('A`)( ^ω^)(´・ω・`)愛は戦争のようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
このスレを見るときは、下記に気をつけて用法用量をまもって服用しましょう
・俺たちのバレンタインデーは、まだはじまったばかりだ!
・【 】内の人物の視点で進行
・本日の投下は二話分、約74レス
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:00:05.19 ID:UqRtcl/qP
プロローグ 乙女とチョコレート
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:01:27.87 ID:UqRtcl/qP
2月14日、聖バレンタインデー。
菓子製造メーカーはその社運と売り上げを賭け、
女は人間関係を潤滑にするためにささやかな資金を投資し、
乙女が自らの思いをチョコレートに託す日。
川 ゚ -゚)「このチョコレートをプレゼント用に包装してくれ。」
ある乙女は何件も店を回り吟味した上、こう言うだろう。
ξ*゚听)ξ「……受け取ってくれるかしら」
また、ある乙女は慣れない作業にヤケドや傷を作りながらこう言うだろう。
(*゚ー゚)「こっちが、お父さんの分。こっちが、友達の分。
それから……本命チョコ」
ある乙女は、一つのチョコレートに他とは違う思いをこめて、こう言うだろう。
(#'A`)「見える見えるぞ、資本主義に踊らされるリア充の姿がっ!!!
許してなるものかぁっっ!!!!」
これはある一人の男が起した、愛のための戦争の物語である。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:02:45.27 ID:UqRtcl/qP
('A`)( ^ω^)(´・ω・`)愛は戦争のようです
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:03:58.29 ID:UqRtcl/qP
第一話 少年は反乱を決意する
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:05:13.92 ID:UqRtcl/qP
【 ('A`) 】 2月13日 某ファミレス
(#'A`)「見える見えるぞ、資本主義に踊らされるリア充の姿がっ!!!
許してなるものかぁっっ!!!!」
(;^ω^)「ちょ、落ち着けお」
(#'A`)「これが落ち着いてられるかっ!!!
絶望したっ!ぶったぎってやるっ!」
俺は世間にはびこる不条理に声を上げた。
だって、そうだろう?
リア充とモテだけが、優遇され非モテが辛酸をなめる日なんてあっていいものか!
そんな日、クリスマスだけで充分じゃないか。
(;^ω^)「気持ちはわかるけど、ファミレスで叫んだら追い出されるお」
('A`)「……だが断るっ!」
( ^ω^)「そんなことしたら、注文しているポテト山盛りはどうなるお」
コーラとオレンジジュースを混ぜた物体をズズッとすすりながら、内藤が言う。
ポテトには俺も出資することになっていたから、俺はドリンクバーへとおとなしく向う。
次の飲み物はオレンジジュース+サイダー。君に決めた!
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:07:17.60 ID:UqRtcl/qP
('A`)「しっかしなー、今もリア充たちがエロを最終目的にして黒い物体を購入してると思うと」
( ^ω^)「まあまあ、外でも見て落ち着くといいお」
('A`)「思いっきりバレンタインフェアじゃねぇか、死ね」
といっても、ショボンが合流するまで特にすることもないので、俺たちは外をぼんやりと見る。
俺たち高校生を狙ってか、窓から見える店がことごとくチョコを売ってるのが死ねと思う。
おい、本屋でチョコを売る必要は無いだろう常考。
(;´∀`)(,,#゚Д゚)
( ^ω^)「おっおっ、モナーたちがいるお。」
('A`)「ああ、お前ら同じ委員会だっけ。でも、モナーがいるってことは……」
( ・∀・)「……え?いいの?悪いね」
<(' _'*<人ノ「いえ、受け取って下さるだけで嬉しいです」
| l|*゚ー゚ノl「私のチョコも受け取ってください!」
おにゃのこ達に囲まれるイケメン。それをなすすべもなく見守るその友人二人。
不条理な世の中の縮図が光景がそこにはあった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:09:20.76 ID:UqRtcl/qP
( ´∀`)ノシ (,,゚Д゚)ノ
(*^ω^)ノシ「あ、向こうも気づいたみたいだお
おいすー、だお」
('A`)「アイツらよく友達やってるよな。俺ならキレる」
いちゃつくイケメンの隣で待ちぼうけなんて真似、俺なら絶対にごめんだ。
俺ならまず丑の刻参りだね!
( ^ω^)「あの三人と、しぃちゃんは生まれる前からご近所さんの幼なじみらしいお」
(;'A`)「mjd?しぃって、椎野だよな。あのやけにおとなしい子。幼なじみ属性かよ。
それにしても、生まれる前からって相当だな。
俺らだって小学校くらいからだろ?」
( ^ω^)「そうそう。ギコはしぃちゃんが好きなのに、もう10年も告白できてないとか。
モナーが言ってたお」
(;'A`)「ヘタレってレベルじゃねーぞ」
( ^ω^)「ちなみにしぃちゃんもギコのことが好きだとか。で、こっちも10年ほど」
('A`)「ヘタレGJ!一生くっつくな」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:10:39.63 ID:3N+3MnjAO
これは期待
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:12:40.04 ID:UqRtcl/qP
Σ三(;><)(;´∀`)ドンッ (゚Д゚;,,)
( <●><●>)「君は一体何をやってるんですか」
(*‘ω‘ *)「あぶないっぽ」
(;><)「あう。ごめんなさいなんです」
窓の外では、そのモナーに誰かがが突撃していた。というか、ぶつかっていた。
ん?一緒にいるギョロメに見覚えがあるな?
(;^ω^)「クラスメイトの顔くらい覚えろお」
('A`)「あー、なんかいつも三人でつるんでるやつらだっけ?
あいつらも仲いいよな」
(´・ω・`)「なんか、幼なじみらしいよ」
窓の外の光景に夢中になっていた俺たちは、その声に振り向いた。
きっちりと着込まれたブレーザーに、高いだけの身長、それにしょんぼり顔。
間違いないショボンだ。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:15:14.60 ID:UqRtcl/qP
( ^ω^)ノシ「ショボンおいすー」
(´・ω・`)ノシ「おいすー」
ショボンと内藤はお互いに手をブンブンと振り合う。
何だこれ、はやってるのか?俺はやらないぞ。
('A`)「幼なじみ大杉だろう常考」
さっきから話している、よく言えばぽっちゃり悪く言えばピザの内藤ホライゾン。
今やってきたノッポのショボンこと眉下ショボン。
そして、身長こそ低いけど魅惑的なフェイスのこの俺、鬱田ドクオの三人は小学校からのつきあいだ。
(´・ω・`)「まあ、住民の移動も少ない街だからね。この辺り学校も少ないし」
そんなもんか?答えようとしたところで、店員がポテトを持って現れる。
ショボンはこれ幸いとドリンクバーを注文し、内藤はポテトにむしゃぶりついた。
(*^ω^)「芋マジうめーwwwww」
(;'A`)「おい、俺も金出してるんだから全部食うな!」
(´・ω・`)「あ、僕も食べようかな」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:18:13.68 ID:UqRtcl/qP
男三人でムシャムシャとポテトを食うことに集中する。
内藤が馬鹿みたいに食うので、俺とショボンは自分の分を確保するので精一杯だ。
ほぼ一人でポテトを食い尽くした内藤は、ピザと丼を追加注文する。
( ^ω^)「あぶりトロ丼!あぶりトロ丼っ!」
ピザがピザ食ってどうするんだよ。俺はため息をつきながら、窓の外に目を移す。
畜生、イケメンの周りに女が増えてやがる。
イケメンが女を呼び、店頭に置かれたチョコが売れていくってどんなループだよ。
(;´_ゝ`)
ん?あそこにいるのってうちの学校の生徒じゃね?
本屋の袋を持ってやたらとキョロキョロしてやがる。
俺は今、確信を持って言える。ぜってーアイツはモテない。完璧な非モテオーラだ。
('A`)「おっ、本屋の前に不審者がいるぜ。エロ本か?」
(´・ω・`)「あー、あれは二年の双子の片割れだね。
髪型的に兄のほうかな?」
(;'A`)「お前無駄にくわしいな」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:21:16.43 ID:UqRtcl/qP
注文しやがったのにまだメニューを見ていた内藤が、顔をあげる。
そういえばこいつって目はよかったっけ。
せっかくなので、不審者を指さして「アイツ何持ってんの?」と聞く。
( ^ω^)「なんかピンク色の紙の束?みたいのが見えるお。
本とか雑誌じゃないみたいだお」
何だ、ツマンネ。
エロ本じゃないなら、男に興味はないというわけで俺はショボンに目を戻す。
俺たちがファミレスに来たのは、ドリンクバーで錬金術でも人間観察でもないんだから。
(´・ω・`)「ごめんよ、遅くなって。委員会だったんだ」
('A`)「ほっとけよ、図書室なんか」
(;´・ω・`)「開けないと生徒会長がうるさいんだよ。
あの人常連だし、他の委員出てこないし」
('A`)「生徒会長ってあの美人だろ。超美人。
どうせ、話すなら会長より、断然学園のアイドルデレたんζ(゚ー゚*ζだね」
まあ、デレたんと話たことなんて一度もないんですけどねー。
ハハッ。俺が最後におんにゃのこと話したのはいつだったかなー。
どうしてだろう、涙が止まらないよー。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:21:25.23 ID:/zihefMNO
支援だ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:24:59.39 ID:UqRtcl/qP
(´・ω・`)「でも、話してみると意外といい人だよ」
('A`)「そうか?」
( ^ω^)「まあ、委員長よりはいい人だと思うお」
ピザをもっしゃもっしゃと食いながら、内藤が話す。
畜生、芋ほとんど食ったくせにいい身分だな。
(;'A`)「あー、津出はキツイな。顔は悪くはないんだが」
(*^ω^)「まあ、僕はあの子一筋なんですけどねー」
(´・ω・`)「それ幼稚園の時の話なんでしょ。しかも、一度会ったっきり」
(*^ω^)「それでも、あの約束は今も有効だお。
迷子になってたどり着いた公園で、いっしょに遊んだ女の子。
ちゃんと結婚しようって約束もしたんだお!」
ピザがピザを食いながらモテエピソードを語る。いや、この話何度目だよ。
次に続く言葉は、「あの子は僕のことをブーンって呼ぶんだお。だからすぐわかるお」だろ?
( ^ω^)「あの子は僕のことをブーンって呼ぶんだお。だからすぐわかるお
だから、僕はあの子と再会していつか結婚するんだお」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:28:17.39 ID:UqRtcl/qP
俺とショボンのはため息をつく。
いくら輝かしいモテエピソードがあったとしても、これはねーよ。
思い出の国へとダイブしかける内藤を引き留めるため、俺は口を開いた。
('A`)「内藤、ショボン聞け、現実を見ろ。
いくら輝かしいエピソードがあったとしても美人と知り合いでも、現実はどうだっ!!!」
(;´・ω・`)(;^ω^)「……っ」
(#'A`)「思い出の女の子はチョコをくれたか?会長はどうだ?お前らのことを見てくれたか?
