1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:14:05.86 ID:lofw2Tc+O
連日か。
がんばって支援
3 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:17:05.54 ID:oZFt7jSb0
>>1 代理あざっす☆
うん、ありがとうございます。
今晩は2/4をば。
恐らくさるらなければ零時半には投下終わるかと。
お付き合いください。
4 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:18:43.29 ID:oZFt7jSb0
2/4 へ
5 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:21:08.56 ID:oZFt7jSb0
土曜日。
窓の外は雨に降られ、不機嫌な薄暗い空に覆われている。
(‘_L-)「ぬ、朝か」
元来日光に生体リズムを若干遅れ気味に正されている私としては、目覚めがさらに遅くなってしまう。
別段、土曜に早く目覚める予定はないですけど。
目覚まし時計の短針が十一を指している。
薄手の毛布をよけて起き上がると、まずは用件リストを頭に作成した。
さらに、重要度順にソートすると、トップに躍り出たのは、
(‘_L’)「食材買いに行かないといけませんね」
その前に、小用をいたし、トイレを出る瞬間に大も催すというイベントをこなす。
1Kの手狭な部屋を出ると、外界は暖かく柔らかな霧雨に包まれていた。
傘を取りに戻るべきか一瞬逡巡したが、そのまま私はひさしの下から歩み出た。
近所のスーパーまでは徒歩で三分もしない。
揺るやかな坂を登って、下り、角を曲がれば着いてしまう。
時にはマイナスイオン信者の傘下に入って、リラクゼーションの恩恵とやらを受けてもいいだろう。
心地よい霧に顔を洗われ、胸いっぱいに湿気を吸い込む。
実に、良い朝だ。
(‘_L’)「しまった、やっぱり傘持ってくるべきだった」
しかし、結局はそこに行き着いてしまうのが私らしい。
羽織った白のカーディガンの色味がしっとりと濃くなり、振れば水滴を弾くほどに髪も濡れている。
スーパーの屋根の下、かろうじて染みていない水分を払ってから店内へ。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:21:14.46 ID:yiR0uv5d0
7 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:23:07.11 ID:oZFt7jSb0
(‘_L’)「おや、奥さんおはようございます」
自動ドアの目前にある青果コーナーで、顔見知りの奥様がバナナをカゴに移している場面に遭遇する。
こちらに気付くと彼女は、あらあら、と近寄りエコバッグからハンドタオルを取り出した。
「やだ先生さん、びっしょりじゃない。これお使いなさいよ、はい」
(‘_L’)「ありがとうございます」
押し付けるように差し出されたタオルは、洗剤の香りがした。
軽く衣服を叩くように拭き、頭を払う。
「もう。ちょっと貸しなさい。全然拭けてないじゃないの」
がっちりと後ろ首を掴まれ、無理やりお辞儀の姿勢にされると、怒涛の払拭が待っていた。
(‘_L’)「いたたたた、ちょっ、ちょっと待ってください自分でやれます」
しかし、彼女は私の髪からきっちりと水分を取るまで、離してはくれなかった。
私は本当にこういう女性に好かれる。
頚椎に到達せんとばかりに、力の込められていた指がようやく緩められる。
顔を上げると満足げな表情の奥様。
「水も滴るいい男ってのは分かるけど、風邪ひいたら馬鹿みたいだよ! はっはっは!」
腰に食らう女傑の平手が、少し強い。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:24:11.63 ID:lofw2Tc+O
しえ
9 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:26:05.62 ID:oZFt7jSb0
(‘_L’)「お気遣いありがとうございます。さっぱりしました」
