1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
\ ヽ ! | /
\ ヽ ヽ / / /
代理だああああああああああぁぁぁ!!
\ | / /
,イ
 ̄ -- = _ / | --'''''''
,,, ,r‐、λノ ゙i、_,、ノゝ -  ̄
゙l ゙、_
.j´ . . (.
─ _ ─ { (^ω^ ) /─ _ ─
). c/ ,つ ,l~
´y { ,、 { <
ゝ lノ ヽ,) ,
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 20:48:37.01 ID:cl4SMuIsO
キター、支援するよ
3 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 20:52:13.32 ID:hwfOh0wPO
>>1乙!
初北産業
gdgd探偵
ほのぼの?
シリアス?
4 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 20:53:15.97 ID:hwfOh0wPO
簡易登場人物説明
( ^ω^)……ココア好き24歳、本人はキザなつもりだが呆れる程に全然決まっていない。
从'ー'从……みかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみk
('A`)……みんな憧れ永遠の無職、その技術力には目を見張るものはあるが週1回は連行される。
(´・ω・`)……大企業の社員。結構不遇、妻を溺愛している。
( ´∀`)……ショボンの上司。少し子供っぽいところも。
(,,゚Д゚)……最近の悩みはコートを新調しようか、ということ。
( ・∀・)……やれば出来るタイプ。でも滅多にやらない。
(*゚∀゚)……超高確率で登場するモブキャラ。
(*゚∀゚)……↑にそっくりすぎる顔、区別がつかないが果たして……?
5 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 20:53:45.68 ID:hwfOh0wPO
6 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 20:57:11.64 ID:hwfOh0wPO
〜( ^ω^)从'ー'从聖者達に死を、のようです〜
9th-3〜黒と白〜
7 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:02:09.21 ID:hwfOh0wPO
前回のあらすじ
なんだかんだで、以前依頼を受けたショボンの上司、モナーの依頼を受けることに。
相手はあの鬼畜女王、デレが言及していた盗み猫。
刑事であるギコとモララーと共に意図を阻止しようとするが……?
8 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:02:49.46 ID:hwfOh0wPO
---------------------------------------------------------------------------------
( ´∀`)「じゃあまず部屋を一通り案内するモナ」
( ^ω^)「わかりましたお」
( ´∀`)「まずは上の階から行きますモナ」
言われるがままに付いていく。
階段を昇り、1つ目の部屋。
( ´∀`)「ここは空き部屋、子供が出来たら子供部屋にでもしようかと思っていますモナ」
(;^ω^)「え、子供には広すぎませんかお?」
というのも部屋にしては少し大きすぎる感があるからだ。
一般的な大きさの部屋が2つ繋がった大きさくらいだ。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 21:03:58.49 ID:sLW2MekeO
し、エンヌ
10 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:06:42.28 ID:hwfOh0wPO
( ´∀`)「まあ大分年だけどもしかしたら、もありますモナ。
子供達には元気に駆け回って欲しいモナ」
(,,゚Д゚)「なるほど、いい教育方針ですな」
从'ー'从「あれれ〜? 娘さんがいるんじゃなかったっけ〜?」
( ´∀`)「部下がいる手前、流石に自分のためにサインをくれとは言えないモナ」
从'ー'从「なるほど〜」
11 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:10:30.68 ID:hwfOh0wPO
( ´∀`)「部屋を出て左に進むとベランダに出ますモナ」
(,,゚Д゚)「……ここでビールを飲んだらうまそうだな」
( ´∀`)「モナ、月見酒とかいいですモナ」
( ^ω^)「月が見えるんですかお」
( ´∀`)「そうですモナ、きれいですモナ」
ベランダ、いやバルコニーと言ったほうが正しいのかもしれない。
目の前に広がるのはそこそこきれいな景色。
( ´∀`)「2階にある残りの部屋は端にある物置とトイレくらいですモナ、見ますかモナ?」
( ^ω^)「うーん、物置やトイレには人が通れそうなくらいの窓ってありますかお?」
12 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:13:14.41 ID:hwfOh0wPO
( ´∀`)「モナ……うん、ないモナ」
