1 :
◆gMIGdyOjeA :
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:11:31.84 ID:BPVTY/J9O
支援するぜい!!
3 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:13:19.95 ID:0ue6hXYE0
少し間が開き過ぎたので、ちょっと復習を書き込んでみます。
【なにか】に【ある情報】を合成することができる力を持っている人々が住む島、VIP島。
その島の少年ブーンは合成ができないでいた。
危機に陥ったときついに合成することができるようになったブーンは
島が戦争に巻き込まれたと聞いて島に戻ろうとしたが、力不足を示され、拒絶される。
そんなとき、ふと立ち寄ったお土産屋の女店主に渡された本の中に意識を吸い込まれてしまった。
そこには自身を初代、と名乗る友人そっくりの男が、ブーンの体を奪い、復活をたくらんでおり戦闘を仕掛けてきた。
なんとか男を撃退したブーンは男から痣をもらいうける。
意識を取り戻したブーンはいったいどう行動するのか。
4 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:14:52.74 ID:0ue6hXYE0
(;−ω−)「ん・・・・・・」
(;^ω^)「夢、かお?」
上半身を起こし右腕を見ると痣が出来ていた。
(;^ω^)「どこかで見たことがあるような・・・・・・」
川д川「目が覚めたぁ?」
相変わらず気づかないうちに近寄ってくる人だ。
(;^ω^)「どうなったんですかお?」
川д川「あなたは本を開いてすぐに倒れたのよぉ」
(;^ω^)「じゃあ、ここは店の中ですかお?」
川д川「そうよぉ。運ぶのは大変だったわぁ」
(;^ω^)「すいませんお」
会話が途切れる。さっきのドクオ(初代)は夢じゃなかった。
それは右腕の痣が証明している。
自分に何が起きたのか解るまではすこし時間がかかりそうだ。
5 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:16:22.73 ID:0ue6hXYE0
(;^ω^)「帰らなきゃいけないお・・・・・・」
川д川「決まったのぉ?」
( ^ω^)「はい。ブーンは帰ることにしますお」
川д川「ふぅん。あの本で何が起きたのか知らないけど、自分で決めた道なら最後まで歩いていけるんじゃなぁい?」
( ^ω^)「そんな気が、しますお。ありがとうございましたお。
あの本のおかげでブーンはまた一つ強くなれた気がしますお」
川д川「いいわよぉ。どうせ埃をかぶる為にあったようなものだからぁ」
( ^ω^)「失礼しますお」
川д川「幸運を祈るわよぉ」
お土産屋の女主人に別れを告げ、店の外に出た。
夕焼けが世界を真っ赤に染めている。美しい、とさえ思っていたその情景は今や戦争で流れる血を想起させる。
( ^ω^)「・・・・・・嫌な空だお」
その恐ろしさを少しでも和らげるため、わざわざ口に出した。
( ^ω^)「明日、島に帰るお」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:16:38.96 ID:BPVTY/J9O
俺は一人でも支援するぜ
7 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:18:06.48 ID:0ue6hXYE0
確固たる意志を再確認する。
宿までの距離はその手段を考える時間だった。定期船は出ない。船は持っていない。
誰かに送ってもらうにも、戦争している国に行きたいと思う人なんていないだろう。
( ^ω^)「ただいま、だお」
結局答えは見つからないまま、宿に着き、すぐに部屋に向かう。
扉を開けると見知った顔があった。
( ゚∋゚)「あら? お帰り」
( ^ω^)「クックルさん!! 無事だったんですかお。良かったですお。
八本柱の方々はどうなったんですかお? 父さんと母さんは無事なんですかお?
戦争はどうなったんですかお?」
( ゚∋゚)「気持ちはわかるけど落ち着きなさいよ」
( ^ω^)「すいませんお・・・・・・」
( ゚∋゚)「まずは現状報告よ。座りなさい」
机を挟んでクックルさんの対面に座った。
8 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:20:04.99 ID:0ue6hXYE0
( ゚∋゚)「私たち八本柱、といってもあの屑二匹をのぞいて、実質六人は北の国を裏切る予定だった。
流石兄弟にあったこの辺の話は聞いたと思うけど・・・・・・」
( ^ω^)「はいですお」
( ゚∋゚)「ここまでは計画通りだった。でも私たちが気づいていない事実があった。
それが北の国、皇帝≪【+ 】ゞ゚)棺桶死 オサム≫のVIP島占領計画」
( ^ω^)「子供を狙ってたのは・・・・・・」
( ゚∋゚)「合成士の軍隊でも造ろうとしていたんじゃないの」
( ^ω^)「裏工作するのはやめたってことですかお?」
( ゚∋゚)「ええ。ちまちま子供を攫うのをやめて島ごと占領しようと戦争をしかけてきたのでしょうね」
( ^ω^)「・・・・・・島は、無事なんですかお?」
( ゚∋゚)「今は、まだね。なんとか耐えてるわ。でも、島の周りは軍艦に完全に封鎖されてるの。時間の問題よ」
( ^ω^)「どうして、わざわざブーンのところまで来たんですかお?
ブーンにできることなんて何もないですお」
悔しさを我慢するために唇を噛んだ。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:21:09.84 ID:vps8M1beO
ひっさしぶりいいいいいい
10 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:21:59.69 ID:0ue6hXYE0
( ゚∋゚)「あなたに、伝えなきゃいけないことがある」
クックルさんが口を開く。時間の流れが一気に遅くなり、単語区切りで聞こえる。
( ゚∋゚)「あなたの、友達の、ヒートって子。 行方不明よ」
ドクドクドク・・・・・・心臓の音が体中を駆け巡る。
( ^ω^)「・・・・・・ヒートが?」
ドクドクドク・・・・・・血液が体中を暴れまわる。
( ゚∋゚)「ええ。子供たちだけでも逃がそうと、私のような合成士で協力して、南のある島に連れて行ってたの。
ヒートを連れて行った合成士が帰ってこないのよ。本当に残念だけれど」
( ω )「・・・・・・どういうことだお」
もう聞きたくない。つまらない慰めなんか何の意味もない。怒りはすぐに抑えられなくなった。
(# ω )「どういうことだっていってんだお!!!!!!! ヒートが行方不明?
