('A`)が武器で、もとい('A`)と武器で戦うようです

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
代理です
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 22:24:39.56 ID:cqaVNiqmO
いちもつ
3 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:26:00.02 ID:yfWQOoFJ0
>>1
代理スレ立てありがとうございます

まとめサイト ブーン速。さん
http://hoku6363.fool.jp/

遅くなりました、第三十四話投下します
4 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:27:31.21 ID:yfWQOoFJ0
('A`)が武器で、もとい('A`)と武器で戦うようです
第三十四話「硬かったり騙られちゃったり」
5 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:29:54.74 ID:yfWQOoFJ0
真っ青な芝が見渡す限りに広がっている。
風がそよそよと吹いて、どこからか木の揺れる音が聞こえる。
日差しは照りつけているが、不思議と不快な暑さはなく清々しい。

ドクオは眠りから覚めて、ぼーっとした頭でそう考える。
このままもう少し寝たい、草のベッドなんて素敵。
私ドクオ16歳。今日もこの自然とおしゃべりするの。

『从#゚∀从「おい! 聞いてんのか?」』

(;'A`)「はっ!」

ようやく寝ボケから我に返り
目の前に展開されたスクリーンに移るハインと目を合わせた。
ハインはドクオを見て眉をひそめ頭を掻く。

『从;゚∀从「ちゃんと聞いてたか? 二回戦が始まったんだぞ?
………ったく、現界人が朝に弱いってのは本当だったんだな」』

(;'A`)「いや全員が全員朝に弱い訳じゃないが………
それより「Amezoクエスト」………って、何だそれ?」
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 22:30:00.85 ID:xxgmBGm0O
ktkr支援
7 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:32:33.95 ID:yfWQOoFJ0
『从 ゚∀从「何だちゃんと聞こえてんじゃねぇか」』

それじゃあルール説明だな。
スクリーンはハインの映像から、何も描かれていない白い画面に切り替わり
やがて、その中に点滅する赤い点があるのをドクオは見つけた。
 
「それがお前の現在地だ。もっとも、まだ不完全な地図じゃ意味無いだろうが」

姿は見えないがハインの声は聞こえる。
そして、肝心の赤い点は画面の下端部分にある。

「ドクオ。周りを見てみろ、そこから何か見えないか?」

ドクオが、言われた通りに辺りを見回すと
随分遠くに、宙に浮かんだ状態のらせん階段を見つけた。
それは支えなどを持たずに、ぐんぐんと天に伸びている。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 22:33:20.16 ID:xxgmBGm0O
支援
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 22:35:03.83 ID:yfWQOoFJ0
('A`)「何だあれは?」

「あれがAmezoクエストのゴールだ。あそこからまたホテルに戻れる」

('A`)「ゴールってことはつまり………」

画面が切り替わってハインが再び映る。
ハインは浅く腕を組んで言う。

『从 ゚∀从「あそこへ先に辿り着いた二十人が三回戦に進むことが出来るってわけだ」』

ドクオは成る程ね、と呟いてから
いつの間にか履いている靴の紐を締め直して
よし、と走り出そうと踏み出す。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 22:37:38.25 ID:yfWQOoFJ0
しかしハインは怒鳴りつけて、それを止めた。

『从#゚∀从「まだ話は終わってねぇ! ただ着けばいいってもんじゃねぇんだよ」』

(;'A`)「っ………そんな怒鳴らなくてもいいだろ………」

『从 ゚∀从「重要なんだよ。あの階段を上るには、鍵が必要だ」』

('A`)「鍵?」

从 ゚∀从「お前の胸にもついてるだろ?
それは全ての武器持ちが一つずつ持たされてんだ」

たしかに服の胸ポケットの部分に、鍵の形をしたキーホルダーが付いている。
あまりにも綺麗に輝く金色のそれは、どこか不気味な魅力を感じさせる
ハインはドクオの持つ鍵に視点を合わせて話を続ける。
11 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:40:01.30 ID:yfWQOoFJ0
『从 ゚∀从「その鍵を四つ持った状態でないと、階段は上れない。
最初に一つ持ってるから、他人から三つ奪うってわけだ」』

