( ^ω^)ブーンはフォースを駆るジェダイのようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ああああ規制うぜええええ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:07:39.93 ID:qjaoCEzgO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:09:57.48 ID:qjaoCEzgO
・ダース=モールの動きはテラデンジャラス
( ・3・)「激しく同意」
从゚×ナ从「今回の作品を書くにあたって元ネタEP1を改めて検証してみたんやけど、相当際どい動きをしてるで、あのハゲ」
(;・3・)「うぉいwwwww」
从゚×ナ从「ちなみに『ダブルライトセイバー』という表記は、EP1をノベライズ化した書籍内で、
幼いアナキンがモール卿の使う剣を(たしか)そう言い表していた所から取ったんや」
・スーパーエージェントセーバーやらなんやらって、ジェダイによって違うの?
( ・3・)「『スーパーエージェントセイバー』と『ツインセイバー』は本作のオリジナル設定です」
从゚×ナ从「元ネタではライトセイバーに使うクリスタルの種類や数によって、刀身色や柄の形程度にしか個体差はでないみたいやな」
( ・3・)「まだ詳しくは語れませんが、エージェントはライトセイバーの中でも最強の攻撃力を誇る武器と認識して頂ければOKです」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:14:50.23 ID:qjaoCEzgO
・共和国はクローン兵団を常備軍として保有して無いの?
若しくは共和国軍の前身である共和国保安軍は出てこないの?
从゚×ナ从「新生共和国は軍隊を持ってないんや。
重要な都市や惑星を守る為に自前の武装組織をいくらか保有しとるけど、それも警察に毛が生えた程度のもので、
大規模な活動は全て法人化されたPMCを使ってるわけやな。
その辺りの詳しい説明はいつかブーンがしてくれるやろ」
( ・3・)「規制って大変ですね。解答が遅れて申し訳ないです」
从゚×ナ从「ほな、エピソード2完結後にまた会いましょ」
( ・3・)「「ばいび〜」」从゚×ナ从
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:17:13.62 ID:qjaoCEzgO
遠い昔、遥か銀河の彼方で―――――
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:20:17.41 ID:qjaoCEzgO
Episde2:カーシェスバイト視察
惑星カーシェスバイトの保有する資源衛星が、何者かによって大量に強奪された。
今や数百数千もの星々と貿易をする事が当然となったこの宇宙において、国の資本の一つとなる資源衛星はなくてはならない存在である。
こと発展途上惑星にとって資源の枯渇は国力の枯渇を意味する。
内政事情により表立った行動が行えないカーシェスバイトは、事の次第を調査するようジェダイ評議会に依頼を出した。
幻のドロイド軍探索以降、長めの休暇を取っていたブーンことジェダイナイト・ナイトウ=ホライゾン。
彼は、その任に当たる為にジェダイ評議会へと召喚される。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:25:29.96 ID:qjaoCEzgO
Episde2
〜SHOT-1〜
■惑星VIP:ジェダイ聖堂
( ^ω^)「それは……ジェダイの任務なのでしょうかお?」
/ ,' 3「そう言うでない。あらゆる任務に無意味な物などないぞよ、マスター・ホライゾン」
円形を為す評議会室に呼び出されたブーンは、自分を取り囲む六人のマスタージェダイの一角を見つめていた。
華やかで苛烈な使命を常に帯びているように思われがちなジェダイだが、
実際に言い渡される内容は地味で単調な内容である事が多い。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:28:21.11 ID:qjaoCEzgO
不服を感じるブーンを戒めるジェダイの名はアラマキ=スカルチノフ。
出身惑星も年齢も謎に包まれており、新生ジェダイの中では最古の人物とされるジェダイマスターだ。
体長は僅か五十センチ程。
緑色の皮膚に生えた頭部の白髪が、彼が重ねた年齢を物語っている。
/ ,' 3「先程も説明した通り、カーシェスバイトのデブリ群に存在する資源衛星が大量に盗掘された」
( ^ω^)「海賊ではないのですかお? カーシェスが保有する軍隊の怠慢では?」
/ ,' 3「どちらにせよ犯罪行為である事には違いない。今回の依頼はカーシェス代表の元老院議員直々のものじゃ。無下にはできん」
上野ハリコレ閉店についてどう思う?
