(,,゚Д゚)All for one one for〜…のようです。
1 :
◆jOnMQUNVXQ :
2 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:11:59.63 ID:qBbU/FTr0
2話 「一日の風景」
目覚める。
外はうっすらと明るい。
この季節の明るさだと…今は大体6時くらいだろうか。
どうやらいつもの癖で早起きしてしまったみたいだ。
そっか。
俺は今、新しい住居で生活しているんだったな。
もそもそと布団の上を転がりながらゆっくり起き上がる。
毎度思うが、起きる という仕草は何故こんなに面倒なのか。不思議でたまらない。
寝ている時のあの幸せな気分はどこに行くんだろうな。
大きく伸びをして、リビングへの扉を開ける。
(;゚Д゚)「……!?」
人間、訳のわからん状況に陥ったら言葉すらでないらしい。
リビングには素直(空)さんを除く、昨日のメンバーが色んな姿勢で寝そべっていたのだ。
(#゚Д゚)「…こ…ここコイツら…」
勝手に人の家にあがりこんで来た上に、勝手に寝床にされていたらさすがにムカつく。
大体、今日は月曜日だろうが、学校だぞ学校!
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:12:58.81 ID:T3mEx9DLO
支援
4 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:13:59.94 ID:qBbU/FTr0
とりあえずしぃと素直を起こす。
(*つー-)「ん……。あ、お兄ちゃんおはよう。」
目を擦りながら可愛らしく欠伸をする。
ノハ;゚听) 「…ふわぁああ……ってあれ?」
一方、大きく欠伸をした素直 熱与は何故自分がココにいるのか理解出来てないようだった。
…ってか口を隠せ。年頃の女の子がそんな大口開けちゃいかんぞ。
(,,゚Д゚)「さて、しぃに素直。とりあえずこのお二人をさっさと起こして、部屋から出して行ってくれませんか?」
ノパ听) 「あん? 別にあんたが起こし……ってあぁ、なるほどね」
さすがだぜ素直さん。俺が津井出を苦手な事をしっかり理解してくださる!
ちなみに渡辺ちゃんの方は、なんかこんだけ幸せそうに涎垂らしてまで寝ていると起こす方も何だか気がひけるからパスだ。
だからしぃに起こしてもらった。
ξつ-)ξ「…くぁ…。あらヒート。おはよう」
从*-ー-从「ん〜、もうちょっと〜」
だだをこねる渡辺ちゃんをよそに、津井出は素直を確認してから直ぐ様俺を視界に入れてきた。
ξ#゚听)ξ「…なっ…なんでアンタがココに居んのよ!?」
そのセリフ二度目だぞ。
つーかよ津井出。ここ俺んちなんだけど。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:14:51.56 ID:jlklxK2e0
早いw支援
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:15:16.23 ID:T3mEx9DLO
嗚呼エロゲ
7 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:16:27.64 ID:qBbU/FTr0
ξ゚听)ξ「は?」
ノパ听) 「ほら、昨日そのまま寝ちゃったじゃん。覚えてないのかよ、ツン?」
すかさず素直がフォローに入る。
ξ;--)ξ「えっと…」
必死で昨日の事を津井出は思い出してるようだ。
しかし頭が良い津井出が何故、昨日事すら思い出せないのか。
きっと答えは所々に転がってる管理人さんが持参したビールの空き缶が知ってるだろう 。
騒いでるのを聞きつけて悪ノリしまくったせいだろうな。
未成年の飲酒は法律で禁じられてますよ。
(,,゚Д゚)「とにかくさっさと自分の部屋に戻ってくれよ。」
これ以上居られても困るからな。
まだ寝ぼけてる渡辺ちゃんの肩に、しぃが手をかけながら他の二人も部屋から追い出した。
(,,゚Д゚)「ったく…」
他の人がみんな女だからラッキーかと思ったけど…世の中そんなに上手くいくもんじゃないね。
7時を過ぎた頃にやっとしぃが戻ってきた
渡辺ちゃんの寝起きが予想以上に悪かったらしい。
とりあえず水を飲ませて落ち着かせたようだ。
8 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:19:22.59 ID:qBbU/FTr0
そして時計の針が8時半を回った頃に、俺達は家を出た。
いつもならやっと駅に着いた、って所だろうか
いやぁ、学校が近いと楽だなぁ
(*゚ー゚)「渡ちゃん大丈夫かなぁ…」
隣でアパートの方をちらちら振り向きながらしぃが心配している。
(,,゚Д゚)「そんなにマズいの?」
(*゚ー゚)「うん。なんか顔洗っても目が半開きだったし…頭も痛いって言ってたから…。」
管理人さんよ。あなたが犯した罪は結構重いんじゃないかな?
