( ^ω^)ブーンもウルトラマンのようです

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1 ◆QObS42.zfc

プロローグ ―ニュー速市のとある民家―表札には「内藤」と書かれている小学生だろうか?小さな少年がテレビを食い入るように観ている
J('ω')し「ホライゾン!いつまでテレビなんか観てるの?明日も学校でしょう!」
(;^ω^)「お…ごめんだおカーチャン…あと5分だけ待ってくれお」
ホライゾンと呼ばれた少年はニュースを録画したと思われるビデオを巻き戻しては再生し巻き戻しては再生し、何度も観ていた。
息子がニュースに関心を持つ。母として悪い気はしない。 ・・・本来なら
J(;'ω')し「本来なら…ね」
少年が観ているニュースは芸能人の○○と○○が結婚した!だとか、総理大臣がマスコミにぶちギレただとか、そういった類のニュースではなく・・・
一人の巨人が、その巨人よりもさらに大きな怪獣を倒した!というものだった。
(*^ω^)「やっぱりウルトラマンメビウスは強いお!」
怪獣を倒した巨人は満足気に頷いて空へと消えていった。少年は巨人が完全に見えなくなるまで目を輝かせて観ていた。
しかし母親にとってはその巨人のした事は大した事では無いらしく
J('ω')し「ほら!もういいでしょ!早く寝なさい!」
・・・との事である
(;^ω^)「お…ブーンは悲しいお…カーチャンにはメビウスの良さがわからないのかお?」
J('ω')し「怪獣を倒してくれるのはありがたいけどね・・・」
J('ω')し「アンタがそうやって夜更かしするから起こすのが大変!母親にとってはいい迷惑だわ!」
(#^ω^)「そこまで言うかお・・・!メビウスがいるから僕らは平和に暮らせるんだお?」
(;^ω^)「メビウスがいなければ僕らは今ごろ・・・
J(#'ω'#)し
(;^ω^)「明日も早いので寝かせていただきます!」
J('ω')し「よろしい!寝坊しないように!」
( ^ω^)「イエッサー!」
J(;'ω')し「まったく・・・」
2 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:30:04.81 ID:2H1yHlVg0
翌日 寝坊するかと思われた少年は無事寝坊する事無く起床し、彼が通う小学校へと向かって行った。
( ^ω^)「ホントにだいじなものはーなーんだおー?」
('A`)「ようブーン!朝から元気だな」
彼の名はドクオ。少年・・・改め内藤ホライゾンの同級生。ちなみにブーンとは彼のあだ名である。
( ^ω^)「おっ!ドクオ!今日も一段と冴えないお!」('A`)「ほっとけ・・・」
( ^ω^)「昨日のニュース観たかお?」
('A`)「おーみたみた」
( ^ω^)「相変わらずカッコよかったお」
('A`)「カッコよかったな」
( ^ω^)「メビウス」('A`)「GUYS」
(#^ω^)「お?」
(#'A`)「あ?」
(#^ω^)「誰もあんなすぐやられる隊員どもの話なんてしてないお!僕はメビウスの事を・・・
(#'A`)「・・・テメエ今なんつった?」
これが彼らの日常的な朝であるブーンはメビウスが好きでドクオはGUYSという軍隊のファンなのである。
(#'A`)「もう地球は人間だけでも守れるの!ウルトラマンなんてもう古いし必要無いじゃねーか!ウルトラマンを崇拝してるのなんていい歳したオッサンだけだろ!」
(#^ω^)「いいだけ飛行機飛ばしていつも撃墜させられかけてる人間達が地球を守るなんて笑止千万だお!」
彼らの論争は学校に到着するまでの間続けられる。といっても学校に着いたからといってどちらかが譲るはずもなく、話は平行線のまま終わるのだが。
後にGUYSとウルトラマンメビウスが力を合わせてエンペラ星人を倒す姿に心をうたれ、彼らは永い争いに終止符を打つのだが・・・それはもう少し先のお話。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 20:30:29.94 ID:3lKfBjrLO
支援
4 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:31:19.98 ID:2H1yHlVg0
放課後
(;^ω^)「お・・・また宿題がたんまり出たお・・」
('A`)「鬱だな・・」
( ^ω^)「今日はどこに遊びに行くお?」
('A`)「そうだな・・河原でも行くか・・」
( ^ω^)「おk!どっちが早く着くか競争だお!」
三⊂二二( ^ω^)二⊃ブーン

