（　＾ω＾）ブーンはフォースを駆るジェダイのようです

おっぱい大好きスレ立て代理

>>1感謝です！


まとめて下さっているサイト様
・Boon Novel
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※本編を読まれる前に※
・本作はＧ.ルーカス監督のＳＦ映画『スターウォーズ』シリーズを元ネタとしています
・基本的なコンセプトは映画と同じですが、物語の都合上（或いは作者の無知故に）
　オリジナルとは多少違う設定を構える可能性があります
・本作は映画の新旧三部作の300年後の世界を描いています。
　スピンオフ小説内で発生した出来事とは無縁のパラレルワールドだと思って頂ければ幸いです。

※今日は少し多いので、後半辺りで音信不通になったら猿だと思って下さい。

しえーんします

「来てたか。しえーん」の携帯はお帰りください　　

Episode2：カーシェスバイト視察

〜SHOT-5〜


[　゜∀ﾟ]「認めたくないものだな」

（　＾ω＾）ｼｬｱ ｵﾂ「なにがだお？」

[　゜∀ﾟ]「あんたの実力をさ」

（　＾ω＾）「それは喜ばしいことだお」

[　゜∀ﾟ]「…………」

どんでん返しと呼ぶに相応しい活劇を披露したブーンは、決着が付くと早々に控室へと引っ込んでいた。
試合の勝敗が決した瞬間に、大量の飲み物だとか食べ物だとかがブーン目掛けて飛んで来たからだ。

来てたか。しえーん

違う人だなー
し

この大会の醍醐味の一つとして、選手を対象にした賭博要素がある。
戦いの見物そのものよりも、むしろこちらを目当てに足を運ぶ客の方が多いくらいだ。
下馬評など無いに等しい無名の男が優勝候補に圧勝したことで、レースの大番は荒れている。
白い券札を宙に放って頭を抱える観客もいることだろう。

[　゜∀ﾟ]「第一回戦のカードは全て終了した。二回戦はすぐに始まるぞ」

（　＾ω＾）「把握。それより何か拭く物がないかお？ 奴さんの血が棒に付いて不快だお」

巨漢の顔を原型留めぬ程に打ち付けた鉄棒を点検しつつ、ブーンがマシカに手を差し出す。

適当な布切れを渡しながらマシカは思う。
ニシカワは間違いなく死合いに慣れている。
命が保証される試合ではなく、死合いにだ。

え

観客達を魅せる為のエンターテイメントなどかけらも無い、ただ相手を確実に叩き潰す為だけの戦闘術。
Ｃ級惑星にいる時点でカタギとは言えないが、腕っ節の強いゴロツキで納まらない事は確かだろう。

[　゜∀ﾟ]「（ひょっとしたら。とんでもない化け物を雇っちまったのかなあ）」

（　＾ω＾）「肉まんうめぇｗｗｗｗｗｗ」

マシカの予想通り、ブーンの二回戦は直ぐさま始まった。
二人がコロシアムに出ると、強烈なブーイングと賛辞が会場を襲った。
ブーンが倒した巨漢に大金を賭けていた者。
ブーンが巨漢を倒したことで、大穴が確定した者。
様々な意味で注目されつつ、ブーンは次の対戦相手をマシカと共に迎える。

|::━◎┥「…………」

（　＾ω＾）「出てきたお」

[　゜∀ﾟ]「ありゃあ……サイボーグだな」

（＾ω＾；）「えﾞ。人間以外も試合に出れるのかお？」

[　゜∀ﾟ]「元は人間だろ。身体の中に色々仕込んでるから気をつけろよ」

( ＋)「さあ、役者が出揃ったようだ！
　　　今回のカードはいきなり優勝候補をのしちまったニシカワ＝ホライズンと、
　　　お前マジで人間かよと突っ込みなくなるサイボーグ歯車王だ！」

(#＋)「鋼鉄の身体に果たしてニシカワの鉄棒は通じるのか！？ レディー……ヒャイ！ 噛んだ！ ファイッ！！」

｜

噛むなｗ

試合開始のドラが鳴る。
相手はサイボーグ。
おかしな武器に襲われては堪らないと、ブーンは様子見を兼ねて距離を取った。

（　＾ω＾）「（センスも糞もないデザインだお）」

歯車王などとたいそうな名を持つサイボーグは、何処ぞのＢ級アニメに出てくるような不格好な出で立ちだ。
生身の身体に金属板を継ぎ合わせた”いかにも”な容姿に、ブーンは思わず苦笑する。
ドロイド兵器に戦力の主軸を置くＰＭＣ『ラウンジ・コーポレーション』の誇る機械化部隊ならまだしも、
中途半端な技術で作られたサイボーグなど恐れるような相手では無い。

