それはまだ内緒vv
つーかそこまでみなさんつき合って頂ける?
この亀のような進行具合で(^^ゞ
舌先で裏側をなぞり、絡ませながら強く吸い上げると果汁の混じった唾液が流れ込んでくる。
徐々に荒くなってくる吐息に混じる、甘い果実の芳香。
ボタンを片手で外しながらシャツの間から胸に手を這わすと、つつましやかな胸の飾りはもう固くなりかけていた。
そこをやさしくつまみ上げてねじる様にこすりあわせると、マーグの身体がびくんとはねる。
絡ませた舌からもそれが伝わり、ワールはますます夢中で口腔内を蹂躙した。
こりこりと先端を引っ掻くように刺激してやると、そこはますます固くなり、マーグは苦しげに身をよじらせる。
きっとあの果実より赤く熟れているのだろうと、ゆっくりと肩を外して白い肌を露出させ、
優しく華奢なのど元に唇を滑らせた。
唾液が糸をひいてマーグの口元から垂れる、そして甘いあえぎ声がワールの耳をくすぐる。
「…ぁああん…はぁあ…あん…」
唇がゆっくりとすべり、白い肌の上で一際存在を主張している赤い果実の片方を捕らえた。
唇の端で優しく挟み込んで、燻らせながら舌先で転がす。
「…あああん…や…いや…」
びくびくと身体を振るわせながら漏れる声は甘い、舌先で味わっている果実はもっと甘い。
触れさせたくない、誰にも…皇帝にも誰にも…
背を支えている左手を下にずらし、着衣の上から双丘の間をえぐる様に刺激し出すと、
マーグはいやいやと首を振りながら腰を擦り付けて来た。
その中心は着衣の上からも解るほど、張りつめて来ている。
ワールはゆっくりとソファーの上に横たえると、下着ごと着衣をとりさった。
膝裏を持ち上げて口付ける、蒼ささえ感じる白い大腿は強く吸い上げる度に小刻みに震え、
もうすでに中の色を見せ出した蕾を見えかくれさせる。
立ち上がっている少年自身からとめどもなく透明な雫が垂れ、蕾をつたいソファーを汚した。
雫がそこに触れるだけで刺激になるのだろう、びくびくと跳ねる華奢な身体。
たまらなくなってそこに舌を這わす。
解れかけているそこは、舌先で触れるだけで簡単に侵入を許した。
血の色をした柔らかい内壁に舌を入れると、マーグの身体が大きく跳ねる。
「…や…いや…いや…」
懸命にワールの頭を外そうとする手を押さえ込み、さらに奥に舌を這わした。
くちゅくちゅと響く淫媚な音に、マーグのすすり泣く様な喘ぐ様な、甘い声が重なる。
「…ぁあん…いやぁあ…あん…っと…もっと…ぁあ…もっと…」
ワールの顔は、垂れる雫でてらてらと光る様に濡れていた。
ソファーに垂れる雫が、マーグの物なのか自分の唾液なのかもう解らない。
いきなり2本の指を差し入れると、一際高く上がる声、やすやすと3本目の指まで飲み込み、
絡み付いて離そうとしないそこをぐちゃぐちゃとかき回すと、マーグは腰を振ってねだって来た。
「…もっと…もっと…ワール…して…して…」
恍惚の表情のマーグは、さらに大きく足を開いて腰を揺らす。
自分自身に指を絡めてしごき出そうとする手を払い、ワールはゆっくりと自身を引き出し、
自分を誘う様にうごめく赤い蕾に先端を当て一息に貫いた。
「…ああああっっ…いいぃい…あああぁあっっ…」
白濁した雫が飛び散り、ワールの服を汚す、
それだけの刺激で達してしまったマーグの息が整うのを待って、ゆっくりと動き出す。
雫が垂れている先端を優しく拭う様に刺激してやると、そこは又立ち上がって来た。
白い肌に夢中でいくつも赤い花びらを散らしながら、
次第に激しく突き上げていき強く強く抱きしめる。
渡したくない…だれにも…
今日皇帝に直接言い渡された、次の作戦でマーズを始末できなければ、マーグを城に戻す様にと。
『どうしてですか?マーグの後見は私のはず…』
『マーグは公式にはマーズとともに、わしの王子だ、おまえには成人するまで後見として預けているにすぎぬ。』
『しかし…』
『そろそろ城に戻してもよかろう』
『陛下、マーグは今体調を崩しており…』
言いかけたワールを皇帝は鉛よりも重い声で制した。
『ワールよ、情が湧いたか?マーグはマーズに対する切り札となる、おまえも解っておろう?』
『それは…』
言いよどむワールに皇帝は面白げに呟く。
『いや、解っているからこそか…』
『陛下、次は必ずマーズを倒します、ですからこの件は…』
『ならばワールよ、必ずマーズを倒せ、それがならぬ時はマーグを城に戻す。』
『陛下!』
『返して欲しくば、マーズを倒せ、おまえがマーズを倒せばマーグは生涯お前の元に遣わせてやろう、
しかしおまえがマーズを倒せぬその時には…解っておろうな?』
『…御意…』
「…マーグ…マーグ…」
「…はっぁあん…ひぃいい…あ…いいっっ…ワール…ワ…あはぁあ…」
蒼いサファイアの瞳、柔らかい唇、華奢な肢体…
いつのまにかこんなにも愛してしまった少年。
…殺さなければ、早くマーズを殺さなければ…
皇帝は気付いてしまったのだ、マーグが2重の意味で人質になりえると。
それはマーズと自分…
…殺さなければ…早くマーズを殺さなければ、マーグが殺されてしまう…
腕の中の少年を一際強く抱きしめながら、ワールは強く決意していた。
>>338 無論!!!!!