(,,゚Д゚)「ところで、お前と渡辺ちゃんって知り合いなの?」
あだ名で呼んでるし、なんか仲良さそうだし。
(*゚ー゚)「うん。だって、同じクラスだもん」
ふ〜ん…あ、今気づいたがやっぱり渡辺ちゃんって1年生だったのね。
……そういや素直さんと渡辺ちゃんも知り合いみたいだったけど…。
ま、どーでも良いや。
いつもの如く思考放棄だ。
昇降口でしぃと別れ、二階にある自分のクラスへと向かう。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:21:21.36 ID:T3mEx9DLO
支援
10 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:21:36.65 ID:qBbU/FTr0
あ、言ってなかったので説明をしておこう
俺の通ってる学校、県立VIP高等学校について
県では上の下くらいの普通の進学校だ。
広いグラウンドに、そびえる白い4階建ての校舎
ちなみに4階は全て特別教室になっていて、主に文化部の連中が使っている。
…といった感じで、別に特別な施設とかは無い至って普通の学校さ。
_
( ゚∀゚)「サテライトドロップボレーキーーック!!」
(;゚Д゚)「うおっ!?」
教室に入った途端に襲ってきた素早くきりもみしながら降りかかってくる物体を避わす。
その物体はそのまま教室外へ出ると、華麗に着地をしこっちに向かって親指を立てた。
_
( ゚∀゚)b て「腕を上げたなギコ!! ワシも嬉しいぞよ!!」
朝からクソ高いテンションで、大声を出すこの男は俺の友達 長岡 丈(ながおか じょう)
誰がつけたか知らんが、ジョルジュというあだ名で呼ばれている。むろん、俺もだ。
身長173cmと、俺と同じくらい。だが長い黒髪を後ろで一つに結んでいる所は全然違うがな。
俺は短くてツンツンさせるほうが好きだから、そうしてる。
(,,゚Д゚)「ん…?」
ジョルジュをシカトして、教室で俺に向けられる視線に気が付く
キッツイ殺意のこもったような視線と、アンタらも朝からようやるねと言わんばかりの生暖かい視線
津井出と素直だ。もう学校に来てたのか。
11 :
◆microbe.12 :2009/03/22(日) 19:24:13.59 ID:nun5fG4n0
しえーんです
12 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:24:19.58 ID:qBbU/FTr0
(,,゚Д゚)「よっ。」
ノパ听) 「おっす。」
手をあげて挨拶をする。勿論、素直にだ。
津井出は相手にすると止まらないからスルーしとくのが一番だな。
ノパ听) 「悪いね、今朝は。」
(,,゚Д゚)「別に、お前らの寝顔はバッチリ押さえたから問題ねぇよ」
ノハ;゚听) 「なっ…!? アンタまさか…!!」
(,,-Д-)「うそうそ。しぃに怒られるって。」
_
(# ゚∀゚)「ちょ〜〜っと待ったぁっ!!」
人が楽しく談話してんのに何だお前は
ジョルジュは俺と素直の間に割り込み、じろじろと俺を舐め回すように見てきた。
_
( ゚∀゚)「お前…ヒーちゃんの寝顔を見たって本当か?」
あ、聞かれたか。
_
( -∀-)「まぁ別にヒーちゃんの無垢な寝顔を覗いたのは良しとしよう。
だが許せないのは…」
_
(#゚∀゚)「何故にお前がそんな状況に居たか! って事だこのスカタン!」
13 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:26:18.45 ID:qBbU/FTr0
何年前の言葉だスカタンって。
でも確かにちょっとマズイかなぁ…女性専用のアパートに。
しかも素直の部屋の隣に俺が住んでる、なんてコイツが知ったら…。
(,,゚Д゚)「…!」
素直と目が合う
と、すぐ素直はジョルジュに見えないように俺に紙を見せた。
ノパ听)『あたしに任せといて』
任せけって言うなら…お任せします。
俺がゆっくり頷くと。
素直はジョルジュを自分の方へ向き直し…
ドスッ!!