（　＾ω＾）「（フォースショックで機械部分を適当に壊せば勝てるけど、生命維持装置を止めちゃったら元も子もないお）」

（　＾ω＾）「（機械化されてる部分は脚と腕。とりあえずそこから潰すか）」

戦力を分析するブーンに対して、歯車王は微動だにせず佇んでいる。
武器らしい物は持っておらず、スコープ越しにブーンをじっと見つめていた。

（　＾ω＾）「ふん」

このまま距離を保っていてもラチが開かないと、ブーンは歯車王に踏み込む。
先ずは小手調べだ。

|::━◎┥「モクヒョウホソク　ハイジョシマス」

（　＾ω＾）「おっと」

やはり、歯車王はブーンの攻め込みを待ち構えていた。
ノーモーションからの強烈なアッパーカット。
敵の殺意やキルゾーンを計ることで未来視をするブーンは、た易くそれをかわすと槍の要領で鉄棒を相手に見舞う。
鈍い音が空気を揺らす。

来てたか。しえーん

ん

（　＾ω＾）ﾄﾞｳﾖ

|::━◎┥「…………」

（；＾ω＾）「わわっ！？」

駄目だ。まるで効いていない。
きっちりと胸に突っ込んだ鉄棒に効果は無く。なんだそれはとでも言うかのように、歯車王は再び剛腕をブーンに振るう。

正攻法ではたいしたダメージは与えられそうにない。
面倒だ。フォースショックを使おうか？
苛立つブーンにジェダイとしてのブーンが静止の声をかける。
これは戦争ではない。ただの喧嘩だ、と。

（　＾ω＾）「もう一発！」

|::━◎┥「ガガガガ！」

（＃＾ω＾）「くそっ」

来ちゃったか。しえーん

サイボーグとはいえ、相手は人間だ。
生物にとってのフォースは、言うなれば身体に流れる第二の血液である。
血が生命維持に重要な役割を担っているように、フォースも肉体のあらゆる器官と密接に関わっているというわけだ。
それを意図的に乱せばどうなるか。皆まで語る必要はないだろう。

（　＾ω＾）「大儀か倫理か。安っぽい葛藤だと思わないかお？」

|::━◎┥「…………」

出す技全てが空を切っていることに不毛を感じたのか、歯車王は拳闘を引っ込めた。
代わりに、機械化された腕部がぱっくりと割けて中から鋭利な刃物が飛び出す。

（　＾ω＾）「仕込み刀かお？ 他に何かびっくりウェポンあるのかお？」

|::━◎┥「ハイジョシマス」

……

……

し

鉄棒とブレードが火花を散らす。
歯車王に動きの無駄はない。
的確にブーンの急所へブレードを突き刺そうとしてくる。
それを鉄棒で捌きつつ、ブーンはサイボーグの隙を伺う。
胸や脚などに打撃を与えても無意味であることはよく分かった。
狙うなら生身の場所。もしくは内臓だ。

（　＾ω＾）「ああ、そういえば今回はマイクパフォーマンスが無かったおね」

|::━◎┥「アレハ、ニンキガ アルヤツ シカ シナイ」

（　＾ω＾）「ふーん。じゃあ一つだけ聞いてもいいかお？」

|::━◎┥「…………」

（　＾ω＾）「あんた。独楽は好きかお？」

|::━◎┥「……キョウミハナイ」

（　＾ω＾）「そうかお」

どんな技かな？

|::━◎┥「！？」

ブーンが消えた。
少なくとも、歯車王にはそう見えた。
先程まで熾烈な打ち合いをしていた相手が視界から消えたことに、歯車王は若干の焦りを見せる。

|；━◎┥「〜〜〜」

落ち着け。何も本当に人ひとりが消えたというわけではないのだ。
ただ、高速の足捌きでこちらの視野から逃れたに過ぎない。
それに何より、自分は鋼鉄の鎧を纏っているではないか。
不意打ちを喰らったところでどうという事はない。
右か。左か。
落ち着きを取り戻した歯車王のスコープが辺りを見据える。

（　＾ω＾）「うしろ」

|；━◎┥「アグ！！」

歯車王の後頭部に衝撃が走った。
一回戦と同じく、身体を回転させながら野球打者のような打撃をサイボーグに見舞ったブーン。
想像以上の衝撃に視界が霞みながらも、歯車王は背中に仕込んだギミックから投げナイフを射出した。

（；＾ω＾）「うぉい！ 飛び道具は禁止じゃねーのかよ！」

( ＋)「槍を投げるのも、ナイフを投げるのも変わらねーからな。銃とか弓矢じゃない限りはｾﾌｾﾌ」

（　＾ω＾）「これは酷い」

|::━◎┥「イマノハ、キイタ。ダガ、ショウブハ コレカラダ」

（　＾ω＾）「そうかお？」

|::━◎┥「？」

（　＾ω＾）「本当に、勝負はこれからかお？」

|；━◎┥「……エッ？」

支援としえーん使わなきゃ臭い虫で弾かれることぐらい分かれや糞PCが

ごめん、今PSPなんだ…

体勢を立て直した歯車王が膝を付いた。
観衆がどよめく。
だが、もっとも混乱しているのは歯車王自身だ。
酔ったような感覚が身体を襲う。
目が回り。酷い吐き気が鋼鉄の身体を襲った。

