(‘_L’)コンクリートな世界のようです

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1 ◆s7L3t1zRvU
第二章、3/4を投下していきます。

規制かかってたらどうしよう。

ここまでの話↓

第一幕前半
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1236490621/

第一幕後半
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1236686115/

第二幕(上から順に1/4、2/4)
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1237473037/
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1237558365/

それではお付き合いください。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 22:54:41.41 ID:8MD8ivhnO
ここまで読んでるよ
がんばれ
3 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 22:55:07.61 ID:Ip3chOoa0

3/4 へ
4ジェラートin抹茶ん ◆GREENTEAnQ :2009/03/28(土) 22:56:48.78 ID:YjTiU2GBP
(‘_L’)これいいねC
5 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 22:57:30.17 ID:Ip3chOoa0
 白いリノリウムの床を照らすのは赤いランプだ。
 どこかの誰かが、夜間の緊急オペを受けているサイン。
 それが点灯してからどれほどの時間が経ったのか。
 腕時計を見ることもなく、私はひやりとした壁に背を預けた。
 鼻につく病院らしい香りの内容物を考える。
 しかし、散漫な集中力はすぐにそれを霧消させた。

(‘_L-)「はあ」

 腰掛けた長椅子はクッションが薄く、そして冷たく、濡れた身体から体温を奪った。
 熱放射板。
 容赦ない熱放散に、看護士の持ってきてくれた毛布を今一度、かけなおす。

(‘_L’)「鬼ごっこ、通り魔。追いかける、捕まえる、そして」

――切りつける。

 解せない、その一言に尽きる。
 この思考に至るのは、今晩で何度目だろうか。

(‘_L’)「どうもおかしい。確信が持てないのが、なんとも歯がゆいですが……」

 両の手を髪に入れ、前から後ろへとゆっくり、強く梳る。
 濡れていた髪は自然に乾き始め、いまや若干のごわつきを持ち、指に抵抗を示した。
 一旦天井を仰いでから、脱力するように身体を前に。
 肘を腿に置き視線を床に落とす。
 脚の間には、持ち出していた鞄。
 これもすっかり濡れ鼠だな、などと考える。
 しばらくそうしていると、視界の端から脚が近づいてきた。
 頭だけをそちらに向ける。
6 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 22:59:29.67 ID:Ip3chOoa0
(´・_ゝ・`)「第一発見者の方ですか」

 挨拶は無しか。
 まあ、良いだろう。

(‘_L’)「貴方は?」

 現れたスーツの中年男性は、懐から手帳を取り出し見せる。
 このシチュエーションにそぐわしい、警察手帳と言うヤツだった。
 お決まりの流れに、しかし、私は何も感じはしない。
 座っても? という彼の問いに頷き、長椅子の上を移動する。
 新天地は、尻に冷たい。

(´・_ゝ・`)「刃物による裂傷四箇所、内一箇所は多量の出血が認められる。圧迫による止血を施行。
擦過傷複数。ただし、いずれも軽微。ショック状態により失神、体温低下が危惧される」

 小さなため息が聞こえる。

(´・_ゝ・`)「いや、正確な状況説明でした。被害者の救命にご尽力、ありがとうございます」

 病院の通話録でも聞いたのだろうか。
 盗み見た表情は疲れたもので、感謝の言葉と一致していないのが分かった。
 それでも形式としては、軽く頭を下げるというものを取っており、私も応じる。

(‘_L’)「いえ、当然のことをしたまでです。偶然通りかかって本当に良かったですよ」
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 22:59:44.71 ID:8MD8ivhnO
支援
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:00:11.72 ID:KT7MCNLcO
来た支援
9 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:00:50.08 ID:Ip3chOoa0
(´・_ゝ・`)「とっさに冷静な判断をできる方は少ないんで。それに被害者の女性も救われましたよ」

 どうしてこの人は自分のことでもないのに頭を下げるのだろう。
 彼も、仕事に生活を染められているのだろうか。
 刹那そんなことを考え、すぐに取り止める。
 少なくとも今はどうでも良い。

(‘_L’)「聞きかじりの処置が間違っていたら、と思うとぞっとします。それで、ええと」

 そこで彼は、はっと思い直したように背筋を伸ばした。

(´・_ゝ・`)「おおっと、ははは、申し遅れました。盛岡と申します」

 遅れた挨拶に、自己紹介を重ね合ってから私は続ける。

(‘_L’)「盛岡さん。正直なところをお聞きしたいのですが、これは例の通り魔事件と関連が?」

 やや間を開けての首肯。

(´・_ゝ・`)「私はその担当なんですが、必ずしもそうであるとは現時点では言い切れないです。
まー、傷の形状を見てみないことにはなんとも、ね」

(‘_L’)「模倣犯」
10 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:02:55.86 ID:Ip3chOoa0
 確定的な証拠が無い限り、慎重に慎重を期さねばならないのはどこでも同じだ。
 こと、プラクティカルに物事を捉えねばならない状況では特に。
 ロジカルは人命とは別の次元で、ゆっくり組み立ててしかるべきだ。