お前らの失敗じゃないかお! 何勝手に完結してんだお!! 」
クックルの胸倉をつかんで叫ぶ。
11 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:24:02.05 ID:0ue6hXYE0
(# ω )「応えろお! いったい、」
ふわっと体が浮く。
(#゚∋゚)「いい加減に、しなさいっ!」
( ω )「ごふっ。げほっ、げほっ!」
投げられたのだろうか? 肺への衝撃で息が自由に出来ない。
(#゚∋゚)「わたしに叫んだってどうにもならないことぐらいわかってるんでしょう!?」
そんなことはわかっている。
(# ω )「そんなことは、わかってるお!!」
天井がぼやけてきた。とめどなく涙があふれてくる。
( ;ω;)「きっと生きてるお」
( ゚∋゚)「そうね・・・・・・。あなたを迎えに来たのはこのことを伝えるため。そして、もう一つは、北の国に勝つため」
( ;ω;)「ブーンは戦力にならない、っていわれたお」
( ゚∋゚)「シュールちゃんなら無事島について役割を果たしてるわよ。
その彼女からの伝言、『ブーン君、クックルがすべて話すわ』だそうよ」
( ;ω;)「なんの、ことだお?」
12 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:25:58.97 ID:0ue6hXYE0
( ゚∋゚)「あなたの情報の事よ。シュールちゃんの推測だけど
合成時に意識が抜けるのはたぶんあなたの技量が足りないせい。
訓練しだいでは何とでもなる、だそうよ」
( ;ω;)「まだ意識を失ってしまいますお」
( ゚∋゚)「1対1ならそうでしょうね」
( ;ω;)「! そうかお」
( ゚∋゚)「多対多なら、あなたの情報は最強クラスよ。私と一緒に島まで戻りましょう」
( ;ω;)「ヒートは、生きてるお」
( ゚∋゚)「そうね」
( ;ω;)「ヒートが戻ってくる場所が必要だお」
( ゚∋゚)「ええ」
( ;ω;)「だから・・・・・・島に帰って戦うお!」
( ゚∋゚)「助かるわ。今から出発するわよ」
クックルが立ち上がって、手を差し出してきた。
そのいかつい手を握って立ち上がり、袖で涙を拭いた。
13 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:27:28.91 ID:0ue6hXYE0
(#^ω^)「行くお」
( ゚∋゚)「寒くなるだろうから、暖かい服をきなさい」
もう一枚上着を着て、クックルと街の南の港に向かった。
────────
( ゚∋゚)「この舟で来たのよ」
クックルさんが港の一角で立ち止まった。
( ・ω・)「コレ・・・・・・かお?」
クックルさんの指差した先にあったのは二人乗りのボート。
( ・ω・)「こんなのでVIP島に行くと何日かかるんだお」
( ゚∋゚)「わたしの合成を使えばすぐよ。早く乗りなさい」
クックルさんに急かされて舟に乗り込む。
( ^ω^)「櫂はどこだお?」
( ゚∋゚)「そんなものいらないわよ。しっかりつかまってなさい」
14 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:29:52.20 ID:0ue6hXYE0
ドンッ!!
( ^ω^)三)「うっひぃぃぃぃー」
停止している状態から一気に加速した。風圧で舟から落ちるかと思った。
( ゚∋゚)「だからしっかりつかまってなさい、っていったじゃない」
( ^ω^)「どうやってるんだお」
( ゚∋゚)「わたしの情報は【方向】。海の波が揺れる力を舟の推進力にしてるの。
定型句で言うと【舟の臀部】と【波のエネルギー】を合成してるってこと」
( ^ω^)「そんな応用も出来るのかお・・・・・・っくしゅん!」
( ゚∋゚)「だから暖かくしなさいっていったのに」
( ^ω^)「いつになったら着くのかお?」
( ゚∋゚)「夜になったら島に着くわ」
( ^ω^)「こうやって子供たちを逃がしてたんですかお?」
( ゚∋゚)「そういうことよ」
話している間も舟は猛スピードで進んでいく。既に東の大陸ははるか後方になっていた。
太陽が沈み、闇が覆う。星の輝きが水面に投影される。
15 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:31:25.91 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)(綺麗だお・・・・・・)
これからの不安を忘れて見入っていた。
( ゚∋゚)「寝ときなさい。船から落ちないようにはしてあげるから」
( ^ω^)「お言葉に甘えますお・・・・・・」
( ゚∋゚)(しっかしこの子の情報はなんなのかしらねぇー。
意識を他のものに合成、なら心の合成士が一番近いと思うのだけれど・・・・・・。
シュールちゃんは違うって言うし)
( −ω−)スースー
( ゚∋゚)(過去にない新しい情報・・・・・・。そういえば、どこまで合成できるのかしら?