(;'A`)「三つ………!? じゃあ、なんだ………
武器持ちを最低でも三人は倒さないと駄目って事か?」

『从 ゚∀从「基本的にはそういうことだ。
ただし、相手が既に武器持ちを倒していて二個以上持っている場合もあるからな
倒す武器持ちの数は時と場合による………それと、その鍵にはもうひとつ役割がある」』

今度はハインの映っている画面の右上に
先の真っ白な地図が映し出され、ハインがそれを指さす。

『从 ゚∀从「鍵は一つ敵から奪う毎に、この地図を明らかにする
自分の鍵は何の意味も持たないが、敵から取れば階段までのヒントになるぞ」』

('A`)「ヒント………?」

ドクオは首を傾げて
高くそびえ立つ階段へ目をやる。

('A`)「ヒントもなにもゴールはあれだろ? 真っ直ぐ向かえば………」
12 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:43:00.56 ID:yfWQOoFJ0
ハインは首を振って遮る

『从 ゚∀从「いいや。この世界は全体が見えない迷宮になってる。
正しいルートを進まないと、なかなかあそこまではたどり着けないぜ」』

('A`)「………迷宮、かい」

『从 ゚∀从「まっ! 説明は終わりだ! 質問がなけりゃあ早速スタートしてくれ」』

('A`)「ん、サンキューな、じゃあ気張っていくかな………。
ハインはずっとバックアップしてくれるのか?」

『从 ゚∀从「お前ら四人は俺の担当だ、でも、呼ばれても正直何も出来ないから呼ぶな」』
13 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:46:32.62 ID:yfWQOoFJ0
(;'A`)「………」

『从 ゚∀从「じゃあ頑張れよー」』

ぶつりと通信が切れて、スクリーンが閉じられる。
ドクオはダルそうに頭を掻いて状況を確認すると
まず、自分が制服を着ていることに気づいた。

(;'A`)「確かにパジャマじゃあれだけども………」

何故この服を選んだのか…。既に疲れた様子でうなだれる。
ドクオは下がった頭を嫌々持ち直して、腕時計から浮かび上がった真っ白な地図にちらりと目をやる。
それから高く伸びている階段を見据え、よし、と頷く。

ドクオは迷いのない一歩を踏み出した。

    ・

    ・

    ・
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 22:49:11.06 ID:SH8naxSGO
しえんぬ
15 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:49:16.51 ID:yfWQOoFJ0
    ・

    ・

    ・


神話の神殿を思わせる、くすんだ白色をした高く太い柱が、何本も建ち並び
床もそれに合わせてか、粉っぽい白で硬質な石で出来ているようだ。

しかし、そんな床と柱があるにも関わらず、天井と壁は存在しておらず
視界が開けて、前後左右は霊でも出てきそうな、完璧な闇。
見上げれば、綺麗な満月が此処一帯を照らしていることが分かる。

川 ゚ -゚)「奇妙だな………」

視界の限りにその床と柱が続き、壁はどうにも見当たらない。
ただ、ゴールである、らせん階段だけは変にくっきりと見え
クーはあてもないので、そこに向かって、こつりこつりと歩いていた。

少し前にハインからの説明を受けたクーは
ドクオと同じように階段へと真っ直ぐ向かっていた。
16 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:51:56.01 ID:yfWQOoFJ0
太陽の照りつける、広大な草原を歩いていたはずだったが
気が付けば、自然ではまず見られない、柱と床だけのこの非現実的な空間に居た。
太陽は消えて、月が昇っている。クーの警戒心は高まっていた。

川 ゚ -゚)「………」

この世界は迷宮。らしいが、こういうことか。
全てが滅茶苦茶に回転している。
こんな場所では常識など通用しないだろうな。

クーはそう思考して、変化のない環境に眉をひそめた。
どこを見ても同じ風景、太い柱が立ち並ぶのみだ。
三日もいれば気が狂って死ぬだろうな、と口角をにやりと吊りあげた。

