モララーのビデオ棚in801板5

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1風と木の名無しさん
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。


   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
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   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |      |/
    |[][][][][][][]//||  |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ| |
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                    (__)_)


前スレ モララーのビデオ棚in801板4
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/801/1095178693/l50
 ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-6のあたり

保管サイト(お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://moravideo.s57.xrea.com/
2風と木の名無しさん:04/10/27 23:38:47 ID:qIPlZjaf
1.ノンジャンルのネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。
スレ違い/板違い/鯖違い/メディア違い問わず、ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。

  どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
   ・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
   ・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
   ・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
   ・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。

  投稿すべきスレはあるが‥‥
   ・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
   ・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
   ・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
   ・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。

  ヘタレなので‥‥
   ・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
   ・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!

迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね。

それと、ナマモノネタには伏せ字か当て字を推奨。
3風と木の名無しさん:04/10/27 23:39:56 ID:qIPlZjaf
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリーAAであろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                               | | [][] PAUSE
                ∧_∧         | |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |
          | |,,  (    つ◇       | |
          | ||―(_ ┐┐―||        |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
4風と木の名無しさん:04/10/27 23:41:00 ID:qIPlZjaf
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
とりあえず用意したテンプレ。

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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5風と木の名無しさん:04/10/27 23:42:25 ID:qIPlZjaf
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
 |
 | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
 | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
 | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
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       |/
     ∧_∧
 _ ( ・∀・ )
 |l8|と     つ◎
  ̄ | | |
    (__)_)
       |\
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 媒体も
 | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
 | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
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6風と木の名無しさん:04/10/27 23:42:58 ID:qIPlZjaf
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
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   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |       |/
    |[][][][][][][]//|| |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | | |
              (__)_)
7風と木の名無しさん:04/10/27 23:43:27 ID:qIPlZjaf
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
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   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
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              (__)_)
8風と木の名無しさん:04/10/27 23:44:04 ID:oKVKA63C
>1-6 乙華麗
9風と木の名無しさん:04/10/27 23:46:09 ID:qIPlZjaf
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 | __________  |     谷部っち高校白書続きみたいだモナ
 | |                | |     
 | | |> PLAY.       | |     ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 前スレ落ちたのでたてました!
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

10高校白書1:04/10/27 23:47:07 ID:qIPlZjaf
「おーうおう。深刻な顔してるで、男前がぁ。似合わんのお」
つまらなそうにボールを蹴っていると後ろからひやかされた。
同期の1年が嬉しそうに近付いてきた。
「いっぺん死んでみるか?」
ギロリと睨み返すと「さて…と」と目をそらし、反対岸にダッシュしていった。
「あ〜ァ。つ・ま・ら・ん・の・ぉ」
俺はリズムをつけてボールをゲシゲシと蹴った。
あの一件以来、完全にテンションが落ちまくっていた。結局丘村先輩に言及することもなく
日々は過ぎていった。もう目が会う事も滅多になく、ましてや話すこともなくなった。
俺の前で丘村先輩の話題はタブーになっていたし、1年の間でも丘村先輩の話はのぼらなくなっていた。
今までなまじ信頼を勝ちとっていただけあって、一回そこに影ができると皆敏感に反応するものである。
丘村先輩もそのへんに感ずいているのか俺達の前でめったに笑わなくなっていたし、淡々と練習のメニューを伝えるようになっていた。
俺は時々無性にやるせなくなって、犯人は3年なんやで、とやはり伝えようとも思うのだが、
今さら蒸し返すのもアレやしな、とか、俺に黙って話を進めた丘村先輩が悪いのじゃ、ざまあみさらせ、という思いが渦になってどうともできずにいた。
要するにガキだったのである。
11高校白書2:04/10/27 23:47:56 ID:qIPlZjaf
「チビ!むかつくんじゃあ!!」
影でミクロくんと呼ばれている同期が吐き捨てるように言った。
練習帰りのいつものファミレスである。
「あのチビ、いてもうたるからなぁ…。絶対に」
「なにをケンケン怒っとんねや。なんかあったんか?コイツ」
聞くと、隣のヤツが楽しくてたまらないといったふうに教えてくれた。
ある日の放課後、練習が始まる前に景気付けにミクロくんは仲間達と部室で煙草を召し上がっていたらしい。
そこへ丘村先輩がやってきた。他の部員達は「やばい!」とすぐ煙草を揉み消したのであるが、反射神経の鈍いミクロくんは隠し損ねた。丘村先輩は非喫煙者である。当然のことながら注意する。
その注意の仕方がいけなかった。
「あんま吸い過ぎると背ぇが止まってしまうで」
他のメンツからクスクスと忍び笑いが漏れた。ミクロくんの顔は怒りで真っ赤に染まった。
ミクロくんのあだ名の由来は背の低さからである。丘村先輩より1cm高いらしい。本人は3cm高いといっているがどうみても1cm強といったところであろう。
自分の背にコンプレックスを強く持つミクロくんは、自分より背が低い丘村先輩を何故か蔑むように率先して“チビチビ”と呼んでいる。
そのチビから身長のことを言われた彼は怒り心頭に達していた。
そして俺の方を向いて「どや!どやねん!」と言ってきた。
「どやって言われてものお。あんまり怒り過ぎるともっと背ぇ縮むで」と言いたいところだが黙っておいた。
スパイクにアホと丘村先輩に書かれたらしいと噂になっている俺に全員の視線が注がれた。
はっきりいって面倒臭かった。帰るで、俺は、と言おうとした。
しかし口をついて出た言葉は「あのチビは一回ゆわさんといかんのぉ」だった。
ミクロくんの目がらんらんと輝いた。
何を言うてんねや、俺は。知らないふりをしていても俺の胸の内ではどうも丘村先輩に対するイライラが相当たまっていたらしい。だったら直接言えばいいのだが、ここまでくるとなんとなく顔を合わせにくく、そしてどこかでヤケになっていた。
そしてその日を境にサッカー部員1年は鬼のシゴキで培われた団結力をもって、丘村先輩無視作戦を決行させたのだった。
俺は知らんぷりを決め込んだ。
12高校白書3:04/10/27 23:49:03 ID:qIPlZjaf
グラウンドが夕焼けに染まっていた。部活をさぼって教室で寝ていた俺は帰ろうと外にでた。
練習はもう終わったのだろう、誰もいないグラウンドに小さな人影がポツンとあった。
丘村先輩だった。
何をしてんねや。
俺は目を細めて遠くから伺った。丘村先輩はひとりで泥で汚れたボールをタオルで磨いていた。
備品の管理は1年の仕事である。それをブッチしたツケは1年担当の丘村先輩にまわってくる。
─丘村先輩無視作戦─。俺は1年の団結力の深さを知った。アホは一回団結すると強い。
小さな背中を丸めて一生懸命に磨いている姿をみているとなんだか鼻の奥がツンとした。
不器用な人間もいたものである。あの量を全部1人でやるつもりだろうか。
勝手にさらせ。俺は踵を返した。
視線の先にサッカーボールが落ちていた。お見事!というほど泥にまみれていた。
考える前に丘村先輩のほうへ蹴っていた。トントン…と先輩の近くで止まった。
先輩がこっちを向く。そして笑う。「手伝ってえなぁ」と言う。「何してはるんですか」と駆け寄る。
シュミレーション通りにはいかなかった。
先輩はボールに気づくと無言でカゴにいれた。そしてこっちを少しみて、また作業に戻った。
「何してはるんですか」という言葉は口の中で消えた。
13高校白書4:04/10/27 23:49:31 ID:qIPlZjaf
帰りがけに待ち合わせた彼女と落ち合った。
「また顔怖くなってるで」
そう言われたが「うるせい」で片付けた。
イライラで爆発しそうだった。ややこしくて何も上手くいかない。
こういう時は本能に任せるに限るのである。俺は女の手をむんずと掴むとズンズンとホテル街に向かった。
「なんや、なんやのん」
力任せにひっぱられていた彼女が目的に気づいたのか暴れ出した。
「静かにせい!」
「あっていきなりホテル行くんか!」
「男が凹んでるんや、黙って抱かれんかい」
高校生のレディーによく言ったものである。
案の定、マニキュアで完全武装した長い爪の手が俺の右頬にヒットした。
バッチーン!いい音が響いた。
「サイテーーー!最低男!」
彼女はバックで俺の頭をはたいて、去っていった。道行く人がニヤニヤ笑いながら通り過ぎていった。
「見せ物ちゃうぞコラ!……あいたーー」
ヒリヒリする頬を押さえてしゃがみ込んだ。
ほんまに最低男やのぉ…。口にだして呟いてみた。
14高校白書5:04/10/27 23:50:04 ID:qIPlZjaf
サッカー部1年の団結には驚異の持続力も兼ね備えられていた。
作戦は依然施行されていたのである。すぐ飽きるだろうとタカを括っていたがミクロくん指揮のもと
団結は強まっていた。アホは一回団結すると長いのである。
多分俺もそのアホの中に勘定されとるんやろうなぁ…と思うと少し肩がおちた。
寂しそうな丘村先輩の横顔を眺めていたら目があった。しかしすぐにフラっと逸れてしまった。
ちゃう!俺はちゃうねん!ってゆうか違うわけではないんやけど…ああ。ややこしい、こういうのは苦手や。
完全にドツボにどっぷりハマった俺は、にっちもさっちもいかずイライラだけを凄い勢いで溜め込んでいた。
そんななか「スパイクがーーー!」とどっかで聞いたようなセリフが聞こえてきた。
3年の先輩がギャンギャン喚いていた。
「俺のスパイクがないやんけ!!ロッカー開けたら、どこにも無くなっとるが!!」
またまた事件である。
「ロッカーに鍵穴ついとんのだから鍵かけんかい!」自分を棚にあげて呟いてみた。
そもそもサッカー部にはセキュリティーという概念は存在していなかった。
またまたややこしいことになるで。俺は人知れず溜息をついた。
視線を感じた。ミクロくんが意味ありげに目配せをしてきて、ひとりニヤニヤしていた。
15高校白書6:04/10/27 23:50:26 ID:qIPlZjaf
スパイクは見つからないまま3日が過ぎた。
物凄く足が重い。今日もサボったろうかな…と思いながら部室に向かった。
ちょうどドアに手をかけようとすると中からミクロくんが出て来た。
「おう、遅いで谷部。もうみんな集まっとるで」
ミクロくんは上機嫌に言うと足取り軽く走っていった。
いつも一番遅いヤツが何いってんじゃいとブツブツいいながらロッカーのほうに近付くと
ポツンと丘村先輩が立っていた。
「ぅうわ!」
驚いた俺は思わず声をあげた。
「なにいなー…」
言われた丘村先輩も驚いたようだった。
「誰もいてないと思ったんですよ。すいません」
久しぶりに会話をした俺は何故か耳に血が集まっていくのを感じた。
「そうかー」
先輩は少し微笑んで部室を出ようとした。
「アイツとなんか話ししてたんスか?」
タバコの件で気になっていた俺は思わず聞いてみた。
しかし先輩の返事は「なんもないで」の一言だった。
それっきり会話は続かなかった。先輩はもとの寂しそうな顔に戻った。
「あのォ…」俺は意を決して口を開いた。しかし言葉が続かない。
先輩は少し待って出て行こうとした。
慌ててでた言葉は「久しぶりに笑ろてる顔みましたわ」だった。
何をとんちんかんなこと言うてんねん!!俺は心の中で自分にツッコんだ。
先輩は驚いた顔をしたが「嬉しかったら笑うねん」とポソっと言い残して去っていった。
16高校白書7:04/10/27 23:51:31 ID:qIPlZjaf
ミクロくんは練習中ニヤニヤしっぱなしだった。
「こっちに顔むけんな。気持ち悪いんじゃ」
皆に言われてもニヤニヤしている。
走り込みがひと通り終わってパス練習に切り替わった頃だった。
俺はさっきの丘村先輩の笑顔が頭のなかでグルグルと回ったままひとり俯いていた。
「おい!おい!谷部!」
何度も呼ばれてやっと気がついた。ミクロくんを囲んで1年が集まっていた。
「アホが集まって何しとんねん」
面倒臭そうに俺は渋々近付いていった。しかしミクロくんのニヤニヤは崩れないのである。
嫌な予感がした。
「あのチビを嵌めたるねん」
「なんの話じゃ」
ミクロくんは唇をひと嘗めすると小さな声でボソボソと話し出した。
「スパイク…盗んだんは俺やねん。3年のな」
そう言った途端、そこにいた全員が「短い付き合いだったな、さよおなら」
とミクロくんの肩を叩いた。
「ちゃうねん!話を最後まで聞け!!」慌てて早口で喋り出した。
「盗んだのは俺やけど、そのスパイクが見つかるのはチビのロッカーからやねん」
俺は心臓の奥が縮むのがわかった。
「お前日本語おかしいぞ」他のメンツが不思議そうに疑問を口にした。
「さっきな、スパイクをな、チビに預かってもらってん。俺が盗みました、すいません言うてな。
反省してます、けど怖くて直接かえせないんで、先輩から一言添えてくれませんか言うたってん」
「おう。そいで」
「そいで、俺が3年に告げ口すれば終いじゃ。チビのロッカーでスパイク見つけましたってな。今から言ってくるで」
皆からため息が漏れた。
「どこのアホがそんな嘘信じるんじゃい。チビだって気づくやろ」
口々にそういって皆はミクロくんを馬鹿にした目でみた。
「ううん。信じとったで。スパイク受取ってんもん」
ミクロくんはケロっといった。
17高校白書8:04/10/27 23:52:10 ID:qIPlZjaf
俺は握った拳がブルブルと震え出して自分でもびっくりしていた。
丘村先輩のさっきの笑顔とあの日みたグラウンドの小さな背中がグルグルと頭の中を回っていた。
先輩は気づいている。気づいてまた自分ひとりで被ろうとしているのだ。
皆は「ほんまにアホなんかな」と他人事のように笑いあっていた。
ミクロくんが得意気に「谷部、きっちり見とけよ、俺の仕事ォ!」と肩に手を置いてきた。
ブルっと震えた。
その手を掴むと俺は顔をあげた。
「お前誰や」
とっさに声がでた。言われたミクロくんは“はあ?!”とした顔で笑いかけてきた。
「何言うてんねんな、谷部。今からあのチビゆわしてくんで」
気づいた時には拳がカっと熱くなっていた。
ミクロくんが鼻を抑えて転がっていた。グラウンドの土が鼻血で赤く染まっていた。
「なんやねんなぁ…!!」ミクロくんの涙声が聞こえた。
「誰がチビじゃい!お前誰やねん!!」
めちゃくちゃにヤツの腹を蹴ってやった。人を蹴ったのは初めてである。
身体が言う事をきかなかった。回りのメンツが顔色を変えて俺の身体を抑えてきた。
「なにしてんねん!なにしてんねん!!」
腕も足もとられても俺は暴れ続けた。
丘村先輩の寂しそうな横顔が頭から離れなかった。
身体の自由を奪われても俺はやけくそに腕を回し続けた。
「谷部、狂ったんか!」同期が金切り声をあげて俺の腹を殴った。それでも暴れ続けた。
ボロボロになりたかった。
顧問やら担任やらがこっちに走ってくるのが遠くから見えた。
そして人垣の向こうから丘村先輩もみえた。
もみくちゃにされながら俺は先輩の顔を見続けた。先輩は泣いてるようにも笑っているようにも見えた。
泣いてくれたらいいのに。俺はボーっと考えていた。
もう一度腹に一発はいった。俺は低く呻いて身体を折り曲げた。
先輩の顔がくしゃくしゃになってぼやけた。
それでも丘村先輩から目をそらさなかった。
18風と木の名無しさん:04/10/27 23:53:58 ID:qIPlZjaf
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 終わりです。無駄に長くてスマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) エロ要素一切ナシでスマソ
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 完全フィクションです。
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
19風と木の名無しさん:04/10/27 23:55:46 ID:Na5vgl/v
>>1-18
スレ立てもSSも乙ですた!!
せ…青春や…(ボロ泣き)
20風と木の名無しさん:04/10/28 00:54:51 ID:QnvhW9x0
>>1-18
乙です!!そしてGJ!!
高校白書泣けました・・・お互い何か切ない〜
21風と木の名無しさん:04/10/28 01:32:38 ID:yTJHqrHv
新スレ立ったんですね〜乙です!

続きお待ちしてました〜
高校白書切ないよ〜でもGJ!!
乙でした!!
22風と木の名無しさん:04/10/28 02:26:51 ID:e9klLvnR
>18
谷エチンのイライラがエロスでハァハァでした。
23風と木の名無しさん:04/10/28 17:46:55 ID:877/8Nkl
スレ立て乙です>>1

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   ┃ 某県王ビィトパロです。小話投下〜。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  調子にのってほんますいません… | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

241/4:04/10/28 17:49:01 ID:877/8Nkl
ビィトは天才だなんて言ってくれるけど、僕はちょっと天撃が得意なだけだ。
そんな僕が愚かにも、何十匹のモンスターを相手に一人きりで戦うのは無理に決まっていた。
数匹だったモンスターが戦っているうちに、仲間を呼び増えに増え、何倍もの数になってしまったのだ。
体力もつき欠け、あわや、というときにキッスを助けてくれたのがビィトだった。
その出会いに感謝している。ビィトがいなければ、今の自分なんてない。(きっと今も閣…グリニデの配下だったに違いない。)
(…本当のことを言えば、ビィトには絶対秘密だけど、僕はグリニデを嫌いではなかった。)

僕の裁きを受けに本国に行く旅の途中の森の中。僕らはたき火をして夜をあかそうとしていた。
ミルファさんはどうやらトイレに行ったらしい。「女の子の秘密よ☆」なんて言っていたけれど。
暇をもてあまし気味のポアラに、僕は昔話の代わりに僕とビィトの出会った頃の話をした。
「ひどいんだよ、ビィトったら。僕を加勢して助けてくれた後何て言ったと思う」と僕は言った。
「ビィトのことだから、どうせすぐ勧誘したんじゃないの?」とはポアラ。
「何だよ、しちゃ悪いのかよポアラ。っていうかオレ覚えてないんだけど、何て言ったっけ?」
あははは、と笑うのが只今の話題の中心であるビィトだ。
忘れた、などというビィトをポアラは呆れたように見つめ、僕は苦笑した。
「本当に忘れちゃったの?僕は一生忘れられないよ…」
「ビィト、君はさ、戦いが終わった後に」

「女の子が無理すんなよ」

「って言ったんだよ。」
僕はちょっと意地悪げにビィトに笑った。
252/4:04/10/28 17:49:47 ID:877/8Nkl
「だ、だってさぁ、あんまり体のラインが出ない服着てたしよ、お前。」
「…フォローになってないわよ。ビィトってほんとデリカシーないわね。」
ポアラの言うとおりだ。自分の顔はコンプレックスのひとつでもあった。
この顔の所為で、被害を被ってきたのだから…(言わずもがな、といったところだろう。)
ちょっと僕の気持ちは陰鬱になりかけたが、次のビィトの台詞ですべて消し飛んでしまった。
「でも、オレはお前の笑った顔大好きだぜ」
特に何の感慨もないように言うのが、僕にとって一層嬉しい。
僕の顔は今、真っ赤かもしれない。いや、きっと真っ赤だ。
僕自身は何の興味もないものだけれど、ビィトが好きと言ってくれるのなら何だっていい。
「ぼ、僕もビィトの目とか髪とか大好きだよ!!」
思わず言ってしまったが、僕は本当にビィトの目が好きだ。一点の曇りもない瞳。
彼の傍にいると、自分の弱さに不甲斐なくなるが、それでもビィトは僕にとっての希望以外のなにものでもない。
彼が望むなら辛くたって笑顔でいたい。涙腺の弱い自分はすぐには実行できないだろうけど。
テンションの高くなった僕はビィトと小突き合ったり、意味もなく目を合わせあった。

……ポアラの目線が白かったのは、言うまでもないと思う。あは…はは…
(明日の彼女に、嫌味で殺されるかもしれない)
263/4:04/10/28 17:50:42 ID:877/8Nkl
キッスは、自分ではあまり認めないが、天撃の才能に溢れた、天才と言うべき存在だった。
でも、そんなあいつも、何十匹のモンスターを相手に一人きりで戦うのはきつかったみたいだ。
(出会った頃はの話で、今ならきっといけるんじゃねぇかってオレは思う)
数匹だったモンスターが、仲間を呼び増えに増え、何倍もの数になってしまったらしい。
体力もつき欠け、やばい、というときにキッスを助けたのがオレだった。
その出会いに感謝してる。キッスを、ビィト戦士団のものにできて。(他の戦士団にとられるなんて冗談じゃない。)

オレ達はいま、キッスが横道にそれたことの罰を受けに、バスターの本国に行こうとしている。
夜の森を行くのは危険なので、一夜を山中で明かすことにした。
ミルファはどっかに行っちまった。「女の子の秘密よ☆」ってどんな秘密なんだろう。後でポアラに聞こう。
たき火の火でみんなの顔に独特の影が差している。静けさを破るようにキッスがポアラに話をし出した。
オレとキッスの昔の話。
274/4:04/10/28 17:51:15 ID:877/8Nkl

「女の子が無理すんなよって言ったんだよ。」
と、キッスは少し悪戯っぽくオレに笑いかけた。
顔の造作の美しい彼はそんな表情も似合っていた。(ポアラはきざっぽくて好きじゃないと言うが)

最初に会ったとき、あまりに少女めいた顔立ちだったのでつい言ってしまったのだ。
今ではそんなこと思っていない。美しくてもまつげがポアラより多くても、キッスの骨格はちゃんと男のもので、曲線よりも直線で作り上げられている。
オレはキッスの整った顔が好きだ。特にその目が好きだ。たぶん、「理知的」とでも言うのだろう。
キッスの目は、強さと脆さを一緒に映している。
だから素直にキッスに言った。

「でも、オレはお前の笑った顔大好きだぜ」

キッスの顔がゆでだこのように真っ赤になった。何でだ?
キッスが「ぼ、僕もビィトの目とか髪とか大好きだよ!!」と言ってくるから嬉しくて、遅くまでキッスとじゃれていた。
やっぱ仲間っていいよな!!

ところでポアラはなんでさっさと寝たのだろう。いつもならもう少し話に付き合うのに。
まあいいんだけどさ。
28風と木の名無しさん:04/10/28 17:52:13 ID:877/8Nkl
____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP. | |    只今閣下とキッス君の出会い編書いているのですが長くて時間かかりそうなので
                               先に小話うpしました。お目汚しすいまそん。                               
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |      ピッ(・∀・ )AAガズレテルキガシテタマラナイ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
29風と木の名無しさん:04/10/28 18:15:15 ID:S/0yfLsg
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  高校白書さんに触発された100-1学生パロモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  Aが入っているので気をつけて。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
301:04/10/28 18:16:03 ID:S/0yfLsg
もうとっくに女性経験を済ませていた谷部と、彼女と手もつなげん俺。
キスすらしてなかった俺はあいつにそれはどんな感じなのかをよく聞ていた。

「そんな気になるんやったら例の彼女にキスして見れば良いじゃないですかぁ」
「あー、そんなんムリムリムリムリ」
「そんなめっちゃ否定せんでも…」
谷部は笑いながらベッドに持たれて膝を抱えた。
「柔らかい?」
「まぁ…ふよっとしてますよ。」
「な…ちょっとしてみぃひん?」
「なんでやねん」
呆れたように笑い転げながら
「俺としてもおもしろないでしょ?」
「ほーんのサワリだけや、サワリ」
「あはははは!!マジすか丘邑さん」
エエですよ。
そういって谷部はベッドにもたれていた上半身を起した。
はい。と両手を大きく広げた。
「?」
「ハテナ?やなくて。こっち来てください」
尻をずらして谷部の前まで移動する。
312:04/10/28 18:16:42 ID:S/0yfLsg
「もうちょっと、こっち」
胡座を掻いた足を解いて、両足の合いだの床をポンポンとたたく。
「なんやな、お前が来たらエエがな」
そう言いながら谷部の足の間に滑りこむと、冷たい両手で頬を挟まれた。
「…っ!」
それまであまり現実味を帯びていなかった緊張感や、興奮がない交ぜになって
少し息苦しい感じがした。
ゆっくりと近づいてくる谷部の顔を見てみると、校内の女どもが騒ぐだけの事はあるまぁまぁ整った顔がふきだした。
「そんな目ぇパチクリさせてたらやりずらいですよ。つぶっとくもんです」
「そうなん?」
ぎゅっと目を閉じた瞬間、指で顎を上向きに上げられ、吐息だか鼻息だかわからない空気の揺れを感じ
唇に、柔らかい物が降りてきた。
うっわ…こいつの唇めっちゃ柔らかい。
唇で唇をこすられて、そっと離れて行った。
ふっと笑った気配がして目を空けると、「唇の力抜いてください」と、あまり俺に見せた事の無い表情で言った。
「ん」
どぎまぎしながらもあの心地よさがなにげに気に入った俺は、無意識に強張っていたらしい唇をといた。
もう一度谷部の顔が俺に近づいた時には、自然と目蓋は閉じた。
323:04/10/28 18:17:05 ID:S/0yfLsg
唇をすり合わせるだけなのに、何でこんなに心地エエのやろ。
好きな子とやったら1日中キスしてるかもわからん…。
はむっと、上唇を唇で挟まれた。
咄嗟に唇を閉じると間にあいつの唇があって、不思議な感触がした。
谷部が角度をかえて唇全体を唇で噛まれた。
俺もそのまねをして首の角度をかえた。
唇を薄く開いた瞬間、ぬるっと谷部の舌が入りこんできた。
「ん」
驚いて頭を引こうとしたが、何時の間にか谷部の手が口頭部を押さえていて逆に押し戻された。
更に深く唇が重なって、谷部の舌が俺の舌を突つく。
戸惑いながらもその舌を追い払うように押し戻すと、あっという間に絡めとられた。
そのままチュっと吸い上げられて、俺は背中にゾクゾクと競りあがってくるものを感じた。
…あかん
身体をよじった瞬間自分が勃起している事に気付いて慌てて腰を引いた。
谷部にたいして横向きに足の間に納まっていた俺はそのまま身体を入れ返られて
自分のベッドにもたれかかるように押しつけられた。
全く痛くは無かったけれど、谷部が俺にこんなに強引な事をしたのは始めてで、少し怖気づいた。
息を詰めていると谷部の唇が離れてホッとしたのもつかの間、まだジンジンと熱を持った唇を
尖らせた舌先でなぞられ、身体中を震えが走った。
334:04/10/28 18:17:28 ID:S/0yfLsg
「…ぁ」
今まで俺が味わった事の無い身体の中が痺れるような快感が走り抜けた。
気がつけば俺は口をあけて谷部の舌を掴まえようとしていたけれど
さらりとかわされてまた唇をゆっくりとなぞられる。
「ぁ…はぅ…ん」
もどかしくて、舌を出して谷部に触れようとするけど追いかけっこをしてるみたいに逃げられる。
押しつけられたベッドの上に頭が乗り上げ、身体が弓のように反り返って痛かったけど
そんな事どうでも良かった。
物足りなくてしょうがなくて、必死で追いかけ、やっとの事で掴まえた。
それからは夢中で舌に吸いついて深く深く噛合わされる唇の端の痛みもそっちのけで味わった。
ゾクゾクしてモゾモゾする感覚を押さえられず、谷部のガクランの肩にしがみついた。
自ら誘い入れた谷部の舌は縦横無尽に俺の口内を暴れまわり
上あごや下の脇を撫でられた時には射精してしまうんじゃないかと思った。
めっちゃ気持ちイイ…
もっと…と谷部に強くしがみついた時チュっと大きな音を立てて唇が離れて行った。
「あ…」
俺は不満げな声をあげて、谷部を見た。
「おばちゃん帰ってきはった」
鋭い目をした矢部が濡れた唇でそういって、下で足音がする事に気付いた。
気がつかなかった…谷部にしがみついていた腕を離しベッドの上に投げ出す。
「そんな顔せんといてください、さすがにおばちゃんに見られたらヤバイでしょ?」
自分がどんな顔をしてるのか想像もつかずに居たら「めっちゃ残念そうな顔してる」
見透かされたようで恥ずかしくなって顔を両手でごしごしと擦った。
「あ、待って」
「?」
谷部が顔を擦っていた俺の手を止めてティッシュをとり、顎を拭った。
そこでやっと俺の唇の周りが濡れていた事に気付いた。
照れくさいような、切ないような、なんだか堪らない気分だった。
34風と木の名無しさん:04/10/28 18:18:58 ID:S/0yfLsg
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 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトマズ終了モナ、短クテゴメンネ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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35風と木の名無しさん:04/10/28 21:14:42 ID:7my8sFiN
>>29-34
禿萌えますた(*´Д`)ハァハァ
36風と木の名無しさん:04/10/28 21:38:39 ID:bqYOKUg1
素朴な質問(・ω・)ノ
芸/人関係のスレではうpろだの用意などはしてないの?
これほど大量に何スレにも渡ってうpし続けるんなら
ジャンル専用のSSうpろだを用意したほうがいいんじゃないかと。
何か事情があってうpろだを用意できないんだったらゴメンよ。
それか、書き手がサイトを作るかしてみたらどうかね。

37風と木の名無しさん:04/10/28 23:59:15 ID:yTJHqrHv
>>29-34
禿萌え〜!!萌え過ぎてどうしよう・・・
続きを期待したいでつ ハァハァ
38風と木の名無しさん:04/10/29 00:09:21 ID:3zHQoWYd
>36
私もそれ思ってた。他ジャンルの姐さんたちはうpろだ作ってるし
ゲイニソ関連って何か作れないような規制でもあるのかと。
何個か前のスレで某医療ドラマSSの連載がすごい続いてたから
こっちもうpろだ用意できない理由があるのかな?と思ってた。

ナマモノでも検索除けすれば何とかなるんじゃないのかなぁ・・・
39風と木の名無しさん:04/10/29 00:12:49 ID:fFtwC6RP
>36
別にいいじゃん。
>なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。
なんだから、そんなあからさまに出てって欲しい、みたいな態度止めとけ。
あぼん機能とかあるんだし。
40風と木の名無しさん:04/10/29 00:23:44 ID:S8uwBTAp
>>39
たしかにこのスレの魅力はなんでもありなところだ( ´∀`)
しかーし、ここをジャンル専用のうpスレにするのは
ちーと違うと思うな。
どうしても2ちゃんでうpりたけりゃジャンルスレでやるか
うpロダを用意できないならサイトでも作った方がスマートだわな。

書き手さんに聞きたいけど
ここに固執しなくちゃいけない理由って何かあるんですか?
41風と木の名無しさん:04/10/29 00:25:54 ID:/KPKBCRY
空気読まずにナマモノ投下。

                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 三度ナマモノ二厘ネタなんだナ
                    | (カンガルー国g/P直後)
 ____________   \          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |     ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| チーフメカニク→ヘタレだってサ
 | |                | |              \
 | | |> PLAY.       | |                ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ ) (゚Д゚ ) …ハァ?
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
42風と木の名無しさん:04/10/29 00:26:28 ID:/3rnpb8p
>>36
一度作ろうとした(というか祭り時に立ち上げたシタラバを再利用しようとした)んだけど、
「ビデオ棚に書いて」という話に落ち着いたんです。
当時はまさかここまで大量投下になると思ってなかったんですけどね。

確かに、ジャンル専用の場所があった方が気兼ねしないでいいかも。
43Mi querido amigo.1:04/10/29 00:27:36 ID:/KPKBCRY
 ノックをしても返事がないので、いないのかと思って中を覗くと、奥のソファに横たわる青い
姿が目に入った。
 その身を覆う硬い革は、その体勢には向かないだろうに、長身を無理に二人掛けの座面に
左肩を下にして沈め、腕で頭を抱くようにして。そんなことだから、脚はソファから転げ落ちて
いる。
 腕の陰になって表情を窺い知ることは出来ない。普段なら光を背負って大きく頼もしく見える
肩も、今は細く見える。少しでも乱暴に扱ったら壊れてしまう硝子細工の様に。

 今日程嬉しくない2位は無かった。環境が変わったハンデをもはね返し、勝利を重ねる
”天才”には何をしても敵わないのか、と打ちのめされた。2年連続の敗戦。表彰台で無理に
笑顔を作る彼を見上げて、無性に悲しくなったものだ。きっと、彼も同じ気持ちだっただろう。
そして、それ以上に悔しかっただろう。
 でも彼は、それをあまり表に出さない。育ちの所為によるものなのか、とにかく”紳士的”な
彼は、マイナスの感情を内に閉じ込めてしまう癖がある。周囲に不快な思いをさせない為の
気遣いなのだろうが、逆にこっちが心配になってしまうことも多々あるのも事実。『おいおい
大丈夫かよ』と思う程に。
 こうして誰とも顔を合わせず、一人で閉じこもってしまっている今が、正にその心配な状況。
普段の彼がその民族性に違わず快活であるが故に、こうなった時のギャップは大きい。

 触れることも、声をかけることも憚られるような、薄氷の張ったような空気。ぴん、と
張りつめて、下手に手を出したら全てを壊してしまいそうだ。
 伝えなければならないことはいくつもある。移動の為に、すぐにでも片付けを始めなければ
ならないこと、これから幾つかの”広報活動”の予定があること、その約束の時刻が迫って
いること、その他、細かいことも色々と。彼はいつだって忙しいのだ。
 だけど今は。
「…着替えないと、風邪をひきますよ」
 近くにあったベンチコートをそっと掛ける。南半球の初春の寒さの中、革製のツナギはそれ
自体が体温を奪うから。放って置いたら、日々のトレーニングで極限まで体脂肪を落とした
身体は内臓まで冷え切ってしまう。
44Mi querido amigo.2:04/10/29 00:28:09 ID:/KPKBCRY
 言うこととすることに矛盾があるような気がしたが、この状況で色々と急かすのは酷だと
思った。ほんの僅かな時間だけでも、今は休ませてやらなければ。
「撤収を後回しにして貰えるように頼んできますね」
 時間の持つ癒しの力が、今の彼には必要だから。もう一度、立ち上がる為に。もう一度、
笑顔を取り戻す為に。
 いつもより細く見える肩に語りかけ、一度その場を去ろうと立ち上がる。
 背を向けた時、小さく呼びかける声が聞こえた。
「…どうしました?」
 らしくない、弱々しい声に心配になり、再びソファの前に膝をつくと、彼は顔を伏せたまま
呟いた。
「…ごめんな。お前を世界一のメカニックにしてやれなくて」
 音が聞こえたと思う程、胸が締め付けられる。一番辛いのは彼のはずなのに。共に戦って
きたから分かる。世界中から課せられた期待やプレッシャーが、繊細な神経を持つ彼に
どれだけのダメージを与えたか。弱さを見せない為に、どれだけ彼が無理をしてきたか。
 それを思うと、彼がたまらなくいじらしく、いとおしく思えてきて、気が付いたら伏せられた頭、
そのまだ乾ききらない髪に口づけていた。泣き疲れて眠る幼子にそうするように。
 ぴくり、と肩が揺れた。その動きで我に返り、あわてて身を起こすと、髪の間から覗く戸惑い
の瞳と目が合った。
 微かに見開かれた瞳は堪えきれなかった涙で潤んでいて。まるで自分がそうさせたかの
ような錯覚に陥って、激しく動揺する。それに自分の取った行動を振り返っての動揺が
加わって、一気に頭に血が上る。
「い、一時間位したらまた来ますからっ。それまでに着替えとか、済ませておいてくださいねっ」
 逃げるように彼の元を去る。ドアに頭をぶつけそうになったり、外に出てからも何人かと
ぶつかったりしたが、それどころじゃないくらいに気が動転していた。
 もう何が何だか。手足をばたばたさせて狼狽える様は、安易な子供だましのアニメみたい
だったろう。

 その後、色々なところで頭を下げることになったが、彼の為なら何も辛くない。彼を世界一に
するのが自分の仕事。その助けになるなら、どんなことだってしてみせる。
 ・・・ちょっと甘やかしすぎかな、と思うこともあるけれど。
45風と木の名無しさん:04/10/29 00:30:24 ID:/KPKBCRY

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 | |                | |     ピッ   (´∀`; )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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46風と木の名無しさん:04/10/29 00:31:16 ID:/3rnpb8p
>>41
更新しなかったから途中に入り込んでしまったorg
姐さん申し訳ございませんでした。
47風と木の名無しさん:04/10/29 00:34:23 ID:fHNhug4P
>40
ナマモノだし、もしゲイニソ板にうp場のリンクを張られたら、即消さなきゃならないから。
サイト作らないのも、書き手の各々の事情があるんだと思うよ。
個室してるんでなく、ここが気軽に投下出来るんじゃないかな。

> しかーし、ここをジャンル専用のうpスレにする
自分ナマモノ興味無いけど、そこまで数多くないと思うが…。
48風と木の名無しさん:04/10/29 00:38:26 ID:3zHQoWYd
ゲイニソ板にこのスレや保管サイトのURL貼られたら元も子もない希ガス
49風と木の名無しさん:04/10/29 00:39:42 ID:S8uwBTAp
>>47
え?
リンクを貼られたら即消さなきゃいけないようなジャンルなら
なおさら2ちゃんのスレ上でうpするのはヤバイんじゃないの?
うpしたら最後二度と消せないじゃん。
つか、「気軽に投下できるから」と「即消さなきゃいけないから」って
二つの理由が矛盾してるよ(;´∀`)

外部の人間じゃなくて書き手さんの返答プリーズ
50風と木の名無しさん:04/10/29 00:50:37 ID:/3rnpb8p
42です。(一応書き手でもあり)
詳細を説明すると、ジャンル全体としてSS熱が上がった(ゲイ/ニン祭り)
の時に、うp場所を作りたい、という話になりました。
が、以前ゲイ/ニンジャンル専用うpろだを作ったがすぐに閉鎖になった、ということから、
「一時期の勢いで立ち上げるのもどうだろうか」
という意見が多く、書きたい人はビデオ棚投下で、という結論に至ったんです。

おそらく、当ジャンル(ゲイ/ニンと言っても今話題に上がってるのは1ジャンルだと思うので)
の書き手は多くて3〜4人だと思います。
相対的に見たら確かにやや投下数が多いと思いますね。

かと言って、該当スレ住人はSSにあまり好意的ではないので、
連動で投下場所を作るのもはばかられているのが現状です。

長文スマソ。
51風と木の名無しさん:04/10/29 00:58:57 ID:S8uwBTAp
>>50
丁寧なレスありがdです。

>ナマモノだし、もしゲイニソ板にうp場のリンクを張られたら、即消さなきゃならないから。

このあたりの対策としては他のジャンルを見る限り
自分達でサイトを作成して検索避けやパス制をきっちりと行って
自衛しているようです。
>>49にも書きましたが、スレに投下したら対策の取り様がありませんし
42さんはその辺についてはどうですか?
52風と木の名無しさん:04/10/29 01:02:30 ID:S8uwBTAp
と言うか、続きはジャンルスレでやってくださいというかね(;´∀`)
当初の事情と違ってうp数が増えたことをジャンルスレで提言して
なんとか自分達で折り合いをつけてください。
53風と木の名無しさん:04/10/29 01:13:54 ID:KXx0Ymxf
>52
ほぼ同意
該当ジャンルの人は続きはジャンルスレでどぞ

>41-45
禿萌え・゚゚・*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・!!!!!!
甘やかし`ァ'`ァ('∀`*) '`ァ'`ァ
54風と木の名無しさん:04/10/29 01:21:09 ID:3zHQoWYd
>42=50
スレ住人がSS投下に好意的じゃないってことは書き手も読み手も
限られてるってことだよね?だったら個人サイトなり別のうpろだなりを
作ったほうが萌えてる姐さんたちも気兼ねなく楽しめるんじゃないかな。
過去ログが残っちゃう2chと違って、何かあればサイトごとあぼーんできるし。

該当スレでは相談しにくい内容かもしれないけど
ナマモノなら余計にキッチリ自衛した場所を作ったほうがいいと思うので
一度、話し合ってみたらどうだろうか。
55風と木の名無しさん:04/10/29 01:27:20 ID:Z1WIXeL6
なんでそんなに追い出そうとしてんの・・・?
56風と木の名無しさん:04/10/29 01:30:57 ID:KXx0Ymxf
>55
今まで疑問に思ってた人達が質問してるだけでは?
追い出そうとしてるようにはみえないyo
57風と木の名無しさん:04/10/29 01:32:30 ID:3zHQoWYd
>55
皆のレス読んで分からない?取り扱いジャンルがナマモノだからだよ。
追い出したい訳じゃなくて、ここで投下してて大丈夫?って話。
5810:04/10/29 01:49:13 ID:Bv7sJnfc
高校白書の書き手のものです。
皆様のレスを読んで深く頷いてしまいました。モララーのビデオ棚という
カテに甘えてよく考えてみたら同ジャンルを続けざまにものごっつい
スレ消費してました。すいません。
サイトを作る気力もないうえ、気軽な気持ちで書きはじめたものが
意外に長くなってしまいまして、内心大丈夫かいな?と思いつつ
ここまできてしまいました。
ゲイニン板に明るくないので詳しいことはわからないのですが
専用うpろだという選択肢もあるのですね。
しかしジャンルがジャンルなだけに…なぁ。難しいですね。
ナマモノは控えます。
59風と木の名無しさん:04/10/29 02:11:39 ID:iwTdaCN5
うわあ、お笑いは興味ないのでスルーしてたけど、
半生で続きを楽しみにしてるジャンルがあるんだよ…!
お笑いと違ってアンチがいないジャンルの職人さん
事情が違うから気にせず投下してください。マッテマス
60風と木の名無しさん:04/10/29 02:41:21 ID:lEBHsQmi
サイトを作ると更新更新でまったり出来なくなるから
気楽に投下できるモララーが良いと思うんだけど
楽しみに待ってた自分としては連続にならなければ投下して欲しい…
61風と木の名無しさん:04/10/29 03:36:14 ID:QN6PKjrd
議論は該当ジャンルのスレでやってくれ。
62風と木の名無しさん:04/10/29 12:25:38 ID:XLgrrAEF
今回長編とか連続が重なったから目についたって話だろ。
これからは気にしつつ投下してくれりゃいいでしょ。

次の投下は何ジャンルかなタノシミダ
63風と木の名無しさん:04/10/29 12:32:11 ID:BXJsok4X
>61を始め議論は該当スレでと言ってる人。
該当スレで言っても解決しないと思う。
半ナマのルールより「何でもあり」と銘打ってるスレで連投がどうのという事が発端でしょ。

というかほんと繰り返しこの話題出てるよね。
自分が覚えてる限りでもホワイトタワー、12扉、その前も揉めてる。
確かに該当スレと区別が付かないほどの雑談感想ラッシュとなれば空気嫁となってもしょうがない。
でも作品投下でしょ?それこそ数行のセリフのみでも数十レスに渡るものでもOKのはず。
興味が無いならスルーすればいい。無理に読め、誉めろとは誰も言ってない。
そんな簡単な事も出来ないのならこの「何でもあり」なスレには来ない方がいい。
自分の萌えスレだけにずっといればいいよ(煽りじゃなくそれしか方法が無い)

「萌SS読みたいけど〜やっぱ私の好きジャンルじゃなきゃ嫌!ミャハ!
興味ないのばっかり続いてるから”私の為”にちょっと控えて!!」
いや、ここはあなたのための場所じゃないんですから…残念!
64風と木の名無しさん:04/10/29 12:44:26 ID:czCVgRPU
というかいい加減、質雑スレにでも移動しない?
スレ違いというかこの雰囲気じゃネタ投下しにくいだろうし。

いや、>>3によればこの議論すらもネタなのか。
65風と木の名無しさん:04/10/29 13:08:15 ID:AblTsEvb
>>63
63はナマモノジャンルじゃないのかな?
58が書いてるようにナマモノのルールの方がいかなることよりも最優先だよ。
一人の迂闊な行為でジャンル全体が糾弾されかねないのがナマモノ。
今回の場合は連投がどうのは二次的な話。

でも「ジャンルがジャンルだけに」と言っていることだし、
今後このスレでうpするのは止めるだろうからそれでいいと思う。

でも、58=10はゲイニン板やナマモノのルールについて勉強してほしいな。
そうすれば、けっして「気軽に投下できるから」と手を抜いていいジャンルじゃないと
わかるからさ。60も楽しみに待つ前に勉強してきなはれ。


66風と木の名無しさん:04/10/29 13:34:57 ID:XkT4JJnM
自分、わりと多数のスレを見てるけどSSをスレに投下するのはNGでも
スレ発祥のSS投稿所(検索避け・伏字徹底・何かあったら即あぼん体勢)を作るのまで
はばかれてるようなジャンルは見ないなぁ…。
スレ住人にもう一度SS投稿所について聞いてみたら?
以前に目も当てられない厨行為をおこなってる等じゃないなら
ちゃんと話を聞いてもらえると思うけど。
それとも話も聞いてもらえないほどSS書きが嫌われているんかい?
…一体何をやらかしたんだ((;゚Д゚)ガクブル
67風と木の名無しさん:04/10/29 13:45:51 ID:XkT4JJnM
おせっかいとは思ったが、該当スレでスレ住人にお願いしてきたよ。
議論等の続きは今後は該当スレでお願いします。



それでは何事もなかったようにSS投下どぞー
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
68風と木の名無しさん:04/10/29 13:53:40 ID:pe3IE63k
何か途中から話が交錯してるよね。
1.同ジャンル連続投稿について
2.ナマ、半ナマのネタを発表する場について
元々は1だったのに途中から2が混じってきて
ビデオ棚はナマ投下していい場所?となってる。
>2の通り伏字推奨で何でも有りがFAでしょ。
65がどれだけ気を遣ってるかわかったけど
それをこっちに持って来られても…。
そんなの該当スレでビデオ棚禁止にしてくれ。
1については概ね63に賛成。
次スレには大量連続投稿叩き禁止も欲しい。
書かなきゃわからない人がいるみたいでうんざり。

↓何事もなかったかのようにネタ(ry
69風と木の名無しさん:04/10/29 13:58:21 ID:/ceJTZX3
 ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 以上、ネタでした
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
70風と木の名無しさん:04/10/29 14:00:18 ID:dc02v1OW
何事も(ryをぶった切ってスミマセン。

ナマモノに関しては注意が必要っていうのはよくわかるんだけど
でもそれはオワライだけじゃないよね?
他にもナマモノ・半生ジャンルは結構投下されてる。
ナマモノであることが理由になるんなら、他ナマも自粛すべき?
なんかオワライにだけナマモノルールを背負わせてるように思えてしまう
某半生スキーなんですが。
71風と木の名無しさん:04/10/29 14:05:47 ID:XkT4JJnM
>>70
空気読んでれば大丈夫じゃないかなぁ…。
そもそもSSうpってジャンルスレでこそ大歓迎されるものだよ。
SS書きさんが複数いるようなら自然にSS投稿所を作る流れになることが多い。
要は何事も空気嫁ってことだね。
72風と木の名無しさん:04/10/29 14:10:55 ID:rDPf9xkd
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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73風と木の名無しさん:04/10/29 14:31:44 ID:bMCHYv76
上でも既に出てるけどナマルールなどで自粛するかどうかはここで関知する事じゃないとオモ
あぼんできないビデオ棚を使う事が是か非か。それぞれで決めるべき。
面倒だからこれも注意書きに入れるようにした方がいいのかね。


……と言いながら私は聞き分けの無い仔猫ちゃんの顎を指で撫ぜる。
「何するんだ!俺はこんなに真面目に話してるのに!」
抗う動きがいじらしくまたそそる。
「フフフ、ここはネタスレだよ。足を踏み入れた時点で全てネタになるのさ。
今までの論客も君も、そして私もね…。」
視線を巡らせば潔癖眼鏡受や我侭受、仕切り攻たちが皆すでに愛し合いを始めていた。
「や…やめろ…ッ!」
「おや、下のお口はもっともっとと強請っているよ?」
私も彼らと同じように真面目な仔猫ちゃんを腕の中に抱き込んだ。
二人の姿を月だけが見ていた……。
74風と木の名無しさん:04/10/29 14:33:08 ID:bMCHYv76
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75風と木の名無しさん:04/10/29 19:29:18 ID:JJnq9uAS
>>28
遅レススマン。
凄くよかったよ!キッスとビィトのじゃれあいが微笑ましくてよかた。
キッスと閣下の出会いも期待してます。
76風と木の名無しさん:04/10/30 00:10:27 ID:xKxi+kM7
また議論してるつもりが始まったのか…萎え
77風と木の名無しさん:04/10/30 00:14:49 ID:Id8ZWZU2
>76
もうとっくに終わってるよw
78風と木の名無しさん:04/10/30 00:48:50 ID:G4MQburN
さて、その議論ですが
該当スレで素敵にスルーされていますね。
他人事か…
79810:04/10/30 01:38:58 ID:BcncK7ef
ここで全部みれるのがいいなあ。
一応伏せ字にはしてるんだし、いいとおもうんだけどね。
マターリと「今日はなんのジャンルのがあるのかなー
最近100-1がおおいなあ、萌えてる人おおいんだなー」とか
思いつつ読むのが好きだったので、こういう流れは
ちょっと寂しい。
80風と木の名無しさん:04/10/30 01:39:27 ID:BcncK7ef
変な名前が…すんません
81風と木の名無しさん:04/10/30 01:50:49 ID:g3TLfCYE
ナマは伏せ字推奨、とは言ってもここは801板だからなぁ…。
人目に付きにくいように努力することは大事でそ。
塚、確実にログが残る2ちゃんで安易にうpるのはヤヴァイと思うぞ。

>78
ホントだ、スルーされてる…。
でも議論するならスレに貼ってあるリンク先でやるんじゃない?
この様子だとこのままなかったことになる可能性大だけど。
82風と木の名無しさん:04/10/30 01:53:37 ID:7IWK5gh6
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 以上、再びネタでした
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 最近同じネタが多いね。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
83風と木の名無しさん:04/10/30 09:06:47 ID:/6yUSeWy
>73
仕切り攻めってちょっといい…どんなんだろ
脚の位置から当日の下着までうるさく指図する攻め?
84風と木の名無しさん:04/10/30 09:41:04 ID:QBi9O4Eu
仕切り受けにもちょいと心惹かれるな。
マグロ受けの逆か?w
85風と木の名無しさん:04/10/30 12:57:26 ID:X2rq74rI
>>78
100-1SSにも議論にも興味なくて該当スレも見に行ってなかったけど
スルーされてるってビビった(゚∀゚;)
一番興味を持つ人が多くて歓迎される筈のジャンルスレで他人事扱いされるってオイオイ
・・・・初めて見たよ。
86風と木の名無しさん:04/10/30 13:42:33 ID:A4gm0yvN
>85
>一番興味を持つ人が多くて歓迎される筈

801萌え=同人活動では必ずしもないから
本体そのものが好きで実際の言動や行動には萌えるけど
本体をネタにした二次創作には興味がないし見る気もない
って人にとっては他人事なのでは。
ゲイニソジャンルに関わることって意味では
ゲイニソスレかヨツモトスレの方が良いのかもね。
87風と木の名無しさん:04/10/30 14:04:57 ID:pYj5IXyJ
いやもうだからさ。よそのスレの事まで口出ししなくてもいいでしょう。
話し合う気が無いならそれでいい。放っとけ。
その結果同じように投下されようが自業自得。

ここは何でもあり。ただし必要に応じて伏字推奨。
それで不十分だと思うなら使うのを止める。
ナマの危機感を訴えてる人はここをナマ禁止にするんじゃなくて
そのスレでビデオ棚(というか2ちゃん)投稿禁止にしろって。

…と未だ強情に持論を唱える真面目受けの胸倉を掴む強引纏め攻。
「ここがまだどこだかわかってないようだな。ここでは全てネタに(ry」
怯えるように震える身体を無理矢理に開き衣服を剥く。
「いや……ッ」
弱弱しい声を掻き消すように周りからも甘やかな声が零れ始めていた。

 ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ハイハイ以上、ネタでした
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
88風と木の名無しさん:04/10/30 16:27:28 ID:492hbfRg
あのスレで議論も興味も無くスルーされてるっていうのは、
>50が言うように「該当スレ住人はSSにあまり好意的ではない」からなんだろうね。
「興味のないものにはスルー汁」っていうコトがあのスレ住人にできて
こっちのスレ住人に出来てないってのがw
89風と木の名無しさん:04/10/30 18:23:03 ID:erY//mA/
('A`)
90風と木の名無しさん:04/10/30 22:12:10 ID:fiYiWAn/
71 :風と木の名無しさん :04/10/30 18:11:59 ID:PnkkIhZh
ビデオ棚で引っ張るのは申し訳ないからこっちに書く。長文ごめん。

まだ見てくれてるかわからないけど、ビデオ棚スレ住人へ。
「該当スレ住人はSSにあまり好意的ではない」を少し詳しく。
ここは、スレへのSS投下が原因で荒れたことが過去に何度かある(>>1
にSS投下禁止を書くようになったのもそのため)
ナマモノなんだから2ちゃんに投下すんなよ&ここでは萌え語りしたいだけ
SSなんか要らん連合(大多数)VS萌えるからいいじゃん(少数)で荒れた。
それを何度か経て、現在ではビデオ棚に投下されたSSに関してここで
触れることさえ嫌がられるほどになった。
パッと見は同じ対象に萌える同じスレの住人だが、大ざっぱに分けると
二派あり、その間にはかなりの溝がある。簡単に言えば、ナマモノとして
最低限の認識をしているか、ナマモノの危機意識が低いかの差。

また、以上のようなことから、このスレとしての結論は既に出てる。
2ちゃんに投下するな。SS書きたい・読みたいならちゃんとしたサイトでも
作ってそこでやれ、と。
>>54はその辺りの話し合いの場でもあったようだけど、結果的にはSS
書きらはビデオ棚への投下を選択した。
再び話し合うなら、焦点は「アップローダーなりサイトなりを用意するか
どうか」になるが、SSに対して否定的な住人が大多数を占めるここでは、
当事者であるSS書き・読み手が出て来ない限り、スルーされる形になる
のは仕方ないことかと。

このスレをざっと見ただけなら呆れられたりビビられたりするのもしようが
ないとは思うけど、こういう背景があることも知ってもらえたらと思う。
91風と木の名無しさん:04/10/30 22:20:55 ID:0lwsoRRh
わざわざ言い訳を貼りに来るな。
せめて面白いネタにする努力くらいしる!

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 | |                | |           ∧_∧ はい強制終了!
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92風と木の名無しさん:04/10/30 22:32:20 ID:Ktn1tbGP
(・∀・)おまえら俺のビデオに何か文句が?
    これからも好きなビデオを見るカラナ
    もちろんおまえらにも見せてやるカラナ
    苦手なジャンルの時は外で遊んでこい。
    さ、次は何にしようかな〜
93風と木の名無しさん:04/10/30 22:46:01 ID:837S1Rmu
ナマモノネタ禁止とはなってないんだからもうやいやい言うなよ。
伏字もちゃんとしてるし同ジャンルの連続投稿には気をつけてってことで。
興味ないときはスルー汁。
高校白書書いた方、ほんとに素晴らしい文章だったんで
これからもがんばって!!楽しみにしてます。
94風と木の名無しさん:04/10/30 23:02:02 ID:QBi9O4Eu
同意。連投注意ってことでいいじゃん。

またイ士事人書きの姐さん来ないかなあ〜
95風と木の名無しさん:04/10/30 23:20:56 ID:s8Y2Od2f
>>90
わざわざ経過を教えてくれてサンクスです。

>>93
58で本人がすでに投下は控えるとFA出してますよ。
というか、いくらなんでもこれ以上うpしないでしょう。
やったらマジで最低だって。
ジャンルスレを荒らし、このスレを荒らし・・・。
しかも理由がサイトを作る気力がないからってあり得ない。
96風と木の名無しさん:04/10/30 23:38:33 ID:nM0KKSw+
>>93に同意。
興味ないならスルーってテンプレに追加する?