('A`)「いやはええよ・・」

彼らの遊び場と言えば河原・公園・空地が3大遊び場である。
何も無いところから楽しみを見つけ出す彼らの脳はきっとものすごいと作者は思う。
光のように早く走るブーンを、ドクオは息も絶え絶えに追う。

( ^ω^)「ドクオおせーおwww」
('A`)「お前が早すぎるんだよ・・・ksg」

( ^ω^)「ん・・?あれは・・?」
5 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:33:12.68 ID:2H1yHlVg0
(*゚ー゚)

('A`)「あれはしぃだな・・俺アイツ苦手なんだよな」

しぃとは彼らと同じクラスの女の子である。容姿は端麗なのだが、時折「この世界ももうすぐ終わる」だとか「またあの時のような悲劇を繰り返すのね」だとか
電波な発言をすることから彼女に近付こうとする者はあまりいない。
彼女は河原を見つめながらソワソワしているようだ。
( ^ω^)「なんか困ってそうだお・・」
('A`)「またなんか電波な事言い出しそうだな・・」
( ^ω^)「そんな事言わないでとりあえず話しかけてみるお!」
('A`)「しょうがねえな・・」

( ^ω^)「しぃちゃん!」
ブーンが彼女を呼ぶと彼女は一瞬だけビクッとして、ブーンの顔を見て安堵の表情を浮かべた。

(*゚ー゚)「内藤君に鬱田君・・」
( ^ω^)「しぃちゃんなんか困ってるお?」
(*゚ー゚)「ええ・・実はね・・ちょっと大事な物を無くしちゃって・・」
( ^ω^)「ほうほう・・この辺で無くしたのかお?」
(*゚ー゚)「多分この川のどこかにあると思うの・・」
6 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:35:09.11 ID:2H1yHlVg0
季節も夏を終え、入るには少し躊躇われる・・というか次の日風邪決定な冷たさだった。
( ^ω^)「だがそんな事はキニシナイ!」
(*゚ー゚)「?」
そう言うとブーンは川へと入って行く。
(*゚ー゚)「風邪ひいちゃうよ!」
( ^ω^)「でも大事な物なんだお?なーに、かえって免疫力がつくお!」
(*゚ー゚)「そんな・・・でもありがとう・・」
('A`)「しょうがねえな・・付き合うぜ・・」
( ^ω^)「さすがドクオだお!」
('A`)「うおっ・・・つめてEEEEEEEEE」
( ^ω^)「さっさと見つければ問題無いお!急いで探すお!」
('A`)「だな・・」
そう言って二人は川の中を手探りで探し始める
30分程経った頃だろうか・・ブーンが手を止めしぃの方を見る。
( ^ω^)「しぃちゃん・・」
(*゚ー゚)「やっぱりダメっぽい?」
( ^ω^)「いや・・そうじゃないお・・」
ドクオも手を止める
('A`)「ああ・・そんな事じゃない・・」
( ^ω^)「僕らは」
('A`)「何を探せばいいんだ?」
(;*゚ー゚)「・・・」

('A`)「誰かつっこめよ・・」
7 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:37:32.70 ID:2H1yHlVg0
(*゚ー゚)「えっとね・・私が探してるのは赤い玉よ。初代ドラゴン○ールくらいの大きさね」
( ^ω^)「あ、もしかしてこれかお!」
(*゚ー゚)「あ!それ!いつのまに見つけたの?」
( ^ω^)「いや・・最初に手入れた時に綺麗だったからポケットに入れといたお」

('A`)「・・・」
(*゚ー゚)「・・・」
( ^ω^)「・・・スマンカッタ」

(((( ^ω^)))「安心したら寒くなってきたお・・さっさと出るお・・」
('A`)「だな・・・」

(*゚ー゚)「二人とも・・ごめんねこんなに寒いのに・・」
('A`)「どうせ暇だったからいいさ」
( ^ω^)「だお!」
(*゚ー゚)「お礼に二人の願いを一つだけ叶えてあげる・・」
8 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:39:15.72 ID:2H1yHlVg0
('A`)(うわ・・また電波が出た・・)
(;^ω^)(これさえなければ可愛いのに・・)