|；━◎┥「バカナ……ダゲキテイドデ……コンナ……」

（　＾ω＾）「打撃と言うより衝撃だお」

そう言って、ブーンは歯車王に自分の鉄棒を見せた。
歯車王の頭部を襲ったであろう先端部には、ブーンが着ていたローブが巻かれている。
マッチ棒のような案配だ。

（　＾ω＾）「ボクサーがＫ.Ｏされて倒れる理由は、打撃ではなく衝撃のせいだお。
　　　　　　吸着性の強いグローブは相手の頭に衝撃波を与えて脳を揺さ振る。
　　　　　　俗に言う脳震盪のメガニズムだおね」

|；━◎┥「デハ……ソノ、イフクハ……」

（　＾ω＾）「グローブの代わりだお。流石に頭の中までは電脳化していなかったようで助かったお」

でなければ四肢を二・三本頂いていた。
口から出かけた本音を上手く腹の中で処理し、ブーンはもう一度身体を回転させる。
あと一撃喰らわせれば、歯車王は完全に脳震盪を起こすだろう。
つまり、意識が途絶える。
ブーンの勝ちだ。

（　＾ω＾）「おやすみかん」

|::━〇┥「ム、ムネン……」

　　※※　　※※　　※※

■コロシアム:選手控室

[　゜∀ﾟ]「ええい。俺が雇ったファイターは化け物か」

（　＾ω＾）「お前、ホントにそのネタ好きだな。とりあえずこれで船の修理費は手に入ったおね」

[　゜∀ﾟ]「ああ。あんたの要望通り、発注は既に済ませている。突貫で修理すれば明け方には出発できるぜ」

身体についた砂を掃いながら、ブーンはマシカの報告に頷いた。

予定ではブーンは次の対戦に勝った後、そのまま棄権することになっている。
当然、マシカはそれに対して始終不服の姿勢を見せていた。
が、元々ブーンがいなければ大損をしている身なので、渋々ではあるものの結局はその提案を受け入れている。
三回勝利するだけでも十分過ぎる額が手に入るのだ。
運び屋には悪いが、この辺りで手を打ってもらおう。

P

（　＾ω＾）「次の対戦相手は分かるかお？」

[　゜∀ﾟ]「このブロックで勝ち残ったのはあんたを含めて四人。
　　　　どういう組み合わせかは知らされてないが、システム的にコイツと当たる可能性が高い」

マシカが見せたリストにブーンが目を通す。
幾つもの名前が連なった選手表の中で、一つだけ赤く丸が打たれているものがあった。

（　＾ω＾）「エクスト＝プラズマン。随分と若いお」

[　゜∀ﾟ]「この辺りを根城に活動するフリーの傭兵だ。何処かの物好きが大会の為に雇ったらしい」

（　＾ω＾）「タトゥウィーンの出身。元ポッドレーサーか……」

[　゜∀ﾟ]「専門は航空戦闘だが、腕っ節もかなりのもんだ。大会は初出場。あんたと同じでダメージ零のストレート勝ちだ」

（　＾ω＾）「ふーん」

PSPだから何？
お帰りくださいとか何様のつもり？
　
しえーん

S

ポッドレーサーと言えば、宇宙で一・二を争う程の危険で速いレースで有名だ。
マシンの性能にも依るが、平均的な速度は時速三百キロを軽く越えるという。
当然、並の神経を持つ者では操ることなど出来ない。
エクストがどれほどの実力者かは分からないが、少なくとも目が鍛えられている事は確かだろう。
ブーンの棒術が捌かれる可能性もある。

（　＾ω＾）「（面倒そうな相手だお）」

[　゜∀ﾟ]「おーし。時間だニシカワ。次も快勝で頼むぜ」

（　＾ω＾）「おっおっお」


　　※※　　※※　　※※


（　＾ω＾）「…………」

[　゜∀ﾟ]「…………」

面倒臭い奴とぶつかってしまった。
三度、コロシアムへと舞い戻ったマシカとブーンの最初の印象だ。

P

買えば？

＜＿プーﾟ)フ「やいやいやい！ 何をボーッと突っ立てんだよ御二方。
　　　　　　せっかくクールなパフォーマンスしてるんだからさ。ちっとは反応しろよな！！」

（　＾ω＾）「…………」

[　゜∀ﾟ]「…………」

勿論、原因は先程からマイクを独り占めして好き勝手に喋っているこの男にある。
冷えているはずの地下空間が、何故か蒸し暑く感じた。

＜＿プーﾟ)フ「ったくよー。つまんねーなあ……歌か？ そうか、歌が足りないんだな！？」

会場に上がってから五分。
限界に達したマシカが足早に立ち去った。
ハイテンションな男の対応を一人任せられたブーンは、とりあえず頼んでもいないのに歌い始めた馬鹿を止める。