>>95
フィッシングなら別の場所でやってください
97風と木の名無しさん:04/10/30 23:44:05 ID:y6upvhgx
興味ないならスルーもだけどさ
あんまり目に余るようなうp行為も自粛するってテンプレに入れようよ。

・連続うpは常識の範囲内で(過度のうpはうざがられます)
・興味のないジャンルは基本的にスルー

こんなところでどうかな。
98風と木の名無しさん:04/10/30 23:47:42 ID:y6upvhgx
ちょっと改定。

・連続うpは常識の範囲内で(過去に何度も荒れた経緯があるため)。
連載や何度もうpするならサイトやうpロダを借りるのも考慮してください。

こんな感じの方がいいかな。
99風と木の名無しさん:04/10/30 23:48:17 ID:7o5wQiXH
一時期あきらかに閲覧人口そのものが減っていた理由は
連投だったのかナマモノ問題だったのか、実際のところどっちだったんだろ。
元ネタに関係なく感想レスが少ない時期、あったよね。
100風と木の名無しさん:04/10/30 23:52:27 ID:XX6MuCIv
>93
ああもうすっげえ同意。
ここでは連投だけを指摘すべきだったのに話逸れすぎ。

該当ジャンル、その他のSS書きさんも頑張って下さい。
自分は>29の続きが気になっているw
あとZロリの姐さんも来ないかなー。
元ネタ知らないけどどのジャンルも楽しませてもらってます。

>97-98
改定、いいと思うよー
連載はどうなんだろ・・・

101風と木の名無しさん:04/10/30 23:54:29 ID:UT02eSJo
>97-98
それいいね。
次のテンプレにその二つを入れるのに賛成。

なんつぅか、サイト作ればそこで誰にも文句言われずに
好きなだけSS書けるんだから大量になるなら
そうした方がいいよな。


102風と木の名無しさん:04/10/31 00:58:43 ID:DQ/bMgsU

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧  間違えた、これはさっき見たビデオだったね。
 | |                | |     ピッ   (・∀・; ) 次はちゃんと新しいビデオを見よう。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1031/2:04/10/31 00:59:28 ID:zLDTZ3vi
元ネタは某歴史半ナマですが史実ネタ補完するうちに別モノになったので
該当スレではなくこっちに投下。
時代は爆松。師が年上、青年は歳下の弟子。後は適当にドゾー



「先生、足元お気をつけて。」
暗い道行きに提灯を差し出して一声を掛けると師は上機嫌に頷く。
「おう。」
暫くの間、他に遣わされていたので師と共に歩くのは久方ぶりである。
少し先に立って歩きながらちらりと手元を盗み見た。

この師には何でもかんでも隠す癖をお持ちである。
残った菓子や紙屑、柔い花弁から果ては箸置きまで。
手が空いていて触れたものがあればつい握ってしまうらしい。
そしてそのまま袂に仕舞いこんでしまわれるのだ。
普段つんと澄ました顔をしているくせに子供か動物のようだと青年は密かに思う。
人聞きにあまり裕福な子供時代では無いとの話を聞いた事があるがそれが原因かは知らない。
青年にはたいして興味の無く、ただただ愛らしいと思うばかりである。
今日も懐手にされて、一体何をお隠しになったのか。
それを思えば自然と口元が緩んだ。

「おい。」
不意に声を掛けられて少しばかり疾しい青年はびっくと肩を揺らした。
「はい、何ですか先生。」
「少し冷たくなってしまったがお前にやろう。」
犬か猫にでもするように指で招いて青年の掌に与えた物は小さな饅頭である。
確かに師の言う通り少し冷たくなってはいたが餡子の重みがずしりとする高級品である。
「要らんのか。」
呆気に取られていると焦れたように師が問う。
「いいえいいえ。戴きます。」
慌てて青年が受け取ると師はいたく満足げに頷いた。
1042/2:04/10/31 01:00:47 ID:zLDTZ3vi
以前これも人伝に、この師は青年ら門下の者を駒と見ている聞いたことがある。
けれど今晩のこれには少しも高慢な風情など無い。
それどころか餌付けに成功した子供のようににこにことして、何と微笑ましい事か。
(言の葉とは、何とも軽き物だろう)
実際師は随分と損得勘定の巧い人間であったしあの忠告は違っていなかった。
けれど、人は変わるのだと青年は心の内で呟く。
空の色が変わるように月が満ちるように。
不自由が増えた生活の中で少しずつ師が皆を気遣うようになったのを青年は知っている。
「数が無くて、お前だけだからな。他の者には内緒にしておけ。」
「ええええ!私だけにですか?」
思いがけぬ言葉に素っ頓狂な声を出した青年を見て師は少しだけ笑う。
「ああ、お前だけだよ。次は皆にもきちんとした土産を買って帰ってやろうな。」
普段は怖いほどに美しい師の顔が悪戯めいて幼く笑う。
こんな夜に限って月の光は煌々と照っている。
だから、青年は赤い顔を隠すのに四苦八苦して帰っていく羽目になってしまった。
105風と木の名無しさん:04/10/31 22:25:18 ID:HCT5Xmj7
終わってるなら終わってるでストップAA貼ってくれないと感想とか
次の人が書けないじゃないか。
スレを占有してるも同然の行為だと思うぞ。
何のためのテンプレだよ。
106風と木の名無しさん:04/10/31 22:29:30 ID:DQ/bMgsU
>>105
2/2って書いてるんだから終わってるって分かるだろ。
AA貼るのは義務じゃないんだから、絡むなよ。

とマジレスしてみる。
>>103元ネタは分からないけど、弟子に萌えさせて頂きました。
可愛いな
107風と木の名無しさん:04/10/31 22:54:24 ID:q+fjCu6l
でもなんとなく尻切れトンボ・・・
108風と木の名無しさん:04/10/31 23:32:57 ID:tSRkR+k4
>>106
たまに当初の予定とずれて2/2で終わらなかった、と続く場合も
あるから、やっぱりエンドマークはつけて欲しい。
>>103−4はなんとなく続いてもおかしくない締め方だし。
109103-104:04/10/31 23:51:22 ID:Wp1Sy3B1
何か自分の不手際で揉めてすいません。
昨晩はちょうど規制に引っかかってたから携帯に転送後投稿しました。
AAも同じように転送したら崩れ&文字化けでどうなるかわからなかったので省略した次第です。
注意書きによれば義務ではないのでわざわざ事情説明するのも鬱陶しいかなと省略しました。
終わり方もエンドマークを付けないのも特に意図したことではなくただの癖です。
というか、以前のここは1レスの尻切れやポエムなどもあり適当に入り乱れていたので「続くかも」と
控える方がいらっしゃるのは正直考えもつきませんでした。

空気を読めない戯けはこれを以って引っ込ませていただきますのでどうかこのネタここまでに。
110風と木の名無しさん:04/11/01 00:08:14 ID:9kllCyMX
>>109
いんや、お気になさらず。
揉め事があった直後で皆神経過敏になってるだけでしょう。

同じく元ネタは知りませんが萌えさせて頂きました(*´д`*)
111風と木の名無しさん:04/11/01 12:32:26 ID:dn2ztQ7w
>>109
そういう事なら仕方がなかったですね。
でもせめて最後一行に「終わり」とか「END」とか入れておいて下されば
良かったのでは。と思いました。
次からテンプレAA使わない人はそうゆう配慮をしていただけると嬉しい。
112風と木の名無しさん:04/11/02 18:11:01 ID:zwfHcYNN
じゃあそんな訳でいいですかね。
次の方ドゾー。
113風と木の名無しさん:04/11/04 16:15:00 ID:3pegIWlx
レス大量に増えてると思ったら荒れた挙げ句に止まってたのか……
100-1を毎週の楽しみにして仕事してたのにガッカリ。
ここって他人が書き捨てたものを気軽に勝手に覗いて勝手に楽しむスレだと
思ってたけど、最近読み手の注文が多すぎだよ。
ネットに潜られたらもう読めないんだなぁ…
どうしても読みたかったら自分で捜せとか言わんでくれよ…
114風と木の名無しさん:04/11/04 20:42:43 ID:jldlJa/i
続き書いたけどチョト投下しづらいって姐さんがいそう。。

なんでもありだから「探すほどでもないが、見たい」
「全然興味無かったが、試しに読んでみようかな」
という微妙萌えが楽しめるとこもここの良いとこだよね。
ただでよろず読んでるようなもんだ。
実はこのスレでの萌えが高じてはまったものがあったり…。

個人的には遠慮しないで、続けて続けて。って感じです。
なんでもどーんと恋!
115風と木の名無しさん:04/11/04 21:08:21 ID:gIH2EPvA
次の神降臨にそなえ保守。

ちょっと珍しい〜ここ以外じゃ見ないような作品のSSが集まるのが面白いよね。
ジャンルもアヌメ・ドラマ・映画・小説etcと見事にばらけてるし。
なんか中規模のイベ会場(BSとかでなく文/具/協/和あたり?)での
完全ノンジャンルの即売会みたいなイメージだ。
スタッフは全員モララーのTシャツ着用で。
そうなるとかのホワタワ姐さんとかは壁際か?w

スマソ。板違いになってきた。
116風と木の名無しさん:04/11/04 21:08:30 ID:UYX3UKFO
青春白書の姐さんの文章が萌えだったよ。すごく続きが気になってる。
あの流れじゃ、他のシリーズっぽくなってた話を書いてた書き手さんも
遠慮しちゃって投下できないんじゃないのかな。
自分も続けてホスィです。
毎日わくわくしながらスレ覗いてたよ。
117風と木の名無しさん:04/11/05 00:00:14 ID:2oRKheE5
自分もナマモノ萌えじゃないけれどあれには萌えました。
落ち着いた頃に少しずつこっそり投下してくださいね。
118風と木の名無しさん:04/11/05 00:04:05 ID:tfgZVQfe
神光臨待ちの保守。

しかし何でそんなに連投を嫌うのかな・・・
割り込みとか、前会ったような勝手に続きを書くとかじゃなければ
むしろどんどん投下してくれるのは喜ぶべきでは?
同ジャンルが続こうと気軽に投下してもらってこそ成り立つスレだと思うんだけどな・・・

まぁ、それはさておき>>115姐さん
凄く的を射た例えだw
119風と木の名無しさん:04/11/05 00:15:37 ID:ZSUERlvd
また投下されたら蒸し返されて荒れるのかなぁ。
うんざり_| ̄|○
120風と木の名無しさん:04/11/05 00:29:01 ID:r6OXsu1n
>>113
>>116-117
ttp://jbbs.livedoor.jp/movie/4767/

そんなに気にいったんであればこちらへドゾー
ここでは続けにくいでしょうが、管理十分なサイトを用意してあげれば
書き手さんも投下してくれるでしょう。誰か設置ヨロ
121風と木の名無しさん:04/11/05 00:31:44 ID:r6OXsu1n
クッキー切れでageてしまった。
120は小説を発表するサイト設置についての話の続きをおながいします。という意味です。

122風と木の名無しさん:04/11/05 00:40:53 ID:fotY/R5x
>118
でも実際、連投反対派の人は連投が始まるとROMに徹して書き込まなくなるから
別ジャンル投下してもレスがつかなくなる。
遠慮なく投下してとは言っても、人がいないのをわかってて書き込む気にはなれないよね。
だから連投が一段落するまで投下を控える→さらに過疎、なんじゃないかな。
別ジャンルにもどんどんレスがつけば連投にもならず、本当の活性化になるんだろうけど、
もともとマターリスレだからな…
123風と木の名無しさん:04/11/05 00:59:28 ID:GRa/Dm/n
と言うか……背の高い方はともかく小さい方で801って気持ち悪い。
うっかりここでSSを読んじゃってからテレビで小さい方が出てるとチャンネルかえてる。
他のルックスの良い役者さんの801SSは平気だから
あの猿みたいな顔でのエロ描写を生理的に受けつけないんだろうな……。


124風と木の名無しさん:04/11/05 01:06:25 ID:bTPV09E7
    ∩___∩           |
    | ノ\   ,_ ヽ      |   
   /  ●゛  ● |         |
   | ∪  ( _●_) ミ       >>123 
  彡、   |∪|   |       J
 /     ∩ノ ⊃  ヽ
 (  \ / _ノ |  |
  \  "  /  | |
   \ / ̄ ̄ ̄ /
125風と木の名無しさん:04/11/05 01:08:51 ID:GRa/Dm/n
>>124
マンセ-以外の意見は書いちゃいけなかったのか…?
正直な意見を書いたら釣りと言われてもな……。
126風と木の名無しさん:04/11/05 01:10:33 ID:WOnKLXOB
>125
('Д`)
127風と木の名無しさん:04/11/05 01:15:45 ID:Xu51jcdR
>124
私もそのAA貼ろうと探してたとこだよ。
128風と木の名無しさん:04/11/05 01:16:18 ID:PaCiJu2o
最近どのスレ行っても遊び心や萌え心がお留守のかたが増えたような…?
カオスでマターリ・萌えに貴賤は無い、が801板の心得だったのにw
129風と木の名無しさん:04/11/05 01:18:52 ID:8LmbO/q9
>123
リアルで岡/村本人と知り合いなので気持ちはわかるが
萌えてる姐さんもいるにはいるんだから
そういうことは書かないほうがいいと思われw

萎え系の吐き出しをしたいなら萎えスレとかに行ったらいいよー
130風と木の名無しさん:04/11/05 01:22:43 ID:Ej5lC7y8
自分は>129も微妙だと思うわけだが
131風と木の名無しさん:04/11/05 01:24:26 ID:0elJfI0D
あんさんも微妙にいらんこと書いてるが、IDが100-1なのは見事だ。

しかし、ここ本当は結構人いたのね。
132風と木の名無しさん:04/11/05 01:26:36 ID:dVGCgYz5
>>129は知り合いが801のネタにされるという意味で、
「気持ちが悪い」という気持ちが分かると言ってるんじゃないだろうか、
とフォローを入れてみる。

でもまぁ、余計ダガナー。
ネタ投下待ち...
133風と木の名無しさん:04/11/05 02:54:31 ID:KqNDVlod
>>122
そんな解釈が有ったのか! そんなん全然考えないでここ読み書きしてた。
自分が前に投下した時にはたくさんレスを頂けたけど最近出したのには少なかったのを、
単にツボ同志w が少なかったんだと思ったよ。
下手書いちゃったってのも有ろうし、ジャンルの盛衰も有るから今さらそれを読みたい人
少なかったんだろうなーって。
あ、あと続きが有りそうだと先を読みたい人が積極的にレスするよね。
ぴしっと完結してると、どーせ読めちゃったんだから作品は気に入ってもレスを
書く手間まで取らないとか。
最後のが有るから、連載形式は嫌われるのかとちょっと思ったり(「ズルい」感じ
がするんじゃないかと)。
134風と木の名無しさん:04/11/05 04:46:20 ID:Iavjt1gx
えーっと、あれ何だっけ
ほら、気に入らない物をさ見ないようにする行為
ぬるー、じゃなかった、
ええと
ああ、そうそうスルー、スルーだよ

自分の萌えは誰かの萎え、自分の萎えは誰かの萌え
それを心に決めて萎え発言は萎えスレに
135風と木の名無しさん:04/11/05 10:16:38 ID:Ob42eYQQ
うん、ヌルーが1番いいよね





                      ぽ
136風と木の名無しさん:04/11/05 10:55:50 ID:BKbHsph6
神光臨キボン!

待っている人がいるんだけど…
もう来ないかな?
D・V・DのCMのせいで再燃してるんだよなぁ…
137風と木の名無しさん:04/11/05 12:29:51 ID:Mkwybquu
なんというか100-1書きの姐さん達がこれで今後、
書き込みにくくなってしまうには理不尽な気がするんだよね。
だからこれからも元通り頑張って欲しいと思う。

自分はジャンル者ではないけどここ覗くようになって
今前考えてなかった萌えに出会えて楽しんでたよ。
もちろんそうじゃない人もたくさんいるのはわかるけど
ここはそういう出会いの場所でもあると思う。
まあなんだ・・・とにかくスルーで。

>135
ガッ
138或るサロンの風景:04/11/05 15:42:46 ID:B+4pUkhr


 ____________
 | __________  |     ループに飽きたからネタにしちゃったぜ!アヒャ!
 | |                | |     
 | | |> PLAY.       | |     ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


イメージは各国のエリートが集まる上流階級サロン。
フィクションですので実在の職人や神には関係ありませんよ。

139風と木の名無しさん:04/11/05 15:43:50 ID:B+4pUkhr
―1
「無知の知という言葉を知っているかい。」
アゼルはすっかり閑散としたサロンの窓際でそっと囁くように私に尋ねた。
「無知の知、かい?無知であることを知っている…ということ?」
「そう大体それで間違っていない。」
子供に物を教えるかのように優しい口調でもう一度囁いた彼はまたサロンに視線を戻した。
「もう少し有態に言ってしまえばね、弁えるという事だよ。
このサロンは聴き手にも語り手にも何ら制限を設けては居ない。
だから嗜好が異なることがあって当然なのだよ。
そしてそれは何人にも責任のあることでは無い。それは、わかるね?」
「勿論わかるよ。どうしてそんな当たり前の事が無知の知に繋がるんだい?」
急いて先を促す私の唇をそっと人差し指で押さえてアゼルはおかしそうに喉を震わせた。
「君は……全く堪らない。日本人は皆そうなのかい?
皆が君ほどに心の広い人間ならここもいつまでも賑わっていただろうに。」
「意味がわからないよ。この程度の良識はここに通う年齢ならば当然だろう。
それよりも話の続きをしてくれ。」
「……オーケイ、話の続きだね。」
芝居がかった仕草で彼の細く美しい指先は部屋の一角を指し示した。
それが新参者たちのいるスペースだと気が付くと意識せずに眉間に皺が寄せかけてはっとした。
――私は心が広くなどない。
誰でも受け入れるということがこのサロンであるのに私は心ひそかに彼らを憎んでいるのだ。
「近頃はこのサロンの住人の質が落ちたとしか言いようがないね。
彼らはまだここに来るには早すぎる。ママに絵本を読んで貰っていた方がいい年齢だ。」
「……アゼル、声が大きい。」
「いいじゃないか。聞えたって構わないよ。君はブレーズ兄弟の事を忘れたのかい?」
「忘れたわけじゃない。ただあれは…。」
「そう、確かに多少目につくところはあったかも知れない。
だが彼は追放されるほどのことをしたか?否、だ。」
二度とここに来る事はないと言った友人らの寂しげな顔を思い出すと胸の奥が痛んだ。

140或るサロンの風景:04/11/05 15:45:06 ID:B+4pUkhr
−2
100-1会のブレーズ兄弟は大変に話題の豊富な語り手であった。
ただその話題は少々デリケートな物が多く同志の者たちを多少脅かせてもいた。
『こんなところで気軽に語るべき話題では無い。当局に通報されたらどうする。』
『神経質過ぎるのではないか?暗号を使っているだろう。』
『暗号なんて破られるに決まっている。控えるべきだ。』
『それなら同じ館の100-1号室で同じ暗号を用いている議論はどうなんだ?それも止めるのか?』
あの時もアゼルは冷たい目をしてこう吐き棄てた。
「馬鹿馬鹿しい。」
そう言えばあの夜の彼は珍しく酔っていた。
冬眠し損ねた熊のように部屋をぐるぐる歩き回っているのを宥めるのには酷く苦労をした。
「当局の取り締まりなんて今に始まった話じゃない。
問題はどこで割り切るのか。それならこのサロンは暗号を使うというルールがある。
つまり100-1会のメンバーがここへの出入りを禁じるのは自由だ。
だがこの部屋のルールにまで口出しをする謂れは無い!」
「アゼル、また声が大きくなっているよ。
それにあの時そんな馬鹿らしい提案をした者たちがどこのメンバーなのかは永遠にわからないことだ。」
「だからそれが余計に腹立たしい!彼らは身元を隠しまた偽って人を傷付けたのだ。
ルールに則っていたブレーズ兄弟を責め、その上100-1会の話題ばかりだと文句を付けるなんて!」
アゼルの声は先程よりも一層大きくなっていたが今度は窘めなかった。
その憤りは私にも、いやこのサロンの住人たちにすれば至極真っ当な怒りであったからだ。
確かに糾弾者の言うようにここ暫くはブレーズ兄弟の独壇場であった。
だがそれが何だというのだ。それだけ彼らの話題が豊富で聞き手が多かったというだけだ。
正直な話、自分にはとても付いていけない話題が続く事もままあった。
そんな時アゼルや私は輪の中心に居る語り手の話を黙って聞いた。
聞くのも今一つ、という時は話をしている者らの邪魔にならぬように部屋を出て別の部屋に行ったり
別の一角で自ら好む話題を細々と続けて遣り過ごしたものだ。それなのに彼らは…。
141風と木の名無しさん:04/11/05 15:46:21 ID:B+4pUkhr
―3
「結局ね、奴らは無知の無知という奴だ。自分が無知である事を知らないんだよ。」
まるで私の思考を呼んでいたかのようにアゼルが憎憎しげに呟いた。
「語り手の話題や話の長さに注文を付けるなんてなんという図々しさだ。
挙句の果てに空気を読めだって…」

「そんな事言ったってつまんないんだからしょうがないだろ!」
「そうそう。俺たちは正直な感想を言ってるだけなのに何が悪いんだ?」
「もっと空気を読んで俺たちが喜ぶように語ってくれないと困るよな。」
ゲラゲラと子供じみた笑い声が響きこちらを嘲笑うかのような言葉が続いた。
横で拳を握り締めたアゼルを軽く制して新参者から目を逸らさせる。。
「放っておけよ、アゼル。怒るだけ損だ。」
「だってルール違反じゃないか!いや、ルール以前のマナーの問題だ。
正直な感想なら僕だって奴らに言いたい事がいくらでもあるよ。
この部屋で語られる言葉は等しく語るという事だ。語りは批評してもいいんだろう?
それならあの品の無い頭の悪さが滲み出るような言葉と言ったら何だい。
君の批評はつまらないから引っ込んでくれないかってね!」
「……アゼル!」
堪らずに背丈のある身体を抱きこむとさすがに気勢を削がれたのかアゼルはゆっくりと溜息を吐く。
「すまない…。」
「いや、構わない。たださっき言った通りだよ。怒るだけ損だ。
あの感覚の侭でこの年齢まで育っているんだ。今更他人の私たちが言って治ると思うかい?」
「……いいや。」
白けてしまったのは向こうも同じなのだろう。新参者はふんと鼻を鳴らすとこちらに背を向けた。
「悔しいけれどね、無駄な事は遣らない方がいい。」
私は自らにも言い聞かせるように呟いた。そう、悔しいのは私も同じである。
先日は古い友人のクラークが些細な慣習と違っていたというだけで責め立てられていた。
気の良い彼は丁寧に詫びた後にやはりもう来ないと寂しげに笑った。
142或るサロンの風景:04/11/05 15:48:30 ID:B+4pUkhr
―4

このサロンはいつからこうなってしまったのだろうか。
語り手は優遇されない。代わりに聞き手も優遇されない。
与える者と求める者の気持ちが重なる、そんな幸福を待つのを時代遅れだと新参者は笑うだろう。

近頃の私は嘆く事にも疲れて夢想をするようになっていた。
己の求める物が与えられるのが当然だと口を開けている新参者のこれからを。
注文を付け命令し続ける彼らに呆れた者はきっと次々にこのサロンを離れるだろう。
そしてその中にはアゼルのように神だと崇められた語り手も居る。
語り手の消えた部屋で取り残された者の注文の声だけが時折行き来するのだ。
その残された者たちは願わくば贅沢に慣れた新参者だけであることが好ましい。
彼らを罰したいわけではない。
埃を被った部屋で交わされる言葉は空々しいほど美しいでは無いか。

友人らと共に語り合ったこのサロンが寂れるのであればそれは悲しい。
けれど名だけ冠して変わっていくよりはきっとマシであろう。
語り手が居れば、そして良心的な聞き手がいればいつかどこかでサロンは再開される。
――なるようになればいいし、なるようにしかならないんだろう。
そう思えば不思議なほど心は静かに落ち着いた。

「なあ、アゼル。新しい話を聞いてくれないか?君ほど上手では無いけどね。」
アゼルの灰褐色の瞳が見開かれてすぐに笑顔に変わる。
「勿論だよ。是非聞かせてくれ。善三の話を聞くのは久しぶりだ。」
頷いて、私は私の話をゆっくりと始める。拙いとまた罵られるだろうか。
どうでもいいと思った。私は別に彼らのために話をするわけでは無いのだ。
空はどこまでも青くどこかで雲雀が鳴き、私の隣には話を聞いてくれる友人が居る。
――今日は素晴らしい日だ。
私は心の中でそう呟いてそっとアゼルの手を握った。
143或るサロンの風景:04/11/05 15:49:13 ID:B+4pUkhr




 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 終わりモラ!
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

144風と木の名無しさん:04/11/05 15:58:08 ID:+xL/ubJp
スルー汁と言ってる側からネタにして
いつまでもずるずる引っ張ってるスレはここですか?(゚∀゚≡゚∀゚)
145風と木の名無しさん:04/11/05 16:20:31 ID:Y086mXlc
ここです。間違いありません。
146風と木の名無しさん:04/11/05 16:37:52 ID:tfgZVQfe
つかここの書き込み全部ネタですから。残念
147風と木の名無しさん:04/11/05 18:10:54 ID:6QCCGuBz
住人もネタですから、切腹。
148風と木の名無しさん:04/11/05 18:33:31 ID:jlnGi/fJ
戯多亜侍ネタきぼん。
149風と木の名無しさん:04/11/05 20:30:43 ID:qM9RJBVM
荒れてた時の鬼畜SSスレのような展開になりつつあるねぇ。
>138-148みたいなのは、ここはネタスレなんでもありと言っても、
なんだか嫌ーな感じ。
150風と木の名無しさん:04/11/05 20:39:00 ID:KcfLgu+C
もーしょうがないなあ
わかった、各自自分の好きなシチュでいくべ

             記

とき        夕暮れの教室
ところ       普段それほど話さない2人
持っていくもの  食べかけのおやつ

B君はあまりの空腹に普段は話さないA君(のおかし)を見つめてしまう…?


151風と木の名無しさん:04/11/05 21:00:56 ID:ZznpEmu2
ビデオ棚って801板にはないと困る大変重要なスレだしょ?
全部水に流していつもの空気に戻れないもんかな。
152風と木の名無しさん:04/11/05 21:35:36 ID:ShfnrgMj
このスレは萎えるためではなく萌える為のスレです
図らずも萎えてしまった方は別スレへ移動願います
姐さん方、この板は*大人用*ですよ
大人な態度でどうぞ。
153風と木の名無しさん:04/11/05 21:42:39 ID:JbWyLHUv
>138
面白かったーw
何でもネタにできるたくましさと遊びゴコロと職人芸。 GJ!

悪貨は良貨を駆逐するという諺を思い出しちゃった。
154風と木の名無しさん:04/11/05 21:46:01 ID:ptbPmPex
>138-143
ネタに昇華してるんだからいつまでも議論してる香具師らよりもよっぽどいいよ。
ていうか普通に面白かった。Gj!
155風と木の名無しさん:04/11/05 22:51:42 ID:81QlRpzX
>138
姐さん(゚д゚)ウマー
職人技ですな。また何か投下してくれると嬉しい。

この空気を打破できるのはネタやSSの投下再開しかないと思うよ。
議論する間もないくらいの投下キボン。
156風と木の名無しさん:04/11/05 22:57:22 ID:sJm5woAX
>138-143
良かったよ、面白かった。
ネタにするにもこういう昇華の仕方があるんだね。
GJ!
157風と木の名無しさん:04/11/05 23:20:48 ID:+nERf8p3
>138-143
姐さんすごい、ちょっと感動した(´д`)
極めて良質な説話だと思う。教訓が解りやすくてイイ!
この調子で皆ガンガン投下出来たら良いね。
158風と木の名無しさん:04/11/05 23:21:30 ID:ptbPmPex
今度から揉めてたら悪い子はヤオイにされっぞ〜と生ハゲのように脅かす?(w
この手のネタが出る状況は荒れているということで望ましくないけど次回を楽しみにしてしまいそう。
勿論他の方の作品投下も心待ちにしてます。どんどんドゾー↓
159風と木の名無しさん:04/11/05 23:45:15 ID:3RLJWKak
>>138-143
いやもうアレとか関係なく、文章が美しい。すげえ。
16010:04/11/05 23:48:05 ID:fnEYwbBZ
>>138
GJ!GJ!GJ!

まさに悪貨は良貨を駆逐するという諺のままの状況にふさわしい
寓話に感動すら覚えました。悪貨が無くなることを祈りつつ
次のネタ投下を大人しく良い子で待ちます。悪貨退散!
161風と木の名無しさん:04/11/05 23:50:34 ID:fnEYwbBZ
あああ他スレのクッキー食い残し…。
このスレの10さんとは無関係です。お目汚しすいません。
162風と木の名無しさん:04/11/06 00:05:47 ID:O+6sMdAA
前スレが600番台で止まってて、次スレが出来てた事に暫くの間気付かなかった_| ̄|○
すんごい亀だが言わせてくれぃ
>23-27
gjgjgjgjgjgjgjgjgj
ハァハァ…
やばいくらい萌えです。まだコミクス買ってないし連載も読んでないんだけど、
一回だけチラリとキャラを見ただけの漏れですらこの萌えの嵐。
この二人に一瞬で的絞っておいてヨカタw
また気が向いた時にでもコレクション見せてくだちい。
163風と木の名無しさん:04/11/06 03:11:21 ID:SksTDL7n
遅レスだけど>103-104'`ァ (;´Д`) '`ァ
脳内で勝手に伊象とその先生に変換したことはひみつだ。
164風と木の名無しさん:04/11/06 16:04:47 ID:b7I+0SiB


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  公開中の 藁イの大 學 ネタです。
                   | ネタバレしているので注意
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  検閲官→作家らしいネ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ダイジョブ?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


直接ではありませんが、死ネタを含みます
ダメな姐さん方はヌルー願います
165風と木の名無しさん:04/11/06 16:10:17 ID:b7I+0SiB
1.

日に日に戦局は熾烈を極め、配給物資は滞り、人員は徴兵され続けていた。
駅前では毎日、出兵する兵士を見送る万歳の声が上がっていた。
だが兵士にもっとも適合する男たちはすでにおらず、日の丸小旗を振られていたのは、
まだ頬の赤い初等科の学徒や私と同年代の者達であった。
私が前線に送られなかったのはひとえに公職についていたからにほかならない。

ただ銃後といえど戦火の炎は降り注ぎ、五月の空襲で私は家財の全てを失った。
その日、私はたまたま非番で家にいた。十時過ぎの空襲警報がいったん解除され、
次の日に備え布団に入り寝入ったところに、再び警報が鳴り響いたのだ。
飛び起き、軍靴に足を突っ込んだ頃にはすでに焼夷弾の雨が降り注いでいた。
急ぎ署に駆けつけようと道路に飛び出すと、絞め殺される直前の鶏の叫びのような音を
立てながら火の槍が降ってくる。どぉんと一際大きな音とともに自宅の仏壇が火を噴い
たとき、わたしはこの家を諦めた。幸い両親の位牌は妻とともに田舎の実家に疎開させてある。

だが次の瞬間、私は煙の噴出す我が家に突入していた。
土足のまま炎にあぶられた座敷を通り抜け、自分の書斎へと駆け込む。
亡父から譲り受けた文机を乱暴に開け

放つと、引き出しの奥から一つの包みを取り出した。厳重に、幾重にも油紙で包まれたそれを手に、
私は煙の充満する書斎の中で上着の釦を外し始めた。腹にそれを保管し、文字通り肌身離さず護るために。

166風と木の名無しさん:04/11/06 16:13:54 ID:+c5wgeJ2
2.

これを燃やしてしまうわけにはいかなかった。これだけは喪うことはできなかった。
これは私のものではない。あの男からの預かりものなのだ。
いつの日か、あの男が帰ってきたときに、私はこれをあの男に還さなくてはいけないのだ。
炎が襖を舐め、じりっと項が炙られる。熱と煙に耐えながら私はそれを懐深く仕舞いこむと、
すでに炎の海とかしている玄関を諦め、窓を蹴破って庭へと転がり逃げた。
反射的に見上げた空にB29が飛び交う。その禍々しい銀の腹に赤く炎を反射させて。
このまま東京は焦土と化すのだろう。一瞬、諦観が私を襲った。
けれど私は死ぬわけにはいかなかった。
私が炎にまかれ焼け死んでしまえば、この腹に護っているものが。

――あの男への『約束』が。

しゃがみこんでいた脚を叱咤し、私は駆け出した。
どこへ逃げればいい。まわりはすでに火の海だ。炎と煙を

避け、風下へ風下へと走る。時折、逃げ惑う人々と何度も出くわしたが、
彼らもまた避難先を知らず右往左往するばかりであった。
熱風に煽られ炎を纏った木片が頭上を舞う。焼け千切れた電線が鞭のようにあたりをなぎ払う。
落ちてくる瓦をとっさに腕で払いながら、私は逃げた。途中、小さな貯水槽に群がる人々とでくわした。
水を頭から被る彼らに、一瞬、足が向きにかかった。
けれど私は水を被るわけにはいかない。未練を断ち切るように私は再び走り出した。
167風と木の名無しさん:04/11/06 16:15:12 ID:Dx0TRouX
3.

いくら油紙で包んであるとはいえ、私の懐にあるものは紙なのだ。破れたりそこに書かれたインク

が滲むようなことはできなかった。そうして一晩中炎と煙の中を彷徨い、茅ヶ崎にある叔父の家に
たどり着いたのは夜が明けきり昼にもなろうという時間だった。
一杯の水をもらい、死んだように眠った後、省庁へ出勤するため再び帝都に赴いた私の目の前に
広がったのはみるも無残な焼け野原だった。勤務の後、自宅のあった場所へ向かったが、
残されていたのは煤と土くれだけであった。
途中、あの貯水槽の周りに散らばる焼け焦げた死体に、私は護ろうとしたあの包みに
反対に護られていたのだと知った。あのままこの貯水槽にいれば私もあの一員となっていただろう。

生かされた。

それは確信だった。
私はこれを護り、そしてあの男にこれを返すために生かされているのだと。
あの男に、もう一度会うために。
168風と木の名無しさん:04/11/06 16:17:03 ID:Dx0TRouX
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |                スイマセン
 | |                | |           ∧_∧ イッタン キリマス
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
169風と木の名無しさん:04/11/06 18:07:22 ID:xRwn+2pJ
>164
萌!続き楽しみにしてます。

CMでも使われてる作家の方が先にちょっと笑っちゃうシーンが可愛くて堪らんばい>藁イの大学

170風と木の名無しさん:04/11/06 20:05:54 ID:o2+bMS/Q
>>168
ウマー!
そして萌え!
よい子にして、続きをお待ちしております。

  ∧_∧
 ( ・∀・) ドキドキ
 (  ∪ ∪
 と__)__)
171風と木の名無しさん:04/11/06 20:27:09 ID:hF9JSf5m


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  173の続きの藁イの大 學です
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  やはりネタバレ・死ネタありなので注意ネガイマス
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
172風と木の名無しさん:04/11/06 20:29:39 ID:hF9JSf5m
4.

皇紀2605年8月15日正午。
朝方から繰り返し予告されていた重大発表。天皇陛下御自らが全国民に大詔を
のたらませたもうたのは四年にわたるこの戦いの終結であった。
ただし、勝利、という形ではなく。
一段高く配置されたラヂオに低く頭を垂れ、最敬礼をもって拝聴する同輩達の
間から啜り泣きとも溜息ともとれる息が漏れる。玉音を穢すような行為は、
前日までであったのならば激しく糾弾され処罰されていたに違いない。
だがそれをするべき立場のものたちが、私の隣で密かな嗚咽を堪えきれずに
肩を震わせていた。
けして衝撃的なものではなかった。省内でもまことしやかに降伏の噂は流れていたし、
毎夜のごとく鳴り響く空襲警報や広島や長崎の落とされたという新型爆弾の威力も、
遠くない戦争の終結を予感させるに余りあるものだった。
ただそれでも。一億火の玉となって皇国が焦土と化すまでこの戦争は終わらないのだろう、
もはやこの国には草木の壱本も残らぬのだろうと、そういう思い込みがあった。
少なくとも自分は、まもなく死ぬと。
それは妄信でも、忠誠でもなく。
――ある男の戦死報告を確認した、あのときから。
173風と木の名無しさん:04/11/06 20:30:39 ID:hF9JSf5m
5.

ラヂオから雑音まみれの抑揚のない声が消えても、しばらくのあいだ私は最敬礼を解かなかった。
五分もそうしていただろうか。ぎしぎしと音を立てる腰を伸ばすと、まわりでは同輩達が
虚脱したように茫然と立ち尽くしていた。
彼らにかける言葉も意思も持たず、私はその場を後にした。
自然、足が向かったのは――長い廊下の先にある、取調室だった。
ひっそりと人気のないそこは時間に置き忘れ去られたかのように以前と変わらぬ静謐を保っていた。
ぽつりと中央に置かれた古びた机。
その上には――なにもない。
調書も万年筆も許可印も。
そう。
検閲するまでもなく、この国は芝居を上映する余力などとうに失っていた。
映画館や芝居小屋で上映されていたのは戦意を煽るための作られた時事通信だけ。
検閲課は縮小され、私も他部署へ配置換えとなった。
この部屋に足を踏み入れることすら久しい。

174風と木の名無しさん:04/11/06 20:32:15 ID:hF9JSf5m
6.

だが、何度も夢に見た。
この場所を。ここで執り行った仕事を。
何度も何度も夢を見た。
検閲し、意見を戦わせた。この場所で、あの男と。
上意下達が当たり前のこの場所で、ただ一人それに甘んじなかった男。
逆らわず、だが恭順もしなかった。
ただ私の命を逆手にとって、次々と新しい世界を生み出していった。
投げた石が湖面に次々と波紋を描くように、思いもよらない展開を見せ付けた。
あの夢のような七日を。


生まれて初めて心の底から笑った、あの日々。
生まれて初めて楽しいと思った、あの日々。
それを生み出したあの男との一週間。

あの素質を惜しみ、職務を越権した行為もした。
それが間に合わなかったと、あの男自身に示されたあのとき。
その徒足よりも、祝辞を述べる私を見つめたあの男の目に浮かんでいた諦観が、私を打ちのめした。
あんなにも諦めの悪かったあの男が。
どれほど虐げても決して挫けなかったあの男が。
全てを諦めて死地へと向かう。
こみ上げてきたのは怒りだった。
何故、この男が奪われる。
かの世界から。あの才能から。……私から。
175風と木の名無しさん:04/11/06 20:36:32 ID:hF9JSf5m
7.

男の目の諦観を払拭したくて、秘めておくつもりの事実を話した。
男がどれほどの才能を持っているのか。男がどれだけのことをしでかしたのか。
たった七日間で、私という人間を作り変えたのだと。
その証拠が、ここにある。この傑作を世に出すべきだと。
だから、戻ってこい   ……と。

あのときのあの言葉に嘘も躊躇いもなかった。
警視庁の真中、誰かに聞かれれば身の破滅だということも、どうでもよかった。
微笑んでくれたあの男の目とならば、何を引き換えにしてもよいと、そう思った。

ただあの男の帰還を待って過ごした四年。かいくぐり抜けた炎も煙も、ただひたすらそのために。
そして迎えた終結のとき。

だが、もう、遅い。遅い。遅すぎた。
あの男はもう帰ってはこない。本国へは。私の元には。

あの男の配置された部隊を追い、戦況を調べ。
それがわかる地位にあったことを、私は悲しめば良いのか喜べば良いのか。
私はもう待つ必要がない。私はもう待つことができない。

懐から肌身離さず持ち歩いている包みを取り出す。厳重に油紙に包まれた、私の拠り所だったもの。
私とあの男がつくりあげたもの。
私とあの男の、七日間の証。

「おでこでもほっぺでも、ちゅうさせてやるから……」

帰ってこい。
176風と木の名無しさん:04/11/06 20:39:16 ID:hF9JSf5m
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ナイヨウナイノニ ナガスギ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
長々と失礼しました
途中、途切れちゃったのもゴメンナサイ
177風と木の名無しさん:04/11/06 20:43:37 ID:o2+bMS/Q
。・゚・(ノД`)・゚・。

一回だけでいいから、チュウさせてください…
178風と木の名無しさん:04/11/06 22:09:56 ID:q1wDGe+/
元映画見てないんだが、泣けてしょうがない…。
映画見に行きたくなったよ。姐さん。
179風と木の名無しさん:04/11/07 01:58:16 ID:f5Cmrj7S
亀だが
>23-28
GJ!かなり萌えた。
鈍感なビィトに発達済みのキッス萌え。ハァハァ

閣下との初体験話楽しみにしているw
180風と木の名無しさん:04/11/07 02:18:22 ID:wAyrPC9L
>>171−176
映画見てないけど気になってきた(⊃Д`)ナケルー
ラストの一文が…
181風と木の名無しさん:04/11/07 02:33:32 ID:EqvG9Y+o
>171-176
映画版・舞台版どちらのキャストで想像しても
萌えるし泣けました。・゚・(ノД`)・゚・。
182風と木の名無しさん:04/11/08 04:43:46 ID:Ym92Bm2Y
 ____________
 | __________  |     金属ギアソリッド1、
 | |                | |     ヘタレ眼鏡博士陵辱ビデオだってさ
 | | |> PLAY.       | |     ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

183風と木の名無しさん:04/11/08 04:44:28 ID:Ym92Bm2Y
 彼は眼鏡のレンズ越しに、じっと己の手を見つめていた。
 左手に巻かれた白いハンカチ、その下には傷跡と呼ぶほどのこともない、ひきつれた皮膚があるはずだ。
 狼犬たちに残飯をやっていたとき、まだ仔犬と呼べるような小さな犬に噛まれた跡だ。狼犬たちの主、スナイパーウルフはその手にハンカチを巻き「後で医務室へ行っておけ」と静かに云った。
 深い傷でもない、人に見せるのも面倒だった。それともうひとつの燻る感情があり、エメリッヒは医務室へは行かずにそのままにしておいた。
 あれはどれくらい前のことだったか?ついこの間の出来事のはずなのに、随分と昔のような気もしている。この雪と極海に閉ざされた暗い島は時間の感覚を狂わせる。
 左手に巻かれたハンカチをほどくとエメリッヒの予想通り傷は殆ど塞がっており、生まれ変わったばかりの薄い皮膚がそこに張りつめていた。
 彼はしばらくその部分を見つめた後、ハンカチを丁寧に畳みロッカーにしまい込んだ。

 背後から兵士の声がかかる。
「博士、時間だ」
184風と木の名無しさん:04/11/08 04:44:58 ID:Ym92Bm2Y
 数人の兵士に連行され、地下基地へと向かう。拘束こそされてはいないがエメリッヒには抵抗するつもりはない、自分にその力がない事は分かっていた。
 地下基地で静かに起動の時を待つ最終兵器REX、それはエメリッヒが創り出したものだ。だが今はもう彼のものではない、数時間前に武装蜂起したテロリストに奪われた。
 エメリッヒはREXの開発主任としてテロリスト達に核ミサイル発射のプログラムを強いられていた。彼は一部の分野でのみ発揮される頭脳の冴え以外は、無力で只の痩せた男だ、逆らえるはずもない。
 地下基地、司令室のマシンにエメリッヒは命ぜられるまま研究室で組んだプログラムを入力した。
「…僕に出来るのはここまでだ」
 背後でその動向を見つめていたテロリストのリーダーを振り返る。
「これで起爆コードを解除すれば、すぐにでも核攻撃が出来るだろう。起爆コードを解除する事が出来ればね」
 その台詞はエメリッヒのせめてもの反抗のつもりだった。癖なのか、眼鏡のブリッジを押し上げながら不敵に笑おうとする。
「起爆コードの解除には鍵が必要だ、PALキーがね。そしてそれは僕らREX開発の極秘部分に関わる者たちにも明かされていない。…こうして僕たちを利用しても君たちの思い通りになどゆくものか」
 細く、弱々しい姿から発せられるエメリッヒの抵抗に、リーダーは酷薄に笑い、片腕でエメリッヒの襟首を締め上げた。
「それではお前は用済みだな。他の手段を考えるとしよう」
 そして兵士達に、連れて行けとエメリッヒの痩躯を突き飛ばす。
「そいつはもう只の人質だ、好きにしろ」
185風と木の名無しさん:04/11/08 04:46:25 ID:Ym92Bm2Y

 再び軟禁場所である研究室へと連れてこられた途端に、一人の兵士がエメリッヒの腕を掴んで作りの安い椅子のひとつに無理矢理その身体を押しつけた。
「…!…何を…」
 兵士は息を飲むエメリッヒの股間を堅いジーンズの上から強く握る。衝撃に苦鳴を漏らすエメリッヒに兵士は口の端をつり上げて笑う。
「ボスのお許しが出た。お遊戯の時間だ、博士」
 その行為、下卑た顔つきと言葉、彼の背後で笑う兵士達の様子にエメリッヒは自分の身に何が起きようとしているのかを悟った。身体中の血が一気に下がる。
 咄嗟に抵抗しようと椅子から立ち上がる、押さえつけていた腕は予想外に容易く彼を解放した。そのままの勢いで部屋の出入り口まで走ろうとしたエメリッヒは何かに足を取られ、盛大に床に転がった。
「合衆国が要求をのまない限り、この島からは出られませんよ、博士」
 駆けだした彼の足を蹴りとばした兵士は愉快そうにエメリッヒを見下ろしている。
「リミットまで、せいぜい楽しませてくれ」
 その声が合図になったように、男達の手がエメリッヒの痩躯に伸ばされる。
「やめろ…っ!」
 遺伝子強化された兵士達の屈強な腕は、ひ弱な科学者の必死の抵抗をあっさりと押さえ込み、着衣を剥ぎ取るようにして下肢を露わにする。
「いやだっ…離せっ!」
 あられもない格好に剥かれてもなお、男達に掴まれ、床に押さえつけられて満足に動かない手足を振り回そうとエメリッヒは抵抗を続ける。
「…お姫様は意外と強情だな」
 醒めた声が降ると同時に下腹をしたたかに殴りつけられ、瞬間、呼吸が止まる。
「っぐぅ!…あぐ、げはっ…」
 激しく咳き込み、のたうつ身体に幾人もの手が這いずる。その手は残った衣服の下にも潜り込んで肉のない胸を掴み、押し揉むように乱暴な愛撫をくわえてゆく。
 エメリッヒはその手の感触に身を震わせる。こんな暴力に快楽などありようはずもないのに、性器を弄ばれると身体は敏感に反応を返してしまう。
「や…あっ…いやだ…ぁ…いや…やめ…」
 頭を打ち振りその感覚を拒絶しようとするが、敏感な先端を指先でえぐられると、痛みと、そして背中合わせのような強烈な快感がそこに生まれ、呆気なく達せられてしまう。
186風と木の名無しさん:04/11/08 04:48:01 ID:Ym92Bm2Y
「ほら…博士、あんたのだ…」
 放たれたもので、ぬらぬらと白い液にてかる手がまるで愛おしむような仕草で頬を撫でまわし、その指を強引にエメリッヒの口に付き入れた。犯すような動きで中をかき回される。
 口内を蹂躙していく濃密な生臭さと味にむせ返り、思わず指に噛みつくと、途端に強く顔を張られた。
「可愛くないな。いい歳して、大人しくできないならもっと酷くしてやろうか?」
 更に数箇所を殴られる。蹴られたような気もする。
 それから身体を無理矢理うつぶせられた。裸の腰を高く上げさせられ、咄嗟に閉じようとした足も大きく開かされた。何の準備も施されていない小さな秘部に男の熱い質量を持つものが押し当てられる。
「…!!や…ぁ…!」
 怖い。それだけは怖い。動かせない身をよじって何とか逃れようとするエメリッヒを、それは無慈悲に貫き、引き裂いた。
 痛みはもはや声にならず、咆哮じみた悲鳴があがる。痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、他の言葉を忘れたかのような悲痛な叫びを無視して、男は腰を打ち付ける。
 その衝撃を堪えようと無意識に頭を床に擦りつけた。眼鏡のフレームが軋み、顔に浅い傷を付けたが、その小さな痛覚はもはや麻痺している。
187風と木の名無しさん:04/11/08 04:48:53 ID:Ym92Bm2Y
「うるせえな…おい、黙らせろ」
 別の男が髪を掴んで顔を上向かせる。無理矢理開かされた口に男の昂ぶりが喉の奥まで押し込まれた。指とは比べものにならない圧迫感にエメリッヒは眼を見開く。
「今度は歯立てるんじゃねえよ、殺すぞ」
 その声とほぼ同時に乱暴に髪を掴まれたまま揺さぶられる。肉塊が口内を往復し幾度も喉奥を突いた。息が出来ない。ただ、涙と飲めない唾液がこぼれ落ちる。
「んんっ、ぐっ、う…んぅ、ん…」
 前後から犯される苦痛に翻弄され続け、エメリッヒの意識が遠のきかけた頃、腰に打ち込まれ続ける楔がその勢いを更に激しいものに変え、やがて体内奥深くに濁流が注ぎ込まれた。
 その生々しい熱に生理的な嫌悪と嘔吐感を覚えるも、吐き出せる先はどこにもない。力を失った男のものがずるりと引き抜かれる感触にさえ痩躯は戦慄く。
 そして解放されたのもつかの間に、別の男のすでに硬度を持った屹立が、白濁がこぼれる窄まりに再度ねじ込まれる。
 腰を掴んで揺さぶる動きに先の男が放ったものが混じり合い、ぐちゃぐちゃと濡れた音が加わる。それに男達の劣情は更に煽られたが、エメリッヒにはもうどこか遠い世界の音だった。
 身体の感覚は遠く、いつしか意識は宙を漂う。思考を支配するのは、ただ早くこの時間が終わってくれと。その前にここで殺されるかもしれないなと。
 虚ろな眼差しになりゆくエメリッヒの口内を犯し続ける男は、昇りつめる寸前に彼を苛み続けた凶器を引き抜いた。直後、その髪に、額に、鼻梁に、レンズに白い粘液がぶちまけられる。
「博士、よく似合うぜ…いい格好だ…」
 男はエメリッヒの顔に張り付いた髪を撫で上げ、白濁にまみれた頬に、額に、口接けを降らせる。
 抵抗は、もう無かった。
188風と木の名無しさん:04/11/08 04:52:28 ID:Ym92Bm2Y
「お前ら遊びはおしまいだ。侵入者が確認された、配置に付け!」
 どれだけの間、何人の男に陵辱され続けたのだろう。茫洋とした頭が微かに拾った兵士の声に、惨劇の終わりをようやく知るとほぼ同時にエメリッヒの意識は糸が切れた。

 次に眼を開いたときにも、失神する直前と自分の状態はなんら変わっていなかった。研究室に独りきり、犯された直後の無惨な姿で放置されている。
 意識を失っていたのは、ほんの僅かの間だけだったらしい。夢さえ見なかった。そのまま目覚めなければ随分楽だったのになと空転する頭が思う。
 そうして呆然と壁を見つめているうちにふと、視界の違和感に気付いた。ブリッジの辺りにそっと触れてみるが、指に伝わる感触は皮膚と鼻骨のものだけだった。
 憶えてはいないが眼鏡もどこかにはじき飛ばされたらしい、世界の形がぼやけているのは身体と心の痛みからだけではなかったか。
 眼鏡を探そうと、受けたばかりの暴行に軋む身体を、ようよう起きあがらせる。
 その途端に注ぎ込まれた兵士達の残滓が、弛緩した秘部からどろりと零れる。
「…!っ、う…ぅ…」
 そのおぞましい感触に、つい先程までの自分のあられもない、惨めな姿が脳裏を過ぎり、強く、歯噛みする。
「………ちくしょう…」
 自らその窄まりに手をやり、一瞬の躊躇いの後、それを指で掻き出し始める。
 引き裂かれた痛みが再び彼を苛むが、それよりも今は早くこの穢れから解放されたい。絶え間なくどろどろとそこから流れ落ちる白濁液に混ざる赤い色に目眩がした。
「…ちくしょう…ちくしょう、ちくしょうっ…ちくしょうっ、…ちくしょう、ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょう…っ…」
 口の中で小さく呪詛を唱え続けながら、憑かれたようにひたすらにその行為を続けた。
189風と木の名無しさん:04/11/08 04:54:44 ID:Ym92Bm2Y
「……くしょっ…ちくしょ…っ…くしょう…」
 歯を食いしばろうとする口元からは、やがて小さく嗚咽が漏れる。瞬く度に眦から水滴が滑り落ちる。
 涙で更に滲む世界の向こう側に、暗い雪原が見えた。そこから世界の全てを見下ろす、孤高不恭のスナイパー。
「…ウルフ…」
 想えば、あのひとの名が口をつく。更に涙が溢れた。嗚咽に喉が詰まり、息が苦しくなる。
 自分は犬だ、と思った。弱い弱い弱い、無力な犬だ。
 誰とも相容れることもなく、誰にも理解されることもない。それでも独りでは居られなかった。
 どこに居ても人に脅え、どこまで逃げてもなお独りでは生きていけない事を思い知らされる。それでも手を伸ばすのは恐ろしかった。
 そうしていつの間にか誰かの手の中に囲い込まれ、哀れまれ、餌を与えられ、虐待され、愛玩され、時に反抗し、宥められ、利用され、従属させられる。
 そんな風に生き続けて来た。他に呼吸の仕方なんて知らない。
 いつも誰かの犬だった。狼のように独りではいられない。
「…ウルフ…」
 それでも、それでも、ぼくはきみが…きみに。

 左手を眼前に翳す、手首にはきつく押さえ付けられた痣。
 そして薄く張りつめた淡い色の皮膚。
 
 祈るように、願うように、そっと口接た。
190風と木の名無しさん:04/11/08 04:55:58 ID:Ym92Bm2Y
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ここから、ゲーム本編に続くんだね。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      
 ○
<|  ○|\  
  ト○| ̄ヒ|_ 
       

















   ○ 
   川 ドシュー
   川 
   川 
 ○川
<) 川 ○  
  ト川ノ\
  |  | ̄ヒ|_

「そして、時は動き出す…」
192風と木の名無しさん:04/11/09 08:41:49 ID:QeOA4Ms4
>190
断罪歯車やったことないけどえらい萌えますた!
GJ!
193風と木の名無しさん:04/11/09 09:41:54 ID:w6lwQdvX
>192
姐さん、ギアしか合ってませんよ
194風と木の名無しさん:04/11/09 10:18:23 ID:/PMuR75N
>192
角ゲと勘違いしてませんか…?
195風と木の名無しさん:04/11/09 18:11:04 ID:qVL6aZZL
漏れも断罪歯車やったことないや。
元ネタ知らなくても読めるように書いたつもりだし
萌えてもらえればなによりさ。ありがとう。
                                      
ひとりでめがねもえもえより、みんなでめがねもえもえヽ(´ー`)ノ
196風と木の名無しさん :04/11/09 22:34:02 ID:DfOQVU7N
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  放送が終了した(嗚呼)がつく探偵ドラマ・刑事の部下×先輩モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  最終回以降の妄想らしいぞ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナンカゲツマエノハナシダ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
以前も、同じカポーで投稿させてもらいました。
放送終了記念に、自分の最後の萌えをはき出せてください。
たとえ終了して時間が経ちすぎていても・・・。
197:04/11/09 22:35:12 ID:DfOQVU7N


「先輩、落ち込まないでくださいよ」
「あ〜、俺がいつ〜、落ち込んだんだ〜?」

 昼夜問わず、犯罪がある限り喧騒が消えることのないカナヅチ警察署。
それでも『仮眠室』と銘うってある6畳の部屋は警察署内の奥にあり地下の拘留所と並んで静かな場所であった。
そして今仮眠室を占領しているのは、マツモトとソネのカナヅチ署の名物コンビであった。
 180cmを越す大男二人がせんべい布団の上で向かい合い座っている光景は少々暑苦しいものがある。
けれど今の二人にそんな客観的な視線を考えることは出来なかった。マツモトの一世一代のプロポーズは、思い人であるリョウコ嬢の心を掴む事は出来ず
別れ際に物分りの良いふりをして強がっては見たものの、時の流れは容赦なくマツモトに「振られた」という事実を突きつけてくるのだった。
 一方のソネは心の痛みを大量のアルコールで誤魔化そうと懸命にビール缶を空にしていくマツモトに付き合いながら必死に慰め役を勤めていた。

「おらぁな〜、ぜんっぜん辛くなんかないんだぞ〜〜」
「先輩、もうそれくらいにして、寝ましょうよ」
「やだ、まだ飲んでやるーーーー!!」
 マツモトはそう叫ぶとまた一気にビールをのどに流し込んでいく。
ソネは何度かマツモトの自棄酒に付き合って入るものの今夜の席は簡単には収拾がつきそうにもない。

198風と木の名無しさん :04/11/09 22:35:51 ID:DfOQVU7N


 ソネはマツモトがどれだけ本気だったのか、傍にいて嫌と言う位に知っていた。
彼女の頼みならたとえ火の中水の中と言っても言い過ぎではなかっただろう。
 あのコスプレ好きのちょっとだけ人より推理力があるかもしれないヘボ探偵への過剰な噛み付きも、
彼女の気持ちが常にあの探偵に向けられていることへの嫉妬だということもソネは知っていた。
 いくら彼女への思いを募らせても、振り向いてもらえないことは彼が一番知っている。
だからソネはマツモトの手から強引にビールを取り上げることが出来なかった。

「何でリョーコさんは、あんな奴の事が好きなんだよーー」
 雄たけびにも近い、嘆き声。ソネははいはいと彼の背中を摩りながら宥めるしか出来なかった。
「先輩、ほら落ち着いてくださいよ」
「っ、俺がいつ取り乱してんだよ」
「もう、取りあえず座って。天井に向かって叫んでもどうにもなりませんから」
「・・・おいソネ」
「はい?」
「お前は妙に冷静だな・・・というか何か嬉しそうじゃないか?」
「え、と・・・そんなことは、無いと」
「いいや、お前なんか口元緩んでるぞ!!お前、お前はひどい奴だなー
人が振られてるのを見て笑うか、可笑しいのかお前は」

(まぁ、少しは)
 ソネはそう言いたくても絶対に言葉にはしない。
気のせいですよと誤魔化しながら、マツモトをせんべい布団の上に座らせる。
正直な話、ソネはマツモトが振られて同情よりも嬉しさのほうが大きかった。
理由は簡単。ソネはマツモトが好きだったのだ。
 それは友情やこの特殊な職業に芽生える信頼、尊敬、そういった類の好意ではなく男女の愛情に限りなく近い、
性欲ともイコールで結べるような好意だった。
 最初のきっかけなんて忘れてしまった。気がつけばどうしようもなくこの空回りしやすい熱血漢の先輩に恋をしていたのだ。

199:04/11/09 22:36:47 ID:DfOQVU7N


 今まで散々聞きたくも無い彼の恋の話に耳を傾けたのも、彼の傍に少しでも長くいる口実がほしかったのだ。
でなければ好きな相手の恋愛話など耳に入れたくも無いのが心情というものだろう。
 しかし今日、彼は振られた。好きな人の悲しげな顔を見るのは辛いけれどやっぱりその人の心が自分以外の誰かに向き続けていた今の状況は楽しいものではなった。
性格が悪いといわれても、この位思うくらいは許してほしい。

「何だよ、お前って冷たい奴だな〜」
「酷いっすよ先輩」
「んだよ、うらっ飲め付き合え、今夜は無礼講だ」
「はいはい、でも明日響きますよ」
「知るか、振られた俺に、明日なんか、明日なんか・・・・・・」
「ありますよ、朝日が昇れば明日が来るんですから」
「俺の太陽はなぁ、あのヘボ探偵に、とられ・・・」
 自分で自分を落ち込ませたのか突然黙り込みしゅんと項垂れる。
ソネは彼を慰める次の言葉を、必死になって探してみるけど、どうにも自分の語彙は貧相なもので使い回しの、常套句しか思い浮かばなかった。

「なぁ、ソネ……」
「はい?」
 項垂れていた彼が、ポツリと自分の名を呼んだ。
今までに無かった新鮮な響きに、失礼だとは分かっていても少しだけ、新しい彼を見ることが出来たと、喜んでしまう。
「お前は、好きで好きで仕方が無い人って…いるわけねーよなー、お前みたいな奴に」
「………」
 表情とテンションだけがくるくると回って、しおらしかった筈の彼はまた豪快に笑ってはビールを煽った。
しかしソネは、「いるわけねーよなー」の言葉に敏感に反応してしまった。
おそらくソレは普段なら、苦笑いで済ませるようなものだったのだろうが、アルコールの力も手伝ってか、
ソネはビール缶を握るマツモトの手を握り力任せに彼の体ごと自分の方へと引き寄せた。


200:04/11/09 22:37:31 ID:DfOQVU7N


「っ…何すんだよ、ソネ…」
「俺にだっていますよ、好きで好きで仕方が無い人くらい」
「え?」
 マツモトの身体はソネの腕の中に納められる形を取られ、姿勢を崩してどうにか座っている姿勢をとる形となったマツモトの視線は
図らずもソネの顔を何時もより更に低い場所から見上げる状態になった。
 マツモトは見上げた其処に、普段知っている自分よりも図体がでかくて熱血漢な後輩を見つけることが出来なかった。
其処にいたのは、真剣なまなざしで自分を見つめる一人の男がいた。
 驚きの余りマツモトは、無意識ながらも唾を飲み込む。心臓は早鐘のようにマツモトの頭に鼓動を響かせる。
「…ソ、ネ……」
「俺は…」
 アルコールで火照った頬に添えられた、大きなソネの手。緊張のために冷たくなってしまったのだろうか?冷たいはずなのに手は湿っている。
 ソレを知ったマツモトはソネの腕から逃れることも、ソネの真っ直ぐ自分を見つめてくる視線からも逃れることが出来なかった。

「俺は、先輩が好きです」
「……あ……」
 ソネの唇が、マツモトの唇に重ねられた。同じビールを飲んでいたソネの唇もやっぱりビールの味がして、けれどそのかすかに残るビールの味が強烈にマツモトの身体を痺れさせる。
 マツモトが抵抗も出来ずに居ると、ソネは重ねていただけのキスを更に深いものへと変えていく。その間マツモトは苦しげに身体を寄せたりするだけで、やはり抵抗は無かった。
ソネはコレがマツモトの心の弱った部分につけこんだ行為だと分かっていながらも、今までに経験したことの無い、喜びに満たされた気分だった。
 そしてマツモトの手が背中に回ったときこの至福の時の終わりを覚悟したソネだが、その背中に回された腕は自分の背中に縋るように回されたものであることを知ると、
マツモトが抵抗してきた時には素直に引こうと決めていたソネの決意が、理性と一緒に吹き飛んでしまった。

「先輩……」
 ソネはそのまま二人が座っていたせんべい布団に、マツモトの身体を押し倒してソネ自身もその上に覆い被さる。
 その際、唇が少しはなれた隙にソネは、漏れる感嘆のため息とともにその人を呼んだ。マツモトはただ潤んだ目を静かに閉じてソネの背中に回した腕に力を込めたのだった。

201:04/11/09 22:43:16 ID:DfOQVU7N


「先輩腕伸ばしてください」
「……俺は介護されてるのか?」
「ソレに近いでしょうね、最低今日一杯は」
「お前の所為だからな」
 二人は全裸のまま、せんべい布団の上で朝を迎えた。周りには昨夜飲んだビール缶とツマミ、そしてティッシュの残骸が転がっていた。
坊主頭のソネは大して昨夜と変わった様子も無く、普段から生やしている髭が少し伸びたくらいのものだった。一方のマツモトは髪はぐしゃぐしゃ、目元はかすかにだが赤く腫れ、身体のあちこちに赤い痕が残っていた。少し伸びた髭もある。
 マツモトの身体は昨夜の出来事により、間接の軋みや下腹部からの鈍痛にさいなまれていた。
「スイマセン、今日の仕事大丈夫ですか?聞き込みとか…」
「……最悪お前が、俺をおんぶな」
 無茶なマツモトの指示だけれど、ソネは今日はソレを甘んじなければならない立場だと痛感している。「はい」と大人しく頷き、マツモトにクシャクシャになったワイシャツを着せる。
普段は開けている第一ボタンも、今日ばかりはきっちり最後まで留めなくてはならない。

「……あの、先輩…」
 ソネはマツモトのボタンを留めながら、口を開いた。沈んだ口調からして、昨夜のことを謝るつもりだという事は容易に察することが出来る。
ソネはマツモトに殴られても、コンビを解消されても文句を言うつもりは無かった。けれど、ソレをマツモトの口から言われる前にせめて謝っておきたかった。そして自分の気持ちをちゃんと伝えておきたかった。
しかし、ソネはどうしてもマツモトの顔を見ることが出来ず、シャツのボタンを留める自分の手だけを見つめていた。
「俺、先輩が好きなんです。多分これからも…理由なんて自分でもよく分かりません…でも、先輩とずっといて先輩のいいところも悪いところも全部ひっくるめて好きなんです…だから実は、昨日先輩がリョーコさんに振られてちょっと嬉かったんス…スイマセン…」
「…………」
「あの、俺もう先輩に何言われても文句いいません。ただ、それだけ…
「なぁ」
 ソネの告白の終わりが近づいていたそのとき、マツモトの声が終わりを遮った。そしてマツモトの日に焼けた両手が、ソネの顔をはさんで無理やり、ソネの顔を自分の方へと向けさせる。二人は今朝初めて目を合わせたのだった。



202:04/11/09 22:44:26 ID:DfOQVU7N
「俺はな、物凄く諦めが悪い」
「……」
「多分な、俺が諦めるのはリョーコさんが、結婚して俺以外の人間のものになったときだ」
「……」
「人妻には手を出さない。コレは俺の主義だ」
「……」
 ソネはマツモトが何を言い出したのか分からず、ただマツモト言葉を理解しようと合わせた視線を外すこと無く
マツモトの言葉を待った。
「それでだ、ソネ。お前は…」

マツモトが少し言葉をためる。

「お前は、それまで待っていられるか?」
「……え……」
 マツモトはその台詞を言いながら、何て自分はずるい人間なのだろうと、自己嫌悪に陥りそうになっていた。まるで、ソネの愛情を試すかのようなその言葉。それを紛れも無い、自分が今ソネに向けて喋ったのだ。

「待ってられるか?って聞いてんだよ」
「え、え、え、え、え…マジですか?」
「ずるいって事くらい分かってる…でもその、何だ…お前の昨日の目見てたら…その…」

凄く、身体が熱くなってしまった。

 マツモトは「その」に続くその言葉に仕切れず、ただ顔を赤くさせて自分から合わせた視線を、自分から逸らしたのだった。
チラリと横目を使ってソネを見れば、ソネは驚きと喜びが混ざったような顔をして、マツモトを見つめている。
「先輩、俺待ってます。ずーっと待ってますから」
「…そうか…」
「先輩の傍でずっと待ってます」
「…………わかった」
 マツモトはそう呟くだけで、顔が赤くなるのを感じた。未だにソネの愛情を試すようなことをしている自分に、自己嫌悪を感じていないわけではないけれど、
はっきりと証明されたソネの自分への思いの深さに、「あいされている」という実感がわいてきては、マツモトの心を躍らせてしまうのだ。
203:04/11/09 22:45:30 ID:DfOQVU7N



「あの、先輩」
「何だ?」
「その…待ってる間って、その…」
「何だよ?」
「エッチはありなんでしょうか?」
「……………」
 ソネの問いにマツモトは暫く考え込む。確かにリョーコ嬢の結婚なんて何時になるか分からない。
何時まで続くかわらか無い間、若いソネを生殺しの目にあわせるのは、待たせる身となたマツモトとしても悪いと感じる。
ソレに、実を言うと昨夜の出来事に関してマツモトが覚えていることといえば、身を裂かれるような痛みと熱さと、ソレを凌駕するような快感だった。
 マツモトは考える為に閉じていた瞳を片目だけ開いて、呟いた。ソネの背中越しに光る太陽のそん座に今やっと気づくことが出来た。

「今度から気をつけろよ?俺はお前にシャツを着せて欲しいとは思わない」
「はい!!」
204風と木の名無しさん :04/11/09 22:46:01 ID:DfOQVU7N





                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  コレで終わったモナ。中途半端に長かったモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 何だか性質の悪い受けになっちまってるぞ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ポカーン
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
205風と木の名無しさん:04/11/09 22:52:48 ID:uTK0FNY0
>>196-204
ヽ(*゚∀゚)ノリアルタイムキタ―――!!!前も書いてらした姐さんですか!
もう前作も今回も禿萌えです。キュンキュンです。
思いが通じて良かったなソネ…
206風と木の名無しさん:04/11/09 23:35:20 ID:V5p6Gy3x
>>196-204
このカップリング大好きでしたよー!!ありがとうありがとう!
先輩刑事可愛いよ先輩刑事
207196:04/11/10 00:03:50 ID:F8zJFCYq
196です。