起きたら聞いてみないと)
────────────
────────
────
( ゚∋゚)「起きなさい」
( ^ω^)そ「はっ。ついたんですかお?」
( ゚∋゚)「大きな戦艦がみえるでしょ? あの横を通るわ。万が一に備えて起きときなさい」
16 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:33:03.61 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)「わかりましたお」
舟が歩くぐらいの早さになる。波の上をゆったりと進んでいく。何事も起こらず着岸することが出来た。
( ゚∋゚)「さっさと降りて」
( ^ω^)「どこに行くんですかお?」
( ゚∋゚)「舟をしまうわよ。これをもって」
クックルさんから端を舟とつないだロープを受け取った。それを思いっきり引っ張る。
舟を砂浜の近くの木の陰に隠した。
( ゚∋゚)「こっちよ」
クックルさんに先導されて林の奥に入っていく。
( ^ω^)「どこまで行くんですかお?」
長いこと森の中を歩いた。しだいに空が温もりを帯びた色に変化してくる。
( ゚∋゚)「ここよ。入って」
森の中に下へ降りる階段がついていて、そこには近く数人の人が立っていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:34:32.93 ID:vps8M1beO
しえん
18 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:35:09.30 ID:0ue6hXYE0
( ゚∋゚)「ごくろうさま」
「クックルさん。ご無事でしたか」
「どうぞ。入ってください」
中に入ると巨大な空間があった。鍾乳洞に似ているが、それよりももっと機能的で、もっと非常識的だった。
何本かの太い柱に支えられている天井はいたって質素だがわずかに発光している。
遠くのほうでは明け方であることを感じさせないほど明るい。
土の壁できっちり区分けされていて、温度も適温に保たれている。
( ゚∋゚)「奥の明るい部屋が会議区よ。まずはそこに向かってもらうわ」
( ^ω^)「ここ・・・・・・は?」
( ゚∋゚)「アッシュ・ドゥ・ノア。戦時用隠れ家よ。【灯】一族が照らして、【度】一族が強度を高め、室温を調節する。VIP島の砦よ」
カツカツカツ、と歩く音が響く。確かにものすごい強度にされているようだ。地面の上なのに土の上を歩いてる気がしない。
( ゚∋゚)「ここよ。入って」
( ^ω^)「失礼しますお」
一声かけて、最も明るい一区画に入った。円卓に六人が座っている。知り合いの人もいた。席は四つつ空いている。
19 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:36:42.73 ID:0ue6hXYE0
( ´_ゝ`)「やあ、ブーン。元気にしてたか?」(´<_` )
アニジャさんとオトジャさん。
( ^ω^)「はいですお」
( ^ω^)「シュールさん! 八本柱だったのですか?」
lw´‐ _‐ノv「黙っててごめんね。毎日鍛錬してたかい?」
( ^ω^)「一日たりとも忘れませんでしたお」
( ゚∋゚)「挨拶もそこまでね」
それじゃあ、始めようか。
一番奥の席に座っている人が話し始めた。囁き声が止まる。
爪'ー`)y‐「まずは、ホライゾン。君の合成を見せてもらおう」
男は袋を取り出して、その中から一つの玉を取り出した。
爪'ー`)y‐「できるかね?」
( ^ω^)「はいですお」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:37:49.50 ID:BPVTY/J9O
まだ俺の支援のターン
21 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:38:25.21 ID:0ue6hXYE0
椅子に座って意識を玉に集中する。すぐに体から力が抜け、玉を動かす。
円卓の周りをぐるぐると回る。
爪'ー`)y‐「ありがとう。やめてくれていい」
( ^ω^)「こんな感じですお」
玉を丁寧に机の上に起き意識を身体に戻す。驚きの声が聞こえてくる。そんなにこの情報はめずらしいのだろうか?
爪'ー`)y‐「そういえば、紹介が遅れたな。私がVIP島の防衛を任されているフォックスだ。
この運営は八本柱とほか二名でやっている」
( ^ω^)「父さんは・・・・・・?」
爪'ー`)y‐「君の父上と母上は北の国にいる」
( ^ω^)「戦争をしているんじゃないんですかお?」
捕まってしまったのかと冷や汗が流れ出てくる。
爪'ー`)y‐「言い方が悪かったようだな。君の父上と母上には北の国に潜入してもらっている。
あの二人が島内最強の実力者なのでね」
( ^ω^)「そうですかお」
遭えなかったのは残念だが、それだけ二人とも信頼されてるのだと思うと辛くはなく、むしろ自分の事のように嬉しかった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:38:45.19 ID:hf9PqibcO
久しぶりにキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
支援!
23 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:40:47.95 ID:0ue6hXYE0
爪'ー`)y‐「簡単なメンバー紹介でもしておこうか。流石兄弟、クックル、シューとは面識があるようだから省かせてもらう。
私の右隣に座っているのがエクスト、だ。この施設の全ての明かりを担当している」
<_プー゚)フ「・・・・・・」
爪'ー`)y‐「無口なやつだが、よろしく頼む。そして、左隣に座っているのがスカルチノフだ。
この施設の強度を保ってくれている」
/ ,' 3「スースー」
爪'ー`)y‐「普段はいっつも寝ているんだがな。もう年だ。今いないメンバーに、君の父上、母上だ。
席は一つ空いている。これは今まで特に決めようとしなかったせいなんだが、君に座ってもらいたい。」
( ^ω^)「座ると、どうなるんですかお?」
爪'ー`)y‐「一番大きな点は君が島から退去する必要がない、ということだ。君の年齢の子供は南の諸島に避難しなければらない」
( ^ω^)「ヒートは!! ヒートは見つかったんですかお?」
爪'ー`)y‐「ッ・・・・・・。ヒートだけじゃない。一緒に連れていた数人の子供たちとその担当合成士が見つからない。
アニジャの合成で見つからないと言うことは、はるかに離れたところにいるか」
フォックスさんが言いよどむ。それは最悪の可能性の事を示唆していた。
爪'ー`)y‐「既に、死んでいるかだ」
