きたい、憧れてる
ってのはすごく良くわかるけど
>密談があるから席を外してくれたまえ。
なんて品のないことを、紳士が紳士倶楽部で
そこに従事しているボーイ(なんか)には言わない
でも昭和40年代に入ってきだした翻訳ゲイエロティカぽくもあり
いろいろ惜しいんだけど続きに期待
205風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 13:23:33 ID:SfO2g313
ていうかこれってモロあれなんじゃないの。
某欄PO先生の21面相と探偵と少年と…。
ある意味古典だからオマージュと言えばオマージュだけど。
206風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 13:35:42 ID:GUQ8Cji3
うわー騎竹さん来てた、嬉しい
亀レスだけどGJやっぱツボです。続きも待ってます!

他も豊作だ〜まだ全然読み切れてないんだけど職人の皆様方乙です!
207風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 22:15:10 ID:zRs6HHTX
騎竹タソ…やっぱ大好きです。
本番エロ全然ないのにこのにじみ出るエロスがたまらないです。
セっちゃんもがんがって欲しいけどラウルタソも超がんがれ!
208風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 23:01:24 ID:VZQdILmr
鬼畜さん、サイト作った人でしょ。終わったらまたサイトに転載するの?
ここでマンセーもらってエネルギー充電? お疲れ様ですね。
209風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 23:15:00 ID:UJsXIaSW
>208
空気を読まない儲には自分もウヘァと思ったけど
職人さんに当たるのは筋違いだよ
210風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 23:16:51 ID:ick1qH+W
サイトあるんだー見たいなあ。
こんな米で充電になるなら幸い幾らでも叫びたい。
騎竹タンGJ!FタンGJ!紳士タンは今から読むぞー!ウハウハ
211風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 23:17:34 ID:Ea3hHwEq
したらば
212風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 23:42:09 ID:xLdvwLSj
全員がしたらば読んでる前提で話をするのは良くない
213風と木の名無しさん:2005/11/22(火) 23:53:07 ID:rW3AKw5Z
>>212

211はしたらば池って意味では?
214風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 00:02:47 ID:18uYUa+A
>>213
そっか!すみません
したらばで分かってるやろって意味かと思た
215風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 00:56:11 ID:bVFFftsM
>>208
嫉妬はヤメロ。
216騎竹:2005/11/23(水) 13:39:55 ID:lJdw0svB
当初40レス程度を目安に投下をはじめたものの、
無駄に方向がずれて長くなってきてしまい、
どこかで軌道修正か区切る必要性は痛感しておりました。
丁度いいきっかけになりましたので、ここまでで投下は終了いたします。
行き場のない脳内の萌えを発散させる場を貸していただきありがとうございました。
217風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 13:46:13 ID:WBuur63O
続きが気になる読者としては
ビデオ棚スレやサイトなどでまた会える日を期待してしまいますが、
とにかく楽しい時間をありがとうございました!
218風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 13:46:16 ID:hYNXItb3
お疲れさまでした。ありがとうございました。
したらばでも続きを望む声はたくさん出ています。
騎竹さんさえよろしければ、サイトを作るなどのやり方で
続きを読ませてもらえたなら、とても嬉しく思います。
219風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 14:11:54 ID:bw12xwvx
同じくとても続きが気になっています。
出来れば騎竹さんのサイト等でお話の続きが読める事を
願っています。
今まで楽しませていただきありがとうございました。
220風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 15:12:34 ID:wkhjB+8E
騎竹さん、お疲れ様でした
楽しく読ませていただきました。ありがとう。
221風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 15:20:21 ID:ry3j8EP6
乙!
もしサイト作られたら、したらばの方にでもコッソリ
ヒント教えてくださると嬉しい。
長さ、鬼畜テイスト、痛い儲など気にする事無く、個人サイトで
じっくりと作品を堪能したいな。
222忠犬:2005/11/23(水) 21:42:17 ID:VrzKOMsu
忠犬ハチ公です。
途中で放り出した形になりすみませんでした。
PCクラッシュと交通事故のダブルパンチで続投できそうにない状況です。
ただ、オチのある話を中途半端にするのはどうかと思いますので、
オチだけばらしに来ました。
興味のある方のみどうぞ。


※以下『忠犬』オチ
――――――――――――
通称「ハチ」、本当の名称は「HUMANITY-typeM-801」。未来から来たヒューマノイド。
ハチはM-8シリーズの市場調査のため、過去の社会に送り込まれた。
「ご主人様」など勿論存在しない。ご主人様のイメージは社長のものだが、あとは全て創作。
メンテナンサーのJB(バーテン)の管理の下、長期にわたる市場調査で、
M-8シリーズは高額所得者向けオーダー販売から、一般向けレンタル商品へと方向転換し、
大きな利益を上げている。
『従順』『哀れみ』『愛らしさ』『情愛』を特に強調した設計は多くの客を虜にしたが、
同時に身近に暮らすメンテナンサーをも惑わせていた。
いもしないご主人様のため涙ながらに働くハチにほだされたJBは、
3人がかりでいたぶる客に耐えかね、ハチを助け出そうと…
しかし当然ハチは仕事の放棄を拒否。二人とも客の男達に監禁されてしまう。
ハチは唯一の弱点である通電で機能不全を起こし、
JBはその所持品から不審を持たれ……
違法過去介入になりかねない事態に、社長自ら処理に乗り出す。
処理部隊の迅速な働きでハチとJBを監禁していた男達は記憶操作の上移送された。
ハチは……社長の姿に「ご主人様」と叫びながら停止される。
業務規定違反で会社に多大な損失を負わせたJBは左遷され、
M-8シリーズの生産ラインでハチの後続機を作ることになる。

ちゃんちゃん。
の予定でございました。失礼いたしました。
223風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 22:09:59 ID:BEprkPCJ
ハチたんとJBを思い出して、あらすじだけで感動しちゃったよ……

>いもしないご主人様のため涙ながらに働くハチ
>ハチは……社長の姿に「ご主人様」と叫びながら停止される。
で萌えまひた。

お大事になさってくださいね。
また気が向いたらいつでもいらしてください。
224風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 22:22:44 ID:3HIUXSil
ハチタソGJ。泣けた。いろいろ大変そうですがガンガレ。
完全版や続編新作、是非読見たい投下者さんです。乙でした。
225風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 22:22:51 ID:z1tkOBCB
忠犬さんGJです!
あらすじだけでも萌えがどばっと溢れてきます。
事故はもう大丈夫なのでしょうか?
もしよろしければ、新作も待っています。
226風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 22:27:10 ID:hYNXItb3
忠犬さん、事故とパソコンって、大変そうです…どうかお大事に。
落ち着いたら、ぜひまた戻ってきてください。
227風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 22:58:11 ID:vjfR+y67
118@まとめです。
先ほど前スレのdat落ちを確認したので更新しようとしていますが、
サーバーのFTPの調子が悪く、ファイルをアップできないばかりか
一部のファイルが消えてしまいました。
携帯ユーザーの方すみません。
228無機質な笑み:2005/11/23(水) 23:06:56 ID:cfzxQdi2
次の朝用意されていた朝食はたまらなく美味しかった。まぁこれも最後だと思って味わう。
サキは昨日のことがあったからか、部屋の隅に立って申し訳なさそうに俯いている。
その顔をじっと見てみる。本当に綺麗な顔立ちの美青年、という感じだ。
サキという名は、花が咲いているように美しい、という理由からだった。
正直似合っているかどうかはわからないが。
「サキ」
ぽつりと言ってみる。この響きは好きだなぁと思いながら。
するとサキは顔を上げキラキラとした目でこちらを見ていた。
「ナナ、ナンデショウゴ主人様?」
本来こうでなければならないのだ。俺が常に優位に立ちそれに従う。
それがアンドロイドというものだろう。なのに昨日の有様は何だ。
ふつふつと込み上げる怒りとやりきれなさを抑えて静かに言った。
「美味いぞ、サキ」
これで最後なのだから優しくしてやろうという俺の思いやりだ。
けれどそれを聞いたサキはこれ以上ないという程の笑顔を見せた。
「サキニハ勿体ナイオ言葉デス、アリガトウゴザイマス」
紡がれる言葉も所詮電子音。笑顔もプログラムされたもの。感情などないんだこの機械には。
それなのに何故胸がズキズキするんだろう。何故……
もうすぐナル氏が来てお別れなんだ、後悔もしていない。なのに。
俺は席を立つとサキの傍へと歩いた。サキは何も言わず跪く。
そして綺麗な髪を優しく撫でてやる。これも最後だから…。
「ゴ主人様……」
気持ち良さそうに目を細め、猫のように甘えてくる仕草が可愛く思えてしまう。
229無機質な笑み:2005/11/23(水) 23:08:59 ID:cfzxQdi2
「サキ…ごめんな……」
「?」
訳がわからないという目で見上げられる。好意しか感じとれない純粋な目で。
「俺…お前を……」
ふいにサキの顔が近づいてきてぺろりと唇を舐められた。
「………何す…っ」
「タ、食ベ粕ガツイテイマシタノデ…」
俺の態度を伺うような不安げな表情。
伏せ目勝ちなサキの睫毛が長くて、目蓋にそっと触れてみた。
そのまま額から頬にかけてを撫でてみる。その肌は血の通わない冷たくて硬いモノだった。
「ゴ主人様、サキハ何ガアッテモ貴方カラ離レマセン。オ慕イシテオリマス。」
サキは目を閉じたまま言った。
それには何も答えず玄関まで早足で進む。トラックの音が聞こえた気がして。
「待ッテ下サイ、ゴ主人様」
後ろから呼び止められた。
「昨日ノ事ヲマダ怒ッテオラレルノデスカ?」
「ん?怒ってないぞ。気分もいいし」
「ソウデスカ、良カッタデス」
心底ほっとしたようにサキは自分の胸を撫で下ろす。
きっと何で怒ってたかとか、何もわかっていないだろうけど。
「ゴ主人様ヲ悦ばせる為ニサキハ生マレテ来タノデス」
ほら、また訳のわからないことを……
「昨日ハチャント気持チ良ク出来ナカッタカラ怒ッテラシタノデショウ?」
230無機質な笑み:2005/11/23(水) 23:10:51 ID:cfzxQdi2
「はぁ!?」
そこからはまた同じパターンだ。玄関で壁に押しつけられ両手を頭上で纏められる。
何だよ、全然学習能力無いじゃないか!駄目といったことがまるでわかっていない。
というか朝から盛ってる場合じゃないだろ、くそっ……
暴れているとサキの顔がすぅっと近づいてきてキスをされた。
初めての、キス。唇は冷たいのに舌はやけに熱くて全身に痺れが走る。
「んっう、ふ……っ」
「舌、出シテ下サイ…」
そんなこと言われたって出すもんか。
けれどサキの舌がにゅっと長く伸びてきて奥にある舌を絡めとられる。
「んぅ……」
溶けてしまいそうな感覚。目眩がする。サキが自分を求めていることを実感する。
けど俺は………。
唇が離れる瞬間、口の中にゴルフボールほどの大きさの丸いものを押し込められた。
「んぅ……!?」
「今回ハチョット静カニシテテ下サイ…」
ボールを吐き出そうとしたが、ボールについていたベルトを後頭部で絞められてしまう。
「んーっ!?んあぅっ!」
何を言ってもサキに届く筈もなく。
「安心シテ下サイ、今回コソハチャント……」
言うと、バスローブの隙間から胸へ手を這わせる。
「ひやはっほあ!」
「何言ッテルカワカリマセンヨ」
くすくすと笑いながらそのまま手を下へと下ろしてくる。
231無機質な笑み:2005/11/23(水) 23:12:36 ID:cfzxQdi2
「ゴ主人様の感じる場所…ドコデシタッケ?」
サキの手は肝心なところには触れず、その周りだけをつつく。
指は反応を見るように動きが遅い。少しずつ大胆な動きを増やし、時折危ない箇所に触れる。
その焦らされているような感覚がたまらなく嫌だ。たがらといって望んでいる訳ではないが。
「んぅ……」
少しだけ艶のある甘い声が出てしまった。
それを聞いてサキの指は俺の中心にするりと触れた。
「ゴ主人様…」
俺の様子を伺うようにこちらを見てくる目。けれど俺は必死で首を振る。
サキの指は優しく全体を揉みしだき、時に窪んだところに指を絡めるように擦る。
そんな刺激に、勢い良く中心へ血が流れ込んでいくのを感じた。
堅く目を瞑っていると敏感な場所に冷たい痛みが走る。
「───っ!?」
どこから出してきたのか、金属製の筒が覆うように性器に装着されている。
しかもそれには鍵が付いているらしく、先端にハートのついた鍵を目の前で揺らされた。
「コレハサキガ預カッテオキマスネ」
「ふあっ………」
ふざけるな、と言おうとしたが声もちゃんと出ない。
と、カチャカチャと金属の触れ合う音と共に下腹部が締め付けられた。
装着された金属筒が収縮を繰り返し始めたのだ。
「博士ガ発明シタ取ッテオキの機具デス」
あの博士、いらんものを発明しやがって……
232無機質な笑み:2005/11/23(水) 23:14:42 ID:cfzxQdi2
サキの持っている鍵にボタンのようなものが付いているようで、
青いボタンを押すと、あらゆる箇所が不規則に収縮し、
黄ボタンでは筒の内部から無数の突起が出るようになっていた。
「ふーっ……んぅーっ!」
口をずっと開けている為、顎もがくがくして痛い。
筒の先端には小さな穴が開いていて、そこからとろとろと先走りが出ている。
「感ジマスカ?ゴ主人様」「ぅうーっ…ふっあ……」
生理的な涙と屈辱的な涙の両方が頬を伝って落ちる。こんな感覚、認めたくない…
こんなんじゃどっちが仕込まれてるのかわかんねぇじゃないか…っ
零れる涙に気付いたサキが舐め取ろうとするが首を振ってそれを拒む。
そしてキツく睨んでやるとサキは少し怯えたような顔をした。
「ドウシテ……サキ…ゴ主人様を気持チ良クサセナキャイケナイノニ」
決して気持ち良くない訳ではない。むしろこの気持ち良さが駄目なんだ。俺じゃなくなりそうで。
俺は、サキよりも、こんな風にサキを作った博士を恨んだ。
サキは悪い訳じゃないんだ、サキは俺の為を思って…
その時ドアの向こうから視線を感じた。
そういえばさっきのトラック音、まさか……。
見られたかもしれない。最悪だ…

するとタイミングを見計らったように呼び鈴が鳴った。
「ゴ主人様、サキガ出マス!」
元気よく飛び出していったサキの後ろ姿を俺は見つめていた。
233無機質な笑み:2005/11/23(水) 23:16:26 ID:cfzxQdi2
外せない金属筒をつけたまま、はだけたバスローブを直す。
「ドチラ様デスカ?」
「あぁ、君かね、ウォン博士のアンドロイドは。実に美しい…」
少しだけドアを開けて様子を見る。
スーツ姿の中年男性がサングラスを少しずらしてサキをじろじろ見ている。
「違イマス、サキハゴ主人様ノモノデス」
「ほぅ、サキと言うのかね、綺麗な名だ」
「ゴ主人様ガ付ケテ下サッタ名前デスノデ」
得意げに答えるサキを舐め回すように見て、それからナル氏は何やら指で合図をした。
すると後ろから5,6人の黒スーツの男が走ってきてサキを取り囲んだ。
「何ヲ……!?」
そして素早くサキの両手、両足を縛り上げると担ぎ上げられる。
「ヤメナサイ、何ナンデスカ貴方達ハ───……!」
「おや、聞いてないのかい。君は主人に売られたのだよ。これからは私が君のご主人様だ。」
「ソンナ……何カノ間違イデスッ」
じたばたと暴れるサキの尻をビシリと叩き、穴の辺りをぐりぐりと押す。
「ヤッ……」
それに反応しサキの顔は紅潮する。
「それならそこのドアに隠れている元ご主人様にでも聞いてみるといい。」
俺は慌ててドアを開けナル氏の元へ走り寄った。筒はまだ性器を締め付けている。
234無機質な笑み:2005/11/23(水) 23:18:27 ID:cfzxQdi2
「隠れてるだなんて人聞きの悪い。それよりこんな大人数で来られるとは知りませんでしたよ」
「迅速に事を運びたかったものでね。しかしこのアンドロイドは実に美しい。
我がクロイワグループに奉仕してもらえるとは有り難いよ」
クロイワグループと聞いて俺はギクリとした。この辺りじゃ有名な暴力団グループだ。
ナル氏はそこの組長だというのか?
「ゴ主人様…ッ嘘ダト言ッテ下サイッ……!」
サキの悲痛な声が胸を締め付けるように響く。
しかしナル氏が合図をするとサキは口まで塞がれてしまった。
「では、指定の口座に振込んでおきますので」
「あっ待って下さいっ」
こんなグループに金など貰ったら後が恐い。
「お金は要りません、どうぞ持っていって下さい…」
「いや、それは困りますよ。私の気が済まない。」
「ですが…」
「こういう事はきっちりして貰わないと困るんですよ。
後々貴方に何かするという訳でもないですし。」
見透かされたようで俺は下を向いた。
「では私共はこれで」
一礼するとナル氏はトラックの荷台に乗り込んだ。続いて担がれたサキが運び込まれる。
何かを訴えてくるサキの目を見ることなく、俺は家の中に入った。
───これで終わりなんだ、これで。
何人もの男に動きを封じられてはサキも何も出来ないだろう。
きっとナル氏にも従うだろう───。


─ここまでです─
235風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 23:22:14 ID:BPJFUF+h
初のリアル投下…無機質タンGJ!!
天然ドナドナロイドと結構いい人なご主人様(´д`*)ハァハァ
236風と木の名無しさん:2005/11/23(水) 23:57:51 ID:7yQulZfF
無機質タン、イイヨー!
サキタン…
237風と木の名無しさん:2005/11/24(木) 02:03:28 ID:4acOFcn4
118@まとめです。
レン鯖板で確認したところ、過去ログまとめサイトのサーバーは
ファイル数1000の制限があることがわかりましたのでサイトを移転しました。

ttp://red.ribbon.to/~yaoi/
携帯用は
ttp://red.ribbon.to/~yaoi/i/

>1のまとめサイトは当分置いておきます。
パソコンからは問題ないですが携帯からは12スレ以降は追加されてません。
以上よろしくお願いします。
238風と木の名無しさん:2005/11/24(木) 03:14:57 ID:nUm60vmZ
売られたサキタソの運命や如何に!?

>>237
乙華麗です。
239風と木の名無しさん:2005/11/24(木) 10:35:39 ID:v7l+z+Tu
引き渡す前に金属筒の鍵を取り返しておかなきゃ・・・w
どこか抜けてる元ご主人様にウケタ。
無機質タン面白いよー。続き楽しみにしてます。

>忠犬タン
ずっと続きを待ってました。
PCクラッシュと交通事故とは大変でしたね。
お身体の方は大丈夫でしょうか。お大事になさって下さい。
また元気なられたら戻って来て下さいね。

>>237
乙です。有難うございます。
240風と木の名無しさん:2005/11/24(木) 12:01:13 ID:dzz4SI/i
241プライド5:2005/11/24(木) 21:56:59 ID:7LmqrVAT
だいぶ間が空いてしまいましたが投下します



******************



「歯を立てるなと言った」
呼吸も整わないままの聖の髪をまた掴み、言い聞かせるように男は言う。
「るっせーよおっさん、おしゃぶりはとっくに卒業してんだよ」
しかし聖は無理矢理に呼吸を整え、挑発するように犬歯を見せる。
それを見て、男は髪を放しその頬に拳をめり込ませた。
相当の勢いがあったが、手足を他の男に捕まれていたため、今度は吹き飛ぶことはなかった。
「おいおい顔はホストの命なんだぞ
ま、また復職出来るかはわかんないけど」
それを見て、子供のような笑い声を上げハヤトが言う。
「ま、いいか。とりあえずちゃっちゃとやっちゃって」
そして続けて言えば、また男たちの手が動く。
「な、に……ッしてやがんだ、よ」
ボクサーパンツの上から萎えた聖の性器を揉む手。
他に乳首や脇腹、性感帯の存在する部位を撫でる。
その吐き気がしそうなおぞましさと若干のくすぐったさに、暴れながら声をだす。
もちろん、なにをされるのか想像はつく。
今は多少表にも出た仕事だが、数年前までは裏の奥。とても真っ当とは言えない手段で生きていたのだから。
男同士のそういった行為も、知りすぎるほどに知っているのだ。
242プライド6:2005/11/24(木) 22:00:28 ID:7LmqrVAT
「…………」
一人、男が立ち上がり聖の前に立つ。
他の男が聖の顎や髪を掴み顔を固定させる目の前で、男はスーツの前をくつろげさせ半勃ちの己の性器を取り出した。
「歯を立てたら今度は殺す」
耳元で、さっきの男が囁く。
本気で行う気だろう、声音。
「……っ……」
唇に押しつけられる肉棒を、堅く口を閉じることで拒絶する。
しかし横にいる二人に強引に口を開かせられ、中に熱い塊が侵入した。
「っう……く、ん……」
眉を寄せ吐き気に耐える。
中を支配するソレに触れぬよう舌を縮こませ、必死で抵抗をした。
「もっと舌とか使えよ、つまんねーだろうが。なあ磯部」
それを見て揶揄するようにハヤトが言い、見知らぬ名を呼ぶ。
聖が横目で見ようとしたとき、カシャという微かな音が耳に入った。
「ッ!!」
さっきまで身体に触れていた一人の男……ハヤトが磯部と呼んだ男が、小型のカメラを自分に向けていたのだ。
「んぅっ!」
三人の手で抑えられているにも関わらず、離れようとする。
しかし当然それは叶わず、逆に喉奥深くに突き立てられた。
243プライド6:2005/11/24(木) 22:06:29 ID:7LmqrVAT
「ッふぅっん、は、」
そのまま聖の意志を無視して、男は自分の欲望のまま腰を振る。
やがて中で膨張した性器が弾け、精液の苦い味が口の中に広がった。
「全部飲め」
抜き出されすぐに吐きだそうとしたが、その前に強引に顎を掴まれ口を、それと鼻を塞がれる。
やがて呼吸が苦しくなり仕方なしに飲み込めば解放され、床に手を突き先ほど飲み込んだ物を吐くようにせき込む。


「ヒッ!」
なかなか吐き出せず何度も咳をしていた聖が急に声を上げる。
離れていた手がまた突如、聖の尻のあたりを撫でたのだ。
慌ててそれから逃げようとするが、また腕を掴まれる。
「ッな、やめろって、の!」
今度は下肢に、足や、今は隠れた秘所を中心に手がまさぐる。
次にされるであろう行為への恐怖が、聖を襲った。
「っ!」
ボクサーパンツを膝まで下ろされ、隠されていた場所まで露わになる。
その羞恥に、聖の顔が朱に染まる。
「磯部」
ハヤトが言えば、磯部がカメラを手に動き、聖に寄った。
両手両足を床につき、獣のような体勢でで身体の全てを晒している聖。
その窄まった菊座を中心に、磯部は聖の全身をカメラに収めた。


カメラに視線を向ければその向こう側に
子供の……邪気もなく虫を殺す子供のような笑みを浮かべるハヤトが いた。





ここまでです
244風と木の名無しさん:2005/11/24(木) 23:19:11 ID:YSFnyDXZ
ホストキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゜∀゜*)


プライドタン待ってましたyo!
ギャル男お兄受最高です
245無機質な笑み:2005/11/24(木) 23:53:41 ID:224HmzuC
「くそォッ……!!」
ナル氏の俺を見下した目が離れなかった。
情けない男だ、俺は。サキは俺なんかを主人だと思うよりあっちの方が絶対いいさ……。


そして3日たったある日の深夜。
呼び鈴の音で目覚めた俺は寝巻姿でドアを開けた。
「ちぃーす。ルイさん、定期検査に来ましたよーと…」
やる気の無い顔が視界に飛び込む。博士の助手だ。
───まずい。売ったことが知れたら………
「おや、おかしいですねぇ。呼び鈴が鳴ったのに主人を出させるなんて。サキはどこスか?」
ぼさぼさの頭を掻きながら面倒臭そうに家の中を覗き込もうとする。
どういうことだ、定期検査なんて聞いてないぞ。
「サキは……その」
「どこぞに売られでもしました?」
「な、何で」
助手は元々吊り上がった目を更に吊り上げてこちらを睨むと、俺の手を引いて車へ向かった。
俺より小柄なのに、抵抗できない程の力だったことに驚く。
「はぅ……っ」
動きはなくなったものの未だ装着された金属が中心に擦れて痛い。
そのまま車に乗らされてエンジン音が鳴る。
「どういうつもり………っ」
「黙って。飛ばしますよ」
車はぐんぐんスピードを上げ、2時間ほどである場所に着いた。
「ここは…」
「博士の研究所ッス」
夜だったので建物の中は薄暗く寒気がした。
246無機質な笑み:2005/11/24(木) 23:54:45 ID:224HmzuC
助手は手をまだ離してはくれない。
「そういや…あんた検査された時のこと覚えてないっしょ」
「え、まぁ…しっかりとは…」
そう言えば記憶が途切れ途切れでおかしいとは思っていたのだ。
「そうッスよね。眠らされてたんだから」
「え…?」
「サキとの相性を調べる為にね。どこが感じやすいのか、どんな表情にグッとくるのか
そしてどんな言葉を求めるのか…全てにおいてあんたのツボにはまるように出来てるんだ。
体の隅々まで調べたんスよ?あんた。気持ち良さそうに鳴いてたなぁ」
「はっ…?」
何を言っているのかわからない。冷や汗がどっと溢れ出たのを感じる。
途切れていた記憶がパズルのピースを繋ぎ合わせるように蘇ろうとしていた。
「検査の為とはいえ博士も困った人でね、とことん調べ尽くさなきゃ気が済まないんス」

……白い天井。白い壁。寝台に寝かされた自分。手錠。首輪。足枷。
ガラスの向こうでボードに何かを書き込んでいる男たち。
のしかかる体重。汗の匂い。体を這う舌や手の感触。
それらが一気に押し寄せてきて頭がパンクしそうになる。
ある一種の催眠状態だったのかもしれない。
「ンッあ、そこっ……イイッ……」
普通の状態ならば言う筈の無い台詞が頭に蘇り赤面する。
涎まみれの顔で叫んでいた、もっとしてくれ、と。狂ったように。
仕舞には後孔を掻き混ぜる音や性器を扱かれる音が聞こえてくる気がして耳を塞ぐ。
ふと、覆い被さっていた男の顔が、目の前の助手の顔と重なった。
247無機質な笑み:2005/11/24(木) 23:55:41 ID:224HmzuC
「アンタッ……あの時俺に何を……」
「聞きたいんスか?」
「あ……」
言葉を詰まらせてしまう。
あぁ、だからサキはあんなにも俺が感じる場所を的確に攻めてきたのか。
「つ、つーか、そうやって性欲をどうにかするってのがおかしいだろ!」
「あんた、知らなかったんスか?ウォン博士が作るアンドロイドは全てR指定なんスよ」
「な…!」
そうだったのか、カタログに載っているのを見て店頭へ出向いたんだが。、
「ちゃんと書いてありましたよね?無知な方が悪いッスよ。
大体そんなこと誰でも知ってることだと思ってましたがね」
「くっ……」
ナル氏も、それを知っていて買い取ったのだろうか。だとしたらサキは今頃──。
「そしてサキも。あんたしか見えないように作ってある。
誰も入り込めないくらいに従順に。最初に言ったっしょ?あんたにしか従わないって」
そんな事知らない、聞きたくもない、俺は………。
「そんでその結果がこれッスよ」
助手はある一室で足を止めた。
「この部屋はボクしか知りません。あんたを連れてきたのもボクの独断」
そう言うとガチャリと大きな音をたててドアが開いた。中は暗くてよく見えない。
『ィヤァーーーーァァ!!!』
耳を裂くような叫び声がした。
見ると部屋の奥にテレビが一台が置いてあり、そこから聞こえてきたのだと知る。
そしてその声は紛れもないサキの声だった。
248無機質な笑み:2005/11/24(木) 23:56:40 ID:224HmzuC
「なっこれは──っ!?」
「映ってるのはサキの目から見えてる視界ッス。」
ぐちゅぐちゅと淫らな水音が聞こえる。
モニターには男性の性器が大きく映っていて、それを舐めているのがサキだと知る。
『ほらほらもっと巧く舌を使えんのかね』
『ウゥ、イヤ…汚イ………気持チ悪イ………』
『こらてめぇ、ナルさんの言うことが聞けねぇのかぁー!?』
ゴッという音と共に視界はぐるぐると回り、天井が映る。
他にも誰かいる、サキは蹴られてしまったんだろうか。
『グッウ……オ前ナンカ……!』
『お前なんか、何だね?』ナル氏の顔が近付く。
『私がご主人様だと言ったろう。言ってみなさい。ご主人様、ご奉仕させて下さい、と。
あの日君の主人にしていたようにもっといやらしく触ってみたまえ』
『イヤッァ…ゥアーッ!!』
後ろから突かれているような振動に画面は揺れ、その度にサキの喘ぎ声がする。
『いやらしい体だぜ全く。お前、嗅覚やら味覚は無いくせに性感帯だけはあるみてぇだな』
また別の男の声。
『イヤッヤメテ……ゴ主人様ッ助ケテゴ主人様ァーーッ』
揺さ振られながらも口はナルのものを銜え込み音を立てて吸う。
もういやだ、こんな光景見ていられない……。
『ウゥッサキガ、イケナイ事シタカラ…ゴ主人様ハ売ラレタノデスカ?
サキガソレヲ直セバ…マタ、ゴ主人様ハ会イニ来テクレマスカ……?』
『はは、馬鹿だな君も。あのへっぴり腰な男が来る訳なかろう。んんっ』
荒い息を吐いてナル氏は達した。床に零れた液体を舐めとるよう指示される。
249無機質な笑み:2005/11/24(木) 23:58:09 ID:224HmzuC
けれどサキは首を振り舐めようとしない。
『君のような聞き分けの無い子は好きだよ。調教しがいがある。』
ガンッという音がしてサキの頭は床に押さえ付けられた。
ぴちゃぴちゃと音がして舐め始めたことがわかる。
こんな──こんなことになるなんて。サキ…!
「わかりましたか?あんたがやったこと」
「けど…っ俺には関係ないことだッ」
「あんなにサキに気持ち良くしてもらっておいて?」
「え…」
そういえばモニターはサキの視界だといった。音もサキに仕込まれた盗聴器か何かか…?
「アンタッいつから……ずっと見てたのか!?」
「はは、気付くの遅過ぎ。まずサキって名前をボクが知ってた時点でおかしいと思うっしょ」
「くっ……こんなの犯罪だぞ!」
見られていた。サキに触られてよがっていたのも、全部。
「そうッスね…でもあんたを信用できなかった。だからこんなことになってる。」
「そんなのっ……」
「で、どうします?サキ、このまま奴らの玩具にさせとく気ですか?」
そんなことを言われても。これは俺の責任なのか?確かにサキを買ったのは俺だ、けど…
その為にクロイワグループに乗り込もうなんて気はない。
「何か、方法はないのか?サキを取り戻す方法…」
返して欲しいなんてメールを送ったところで返信など来ないだろう。
やはり直接会いに行ってどうにかするしかないのか?『アァッ………ゴ主人サ……ッ』
ブツリと大きな音がして、そこでモニターは途切れた。



─ここまでです─
250風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 00:05:29 ID:dEwpeWjC
無機質タン、イイッ!
サキカワイソス&助手萌え!
251不覚のF:2005/11/25(金) 00:27:24 ID:5ysvmZpU
〔つづき〕
今、直人はとある屋敷の前にいる。
思わず地図を確認してしまうほどの大豪邸、Fの住まいだ。
表札にはなにやら横文字で書かれてある。
「エ…、ク?ベル…?わからん」
手元にあるのは地図と鍵、呼び鈴を鳴らすにはあと度胸だけが必要だ。
今日こそは彼のペースに巻き込まれないようにしよう、それが目標だった。
チャイムは鳴らしたが家主は姿を見せず。直人は嫌がらせのようにボタンを連打した。
しばらくして門が開き、恐ろしく目つきの悪い男が扉の隙間から顔を覗かせた。
「居るんじゃん」
直人は腕を組み悪態を付いたが、それを上回る勢いで返された。
「お前は取立て屋か。まだ明るいじゃないか」
「人を呼びつけておいて寝てたのか?」
Fは頭がボサボサでガウンを羽織り、明らかに寝起きの様子だった。
もう夕方なのに眩しそうに目をしばたかせ、直人を手招きして屋敷内に案内した。
「あんた太陽は平気じゃなかったっけ?」
長い廊下を歩きながら、丸めた背中に向かって言った。
「死にはしないがやっぱり苦手だ。
 …てか、いつもなら寝てる時間なんだぞ、 何の為に鍵を渡したと…」
「広い家だなー。あんた一人で住んでるの?」
キョロキョロと見渡しながら言った直人の声が反響している。
「これから使用人を一人雇う事になっている。
 一軒家の方が色々と都合がいいんだが、掃除や雑用が面倒なんだ」
薄暗い廊下の突き当たり、20畳はあるだろうFの寝室に通された。
天蓋付きのベッド、高そうな調度品、整頓された本棚、ある意味彼らしい内装だった。
カーテンの代わりにシャッターが窓を塞ぎ、外の光が全く漏れていない。
なるほど、と直人は納得した。
252不覚のF:2005/11/25(金) 00:28:02 ID:5ysvmZpU
「棺桶で寝るんじゃないの?」
いつもの仕返しのように嫌味に言ってみた。
「大昔、父を真似て棺桶で寝てたがな。それよりコーヒー入れてくれ。
 誰かさんが早く来たせいでまだ眠い…」
「何で俺が!」
直人は不本意な要求に意義を唱えた。が、Fは気にせず、
乱れたままのベッドに腰掛けて頭をかき、キッチンは向こうの部屋だと指差した。
渋々直人はコーヒーを入れる。
何故客がこんな事をしなければならないのかと自問しながら。
「おい…、どこ行った…」
寝室に戻るとFの姿はなかった。
「…トイレ?」
部屋の中のあらゆる扉を開けて捜索すると、続き部屋のバスルームでやっと彼を見つけ出した。
バスタブに身を沈め、あろう事か寝息をたてている。
「F!コーヒー!」
直人が怒鳴ると派手に水音を立てて、唸るような返事が返ってきた。
タイルにトレーを置き、直人は自分の分のカップを取って彼を見下ろす。
「なんて寝起きの悪い奴だ…。そういえば表札のあれ、何て読むの?」
「…エクバーグ」
「ふーん、偽名?」
「本名だよ、セカンドネーム」
意外な答えに直人は頷いたが、すぐに首を傾げた。
「あんたの名前、Fって…。本名じゃないよな」
「…なんだ?質問責めだな」
コーヒーを飲む手を止めて、Fは不信そうに湯気の向こうの直人を見た。
「その為に来たんだ」
253不覚のF:2005/11/25(金) 00:28:55 ID:5ysvmZpU
ポケットから地図の書かれた紙を取り出して直人は言った。
桐生に会った次の日、二日酔いで仕事場に行くと竹下から封筒を渡された。
八神君の友人って人が昨日店に来て…、という事だった。
封筒の中には鍵と地図と手紙が入っていた。
手紙には「次の休みに我が家に来い」といった内容が英語で書かれていた。
ひとつ分かった。Fはどうやら日本語を書くのは苦手らしい。
そして今に至る。
「俺の本名は秘密。敵に知れるとやっかいなことになる…」
「敵?なんだそれ。なに、殺されるとか?」
殺しても死ななそうだけど、と直人は続けた。
「まあね、そんなとこ。こっちは暇なんでね、障害のない人生も退屈だし…。
 他にご質問は?」
「質問なんて山ほどあるよ」
紙に箇条書きにして付き付けてやりたいほどに。
「答えてやってもいいけど、食事させてくれる?」
「食事って…」
直人は顔を赤くして反論した。
「に、人間と同じ食事でもいいんだろ!?」
「確かにどちらを食してもいいんだが…。逆にいうとどちらもないと困るわけ。
 だからお前が居る。食える時に食っとかないと、
 さすがに燃費のいい俺でも餓死してしまうかもな」
「それはっ、俺じゃなくてもいいんじゃないか?」
そう、方法さえ問わなければ他の人間から貰う事だって可能なわけだ。
「お前の身体の機能が無関係だと思うか?まだ思い出さないか…。
 いつもだったらそろそろ記憶が蘇ってもいいはずなんだが…」
Fは首を傾げて唸ったが、直人にはわけのわからない事だらけだ。
254不覚のF:2005/11/25(金) 00:29:23 ID:5ysvmZpU
まあいい、とにかく食事をさせろ」
段々目が覚めてきて、Fはいつもの調子を取り戻してきた。
勢いよくバスタブから出ると一気に直人に詰め寄った。
「わー!ちょっと、まっ、コーヒー!コーヒーが!」
もちろん全裸のFは、ガラス貼りのシャワーブースに直人を押し付けた。
直人の手からカップを奪い取ると、ごくごくと飲み干す。
「俺が全部飲んだ。さあ、どうする?」
「どうって…」
Fの裸を初めて目の当たりにして、直人は目標を見失いそうだった。
美しく筋肉がのった均整のとれた身体から、入浴剤の花の香りがする。
力では敵わない。なによりパワーバランスはFの方にあった。
Fの脚が直人の脚を割って、中心をぐっと押した。
「ここか…」
次に腕を取り、濡れた手が袖の中に入る。
「こっちか」
Fの言う食事とは直人の体液、つまり精液か血液の事だ。
「ああ、もうひとつあった」
どっちも嫌だと思っていた直人は、そのもうひとつの方法に賛成して首を縦に振った。
わかった、とFは笑うと俯く直人の顎を取る。
「そういえばキスをするのは初めてだったな…」
「え、それって唾液…んっ」
Fの顔が近付いたと思ったら、すぐに唇を塞がれた。
横を向いてそらす直人の顔は、Fの両手で戻される。
閉じた唇を割ってFの舌が中に入って来た。
255不覚のF:2005/11/25(金) 00:29:54 ID:5ysvmZpU
「んんっ」
目の前にはFの閉じた睫毛が見える。暖かいぬめりが直人を誘った。
右に左に動く舌を思わず自分で追いかける。身体から力が抜ける。
唇を動かす合間にFの吐息が聞こえ、彼が興奮しているのがわかった。
Fの目が開き目が合うと、灰色の瞳が笑った気がした。
直人は慌てて目を閉じると、不思議な事に意識が全て口元に集中する。
Fの舌がヌルヌルと口の中で踊り、直人を翻弄した。腰が砕けてしまう。
直人の両耳を塞ぎ、Fはさらに聴覚を奪った。
「ん、んむ…」
ピチャ、プチュ、クチュ、と卑猥な音が大音量で聞こえてくる。
しばらくしてFの舌が引っ込むと、なごりおしそうに直人は追いかけた。
「んぁ…、がっつくなよ」
Fは笑っていた。いつもの意地悪を言う時の顔だった。
「まだ足りない。今のは前菜程度だ」
気が変わった、と言ってFはシャワーブースに直人を押し込めた。
Fのキスは驚くほど甘かった。こんなに気持ちのいいキスを直人は初めて体験した。
直人は腰が抜けてしまって、Fのされるがままに服を脱がされた。
自分で脱いだのかもしれない。身体が反応している。
また、Fのペースに巻き込まれてしまう。
「まだシャワーを浴びていなかったんだ。付き合え」
直人の服を外に放り投げ、少しぬるい湯を出した。
二人は裸の身体を向かい合わせにくっつけ、シャワーを浴びた。
お互いの高ぶりを感じながら、再び唇を合わせる。
激しく口を犯しあい、息があがっても舌を絡めた。
先に動いたのは直人だった。
256不覚のF:2005/11/25(金) 00:31:37 ID:5ysvmZpU
Fに自分の体重を預けながら、その首筋に舌を這わせた。
「ん…」
Fは向こう側のガラスに長い脚を片方架け、背中に体重を掛けてバランスを取った。
両手は頭の上で組んで直人の愛撫に身を任せる。
シャワーが邪魔でネックを捻る。湯はただ壁を叩き、二人に飛沫を飛ばした。
「ああ…、ん…」
直人の舌は暖かく気持ちよくて、Fは緩やかに喘ぐ。
「ん…、直人…。何かのスイッチでも入ったの…?」
直人は何も答えずに、びしょ濡れで喘ぐFを攻めた。
乳首を舐め、その身体を洗うように手を這わし、ひとしきり喘ぎ声を出させた。
直人は自分の中指を噛んだ。指の先に血が滲み、それをFの口の中に挿し入れた。
「んん…」
Fは必死に指をしゃぶった。甘い血の味に恍惚となる。
同時に自分のものに指が触れるのを感じ、驚いた。
それは主導権を握ろうと企む直人の仕返しだった。
「つっ!」
Fは中指を噛んだ。
「俺に支配されるのを嫌がって、いつも最初は逆らおうとするな」
目論見がばれてしまい、直人は慌てて身体を離した。
Fは自分の屹立したものを見下ろして、次にゆっくりと直人を見る。
「それも楽しいけど…、責任は取ってもらう」
Fはにんまりと笑うと、日本のことわざを思い出した。
早起きは三文の徳。古臭いな、とまた笑った。

〔ここまで〕
257風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 01:10:36 ID:29E8Sgeb
無機質タン、不覚タン乙です〜!
二人とも好きなんで嬉しかったです。
いい夢が見れそう!
258さみしい子:2005/11/25(金) 01:13:23 ID:uHAhcTKU
生徒(ショタ攻)×家庭教師です。
多少痛いです…

*  *  *

「そう、そこに四つんばいになって」
陽介は言われたとおりにするほかなかった。
陽介の服はすでに鋏でびりびりに引き裂かれている。
シャツもズボンも、それどころか下着まで裂かれて、腰のあたりは完全に剥き出しになっ
てしまっていた。
それだけでなく、陽介の手足は革製の手錠と鎖で、右手と右足、左手と左足をそれぞれ繋
がれてしまっていた。
無防備な尻をおずおずとコウの前に晒すと、すぼまった奥に、濡れた感覚が押し付けられ
た。
「ひ……っ!」
そのままぐっと奥まで、ローションで濡れたバイブを突き入れら、尻を足でけりあげられ
た。
「う……あああっ!やめて……やめてくれ…」
「あはははは……みっともないなあ!尻の穴にそんなもの突っ込んで、なに腰振ってん
の?」
「うう……っ」
あまりの惨めさに、陽介の頬を涙が伝った。
「……ねえ、先生?」
陽介がこの家に来たのは一ヶ月前。大学の講師をしていた陽介は、教授のつてでこの家の
長男のための、住み込みの家庭教師として雇われたのだった。
住み込みの家庭教師だなんて……と最初は思ったのだが、破格の待遇を提示された。
また、大学の語学教師として実績をかわれたのがうれしくて、陽介はその話にのったのだ
った。
259さみしい子:2005/11/25(金) 01:14:29 ID:uHAhcTKU
陽介が働くことになったのは、多数のグループ企業を傘下にもつ、オオサキグループの創
業者の家だった。
オオサキ家の後継ぎであるその子供は非常に優秀らしく、すでに学校の勉強では物足りな
いと言い出したらしい。
その子供に、さらにレベルの高い教育を受けさせるために陽介は雇われたのだった。
オオサキの現社長は教授の大学時代の後輩だった。
教員免許をもつ上に、幅広い教養をもつ陽介は、オオサキの社長に大変気に入らたのだっ
た。
「あ………? あっ、ああーっ!」
陽介の尻の中に入ったバイブが、乱暴に陽介の腹の中で暴れまわり始める。
「う……っ、やだっ………ふ……んっ………ううっ」
「ふふふ、そんなによがっちゃって」
コウは自分を笑いながら見下ろして、バイブのリモコンのスイッチで遊んでいる。
そうだ、この子は……と陽介は思い出す。
この子は自分より十八も年下で……
そう、この子は十一歳の、自分の生徒なのだ。
「ほら、きれいに撮ってあげる。こっち向いて……先生」
まだ、幼さの残る顔でにっこりわらうと、コウはカメラを持って陽介の顔に回り込んだ。
そうして、陽介の顔をじっくりとカメラで撮影する。
「すごいやらしい顔だねー。それでほんとに、あんた教師なの?勉強そっちのけで、僕と
こんなことして遊んで、しかも感じちゃって。最近の教師って、みんなこんななの?本当、
信じらんないね」
どうしてそんなことを言われなければならないのだろう。
そんな言われ方は、あまりに理不尽だった。
コウに強制されなければこんな姿をさらすことも、こんなふうに乱れることもなかったの
に。
260さみしい子:2005/11/25(金) 01:15:13 ID:uHAhcTKU
「そうだ、先生。フェラやってよ。気持ちいいんでしょー?一度やってみたかったんだよね。
かわいい生徒のお願いだもんね。聞いてくれるでしょ?」
陽介にはもう、反論することさえ出来なかった。
コウはファスナーを下げて、なかから自分のものを取り出した。
それは、陽介のものよりずっと幼いものではあったが、一人前に勃起していた。
いずれにしろ陽介を責めたてて、屈辱を味わわせるには十分なものだった。
「ほら、舐めてよ。ほら」
「ん……んんっ………ぐぅ……ふ」
成長途中の少年のものとはいえ、それは紛れもなく男のものだ。
少しでも陽介が気に入らない舌使いをすれば、コウは容赦なく手にした紐を引っ張った。
紐は、陽介の胸のあたりへと続いている。陽介の乳首は左右ともクリップで挟まれている。
そのクリップに、紐はつながっているのだった。
「ちょっと……やる気あんの、先生!」
「んんっ、んーーーっ!」
乳首のクリップを強く引っ張られ、その痛みに陽介は悶えた。
だがその痛みは性感を刺激し、陽介は体内のものを反射的に締め付けてしまう。
「あっはっは……ああ、おかしいなあ………ほんっと、先生って淫乱なんだね!こんな人
に勉強教わるなんて、僕嫌だよ。どうしよ? 叔父様にいっちゃおうかな…こんなやらし
い先生、いやだって」
「……や! やめてくれ!」
コウの両親はすでに他界していて、現在では叔父の誠一がコウの後見人だった。
コウの叔父はグループ企業の社長なので、いろいろな世界に顔が利く。
陽介を気に入って、家庭教師に採用してくれたのも彼だった。
その叔父上に自分とコウの関係を知られてしまったら、一体どうすればいいのだ。
自分は一生、大学なんかに戻れなくなってしまう。
261さみしい子:2005/11/25(金) 01:17:36 ID:uHAhcTKU
「ふん、じゃあ、まあいいよ。先生は淫乱だけど、頭はいいもんね。僕だって、ちゃんと
した先生から勉強教わりたいし。でも先生はこらえ性がないみたいだから、ちゃんと僕が躾てあげなきゃね」
「しつけ……って………ああぁ……!」
コウは手にしていた紐をぐっと引っ張った。
その拍子にクリップがばちんと外れ、乳首に痛みが走った。
「痛っ!……っうう……っ」
あまりの痛さに、陽介は思わず乳首を抑えてうずくまってしまったが、コウは手足を繋い
でいた鎖をひっぱって、陽介を仰向けに返す。
そして、再び乳首をクリップで挟んだ。
「いやだぁ……っ、お願いだ、やめてくれ……」
だが、コウはそんな願いを決して聞き入れることはない。
左右のそれぞれの手足を繋がれているため、陽介は体を思い通りに動かすことが出来ない。
どうしても、脚が開いてしまう無様な格好になってしまう。
コウは、クリップから伸びた紐を、陽介の性器の根元に巻きつけると、バイブの出力を最
大にする。
「あ……ぁ……やめて……やめてくれ!コウ君!」
「ああ? 誰が僕を名前で呼んでいいってったよ。僕はお前のご主人様だろ」
コウは、いま陽介の全てを支配しているに等しかった。
体内を器具で嬲られ、根元を戒められているために射精すら許されない。
陽介は、涙声でコウに言った。
「ご……主人さ…ま…」
「声が小さい!もう一度」
そういって、コウは腰に差していた鞭を手に取ると、力いっぱい陽介を殴った。
鞭は乗馬用の革製だ。コウは乗馬が趣味なのだった。
「あああああっ!ご主人様!ご主人様……うぅ…っ」
「そう、最初っからそういえばいいんだよ。それで、どうしてほしいの?」
「ぁ……イきたい………イかせて下さい…ご主人様…」
262さみしい子:2005/11/25(金) 01:18:17 ID:uHAhcTKU
「あはは、そっか……どうしようかな…」
コウは、鞭の先で、乳首から性器へと伸びた紐をからめて引っ張った。
陽介は小さくうめきながらも、考えた。……どうしてこんなことになったのか。
ただ、今日も、いつもどおり勉強室でコウを教えていた。
勉強しながら、普通に楽しく話していたのだった。
『ねえ、先生。手と足をそろえてだしてみてよ』
『?こうかい?』
そうして何の疑問もなく差し出した手足に、素早く枷をはめられた。
何が起こったのかもわからず、拒否する間もなくあっという間に体の自由を奪われ、服を
裂かれた。
次第に、陽介の思考が麻痺していく。
「ご主人様……助けて………ご主人様…」
「ふん、どうでもいいよ。こんなのただの暇つぶしだし……ま、飽きるまで付き合ってよ
ね」
子供特有の嗜虐性だろうか。彼の責め方は半端ではなかった。
ずるりとバイブを引き抜かれ、ほっとする間もなく、今度はそれを口に突っ込まれた。
「んぐぅ……っ、ん……っ」
「いくよ、先生……」
コウが、陽介を貫いた。
乱暴で、貪欲で、残酷で。
……けれど、どこか絶望的なまでに自棄なセックスだった。
いったい、こんな子供がどうして、こんな暗闇を抱えているのだろうか。
陽介にはなにもわからなかった。だた、もう喘ぐことしか出来なかった……。
263さみしい子:2005/11/25(金) 01:19:52 ID:uHAhcTKU
「どうだ、コウは」
誠一は、執事に尋ねた。
「ええ……新しい玩具を手に入れたようで、上機嫌でいらっしゃいますよ」
「そうか……」
誠一はソファに深くもたれて、しばらく目を閉じる。
「コウが飽きたら、陽介君のことはわたしが責任を持って面倒を見るよ。…様子はちゃん
と見ていてやってくれ」
「はい」
「彼には……かわいそうだが、あの子の気に入りそうなのを連れてきたんだ。コウの好き
なようにさせてやってくれ。あの子は、大事なグループの跡取りなんだ」
誠一は、コウを置いて亡くなった兄夫婦を思う。
高い知性を持ちながら、幼くして孤独と絶望に突き落とされた甥のことを思う。
陽介は、飽きるまでコウの性奴隷として奉仕しなくてはならないだろう。
やがて使い物にならなくなれば、また誠一達が新しい相手を探してくる。
これが、コウの心のバランスをとる唯一の方法なのだ。
「……コウ」
誠一は、溜息とともに吐き出した。

「コウ……本当に、かわいそうな子だ……」

*   *   *
終わりです。
264風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 01:34:33 ID:oiCGHBdL
かわいそうなのは玩具の方だとツッコミたくなる。
救いが無い鬼畜っぷりがいいなあ!