……ドスッ?
皮膚に何かがめり込む様な音を立てながらジョルジュは倒れた。
(;゚Д゚)「お…お前…何…?」
ノパ听) 「えーと、肋骨と肋骨の間に貫手を入れただけだぜ。
そうすると肺が強打されて気絶すんのさ。」
うつ伏せになって倒れているジョルジュをひっくり返す。
あ、なるほど。白目むいてるや。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:26:18.82 ID:py4kbqgAO
支援
15 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:28:45.14 ID:qBbU/FTr0
ノパ听) 「ちょっと手荒だけど…ジョルジュはこんぐらいしないとしつけーからな。」
パンパンと一仕事終えたみたいに手を叩き、素直は自分の席に戻っていった。
お、ちょうどチャイムか。
伸びてるジョルジュの肩をズルズル引きずり、席まで運ぶ。
というか素直。お前もちょっとは手伝え。
(,,゚Д゚)「…?」
急にジョルジュが軽くなった。なんだ、魂でも抜けたのか?
いやいや、足を持ったから軽くなったのさ。
( ^ω^)「僕も手伝うお」
(,,゚Д゚)「サンキュ、ブーン。」
小太りだけどいつも柔和な表情をしているこいつは、俺の幼馴染の内藤 大地(ないとう だいち)
両手を広げてブーンと走るのが好きなので、いつしかあだ名はブーンとなった。
容姿相応に性格はジョルジュと正反対で、物静かな方だが言う時はキッチリ言う中々肝の座ってる奴。
学級長にも抜擢され、まとまりのないウチのクラス 2年3組をまとめる中心的存在だ。
ちなみにこいつの家はかなり金持ちで、家がバカみたいに広い。
道場があるウチよりも広いってんだから、もう羨ましいの一言だ。
( ^ω^)「ギコ?」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:30:19.75 ID:py4kbqgAO
支援
17 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:30:40.13 ID:qBbU/FTr0
ブーンの声で現実に戻る。
見ると、ジョルジュの席の椅子を引いて待っていた。
(,,゚Д゚)「あ、悪いな」
だら〜んとしてるジョルジュを椅子に座らせ、自分も席につく。
するとチャイムが鳴り、ギリギリで担任の先生が入ってきた。
また今日も1日が始まる 。
一限 古典
( ´ー`) 「…ではここの活用形と意味を…」
_
( ゚∀゚)「はいっ! はいはい!!」
元気よく手をあげアピールするジョルジュ。
( ´ー`)「じゃあ、長岡」
立ち上がるジョルジュ。
_
( ゚∀゚)「はいっ! 終止形で過去です!」
( ´ー`)「ん、正解だ。」
席に座り、一息つくとジョルジュは『どうだった今の俺?カッコよくね?』と目で語るように素直を見つめていた。
しかしそんな熱意を受け流すように、素直は板書された文字を書き写していた。
誰でも解けそうな問題なんだからいちいちアピールせんでもいいのに…。
18 :
◆microbe.12 :2009/03/22(日) 19:31:41.42 ID:nun5fG4n0
しえんしえん
19 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:33:21.70 ID:qBbU/FTr0
二限 数U
( ゚д゚ )「では、問2を…内藤。」
( ^ω^)「はい。」
ブーンは返事をすると、ノートも持たずに証明を黒板に書いていった。
心地よいチョークと黒板の奏でる音をしばらく聞いていると、最後にブーンは横線をシュッと引いて振り返った。
( ^ω^)「出来ましたお。」
( ゚д゚ )「うむ、完璧だ。」
黒板の4分の1は埋まるくらいのたくさんの文字を先生は一つ一つチェックしていき、最後にそう言った。
流石は一流大学を目指してるだけはあるなぁ…。
運動神経も悪くはないし、ちょっと太ってる所以外はほぼ完璧人間だもんなあいつ。
三限 日本史
爪゚ー゚) 「じゃあここを…津井出さん、読んでください。」
ξ゚听)ξ「はい」
史料集を片手にすらすらとわけのわからん昔の言葉を読みあげる津井出。
難しい文字の羅列って、わかってても何故だか詰まったりするんだよな。
でもあいつは普通に読んじゃうんだから困ったもんだ。
_