川 ゚ -゚)「………ん?」

ぴたりと足音が止む。空気の流れが何処か違う。
長い時間こんな場所にいたせいなのか
クーは微妙な空気の違いに気づき、そこで足を止めていた。
17 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:55:08.26 ID:yfWQOoFJ0
川 ゚ -゚)「いるな………」

クーは体勢を低くし、弓を構える。
どこにいるかまでは特定出来なかったが
柱を背後に置いて、じっと待ち続けた。

そして、しばらくすると。
筋肉隆々で、全身それを強調するようなピチピチの服を着た男が
柱の陰から静かに姿を現した。

( ゚∋゚)「………」

クーは鼻で笑う。
そして、改めて弓を構え直した。

川 ゚ -゚)「第二回戦初バトルとするか………」

( ゚∋゚)「………」

男は無言でその場に立ったまま、数十秒クーとにらみ合う。
完全なる沈黙に、見えない探り合いが続くが
それを破ったのはクー。青い弓を男へ向けた。
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 22:55:41.23 ID:WFqSt1b6O
しえ
19 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 22:57:59.18 ID:yfWQOoFJ0
川 ゚ -゚)「お手並み拝見だっ!」

弦が引かれ、白い矢が空気を切り裂く。
巨大な象をも貫く威力を持って、男の胸元へ一直線に。
クーは次の矢をリロードしつつ

川 ゚ -゚)「さぁ、どう出るッ!」

回避か、防御か、それ以外の何かか。一撃によってこの男を見極める。
しかし、男はアクションを何も起こさない。
それなのにも関わらず、直撃した矢はその体に弾かれた。

( ゚∋゚)「………」
20 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:01:09.43 ID:yfWQOoFJ0
川 ゚ -゚)「!?」

クーは困惑するも、それを紛らわすように矢を続けて放つ。
しかし、結果は同じ。そのありあまる筋肉に
放った全ての矢が、ことごとく弾き飛ばされただけだった。

川 ゚ -゚)「な………!?」

表情一つ変えない男。
一通り攻撃が止んだと見て、柱の陰に手をやる。
何を取り出したか確認したと同時に

川; -゚)「ぐあっ!?」

クーの体が後方へ思い切り吹き飛ぶ。
男の手に握られていたのはマジンガン、その弾丸がクーを捉えたのだ。
吹き飛ばされながらも、どうにか柱の陰に隠れ、尻をついて荒れる息を整えた。

川;゚ -゚)「痛っ………」
21 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:05:30.74 ID:yfWQOoFJ0
全て当たれば即死するほどの威力。
だが、あの男の技術のせいなのか、はたまた運が良かったのか
命中してしまった弾丸は十発弱で、どうにかまだ行動できる。

武器化のおかげか、打ち込まれた弾は、酷くてものめり込むのみ
そのほとんどが、衝撃を与えるだけに留まった。

( ゚∋゚)「………」

柱へ銃撃が続いている。
柱の耐久性は高い。奴の弾切れを待とう。

川;゚ -゚)「しかしどうする………」

奴の化け物のような、硬い筋肉に阻まれて
私の攻撃が通じないのだ、馬鹿げている。
しかも奴の攻撃はマシンガン。逃げるなんてことも難しい。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 23:07:18.52 ID:XHD/A/LcO
支援だ
23 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:09:30.81 ID:yfWQOoFJ0
しかし、最初から逃げる気はない。
奴の武器があのマシンガンだとしても
あの鉄壁の体には何か裏が、トリックがあるはずだ。

川 ゚ -゚)「それを解き明かしてこその素直クールだ」

銃撃が止んだのと同時に
柱から顔を出し矢を放つ。

( ゚∋゚)「!」

顔面ならば、あの筋肉は関係ない
しかし男は腰を落とし、その矢を腕で弾き防ぐ。
やはりあの筋肉に頼っているようだが

川 ゚ -゚)(今、何か………)

隠すような、ぎこちない防御の仕方をした。
奴のリロード時間は分からないが、矢を撃ち続けるしかない。
「変化がなければ勝利はない」。それが素直クールのやり方だ。
24 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:13:07.04 ID:yfWQOoFJ0
膝に直撃。しかし通用しない。
続いて肩、もも、腹、と直撃するがダメージは皆無。
もう一発、と弓を構えたところで、弾の装填音が鳴り