謎だったFさんは人間味が出てきて面白いし、
サキタンのご主人様は助手に視姦されてるしでブラボー!!ヽ(`∀´*)ノ
265風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 07:47:51 ID:lreKTFfo
さんざん弄ばれた後に伯父さまに優しくされると萌!
266風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 08:27:53 ID:JHZT3cVn
>そんな言われ方は、あまりに理不尽だった。
なら蹴ってやれよと何べんも思ったもんだが本当に可哀想な玩具ぶりに乙!
267風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 10:20:35 ID:ygyTWasq
豊作ですね(´д`*)ハァハァ
不覚タン無機質タンさみしい子タンGJ!!
助手役得ですな…サキタンとご主人様カワイソス。不覚タン一瞬リバかと思ったよ。
さみしい子タン…誰か止めようよ…
268風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 11:49:34 ID:xaCvcCnr
>>265
同意。
実は、只今そこんところを絶賛脳内補完中!
269風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 13:55:49 ID:lreKTFfo
>>268

したらばで流れぶった切って萌語りキボン!!!!!!!!!!!!!!!
270風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 18:29:40 ID:SV8r3saA
プライドうざい
271風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 19:37:27 ID:ygyTWasq
>>270ウザイ。ここはお前の庭じゃねーんだよ。
272風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 19:51:22 ID:lreKTFfo
みんなまとめてしたらば
273遺愛 抄:2005/11/25(金) 21:08:43 ID:cIgbjuO7
さっと戸の引かれる音がする。ランプの焔がかすかに揺れる。
「失礼します。先生」
巽が声をかけ、藤枝の部屋へ入ると、そこにはあの目があった。
恨みがましい、それでいて切なく潤む目が、まっすぐに巽を見上げている。
「来たね。約束どおり」
「……先生のおっしゃった時間です」
「先生!」
師が巽と言葉をかわすのを遮るように、その目の主―道夫はいざって向き直る。
「何を……何をお考えなのですか」
師は書生の問いには答えず、ただその顔に笑顔を貼り付けて巽のほうを見ている。
「この人はねえ、あなたがお見えだとまったくしようがない。気もそぞろでね」
「先生……!」
「この口は、あなたに何か言いませんでしたか。早く帰るように、などと……」
「……いえ」
老作家は乾いた声で笑った。弱った喉はそれだけで重苦しい咳を生む。
道夫が慌てて師の背後に回り、丸まった背を撫でさする。
「二人とも……嘘つきだね。だがいい。物書きなどというものは、正直では勤まらん」
後ろから抱きすくめるように、書生に腕を絡める。その目から、笑いは消えている。
「しかしこの人は正直に出来ていてね。私をいつも楽しませてくれるのだよ、巽君」
師の腕の中で震えながら、道夫はゆっくりと目を伏せた。
274遺愛 抄:2005/11/25(金) 21:09:38 ID:cIgbjuO7
編集者である巽は、藤枝の家に宿泊し、原稿を待っていた。藤枝の強い勧めがあって
したことだったが、しかし巽の方にも、この老作家の作風の変化はいかなる切っ掛けに
よるものか、探りたいという下心があった。
胡坐をかいた師に身体をあずけ、道夫は視線を泳がせている。きっちりと喉元まで
ボタンを留めたシャツの上に、着物の襟が合わさっている。かたくななその風情に
相反して、袴の裾は乱れ、半開きになった口からは吐息が漏れる。
「先生……お許し下さい、先生」
藤枝は道夫の脚の付け根をゆっくりと撫で上げる。執拗に、ただ上下にさすっている。
「巽君に、お見せしなさい」
かぶりを振るのを師は許さず、自ら書生の袴をたくし上げる。ふくらみを覆う白い布が
垣間見えると、羞恥に耐え切れぬように顔を背ける。
「巽君に見られて、硬くしているのだろう。しようのない人だ」
一重に垂れた六尺の片端をめくり上げると、張り詰めた白布が現れる。師はその脇から
人指し指を蟲のように差し入れる。布を扱くように指を蠢かせ、脇にゆるみをもたせると、
そこから強引に五指をもぐりこませる。
ああ、と声をあげ、道夫が強く目を閉じる。眉間に皺立て、師の手から逃れようと身をよじる。
弱い抵抗空しく、道夫の屹立した陰茎は巽の前に晒されてしまった。
道夫が喘ぎ師の文机に手をかけると、ランプの炎が揺れる。羞恥にもがく道夫を、
巽は居住まいを正して冷ややかに見つめている。
275遺愛 抄:2005/11/25(金) 21:10:16 ID:cIgbjuO7
「私はね巽君、ペンの滑りが悪いときはこの人で試しをするのだよ」
ほくそ笑みながら藤枝は、文机から細いペンを取り出す。ペン先は透き通った
ガラス製で、華奢なセル軸にセットされている。藤枝はごく軽く、女の手が
筆を持つようにそのガラスペンを手にした。
硬いガラスのつぼみから、光の露が落ちるように巽は錯覚する。藤枝が道夫の
肌にそのペン先をすべらせると、目に見えぬ線が描かれていく。
「巽君にこうして、こうしてほしいと……思っていたのだろう。え?道夫」
言われながら内腿をなぞられ、道夫はただかぶりを振る。裏腹に、その昂ぶりは
触れられるのを待つかのように時折揺れる。巽の喉が音を立てて上下する。
「君たちがむつまじくするのは好もしいことと思っているよ。そろって新たな文壇の
担い手だ。違った個性が出会い、相照らすのは互いのためにもいいことだろう」
冷静な口調と相反して、ペン先は道夫の肌を執拗になぞっていく。きっちりと
襟を正したままでいながら、足先から付け根まで下半身はあらわに剥かれている。
柔らかそうな内腿にガラスの鋒が深く浅く軌跡を描く。やがてむき出しにされた
陰茎へとつきあたると、ペンはひらりと向きを変える。
「さあ、道夫。辰巳君に良い顔をみてもらうといい」
「いやです。先生……先生、お許しくだ……さ……」
強くかぶりを振り続ける道夫は、しかし顔を背けて耐えるのみだった。藤枝は
左の手を道夫の陰茎に添えると、ペンの軸をその先にまっすぐあてがった。
巽は眉根を寄せて見ている。腿に置いた手は無意識にこぶしを握った。
276遺愛 抄:2005/11/25(金) 21:11:06 ID:cIgbjuO7
ひっ、と小さな声を漏らし、道夫が胸を逸らす。
藤枝の指に乗せられたペンのセル軸が、道夫の鈴口からゆっくりとその身を
沈めていく。脚を開かされ、師の手に犯されながらも、道夫はただその身を
仰け反らせるだけだった。あられもない下半身よりも、きっちりと合わさった
襟元から伸びる喉の白さの方が、かえって巽の目を引いた。
「ここが好きだろう道夫。辰巳君が見てくれているよ。どうかね、道夫」
セル軸の細い部分はすっかり道夫の中に飲み込まれ、鈴口の先にユリの
つぼみのように軸の先半分が残る。朝露のように、その先にはガラスの
ペン先が光っている。
「先生っ……わ、私は、私は……先生……だけを、ああっ」
道夫の中へ差し込んだ軸を、藤枝はゆっくりと上下させる。道夫の額に
汗がにじみ、耐え切れぬように文机にすがりつく。藤枝はその手を取り、
ペンの先を支えさせた。声を殺し、かぶりを振り続ける。
「さあ、そろそろ私は仕事に戻ろう。巽君、どうかね、この人を……愛撫して
やってはくれないかね」
道夫が目を見開いて顔を上げる。巽も顎を上げて、その顔を見つめた。
「先生!私は……私は先生にご恩を受ける身です。心から……心から
お慕いしています。お願いです。お願いですから、どうか……」
「大学まで行かせてやったからと言って、その恋情を阻むつもりなどないよ。
今日は巽君にかわいがってもらいなさい。その方が私の精力にもなる」
道夫が畳についた手を握り締める。おもむろに巽はいざって道夫へ近づくと、
ゆっくりとその上体を押し倒した。
277遺愛 抄:2005/11/25(金) 21:13:50 ID:cIgbjuO7
日頃、巽に向けられる突き刺すような目。反抗的で、巽を寄せつけまい
とするその目が、上気した頬の上で潤んでいた。
「先生に書いていただくよう努めるのが僕の仕事だ。そのために君も……
協力、してくれたまえ」
藤枝の方へ道夫の脚を向け、よく見えるよう、より大きく開かせる。
「やめ、て……やめて下さい巽さん!僕は……!」
「先生をお慕いしているのだろう。なに、これも書生の務めさ」
ばっ、と音を立てて袴の裾をたくし上げる。
「さあ、先生に……僕にも、よく見えるように」
眉根を寄せ、道夫はガラスペンに添えた手に力を込める。ゆっくりと少しずつ
上下させると、二度三度で耐え切れぬように吐息を漏らし脱力する。
その手に巽が手を重ねる。意志に反して手の動きを続けさせられ、道夫は
かすれた悲鳴を上げる。
巽は重ねた手を離し、道夫の脚の間へとすべりこませる。尻の肉を掴み、
そのやわらかさを確かめるように揉みしだく。谷間を埋める布地を指で
押しやると、薄い肉色をした菊座があらわになる。
二人の姿を横目に見ながら藤枝は原稿用紙に万年筆を滑らせる。
「巽さんっ……」
道夫の菊座に巽が中指を押し当てている。指の腹でその窄まりを押し開く
かのように、強く押し当てたまま少しずつ円を描いていく。
窄まりに決してのめり込むことのない、ぎりぎりの強さで指を押し付け、
執拗に捏ねまわす。
二人の視線に貫かれながら、やがて道夫は震えながらガラスのつぼみに
白い露を伝わせた。

<おわり>

軽目の鬼畜部分のみ投下しました。ありがとうございました。
278風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 21:28:23 ID:9DKUDsLz
どう見てもはげ萌えです。
279風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 21:44:44 ID:SCjsG7B7
本当にありがとうございました。
280風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 22:07:23 ID:fzI0h/1C
ふいんきがエロ杉です。
本当にありがとうございました。
281風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 23:40:31 ID:oiCGHBdL
まさにエロス。
乙です。
282無機質な笑み:2005/11/25(金) 23:41:28 ID:P1o2kygU
「なっ…何が……」
一瞬助手も沈黙する。
「こりゃ……目隠しをされたか…。眼球を抉られたかですね。」
「…ッ!!」
その時俺の中で何かが弾けた気がした。サキの、綺麗な瞳が脳裏をよぎる。
「俺、俺サキを助けに行く……!」
助手はその言葉が思いも寄らなかったせいか、目を丸くした。
「はぁ?本気で言ってんですか?あんたみたいなのに何が出来るんスか?」
「けど俺…サキがこんなことされてんのに見てるだけなんて…」
「その感情が検査によるものだとしても?」
そうだ、サキは俺の望むタイプだから俺がこうやって心配するのは当然なのかもしれない。
けど。俺は応えてやらなきゃいけない。いや、応えたいんだ、サキの気持ちに。
「それでも………助けたいんだ」
「……死ぬ気ッスか?」
「死にたくはない、けど…どうあってもサキだけは助けたいんだ…!
サキは、俺のアンドロイドなんだから…」
すると助手はやれやれ、という風にため息を洩らした。
そしてまたあの面倒くさそうな顔でこちらを見る。
「ふー……ルイさん、あんたの覚悟、よーくわかりましたよ…」
助手は部屋の隅まで歩いていき、小さな黒いボタンを押した。
部屋の奥の壁はシャッターになっていたらしくウィーンと音を立てて開いた。
283無機質な笑み:2005/11/25(金) 23:42:21 ID:P1o2kygU
「来て下さい」
言われた通り壁の向こうを覗いて、思わず息を飲む。
そこには寝台があり、その上でサキが裸の状態で横たわっていたのだ。
コードやら何やらがたくさん付いていて普通の状態ではなさそうだ。
「サキ……ッ!?何でここに……」
「シッ、あまり大きな声出さないで。今彼は修復中ですから」
「修復……?」
サキに繋がれた管には液体が流れており、こぽぽと音を立てている。
けれど、何でここに。クロイワグループに連れ去られたんじゃ…
俺はもう、サキがここにいる嬉しさと驚きでいっぱいだった。
「大変だったんスからね。感謝して下さいよ、まったく…」
「ど、どうやって……」
「んー、企業秘密。ただ、クロイワグループには潰れて貰いましたがね。新聞、見てないんスか?」
潰れたとはどういうことだろう、ナル氏が取り返しにやっては来ないだろうか。
「心配そうッスね。大丈夫ですよ。ちゃんと、始末しましたから。
うちの研究員たちは皆凄腕なんですって」
「ちょ、始末って…」
しかし助手は意味ありげににやりと笑っただけで、何も答えなかった。
それよりもサキの容態が気になる。大丈夫なんだろうか。そういえば…
「目は!サキの目!!」
「あぁ、あんたの好きな色でしたねあの目。
…大丈夫ッスよ。ブツッて切れたのはボクらがグループに攻め込んだ拍子なんで」
284無機質な笑み:2005/11/25(金) 23:43:14 ID:P1o2kygU
「そうか……良かった」
「何が良いもんですか。体は何ヶ所か破損しちゃってるし、精液も飲み過ぎてるし…」
こんなこと博士に知れたら…とため息をつく。
「今回のことでサキは精神的にもダメージ受けてるんスよ。
記憶中枢を一旦破壊して新しく作り直した方がいいかもしれないくらいにね。
そしたら当然あんたのことも忘れる訳ですが…」
サキが、俺のことを忘れる……?
それは、とても辛いことのように思えたが、こんな目に遇わせた俺が何も言える訳がない。
「けどね、サキはずっとあんたのこと呼んでたんス。
うわごとみたいにご主人様、ご主人様ってね…」
それを聞いて胸が締め付けられるような思いがした。
俺はなんてことをしてしまったんだろう、悔しくてたまらない。
「じきに完全に修復されますんで。ま、どうするかはその後でも構いませんし…」
それは俺が決めることじゃないし、サキの体を優先すべきだ、とは思ったが言いだせなかった。
けれど俺の事を覚えてないサキなど想像が出来ない。
いつの間にかこんなにもサキの存在が大きくなっていたとは自分でも可笑しな話だと思う。
サキは死んだように眠っていて、透き通るような白い肌をしていた。
そっと近づいて頬に触れてみるが、やはりいつものように冷たくて。
サキは目覚めたら何て言うだろうか、記憶を消すことを望むだろうか、
まだ俺のことを主人だって言ってくれるだろうか……。
「…あんたは、サキの初恋の人間なんスよ」
助手が言った。
「今まで何人もの人が店を訪れてサキを購入したがったけどサキが認めなかった。
けど……あんたは違った。あんたを見たとき初めて笑ったんだ、サキ。
ボクにだって笑ってくれたことなかったのにさ」
そう悔しそうに言い、舌打ちする。
それを見てきっとサキは大切にされてたんだろうと感じた。
285無機質な笑み:2005/11/25(金) 23:44:10 ID:P1o2kygU
「…あんたは、サキの初恋の人間なんスよ」
助手が言った。
「今まで何人もの人が店を訪れてサキを購入したがったけどサキが認めなかった。
けど……あんたは違った。あんたを見たとき初めて笑ったんだ、サキ。
ボクにだって笑ってくれたことなかったのにさ」
そう悔しそうに言い、舌打ちする。
それを見てきっとサキは大切にされてたんだろうと感じた。

一時間ほど経つとピーッピーッという電子音が鳴り響いた。
「あぁ、修復作業完了したようですね」
助手は席を立ち俺もそれに続く。
「サキ、ほら起きて」
助手がコンコンとサキの額をたたく。
「ン……」
サキは寝起きの子供のような声を出してゆっくりと瞳を開けた。
「ゴ…主人様……?」
「サキ……!良かった、もう大丈夫なんだな…っ」
綺麗なエメラルドの瞳をこちらへ向けて、ぽかんとしている。
「ゴ主人様、ドウシテ泣イテオラレルノデスカ……?」
繋がれたコードをぷちぷちと外しながら起き上がる。
「ハイハイ。サキ、もう大丈夫だな?」
「ア、シュン…、ゴ迷惑ヲカケマシタ…‥」
「うん、まぁね。けどいいよ、お前が無事だったんだから。
じゃ、サキも完璧に治ったことだし、三人で、シちゃいます?」
286無機質な笑み:2005/11/25(金) 23:45:31 ID:P1o2kygU
「へっえっ…、え!?」
驚いてる内に、俺は助手にソファの上に押し倒されていた。
「ア、駄目デスヨ!ゴ主人様ハサキノナンデスカラ!!」
続いてサキものしかかってくる。二人に乗られては重たくて息も出来ない。
「ちょっ…何考えて……サキもまだ治ったとこだろ!?」
「あぁ、気にしなくていいッスよ。もう万全です」
「万全デス」
じゃねぇよお前らっ!叫ぼうとしたら助手に唇を塞がれる。
サキとは違い熱をもった唇で、柔らかい。
「ふぁ……」
舌は複雑に動き、歯列をなぞられる。
助手は舌を絡めようとはせず、舌先でくすぐるように舌をつついてきた。
その間にサキは寝巻のズボンを下ろし始める。
「アッゴ主人様、マダコレ付ケテラシタンデスカ?」
「ふ、う…それは……っ」
ふふ、と笑いながらサキは性器についたままの金属筒を眺めている。
「ばっ…かやろ…っ、それ、痛かったんだからなっ…はぁっ!」
助手は首筋に吸い付き跡を残すようにキスを落としていく。
「ボク、あんたみたいな人は結構好きなんスよね…」
「んっ…やめ……」
鎖骨を舌でなぞられ、それから乳首を舐められる。
それだけで感じてしまう自分が恨めしかった。



─ここまでです─
287風と木の名無しさん:2005/11/25(金) 23:47:46 ID:Upge9iy0
「道夫」(「道雄でも可)という名に無条件に萌える自分にとって
云うべき言葉はこれに尽きる。「本当に有り難う御座いました」。
288風と木の名無しさん:2005/11/26(土) 00:17:09 ID:YhkKID9L
遺愛タン、乙でした。イイーッ!
先生、本当に原稿書けてるんだろうか。

無機質タン、萌え。
ラブ鬼畜もよいですなあ。サキタンも元気になったし。
289風と木の名無しさん:2005/11/26(土) 01:09:56 ID:hQv+wMHx
3P!3P!3P!3P!3P!3P!3P!3P!

続き作成なら無機質さん!
是非3Pで頼む!
290風と木の名無しさん:2005/11/26(土) 01:44:10 ID:hQv+wMHx
>>289
しまった「作成中なら」だった。

でももうできてんのかな。無機質さん投下早いしー
291アンパーフェクト:2005/11/26(土) 17:16:26 ID:D5EmhY2T
「あれ?ああ…」
村上が間抜けな声を上げる。
孝之は顔を上げた。放課後で、孝之は準備室で英語の予習をしていたのだ。
「どうしました?先生」
「いや、……部室に上着、忘れたみたいだ」
どうやら、椅子の背もたれに何もかかっていないのに、今気付いたようだ。
「俺、取りに行ってきましょうか」
「ええ?いや、いいよ。自分で行くから」
「いいですよ。明日のプリント、まだ作ってないんでしょ」
「……俺の仕事具合までお見通しって訳か」
村上は苦笑いすると、孝之の腰に手を回し軽くキスをした。
孝之は準備室を出ると、軽い足取りで階段を下りていった。
村上の側にいると幸せだ。
村上が望むのならいつでもどこででも抱かれるし、役に立てるのなら何でもしたかった。
テニス部の部室には行ったことがないが、体育館の裏側にあるのを知っていた。
体育館に隣接して、格技場がある。
あまり行きたくない場所ではあったが、今はそんなことを気にしていてもしょうがない。
さっさと用事を済ませて帰ろう。そう思って、歩調を速めた。
「よう」
ふと気付くと、3、4人の男子生徒が、孝之を取り囲んでいた。
誰だか覚えが無くて戸惑っていると、近づいてきた一人に顎を捉えられ、顔を上向かされた。
「もう忘れたか?でも、体は覚えてんだろ?」
そこまで言われて、ようやく思いあたった。
社会科準備室で千尋とともに孝之を強姦した、千尋の友人達だ。
孝之はとっさに逃げようとしたが、体格差がある上に多勢に無勢だ。あっさりと捕まってしまう。
「離せ!離せよ!」
「騒ぐんじゃねえよ。ほら、こっちだ」
「んぅ…っ!」
どんなに暴れても無駄だった。口を手で抑えられて、声を封じられる。
孝之はそのまま引き摺られるように歩かされ、部室に放り込まれた。
292アンパーフェクト:2005/11/26(土) 17:17:18 ID:D5EmhY2T
乱暴に部室の床に投げ出だされると、誰かが背後からのしかかってくる。
手首をつかまれ、ビニール紐で後ろ手に縛り上げられた。
服はまだ乱されてはいない。が、これからどんなことをされるのか……。
両手首を縛られ、複数の男達に囲まれ、逃げられない。
孝之は、体が震え始めるのを感じた。
「お願いです……今、急いでいるんです。だから……」
無駄とはわかっていたが、孝之は哀願した。
村上は今、孝之がこんな目にあっているとは知らない。早く帰らないと、心配をかけてしまう。
「言うこと聞けば、早くすませてやるよ」
「三井いないけど、大丈夫かな」
「メールしたんだけどさ。返ってこねーんだよ」
千尋はどうやら、彼らの間でも頼りにされているようだった。
そういえば、準備室でのときもリーダーシップをとっていたのは千尋だった。
「まあ、大丈夫だろ?村上にだって許可取ったしさ」
……………え?
孝之は一瞬、自分の耳を疑った。
とすると、いまの彼らの行為は、村上も同意の上でということだ。
孝之は、目の前が真っ暗になるのを感じた。
「ったく、先に服脱がせてから縛れよ」
男子生徒の手が、孝之から服を剥ぎ取りにかかった。
「や……っ、いやだ!!離せ!」
どんなに拒絶しても、聞き入れられるはずがない。
ベルトを外され、ズボンを下着ごと引き摺り下ろされる。
上半身は手を縛られているせいで、ブレザーとシャツは腕のあたりで止まってしまった。
「えっと、慣らさねーといけないんだっけ」
「そのまま突っ込んでもだいじょうぶだろ」
尻を撫でまわされ、誰のものともわからない指が、孝之の窄まりに触れてくる。
その感触に、ぞっとした。
293アンパーフェクト:2005/11/26(土) 17:18:16 ID:D5EmhY2T
「ん……っ、や…やめろ…! 離せよ…」
「うるせえなぁ、外に聞こえるぞ」
「誰か口に突っ込んどけよ」
孝之はうつ伏せにされ、腰を上げさせられた。生徒の一人が、孝之の肩を膝に乗せる。
そして、その股間を顔に押し付けられ、無理やり咥えさせられた。
「あ、今日ローション持ってきてるぜ」
「おお、用意いいじゃん」
「ん……ぅ…っ、ひ…っ!」
とろりとした液体が秘部に垂らされる感触に、孝之は背筋を震わせた。
ローションを絡めた指が、いやらしく蠢きながら孝之の中を出入りし始める。
やがて、孝之にフェラチオをさせていた生徒は、固くなった性器を引き抜くと、
孝之の顔に精液をかけた。
「ぅ……っ」
あまりの屈辱に、孝之は涙を浮かべた。
彼らは、千尋とも村上とも全然違う。
少なくとも、千尋は自分にある種の執着を見せてくる。
こいつらは、最低のクズだ。
けれど、そのクズに売り渡された、自分はなんなのだろう……。
複数の男達に尻と口を同時に嬲られ続け、次第に孝之から抵抗する気力が失われていく。
やがて生徒達が、十分に慣らした孝之のそこに挿入しようとするのがわかる。
だが、もうその頃には、弱々しく拒絶の意を示すことしか出来なかった。
「や…………やだ、いやだぁ……っ!」
先生、助けて。
お願いだから、嘘だって言って。
誰か……誰か、助けて………。
そのとき、部室の鍵がまわされる音がして、ドアが開いた。
よく通る声が響く。
「なにやってんだよ、お前ら」
孝之はぼんやりと、それが千尋の声だと認識していた。
294アンパーフェクト:2005/11/26(土) 17:18:51 ID:D5EmhY2T
「なんだ、三井かよ」
「なんだって、なんだよ。…ったく、お前らそいつにまだなんもしてねえだろうな」
「ああ?なんだってんだ」
部員の一人が、怪訝そうに千尋に尋ねた。
「こないだそいつ、安田さんに紹介してさ。そしたら、そいつんこと気に入っちゃって。
安田さんのもんに、手ぇ出したらやべーぞ」
「ええ、なんだよそれ」
男子生徒たちが不服そうな声を上げる。
「でも、村上はやっていいって言ってたぜ」
「あんなヘタレのいうこと信用すんなよ。俺はやだね。安田さん怖いもん」
「いわなきゃばれねえって」
いきなりお楽しみが打ち切られたのが相当不満なのだろう。彼らは食い下がってきた。
「ああ、はいはい。ぐだぐだ言ってねーで帰った帰った!」
「ちぇ、なんだよ…」
さすがに興奮した体のままでは帰れないので、千尋は友人たちに自分で処理をさせた。
孝之はその間、縛られたまま彼らに視姦されなければならなかった。
「ちょっとはすっきりしたか?」
「あー、お疲れ」
「おう、お疲れー」
千尋の友人達は、勝手な事をいいながら去っていった。
孝之は、千尋と二人きりで部室に残された。
「悪かったな…」
千尋は、孝之の背後に回りこむと、カッターナイフで手首のビニール紐を切りはじめた。
まだショックで、孝之の体の震えは治まらない。
「携帯の電源切りっぱなしにしてて。さっきあいつらのメールに気付いてさ」
ビニール紐を切り終わると、千尋は洗面所でタオルを濡らしてきた。
「とりあえず、拭けよ」
295アンパーフェクト:2005/11/26(土) 17:19:31 ID:D5EmhY2T
孝之は差し出されたタオルをぼんやりと見つめる。
「……安田」
「ああ、うちの怖ーいOB。あの人の名前出しときゃ、もう手え出されねえよ」
タオルを受け取る気力もない孝之の顔を、千尋はタオルで拭いてきた。
顔には、誰のものともわからない精液がこびりついていた。
孝之はされるがままになっていたが、やがて緊張の糸が切れたのか、目から涙が滴り落ちた。
孝之はそのまま泣き出した。時折、抑えきれない嗚咽が苦しげに漏れる。
千尋の手が、おずおずと孝之の頭をなでようとするが、孝之はそれを跳ね除けた。
村上は、肝心な時にいつも孝之を裏切るのだ。
………もう、うんざりだった。
孝之がある程度落ち着いたのを見計らい、千尋は尋ねた。
「前から聞きたかったんだけどさ。お前一体、村上のどこがいいわけ」
少し考えてから、孝之は答えた。
「優しいとこ」
「…………優しいか?」
「微妙」
孝之の率直な答えに、千尋は吹きだした。
「バカだな、お前」
千尋につられて、孝之も笑った。本当に、バカな話だ……。
「なあ……野村。俺と付き合わねーか」
孝之は、その言葉が頭に入ってくるのに任せた。
千尋が何を思ってそんなことを言ってくるのかはわからない。
ただ、千尋のその言葉は優しかった。
「お前、最高だしさ……」
「……遠慮しとく」
孝之は立ち上がると、散らばった服を集め始めた。
シャツのボタンを留め、ズボンをはき、シャツの裾を中に入れてゆく。
孝之の目は赤く腫れてはいたが、もう力強さを取り戻しつつあった。
千尋は、孝之の身支度を眺めていた。
校庭の桜。
きゅっと、孝之がネクタイを締め終わる音がした。
296アンパーフェクト:2005/11/26(土) 17:20:39 ID:D5EmhY2T
    *  *  *

いい天気だ。
廊下を歩きながら空を見て、千尋はそう思った。
本当にいい天気だ。
孝之とあのとき、少しだけいい感じで話せたのが嬉しかったのだ。
もしかしたら、これから時間をかけてでも、あんな風に話し合える関係になれるだろうか。
校庭の、桜。
ふと、廊下の向こう側から、村上が歩いてくるのが見えた。
村上は三十そこそこで、それなりにスマートな外見をしている。
授業も面白くわかりやすいと評判で、生徒達からは人気があった。
もっとも、千尋はといえば、最初から村上を本能的に嫌いだったのだが。
無視して通り過ぎようとしたら、声をかけられた。
「おう、三井」
「……どうかなさいましたか?村上先生」
「ああ、ちょっとね。成績のことで相談があってな」
「は?」
成績で村上ごときに心配されるようなことなど、なにもない。
馬鹿にしたような目を向けると、村上は言い直してきた。
「お前の成績じゃないんだ。野村のさ」
「……なんで、そんなことを俺に?」
村上の意図はつかめないが、千尋は言い知れぬ不快さを感じた。
「野村はなぁ、数学と物理は見事なもんなんだが、文系科目がからっきしだめでね。
でも、地理の成績だけはなぜだかいいんだ。不思議だろ?」
「……そりゃ良かったですね」
これで、村上がなにを言いたいのかわからなかったらバカだ。
孝之が村上によく思われようと、必死で地理の勉強をしている姿が目に浮かんだ。
297アンパーフェクト:2005/11/26(土) 17:21:59 ID:D5EmhY2T
「まあ、せいぜい嫌われないようにするんですね。あいつだって、いつまでもあんたの
玩具なわけないでしょう。あんたの手癖の悪さは有名だし」
村上の遊び癖は、実は生徒達のあいだではかなり有名だったのだ。
噂に疎い孝之は千尋に言われるまで、全くそのことに気付かなかったようだが。
「それに、自分が輪姦されているのに助けようともしない男なんて、捨てられて当然ですよね」
「全くだ。自分を輪姦した男に心を許すなんて、ありえないのと同じでな」
「………!」
千尋は動揺を悟られまいと思ったが、すでに遅かった。
「ふーん、やっぱりそうか。優等生でイケメンの三井君、君は孝之のことが好きなのか」
村上は、にやにやと笑いながら、千尋の顔を覗き込んでくる。
眼鏡の奥の目が、千尋の一番触れられたくない本心まで抉り出そうとしていた。
「あの子、かわいいだろ。何をされても必ず俺のところに戻ってきてくれる。
お前達にやられてる時の声なんて………たまらなかったな……」
この男は最低だ……!千尋は怒りが湧き上がるのを感じた。
「………なんで大切にしてやらないんだよ」
「大切に?してるとも。あの子に酷いことをしているのは、お前らの方だろうが。
しかも、あの子に話し掛ける勇気も、一人で襲うような勇気も無くて、オトモダチと
一緒でないと何も出来なかったようなヘタレじゃないか、お前は。
そんな人間が、あの子に好きになってもらえるとでも思ったか?」
村上の言葉は、確実に千尋の胸を抉っていく。指先から全身が、冷えてゆくように感じた。
「あんまり、教師をなめんじゃねえぞ……」
村上は最後にそう吐き捨てると、千尋をほったらかしにして立ち去った。
千尋は、その場をしばらく動かなかった。握り締めた拳が、小刻みに震えていた。
「あん…………っの野郎!!」
自分が甘かった。
あのとき孝之を助けることができた程度で、なにを思い上がっていたんだろうか。
孝之を本当に手に入れたければ、力ずくで自分のものにするしかない。
そう、思い知ったのだった。

    *  *  *
今回はここまでです。
298風と木の名無しさん:2005/11/26(土) 17:29:17 ID:TSuCjn+j
リアルタイムキタ━━(゚∀゚)━━!!
ヘタレと見せ掛けて実は腹黒か、先生w
ガンガレ千尋!!!
299風と木の名無しさん:2005/11/26(土) 18:56:23 ID:Mpb9sYbc
アンパータソ待ってたー!
300風と木の名無しさん:2005/11/26(土) 21:54:37 ID:6yXhNpUa
乙ー
一番の鬼畜は村上なのですね
301風と木の名無しさん:2005/11/26(土) 23:38:36 ID:VyAgOEn3
アンパーさん乙!
愛のある鬼畜vs愛の無い鬼畜みたいなの好きです
302風と木の名無しさん:2005/11/27(日) 00:19:40 ID:SQKqGtLF
千尋タンのこれからの行動に(0゚・∀・) ワクテカ
303アキとユキ〜二人の僕〜:2005/11/27(日) 01:48:57 ID:Fq1t9vEb
6thプレイ>354からの続き

「……アキ……?」
 目覚めた先輩が開口一番僕の名前を呼ぶ。
 この人に僕だと認識されているというのはやはり、嬉しいことだった。
「……テメェ、どういうつもりだ?」
「先輩とセックスをするつもりです」
 そう言いながら先輩の拘束を解く。その次の瞬間、拳が僕の頬に飛んできた。
「ぐ……!」
 痛みに顔を歪めながら、僕は恍惚とした顔で吐息を漏らした。
 これが……これが欲しかったんです……!
「お前……ふざけるなよ、二人揃って……俺を……オモチャに……するんじゃねえ……!」
「とんでもない」
 僕はにっこりと笑いながら先輩にそう返した。
「一応先輩は人ですから。オモチャだなんて思ってませんよ」
「このやろ……!」
 一応僕を殴ることは出来たみたいだが、痺れ薬のせいで足腰立たないらしい。
 まあ恐らくそれには、ユキも一枚噛んでいるんだろうが。
 僕は先輩のすぐ前に跪くと、その後孔にそっと指を這わせた。
 切れた箇所が痛々しい。全く、あのサディストも無茶をするんだから。
「……お前も……同じ事を……する気か……ッ!」
 先輩が嫌悪に顔を歪め、そんなことを吐き捨てた。
 同じ?冗談じゃない。僕はサディストではないのだから。
「勘違いしないで欲しいですね。僕は彼と違って優しい人間ですから、好きな人を苛めるなんてこと
するわけ無いじゃないですか」
304アキとユキ〜二人の僕〜:2005/11/27(日) 01:49:56 ID:Fq1t9vEb
 ……痺れ薬は入れるけど。
「好き?……あいつは俺のこと……嫌いって言ったぞ」
「……ユキは基本的に嘘吐きですからね。僕が好きなものは彼も好きです。……分かるでしょう?」
 そう言って僕は薄く微笑んだ。
 先輩は、訳が分からないと言う表情で僕を見下ろしている。
 それを無視して、僕は先輩のペニスに手を添えて、それを扱く。
「……先輩の……大きい……」
 掌に包んだ先輩のペニスに手を這わせ、僕はうっとりと呟いた。
 僕では、半分を口にするのがせいぜいだろう。
 何て立派な……。
 僕はもう我慢出来ずに、雄々しく勃ち上がったそれを口にほおばった。
 先輩の両足が跳ねて、快感を告げる。
 たちまちのうちにそれは体積を増し、口の中でふくれあがる。
「フフ……さっき出したばかりなのにもうこんなになって……素敵ですよ、先輩……」
「お前……いい加減に……」
「嫌です」
 そう言い捨てて僕は、先輩に跨った。
 雄々しく勃ち上がった先輩のペニスを、何の準備も為されていない僕の後孔に無理矢理にねじ込む。
「ああ……――ッ!」
 痛い。濡らすことも、慣らすこともしていないから当然なのだが。
 それでも僕は、強引に腰を落とし込む。
 僕の唾液と、先輩の先走りの液体で濡れたペニスが、僕の中に少しずつだけど入ってきた。
「あはあ……気持ち良い……気持ち良いです、先輩……!」
305アキとユキ〜二人の僕〜:2005/11/27(日) 01:50:34 ID:Fq1t9vEb
 激痛が全身を駆けめぐる。
 気の遠くなるような痛みの中で、それでも僕は先輩に快感を告げる声を上げた。
 亀頭の最も膨らんだ部分が僕の中に入り込もうとする、その時。
「ああっ……!」
 ぶつん、という音と共に、一気に先輩のペニスが僕の中に入ってきた。
――切れた……な……。
 それを悟り、僕は自分が恍惚とした表情を浮かべているのがよく分かった。
 痛い。ああなんて痛いのだろう。
 そして……気持ち良い。
 ユキがサドなら僕はマゾだ。
 痛みを与えられることにより快感を得る変態だ。
 この痛みは……極上だ。何て極上の痛み……!
「うふふう……最高です……せんぱあい……」
 恍惚とそう言うと、先輩は怯えたような表情になった。
 先程との違いに、困惑しているのだろう。
「……お、お前……?」
 痛いくらい締め付けてくる僕の内部に顔を顰めながら、先輩が僕に声を掛けてきた。
「一体……どうしたって言うんだよ……」
「何言ってるんですか、先輩……僕はもうずっと……こうでしたよ……」
 腰を動かして揺すりながら僕はそう告げた。
 こうすると傷口が擦られて、痛くて気持ち良い。
 もっと……ああこの痛みをもっと……。
「激しく動いて……犯して下さい……僕を……さあ!」
306アキとユキ〜二人の僕〜:2005/11/27(日) 01:51:12 ID:Fq1t9vEb
 痛いのが、好きなんです……。もっと……欲しいんです……。
 そう言うと……先輩が僕の腰に手を添えて、ゆっくりと動き始めた。
 初めてらしく、その動きはたどたどしかったが、まあいいだろう。
 痺れ薬の影響もあるだろうし。
 ……とはいえこの動きでは焦れったい。もっと激しく、突いて欲しいのだ。
「もっと……もっと激しく……先輩……」
 何度か言ううちに、速さも上がってきた。
 そろそろ、痺れ薬の影響も抜けてくる頃だろうし。
 あれは効き目が早い分、効果が薄れるのも早いのだ。
「殴って……僕を殴って下さい……!」
「え……?」
「出来るでしょう……さあ!」
 僕をぶって。お仕置きして。イケナイ子だと、そう言って。
「……ああ」
 べし。とすら音も立てない、軽い平手。
 そんなもので、満足出来るはずがない。
「もっと……もっと強く……痛くして下さい……ああ!」
 後孔が犯される。意識が滅茶苦茶になる。
 ズタズタにして。ボロボロにして。引き裂いて。
 懇願通り、先輩が僕のことを殴る。
 ああ……もっと強く……痛くして……。
「ご主人様……ご主人様……ご主人様ぁ!」
 いつしか僕は正常位でガンガンに犯されていた。
307アキとユキ〜二人の僕〜:2005/11/27(日) 01:52:00 ID:Fq1t9vEb
 望むところだ。
 僕の技術で、先輩が理性もかなぐり捨てて鼻息荒くのし掛かっているのを見るのは愉快だった。
「ああ……打って下さい……こんな……僕を……」
 腰を捻り、内部を緩めたり締めたりしてうねらせ、先輩に快感を与える。
 童貞だったらしい先輩は、その僕の魔性の腰使いに夢中になった。
 散々仕込まれたこの身体。せいぜい楽しんで貰おう。
「ああ……ご主人様……」
 狂ったようにうわごとを吐きながら、僕は先輩の身体の下で嬌声を上げ続けた。

――狂ってる?
 ああ、狂っているとも。あの日から。
 両親が死んだ日から。
 両親を殺した日から。
 ……アキがそう、母親を殺した……。
 ……ユキがそう、父親を殺した……。
 あの日からずっと、狂ってる……。
 ……その前、二重の存在になった時から……。

 すっかり全てを出し尽くし、我に返った先輩が慌てる様は多分に滑稽だった。
 慌てた様子で服を身に纏い、僕を放り出して大急ぎで帰っていく。
 僕はぐったりと荒い息を吐きながら、その全てを見ていた。
 ……約束が違うぞ、アキ……。
 胸の内でユキがそう、抗議する。
 ああ、ごめんよユキ……同じ回数だけって約束だったね。
 うん……大丈夫。まだ次があるよ。先輩はこれからもずっと……僕たちのものだから。
 ユキをそう説得し、僕は部屋の隅に仕込んだあるものを手に取り、うっすらと笑った。
「これがある限り……ずっとね……」
308アキとユキ〜二人の僕〜:2005/11/27(日) 01:52:42 ID:Fq1t9vEb
 父親に、マゾヒストとして調教を受け、アキが生まれた。
 母親に、サディストとして教育を受け、ユキが生まれた。
 両親は互いにそれを知らなかったらしい。
 それが発覚した時、両親は狂ったように僕らを詰った。
 ……何て勝手なのだろう?生み出したのは両親なのに。
 母親は、アキを殴り「この泥棒猫!」と僕を詰った。
 父親は、ユキを殴り「このマザーファッカーが!」と僕を詰った。
 ……死ねばいい。大嫌いだ。……お前等なんか。
 僕らを否定する存在を、僕は許さない。許せない。
 ……だから殺して、これからは僕らだけで生きていこうと誓ったんだ。
 先輩に会うまで。

 とても綺麗で格好良く強い、僕らの両親に似ている先輩。
 あなたを一生、愛します。僕らの流儀で……。

309アキとユキ〜二人の僕〜:2005/11/27(日) 01:53:16 ID:Fq1t9vEb
 翌日。
 僕はまず真っ先に部室に行き、先輩を呼び出した。
「……何だ」
「何だとはご挨拶ですね先輩……ねえ」
 不機嫌そうな先輩の元にそっと近寄り、耳元で囁く。
「……先輩は、これから先もずっと僕のものなんですから、そう言う態度は困ります」
「ふざけるな!」
 先輩の拳がとんできた。僕はそれを受け止め、にこりと微笑む。
「……ねえ、これを見ていただけますか」
 そう言って僕が差し出したものを見て、先輩の顔色がサッと変わった。
「……犯している方と犯されている方……どちらが好みですか?」
 先輩の顔が青ざめ、ガクガクと震え出す。
 それは紛れもなく、昨日の行為を写した写真だった。
 ユキに犯されている先輩の顔と、アキを犯す先輩の顔が映し出されている。
「……どっちがより、先輩の社会的信用失いますか……試してみますか?」
「嫌だ……止めろ……」
 泣きそうになって首を振る。そんな先輩の姿は、大変に可愛らしかった。
「……それじゃあ、僕らのものになって下さい……これからも、ずーっとね……」
 そう、耳元で囁いてやると先輩はその場に崩れ落ちた。
「お前……今一体、どっちなんだよ」
「……さあ、それはご想像にお任せします」
 そう言って、ただ僕は薄く微笑むだけだった。

END
310不覚のF:2005/11/27(日) 03:02:10 ID:aKYm86eE
今回エロないっす
〔つづき〕

おかしい、いつもと違う。Fがそう気づいたのは彼の魂を探して30年経った頃だった。
いつもならもう見つかってもいいはずなのに、まるで気配がない。
ただひとつだけ、彼が日本に生まれて来る事は予想がついていた。
彼がその生を全うして命が尽きると、Fは毎回絶望して泣き暮らした。
しばらくして冷静になると、彼が次にどの国に生まれてくるかを模索する。
ヒントは彼が生前に憧れを抱いていたとか、興味を持っていた国だ。
絶望は希望に変わり、先回りするようにその国の言葉や文化を学んだ。
彼の為の根城を用意し、いつも腹を空かせた彼にひもじい思いをさせないよう財力を貯えて。
そして彼は何故かいつも飲食店で働いていた。あとは頃合を見て彼に近づく。
今回のように客としてだったり、偶然を装ったりしながら効果的な演出で。
だいたい長くても10年以内に彼はこの世に生まれて来る。
いや、今まで一番長く待って8年だった。
それがどうだろう、今回の直人の場合は15年かかっている。
見つけるまで通算50年、日本に住んで42年。言葉も上手くなるはずだ。
何故こんなに時間がかかったのか。Fは陰謀めいたものを感じた。
誰かの策略によって、直人は隠されていたとしか思えない。
Fには心当たりがあった。唯一この吸血鬼に喧嘩を売る相手、カステリット一族。
直人の輪廻の根源で、悪魔払いの血族、Fの大敵だ。
「つまり、最初の…あんたの親父さんを殺したのが、えー…」
「JJ・カステリット」
「そう、そのJJってのが俺で、俺の兄貴の子孫があんたの敵…」
「そうだ」
「えー」
「えーってなんだ」
二人はバスルームから出ると、直人は腹が減ったと言ってピザを食べ、
Fは食後の一杯を楽しんでいる。広いリビングで二人、寄り添うように座っていた。
311不覚のF:2005/11/27(日) 03:02:57 ID:aKYm86eE
「なんか不思議な感じ…、前世の自分なんて。でもなんで俺は毎回男なんだ?」
直人は昔、胡散臭い占い師に前世は女性だったと言われた事を思い出した。
「お前が女だったら、子供が出来てしまうじゃないか。
 そう望まなかったのはお前だよ」
「なるほど…。でもあんた、お父さんを殺されて、JJを憎んだりしなかったの?」
「そうだね、憎んだよ」
Fは一瞬表情を変えたがすぐに笑顔を作った。上辺だけのような気もする。
「その話はまた今度」
そう言ったのと、ピンポンとチャイムが鳴るのと同時だった。
「…?」
こんな男を訪ねて来る人間がいるのか、直人は不思議そうに彼を見た。
「言ったろう、使用人を雇うって。一応面接。
 後で会ってもらうつもりで今日お前を呼んだんだ」
「えっ!何で?てかこんな格好だし…」
直人はバスローブ一枚で、とても人前に出れるような姿ではなかった。
「あーそうか。隣の部屋に服があるから、適当に探して着てくれ」
そう言い残して、Fはいそいそと部屋を後にした。
少し不安げな表情の直人を一人残して。
そこはまるで物置のように混雑した部屋だった。
実際物置なのだろう、家具や置物などが所狭しと置いてある。
多分前の人物(前世の直人)が着ていたと思われる服を見つけた。
Fが着るには小さいし、商品タグが日本のものではなかった。
そして何より生地も仕立ても高級で、直人を尻込みさせた。
適当に上下を合わせて着ると、リビングに戻り部屋を物色する。
隠し棚の中に膨大な量のCDがあり、それらを手にとって眺めた。
クラシックからロックまで幅広いジャンルが揃っていて、
Fの趣向を知るには難儀するなと思った。
Fをもっと知りたいとも思った。不思議な変化だ。
312不覚のF:2005/11/27(日) 03:03:48 ID:aKYm86eE
「直人、上で携帯が鳴ってるよ」
Fがわざわざ戻って来て言った。
「そう?よく聞こえたな」
「俺は地獄耳なんでね…。ああ、よく似合うね」
直人の格好を見てFは嬉しそうに顔をほころばした。
直人の前の、アレックスという人物が着ていた服だそうだ。
意地悪な笑顔しか見せないFの、純粋な笑顔に直人はドキリとさせられた。
こうして笑っていれば彼は凄くいい男なのに勿体ない。
薄暗い寝室の、椅子に掛けていたジャケットから携帯を取り出す。
「桐生…」
着信が2件あり、どちらも彼の名前だった。
何故だろう、一瞬、夢から現実に戻されたような焦燥感に襲われた。
とにかく掛け直してみる。
「桐生…?ああ、どうした?」
他愛のない用件だった。
この間彼の部屋に忘れていったマフラーを返したい、といった内容だった。
「そんなのいつでもいいよ。…てか、気付いた?」
タイミングがよすぎる。
彼の事だ、Fと一緒にいる事に気配づいて心配して電話したのが本音だろう。
「大丈夫、うん…無茶はしないよ」
桐生の声は単調だが、慣れればその心情は解りやすい。すごく心配している。
直人が毒されやしないか、危険な目にあってやしないか。
大丈夫、直人は嘘をついて電話を切った。
本当は身がちぎれるほど心細い。
Fの事が知りたくてわざと危ない橋を渡っている自分が理解できなかった。
どうしたらいいのか解らなくて、すごく不安だった
313不覚のF:2005/11/27(日) 03:04:23 ID:aKYm86eE
だけどFのくれる快感に、もっと甘い夢を見ていたい。
惑わされている自分が許せなくても。
「へえ、桐生氏と会ったの?」
いつの間に部屋に入ってきたのだろう。
脅すような口ぶりで、Fは扉に寄り掛かりながら言った。
「F!」
こいつ、ドアをすり抜けたのか。いつも突然だ。
やましい事は何もしていないのに、直人は取り乱していた。
後ろめたさとぞっとするような予感が彼を脅かした。
「おかしいぞ、桐生とやらはいつも俺の邪魔をする。
 これは偶然か?それとも確信犯か?」
その言い方は既にそう推理していたかのように的確だった。
「…桐生が…、あんたの敵だって言いたいのか?」
友人を悪者のように言われて、直人はムッとして食ってかかった。
「桐生はただの友人だし、あんたがどうこういう問題じゃない」
「ただの友人?それについては疑問だが、やはり一度会ってみる必要があるな」
「やめろ、必要ない!」
桐生に害が及んではいけない、直人は焦った。
「庇うか…」
どうにも気に入らない。昔の男が直人の周りをうろつくのも、
それを直人が必死に庇うのも。
「桐生はあんたと何も関係ない。第一そのナントカ一族ってのは
 イタリア人なんだろ。あいつは純粋な日本人だし…」
直人は思いつく限りのアリバイを並べてみる。
「今の時代だ、本人は知らずとも、先祖にその血が混じっているかもしれない」
「だけど…」
314不覚のF:2005/11/27(日) 03:04:56 ID:aKYm86eE
「うるさい!!」
いきなり、Fは叫んだ。家中に響くかと思うほどの大声で。
驚いて直人は肩をすくめて後ずさる。
Fの体から青白い炎がたっているように見えた。
こんなに威圧的な声を出す彼を直人は初めて見た。
直人はFを怒らせたのだ。
「約束を破ってもいいんだ。奴の血を一滴残らず吸い尽くしてやってもいい」
「F…」
Fはゆっくりと近づいて来る。静かに怒りを納めているようにも見えるし、
導火線に火が付いたようにも見える。
「桐生には手を出さないでくれ、代わりに何でもするから!」
彼の言う約束とは何の事かわからないが、直人は必死に言った。
しかし桐生を庇う言葉がFの怒りを煽っている事を知らずに、
直人はますます自分で自分を追い詰めていた。
「そいつの為に何でもすると?」
直人を窓際に追い込むと、Fは手を振り上げた。
「っ!」
殴られる、と思った。しかしFが殴ったのはシャッターのスイッチで、
力一杯叩いたのだろう、破片が飛び散った。
ガラガラと音を立ててシャッターは上がり、青白い月の光が部屋を満たした。
月に照らされたFの顔は真っ白で、残忍な笑みを浮かべていた。
言葉も出ないくらいに直人は怯え、Fはそれを楽しんでいるようでもあった。
「まず、服を脱げ」
「えっ」
「何でもするんだろう?」
315不覚のF:2005/11/27(日) 03:05:47 ID:aKYm86eE
当然のように彼は言った。
煽られている。直人は自分の体温が上がるのを感じた。
理不尽に怒りをぶつけられ、これ以上何を望むのか。
揚げ足を取られてしまい、直人は後悔した。何でもするなんて言わなければよかった。
「早くしろ」
Fは怒りを押し殺したような声で言った。ひどく鋭い瞳で。
直人は覚悟を決め、挑むように半ばヤケになりながら服を脱ぎ捨てた。
どうだと言わんばかりに、威勢よく。
「こっちへ来て目を閉じろ」
Fは手招いた。
「…仰せのとおりに」
直人は皮肉ると、軍人のように背筋を伸ばして自分を差し出した。
途端に何かで目を覆われ、直人を闇が支配した。
平行感覚を失い、何かに躓いてベッドに倒れこむ。
「うっ」
今度は手で口を塞がれ、鼻で息を吸い込むと何かの甘い香りがした。
「さあ、このまま待ってろ。目隠しを取ったら痛くするぞ」
Fはそう言うと、裸の胸を押しやって部屋を出た。
そうして直人は誰もいない部屋に一人残される。
「F…?」
何も見えない心細さに、直人は小さく名前を呼んでみる。
不安で仕方がない。何が起こる?何をされる?
聞こえてくるのは時計の音と、いやに大きな自分の鼓動。
やがて彼は戻って来る。何か企みを連れて。
〔ここまで〕
316無機質な笑み:2005/11/27(日) 04:05:12 ID:dddHIua1
「ア!」
サキが突然間の抜けたような声を上げる。
「鍵ガ無イデス!」
「なぁ!?」
そんな。こんなものをずっと付けていろと言うのか。想像しただけでもゾッとする。
実際、先には本当に小さな穴しか開いていないからトイレの時は困ったものだった。
終わった後も雫が中にたまって蒸れるしかぶれるし。
だから昨日からずっとトイレに行くのを我慢していたのだ。
「ははっ、ドジだなぁサキは」
助手が軽く笑ったが本当にそれどころではないのだ。
「困リマシタ…コレジャゴ主人様ノココニ触レラレマセン……」
「そういう問題じゃ……んん……っ」
乳首の上で助手の舌の動きが激しくなる。俺は下半身が次第に熱くなるのを感じた。
ソファに足を開いて座らされ、両手を後ろ手に縛られる。
助手は俺の上にまたがり、サキは足元にしゃがみ込んでいる。
サキは困ったように顔をしかめ、性器から無理矢理筒を引っ張ろうとする。
「ひっ…ってぇ!無理、痛いって!」
あまりの痛さに涙声になる。
それなら、とサキは筒を掴み、先端の穴から舌を差し入れてきた。
ちろちろと、当たるか当たらないかの刺激に性器は膨れ上がろうとする。
しかし筒が締め付けてそれもままならない。
317無機質な笑み:2005/11/27(日) 04:06:13 ID:dddHIua1
「はぅ……、んっ…でちゃうっ…て!」
必死に堪えようとするが、もう駄目だった。我慢出来ない。
放たれた尿をもサキは飲み干しにこやかに言う。
「ゴ主人様、スッキリサレマシタ?」
恥ずかしくてたまらない。
その間にも助手の愛撫は止まらず、両手で胸の突起をきゅっきゅっと摘む。
「はぁ…はぁ…」
少しの解放感はあったが、またサキの刺激が始まった。
ぐいと腰を持ち上げられ、秘部を顕わにされる。
「前ガ駄目ナラ後ロデス」
そう言うとサキはそこに舌を押し当てつぷ…と挿入してきた。
「ひぁ…っ」
長い舌は内部でどんどん伸び、ぐちゃぐちゃに掻き回す。
そして俺が感じるある一点を捜し当てるとそこを集中的に舐めたり、つついたりしてきた。
「も、駄目…はぁ、はぁあ………っ!?」
口を開けて喘いでいると中に生暖かいものが挿入された。
「ルイさん、舐めて…」
助手がソファに立ち、俺の口に性器を挿し込んでいる。
「はっ……あが……」
性器は既に勃ち上がり始めていて、興奮しているのがわかった。
318無機質な笑み:2005/11/27(日) 04:07:06 ID:dddHIua1
「ぐっ…げほっ」
けれど喉の奥に当たり吐き出してしまう。
「ん?何ですか?出来ないんスか?っわ!?」
助手の体が仰け反る。
サキが尻に舌を挿し込んだまま、今度は助手の後孔に指を挿し入れたらしい。
「ゴ主人様ヲイジメナイデ下サイ」
それはどっちもどっちだろう、と思うのだが。
「ん、サキ……」
助手は今にもとろけそうな顔をして俺にすがるように腕を巻き付けてくる。
「ゴ主人様…」
サキは助手から指を引き抜くと内股を優しく撫でる。
舌はちゅぷちゅぷと音をたてている。
助手は懲りずにまた俺の口に自分のモノを入れるから、仕方なしに舌を這わせた。
耳元にかかる助手の吐息が熱い。
舌先で裏筋をなぞり先端を吸う。
すると、急に性器に痺れが走った。金属筒が作動し始めたのである。
「っ…あぁっ!?」
筒が収縮運動を繰り返す。精液を根元から搾り取られるような感覚。
けれど、締め付けられている為イかせて貰えない。
319無機質な笑み:2005/11/27(日) 04:08:09 ID:dddHIua1
「コレ、ドウシテ動クンデスカ?」
サキが不思議そうに問う。そんなの俺にもわからない。
「ルイさん、これなーんだ?」
助手がちらちらと目の前にかざしたのは鍵だった。
「っ…あんたが持ってたのか……っ」
「サキを助けた時に見つけたんスよ、はは」
そう言って鍵にキスをする。
「返して欲しい?欲しいですよね、それならちゃんと舐めて下さいよ」
助手は懲りずに俺の口に自分のモノを入れる。俺は仕方なしに舌を這わせた。
耳元にかかる助手の吐息が熱い。
震える舌先で裏筋をなぞり先端を吸ってみる。
「あーやっぱ慣れてないから下手だなぁあんた。そんなんじゃいつまで経っても無理ッスよ」
こんなの男の俺が慣れてる方がおかしいだろ。けれど筒を取って貰うためには……
「んっく………ぅ」
収縮運動はさっきよりも増し、助手は楽しそうにボタンを押す。
「青と黄色はもう体験済みッスよねぇ」
ボタンを見せ付けるように近付けてくる。
「ふうぅ……」
これ以上何か刺激されたらどうなるかわからない。既に、酔ったように意識は朦朧としてきた。
俺は必死に助手の雄を銜え込み、吐き気を押さえながら舌を懸命に使った。
320無機質な笑み:2005/11/27(日) 04:09:30 ID:dddHIua1
しかし必死すぎて気付かなかったが、その時歯をたててしまったらしい。
「何ですかその態度は!」
わざとじゃない、と弁解したかったが助手の耳には届かない。
髪をぐいと掴まれビンタをされた。
「い……っ」
何故こいつにこんなことをされなきゃならないのか。
俺は急に腹がたってきて、ふてくされた表情で助手を見上げた。
すると助手は野獣のように首に噛み付いた。跡が残るくらいに強く。
どうやらこの助手はキレると周りが見えなくなるというか、人格が変わるようだ。
「ぅああっ………!!」
俺はさっきのようにサキが助けてくれることを願ったが、
サキは尻を解すことに集中していてこちらには気付いていないようだった。
「あんた、自分の立場わかってないんスか?」
噛み付いた箇所からは血が出ているらしく、それを舐め取られる。
舌で血をすくい取りキスをされた。鉄の味が口に広がる。
「はぁっ……ん……」
サキに与えられる刺激と口内を這い回る舌の刺激が溶け合っていく。
助手の舌の動きに誘われるように舌を差し出してしまう。
それを助手は拒み、噛み付こうとする。
「はぁ、はぁ……っ、よがってる場合じゃ無いッスよ」
唇を離し、ソファから降りると、俺の横に座った。
「さて……」
鍵を出し、性器の方へ近付けていく。てっきり外してくれるものだと思い、腰を突き出した。



─ここまでです─
321風と木の名無しさん:2005/11/27(日) 08:15:11 ID:vXj83Pn8
うはー大量!
無機質さんもFさんも乙でした!安心して読んでたんですが、鬼畜スレだって思い出したよ…
322風と木の名無しさん:2005/11/27(日) 08:15:50 ID:T7toaRbL
GJ!GJ!!GJ!!!
出勤前に来てヨカタ…(*´д`)
323風と木の名無しさん:2005/11/27(日) 09:19:50 ID:BjD5IEOH
アキとユキ、ホントに長らくお待ちしてました。もう、読めないものと諦めていただけに、完結して頂いて嬉しさもひとしおです。
ありがとうございました!