(*゚ー゚)「どうしたの?もしかして疑ってる?」

( ^ω^)「いやいや!めっそうもないお!」
('A`)(とりあえず合わせてみるか・・)

('A`)「俺は・・GUYSの人達みたいに地球を守れる男になりたい」

○ ポワーン

( ^ω^)「!」
( ^ω^)「今この玉光らなかったかお?」

('A`)「気のせいじゃね?」

(*゚ー゚)「きっとなれるわ・・今すぐには無理だけどね。ただし、そうなるための努力は忘れないようにね」
('A`)「ああ・・そのつもりだ」

(*゚ー゚)「さて・・内藤君は決まってる?願い事」
( ^ω^)「僕は・・僕は・・」
('A`)「ひとつしかないよな?」
( ^ω^)「お!」

ぼくはウルトラマンになりたいお!

( ^ω^)ブーンもウルトラマンのようです
9 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:41:12.99 ID:2H1yHlVg0
‐それから10数年の月日が流れた‐
あの日から数か月後・・ウルトラ兄弟とGUYSの活躍により、エンペラ星人の野望は潰えた。
地球には再び平和が戻り、ウルトラ兄弟達は宇宙へと帰って行った。

「何度来てもここのパスタは最高だわ!また来るわね!」
( ^ω^)「おっおっ!お褒めにお預かり光栄ですお!」
内藤ホライゾン、24歳。
高校卒業ギリギリまで将来の夢はウルトラマンと語り続け、担任の頭を悩ませ続けた彼も無事に就職を果たした。

( ^ω^)ノシ「ありがとうございましたお〜!」

(;^ω^)「そろそろ昼ピークも終わりかお・・ひと段落したら夜ピークに備えて仕込みをしないといけないお・・」

ξ゚听)ξ「内藤、ちょっといい?」
津出麗子、通称ツン、25歳。内藤の先輩にあたる。美人なのだが致命的に愛想が無い為厨房がメイン。
内藤いわく(;^ω^)「笑えば可愛いんだお!1年に1度笑うか笑わないかくらいだけど」
との事。

( ^ω^)「はいですお!」
ξ゚听)ξ「今日の昼ピーク、思ったより売れたでしょ?トマトの残りがちょっと微妙なのよ・・。休憩がてらでいいから買ってきてくれない?」
( ^ω^)「おっおっ!把握しましたお!それじゃ料理長に言って休憩頂きますお!」

( ^ω^)「というわけで、モナーさん。ちょっとの間1人ですけどよろしくお願いしますお!」
( ´∀`)「モナモナ、休憩しすぎて本来の目的を忘れちゃダメモナよー!」
山本モナー、年齢不詳。本人曰く永遠の18歳(笑)との事。ホールのリーダーを務める人物。
性格は温厚そのもので部下からの信頼も厚い。
( ^ω^)「おっおっ!いくら僕でもそこまでマヌケな事はしないおwwww」

ξ゚听)ξ「するから・・困るのよねえ・・」
10 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:42:52.69 ID:2H1yHlVg0
( ^ω^)「料理長!ちょっと休憩と買い物に行ってきますお!」
荒巻「そうか。気をつけて行ってくるんだぞ」
料理長、自称荒巻スカルチノフ。どう見ても偽名です。本当にありがとうございました。
変な偽名とは裏腹にダンディな人物。ちょっと熱くなりやすい人。
料理長という立場にありながら以前は指輪を常に着用していた。
ツンに何度注意されても取らなかったのだが限界がきたツンにジャーマンスープレックスを食らってからはヒモを通して首にかけるようになった。
-( ^ω^)「ええ、背骨が折れてました。ツン?笑ってましたよ・・。こう・・ニヤッっとね・・」
(;^ω^)「一応上司がジャーマン食らってるわけですから注意しないといけない場面だったんですが・・なんていうか憧れちゃいますよね・・男として」
( ^ω^)「1分後には何事もなく調理に戻ってました。ええ、もちろん無表情で。それが・・津出麗子なんでしょうねえ・・」‐

( ^ω^)「おっおっ!今日は天気がいいお!公園でも行って日光ブーンでもするお!」

( ^ω^)ブーンもウルトラマンのようです。
11 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:46:39.08 ID:2H1yHlVg0
第1話 「敗北」



⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン!    うわあああああああ!