俺たちが求めているのは、チョコレートと名付けられた神々しいあの物体!
ひいてはモテの証明だろっ!」
(;´・ω・`)「……確かに」
(#'A`)「しかし、外をみろっ!
現実はごく一部のモテに世界は支配されている。
俺たち非モテと言ったら人間以下の扱いじゃないか」
(;´∀`)(,,;-Д-)=3
モテ モテ
| l|*゚ー゚ノl( ・∀・)<(' _'*<人ノ
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi リ´−´*ル
モテ モテ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:29:30.08 ID:R90cVU6/0
支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:31:15.84 ID:UqRtcl/qP
('A`)「一握りのモテだけが勝利し、非モテは虐げられる。
俺はそれに耐えられない!
だから、俺は決意した」
(;^ω^)「一体、何なんだお!」
(;´・ω・`)「ドクオ。君……」
('A`)「俺は明日、学校を乗っ取る。
バレンタインと全てのモテ男に、俺は戦争を申し込む!」
溶けた氷が、ガラスにぶつかりカランと音を立てる。
それは、俺たちの勝利を約束する鐘の音に聞こえた。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:34:14.82 ID:UqRtcl/qP
【 ξ゚听)ξ 】 2月14日 1−3教室 休み時間
ξ゚听)ξ「――よしっ」
鞄を開けると、チョコレートを入れた袋が無事か何度もチェックする。
リボンは曲がってない?ラッピングに変な皺は?チョコは割れてない?
そんな確認を、休み時間になるたびにしてしまう私はきっと馬鹿なんだろう。
ξ゚听)ξ「今日が学校でよかったわ」
週休二日を完全に無視した補習授業。
いつもは休みたくてたまらないけど、今日だけは感謝したい。
バレンタインなんだから、好きな人に会いたい。そう思わない?
まあ、三年生は休みだから三年生が好きな子には可哀想だけど。
ちらりとアイツの方を見る。
アイツは友達に囲まれてなにやらわいわい話し合っている。
「昼休み」、「決行」?何のことだろう?
ξ///)ξ「……まだ渡したわけじゃないんだから」
アイツを見ていると顔が赤くなって、心臓が早くなる。
それから、鞄の中身をもう一度チェックする。チョコレートはちゃんと鞄に入っている。
不格好なチョコレートだけど、アイツは気に入ってくれるかしら?
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:37:26.88 ID:UqRtcl/qP
(*'A`)「これで俺たちの勝利だぁぁぁぁっ!!!」
ξ#゚听)ξ「うるさいっ!」
突然の大声に私は、大声で怒鳴り返していた。
見れば教室中が私の顔を見ていた。もちろん、アイツも。
どうしよう。やってしまった。これじゃあ口うるさい女子じゃない。
ξ;゚听)ξ「……あ、」
違うの。私、考え事をしていてつい。その、一言がどうしても言えない。
アイツのぽかんとした顔に、ズキンと心が痛む。
お願い。他人に嫌われてもいいから私のことキライにならないで。
(#'A`)「委員長様はいつも偉そうでいいですねぇ
ちょっと、はしゃいだだけですぐに怒鳴る権利があるんですから」
ξ;゚听)ξ「……あ、アンタ達がうるさいのが悪いんでしょうがっ!」
私のバカっ!ゴメンでしょう、ここは!
それなのに、言えない。ゴメンのひとことが口から出ない。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:40:24.14 ID:UqRtcl/qP
(;´・ω・`)「……落ち着こうよドクオ」
(;^ω^)「委員長も落ち着くお。うるさくしちゃったのは謝るから」
ξ;゚听)ξ「あ、アンタが謝っても仕方ないでしょ。悪いのは鬱田なんだから」
(;^ω^)「でも……」
ξ#゚听)ξ「私は鬱田に言ってるの!アンタじゃないわ
だから、何でアンタが謝るのよ」
(#'A`)「そうだ、お前はひっこんでろ!」
売り言葉に買い言葉。
どうにかしないとって思うのに、私の口はどんどん酷い言葉を並べ立てていく。
何でこんな態度しか、私はとれないの?
さっきまでアイツは笑っていたのに。私がそれをダメにしてしまった。
浮かれていた気持ちがしぼんでいく。
そのかわりに、ドロドロとした自己嫌悪が私をいっぱいにする。
ξ )ξ「……何やってるんだろう、私」
素直になりたいのに、なれない。
鞄に入れたチョコレートがやけに重かった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:42:58.07 ID:aHReEDCC0
シ・ェ・)ン
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:43:27.16 ID:UqRtcl/qP
【 ('A`) 】 1−3教室 昼休み
( ´∀`)「内藤君はいるモナか?」
( ^ω^)「あー、こっちだお。急に呼び出してスマンかったお」
モナーは昼休みが始まってきっかり5分後にあらわれた。
補習が終わったらすぐ来いとメールに書かせたはずなのだが、まあいいだろう。
休み時間にこっちを見ていた委員長だけが気になるが、俺は使命に準じるだけだ。
( ´∀`)「で、用って何モナ?」
( ^ω^)「悪いけど、僕たちに協力してもらうお」
(;´∀`)「え?」
(´・ω・`)「君なら僕たちの理想をきっと理解してもらえると思うよ」
内藤がモナーの体をがっちりとつかみを拘束したところで、俺は教壇に駆け上った。
黒板の傍に置いてある三角定規を手に取り、教卓を蹴飛ばす。
派手に金属音が響き、教室にいる全ての奴が俺を見る。
('A`)「この教室は俺たちが占拠したっ!
俺たちは今より学園全土を支配し、バレンタインとモテ男を抹殺するっ!
おとなしく投降して、チョコレートを差し出せっ!!!」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:44:29.90 ID:RIINarmu0
支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:44:40.59 ID:/zihefMNO
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:46:12.79 ID:UqRtcl/qP
(#'A`)「この俺の計画に賛同する全ての非モテたちよ!
武器を持ち、いまこそ立ちあがるのだっ!!!!」
手にした三角定規を頭上に掲げる。
今や教室は大混乱の渦にたたき込まれていた。
(;=゚ω゚)ノ「え?え?何なんだよぅ」
(#'A`)「その手に持っているのはチョコレートだなっ!
かかれっ、ショボンっ!」
(´・ω・`)「まかせてっ!」
ショボンが教科書や辞書で一杯になった革鞄を振り回して、いよぅに迫る。
円の軌道を描いた鞄は、いよぅの手からチョコの入った箱をたたき落とす。
(;=゚ω゚)ノ「痛っ」
同じ軌道を描いて戻ってくる鞄が、今度はいよぅの肩を打つ。
いよぅはもんどりうって、その場に倒れた。
いよぅの両手をビニール紐で拘束すると、ショボンは飲みかけの牛乳をその体にぶっかけた。
ショボンの奴、おとなしい顔してやるな。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:47:30.84 ID:aHReEDCC0
やけにアグレッシブなショボンだなwwww
シ・ェ・)ン
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:47:35.85 ID:/zihefMNO
支援!
面白い
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:49:18.08 ID:UqRtcl/qP
ξ;゚听)ξ「な、なにしてんのよ!
内藤、アンタ鬱田の友達でしょ?止めてよ!」
( ^ω^)「それはできないお」
ξ;゚听)ξ「何でよ、アンタも仲間……なの?」
さわがしかったはずの教室はいよぅが倒れたことにより静かになっていた。
そんな中で、一番はじめに我に返ったのは委員長・津出だった。
昼の件といい本当に油断のならない女だ。
津出の野郎、俺らの中で一番温厚な内藤につけ込むつもりか。
(#'A`)「内藤!委員長の言葉に惑わされるな!」
( ^ω^)「僕は、ドクオに従うだけだお。
今の僕を止められるのはたった一人だけだお」
(´・ω・`)「逆らう様なら実力行使をさせてもらう。
この学園からバレンタインを無くすまで、僕らは止まらない」
ビニール紐でモナーを拘束し終えた内藤と、武器である鞄を持ったショボンがそう宣言する。
俺たちはこのVIP高から、バレンタインという6文字の悪魔を倒す立ち上がった同士。
下駄箱をあけため息をつき、机をさぐり涙し、一日の終わりに絶望するような屈辱はもうゴメンだ。
そう、これは戦争なのだ。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:52:17.58 ID:UqRtcl/qP
('A`)「机の上と中、それからロッカーと鞄の中のチョコは回収する!」
⌒*リ´;-;リ「ひどいっ、ひどいよぉっ」
爪;゚ー゚)「ちょ、やめな!」
爪;゚∀゚)「……チョコが」
友チョコ?自分へのご褒美スイーツ(笑)
どうせお前らそうやって言い逃れておきながら、男にやるんだろ。
義理やるから見逃せ?
……お前ら、俺たちがこうやって行動しなければ渡したか?違うだろ!
(;’e’)「おい、チョコのためにそこまでやるか?」
\(^o^)/「ざわざわ これは大物のよかんが します」
(‘_L’)「私たちもこのままで、いいのでしょうか……」
ん?男子の中でも俺たちの信念に賛同するやつがいそうだな。
さあ、立ち上がるんだ非モテたち。
俺は息を吸い、一人アニソン耐久カラオケで鍛えた声を張り上げた。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:54:32.46 ID:aHReEDCC0
シ・ェ・)ン
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:55:13.68 ID:UqRtcl/qP
(#'A`)「俺たちは非モテにあらず。崇高な理念を持った同士たちだ!
さあ、俺たちを見下した糞ビッチ共のチョコは捨てろ!
勝ち組とイケメンに粛清を下す時が来たのだ!
俺たちは決して、負け組ではないっ!!!」
(#^ω^)「そうだお、立ち上がるんだお!」
(#´・ω・`)「僕らは来る者は拒まない!さあ、立ち上がろう!」
< ;∀;>/^o^\( ;e;)( ;_L;)「俺たちはお前について行くぜ!!!」
男達の彷徨で教室が揺れた。
一人、また一人と俺たちの理念に協力するために漢たちが立ち上がっていく。
俺たちは女どもにひれ伏す弱い男ではない。
俺たちが集まれば何だってできる。
ξ゚听)ξ「やめなさい、男子」
('A`)「やはり、お前か委員長」
ξ#゚听)ξ「クラス占拠?学園占拠?おまけにバレンタイン中止?