(,,゚Д゚)「じゃあ見る必要は特にないな」
从'ー'从「どうして〜?」
( ・∀・)「侵入、逃走に使える箇所を優先的にチェックする。
それ以外の部屋は場所を把握するだけでいい……ってことですよね?」
(,,゚Д゚)「おう、やりゃできるじゃねえか」
( ・∀・)「へへへ」
从'ー'从「なるほど〜」
嬉しそうに頭をかく、後輩としては褒められると嬉しいのだろう。
( ´∀`)「それじゃあ1階に行きますモナ」
モナーに続いて僕達も階段を降りる。
13 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:16:54.52 ID:hwfOh0wPO
( ´∀`)「まずは応接室、来客した人はここに来てもらいますモナ」
( ^ω^)「さっきまでいたところだお」
从'ー'从「結構広いよね〜」
フローリングの床によくわからないが高そうなカーペット。
ソファーはふかふかで、我らが探偵社ご自慢の応接ソファーとは比べ物にならないくらい心地よい。
( ´∀`)「それでこちらがリビングですモナ」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 21:18:02.60 ID:cl4SMuIsO
今日は途中で寝ないでくれよなw
15 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:21:08.66 ID:hwfOh0wPO
次に入ったのはリビング。
( ^ω^)「でっけえお」
从'ー'从「うちの給湯室の100倍くらいはあるね〜」
流石に100倍はないだろうが相当の広さだ。
こちらもフローリングだがカーペットは敷かれていない。
庭に面している大きな窓からは、カーテンによって和らげられた日光がたっぷりと降り注ぐ。
食事の時に使うのであろうテーブルと椅子。椅子は2つ置いてある。
面しているキッチンは給湯室の2倍くらいか。
いちいち比較してしまうのが悲しいところではあるが、他に僕らの比較対象は無い。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 21:22:51.54 ID:BsvNhWMN0
シ・ェ・)ン
17 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:24:50.82 ID:hwfOh0wPO
( ´∀`)「そして僕の部屋モナ」
(,,゚Д゚)「この部屋1つ、丸々あなたが?」
( ´∀`)「そうですモナ」
(,,-Д-)「そうですか、うらやましい」
うらやましがるのも無理は無い。
いわゆる書斎というやつだろうが先のリビングの半分くらいの広さだ。
採光のために窓が1つ、付いている。人はなんとか通れるくらいだろうか。
広さの割には置かれているものは少なく、1人用の机と椅子が置かれている。
18 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:27:39.73 ID:hwfOh0wPO
( ^ω^)「…………」
( ・∀・)「…………」
从'ー'从「…………」
(;´∀`)「つ、次の部屋へ行きますかモナ」
不穏な空気を感じ取ったのか、家主は次の部屋へと移動する。
それに仕方なくついていく僕達。
19 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:28:20.45 ID:hwfOh0wPO
( ´∀`)「ここは妻の部屋ですモナ、できればささっと終わらせて欲しいモナ」
( ^ω^)「把握しましたお」
落ち着いた感じ、きれいに部屋がまとまっている。
女性の部屋ということでじろじろと見ることはしない。
窓は無い。明かりは電気によってのみ供給されている。
( ´∀`)「それじゃあ次行きますモナ」
20 :
◆D8cGwe//oo :2009/03/21(土) 21:29:19.98 ID:VlHQTVGdO
てす
21 :
◆dLvfoAPf4o :2009/03/21(土) 21:30:55.46 ID:VlHQTVGdO
てすつに
22 :
◆X3/0XKjmD2 :2009/03/21(土) 21:31:49.78 ID:VlHQTVGdO
てすつさん
23 :
◆o0YaFC1j5s :2009/03/21(土) 21:32:40.62 ID:VlHQTVGdO
てすつよん
24 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:32:55.76 ID:hwfOh0wPO
---------------------------------------------------------------------------------
( ´∀`)「それじゃあ、最後に地下室ですモナ」
从'ー'从「へー、ちょっと肌寒いね〜」
( ´∀`)「裏手が崖になっていて、そっちから見るとここが1階に見えるモナ」
( ^ω^)「なるほど、地下はこの部屋だけですかお?」
( ´∀`)「ええ、そうですモナ」
部分的にコンクリート打ち付けで空気はひんやりとしている。
大半はカーペットが敷かれていて、そこの上に乱雑、とは言わないまでもかなり適当に並べられているのが
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 21:34:09.33 ID:gbhNUYIO0
(^o^) たかしちゃんは天使ですもの!