( ゚∀゚)「いや〜才色兼備ってこの事を言うんだな」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:33:30.20 ID:py4kbqgAO
支援
21 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:35:24.97 ID:qBbU/FTr0
後ろでジョルジュがボソッと言った。
いいから授業を聞けよお前は。
四限 保健体育
(`・ω・´) 「じゃあこっからを赤木、読んでくれ」
(,,゚Д゚)「はい。」
無感動にスラスラと本文を読んでいく
いやだってさ、感情込めたらなんとも卑猥な文になっちゃうから…ね
他の人はどうとも思ってないはずだけど、なんだか意識してしまう。
男女わかれてやるから、別にいいんだけどさ。
昼休み
屋上に行き、俺とブーンとジョルジュで向かい合って座り、弁当を食べる。
一年の頃からこれがお決まりのスタイルとして定着しているのだ。
ちなみに弁当は可愛い妹お手製のものである。
(,,゚Д゚)「次の授業って何だっけ?」
俺はウインナーを口に放り込みながら聞いた。
( ^ω^)「世界史だお。」
それにブーンが即答する。
22 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:37:36.70 ID:qBbU/FTr0
_
( ゚∀゚)「世界史か。じゃあ寝てても大丈夫だな」
世界史の先生はショボン先生と言って、全然怒らない優しい先生。
本名を忘れるほど浸透しきったあだ名は、顔を見てもらえばすぐにわかると思うから割愛させてもらう。
ショボン先生は目がちゃんとついてるのに、異常に視野が狭い人なのだ。
だって最前列の人以外には寝てても注意しないんだもの。
勉学的な意味ではダメかもしれないが、生徒的には嬉しい先生である。
( ^ω^)「ダメだお。ちゃんと授業聞かなきゃ。内申に響いてもいいのかお?」
_
( ゚∀゚)「大丈夫だって。あの人はほとんどテストで決まってるから」
まぁ否定は出来ない。
現に、去年のコイツは世界史はテストだけで4をもらったのだ。
俺は平凡な3だったのにずるいぜ。
(; ^ω^)「でも…」
_
( ゚∀゚)「大丈夫大丈夫。家ではちゃんとやってるからさ。」
( ^ω^)「なら良いけど…。」
_
( ゚∀゚)「ところでさ、ギコ」
(,,゚Д゚)「ん?」
_
( ゚∀゚)「今日さ、普通に学校来たはずなのにいつの間にか一時間目が始まってたんだが……
お前何か知らない?」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:38:42.62 ID:T3mEx9DLO
しえ
24 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:39:50.97 ID:qBbU/FTr0
その事なら君が大好きなヒーちゃんに聞きなさい。
多分、気が付けば五限が始まってる事になると思うけどね。
五限 世界史
_
( -∀-)「……zzz。」
(´・ω・`)「それでね、ここでナポレオンが…」
案の定、ジョルジュは寝ていた。
しかしやはり気づいてないのか気づいてて無視してるのかわからないが、ショボン先生は何事もなく授業を続けていた。
良いのかね、こんなので。
そして六限の現国も難無く過ぎ、やっと帰れ…
おっと、その前に掃除の時間だ。
(,,゚Д゚)「…ん? ジョルジュ、どこへ行くだ貴様!」
掃除の時間が始まった途端に教室から逃げだそうとするジョルジュ。
_
(; ゚∀゚)「えっ? う…あ! いたたたた、いや、実は腹が痛くってさ。盲腸かもしれん!」
盲腸なのになぜお前はそんな血行の良い顔で腹を押さえているんだ。
半笑いで言われても説得力無いぞ。
_
( ゚∀゚)bて「ってなワケで保健室行ってくる!」
(;゚Д゚)「あっ!おい!」
25 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:42:05.68 ID:qBbU/FTr0
ジョルジュは陸上部に入った方が良いんじゃないかと思うくらいの素晴らしいダッシュで教室から逃げ出した。
(;-Д-)=3「ったく…盲腸が保健室で治るかっての。」
ξ#゚听)ξ「コラ赤木!!」
思わずビクッとなる。
大声を出されたからもあり、聞きたくない人の声だったからもである。
ξ#゚听)ξ「ちゃっちゃっと机運びなさい!!」
逃げていったジョルジュはおとがめなしですか?
何で僕だけが怒られてるんですか?