(´・_ゝ・`)「誰かが真似をしないとも限らない。最近は何が起きても不思議じゃないですから。
クソみたいに腐った人間が……こりゃ失礼、面白半分に人死にを出してしまう時代なんで」

(‘_L’)「そうですね」

 いっそう疲労の色を滲ませる盛岡刑事は、私がそうしていたように壁に背を預ける。
 目元には寝不足の証拠がうっすらと見えた。
 そういえば、件の通り魔事件は全て夜間の犯行であることが分かっているらしい。
 深夜でないにしても、睡眠阻害は十二分に受けるのだろう。

(‘_L’)「昨晩もどうやら、犯行と思しきものが起こったらしいですね」

 スーパーで小型戦車奥様から聞いた言葉を思い出す。

(´・_ゝ・`)「ええ、隣の県で」

(‘_L’)「……この県の事件は管轄外なのでは?」

(´・_ゝ・`)「ははは、関連性があった場合に備えて、駆り出されたんですよ。非番だったんですけど」

 笑う声は力なく、張りがない。
 実に難儀な職業だ。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:03:17.91 ID:KT7MCNLcO
支援支援
12 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:04:46.40 ID:Ip3chOoa0
 手術中、と書かれたランプが消灯する。
 次いで中から移動寝台がドアを抜けてきた。
 車輪と足音が静かな廊下に響く。
 我々の前を行くベッドには、眠った女性が乗せられている。

(´・_ゝ・`)「さてっと、ちょっと医師と話してきます。よろしかったらご一緒にどうです?
まー、怪我した部分の写真とかも見るんでグロいですけどね」

 疲れた顔に皮肉な笑みを浮かべる彼は、しかし、その笑みをすぐ消すことになる。
 私はそれにイエスと答えて、本当にご一緒したのだから。
 あんまり同行はさせないのだが、と付け加えた刑事は自分の冗談を後悔しているように見えた。

 通された部屋では、青白い光源付きウィンドウにレントゲン写真が貼られていた。
 前腕を形成する二本の骨と、それらより太い上腕骨の下方が写っている。

(´・_ゝ・`)「骨まで到達する斬り方だったんですか? かー、すげえなあ」

 素直な感想を漏らす盛岡刑事に、私も同意見だった。
 携行し得る刃物で、逃げる対象をかくも深く斬りつけられるものなのか。
 普通は、なかなかできないだろう。
 普通は。
 医師が傷口の特徴を説明しだすと、盛岡刑事は大きなため息を吐く。
 そして、眉間にしわを寄せた。

(´・_ゝ・`)「私の出番バリバリ、みたいですわ」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:04:49.03 ID:8MD8ivhnO
天下一にも参加すんだな
支援
14 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:06:09.10 ID:Ip3chOoa0
(‘_L’)「どういった傾向があるんですか? ニュースではあまり取り扱わないですよね。
傷害傾向なんて」

 そう訊くと、刑事の顔はますます曇る。
 どこまで一般人に話してよいものか考えているのか。
 人の口に戸は立てられないのだから、それも仕方なかろう。

(´・_ゝ・`)「重森さん、ご職業は?」

 そんなことを尋ねる彼は、突然威圧的な態度になる。
 首を突っ込むな、と言いたげだ。
 だが、私は貴方よりももっと昔から渦中にいた可能性があるのですよ。

(‘_L’)「公立の高等学校で教員をやっております」

 聖職者ですよ、どうですか、という感じで目を見つめて言い放つ。
 視線は数秒、あるいは数十秒、交錯する。
 ふ、と刑事の表情が和らいで、それは解かれた。

(´-_ゝ-`)「生徒への雑談のタネにしないでくださいよー」

(‘_L-)「事件解決後四十九日間はやめておきましょう」

(´・_ゝ・`)「はは、四十九日は物事にも適用可能ですか」

(‘_L’)「何かがなくなってそれくらいしたら、皆忘れてしまいますよ」

 かもしれないですね、と彼は笑った。
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:07:59.19 ID:nSNXMSZeO
よっしゃ来た!支援!
16 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:09:34.89 ID:Ip3chOoa0
 無くなって。

 亡くなって。

 忘れない場合も当然、ある。
 別段、今それを口に出す必要もない。
 感傷に浸るような人間でも、私はない。

 居心地を悪そうにしていた当直医に礼を言って、私達はロビーへ移動した。
 その際、もらった毛布をベンチに忘れていたのを思い出し、ナースセンターへ返却する。
 とは言っても、無人のカウンターに置いただけだ。
 盛岡刑事は道すがら、自販機の缶飲料を二本購入、片方を渡してくれた。
 じんわりと熱が手に広がる。
 砂糖たっぷりのそれは、実にありがたかった。
 近頃よくある夕飯抜き状態の身体に、糖分はとても嬉しい。

(‘_L’)「助かります。今晩はまだ食べていなかったので」

(´・_ゝ・`)「何か買ってきましょうか? コンビニで良ければ」

 私は素直に厚意を受けることにした。

(´・_ゝ・`)「まー、別に礼は良いですよ。ちょちょいっと経費で落としますから」

(‘_L’)「扱いは接待費ですか?」

(´・_ゝ・`)「いんや、ただの税金還元です」
17 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:11:58.71 ID:Ip3chOoa0
 ゆっくりしたペースで缶を空けた頃、盛岡刑事はビニール袋片手に帰還した。
 中身は各種おにぎりと甘ったるそうな菓子パンがいくつか。
 ホットの、どこかへ呼びかける商品名のお茶が二本。
 後は何故か、繊維状に裂けるプロセスチーズが一本。

(´・_ゝ・`)「還元とか言いながら、私も食べるんですけどね」

 彼は向き合うように座り、早速メロンパンの封を開けた。
 それを半分に割り、そして一旦膝の上に置く。

(‘_L’)「甘党なんですね」

 裂けるチーズが開けられ、

(´・_ゝ・`)「よっと」

 彼は分かれたパン同士を、それを軸につないだ。
 えっと、甘党なのか。

(´・_ゝ・`)「蛋白源とエネルギー摂るのに、これが一番食い合わせよかったんで。生ハムメロン的な」

(‘_L’)「生ハムメロン的な」

 シーチキンマヨネーズをかじり、これで十分足りているのに、と思う。
 今度は緑茶のボトルを取り出すと、出し抜けに彼は喋りだした。

(´・_ゝ・`)「あれなんですよ、似てるんです。ほら、ライオンいるじゃないですか。
あの手の動物の爪が作る切創にすごい似てるらしいんですよ。被害者の傷口が」

(‘_L’)「すっぱり、というよりもざっくりと言った感じですか」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:14:40.99 ID:FS/b4n82O
支援なのである
19 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:15:36.15 ID:Ip3chOoa0
 爪は、大型の動物になるほど硬質となり、脚を支える役割などを担う。
 厳密には、人間で言うところの手の骨レベルから丈夫な構造になるのだが。
 牛や羊の偶蹄目ではふたつの、馬などの奇蹄目ではひとつの、分厚く丈夫なヒヅメが見られる。
 サイやゾウでは図太い脚に、人間では考えられない厚みのそれが見られる。

 しかし、猫科の動物では、大型になってもその機能は小型のそれと変わらない。

 獲物を斬る、一択なのである。

 彼らの習性として爪とぎがあるように、鋭い爪は猫科の象徴だ。
 さらに、走行時には邪魔にならないよう収納するほどの徹底振り。

(´・_ゝ・`)「そうそう。鋭さはありつつも、全体としては分厚いから抉る感じで斬られるみたいです」

(‘_L’)「鉤のポケット状になった部分がさらにそれを助長する」

(´・_ゝ・`)「よくご存知ですねー。重森さん、もしかして犯人ですか?」

(‘_L-)「止血する時にもっと斬っちゃって、てんやわんやでしたよ」

 縁起でもない冗談を交わして、ペットボトルを傾ける。
 温かい緑茶が口に残った米粒を洗い流していった。
 鉤爪、か。
 腑に落ちないことが多い中で、ここには納得する。
 では、果たして?
 考えながら、もう一口おにぎりを頬張ると、酸味と塩気が米の甘味に混ざった。
 目の前では刑事がメロンパンを平らげたところだった。
20 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:17:46.30 ID:Ip3chOoa0
(´・_ゝ・`)「ん」

 着信音。
 盛岡刑事はポケットを探り、携帯電話を取り出した。
 片手ですみません、と意思表示をすると、そのまま外へ出ようとする。
 様子を眺めようと振り返ったが、自動ドアをくぐる手前で彼は戻ってきた。

(´・_ゝ・`)「重森さん、申し訳ないんですが、できれば今晩中に現場検証行いたいんです。
明日は雨が強くなるみたいですし。同行していただいてよろしいですか?」

 急にかしこまった口調でそう訊く彼に、首を横に振る気はない。
 お役所方面のよろしいですか、は多くの場合、質問でなく確認だ。
 ただし、目的は一致している。
 私としても手がかりを雨に流してしまうのは惜しい。