そらだって 飛べるわ!
(^p^) イヒヒヒ! ぼき てんす!てんす!
───┐
□□□│ミ ζ゚ <てんす!てんす!
□□□│
□□□│
□□□│
□□□│
□□□│
□□□│
□□□│
._. │
| | | │
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 21:34:15.29 ID:BsvNhWMN0
シ・ェ・)ン
27 :
◆BkCjtmep6o :2009/03/21(土) 21:34:36.41 ID:VlHQTVGdO
うをおをん
28 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:35:54.38 ID:hwfOh0wPO
(,,゚Д゚)「これが……趣味で集めている?」
( ´∀`)「そうですモナ、古美術品ですモナ」
数は相当にある。壺、サーベル、甲冑、杖……
( ・∀・)「こんな適当でいいんですか?」
( ´∀`)「古美術、って言っても相当怪しい品ですし今まで買っては放置、でしたモナ」
从'ー'从「へ〜、でもどうして並べてあるの〜?」
( ´∀`)「いや、予告状が来たからもしかして何かお宝でもあるのかと思ってひっくり返して探したモナ」
(,,゚Д゚)「それらしいものは?」
( ´∀`)「うーん、宝石類とかは剣とかにおまけ程度でついているくらいですモナ」
モナーが手に取ったサーベルには気持ちばかりの宝石による装飾が施されていた。
( ^ω^)「…………」
多少の疑問が生じるが、言わないでおく。
窓は大きめのが1つ。人は十分通れる大きさだ。
( ´∀`)「以上で全部の部屋を見せましたモナ、一端戻りましょうモナ」
29 :
◆vNn1e6JOAE :2009/03/21(土) 21:36:18.30 ID:VlHQTVGdO
あちまなさ
30 :
◆V/z3m.aTQI :2009/03/21(土) 21:37:11.70 ID:VlHQTVGdO
あなはかさ
31 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:38:17.93 ID:hwfOh0wPO
---------------------------------------------------------------------------------
再び応接室に戻る。
しばらくの部屋巡り。特段変な部屋は無かった。
そしておおまかにではあるが、家の間取りは把握した。
( ´∀`)「それじゃあ、夕食の準備をしますんで。出来たら呼びますから自由にしてくださいモナ」
( ^ω^)「わかりましたお。それじゃあ、もう少し見回りますかお」
(,,゚Д゚)「そうだな、時間もまだあるし2手に別れて予行演習ってのはどうだ?」
( ^ω^)「おっ、そうしましょうお」
32 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:42:12.65 ID:hwfOh0wPO
从'ー'从「それじゃあ……ぐっぱで」
( ・∀・)「あーわーせ!!」
( ^ω^)o
(,,゚Д゚)o
从'ー'从v
( ・∀・)v
33 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:46:28.78 ID:hwfOh0wPO
(;,゚Д゚)「くっ……反射的に出してしまった」
( ^ω^)「というかそこの2人グーとパーのどっちかじゃないのかお?」
从'ー'从「気にしない気にしない」
( ・∀・)「結果オーライですよ」
(;^ω^)「そうかお、じゃあ僕とギコ刑事。渡辺とモララー刑事の組み合わせだお」
从'ー'从「庭にでも行こっか〜」
( ・∀・)「ふう、久しぶりに羽を伸ばせるよ」
(,,゚Д゚)「おい」
(;・∀・)「いや、決して先輩の捉えているような意味合いではなくてですね」
(;^ω^)「ギ、ギコ刑事。僕達は念のため家の周辺を見てきましょうお」
(,,゚Д゚)「ああ……ちっ、命拾いしたな」
(;^ω^)(刑事に見えねえ)
34 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:50:50.42 ID:hwfOh0wPO
---------------------------------------------------------------------------------
あれから2手に別れ、僕はギコ刑事と家の周辺を見て回ることにした。
小高い丘の上だからだろう。