(;^ω^)「お?なんか叫び声が聞こえたお!行ってみるお!」
内藤が駆け付けるとそこには高校生と思わしき年代の少年達が争っていた。
否‐争っていたという表現は正しくないようだ。
(;−_−) 「うう・・」
(・∀ ・)「おら持ってんだろ!!出せよ!!」
( ^ω^)「ペロッ・・これは間違いなくカツアゲ・・!今助けるお!」


1分後
(#)ω(#)「ですおね・・」
そこには見るも無残な内藤の姿があったのでした○(まぁる)
(・∀ ・)「なんだこいつ!口ほどにもねえなー!」
(;−_−)「わかりました!出します!出しますからもうやめて!!」
少年は観念したように叫んだ。傷だらけになっていく内藤の姿を見て恐怖が増したのだろう。
(・∀ ・)「おう!最初から素直にそうすりゃいいんだよ!手こずらせやがって!」
(#)ω(#)「君・・ダメ・・だお・・。僕たちは知り合いじゃないからわからないけど・・それは君が汗水たらして稼いだお金なはずだお・・」
(・∀ ・)「うるせえなーこいつ!黙ってろ!」ボカッ
( ω)バタッ
12 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:47:29.48 ID:2H1yHlVg0
(;−_−) 「じゃあどうしろって言うんだ・・!助けてもらってこんなこと言いたくないけど・・アンタだって何も出来なかったじゃないか!」
( ω)「・・」
(# ^ω(#)ムクッ
(# ^ω(#)「・・・信じるんだお・・」
(;−_−) 「は?」
(# ^ω(#)「・・信じる力が、勇気になる・・。どんなことがあってもあきらめなければ・・不可能も可能になるお!」
(・∀ ・)「あーもううるさい!ホントにこr・・」
その時・・どこからともなく男の声が聞こえた。

「よく言った!」

(;・∀ ・)「今度はなんだよ!」
('A`)「傷害及び恐喝の現行犯・・っと。逮捕確実だな」
(# ^ω(#)「ド・・クオ・・」
そこにいたのは小学生時代からの親友、ドクオだった。
(・∀ ・)「ああん?てめえ何様だ!!」
('A`)「VIPだ・・」
エンペラー星人亡き後の地球が平和そのものだったのは先程述べた通りである。
Guysの面々は、リュウ隊員を除きそれぞれの夢を達成するため、日常へと帰って行った。
その後、平和とはいえ「地球の平和は地球人で守るべき」という考えの人間達が世界各地から集まり、結成されたのがVIPである。
しかし現在は異星人の侵略も無く平穏な日々が続いているため、警察と合同で民間の犯罪を抑止している。

(・∀ ・)「ちっ・・お上が来やがったか!今日のところはカンベン・・」
( ゚∀゚)「してやるわけにはいかねーな!」
男が気付いた時には10人ほどの屈強な男達に包囲されていた。
結局男は逃げる間もなく逮捕された・・。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 20:47:31.83 ID:UB+fQVBgO
支援
14 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:48:56.55 ID:2H1yHlVg0
(つω`)「痛かったお・・でもなんとかなってよかったお・・。」

( ^ω^)「少年よ、ケガは無いかお?」
(-_-) 「ウソツキ・・」
(;^ω^)「!?」
(-_-) 「何が信じる力が勇気になるだよ!今回だって結局は国家権力の力でなんとかなっただけだろ!」
(;^ω^)「アウアウ・・返す言葉も無いお・・」
(-_-) 「やっぱり世の中・・力なんだ・・力がすべてなんだ・・」
( ´ω`)「・・・」
せっかく自分を犠牲にして助けに入ったのに・・少し怒りの感情が湧いたのが事実だった。
しかしそれ以上に・・内藤にとってこの言葉はショックが大きかった。

(-_-) 「フン!」
それ以降少年は言葉を口にすることも無く立ち去ってしまった。

('A`)「内藤・・久しぶりだな・・」
( ´ω`)「・・・」
('A`)「内藤・・?」
数年ぶりの旧友との再会だというのに、内藤の耳には誰の言葉も届いていなかった。
内藤の耳には、ただただ先ほどの声が響き続けていた。