冗談じゃないわ!この日を何人の乙女が楽しみにしてきたと思ってるの」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:58:23.03 ID:UqRtcl/qP
ツインテ縦ロールを揺らして、委員長が吼えた。
たった一人で男子の群れにも匹敵するような気の強い声。
マズイな。この調子で言われるとせっかくの仲間が再び裏切りかねん。
ξ#゚听)ξ('A`)「内藤っ!」
ξ;゚听)ξ 「……っ」 ('A`;)
畜生、何故ここでタイミングが被る。
乗っ取り計画を相談中の休み時間といい、コイツ気づいてやがったな。
(;´・ω・`)「内藤、いいから早くっ!」
(#^ω^)「まかせるお!」
内藤の声とその手に持つものに、俺はニヤリと笑った。
ざまあみろ、委員長。こっちの計画通りだ。
(#'A`)「俺に続くものは窓際へ行け!それ以外は……出て行きやがれっ!!!」
(♯`ω´)「うぉぉぉぉおおおお!!!」
雄叫び。そして、内藤が手にした消化器から消化剤が噴出された。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 19:59:44.32 ID:/zihefMNO
実に面白い
支援する
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:00:47.74 ID:RIINarmu0
牛乳wwなぜwww
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:00:48.40 ID:CpM8QhU80
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:01:15.67 ID:UqRtcl/qP
教室中はあっという間に黄色い粉煙に包まれた。
内藤の声に慌ててマスクをはめた俺たちとは違い、まともに粉を吸った奴らは大騒ぎだった。
ξ#;凵G)ξ「ゲホッゴホッ、みんな逃げてっ!」
委員長は鞄をひっつかみ顔をガードしたが、若干タイミングが悪かったらしい。
咳き込みながらも大声をあげて指示し、女子並びに委員長と一部の男子は教室から脱出した。
(#'□`)「封鎖だっ!!!残りの奴らは窓開けて換気っ!
マスク持ってない奴はハンカチとかで防備しろっ」
(*´・□・`)「こっちはばっちりだよ」
(;ФωФ)「ゲハッゴホッひ、酷い煙なのである」
( ;_L;)「換気、開始ですっ」
俺の指示に従い、ショボンとブーンがドアの封鎖へと向う。
こっち側についた男子は……10人。
クラスの男は全員で20人だから、まあまあか。
(*^□^)「ドアの封鎖完全終了だお!
1−3完全制圧だお」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:03:39.34 ID:R90cVU6/0
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:04:24.87 ID:UqRtcl/qP
【 ('A`) 】 1−3教室 作戦本部
('A`)「……同士諸君。まずは、協力してくれたことに感謝する。
改めて名乗ろう。俺は鬱田ドクオ。
このVIP高占拠計画のいわゆる首謀者だ」
( ^ω^)「内藤ホライゾンだお。いわゆる副隊長ってやつですお。
体力と足には自身があるお」
(´・ω・`)「眉下ショボン。参謀になるよ」
チョークの粉みたいな消化剤まみれの教室で、俺たち三人は新たに自己紹介をした。
空中に漂う粉は落ち着いてきたが、消化剤ってのは泡みたいに消えないものらしい。
事前に実験した方がよかったかと、今更反省する。
いよぅの奴死んでないよな。内藤に確認させとこう。
('A`)「我らの今後の作戦方針に関しては、ショボンから今から説明する」
(´・ω・`)「これから僕たちが行う作戦行動は、大きく分けて五つになる」
ショボンはそう宣言すると、黒板にサラサラと字を書き出す
こいつ無駄に字が上手えwww
一方、俺は生徒手帳のメモスペースに同士たちの名前をメモしておく。
裏切ってない奴と、同士を間違えたら仕方ないもんなー。
そんな、しょうもないオチだけは絶対に避けたい。死んでも浮かばれん。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:07:18.56 ID:UqRtcl/qP
@放送室を奪取して反乱宣言。
A校門封鎖
Bイケメン四天王の処刑
Cチョコレート没収、チョコを貰った裏切り者の処刑
D職員への対応
(´・ω・`)「うんすまない。
見ればわかるとおり、結構行き当たりばったりなんだ」
俺らの計画はシンプル。悪く言えば無謀だった。
いや、100パーセント無謀だと言い換えてもいい。
それでも、俺たちはバレンタインを潰すことに全てをかけていると言ってもよかった。
リア充、カップル御用達行事を潰すためなら俺は鬼でも悪魔にでもなる。
\(^o^;)/「イケメンしてんのう ですって」
(;‘_L’)「まさか、ここまで大規模な作戦だとは
……無謀というべきか、何というべきか」
('A`)「それでも、やるのが男ってやつだ」
(´・ω・`)「@Bは僕たちが担当する。
君たち同士には校門封鎖と、チョコレートの没収、モテ男の処刑を担当してもらいたい。
僕たちも作戦が済み次第、救援に向うつもりだ」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:07:27.68 ID:RIINarmu0
本格的だなw
そこまでやるか支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:10:11.51 ID:UqRtcl/qP
< `∀´>「イケメン四天王って誰ニダ?ウリのことカムサムハムニダ?」
(’e’)「校内新聞嫁」
(‘_L’)「VIP高校学園新聞『某スレ』の「マジ死ねモテ男ランキング」の上位常連の男たちのことです
生徒会通信『総合』でおなじみの学園のアイドル、デレたんに匹敵する人気があるとか。
その名前は確か……」
(´・ω・`)「流石弟者、長岡ジョルジュ、眉上シャキン、浦良モララーの四人」
その名前を聞くと、同士たちは息をのんだ。
イケメン四天王を敵に回すことは、全校の女どもを敵に回すことを意味する。
イコール社会的な死。タダで済むはずがない。
('A`)「奴らはVIP高の女子を独占する憎き四人の野郎共だ。
この学校のチョコはやつら四人が独占してると言ってもいい。
だからこそ、奴らを見せしめにする必要があるんだ」
( ^ω^)「それでも、僕たちはやると決めたんだお」
(´・ω・`)「参加できないならおりてもかまわない。
だけど、おりたらどうなるか。わかってるよね」
(#’e’)「やろう!こうなったら俺たちには進むしか道はない!」
一人の男いや、漢の掛け声によって教室は大歓声につつまれた。
納得してない者もいたようだったが、気にすることはない。これで同士はそろった。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:13:12.17 ID:UqRtcl/qP
lw´‐ _‐ノv「Dはどうするん?」
(;゚ω゚)(;'A`)(;´・ω・`)「――っ」
大歓声に湧く空気をぶったぎるようにして一人の女生徒が姿を現した。
――何故か、掃除道具入れから。
lw´‐ _‐ノv「びっくりした?ねえ?ねえ?びっくり?」
女は消化器の粉が舞い上がるのもかまわずに、掃除道具入れの傍でくるくると回る。
これミニスカートならパンツ見えるのに、なんでそんなにスカート長いんだ!ねえ?
というか、コイツ誰だよ。何で掃除道具入れに何て入ってたんだよ。
(;ФωФ)「っ、何で!!!」
(=;ω;)ノ「そんなのどうでもいいから助けてくれよぅ
協力でもなんでもするから」
<*ヽ`∀´>「ウリと結婚するニダ!」
lw*´‐ _‐ノv「我輩は米の女王。
というわけで、行こうではないか同士諸君!」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:14:45.18 ID:/zihefMNO
シューw
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:15:13.27 ID:03cx/ckF0
そういやもうすぐホワイトデーだな
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:16:23.04 ID:UqRtcl/qP
(;´・ω・`)「……三行でお願いできるかな」
制服のスカートの裾をつまんで一礼した道具入れ女におそるおそる声をかけたのは、ショボンだ。
GJ!俺たちが聞けないことをよく聞いた。そこにしびれるあこがれるぅ!
lw´‐ _‐ノv「D番はまかせろ」
(;‘_L’)「それ一行です」
lw*´‐ _‐ノv「お米
大
好き」
(#ФωФ)「さっさと出て行くのである、この米女!」
猫目の巨大な男(クラスメイトらしい)のひどくまっとうな意見に、道具入れ女はにこりと笑った。
あれ?この女、ひょっとしたらかわいくね?
掃除道具入れに入っているのはごめんではあるが。
(;´・ω・`)「ちょっとまった。今、五番は任せろっていったよね」
ショボンの声に、教室中の視線が道具入れ女に道具入れ女に集中した。
道具入れ女は、ポケットからラップに包まれたおにぎりを取り出す。
そして、「任せろ」と答えた。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:19:12.42 ID:UqRtcl/qP
【 ξ゚听)ξ 】 1−3教室前、廊下
ξ;゚听)ξ「ゲホッゴホッ……苦し……」
消化器の粉が喉に引っかかって未だに苦しい。
どうしてこんなことになったのか、混乱してよくわからない。
今日は気合いを入れて髪をブローしたのに粉まみれなんて最悪、とぼんやり考える。
ξ゚听)ξ「何で、こうなっちゃったんだろう」
普段は静かなのに大声を張り上げた鬱田、鞄を振り回して暴力を振るう眉下、
――私に消化器を向けた、内藤。
教室はめちゃめちゃでバレンタインどころじゃない。
それでも、アイツが好きという気持ちを捨てられない。
ξ゚听)ξ「……好きって、言いたいだけなのに」
アイツの顔を思い浮かべる。
笑った顔、ぼんやりとした顔、驚いた顔。それから……
好きの気持ちがあふれて止まらない。だって、私はずっとずっと……
手にした鞄に目を落とす。
……消化器の粉にまみれた鞄の中で、チョコレートの包みは綺麗だった。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:22:20.97 ID:UqRtcl/qP
【 川 ゚ -゚) 】 職員室
昼休みといえば図書館は開いているものなのに、その扉は閉ざされたままだった。
補習日だからだろうかと考えてみるが、それはないだろうと思い直す。
我が校の優秀な図書委員は、補習日でも仕事をさぼらなかったはずだ。
川 ゚ -゚)「風邪でもひいたのか?」
仕方なく職員室へいって、図書室の鍵を借りる。
今年になって優秀な図書委員が入るまでは、自分で図書室を開けていたので問題はなかった。
さて行こうかと思った丁度その時、全身を黄色い粉で染めた女生徒が職員室に現れた。
J( 'ー`)し「あら、津出さんどうしたのかしら?真っ黄色よ」
ξ゚听)ξ「男子が教室を乗っ取りました」
川;゚ -゚)「……」
女生徒の言葉は信じられないものだった。
しかし、冗談で済ませようにも彼女は真剣だったし、何よりもその姿は異常だった。
一体何が起こっているのか知りたい。だが、盗み聞きは私の主義に反する。
彼女の言葉に興味はあったが、私は図書館へと向うことにした。
――その時の判断を、私は後になって後悔することになる。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:23:23.93 ID:RIINarmu0
支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:25:16.88 ID:UqRtcl/qP
【 ξ゚听)ξ 】 職員室
ξ゚听)ξ「だから、バレンタインに反旗を翻すと言って、教室を乗っ取ったんです!」
J( 'ー`)し「その黄色い粉はチョークかしら?
あらあら、ぶつけられちゃったのね!」
ξ#゚听)ξ「消化器なんですっ!!!」
担任の母谷先生はニコニコとしながら私の話を、流した。
何、このスルーっぷり!私は真剣なのに!