ではこれで、と立ち去ろうとして、店内に用があることを思い出し踵を返す。
「ホント先生さんはおっちょこちょいだね! こりゃあお嫁さんになる人も大変だ!」
からからと笑う彼女の声は、よく通る。
すると、遠くの棚から顔を覗かせる、別の奥様複数。
百七十センチ後半の私は、彼女らからすればある種目印らしい。
集結するショッピングカート。
私(待ち合わせ場所)+合図=主婦の群れ
昼のスーパーで、この公式からはなかなか逃れられない。
「先生じゃない、お元気? あらまー、びっしょり濡れちゃって」
二番目に近寄ってきた細身の奥様が心配そうにそう言う。
「今がっちり拭いたげたから大丈夫よ!」
がっちり。
的確だ。
初めの小型戦車系の奥様がそう答えると、別の女性が質問を投げかけてくる。
「お買い物? 先生はよっく土日いらっしゃるわよね。家内守ってくれるイイヒト、いないの?」
(‘_L’)「一人身に慣れたらどんどん縁遠くなってきました。ははは」
本当に、こういうおばちゃんに大人気だ。
10 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:28:10.40 ID:oZFt7jSb0
嫁に最適な人物像の言い合いへ割り入るように、私の腹の虫が鳴いた。
「あらやだ先生、もしかしてまた朝ごはん食べてなかったの?」
(‘_L’)「恥ずかしながら」
「そんな細っちょろいと台風で吹っ飛ばされて川に落ちるわよ!?」
どっと笑う奥様方。
私も笑いながら、しかし、それより激しい経験があることは口に出さずにいた。
大抵、身柄がこのように拘束されるのは、彼女達が私は空腹であることを悟った時点で終わる。
彼女達もおしゃべり――何故か私の女性関係の話題が多い――に節度を持っているということだ。
(‘_L’)「すみません、食材と何かかじれるものだけでも買ってきて良いですか。」
そうね、と細身の奥様が呟くと周りも同調して解散の気配を漂わせる。
ここで無駄に尾を引かないところは好感が持てる。
よしよし、血中糖度がかなり低下していたからこれでなんとか。
そう思いながら、入り口横のカートにカゴを乗せ押し始めると、ふいに呼び止められる。
「ところで先生さん、聞いた?」
振り返ると、おばちゃん手招きで深刻そうな顔つきをした奥様ナンバーワンがいた。
大根の値上がりなら見れば分かりますけど。
「また、昨日通り魔が出たんですってよ」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:28:18.54 ID:qC8v5vJJ0
途中で寝落ちるかもしれないけど、それまで全力で支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:30:14.93 ID:qC8v5vJJ0
もう一丁支援
13 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:31:38.90 ID:oZFt7jSb0
(‘_L’)「通り魔、ですか」
聞けば、隣の県内で夜中、住民が何者かに追い掛け回される事件が度々起こるらしい。
「笑いながら追いかけてきて、捕まると……」
ざっくりよ、と奥様は言う。
私は空腹よりも興味が勝って訊いた。
(‘_L’)「容姿の特徴なども挙がってますか?」
「さあ……。時々ニュースに話題は出てたけど、どうだったかしらねえ」
思い返せばそんな事件もあったかもしれないが、近隣であることは知らなかった。
酷いパニックに陥った被害者達は、通り魔の顔も服装も思い出せずにいるらしい。
(‘_L’)「亡くなった方は」
「それはまだいないみたいよ。でも怖いわねえ」
私はその会話を深く記憶することにした。
県境に近いこの街で、その情報は重要だ。
特に私にとってはその度合いが高まるかもしれない。
それでは、と別れると、私は色々なことを反芻しながらシリアルの箱を手に取る。
(‘_L’)「追いかける。捕まえる。切りつける」
14 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:33:47.40 ID:oZFt7jSb0
カゴがシリアルの箱だけで満杯になっているのに気付いた時、ようやくそれについて考えるのを止めた。
チョコレートコーティングのものをひとつだけ残し、棚に戻す。