24 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:43:18.71 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)「・・・・・・。遠く、というのはどこまで見れるんですかお?」
( ´_ゝ`)「ここから、およそ北の国の南部半島と東の国の端が少し入るくらいだ」
( ^ω^)「それなら・・・・・・ッ」
わずかな希望の芽はすぐに否定される。
(´<_` )「ブーン、それはないんだ。俺の情報は【空間】。
ヒッキーの爺さんのようにはいかないが、空間をつなげることが出来る。
大抵はアニジャの能力とあわせてどこにいるかを特定してから能力を使う。
むやみやたらに合成しても安定しないからな」
( ´_ゝ`)「南の諸島の隠れ家の場所をオトジャは一回行って確認してる。
だから、空間をつなげて会話することも出来るんだが、向こう担当の話だと、着いてないらしい」
( ´ω`)「・・・・・・そうなのかお」
爪'ー`)y‐「・・・・・・話を戻そう。是非、ホライゾンにはこの席に座ってもらいたい」
( ^ω^)「そうさせてくださいお」
爪'ー`)y‐「子供たちは全員避難している。今日のもう少し明るくなった頃ならオトジャの合成で会話することも出来るが?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:44:04.95 ID:ZOGBKqU30
しえん
26 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:46:03.24 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)「お願いしますお」
爪'ー`)y‐「よし。他に話すことがなければ、今日はここまでにしようと思う」
( ゚∋゚)「ブーン。あなたの合成の事なんだけど、どんなものを合成できるの?」
( ^ω^)「今まで合成したのは、葉っぱや土、木ですお」
( ゚∋゚)「合成できなかったものは?」
( ^ω^)「しようと思って出来なかったことはないですお」
lw´‐ _‐ノv「それは興味深いですね」
( ^ω^)「?」
( ゚∋゚)「ありがと。それだけよ」
( ^ω^)「オトジャさん、父さんと母さんと話すことは出来ないんですかお?」
(´<_` )「すまない、ブーン。あの二人が今どこにいるのか皆目見当がつかないんだ」
( ^ω^)「そうですかお・・・・・・」
それじゃあ、ここで会議は終わりだ。
爪'ー`)y‐「ホライゾンには今後の状況を話しておこうと思うから、残ってくれ」
( ^ω^)「わかりましたお」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:48:06.64 ID:ZOGBKqU30
支援
28 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:48:23.07 ID:0ue6hXYE0
<_プー゚)フ「・・・・・・」
エクストさんは礼をして去って行った。
( ´_ゝ`)「それじゃあ」
(´<_` )「また後で」
アニジャさん、オトジャさんが部屋を出て行った。
爪'ー`)y‐「さて、今後の作戦だが、最初にVIP島周辺の艦隊を一掃する」
(;^ω^)「ちょ、ちょっと待ってくださいお。そんな簡単に言われても困りますお」
爪'ー`)y‐「まぁ、大丈夫だ。私たちだけで攻めるわけではない」
(;^ω^)「詳しい状況を聞きたいですお」
爪'ー`)y‐「ここには年寄りからVIP学園を卒業してすぐのものまで約千五百人ほどいる。
殆どが戦闘応用しやすい【情報】の持ち主で、その中でもレベルの高いもの五十人を選び
それぞれに戦力が均等になるように三十人ほどを受け持たせている」
( ^ω^)「ブーンはどういう扱いになるんですかお?」
爪'ー`)y‐「守護者の十人はどこにも所属せず、この要塞の中を自由に移動できる。
まぁ、ホライゾン君は年齢を考えるとあんまりうろつかないほうがいかもしれん。
で、だ。戦艦一隻に2〜3団を仕向けようと思っている」
29 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:50:55.59 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)「その計算だと、戦力がたくさん余っててもったいなくないですかお?
もっとたくさんで攻めれば危険も少ないんじゃないかと思うんですが」
爪'ー`)y‐「あまり多くを向けても邪魔になるんだ。それに、その程度の人数で十分に沈められると考えている」
( ^ω^)「それじゃあ、残りの人たちはどうするんですかお?」
爪'ー`)y‐「北の国に向けて出発させる。第一群、第二群にわけ、
それぞれに【色】の合成士をつけ、ステルス状態で進行する。
そして北の国の皇帝≪【+ 】ゞ゚)棺桶死 オサム≫を撃つ」
( ^ω^)「それで終わりですかお?」
国のトップを倒したからといってそれで戦争が終わるとは思えなかった。
爪'ー`)y‐「帰ってきた八本柱達の話によると北の国は独裁状態らしい。
しかも、あまりの圧制で後に続くようなものは一人もいないそうだ。
やつさえ殺せばそれで終わる。これで話は終わりだが、質問は?」
( ^ω^)「一つだけ質問ですお。ブーンはどちら側ですかお?」
爪'ー`)y‐「君には北の国に行ってもらいたいところだが、まずはその実力を見せてもらう。
今いる艦隊を潰してから、第二群として北の国へ行ってもらおうと思う」
( ^ω^)「わかりましたお」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:51:49.47 ID:ZOGBKqU30
しえん
31 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:53:16.35 ID:0ue6hXYE0
爪'ー`)y‐「これを腕に結んどいてくれ。守護者の目印だ。
要塞の外に出る以外は自由に行動できると思う。暇なら、ここにいてくれてもかまわん」
( ^ω^)「少しうろうろしてこようと思いますお」
席をたつ。受け取った守護者の目印を右腕に強く巻き、部屋を出た。
入ったときに比べて全体的に明るくなってる気がする。エクストさんが合成しなおしたんだろうか。
よく見ると区画ごとに第〜団と書いてある。うろうろと施設の中を歩き回る。
時間がたつにつれて光源が強くなってきている。太陽と同じ時間で設定してるのかもしれない。
( ^ω^)「・・・・・・広いお。知り合いがどこかにいるかもしれないお・・・・・・!」
ロマネスク先生は、ヒッキー先生は無事なんだろうか?