坂道が多く、上りは当然キツいし下りは下りで走ると足が止まらなくなる。気をつけねば。
(,,゚Д゚)「坂が多いが車は使えるな」
( ^ω^)「車で来ますかおね?」
(,,゚Д゚)「うーん、ただ住宅街なだけ入り組んでいる道も多いから土地勘がないと難しいかもなあ」
( ^ω^)「確かに、ちょっと分かりづらいところではありますお」
(,,゚Д゚)「考えられるのは広い道で逃走用の車が待機、ってところか」
( ^ω^)「警察はもっと人出してくれないんですかお?」
(,,-Д-)「まあ、普段は事件を担当しない俺がこんなところにいる時点でな。そこは察してくれ」
(;^ω^)「は、はあ……」
(,,゚Д゚)「それにしてもこんなところに住んでみたいもんだ」
( ^ω^)「うらやましいとは思いますお」
35 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:54:42.29 ID:hwfOh0wPO
栄々町は庶民の憧れでもある。
VIPに程近く、また小高い丘の上にあるので見晴らしもいい。
そしてベッドタウンと高級住宅地、2つの顔を持つこの町は治安もいい。
僕達の住んでいるところはVIPではあるのだが、はずれなので実感はない。
雑談をしつつ家の周りの道を歩く。
( ^ω^)「お、こんなところに崖がありますお」
(,,゚Д゚)「おっと、結構高いな」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 21:56:00.06 ID:fbkVUJFYO
船越支援
37 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 21:58:28.34 ID:hwfOh0wPO
少し坂を下ったところで茂名宅の方を見る。
家の裏に見えたのは切り立った崖。そしてその下には林が広がっている。
高低差は10メートルはあるだろうか。
下は林のせいか夕方前にも関わらず薄暗く良く見えない。
( ^ω^)「地すべりとか起きたらひとたまりもありませんお」
(,,゚Д゚)「あの林カブトムシとかいそうだな」
( ^ω^)「まだ春ですお」
地図を広げて確認するが、比較的小さい林らしい。
その林の先には昔からあったのだろう、畑がある。
もっともここから見ることは出来ない。
38 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:02:31.50 ID:hwfOh0wPO
ギコが指差すのは家についている窓。
さっき見た地下室にあたる場所だろう。
( ^ω^)「侵入に使いそうですおね」
(,,゚Д゚)「ああ、逃走にも使えるな。林の中は夜になったら真っ暗だろうしな」
( ^ω^)「下準備さえしておけば、迷うほど広くはなさそうですおね」
(,,゚Д゚)「ま、落差が10メートルもあるが……一応注意しておくか」
ギコが懐から手帳を取り出し乱雑な字でメモを取る。
( ^ω^)「見るものはこんなところですかお」
(,,゚Д゚)「ああ、そうだな」
( ^ω^)「それじゃあ、そろそろいい時間ですし――――」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 22:03:54.97 ID:cl4SMuIsO
wktk
40 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:05:14.43 ID:hwfOh0wPO
戻る提案を手で遮ったのは他ならぬギコ。
(,,゚Д゚)「まだ時間はちょっとあるだろ、コーヒーでも飲んで少し話でもしないか?」
( ^ω^)「? まあいいですお」
疑問符は頭をもたげるが、断る理由も無い。
先を歩き出した刑事に僕はついていった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 22:05:30.83 ID:BsvNhWMN0
シ・ェ・)ン
42 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:06:34.33 ID:hwfOh0wPO
---------------------------------------------------------------------------------
1アウト、カウントは2ストライク2ボール。
投じられた白球は胸元をえぐるように迫り来る。
インコースギリギリ一杯。打てる――
(#'A`)「せいっ!!」ブン!!