( ゚∋゚)「………フッ!!」

爆音。
凄まじい速度で弾が撃ち出される。
とっさにブレーキをかけて大きく後ろへ飛び退く、が。

川;゚ -゚)「ぐっ!」

脚に数発直撃。
倒れ込みながら柱の陰へ隠れる。
全身を打ち付けたような痛みが襲う。
25 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:16:49.89 ID:yfWQOoFJ0
クーは考える。どうもおかしい。
あれだけの数の弾が飛んできているにも関わらず
先も今も何故これ程までに命中率が低いのか。

それに加えて、いくら武器化による、防御力の上昇があったとしても
マシンガンを攻撃を直接受けて、痛いだけ?
本来ならば血が噴き出るのは必至のはずだ。

川 ゚ -゚)(まさか………!)

クーは黙って、銃撃が続く様を見てから
ゆっくりと弦を引き、敵の攻撃の最中であるにも関わらず
顔を覗かせて矢を放った。

川 ゚ -゚)「『自由に変形する矢』!」

クーの武器の能力。細長い矢が、ソフトボールほどの球体へ変化する。
しかし、「変化させた分だけベクトルが減少する」という制限。
矢は運動をやめて、地面へぽとりと落下した。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 23:18:28.95 ID:SH8naxSGO
しえんぬ
27 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:20:12.75 ID:yfWQOoFJ0
( ゚∋゚)「………?」

男は不審に思い、一歩距離を取ってから
マシンガンでその球をためらいなく撃った。
弾丸はなかなか命中しなかったが、やがて球は蜂の巣と化す。

クーはそれを見て確信する。

川 ゚ -゚)「やはりか………ハイン!」

『从 ゚∀从「? 何か用か?」』

すぐさま画面が浮かび上がり、ハインの映像が展開される。
一つ教えて欲しいことがある。とクーは話を切り出す。

川 ゚ -゚)「武器を二つ持っている武器持ちはいるのか?」

『从 ゚∀从「二つ? そりゃあいねぇだろ。
一人に一つの武器ってのがこのゲームの大原則だからな」
28 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:23:15.00 ID:yfWQOoFJ0
川 ゚ -゚)「把握した。下がって良いぞ」

『从 ゚∀从「下がって良いって……そんなこと聞いてど」』

クーは通信を切って、銃撃が止むまで待ち。
痛む脚を半ば引きずりながら、弓を構えずに
柱の陰から出てきて、男と対峙した。

川 ゚ -゚)「………ようやく解けたよ、その鉄壁の謎が」

( ゚∋゚)「!」

男を指さし

川 ゚ -゚)「ズバリ、お前の武器は「周りの色や形に擬態する鎧」だ
すっぽんぽんで鎧を着、その上に服を着て隠している」
29 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:26:30.26 ID:yfWQOoFJ0
(  )「!」

( ゚∋゚)「何を言って………」

川 ゚ -゚)「何を言っているだと?
それじゃあその白く変色している肌はどう説明する気だ?」

白い塊が男の服にくっついている。それに反応したのか
破けた部分から、白く擬態した鎧が姿を現して居るではないか。

(;゚∋゚)「鎧が………擬態して………」

川 ゚ -゚)「………私の能力は、形に応じた形質をも矢に与えられる。
特訓の成果の「ガム矢」だ、お前の服に粘着させた。
そして最大のミソはその命中率と威力の低いマシンガン」

クーは長く垂れる髪を掻き上げ
血ヘドを口から吐き出す。

川 ゚ -゚)「それ、他人のだろう? マシンガン」
30 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:29:46.24 ID:yfWQOoFJ0
(;゚∋゚)「!」

(;  )「!!」

男の表情が、明らかに驚愕の色に染まった。
クーはそれを見てにやりと笑い
男を中心にして、円を描くように歩き始めて

川 ゚ -゚)「武器化。それすなわち武器との一体化。
一体化すれば当然、それを扱う技術も向上する。
それを知らなかったお前達は、武器を一人に持たせて、戦力の上昇を計った」