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:31:21.05 ID:qjaoCEzgO
指令の概要は衛星強奪の犯人探しだ。
海賊か、もしくは第三者の仕業かは分からない。
それを二人で確かめろということだった。
( ゚д゚ )「その二人目はまだ来ないのか」
白髪の角刈り男が唸る。
実は、今回の任務はブーンと同じ、弟子を持たないジェダイナイトがもう一人召喚されていた。
そのジェダイは遅刻しているらしく、指定された時刻が十分過ぎた今でもこの場にはいない。
( ^ω^)「マスター・ミルナ。ジョルジュは多忙の身ですので、どうかご容赦を」
( ゚д゚ )「優しきマスター・ホライゾン。我が愚弟を庇う必要は無い。まったく、一人立ちすれば少しはしっかりすると思ったのだが……」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:33:51.90 ID:qjaoCEzgO
_
( ゚∀゚)「ちゃ〜す。遅れました〜」
慌ただしい音と共に慌ただしい男が部屋に転がり込んできた。
またか、という溜め息がジェダイの長達から漏れる。
息を切らしながらブーンの横に立つその遅刻者は、凛々しい眉毛を携える浅黒い肌の青年だ。
金髪モヒカンヘッドをばっちりとキメた優男の名はジョルジュ=ランダビート。
女性の胸に至高の価値を見出だすジェダイナイトである。
(,,゚Д゚)「マスター・ジョルジュ。仮にも君は人々の模範たるジェダイナイトなのだ。時間は守れ」
睨みを効かせる鋭眼の男に、ジョルジュは頭を掻きながら縮こまった。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:36:20.40 ID:qjaoCEzgO
_
(;゚∀゚)「申し訳ありませんマスター・ギコ。瞑想をしていたら遅れてしまいまして」
( ゚д゚ )「どうせ瞑想中にそのまま寝入ってしまったのだろう。馬鹿者め」
_
(;゚∀゚)「勘弁してくれよ先生……」
/ ,' 3「既に任務に関する一通りの説明はマスター・ホライゾンにしておる。早速、現地の使者と調査に当たるのじゃ」
咳ばらいをしたアラマキが速く行けと手を振った。
/ ,' 3「今回の事件には何やら奇妙な物を感じる。マスター・ホライゾン。マスター・ジョルジュ。フォースと共にあれ」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:38:34.04 ID:qjaoCEzgO
※※ ※※ ※※
_
( ゚∀゚)「あ〜あ。怒られちまったなあ」
ジェダイ専用の宇宙船発着場。
青色の光高速船を整備するドロイド達を見ながらジョルジュが呟いた。
( ^ω^)「その時間のルーズさは、いい加減に直すべきだお。信用は約束と行動によって得るものだお」
離星の手続きをするブーンが、電子ボードに筆を走らせながら青年を戒める。
ジョルジュはナイトの称号を得て、まだ半年程しか経っていない新米ジェダイだ。
女性の関心を無駄に引き寄せる顔立ちを裏切らず、彼は必要以上に自由奔放なきらいを持っている。
ブーンとジョルジュの付き合いはジョルジュがパダワンの時代にまで遡るが、彼の性格は昔からどれだけ叩いても直る気配が無かった。
それでも彼に好意を寄せる者が尽きないのは、裏表がない明瞭で快活な人格を有しているからこそなのだろう。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:41:09.84 ID:qjaoCEzgO
_
( ゚∀゚)「なあブーン」
( ^ω^)「任務中ぐらいは先輩に敬語使えお」
_
( ゚∀゚)「固いこと言うなってwwww」
( ^ω^)「”鉄人”ミルナ=ダルマンの弟子が、何故ここまでぱぁぱぁに育ったのか疑問に思うお……それで?」
_
( ゚∀゚)「例の本が手に入った」
( ^ω^)「お?」
不適な笑みを向けるジョルジュにブーンはボードから顔を上げる。
彼の怪しい表情の裏に何があるのか、ブーンはおおよその検討がついていた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:46:56.21 ID:qjaoCEzgO
_
( ゚∀゚)「手に入ったのさ」
_
( ゚∀゚)+「超時空アイドル☆ニダーたんのパーフェクト写真集(初回限定生産版)がな」
(#^ω^)「やっぱりか! あんなロリ顔とは縁を切れと何度も言ってるお!?」
_
(#゚∀゚)「なんだと! 確かにニダーたんは貧乳だが、彼女だけは特別だ!」
(#^ω^)「犯罪者予備軍乙。何が『巨乳マイスター(自称)』だお。お前、もう僕と同じ船に乗るなお!」
_
(;゚∀゚)「ニダーたんは例外だって言ってんだろ!」
猥談論争を始める男二人に、整備を終えたドロイドが怖ず怖ずと出発の準備が整った事を告げた。
