1 :
◆LtLEF9zahg :
2 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 12:59:12.45 ID:+aALf80RO
深夜、悪戯に漁船へ乗り込み、危うく遭難しかけた旅の音楽家は、
地元の船乗り達のチームワークによって無事保護された。
( ^ω^)(・・・・と、言う事になりました)
ミ,,゚Д゚彡「兄さん大丈夫か!?」
ノ(;、;リそ「うわーんっ、怖かったですー!」
( ^ω^)(ひくわ)
#6 子供好きとロリコンは別物です
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 12:59:51.96 ID:QmZ2K+C60
( ^ω^)おっ( ^ω^)おっ( ^ω^)おっ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:00:29.54 ID:w+O1OBdDO
待ってました
支援
5 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:01:44.96 ID:+aALf80RO
隣接させた船から乗り移ってきた船乗りの操舵で、マウスの乗った船は港へ帰ってきた。
当然こっぴどく怒られたワケだが、
ミ,#゚Д゚彡「勝手に船を出したりして、アンタ一体何やってたんだ!」
ノ(;、;リそ「えぐっ・・・・船を見に来たら見張りの人が寝てて・・・・つい出来心で・・・・
それで中も見てみたくて乗ったら、いつの間にか沖に流されて」
ミ,#゚Д゚彡「昨日の見張り!!」
(;゚д゚)「す、すんませんっした!」
ノ(;、;リそ「もう帰って来れないかと・・・・怖かったよぉおおお」
・・・・という具合に、昨夜の見張りに責任を擦り付け、私刑を免れる事に成功。
代わりに見張りをしていた若い船乗りが、拳骨を貰っていた。
若い方の船乗りの顔、何か見覚えがあるような気がしたが、多分気のせいだろう。
6 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:05:07.09 ID:+aALf80RO
ノ(;ー;リそ(ふ、ちょろいもんだ)
泣き顔の下でマウスが薄く笑う。
居眠りは事実だから、見張りも悪い事は悪いのだ。
とはいえこの一部始終を知るブーンとしては、
( ^ω^)(恐ろしい子・・・・ッ!)
と思わずにはいられないのだった。
ミ,#゚Д゚彡「ったく、ここからは外海に出られないから良かったようなものの・・・・」
ノ(;、;リそ「!」
さめざめと嘘泣きをしていたマウスが、さっと顔色を変える。
ノ(゚、゚リそ「外海に出られない・・・・?」
ミ,,゚Д゚彡「ん?ああ、この辺は潮の流れがかなり変でな。
小さい船だと島の周りをぐるぐる回っちまって、外海に出られねーんだ」
( ^ω^)(なんとも、まぁ)
7 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:09:03.96 ID:+aALf80RO
ミ,,-Д-彡「入ってくるだけなら小さい船でも出来るんだが・・・・
まぁ何にせよ北の浜まで流されなくて良かったな。あそこは危ねぇ」
ノ(゚、゚リそ「・・・・」
結局、島を出る方法は見つかりそうに無い。
婚礼が終われば迎えの船が来る事になってはいるが、どうにも気が急いてならなかった。
将軍の言葉を借りれば「何か、この島に居てはいかんような」気がする。
( ^ω^)「今何時だお?」
一通り説教を貰い、船乗り達から解放されると、開口一番にブーンが聞いてきた。
ノ(゚、゚リそ「ん・・・・まだ七時前」
逃亡に失敗した事で、この後の予定がすっかり変わってしまった。
ツンが案内に来るのも、もう少し陽が上がってからだろうし、それまではこれといってやる事も無い。
8 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:13:04.09 ID:+aALf80RO
ノ(゚、゚リそ「・・・・どうすっかねぇ、これから」
( ^ω^)「お前に任せるお」
ブーンは力無く返事をする。
( ^ω^)(・・・・って、僕がこんな投げ遣りでどうするお!
島から出られない以上、マウスの身の安全を守れるのは、
頼れる相棒兼保護者である僕の助言だけだお!)
