1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ちょうちんこ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 22:50:25.91 ID:4gmbvfvV0
にげっつ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 22:57:21.75 ID:XAI3Hw+vO
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:03:36.36 ID:XAI3Hw+vO
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:05:17.75 ID:XAI3Hw+vO
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:07:49.95 ID:wvQGKmbeO
auで見るとすげぇカラフルなスレだな
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:10:07.80 ID:YuADA9DpO
docomoだとモノクロだわ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:11:57.57 ID:SNa8ztw+O
た…宝ン……?
9 :
◆B2.pjaLScw :2009/03/28(土) 23:15:54.18 ID:XAI3Hw+vO
(´・_ゝ・`)「とっさに冷静な判断をできる方は少ないんで。それに被害者の女性も救われましたよ」
どうしてこの人は自分のことでもないのに頭を下げるのだろう。
彼も、仕事に生活を染められているのだろうか。
刹那そんなことを考え、すぐに取り止める。
少なくとも今はどうでも良い。
(‘_L’)「聞きかじりの処置が間違っていたら、と思うとぞっとします。それで、ええと」
そこで彼は、はっと思い直したように背筋を伸ばした。
(´・_ゝ・`)「おおっと、ははは、申し遅れました。盛岡と申します」
遅れた挨拶に、自己紹介を重ね合ってから私は続ける。
(‘_L’)「盛岡さん。正直なところをお聞きしたいのですが、これは例の通り魔事件と関連が?」
やや間を開けての首肯。
(´・_ゝ・`)「私はその担当なんですが、必ずしもそうであるとは現時点では言い切れないです。
まー、傷の形状を見てみないことにはなんとも、ね」
(‘_L’)「模倣犯」
10 :
◆B2.pjaLScw :2009/03/28(土) 23:17:29.43 ID:XAI3Hw+vO
白いリノリウムの床を照らすのは赤いランプだ。
どこかの誰かが、夜間の緊急オペを受けているサイン。
それが点灯してからどれほどの時間が経ったのか。
腕時計を見ることもなく、私はひやりとした壁に背を預けた。
鼻につく病院らしい香りの内容物を考える。
しかし、散漫な集中力はすぐにそれを霧消させた。
(‘_L-)「はあ」
腰掛けた長椅子はクッションが薄く、そして冷たく、濡れた身体から体温を奪った。
熱放射板。
容赦ない熱放散に、看護士の持ってきてくれた毛布を今一度、かけなおす。
(‘_L’)「鬼ごっこ、通り魔。追いかける、捕まえる、そして」
――切りつける。
解せない、その一言に尽きる。
この思考に至るのは、今晩で何度目だろうか。
(‘_L’)「どうもおかしい。確信が持てないのが、なんとも歯がゆいですが……」
両の手を髪に入れ、前から後ろへとゆっくり、強く梳る。
濡れていた髪は自然に乾き始め、いまや若干のごわつきを持ち、指に抵抗を示した。
一旦天井を仰いでから、脱力するように身体を前に。
肘を腿に置き視線を床に落とす。
脚の間には、持ち出していた鞄。
これもすっかり濡れ鼠だな、などと考える。
しばらくそうしていると、視界の端から脚が近づいてきた。
頭だけをそちらに向ける。
11 :
◆B2.pjaLScw :2009/03/28(土) 23:19:15.29 ID:XAI3Hw+vO
(´・_ゝ・`)「第一発見者の方ですか」
挨拶は無しか。
まあ、良いだろう。
(‘_L’)「貴方は?」
現れたスーツの中年男性は、懐から手帳を取り出し見せる。
このシチュエーションにそぐわしい、警察手帳と言うヤツだった。
お決まりの流れに、しかし、私は何も感じはしない。
座っても? という彼の問いに頷き、長椅子の上を移動する。
新天地は、尻に冷たい。
(´・_ゝ・`)「刃物による裂傷四箇所、内一箇所は多量の出血が認められる。圧迫による止血を施行。
擦過傷複数。ただし、いずれも軽微。ショック状態により失神、体温低下が危惧される」
小さなため息が聞こえる。
(´・_ゝ・`)「いや、正確な状況説明でした。被害者の救命にご尽力、ありがとうございます」
病院の通話録でも聞いたのだろうか。
盗み見た表情は疲れたもので、感謝の言葉と一致していないのが分かった。
それでも形式としては、軽く頭を下げるというものを取っており、私も応じる。
(‘_L’)「いえ、当然のことをしたまでです。偶然通りかかって本当に良かったですよ」
12 :
◆B2.pjaLScw :2009/03/28(土) 23:22:43.51 ID:XAI3Hw+vO
確定的な証拠が無い限り、慎重に慎重を期さねばならないのはどこでも同じだ。
こと、プラクティカルに物事を捉えねばならない状況では特に。
ロジカルは人命とは別の次元で、ゆっくり組み立ててしかるべきだ。
(´・_ゝ・`)「誰かが真似をしないとも限らない。最近は何が起きても不思議じゃないですから。
クソみたいに腐った人間が……こりゃ失礼、面白半分に人死にを出してしまう時代なんで」
(‘_L’)「そうですね」
いっそう疲労の色を滲ませる盛岡刑事は、私がそうしていたように壁に背を預ける。
目元には寝不足の証拠がうっすらと見えた。
そういえば、件の通り魔事件は全て夜間の犯行であることが分かっているらしい。
深夜でないにしても、睡眠阻害は十二分に受けるのだろう。
(‘_L’)「昨晩もどうやら、犯行と思しきものが起こったらしいですね」
スーパーで小型戦車奥様から聞いた言葉を思い出す。
(´・_ゝ・`)「ええ、隣の県で」
(‘_L’)「……この県の事件は管轄外なのでは?」
(´・_ゝ・`)「ははは、関連性があった場合に備えて、駆り出されたんですよ。非番だったんですけど」
笑う声は力なく、張りがない。
がない。
実に難儀な職業だ。
13 :
◆B2.pjaLScw :2009/03/28(土) 23:25:47.32 ID:XAI3Hw+vO
手術中、と書かれたランプが消灯する。
次いで中から移動寝台がドアを抜けてきた。
車輪と足音が静かな廊下に響く。
我々の前を行くベッドには、眠った女性が乗せられている。
(´・_ゝ・`)「さてっと、ちょっと医師と話してきます。よろしかったらご一緒にどうです?