(‘_L’)「まずは目の前の項目をひとつずつ、です」
惣菜と発泡酒のストック、焼きたてと銘打たれている冷めたパン類、野菜や肉を購入。
私は再び霧雨の中を、今度は競歩の速度で進んだ。
部屋に置きっぱなしになっていた携帯電話は、不在着信を示す緑のランプを点灯させていた。
着信履歴をめくると、期待していた名前を発見する。
用件リストの最上段、「食物摂取」をメロンパンでクリアしてからカーディガンを脱ぐ。
ハンガーへと上着をかけてから、ぱさつくパンを飲み下して水を一杯。
無論、水道水だ。
充電ケーブルから電話を外し、ベッドに腰掛け通話ボタンを押した。
コール。
呼び出し音は二度で鳴り止む。
『すまない。昨晩は夜勤でな。気付いたのが深夜だ』
(‘_L’)「構わないよ。急に連絡を取ろうとしたのはこっちなんだから」
『それで何用かな。同窓会なら去年催したばかりだと思ったが』
語尾を上げない疑問系を聴いて、まったく変わりないことを伺い知る。
ワカッテマス氏とは対照的に、通話中の相手は本題へとさくさく切り込んでいく性質だ。
他の人へなら、一眠りでもしてくれと返すところだが、そんなことを言ったら怒られてしまう。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:34:16.71 ID:qC8v5vJJ0
支援
16 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:36:30.97 ID:oZFt7jSb0
(‘_L’)「懐かしい話題だよ。僕達を青春時代へと遡行させてくれるほどの」
しばしの沈黙。
受話用スピーカーからはテレビのものか、別の音声が聞こえる。
冗談めいた口調を選んだが、果たして外してしまっただろうか。
『はっ、何を言い出すかと思えば』
鼻で笑うような返しに、私は伝わるように言う。
(‘_L’)「鬼ごっこはまだ終わってなかった。疑わしい兆候がある」
二度目の沈黙は重々しいものだった。
『そちらに向かう。今晩は暇か』
(‘_L’)「いや、知人が君のもとへ行くことになっているよ。ただ僕はその仲介を頼まれたんだ」
『私だからこそか。ふむ、仲介。そうか、あるいは』
――君だからこそということか。
それ以上は何も語らず、約束の時間と場所を伝達。
私達はどちらからともなく電話を切った。
通話終了画面を眺めていたが、モニターがオートオフになった頃、携帯電話を布団の上に投げる。
腿に肘を乗せ、前のめりになる。
髪に指を通すと、帰りに浴びた雨の湿り気が手に移った。
昔感じた、あのぬめりを伴わないことに、私はどこかで安堵した。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:36:58.50 ID:qC8v5vJJ0
支援
18 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:39:30.35 ID:oZFt7jSb0
窓を開けて小さなベランダに出る。
風に煽られた雨粒は、緩やかに舞い、物陰へさえ悠々と侵入してくる。
室内に雨が入り込むのも構わず、手を伸ばし空を撫でた。
暖かな風と冷やかな風。
暖かな雨に冷やかな雨。
エネルギーの拡散によって生じた現象に対して、私は柄にもなく感傷的になっていた。
ただの蒸発と凝集の結果だと割り切れば、そこまでだ。
(‘_L’)「青春時代、ですか」
切り取られたような当該期間は、もはやそのまま忘れ去られると思っていたのに。
(‘_L’)「何故、今なんでしょう」
栓の無いことを自問するが、自答はしない。
模範的な回答はどこにもないからだ。
この曖昧な世界だろうと、具体的な世界であろうと。
急に薄ら寒く感じて、暖房のスイッチを入れそうになる。
だが、それではどうにもならない部分の感覚だと思い直し、ベッドに腰を下ろした。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:39:45.57 ID:qC8v5vJJ0
前スレ読みながら支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:41:10.16 ID:PUlBawSYO
支援なのである!