無機質サンFさんもGJ!続き待ちます。
324風と木の名無しさん:2005/11/27(日) 10:52:38 ID:CWPXCAU9
職人さん方皆GJ!!

無機質タンと不覚タン、再び鬼畜に突入してきてイイヨーイイヨー
325風と木の名無しさん:2005/11/27(日) 11:30:04 ID:wv6iaTAi
アキとユキに再会できるなんて!(TдT)

他の未完作品も期待しちゃうよー。
326風と木の名無しさん:2005/11/27(日) 11:49:26 ID:IJFj/xnU
始めてこのスレに来た時期の作品キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
まさかまた読めるとは思ってもいなかったのでとても嬉しいです。ありがとうございました。
327中国風・獣耳(ショタあり)18:2005/11/27(日) 22:58:03 ID:c0tRbo/C
「お前では私は殺せない。……相手の力量も見極めずに、怒りに任せて突っかかってくる
ようでは」
嘲笑を受けても、小輝は何も言い返せない。言葉が的を射ていただけでなく、下腹部から
脊髄へと走り抜ける快感にさいなまれているせいだ。
弟分のはずの鳴鳴は、この人間の道士に、すっかり手なずけられてしまった。命じられる
まま、小輝の足元にうずくまって、その小さな口に小輝自身をくわえ、舐め回している。
「やめろ、よ……馬鹿、野、郎っ……!!」
小輝の呻き声に応えるかのように、鳴鳴が口を放した。くるくるした丸い目に困惑の色を
浮かべ、小輝を見上げてくる。
「しょーきさまぁ。これ、大きくなっちゃって、のどにつかえるんですぅ。どうしたら
いいですかぁ?」
「バ、バカっ!! そんなこと、聞くな! ……てか、離れろ!! もうよせ、触るなって、
さっきから何度も言ってんだろ!?」
意志を無視して反応した自分の体が、恨めしい。吊された体を揺すって小輝はもがいた。
しかし奏真が後ろへ回って、水平に吊り上げられている小輝の右腿を、片手で押さえた。
それだけでもう、虚しい抵抗は封じられてしまう。
「鳴鳴。喉につかえてむせるなら、横からくわえるといい」
「こ、この野郎……余計なことを教えンなよっ! う、くっ……」
奏真に言われたとおり鳴鳴は、その口に全体を含むには大きくなりすぎた小輝自身を、
横からくわえた。飴の棒をもらった子供さながらの熱心さで舐め回す。
懸命に我慢しよう、気を逸らそうとしてみるものの、意志に反して肉棒はますます固く
屹立し、先端に透明な蜜をにじませ始めた。
鳴鳴がしゃぶるのをやめて、嬉しそうな顔で小輝を見上げた。
「よかったぁ。しょーきさま、おこってばかりだから心配してたんですぅ。でもちゃんと、
気持ちよくなってるんですねぇ」
328中国風・獣耳(ショタあり)19:2005/11/27(日) 22:59:49 ID:c0tRbo/C
小輝は歯噛みした。
人間の仕掛けた罠にはまって、手なずけられた鳴鳴にしゃぶられて、勃ってしまって──
このまま射精するくらいなら、自分が吊されている木が倒れて、その下敷きになって圧死
する方が、よほどましだ。
「くそぉ……鳴鳴、お前、頭が軽すぎんだよっ! こんな……ひぁっ!?」
罵る言葉は情けない悲鳴に変わった。後ろに回って片脚を押さえていた奏真が、あいた
左手で、小輝の片耳を軽くひねったせいだった。
小輝は大山猫の精だ。人間とは違って、黒い飾り毛の付いた三角の耳が、頭頂部にぴんと
突っ立っている。
奏真はその耳をつまんで、指の間でこねるようにして弄んだ。
「やっ……やめろ、馬鹿野郎! 耳に触んじゃねェ!! よせったら!」
「そうだな。耳そのものより、猫はここを喜ぶか」
奏真の指が動いて、耳の後ろを軽く掻いた。
弱い場所をくすぐるように触られて、小輝の体に甘いしびれが広がる。手足の力が抜けた。
「ふぁっ……さ、触る、な、って!……あぁ、ぅ……!」
耳の周辺をいじられる快感に抵抗しようとして、意識を頭部に集中すれば、鳴鳴の舌に
責められている下半身が無防備になり、びくんびくんと腰が震えてしまう。
(くそっ……こんな、人間なんか、に……)
あっさり捕らわれたこと以上に、弄ばれて勝手に反応してしまう自分の体が恥ずかしく、
口惜しい。悔し涙のにじむ目で、小輝は奏真をにらみつけた。
だがそんなことは何の役にも立たない。
「どうした、物足りないか?」
奏真が、小輝の脚を押さえていた右手を放し、胸を撫で回した。
ほんのりと色づいた小さな突起をとらえ、指の間で押しつぶし、こね上げる。
「違っ!! この、助平野郎!……い、いやだ、放せぇっ!」
329中国風・獣耳(ショタあり)20:2005/11/27(日) 23:01:48 ID:c0tRbo/C
敏感な耳の周辺や、乳首を弄ばれて、小輝はもがいた。足を押さえる手の力はなくなって
いる。激しく体を揺すって抵抗した。
だがそれが仇になった。
小輝自身をくわえていた鳴鳴が、振り放されまいとして、夢中で吸い上げた。おまけに手を
添えてしごいたのだ。
「あ、あぁっ……!」
不意の衝撃に、こらえきれなかった。ほとばしらせた。
鳴鳴が大きな目をさらに大きく瞠ったかと思うと、慌てて小輝自身を口から放した。
「……にっがぁー!」
顔をしかめ、白い液体を草の上へ吐き出した。毒キノコを間違ってかじったあとのように、
何度も何度も唾を吐き散らす。
霞む目で、小輝はその姿を見ていた。草の上に散った液体の白さが、屈辱感に変わって
小輝の心を灼いた。鳴鳴をなじっていたが、結局は自分も同じことだ。意志に反してで
あっても、奏真の罠にかかって射精した。
これほどの屈辱はもはやあるまい──そう思った。
背後にいる奏真の声が聞こえた。
「困るな、鳴鳴……地面に吐き散らしてしまっては。集めて持ち帰らなければならなかった
のに」
「あ……ごめんなさい、そーしんさまぁ。でも苦かったんですぅ」
「まあいい。小輝は元気な盛りだ、まだまだいけるね?」
青灰色の眼が、冷たい笑いをたたえて小輝を見返した。
「もう一回、してもらおうか」
「!」
「顎の下も好きだったかな?」
愕然とした小輝の顎の下を、奏真が左手を伸ばして、くすぐった。
330中国風・獣耳(ショタあり)21:2005/11/27(日) 23:03:27 ID:c0tRbo/C
「こ、の……馬鹿にするなぁっ!!」
勢いよく頭を振って快感を払い落とし、小輝は奏真の指に噛みつこうとした。
が、奏真が手を引く方が一瞬早い。小輝の牙は虚しく宙を噛んだ。
奏真が小輝の耳を強く引っぱる。
「痛ぇ、離せっ!」
「諦めが悪いな。それもよかろう。鳴鳴のような素直な子供は好きだが、お前のような
反抗的な子供も好ましい。お仕置きが楽しめる。……指を噛んでいたら、この耳を引き
ちぎっていたところだ。こちらの指までなくしては、たまったものではない」
「ふ、ふざけんな!」
反射的にどなってから、小輝はハッと気が付いた。奏真の右手は、中指と薬指と小指が
欠けている。
「お前、その指……まさか、兄者が言っていた、昔、戦ったっていう道士なのか」
信じがたい思いで、小輝は尋ねた。
兄貴分として小輝が慕う虎の精、勇玄は、片目だ。
左目は、斜め一文字に突っ切る刀傷で縫い止められたように、閉じている。片目とはいえ
勇玄の強さは比類ない。だからこそ、勇玄の片目を傷つけたのは、いったいどのような
敵なのかと思わずにはいられなかった。
傷の由来を尋ねた時、勇玄は敵を恨む風もなく、むしろ懐かしげに微笑して答えてくれた。
まだ十六、七の頃、同じ年頃の人間の道士と戦って付けられた傷だと。
道士は術の限りを尽くし、自分はあらん限りの力を振り絞って戦った。自分は左目を失い、
相手は右手の指三本をなくしたが、それでも勝負はつかなかった。互いに相手を倒せない
まま体力が尽き、邪魔が入ったので、引き分けた──そう言っていた。
「お前が……?」
信じられない。茫然とする小輝に、奏真は冷たく微笑した。
「そうでなければ、黄勇玄という名を知っているわけがなかろう」
331中国風・獣耳(ショタあり)22:2005/11/27(日) 23:04:53 ID:c0tRbo/C
「……嘘だ!」
小輝は叫んだ。
人間にもなかなか侮れぬ者がいる──そう語った勇玄の表情は、誇らかでさえあったのだ。
なのに淫らな術を使って鳴鳴を手なずけたうえ、自分にも屈辱を与えているこの男が、
勇玄と引き分けた相手だなどとは、思いたくなかった。
それは兄と崇める勇玄を冒涜することだった。
「兄者は、褒めていたんだ! 人間にも侮れぬ者がいる、誇り高く、正々堂々と命懸けの
勝負を戦うだけの、力と品格を持った者がいるって……お前なんかのはずはない!」
奏真の青灰色の瞳を、翳りが走った。
「……あやつは、そんなことを言っていたのか」
けれどもその翳りはすぐ、嘲笑の色に塗りつぶされた。
「勇玄に伝えるがいい。人間を買いかぶるのはよせ、信じるなと。……人間はどのように
忌まわしく、醜く、汚らわしいことでも、平気でできる生き物だ」
声の冷ややかさに、小輝の背筋がぞくりと震えた。
鳴鳴は草の上にへたり込み、おどおどして、小輝と奏真を見比べている。
青灰色の瞳に浮かぶ嘲笑は、一体誰に向けたものだったのか。小輝か、この場にいない
勇玄か、あるいは奏真自身にだったのか。
それを考える隙を小輝に与えず、奏真は言い放った。
「本心から人間を憎めるよう、お前の体に刻み込んでやる。勇玄に伝えるがいい」
「……っ!?」
奏真の手が、小輝の尻肉をつかんで左右に押し開いた。

────────────────────
ここまでです。
332風と木の名無しさん:2005/11/28(月) 00:09:32 ID:IOqqgRt+
獣耳タン待ってました!!GJ!!
ついに小輝さまが…ハァハァ
333風と木の名無しさん:2005/11/28(月) 00:16:26 ID:Up6uJEIK
ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁようやく来た!乙!GJ!
ありがとう獣耳さん週明け前なのにありがとう!!
ゆっくりでいいですいつまでも待ちます!!
ツンデレ受萌え〜!!

や、まだデレじゃないけど
334風と木の名無しさん:2005/11/28(月) 00:37:22 ID:CRTMUsLe
道士は実は虎に惚れてるんじゃないかなと呟いてみる。

鳴鳴の頭の緩さに笑いつつ萌える。忙しいw
335箱庭の幸福:2005/11/28(月) 02:55:09 ID:VBr2C75+
※監禁あり

―1
彼はまるで今まさに天に伸びんとしている若木のようだった。
花のように鮮やかな色を持っているわけではない。
鳥のように媚びて囀るわけでもない。
けれど、真っ直ぐに美しく立つ清廉さに酷く興味を惹かれた。
男は彼に手を伸ばそうとして辛うじて堪える。
ここでは駄目だ。彼を捕らえてしまいたいのだ。
こんなにも人目の多い場所で準備もせずに実行するなんて愚かな事だ。
(もっと慎重になれ。)
男は自分自身に必死で言い聞かせた。
(迂闊な真似をしてはいけない。彼を完全に手に入れるんだ。)
落ち着かせるかのようにゆっくりと深呼吸をして男は彼の後に立った。
幸いと言うべきか、男は会社勤めではなかった。
また365日労働しなければならないほど経済的に困窮もしていなかった。
(まずは彼の会社を知ることから始めよう。それから自宅を、交友関係を…)
手に余るようなら専門の調査会社を使ってもいいと男が夢想したところで
ホームに電車が滑り込んできた。
彼は当然目の前の車両に乗り込む。男もその後を追うように踏み出した。
336箱庭の幸福:2005/11/28(月) 02:56:19 ID:VBr2C75+
―2
政野慶一はこの数週間酷く落ち着かない毎日を過ごしていた。
ぼうっとして過ごす時間が随分増えたし眠りも浅い。
政野の仕事は個人で株を売買する、所謂フリートレダーだがその仕事にも支障が出始めた。
チャートを目で追いながら全く意識が付いていかないのだ。
仕事中だけではない。起きている時はいつの間にかある一人の男の事を考えている。
これでは拙い、と多少の損は見ぬ振りをして整理し長期物だけを残した。
それで事態が好転するかと言えばますます酷くなったと言わざるを得なかった。
最後に張り詰めていた一本、「仕事があるから」の糸が切れてしまったからだろう。
その日も大して好みでもない女の酌で大して美味くもない酒で空しさを誤魔化した。
気だるそうに駅の改札を通ると大きく溜息を吐く。終電までは幾分余裕があった。
(俺は一体どうしちまったんだ。)
気を紛らわせようと煙草を取り出すと最近頓に増えた喫煙は所定の場所で、のプレートが
憎らしいほど堂々と頭上に張り出しているのに気が付いた。
(全く、何もかもが気に入らない。)
大きく舌打ちして構うものかと煙草を口に咥えた所でまさに不調の元凶が目の前に現れた。
名前も知らない。時折駅で行き違うだけの、けれどその度に政野の心に存在を深く刻む男。
年の頃は同じくらいだろうか。190cmに近い己からすれば小さいがまあ平均の体格だ。
一目で分かる高級品ではないが安物でもなさそうなスーツ。
見かける時間は決まっていないからもしかすると同業なのかもしれない。
男のシャツは襟も袖もまっさらでいつもアイロンを当てたばかりのように一つも皺がない。
そしてそれ以上に男は清廉とでも言うべき空気を纏っていた。
前髪を後ろに流して露にされた額は皺や染みどころか吹き出物の一つもない。
顔立ちはすっきりとしていて美形の部類であるが女性的なわけではなかった。
だがはっとするほど濃い瞳の黒や伏せると影の出来る睫に政野の心はいつも酷く騒いだ。
(例えばこいつが女だったら……いや、女だったら何だと言うんだ。)
そうして詮無い葛藤にフィルターを噛み締めて視線を向けるまではいつもと同じだった。
337箱庭の幸福:2005/11/28(月) 02:58:37 ID:VBr2C75+
―3
しかしその日は男が足を止めたのだ。そしてちらりと切れ長の瞳が政野を正面から見返す。
政野は激しい動揺を覚え、そして期待に胸が鳴るのを止める事が出来なかった。
男も自分と同じように自分を見てくれていたのではないか。そして自分と同じように…
だが、政野の夢想は男の声で打ち砕かれた。
「お前、どうして私の事を見ているんだ?じろじろとおかしな目で…全く不愉快だ。」
口調に戸惑いの色は無かった。軽蔑、そして嘲笑がはっきりとわかる口調。
政野は頭が真っ白になり手が震えるのを感じた。どんな顔をしているのかわからない。
男は僅かに眉を上げて薄く笑った。また、嘲笑。そして哀れむかのような笑い。
最終電車が間もなく入ると駅のアナウンスが流れた。
元々少ない人影が一斉に階段へと流れて行く。
「………から、だよ」
政野の声は小さく男は怪訝そうに眉を寄せて首を傾げた。
細く白い首を押さえて一気に引き寄せたときに初めて男は驚きの表情を見せた。
「あんたが、欲しいからだよ……」
掠れた声でもう一度繰り返したが男にそれが聞き取れたのかどうかは定かではない。
政野の右拳は深く男の鳩尾に深々と埋まり、男の唇から短く鈍い呻き声が漏れる。
そしてそれから目を閉じるとぐったりとその身を政野に預けたのだった。
338風と木の名無しさん:2005/11/28(月) 02:59:51 ID:VBr2C75+
―4
(こんな筈ではなかったのに……)
発車のベルが大きく鳴り響く。最終が出てしまえばここにも駅員が見回りに来るだろう。
政野はとにかくここを離れようと男を抱えて改札を逆に抜けてタクシーに乗った。
年配の運転手は政野からする酒の匂いに少しばかり嫌そうに眉を寄せてそれから抱えられた男を見た。
一瞬どきりとしたが運転手の口から出たのは「座席汚さないでくださいよ」という的外れなものだった。
「わかってるよ。大丈夫さ、さっき散々吐いたばかりだからもう出るものも無いよ。」
泥酔した連れに迷惑している、という渋面を心がけながら政野は己の自宅の住所を告げた。
(こんな筈じゃなかった。)
もう一度心中で繰り返してからふと我に返る。これは寧ろ幸運ではないのかと。
確かに思いがけず逆上した形ではあったがあれほど焦がれた彼が腕の中に居るのだ。
もし、このまま自宅に閉じ込めてしまえば……
先程は恐れで震えていた手が今度は興奮のために震え始めそれは自宅に着くまで止まらなかった。
「あぁ、もう…しっかりしてくれよ。自分で歩けって…」
マンションの前で小芝居のように声を掛けてみたが薄っすらと青ざめた男は口を開かない。
タクシーはとっくに去り誰も政野を見咎めるものなど居ない。
こうして随分簡単に…しかし運命的に、政野は男を手に入れたのである。

*******
導入部分だけですいません。今日はここまで。
339風と木の名無しさん:2005/11/28(月) 05:40:08 ID:37qdIiMt
GJ!!
ツボ押さえられてて、もう序章だけでも期待大です。
こういう始まり方、とても好きです…面白そうだ…。

それにしても、鳴鳴可愛いよ鳴鳴。
340風と木の名無しさん:2005/11/28(月) 10:15:06 ID:xaOMC1Dw
は……箱庭タソ続き(;´Д`)ハアハア
341風と木の名無しさん:2005/11/28(月) 11:36:44 ID:Lt2aU2UA
亀でスマソ
遺愛 抄
すごいわこの長さで 匂ってくるようだわ 塚邦思い出す
長いのも読んでみたいが
実は直裁エロなしでもいけそうなのがさらにナイス
342箱庭の幸福:2005/11/28(月) 22:56:19 ID:Y1t01BBK
―5
男を部屋へと運び込んだ政野はまず彼の衣服を剥いた。
やはりブランドのタグは見当たらなかったが仕立ては丁寧でいい仕事だ。
恐らくオーダーメイドの品なのだろう。
それからポケットを探る。名刺や身分証の類は無く財布も持っていない。
マネークリップに留められた5万円ほどの札と小銭が入っているだけである。
携帯電話は出てきたが完全にロックが掛かっているようだ。
これは政野を少し失望させそれから大いに喜ばせた。
男の名や素性を知る事ができなかったのは残念だがそれは直接聞けばいい。
それよりも男が会社勤めをしていない、消えても異変に気が付く者が少ないという事実に
政野は神の采配を感じずには居られなかった。
とりあえずそれらは纏めて鍵のかかる引き出しにしまいこみ更なる『検品』に掛かる。
下着を取り去り男の完全な裸体を目の前にした時、思わず溜息が零れた。
男の身体は思っていた通り、いや思っていた以上に美しかった。
指でそっと辿った肌はしっとりとしていて吸い付くように惑わせる。
体毛は余り濃くない体質のようだ。控えめな下生えで性器は根元の皺まではっきりと見える。
大きく足を開かせようと手を腿に掛けると男が目を閉じたまま短く呻いてドキリとした。
(何を慌てているんだ、俺は…)
相手が暴れたところで己が負ける事は無いだろう。
だが、この男をこれ以上に痛めつけ押さえ込む事には何故か心は弾まなかった。
仕方なしに急いで部屋のあちらこちらを探したが見つけ出せたのは洗濯ロープが一本だけだ。
元々は寝に帰るだけが主体の生活品は少ない部屋なのだ。贅沢は言っていられない。
男はいつ目を覚ますか分からないのだ。政野は急いで男の手首と足首を縛り始めた。
343箱庭の幸福:2005/11/28(月) 22:57:04 ID:Y1t01BBK
―6
男が目を覚ましたのは丁度夜明けの時刻である。
政野はと言えば男をベッドに横たえた後、横に入ってみたりソファに寝転んでみたりと様々やったが
興奮からとても眠る事などできずにただひたすらにベッドの横で寝顔を見ていた。
だから、起きる前にまた男が顔を歪めて綺麗な眉間に幾筋かの皺を刻んだ事も掠れた声で呻いた事も
目を開けた男がそれほど驚いた顔をしなかった事も全て見逃さなかった。
「おはよう。」
政野は少し迷ってそんな言葉を掛けた。
男はすぐにそちらを向かずにただ自分の置かれた状況を把握するように視線を廻らせている。
余程胆が太いのかそれとも状況が把握できていないのか未だ動揺は見えない。
逆に政野が落ち着かなくなってきたくらいである。
僅かに身動ぎをして自分の体が一糸纏わずに拘束されている事までを確認したらしい男が
漸く、いかにも大儀そうに政野へと視線を戻し政野は急かされる様に口を開けた。
「な、何がどうなったって思ってるんだろう?憶えてるかな。駅で逢って俺が…」
「知っている。」
はっきりと答えた彼の声は対照的に静かで落ち着いていた。
お前は誰だ、何の積りだ、何をした、何をするつもりなのだ………
それから続くだろう質問を待つように政野は一端言葉を切ったが男はそれ以上何も言わなかった。
政野はますます落ち着かなくなる。まるで相手に主導権を握られているようだ。
「なあ、わかってるのか。あんたもう俺の物になったんだよ。」
焦れてこちらから言葉を掛けると男は顔を顰めた。だがそれは予想したような恐れの表情ではない。
馬鹿にしたような厭う様な、駅で向けられたのと同じような見下す視線だ。
かっと来て髪を掴むと男はまた面倒くさそうに溜息を吐く。
「何とか言えよ。」
強く髪を引くが男はふいと興味が無さそうに視線を逸らしただけだった。
「…泣けよ。」
(そう、泣けばいいのに。泣いて乞うてくれれば俺はきっとこの男に優しくしてやれるのに。)
344箱庭の幸福:2005/11/28(月) 22:58:45 ID:Y1t01BBK
―7
「寒い。空調を何とかしろ。」
まるでこちらの話など聞いていないように男は不満を口にした。
命令口調が気に食わずに睨み返したが確かに衣服を纏わぬ男には寒過ぎたかもしれない。
だが、裸にされている事にではなく寒いとの抗議はどういう神経なのだろう。
この男には羞恥を感じないのか。政野は黙って男の脛に掌を沿わせた。
じっとりと何度か撫でてから束ねたままの足を持ち上げる。
男はまるで子供がオムツをあてられるような格好になってしまう。
「な…っにを…!」
男が初めて頬を赤くした。声も僅かに上ずっている。
(悪くない)
興奮しながら内心呟く。そう、悪くは無い。きっとこの男と自分は巧くやっていける筈だ。
すべすべとした腿へ頬を摺り寄せて政野はうっとりと吐息を零した。

男の腿を腹に押し当てるかのように曲げさせてもほとんど抵抗をしなかった。
どんな顔をしているだろうかと興味はあったがそれよりも間近にある挟間に吸い寄せられてしまう。
肉の薄い尻の間にポツと控えめな窄まりがあった。
汚れどころか生々しいものは感じない。舌の先を触れさせると可愛らしく震えて応える。
政野は今まで男の排泄孔にこんなにも興奮するとは思わなかった。
べちゃべちゃと下品な音を立てて舐めしゃぶっていると足の強張りが僅かに解ける。
(気持ちがいいのだろうか。俺の舌で感じてくれているのだろうか。)
政野は嬉しくなってますます熱心に舌を動かすと男が小さな声を出した。
「ク、ぅん……あ…」
やっと聞き取れるほどのその声にますます興奮してしまう。
無理に尻肉を開くのがもどかしくなった政野は先程あんなに苦労して縛った足首の紐を解く。
一気に膝から広げさせると眠っている間に見た性器が膨らんでいる。
清潔に見えたそれが興奮で濡れて色を濃くしている様がいやらしい。
仰向かされた男は僅かに上気した顔をして視線を外し滑らかな胸を上下させていた。
345箱庭の幸福:2005/11/28(月) 22:59:20 ID:Y1t01BBK
―8
男は怯えているようにも怒っているようにも見えない。ただ受け容れているようだ。
見知らぬ男の部屋で縛られ性器を弄られるという異常な状況を、だ。
(俺はもしかして夢でも見ているのか?)
政野は興奮と不安さが綯交ぜになり足元が揺らぐような感覚を覚えた。
だが今まさに味わっている男の肌も熱も確かに現実なのだ。
「……ゥ……ン…」
まるで更なる愛撫をねだるかのように男の腰が僅かに揺れる。
政野は親指を窄まりに押し当て侵入を試みたがただ引き攣れる様に違和感があるだけだ。
女とは違い濡れないそこを無理に開かせるのは気が引けた。
(焦る事は無い。)
何度目か、政野は自分に言い聞かせた。男の身体を味わい尽くす時間は充分にあるのだ。
「大きくなっている。」
政野は子供のように無神経な笑いを零して男の性器に唇を寄せる。
皮を張り詰めさせているそれを厭うことなく大きな口で咥え込みゆっくりと顔を上下させると
男の声はますます甘く掠れて色を帯びてきた。自然と動きにも熱が篭る。
「気持ち、いい…?」
濡れた先端に唇を寄せたまま囁くとよほど感じるのか見た目に分かるほど腿が強張った。
返事を促すように先端を尖らせた舌先で突付くと身体ごと跳ねる。
「あ…っ、ァ……」
男を焦らす間もなく政野自身が酷く煽られて一気に喉奥まで咥え込む。
そのまま片手で硬くなった睾丸を揉んでやると男は小さく身震いしてあっさりと達した。
口の中に広がるそれは決して美味とは言い難い物だが男のものだと思えば愛しかった。
僅かに眉を顰めて数度に分け、大きな喉仏を鳴らして何とか飲み込む。
それだけで政野の性器は服の下で痛い程に強く勃起していた。

********
今日はここまで。
346風と木の名無しさん:2005/11/29(火) 00:06:30 ID:hFSeCUKM
箱庭タソ萌え!
受けの情報が少ないのを脳内で補うほど萌える…。
347風と木の名無しさん:2005/11/29(火) 01:01:35 ID:a1SQnV3m
箱庭さんGJ!…GJですよ!!
政野タソの期待と戸惑いと興奮がすごく感じられる!
受けの人のミステリアスなとこがイイ!
とにかくもう、萌えて萌えて、たまらないですー…ハアハア
348不覚のF:2005/11/29(火) 23:25:46 ID:s3ngz5Gk
〔つづき〕

交渉はね、見透かされた方が負けるんだよ。
目の前の、綺麗な顔をした男が言った。
ああ、自分は何でこんな所でこんな事になっているのだろう。
思い出してみよう。まず、あんな場面を見てしまったのがいけなかったのだ。
竹下晃、彼はよく物を忘れる。
そしてその日も職場に忘れ物をして取りに戻った。何を忘れたかはもう忘れたが。
今日の店仕舞いの当番は誰だったか、思い出しながら裏口を開けた。
そっと忍び込んで脅かしてやろう、そんなでつもりで静かに入り込んだ。
何だろう、話声がする。他に誰かが居残っているのだろうか…。
「あぁ、やめ…」
「んっ…」
竹下は息を飲んだ。それはまるで信じられない光景だった。
男同士のセックス、しかも一人はこの店の従業員だった。
(八神君…!どうして!)
涙を流し、苦しんでいるのか喜んでいるのかわからない喘ぎ声をだしているのは
紛れもない彼だった。
勤務態度はいたって真面目、付き合いもいいし、女性客からは特に人気がある。
本人はストイックで内向的な性格で、年の割りにはどこか大人びていた。
23歳と聞いていたが、童顔でもっと若く見える。
年若い少年のように男臭さが全くなくて、それは本人も気にしているようだった。
相手の方は、と顔を確認しようと身を乗り出した。
チラリと見た横顔は、日本人にはない異常に白い肌だった。
すっと延びた鼻筋、黒く長い睫毛が影を落としていた。
その首筋に伝う汗が綺麗で、竹下は魅入られたように見つめていた。
349不覚のF:2005/11/29(火) 23:26:18 ID:s3ngz5Gk
「んあぁ!」
大きく仰け反り、達した直人の声に我に返った。
こそこそと忍者のように現場を後にし、彼は逃げるように帰った。
結局忘れ物はどうしたんだっけ…、思い出せなかった。
次の日、何もなかったかのように直人は出勤してきたが、
竹下はまともに顔を見れなかったのを覚えている。
この事は誰にも話す気はないし、彼だって知られたくないはずだ。
この秘密は墓まで持っていこうと心に決めていた。
彼はいい奴だし、性癖は人それぞれだ。
そう自分に言い聞かせて数日後、あの男が現れた。
「今日八神君はお休み?」
明らかな外人顔が流暢な日本語で言った。
さすがのサービス業だ、動揺を隠して竹下は返す。
「申し訳ありません。八神は本日休みをいただいております」
そう、と残念そうにつぶやくと、男は封筒を差し出し直人に渡すよう頼んできた。
竹下はそれを受け取り、せっかくだからと食事を勧めた。
すると男はとんでもない事を言ってきたのだ。
「君、見てたね?」
竹下の笑顔が凍りついた。ばれてる!
この瞬間がいけなかったのだ。彼は畳み掛けるように竹下の懐に入ってきた。
実は今困っているんだ、と切り出されあれよあれよと変な方向に話が進んでいく。
そして彼、Fの屋敷の呼び鈴を押し、今ここにいる。
彼の使用人としてここで働く為に。
350不覚のF:2005/11/29(火) 23:27:08 ID:s3ngz5Gk
「知っているよ、この前俺を見ていたんだろう?」
Fが言った通りだった。あの時竹下が目を奪われたのは、目の前のこの男の方だった。
彼の快感に酔い痴れた切なげな顔に竹下は感じた。
実際それはひと目惚れと同じ症状で、心にその痕跡を残したのだ。
「違います…」
とぼけたつもりがすでに見透かされていて、Fはを取引を持ち出してきた。対象は彼本人。
「ここで働いてくれるだろう?」
自身ありげに彼は言った。
「言う事を聞いてくれたら、俺を好きにしていい…」
竹下の耳元でFは囁いた。これ以上ないくらいの魅惑的な言葉だった。
彼の綺麗な横顔を見てゴクリと喉が鳴った。
わかり易い人だ、とFは笑う。竹下の答えは口に出さずともわかる、そう言いたげだった。
「交渉成立。いいか、これはゲームだ…」
「わっ、なに!」
Fは竹下の口にタオルを巻いて噛ませた。
「絶対に声は出すな」
慌てふためく竹下をなだめながら、Fは寝室に連れていく。
室内に案内され、何があるのかと竹下は見渡した。
「んんっ!」
大きなベッドの上で、目隠しをされた直人がいた。
「F…?」
月に照らされ、直人は裸で身をくねらせている。
吐息のような声でFの名を呼び、自分で自分の身体を触っていた。
「シー」
怯える竹下の背後に回り、Fはその背中を押して促した。
351不覚のF:2005/11/29(火) 23:27:59 ID:s3ngz5Gk
「…F?ああ…、何で?身体が熱い…」
直人は落ち着かなそうに手足を動かし、シーツに美しい曲線を作っていた。
「んー、んー」
驚いて直人を指差し、竹下は非難の音を喉から搾り出した。
「大丈夫、ちょっと薬を嗅がせただけだ。気持ちよくなるやつ」
竹下に囁きながら、手を回してシャツのボタンを外していく。
何をさせる気なのか、竹下は抵抗したが今度は直人の手が延びてきた。
「直人、一人で出したのか、勿体ない…」
シーツにシミを見つけ、Fはそれを叱った。さっき嗅がされた薬が効いてすぐ、
耐えられなくなって自分で処理したのだろう。
「くっそ…」
自分の股間を押さえて直人は悔しがった。まだ自我が残っている。
持て余した身体に困惑して、何とかなだめようとしているように見えた。
「何でも言うとおりにするんだろう?」
竹下の背後からFは言った。
「まず口で慰めるんだ」
竹下のパンツの前を開け、彼のものをそっと取り出す。
「んー、んー」
唸りながら首を振る竹下は、わきの下からFに捕まれて逃げれない。
「しー、静かに…」
取り出した竹下のそれは、彼の心の中を表しているように小さく縮こまっていた。
「舐めろ」
腹話術の要領で彼の背後から言うFの低い声。
「んんっ」
手探りで探し当てたそれが直人の口の中に消える。
直人の口内は暖かくて濡れていて、しっとりとした感触があった。
「ん…」
観念したように竹下は静かになる。しかし頭の中は疑問符で埋め尽くされていた。
何故彼はこんな事をさせるのか、二人はどういう関係なのか、頭がパンクしそうだ。
352不覚のF:2005/11/29(火) 23:28:35 ID:s3ngz5Gk
「ん、んん」
口技を駆使し、直人の舌は竹下を攻めた。
男の身体とは正直なもので、心とは裏腹に確かな症状を見せる。
じきに硬く立ち上がり、竹下は腰に甘い疼きを覚えた。
「ああ、いいよ直人」
これはFの声だ。耳元で自分が感じているように言うものだから竹下を驚かせた。
「んっ、んん」
直人は必死に口をすぼめて顔を前後する。
時折舌で先端をつつき、唾液を絡ませ吸いあげる。それがFのものだと思って。
なんていやらしい口なんだろう、相手が直人だという事も忘れ、竹下はその快感に溺れていく。
「もっと強く吸って…」
Fが言うと直人は必死になって口を動かした。
「んっ、んっ、んっ…」
桐生に教えられたのだろう、よく心得ている。Fは冷静に観察する。
自分が望みやらせた行為なのに、いやにこ慣れた直人がまた気に食わない。
だからFは思わず嫌味を言ってしまう。
「誰に習ったんだか…」
自分の身体を支えていた直人の腕が、ベッドの端からずるっと落ちた。
今にも達してしまいそうだった竹下のそれは、直人の口から離れて自分の腹を打った。
「んあっ」
慌てて見上げた直人の口の周りは自分の唾液で光っていて、竹下を興奮させた。
「仰向けに寝ろ」
しょうがないなというように、Fは溜め息混じりに言った。
直人は素直にそれに従い、息を荒くして自分を差し出す。
「触ってあげてごらん」
耳元でFが誘うように言った。竹下はその背中にFの体温を感じ、腰の辺りに硬い強ばりを感じた。
「さあ、彼の身体を触って」
催眠術にでもかかったみたいに、竹下はそろそろと手を延ばした。
迷ったが、まず直人の頬に触れてみる。
「んっ」
小さく直人が言ったので、慌てて彼は手を引っ込めた。
353不覚のF:2005/11/29(火) 23:29:53 ID:s3ngz5Gk
「大丈夫、見ててごらん」
子供に手本を見せるように、Fはいやに優しく言った。
手を伸ばし直人の耳に触れ、唇に触れ、首筋に触れた。
長いFの指はゆっくりと掻き混ぜるように直人の身体を這っていく。
「ん、はあ」
敏感になり過ぎたその身体は、一指ごとに大きく揺れた。
やってごらんと竹下に目で合図し、Fはまた彼の背後に回った。
「はぁ!」
竹下の指はいきなりピンク色の突起に触れた。立ち上がったそれを押し潰すように動かすと、
直人は甘い声を出す。指は時折キュッと摘み上げ、引っ張ったりもした。
彼の愛撫は分かり易い。本人の性格を現しているようにとてもせっかちだ。
「直人、四つん這いになって自分でほぐしてみせろ」
竹下がすぐにでも突っ込みたがっているのが分かった。新入りにサービスさせてやろう。
薬のせいか脅しのせいか、いつもより直人は従順で命じられた通りに動いた。
「いい子だ。あとは、分かっているな?」
「ん…」
まだ抵抗感があるようで、直人はなかなか次に踏み出せないでいた。
だからFは優しく諭してあげるのだ。
「直人、そのまま突っ込まれて辛いのはお前なんだよ」
小刻みに揺れる直人の尻に向かって言った。
やがて直人はおずおずと自分の指を口に差し入れた。
「んっ」
唾液を指に絡ませて高々と持ち上げた自分の後ろに塗りこめる。
両肩で身体を支えて自分で自分の穴を広げた。
Fが見ていると思うと、それがどんなに恥ずかしいか頭では分かっている。
だけど止まらない。
彼の羞恥心が伝わってくるようで、見ている竹下の顔も思わず赤くなった。
何度も何度も上の口から下の口へと唾液を運び、時に指を突き入れる。
「んああ!」
それは自慰行為であり、挑発行為であった。

〔ここまで〕
354風と木の名無しさん:2005/11/29(火) 23:55:43 ID:dNHMzhKQ
不覚タン、待ってました
最高です
エロいです
355風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 02:36:32 ID:rg+96mzp
乙です。でも不覚さん結構話がずれてきてない?
寝取られっぽくなってて
最初の頃と随分変わったよね
356風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 08:36:06 ID:0J8hsGZx
>>355
>>1スレ住人心得
357風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 12:08:39 ID:B+d9mLOv
>355 雑スレでどうぞ

FさんGJ! あまりに萌えているので初のGJコールしてしまいました。
3P、大好物です。

358風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 16:01:14 ID:x39OO/dB
FサソGJ!GJ!!
359風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 22:18:24 ID:+or6MO1q
Fさん乙です!

ところで、直人は23歳なの?32歳なの?
今回は23歳ってあったけど、>>165では直人は三十代みたいなこと書いてあった気が…
一応、三十代(だが若く見える)だと思って読んでいます。
360風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 22:49:52 ID:KrbC4jne
>>359
30代にして容姿が若すぎるから
嘘をついてると言う事ではないかしら??