まー、怪我した部分の写真とかも見るんでグロいですけどね」
疲れた顔に皮肉な笑みを浮かべる彼は、しかし、その笑みをすぐ消すことになる。
私はそれにイエスと答えて、本当にご一緒したのだから。
あんまり同行はさせないのだが、と付け加えた刑事は自分の冗談を後悔しているように見えた。
通された部屋では、青白い光源付きウィンドウにレントゲン写真が貼られていた。
前腕を形成する二本の骨と、それらより太い上腕骨の下方が写っている。
(´・_ゝ・`)「骨まで到達する斬り方だったんですか? かー、すげえなあ」
素直な感想を漏らす盛岡刑事に、私も同意見だった。
携行し得る刃物で、逃げる対象をかくも深く斬りつけられるものなのか。
普通は、なかなかできないだろう。
普通は。
医師が傷口の特徴を説明しだすと、盛岡刑事は大きなため息を吐く。
そして、眉間にしわを寄せた。
(´・_ゝ・`)「私の出番バリバリ、みたいですわ」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:26:54.71 ID:XAI3Hw+vO
(‘_L’)「どういった傾向があるんですか? ニュースではあまり取り扱わないですよね。
傷害傾向なんて」
そう訊くと、刑事の顔はますます曇る。
どこまで一般人に話してよいものか考えているのか。
人の口に戸は立てられないのだから、それも仕方なかろう。
(´・_ゝ・`)「重森さん、ご職業は?」
そんなことを尋ねる彼は、突然威圧的な態度になる。
首を突っ込むな、と言いたげだ。
だが、私は貴方よりももっと昔から渦中にいた可能性があるのですよ。
(‘_L’)「公立の高等学校で教員をやっております」
聖職者ですよ、どうですか、という感じで目を見つめて言い放つ。
視線は数秒、あるいは数十秒、交錯する。
ふ、と刑事の表情が和らいで、それは解かれた。
(´-_ゝ-`)「生徒への雑談のタネにしないでくださいよー」
(‘_L-)「事件解決後四十九日間はやめておきましょう」
(´・_ゝ・`)「はは、四十九日は物事にも適用可能ですか」
(‘_L’)「何かがなくなってそれくらいしたら、皆忘れてしまいますよ」
かもしれないですね、と彼は笑った。
15 :
◆B2.pjaLScw :2009/03/28(土) 23:29:19.11 ID:XAI3Hw+vO
無くなって。
亡くなって。
忘れない場合も当然、ある。
別段、今それを口に出す必要もない。
感傷に浸るような人間でも、私はない。
居心地を悪そうにしていた当直医に礼を言って、私達はロビーへ移動した。
その際、もらった毛布をベンチに忘れていたのを思い出し、ナースセンターへ返却する。
とは言っても、無人のカウンターに置いただけだ。
盛岡刑事は道すがら、自販機の缶飲料を二本購入、片方を渡してくれた。
じんわりと熱が手に広がる。
砂糖たっぷりのそれは、実にありがたかった。
近頃よくある夕飯抜き状態の身体に、糖分はとても嬉しい。
(‘_L’)「助かります。今晩はまだ食べていなかったので」
(´・_ゝ・`)「何か買ってきましょうか? コンビニで良ければ」
私は素直に厚意を受けることにした。
(´・_ゝ・`)「まー、別に礼は良いですよ。ちょちょいっと経費で落としますから」
(‘_L’)「扱いは接待費ですか?」
(´・_ゝ・`)「いんや、ただの税金還元です」
16 :
◆B2.pjaLScw :2009/03/28(土) 23:30:26.22 ID:XAI3Hw+vO
つまんないですかね?
やめます
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:35:44.08 ID:XAI3Hw+vO
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:42:33.19 ID:XRRhzr5x0
完結するまで見ているよ。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 23:52:16.08 ID:mBItThiZO
続けて
21 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/29(日) 00:13:06.09 ID:5PN97jbn0
おお、すげえ、俺の書いた話が板内転載されるとは。
春休みだよね、本当
ゆとり君死んで下さいよ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: