☆廣島☆事件簿☆

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1名無しなんじゃ
広島市の暴走族追放条例案、1日提出 '02/3/1

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 市街地の公園などを占拠し、集会、たむろを繰り返す。「面倒見」を気取る暴力団組員らが背後で支配する―。広島市が一日に提出する暴走族追放条例案は、そうした固有の実態を一部罰則付きで禁止行為とする「広島モデル」である。街への愛着を損ね、平和都市の名をおとしめてきた暴走族の凶悪化と増長。「なんとかしようや」。市民の思いが引き寄せた条例実現への足取りをたどる。(暴走族取材班)

 ◇曲 折

 市民の追放機運の盛り上がり、市議会の働き掛け…。市はそんな「追い風」を背に、条例案の提出に踏み切る。

 「広島の暴走族」の悪名を全国に響かせたのが一九九九年秋の胡子(えびす)大祭(えびす講)の騒動。しかし、市が市街地での集会の規制を目指す条例の検討を本格化させたのは、広島県警が厳しい取り締まり姿勢を打ち出した昨年秋からだった。

 その後も、憲法が保障する集会の自由との関連、暴走族という集団の線引きなど高いハードルがあった。市内部での論議は停滞気味になった。

 ところが、今年二月に入ると一転、「早期実現」へ傾く。地元住民による大掛かりな「呼びかけ運動」に加え、条例先進地である姫路市や仙台市を視察するなど、世論を受け議会側の動きが活発化したことが影響した。呼びかけ運動には、多くの市職員も同行。住民の熱意と暴走族の実態を間近にした。

 定例会の「追加議案」としたことからも、急きょ条例案を仕上げた様子がうかがえる。しかし、市幹部の一人は「暴走族追放へ向け、住民も、警察も本気になっているタイミングを逃したくない」と、成立への意欲を明かした。

 ◇勇 気

 二百五十人の大人たちが、中区のアリスガーデンで集会を開く暴走族少年たちを取り囲んだ。二月十六日夜、住民たちでつくる市都心部環境浄化対策協議会が始めた「呼びかけ運動」。帰宅を促された少年たちは反発を見せながら、明らかに住民パワーに圧倒されていた。

 住民や商店主たちの週末の夜回り活動は、六年前からあった。打てど響かぬ少年たちの態度、市民に漂う無関心…。それでも粘り強い活動は続いた。八十歳の島田司朗さんが会長を務める「夜鶴の会」も、月一回の声かけ運動を欠かさなかった。

 昨年後半からは、県警の取り締まり強化などで暴走族の活動が沈静化。住民は勇気を後押しされた。「悪いことは悪いと言うべきだ」「住民の怒りを示そう」。呼びかけ運動は「自らわが街を守る」という思いの結実だった。

 「迷惑」「怖い」と感じられる行為を、法的に規制する条例案。最後に市の背中を押したのは住民の勇気ある行動だった。「条例実現など、暴走族問題の解決に向け糸口が見え始めたからこそ、手は緩めない」。対策協代表幹事の下井良昭さん(54)たちの運動は終わらない。

 ◇後ろ盾

 「警察は何をしているのか」。暴走族が公園をわがもの顔で占拠する実態に、疑問の声が上がる。取り締まりの法的裏付けを持たない広島県警の捜査員たちは歯ぎしりする思いだった。

 県警は昨年十月、刑事部門の捜査員を多数投入した暴走族特別取締本部を設置。面倒見を徹底摘発を進めた結果、暴走行為やひったくりなどの犯罪は減少した。

 一方で、市街地の公園でのたむろ、集会対策は、県警に残された「手の出しようのない部分」(幹部)だった。集会などを開く暴走族、千百人の警備体制を敷いた警察官。双方が連夜にらみ合った昨年十一月のえびす講の光景は、それを象徴していた。

 「公園の管理者として、集会などを規制する条例が必要」。招かれた市議会や市との協議の場で県警側は強調し、少年たちの行動を支配し上納金を巻き上げる「面倒見」の実態などを説明した。条例案には、そうしたプロセスが反映されている。