姐さん二日連続おつかれさまです!!!
続きが楽しみです。
被虐の青い鳥続きぎぼんぬ!!
最近書き込みないね・・・・。
(´・ω・`)ショボーン
346 :
風と木の名無しさん:03/10/10 17:30 ID:vuDtbMFs
初めましてーここにこんな神スレがあるとはしりませんでした
懐かしすぎて涙が出てしまいました
被虐の青い鳥は名作ですね!是非書き続けてください
そのうち私も落としにくるかも・・・・
被虐の青い鳥の姐さん、続き、首をながーくして
待っておりやす。
気になって眠れません・・・。
「一揆に迫れ!」by麻樹良 その他
「思わず興奮」by今あゆみ
知っておられるか?
>348
>「一揆に迫れ!」by麻樹良
懐かしい〜v
ちなみに私、「突然最終回」vol.1持ってる。
うさぎ堂さんがいた頃の・・・知ってる人なんているかなぁ?
yes
…何をしている?…
「え?」
タケルはあわてた辺りを見回した、誰もいない…いるはずがない、
ここは宇宙空間だ。
…何をしているマーズ…
直接頭に響いてくるこの声は…
「あなたはだれだ?どこからオレに話しかけているんだ?」
心なしかタケルの声に安堵の色が混じる、それもそのはずタケルは二度ともどらないつもりで地球を出て来たのだ。
…どうしてそんな所にいるのだ?おまえがいる場所はそこではないはずだ…
その声に思わずタケルは叫んでいた。
「しょうがないじゃないか!オレがいるから地球は攻撃を受ける、ギシン星の狙いはオレと、このガイヤーだ、オレさえいなくなれば地球は攻撃を受けなくなる…」
いいながらタケルの声が徐々に震えてくる。
…止めてくれたのは母さんだけだった…
タケルがギシン星人と知られたあと、クラッシャーの仲間すら、あからさまに悪意の感情をぶつけて来た。
そんな中でもたらされた一つの情報。
『ガイヤーとマーズをギシン星の皇帝はほしがっている』
ならば明神タケルが地球からいなくなればいいのではないか?
そんな声があちらこちらから聞こえてくる、聞こうとしなくても聞こえてくるのだ。
『しかし、どうする?殺すわけにはいかないぞ。』
『殺さずとも、地球を追い出せばいいだけではないか。』
『しかし、どうする?怒らせてやけになられては元も子もないぞ。』
上層部のそんな声が自分の頭に流れ込んでくる、まわりの声も流れ込んでくる。
『なんであいつのおかげでこんな目に遭わなくてはならない?』
『オレの友達はこの間の攻撃で、死んだんだ、あいつさえいなければ…』
『そもそも、悪いのは明神夫妻だ、赤ん坊のうちにどうにかしとけばよかったんだ。』
『あの夫婦があんな子供を育てなければ…』
自分が悪く言われるのはまだ耐えられる、しかし、母を悪く言われるのは…
タケルは自分から地球を出ていく決意をしたのだ…大事な大事な母親のために。
「…だから、だから…しょうがないんだよ!」
オレはどうしてこの声には、生のままの自分をぶつけられるのだろうか?