21 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:43:27.61 ID:oZFt7jSb0
家にいても仕事が手につかないのではないか。
途端、私は仕事用鞄に書類とネットブックを詰めて外に出かけた。
今回は忘れず雨具を手にしてだ。
駅に着いて、ビル近辺の喫茶店を探して回るが、めぼしい店は大抵満席だった。
ファミリーレストラン。
いや、それは論外だ。
他に思い当たるのは、一店舗しかなかった。
電車に乗って四駅、さらに歩いて数分の場所にある、あの店だ。
ドアベル。
軽やかな音色を頭上に聴いて『ksms tech』へ入ると、いつものマスターがそこには待っていた。
N| "゚'` {"゚`lリ「雨の日にいらっしゃるとはありがたい。さあ、男前。お好きな席へどうぞ」
会釈で応えた後、迎え入れられるままに中へ進む。
私のように、妙に落ち着かない日を過ごすために訪れた人間が何人か席についている。
何かにくたびれた様子の女性や、小説を読みふける高齢の男性。
それ以外には若々しいが、しかし、場をわきまえてゆったりと過ごす一組のカップルの姿がある。
いずれもテーブルに置かれたカップを口元へ運ぶ度に、その表情がわずかに緩んでいる。
N| "゚'` {"゚`lリ「さあて、ご注文はお決まりかな?」
奥まったところにある、固めのソファを選んで座ると丁度良いタイミングで声がかけられた。
彼のバスボイスが、心地よい。
(‘_L’)「軽食、ホットサンドですか。それとホットコーヒーを頂けますか」
躊躇った後、できれば多少なりアルコールが入っていれば嬉しいのですが、と低く付け加える。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:43:53.78 ID:qC8v5vJJ0
支援
23 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:46:16.78 ID:oZFt7jSb0
自らの思いつきに驚きながらも、撤回はしなかった。
マスターは身を屈め、同じく潜めた声で言う。
N| "゚'` {"゚`lリ「アイリッシュコーヒー、だな。ブレンドを変えるからちょっと待っててくれよ」
快諾してくれたマスターに礼を言い、私は鞄の中から書類を出し、テーブルに広げた。
まずは小テストの採点でもしよう、と機械的にこなせるものから着手する。
採点前に、名簿順に解答用紙を整理する。
あえて昇順にしてから、横に得点一覧・模範解答を並べた。
内容は化学の基礎的な部分がほとんど。
結合の各強度を不等号で示せ、などという簡単なものだ。
計、二十点。
赤点などのラインは設定していない。
(‘_L’)「渡部くん……、さすがに荷電子十九個は投げやりでしょう」
外見から生粋の野球部員は、四点。
追試会場で会いましょう。
(‘_L’)「おっ、吉沢さんは満点ですか」
対照的に大人しげな文芸部員は、小奇麗な解答を提出。
いいですね。
N| "゚'` {"゚`lリ「いいのかい、こんな場末とは言え外にテストなんか持ち出して」
トレイにカップとトーストされたサンドウィッチを乗せて、マスターがやってくる。
私はタ行の生徒まで採点を終わらせていた。
しえ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:47:29.61 ID:qC8v5vJJ0
支援
26 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:48:54.80 ID:oZFt7jSb0
(‘_L’)「大したテストじゃありませんよ。ただの傾向調査みたいなものですから」
これは内容理解度を推し量り、授業進度を取り決めるひとつの指標でしかない。
ふむ、と彼は皿をテーブルへ置いて、代わりに解答用紙を取り上げる。
N| "゚'` {"゚`lリ「俺にとっては懐かしくて、やたらと価値あるものに見えてしまうな」
歳ってヤツかな、とプリントを戻しながら軽口を叩く。
(‘_L’)「職業柄ですよ。私にはこの一杯が特に高価値に思えます」
N| "゚'` {"゚`lリ「はっはっは、それじゃまるで『大したコーヒーじゃありませんよ』って言っているみたいじゃないか」
深みのある声を弾ませるマスター。
バレましたか、と笑い返すと額を指で軽く弾かれた。
N| "゚'` {"゚`lリ「控えめにウィスキーを混ぜておいたぜ。簡単な作業する分には手元が狂わない程度だ。
強かったら言ってくれ。アルコールは正直安物だが、味は保証しよう。さあ、どうぞ」
勧められるままカップを口元に運ぶ。
一言で表現するなら、それは優しい味わいだった。
深煎り豆特有のコクに見え隠れするアルコールが、柔らかい刺激となって脳に届く。
ブラックニッカの確かな「安い香り」ににやりとさせられつつも、次の一口が進む一杯だ。
(‘_L’)「美味しいです」
マスターは唇の端を歪めると、ウィンクをしてから席を離れた。
徹頭徹尾、一挙手一投足が磨き上げられた男性だ。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:49:21.47 ID:qC8v5vJJ0
支援