早く出発しなければ次の出発をを待つジェダイからクレームが来てしまう。
変態達は小競り合いを続けつつ、渋々船のタラップを踏んだ。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:51:50.44 ID:qjaoCEzgO
_
( ゚∀゚)「さてと。行きますか」
コックピットに乗り込み、馴れた手つきでエンジンを起動する。
あらゆる手順は機械が全て行ってくれるが、最終的な確認と指示を出するのはいつの時代も人間の仕事だ。
( ^ω^)「反重力スタビライザー起動。オートパイロットモードに切り替えるお」
宇宙旅行も随分と楽になったものである。
ブーン達を載せた船は、航空官制誘導の元、人の手を借りずにぐんぐんと空へと昇っていく。
五分と立たない内に青く澄んだ空が真っ暗な闇と化した。
船内の重力発生装置が絶妙なタイミングで起動している為、ブーン達が無重力を体感する事はない。
_
( ゚∀゚)「なんていうか、やっぱ宇宙に出る時はワクワクするよな」
( ^ω^)「そうかお?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:55:23.71 ID:qjaoCEzgO
黒の世界に点をちりばめたような星々が広がっている。
代わり映えのない、つまらない世界だ、とブーンは思う。
彼は無機質な宇宙よりも重力下の青空の方が好きだった。
ついでに言えば、エンジン音を極限にまで低くした味気無い航空機よりも、派手な騒音を撒き散らすジェット機の方が何倍も好きだった。
この世に生を受けて三十ニ年。
ブーンの古典的ロマン思考が支持されたことは一度足りとも無い。
_
( ゚∀゚)「ブーンはアンティークが大好きだよな。あんな燃費も悪くて性能も低い堅物の何処が良いのかね」
( ^ω^)「ふん。数十万年前の偉大な御先祖様が作り出した大発明を愛でて何が悪い」
踏ん反り返るブーンに、アストロメクドロイドが笛を鳴らした。
どうやら超光速に突入する準備が整ったようだ。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 22:58:17.05 ID:qjaoCEzgO
_
( ゚∀゚)「カーシェスバイトはハイパースペースで三時間ほどか。一眠りできそうだな」
( ^ω^)「こら、ちゃんと座標を再確認しろお。
超光速はワープじゃないんだから……航路上に恒星があったら一瞬で蒸発しちまうお」
_
( ゚∀゚)「おい、ビコーズ。御主人様はお前の演算機能が当てにならないってよ」
( ∵)「プーン」
悲しそうな電子音を鳴らすのはブーンの相棒であるビコーズだ。
正式名称は『R4-P7』
ドラム缶に反球を載せたような形をしており、緑と白を組み合わせたカラーリングが施されている。
俗にアストロメクドロイドと呼ばれる代物だ。
普段はブーンのサポート役に徹しているが、持ち前の高性能AIを活かした単独活動も可能で、それがビコーズの売りでもあった。
彼(?)の気転でブーンが命を救われる事も何度かあり、とある出会を経て以来、二人は常にタッグを組んで任務を熟している。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:01:03.41 ID:qjaoCEzgO
( ^ω^)「おっおっお。そんな恩人を無下にする僕ではないお。ビコーズは頼れる相棒だお」
( ∵)「ピピッ!プッ!」
_
( ゚∀゚)「うし、座標確認完了。ハイパードライブ起動!」
( ^ω^)「出力全開。各システム正常。オールグリーン」
小気味よい機械音が船を揺らす。
_
( ゚∀゚)「ボソン・ジャンプ!」
( ^ω^)「ちげーよ」
瞬間。
煌めいていた無数の星が一斉に尾を引いた。
シートに身体が押し付けられ、身体に対して鉛直にGが加わる感覚に包まれる。
数百光年という途方もない距離を、僅かな時間で行き来できるハイパースペースへ船が突入したのだ。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:05:07.27 ID:qjaoCEzgO
_
(*゚∀゚)「感じる! ワタシ、Gを感じてるのぉおお!!」
( ^ω^)「慣性力なんてほんのニ、三秒で感じなくなるんだから……騒ぐ程のもんじゃないお」
_
( ゚∀゚)「夢が無い人だねぇ。ビコーズ、お前もそう思うだろ?」
( ∵)「プピ?」
減らず口を叩く後輩を無視し、席から立ったブーンは別室の情報管理室へと向かう。
予定では、カーシェスバイト近辺のデブリ帯で現地の調査員と合流する手筈となっていた。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:08:43.08 ID:UiubDoLS0