(*゚∀゚)「ストラーイク!! バッターアウト!!」
43 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:09:44.13 ID:hwfOh0wPO
――ことはなかった。結果は三振。
空を切ったバットが勢い余って太ももを叩く。
(;'A`)「いたたっ!!」
( ・`ー・´)「全然当たってねーじゃんwwww」
嘲笑するのは生意気極まりないガキ投手。
(#'A`)「今のは調子が悪かっただけだ! 次こそ打つ!!」
声高らかに雪辱を宣言。
しかし負け犬の遠吠えは聞こえないんだよ、そういわんばかりにガキは手元の表を見ている。
( ・`ー・´)「えーと……次はお前がピッチャーの番だな。ホームラン打ってやるぜwwwwwww」
('A`)「ふっ、余裕をこいていられるのも今のうちだぜ」
( ・`ー・´)「はいはい、デッドボールかましたらグラウンド100周な」
44 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:14:28.68 ID:hwfOh0wPO
ボールを手に取り、手でロージンバッグを弄ぶ(つもり)
マウンドの土をならす、ちなみに空き地だから全く平らだ。
グローブはなし。キャッチャーは壁。けれども気分は大リーグ。
(#'A`)「俺のマサカリシュートが唸りをあげるッッ!!」ビュッ
大きく振りかぶり投じた1球はそれなりの速度でストライクゾーンへと向かう。
ボールの握り方を少し変えてねじり込むように投げたのはシュート。
右打者の内角を抉るように変化する球だ。
( ・`ー・´)「それで本気で投げてるのかよwwwwww」カキン
金属音、飛ぶ白球。渾身のシュートは放物線を描いてあえなく反対側の壁に直撃。
ちなみにこの野球をするのに少しばかし狭い空き地では特別ルールがある。
打球がノーバウンドで壁に直撃した場合は――
45 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:18:41.87 ID:hwfOh0wPO
(゚A゚)「ホームラン……だと?」
( ・`ー・´)「ざーこwwwwwwwwwピッチャー交代だ」
(;A;)「くそ! 俺のシュートが!!」
人数が少し足りないのでバッター以外は1人が審判、残りは基本的に交代で守備をする。
ピッチャーが終わった俺は守備、セカンドにあたる位置に移る。
(*゚∀゚)「次はあたしがバッターだね」
審判役をしていた女性――つーは打った際投げられたバットを手に取る。
( ・`ー・´)「つー姉手加減しろよ! ボールまた捜すの面倒なんだから」
(*゚∀゚)「あいよー」ブンブン
軽快に素振りをする。
女性とは思えない、バットが空を切る音。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 22:22:05.70 ID:+cZBCvU8O
しえーん
47 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:24:19.39 ID:hwfOh0wPO
lw´‐ _‐ノv「ふむ……左利きか」
代わったピッチャー。マウンドに立ちポツリとつぶやく女の子。
左手にはめたグローブにはボールが入っている。
('A`)「…………」
(;'A`)「ってシューちゃんじゃないか!!」
48 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:27:16.32 ID:hwfOh0wPO
lw´‐ _‐ノv「あれ、無職がどうしてこんなところに?」
(;'A`)「まあ色々とあったんだ……さっきまでいなかったよな?」
lw´‐ _‐ノv「ああ、通りがけだったんだけど面白そうだったから混ざった」
(;'A`)「…………」
なんというライトなノリ。そして溶け込み具合。
そもそもグローブを何故持っているのか。
lw´‐ _‐ノv「ふふ、こんなところでホンモノの戦いが出来るなんてねえ……」
いや、なんかキャラ変わってないか?