真剣なのを伝えようと声を大きく上げればあげるほど、先生は笑ってあしらってしまう。
私は三人を止めようと、職員室に来ていた。
どうしてもこの思いと、チョコレートをあきらめたく無かった。
素直になれない私でも、勇気を出せそうなこの日を絶対失いたくなかった。
J(;'ー`)し「消化器……胃でも痛いの、津出さん。
保健室行く?」
ξ#゚听)ξ「違うんですっ!」
(-@∀@)「まあまあ、落ち着いて母谷先生。
津出〜お前のクラス乗っ取られたんだってな?」
母谷先生の向かいの机に座っていた旭先生が、眼鏡を拭きながら私を見た。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:26:06.53 ID:R90cVU6/0
しえん
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:28:15.21 ID:UqRtcl/qP
ξ*゚听)ξ「そうなんです!
鬱田がバレンタインを無くすって馬鹿なことを言って。
教室だけじゃなくて、全校をのっとるって」
私は旭先生を見つめて、そう説明した。
よかった。これであの三人を止めることができる。
恨まれちゃうかもしれないけど、誰かが止めなきゃいけないんだから仕方ない。
……わかってくれるよね、うん。
(-@∀@)「いやぁ〜母谷先生のクラスは面白いですねぇ。
最近の生徒は元気がないと思っていたけど、そんなこともないですなぁ」
……何、この流れ?何で先生は笑ってるの?
ねぇ、ちょっと笑わないで真剣に聞いてよ。
私こんなに粉まみれになってるのよ!
(-@∀@)「いやぁ〜、僕たちもやりましたね。
バレンタインは製菓業界隠謀!バレンタイン不要!中国万歳!」
J( 'ー`)し「津出さん。昼休みが終わるまでには止めるように言っておいてね」
ξ# )ξ「……もう、いいです」
先生は当てにならない。もう、私が戦うしかない。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:29:52.82 ID:R90cVU6/0
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:31:30.29 ID:RIINarmu0
先生使えんww
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:32:49.66 ID:UqRtcl/qP
【 ('A`) 】 放送室
(´・ω・`)「電源は入れたよ。どのスイッチを押せばいいのかな?」
('A`)「そっちとそっち。
でもって、こっちを押せばピンポンパンポーンって音が流れる」
(*^ω^)「なんだかかっこいいお!」
俺たちはベランダ伝いに隣の教室に入ると、セントジョーンズたちに教室を再び封鎖させた。
セントジョーンズたち同士は、俺たちの放送を待って行動することになっている。
そして、今俺たちは放送室にいる。
放送室の鍵は昨日ちょろまかしておいたから侵入はスムーズだった。
(*'A`)「おう、放送委員なめんな!」
( ^ω^)「僕は緑化委員だからうらやましいお」
(´・ω・`)「どうせ僕は微妙の代名詞図書委員さ……」
めんどくさいと思っていた委員会だが、そこでの経験がこうして生かされている。
いやぁ、経験って大切だねっ☆
俺は今、経験し学習することの大切さを感じているよ。
主に、放送的な意味で。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:34:22.52 ID:R90cVU6/0
支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:35:13.29 ID:UqRtcl/qP
(´・ω・`)「じゃあ、行くよ」
(*^ω^)「がんばるお、ドクオ」
ピンポンパンポーンと、放送の前に流れる独特の音楽が流れる。
俺は息を吸って、緊張を鎮める。
そして、マイクのスイッチを入れて、
('A`)「我々は今ここにVIP高の占拠と、バレンタインの撲滅を宣言するっ!」
(;^ω^)(´・ω・`)
(-A-)スウッ
目を閉じる。
自分が高揚していくのが嫌というほど、感じられた。
もう戻れない緊張感。それと同時に感じる、信じられないほどの充実感。
俺は目を開く。
(#゚A)「虐げられ続けてきた我が同士たちよ、今こそ立ち上がれ!
リア充とモテに血の粛清を!カップルに死を!チョコを燃やせ!」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:36:45.48 ID:R90cVU6/0
ドクオ様〜支援!
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:36:55.06 ID:UqRtcl/qP
(;><)「……?」(*‘ω‘ *)
( <●><●>)「……ふむ」
ζ(゚ー゚*ζ「なーに、この放送?」
(゚、゚#トソン「……バレンタイン禁止」
ミセ;゚ー゚)リ「何これ、冗談かなぁ?」
(`・ω・´)「バレンタイン中止とは面白い冗談だね」
*(‘‘)*「バレンタインなくなっちゃうの?シャキン君」
_
(;゚∀゚)「何だコレ」
从;'ー'从「あれれー、バレンタインがなくなっちゃうと困っちゃうよぉ」
( ´_ゝ`)「むっ、これは俺処刑フラグだと思われ」
(´<_` )「自分にそこまで自信がもてるとは、流石だな兄者」
(*´_ゝ`)「何、俺はチョコもらっちゃうくらいのモテ男子だからな」
(´<_` )「はいはい」
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:37:58.87 ID:/zihefMNO
なんぞ
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:38:10.74 ID:UqRtcl/qP
12月14日 12時45分ジャスト
俺たちの宣言は全校に響き渡った
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:39:33.71 ID:UqRtcl/qP
第一話はここまでです。
ちょっと休憩した後、そのまま第二話に移りたいと思います
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:39:39.20 ID:R90cVU6/0
2月じゃなくて12月かwww
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:40:46.03 ID:RIINarmu0
年末w
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:41:18.62 ID:/zihefMNO
二月の間違いだよな?w
71 :
訂正:2009/03/09(月) 20:41:20.89 ID:UqRtcl/qP
12月14日 12時45分ジャスト
俺たちの宣言は全校に響き渡った
大事なことなのd(ry
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:42:33.26 ID:R90cVU6/0
訂…正…?
74 :
訂正のつもりが直ってないとか自分アホすぎるだろorz:2009/03/09(月) 20:42:40.22 ID:UqRtcl/qP
2月14日 12時45分ジャスト
俺たちの宣言は全校に響き渡った
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:43:23.86 ID:R90cVU6/0
ドンマイだ!
しえ
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:48:47.48 ID:UqRtcl/qP
第二話 イケメンは青空に愛を語る
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:49:32.15 ID:6WfHgkrf0
ほほえましい間違いだな支援
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:50:02.05 ID:UqRtcl/qP
【 (*゚ー゚) 】 1−1教室
(*゚ー゚)「モナーくんもギコくんも帰ってこないね」
(・∀・ )「まったく、弁当ほっぽり出してどうしたんだろうね?
ギコもモナーを探しに行ったっきりだし」
久しぶりに4人でお昼を食べようということになったのに、教室にいるのは私とモララーくんの二人だけ。
モララーくんと二人っきりだと、周りの女の子の視線がちょっとだけ痛い。
そのたびにモララーくんは庇ってくれて、私は申し訳ない気持ちになる。
(*゚ー゚)「モララーくん。これ、チョコレートなんだけど受け取ってほしいの」
(・∀・* )「ありがとう、うれしいよ」
(*^ー^)「喜んでくれてうれしいな」
(・∀・ )「……そういえば、この前買ってた包装用紙は?」
(////)「……あぅ」
モララーくんの鋭い所って少しいやだなぁ。
どうして、本屋さんで小説と一緒に買ったラッピング用紙まで覚えてるのかしら。
私があの時買ったのはピンク色。モララーくんにあげたのは、男の子向けの水色。
……ギコくんだけ違う色にしたの、気づいて欲しくなかったなぁ。
一番大好きな人のための、本命用のチョコレートだから。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:52:58.64 ID:R90cVU6/0
支援
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:53:33.48 ID:UqRtcl/qP
(・∀・ )「しぃちゃんピンク色好きだから。髪留めだってピンク色多いでしょ」
モララーくんは何でもできるのに、少しイジワルだ。
私がギコくんが好きだと知っていて、こうやって聞くんだ。
ギコくんもイジワルするけど、そのイジワルは素直になれないだけだもん。
(・∀・ )「僕ってそんなに信用無い?
僕はしぃちゃんのこと好きだけど、しぃちゃんは僕のことキライ?」
(*゚ー゚)「……違うよ。私はモララーくんのこともモナーくんのことも好き
ギコくんのことも……好き」
(-∀- )「……うん、知ってる。わかりすぎるくらい知ってる。」
(;゚ー゚)「だったら、聞かないでほしいな。恥ずかしいよ」
私は机にかけた、手提げ鞄をじっと見る。
そこには、昨日私が作ったチョコレートが入っている。
モナーくんとモララーくんに用意したのとは違う、特別製。
(*゚ー゚)「あのね、モララーくん。言っておきたいことがあるの」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:55:57.75 ID:R90cVU6/0
wktk
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:56:16.53 ID:UqRtcl/qP
(*///)「……あのね、私」
モララーくんは私たち四人の中で一番お兄ちゃんみたいな人。
小さい頃はギコくんが一番お兄さんだったけど、今私たちが一番頼りにしてるのはモララーくん。
モララーくんはいつでも落ち着いた態度で相談に乗ってくれる。だから、小さな声で相談してみる。
(*///)「……ギコくんが……好き。告白しようと、思ってるの」
私の顔は今きっと真っ赤だ。
ギコくんに直接言ったわけじゃないのに、ドキドキが止まらない。
モララーくんはそんな私の顔をじっと、見つめている。
(・∀・ )「……応援し『我々は今ここにVIP高の占拠と、バレンタインの撲滅を宣言するっ!』
( ・∀・)(;゚ー゚)「え?」
モララーくんの言葉にかぶさるようにして、放送が流れた。
スピーカーから嘘みたいな言葉が、一杯流れてくる。
あれ、これ何かな?バレンタインの特別放送?
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 20:59:13.51 ID:UqRtcl/qP
(#'A`)『俺は1−3の鬱田ドクオ!』
(#^ω^)『1−3内藤ホライゾンだおっ!!!』
(´・ω・`)『眉下ショボン。同じく1−3組』
(#゚A゚)『我らと信念を同じくする者は、反逆の火を灯せっ!
チョコを投げ捨てろっ!!!イケメンに死をっ!!!』
( ・∀・)「しぃちゃんゴメン。僕、行くところが出来た」
(;゚ー゚)「……え?え?」
モララーくんは私があげたチョコレートをポケットにしまうと、立ち上がった。
今日はヒマだって言ってたのに、どうしたのかな?
驚く私の目の前でモララーくんは立ち上がり、教室には私一人。
(*゚ー゚)「……一人になっちゃった」
(,,゚Д゚)「いや、帰ってきてたぞ、ゴルァ。
モナーのやつ何処にもいねーぞ」
……びっくりした、急に声をかけるんだもん。
さっきの話、聞かれてないよね?
ギコくんの顔を見ると、私の心は大きく音を立てた。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:01:13.63 ID:xdvus1WQO
支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:01:56.68 ID:R90cVU6/0
支援
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:01:57.59 ID:03cx/ckF0
「応援し……」
ない、か?