(‘_L’)「構いませんよ。行きましょう。一飯のお礼です」

(´・_ゝ・`)「元を辿れば重森さん達の金ですけどね」

 彼は通話中の電話を耳に当て、発見者同行可、と伝える。

(‘_L’)「では、情けは人の為ならずってことで」

 戯言なる、本当に戯言なる言葉を返して、私はごみをまとめ始めた。
21 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:20:07.37 ID:Ip3chOoa0
 余った食料と空いた包装とを雑多に袋に詰める。
 ペットボトルの中身を温かいうちに飲み干すか否か逡巡して、結局止め、そして立ち上がる。

 くつくつと笑う男の姿があった。

(´^_ゝ^)「くっくくく、面白い人だな、あんた。仕事でもなきゃ飲みに連れてってるところですよ。
こんだけ関係者とまともな会話できたのは久しぶりだ。重森先生だな。覚えた覚えた」

 メッキがところどころ剥がれ落ちて、性格を露呈し出す盛岡刑事。
 血色が良くなっているのは、単にメロンチーズパンの力だけではないようだ。
 背中を叩かれ、こっちだ、と駐車場へ案内される。
 霧立ち込める屋外は視界がかなり悪かったが、降水とは呼べない程度。

(‘_L’)「雨、止んでますね」

(´・_ゝ・`)「今のうちだけさ。傘は持ってるんだろ? 夜半過ぎにはざんざん降りになるらしいからな」

 立ち止まったのは、濃紺の軽自動車の前だ。
 盛岡刑事はドアを開錠すると、内側から助手席側の鍵を開けた。
 古いタイプだ。
 パワーウィンドウも装備していないのかもしれない。
 乗り込むと、雨天に冷やされたタバコの香りが歓迎してくれる。
 ちらりと見た灰皿は吸いさしに溢れていた。

(´・_ゝ・`)「シートベルトは締めてくれよ。最近は署内でも違反だなんだってうるさいんだ」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:20:15.33 ID:nSNXMSZeO
そういや総合テンプレにないブログだけどまとめてるぞー
好きだ!
23 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:22:22.47 ID:Ip3chOoa0
 促されるまま軽い装着音を腰元に起こす。

(‘_L’)「大変ですね。身内で揉め事処理なんて」

(´・_ゝ・`)「教師ってのも同じなんじゃないの?」

(‘_L’)「罰する対象が同僚の場合は糾弾なんて、とてもとても」

 それとも、仲間意識が強い方が是正の気持ちは強く働くのか。
 生徒相手にも私はほとんどしませんけどね。
 ふうん、とキーを捻る彼は、この話題には大して興味がなさそうだった。
 エンジンがむずがるように何度か空咳をして、ようやく始動する。
 電子音が鳴り、時間差でカーステレオが起動した。
 かなりルーズなブルース。

(´・_ゝ・`)「エフヨコの方が良いかい」

(‘_L’)「温くなった緑茶と合うのでこれで」

 了解した、と笑う刑事。
 彼からは移動中、犯人について有益な情報が引き出せなかった。

 「この先徐行」の標識の下を時速五十キロオーバーで走る車は、見覚えのある場所で止まる。
 現場は黄色いテープの張られた領域が形成され、複数の人間が中で作業していた。
 周囲には傘を差した近隣住民がまばらに見物している。

(´・_ゝ・`)「お疲れさまです。ゲンジョウ、どれくらい残ってますか」

 盛岡刑事が降車して、こちらに気付いた壮年の男性に話しかける。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:23:23.10 ID:KT7MCNLcO
支援
25 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:26:35.08 ID:Ip3chOoa0
 ここからは警察特有の隠語オンパレードに付き、省略する。
 蚊帳の外から私は、指示あるまで待機していた。
 ようやくお声がかかったのは、しばらく後のことだ。

(´・_ゝ・`)「お待たせしました重森さん。それでは当時の状況を教えてください」

 きちんとした口調への変化に、関心しながらも口を開く。

(‘_L’)「まず悲鳴を聞いてから――」

 結論から言えば、ここでも私の方に収穫は無かった。
 レインコートの捜査官達が跪き、地面から何かを得ようとライトを当てていたにも関わらずだ。
 逃走経路も服装も、人相も――人相と着衣の特徴でニンチャクと呼ぶらしい――確認できていない。
 私も役に立つ証言がほとんどできなかったようだった。

(‘_L’)「お力添えできなくて申し訳ありません」

(´・_ゝ・`)「いえいえ、これで確信が持てました。関連がありましたから」

(‘_L’)「と、いうと」

 これが言いづらいんですが、と断って、彼は続ける。

(´・_ゝ・`)「目撃者の証言は口を揃えてこう言います。『暗くて見えなかった』。
それも、おかしなことに月が出ている晩で、街灯の下でさえ、です」

 不思議現象は間違いなく「それ」の特徴であった。
 納得と同時に、私は狼狽した。
 他の情報が記憶と食い違うことに、違和を覚えたためだ。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:26:52.15 ID:8MD8ivhnO
>>22
URLうp

支援
27 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:28:02.67 ID:Ip3chOoa0
(;‘_L’)「連続通り魔傷害事件。間違いありませんよね」

 盛岡刑事は、神妙な面持ちで首肯する。

(;‘_L’)「連続で、傷害」

(´・_ゝ・`)「ええ、かなり痛ましい事件です。我々も総力を上げて捜査しています」

 違う。
 彼我では観点がまったく異なる。
 挙げられる捜査の内容を、私は聞き流していた。
 ひどく気分が悪い。
 たった二日で別の人間に対して?