しかし、素人に魔石で出来たマシンガンなど扱えるはずもなく
むしろ戦力ダウンの結果に終わったわけだ。
クーは、そうやって話を終え、自ら拍手し賞賛する。
31 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:32:47.65 ID:yfWQOoFJ0
それで。と、クーが話を続けようとした、その時
金属の跳ねる、間抜けな音が鳴り響く

(;  )「い!?」

川 ゚ -゚)「そこか」

くるりと振り返り、矢を放つ。
彗星を思わせる一直線に進んだ矢が
その先にいた者を完璧に捉えた。

(;l v l)「う……ぐあ………」

川 ゚ -゚)「ふん、姿を現してみれば、見るからに弱そうな奴だな」

(;゚∋゚)「………!」
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 23:34:55.24 ID:DaroqXvz0
初遭遇!!!支援!
33 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:36:37.56 ID:yfWQOoFJ0
今の音も、クーが作り出した「空き缶矢」によるもの
これで一人消えたな。矢を撃たれた男は気絶しその場に倒れる。
マシンガンは発動が解除されて、その男の腕へと戻った。

川 ゚ -゚)「あとは………鎧を着ているだけのお前だ」

(;゚∋゚)「く………おおおおお!!」

闇雲に突進してきた男に弓を向けて矢を放つ
男はそれを腕で弾こうとするが

(;゚∋゚)「うぅっ!?」

大きく布のように広がり視界を奪ったのだ。
クーはその隙を利用し男の背後に回り
男が布を払い落とし、自分の姿を探そうとしたところで

34 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:37:49.43 ID:yfWQOoFJ0
川 ゚ -゚)「さらばだ」

首に一矢。
男は前のめりに倒れて
そのまま気絶し、動かなくなった。

川 ゚ -゚)「伊達に強豪ツチを倒してないって事だな。
これで鍵を二つGET。残るは一つか」

二人の胸元に付いている鍵を回収し
うんうんと頷いた後、しゃきりと立ち上がった。

川 ゚ -゚)+「余裕だな」

クーは地図を見て
また進むことを再開した。

    ・

    ・

    ・
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 23:40:29.36 ID:SH8naxSGO
クーかっこいいしえんぬ
36 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:41:15.51 ID:yfWQOoFJ0
    ・

    ・

    ・

機械がずらりと並び、それら全てが銀色で
部屋の電気はモニター画面からの光のみで薄暗い。
「特別管理室」にハインはいた。

从 ゚∀从「おおー勝ったぜクーの野郎」

菓子を食い散らかしながら
キャスターつきの椅子に座って試合を眺め、下品に笑う。
そこに一人の女性が近寄ってきた。

从;'ー'从「も〜ハインちゃん駄目だよ〜綺麗に食べなきゃ〜」

散らばったスナック菓子のカスを拾い
それをまとめて、ゴミ箱に捨てる。
彼女の名は渡辺。ハインの姉だ。
37 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:44:16.39 ID:yfWQOoFJ0
从 ^∀从「おー悪い悪い、だって面白いぜーこれ
アネキももっと楽しんで見たらどうだぁー?」

从'ー'从「管理する仕事でしょ〜楽しんだら駄目だよ〜」

从 ゚∀从「相変わらずカタイねー、もっと人生余裕を持ってだなー」

从'ー'从「あ! 横堀さんだ!」

从;゚∀从「うぇ?」

縦に開く扉を通って
弟者を全身不随の瀕死にまで追いやった
サイボーグ横堀が入室した

(//‰ ゚)「………」
38 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:47:37.13 ID:yfWQOoFJ0
从'ー'从「お疲れ様で〜す」

从;゚∀从「お疲れ様です………」

(//‰ ゚)「………………」

从;゚∀从(何か怖ぇんだよイボは………)