28 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:51:05.75 ID:oZFt7jSb0
ブレイク。
冷めないうちにホットサンドを頂くことにする。
焼きたての香ばしいパンに噛り付くと、小気味良い音が頭蓋骨に響く。
とろけたチーズと熱いハムの塩気があいまって、じんわりと旨味として広がる。
(;‘_L’)「あっく」
が、とにかく顔をしかめるほどに熱い。
N| "゚'` {"゚`lリ「忘れていた。水がないと厳しいだろう」
はふはふやりながら片手を挙げて礼をすると、コップを受け取る。
無論、ただの水道水とは違うのだろう。
N| "゚'` {"゚`lリ「ははは、お前さんは可愛らしいな」
にこやかに見つめられるとすごく食べづらいです、マスター。
彼の後ろには道路に面した窓が見える。
分厚い雲をなんとか通過した光が、ガラスを流れる雨に歪められ、店内にまだらな影を落とす。
刻々と変化する床の模様をぼんやりと眺める私の耳には、やはり古いロックが届く。
メロウな、このナンバーは――
N| "゚'` {"゚`lリ「While my guitar gently weeps.……雨の日にはなかなかじゃないか?」
小さな彼の歌声に、私はクイーンのアンダープレッシャーも合いますよ、とだけ答えた。
アナザー・ワン・バイツァサンド。
戯言なることを考えて、ざくり。
(;‘_L’)「うおっ、あっく。はふっ」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:51:32.41 ID:qC8v5vJJ0
マスター相変わらずいい男だな支援
30 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:54:10.73 ID:oZFt7jSb0
ななめに包丁の入れられたサンドウィッチは、存外にボリュームがあった。
二枚合わせの半切りを両方平らげると、付け合せのプチトマトで、熱にやられた口蓋を癒す。
ドアベル。
音色を聴いた時、私はコーヒーをすすっていた。
「こんにちは阿部さん。ホント気持ちの良い天気ね」
聞き覚えのある少女の声に入り口を向くと、果たして、その主は見覚えのある人物だった。
N| "゚'` {"゚`lリ「好事家さんだな。俺も雨は嫌いじゃないが、飲食店はちょいとばかし雨天に弱くてね」
ζ(゚ー゚*ζ「でもお出かけするにはカンカン照り、やばいシミソバカスできちゃう! の時より良いと思うのになあ」
私の担任するクラスの生徒にして、『ksms tech』の常連、伊藤デレ嬢であった。
本日の装いは、パステルカラーのカーディガンに、膝下丈の黒いデニムスカート。
昨年流行した、カラフルな長靴が足元を彩っている。
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、先生! こんにちは!」
元気に私の席へ歩み寄る足音は、ゴムの吸った水分で若干やかましい。
(‘_L’)「こんにちは、伊藤さん。今日は何を探しに?」
ζ(^ー^*ζ「小さい春から一歩先へ、小さい春の新作ケーキを探しに。阿部さーん、お願いしまーす」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:55:16.47 ID:qC8v5vJJ0
支援
32 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/20(金) 23:56:53.36 ID:oZFt7jSb0
私の対面へ腰掛ける前にそう宣言すると、既に注文の品を手に持ったマスターの姿。
ブレンドもすぐに持ってこよう、と付け加えた後、彼は離れていった。
ζ(゚ー゚*ζ「見て見て、この華やかな色合いをした可愛らしい逸品を……って、これ水曜やったテスト?」
私は机上の書類を手早く片付けた。
そして、生徒の前で飲むにはあまりよろしくないコーヒーを飲み干す。
(‘_L’)「ん、っと。結果は来週までお楽しみですよ」
ζ(゚ぺ*ζ「先生、私が満点以外取ると思う? この内容、二年目だよ?」
一年生をやり直している――とは言っても表面上の話だ――彼女にとっては、馬鹿らしかったか。
(‘_L’)「ま、ケアレスミスがないとも限ら」
ζ(゚ー゚*ζ「ケーキおいしー」
あー。
(‘_L-)
(‘_L-)
(‘_L’)「マスター、こっちにもブレンドと新作ください」
彼女らしいといったら、らしいので何も言わずにおきましょう。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/20(金) 23:58:24.91 ID:qC8v5vJJ0
支援
34 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:00:46.69 ID:PmuUy5Os0
現行で教師と教え子という私達。
近況報告もク#(立場上伏字なのはいつも通りだ)もない。
なので、会話は無難な天気のことから始まる。
(‘_L’)「雨、あんまり強くならないと良いですね。電車止まるとなんですし」
ζ(゚ー゚*ζ「んー、うん。電車止まっちゃうのは困るかも。でも、やっぱり雨は好きだな」
両手でカップを持つ伊藤さんに、問うような視線を投げかける。
ζ(゚ー゚*ζ「だって気持ち良いでしょう? 今日みたいな日なんて、爽やかじゃない」