（　＾ω＾）「（マシカの野郎あとで殺す）とりあえず、君。落ち着いて欲しいお」

＜＿フ>ー<)フ「立ち上が〜れ〜勇者よぉー！僕の中にいっる〜♪
　　　　　　そびえ立ぁつターゲット！！ 負けるわけにはいかっな〜い！！」

（　＾ω＾）「ねぇ……君、もう十分だから」

＜＿#プДﾟ)フ「熱いパトス落とせ〜！！」

（＃ﾟωﾟ）「落ちるのはお前じゃ！」

＜＿;プーﾟ)フ「痛っ！ な、なにすんだよ。不意打ちとは卑怯な……」

尻をしたたかに叩かれたエクストは、口を尖らせながらブーンに向き直った。

空軍が使うような汚れたミリタリージャケットとデニムのジーンズ。
頭に防砂ゴーグルを付けた青年は、ジョルジュとさして変わらぬ歳だろう。
短く切った薄いブロンドヘアは好青年を思わせるが、顔についた青い両目は、
何か誰も思い付かないような無茶苦茶な事をやりたいと引っ切り無しに主張している。
全力少年、という言葉がピッタリなヒトガタだ。

( ＋)「コントはもういいかなルーキーズ？ 今大会のダークホース同士が速くも激突することになったぜ！ ニシカワＶＳエクスト！」

( ＋)「ベスト４進出をかけた大一番。いっちゃう？ いっちゃうぜ！？ レディ……ファイ！！」
アナウンスが試合開始のドラを鳴らす。

（　＾ω＾）「戦う前に、一ついいかお？」

＜＿プーﾟ)フ「んあ？」

（　＾ω＾）「君、独楽は好きかお？」

＜＿プーﾟ)フ「コマ……ああ、懐かしいなあ。餓鬼の頃によくやったよ」

互いに数メートルの距離を保ちながら、エクストは目を細める。

＜＿プーﾟ)フ「そうだな、好きだぜ。独楽」

（　＾ω＾）「ふふ、そうかお」

＜＿;プーﾟ)フ「な、なんだよ気持ち悪い。じゃあ今度は俺が聞く番だな」

（　＾ω＾）「んあ？」

エクストが戦闘の構えを取る。

＜＿フー )フ「ニシカワ、とか言ったな……あんた―――」

＜＿プーﾟ)フ「剣は好きかい？」

（；＾ω＾）「うっ！？」

し　ー

速い。
背中に背負ったグラディウスを打ち落とすようにして、エクストが抜刀した。

グラディウス。
刃渡り七十センチほどの肉厚・幅広の両刃短剣だ。
形状としては一般的な剣の形を取っているが、先端は鋭角に尖っているので”突き”の威力は侮れない。
小ぶりなので、接近戦でも使い廻しが効くのも強みだろう。

（　＾ω＾）「僕は剣は嫌いだお」

＜＿プーﾟ)フ「へぇ。なんでさ」

片手に持ったグラディウスにフリーハンドを添えつつ、エクストは意外そうな顔をする。

（　＾ω＾）「観賞用としては申し分ないけど、脆いし、脂ですぐに使えなくなる。なにより反り血を浴びるのが嫌だお」

＜＿プーﾟ)フ「あんたはこういう戦いは専門じゃないのかい？ 素人じゃねーだろ」

（　＾ω＾）「ここには成り行きでいるお。君こそ、傭兵のくせになんでこんな見世物に？」

　え　ん

しえーん

ブーンが動いた。
ワン・ツー、の打撃をエクストはグラディウスで防ぐ。
金属同士の衝突で空中に火の華が咲いた。

＜＿プーﾟ)フ「普段は味気無え戦いばっかだからな。たまにはこういう生の戦いをしたいのよっ！！」

左脚を軸にした回転切り。
鉄棒を縦に持ち替え、それを受け止めたブーンは、がら空きになったエクストの脇腹に蹴りを見舞う。
が、エクストは片腕を盾にしてそれに耐えてしまう。

まぐれではない。全力少年はブーンの攻撃をしっかりと認識した上で処理している。
お調子者で実力者。オマケに好戦的。
こういう手合いが一番厄介だ。

（　＾ω＾）「ちっ」

＜＿プーﾟ)フ「いいねぇ。あんた、凄くいいよ！」

一合。二合。三合。
打てども防げども、二人の男は互いに決定的な攻撃を加えられずにいた。

もっとしえーんしようよ

＜＿;プーﾟ)フ「くそっ……しぶといぜ、オッサン」

流石に長期決戦には慣れていないのだろう。
あれ程元気に動いていたエクストの肩が激しく上下し始めた。

（　＾ω＾）「舐めんな。僕はまだ三十代だお」

＜＿プーﾟ)フ「じゅうぶんオッサンだぜ！」

刺突。
グラディウスの特性を活かした鋭い突きがエクストの手から放たれた。
足を一歩踏み込ませた全力の一撃だ。
これは避けるべき技だと踏んだブーンは、四肢を捻ってエクストから距離を取る。

＜＿プーﾟ)フ「甘い！」

（；＾ω＾）「痛っ」

にたり、と笑ったエクストが手首を捻ってブーンへグラディウスを投げ付けた。
回避挙動で身体が固まっていたブーン。
悲鳴を上げる肉体に鞭を打ち、額に迫る銀刃を間一髪かわす。