(//‰ ゚)「………………」

3m近い巨体に、胴体のサイズと不釣り合いな巨大な手足。
モニターを見ながら、びっしりと並んだボタンを押し
新たにウインドウを表示させた。

(//‰ ゚)「………」

从'ー'从「あれれ〜、参加者の名前が出てきた〜」

从 ゚∀从「へぇ………こんな機能あったのか。
ん、でもこれ文字が暗くなってるのもいますけど………」

(//‰ ゚)「………」
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 23:48:52.07 ID:khVogTWF0
イボ太郎きたー
40 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:50:08.21 ID:yfWQOoFJ0
从;゚∀从「え、えと、あぁーそうか! 気絶した奴………とか………ですか?」

横堀はハインと目を合わさずに小さく頷いて
一通り見てから、そのウインドウを閉じた。

从'ー'从「そういえば〜横堀さんは誰が優勝候補だと思いますか〜?」

从;゚∀从(おいおい、そんな気安く話しかけていいのかよ!)

横堀は一度、ボタンの並ぶパネルから離れたが
渡辺の問いに、再び前屈みになって操作を始めた。

从;゚∀从(やっぱりこいつ、よくわかんねぇ………)

ハインの考えを尻目に
手際よく、参加者の顔写真の載っているウインドウを
モニター一杯に表示させた。
41 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:52:58.89 ID:yfWQOoFJ0
横堀はその中から、何人かの写真を
拡大表示させて説明を始めた

(,,゚Д゚)

ギコ。
純粋な力の強さは、人間とは次元が違うほどに強化されており
幼い頃からの修行の成果か、技の種類も豊富で、非の打ち所のない、まさに最強である

/ ゚、。/

鈴木ダイオード。
頭脳明晰で、敵をあざ笑うかのような素早さは一流
戦闘を遊びすぎることがあるが、実力はギコに次ぐ

ハハ ロ -ロ)ハ

ハロー。
武器が強力なこともあるが、それを差し置いても強い。
家が極道だからなのか、ちょっとのことではひるまないタフさも持つ。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 23:55:02.04 ID:khVogTWF0
しえん
43 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:55:09.88 ID:yfWQOoFJ0
( ´_ゝ`)

兄者。
大槌を使いこなし、重く速い連続攻撃が武器。
ただし、能力が補助向きな分1対1の戦いは不利。

川 ゚ -゚)

素直クール。
五人の中でも冷静な状況判断力はかなり高い。
土壇場で見せる展開をひっくり返すような閃きは無限の可能性を持つ。

(//‰ ゚)「………ソシテ」

横堀は何かを言いかけたところで、固まり
その続きを言わないで、振り返って
そのまま静かに部屋を出て行った。
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 23:57:13.10 ID:khVogTWF0
ししし
45 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/30(月) 23:57:32.70 ID:yfWQOoFJ0
从;゚∀从「………え、え、言わないの!?」

从'ー'从「そっか〜、この五人が注目か〜」

从;゚∀从「アネキは気にならないのか? 今何か言おうとしたぜあいつ」

从'ー'从「?」

从;-∀从「あ………いやなんでもないッス………」

ハインは頭を抱えて溜め息をつく。
そして横堀が表示させたウインドウを消していった。
ギコ、ダイオード、ハロー、兄者、クー。

そして、最後にドクオの拡大画像を消したのをハインは気が付かなかった。

    ・

    ・

    ・
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:00:10.52 ID:Ja9onyZ7O
支援
47 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:00:35.38 ID:cCPCPIe70
    ・

    ・

    ・

薄く土を被った岩が並んでいて、歩けるような道はほとんどない。
ヘタレな雑草がしぶとく生えているだけで、視界は全体的に茶色。
時折突風が吹き、土ぼこりが視界を奪う。

靴の裏から岩の尖った部分が圧迫している。
谷底を歩いているようで、左右両側に壁のように崖がそびえ立っている。
さらには、その壁によって、もはやあのらせん階段さえ全く見えない。

(;^Дメメ)「しんどいなぁ………」

ランスを片手に持って、その谷底を歩くのはプギャー。
開始からもう30分は経ったか、空間の歪んだこの世界に気が滅入る
武器持ちを倒さないことには地図も鍵も手に入らないとは。