「やっぱり世の中・・力なんだ・・力がすべてなんだ・・」

( ´ω`)「(大切なのは・・信じる心・・勇気じゃないのかお・・・)」
15 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:50:24.06 ID:2H1yHlVg0
ξ゚听)ξ「あら内藤、戻ってたの?ちゃんとトマト買ってきた?」
( ´ω`)「・・・」
ξ゚听)ξ「なーいとー?」
( ´ω`)「ごめんなさいお・・」
ξ#゚听)ξ「ハァ!?あれだけ私が忠告したのに忘れたの!?いったい何やってたのよ!」
( ´ω`)「・・・」
ξ;゚听)ξ「ダメだこりゃ・・」

‐休憩室‐
ξ゚听)ξ「・・というわけなんです」
荒巻「ふむ・・」
ξ゚听)ξ「何があったのかは私もわかりかねますが、早く元通りになってもらわないと夜のピークが絶望的になりますよ・・」
荒巻「君はこんな時にまでお店の心配かね?」
ξ;゚听)ξ「は?」
荒巻「内藤のことは・・心配じゃないのかね?」
ξ#゚听)ξ「そりゃもちろん心配・・」
荒巻「(ニヤニヤ)」
ξ;゚听)ξ「じゃないです!私にとっては常に仕事が第1ですから!!」
荒巻「ほーう・・(ニヤニヤ)」
ξ;゚听)ξ「なななんですか!その目は!とにかく私は仕込みの途中なんで行きますよ!」
16 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:51:56.23 ID:2H1yHlVg0
ツンは慌てたように退室し、休憩室は料理長と内藤の2人だけが残された。
( ´ω`)「・・・」
先ほどまでふざけていた荒巻であったが、途端に表情を引きしめる。
荒巻「さ、何があったかオジサンに話してみるといい」
( ´ω`)「おっ・・・」
ドクオやツンに話しかけれても上の空であった内藤だが、料理長がそう言うと内藤は少しずつ、先ほどの出来事を話した。

( ´ω`)「・・・というわけなんですお・・。僕の信じてきた勇気とは無意味なものだったのかと思うと・・」
荒巻「内藤・・」
( ´ω`)「お・・?」
荒巻「その少年が憎いかね?」
いつのまにか、荒巻の顔から表情が消えていた。
荒巻「せっかく身を犠牲にして助けたのに冷たい言葉を放ったその少年が・・憎いかね?」
( ´ω`)「そ・・それは・・」
荒巻は冷たい表情のまま続ける。
荒巻「残念だが人間・・いや、地球人というものはそういうものだ・・」
まるで自分が地球以外の惑星から来た人間かのように話す荒巻。
( ´ω`)「憎くない・・といえばウソになるかもしれないですお・・」
荒巻「当然だろうな・・。そう思うのもまた人間・・」
17 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:54:24.81 ID:2H1yHlVg0
( ´ω`)「けど、きっとまた同じ場面に遭遇したら‐

( ^ω^)「僕はまた助けに入ると思うんですお」
荒巻「・・・また、同じように罵声を浴びせられるかもしれないのにか?」
(;^ω^)「僕はバカだし弱いですお・・。けどだからって・・」
( ^ω^)「痛い目にあったり悲しんだりしている人達を放っておくことはできないですお」
荒巻「愚かだな・・本当に愚かだ・・」
(;^ω^)「自分でもそう思いますお・・」
荒巻「だがそれがいい」
( ^ω^)「!」
荒巻「確かに、大切なのは信じる心・・そして勇気だ。それさえあれば不可能が可能になることもある」
( ^ω^)「お・・・」
荒巻「でもな内藤・・もっと大切なものがあるとは思わないか?」
( ^ω^)「勇気よりも大切なものですかお?」
荒巻「やさしさ・・だよ」
( ^ω^)「やさしさ・・」