＜＿プーﾟ)フ「はっはっはっ。かわせてねーなあ」

（メ＾ω＾）「…………」

支援

おいｗ
しえっん

頬に走る赤い線。
垂れる血を意外そうに手で触れるブーンに、エクストを勝ち誇った顔をする。

＜＿;プーﾟ)フ「（いやいやいや。何で今のが避けれるんだよ。こいつ、未来でも見えてんのか？）」

どっこい、賑やかな青年は内心でかなり動揺していた。
苦し紛れでも何でもない、自信のある一撃を見舞った筈だ。
まさか、それを薄皮一枚犠牲にしただけで済まされるとは。
地段打を踏むエクストに対して、ブーンは改めて得物を構え直す。

（　＾ω＾）「剣。投げちゃってよかったのかお？」

＜＿プーﾟ)フ「予備があるんで」

（　＾ω＾）「……エクスト君」

＜＿プーﾟ)フ「なんだよ」

こびりついた赤い模様を顔に付けたまま、ブーンはエクストに話し掛ける。
顔は相変わらず人懐こい笑顔を見せているが、その目の奥では何かが光っていた。

それは、怒りでも恐怖でもない何か。
対戦相手の雰囲気が変わったことを敏感に感じ取ったエクストは、
背中から新しく抜き取ったグラディウスを強く握り締める。

（　＾ω＾）「今から使う剣術は、僕が八年かけて編み出した殺人剣だお」

＜＿プーﾟ)フ「…………」

（　＾ω＾）「だから、死に物狂いで」

＜＿;プーﾟ)フ「…………」

（　＾ω＾）「しっかり防げお」

＜＿;プДﾟ)フそ「うっ！ わっ！？」

紫炎

ん

シエンタ

つ(´・ω・｀)つ＝＝＝ｳﾞｫﾝ

(´・ω・｀)May the Force be with you.

すげぇ

ブーンが跳んだ。
三メートルあった筈の距離が、一瞬で零になる。

＜＿;プーﾟ)フ「うわっ！ ちょっ！？」

そこから、先。
エクストは自分が何をどうやって剣を振るったのか覚えていない。
ただ、悍ましい音を立てながら襲ってくる鉄の塊を必死で避けていた。
身体がブーンの連撃についていけない。
少しずつ、ダメージが肉体に蓄積されていく。

＜＿;プーﾟ)フ「（は、速過ぎるっての！）」

気付けば、グラディウスの刃先が叩き折れている。
もともと、剣は鍔ぜり合いや打ち合いに特化した作りにはなっていない。
衝撃に強い鉄棒に刀身が耐え切れなくなったのだ。

＜＿;プ皿ﾟ)フ「（ちっくしょう！ このままじゃ負けちまう！ 負け――――）」

独楽のようにくるくると廻るブーンの身体。
そして、エクストの額に破壊の一鎚が迫る。

――――――――
――――――
――――

�C円

よえん

（　＾ω＾）「まあ、こんなもんかお」

＜；フﾒーﾟ)フ「う、ぐぐぐ」

試合が始まって数分。
地べたに伏せるエクストに、ブーンはしゃがみ込んで彼の顔を覗いていた。

（　＾ω＾）「頭がガンガンするお？ 意識を保つのも辛い筈だお」

＜；フﾒーﾟ)フ「ち、ちくしょう。次は負けねーぞ……ニシカワ……」

額から血を流し、片目が真っ赤に腫れ上がったエクストはブーンに向かって呻く。
既に立ち上がるだけの気力は無くなっているようだ。

（　＾ω＾）「……エクスト。僕の名前はニシカワじゃないお」

＜；フﾒーﾟ)フ「あ？」

（　＾ω＾）「ナイトウ、と言うお」

＜；フﾒーﾟ)フ「な、いとー……？」

（　＾ω＾）「中々熱い戦いだったお。じゃあ僕はこれで」

＜；フﾒーﾟ)フ「まﾞ、待で！ ナいドー……！！」

場を立ち去ろうとするブーンに、しわがれた声でエクストが叫ぶ。

（　＾ω＾）”「？」

＜；フﾒーﾟ)フ「オﾞレは。本職はトゥーハンド……ダブルトリガーなﾞんだ……
　　　　　　　次は、おだがい……得意な得物でヤﾞろーぜ……！！」

（　＾ω＾）「……わかったお」

笑って頷くブーン。
それに満足したのか、血まみれのエクストはがくりと頭を垂れた。

またもや悲鳴と歓声が地下闘技場を駆け巡る。
そう、白星はブーンのものだ。
ジャッジが戦闘不能の旨を観衆に告げ、あの五月蝿いドラが鳴った。

（　＾ω＾）「（お互い得意の得物で、か……やっぱり見抜かれてたかお）」

思わぬ場所で、思わぬ強敵に出会えた。
エクスト＝プラズマン。
騒がしくも憎めない男を心に刻み、ブーンは歓声舞うコロシアムを後にした。

ブーンかっこいいな

　　※※　　※※　　※※

[　゜∀ﾟ]「ニシカワ。もうじき着くぜ」

マシカの愛機がハイパースペースへ突入して二時間がたった。
無事、三回戦を突破したブーンは約束通りマシカに大金を手渡している。
運び屋は愚痴を言いながらも徹夜で船を修理し、満更でもなさそうな顔で操縦桿を握ってくれた。
ちなみに、久しぶりの宇宙ということでチョウも同乗している。