>>203

×ソネの背中越しに光る太陽のそん座に今やっと気づくことが出来た。
○ソネの背中越しに光る太陽の存在に今やっと気づくことが出来た。

です。慌てて付け足したから、意味不明な言葉になってるよ…_| ̄|○
>>205-206
姐さん、コチラこそ反応有難うございます。
放送終了から時間経ち過ぎて、誰も覚えてないと思ってたけど
スゲー嬉しいです。カイテヨカッタ・゚・(ノД`)
208風と木の名無しさん:04/11/10 13:36:46 ID:qoU61SWO
>196もも萌えました!(´Д`*)ハァハァ
ソネ良かったな!お幸せに…!
209風と木の名無しさん:04/11/10 21:21:19 ID:XOeOtyrk
>196
ドラマ見ないので元ネタ知らないけど禿萌え!
大型犬のようなヘタレ攻めに弱いワタシ…
210風と木の名無しさん:04/11/11 13:25:04 ID:lUpRF4zv
しばらく来てなくて亀ですが

>>164-168>>171-176
萌えた!でも最後泣いちゃったよ・・・
いいお話、ありがとう。
211風と木の名無しさん:04/11/14 03:25:40 ID:O9H4SvuN
「お前はいっつも元気やなあ」登美/田先輩があぐらを崩した片足立てで、俺を見上げて笑う。
 俺もつられて笑い返す。

 この笑顔が好きだ、と思う。
 
 先輩が高校を卒業してからはたまにしか会えなくなって、あらためて思う。
 試合会場で会えた時はいつも嬉しくて、ずっと見入ってしまう。
 近くにはいつもタ/ケさんがいて、
 お互い同じ大学で競いあってどんどんうまくなっていってるんだろうと思うと、
 九州の大学を選んだことを悔やんだりもしたけれど、
 でも俺だって負けてはいないという気持ちを持って今までやってきた。
 だから吾輪の代表選手に選ばれたときは死ぬほど嬉しくて、やっと先輩と同じ場所に立てたような気がした。
 
 それ以上に先輩と一緒にア/テネに来れたことが嬉しかった。
 近くにいてこの笑顔を見ていられることが嬉しかった。
 
 もちろん、こんな気持ちは先輩には伝えることができないけれど、
今、この状況で楽しく笑っていられるのが、
 イ本操について一緒に語れるのが幸せだったからそれだけでよかった。
 それに、正直に言うと、この気持ちが尊敬するイ本操選手への憧れなのか、
 それとも一人の人間としての恋愛感情なのかが自分でもまだよくわからなかった。 
 
  
2122:04/11/14 03:29:18 ID:O9H4SvuN
「あ〜なんか、腹へってきたな〜……そろそろ飯行かん?」タ/ケさんが立ち上がり腰を伸ばしながら言う。
「そうですね、行きましょ!」
 俺も少し腹がへっていたので、この提案にすぐ賛同した。
 けれど、先輩だけは座ったままで、何か考えている様子だった。
「ヒ/ロ、行かへんの?」
「いや、ちょっと…先行っててくれん?すぐ行くし……」
 そう言って先輩はチラリと俺の顔を見て、それから訴えるような目でタ/ケさんを見た。
「ああ、そうか、じゃあ先食堂行っとくで」
 タ/ケさんはそう言うとさっさと部屋の外に出て行った。
 去り際に何故かこっちを見て軽く笑った気がした。
「あ、じゃあ俺も……」
 そう言って俺も部屋から出て行こうとすると
「ナ/カ」と呼び止められた。
 振り向くと登美/田先輩があぐらをかいたままで俺をじっと見ていた。
 その顔が少し怒っているようにも見えて、
(俺、なんかまずいこと言ったかな……)と軽く困惑したが、
先輩は俺から視線をそらすと立ち上がってドアの前まで行くと内側からカギを閉め、右横のスイッチを押して部屋の電気を消した。
 まだ陽の明るい昼間だったが、光の入りにくいこの部屋は電気を消すと夕方のような薄暗さになった。
 そしてまた元の位置に戻ってあぐらをかくと、
手でぽんぽんと自分の横を叩いてここに座れという合図をした。
 
2133:04/11/14 03:32:00 ID:O9H4SvuN
何かよくわからない状況だけれど、でも何かしらさっきとは違う空気が先輩に流れているのはわかったので、 
俺は黙ってそれに従い、先輩の隣に座りなおした。
「……なんですか?飯、食べに行きましょうよ」
 なんとなく重たいこの雰囲気を壊したくて、俺は努めて明るい調子で言った。
「なあ、ナ/カ。ちょっと聞きたいんやけど…」
 それでも先輩は真剣な顔で俺にボソボソと問いかけた。
「お前、俺のことどう思ってんの?」
「え?」
 顔が熱くなるのを感じた。
 突然の突拍子もない質問に俺はあっけにとられたが、
その意図するところを理解すると、焦りと羞恥とが心の奥から湧き上がってきて
「え、な、なん、なにがどう、どう思ってるんですか?え?」
 としどろもどろになってしまった。
 心臓の鼓動が一気に早くなり、音が耳にまで届くほど強く打った。
(も…もしかして、俺の気持ちバレてんのか……!?)
 登美/田先輩の顔が近づく。
 眼は相変わらず俺をじっと見つめていて、
耐えられなくなった俺は思わず目をそらしてしまう。
「……顔、赤いで」 
2144:04/11/14 03:55:28 ID:sVyNl+6p
「……ちょっとカマかけてみたんやけど、もしかしてほんまにそうなんかなぁ……」
 誰に言うでもなく先輩はつぶやいた。
 けれど鋭いその目は相変わらず俺の顔をうかがっている。
 視線が痛い。
 「……何が、ですか…」
 声が震えているのを悟られないように、俺は強い調子で先輩に問いかけた。
 その質問をするのはすこし恐かったけれど…。
 「何がって…だから、俺のこと好きなんやろ?」
 俺の緊張を嘲るように、先輩はしれっとした調子で答える。
 その顔にはすこし笑みが浮かんでいるようにも思えた。
 「…それが聞きたかったんですか」
 「まあ、それもあるけど……それだけでもないというか…」
 薄暗い部屋の中で、俺の体だけが赤く燃え上がりそうなくらい緊張していた。
 ばれた。ばれた。どうしよう…。
 「いや、好きって言っても色々あるし俺は」
 「俺も嫌いじゃないで、ナ/カのこと」
 え…?
2155:04/11/14 04:29:48 ID:oCsrCdMe
 「いや、けっこう好きかもしれん…」
 照れたような顔で鼻をかいて、登美/田先輩は俺を見る。
 俺は、その言葉の意味がよくわからず、間抜けな顔をして先輩を見つめる。
 「それは…その、恋愛とか、そういう意味での、ですか」
 すると先輩は立ち上がってまたドアへ向かい、もう一度鍵の確認をする。
 戻ってくると今度は俺の真横に座り、肩を組んで耳元で囁いた。
 「お前と一緒や」
 そして肩に置いた手を俺ごと胸元まで引き寄せ、俺は先輩の両腕にしっかりと抱き留められた。
 心臓の鼓動が聞こえる。
 …先輩も緊張してんのかな、などと一瞬冷静に考える自分がいた。
 「なあ、ナ/カ。男とヤッたことある?」
 緊張と興奮で言葉にならず、俺は先輩の胸の中でただ頭を横に振るだけだった。
 「はは…俺もないんやけどな。………やる?」
 「登美/田さん。俺…わからない、です」
 本当にどうしたらいいのかわからなかった。
 けれど、今この状態で抵抗する気が起きないことが、何よりの答えなのかもしれない。
 
 抱きすくめられたまま俺は押し倒された。
「そうか。俺はヤリたいから、ヤるで」

2166:04/11/14 04:57:32 ID:oTbCoPvO
 先輩の手が俺の首筋をなで、シャツの上をすべる。
 俺はもうこの状況に興奮して、何も考えずに先輩の顔を見つめていた。
「……あの、タ/ケさんとか戻ってきたら、やばくないですか…」
「戻ってけえへんよ、アイツは」
「え、なんで………あッっ」
 俺の体を撫でていた先輩の手がいきなりソコを握ってきた。
「…半勃ち。けっこう興奮してるやろ」
「あ、ちょっ…ちょっと待って……」
先輩の唇が俺の耳たぶに触れる。
「男同士のやり方は知らんけど、男の気持ちいい部分は知ってんで。
 イカせたるわ」
と同時に先輩の手が激しく動き出した。
2177:04/11/14 04:59:31 ID:oTbCoPvO
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |                スイマセン
 | |                | |           ∧_∧ スレ マチガエマシタ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

218風と木の名無しさん:04/11/14 06:04:07 ID:Wg5eL6cY
何と間違えたんだw
219風と木の名無しさん:04/11/14 11:42:06 ID:Re6HhQZc
>218
間違えたのにそのテンプレで締めてくれるのか。
丼舞、またこのスレ向きの書けたら投稿しに来てね。
220風と木の名無しさん:04/11/14 15:07:20 ID:eb29H8Ey
しばらく来ないうちに殺伐としたスレになっちゃってるじゃん
一応上から全部読んでみたけど、ああいう文句つける人が現れるともう終わりだね。
空気読めよっていいたくなるよ。
ってこのカキコが一番空気読んでないのかもしんないけどさ、ムカついたから書いておく。
221風と木の名無しさん:04/11/14 15:10:25 ID:KCLX+NLT
>>220
空気嫁。マジで。
222風と木の名無しさん:04/11/14 17:40:45 ID:8PvGtt3y
>>218
ソコで止められたら、あっしらも半勃ちですがな。
223風と木の名無しさん:04/11/14 22:23:41 ID:Xu0iPz1f
うわさをきいて誤爆SS読みに来ました。
ぜひぜひ続きをかいてー!!でないと股間がやばい
224風と木の名無しさん:04/11/15 00:46:06 ID:oOWzsjwm
誤爆SSの続きが烈しく気になる
2258:04/11/15 03:37:18 ID:/TW+B63+
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | |  |> PLAY      | |
 | |                | |           ∧_∧  ホンスレニオトスユウキナインデ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) カンニン ネ…
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2269:04/11/15 03:38:42 ID:/TW+B63+
 ジャージの上からいきなりソコを擦られて、俺は「あっ」とでかい声を出して
びくっと一回痙攣した。
 先輩の右足が俺の両足の間に割って入り、余った左手が俺のシャツを胸元まで
めくりあげ乳首を噛む。
 また変な声が出そうになったけれど、部屋の外を気にして必死にこらえた。 
「我慢せんで、声出してええで」
 無理だよ、と声には出さず訴える。
「声聞かせてや」 
 快感から軽く歪んだ俺の顔を見て薄く笑い、また乳首を噛んで、ゆっくりと舐める。
 その間も目はじっと俺を見ていた。
(この人、絶対Sだよ……)
股間を掴んでいる右手はその間もせわしなく動き、自分のモノがどんどん熱さを増していくのがわかる。
 恥ずかしさのあまり目をきつく閉じて両手を先輩の背中に回して思い切りシャツを掴む。
けれど目を閉じるとよけいにソコの熱さと先輩の指の動きをはっきり感じて
無意識に下半身を揺らしてしまう。 
「う…ん、くっ……」
「大輔……」
熱い息が胸にかかる。
登美/田の逞しい胸が上下に動いて、涼しげな顔も今は赤く染まり荒い呼吸を繰り返していた。
ああ、先輩も興奮してるんだ。
そう思うと、ますます興奮して、体じゅうが熱くなった。

22710:04/11/15 03:40:15 ID:/TW+B63+
急に先輩の動きが止まったかと思うと、上体を起こした。
「あ………」
名残り惜しそうな声を出して見上げると、先輩はシャツを脱ぎ捨てて床に放り投げた。
「邪魔やからな。熱いし…お前はそのままでええよ」
シャツを脱ごうとしてあげた手を先輩がつかんで、また馬乗りになってきた。
そしてつかんだ手をそのまま自分の股間にあてがった。
「俺もやばい状態やわ、大輔………」
ソコは熱く、想像していたよりも大きくて、硬くそそりたっていた。
手を放し、乱暴な仕草で自分のジャージのズボンを引き下ろすと
たまらなくなって俺も自分のジャージをとろとろと脱いだ。
「俺も…」
先輩の背中に手を回しぐいっと引き寄せる。
 汗ばんだ肌と肌が触れ合って、とても心地良い熱が体の中に拡がる。
「……かなり、やばいです…」 


22811:04/11/15 03:41:54 ID:/TW+B63+
食堂に行くと、タ/ケとナ/オヤさんが向かい合って笑っていた。
「あ、来た」
「おまたせ」
注文した料理の皿をテーブルに置くとタ/ケの横に落ち着いた。
「遅かったね。何してたの?」
ナ/オヤさんが青々としたヒゲ跡を光らせながら笑顔で聞く。
「ああ、えっと、TVで水/泳見てて」
「ナ/カノは?一緒じゃなかったの?」
「あいつなんか筋肉痛みたいで、部屋で横なる言うてましたよ」
「あ、そうなの…大丈夫かな」
隣のタ/ケをちらと伺うと、俺を見て意味ありげな視線を向けてきた。
その目は、試合前に何やっとんねん、と言っていた。
「大丈夫ですよ、すぐ治りますって」
「ああ、そう……」
「ほんまに大丈夫なんかい……」とタ/ケが本気で心配そうな顔をしてつぶやいた。







22912:04/11/15 03:54:36 ID:NHbK6Ad9
「…カラダ、痛い……」
登美/田先輩と別れて自分の部屋に戻り、俺はすぐベッドに横になった。
身体の中の熱はまだ収まらず、ついさっきの行為のシーンを思い出しては
顔がニヤけてしまうけれど、
ベッドに横になってるうちに身体の関節の痛みはますます激しくなった。
「…ベッドですればよかったかも……」
フローリングの床で行うにしては少し激しすぎたか………。
まあいいや、とりあえず眠ろう…。
あ、なんか隣からヘンな声聞こえる……。
隣って誰の部屋だ…?あ、ヨ/ネダさんとヒ/サシさんやったな……
セッ●スでもしてんのか………まさかな。
自分の想像力に思わず笑いが込み上げてきたが、襲ってくる睡魔に耐え切れず
ナ/カノはそのまま眠りについた。

23013:04/11/15 03:57:05 ID:NHbK6Ad9
「ヨ/ネさん、やりますよ……」
「ええよ、はよ…きて」
「…ここ、ですか?」
「違う、もっと右……ああ、そこ…」
「ここですか…」
「あ、気持ちいい…ヒサ/シもっと強くして……」
「あの、もういいですか……」
「あかん、もっと強く……」
「あの、疲れました…」
「ええから…」 
「……しんどいんですけど」
「もっと強くして…」
「………もう勘弁してください…」
「ええから揉め!肩を!!」
「……はい…」
23114:04/11/15 03:59:54 ID:NHbK6Ad9

 ____________
 | __________  |     
 | |                | |     …………スイマセン、スレマチガエマシタ 
 | |  □ STOP.       | |     ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

232風と木の名無しさん:04/11/15 08:04:58 ID:ZjnO6Bp6
やっぱりオチはそれか!>※&廂
233風と木の名無しさん:04/11/15 08:14:41 ID:WdenvaCp
最後のオチに仲之じゃないけどニヤニヤ
234風と木の名無しさん:04/11/15 10:45:12 ID:UVpG6xtq

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  Dr.孤島、このまえのスペサルで萌再燃!
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 同士の方イル?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
235その1:04/11/15 10:46:15 ID:UVpG6xtq
「武弘くん…元気でやってるかな……」
誰に問いかけるでもない独り言を呟き、健介は溜息をついた。
めずらしく患者のいない昼下がりの診療所で、聞こえるのは波の音だけ。
「ふぅ……」
「また溜息ですか?武弘は心配ないですよ!あいつだって海の男です」
いつのまにか後ろに立っていた倭田がニッコリと笑って頷いた。
「びっくりした…。」
健介は椅子ごと振り返ると、額に垂れた前髪を耳に撫で付けた。
「先生?」
「うん…。そうだよね…。武弘くん…きっと、頑張っているよね」
「はい!」
笑顔の倭田につられるようにふわりと笑うと、健介はまた机に頬杖をついた。
武弘のことを考えるうちに違う顔が頭に浮かんでしまう。
日焼けした浅黒い肌。眼光鋭い瞳は笑うと柔らかな表情になる。
もう何日も顔をみることはなかった。
「会いたいなぁ……」
思わずでてしまった呟きにパチクリとする倭田。
「あ、武弘くんに!会いたいなあと思って…!ぼ、僕はですね」
「何を慌てているんですか、先生?」
「い、いや、あの…、そ、そうだ!」
健介は椅子から落ちそうになりながら、立ち上がると鞄を掴んだ。
「僕、往診にいってきますね。佐々木さんのところのおばあちゃんの腰の具合が気になるので」
「わかりました」
「何かあったら佐々木さんのほうに電話くださいね!それでは行ってきますっ。」
バタバタと玄関に向かうと、健介は自転車にまたがり大きくペダルを踏んだ。
236その2:04/11/15 10:47:11 ID:UVpG6xtq
潮の香りが混じった風がおおきく身体を包む。
「今日も天気がいいなぁ…。帽子を被ってくるんだったかな…」
パタパタと白衣の裾を揺らしながら真直ぐな道を進んでいく。
道行く人にペコリと挨拶しながら自転車は脇道にはいった。
ガガガガガ……。
どうやらどこかで工事をしているらしい。
健介はペダルを踏む足をとめて目を細めた。
男達が黙々を何かを取り壊しているようだ。その中にひときわ背の高い男がいた。
急に心臓の音がはやくなって、視界がぶれた気がした。
肚さんだ。
首にブルーのタオルを巻いた大きな背中が土ぼこりの中に立っていた。
視線を感じたのかこっちを振り返る素振りをみせた。
わわっ。
健介は慌てて方向転換すると一目散にその場を去った。
何を焦ってるんだ、僕は?挨拶くらいしてくれば良かったじゃないか…。
でも、なんだか急に動悸が激しくなって、走り出してしまった…。ええと…。
「おい!ひき殺す気かあ!!」
大声に我に帰って慌ててブレーキを踏むと、目の前に茂雄が立っていた。
「バカヤロー!!おめえ、猛スピードでつっこんで来やがって!」
「ごめん!なさい!茂さん。考え事をしてたみたいで僕…」
「考え事だぁあ!!?…っておい何真っ赤なカオしてんだよ?」
茂雄は珍しいものでも見るように健介の顔をジロジロ覗き込んだ。
「な〜んだよ!エッチなことでも考えてたんですかぁ?!スミにおけないねぇお前も」
「やめてください!」
健介は両手で顔を覆った。本当だ、湯気がでそうなくらい顔が熱い。
「…おい。怒ったのかよ」
黙ってしまった健介に驚いたように茂雄は慌てると、悪い悪い!と素直に謝った。
「いえ、怒ってないです…」
指の間から健介は答えた。
237その3:04/11/15 10:47:47 ID:UVpG6xtq
指の間から健介は答えた。
「おい、ついこの先で武利が仕事してるぞ。たまには顔だしたらどうだ?」
茂雄の何気ない言葉にドキっとした。
「そうですね…。時間のある時にでも…」
「アイツもよぉ、武弘が行っちまって寂しい思いしてんだよ?慰めにいってやってくれよな」
また顔に熱が集まってくる感じがする。
「先生は元気にやってるかな、ってこの前気にしてたぜ」
「そ、そうですか。はい…。ぼ、ぼく時間がないので急ぎますね」
このままだと茂雄にバレる。顔をカッカさせながら、健介は慌ててペダルを漕いだ。
「おい!話はまだ!」
「ごめん!茂さん!また!」
もう!なんなんだろう!心臓の音がうるさいなぁ…!



「お疲れさまでした!」
「はい、お疲れさまでした」
帰り支度をしていた綾香が手をとめて、ふふっと笑った。
「なに…?」
「なんでもないです。なんか今日の先生夕方からうわの空だったから」
「そう…?」
「うん。めずらしいなぁと思って。ではまた明日ですね。さようなら」
「気をつけて帰るんだよ」
綾香のスクーターの音が小さく消えていくとシンと静まり返った。
なんだか冷たい風にあたりたい気分になって、健介は外にでてみた。
診療所から見下ろす浜辺に黒い人影がみえた。なんだろう?目を凝らしてみる。
人が倒れている?!
慌てて浜におりた。ケガ人か、病人か。
238その4:04/11/15 10:48:11 ID:UVpG6xtq
駆け寄った。そして、確認して、息を漏らした。
武利が浜に寝そべって寝息をたてていた。
「驚いた……。」
健介は胸をなで下ろすと腰を下ろした。
海を見ているうちにいつのまにか寝てしまったのだろうか。
やっぱり海が恋しいのかな……。
武利の寝顔をそっと盗み見ると、また胸が苦しくなった。
「肚さん。風邪ひきますよ。起きてきださい……。」
耳もとで囁いてみたが、眠りは深いらしい。
ふう…。健介は困ったように溜息をついた。
仕方なくしばらく座って夜の海を眺めていた。波の音が心地いい。
月の光が海面に映ってゆらゆら揺れている。
ふと、隣の武利が身をよじった気がした。そして…。
「は…ら…さん…?」
武利の手がいつのまにか健介の手を握っていた。
心臓が口から飛出そうなくらい跳ねた。
「あの……。手、手が…あの…」
健介は硬直して顔から湯気をあげた。
肚さんは起きているのだろうか?ああ、でも首が前を向いたまま、動かない…。
武利の手は大きくて温かかった。手を伝わって心臓の音が聴かれてしまうんじゃないだろうか?
「あの……。あの。波の音って素敵ですね…」
手に大汗をかきながら健介は俯いた。
このままいつまでもここに座っていたいような、隣を振り向きたいような不思議な気持ちだった。
239風と木の名無しさん:04/11/15 10:48:37 ID:UVpG6xtq
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

240風と木の名無しさん:04/11/15 16:17:13 ID:YtwT8FqF
姐さんGJ!!
先生が純情可憐過ぎてもうやばい!!
241風と木の名無しさん:04/11/15 16:35:53 ID:UZsQVBi3
>234-239
姐さんGJ!!良いもの読ませて頂きました・・・
テンテ純すぎて可愛いよ・・・!!(´∀`*)
242風と木の名無しさん:04/11/15 22:17:22 ID:7U5v8+bV
>234-239
姐さんGJ!!!
ご馳走様です!!
243風と木の名無しさん:04/11/15 22:37:56 ID:UWwbzXsJ
>>225-233
こういう性格の菓子が新鮮ですた。
欲を言うなら、視点を統一させてもらえるといいかなと・・・。
エラソウニゴメンネ。
244風と木の名無しさん:04/11/16 00:39:27 ID:n+XPmzvq

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  4度目ナマモ/ニ厘・天使でス。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| フォローのつもりなんだってサ。
 | |                | |            \   
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イマサラ?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
245空飛ぶ小悪魔1/2:04/11/16 00:40:29 ID:n+XPmzvq
 地球を半周近くするこのフライトは、給油とかを含めるともう気が遠くなるくらいの時間が
かかるから、慣れたとは言え、実はあんまり好きじゃない。
 暇つぶしにしたって、この間もらったコミックは全部読み終わったし、ゲームも全クリしちゃうと
もうやる気が起きない。相手がいるわけでもないし。
 …退屈で死にそうだ。
 ちょっとスッチーのおネェちゃん達とおしゃべりしてこようかなぁ。でもセクハラとか言われたら
ヤだなぁ。
 どっかに面白いことないかなぁ。ちょっと探しに行ってみようっと。

 …あれ?そこで眠ってるのは。
 見知った顔。最近はあんまり見たくない顔だけど。同じ便だったんだ。
 でもどーしてこんな後ろの方の席に?人が通るじゃん。…あー、もしかしてオレの近くじゃ
マズいって思ったとか?
 そんなコト考えるんだったら、初めからあんなコトしなきゃいいのに。あのせいで大変な目に
遭ったんだからオレ。あんなトコでコケて、オレホントにカッコ悪かったよな〜。
 …なんかムカついてきた。
 ま、それでも最終的に勝ったのはオレだから別にいーけどねー。
246空飛ぶ小悪魔2/2:04/11/16 00:41:17 ID:n+XPmzvq
 しかしまぁ、こんなトコロで居眠りなんて無防備すぎじゃん?いくら上級クラスの席だからって
隙ありすぎ。いつ誰に何されても知らないぞー。
 なんだか難しそうな本持ってるなぁ。…経営学?うわ、オレはパス〜。睡眠薬代わりには
丁度イイかもだけど。
 疲れてるのかなぁ?前より頬の辺りが細くなったような感じ。最近あんまり元気なかった
もんなぁ…って、別に心配なんかしてないもんね!
 …でも、今までこんなにじーっと見たことなかったけど、ホント”色男”だよなぁ。それに唇なんか
薄くて、なんかこう、”禁欲的”って言うの?そう、ストイックな感じがして。
・・・美味しそう・・・
 って、うわ、なんか今ちょっとキたかも。
 ……ん〜、どうしよっかなぁ〜。寝てるし、ちょっとならイイか〜。

 …へへっ、チュゥしてやった〜。ごちそうさまでした。な〜んて。
 どーせ眠ってるからナニされたか気付いてないんだアイツ。ざまみろー。
 なんかすっきりした〜。退屈もどっかいっちゃったし、当分はニヤニヤしながら過ごせそうだ。

 あ、だからって許した訳じゃないからね!許してないから!許すつもりもないんだから!
247風と木の名無しさん:04/11/16 00:41:52 ID:n+XPmzvq

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.      | |
 | |                | |           ∧_∧ ジツハソンナ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  イタズラッ子サンナノネ。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ナマモ/ニ厘ネタ、これでひとまず終了です。
長らくお目汚し失礼致しました。
248風と木の名無しさん:04/11/16 01:30:16 ID:Bg1VO23y
>234-239
テンテー、ラヴィ!!(*´д`*)
249風と木の名無しさん:04/11/16 02:08:21 ID:bgTvwvUG
>>244-247
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!激しくGJ!
密かにお待ちしておりました…天然小悪魔&色っぽい坊に(*´Д`)ハァハァ
小悪魔氏がホントにこんなこと言ってそうで良いです〜!

>いつ誰に何されても知らないぞー
ってあんただよ、やってるのは(w
250風と木の名無しさん:04/11/16 03:11:05 ID:I0XjtBCL
ふと思い立ってテンプレを貼ってみる。
<終了用>

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 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
251風と木の名無しさん:04/11/16 03:11:38 ID:I0XjtBCL
<ギコver.>

 
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252風と木の名無しさん:04/11/16 03:12:19 ID:I0XjtBCL
<ゲームネタ用(PS2)>

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | | |> .PLAY       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
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 | |                |  |:::: |[|    ()ニ⊂   )(    ) |  ヽノ
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   / ̄/|_|ヽ_ノ| (_(__)(_(__).     ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 
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 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   / ̄/|_|ヽ_ノ| (_(__)(_(__).     ||  |
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253風と木の名無しさん:04/11/16 23:52:32 ID:j8kPT8+m
>234-239
たたたたたたたまらん(*´∀`)
やっぱりあのカポー萌えるよね。テンテーがかわいすぎるね。
254風と木の名無しさん:04/11/17 20:54:37 ID:BoFVk3Gn
点プレ乙です。
>>250いいな、下克上の予感
255風と木の名無しさん:04/11/18 19:18:44 ID:/iycVWU8

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  日曜朝8時からのの闘うお兄さんだモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  兼崎×立花さんだからな
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 兼崎が変態風味だから
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 苦手な人はスルーだゴルァ!
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
256風と木の名無しさん:04/11/18 19:19:19 ID:/iycVWU8

俺の先輩の立花さんは寝ていると起きない。
まったく起きない。とにかく起きない。
あまりにも起きないので、寮の立花さんの部屋の隣にある仮眠室に鍵が常備してあるほどだ。
鍵を使えば、誰でも立花さんを起こす為に部屋に入れる。
それを知ってからというもの、俺は、ちょっとおかしい。
用もないのにその鍵を使って、寝ている立花さんをコッソリ見に行ったりしてる。
これ、ばれたらきっと半殺しとかにあうと思う。
俺の変/身後の頭に付いてるツノとか折られると思う。
もしかしたら一瞬封印されるかもしれない。
立花さん、普段は鬼教官だからな。
でも、寝顔が、かわいくて…寝ぼけた返答が、かわいくて…かわいくて…
まあなんていうのか、やめられない。どうしよう、俺。

今日もまた、夜、風呂に入ってからホッと一息をついたところで、内線を手に取る。
もう立花さんは眠っているはずだ。クタクタになって。
立花さんはラ/イダーであると同時に研究員なので、とても忙しい。
その上今は俺の教育で、時間が空いたらその時が寝る時、という状態なんだ。
そんな人の眠りを邪魔しちゃいけない、いけないと思いつつも、
俺は欲望に負け続けていた。
もう封印一瞬じゃ済まないかもしれない。
257風と木の名無しさん:04/11/18 19:20:34 ID:/iycVWU8

TELLLLLLLLLLLLLLL
コールは一分は粘る。じゃないと、気付いてもくれないんだ。
ガチャ「…」
「立花さん?」
「ふぁ。。。」
「ふぁってなんですか(笑」
「んー…悪い」
「謝らなくていいですよ。こっちこそ、すいません…」
「ぅん?」
「今日もかわいいですね。」
「ん?」
「立花さん、かわいいです」
「…ん」ガチャツーツーツー

いつも、こんなだ。
最初こそもしかしたら覚えてるかもしれないってドキドキして他愛もない話してたけど、
後日の様子を見ていると、まったく覚えてないっぽいので、近頃段々大胆になってきた。

で、ここで寝ている事を確認したら、部屋へ行く。
258風と木の名無しさん:04/11/18 19:21:10 ID:/iycVWU8

仮眠室は誰でも入れるけど、こうも頻繁に立花さんの鍵を持っていくところを見られるのはまずい。
ドキドキしながら不自然にならないようにサッと取ってくる。
今日は仮眠室に誰も居なかったからホッとした。

ガチャリ。
この鍵が開く瞬間の緊張は相変わらずだ。
なんだか悪い事をしている気分になる。
でもこれって、充分悪い事かもしれない。いや、悪い、事だよな…どうしよ。。
どうしよって言いつつ、どうにもなんないんだけど…
だって、なんか無理。我慢とかなんか、ほんと、もうできないとこまで来てる…どうしよ。
俺まだ封印されたくねえなあ
でも立花さんのラ/ウザーに入れるなら、本望か?
いやダメだ、こういう事できなくなっちゃうし
…今日はちょっと、触ってみようとか決心してきたんだ。
ずっと眺めているだけだったから。
今日、大丈夫そうだったらちょっと、ちょっとだけですから…すいません!立花さん!
259風と木の名無しさん:04/11/18 19:21:48 ID:/iycVWU8

「立花さーーん…(小声」
立花さんは今日も黒いTシャツに黒のダボダボしたズボンで寝ている。
壁側を向いていて、身体全体が横になってて俺が居る方は背中しか見えない。
俺も同じように立花さんの方を向いて横に寝転がってみた。
触りやすいように。
触ると決めたら触るんだよ。
向こう見てるからこれは絶好のチャンスなんだよ。うん。
…………ハァ……やべっ
……………っ緊張してきた!!
……ハァハァ……よしっよしよし…いくぞ、…いくぞ!
立花さん、そんなに触りませんから、許して下さい。
恐る恐る、手の平を目の前の立花さんの背中の真ん中らへんにくっつけてみた。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!あったかい
立花さんあったかいな〜
ドクンドクンという音が定期的に聞こえる。
呼吸をする度に背中全体が大きく揺れる。
立花さんの体温だ…やべー愛しい!ってかかわいい!
たまらず近付いて、髪の匂いをかいだ。
石けんの香りがする。髪の毛は洗い晒しでそのまま寝たようだ。まだ少し湿ってる。
こりゃ立花さんシャンプーじゃなくて石けんで全身洗う派だな。
そういうところもワイルドでかわいいなー!!
きっとシャンプーで洗ったら髪の毛艶々になるんだ。
今度……いやいや、さすがにね。
260風と木の名無しさん:04/11/18 19:23:02 ID:/iycVWU8

ひとしきり興奮して、我に返った。
あー俺、変態だな。知ってたけど。
でも無理。色々無理。
俺の手の平はじっとり汗ばんできていたので
手形がついててばれたらどうしようと思って、離した。
でも、やっぱり触りたくて今度は人差し指だけくっつけてみた。
なんとなく、背骨を上から下までなぞってみた。
「はっ…」
                            え?
やばい起きた?と思って俺は今まで出した事のないスピードで部屋の反対側まで飛んで正座した。
心臓が止まるかと思った。俺が封印されたカードを思い浮かべた。
そのまま、五分は立花さんを凝視した。けど、反応は無い。
規則正しい寝息が聞こえる。
…どうやら大丈夫なようだ…
びびったあ……………!!
寝言かよ!そういえば立花さんの寝言初めて聞いちゃった〜かわいいなー
カサカサとまた立花さんの横に行って、また同じ体勢で寝転がった。
もうなんてかわいいんだろう!昼間は鬼教官なくせに〜
俺最近研修中ににやけて怒られるけど、立花さんのせいなんですからね〜
なんて知らないんだもんなこの人は。ウェッウェッウェッ
デレデレしてまた背中をなぞった。
261風と木の名無しさん:04/11/18 19:24:12 ID:/iycVWU8

「ふぁあっ!」
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ
立花さんはビクビクと弓なりになって、
背中は触るなとばかりに寝返ってこっち側を向いた。
俺はそれを部屋の反対側で正座しながら見た。
そんでやっぱり五分凝視して、寝てる事を確認…
…立花さん…
もしかして
も、もしかしうっなんだこれ鼻血かティッシュ!誰かティッシュ
血痕など残してはならない。
ならないのだ。

しばらく部屋の隅で体育座りした。
俺は色々反省しなくちゃならない。
そんな気持ちと、
今度は、お腹側が触れるな、って気持ちとの葛藤だ…
今度こそ起きちゃうんじゃないかって。
思いながら俺は手を温めている。
冷たい手が触ったらいくらなんでも起きるし相当の怒りだ。
俺は反省しているはずなんだけど、欲望に負け続けている。
これ、なんていうか知ってる。はんぴれいってやつだな、うん。
立花さん…あの…すいません。何度も言いますけど…ほんと、ごめんなさい…。
ゆっくり近づいて、立花さんの横に正座した。
262風と木の名無しさん:04/11/18 19:24:49 ID:/iycVWU8

手は、充分暖まっていた。
では、失礼します…
無防備なお腹は、柔らかかった。…ダメだ。
ダメだこれ!!あーダメだよ立花さんそんな、こんなのダメだ!!
腹は人間の弱点だ。何からも守られていない。俺は立花さんの弱点を触っているのに、
その立花さんは寝ているんだよ!!
どうしようかわいい。あまりにもかわいすぎて気分が…ウェ…気持ち悪くなってきた
自然と手が動く。わさわさと立花さんのお腹を彷徨う。
その光景もなんだかヤラシくて、立花さん、俺、
立花さん、どうしよう、俺、俺、
起きあがり、立花さんに覆い被さるようにして背中側に左手をついて右手で腹を触り続けた。
黒いTシャツが少しめくれあがって、生肌が見えた。
立花さんは別に色白でもないのに、暗闇ではその肌が白く浮き上がって見えた。
立花さんの生肉だ。生、生…
たまらずTシャツの中に手を滑り込ませた。
右手にすべての意識が集中する。
やわらかくて暖かい肉を軽くつねる。押す。たまらない。
俺の変態。知ってる。変態。
だんだん歯止めが利かなくなってる。どうしようヤバイよ。
誰か止めてくれ。
このままじゃ俺、立花さんの事…
だいたい俺、なんでこんな事しちゃったんだろう。
そういう好きだったのか
触りたいって思った時に、気付いてればよかった
そういう好きだったのか
尊敬だけだと思ってた。鬼のかわいい所を知って、
なんで、なんでこうなったんだ。
立花さんの事好きだ。大好きだ。やりたい!
立花さん!!!
その時立花さんの手が俺の腕を掴み、
俺は思いっきり投げられた。
263風と木の名無しさん:04/11/18 19:25:30 ID:/iycVWU8


痛い。
受け身もする暇無かった。
あんだけ毎日練習してるのに。
やっぱ立花さんは一流だよな〜俺なんか足元にも及ばねぇや…
じゃなくて、
封印だ。これ。
封印されるんだ。
俺は起き上がる気にもなれず、その場に倒れていた。

すると、寝息。
え?寝息?
恐る恐る起き上がって、立花さんを見た、ら。
寝てる…寝てるよこの人…
264風と木の名無しさん:04/11/18 19:26:08 ID:/iycVWU8

………少し泣いた。
立花さんが起きない人で本当に良かった。
起きていても寝ぼけている人で本当に良かった。
強くてかっこよくて優しくてかわいい人で、良かった。
俺の先輩があなたで、良かった。
俺はダメなやつで、変態で、どうしようもないです。
あなたの足を引っ張るし、あなたに変態行為を働くし、
だけど…見る目だけはあったみたいです。
立花さん、俺、立花さんが好きです。
もうこそこそするのはやめます。
堂々と行きます。
…俺は変態です。覚悟してください。
明日も朝から立花さんと研修だ。
俺はまた来た時と同じようにそっと鍵をかけて、立花さんの部屋を後にした。
265風と木の名無しさん:04/11/18 19:26:40 ID:/iycVWU8
10
「おはようございます立花さん」
「おはよう」
「起きたてですね?」
「ん…悪い」
「いいえ全然。寝ぐせついてますよ」
「うるさい。行くぞ。」
「寝ぐせ、かわいいですよ立花さん」
「…何を…変な奴だな」
立花さんはわしわしと頭を掻いて行ってしまった。
でも、そっち側じゃないですよ、寝ぐせ。
かわいい。もう遠慮しません。
「待って下さいよー立花さーん」

*****************************************

「どうだ弘瀬君」
「署長…兼崎君、なんかふっきれたみたいですよ。」
「昨日も行っていたのか?」
「はい、鍵がなかったです。でも、いつもより早く帰ったみたい。」
「そうか…なんかあったかな」
「…まあでも大した事じゃないと思いますけど」
「彼らはもっとお互いの動きを把握する必要がある。仲良くなるといいが」
「兼崎君はちょっと仲良しの意味が違う気がするんですけど…」
「立花に何かあったら鍵を設置した私の責任だ。だが、私は謝らない」
「署長…」
266風と木の名無しさん:04/11/18 19:27:30 ID:/iycVWU8

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   署長かっこいいモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|   あんな悪人何故庇う!
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・l|l)(゚Д゚;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
267風と木の名無しさん:04/11/18 19:51:40 ID:wP5Q2suR
も、萌え〜〜
元ネタ見てないけど、凄い楽しかったです。今度見てみようかな。
268風と木の名無しさん:04/11/18 19:57:02 ID:c0fSCBd1
萌え萌えと拝読しました。
署長カコイイよ署長w
269風と木の名無しさん:04/11/18 20:14:05 ID:51ORTbWy
元ネタ知らないけど、面白れ〜
270風と木の名無しさん:04/11/18 20:14:22 ID:skR4813T
萌えました。笑い殺されるかとオモタw
兼崎へんたいだよ兼崎
立花さん最強だよ立花さん
そしてチョチョー!…_| ̄|○ノシノシノシノシ←笑いすぎ

できればまた投下お願いします!
271風と木の名無しさん:04/11/18 20:25:01 ID:en1j+QJ6
ゲゲゲの軽い変態ぶりに萌えワロタ。そして「封印される」にワロタ。
そしてチョチョー、やっぱり謝らないんかい!
272風と木の名無しさん:04/11/18 20:48:32 ID:ZkPgn+Gd
(((;;゚∀゚))))うおおお、いいね、コレ。
いやコレ呼ばわりしちゃいかんのだがすごく面白かったです!
また読みたいですw
273風と木の名無しさん:04/11/18 21:17:09 ID:8pfaCI+R
私も元ネタ知らないけどかなり萌え笑いさせていただきました!
またの投下お待ちしてます!
274風と木の名無しさん:04/11/18 21:55:02 ID:7R1OYnXf
>>255-266    。o
ヾ(*0w0)人(-M- )ノ
前にも投下してた姐さんですよね?
あああもう可愛いよ可愛いよ!先輩も後輩も可愛いよ!チョチョーナニヤテンダ!w
>俺の変/身後の頭に付いてるツノとか折られると思う。
>もしかしたら一瞬封印されるかもしれない。
笑い萌えでモズク吹きましたよ…
275風と木の名無しさん:04/11/18 22:31:45 ID:0KkOz3dp
待ってましたー!姐さんGJ!
>ツノとか折られる
>封印されたくねえなあ
お馬鹿可愛いよ後輩!!
276風と木の名無しさん:04/11/18 22:40:49 ID:w7/pDq/9
>255-266
GJ!超GJ!ぬおぉぉぉ!!待ってた、お待ちしてました!それはもう楽しみにしていましたよ姐さん!
萌えと笑いを本当にありがとう…ダディかわいいよダディ。
後輩変態だよ後輩。
チョチョー謝ってよチョチョーw

よろしければまた投下して下さいませ!(*0w0)ノシ
277風と木の名無しさん:04/11/18 23:22:01 ID:P266WjKq
泣くのかよ兼崎w
278風と木の名無しさん:04/11/18 23:53:02 ID:+tCSyTEQ
>255-266
まず先輩の可愛さにラヴィ!(゚∀゚)となりましたが、何より後輩の変態っぷりに笑かされました…フッキンイタイヨ-
良いもの読ませて下さってありがとう!大好きです!
279風と木の名無しさん:04/11/19 00:14:12 ID:/vjIKKey
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ナマモノ現存在モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 解散したけど萌えだよな
 | |                | |            \   
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ コピペズレテソウ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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280嵐の誕生日1/9:04/11/19 00:18:28 ID:/vjIKKey
10月**日――りっきの誕生日。今年の彼のバースデーは、台風と共に訪れた。

「あのさ、こんな天気の中、ケーキを買いに行くって言ってくれるのは嬉しいけど、
危ないからやめといてね。わかった?じょう」
「うん、わかった」
こくんと素直に頷くじょうを、りっきが胡散臭そうに見る。どうにも、この台風好きな
恋人の言葉を信頼するのは難しい。そう思ってこっそり観察していると、彼は、新聞を
読んでいてもテレビを見ていてもコーヒーを飲んでいても、外が気になるようでそわそわと
落ち着かない。せっかく久し振りにふたりで過ごせる筈(しかも、自分の誕生日)なのに、
じょうが目の前の恋人より、台風の方ばかりに意識を向けているようで面白くないりっきは、
台風に嫉妬する自分を情けなく思いつつ、上目遣いで彼を見た。
「じょうさぁ……」
「んー?」
「俺とふたりで家に居るの、嫌……?」
鼻にかかる甘えた声にじょうの目が丸くなり、すぐにりっきだけに向けられる優しい
眼差しに変わる。
「ばっかじゃねーのお前。そんなわけ無いだろーが」
低く、けれども、やはりこちらも甘く囁くと、りっきを引き寄せ、口付けた。
――それから数分後。
納得のいかない顔をしているのはじょうである。
「なんだよお前、誘っておいてダメって」
「何言ってんのさ!こんな昼間っからエッチしようなんて言ってないじゃん!」
「いや、あれは言ってただろー」
「言ってないっつーの!勝手に決めないでよ、もう!」
キスを繰り返しながら、恋人のシャツの中に手を忍び込ませようとしたところを阻止
されてしまったじょうが顔を顰めたが、りっきは相手にしない。じょうはすっくと立ち上がった。
281嵐の誕生日2/9:04/11/19 00:19:49 ID:/vjIKKey
「わかった。もういい。その代わり、俺、ケーキ買って来るわ」
「は?わけわかんない!前後が全然繋がってないでしょ!」
驚くりっきに構わずさっさと玄関に行きサンダル(おそらく濡れてもいいように)を突っかける。
「やっぱり台風で外に出たかったんじゃん!」
「おー!外はすっげーぞ、りっき!」
りっきの言葉には耳を貸さず、ドアを開けたじょうが言った。風が吹き込み、部屋の
空気を荒々しく攪拌する。
「じょうってば、危ないからやめときなよ――あっ!」
引き止めようと伸ばした手は、間一髪で間に合わず、じょうは台風に飛び込んでいった。
激しい雨の中を遠ざかっていく背中。呆れたりっきがぽかんと見ていたのは束の間で、
すぐにハッと正気に返る。
「何がケーキだよ。財布どころか傘も持ってないじゃん!ちょっと待ってよ、じょう!」
慌てて靴を履き、傘を手に取る。
「じょう!風邪ひくよ!待ってってば!」
風と雨に負けぬよう、大声で叫んで傘を開いた瞬間――
轟!と吹いた風で、傘が瞬殺された。それを見ていたらしいじょうの楽しそうな高笑いが
聞こえてくる。バカうけである。
「もう!」
傘を投げ捨て(これは後できちんと拾って帰った)、じょうを追って駆け出す。気づいた
じょうが、既に奇声のレベルに達した笑い声をあげながら逃げる。
「何逃げてんのさ!もう帰ろうよ!」
対照的に、必死の形相で追うりっき。
通りには他に人影は無く、ふたりきりの嵐の中での追いかけっこは、その真剣さの差が
出て、たちまちりっきがじょうに追いついた。
「捕まえた――わっ!」
掴んだ腕を強く引き過ぎ、バランスを崩したりっきがじょうを巻き込んでひっくり返った。
282嵐の誕生日3/9:04/11/19 00:20:57 ID:/vjIKKey
「いて……。あっ!じょう、大丈夫?俺、強く引っ張りすぎちゃって……ごめんね、どこも
痛くない?……じょう?」
声をかけ、どう倒れたのか自分の横でうつ伏せになったまま動かないじょうを、不安げに
覗き込む。
「ん……」
くぐもった声が聞こえたと思ったら、ごろりとじょうが仰向けになった。
「じょう!ねえ、どっか痛いの?だいじょ――」
す、と上がった手が頬に添えられ、りっきの科白は風に攫われるように途中で消えて
しまった。共にずぶ濡れのまま、瞳を見つめ合う。
「誕生日おめでとう、りっき」
「……あ、ありがと、じょう」
じょうの手に促され、りっきから唇を重ねる。触れるだけのキスをして離れようとすると、
じょうがりっきの頭に回した手に力を込め、再び唇が重なった。角度を変え、何度も
啄むように口付けてからようやくりっきを解放し、ゆっくり立ち上がる。その様子をぼーっ
と見ていたりっきに手を貸して立たせると、今度はそっと彼を抱きしめた。
「今年も、お前の誕生日を祝えて良かった」
お前と一緒にいられて良かった――言葉に出されなくても解る。りっきも、同じ気持ち
だから。
「うん……俺も嬉しい。有難う、じょう」
言って、じょうの背に腕を回す。
風雨に体温を奪われ、冷えた身体に僅かに残った温もりを、互いに分け与えるように
抱き合う。心だけが、じんわりと温かかった。
283嵐の誕生日4/9:04/11/19 00:22:08 ID:/vjIKKey
「もう、ホント信じらんない!パンツまでびしょ濡れじゃん!」
「ひゃはははは!お前、髪がぺったりひっついてて頭の形がいちもくりょうぜん!」
「……鏡見なよ、アナタもそうだから」
「マジでー?――ホントだ!すげー!おかしいだろこれはー!」
鏡で自分の顔を見て爆笑しているじょうに、早くシャワーを浴びるよう、怒ったように
急き立てる。しかし、そんなりっきの口元も緩んでいるのは、先程のキスの余韻の
せいだ。あんなことをしてくれる恋人を、そうそう怒れる彼ではない。
「着替え、適当に用意するから、さっさとお風呂場に行って!あ、今、お湯を溜めてるとこ
だから、湯船に浸かるといいよ」
白金の髪から雫をポタポタと落としながら言ったりっきが、くしゃみをする。と、じょうが
りっきの腕を掴んだ。
「……何?」
「何?じゃねーよ。お前も風呂入るんだよ!風邪ひくだろーが!」
「そりゃ入るけどさ、じょうの後でいいよ、俺」
「待ってる間に風邪ひくって、お前ー」
「大丈夫だから、ね?」
「……お前、ヘンなこと考えてるだろ」
「ヘ、ヘンなことって?」
タオルを出して頭や顔を拭っていたりっきが、口元をタオルで覆ったまま、上目遣いで
じょうを見る。張り付いた髪の隙間から覗く頬が赤いのは、彼の指摘が正しかったことを
証明している。
「ばかじゃねーのお前。まずは風邪ひかないことが先決だろうが。さっさと風呂入ろうぜ。
俺もお前も風邪ひいてる暇なんて無いんだから」
「うん……そうだよね。じゃあ、着替え用意してすぐ行くから」
「おう。早くしろよ」
「わかってるって!」
284嵐の誕生日5/9:04/11/19 00:23:18 ID:/vjIKKey
そうと決まればお風呂大好きなりっきのことである。てきぱきと二人分の着替えを
揃えると、バスルームに急いだ。
扉を開けると、じょうはすでに湯に肩まで浸かり、鼻歌を歌っていたが、りっきが入って
くると鼻歌をやめ怪訝な顔で見上げてきた。
「……お前、何タオル巻いてんだよ」
「え?だってなんか恥ずかしいじゃん」
「恥ずかしいってお前、もう飽きるくらい見てるだろ、お互い」
「そうだけど……てゆうかさ、じょう……もう飽きちゃった?」
首を傾げて尋ねるりっきに、にんまりと笑う。
「飽きてねえよ。だからタオル取れってー」
「だめ!」
「ケチだなお前ー」
「そういう問題かよ!」
りっきが叫ぶと、じょうの笑い声がバスルームにこだました。
シャワーを浴びたりっきが、じょうの隣に座る。
「はー、生き返ったー。やっぱいいねー、お風呂。ちょっと窮屈だけど」
頬を上気させ、気持ち良さそうに目を細める彼に、じょうが何言ってんのと笑う。
「お前、なんで無理して端に寄ろうとしてんだよ。こっちにくっつけばもっと広く感じるって」
そう言って、りっきの腰に腕を回し、引き寄せようとする。
「わわっ!ちょっと、いきなり何すんのよ!」
「何?感じちゃった?」
「……」
よりいっそうじょうから離れようと、小さいバスタブの許す限りの距離をとり(つまりは、
殆ど離れていないわけだが)顔を真っ赤に染めながら上目遣いで睨む。それでもここ
から出て行かないところが、彼の可愛いところだなどと考えて、じょうのにやけた笑みが
大きくなった。
285嵐の誕生日6/9:04/11/19 00:24:10 ID:/vjIKKey
「ヘンなことしないんじゃなかったの?」
「してねえだろーが」
「しようとしてたじゃん!」
「してねえって!あれは別にへんなことじゃないだろー?」
「……そう、かな?」
強固に言われ、少し自信がなくなってきたりっきの呟きに頷くじょう。
「そうだって。――ヘンなことって言うのはな、」
「へ?」
「こういうことだろ?」
「あっ、ちょっ……じょう!」
口調の変化を敏感に感じ取ったはいいが、バスタブ内で思うように動けず、脱出に
失敗したりっきの、未だ腰に巻いたままだったタオルの上から、彼自身にじょうの手が
触れてきた。
「やっ、やめてって……あ……ぁ」
暴れる程のスペースが無い為、辛うじてじょうの腕を掴み、引き剥がそうとするの
だが、いつの間にかタオルの中に潜り込んできた手に握られ、緩く刺激を与えられると、
体中の力が抜けてしまった。
「んぅ……」
「溺れっから口じゃ無理だなー」
楽しそうに、さらりとそんな科白を口にするじょうに、りっきが耳まで赤くなる。
じょうは力の抜けたりっきの足を開かせると間を詰め、逃げられないりっきの唇を
啄んだ。
「じょ……待っ、て……。やだ……あっ」
「やだ?なんでだよ?」
そう言って、空いてる方の手を胸に滑らせる。
286嵐の誕生日7/9:04/11/19 00:25:08 ID:/vjIKKey
「あ、あ……っ」
掌で少し刺激しただけですぐに反応を見せる、彼も、彼の身体も可愛くて堪らない。
胸の突起と、彼自身を弄られて全身をビクビクと震わせているりっきに、拗ねるような
口調で尋ねる。
「俺とやるの、そんなに嫌なわけ?お前」
「ちがっ……!」
「じゃあ、なんだよ」
「ん……だっ、て、ここ……狭いし……」
顔を俯かせたまま、ちらりとじょうを見てから恥ずかしそうに伏せられる、潤んだ瞳。
それがじょうを更に煽っているなどとは、少しも気づいていない彼に苦笑する。
「狭いし、何?」
「……声……響くから……ここじゃ、や……ぁ」
場所の問題なのだと、行為そのものを拒否しているわけではない彼に、じょうが
嬉しそうに笑った。
「ははっ!重なっちゃえば一人分のスペースしか必要ねえじゃん!それに、外は台風
だから、声なんて聞こえやしねえって」
だから、とりっきの耳に唇を寄せる。
「遠慮なく聞かせろよ、お前の声。いっぱい……な?」
「だめだって……は、あぁ……っ!」
急に強く扱かれて、それでも身を捩って抵抗を試みるりっきをものともせず、彼の
片方の足をじょうが抱えた、その時――
「ちょっと!待っ……わっ!!」
バスタブの底に、身体を支えるようについていたりっきの手が滑り、片足を取られて
いる彼はバランスを崩し――
湯の中に沈んだ。
287嵐の誕生日8/9:04/11/19 00:26:09 ID:/vjIKKey
「りっき!」
湯の中で暴れる彼を起こそうとするが、うまい具合に出来ないのは、自分が彼の
足を持ったままだからだと、ようやく気づいて手を放したじょうが、今度はりっきの
腕を掴み、引き揚げた。
「おい、大丈夫か?」
バスタブのふちに凭れ、気管に湯が入ってしまったのであろう、苦しそうに咳を
繰り返すりっきの背を軽く叩きながら声をかけると、恨めしそうな目をした彼がじょうを
振り返った。
「じょう……お、俺を、殺す気?」
咳の合間に言う彼に、彼が無事だったことに安堵したじょうは――爆笑してしまった。
「!!何笑ってんのさ、じょう!」
死ぬような目にあったりっきが、今度は怒りで頬を染める。むきになって怒る彼に、
こんな元気があるなら心配ないだろうと思うと、ますます笑いを止めることが出来ない。
りっきが勢いよく立ち上がり、それによって生じた波がじょうの顔を直撃した。
両手で拭った顔を上げると、りっきがバスルームから出て行くところだった。
「じょうのばかっ!そうやって一人で笑ってなよ!」
「あっ、おい、りっ――」
じょうの呼びかけも空しく、ドアは乱暴に閉じられた。
とりあえず笑いの発作を抑えようと、ゆっくり湯船に浸かって落ち着いたじょうが
リビングに戻ると、可愛い恋人は膝を抱えてソファに座り、つまらなそうな表情で
テレビを見ていた。
「りっき」
声をかけても、一瞬チラリと目線を寄越したきりで、微動だにしないりっきに苦笑する。
「おい、りっきちゃん。さっきは悪かったってー。機嫌直せよ、なー?」
「……もう少しで誕生日と命日が同じ日になるとこだったのに、あんなに笑うこと
ないじゃん」
「だーかーらー、悪かったって謝ってるだろ?誕生日プレゼントやるから許せってー」
288嵐の誕生日9/9:04/11/19 00:27:34 ID:/vjIKKey
「……プレゼント?」
一緒に過ごせるというだけで、それが最高のプレゼントだと思っていたりっきは、
驚いてじょうを見た。じょうが差し伸べた手を取ると、こっちだと寝室に連れて行かれた。
ベッドに座らせられる。
「俺、なんか貰えるなんて思ってなかったから、ビックリ――」
言い終わらないうちに唇が重ねられ、そのまま押し倒される。
「!?ちょっと……んんっ」
抗議しようと開いた唇から、じょうの舌が侵入してくる。情熱的に口内を犯されて、
りっきの抵抗が止むと、じょうは唇を解放した。
「プレゼント……くれるんじゃ、なかったの?」
「あげるよー。キスして“あげる”し、セックスもして“あげる”。気持ちよくして“あげる”
し、愛して“あげる”。それから――」
下からぽかんと呆れたように見つめてくるりっきに気づき、黙る。しばし見つめ合った
後に、ニヤリと口角を上げた。
「嫌か?」
「……なんか俺、騙されてる?」
眉を顰め、首を傾げたりっきの言葉に笑うと、じょうは再び恋人に口付けた。

「キスもセックスも気持ちよくするのも愛するのも、俺だってやってるんだから、
あれじゃプレゼント交換じゃん」
とは、後のりっきの言葉である。しかしあの後、かなり長い時間、寝室から彼の甘い
声が聞こえていたことや、先の科白をじょうに言った後に(対するじょうは「なるほどー」
と笑っただけだった)、こっそりと胸の内で
(でも、すっごくいっぱい幸せも貰ったから、いっか)
と呟いたことを考えると、どうやらそれは抗議ではなかったようだった。
じょうからプレゼントを貰っている間に台風は通り過ぎ、りっきはライバル(?)に
邪魔されること無く、その後もふたりきりの甘い誕生日を過ごしたのだった。
289風と木の名無しさん:04/11/19 00:31:07 ID:/vjIKKey
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  王道カプ萌え〜
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| てゆうか無意味に長かったな
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  スミマセン・・・
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・l|l)(゚Д゚;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
290風と木の名無しさん:04/11/19 03:50:00 ID:9EukivWm

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  作者の脳内スカパで放映されてる豆頁文字Dだモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  パパンとAP1のアーリーデイズだってさ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| ̄''l
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
年齢はふたりとも22〜3歳前後、車知識は疎いので適当です。つかそこら辺は書いてません。
某しゃいにー並みに夢見てます。読後の健康は一切合財保障致しませんのでご注意を。
上手い伏せ字が見つからない……ッ。
291峠の名無しさん 1:04/11/19 03:51:15 ID:9EukivWm
――強く、したたかに立ち回れ。


【豆頁文字D Early Stage 〜Wicked Sansation〜】

からからに乾いた喉。脇と背に汗で貼りついたシャツ。
眼鏡越しに見る深夜の視界は、己の思い描くラインを追う激務から解放された安堵と疲労でぼやけかける。
「……は……」
肩でひとつ大きく呼吸をしながら、愛車のドアを開ける。
冷たい空気が一気に車内に流れ込み、城嶋俊矢は反射的に目を閉じて眼鏡を外し、
手の甲で目許を拭うともうひとつ息をついた。
「やられた、ぜ……」
アスファルトに足を下ろそうとして初めて、僅かに自分が震えているのに気付く。
未だ早鐘を打ち続ける鼓動。
服の中で上がったままの体温。
地元では久しく味わった事のない、きりきりと引き絞られるような緊張感の所為だった。

クルマを降りれば、山から降りてくる冷気がいっそ心地良い。
外した眼鏡をかけ直し、俊矢は自分のいつもの冷静な表情を作り直すと、
既に眼前に止められているクルマと、その前に立つ背の高い男に視線を向けた。
がっしりとした骨太な体格。広い肩幅と筋肉のついた両腕。
目に見える動きの少ない、それでいてやけに男臭い表情。
「……ったく」
――その薄い唇が、火のついた煙草をくわえて。
「お上品なツラしてえげつねぇ走りしやがるな、あんた」
紫煙を吐き出しながら言う。
口元はわずかに笑っているが、その目にはしたたかな雄の底光り。
強くしなやかに、図々しい程にあらゆるものを享受し、貪り、そして決して折れない精神。
自分がなにより見たかったもの。
「そりゃ、どうも」
噂ひとつ身ひとつでやってきた甲斐は充分にあった。
男の目を正面から見返し、俊矢は、敗者とは思えないほど不敵に笑って見せた。
292峠の名無しさん 2:04/11/19 03:53:14 ID:9EukivWm
……藤原分太にとって、それは唐突な出会いだった。

「分太、分太っ!!」
いつものように愛車を駆って給水塔の前まで来れば、いつもの面子がいつもの騒々しさで出迎える。
「なんだ、裕一。真っ青な顔して」
「ったくぅ、暢気な顔してんじゃねーよ、ヤバイのが来たんだよ! ヤバイのが!!」
「……あぁ?」
親友の裕一も、峠で屯する仲間のひとりだ。車の腕前は分太には遠く及ばないものの、お調子者で憎めない。
古くからの付き合いのあるこの親友は、走り屋同士の意地の張り合いだとか、縄張り争いだとか、
そんなものに一切無縁のところで走っていた分太を一躍秋名のトップダウンヒラーに
押し上げた影の立役者でもあった。
「アレ見ろよ、あの筑波ナンバー……」
そんな親友がこっそり指差した先を見て、分太は僅かに眉を寄せた。
自分たちからやや離れた場所に止められている――というよりは、裕一達を含めたその場のギャラリーが
遠巻きにしていると言い換えた方が良いか――シルバーメタリックの車体と
その車によりかかって、腕を組んだままなにやらじっと前を見つめている眼鏡の青年。
やや線が細く、見るからに賢しそうなその横顔は、確かにこのあたりでは見かけない種類の顔だ。
「アレが、どうしたって?」
思ったまま、大した感慨もなくぼそりと口にした分太に、裕一は思わずずっこけた。
「バカ! おまえホンット何も知らねえのな……」
有り余るほどのドライビングテクニックと度胸を兼ね備えているくせに、走り屋の勢力図だとか名前などには
最近までとんと興味のなかった分太である。
そんな文太に業を煮やした裕一が口を開きかけたその瞬間、眼鏡の青年がふいにこちらを向いた。
293峠の名無しさん 3:04/11/19 03:55:37 ID:9EukivWm
           マジシャン 
「あいつ、筑波の“魔術師”じゃねえ?」
「そーいや……あのクルマ……ちょっと前に来てたぞ? マジっ速だぜアレ」
周囲から聞こえる囁き声にも動じず、青年は分太に向かって歩いてくる。
(ふう……ん)
改めて間近で見れば、理知的な顔立ち。
見慣れた地元の連中の泥臭いそれと違って、どこか育ちの良さを感じさせる風貌だった。
今までに相手にした事のないタイプだが――真正面で視線がかち合った瞬間、立ち昇るのは強い意思。
(魔術師、ねえ……)
秋名最速のダウンヒルマイスターと筑波で名を馳せる“魔術師”の対峙に、一瞬、ギャラリーがしんと静まり返る。
「この間――塩那の東同を負かしたのは、あんたか?」
穏やかとも言える表情だったが、眼鏡の奥の瞳は油断のならない光を放っていた。
「ああ」
初対面であるかどうかは、峠で一度でも名を馳せた以上関係のないこと。
不躾な切り出しの会話以上のスリリングなやり取りこそが走り屋の領分。
「あのバトル、見せてもらった」
「そりゃ、どうも」
この後の流れを、その場にいる誰もが期待する。
「で? なんか用か?」
眼鏡を直す仕草の後に、意外なくらい屈託のない笑顔で青年は言う。
「……あんたに東同を先にコテンパンにされて予定が狂った」
2週間程前に呼び出されて行った塩名の峠。
そこで出会った東同と名乗る男の顔を思い出して、分太はやれやれと溜息をついた。
バトルの後に散々口説かれたものの、いざという場で双方の意向がぶつかり合って――まあ、それはいい。
「で、わざわざこっちに来たってか?」
「察しがいいな……こっちは何回か来て大体のコースは掴めてる。
あんたの都合とクルマが良ければ――」

