アヒルと鴨のコインロッカー

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146名無シネマ@上映中
伊坂幸太郎は嫌な奴だ。
人に散々2001年宇宙の旅に匹敵するような絶望的なタイクツ感を味あわせた挙句、こっちが、おやっ?と気づいた瞬間に、指数関数的にクライマックスに持ってきやがる。
奴の描くパラレルワールドのいやらしい点は、感情移入をさせないところだ。おいら椎名なのか? 琴美なのか? だから、退屈。「ラッシュライフ」なんか、映画化できるもんか!と叫びたくなる。
 
やほーのレビューにもあったけど最初は退屈。しかし、おいらはその退屈感を十分味わってから、クライマックスを頂きたかった。
終わりよければ全てよし!が持論だから。
 
んでもって、なんでこの映画で泣ける?
「shall we dance?」の中盤で泣いて、友人に散々馬鹿にされたおいらが、この映画はちっとも泣けなかったし、その兆候もなかった。

エンディングが退屈だったことが気に入らない。それだけ。
時間の進み方が原作とはかけ離れているのが気に入らない。それだけ。
原作の三角関係がきっちり描けていないのが気に入らない。それだけだ。
とは言うものの、ん〜、仕方ないんだろうなぁ・・・
原作を知らない人を退屈にさせない。
アレを表現するには、こうするしかないし。
時間内に収めるための三角関係の省略。 
原作の持つリズムが読めないおいらにとって、映画のリズム感は心地よかった。どの作品にもある陰惨な一面を、軽〜く描いてしまう伊坂ワールドってこんなノリだよね?
評価をすれば64点。サンブンノニをちょっとだけ下回る。期待をすれば裏切られるし、期待をしなければ満足できる作品。
それは何となく、仙台という街にも酷似している。 
だからこの映画は好き。