○●○●　奇跡の起こし方　●○●○　　

つづき

バッターン・・
と、倒れたのだが、これがまた最悪だった・・
倒れるときに前から歩いてきた若い女性が出店で買った焼きそばを持っていて、ぶつかった時に全部落ちたのだ
「キャー！！」
黄色い悲鳴がひびいた・・
だが、オレは何日も食うや食わずの状態でしかも高熱のせいもあって少しおかしくなっていたんだろう
空腹のあまり、落ちてきた焼きそばを素手で喰ったのだ・・

と、その瞬間、罵声と怒号にまじりながら焼きそば女の彼氏から蹴りがきた
ダンゴ虫のようにまるまるオレ・・
怒鳴り声と蹴りが浴びせなれるなかオレは不思議とこどもの時のことを思い出していた
イジメられて泣きながら家に帰ったとき母が笑いながらよく抱きしめてくれたっけ・・

だが、その思い出すら高熱とその場の雰囲気でおかしくなった頭の妄想だった

何故なら、オレは孤児院で生まれ育ったからだ・・
母親の顔なんて見たこともないのになんで・・
ああ、そういやあテレビドラマでそんなシーンがあっただけだったんだと最近わかったんだが

つづく