まるで母さんに話しているみたいに…なぜだか懐かしく感じるこの声…
…マーズ…ではだれが地球を守る?…
「それは…」
…だれがおまえの母親を守る?…
「だって、オレがいたら地球は…」
…やつらが本当におまえだけを狙っていると思うのか?…
「え!?」
…これを見よ、マーズ…
突然頭に流れ込んだ映像、破壊の限りを尽くす、ギシン星の戦闘メカ、歯が立たない防衛軍、崩れるビル、逃げまどう人々、がれきや爆風に吹き飛ばされ、二度と起き上がれない人々…
「なぜ!?オレがいないのになぜ!?」
…おまえは何のために地球に遣わされたのだと思う?ギシン星の邪魔になるだろう、地球を滅ぼすためだ、それなのにおまえがいないからと言って、地球を滅ぼすのをやめると思うか?…
「でも…今さら…」
…これは罠だ、おまえを地球の人々から切り離す罠だ、帰れ、マーズ地球に…
ふいに柔らかいものに包まれた気がした、心の中で誰かに抱きしめられた。
…マーズ、つらいだろうが耐えてくれ、オレがいるから、オレがいつでもおまえの側にいるから…
「あなたは…だれ…?」
優しい声はそれには答えず、もう一度柔らかくマーズを包んだ。
…おまえが地球に戻る途中に待ち伏せしている奴がいる、戦闘能力は…急げマーズ、おまえの母親もあの中にいないという保障はないのだぞ…
「え!?母さんが、解ったすぐに戻るよ…ありがとう…」
…マーズ…ごめん…オレのせいなんだ…全部オレの…
そうつぶやいたその声は今までと違う、どこか悲しみとも苦しみともつかぬ複雑な感情を伝えて来た。
「え?それはどういう意味なんだ?」
…急げ、マーズ、地球が危ない…
「待ってくれ!あなたは誰なんだ???」
声はもう答えてはくれなかった。
…ごめんマーズごめん…
ワールがこんな手段に出たのは、マーズを精神的に追いつめ、疲れた所を確実に抹殺するため。
それは全て自分に対する執着から起こる事なのだ。
ワールが自分に執着すればするほど、マーズの身は危うくなる、マーズをより苦しい立場に追い込む事になる。
…マーズ、オレたちは二人で一人、おまえが生きていけるのなら、オレはもうこの場でいなくなってもいいんだ…
もうとうに父も母もなく、まともな精神なら耐えられないほどたくさんの陵辱を受けて来た、こんな自分が生きているのはマーズのためだけだ。
何故そこまで?と人は問うかもしれない、しかし、マーグにとってそれだけが生きる全てだったのだ。
それがなかったら、母が殺されたあの日。皇帝に汚されたあの日に、とうに狂って自分から死んでいただろう、そうしなかったのはマーズがいるから。
遠く離れた星に、自分の半身がいるから…
これはオレのわがままだ、父の無念をはらして欲しいという…
懐かしくなって家に残ってる同人誌引っ張り出してみたら橘皆無さんの
マンガが載ってた。全然エロじゃないけど。
マーグたんが超色っぽくてかわええ〜〜
無念の思いで死んでいった父、宇宙平和のために生涯の研究とした物が、
悪魔の兵器に成り果てるのを耐えきれなかった父…
その思いを成就させるのはマーズしかいない。
そして母、いつも地球のマーズに思いを馳せながら、自分を優しく抱きしめてくれた母、
この温もりをマーズは知らずに育つのだ、本来なら二人に同じ様に与えられたその温もりを…
あの時寝ている場所が違ったら、連れていかれたのは自分かもしれなかった、
この温もりをしらないのは自分かも知れなかった。
マーズの分まで愛された自分…
だからマーズ、おまえはオレが生きるかも知れなかった生を生きてくれ、
オレはおまえに全てを渡したその時に、この身の全てのかたをつける。
あの男の想い等知らない、自分を守るためにどれだけ苦しもうと関係ない、
オレはおまえの心を読み取って全てマーズに伝えてやる…全てマーズに…
だから…オレを人形の様に扱ってくれ…扱ってくれ…
>346
わーい是非落としていって下さい♪
>347
睡眠不足解消でけた?
348、349>
麻樹さんておぢ○うのへーさんだよね。<超既出だろうけど。
一揆はGM本だったけど、突然はボルテスとかも入ってたと
思う。
突然、初期の三冊持ってたけど随分前にだらけに売ったら
結構いい値になった。
被虐の青い鳥サマ
お疲れ様です〜。
佳境に突入ですね、楽しみです〜!
あぁ、それにしてもマーグ〜。
>360
当時の流れって、ボルテスVやってた人が、
GMに流れた感じですよね。
さすがにボルテス世代ではないのだけど・・・
えみ○り本、最初っから全部集めて、
今もあるんだけど、売ればかなりの値が付きそうだね。
347でつ。
姐さんありがとう!「被虐の青い鳥」、待ってました!!