モララー……。・゜・(つД`)・゜・。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:02:19.72 ID:UqRtcl/qP
【 lw´‐ _‐ノv 】 職員室前廊下
廊下じゅうに鬱田残念な顔ーぬ、内藤ピザ饅頭、眉下がっかりの声が聞こえる。
ふむふむ。これは素敵。とってもグレード。チョコフリスピー。
私はいつかは来る異星人の襲来にそなえて、用意していた数々のものを廊下脇倉庫から取り出す。
lw´‐ _‐ノv「でっきるかなでっきるかなはてさてふふ〜ん」
スゴイねプロテインだね。
そう、思いながらトンチンカンチンといろいろやってみたりやられちゃったり。
lw*´‐ _‐ノv「シュールが五分でやってくれました。ひゃっほーい」
その勢いの原文ママ、炊きたて米をあしらってみたり。
うーん。主婦タレントの現役アイドル時代以上に輝いてる輝いてるよコシヒカリ。
せっかくだから、外窓にもしっかり飾り付けをしようじゃないか、相談しましょうそうしましょう。
lw´‐ _‐ノv「風邪に舞い上がるブルーシートはとてもきれいでー」
ひとしきりジェバンニっぷりを堪能した私。コメ(笑)
私の思いのポエムよ壁にとどけ。
やっぱり一仕事した後の米はうまいね。そうだ、昼寝でもしよう。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:05:13.89 ID:UqRtcl/qP
【 川 ゚ -゚) 】 図書室
ノパ听)「お姉様、あの放送は何だ?」
川;゚ -゚)「――っ!」
突然流れ出した放送は狂気の沙汰としか思えない言葉を並べ立てて、音楽へと切り替わった。
1−3組鬱田ドクオ、内藤ホライゾン、眉下ショボン。
ずいぶんと思い切ったことをしてくれたものだ。
バレンタインを無くすために私用放送?学校を占拠すると宣言?
説教や停学どころじゃすまないぞ。確実に退学だ。
川;゚ -゚)「……頼みがある」
ノハ*゚听)「私は愛するお姉様のためなら何でもするぞ!
だから、結婚してくれ!」
私はまとわりついて甘える後輩に声をかける。
彼女は素直で気もいいのだが、同性である私に愛を訴えることだけはいただけない。
川 ゚ -゚)「私と君は同性だ結婚はできない。
たとえ性別が違っていても私は君を愛していないから結婚はできない」
ノハ*゚听)「そんなお姉様が大好きだ!」
こういうの大好き
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:07:48.12 ID:R90cVU6/0
支援!
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:08:37.18 ID:UqRtcl/qP
いや、今はここでこんな話をしている場合ではない。
私は頭を振ると、思考をリセットする。
自体は深刻だ。冷静にならないと対処はできない。
川 ゚ -゚)「君には1−3組の様子を見に行って貰いたい。
私は職員室へ行く。合流等の連絡は携帯に頼む」
ノパ听)「ふしょー、熱決ヒート!愛するお姉様のためにがんばるぞぉっっ!!」
ヒートは綺麗に敬礼の姿勢を取ると、全速力で廊下を走っていった。
普段ならば廊下を走るなというところだが、今日ばかりは仕方がない。
私も机に広げていたノートを閉じると、鞄に入れる。
川 ゚ -゚)「何故こんなことを……」
職員室で見た光景を思い出す。
全身を黄色い粉で染めた一人の女生徒。
ξ゚听)ξ「男子が教室を乗っ取りました」
彼女はそう言っていたではないか。
何故、私はあの時詳しく事情を聞かなかった。
後悔するが、もう遅い。時間は止まらないものなのだ……。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:11:04.03 ID:R90cVU6/0
消火器の粉って白っぽいピンクだったりするよね、支援
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:11:19.95 ID:UqRtcl/qP
【 ξ゚听)ξ 】 放送室
ξ;゚听)ξ「……いない?」
スピーカーから流れる曲は、鬱田たちの声から賑やかな曲に変わっていた。
これってアニソンよね?聞いたことのない曲ばかりだけど、確実に鬱田か内藤の趣味だわ。
誰もいない放送室の中で機械だけが動いている。
ξ;゚听)ξ「アイツら一体、何処に……」
( ・∀・)「さてね」
ξ;゚听)ξZ「誰なのアンタ」
振り向くと廊下にいた、男子がこっちを見ていた。
女の子みたいな顔立ちにブレーザーとネクタイという制服がよく似合っている。
でも、どこかで見たことがあるような……?
( ・∀・)「そういう君は誰なのかな?何組か忘れたけど学級委員だよね、君。
ちなみに僕は浦良。1年だよ」
ξ゚听)ξ「そういえば、校内新聞とかで見た覚えがあるわ。
私は津出麗子よ。残念ながらさっきの馬鹿三人とは同じクラス」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:14:21.12 ID:UqRtcl/qP
( ・∀・)「で、どうして君は粉まみれなの?」
ξ;--)ξ「あいつら消化器ぶちまけて、教室占拠したのよ
おまけに実名出して全校放送なんて、ほんと馬鹿」
( ・∀・)「そんな馬鹿のことが君は好きなわけだ」
浦良の言葉に心臓がドクリと音をたてる。
ξ#゚听)ξ「……わ、私は委員長としてっ!」
( ・∀・)「好きなんだろう?
女の子なのに全身粉まみれのまま追いかけ回すなんて、相当好きなんだね」
ξ#゚听)ξ「私はっ、先生に怒られるのが嫌で」
( ・∀・)「その鞄の中身はチョコかな?」
……私は息をのんで、浦良をにらみつける。
何なのよコイツ。エスパー?
私は無言で放送室を出る。アイツ等がいないんならここにいる理由はない。
( ・∀・)「好きなら告白したら。しないで後悔するよりはずっといいよ」
ξ゚听)ξ「……」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:17:27.77 ID:UqRtcl/qP
【 ('、`*川 】 空き教室
( *゚¥゚)「聞きましたか、部長!」
('、`*川「ええ、聞いたわよ偽川っ!」
その放送を聞いた時、私と偽川は部室で原稿を書いていた。
部室っていっても、その辺の空き教室を勝手に使ってるんだけどねー。
だって仕方ないじゃない!同好会以下の集まりには部室なんてないんだから!
( *゚¥゚)「漫研はじまって以来の前代未聞の事件ですよ!」
('、`*川「美術部があるだろうといわれ、同好会にもなれなかった私たち。
そんな私たちにもついにチャンスがやってきたわっ!!!」
原稿を握りしめ私は立ち上がる。
偽川はといえばGペンを天に掲げて、荒ぶる鷹のポーズを取っている。
( ゚¥゚)「バレンタイン中止ですよ、部長」
('、`*川「バレンタイン中止って行ったらアレしかないでしょう、偽川っ!」
いそいそと原稿をしまいかわりに、携帯とカメラとスケッチブックを取り出す。
天から聞こえてきた使命に私たちは全力で立ち向かわなければならない。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:20:13.95 ID:UqRtcl/qP
( *゚¥゚)「圧倒的、百合臭っ!乙女色の禁断の花園!!!」
(゚、゚*川 「圧倒的、薔薇臭っ!ハイパーBLワールド!!!」
( *゚¥゚)(゚、゚*川「うはwwwwネタ広がりまくりんぐwwwww」
さっきの放送だけでドンブリ三杯はいける妄想が広がるわ!
あの三人の受けは攻めは?カップリングは何?
彼らをあそこまでの女性不信へつき動かしたのは何故?
それはホモよ!BL!ksms!801よ!
( *゚¥゚)「お姉様バレンタインが無くなってしまったわ、クスン。
気にしなくてもよくってよ。チョコレートが無くても私は、貴女のことが大好きですわ。
これは、たまりませんっ!!!」
うはーwwこのシチュエーション超うめぇwwwマジメシウマっすよ!
バレンタインが無くなればホモ量産し放題っすよ!
('、`*川「さっそく、取材よ偽川っ!ホモが私を呼んでるわ!」
( *゚¥゚)「ハァハァ私、一生部長について行きます!百合は私にお任せをっ!」
輝かしいネタを求め、私と偽川は旅立った。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:23:26.25 ID:UqRtcl/qP
【 川 ゚ -゚) 】 職員室前
職員室の窓という窓、扉という扉は、木と釘で打ち付けられていた。
隙間にはご飯粒を塗り込めるという念の入れ様だ。
職員室の入り口にはペンキで文字が描かれていた。
川 ゚ -゚)「米こそ至高……何かのメッセージか?」
どうやら私は彼等を甘く見ていたようだ。
職員室に訴えがあったにもかかわらず、放送はあったのだ。
このような自体も想定しておくべきだった。
ミセ*゚ー゚)リ「あー、会長発見っ!ねーねー、さっきの放送なんだったのー?」
(゚、゚#トソン「あのような放送は至急撤回すべきです、生徒会長」
立ち止まって考え込んでいると、二人の女生徒に話しかけられた。
放送を聞いて不満に思った生徒が何人か職員室にやって来ている様だった。
川 ゚ -゚)「君たちも職員室に?」
ミセ;゚ー゚)リ「トソン義理チョコの鬼だから、さっきからずっと怒ってるの!
もう、嫌になっちゃうよー」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:26:20.06 ID:UqRtcl/qP
(゚、゚トソン「お世話になった人に感謝の証を送るのは、当然のことです
それが許されないなんて横暴があるでしょうか」
ミセ*゚ー゚)リ「私としても、弟者くんとか、ジョルジュ君とか、シャキンくんとかモララーくんに、
チョコ渡せないのは困るんだけどねー」
(゚、゚トソン「ミーハーは黙れ」
ミセ#゚ー゚)リ「ひっどーい!私はちゃんと四人が好きなんだもん。
イケメンなら何だっていいどっかのビッチとは違うんだから!」
バレンタインが禁止というだけで、職員室に乗り込んでくる生徒がいるのだ。
教室ごとの反応も尋常じゃないだろう。
まずいな、このままエスカレートする様では大騒ぎになってしまうぞ。
ζ(゚、゚*ζ「どっかのビッチって誰のことかしら?この糞女」
ミセ#゚ー゚)リ「そこのビッチに言ってるんだけどなぁ、この性悪ビッチ」
ζ(゚ー゚*ζ「デレはみんなのアイドルなの。わかる?
だから、アイドルにふさわしい男の子にチョコを送って何が悪いの?」
(゚、゚トソン「正直どうでもいいです」
これ以上ここにいても収穫はなさそうだ。何処へ向おうか?
答えはすぐに見つかった。そう、校長室だ。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:29:24.77 ID:UqRtcl/qP
【 ('A`) 】 廊下
('A`)「さて、これからイケメンの処刑へと向うわけだ。
最初の標的は……そうだな、この流石弟者ってのにするか」
(´・ω・`)「流石弟者先輩なら双子のお兄さんと一緒によく屋上にいるみたいだよ」
( ^ω^)ノ「ショボンせんせーい、双子のお兄さんって何ですかお?」
廊下を自然に、しかし迅速に歩きながら俺たちはターゲットについて相談を交わす。
何せ俺たちは指名手配犯同然。捕まったら正直シャレにならんからな。
イケメンに血の粛清を与える前に、捕まってたまるかよっ!
(´・ω・`)「昨日、本屋の前にいた不審者。アレがお兄さんだよ」
(;´_ゝ`)
( ^ω^)「僕があぶりトロ丼のこと考えてた時の人だお!」
('A`)「アレの弟?