連れ去られたときの事は忘れようとしていた。実際うまくいっていた。
すぐに引き返して会議室に戻ろうとして、後ろを歩いていた人にぶつかってしまった。
( ^ω^)「痛いお」
(''兵A)「って どこ見てんだよ、ガキぃ」
( ^ω^)「すいませんお。では」
(''兵B)「ちょっと待て。なんでお前ここにいるんだ? 早く避難しないと」
(''兵A)「その右腕の飾りは何だぁ? さ、こっちにきやがれ。避難所まで連れてってもらうぞ」
( ^ω^)「ちょ、離してほしいお。正真正銘ブーンは守護者の一人ですお!」
32 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:54:56.16 ID:0ue6hXYE0
(''兵A)「ははっ」(''兵B)
( ^ω^)「笑うなお! 事実だお」
(''兵A)「いい加減にしろ! 【縄】に【ベクトル】を合成!」
男の放った縄が生き物のように迫りブーンの両手を縛った
(''兵B)「ベクトルの瞬間変更による自由自在の縄、君みたいな子供が逃れられるわけない」
(#^ω^)「いいかげんにするのはあなたですお! 【服】と【意識】を合成するお」
(''兵A)「はんっ。意識みたいな高度なもん合成できるわ」
ものの見事に男の言葉が止まった。ズボンとパンツを脱がし区分けの壁に引っ掛けてやった。
あの高さならロープでもとどかないだろう。
(''兵A)「ちょ、ま、誰かとってくれぇぇぇぇぇ!!」
合成を解いて意識を身体に戻す。みっともなくうずくまっている男は放っておいて考える。
( ^ω^)(今までよりスムーズに合成できた気がするお。これのおかげかお?)
服越しに痣の存在を確認する。
( ^ω^)(それよりも二人の安否がきになるお)
集まってきた野次馬を無視し、会議区への道を探す。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:56:45.17 ID:ZOGBKqU30
支援
34 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 21:59:48.34 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)「迷ったお・・・・・・」
「ブーン、ブーンじゃないか!」
振り向くまで声の主が判別できなかった。
(´・ω・`)「やぁ。元気でよかった」
( ^ω^)「ショボンさん! お久しぶりですお。どうしてここにいるんですかお?」
(´・ω・`)「僕は今年卒業さ。失楽園への入学も決まっていたんだけどね」
( ^ω^)「そうですかお。 ロマネスク先生とヒッキー先生がどこにいるか知ってますかお?」
(´・ω・`)「ロマネスク先生は避難所にいるよ。あの先生の合成は戦闘向きじゃないから。
ヒッキー先生は・・・・・・」
( ´ω`)「・・・・・・。そうかお」
(´・ω・`)「卒業してから聞いた話なんだけどね。あの作戦を立てたのはヒッキー先生自身だったんだって。
八本柱と共同で裏切り者をおびき出す予定だったらしい」
( ´ω`)「お・・・・・・。」
(´・ω・`)「君が気にすることはないと思う。それより東の国はどうだった?」
( ´ω`)「凄かったお。ここより色んなものがあって、機械みたいのがたくさんあったお」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:01:37.22 ID:ZOGBKqU30
しえん
36 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:02:42.71 ID:0ue6hXYE0
(´・ω・`)「僕もいつかは行ってみたいな」
( ^ω^)「ショボンさん、合成が出来るようになりましたお!」
暗い会話を続けるのが辛くて、無理やり明るい話題をふった。ショボンさんも気づいてくれたようだ。
(´・ω・`)「どんな【情報】だったんだい?」
( ^ω^)「【意識】だお。ただ、合成したら体中の意識を使っちゃうんだお」
(´・ω・`)「何か不便そうな感じもするけど。
意識、の総量みたいなものをイメージして、少しだけ使う、とかはできないの?」
( ^ω^)「考えたこともなかったですお」
(´・ω・`)「身体に半分、物体に半分みたいなことが出来ればかなり便利だよね」
(*^ω^)「そうだお! これをみてくれお!」
勢いよく右腕を出した。
(´・ω・`)「それは・・・・・・守護者の真似かい? 怒られるよ」
(*^ω^)「違うお! れっきとした守護者だお!」
(´・ω・`)「ふむ、でも確かに君がここにいる理由を考えたらそれしかないよね」
(*^ω^)「長いこと合成が出来ないのを我慢してたかいがあったお」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:04:26.97 ID:ZOGBKqU30
支援
38 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:04:53.31 ID:0ue6hXYE0
(´・ω・`)「んじゃ、僕はトイレから帰る途中だったから。あんまり長居すると隊長に怒られるしね」
ショボンは自分の所属する区画に帰るのだろう。背を向けて歩いていった。
( ^ω^)「お・・・・・・暇だお」
(´<_` )「ブーン」
( ^ω^)「あ、オトジャs?」
振り向いて姿を確認したつもりだったが、そこにオトジャさんはいなかった。
( ^ω^)「どこにいるんで、冷たッ」
頭に何かが当たった。上を見上げてみるとそこに手のひらぐらいの大きさの光の輪があった。
宙に浮いている、と言うよりはそこに固定されている、と言ったほうが的をいていると思う。
( ´_ゝ`)「今から俺たちの部屋に案内するから、言うとおりに行動してくれ」
( ^ω^)「わかりましたお」
( ´_ゝ`)「向かって右側に進んでくれ」
ドクオやジョルジュと話すことが出来る。あまりのうれしさに全速力で駆け出してしまった。
( ^ω^)「どのくらい進めば( ´_ゝ`)「危ない!しゃがめ馬鹿野郎!」
( ゜ω゜)「おぉおぉぉぅ!」