（　＾ω＾）「おお、あれあれ」

ハイパースペースを突破し、青い惑星が操縦室に映った。
”拉致”されてから半日と少し、ようやく任務を全うできるとブーンは安堵の息を吐く。

ビコーズを介して既にジョルジュとは連絡を取っている。
本来ならば、無法惑星から飛んで来た船を法治国家が受け入れることはないが、
そこはジェダイらしく、きっちり裏を押さえたわけだ。
よって、入港にさしたるトラブルは起きないだろう。
例え船体に巨大な髑髏マークのペイントが施されていてもだ。

〈　ﾟ−ﾟ〉「カーシェスバイトか……Ｂ級惑星なんて初めてだ」

どうするんだ、と運転席に付くマシカがブーンに問い掛けてきた。

[　゜∀ﾟ]「あんたパスポートとか持ってんのか？ 港に入国のアポなんて取ってねーぞ」

（　＾ω＾）「ああ、その辺は心配ないお」

( ∵)「プーン」

暫くすると、プロトコルドロイドから入国を歓迎する台詞と共に誘導シーカーが射出された。
思わぬ扱いにマシカとチョウは目を丸くする。

[；゜∀ﾟ]「（はあ？ 港じゃなくて個人用のポートに向かうのかよ……何者だコイツ？）」

〈　ﾟ−ﾟ〉「大気圏に突入。反重力スタビライザーの出力を上げるぞ」

（　＾ω＾）「全自動じゃないのかお」

[＃゜∀ﾟ]「ボロ船で悪かったな」

（　＾ω＾）「いや、最高だお」

[　゜∀ﾟ]「？」

懐かしい景色が眼下に広がってくる。
初めてカーシェスバイトに来た時に案内されたあの古城だ。
ブースターを唸らせながらシャトルポートに着陸すると、数人の執事がブーン達を迎えた。

(　”ー”)「お帰りをなさいませ。マスタージェダイ」

[　゜∀ﾟ]「へ？」

（　＾ω＾）「出迎えご苦労ですお。マエスト卿は御滞城かお？」

(　”ー”)「イエス、マスター。お疲れでなければ直ぐにでもお会いしたいとのことです」

（　＾ω＾）「了解。お借りした機体は船の中に格納してありますが……どうしますかお？」

(　”ー”)「有り難うございます。後で整備士に引き取らせましょう」

[；゜∀ﾟ]「ちょ、ちょっと待てニシカワ！ おま……ジェダイだなんて聞いてねーぞ！？」

のんびりと会話をする執事とブーンの間にマシカが割って入った。
この星から出たことが無いからか、新たな異国の来訪者に執事は興味深そうに目を細める。

（　＾ω＾）「お？ だって聞かれなかったお」

〈；ﾟ−ﾟ〉「…………」

[；゜∀ﾟ]「なんてこったい。俺は大会にジェダイを雇っちまったのか……」

（　＾ω＾）「とにかく。二人ともご苦労だったお。あ、僕がジェダイだということはくれぐれも内密に」

まさにVIP待遇なわけか

[；゜∀ﾟ]「当たり前だ！ 大会にジェダイなんて出していたことを連中に知られたら……私刑どころの騒ぎじゃねーよ！」

（　＾ω＾）「チョウ、マシカ。また会った時はよろしくだお」

〈　ﾟ−ﾟ〉「是非、あんたが任務外の時に会いたいもんだ」

宇宙の公安部隊ともいえる男と釣るんでいたことに顔を青くするマシカ。
そんな彼を隅にして、チョウはブーンの大会での健闘振りと代役を果たしてくれた謝辞を述べ、ブーンと固く手を交わした。

　　※※　　※※　　※※

〜Reloading〜

■古城:客室

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「マエストは野党に働き掛けて今回の件を告発するらしい。
　　　　　非合法取引で国の資本を増やし、国のランクアップを目指す友を止める……
　　　　　志はマエストも同じだってのに、皮肉なもんだな」

（　＾ω＾）「では、そちらの決着は時間の問題だおね。ケイティ＝ベルについては何か分かったかお？」

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「聖堂のデータベースにアクセスしたが、該当する輩はいなかった。今回の取引だけの偽名の可能性が高いようだ」

（　＾ω＾）「ふ〜む。僕が海賊連中から回収した端末を洗えばある程度の情報は手に入ると思うし、
　　　　　　そっちを深く追求する必要は今のところ無さそうだお」

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「どちらにせよ。俺達の仕事はこの辺りで一段落ついた。
　　　　　結局、それほど黒いもんも出てこなかったし、今回はじい様達の杞憂に終わったな。
　　　　　評議会にはどう報告するんだ？」