後半部分には、肯定の頷きを返す。
そう思ったからこそ、私も今朝方傘を持たずに家を出たのだ。
ずいぶんとしっとりした後、がっつり髪をかき乱されたが。
ζ(゚ー゚*ζ「なんていうかな。私、すごく落ち着くって言うか。懐かしい気持ちになるの」
窓へと顔を向けた彼女の目元は優しい。
懐かしい、か。
(‘_L’)「貴女にとっては、確かにそうかもしれませんね」
ζ(゚ー゚*ζ「母なる海。そういうフレーズあるじゃない?」
地球のほとんどが海中にあったと考えられていることを指す言葉だ。
生体のリズムを潮の満ち引きに喩える人もいる。
組成が海中の成分に類似しているとの意見も、記憶の片隅にある。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:01:22.79 ID:JDg+rtQs0
支援
36 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:03:52.22 ID:PmuUy5Os0
ζ(゚ー゚*ζ「私にとってはまだ海って存在に実感がないの。入ったり、見たり、なんて経験ないし。
あ、記憶は別よ。それよりも空からの雫、一粒一粒の方がもっと身近。何よりも」
彼女の台詞に、記憶の比較的上層から乳白色の板が去来して、すぐに形が曖昧になる。
生後半年未満にして、ここまでものを考えているとは。
(‘_L’)「なるほど。……なるほど」
ζ(^ー^*ζ「んーんー……♪ おいしいな。それで、こんな日は外を歩きたくなっちゃうの」
器用に手を動かしながらそう言う伊藤さんに、私は気の利いた言葉を返せずにいた。
黙っている間に運ばれてきた追加の皿と、空いたものが交換され、私もケーキにフォークを入れる。
ζ(゚ー゚*ζ「先生はノスタルジックになるものとか、ない?」
ノスタルジィか。
(‘_L’)「あんまり未練や執着を持たずに生きているので、どうでしょう。もしかしたらあるかもしれません」
ζ(>ー<*ζ「絶対『あ、そんなのもあったな』みたいなのあるでしょー。『なつかしい!』っていうのが」
あるとも。
そう、あるとも。
(‘_L’)「ここのところはあまり、思い当たることがないですかね」
自身を、冷めた目で見る私がいた。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:04:19.04 ID:JDg+rtQs0
支援
38 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:06:33.90 ID:PmuUy5Os0
高齢の男性が小説を閉じ、席を立った。
疲れた顔の女性は最後にココアで一服して店を出た。
妙な誤解を生まぬよう、伊藤さんを五時前には帰宅させる。
私はその一時間後に店を出た。
二人きりに残されたカップルはその時、ようやくこっそりと口付けをしたようだった。
私とマスターから隠そうとした、つつましい瞬間を目撃してしまい、少し申し訳なくなる。
霧状の雨は傘をひらりと避けるようにして、服を湿らせる。
(‘_L’)「どこからが母なる海なんでしょうね」
日が長くなってきたとは言え、雲に覆われた空は既に暗かった。
空を覆いつくす、伊藤デレの親族。
どこまでが、海なのか。
どこからが、空なのか。
宇宙規模の境界についてまで思考を巡らせたところで、小さく嘆息。
(‘_L’)「多感な日もあったものです」
一人ごちて、小さな水溜りを越える。
電車は平常の運行のままで、難なく私は自宅の最寄り駅まで帰りつく。
気温の低下を体感しながら歩く道は、私には余所余所しさに満ちていた。
濡れた路面に反射する街灯。
もやの中を行き来する車のライト。
家々からこぼれる暖かなはずの光。
半ば闇の世界には、それは遠い。
早く密室に戻りたい、と願った時だろうか。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:07:51.33 ID:JDg+rtQs0
支援支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:09:23.53 ID:Poyn6Z51O
(L’ ) 横顔支援
41 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:10:30.09 ID:PmuUy5Os0
――空を裂く金切り声。
身体に氷を押し当てられたような感覚が走り、周囲を見回す。
甲高い女性の悲鳴は人の不安を掻き立てる。
それは私にとっても効果を発揮し、雨とは無関係な冷たいものが背を流れるのを感じる。
(‘_L’)「鬼ごっこ」
初めに浮かんだ単語がそれだった。
無意識に霧中を踏み出す。
首を左右に振り、時々聞こえる荒い足音と小さな悲鳴の連続を探す。
(‘_L’)「どこだ……」
ところどころ、なまじっか灯りがついているせいで、視界は不良だ。
それでも耳を澄ませ、脚を動かし続けた。
徐々に足の回転数は増していく。
邪魔な傘を閉じて、中ほどを掴む。
再び、大きな悲鳴。
近い。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:11:05.65 ID:JDg+rtQs0
支援