次の瞬間、秋名の峠はギャラリーのどよめきに包まれた。
294峠の名無しさん 4:04/11/19 03:57:41 ID:9EukivWm
……そして、今に至る。
「ここだ、入んな」
分太の先導に着いて来てみれば、そこは2階立ての古惚けたアパートの一室。
話によればどうやらその部屋は走り屋連中の回り持ちらしい。仲間同士の集まりに使うといえばまぁ聞こえはいいが、
実際のところは手持ちがない時の連れ込み宿代わりのようなものだろう。ならばその通りに使うだけの事。
臆する事なく上がりこむ俊矢の背後で、ガチャリと閉められる古い鍵。
「……」
雑誌やら何やらが散らかった部屋には低い卓袱台がひとつと、畳の床に敷かれたままの乱れた布団があるだけ。
その側に座り込み、湿った生々しさを確認して眉を顰めても今更だろう。
敗北の味も、自分と同じ男に抱かれる事も知らないわけではない。
そして未だ熱の冷めやらない眠れない身体を持て余しているのは、互いに同じ。
だから俊矢はこの男を選んだのだ。

あの夜。
あれだけの走りを見せた男がどんな風に自分を扱うのか、見届けてやる。

自分を見つめる俊矢の真横に同じように座り、腕を伸ばすと分太はその身体を腰から捉えて引き寄せる。
すかさず自分の肩に腕が廻されて逆に引き寄せられ、分太は思わず苦笑した。
「お上品なツラして――」
全部を言い終わらない内に接吻けられた。それなりにこういった事には慣れているのか、舌は遠慮なく絡んでくる。
ちらりと薄目を開ければ、眼鏡の奥の目はうっすらと開かれていて――。
ならばと背に廻した手で後ろ髪を掴んで押しつけ、主導権を握り返すように、分太は俊矢の口腔を激しく貪った。
「……ん、ん……ッ……!」
絡み合う濡れた音と、僅かに鼻に掛かった苦しげなうめきが男の欲情を否応無しに煽り立てる。
先に根を上げたのは俊矢の方だった。身を捩って唇をもぎ離すと、息苦しさに状態がぐらりと傾ぐ。
その機を逃さず、分太の大きな手の平が俊矢の両肩を捉え、そのまま後ろへと押し倒す。
「……こっちまでえげつねぇのかよ」
するりと服の下に潜りこんでくる手にぞくりと身を震わせながら、俊矢はそれでもニヤリと笑ってみせる。
情欲に潤んだ目と身体を晒して。
「それは……お互い様だろう……?」
295風と木の名無しさん:04/11/19 03:58:42 ID:9EukivWm

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 多分この時点で誰もついて来れてないモナ……
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  チラシの裏で満足しときゃいいのに……
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ オイオイ……
 | |                | |     ピッ   (´∀`;)(・∀・;) (゚Д゚∩
 | |                | |       ◇⊂    )(    )⊂  |ノ
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _).⊂_O__|| ̄''l
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
中途半端ですが、続けますか?
296風と木の名無しさん:04/11/19 04:33:45 ID:l6xCniyb
自虐的なコメントや誘い受けは控えた方がいいと思われ。
297風と木の名無しさん:04/11/19 12:53:55 ID:/eNZJVsP
>>290-295
20年前のパパ×神手キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
まさか本当に読めるとは思わなかったよ…漏れを萌え頃す気ですか?
もっともっと脳内スカパのお裾分けキボンヌ
298風と木の名無しさん:04/11/19 15:53:55 ID:r6RH1cRO
漏れもお裾分けキボンヌ!
つーかその前のvs東堂のくだりが超気になるんですがw 攻×攻かよw
299風と木の名無しさん:04/11/19 16:30:44 ID:E46GWwUN
脳内スカパキタワ(AAry
萌え死にしそうです
筑波の魔術師
ステッキー称号もイイ!
親父達のアーリーデイズイイヨーイイヨー
300風と木の名無しさん:04/11/19 17:16:12 ID:zYCyZEhr
GJ萌ました。元ネタ知らないけど続き読みたいです。

ただ失礼ながら続きを臭わせて切るのは如何なものかとは思います。
続き投下されるまで新しいネタ出しづらくなるんじゃあ・・・
301風と木の名無しさん:04/11/19 17:42:45 ID:mWLHTI6W
終わりのAA貼ってるからいいじゃん
気にしすぎだよ
302風と木の名無しさん:04/11/19 18:32:33 ID:AulBQxbG
一つ一つのネタが一回にある程度まとまって投下されるなら、
間に別のネタがいくつか挟まろうと、自分は別に気にならない。
脳内スカパの続きはそりゃもう激しくキボンだが、もし他のネタを
投下準備してる姐さんがいらっしゃるのなら、遠慮せずにお願いしたいです。
303風と木の名無しさん:04/11/19 21:10:02 ID:VUhxedQW

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   ク龍妖魔学園紀ネタだモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 
 | |                | |            \ ネタバレ全開
 | | |> .PLAY       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | | __._  ピッ   (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚ ) 
 | |                |  |:::: |[|    ()ニ⊂   )(    ) |  ヽノ
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |ps2| |    /-┌ ┌ _)┌ ┌ _)⊂UUO__|| ̄''l
 |  °°   ∞   ≡ ≡   / ̄/|_|ヽ_ノ| (_(__)(_(__).     ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                               クリア記念カキコ
                               何故あのエンドになったか、と一応考えてみた
                               エロくないです。スマン
304:04/11/19 21:12:10 ID:VUhxedQW
血の匂いと微かなラベンダーの香り。
血溜まりの中、ぴくりとも動かない「誰か」の身体。
 ああ、またあの夢だ・・・俺は妙に冷静にそう思う。
そこに倒れているのは俺にとって大切な「誰か」だと言う事は分かっている。
ただそれが「誰」なのか思い出せない。

「その記憶を俺にくれ・・・」
俺の耳元で低い声が囁く。背後から回された腕が俺を絡めとる。
駄目だ、と俺はそう声に出そうとした。
これは「誰か」を信じきれなかった俺が背負うべき罪。
だが、それは声にならなかった。俺を拘束した手が強引に顔を捻り
かがみ込んだ男の唇に言葉を封じられたから。
それを気持ち悪いとは思わなかった。
ただ言葉を奪われた事が歯がゆく腹立たしい。
 放せ、そう言おうともがく俺の舌が執拗に吸い尽くされる。
 俺の記憶を奪うな、心の叫びは呆気なく無視されて俺はその場に押し倒された。
「・・やめてくれっ」
やっと解放された口から漏れた言葉は可笑しいくらい当たり前で、そしてやはり冷静だった。
ああ、俺はどこか壊れてしまったのだと・・・体内に熱いもので蹂躪されながら思った。
馬鹿馬鹿しく思える程呆気ない行為だった。
死体を前にしながら、唯一信頼していた男に犯されながら俺は笑った。
俺の顔を覗きこむ、生真面目な男の顔を見ながらこいつは何をしたかったのだろう、と考えた。
俺を慰めるつもりだったのかと思うとおかしくておかしくて涙が毀れた。
「皆/守・・・」
らしくない不安な顔。誰もが恐れる生徒会会長様のこんな顔を見たのは俺が始めてだろう。
後悔するならしなけりゃいいのに。
いいよ・・お前が不安から解放されるなら、こんな記憶くれてやる。
お前と共に生きてお前と共に死んでやるから。
今度か俺から口付けて、記憶を消してくれ、と頼んだ・・。
305:04/11/19 21:12:56 ID:VUhxedQW

「・・・ねえ・・・・」
ふいにどこからか、声が聞こえた。
ひどく聞き覚えのある声・・。いや、「この時」に俺はこの声を知らないはずだ。
 俺はゆっくりと死体を見つめた。
それは「誰か」ではなく、はっきりと自分のよく知った男の顔で。
声出せない俺に血まみれになった顔のまま寂しそうに呟いた。

「ねえ・・・俺の事もそうやって忘れるの?
俺を殺したのはお前なのに・・・・」
3063:04/11/19 21:15:01 ID:VUhxedQW
  悲鳴をあげて飛び起きた・・・と自分ではそう思ったつもりだったが声も出ず
身体を動かす事もできなかった。
 早く起きねば、そう焦りながら覚醒する瞬間の僅かな時間がもどかしい。
「・・・・・うっ」
やっとあげた声はくぐもっていて、こじ開けた目には何も映らない。
何かがぼやけている。窓から指し込む光りは感じられるのに。
 濡れた音がして、視界を塞いでいたものが放れていく。
それがゆっくりと見知った男の顔になり、にっこりとそいつが笑った。
夢の中で血に塗れていた男の無邪気そのものの笑顔に俺は一瞬戸惑った。
「おっはよ〜こうちゃん。でもって・・・」
ぺこり、と幼い仕草で頭を下げて
「ご馳走様でしたあ。」
 その意味をようやく理解した俺は・・・拳で頭をぶん殴った。
「っわ、酷い。何するんだよ。」
よよよ、と泣き崩れる仕草をするそいつを取り合えずもう一度ぶん殴る。
「それはこっちの台詞だ。とめー今何しやがった。」
「そりゃもう、オハヨウのキッス。こうちゃんが美味しそうな顔して寝てるからいけないんだよ。」
悪びれた所の全く無い台詞に眩暈がしつつ
「誰が美味しそうなんだ、誰が。いいからそこに座れ。」
思いきり怒った声を出す。
「うう、ゴメンなさい」
3074:04/11/19 21:16:32 ID:VUhxedQW
 
子犬が尻尾をたれるように、いきなり大人しく、ベッドの横の椅子に腰を掛けると上目使いで俺を見る。
「・・・もういい。いいか?ここは日本だ。外国育ちのお前には挨拶みたいなモンだろうが
やたらめったらそういう事すると誤解されるぞ?」
 すっかり怒る気力も失せて、取敢えずそう釘をさしておく。
「う〜ん、誰にでもするわけじゃないんだけど。」
 何気に怖い事を言われたような気もするが、聞かなかった事にして時計を見る。
案の定、とっくに午後の授業は始まっていた。
 トレジャーハンターのこいつに付合って夜の墓地の探索に行くようになってから、疲れが出た事も
あるが、真昼間の保健室で側に人がいる状態でここまで熟睡するとは我ながら不覚だった。
(・・・昨夜、あいつと寝たからか・・・)
久しく見なかった夢を見たのは恐らくそれが原因。
そしてこいつが側にいた事も・・・
308風と木の名無しさん:04/11/19 21:17:13 ID:VUhxedQW
 「俺を殺したのはお前なのに・・・」

「・・・・・うっ・・」
突然、夢の中の血に塗れたこいつの顔がクリアに蘇って吐きそうになる。
血の匂いの充満した温室、砕けた鉢、掻き消されるラベンダーの香り・・。
「こ、こーちゃん、大丈夫?俺がキスしたりしたから・・・」
「・・・違う、大丈夫だ。」
俺は火の消えたアロマパイプに震えながら火を点す。
淡いラベンダーの香りが身体に染みついた血の匂いを消し去ってれるようで
やっとリアルな夢の記憶が遠のいていく。
「大丈夫だ。何も食わないで寝てたから腹が減っただけだ。」
そう言って俺はこいつが好きだという笑顔を作る。
「本当に?」
そう言って、泣きそうな顔で俺を見つめるその表情はひどく幼くて、胸が痛む。

 お前は俺を信じているのだろうか、それとも信じているフリをしているのだろうか。
勘の鋭いお前の事だからとっくに俺の正体なんて気付いてるかもしれないな。
 別にどちらでも構わない、と俺は思う。
このままいったら・・俺はお前を殺す事になるから。
墓場に眠る夥しい生きたミイラ達の中にお前を眠らせる事になるから。
 あの中には多分お前の同業者達も大勢いる。もう何人この手で葬ってきただろう。
生徒会の名の元に。
 でも・・・お前は・・・お前だけは・・ 
3096:04/11/19 21:22:36 ID:VUhxedQW
「ねえ、こーちゃん。」
「ん?」
「もし、もしも俺が今すぐ墓の探索やめて学園を出ていく、と言ったらついてきてくれる?」
 意外な質問に、全く反対の未来を考えていた俺は一瞬呆気に取られて、馬鹿みたいに
こいつの顔をまじまじと見ていた。
 有り得ない問い。こいつはもうあの墓が単なる遺跡ではなくて、それに囚われる墓守達の
存在を知ってしまった。
それを途中で放りだすなぞ、こいつには出来ないだろう。それでも俺は
「ああ。いいぜ。」
と有り得ない問いに戯れのように答える。
 俺の魂はまだあの墓に囚われたままだから、墓から放れたら生きる事は出来ない。
 それでも、お前を殺さずに済むならその選択は悪くない。
「あ〜嬉しいな。でも・・・」
嘘だよ、と笑う顔を見て俺も笑顔をつくる。
「ああ分かってる。」
「うん、でも全部終わったら、俺がこの墓全部解放できて皆救えたら一緒に行こう。
前にこの学園から出たいって言ってたよね。鳥や雲みたいに。
俺が連れて行ってあげるよ、世界中。それで一緒に宝探しをしよう。」
「そりゃ、楽しみだな。世界中のカレー食ってみるか。」
「・・・壮大な夢だねえ。」 
 お互い顔見合わせて盛大に笑う。壮大な馬鹿馬鹿しい夢を語り合いながら。
3107:04/11/19 21:23:15 ID:VUhxedQW

 墓をすべて解放して皆を救うか、そうお前ならできるだろう。
 でも俺は一緒に行けない。あいつを、この墓そのもののあいつを置いてはいけない。
お前を愛するものはこの学園にも、多分これからも大勢存在するから。
 でもあいつの側にいるのは俺しかいない。
お前と一緒に歩みたいという弱い心を説き伏せて、俺はあいつと逝くから。
どうか、この数ヶ月だけ共に過ごした馬鹿な男の事を片隅にでも置いておいてくれ。
「こーちゃん、約束だよ?愛してるからね。」
「馬鹿・・・」
 ああ、俺も愛しているよ。

311風と木の名無しさん:04/11/19 21:24:14 ID:VUhxedQW

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   ・・・何と言うか・・・スマン
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | | __._  ピッ   (・∀・ )(´∀` ;)(゚Д゚;) 
 | |                |  |:::: |[|    ()ニ⊂   )(    ) |  ヽノ    
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   / ̄/|_|ヽ_ノ| (_(__)(_(__).     ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
312風と木の名無しさん:04/11/20 02:44:26 ID:bTT1DxRZ
gj!
あのedに会長×アロマを感じていたのでおいしくいだだきました
313風と木の名無しさん:04/11/20 13:07:00 ID:0gb80wBL
会長が憎いが、三角関係萌
314風と木の名無しさん:04/11/20 23:01:44 ID:heRdwVfu
アロマヒロインだよアロマ(;´Д`)ハァハァ

主皆主&阿皆捕食者としては大変に美味しゅう晩餐ですた
GJ!
315風と木の名無しさん:04/11/20 23:35:54 ID:s7XXfVr8
                / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                |  粒等屋ビデオ作品・兵制セブソ
副隊長格(あくまで格)×科学担当だって。
 ____________  \        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  根草栖マダー?
 | |            | |          \
 | | |> PLAY.     | |            ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |            | |           ∧_∧  ∧_∧  ∧∧ ドキドキ
 | |            | |     ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |             | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°  ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
316風と木の名無しさん:04/11/20 23:37:11 ID:s7XXfVr8
異星人襲来への対処だの、K備隊不要論だのと何かと忙しい毎日。
隊員等自身にも降りかかった非情な結末もあったが、いちいち気にしている暇
もなく、次々と襲来する異星人の驚異から人々を守るべく活動するのが常であ
った。
だが、ある隊員の中で、どうしても暗い蔭を落としている事件があった。
異星人テロリストに関する事件…そして、その中の女性に心を通わせたゆえの
悲劇。

…とまぁ前フリはこんな物で(採集章VOL3参照)
31701:04/11/20 23:38:55 ID:s7XXfVr8
(シーン:居住区)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「今日も元気だ玉丼が旨い!ってなぁ!」
「縞隊員、十杯はいくら何でも異常ですよ」
 居住区の通路をTシャツとジャージ姿で歩いている二人の隊員。
 一人は183cmもの長身で鬼瓦のような顔の縞啓輔、もう一人は目つきが鋭く
線の細い若者・風森正樹で、シャワー後の為か二人ともタオルを引っかけなが
ら上気した顔である。
「いちいち細かいことは気にすんな風森!いつ何時でも、俺達は戦えるように
常日頃からの心構えってのが大事なんだからな!腹が減っては戦は出来ぬって
なもんだ!」
 豪快に笑い飛ばす縞に、苦笑する風森。
 厳しい戦いの中にあっても、思い悩んだり苦しむ素振りも見せない、縞の精
神的な強さを改めて感じていた。
(前線でいくつもの戦いを経験しているからだろうな…持ち前の明るさも多少
はあるにしろ)
 そう考えると、風森は却ってもう一人の同僚--瑞野拓真--の事が気がかりで
ならなかった。
 それは縞も同様で、自販機でコーヒーを買う際に隣室である風森に聞いたも
のである。
「瑞野は…部屋に籠もったままか?」
「ええ。やっぱり、辛かったんでしょうね。最愛の人を失って……」
「そうか…」
 数日前は、司令室でいつもと変わらない様子を見せた瑞野。
 どこか儚げな少年のような柔らかい笑顔で、縞や風森等ととりとめのない会
話をしていたのだが、装備のデータ監修を行う際、不意に物憂げに瞳を曇らせ
る一面もあり、どうしても彼女の面影か瑞野の中に暗い蔭を落としていた。
31802:04/11/20 23:40:52 ID:s7XXfVr8
「縞隊員なら…瑞野隊員を元気づけられると思いますよ」
「!?」
 風森の唐突な言葉に、コーヒーを吹き出しそうになる縞。
 いつにない慌てようで、風森は思わず眉をひそめる。
「縞隊員?」
「…ちょっ…ちょっとまて……何で俺が?」
「普段から仲いいじゃないですか。配属前のセクションは違いますけど、結構
付き合いも長いみたいだし」
「お前、それとこれとは…」
「縞隊員はご存じないでしょうけど…瑞野隊員、縞隊員に結構憧れてたそうで
すよ。多少暴走する癖があるにしろ、根性は誰にも負けていないし…」
「初耳だぞ、そんなの。っつうかだ、何でお前がそんな事を知ってるんだ?」
「えっ!?」
 現在の風森は、いろいろと事情あって段(セブソ)が姿を借りた者であり、元参
謀の古橋とも付き合いがある為、防衛軍の今昔その他色々と話が入っているの
も無理もなかった。
 えー…と呟きつつ慌ててごまかす風森。
「それはその、参謀から…聞いたことがあって」
「…へぇ〜?」
 一瞬、疑いの眼差しを向ける縞だったが、深くは詮索せずにコーヒーを飲み
干した。
「風森」
「…はい?」
 タオルを肩にかけ風森の方を向くと、縞がにんまりと笑みを浮かべた。
「今度時間が取れたら…みんなで行きつけのおでん屋にでも行くか?昔話に花
を咲かせるのも悪くないだろ」
「ええ、ぜひ…」
 笑顔で答える風森を残し、縞は鼻歌を歌いながらその場を後にするのだった。
31903:04/11/20 23:44:23 ID:s7XXfVr8
(シーン:居住区・瑞野の部屋)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 簡易ベッドに簡易デスク、専用パソコンを前に簡易チェアに腰掛けながら、
瑞野はぼんやりと物思いにふけっていた。

<僕は殺されてもいい…!>
 瑞野に向かい銃を突きつけた彼女<紗江子>への切実な思い。
 あの時彼女は、引き金を引くことを僅かに躊躇っていたのか…。
 だが彼女の胸を隊長の銃弾が貫いた時、その真相は闇と消えた。

「お〜い、瑞野〜」
 聞き慣れた同僚の声に我に返る瑞野。
 僅かにドアを開けると、そこから縞の満面の笑みが覗き、酒瓶(通常ボトル
サイズ)とつまみの袋をちらつかせていた。
「縞隊員、それは…?」
「喜べ、隊長の許可を貰って今日は酒解禁だ!朝までとことん飲み明かすぞー!!」
「えっ!?ちょっと…」
 縞はどかどかと瑞野の部屋に入ると、勢いよくベッドに腰掛け酒瓶の蓋を開
けた。ドアを閉め、慌てて縞の傍らに腰掛ける瑞野。
「もう、いきなり何なんですか?」
「こいつはとっておきでな、九州の知り合いから送ってもらった芋焼酎だ。
ほら、お前も飲め飲め!」
「はぁ…」
 縞は慣れた手つきでマグカップ二つに湯を注ぎ、そこに焼酎を注いだ。
 湯で割った焼酎の、独特の香りが部屋中に漂う。
「香りから違うなぁ、年代もんは」
「あのー縞隊員…」
「お前もやれ、ほら!」
 縞が差し出したコップを手にし焼酎を飲むと、芋焼酎独特の香りが口内に広
がる。
32004:04/11/20 23:46:38 ID:s7XXfVr8
「どうだ?」
「あ…すっきりして結構飲みやすいですね」
「だろ?さぁさぁ瑞野、もっとぐっと行け、ぐっと!」
 促されながら瑞野が焼酎を何杯もあおり、縞もそれに次いで飲み干した。
 つまみで用意された地鶏の炭火焼きを口に放り込むと酒の旨みが増し、さら
に瓶の中の焼酎が減っていく。
 ほろ酔い加減の薄紅色に染まった頬で、子犬の様な眼差しと可愛らしい笑顔
を向ける瑞野。
「思い出しますね。K備隊配属になってから、縞隊員と風森には酒の方を散々鍛
えられて…」
「そうだなぁ…お前、最初は全然飲めなかったのに。俺達がお前を鍛えたよう
なもんだな」
「…でも、風森は縞隊員に鍛えられたって言ってましたよ?」
「そうだっけか?」
 そう言って苦笑いしつつも縞は、何故か内心焦っていた。
 過去一度の…酒が絡んだ忘れられない暴挙。
 瑞野はすっかり忘れているのだが、縞はあの時の気まずさをはっきりと覚え
ていた。
 そして今の状況はそれと酷似している故に、縞の焦りは相当な物だった。
 気が付けば、室内の薄暗い簡易照明に照らされた瑞野の顔が、縞の方を真っ
直ぐ見つめている。
「縞隊員、どうかしたんですか?」
「…何がだ?」
「いつもの縞隊員なら…みんなも一緒に誘って飲むじゃないですか」
「まぁ、たまにはな…。お前とゆっくり話もしたかったし、第一こいつは他の
奴らに飲ませるほど量もない」
「確かに二人で飲むには充分だろうけど…でも、僕に話っていうのは?」
「それは…だな……その…」
32105:04/11/20 23:48:54 ID:s7XXfVr8
 彼女のことは…あの一件はもうきっぱりと忘れた方がいい…という言葉がイ
ザとなると出てこない。
(これじゃあ、あの時と一緒じゃねぇか!)
 時間が経つに連れて酔いが回り、子犬のような黒目がちの目を潤ませながら
瑞野が縞の顔を静かに見つめている。
 それ故に余計に、縞の口からは言葉が何も出てこない。
 防衛組織の隊員と言えば、体格良しで顔つきもなかなか濃く壮年の男子が主
であるが、背丈が170cmと小柄で、どこか子犬のような優しい愛らしさを持つ
瑞野。
 縞の中で………何かが爆発しそうだった。 
〜〜〜〜〜〜回想〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 四年前・防衛隊にて
<防衛隊ってのは特に女っ気無いからなぁ>
<女性隊員もいるじゃないですか>
<頭が筋肉で女にたどり着けねぇよ…俺が理想とする女ってのはだなぁ…>
<……縞隊員?>
<こう、小柄で…抱き締めると折れちまいそうな…な。それでこんな可愛い小
さな顔で……>
<!?ちょっ…ちょっと!!縞隊員っ!!>
そこからの記憶が途絶えた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
32206:04/11/20 23:56:23 ID:s7XXfVr8
(シーン:ベッドの上)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 マグカップをテーブルに置き、折り重なるように倒れ込む二人。
 乱暴にかみつくような縞の唇が瑞野の唇を覆い、縞の舌が瑞野の咥内を掻き
回す。
 それに呼応するように瑞野の舌が控えめに絡みつき、瑞野の身体から徐々に
力が抜けていった。
 瑞野の手が縞のTシャツをたくし上げ、鍛え上げられた胸板をゆっくりと撫
で上げる。
「…!」
 縞は一瞬身体を強張らせ、胸板に顔を寄せる瑞野をぼんやりと見つめた。
 分析やら化学的な知識やらは優れているにもかかわらず、閨となると殊の外
不器用な瑞野。
 身体をずらすと子犬のように縞の胸板を舐めるだけだった。
(こんなこったろうとは思ったがな…)
 瑞野の意外な面に苦笑する縞は、大きなごつい掌で柔らかで真っ直ぐな髪を
優しく撫でた。
「俺の方はいい…」
 自分でもびっくりするくらいに落ち着いた優しい声、そして笑顔。
 縞自身も驚いているが、子犬のように胸板を舐めていた瑞野も驚いて顔を上
げた。
「縞隊員…」
 大きな手は瑞野の髪、頬を優しく包み込み、指先は一際小さな瑞野の顔をゆ
っくりと撫で、男にしては小振りな唇を親指でなぞった。
 子犬のように潤んだ目を見つめながら、縞は瑞野の身体を抱え枕の上にずら
した。
 仰向けに寝かせられた瑞野の頬が、うっすらと上気する。
「忘れさせて下さい…」
「瑞野…?」
 潤んだ瞳からこぼれ落ちる涙、それは深い悲しみに終わりを告げる<別離の
涙>だったのか…
 瑞野の胸の内を深く理解した縞は、一際小さな瑞野の顔に優しく唇を重ねた
のだった。
323風と木の名無しさん:04/11/20 23:59:09 ID:s7XXfVr8
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 | __________  |
 | |         | |      萌えシーンは後編からスマソ。 
 | | □ STOP.    | |
 | |         | |           ∧_∧
 | |           | |     ピッ   (・∀・ )
 |             | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞  ≡ ≡ |       || (_(__)||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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324風と木の名無しさん:04/11/21 00:19:50 ID:3pPNym0y
>>315
おぉぉ元ネタわかんないですが
続き期待です!!
325風と木の名無しさん:04/11/21 00:54:16 ID:DU9Q2m8F
>323
いやいや謝ることはないぞw
束〆のAAのズレ具合が前かがみになってるみたいでワロタ
326風と木の名無しさん:04/11/21 11:40:38 ID:1V+8nt4A
>324
hey-sey版の超/7だと思う。

萌えるというか、燃えるな。
327風と木の名無しさん:04/11/21 21:43:52 ID:Y8YQgfm2
                / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                |  粒等屋ビデオ作品・兵制セブソ
副隊長格(あくまで格)×科学担当だって。
 ____________   \        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ |  後編濡れ場萌えー
 | |          | |           \
 | | |> PLAY  | |             ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |          | |           ∧_  ∧_∧  ∧∧ ドキドキ
 | |          | |     ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |          | |       ◇⊂    )(    )|ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°  ∞   ≡ ≡ |       || (_(__)(_(__).  ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
32807:04/11/21 21:45:50 ID:Y8YQgfm2
 酒のせいもあってか、瑞野の小さな口を縞が乱暴に吸い上げる度に、首に縋
り付いた瑞野が柔らかい声で喘ぐ。
 興奮が高まる度に、瑞野自身が縞の腿に堅く当たり始め、縞はもどかしげに
瑞野の着ている物全てを強引にひっぺがした。
 一見華奢に見える瑞野の身体だが、防衛隊員である故にやはりがっしりとし
た肩と筋肉が縞の眼前に晒される。
 簡易照明に照らされた一際白い肌がなまめかしく、瑞野自身は既に愛撫を求
めるように涙を流し、暴走すれば止まらない縞の心情に拍車をかけた。
「縞隊員…」
 気がつけば瑞野の手が縞の内股に触れており、縞自身も堅く誇張し始めてい
た。
 瑞野が身体を起こし縞の衣服を全て脱がせると、剥き出しにされた縞自身が
瑞野の前で勢いよく立ち上がった。
 美味そうなおやつに我慢できなかったように、瑞野が縞自身にむさぼりつく。
 興奮しつつ夢中になってむさぼりつく瑞野の口は縞の精液で汚れ、上気し乱
れた髪も頬に張り付いている。
「瑞野…そんなに美味いのかよ…」
 答える代わりにくぐもった声を挙げる瑞野。
 少年のようでおとなしそうな外見からは全く想像もつかぬ乱れぶりに、縞自
身も興奮し激しく腰を揺すり始める。
「み…瑞野……い……」
 堅い縞自身が瑞野の小振りな口に絡み取られ口内を犯し続ける。
 堪らず縞が瑞野の頭を押さえつけると、どくっ、と脈動し瑞野の口内が縞の
精液で満たされ、瑞野の口端からこぼれ落ちた。
32908:04/11/21 21:47:12 ID:Y8YQgfm2
 肩で息をしながらも縞が瑞野の身体を抱き、仰向けに寝かせる。
 瑞野の微かに震える睫毛とうっすら開かれた唇を、愛しげに見つめる縞。
 白い滑らかな肌…胸板をなぞる度に張りのある筋肉が強く押し返す。
 乳首が縞の指先に触れると、瑞野の身体が跳ね上がった。
 小さいがまだ初な色で、愛撫されるのを待ち望んでいたように薄紅に染まっ
ている。
 縞が小さな乳首を口に含み、舌を絡めて強く吸いあげると、瑞野は声をあげ
ながら縞の片手をもう一方の乳首へと導いた。
 縞は指の腹で乳首を弄び、もう一方では甘く噛みながら音を立てて吸い上げ
た。
 吸い上げる度に興奮し固さを増した乳首を、舌の先端ですくい上げるように
舐める。
「………ああ……あ…っ…」
 瑞野は嬉しそうな表情で声を挙げ、一方では堅く立ち上がった瑞野自身が涎
を溢れさせていた。
 興奮が頂点までに達したのか、瑞野が腰を揺すって縞の愛撫を求めると、涎
を溢れさせている瑞野自身を縞が一息に口に含んだ。
 深く銜え込まれ口内でねっとりと犯される度に、瑞野は歓喜の声を挙げ、腰
を揺すり激しく喘ぐ。 
 さらに縞は口内から瑞野自身を引き抜き、涎の溢れる先端に舌を刺すように
絡めた。
「……ひ…っ…」
 瑞野が四肢を振るわせ腰を激しく揺すりながら痙攣し…縞の咥内は瑞野のほ
どばしる精液に満たされた。
 暫くぐったりと手足を投げ出していた瑞野だが、呼吸を荒げながらも身体を
うつぶせにし、枕に頭を押しつけながら両手で尻の肉を開いた。
 ひくひくと蠢く桃色の肉が、穴を広げて縞自身を求めている…
33009:04/11/21 21:49:10 ID:Y8YQgfm2
「拓真…」
「啓輔さん…早く」
 切なげな声を挙げる瑞野に答えるように、縞は瑞野後ろをたっぷりと解した
後、縞自身をゆっくりと瑞野の中に埋めた。
 ひくっ、と痙攣する瑞野の身体を見つめ、縞はゆっくりと腰を揺らし始める。
 腰を突き上げる度に、瑞野の声は甘く強い響きへと変わっていく。
 縞の名前を譫言のように呟きながらシーツを強く掴み、快楽という波に深く
酔い始める瑞野。
 同様に縞も瑞野の名前を譫言のように呟き、腰の動きを強めていく。
 激しく打ち付けられる腰、欲情が高ぶり瑞野の腰に回された縞の片手が上に
ずらされ、瑞野の堅く尖った乳首を指先で優しく撫で回す。
 一対の雌雄のように溶け合い、激しい愛欲の波に苛まれながら、二人は同時
に絶頂を迎えた。
33110:04/11/21 21:50:18 ID:Y8YQgfm2
 脱ぎ散らかされた衣服と転げ落ちたマグカップが手に触れる。
 程良く鍛え上げられた上半身に、千切られたティッシュが要所要所張り付い
ていた。
「またやっちまったか…」
 昨夜の暴走っぷりに後悔しつつ、傍らで寝息を立てる瑞野を見つめ肩を落と
す縞。
 あれから何度身体を重ねたか分からず…瑞野の一際白い肌には点々と赤い痕
が残り、頬にはうっすらと涙の痕が渇いていた。
(いいオッサンが猿みたいに穴掘りだもんな…いい加減に自粛しなきゃあ…)
 罪悪感に駆られながらも、身体を起こし衣服を身につけ部屋を出ようとした
が。
「…?」
 きゅっ、と握られた手の感触に思わず視線を移す。
「瑞野…」
「縞隊員のことだから…この前のこと、絶対に言い出せないって思ってました」
 ベッドに腰掛け、縞同様に脱ぎ散らかされた衣服を身につけながら、瑞野が
笑顔を浮かべる。
「心配してくれてたんですね…縞隊員なりに」
「…いや俺は…その」
「あの時もそうだったけど…あれが他の人だったら、僕だってそれなりに対処
しましたよ?」
 …………?
 瑞野の突然の告白に混乱する縞。
33211:04/11/21 21:51:10 ID:Y8YQgfm2
「ちょっと待て!それじゃお前、あの時もハナっから解ってて…」
「縞隊員、僕の好みだし…ああなっても悪くないかなって」
 少年のように無邪気な笑顔を浮かべ、瑞野は立ち上がり縞の肩にそっと頭を
乗せた。
「今回の件ですけど…僕はもう大丈夫ですから」
「そう…か…」
 安堵した縞の両腕が、瑞野の身体をしっかりと抱き締め、瑞野も縞の身体に
腕を回した。
「…でも縞隊員、今度からはシラフで御願いしますね」
「い!?」
 一人呆然とする縞をよそに、いつもの明るさを取り戻した瑞野。

 しかし、今後も様々な苦悩と戦いが、彼らの前に立ちはだかるであろう。
 異星人襲来から地球を守るべく、K備隊の活躍はこれからも続く(か?)
333風と木の名無しさん:04/11/21 21:53:18 ID:Y8YQgfm2
 ____________
 | __________  |
 | |           | |      佐武ネタでおそまつさまでした。 
 | | □ STOP.     | |
 | |             | |           ∧_∧
 | |             | |     ピッ   (・∀・ )
 |               | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡ |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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ネタのうP初めてなんでAAズレすまん_| ̄|○
(ウチ林檎パソだからずれるのかなぁ?)
<防衛軍>の面子って基本的に<漢>な人々だからいまいち萌えづらいかなぁ。
ちなみに科学担当の中の人は生で見たけど、三十路の癖にリアルで萌えだった
よ…(雰囲気が某若手演歌歌手みたいで見た目が年齢不詳だし)
中の人二人は現在、照れ盗系深夜番組(水曜の奴)のショートドラマに出演中だ
そうです。
見たらますます萌えそうだなぁ(こっちは見れないけど)

また癖になって次回もSS投下しそうかも…(すいません
334風と木の名無しさん:04/11/21 23:38:43 ID:5MaHJNDp
>279-289
>315-333
二作品とも元ねた知らないけど萌えた。GJ!!
335食パン×黴菌 0/10:04/11/22 10:06:21 ID:bAqhqSce


 ____________.   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |   |  アソパソマソの二人をカプってみたぞゴルァ。
 | |                | |   \__  _______________
 | | |> PLAY.       | |       \|
 | |                | |          ∧∧
 | |                | |     ピッ  (゚Д゚,,) ショクパソマソハビケイセメダナ…
 | |                | |       ◇⊂、 ヽノ  __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―⊂ UO)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       ||.         ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
336食パン×黴菌 1/10:04/11/22 10:07:32 ID:bAqhqSce
 そいつが来たのは、聞きなれたエンジン音が近づいてくるので分かった。

「傷が増えたね」
 運転席から降りてくるなり、そいつは困ったように笑いながら、近づいてきた。
 俺はとっさに腕に包帯を巻きつけていた手をとめて、睨みつける。
「なんでここにいるって分かった?」
「配達の帰りに、よれよれのUFOが、やけにあぶない調子で森に下りるのが見えたから、
急いで追ってきただけだよ。……また彼と一騒動したんでしょう?」
 無言で包帯を巻き直していると、溜息が聞こえた。
 やつが俺の目の前にしゃがみこみ、俺の手から包帯をとりあげた。
 静かに包帯を巻きなおす手つきは手馴れていて、俺が自分でやるよりもウマイ。
「上手だな」
「一応正義の味方ですから」
「ふん」
「あなたこそ、一晩で精密機械をなんなく作り上げるくせに、不器用なんだね」
 睨もうとして顔をあげたとたん、やつが真剣な顔で俺をみているので、内心ひるんだ。
 やつはこわいくらい真剣な顔をしたまま、俺の顔に顔を近づけてくる。
「ここも……目の周りが痣になってる。……彼も容赦がないね」
「……互いに、憎しみあうように出来てるからな」
337食パン×黴菌 2/10:04/11/22 10:08:36 ID:bAqhqSce

 もう何度も繰り返してきた言葉を言いながら、やつの手の温度が熱くて、声がふるえる。
 また真剣な視線にあうのがこわくて、顔をみないようにして手を振り払った。
「もういいだろ。なんで俺にかまう」
 そうはき捨てると、戦いに負けてあちこちズキズキきしむ体を無理矢理たたせ、さっきまで背をもたせていた
大木を支えに、逃げるようにして自分のUFOに歩き始めようとした。
 かまうな。かまうな。頼むから、俺にかまうな。
 嫌われるように生まれてきた命だ。優しくされるために生きているんじゃない。
 たのむから、俺の存在をゆるがせないでくれ。
 祈るように歩き出したとき、足がもつれて体ががくんと沈んだ。
 しかし、沈んだのは下生えの生い茂る地面ではなく、柔らかな腕の中だった。

「本当は動けないんでしょう」

 上から優しげな声が降り注いだ。その柔らかさに、俺はきつく目を閉じて、体を強張らせる。
「無理しないで休んでいればいい。なんなら私の顔を食べて……」
「出たな、正義の味方の常套句が」
 俺の嫌いな言葉の一つだった。世界で一番嫌いな奴の常套句。
 急に笑い出した俺を、やつが怪訝な顔をしてみている。
 ざまあみろ、と思いながら、俺は汚い言葉を続ける。悪者として手馴れた言葉を。
338食パン×黴菌 3/10:04/11/22 10:09:42 ID:bAqhqSce
「一回寝たからっていい気になんなよ、正義の味方ちゃん。いいのか?誰かに見られたら……」

 そういってわざと相手の顔に自分の顔を近づけて、思いっきり見下したように笑ってみせる。
「正義の味方の信用ガタ落ちだぜ、白い顔にシミがついちゃうヨ?」
 おどけるように言ったあと、俺はわざとやつの顔にかみついてやった。
 それからやつを突き飛ばす。
 ぎゃはは、と笑いながら、うずくまって大してよく噛みもせずに無理矢理やつの顔の一部を飲み込んで、むせた。



 ふと妹のことを考える。
 血は繋がってない、可愛くてわがままで世間知らずの、たった一人の愛しい妹のことを。
 一目惚れしたの、と彼女は言った。
 好きで好きで堪らないの眠れないの、何とかしてよ、と。
「なんとかするよ」と俺は応えて、ベットに横になった彼女の額を優しくなでる。
「おまえのためなら何でもするよ」
 
339食パン×黴菌 4/10:04/11/22 10:10:42 ID:bAqhqSce
 妹がお前のことを好きだと言ってる。お前も妹に応えてやれ。

 それだけをいい、あとは妹を好きにさせるために手段を選ばずやっていくつもりだった。
いつものとおり汚い手を使ってでも。 
 どこで何を間違えたのか、自分でも分からない。
 しかしもう身動きが取れなくなってしまったというのは自分でも分かっている。
 どうしたらいいのか、分からない。
 嫌われるために生きてきただけの自分では、この状況はどうしようもないのだ。
「私はあなたを救いたい」
 肩を持ち上げ、抱かれる感触がした。
 その匂いにしびれるような疼きが背筋をはしる。眩暈がする。どうしようもない。
「あなたが叫んでいるのが聞こえるから。いつも。助けて、と」
「ばか言え。誰が言うかそんな言葉」
「分かるよ。誰よりも、分かりたいから、聞こえるんだ」
 いつもの優しい触れ方からは想像もできないほど強く、抱きしめられた。
 息が止まる。罵るために吐こうとした言葉が消えてなくなる。
 
340食パン×黴菌 5/10:04/11/22 10:12:01 ID:bAqhqSce
「やめろ」
 突き放そうとする手を強くにぎられる。
 痛い、と思わず小さく叫ぶと、手が離され、かわりに唇がふさがれた。
 気が遠くなる。悲しいのと、苦しいのと、嬉しいのと、全部ごちゃまぜで。
「私は正義の味方でなくてもいいと思ってる。あなただけの味方でありたいと」
「ふん……」
 それは裏切りだろう、となぜか俺はやつをなじっている。
 お前の同胞であり、俺の生まれたときからの宿敵への、裏切りだろう?それに、おまえを信じている人への。
 ──やめろ、俺にかまうな。お願いだから。お願いだから、おまえまで汚れるな。
 俺は誰もいらない。味方もいらない。
 嫌われることをするのが俺のすべて、生きがい、俺の存在価値。
 欲しいと思うことが間違っている。好かれたいと思うことが間違ってる。
 妹はいい。俺と同じ星から来たけど、それだけの価値があるから。妹は可愛いし、愛されて当然だ。
 だからお前は俺の妹を愛すべきだ。なんで俺を見るんだ、そんな真剣な目で。
 気がおかしくなる。叫びそうになる。やめてくれ。
341食パン×黴菌 6/10:04/11/22 10:14:11 ID:bAqhqSce
「おまえなんか汚れちまえ」
 やつの手がゆるんだので、無理矢理やつを突き放して草むらの上に倒れこんだ。
 重なるようにして倒れたせいで、体が密着する。やつの下半身が固くなってるのに気づいて、
俺は上から獲物を追い詰めるみたいに笑って、言ってやった。
「なんだよ、勃ってんじゃねーか。変態だな」
 やつは困ったように眉毛をよせて笑った。
「仕方ないでしょう。好きな人とこんな状態じゃ……」
 ふいにでた言葉に視界がぐらつきそうになる。嫌いだ、こいつのこういうところが。
 なんで突然人を動揺させるのか。
 無理に笑い飛ばして、俺は上からやつの肩をちからいっぱい押し付けた。
「……痛い」
「脱げよ」
「え?」
「脱げ。おまえなんか汚してやるから」
 そういって、俺はやつを跨いだまま体を起こして、下を脱ぐ。自分のも、同じような状態だった。
 体のほうはいつだって正直だ。心を無理矢理殺しても、体は反応する。欲しい、と。

342食パン×黴菌 7/10:04/11/22 10:15:56 ID:bAqhqSce
 やつが横になったまま、おとなしく服をおろし、むき出しになったそこに舌を這わせる。
上の方で息を呑む声が聞こえる。誰かが何かを堪える声は好きだ。苦しそうで、切なくて。
 そう思いながら、やつの竿を何度も舌でなぞる。ときどき、優しく歯を立てたり、吸い出すように口づけたりしながら。
 やつの手が、おれの頭をなでている。泣きそうになるほど優しく。
 そのうち、含んでいた口の中に、生温かいものが吐き出され、喉の奥まで流れ込んでしまってついむせこむ。
げほげほ咽ている俺をみて、蒼くなって起き上がろうとしたやつを、ぐいと地面におさえつけたまま、俺は笑った。
「いーから、そうしてろ」
 口の端から流れるこいつの精液を拭いながら、またすぐに固くなりはじめたそこを優しくなでる。
 それから自分の腰を少し浮かせて、その上部に固定するとゆっくり、そこへむかって下ろした。
 熱いものが触れる。それが自分の体重で、ゆっくりとじりじりと中に入ってくる。
「……っう、ぁ…」 
 中に入ってゆくにつれて目の前が明滅しはじめる。
 頭の中に靄がかかって何も分からなくなる。あまり慣れてない感覚に体中がしびれる。
 ふと体がゆれて、熱い体がぴったりと包まれた。
 いつの間にか上体をおこしていたやつが俺を抱きしめ、口付けていたのだ。
343食パン×黴菌 8/10:04/11/22 10:17:18 ID:bAqhqSce
「動くよ」
「よせ、まだ…」
 言い終わらぬうちにガクンと体が揺れた。
 自分でも無意識のうちにか細い悲鳴が漏れていた。
 いつのまにか臀部をしっかりとつかまれ、逃げられない状態になっている。
 背筋がしびれ、喉がかわいてひりひりいう。ペニスがやつの腹部で擦れて、甘くうずく。
 どんなに口を閉じていても、声が漏れてしまう。吐息とともに。

 やつの首にしがみつきながら、俺は何を言ったのだろう。突き上げられる振動に夢中でよく分からない。
 ただ二人の息が混じりあう中で、ほぼ同時に果てたとき、やつがいった。

「分かっている」と。

 何を?と問う前に、俺は意識から遠ざかっていった。

344食パン×黴菌 9/10:04/11/22 10:18:34 ID:bAqhqSce

 ふらふらと基地に戻ると妹がソファベットに寝転んでいた体を起こした。

「遅かったねぇ」
「ああ、ちょっと休んでた」
「まーたやられたんだ?弱いなぁーもうー」
 傷薬を持ってきて、俺の前におきながら痣の一つを指でなぞる。
 ちくっとした痛みに俺は慌てて顔を引きながら答える。
「イタタ…。次は勝つって。今回は別に本気出してないから」
「ふうん……。あ、それよりもー。ねぇ見てみて」
 自分たちの宿敵のことはあまり興味がないのか、妹はいきなり立ち上がるとぱたぱたと自分の部屋に
引き返し、何かを手に持ってやってきた。
 それはあいつを模した人形だった。
 俺と違って器用じゃないが一生懸命縫ったのだろう。綿が飛び出たりしていたが、それはまぎれもなく奴だった。
ついさっきまで一緒にいた──。
「えへへー。がんばったでしょ。これからはいっつも一緒に寝るの」
「がんばったな。そっくりだよ」
「そうかなぁー」
 照れて笑う妹を俺は見つめる。いろんな思いで、腹の中がぐらぐらいうのを聞きながら。

345食パン×黴菌 10/10:04/11/22 10:20:57 ID:bAqhqSce
「はやく本物に会いたいなァ。きっと優しい目をしてるんだわ」
「そうでもないよ。きっと冷たい目だ」
 ──そうだよ、見られただけで溶けてしまうぐらい、優しい目をしてるよ。
「何言ってんのー。絶対優しい人なの! それに本物はもっとかっこいいのよぅ」
「どうかな。かっこつけてるだけだよ。正義の味方なんてみんな胡散臭いんだよ」
 そういいながら、俺は思い出している。
 いつまでもいつまでも頭の中にあの言葉を思い出している。
 ────私は正義の味方でなくてもいいと思ってる。あなただけの味方でありたいと……。
 ばかな正義の味方だ、と俺はひとりごちる。


 部屋に戻ると、不意にさっきの残滓が流れて太ももを濡らした。
 幸福感が湧き上がって冷えてゆく。残ったのは絶望と、罪悪感。
 それでいい、と思う。残るのは、それだけでいい。
 悪役には必要ないのだ、おセンチな感情なんかは。

 窓の外の真っ暗闇を眺めながら、俺は心の中の白い光を塗りつぶしてゆく。
 優しい面影を塗りつぶしてゆく。

 
346食パン×黴菌 11/10:04/11/22 10:25:05 ID:bAqhqSce
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  もう正しい気持ちで姪とアニメ見れないモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 何気に蟹バリズム…?
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧て  ・・・コイツライツノマニ?!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・l|l)(゚Д゚;) そ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

347風と木の名無しさん:04/11/22 11:21:24 ID:dJZeN/pY
ドキソチャンは妹設定デツカ・・・・
ソウデツカ・・・・
それ以外は禿萌え。
348風と木の名無しさん:04/11/22 13:48:15 ID:hECQfkZ0
はははは禿萌え!!
パン様素敵すぎです!
349風と木の名無しさん:04/11/22 13:51:37 ID:8eH+l/TF
萌えたー!!
職パソマン様も黴菌マソも萌えだ
350風と木の名無しさん:04/11/22 15:14:51 ID:q30wQT9l
どわぁぁぁぁ禿萌え!
ドキソちゃんまでまとめて萌えだ(*´д`)ハアハア GJ!
351風と木の名無しさん:04/11/22 20:08:23 ID:E0eL2nzM
予想外のカップリングに禿(*´Д`)モエーでした・・・!
バイタンの葛藤がたまらん・・・
352風と木の名無しさん:04/11/22 20:28:29 ID:kC7MUiNL
懊悩する黴菌に萌え萌えだ…!!
一途な食パンも(・∀・)イイ!
カニバリズムと思いつつ擬人化して読んでしまった。
>346タンすまん
353風と木の名無しさん:04/11/22 21:58:20 ID:lSGz3VPh
Σ(*゚Д゚)何この萌え!!バイキンマソ色っぽくて切ないし、
こんな所で妹モエに出会うは…
354風と木の名無しさん:04/11/23 06:03:39 ID:AFcuOp49
ショクバイの萌えポイントは
ドキソタンが握ってたのか…!!!
そっかーそうだよなー萌えーー
355風と木の名無しさん:04/11/23 09:32:19 ID:auig+rOx

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  土曜日の朝7時半からの粒等屋巨人サンですモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前半が巨人←孤/門で後半が孤/門×女臣矢の百合風味
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 時期的に一部代名詞だけで進んでるよゴルァ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 読みにくくてスマソだゴルァ…
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3561/6:04/11/23 09:34:47 ID:auig+rOx
何もない、ただ真っ暗な空間に浮かんでいる「自分」を知覚した途端、
孤/門にはそこが「夢の中」だとわかった。

ビース/トとの戦闘の後、現場付近を捜索中に巨人の正体?と思える人物と遭遇した。
人間が巨人に変身するなんて自分でも信じられないような話だとは思ったが、巨人が
出現した現場で「彼」に会うのは2度目だし、巨人と同じ位置に傷を負い血を流して
いた「彼」を見たときに、理屈ではない部分で孤/門はそれに納得した。

「彼」の眼が、それを確信させた。
強い意志の光と、同時に深い悲しみを宿した瞳。自分と副隊長の乗った戦闘機がCICの
指令によって巨人を攻撃した時に、こちらを見上げた巨人の貌に見たのと同じ悲しみ。
何故だかはわからないしきっとうまく説明も出来ないだろうが、でも孤/門が「彼」を
巨人だと理解するにはそれだけで充分だった。

そんな孤/門とはまったく違った理由から同じ結論に達し、即座に射殺しようとした副隊長から
「彼」を守るよう謎の石柩が飛来し、傷ついた「彼」を収容した。ランチャーの攻撃にも
びくともしなかったその不思議な石柩に思わず触れてしまった時、まるで電流のように
様々な記憶が孤/門の身体に流れ込み、弾き飛ばされて気絶してしまい…
そして今、自分はここにいるんだと、夢の中特有の不思議な感覚で孤/門は理解した。
3572/6:04/11/23 09:35:54 ID:auig+rOx
上も下もなく、ふわふわと浮かんでいるような感覚。真っ暗だが恐ろしい感じはなく、
遠くや近くで美しい蒼いオーロラのようなものが舞っている不思議な空間。

やがて。唐突にその中に光り輝く巨人が出現した。
底知れない強さを秘めた巨体が淡く発光し、静に自分を見下ろしている。

「ウ/ル/ト/ラ/マ/ン/…」

孤/門は驚いてその姿を見上げたが、恐怖は感じなかった。
ヒトの貌と極めてよく似ているが、全ての無駄を殺ぎ落としたようなシンプルな線のみで
構成されている超人からは本来は「表情」を読み取ることなど不可能なはずなのだが、
でも孤/門にはその貌の上に巨人の悲しみのようなものを感じることができた。

やはり巨人は「彼」だったのだろうか。だから、同じように悲しみを感じることが
できるのだろうか?
さっき(?)遭遇した「彼」の傷ついた獣のようなそれとは違うもののようにも感じるが、
それはいま目の前にいるのがヒトの姿ではなく巨人だからなのかも知れない…。

だが、その違いを考えるよりも先に、まずは彼に謝らなければならない。自分達を助けて
くれた巨人を、命令だったとは言え攻撃してしまったのだ。組織としては間違った行動では
なかったかも知れないが、でもそれは自分の本意ではなかった。
例えチームの誰も信じてくれなくても、自分だけは巨人が人類の味方であり、自身を危険に
晒してでもヒトを守っていてくれていると解っている−−−−−。

孤/門がどうしてもそれを伝えたくて焦って口を開こうとした時、ゆっくりと巨人がうなづいた。
口に出さずともわかる。全てわかっているから安心せよと、その表情のないはずの巨大な貌が
語っていた。
悲しみを内に隠した、やさしく包み込むようなやわらかい波動が孤/門を包む。
3583/6:04/11/23 09:38:42 ID:auig+rOx
自分の気持ちが伝わったことを悟り、孤/門がほっとした時、

 彼ヲ タノム

巨人の意識が、たどたどしい言葉となって孤/門の心に語りかけてきた。
「えっ?」
驚いて目を見開く孤/門の目の前にそっと巨人の手が差し伸べられ、その手のひらの上に
「彼」が浮かんでいた。固く瞳を閉じ、小さく身体を丸めたまるで胎児のようなその姿に、
思わず息を呑む。そこにあるのは「彼」の姿であると同時に、石柩に触れたときに自分に
流れ込んできた圧倒的な悲しみと絶望的な孤独そのもののように見えたからだ。

 肉体ノ傷ハ 修復デキテモ 彼ノ心ヲ癒スコトハデキナイ…

再び巨人の意識が孤/門に直接語りかけてくる。その思考には助けたくても助けられない者の
辛さと哀しさが溢れていて、孤/門の心を突いた。レスキュー時代に何度も何度も経験した
もどかしさと自分を責めた思い出が重なる。目の前に助けを求めている者がにいるのに
助けることが出来ない辛さは、誰よりも知っているつもりだった。

いつのまにか、手を伸ばせばすぐに届くところに「彼」が浮かんでおり、反対に巨人の姿は
やさしい闇に溶け込むように見えなくなっていた。

 彼ヲ タノム

もう一度、巨人の”声”が聞こえ、その気配が完全に消えていくと、
孤/門は「彼」と二人だけで取り残された。
3594/6:04/11/23 09:41:05 ID:auig+rOx

「彼」は、自分で自分の肩を抱き込むようにして眠っている。だが、眉間に深く刻まれた皺から
その眠りが決して安らかなものではないことは容易に知れた。
しばらくためらった後に、孤/門はそっと手を伸ばして「彼」に触れてみた。

瞬間、石柩に触れたときと同じ記憶が洪水のように自分を取り巻いて再び押し流されそうになる。

噎せ返るように濃密なジャングルの緑と飛び散る血の赤。目の前で機関銃や手榴弾に
なぎ倒され引きちぎられて死んでいく人々。そこここに転がるかつてヒトであったものたち。
その地獄絵図の中にあって、まるでなにかに憑かれたように夢中でシャッターを切っている「彼」…

やがて、「彼」の名前を叫びながら一人の少女が逃げ惑う人々の中からこちらへ走って来た。
恐怖の色を浮かべていた瞳は「彼」を見つけて安堵する。かすかな微笑さえ浮かべてこちらへ
駆け寄ってくる少女をファインダーの中に捕らえながら「彼」の意識が狂ったように叫んでいた。

こっちへ来ちゃ駄目だ!来るな!来るな!クルナ……!!

だが記憶の中の少女は走りつづけ、そして「彼」の目の前で吹き飛ばされて死んだ。
壊れた人形のように千切れ飛んでいく少女の細い身体。「彼」の頬やカメラに飛び散り
こびりつくまだ暖かい血肉とふりそそぐ土砂。

喉を裂くような獣の咆哮が「彼」の口から迸り、その心を灼き尽くした。
残酷な記憶は途切れることなく繰り返され、何度も何度もその場面を「彼」に見せつけている。

3605/6:04/11/23 09:42:54 ID:auig+rOx

いつの間にか、孤/門は涙を流していた。「彼」は、自分を責め続けているのだ。
己の罪を許せず、決して忘れてはならない戒めとして、逃れられない記憶の海に沈みこみ
自分自身を責め続けている。
そしてその罪を−少女を助けることが出来ずその死をすら切り売りしてしまった罪を購うために、
巨人となって闘っている。ビース/トと闘う時の衝撃と痛みはそのまま「彼」の贖罪であり、
自分が受けるべき罰だと思っている。


森で遭遇した時に「彼」の瞳の中にあった悲しみは、傷だらけになってそれでもただ一匹だけで
彷徨い闘う獣のそれだったのだ。生まれつきのプライドの高さとそして優しさのせいで、自分を
許すことのできない哀しい魂。

「もういいよ…そんなに自分を責めなくてもいいんだ…」

身体を丸めたままの「彼」をぎこちなく、だがしっかりと抱きしめながら、孤/門が語りかける。

罪の意識を背負いボロボロになっても闘い続け、その上守っているはずの人間にまで
攻撃されてしまった「彼」は、どれほど辛かっただろうか…。
その場にいながら、「彼」を守ることの出来なかった自分が不甲斐なくて情けなくて、
孤/門は涙を止めることができなかった。
3616/6:04/11/23 09:43:40 ID:auig+rOx
絞り出すように語る孤/門の腕の中で、「彼」がわずかに身じろぎをする。
固く閉じられていた瞳が開く気配を感じながらも孤/門は「彼」を抱き止める腕を緩めることは
できなかった。
「彼」の感情と記憶が自分に流れ込んできたのと同様に、自分の気持ちが「彼」に伝われば…とばかり、
その身体に腕をまわし自分の胸元に抱きこむようにしていっそう強く押し付けた。

一瞬、びくりと身体を震わせて逃げようとした「彼」だったが、やがてゆっくりとその身体から
強張りが抜け落ち、己の両肩を掴んでいた手が解かれ、ためらいながらも孤/門の背中にまわされた。
ゆっくりと、ふたつの鼓動が溶け合うように重なる。

「僕は必ず君を見つけて、会いに行く。だから、待っていて欲しい。
君はもう一人じゃないって知って欲しいんだ…」

静に、だが決然とした声で孤/門が告げ、腕の中の「彼」の顔を覗き込もうとしたその時−−−−
362ごめんなさい、まだあった_| ̄|○:04/11/23 09:44:36 ID:auig+rOx
最初に目に入ったのは、見慣れない天井だった。
視覚を刺激しないようにわざと落とされた照明と、壁面に埋め込まれた医療機器の
パネル類、そして独特の薬臭い空気。あぁ、ここは医務室のベッドの上なのか、
とやっと孤/門は理解した。
どうやら謎の石柩に触れて弾き飛ばされ、気を失ってしまったらしい。

こりゃ、また副隊長に怒られちゃうな、きっと。

溜息をつきながらもゆっくりと上半身を起こした孤/門は、ふと両手に目を落とした。

なにかが、足りない。
なにか、とても大切な何かを確かにこの手に掴んでいたのに。それがどうしても思い出せない。
忘れてはいけない、大事なことだったのに−−−−。
目覚めとともにすり抜けていった夢の断片を引き寄せようと、必死で薄れゆく記憶を手繰る。

光の巨人。謎の石柩。流れ込んできた「彼」の記憶と感情。血と泥と緑のニオイ。
ためらいがちに背中に回された誰かの腕のぬくもり……。
さまざまなピースが交じり合い、溶け、流れて行き、そして。

そして、ふいに思い出した。

「彼」だ!「彼」を探さなくちゃいけない!約束したんだ、絶対に見つけるって!

孤/門はもう一度、自分の掌を見つめ、ぐっと握り締めると次の瞬間にベッドを飛び降り、
自室へと走り出していた。絶対に、絶対に見つけてみせる。
あの孤独の闇に、「彼」を置いたままにはしておけない。僕は、約束したんだから!




しかし、孤/門が「彼」−−−姫/矢/准の孤独な魂に触れるのはもう少し先の話になる。
363風と木の名無しさん:04/11/23 09:51:55 ID:auig+rOx
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | やっと終わりモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 夢オチかよ! 
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・l|l)(゚Д゚;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
全然エロー入ってなくてスミマセン…
つうかこの二人、早く本編でもっと接触してクレ!
新入隊員・孤/門くんは休みのたびに女臣矢を探しに行け(゚Д゚)ゴルァ!!
彼女とおデートなんてしてんじゃねぇぞ(゚Д゚)ゴルァ!!