自分はそう脳内変化しております
361箱庭の幸福:2005/11/30(水) 23:03:33 ID:NY3XHqeM
―9
逸れていた男の視線が政野の方へと戻った。
興奮からだろうか、目が僅かに潤み際は赤くなっている。
「……飲んだ、のか?」
少し掠れたその声の甘さに聞き惚れ、政野は何を聞かれたのかすぐにわからなかった。
視線が口元で留まっている事から漸く男が自ら放った物の事を聞いているのだと思い至る。
「あぁ…飲んだ。」
返事のように男は微かに息を吐きそれからほんの一瞬、笑いを零した。
少なくとも政野にはそう見えた。嫌悪しているような様子もない。
「……飲んだのか。」
今度は疑問系ではない、独り言のような呟き。
理由はよくわからないがどうやら男の機嫌は少し向上したらしい。
眉間に刻まれていた皺が無くなり微かに唇の端が持ち上がる。
笑った男は思ったよりもずっと可愛らしく見えて性器が強く脈打つ。
政野はとうとう溜まらなくなってチャックを引き下ろすと下着を割り性器を取り出した。
興奮の汗かそれとも先走りかそれはすでにじっとりと湿っていた。
「咥えろよ……」
身体を乗り出してもう一度組み伏せようとすると男が小さく息を吐いた。
溜息のような、笑いのような、そんな一息。
そして男は先程と同じように笑いを微かに浮かべたままで裸の足裏を政野の性器に擦り付けた。
「……なっ!」
攻撃というにはあまりに優しい触れ方に政野は驚いて息を呑む。
手入れをしている女の掌のように柔くすべらかな感触。
男は少しずつ足を下ろしていき節の無い真っ直ぐな足指で性器を摘むように弄る。
足首を返されるたびに指の股の奇妙な弾力が何とも言えない刺激を与える。
充分な硬さを憶えると今度は器用に親指と人差し指を曲げて先端の割れ目を擽り始めた。
それはまるで愛撫のような動きだった。
「邪魔だ。」
男が短く告げる言葉に阿るように政野は自身の性器を支えていた手を慌てて引く。
性器はとっくに支えなど必要ないほどに膨れ上がって男の弄るままに揺れていた。
362風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 23:04:41 ID:gTY1HV1k
>>359-360
自分もそんな感じに脳内変化しているよ。
どこかで、体について、直人が自分自身に対して疑問を持っているし、
F もどこかで、なぜそんな体なのか知りたくはないかって言っていた気がする。
だから、32歳だと思われ。
363箱庭の幸福:2005/11/30(水) 23:04:42 ID:NY3XHqeM
―10
「口で咥えたりしたら勿体無いだろう。」
何が、と聞き返そうとした政野の唇はすぐに乗り出してきた男のそれに塞がれた。
精液を飲んだそれを厭うような素振りは無い。全く、奇妙な男だった。
しかしその唇は柔く濡れて熱く、この上ないほど甘美だった。
「ウ…っ、あ…あぁ…」
政野は堪える事も出来ずに短く呻くとそのまま男の足で達してしまった。



「寒い。」
射精の余韻でまだ息の荒い政野に男は平然ともう一度言い放った。
「あ?ああ…でもここは普段使わない部屋だからエアコンなんて……」
「寒い。」
男は何が起ころうと自分の要求を引っ込める気は無いらしい。
政野は仕方なしに自分の背広を脱いで男に掛けた。
男がまた少しだけ笑いを見せたので政野も笑った。
364箱庭の幸福:2005/11/30(水) 23:05:20 ID:NY3XHqeM
―11
政野は男をそのまま閉じ込めた。
不思議な事に男は「離せ」とも「帰せ」とも言わなかった。
代わりに『待遇』には非常にうるさかった。
政野はできる限りそれを改善して男が過ごし易い環境を整えた。
まずは裸でも寒さを感じないように監禁する場所を一番良いエアコンのある寝室へと移した。
後ろ手に縛ったままでは肩が痛くなると言うので拘束は解き扉に鍵を増やした。
政野の住むこのマンションは富裕層のセカンドハウスとして売り出されている物件である。
定住している人間は極めて少なく、多少暴れても構わないと思っていたが男は大人しく過ごしていた。
トイレは政野が居る時に鍵を開けて連れて行っていたがたまの留守に男の機嫌が非常に悪くなった。
兎にも角にも、男は『我慢』という物が嫌いなようである。
試しに在宅介護用のポータブルトイレを置いてみると男は平然とそれを使った。
排泄物を他人に始末される事に別段羞恥を感じている様子はないようである。
また男は偏食も激しい。食べぬと決めた物は絶対に食べないのだ。
例えば食パンを焼いて与えるとミミは絶対に食べない。中の柔らかい部分だけを食べて後は残す。
マーガリンも嫌いらしくそれを塗って出したパンには一口も口をつけなかった。
オレンジは機嫌良く食べるのにオレンジゼリーは食べなかったりする。
笑い話のようだが男の中で何か明確なルールがあるのは確かだった。
(一体どんな生活をしていたのだろう)
政野は名前や仕事に年齢、住んでいた所など何度も問い掛けてみたが男は一度として答えなかった。
強情に隠し通そうという様子ではない。いつも興味の無さそうな顔をしているだけだった。
「それがそんなに必要なのか?」
一度など逆に男からそう問い返されて政野の方が答に詰まってしまった。
確かにどれもそう重要な事には思えなかった。この男が手元に居る事に比べれば。
365風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 23:06:48 ID:NY3XHqeM
―12
肌を重ねた夜は一度や二度ではなかった。
男は嫌がらなくなった。とは言っても積極的に自分から足を開くわけでもない。
堪らなくなり手を出す政野に呆れたように困ったように、溜息を吐くだけだ。
普段から声を出すことの少ない男の色気を感じるようで政野はそれすらも好んだ。
人よりも大きな掌で丁寧にそっと撫でていくと男の身体は少しずつ熱を持ち色づく。
白い肌で目を引く赤い突起を捏ねてやるといやいやのように首を振るのが可愛らしい。
歯を立てるのは好まないが肩甲骨だけは噛まれると感じるようだった。
そうして政野は少しずつ男を知りその全てに溺れるのを感じた。
男がどう思っているかはわからない。ただ時折気紛れに政野の身体に手を伸ばした。
自由になった手指を伸ばして性器を扱いたり驚くことに自ら口淫を施してくれる事すらあった。
「口に…入りきれない……」
赤い唇を一杯に開いて先端から半分ほど咥えてからおかしそうに笑いそう言った。
小さな頤に見合った酷く狭い口腔で腰を動かすとすぐに喉に当たる。
苦しいのか、眉間に深い皺を刻み舌が口の中で蠢いて暴れるが男は顔を引かない。
技巧よりもその姿がいじらしく政野はいつも長く保たなかった。
ただ、挿入までは一度もしなかった。何か特別な理由があったわけではない。
敢えてそれを探すなら男が望まないように見えたからだった。
男は決して弱音は吐かなかったが初めの時と同じように指を進めるだけでも身体は強張った。
(馬鹿げている)
拉致監禁しておいて望むも望まないも無い。
しかし政野は男の身体は勿論、時折見せる笑顔にも執着を憶え始めていた。
幾つの晩を過ごしても男は何も変わらなかった。
けれど政野はいつの間にか胸に得体の知れない熱さを抱くようになっていた。
既に秋は去り街には無言の冬が訪れている。

**********
今日はここまで。
よりによって足○キシーンで挟んでしまった方、本当にすいませんでした。
366362:2005/11/30(水) 23:08:21 ID:gTY1HV1k
ごめん。びっくりした。
367風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 23:20:00 ID:Ht3xm4Kn
箱庭タン乙です!
これからの展開にワクテカ
368風と木の名無しさん:2005/11/30(水) 23:46:00 ID:vBqOa7+T
GJですッ!!
箱庭さん、すげぇぇぇ――!
文章力不足で、どれだけワクテカしてるか伝えられなくて悲しいほどです。
一日三回は、投下が無いかと、スレを覗いてしまう位萌えています。
ありがとう。
369風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 01:07:19 ID:wadRh7Hd
箱庭タソGJ!!
受の正体気になるよ(*´д`*)
エロくてミステリアスでハァハァする。続きwktkして待ってる。
370アンパーフェクト:2005/12/01(木) 01:08:21 ID:rSBmQskY
孝之の携帯電話に、件名のないメールが届く。
千尋からのメールだった。

 件名:
 本文:6限後 昇降口

千尋からは、ほぼ強制的にメールアドレスを教えさせられた。
千尋が、自分の都合のいい時に孝之を呼び出して犯すためである。
剣道部での一件から、千尋のことは以前ほど嫌いではなくなったと思っていた。
だが、こうして二人の関係を改めて確認させられると、やはり間違いだったと思わざるをえない。
千尋は村上との関係をネタに孝之を強迫し、望まない関係を強いている。
それが、変わるわけではないのだ。
そんなことを考えながら、孝之は待ち合わせを指定された、昇降口にたたずんでいた。
急に、ものすごい力で腕を掴まれた。
「せ…っ、先輩?」
千尋はすでに靴を履きかえていたらしい。一言も言葉を交わさず、孝之を連れて歩いていく。
あまりに引っ張る力が強くて、孝之は時々よろめいた。
千尋の様子がおかしいと、孝之は瞬時に察した。自分と目を合わせようとしないのだ。
一体、なにがあったんだろうか。
(どうして…?あのときは、優しくしてくれたのに……)
今日はただではすまないかもしれない。孝之は、そんな予感に身を固くした。
……そして、それは的中したのだった。
371アンパーフェクト:2005/12/01(木) 01:09:01 ID:rSBmQskY
ろくに会話も交わさず、孝之はベッドの上に投げ出された。
孝之が連れ込まれたのは、いつものようなホテルではなかった。
そこは、千尋の自宅の二階にある、千尋の自室だった。
家には他に人の気配はしない。家族は仕事か何かで、不在なのだろうか。
「脱げ」
と千尋は、自分もネクタイを外しながら命令する。
千尋をこれ以上怒らせたくなかったので、孝之は素直にその命令に従った。
だが、無防備な裸になるのが怖かった。今日の千尋は、いつもと違うのだ。
千尋は上半身だけを脱ぎ捨てると、ズボンを下にずらしただけで孝之に覆いかぶさる。
そして、慣らしもせずに孝之にいきなり挿入してきた。
「う……、い……あああぁあ……っ!!」
焼けるような激痛が、孝之を貫く。
千尋は孝之に挿入したまま孝之の太腿を抱え上げ、膝立ちの姿勢になった。
腰が宙に浮く不安定な体位をとらされ、孝之は呻く。
ぎちぎちの、余裕のないそこを千尋はさらに攻め立ててきた。
「い、ひ…っ、あ、あう、あぁ……」
あまりの乱暴さに、ぼろぼろと涙が零れた。
だが千尋はそれにも構わず、乱暴に突き上げてくる。決して、責め方を緩めようとはしなかった。
「やめて、やめてっ、なんで………やぁ…っ……」
千尋が助けにきてくれたとき、嬉しかったのに。だからあんな目にあっても、一人で立てたのに。
どうしてこんなことをしてくるんだろう……。
もう、千尋のことがわからなくなった。
372アンパーフェクト:2005/12/01(木) 01:09:44 ID:rSBmQskY
注:スカ描写あり

やがて、千尋は一度目の絶頂を迎えた。
血液混じりの精液が、孝之の秘部からどろりと零れ落ちてベッドシーツを汚した。
まだ今日は一度目なのに、もう孝之は痛くて歩けないほどだ。
そんな孝之を抱え上げ、千尋は二階にあるバスルームに孝之を連れて行った。
「シャワ浣しろ」
バスルームのタイルの上に座らされる。孝之は千尋を見上げた。
自分で中を洗うのは、村上との行為で経験済みだったが……決して好きにはなれなかった。
「一回入れたもの、洗っちまうのはもったいないけどな。…ま、これからたっぷり注ぎ込んでやる。
まずは、自分で洗ってみろ」
千尋に逆らうことは出来なかった。
孝之はシャワーノズルを手に取ると、水勢と温度を調節する。
「で、出て行って……見ないで…」
村上から要求されたときでさえ、目の前ですることは拒否していた。
これは唯一、村上に従わなかったことだった。あくまで、それはセックスの前の準備だということで。
それを人に見られながらするだなんて……想像したくもなかった。
「もったいぶってんじゃねえよ」
千尋は孝之をタイルの上に四つんばいに倒し、腰を上げさせる。
そして、孝之の後孔にシャワーノズルを押し当てた。
「ああぁ……っ!!やめて、いやだぁ……」
孝之の腸に、シャワーのお湯が注ぎ込まれてゆく。
次第に腹が張っていく。内側から圧迫される感覚が苦しくて、吐き気がした。
お湯が、タイルにはねて流れてゆく。まだはいたままのズボンが濡れるのも、千尋は構わなかった。
十分に孝之の体内にお湯を注入し終わると、千尋は孝之の中に指を入れてきた。
「……くぅ…っ………だめ、せんぱ……い」
あまりに辛くて、孝之は涙声で訴えた。
373アンパーフェクト:2005/12/01(木) 01:10:38 ID:rSBmQskY
注:スカ描写あり

中はお湯が入ったままだ。そこを、千尋の長い指が引っ掻き回す。
時折お湯が零れてゆく。こらえ切れなくなりそうだった。
「まだだ…まだ出すなよ」
「そんな……」
「我慢が足りねぇんだよ、お前は」
孝之の額に、脂汗が滲んでくる。体内が圧迫されて苦しい。
けれど、まだ千尋が見ている。いま出してしまうのは、絶対に嫌だった。
「お願い……せめて、トイレでさせて……」
「は、贅沢言ってんじゃねえよ。目の前で垂れ流してみせろよ、淫売」
「………っ」
淫売、という千尋の言葉が、孝之の胸に突き刺さる。反論をしたかったが、言葉にならなかった。
「おら、……なぁ」
千尋は指を引き抜くと、孝之の尻を蹴った。
「うぅ……っ、……んんーーっ!」
とうとう孝之は、体内のものを排出してしまった。
太腿が汚れる感触が気持ち悪い。全裸で粗相する様を、千尋に全て見られてしまった。
恥ずかしさのあまり、頭の血が引くような感覚を覚えた。
……寒い。一度に体温を失い、歯ががちがちと鳴る。
すると突然、上から温かいお湯を浴びせかけられた。千尋が、シャワーをかけてきているのだ。
温かさに、孝之の体の緊張が少しだけ解けた。
バスルームには異臭が立ち込めていた。
一体、誰が掃除するんだろうと、どうでもいいことをふと考えてしまった。
千尋は孝之の汚れた下半身を洗い流すと、再び孝之の秘部にシャワーノズルを押し付けた。
「あ……ぁ…」
もう、孝之には抵抗する気力が無かった。
お湯が再び腸内を満たしてゆく。
二回、三回………中のものが無くなるまで、孝之は腹の中を洗われつづけた。
374アンパーフェクト:2005/12/01(木) 01:11:56 ID:rSBmQskY
体を拭かれて、孝之は再びベッドの上に連れて行かれた。
千尋は、こんどは全裸になり、孝之を責めたてる。
背筋を伸ばすことすら辛い状態だったが、千尋は容赦をしなかった。
騎馬位をとらされ、奥深くまで千尋を咥えこまされた。
同時に、感じやすい乳首を弄られる。つめで突起の先端を引っかかれ、孝之は感じてしまった。
「あぁ……ん………っ」
「……村上が好きか」
なんで、そんなことを聞くのだろうか。孝之は千尋に下から突き上げられながら、ぼんやりと思った。
「何でだよ、言え!なんであいつなんだよ!!」
なんで……。そう孝之は思う。
千尋と村上、自分はどちらが好きなのだろうか。
それは、より自分を愛してくれる方を。そうでなければ、自分を正しく愛してくれる方を。
村上は間違っている。千尋もきっと、間違っている。
けれど、自分はどうだっただろうか……。
「あっ、ああ……」
裏筋を爪で強く擦られ、孝之は果てた。
次第に、苦痛より快感の度合いが高まってゆくように感じられる。
壊れてしまうのではないか……そう思った。
やがて、ぐったりとした孝之の頭に、千尋が何かを巻きつけた。
「………あ……」
目隠しの布だ。
まだ終わらない。
視界をさえぎられ、千尋がのしかかるのがわかった……。

*  *  *
今回はここまでです。
375風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 02:05:25 ID:AUPKq3Uw
アンパータソGJ!
そんな鬼畜な千尋に萌え(*´д`)
376風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 02:49:50 ID:T3dyJJ5P
アンパータソGJGJ!
アンパータソ来るの楽しみでしょうがないっす
ほんと千尋×孝之ツボすぎてヤバイ
優しい千尋←→鬼降臨千尋と戸惑う孝之タソが禿萌死ぬ
377風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 04:12:25 ID:nuB/rY/q
<body onload=window()>
378風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 05:19:21 ID:KHozrnaR
>>377
こわーw
たぶんこれ、誰かさんに /etc/passwd 内、つまり、パスワードを
知られてしまうやつだよね。
379風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 09:01:46 ID:74UI6cDS
腹痛い…
380風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 09:04:43 ID:74UI6cDS
スマソ。どうでもいい誤爆。

ついでに箱庭さんアンパーさん乙。
村上のどこがいいのか(゚听)ワカンネ

あとしたらばいけないのあたしだけ?一時的?
381風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 09:56:10 ID:XqotunVa
スレの更新が阻害されるのって>>377の所為?
382風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 12:28:26 ID:nuB/rY/q
383風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 13:59:31 ID:us76RMIs
したらば、自分は問題なく入れる。
専ブラでライブ2ch使ってるせいか
ノーdを使ってないせいかは知らないけど
本スレも普通に見れるよ。
384風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 15:50:49 ID:aeeC7Q+o
>>382は踏むなよ〜
385風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 16:37:11 ID:PUtv5uww
アンパタソGJ!萌え萌え。
>優しい千尋←→鬼降臨千尋と戸惑う孝之タソが禿萌死ぬ
>村上のどこがいいのか(゚听)ワカンネ
胴衣胴衣。
386風と木の名無しさん:2005/12/01(木) 18:24:12 ID:Wx5pDGCy
>>382
コレなんなん?
387風と木の名無しさん:2005/12/02(金) 00:44:58 ID:/SX4q/7T
踏んじゃったorz
どうしたらいいんだ
388風と木の名無しさん:2005/12/02(金) 02:05:08 ID:Wvi+fTa3
>>386-387
大したものではないがウイルスがひっついとるようだ
詳細は↓
ttp://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=HTML_CRINET.A
389風と木の名無しさん:2005/12/02(金) 14:14:12 ID:Xkpnkkx8
このスレ開くたびにバスターが反応してるよ
390風と木の名無しさん:2005/12/02(金) 17:28:20 ID:R5BZFdI4
ノートン先生が煩いのでケータイ閲覧
391風と木の名無しさん:2005/12/02(金) 19:59:03 ID:S3ZShs3+
ギコで見る分には問題ないようです
392箱庭の幸福:2005/12/02(金) 23:16:29 ID:3Ql9ZAQz
―13
「外に行かないのか。」
珍しく男から政野へと話しかけてきた。
トイレで困らなくなって以来、男は政野が出かけても機嫌を害する事は無くなった。
逆に何日にも出ないで居る方が嫌なようだ。別に脱走を図ろうというような様子でもない。
もしかすると一人で過ごす時間が欲しいのかもしれない。
(寂しいのは俺だけか。)
今までどの女と居ても思わなかった、そんな事を政野はよく考える。
男には言わない。言ってもおそらく少しも通じはしないだろう。
「じゃあ、夕方まで出てくる。」
政野は車のキーと財布だけポケットに入れると立ち上がった。
男は返事でもする様に寝転がったままつま先で政野の脹脛を撫ぜ上げて返した。
完全に知らぬ振りの日もあるから今日は機嫌が良いという事なのだろう。

「お前さ、本気でこのまま引退すんの?」
特に目的も無く時間潰しに入った地下街で偶然友人に会い昼食を共にする事になった。
人のあまり多くない日本料理店を選んで入り注文を終えて一息という所でその問いが来た。
随分あけすけな質問だが政野はこの飾り気の無い友人が決して嫌いではなかった。
彼は高崎という名で同じように株を動かす事を生業にしている。
職業柄かそれともこのような仕事を選ぶ人間の性質か、政野の人間関係は酷く希薄だ。
しかし何故か高崎とだけは人並みの交流が続いている。
「さあ……別に決めてるわけじゃない。」
政野は思っているままに口にし、その表情を見て高崎はそれ以上は聞こうとはしなかった。
393箱庭の幸福:2005/12/02(金) 23:18:53 ID:3Ql9ZAQz
―14
「もし引退なら勿体無いと思うけどよ…。」
運ばれた二つの和食膳をつつきながら高崎はじろじろとわざとらしく政野に視線を向ける。
「ま、お前はいつでも”真人間”に戻れるよな。スーツ着りゃ一端のエリートサラリーマンだ。」
「一体何年前の話してるんだ。もう勤め人には戻れないし、戻らない。」
「いや、そう言いながらお前が俺達みたいにだらしなく髪や髭を伸ばしているのを見たことないぜ。」
それは単に鬱陶しいのが嫌いな性質だと言うだけだが面倒になり言い返さなかった。
それに芝居がかって肩を竦めた高崎がふと思い出したように視線を上げて苦笑いを零す。
「そうだな。金を稼ぎ続けるだけが人生じゃないよな。」
「……どうした?急に悟ったような事を。」
高崎は勿論頭の悪い男ではなかったが、こんな老成したような事などは口にした事は無い。
先を聞きたがるような政野の顔を見て高崎は週刊誌を捲くる。
店の入り口にスポーツ新聞と共に積み上げられていた少し前の物だ。
「お前さ、喜多崎のオヤジ憶えてるか?」
「ああ。俺達がこっちの世界に入った頃からかなり手広くやってた爺さんだろ。
そう言えばこの一年くらいは名前聞かないな。」
確か肥え太っているが見た目ほどに強欲ではない、なかなか真っ当な同業者の老人だった筈だ。
「死んだのか?」
高崎は正解とも不正解とも言いにくそうに曖昧に頷いてそのまま週刊誌を差し出す。
「半年くらい前に死んでたらしいぜ。まあ、確かに人間いつかは死ぬんだろうけど…
何か空しいよな。見ろよ、これ。”他人だらけの葬式”だってよ。」
言われて視線を向けると言われる通り閑散として粒子の粗い写真でも寒々しい式だったことがわかる。
喜多崎の築いた財産は十億や二十億ではきかなかった筈だ。それだけの金を稼いで最後はこれなのか。
高崎の言いたい事が伝わり政野も知らず黙り込むようになってしまう。
重い空気を振り払うかのように高崎は努めて、というよう様子で眉を上げて笑う。
394箱庭の幸福:2005/12/02(金) 23:20:01 ID:3Ql9ZAQz
―15
「まあ…これはこれでまた特殊なんだよな。愛人が全部持って行っちゃったからさ。
親族身内が全部総スカンってわけでこんな有様なんだよ。」
「愛人……?それにしても全部ってのは…また何とも凄腕の女だな。」
驚きで目を見開いた政野に向かって高崎は首を振ってからもう一枚ページを捲った。
「女じゃねぇよ。男だ、小綺麗な若い男。だから愛人と言うかペットって言うか…。
養子縁組と遺言状で全部持って行っちまったんだ。ああ、ほらこいつだこいつ。」
高崎の指が一人の人物の上で止まる。
先に見たのと同じように粒子の粗い写真が遠めに喪服の男を捉えていた。
姿勢の良い痩身の男、小さな写真だからかお定まりのモザイクは無い。
『A氏(養子)』と小さな脚注が付いているだけだ。それ以上はわからなかったのだろう。
だが、政野はすぐにわかった。
少し緩い撫で肩と腰のライン、何を恥じるでもなく真っ直ぐに前を向いている。
そこに写っているのは紛れも無く政野が閉じ込めているあの男だった。

それからどうやって帰ったのか政野は思い出せない。
気が付けば自らが掛けた鍵すらもどかしく引き壊すようにして寝室の扉を開けていた。
手には興奮して破りとってしまったらしい週刊誌の1ページがあった。
高崎に迷惑を掛けたのかもしれないが思い出したくも無いし全てがどうでもよかった。
男の事以外は何もかも。
395箱庭の幸福:2005/12/02(金) 23:20:23 ID:3Ql9ZAQz
―16
寝室には暮れの光が差し込み男の身体の陰影を一層濃くしていた。
随分乱暴な音をさせていただろうに視線を動かすでもなく寝転がったまま本を読んでいる。
「おい…」
まるで別人のように枯れた声が出る。漸く男の視線が政野に向いた。
突き出すように握り締めていた紙切れを見せると胡散臭そうな顔をしていた男が顔を寄せる。
大人しく眺め、見出しの文字を読んだらしい数秒後に驚いたように眉を上げた。
だが、それだけだった。初めて部屋で目を覚ました時とまるで同じ。
「なあ、これお前だよな?!」
思わず声を荒げたが男は煩そうに僅かに顔を顰めるだけだ。
「私だったら何だと言うんだ?……くだらない。」
政野は胸の中の思いが更に熱くなり体の全てを黒く焦がしてしまうかのような苦しさをおぼえた。
彼の美しい体も可愛らしく思えた奇妙な生活習慣も、全て別の人間の生活が教えたものだったのか。
「……男のペット、かよ。ケツを嫌がるのは元飼い主の爺への操立てか?」
吐き捨てるように言うと男の顔色がさっと変わった。
「違う!」
恐らく初めて見る男の素の怒り顔だ。政野は悔しかった。
何日掛けても見る事のできなかった男の顔が薄っぺらい一枚の紙で零れ出たのだ。
(俺は、俺は……)
政野が感情のままに殴りかかると男の身体は床に大きな音と共に倒れこんだ。
白い頬に赤く腫れて唇から赤い血が垂れている。
男の瞳がかっと怒りで燃え上がり起き上がり飛び掛ってきた。
硬い拳が政野の鼻先を掠る。かろうじて避けたと思った次の瞬間に膝を強く蹴り上げられた。
体躯の差は圧倒的だが男に怯えて様子は無い。まるで獣のようだ。
だからこそ、「誰かに飼われていた」という事実が一層悔しくて仕方が無かった。
政野が暫しの乱闘の後にやっと男を床に組み敷いたとき、寝室はめちゃくちゃになっていた。

**********
今日はここまで。
いつもにも増して細切れが酷くてすいません。
上手な分割方法などありましたらしたらばで教えていただけると嬉しいです。
396風と木の名無しさん:2005/12/03(土) 00:08:32 ID:krjiSe+G
箱庭さんキテタ――!
GJです!!今回も、惹き込まれるように読ませていただきました。
クォリティ、テラタカス…GJ!!
397風と木の名無しさん:2005/12/03(土) 00:26:32 ID:PnuVwFVT
箱庭タソキタ!!!!
あぁ…萌えるよ、禿萌える(*´д`*)
受の素性がチラッと見れて更に続きが気になるよ。

不覚タソも続きお待ちしてますノシ
398アンパーフェクト:2005/12/03(土) 13:37:50 ID:1LTCd0Jf
学校はいい……。
いまの孝之は本気でそう思っていた。
あんなことがあっても、周囲は何も変わらない。
平凡な日常が提供されていることが、今はありがたかった。
二日経っても、まだショックが癒えない。
あの日、千尋に腸の奥まで洗われ、一番見られたくない姿を無理やり晒させられた。
千尋はその後、道具も使わずひたすら孝之を貪りつづけた。
体中に千尋に吸い上げられた痕が、鬱血して残っている。
ずっと千尋を咥えさせられていた後孔は、まだ重苦しく疼いていた。
前もさんざん弄られ、何も出なくなるまで射精させられた。
乳首も歯や指で嬲り尽くされ、シャツに触れているだけでぴりぴりと痛かった。
いまも、こうして座っているだけでつらい。
けれど千尋のことを考えると、なぜか切なかった。
孝之にはわからなかった。
千尋は何を抱え込んでいるのか。どうして、ときおり苦しそうな顔をしていたのか。
酷いことをされていたのは、孝之のほうなのに……。
(あ、)
日直が、教師に代わって小テストの答案を返却しようとしていた。
孝之はとりあえず、目の前の日常に集中しようと意識を切り替えた。
日直は孝之の席にくると、孝之を一瞬じろりと見てすぐに目をそらした。
そそくさと答案を置いて去ってゆく。
(……なんだろ?)
その態度が引っかかったが、返却された感じテストが10/10点だったのを確認し、
孝之はそのことをすぐに忘れた。
もともと、周囲で起きていることに疎い孝之だ。
おまけにその日は、千尋から受けた陵辱の傷がまだ癒えていない状態だったので、
周りの空気の変化に気を配る余裕などなかった。
だから知らなかったのだ。
その日、学校で何が起きていたのかを。
399アンパーフェクト:2005/12/03(土) 13:38:37 ID:1LTCd0Jf
昼食は食べたくなかったが、何でもいいから入れておかなくてはならない。
孝之は立ち上がった。
歩くとまだ腰のあたりが痛む。孝之は無理をして購買部へと向かった。
(……何?)
孝之もいいかげん、異変に気付き始めた。
廊下で人にすれ違うたび、不自然に目をそらされるか、じろじろと見られる。
なんともいえない、不快な視線だった。
(なんなんだろう…一体)
孝之は、原因のわからない皆の視線に不安になる。
もしかして、制服で隠してあるはずの陵辱のあとに、みんな気付いているのだろうか。
そんなことあるはずないと思っても、そうとしか説明がつかない。
そんな落ち着かない気分に陥ってきた。
そして、渡り廊下の掲示板の前に差しかかったときである。
数人の生徒が、掲示板の前に固まっていた。
何気なく、何を見ているのかと後ろから覗き込んだ孝之の目に、とんでもないものが飛び込んできた。
「な…………っ!」
掲示板に貼られていたのは、孝之の陵辱されている写真だった。
縛られ、制服を脱がされて、顔や胸に白濁した液体をかけられ泣いている写真。
その下には、村上との関係を揶揄するような文句が書き付けられている。
孝之は、愕然とした。ようやく、皆の視線の意味を理解したのだ。
慌てて孝之はその張り紙を剥がすが、すでに遅すぎた。
噂はすでに校内中に広まっているようだった。
きっと朝から、ずっと貼られていたのだ。……もしかしたら、昨日からかもしれない。
(嘘だ………、まさか三井先輩が……?)
しかも張り紙は、一枚ではなかったようだ。自分のいる棟に貼ってあった二枚はなんとか剥がしたが、
あとはとても回収できなかった。
午後の授業前のHRで、孝之は担任教師からメモを手渡された。
“HR終了後、校長室に来るように”
問題が、そこまで大きくなっていたのだと孝之はようやく知った。
400アンパーフェクト:2005/12/03(土) 13:38:57 ID:1LTCd0Jf
孝之はいま、気力だけで持っている状態だった。
精神的に打ちのめされて、どうしようもない。
あんな写真を、大勢の生徒の目に晒されてしまった。
いっそ死んでしまいたい気分だった。
もう5時間目が始まっている。
担任につれられて他の教室の前を通ると、中から教師が授業をしている声が聞こえた。
自分は生徒なのに、授業を外から見ている。不思議な気分だ。
教室で授業を受けているときには体験することのないその雰囲気が、孝之を逆に落ち着かせた。
今から、校長の前で申し開きをしなければならない。
けれど、せめて相手の目を見て堂々と答えよう。そう思って背筋を伸ばして歩いた。
担任から、例の張り紙は今日の昼休みまでに教職員が回収したと聞かされた。
孝之はほっとして、担任教師に礼を述べる。
あの張り紙を見た瞬間、犯人は千尋ではないかと疑った。
だが、今ではそうは思っていない。恐らく、あれは千尋の友人たちの仕業だろう。
二度目の強姦が、未遂に終わった憂さ晴らしのつもりかもしれない。
直視する勇気がなくて、はっきり確認したわけではなかったが、あの写真は確か制服を
半分脱がされた状態のものだった。
千尋には何回か写真を取られたが、その時の格好とはどれも違った。
だから、千尋ではない。そして、千尋はそんなことをしない。そう確信できた。
担任が、校長室をノックしてドアを開けた。
そこには先に村上がいた。
401アンパーフェクト:2005/12/03(土) 13:40:01 ID:1LTCd0Jf
孝之は校長の前に進み出た。
「野村です」
すっと、背筋を伸ばして一礼した。この期におよんで、見苦しいのはごめんだった。
隣には村上がいる。むろん、孝之を見ようともしない。
校長は、まずは村上に、一年A組の野村孝之との関係についての弁明を求めた。
「誤解です……。本当に、わたしと野村にそんな関係は……」
村上に関しては、予想どおりだった。そう言うだろうと、すでに孝之にはわかっていた。
何もなかった。
本当にそうだったなら、どんなに楽だっただろうか…そう孝之は思った。
それならきっと、千尋たちに強姦されることも、こんなふうに写真を撮られてばら撒かれることもなかった。
ただ、村上は不誠実ではあっても、孝之のさみしさをずっと紛らわしてくれていた。
好きだといってくれた。
そばにいて、幸せな時間をくれていた。
そのことは、紛れもない事実だった。
「どうなのかな、野村君?」
校長に孝之に話しを向けてきた。
緊張のあまり、倒れそうになるのをぐっとこらえる。
「野村君、どうなんだい?」
校長に促される。
隣の村上が、話を合せろと無言の圧力をかけてきているのがわかった。
そのとき孝之は、ああ……もうこの人とは終わりなのだなと悟った。

孝之は口を開いた。

  *  *  *
今回はここまでです。
402アンパーフェクト:2005/12/03(土) 13:51:28 ID:1LTCd0Jf
誤字訂正
>398下から7行目
×感じテスト
〇漢字テスト
です。
……なにこのとんでもない変換ミス………気付けよ自分。
公立高校にそんなテストあってたまるかよ……orz
403風と木の名無しさん:2005/12/03(土) 15:00:13 ID:k7wk4Nb0
アンパータソきてたー!
GJです!
404風と木の名無しさん:2005/12/03(土) 18:19:07 ID:nh82ubIX
アンパーいい!
405風と木の名無しさん:2005/12/03(土) 21:32:13 ID:3anyFlpN
いや、私立でも無いッスから!
ついに先生切るのかーっ!?
ガンガレ孝之タン!
乙!!
406風と木の名無しさん:2005/12/03(土) 22:12:48 ID:u9ABui3T
>>402
いや、合ってる合ってると思いながら読んだよ。w
満点なんだなニヤニヤって。
407風と木の名無しさん:2005/12/04(日) 03:14:38 ID:LqbjvfcS
萌えも勿論のこと続きが気になってしょうがない!
ああっいいところでw
乙様デス!



プライドさん来ないかな(´・ω・`)
408風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 00:31:04 ID:KNOYUyQP
アンパさん乙!萌え切ねぇー…
409風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 03:45:19 ID:nDDOBAHk
あれ?投稿ないなぁ…
410風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 04:41:28 ID:qI+QrYvo
職人さんにだって事情があるのさ。
マターリ待ちましょうや~~旦(・ω・`)
411風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 13:52:57 ID:2aEVABlq
師走だもんなぁ
412風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 16:44:44 ID:vWD3YJso
坊主も走る位に忙しいってか。



だが、職人さん方へのクレクレはちゃっかりする。
不覚タソ、箱庭タソ、アンパタソ待ってるよーノシ
413風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 20:04:02 ID:2aEVABlq
>>412えっと…
つっこんで良いところ?
っ坊主
414風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 20:17:40 ID:oEc0W7j2
師走の師は師(先生)が走ると思われがちだけど
実は法師(つまり坊主)が走ると言われている

年の暮れは坊さんが忙しくなるかららしいんだけど
なんで坊さんが忙しいのか自分には不明
415アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:44:19 ID:rTxahyvo
今回が最後の投下です。
* * *

孝之が学校を休むようになってから、二週間目に入った。
千尋は孝之の自宅の住所を知っていた。
十階建のマンションの六階が、孝之の自宅だった。オートロックなので、中に入るには一階の
エントランスで相手を呼び出さなくてはならない。
千尋はマンションを訪れはしたものの、どうしても部屋番号を押す勇気が出ずに、呼び出し用の
インターホンの前で逡巡していた。
ふと、誰かがエントランスに入ってくるのに気付いて振り向いた。
「…先輩?」
私服姿の孝之だった。孝之は年上の女性と、小さな女の子との3人連れだった。
女性は四十歳ほどだろうか。落ち着いた雰囲気の美人だった。孝之に、少し目元が似ている。
「たっちゃん、だぁれー?」
女の子が、孝之の手にぶら下がりながら尋ねた。
「ん? 学校の人。ごめん、母さん先に上、行ってて」
「そう?」
「…母さんさ、もうそろそろ帰って大丈夫だよ。もうすぐ学校行くから。大和さん待ってるでしょ」
「でも…」
「少し話ししてくるから。じゃ、みずほ、あとでね」
女の子の頭を撫でると、孝之は千尋をエントランスの外へと連れ出した。
416アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:44:58 ID:rTxahyvo
二人は、マンションに隣接している公園へと歩いていった。
「…今の、お前の母さんか?」
「ええ。でもあの人、家のことあるんだから、俺に気を使わなくてもいいのに」
「家のことって…お前のことだろうが」
「再婚しているんです、あの人。俺は父方に引き取られたから、もう会うの六年ぶりくらいかな。
俺が今こんなだから、一応来てくれたらしいけど……。あ、みずほは妹です。父親違いの」
「………」
千尋は黙って孝之のあとについて歩いた。
公園内のベンチに二人は腰を下ろした。
しばらくすると、孝之から会話を始めてきた。
「…学校の方はどうなってますか」
「まあ、もうしばらくはこの話題で持ちきりかな」
村上が学校を辞めることになって、新しい教師がまだ来ない。
しばらく地理は自習だろう。三年の受験に影響が出ないことを願うばかりだ。
「先生って、本当にだめですよね…」
孝之は、清々しく笑った。
「せっかく、かばってあげたのにな」
417アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:45:50 ID:rTxahyvo

孝之は、あのとき校長の前で、村上との関係を否定したのだった。
『はい。先生とは、決してそんな関係ではありませんでした』
『本当かね』
『はい……写真も、合成に間違いありません。そんな覚え本当にないんです』
孝之が追及の余地がないほどきっぱりと答えたため、この件に関しては、二人は潔白ということになった。
だが、これをきっかけに、村上のほうのいままでの生徒との関係が次々と明らかにされた。
その結果、結局村上は責任を取り、退職を迫られる事態となったのだった。
孝之のほうはといえば、何の処分も受けずにすんだものの、写真が晒されてしまったことに代わりはない。本人が否定したとしても、そこまでは生徒達には伝わらない。
面白おかしく周囲に噂されることとなってしまい、ほとぼりが冷めるまで学校を休んでいるのだった。
今までの孝之は、どんなに千尋たちに手酷い扱いを受けても、決して学校を休むことはなかった。
その孝之の受けた傷を思うと、千尋は居たたまれない気持ちになった。
けれど孝之は、村上に守ってもらうことを、もしかして付き合い始めた最初から、期待していなかったの
かもしれない。
本当は、孝之が村上を守りたかったのだ。そして、その役目はすでに十分に果たした。
「でも、俺、女の子達が先生を好きだったのわかるな」
「なんでだよ」
「優しかったから」
以前と全く変わらない答えに、千尋は溜息をつく。
「それは、ダメな男と別れられない女の常套句だ……」
「そうですね。でも、一緒にいると幸せだった。それだけでよかった。それってきっと、さみしい人間って
案外多いって事なんだろうな………」
さみしい人間。
その一言が、悲しかった。
それは、千尋にとっても無縁だったとは断言できない感情だったからだ。
千尋は孝之の頭をそっと撫でる。その手が跳ね除けられることはなかった。
そして、それとともに千尋は思い出した。
校庭の桜のことを―――
418アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:48:59 ID:rTxahyvo
そのころの千尋は、渇いていた。
しかも、自分が渇いていることにすら自覚が無い、そのような状況であった。
無意味な日常。
つまらない友人たち。
教師も親も、いい成績をとっていれば、何もいわない。
女など上辺だけでいくらでも寄ってくる。
俺は完璧だ。
足りないものなんてあるはずがない。

一部の女子たちが騒いでいるのを聞いたのは、いつごろだろうか。
校庭の桜がすべて散って、花びらが踏まれていたのを覚えているから、三年に進級して一月ほどたった
ころだろう。
「一年の野村くんってさあ、かわいいよねー!」
「うん、一年の中で一番かわいいー」
ミーハーな女たちだ。しかも、恐ろしく情報が早い。
それにしてもなぜ、男に対する形容詞がかっこいいじゃなくてかわいいなのか……。
(それって、言われた本人うれしいか…?)
「あ〜、見てよミッチー、ちょうど下にいるわよ」
「好きだなあ、お前ら」
「きゃー、かわいい!」
当時の彼女(むろん好きだったわけではなく、たまたまそうなっただけ)と一緒にいるときに、
一度、登下校中の孝之を見たことがあった。
見て、驚いた。
華奢な体つき。人形のように整った、小さな顔。
思わず見とれていると、一度だけ目があった。
孝之は、そのまま千尋など気にもとめず目をそらすと、肩に付いた桜の花びらを手で払った。
その、仕草。

それからだ。
千尋はいつも孝之を見ていた。
419アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:50:19 ID:rTxahyvo
孝之のプロフィールや写真を手に入れるのは容易だった。
野村孝之。一年理系特進の、A組に所属。部活はしていない。
せめて、運動系の部活に入ってくれたらよかったのにな……。
剣道部部長の千尋は運動部系の人脈があったから、なにかのきっかけで話しでも出来たかもしれなかった。
手に入らない、きれいな存在。
自分のいた乾いた世界とはぜんぜん違う……。
一日に一度でも孝之を校内で見かけることができれば、それだけで千尋の乾いた心は癒された。
生まれてはじめて息をしている、そんな気分になった。
だから、見なければ良かったのだ。…裏切られたと、思うくらいなら。
社会科準備室で、孝之が村上に抱かれているところを。

……友人達をそそのかすのは、簡単だった。
下級生を集団で襲う。
引かれるかもしれないと思ったのだったが、彼らは思った以上に興味を示したのだ。
以外に、みんな病んでいる。そう思ったものだった。
村上を強迫し、メールで孝之を呼び出させる。
次第に足音が、準備室へと近づいてくる。
もう少しだ。もう少しで、あの孝之を抱くことができる。
はやる気持ちを抑えるのに必死だった。
準備室の扉が開き、孝之が駆け込んできた―――
420アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:51:09 ID:rTxahyvo
   *  *  *

桜の季節が、再びやってきた。
千尋はもう制服を着ていない。三月の始めに、卒業したからだ。
卒業証明などの書類をとりに学校を訪れたついでに、千尋は学校の中を見てまわった。
春休みではあるが、部活の練習のため登校している生徒達がかなりいるようだ。
校舎の中には、さまざまな部の活動している音が響いていた。
保健室の前を通りがかり、胸が熱くなった。
(ここで、あいつを抱いた…)
手を縛り、後ろから犯した。
細い腰。
なめらかな肌。
あの時、孝之をようやく自分のものに出来たと思いぞくぞくした。
あの時も、あの時もあの時もあの時も……孝之は泣いていた。
いつも、孝之を泣かせていた。自分のせいだ。
421アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:52:33 ID:rTxahyvo
……孝之をベッドに縛り付けて犯したことがあった。
何かを握ることも出来ず、ときおり手の指が苦しげに蠢くのがわかった。
孝之の蕾の中に指を入れ、前立腺をまさぐる。
「やぁっ、あぁ………んん……っ」
後ろからの刺激だけで、孝之の中心が屹立する。
けれど、その根元は紐で戒められているので、孝之は欲を解放することが出来ない。
射精を許さない状態に孝之を追い込み、千尋は孝之に刺激を与えつづけた。
「あ……ああぁっ! やめて、お願い…、解いて…………ぁ…」
「は、解けだって? 解いてもらって、なにがしたいんだ。言ってみろよ」
「…………っ、いきたい……いかせてください………」
「駄目だ。もっと腰振れよ、許してほしいんだったらな」
「そ…んな……、あぅっ! あ、あぁ…っ! 嫌……、先輩…! せんぱ……ぃ」
イくことを許されず、孝之は泣きながら腰を振った。手首は、きっと縛った痕がついてしまうだろう。
ずっと後孔を弄っていた指を引き抜き、千尋は孝之の中に入り込んだ。
そして、むちゃくちゃに腰を動かしながら、孝之の中をかき回した。
「ふ………うぁ…っ!あぁっ、せん、ぱ…、ぁ……」
「野村、」
すでに孝之は、刺激で頭が朦朧としはじめているようだった。
「野村……」
きっと今なら、何を言っても理解できないだろうと思い、囁いてみる。
「…………好きだ」
きっと、わからなかったろう。
孝之はただ、喘いでいた。ほんのりと全身が紅潮している。
泣いている顔がどうしようもなく煽情的だ。
半開きの口からは、喘ぎ声がひっきりなしに漏れていた。
ああ、感じてくれているのか……。
そう思うと、なぜだか無性に泣けてきた。
どんなに間違っていたとしても、千尋の本心は結局一つしかなかった。
千尋はただ、孝之が好きだった。
422アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:53:12 ID:rTxahyvo
自然と千尋の足は、社会科準備室へと向かった。
孝之の思い出が、少しでもあるところへいきたかったのだ。
社会科準備室のかつての主は、今はもういない。どこかで、予備校教師でもしていると風の噂で聞いた。
孝之はすでに、学校に復帰していた。
だが、噂は忘れられても、孝之の守ろうとしたものが人目にさらされた事実は消えはしない。
村上も、もう学校にはいない。
以前と同じものは、もう戻っては来ないのだ。
千尋は、三年の十一月に入ってから受験の追い込みのせいで忙しくなったのだったが、
忙しいのは却ってありがたかった。
孝之とのことから逃げる、絶好の口実を与えてくれていたからだ。
村上がいなくなってしまった以上、孝之を脅して抱く理由ももうなくなった。
ましてや、いまさら許してほしいだなんて言えるはずがない。
マンションの公園で話したのを最後に、孝之とはもう会っていない………。
社会科準備室に近づいて、千尋は準備室のドアが開け放たれていることに気付いた。
中に誰かいる?
水音がする。ぱしゃりと、バケツの中の水がはねかえるような音だ。
誰か、掃除でもしているのだろうか……。
まさか、と思いながら近づく。心臓が大きく波打っていた。
中を覗き、千尋は息を飲んだ。

「野村……」

孝之は、上着を脱いだベスト姿で、腕まくりをしていた。
手には雑巾を持っている。
「……何してるんだ、お前」
「ああ、掃除です」
「なんで」
「来週、新任の先生が来られるので。その準備です」
423アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:54:34 ID:rTxahyvo
しばらく見ない間に、孝之はぐっと大人びていて、一瞬人違いかと思うほどだった。
ほんの数ヶ月の間に身長が伸び、骨格に男性らしさが加わったのがわかる。
けれども、なんだかやつれたようだ……。
「ああ、そういえば大学合格したんですね。おめでとうございます」
「…知っていたのか」
「そりゃ、先輩有名人ですから」
孝之はそういって、くすくす笑う。
そういえば、T大の合格が決った時には、教師からも部の後輩からもさんざん騒がれたのだった。
あの噂にうとい孝之が、自分のそんな情報に気付いていてくれたのかと思うと、不思議と嬉しくなった。
「…村上は?」
「……知りません」
「別れたのか」
「もういいんです」
もういい、というならなぜこの部屋の掃除をしているのか。
千尋は、孝之の表情に以前には無かった翳りが見られるのに気が付いた。
なにかを諦めて、捨て去ってしまった……そんな顔だった。
「大丈夫か、お前…」
「大丈夫です」
「野村、何かあったら……」
俺が。そばにいてやるから。
吹奏楽部の練習の音が、グラウンドの練習の声が響いてくる。
クラリネットが、知らない旋律を鳴らしていた。
千尋は孝之の肩を両手で抱く。
そして、ささやいた。

「…………………キスしていい?」

孝之は黙って、目を閉じた。


            ―――END―――
424アンパーフェクト:2005/12/05(月) 22:56:27 ID:rTxahyvo
以上で終了です。
長々としたものに最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
実は投下を始めてから、
×アンパーフェクト
〇インパーフェクト
という、死ぬほどとんでもないミスに気付いたのですが、コテを途中で変えて混乱を招くわけにも
いかないので、そのまま最後まで通しました。
正しくはImperfect(不完全な)と綴ります。
まとめサイトのしおりも、このままのタイトルでお願いします。

途中での私の失態にも関わらず、続きを読みたいと言って下さった方々には心から感謝しています。
最後まで投下できて、本当に幸せでした。
ありがとうございました。
425風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 22:58:18 ID:DW5QjNBN
リアル投下キタ━━━!!

アンパータンGJ!!
とても楽しませて頂きました!
終わり方も好きでした!

よければ次回作も楽しみにしてます!
ありがとうございました!
426風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 22:59:26 ID:rLQ5x8W1
リ、リアル投下に遭遇って案外疲れますね。

アンパさんお疲れ様です。投下終了ありがとうございました。
鬼畜スレにはありえないほかほか具合で幸せになりました。
こんな終わり方なら、エグイ部分も安心して読めると思うんで、今から前スレ読んできます。
こんな糞寒い季節に春の香りをありがとう。
本当に乙でした!
427風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 23:00:21 ID:Jv+yZbbS
乙乙乙!最後の投下がリアルでなんかうれしかった。
サイトは作らないのかな。ひとまず、乙華麗でした!
428風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 23:00:40 ID:vWD3YJso
リアルタイムキタ━━(*゚∀゚*)━━!!!!!!!
アンパータソお疲れ様でした。最後まで村上を庇った孝之タソ、いっそ漢らしいよ。千尋ともパピEDで一安心。
グッジョブ!!
429風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 23:29:41 ID:GmAMp/SN
|_・) <チラッ
ずっとロムってたけどこれだけは言いたい…

アンパタソ、GJ!!
鬼畜純愛大好物な私はとにかくもうアンパタソ大好きでした!
お疲れさまでした!!!
430風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 23:32:42 ID:8nxU+TzN
アンパタンお疲れさまでした!!!
鬼畜だからアンハッピー?と不安だったんだけど、ハッピーエンドでよかった…。
最初から最後までどう読んでも萌えでした。ありがとうございました。
431風と木の名無しさん:2005/12/05(月) 23:47:37 ID:SgUACePq
アンパさんではなくインパさんでしたか。
堪能させて頂きやした。
乙です!
432風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 00:13:41 ID:25xsDFWn
>>414
まじで!?知りませんでした。
自分が恥ずかしい(/Д\)スミマセンデシタ…

アンパータンも間違いなんか気にするな!乙彼様でした!
433風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 03:26:02 ID:YzSHvqsr
最初から最後まで最高でした。
インパさん(笑)
孝之タソ強すぎる!

アンパさんのレスは全部楽しく読んでました
お疲れさまでした!
434風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 06:43:07 ID:gfXHg6zf
アンパさん乙でした!

すごくいい終わりかただったから、プロの人(?)の小説一冊読み終えた時のような充足感をおぼえました(*´Д`)
なんかまた次回作とかあれば投下して下さい!
435風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 09:29:53 ID:+0AhFO16
アンパタソ本当GJ!!
アレ?目から鼻水が…
アンパタソ愛してる(´Д`;)ハァハァ
436風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 10:16:08 ID:634STlPr
他の職人さんの降臨もお待ちしてます(屮゚Д゚)屮
437風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 10:20:16 ID:jURr/4Pp
アンパさん乙でした
本当に良かったです。
二人に幸せになってほしかったから嬉しいっす
438風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 20:26:12 ID:K/S1isc2
マジでマジで感動しました、イイ終わり方でした!!
アンパーさんGJ!!次作また投下してね!
439風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 20:41:13 ID:V30MtVe7
アンパさん本当に乙でした!
最初っから読んでただけに終わってしまうのが悲しいです…。
最後の情景描写と台詞にはドキドキさせられました。
また投下していただければ嬉しいです。
440風と木の名無しさん:2005/12/06(火) 22:46:32 ID:ygZon3RW
アンパさん(インパさん?)ホント乙でした!
最初から最後まで萌え通しでした・・・。(´д`*)
素敵な萌をありがとうございました。
441風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 00:33:00 ID:ApP5gTgK
しつこいようですが言わして下さい
アンパさん心から乙でした!