43 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:14:51.61 ID:PmuUy5Os0
近隣の住民が室内から窓辺に寄る様子を目の端に捉えた。
だが、彼らは何か行動を起こすつもりはないらしい。
自分には関わりがないと考えているか、あるいは関係を持ちたくないと思っているのか。
足音は止んだ。
静かにすすり泣く声は、助けを乞うていることがはっきりと分かった。
その角を曲がる時、私は覚悟した。
(;‘_L’)「くっ」
果たして、悲鳴の主は原因と共に見つかる。
コンクリート塀が両脇を囲う何の変哲も無い道。
ぼけた光を放つ街灯の守備範囲を外れた暗がり。
そこには、腰を低く落としている大きな人影と、地面に倒れた小さな人影。
とっさに大声を出す。
(#‘_L’)「こっちですお巡りさん!」
倒れた方に迫っていた人物が振り返り、異常に素早く走っていく。
(#‘_L’)「逃げました、そちらに向かっています!」
嘘だ。
誰も待ってなどいやしない。
しかし、走り去る姿に淀みが起こり、経路を撹乱させる。
その後、住宅の垣根を飛び越え逃げていったシルエットを、追うことはしなかった。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:15:05.79 ID:JDg+rtQs0
支援
45 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:19:14.67 ID:PmuUy5Os0
残された方へ駆け寄る。
(‘_L’)「大丈夫ですか? 安心してください」
「助けて……、やだ、助けてぇ……」
うわごとのように繰り返していたのはやはり女性だった。
私の問いかけに、怯えた若い女性は肩を震わせる。
「ひっ、うう、助けてぇくださいい」
(‘_L’)「怪我はありませんか」
言いつつ、既に私は、服ごとぱっくりと切られた前腕を見ていた。
音も無く湧き出す赤はやや黒く、細かな動きの度に零れ落ちる。
細かく浅い呼吸をする彼女は、全身が血液やらなにやらで濡れきっていた。
他を探すと、左肩に一箇所、腿に二箇所の刺し傷。
後は膝と掌に擦り傷があったが、いずれも浅く、気にするほどではない。
(‘_L’)「腕を」
携帯電話取り出しながら、上着を脱ぐ。
差し出された前腕にカーディガンを押し当て、その袖の一部をくわえるよう指示する。
ふるふると安定しない彼女に哀れみを感じながら、聞きかじりの技術を実行する。
(‘_L’)「圧迫します、我慢してください。舌は噛まないように」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:19:59.92 ID:JDg+rtQs0
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:20:52.99 ID:Poyn6Z51O
( ‘_|) 支援
48 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:24:29.96 ID:PmuUy5Os0
言うが早いか、傷害部を強く握り絞める。
「あっ」
短く、くぐもった、悲痛な叫びを境に彼女は力なく横たわった。
カーディガンに熱が染み渡りだし、さらにきつく絞める。
私は空いた手で携帯電話をダイヤル。
コール。
呼び出し中に、濡れたアスファルトへ座り込み、脚での圧迫に切り替える。
ズボンに浸透する水分を感じ始めた頃、電話は繋がった。
(‘_L’)「女性が何者かに切りつけられていました。現在止血を試みています。現住所は――」
まくしたてる自分の声に、怒気が含まれるのを隠しはできなかった。
何に対しての怒りか。
さあ、何に対してでしょう。
多すぎて、ひとつこれ、と挙げるのが難しい。
そうだ、これがありました。
珍しく舌打ちを自然にして、空を仰ぐ。
――こんな時くらい雨が止んでくれたって良いじゃないか。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:25:21.79 ID:JDg+rtQs0
支援
50 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:25:56.76 ID:PmuUy5Os0
2/4 「急速接近休息日」 終
2/4<x へ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:26:32.37 ID:Poyn6Z51O
乙
52 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:27:09.70 ID:PmuUy5Os0
生垣に身体をぶつけながら、猛然と脚を動かし続ける。
あの場所は確か、こっちの方角だ。
地図を思い描き、目的地までの大まかなルートを考える。
「クソッ、クソッ、クソッ」
悪態をつきながらも、またひとつ塀を乗り越えた。
「邪魔しやがって、邪魔しやがって。今日はもっとやる予定だったのに、クソッ」
人目を避け、しかし、最短の道を選ぶのは骨が折れた。
胸にこみ上げる憤怒の炎は身体にまとわりつく霧では消えない。
むしろ、それを糧に勢いを増して燃える、燃える、燃える。
身を焼く、身を焼く?