教えてください、副級長さん。
ξ#゚听)ξ「うるさいわね! 良いからさっさと動きなさいよ!」
はいはい…ったく、何でこんな奴にコキ使われなきゃならんのだか…。
ξ#゚听)ξ「何か言った?」
(,,゚Д゚)「いいえ、な〜んにも」
渋々ジョルジュの分まで机を運ぶ。
あ〜、なんか腹立つ。
帰ってきたらエルボーくらいかましてやるか。
そんなこんなで掃除が終わり、帰りのHRが始まる
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:43:49.51 ID:py4kbqgAO
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:46:28.56 ID:T3mEx9DLO
しえん
28 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:46:38.59 ID:qBbU/FTr0
担任のシャキン先生が入ってきた。保体の授業を担当していたあの人だ。
本名は山田 太郎という時代錯誤的な平凡名だが、その顔つきは非平凡的。
いつも目を輝かせ、元気ハツラツとした顔をしている。
故に、あだ名はシャキン先生。的を射た名づけだと思うよ。
格好スポーツ刈りにジャージと典型的な体育教師の格好だ。
(`・ω・´)「さて、いきなりだが今日部活無い人挙手!」
クラスの半数近くが挙手をする
部活に入っていない者、体育館の使用の関係など様々。
(`・ω・´)「実は今日、野球部も部活無しだからグラウンドが使える事になってるんだ!」
シャキン先生は爽やかな笑顔を見せながらみんなに言った。
(`・ω・´)9m て「というわけで、帰る前にソフトボールでもやって爽やかに汗流してこうぜ!!!」
生徒達に向かって勢いよく指をさしながらシャキン先生は叫んだ。
(;-Д-)「ったく…なんでわざわざ意味の無い事するんかね。
手を挙げた者は強制参加とかマジどんだけだわ。
逃げたら成績落とすとか脅迫じゃねーか…。」
ノパ听)「まぁそう言うなって。たまには良いんじゃねーか? こーゆーのも。
普段は男女別れて体育やるから、あたしは新鮮だと思うけどなぁ。」
ぶつくさ文句を垂れる俺の肩をグラブでポンと叩きながら素直が言った。
ついでに言っておくが、ジョルジュは部活で不参加だ。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:47:48.58 ID:py4kbqgAO
支援
30 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:49:03.45 ID:qBbU/FTr0
(,,゚Д゚)「今日、部活ないの?」
ノパ听)「今日は体育館、バスケ部とバドミントン部が使う日だからね」
ちなみに素直はバレー部の次期キャプテンで一番有力なんだとか。
コイツ運動神経かなり良いしな。背も高いし。
その証拠にソフトボールはほとんど初めてだというのに、強めの打球も難無く捌いていた。
スリーアウトになり、攻守交代。
バッターボックスの方へ戻りながら素直に言う。
(,,゚Д゚)「ほ〜、やるねぇ。」
ノパ听)「まぁね、ほら次のバッターあんただよ。」
素直からバットを受け取り、ボックスに立つ。
(,,゚Д゚)「手加減しとくれよ〜。」
ピッチャーマウンドに立っている津井出に向かって作り笑いを投げ掛ける。
言っても無駄だろうけど、お約束は必要だろう。
ξ゚听)ξ「…ふん。」
嘲笑してからウインドミルでボールを投げる津井出。
(,,゚Д゚)「お!」
(`゚ω゚´) 「ッッットラィイイイイイイイイイイック!!!!!!」
31 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:52:23.00 ID:qBbU/FTr0
キャッチャーミットに高い音を響かせ、審判のシャキン先生はストライクを取る。
つーか叫びすぎでうるせーよ先生。
ソフトの顧問やりたかったけど、他の先生に取られたからって張り切るのはわかるけどさ。
ノパ听) 「おらギコ! せめてバットを振れー!!」
素直がベンチから手を振り回している。
いやだってコイツの球、思ってたよりか速いし。
ξ゚听)ξ「このまま三振させてやるわ。」
自信たっぷりに言う津井出。
しかし、なぜにお前は初めて触るソフトボールをそんなに上手く投げられるのやら。
不思議だぜ。
と考えてるうちにもう一球。
内角ギリギリをついてくる。
(`゚ω゚´) 「ットラゥィイイイイイイックァアアア!!!!!」
何とかバットを振るが、むなしく空を切ってしまった。
ノハ#゚听) 「こらぁっ! 三振したら許さねーぞ!」
素直の声がデカくなる。
別に僅差でもチャンスでもないからいいじゃんかよ…。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:54:00.55 ID:py4kbqgAO
支援
33 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:55:17.05 ID:qBbU/FTr0
ξ゚听)ξ「とどめよ!」
大きく津井出がふりかぶる。
今度は外角の球だ。
だが少し甘く入っている。
(,,゚Д゚)=3「ったく…。」
バットを力強く握る。
(,,゚Д゚)「よい…しょっ!!」
俺の振ったバッドは甲高い音を放った。
その音と共に白球はぐんぐん伸びる。