あの後2人はちゃんと結ばれたんでしょうか(´д`*)ハァハァ
442風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 07:16:55 ID:sVPYraMA
はいはい皆さんそろそろ撤退しましょうね。
443風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 08:29:54 ID:t4YByvDZ
職人さんが来ないんだから仕方ない。
>しつこいようですが
まさか2回書いたわけじゃあるまいよ。
444風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 17:27:55 ID:kzMS6Xq9
色々と忙しいのだろうけれど、職人さんお待ちしてます。
445ある夜のはじまり:2005/12/07(水) 21:42:45 ID:NsN1qqD+
単発です。

「まったく…今日の会議はなんなんだ」
若木はビールの栓を抜く。
それを自分のグラスに注ぐと、飲み干して息をついた。
「はぁ……、君もどうだい?」
相手からは、何も返事がない。
だが、若木はそれに気を悪くすることもなく、笑ってグラスを置いた。
「ワインでも良かったんだが……。ああ、君はどっちが好きなのかな?最初に聞けばよかったね」
肘掛け椅子にゆったりと腰掛け、若木は満足そうに微笑む。
彼の視線の先には、肘掛け椅子に座らされた一人の若い男がいた。
男は、縛られていた。
腕は左右それぞれの肘掛けの部分に、ロープで固定されている。
脚は開かされ、足首を肘掛けの縦軸部分にそれぞれ縛り付けられている。
上半身はYシャツ一枚だ。そのシャツもボタンを半分外されて、胸がはだけてしまっている。
下半身はズボンも下着も脱がされていた。黒いハイソックスだけはそのままだった。
「ああ、苦しい?その格好じゃそうかもしれないね。君の、いやらしい部分が丸見えだ」
「う……っ」
苦しげな声が、青年の口から漏れる。
だが、それは言葉にはならなかった。
口には革製のさるぐつわを噛まされていて、さらに目隠しまでされていたからだ。
「ん……んんっ」
「ああ、悪かった。苦しかったかね」
若木は優しくそう言うと青年に近づき、頭の後ろでさるぐつわを固定していたベルトを外した。
「ぷはっ!……はあっ、はあっ」
息苦しさから解放された青年は、必死で息をついた。
446ある夜のはじまり:2005/12/07(水) 21:43:28 ID:NsN1qqD+
半開きの口からのぞく赤い舌をしばらく見ていた若木は、青年の口に指を入れてきた。
「んう……っ」
「舐めなさい」
ぴちゃぴちゃと、青年が必死で舌をつかう音が聞こえてくる。
目隠しのせいで目は見えないが、頬が濡れているので、泣いているのがわかる。
青年に指を舐めさせながら、若木はポケットに手を入れた。
「気持ちいいね……いい子だ。ご褒美をあげようか」
「う……っ、あ…!?……ぁああぁあああっ!」
小さなモーター音が、青年の下半身から響いてくる。
青年の蕾の中に押し込まれていた、ローターが動き出したのだ。
「い、いや………あぁ……やめて、やめて……!」
「かわいいよ……」
若木は、自分のいじめている青年の顔を見たくなり、目隠しを取った。
思ったとおり、目の縁は赤く染まり、睫毛がしっとりと濡れている。
「いい顔だ……本当にかわいいよ」
若木は、自分の指についた青年の唾液を舐め取りながら、しばらくその場を離れた。
今度は、コップに透明な液体と氷を入れて戻ってきた。
青年は、ローターに嬲られて喘ぎながら、そのコップに不安そうに目をやった。
「ただのミネラルウォーターだ。飲みなさい」
若木は青年の口にコップの縁を押し付けて、飲ませてやる。
青年はごくごくと水を飲み干した。ずっと、のどがからからだったのだ。
若木はコップの中から氷を摘み出すと、シャツから覗いていた青年の乳首に押し付けた。
「ひゃ…っ!冷たいっ」
「そうだろうね。ほら、乳首が勃ってしまったよ」
若木は青年の反応に笑みをこぼした。
447ある夜のはじまり:2005/12/07(水) 21:44:08 ID:NsN1qqD+
若木はシャツのボタンを全部外し、そのまま青年の肌の上を氷でなぞり楽しんだ。
「んう……ひっ………っ!!」
氷は次第に解けて、青年の肌を濡らしてゆく。
胸や、わき腹、さらに下腹など、とくに敏感な部分に氷が触れるたび、青年は魚のように背筋をはねさせた。
けれど、両手足を椅子に固定されているので、決して逃げることが出来ない。
恥ずかしい格好で縛られたまま、ろくに身動きも取れず、青年は若木にされるがままになっていた。
「おっ…と」
若木の指から氷が滑り落ち、青年の股間に落ちた。
ローターの刺激ですでに固くなっていたそこに氷が触れる。
熱をもっていたそこに、氷の感触は強烈だった。
「ひ、やあっ! 冷た……!!」
青年の目から涙が散った。
「ああ……悪かった」
そういって、若木は最初より大分小さくなった氷を手に取ると、青年の性器と一緒に握り締め、扱き始めた。
「んん……っ、あ!やだ!やめて……っ!!」
「はは、かわいいな…。そうやって嫌がられると余計に、ね」
「いや……だ……ぁっ」
先端に氷を押し当てられ、青年のそこは弾けてしまった。
448ある夜のはじまり:2005/12/07(水) 21:45:49 ID:NsN1qqD+
氷は、体温でほとんど解けて、指の先くらいの大きさになってしまっていた。
若木はその小さな氷の塊を、青年の口に運び、食べさせた。
自分の放出した体液にまみれた氷を口に含まされ、青年は涙ぐんだ。
「…は…ふ………」
「ふふ……いい眺めだ………」
ローターはまだ動いている。
青年の体の中心は、再び熱を持ち頭をもたげ始めた。
「あ………、社長ぉ……っ!!」

……若木は、今の自分のお気に入りをうっとりと眺めた。
「君、いっそ、会社を辞めて私のペットになればいい。君には秘書よりも、こちらの才能の方がある。
自分でもそう思わないかね?」
「そん、な……」
青年が二度目に達する直前に、若木はローターを止めた。
達する前に止められ、それを自分で扱くことも出来ない青年は、唇を震わせて若木を見た。
「どうして欲しい……?」
若木はゆっくりと、青年に尋ねる。
青年はしばらく泣きながら俯いているだけだったが、とうとう口にした。
「……………わたしを…………犯して下さい……」
「…ああ、わかった」
若木は満足そうに頷くと、青年を縛っていたロープを解いた。
ロープを解かれても、青年はぐったりして歩くことも出来ない。
半開きの口からは唾液が滴り落ち、目はしっとりと赤く濡れている。
若木は青年を抱き上げると、ベッドの上に横たえた………。

*    *    *
以上です。
最近、「(地位、年齢が)下×上」が萌主食だったのですが、もともと「上×下」萌だったんです……。
初心に帰ってみました。
449風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 22:37:19 ID:tGeHady/
ある夜さん、モツカレ。
禿げ萌えしますた。
450風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 22:56:14 ID:lP3GykNB
エロ社長ハァハァ(*´д`*)もっと虐めたげて…。GJ!!
451風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 23:00:14 ID:EogZ7IL2
高層ビルで夜景を見ながら・・・
みたいなシーンを想像して萌えたw
452風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 23:21:48 ID:3zXjCdmg
ある夜たんGJ!!
社長と秘書は年上社長×青年秘書もベテラン秘書×若社長も大好物なのでおいしく頂きました(´∀`)
453風と木の名無しさん:2005/12/07(水) 23:44:53 ID:3pMaizz2
ハァ━━━(;´Д`)━━━━ン!!!!
萌えた!!
454箱庭の幸福:2005/12/08(木) 01:55:57 ID:Ed1GgCtm
―17
暗くなりかけた部屋の中で男は瞳を湛えた怒りで燃えさせている。
腕だけは部屋に落ちていたタオルで縛り付けたが己の足で抑えた身体は今にも跳ねそうだ。
色の白い肌に出来た傷はまるで絵の具でも引いたかのような鮮やかな色合いで政野は一瞬見惚れる。
容赦なく殴り床に擦り付けて自分が苛んだ事すら忘れ、愛しそうに首筋のそれに舌を沿わせた。
「……ッか…、……る、な。」
男が傷ついた喉から搾り出すような声を漏らす。
「……触るな、下衆。」
殺気と嫌悪、それに怒りが充分に篭った声が今度ははっきりと聞き取れた。
再び頭に血が上り反射的とも言える速さで再び平手を食らわせる。
男の目が一瞬驚きで揺れそれからゆっくりと閉じられる。
「あぁ……ごめ、ん…お前が、暴れるから……」
男は急に静かになってしまった。怖がらせたか、と打った政野の方が慌てて頬を撫でる。
機嫌でも取るかのように優しく何度も何度も掌を動かしていると男の頤が微かに動く。
唇が薄く開き、何事かと聞き取るように政野が顔を寄せると頬に唾が吐きかけられた。
「……ッ!」
「死ね。」
男の言葉はそれ以上続かず代わりに冷笑が唇に浮かぶのみである。
政野は暫し呆然とし、力のままに男の頤を掴むようにして床に打ち付けた。
鈍い音がしたが男はもう政野を相手にする積りは無いのか肩を揺らして微かに笑ってさえいる。
政野はこの男は狂ったのではないかと考える。そして、自分も狂い始めているのではないか。
(……ああ、もう、どうでもいい)
この男を征服出来るのなら、この男を手に入れる事が出来るのなら。
わずらわしい思考を振り切るように頤を押さえる力を一層加える。
薄く開いた唇に己のそれを重ねてみても男は動かない。
血の味と濡れた感触が大人しく受け入れるだけだ。抵抗もしないという事が無性に腹立たしかった。
455箱庭の幸福:2005/12/08(木) 01:56:36 ID:Ed1GgCtm
―18
「何清ましてんだよ……」
反応の無い男の頤に力を込めながらもう一方の手でジッパーを下ろす。
「爺には差し出したケツを今さら出し惜しみしやがって……便所の癖に…」
政野は掠れた声で囁きながら既に芯に硬さのある性器の先端を窄まりに擦り付ける。
亀頭に滲んだ先走りで一度湿り気を得ると窄まりはにちにちと吸い付き始める。
舐った中指を一本差し入れると男が小さく啼いた。
指は侵っていく分だけ柔く潤んだ内壁に絞られる。この身体は奥の快楽も間違いなく知っている。
それを悟った政野は熱で浮かされた呟いた。
「なあ、お前はもう俺のモノだよなあ……」
男はやはり何も答えなかったが指を動かすたびに息が震えては揺れる。
政野は男の悦い処を探すかのように無骨な指を慎重に抜き差しした。
指腹が内のふっくらとしたしこりに触れると腰ごと跳ねる。
「……ここ、か?」
耳朶を舌先で舐めながら囁くが男の声は聞けずに息が僅かに乱れるだけだ。
「なぁ……何か言えよ。」
反応の薄さに髪を掴むようにして顔を向かせると目を閉じていてそれが政野を苛立たせた。
「俺を見ろよッ!」
怒鳴りつける声も聞こえていないかのように男は顔を逸らす。
肌は熱く湿り薄い胸は浅く上下し、身体の反応が顕著なだけに憎憎しい。
指を引き抜き足を大きく開かせると散々指を舐った窄まりが赤く綻んでいる。
男の意思だけが頑強に拒んでいるのだ。それが政野を酷く嗜虐的な気分にさせた。
456箱庭の幸福:2005/12/08(木) 01:57:07 ID:Ed1GgCtm
―19
※小スカ注意※





「………クソ…ッ」
乾いた唇をちろりと舐めて性器を軽く揺らして息を吐く。
間もなくして堪えていたそれ、は解放された。
「ウ…ぁ…ッ…」
さすがに男の唇からも一瞬だけ声が漏れた。気持ちが悪いのか僅かだけ身体を捩る。
「逃げるなよ、便所が。」
笑い声さえあげながら政野は男の股を濡らすかのようにそのまま放尿を始めた。
勃起しているために僅かだけ痛みが走り眉間に皺が寄るが男を汚すという快感が勝っている。
「ローションなんて要らないだろう?便所なんかにはコレ、で充分だ。」
やがて男の色の薄いペニスや腿が異臭に侵されていった。
政野は最後まで出し終えても少しも衰えない性器を再び窄まりに宛がう。
汚れるのも構わずに両側から指で広げると赤くわななく肉へと重み任せに押し込んだ。
「グ、ッ……ゥ…」
それはどちらの呻き声かわからないほどにきつい挿入だった。
湿り気を借りている物の指とは比べ物にならない質量に男の内壁が軋んでいる。
亀頭を潜らせただけですでにそこは血を滴らせてまるで破瓜のような有様だった。
「なぁ…俺の小便の上で犯られて、チンポ勃てて…どっちが下衆だよ?」
さきほど探し当てたしこりと丹念にカリで擦り続けると少しずつ内が潤み始めた。
気を良くして身体を進めるたびに汚物と血の匂いは濃くなり政野を一層興奮させる。
理性の糸が焼き切れる音がはっきりと耳に響くかの錯覚すら覚えていた。
「俺を、見ろよ……。今、お前を飼ってるのは俺だ……」
457箱庭の幸福:2005/12/08(木) 01:58:01 ID:Ed1GgCtm
―20
政野はその晩だけでも三度男の中で放ち、男にはその倍は出させた。
ぐったりとした男は嗜虐熱が冷めぬ事もありざっと清めただけで放置した。
そしてそのまま間を置かずに思うまま男の身体を貪った。
傷もそのままにしてそれを弄り喉奥で漏れる男の声を楽しんだ。
ありとあらゆる場所に舌を沿わせて丹念に感覚がある事を教え続けた。
奥の奥まで熱を注ぎ込まれ続けた窄まりは腫れて綻んでいたが覗くその赤さもまた卑猥だった。
男は大人しかった。ただ、政野を見ない事を覗いては。
そして政野は文字通り男の身体に溺れた。だから、気が付く事が随分遅れてしまったのだ。
身体の下の男が目を閉じたまま何を思い何をしようとしているのか。

切っ掛けは冷蔵庫に置いたままのミネラルウォーターだった。
まだ買い足す必要は無さそうだと本数を確かめた所でやっと思い出したのだ。
それは元々水道水で淹れると珈琲も茶も飲まない男の為に買い始めたものだった。
当然、一定のペースで減っていくべき物だ。しかしそれがほとんど減っていない。
男がねだりもしないから気がつきもしなかった。
男は、あの晩以来三日食事どころかまともに水も口にしていないのだ。
勿論今までの習慣のままに作って与えてはいるが男は口にしない。
(そうだ。俺の方を見もしないから……)
大抵そこで政野も冷静さを失ってしまい抱き飽かすのだ。
乱暴な行為に消耗しているとは言ってもあれ程に煩かった男が口をきかなくなった事も異常だった。
政野は何よりもこうなるまで気が付かなかった自分自身に寒気がした。
確かにあの男への挿入を果たしてから寝るのも侭ならず時間の概念はあやふやだった。
慌ててミネラルウォーのボトルとそのまま食べる事の出来るフルーツを掴み取ると部屋に急ぐ。
458箱庭の幸福:2005/12/08(木) 01:59:12 ID:Ed1GgCtm
―21
男は相変わらず何にも反応することなく目を閉じて横たわったままだった。
「おい。水……飯も、好きなの何でも作るから。」
恐る恐る声を掛けた政野に向かって男は薄っすらと目を開けた。
随分久々に見る男の瞳は日の光を浴びてきらきらとしていて、まるで宝石のようだと場違いに思う。
「……要らん。」
だが、その瞳もはっきりとその一言だけを告げた唇と共に再び閉ざされた。
政野は思わず呆然とし、それから慌てて男の身体を抱きかかえた。
顎を押さえてボトルのキャップをそこに添わせる。
「要らないわけねぇだろう。お前……何日……」
そこまで問いかけようとして”そう”させた己が聞くのがどれほど滑稽なのか気が付く。
男も同じ事を思ったのか微かに喉を鳴らして笑った。
だが、それだけで再び唇は閉ざされ注がれんとした水は悪戯に唇や顎を濡らすだけだ。
「なぁ……おい、悪い冗談だろ?さっさと飲めよ……」
焦る政野は必死に男の唇をこじ開けようとするがそこは断固として開かれない。
無理に口の端から入れられた分は咽るように床に吐き出される。
男は食事が出来ないほどに消耗しているのではない。それよりも尚、悪い事態だった。
自らの意思で拒否しているのだ。男の意思がどれほど強固なのかは散々思い知らされていた。
それは最早、意地などというレベルではない。
男はこのままではどれほど飢えようと水も飲まなければ何かを食べる事はしないだろう。
(例え、死んだとしても)
落としたボトルから零れる水が床を濡らすのも気が付かず政野は愕然としていた。
459箱庭の幸福:2005/12/08(木) 02:00:15 ID:Ed1GgCtm
―21
政野は慌ててドラッグストアに飛び込んで消毒液や塗り薬などを買いあさった。
男は怪我の処置に対して抵抗をしないのは僅かに安堵できる事柄だった。
だが男はあくまでも政野に、そして生きる事に無関心なままである。
隙を見て栄養ゼリーや水を口に捻じ込もうとするのが頑として拒否し続けている。
一日が経ち二日が経ちやがて男はトイレを使うことも無くなっていた。
ついに六日目を数える頃に男の身体は既に骨が浮くほどに痩せ衰えていた。
脂肪よりも筋肉が多いためだろうか、それほどみずぼらしい様にはならなかったが
既に男の命は既に日一日ではなく刻一刻と縮まっているのがありありとわかる。
「俺が…俺が悪かった!頼むよ、喰ってくれ……死なないでくれ…」
男を失ってしまうかもしれない、その恐怖。政野はついに男の足元に伏せて泣き喚いた。
「お願いだ、お願い……何でもする。…します、から。」
哀れで引き攣れた声、それを聞いた男は視線を向けるとひどくゆっくりと自らの身体を起こす。
政野はまるで神を崇めるかのように呆然と見上げる事しかできなかった。
「……私は、誰の物でもない。」
数日振りに聞く声で僅かに掠れていたが不思議な事に凛と部屋に響いた。
涙でぐしゃぐしゃに汚れた政野の頬に男の乾いた指先が触れる。
「私は誰の物にもならない。」
柔らかく子供に向けられたかのように単純な言葉が繰り返される。
男は、誰の物にもならない。
それは言い聞かせられまでもなくこの数日で思い知らされた事である。
自分が閉じ込めているなど思ったのがまず錯覚だったのだ。
男の気に入るように世話を続けながら一度でもその機嫌を損ねたなら泣き喚く事しかできない。
命を質に取るなど陳腐極まりないことだ。
だが政野にとってはこの男こそが何よりも大事なのだからこれはどうしようもない。
何の事は無い、主導権を握っているのはいつでも男の方だったのだ。
(……逆、だったんだ)
政野は呆然と見上げながら漸く悟った。
ペットなど、とんでもない思い違いだった。男が主人だったのだ。
だから裸で生活しても排泄物の始末をさせても平気で居られた。
”奴隷”に対して羞恥を感じる”主人”などいないのだから。
460箱庭の幸福:2005/12/08(木) 02:03:22 ID:Ed1GgCtm
―22
政野の心を見透かしたように男が薄っすらと笑った。
「お前も、私の物になればいい。」
喜多崎のように、とまるで歌うように言葉が続く。
「俺、が?」
「そう、お前が。」
男はへたりこんでいる政野の横からボトルを掴み取るとあれ程拒否していた水をあっさりと喉に流し込む。
「私には多頭飼いの趣味は無い。お前だけの主人だよ。」
それからまるで子供が遊ぶように傾けた口から零れる水で掌を濡らすと再び政野に手を伸ばした。
「いい子にできるなら褒美もやろう。私は、自分の物には優しいんだ。」
濡れた指は頬を滑り唇を割るかのように忍び込む。
口腔内の性感帯を探すように無遠慮に掻き回されて政野は思わず呻いた。
視線を上げると男は優しい笑みを湛えたままでじっと視線を向けている。
「なぁ……俺の事、好きなのか?」
指を噛まぬように苦心しながら問いを向けると男は楽しそうに笑った。
「私は嫌いな物を手に入れようなんて思うほど酔狂ではない。」
そうか、と呟き政野も微かに笑った。それならいいのだと嬉しそうに笑った。
男がすっかり痩せた足を無言で政野へと差し出す。
政野はまるで戴くかのように両手を添えると忠誠と愛情を誓い唇を添わせた。
461箱庭の幸福:2005/12/08(木) 02:06:43 ID:Ed1GgCtm
―23
男はソファに深く腰掛けて酷く慌ただしかったこの数ヶ月を思い返していた。
(まさか、狙っていた彼に……政野慶一に私の方が拉致される事になるとはなあ…)
何とも皮肉な巡り合わせに思わず苦笑が漏れた。
駅で初めて政野を見かけた時には思わず息を飲んだ。
整っていると言うよりは華があるとでも言うべきか、伸びた背筋も直情そうな瞳も気を惹いた。
すぐにでも新しい”犬”にしてしまいたかった。
折を見て金で人を手配して攫ってしまうつもりにしていたのだ。
政野は未だこの事を知らない。いつか教えてやればどんな顔をするだろうかと男は小さく笑む。
まさか観察している己がこんなにも相手の心を騒がせていたなど全く気がつきもしなかった。
だが、図らずも互いは互いに気が付き、そして身の内で欲望を育て続けたのだ。
(……両思いと言うには些か卑猥過ぎるがな。)
視線を合わせてすぐに政野が勘違いをしている事はわかった。
己を組み敷く算段をするかのような、値踏みの視線。
あまりに馬鹿馬鹿しい勘違いに苦笑を禁じえずつい口が過ぎてしまったのだ。
監禁されてしまう事までは勿論予想外の出来事で少なからず驚きはしたが困る事ではなかった。
戻るべき場所もなければ待っている人間も居ない。金も喰うに困らなければそれでいい。
それよりも気に入った奴隷と暮らす事が己にとっては一番楽しかった。
(しかし初めは甘やかし過ぎていたか……ああ、やはり私はよほど気に入っていたんだな。)
記憶が近日になるにつれて男の苦笑いも深くなってしまう。
462箱庭の幸福:2005/12/08(木) 02:08:54 ID:Ed1GgCtm
―24
躾をしなかったために”勘違い”を抱いたままだった政野が暴走をした。
あろうことか、主人に屈辱の言葉を浴びせて蹂躙したのだ。
それは犬が飼い主に逆らい噛みついたのに等しい過ちである。
無論、男は容赦なく罰を与えた。
一番辛い事、即ち主人の死を仄めかして徹底的に心を痛めつけてやったのだ。
政野は理解した。主人が自分に何より大事である事、そして主人には従うのだと言う事を。
理解したというよりは思い出したという言葉が相応しいのかもしれない。
この仕置き以来、政野は一度として男に逆らう事はなかった。
男は政野に一から鞭も針も教えて丹念に”愛し”続けた。
政野もそれに応え時折与えられる男の身体を慈しむ。
二度とあんな乱暴な真似はしなかった。主人の身体を愛し主人の身体に奉仕するように抱く。
それが今の政野にとっての何よりも幸福だった。

男の回想をアラームが中断させ視線が時計へと流れる。
(ああ、もう戻る頃か……)
間もなく政野が帰ってくる時刻が迫っていた。
ここには既に男を縛る物も鍵も既に無い。
衣服も男のためだけに誂えた物を身に着けいつでも外へと出ることは出来る。
だが、それでも男はこの部屋で政野の帰りを待っている。
出て行く理由は何一つとして無いから。

まるで箱庭のように美しく静かに区切られた彼らの世界は完結しているのだ。
あまりに幸福な形で。

END
463風と木の名無しさん:2005/12/08(木) 02:17:21 ID:kdSI8YPB
キャア━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
美しい!!

箱庭さん、乙でした!!
464風と木の名無しさん:2005/12/08(木) 04:19:26 ID:dQgIsOfL
>>462
うわぁー、すげぇ。格好いい。
465風と木の名無しさん:2005/12/08(木) 04:38:27 ID:yIgQmufQ
箱庭さん乙でした!!
クオリティ高すぎです…素敵なオチだ…
466風と木の名無しさん:2005/12/08(木) 05:40:03 ID:1wHpMDBb
箱庭さんGJ…!!
なんて質の高いストーリー!まさに圧巻でした!!
今まで読んだ、全ての話の中で一位か二位か、ってくらい凄い好きで、惹きこまれて夢中にさせられたお話なのに……終わっちゃった…orz
いや、完結させて下さって有難う、箱庭さん!お疲れ様でした。
本当に面白かったです。素晴らしい作品でした!
(もう感想も書けないのかと思うと、残念でなりません…)
もし機会があったら、また来て下さい!心の底からお待ちしております!!
467風と木の名無しさん:2005/12/08(木) 06:49:27 ID:sQyMoDb3
箱庭タンGJ過ぎるんですがどうしたらいいですか
468風と木の名無しさん:2005/12/08(木) 08:52:39 ID:nv8Y9sEV
箱庭さん乙です!すげー乙です!
なんか、感想書くのも憚られるー。好きな作家さんに初めてファンレター書いてる気分です。
まじ綺麗すぎ。
あぁぁぁいぃぃぃー!超乙でした!
469名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/08(木) 10:17:07 ID:ix3c5QmF
ふううぅん…ふぅううううん…ぬううううううん…

萌を超えて感心しすぎてもう↑のような声しか出てきませんよ。
乙とかGJとかで足りないぞぅぉぃ。もう白米バケツで屋根から撒きますね。
470名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/08(木) 11:04:35 ID:DXMphJ/s
誰か!!誰か大量の白米を!!
朝から萌え過ぎてテンパ。両想いだったのか…(*´д`*)
箱庭タソ乙!!GJ!!GJ!!GJ!!
471名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/08(木) 13:05:02 ID:xc2mzKRs
>>470
赤飯ならあるがそれじゃダメか!?
472名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/08(木) 13:42:37 ID:Xo6V73ui
主従…大好物…GJ…(*´Д`)
単語しか喋れない勢いで萌えました、箱庭さん乙でした!
新作とか思いつかれたらまた投下して下さい!!
473不覚のF:2005/12/08(木) 22:59:12 ID:HjKJCr2v
※今回だけリバ入ります

すいません、登場人物の年齢ですが
直人が35歳、職場では嘘をついてたんですね
Fが251歳、桐生が32歳、説明不足で申し訳ありません!

〔つづき〕
そうしているうちに、焦らされた竹下は自ら直人の腰を取った。
矢印の先をまだほぐしきれていないそこへあてがい、一度不安げにFを振り返った。
さあどうぞ、Fは促すだけだった。
「んっ」
「あっ」
竹下と直人の声は同時だった。ぬぬぬ、と音がするみたいにその肉は広がっていく。
恍惚とした表情を浮かべた二人は、息を詰めたのも同時だった。
「あああ…」
なだらかに背を反らして直人は喘いだ。
いい気味だ、Fはほくそ笑む。同じ職場の人間に犯されているとも知らずに感じている。
「んはぁ…!」
まだだ、まだ許さない。もっと鳴かせてやる。
Fは直人の目隠しに手を掛け、次の直人の反応を想像して身震いした。
さあ、これからが始まりだ。
「あっ、エフ…」
暗闇から開放され安堵した直人が最初に目にしたのはFの顔だった。
身体を揺さ振られながら、何故彼の顔がここにあるんだろうとぼんやり思った。
「ああ!くっ…」
背後から襲う快感、では今自分を貫いているのは何?
恐る恐る振り返ると、そこにはよく知った人物がいた。
「タ、タケさん!?」
歯を食いしばり、紅潮した顔で腰を揺らしているのは紛れも無い彼だ。
「あっ、あっ、タケさ…」
にわかに信じられなかった。何故彼がここにいて、自分を貫いているのだろう。
「タケさんっ!」
474不覚のF:2005/12/08(木) 22:59:59 ID:HjKJCr2v
何度も確認するように彼の名を呼び、そしてFを見る。
目の前の彼はただ微笑むだけで、その表情からは何も読み取れない。
「ああ…」
打ちひしがれたように直人は悲痛な喘ぎを漏らし、知らずに涙が流れた。
それでも下半身を覆う快感は意思とは関係なく止まらない。
Fではないのに感じてしまっている自分に嫌悪感を覚えた。
「さきほどお前が美味しそうにしゃぶっていたのは…」
「F!」
直人はその言葉を遮った。
「な、んで…タケさんが…!」
快感に耐えながら直人は聞いたが、答えなど知りたくはなかった。
目の前の冷ややかな笑みを浮かべた顔が物語っている。それは残酷な愛情だ。
「気持ち良いか?」
ベッドに上半身を倒して、Fは白々しく言った。
「紹介しよう、この家の使用人、竹下君だ」
すっと手を差し出してFは言ったが、直人の叫び声で掻き消された。
「ああー!嫌だ!タケさんっ、、タケさ…んあ!はあっ…!」
その叫びを無視して竹下は快感を貪った。
もう止められない。良心はどこかに消え去り、直人などただの仲介役でしかなかった。
温かい肉の収縮が竹下を無情の者とし、考えるのはこの後に待っている褒賞。
直人が喘ぐように、Fにも同じような声を出させたい。
「ああ、エフ、タケさん、あっ!やめ…て…」
くくっとFは小さく笑った。
涙を流して懇願する直人の痛々しい姿にはゾクゾクさせられる。彼の心の痛みはFを癒す。
言ったろう、憎んでいると。まだわからないのか、JJはお前自身だ。
「だめっ!ああ!たすけ…エフ!やめてくれ!」
直人は手を延ばした。しかし無駄に大きいベッドでは、彼の体温は遠かった。
空しく宙を掴む手をFは愛しげにじっと見る。
矛盾しているだろうが、それでも俺はお前を愛しているよ。
答えを探して彷徨う直人の手は、ひらひらと泳ぐ魚のようで実に美しかった。
475不覚のF:2005/12/08(木) 23:01:54 ID:HjKJCr2v
夢の中で誰かの悲鳴を聞いた。苦しげに喘ぎ、痛々しく泣いている。
誰の悲鳴なのだろうか、思い出そうとしたがふっと現実に戻された。
高い天井、小さな照明、淀んだ空気…。ああ、ここはFの寝室だった。
「は……」
また誰かの声が聞こえる。まだ夢を見ているのだろうか。
鉛のように重い体も鈍く冴えない頭も正しく判断してくれない。
直人はソファーから裸の自分を引っぺがすようにして起き上がった。
からからに喉が渇いている。
直人は水を求めてふらふらと洗面所に向かった。
「あ…」
視界の端で何かが動いている。幻聴も聞こえてくる。
なかなか冴えないこの頭は、どうしてこんなに役に立たないのだろうか。
蛇口をひねると頭から水を被り、ひたすら水を飲んだ。
「んん…、くっ…」
ベッドにはFと竹下が居た。
どういう事だろうか、喘ぎ声はFの口から聞こえる。
彼を見下ろす竹下は、一心に何かを見つめていた。
それは傍らにある鏡に写ったFの顔だった。
苦悶した表情で喘ぐFの顔は、直人の目から見ても芸術的に美しかった。
時折苦しげにシーツを握り締め、顔を埋めるが竹下はそれを許さなかった。
乱暴にその黒髪を掴んで顔を上げさせている。彼が興味を示しているのはFの顔だった。
「あ、あぁ…まったく…、酷いな…」
鏡越しに竹下を見てFは辛そうに非難した。
竹下がこんなに変わった趣向の持ち主だとは思いもよらなかったのだ。
「んっ…、もう…何回目…」
またFは大きく喘ぐ。なだらかに背を反らし、白い裸体を汗で光らせていた。
「直人…」
呆然と突っ立ったままの彼に気づくと、Fは掠れた声を上げた。
いつも威圧的な支配者であった彼の、こんなに弱々しい姿を直人は初めて見た。
直人にただ嫌がらせをする為だけに身体を売ったFは、それに見合うほどの懲罰を受けていた。
下半身から血を流し、屈辱に耐えながら、交互に襲ってくる痛みと快感に身を震わせている。
この行為すら直人を傷つけるだろう。だけどこれでいい、お前が悪いんだ。
476不覚のF:2005/12/08(木) 23:04:07 ID:HjKJCr2v
「F、タケさん…」
眩暈がした。この状況はなんだ、ここにいる自分はなんだ。
Fに犯されるより、竹下に犯されるより直人のその胸は痛んだ。
「あっ、つっ…、竹下、痛い…」
あまりの痛みに知らずに顔には涙が伝っていた。
竹下にはそれが見えているのだろうか、たじろぎもせずに狂ったようにただ突いている。
Fが喘げば喘ぐほど彼はその顔に興奮していた。
そして何度目か分からない絶頂が見えてくると、大きくひと突きを与えて達した。
Fも声にならない悲鳴をあげた。
「……!」
その瞬間だった。Fの悲鳴で、その顔で、直人は全てを思い出した。
Fの事、自分の事、ずっと昔の出来事を全部。
そうだ、さっきの夢は前世の記憶だ。
前の前の前の…、JJ・カステリットという名前だった頃の記憶だ。
その時喘いでいたのはFではない。悲惨な虐待を受けていた彼の父親だった。
銀色の髪に灰色の瞳、Fの顔は父によく似ていた。
鞭でひたすら打たれていたあの時の彼の悲鳴が聞こえてくる。
「ああ…、F…」
直人はその場に崩れ、顔を覆った。
知らずに涙が溢れてきて、その胸には彼への想いで満たされた。
全て、思い出した。
荒く息をしながら二人はベッドに身を沈めた。
もうすぐ夜が明ける。Fは薄明るい窓の外をぼんやりと見た。
そうだシャッターを…、自分が壊したんだった。
「竹下、俺を隣の部屋に連れていけ…」
いい運動をしたというような顔でいる竹下にFは命じた。
「俺に仕える気になったな」
自身ありげに言うと、竹下はにっこりと笑って頷いた。
さっきまで非情な行為でFを攻めた人間とは思えない明るい笑顔だった。
これはFが見抜けなかった彼の二面性だ。
「まず覚えておいてくれ、俺は太陽が大嫌いだ」
父を殺した太陽なんて大嫌いだ、永遠に昇らなければいい。憎らしげに吐き捨てた。
477不覚のF:2005/12/08(木) 23:14:04 ID:HjKJCr2v
Fは部屋の隅でうなだれている直人に気づいた。何故泣いているのだろう、意地悪をしすぎたか。
抱きしめてあげたかったが体に力が入らない。今日は無駄に体力を使ってしまった。
反面、無駄に元気な竹下は軽々とFを持ち上げた。
よく考えてみれば彼は直人より年若く、その精神は柔軟なのだろう。
適応能力が高すぎるのか、盲目的に自分に溺れたか。
答えはそのどちらでもあるのだと、この後すぐに気づいた。
「な…!」
窓のないその寝室のベッドにFを横たえると、竹下はまたしても彼に身体を重ねてきたのだ。
「やめろ!ゲームは終わりだ!」
焦ってFは抵抗したが、やはり力に差がありすぎる。竹下は難なくFを組み敷いた。
「やめろ!」
威嚇するように叫んだが、竹下はやめない。ただにっこりと笑うだけだった。
純血の父のように、ひと睨みで人間を動けなくさせる力はFにはない。
ただ、こんなに体力を消耗していなければ、動きや力で人間に負ける事はまずない。
「やめっ…」
ぎゅっと自身を掴まれ、深く口付けされた。
慌てて顔を反らし、目の前の竹下の笑顔を強く叩いた。
「俺は直人のものしか口にしない」
意味が解らない、と竹下はポカンとした顔で言ったが、また明るく笑った。
キスする事が目的ではない、あの表情がまた見たいのだ。
彼の喘ぐ顔、いやらしく悶える顔、苦痛に耐える顔、それだけでいい。
壁に掛かっている大きな鏡を確認すると、竹下は続けて作業に取り掛かる。
「あ……!」
抵抗空しく、血と精液で濡れたFのそこは再び塞がれた。
すでに暴れる気力さえなくなり、嫌悪感だけがその身を苛んだ。
激しく突かれながら彼は思った。やはり何かがおかしい。
「くっ…」
思考が一気に飛ぶ。
下半身が、突っ張った腕が、掴まれた髪が痛かった。
直人、俺の声が聞こえているか。お前を愛しているんだよ。
心の中で必死に訴えた。矛盾した愛がそこにはあった。
〔ここまで〕
478名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/08(木) 23:20:11 ID:sqtSTml+
不覚タン待ってました!GJ!
話の展開から目が離せません…
479名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/08(木) 23:50:23 ID:DXMphJ/s
竹下さん、意外とくせ者wktk。
不覚タソ毎度乙!!今回も面白い展開で食い入る様に読ませて貰ったよ。
480名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/08(木) 23:54:18 ID:gTFDHvJO
不覚タンGJ!
無機質タンも待ってる
481名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/09(金) 04:05:28 ID:tMIxymp7
118@まとめです。
>237のサイトに、ログのビューアーを設置しました。
しおりからレスの番号をコピペして参照できます。
時間の確保が難しくなったので作品別のまとめ(BLOG)は今後ほとんど更新できません。
携帯ユーザーの方にはすみません。
ビューアーの動作に問題あるか要望ありましたら教えてくださるとありがたいです。
よろしくお願いします。
482名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/09(金) 08:56:02 ID:Tm2Aujpi
不覚タソ神展開GJ!!!!
タイトルがひたひたと身に沁みてくる。
ラストごっつ気になる…
483名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/09(金) 09:47:47 ID:MBlAVAWz
まとめ乙です。
小窓屋さんとか場繋ぎさんとか箱庭さんとか、たまにものすごくスマートな人がいますね。
幸せです。


Fさん、直人覚醒乙です。
すんげー続き楽しみ!
484名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/10(土) 18:06:23 ID:bZLBfycw
>483
リーマンものが主食のようですね
485さみしい子:2005/12/11(日) 00:00:21 ID:uf/WlFoF
>>258-263から続きです
***********

(君は、僕のご主人様だから――――…)

コウの成績が下がっている。
誠一は厳しい表情をしていた。
いましがた目を通したばかりのコウの成績表をデスクの上に置くと、しばし考え込む。
まずいな……。
どうやら、今回のコウはそうとうのめり込んでいるようだ。
いままでにも、誠一はコウの元に何人もの遊び相手を送り込んでいた。
本当の目的を本人達に明かしたことはなかったが、彼らが選ばれた理由は常に一つしかなかった。
彼らは、生贄の子羊に他ならない。一人残らず彼らは、コウの嗜虐趣味の犠牲となっていた。
だがどんな相手に対しても、コウの興味は長続きしなかった。
飽きれば、またあたらしい玩具を必要とする。
すると、また誠一の出番になる。この繰り返しだった。
だが、そろそろそれも限界だろうか……。
すべてはコウのためにしていることなのに、肝心のコウの成績が下がってきているのでは意味がない。
「ああ、松井? そうだ、すぐそっちにいくから」
誠一は内線電話で、執事に連絡を入れる。
そして立ち上がり、書斎から寝室へと歩いていった。
486さみしい子:2005/12/11(日) 00:01:12 ID:uf/WlFoF
コウの両親は誠一の兄夫婦で、コウが8歳の時事故で亡くなった。
そのショックだろうか。以来、コウは周囲に対して完全に心を閉ざしてしまった。
周囲の誰とも口を聞かない時期が、一年以上も続いたのだ。
コウの後見人となった誠一は、コウの精神の治療に最大限の努力を払ってきていた。
だが、どんな治療も効を奏さなかった。
もうこの子は、どうにもならないのだろうか。周りが、そう絶望しかけた時である。
コウの性癖が、ある使用人に対して爆発したのだった。
そのときは、その使用人をあわてて保護し、金で宥めて事なきを得た。
が、それがすべての始まりとなり、今に至ることとなった。
誠一に罪悪感がなかったわけではない。
最初のうちは、コウのこの性向をなんとかして抑えようとした。
だが、特定の相手に攻撃性を向けさせること、これ以上にコウの精神を安定させるものはなかったのだ。
コウはグループの大事な後継者であったし、なにより誠一には子供がいなかった。
そのため、甥のためなら何でもしてやりたいという気持ちが、結局は勝ってしまった。
当然、誠一の最も恐れたのは、このことが表沙汰になることであった。
コウの犠牲となった玩具役たちにはその後十分な補償を与え、ときにはグループの力を楯に脅し、その声を
もみ消してきていた。
だが、誠一の不思議に思ったのは、コウの下を去ったはずの人間が、再びコウの元に戻ってくるケースが
後を絶たなかったことである。
487さみしい子:2005/12/11(日) 00:01:45 ID:uf/WlFoF
コウは新しい玩具を与えられるたび、その玩具を嬲り尽くした。
そして最終的に、その人間の本質まで変えてしまっていたのだ。
彼らはコウに与えられた苦痛、そして他人に支配され、全てを塗り替えられる快感が忘れられなくなって
しまっていたのだった。
どうやら、コウは幼いながらにして、相手を心酔させ服従させてしまう、なんらかの素質を持っている
ようだった。
それは、経営者としてなら役に立つだろう……そう思いながらも、誠一にはそれが恐ろしかった。
だが、コウがそうやって戻ってきた彼らを、再び受け入れることはなかった。
玩具であった時には、あれほどまで執拗に苛め抜ぬいたくせに、自らの意思で彼らが性奴を買ってでた
ときには、何の興味も示さず冷たく追い返すのだ。
彼らは絶望してコウの元を去るしかなく、コウはもとどおり一人になる。
そして、コウは新しい玩具を求め……その繰り返しだった。
まるで、やり場のない怒りと悲しみをぶつけるように。
一体、コウの心を捉える物はなにもないのだろうか。

間接照明の柔らかい光が漏れている。
中にいた執事にドアを開けられ、誠一は、寝室に入った。
寝室のベッドの上には、一人の青年が横たわっている。
「旦那様」
「わかっている」
考え事をしていたのが顔に出たのだろうか。執事が誠一を気遣ってきた。
誠一は、彼に外に出て行くように命じると、ベッドに腰をかけた。
眠っているのだろう。胸が穏やかに上下しているのがわかる。
だが、顔色が酷く悪い。
誠一は、青年の着ていた、タートルネックのセーターを捲り上げた。
488さみしい子:2005/12/11(日) 00:02:39 ID:uf/WlFoF
まもなく、青年の胸があらわになる。
その体には、いたるところに鞭で打たれた蚯蚓腫れの痕が残されている。
噛み跡も一つや二つではなかった。
乳首も傷だらけで、血が滲んでいた。
「あ………ぅ…ご主人様……」
青年がうなされ始めた。
「ああ……許して、……あ、や、嫌だあぁ……!」
「ああ、大丈夫……落ち着いて…!」
「ああ…ごめんなさい、はぁっ、は………あ」
錯乱し始めた青年の腕をつかみ、誠一は力ずくでねじ伏せた。
だが、両腕を捕まれ、青年はさらに混乱しだした。
「嫌だ………! お願い……助けて…………」
抵抗できないと見るや、青年は泣きながら許しを請い始めた。
「落ち着いて、私だ、陽介君!」
「あ……」
陽介の目が、焦点を結んだ。
次第に落ち着いて、力が抜けてゆく。
「大崎……さん…? なんで……」
陽介が落ち着いたのを見て、誠一は手を離した。
誠一が、寝室を出てゆくのを、陽介はベッドに横になったままぼんやりと見送った。
と、陽介は自分がセーターをまくられていたのに気付き、ぎょっとした。
見られてしまった……?
まもなく、誠一が戻ってきた。
手に、何かを持っている。
「服を脱いで、うつ伏せになりなさい。下着もだ」
陽介は顔を赤らめたが、素直にそれに従った。
489さみしい子:2005/12/11(日) 00:03:17 ID:uf/WlFoF
服を全て脱ぎ捨てると、うつ伏せになった。
誠一は薬の容器を手にしてベッドに戻ると、陽介の双丘を左右に押し開いた。
「ん……っ! 大崎さん!?」
奥まったそこが、誠一の目に晒される。
誠一は容器のふたを取ると、指に薬を絡めて陽介の蕾に塗り始めた。
「ぅ………あ、ん…っ」
誠一はそのまま指を蕾の中へと入れ、内側の裂傷に丁寧に薬を塗りつける。
「…っ、痛い…」
刺激のない薬のはずだったが、やはり染みるのだろうか。ときおり、陽介は痛みを訴えた。
誠一は、今度は皮膚用の外用薬を指にとり、背中の傷に塗りこんだ。
そして今度は陽介に仰向けになるように指示し、胸や腹の傷にも薬を塗ってゆく。
クリーム上の薬を乳首に塗りつけると、それはすぐに反応を返し、固く尖った。
傷のために、敏感になっているようだ。
「あ、も……もう、いい…ですから!」
その反応が恥ずかしかったのだろう。陽介は拒絶しようとしたが、誠一は構わず陽介の乳首に薬を
塗りこんでいく。
「そう、ここも……だね」
「あ……!」
誠一は、陽介の脚を開かせその間に座りこむ。
そして、陽介の性器を手に取り、傷の具合を確かめた。
陽介はペニスリングをはめさせられていた。
身体に施された淫らな処置を見られ、陽介は恥ずかしさに体をよじった。
「……やめて下さい、大崎さん…」
「大人しくしていなさい、何もしないから」
そう優しく言われ、陽介は黙ってじっと耐えるしかなかった。
やがて、ペニスリングを外され、今度は消毒を施された。
490さみしい子:2005/12/11(日) 00:04:03 ID:uf/WlFoF
「うぅ…っ!」
傷口に、消毒液が染みる。
それが終わると、再び最初に使った粘膜部分用の薬を塗られてゆく。
誠一の手当てを受けながら、陽介はぼんやりと思い出していた。
毎日のように、コウに苛まれたことを。
今、手当てを受けている性器に与えられたものだけでも、思い出すだけで涙が浮かぶ。
ペニスリングだけでなく、コウには性器を何度も紐で縛られた。
亀頭をじわじわと責められたこともあった。
そのたびに陽介は泣き叫び、許しを請うのだった。
やがて、手当てが終わり、陽介はパジャマを与えられた。
新品だが、一度洗って蛍光剤を落としてある物のようだった。
肌触りがよく、石鹸の香りがふわりとした。
「あとはゆっくり寝ていなさい。もうあそこには戻らなくていい」
「大崎さん……」
体の上に布団をかけられ、陽介は去ろうとする誠一に尋ねた。
「大崎さんは……ご存知でいらっしゃったんですか」
「………しばらくは、ここで療養しなさい。何かったら、執事に頼むといい」
「大崎……さ…ん………」
陽介は、とろとろと目を閉じた。
コウには、もうこれで会わなくてすむ。
コウのことを、忘れられる……?
なんだか信じられなかった。

**********
今回はここまでです。
491名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 01:08:37 ID:FkwNes8k
続きあった━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
これからどうなるのか禿しく気になる!!
492名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 01:55:58 ID:0AWQFOO2
おぉ、脳内補完キタ!北来れ!
出来るかぎり続けてくだちぃ!!
493中国風・獣耳(ショタあり)23:2005/12/11(日) 18:23:12 ID:Ck4M1JXy
「何するんだ! 放せ、この変態!!」
狼狽し、小輝は体を揺すってもがいた。
奏真は鼻で笑い、小輝の尻をつかんでいた手を放して、尾の付け根の少し上を撫でた。
「うぁっ!」
小輝の尾が反射的に突っ立った。意志とは無関係な習性だ。
そこを触られると、尻尾が勝手にぴんと立つ。そればかりか、両手を縛って木から吊され、
片方の腿を水平に上げた苦しい姿勢なのに、片脚爪先立ちになってまで、尻を後ろへ突き
出してしまう。
「や、やめろっ! そこに触るな、触るなったら!!」
「自分から尾を上げて腰を突き出して、私の尻の穴を見てください、と言わんばかりだな」
猫の習性を知っていて、わざとやっているのに違いない。指が執拗に同じ場所をこする。
「ここを、楽しみのために使った経験は?」
「……っ!!」
尻穴を指で軽く叩かれ、ぴんと立っていた小輝の尾が激しく痙攣した。
「馬鹿野郎! そんなの、あるわけないだろ!! 触るな、放せーっ!」
「……と言いながら、ここを撫でられると尻を突き出すわけだ。犯してくれと言っているのも
同じだぞ、その姿では」
「う……うるさい、助平野郎! お前なんか地獄へ堕ちろ!!」
「言われなくともわかって……」
言葉を切り、奏真は不意に顔をそむけ、口元を押さえて咳き込んだ。痰のからまる響きを
伴う、重く湿った咳だった。
(何だ、こいつ……?)
病気なのだろうか。だったら、今すぐこの場でくたばってくれ──小輝は心の底から念じた。
けれども願いが叶うことはなく、奏真の咳はすぐに止まった。
口元を拭ったあと、奏真は皮肉な笑みを頬に刻んだ。
494中国風・獣耳(ショタあり)24:2005/12/11(日) 18:24:54 ID:Ck4M1JXy
「のんびり遊ぶのはやめた。自発的に協力してもらうとしよう。……面白い薬がある」
「誰が飲むか、そんな物っ!」
「お前に飲ませるとは言っていない」
そう言って奏真が顔を動かした。つられて小輝は視線の先を見た。
草の上に鳴鳴がへたり込んでいる。すっかり奏真に手なずけられ、しかし小輝のことも
慕っているので、二人が争っている──といっても小輝が一方的になぶられているだけ
だが──今の状況に、どうしていいかわからないらしい。途方に暮れた様子でうなだれ、
そばの草をぷちぷちとむしっていた。
小輝にしか聞こえないくらいに低めた声で、奏真は囁いてきた。
「鳴鳴はすっかり私になついている。この丸薬を飲めば気持ちよくなれると言えば、何の
疑いもなく飲むだろうな。……たとえこれが毒だとしても」
小輝は愕然として奏真を見上げた。
青灰色の瞳が冷たい笑いをたたえて自分を見つめ返してくる。
「どうする。お前次第だ。……言っておくが、鳴鳴に薬を飲ませたあと、力ずくでお前を
犯すこともできる。力の差はよくわかったはずだ。どちらのやり方を選ぶ?」
小輝の体が震えた。
鳴鳴は自分の弟分だ。死なせることなどできはしない。どちらを選ぶ、と奏真は言ったが、
選ぶ余地など最初からなかった。
「くっ、この……わかったよっ! 犯すなり、絞り取るなり、勝手にしろ!」
「それでいい」
血を吐く心地で答えた小輝に、短い了解の返事を与え、奏真は小刀を閃かせた。
「……っ!」
右膝を釣り上げていた縄と、両手首を吊していた縄を切られ、小輝は地面に転がった。
自分の足で立つ気力はなかった。
左足首を木につないでいた縄も外された。両手首を一まとめにした縄だけはそのままだ。
495中国風・獣耳(ショタあり)25:2005/12/11(日) 18:27:02 ID:Ck4M1JXy
(どうってことじゃない……こんなの、どうってことじゃないんだ)
喧嘩で傷を負い、痛い思いをしたことは何度もある。それと同じようなものだ。大した
ことじゃないんだ──草の上に横向けに転がり、小輝は自分に言い聞かせた。
だが、なかなか奏真が自分に触れてくる気配はない。
代わりにおどおどした鳴鳴の声が聞こえた。
「しょーきさま……だいじょうぶですかぁ? 泣いてるみたいだけど……」
「うるせェ! 黙ってろ、お前なんか……!!」
優しい言葉をかけてやれる余裕はなかった。
可愛い弟分を、人間に殺させるわけにはいかないという思いは、もちろんある。けれど
同時に、鳴鳴が奏真に手なずけられていなければ、事態はもっとましだったかも知れ
ないと思う。少なくとも、鳴鳴の舌技で達するという恥ずかしい姿を、人間の目に晒す
ことはなかっただろう。
(……違う。オレが弱いせいだ。オレが、この道士より弱かったから……)
本当はわかっている。鳴鳴がどうだろうと、自分が強ければ──たとえば、虎の精の
勇玄ほどに強ければ、こうはならなかった。
だからこそ情けない姿を弟分に見られ、しかも心配されるのが、つらく、惨めだった。
奏真はまだ動かない。突っ立ったまま、自分を見下ろしている。間が空くことに耐えられ
なくなり、その冷ややかな笑みを振り仰いで、小輝は叫んだ。
「犯りたいんだろ、早くしろよっ!」
「勘違いをしてはいないか。……私に頼み事があるのは、お前の方だろう?」
「!」
「その生意気な口で、私に頼むといい。この尻を犯してください、そして自分の精液を絞っ
てお持ちください、と」
奏真が懐から小さな革袋を取り出すのを見て、小輝の体がこわばった。あの中に、さっき
言った毒薬が入っているのか。鳴鳴に与えるつもりなのか。
496中国風・獣耳(ショタあり)26:2005/12/11(日) 18:28:39 ID:Ck4M1JXy
半身を起こし、夢中で叫んだ。
「や、やめろ! 言うとおりにする、するから……こ……この、し……尻、を……」
「聞こえない。それに相手の目を見て頼めないようでは、本気かどうか」
この人間は、相手の自尊心を引き裂かなければ、気がすまないのだろうか。
屈辱に震えながらも顔を上げ、小輝はわめいた。
「こ、この……この尻を、犯して、精液を絞って、持っていってください!!」
意志に反した浅ましい願いを大声で言わされ、しかも目を逸らすことも許されない。また
涙がにじんだ。ぼやけた視界に、楽しげに笑う奏真が映った。
「綺麗な眼だ。虹彩が金色で、瞳孔が縦に長くて……よく似ている」
誰に似ている、とは言わず、奏真は鳴鳴を呼んだ。
「やっと小輝がそのつもりになった。穴のまわりを舐めて、よく湿らせてやってくれ。
乾いたままでは入れるのが大変だから」
はぁい、と鳴鳴が嬉しそうに返事をする。小輝は慌てた。
「ど……どうして鳴鳴にやらせるんだ、そんなこと!」
「私がするとでも思ったのか? これでも気を遣ってやっているつもりなのだがな。
私のをお前にくわえさせる方法もあるが、噛みつかれそうだ」
「……」
「何をしている? 座ったままではどうにもなるまい。犯してほしいと言ったのは嘘か?」
どうしろと、具体的な姿勢を指示することさえ奏真はしない。小輝が自分で考えて体を
動かさなければならないのだ。──人間に犯されるために。
「くっ……」
唇を噛み、小輝は地面に這って、尻を上げた。後ろに回った鳴鳴が話しかけてきた。
「だいじょうぶですよぉ。ボクも初めはこわかったけど……」
「うるせえっ! お前はもう喋るな!!」
鳴鳴の声はなだめる響きを帯びていて、それが一層疎ましい。小輝はどなった。
497中国風・獣耳(ショタあり)27:2005/12/11(日) 18:31:17 ID:Ck4M1JXy
しゅんとして、鳴鳴は喋るのをやめた。溜息をついて小輝の腰をつかむ。
ぺちゃ、と湿った温かい感触が、後孔に触れた。
「……っ!」
小輝は身をこわばらせた。鳴鳴の舌が後孔に入り込んで、舐め回している。温かい息が
肌にかかる。鼻先が谷間に触れて、くすぐったい。
「あぅっ! く……は、あぅっ……ん、んっ……!」
声を我慢しようという決意は、もろくも崩れた。
気持ちがいいのか悪いのかわからない。ただ、背筋がざわつき、尾がびくびくと跳ねる。
「もういい。小輝が感じすぎて、さっさと達してしまっては困る」
命じられて鳴鳴が離れた。『感じすぎて』という言葉が、さらに小輝の自尊心をえぐった。
しかしそれを悔しがる暇はなかった。
「尻尾を垂らしては邪魔だ」
「あっ……!」
奏真に腰の上を撫でられて、小輝は喘いだ。反射的に尻尾が突っ立ち、腰を突き上げて
しまう。犯してくださいという、偽りの言葉そのままの姿になる。
「いい格好だ。生意気な大山猫の精」
嘲笑混じりの声を降らせ、奏真が背後から押し入ってきた。強引なやり方だった。
「あっ、や……うあああああぁーっ!!」
唾液で濡らされていたとはいえ、肉孔は大してほぐされていない。小輝は背を反り返らせ
て絶叫した。それでも侵入はやまない。
「痛いっ! あ、ぁっ……いやだ、もういやだっ! 助けて……助けてくれ、兄者ぁーっ!」
激痛は、自尊心どころか理性までも打ち砕いた。子供のように小輝は泣きわめいた。

────────────────────
ここまでです。
498名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 18:34:20 ID:q5G4E008
リアルキター!!
wktkッ
499名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 18:37:20 ID:OYo6pLKT
ムッハー(*゚∀゚)=3
獣耳たんGJ!!リアル投下と道士の鬼畜っぷりでおかしく
なりそうだよ!!白米米びつごと囓ってくる!!!!
500歪んだ三角関係1:2005/12/11(日) 19:05:41 ID:lEJeZES2
その全寮制の名門男子校は今日も平和だった。
ただし、一部を除いては。