39 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:06:11.75 ID:0ue6hXYE0
ごめんなさい、風呂に入ってきます。
30分ほどもしない内に戻ります
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:06:43.92 ID:ZOGBKqU30
いてら
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:20:26.14 ID:Ze0t+JBV0
ほ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:32:16.42 ID:ZOGBKqU30
ほs
43 :
戻りました。保守ありがとうございます。 ◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:39:17.68 ID:0ue6hXYE0
瞬間的に地面に突っ伏した。土のにおいがするのにやっぱり硬かった。
投げ出した体のあちこちがひりひりする。
(#´_ゝ`)「ここは、要塞なんだよ! あちこちに罠が仕掛けられてるんだ!」
(´<_` )(罠なんかあったかなぁ・・・・・・)
( ゜ω゜)「は、はいですお」
( ´_ゝ`)「いいか? もう一回言う。言うとおりに行動しろ」
もしかしたら首がなくなってたかもしれないのだ。あの時のように。そんな経験は二度とごめんだった。
恐ろしくて、首を縦に振ることしか出来ない。
( ゜ω゜)「ガクガク」
( ´_ゝ`)「もう大丈夫だ。立ち上がっていい」
( ^ω^)「お」
言われたとおりに立ち上がって身体をはたいて砂利を落とした。
( ´_ゝ`)「よし、そのままゆっくり進め」
しばらく進んだところで次の指示が聞こえた。
44 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:41:26.83 ID:0ue6hXYE0
( ´_ゝ`)「そこからは蛙飛びをするんだ」
何回蛙飛びをしただろうか・・・・・・。
(;^ω^)「はぁ、まだ、はぁ、蛙飛び、です、はぁ、かお?」
( ´_ゝ`)「いや、そこでやめていい。次は約十秒ほど全速力で走ってほしい」
(;^ω^)「はぁ、こ、ここから、ですかお?」
( ´_ゝ`)「いや、その二三歩前、そう、そこだ」
(;^ω^)「うおぉぉぉぉ!!」
蛙飛びで酷使された足の筋肉が悲鳴を上げている。
このままじゃ( ´_ゝ`)「跳べぇぇぇぇ!」
(;^ω^)「ぬぁぁ!」
全速力のダッシュから全力のジャンプへ一気に切り替えた。バランスを崩して、着地は無様に地面を転がる羽目になった。
( ´_ゝ`)「危なかったな、後一瞬飛ぶのが遅れてりゃ二度とたって歩けなかったぞ」
(;^ω^)「ぜぇ、ぜぇ」
肩で息をしても苦しくなってきた。
45 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:43:04.26 ID:0ue6hXYE0
( ´_ゝ`)(・・・・・・こいつおもしれぇ)
(;^ω^)「す、少し、休憩を、くださいお」
( ´_ゝ`)「ああ、いいぞ」(次はどうやって楽しもうか・・・・・・)
(´<_` )(いい加減にしろよアニジャ)
( ´_ゝ`)(いいじゃないか。命の危険はないんだ)
(;−ω−)「アニジャさん・・・・・・」
( ´_ゝ`)「ん、なんだ?」
(;−ω−)「今、そこに親切な人が通りかかったんですお」
(;´_ゝ`)「そ、それで?」
(;^ω^)「衝撃的な事実を聞きましたお。
ここから真っ直ぐ向かって突き当たりの左にお二人の部屋があると」
(;´_ゝ`)「そうか、よかったな」
(;^ω^)「あと、罠なんか一つもないって・・・・・・」
(;´_ゝ`)「まぁ、とりあえずくるんだ」
(;^ω^)「はいですお」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:43:34.64 ID:ZOGBKqU30
お帰り支援
47 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:45:29.59 ID:0ue6hXYE0
アニジャさんとオトジャさんの部屋はすぐだった。よくよく考えれば、そんなに進んでない気がする。
(;^ω^)「失礼しますお」
(;´_ゝ`)「あ、ああ」
(´<_` )「ブーンすまない、うちのアニジャが。とりあえず座ってくれ」
(;^ω^)「いえ、この恨みはいつか晴らしますお」
(;´_ゝ`)「ちょ・・・・・・」
(´<_` )「自業自得だぞアニジャ。さて、今から、避難所と空間をつなごうと思うから、少し待っててくれ」
アニジャが椅子に座ろうとしているのが目の端に映った。とっさにいすと意識を合成し、いすを真後ろに動かした。
( ´_ゝ`)「いてっ」
(;^ω^)(ざまぁww)
アニジャは見事に後ろに転んだ。
( ´_ゝ`)??
(´<_` )「俺だ、オトジャだ。つながってるか?」
「ああ。良好だ」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:46:34.88 ID:ZOGBKqU30
支援
49 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:47:22.60 ID:0ue6hXYE0
(´<_` )「ドクオ、というVIP学園の生徒と話がしたい。探してくれるか?」
「? 了解した。しばし待たれよ」
(´<_` )「ブーン、準備が出来たぞ。ここに向かって話せばいい」
部屋の壁にさっき頭の上に出来たようなわっかを指差すオトジャさん。
( ^ω^)「お、お。久しぶりだおー」
('A`)「っと、誰だよ・・・・・・。はい、ドクオです」
( ^ω^)「ドクオ! ドクオ! 誰だかわかるかお?」
('A`)「ブーンか!? ブーンなのか!?」
( ^ω^)「久しぶりだおー! 無事でよかったお」
('A`)「お前こそ、何の連絡もしてくれねぇから・・・・・・。
俺たちお前が連れ去られてから必死に合成術のスキルアップをしてたんだよ!