(*゚∀゚)「手加減は……しないよ」
lw´‐ _‐ノv「ふん、望むところだ」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 22:28:26.33 ID:966EDTYFO
しえーん
考えると無職ってかなり心にくるあだ名だよな……
51 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:32:02.50 ID:hwfOh0wPO
大きく振りかぶる。
長めとはいえ彼女がはいているのはスカートだ。
だからだろうか、彼女の投球フォームはかつての朝倉のようなすり足投法。
(;*゚∀゚)「ぬあっ!?」
初球はあえなく空振り。
投げたのは推定20キロにも満たない超スローボール。
タイミングをずらされたつーはつんのめるようにバットを振らされる。
( ・`ー・´)「ストライーク!!」
lw´‐ _‐ノv「ふふふ」
(*゚∀゚)「うまいねえ……」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 22:33:17.50 ID:966EDTYFO
支援
53 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:35:54.65 ID:hwfOh0wPO
しかし気を取り直し、つーは再び構える。
対するシューは勢い無く跳ね返ってきたボールをキャッチする。
例えるのならイチローのような構え、素振りをする。
ゆったりとしたその構えから一瞬にして振り出されるバットは神速。
しかし臆することなくシューは振りかぶり、投げる。
今度はストレート。指先から離れ、ボールは走るようにその距離を詰めて壁を抉る。
眉1つ動かさずにつーはそれを見送る。壁にチョークで書かれたストライクゾーンより球1つだけ外れている。ボールだ。
( ・`ー・´)「ボール!!」
(;'A`)(今100キロは出てたぞ……)
(*゚∀゚)「1ストライク1ボールだね」
lw´‐ _‐ノv「いいね、わかってる。野球をわかってるね」
跳ね返ってきたボールを取り、心底楽しそうに弄ぶシュー。
一体なんなんだ。
54 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:39:13.05 ID:hwfOh0wPO
lw´‐ _‐ノv「そろそろ本気で行くよ……」
(;'A`)「本気じゃなかったのか!?」
聞こえていないのか、振りかぶって第3球。
球速は先程より早い。110キロ弱といったところか。
ボールは目にも留まらぬ速さで内角一杯、いわゆるインハイを狙う。
(*゚∀゚)「もらった!」
lw´‐ _‐ノv「甘い!!」
しかし球は打者の手前で深く沈む。いわゆるチェンジアップだ。
高速のチェンジアップ、高めのストライクから低いボールゾーンへの急激な変化。つまり空振りは免れない。
55 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:42:12.45 ID:hwfOh0wPO
(*゚∀゚)「甘いのはそっちだ!!」
だがそれは常識に当てはめた場合の話。
つーにはそれが通用しない。
完璧に決まった変化球を無駄の無いスイングで捉えて一気に振りぬく。
lw´;‐ _‐ノv「なっ!?」
低めの、それもボールをこうも上手く打てるものなのか。
打球は地を這うライナーとなってセカンドを襲う。
('A`)(ってあれ、セカンドって俺のことじゃ――)
派手な音と共に意識はそこで途切れた。
すげえなシュー
作者ッ!貴様WBCを見ているなッ!!
支援
58 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:44:15.36 ID:hwfOh0wPO
---------------------------------------------------------------------------------
(,,゚Д゚)「俺はコーヒーだが、お前さんは?」
( ^ω^)「あ、僕ココアで」
自販機で先に飲み物を買い、そのまま近くの縁石に腰掛ける。
少し熱いので火傷をしないように冷ましながら飲む。
(,,^Д^)「ギコハハ!! 本末転倒ってやつだな」
( ^ω^)「まったくですおwww」
コートを羽織った刑事は独特の笑い声を上げて立ったままコーヒーを飲む。
59 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:47:24.79 ID:hwfOh0wPO
( ^ω^)「それにしてもどうしたんですかお? 話って」
(,,゚Д゚)「ああ、その話なんだが……」
言いにくそうに視線を外すギコ。
(,,-Д-)「だがお前のことをそう知らない俺が言うべきではないのかもしれん……」
( ^ω^)「もったいぶらないでくださいお」
(,,゚Д゚)「ま、それもそうだな。じゃあ言うとしよう」
風がひゅうと吹く。刑事のコートが翻る。
少し間が空いてぽつりと言った。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 22:49:21.48 ID:966EDTYFO
紫煙
61 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:52:41.37 ID:hwfOh0wPO
(,,゚Д゚)「……お前が、探偵をやっている理由についてだ」
一瞬、時が止まった。
9th-3〜黒と白〜fin
62 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/21(土) 22:53:32.65 ID:hwfOh0wPO
今日は以上で終わり。以下落ちるまで質問タイム。いい加減規制解けてお願いします
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 22:56:55.88 ID:966EDTYFO
乙〜
早く規制解けると良いなw
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 23:06:51.15 ID:Poyn6Z51O
乙
おっつ
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 23:35:37.72 ID:cl4SMuIsO
おつ〜
次はいつくらいですか?
67 :
◆EC5LBDpcy. :
次は来週の土曜日ですかね。明日もやろうと思えば出来るのですが携帯いじりっぱなしは疲れるのです。
本編は今回の9話含めて残り2話なので頑張ります。規制にめげずに終わらせます。