( ^Дメメ)「そろそろ出てきても………!」

両側の壁がカーブして谷に広場のような物が出来ている。
武器持ちがいるだろう。プギャーはそう考えて
警戒を高めその広場に踏み込んだ。
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:02:59.80 ID:uS9i2ihD0
しえん
49 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:03:42.03 ID:cCPCPIe70
「おや」

( ^Дメメ)「!」

斜め後ろ。死角になっていた部分から声がする。
振り返って、腰を落とし、戦闘態勢にはいるが。

(;^Дメメ)「お前………」

爪'ー`)y-「どうもプギャーさん、昨日ぶりですね」

タバコを片手に、微笑みを浮かべてプギャーに近づく。
彼の名はフォックス。高校二年生、プギャーの後輩だった男。
そのフォックスが口から煙を吐きだし

爪'ー`)y-「で、考えてくれましたか? また私達と一緒に………という話」
50 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:07:22.54 ID:cCPCPIe70
(;^Дメメ)「何度言おうが………俺はもう戻る気はない。
あの時は強いことに憧れて、少し派手にやっていただけだ………」

爪'ー`)y-「そうそう、あなたは一年前、思い立ったようにそう言って転校した
別の街で威張っている奴と戦い、勝利して毎日騒いで………
たしかに子供じみたことですが、あなたはいつもそれを楽しんでいた」

吸い終わった煙草を捨て
新たにタバコを取り出し火を点けた。

爪'ー`)y-「中学の頃から喧嘩が好きで、いつしかその下に付く者が現れ
最終的には暴走族だと呼ばれるようになった」

(;^Дメメ)「………」

爪'ー`)y-「あなたも楽しかったはずです、人をぶちのめして金を巻き上げて。
腹の立った教師の家に火を点けたり………ねぇ、プギャーさん」

(;^Дメメ)「………それは違う」

爪'ー`)y-「はい?」

フォックスが笑みを強めて聞き返す。
51 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:10:25.73 ID:cCPCPIe70
( ^Дメメ)「俺は、そこまで大きくなった組織に悩んでいた。
ただ、殴り合って、喧嘩して、そういうことがあの時は何故か好きだった。
だが………次第に下の奴らが暴走し始めて、俺は管理できなくなっていた」

爪'ー`)y-「その点なら、今度は私もサポートして………」

( ^Дメメ)「それに」

フォックスの言葉を遮り
プギャーが重い声で言う。

( ^Дメメ)「今は、ただ暴れるだけだった俺を理解する仲間もいる。
そいつらを裏切るなんてことは、俺には出来ない」

その言葉を聞いて、一瞬目を丸くした後
フォックスは肩を振るわせて、小さく笑う。

爪'ー`)y-「裏切ることが出来ない………?
クク………何を言っているんです、貴方は既に私達を裏切ったでしょう」

(;^Дメメ)「………!」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:12:35.69 ID:uS9i2ihD0
しえん
53 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:12:41.59 ID:cCPCPIe70
あなたは元々それが出来る人間なんです。
そう言い加えて、フォックスは煙草の灰を地面に落とす。

爪'ー`)y-「………あなたは正々堂々と戦う喧嘩に魅力を感じている。
しかしそれが存在しない今の時代。私達と組んだところで難の意味もない」

と、お考えでしょうかプギャーさん。
と、フォックスが尋問する。

爪'ー`)y-「でもね、違うんですよプギャーさん。
正々堂々だなんて………ボクシングでもやる気ですか?
元喧嘩屋の貴方が、あの清い競技の場で輝けると………!?」

(;^Дメメ)「そ、それは………」

爪'ー`)y-「残念ながら不可能です。
あなたが真に輝けるのは、私達のように道を外れたところなのですよ!」

(;^Дメメ)「………………!」
54 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:15:37.15 ID:cCPCPIe70
プギャーは心臓に杭を打たれたかのごとく
強く、衝撃を受け、表情が死んでいた。
そして彼の中で、理性を保っていた正義のカタが外れる。