それはグランツの意地悪な企みが始まりであった。
いつまでもグランツを子供扱いする実家から、菓子の差し入れがあったのだ。
グランツは幼い頃と嗜好も変わり、とても食べる気にはなれなかったのだが…
(なら、食べる気のあるやつに食べてもらうか)
思い浮かんだのはマルクの顔。
同い年というのに、随分と幼く見える彼は見かけ同様精神もどことなく幼かった。
(あいつなら喜んで飛びついてくるな)
その様子を想像して、思わず笑みが浮かぶ。
それと、もう一人の同級生の顔が浮かぶ。
どこか心を許すことができない、ユアン…
グランツが唯一勝てない男で、成績は常に首席、
穏やかで優しい性格の絵に書いたような優等生。
だが、ユアンにはどこかねじれた部分がある気がしてならないのだ。
しかもグランツがマルクと一緒にいるとどこからともなく現れて、
二人の時間を邪魔する。
501歪んだ三角関係2:2005/12/11(日) 19:07:14 ID:lEJeZES2
「なあユアン、文学の宿題でわからないところがあるんだ…
後で教えてもらえないか?」
「うん、いいけど?」
「じゃあ、後で俺の部屋に来いよ。茶ぐらいは出してやるから」
本当はわからないところなどなかったし、仮にあってもユアンに教わるなど
なんとなくグランツのプライドが許さないのだ。
本当の目的は、ある光景をユアンに見せ付けてやるため―――
放課後、グランツの部屋に先に現れたのはマルクだった。
「どうしたの?グランツ」
「ああ、実家からこんな物が送られてきたんだが…
俺はどうもこの手の菓子が苦手なんだ。お前は甘い物好きだろ?やるよ」
「ありがとう、僕これ大好きなんだっ!」
マルクは、満面の笑みで礼を言う。
「ほら、口開けろよ」
グランツが愛玩動物に餌をやるような仕種で、マルクの口に菓子を運んでやる。
その時、グランツの指がちょん、とマルクの舌に触れた。
同時にドアは開かれた。目を丸くし、石のように固くなったユアンを映して。
「くすぐったいな」
「あ、ごめんね」
「俺の指まで食うなよ?」
「とっても甘いね。ありがとう、こんど僕からなにかプレゼントするよ!」
「…別にお前から見返りもらおうなんて思ってない」
「あ…そうなの、ごめん」
「…別にどうしてもって言うならもらってやってもいい」
「じゃあ、期待してて」
ユアンが無言で立っているのにとっくに気付いていたが、グランツはさも今気がついたように
「遅かったな、ユアン」
と、部屋に迎え入れるのであった。
502歪んだ三角関係3:2005/12/11(日) 19:08:54 ID:lEJeZES2
ユアンは、お茶を入れながらなおも続くグランツとマルクのやり取りを聞いている…
もとい見せ付けられている。
いつものように微笑みながらお茶をいれて。
もっとも、そのお茶を入れる手が震えていたのをグランツは見逃さなかったが。
(グランツの馬鹿!僕のマルクに触るな触るな触るな触るな!!
僕はグランツに頼まれて来たのに、茶ぐらい入れてやるとか言って何で僕が入れてるんだ!?)
本音と建前を全力で分けるユアンに気付かぬ振りをして、グランツはユアンに菓子の箱ごとよこす。
「お前も食うか?」
「ははは…ありがとうグランツ」
天使のように優しくて儚げな笑みを浮かべるユアンのこめかみに血管が浮いていた。
「ねえ、グランツ。文学の宿題でわからないところがあるっていったよね?」
(ああ馬鹿馬鹿しい!早く用を終わらせて部屋に戻って寝よう)
菓子箱の中身に手も付けず横へ押しやり、本題に入ることにしたユアンであった。
503歪んだ三角関係4:2005/12/11(日) 19:10:23 ID:lEJeZES2
ユアンはようやく用を済ませ、部屋に戻ることを許された。
(まったくグランツは…絶対わかってるんじゃないのか?腹の立つ…)
「ねえ、ユアン」
腹黒全開で廊下を闊歩するユアンを、マルクが後ろから呼び止めた。
「う、マルク…」
「もう部屋に戻る?一緒に行こうよ」
マルクとユアンは部屋が近いので、深い意味はないだろう。
だが、ユアンにとっては邪魔者のいないチャンスだった。
「ねえマルク…君は僕のことどう思ってる?」
「え?」
「その…僕のことは好きかい?」
「うん!大好きだよ!」
元気なその言葉に、ユアンは舞い上がる。しかし、
「だって友達じゃないか!」
その言葉に、ユアンは暗くなった。
「うん…そうだね。あ、あのさ…じゃあ、グランツのことはどう思ってる?」
「グランツ?グランツも好きだよ!」
「そう…グランツも友達?」
「え…」
「友達、だろ?」
マルクの反応にユアンは不安になる。
(何でそこで固まるんだよ、グランツは…友達じゃない『好き』なのか?)
「えっと、グランツは友達っていうかお兄ちゃんかな。
僕と同い年なんて思えないくらいかっこよくて、尊敬してるよ」
(まさか…マルクはグランツのことが好きなんじゃ…!?
なんでよりによってあんなのが!?僕ならあんな兄さん絶対嫌なのに!)
「あの…どうしたのユアン?」
「ごめんマルク…僕忘れ物しちゃったみたいだ、先に行ってて」
そう言って、ユアンはグランツの部屋へ戻ってしまった。
そのときのユアンの表情があまりに険しくて、マルクは
『忘れ物って君、手ぶらで来たじゃないか』と言いそびれてしまった。
504歪んだ三角関係5:2005/12/11(日) 19:11:59 ID:lEJeZES2
「マルクから離れろグランツ!お前には相応しくない!」
普段は穏やかで優しくて紳士的と評判のユアンは消し飛び、嫉妬心丸出しにして叫ぶ。
「相応しくないだと…?何でお前に指図されなきゃいけないんだよ」
いきなりノックもなしにやってきた、今はもはや招かざる客である
クラスメイトにグランツは露骨な嫌悪感を表した。
「だいたい君は最初から気に食わなかったんだ!僕の気持ちを知っていながらマルクと…」
「お前の気持ち?なんだそれは?」
「しらじらしい!僕とマルクの間に割り込んでくるくせに!」
「当たり前だろ、わざとなんだから」
「わざとって…君は…君って人はぁぁぁ!」
「さっきも見ただろ?俺とマルクは仲良しなんだよ。お前こそどっかいけ」
お互い一歩も退かず、にらみ合う。
それから数分間、グランツの部屋から物が割れる音やら罵声やらが聞こえた。
「はぁっ、はぁっ…」
お互い殴り合い罵り合い部屋の中は修羅場となったが、
体格のおかげか勝利の女神はグランツに微笑んだらしい。
「もう…勝負はついた…諦めろユアン…」
「ふん…い、いやだね…」
その強情ぶりは賞賛に値するが、埒があかない。
「別に相手なんか…マルク以外にも…いるだろうが…」
「…そのセリフそのまま…返す」
「…」
いい加減苛ついたグランツは、強硬手段に出ることにした。
「なら、こうしてやる!」
グランツの手が、ユアンの襟元を掴んだ。
505歪んだ三角関係6:2005/12/11(日) 19:13:19 ID:lEJeZES2
「どうしても欲情するというなら俺が相手をしてやるよ」
グランツはユアンを机の上に押し倒す。
「なっ…やめろグランツ!」
「お前だってマルクとこうしたいと思っていたんだろ?」
ユアンはグランツが押さえつける手を退けようと足掻くが、喧嘩をした直後だ。
到底かなう相手ではなかったようだ。
いきなり喋ることもできないほど深く口付けられたが、愛情など微塵も感じられない。
恋人が愛を確かめるというよりも、恋敵の呼吸を奪って殺しかねない憎悪のキス。
グランツは唇を解放し、恐ろしいほど凄艶に微笑んで脅迫する。
「苦しかっただろ?もう…マルクには手を出さないと言え」
「やだ…っ、するものか!離せ!」
「そうか。なら次にいこうか」
ユアンがマルクを諦めるまで…まるで拷問だ。
グランツは服の中に手を潜らせ、ゆっくり撫でた。
氷のように冷たい手がいきなり触れ、ユアンの身体が跳ね上がる。
徐々に指を動かし、ユアンの乳首を探り当てた。
「もう尖ってるじゃないか」
グランツは乳首を押しつぶした。
「ひゃぁっ…!」
一瞬にしてユアンの顔が赤くなる。
グランツはさらに乳首を弄り、服を脱がせた。
白い肌に浮かび上がる乳首の様子を見て嬲るような口調になる。
「感じてるみたいだな」
「そ、そんなこと…!」
「そんなことない、か?ん?マルクを諦めるといえばすぐやめてやるよ」
「ぐぐぐ…絶対諦めないからっ!!」
「そうかよ…じゃあ、期待に応えて最後まで付き合ってもらうとするか」


つづく
506名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 19:27:26 ID:0AWQFOO2
獣耳さんやっと北(゚∀゚)!!待ってたよ!待ってた!
主食はリーマンですが小輝みたいなツンツンも大好きなのです。
507名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 20:15:18 ID:Bt00bM+G
獣耳っちゅう奴キッモ
つうかショタ自体がキッモ
こんなんに「萌え〜」とか言ってる奴らもキッモ
てか作者が一番キッモ
508名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 20:58:39 ID:hIUNacHh
獣耳さんGJ!
犬派の私は知らなかったんですが猫のしっぽにはそんな習性が…!
なんか小輝が猫族なのを実感して変に萌えました(*´Д`)

三角関係さんもGJ!
洋風現代ものってあんまりないので続き楽しみです(´∀`)
509名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/11(日) 21:31:02 ID:KW0QlsLJ
獣耳さん、小輝かわいすぎる……(*´Д`*)
三角関係さん、ヨーロッパの寄宿学校みたいなのを想像して、萌!!
510名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/12(月) 01:41:55 ID:oQhbbzkt
三角さん、王道ですね。
実にいい!
511名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/12(月) 06:24:49 ID:eFAsuNRG
ごみんにてんちょーさん、待ってるお
512名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/12(月) 06:24:58 ID:NI8yS1X7
獣耳さんGJ!
鳴鳴、可愛いよ鳴鳴…草むしってたりして、ホント萌えー。
513名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/12(月) 11:33:51 ID:fGCS3KnO
歪んだ△関係ってちょっと前にきたイタい紳士のやつぐらい
へたくそでハゲワラ
514名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/12(月) 13:30:17 ID:8B4TdWkA
小輝タソの絶叫兄者…子供のような小輝タソ、助けてやりたいがしかし萌える。
そして三角さんのお茶とお菓子のある風景に妙に萌える。
515名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/12(月) 19:07:46 ID:pkiEEjW5
激遅ですがFさん乙です。大好きです、待ってました。
516名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 00:28:46 ID:LRhI6L7X
三角…小学生の日記みたいな文面。なんとかなんないか?
せっかく萌えてたのに、一気に萎えたよ。鬼畜スレは結構レベル高いから、次回からヨロ!
517名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 00:52:20 ID:iIzg9D6G
また下手くそが来たな。
今回も指摘されて逃げ出して尻切れトンボか?
518名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 01:41:27 ID:d6QkN0Yx
>>516-517は生意気受
519名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 02:11:15 ID:Qd8qaOnm
何だこりゃ
冬休みには早いんだけどなー
520名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 06:36:31 ID:z7a/CUXB
マジレスしてみよう。
>516 はログを3スレほど通読するといいと思う。
もし >516が、このスレの長期住人でありながら、文体、文法的な意味合いで
>鬼畜スレは結構レベル高いから、
と本気で言っているとしたら、むしろ自分の日本語能力を疑った方がいい。

ここでは文章力はさほど重視されてません、昔から。
誰かの萌えに触れさえすれば、絶賛される。そういうもんです。
521名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 10:22:29 ID:7yV7k3D/
文章力はさほど重視されてません
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
わかってるじゃないかw
文章力はこの際どうでもいいけど、最低5回は推敲しないかな
萌え以前に誤字・脱字で萎えさせられちゃ
522名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 11:00:03 ID:s6TOQ0nE
>>518
そういうあなたは鬼畜攻だなw
これ以上はここでやらない方がいいんじゃないか?
こんな空気じゃ文章力も優れ最低五回は推敲して誤字脱字も皆無で
激萌えな話を書く神でも投下しづらいかもしれない。
523名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 12:08:42 ID:rjcq7Sct
誤字脱字ぐらい自力補完
萎えたモノは自分で面倒見る
これ鬼畜スレの王道ナリ
524名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 15:09:58 ID:Pme0U9b8
し た ら ば
525名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 16:45:29 ID:G3wJPJMq
三角さん、攻め食う攻め萌えまます!
楽しみにしています〜

>521
どんな文豪だって誤字脱字あるもんだし。
だいたい2chの投下系のスレで上手下手言ったって目糞鼻糞。

526名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 16:52:48 ID:vd20ZSM5
確かにこちらの皆さんレベル高いですよね…
初投下する気まんまんでいたけど
文才ないから余りもショボい…
修行して出直しますorz
527名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 17:09:37 ID:0+TNtwoJ
書き手も読み手も素人。
個人の解釈次第で誰だって神にもヘタレにもなる。
ぜひ萌えどころで勝負してほしい。投下松。
528名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 18:09:06 ID:XW6Bl7k8
>>526
けど、こういう誘い受けはいらない。
529名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 18:15:13 ID:7yV7k3D/
>>524
そこもおもしれーことになってらw

ほんと煽り耐性ないな、腐女子
530名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/13(火) 19:18:21 ID:7ChutuDl
>>526
うん、そうしなよ
531名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/14(水) 00:54:10 ID:KNQarM+e
三角さん他いいとこで止まってる方たちヨミタス…
532名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/14(水) 07:46:39 ID:PZGoU6GU
投下待ち(´・ω・`)
533名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/14(水) 16:28:31 ID:UPkZAlM9
w
534洛陽:2005/12/15(木) 01:07:51 ID:9+pNilOt
※受(16歳)には作中通して少年という表現を使います。
ショタっぽくて駄目だと思われる方はお手数ですがNG登録をお願いします。


1.

それは酷く素っ気無い招待状だった。
「十八時に、拙宅の薔薇園にて。――宗助」
いかにもあの聡い少年らしい整った字が綴られている。
私は随分迷いそのカードは屑篭に捨てながらも結局その刻限の間際に慌てて外套を纏い飛び出した。
うちの運転手を使うわけにもいかず、流しのフォードに飛び乗り何とか間に合わせた。
相変わらず大きく、ある意味愚鈍とでも言うべき巨大な邸宅だが前に比べて人の気配がしない。
誰に咎められるでもなく鍵の掛かっていない正門から入り広大な庭を横切り薔薇園まで歩く。
この屋敷の主が……いや、元主が英国から連れて来た庭師が作っただけあって見事なものだ。
花の種類にはさほど詳しくないがこの薔薇は甘い菓子のように柔らかい桃色で感心の息しか出ない。
円形のアーチに美しく絡みその周りを周りをみっしりと緑の壁が高く囲んでいるのだ。
日本の築山刈りと違いどこか非現実的で外国の御伽話を連想してしまう。
そして薔薇蔓のアーチも途切れた中央の広場、暮れ掛けた陽だけが照らすステージのような丸い石畳。
予想の通り、少年は独りきりで私を待っていた。

「やあ、那珂川さん。来て下さいましたか。」
「君が呼んだんだろう。」
「そんな言い方やめてください。……傷つくよ。」
急に子供じみた言い方が腹立たしくまた可愛らしい。
「用向きは何だね。いくら妻が里に帰っていると言っても長居はできないんだ。」
「逃げられたんですか。」
「…………お産だよ。」
知っているくせに、と毒づく私を少年は悪戯を企むような楽しそうな顔で見ている。
535洛陽:2005/12/15(木) 01:08:42 ID:9+pNilOt
2.

尤も、少年とは言っても年はもう16になる。
綺麗な黒髪をさっぱり切り揃えきりりとした涼しい眦に鼻筋もすっと通っている。
近所の女学生がよくキネマ俳優の誰それに似ているとかしましく騒ぐくらいだ。
同輩に比べれば背丈は高いくらいだが線の細さでいつまでも少年だという印象が抜けない。
背はまた伸びただろうか。白いシャツと黒いズボンだけのシンプルな装いがよく似合っている。
このまま順調に伸び続ければ来年には青年と呼ぶのが相応しくなっているだろう。
「それよりも、用件は何だい?」
「何だと思う?」
「ふざけるんじゃない。早く…」
焦れて繰り返し尋ねようとすると少年は笑顔のままでふいに背を向けて駆け出した。
「……ッ!待ちなさい、宗助くん!待ちなさい!」
眩しいほどに白いシャツの背が跳ねて木々の下へと紛れ込もうとした。
「……痛…ッ!」
少年の身体がほとんど入った所で辛うじてシャツの端を掴んだが私の方は六尺を越えている。
一緒に突っ込めるわけもなく鼻先と額を枝で弾かれてしまった。
「出てきなさい、宗助くん!…ッて…いてて…」
これ以上進めば庭木だけではなく私の外套と身体が痛んでしまうだろう。
だが幸いに少年は笑いながら案外素直に出て来てくれた。
「那珂川さん、鼻を擦り剥いているよ。いい男が台無しだ。」
この歳で顔に傷などこさえて何と言い訳をすればいいのか、思わず溜息が漏れる。
「酷いじゃないか……」
「那珂川さん、あなたがいけないんだよ。忘れた振りなんてするから。」
「忘れた振りをしたわけじゃない。」
536洛陽:2005/12/15(木) 01:09:54 ID:9+pNilOt
3.

少年は答える代わりに顔を寄せて犬か猫のように舌を伸ばす。
その濡れた赤さに顔を引くのも忘れているとねっとりと鼻先にあるらしい傷を舐められた。
「じゃあそういう事にしておいてあげる。それより、ねえ早く……。」
「宗助くん。私は妻も居ればもうすぐ子供も産まれる…こんな事はいけない。」
少年は動じるでもなく僅かに目を細めて僅かに自分から身を離して立ち上がる。
「口ばかりの那珂川さん。あの時もそう言っていた癖に。」
夕日を浴びながら少年はベルトを外してズボンを脱ぎ落とす。
下着は履いていなかった。内腿も腹も性器も、何もかも晒されている。
引き寄せられるように手を伸ばすと少年は少し足を開く。
初めに内腿に触れて私の手はまるで別の意思で動いているようにゆっくりと上る。
年齢に反して性器を覆う陰毛は無い。つい指がそこで止まると少年が笑った。
「ああ、やっぱり那珂川さんも無い方が好き?綺麗にしといて良かったなあ。」
「そ、そんな事は……」
からからの喉に声が張り付いてしまいそれ以上続かない。
剃刀か何かで手入れしているのだろう、独特の手触りに息を呑む。
「さあ、那珂川さん。弄って舐って……それから存分愛してください。」
「宗助くん……」
「もう邪魔をする人は居ないんですから。」
見上げたが少年の顔は濃い影が覆い、どんな表情をしているのか見えなかった。

===========
今日はここまで。
537名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/15(木) 01:45:29 ID:b0+Pjg+H
古めかしいふいんきがいいなあ…!
乙です。
538名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/15(木) 02:50:31 ID:QUyfP/A8
うおぉお〜!萌えた!
洛陽タソGJ!なんか耽美で禿げ萌えです。
539名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/15(木) 20:54:22 ID:y1qA2xKC
洛陽さんグッジョブです。
宗助の小悪魔的な雰囲気が耽美な情景描写とあいまってなんかすごくエロいですね…(*´Д`)
続きお待ちしてます。
540さみしい子:2005/12/15(木) 23:33:54 ID:o0aapT5Z
「…ったく、我慢できないんだね」
コウは、気に入りの乗馬鞭の先を自分の手のひらではじきながら言った。
鞭は、すっかりコウの手になじんでいる。扱いに、年季が入っていることを感じさせた。
陽介は裸でベッドに縛り付けられ、ただコウの顔を見上げることしか出来なかった。
長い睫毛にびっしりと縁取られた目が、冷たく陽介を見下ろしている。
コウは、こうして見てもとてもきれいな顔立ちをしていた。
最初に会ったとき、思わず見とれてしまったくらいだ。
こんな子に教えることが出来るなんて、と密かに感激したものだった。
それなのに……。
どうして、こんなことになったのだろうか。
コウは主として、陽介を一方的に嬲り、それを眺めることが多かった。
コウは攻撃的ではあったが、十一の子供に成人男性を夜通し犯すような体力はさすがにない。
陽介はときにローターやバイブレーターを入れられたまま、一晩中放置された。
目の前で自慰をすることを強要されたこともあった。
抵抗しようにも、逃げ出したり反抗したりしたら、それらの様子を映したものをばら撒くと脅されていた。
映像を楯に取られては、どうしようもない。
だが、なにより陽介には疑問だった。
コウは一体どこから、そういったプレイの知識や、道具を仕入れるのだろうか。
乗馬鞭はともかく、どう考えても十一歳の子供に与えられる自由の範囲を超えている。
本当に、周囲はコウの好きにさせているのだろうか。
(いいのか……?)
陽介の頭を、そんな疑問がよぎった。
いたぶられている最中にそんなことを考えることが出来るなんて、器用だと思った。
単なる逃避だったのかもしれない。
だが、コウの性癖が異常なのは明らかなのに、大人たちが何も口出しをしないだなんて、どうかしている。
ああ……。陽介はようやく気付いた。
この子は恐らく、誰にも本当の意味では心配されていないのだ。
成績、家柄、さらには見た目。そういった材料で、皆勝手に判断して、それ以上踏み込もうとはしない。
コウにときおり垣間見える暗闇は、それなのかも知れない。
そんなことを思った。
541さみしい子:2005/12/15(木) 23:34:27 ID:o0aapT5Z
コウは陽介の秘部を指で押し開いた。
陽介は手足をベッドに拘束されていて、脚を閉じることが出来ない。
催淫剤入りのローションで慣らされたそこは、完全にコウの目の前に晒されてしまっていた。
「……や、あぅ…っ」
「ふん…まだ中に入れてもいないんだよ? それなのにもの欲しそうにひくつかせて……やらしいなあ。
でも僕、今日はしたくないんだよね。だから先生も、今日は出しちゃだめ」
「な………っ」
陽介は凍りついた。冗談じゃない。
薬と、与えられつづけた刺激のせいで、陽介のものはすっかり勃起してしまっている。
ただでさえ辛い状態なのに、これを今日はいかせてもらえないというのだろうか。
「ふふ……根元縛ってあるし、そのままじゃぁ、トイレにもいけないね。かわいそうに……。でも、先生が
悪いんだよ。先生がこんなに淫乱じゃなきゃ、こんな躾をする必要もなかったんだから」
コウは、溜息をつきながら、ことさら優しい声で語りかけた。
最初の陵辱こそ乱暴だったが、こうやって精神的に陽介を辱めることを近頃は好んでいるようだった。
勉強もせずに、毎日毎日こうして犯されている。いつか、頭がおかしくなるのではないかと思った。
ローションを絡めたコウの指が、陽介の蕾の襞を、蟻の門渡りをゆっくりとなぞってゆく。
性感帯を、ぬるついた指に緩慢に嬲られ、陽介は身悶えた。
「あ……あ! 嫌だ……、いやだあぁ……っ!」
違う。自分は、こんなことをされて悦んでなんかいない。
騙されて連れてこられ、十歳以上も年下の子供に犯され、こんな恥ずかしい姿を見られて……。
もう、解放されたかった。
「う……ぁ、んんっ」
コウの指が、陽介の中に忍び込んでくる。陽介は涙を流した。
コウの指では前立腺にぎりぎり届くか届かないかだ。
いつもはバイブレーターやローターを使ってそこを責められているのだが、今日のコウは、道具をなぜか使わない。
しばらく中をいじっていた指を引き抜くと、コウは陽介の性器に口をつけた。
「んっ! ……ぁ、コウく………」
子供に自分の性器を舐めさせている……。その背徳的な構図に、陽介は思わずうろたえた。
542さみしい子:2005/12/15(木) 23:35:26 ID:o0aapT5Z
コウは構わず陽介の性器を舐め上げてゆく。
だが、どんなにそこを昂ぶらされても、いくことは許されない。
根元はまだ縛られたままだ。
「は、あぁ………っ、だめだ、もう……お願いだから…」
その陽介の様子をみて、コウは呆れたように言った。
「ご主人様に向かって、なんなのかな? その言い方は。でも……楽になりたい? じゃあ、
どうなりたいのか、自分で言ってごらん」
「あうぅっ!」
裏筋をなぞられ、亀頭を強く吸われる。
さんざん焦らされたのと薬入りのローションのせいで、そこは普段より数倍敏感になってしまっている。
そこをコウの熱い舌で舐め上げられると、もうどうしようもなかった……。陽介は、ついに口にした。
「紐、を…解いて……この淫乱な奴隷がいくところをご覧下さい………」
「うん、それから?」
コウは次の言葉を陽介が紡ぐのを、じっと待っていた
「私を犯してください………ご主人様……!」
コウは陽介の胸に乗り上げると、乳首に強く噛み付いた。
「い……たっ!」
胸にかかるコウの息が荒い。興奮しているのがわかった。
そのまま、鎖骨にも噛み付いて、噛み後を残す。
コウの口は次第に上がっていき、やがて陽介の口を貪り始めた。
「んう……っ、ふ……」
コウは、執拗に陽介の歯茎や舌を舐めまわす。
やがて唇が離れると、かちゃりと音がした。陽介をベッドに固定していた拘束具が外されたのだ。
陽介は、よろめきながらベッドに体を起こした。
「舐めてよ、先生」
陽介がコウの前に屈み、今度は陽介がコウの性器を咥える。
543さみしい子:2005/12/15(木) 23:37:25 ID:o0aapT5Z
陽介は、コウの性器を口いっぱいに含んだ。まだ薄い下生えが、ときおり顔の皮膚にあたる。
フェラチオは、コウが好きなプレイの一つだった。
これがうまくできれば、いかせてもらえるかもしれない……。
陽介は、一心に自分を支配している少年に奉仕した。
「………………あぁ……気持ちいいなぁ………」
頭上から、コウがうわごとのように呟くのが聞こえた。
快感を訴えているはずのその声に、陽介はなぜか寒気を覚えた。
それは酷く虚ろな声だったからだ。まるで、この世界に存在して感じているのではないような。
それでもコウのものは、確実に固くなっていく。
やがて、射精の瞬間が訪れた。その瞬間、コウは陽介の口から性器を引き抜くと、陽介の顔に精液をかけた。
白濁した液が、陽介の頬に飛び散った。
コウは自分の体液で汚した陽介の顔を見て、笑い出した。
「ふ……あはは……、すごいなぁ先生、あははははは!」
狂ったように、コウは笑っていた。
笑うコウの目に、次第に涙が溢れていく。
ぼろぼろと涙を流しながらも、笑いの発作は治まる気配を見せなかった。
陽介はそれを見ていた。
一体なんだというのだ。この状況で泣きたいのは、自分の方だろうに……。
けれど、泣いているコウを見ていて思い出したのだ。
紛れもなく、彼がまだ十一歳の少年であることを。
そんな風に泣かないでくれ。頼むから。
陽介は這いつくばると、コウのつま先にそっと口付けた。
544さみしい子:2005/12/15(木) 23:38:05 ID:o0aapT5Z


――…泣きすぎと笑いすぎで、あたまがじんじんする。
誰かが、ベッドに自分を寝かせてくれていたようだった。
コウは夢を見ていた。
音も、映像も、何もない世界の終わり。そこにひとりぼっちで取り残される夢だ。
パパも、ママももういない……。
コウの脳裏に、優しげな笑みを浮かべた青年の姿が甦る。
『はじめまして。君を教えることが出来て嬉しいよ』
嘘だ。
コウは、その青年の笑顔を踏みにじった。
今度は、今までに何度も自分の元に戻ってきた玩具たちを思い出す。
『また、あなたに支配されたい』
嘘だ。
彼らが戻ってくるのは、彼らの意思ではない。
その感情はコウが作り上げたものなのだから、コウを必要とするに決っているのだ。
そんなものが、欲しいんじゃない。
どうせいつか失うのなら、最初から誰も愛したりしない。
自分の手で壊してやる。
みんな壊れてしまえばいい。そして、自分も壊れてしまいたい……。
優しい手が、自分の額を撫でるのがわかった。
あったかい……。
けれど、これも所詮消えてしまう夢なのだろう。
コウの頬を涙が伝った。
545さみしい子:2005/12/15(木) 23:39:43 ID:o0aapT5Z

+  +  +
陽介がいなくなってから、一週間あまりが経とうとしていた。
自分の隙をみて、おそらく誠一が連れて行ったのだろう。
別に騒ぐ気にもならない。いつものことだった。
「どーでもいいや……」
あんなのただの玩具だ。
そう自分に必死に言い聞かせ、コウは自分が動揺していることから目を背けようとした。
陽介は自分を心配したりしない。戻っては来ない。
だれも、こんな自分を好きになるはずがないのだから。
「せんせい……」
呼んでみても返事はない。勉強部屋は空っぽだ。
不安を振り払うように、コウはドイツ語の原書に集中しようとした。
陽介がテキストとして渡していた本だ。教えてもらった発音の法則したがって、一文ずつ音読してゆく。
『…お前、の…気高きマントで……夜よ、…子供を包め………』
次第にその声が震えていくのがわかった。
認めたくない考えが、はっきりと形をとって迫ってくる。
また、自分は一人になるのだ。
そんなはずはない、コウは思い直す。
今までの玩具たちは、ほぼ全員がコウの元に戻ってきていた。
調教がうまくいっていれば、きっと戻ってきてくれる……。
いまや、コウは自らが否定し続けた、奴隷の作り物の帰巣本能にすがろうとしていた。
コウはようやく気付いた。
陽介は、きっと他の人間達とは違った。
レイプをしている最中ですら、陽介は自分を気遣ってきてくれていた。
こんな自分を。
先生、違うんです、先生。
あんなことがしたかったわけじゃない。
ただ、死ぬほど悲しかった。
それだけだったんです。
546さみしい子:2005/12/15(木) 23:40:19 ID:o0aapT5Z

「食欲は戻ったようだね。安心したよ」
普段は複数の企業の経営者として駆けずり回っている誠一も、休日はのんびりできる。
折角なので、回復してきた陽介を連れて昼食に出たのだ。
「君には本当にすまないことをしたと思っている。できることならどんな償いでもさせてくれ」
経済的な心配はとりあえず必要なさそうだ。
だが、誠一に聞きたいことはそんなことではない。陽介の気になるのは、もっと別のことだった。
「……コウ君は?」
「ああ、まあ…元気でやっているみたいだが」
「元気……」
本当にそうだろうか。コウには、もっと酷いことをたくさんされた。身体の傷も、まだ完全に癒えたわけではない。
けれども、コウが一人で大丈夫だとは、とても陽介には思えなかった。
「大崎さんは、コウ君のためだと思っていたんですか?」
誠一のナイフを動かす手が、一瞬、止まった。
「それはただの自己満足です。なんの解決にもなっていません」
「そんな……訳では…」
陽介にそう言い切られ、誠一は言葉をなくした。
コウがグループの後継者だから好き勝手にさせていた、というわけではない。
誠一は子供を持つことを諦めていた。だから、たった一人の甥のことを大事にしたいと思っていた。
だが、接し方を間違えていたといわれればそれまでだ。嫌われたくなくて、好きにさせていたに過ぎない。
食事を終えると、陽介は誠一に言った。
「車を回していただけますか」
「いいけど……どこに」
聞くまでもない。コウのところに戻るのだ。
「帰ってどうする気だ? まさか君は……」
もしかして陽介までコウの支配性に毒されたのだろうか。
「ん、別に」
陽介は上着を羽織ながら、微笑んだ。
「授業を再開しませんと」
547さみしい子:2005/12/15(木) 23:42:35 ID:o0aapT5Z


ベッドに転がったコウの手から、鞭が滑り落ちる。
だが、それを拾い上げる気力もなかった。
子供が使うには大きいサイズの鞭。それは、乗馬好きだった父の形見だった。
コウはベッドにうつ伏せになり、ただぼんやりとしていた。
このまま、死んでも別にいい。死んでも、きっと誰も悲しまない。
泣くとしたら、いつも自分に対して遠慮してくる、あの鬱陶しい叔父くらいだ。
車の音がする。
あの音は、誠一の車だろうか。
玄関の方が慌しい。次第に足音が近づいてくる。
コウ君、と呼ばれる。陽介に良く似た声で。また、夢を見ているのだろうか……。
「コウ君」
コウは、自分の顔を覗き込んでいる陽介の顔を見返した。
なんだ。結局こいつ、戻ってきたんじゃないか。
「なんだよ、また僕に抱かれたいのか?」
コウは、いまいましげに言い放った。
「したいなら、どうぞ。でも僕は、君が心配だったんだよ」
コウは陽介を睨みつける。同時に、陽介の本心を探ろうとしていた。
陽介は、コウの髪を梳きながら囁くように言う。
「ご主人様を見捨てる奴隷が、いるはずないじゃないか。あそこまで調教しておいて、捨てるつもり?
ひどいな……」
陽介の後ろに付き添っていた誠一は、固唾を飲んでその様を見守っていた。
コウは、しばらく陽介を瞬きもせずに見つめていたが、やがて深く溜息をついた。
……お願いです。
縛り付けなくても、どこにも行かないといってください。
そばにいてください。
コウが、陽介の手を握り締めるのがわかった。
548さみしい子:2005/12/15(木) 23:45:01 ID:o0aapT5Z
   +   +   +

「まあ………あれはあれで良かった、のか…」
誠一はそれだけいうと、一瞬息を詰め、顔を歪めた。
下から突き上げられたからだ。
いつも整えられている誠一の髪は、今は汗に濡れて額に張り付いてしまっている。
松井は、誠一を下から見上げていた。松井が腰を揺するたびに、誠一の口から喘ぎ声が漏れる。
「残念そうですね」
「……っ! 別……に…」
「気に入っていらっしゃったんでしょう、陽介さんのこと……」
「ち、がう……! あぁ……っ」
誠一の中に松井が熱い体液を注ぎ込む。だが、松井は誠一の根元を握り締め、離そうとしない。
誠一だけ、達することが出来ない。
いつもは忠実に自分に仕えてくれている男が、いまは自分を支配している。
これでは、どちらが主人なのかわからない。
「あ、松井……頼む、やめてくれ……」
「駄目ですよ。たっぷりお仕置きして差し上げますから」
「ああ……っ、あ……!」
……とはいえ、松井がずっと自分を心配してくれていたのはわかっていた。
松井に責め上げられながら、誠一はふと思った。
コウの求めていたものは、ずっと単純なだったのかもしれない。
誰がそばにいてくれて、抱き合うことが出来たら、それで十分だ……。


(どこにも行かないよ…僕は君のご主人様だからね……)

END
549名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/16(金) 00:07:03 ID:1kP16cd3
Gj!
コウくんと先生はこれから愛のあるSMになるのかな。
しかしオヤジ&エリート萌な私は誠一さんの方に激しく気になる。
松井が普段は滅多に口も聞かない寡黙で忠実な部下なら倍率ドン
550名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/16(金) 00:23:24 ID:Mcm5n6ei
さみしい子さん乙でした!
誰もを支配しながらも誰にも本当の愛は貰えなかったコウのキャラクターがすごい好きでした。

…最後の一言は陽介!?
551名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/16(金) 11:40:45 ID:4tngmw17
駄乙
552鬼っ畜な蛙:2005/12/16(金) 21:12:35 ID:dPwvc7rP
ちょっくら失礼して、短篇鬼畜なのを…
痛い系エロ。
年下攻め。




木の枝を圧し折るような鈍い音が耳の奥まで刺激する。
次いで響くは男の悲鳴。
クリートの床に俯けで横たわる青年と、それにまたがるようにして重なる少年。
「ほら、アンタが暴れるからだよ」
少年がまだあどけなさを残した顔に悦の表情を浮かべて青年を見下ろす。
青年は何も身につけぬ様々な液で汚れた体をダラリと投げ出し、低く呻きを上げながら憔悴しきった顔を少年へと向けた。
すらりと伸びた両の足と右腕には鎖のついた枷がはめられ、鎖は壁に打ち付けられた金具へと続く。
唯一自由な左腕は肘からあらぬ方向へと曲がっていた。
「もう、剣道出来ないかもねぇ……センセ」
左腕を掴んでいた手を放し青年の髪を掴むと、グッと頭を持ち上げる。
青年が苦痛に呻くのも気に止めず、身を屈めて顔を近付け
「まあ、どうせ逃がす気なんかないけど」
目を細め囁くように言い、鼻先にある耳に齧りついた。
553鬼っ畜な蛙:2005/12/16(金) 21:16:05 ID:dPwvc7rP





「…ィ……ア、ッ!」
青年が体を弾ませ、逃れようと首を振る。
しかし背を膝で押さえ込まれ、髪を捕まれたままでは叶わず、少年の犬歯が食い込む感覚に身を震わせるしかできなかった。
「とっとと堕ちちゃいなよ」
低めにひそめられた声と共に耳を解放されると、軟骨辺りから鮮血が滴り青年の頬を濡らした。
少年の舌がそれを追い、青年の薄く開いた唇へと辿り着く。
自分のぽってりとしたそれを重ね合わせ、抵抗するたびふるわれた暴力で裂けた内膜を労るように撫でると、少年の舌にピリッとした痛みが走り鉄っぽい味が口内に広がった。
少年が片眉を跳ね上げ口端を歪めて顔を放すと、青年の鋭く光る茶色の瞳とぶつかった。
「……ふ、ザケンナ」
叫び続けて潰れた喉から絞りだされた声に、少年が歓喜の声を上げんばかりに笑みを深くする。
その壊れた表情に、青年が明らかな怯えの色を浮かべ凍り付いた。
「まだまだ元気みたいだね」
少年は青年の髪を放し、床に転がる竹刀を手にした。
554鬼っ畜な蛙:2005/12/16(金) 21:17:45 ID:dPwvc7rP
ラスト




その柄部分は赤黒く変色した血がこびり付いている。
途端、青年が弾かれたように暴れた。
しかし弱り切った体では大した抵抗にもならず、少年のなすがまま腰を高く抱えられてしまう。
「や……止めろ」
肩越しに少年を見つめ懇願するが、双丘の間に固い柄先が押し当てられると、強気の瞳が揺れ小さく頭を振った。
「センセ、これ好きでしょ?いっつも大事そうに手入れしてたよね」
そう言い、一方で青年の背中を撫でながら竹刀を持つ手をゆっくりと動かした。
「ア゙……ぅあ、ああっ!!」
竹刀が入り口を押し広げただけで、青年の口から悲痛な叫びが放たれる。
これまで散々辱めを受けたそこは、僅かな刺激で悲鳴を上げ紅い涙を流した。
「アンタの声、スゲーイイ」
少年はうっとりと囁き、竹刀を捻り込むように突き入れた。
青年の背が弓なりにしなり、床に顔を押しつけて獣のような声を上げる。
見開かれた瞳からは透明の雫が溢れ、握られた右手は色を失っていた。
少年はその手に自分の手を重ね、耳元で愛を囁く。

紅い涙で腿が染まり、柄を伝って己の手首を濡らしても、少年は深々と埋められたそれで青年を嬲り続ける。
歪んだ狂気が燻る瞳は、身悶える青年が動かなくなるまで欲情に濡れていた。
END
555名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 00:24:53 ID:B151XJT4
鬼っ畜だあ!
イイ!!( ゚∀゚)=З
556鬼っ畜な蛙:2005/12/17(土) 01:10:05 ID:jznsJCBY
ヒドイ脱字、というか張り付け失敗部分発見。

〇部屋の中には冷たいコンクリートの床に
×クリートの床に

色々ぬるくてスマソ
557来客:2005/12/17(土) 01:30:23 ID:NDtC9Atg
「ふぅん、これがあいつの息子ねぇ……」
昌樹はいきなり、相手に顎をとられ上向かされた。
父の客人にお茶を出したところだった。
テーブルにカップを置いた直後だったので、動転してお茶をこぼすことは避けられた。
「まぁ、あいつらしいっちゃあいつらしいな。ああ、君のお義父様とは学生時代からの付き合いさ。
心配いらないよ」
昌樹は不安になり目をそらそうとした。
だが、相手が顎を捕らえた手を離してくれないので、顔をそむけることが出来ない。
客は城之崎という名前だった。義父と同じ年頃なら、もう四十近くのはずだ。
「それにしても、子供嫌いのあいつが君を引き取るなんてな。よっぽど気に入ったのか」
「あの、なんですか……」
「いやぁ、別に。あいつはまだ帰らないのか」
「ええ……すみません。もう少しお待ちください」
昌樹は一年前に両親を事故で亡くし、この家に引き取られた。
父の友人だったその人が、今は昌樹の法律上の父親だった。
親を亡くして悲しみに暮れていた昌樹に、義父はこの上なく優しくしてくれた。
いつのまにか昌樹は密かに、この優しい義父に憧れるようになっていたのだけれども。
城之崎は、にやりと微笑んだ。
「昌樹君、あいつが好きか?」
「え……? んっ!」
昌樹はいきなり口付けられた。
558来客:2005/12/17(土) 01:31:30 ID:NDtC9Atg
驚いて身体を引き離そうと思ったが、頭の後ろから手で押さえつけられているので、
頭を動かすことが出来なかった。
そのまま腰を捕まれ、城之崎が座っていたソファの上に引きずり上げられる。
必死の抵抗も空しく、昌樹の口の中に城之崎の舌が侵入してくる。
「む……ふぅ、……っ!」
びくりと昌樹の身体がはねた。
ズボンの上から、強く股間を捕まれたのだ。
学校から帰ってまだ着替えていなかったので、中学校の制服のままだった。
「んんっ、んっ」
昌樹は必死で城之崎の手首をつかみ、引き剥がそうとするが無駄だった。
強弱をつけて、城之崎は昌樹の股間を揉みしだいてくる。
「んっ、んん……、ふ……」
口を解放してくれる気配はいっこうにない。
だが、城之崎は片手で器用に昌樹のズボンのファスナーを下ろし、その中に手を入れてきた。
「んぅっ! んー…っ」
そこを直接捕まれる。昌樹は腰をびくりと揺らした。
だが、どんなに逃げようとしても、城之崎の手から逃げられない。
昌樹の身体を弄ぶのを止めようとはしてくれなかった。
と、口を解放された。
「…ぷはっ! はぁ……、あぁ! 嫌……!」
城之崎が、昌樹の性器を扱き始めた。
一番敏感で弱い部分を城之崎に弄られ、昌樹の目に涙が浮かんだ。
559来客:2005/12/17(土) 01:32:12 ID:NDtC9Atg
「は、離して……やめて下さい……」
義父は、もうすぐ帰ってくるはずだ。こんな姿を見られでもしたら……。
「いやぁっ、いやです………離して下さい……!」
やがて昌樹は、ズボンを完全に脱がされ、下半身を剥き出しにされた。
上からのしかかられて、昌樹は逃げることが出来なかった。
シャツを捲り上げられ、乳首を舐められる。反対側の乳首は、指先でつぶすようにこねまわされた。
少しの刺激でそこは固く尖ってしまう。
そのあさましい身体の反応が、気持ち悪くてたまらなかった。
「嫌、やめて下さい、嫌だぁ……っ」
城之崎の手が尻へと回され、昌樹は悲鳴を上げた。尻の間へと、手が割り込んでくる。
城之崎は、すでに自分の唾液で指を濡らしていた。
その指はしばらく入り口の襞を撫でていたかと思うと、ゆっくりと中へと忍び込んできた。
「んう……っ、痛いっ!」
「はは、初めてなのか。かわいい反応だなぁ」
「うぅ……っ」
城之崎の指は、決して乱暴ではない。
だが、義父のいない間に、義父の友人にこんなことをされてしまうなんて……。
恥ずかしくて情けなくて、死にたくなった。
「どうしようか。そうだ、君まだイっていないね。知っているかな、後ろを上手く弄れば、
それだけでイけるんだよ? ちょっと試してみようか」
「嫌だ……っ、助けて、やめて……」
廊下からばたばたと足音が聞こえ、リビングのドアが乱暴に開かれた。
560来客:2005/12/17(土) 01:32:52 ID:NDtC9Atg
「拓朗!! お前何をしているんだ、人の家に来て!」
「おや、いい所だったのに」
浩二は大股で駆け寄ってくると、城之崎から昌樹をひったくった。
「浩二さん!」
「すまない、遅くなって……」
浩二は泣きじゃくる昌樹の頭を撫でた。そして、友人を睨みつける。
「人の家でこんなことをして……。とっとと帰れ!!」
「おおっ、怖いな。まあ用事があったんだが、また今度にするよ」
「二度と来るな。昌樹、もうこいつが来ても、家に入れるんじゃないぞ」
「そりゃあ酷いな、せっかくお前らのために一肌……まあいい」
「……なんだ?」
「今度、外に飲みに行こうな。それじゃあね、昌樹君」
そういうと、城之崎は部屋を出て、帰っていった。


561来客:2005/12/17(土) 01:39:21 ID:NDtC9Atg
「すまなかった……こんな目にあわせて、本当に悪かった……」
浩二は必死で昌樹を慰めていた。
大事にしていた昌樹を、こんな目に合せてしまった。
壊さないようにずっと守ろうと思っていたのに。
背中をさすろうとすると、昌樹の身体がびくりと震えた。
「……? どうした」
「あ、の…」
ふと、浩二は昌樹の下半身の状態に気付いた。
中途半端な刺激を受けて放り出された身体が、疼いているのがわかった。
昌樹が、うつむいたまま浩二の服をつかむ。
「浩二さん……、お願いです、僕……」
小さな声で、昌樹が呟いた。聞こえるか、聞こえないかの声で。
浩二は驚いて目を見開く。
………しばらく浩二はためらっていた。
やがて浩二は昌樹を抱え上げるとリビングから廊下に出る。
そして、二人は寝室へ―――…。


「うまくいくといいなー、あいつら」
城之崎拓朗は、車の中で呟いていた。うきうきと、楽しそうに。
「大丈夫大丈夫、両思いなのはわかってんだし。必要なのはきっかけだ」
浩二が、「とっても可愛い子なんだ」と、引き取った少年の写真を見せてくれたとき、ぴんときた。
一つ屋根の下で大変だ……と思っていたのだが、昌樹に会って、彼の気持ちもそうなのだと知った。
だったら、何をためらう必要があるだろう。
「お幸せに……おふたりサン」
信号が変わる。
車が、再び動き出した。

<終>
562名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 12:50:30 ID:HPJsptro
来客さん、あっさりしとるな〜w
終わり方 なんかコイキで自分は好みだった
細かいツッコミはしない!
続き待ってるで〜
563サンタトナカイ:2005/12/17(土) 17:57:31 ID:jznsJCBY
サンタとトナカイの調教。
獣姦ではなく擬人化……つかむしろ人間。濃いめかも?