（　＾ω＾）「…………」

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「マエストが発表するまで待つのか」

（　＾ω＾）「そうだお」

　 _
(　-∀-)「まあ、別にジェダイコードにゃ反さないからいいけどよ」

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「あんまりアウトローなことしてっとさ。いつか大目玉喰らうぜブーン」

（　＾ω＾）「僕はそういつつもりで行動はしてないお」

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「自覚ナシってか。馬鹿言うなよ、あれ程立派な先生の元にいながら、何でジェダイの規律に反目するんだ？
　　　　　弟子すら取らずにフラフラと……誰も口にしないけど、先生が逝ってから随分と変わったよブーンは」

（　＾ω＾）「…………」

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「ま、言いたいのはそれだけ。俺は今のブーンが好きだし、大先輩に説教を垂れるほど徳を積んだつもりもねぇ」

　 _
(　ﾟ∀ﾟ)「ただ、ダチとしてちょっと心配になった。それだけの事だからさ。深く考えないでくれよ」

しえ

支援

紫煙

｜
ん

(　”ー”)「マスター・ジェダイ。お食事の準備が整いました」

　 _
(＊ﾟ∀ﾟ)「やたー！ 行こうぜブーン。実はな、シェフに頼んで肉料理作ってもらったんだよ！
　　　　　って言うか今日は野菜類は出ません！！ ベジタリアンは餓死なさい」

（　＾ω＾）「おまｗｗｗｗｗ。僕を共犯にするつもり満々かおｗｗｗｗｗ」

女好きの優男と反骨心を持つ男。
互い、笑いながら任務の帰路へ付く。

触れてはいけない。触れようとしないココロに触れられて。
人生の半ばに達したジェダイは何を思う。
両刃の光剣を駆る男。
その内側を知る者は誰もいない。


Episode2：カーシェスバイト視察

〜the end〜

乙！面白かった〜

〜オマケコーナー〜


从ﾟ×ﾅ从「ねーやんと」

(　･３･)「ぼるじょあの」

从ﾟ×ﾅ从「「おまけコーナー！！」」(　･３･)

从ﾟ×ﾅ从「皆はん。お久しぶりや。ウチらのこと覚えとる？」

(　･３･)「当企画は、元ネタの膨大な設定故に本作の中では語りきれない情報を分かりやすく解説するコーナーです」

从ﾟ×ﾅ从「機械仕掛けの毒舌少女も、Ｈな魔法少女も出てこないさかい。その辺は勘忍したってな」

おまけしえーん

オマケ紫炎

(　･３･)「第二回となる今回のテーマは『ハイパースペース』と『ドロイド』についてですね」

从ﾟ×ﾅ从「前者はＥＰ１・２でもよく出てきた言葉やね。要するに宇宙をピョーンと飛ぶワープみたいなもんやろ？」

(　･３･)「ワープと言うと語弊がありますが、とりあえず何百光年もの距離を一瞬で移動できる手段だと考えて下さい。
　　　　ちなみに、超光速という表記もハイパースペースと同義なので悪しからず」

从ﾟ×ﾅ从「彼の有名な星がギュイーンと伸びる映像は、原作を見たことが無い人でも知っていそうやな。
　　　　ハイパースペースとハイパードライブの違いは何なん？」

(　･３･)「ハイパースペースは、言わば飛行機で言うところの空路。
　　　　　ハイパードライブは、その空路に入る為のエンジンや計器と言ったところですね」

从ﾟ×ﾅ从「ふんふん成る程。じゃあ戦いの時とかにはヤバくなったらすぐに逃げれそうやな」

(；･３･)「おっと！ 先にも言いましたが、ハイパースペースはワープではないんですよ。
　　　　緻密な計算も無しに超光速を使ったら、ブラックホールや恒星に突っ込みかねません」

从ﾟ×ﾅ从「なんや。ややこしいなあ〜」

(　･３･)「飛行機にも定められた空路があるように、超光速にも定められた航路があります。
　　　　例えば、Ａ→Ｃの惑星の間に何等かの障害があって、直接飛ぶことができない場合は、
　　　　Ａ→Ｂ→Ｃという具合に他の星を経由をする必要があるんですね」

(　･３･)「つまり、決して万能というわけではないんです」

詩園

しえすた

从ﾟ×ﾅ从「防衛上の観点から、重要な都市惑星に直接アクセスできるハイパースペースは、厳しく管理されてるみたいや。
　　　　そら、いきなり敵が星の前に現れたら困るわなあ」