切ないマーグたんの心情に、これからいったいどうなって
しまうのかと、気になってさらに眠れないでつw
これからも期待してまつ。
363 :
17:03/10/12 17:15 ID:SD89be9k
>360
今はヒカ碁でやってるよね〜〜。へ○がさん。
一揆、1から4まであるんだけれど、
売ればいくらになると思われ?
GMの読者が多ければ高く、少なければ安くなります。
残念ながら、今は「〜だから欲しい」ってお客さんは随分
減ってると思うので、余り期待できないんじゃないでしょうか?
平に平に〜!!
>被虐の青い鳥様
あまりの懐かしさにちらと覗いてみたつもりが・・・!!
正にゴッドマーズ!!(謎
あの時の萌えを思い出しましたYO!
続き、気長にお待ちしておりますのでご無理はなされないように〜。
最近、誰もいないね・・・。
(´・ω・`)ショボーン
元が原作のマーズとは明らかに違ったリメイクなんだから
また現代版でリメイクしてくれんかなぁ(ハァハァ
ageときます。
ageときます。
被虐の青い鳥続きぎぼんぬ!!
す〜き〜な〜んだ〜♪
つ〜よ〜い〜んだ〜♪
被虐の青い鳥の姐さん、続き待ってまーす!!
お待たせしましたっっっ
目を覚ますと、もう日が高かった。
天蓋付きの大きなベッドに一人で寝ていた、そう一人で…
隣にあの男はいない、城に連れてこられてもう1週間になる、
未だ目覚めた時に一人でいるのに慣れない。
…7年も暮らしたからな…
考えてみれば家族とも言える長い時間を、あの屋敷であの男と暮らしていたのだ。
同じ部屋で食事をし、同じベッドで眠り、それがごく自然の事になっていた。
部屋は別に与えられてはいたが、その部屋で過ごす事はあまりなく、
昼間はお気に入りのサンルームで過ごし、夜はあの男の腕の中で眠る。
サンルームで無心に小鳥と遊ぶ自分を見つめる、温かい庇護の視線と、
寝室で自分を腕の中に閉じ込める時の燃える様な瞳と、そのどちらも懐かしく感じる。
…懐かしい?少しセンチになっているのか…
あの屋敷の人はみんな自分に優しかった、
主人の幼い愛人として遇していたといえばそれまでだが、
陰で邪見に扱われた事はない。
ワールが使用人全てに優しかったせいだと思う、
自分が成り上がりと言う自覚があるからかもしれないが、
見下して横暴な事をしたのを見た事がない。
だから、使用人はみんなワールを慕っていた、
大事な御主人様の大切な人だと思うから、みんなマーグに優しかったのだ。
屋敷から出る時、みんな悲しんでくれた、侍女の中には泣いている者もいた。
中でもワールの乳母は、何度もマーグを抱きしめて泣いた。
「マーグ様、いつでもマーグ様の為にお祈りしています。」
と何度も繰り返しながら。
ワールは後宮の入り口まで送ってくると、寂しげな笑顔で呟いた。
「必ず迎えにくるからな、必ず。」
自分はそれには何も答えず、いつものように彷徨う視線でにっこり微笑む。
人目も憚らず、いきなり抱きしめられ、キスをされ、渦巻くワールの心がどっと流れ込んで来た。
…取り返す、必ず取り返す…
…渡さない、誰にも渡さない…
…待っていろ、必ず自由にしてやるから…
…マーズを殺して、皇帝から自由に…
大人しくされるがままになりながら、マーグは心の中で呟く。
…無理だよ…
オレが殺させないから、オレがマーズを殺させないから、
だからあなたには無理だよ。
マーズを死なない限り、オレがあの屋敷に戻る事はない、
だからオレは二度とあの屋敷のあなたの側には戻れない。
さようなら優しかったあなた、これっきりだ、さようなら…
この部屋は寒い。
絹とビロードと、黄金とで全ての丁度が整えられている、豪奢な寝室。
でも…この部屋はとても寒いんだ。
温かかった屋敷を思い出す。
そしてそれが母と過ごした幼少の屋敷ではなく、あの男と過ごした屋敷だという事が、
マーグの心をいつまでもじくじくと苛んでいた。
話の都合上、ワールがかなりいい人になってまーす♪
石投げないでね(^^;)
姐さん乙彼ー。
続きがこれからどうなるのかすごく楽しみですー。
やっぱ十七伝より姐さんの小説のほうが自然でいい。
>>379 ハゲドウ!!