お前を助けに行くために!」
( ;ω;)「ドクオォ!」
笑顔で話そうと思ってたが、上手くいかなかった。涙が止め処なくあふれてくる。
(;A;)「泣いてんじゃねぇよ!」
50 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:48:45.41 ID:0ue6hXYE0
( ;ω;)「ドクオォ、ヒートが、っすん」
(;A;)「あぁ、聞いた、っす、のか・・・・・・」
( ;ω;)「生きてるおね? ヒートは生きてるおね?」
(;A;)「生きてるに決まってんだろ! きっと、別の国にいるんだ。戦争が終わったら、一緒に探しにいくぞ!」
もちろんだお、そう応えた。心配なのはもう一人の友人。
( ´ω`)「・・・・・・ジョルジュは」
('A`)「ジョルジュは・・・・・・」
('A`)「ヒートが行方不明になってから、一言も話してない。ずっと部屋にこもって出てきてくれないんだ」
( ´ω`)「そうかお・・・・・・」
('A`)「お前は今何してんだ? こうやって話せるってことはVIP島にいるのか?」
( ´ω`)「そうだお。 合成が出来るようになって、VIPとうの守護者の一人だお」
('A`)「なんの情報だったんだ?」
( ^ω^)「【意識】だお! 意識を合成したものは自由に操れるんだお」
('A`)「すげぇじゃねぇか! 長いこと合成できないのを我慢したかいがあったな」
( ^ω^)「だおだお。おかげで、守護者にも選ばれたお!」
51 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:50:19.49 ID:0ue6hXYE0
('A`)「そっか、なら会えるのは先になるな・・・・・・」
( ^ω^)「きっちり活躍して帰ってくるお。ドクオはブーンやヒートの無事を祈っといてくれお」
('A`)「ここにいて、出来るのはそのくらいだ」
( ^ω^)「話せてよかったお。ジョルジュにもよろしく頼むお」
('A`)「ああ。それじゃ」
( ^ω^)「お。すぐに会えるお」
(´<_` )「それじゃあ、切るぞ」
その後、オトジャさんが誰かと少しだけ話していた。
( ^ω^)「ありがとうございましたお、オトジャさん」
(´<_` )「気にしないでくれ。定期連絡も込みだったんだ」
( ´_ゝ`)「ところでブーン。守護者には個別の部屋が与えられるんだ。案内してやろう、オトジャが」
(´<_`;)「別にいいが、何で他人任せなんだ?」
( ´_ゝ`)「どうせ暇なんだろ?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:50:50.01 ID:ZOGBKqU30
支援
53 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:51:49.80 ID:0ue6hXYE0
(´<_`;)「それはアニジャもじゃあ・・・・・・」
( ´_ゝ`)「今、暇つぶしで忙しいんだ」
(´<_`;)「訳がわからん」
( ^ω^)「ブーンの部屋はどこですかお?」
(´<_` )「守護者たちはいつでも会議にすぐに駆けつけられるように会議区の近くにあるんだ」
(´<_` )「現在あいてるのは会議区の西南か北東になる」
( ^ω^)「なんで二つ開いてるんですかお?
今いる守護者の方は、フォックスさん・エクストさん・スカルチノフさん・
クックルさん・シュールさん・アニジャさん・オトジャさん、で間違いないですかお?」
( ´_ゝ`)「俺がオトジャの部屋で生活してるからな。朝起こしてくれるし、楽だから」
(´<_`;)「そういうことだ。どっちの部屋にする?」
( ^ω^)「どっちでもいいですお」
(´<_`;)「なら北東部屋にしよう。ここからも近いし何かあったときにすぐこれるだろうからな」
( ^ω^)「そうしてくださいお」
こっちだ。オトジャさんの後についていく。
部屋を出るときアニジャさんはいすの上で暇そうにしていた。
少し歩いたらすぐに部屋に着いた。
54 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:53:52.37 ID:0ue6hXYE0
(´<_` )「さて、ここが今日からブーンの部屋だ。好きに使ってくれていい。
会議区に行くなら部屋を出て正面の道を左に道沿いに進んで突き当たりを右に行けばいい」
( ^ω^)「細かいことまでありがとうございますお」
(´<_` )「会議が行われるとき時は俺の合成で連絡する。今日は会議がないと思うから寝てても大丈夫だ」
( ^ω^)「ご飯とかはどうなってるんですかお?」
(´<_` )「区ごとに別々だが、基本的には自分でとりに行くようになってる。
北区から時計回りに一時間ほどずらして食事になる。
守護者には時間になったら連絡が来るようになっているから寝ていても大丈夫だ」
( ^ω^)「了解ですお」
(´<_` )「それじゃあ、俺は部屋に帰る」
( ^ω^)「・・・・・・ふぅ」
オトジャさんが部屋を出て行ってすぐにベッドに倒れこんだ。一度に色々にことが起きて処理能力が追いつかない。
( ^ω^)「それにしてもここはどれだけ広いんだお・・・・・・」
オトジャさんについてこの部屋に来るまで殆どが壁だった。おそらくどこかの団の部屋なんだろう。
( ^ω^)「ドクオ・・・・・・ジョルジュ・・・・・・、ヒート・・・・・・」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 22:55:33.11 ID:ZOGBKqU30
支援
56 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:56:11.09 ID:0ue6hXYE0
いつからこんな風になったんだろうか。何で、友達が傷つかなきゃいけないんだろうか。
何で、何で戦わなきゃいけないんだろうか。
なぜ、僕なのか。
父さんと母さんが普通の合成士だったら普通の人生を送れたのだろうか。
戦争、という得体の知れない恐ろしいもの。
一人になった瞬間にそれを意識するようになった。
( ^ω^)「・・・・・・」
部屋はこぎれいに片付いている。部屋の隅の机に置かれた本の一冊に意識を集中した。
部屋の中、本を動かす。自由に空を飛ぶ鳥を模して。
いったい自分はどこに行くのだろうか。
起きた事柄に流されるまま死ぬのだろうか。
勇んで受けた守護者の役。でも、戦いたいわけじゃなかった。
守るために戦うのだ。
・・・・・・戦わずに守ることなどできるのか?