(　･３･)「一般に遠い場所に行こうとすれはする程、
　　　　　突入前の下準備とハイパースペース内での巡航時間が長くなります」

从ﾟ×ﾅ从「次はドロイドや」

(　･３･)「今や生活にはなくてはならない存在。それがドロイドです。端的に言えばロボットかな」

从ﾟ×ﾅ从「家事手伝いから戦争兵器まで、幅広い種類が普及しとるんやで」

(　･３･)「今回注目するのはアストロメクドロイドと、プロトコルドロイド。そしてバトルドロイドの３つですね」

从ﾟ×ﾅ从「アストロメクドロイドは( ∵)みたいな、ドラム缶みたいなやつやろ」

(　･３･)「そうです。彼らは宇宙船の修理や室内警備、戦闘支援まで手広く熟す万能ドロイド。
　　　　　Ｒ２-Ｄ２なんかが有名じゃないでしょうか」

从ﾟ×ﾅ从「見た目は同じでも、中身や仕様は結構違うことが多いみたいやね」

(　･３･)「ビコーズはとある機械職人によって作られたオーダーメイド製です。
　　　　それを譲り受けたブーンは様々な機能を自分で突っ込んだようですね。
　　　　そういう意味では、ビコーズは真の万能ドロイドと言えます」

从ﾟ×ﾅ从「ほんじゃ、プロトコルドロイドとはなんや？」

(　･３･)「まだ本編には登場してませんね。彼等はいわゆる接待役です」

从ﾟ×ﾅ从「Ｃ-３ＰＯ的な？」

(　･３･)「ええ。通訳とか施設の案内役などの対人業務を熟します。
　　　　　高級品なのでブルジョア達のステータスの一つにもなっていますよ」

なるほど

从ﾟ×ﾅ从「最後はお待ちかねのバトルドロイドや！」

(　･３･)「言わずもがな。人を殺す為だけに作られた戦争の代名詞。
　　　　　銀河における戦闘要員の半分以上を占めています」

(　･３･)「性能も種類も千差万別。遠隔操作で動く物もあれば、自分で考えて任務を実行する高性能な物もあります」

从ﾟ×ﾅ从「生体兵器であるクローン兵とは、ある種のライバル関係なんやなあ」

(　･３･)「そうですね。生体兵器と機械兵器はそれぞれ一長一短。どちらも高い需要を誇っていますよ」

从ﾟ×ﾅ从「ちなみにウチもバトルドロイドやで」

(　･３･)「どちらかと言うと、貴方はターミネーターですけどね。見た目が完全に人間の女性ですし」

光の速さでまとめ読んでくる

しえーん

从-×ﾅ从「せや。ウチはとある人を守る為に作られた警護兼暗殺用の高性能兵器。
　　　　そしてその裏には……おっと、詳しい内容は後々のエピソードで見たってな」

(；･３･)「ええ！ それは本編に出るってことですか！？ 聞いてないですよ！」

从^×ﾅ从「にゃははは。残念やったな、ぼー君。君に出る幕はないでぇ」

((＃･３･))「度し難い！ 度し難いぞ！！」

从ﾟ×ﾅ从「ほな、読者さんからの質問を頂きましょか〜」

シスがこの時代にもいるっぽい事を言ってたけど、やっぱり話に絡んでくるの？

しえ

　　　ー



　　　　　　ん

つ(´・ω・｀)つ＝＝＝ｳﾞｫﾝ

(´・ω・｀)乙。実に面白かった！

(´・ω・｀)作者にフォースが共にありますように

>>91
从ﾟ×ﾅ从「シスとは闇。大極の陰と陽。昼と夜。ジェダイがこの世に存在する限り、シスは必ず世界の何処かにおるんや」

(　･３･)「３００年前の銀河帝国終焉の後、ルーク＝スカイウォーカ率いる新生ジェダイオーダー（今のブーン達が所属している組織）が、
　　　　　生き残りのシスオーダーと大衝突し、これに勝利しています」

(　･３･)「なので、現在のシスは滅びた、或いは酷く衰弱していて動けないというのが一般論となっていますね」

从ﾟ×ﾅ从「ブーンの師匠がダークサイドに対して敏感でなあ。ブーンもその影響を強く受けて、
　　　　　『トラブル＝シスの仕業か？』と短絡的な考えに陥り易くなっとんねん」

从ﾟ×ﾅ从「ほな、今日はここまでにしましょか〜」

(　･３･)「長い時間、支援して下さり有り難うございました」

从ﾟ×ﾅ从「今回のエピソードで前座は終わり。次回からガンガン物語の核心へ突っ込んでいくで」

(　･３･)「では、また近いうちにお合いしましょう」

从ﾟ×ﾅ从ﾉｼ「ばいば〜い」(　･３･)ﾉｼ




最初に登場人物一覧を載せるのを忘れていましたorz
たくさん支援とコメントに感謝！
次回にお会いしましょう！！

しえーん

最後に
変な荒しをしてしまって作者様や読者に
不快な思いをさせてしまい本当に申し訳なかった

これからもしえーんさせていただきます

>>97

从ﾟ×ﾅ从「失敗なんて誰にでもあることやで」

(　･３･)「また、遭遇した時には是非応援して下さいね」

从ﾟ×ﾅ从ﾉｼ「ほな、今度こそばいぶーや！」

ヾ(　･３-)ﾉ「ちゃお☆」

从ﾟ×ﾅ从　ｷﾓｯ

(；･３･)「…………」

最近一番の楽しみ

>>95
乙〜
次回も楽しみにしてるよｗﾉｼ