うっかり気弱になりかけていたブーンは、相棒の為にと自分を奮い立たせた。
ノ(- -リそゞ「何処も開いてない時間だしなぁ・・・・ああもう気持ち悪い」
一方のマウスはと言うと、一晩中潮風に当たった所為でベタつくのか、短い髪を頻りに弄っていた。
( ^ω^)「・・・・マウス、わかってると思うけど、島の人間には気を許しちゃ駄目だお」
ノ(゚、゚リそ「ほい?」
9 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:17:05.00 ID:+aALf80RO
( ^ω^)「この島・・・・まともじゃないお」
ノ(゚、゚リそ「・・・・うん」
一旦宿に帰ろう、話はそれからだ。
そうして市街に戻ってきた二人だったが、中央広場の前でその行く手を阻まれる事になる。
o川*゚ー゚)o「あーっ、マウス様ァ!」
ヴィップ城に至る立体交差の階段を、こちらを指差しながら降りてくる女の子の姿。
格好からしてツンと同じ、親衛隊の様だ。
o川*゚ー゚)o「うわぁ、私ってば超らっきーぃ☆
なかなか捕まらないって隊長がぼやいてたから、ぶっちゃけブルー入ってたんですよねーっ!」
( ^ω^)(うぜぇ)
ノ(゚ー゚リそ「おはようございます・・・・えーっと、親衛隊の人ですよね?」
o川*゚ー゚)o「はぁーいっ、あたしキュート☆って言いますぅ。
“キューちゃん☆”って呼んでくださいねっ!」
キューは多少うざい娘だったが、マウスは特に気にした様子を見せない。
基本的に女性に対して彼は寛大だった。
10 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:21:03.31 ID:+aALf80RO
o川*゚ー゚)o「朝早くてアレなんですけど、お時間ありますぅ?
ていうかショボン様がお会いになりたいそうなんで、ご足労願います☆みたいな」
ノ(゚、゚リそ「卿が?」
そういえば初日の接見以来、ショボン卿と直接会っていなかった。
こんな朝っぱらに何の用かと思ったが、今は都合が良い。
こちらも卿に聞きたい事があった。
ノ(゚ー゚リそ「伺います」
o川*゚ー゚)o「かしこまりー!それでわ私について来て下さいな☆」
ノ(゚ー゚リそ(・・・・同じ親衛隊でもツンさんとはえらい違いだな)
王室親衛隊にはもう少しお堅いイメージがあったのだが。
流石のマウスもちょっと笑顔が引きつり始めていた。
11 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:25:03.20 ID:+aALf80RO
マウスを応接間に連れてくると、キューは一人さっさと下がってしまった。
(´・ω・`)ノシ
応接間の中には待ち侘びた、という様子のショボン卿。
見事に割れた腹筋が本日もまばゆい。
室内を見回すと兵士の姿が見えなかった。
広間に野郎と二人きり・・・・朝から最悪のシチュエーションである。
それにしても、
( ^ω^)(やれやれ、ウチの相棒も信用されたもんだお)
丸腰の華奢な音楽家、とはいえ部外者と会うのに護衛の一人も置かないとは、
この領主殿はなかなか肝が座っていると見えた。
ノ(゚ー゚リそ「おはようございます、ショボン卿」
(´・ω・`)「やあ、おはようマウス君。こんな朝早くに呼び付けて悪かったね」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:25:19.34 ID:2O0TxyLbO
期待支援
13 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:27:05.21 ID:+aALf80RO
ノ(゚ー゚リそ「そんな事ないですよ。僕も卿にお聞きしたい事がありましたから」
(´・ω・`)「それはなんというシンパシー・・・・じゃあ早速だけど や ら な い か 」
ノ(゚ー゚リそ「・・・・」
二人の間に冷たい空気が流れる。
(´・ω・`)「冗談だよ冗談。そう本気に取らないでくれ給え」
ノ(゚ー゚リそ「目がマジでしたよ」
(´・ω・`)「気の所為だ。それはそうと何だい?君が聞きたい事と言うのは」
ノ(゚ー゚リそ「ええ、大した事ではないんですけど・・・・
祝祭の期間中に、この島に観光船が着く予定はありますか?」
(´・ω・`)「うーん、聞かなければわからないが・・・・おそらく無いだろうね。
祝祭目当ての観光客なら粗方着いているだろうし」
ノ(゚ー゚リそ「そう、ですか・・・・」
14 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:31:03.67 ID:+aALf80RO
小さい船では島を出られない。
観光客を乗せた船が港に着けば、と思っていたのだが、アテが外れてしまった。
ノ(- -リそ(ま、あまり期待して無かったけどね)
(´・ω・`)「ところでマウス君、作曲の方の調子はどうかな」
ノ(゚ー゚リそ「ぼちぼちですね」
昨日は島を出る方向で動いていたので、当然ながら全く進んでいない。
と言うより、もう書くつもりが無くなっている。
(´・ω・`)「ふふふ、今から君の演奏が待ち遠しいよ。
ところで聞いているかな?今日は聖なる宝冠の儀式がある日だ」
聖なる宝冠の儀式とは、婚礼で使われる宝冠を森の中にある神殿から取り出す儀式である。
宝冠は昨日の聖なる宝石と同様に、普段は何処かで清められていて、
婚礼がある時でなければ見ることは出来ない。