ちなみに中でまったく触れてませんが女臣矢タンは近頃のヒーローモノには珍しい
悪人ヅラな野郎です…人間にもビ/ー/ス/トにも悪の巨人にもいぢめられてばっかりです…
364風と木の名無しさん:04/11/23 20:37:14 ID:pWAkAoeg
おお!根草巣ですね!百合カプなかなか萌えではないですか!
次回から横嶋な期待をして見てしまいそうです^^;
しかし…顧問君は可愛いですな。
3651/6:04/11/24 01:56:48 ID:yJkVKgYh
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  AC5クリア記念妄想文
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| バー×ハミ注意報発令中
 | |                | |            \
 | | |> .PLAY       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ チョッパーは?
 | |                | | __._  ピッ   (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚ ) 
 | |                |  |:::: |[|    ()ニ⊂   )(    ) |  ヽノ
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |ps2| |    /-┌ ┌ _)┌ ┌ _)⊂UUO__|| ̄''l
 |  °°   ∞   ≡ ≡   / ̄/|_|ヽ_ノ| (_(__)(_(__).     ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3662/6:04/11/24 02:00:15 ID:yJkVKgYh
「チョッパー。チョッパー! 目付きがマジなのは気のせいだよな?」
 部屋を埋めた爆笑の渦の奥から、せっぱ詰まった悲鳴が響く。
「おいおい、ブービー。役になりきってくれよ。俺のことは基地司令殿と
呼んでくれ。……おお、スイートハートや」
 チョッパーは得意の声真似に続けて、裸の胸を晒すブレイズの上で、
チュバチュバと下品に唇を鳴らした。
ブレイズは作業台に押し倒されながらも必死の抵抗を見せて叫ぶ。
「こ、この、バカヤロ……うっ!」
 見物人から一斉に上がった歓声と口笛の嵐が、何かに気付いた後ろ
の席から、潮が引くように収まっていった。サイズの大きい服の間に大
量のタオルを詰め込んで基地司令に化けたつもりのチョッパーが、ギョッ
とした表情でブレイズの上から飛び退き、よろめきながら敬礼した。最後
に部屋に入って来た人物は、それに対して返礼はしな
かった。ただ氷のような青い瞳で、チョッパーと、大尉の肩章を付けた第
二種軍装の前を掻き合わせて作業台から
転げ落ちたブレイズの姿を見つめていた。こちらが誰の役のつもりなの
かは、改めて問うまでも無かった。衣装の
本来の持ち主であるバートレットが、苦笑いを浮かべて振り向く。
「……なあ、ハミルトンよぅ」
「はいっはいっ、企画・広報・脚本・演出・主演、全て小官であります!」
 チョッパーが敬礼した姿勢のまま大声で叫ぶ。そうだろうとも、とでも言
うようにハミルトンは頷き、冷たい声で告げた。
「ダヴェンポート少尉、明朝0900に私のオフィスへ出頭したまえ。この場は
解散を命ずる」
 最初に立ち上がることで出頭のメンツに加えられては、とでも言うように、
観客達は目を見交わすばかりでしばし動こうとはしなかった。バートレットが
大袈裟な溜息を吐いて椅子から身を起こし、両手を打ち合わせて宣言した。
「オーケイ、ガキども。部屋へ帰ってお祈りしてクソして寝ろ。主演のお二人
は部屋の片づけだ。ナガセ、しっかり見張れ」
3673/6:04/11/24 02:01:18 ID:yJkVKgYh
 振り向かずに部屋を出たハミルトンの背を、バートレットが追って来た。
コンクリートの床に二組の足音が響く。
「ハミルトン、ムキになんなよ。ガキどもの暇つぶしの悪ふざけじゃねぇか。
余裕のあるとこを見せとかねえと、余計に勘ぐら……」
 突然、身を翻したハミルトンは、右の拳をバートレットの顔面に伸ばした。
だが、音速の世界の戦士は、半歩踏み出すことでパンチの勢いを止め、逆にハ
ミルトンの腕を掴んで壁にその体を縫い止めた。
「奴らに言い触らしたのか?」
 怒りのあまり問い詰める声が震えた。
「まさか。約束したじゃねえか。互いの秘密は守ろうってよ。だろ? ガキども
が勝手に想像しただけさ。尤も、あのエロデブの目つきは露骨過ぎるぜ。……ま
だ、続いてんのか?」
 ハミルトンは黙ったまま目を逸らし、屈辱が額に滲ませた汗を拭った。冷静を
取り繕って言葉を絞り出す。
「貴方には関係のないことだ」
「思い詰める質なんだろう。心配なんだよ。俺ぁ優しい人間だからな」
 はっ、と嘲笑し、身を捩って戒めから逃れる。
「その優しさで、貴方の言うガキどもをベッドに誘い込んでいるわけだ。結局、
誰も彼も同類というわけだ」
 バートレットの無骨な指が、ハミルトンの顎をすくい上げた。言葉どおりの
優しさで。覗き込む目と目が会う。不意に唇を掠めた指の感触に、背筋に快感
の波が走る。
 初めて彼にこうした交歓の形を教えてくれた男に、バートレットはよく似て
いた。大空という、本来人類のために用意されたのではない環境が、人を同じ
ように変質させてしまうのだろうか。使命感を抱いて別離を選んだものの、一
人では埋められぬ欲望が毎夜体を灼いた。そうして無意識に漏れ出た寂しさが、
あの醜悪な豚を引き寄せた。望まぬ奉仕を強いられている時、彼と同じ匂いを
させるバートレットならば、この渇望を満たしてくれるのではないかと考え続
けていた。それだけが救いだった。
 そのバートレットの瞳が、今は間近にあった。
「……本当にそうか、確かめてみるか? 優しくしてやるよ……」
3684/6:04/11/24 02:02:06 ID:yJkVKgYh
 囁きを耳元に送り込んでいた唇が、まぶたに触れて世界を消した。唇を塞がれ
ると同時に、スラックスの膝を割って奥深く侵入した太い股が、ゆっくりとした
動きで、ハミルトンの股間を刺激した。顎から首筋へ滑り落ちた指が、焦らすよ
うに乳首の上で円を描く。いつしかハミルトンは彼の固く厚い肩に縋るように腕
を回し、いくつもの喘ぎを口づけに飲み込ませていた。
「……欲しい」
 暗い廊下で声を潜めてねだった数十秒後には、二人はバートレットの部屋で、
互いの服をはぎとっていた。
 長い、長い、キス。芳醇なローションの香り。肌の上を滑る厚い手の平が体の
芯に火を灯し、荒い息遣いが炎を煽り立てる。
 ハミルトンはただ目を閉じ、白いシーツの上に金髪を散らせて、バートレット
の熟れた愛撫に狂った。
 やがて、バートレットはハミルトンの両足の間に場所を定めた。肩の上に両股
をかつぎ上げられ、たっぷりと湿らせた秘所が屹立を受け入れる。押し包まれる
快感に眉を寄せたバートレットは、数度の射精から回復したハミルトンの中心を、
さながら愛機の操縦桿のごとく右手でそっと握った。
「いい子だ。もう少し我慢しろ。一緒に飛ぼうぜ」
 手首を噛んで嗚咽を塞ぎ、スラストの律動に酔う。どんな名機よりも敏感に、
バートレットの指の動きに従って体がくねる。触れ合った皮膚から伝わる鼓動の
早さが、絶頂の近いことを互いに告げあう。
「ア……!」
 爆発の瞬間、強く押し込まれ、堪えていた声が漏れる。バートレットは低い唸
り声を上げ、ハミルトンの白い胸の上に崩折れた。
 優しくしてやる、と言った彼の言葉に一つも偽りはなかった。情交の跡を丁寧
に拭いながら、バートレットは質問の言葉を口にはしなかった。
 絶頂の瞬間、ハミルトンが呼んだのが、誰の名であったのか。
3695/6:04/11/24 02:02:47 ID:yJkVKgYh
「ダヴェンポート少尉、出頭致しました!」
 ハミルトンは手元の書類に目を落としたまま、わざとらしくかしこまって敬礼す
るチョッパーをしばし無視した。開け放った背後の窓から、初夏の香りを含んだ微
風が吹き込み、制帽で抑えた書類の端をはためかせる。チョッパーにたっぷり居心
地の悪い思いを味わわせてから、ゆっくりと口を開く。
「以後、健全な企画を心がけてくれたまえ。本隊には慰安隊の派遣要請を送付した。
君達には娯楽が必要なようだ」
「はあっ? ……はっ! 僭越ながら、ロックンロールバンドの訪問を希望致しま
ーす!」
「考慮しよう。退室を許可する。……部屋の前のお仲間にバリケードを解かせて、
本来の任務に復帰させたまえ」
 チョッパーがドアも閉めずにオフィスを飛び出して行くと、英雄の帰還を迎える
かのような大歓声が廊下で上がった。遠ざかりゆく騒ぎの源を苦笑いを浮かべた目で
追いながらバートレットが戸口に現れ、二本の指を立ててハミルトンに小さな敬礼を
すると、静かにドアを閉めた。
 椅子の背もたれに体重を預けて、ハミルトンは窓枠に四角く切り取られた青空を見
上げた。左手の時計を外す。太いバンドに隠される内手首にただ一つ、昨晩、バート
レットが残した所有印が残っていた。
 目を閉じ、薄い内出血の跡に唇を押し当てる。
「……アシュレイ……」
 今は遠い空の下を飛ぶかつての恋人の名を、風が掠っていった。
3706/6:04/11/24 02:03:13 ID:yJkVKgYh
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ……終わってホッ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| チョッパーの立場は?
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | | __._  ピッ   (・∀・ )(´∀` ;)(゚Д゚;) 
 | |                |  |:::: |[|    ()ニ⊂   )(    ) |  ヽノ    
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |ps2| |    /-┌ ┌ _)┌ ┌ _)⊂UUO__|| ̄''l
 |  °°   ∞   ≡ ≡   / ̄/|_|ヽ_ノ| (_(__)(_(__).     ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
371風と木の名無しさん:04/11/24 20:12:27 ID:TIsXr3n/
gj。
激しく萌え。
372風と木の名無しさん:04/11/28 02:53:24 ID:tW288Wsi

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   G/u/n/s/l/i/n/g/e/r G/i/r/lネタだモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| やらしいなし・おちなし・いみなし
 | |                | |            \
 | | |> .PLAY       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | | __._  ピッ   (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚ ) 
 | |                |  |:::: |[|    ()ニ⊂   )(    ) |  ヽノ
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |ps2| |    /-┌ ┌ _)┌ ┌ _)⊂UUO__|| ̄''l
 |  °°   ∞   ≡ ≡   / ̄/|_|ヽ_ノ| (_(__)(_(__).     ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
拙いしエロもないし短いのですが、元作品知ってる知人がいなくて
出来れば知ってる人に見て欲しいなと思いまして、投下させて頂きます
3731/3:04/11/28 02:53:55 ID:tW288Wsi
煙草の味やにおいが特に好きだというわけではないのだけれど、ピノッキ才はそれを嗜む。
大多数の愛煙家と同じく、煙草を吸えばピノッキ才の心は微かに安らぎを感じることが出来た。
眼前に揺れる頼りない煙を見ていても何だか心が和む気がする。味やにおいにあまり関心がなくとも、
このようにピノッキ才は煙草を好んでいる。今も目を覚ましてまず最初に煙草に手を伸ばし、火を点けた。
ピノッキ才は随分幼い頃から煙草の味を知っている。初めて吸ったときは頭がくらくらしたし、
どうしたって美味しいなどとは感じられなかった。煙を拒否した肺がそれを吐き出そうとして
かなり激しく咽せ返ったし、喉にも不快感が残った。大人達が平然と、または美味しそうにこれを咥えている姿が
信じられなかった。
それでもピノッキ才は懲りずに煙草を吸った。育ての親であるクリス〒ィアーノに与えられた小遣いで煙草を買い、
こっそりと吸った。慣れないうちは初めて吸ったときと同じように咽せたが、どうしてもピノッキ才は
これを吸えるようになりたかった。不慣れな手付きでライターを擦り、煙草の先端に火を点ける。それを何度も繰り返した。
咽せることなく煙を吸い込めるようになったのが何本目の煙草だったのかはもちろん覚えているわけはないが、
そのときの満ち足りた気持ちだけはしっかりと覚えている。深く息を吸い、幼い肺の末梢にまで煙が行き届いたことを
感じたときはとても嬉しかった。
3742/3:04/11/28 02:54:27 ID:tW288Wsi
そもそも少年は何故喉が焼けるような苦しみを感じながらも煙草に火を点け続けたのか。それは身寄りを亡くした彼を
拾ってくれた男への、クリス〒ィアーノへの憧れに他ならない。
幼い頃のピノッキ才は……今もそう変わらないが……感情を大きく表すことはなくとも、今と同じようにはっきりと
クリス〒ィアーノを慕っていた。拾ってもらった当時はまだ十にも満たない子どもだったとはいえ、彼がいなければ
温かなベッドで眠ることも、満足な食事をすることも出来ないということが分かっていた。自分は何も持たないただの子どもであり、
保護者がいなくなってしまったときにどうして生きていけば良いのかなど知りもしなかったし、何も出来なかったのだから。
そんな自分に手を差し伸べてくれたのはクリス〒ィアーノだった。もし仮に彼がピノッキ才の元を訪れなかったとしても、
ピノッキ才は然るべき施設に保護されて生き延びることは出来ていたのかもしれない。けれど何も頼るものがなくなった
ピノッキ才に対して一番最初に与えられたのはクリス〒ィアーノだったのだ。
3753/3:04/11/28 02:54:52 ID:tW288Wsi
自分を保護してくれた大きな存在に対して、憧れや尊敬、またはそんな言葉だけでは言い表せない感情をピノッキ才は抱いていた。
だから煙草に火を点けたのだ。しかし、クリス〒ィアーノが煙草を吸うその姿に惹かれてそうしたわけではない。
クリス〒ィアーノはピノッキ才にとって神さまと同じような存在だった。……もっとも、ピノッキ才は信心深いわけではないので、
その言い方は適当ではないかもしれない。ピノッキ才にとっては聖書よりも彼の方がずっと大事だったし、
十字を切ってお祈りをしたこともない。……クリス〒ィアーノはピノッキ才にとって畏れ多い存在だった。
触れたい、近付きたい、許されることなら口付けをし、自分がどれほど親愛の感情を抱いているのかを知ってもらいたい……、
そんな気持ちをピノッキ才は持っていたが、決して口にすることは出来なかった。だから代わりにピノッキ才は煙草に唇を付け、
胸の内を煙で満たしたのだ。
朝一番、目覚めてすぐに煙草を吸えば気持ちが洗われる。指を絡ませる代わりに自分の体へ紫煙を馴染ませるのが
ピノッキ才の主に対する敬意の表し方だ。
ちなみにピノッキ才が好んで持ち歩くのは、クリス〒ィアーノと初めて出会ったとき、彼がポケットに入れていたものだ。
もうクリス〒ィアーノはこの煙草を吸ってはいないのだけれど、自分に手を差し伸べてくれたあのときの彼をいつまでも
忘れることがないように、ピノッキ才はいつもこれを吸っている。
376風と木の名無しさん:04/11/28 02:57:26 ID:tW288Wsi
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | カップ麺が出来る前に終わったな
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  トイレが近くても安心
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
377風と木の名無しさん:04/11/28 15:20:17 ID:SVyyKBDB

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  和ー句和ー句の捏造もいいとこ塩レ才塩だモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  エロもしょぼくて申し訳ない
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ キャラカワッテルカノウセイガ・・・
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
378塩レ才塩1:04/11/28 15:20:56 ID:SVyyKBDB

連れ去られた神を追って、三日目の夜。

「うはあ・・・今日はそろそろ寝るす!明日になったら追いつくかもしれないし・・・」
そう自分に言い聞かせるように話していた塩にレ才はため息をついた。
もう砂漠の夜の時間は近づいてきて、肌寒い気配がしていた。

周りに村も無いので、仕方なく砂の上で眠ることにしたものの、レ才は横になりながら物思いにふけっていた。
追いつくわけがない。あの機械の速さは広い範囲で見渡せる砂漠でも、一瞬で見えなくなってしまったのだ。
それでも追っていく気になったのは何故なのか。
自分を助けてくれた神に恩返しをするためなのはレ才も解っていた。
しかし自分の命の次に、いや、それと同等なくらい大切な御神像を、この目の前にいる少年の御神像に食われたというのに。
もう自分の御神像は消えてしまったかもしれないのに。
379塩レ才塩2:04/11/28 15:21:36 ID:SVyyKBDB
そんな仇の少年と旅をすることになってしまったのは、レ才にとっては不本意だった。
そんな事をぐるぐる考え込んでいた矢先、
「・・・・・!」
レ才はがばっと上半身だけを勢い良く起き上がらせた。
そして「ちっ」と短く舌打ちをすると今度は全身をゆっくりと起き上がらせて、塩が眠っている場所よりもできるだけ遠ざかろうと、だいぶ離れた砂漠特有の小さな砂山を越える。
その裏へと来ると、日陰が作られた場所に来たため先程よりも一層暗く感じた。
レ才は限界とでもいうようにその場に倒れこんだ。
一昨日も、昨日の夜もこうだった。偏頭痛があった時は、殆どこんな事は無かったのに。
つい最近までその激しい頭痛を持っていたレ才が、一般の少年ならどうということは無いその行為に違和感を覚えていた。それでも、放っては置けないという点に関してだけは違いは無かった。
倒れたままの姿勢から体ごと回転し、左側を向く体制になった。
相変わらずのぎこちない手で己のものを取り出す。
それはすでに熱を持ち、まるでそこだけ体の一部ではないように感じた。そしてその感覚はますますレ才を不快にさせた。
「う・・・」
左手で触れると、体中が苦しい熱に覆われた。
380塩レ才塩3:04/11/28 15:22:03 ID:SVyyKBDB
なるべく手を上下に動かさなくてはならないものの、レ才は自分のその行為をなるべく見たくは無かった。
熱で感覚が鈍くなる中で、できる限り手を動かしていた。
「は・・あ」
あと少しだ。もうすぐこの熱から解放される。
まさに、
「―――レ才?」
びくっとレ才は体を震わせた。後ろから聞こえてきた声。
なんてタイミングが悪いんだ。そう思わずにいられない。
レ才は後ろを振り向かず、すばやく上着を下ろすと、ゆっくりと立ち上がった。
「どうしたんすかレ才!居ないと思ったら、苦しそうに倒れてるし・・・」
「・・・なんでもない、だからさっさと寝ろ」
レ才は心配する塩と目を合わさないように、ここに来る前の場所まで戻っていった。

「レ才・・・」塩はぽつりと呟いた。
381塩レ才塩4:04/11/28 15:22:34 ID:SVyyKBDB
最悪だ。
よりにもよってあいつに、あんなところを。
レ才は再度眠りにつこうにも、先程あった事が頭の中から離れず、落ち着けなかった。
塩の「苦しそうに――」という言葉からすれば、レ才の行為ははっきり見えなかったのだろう。
いや、たとえ見えていたとしてもその行為の意味を理解できるとは限らない。
12歳の、しかも年齢よりも精神が幼いような少年がそれを知っているとは考えづらい。
それを解っていても、レ才のプライドは傷ついたままで、後悔の波が襲う。

考えていてもキリが無い。無意味な事は止めて寝てしまおう。
レ才は目を閉じようとした。
が、そういえば。
「あいつ、どうしたんだ」
さっきレ才がここにたどり着いた頃からはだいぶ時間は経っているはずだった。
いくら行動が素早くない方の塩でも、いいかげん戻ってきていても良いはずなのに。
レ才はうかがう様子で立ち上がると、またゆっくり歩き出した。

「お前・・・!」
「レ才!ここ、これ、どうすればいいんすか!?」
レ才はその信じがたい情景を目にして、かすかに、またあの偏頭痛が戻ってきたかのような感覚に陥った。
それは、まだ幼い、その行為をするには乏しい年齢の少年が涙ぐみながら、
普段ほとんど脱ぐ機会の無い服を下半身まで脱いで、必死に己を慰める姿だった。
レ才が走って、近づいてくると、塩はとぎれとぎれに話し始めた。
「さっき・・レ才がやってたのを見てたら、ここが痛・・くなって」
痛くなったという表現が何を表すのか、レ才にはすぐ理解できた。
「もれ変す・・・レ才が苦しがってるの見て、こんなに・・・なって」
だいぶ苦しそうな話し方。己の物をきゅっと握り締めているだけの手は震えていた。
「解った、もう話すな。・・・貸せ」
「え?」
「やり方解らねーんだろ、俺がしてやる」
382塩レ才塩5:04/11/28 15:23:04 ID:SVyyKBDB
塩は目を丸く見開いた。
「そ、そんな!いいすよ!やっぱり・・だ、大丈夫すから!」
慌てて遠慮しようとするものの、すでに反応し始めているそれを処理することは、どう考えても塩には無理だった。
「いいんだよ別に」
「うあ・・っ!」
無理矢理塩を引き寄せると、レ才は塩のものを力を入れすぎないよう注意して触った。
自分のをするのとは違って、感覚が解らないため難しいが、特別な事をする必要はないのだ。
レ才は先程まで自分がしていた事とまったく同じことを繰り返した。
「あ・・あ、あ、うう」
今までまったく知らなかった快感がずきずきと自分を刺激するのを感じた塩は声を我慢することなく出した。
「レ・・・才」
だらしなく開かれた口からはレ才を呼ぶ声と少量の唾液が垂れた。
潤んだ目の周りは、熱が集中していて紅く、その目で見つめられたレ才は自分の奥で何かが音を立てるのが解った。
「な、なん、か出るす・・・レ才!」
「――気にするな、出していい」
「でも・・・!うああっ!」
熱は一瞬で消えた。塩が出したものはレ才の手の中に全ておさまっていた
383塩レ才塩6:04/11/28 15:27:27 ID:SVyyKBDB
「す・・すまねす・・・レ才」
まだ呼吸の整っていない塩は、自分がしてしまった事を意味は解りかねているものの、
なんとなく罪悪感を感じているのか申し訳なさそうな顔で謝った。
「いや・・・」謝る塩に対して、特に言葉をかけないレ才をやはり怒っているのかと心配になった塩は重い体を動かし、レ才の顔をのぞきこもうとした。
しかし、塩がレ才の顔を見るよりも先に目に入ったのは
「レ才・・・レ才もすか?」
その言葉に少し肩を震わせたレ才は、今まで塩が見たことのないくらい頬を紅くしていた。
「じゃあ今度は、もれがレ才を手伝うす」
「なっ!?」
「恩返しす!」
それはほぼ恩を仇で返しているような気もしない。レ才がそう思った時には、塩は自分勝手に作業を進めていた。
「おいやめろ!触るな!」
そんな声は耳に届いていない事にしているようで、塩は不器用だが、レ才が自分にした事を思いだしながら手を動かした。
「ほんとに・・・やめっ・・!」
「いいんす、レ才。レ才がさっきのもれみたいに苦しいのはもれも見たくないすから」
そう言うと、塩は自分の手を握り締めたままの体制で上下に動かした。
「くっ・・・はあ!あ!」
大きくなった声に力を入れすぎたかと焦った塩は根元では無く、先端に触れた。しかしそれはもっと強い刺激をレ才に与えた。
「はぁ!あっ!!」
レ才は体中をびくびくと痙攣させた。
「レ才・・・レ才・・・」
その様子にどうすれば良いのか解らなくなってしまった塩は、
また情けない声でレ才を呼んだが、レ才はその声に返事をする余裕は無かった。
384塩レ才塩7:04/11/28 15:31:30 ID:SVyyKBDB
もともと先程まで快感を与えていたため、敏感になっていたレ才のものはあっさりと絶頂を迎えた。
その瞬間、レ才の目に塩の心配するような表情が写った。
不思議と、その顔に憎らしさを覚えるどころか親密感を感じてしまう事自体にレ才は腹を立てた。
どうして。俺は。

砂漠の夜は過ぎ去り、暑い朝がやって来る。
昨晩の行為からさらに深くなった疑問に自問自答しながら、レ才は塩よりも早く目覚めた。
今此処で、こいつを殺してやってもいいと思うほど憎いはずなのに。
そんな考えをしたすぐ後に、絶頂を迎えたあの時の塩の表情を思い出す。
せめて塩が自分を嫌っていれば良いと思い、レ才は眠りにつく塩をじっと見つめたまま
レ才はまた短く舌打ちをした。
385まとまりのつかないまま終わり:04/11/28 15:32:03 ID:SVyyKBDB
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   オチがないモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| っていうかアーノレマティーもいるんじゃ・・・
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀`;)(・∀・l|l)(゚Д゚;) いやいやそれよりも参賢者に・・・
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

お目汚し、大変失礼いたしました。今は反省してるorz
386風と木の名無しさん:04/11/28 17:27:18 ID:d/fjvw5+
モモモモモモモエ……(*´д`)
ごちそうさまでしたGJ!
三賢者でばがめワロタ。
387377=385:04/11/28 17:44:30 ID:SVyyKBDB
い、今更ミスを見つけた・・・!
最後の行のレ才はの部分は要りませんねorz

>>386
そう言っていただけて安心しますた(´∀` ;)
388風と木の名無しさん:04/11/28 21:44:58 ID:vSzzDmMF
>>376
ガンすり萌えキターーー(゚∀゚)ーーー!!
ピノっきオにハアハアさせてもらいましたよ!
ありがトン!
389風と木の名無しさん:04/11/28 23:23:48 ID:krmE3tMn
同じく萌えさせていただきましたぁ!
塩もレ才も少年なんだよなーと、改めて(;´Д`)ハァハァしますた。
でばがめ三賢者ウラヤマーw
390風と木の名無しさん:04/11/29 00:17:34 ID:K3QwCTTB
>>365
元ネタ全く知らないのですが萌えました。ゲーム?
391風と木の名無しさん:04/11/29 00:23:42 ID:zZDwVuy9
>>390
エースコンバット5ですね。是非遊んでやって下さい。
今,スレが沈黙の行に入っているので萌え燃料投下希望っす。
392風と木の名無しさん:04/11/29 20:03:11 ID:wvoHIFyB
>377
ごちそうさまですたGJJJJ!!!
とても自分のレ才塩レ才感にジャストで激しく萌えました
やっぱりこの二人は少年っぽさが良いですなw
393唇五:04/11/29 23:24:37 ID:3R/pzBBK

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某つなぎヒプホプグループ唇五の捏造モナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  CPは大臣チビッコ!
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 初投稿ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
394唇五 1:04/11/29 23:25:24 ID:3R/pzBBK
打ち合わせが始まって1時間が過ぎた頃、「遅れてすいません」という眠そうな声と共にドアが開いた。俺はそちらに見向きもせず、下を向いたままソファに身を沈めていた。
「まだ起きて30分も経ってないよースゲー頭痛い。」
「何?あの後帰ってそんなに飲んだの?」
「いや、ぺ巣んちで飲んだの。」
何気なく交わされる会話に少し身を硬くする。恐る恐る視線を上げると、そこには昨日までと変わらぬ調子で「結構飲んだよね?」と俺に笑いかける酢ぅさんがいた。
395唇五 1:04/11/29 23:27:28 ID:3R/pzBBK
打ち合わせが始まって1時間が過ぎた頃、「遅れてすいません」という眠そうな声と共にドアが開いた。俺はそちらに見向きもせず、下を向いたままソファに身を沈めていた。
「まだ起きて30分も経ってないよースゲー頭痛い。」
「何?あの後帰ってそんなに飲んだの?」
「いや、ぺ巣んちで飲んだの。」
何気なく交わされる会話に少し身を硬くする。恐る恐る視線を上げると、そこには昨日までと変わらぬ調子で「結構飲んだよね?」と俺に笑いかける酢ぅさんがいた。
396唇五 2:04/11/29 23:29:04 ID:3R/pzBBK
昨日、俺らはあるイベントに参加した。タイトなスケジュールのせいで打ち合わせもリハーサルも十分じゃなく、おまけに風邪を引いているメンバーもいたりで、ステージの出来は最低だったと言ってもいい。
打ち上げで盛り上がる気分にもなれなくて、俺は適当な理由をつけて店を抜け出した。
かといって真っ直ぐ家に帰りたくもない。1人で飲みなおすのもなんだかなぁと考えていると、「飲みなおすなら付き合うよー」と背後から声がした。
「あれ?酢ぅさん打ち上げもういいの?」
「あんな出来じゃ打ち上がるもんも打ち上がんないでしょ。ぺ巣はもう帰んの?」
丁度いい、じゃあ2人で飲みなおそうということで、俺と酢ぅさんは夜の街を歩き出した。
けど時間も時間だし、明日も当然仕事がある。2人共かなり疲れていることもあって、結局俺の家で飲むことになった。
397唇五 3:04/11/29 23:30:36 ID:3R/pzBBK
2時間後、俺の部屋は近所のコンビニで買ったビールの空き缶でいっぱいになっていた。
俺もかなり飲んだし相当酔ってたけど、酢ぅさんはそれ以上に酔っ払っていた。
ステージが終わった後は平気な顔してたけど、この人も結構ヘコんでんだ…顔に似合わず案外無理してんだなぁ。そんなことをぼんやり考えながら、散らばる空き缶の中で突っ伏す酢ぅさんを眺めていた。
すると酢ぅさんは不意に顔を上げ、「酔っ払っても性欲ってなくならないんだよねぇ…」と呟いた。
「は?何?急に。」
「いや、だって酔った勢いでエッチすることはあっても、酔った勢いで人を好きになることはないじゃん。」
もう何言ってんのこの人…元々訳分かんないこと言う人だけど、酔いがまわるとさらにひどい。よけいに頭がクラクラしてきた。
「…何それ。」
「だからさ、愛と性欲って別物なんだなーって。」
「………。」
「人間って悲しいなーって。」
「………。」
「ちょっと!ぺ巣君聞いてんの!?」
無視してたら「三十路の話はちゃんと聞きなさい」とかなんとか言いながら詰め寄ってきた。勘弁してくれよ、マジで。そんな俺の思いをよそに、酢ぅさんはまだ話を続ける。
「要は、愛がなくてもエッチできちゃうってこと。みんなそれを否定したがるでしょ。でも俺はそこも認めてかなきゃいけないとおもうワケ。」
あーはいはい、そうだねぇと生返事の俺。
「たとえば、今ここで俺がぺ巣とエッチしようとするじゃない?」
「…いや、しないでもらいたいんだけど。」
「たとえばだよ。そうするとできちゃうんだよ。」
「いや、できちゃうと困るんだけど。」
「でもそれは愛じゃない!愛じゃないんだよなー悲しいことに。」
「………」
「でもその事実を肯定しなきゃダメ。」
「………」
「ダメなの!」
気づくと目の前に酢ぅさんの顔があって、次の瞬間床に置いてあった空き缶がガラガラと転がる音を聞いた。俺はなぜか抵抗する気もおきなくて、酢ぅさんの言う性欲にただ身を任せていた。
398唇五 4:04/11/29 23:31:44 ID:3R/pzBBK
朝になると酢ぅさんの姿はなかった。俺はちゃんとベッドに寝かされていて、部屋に散らばった空き缶はきれいに片付けられていた。
昨日した行為についてはあんまりはっきりと覚えていない。けどあの時適当に聞き流していた「愛と性欲って別物」という酢ぅさんの言葉が、今になって二日酔いの頭にガンガン響いていた。
399唇五 5:04/11/29 23:32:32 ID:3R/pzBBK
そして今、酢ぅさんは俺の目の前でいつものように微笑んでいる。俺の好きないたずらっ子みたいな笑顔。
やり逃げされた女ってこーゆー気持ちなのかなぁとかバカなことを考えてみたり。過去は振り返らないタチだけど、昔自分がしたことを少しだけ思い出して今さら謝りたい気持ちになった。
400唇五 6:04/11/29 23:33:04 ID:3R/pzBBK
ねぇ酢ぅさん、酔った勢いで人を好きになることなんてないんだよね?でも俺今すごく切ないんだ。これって愛じゃないのかな。
それとも俺は、ずっとずっと前からあんたのこと好きだったのかな。
401唇五 7:04/11/29 23:33:39 ID:3R/pzBBK
これ以上その笑顔を見てたら泣いてしまいそうだったから、俺はまた視線を下に戻すと、なるべく昨日までと変わらぬ調子で「酢ぅさんもう歳だからねー俺は余裕。」と答えた。
402唇五 1:04/11/29 23:34:54 ID:3R/pzBBK
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 | | □ STOP.       | |
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 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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403風と木の名無しさん:04/11/30 05:38:00 ID:dlkFz4vL
>393-402
(*`Д´)ハァハァハァハァ/ヽァ/ヽァl \ァl \ァ!!!!
萌えました。おもわずこのあいだの頂点走者見直しました。

余計なことですが後半もっと詰めたほうが読みやすかったかも。
404風と木の名無しさん:04/11/30 21:58:46 ID:+rVrHLWM
>393
もも萌えー!
ごちそうさまでした。大臣もちびっこも可愛いです。

投稿に関しては>403に同意で。
携帯で作ってたのかな?
405ヤングキンダいち マジ×キン:04/12/01 01:42:57 ID:IhbgxpFA
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   名探偵の孫のお話だとさ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  やまなし落ちなしエロもなし…らしい
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
406ヤングキンダいち マジ×キン1:04/12/01 01:45:15 ID:IhbgxpFA
つきのさばく
「つぅきのー沙漠をーはるぅーばーるとー」
静かな月の夜。
木々の呟きの他は何も聞こえない夜。
思わず口をついて出た昔の歌。
「…何の歌ですか?それは。」
側にいる男を起さないように小さく小さく囁くほどに歌ったはずなのに
この闇色の細身の男は空気さえ動かさないような動作で起き上がる。
「んー小さな頃に聞いた歌。月の沙漠をお姫様と王子様が旅をする歌だよ。」
彼がさらりと髪をかきあげた。白い手首についた紅い疵。
それがオレ達をつないでいた。
つながれてなどいなくても それがオレ達をつないでいたんだ。
「どうしてかな。」
「え?」
「どうして、旅などしていたんだろう。―王子様とお姫さまなのに。」
オレに聞くというよりは月に聞かせるような遠い口調だった。
「…さあな。」
そう答えたオレの脳裏にぽくぽくと駱駝に乗りながらゆっくりすすむ
王子様とお姫様が浮かんだ。
どこか幸せそうでどこかひどく寂しそうな姿だった。
お日様の下ではなく供の一人も連れず世界で最後の2人のように
はるばる続く砂の道を行くんだ。
「もっと。」
彼がぼそりと呟いたのでそちらをみると仔猫みたいに身をすりよせてきた
「何?」
「その歌、好きです。もっと歌ってください。」
オレは頷いて再び歌い始めた。
やせっぽっちの危険な山猫はオレを抱き寄せ眼を閉じた。
いいよ。アンタが望むんなら一晩中だって歌っててやる。
腕がちりりと痛んだ。
オレの手首にも紅い疵。
407ヤングキンダいち マジ×キン2:04/12/01 01:46:28 ID:IhbgxpFA
ある日オレの日常はぶちっと千切れた
この男によって千切られた
いつもと同じ日常の延長線上にまさかこの山猫が
とんっと道をふさいでたなんて
想像もしてなかった。
氷みたいな眼でオレを見る細身の山猫は 
冷たい鎖を持ってオレをさらいに来た。
そしてオレをつないだまま鎖のもう一方の端は自分の手首につなぎやがった。
―殺されるのだと思った。
あいつがおもちゃみたいに無造作に壊してきた命みたいに。
もうだめだって覚悟して、
でも最後の最後まで抗ってやるつもりでありったけの力で睨んでやった。
なのに還って来たのは沙漠の月みたいに
冴え冴えと透明な微笑だけだった。
皮肉気な口元だけいつものヤツの欠片が残ってるような気がして
大嫌いなはずのその人を小ばかにした口元に妙に安心した。
408ヤングキンダいち マジ×キン3:04/12/01 01:51:42 ID:IhbgxpFA
あれから何日たったのかな。
腕の鎖はもうオレ達をつないではいない。

「外してもいいよ。」
そう言ったらしばらく黙って彼はオレをみつめた。
そして冷たい指先がオレの唇に触れた。
その指先が震えていた。
オレはなんだかたまらなくなって眼を閉じた。
…彼がオレに触れたのはその時が初めてだったんだ。

「何を思い出してたんです?」
え?と顔を向けるとあの時みたいに冷たい指がそっとオレの唇の上に置かれた
そして彼はくすりと薄い唇をあげて微笑んで言った。
「歌が止まった。」
「…ごめん。」
オレがもう一度歌おうと息を吸い込んだらそのまま止められた。
「…かと…お」
彼は眼を閉じてオレをぎゅっと抱いた。
「そのひっつきぐせは何とかなんないの?」
そんなオレの言葉に答えるでもなく彼は少し腕を緩めてやっぱり月に話す様に呟いた
「なにかきっと間違ったんですよ。」
「何が?」
「月の沙漠を旅する2人。
きっとひどい間違いを犯してそれで―あんな寂しい旅をする羽目になったんだ。」
間違い…か。
オレはそっと月を見上げた。
天窓からさらさらと粒子みたいに光がこぼれてくる。
409ヤングキンダいち マジ×キン4:04/12/01 01:53:46 ID:IhbgxpFA
ぺろっ…と頬を舐められてはじめて
オレは自分が涙をこぼしていた事に気付いた。
彼に眼を向けるとやっぱり皮肉気な笑みを浮かべて彼は言った。
「そう。君もただ間違えただけ。だから…」
もうお帰りなさい。そんな声が聞こえた気がして
オレは俯いてしまう。
「違う。」
「違いませんよ」
オレは小さく首を横に振った。
「違うんだ。」
オレはくるっと向き直って彼の上に乗っかってやる。
ちょっと顔をしかめたけどかまわずオレはぎゅっと彼を睨んでやった。
「ばぁーか。このオレ様が間違うかって言うんだ。」
山猫は苦笑する。
オレはその笑みに安堵する。
…オレ達は間違ってるのかもしれない。
世界中でこれだけ多くの人間が間違い続けてるんだ。
オレ達だけ例外であるはずがない。
それでも今はこうするしかないって思うんだ。
だから。
オレ達はバカでアホでツマラナイ人間でしかないから
間違っても良いんだ。
そんなオレの
居直り強盗みたいなめちゃくちゃな理屈を知るはずもないけれど
彼は嬉しそうに笑った。
だからそれでいいと思ったんだ。
オレはできる限りの盛大な笑顔をうかべてやった。
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411風と木の名無しさん:04/12/01 08:25:50 ID:FxNkyJK+
>405-410
萌えました
切ない感じがたまらんです!
412風と木の名無しさん:04/12/01 08:42:15 ID:zJcDZ66U
>405-410
乙!
危うい二人の関係に(*´Д`*)ハァハァ
久々にマジキン萌えさせて貰った。
職人さん、ありがd!
413風と木の名無しさん:04/12/01 14:52:15 ID:WifnIrz9

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某小説パロで、カプは伊武燐×邪ッ怒
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 悪党視点の話だね 
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )?
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

邪ッ怒の過去話を勝手に捏造してくっつけてみました。
1930年代の話なので差別的表現があります。
414風と木の名無しさん:04/12/01 14:53:48 ID:WifnIrz9
不意に腕をつかまれ振り返る。
酔い潰れ、床に座り込んだまま眠っていると思われた男は、すがるような目で俺を見上げた。
(またか………)
内心舌打ちをしながらも、その手を振り解こうとはしなかった。
立ち上がり、背後から追いすがる腕にそのまま身をまかせる。
もう何度目の行為だろうか。


「俺が悪いんじゃない!……俺だけが悪いんじゃない!!」

食料を調達するために町へ出て、帰ってきた奴は突然わめきだした。
街のあちこちに警官がおり、自分たちを追っている。
居場所が知れるのは時間の問題だと。
俺たちが逃げ込んだのは、町外れの打ち捨てられた小屋。
以前は使用人が寝泊りするために使われていた所らしいが、俺の住むボロアパートに比べれば数倍の広さ。
今は使われていないとはいえ、元をたどれば伽乃ン家の持ち物だ。
いずれ警察が嗅ぎ付けてきても不思議ではない。
ここに来てから三日間が過ぎ、事件当初の高揚感はすでに失せ、後は警察から追われる身であることの不安と恐怖だけがのしかかってきていた。
わめき続ける声を聞き流しながら、奴が持ってきた新聞にちらりと目をやる。
「放火犯」「伊武燐・帽子」「邪ッ怒・箱``」
そして「重症」の文字。
まだあの男は死んではいないのだ。

415風と木の名無しさん:04/12/01 14:56:14 ID:WifnIrz9
「たしかに火をつけたのは俺だ!だが、計画したのも、道具を持ち出したのも、油を撒いたのも全部―――」
奴の指が俺に突きつけられる。
奴、伊武燐は常に黒い噂のある男だった。
金をばら撒き、手段を選ばずどんなことでもやってのける危険な男だと。
だが所詮、金持ちのボンボンが、不良の真似事をして見せているのに過ぎない。
金の力で身を繕っただけの、中身はありふれた、ただの気の弱い男なのだ。
酒を飲んだ後で大分酔いが回っていたこともあり、些細な口論から殴り合いになった。
俺より頭一つ背が高く、10歳近くも若い奴の力にかなうはずもなく、俺は床に組み伏せられた。
俺のからだに馬乗りになった奴の手が喉元に伸び、首を締め上げられる。
食い込む指。息苦しさと耳の奥がジンと痺れてくるような痛み。
意識が遠のき、死を思った瞬間、ふいにその重苦しさが消えた。
急に肺に入ってきた空気に思わず咽込む。

「……助けて……くれ………」

咳き込み続ける俺の耳に小さな声が聞こえてきた。
両手で頭を抱え、ガタガタと震えている。
以前はイヤミなくらいキレイに撫で付けられていた奴の頭髪は、見る影もなくボサボサに乱れ、前髪は目を覆い、奴の表情は見えない。

「邪ッ怒……頼む……助けてくれ………」

閉ざされた二人だけの空間で、縋るものは互い以外に無い。
416風と木の名無しさん:04/12/01 14:59:12 ID:WifnIrz9
「……なら……少しの間だけでも……忘れさせてやろうか?」

大きな図体をして、まるで怯えた子供のように震え続ける奴を見て、何故かその言葉が口をついて出た。

正気ではなかったのかもしれない。
俺に圧し掛かっている奴の体を下からまさぐり、着衣を乱す。
驚きに見開かれる目が、前髪から覗く。
俺がしようとする行為に嫌悪を示すだろうと思っていたが、奴は何の抵抗も見せなかった。
縋れるのならば、例え何であれ構わなかったのだろう。
奴の体を引き寄せ、勢いをつけ体を反転させる。
今度は俺が奴の体を組み伏せる形になった。
カフスを外し、シャツの前を押し広げ、舌を這わす。
酒と、奴の吸うキツイ煙草と汗の匂いが入り混じる。
しだいに奴の息が上がり始めた。

「……グ……ッ」
「……目ェ瞑ってろ」

舌先で舐めあげながら、そう奴に言う。

「目ェ閉じてろよ。男相手は気持ち悪ぃかもしれねぇが、入れちまえばただの肉だ。
男も女もたいした違いは無ぇからよ」

自分がこんな風に男を相手にするのは何十年ぶりだろうか。
喉の奥から込み上げてくる嘔吐感に堪えながら、硬くなったソレに手を添えると、ゆっくりと腰を落としていった。
417風と木の名無しさん:04/12/01 15:01:17 ID:WifnIrz9
あちこちに鬱血の残る体をかばうようにしてベッドから立ち上がり、ふらふらになりながらも皺になったシャツに袖を通す。
とりあえずテーブルの上にあった酒瓶を手にし、ソファーに腰を下ろした。
もう何日も食事を摂ったという記憶がない。
喉を通るのは酒だけだ。
今日が何日で今が何時かということも、もうどうでもよくなってきていた。
少しまどろんでいたのだろう。
目を開けると、すぐ近くに伊武燐が立って俺を見下ろしていた。
つい先程まで、年上のくたびれたオヤジの上で、必死に腰を振っていた男だと思うと笑えてくる。

「何……笑ってんだ……邪ッ怒……」
「……別に」

わずかに見せた苛立ちを、気づかない振りをしてかわす。
伊武燐は向かいにあった椅子に腰掛けると、同じように酒をあおり出した
言葉も交わさず、時間だけが過ぎる。
418風と木の名無しさん:04/12/01 15:04:46 ID:WifnIrz9
「俺の親父は、腕のいい時計職人だったんだ………」

その言葉に、伊武燐はこちらを向いた。
互いの沈黙に耐えられなかったのかもしれない。
今まで誰にも話したことのない過去を、目の前の男に打ち明けようとしている自分自身に驚いたが、口は勝手に動き続けた。

「あの黒/ん/ぼ/―――炉―連巣と同じ……時計職人だ」

母を早くに病気で亡くし、父一人子一人の家庭だった。
決して裕福な生活ではなかったが、腕がいいと街では評判の時計職人だった父のところには絶えず仕事が入ってきて、不自由な思いをすることはなかった。

「あれは、こんな冬の日だった――」

当時、地方から都市部に移ってきた/黒/人/による事件が各地で多発していた。
劣悪な労働に耐え切れず、白/人/の雇い主を殺して逃亡する者もおり、徒党を組み、強盗や殺人事件を起こす者たちもいた。
あの日、仕事から帰る途中だった父は黒/人/数人に囲まれ、棒などでメッタ打ちにされ、金品を全て奪われたのだ。
全身血まみれで雪の上に倒れている父親を見つけたのは、帰りの遅い父を迎えに出た、幼い自分だった。
その時の傷の後遺症で父は片足と片腕を動かすことができなくなった。
手が使えなければ、時計職人としてやっていけない。
職を失い、体も思うように動かせなくなった父は、人が変わったように、毎日浴びるように酒を飲んだ。
今まで聞いたことのないような暴言を浴びせ、怒りに任せてこぶしを振るう。
本当は体の不自由な父のこぶしなど簡単に避けることができたが、自分はそれを受け止めなくてはならないと感じていた。
八つ当りの矛先はすべて息子である自分に向けられる。
愛した父が変わっていくのをどうすることもできないまま、毎日を脅えながら過ごし、
いつの日か元の父に戻ってくれることを神に祈り、ただひたすら耐えた。
419風と木の名無しさん:04/12/01 15:07:55 ID:WifnIrz9
「………俺が隣町へ出かけていたある日、家で火事が起きた。
……親父は焼け死んだ。
火事の原因は不明だ。中には親父が自殺するために火を放ったのだと言い出す奴まで現れた。
………だが俺は信じない。
分かっているのは、体の不自由な親父は、炎から逃げる術が無かったということだけさ。
つまり、親父はあいつらに―――あの黒/人/共に殺されたんだ!!」

「……………………」

伊武燐は一言も発せず、じっとこちらを見ていた。
奴が話を聞かずわめいていたところで、俺の口は止まらなかっただろうが。

「他に身寄りの無かった俺は、親と家を同時に失い独りで生きていくしかなかった。
ひもじさのあまり、何度となく盗みだってした。
金のためならオヤジにケツを差し出して、モノのしゃぶり方まで習ったさ!」

揶揄するような言葉にも、伊武燐は表情を動かさなかった。
420風と木の名無しさん:04/12/01 15:10:25 ID:WifnIrz9
「……そんな俺でも何とか安定した仕事にありつき、長い年月のうちに職工長になったある日。
工場に出入りする、ある黒/人/を見かけた。
名は炉−連巣。
奴は時計職人で、自分の勤める会社社長の友人だという。
白/人/の社長の友人が/黒/人/だと?笑わせるな!!」

最後は惨めたらしく死んでいった父の昔の姿と、金持ちの夫人にも腕を認められ、仕事を順調にこなしているあの男の姿が重なる。
奴は今でこそ、虫も殺さぬような穏やかな風貌で通っているが、以前、社長と話しているのを聞いた。
時計職人になる前は、生きるためには盗みなどもした。色々な悪事に手を染めてきたのだと。
あの男も結局、本質は同じなのだ。
父親を死に追いやったあの/黒/人/共と。
421風と木の名無しさん:04/12/01 15:12:34 ID:WifnIrz9

「……だから……炉−連巣を憎んでいたのか………」

伊武燐の声に、ハッと現実に引き戻される。
こんな昔話をこの男にしたからといってどうなるものでもないというのに。
酒に酔ったせいだろうか。
それとも、俺はすでに正気を無くしているのだろうか。

「なあ……邪ッ怒……」

「俺は―――」

伊武燐の言葉を遮り、立ち上がる。
奴の顔に浮かぶ、哀れみの表情など見ていたくはなかった。

「俺は―――お前とは違う。
俺は、初めからあの男を殺すつもりだった。後悔などしていない。……絶対に!!」

振り返らず、俺は小屋の外へと出た。
酒のせいなのか、外気に触れても体は冷たさを感じない。
422風と木の名無しさん:04/12/01 15:14:47 ID:WifnIrz9
伊武燐―――奴はもう終わりだろう。

じきに警察の手もここまでのびてくるだろうが、奴には逃げる気力など残ってはいまい。
早く、ここから逃げ出さなければ―――

粉雪が降り続ける空を見上げる。
雪が降るのを楽しみだと感じていた子供の頃の記憶は、もう遠い彼方だ。
父親を失った後の俺にとって、雪は寒さと飢えを運んでくる、忌まわしいものにしか過ぎなかった。

「俺は……後悔など……していない」

どこか遠くから、教会の鐘の音が聞こえてきた。
その音から逃れるように、俺は両手で耳を塞ぐ。

  俺は神になぞ祈りはしない。
  俺は誰にも、許しを請わない。

423風と木の名無しさん:04/12/01 15:16:53 ID:WifnIrz9
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   こんなもん借りてきて申し訳ないモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 意味もなく長かったね
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀`;)(・∀・l|l)(゚Д゚ )ナンダコレ?
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

原作の面影なし。
あの感動小説をこんなものにしてしまってごめんなさい。
424風と木の名無しさん:04/12/01 21:40:27 ID:9Oxuq17K
渋かったよ!
原作探してみるよ、伏せ字ようわからんけど
425風と木の名無しさん:04/12/02 20:29:03 ID:uFGRQWeW
登場人物名でググってみましたが、見つけられませんでした。
(これかな?と思えるのはあったけれど小説ではなかった)
すいませんがヒントだけでもお願いします。
426風と木の名無しさん:04/12/02 21:17:20 ID:T4QPfSlZ
>>413-423
もしや、某栗巣升本でつか?
昔読んだだけだから曖昧だけど
427風と木の名無しさん:04/12/03 22:07:54 ID:zZ/B+1af
ミュージカルっぽいのは見つかった。
聖なる夜箱?(要英訳)
428風と木の名無しさん:04/12/03 23:35:33 ID:MyvHkL8Z
>>427
同じ作者が書いた、それの二作目が聖なる夜箱の登場人物の過去話で、そこに同じ名前の登場人物が居たような希ガス。
間違ってたらスマソ
429風と木の名無しさん:04/12/05 22:21:13 ID:6zCpYwYj
>428
「エンジェルがくれた時計」ですね。
ありがとうございました。
430風と木の名無しさん:04/12/10 00:59:21 ID:llIjxJlg
投下マダー?
431風と木の名無しさん:04/12/10 01:17:52 ID:BObJKhC/
>430
まだ書いてる途中だから待て!
そして出来が悪くてもあまり文句を言わないでくれ!
432風と木の名無しさん:04/12/10 01:36:26 ID:llIjxJlg
うん。文句言わない。
大人しく待ってる。
433風と木の名無しさん:04/12/10 02:36:48 ID:P9Uo5Yf3
432にときめいた
434風と木の名無しさん:04/12/10 02:43:47 ID:RtJ+j/kC
432攻めでお願いします
435風と木の名無しさん:04/12/10 18:04:53 ID:mBiu6w3B
>>430-432
必死で夕食を作る年上受と
ナイフとフォーク持って待ってる年下攻
が浮かんだ。
436風と木の名無しさん:04/12/11 05:39:09 ID:gxT8sVDt
夕食より先に受を食ったりしないんですね。
デザートはあくまでお楽しみとしてとっておくんですね(*´Д`)ハァハァ
437風と木の名無しさん:04/12/12 15:08:18 ID:fEmo5erb

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 | __________  | イ反面ライ夕”ーゴゴゴの草カロ×拓海、初投稿だって。長いわりにエロくないらしい。
 | |                | | 「良人」は「おっと」って読むんだって。あ、ちなみに俺は3原って言うんだ。
 | | |> PLAY.      | | ――――――v――――――――――
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ある日降ってわいた考えを書き綴りました。
直前まで某文豪の小説を読んでいたので文体がモロ影響されてます。
後半ちょっと失速・・・。

あー、文中で草カロが生き返ったうんぬんっていう話は、某遊園地の英雄ショーの設定です・・・。
「犬井」よりは「拓海」の方がよかったかなー。

4381:04/12/12 15:08:43 ID:fEmo5erb
草カロ政人には生まれつき父親が無かった。
彼の唯一の肉親は彼の母親であった。
ゆえに彼は自らが父親にならねばならないと決意した。
母は彼の母であり姉であり妹であり恋人であった。
そして彼自身は父親であり息子であり恋人であった。
彼の世界には彼と母しか居なかった。
彼はそれで幸せであった。
そして彼が母と舟遊びをしに川へ行ったのは彼がまだ幼い頃であった。
そこで彼等は遊んだ。しかし舟は転覆した。
彼等二人は流された。彼は母に手を伸ばした。
母は彼を守ってくれる唯一の存在だからである。
しかし母は彼の手を振り払った。
次に彼が目覚めたとき彼は独りであった。彼は泣いた。
そして彼は流星塾に入った。
上に述べたように彼は母以外に家族を持たなかったからである。
そこで彼は父を見つけた。
ゆえに彼は最早父である必要がなくなった。
彼は一個の少年になった。
しかしその父は母とは違って彼一人の父ではなかった。
父は流星塾生皆の父であった。
彼は父の愛を独占できなかった。
そして彼は母を喪った悲しみから生きる気を半ば無くしていた。
彼の級友は彼を虐げたが彼は抗わなかった。
彼には最早母親がいなかったからである。
しかし彼はそこで母親を見つけた。曽野田麻里である。
曽野田麻里は彼より5歳年下であったが彼を苦境から救ってくれた。
彼は彼女のうちに母親を見出した。
そして彼は曽野田麻里の良人となる事を決意した。
しかしその時の彼には不可能な事であった。
彼にはまだ力が無かった。
4392:04/12/12 15:09:38 ID:fEmo5erb
そうして彼は成長して流星塾を離れた。
彼は曽野田麻里の良人となるためならいかなる努力も惜しまなかった。
そして汚い手をも惜しまなかった。
人望を集めるために裏では他人を蹴落とした。
全ては曽野田麻里の良人となるためである。
「俺の母となる女性の良人となるためには、彼女を守れる強い男性にならなければいけない」
彼は今一度父親になる努力をしていた。
しかしいかに彼が曽野田麻里を崇拝していようとも何年も前の事である。
ややもすれば記憶は薄れがちになった。
そんな時彼は懐から幼い曽野田麻里の肖像を取り出し「彼女は幼い俺を守ってくれた。ならば成長した俺は彼女を守るのだ」と自分に言い聞かせた。
しかし彼は曽野田麻里と再び会う機会を持たなかった。
機会は期せずして巡ってきた。流星塾生の同窓会である。
「今こそ俺に機会が巡ってきた」彼は喜び勇んで出かけた。
しかしそこは悪夢に変わった。
彼も麻里も全ての流星塾生は何者かに殺された。
そして彼が再び目を覚ましたとき、彼はスマァトブレーン社のベッドの上にいた。彼は密かに逃げた。
後日流星塾生に再会したが彼等は記憶を操作され草カロ政人は同窓会にいなかったと思っていた。
彼は麻里と自分を殺したスマァトブレーンに対する復讐を誓ったが彼には力が無かった。
彼は再び大学に通った。しかし一年後、曽野田麻里が彼を訪ねてきた。
そして彼はΧザのベルトを手に入れた。
そして彼はイ反面ライ夕"―Χザになった。
そして彼は曽野田麻里と同居することになった。
これは願ってもいなかったことである。
しかし他に同居人が二人いた。
第一は菊地慶太郎、家主である。
この男は愚直で善良であったので騙すのはたやすいことである。
放って置いてもなんら問題は無かった。
しかし問題は第二の犬井拓海である。
犬井拓海は草カロと同じイ反面ライ夕"―である。
4403:04/12/12 15:10:46 ID:fEmo5erb
犬井はイ反面ライ夕"―Φズであった。
犬井は草カロよりも先にイ反面ライ夕"―になり、草カロよりも先に麻里たちと同居していた。
ゆえに草カロは犬井拓海を敵視した。「あの男は麻里の良人たる俺の権利を侵している」そして犬井拓海の方も彼を好かなかった。
よって彼は犬井拓海を陥れるのに何の躊躇もなかった。
彼等はお互いいがみ合った。
ある時彼は曽野田麻里に愛を告白した。
しかしそれは麻里によって拒絶された。
それは彼にとって予想だにしていなかった事であった。
彼は麻里にしつこく食い下がった。
そして犬井拓海にそれを仲裁された。
草カロ政人は激怒した。
思わず彼は犬井にお前に俺の何がわかる、麻里は俺の母親になれる唯一の女であると怒鳴った。
その場はそれで終わった。
しかし次の日から彼は犬井拓海の態度が変わったのを感じた。「この男は俺を哀れに感じている」
そしてそれは草加にとって唯一の女性である麻里の母性に対する挑戦であると感じた。
「この男は麻里の神聖な母性を侵そうとしている」彼にとって犬井拓海は「自分の父性を脅かす存在」から「麻里の母性を脅かす存在」に変わった。
それは彼にとってより強大な脅威であった。
彼の父性は麻里の母性無しでは存在し得ないからである。
故に彼は今まで以上に犬井拓海を嫌悪し、憎悪した。
総力を持ってこれを攻撃した。
その過程で彼は騎馬祐二という麻里に好かれている男の存在を知った。
「また俺に敵が増えた」そして騎馬はオノレフェノクであったが草カロは騎馬にあまり興味を持たなかった。
前述したように草カロの麻里の良人たる権利を侵害する男より麻里の母親たる権利を侵害する男の方が重大だからである。
しかし彼は騎馬と犬井が仲を深めようとした時には全力を持ってこれを阻止しようとした。
自分の権利を脅かす騎馬の父性と麻里の権利を脅かす犬井の母性の結合はあってはならぬ事であった。
それは草カロと麻里の結合に対する攻撃であった。
そうしているうちに今まで人間であると思われていた犬井拓海は実はオノレフェノクであると知れた。
彼はますます犬井を憎んだ。「あの男は化け物でありながら麻里の母性を侵害しようとしている」彼は犬井を罵り、殴った。
それを犬井が甘んじて受け入れるので草カロの行為はなお一層助長された。
4414:04/12/12 15:12:17 ID:fEmo5erb
そうこうしているうちにある日彼は騎馬に首の骨を折られて死んだ。
なぜなら彼はオノレフェノクの王を倒そうとしたからである。
そして彼は灰になった。それで彼は終わった。しかし彼は再び目を開けた。
またもやスマァトブレーンのベッドの上であった。彼は再びこの世に生を受けた。
それは他ならぬオノレフェノクの王の所為であった。
オノレフェノクの王は彼を生き返らせた。
なぜなら彼は王を守るべノレトの持ち主として優秀だからである。
そして彼は一度洗脳された。彼は犬井拓海を殺そうとした。
しかし犬井や3原の声援によって洗脳は解けた。
彼は敵であるオノレフェノクたちに対し自分はお前たちと同じオノレフェノクになってしまったかも知れないが、自分は何をされようとも犬井と同じ人間であると宣言した。
そしてその発言は犬井拓海を喜ばせた。草カロ政人はは自分が変性したのを感じた。
彼は最早犬井拓海を恨んでいなかった。それは彼にはかつて無い事であった。
彼は全てのオノレフェノクを憎んでいたし、彼は今まで何一つ例外を認めたことが無かった。
父親は常に厳格であるべきだからである。しかし彼は父親であることを捨てた。
そして彼は最早曽野田麻里は自分の母親では無いとも気づいていた。
彼が追っていたのは幻想に過ぎなかった。全ては幻であった。麻里は彼の妹になった。
その場はひとまず敵を退け、彼は犬井拓海と共に家に戻った。曽野田麻里と菊地慶太郎の喜びは推して知るべきである。
その晩は祝いの席であった。彼等はしばらく騒いだ後おのおのの部屋に戻った。
しかし草カロは眠れなかった。彼は犬井拓海の部屋の戸を叩いた。
しばらくして犬井から了承の返事があった。彼は犬井の部屋に入った。
彼は犬井の寝台に上がりこみ、犬井を見つめた。
「俺は最早麻里の良人でも無ければ麻里の父でもない。
そして麻里は最早俺の母でもなければ俺の妻でも無い。
ならば犬井拓海は一体何であるか?」
草カロの権利を侵害していた騎馬祐二は草カロを殺したので只の仇になった。
しかし麻里の権利を侵害していた犬井拓海は一体何になるべきであろうか?
この母親である男、慈愛に満ちた化け物、恐るべき天使に対して彼は何をなすべきであるか?
4425:04/12/12 15:14:10 ID:fEmo5erb
彼と犬井は見つめあった。犬井との見つめあいのうちに彼は獣の睨みあいに似た物と恋人の見つめあいに似たものを感じた。
「犬井拓海は俺の恋人になるべきだ」そんな考えが彼の頭をよぎった、それと同時に彼は自分の内に起こった恐ろしい考えに慄然とした。
彼は慌ててその恐ろしい考えを振り払った。しかしその考えは彼を去らなかった。
彼は再び犬井を見つめた。それは恐ろしい瞬間であった。暫く二人の見つめ合いは続いた。
やがて草カロは犬井の顎を両手で掴むと顔を寄せた。犬井は大山猫が獅子の爪を甘受するが如くじっとしていた。
二人は息のかかる距離で見つめ合った。草カロは更に顔を寄せた。両者の唇は触れた。
微かに犬井は身じろぎした。草カロは一旦顔を離し、再び口を付けた。犬井は何も言わなかった。
そして草カロ政人は犬井の服に手をかけたが前述したように犬井はただじっとしていた。
一体犬井拓海は何を考えているのであろうか?彼は草カロ政人が嫌いではなかった。
むしろ好ましく思っていたし、自分にはできぬことをする草カロを羨ましくも思っていた。
しかし彼は草カロ政人は彼を嫌っていると思っていたので草カロの変性に驚きもしたが好ましく思った。
しかし今草カロがしようとしている行為についてはどうであろうか。
一方では驚いたが「草カロはそういう男かもしれない」とは常々思っていたのでまた一方では驚かなかった。
しかしこのまま草カロに行為を進めさせてしまっても良いのだろうか?彼は考えた。
草カロが今から行おうとしているのは草カロが拓海を抱くつまりは拓海を貫くという行為であろう事は容易に察せられた。
少々気質が変わったとはいえ草カロの支配的で暴力的で厳格で加害は好むが被害は好まぬという面はあまり変わることが無かった。
そんな彼が下になるだの相互手淫だのそんな事を好むようには思えなかったからである。
犬井拓海は考えた。「俺が今ここで拒絶したら草カロは傷つくだろうな」と。
また、「俺は別に上でも下でもどっちでもいい」とも思った。自分は寛容であるし被害には慣れている、と彼は考えた。
また、例え彼が草カロに「俺を貫いてくれ」と頼まれたとしても彼はそれを拒絶したであろう。
彼は加害を好まないし、なんだか不潔そうな感じもしたからである。
そう彼は考えたので草カロ政人のなすがままにして置いた。
4436/6:04/12/12 15:14:57 ID:fEmo5erb
草カロは自らの行いに全く迷いが無かった訳ではないし、また犬井にとってはその行為自体が苦痛を伴うものであった。
セックスとは一体何であろうか?それは必ずしも愛によってなされる物ではない。
そして今の草カロと犬井も今自分たちが行っている事が愛に基づくものであるとは思わなかった。
しかしながら二人の間に愛が無いと言えばそれは嘘である。愛ではないがそれに相当する何がしかを感じてはいた。
それは二人にとって悪夢のようでありまたこの上なく素晴らしい事である様にも思えた。
長いようで短い行為が終わると、草カロ政人はしばらく犬井を見下ろして考え込んでいたが、余韻も早々に服を着て部屋を出た。
犬井拓海は何か言いたそうであったが草カロは敢えてそれを無視した。
部屋に戻ると彼は寝台に横になって先ほどのことを思い返していた。
そしてそのまま眠りについた。その日はそれで終わった。
444431:04/12/12 15:18:03 ID:fEmo5erb
 ____________
 | __________  | まぁ、草カロだもんな。
 | |                | |
 | | □ STOP.       | | ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧ ∧ 
 | |                | |     ピッ   (゚ _゚ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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445風と木の名無しさん:04/12/12 16:52:31 ID:9k7xmNJA
>437-444
>430ではないがGJ!
犬馬者のくせに泣いてしまった。
ちょと古めの純文みたいな文章がいい意味で切なかった。
てか、3原はデガバーメ?
よかったらまた投下して下さい。
446風と木の名無しさん:04/12/12 17:51:36 ID:7iy621ZB
>444
つーかそのAA誰だw
447風と木の名無しさん:04/12/12 18:28:11 ID:vJfoZ6hj
>437-444
GJ!まさかこのカプが読めるとは思っていませんでした…( *´∀`)
タックソと草カロがどのバイク乗りの兄さん達よりも大好きなので萌えに萌えまくりましたYO!!
「上でも下でもいい」な投げ遣りぽい態度がタックソらしくてよかったです。
またの投下お待ちしてます!!
448風と木の名無しさん:04/12/12 21:30:10 ID:Z12E0zRS
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧     ┌──────────────
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )    < 太/陽/に(゚Д゚) Dック×Gプシーだモナ。
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒) └──────────────
  |            ┌^──────────────
  └──────│ ビデオ『Gプシー出/生/の/秘/密/編』の後あたりだよ。
            │ エチもないし中途半端な話だけど。
                └──────────────
449太/陽/に(゚Д゚) Dック×Gプシー 1/6:04/12/12 21:33:30 ID:Z12E0zRS
「ハラさーん」
今日もまた、ひょろりと細長い奴にでっかい犬がついて歩いている。
元気よく振られる尻尾が目に見えるようだ。
奴がちらりと大型犬を振り返り、肩越しに何か一言二言話すと、
犬は嬉しそうに「はい!」と返事をして離れていった。
昼飯の約束ができたのがそんなに嬉しいのか犬よ。いやRガーよ。
サイジョウはなんとも複雑な気持ちで手元の資料に目を戻した。