(´・_ゝ・`)「重森さん? ひどい顔色ですよ」

(;‘_L’)「少し、冷えたのかもしれません。そろそろ帰宅しようと思います」

 もっと引き止められるものだと思っていたが、あっさりと解放される。
 ただし、と条件を付け加えられた。
 明日もう一度、被害者立会いの下で事情聴取があるらしい。
 それだけ言うと、盛岡刑事は名刺を差し出した。

(´・_ゝ・`)「職業柄たたき起こされるのは慣れてるんで、何かあったら電話ください。
で、事件終わったら一杯やりましょう。まー……早めにその機会が訪れれば良いんですがね」

 携帯電話の番号も併記されたそれをポケットに入れて、私は家路へと向かった。
 大した物を入れていないはずの鞄が、やけに重かった。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:28:17.02 ID:KT7MCNLcO
支援
29 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:30:21.47 ID:Ip3chOoa0
 日曜の朝。
 窓の外は豪雨と表現して差し支えのない天候だった。
 元気に地表を、屋根を、窓を叩く水滴の集団。
 彼らはこのまま地中へともぐり、川か海か、あるいは地底へと旅をするのだろう。

(‘_L-)「しまった」

 目覚まし時計の指す時刻は午前七時前。
 随分と早起きだ。
 だが、それよりも気になったことがある。

(‘_L’)「濡れすぎましたか」

 鞄に入れていたネットブックを確認したところ、そちらは防水していたので問題なく作動した。
 書類は角がしおれてしまっているが、インクも滲んでいないし大丈夫だろう。
 さて。

(‘_L’)「問題はこっちだな」

 携帯電話。
 バイブレーション機能は起動しきりで、絶えず低くうなり声を上げている。
 私の趣味じゃないことは、横において置く。

(‘_L’)「中は」

 電源はかろうじてつくが、電波を受信していない。
 メモリは大多数が消失、雨に流れてしまったようだった。
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:31:07.63 ID:KT7MCNLcO
支援支援
31 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:31:46.17 ID:Ip3chOoa0
 幸い、手帳には連絡すべき相手の番号を控えてあった。
 一方的になら、電話をかけることが可能だ。
 置き電話の無い我が家からは、残念ながらできないのだが。

 身支度を済ませ、午前十時に家を出る。
 病院での盛岡刑事との待ち合わせは、午後二時。
 時間たっぷりと余裕を持っておくべきだと、横殴りの雨から悟った。

 液性弾幕をかいくぐり、駅へとたどり着くと、公衆電話へ近付く。
 定期入れに一緒にしていたテレホンカードが久々に日の目を見た。
 手帳を開きダイヤルプッシュ。
 春らしからぬ寒気に指先が震えた。
 コール。
 呼び出しはすぐ止んだ。

『はい』

(‘_L’)「昨日会った二人を呼んで、来てくれないか」

 挨拶は無しだ。
 これで十分会話が成立する。
 受話器の向こうで、緊張した様子が分かる。

『午後六時に駅で落ち合おう。それで構わないか』

(‘_L’)「ああ。すまない、仕事かもしれないのに」

『君の方が危険なんだ。気にするな』
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:34:30.27 ID:8MD8ivhnO
しえ
33 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:34:43.46 ID:Ip3chOoa0
(‘_L’)「それと、携帯が潰れてしまったんだ」

『分かった。夜まで一人でいるなよ。フィル』

 通話を終えると、カードの穴が全て空いてしまっていた。
 最後に表示されていた度数はひとつ。
 それを定期入れに戻し、上着へとしまった。
 見舞いの品を駅ビルで見繕い、バスターミナルへ。
 そこは屋根があるとは言え、風通しがやたら良好で、ひどく冷えていた。
 オレンジの車体が停まり、圧縮空気の作動音。
 病院最寄のバス停までは遠く、席に座れたのはラッキーだった。

(‘_L’)「……一人になるな、か」

 分かってるよ、クー。

(‘_L-)

(‘_L-)

(‘_L’)「ガラじゃないですよ、こんなの」

 他の乗客に聞こえないよう、口の中で呟く。
 トンネルを通り、暗くなった窓の向こうで自分が見つめ返していた。
 どんな表情をしているか見極める前に、トンネルは終わってしまう。