15 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:35:03.87 ID:+aALf80RO
(´・ω・`)「儀式は昼過ぎだから、君も見物に来ると良いよ」
ノ(゚ー゚リそ「そうですねー・・・・」
卿の話にマウスは適当に相槌を打った。
普段なら宝冠に食指が動くところだが、今は泥棒に励んでいる場合では無い。
(´・ω・`)「儀式が済んだら、もう今日は婚礼衣裳披露会までする事が無いなぁ・・・・
まったく、退屈で仕方ないね、城住まいは」
やれやれと肩を竦めてみせるショボン卿。贅沢な悩みである。
ノ(゚、゚リそ「婚礼衣裳披露会?」
(´・ω・`)
一瞬間を置き、そうだ、と卿が手の平を打つ。
(´・ω・`)「島の名士を集めてね、一足早くクーの花嫁姿をお目に掛けようという趣向なんだよ。
・・・・で、どうだろう、今夜のその会に君も出席してくれないかな」
16 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:39:03.60 ID:+aALf80RO
ノ(゚ー゚*リそ「喜んでっ!」
( ^ω^)(って即答かーい)
卿が満足そうに頷いた。
(´・ω・`)「では、後で使いの者を呼びにやらせるよ。
・・・・一応宿で待機していて貰えると有り難いがね。
何せ君はなかなか捕まらないと言う話だ」
ノ(゚ー゚リそ「その愚痴の出所はツンさんですね。わかります」
その後しばらく卿の長話に付き合わされた。
先程の言葉通り、城住まいはよほど退屈と見える。
一時間程経った頃、卿の話はようやく一段落した。
(´・ω・`)「いや悪かったね、つい長話になってしまったよ。
君にも予定があるだろうに」
( ^ω^)(ま、暇なんですけどね)
(´・ω・`)「それじゃあ、今夜の婚礼衣裳披露会で会おう」
17 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:43:04.08 ID:+aALf80RO
ノ(゚ー゚リそ「ええ、では僕はこれで」
(´・ω・`)「・・・・ああ、そうだマウス君」
一旦下がりかけたマウスを卿が呼び止めた。
(´・ω・`)「昨夜はお楽しみ頂けたかな?」
ノ(゚ー゚リそ「?・・・・あ、はい。やっぱり周りが海なだけあって魚が美味しいですね」
(´・ω・`)「・・・・やれやれ、その様子では何も無かったようだね」
マウスが首を傾げていると、卿は可笑しそうに喉を鳴らした。
(´・ω・`)「ツンの事は気に入って貰えているかな?」
ノ(゚―゚リそ「!」
( ^ω^) チッ
18 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:47:03.08 ID:+aALf80RO
(´・ω・`)「君の言う事には“全て”従うように言ってある。
ま、せいぜい可愛がってやってくれたまえ」
ノ(゚―゚#リそ「・・・・」
マウスが無言で踵を返すと、背後で卿の笑う声が聞こえた。
ノ(゚―゚#リそ「・・・・胸くそ悪ぃ」
応接間を出たところで、早速マウスが毒づいた。
誰が聞いているとも知れないのに、辺りに気を払う様子が無い。
相当ご立腹の様子だった。
( ^ω^)(あの腹筋野郎しねばいいのに)
いくらそうした事に疎いと言っても、マウスには卿の言わんとする意味がわかったようだ。
19 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:51:06.35 ID:+aALf80RO
卿はツンにマウスの夜伽も命じていたのである。
昨夜の彼女の言動から、ブーンは大体の事情は察していたが、
わざわざ相棒の気分を荒立てる事も無かろうと黙っていたのだ。
・・・・しかしどうやら彼の気遣いも無駄になってしまったようだ。
( ^ω^) チラッ
ノ(゚、゚#リそ
( ^ω^)(あーあ、マウスのテンションが・・・・)
秘かに想いを寄せるショボン卿からその命令を聞かされた時、彼女はどんな気持ちだったろうか。
マウスは基本的にフェミニストだ、さぞかし憤っていることだろう。
事情を知らなかったとはいえ、彼女に無神経な事を言ってしまった自分に対しても、である。
・・・・もっともマウスの事だ。
食事の席での地雷発言が無くても、そんな色っぽい展開にはならなかったかもしれないが。
20 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:55:03.35 ID:+aALf80RO
( ^ω^)「まぁまぁ、そう怒るなお」
周りに人が居ないのを確かめつつ、ブーンは相棒を宥めに掛かった。
( ^ω^)「貴族様なんてのは、総じてあんなもんだお。
この商売長いんだから、お前もそろそろ慣れなきゃ駄目だお」
ノ(- -#リそ
両頬の肉を手で解しながら、マウスは一言「帰る」とだけ言った。
そういえば彼はこの一時間弱、終始作り笑顔を貼りつけたまま卿の話に付き合っていた。
さすがに顔が疲れたことだろう、とからかい半分構ってみたが、
相棒から返ってきたのは気の無い返事だった。
21 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 13:59:03.30 ID:+aALf80RO
こうして当初の予定どおり、二人は宿に戻ってきた。
思えば丸一日ぶりである。
マウスが入ってくるや、フロントに居た主人がにやにやしながら寄ってきた。
( ゚д゚)ノ「やぁ!お帰りなさい!
