情報公開

第三セクターの文書非公開決定を取り消し

　岩槻駅前の再開発ビルを管理する岩槻市の第三セクターに関する文書を公開しなかったのは違法だとして、同市の市議が佐藤征治郎市長に対し、非公開決定の取り消しを求めた訴訟で、さいたま地裁（豊田建夫裁判長）は９日、非公開決定を取り消した。

　対象になったのは、岩槻都市振興株式会社で９９年４月〜０１年６月に開催された取締役会の開催日時と議題を記載した文書（取締役会招集通知書）。同社は岩槻駅東口の再開発ビル「ワッツ」を管理しており、９４年１１月の設立当初から代表取締役には市長が就任している。同ビルの中心になっている岩槻サティの存続・撤退が取りざたされている時期で、原告の笹井敏子市議（共産）は「同社がどの程度議論しているかを知りたい」として公開を求めていた。

　市側は「同社は市とは別の法人格を持つ第三セクターで、市の情報公開条例の対象外」「文書は個人として同社の代表取締役の立場で取得した」などと主張した。

　しかし、判決は「市長がこれまで同社の代表取締役に選任されているのは、市が同社の約６７％の株式を保有する大株主だからにほかならない。実質的に市長兼代表取締役あての文書というべき」と指摘。

　文書が市秘書課で保管されていることも踏まえ、「市長など実施機関が職務上作成するか取得した文書で、管理しているものに該当する」として、公開対象情報にあたると判断した。

　原告の笹井市議は「第三セクターの文書公開を拒んでいる市の姿勢を改める画期的な判決」と評価。市は「判決内容を見てから今後の対応を検討したい」としている。
（朝日埼玉版、7/10）

我々の民主主義とは、まだこの程度のレベルなのだ。

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