ホームランのラインを5m程越えて、やっとボールは着地した。
ξ;゚听)ξ「なっ…!?」
ベースを回りながら信じられないと言う顔をしている津井出に一言。
(,,゚Д゚)「悪いね。実は俺、初心者じゃないのよ。」
ホームベースにはチームの奴らが凱旋待ちしていた。
そこにわざとヘッドスライディングで突っ込む。
一通りもみくちゃにされた後、放心してる津井出に向かってもう一言。
(,,゚Д゚)b て「コントロールは悪くねーけど、ちょっと甘めだったぜ。」
ξ# )ξ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 19:57:21.24 ID:py4kbqgAO
支援
35 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 19:58:47.00 ID:qBbU/FTr0
そこから津井出は怒りが頂点に達したらしく
球の勢いがさっきの1.5倍くらいになって続く3人は全員三球三振に終わった。
ノハ#゚听) 「ったく、情けないったらありゃしないね。」
グラブをはめながら素直が愚痴をこぼした
(,,゚Д゚)「そう言うなって。実際、津井出は結構良い球放ってるよ。」
ノパ听) 「けどせめてチップくらいはして欲しかったわ。」
ノパ听) 「あ、でもあんたのホームランは良かったよ。いい先制点だった。」
(,,゚Д゚)「あんがとさん。」
守備位置につく。言い忘れてたが俺はセカンドで、ショートに素直。
ピッチャーは俺と同じく経験者のブーンだ。
昔一緒にやっていたが、ブランクがあるのかコントロールだけで球威は無いに等しい。
なんとかキャッチャーミットに到達したって感じだ。
やっていた頃は結構な速球を投げる奴だったが…勘が戻るまでは仕方ないか。
ノパ听) 「それまではアタシらでカバーすればいいでしょ。」
と素直が言うや否や、俺に向かってボールが飛んでくる。
弾丸ライナーをのけぞりながらなんとかキャッチ。
グローブをつけていても、痛いもんは痛い。
(;>Д゚)「って〜…。結構、骨が折れそうだな…」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:00:08.79 ID:py4kbqgAO
支援
37 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 20:01:20.21 ID:qBbU/FTr0
俺が赤くなった手をブンブンして不敵に笑うとまたボールが飛んできた
お前ら、まさか俺を狙ってないか?
結局それからは点の取り合いが続き、気が付けば9回の表。
12-11と最初の一点分だけ勝っている。
だからこの回を抑えれば俺達の勝ちだ。
(,,゚Д゚)「ブーン、頼むぜ〜。」
腰を屈めた守備体勢のままブーンに言う
ブーンは振り向くと優しく微笑み、真剣な眼差しで向き直す。
それからはやっとこさ勘が戻ってきたのか素晴らしいピッチングをブーンは見せてくれた。
ソフト独特の浮き上がる球や、ドロップという落ちる球の変化球を混ぜてどんどんストライクを取っていく。
キャッチャーは現役ではないものの経験者なのでギリギリ取れているが、多分普通の人には絶対取れないだろう。
そんなこんなで、遂に2アウト。あと一人でおしまいだ。
最後のバッターは津井出。
蛇みたいにブーンを睨み……じゃなくて俺を見てるぞアイツ。
ξ゚听)ξ「赤木! 最後アンタが投げなさい!」
バッターボックスからいきなり謎の提案をする…いや、これはもう命令だな。
せっかく調子の戻ったブーンが困った顔をこっちを見る。
仕方ないか。どうせ言っても聞かないだろうし
ブーンに向かって無言で頷き、ポジションを代わる。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:02:37.66 ID:T3mEx9DLO
楽しそうだなあ
39 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 20:03:09.58 ID:qBbU/FTr0
ξ゚听)ξ「見てなさいよ…。」
ピッチャーマウンドに立ってからすぐにガンをつける津井出。
せっかくの可愛い面が台無しだぞ。
……言っててなんか寒気のする言葉だなこれ。
とりあえず一球投げる
(`・ω・´) 「ボール。」
あら、ボール。
ξ゚听)ξ「…。」
無言のままこっちを睨み続けている津井出。
続けてもう一球
(#`゚ω゚´) 「ットラィクンンファアアアアアアアア!!!!!!」
あ、今度はストライクか
しかし今のはど真ん中だぞ。
(,,゚Д゚)「……何で振らない?」
不思議に思い津井出に問う。
今までの打席を見る限りでは余裕でホームランかっ飛ばせるほどの激甘球なのに。
40 :
◆microbe.12 :2009/03/22(日) 20:03:47.12 ID:nun5fG4n0
しえーん
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:04:05.72 ID:py4kbqgAO
支援
42 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 20:05:14.52 ID:qBbU/FTr0
ξ゚听)ξ「バカね。追い込まれてから逆転すんのがカッコいいんでしょ!」
へいへい。
ならツーストライクまで大丈夫か、と思い軽く投げる。
カキーン!!