荒巻「オジサンの昔話に、付き合ってくれないか?」
( ^ω^)「おっ・・」
内藤の了承も得ず、荒巻は話し始めた。
18 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:56:42.08 ID:2H1yHlVg0
かつて、1人のウルトラマンが地球にいた。名をウルトラマンエースと言った。
ウルトラ兄弟はその力は強力であるが、地球で行動出来る時間が限られているため、エースは日常では北斗星司という人間の身体を借りていた。
敵は凶悪な超獣達であったが、エースは倒れても倒れても諦めず、地球の平和を守っていた。
当時ウルトラの一族にはある掟があった。それは「地球人の姿でいる時、正体を知られてはならない」
というものだった。
しかしそれ自体は超獣が現れた時に隠れて変身している時だけ隠れていれば済む事であり、あまり苦労はしていなかった。
そして、戦士として地球の為に戦っていく内に、エースには地球という星がかけがえのない大切なものになっていた。

そんなある日・・北斗の姿でいたエースは、地球人の子供たちが数人がかりで怪獣の子供をイジメている場面に遭遇した。
自分が守っている地球人達であったが、弱い者イジメは良くない。間違っているとエースは子供たちを叱りつけた。
少年達はウルトラ兄弟のマネをしたかっただけなのであろう。「ウルトラ兄弟は弱いものイジメはしない」という言葉に素直に反省し、怪獣の子供‐サイモンと仲良く遊ぶようになった。

しかし‐サイモンは宇宙人にしか聞こえないテレパシーでエースに語る
自分こそが‐ヤプール人(エースが戦っていた敵)であると・・。
‐子供達を叱りつけた自分が、サイモンを殺さなければいけない‐
子供たちへの教えを自分で否定しなければいけない。
葛藤はあった・・が、子供たちの安全が第一である。エースはサイモンを射殺した。
当然ながらエースは子供たちに罵声を浴びせられる。
19 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:57:55.35 ID:2H1yHlVg0
‐ここで自分が、宇宙人・・ウルトラマンであると言ってしまえば地球を去らなければならなくなる‐
最後に1人の子供がこう言った。
「もうやさしさなんか信じないからな!」
エースに決心をさせるには、充分な言葉であった。
自分が責められる分には構わない、だが子供たちからやさしさを奪うわけにはいかない。

そしてエースは‐子供たちの前で変身してみせた。
「やさしさを失わないでくれ。
 弱いものをいたわり、
 互いに助け合い、
 どこの国の人たちとも友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。
 たとえ、その気持ちが何百回裏切られようと。
 それがわたしの最後の願いだ」
そう言い残し、エースは地球を去った‐
20 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 20:59:34.11 ID:2H1yHlVg0
( ;ω;)「おっ・・」
荒巻「誰かを守るためには、勇気も必要だろう。だが本当に大切なのは・・やさしさなんじゃないかと私は思うよ」
( ;ω;)「おっおっ・・」
内藤はただ頷き続ける。

荒巻「立派だったよ・・内藤。そして願わくば、これからもそんな内藤でいてほしい」
( ;ω;)「おっ・・・」
( ^ω^)「お〜ん!!」

( ^ω^)「料理長・・ありがとうございましたお。おかげで決心がつきましたお」
荒巻「よかった・・じゃあ仕事に戻ろうか」

その時あたりに轟音が響いた

(;^ω^)「地震・・かお?」
荒巻「いや、ただの地震にしちゃ度が過ぎているような・・」

ξ゚听)ξ「料理長!!」
荒巻「ツンか、いったいこれはどうしたんだ!」
ξ゚听)ξ「そ・・それが・・・」

怪獣・・です・・・
21 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 21:01:09.00 ID:2H1yHlVg0
(;^ω^)「また・・出てきたのかお・・・」
荒巻「いかんな・・・内藤!」
(;^ω^)「ははははいですお!」
荒巻「お前はツンとモナーと一緒にVIPのシェルターに避難するんだ!」
(;^ω^)「料理長は!」
荒巻「私は家に残してきた妻を迎えに行ってくる」
(;^ω^)「お・・わかりましたお・・。お互い無事に避難出来る事を祈るお・・」