……それって微妙じゃね?マジでイケメンなのか?」
俺の言葉にショボンは制服から使い込まれた手帳を取り出した。
アイツよく手帳に何かメモしてるけど、何が書いてあるんだ?
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:31:46.67 ID:/zihefMNO
支援!
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:37:41.84 ID:LuP4DXue0
支援
試演
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:44:55.38 ID:LuP4DXue0
お、さるったかな?
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:47:52.23 ID:3N+3MnjAO
支援
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 21:57:05.60 ID:dJZ9E/Ea0
支援
107 :
猿でした支援ありがとう御座います。3分おきでなくなったら猿です:2009/03/09(月) 22:00:49.05 ID:UqRtcl/qP
(´・ω・`)「『総合』情報だと長身にすっとした鼻筋。クールな態度がたまらない。
面倒見がとてもよさそう。あのお兄さんの面倒を見られることにトキメク。
双子萌え。だそうだよ。
『某スレ』情報だと、アレは兄がダメ。兄がダメだから弟がイケメンにry
あの兄はヒドイ。雰囲気イケメン死ね、イケメン死ね、イケメン死ね」
うわっ、情報細かっ!スゴイを通り越してキモイよお前。
作戦立ててくれって頼んだけど、そこまでイケメン情報調べろ何て言ってないぞ。
まあ、調べてあるならそれはそれで助かるんだが。しかし、それにしても……
(;'A`)「……そのイケメン情報、兄ばっかりじゃね?
兄どんだけ酷いんだよ」
(´・ω・`)「流石弟者の弱点をつくなら、お兄さんの流石兄者を仲間に引き入れるのが妥当だね」
(;^ω^)「お兄さんから圧倒的非モテオーラを感じるお
双子なのに不思議っ!」
('A`)「なら、流石兄者を仲間に引き込んで弱みを握る作戦で行くか」
( ^ω^)(´・ω・`) 「「賛成」だお」
俺たちは屋上へと続くドアを開いた。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:01:09.94 ID:03cx/ckF0
難産なのかな? 支援
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:04:13.26 ID:/zihefMNO
支援
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:04:23.03 ID:UqRtcl/qP
【 ('A`) 】 屋上
(*><)「いっただきまーすなんです!」
( <●><●>)「ビロード、ほっぺたが汚れてますよ」
(*‘ω‘ *)「ほら、取ってやるから動くんじゃないっぽ」
ドアをあけるとそこはピクニックの現場でした。
なんかこう、小学生的な何か。
('A`*)「あれれー、流石兄弟がいないよぉー」
(;´・ω・`)「ドクオ、キモイからそれやめて」
(;^ω^)「あー!チョコがあるお!」
(#'A`)「何だと!お前ら教室にいないと思ったら、リア充行事満喫してやがったな!
粛清っ!粛清ーっ!!!」
内藤の声に、我に返る。
畜生、あまりのほのぼのっぷりに一瞬別世界に飛ぶところだった。
ほのぼの恐ろしい子っ!!!
ほのぼのを隠れ蓑にリア充満喫しようとするとは、何て悪魔だ!
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:07:16.70 ID:UqRtcl/qP
(#^ω^)「このチョコは何だおっ!」
(*><)「僕が作ったんです!内藤君も食べるといいんです
あと、こっちのクッキーとカップケーキも僕が作ったんです!」
(;^ω^)「ビロードが作ったのかお?」
マジかよ。アイツ菓子なんか作るのか?いや、そんな嘘にごまかされてたまるか!
(#'A`)「騙されるな内藤!まだ、こっちにチョコがあるぞ!」
( <●><●>)「それは私が買ってきたのなのはわかってます。
ちなみにこれはレシートです」
(*´・ω・`)「これはこれはご丁寧に」
(#'A`)「いや、待て。ここにはちんぽっぽがいるぞ!
こいつらちゃっかりチョコを貰ってるにちがいない」
(*‘ω‘ *)「チョコ?
――なんでチョコなんてあげなきゃいけないんだっぽ?」
ですよねー。どうみてもここ青空の下、ピクニックシートですもんねー。
お弁当広げてるし、駄菓子もいっぱいあるし。おやつは300円までな感じですよねー。
惜しむらくはここが高校の屋上で、服が制服なところか。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:08:50.02 ID:ebHU/xagO
逆チョコの人か
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:10:28.35 ID:UqRtcl/qP
(;´・ω・`)「これは、何の集まり?」
(*‘ω‘ *)「月に一度のおやつパーティだっぽ
せっかくなんで、学校遠足も同時開催だっぽ」
( ><)「ちんぽっぽちゃんは、サラミとチーカマとみかんを持ってきてくれたんです」
(*^ω^)「クッキーうめぇwwwうまい棒も食べていいかお?」
うん。まあ、バレンタインな雰囲気じゃないなぁとは思ってたんですよ。
おい、内藤。お前普通にとけ込みすぎだろう。
俺たちの使命を忘れるな!これは聖戦なんだぞ。
( <●><●>)「チョコレート菓子だけ持って行ってください。
あなた方がチョコレートを処分したがってることはわかってます」
(;´・ω・`)「何から何までご丁寧にすいません。
今後とも義理チョコ本命チョコの流通禁止活動にご協力おねがいします」
('A`;)「そ、そうだ、お前ら流石兄弟が今どこにいるか知ってるか?」
このままここにいるとほのぼのの毒気にやられてしまう!
特に内藤が餌付けされかねん。というか、現在進行形で餌付け中だ。
委員長といい、どうしてこう内藤は弱点扱いされるんだ。
114 :
>>112別人ですごめんなさい:2009/03/09(月) 22:13:17.02 ID:UqRtcl/qP
( ><)「流石の兄弟さんのいる場所なら多分わかるんです!」
( ^ω^)「モグモグゴックン。知ってるのかお?」
(*><)「はいなんです。僕、妹者ちゃんと同じ水泳教室で泳げるように練習してるんです!
だから、兄弟さんの携帯番号もわかるんです!」
('A`)「妹者ちゃん……。やつらの女かっ!これだからイケメンは」
待望の情報に俺は怒りを覚えつつも、どこかほっとした。
正直この小学生時空をどうにかしたい。というか、どうにかさせてくれ。
( <●><●>)「妹さんなのはわかってます」
(*‘ω‘ *)「あそこの兄弟、小学生の妹と社会人の姉がいるんだっぽ」
あ、そうなんすか。
というか、お前らの幼なじみ小学生と一緒に練習してるぞ。完全に小学生じゃねーか。
なんてうらやま――けしからんのだ。まったく。
(´・ω・`)「悪いけど連絡とってもらえるかな。特にお兄さんの方に用があるんだ」
(*><)ノシ「了解なんです!」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:16:22.86 ID:UqRtcl/qP
( ><)】「もしもしビロードなんです。
妹者ちゃんにはいつもお世話になってるんです」
俺たちの目の前で小学生と同レベルのクラスメイトが携帯をかけだす。
ショボンは流石兄者だけを屋上に呼び出すように指示を送っている。
ビロードの幼なじみ二人もその様子を興味深そうに見守っている。
(;><)】「え?手なんか出してないんです。はいなんです。
あ、あ、おっきいお兄さんの方はどこにいるんですか?え?あ?」
ガシャンと屋上のドアが開く音がした。
うわっ、追っ手かと振り向いた俺の目に見えたのは。同じ顔をした二人の男だった。
\(*´_ゝ`)/】「ジャーン!ここでしたー」
(´<_` )「ふむ。兄者に何の用だ?」
一人は、長髪を尻尾の様にくくり、おしゃれなのかリボンで結んでいる男。
もう一人は、清潔感あふれる短髪にしている男。
制服の着こなしも長髪の方はかなりだらしないのに対し、短髪の方はきっちりと着込んでいる。
(;><)「あう、ちっさいお兄さんも一緒だったんです」
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:17:23.76 ID:3t9NFc9p0
これは支援
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:19:18.49 ID:UqRtcl/qP
(*´_ゝ`)「ちんぽっぽーちゃーん!俺にチョコくれチョコくれ!」
(*‘ω‘ *)「お前に食わす菓子はないっぽ」
(*><)「クッキーならあるんです!」
\(#´_ゝ`)/「野郎は黙れっ!俺はロリ巨乳のちんぽっぽたんに聞いてるんだいっ!」
俺にはわかる。この非モテ童貞オーラを垂れ流した男こそ双子の兄、流石兄者だ!
その長髪、床屋のおっちゃん怖い行くのメンドクサイで伸びてるだけだと見た!
そして、こいつは間違いなく絶対モテない!俺らと同族だ。
(´<_` )「で、そこにいる見覚えのない三人組は誰なんだ?」
(*´_ゝ`)ノシ「そんなことより、クッキー食おうぜー」
(´<_` )「クッキーはいらないんじゃなかったのか?」
(*´_ゝ`)「手作りクッキーに罪はない」
(;'A`)「……うわー、俺ら完全に無視されてるなりぃ」
非モテの兄者は会話の流れを無視してフリーダムに動きまくっている。
それに対して、弟者の方は特に表情を変えずに冷静に対応している。
どうみても漫才ですありがとうございました。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:20:14.75 ID:LuP4DXue0
支援
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:21:48.52 ID:3t9NFc9p0
支援
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:22:25.41 ID:UqRtcl/qP
(#^ω^)「そのクッキーは僕のもんだお!」
(#´_ゝ`)「おにゃのこのクッキーは俺のものだぁーー!!」
(;><)「そのクッキー作ったの僕なんです」
(´く_` ,)「まあ、菓子が食えるならそれはそれでいいや
で、ちんぽっぽちゃんの手作りはどこかな?」
(*‘ω‘ *)「そんなものないっぽ」
兄者は内藤と菓子の取り合い競争にいそしんでいる。
その姿たるや小学生を通り越して完全に幼稚園状態だ。
内藤、俺らが今作戦中だということを忘れてないか?
(´<_` )「でだ、さっきの質問だがそこの三人は誰なんだ?
ちなみに俺は流石弟者。あっちにいるのが俺の不肖の兄、兄者だ」
( <●><●>)「私たちのクラスメイトです」
(;´・ω・`)「あ、どうも」
YABEEEEEEE!!!何で俺ら普通にイケメン(推定)に声かけられてんの?!
まだ兄者を仲間に引き入れてないし!何でこいつら一緒に来るんだ?
双子は学校で一緒に行動しましょうなんて規則でもあるのか。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:26:15.82 ID:UqRtcl/qP
(´<_` )「兄者が迷惑かけてすまないな」
( <●><●>)「いつものことなのはわかっています」
(;´・ω・`)「こちらこそうちの内藤が……」
弟者が俺たちに言う。このそつのなさまさしくイケメン。
いや、この場でまっとうにしているだけでイケメンに見える。ふしぎっ!