誰の?
決まってる!
「うふっ、ふひひっ、ふひ……クククク……」
おっと、いけないいけない。
息を整えないとすばやく移動できない。
爪だ、全てを切り裂くこの爪が導いてくれる。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:28:07.94 ID:JDg+rtQs0
支援
54 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:29:17.18 ID:PmuUy5Os0
灯りのついた窓の下をこっそりと抜ける時、我慢できずに爪を振るう。
ああ美しい。
曲線が美しい。
鈍い光が美しい。
描く軌跡が美しい。
朱に染まって美しい。
使う私が、実に美しい。
空を切り裂く爪が美しい。
「クヒッ、クッ……イヒッ……」
抑えきれない情動に、陰部が熱くなるのを感じる。
大声で笑いたい。
腹が引きつるほどに全身が震える。
歓喜だ!
一度、爪を振る。
二度、爪を返す。
三度、爪を舐める。
雨に薄まった血潮の苦味が、塩気が、旨味が、愛しく切ない。
「まだまだ、まだまだだ。まだだよ、そうそうまーだだよ」
私が追いかける。
でも、始まりを決めるのは私。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:30:13.42 ID:JDg+rtQs0
支援
56 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:30:59.94 ID:PmuUy5Os0
もういいかい。
まーだだよ。
もういいかい。
まーだだよ。
「今日はこれくらいにするよ。ごめんね、ごめんね」
どこまでも行くよ、どこからも行くよ。
追いかけよう。
だって私は鬼なんだから。
昔っからそうだよ、今もそうなんだよ。
最後の障害を乗り越えた時、「それ」は目的地に到着する。
動物がするように全身で水分を弾くと、入り口から中へと進んだ。
午後七時三十分ちょうど、街のどこかで嬌声が上がる。
始めは控えめに、次第に強く、そして激しく。
「ははは……ははっ。ハッ! アハハッ! アハハハハハハハ!!」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:31:57.84 ID:JDg+rtQs0
支援
58 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:32:12.72 ID:PmuUy5Os0
x<3/4 終
3/4 へ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:33:15.39 ID:JDg+rtQs0
乙
60 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:34:27.75 ID:PmuUy5Os0
ここで今回は投下終了とさせて頂きます。
いつも支援、激しくありがとうございます。
なにかありましたら、どうぞー
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:43:39.15 ID:JDg+rtQs0
ようやく読み終えた乙ー
相変わらずの、いいフィレンクトだった
次の投下はいつ頃になりそう?
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:48:37.02 ID:Poyn6Z51O
早漏だった
改めて乙
これ、デビュー作?
63 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 00:53:09.96 ID:PmuUy5Os0
>>61 おろー、ありがとうございますー。
次は一週間後弱くらいかと。
木曜から土曜の午後十時頃からが濃厚ですね。
もっと早い方が人集まるかしら。
>>62 うぇい、お付き合いありがとうございます。
現行持つのは初ですね。
今までは総合で短編をふたつほど投下してました。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/21(土) 00:55:57.12 ID:JDg+rtQs0
初現行でこれか。すごいな
次回も遭遇できたら、ストーカーの如く支援させていただく
65 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/21(土) 01:00:25.38 ID:PmuUy5Os0
初回以降さるくらってないのはひとえに支援の恩恵。
マジ感謝ですよ。
スレ立て代行もホントありがたい。
涙ちょちょぎれそうです。
んではそろそろ落ちそうなのでこの辺で。
ノシ