昨夜は部屋に居なかったようだけど、朝帰りとは隅に置けないね!」
ノ(゚ー゚リそ イラ
( ^ω^)(うぜぇ)
ノ(- -リそ「残念ながら、そういう色っぽい話じゃないんですよ」
( ゚д゚)「ありゃ、そうでしたか。それは失礼。
でもあんまり迂闊な場所で野宿とかしない方が良いよ。
こんな島でも善人ばかりじゃないからね」
22 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:03:03.89 ID:+aALf80RO
ノ(゚ー゚リそ「・・・・泥棒が出るそうですね?」
( ゚д゚)「そう!昨日も街の外れで盗賊団が出たって話なのさ!」
北の森にねぐらを持つという盗賊団の話は、この島に来てから幾度かマウスの耳にも入っていた。
やはり同業者の考える事は同じらしく、祝祭が始まってからは特に頻繁に町に出没すると言う話だった。
ノ(゚ー゚リそ(北の森に居るってトコまでわかってるのに、
どうして捕まらないんだか)
潜伏場所を街の人間にまで知られているとは、間抜けな話である。
その盗賊達の顔を見てやりたいものだ。
ミセ*゚ー゚)リ 〜♪
・・・・と、その時奧のスタッフルームから女の子が一人、鼻歌を唄いながら出てきた。
宿屋と話し込んで・・・・と言うか宿屋が一方的に喋りまくっているので、マウスはそれに気付かない。
23 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:07:02.30 ID:+aALf80RO
ミセ*゚ー゚)リ ・・・・?
ミセ*゚ー゚)リ !
( ゚д゚)「本当に乱暴な奴らだから、お客さんも気を付けなよ」
ノ(゚ー゚リそ(つーか部屋に帰らせろ)
( ^ω^)(同感だ)
「あーーーーーーーっ!」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:09:32.90 ID:Ysl3md5kO
がんばれ支援
25 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:11:03.07 ID:+aALf80RO
ノ(゚―゚;リそ「へぇっ!?」
フロントに突如響き渡った素っ頓狂な声。
マウスは驚き、宿屋共々声の方へ振り向いた。
ミセ*゚д゚)リ9m「・・・・」
そこにいたのは十歳そこそこの外見の女の子。
彼女は廊下の奥でこちらを指差して立っていた。
この宿屋の娘、ミセリである。
ミセ*゚ー゚)リ「やったぁ!音楽家さん発見!ギリギリ間に合ったぁっ!!」
σノ(゚ー゚;リそ「え、僕?」
26 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:15:20.59 ID:+aALf80RO
面食らっているマウスの所に、ミセリが瞳を輝かせて駆け寄ってくる。
そしてマウスの腕を掴んで、嬉しそうにブンブンと振り回した。
ttp://smu.me/0902/2008.jpg ミセ*゚ー゚)リ「お願いします音楽家さん、
今日はお父さんから仕事も言い付けられてないし、お昼からあたしに島の案内をさせて!」
唐突でいまいち話が見えてこないが、彼女がマウスを探していた事はわかった。
と言うか色々な前振りをすっ飛ばしている。
挨拶とか、自己紹介とか。
ノ(゚ー゚リそ「とりあえず落ちつk」
ミセ*゚ー゚)リ「あたし、婚礼の儀式の踊り子に選ばれているんです。
この島では選ばれた踊り子は三日三晩踊り続けなきゃいけない習わしなんですっ!」
( ^ω^)(聞いてねぇお)
ノ(゚―゚;リそ「そ、それは大変だ!」
( ^ω^)(え、しかもノリノリなん?)