 やがて、バスは目的の停留所に到着した。
34 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:38:07.40 ID:Ip3chOoa0
 入院患者のいる棟は、雨天とは無関係に独特の静けさを保っていた。
 外来の慌しい呼び出しもなく、行き来も看護士のものだけだ。
 一度は入院病棟のソファに座ったが、思い直してロビーへ。
 あと一時間以上もそこで待ってはいられなかった。

(‘_L’)「何か食べておきましょうか」

 駅のそれよりはマシな程度の売店に入る。
 昼食と、ちょっとした暇つぶしくらい置いてあるだろう。

(‘_L’)「これは。『ついに重傷者か』ですか」

 入り口脇に置かれた新聞は件の事件を報じている。
 ちょうど同じく壁掛け液晶モニターでも。
 第一発見者である私の名前は出ていない。
 同じく、搬送先であるこの病院の名前も然り。

「よっと! すきありぃ!」

 何かが背中をつう、と走る。

(;‘_L’)「おっうぉう」

(゚、゚;トソン「わっ、気持ち悪い声出さないでくださいよ!」
  _
( ゚∀゚)「駄目じゃないですか。気配は消して、声もかけずにヒザカックン!
が定石でしょう?」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:38:07.97 ID:KT7MCNLcO
支援
36 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:39:53.39 ID:Ip3chOoa0
 振り向くとそこには、元気少女と日焼け筋肉が。
 もとい、英語教員と数学教員の姿が。

(‘_L’)「都村先生? それに長岡先生まで何やってらっしゃるんです?」

(゚、゚トソン「おー、なんというか。これまたずいぶんなカウンター……」
  _
( ゚∀゚)「なるほどなるほど。都村先生の言うとおり、これは確かに」

 何が言うとおりなんだ。
 長岡先生、貴方は何を聞いたんです。

 ご存じないかもしれませんが、という前置きをする都村先生。

(゚、-トソン「英語の教科主任の先生、今どうしてらっしゃるか知ってます?」

(‘_L’)「ええ。そりゃ、もちろん。盲腸で入院なさっているんですよね」

 と、そこまで言って、頭の中で木魚の音が響き始める。
 とんちを考えているわけではないと、ここに断っておこう。

(‘_L-)

(‘_L-)

(‘_L’)「ああ、なんだ、先生方も英語主任のお見舞いに」

 そうだ、彼もここにいたんだっけ。

(゚、゚トソン「あら、『も』ってことは重森先生も?」
37 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:43:03.49 ID:Ip3chOoa0
(‘_L’)「いやだなあ、ははは。ほら、果物カゴ持ってるじゃないですか」

 買ってて良かった他人への見舞い品。
 生徒に胸を張って言える標語がひとつできた。
 はてさて、何かもうひとつ格言めいたものがあったような。
 ラーメンに関係した気がする。
  _
( ゚∀゚)「そうしたらちょうどすれ違いですね。僕等はさっきお会いしてきたんで」

(‘_L’)「入れ替わり立ち代わりお見舞いして迷惑じゃないですかね」

 なんだ、ラーメンの格言。
 何ラーメンだ?
 家系ではないですね。

(゚、゚トソン「私だったら嬉しいですけど……、ちょっと分かりません」
  _
( ゚∀゚)「嬉しいに決まってるじゃないですか! 心配してくれる人数×関係を持った時間!
それすなわち、その人の歩んできた人生の価値、でしょう!」

(゚、゚#トソン「それもそうですね。アツイぞ! よく言った長岡!」

 にやりとして拳を合わせる都村、長岡、両教員。
 レジのおばちゃんが迷惑そうな顔をしていたので、私は二人を連れ出した。
 外来受付を目前にしたソファ群は、雨天にも関わらず埋まっていた。
 立ち話もなんですから、と言って先導したが、座れもしない。
  _
( ゚∀゚)「お気になさらず! もうタクシーが来る頃なんで」
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:43:45.67 ID:KT7MCNLcO
支援
39 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:45:11.61 ID:Ip3chOoa0
 どうやら、ハイヤー待ちの時間に私を見つけたらしい。

(‘_L’)「都村先生もご一緒に?」

(゚、゚トソン「はい。この後ちょっとした予定がありまして」
  _
(;゚∀゚)「んんっ。まーそのー、そうなんですよ。ええ」

 咎めるように都村先生を見た長岡先生。
 しかし、返されたのは、いたずらっぽい笑みだった。

(゚ー゚*トソン「なーんか、緊張してませんか?」

 うりうり、と肘で筋肉質のわき腹を突付く彼女は、楽しげだ。
 何かを言うべきか考えていると、私は遠くに盛岡刑事を見付ける。
 あちらも気付いたのか、軽く頭を下げた。
 ほっとして、二人に対して適当な別れを告げる。
  _
(;゚∀゚)「あ、はい。重森先生、また明日学校で」