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:09:45.59 ID:qjaoCEzgO
カーシェスは畜産や希少鉱物の輸出を生業とする第一次生産惑星だ。
近年になって特殊な性質を持つ合金の開発に成功たらしく、それを契機に、発展途上国としての位置付けから離脱を計っているとブーンは聞かされている。
( ^ω^)「(今回はその合金絡みの問題なのかお?)」
ジェダイとてその数には限りがある。
先人達の功績により、現在ではその個体数は数千単位にまで膨れ上がっているが、
それでも、銀河中の問題を解決するには頭数があまりに少な過ぎた。
各惑星から舞い込む依頼を吟味し、採用しているのは六人のマスタージェダイ。
このマスター達によって構成されている組織が、所謂ジェダイ評議会と呼ばれる存在だった。
彼等はナイトであるブーン達を遥かに凌ぐ力を有しており、ジェダイの能力の一つとされる未来視も群を抜く精度を誇っている。
つまり、先のアラマキが述べたように、ジェダイが熟す任務に無意味なものなど一つもない筈で、今回の依頼も何かしら事情が絡んでいるに違いなかった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:11:09.79 ID:UiubDoLS0
支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:15:28.32 ID:qjaoCEzgO
( ^ω^)「(そのマスター達が選んだ今回任務。何か黒い物を見て取ったのか。それとも……)」
ジェダイの予知能力が正確無比であるとは限らない。
結局は、現地に派遣された自分達が事件の背景を見抜くしかないのである。
改めてそう考え直したブーンは、評議会から提供された情報を自前の携帯デバイスにインストールすると部屋を後にした。
( ^ω^)「僕は少し休むるお。船の方はよろしく頼むお」
_
( ゚∀゚)「えー! 自分だけサボるつもりかよ」
( ^ω^)「遅刻した罰だお」
背後から聞こえる批難の声を再び無視してブーンは仮眠室へと向かう。
VIPとカーシェスバイトとの時差は三時間程度。
つまり、時差ボケ対策をする必要は無いのだが、現地に着けば慌ただしくなることは確かである。
休めるうちに休んでおくのが、万事の鉄則なのだ。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:17:42.35 ID:qjaoCEzgO
※※ ※※ ※※
( ”ー”)「カーシェスバイトへようこそ。マスタージェダイ」
意外にも、目的地へと辿り着いたブーン達が最初に案内された場所はカーシェスの惑星内であった。
てっきり衛星軌道上で簡素なやり取りをするのだと踏んでいた二人のジェダイは、巨大な古城に迎えられるという予想外のもてなしに少なからず動揺する。
何故なら、こういった”やり口”に出くわす時は、いつだってろくな事が起きないからだ。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:19:57.31 ID:UiubDoLS0
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:20:20.16 ID:qjaoCEzgO
( ^ω^)「いやはや、これはまた随分な……我々は政治家ではありませんお?」
( ”ー”)「勿論存じております。主からジェダイの使者には、粗相のないようにと申し付けられております故」
主とは、恐らくこの星の統治者かそれに近い者のことだろう。
案内役を任された執事は物腰が丁寧だが、宇宙からの来訪者に少なからざる警戒心を内包していることをブーンは感じ取っている。
慣れていないのだ。
ひょっとしたら、この役回りは城で働く執事本来の仕事ではないのかもしれない。
もっと言ってしまえば、この城そのものも銀河の来賓を招く為の場所ではない可能性もあった。
( ^ω^)「(『主=ここの城主』と考えて差し支えないみたいだお。
共和国推奨の共通語を話せるのもこの執事だけみたいだし……キナ臭いお)」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:22:57.17 ID:qjaoCEzgO
招かれた城は大理石をふんだんに使ったいかにも権力者らしい構えとなっている。
案内された貴賓室も贅沢な造りだ。
基本的に貧困に喘ぐことが多い第一次生産惑星にしては、随分と立派なモノを携えているように思える。
_
( ゚∀゚)「やべえwwwwwフルーツうまーwwwww」
( ”ー”)「菜園で取れた自慢の果物を揃えてみました。
マスタージェダイは動物肉はあまりお召しにならないと聞き及んでいましたので……」
金と銀で飾られた長机の上には籠一杯の青果がいくつも並んでいる。
見た事もない食物に喜びつつ、それらに手を出すジョルジュに執事は満足そうに微笑んだ。