( ^ω^)「お?」
体にも意識が残っていることを感じた。ためしに左腕を持ち上げてみた。
自分の中にある意志で動かすことが出来た。
( ^ω^)「・・・・・・」
合成力の上昇さえこの恐怖を打ち消すには足りなかった。
怖い、怖い、怖い。失うのが怖い。亡くすのが怖い。欠けるのが怖い。
戦いたくなんかない。でも、みんなが僕の【情報】を認めてくれる・・・・・・。
57 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 22:59:13.80 ID:0ue6hXYE0
( ´ω`)
合成を解いた本は地面に落ちた。翼の折れた鳥のように本は動かない。
重たい意識は無意識の海に沈んでいく。
────────────
────────
────
( ´ω`)「ここは・・・・・・?」
('A`)「よぉ」
( ´ω`)「初代・・・・・・さん? ・・・・・・何で生きてるんですか!?」
('A`)「アホ。ここはお前の心の中だよ」
( ^ω^)「あの時、死んだんじゃ?」
('A`)「俺もそう思ったんだけどさ、お前の無意識の一部分に寄生してる状態っぽいな」
( ^ω^)「どうやってそんなことを・・・・・・」
('A`)「少なくとも俺の意志じゃねぇな。大方、お前が無意識に俺をとどめようとしたんだろうな。お節介なやつだ」
58 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 23:02:02.49 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)「ブーンの身体はどうなってるんですかお?」
('A`)「さぁ? お前がわからんってことは寝てるか、気絶してるか、だろうな」
( ^ω^)「帰らせてもらいますお」
ほっぺたを思いっきりつねってみた。
('A`)「まぁ、待てよ。お前の中にいたらさ、鬱陶しいことに考えてることとか流れてくるんだよね。
うずうじ考え事するのやめてくれないか? いい迷惑なんだ」
(#^ω^)「人の中に住んでるくせにえらいいわれ様だお」
('A`)「人生の先輩たる俺が少し話にのってやろうと思ってんだがな」
(#^ω^)「いらんお世話だお!」
('A`)「そういうなよ。俺の時代にも戦争はよくやってたからな」
初代が言い終わると同時に腰を下ろした。何もなかったはずの場所に二脚のいすとテーブルが現れた。
丁寧にもテーブルの上には湯気の立っているコーヒーカップが二組、置いてある。
('A`)「座れよ」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:05:08.35 ID:ZOGBKqU30
しえん
60 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 23:09:47.45 ID:0ue6hXYE0
(#^ω^)「・・・・・・」
('A`)「何、若い時は悩めばいい。悩んで答えが出なかったら、それが答えだ」
( ^ω^)「・・・・・・」
('A`)「答えがない問いだって存在するさ。話してみな」
いすに腰掛けて不安を吐き出す。
( ^ω^)「ブーンは・・・・・・たぶん戦いたくないんですお」
('A`)「それなら、逃げればいい。避難所、って場所もあるんだろ」
( ^ω^)「・・・・・・それは、出来ないですお。フォックスさんはブーンの合成に目をつけてくださったんですお。
ブーンの合成が他の人の役に立つんですお!
それに、ヒートが帰ってくるための場所を守りたいんですお」
('A`)「つまりお前は、役に立てる【情報】を持ってるから、逃げたくない、でも戦うのは怖い、と。
それに、彼女のため、ね」
( ^ω^)「そうですお」
('A`)「こればっかりは、ガキだから、じゃあすませられんな。現状を見ろ。お前は嫌でも選ばなけりゃならん。
選ばない、という選択も出来るが、望まないだろ?」
61 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 23:11:39.66 ID:0ue6hXYE0
(;^ω^)「っ・・・・・・」
('A`)「・・・・・・嫌ならやめていい。友人と避難所で暮らしたいんならそうすればいい。
やめないのなら、戦って守らなきゃいけない」
(;^ω^)「選んだあと後悔しないですかお?」
('A`)「バーカ。そんなの知らねぇよ」
(;^ω^)「ちょwww」
('A`)「後悔しないようにすればいんだよ。そうしないように、努力すれば」
( ^ω^)「・・・・・・ブーンはやめますお。避難所に移動して、みんなと戦争が終わるのを待ちますお。
戦争が終わったらヒートを探しに行きますお」
('A`)「そうしたいんなら、そうすればいい。
ところで、あのヒートって娘だがたぶん生きてるぞ。なんとなくだが」
( ^ω^)「!? 本当かお! ソース出せお!」
('A`)「俺の感覚がそういってるだけだ」
( ´ω`)「感覚かお・・・・・・あてにならんお」
('A`)「まぁ、確かに確信じゃねぇからな。もういいだろ。
そろそろ目ぇ覚ませよ。意識を操れるお前なら出来るはずだぜ」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:12:05.32 ID:ZOGBKqU30
支援
63 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 23:13:19.13 ID:0ue6hXYE0
( ^ω^)「相談に乗ってくれてありがとうですお。一つ疑問なんですが初代さんはどうしてこの世界を救ったんですかお?
自分の命まで犠牲にして」
'A`)「そりゃあ、お前」
薄れていく初代さんの口調は力強いものだった。
────守りたいものがあったからだらだよ
───
─
其の判断が正しいかどうかはすぐには分からない。
すぐには決まらない。
それを正しいものにする努力を積み重ねなければならない。
to be continued...
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:18:26.42 ID:RqsCYHNxO
乙!
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:19:52.84 ID:ZOGBKqU30
おつお
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:21:15.56 ID:a3Z7xz+/O
乙です
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:22:16.99 ID:YwGzkUNtO
乙ポニテなんちゃら
68 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 23:25:32.36 ID:0ue6hXYE0
今回の投下はここまでです。
長い間支援ををしてくださった方、ありがとうございました。
質問があればお受けします。
以下小言。
多くの人に応援されてここまで来ました。
残り十数話でこの作品も終わると思います。
69 :
◆gMIGdyOjeA :2009/03/14(土) 23:33:09.28 ID:0ue6hXYE0
以下小言。
多くの人に応援されてここまで来ました。
この作品も半分をすこし過ぎたところでしょうか。
うまくプロットを作れなかったせいで謎の設定も生まれたりしましたが、
非常に楽しく書かせていただきました。
これからも勢いよく頑張っていきたいと思います。
ブログみたいなこと書いてすいません。
ここまで書き続けられた嬉しさが溢れて来たので、つい。
それでは、また次回、お会いしましょう。
p.s.ムカデは出ません。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:42:08.64 ID:Ze0t+JBV0
乙
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 23:45:45.70 ID:BPVTY/J9O
激しく乙
乙。
だが、“小言”だと、どちらかと言えば不平不満等に使う場合が一般的だと思うもから、礼などを述べる時には向かないと思う。
細かくてすまんが。
73 :
◆gMIGdyOjeA :
>>72 そうでしたか、ありがとうございます。
いえ、細かいことでも言っていただけると嬉しいです。