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:16:30.98 ID:2O0TxyLbO
かわいい支援
28 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:17:40.83 ID:+aALf80RO
ミセ*- -)リ「あまりの厳しさに死んじゃった人もいたんだって・・・・
もしかしたらあたし、今日が最後の自由な日かもしれないんですぅ・・・・!」
ノ(゚ー゚リそ「・・・・」
深刻な表情で訴えかけるミセリ。
その様子にマウスは思わず口元を綻ばせた。
( ゚д゚)「バカぬかすな、そりゃ何百年も前の話だ。
今は五人交替で踊るんだから死にやせんわ!」
ミセ*゚д゚)リ
ノ(゚ー゚リそ(やっぱり)
( ^ω^)(ですよねー)
( ゚д゚)「おまけに人の事を鬼みたいに言いおって!」
ミセ;゚―゚)リ「ちょ、折角巧くいってたのに!!」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:19:01.20 ID:Ysl3md5kO
支援
30 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:20:28.55 ID:+aALf80RO
( ^ω^)(いや、始めからわかってましたけどね)
ノ(゚ー゚リそ(可愛いなぁw)
ミセリの「このクソオヤジ!」の一言を合図に始まった父娘喧嘩。
それはしまいにミセリが宿屋を蹴倒して、マウントポジションを取るまでにエスカレートした。
父親の顔面をぽこぽこと殴りながら出てくる言葉は、放送コードギリギリの罵詈雑言ばかりで、
とても小さな女の子の語彙とは思えなかった。
堪えきれなくなったマウスが吹き出すまで、ミセリの攻撃ターンは続く。
慌てて宿屋の上から退いた時、既に彼のライフは0だった。
ミセ;゚ー゚)リ「えっ・・・・と、で、でも大変は大変なんです!
だから音楽家さんと仲良くできるのは今日の昼間だけなの」
気を取り直して、ミセリは再び可愛らしくマウスに詰め寄った。
ミセ*゚ー゚)リ「ね、ね、お願い!あたしのためにちょっとだけ時間を下さい!」
31 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:24:03.16 ID:+aALf80RO
ノ(゚ー゚リそ「・・・・」
船上で夜を明かし、朝っぱらに卿の長話に付き合わされて疲れていたマウスだったが、
女の子からこんなふうにお願いされては無下に出来ない。
ノ(゚ー゚リそ「えーっと、ミセリちゃん?」
ミセ*゚ー゚)リ「はい!・・・・ってなんであたしの名前」
ノ(゚ー゚リそ「顔に書いてある」
ミセ*゚ー゚)リ
( ^ω^)(ちょwww)
ノ(^ー^*リそ「案内、お願いしても良いかな」
ミセ*゚ヮ゚)リ
ミセ*>ヮ<)リ「やったぁ!ありがとう音楽家さん!!」
32 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:28:03.48 ID:+aALf80RO
ミセリが大喜びで飛び跳ねる。
その無邪気な姿に、なんだか心が洗われるような気がした。
ノ(゚ー゚リそ「・・・・その前にちょっと、お風呂入って良いですか」
心が洗われたついでに、髪も洗っておきたかった。
一時間後。
半乾きの髪を指で掻きながら、マウスは宿から出てきた。
この短時間である。完全に乾かすのは諦めた。
ノ(゚ー゚リそ 〜♪
鼻歌を唄ったりと、マウスはいつになく機嫌が良い。
そこでブーンの中に一つの疑問が生まれた。
( ^ω^)(こいつ幼女趣味だっけ?)