(´<_` )「……内藤?そういえば、さっきの放送」
(;'A`)「内藤っ!兄者を捕まえろっ!!!」
(^ω^;)「え、あ、わかったお!」
(;´_ゝ`)「ちょっwおまwww」
俺の声をきっかけとして、内藤が兄者の足を両手で抱えた。
二人ともクッキーを口に入れてるから、クッキーを取り合ってるアホ二人にしか見えない。
だがしかし、イケメン(確定)に感づかれたからにはどうにかして奴を処刑しなければっ!
(;´_ゝ`)「や、やっぱりお前らこの俺を処刑しに来たんだな!
このイケメン兄者様をっ!」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:28:09.59 ID:3t9NFc9p0
支援w
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:29:15.98 ID:UqRtcl/qP
(´<_`;)「ま、まさか本当に兄者を処刑しにくるとは思わなかった……」
(゚A゚)「誰がお前なんか処刑するか!鏡見ろ鏡!!
俺たちは流石兄者。お前をスカウトしに来た!」
ヽ(;´_ゝ`)ノシ「俺の顔は弟者といっしょだもん。イケメンに決まってるもん!」
口の中のクッキーを咀嚼しながら、イケメンの兄であるアホは間抜けな声を出した。
その見苦しい言い訳こそ非モテの証明!まず、その頭どうにかしろ!ボサノバダンスかっ!
(´・ω・`)「兄者さん。あなたは、弟さんばかりイケメンと呼ばれて悔しくないですか。
弟さんは沢山チョコレートを貰えるのに、自分はそうじゃなくて悔しくありませんか。
僕たちと共に立ち上がりましょう、そして目の前のイケメンに裁きを下すのです!」
( ;_ゝ;)「……ちがうもん!
俺は今年ちゃんとチョコレートをもらったから非モテじゃないもん!!」
(;'A`)(;´・ω・`)(;^ω^)「なんだってーー!!!」(´<_`;)(*‘ω‘ *;)(<●><●>;)
(*><)「おめでとうなんです!すごいんです!」
衝撃の事実に俺たちは騒然となった。
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:31:39.99 ID:3t9NFc9p0
支援支援
支援
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:36:59.24 ID:3t9NFc9p0
さるったかなしえん
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:38:04.13 ID:7AEhJUFb0
支援
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:38:30.07 ID:RIINarmu0
支援
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:39:22.09 ID:dJZ9E/Ea0
支援
どうせ家族からの義理チョコだろwwwwwwwwwwwww
130 :
猿でした。残り13レス。支援が多いようなら若干投下が早くなります:2009/03/09(月) 22:45:36.86 ID:UqRtcl/qP
(´<_`;)「どうした、兄者。頭は大丈夫か兄者。早退しよう兄者。
そんな嘘をつかなくても兄者は俺の最高の兄だから時に落ち着け」
(;<●><●>)「貴方が一番落ち着いていないのはわかってます」
(;'A`)「いや、でもそれはないわ」
(;´・ω・`)「どう考えても見栄をはってるとしか思えない」
(*‘ω‘ *;)「そこまで追い詰められてたなんて……」
(;^ω^)「僕のクッキーあげるから落ち着くお」
俺たちはバレンタイン中止騒動も忘れて兄者の頭を心配する。
いや、まて確かちんぽっぽは姉と妹がいるって言ってたな。そいつらか?
(;><)「どうしてみんながおっきいお兄さんのことをいじめるのかわかんないんです」
(#´_ゝ`)ノ◇「これを、みろーっ!!」
(;'A`)(;´・ω・`)(;^ω^)「信じられない」(´<_`;)(*‘ω‘ *;)(<●><●>;)
兄者が手にしていたのは、「私ラッピングって上手じゃないから☆」と言わんばかりの、
素人による包装がなされた小さな箱だった。ピンク色の包み紙に赤いリボンが可愛らしい。
これは間違いなく手作りの予感。
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:46:59.66 ID:/zihefMNO
期待支援
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:47:01.90 ID:3t9NFc9p0
いえん
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:48:23.90 ID:wK8mYDiQ0
支援
支援支援
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:48:41.56 ID:UqRtcl/qP
(#´_ゝ`)ノ■「そして、これがその中身だっ!!」
兄者の手にした箱からは小さなチョコレートケーキが出てきた。
若干不格好な、それでも本命だとわかるそんなケーキだ。
(´<_`;)「そんな……まさか兄者が……
俺だってチョコレートケーキは受け取ったことがないのに……」
弟者がその場に崩れ落ちる。その顔に浮かぶのは絶望だ。
イケメン四天王は今ここに敗れ去った。
とりあえず、その表情と姿勢をショボンに携帯とデジカメで撮影させる。
( ^ω^)「……お?」
(;'A`)「どうした、内藤」
( ^ω^)「いや、なんかどこかで見覚えが……」
兄者の足を押さえつけていた内藤がふと、声を上げた。
ニコニコとした饅頭顔をそこはかとなくしかめ、内藤は兄者の持つ箱を見続けている。
(;^ω^)「むむむむむ」
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:48:54.18 ID:g3vFa3oUO
支援
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:49:49.68 ID:3t9NFc9p0
勝ったwww
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:50:05.24 ID:UqRtcl/qP
( <●><●>)「流石兄弟とは初対面じゃなかったんですか?」
(´・ω・`)「いや、お兄さんのほうは昨日ファミレスからちらっと」
( ゚ω゚)「あーーーーーっ!!!思い出したお!」
(;><)「どうしたんですか内藤くん」
(;´_ゝ`)「な、なにかな饅頭くん。そろそろ足を放してほしいんだけどなー」
なぜか冷や汗を流す兄者。
その兄者に対して、内藤は鬼気迫る迫力で言った。
( ゚ω゚)「昨日、本屋で!兄者さんの持ってた買い物袋に入ってた紙だお!
そのピンク色の包み紙。間違いないお!!!」
(;゚_ゝ゚)ドキーン
( ><)「そういえば昨日、本屋さんの近くでおっきいお兄さんを見た気がするんです」
( <●><●>)「ブーン芸書店には確か文具コーナーがありましたね」
(;*‘ω‘ *)「……ま、まさか」
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:51:00.34 ID:dJZ9E/Ea0
これはwwwwwwwwwwwww
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:51:15.40 ID:WYDSCRu6O
辛くなってきた…
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:52:00.22 ID:3t9NFc9p0
いじめるな!いじめるな!
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:52:10.26 ID:UqRtcl/qP
俺たち一同はゴクリと息をのんだ。地に臥していた弟者も立ち上がり、自分の兄の顔を見る。
屋上に満ちる張り詰めた空気を壊したのは、ショボンだった。
(´・ω・`)「カモフラージュチョコなんですね。
誰もが一度は考えながらも、実行に移したことはない禁断の技
貴方はそれをしたんですね」
('A`)「やっぱりか」
(´・ω・`)「流石兄者さん。貴方は昨日、ブーン芸書店でその包装紙を買った。
そして、包んだんですね。自分で作ったそのケーキを」
(;´_ゝ`)「お、俺は……やってない!
大体、やったという証拠はどこにもないだろう!」
( <●><●>)「……弟者さんに、家を探して貰えば出てくると思いますよ。
それに、貴方はビロードがクッキーを作ったことに対して驚かなかった。
男でも自宅で菓子を作る。その発想がなければそのリアクションはできません」
ずっと勝ち誇っていた兄者の顔はいつの間にか真っ青になっていた。
そして、誰もがその兄者の顔を同情を隠せない顔で見ていた。
(;><)「でも、おっきいお兄さんは貰ったって言ってるんです。
僕は信じてるんです!」
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:54:14.69 ID:3t9NFc9p0
俺も信じるよ
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:54:27.91 ID:QknMf/DC0
泣ける話だなぁ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:54:31.00 ID:UqRtcl/qP
( ;_ゝ;)「ううっ」
しかし、今の流石兄者には後輩の優しい言葉は最大の凶器だった。
カモフラージュを信じるという純粋さは、汚れてしまった俺たちにはどこまでもまぶしい。
(´・ω・`)「兄者さん。貴方がそこまで非モテの鏡だとは思いませんでした」
( ;A;)( ;ω;)(*;ω; )イイハナシダナー
(;<_; )「兄者……兄者がそこまで追い詰められてたなんて」
チョコレートに踊らされた哀れな被害者、兄者。
その仇はバレンタインを潰すことできっとはらしてみせる。俺たちがそう決意した時だった。
(#´_ゝ`)「ううっ、同じ顔のくせにモテやがって!!!
お前なんかお前なんか死んじまえっ!」
(;^ω^)「ちょ、ま、待つお!」
兄者が内藤の制止を振り払って、弟者の元へと向う。
そして、その顔を殴りつけた。
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:56:09.60 ID:UqRtcl/qP
(´<_`#)「何をする!気でも違ったか!」
抗議の声を上げる弟者の頬を兄者が再び殴りつける。
それだけでは、満足できないのか兄者は弟者の腹を殴りつけた。
( ;_ゝ;)「お前みたいな勝ち組にわかるか!
この俺が毎年毎年どれだけ惨めな思いをしているか!」
(´<_`#)「貰ったチョコは兄者にやってるだろうが!」
(#´_ゝ`)「それが屈辱だと言ってるんだ!!」
殴られた弟者も黙っていない。
殴られた腹を庇いながら、兄者のがら空きの足下に蹴りを放つ。
兄者がひるんだ瞬間、その顔面に弟者のパンチが飛んだ。
(;><)「ケンカしちゃダメなんです!」
(#*‘ω‘ *)「やれー!パンチだっぽ!」
(;'A`)「……なんであいつらケンカしてるんだ?」
( <●><●>)「バレンタインの犠牲者はここにもいたってことなのはわかってます」
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:57:11.46 ID:/zihefMNO
支援!
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:57:54.52 ID:UqRtcl/qP
事態において行かれた俺たちの横で、兄弟のガチ喧嘩は続いている。
(#^ω^)「がんばれ兄者ー!イケメンはぶっつぶせだお!」
(#´・ω・`)「がんばるんだ!兄者!」
そうだ、俺たちはイケメンの粛清の為にここに来たんじゃないか。
行け兄者!非モテを代表してイケメンは潰すんだ!
(#'A`)「弟なんてぶっ潰しちまえ!!」
(;><)「だめなんです!!兄弟でケンカなんてだめなんです!!」
(;<●><●>)「落ち着きなさいビロード」
そんな中、一人だけ非モテとモテの戦争中止を求める声がした。
ビロードは涙をこぼしながらお菓子と携帯電話をじっと見ている。
(#><)】「これ以上ケンカするなら妹者ちゃんに言いつけるんです!」
(;´_ゝ`)「!!!」(´<_`;)
俺たちが制止するよりはるかに早く、ビロードは携帯の通話ボタンを押した。
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 22:59:17.80 ID:UqRtcl/qP
(;´_ゝ`)「ごめんなさいごめんなさい仲良くしますごめんなさい」
(´<_`;)「ホントすいません嫌わないでさい。ちっちゃい兄者なんてキライ?