荒巻「そうだ、お前にこれを預けておこう」
荒巻が内藤に渡したもの、それは真っ赤な手袋だった。
( ^ω^)「これは・・?」

荒巻「古い友人からもらったものでね。なんでも不思議な力が込められているそうだ。君が本当に窮地に陥った時に着けてみるといい」
(;^ω^)「は、はぁ・・」


ξ;゚听)ξ「二人ともなにやってんの!!さっさと避難するわよ!!」

そして荒巻は内藤達と逆方向に走り去って行った。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:02:14.20 ID:3lKfBjrLO
支援
23 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 21:02:20.45 ID:2H1yHlVg0
(;^ω^)「モナーさんは!?」
ξ゚听)ξ「心配ないわ・・お客さん達と一緒に先に避難しているわ」
(;^ω^)「それはよかったお・・僕たちも急ぐお!」
一心不乱に走る2人・・しかし・・

ゴオオオオオオオオオオン

ξ;゚听)ξ「ああ・・私たちの店が・・」
(;^ω^)「このままじゃ壊されちゃうお・・!」
内藤は店の方向に戻ろうとするが、ツンに手を掴まれる。

ξ#゚听)ξ「ちょっと何考えてんの!!」
(;^ω^)「だ、だってあの店は僕たちの・・料理長の・・」
ξ#゚听)ξ「命さえあればどうにでもなるのよそんなもの!!さっさと行くわよ!!」
(;^ω^)「あ・・・ああ・・もう怪獣がすぐそこまで・・・」

まさに怪獣がレストランに到達する直前‐その巨人は現れた‐

ξ゚听)ξ「あ・・・あれは・・」
( ^ω^)「嘘・・だおね・・?」

その姿は、かつて地球を守り続けた戦士・・ウルトラマンエース
24 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 21:03:21.50 ID:2H1yHlVg0
ξ゚听)ξ「まだ・・地球にいてくれたんだ・・」
( ^ω^)「平和になった今も・・ずっと地球を見守ってくれていたのかお・・?」


エース「(こいつは・・ゼットン・・果たして今の私のエネルギーで勝てるだろうか・・)」
ゼットン「ゼットーン・・・・」

エース「(いや・・勝てるかどうかじゃない・・勝たなければならない・・!)」
ゼットンのビームがエースを襲う
(;^ω^)「エース!危ないお!」
すんでのところで回避するエース、ゼットンの後ろに回り込み、キックをお見舞いする。しかし‐

ゼットンもただではやられない。エースに反撃をする。

ξ;゚听)ξ「エース!!」
反撃を食らいながらも立ちあがるエース、そしてゼットンにドロップキック!

( ^ω^)「お〜ん!今だお!!メタリウム光線だお!!」

エース「ヘアッ!!」
お決まりのポーズにお決まりのビーム。エースの必殺技メタリウム光線がゼットンに直撃する。
辺りには煙が立ち込める

( ^ω^)「やったお!さすがエースだお!」
ξ*゚听)ξ「やるじゃない!」
25 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 21:04:20.67 ID:2H1yHlVg0
煙が段々と晴れていく、そしてそこには‐

(;^ω^)「嘘・・だお・・?」
ξ;゚听)ξ「効いてないっていうの・・」

‐ゼットンの姿が変わらずそこにあった

エースも動揺しているようだ。そしてその動揺が、一瞬の隙を生んだ・・

ゼットンのビームがエースに直撃したのだ。
エースが倒れ、カラータイマーが点滅する

(#^ω^)「エース!!立つんだお!!」

内藤の叫びも虚しくカラータイマーの点滅が弱まり、そして

ξ゚听)ξ「消え・・た・・」
エースの姿が消えてしまった・・・

(;^ω^)「こ・・これは・・・」
ξ゚听)ξ「ウルトラマンエースが・・」

(;^ω^)「・・負けちゃったお・・」 


続く
26 ◆QObS42.zfc :2009/03/25(水) 21:10:25.11 ID:2H1yHlVg0
以上で第1話は終了です( ^ω^)
第2話は多分来週になっちゃうと思うお!
ウルトラマンがわからなくても楽しんでもらえるように頑張るお!でも文才は無いおwwwサーセンwwwww
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:11:39.16 ID:3lKfBjrLO
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:28:22.28 ID:/d44HIe/0
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:29:01.87 ID:UB+fQVBgO
乙 おもしろいよ
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:30:09.40 ID:SeORdguAO
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:30:12.85 ID:7xpNe+55O
O2
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:39:34.63 ID:d3p617uyO
酸素
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
面白い!乙!