 都村先生も、手を振ってから、自動ドアをくぐっていった。
 それを見届けるまで待っていてくれた盛岡刑事に感謝する。

(‘_L’)「どうもすみませんね。同僚と偶然会いまして」

(´・_ゝ・`)「へえ。ずいぶん若い彼女連れた教師だな。羨ましい」

(‘_L’)「彼女も教員ですよ。それに彼も若い」
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:45:35.18 ID:8MD8ivhnO
( ‘_|) 支援
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:45:39.41 ID:KT7MCNLcO
支援支援
42 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:48:41.68 ID:Ip3chOoa0
 意外そうな声を上げる刑事。

(´・_ゝ・`)「なんと。病院の中で顔が黒い人は、肝臓か腎臓が悪いと相場が決まってるのに。
親父が十年前くらいに腎臓やった時もあんな顔色で……って、そういえば」

(‘_L’)「なんです?」

(´・_ゝ・`)「さっきあんた、微妙に顔引きつってたな」

 自分の顔面を触る。
 引きつっていた?
 私は常に自分の顔を見るほど暇でも器用でもない。
 思い出そうとしても無理だった。

(´・_ゝ・`)「まあ、男女間のことは介入しないが吉、か」

(‘_L’)「なんのことですか、それ」

 いやなんでも、と言う刑事は口の端がくいと上がっていた。

(‘_L’)「それにしても指定の時間までまだありますけど、どうしたんですか」

 今度は口の端が下がる代わりに、眉根がつり上がった。
 頬を掻いて、喉から曖昧な音を出す盛岡刑事。

(´・_ゝ・`)「それなんだが。早めに来て、医師に事情聴取できるか訊いたんだがな。駄目だ。
麻酔も切れてるはずなのに、意識が戻らないと言ってる。一種の昏睡状態だ」

(‘_L’)「……今までの犠牲者も同じような症状が?」
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:50:02.08 ID:0xgF6oLWO
待ってたよ
しえん
44 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:52:15.50 ID:Ip3chOoa0
 症状。
 外傷に対して適切なのかは、この際、目をつむろう。
 が、その言葉の違和感が表に出てしまったのだろうか。
 彼は、態度を変えた。

(´・_ゝ・`)「おい。あんた、何か知ってるんじゃないのか」

 空気がぴり、と肌に刺さる。

(´・_ゝ・`)「やけにこの事件に首を突っ込むよな」

 私は無表情のまま、返答をしない。

(´・_ゝ・`)「おかしいんだよ。引っかかることばっかり訊いてきやがる」

 静かに、つばを飲み込む。

(´・_ゝ・`)「……重森さん。あんた、何を知ってる」

 胸に溜めた空気を鼻から吐き出す。
 おかしなことに、周囲の喧騒が嘘のように遠い。
 立ったまま会話する私達は、目立っているのかもしれないな、とふと考える。
 この男は信用できるのか。
 決断しなければならなかった。
 
 私は、怪訝に覗き込む目を見据える。

(‘_L’)「ちょっとした昔の話をしましょう」

 ちょっとした、過去の重要な話を。
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:53:09.61 ID:wVxoJDa80
最初から読みたくなる支援
46 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:56:04.78 ID:Ip3chOoa0
 場所を一旦、彼の車に移して、私は話し始めた。
 助手席には昨日残した食材があり、おにぎりを食べて良いか訪ねると、刑事は首を縦に振った。
 冷え切ったおにぎりをかじり、私は喋る。
 雨が車体を打つ音がばたばたと激しく、うるさくもあり、心地よくもあった。

 病院敷地内の、気休めに植わっていた木々が風に強く撫でられている。

 プランターが倒れ、土をアスファルトに流していた。

 車内に充満したタバコの香りを感じなくなった。
 鼻が慣れたのだろう。

 おにぎりをみっつ胃に収めた頃、私はようやく口を閉ざした。

 これで、重要であろうという部分を伝えきった。

(;´・_ゝ・`)「……信じろっていうのか」

(‘_L’)「強制はしません」

(;´・_ゝ・`)「いや、しかし。そんな……。あり得ないことだ」

(‘_L’)「確かに『それ』は存在していた。私は『それ』を覚えています」

 盛岡刑事は何も言えなくなったようだった。

 良いだろう。
 信じるも信じないも任せよう。
 私が話すことを決めた。
 ただそれだけのことなのだから。
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:56:32.29 ID:KT7MCNLcO
支援
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:57:27.66 ID:NBAkJthxO
しえん
49 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/28(土) 23:59:19.49 ID:Ip3chOoa0
 彼はずっと黙ったまま、しかし、私を自宅まで送り届けてくれた。

 雨の中をひた走る車は重い空気を満載していた。
 豪雨と呼んで差し支えない天候。
 それでも日曜日には外出したくなるのが性か。
 遠出には車を使う人間が多かった。
 この空の下、雨が好きな少女が歩いていないことを頭の片隅で願う。