_
(#)゚∀゚)「あ、肉とかも全然おkっすよwwwあれはあくまで自主的なぶっ!?」
執事の見えない机の下でブーンがジョルジュの足先を踏み付けた。
放っておけば、この眉毛は延々と口を動かし続けるに違いない。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:22:58.84 ID:UiubDoLS0
支援
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:25:45.79 ID:qjaoCEzgO
( ^ω^)「いえ。これだけでも十分過ぎますお。ありがとうございます」
( ”ー”)「左様でございますか。主はもうじき到着すると思いますので、しばしお待ちを」
一礼をした執事は気を効かせたのか、そのまま貴賓室を後にした。
_
( ゚∀゚)「ブーン。どう思う?」
二人だけとなった大きな部屋の中。
ジョルジュが小さな声でブーンに話し掛ける。
( ^ω^)「何が?」
_
( ゚∀゚)「この扱いにさ。ただの調査依頼にしちゃ豪勢過ぎじゃね?」
驚いた。
何も考えていない男かと思っていたが、流石のジョルジュもこの待遇に違和感を感じているらしい。
ブーンがそれを口にすると、若き青年は不服そうな顔して林檎らしき物に噛り付く。
7:3ヒゲダルマ!
・・・と思ったらひげなしオビ=ワンかあ
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:30:02.20 ID:qjaoCEzgO
_
( ゚∀゚)「……マスター・ホライゾン」
( ^ω^)「なんだお。マスター・ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「貴公は小生の事をどう見ているのかね」
( ^ω^)「おっぱい・胸・バスト」
_
( ゚∀゚)「全部同じじゃねーか」
( ^ω^)「だってそうじゃん」
( ”ー”)「マスタージェダイ。主が到着しました」
執事と一緒に複数の側近が現れた。
一同が頭を低くする中で城主と思しき人物が入室する。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:33:14.27 ID:qjaoCEzgO
(メ" -" )「悪いが席を外してくれ」
席に座るなり、城主は配下の人間に下がるよう命じた。
当然ながら一部の側近がその命令に異を唱え始める。
ブーン達のことが信用できないのだろう。
考え直すよう何人かが進み出るも、城主はそれを片手で圧し下げてしまった。
(メ" -" )「ああ、諸君も掛けてくれ」
結局、側近達は全員追い出されてしまったようだ。
直立したまま一部始終を見守っていたブーン達に、城主は席につくよう求める。
今、この部屋にはジェダイ二人と城主を合わせた三人しかいない。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:36:24.24 ID:MWRdDoCYO
スターウォーズさっぱりな俺でもコレは楽しめるから好きだw
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:38:03.23 ID:qjaoCEzgO
( ^ω^)「…………」
改めて今回の依頼主を観察してみるブーン。
城主の体格は平均的なヒトガタのようだ。
妙齢の域に入った髭面の男性で、カーシェス独特の双眼の横に刻まれた、古い剣傷が特徴的である。
雄大な建築物の所有者に相応しい立派な服を着込んでおり、覇気と同時に品位の高さも伺えた。
ブーンは金持ちが好きではない。
ただ、この男は今まで見てきたブルジョアジーとは何処か違うモノを有しているように思えた。
それが持って生まれた覇気なのか、権力者特有の雰囲気なのかは分からない。
( ^ω^)「良いのですか?」
(メ" -" )「側近のことか。構わん。それより挨拶が遅れたな」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:41:40.23 ID:qjaoCEzgO
城主は自らをマエストと名乗った。
聞けば、古来よりこの惑星を統治してきた王族の一角で、現在はカーシェス周辺宙域の警備を任されているらしい。
この顔の傷は、海賊との戦いで指揮を取っていた際にできたものなのだとマエストは語る。
_
( ゚∀゚)「マエスト卿。それで、今回の依頼に関してですが……」
早速ジョルジュが本題を突っ込んだ。
ジェダイ屈指の色男は、その言動に反して、いざ仕事となれば案外真面目に働く人間である。
平時のふざけた振る舞いが、ある程度許容されているのも、彼が出す物をきっちり出しているからかもしれない。