細長くて無口な男は、フタを開けてみればとことん真面目な奴だった。
単独常習犯だと聞いていたが、タケモトと組まされても受け入れる柔軟さも、
他人の意見を尊重する謙虚さも持ち合わせている。勘の鋭さや行動力も捜査官として申し分ない。
ノザキやイシヅカもハラに信頼を置き始めているし、むやみに鋭かった目元も柔らかくなって、
実は目が大きいんだなんてことにも最近気づいた。
まあ静かな顔して何をするかわからないのが困ったところではあるが。
ただ、プライベートな部分は多くを語らないために未だ謎が多い。
こちらを拒みはしないものの、自分から輪に入ってくることはあまりなく、
どちらかといえばそっと後ろに控えている。
右胸心の特異体質のことも、聞いたのは本人の口からではない。
サイジョウとイワキはたまたま左胸の手術痕を目撃していたが、そのときもハラは何も話さなかった。

そのハラの生い立ちを一/係全員が耳にしたのは、やはりヤマムラからだった。
『事件に巻き込まれ両親は死亡。一人残されたハラは見も知らぬ他人に預けられた』
ヤマムラは多くは語らなかったが、決して幸せな子供時代ではなかったことが伺える。
その場の誰も、言葉を発しなかった。
450太/陽/に(゚Д゚) Dック×Gプシー 2/6:04/12/12 21:35:04 ID:Z12E0zRS
図らずもハラの幼少期を知ることとなった二つの事件。

二人きりの姉妹が起こした殺人事件は、円満に解決と誰もが思った。
その裏に隠されたトリックをただ一人見抜いたのは、勘の鋭さだけではないだろう。

異常なまでにハラに敵愾心を燃やすかつての同級生が、ただ彼を貶めたいがために起こした誘拐事件。
犯人を確保し遠ざかるパトカーを、ハラは無言のままどこか哀しい目で見送っていた。

姉妹の育った家の跡をを訪ね、近隣の聞き込みをしながらひとり何を思っていたのだろう。
ひたむきに自分の信念を貫いてきた少年時代が招いた事件は、どれだけハラを苛んだのだろう。
それでもハラは、何も語ろうとはしなかった。
トウドウをはじめ一/係のメンバーは、ただ静かに彼を見守った。


それから数日後の晩、宿直に当たっていたサイジョウは、同じく宿直のイワキを先に食事に行かせて一人座っていた。
今日は昼間から暴力団同士の小競り合いで傷害事件が起き、近隣の所轄まで出動しての逮捕劇があった。
総動員でどうにか事態を収拾し、今はハラとイシヅカが主犯の護送に行っている。
今夜くらい静かに過ぎてくれと電話に念じながら、それでも事件は起きるんだよな、とため息が漏れる。
そこへドアが開き「ただいま戻りました」と柔らかい声がした。
「よう、お疲れ。Gリさんは直帰だよな」
「ええ。Dックは当直でしたっけ」
「おうよ。護送、無事に済んだか」
「はい。これが城/西署の承諾書類です。報告書はすぐ書きますから」
「明日でいいじゃないの。事務の人間も帰ってるぜ」
「やれることはすぐ済ませたいんですよ」
てきぱきと書類を取り出すハラに、サイジョウはやれやれと腰を落とした。
背もたれにゆっくり背を預け、静かに口を開く。
「でさ、お前ちゃんと治療は受けたよな?」
451太/陽/に(゚Д゚) Dック×Gプシー 3/6:04/12/12 21:37:16 ID:Z12E0zRS
淀みなく走っていたペンが止まる。一瞬の沈黙の後、ハラは左腕を軽く持ち上げ、
きっちり巻かれた包帯を示して見せた。
「全治一週間。腕の筋にも異状ありません」
「よし」
暴れまわる組員たちと乱戦気味の現場で、ナイフを取り出した一人とハラが対峙した。
目を見つめたままじっと直立して隙を伺うハラに、興奮状態のその男は闇雲に切りかかった。
ハラはなぜか身体を僅かにひねっただけで避け、結果、左手に刃を受けてしまった。
「Gプシー!」
「ハラさん!」
ぱっと散った赤い色に、切りかかった男の手が止まる。そこへ容赦ない右ストレートが炸裂した。
駆け寄ったサイジョウとタケモトの前で、ハラは涼しい顔でのびた男に手錠をかけていた。

「まあね、ヤクで頭いかれてる相手を止めるにはいい作戦かもしれないよ」
サイジョウはあくまで静かに続ける。
「軽症で済むようにちゃんと計算してたしな」
ハラは黙ったまま再び報告書に集中している。
「だがね、それを見せられるほうの身にもなって欲しいんだな」
またペンが止まった。
「あのあとラッキョが大騒ぎして大変だったんだぞー。いつかハラさん死んじゃうかもしれない!とか言い出しやがってさ」
「…すみませんでした」
小さな声が返る。無言のままのサイジョウに、ハラはちらりと上目遣いで表情を伺った。
じっと見つめる視線に、居心地悪そうに目をそらす。
その様子に苦笑しながら、サイジョウは以前に聞いたノザキの言葉を思い出していた。
452太/陽/に(゚Д゚) Dック×Gプシー 4/6:04/12/12 21:40:19 ID:Z12E0zRS
仕事帰りに二人で飲んだ夜だった。ハラの話題になると、ノザキは言葉を切って考え込むような表情で呟いた。
「なあDック、私は、ハラはとても優しい奴だと思うんだよ」
大らかな父親のような存在のノザキには、ハラもぽつぽつと過去を話すことがあったらしい。
『自分に嘘はつきたくなかった。だから刑事になったんです』
ハラはそう語ったという。
「あまり、恵まれない生活だったようだからなあ。辛いことも一杯あったと思うんだ。
 それでもあいつは逆境に、自分に負けたくないからこの道を選んだ。辛い思いをたくさんして、
 そうしてなお人を守る仕事を選んだんだ。あいつは優しいんだよ。優しいから、強くいられるんだ」
目元を少々赤くしながら、ノザキは熱のこもった口調で続けた。
「だがな、だからこそ心配なんだよ。自分の信念に負けたくない一心で無茶をしたんじゃ本末転倒じゃないか」
個性の塊のような一/係の刑事たちを見守ってきたノザキの言葉は暖かかった。
「私たちで支えてやりたいなあ。ハラがそれを受け入れてくれればもっと嬉しいんだが」

愛してはくれなかった養母の最期のときまで仕送りを続け、今もひっそり墓参りをしているらしい。
生真面目な彼らしい行動だ。
自分が決めたこと、信じたことは何があろうと曲げない。それはただの自信過剰にも映るだろう。
だが、そうすることで自分自身を支えなくてはいけなかったのかもしれない。
誰も傍にいないから、そうやっていかなければ倒れてしまう。
どんなに逆境でも、自分の人生を否定したら負けてしまう。
そうしてひとりで歩いてきたハラは間違いなく強い。強いが、痛々しい。
受け入れられることも理解されることも、初めから望まないまま生きてきて、
そして今のハラがあるのならそれは哀しすぎる。
どこの署でもひとりだったハラが、ここ七/曲署でも何も望んでいないのだろうかと考えると、
サイジョウは胸が痛んだ。
453太/陽/に(゚Д゚) Dック×Gプシー 5/6:04/12/12 21:42:05 ID:Z12E0zRS
気づけば言葉が零れていた。
「なあ、やっぱり俺たちも必要ないか…?」
ハラが肩をぴくりと震わせ、ゆっくりと顔を上げた。目を見開いた表情のまま固まっている。
ああやっぱり目でかいわ、と妙なことに感心しながらサイジョウはなおも続けた。
「お前、うちに来てからだいぶ喋るようになったしさ、突っ走ってばかりじゃないのもわかった」
突然何を言い出すのかと、ハラは困惑したように眉を寄せた。
「でもさ、もーちょっと自分大事にしろ、な?」
「Dック…?」
「俺さ、お前がいつか大怪我しそうな気がするんだよね」
サイジョウの目は穏やかだが真剣だった。
「俺は…死にませんよ。最初にそう言ったでしょう」
「まあなー。あんだけでかい手術痕見せられてピンピンしてんだから、
 医大くずれとしちゃ恐れ入るしかないんだけどな」
「Dック…!」
淡々とした言葉にハラが言い返そうとしたとき、どかどかと大股の足音と共にドアが勢いよく開いた。
「Dック!戻りました、メシどうぞ! ようGプシー、戻ってたのか」
「おうRッキー、んじゃ頼むな。Gプシー、食ってこうぜ」
でかい髭面が賑やかに入ってきて空気が一変する。咄嗟に切り替えられず言葉の出ないハラを、
サイジョウはさりげなく背を叩いて促した。
454太/陽/に(゚Д゚) Dック×Gプシー 6/6:04/12/12 21:49:14 ID:Z12E0zRS
署の外へ一歩出ると、澄んだ夜空が広がっている。
人通りの少ない道を歩きながら、先に口を開いたのはハラだった。
「“必要ない”って、どういうことですか、Dック」
「あ?」
「さっきの話です」
「ああ、それか」
笑い混じりの口調のまま、サイジョウはくるりとハラに向き合った。

「俺たちはお前が必要だけどさ、お前はどうなのかわからないよ」

思いがけず真っすぐに本音をぶつけられ、ハラは立ちつくした。
心底困ったような顔は、初めて見る表情だった。
皆からの封筒を渡されたとき、泣き出しそうな顔をしていたとトウドウが言っていたのを思い出す。
「いつかはさ、もっと話してくれるかな。話せることだけでいいんだけどさ」
大きな目が揺れている。サイジョウは柔らかく笑って歩み寄る。
「みんな、心配してる。わかってるんだよな?」
ぽんぽんと肩を叩いて俯いた顔を覗き込んだ。ちいさく「はい」と言葉が返った。
「コレだけは言っとくぞ。お前に何かあったら、まずラッキョが騒ぐぞ。それからチョーさんが泣くぞ」
「……」
「ボスも、ヤマさんもGリさんも、それから俺も泣くぞ」
「Dック…」
「俺は泣くのはいやだ。泣かれるのは悪くな…いやいやそれもまずいか」
「Dック、あの──」
「わかったか?」
「…はい」
「よし」
サイジョウは心持ち高い位置にある癖っ毛をくしゃくしゃと撫で、ハラを引っ張って歩き出した。
自分には誰も近づけてくれないくせに、人には命がけになれる奴なんて都合がよすぎる。
危なくて見ていられない。

その後、二人でラーメンを啜りつつゆっくり語り合おうというサイジョウの目論見は、
またも傷害事件発生の一報により破られるのだった。
455風と木の名無しさん:04/12/12 21:51:57 ID:Z12E0zRS
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> stop.      │|
       |│              |│      
       |│              |│   
       |│              |│   
       |└───────┘|    
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]     
   
                 ピッ ∧_∧  ホントニ チュートハンパダナ
                ◇,,(∀・   ) 
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘

まとまりのない話で申し訳ないです。
この時期の、まだイマイチ溶け込めてないGプシーがとにかく可愛いくて書きました。
本人気づいてないが実はみんなに愛されててホスィ
801萌えとは違いますが、みんなのお爺ちゃんなチョーさんも大好きです。
456風と木の名無しさん:04/12/12 22:04:58 ID:zGewadcC
>>448-455
GJ!
うおー! (゚Д゚)!だー!!
ハマり始めたころの布陣です。読めて幸せ。
初期のハラさんの戸惑ってる感じが初々しくてよかったです。
そして何より、一番好きな人のセリフから始まって嬉しかったw
457風と木の名無しさん:04/12/13 15:44:11 ID:aagDo0Zi
>>448-455
(゚Д゚)!だ!!
まだうちにデッキがなくて毎週噛り付いて見てた頃だー!
Gプシー大好きだったよ・゚・(つд`)・゚・
役者さんたちの芝居が目に見えるよう。声が聞こえるよう。
ありがとうネ申!
458風と木の名無しさん:04/12/13 16:52:13 ID:EqOVGtTQ
>448-455
自分のドジーン歴最初のカプだ!
あまりの懐かしさに萌え転がった。
こういう医者刑事大好きなんだ。カルメソちゃんもリアルでヨカタ!!
ありがとう、ありがとう……・゜・(ノД`)・゜・
459風と木の名無しさん:04/12/13 22:59:14 ID:e2RQEnVy
うわーん!
私も大好きなカプだ…。

名作(迷作?)「雨のふる町」だっけ?
まだ実家にカセットテープがある筈。

その頃はビデオなくてテープに声だけ録ってたんだよ。
今考えると声だけって意外にエロ(ry
460風と木の名無しさん:04/12/19 19:25:03 ID:nqLGmyAp

          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧     ┌──────────────
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )    < 太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギーだモナ
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒) └──────────────
  |            ┌^──────────────
  └──────│ Bギー登場直後あたりだよ。
            │ 太/陽は普通の掛け合いがむしろ萌えだと主張してるよ。
                └──────────────


GプシーとBギーが並ぶとユリユリお花ちゃんズに見える私は
何か間違ってる気がします。
461太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー 1/7:04/12/19 19:28:02 ID:nqLGmyAp
一本気で単純、考えるよりまず行動という、人としてはともかく
刑事にはあまり適しているとは言えない新人。
ある意味とても七/曲署らしい人材ではある。その台風男、カスカベハジメは
今日も無駄に溌剌と出勤してきた。遅刻ぎりぎりで駆け込んだところをサイジョウと鉢合わせし、
出勤時間ブービーを競って階段を駆け上がったところで、仲良くイシヅカに拳骨を食らった。
冷ややかなハラやタケモトの視線もなんのその、トウドウに直立の姿勢をとり、
天井が抜けそうな声で朝の挨拶をする。
一応先輩だというのに、どうにも手のかかるのが増えたとため息をつくタケモトに、
ハラは黙ったまま目で同意した。
結局、教育係はなりゆきでサイジョウが務めている。初日からドジを連発、ヤマムラに一喝され
流石に落ち込んだところをサイジョウが拾いに行ったらしい。その後、カスカベの勝手な思い込み
(医学生嫌い)で一方的に目の敵にされるわ、容疑者は取り逃がすわと散々に振り回されている。
だが、甘やかされ堕落した学生を厳しく怒鳴りつけたサイジョウを見て、
これまた単純なカスカベは彼を見直し今日に至る。
また性懲りもなくJャイアソツだCープだと言い合う二人から目を逸らし、ハラは手元の新聞に目を落とした。

タケモトは空の湯呑みを手に、ハラの表情を横目で伺った。一心に新聞を読んでいる風を装いながら、
さっきからページが全く進んでいない。時々ちらりと上がる視線の先にはサイジョウとカスカベ。
いや、正確にはサイジョウ。
(気になるんなら混ざればいいのに)
それが上手くできないことは承知の上であるのだが。タケモトはお茶のお代わりを注ぎに席を立った。
「はいはい、元気なのはわかりましたからもうちょっと静かにしてくださいね。朝っぱらから疲れますから」
何だとコラと睨み返すカスカベと、タケモトに目をやってから、ちらりとその後ろを見るサイジョウ。
ハラは相変わらず新聞に見入っている。
462太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー 2/7:04/12/19 19:29:45 ID:nqLGmyAp
その日の午前中は何事もなく過ぎ、サイジョウとカスカベは昼の一服がてら屋上に上がった。
外野がいなくなったところでカスカベが肩をすくめて切り出す。
「ところでDック。ひとつ聞きたいんですがね」
「何だよ」
「Gプシーがとっても痛い視線を投げてくるんですが」
「ほほう?」
「さっきから背中にちくちく刺さってるんスよ。ほら、こんなに」
「どれどれ。あーこりゃ痛いわ、摘出が面倒だなー」
「漫才はいいですから」
「そうかい」
「わかってんなら何とかしてくださいよ。綺麗な顔して俺のこと睨むんですから」
「あれはね、慣れれば怒らなくなるから。もうちょい待て」
「犬っころ手なずけるんじゃないでしょ」
「似たようなもんだ。いや、あいつの場合猫かな。イメージが」
「猫ねえ…」
細いし動きは猫っぽいかもしれない、と同意しかけてカスカベはふるふると頭を振った。
「そりゃあね、俺は初っ端からドジばっかりですよ。足引っ張ってばかりですよ。
 だからってあんな目の敵にしなくたって」
「うーん、たぶん違うんだがなあ…」
「はあ?」
何故かあさっての方向を眺めつつにやにやしているサイジョウを、カスカベは胡乱そうに見つめた。


一/係に戻ると、管轄内パトロールの指示が下りた。
ヤマムラはごく自然にハラとカスカベを指名した。
463太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー 3/7:04/12/19 19:31:17 ID:nqLGmyAp
何も他意はない…と思いたい。カスカベはそう念じながらハンドルを切る。
クリーム色の覆面車は速度を維持してゆっくりと左折した。
交差点にある交番に、助手席のハラが軽く手を上げるのが視界の隅に映る。制服の巡査が敬礼を返した。
少しの無駄もない流れるような動作に、カスカベは素直に感嘆した。
(同期のはずなんだがなあ…)
赴任初日から躓きまくっているカスカベだが、その分かりやすい性格ゆえに一/係に馴染むのも早かった。
フォローが大変だというのもあって、サイジョウを始め誰かしらがカスカベと組んで動いていたこともある。
その中で、ハラと組んだのは今日が初めてだった。
この男は、どうにも取っ付きにくかった。優秀なのはもちろん、整った風貌と長身に加え、
すべてにおいてそつのない行動。自分とは共有部分の一切なさそうなタイプである。
が、日が経つにつれ、賑やかな一/係の中でハラが少々異色な存在であることに気づいた。
いつも澄ました顔をしていると思っていたが、むしろおとなしいと言ったほうが合っている。
クラスに一人はいる、勉強は得意だが物静かであまり表に出たがらないタイプ。
綺麗な顔をしてるだけに、いろいろ損をしてそうだと何となく思った。
それをサイジョウに言ってみたところ「お前意外といいカンしてるなあ」と微妙な褒め方をされた。
『それに気がつくなんて凄いぞお前。そうか、他がイマイチなのはそのせいか』
どういう意味だと憮然としたものの、そのときのサイジョウがひどく優しい目をしていたのを覚えている。


隣で落ち着かなそうにしているカスカベをちらりと見て、ハラは視線を正面に移した。
こちらを気にしているのには気づいていたが、話を振るのはそもそも苦手だ。
裏表のなさ過ぎるカスカベのようなタイプは、決して嫌いではないが苦手だ。
サイジョウもしばらくはお目付け役から離れられないだろうな、と何の気なしに考えていることに気づき
ハラはひとり眉を顰めた。
ふと自分が赴任したときのことを思い出す。カスカベとは方向性が違うものの、
ハラとて相当な問題児だった。むしろ自覚しているだけ、ハラのほうがタチが悪いかもしれない。
464太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー 4/7:04/12/19 19:32:43 ID:nqLGmyAp
サイジョウは誰が相手であろうが調子を変えない。自分のことを頑固者だなんだと言うが、
あの調子の良さに油断して、いつの間にかサイジョウのペースに乗せられていたことが何度あっただろう。
カスカベに対してもタケモトに対しても、サイジョウは柔軟に、それでいて自分を曲げることなく接する。
自分のときも気がついたら傍にいた。こちらが気づかないうちに、勝手に彼の居場所を確保していた。
不思議と嫌ではなかった。でも、今までそんな人間はいなかったから、どう応えていいかもわからなかった。

(同時刻・七/曲署)
「ねえDック」
「あん?」
「あの二人でパトロールって、やっぱ考えてのことですかね。ヤマさん」
「だろうな。早いとこ慣れさせてバリバリ働いてもらわんと」
「Bギーさんとハラさんじゃ正反対ですもんね。はー、ハラさんも大変だろうなあ」
「お前わかってないねー。慣れさせるのはGプシーのほうを、だよ」
「は?」
聞こえているであろうヤマムラは、すました顔でデスクで緑茶を啜っていた。


「Bギー、前」
どうにも気まずいままの空気を破り、ハラが鋭い声を上げた。指差す先には不自然な人だかりが見える。
カスカベはすかさず覆面車を急停止させた。
「警察です、何かありましたか?」
これまたさり気なく手帳を示しながらハラが声を掛ける。人ごみが左右に割れた。
465太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー 5/7:04/12/19 19:35:56 ID:nqLGmyAp
そこには、腰を抜かしたように座り込む初老の女性。
「おばちゃん、どうした!大丈夫か!」
「ど…泥棒だよぅ、あたしのかばん、持ってっちまったよお…」
「ひったくりか…すみません、犯人はどっちへ」
ハラが素早く周囲に状況を聞く。突き飛ばされたのか、女性の手には擦り傷が血を滲ませていた。
「ぎ、銀行から、下ろしたばっかりなんだよ…取り返しとくれよ!」
「大丈夫だ、おばちゃん。絶対とッ捕まえてやるからな、待ってろよ!」
「Bギー、あの角を曲がったのなら道は一本だ。俺が追うから、車で先回りしてくれ」
言うなり駆け出そうとするハラに、カスカベは慌てて飛びついた。
「待たんかい!」
「…っ、何だよ!」
「馬鹿!お前、肺が方っぽだけなんだろうが!」
「…!?」
ハラの目が見開かれる。
「俺ァ長距離は苦手だが短距離は得意だ。車もお前のほうが上手いだろ、頼むな!」
ハラの同意も取らず、カスカベは猛然と走り出した。一瞬呆然とした後、ハラも覆面車へと駆け戻った。


ハラが追いついたときには、犯人らしい若い男とカスカベが既にもみ合っていた。
体格もそう変わらず、一応格闘術はひととおり心得ている(はずの)カスカベのほうが有利に見える。
被害者のものらしいバッグをめちゃくちゃに振り回す男の腕をかいくぐり、襟を掴むと足払いで
地面にそのまま引き倒した。
「うら!神妙にお縄を頂戴しろい!」
どうやら確保成功らしい。いつの時代の台詞だとため息をつきながらも、ハラは無線機に手を伸ばした。
だが、ポケットから手錠を出そうとカスカベが片手を離した瞬間、男は思い切りもう片方の手に噛みついた。
「ぎゃ!いでででででで!」
「Bギー!」
掴む力が緩んだ隙に、男は反動をつけて渾身の頭突きを食らわす。鈍い音がしてカスカベの眼前に星が散った。
たまらず手を離したカスカベを突き飛ばし、男は逃げ出そうと体勢を立て直した────が、振り向くと同時に
ハラのいっそ清清しいなほど華麗なハイキックを延髄に受け、あえなく昏倒した。
466太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー 6/7:04/12/19 19:39:41 ID:nqLGmyAp
カスカベが痛む額を押さえ涙目で顔を上げたときには、犯人に手錠を掛けて車に放り込み、
署への連絡も済ませたハラがこちらへ歩いてくるところだった。
「あー…またやっちまった…」
よりにもよってハラと一緒のときにと情けなさに気持ちが沈む。
と、ひやりとした手が額に触れた。
「…腫れてる。冷やしたほうがいいな」
いつもの表情のままハラは静かに言うと、噛まれた側の手をそっと取った。
真っ白なハンカチで血をふき取りながら、ぽつりと呟く。
「誰から聞いたんだよ」
「あ?」
「俺の身体のこと」
「ああ、Dックから。あと、ヤマさんに俺から聞いた」
「…気持ちは有難いけど、フルマラソンにでも出ない限り問題はないんだ。だから──」
「阿呆抜かせ。犯人パトカーに乗っけてお前が救急車じゃ意味がないだろが」
思わずハラの手が止まる。
「他に、何か聞いたのか? その・・・Dックから」
「いや、別にないが?」
「…そうか」
ハラはそそくさとハンカチを仕舞い「医務室行けよ」とだけ言って立ち上がろうとした。
「いやしかし、お前やっぱ強いわ。すげえな」
そこへ何の屈託もない子供のような笑顔を向けられ、ハラは戸惑ったまま言葉が返せない。
「俺も精進せにゃーいかんなあ!うん!」
勝手に盛り上がるカスカベを見つめ、ハラはいちど俯いて、顔を上げた。
「その…済まなかった。ありがとう」
こいつでも口ごもることがあるんだ、とまた見当違いな事を考えていたカスカベは、
思いがけず素直に礼を言われ盛大に挙動不審に陥った。
「いや、そのッ、なんだ、俺ァ車もDックにダメ出しされてばかりだしな、取り得はこんなもんしか…」
「へえ、いちおう謙虚なところもあるのか」
ハラの顔が、初めて綻んだ。
(あ、笑った…)
ヘマをしたことも、噛まれた痛みも、その瞬間頭から飛んだ。
カスカベは後になってそれを思い出し、猛烈な自問自答を繰り返すことになる。
467太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー 7/7:04/12/19 19:43:46 ID:nqLGmyAp
「まったく。お前って奴ぁ普通に物事を終わらせられんのか」
「ひったくり犯捕まえたでしょー?現・行・犯で!」
「それでコレな辺り、どーやっても格好つかないのな」
サイジョウは包帯の巻かれた左手をひょいと摘み上げる。大げさに痛がるカスカベに、ハラが後ろから声をかけた。
「Dック、それは俺の責任です。確実に確保してから連絡を入れるべきでした」
「何を言っとるか。油断したのは俺なんだからお前にゃ責任はない!」
きっぱりと言い切るカスカベに、顔を見合わせるサイジョウとタケモト。
「でも…」
「いいから!」
その後ろで、そ知らぬ顔で視線を交わすヤマムラとトウドウ。
「おいBギー、お手柄は結構だがな、お前もうちょっと腕上げろ」
「はいッ!頑張ります!」
カスカベはまたも直立不動で高らかに宣言した。

ハラはいつもより穏やかな目でそれを見ていた。
468をまけ:04/12/19 19:46:47 ID:nqLGmyAp
その日の夕方、サイジョウは(また都合よく)宿直。ハラはデスクワークを終えて帰り支度中。

二人になってから妙に顔が緩んでいるサイジョウに、ハラは不思議そうな表情をする。
「どうかしましたか?Dック」
「なあ」
「はい」
「やかましくて手のかかるのが来て大変だよな」
「え?」
「若手纏めんのは俺だしなあ。しばらくは面倒見てやらんと」
サイジョウは言葉を切ってにやりと笑った。
「面白くなかった?」
「……」
「Bギーがさあ、ドジばっかやってるから、お前に目の敵にされてるって思ってたらしいぜ」
「え…」
「そんなに怖い顔して見てたのか?」
「……」
にやにやにやと楽しそうなサイジョウ。そっぽを向いたまま無言のハラ。
こんなときに限って電話は鳴らない。食事に出たタケモトも帰ってこない。
「…お先に失礼します」
ハラが立ち上がり、すたすたと振り返りもせずに一/係を出ていった。
心なしか荒っぽくドアが閉められる。
残されたサイジョウはくすくす笑いながら、明日はカスカベとパトロールに出ると
言ってみようかな、などと考えていた。
469風と木の名無しさん:04/12/19 19:47:35 ID:nqLGmyAp
          _________
       |┌───────┐|
       |│□ stop.     │|
       |│              |│      
       |│              |│   
       |│              |│   
       |└───────┘|    
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]     
   
                 ピッ ∧_∧  
                ◇,,(∀・   ) 
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘

ハラさんが本編で普通に走りまくってるという事実は置いといて(・∀・)っ□
この二人、後半けっこう仲良しさんでしたな。
しかし片肺設定、ほとんど生かされてないよな…
470風と木の名無しさん:04/12/20 16:28:03 ID:21k8ZFny
せっかくジプシー初登場の回のビデオ発掘できたのに巻き戻ししたらテープ切れた…orz
471風と木の名無しさん:04/12/20 16:57:49 ID:H76XsZuK
>460-469
GJ!!
スネっこGプシーカワエェ(*´∀`*)
>470
イ`
472風と木の名無しさん:04/12/20 17:15:48 ID:21k8ZFny
あらためて>>470ですが
>>460-490タン、GJ!!
ちょうど今「さらば」を見ながら読んでいたので臨場感バチーリですた
この時のミーちゃんはやっぱ美しいのぅ(*´∀`)ポルァ

>>471
ありがd…仕事場の補修キット使わせてもらってなんとか繋げないか画策してみます
基本的にドライバーさえあれば分解できるはずなんだが、最初のトコだけ専門の機械が要るんだがのぅ
473風と木の名無しさん:04/12/20 18:37:33 ID:21k8ZFny
何度もスマン、470だがどうにも諦めきれずに自宅にあったドライバーでテープを分解、
強力両面テープを使って無理やり補修してDVDに落とし込むことに成功しますた…
テープとデッキをオシャカにするのも覚悟でやったが、わが生涯に悔いなし!!ですた(⊃Д`)

元はと言えば>>460-409タン、そしてこのスレに太/陽ものを投下してくださった
姐さんがたのおかげで発掘してきたテープです、ありがとうございますた
474風と木の名無しさん:04/12/20 22:03:21 ID:SnWgzkvn
      _
      /,.ァ、\
     ( ノo o ) )  空
      )ヽ ◎/(.    気
    (/.(・)(・)\ . 嫁
    (/| x |\)
      //\\  
   . (/   \) 
475風と木の名無しさん:04/12/21 17:10:39 ID:OGaYeAF2
>>474
いいAAだね
476風と木の名無しさん:04/12/24 00:06:01 ID:uaq/bE7C
      _
      /,ハハ\
     ( ノo o ) )   空
       ヽ ◎/    気
     / ・ ・ \   嫁
    (/|  x |\)
      //ω\\  
    (/     \)

しかし801的にはこっちな罠
477風と木の名無しさん:04/12/24 03:05:36 ID:BqVgEsHy
誰もいないね
               .,∩''" ゙̄`''-∩ 
      ,.-''" ゙̄`''-、   /        ヽ
    (゙ノ       ヾつ' _     __  l
    /  __     __ | i, ´ (_●_ ) `  ミ
    | ´  ( _●_) ` ミ彡  ヽノ    _ノ
   彡、   ヽノ   ヽ/      ⌒ヽ 
   /_,, / ̄ ̄ ̄ ̄/       |  | いないね、じゃあやっちゃおうか
___(__)/  kuma /_____|  |___
    \/____/       (u ⊃

478風と木の名無しさん:04/12/24 03:26:34 ID:BqVgEsHy
ここか・・・どこに誤爆したかわからなかった。
ごめんなさい。
479風と木の名無しさん:04/12/25 23:23:54 ID:DsBLzYD/
おまいらもうちょっと投下する気を起こさせるカキコお願いしますよ。
480風と木の名無しさん:04/12/26 00:16:50 ID:LmgE/Jnb
でも投下するのは職人さんの自由意志だし。
したくないなら無理にしてくれなくても。
481風と木の名無しさん:04/12/26 01:21:04 ID:LmgE/Jnb
投下するのは職人さんの自由意志だし投下したいなー、と思ったときに投下されるもんでしょ。
こちらが催促出来る立場じゃない。
人が減ったのは冬祭りのコピー本作ってたり年末でサービス残業に明け暮れてたりするから
だとでも思っとけ。
482風と木の名無しさん:04/12/26 01:22:18 ID:LmgE/Jnb
間違えた。ごめん。
483風と木の名無しさん:04/12/31 12:45:24 ID:wZto7aoj
アンパンマソ姐さんまた来てくれないかな…
484風と木の名無しさん:04/12/31 13:08:02 ID:3fdQ/KAz
あ、リクおkなら漏れも帰って来て欲しい姉さんがいる
つかサイト晒せや(゚Д゚)ゴルァ!! 日参しますペコペコ
というくらい好きな文章だたよー
指名はまずいだろうけども一度見かけたら離さない
あれ以来みかけないけどどっかでガンガレ
漏れも人探しガンガノレ

485風と木の名無しさん:05/01/02 18:02:42 ID:nC/7rFB7
カプ(コンビ?)はメル欄でス。
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |>PLAY.       | |         
 | |                | |           ∧_∧ アケオメガワリニ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  オヒトツドゾー
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
486風と木の名無しさん:05/01/02 18:03:13 ID:nC/7rFB7
 …だからさぁ兄ちゃん、いくら久しぶりに帰ってきたからって、オレにばっかり
べったりくっついているのはどうかと思うんだけど。
 そりゃぁさ、去年、初めて離れて暮らすことになって淋しかったのは分かるけど、
だったらオレばっかりじゃなくて親父やお袋にもくっついてよ。
…てか、友達の所に遊びに行くとかしろよ!いつまでウチに籠もってるつもり!?
 昨日なんか、お袋に「あらぁ、お兄ちゃん独り占めでいいわねぇ」なんて言われたけど、
全っっ然よくねぇぇぇ!これじゃオレの休みの予定パァじゃん!
 (…予定なんかないけどさ。こうなるコトは分かってたから、遊びの誘いは全部断ったし)
 大体、勝手にヒトの部屋に入ってきて、散々喋り倒した挙げ句、そのままベッドで
眠りこけるって何さ。もしかして何かのイヤガラセなの?オレ何か悪いコトした?
ねぇってばぁ…って爆睡中だから無反応だし!
 何ヒトの部屋で爆睡してるんだヨ!寝るんなら自分の部屋で寝ろよ!
落ち着いてゲームできねぇだろ!
 (…せっかく二人で出来るヤツ買ってきたのに)
487風と木の名無しさん:05/01/02 18:03:51 ID:nC/7rFB7

 …でも兄ちゃん、オレ今年はダメだけど、きっと来年には兄ちゃんのライバルになるんだよ。
オレ今年がんばって、絶対来年は兄ちゃんのいる世界に行くんだから。
 そしたら兄ちゃん、オレのコト嫌いになるかも。
オレ、すぐに兄ちゃんに追いついて、追い抜いちゃうんだから。オレ絶対負けないんだから。
兄ちゃん、オレに負けたらすごく悔しがるよねきっと。もしかしたら口ききたくなくなるかも。
 だからそれまでは「かわいい弟」でいてあげる。
 だから兄ちゃんもそれまでは「やさしい兄ちゃん」でいてよね。
488風と木の名無しさん:05/01/02 18:04:22 ID:nC/7rFB7
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ナンカ中途半端でスマソ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
489風と木の名無しさん:05/01/03 16:04:25 ID:vZEgHitQ

 ____________
 | __________  | イ反面ライ夕”ーゴゴゴの草カロ×拓海、>437〜の「次の日」らしい。
 | |                | | 437は1月25日の夜だから、こっちは1月26日か。
 | | |> PLAY.      | | ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧ ∧ 
 | |                | |     ピッ   (゚ _゚ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

続きです・・また文体変わってる・・・。
4901:05/01/03 16:09:14 ID:vZEgHitQ
次の日目が覚めると、草カロは自分が寝坊している事に気が付いた。
朝食を作るのは彼の日課である。
よってその日朝食を作ったのは麻里であった。
その朝草カロはよく食べ、拓海は少ししか食べなかった。
それは今日に始まった事ではなく、草カロは普段から大食であり拓海は普段から小食であった。
その後草カロは朝から風呂に入った。
昨夜した事を思い出して、なんだか不潔な感じがしたからである。
昨日すぐに入ればよかったのだが、昨日は疲れていたので入らなかった。
水は冷たかったが草カロはあまり気にしなかった。
彼は考え事をしていたからである。
その後麻里と慶太郎は配達に出たので草カロと拓海は二人きりになった。
そこで拓海は店番をし、草カロはアイロンがけをした。
洗濯物が溜まっていたからである。
しばらく草カロはアイロンを掛けていたが、
「犬井拓海は他人に甘すぎる。あの男は迫られたら誰とだって性交渉を持つかもしれない」という考えがふと頭をよぎった。
彼は不安になったので今すぐ真偽を確かめるべくアイロンを置いて店の方へ行った。
行くと犬井拓海はカウンターに頬杖をついて暇そうであった。
「おい」草カロは声を掛けた。
「なんだよ、もうそっちは終わったのかよ」
「そんな事はどうでもいいから一寸来い」
「は?」
これは草カロらしからぬ事だったので拓海は不審に思った。
いつも拓海の営業態度が悪いと文句を言う草カロが率先して仕事の放棄を促すとは今までに無かった事である。
草カロの態度からすると別にオノレフェノクが現れたわけではなさそうである。
拓海は不可解に感じたが、別に客が居る訳ではないし、客が来たら客が拓海を呼べばいい話なので拓海は草カロについて店の奥に行った。
「で、なんの用だ?」
そこで草カロは、お前は今まで昨日の様な事をしたことがあるのか、初めてにしては抵抗しなかったのは何故だ、騎馬とはどういった関係か、などの疑問をいつものように皮肉な調子で拓海にぶつけた。
それに対して拓海が答えたところには、
俺は初めてだ。それはお前と同じだ。
(ここで草カロが顔をしかめて何か言おうとしたが拓海は構わず続けた)
4912/2:05/01/03 16:10:33 ID:vZEgHitQ
抵抗しなかったのは、嫌では無かったからだ。
騎馬とはただの親友だ。
俺はお前とは親友であるとは一度も思ったことがないがまぁ騎馬が親友でお前が恋人であるというそういった「すみわけ」でいいのではないか。
と言ったことであった。
そこで草カロは騎馬と何も無かったならば何故俺を選んだという意味の質問を拓海に意図を気取られぬよう注意を払ってした。
拓海は疑心暗鬼とでも言うべき草カロの態度に少々辟易したが、
「この男は独占欲が強いわりには今までの人生で大したものを得られてこなかったのだろう」と考え草カロの質問に答えた。
騎馬は俺に無いものを求めてきた、草カロは俺が持っているものを欲した、そういうことだ。と、
それを聞いて草カロは腑に落ちぬ様子であったが、拓海はなおも続けた。
騎馬が俺が持っているものと持ってないものの区別がつくようになったら、騎馬を受け入れてやりたい、と。
草カロの顔色が変わった。
別に拓海は性的な意味を込めた訳では一切無く、
「あいつがイイやつに戻って人間の姿にも戻る事が出来るようになったらまた一緒にバッティングセンターに行きたいなぁ」
という程度の意味でしか無かったのだが、
「…お前はやっぱり誰でもいいんだな」
「は?」
草カロ政人は新たな不信を得た。そのうち麻里と慶太郎が帰って来たので二人の会話はそこで終わった。
492風と木の名無しさん:05/01/03 16:13:58 ID:vZEgHitQ
 ____________
 | __________  | 風呂じゃなくてシャワーにすればいいんじゃないのか、草カロ。
 | |                | |
 | | □ STOP.        | | ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧ ∧ 
 | |                | |     ピッ   (゚ _゚ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

微妙に続いてしまったので続きを書かないと。
まぁでも誤解が深刻な対立を生むとかいう風にはならないでしょうが。
493風と木の名無しさん:05/01/03 16:36:55 ID:ZSsvaSjp
>486-492
もももも萌え!GJ!
せっかちで勘違いする草カロとなんだかアバウトなタックソが(・∀・)イイ!
続きお待ちしています
494風と木の名無しさん:05/01/03 22:39:43 ID:wGiOZl2D
>>489-492
姐さんGJ!!
現在進行形で大好きカプなので余さずおいしく萌えさせていただきました!
自給自足の毎日だったんで…orz
続き期待してます

495風と木の名無しさん:05/01/03 22:47:17 ID:+0dVfXFP
>>485-488
元ネタ全然わからないけど、兄弟スキーなので萌えた。
かわいい弟×天然兄(・∀・)イイ!
496モナ虐:05/01/05 18:41:32 ID:f9N9g/2p


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ハプニング大賞に落選したやつを見るぞ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  下手糞な上に無駄に長いAAだから注意汁!
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´く_` )(・∀・ )(´д` ;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    )(    )___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _) ┌ ┌ _)   :||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__)(_(__)   ||  |
497モナ虐 1/31:05/01/05 18:42:49 ID:f9N9g/2p
       | モナーを虐待するからな!    |
      \__ _________/
              ∨
         ∧_∧  バーソ
        ( ・∀・)
        (     )
        | | |
        (__)_)
498モナ虐 2/31:05/01/05 18:43:32 ID:f9N9g/2p
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      |今日は溜めに溜めたものを出す日だからな!
      \
         ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
          ∧_∧
         (* ・∀)=3
         (     つ〜←ティッシュ 
         (_○___)  
499モナ虐 3/31:05/01/05 18:44:58 ID:f9N9g/2p
                       ウヒョー
      ∧_∧              ∨
     (; ´Д`)フォーー!         ∧_∧
     (    )            (*   )=3
     | | |           (((     ) )) 
     (__)_)           (_○___)  

500モナ虐 4/31:05/01/05 18:45:32 ID:f9N9g/2p
      ∧_∧    
    : (;´д`)  フォ・・         ∧_∧
ウズウズ((( つ⊂ )))          ;  (*   )<ビンビンダカラナ!!
      ヽ Y ノ            ((((     ) ))) 
      (_(__)            (_○___)  

501モナ虐 5/31:05/01/05 18:46:43 ID:f9N9g/2p

   | フォーーーーーーーーーーー|なんだよ!今、良い所なんだからな!!
   ヽ__ _______ヽ_____ __________
      ∨                ∨ 
     ∧_∧              
    (; TДT)              ∧_∧
    ( つ  つ           (Д・ #)
    | | |             (     )  
    (__)_)             (_○___) 
502モナ虐 6/31:05/01/05 18:48:34 ID:f9N9g/2p

   | フォォォン…     | | 「モナも我慢出来ないから手伝ってくれ」って?
   ヽ__ _____/  ヽ_____ __________
      ∨                ∨ 
     ∧_∧              
    (;´∀`)             ∧_∧
 ; /⊂    )            (д・  )ショウガナイナァ・・・
  ζ  | | |             (     )  
   ξ  (__)_)             (_○___)  
503モナ虐 7/31:05/01/05 18:50:28 ID:f9N9g/2p
そして・・・



          ||
        ∧||_∧ フォォン♪_________
        (*∧_∧  /             
        ミ(・   )< これでよし・・・と
        ミと  O ) ヽ_________  
        ミ≡| | |   
         (_(__)
504モナ虐 8/31:05/01/05 18:51:38 ID:f9N9g/2p
          ||
        ∧||_∧ フォ♪ _________
        (*´ ∧_∧  /             
        ミ≡(∀・  )< それじゃあ、僕は自分の方に戻るから・・・
        ミ:と/ O /  ヽ_________  
        ミ≡| | |グイッ   
         (_(__)
505モナ虐 9/31:05/01/05 18:52:29 ID:f9N9g/2p
          ||
        ∧||_∧ フォオ? _________
        (*´ ∧_∧  /             
        ミ≡(∀・ ;)< あれ?
        ミ:と/ O /  ヽ_________  
        ミ≡| | |   
         (_(__)
506モナ虐 10/31:05/01/05 18:53:55 ID:f9N9g/2p
          ||
        ∧||_∧ フォオ・・・ _________
        (*´ ∧≡∧_∧  /             
        ミ≡(・≡(・  ;)< あれれ?
        ミ:と ≡  /  ヽ_________  
        ミ≡| | | グッグッ  
         (_(__)
507モナ虐 11/31:05/01/05 18:54:54 ID:f9N9g/2p
          ||
        ∧||_∧ フォ!? _________
        (;´ ∧_∧  /             
        ミ≡(∀・ ;)< ・・・ティソコがモナーと一緒に
        ミ:と   O  )  ヽ   ロープに巻かれてるんですが・・・
        ミ≡| | |   ヽ________
         (_(__)
508モナ虐 12/31:05/01/05 18:55:18 ID:f9N9g/2p

             -今日の虐待-

             ある意味合体?

          【よい子は事前に確認しようね!】
509モナ虐 13/31:05/01/05 18:56:38 ID:f9N9g/2p
          || 。 ○  (  どうしよう?(モナ)
        ∧||_∧    (_________  
        (;´ ∧_∧    ○
        ミ≡(∀・ ;)。 0 
        ミ:と(  O  )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
510モナ虐 14/31:05/01/05 18:57:25 ID:f9N9g/2p
               (とりあえず、自分の興奮を抑えるために
               (無心になるんだからな・・・・
          ||     (________       
        ∧||_∧    0 
        (;´ ∧_∧。
        ミ≡(∀- ;) アノトキニヌイトキャヨカッタ
        ミ:と(  O  )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
511モナ虐 15/31:05/01/05 18:57:59 ID:f9N9g/2p
          ||        
        ∧||_∧             
       (;´ ∧_∧        ・ ・ ・ ・ ・
        ミ≡(∀- ;) 
        ミ:と(  O  )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
512モナ虐 16/31:05/01/05 18:58:44 ID:f9N9g/2p

          ||        
        ∧||_∧             
    ・・・・・・(*´ ∧_∧  (無心・・・無心)
        ミ≡(_- ;)。0 
        ミ:と(  O )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
513モナ虐 17/31:05/01/05 18:59:16 ID:f9N9g/2p
(気のせいかな・・・
(だんだん、ロープが締まってきている気がする・・・・
(_______________________
          ||     ○   
        ∧||_∧              
ハァ・・・ハァ・・・(*´ ∧_∧ 0 
        ミ≡(∀・ ;)。キツイ・・・ 
        ミ:と(  O )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
514モナ虐 18/31:05/01/05 18:59:45 ID:f9N9g/2p
(    も  し  か  し  て  ・ ・ ・ 
(_______________________
          ||     ○   
        ∧||_∧              
        (*´ ∧_∧ 0 
        ミ≡(∀・ ;)。<モナー 
        ミ:と(  0 )  
   フォォ?  ミ≡| | |  
         (_(__)
515モナ虐 19/31:05/01/05 19:00:23 ID:f9N9g/2p

     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     | たってる・・・?
     \
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
          ||       
        ∧||_∧              
    ・・・・・・(*´ ∧_∧  
        ミ≡(∀・ ;) 
        ミ:と(  O )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
516モナ虐 20/31:05/01/05 19:00:59 ID:f9N9g/2p

          ||       
        ∧||_∧              
    フォォーー(*´ ∧_∧  
        ミ≡(∀・ ;) 
        ミ:と(  O )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
517モナ虐 21/31:05/01/05 19:01:52 ID:f9N9g/2p
             -今日の反虐-

          ヾ(゚∀゚)ノシ  圧迫!圧迫!

          【よい子のみんな、耐えるんだ!】

518モナ虐 22/31:05/01/05 19:02:51 ID:f9N9g/2p
数分経過・・・

     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     | 絶対に動いちゃ駄目だからな! ゲンカイダカラナ!
     \
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄

          ||   (モナもそろそろ限界モナ・・・・)   
        ∧||_∧。0              
        (*´ ∧_∧  
        ミ≡(∀< ;) 
        ミ:と(  O )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
519モナ虐 23/31:05/01/05 19:03:27 ID:f9N9g/2p
          ||   (だから・・・・)   
        ∧||_∧。0              
     パクッ(* ´___`)∧て 
        ミ≡(∀゚ ;)そ 
        ミ:と(  O )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
520モナ虐 24/31:05/01/05 19:04:22 ID:f9N9g/2p
          ||      
        ∧||_∧              
 ジュルルルル (* ´π`) ∧ 
        ミ≡(∀" *) ヒャアアアァァァァ!!
        ミ:と(  O )  
        ミ≡| | |  
         (_(__)
521モナ虐 25/31:05/01/05 19:05:15 ID:f9N9g/2p
          ||               
        ∧||_∧              
     ε= (* ´___`)∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ミ≡(Д< ;) < や、やめろ!
        ミ:と(  O )   \_______
        ミ≡| | |           
         (_(__)           
522モナ虐 26/31:05/01/05 19:05:56 ID:f9N9g/2p
          ||               
        ∧||_∧              
    クチャッ(* ´_`)∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ミ≡(Д"  )< ア゙ッ!
        ミ:と(  O )||   \_______
        ミ≡( (  ( ガクッ         
         (_(__) 
523モナ虐 27/31:05/01/05 19:06:42 ID:f9N9g/2p
          ||               
        ∧||_∧              
       (* ´_`)∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ミ≡(∀"  )< ─っ!─っ!─っ!
        ミ:と(  O )   \_______
        ミ≡( (  (          
         (_(__)    
524モナ虐 28/31:05/01/05 19:07:32 ID:f9N9g/2p
          ||               
        ∧||_∧              
       (* ´_`)λ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ミ≡ (∀"  )<・・・・・・モ・・・・ナ・・・・ 
        ミ≡ (  O )  \_______
        ミ≡( (  (  フラッ        
         (_(__)     
525モナ虐 29/31:05/01/05 19:08:12 ID:f9N9g/2p
          ||   (いーっぱい出たモナね・・・)            
        ∧||_∧。0              
       (* ´_`)∧ 
        ミ≡(д" と Σ
        ミ≡(  O ) 
        ミ≡( (  (          
         (_(__)  
526モナ虐 30/31:05/01/05 19:08:38 ID:f9N9g/2p

             -今日の反虐2-

         デタ━━━(゚∀゚)━━━━━!!!

             【洗濯が大変だ!】
527モナ虐 31/31(おまけ):05/01/05 19:09:24 ID:f9N9g/2p
          ||               
        ∧||_∧ フォーーーー!!             
       (; ´Д`)∧ 
        ミ≡(д- と zzZZ・・・
        ミ≡(  O ) 
        ミ≡( (  (          
         (_(__)  

             -今日の虐待2-

               空中腕枕

         【睡眠の邪魔をしちゃだめだよ!】
528モナ虐:05/01/05 19:10:29 ID:f9N9g/2p
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  オチが無い
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  AAが手抜きなんて言っちゃだめだからな!
 | |                | |            \
 | | □ STOP .       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ サイゴノホウ、ワケワカンネ
 | |                | |     ピッ   (´く_` )(・∀・ )(´Д` ;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    )(    )___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _) ┌ ┌ _)   :||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__)(_(__)   ||  |
529モナ虐:05/01/05 21:22:49 ID:f9N9g/2p
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ところで、何でここに貼ったんだ?
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| いや、荒れるかなぁ・・・って 
 | |                | |            \
 | | □ STOP .       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ 茂名擬古スレ・・・
 | |                | |          ( ´_ゝ`)(∀・  )(´Д` ;)
 | |                | |          (    )(    )(    )___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _) ┌ ┌ _)   :||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__)(_(__)   ||  |

説明遅れたorz
530風と木の名無しさん:05/01/05 21:46:01 ID:XfdnjE9N
なんつーか、ここにAAが貼られたことに対して、良かったと思ってしまった。
531風と木の名無しさん:05/01/05 21:46:05 ID:VHRfpa7b
moewarota
初々しいというか、そんなところがイイ(・∀・*)!
532風と木の名無しさん:05/01/06 11:37:27 ID:uCn+VjCP
本スレに貼ったら荒れそう、と思ったときのためのスレだしね
π←この口に萌え(´Д`*)
533風と木の名無しさん:05/01/06 12:33:46 ID:lRuPCZd7
 ____________
 | __________  |     どうやら 三/国/志/らしいですよ。
 | |                | |     
 | | |> PLAY.       | |     ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
534殿×軍師1:05/01/06 12:36:04 ID:lRuPCZd7
もう月も高く空に上がり、小さく白い光を放っている時刻。
ある部屋から大きな物音が聞こえた。
ちょうど、一杯引っかけて自室に戻ろうとしていた自分は、何事が起こったのかと思い、その部屋に足を向けた。
物音が聞こえた部屋で足を止める。
カクカの部屋だ。
中で何が起こっているのだろうか。
族でも入ったのだろうか。
あの男、口は達者で頭は切れるが、力はからっきしだ。
身体も弱いし。
中で何かが起こっているのなら、あの生意気な軍師を助けてやらねば、と思いその部屋に入ろうとすると。

「私はそのようなことのために殿に仕えているのではありません!」

バターン!と音を立てて目の前で扉が開いた。
目の前にいたのだから当然顔面に激突した。
流石に痛い。
顔を押さえてカクカを見ると、ヤツは赤い顔をして胸元を押さえて、目の前の俺をジロリと睨むとドスドスと廊下を走っていった。
去り際に「貴方の親戚でしょう。どうにかしてください」と小さく吐き捨てるように呟いた。
・・・確かに俺の親戚ではあるが。
それ以前に殿だろう。
部下の自分に何が出来るというのか。
俺は顔をさすりながら郭嘉の部屋を覗いてみると、寝具の上に胡座をかいて殿が憮然とした表情で座っていた。

「・・・何をしておいでですかな」
「なんだ、惇。覗きとは趣味がいい」
「あいにく好きで覗いたわけでは無いんですがね」
「まあ、気にするな」
気にするなと言われても。
親戚だから何とかしろといわれたし。
535殿×軍師2:05/01/06 12:39:07 ID:lRuPCZd7
どうでもいいが、と思いつつも、頭を掻きながら殿に忠告申し上げた。
あのひねくれものを怒らせたままにしておくと、多分色々と面倒くさそうだし。
「何をなさったんですか」
「ちょっと夜伽に付き合えといっただけなのだがな」
「・・・カクカは男だと思っておりましたが」
「奇遇だな、儂も男だと思っていたのだ」
「・・・」
むっつりと黙り込む自分を見て、殿は苦笑いをしながら言った。
「男でも女でも、好きなものは仕方あるまい。そう思ったから告白などしてみたのだが」
「・・・寝具の上で、ですか?」
「うむ。ちょっと順番が逆になったかも知れないが」
・・・絶対いきなり押し倒したんだ、これは。
「・・・どうするんですか。カクカ怒って戻ってきませんよ」
頭を抱えて溜息をつくと、殿は唇の端を上げて笑った。
「なに、気にするな。カクカの部屋は此処なのだから、いつかは戻って来るであろう」
気楽なこと言う殿に、俺は溜息混じりに呟いてやった。
「誰か他の男の部屋に泊まってくるんじゃないですか?」
当たり前の可能性を口にすると、殿は見る見るウチに不機嫌そうな表情に変わっていった。
・・・もしかして、その可能性を考えていなかったのだろうか。
「・・・そうなったら泊めた相手を厳罰に処さなければなるまいな」
「いや、それだけで厳罰って」
「それだけ、じゃないだろう!儂のカクカと一晩を共にするとは!」
「つーかまだ殿のモノになって無いじゃないですか」
「探しに行くぞ!付いてこい!」
「ええええー、一人で行ってくださいよー」
「うるさい!君主の命が聞けんのかー!」
「なんてワガママな・・・」
ああ・・・こんなことなら物音なんか気にせずにさっさと部屋に戻っておけば良かった・・・。

そして次の日、全員が寝不足の中(真夜中に叩き起こされたんだから当たり前だ)殿だけが懲りずに、カクカにちょっかいを出していた。
・・・何でよりによってひねくれもの同士がくっつくのだろう・・・。
少しは周りの迷惑を考えて欲しいものだ・・・。
536風と木の名無しさん:05/01/06 12:41:11 ID:lRuPCZd7
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ はい、おしまい。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  ポチっとな。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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537風と木の名無しさん:05/01/06 14:44:17 ID:qR+mXvw/
殿とカクカキターーーーーーーーー!!!!
禿萌えたよ姉さんありがとう姉さん
538風と木の名無しさん:05/01/06 18:14:50 ID:dKrhvLP9
GJです姐さん。ひねくれもの同士の恋愛イイ!(*´Д`)ハァハァ

>「カクカは男だと思っておりましたが」
>「奇遇だな、儂も男だと思っていたのだ」
ここのやりとりがツボりました。
トノ…カクカが本当にすきなんだね(*´Д`)ハァハァ
539風と木の名無しさん:05/01/06 20:45:05 ID:fsP4mEEq
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某推理小説虹モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ダークな感じです
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
5401/2:05/01/06 20:48:05 ID:fsP4mEEq
 俺はお前が怖いよ、日村。
 お前は何に向かって鋼をおろそうとしているのか分かっているのか。
 そこに立つのは、お前が断罪しようとしているのは、恐るべき殺人者でも悪夢でもないんだぞ。
 そこにあるのは、お前の全てなのに。

  奈落の底

 人を殺したいと思ったことがある、と私が彼からはじめて聞いたのは大学四年の夏だった。私の内定が決まり、
それと同時に彼が院に進もうと思う、と聞いたのをきっかけにそんな話になった。
「お前が殺人者を憎むのは、どうしてだ」
 そのときの私の声はきっとひどく責める様子を見せていたのだろう。彼は白く煙る煙草の向こうで微かに目を眇
めた。
「人を」
 そして、その瞬間に、私は彼に告白してはいけないことを一つ。強く。思い出した。

 私は人を殺したことがある。もちろんそれは紙の上でとか空想の中でという話ではない。現実に、この日本という
社会の中で生きてきた人の息の根を止めたことが、ある。
 日村にだけは、誰に例え話したとしても、あいつにだけは未来永劫絶対に話さないと決めた、これは私の闇だ。
 
 大阪に程近い田舎の土手から白骨死体が出てきたらしい。来ますか、と声をかけられたのは日村で、来い、と集
合を命じられたのは私だ。いつもならば一も二もなく飛んでいくところだったのだが、今回ばかりはさすがに行かな
かった。
「悪い、俺は今締め切りと言う悪魔と大戦争中や」
地名を告げられ、簡単に事件の内容を聞いたところで私は同行を断った。実際は締め切りなどはなかったが、彼が
あの事件に触れた以上はやっておかなければならないことがあったからだ。とにかく今計画上にある執筆作品のい
くつかを書き上げなければならない。いつもは締め切り前にならなければまったく動かない思考回路も腕もこのとき
ばかりはとてもスムーズに回転した。
 これはもう一つの勝負や、日村。君が真相にたどり着き断罪の斧を振るうのが先か、私が作品を書き上げるのが先
か。思いついたところであまりの馬鹿馬鹿しさに笑いがこみ上げてきた。

541風と木の名無しさん:05/01/06 20:52:54 ID:fsP4mEEq
「おまえが、やったのか。蟻巣」
 震えるこぶしを握りしめ、今まで一度も見たことのない目をして日村がとうとうやってきた。いつもは横から伺
うだけだった彼の、断罪の表情を今夜は正面から受け止める。
 執筆は、あと少しで全て終了、というところまで来ていた。筆を折ると言った私に、どうしてですかと編集が詰
め寄ったのは昨日。今日、わざわざ大阪まで来てくれた彼を見送りに行って帰ってきた矢先に日村に捕まった。
 上がるように促そうとした私を遮って、彼は直線で切り込んできた。
「あの辺に、お前の祖母の家があったんだってな。出てきた白骨死体は二つ。十三歳前後のものと三十歳前後
のもの。失踪した時期と、お前がその家に遊びに来ていた時期とが一致した。……それに、」
「鈴木和也と仲がよかったわけではないよ。逆や。嫌いやった」
 まだ発表されていない被害者の名前を私が口にした時点で彼は確信をさらに強めたのだろう、玄関先から土
足のままやってくると思い切り私の胸倉を掴んだ。
「何でだ、どうしてなんだ蟻巣!!」
 音がするほど乱暴に壁に押し付けられ、ぎょっとするほど間近に彼の顔を見た。
 日村は頭を垂れ、何度もどうしてだと繰り返した。
「教えん」
 どうしてと聞かれても、詰問されても応える気はない。私はただ日村の肩越しに玄関の扉を見ていた。
「お前には、教えん」
 殺した理由も、どうやって殺したかも。
 一歩を飛んだ私の気持ちも。
 お前には教えない理由も。