とある国のとある山奥。
雪積もる山家で、今日もソレは行われていた。

「ほら、さっさと尻を上げなさい!」
暖炉の火がパチパチと音をたてる中、ピシィッと乾いた音が響く。
「ァアッ!!」
ビクンと背が跳ね、四つんばいになった体が崩れ落ちた。
「まだ休んでいいとは言ってませんよ」
床を這うその体に、容赦なく黒い鞭が振り下ろされる。
打たれるたび形良い尻が揺れ、奥の色付いた蕾がヒクンと蠢く。
そこからは鈍い機械音が漏れ、太くグロテスク淫具が深々と挿入されていた。


ここは、白髭に赤い服を着て大きな袋を持って良い子に夢を届けるサンタクロースの家……

の隣にある小さな小屋。
そこにはサンタ見習いの黒髪の少年、三田(ミタ)が従者で赤髪のトナカイ、中井(ナカイ)と共に暮らしている。
今はもう十二月。
世のサンタはせっせと子供達のプレゼントを用意している頃だ。
隣に住む三田の師匠のサンタも、寝る間を惜しんで作業を行っている。

そして、まだ見習いの三田はトナカイの中井と淫らな調教の真っ最中。
564サンタトナカイ:2005/12/17(土) 18:00:01 ID:jznsJCBY





不規則に鞭の音が鳴り、少年の啜り泣く声が部屋から漏れる。
「アアゥッ」
一際甲高い悲鳴と共に、ゴトッと何かが床に落ちた。
ソレは絨毯の上でウィンウィンとスイングしている。
「おやおや、行儀の悪いお口ですねぇ」
中井は呆れたような口調で言い、尻を突き出すような態勢で床に這いつくばる三田を足先で突く。
三田は虚ろな表情で荒い息を吐き、赤いミミズ腫れの映える白い肌を震わせている。
「ミタ。まだ終わっていませんよ」
中井は手元のリモコンで淫具のスイッチを切り、片膝をついてローションに濡れたソレを拾い上げた。
男根をかたどったゴム状の玩具で、三田の背中から割れ目へと辿り、双丘を割り開いてヒクヒクとわななく蕾を先端で撫でる。
三田がもどかしげに腰を揺らした。
「中井……もう無理だよ」
悩ましげに寄せられた眉に、目尻には涙を浮かべて中井を見上げる。
中井は目を細めて薄く笑い、淫具を一気に突き立てた。
「ひあっ……」
敏感な粘膜を擦られ、その圧迫感に一瞬息をつめる。
中井はピンと逸らされた背中に舌を這わせながら、淫具をピストンさせた。
565サンタトナカイ:2005/12/17(土) 18:04:10 ID:jznsJCBY





三田は、パクパクと口を開閉しポロッと一粒の雫で頬を濡らす。
「まだまだ、ですよ。今日はトコロテンするまで許しません」
淡々とした口調で告げ、チュッと音をたてて脇腹に吸い付く。
三田の中心は固くそそり立ち、先端からは透明の雫を溢れさせている。
だが、まだ射精するまでにはいかず、淫具で突き上げられる度にふるふると揺れていた。
「無理!無理だってばぁっ、も……イカせて…」
上ずった声で三田が懇願するが、中井は中心に触れようともしない。
三田はたまらず自ら慰めようと手を伸ばすが、すぐに中井に捕われてしまう。
「いけない子ですね……仕方ない」
中井はあからさまに溜息を吐き、ズルリと淫具を引き抜くとズボンの前を開き己の男根を取り出した。
すでに反り返ったソレは、エラが張り血管をいく筋も浮かせたドデカイ肉の凶器。
三田はサッと血の気を引かせ、慌てて許しをこうた。
「ま、待って!ゴメンナサイ、ちゃんとするから!ソレでイクから!」
床に放られた淫具を手に取ろうと身を起こすが、中井の腕が伸び肩を床に押さえ付けられる。
「問答無用」
中井は先端を蕾に擦り付け、三田の腰を掴んでズンッと内部に押し入った。
「ァアアッ!!ィ……痛」
先程よりも遥かに太いソレ、三田が悲鳴を上げる。
566サンタトナカイ:2005/12/17(土) 18:05:28 ID:jznsJCBY
ラスト




しかし淫具で慣らされ中は柔らかく、中井に絡み付く。
根元まで入れると角度変えながら突き始めた。
「ヒッ……クゥ…んあッ」
始めは苦痛に身を震わせていた三田の声も、次第に甘いものへと変わる。
ふと中井のカリ首が内部のある部分をかすめ、内壁が歓喜に震えた。
中井が執拗にソコを攻めると、三田が歓喜の悲鳴を上げ自ら腰を動かし快感を求めた。
部屋に三田の声と肉のぶつかり合う音が響く。

「なっ、かい……ク、イクゥ!!」
やがて切羽詰まった声がし、触れもしない三田の中心から、白濁とした精がピュッピュと断続的に放たれた。
同時にひくつく内部にも熱い欲望が広がった。


ぐったりと絨毯に横たわる三田を見る中井の目は妖しく光っている。
「本番はどうしましょうかねぇ」

そして二十四日の夜。
鈴の音と共に淫猥な嬌声が夜空に響き渡ったのだった。
END


連続投下、不謹慎なネタでスマソ。
567名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 18:42:13 ID:zELmyk+b
ヽ(´▽`)ノ
こんな薄汚れたオトナの世界にも
サンタさんが来てくれたよー
568名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 19:24:00 ID:zO4vEuR+
  ☆
  |\   ∫∫
  ∴∴∴ ┌─┐
  (・∀・)ノ ̄ ̄ ̄
 ノ/GJ/  ッパ
 ノ ̄ゝ
569それだけで、幸福で:2005/12/17(土) 19:44:57 ID:0QdlJ7e8
駄文ですが投下させてください。
芸人設定。コンビです。


『ただ今、電話の近くにいないか、電源を切っているため…』
数秒の通信音ののち、無機質な音声が流れてきて
土田は何度目かの軽い失望を感じながら、電話を切った。
上田の携帯電話が同じ台詞を繰り返すようになって、一日近く経つ。
スケジュールは把握していて、ふたりとも休みだということは解っているから
出ないはずはないと思う。
電源を切っているというよりは、充電していないのだろう。
大概、電話に依存している彼のこと、折角のオフである今日に
こんな状態になっていることがおかしい。流石に心配になる。
風邪でも引いたか。ああ見えて、しょっちゅう熱を出している。
そうして、一度湧いた不安は、たちまちのうちに膨れあがった。
実のところ、上田とはここ数日会っていない。ピンの収録ばかりだったのだ。
だから体調が悪くなっても、側にいないから分からない。
もしかしたら誰にも気取られないように振舞って
今やにっちもさっちもいかない身体になっているのかもしれない。
570それだけで、幸福で:2005/12/17(土) 19:46:57 ID:0QdlJ7e8
―――だとすれば。
「…駄目だ、こうしちゃいられない」
どうにもたまらなくなった土田は、仰向けに寝そべっていたベッドから起き上がると
車のキーを掴んで、家を出た。
時刻は午後11時。仰いだ空は青く眩しく、相変わらず暑い。

インターフォンを押す。
耳慣れたベル音が響いて、けれども中から返事はない。
いよいよ、不安が確かな形を帯びてくる。
土田は、せがんで作ってもらった合鍵を出して、ドアを開けた。
廊下を走って、部屋に飛び込む―――すると。
「上田!」
付けっ放しのテレビ。
書き散らしてはくしゃくしゃに丸めたらしい紙の山が、辺りにいくつか出来ていた。
大きなビニール袋には、空になったカップラーメンの容器が放り込まれている。
そして上田は、その中に埋もれかけたテーブルに突っ伏していた。しかも、寝間着のままで。
その姿に一瞬、鳥肌のたつような思いに駆られる。
土田は急いで走り寄って、上田のことを強く揺さぶった。
571それだけで、幸福で:2005/12/17(土) 19:51:03 ID:0QdlJ7e8
「上田、上田っ、大丈夫かよ!」
「…っん、何だ…?」
「何だじゃないよ、こんなところで寝たら風邪引くって!」
普段おちゃらけている土田にしては、ごくまっとうな台詞に、腹立たしいが逆に驚いたらしい。
上田はぱち、と目を開けると身体を起こした。
テーブルに押しつけられた形になった頬が、跡がついて微かに赤くなっている。
どこかぼんやりとしたまなざしで、土田を見上げてくると、怪訝そうに首を傾げた。
「…お前、不法侵入したの?」
「してないって」
合鍵作ったでしょうが。
心配させやがって、と土田は怒りかけたが、ふと悪戯心を覚える。
目を覚ましきっていない彼の頬を、両手で優しく挟んだ。
「まだ寝惚けてるんだったら、俺が覚まさせてあげる」
寝ているだけだったことに安心したけれど、少しだけ憎らしく。
囁いた土田は、おもむろに口吻ける。
唐突な行動に、眼が点になっていた上田だったが
やがて自我を取り戻したらしく慌てて抵抗してきた。
それでも離さないで、Tシャツから覗く首筋や鎖骨に唇を寄せていったところで、腹に拳が入った。
容赦ないそれに呷いて、身体を離す。
「…ってぇ、ひでぇなぁ…」
「酷いもんかよ、馬鹿」
「いいじゃん、目覚ましになっただろ」
「起き抜けにとんでもねぇよ、全く…っ、くしゅ!」
怒鳴りかけた途中で、くしゃみをする。髪が揺れ、僅かに水滴が飛んだ。
そのときようやく、土田は上田の髪が濡れていることに気が付いた。
572それだけで、幸福で:2005/12/17(土) 19:52:37 ID:0QdlJ7e8
触れてみると、やはり僅かに湿った感触。
「もしかして、さっき風呂に入ったばかりとか?」
「シャワー浴びてきたんだよ。部屋に戻ってきたら、眠くなっ・・・はくしゅん!」
「あーあー、言わないこっちゃない」
「うるせぇよ」
立ち上がって洗面台に向かい、ドライヤーを持ってくる。
プラグをコンセントに入れてスイッチを押す。
暑いから涼風の方がいいだろうと思い切り換えると、上田が言った。
「自然乾燥で良いだろうよ…」
「何言ってるのさ。ほら、こっち来いって」
問答無用とばかりに片腕を引っ張り、背中を向けて座らせる。
背中から抱き込むような体勢に、そのまま抱きしめてしまいそうになる。
されるがままになってくれる相方なんて、そうそうお目にかかったことがない。
少しばかり緊張しつつも乾かし始めると、上田は目を閉じて気持ちよさそうにする。
柔らかい表情を見て、嬉しくなった。
「お前の髪、やっぱふわふわしてんなー」
「スタイリングしねぇ限りは、爆発しっぱなしだよ。乾かしにくくて悪いな」
うるさいよ、なんていつも言うようなツッコミではない
そんな言葉が出てきたことに、土田は密かに面食らってしまう。
573それだけで、幸福で:2005/12/17(土) 19:55:24 ID:0QdlJ7e8
らしくない?―――いや、違う。
「甘えてくれてる?」
「は?」
―――しまった。
考えていたはずのことを、知らず口に出していた。
一瞬誤魔化そうかという考えもよぎったが、上田にはしっかり聞こえていたらしい。
背中越しに仰いでくる、その目は多分、理由を知っていた。
土田は、スイッチを切ったドライヤーを傍らに置いて、今度こそ上田の身体を背中から抱いた。
自分の乾かした、シャンプーの香りがする髪に鼻先を埋める。
「…抵抗しないんだ、さっきみたいに」
「して欲しいのか、お前は」
「そういう訳じゃないよ。ただ、幸せすぎてちょっと恐いけどな」
「わがままな奴…」
喉の奥だけで笑う仕草さえ、優しい。
急速に、音を立てて崩れ落ちていく理性。
そのまま押し倒したい欲望をおしとどめ、土田は腹に回していた手を
するりとシャツの中に滑り込ませた。肩が微かに震える。


今回はここまで。
×午後11時→○午前11時です。ごめんなさい!
574名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 20:03:18 ID:qTbcWh9u
鬼畜スレで生(生を連想させるもの)はちょっと。
棚かどっかで書かれては。
575名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 21:15:31 ID:4v+fTYW2
前スレでもいたような気がするし、テンプレに追加したほうがいいかもな。
576名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 22:10:50 ID:j3P99o6v
とりあえず、有名な芸人の名前を使うのはヤメレ。生っぽい。
577名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/17(土) 22:16:40 ID:mwZgnVx7
来客タソとサンタさん乙!!
素敵なクリスマスプレゼントですねw
578中国風・獣耳(ショタあり)28:2005/12/18(日) 00:07:43 ID:BN4EEiTo
泣きわめく小輝の腰に、奏真の手がかかった。
「く……あぁっ!!」
抱え起こされた。座った奏真の膝の上に乗せられて、背後から貫かれる形になった。小輝
自身の体重で、挿入がさらに深くなる。
「い、痛い……いやだ、こん、な……あぐぅっ! あ、ぁ……兄者、助、け……!!」
「情けない声をあげるものだ。それでも大山猫の精か?」
体を揺らしながら奏真は、片手で小輝の三角耳を弄んで嘲笑した。
「鳴鳴は素直に言うことを聞いた。だがお前は逆らった。痛い目に遭うのは当然だと思わ
ないか?」
「あぁっ……や、やめろ! いやだ、人間なんかに、こんな……いやだぁっ!」
「騒ぐな。鳴鳴が案じているぞ?」
小輝ははっとして顔を上げた。
不安そうな鳴鳴と視線が合ってしまい、急いで横を向き、固く目を閉じた。こんな情けない
格好を弟分に見られて、どんな顔ができるだろう。
「う、ぅ……」
噛みしめた唇に、血の味がした。涙が頬を伝い堕ちる感触がはっきりわかる。犯される姿
ばかりか、この泣き顔までも鳴鳴に見られているのだと思うと、さらに惨めさが増した。
「あ、あのぅ……そーしんさまぁ」
遠慮がちな、びくびくした声が聞こえた。鳴鳴だ。
「しょーきさま、すごく、つらそうで……」
「だから、何だね?」
「あの、その……かわいそう、ですぅ。ボクの時とちがって、きもちよさそうじゃないし……
見てて、ボクも、かなしくなるから……もう少し、あの、何とか……」
「……だ、そうだ。どうしてほしい、小輝?」
「どうしてほしいって、何だよ……!?」
579中国風・獣耳(ショタあり)29:2005/12/18(日) 00:08:38 ID:CjJQAphu
精一杯の強がりとして、きつい口調で問い返す。意味がないのはわかっていても、素直に
従おうという気持ちには、どうしてもなれなかった。
奏真が鼻で笑い、小輝の脇と腿をつかんで、揺さぶり上げた。
「ああぁっ!! 痛い……くぅ、うっ……!」
挿入されただけでも耐えがたいほどの痛みに襲われていた。だが動かされた痛みは、その
比ではなかった。こらえようとした涙と悲鳴が、またこぼれ出す。
「鳴鳴はお前がよがっていないのが、心配でならないらしい。どちらかを選べ。もう一度、
鳴鳴にくわえてもらうか……」
「い、いやだっ!!」
「ならば、自分の手で慰めろ」
「な……!?」
「手首を結わえてあるだけだ。指は自由なのだから、できるだろう?」
鳴鳴に弄ばれていかされるか。それとも鳴鳴が見ている前で、自分でしごいて達するか。
どちらも屈辱の極みだ。
答えに迷っていると、勢いよく突き上げられた。
「うぁっ!……やめろ、自分でやる!! 自分の手で、するから……!」
「だったら、早くすることだ」
奏真は小輝の脇に回していた手を放し、さっき懐から出してそばに置いていた革袋を、
鳴鳴に向かって投げた。
「小輝が限界になったら、この袋をかぶせて、液を受け止めてやれ」
革袋に毒薬を入れているわけではなかったらしい。
縛られた両手で、自らの肉棒を握り、しごき始めた。
「だいじょーぶですかぁ? ボク、おてつだいしましょうか……?」
鳴鳴の声が純粋に心配している様子なのが、余計にこたえた。
「ほっとけ……もうこっちを見るな、鳴鳴!」
580中国風・獣耳(ショタあり)30:2005/12/18(日) 00:09:50 ID:CjJQAphu
「で、でもぉ……」
「……頼むからっ! 見ないでくれって、言ってるんだ!!」
血を吐く思いで叫んだのに、後ろの奏真が小輝の願いを打ち砕く。
「そう言うな、お前を案じているのだぞ。鳴鳴、よく見ておけ。小輝が気持ちよさそうに
ならなかったら、手伝ってやるがいい」
「や、やめろ!……なぜだ!? なぜオレをここまで惨めな目にあわせる!?」
「可哀想に。勇玄さえいれば、こんなことにはならなかっただろうに」
答えの代わりに、敬愛する虎の精の名を出され、小輝はびくんと震えた。
奏真の言うとおりだ。
勇玄ならば、こんな人間など軽く追い払ってくれただろう。
片目を失っていても、誰よりも強い。偉丈夫という言葉を絵にしたような風貌で、それで
いて目下の者に優しい。鳴鳴や自分が何か馬鹿をしでかしても、「俺が何とかするから、
もう気にするな」と苦笑し、大きな手で頭をくしゃくしゃと撫でてくれる。
(兄者……)
固く目を閉じて、心の中で呼びかけた時、奏真が囁いてきた。
「勇玄が好きか?」
声にこもる淫靡な気配で、単純な意味の『好き』でないことは、すぐにわかった。
「つらければ空想してみてはどうだ? 今自分を貫いているのは、勇玄だと」
「ば、馬鹿言え! 兄者がこんなことするもんか! 第一オレは、兄者にそんな淫らな
気持ちなんか……!!」
小輝は激しく首を振った。だが奏真は語りかけるのをやめない。
「どうかな? あやつの何気ない所作に、胸が高鳴ったことはないか。頭を撫でられたり
負ぶわれたりした時、もっと触れてほしいとは思わなかったか。あの金の瞳に映るのが、
自分だけならばいいのにと思ったことは?」
犯している最中なのに、奏真の声音に高ぶった気配は少しもない。
581中国風・獣耳(ショタあり)31:2005/12/18(日) 00:11:21 ID:CjJQAphu
代わりに、小輝の心を侵食する甘い毒に満ちていた。
(兄者……オレ、は……)
大きく固い掌で頭を撫でられ、髪をぐしゃぐしゃにされて嬉しかった。虎の姿に戻った
時は毛皮の美しさと、力強さのみなぎる体躯に感嘆した。豪放な笑い声が、耳に快かった。
山を統べる、誰よりも強い虎の精──憧れ、慕い、そして自分は……。
いつのまにか奏真の動きは優しいものに変わっていた。それが偽りの優しさと見抜く余裕は、
今の小輝にはない。
「勇玄に抱かれていると思え。お前に触れているのは、勇玄の手だ」
奏真は小輝の首筋に唇を這わせた。手が脇から胸へとすべり、乳首をとらえた。
「あ……ぁ……」
小輝の口から喘ぎが漏れた。今までの、苦痛一辺倒の声とは明らかに違う。けれども小輝
自身がそれに気づくことはなかった。
(兄者が、オレに触れて……オレを、抱いて、る……?)
苦痛と恥辱にさいなまれる心は、逃げ場を求めていた。そこへ奏真が偽りの出口を与えた。
現実を受け入れるより、空想にすがる方がはるかに楽だった。
今自分を貫いているのが誰なのか。しびれるような快感を呼び起こす舌は、誰のものなのか。
小輝自身をしごき立てる指は──?
縛られた不自由な両手の動きが、他人に触れられているような錯覚を小輝に与えた。
後孔からの痛みさえ、勇玄に与えられたものと思えば、快かった。
「あっ、兄者……あぁっ、もっと……あうぅっ! 兄者ぁっ!!」
鳴鳴に見られていることも、大嫌いな人間に犯されていることも忘れ、小輝は達した。

「……そーしんさまぁ。これでいいですかぁ?」
鳴鳴の声が聞こえ、小輝は我に返った。首をめぐらせると、いつの間に自分から離れたのか、
衣服を直した奏真が、鳴鳴から革袋を受け取っているのが見えた。
582中国風・獣耳(ショタあり)32:2005/12/18(日) 00:13:05 ID:CjJQAphu
「よくやってくれたね、鳴鳴。……いい子だ」
そう言い、奏真は指を伸ばして鳴鳴の額を突いた。声も出さずに鳴鳴がくずおれた。
くたりと力ない倒れ方は、意識を失ったのに違いない。
「て、てめぇっ! 何をしやがった!?」
小輝の声に構わず、奏真は懐から小壜を出し、中身の丸薬を鳴鳴の口に入れて、背を軽く
叩いた。鳴鳴の喉が動くのが見えた。飲み下したらしい。
恐怖で、小輝の体温が一気に下がった。
跳ね起きようとしたが、両手首を縛られているためにうまく起きられずに転んだ。転んだ
まま、叫んだ。
「な、んで……なんでっ!? オレは言うとおりしただろ! なんで鳴鳴に毒をっ!」
「毒だと、誰かが言ったか?」
愕然とした小輝に向かい、奏真は冷たく笑った。
「私は『鳴鳴は毒だろうと飲むに違いない』と言っただけだが?……さっき額を突いて、
記憶を消した。これは体から影響を消す薬だ」
「……っ!」
今度は体が燃え上がりそうに熱くなる。騙されたのだ。
「目が覚めたら、今日一日のことは綺麗に抜けている。……消さない方がよかったか? 
お前が何を口走り、何をしたか、覚えておいてもらいたかったのか?」
そんなわけはない。鳴鳴の心からも体からも、こんなことは消えてしまうのが一番いい。
そうわかってはいても、感情は収まらなかった。
声も出せずに怒りに体を震わせる小輝を見やり、奏真が鳴鳴を地面に転がして立ち上がる。
木の枝に結んだ色糸をほどいて、結界を解除した。
「あいにくと、この丸薬は一粒しか持ってきていない。……お前の記憶はそのまま残して
おいてやる。覚えていて、勇玄が戻ったなら、一言も余さず告げるがいい。人間にひどい
目に遭わされたと泣きつけ、大山猫」
583中国風・獣耳(ショタあり)33:2005/12/18(日) 00:14:32 ID:CjJQAphu
嘲弄の響きに満ちた声に打ちのめされ、小輝の口から子供じみた罵倒が漏れた。
「お前なんか……兄者に殺されてしまえばいいんだ!」
「私もそう思う」
冷笑を消し、奏真は真顔になって呟いた。
「勇玄に頼め。仇を討ってくれ、胡奏真を殺してくれと。……だが、都へは来させるな。
都は、私など及びもつかぬ魑魅魍魎の巣だ。勇玄の来るべき場所ではない」
奏真は空を仰いだ。結界を解かれた空間は、外の時間の流れに同調していた。とっぷりと
暮れた空に、細い月がかかっている。
「次の満月の夜、私がまたここへ来る。そう伝えろ」
小輝と鳴鳴をおいて、奏真が身をひるがえした。麓への道をたどりかけて、振り向いた。
「ああ、そうだ。忘れきれずに体が疼くなら、勇玄に慰めてもらうがいい」
「……ざけんな!!」
叫んだ小輝に憫笑を向け、奏真は去っていった。
手首の縄を噛みちぎりながら、小輝はぼろぼろと涙をこぼした。奏真が言ったとおり、
体の芯が熱く疼いている。この感覚はいつか消えるのだろうか。
しかしそれよりも、心の痛みの方が耐えがたい。
勇玄が戻ってきても、もう以前のように、素直に「兄者」と呼びかけることはできない。
あの道士が自分の心に毒を垂らしていった。
「くそぉ……違うんだ、絶対に違う! 違うぅうーっ!!」
泣きながら小輝はわめいた。何がどう違うのか、自分でもわからないままに。
慟哭を聞く者は誰もいない。小輝の叫びは、虚しく藍色の空へ吸い込まれていった。

────────────────────
これで終わりです。投下させていただき、ありがとうございました。
584孤独の宙:2005/12/18(日) 00:59:20 ID:gBtlZ9p2
※触手モノです。
―――――――――――――――――――――

カイは目を覚ました。
知らない部屋だ。
天井、壁、床とも同じ材質のように思える。
銀色に近い白で、冷たい感じがする。金属ではなさそうなので、セラミックだろうか。
「う……」
意識が朦朧としていて、前後の記憶がない。
体がだるい。
指一本動かすのも億劫なほどだった。
うっすらと目を開けて確認すると、服は仕事から帰ったときのままであることがわかった。
(俺、どうしたんだ……明日はまた公演あるのに…)
カイは部屋の中央にある、白い台のような物に寝かされていた。
普通のベッドより固かったが、寝心地は悪くない。スプリングが強いだけのようだ。
身体を起こして、あたりを見渡そうとした、そのときだった。
「……うわあっ!?」
急に台の側面から、白いものが飛び出してきたのだ。
白くて太い、触手のようなものだった。
その触手のようなものが何本も台の横から手を伸ばし、カイの身体に襲い掛かってくる。
カイはそれを素早くよけ、台から飛び降りた。
「なっ、なんだよこれ! 気色悪いっ」
ここはどこなんだ。
とにかく逃げないと。
部屋の壁近くまで走ったところで、カイは自分の足が床から離れるのがわかった
585孤独の宙:2005/12/18(日) 01:00:21 ID:gBtlZ9p2
※触手モノ

「……くそっ、離せ!」
触手に捕まったのだ。
触手は何本もカイの手足に絡みつき、カイを空中に持ち上げた。
触手は太いのも細いのもある。
捕まれた感触でわかった。とても弾力があって、巻きつく力も強い。
何本も絡みつかれたら、とても振りほどける物ではなかった。
「畜生っ、ん……っ?」
ふいに触手の一本が、カイの服の中へと滑り込んできた。
「えっ、ちょっと………おいっ!」
服の中を触手が蠢く感触が気持ち悪い。
わき腹を這いまわられ、カイは小さく悲鳴をあげた。
「んっ……くっそ……、え? んぅ…っ」
カイの口の中に、触手が入り込んできた。
触手は指二本ほどの太さで、他の触手に比べたらそれほど太いものでもなかった。
だが、続けて二本、三本と触手に入ってこられて、カイはむせそうになった。
「んう……く、ふ……」
触手はそれぞればらばらに、カイの口内を攻め立てた。
一本は上あごを、一本は舌を、さらにもう一本は頬の内側を舐めるように。
(んう……、やめろ気持ち悪い…)
敏感な口の粘膜を、触手に犯される。
吐き出したくても出来ない。
口の端から、溢れた唾液が零れるのがわかった。
586孤独の宙:2005/12/18(日) 01:01:16 ID:gBtlZ9p2
※触手モノ

しばらくすると、ようやくカイの口から触手が出て行った。
触手はすっかり、カイの唾液で濡れていた。
「はっ、はぁっ! なんなんだよ……、っう!」
カイの身体がすくんだ。
ズボンの裾から、数本の触手が侵入を始めたからである。
「う、くすぐった……ぃ…、ちくしょう!」
手足には、触手が何本も絡みついている。とても振りほどくことは出来なかった。
外側から触手が絡み付いている場所には隙間がない。
そこから上にはいけないだろうと思ったのだが、触手たちは絶妙な力加減で、ズボンの
内側の触手が這い上がれるすき間を開け、上へと通していくのだった。
やがて触手は、カイの太腿へと辿り着いた。
「……っ、ひっ」
内腿の皮膚を触手に撫でられた。どうしよう、とカイは思っていた。
そこは非常にデリケートな部分だ。神経だってたくさん通っている。
そこを傷つけられでもしたら、舞台で踊れなくなるではないか。
「なんなんだ……なぁ、一体なんなんだよ………!」
カイは怯えていた。
この触手が何を考えているのか、わからないのだ。
いや……それ以前に、なぜ自分はこんなところにいるのか?
「あ……いやだ、なんだよ、やめろよ!」
カイは身をよじった。
触手が、カイの服の裾という裾から入り込み始めたからだ。
587孤独の宙:2005/12/18(日) 01:01:54 ID:gBtlZ9p2
※触手モノ

襟口から入り込んだ触手は、カイの胸のあたりをゆっくりと撫でる。
ときおり、その触手がカイの乳首に引っかかった。
「あ……ぁ、やめ…っ」
そして、ウエストから入り込んだ触手は、カイの陰部へ潜りこもうとしていた。
触手に全身を嬲られ、カイは悲鳴を漏らした。
次第に、カイの身体は熱くなり始めた。
「ん、ああっ、やめろやめろ……っ」
触手が、下着の中へと入り込み、性器へと絡みついた。
明らかにこの触手が、何かの意思をもっているとしか思えない。
でなければ、こんなにいやらしくカイの身体をはいまわるはずがない。
「く……うあぁ」
窮屈なズボンの中で、触手が蠢いている。
「ひっ、……んん、いやだぁ………」
相手が人間なら、罵倒したり哀願したりもできる。
けれど、相手が触手だ。
一体どうしたらいいのか、どうしたら逃げられるのか見当もつかなかった。
指一本ほどの太さの触手が、何本もカイの性器に絡みついていた。
別の触手が蟻の門渡りを這いずり回り、また別の触手はカイの蕾の入り口をほぐそうとしていた。
「ん……な、なに……」
蕾のあたりがぬるぬるする。
触手から、なにかの液体が分泌されているようだった。
(潤滑油……? まさか、そんな………っ!)
「んあぁ……っ!」
ぬるついた触手が、カイの後孔を犯し始めた。
588孤独の宙:2005/12/18(日) 01:02:58 ID:gBtlZ9p2
※触手モノ

必死でそこに力を入れて押し出そうとするのだが、まったく無駄だった。
ずるずると、カイのそこに入り込み、中を這いずり回る。
「いや……いやだぁ………」
カイは思わず涙を流していた。
なんで……? これは夢だろうか。
そうに違いない。そうでなければ、こんなことあるはずがないじゃないか。
「ひっ……」
カイの乳首を、湿った触手が刺激した。
先ほどカイの唾液で濡らした触手だとわかった。
「やだ、なんでだよ…やめろ………やめ…て…」
触手はカイの訴えなど聞かなかった。
性器を、何十にも絡みついた触手が扱いている。
後孔を犯され、ズボンが窮屈なほどに性器が張り詰めてゆく。
「は………ああぁっ」
カイは、とうとう達してしまった。
カイの身体からがくりと力が抜ける。
何が一体起こっているのだろう……。
まだ、自分の身に起こっていることが認識できなかった。
「う………っ」
触手は、まだカイを解放しなかった。
今度は何十本もの触手が集まり、器用にカイの服を脱がせ始める。
やがて、カイは全裸にされた。
「あ……ああ、あ………」
裸のカイの身体に、再び触手が絡みついてくる。
逃げられない―――――カイは絶望の声を上げた。
「あ…………ああああああああぁっ!!」

589孤独の宙:2005/12/18(日) 01:04:30 ID:gBtlZ9p2
  *   *   *

一人の男が、モニターを見てもう一人の男に話し掛けた。
「なかなかの素材だな。現地でわざわざ下調べまでして、調達した甲斐があった」
話し掛けられた男は、最初の男に頷き返す。
男は二人とも、白銀に近い奇妙な髪の色をしている。
肌は抜けるように白い。瞳の色は緑色だった。
最初の男がまた言った。
「ダンサーだそうじゃないか、身体の線が実にいいな。それに、黒い髪だ。
申し分ない最高級品だ」
「ええ。でも、重要なのはその後の教育ですよ」
と、後の男が返した。
「じっくりと、時間をかけて仕上げましょうね。我々もプロですから」

*   *   *
今回はここまでです。
590名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/18(日) 01:08:55 ID:fIwBYDdk
乙でした。
小輝はこれから勇玄様にドキドキしながら暮らすんですな(*´д`*)
591名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/18(日) 04:49:24 ID:PsRtRbTn
(゚д゚)ショクシュ wktk
592名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/18(日) 14:33:27 ID:k59lcrWi
獣耳タンGJ、蝶乙
小輝カワイスカワイソス(*´д`)ハァハァ
奏真と勇玄にwktkしてましたが、これはこれで脳内補完のし甲斐が(*´д`)ハァハァ
593不覚のF:2005/12/19(月) 19:16:12 ID:jpTakTH2
※軽く流血注意

その日から三人の奇妙な共同生活が始まった。
家主はイタリア系吸血鬼、F・エクバーグ。同居人兼家主の食材、八神直人。
そして使用人の竹下晃、掃除夫であり優秀な料理人でもある。
竹下は次の日には店を辞めていた。元来明るい性格の彼は、
たいそう仲間に惜しまれつつ新しい職に就いたのだ。
意外に思い切りがよくて、かえって困惑したのは雇い主の方だった。
心底惚れられてしまったが、あの夜以来身体を許した事はなかった。
直人は労働時間を削り、アルバイト扱いで働いていた。
Fに部屋を与えられたが、暮らしていたアパートを引き払う気は無く、
行ったり来たりを繰り返している。
一方一人だけこの家で無職の男がいた。
働かなくてもいいのかと直人は聞いたが、今回の日本では働く気は全くないそうだ。
一人の人間が裕福な人生を三回送ってもまだ余るほどの資産があるらしい。
前回までに余程溜め込んだのか、とにかく金の心配はしなくてもいいとの事だ。
反対に、お前だって働かなくてもいいのに、と直人は諭されたほどだ。
「仕事をしない人生なんて暇すぎる」
直人はそう答えた。
竹下が出勤してくるのはいつも昼過ぎだった。
掃除洗濯を済ませて日が暮れると主人がやっと起きてくる。
コーヒーと何か甘いものを用意しておくのが常習で、覚醒させるのには苦労した。
雑務をこなしながら時々Fの話相手をしたりもする。
散歩に付き合ったり、閉店ギリギリの買い物に付き合ったり、
Fはとにかく夜の街を徘徊するのが好きだった。
しばらくすると直人が腹を空かせて帰ってくる。
料理が苦手なFと直人の代わりに食事を用意して、それと入れ違いに竹下は帰宅する。
あとは朝まで二人の時間だ。
594不覚のF:2005/12/19(月) 19:16:58 ID:jpTakTH2
「Fさん、毎日毎日シーツを汚さないで下さい。あんまり代えがないんですから」
帰りしなに竹下が言った。
「うるさいな、無ければ買えばいいだろう」
「そんな不経済な人がいますか。八神君も、ベタベタな格好で寝ないでよー。
 ソファーの染みが取れないんだよ」
「スイマセン…」
この家で一番発言力があるのは竹下だった。
開けっ広げに遠慮なく言うので、いつも二人は面食らった。
二人の関係を包み隠さず話はしたが、信じたのかどうか大して驚いた様子もなかった。
言い訳を聞く間もなく、いつものように鼻歌を歌いながら彼は帰っていく。
「直人、どうしてあいつはああなんだ…」
その背中を見送りながらFは溜め息混じりに言った。
「陽気なイタリア人より陽気だぞ、ちょっとおかしいんじゃないのか」
「いや、タケさんのアレはもともと…っていうか。まあちょっと変わってるけどね。
 てか、あんただってイタリア人のくせに陽気じゃないじゃん」
「悪かったな、俺はもともと根暗だ」
軽く二人分を平らげる直人とは対照的に、Fは少量のサラダをつつく。
人間の食事は一日に一度、直人から頂くのは一週間に一度。
Fは燃費のよいハイブリッドカーだ。
クリスマスが近づき、最近は食事を終えると二人はとある部屋に引きこもった。
その部屋にはFの描いた絵画達がズラリと並んでいる。
歴代の直人の人物像で、上半身の若者がそこでひしめき合っていた。
皆一様に若く、顔の造りや雰囲気などがどこか似通っていた。
一度Fに順番に紹介されたが、言われなくとも直人にはわかっていた。
名前、国籍、職業、かつての自分の事だ、それぞれの歴史をそらで言える。
そして彼らの隣に飾られる為に、直人は服を脱いで椅子に腰掛ける。
画伯の要望で全裸でなければいけないらしい。
595不覚のF:2005/12/19(月) 19:17:47 ID:jpTakTH2
「もうちょっと顔は横に…、そう」
Fは真剣な目で指示をして、何枚目かわからないスケッチをする。
真面目なのはこの時ばかりで、彼の絵に対する意識の高さが垣間見れた。
しばらく静かな時が流れ、退屈な直人は言われた通りの目線を時々外して、
豪華な額縁で飾られたとある絵を盗み見た。
あからさまに扱いが違うそれはJJ・カステリットの絵だった。
金髪の青年で、唯一彼だけがこちらに目線を投げている。
彼と目が合い、直人は思わず表情を崩した。
「どうした?」
「はぁ…、なんでもない」
わざとらしく溜め息をついて、直人はぶっきらぼうに答えた。
「なんだ、言いたい事があるなら言え」
喧嘩を売られたような不快感に、Fも思わず強い口調になる。
「別に、ただ何となく虚しくなっただけだよ」
「何が」
「……」
直人はずっと虚しく思っていた。記憶を取り戻してからの毎日、ずっと。
それと同じ位の悲しみにも襲われている。Fには一生解らない憐れな感情だ。
そう、この絵のようにいつの世もFの一番にはJJが居た。
結局追いすがるのは自分だけで、FはただJJの代わりが欲しいだけなのだ。
無性に腹が立った。突然、何かが爆発したように直人は喚いた。
「あんたにはわかんねーよ!」
立ち上がり、JJの絵に向かって思いっきり椅子を投げ付けた。
これで少しはすっきりすると思ったのに、頑丈な額縁は少し傾いただけで
傷ひとつ付かなかった。
「直人!」
鬼の形相でFに殴り倒されたので、さらに直人は苛ついた。
負けじと殴り返し、今度はFに向かって物を投げ付けた。
Fは余裕でそれらをかわし、直人に馬乗りになりその頬を平手で打ちつける。
「何て事を…!」
「…るさいっ!」
596不覚のF:2005/12/19(月) 19:19:34 ID:jpTakTH2
癇癪をおこした子供のように、直人は手当たり次第に物を投げ付け壊した。
何も投げる物がなくなり再び床に倒されて、直人は後悔するほど殴られた。
Fは息を荒げて、静かになった直人を見下ろした。
直人の唇の端から流れる血を指で拭い、ペロリと舐めた。
途端に身体に火が付き、直人の身体に手を這わせた。
「や…めろ、そんな気分じゃ…」
Fの体を押しのけて直人は起き上がろうとしたが、凄い力でまた床に倒される。
「俺はそんな気分だ」
「やめっ…、いたっ!背中!」
何かの破片が直人の背中に突き刺さった。
「痛い!F!」
美しい顔を歪ませて直人は苦痛を訴えた。
しかし聞く耳を持たないFは彼の足を割り、そしてさらなる苦痛を与える。
「痛い!ああー!」
裸の背中と無理やり広げられた下半身が痛かった。
「あっ!…っつ、痛い!痛いF、やめて!」
Fはその肩を掴んで、わざと背中を擦り付けるようにして直人を揺さぶった。
無理に入り込んだ直人のそこは裂けて血が溢れ出ている。
直人は泣き叫んだが、その声にすら興奮したFはひたすら貫くだけだった。
直人はずっと前からわかっていた。
Fが愛し憎んでいるのはJJだけで、それは生まれ変わり時が遠ざかるのと比例するように
直人は思い知らされる。JJもFを愛していたし、直人だって愛している。
だけどこの気持ちは記憶の残り香なのか、自分の感情なのか自信がない。
「Fっ、んっ…ああ…」
身体が感じてきた。直人の声に艶が帯びてくる。
乱暴にされても、痛くされてもこの身体は喜びの声を上げるのだ。
遠くに視線を投げたらJJがこちらを見て笑った気がした。
やっぱり愛しているのだ。もっと痛くしてほしい。
それがこの身体の存在する意義であると、直人は錯覚した。

〔つづきでした〕事後報告〔ここまで〕現状報告
597名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/19(月) 21:43:09 ID:R76NEvuz
不覚タソキタキタキター(*´д`*)過去の自分に妬きもちか?
直人かわいいよ直人。
598名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/20(火) 01:28:06 ID:V0aGlJHY
eip = eip + unescape("%u7030%u4300")
599名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/20(火) 02:02:10 ID:vUwyUqRy
????%:?%%%:????:??
600名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/20(火) 02:04:23 ID:SwvL3n5/
ウィルスコードイヤン
601名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/20(火) 15:34:15 ID:NwHIE3CJ
602名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/20(火) 18:24:23 ID:IKQfFcC0
>>601グロ
603覚めない夢:2005/12/20(火) 23:21:24 ID:Vpw2rkbV
投下させていただきます。
今回は導入なので、鬼畜はありません。
むしろスレ違い的甘々展開になっておりますがご了承ください。
次回より鬼畜になっていく予定です。
お付き合いいただけましたら幸いです。
604覚めない夢 1:2005/12/20(火) 23:22:41 ID:Vpw2rkbV
「学校から私のところに連絡がきました。就職を希望されたというのは本当なんですか?」
珍しく早く帰宅した和泉隆一は来生朋之を真顔で見つめている。
「本当です。ずっと考えて、やっぱりそうした方がいいって思ったから」
朋之は隆一を笑顔で見上げた。まだ少年の面影を残す綺麗な笑顔には曇りがない。
「これ以上、和泉さんに迷惑をかけるわけにはいきませんから。高校に行かせてもらっただけで、感謝しています。卒業したら、自分の力で生きていけるように頑張ろうと思っているんです」
朋之の言葉に迷いはない。考えて考え抜いて出した結論だから、後悔はなかった。
一緒には暮らしているが、2人は血縁でもなんでもない。隆一は3年前に亡くなった朋之の父親の秘書だった。
605覚めない夢 2:2005/12/20(火) 23:23:44 ID:Vpw2rkbV
朋之は高校三年生になったばかり。隆一は現在32歳で、父の秘書を辞めた後に友人と一緒に立ち上げた会社の社長についている。
政治家への収賄疑惑が起こったのは、当時グループ会社の社長だった朋之の父親が病床に倒れた直後だった。重い病に冒され、弁明もできないままに社長の地位を追われ、父親はすべてを失った。
そして、そのまま父が亡くなった後で朋之だけが残された。母は朋之が幼い頃に亡くなっている。
何がどうなっていたのか、まだ中学生だった朋之にはわからない。
ただ、家も財産も奪われ、親戚すら朋之を見捨てた中で、一介の秘書に過ぎなかったはずの隆一だけが朋之を助けてくれた。
家や財産の整理をすべて引き受け、朋之を引き取り、高校にまで行かせてくれたのが隆一だった。
そんな責任なんてないのに、最後まで父の潔白を信じると言って朋之を励まし、父に世話になったからという理由だけで、これまで朋之を自分の手元においてくれた。そんな隆一にはどれだけ感謝しても足りない。
端正なだけに冷たく見える第一印象とは裏腹に、本当はとてもやさしい人であることを朋之は知っていた。

606覚めない夢 3:2005/12/20(火) 23:24:51 ID:Vpw2rkbV
「お金のことなら心配しなくてもいいと言ったでしょう?朋之さんを大学に行かせることぐらいできます。迷惑だなんて思ったこともありません」
隆一は形のいい眉を寄せて叱るような言い方をする。けれど、朋之は首を横に振った。
「隆一さんには十分していただきました。これ以上甘えるわけにはいかないです。あと1年だけお世話にならなくちゃいけないけど。でも、働くようになったら少しずつでも恩返ししたいって思ってるんです」
「必要ありません。朋之さんを引き取ったのは私のためです。朋之さんは私に甘えていてくれればそれでいいんです」
いつになく強い口調で隆一は言った。いつも冷静な隆一がこんな言い方をするなんて初めてで、朋之は驚きを隠せない。
「どうしてそんな風に言ってくれるんですか?俺なんかがいても何の得にもならないのに。どうしてそんなに俺のことを……」
朋之は長身を見上げ、ずっと心にあった想いを口にした。
隆一は朋之から目を逸らして何か考えるような表情をしている。だが、すぐに元のように朋之を見つめ、ゆっくりと口を開いた。

607覚めない夢 4:2005/12/20(火) 23:25:58 ID:Vpw2rkbV
「私が朋之さんを愛しているからだと言ったら驚きますか?」
「え?」
「愛しているんです。それがすべてです。あなたを私の元に引き取ったのも、これからもずっと傍にいてほしいと思っているのもそれが理由です」
「でも……」
隆一の声は真剣で、とても嘘を言っているようには思えない。だが、朋之は突然の告白に戸惑いを隠せない。
「話すつもりはありませんでした。あなたが私の傍で幸せでいてくれたらそれでいいと思っていましたから。でも、理由が必要だと言うのなら……」
一度言葉を切って、隆一は自嘲するように笑った。
「最初、あなたを引き取ったのは社長にお世話になったことが理由でした。でも、一緒に暮らすうちにあなたを愛するようになってしまった……男のあなたにそんな気持ちを抱いてしまうなんて、自分でも驚いていますが本当の気持ちです」
真っ直ぐに朋之を見つめ、隆一はゆっくりと話を続ける。
「そんな私を朋之さんが気持ち悪いと思うのなら、ここを出て行っても構いません。ただあなたへの援助だけはこれまでどおり続けさせて下さい。たとえ自己満足でも、私は……」
「自己満足だなんて……」
朋之は思わず声を張り上げる。

608覚めない夢 5:2005/12/20(火) 23:27:25 ID:Vpw2rkbV
「俺だって隆一さんが好きです。本当はずっと好きでした」
好きだからこそ、これ以上迷惑をかけてはいけないと思っていた。好きだからこそ、離れられなくなる前に離れた方がいいと考えた。
男である隆一への気持ちがバレて、嫌われてしまう前に出て行きたいという気持ちもあった。
「それなら何も問題はないということですね?私達は両想いなのですから。あなたの将来のために援助するという私の喜びを奪わないでくれますね?」
朋之をそっと抱き締め、隆一は静かに言った。
「本当にいいんですか?俺がいても迷惑じゃないんですか?」
「迷惑なはずがないでしょう?大きな喜びです。あなたを私だけのものにしたい。私はそのことだけを願っていたのですから」
不安げに尋ねると、隆一はこれ以上ないというほどのやさしい笑みを浮かべる。
「それなら俺を隆一さんのものにしてください。俺、隆一さんが好きです」
広い背中に腕を回し、朋之は訴えるように言った。
「ええ。たった今から朋之さんは私だけのものです」
やさしく囁いて、隆一は朋之に唇を重ねる。
あたたかな感触を朋之は幸せな気持ちで受け止めていた。





今回はここまで

609名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/20(火) 23:47:35 ID:PK79ndgv
…鋏?
610名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/21(水) 00:39:21 ID:E4PyBDlk
甘め鬼畜スキーなので続きに気体。
611名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/21(水) 03:02:00 ID:iwbW1r44
夢さんGJ。
この甘い雰囲気がどう鬼畜に繋がっていくのか楽しみです。
612名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/21(水) 03:19:39 ID:9ZVXdHmp
遅くなったけど不覚さん乙!今更だけど物凄く好きなシチュ。
あと新しい人も乙様。続き待ってます。
613名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/21(水) 08:39:34 ID:kKIXPCv/
夢さんきれいな文章と風情のある導入部が素敵です。
両思いがどんな鬼畜につながるかワクワク。続き待ってます。
614名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/21(水) 16:34:10 ID:y0Vekvl3
夢タソ乙です
どう鬼畜になるのかワクテカです
615名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/21(水) 21:23:56 ID:dERiejBn
頼む、頼むから少しくらい改行してくれ。
目が滑ってかなわん
616鬼畜サンタさん1/3:2005/12/21(水) 22:04:38 ID:PxVHsu1B
サンタが町にやってきました。
彼は町中に溢れる欲望の声を満たすための存在でした。

サンタは若い男の姿になって、一軒のアパートの前に立ちました。部屋の中には隣室に住む恋人と
今日喧嘩したばかり、別れたばかりの男が一人不貞寝しておりました。
サンタの手で開かない扉はありません。無造作にノブを引くと、あっさり扉は開きました。
「お前…?」
男は体を半分返し、別れたばかりの当の相手の姿に驚いて目を見張りました。
「今頃謝ったって、許さないからな。もう顔も見たくないって…」
言葉は半分しか話せませんでした。恋人に化けたサンタは乱暴に男にのし掛かって服を剥ぎ始めた
からでした。
「やめろよ…! やめろ!」
「シーッ」
サンタは男の口を手で塞ぎ、壁に目をやらせました。このアパートは壁が薄く、声がとても漏れや
すかったのです。
声を殺し、顔を真っ赤にして抵抗する男はそのうち息を飲み込みました。恋人の手が早急に服の中
に入り込み、慣れた手つきで股間を揉み始めたからでした。
「ンンッ…! ンーッ!」
男は歯噛みしましたが、恋人には敵いません。彼の恋人は男を体で籠絡したほど慣れた男であったのでした。
彼が涙目で声を堪えるうちに、サンタは男の下肢を裸に剥きました。
サンタの長い指が硬くなり始めたペニスを扱き上げました。早くも体だけは反応して、腰を揺らす
男は尻に指を挿れられて、本気で暴れようとしました。
浮気者の、お調子者の、気紛れの憎い相手でした。でもあっというまに男は一番弱いところを探り
当てられ、指の腹で容赦なく内側から擦り上げられて、四つん這いで身悶えしました。
サンタは恋人の声で笑うと男を引きずって壁の一面にすがらせると、犬か猫でも扱うように剥いた
白い尻を平手で叩いたのでした。
617鬼畜サンタさん2/3:2005/12/21(水) 22:05:30 ID:PxVHsu1B
男は悔し涙を零しました。薄情な恋人は喧嘩したとき自分を犬と呼んで罵ったのです。
ぐっと後ろから熱い高ぶりを押しつけられて、男は怒りに燃えた目で恋人を見返りました。恋人は
酷薄に笑うと構わずに硬く勃起したペニスを男の中に突き込みました。
「アァッ、アッ、アッ…!」
揺すり上げられると男は我慢も限界でした。そして気づいたのです。自分のすがっている壁は、恋
人の住んでいる部屋側の壁だと言うことに。
捨て鉢になった男はとうとう声を上げました。自分で聞いても忌まわしい、体だけが上げる嬌声で
した。尻の間に感じる恋人の物は太くて硬く、熱く熱して自分のいいところを擦り上げていて、
それにこらえが効かない自分も悲しくありました。
恋人が自分を後ろから犯しながら首筋を舐め上げてくるのも、腰を撫で回してくるのも、甘い
思い出だけが思い起こされてかえって不快でした。
…でも、たまらなく感じて、自分もペニスをはち切れそうに硬くしていたのも本当でした。
「…やめてくれよッ…!」
男はドン、と壁を拳で叩き、それを合図のように激しく抽送を始めた恋人に、貫かれながら達したのでした。


少し頭がはっきりすると、男の涙にかすむ目に、恋人が横たわった自分を見下ろして抱き起こすのが
見えました。その温かい手を感じると、男には腹が立つと同時に自棄な気分がせり上がってきました。
「なんだよ! いつも都合のいいときばっかりで! 出てけ! みんなお前を好きだろうけどな、
俺はお前だけがいいんだよ! それが俺には当たり前なんだよ!」
自分を抱き起こした恋人が、ビックリした目で自分を見ていることに、男はやっと気が付きました。
なんだかいつもと違います。
初めて優しく唇を塞がれて、男は激しく驚きました。
「意地っ張りだなお互いに。本当のことが言えるじゃないか」
「…え?」
618鬼畜サンタさん3/3:2005/12/21(水) 23:54:03 ID:HSxKqIIP
男は激しい痛みと後悔と、快楽の中で泣き叫んでいました。もう、部屋の壁なんて気にしている余裕は
ありません。
恋人に何種類ものバイブを試され、薬を塗られ、体をタイトに拘束されて自室の床を精液で汚していました。
彼をもてあそぶ恋人は、楽しそうに写真を撮ったり敏感になった性器をいじったりして彼を責め立てて
いました。
「従順だけじゃないお前が見たいから」
そう言った恋人に頬を染めて頷いたことを、男は心底後悔していました。そして体に感じる快感が、
後に残って自分を変えてしまうほど強いことも分かっていました。
「アアッ、アッ、アアッッァァッ…」
「お前が俺を呼んだんだろう? 壁を叩いたよな。…あぁ次は、立ったまましよう。壁にもたれて犯してやるな」
自らを満足させるために恋人に犯されながら、男は霞む頭の中で、それでも奇妙な充実感を感じて
おりました。


互い以外はもう何も目に入らなくなった二人を、サンタは満足そうに眺め、ドアノブに手をかけました。
絡み合った体が立てる音が男と恋人の充足を顕わしていました。

サンタは二人の部屋を後にして、再び町を見下ろしました。
彼は人々の欲望を満たして上げる存在でした……。

以上
619名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/22(木) 00:02:37 ID:3XgdVdFc
GJ!
清くない大人に優しいサンタさんサイコー!
620名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/22(木) 00:20:08 ID:toU/ZMww
GJ!! なんて素敵なサンタさんだ!
こんなイケてるサンタさん、クリスマスだけじゃなく、年中活躍して欲しいよ!
621名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/22(木) 00:24:50 ID:wqpldaI/
サンタさんGJ。
サンタさん(投下主さん)もサンタさん(作中の)も両方いいお仕事してらっしゃる(*´∀`)
乙でした!
622洛陽:2005/12/22(木) 00:44:53 ID:6lEZ+6uI
4.

この少年と出会ったのはほんの半年ほど前のことである。
その頃この屋敷を、そして少年を所有していたのは鬼怒川大蔵という男だった。
名に相応しい大男で口さがない連中など母親が鬼神と交わってできた子だと陰口を叩いた。
ご面相の方も鬼宜しくぐっと鼻梁が張り出て目もぎょろりと大きいから一層目立っていた。
夕暮れ時にこの男がむっつりと黙り往来を歩いていると子供達が一斉に泣き出すくらいだ。
まあ、背丈に関しては私自身も六尺(約180p強)を越えるのだから人の事を言えた義理では無い。
だがその私よりも頭一つ、つまり五寸(約15p)は高いのだから並外れている事は確かだ。
更には性根も酷く荒くまさに鬼のようで粗暴な事でも知られている。
しかしながら商売の腕は大した物で親から継いだ小さな問屋を名立たる商会まで育て上げた。
そうして作り上げた財産で鬼怒川は思う存分自由恋愛とやらを謳歌していた。


そして、初めて少年の名を聞いたのは更に五年は前になる。
つまり少年は十になる頃からこの鬼怒川の相手を勤めていたのだ。
「いい買い物をした。稚児とかいうのは年がいくと価値がなくなると言うが宗助はいい。
きっと歳を取れば取るほど良くなる。俺はもうあれを一生手放さんぞ。」
とてもではないが手放さないという言葉が少年の幸福に繋がるとは思えなかった。
男は三年、女はその半分。
それが鬼怒川に囲われた者らの真っ当な『寿命』なのだ。
偽善ぶる積りは無いが身を入れて聞く話でもない。
聞き流し、頭に浮かんでしまった哀れな少年の末期の幻影は早々に掻き消した。
623洛陽:2005/12/22(木) 00:46:05 ID:6lEZ+6uI
5.

だから、数ヶ月前に鬼怒川の口から宗助少年の名を聞いた時は少なからず驚いたのだ。
「まだ居たのかい。」
鬼怒川は分厚い唇を曲げるようにして笑い何度か頷いた。
「ああ、居るともさ。ますますいい育ち方をした。」
噂の鬼に人らしい心が芽生え始めたのか。それとも稀な幸運の少年か。
私はこの時の軽率な好奇心を後々何度も思い出し悔やむことになる。。
「興味があるなら見に来るか?」
「無いわけじゃないが……私はそっちの趣味は無いんだから。」
丁度、鬼怒川と私の間には纏まりかけの商談があった時期だと記憶している。
「気が向かないならそれはその時。そのまま帰ればいいじゃないか。」
鬼怒川としては少しでも私の機嫌を取っておきたいのだろうとごく簡単に考えてしまったのだ。
まるで珍しい蝶でも見に行くかのような気軽さで愚かにも私は踏み込んだ。
「それなら日曜にでも貴邸に伺おう。妻は朝から芝居見物だそうだから多少遅くなって構わないさ。」
「ああ、楽しみだ。お前の新妻を心配させぬように迎えの車は昼過ぎに行かせるよ。」
「それじゃあ疚しいことをすると決まってるみたいじゃないか。まあ、とにかく頼むよ。」
私はこの時の決断を、そうさせた退屈までもを悔やみ続けている。
624洛陽:2005/12/22(木) 00:47:13 ID:6lEZ+6uI
6.