ごめんなさい。今度、アイスクリームおごってあげるから。
わかってます、世界で一番妹者はかわいいです。はい、ですから許して」
( ;_ゝ;)「ごめんなさい。ケンカしません。妹者たんゆるしてください」
兄弟たちは携帯に向ってびっくりするほど挙動不審な態度を取っていた。
携帯に向いひたすら土下座をしたり、手を振ったりしている。
(*´_ゝ`)「え?チョコ?流石は俺の妹者たん!」
(´<_`*)「何を言う。妹者は俺のだ」
ヽ(*´_ゝ`)ノシ「あははははは」ヽ(´<_`*)ノシ
(;'A`)「キモっ!俺が言うのも何だけどキモっ!!」
(;^ω^)「正直これはひくお……」
兄弟はしばらく携帯に向けて話していたが、手を振りながら急に笑い出した。
青空の下携帯へ向ってニヤニヤしながら踊る二人は完全に不審者だ。
そんな、不審者二人の様子をショボンはデジカメで冷静に撮影していた。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:00:05.97 ID:WYDSCRu6O
妹可愛いよ妹
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:00:32.27 ID:UqRtcl/qP
( ><)「兄弟さんは妹者ちゃんが大好きなんです」
( <●><●>)「年の離れた妹さんだということで相当溺愛しているのだとか」
(*‘ω‘ *)「正直ひくレベルだっぽ」
(;^ω^)「クール(´<_` )だったのが、ヽ(´<_`*)ノシ面白キャラになったお。
正直変わりすぎってレベルじゃねーお」
(´・ω・`)「いや、これは使えるかもしれないよ」
(;'A`)「ショボン?」
どん引きで俺たちは携帯相手にはしゃぐ双子を見ていた。
そんな中、ショボンは真剣な表情でデジカメを兄弟に向けている。
(´・ω・`)「僕たちはイケメン流石弟者を処刑に来たんだ。
クールで評判の彼のあの妹萌えっぷりが全校に伝わったらどうなると思う?」
('A`)「アイツの評判はガタ落ち。一気に面白人間になるってわけか」
(´・ω・`)ノ□「そして、ここには動画が撮れる携帯もデジカメ。
長時間の録音が可能なICレコーダーがある」
(;^ω^)「ショボン、恐ろしい男だお……」
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:02:44.65 ID:UqRtcl/qP
('A`)「あの流石弟者さん。そんなに妹さんが大好きなんですか」
(´<_` )「ん?」
携帯に釘付けの兄弟から、弟者を引き離し俺は聞く。
ICレコーダーは制服のポケットに隠し、ショボンはベストポディションに待機している。
邪魔しそうな幼なじみ三人組は、内藤に任せてある。
食べ物大好きの内藤の世話を三人に任せたとも言えるが、気にしたら負けだ。
('A`)「よろしければ。その妹さんの魅力を私たちに教えて欲しいと――」
(´<_` )「妹者の魅力だと……」
(;'A`)「ええ、それほど先輩方が夢中になるなんてどんな妹さんかなぁと」
(´<_`*)「聞いてくれるか!妹者の魅力といえば、あの有り余るくらいのプリチーさだ。
まだ小学校に上がったばかりなんだけど、家ではおっきい兄者、ちっちゃい兄者と
俺たちの後をついてまわってな、それだけでも可愛らしいのだけれども。
俺のことをな、弟者お兄ちゃんっていえばいいのに、兄者は兄者なのじゃーと頑張って
兄をつけて呼ぼうとするそのけなげさ。それでもって、兄者たちが大好きなのじゃという素直さ。
妹者が水泳教室へと通うことになったとき、俺たちは反対したんだよ。あの妹者の水着姿が
他人にさらされると思うと心配で心配で。しかし、そこのビロードが同じ教室に通うって言うから、
逐一俺たちに報告させて妹者が誰かによって不埒な目に遭わないようにと」
弟者は信じられないほどの言葉並べはじめた。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:03:56.76 ID:/zihefMNO
うわ・・・支援
不審者→妹萌えとかきめぇ
イケメン→妹さんを大事にしてるのね!素敵!
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:04:52.80 ID:UqRtcl/qP
(;'A`)「……」
キモイ。信じられないくらいキモイ。
妹萌えとかシスコンとか通り越して完全に不審者の領域じゃないか。
ヤバイこの兄(弟だけど)どうにかしないと、本気でマズイ。
(´<_`*)「糸目だらけの我が家に現れたとは思えないくりくりの目。本当に愛らしいその顔。
母者のかなり遠縁の親戚にあんな感じの顔の女の人がいたから、母者の家系なんだろうなぁ。
それにしても、妹者は成長したら絶対美人になるぞ。そう簡単に嫁には行かさないけどな。
嫁といったらこのまえ、妹者ったら「大きくなったら兄者たちのおよめさんになるのじゃー」って言って
たんだけどな。ヤバイ何あれかわいすぎ。妹じゃなければ本気で嫁にする領域だね。
どうして妹者はあんなにかわいいんだろうなぁ。今日だって補習がなければずっと妹者と家でゴロゴロ
してたかったよ。それから、ゲーセンにでも連れて行ってぬいぐるみをとってやるんだ。
妹者は猫のぬいぐるみが大好きだから、取ったら絶対によろこぶぞ。俺のとったぬいぐるみを抱いて、
えへへーって笑うんだ。いや、笑ってない妹者だってかわいいぞ。妹者はピーマンが嫌いですぐに残こ
そうとするんだが、それを注意するとむーと不機嫌そうになるんだが、それが本当に可愛らしくって」
(;><)(;<●><●>)(;*‘ω‘ *)「………」(^ω^;)
あ、内藤たちも完全にどん引きでこっち見てる。おーい、この弟いつになったら止まるんだ?
(´<_` )「おい、聞け!確か放送では鬱田って言ってたか?俺の妹者演説はまだ続くぞ」
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:06:04.49 ID:GJFsX0fUO
うわぁ…
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:07:06.21 ID:UqRtcl/qP
(*´_ゝ`)「そうだそうだ!もっとやれー弟者!
俺たちの妹の愛らしさをもっと伝えてやれ!」
d(´<_` )「まかせろ、兄者。そもそも妹者が生まれたのは俺たちが小学生の頃でな、
下に兄弟が生まれるとは思わなかったから、相当はしゃいだものだった。まいにちまいにち、
いつ生まれるの?とか弟?妹?としつこく聞いては母者に怒られていたものだった。
妹者が母者のお腹で動くようになってからは、毎日母者の腹に耳をつけてだなこっちが兄者で
こっちが弟者ですよー。と言ったものだった。その甲斐あって、妹者は俺たち兄弟を絶対間違え
ることがなくてな。家の両親は未だによく間違えるけど、妹者だけは違うんだ。
俺たちはたまに入れ替わって遊ぶんだが、それでも妹者だけはばっちり見分けてな。
ああ、そのたびに俺はちゃんと弟者で、兄者はちゃんと兄者だと思うわけだ」
(;'A`)「あの……そろそろ…」
(´<_`#)「何を言うここからが言い所じゃないか。しっかり聞け!
妹者はお菓子が大好きでな。でも家は大家族だからなかなかおいしいデザートとかは買ってやれない
わけだ。特にテレビに出るやつなんかは絶対に食べられない。そこで俺らはいかに妹者に喜んで
もらえるかを考えてな。そうだ、俺らが作ればいいんだと考えたわけだ。この菓子作りは兄者の方が
上手くてな。今から考えれば、バレンタインに兄者が菓子もらったって言った時点で疑えばよかったんだが、
いや、話がそれたな。俺たちが作ったお菓子をおいしいのじゃーと笑う妹者の顔と言ったら」
(;´・ω・`)「すいません。先輩これで失礼します。
先輩方の貴重なお話は後日、ここにいるビロード君が喜んで聞いてくれるそうです」
( <●><●>)「どさくさにまぎれて、人の幼なじみを巻き込まないで下さい。
ビロードはアホの子ですら、かれこれ5・6回はあの演説を聞いているんですよ」
(;><)「アホって言わないでほしいんです」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:07:12.64 ID:RIINarmu0
うわぁ…
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:09:20.63 ID:UqRtcl/qP
(;'A`)(;´・ω・`)「し、失礼しましたー」
(*^ω^)ノシ「また、お菓子わけてくれなんだおー」
未だに続く流石(弟)の演説を無視して俺たちは屋上を脱出した。
屋上から続く階段をひとしきり下りたところで、ほっと一息つく。
(;'A`)「誰だよ、アレをイケメンって言い出したやつ」
(;^ω^)「兄だけじゃなくて、弟も相当アレだったお」
しばらく、あの双子にあうのは勘弁願いたい。
次に会ったが最後、延々と妹萌えトークを聞かされること間違いない。
(´・ω・`)「さてと。放送室に今戻るのはマズイだろうから、次のイケメンの所へ行こうか」
('A`)「フフフ。次に放送がかかるときが年貢の納め時だ、流石弟者!」
(;^ω^)「そのセリフ完全に小物臭がするお」
俺たちは次のイケメンを求めて、走り出した。
この誰もいない階段の向こうには、まだみぬ強敵(と書いてイケメンと読む)達が待ちかまえている。
俺たちは絶対に負けるわけにはいかないのだ!!!
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:09:54.55 ID:WYDSCRu6O
ビロード可愛いいいい
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:11:09.85 ID:UqRtcl/qP
(*´_ゝ`)b「流石だよな妹者っ!」d(´<_`*)
(*><)「パチパチなんです」
(;<●><●>) 「……うわぁ」
(;*‘ω‘ *)「……うわぁ」
俺たちの冒険はまだはじまったばかりだ!
妹者かわいいよ妹者
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:13:06.23 ID:UqRtcl/qP
というわけで、第二話はここまでです。
たくさんの支援ありがとうございました。特に猿で涙目のときの支援は本当にありがたかったです。
質問等ありましたら、伏線でない限り答えますのでどうぞお願いします
次投下はいつ頃?
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:19:09.31 ID:UqRtcl/qP
とりあえず、投下中に目に付いたけど答えられなかったのとか
>>38 牛乳をぶっかけたのは単に臭くなるからです
>>93 家が消化器の粉まみれになったとき、白っぽいピンクというか黄色というかオレンジの色でした。
この作品では黄色い粉という表記で統一する予定
>>164 最終話まで完成しているのでいつでも投下できるはできるのですが、希望等ありましたらそちらにあわせます
特に要望がないようでしたら明日には投下しようかなぁと
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:19:39.16 ID:6WfHgkrf0
乙!
明日か
wktk
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:22:43.36 ID:g3vFa3oUO
乙
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:23:34.93 ID:oSTOrxccO
乙
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:23:35.71 ID:RIINarmu0
乙! 待ってるぜ
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:29:49.44 ID:/zihefMNO
期待しとく
乙!
乙 楽しみにしてる
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 23:46:35.48 ID:m46xMFwUO
期待してるよ!
乙!
面白かった
乙
読み終わった!
楽しかったよ〜!