もっとも、彼を育てた師は独立した弟子の無茶苦茶な行動が頭痛の種になっているようだが。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:42:40.88 ID:UiubDoLS0
支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:42:58.47 ID:MWRdDoCYO
紫煙
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:44:36.92 ID:qjaoCEzgO
(メ" -" )「うむ……」
ジョルジュの問い対して、マエストは何故か口を濁したまま一向に話を進めようとしない。
”それ”を話すべきか否か悩んでいるようだ。
( ^ω^)「マエスト卿。我々とて超能力者ではありませんので、今回の依頼についてお話し頂かなければ動きようがありませんお」
(メ" -" )「…………」
( ^ω^)「仲間内には話せない内容なのでしょう。だからこそ本来ならば謁見の間で執り行うべきやり取りを、
人払いがしやすい貴賓室で行った。違いませんかお?」
(メ" -" )「……流石はジェダイ。全てお見通しということか」
ブーンの的確な問いに観念したのだろう。
マエストは周囲に側近がいないかを改めて確認すると、調子を落とした声で語り始めた。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:47:53.07 ID:MWRdDoCYO
試演
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:50:37.87 ID:qjaoCEzgO
やはり、訳有りか。
気落ちする感情を表に出さないよう、ブーンは城主の内緒話に耳を傾ける。
(メ" -" )「諸君らも知っている通り、我が国は銀河内において第一次生産惑星という認識下にある」
_
( ゚∀゚)「食料や資源を輸出する農業的な星ってことですね」
(メ" -" )「うむ。口惜しいが、いわゆる弱小惑星と言う奴だな」
( ^ω^)「それが今回の依頼とどんな関係が?」
(メ" -" )「では率直に言おう。今回、ジェダイに依頼した資源衛星を強奪した犯人探し……あれは嘘だ」
_,
( ゚∀゚)「?」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:50:42.50 ID:MWRdDoCYO
紫炎
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:52:55.59 ID:MWRdDoCYO
睡蓮
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:53:14.50 ID:UiubDoLS0
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:53:14.90 ID:qjaoCEzgO
ジョルジュが眉ねを寄せた。
口を開きかける後輩を制止ながら、ブーンはマエストに続きを話すよう促す。
(メ" -" )「正確に言えば、犯人はもう分かっておる」
( ^ω^)「どういうことですかお?」
(メ" -" )「実は……貿易担当大臣が何者かに衛星を大量に横流ししているようなのだ」
_
( ゚∀゚)「横領ですか。相手は?」
(メ" -" )「分からん。ただ、その横流しが始まって以来、我が国の国庫には莫大な資金が供給され始めた。献納、という形でな」
カーシェスバイトは近隣衛星で希少なレアメタルが豊富に採掘されている事で有名だ。
現代技術にはなくてはならない鉱石ということもあり、それらは相当な高値で日々取引されている。
その為、銀河共和国はレアメタル産出惑星に対して、ある程度の輸出制限をかけていた。
そうしなければ強国が一方的に資源を独占し、市場の公平性が失われてしまうからだ。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:55:32.40 ID:qjaoCEzgO
( ^ω^)「公正取引法によれば、レアメタルの取引は銀河共和国が認可したルートでなければ売買できない決まりになっていますお」
(メ" -" )「無論、心得ておる」
_
( ゚∀゚)「だったら、何故その大臣を逮捕しないのです。違反が露見すれば国際社会の批難は免れませんよ」
(メ" -" )「それも分かっておる。だからこそ諸君を喚んだのだ」
( ^ω^)「と、言いますと?」
(メ" -" )「所詮、私は宇宙警備を担当するだけの弱小役人だ。
大臣を摘発するだけの力は無い。国会へ審議を出す前に握り潰されるのがオチだろう」
(メ" -" )「つまり、できる事が限られている。
幸いにして我が国の元老院代表は私と旧知の仲だ。