(  Дメメ)「なるほどな………」

爪'ー`)y-「まぁ………これ以上強くは言いませんが
貴方に一つ頼みがあります。こちらに戻る気があるのなら
それを行動で示して欲しい。ということです」

( ^Дメメ)「………言ってみろ」

爪'ー`)y-「何、簡単なことですよ。耳を貸してください………」

フォックスが何かを耳打ちし、プギャーはそれに頷く。
それを聞き終え、無言で歩き出す。
その瞳には、正義の光が消え、漆黒の闇が広がっていた。

    ・

    ・

    ・
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:17:06.66 ID:uS9i2ihD0
支援だ
56 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:17:47.23 ID:cCPCPIe70
    ・

    ・

    ・

川 ゚ -゚)「遠い!」

動物の鳴き声がどこからか聞こえる
まさにジャングルと呼ぶのがふさわしいか
草をかきわけ、クーはその中を進んでいく。

川 ゚ -゚)「鍵もあと一つだというのに敵も見つからない………
クソ、イライラしてきた。早くあと一人武器持ちを………」

クーがそう考えているところで
茂みが揺れて音がした。
素早く反応し身構えるが、姿を現したその人物に安堵する。
57 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:19:15.54 ID:cCPCPIe70
( ^Дメメ)「あ! クーさんじゃないですか」

川 ゚ -゚)「む、プギャーか」

クーは弓を下ろして近づく。
そしてプギャーの持っている鍵が一つなのを見て
地図の手がかりはないのか、と呟いた。

( ^Дメメ)「あ、でも、さっき妙に開けてる道を見つけたんですよ。
私の推理では、既に地図を見つけた誰かが通ったのかな………って」

川 ゚ -゚)「ふむ………まぁ、当てもないしな。そこに行ってみるか」

プギャーはそれを聞くと微笑み
それじゃあ案内しますね。と先行する。
少し歩いてからその道を見つけ、振り返ってクーにこう言った。

( ^Дメメ)「ここを行けば、「ゴール」まであとすぐですよ」

第三十四話「硬かったり騙られちゃったり」 終
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:20:57.53 ID:I51XvFogO
59 ◆Ez.6FOopuQ :2009/03/31(火) 00:22:43.29 ID:cCPCPIe70
投下終わりです支援ありがとうございました
質問があれば受けます。なければねます
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:24:42.22 ID:uS9i2ihD0
乙乙! 次も楽しみだ

もとい武器とは関係ない質問だけど
合作はマジでやるの? やるとしたらどんな感じになりそう?
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:27:54.71 ID:HOGK1HhxO
乙でした。次も期待してるぜ
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:28:25.04 ID:cCPCPIe70
>>60
合作に限らずとも何か企画はしていくつもりです
まぁアイディアがないんで多分合作になりそうですが…
昔話合作いいかなと思ってますが、慎重に熟考してから
どうにか成功させたいと思います、あまり急ぎになるとうやむやになると思うので
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:29:46.62 ID:Cc4DmvHq0
乙おもしろかったでつw
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:31:02.56 ID:l6a2J8GIO
読むほ
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:32:49.37 ID:Cc4DmvHq0
あの、作者さんってどんな本よんでまつか?w
もしかしてあの本よんでるかな、すこしにてたのでwww
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:33:16.94 ID:uS9i2ihD0
>>60
回答どうも! 合作楽しみにしてます
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:33:56.94 ID:1bNil2Q3O
つまんね
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:35:58.45 ID:cCPCPIe70
>>65
本とは小説に限ってのことですか?
小説はメジャーな作品をちらほら、これにはあまり影響ないですね

もし漫画も含むなら、ジョジョやうえきの法則、マンキン、静かなるドンとか色々見てます
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:42:50.21 ID:Ja9onyZ7O
乙でしたー
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 00:56:30.15 ID:Cc4DmvHq0
しwずwかwなwるwドwンwwwwwww
作者モエスwwwwどうもでつw
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 01:17:32.68 ID:ACBkcH6rO
イマヨム
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 01:28:51.59 ID:Cc4DmvHq0
面白いからもっとよんでほしいでつwあげておきまつwwwww
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/31(火) 01:37:14.48 ID:Cc4DmvHq0
あげておきまつwwwww
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
マンキンって言い方がエロいでつねwwwwwwwwww
あげておきまつwwwww