 日村が落ちそうになった崖の下は、驚くほど平坦で空虚だった。
 悪夢を見て魘されることなど無かったし後悔もかけらも沸かなかった。
 俺は、たった一人、何かをするでもなく平然と(つまり泣き喚いて許しを請うことも無く)人生を歩んだ。そして理
解した。
 お前は多分こちら側には永劫来ない人間で。俺は来る人間だったんだろう。
 日村。
542名前欄ミスった上に終わらなかった…:05/01/06 20:53:34 ID:fsP4mEEq
 お前が殺人者を見つめ、断罪し続ける限り、お前はお前を許すことは無いのだろう。けれどそれでいい。それは
お前がけして跳ぶことの無い人間だからだ。飛ぶことを、絶対に選択しないだろう人間だからだ。
 あぁ、言ってやれればよかった。
 お前の手は汚れてなどいない。欠けてもいない。強くて逞しいままだ。
 夢に魘されていても、お前自身は欠片もそう思っていなくても。
 それでもお前の手は美しい。
 言ってやれば、良かったなぁ。

 蟻巣が警察に連れて行かれた後、日村はたった一人、蟻巣の部屋に立っていた。
 ここで何度も酒を飲み、食事をした。夢を語る蟻巣をからかいながらそれでも奴の持つ光はすごいと本当に思っ
ていた。
「すごいと、思ったんだ。蟻巣」
 もう二度とここに来ることは無く、以前のように笑う蟻巣に会うことも無いだろう。
 次に会う彼は境界の向こう側へと渡った男だ。憎むべき殺人者だ。だけど。だけど蟻巣。
「悲しいよ蟻巣」
 お前がいなくなって俺は悲しくて寂しくてとても辛い。
 日村は強く目を閉じ、長年の親友と一途に想い続けていた相手に黙祷をささげた。
543風と木の名無しさん:05/01/06 20:54:28 ID:fsP4mEEq
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お目汚し失礼しました
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

544風と木の名無しさん:05/01/06 23:52:39 ID:LK77bQ/c
社会人蟻巣 キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
すごい萌えが来ました
545風と木の名無しさん:05/01/07 00:48:01 ID:D9WimgLB
蟻巣キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
姐さんGJです。
546風と木の名無しさん:05/01/07 16:35:26 ID:1a0GB0rF
>539-543
超GJ
547風と木の名無しさん:05/01/08 16:21:11 ID:EcpVNLmy

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  日曜朝8時からのの闘うお兄さんだモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  兼崎×立花さんだからな
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 兼崎某度入社時の
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 完全脳内ストーリーだゴルァ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
548風と木の名無しさん:05/01/08 16:21:51 ID:EcpVNLmy

俺、兼崎はちょっと前に某度って会社に仮/面ラ/イダーとしてスカウトされ、
今、寮に泊まって二ヶ月の研修中。一人前のラ/イダーになる為に特訓の毎日だ。
俺に闘い方やラ/イダーシステムの扱い方を教えてくれているのは
先輩ラ/イダーである立花さん。
立花さんは俺が来る前は一人でア/ンデッドから人類を守っていたすごい人だ!
そんな立花さんは普段はとても厳しく、鬼教官。
この間なんかちょっとニヤニヤしてただけで本当に撃つんだもんな〜
変/身しているとはいえやっぱり痛かった。怪我はしなかったけどね。

何でニヤニヤしていたかと言うと、思い出しニヤニヤだ。
何を思いだしたかというと、夜の立花さんだ。
夜の立花さんは、昼間と違って、とーってもかわいいんだ。
でも、立花さん本人はそんな事知らない。
なんでかっていうと、そのー…寝てるから…。
いや、俺、そういうのいけないってわかってるんだけど!
だって立花さんが寝ている時って、すごくかわいいんだよ!
549風と木の名無しさん:05/01/08 16:22:38 ID:EcpVNLmy

「もしもし?立花さん?」
「…」
「今日、撃ちましたね。痛かったですよ。」
「いたくない…」
「俺は痛かったですよ。」
「どこ?」
「ふふ…立花さんが撃ったとこ。左胸ですよ。めちゃめちゃ殺す気まんまんじゃない
ですか」
「ア/ンデッド?」
「違いますよ。俺人間だから撃ったら死にますよ。もう撃たないでくださいね」
「ん」
「今度撃ったら俺はどうなるかわかりませんよ。」
「ん?」
「撃たないでくださいね」
「…アイス…?」ガチャツーツーツー
切れた。
夜、寮の中での内線電話。
寝ぼけた立花さんの対応があまりにかわいいので、やめようやめようと思いつつ
なんだかんだ毎日かけちゃってる。
電話の内容はおろか、電話に出た事すら立花さんは忘れてしまうのをいい事に
俺は相変わらず欲望に負け続けちゃってる…
あっでも俺、夜勝手に寝てる立花さんの部屋に入るのはやめたんだ!
寝てても立花さん俺の事殺せそうだし。危ないからさ。
それに、好きだって気付いちゃったからさ。立花さんの事。
さ、日課の電話も終わったことだし、明日の特訓に備えて俺も寝よう…
550風と木の名無しさん:05/01/08 16:23:29 ID:EcpVNLmy

昨日、早めに寝て良かった。
今日はとんでもない事が起こった。
俺は今、立花さんの太ももを触っている。
別に立花さんが気を失っている隙にとかじゃない。
橘さんは正気で、パッチリ目を開けてて、俺の手を太ももに乗せたまま空を蹴り上げている。
意味わかる?俺の手、今立花さんの太もも掴んでるんだよ。
本人公認で!俺の手が!立花さんの太もも触っちゃってるんだよ!!
署長!弘瀬さん!今日はなんて良い日なんだろう!
俺は今ものすごい笑ってるけど、立花さんの後ろから太ももを触っているので
立花さんからは俺の顔が見えない!
まるで痴漢気分だ!ここが、満員電車でさ!橘さんは、サラリー
「…か?兼崎」
「ウェ?」
「大腿筋の動きがわかったか?」
「すいません、もう一…数回やってくれませんか?」
「一回で覚えろ!」
「は、はいっ」
えっと…
今日は蹴りの特訓で、俺の動きがあまりに鈍いからって事で、
主要な筋肉の動き方を教えてくれる為にこうなったってわけなんだ。
で、なるほど大腿筋の動きがよくわかった。
よくわかってしまった。ので、仕方なく手を離した。
残念だけど立花さんの手を煩わせるわけにはいかないからさ。
俺は必死で今の動きを真似て蹴りを繰り出してみた。
551風と木の名無しさん:05/01/08 16:24:12 ID:EcpVNLmy

「…」
「どうですか?」
「すごい」
「え?」
「ちゃんと再現できてるじゃないか。これからはこのやり方で行こう。」
笑った!!立花さんが!!
立花さんが笑ってる!!
起きてる立花さんが俺に微笑みかけた!!
「た、立花さん!!俺っ!ありがとうございます!!」
あまりに嬉しくて、立花さんの手を掴んで両手で握ってしまった。
俺はこの蹴りと太ももの感触を一生忘れない!
「ああ。この調子で頑張ってくれ。蹴り終わった後の状態で止まっていれば使っている筋肉が緊張して
どこを鍛えるのが必要かわかるからそこを重点的に筋力を付けるんだ。わかったな?」
「はいっ!」
「よし、じゃあ次は、ここだ」
そう言って立花さんは俺の手をそのまま自分のお腹に持っていった。
552風と木の名無しさん:05/01/08 16:24:55 ID:EcpVNLmy

「いいか兼崎。キックに必要なのは脚力よりむしろ腹筋と背筋なんだ。
あとお前は相手の顔の位置まで足はあがるが柔軟性はまだまだ足りないからストレッチはまいに……」
立花さんの声がフェードアウトしていく。
だって今それどころじゃないじゃないか。立花さん。
何だこの状況。立花さん!
どちかっていうと立花さんの方が変態っぽくないか?
俺にこんなとこ触らせて、どうしようってんだ!じゃなくて
ダメだ。ダメだ。ちゃんと聞かないとダメだ。
今は真面目な特訓中。
俺は仮/面ラ/イダー。彼は先輩。俺の手は
俺の手は…お、俺の手が!俺の手がっ!!
瞬間、この間の夜の事を思い出してしまった。

夜、寝ている立花さんの部屋にこっそり入って、背中とお腹を撫で回した事を。

無防備で、暖かくて、柔らかい肉の感触がフラッシュバックする。
起きている立花さんのお腹はやっぱりあったかいけど、
無防備じゃない分引き締まっていた。
「キックを繰り出した時の反動でバランスを…」
すいません、すいません立花さん。話がよく聞こえないんです。
頭がぼうっとして、俺、なんだかあなたの事しか見えないんです。
知らず、俺の手が立花さんのお腹を撫でた。
553風と木の名無しさん:05/01/08 16:26:21 ID:EcpVNLmy

「なんだ兼崎」
「…いえ、すごい腹筋だな〜とか」
「当たり前だ。…でももう少し鍛えないとな。…やめろ。」
「くすぐったいですか?」
「ああ。真面目にやれ。いくぞ」
そう言うや否や立花さんの足が綺麗に空を蹴り上げた。
蹴りあげると反動でバランスが崩れるんだけど、
腹筋と背筋がしっかりしていれば大丈夫なんだ。
きっとさっきはその事を話していたんだと思う。前も言ってたから、俺は覚えてましたよ、立花さん。
一回で覚えろとか、一回しかやらないとか言って、結局いつも何度も教えてくれるんだから。
優しいんだ。立花さんは。
蹴り上げた立花さんのお腹がグッと引き締まる。
だけど俺はとっさに「危ない!」って思って、お腹を持っていた手で立花さんを抱き寄せてしまった。
そのせいでバランスを崩した立花さんが俺にもたれかかる。
俺より少し背の低い立花さんの髪の毛が鼻をくすぐる。
やっぱり石けんの匂い。今はリンスinシャンプーなんてのもあるんですよ立花さん。
いくら忙しいからって石けんだけじゃ、髪の毛カチカチになりませんか?そうでもないか…
554風と木の名無しさん:05/01/08 16:29:49 ID:EcpVNLmy

「兼崎」
「はいっすいません。つい…」
つい…でも、なんかもう離したくない。
俺はこの手を離せない。
ぴったりくっついているこの時が幸せすぎて、
できればこのままギュッと抱きしめたいくらいなのに
…どうしよう。
「兼崎?離せ」
「はい…」
離したくない。でもこれオカシイ。どうしよ、どうしよう立花さん。
離せって言われているのに、余計手に力が入る。
触れてなかった方の手も回して、
俺はとうとう、立花さんを抱きしめてしまった。
だって、我慢できなかったんだ
だって好きなんだよ、大好きなんだ立花さん!
どうしよう。俺、今、どうしよう!
「兼崎」
「嫌です!!」
「何がだ」
離れたくないの!俺は!
違うんだ!わかってくれ立花さん!
好きなんです!大好きなんです俺は!
「…こんな時どうしますか?」
「何を言ってる?」
「立花さんなら…立花さんならこんな時、どうします?」
オカシイ事言ってる。わかってる。でも、止まらなかった。
立花さんを離したくなくて、なんだかもうこのまま、立花さん!
「立花さん!」
「…ふん。こうする。」
瞬間、立花さんは突然俺の足のつま先をかかとで踏み、前屈みになったと思ったら
おもいっきりのけぞって俺の鼻とあごに後頭部を打ちつけた。
555風と木の名無しさん:05/01/08 16:30:43 ID:EcpVNLmy

「!!!!い、イタ…??!!」
当然、俺と立花さんはいとも簡単に離れてしまった。
「後ろから羽交い締めにされた時の護身術だ。結構効くだろう?」
効くとか効かないとか痛すぎてどうでもいいです
羽交い締め?俺、今、羽交い締めたのか?
もっとこうふわあっとしてた…はずなんだけど…なんかスゲー痛い…
俺鼻曲がってそう。アゴ割れてそう。外人じゃないんだから…ていうか!!
「立花さん!!ひどいですよ!!」
「お前がこんな時どうするって聞くから」
「立花さん…立花さん…「こんな時どうします」の意味違ってます!」
「?じゃあどういう意味だ?」
「それはっ……もういいです…」
「変な奴だ」
羽交い締めか…
そりゃそうだよなぁ…
俺、むくわれねぇなぁ…
ああでも、これで良かったのかもなぁ…
気持ち悪がられずに済んだし。…そうだ。
そうだそうだ。よく考えたら、ラッキーだ。
堂々と太もも触れたし、お腹触れたし、…抱きしめちゃったし!
「何笑ってる」
「いやー立花さんはかっこいいな〜と思って」
「…」
「それとー、かわいいです。」
「…人おちょくってるとbtbsz…」
なんかをボソボソ言いながら、立花さんは下唇を噛んで行ってしまった。
ほら、かわいいじゃないか。
よーし、俺、なんか元気出てきた!やるぞ!
立花さんが帰ってくるまでに蹴りの練習だ!!
556風と木の名無しさん:05/01/08 16:31:30 ID:EcpVNLmy

その後、また触れるのかな〜と期待してたのに
帰ってきて俺の蹴り方を見た立花さんの、
「だいぶよくなったな、蹴りの練習は個人で何度もしておけ。」
の一言で終わってしまった。
いい事は続かないんだよなぁ


***********************************************

「兼崎く〜ん、見たわよ〜」
「弘瀬さん!な、なんの事ですか?」
「ふーん。まあいいわ。…いいこと教えてあげようか?」
「なんです?」
「立花さんが下唇噛む時ってね、…照れてるのよ。」
「!」
「あとは、悲しい時よ。」
「うぇええええ?!ど、どっちだろ…」
「馬鹿ね〜…」
557風と木の名無しさん:05/01/08 16:35:07 ID:EcpVNLmy

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   明日の放送前に見たかったモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|   立花さん…
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・l|l)(゚Д゚;) ダ、ダイジョウブダッテ…
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
558風と木の名無しさん:05/01/08 16:37:16 ID:34u5gs9t
元ネタ未見ですが、リアルタイムで禿萌えーーーーー!!
559風と木の名無しさん:05/01/08 16:39:41 ID:mPQ3NoJN
>>547-557
リアルタイムで堪能しますた。
兼崎変態だよ兼崎。
立花さん可愛いよ立花さん。
明日が気になって些細なことでうるうるビクビクしている身に、萌えと安らぎをありがとう。
560風と木の名無しさん:05/01/08 18:04:50 ID:p4J52hTy
私も元ネタ見たことないけど可愛くて萌えました
561風と木の名無しさん:05/01/08 19:14:39 ID:1GHSbSIC
まってました!すごい萌え!兼崎カワイー!
元ネタ見てないんだけど、明日見てみようかなぁ。
562風と木の名無しさん:05/01/08 19:49:34 ID:NP2LAeXM
うわー!待ってました!GJ!GJ!
兼崎変態チックなのに可愛い
立花さん照れてるー
明日が気になってピリピリしてたのに和んだよ
ありがとう!
563風と木の名無しさん:05/01/08 21:18:23 ID:ggi3QHRl
>>547-557
(* w ) ゚ ゚
毎回毎回萌え過ぎてバツクルが開きっぱなしです。
良い物読ませていただきました。
明日の不安からちょっと浮上しました。ありがとうー。
564風と木の名無しさん:05/01/09 15:15:14 ID:kvMCKp8b
>547-557
元ネタ知らないけど、後輩×先輩大好きだから堪能させてもらいました!
わんこ攻めと、クールだけど可愛い受け……いいなぁ。すごくツボ。
明日8時に起きれたら見てみようかな。
565風と木の名無しさん:05/01/09 19:39:07 ID:IUNQqtQF
うわあぁぁ超GJ!!!!
本日、立花さんがアレしちゃったのを観て以来の不安な気持ちが解消されたよ…こんなに萌えな文をありがとうございます(*゚∀゚)≡3
566風と木の名無しさん:05/01/09 19:57:03 ID:CKZHIKqW
>564
今日だよ今日!
567風と木の名無しさん:05/01/09 21:04:18 ID:MGBE1Ftt

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | ハ丁堀×カザリ職人
                    | お正月ネタだモナ
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 初代シゴトニンの頃だって 
 | |                | |            \
 | | |> 再生.        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  イマゴロオショウガツ?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
568ハ丁堀×カザリ職人 1/4:05/01/09 21:08:04 ID:MGBE1Ftt
静かに更けゆく夜。長屋の冬は冷えるというのに、ヒデは火鉢も熾さずにただ座っていた。
大晦日の夜。年内に納める仕事は全て終わらせた。飯屋のツケも支払った。
いつもなら痛いほど静かな時間にも、遠くに人々のざわめきが聞こえてくる。
昼の間は、年明けにと頼まれた簪に没頭して過ごした。
隣家のミスズの無邪気な誘いには、笑顔で羽根突きの約束をした。
だが、新しい年は何をしていても近づいてくる。
「くそ…ッ」
ヒデは身体ごと抱きこむように膝を抱えた。


ナワテ一家は、新年を前に除夜の鐘を撞きに行こうと支度を始めていた。
「お父様、ヒデさんも誘ってはいけませんか?」
深夜の外出にうきうきした様子で、ミスズがサモンに問う。
「うーん、どうかなあ。昼間もずっと仕事をしていたようだし、
 疲れて寝てしまっているかもしれないぞ?」
「今年の分は仕上げてしまったからって仰ってましたけど、ヒデさんもあまり根をつめては
 お正月早々身体に障りますわ」
「あいつは真面目な奴だからな。少々融通が利かないが、まあそこがいいところだろう」
心配げな妻に笑顔で返しながら、サモンはふと垣間見たヒデの表情を思い返していた。
「出来る分には早く手をつけておきたいんだ」といいながら、ノミの音にいつもの軽やかさはなかった。
何かから逃げようとするかのように、ひたすらに作業台に向かっていたが、
心ここにあらずであるのは明らかだった。
まだ若く青さの抜けないヒデが、急に塞ぎ込んだり不機嫌になったりするのは珍しくない。
だがサモンにはどうにも気がかりだった。
569ハ丁堀×カザリ職人 2/4:05/01/09 21:15:16 ID:MGBE1Ftt
蝋燭の細い明かりの中、ヒデは自分の右手を見つめる。
この手は何人の人間の息の根を止めてきただろう。
時々、たまらなくなるときがある。
法で裁けぬ悪を葬るためとはいえ、自分は金で人の命を奪っている。
死んでいった罪なき者たちも帰っては来ない。
新しい年が来ても、またこの手を血に染め続けるのだろうか。
その次の年も、またその次も。
裏家業に足を突っ込んだ頃はそんなことは考えなかった。
あの男が現れてから、他人と組むようになってから、こんな苦しさが胸の奥を突くときが増えた。
自分とは違い、守るべきものを背負った男たちはいつだって強い。
どれだけ反発しても、結局は己の浅さを思い知らされる。
ヒデは無言のまま蝋燭を吹き消し、草履を引っ掛けてそっと家を出た。

すれ違う人々は一様に浮かれた様子で、新年を待つ期待感に溢れている。
早くもほろ酔いの者や楽しげな男女、家族にを横目に、ヒデは裏路地に足を進めた。
落ち着けずに出てきたものの行く当てもない。今は誰とも顔を合わせたくなかった。
人のいないほうへいないほうへと、ひたすら歩いた。
気づくと番屋が見えてくる。知らず、引き寄せられるように二、三歩踏み出して、ヒデは我に返った。
足が動かない。膝が震える。
あの明かりの中にいるであろう男は、どんな思いで新年を迎えようとしているのだろう。
そこへ障子が開き、数人の同心が顔を出した。
待機していた岡ッ引きや捕り方に指示を出す中に、見知った顔はなかった。

途端に力が抜け、ヒデは舌打ちしてきびすを返すと闇雲に駆け出した。
570ハ丁堀×カザリ職人 3/4:05/01/09 21:18:40 ID:MGBE1Ftt
鐘の音が静かに響いてくる。年が明けたらしい。人々の歓声や手を叩く音が風に乗って聞こえる。
その微かな音からも逃げ出したくて、ヒデは川沿いの林の中へ踏み込んでいた。
自分の周りだけ切り取られたような静寂が重い。
苦しくて何度も息を吐いた。荒い呼吸を繰り返しすぎてくらくらと眩暈がする。
ふらつきそうな足を踏ん張り、己の両肩を強く握り締める。
「新年早々何をぼーっとしてやがる」
不意に掛けられた声に、ヒデの心臓が本気で跳ね上がった。
勢いよく振り向いた顔に、馬面の同心はやれやれと肩をすくめ歩み寄る。
「ま、新しい年の幕開けを静かに受け止めるってのも悪かねえがな」
ぽんと肩を叩き「おめでとうよ」と静かに言った。
が、モンドの顔を見つめたままのヒデに、訝しげに首をひねる。
「おい、どうしたい。何だもう屠蘇がまわってんのか?」
「いや…」
目を逸らすヒデに、モンドはため息を一つついて続けた。
「あんまり番屋の周りうろちょろすんじゃねえ。毎年飲んでごたごた起こす奴が多くて
 奉行所も警戒が強えんだ」
やはり気づかれていたのか。ヒデは自嘲気味に笑った。
「それに、俺に尾けられて気づかねえとは珍しいな。何かあったか」
「何もねえよ」
取り付く島もない態度。僅かだが声が震えているのも、ひどく危うげな空気を纏っているのにも
気づいていないのだろう
お天道様が沈んでまた顔を出すことに変わりはないのに、年の変わり目というだけで、
その節目はときに重く大きくのしかかる。
モンドは不意に、ヒデの懐にひょいと手を差し込んだ。あまりに無造作な行動に、
ヒデは一瞬硬直したのちに慌てて飛び退く。
「何しやがる!」
「お前ェらしくもねえ。エモノも持たねえで出歩くとはな」
モンドの目は笑っていなかった。ヒデはそっぽを向いたまま黙っていた。
何を言っていいかわからなかった。
571ハ丁堀×カザリ職人 4/4:05/01/09 21:22:34 ID:MGBE1Ftt
「おっさん」
「あ?」
言いかけて、ヒデの舌はそれ以上動かなかった。
今まで何度となくぶつけた疑問は、胸の中でぐるぐる回った後に萎んでいく。
自分のちっぽけな疑問や煩悶など、言った傍から惨めになるだけだ。
見知った昼行灯が大きく見える。決して届かないほどに大きく、遠く。
ヒデは無言のままぎくしゃくと背を向けた。早くここから去りたかった。

「心配ぇすんな。お前ェの獄門は俺が見届けてやる」

振り向いたヒデにはモンドの背中しか見えない。
「どうせそんときゃ俺も三尺高い台の上だ」
肩越しにちらりと視線をよこしてモンドは続けた。
「それまでせいぜい悪あがきしながら生きてやンのさ」
呆けたように立ち尽くすヒデ。初めて見せる無防備な顔。
「ババアカカアに加えて、女共やケツの青いガキの面倒も見なくちゃなんねえしな」
憎まれ口を叩くかと思えば、神妙な表情で俯いている。
言っておいて何だが調子が狂うと思いつつ、モンドは何気なく付け加えた。
「おでん屋が女房と娘連れて鐘を撞きに行くんだとよ。もう寺にいるんじゃねえか?娘がはしゃいでたぜ」
サモンにもお見通しか、とヒデはため息をついた。だが今は、それもいいかと思えた。
「あんた、仕事は」
「あ?夜廻りってことにしときゃどうにでもならあ。いざとなったら
 お前ェ酔っ払ったフリしろ。俺がとっ捕まえたことにするからよ」
「冗談じゃねえや」
むっつりと返す顔はいつものヒデだった。


「甘酒飲むか」
「ガキじゃねえ」
「そうかい」
「…おごりならもらう」
「…この野郎」
572風と木の名無しさん:05/01/09 21:24:06 ID:MGBE1Ftt
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 停止        | |
 | |                | |           ∧_∧  
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ガキトオッサン
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
初代の頃のカザリ職人は、いつも無駄にカリカリしてて
やたらとまわりに突っかかりまくる阿呆なクソガキです。

苛めたい。
573風と木の名無しさん:05/01/09 21:55:48 ID:BV+La5DT
>>567-572
キタ・゚゚・*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・ァァ!!
お待ちしてました!
大好きです。いやマジで。
574風と木の名無しさん:05/01/09 23:57:29 ID:BzXr8Zq5
いつも萌えさせていただいております。
ポワワ。
575風と木の名無しさん:05/01/10 00:39:17 ID:Q0FCS0M5
こんなところで自分を801の世界に
たたき落とした萌に出会おうとは……

いいものを読ませていただきました(・∀・)ノシ
576風と木の名無しさん:05/01/10 00:46:34 ID:upoCL8js
情景が目に浮かぶようです。ごっつぁんです。
シリーズ見返してみたくなりました。
577風と木の名無しさん:05/01/10 09:18:05 ID:WqAV1blj
朝っぱらから禿萌えた!!thx!
578風と木の名無しさん:05/01/11 06:42:13 ID:ceqMwG3k
>>547-557

亀レスですが
ボロボロになった心が癒されました
ありがとうございました
579風と木の名無しさん:05/01/12 06:09:34 ID:e15/oO4f
ナマモノです      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  1000鳥の完全妄想です架空です絵空事です
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  方言も何も分かってません
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

5801/2:05/01/12 06:11:24 ID:e15/oO4f
不安は既に、ライブが始まる以前からあった。
俺はその漠然とした微かな不安を、仕事のたびに出会うもはや顔なじみの緊張感
とばかり思っていたのだが、
ライブも中盤を越えたところで突如その正体が明らかになった。
酒。
小さな1コーナーで振舞われたほんの二口、三口ほどのそれ。
年明け直後の浮かれ気分を潤すための働き者たちへのささやかなごほうび。
誰もがぶ飲みするな溺れるなとは言わんかったけど、わかるやろ。
俺らまだネタやってないやろ。
文字通りドロドロに酔った台五に俺の心の叫びが届くはずもなく、台五は舞台狭しと駆け回る。
子供のように無邪気ならほほえましくもあろうが、目の前の男は完全にスケベオヤジと化している。
もう充分エロかったのに、まだ高みを目指すんか。
エロ道を転げ落ちる男を何とか捕らえ、説得を試みる。
「ネタやろ。な」
「うん!」
はやっ!
酔ってるようでも締めるとこは締める。さすが相方。
と思った俺がアホやった。
「幼馴染のサッチャンとよう山行って遊んどったなあ」「そーなん」
「ちょっとそれやってみよか」「うん」「野部、野部やってくれ」「ん・・・?やろか」
名前を二回呼ばれただけと油断していた俺は
俺こと野部と山で遊ぶ台五、という即興の新ネタに付き合わされるはめになった。
5812/2:05/01/12 06:12:41 ID:e15/oO4f
新ネタと言っても元々あるネタのサッチャンという登場人物を俺に置き換えただけの、この上なく完成度の低いもの。
とっくに成人した野部演じるサッチャンに、チンピラみたいな台五が小学生役で
あんなことやそんなことをするから面白いのに、
野部と台五が乳繰り合って何が面白いんな。それおもろいん俺らだけやろ。
観客にはハプニングに対する笑いと引いた空気が交互に波のように漂っていたが、
同業者たちには大いにウケた。
相方に愛の告白をする台五が笑えるのか、始終振りまわされっぱなしの俺が滑稽なのか。
オチも当然、不在のサッチャンの空白にこの大根役者の名を当てはめて
「野部よ、家帰ったらキスしよう」
「きもちわるいわ!」
ネタが終わってひとしきり芸人仲間に冷やかされた後も、台五の情熱は止まるところを知らず
対象が誰だろうと何だろうと構わず、溢れる愛を一心不乱に垂れ流し続けた。
宴がおひらきになり帰途に着く道中もその偉大な博愛精神は輝きまたたいて
周囲の万物を圧倒すると思われたが、
パンパンに膨らんだ風船が割れて跡形もなく萎んでしまうように
台五もまた眠気という魔物にやすやすとその身を預けてしまったようだ。
呆れて怒る気すら失せてしまう。
本当にもう呆れて呆れて、背中にのしかかる重量と体温を受け止め
左耳に生ぬるい風がかかるほどの近さで寝息を聞いていると、
まあちょっと可愛いかもしれん、と親バカのような感情が芽生えてくる。
母性のような俺の中の優しくあったかい心は
ふと今日のネタがよぎって、俺と背中の飲んだくれとのキスを想像してしまったことにより
急速に冷えていくのだった。
582風と木の名無しさん:05/01/12 06:16:51 ID:e15/oO4f
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おわりおわりおわりです
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
583風と木の名無しさん:05/01/12 06:20:47 ID:HraPKZwJ
>579-582
リアルタイムで自分の萌えカプキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GJです!
584風と木の名無しさん:05/01/14 22:46:35 ID:lprytRzl
>579-582
なぜか和ませてもらいました。二人とも、なんかかわええ(´∀`*)
585風と木の名無しさん:05/01/18 22:08:09 ID:VHaIp7DS
「おまえ……まさかここを守るつもりなのか!?」
「ああ。絶対に落とさせはしない。まだここで見たいものがあるんだ」
「お前がやらなくても誰かがやるだろっ!なぜお前がっ」
そう言いながら携帯を持つ手を眼鏡の男は掴んだ。
「その誰かがやるだろう、なんて考えがいけないんだ。君ならわかってくれると思っていたよ」
「わかるさ……だからと言って携帯からだなんて」
「今はこれしかないんだ。それに一言ですむ」
眼鏡の男の手を優しく解くと男は指を動かした。
画面上にあらわれた文字を見て眼鏡の男は焦ったように話しかけるが、男は画面から目を離そうとはしなかった。

「でもっ、これじゃ」
「黙って。全く君って奴は、守ることもしないで文句ばかり。せめて邪魔だけはしないでくれ」
「しかし……」
「あまりうるさく言うようならば口を塞ぐよ」
「……っ」
「いい子だ。では」
そう言うのと同時に男は携帯からどこかへと書き込みをした。


保守、と。
586風と木の名無しさん:05/01/18 22:12:10 ID:GsYh8CS4
>>585
姐さん…! なんの話かと思って真剣に読んじゃったよ!
587風と木の名無しさん:05/01/18 22:14:45 ID:8rMh60eN
>>586
可愛い奴だな、お前。
588風と木の名無しさん:05/01/18 22:19:31 ID:VHaIp7DS
>>586
保守と一言だけじゃ味気ないかと思って。ごめんよ
589風と木の名無しさん:05/01/18 22:32:57 ID:6VrD3cot
さすがです。
590風と木の名無しさん:05/01/18 23:11:52 ID:GsYh8CS4
>>587
可愛いって言われた…+*+(・∀・)パアア+*+
591風と木の名無しさん:05/01/19 23:09:32 ID:CQyls/CA
>>597
バカヤロウ!ビターン(AAry
俺が好きなのは健気受けだ!!
可愛い言われたら恥じらう!
これ最強。
592風と木の名無しさん:05/01/19 23:13:02 ID:adfMbisI
>>597の恥じらい方に今から期待が掛かります
593風と木の名無しさん:05/01/21 03:34:19 ID:6OmDTsu6
作品投下されてたらどうすんだw
594風と木の名無しさん:05/01/21 17:13:13 ID:r9UsB+3e
                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 少女マンガ家具屋姫の最終回その後の話モナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  591さん恥じらえなくてスンマソン
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 一応死にネタになります
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
5954の1:05/01/21 17:14:27 ID:r9UsB+3e
オレの手には何も残らなかった。
妻や仲間、大切な人たち、時間も全ては消えて、一人取り残された。
きっとこの人生も、もうすぐ終わりを告げるだろう。
今はただその日を待ちわびている。
「サットン。」ベッドに横たわり、そっと長い間胸の中に、小さな光のように 輝き
続けている名を呼んだ。

「ミラー」
「−誰だ。」
「オレの声を忘れたか?」
カーテンの後ろから、大きな男が姿を現した。
「サットン…お前。」
「久しぶりだな。お前を迎えに来たんだよ。」
60年前と同じ若い変わらない姿、大きな頼りがいのある胸、男らしいしっかりと
した顔立ち、ひときわ高い背、。彼はオレに向かって手を差し伸べた。
「ああ、久しぶりだな。オレももうすっかり爺さんになったよ。」俯きながら話すと、
サットンはにっこり笑い、オレを指差して言った。
「お前、自分の姿よく見てみろよ。こんな若くてキレイなジジイがいるか?」
 ハッとして、自分の手を見てみる…
「こんなまさか。」
皺や染み一つ無い、ぴんと肌の張った白い手が見えた。そして、しわがれていない、
艶やかな声。
 今迄のことは、夢だったのか。いや、夢であって欲しいと何度願っただろう。
 大事な友は亡くなり、残されていた仲間の記憶は消え、傍らには過去に生き、けして
自分を愛してくれない女性しか存在せず、他人の人生を背負って、二度と会えない人を
想って長い時間過ごしてきたのだ。
 あれは夢で今が現実?もし今、サットンのいるのが現実ならオレは…
5964の2:05/01/21 17:15:32 ID:r9UsB+3e
「お前に言いたい事と、したい事があったんだ。」
「何だ?」全てを受け入れてくれるような、優しい声。
 オレはベッドから起き上がり、彼の傍に歩いていった。
 体は辛くなったり、足が痛くなることも無かった。
(よし。)
「会いたかった。お前に二度と会えなくて、オレは辛かった。」
「悪かった。オレももっと早く、お前に会いたかった。」
(なんて、愛しそうに見つめてくれるんだろう)
「ホントにー 悪かったって思ってんのか!この馬鹿!!」
 思いきり、奴の顎にアッパーをきめてやると、サットンは無様にひっくりかえった。
「痛っ。お前のしたいことって、これだったのか。」転んだ時に舌でも噛んだのか、口を
押さえてる。
「グズ!ノロマ!お前オレのこと、最後まで守るって言ってたじゃないか!」
「大体、約束忘れるなんて、どういうつもりなんだ。こんな所に、一人にしやがって!!」
 腹が立ったので何度か蹴りを入れてやると、あの巨体がションボリと床に正座している。
叱られた大きな犬みたいで、なんだかオレは可笑しくなった。
「お前はほんとに仕様が無いな。」
 オレはクスクス笑いながら、奴の手をとり立ち上がらせ、そしてオレの顔と同じ高さに
なった時、そっと唇にキスをした。
「えっ?」サットンは、今度は黒い顔を真っ赤にして、目を白黒させている。
「お前にしたかった事は、ホントはこっちだ。」オレは笑いながら、言った。
「でもお前、恋愛感情はおきない。とか、人のこと迷惑だとか散々言ってたぞ。」
「それは、オレが自分の気持ちに気づいていなかったからだ。いや、違うな。気づいていて、
知らない振りをしたんだ。お前に惹かれてる自分を、認めたくなかったんだ。」
 フッと溜息をつき、肩を落としながら、あの頃のことを思い出す。
「オレは晶が好きな筈なのに、お前のことばかり考えてしまって、お前さえ傍にいなきゃ
オレは普通に晶を好きなままでいられるのに、って思ってた。」
5974の3:05/01/21 17:16:53 ID:r9UsB+3e
「自分でもマヌケだったよ。晶がオレを愛していないとはいえ、結婚を受け入れてくれて、
これでやっと幸せになれるそう思ってたのに。お前がいない、二度と会えなくなった、それ
に気づいた時、本当に大切だった人は誰かわかるなんてな。」
 あの喪失感。死ぬほど会いたいと願っても、叶えられない絶望と孤独。
「お前は、皆が一度にあの時いなくなったから、混乱してるんじゃないのか?」サットンは
まじめな顔でオレに尋ねた。
「それは違う。オレはお前がオレの為に泣いてくれたり、助けてくれた時のことや、オレを
大切だと告白してくれた時の事を思い出して、それを心の支えにして生きてきたんだ。」
「ミラー」
 サットンがオレを力強く、優しく抱きしめる。オレも二度と消える事のないように、強く
強く抱きしめる。
「本当に欲しかったのは、お前なんだ。」オレが微笑むとサットンは、優しくキスをしてくれた。
「今でもーオレが欲しいって、大切だって思ってるか?」
「ああ。」サットンはオレの髪を撫で、答える。胸の中に空いていた大きな穴が、急速に満たされ
ていく幸福を自分でも感じた。
「じゃぁ、そろそろ行くか?」
「一緒ならな。」
 オレはサットンと手を繋ぎ、突然部屋の中に現れた、光の道に進もうとした。
 が、サットンは急に立ち止まると、心配そうにオレを見て言った。
「向こうには、みんなが…晶が由といるわけだが、お前は大丈夫か?」
「晶が由と幸せになっているなら、それでいい。オレには、お前がいる。でも、もう二度と一人
にするなよ。」
「そんな事するわけないだろ。それに、オレ今嬉しくて涙がでそうなんだ。」サットンは、本当に
少し涙目になってるみたいだった。
「ホント、お前って… ありがとう。」
そして、オレ達は光の道へと進んでいった。
5984の4:05/01/21 17:17:46 ID:r9UsB+3e
「陛下が玉玲様に続いてお亡くなりになって、もう一月ほどたつが…」
 シンプソンは、紅茶を飲みながら侍従長と話していた。
「英国は、本当に惜しい方を亡くされました。」
「陛下は、いい方だった。しかし、不思議な事もあったものだ。」
「一体どういう事でしょう?陛下は確かに、我々と同じように年をとられていた筈なのに。」
 首をかしげながら、シンプソン達はあの時の事を、思い出す。
 国王が、なかなか部屋から出てこられない。心配したシンプソン達が、彼の部屋に入ると
王は何事か囁き、こと切れた。
 そして…。息を引き取るのと同時に、まるで今迄悪い魔法にでもかかっていたように、彼の
姿は変化し、そこには王位継承式の時と変わらぬ、二十歳そこそこに見える美しい青年が、永久
の眠りについていた。
「陛下は、今では無くなって久しい月に行かれたり、ドナーから移植されたりと、色々と複雑な
事情がおありだったが。」
 だからと言って、納得できる事ではないと侍従長は、首を振った。
「しかし、陛下があんなにお美しく、お優しい幸せそうな顔で、最後を迎えられて、私は良かっ
たと思っているよ。」シンプソンは少し悲しげな面持ちで、そう告げた。
「 そうですね。いい国王でしたが、いつもどこか寂しそうに見えられた。」
「だから、私は最後には呪いがとけて、お幸せになれたのじゃないかと…」
「そう、私も願いたいです。」
 主のいない宮殿は、ひっそりと静寂に包まれているが、やがて、王の血を継ぐ遠縁のものが、
ここにやってくることになっている。
 月を失くした地球にも、主を失くした宮殿にも、命と喜びに満ち溢れた春はやってくるだろう。
 それは、永久の安らぎを得た王の美しい寝顔が、約束しているようだった。
599風と木の名無しさん:05/01/21 17:20:31 ID:r9UsB+3e
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おわりです
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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600風と木の名無しさん:05/01/21 23:14:46 ID:GaZARfl0
姐さんGJです!!
あの終わりにすさんでた心が少し満たされたよ!
601風と木の名無しさん:05/01/21 23:20:00 ID:GaZARfl0
…sage忘れゴメン
602風と木の名無しさん:05/01/21 23:24:39 ID:Mh5bUkiB
あのラスト、鏡だけ一人なんてホントつっらーだった。
いいもの読ませてもらいました…ありがとう!GJ!
603風と木の名無しさん:05/01/24 00:32:06 ID:Vj8k9kdp
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 英バンドのおあ視す、ぎゃラ画ー兄弟のネタだって。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  結構事実考証適当らしいよ
 | |                | |            \
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 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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6041/7:05/01/24 00:33:14 ID:Vj8k9kdp
いつものようにギターをかき鳴らして誘えば、リア無はすぐにすん
 なりとそれに乗った。両手を後ろで組む独特の姿勢で、まっすぐに声
を出す。ジョソ・レノソを思わせるあの声で弟が歌うのを、ノ江ルは
ギターの弦をはじきながら眺めていた。さっきまで怒鳴りあっていた
せいか、高音部で僅かに声が掠れる。リア無はそれを気にしない。そ
れどころかそれがパフォーマンスかのように、平然と歌う。
 気持ち良さそうに歌うんじゃない。不機嫌を隠さずに、挑発するよ
うに、けれど伸びやかに。さっきまで音楽を聴いている方が少数派だ
ったのに、いつの間にかライブハウスにいる奴らはそろって彼を見て
いる。彼の声を聞いてるんじゃない、彼を見ている。くそっ何てやつ
だ。ノ得ルは思った。リア無は――弟はロックスターだった。それ以
外の何物でもなかった。
6052/7:05/01/24 00:34:12 ID:Vj8k9kdp
 ブルースだって歌ってやるぜ。ノ江ルが書いた歌詞を歌い、その一
瞬、リア無はちらりと視線を投げてよこした。―10分ほど前、ステー
ジに上がる前は危うく殴りあいに及びそうになった相手に。ノ江ルは
わざと視線を無視して、弟の相手などしていられないことを示した。
怒鳴りあっていた相手への怒りは、まだ完全には収まっていなかった。
 ライブ前の、神経が昂ぶったひと時にしばしば起きる諍い。俺の歌は
お前には歌えないと野江ルが言い、ノエ流はノエ流でオア視すはおれ
のバンドだと怒鳴った。俺が歌わなきゃだれが歌うんだ?この曲を。
 そう自信たっぷりに言う弟が憎らしくて、煽るような言葉を口にす
ると、リア無はあっさりとそれに乗った。舞台に上がる時間が迫って
いたから殴り合いにこそ発展はしなかったものの、あんな状態で歌え
るのかと、他のメンバーたちが青くなったのは無理もない。
6063/7:05/01/24 00:34:55 ID:Vj8k9kdp
 だけど舞台に出てみると、リア無はこうして圧倒的な何かを放出し
て歌う。何なんだ、こいつは。ノエ流ははっきり言って呆れていた。
弟はどこか壊れている。歌うこと以外に取り得なんか絶対にない。こ
いつはロックスターだ。でも、俺がスターとして認められる条件を整
えてやらないと、ただのろくでなしとして一生を終えるだろう。俺た
ちの親父みたいに。
 そりゃあ俺だって、おとなしいとは言えない、15の時には強盗を
やって保護処分を受けたこともある。野江ルは思う。だけど、弟は、
リア無はちょっと凶暴すぎる。あまりにも衝動のまま生きている。過
去も未来もないみたいだ。リア無にあるのは、今この瞬間だけ。そん
なのはまともじゃないとノエ流は思う。だって俺は毎晩考えている。
この先のことを。これまでのことが忘れられないのと同じように。自
分も親父やお袋や、その他大勢のやつらみたいに、一生を暴力と貧困
に支配されて生きていくのかと。
6074/7:05/01/24 00:35:50 ID:Vj8k9kdp
 俺たちに何ができるんだ?
 ぶっきらぼうにも見える姿勢で歌う弟に、ノエ流は聞きたかった。
なあ兄貴、一緒にバンドやろうぜ。実際、ローティーンの頃からいつ
の間にか何度となく自分をバンドに誘ってきた弟に、何を考えている
のかと聞いた。長じるにつれて兄が誘いに頷かないと学習したリア無
は、それでも懲りなかった。今度はマネージャーになってくれとこと
ある毎に言うようになり、野江ルを呆れさせた。
 そうさ、フットボールやロックをやるくらいしか、俺たちが金を手
にできるチャンスはない。アイルランド系で、労働者階級の俺たちは、
そこから抜け出すすべを他に知らない。でもそんなことをやって成功
するやつなんて稀だ。俺だって音楽は好きだ、バンドだってやってる
さ、だけどこれ金持ちになろうなんて本気で考えちゃいない。お前だ
って同じだ。何もやれっこないさ。そう言って弟を相手にもしなかっ
た野江ルは、リア無が歌うところを一度生で見てから考えが変わった。
俺たちには何かができる、何ができるかはわからない。でも、とにか
くこの泥にまみれた生活から、暴力や貧困から、確かに抜け出せると
感じたのだ。だからバンドに加わった。マネージャーとしてではなく、
メンバーとして。
6085/7:05/01/24 00:36:45 ID:Vj8k9kdp
 なあ兄ちゃん、俺たちスターになれるぜ。13歳の、喧嘩で前歯が
欠けたリア無が、同じ表情でそう言ったのを思い出したのだ。あのと
きは冗談じゃない、ガキな弟とバンドをやるなんて格好悪いと思って
無視した。でも今は違う。多分、こいつとだから何かができる。そう
確信している。弟が、リア無が、自分の奏でるギターの音色に絡みつ
くように歌うたびに、思い知らされている。俺たちは自由なんだ、俺
たちの親父がおふくろがたどった人生を、もう一度たどるわけじゃな
い。何にだってなれるんだと。
 弟には過去も未来もない。野江ルにはそれがある。眠れないことも
ある。だけど弟が歌うのを見るたびに――人生の可能性は無限だと、
少しだけ信じられる。
 どこへだって、好きなところに行っていい。そうしたければでかい
口を叩くのもいいさ。
6095/7:05/01/24 00:40:04 ID:Vj8k9kdp
間違った。>608に張った分が6/7、こっちが5/7ですorz

おあ視すを世界一のバンドにしてやる。バンドに加入したとき、野
江ルはそう言った。だが、本当はその言葉を野江ル自身ほとんど信じ
ていなかった。だけどリア無の歌声は妙にスケールがでかくて――こ
の声に見合うだけの歌を、俺が作ってやらなきゃと思った。
 そうだ、だから俺はここにいる。お前が――お前の歌声で、俺たち
が何かできると感じたから。そう思ったから、この歌を書いたんだ。
ふとそんな簡単なことを、野江ルは思い出した。
 選んだもの、何にだってなれるんだ。
 野江ルの心情に答えるように、リア無が歌った。歌いはじめよりは
ずいぶんと気持ちよさそうに。過去も未来もないように、今を貪欲に
味わっている。直立不動の弟の横顔には、汗がにじんでいる。その姿
を見て、野江ルはとうとう根負けして笑みをこぼした。

で、>608に続きます。すまそ…
6107/7:05/01/24 00:43:34 ID:Vj8k9kdp
 弟に向かって書いた歌詞を、弟が歌う。
それを野江ルは眺めている。
  どんなことをしても、どんなことを言っても、
いいんだ、かまわないんだ。
 最後のフレーズを歌い上げ、満足げな顔の弟が、
もう一度視線を投げてよこした。どうだ、上手く歌え
ているだろうと言いたげだ。さきほどの野江ルの言
葉をまだ根に持っているのだろう。野江ルは肩をす
くめた。まあまあだ、と言うように。だけど本当は知っ
ていた。この歌は弟以外には歌えない。歌っても意
味がない。弟に向かって書いたこの歌は、そのまま
自分が弟に言ってほしい言葉でもある。
 ――何にだってなれるんだ、よ。
 のえ流がギターを弾き終えると、リア無が片目を瞑っ
てみせた。観客からは拍手が沸き起こる。何という高揚感。
くそっ、女とのセックスなんかじゃもう満足できない。こいつが
歌わないと、こいつじゃないとだめなんだ。他でもない、俺がリ
ア無の一番のファンじゃないかと、いつものように野江ルは思
い知って苦笑した。

611風と木の名無しさん:05/01/24 00:46:41 ID:Vj8k9kdp
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |                
 | |                | |           ∧_∧ ドコガヤオイナンテイワナイデ…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
受け攻め特に決まってないんですが、
あの兄弟は利場な気もします。
唐突に須磨ソ。

612風と木の名無しさん:05/01/24 02:25:06 ID:JRJub8wf
>603

この兄弟には興味あったんだけど(色々なゴシップで)
バンドには興味なかったのに聞きたくなっちゃったよ!
どう責任取ってくれるんだ!(;゚∀゚)=3ハアハア
613風と木の名無しさん:05/01/24 21:06:49 ID:3GiLIIfR
眉毛兄弟キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ガチでクレイジーな弟と付き合わされる兄に萌え萌え
614風と木の名無しさん:05/01/25 01:04:14 ID:djHgfCeO
ギャラ画ー兄弟キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
はじめの、リア無が歌うところの描写にすごい萌えた

よーし!弟×兄でもっと(;´Д`)ハァハァしちゃうぞー
615風と木の名無しさん:05/01/25 01:57:03 ID:7hxjeCkY

 ____________
 | __________  | イ反面ライ夕”ーゴゴゴの草カロ×拓海、ギコ、フサギコver.だって。
 | |                | | フサフサなんだってさ。
 | | |> PLAY.      | | ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧ ∧ 
 | |                | |     ピッ   (゚ _゚ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(新)モララーのビデオ棚の
ゴゴゴ
ttp://sunset.freespace.jp/aavideo/2003/rider555/index.html

を読んでたらギコverに萌えたので書きました。
草カロはギコで拓海はフサギコです。
616:05/01/25 01:58:13 ID:7hxjeCkY
唐突に番外編
フサギコ他っくんとギコ草カロ
(自分にはAAを作る能力が無いのでこのコピペで想像してくれ!)
   他っくん(オノレフェノク)  
   ∧ミ∧   
   ミ ゚Д゚ミ
   (ミ   ミ) 
   .ミ   ミ          
   ∪∪ 
  草カロ(人間)
  ∧,,∧
 (゚Д゚,,)
 (|  |)
〜|  |
  し^J
ある時草カロ(゚Д゚,,)が森の中を歩いていると、フサフサのオノレフェノクミ ゚Д゚ミが歩いているのを見つけた。
「これは珍しい。是非とも手に入れたいものだ」そこで草カロ(゚Д゚,,)は次の日罠を仕掛け、これを捕らえた。
そして屋敷に連れて帰り、首輪をつけ鎖で繋ぎ檻に入れた。
なぜならオノレフェノクというものは人間より強いので、抵抗されると危険だからである。やがてミ ゚Д゚ミが目を覚ました。
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「ここはどこだ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「俺の家だ」
ミ ゚Д゚ミ「どういう事だ」
(゚Д゚,,)「今日からお前は俺の飼い犬だ」
ミ ゚Д゚ミ「ちょっ…待て!なんでそんな話になるんだ!大体俺は犬じゃない!俺は犬井拓海で、ウルフオノレフェノクだ!」
(゚Д゚,,)「犬井なら、やっぱり犬なんだろう」
ミ ゚Д゚ミ「違う!」
617:05/01/25 01:59:45 ID:7hxjeCkY
問答を続けているうちにミ ゚Д゚ミは空腹を覚えたので食事を要求した。
ミ ゚Д゚ミ「メシくれよ」
草カロ(゚Д゚,,)は「オノレフェノクのくせになんて尊大な態度だ。コイツには残飯でもくれてやる」と思ったが、
自分は毎食一人分しか作っていないため残飯など無い事に気付いた。
「仕方ない。二人分作ってやるか」そう思って厨房に立った。
二人分作っては見たが、檻の格子の幅が狭いため皿を中に入れられない事に気付いた。
草カロ(゚Д゚,,)はオノレフェノクが箸を使えるなどとは全く思わなかったので、困惑した。
ミ ゚Д゚ミ「おい、出せよ。逃げないから」
(゚Д゚,,)「逃げないか?」
ミ ゚Д゚ミ「逃げない」
草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミを信用していなかったが「鎖がついているので逃げられないだろう」と思ってミ ゚Д゚ミを檻から出した。
ミ ゚Д゚ミが普通に椅子に座れることに草カロ(゚Д゚,,)は驚いたが、
「驚いたら自分の負けだ」と思って顔には出さなかった。それで二人は食卓についた。
ミ ゚Д゚ミ「俺猫舌だから熱いのダメなんだけど」
草カロ(゚Д゚♯)「冷めるまで待て!」
その後意外にもミ ゚Д゚ミが箸を使えたり、首輪の取り外しを願い出て却下されたり、
小食なので食べ残して草カロ(゚Д゚♯)に激怒されたりしたが食事はそれで終わった。
寝る時は二人は同じ部屋であったが、草カロ(゚Д゚,,)はベッドの上、ミ ゚Д゚ミは檻の中であった。
618:05/01/25 02:00:53 ID:7hxjeCkY
そんな生活がしばらく続いた。草カロ(゚Д゚,,)は毎食二人分料理をして、しかもミ ゚Д゚ミの分はちゃんと冷やすまでになってきた。
草カロ(゚Д゚,,)が慣れるに従ってミ ゚Д゚ミに大分自由が与えられてきた。しかし草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミに散歩をする事を許さなかった。
ミ ゚Д゚ミは何度か草カロ(゚Д゚,,)に「俺も散歩ぐらいしたい」と言ったが、ミ ゚Д゚ミの逃亡を恐れた草カロ(゚Д゚,,)はそれを許さなかった。
ミ ゚Д゚ミが自由なのは鎖の伸びる範囲、屋敷の中だけであった。屋敷は広かったが彼ら二人の他に誰もいなかった。
草カロ(゚Д゚,,)が出かける事があるとすれば食材を得るためであった。また、ミ ゚Д゚ミにも草カロ(゚Д゚,,)に許さぬ事があった。
そもそも草カロ(゚Д゚,,)がミ ゚Д゚ミを捕らえたのはそのフサフサを触りたいためであったが、ミ ゚Д゚ミは草カロ(゚Д゚,,)にそれを許さなかった。
草カロ(゚Д゚,,)がそれとなく触ろうとしてもミ ゚Д゚ミは素早くこれを避けた。
草カロ(゚Д゚,,)はこれを不満に思ったが、草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミ以上に早く行動することは不可能なので仕方なく触れぬままで居た。
一応最初に捕らえたときに触ったには触ったのだが、あの時は急いでいたのでほとんど触っていなかったのだ。
ある日草カロ(゚Д゚,,)は出かけた。しかし突然彼の心を不安がよぎった。「あの犬は俺が留守の間何をしているかわからない」
そこで彼は植え込みの間に隠れてミ ゚Д゚ミの様子を影から伺った。
ミ ゚Д゚ミは窓辺に出て特に何をするでもなくひなたぼっこをしていた。
「まぁ、犬だからな…」そう思って草カロ(゚Д゚,,)は安心しかけたが誰かが庭に入って来た。
騎馬祐二(オノレフェノク)
  /ヾ∧        
彡| ・ \ 
彡| 丶._). 
彡||( ・ω・)  
  |(/  |)  
  人_../   
   U"U

619:05/01/25 02:02:55 ID:7hxjeCkY
∧,,∧
(゚Д゚,,)「馬…のオノレフェノクか」
騎馬は窓に近寄った。
ミ ゚Д゚ミ「騎馬か。久しぶりだな」
( ・ω・)「犬井君、なんで君はこんなところに居るんだ?そんな鎖、簡単にちぎれるだろ?
君の自慢の毛並みだって、ずっと家の中にいるせいで汚れはしないけど、つやが無いよ。
首輪の所の毛は痛むし…毛の量だって減ったみたいだし…ストレスじゃないか?あんな人間の所になんで留まる必要があるんだ?
餌付けでもされたのか?」
ミ ゚Д゚ミ「おい、俺は餌付けなんかされねーよ」
( ・ω・)「じゃあなんで…」
ミ ゚Д゚ミ「あいつ、せっかく俺を捕まえても見せびらかす友達の一人もいねーんだぜ。…俺がいないと一人ぼっちなんだよ」
( ・ω・)「人間に同情するのか?優しいね、君は。わかったよ…君が「飼われてるごっこ」をしたいのなら、好きにしたらいい。
ただ、程ほどにしておいた方がいい」
ミ ゚Д゚ミ「…ああ」
そして( ・ω・)は去った。
これを聞いて草カロ(゚Д゚,,)は激怒した。
∧,,∧
(゚Д゚,,)「なんという事は無い、俺は一人でいい気になっていただけだ。人間である俺がオノレフェノク…しかも犬の、に同情されるとは」
草カロ(゚Д゚,,)は家に入り、
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「おう、お前もう帰ってきたのか?早…」
620:05/01/25 02:04:20 ID:7hxjeCkY
ミ ゚Д゚ミが言い終わらぬうちに草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミを殴り飛ばした。

 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「…って…いきなり何すんだよ!」
草カロ(゚Д゚,,)はそれには答えずミ ゚Д゚ミの胸倉…もとい首輪を掴んで罵った。
草カロ(゚Д゚,,)は同情されるのが嫌いだと言う事、犬の癖に自分に同情するなど十年早いと言う事、
首輪も鎖も外せるのに外さなかった事などを立て続けにぶちまけた。そして草カロ(゚Д゚,,)は乱暴に首輪を外して言った。
∧,,∧
(゚Д゚,,)「「俺がいないとアイツが独りになるから」だと?冗談じゃない、俺は今まで一人で生きてきたんだ、お前なんぞいなくても困りはしない!」
そう言うと草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミをボコボコにボコボコにボコボコに殴って、家の外へ放り出して戸を閉めた。
しばらくミ ゚Д゚ミは座っていたがやがて(四足で)駆け出した。
ミ ゚Д゚ミを叩き出した草カロ(゚Д゚,,)はせいせいした。食事をしようと思って料理を作ったがうっかり二人分作ってしまって後悔した。
残りは冷蔵庫に入れて冷やして明日食べようと思った。
その晩草カロ(゚Д゚,,)は寝た。自分の部屋で、一人だった。次の日も次の日も次の日も彼は一人だった。
彼はミ ゚Д゚ミの事を思い出してはその度に激怒した。「あの男はオノレフェノクのくせに俺に同情していた。なんと不遜な犬だ」
彼がミ ゚Д゚ミの事を思い出すたびに感じるのは怒りだけでは無かったが、小さいものは大きいものの前にあって打ち消されていた。
621:05/01/25 02:05:24 ID:7hxjeCkY
一方、ミ ゚Д゚ミは草カロ(゚Д゚,,)に追い出された後、走ってみんなの元へ帰った。
( ・ω・)「どうしたんだいその顔の痣!あの人間に殴られたんだね・・・。逃げてきて正解だよ。君は優しいから・・あの人間を殴れない」
ミ ゚Д゚ミ「・・・別にそういうわけじゃねーよ。ただ・・・」
××××××××××××
∧,,∧
(゚Д゚,,)「オノレフェノクのくせに俺に同情するのか!」
××××××××××××
ミ ゚Д゚ミ「ただ・・・」
( ・ω・)「もう今日は休んだら?顔の手当てして。毛皮も数日したらまたフサフサに戻ると思うよ」
ミ ゚Д゚ミ「ああ、そうだな・・・」
それから数日経ち、ミ ゚Д゚ミの顔の痣は消え、毛皮もフサフサに戻った。彼は草カロ(゚Д゚,,)の事を思い出していた。
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「あいつ・・俺がいなかったら一人ぼっちでさみしいんじゃないだろうか・・」
××××××××××××
(゚Д゚,,)「オノレフェノクのくせに俺に同情するのか!」
( ・ω・)「あんな横暴な人間の所にいたら、君は・・・」
××××××××××××
ミ ゚Д゚ミは帰る気にはなれなかった。それから数週間が過ぎた。ミ ゚Д゚ミは崖の上に座って毛並みを整えた。
彼は自分がかつてほどフサフサでは無い事に気が付いた。
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「・・・・」
彼は走り出した。
一方、その頃草カロ(゚Д゚,,)は、寝てた。別に寝込んでいるとかそういう訳では無い、今は夜なのだ。
誰かが戸をたたく音が聞こえたが草カロ(゚Д゚,,)は無視した。しばらくして、彼は部屋の中に気配を感じた。
∧,,∧
(゚Д゚,,)「誰だ」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「俺だ」
草カロ(゚Д゚,,)はその声で相手が誰であるかわかった。
622:05/01/25 02:06:32 ID:7hxjeCkY
∧,,∧
(゚Д゚,,)「どこから入ってきた」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「二階の窓が開いてた。戸締りを忘れるなんてお前らしくないんじゃないのか」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「・・・とっとと出ていけ」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「嫌だ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「うるさい!とっとと出て行け!出て行かないと・・・」
殴るぞ。そう言おうとして草カロ(゚Д゚,,)はある事に気づいた。
「コイツは本当は鎖だってたやすくちぎれる筈なんだから、この前俺に殴られていたのもただ甘んじて受けていただけだ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「俺は同情されるのが嫌いなんだ!」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「草カロ・・・」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「黙れ、このオノレフェノクが!」
ミ ゚Д゚ミはそれを意に介さず草カロ(゚Д゚,,)のベッドの上に飛び乗って座った。
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「いいから聞けよ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)は身構えたが何も言わなかった。
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「俺は・・・別に同情でこの家に居た訳じゃない」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「俺の飯目当てか?」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「違ぇよ。お前ぐらいの飯なんて、どこにでもある・・・」
そう言うとミ ゚Д゚ミは草カロ(゚Д゚,,)にいきなり顔を寄せた。
623:05/01/25 02:07:37 ID:7hxjeCkY
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「触っていいぞ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「は?」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「触りたかったんだろ、俺の毛皮。ほら」
今までミ ゚Д゚ミは草カロ(゚Д゚,,)にフサフサを触らせたことなど一度も無かったので草カロ(゚Д゚,,)は怪しんだ。
今まで何度か草カロ(゚Д゚,,)は試みたのだが、ミ ゚Д゚ミ「俺の毛皮に触るな!」といつも避けられていた。
とりあえず草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミの頭を撫でた。温かくてフサフサしていた。耳もついでに触ってみたが、柔らかかった。
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「俺がこの家にいたのは、別に同情とかそういうんじゃない。俺はお前が好きだからだ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「・・・また同情か」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「違ぇよ!俺はこのフサフサを気に入ったヤツにしか触らせないの。俺はお前とずっと一緒に居たいんだ。お前も俺が好きだろ」
草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミのその言い方を少々腹立たしく思ったが、
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「じゃあ寝かせてくれよ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「オイ、なんで俺の布団に潜り込む・・」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「だって布団一つしかないじゃん。もう檻は嫌だぜ」
草カロ(゚Д゚,,)はミ ゚Д゚ミを叩き出そうと思ったがフサフサで温かかったので結局そのまま朝まで寝た。
次の朝は草カロ(゚Д゚,,)が料理を二人分作った。ミ ゚Д゚ミの分は冷やして食卓に出した。
624:05/01/25 02:08:37 ID:7hxjeCkY
もう首輪は付いてなかったのでミ ゚Д゚ミは食べやすそうであった。午後になるとミ ゚Д゚ミは散歩に行きたいと言い出した。
∧,,∧
(゚Д゚,,)「行きたいんならとっとと行け」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「お前も来るんだよ」