(;゚Д゚) て「えっ?」
さっきの挑発は何だったのか。
津井出はソフトボール部が勧誘したくなるくらいの素晴らしいスイングで、俺のヒョロイ球をかっ飛ばした。
(`・ω・´) 「ファールボール!」
しかし運良くファール。タイミングが若干合わなかったんだな。
…いや、そんなことより…
(;゚Д゚)「おいっ! 追い込まれからがカッコいいんじゃないのかよっ!?」
ここはツッコまずにはいられない。
ξ゚听)ξ「何言ってんのよ。敵を欺く発言も立派な作戦でしょ」
(#゚Д゚)「こ…の野郎っ!」
デッドボールを投げて再起不能にでもしたろうかと思ったが、そこまで俺は残酷な人ではない。
だから一番手っ取り早くコイツを見返す方法でケリをつける事にした。
ぶっちゃけると、俺もほとんど昔の勘が戻っている。
(,, Д )「よぉっく見とけよ…」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:06:31.10 ID:py4kbqgAO
支援
44 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 20:07:14.33 ID:qBbU/FTr0
(,, Д )「よぉっく見とけよ…」
俺は腕を振りかぶり、一度大きくタメてから…思いっきり投げた。
ξ゚听)ξ「何がよく見とけ、よ。こんなの…。」
津井出がバットを振る。軌道はバッチリをボールを捕えた。
…と思った殺那。
俺の放った球は急浮上し、ブォンとマウンドまで空を切る音が聞こえてきた。
(##`゚ω。´) 「ットライクアァアアプパァアアアア!!! ンンンバッタァアアアッハウトォオオっんがはぁ!!!!!!!」
これで三振。はい、勝ちっと。
先生もお疲れ様ッス。吐いた血はちゃんと処理しといてくださいね。
(,,゚Д゚)「残念だったな。やっぱ素人が変化球は打てないだろ。」
ブーンが使っていた落ちる球を俺は投げて見せたのだ。
元々、ブーンに教えて一緒に練習したのも俺だから勘が戻ればこれくらいは余裕だ。
(,,゚Д゚) +「ま、これも実力かな。」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:08:25.21 ID:py4kbqgAO
支援
46 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 20:09:01.23 ID:qBbU/FTr0
学校から借りたグローブを片付けながら津井出に聞こえるようにわざと言った。
途端に俺の視界は暗転。
意識を失う直前、俺の瞳には鬼の形相をした津井出がバットを片手に見下ろしている姿が映っていた。
負けたからってそりゃないわ。
最後に保健の先生にお礼を言い、俺の1日はこれで終わった。
つづく
47 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/22(日) 20:11:01.96 ID:qBbU/FTr0
次回は火曜日かな。
もしも火曜日が無理なら木曜日になるかと。
ちなみに次回は3,4話を同時投下します。
支援ありがとうございました。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:12:26.49 ID:pMI74G4ZO
…ニヤニヤ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:12:30.10 ID:T3mEx9DLO
おつー
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:12:31.23 ID:py4kbqgAO
乙
次も楽しみにしてるぜ
51 :
◆microbe.12 :2009/03/22(日) 20:15:42.45 ID:nun5fG4n0
おつ!
楽しみに待ってます
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/22(日) 20:17:58.68 ID:VgdpyiEgO
一話読んできたと思ったら終わっとる……
乙でした
来てたのかorz
乙〜