被虐の青い鳥の姐さん、私も続きを楽しみにしてまーす!!
スパロボDのアンソロジーと4コマを買った姐さんはいるでつか?
「司令、ワール司令。」
呼びかけれれてはっとした、執務室だった事に気が付く。
かなり長い間ぼんやりしていたようだ。
「お体の具合でも悪いのですか?この間から考え事をしてらっしゃるようですが。」
「いや、別になんでもない。」
何でもない事はない、いつもマーグの事が頭から離れない。
今何をしているのだろうか…
又、鳥と遊んでいるのだろうか?
それとも日だまりの中でうたた寝を?
寂しがってはいないだろうか?
以前の様に、高官達のおもちゃにされてはいないだろうか?
それとも皇帝に…
…一人で泣いてはいないだろうか…
どうにもならない…今の自分にはどうにもならない。
自分にできる事はただ一つ、できるだけ早くマーズを倒し、もう一度この手にあの少年を取り戻す事。
だから、今はもっと執務に身を入れなければならないというのに…
…情けないな、我ながら…
ワールは自嘲気に唇の端でふっと笑った。
目の前の部下が怪訝な顔で見ているのに気付き、瞬時に顔を元に戻す。
「何かオレに用事か?」
「サグール長官がお待ちです。」
「会おう…待てオレの方から会議室に行くと伝えてくれ。」
サグールの用件は先日の地球侵入作戦の事だろう、侵入するのは成功した、
しかしその陰で優秀な女戦士が一人犠牲になった。
本来なら犠牲者が出る事なく遂行できたはずなのだが、どこからか情報が漏れたらしい、それもマーズに。
今回に限らず、あらかじめマーズがミッションを知っていたのではないかと思われる失敗が続いていた。
パルチザンの組織のいずれかでもマーズに接触をしているのか?
どちらにせよ、軍部しか知りようのないミッションの内容が漏れると言う事は、軍部に裏切り者がいると言う事だ。
サグールはそれを探っていたはずだが、何か解ったのか?
廊下を考えながら歩いていると、上からふわっと青い羽根が舞い降りて来た。
見上げると青い小鳥がゆっくりと天井近くを舞っている。
そしてうらふらと廊下の向こうからやってくるのは…
「鳥、鳥…どこ?…鳥…どこ?」
マーグ!
思わず駆け寄ろうとした時、背後から声をかけられた。
「ワール司令、遅くなりました。」
長官のサグールだ、ズール皇帝に絶対の忠誠を誓っているサグール。
「ほう、あれがマーグですか、マーズの兄の。」
その言葉でワールの背中に冷水が走る、この男にマーグの存在を印象づけてはならない。
マーグは何も知らずに鳥を追ってふらふらと近付いて来た、
そしてワールに気が付くと、にっこりと笑った。
天使の様な無邪気な笑顔、その笑顔のままでワールに両手をのばし抱きつこうとする。
「邪魔だ!」
ワールはマーグを突き飛ばす、勢いあまって床に倒れるマーグ。
助け起こそうと反射的にのばしかけた手をひっこめ、言い放つ。
「ここはおまえの来る所ではない、帰れ!」
そのまま後ろも見ずに立ち去った、断腸の思いで。
「噂どおり本当に子供に返っているようですな。」
「あの子の頭は幼児並みだ。」
「マーズも実の兄があのようになっていると知ったら、どうするでしょうな。」
「マーズは赤ん坊の頃に家族から引き離されている、今さら兄弟の情などないだろうよ。」
なにげない風を装いながら、サグールの注意をマーグから離そうと、ワールはやっきになっていた。
来るなマーグ、ここに来るな。
せっかくおまえの存在を忘れている軍部の連中に、おまえの存在価値を気付かせるな。
マーズに部下や兄弟を殺された者もここには大勢いる。
その連中におまえがマーズの兄だと思い出させるな。
マーグのために、マーグのためにあえて冷たくあしらった、しかし…
突き飛ばした瞬間の、傷ついたマーグの悲しそうな顔…
ワールの胸にきりきりと痛みが走っていた。
>382-384姐さん、乙。
うわぁ、うっまいなあ。
以前、ここで誰かが言ってた
ワールタンのマーグタン突き飛ばし事件、
こうまとめるか。脱帽いたしますた。
さすが被虐の姐さん。
某脚本家よりもまとめ方がうまいですね。
姐さん乙彼ー。
いよいよ本編突入ですね。
マーグタンの本心を知ったワールタンの反応が早く知りたいでつ・・。(;´Д`)