ミ ゚Д゚ミは背中に草カロ(゚Д゚,,)を載せて(4つ足で)走った。途中で「これでは草カロ(゚Д゚,,)が散歩した事にならない」と気付いて草カロ(゚Д゚,,)を下ろして二人で歩いた。
∧,,∧
(゚Д゚,,)「オイ・・・」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「何だよ」
∧,,∧
(゚Д゚,,)「お前って、走るの意外と遅いな」
 ∧ミ∧   
ミ ゚Д゚ミ「文句言うなよ!」
その後一人の人間と一人のオノレフェノクがどうなったかは書かない。ただ、ミ ゚Д゚ミの毛はずっとフサフサのままだった事だけはここに記す。
625風と木の名無しさん:05/01/25 02:11:44 ID:7hxjeCkY
 ____________
 | __________  | そしてやっぱり俺の出番が無いんだが。
 | |                | |
 | | □ STOP.        | | ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧ ∧ 
 | |                | |     ピッ   (゚ _゚ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

フサフサ連呼してスマソ。
でも他っくんはフサフサ・・・。

モナ×ギコスレも見ると楽しめるかも。
626風と木の名無しさん:05/01/25 08:20:13 ID:yAh1zEdM
>>615-625
ああああああ………………_ト ̄|○/\ァ/\ァ/\ァ/\ァ/\ァ
フサフサタックソ萌え…草カロとずっと幸せに暮らしてね(*´∀`)
見腹不敏だよ見腹w
627風と木の名無しさん:05/01/25 10:37:28 ID:zxE62YIE
>615-625
GJ!!
フサフサ触らせに来るタックソ萌え!
性格複雑骨折草カロ萌え!
ごちになりました(*´∀`)
628風と木の名無しさん:05/01/25 21:07:53 ID:3Rnbl5Jg
ふさふさふさふさふさふさ…(*´∀`)<草カロ、この世界ではハピーになれて良かったな!
629萌えスレ320:05/01/25 22:35:35 ID:uTABIB04
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1103982970/ の320です。
本スレに投下すると再び荒れそうなので、こちらでこっそり萌えさせて下さい。
−−−−−−−
狭い地下通路。
駅の西口と東口を結ぶこの通路は終電間近ともなると通る人も少なく、
物騒な昨今、警官は重点パトロール地点の一つとしていた。

こつこつこつ。

響く足音。
「誰だ!」
警官は誰何し、もっていた懐中電灯を足跡のする方へ向けた。
「あ…」
警官はその人に見覚えがあった。
地下通路の上にある駅の駅員だ。
制服を着たままの彼は手に身の回り品が入っているのであろう手提げの鞄を持っていた。
「見回りご苦労さまです」
「キミは?」
「終電が出たので詰所に泊まりに行くんです」
そういえば今来た方向にこの鉄道会社の詰所があると聞いた事がある。
630萌えスレ320:05/01/25 22:36:47 ID:uTABIB04
その返事を得たとき、人の気配を感じた。
変質者?
その単語が脳裏によぎったとき、警官は思わず側にいた駅員を抱きしめてキスをしていた。
「…………」
永遠とも思える時間。
腕の中で駅員は震えているようにも思える。
それがなぜだか愛おしくて警官は唇を離さず、さらにキツく抱きしめた。
「……っん」
熱を感じる。身体にも己の分身にも。そして抵抗されても不思議のない相手からも同じ気配を感じた。
「…っ!」
警官は腕の中で息苦しそうに駅員がもがいているのに気付き、力を緩めた。

お互い息を整えている。
お互い感じたであろう何かを無理矢理押さえるがごとく。
−−−−−−−
631風と木の名無しさん:05/01/25 23:31:55 ID:qtOJ9I9G
>629-630
GJ!
萌えたよありがとう
でも、一応AAは使ってねー
632風と木の名無しさん:05/01/26 00:05:06 ID:V/ndt6WJ
>>615-625
姐さんの書く太ックンと草カロが好きです。
実に、らしい。
633風と木の名無しさん:05/01/26 04:04:19 ID:Fc5PAEcL

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
                    |  「Fleet of Deep Blue」(要和訳)モナ 
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前/原×総/長だって 
 | |                | |            \ 
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ コンナノ 需要アルノカ? 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | 

当該スレがdat落ちしてしまったようなので、こちらに投下させていただきます。
OVA版第8巻「A-bomb阻止作戦」(英語部分要和訳)からです。
小説本編と違っているかもしれませんが、各自脳内補正してください。
6341:05/01/26 04:05:28 ID:Fc5PAEcL
確かに、それは奇妙なことだった。
18年4月18日。
前世の昭和では自分の命日であったその日に、
後世の照和では鬼籍にあるはずの人物と、そんなことをしている。
奇妙ではあったが、そうなってしまったことに自分は後悔していなかった。
どこかでそれを望んだ自分がいたのだから。

秘匿艦隊である紺/碧/艦隊/司令官の前/原/一/征は一時帰国中に、
軍令部総/長の高/野/五/十/六に呼ばれ、
アメリカ側が開発中の原子爆弾を、その研究施設ごと破壊してしまうという、
「弦月作戦」について知らされた。
場所は帝都内某所の料亭「田山」。2人のほかには誰も部屋に居らず、
またその部屋自身が料亭内の離れの一室であったため、
誰かに聞かれる心配は全くなかった。
高/野による簡単な説明が終わった後、前/原は作戦資料を手渡された。
「まあやってくれ」と高/野は前/原に杯を勧める。
それを丁重に受けながら前/原は高/野の顔がいくらか曇ったのに気が付いた。
「今日は…俺の命日だ」
「ああ…」と前/原は高/野の顔が曇った原因を思い出し、少しため息をつく。
「4月18日…。前世での今日…ブーゲンビル島の上空でしたね…」
と感慨深げにつぶやくと、
高/野も同じような顔をしながら持っていた杯を開けた。
「うむ。しかし……後世でこうして飲んでいるのも妙な気分だ」
「ええ、まさに…」
と前/原は相槌を打つ。
自分にも前世での命日があり、しかも後世では紺/碧/艦隊を指揮するために
既に自分は戦死したことになっている。
そんな2人がこうして酒を飲んでいるというのは前世では考えられないことであり、
そう考えただけでもそれはとても奇妙でおかしなことだった。
「「ははははは…」」
とほぼ同時に笑い声を上げる。
ひとしきり笑った後で、前/原は高/野の杯に酒を注いだ。
6352:05/01/26 04:06:33 ID:Fc5PAEcL
いったいどれぐらい飲んだのだろうか。
座卓には5本以上の銚子が横に倒れていて、
しかもそれは後から仲居に持ってこさせたものだ。
数刻前に前/原は「ちょっと失礼」と部屋を出て行ったばかりだ。
おそらくは厠所に行っているのだろう、
高/野は独り室内で前/原が戻ってくるのを待ちながら、
卓に置いた杯の中の透明な液体を見つめたままぼんやりと考え事をしていた。
次第に高/野は漠然とした不安が自分の心の中に溢れてくるのを感じる。
それがだんだんと輪郭を持ち、明確な骨子が現れてきたときに、ようやく前/原が戻ってくる。
「さて…どこまで話しましたかね、総/長?」
と前/原は座っていた場所に戻ろうとした。
しかし、向かいに座っている高/野の様子がおかしいのに気づき、
「総/長、ご気分が悪いのですか?」
と高/野の方に歩み寄る。そのまま隣に座り、覗き込むように顔を見た。
「上着を脱いでネクタイを緩めた方が…」
「前/原…」
突然、自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、いつもどおり返事をする。
先ほどまで説明を受けていた作戦任務以外で、なにか重要な話があるのだろうか。
そう思って前/原は続く高/野の言葉を待った。
しかし高/野は前/原には考え付かなかったことを口走っていた。
「俺は……俺は、本当に生きているのか?」
6363:05/01/26 04:07:49 ID:Fc5PAEcL
「ご冗談を。こうして私と酒を飲んで……あっ…」
不意に前/原は両肩をつかまれた。
俯きがちになっていた高/野の眼が、前/原の氷隗蒼の瞳を見つめている。
まるで雨に打たれる犬のように、身体が小刻みに震えていて。
「夢かもしれない、と思ってしまうことがよくあるのだ」
「しっかりしてください、総/長」
と前/原は目の前の男の身体を揺する。
「自分はとても長い夢を…いや、死ぬ直前に頭の中に駆け巡った
 さまざまな記憶が綯い交ぜになっていて、
 だからこんなことを夢想しているのではないかと…、
 目を開けたらば俺はブーゲンビル島の上空にいるような、そんな…」
眉を顰め、薄く開いた唇から言葉を紡ぐ顔は、
その風貌に反して初恋の切なさに怯える乙女のようであった。
「総/長!」
抱いてはならぬはずの感情が前/原の身体を駆け巡った。
身が焦がれるような激情の流れを止めることができなくなった。
思わず自分より広い肩幅の持ち主の背中に腕を回し、身体を引き寄せていた。
引き寄せられた方の高/野は瞬間的な前/原の行動についていけず、
そのまま腕の中で身体を固くしていた。
6374:05/01/26 04:08:51 ID:Fc5PAEcL
「貴方のことは、私がお護りいたします。
 どんなときも…どこにいても…必ず、です」
耳元に唇を近づけ、そっと囁く。
「前/原…」
「まだ信じられませんか? ならば…」
少し身体を離し、再び視線を合わせた。
「私を感じてください。
 そうすることでこれが夢でないことを実感してください」
「感じる? それはどういう……っ!」
今までに無いほどの距離で顔が迫ってきて、
自分の言葉を前/原が飲み込んでしまったかのように唇を塞がれた。
そのまま音を立てて何度か吸い立てた後、前/原は舌先で高/野の歯列をなぞった。
「…う………」
微かな喘ぎ声が漏れる。それだけなら、そこまでなら。
「酒に酔った勢い」という言い訳が通用するはずだった。
しかし、ぞくぞくとした官能の渦が、前/原を、高/野を飲み込んでいく。
わずかに開いた歯列の隙間から舌をこじ入れ、そのまま相手の舌に絡ませる。
堪えきれなくなったのか、両肩をつかんでいた高/野の両手が前/原の背中に回った。
畳に打ち付けぬように頭を庇いながら、前/原は高/野の身体に自分の体重を圧し掛ける。
鈍い音と共に高/野が倒れ、整えられた灰銀色の髪が少し乱れた。
6385:05/01/26 04:09:55 ID:Fc5PAEcL
本能の炎に煽られたまま、自分の上官の唇を味わう。
そうしながら前/原は己の感情の赴くままに、
自分の下で身じろぎをしている人物の着衣を乱した。
ネクタイはどこかに投げられ、ドレスシャツのボタンは全て外されて、
その下に着ていた肌着の上から胸元を撫でられている。
「っ……あ……っ…」
裾から手を差し込まれ、直に触れられた。
部下に押し倒され弄られているというのに、
さきほどから何度も制止の声を上げようとしているのに、
それができない自分が自分でも理解できず、
高/野は己の喘ぎ声を聞かれぬように吐息混じりに吐き出した。
「……は………っぁ…!」
そんな高/野の声はひどく切ない。
口付けだけで止めようとしていたのに、
それも押し当てるだけのごく軽いもので終わろうと思っていたのに、
それよりももっと先へ進もうとしている自分が自分でも分からないまま、
前/原は自分より白い高/野の首筋を舐め上げる。
そのままもう片方の手で下肢の中央を撫で上げた。
ベルトの留め金はいつの間にか外され、ファスナーは限界まで下げられている。
「あっ………」
ただ互いがそれぞれに解っていたのは、
身体に溜まり始めた熱を早く吐き出してしまいたい、ということだった。
6396:05/01/26 04:11:00 ID:Fc5PAEcL
「そ、総/長……」
下着の裾から手をこじ入れ、前/原は高/野のものを握りながら話しかけた。
「……なん……だ?」
呂律がいくらか回っていない舌遣いで返事をする。
「自分から誘っておいて言うのも申し訳ありませんが、
 その……このようなことは初めてで…」
「だから…どう……した、……ぅく!」
揺り動かされる刺激が熱を高めていく。押し込めている声が自然と上がる。
「…総/長は…ご、ご経験があります…か?」
自分を見つめている前/原の瞳が揺れている。
どちらを取るにしてもどちらかの身体が
いくらかは傷つくことに不安を感じているのだろう。
「馬鹿か、君は」
言いながら高/野は自分に与えられているのと同じ刺激を、
前/原のそれに加えてやった。

「あ、ぁあっ……!」
前/原の手が止まる。
若さゆえだろうか、自分のものよりも勃ち加減が性急らしい。
そのまま2,3度扱いてやると形状が倍近くに膨れていく。
「俺だって、男相手にこんなことをするのは初めてだ。だが…」
頬から耳へ滑らせるように唇を押し当てながら、高/野はつぶやいた。
「互いに気持ち良くなれる方法ぐらいは知っている。
 それから考えても遅くは無かろう?」
耳朶を軽く噛んでから、
「……んっ!」
身体ごと手を離した。
前/原の身体が一瞬仰け反り、
こちらの意地悪に少し怒ったような顔をしている。
「前/原、君も服を脱げ」
言いながら高/野も辛うじて引っかかっている状態の衣服を脱いだ。
6407:05/01/26 04:12:03 ID:Fc5PAEcL
二つ巴に身体が重なる。
互いに互いのものを擦りあい、握り合い、口に含んだ。
「………ふ……ぅ…、……う」
「ん………く…っ……」
熱いため息が部屋を満たしている。
折り重なるように互いのものを高みに上らせている2人だったが、
高/野の下にいる前/原の方がいくらかつらいらしい。
高/野が自分のものを口腔で扱きながらその反動で腰を動かしてしまうため、
前/原はより深い喉奥で前/原のものを受け入れているからだ。
「……ん…ぷ……、そ……う…ちょ……う…」
「う……く…、なんだ?」
呼ばれて高/野は口中に収めていたものを外し、
砲口に指を掛け先走りの薄油が混じった唾液を塗りつけながら返事をした。
「その…もう…、…自分は……っ…!」
前/原自身は高/野を先に吐精させるつもりだったが、
高/野の愛撫は「男は初めてだ」と言っていたわりにはかなり巧みで、
安全装置が既に外れてしまっていた。
おかげで前/原の動作はひどく緩慢になり、
喉奥で受け入れていたものから口を外して手を添えるだけになってしまう。
「分かった。放出(だ)していいぞ、前/原」
許可を与えて再び高/野はその砲身を咥え、最後の追い込みを掛ける。
「そ…ち……ょう、す…すみませ……っああああッ!!」
引き金が引かれ、高/野の口腔が熱い液体で満たされる。
6418:05/01/26 04:14:09 ID:Fc5PAEcL
軽い倦怠感の後に感じたのは、再び溜まり始めた熱の塊。
「……ぷ…はっ、さすがに若いな」
口中に放たれたそれを、高/野は何の躊躇いも無く喉を鳴らして飲み込んでいた。
砲身に残っていたものも全部吐き出させてやると、
それだけでいくらか前/原のものに力が入り始めている。
「も…、申し訳ありません! こんなはずでは…」
慌てたように前/原はいくらか力を失った高/野のものに口付けようとしたが、
「いや、いいから」と高/野は手の届く範囲で前/原の背中を撫でて制止させた。
「想像していた以上に量が多くてびっくりしたのもあるが、
 こうも回復が早いとなると…」
高/野は身体をずらして一度起き上がり、
自分のものを握っていた前/原の手を離してやった。
顔を前/原の肩口に近づけ、そのままぎゅっと前/原を抱きしめて身体を反転させる。
それまで下にあった前/原の身体が、高/野の上に覆いかぶさった。
その部分を今まで誰にも見られたことが無いという羞恥心に頬が染まる。
だが、意を決して一度大きく息を吸い、
屹立の下の蕾の位置が分かるように、高/野は大きく足を開いた。
「俺が君を…、受け入れた方が良さそうだ」
6429:05/01/26 04:15:20 ID:Fc5PAEcL
「えっ……でも……よろしいのですか?」
自分が高/野を受け入れようと思っていた前/原にとって、
高/野のその申し出は青天の霹靂ともいうべきものであった。
「交換条件なのだろう?
 君が俺を護る代わりに、俺が君のものを受け入れる。
 そうすることで俺の目を…俺を夢から覚ましてくれるのなら、それでいい」
「しかし、それでは…」
「皆まで言わぬと分からぬか?」
視線が絡み合う。独特の威圧感を以って高/野は前/原の言葉を無言で制した後。
「このまま互いのものを刺激しあっていても、
 君より老いている俺が発射(い)くことは無いはず。
 顎が外れるまで君に咥えさせるくらいなら、
 敢えて自分を開いて受け入れることで
 君のその情熱に応えようと言っているんだ、早くしろ!」
頬を染めたまま視線を逸らし、いまだ躊躇している前/原に「命令」を下した。

その「命令」が下された瞬間、
「は、はい!」
びくん、と一度身体が震え、前/原は高/野からの「命令」に従うべく準備を始めた。
唾液を吐き出して濡らした掌で自分のものを包み、
「参りますよ…」
それからそれを高/野の入り口にあてがう。
「……っ!」
いくらかの嫌悪感を感じて高/野は身を硬くし息を吸った。
と、そこに前/原の声が響いてくる。
「いけません、総/長。
 力を抜いて下さらないと総/長が怪我をなさいます」
持ち上げられた膝頭やすぐ近くの太腿の内側に優しい口付けが降り注ぐ。
深く吸った息をゆっくり吐き出すのと同時に、
押し付けられた固いものが高/野の中に少しずつ収まっていった。
64310:05/01/26 04:16:40 ID:Fc5PAEcL
最奥を抉るように前進と後退をゆっくりと繰り返す、前/原の楔。
「……ぁ……く、かはっ……」
痛みの裏側に感じるじりじりとした熱い感覚が、
高/野の呼吸を激しく乱し、思わず咳き込みそうになる。
「……ぅ……ぉ……ちょう、つらくは…あり……あっ…く…!」
自分が組み敷いている男の身体を気遣おうとするが、
それ以前にその男の身体によって導かれていく愉悦に前/原の言葉が続かない。
「……前…原…、きもち……ぃい……のか?」
「は……は…い、……すご…く……」
泣きそうなのをこらえているかの如く声が震えている。
「その……すみません…もう…我慢が…」
急に荒々しい動きに変わり、同時に微妙に角度が変わったために、
「んっ、ああっ……!」
高/野の身体の内側で、最大にして最高の悦楽を感じさせる場所に触れられ、
年輪を重ねたようなその低い声が半音高くなる。

「すみません……そうち……ぉう…」
「あっ、あっ……あ、謝らなくて……ぅん、んんっ、ん!」
『謝らなくていい』と告げようとした声が、
外に漏れ聞こえそうなほど大きくなっているのに気づき、
高/野は慌てて口元を手で塞いだ。
「ん、んんんんっ、んんんッッ!!」
くぐもった声を響かせながら大きく身震いをしたかと思うと、
砲口を開き、前/原と自分の腹に。
それほど多くない白濁を幾度かに分けて浴びせかけた。
身震いと同時に自分を受け入れていた高/野の肉鞘がぐっと締まる。
「あ、ぁくっ、ううううッッ!!」
今にも涙を落としそうなほどの呻き声を上げながら、
前/原はその迸りを高/野の最奥めがけて解き放った。
64411:05/01/26 04:17:41 ID:Fc5PAEcL
「…総/長」
事後のけだるさに身を任せつつ、
「貴方のご命令であれば私はどこにでも行くし、
 どんな難しい任務でもそれを遂行できる最大限の努力を致します。
 しかし、これは…このことは、その交換条件などではありません」
前/原は高/野の隣に寝転びながら胸元を撫でさすっていた。
「違うならなぜ…」
なぜこんな狼藉を働いたのかと問い詰めようとする言葉を前/原が遮る。
「私が貴方のご命令に従うことは、結果的に貴方を護ることになりますよね?
 今までも漠然と感じてはいましたが、
 今日のこのことで自分の意思が明確になりました」
高/野は前/原に腕枕を与えながらその背中をゆるく撫でていたが、
「総/長、貴方をお慕い申し上げます」
その言葉に手が止まった。
「条件の有無に関わらず、私は自分の命を賭けてでもずっと貴方をお護りしたい。
 総/長には前世とは違う、希望に満ちた生活をしていただきたいので…」
前/原の上半身が軽く起き上がる。
「希望、か…。
 既に前世とは違う歩みを進んでしまったこの世界と同じで、
 俺の…いや君の将来もどうなるか分からんぞ」
高/野は今後のことをとっさに頭の中に思い描き、
前/原の願いに対して的確な答えを見出すことができず、苦笑した。
「ですから、どうか私をずっと貴方のおそばに置いてください」
64512:05/01/26 04:18:56 ID:Fc5PAEcL
公式には発表されていない秘匿艦隊ではあるが、
その艦隊の司令官、そして少将という階級は
まだ若い彼にとっては、それが前世であれば過分すぎる地位である。
その前/原が自分をそばに置いて欲しいとはいささか欲が過ぎないか、とは思った。
「今の地位では不満か、前/原?」
高/野がそう訊ねるのも無理はない。
「いえ、そうではなくてですね…」
しかし質問に対する彼の答えは高/野が予想していなかったものだった。
一瞬視線が合わさったかと思うと、
「ん……っ…」
唇を食むような口付けをされて、
「もしお許しをいただけるのなら、この戦争が終わっても
 ときどきこうして…総/長とお逢いしたいのですが…」
高/野の眼は自分をいとおしそうな瞳で見つめる前/原の顔を見つめていた。

ああ、そういうことか。
この男は豪快で、大胆で、剛健で。
それでいて温和で、献身的で、誠実で。
常に自分のそばにいるわけではないのに、
そばにいてくれるだけでこんなにも心が安らいでいる。
本来ならば自分がこの男を護ってやるべきなのに。
敵わない、と思った。
「いけま…せん……か?」
数刻待っても高/野からの返事が得られなかった前/原は、
その瞳を不安そうなものに変えて問いかけた。
それはまるで悪戯を咎められて打ちひしがれている子犬のようで。
何も言わずに高/野は少し微笑んで、
床に落としていたもう片方の腕を前/原の背中に回し、そのまま抱き寄せて口付けた。
「君が俺の中に放った瞬間、俺もこのままずっと君がそばにいてくれれば…と思った」
という言葉を喉奥に飲み込んだままで。
646風と木の名無しさん:05/01/26 04:20:07 ID:Fc5PAEcL

 ____________ 
 | __________  | 
 | |                | | 
 | | □ STOP.       | | 
 | |                | |           ∧_∧ 以上です。 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 

性格描写、心理描写が今一つ詳細に書き込めていなくて申し訳ないです。
…というか、OVA見てても大砲やら魚雷やらでドンパチやってるシーンが多すぎて、
登場人物の個々の性格が判断しにくい…orz
647風と木の名無しさん:05/01/26 10:04:11 ID:5CXRsXfE
ビデオ棚初見で知らないジャンルも多いけど
グッジョブ!
648風と木の名無しさん:05/01/26 12:51:00 ID:Ygt8izBp
>>633
姐さんGJ!_ト ̄|○ノシ 
自分は原作しか読んでない上途中脱落者ですが萌えますた!

649エロなし。燃え>萌えかも…:05/01/27 22:37:54 ID:KPAVx83l

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  緑の皇子様と元のボスの話だよ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  2厘ライダーっていわないとわかんないって。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

6501/3:05/01/27 22:40:06 ID:KPAVx83l
彼が笑っている。日本GP表彰台のいちばん下で。なのに満面の笑みを隠そうともしない。

彼のほんとうの笑顔を見るのは難しかった。
日本チャンピオンにもなった。世界の舞台で表彰台の頂点に立ったことさえ何度もある。
歓喜の輪の中、しかし彼のはにかんだような笑顔の奥の目はいつも冷たく澄んでいた。
「次のレースのことを考えてるんです」
真直ぐに先を見据える視線に圧倒された。
その彼が笑っている。
こぼれた涙さえ純粋な喜びに染まっていた。
「ちくしょう」
これは嫉妬なのか? あの真直ぐな視線の先は…。

俺が覚えているのは悔し涙だ。
声はなく見開いて前を見据えた瞳から、こらえきれずあふれ頬を伝う雫が綺麗だと思った。

1999-2000
Gピーにやってきた彼はいかにも華奢で、大事に育てられたのだろう、
黒目がちのきらきらした目でこちらを見る。
生き馬の目を抜くこの世界で、誰かが守ってやらねば、とてもやっていけまいと思った。
だけど、俺のYゼットR250をチャンピオンマシンにしたのは彼だ。
俺は、彼をチャンピオンにしてはやれなかったけれど。
OJがチャンピオンにふさわしくないといいたいわけじゃない。
ただ俺のなかではあいつなんだ。
逆境にあっても、常に前向きであきらめない芯の強さを俺は愛するだろう。
6512/3:05/01/27 22:40:59 ID:KPAVx83l
2001
500に上がり、俺の手許にきた彼が可愛かった。
当時、我の強い外人どもを相手に神経をすり減らしていた俺に、彼の素直さが眩しかった。
声をかけると優しげな笑みを浮かべ頷いて返す。 他人への気遣いも忘れない。
周囲の期待を受け止め、決して裏切らなかった。
俺は「そんな優しい気持ちじゃ勝てないぞ」と発破をかけたっけ。
だが誰よりも、彼の素直さに癒され勁さに救われたのは俺だった。

2002
戦闘力の劣るマシンに苦しむ彼を見るのがつらかった。
それでも、真直ぐに俺を見るその目から輝きが失われることはなかった。
状況は悪くなるいっぽうで、俺は彼を走らせるために手を尽くした。
思わぬチーム変更は、彼がずっと寄せてくれていた信頼を裏切るかたちで伝えられた。
深く傷付いた心のようすをありありと映す黒い瞳。
浮かぶ影は失望なのか?
心をうずかせる、彼の目をこれ以上見つめることができなかった。

2003
はじめての体制で苦労しているだろう。苦しい戦いを強いられていた彼。
このままでは、その真直ぐな性格、輝く才能はやがて殺されてしまうだろう。
俺は、必死で上に訴えたが、どうすることもできなかった。
彼がここを出ると言ったとき、
それでもなお引き止めたい気持ちを抑えられなかったのは何故だろうか?
「茨の道は承知のうえです。でもここに留まることは…。」
彼をほしがっているところがある。厳しい道だ。
俺には、もはや彼をここにとどめる力はなかった。
「そうか。がんばれよ」
そう伝えるのが精一杯の餞だった。
6523/3:05/01/27 22:42:15 ID:KPAVx83l
シャンパンの飛沫を浴びる彼を眺めながら、あのときの彼の言葉を思い出していた。
「自分をいちばんに求めてくれてるなら、それに応えるべきだと思いませんか」
「自信もあります。勝ちたいんです」
真直ぐに俺の目をとらえた大きな瞳は、
過酷な日々にスポイルされるどころかさらに強い光を宿していたじゃないか。
それを受け止めることもできず、逃げたのは俺だ。

2005
「自分をいちばんに求めてくれてるなら、それに応えるべきだと思いませんか」
27年を捧げた会社を離れた俺は、再びサーキットに戻ってきた。
ゆっくりと歩を進め、めざす先は…。
「イ衣田さん!」
ピットの奥から飛び出してきた彼。
俺の気のせいなのか? 彼の目は…
「なんだよ?」
おまえは、俺が表彰台のてっぺんに上げてやる。
だから、とっときの笑顔はそん時までとっとけよ。
653風と木の名無しさん:05/01/27 22:43:11 ID:KPAVx83l
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おしまい
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ちょっとドリーム過多でした。各方面の皆様笑って流してください。
654風と木の名無しさん:05/01/29 16:21:19 ID:jOxFOQSZ
>649
GJ!燃え&萌え〜!
今年も楽しみだ。がんがれ皇子&イ衣田さん!
655風と木の名無しさん:05/01/30 00:34:48 ID:3e3HaBud

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  蜂蜜&四葉 の 盛田×間山 なんだけど……
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  名前伏せなくてもよかった?
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )  ナントナク フセジニシテミタゾ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

6561/8:05/01/30 00:38:58 ID:3e3HaBud
 
 
 竹本が入学した年の春、俺は盛田さんに抱かれるのをやめた。
 
 
 その日は毎年恒例の花見だった。
 
 夜桜は街灯に照らされて白さを増し、
 その根元には次々と空になった酒の缶や瓶が積まれていった。
 盛田さんが買った酒だった。
 盛田さんは珍しく一言だけ「酒代」と言って、バイトで稼いできた金の中から一万円を出した。
 珍しい、あの盛田さんがおかしいとは思っていた。
 
 俺よりも少しだけ背の低いその先輩は今年もまた桜の下で熱唱している。
 黒く真っ直ぐな髪の毛が少しだけ揺れる。
 昨夜はもっと間近であの揺れる髪を見て、そして触れていた。
 ビールから始め、気がつくと手の中の紙コップには日本酒がなみなみと注がれている。
 ぼんやりとした頭で、もうあの人に抱かれることはないだろうと思っていた。
 
 その頃俺は携帯の着メロの中にムーンリバーを入れようか考えていた。
 その反面、山田に色々言われつつも、
 合コンに行っては気の合った女の子を持ち帰る日々だった。
 自分の気持ちを、微かな恋心を持て余していた。
 そして時折盛田さんに抱かれていた。
 自分で自分を持て余していた。

6572/8:05/01/30 00:45:33 ID:3e3HaBud
 
 最初に「しよう」と言ったのは盛田さんだった。
 何の冗談かと思って笑い飛ばそうとした。
 けれど、しばらく無言でこちらを見ていた盛田さんが、
 少しだけ体を動かして手の平で俺の後頭部を引き寄せ、唇を寄せた時、
 なぜだか逃げられないと思った。
 そのままキスを受け入れた。
 
 盛田さんはいつものふざけた様子もなく、なぜかほとんど無言だった。
 部屋の畳に体重をかけていた自分の手が、少しだけ汗ばむのがわかった。
 唇を離して盛田さんがもう一度言った。
「しよう」
 ああ、つかまった。ふとそう感じた。
 
 なぜ盛田さんんがそんなことをしかけたのかはわからない。
「なんでですか」
 と聞いてもへらへら笑うだけだった。
 もちろん「好きだ」なんて言われたことなんてない。
 そして、なぜ自分が受け入れたのかも。
 きっとタイミングが合ったのだろう。
 それだけだ、そう、それだけだった。
 
 俺は少しだけ身長の低い、得体の知れない先輩に抱かれた。
 先輩の指はやさしかった。
 ふと自分が男だと忘れそうになるほどに。不思議と嫌悪感もなかった。
 眼鏡を外さないと壊れたら困る、頭の片隅でそんなことを考えていた。
 けれど盛田さんは眼鏡を外してくれるような人ではなく、
 それでいて不思議なほど手馴れていた。


  
658風と木の名無しさん:05/01/30 00:50:17 ID:3e3HaBud
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | ┃┃ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・; ) 緊急一時停止!
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

わわ!すみません!!ちょっと一時停止。
他に投下のある姐さんたち、気にせず他の作品投下してください。
中途半端ですが、すみまsん!
659658:05/01/30 01:09:00 ID:3e3HaBud
ああ……すみません、3〜8をうっかり消してしまいました……・・・_| ̄|○
保存しておけばよかった(´・ω・`)
ものすごく中途半端で申し訳ないのですが、
ここで STOP(・∀・) にさせて頂きます。
また続き書いたらupさせて頂くかもですが、スレ汚しm(_ _)mスマソでした……。

ワードパット消そうと思って、メモ帳消すなんて……自分にびっくりだ。
660風と木の名無しさん:05/01/30 01:29:33 ID:kt5tcRQH
(*´Д`) 放 置 プ レ イ ディスカ――!!!

原作に近いふわっとした切ないふいんき(←ry)が堪りません。
続きが出来たら是非…!
661風と木の名無しさん:05/01/30 02:10:57 ID:N31YtZwa
>>658->>659さん
うわぁ、原作知らないけど続きが気になる展開だっただけにとても残念です。
めげずにどうか再構成がんばってくださいね。

ではお言葉に甘えて>>658さんの代わりに
短めのを次レスから投下させていただきます。
662 ◆ST2TfteQ8. :05/01/30 02:12:35 ID:N31YtZwa
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
                    |  映画「g/e/r/r/y(ジ/ェ/リ/ー)」補完編モナ 
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  Kジ/ェ/リ/ー×Mジ/ェ/リ/ーだって 
 | |                | |            \ 
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 激シク ネタバレ ダ ゴルア! 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚#) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | 

映画本編をご覧になってない方でこれから見ようと思っている場合は
念のためトリップ入れときますので、どうかスルーでお願いします。
シチュエーションそのものが思いっきりネタバレしておりまして、
場合によっては本編に対するイメージを暴力的破壊力でぶち壊してしまうので…。
663g/e/r/r/yの1 ◆ST2TfteQ8. :05/01/30 02:16:21 ID:N31YtZwa
「このハイキングは楽しいか?」
唐突に奴にそう聞かれて、俺は腹が立った。
「ああ、楽しいぜ」
ぶっきらぼうに、しかし奴がまだ俺の「親友」であることを
頭の隅で感じながら答える。

ところどころ白い部分があるが、青い色が視界いっぱいに広がっている。
見飽きたその光景を見続けたくなくて、俺は目を閉じていた。
奴も同じように、俺の隣に砂の上に寝そべっている。

「……もうダメだ。俺はここに残るよ」

聞こえなかったことにしたい、と思った。
が、奴の声が耳の奥でこだまのように繰り返している。

奴の手が俺の手に伸びる。
一度は振り払った。
しかし再び奴の手が触れたとき、
俺は半身を起こして奴のシャツの襟口を掴んだ──。
664g/e/r/r/yの2 ◆ST2TfteQ8. :05/01/30 02:17:52 ID:N31YtZwa
「ジ/ェ/リ/ー、嘘だろ?」
奴は答えなかった。
「嘘だよな? 嘘だって言えよ」
襟口を掴んだまま頭を揺する。

焦点の定まらない眼で俺を見ながら、
「ジ/ェ/リ/ー、幻だよな?」
と奴は言った。
俺の理性はそれまで辛うじて塊の状態を保っていたのに、
奴のその言葉で砂のように崩れ、頭の中を拭き抜ける突風に飛ばされていった。

くそったれ!
俺がこうして触れているのに、頭を揺すっているのに、
奴は俺を「幻」だと思ってる。
だったら、幻と思えないような行動を仕掛けてやろうか、ええ?

ずいぶん前から俺は奴のことを「親友」だとは思えなくなっていた。
だがそれを奴に知られないように、悟られないように、
細心の注意を払いながら奴とつるんできた。
まともな精神状態なら頭の中でストップが掛かるだろうが、それももう限界だ。
こんな形で「親友」を解消するのは不本意だったが、
俺は以前から奴とそうなりたい、そうしたいと思っていたことを実行に移す。
665g/e/r/r/yの3 ◆ST2TfteQ8. :05/01/30 02:19:47 ID:N31YtZwa
俺は乾いて皮がめくれ上がった唇で、
同じように乾いている奴の唇に触れた。
何度か触れた後、口中に舌をねじ込む。
互いに乾き切った口腔を、これまた乾いた舌でまさぐるのはちょっと痛みを伴う。
が、しばらくするとほんの少しずつ湿り始めてきた。
「………ふ……ぅ……」
微かに吐息が乱れたようだが、奴はそれ以上声を上げようともしない。

そのまま性急に奴のシャツの裾から腕をこじ入れ、
お世辞にも厚いとはいえない胸板をまさぐる。
頂点の小さな丸い肉粒を捏ね上げ、ひねり摘まむ。
男とはいえ、他人の肌に触れるのは気持ちがいい。
それまで散々触っていた岩やら砂やら潅木やらに比べれば極上の触り心地だ。

首筋を舐め上げつつベルトを緩め、ジーパンのファスナーを下げる。
下着の割れ目から奴のそれを引っ張り出したが、ほとんど反応していない。
足の間に身体を割って入れ、力なくしぼんでいるそれを手の中に包み込んだ。
「…俺が今……お前にしていることは…、幻か?」
返事は無かった。
俺はなんとか唾液を溜め、上下に揺すりながら奴のものをしゃぶり続ける。

もっと時間を掛けて、丁寧に奴を悦楽に導いてやりたかったが、
もたもたしてればこっちの体力もこの過酷な気候に奪われかねない。
俺は素早く下半身だけ着衣を脱いで、
風に飛ばされないように奴の尻の下に押し込んだ。
そのまま膝立ちになって奴の身体に跨る。
7割くらいの硬さで勃ち上がった奴のそれを俺の入り口にあてがい、
一気に腰を下ろしてその肉塊を身体の中に受け入れた。
666g/e/r/r/yの4 ◆ST2TfteQ8. :05/01/30 02:21:07 ID:N31YtZwa
「うぅっ…!!」
自分のものとは思えないほどかすれた悲鳴が喉元から零れた。
どんなに願っても叶わないことと思いつつも
俺は自宅で「いつかやってくるその日」のために、
いくらか慣らし行為を行ってはいた。
とはいえローションも無く、代わりに絡め付けた唾液も乏しい
この状況ではかなり滑りが悪い。
ひどい痛みが内部から伝わってくるが、俺はそれを抜こうとは思わなかった。

そろそろと腰を揺する。
痛みの後ろに、背筋をぞくぞくと駆け上るものを感じる。
だらしなく投げ出された奴の両手を押さえつけ、
ゆっくりと、しかし大胆に抜き差しを繰り返す。
「……ぁ、な…あ……、これでも俺は……
 お前と……こんなことを…している……俺は幻…なのか…?」
次第に身体に熱を帯び、浅い呼吸しかできなくなっていく。
奴に問いかける言葉が途切れがちになる。

奴が俺の腔内を味わっているか、
奴が俺と同じように愉悦を感じているかなんて、
もうどうでも良かった。
ただ俺は自分を感じて欲しかった。
俺を。
俺という「存在」そのものを。
奴の頭から消して欲しくなかった。

俺は夢中で腰を振り、奴のものを内側で揺すり、
本能の赴くまま快感に身を委ねる。
女のように腰をうねらせながら自分で自分のものを扱き、
「ぁ、……あ、………俺……もう…い………、ぅッッ!!」
少しだけシャツがめくれ上がった奴の腹に、俺は白濁を飛び散らせた。
だが俺の中では奴のものが爆ぜる感じがしなかった。
667g/e/r/r/yの5 ◆ST2TfteQ8. :05/01/30 02:22:23 ID:N31YtZwa
荒い呼吸を整えながら服を着直し、奴の着衣も整えてやる。
無理矢理こじ入れたせいで切れたらしく、体内に痛みを感じる。
おかげで自分の着替えはおそろしく緩慢なものになった。
ジーパンのポケットに押し込んだシャツで奴の腹の上に残った
俺の残滓を拭き取った後、そのまままた奴の隣に寝転ぶ。

眼を開けていると、そのまま空の青と、雲の白の中に、
自分の存在が溶けて消えてしまいそうで。
静かに上下の睫毛を合わせ、わずかな抵抗を試みる。
「ジ/ェ/リ/ー……、俺はまだ幻か?」
俺は奴の言葉を待った。

どれくらい経ったのか分からない。
とても長い時間が経ったように思えたが、
実際にはそんなでも無かったのかもしれない。
俺の耳に、奴の言葉が聞こえた。

「…ああ……」

俺は再びもつれるように奴に自分の身体を絡ませながら、
奴のシャツの襟首をつかんだ。
胸くそ悪い倦怠感が俺の全身を包んでいて、
なかなか力が入らない。
俺は歯を食いしばり、目を閉じ、
シャツの襟首を交差させ、そのまま左右に引っ張った。

実際には俺が「幻」を消さなければならない「ジ/ェ/リ/ー」に。
例えようの無い気分の悪さが頭の中いっぱいに広がる。
奴の頬に1粒だけ、俺の涙が零れ落ちた──。
668 ◆ST2TfteQ8. :05/01/30 02:23:19 ID:N31YtZwa
 ____________  
 | __________  |  
 | |                | |  
 | | □ STOP.       | |  
 | |                | |           ∧_∧ 以上です。  
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  
 | |                | |       ◇⊂    ) __  
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |  
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |  

細かい描写でねちっこく書くよりは
映画に合わせてさらっと書いた方がいいかなと思い、全体に軽く書いてみましたが、
同時に肝心のエチーシーンも駆け足で通り過ぎてしまったかも。
軽すぎて申し訳ない。
669極先・早流:05/01/30 13:28:21 ID:/ex4/R4x
触れたくなるのは。

仕方がないこと。


側にいるだけじゃ、

物足りない。




「…リュウ、お前なんだよ。その口元の傷」

「これ?昨日○○高の奴とケンカしたんだよ」


いつものことだろ、と言わんばかりのリュウの表情。

俺もいつもなら笑って流す。


だけど今日の俺は違っていた。

670極先・早流A:05/01/30 13:29:41 ID:/ex4/R4x

「───俺の知らねぇとこで、こんな傷つけんな」


溢れる気持ちが、そろそろ限界。

俺はそっとリ/ュ/ウの口元に触れた。


「…ハ/ヤ/ト…?」

「…消毒、しねぇとな」



言葉になんて出来ない。

だからこの唇から伝わってほしい。




渇いた血の味と甘さが混じった、僕らの初めてのキス────





END
671風と木の名無しさん:05/01/30 17:35:00 ID:NlpqsASd
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  語句戦2、槌と岳のネタです。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  槌岳サイト見当たらないので自分で書いてみたョ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 早流ジャナイノカー
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1106402118/l50
591000で801スレからの出張でスマソ。
672語句戦2 槌岳 1/2:05/01/30 17:37:45 ID:NlpqsASd
後悔をしたキスは初めてだった。

学ランの襟元をぎゅっと握られて、我に返った。
まだあどけなさが色濃く残るその目元が、ほんのりと桜色に色付いていた。
薄く開かれた唇は濡れていて、それを指先でつう、と拭う仕草は、
けれどもその子供っぽい容姿からは想像もできないほどの色香を放っていた。
「………」
「……つ/っ/ち/ー、…」
名前を呼ぶ声が、ズキンとこめかみに響いた。
困ったように顔をしかめる岳多の、非難するような視線から逃れようとして、
槌野は所在無く瞳を反らした。
「キス、下手だ、なんて…、ウソばっか」

屋部木や織田斬とずっと一緒にいたんだから、少なくとも自分よりは
“そういう”経験値が高いものだと思っていた。
だから、おまえほどじゃない、と言った。
その話題に食い付いてきて、じゃあ試してみる?とけしかけてきたのは、槌野ではなく
むしろ岳多の方だった。
「なんでそーなるんだよ」
「いーじゃん、キスくらいでケチケチすんなって」
「そーゆー問題じゃ…」
ひょこ、と膝の上に跳び乗った岳多が、得意げに槌野を見下ろす。
黙っていれば、確かに可愛い部類に入るんだと思う。
屋部木たちに守られて育ったというのも、なんとなくわかる。
「ほらー、早く目閉じる!」
こんなところをヤツらに見られたりしたら、ただじゃ済まされないだろう。
槌野は観念したように目を瞑った。
とりあえず岳多の気が済むようにしてやれば、こっちに厄災は降ってこないだろうと思ったからだ。
673語句戦2 槌岳 2/2:05/01/30 17:39:31 ID:NlpqsASd
雰囲気に飲まれた、と言えばそれまでになる。
絡ませた舌の動きに岳多が身体を固くしたのを、抱き寄せた腰の感触で気付いてはいたけれど。
「〜〜〜っ」
かける言葉が見つからなくて、槌野はがしがしと頭を掻いた。
やっぱり、こんなことはするべきではなかった。
岳多と目を合わせられない。
「…なんだよ、なんか…悔しい」
すげぇ感じた。
ぽつりと呟いた岳多の一言に、思わず身体の中心が熱くなる。
膝に跨る岳多を慌てて突き放すと、机の上のカバンを二人分ひったくって、ドアへと歩幅を広げた。
「つ…」
「ほらっ、帰るぞ!!」
振り向きもしないで勢い良くドアを閉める。
槌野は、岳多が追いかけてくるのを待つこともなく、そのまま階段を駆け上った。
どくどくと脈打つスピードがいつもより速いのは、きっと今のダッシュのせいだと、槌野は思っていた。
674風と木の名無しさん:05/01/30 17:40:35 ID:NlpqsASd
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 短くてごめんね。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
以上。失礼しました。
675風と木の名無しさん:05/01/30 21:12:53 ID:2PGqWAKN
GJ!GJ!GJ!
短くても萌えたーよ!!
676風と木の名無しさん:05/01/31 00:09:13 ID:XHpEyaDm
槌岳萌え〜(´∀`*)
また書いてホスィ!
677風と木の名無しさん:05/02/02 17:08:44 ID:KnHWwjLN
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   ( ;,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧     ┌──────────────
   /  つ◇   (;・∀・)ミ  (` ;  )    < 太/陽/に(゚Д゚)!と言っていいのかどうか…
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒) └──────────────
  |            ┌^──────────────
  └──────│ …パラレル幼稚園児ネタだってさ…ナンダヨソレ
                └──────────────

上を読んで引いた方は今すぐ逃げて超逃げて。
678ななまがりようちえん 1/7:05/02/02 17:10:26 ID:KnHWwjLN
ここ、ななまがりようちえんは、きょうもげんきなえんじたちのこえでにぎわっています。
「こらー!はじめ!くつのままへやにあがってはいかんといっとるだろうが!」
おおきなこえのべてらんほいくしさん、いしづかさんはつうしょう「ごりせんせい」
おいかけっこをしていたはじめくんとじゅんじくんを、ふたりまとめてつまみあげました。
「おれがわるいんじゃない!じゅんじがおれのぼーるをとりやがったんだ!」
「はじめくんがぼくのくれよん、かえしてくれないからだろ!」
「ああもうおまえらは!けんかりょうせいばいだ。ふたりとものざきさんのてつだいをしてこい」
こんなえねるぎっしゅなまいにちがつづいています。
「あ、ぼすせんせーだ!」
えんちょうのとうどうせんせいは、こどもたちから「ぼすせんせい」とよばれています。
むかし、そつぎょうしたえんじがつけたよびかたで、だいだいうけつがれています。
「おはよう、みんなそろってるな。きょうは、あたらしいともだちがふえるぞ」
とうどうせんせいのうしろに、おとこのこがひっそりとたっています。
くりくりくせっけのくろかみの、おおきなめがいんしょうてきなこです。
「えんちょう、はらくんでしたね?」
「ああ、そうだ。ちょうどいい、ここでおひろめだ。みんなあつまってくれ」
こどもたちがぱたぱたとかけてきます。とうどうせんせいは、おとこのこをまえにたたせ
にこやかにいいました。
「はら まさゆきくんだ。きょうからみんなのなかまだ。なかよくな」
はーい、とげんきながっしょうがかえりました。
が、まさゆきくんはひょうじょうをかえず、ただたっています。
「まさゆきくん?」
いしづかせんせいがのぞきこむと、まさゆきくんはだまったまま、
ぺこりとあたまをさげました。
「よ、よし、みんなわかったな。まさゆきくんはこっちにおいで。
 ろっかーとくつばこのばしょをおしえよう」

まさゆきくんは、とてもむくちなおとこのこでした。
そしてだれともなかよくしようとせず、そっけないたいどをとるので、
よくほかのえんじとけんかになりました。けんかといっても、かたほうがいっぽうてきに
くってかかっているだけで、まさゆきくんはかおいろもかえずにだまっていることがほとんどでした。
679ななまがりようちえん 2/7:05/02/02 17:20:19 ID:KnHWwjLN
いちど、みんなのりーだーかくのあきらくんが、せっとくしたことがありました。
「ようちえんじだってなー、きょうちょうせいってもんがだいじなんだぞ?」
こしにてをあてて、とうとうととくあきらくんを、まさゆきくんはじっとみつめていました。
「もっとななまがりのえんじとしてのじかくをだなあ…」
「それで?」
しずかなひとことで、あきらくんのえんぜつをすっぱりたちきると、まさゆきくんは、
くちをぱくぱくさせるあきらくんをおいて、さっさといってしまいました。
「あいつ、かわいくない!」
あきらくんはふんがいしたようすで、こいしをけっとばしました。

「うーん、あきらでもしっぱいか。こりゃてごわいな」
かーてんごしにいちぶしじゅうをみていたとうどうせんせいは、かたをすくめました。
「どうもうまくとけこめんようでしてなあ。いや、とけこもうとしないというべきか」
いしづかせんせいもためいきをついています。
「りょうしんも、いちどもむかえにきたことがないんです。まさゆきも、はじめから
 まっているようすもなくて、じかんになるとひとりでしたくをしてかえっていくんです」
「ふむ、しょうしょうかていにもんだいありなのかもな」
「ですが、ほんとうはこころやさしいこだとおもうんですよ」
そういっておちゃをすすっているのは、ようむいんののざきさんです。もうずっとまえから、
ななまがりようちえんではたらいていて、えんじたちのおじいちゃんのようなそんざいです。
「わたしがうさぎごやのそうじをしにいくと、よくいるんですよ。うさぎやことりには、
 とてもやさしいかおをしています。わたしとも、すこしははなしらしいこともしてくれるんですが」
「わたしのところにも、なんかいかきましたな。もっとも、あきらがひっぱってきたようですが」
はくいのやまむらせんせいは、ようごのせんせいです。げんきなこどもたちはけががたえないので、いつもおおいそがしです。
「ころんだりけんかをしたものではないあざが、いくつかありましたよ。
 まさゆきにきいても、かたくなにこたえようとしませんでしたがね」
680ななまがりようちえん 3/7:05/02/02 17:21:45 ID:KnHWwjLN
「いろいろわけありのようですね。うちにくるまえはあちこちたらいまわしにされたとか」
「どんなじじょうがあるにせよ、ここにきたいじょう、せきにんをもってめんどうみようじゃないか。
 それがおとなのやくめってもんだ」
とうどうせんせいのことばに、おとなたちはおおきくうなずきました。

あるひのかえりみち、あきらくん・じゅんじくん・はじめくんは、かわらのくさむらで、
すうにんのしょうがくせいがあつまっているのをみかけました。
だれかをかこんでつきとばしたり、たたいたりしています。
さんにんは、かこまれているこのふくにみおぼえがありました。
「あー!まさゆき!」
あきらくんがとめるまもなく、はじめくんのおおごえに、しょうがくせいがふりむきました。
そのあしもとにうずくまっているのは、やっぱりまさゆきくんです。
「なんだよおまえら。やんのかよ」
しょうがくせいは、ごねんせいくらいでしょうか。からだもおおきく、かないそうにありません。
まさゆきくんも、ちらりとこちらをみましたが、すぐにめをそらし、なにもいいません。
ですが、さんにんはそのばからうごきませんでした。ともだちをおいてにげるなど、おもいもしませんでした。
どうやったらまさゆきくんをたすけられるか、ひっしにそれだけをかんがえていました。
「はじめ、おまえしょうめんからつっこめ」
「えー!? なんだよおればっか、ずるいぞあきら」
「おまえがおおごえだしたんだからな。それにな、「とっこうたいちょう」だぞ。かっこいいじゃないか」
「た、「たいちょう」か…。よし、おれがいく!」
あきらくんは、たんじゅんなはじめくんをうまくおとすと、つぎにじゅんじくんを
「まさゆきとなかよくなれるかもしれない」とせっとくしました。
(じゅんじくんは、いっしょにうさぎのせわをしていらい、まさゆきくんとともだちになりたいとおもっていました)
「おい、なんだよおまえらこそこそと」
「べつにー。だけどそこのやつ、ぼくたちのところのだから、かえしてよ」
681ななまがりようちえん 4/7:05/02/02 17:24:59 ID:KnHWwjLN
こわがりもせず、しれっといってくるあきらくんに、しょうがくせいはあっけにとられたようすでたちつくしました。
そのうしろで、まさゆきくんもびっくりしてこちらをみています。
「このちび!ようちえんじのくせになまいきだぞ!」
「そっちだってまだしょうがくせいだろ。こっちがようちえんじなのは、ぼくたちのせいじゃないもんな」
けしきばんでむかってくるしょうがくせいに、あきらくんは「いやだねえ、あたまのわるいのは」と
かたをすくめ、さけびました。
「はじめ、いけっ!」
はじめくんが、だんがんのようにとびだしました。さんにんのなかでいちばんちいさいはじめくんが、
ひくいしせいでつっこんだので、しょうがくせいはたまらずせいだいにころびました。
そのすきに、あきらくんとじゅんじくんは、まさゆきくんのところへかけよりました。
「まさゆき、だいじょうぶか?」
びっくりしたまますわりこんでいるまさゆきくんは、ぽかんとあきらくんをみています。
そのりょうてには、ちいさなこいぬをしっかりとだいていました。
「いぬ?おまえ、こいつのために…」
「ぎゃー、いでででで!」
「はじめくん!」
はじめくんのひめいとじゅんじくんのさけびに、あきらくんがわれにかえると、
はじめくんがしょうがくせいにつかみあげられています。
「やばい、はじめ!」
あわててかけよろうとしたあきらくんに、あったかいものがおしつけられました。
「へ?」
それはまさゆきくんがだいていたこいぬでした。こいぬをあきらくんにわたすとどうじに、
まさゆきくんはしょうがくせいに、いっちょくせんにつっこんでいきました。
「うわ、なんだこいつ!」
ふいをつかれてたおれたひょうしに、はじめくんはほうりだされ、
まさゆきくんはそのあいてにしっかりとしがみつきました。
「まさゆき!」
「にげて!はやくっ!」
まさゆきくんは、あきらくんをまっすぐみつめてさけびました。
「まさゆき…」
「まさゆきくん…」
682ななまがりようちえん 5/7:05/02/02 17:27:57 ID:KnHWwjLN
ぼうぜんとたちつくすさんにんのまえで、ほかのしょうがくせいもそうがかりで、
まさゆきくんをひきはがそうとします。
「くそお!このちび!」
それでもまさゆきくんは、はをくいしばってはなれようとしません。
「あきらくん!たすけなきゃ!」
じゅんじくんのこえでわれにかえったあきらくんは、たまらずさけびました。
「まさゆききゅうしゅつがさいゆうせんだ、そうりょくせんでいくぞー!」
「「おー!!」」

そのあとはもうらんせんです。からだがちいさいとはいえ「まさゆきくんをたすける」の
いちねんのようちえんじはてごわく、しょうがくせいたちはだんだんこわくなって、
およびごしになりはじめました。
「よし、いまだ、たいきゃく!ななまがりであおう!」
あきらくんはすきをみてまさゆきくんのてをひき、さんほうこうへばらばらににげだしました。

どれくらいはしったでしょうか。しょうがくせいたちがおいかけてくるようすはありません。
あきらくんは、こうえんのくさむらでほっといきをつきました。
かかえたこいぬがほほをぺろぺろなめてきます。
「わはは、くすぐったい」
てをつないだままのまさゆきくんは、だまってうつむいたまま、なにもいおうとしません。
あきらくんはなかばあきらめて、それでもこえをかけました。
「ようちえんにもどろうぜ。こいつ、のざきさんにみてもらおう」
こいぬはげんきなようすですが、あちこちよごれてしまっています。
「やまむらせんせいもいるかもしれないから、おれたちもてあてしてもらおうぜ」
まさゆきくんのてに、ぎゅっとちからがはいりました。
「まさゆき?」
「…どうして?」
「ほえ?」
まさゆきくんはかおをあげ、じっとあきらくんをみつめていました。
「あのままいけば、よかったのに…」
「は?」
「ぼくが、なぐられてたんだから、かんけい、なかったのに」
683ななまがりようちえん 6/7:05/02/02 17:29:18 ID:KnHWwjLN
「おまえ、そんないいかた…!」
いいかけて、あきらくんははっとしました。まさゆきくんのおおきなめがゆれています。
いまにもなきだしそうでした。
「けが、してる」
あきらくんのほっぺたに、まさゆきくんがそっとふれました。すこしちがにじんでいます。
「あー、へいきへいき。おれんちいしゃだけどさー、こんなのなめてなおせっていわれるぜ」
「…おいしゃさんなんだ」
「おう。おやじがいしゃやっててさ、むすこなんかほったらかしだぜー」
けらけらとわらうあきらくんを、まさゆきくんはおだやかなかおでみています。
「おまえんちさー、いそがしいみたいだな。いつもむかえにこれないし」
あきらくんがなにげなくいったことばに、まさゆきくんのかおがくもりました。
(やばっ)
あたふたするあきらくんにきづかないまま、まさゆきくんはぽつりといいました。
「ぼくは…ぼくは、いらないこ、だから」
あきらくんはぽかんとしたままかたまりました。
「ばっか、そんなわけないだろー!」
おもわずおおきなこえがでていました。
びっくりしているまさゆきくんに、なおもあきらくんはつづけます。
「あまえは、ななまがりようちえんにきたんだぞ?もう、なかまなんだぞ?」
「なかま…」
「そうだ。なかまだ、ともだちだ」
あきらくんはひとことずつ、いいきかせるようにはっきりいいました。
まさゆきくんはなきたいような、うれしいようなきもちで、よくわからなくなりました。
こんなことは、いままでなかったからです。
「ともだち…?」
「そう。…いやか?」
まさゆきくんはふるふるとくびをふりました。そして、とてもぎこちなくですが、ほほえみました。
(あ、わらった…)
あきらくんは、しんぞうがどきっとしました。あわててまさゆきくんのてをひいてたちあがります。
「ほ、ほら、もどろうぜ。あいつらももうかえってるだろ」
てれかくしのようにぐいぐいてをひっぱるあきらくんに、まさゆきくんはすなおについていきました。
684ななまがりようちえん 7/7:05/02/02 17:30:58 ID:KnHWwjLN
そのご、ふたりはこいぬをのざきさんにあずけ、やまむらせんせいにてあてをしてもらいました。
「どんなぶゆうでんだったんだ?」
そうきかれ、さきについていたはじめくんとじゅんじくんが、とくいげにはなしてきかせました。
とうどうせんせいもまじって、なごやかにはなしははずみます。
「でもなあ、としうえがあいてでもけんかはかんしんしないぞ」
「だってぼすせんせー、さきにまさゆきいじめたのはあっちなんだぜ。せいとうぼうえいだよ」
「まったくあきらは、どこでそんなことばをおぼえてくるんだか…」
やれやれとかたをすくめながら、とうどうせんせいはあたたかなきもちで、こどもたちをみつめていました。

つぎのひ、とうどうせんせいはえんちょうしつから、かけまわるえんじたちをみまもっていました。
ふと、あるこうけいがめにはいり、せんせいはへやをでて、にわのかしのきのしたへあるいていきました。
「まさゆき」
こえをかけられて、びくっとふりかえったまさゆきくんは、きまりわるそうにめをそらしました。
きのかげから、ひっそりとまさゆきくんがみていたさきには、あきらくんたちさんにんぐみが
げんきにあそんでいます。
とうどうせんせいは、えがおでまさゆきくんをだきあげました。
「のざきのおじさんも、ごりせんせいも、みーんなまさゆきがすきだぞ。
 まさゆきがきてくれて、すごくうれしいんだ」
しずかなことばを、まさゆきくんはじっときいています。
「まさゆきは、ここがすきか?」
「…はい」
ちいさなこえでしたが、まさゆきくんははっきりとそういいました。
「そうか、よかった。うんうん」
せんせいは、まさゆきくんのかみをやさしくなでました。
「はじめもじゅんじも、あきらもみんなまってるぞ」
そのなまえがでると、まさゆきくんはほほをそめてもじもじとうつむきました。
「あいつらもすきか?」
「……すき」
もっとちいさなこえで、まさゆきくんはこたえました。
685ごじつだん:05/02/02 17:31:43 ID:KnHWwjLN
まさゆきくんがたすけたこいぬは、きちんとびょういんでちりょうをしてもらったあと、
ようちえんでかうことになりました。なまえは『じぷしー』。
「いろんなばしょをたびしてここにきたんだから、ぴったりだろ」
と、なづけおやのあきらくんはとくいげです。
(まさゆきとおなじだしな、なんていえないけどな)
じぷしーとえがおであそぶまさゆきくんを、あきらくんはちょっとくすぐったいきもちでみていました。


「すっかりほごしゃのかおですな」
「あきらには、てんせいのりーだーしっぷがありますね」
「うむ、しょうらいゆうぼうだ」
686風と木の名無しさん:05/02/02 17:33:50 ID:KnHWwjLN
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                           ソシテ ダレモイナクナッタ 

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アンザイ先生…楽しいです…_| ̄|○
687御久先 早流 1
流は中学は竹と早戸とは別れてたって設定で・・・。

 幼馴染の流と再会したのは高校の入学式の日だった。 
 およそ3年ぶりに会う流は声をかけると少しだけ口元を綻ばせて微笑った。
 高校生活なんてくだらないと思っていたけど、
流と一緒なら少しは楽しくなるかもしれないなんて思った。
 竹はしきりと流に昔話をしたり入学式が終わったらどっかいこうだの
嬉しそうに話し掛けていた。
 流はそんな竹の話にああとかうんとか相槌くらいしか返事を返さなかったが、
どこか優しそうな目で竹を見ていた。
「何?」
 ふいに流と目が合い尋ねられて、俺は流をじっと見ていたことに気がついた。
「いや、なんでもねー・・・。」
 その後、早く体育館へ入れと先公達に促された俺達は仕方なく
体育館へ向かった。
「行こう、流!」
 竹はそういって、流にまとわりついたまま、流の腕を取って
体育館へ向かった。
 竹と流の後ろを歩きながら俺は、
今まで男に対して持った事のない感想を持った自分に対して疑問を感じていた。
 竹は、可愛いと思う。多分他の奴らもそう思ってる。きっと間違ってない。
 でも、流は綺麗だと思った。
 薄い肩も目も唇も綺麗だと思った。