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:29:51.58 ID:2O0TxyLbO
支援
顔に書いてある吹いたwww
35 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:30:22.36 ID:+aALf80RO
ノ(゚ー゚リそ「・・・・何か言いたそうだね」
( ^ω^)「や、随分楽しそうだと思って」
ノ(゚ー゚リそ「そうかしら」
( ^ω^)「うん、正直ひくわ」
流石にブーンが何を言いたいのか解ったらしい。
む、と眉間に皺を寄せて、マウスはブーンを裏拳で殴打した。
( ^ω^)(ま、色々あったし、気分転換も必要だお)
誰にも気を許すなとブーンは言ったが、子供のミセリが相手なら警戒する必要も無いだろう。
息が抜けて丁度良いかもしれない。
何せ島に来てからマウスの様子がおかしいのだ。
本人は普段どおりに振る舞っているつもりなのだろうが、こちとら長い付き合いだった。
あまり良い事を考えていない時は、空気でわかる。
36 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:34:03.37 ID:+aALf80RO
( ^ω^)(・・・・こういう時はろくな目に遭った例しがねぇ)
ツンに度々噛み付かれ、城では怪物に襲われ、逃亡にも失敗・・・・と、
すでに色々とろくでもない目に遭っている。
これ以上何事も起こらなければ良いが、とブーンは思った。
宿を出てからマウスは、まっすぐ城へと向かった。
ミセリには先に城の前で待っている、と言われている。
一緒に出れば良いと思ったが、彼女はどうやら「待ち合わせ」をご所望らしい。
わりとませた娘のようだった。
37 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:38:03.33 ID:+aALf80RO
ミセ*゚ー゚)リ
階段を昇ると、こちらに背を向ける形でミセリが立っているのが見えた。
あえてマウスには気付かない振りをしているようだ。
一応そっと近付き、彼女が期待しているだろうベタな台詞で声を掛ける。
ノ(゚ー゚リそ「ごめん、待った?」
ミセ*゚ー゚)リ「ううん、あたしも今来たトコ!」
そんなワケあるか。
そう思ったが、振り向いたミセリの可愛い笑顔を前にして、
突っ込みの言葉はどこかへ行ってしまった。
( ^ω^)(恐ろしい子・・・・ッ!)
・・・・案内マウスとは似た者同士なのかもしれない。
38 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:42:04.30 ID:+aALf80RO
ミセ*゚ー゚)リ「では!まずはお城のご案内をします!」
そう言ってミセリは城門前に進み出た。
ミセ*゚ー゚)リ「・・・・と言ってもあたしは中に入れないけど。
音楽家さんはもう来たことあるよね」
ミセリが城の東西に立つ塔を順に指差しながら説明を始める。
ミセ*゚ー゚)リ「向かって左側の塔にクー様、右側の塔にショボン様が住んでるんだよ」
ノ(゚ー゚リそ「あー、あっちは卿の部屋なんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「ん?」
ノ(゚ー゚リそ「え?」
ミセ*゚ー゚)リ「こっちがクー様のお部屋だって事は知ってるんだね」
ノ(゚ー゚リそ「あー、うん、まぁ」
夜中に忍び込んだからね、とは流石に言えない。
39 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:46:03.92 ID:+aALf80RO
ミセ*゚ー゚)リ「お城の裏には神殿があって、結婚式はそこでやるの。
きっとスゴいんだろうなぁ!」
ノ(゚ー゚リそ「結婚式には街の人達も来るんだね」
ミセ*゚ー゚)リ「うん、それどころか島中の人が来るんだよ!」
ヴィップの人口は400人程と言っただろうか。
小さい島ながら、なかなか盛大な結婚式になるようだ。
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ次は街を案内するからついてきてね!」
ノ(゚ー゚リそ「はーい」
ミセリが先に立って階段を駆け降りた。
マウスはその後を、歩いて追い掛ける。
ノ(゚ー゚リそ「・・・・ここは海がよく見えるなぁ」
ヴィップの城は山の裾、小高い場所に建てられている。
正面には市街の中央広場、海との間に障害物は無かった。
中央広場のそのまた中央にそびえ立つ、白い布を被った大きなモニュメント。
それ一つ除いては。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:49:20.15 ID:Ysl3md5kO
しえ
41 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:50:04.20 ID:+aALf80RO
ノ(゚ー゚リそ(そう言えばアレって何なんだろう)
島に来た時から気になっていたので、この際ミセリに聞いてみようと思った。
ミセ*゚ー゚)リノシ「音楽家さん早く早くー!」
広場では一足早く降りたミセリが、こちらに向かって手を振っている。
軽く手を振り返して、マウスは一気に階段を駆け降りた。
#6 おわり
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:56:30.59 ID:Ysl3md5kO
おつー
43 :
◆LtLEF9zahg :2009/03/08(日) 14:58:23.47 ID:+aALf80RO
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:59:19.09 ID:2O0TxyLbO
乙カレー!
おつかれー
のんびり待ってるよー