今回は彼に頼って諸君とこうして連絡を取れたわけだが……」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:55:59.98 ID:MWRdDoCYO
C円
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:57:53.26 ID:qjaoCEzgO
前触れもなくマエストは立ち上がる。
そして、何事かと驚くブーン達に向かって深く頭を垂れた。
(メ" -" )「頼む! 諸君の力で、今回の件を穏便に処理してはくれまいか。
始めにも言った通り、我が国はたいした力も持たぬ弱小国家だ。
国際社会から制裁を受ければ、文字通り我が国は干からびてしまう……!!」
_
(;゚∀゚)「ちょっと。マエスト卿、顔を上げて下さいよ」
( ^ω^)「良いのですかお? 我々はあくまで銀河共和国に忠誠を誓った身。状況によっては貴星を告発することにもなりますが」
(メ" -" )「構わん。まだこの程度ならば厳重注意で済む筈だ。
だが……あのやり取りが実行されて、それが露見してしまったら……」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/03(火) 23:59:18.02 ID:MWRdDoCYO
紫炎
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:01:33.38 ID:XW9xU7S8O
今度は、崩れ落ちるようにして椅子へ座り込んでしまうマエスト。
誰にも相談できず、相当な心労を重ねていたのだろう。
顔色が優れない城主にジョルジュが慌てて駆け寄った。
その傍ら、マエストの気になる発言を耳にしたブーンが彼に追求する。
( ^ω^)「失礼。あのやり取り、とは? もう少し詳しくお聞かせ願えますかお」
(メ" -" )「それを話す前に、どうか約束して欲しい。あいつを止めてくれると」
( ^ω^)「あいつ?」
(メ" -" )「グレイン=シャフト。貿易担当大臣……」
城主は神に祈る。
正義の執行機関であるジェダイを喚んでしまった以上、もう後戻りはできない。
言うなれば、これはマエストにとって最後の手段であり、同時に賭けでもあった。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:01:42.25 ID:XdwLM/eXO
水園
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:03:27.69 ID:AP+zr+4L0
支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:03:44.55 ID:XW9xU7S8O
それでも、彼等ならばこれ以上の悲劇をきっと食い止めてくれるであろう事を信じ、苦汁を吐くようにして彼は告白する。
(メ" -" )「資源衛星を横流ししている男はグレイン=シャフト。彼は……彼は、国を思うあまり、悪魔に魂を売ろうとしている」
(メ" -" )「マスタージェダイよ。頼む……我が友の暴走を止めてくれ」
to be continued...
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:04:13.68 ID:XdwLM/eXO
酒宴
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:04:57.40 ID:yzvXeQBhO
し、支援
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:06:37.17 ID:AP+zr+4L0
乙!!!
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:06:42.15 ID:XdwLM/eXO
詩園
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:07:05.80 ID:XW9xU7S8O
本日の投下は以上です。
支援して下さり、ありがとうございました。
それと前回質問して下さった方々。
ごめんなさい。規制の影響で、解除された時には既にスレが落ちてしまっていました。
冒頭に続きを載せておきましたので、御一読下さい。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:09:24.96 ID:XdwLM/eXO
続きにwktk
乙〜
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/04(水) 00:11:32.41 ID:1OJyXeu7O
乙 これは乙じゃなくてポニテうんぬん
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