「はじめまして、宗助です。今年で十六になります。」
少年と顔を合わせてまず抱いた感想は驚きだった。
顔立ちは確かに整っていたがそれ以上にその溌剌とした様子に驚いたのだ。
男に、しかも鬼怒川に囲われた男妾など怯えて卑屈な目をしているだろうと漠然と思っていた。
「お父様の会社の人…ええっと、会社の方、ですか?」
慣れていないような敬語が歳相応で可愛らしかった。
しかしながらお父様、という呼び方には先の比ではないほどに大層驚かされた。
鬼怒川はと言えばにやにやと笑っている。
「十五になったのを機に養子にしたんだ。」
そう説明を付け加えた鬼怒川に相槌を打つように少年はこぶりな頤を何度も頷かせた。
実の息子で無い事は考えるまでも無かった。彼は遊びが派手な分だけ”ヘマ”はやらないのだ。
だが、子供とは言え他人を籍に入れたというのだから尚更驚いた。
せいぜい書生扱いくらいだと思っていたのに大変な入れ込みようだ。
私は一つ溜息を吐いて、少年が紅茶を受け取りに行った間に鬼怒川にそっと耳打ちした。
「本当に気に入ってるんだな。」
「だから言っただろうが。俺の話を信じてなかったのか。」
そういう事じゃない、と言おうとしたが止めた。恐らく問答にならない。
鬼怒川がどのくらい気に入ろうが可愛がろうが大して驚くことは無い。
だが、この少年に関しては少々自分を見失っているように思えたからこれほど驚いたのだ。
彼は一代で成り上ったからか少々常軌を逸した強さでその財産に執着していた。
だから何人の女と遊んでも一人として娶る事はしなかった。
自分の死んだ後に他人に財産を盗られるなんて堪らん、というのが言い分だった。
妻まで他人かとからかって返したら他人だろうと真顔で答えたのが鬼怒川という男だ。
それを覆すだけの何があの少年にあったのか、ざわりと好奇心の虫が騒いだ。
625洛陽:2005/12/22(木) 00:48:53 ID:6lEZ+6uI
7.

不躾なほどにじっと見詰めた私に少年はかわいらしく首を傾げて応える。
賢そうな仔犬が尻尾を振るのに似た愛らしい仕草だ。
「ねえ、何のお話ですか?お仕事のこと?僕には難しい?」
カップをそれぞれの前に並べ終えると当たり前のように鬼怒川へと凭れる。
まるで商売女のような様だが不思議と下品には見えなかった。
笑顔はひどく無邪気で暗い物と無縁に見えたからなのかもしれない。
「宗助、お前の話だ。」
鬼怒川はそう返して少年の肩を抱きその手が徐々に下へと降りて行った。
背に触れ腰に触れそして尻までいって揉み始めると少年の視線が戸惑うように揺れた。
「お父様……あの、お客様が…。」
「これなら気にしなくてもいい。同類のようなものだ。」
「私にその趣味は無いと言っただろう。」
これ呼ばわりはともかく同類とはさすがに聞き逃せず咎めると鬼怒川は声を出して品無く笑った。
「すぐに気が変わるさ、宗助に触れば。……さあ、宗助。」
気味が悪いほどに優しい声で促された少年はおずおずと立ち上がると私の足元へと跪いた。
「お客様、失礼致します。」
きちんと頭を下げてから少年はまだ小さな手をチャックへと伸ばす。
「っ、おい、ここでか?!」
思わず声を上げると鬼怒川は無論だというように頷き少年は行動で示すように下着に触れる。
少しばかりの緊張は伝わるが然して嫌悪感の欠片も浮いて無い綺麗な顔。
昨日風呂に入ったきり洗って居ない性器を小さな唇が咥え込む様に私は思わず喉を鳴らした。
狭い口腔ではすぐに先端が喉を突いて少年の眉間に薄っすらと皺が出来る。
一瞬の嗜虐心を抑えられずに腰を動かすと綺麗な頬が私の性器で不恰好に膨らんだ。
「あぁ……」
少年はそれでも甘えるような柔らかい鳴き声を出すだけで離れようとはしない。
唾液の音かそれとも染み出た私の物か、ぐちゅぐちゅと淫猥な音が響き始めていた。

==========
今日はここまで。
626名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/22(木) 01:12:56 ID:9cLvY/Zn
はあはあ乙です
投下ほやほやを読めて嬉しいです
627名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/22(木) 16:53:33 ID:aSQXOfJZ
洛陽タン、乙アンドGJ!
この雰囲気イイヨー(・∀・)
続きwktkで待ってる!

でも実は密かに店長タンも待ってたりするんだ…。
628名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/22(木) 22:47:26 ID:f+X2FYuz
洛陽タソ、やっべー超ツボ。
久々にグっときました。
629孤独の宙:2005/12/24(土) 02:56:51 ID:NlVsjB96
宙吊りにされたまま、カイは触手に犯され続けていた。
空中で拘束された苦しい体勢で、望んでもいないのにイくことを強要される。
すでに何回もイかされたというのに、気絶することすら許してもらえなかった。
「あぁ……、あぅ……」
腿の内側を這いずり回る触手の感触に、カイの背筋が震えた。
その触手は他の触手とは違い、表面が細かい突起で覆われていたのだ。
カイを犯している触手は、一種類ではなかった。動き方も責め方もさまざまだ。
乳首は紙やすりのようにざらついた触手で撫でられ、性器を何本ものぬるついた触手で扱かれる。
後孔にいたっては、どのような状態になっているかなど、想像したくもなかった。
そこには太い触手、細い触手、さらには不規則な凹凸を持つ触手などが、何本も潜り込んでいたのだ。
一本の触手が終われば、また新しい触手が入り込んでくる。
入れ替わり立ち代り、カイは犯された。
「あ………ああぁ……っ!」
もう何度目かもわからない絶頂を、カイは迎えた。
気が遠くなるのを感じる。
けれど、触手はカイを嬲るのをやめようとはしなかった。
感じたくないのに、感じさせられる―――…。
萎えることすら許されなかった。
630孤独の宙:2005/12/24(土) 02:57:36 ID:NlVsjB96
「も、う……いやだ……」
再びそこが、頭をもたげ始める。けれどその快感は、決してカイが望んだものではない。
カイは弱々しく、頭を振った。
だが、触手にそれが拒絶の意味だとはわかるはずもない。
カイの中に入り込んでいた触手が、カイの前立腺を強く刺激した。
「ぁ―――――………」
もう、ろくな悲鳴をあげることもできない。
数秒の快感の後、がくりとカイの体から力が抜けた。

触手が、体の中からずるずると出て行くのがわかった。
なんだろう……ぼんやりとそう思っていると、触手がカイの体を持ち替える。
そのまま下へと下ろされ、壊れ物のようにそっと台の上に横たえられた。
だが、それはカイが解放された訳ではなかった。
再び手首に触手が絡みつき、腕を頭上でひとまとめに拘束されてしまう。
台に拘束された途端、何十本もの触手が、またカイの下半身へと絡みついてきた。
「……あ、いやだぁ……も、う………あぁ…っ!」
両脚を触手に絡め取られ、無理やり開かされる。
必死で脚を閉じようとしても、消耗しきった体ではろくな抵抗も出来ない。
秘部がひやりとした外気に晒されるのがわかる。背筋がぞくりと震えた。
「………っ、うっ、あう……っ」
カイの尻の穴へと、再び触手が入り込み始めた。
631孤独の宙:2005/12/24(土) 02:58:22 ID:NlVsjB96
そこはすでに粘液でぬめりを帯びていたので裂けることはなかった。
触手は、穴の入り口を押し開き、腸の奥へとゆっくりと進んでいく。
「や……あ……ああぁ」
カイは涙を流しながら、体の内部を侵食する触手の感覚に耐えた。
体の中に異物が潜り込み、蠢いている。その気持ち悪さと恐怖が、カイを苛んだ。
「…ひっ!」
腹の中で、触手がぐるりと回転するのがわかった。
腹の中を直接撫でられる感触に、カイは喘いだ。
「ふ……、ぁ…………」
気持ち悪い……。吐気がする。額に、脂汗が滲んだ。
けれど、内臓を嬲られているために、ろくに悲鳴をあげることも出来ない。
じっと、与えられる責め苦に耐えるほかなかった。
「……ぅっ!」
カイの腸を嬲りつづけていた触手が、緩やかに抜け出そうとしていた。
反射的に、カイは腹に力を入れ、締め付けてしまった。
後攻がきゅっと締まり、その分、触手の動きが生々しく伝わってくる。
「ふ……、ああ……ぁ……」
ずるりと触手が抜け出し、カイは大きく息をついた。
632孤独の宙:2005/12/24(土) 02:59:36 ID:NlVsjB96
腹の中の異物感が一気に消え、体から力が抜けた。
だが、別の触手が再びカイの後孔を探ろうとしていた。
「……っ、やめろ…!」
カイは体をよじって逃げようとしたが、太腿と腰を触手に捕まれて身動きが取れない。
ぬるついた触手が、再びカイの後孔へと入り込んできた。
「あぁ…っ」
カイは触手の動きに怯えた。
また、腸の奥深くまで嬲られる苦痛を味わわなければいけないのだろうか。
だが、今度の触手は奥深くまでは入ってこようとしなかった。
変わりに、ゆっくりとカイの内壁を撫でまわしながら、ある一点を探りあてた。
「……っ、あ、あぅ、うあぁーっ!」
感じやすい前立腺を集中的に責められ、カイは悲鳴をあげた。
そこは、宙吊りにされたときにも、さんざん嬲られたところだ。
カイは涙を流した。
どうして、こんな目にあわなければならないのだろう……。カイには全く分からなかった。
「うあぁぁ……っ、あぁ……た、助けて……」
カイは叫んだ。けれど、誰にもその声は届かなかった。
カイのいる部屋には誰もいない。ひとりぼっちで、カイは触手に犯されている。
どんなに泣き叫んでも、呪っても、今のカイの声を聞いてくれる人間は誰もいない。
カイの目から、涙が零れた。

*   *   *
今回はここまでです。
633名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/24(土) 21:54:02 ID:xDRGBmpw
触手エロいよ触手(*´д`)

イヴでも構わずクレクレコール。
職人様方、続き待ってますノシ
634太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:18:15 ID:LLxZf4nq
クリスマスには関係ないけど、投下。
ヘタレな攻めと女王(俺様)受け。




 部屋には、二人の息遣い。
彼は白い腰を捻るように動かした。


「ほら……もっと声出せよ友義。気持ちいいんだろう?」
 宏峰(ひろみね)は酔うように囁き、ほっそりとした長い指で友義(ともよし)のはだけたシャツから覗く筋肉質な肌を撫でた。

「う……ぁ…あ」

 友義の口からはうめきだけが漏れ、虚ろな視線を送る。
しかし、その視線が宏峰に届くことはない。
友義の視界は黒い布で覆われ、両の手は細い紐で戒められた状態でベッドのパイプに括り付けられているからだ。
さらに制服のズボンは下着ごとはぎ取られ、下半身は抜き出しでその中心で存在を主張する雄は……
「ン……友義」
 艶めかしく身を捩る宏峰のすべらかな双丘の奥、卑猥に蠢く柔らかい肉壁に包まれていた。
宏峰は戒められ視界を奪われた友義の腰に跨り、淫らに尻を揺らして快楽に頬を染め目元を潤ませている。。
友義の巨根をいやらしく銜え込むそこは、自ら塗り込んだジェルで濡れそぼり、腰を落とすたびにヌチャヌチャと音を立てて二人の聴覚を犯す。
「言えよ。気持ちいいだろ?」
 返事が返らないことに焦がれたのか、友義の首に掛かったままのネクタイを掴みスレスレまで顔を近づけた。
635太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:24:25 ID:LLxZf4nq





無造作に括り付けた長い髪がパラパラと肩を滑り、友義の頬を掠める。
「気持ち、いい……よ。でも」
 友義は荒い息を吐きながら、気の弱そうな声で途切れ途切れに続けた。
「これ……解いてよ、ひーちゃん」
 戒められた手首を僅かに持ち上げた時、乾いた音と共に頬に痛みが走る。
「その呼び方止めろっつってんだろ!」
 宏峰はネクタイを交差させ、グッと力を込めて友義の首を絞めた。
「ぅっ……グ……」
 苦しげな声を盛らす友義にうっすらと妖艶な笑みを浮かべ、宏峰は若い欲望を貪るように腹の上で激しく踊った。


友義の口が空気を求めてパクパクと開閉し、顔色が赤から紫に変わる頃、宏峰はネクタイを持つ手を弛め一際強く尻を相手の腰に押しつけた。
「は、ぁ……アァッ……」
 背を走る痺れるような快感に宏峰の背がしなり、形の良い唇から感極まる声を上げ友義の腹を白濁の熱で濡らした。



宏峰は早々と身なりを整えると、友義の手の戒めだけを解き、情事の残骸もそのままに寝室を出ていってしまった。
ドアの閉まる音がしてから体を起こし目隠しを外す。
636太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:28:59 ID:LLxZf4nq





 友義は大きく呼吸をして息を整え、今日もまたイケなかった、とベッドの上で肩を落とした。
が、追い上げられた欲望は治まってはくれず、乱れた格好のままあぐらをかくと、宏峰の内部で溶けたジェルやら先走りやらでテラテラと光る猛々しい逸物を右手に握り、先程は一度も目にできなかった宏峰の媚態を思い浮べ自らを慰めた。


友義と宏峰は保育園からの幼なじみ。
無邪気で素直な二つ上の宏峰に恋心を抱いたのが、友義が幼稚園の時。
それから小学、中学と、同じ学校に通いながら思いを募らせていった。

中学に入ってから宏峰はその麗しい容姿で女子生徒を虜にし、何人かの子とお付き合いもしていた。
友義としては身を削られる思いだったが、同性だという事実から言いだせずにいた。
それでも、保育園の頃から変わらない無邪気な笑顔が自分に向けられる度、喜びに心を踊らせた。
だが、友義が中二になる年に宏峰は家庭の事情で引っ越してしまい、高校は別々になってしまった。

それからの三年間は淋しい思いに打ち拉がれていたが、去年の春、宏峰は地元の大学へ進学する為に家族付き合いのある友義の家に居候としてやってきた。
637太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:39:45 ID:LLxZf4nq





友義は大いに喜んだが、三年経って友義の前に表れた宏峰は、容姿こそ磨きがかかり大人びていたものの、その性格がかなりひんまがってしまっていた。
昔のような暖かい笑顔は消え去り、皮肉めいた笑みを浮かべるだけ。
家族の前では猫を被っていたようだが……。

そんな変わってしまった宏峰にも、友義の恋は冷めなかった。
えらそうな態度の中にも、昔の面影が潜んでいるように見えたからだ。
そして、しばらくしてバイトを始めた宏が、一人暮らしをすると家を出ていく前日、友義は約十年間持て余してきた気持ちを思い切って打ち明けた。


「何だ。用があるならさっさと言えよ」
 夕食後、自分に与えられた部屋に戻るところを引き止められ、宏峰は不機嫌そうに言葉を吐き出した。
友義は大きな背を丸め、幾分低い位置にある顔を見下ろす。
男相手の告白は、シャイな友義にとって今までの人生最大のプレッシャーで、緊張のあまり倒れそうだった。
「あ…あのさ、ひーちゃん……その」
「ひーちゃんは止めろ」
 低い声で言われ、友義は慌てて改める。
「ひ、宏峰……」
 口にした途端真っ赤な茹でダコ状態になる友義に、腕を組み横柄な態度で見上げていた宏峰は奇怪そうに眉をしかめた。
638太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:42:46 ID:LLxZf4nq





「何だよ」
「……その、俺……さ。えーと…」
 覚悟は決めたものの、本人を前にすると用意していた言葉も役に立たず、友義はもごもごと口籠もる。
そんな様子に、宏峰は苛々と組んだ肘を指で叩き、業を煮やしたのかクルリと踵を返した。
「用がないなら、もう行くぞ」
「まっ、待って!」
 友義はグッと手を握り締め、声を振り絞って呼び止めた。
小さく溜息を吐き振り向く宏峰に、とうとうその言葉を放った。
「……スキ……なんだ。ひー……宏峰の、こと。俺と、付き合って下さい」
 頬は赤らんだままポツポツとだったが、その真剣な眼差しに宏峰はしばらく無反応のまま見入っていた。
「あの……」
 中々返事がないのに不安になり友義が遠慮がちに声をかけた。
その声にハッとしたように何度か瞬くと、すっといつもの余裕じみた顔つきに変わる。
宏峰は腰に手をやり、傲慢に言い放った。
「仕方ないから付き合ってやる」
 こうして、長年に渡る友義の恋は何とか成就した。
639太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:47:44 ID:LLxZf4nq





しかし、そこからが友義の本当の戦いだった。
無邪気で素直な笑顔は消え去り、三年間で傲慢で捻くれて冷淡に変わり果てた宏峰は、何かと友義を顎で使った。
頻繁に部屋を訪れるようになった友義に、アレをしろコレをしろと振り回す。

まあ、そのくらいのことなら友義にとっては何てことはなかったが、問題は夜の営み。
痩せ身の宏峰に比べて、がっしりとした屈強な体付きの友義は当然のように押し倒そうとしたのだが、拒否され逆に組み敷かれた。
まさか自分がやられる側なのかと目を剥く友義に『お前に突っ込む気にはならない』と言い放ち、腰に跨り自ら男の欲望を受け入れてしまった。
童貞だった友義は、最中に萎えるなんてことはなかったが、終始目を見張っていた。
それからも何度か体を重ねたものの、宏峰は一度たりと友義に主導権を渡さなかった。
自分の気分で跨り、腰を振り先に絶頂を迎えるとさっさと離れていってしまう。
友義が宏峰との行為で最後まで到達しないというのは、めずらしいことではなくその度自分の右手で始末をしていた。

しかし、宏峰に惚れ込んでいる友義に文句が言えるハズもなく、せめて自分の上で乱れる姿を目に焼き付けておこうといつも必死なのだが……
640太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 06:57:26 ID:LLxZf4nq





今日のように目隠しをされたり、首を絞められてはそれもままならず、空想の宏峰とのバーチャルセックスにふけるしかなくなる。


「く、ぅ……ひー、ちゃん……!」
 友義は手に弾ける熱を確かめ、ため息を吐く。
そして首を傾げた。
「ひーちゃん、機嫌悪かったのかなぁ……」
 ティッシュで手を拭きながら扉に視線を向ける。
いくら宏峰が傲慢といっても、首を絞めるなんてことは今までなかった。
たとえ友義が不本意なあだ名で呼んだとしても、だ。

いつも友義に気ままにキスし、とろんとした瞳で喘いでいるのに。

ふと、考えていると股間に熱が集中していることに気付く。
若い精は、一度抜いたくらいでは満足してくれないらしい。
友義は、とりあえず目隠しは勘弁してほしいと頼もうと決心し、再び中心を手に握り込んだ。



とりあえず、ここまでです。
ぬるくてすみません……
641名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 07:01:19 ID:LLxZf4nq
ああ!あげてしまった、スマソ……
642名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 07:55:03 ID:fW3uDwhs
太陽さん乙。
ぬるくないです…へたれ受け萌え(´∀`)
よいクリスマスプレゼントを頂きました。
続きお待ちしています!
643名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 07:57:32 ID:mD6ZaXCg
乙です。このスレでヘタレ攻めを見るとは思わなかった…新鮮。
644名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 07:57:48 ID:YsSYMYvE
ええとね。
「焦れた」 は 「じれた」と読むんだよ。
「こがれた」じゃなくて。
豆知識でした。
645太陽が堕ちた時:2005/12/25(日) 08:04:53 ID:LLxZf4nq
>>644
すんません、誤字です。
完全に間違えました。
指摘ありがとうございます。
正しくは
〇焦れたのか
×焦がれたのか
です。
646名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 09:27:56 ID:J5a/4aYP
本当にありがとうございました
647名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 09:51:44 ID:man/Jc+e
648名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 10:52:01 ID:o1914VIF
どうした?
649名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 12:23:07 ID:4Q9IkjFV
ヘタレ攻め先陣がいたという事では?

650名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 15:19:57 ID:hE7glqc0
太陽さん萌えました。
これからの展開にもwktk(・∀・)
651名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/25(日) 18:27:03 ID:L6m4X4Pj
ヘタレカワイス…(*´д`*)
太陽さん、続きにwktk
652覚めない夢 6:2005/12/26(月) 14:55:33 ID:k1D+/oKT
「ありがとうございました」
最後の客を送り出し、朋之はほっとしたように息を吐いた。
時間は午後11時になる少し手前。
閉店時間にはまだ少し早いけれど、今から来る客もいないだろう。
朋之は二十歳の大学生になっていた。
今はこの喫茶店でアルバイトをしている。
いつもはマスターが店を閉めるのだが、今日は用があると言って30分ほど前に帰ってしまったので、残っているのは朋之一人だ。
朋之がここでアルバイトを始めてから、そろそろ1年が過ぎようとしている。
店を閉めることを任せられるほど、マスターに信用してもらえるようになったことが朋之には嬉しかった。そして何より、自分で働いたお金で隆一に何かをできることが嬉しい。
大したことはできないけれど、今は自分で誕生日やクリスマスにプレゼントをしたり、時には朋之が隆一を食事に誘ったりすることができるようになっている。
隆一が自分にしてくれていることを思えば、自己満足さえできないようなささやかなことばかりだけど、それを本当に喜んでくれる隆一を見ることが朋之の幸せだった。
マスターは隆一の知り合いで、隆一も時々この店にコーヒーを飲みに来てくれる。
働く朋之の姿をやさしく見守ってくれる。
アルバイトをするなら自分の目の届くところでと言った隆一を、朋之は過保護すぎると笑った。
それでも隆一がそれだけ自分を思ってくれているのだと、素直に言うとおりにした。
初めて隆一に抱かれたのは隆一に告白されたその夜だった。
隆一のやさしい愛撫に、朋之は身体も心もすべて溶かされてしまうのではないかと思った。
それから何度もそんな夜を過ごした。
こんなに幸せでいいのかと思ったことは、一度や二度ではない。
愛し、愛されることの幸せを隆一は朋之に教えてくれた。
隆一のいない人生なんて、朋之には考えられなくなっている。
653覚めない夢 7:2005/12/26(月) 14:56:59 ID:k1D+/oKT
チョコレート色の木のドアから、朋之は「営業中」のプレートを外した。
片付けと掃除をするために中に入ろうとした朋之は、店の前で立ち止まった人達を振り返る。
夜遅い時間になっているので、表通りから外れたこの場所の人通りはほとんどなくなっていた。
「すみません。今日はもう終わりなんです」
「いいよ。別にコーヒーを飲みにきたわけじゃないから。な?」
「そうそう。俺達が用があるのは朋之くんだからさ」
ニヤニヤと笑いながら、男達はからかうような言い方をする。
気が付くと、朋之はドアを背にして五人の男に取り囲まれる形になっていた。
男達は皆二十歳を少し過ぎたぐらいだろうか。チンピラ風の、一目見てあまり傍には寄りたくないような連中だった。
「中に入ろうぜ」
リーダー格の男が朋之の腕を掴み、店の中に引きずり込む。
乱暴に床の上に突き倒され、朋之の手から離れたプレートが音を立てて転がった。
「っ……」
身体を床に打ち付けた痛みで、朋之は呻いた。
「乱暴にすんなよ、新也。壊れちまったら楽しめないぜ」
1人の男が笑い交じりに言った。
振り返ると、3人の男が口元にいやらしい笑みを浮かべてゆっくりと朋之に近づいてくる。
後の2人は窓にカーテンを閉め、ドアに鍵をかけた。
そして真ん中を広く明けるために、テーブルや椅子をドアを塞ぐ形に運んでいる。
男達は朋之の逃げ道を塞いでしまうつもりのようだ。
654覚めない夢 8:2005/12/26(月) 14:58:00 ID:k1D+/oKT
「マスターはお出かけなんだろ?客はいないし、ここにいるのは俺達だけだ。楽しもうぜ」
舌なめずりをするような口調に、朋之は息を飲んだ。
獲物を捕らえたような視線から目を逸らし、朋之は逃げ出そうとした。
表のドアは駄目でも、厨房の奥から裏口に逃げることができるはずだ。
だが、その動きは読まれていた。
朋之が起き上がるより早く、一人が腕を掴んだ。
「離せ!」
朋之は暴れたが、男としては小柄な朋之が数人がかりで押さえつけられれば抵抗などできるはずがない。
「可愛いね。離せだってさ」
「こいつに目をつけて正解だったってか?」
男達は余裕で笑っている。
その話の内容から、男達が以前から朋之を襲うチャンスを狙っていたということがわかった。
男達は今日マスターが出かけたことを知って、閉店時間を待ちかまえていたようだ。
この店には朋之目当ての若い女の子の客も多く訪れる。
本人は自覚していないが、綺麗な顔に浮かぶ明るい笑顔は一度見たら忘れられない印象を人に与えている。
それだけではなく、少年から大人へと変化していく時期特有の危うさも秘めていた。
そんな朋之が男達に目をつけられたのは仕方がないと言えるのかも知れない。
だが、朋之にそんな理屈を納得しろと言う方が無理だ。
655覚めない夢 9:2005/12/26(月) 14:59:04 ID:k1D+/oKT
「嫌だ!離せ!」
朋之は叫んだ。
「大人しくしろ。いい顔を撮ってやるからな」
新也と呼ばれた男が、朋之に向かってビデオカメラを構えている。
「嫌だ!やめろ!」
朋之は必死でもがいたが、店の制服であるエプロンを外され、ネクタイを抜かれる。
前を引きちぎられるようにして開かれたシャツからボタンが弾け飛んだ。
肘まで引き下ろされたシャツで、両腕を後ろ手に縛られてしまう。
ズボンも剥ぎ取られて、朋之はあっという間に全裸にされてしまった。
一番体格のいい男が、後ろから朋之を抱きかかえる。
両側に回った男が片方ずつ足を持ち、M字型に膝を折り曲げた。
すべてをさらけ出された朋之を、硬質なカメラのレンズが捉えている。
「恥ずかしい格好をしっかり撮ってもらいな」
思わず顔を逸らした朋之の髪をもう一人の男が掴み、正面を向かされた。
固く瞳を閉じても、朋之を襲う現実はなくならない。
「これを使うか」
手の空いた一人が、冷蔵庫からバターを取ってきた。
「そうだな。傷つけちまったら、長く楽しめないからな。まずはこいつをしっかり感じさせてやろうぜ」
「嫌だ!やめろ!」
楽しそうな声の中に、朋之の悲痛な叫びが響く。
冷えたバターが朋之の蕾に塗りつけられた。
その滑りを借りて、ゆっくりと指が入ってくる。
656覚めない夢 10:2005/12/26(月) 15:00:05 ID:k1D+/oKT
「や…っ……あ……」
朋之は背筋を跳ね上げた。
長い期間をかけて隆一に馴らされたそこは、男の指の侵入を難なく受け入れてしまう。
「何だよ。指1本入れただけで、もう感じてるのか?可愛い顔して淫乱だな」
緩く勃ち上がり始めた性器を指で弾いて、男は揶揄するように言った。
「お前らも触ってやれよ。こいつ、随分好きみたいだ。一緒に楽しんでもらった方がいい」
新也が、薄い笑みを浮かべる。
「っん……」
後ろから羽交い締めにしていた男が、朋之の口の中に指をねじ込んだ。
指先で舌に刺激を与えられ、朋之は肩を震わせる。
足を押さえている男達は目配せをして、同時に乳首に舌を這わせてきた。
3人は空いた手で朋之の肌を撫でる。
もう1人の男は後腔に差し入れた指の抜き差しを始めた。
敏感な肌は男達の与える感覚をすぐに快感へと転じてしまう。
あらゆる快楽を隆一に刻みつけられた身体は、男達の与える感覚に耐えることができない。
男達は朋之の感じる場所を正確に探り出しては、その箇所を嬲った。
「あぁっ……」
右の乳首を強く噛まれて、朋之は内側の指を締めつける。
「こいつ、痛いのが好きみたいだぜ。すげー締めつけてくる」
2本目の指を挿入した男が言った。
「もうこれだけ濡らしてるんだから、よっぽど好きなんだろうぜ」
まだまともに触れられていない性器の先端から蜜が溢れ始めている。
新也はそこを映して笑っている。
657覚めない夢 11:2005/12/26(月) 15:01:10 ID:k1D+/oKT
こんなことで快感なんか得られるはずがないのに身体が熱い。
自分に触れている手は隆一じゃないのに、明らかな快感を感じている。
そんな自分にも朋之は戸惑っていた。
(隆一さん、助けて)
朋之は心の中で隆一を呼んだ。
隆一は朋之が困ったとき、いつも助けてくれた。
だが、今は隆一は現れない。
どんなに呼んでも、朋之を助けに来てくれる人はいない。
「やっ…あ……」
 朋之は背筋を反らせた。中を嬲る男の指が一番敏感な箇所を押した。
「ここが好きなのか?」
「違…あっ……」
もう一度同じ箇所を押されて、否定しようとした声は喘ぎに呑み込まれる。
「どこだって?」
もう1人の男も指を中にねじ込んできた。
「あぁ…っ……」
朋之は声を張り上げた。
バラバラの動きで内側を嬲られ、腰の奥が強く疼き始めている。
他の男達の手の動きも大きくなる。
両方の乳首を強く噛まれて、電流のような痺れが全身を貫いた。
性器には手を触れられないまま、朋之は達した。
「何だよ、もう我慢できないのか?かなりの淫乱だな、お前」
新也がからかうように言った。
658覚めない夢 12:2005/12/26(月) 15:02:19 ID:k1D+/oKT
男達の手の動きはやまない。
「やだ!やめろ……」
朋之は懸命にもがくけれど、それは男達を愉しませる結果にしかなっていない。
男達の乱暴な手の動きは、朋之を傷つけるようなものではない。
けれど、その愛撫を隆一のやさしい手だと思えるはずもない。
これはきっと夢だ。朋之はそう思い込もうとした。
目を開けたら、隆一がやさしく笑いかけてくれる。
こんなこと、現実であるはずがない。
だが、再び高まっていく身体の感覚も、男達の声も紛れもない現実だった。
朋之は心の中で隆一を呼び続ける。
でも、店のドアは開かず、身体の感覚だけが高められていく。
「どうだ?そろそろ」
「ああ、もういいだろう」
後ろから指が引き抜かれ、朋之を押さえつけていた手が離れた。
それは朋之を解放するためであるはずがない。
朋之は俯せにされ、腰を高く引き上げられる。
「あぁ……っ」
一気に貫かれる痛みに朋之は叫んだ。
「こっちも使わせてもらうからな」
髪を掴まれ、顔を上げさせられる。口の中にも男の性器をねじ込まれた。
「ん…ぅ……」
気持ちの悪さに、涙が滲んでくる。
抵抗などしようもなく、喉の奥を突かれた。
659覚めない夢 13:2005/12/26(月) 15:03:41 ID:k1D+/oKT
隆一のものなら何度も銜えたことがある。
その時には嫌悪など感じたこともなかった。
だが、見知らぬ男のものを銜えさせられる気色の悪さは、朋之の想像を遥かに超えている。
「ちゃんと舌使えよ」
脅すように言って、口に銜えさせた男が腰を揺する。
息苦しさに動く舌が、男のものに刺激を与える結果となった。
後ろを貫く男は、強弱を変えて朋之を揺さぶる。それ以外の連中は朋之の乳首や性器に刺激を与え始めた。
触れられるたびに朋之の身体が跳ねる。
強制的に与えられる快感で、全身が熱く疼いている。
「いいぜ。もっと感じさせてやれよ。すげー締めつけてくる」
後腔を抉る男の動きが激しくなる。最奥の敏感な箇所を何度も突かれて、朋之の背筋を快感が走り抜ける。
自然に腰が揺らぎ、男が達する前に朋之は2度目の精を放った。
「もうイッてるぜ。こいつ」
嘲笑う声が、耳の奥に響いた。
喉を突いていた男の性器が唐突になくなり、精液を顔に浴びせられた。
「似合ってるぜ」
口を犯していた男が揶揄するように言った。
精液で汚れた髪を掴まれ、次の男の性器を口の中にねじ込まれる。
そのときには、2人目の男が朋之の中に入っている。
660覚めない夢 14:2005/12/26(月) 15:04:38 ID:k1D+/oKT
1人が達すると、次の男が入ってくる。口も後腔も休む間も与えられずに犯された。
朋之の肌を嬲る手がなくなることもない。1人が離れると、もう1人が朋之に刺激を与え始める。
「たまんねーな。こいつ。マジ、いい身体してる」
朋之を突き上げながら、男は満足そうに言った。
激しく穿たれ、朋之は身悶えた。
意識は朦朧としてくるのに、身体の感覚だけが強まっていた。
感じたくなんかないのに、快感に全身が浸されている。
「おら、もっと締めろよ」
怒鳴るように言われて、尻を打たれる。
乳首を嬲っていた指先に強く抓られ、痛みが朋之の意識を引き戻した。
尻を叩かれながら前と後ろを犯され、朋之は何度目かわからない精を放った。
「こいつマゾじゃねーの。叩かれて悦んでるぜ」
男達の笑う声がどこか遠くで響いている。
そんな朋之の姿も、すべて撮影されていた。
661覚めない夢 15:2005/12/26(月) 15:05:40 ID:k1D+/oKT
何度男が入れ替わったのか、自分が何度イッたのかも、朋之にはわからなくなっていた。
短い声を漏らして、後ろを揺さぶっていた男が離れた。
次の男は今度はすぐに入ってこない。
「見ろよ。こいつ、これだけやられて、まだ足りないって言ってるぜ」
そう言った男が、朋之の蕾をそっと撫でる。
その刺激に、朋之は肩を跳ね上げた。
朋之の蕾は新たな刺激を求めるようにヒクヒクと蠢くことをやめない。
「心配しなくても、まだまだ可愛がってやるからな」
朋之の身体が仰向けに返される。大きく足を折り曲げられ、次の男が朋之の中に入ってきた。
「ひっ…あぁ……」
性器を靴で踏まれ、朋之は叫んだ。
その痛みで、内側に含んだ男を強く締めつけてしまう。
「いいぜ。もっとしてやれよ。たまんねー」
激しく腰を揺らし、男は朋之の締め付けを楽しんでいる。
踏みにじられた性器から零れた精が、男の靴を汚した。
意識を手放しかける度に、朋之は痛みによって現実に引き戻された。
どれだけの時間が過ぎたのかわからない。自分の居場所も感覚も、朋之の中から失われていく。
強制的に与えられる快感と痛みだけが朋之の現実だった。
いつ果てるともわからない闇の中に朋之は突き落とされていった。





今回はここまで
662名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/26(月) 15:12:29 ID:Il8vmScw
キタ-(゚∀゚)!!
乙です夢さん!輪姦輪姦!
663名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/26(月) 15:33:15 ID:g3N7W/6z
夢さんGJ!林間エロイよー!
664名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/26(月) 16:12:05 ID:wphsv+cM
キタ――(゜∀°)――!!!!夢さん、期待してますっ
665643:2005/12/26(月) 17:13:40 ID:v9dtPurl
>647
649の解釈が合っているという事を前提にレスするけど、
そういうのじゃなくて、ヘタレ攻めスレにいるような典型的なやつのことを言いたかったんだ。
言葉足らずでスマソ
666名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/26(月) 19:10:36 ID:aIzcMG8s
夢さんGJ!
どどどどうなっちゃうの?朋之クン!
667名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/26(月) 21:53:59 ID:kjwLFwFY
林間…(*´д`*)
あぁ、止めたげて。でももっとやってー。
668不覚のF:2005/12/27(火) 01:14:19 ID:Lf94R/nG
〔つづき〕
エクバーグの吸血鬼は親子揃って名前を隠すのが習わしだった。
何故なら無敵のはずの彼等にも天敵がいたからだ。
悪魔払いの一族で、カステリットという。
不運にも名前を知られてしまった父親のレオーネは、
その力を奪われて息子の前で三日三晩鞭打ちの刑に処された。
銀髪の美しい青年の姿をしていたが、有に400年人の生き血を吸って生きてきた。
幾つもの罪を重ねた彼が人間の女に産ませたのが息子のFだ。
「生まれてきた事が罪だ」
そう言ったのはJJ・カステリットの兄で、彼は狂ったように鞭を振るっていた。
もう止めろとJJは兄を諌めたが、その手を止める事はなかった。
まるでどちらが悪魔かわからない、残虐な性格の兄だった。
すでにぼろぼろの父と、逆らう気力を無くした息子は居城の東の壁に張り付けられた。
憐れな親子はそこで太陽に殺されるはずであった。
しかし、やっと罪を償える、と笑って死んだのは父の方だけだった。
「ああー!レオ!うわあああー!」
見届け役のJJが朝陽の中で見たのは、泣き叫ぶ息子の姿だった。
レオーネはとっくに灰となり、夏の風に流されて消えていた。
父の死を目の前で見せられた息子の姿は、想像だにしないくらい悲しかった。
「レオー!ああ、レオ。僕はどうすればいい!?一人ぼっちになってしまった」
泣き続けるFをJJは憐れみ、壁から降ろすとそのまま彼を隠した。
「お前を殺してやる!お前達を殺してやる!いいか、必ずだ!」
Fは呪いの言葉を吐き続けた。そう、彼に罪はない。
未だ人の血を吸った事はなく、何故父が殺されたのかも理解していない。
そこでJJは言った。
「確かに君の父を殺してしまった。だから償いをしたい。
 君がこれから孤独に苛まれる事がないようにしてやるから、私の家族を恨まないでくれ。 
 約束しよう、ずっと一緒にいるから」
669不覚のF:2005/12/27(火) 01:18:05 ID:Lf94R/nG
そしてJJは自分の血を飲ませ、Fに罪を与え、お互いの名前を明かし合った。
それは約束であり、喜びであり、苦しみでもあった。
「私の血を糧にせよ。私は自分に呪いをかける。君の為にいつも新鮮な身体であり続ける。
 だから私以外の人間を食料としないで。必ず生まれ変わるから…」
Fは未だにこの誓いを破った事はない。
約束通りJJは何度も生まれ変わってくるし、いつも傍に居てくれた。
憎しみは消えそうにもないが、永遠に愛すると誓った。

Fと過ごした何回目の夜だろうか、直人の絵はようやく仕上がり、
リビングで二人は激しく睦み合った。
興奮していたのは直人の方で、Fに跨り一人腰を振った。
お互いが弾けるのはほぼ同時で、ぐったりと寝転がる動作までシンクロした。
「どうしたんだ…?」
事が終わり、Fが初めて口を開いた。
傍らの直人の腕をさらさらと撫でながら、その横顔に尋ねた。
「F、俺何で日本に生まれてきたか思い出したよ…」
ぼんやりと天井を見ながら直人は言った。
「桜だよ、アメリカで一緒に見たろ?」
「ああ、そうだったね。まだ小さな苗木だったけど、かわいい花が咲いてた」
「日本で見ようって約束したよな。覚えてる?」
直人はFの黒髪をひと房摘んで引っ張った。
「覚えてるよ、来月には咲くだろう。竹下に弁当作らせて夜桜を見に行こう」
Fがそう言うと直人は静かに目を閉じた。
頭の中ではアレックスだった時に見た、ワシントンの小さな桜が咲いていた。
日本ではどんな壮大な花が見れるのだろうか。Fと見る桜はどんなにか美しいだろう。
ただそれが見たくて日本に生まれてこようと思ったのだ。
670不覚のF:2005/12/27(火) 01:19:06 ID:Lf94R/nG
相変わらずこの家での生活は続いていた。
年が明け、冬を越え春がそこまで近づいて来ている。
直人の絵は完成しFは絵の具を片付け、竹下は掃除が楽になったと喜んだ。
学校の廊下にある歴代の校長の肖像画みたいに並んだ彼らの最後尾に直人はいた。
少し俯き、片腕を反対側の肩に回している。やはり彼もこちらを見ていなかった。
直人はFの描いた自分を見る事はなく、ますますJJと自分がかけ離れた気がした。
Fがどんな想いでいるのか尋ねる事もなく、ただ虚しかった。
「八神先輩」
「ごめん、忙しいとこ」
夕方のとある公園、直人は入り口近くのベンチにいた桐生に駆け寄った。
「悪い、待たせたな」
時計を見ると約束の時間は過ぎていて、申し訳なさそうに直人は謝った。
「いえ、今来たとこです」
このやりとりがデートのようで、二人は笑いながら公園の奥へ進んでいった。
まだ初春の寒々しい木々の景色の中、日は傾きかけていた。
もうすぐFが起きてくる時間だな、と直人はいつもの癖みたいに思った。
散歩中の犬が直人にじゃれてきた。
桐生はそんな光景をカメラにおさめ、また二人は歩き出す。
「今日はどうしたんですか?」
この公園に呼び出したのは直人の方だった。
前に会った時より少し印象の違う彼に何かあったのかと尋ねる。
「…花見の下見だよ」
「花見?」
砂利道にずっと続く木々はまだ芽生えのない桜だった。
ああ、と桐生は頷いてカメラを向ける。
「まだ咲いてないのに撮るの?」
「花が咲いてりゃ誰が撮ったって綺麗に写りますよ」
自身ありげに桐生は言ってシャッターを切った。
671不覚のF:2005/12/27(火) 01:23:01 ID:Lf94R/nG
直人は時々忘れそうになるが、彼はれっきとしたプロのカメラマンなのだ。
それはレトロなFの絵と対照的な仕事に思えた。
飲み物を買って、二人は横道によれて奥へと進んだ。
少し高くなった丘の向こうには小さな池があって、二人の他に人の気配はなかった。
穴場だな、とそこに腰を下ろした頃には辺りはもう薄暗くなっていた。
「今日はあったかいな」
真冬用のダウンコートの前を開け、直人は手にしたお茶の缶を開ける。
「うっわ、先輩…」
桐生はふと見た直人の胸元に細長い傷跡を見つけてしまった。
「ミミズ腫れ…、何で…」
「や、ごめっ、これはその…」
直人はお茶を噴出して慌てふためいた。
すっかり忘れていた、昨日はあの後で乱暴にされた事を。
Fは快楽を与えてくれなくて、傷はまだ癒えていない。
「そんなバイオレンスな奴なんですか、そのFって人は」
鞭で打たれる直人を想像してしまって、顔を赤くして桐生は傷を確認する。
「いや、何ていうか…、たまに?」
まて平気そうに直人は言うものだから、桐生はちょっとひいてしまう。
「ちゃんと手当てしたんですか?ちょ、ちょちょ、ちょっと失礼」
直人のコートを剥ぎ取って、恐る恐るシャツの背中をめくった。
「うわっ」
「結構酷い?すっごいシャワー沁みたんだけど…」
直人の背中一面には痛々しいたくさんの傷があった。
そのピンク色の筋は肩から背中から尻の方まで続いている。
そっとその傷に触れてみると直人は跳び上がった。
「あっ、すいません。痛かったですか」
「いや、てか…、背中弱いし…」
672不覚のF:2005/12/27(火) 01:23:46 ID:Lf94R/nG
そうだった、何年経ってもこの先輩はくすぐったがりなのだ。
「でも、これちょっと酷いんじゃないですか?」
直人の背中をゆっくりしまいながら、桐生は非難混じりの声で言った。
「いいんだ…」
Fは時々こんな風に直人は痛めつけられた。
いつもはひどく優しく直人を愛するのに、次の瞬間には別人のように暴力的になる。
それは昔からの彼の癖のようなもので、今回もそれは変わらなかった。
Fの愛憎の真理を知っていたから、直人は甘んじてそれを受け入れてきた。
「桐生、俺はお前に謝らないといけないんだ…」
話を逸らすように声音を変えて直人は言った。
「何をですか?」
「……」
なかなか切り出せないのか、迷いがあるのか、直人は答えない。
傾けた首筋が綺麗で、桐生はそんな彼の横顔をずっと見つめていた。
「先輩、何を謝りたいんですか?」
桐生はそっと直人の頬に触れた。拒まれるだろうか、自信なさげに。
直人はピクリと顔を揺らしただけで、さらさらと撫でる桐生の指に身を任せていた。
ゆっくりと桐生を見る直人は、不意に彼の親指が唇に触れるのを感じた。
桐生がその赤い唇に見とれていると、直人はそれを口に含んだのだ。
「誘ってるんですか?」
暖かく緩い感触と時折見え隠れする舌が淫猥で、桐生は驚き指を引く。
「エロいですよ」
何か違和感がある。桐生は濡れた指をそのまま直人の背中に這わせた。
「あっ」
直人は思わず大きく仰け反った。
「どういたんですか?ガラじゃないですよ」
相変わらずの無表情で、桐生はあっという間に直人を押し倒した。
さっきしまった背中を開き、そこに柔らかい攻撃を加えた。
「やっ…」
「誘っても、僕が手を出さないって知っててやるんですね」
673不覚のF:2005/12/27(火) 01:25:46 ID:Lf94R/nG
細っこい直人を組み敷くのは簡単だ。
首根っこを押さえ付け、シャツを毟り取り、形のいい尻をいやらしく撫でる。
「先輩、やっぱり中身は年をとってますよ。随分計算高くなりましたね」
すでに直人の口から荒い息使いが漏れている。
傷だらけの背中に桐生は舌で文字を書いた。
「ガラにもない事をするから、僕はもう止まりませんよ…」
「やめろ…」
桐生の言う通りだった。ガラにもない事をした。
直人は後悔しながら、感じてしまう自分の身体を恨んだ。
夜の公園、人気が全くないわけではない。遠くで男女の笑い声や犬の鳴き声がする。
精一杯声をひそめたつもりの二人は、それでも荒い息遣いは止められなかった。
「ごめん桐生…、あっ…お、願いだから離してくれ。傷が…」
傷が癒えてしまえばそれは他で快楽を得た証拠になってしまう。
それがFに知れたら…、想像して直人の背筋が凍る。
直人はあらん限りの力で抵抗したが、その度に桐生の攻めに手折られる。
昔の恋人の身体の弱点を知らぬはずはない。
背中、脇腹、足の付け根、そして中の一点、所詮かなう筈はない。
「指を…抜いてくれっ!駄目だ…」
「先輩結構自己チューですよね。なんなんですか、僕はダシに使われたんですか?」
指を二本差込み直人に嬌声を上げさせ、桐生は刑事のような尋問を続ける。
直人は声が出ないようにと芝生に顔を埋めた。
どこかで冷静に対処しようとしている自分が嫌だった。
「ああ、F…」
Fごめん、耐えられそうにない。
罪悪感から小さく彼の名を呼び、心の中で助けを求めた。
「……!」
桐生が入ってくるのを感じた。彼は優しく緩やかに直人を攻めた。
背中にキスを繰り返し、時折髪を歯で摘み後頭部にもキスをする。
ゾクリとする快感を与えるのが桐生のやり方だった。
674不覚のF:2005/12/27(火) 01:27:26 ID:Lf94R/nG
「何やってんの?」
突然に、二人の背後からその声はした。
一際大きな木の下、幹に寄りかかりながらFは二人を冷ややかに見下ろしていた。
「F…!」
「お盛んだね直人、昨日の今日でまだ何か突っ込みたかったの?」
夢か幻か、どこか冷めた言い回しの彼から感情を読み取る事はできない。
「あの人がF…」
「んあっ」
桐生は確認するように呟いて、ずるりと直人から自分を抜き去った。
「君が桐生君か。ああ、続けてくれて構わないよ」
「僕は誰かに見られながらなんて趣味はないです」
さっと身繕いすると、桐生は座ったまま彼と向き合った。
「どうも、はじめまして」
ぺこりと頭を下げる。
「一言言わせていただくと、あなた先輩に対して手酷い仕打ちをなさっているみたいで」
怖いもの知らずなのか、目を逸らす事無く桐生は言った。
「……」
Fは微動だにせず、まるで観察するように桐生を眺めていた。
「…だそうだが、直人どうだ?」
両手を突いてうなだれたままの直人は、Fの声に身を震わせた。
「直人、背中綺麗になったな」
Fの指摘通り直人の背中にあったはずの傷が綺麗になくなっていた。
「随分気持ちよかったんだな。もういいだろう、帰るぞ」
遊ばせておいた飼い犬に対して言う台詞とまるで同じだ。
直人はその声に従い、ゆらゆらと立ち上がる。
「桐生君、あまり深入りしない事だね」
Fはぴしゃりと言い放った。
「まだ話は終わってないです」
675不覚のF:2005/12/27(火) 01:28:09 ID:Lf94R/nG
あっさりとFに従う直人が信じられなくて、桐生は頼りなげなその手を掴んだ。
その身体から芯がなくなった様子の直人は、かくっと膝から折れてまた地面に手を着いた。
「Fさん、探しましたよ!急にいなくなるんだから…。あれー、八神君?
 ほんとに居た。どうしたの、今日バイトじゃないの?」
Fの背後から緊張感のない竹下の声がした。
二人で買い物に行く途中、通りかかったこの公園でいきなりFは立ち止まった。
直人の匂いがする、と足早に公園内に消えた彼を追いかけてやっと見つけ出したのだ。
「え?なになに、どうしたの?」
微妙な空気のこの様子に、竹下は明らかに一人浮いていた。
「竹下、直人を連れて帰れ」
「え、はいはい」
Fが促したので、曖昧な表情の竹下はそれに従って直人の腕を取った。
「待って下さい!先輩、まだ何も聞いてませんよ!」
「えー、ちょっと君何!?」
そんなやり取りの間、直人は放心状態で一切言葉を発せずにいた。
桐生を見る事もなく、竹下に抱えられてその場を後にする。
彼の頭の中は、次に待っている手酷い仕打ちの恐怖でいっぱいだった。
「先輩…」
こんな言いなりになている彼を桐生は初めて見た。
「さて桐生君、君は直人の恋人だったそうだが」
一歩、Fは彼に近づいた。
「何が目的で?」
「どういう意味ですか」
「ふん、いいだろう」
上等な答えだ。Fは桐生を見下すように笑った。
「本名は?」
「……」
桐生はじっとFを見据えて目を離さなかった。
二人はそのまましばらく睨み合った。
〔ここまで〕
676名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 02:06:30 ID:OX9H3NDf
不覚タンキタキタキタ(;´Д`)ハァハァエロいよハァハァ
エロい上に続きが気になって仕方がないよ
677名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 03:23:48 ID:VSjkTawj
不覚タソゴチです!
竹下…w
678名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 04:30:33 ID:G/r4kxlP
゚+.(・∀・)゚+.゚
ちょっと桐生さんにはがんがって欲しいところですな。
679名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 07:29:13 ID:4Sq7ys5R
【陵辱】鬼畜作品を創作して14thプレイ【SM】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1135635837/l50
680名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 09:35:22 ID:9Ziv6Oei
不覚さん乙!
681名無しさん@ローカルルール変更議論中
ヤクザ>>12-16,75-78 アンパ>>21-29,126,128-129,133,291-297,370-374,398-402,415-423 羽虫>>37-41 店長>>49-55 屋上>>60-70,73 プライド>>81-84,241-243
不覚>>86-90,165-170,197-199,251-256,310-315,348-353,473-477,593-596,668-675 無機質>>96-99,124-125,127,130-132,158-161,228-234,245-249,282-286,316-320