 幹線道路はひどく混雑して、時計は午後五時を回ってしまった。
 駅まで走ってもらうべきか迷ったが、結局、言い出さなかった。

(´・_ゝ・`)「もし、あんたがクスリでもキメてないんだったら」

(‘_L’)「ははは、シラフの極みですよ」

(´・_ゝ・`)「……それなら、連絡をくれ。協力が欲しい」

 アパート前に停車した後、再度、名刺を渡される。
 裏には、自宅の電話番号と思わしき数字の羅列が加えられていた。
 私は送迎の礼を言うと、車を降りた。

 軽自動車を見送る。
 結局、果物カゴは持って帰ってきてしまった。
 バナナもリンゴも食べきれるか怪しいですね。
 そんなことを思って、階段を上がる。

 腕時計は、午後五時半を指していた。
 待ち合わせの時間までにはまだ余裕がある。
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:59:32.16 ID:CHeKX84YO
なんだ良作か
支援
51 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:02:33.00 ID:5PN97jbn0
 ぞっとする。
 過去形ではなく、現在形で。

 まったく予想していなかった。
 現在形ではなく、過去形で。

 出会ってしまった。



――鬼ごっこしーましょ。



 紛う事無き、「それ」が、部屋の前で待ち構えていた。
52 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:04:10.03 ID:5PN97jbn0

3/4 「『鬼のいぬ間』とはいつまでか」 終

3/4<x へ
53 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:06:26.75 ID:5PN97jbn0
今回はここまでです。
支援痛み入ります。
さるってたのが嘘みたい。

なにかありましたら、どうぞ。

>>22
まことなりか。キテレツ
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:08:30.80 ID:i+O9is92O
乙ー
天下一のは今夜?
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:08:43.10 ID:lglSw2JFO
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:14:59.64 ID:YL35/3IdO
>>53
過去作品ってある?
57 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:15:24.79 ID:5PN97jbn0
>>54
書きあがり次第!
なんだけども膨らましすぎてまとまるかどうか……。

>>55
ありがとう、なんかびっくりしたわ。
58 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:18:01.48 ID:5PN97jbn0
>>56
総合で投下したのがふたっつほど。

玉兎ってとこがまとめてくれてたみたいです。

三月なんで帰省のようです、だったかなんかと
日記と人々のようです、って奴ですよ。
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:19:25.61 ID:i+O9is92O
3月帰省はナギさんもまとめてるよー
天下一も期待してる
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:22:39.08 ID:0ihjRZ3WP
乙ー
いいところで切れてるから続きが楽しみだ

三月なんで帰省の人だったのか
三月なんでのほうは、ギコのじいちゃんがかっこよかった
61 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:22:44.34 ID:5PN97jbn0
>>59
うっわああああああ
ナギさんにもまとめられとったああああああ
絵が!絵が!うわあああああ
知らなかった!
教えてくれてありがとう!

天下一は、毛色違うので、四苦八苦中です。
地の文削るって、難しいね。
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:24:45.76 ID:lglSw2JFO
>>61
転載されるほど面白いってことだな!
頑張ってくれ
63 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:27:36.85 ID:5PN97jbn0
>>60
あざっす!
とりあえず第二幕は重たいのでがんばります。

>三月なんでのほうは、ギコのじいちゃんがかっこよかった

アレ案外読まれてたんだ。
嬉しいなあ。
64 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:29:12.92 ID:5PN97jbn0
>>62
あのスレはいろんな意味ですげーと思った。
パネェ。
この一言で全てが表せる。

ありがとうございます!
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:29:55.42 ID:lglSw2JFO
PCフリーズ
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 00:35:07.64 ID:YL35/3IdO
三月帰省の人だったのか
期待してるよー乙。
67 ◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:39:28.87 ID:5PN97jbn0
っしゃー頑張りますけんね。
おやすみなさーい。
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 01:05:46.33 ID:gPDQl8Tc0
馴れ合いうざいけど頑張ってるな

そろそろ7xまとめてやれよ、ブーン系を支援したいんだろ
さっさとまとめろや
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 01:24:11.62 ID:lhGWnsegO
>>68
良い上から目線の優しさににやけた
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 01:51:47.51 ID:o3EUFkn4O
頑張ってるのにテンプレのまとめにないのはちと寂しい
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 02:03:01.88 ID:JN39slOx0
じゃあ、オレがまとめるよ
最初から読むから、少し時間がかかるかもしれないけど
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 02:14:24.44 ID:w1AodTrWO
読んでもないのにまとめるってwwwww
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/29(日) 02:17:45.81 ID:lhGWnsegO
勇者だが、なんというのか
つか頑張ってるって基準はなんなんだ
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
あーすまん
読み直すって意味だ